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2011-07-22 第177回国会 参議院 予算委員会 22号 公式Web版

  1. 平成二十三年七月二十二日(金曜日)    午前九時開会     ─────────────    委員の異動  七月二十一日     辞任         補欠選任      斎藤 嘉隆君     有田 芳生君      室井 邦彦君     行田 邦子君      岸  信夫君     長谷川 岳君      林  芳正君     山崎  力君      桜内 文城君     川田 龍平君  七月二十二日     辞任         補欠選任      石橋 通宏君     吉川 沙織君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         前田 武志君     理 事                 植松恵美子君                 川上 義博君                 水戸 将史君                 森 ゆうこ君                 礒崎 陽輔君                 猪口 邦子君                 衛藤 晟一君                 加藤 修一君                 小野 次郎君     委 員                 有田 芳生君                 一川 保夫君                 梅村  聡君                 大野 元裕君                 金子 恵美君                 小見山幸治君                 行田 邦子君                 榛葉賀津也君                 徳永 エリ君                 友近 聡朗君                 中谷 智司君                 西村まさみ君                 安井美沙子君                 吉川 沙織君                 米長 晴信君                 愛知 治郎君                 磯崎 仁彦君                 片山さつき君                 川口 順子君                 佐藤ゆかり君                 塚田 一郎君                 西田 昌司君                 長谷川 岳君                 福岡 資麿君                 山田 俊男君                 山谷えり子君                 石川 博崇君                 横山 信一君                 渡辺 孝男君                 川田 龍平君                 山下 芳生君                 片山虎之助君                 吉田 忠智君    国務大臣        内閣総理大臣   菅  直人君        総務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(地域主        権推進))    片山 善博君        法務大臣        環境大臣     江田 五月君        外務大臣臨時代        理        国務大臣        (内閣官房長官)        (内閣府特命担        当大臣(沖縄及        び北方対策、行        政刷新))    枝野 幸男君        財務大臣     野田 佳彦君        文部科学大臣   高木 義明君        厚生労働大臣   細川 律夫君        農林水産大臣   鹿野 道彦君        経済産業大臣        国務大臣     海江田万里君        国土交通大臣        国務大臣     大畠 章宏君        防衛大臣     北澤 俊美君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    中野 寛成君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(「新し        い公共」、科学        技術政策))   玄葉光一郎君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        自見庄三郎君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(経済財        政政策、少子化        対策、男女共同        参画))     与謝野 馨君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(消費者        及び食品安全)        )        細野 豪志君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(防災)        )        平野 達男君    副大臣        財務副大臣    櫻井  充君    大臣政務官        財務大臣政務官  尾立 源幸君    事務局側        常任委員会専門        員        藤川 哲史君    政府参考人        原子力安全委員        会委員長     班目 春樹君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○平成二十三年度一般会計補正予算(第2号)(  内閣提出、衆議院送付) ○平成二十三年度特別会計補正予算(特第2号)  (内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 前田武志

    ○委員長(前田武志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成二十三年度一般会計補正予算(第2号)、平成二十三年度特別会計補正予算(特第2号)、以上二案を一括して議題とし、昨日に引き続き、質疑を行います。渡辺孝男君。
  3. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 おはようございます。公明党の渡辺孝男でございます。  平成二十三年度補正予算、第二次の補正予算に関連して質問をさせていただきたいと思います。  今回の第二次補正予算案は、当初検討されておりました本格的な補正予算に比べまして、予算額も二兆円と少ない中途半端な予算案であると、そのように考えております。かえってこれを行うことによって、本格的な復興予算である第三次補正予算の編成等が遅れてしまうんではないかと、そういう懸念を抱いておるわけであります。総理は最初に一・五次補正予算と、そのようにおっしゃいましたけれども、こういうことをすることによって、本格的な補正予算、第三次となるわけでありますが、遅れてしまう、非常に残念であります。  被災者は、やはり今一生懸命生活を再建し、復興へ向けて頑張っておるところでございます。そのような被災された方々の人間の復興を阻んでいるものは、一つは二重ローンの問題、それでもう一つは原発事故による損害賠償の仮払いの遅れであります。これを早く解決をしなければいけない。  本来であれば、この問題解決に政府は本腰を上げてやらなければいけない、取り組まなければいけないときでありますけれども、残念ながら、国民や与野党、与党も含めまして、信頼を失った菅総理はリーダーシップに欠けまして、この本格的な対策ができておらない、そのように国民は見ておりますし、批判をしております。早期退陣が必要だ、そのような声が上がっておるわけでございます。そういう意味で、しっかりした災害復興対策、これを政府にはやってもらいたい、そのように思います。  そのような中で、公明党としましては、原発事故による損害賠償の仮払いを国が主導して早期に行う、そういう内容の法案を野党五党で参議院に提出をしまして、これが参議院で可決し、今衆議院の方に送られているわけであります。  そしてまた、二重ローン、この対策としましては、既往債務をこれを軽減し、そして被災者の事業再生を支援する内容の東日本大震災事業者再生支援機構法案を自民、公明両党で参議院に提出をしておりまして、この審議が行われる予定となっておりますけれども、こういう国会活動を、野党も被災者を救援するために真剣に国会活動をやっておるところでございます。  それでは、まず、遅れている原発の事故の損害賠償の仮払いについて質問をさせていただきます。  原子力経済被害を担当されている海江田経済産業大臣に、今回の原発事故被害者に対する仮払いの現状についてお伺いをしたいと思います。
  4. 海江田万里

    ○国務大臣(海江田万里君) 渡辺委員にお答えを申し上げます。  まず、政府指示により避難などを余儀なくされた住民の方々に対しては、四月末から仮払いが進められまして、七月二十一日までにおよそ五万四千世帯の方々に対して、金額にしまして約五百六億円が既に支払われたということでございます。  また、出荷制限などを余儀なくされるなど厳しい状況に置かれている農林漁業者に対しては、四月二十八日に示されました第一次指針を踏まえて、これも七月二十一日現在でございますが、五つの県の農業団体及び二つの県の漁業団体に対して約四十二億円が支払われたということでございます。  さらに、中小企業者などに対しては、避難区域等において被った営業損害について、五月三十一日に発表した具体的な仮払いの仕組みに基づき、これも七月二十一日現在で、約四千六百社に対しておよそ五十六億円が支払われたと聞いております。  なお、この避難を余儀なくされた方々に対しては、第二次分として、今度は一人当たり、先ほどは世帯当たりでございますが、十万円から三十万円を支払うという予定を組んでおります。
  5. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 今仮払いの状況をお話しいただきましたけれども、農林水産業に関しては四十二億円、団体からの請求に対しては四十一億円程度と考えておりますが、東京電力株式会社の西澤社長に七月十一日の東日本大震災復興特別委員会で私、質問をさせていただきまして、農林水産業関係の請求額がどれくらいかと、そのようなお話をお聞きをしたところ、三百六十六億円という回答がありました。それから見れば、四十一億円、団体に関してですよ、四十一億円でありますので、仮払いがその額の一割にしか満たない、大変少ないわけであります。  農林漁業者、特に漁業者、農業者、大変困っているわけであります。一刻も早く仮払い、これを少なくとも半分以上やると言っておるわけでありますから、しかもどんどんどんどん、毎月毎月積み重なっていくわけでありまして、仮払いをしっかりやってもらわなきゃいけない、早くしなければいけない、そのように思います。  これは国が責任を持ってやっていく。先ほどお話をしました野党案は、国が責任を持って仮払いを早急に行うという、そういう法案の内容であります。これをしっかり衆議院でも通していただきたいと、そのように思います。  次に、原発事故による被害は農林水産業に限らず広く観光業にも及んでいるわけであります。例えば、先日もお話がありましたけれども、会津への修学旅行は大変激減をしておるわけであります。山形県のサクランボ観光果樹園への来訪者、私、山形におりますけれども、これも少なくなっているということであります。これらの観光客の激減には原発事故による放射能汚染の風評被害の影響もあると、私はそのように思っております。  そこで、原発事故により観光業が被った風評被害の状況と、それらに対する補償、特に福島県の観光業被害に対する仮払いの検討状況につきまして、担当の高木文部科学大臣、そして海江田経済産業大臣にお伺いをしたいと思います。
  6. 高木義明

    ○国務大臣(高木義明君) 渡辺委員にお答えいたします。  御指摘の観光業の風評被害につきましては、既に出されました第二次指針においては、少なくとも福島県に営業拠点がある観光業については賠償の対象にしております。この対象外の被害につきましては、今、専門委員を任命をいたして、被害の実態あるいは事故との関連、詳細な調査活動を今行っております。  先般、審査会に報告された専門委員の観光業の調査によれば、ホテル、旅館の売上げについては福島県を中心に過去の同時期と比べて低調だということが一つ。二つ目には、観光施設の売上げについては、これはサンプル調査でありますけれども、福島、茨城、栃木の三県においては特に対前年比の五〇%減を示していると。こういう結論が示されておりまして、これまで対象になってないものについては、いわゆる風評被害については、この専門委員の調査結果を踏まえて、損害の範囲、こういったものについて七月いっぱいをめどに中間報告として、中間指針として、できるだけ早く取りまとめていただきたいと思っております。
  7. 海江田万里

    ○国務大臣(海江田万里君) 高木文部科学大臣からもお話がございましたが、委員御承知のように、観光業というのは大変多種にわたっておりまして、それで今東京電力としましては、中小企業の団体あるいは農林漁業の団体のときがそうであったように、団体ごとの話をしているということがございます。それから、これも委員先ほどお話ございましたけれども、福島県もやっぱり間に入ってもらわなければいけないということで、福島県とも話をしております。  ただ、それと同時に、先ほど委員からも御指摘がありました農林漁業の場合も、団体経由が、たしか私の手元のデータでは団体経由の方で四十二億円で、プラス個別の請求が一億円ありましたから、ですから当然こちらの観光業の場合もそうした個別の請求も出てこようかと思いますので、今そこの調整をやっているところでございます。
  8. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 観光業にとりましては、今そういうお客さんが激減をしている、また日帰りのお客さんも激減をしているということでありまして、大変死活問題になっておるわけであります。この観光業についての原発事故による影響、これをしっかり調査をしていただいて、早く仮払い、取りあえず仮払いを早くしてもらえるような方向でしっかり検討をしていただきたいと思います。  次に、特定避難勧奨地点について質問をさせていただきます。  局地的に空間放射線量が高いいわゆるホットスポットを政府は特定避難勧奨地点と指定しまして、希望する方には最大限の支援をすると、そのような方針を示したわけであります。これまでに伊達市、今回、南相馬ですか、その地域も指定をされるということでありました。  これにつきまして、どのような生活支援あるいは地域除染対策、そういうものの費用を負担をするのか、また負担を生じたことに対する損害賠償をどのようにしていくのか、海江田経済産業大臣、高木文部科学大臣にお伺いをしたいと思います。
  9. 高木義明

    ○国務大臣(高木義明君) 特定避難勧奨地点への対応についてでありますけれども、つい先般、紛争審査会において、この地点の設定をした考え方、そしてまたここにおられる住民への対応について、政府の担当部局、いわゆる内閣府に対してヒアリングを行っておりまして、賠償すべき損害の範囲については慎重に検討されております。これまでの審査委員会の議論において、少なくとも指定された地点の住民の皆さん方、避難した場合については、政府による避難指示があった場合と同等の扱いをすることが妥当ではないかと、こういう意見が述べられたと、そういうふうに聞いております。  いずれにいたしましても、この特定避難勧奨地点においても、これから、先ほども述べましたけれども、できるだけ早く個々に対する対応が進められるように、私としてはそのように求めてまいりたいと思っております。
  10. 海江田万里

    ○国務大臣(海江田万里君) 今、高木文科大臣からお話ございましたけれども、まず特定避難勧奨地点から避難される方々、これ、まず住宅の問題が真っ先に必要になってまいりますので、この住宅の問題、これも個々の家庭の事情はございますが、これはしっかりと個々の家庭の事情を踏まえて住宅を提供するということ、これが第一でございます。  それから、医療費や国民年金でございますが、この医療費や国民年金につきましてもこれは免除という形で、特例免除ということでございますが、そういう手だてを講じております。そのほかの、生活に万全を期すための支援をしていきたいと考えております。  それから、地域に残る方々もいらっしゃるわけでございますから、この方々に対しては、現地対策本部がそれぞれの自治体と協力をしまして、まず、やはり本当に残っていて安心なのかどうなのか、あるいは日々変化する放射性物質の量、これを正確に、モニタリングを通じて正確にお伝えをするということがこれが第一でございます。  そして、放射性物質の影響が生活をしていく上でどういうふうに配慮をしなければいけないのか、例えば今、夏でございますけれども、半袖で平気なのか、やっぱり長袖のシャツの方を着た方がいいのかなど、そうした細かい生活上のアドバイスをしていくということでございます。  それから、除染につきましては、平成二十三年度の第二次補正予算により、これは福島県内全域の市町村などが実施する通学路や公園などの線量低減事業に対して財政支援、これは百八十億円でございますが、これを手当てしてございます。
  11. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 私も七月十日に伊達市の下小国地域のところを訪問しまして、住民の方々といろいろ懇談をさせていただきました。指定を受けた世帯もあれば、指定を受けなかった世帯もあると、地域がやはり指定をされたところとされないところ、分断をされてしまうんじゃないかというような不安、そういうものが強かったわけですね。そしてまた測定も、本当に一回四か所だかして、隣は高かった、我が家はたまたま低かったということで、しかし健康被害については微妙な、そういう放射線の影響というのは微妙でありますので、少ない値についてはですね、余り地域的に差がないんじゃないかと、そういうお声も聞いておりまして、やはり地域のきずなをしっかり保っていくということを重点に考えれば、指定というのはある程度の集落、固まりを持った形でしてもらいたいと、そういう要望がありました。  また、市長さんからは、除染、市全体を除染するんだということで様々な対策をされる予定になっておりますけれども、これはやはり最終的には東京電力に負担をしてもらわなければいけないわけでありますけれども、当面やはり国がしっかり支援をしてもらいたい、そういう思いでございます。  政府の東日本震災復興会議では復興への提言というものを出されておりますけれども、その中には、人と人とを切り離すのではなく、人と人とを結び付ける工夫、これが重要だと、そのようにあったわけでありますから、まさに指定する世帯を様々に違う形にしないで、集落はきちんときずなを保つようにしていただきたいと思います。  次に、質問でありますけれども、先ほどもお話をしました、参議院で平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案、いわゆる原発事故被害緊急措置法案でありますけれども、仮払いを国が責任を持って前もってして東京電力に請求するという内容でありますけれども、これが参議院で可決されました。このことに対する総理の見解をお伺いをしたいと思います。
  12. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 委員御承知のとおり、今般の事故に関する原子力損害賠償法上の賠償責任は、まず一義的に東京電力が負うべきものと考えております。他方、国としても原子力事業者と共同して原子力政策を推進してきたそうした責務を認識しており、被害者が迅速かつ適切な補償が得られるよう万全を期すとの観点から、原子力損害賠償法の枠組みの下で支援を行うことといたしており、そのために原子力損害賠償支援機構法案の早期成立が不可欠と、このように考えております。  今御指摘の、公明党を含む野党から提出された原発事故被害者緊急措置法案、いわゆる仮払い法案については、参議院において法案が通過をし、衆議院においての審議に入っていると承知をいたしております。衆議院において、先ほど申し上げた政府から出している原子力損害賠償支援機構法案と、そして野党のこの仮払い法案が共に審議されることにより、より良い形に与野党の合意が得られることが望ましいのではないかと、このように期待をいたしております。
  13. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 政府の案と、そしてまた野党、公明党を含めた案が衆議院で議論をされているわけでありますが、この二つの法案は別に相対峙するものではなくて補うものでありますので、これはしっかり通せるように十分な審議を行っていただきたいと思います。  次に、ちょっとこれ質問通告になかったんですが、急なことでありましたので。  岡田幹事長が昨日の記者会見で、二〇〇九年衆議院選の政権公約、いわゆるマニフェストでありますけれども、民主党の方のマニフェストでありますけれども、政策の必要性と実現の見通しについて検討が不十分だった、見通しの甘さを国民に素直におわびしたいと、このような発言があったということであります。  国民におわびをしたいということでありますので、この点、総理もこのマニフェスト、不十分であった、検討が不十分であったと、これ謝罪するわけですか。総理のお考えをお聞きしたいと思います。
  14. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) マニフェストに関しては、この間、党の方でその見直しを含めて議論をしていただいておりました。昨日、岡田幹事長の方から一定の見解が示されたということは承知をいたしております。  私は、マニフェストの本質的な方向は決して間違っていないと今でも思っておりますが、確かに岡田幹事長が言われるように、その財源に関してやや見通しが甘かった部分もあった。あるいは、この三月十一日の震災以降に関して言えば、より緊急性が高いものということを考えたときに、必ずしもマニフェストが全てに優先するというよりは、震災復興をより優先させなければならないことも十分にあり得ると、こういうことを総合的に判断をして、幹事長として不十分さについて国民の皆さんにおわびをされたと思っております。  私も基本的な認識は岡田幹事長と一致をいたしておりまして、そういう点では、マニフェストに関しても不十分な点があったことについては国民の皆さんに申し訳ないとおわびを申し上げたいと思います。
  15. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 どういうところが不十分だったのか、検討が、そういう内容についても国民にきちんと情報公開をしまして、で、どこをどう改めるのか、この点もはっきり国民に示していただきたいと思います。  次に、予定の質問に入らせていただきます。  次は、放射性セシウムに汚染されました稲わらを餌として肉用牛に与えたことにより、食肉処理された後、当該牛肉の一部に食品衛生法上で規定されている暫定基準値を超えるセシウムが検出され、その一部が市場に回ったということで、消費されたものもあるということでありますので、この問題に関して質問をさせていただきます。  まず、このような問題が発生してしまった原因と政府の責任について鹿野農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。
  16. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 今、渡辺先生から御指摘の件でございますけれども、これだけの大震災、そして原発事故、こういうことが発生したということを考えたときに、今までの取組というふうなことでよろしいのかと、対応がそれでいいのかということをきちっとやっぱり確認をしなければならなかった。そういうようなことを考えたときに、飼養管理について通知をしたつもりが実は周知徹底されていなかった。このことを考えたときに、やはりその反省に立って対処していかなきゃならない、具体的にもっと分かりやすく丁寧に説明を行き渡るようにしなきゃならない、あるいは団体に加入していない畜産農家の人たちにも行き渡るように、このようなことから餌関係の方々あるいはまた肥料関係、そして獣医師の先生方にも御協力をいただく中で農家の方々に周知徹底するようにしなきゃならない、このような考え方で取り組んでいかなきゃならないと、こういうことで今おるところでございます。
  17. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 通知は三月十九日ということでありまして、これ大震災の後の混乱の時期でありまして、十分周知がされなかったということはやはりしっかり農水省として認識をして、何回もきちんとやらなければいけなかったわけでありますけれども、それに欠けたということはやはり政府の責任も重いと、そのように考えます。そういう意味で、しっかりした事後対策をやってもらわなければいけない。  そこで、暫定基準値を超える牛肉が市場に出回らなくするために、食品衛生上また原子力災害対策上どのような措置を厚生労働省として行っているのか、細川大臣にお伺いをしたいと思います。
  18. 細川律夫

    ○国務大臣(細川律夫君) 渡辺委員にお答えをいたします。  厚生労働省といたしましては、まず今年の七月の八日、福島県産の牛肉が暫定の規制値を超えた放射能セシウムが検出をされたと、こういうことで、隣接するまず六県に対して牛肉のモニタリングの強化、これを強く要請をいたしました。  また、昨日までに、福島県を始めとする七県で基準値を超えた放射性物質の検出された稲わらが牛に給与されまして、その牛が肉用として出荷をされたと、こういう報告がございました。したがって、その流通先の自治体におきましても、まずこの流通の調査をしっかりやってもらうように、そしてまた放射性物質の検査、これも実施をするようにということで、その検査結果が暫定値を超える場合には回収する等の措置をとらせております。また、肉用の出荷された牛につきましては、個体の識別番号、これを公表をいたしまして、関係事業者、あるいは該当する牛肉があった場合には速やかに保健所等に通報するようにと、こういう協力要請もいたしているところでございます。  そしてまた、七月十九日には、これは原子力対策本部の方で福島県の牛については出荷停止の通知をいたしたところでございます。したがって、福島県の牛につきましては、出荷しようとする場合には、避難準備区域等についてはこれは全頭検査をいたしまして、それ以外は全戸検査をして、そして基準値以下の場合には出荷を認めると、こういうことを対策本部で取った次第でございます。  今後とも、自治体などがこの検査をしていくと、こういうことについての具体的な検査計画の策定など、国としては関係省庁と協力もしながら自治体に協力をしてまいりたいと、このように考えております。
  19. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 次に、鹿野農林水産大臣に、いろいろ生産者の方も大変だということでありますので、このおいしい、品質の良い日本の和牛の肉は大変すばらしいもので、輸出もしておったわけでありますので、こういう農家をしっかり守っていかなければいけないということでありますので、この点に関してどういう支援をしておるのか、この点、お伺いをしたいと思います。
  20. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 今委員からの御指摘の生産農家の人たちに対する施策でございますけれども、まず当面ということで、いろいろ支払もございますし、また償還ということもございますから、そういうことに対して猶予してほしいと、あるいは飼料メーカーに対して飼料の支払も猶予してほしいというようなことで、金融機関等々あるいは飼料メーカーに対しましても要請をさせていただいたところでございます。  そして、具体的な今後の、これだけ市場において御承知のとおりに値も下がっておるということも含めて、出荷停止というふうなことがなされておるというようなことも含めるならば、過去においてどのような施策が講じられたかというようなことも参考にしながら、早急にこの具体策を詰めさせていただかなければならないと、こういうふうに考えておるところでございます。
  21. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 文部科学大臣にお伺いをしますけれども、この放射性セシウム汚染牛肉に関しましての責任ですね、賠償責任、これはどのようにお考えになっているか、お伺いをしたいと思います。
  22. 高木義明

    ○国務大臣(高木義明君) 御指摘の損害賠償でありますけれども、これまでに政府により福島県産の肉牛の出荷制限の指示、また福島県や宮城県等による稲わらを与えた自粛要請、それから福島県や宮城県などによる当該稲わらを与えた牛の出荷自粛要請がなされたと承知をいたしております。  これまで取りまとめられた指針においては、政府等による出荷制限指示等の対象となった肉牛などに係る損害、また出荷制限指示など以前に出荷されたものの買い控え等によって肉牛価格の下落があったなどのいわゆる風評被害、これは福島県、茨城県などでありますけれども、これは賠償の対象として認められております。  したがって、これまで対象になってないものについては、今月末をめどに取りまとめられるであろう中間指針の中で示されるであろうと。国会議論も踏まえて、私としては早く取りまとめていただきたいと、このように考えております。
  23. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 七月の十七日、南相馬市の緊急時避難準備区域でありますけれども、そこの複合農家の方を訪問させていただきました。その地域では米作りも禁止された、そしてまた風評被害のうわさがあるために野菜も作れない、そして今回の事件で、どうしてよいか分からないと。繁殖和牛の畜産だけが希望であったが、これが奪われた、今回は風評被害で子牛の価格も下がってしまうだろう、本当に困ったと、そういう声を聞いているわけであります。当面の生活のためにしっかり原発事故被害の仮払い等を急いでほしい、そういう声であります。そしてまた、子供たちが安心して住めるふるさと、そして安心して農業ができる環境をしっかり東京電力始め国が責任を持ってやっていただきたい、そういう思いを承ってまいりました。  やはり、しっかり全頭検査をして安心な牛肉しか市場に出さない、これを徹底してもらいたい、そしてしっかりしたその補償をしてもらいたい、このことを申し上げて、質問を終わらさせていただきます。
  24. 前田武志

    ○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。石川博崇君。
  25. 石川博崇

    ○石川博崇君 おはようございます。公明党の石川博崇でございます。  本日は、この予算委員会におきまして初めて質問をさせていただきます。短時間ではありますが、この質疑が被災地の方々の復旧復興を一歩でも、少しでも進める、そのことを念願いたしまして質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  私も多くの同僚また先輩議員の方々同様、被災地に何度も行かせていただきました。被災地では瓦れきの撤去も一向に進まない、また当面の生活資金となる義援金や生活再建支援金も届かない、また仮設住居の建設も遅れている、そうした現状をつぶさに見るにつけ、また現地の方々から一体政府は何をやっているんだ、余りにも遅過ぎる、そういう声を多く伺っております。  そうした現場の状況が果たして政府、閣僚の方々にどの程度届いているのかということを、本日は質問を通じて確認をさせていただきたいと思います。  特に避難所には、今なお二万人近い方々が苦しい生活を強いられている状況にございます。  そこで、まず国土交通大臣に、今現在の仮設住宅の設置状況、それから一体いつまでに設置が完了するのか、先々週、記者会見で目標とされておりましたお盆までの建設は難しいというような発表をされておりましたが、今現在の見通しをお聞かせいただきたいと思います。
  26. 大畠章宏

    ○国務大臣(大畠章宏君) 石川議員からの御質問にお答えを申し上げます。  仮設住宅の整備状況について御質問をいただきました。このお答えについては、二つの視点からお答えを申し上げます。一つは全体的なこと、そして現地の状況と、二つに分けさせていただきます。  まず、全体的な状況でありますが、先週の段階で各自治体からの要求が五万八百十四戸、そして、それに対して五万六百十七戸の用地を確保して発注を済んでいるところであります。しかし、その後、先週末でありますが、七月十五日に福島県から二千戸の追加要求をいただきました。さらには、七月二十日、今週になってからでありますが、岩手県で百五十戸、宮城県で八十一戸の追加要求をいただきました。合わせて二千二百三十一戸の追加要求をいただいたところであります。  それに対して現時点での状況でございますけれども、現時点では、したがいまして必要戸数が五万二千八百十四戸となったわけでありまして、土地の手当て等が確保されましたのが、そして発注の見込みが立ったものが五万六百十七戸、完成いたしましたのがこの二十一日時点で四万四百九十三戸となったわけであります。  各県別ではどうかと、こういうことでありますが、岩手県では、追加分を含めた必要戸数が一万三千九百八十三戸、八月前半までに完成の見通しでございます。  福島県につきましては、追加分を除く一万四千戸分については八月前半までに完成の見通しでありますが、追加分の二千戸については九月中の完成見通しと、このように現場からは報告を受けております。  宮城県では、必要戸数二万二千五百十六戸のうち、大半は八月前半までに完成する見込みでありますが、一部の自治体では完成時期が延びると報告を受けています。石巻では、一部が被災地の支援活動のために土地を今使用中でありまして、その支援活動が終了した時点でそこに建てるということで、着工時期については調整中。女川については、町の住民の方々の意向を踏まえて、輸入資材を活用した二階建て、今日のニュースを見ますと三階建ても検討しているということでありますが、工期が延びるという話であります。気仙沼市については、用地の確保の見通しが立ったということで、完成が八月末の見通しということでありますが、全体的にはそのような状況であります。  なお、今御指摘のように、現時点で一万七千七百九十八名の方が体育館等での避難所での生活をされておられますので、一日も早く仮設住宅を建設をして、これからのことをしっかりと考えていただく安定した場としての仮設住宅を建設をし、供給できるように全力で努めてまいりたいと考えております。
  27. 石川博崇

    ○石川博崇君 菅総理、あなたはこの参議院の予算委員会で答弁として、八月中旬のお盆までには全ての希望者が入れるよう、私の政権の責任、内閣の責任として実行する、まだ見通しが決まっていないところであれば急いで必ずやらせるとおっしゃられましたが、今の報告を聞かれてどうお考えですか。
  28. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) この間、お盆までの入居が可能になるようにということで、特に国交大臣、国交省に大変頑張っていただきました。  今御報告がありましたように、当初の必要戸数とされた五万八百十四戸に関しては、もうほとんどの着工が確定して、何とか間に合わせてほしいと最後のところでの努力をお願いをいたしておりましたし、現在もおります。  ただ、今御報告がありましたように、今月の中旬になって幾つかの県から新たな建設の必要性ということで追加分の要請が出てまいりまして、それに関しては八月中に、お盆までにということにはなかなか難しいという御報告もいただいております。これは新たな追加でありますので、できるだけ早い対応をしたいと思いますけれども、そうした事情も含めてしっかりと対応してまいりたいと。残念ながら新たなところまではお盆までにはなかなか完成ができないかもしれませんが、そういう事情であるということで御了解をいただきたいと思います。
  29. 石川博崇

    ○石川博崇君 新たな発注とおっしゃいますけれども、要するに見通しが甘かったんでしょう。こういう新しい需要が出てくるということをどうして見通せていなかったんでしょうか。しかも、全ての希望者が入れるよう私の政権の責任で実行するとおっしゃったわけですよね。このときおっしゃったその菅総理の根拠というものは一体どういうところにあったんでしょうか。
  30. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 御承知のように、一番最初のうちはもっと多くの仮設住宅の必要性が言われておりました、七万戸余りのですね。その後、いろいろな形で民間アパートとかあるいはホテルとか旅館とか、いろんな形でその必要の、何といいましょうか、目標が下がってまいりました。ですから、見通しが甘い甘くないということは、やはり自治体の方の要請を受けて見通しを立てているわけでありますから、そういう意味では自治体の要請がここに来て新たな追加の要請があったと、それを見通しが甘いというふうに言われればそれはおわびをするしかありませんが、事情としては自治体からの追加の要請ということでありますので、それは御理解をいただけるんではないかと思っております。
  31. 石川博崇

    ○石川博崇君 いや、全く理解できません。  そもそもあなたの責任でとおっしゃった、この責任という意味はどういう意味でしょうか。
  32. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) これは、聞いていただいている国民の皆さんに是非御理解をいただきたいと思いますが、見通しについては、先ほど来申し上げておりますように、各県あるいは各自治体から要請が上がってきたものを全力を挙げて国交省が担当してやってきたわけであります。当初はもっと大きな数字が上がっておりまして、それに向かってやっていたわけですが、だんだんといろんな事情の中でそれほどの必要性がないということで、現在は五万八百十四戸ということで進めていたわけでありますが、今月の半ばになって新しい県からの要望が上がってきたわけであります。  今申し上げましたように、それも含めて見通しが甘かったといえばそれは私の責任であります。しかし、そういう事情であるということについては私は十分御理解をいただけると、こう思っております。
  33. 石川博崇

    ○石川博崇君 結局、思い付きで計画性も実現可能性もないことを言って、しかも言いっ放し、大畠大臣に任せっきり。あなたとして特段その後、手を打ってきたといったようなことは全く聞くことができませんでした。  しかも、そもそも現場は最初から、発災直後から、必死になって仮設住宅一軒でも一戸でも多く造ろうと大車輪でやってきたんです。当初から現場の見込みは九月までは掛かるという見込みだったわけです。そういう現場の報告があったにもかかわらず、あなたはこの委員会で詰められて、そして指摘されて、その場を何とか取り繕おうと、そういった思いから思い付きでお盆まで、パフォーマンスでおっしゃった。  しかも、そうしてあなたが現場の状況を無視してパフォーマンスで思い付きでおっしゃったがゆえに、現場は大混乱いたしました。ただでさえ必死になって仮設住宅を建設している関係者の方々、更に過剰な業務を課したがゆえに、この仮設住宅、様々な不具合が出てきております。入られた方々、今始まっておりますが、不便な思いも幾つもされております。  厚労大臣、政府としてもこうした入居された方々から御不便の声をお聞きになっているかと思いますが、どのように把握されていらっしゃいますでしょうか。
  34. 細川律夫

    ○国務大臣(細川律夫君) 仮設住宅、ここに入居をされた方々からいろいろなことでの不便さなどで個々具体的に、市町村あるいは県、あるいはまた国会でもいろいろな要望もございました。それに対しては私どもとしては誠実に承りまして、できるものをしっかりやっていかなければということで対応してきたところでございます。  そこで、まず、仮設住宅が完成したその後であってもいろいろな修理などをやってほしいと。例えば簡易スロープや手すりなどの設置の補修をしてほしいと、こういうことも要求がありまして、それもやるようにいたしました。また、応急仮設住宅の敷地、敷地が砂利でありますからそこを簡易舗装してくれと、こういう国会の中での議論での要求もございまして、これも認めたところでございます。  また、必要な場合には断熱材の追加とかあるいは二重ガラス化、あるいはまた利用者の御希望に応じまして、例えば畳や建具の後付け、又は御党からもいろいろと御要望、御提言もいただいております風よけ室の設置とか、そういうこともやらせていただいております。また、夏暑いところで何とか日よけをやってほしいとか、あるいは緑のカーテンをつくって暑さをしのげるようにしてほしいというような御要望もございまして、そこには緑のカーテン、ゴーヤを全部設置をするというような、そんな要望もいただいておりまして、これらについても適宜こちらで対応をしていくと、そういうことにいたしたところでございます。  いろいろと入居された方の御要望などについてはしっかりと対応してまいりたいと、このように考えております。
  35. 石川博崇

    ○石川博崇君 やっている、やっているとおっしゃいますけれども、私も先週、仮設住宅へ入られた方、何軒か御訪問させていただいてお声を伺ってまいりました。今おっしゃったようなことは全くできておりません。  私ども公明党の宮城県本部では、県本部所属の議員が総力を挙げて仮設住宅の総点検運動をさせていただいております。私が行ったところでも、例えば仮設住宅は雨どいが付いていません。屋根に降った雨が直接下に落ちて、そこにあるエアコンの室外機に当たって夜通し雨音でうるさくて寝られない。あるいは、玄関がドアを開けた外にあってひさしもないので、雨が降れば外に置いてある靴が雨ざらし。また、収納スペースが全然足りない。倉庫もありません。半壊の方々等、家財道具を一式何とか持ち出すことができたけれども、入れるところがなくて仮設住宅の外に野ざらしです。  まあ突貫工事で造られたような側面はあると思いますが、仮設住宅というのは造って入られたらそれで終わりではありません。入られた方の意見を丁寧に聞きながら、しかも、言ってきたら直すという態度じゃいけないんです。私ども公明党がやったように各仮設住宅一軒一軒お伺いして、どういったことをお困りですか、何か困っていることはありませんか、そういったことを丁寧に伺う。東北の方々は我慢強い方が多いんです。しっかりとそういう方々の気持ちに寄り添って対応していただければと思います。  また、もう一点、現地の声が全然届いていないなということが一件ございました。  被災された方々の中には、いろんな住宅に住まわれ、避難されておりますが、雇用促進住宅に避難されている方にはエアコンが付いていないという実情がございます。これについて、厚労省、厚労大臣、どうしてこういう状況になっているか、最後に教えていただけませんでしょうか。
  36. 前田武志

    ○委員長(前田武志君) 細川厚生労働大臣、時間が来ておりますので、簡潔にお答えください。
  37. 細川律夫

    ○国務大臣(細川律夫君) 雇用促進住宅につきましては、ここに直接入居者が入っておりました。そこで、そういうことから災害救助法の適用というのが難しいということでありましたけれども、今回、この提言も受けまして、雇用促進住宅につきましては、県の方でそこに借り上げをして災害救助法が適用されるようにして、そしてエアコンも付けると、こういうことに決定をいたしました。
  38. 石川博崇

    ○石川博崇君 大変ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。
  39. 前田武志

    ○委員長(前田武志君) 以上で渡辺孝男君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  40. 前田武志

    ○委員長(前田武志君) 次に、小野次郎君の質疑を行います。小野次郎君。
  41. 小野次郎

    ○小野次郎君 おはようございます。みんなの党の小野次郎でございます。  総理、通告はしておりませんけれども、本来の質問に入る前に聞かせていただきたいことがあります。昨日、岡田民主党幹事長は二〇〇九年の民主党のマニフェストについて実現できないものが含まれていたと謝罪をされておりますけれども、総理からもう一度、二〇〇九年の民主党のマニフェストについてどういう評価されているのか、今の時点で、かつてじゃなくて今どういう評価されているのか。国民に対して釈明するべき点があるならば総理自らも釈明すべきだと思いますが、どうお考えでしょうか。
  42. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) マニフェストについては、例えば子供を重視するといった点など、私は方向性として間違っていないものが大半であったと今でも思っております。  しかし、その中で、岡田幹事長も言われておりますけれども、それに必要な財源などの見通しがやや甘かったのではないか、こういったこともいろいろ指摘がありまして、同時に、今日の大震災という状況を受けた中で、今後の進め方についても、マニフェストに掲げたから全てに優先するというよりも、今回の震災との関係で震災対策をより優先する場合も当然あり得ると、このように考えております。  そういったことで、私からも国民の皆さんに、マニフェストに関して、相当部分は実行されておりますけれども、まだできていないものがあること、さらには財政的な見通しがやや甘かったところもあったこと、これについては私からもおわびを申し上げたいと思います。
  43. 小野次郎

    ○小野次郎君 今、総理はおわびを申し上げたいと言われました。元々財源の見通しがなくて立てた政策、そんなもので政権交代を実現したということは詐欺と同じじゃないですか。誰だってあめ玉あげます、おまんじゅうあげますという政策を並べれば、嫌だと言う人はいないんですよ。だけれども、それが実現できないんだったら、それは詐欺だと言われても仕方ないと私は思いますよ。  もう一度、大半が実現できたからいいだろうじゃないんですよ。できなかった部分が、まさにそのばらまき政策によって政権交代を実現したわけですから、その点についてはもう一遍真摯なおわびを国民に対して伝えてください。
  44. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 今申し上げましたように、私は、例えば子供の、未来の皆さんにもっと政策的に充実するといったことは大変重要でありますし、その方向に大きく踏み出したとも思っております。いろいろな農業の戸別的所得補償といった問題も、私は方向としては間違っていなかったし、現在もそれがある意味で定着をしてきているわけであります。  しかし同時に、多くの課題に関して財政的な見通しなどが、もちろん埋蔵金とかいろいろな無駄な費用の削減は図ってきたところでありますが、まだまだ十分なところまでそうした財源捻出ができていなくて、そういう意味で実現ができていないものがあるということに関して私からもおわびを申し上げたいと、こう思っております。
  45. 小野次郎

    ○小野次郎君 いずれにしてもそう遠くない日に、そうした政権交代に至ったマニフェスト、その結果のこの現実の政治、それについて国民の審判を早く仰ぐべきだということを私は申し上げておきたいと思います。  もう一点、本来の質問に入る前に総理にお尋ねしますが、昨日の同僚議員のやり取り聞いていて、私は腑に落ちない点が一つありました。それは、原発の再稼働について、地元の理解がなくてもできるようなことを言っていた閣僚いましたけれども、総理、これはおかしいと思いませんか。これだけの大惨事というか大きな放射能汚染の被害が生じて、今なお不安は広がっているときに、地元の理解が得られないまま原発の再稼働をするなんということはあり得ないと私は思いますけれども、総理の御認識をお伺いいたします。
  46. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) まず、昨日、原子力安全委員会の了解の下で総合的な安全評価、いわゆるストレステストの評価手法や実施計画が固まり、それに基づいて保安院が地元自治体に説明を行い、その後、事業者が実施をするということが予定されております。これによって、従来よりもよりしっかりした安全性についてのチェックが行われるものと私は期待もしておりますし、そういう方向で進んでおります。  昨日の議論の中で、私の理解は、法律的に今の法律でいえば、保安院が一つのこういうチェック項目を出して、そしてそれを事業者が報告したものを保安院が判断して、最終的に経産大臣が最終的な判断をするという仕組みになっておりますけれども、それだけでは不十分だということでこういう新しいルールを作っていただきました。  同時に、自治体に関しても、当然ながら、どなたかが答弁されていましたが、たしか経産大臣だったと思いますが、契約、いわゆる事業者と自治体との契約といいましょうか協定といったようなものもありまして、そういうものについては、やはりその協定の持っている意味を考えれば当然ながらそれに沿って対応すべきものと、そういう答弁だったと思いますし、私もそのように考えております。
  47. 小野次郎

    ○小野次郎君 同じ質問を海江田大臣にします。  海江田さんは、協定がなければ、僕は協定全てがどういう内容か見ていませんけれども、何か、私たち今政治家として議論しているわけでしょう、地元の理解がなくて原発の再稼働はあり得るんですか。
  48. 海江田万里

    ○国務大臣(海江田万里君) 今、菅総理がお話をしたとおりでありまして、法律的な手続、合格証というのを出す行為、それからあともう一つは協定がありますから、その協定には事業者が地元の自治体の了承を得るということがありますから、それがありますから私は玄海まで行ったわけでございます。
  49. 小野次郎

    ○小野次郎君 地元の理解、同意というものが私は前提にならなければ、この福島の放射能汚染の事故を経験した日本国民、どこに住んでいる日本国民にとっても、それはやっぱり政府との信頼関係が回復できないと思うんですね、そんなことすれば。是非そこは政府としてきちっと地元の理解、同意を得るということを、私はそもそも再稼働は慎重に進めるべきだと思っておりますけれども、その場合にも理解、同意というものを前提に進めていただきたいと指摘しておきます。  次に、本来の質問に入りますけれども、総理、現時点で原子力発電の単価ってどれぐらいだというふうに認識していますか。
  50. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 原子力発電のコストについて、総合資源エネルギー調査会による平成十六年一月の試算では、一キロワットアワー当たり四・八円から六・二円程度とされております。  しかし、私は、今回の事故を踏まえて、これは再検証を行う必要があると考えております。つまりは、この中に含まれている、コスト計算に含まれているものと、しかし関連するもので含まれていないもの、さらには今回の事故によって生じている補償といったようなものは基本的には十分入っておりませんので、そういうものを見直せばかなり違った数字になるのではないかと、こう認識しております。
  51. 小野次郎

    ○小野次郎君 私はこのパネル、何回も今まで使っていますけれども、(資料提示)今までのパネルは五・三円ということになっていました。これ、一般的に信じられている数字ですけども、総理自らがお認めになったように、これは大事な部分が落ちているんですね。うまく何の問題もなく回っているときのランニングコストしか計算していなくて、実は再処理、廃棄物処理に掛かる経費、それから立地補助、よく言う交付金、交付金漬けにしてしまうという交付金、それから研究補助、さらに、今回大きな事故がありました、賠償のリスクなどを入れていないんですよ。  これ、元々の五・三円という数字をベースにして、こうした掛かった経費あるいは掛かると思われる見積りのものを稼働年数四十年で割り返してみると、驚くべき数字が出てきます。それを張ってください。今まで、五・三円でつくられる、やっぱり原子力発電のほかの発電との優位性というのは、大量に安くできるというところにどんな議論のベースにもあったわけですけれども、今回、専門家に見てもらって、今申し上げた経費を稼働年数で割ると実は十五・八円から二十・二円掛かる。つまり、今や原発は安くないんですよ。不安を与えるエネルギーであり、また安くもないということが明らかになってきたと思います。CO2を排出するという問題をちょっと横に置いておけば、もう石油、LNG、石炭、一般水力などよりも高いし、場合によっては風力よりも高くなってしまっている、このことをしっかりと認識する必要があると私は思います。  今回、関西電力の電力不足の問題がありました。この電力不足の問題は、私は別に、菅総理が脱原発と言ったから電力不足になっているんじゃないんですね。むしろ、原発にだけ頼ってきたから、この大飯の発電所でこういうことがあって止まると、すぐさま、どうしたらいいんだと、どこにエネルギーを求めるんだという話になってしまうので、むしろ安くない上に当てにもならないと、私はそう思っています。  次の質問に移りますけれども、脱原発会見を十三日にされました。個人の思いというふうに釈明されていますけれども、それは例えば好きな野球選手だとか野球のチームが、俺は実は巨人ファンじゃないんだと、阪神が好きなんだ、そういう類いの個人の思いなんですか。私は、内閣総理大臣の記者会見には、行政の長として全てを調整した結果を発表するときの行政の長たる総理大臣と、総理大臣である政治家菅直人の私の存念だということと、もう一つは、一個人として、まさに何の食べ物が好きだ、何のチームが好きだというのもあると思います。  総理の言われている個人の思いというのはどの個人の思いなんですか、もう一度御説明いただきたいと思います。
  52. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 三・一一の原発事故が発生して以来、私は、まずはエネルギーの基本計画、これでは二〇三〇年に総発電量の五三%を原発で賄うと、こういうことを実は私の内閣でも決定をしてきていたわけでありますけれども、しかしこれは白紙に戻して検討、見直しをすべきだと、そういう方向で議論をスタートさせておりました。また、原子力行政の在り方に関しても、今の原子力安全・保安院が、どちらかといえば原子力を推進してきた経産省の中にあって安全性をチェックするという、こういう形は問題であろうということで、これもIAEAに政府として出した報告書の中でもそのことを申し上げてきました。さらには、短期、中期、長期のエネルギー需給の在り方についても経産省あるいは国家戦略室で検討をお願いをいたしてきております。  こういった一つの議論のある意味で進行の中で、トータルとしてのエネルギーあるいは原子力についてどのように考えるかということを私なりの考え方ということで申し上げました。しかし、そのことは今最初に申し上げたような内閣として検討していることの方向性と決して矛盾するものではないと、このように考えております。
  53. 小野次郎

    ○小野次郎君 実は、私どもみんなの党も脱原発の政策を掲げています。しかし、それには多くの困難な点があるし障害もある、あるいは既得権に頼っている方々からの抵抗もあると思います。それを一つ一つ計画的に時間が掛かっても除去していく、あるいはいい方向の政策を助成していく、そういった覚悟がなければ実現できないだろうということを総理に申し上げているわけでございます。  この新しく計算、まあ腰だめの数字ですけれども、発電コストを出しました。この最大二十・二円、これまだ含まれていないものがあるんですよ。なぜかというと、まだ一回しか事故が起きていないから、この一回の事故で三・四円単価が上がっているんです。だけど、今度の賠償スキームというのはほかの北海道電力だとか九州電力にも負担させているでしょう。そのスキーム自体が、つまり、まだまだ原発の事故が今後も起きることはあり得るから、そういうみんなで連帯する形の賠償スキームをお考えになっているわけで、ということは、この私どもが積算した単価表はまだまだ上へ上がるべきなんだろうと思いますよ、理論的には。取りあえず今回はこの数字にしておきますけれども、是非そういった覚悟を持って脱原発を進めていただきたいと思います。  総理は、一体この原発からの脱却にどれくらいの期間、年数を想定されておられますか。
  54. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど申し上げましたように、エネルギーの基本計画を見直すということが、ひとつ日本の将来のエネルギーをどのような形で賄っていくかということにつながってくると思っております。  また、現在存在している原子炉のいわゆる耐久年数といったこと、あるいはそれに代わる新たな原子力発電所の建設というものが私はそう簡単にはなかなか理解が得られないだろうという、そういうことをいろいろ勘案した中で、中長期の方向性はこれから、今まさに小野議員が言われたように、しっかりと議論をし、確かなデータをベースにして方向性を考え、示してまいりたいと思っております。
  55. 小野次郎

    ○小野次郎君 最大限のエネルギーの増産って、今社会全体で求められていると思います。この参入発電会社、IPPとかPPSという会社ですけれども、あるいは自家発電能力のある企業、あるいは地方公共団体でも一部能力を持っているところがございます。その他全国の法人、個人に対して、経産大臣にお伺いしますけれども、エネルギー増産の緊急の要請というのは行っていますか。
  56. 海江田万里

    ○国務大臣(海江田万里君) 政府としては、自家発電をできる限り活用するよう各電力会社に対し繰り返し要請をしております。  そして、震災により供給力が大幅に減少した東北、東京電力管内においては、自家発電設備を所有する事業者に対する売電要請を行っております。そして、一次補正で約百億円ですけれども、これは自家発電設備の新増設、それから増出力を行う事業者の設備導入費用や余剰電力を電力会社に供給した場合の燃料費を補助する措置を講じております。  それから、特にこの自家発電についてでありますけれども、出力千キロワット以上、これは全国におよそ三千二百ございますけれども、ここに対してアンケートで調査をやって、どのくらい余力があるのかということを調べております。
  57. 小野次郎

    ○小野次郎君 経産大臣、異論があれば訂正していただきたいんですけれども、私の聞いたところでは、その今の調査というのは、総理からもっと埋蔵電力あるだろうと言われてから一斉に調査流しているじゃないですか。その前にはたしか聞き取りで、大手の重立ったところに聞き取りでやっているだけでしょう。そういう態度だから、節電の方は六歳の子供まで節電しなきゃと徹底されているのに、エネルギーをつくろうという話は全然一般企業や一般の個人に伝えていないじゃないですか、メッセージを。  重立ったところに電話で聞きましたとか会って聞きましたというだけで、それで済むんですか、経産大臣。
  58. 海江田万里

    ○国務大臣(海江田万里君) この点につきましては、私からも何度も話をしておりまして、その三千二百という数字もいろんな形で三千二百という数字がございますので、さっきお話をしたように千キロワット以上ということでそれが出ましたから、そういう数字で、とにかくこれに対して一日も早く、どれだけ能力があるのか、それから実際にどれだけ出せるのかということで、この話についてはいろんな誤解がありまして、テレビでJRの東日本に対してそういう要請がなかったじゃないかという報道もありました。あれは違います。ちゃんと毎年毎年、JR東日本のような大きな会社については毎年毎年そういう契約をしております。それも更新しておりますし、今年は幾らぐらい出てくるのかということは四月二十五日以降に決まりましたけれども、それを現場の方が恐らく御存じなかったんだろうと思って、そういう要請はしっかりしております。
  59. 小野次郎

    ○小野次郎君 くれぐれも、地域独占の電力会社を通じてとさっきお答えになりましたけど、通じてではなくて、政府自らが国民に対してそういうメッセージを出してほしいし、助成策を進めていただきたいと思います。  総理、もう一遍お伺いしますけれども、この自然エネルギー立国をするためには様々な規制改革を進めなければいけないと思っています。総理の今お考えのエネルギーを自然エネルギー中心にしていくために必要な規制改革、どんなものをお考えですか。私は、農地、水路、内水面、山岳、森林について、それぞれもう規制だらけになっていてエネルギーに活用できないという制約があると思うんですが、総理のお考えをお伺いいたします。
  60. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) まず、再生可能な自然エネルギーの一般的な特徴は分散型だということだと思います。そういう意味では、分散型の電源からどのような形で全体の国民に電気を配分するのか、これはいろいろと、例えば発送電体制を今のような形でいいのかという、そういう制度問題もあります。  それから、今、小野議員から言われたように多くのことが、私も調べてみて、農林水産省にかかわる問題も大変多いなと思いました。例えば、海の上に風力を建てると漁業権があります。あるいは小水力は水利権があります。場合によっては、一部の農地で使われていないところにパネルを敷くといったことは、これはいろいろと農地に関する法律があります。  そういった意味で、特に今回の東北地方の復興に当たって特区制度も予定されておりますので、思い切ってそうした規制を緩和して再生可能エネルギーの大きな基地にしていく、そういう中で一つの大きなモデルをつくっていくことが私は望ましいんではないかと、こう考えております。
  61. 小野次郎

    ○小野次郎君 電力自由化を進めて、九つの電力会社が保有している送電線網を民間に売却して、電力料金の大幅引下げとサービスの拡大を実現するお考えはありませんか。
  62. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 御党の強いこの政策についての提言は何度もお聞かせをいただきました。先ほど申し上げましたように、そういった一つの考え方も含めて、予断を持たないでまさに議論をすべきときだと、こう考えております。
  63. 小野次郎

    ○小野次郎君 予断もいけませんけど、官僚組織に手のたなごころで扱われないように、油断もせずに是非取り組んでいただきたい。  最後に一点、地産地消。たしか分散型と、総理も今おっしゃいました。これ、私、大変有効だと思っています。  一つは、エネルギーも小さい単位で節約しようと考えた方が合理的なんですね。それから、自然エネルギーに転換していくことも、その地の利を生かした様々なエネルギーを使うことができます。そして、何よりもそうした方が、まあ考えちゃいけないんだけど、大きな災害や事故があったときに、一点集中だから今度みたいに首都圏全体が困ってしまうことになるわけですけれども、なるべく細かく分ければ、何というんですか、抵抗する力が各地域地域にあった方が、困ったときは融通し合うという形の方がいいと思うんですが、この地産地消型のエネルギー社会をつくっていくという有効性について、総理のお考えをお伺いいたします。
  64. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 地産地消型のこのエネルギーを供給することの考え方、私も全く賛成です。
  65. 小野次郎

    ○小野次郎君 終わります。  ありがとうございました。
  66. 前田武志

    ○委員長(前田武志君) 以上で小野次郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  67. 前田武志

    ○委員長(前田武志君) 次に、山下芳生君の質疑を行います。山下芳生君。
  68. 山下芳生

    ○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  震災からの復興では、被災者が住んでいた地域で生活を立て直せるようにする、これが基本だと思いますが、総理、いかがですか。
  69. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) そのことがやはり被災者の皆さんにとっても最大の希望であり、最も望ましい。それに向かって頑張らなければと思っております。
  70. 山下芳生

    ○山下芳生君 先日、宮城県気仙沼市で水産加工業を営む地元企業の社長さんにお会いしました。九つある工場のうち八つが津波で全壊したそうですが、八百人の従業員は一人も解雇せず、雇用を維持しながら工場の再建を目指しておられました。どうしてそういう道を選んだのか。社長は、解雇すると地域での細い糸が切れて外へ出ていってしまう、それでは町の復興はできないと考えましたとおっしゃっていました。  雇用を守ることは地域のきずなを守ること。総理、ここには復興の基本が示されていると思いませんか。
  71. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 大変重要な観点だと思います。いろんな制度もありますけれども、是非そうした制度の活用も含めて、雇用という一つの一番重要な人間関係の一つがしっかり維持されながら復興へと向かうことを政府としても全力を挙げて支援してまいりたいと思います。
  72. 山下芳生

    ○山下芳生君 その社長が解雇はしないと伝える場面がテレビでも紹介されました。従業員の間に、よし、復興に向けて頑張ろうという意欲が広がっていく様子が印象的でした。  このきずなは一方通行じゃないんですね。この会社では、震災前に採用し内定していた、そして自宅待機中だった若者たちが自主的に被災した工場に集まって腐った魚の片付けを始めた。その姿に今度は社長が元気をもらった。そして、復興には若い力が必要だと、二か月遅れになりましたが、三十人の全員の入社式が行われました。  人と人との生きた結び付きが復興の大きなエネルギーになっている。総理、これも大事な点ではないでしょうか。
  73. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 大変いい話の紹介をいただきました。そうしたまだ入社前の人たちも被災された会社に出かけていって、ボランティアでその復旧に当たっていくと。また、そのことが経営されている方にとっても力となって、そしてそれがその企業、会社含めて再生のエネルギーになっていく。そのために、やはり政府として、あるいは国としていろいろな制度でそれを支えていくと、そのことが重要だということを改めて痛感いたしました。
  74. 山下芳生

    ○山下芳生君 私は、その頑張りに被災地の経営者の魂を見た思いがいたしました。  ところで、政府の復興構想会議には経済界の代表が委員として入っていますが、どなたですか。
  75. 平野達男

    ○国務大臣(平野達男君) 産業や経済に知見の深い委員として中鉢委員が就任されております。  なお、復興構想会議の委員は、被災地である東北にゆかりの深い方を軸に、災害復旧復興への思いをお持ちで新しい日本を見据えられるという点を重視して人選されたというふうに聞いております。
  76. 山下芳生

    ○山下芳生君 中鉢さんの会社名と役職はどうなっていますか。
  77. 平野達男

    ○国務大臣(平野達男君) ソニー株式会社代表執行役副会長でございます。
  78. 山下芳生

    ○山下芳生君 ソニーは半世紀以上も前から東北宮城に根を下ろしている企業です。その企業が被災地で何をしているか。宮城県多賀城市にあるソニー仙台テクノロジーセンターはブルーレイディスクなどを生産する主力工場ですが、津波で構内の一階部分が被害を受けました。すぐに正社員とともに期間社員が駆け付け、復旧作業が始まりました。期間社員のほとんどは二十代、三十代の若者たちで、交通機関がストップしたために、自分で自転車を買って、長靴も買って、そして自宅や避難所から長時間掛けて職場に通って泥のかき出しなどに精を出したと聞きました。  ところが、復旧の見通しが立ち始めたやさき、ソニーは被災を理由にこのセンターの事業縮小計画を発表いたしました。労働者二千人のうち、正社員二百八十人を県外へ広域配転する、期間社員は百五十人全員を雇い止めにするという計画であります。雇い止めを通告された期間社員は、目の前が真っ暗になった、裏切られた、小さい子供がいるのに生活できないと言っています。  総理、復興に逆行するやり方だと思いませんか。
  79. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 震災を契機として被災地を中心に雇用に大きな影響が生じているわけですけれども、可能な限り雇用の維持を図りながら被災者の生活再建を図っていくということは、先ほどの、前の話も含めて大変重要だと思っております。  解雇、雇い止めについては、震災を理由とすれば無条件に認められるというものではなくて、特に大企業の経営者の皆さんには、企業グループを含めて雇用の維持確保に努めていただきたいと考えております。このため、日本経団連など主要経済団体に対しては、震災に伴う雇用の維持確保に配慮していただくよう厚生労働大臣から強く要請をいたしているところであります。今後とも、被災地の雇用の安定に全力で取り組んでまいりたいと思います。  今御指摘のありました事案については、個別企業の経営の問題でもありますので、私から個別的なことについてコメントすることは差し控えたいと思いますが、経済界にはできるだけ雇用を守るように要請をしているということは重ねて申し上げておきたいと思います。
  80. 山下芳生

    ○山下芳生君 要請したと言いますけれども、今目の前で雇用が切られようとしているんですね。ソニーの津波の被害は保険で補填されます。地元の中小企業が逃げずに雇用を守っているのに大企業がさっさと逃げ出すなんて許されるのか。  総理にも責任ありますよ。ソニーの中鉢副会長は、あなたが選んだ復興構想会議の委員です。単なる個別企業じゃないです。ほっといていいんですか。
  81. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 今回、この復興構想会議に関しては、かなりの方はそうした東北に関連の深い方を選んで、そういう立場も含めていろいろな案を自由に意見を出していただいたところであります。  そういった意味で、私は、そうした議論をしていただくに当たっていろいろな経済界からも委員をお願いしたわけでありまして、そのことは決して間違ってはいなかったと、このように思います。
  82. 山下芳生

    ○山下芳生君 自分も被災しているのに若い期間社員の皆さんが職場に駆け付け復旧作業に当たったのはなぜか。ソニーで働いていることにみんな誇りを感じているからです。液晶テレビのフィルムを作っていた若者は、五年前、生産ラインを立ち上げたときから働いています。後から入ってきた正社員には自分たちが仕事を教えました、作業効率を良くする改善提案をし、何度も採用されました、世界的メーカーの品質を自分たちが担っているという自負があったと語ってくれました。  私は思いました。彼らは、請負、派遣、期間社員と、雇用の姿こそずっと非正規でしたけれども、仕事の中身と志はプロフェッショナルだと。だから、自分たちの工場を守りたいと駆け付けたんです。そんな彼らを震災の真っただ中で切り捨てて復興なんてできるはずない。総理、やめさせるべきじゃありませんか。
  83. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 復興構想会議のメンバーには、先ほども申し上げましたが、できるだけいろいろな分野から、そして同時に、東北地方あるいは被災地に関連の深い方をかなりのウエートでお願いをいたしました。そういった意味でそうした経済界からもお願いをしたわけでありまして、そのことは私は必要であったと、こう思っております。  今、個別の企業のことをいろいろと御指摘をいただきましたけれども、私としては、こういう審議会にお願いをするに当たって、幅広い観点からあるいは個人的な意見も含めてお聞きをしておりますので、何かそうした条件以外の条件は付けないで自由な発言をお願いをいたしているつもりであります。
  84. 山下芳生

    ○山下芳生君 そのままにしておくんですか。ほっておくんですか。聞きもしないんですか。
  85. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほども申し上げましたように、経済界の皆さんにはそうした要請を強くお願いを申し上げております。何かこの、委員にお願いをするということから、それをそういう形をしたときには、あらかじめ委員になるときにそういうこともあり得るということを言わなければならなくなりますから、幅広い選任はできないと思っております。  ですから、経済界を通していろいろとお願いをしておりますので、その経済界を通してのお願いの中で私としても事態を把握をしてみたいと思います。
  86. 山下芳生

    ○山下芳生君 お願いした後にこういうことをやっているんですよ。調べもしない、聞きもしないんですか。ほっておくんですか。
  87. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 私の観点でも事情については関係者にお聞きをしてみたいと思います。
  88. 山下芳生

    ○山下芳生君 ソニーの期間社員の年収は二百七十万円ですよ。百五十人合わせても四億円ですよ。片やソニーのハワード・ストリンガー会長は一人で八億六千三百万円の報酬を得ていますよ。その半分で雇用を守ることができる。さらに、ソニーには三兆円を超える内部留保があります。こういうときこそ使うべきじゃありませんか。  私は言いたい。地元の中小企業が歯を食いしばって雇用を守っているときに、体力のある大企業が頑張ろう東北と、雇用を守らなくてどうするんだ。若者たちに希望を与えないでどうするんだ。政府として、大企業に雇用を守る社会的責任を果たさせること、雇用を守る中小企業を本気で支援することを強く求めて、質問を終わります。
  89. 前田武志

    ○委員長(前田武志君) 以上で山下芳生君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  90. 前田武志

    ○委員長(前田武志君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
  91. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 たちあがれ日本の片山虎之助でございます。  今日は片道ですから答弁は長うてよろしゅうございますけれども、ひとつ分かりやすい答弁を、長いときは分かりにくい。まあ分かりにくくするために長くするのかもしれませんが、ひとつ分かりやすい答弁をお願いいたしたいと思います。  今回は第二次補正予算を今審議しておりますけれども、これは何人もの方の御指摘があるように、私も大変中途半端で内容がないと思います。元々、野党がやかましいし、たまたま決算剰余金が二兆円出たから、その範囲で組んでおけという思想ですよ、中身を見ると。  総理の指示の話が昨日もありましたが、あんなちまちました仕方がないような指示を総理したんですか。あれは主計局の係員の指示ですよ、ああいうことは。いかがですか。
  92. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 今回の二次補正の性格については、他の委員の皆さんにも申し上げましたように、一次補正の中で盛り込まれなかったけれども急ぐ課題があると、そういうことで盛り込ませていただきました。
  93. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 約二兆円ですよね。中身は、例えば生活再建支援金は元々一次の組み方が良くないんですよ。国と地方の負担割合を変えましたから、これはいいとしましても、あとは地方交付税でしょう。地方交付税は国税が伸びれば当たり前なんです。これは当然のルール分で、地方の当然の権利としてもらえる五千四百五十五億円ですから。そうすると、一番残った大きいのは何かといったら予備費なんですよ。予備費が八千億円なんですよ。使途も決めていない。これだけ国会で、衆参で真摯な与野党の皆さんの議論をやって、あれをやってくれ、これをやってくれとね。堤防がどうだ、漁港がどうだ、いろんなことを言っていますよ。しかし、何で使途も決めない八千億を、これが二次補正の主要な中身なんですか。どうぞ。
  94. 野田佳彦

    ○国務大臣(野田佳彦君) 今回の二次補正の性格付けは先ほどの総理の御答弁のとおりでございますけれども、予備費については、これは復旧復興に限るという位置付けの中で、予見し難い事態があったときに緊急的に対応できるようにということでございます。
  95. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 いや、使途を何で決めないものを八千億も組むのかと言っているんですよ。あなたは、三次補正の組替え財源にするつもりなんですか。どうなんですか。
  96. 野田佳彦

    ○国務大臣(野田佳彦君) 三次補正の財源の在り方は今議論している最中でございますが、決してその組替えの材料にしようという考えはございません。
  97. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 その八千億はどう使うんですか。この使途は何ですか。
  98. 野田佳彦

    ○国務大臣(野田佳彦君) だから、限定はしていないわけでありますので、何かあったときに対応すると、あるいは地域の実情によって必要性が出てきた場合には対応するということでございます。
  99. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 国会をばかにしちゃいけませんよ。予算というのは使途を決めて国会の承認を得るんですよ。白紙委任の八千億で勝手に我々が使いますというんじゃ通りませんよ。あなた、そんなことも分からないんですか。
  100. 野田佳彦

    ○国務大臣(野田佳彦君) 憲法八十七条に基づいて、事後にきちっと御承認を得るという民主的な統制を得ることになっています。
  101. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 白紙委任で国会に認めろというのはおかしいと、こういうことを言っているんですよ。これからその八千億の使い方を我々国会に相談してくださいよ。どうですか。
  102. 野田佳彦

    ○国務大臣(野田佳彦君) 先ほど申し上げたとおり、八十七条に基づいて事後に御承認を得られるように全力を尽くします。
  103. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 震災ですからね、野党も認めざるを得ないんですよ。二次補正は我々も賛成ですよ。しかし、もっとちゃんとしないと、国会をばかにしたようなことはいけませんよ。  総理ね、総理の退陣の三条件というのがある。その一つが二次補正の成立なんですよ。ということは、これから続いて出る三次補正については自分はやらないということですね。新しい代表というのか首相というのか、そこに任せるということですね。
  104. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど二次補正の性格を申し上げましたが、六月の二十五日には復興構想会議から復興の本格的な青写真、提言をいただいております。それを基に、今基本方針を、昨日もその骨子をまとめたところでありますが、今月中には基本方針をまとめていきたいと思っております。その上で、財源の在り方等も含めて第三次補正という作業に進んでいくと、このように理解いたしております。  私の進退の問題との関係は、私が六月二日に民主党の代議士会で申し上げたこと、あるいはその以後それに関連して記者会見で申し上げたことは、その私からお話ししたことは全く変わっておりません。
  105. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 いや、二次補正も私の退陣の条件の一つですということは言われたわけですよ、言い方はいろいろですけれども。ということは、三次はやらないということですかと言っているんですよ。今、三次のいろんな手続や順番聞きましたよ。そういうことじゃないんですよ。三次はやらないんですね。
  106. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 今申し上げましたように、復興構想会議の提言を受けて、そして基本方針を固めていく。その中には、いわゆる復興構想会議からもいただいている、あるいは基本法の中でもいただいております復興債をどのようにするのか、償還財源をどのようにするのかといったそういった議論については、この基本方針を議論する上で必須の要素でありますから、そういった議論には入ってまいります。  ですから、第三次補正というものを何かこう切り分けて今片山議員はおっしゃいますけれども、それに向かっての作業であることは基本方針を含めてもちろん言うまでもないわけでありますから、私が私のこの立場にいる限りは最後の一秒まで総理大臣としての職務は果たしてまいります。
  107. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 今の立場にいることのための条件をあなたは三つ挙げているわけですよ。その一つが成就するということは、その後のことはやりませんねと、こういうことなんで、今二次補正がこれで来週の早々にでも成立すれば後は三次補正ですよ。それから、その次は来年度の予算編成ですよ。これから絶え間なく続いていくんですよ。政治も大変だけど、事務方も大変ですよ。  しかし、政局が混乱して、事務方もうろうろしているのは、総理が退陣をはっきりしないからですよ。退陣を言われながら時期をはっきりしないから、流れるようにこれいろいろやっていくものが途絶えがちになっているんですよ。あなた、その責任分かりませんか。
  108. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、いつも申し上げておりますが、内閣としてやるべき仕事が今どういう状態にあるのか。今の最大の案件は、言うまでもありません、震災復旧復興であり、同時に原発の収束であります。  私は、今申し上げましたように、復旧復興に関しては四月に復興構想会議をお願いして、六月の二十五日に青写真を出していただき、提言を出していただき、それはそれとして着々と進んでおります。ですから、何かがとどまっているということにはなっておりません。昨日も基本方針の骨子をまとめたところでありますし、そのことは前進をいたしております。また、原発事故に関しても、ステップワンがほぼ予定どおり達成をして、ステップツーに向かって動き出しております。  そういった意味で、先ほど申し上げましたように、私が私のこの総理大臣という立場にある限り、この二つのことがきちんと進んでいくことが私の政権のまさに責務だと、責務はちゃんと果たしてまいります。
  109. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 総理、震災が起こってから四か月半ですよ。まだ復興予算ないんですよ。一次の、四兆何がしかの一次補正予算の補完のために中身のない二兆円だけ、額面の今二次を出しているんですよ。それ、着々とどこが進んでいますか。予算委員会でも、仮設住宅、瓦れきの処理、いろんなことを言われているじゃないですか。遅れているんですよ。スピード感がないんですよ。本当に震災の復旧復興がこれでいいのかと思っている。  その一つの、障害と言ったら語弊がありますけれども、はっきりさせないことですよ。やるならやると言いなさいよ、幾らでもやると。辞めるんならはっきりと、男らしくこの時期までやらせてもらうと、後は身を引くと言うべきじゃないですか。
  110. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 多くの皆さんが、この予算委員会の席で非常に遅れているということを言われます。私は、もちろん被災されている皆さんから見て、もっとこうしてほしい、あるいはもっと早くこうあってほしいということの意味で、その遅れについて決して否定するものではありません。  しかし、例えば阪神・淡路のときと比べてみますと、この被災の範囲は大変大きいわけでありますし、瓦れきもそのときに比べても大きさが違いますし、また原発事故という阪神・淡路ではなかった大きな事故が一緒に起きている中で、私は、基本的にはやらなければならないことについては、もちろんこれは私個人の力ではありません、内閣全体の力、そして自治体の皆さんの力、さらには個人個人の国民の皆さんのいろんな力が相まって、私は進むべきことは相当程度進んでいると思っております。(発言する者あり)
  111. 前田武志

    ○委員長(前田武志君) 質疑者の後ろの方々はもう少し静かにしてください。
  112. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) ですから、私の内閣が続いている限りは、内閣としてのそうした仕事を進めるのが私の責任であると、こう考えております。
  113. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 いや、だから総理、いつまでを私は責任を持つと、これを上げたら必ず辞めると、しかしここまではやらせてもらうと、断固として責任を取ると、こう言うべきじゃないですか。今、灰色、うやむやの状態で続いているんですよ。それが私はいろんなことに大変大きな悪い影響を与えていると思いますよ。  そこで、総理、もう時間がありませんから聞きますが、七月十三日の記者会見、あれだけ大仰なことをやって、まさか個人の見解を言われたわけじゃないんでしょうな。どういうつもりなんですか、脱原発依存宣言ですよ。
  114. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど来他の委員にもお答えを申し上げましたが、三月十一日のこの原子力事故以降、それまで二〇三〇年には五三%の発電を原子力によるとされてきたエネルギー基本計画の白紙からの見直しをまず始めました。また、今日の保安院の在り方についても、IAEAに対する報告書で経産省からの切離しという方向性、これは経産大臣も含めてそういう方向でいこうということで報告書に盛り込みました。また、短中長期のエネルギー需要についても今検討をしていただいております。そういう中で、再生可能な自然エネルギーを促進し、省エネを進めていくということも議論を進めております。  こういう考え方、こういう議論が進む中で、私としてトータルな考え方をお示しをしたわけでありまして、決してそのことは今政府が取り組んでいる方向と矛盾しているとは思いません。
  115. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 ところが、結果は個人の見解になっているんですよ。  枝野官房長官にお聞きします。これは首相の個人的な遠い願望だと言われた。枝野官房長官、どうですか。
  116. 枝野幸男

    ○国務大臣(枝野幸男君) 総理御自身も記者会見で明確におっしゃっておられますし、それから国会でも御答弁されておられますが、政府として今具体的に、明確に政府の方針として幾つかのことが進んでおります。そのことについて、全体としての大きな方向性について総理が御認識を示されたというのは、決して不自然なことでも、前例のないことでも、一般的によくあることだというふうに思っております。
  117. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 経産大臣、海江田経産大臣、総理の発言についてどうですか、どういう御意見ですか。
  118. 海江田万里

    ○国務大臣(海江田万里君) 私は、なるべく内閣の中でしっかりと議論をして、そして発表していただきたいと思っております。
  119. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 個人の見解じゃ困るんですよ。最初は個人の見解でもいいよ。言いっ放しじゃ駄目なんです。フォローをして、みんなの意見をまとめて内閣の意見にしないと。  私は、総理、ずっと総理を見ていまして、総理は法治国家だとか議院内閣制について正しい理解があるのかなと思いますよ。議院内閣制というのは、それぞれの大臣が法律に基づいて権限と責任を与えられているんですよ。分かりますか。意思決定は閣議の全会一致なんですよ。大統領制とは違うんですよ。  この制度は、議院内閣制というのは、まあ釈迦に説法でしょうけれども、独裁者をつくらない、ワンマンシステムをつくらないためのリスク分散の制度なんですよ。そこが大統領と違うんですよ。大統領は危ないから、アメリカは二期でしょう。一期のところもある。今知事の多選禁止が出ているのもそれなんですよ。総理はそこを誤解されているんじゃないですか。自分一人で言いっ放して、自分一人で何でもやれる、そんなことになっていない。手順、手続が要るんです。閣僚との熟議が要るんです。事務的な下からの積み上げも要るんです。そういうことをすっ飛ばして、自分だけで独裁者をやったら、この国は回りませんよ。いかがですか。
  120. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 議院内閣制の在り方についてはいろいろ議論がありますけれども、私は、従来の長い自民党の時代のやり方は内閣そのものを、ほとんどの決定を官僚任せにしてきたということを見てまいりましたので、そうではなくて、やはり政党が、つまりは多数をいただいた、選挙で多数をいただいた政党が内閣全体の責任を持つというのが議院内閣制の基本的考え方だと、このように思っております。
  121. 前田武志

    ○委員長(前田武志君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  122. 前田武志

    ○委員長(前田武志君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田忠智君。
  123. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。  まず、総理に伺います。  この間の市町村合併と行革で東北の被災三県では、ここ十年で市町村数が約半分、職員数も二〇〇六年から軒並み一〇%近い減となって広域化、職員減が進んでいます。被災者のアンケートでも、合併の影響により、行政の目が届かなくなり震災に弱くなったとか、迅速できめ細かな対応ができず被害が拡大し、復旧の遅れにつながったと言われておりますが、総理の認識を伺います。
  124. 前田武志

    ○委員長(前田武志君) 片山自治大臣……(発言する者あり)総務大臣。
  125. 片山善博

    ○国務大臣(片山善博君) 総務大臣です。  今御指摘の点は一長一短あると思います。中には、私も伺ったところによりますと、合併して規模が大きくなって、従前の市町村よりは総体としては減っていますけれども、職員の数の規模が大きくなって被災地に重点的に投入できるようになったという、そういう効果があったとか、一部の被災地の被災した住民を同じ市内の被災をしていない地域で受け入れることができたとか、合併の実が上がったという声も聞いておりますが、他方では、従前役場があったところがもうなくなったり、支所、出張所に格下げといいますか、なったおかげで職員数も大幅に減って、例えば、被災した直後の情報把握が手間取ったとか、それから初動対応に遅れが出たとか、そういうことはやはりあった、それは否めないと思います。いずれ落ち着きましたら、これはよく検証したいと思います。  もう一つは、合併の有無にかかわらず職員数をこの間大幅に減らしてきております。これは、政府が進めた一つの私は負の効果が出ていると思います。職員の数が減らして、併せて非正規化が進んでいるということ、このこともその自治体の力量を災害時に弱めてしまったという、そういう面はあったと思います。
  126. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 総理はいかがですか。
  127. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) まさに今、片山総務大臣からいろいろな経験も踏まえてお話がありました。私もそういう両面があったのではないかと。そういう点で、このことについては落ち着いた段階で今後の自治体の在り方についてしっかり検証していく必要があるだろうと、こう考えております。
  128. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 私は、やっぱりこの間の市町村合併がどうだったのかというのをしっかり検証すべきだと思いますし、また、予算委員会や復興特別委員会で、四十二市町村あると思いますが、被災自治体の体制確立について何回も質問して提起をしてまいりました。まだまだ十分でないと聞いておりますし、しっかり対応していただきたいと思います。  その上で提案をしますが、復興基本法に言う人間の復興を実現するには、住民主体のボトムアップによるコミュニティー再建を支援するコーディネーターが求められている、そのように考えております。広域化、職員減により、あるいはまたこの間の被災により被災自治体は疲弊をしています。人間の復興に向けて、被災者を復興までの三年間から五年間、任期付きの嘱託職員として自治体が直接雇用し、その間の給与は国が財政負担するような制度を創設すべきことを提案をしますが、いかがですか。
  129. 平野達男

    ○国務大臣(平野達男君) 復興に当たって、住民主体のボトムアップによるコミュニティー再建、非常に重要な指摘だと思います。その再建をするに当たって、被災地住民を例えば雇用する、こういう考え方もいい考え方だというふうに思います。この雇用を実現するために、少なくとも当面の措置としては雇用創出基金により自治体が被災者を雇用するという仕組みもございまして、この制度を活用することによって実現されるのではないかというふうに考えております。
  130. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 ただ、その制度は臨時職員ということで制度上短期になりますから、是非私が提案した内容も前向きに検討していただきたいと思います。  総理、政府部内でもう既に検討されているというふうに聞いておりますが、被災自治体にとって自由度の高い一括交付金や基金を是非、今回は第二次補正には福島県の放射線対策のみしか盛り込まれておりませんけれども、早期に被災自治体に対してこうした制度をしっかりつくっていただきたいと思いますが、いかがですか。
  131. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 今の委員からの御指摘と同様の指摘が、この自由度の高い交付金や基金をつくれという意味で復興構想会議からも提言をされております。今後、被災地の御意見や実情も十分に伺いながら、復興に必要な施策を円滑に実施することができるよう、そうした提案も含めて検討してまいりたいと思います。
  132. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 是非よろしくお願いします。  東電福島原発事故発生以来、四か月と十一日が経過をしました。事故現場で作業に当たられている方々の御労苦に、まず感謝を申し上げます。  社民党は七月七日に原発震災・被曝ホットラインを行い、私も電話で相談を受けました。福島県内の皆さんはもとより、神奈川、千葉、東京など関東の方々からも、特に子供への放射能の影響を心配する声が多く寄せられました。政府の放射能汚染への対策にはチェルノブイリの貴重な経験が生かされていないのではないでしょうか。  安全委員長、チェルノブイリではどのような対策を取ったと把握されていますか。
  133. 班目春樹

    ○政府参考人(班目春樹君) 事故が起こったのは一九八六年の四月でございますけれども、この年におきましては、年間の実効線量で百ミリシーベルト以上、土壌の汚染では一平方メーター当たり五百五十五キロベクレルというのを基準に、住民の避難であるとか立入禁止処置だとか、あるいは建物、土壌の除染であるとか、あるいは牛乳だとか野菜等の摂取制限が行われたというふうに承知してございます。
  134. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 福島第一原発の放出放射能の合計は、チェルノブイリが五百二十万テラベクレルと言われておりますが、その三割に当たると推計されています。チェルノブイリではこのパネルのように汚染区分ごとに対策を取りました。(資料提示)強制移住区域、一時移住区域、そして移住権を与えて居住区域、そしてそれにしっかり措置をする、そうした内容も盛り込まれたところでございます。  安全委員長、福島でもこのような汚染区分に沿った段階的な対応を取るべきではありませんか。
  135. 班目春樹

    ○政府参考人(班目春樹君) 原子力安全委員会としましては、できるだけきめ細かい対策を行政庁としては取っていただきたいと思っておりまして、昨日とかあるいは今週、幾つか基本的な考え方を発出しているところでございます。是非そういうものを参考に、なるべくきめ細かい対策を取っていただきたいと考えているところでございます。
  136. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 きめ細かくないんですよね、後手後手に回っている。体系立ってないんですよ、放射線対策。だから、社民党のホットラインでも本当に心配される声が寄せられているんです。そのことをしっかり受け止めていただきたいと思うんです。  三十キロ圏内避難者への補償は、災害救助法に基づく仮設住宅や生活必需品の提供以外にはありません、三十キロ圏外はですね。七月十四日に私は、参議院の震災復興特別委員会で原子力被災者生活支援チームの中山政務官に質問しましたが、政務官は災害支援法で補償対象にしていくという答弁をしています。  そもそもこのような法律の名前はありません。復興特別委員会をばかにしているのか、軽視しているのか、あるいはそうか分かりませんけれども、その後、議事録の訂正もありませんでした。上司は海江田大臣だと思いますが、謝罪して撤回、訂正してください。
  137. 海江田万里

    ○国務大臣(海江田万里君) もちろんこれは災害救助法の間違いだと思います。ただ、私が謝って済むことなら本当に申し訳ございません。これからよく帰って本人に、もちろん本人はもう分かっていることだと思いますが、どうぞお許しください。
  138. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 総理、三十キロ圏外の避難者に対して放射能汚染に着目した支援、具体的には義援金や医療費の減免、東電による仮払い補償金、生活保護などの生活支援、雇用保険の待期期間の特例的な短縮、保育園や学校への転入支援など、原発被災者に寄り添った避難者サポートを提供すべきではないかと考えますが、いかがですか。
  139. 菅直人

    ○内閣総理大臣(菅直人君) 東京電力福島第一原子力発電所の事故による影響から国民の健康を守るため、全国的に環境モニタリングや食品等の出荷制限、摂取制限を実施し、学校等において線量の低減策を講じる場合の財政支援を実施することといたしております。また、福島県原子力被害者・子ども健康基金により、福島県の全県民を対象とした健康アンケート調査や子供を対象とした中長期的ながん検診を実施することともいたしております。  そういった意味で、今御指摘されたことについてはできるだけしっかりと対応してまいりたいと、このように考えております。
  140. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 しっかり体系的に国民の皆さんに安心を与えるような施策を進めていただきたいと思います。  このように、文科省のモニタリングの結果を見ても、放射能汚染は三十キロ圏を超えて広範囲に及んでいます。一方、現行の防災指針に基づく防災対策を重点的に充実すべき地域、EPZの目安は八キロから十キロでございます。今回の事故ではEPZ圏外の自治体には避難計画もなく、東電や県からの情報も来なかったなど、被害が拡大する一因となりました。  安全委員長、これまでのEPZの規定は不適切だったのではないですか。防災指針の見直しはどうなっていますか。EPZの目安は少なくとも三十キロ程度まで拡大すべきと考えますが、いかがですか。
  141. 班目春樹

    ○政府参考人(班目春樹君) 実際に避難区域が二十キロ圏内、それから計画的避難区域だと五十キロまで達しているということを深く反省し、原子力安全委員会としては、防災指針、特にEPZの範囲については早急に見直すべきと考えてございます。(発言する者あり)  このため、既に先月、防災専門部会に改定のための指示を出しましたけれども、防災指針の改定の作業自体は専門家のコンセンサスを得てやらなければいけないので、私の方からいつまでとは言えません。しかしながら、その専門委員の方々はよく分かっていらっしゃいますので、なるべく早く結論を出して報告していただけるものというふうに考えてございます。
  142. 前田武志

    ○委員長(前田武志君) 以上で吉田忠智君の質疑は終了いたしました。(拍手)
  143. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 ありがとうございました。
  144. 前田武志

    ○委員長(前田武志君) 次回は来る二十五日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十時五十八分散会