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2011-08-22 第177回国会 参議院 本会議 34号 公式Web版

  1. 平成二十三年八月二十二日(月曜日)    午後一時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第三十四号   平成二十三年八月二十二日    午後一時開議  第一 東日本大震災に対処するための私立の学   校等の用に供される建物等の災害復旧等に関   する特別の助成措置等に関する法律案(橋本   聖子君外六名発議)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、平成二十三年度における公債の発行の特例   に関する法律案(趣旨説明)  以下 議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、  平成二十三年度における公債の発行の特例に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。財務大臣野田佳彦君。    〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  4. 野田佳彦

    ○国務大臣(野田佳彦君) ただいま議題となりました平成二十三年度における公債の発行の特例に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。  平成二十三年度当初予算は、中期財政フレームに基づき財政規律を堅持するとともに、成長と雇用や国民の生活を重視した元気な日本復活予算であります。  また、平成二十三年度補正予算(第1号、特第1号及び機第1号)において同年三月十一日に発生した東日本大震災からの早期復旧に向けて必要な財政措置を講じるとともに、平成二十三年度補正予算(第2号及び特第2号)において東日本大震災の当面の復旧対策に万全を期すために必要な財政措置を講じたところであります。  これらの予算編成においては、歳出歳入両面において最大限の努力を行っているところでありますが、補正後予算全体としては、なお引き続き特例公債の発行の措置を講ずることが必要な状況となっております。  本法律案は、平成二十三年度の財政運営に資するため、同年度における公債の発行に関する特例措置を定めるものであります。  以下、本法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、平成二十三年度の一般会計歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書の規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行することができることとしております。  第二に、租税収入等の実績に応じて、特例公債の発行額をできる限り縮減するため、平成二十四年六月三十日まで特例公債の発行を行うことができることとし、あわせて、同年四月一日以後発行される特例公債に係る収入は、平成二十三年度所属の歳入とすること等としております。  なお、本法律案については、一月二十四日に今国会に提出した後、衆議院にて御審議いただいておりましたが、平成二十三年度補正予算(第1号、特第1号及び機第1号)の財源について、臨時財源の活用等で対応することに伴い、法律案中に所要の修正を加えることとし、四月二十八日に衆議院の御承諾をいただいております。  その修正点の内容は、法律案中基礎年金国庫負担の追加に係る規定を削除し、また、法律の施行期日公布の日とするものであります。  政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第ではありますが、衆議院におきまして、子ども手当の支給等の見直しによる歳出の削減に関して附則の修正が行われております。  以上、平成二十三年度における公債の発行の特例に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)     ─────────────
  5. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。中谷智司君。    〔中谷智司君登壇、拍手〕
  6. 中谷智司

    中谷智司君 民主党中谷智司です。  民主党・新緑風会を代表して、平成二十三年度における公債の発行の特例に関する法律案について質問させていただきます。  本法律案は、衆議院において、二月十五日に審議入りをしました。約六か月を経て衆議院で可決をし、参議院に審議が回ってまいりました。民主党、自民党、公明党の三党合意によって、成立に向けて大きく動き出しました。  本法律案は、特例公債を発行する根拠法であり、成立することによって平成二十三年度予算の歳入の約四割を占める特例公債の発行が可能となります。言い換えれば、本法律案が成立しなければ、三十六兆九千八百八十億円もの歳入を確保できなくなる、私たち国民の生活に直結し、日本経済にも大きな影響を及ぼす非常に重要な法律案です。  野田財務大臣は、七月五日の記者会見において、仮に今国会の会期末までに特例公債法が成立しないという事態になった場合には、九月以降、円滑な予算執行を続けていくことは困難となり、政府としては予算執行の抑制という苦渋の決断を迫られることになりますと発言されました。  米国では、クリントン政権下において、予算執行権を失い、政府は閉鎖となり、米国人旅券の発給や外国人ビザ申請手続などが停止国立公園博物館などが閉鎖したと伝えられています。  この重要な法律案が参議院に送付されるまで約六か月もの期間を有したことをどのように受け止めておられるのか、また、本法律案が成立しなかった場合、私たち国民の生活や日本経済に具体的にどのような影響が出るのか、本法律案の成立がいかに必要であるのか、一国を預かる内閣総理大臣の御所見をお聞かせください。  我が国の財政は巨額の公債発行が続き、今年度末の公債残高は六百六十七兆円にも上る見込みです。OECDの統計によると、我が国の一般政府債務残高は、本年末に対GDP比二一二・七%となり、ギリシャの一五七・一%、イタリアの一二九・〇%をはるかにしのぎ、先進国中最悪の状況となっています。  言うまでもなく、特例公債や建設公債という仕組みは自民党政権においてつくられたものであり、今回発行しなければならない特例公債のうち、およそその半分程度は自民党政権時代に積み上げられた約六百兆円にも上る公債の利払いなどに充てられるものです。  現在、政権を担っている立場として、自民党政権における財政運営をどのように総括し、民主党政権において、財政を健全化するため、どのような筋道を立てようとしているのか、内閣総理大臣のお考えをお伺いします。  我が国に深刻で甚大な被害をもたらした東日本大震災から五か月がたちました。平成二十二年度予備費などを活用し、また、平成二十三年度第一次補正予算、第二次補正予算を編成し、被災地の復旧・復興に取り組んでまいりました。御家族を亡くされたり、家や会社を失って大きな借金のみを背負われたり、被害に遭われ深刻な状況にある被災者の皆様お一人お一人の立場に立ち、お気持ちを考え、これからも引き続き最善の対策を講じなければなりません。  今後、被災地を始めとする私たちの国の本格的な復興に向けて第三次補正予算を編成することとなります。政府と与党が十分な連携や調整をしながら規模や内容を決めていく必要がありますが、政府としてはどのようにお考えなのか、財務大臣にお伺いします。  政府の「東日本大震災からの復興基本方針」によると、震災からの復旧・復興については、平成二十七年度末までの五年間の「集中復興期間」に、国、地方合わせて少なくとも十九兆円程度の事業規模が見込まれています。また、十年間の復旧・復興対策の規模は、少なくとも二十三兆円程度が見込まれています。政府ではこれからの復興の財源をどのように確保しようとしているのか、財務大臣の御所見をお聞かせください。  米国の景気後退懸念や欧州の信用不安を始め、米国や欧州、そして新興国資源国など世界中の経済が絡み合って円高が進んでいます。我が国にとって、急速な円高進行は、企業の業績に影響を及ぼし、企業インド、ひいては経済活動を下振れさせることなどが懸念されます。日本経済に対する円高の影響をどのように受け止めておられるのか、また、政府は八月四日に為替介入をしましたが、その理由や目的と併せ介入による効果についてお聞かせください。加えて、円高に対してこれからどのような対策を講じようとしておられるのかも財務大臣にお伺いいたします。  円高については迅速に対策を講ずる必要があります。しかし、これから日本の人口は減少し、世界の人口構成が変わり、世界のマーケットも大きく動いていく中で、将来の日本経済はどうあるべきかを考え、議論していくことも重要です。円高が良い悪いというよりも、むしろ経済のグローバル化の中で日本経済を円高など様々な変化に耐え得る柔軟な構造に転換していくことが必要だと考えますが、内閣総理大臣の御見解をお聞かせください。  東日本大震災は、私たちの国に甚大な被害をもたらすとともに、私たち国民の心に大きな衝撃を与えました。また、世界の多くの国が政治や経済を始め様々な分野で大きなうねり、大変動の渦中にあります。国の内外に様々な課題が山積する中で、私たちの国日本も大転換を図らなければならないときを迎えています。私たち国民は、混迷と閉塞の現状から脱却し、希望や誇りを持って生きられる国をつくることに全力で取り組まなければなりません。国民の皆様、そして国会議員の方々に、私たちの国の未来を一緒になって真剣に考え、一丸となって切り拓いていただきたいとお願いし、私の質問の結びとします。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
  7. 菅直人

    内閣総理大臣(菅直人君) 中谷智司議員にお答えを申し上げます。  まず、特例公債法案の審議状況と、成立しない場合の影響に関する御質問にお答えをいたします。  特例公債法案提出後、大震災が発生し、その対応のための第一次補正予算の財源確保のため特例公債法案政府修正し、まずは一次補正予算及び震災関連法案の成立を最優先に取り組んでまいったところであります。その上で、並行して、四月二十九日の三党合意に基づき、これまで民主、自民、公明の三党間で協議を続け、今般八月九日に、三党合意に盛り込まれた歳出見直し等の事項について合意に至ったと承知をいたしており、関係各位の御尽力に深く感謝を申し上げます。  万が一、特例公債法案が成立しなければ、予算の円滑な執行に支障を来すだけでなく、国債市場の動揺や経済の混乱など不測の事態が生じるおそれがあり、国民生活への悪影響が懸念されます。特例公債法案の一刻も早い成立を心からお願いする次第であります。  次に、財政健全化についての御質問をいただきました。  自民党政権下では、特に一九九〇年代、公共事業への支出が歳出増加の主な原因になっており、これが無駄な支出につながったとの批判がありました。これに対し民主党政権では、公共事業を削減する一方、子育て雇用、医療など社会保障関係費を充実させ、大胆な予算配分の変更を実行いたしました。また、社会保障と税の一体改革も進め、社会保障制度の持続可能性の確保にも取り組んでまいりました。  御指摘のとおり、我が国の財政の現状は主要先進国の中で最悪の水準にあります。国債発行に過度に依存することは困難であり、財政健全化はどの内閣であっても避けることができない課題であります。  民主党政権下では、昨年六月、規律ある財政運営を行うため財政運営戦略を策定し、二〇一五年度までに基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスの赤字を対GDP比で二〇一〇年度の水準から半減する、そして二〇二〇年度までに黒字化するとの財政健全化目標を掲げて着実に取り組んでいるところであります。八月十二日には、財政運営戦略に定める財政健全化目標の下、中期財政フレームの改定を閣議決定したところであります。  今後も、財政健全化については、歳入歳出両面にわたる取組により、財政全般を考慮しながら着実に推進していくことが必要だと、このように考えております。  次に、日本経済の構造転換についての御質問をいただきました。  最近の為替市場では一方的に隔たった円高の動きが更に強まっており、こうした動きが続くと、我が国の経済、金融の安定に悪影響を及ぼしかねません。市場において投機的な動きがないか、これまで以上に注視し、必要な場合には断固として行動をする覚悟であります。  その上で、御指摘のように、経済のグローバル化が進む中、我が国経済が大震災という苦難を乗り越え、円高などの変化に柔軟に対応できる構造に転換していくことは重要な検討課題であります。  具体的には、新成長戦略や八月十五日に閣議決定した政策推進の全体像に基づき、まずは震災からの施設整備、サプライチェーンの復旧、再構築などの本格復興に向けた施策に全力で取り組むとともに、環境変化に柔軟に対応できる産業構造への転換という視点から、立地競争力強化やグローバル人材の育成、インフラ海外展開の推進や海外市場の開拓、革新エネルギー環境戦略の推進など、空洞化防止と世界の成長を我が国に取り込むための政策を進めてまいるところであります。  残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。  以上です。(拍手)    〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  8. 野田佳彦

    ○国務大臣(野田佳彦君) 中谷議員から三問の御質問をいただきました。  まず最初に、第三次補正予算の編成における政府・与党の連携についての御質問でございます。  これまでも、第三次補正予算の基礎となる復興基本方針を策定するに当たりましては、与党と密な意思疎通を図ってきたところでございます。  また、基本方針においては、第三次補正予算の編成と併せて策定し国会提出することとされている税制措置の具体的な内容については、政府・与党において検討とされております。  こうした点を踏まえつつ、政府・与党間で一層緊密に連絡調整を行うとともに、野党の皆さんとも真摯に協議をしながら、一刻も早い復旧・復興の実現に努めてまいりたいと考えております。  続いて、復興財源の確保についてのお尋ねがございました。  復興基本方針においては、復旧・復興事業に充てる財源について、累次の補正予算等における財源に加え、歳出の削減、国有財産売却のほか、特別会計、公務員人件費等の見直しや更なる税外収入の確保及び時限的な税制措置により確保することとしております。  最後に、日本経済に対する円高の影響及び円高対策についてのお尋ねがございました。  円高は、輸入価格の低下による企業収益の増加要因となるほか、国内投資家、消費者の購買力の増加につながる等のメリットもある一方で、外需の減少、設備投資や雇用の停滞、さらには企業の海外移転等を通じて経済成長の下押し要因となります。  最近の為替市場では、一方的に偏った円高の動きが見られますが、こうした動きが続きますと、日本経済が震災からようやく復興に向かいつつある中、経済、金融の安定に悪影響を及ぼしかねないと強く懸念をしております。  このような考え方から、為替市場の投機的、無秩序な動きに対応するため、八月四日に為替介入を実施したところでございますが、介入の効果については、引き続き市場を注視していることから、総括するには早過ぎると考えております。  今後とも、市場において投機的な動きがないか、これまで以上に注視し、あらゆる措置を排除せず、必要な場合には断固として行動をしてまいります。  また、円高による経済の下振れリスクについては、東日本大震災からの復興基本方針においても、企業立地競争力の強化などの産業空洞化防止策や企業の国際競争力強化のための施策などが盛り込まれており、こうした施策を着実に実施することが円高対策にも資するものと認識をしております。(拍手)     ─────────────
  9. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 愛知治郎君。    〔愛知治郎君登壇、拍手〕
  10. 愛知治郎

    愛知治郎君 自由民主党愛知治郎です。  私は、平成二十三年度における公債の発行の特例に関する法律案について、自由民主党を代表して、菅総理並びに関係大臣に質問いたします。  震災の発生から既に五か月以上が経過したにもかかわらず、被災地の復旧・復興は遅々として進んでおりません。特に、菅総理が内閣不信任案を否決するために中途半端な退陣表明をした六月二日以降、政権はレームダックと化し、行政機能があらゆる面で停滞をしております。  この間、私の地元宮城県では、震災発生時から危惧されていたにもかかわらず、悪臭やハエの大量発生が起こってしまい、必要な情報を何も知らされていなかったせいで稲わらや肉牛の汚染が拡大し、また、瓦れき処理の業者やみなし仮設の大家さんに対してはいまだほとんど支払がされておらず、さらに、被災した宅地や農地の扱いについて国が方針を明示しないため自治体で混乱が生じるなど、全て政府の対応の遅れからくる人災、二次被害、三次被害が次々と起こっております。  そもそも、菅政権の震災対応について問題を挙げれば切りがありませんが、あえて数え上げれば、震災直後のガソリンや燃料の供給不足、所掌不明の本部や会議の乱立、原発事故の初動対応の誤り、東京電力との意思疎通の欠如、瓦れきやヘドロ撤去の遅れ、仮設住宅建設の遅れ、不適切な情報発信、恣意的な情報隠蔽、諸外国からの不信、根拠のない原発停止要請、補正予算や法整備の遅れ、被害者への補償の遅れ、原発再稼働をめぐる混乱、暴言を吐いた大臣の辞任、長引く電力不足、閣内の意思の不統一、そして復興基本方針の遅れ。本当に切りがないのでやめますが、まだまだあるはずであります。よくも一人の総理、一つの内閣でこんなに問題が起こせるものだと半ばあきれてしまいます。  この状況を脱するためには、菅総理を早く退陣させ、まともな政権を誕生させなければなりません。菅総理は、先日委員会審議の場で、第二次補正予算、特例公債法案、再生エネルギー法案のいわゆる退陣三条件が成立すれば退陣すると明言をされました。  そもそも、これらの予算法案には大いに問題があります。第二次補正予算に関しては、金額も少なく、時期も中途半端であること、特例公債法案に関しては、マニフェストで約束した十六・八兆円の財源創出ができないにもかかわらず赤字国債を発行するのは身勝手であること、再生エネルギー法案に関しては、エネルギー政策基本的なビジョンが定まっていない中で中途半端な決定をするのは拙速であることなどであります。  しかし、今は何よりも一刻も早い復旧・復興国家の最重要課題であります。そして、そのための最大の障害である菅総理の退陣が急務であります。そのことに鑑み、我々は第二次補正予算にも賛成いたしましたし、残り二条件の速やかな成立にも協力を惜しまないつもりであります。  菅総理がこの問題のある三つの政策を退陣条件としたために、我々は六月以降、大変貴重な二か月を無駄にいたしました。被災地の状況を考えると、失ったものは余りにも大きいと言わざるを得ません。菅総理には、こんな自分の身勝手のために復興を遅らせたという自覚があるのでしょうか。しかし、もはやそのことをあなたに問うても仕方ありません。  菅総理には、あえてこの一点だけ質問させていただきます。三条件が成立したら速やかに退陣するということでよろしいのですね。イエスかノーか、一言でお答えください。  菅総理のこれまでの言葉がうそでないのであれば、答えはイエスのはずであります。ならば、もうお辞めになる総理に質問しても仕方がありません。そこで、本日は、いち早く菅総理の後任に名のりを上げている野田財務大臣を中心に質問をさせていただきたいと存じます。  民主党は現在、衆議院で三百一議席、参議院で百六議席と、いずれも第一党であります。衆参合わせて四百七議席。第二党である自由民主党の二倍以上という、歴代政権が羨むような圧倒的な議席数を有しております。  菅総理はすぐに、野党のせいで物事が進まないというような言い方をしてまいりました。しかし、これだけの議席を持っていながら物事が進まないのであれば、それは菅総理を選んだ民主党そのものの力不足、民主党自身の責任にほかなりません。  菅総理は、一方では野党に協力を求めながら、他方では野党議員を閣僚や政務官に一本釣りをするなど、与野党の信頼関係を破壊する不誠実な行動を繰り返してきました。野党と話し合い、協力していこうという姿勢を持たず、自分の都合だけで全てを進めようとすれば、どんなに多くの議席を持っていようと、物事が進まないのは当たり前であります。復旧・復興の遅れも、元はといえば全てそのような菅総理の姿勢からきていたものであります。もし次の総理もこのような姿勢を取り続けるのであれば、野党の協力など望むべくもありません。  そこで、今後、民主党がどのような姿勢で野党との関係をつくっていくべきか、野田大臣の考えを伺います。  次に、民主党マニフェストの問題に移ります。  先日、三党の幹事長民主党のばらまき政策の見直しを検討することで合意をいたしました。子ども手当は既に廃止が決まりましたが、残りの高速道路無料化、高校無償化、農業者戸別所得補償についても、厳しく検証をした上で速やかに廃止すべきであります。  これに関して、民主党が、子ども手当存続しますというビラを全国に配布したと聞きました。岡田幹事長が謝罪の上、配布の中止を決定したものの、回収の指示はされておりません。この事実は、また国民をだまし、我々をペテンに掛ける許されない行為であり、この特例公債法案に対する我々の賛否にもかかわる問題であります。  細川厚生労働大臣、このビラ配布について事前に内容を知らされていたのか、内容は三党合意に反するものではなかったのか、子ども手当の廃止は間違いないのか、三点伺います。  また、高校授業料の無償化は、朝鮮学校も対象となり得る制度であり、ばらまきとは別の観点からも大いに問題があります。政策効果の検証を待つまでもなく、廃止すべきと考えます。  また、民主党マニフェストの根本的な問題は、これらの政策を実現するための前提である財源が確保できなかったことであります。無駄削減、埋蔵金の活用、租税特別措置の見直しで合計十六・八兆円の財源を捻出するという国民との約束は、全く果たされておりません。それを野田財務大臣は、先日の参議院予算委員会で、埋蔵金と租税特別措置についてはそれ相応の結果は出してきている、無駄削減については着実に財源を確保しながら実行していこうという思いを持ってきたという答弁をされましたが、これは国民の認識と大きくずれていると言わざるを得ません。  野田財務大臣に伺います。  十六・八兆円のうち、これまで確保できたのは幾らですか。あなた方のマニフェストに沿って、無駄削減、埋蔵金、租税特別措置、それぞれの金額をお答えください。また、それぞれ今後幾らまで財源創出ができるのか、見通しをお答えください。  また、そうやって確保した財源が実際にはどこに使われたのでしょうか。マニフェストの工程表では、平成二十三年度、ばらまき四Kなど八事業に十二・六兆円を使うことになっていますが、それぞれの事業に実際幾ら使われたのか、お答えください。  マニフェストに掲げた政策は、まず財源を確保した上で、その財源に見合った分の事業を行うようゼロベースで見直すのが当然であります。新政権が今後、どんな局面にせよ、与野党協議を持ちかけるのであれば、それが避けて通れない道であります。  野田財務大臣、ばらまき四K政策も含め、マニフェスト全体を今後見直す考えがあるのかどうか、お聞かせください。  政府は、先日、二〇二〇年代半ばまでの経済財政の中長期試算を発表しました。これによれば、二〇一五年までに消費税を一〇%に引き上げても、二〇二〇年には十八兆円ほど基礎的財政収支が赤字になるとのことであります。  菅総理が内閣の最重要課題と位置付けていた税と社会保障の一体改革は、民主党内すらまとめ切れず、腰砕けに終わってしまいましたが、財政状況は待ったなしであります。次のリーダーには、パフォーマンスや思い付きではない、中長期を見据えた改革を、言うだけではなく実行していただかなくてはなりません。  そこで、野田財務大臣、消費税について引き上げることは間違いないのか、また、菅総理とは違い、誰が反対しても増税をやり抜く覚悟があるのか、覚悟のほどを伺います。  次に、復旧・復興の遅れについて伺います。  冒頭でるる申し上げたように、菅政権の震災対応は余りにも失敗だらけで、遅きに失しています。  我々自由民主党は、第一次から第三次までの計五百七十七項目にわたる緊急提言や、震災後の経済戦略の緊急提言など、数々の震災対策を提言してまいりました。第二次補正予算では、十七兆に上る本格的な復旧・復興予算を提案しました。  しかし、復興基本法も、原子力損害賠償支援機構法も、瓦れき処理特措法も、政府案のレベルが余りにも低過ぎたため、野党案丸のみで成立をしております。野党にできることがなぜ政府にできないのでしょうか。ここまで政策立案能力の低い政府は前代未聞であります。  さらに、中途半端な時期に第二次補正予算を編成したために、本格的な復旧・復興対策である第三次補正が遅れ、そのために来年度本予算の編成も遅れるという玉突き状態になってしまいました。明らかなスケジューリングのミスでありますが、政府にその認識はあるのでしょうか。  そこで、野田大臣に伺います。本格的な復旧・復興のための補正予算がいまだにできていないのはなぜでありますか。また、今後どのようなスケジュールで本格的な復旧・復興予算を作成するおつもりでしょうか。  さて、先月来、稲わらや牛肉の広範囲な汚染が問題となっております。新しい汚染が次々と判明し、生産者も消費者も農産物の実際の汚染と風評被害の区別が付かず、何を信じてよいか分からない状態になっております。  政府がいつもその場限りの対応を繰り返し、全体的な基準がないために大混乱を招いているのであります。牛が食べる稲わらが一キロ当たり三百ベクレル、人間が食べる牛肉が一キロ当たり五百ベクレルという安全基準は整合性があるのでしょうか。先日、宮城県において牛肉の出荷停止解除されましたが、政府が農畜産物の全体的な安全基準の考え方を国の責任で示さなければ生産者も消費者も不安は収まりません。  また、農畜産物の検査体制もいまだ不十分であります。自由民主党は、四月の段階で、国、商工会議所等が放射能に対する安全性を公的に証明する品質保証を行う仕組みの構築を提言してまいりました。政府がもっと早い段階で検査体制の整備に着手していれば、今ごろ慌てる必要はなかったはずであります。  これらは食品安全委員会厚生労働省、農林水産省など、複数省庁にまたがる課題でありますが、あえて代表候補の一人とされる鹿野農林水産大臣に伺います。国や県、商工会議所等が幅広い品目の農畜産物について品質保証を行う仕組みを構築する考えはないのか、また、そのための検査体制を国費で構築するつもりはないのか、見解をお聞かせください。  また、政府は汚染牛への補償について、一頭五万円などという農家をばかにしているとしか思えない額を決めましたが、もっと大胆な補償が必要だと考えます。  これは野田財務大臣と鹿野農林水産大臣にそれぞれ伺います。なぜ牛一頭五万円という補償なのか、根拠をお示しください。また、今後、もっとまともな金額の補償をするつもりはないのでしょうか。さらに、牛以外の農畜産物、水産物まで含めた包括的な補償の枠組みをつくるつもりはないのでしょうか。お答えください。  復旧・復興に関しても財源が大きな問題であります。復興債の償還財源、特に復興増税の有無について政府は考えをまとめ切れておりません。復興基本方針でも、基幹税などを多角的に検討すると曖昧な記述にとどまっております。  そこで、復興のための増税の必要性について、また、どのような税を充てるべきかについて、野田大臣はどのようにお考えか、見解を伺います。  最後に、最近の急激な円高株安対策について伺います。これは欧米債務問題に端を発したものでありますが、震災の傷が癒えぬ我が国経済への影響は大きく、我が国としても欧米諸国と連携しながら積極的な対策を講じていく必要があります。  そこで、野田大臣、この円高、株安に対し、我が国としてどのような対策を講じているのか、また今後講じていくつもりか、お考えをお聞かせください。  これまで述べてきたように、偽りのマニフェストを掲げて政権を取って以来、民主党政権は数多くの過ちを繰り返してまいりました。そして、今なお震災や原発事故への対応、我が国の財政問題、世界経済の問題、どれを取っても状況は大変に切迫しております。民主党にこのような難局を乗り切るだけの政権担当能力のないことは明々白々であります。  私は、以前、鳩山政権時代に、この演壇で論語を引用し、過ちては改むるにはばかることなかれという言葉を申し上げました。しかしながら、民主党は、その後も過ちを改めるどころか、更にひどい過ちを積み重ねてきております。論語では、過ちて改めざる、これを過ちというとも言っております。まさに民主党がこの状態ではないでしょうか。今回のビラ事件はその象徴であります。  本日は代表選に名のりを上げられているということで野田大臣を中心に質問をいたしましたが、誰が代表になっても民主党が政権の座にある限り本当の問題解決にはならないのであります。民主党内で政権をたらい回しにするのではなく、我々に一刻も早く政権を禅譲をしていただくか、少なくとも解散・総選挙で民意を問う、それが本来の姿であると強く主張して、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
  11. 菅直人

    内閣総理大臣(菅直人君) 愛知治郎議員にお答えを申し上げます。  まず、震災発生から五か月間の行政の停滞と私の出処進退に関する御質問をいただきました。  三月十一日の震災発生以来、内閣を挙げて復旧・復興に、そして原発事故の収束に向けて努力をしてまいりました。特に六月二日以降の行政の停滞について述べられましたけれども、六月二日に衆議院において不信任案が大差で否決をされました。  それ以降行ったことを取り上げてみますと、第二次補正の成立、復興基本法の成立、復興構想会議の提言、そして復興基本法の策定、さらには社会保障と税の一体改革を取りまとめ、原発に関しては、ステップ1の終了、そして自民党時代からの懸案でありました保安院を経産省から切り離す原子力安全庁の設立の閣議決定など、六月二日以降に行ったことは、今申し上げたことだけを挙げても国民の皆さんにとって極めて重要な政策を推進したものと、私は自信を持って皆さんに申し上げます。  その上で、私の出処進退につきましてはこれまでも国会で答弁してきたとおりでありまして、私の言葉に沿って、私自身責任ある行動を取ってまいりたいと考えております。同時に、政府の長として、その職責は菅内閣が継続する最後の一分一秒まで責任を果たしてまいりたいと思います。  是非、この公債特例法の成立に与野党超えての御協力を心からお願いして、答弁とさせていただきます。(拍手)    〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  12. 野田佳彦

    ○国務大臣(野田佳彦君) 愛知議員から九問の御質問をいただきました。  まず、野党との関係についての御質問にお答えをしたいと思います。  東日本大震災という国難に直面する中、国家国民のために政府が総力を挙げて解決すべき課題は山積をしているのが現状でありますが、現在のいわゆるねじれ国会の下では、与野党での合意、協力なしには法案を成立させ政策を実行することは困難な状況にあります。  こうした状況の下で、与党たる民主党としては、中庸の言葉でありますけれども、至誠は神のごとし、こういう姿勢で野党との信頼・協力関係を築いていくことが必要であると考えております。  続いて、マニフェスト財源についてのお尋ねがございました。  愛知議員の御指摘のとおり、マニフェストでは、財源として、歳出削減や予算の組替え、埋蔵金等の活用、租税特別措置などの見直しの三つを挙げております。  二十二、二十三年度予算編成を振り返りますと、歳出削減等については、事業仕分などにより、二十二年度予算で二・三兆円、二十三年度予算で少なくとも〇・三兆円、計二・六兆円を捻出をいたしました。埋蔵金等については、二十二年度予算で六・三兆円、二十三年度予算で二・七兆円、計九・〇兆円を捻出いたしました。租税特別措置等の見直しについては、二十二年度で一・一兆円、二十三年度で〇・二兆円、計一・三兆円を捻出をいたしました。  以上、合わせますと、若干の重複を考慮しても十兆円を超える財源を捻出をしたというふうに思います。これらの財源は、マニフェスト主要事項の実現に必要な三・六兆円のほか、社会保障費の自然増、年金財源、税収の落ち込みへの対応などにも充てられております。また、埋蔵金は恒久的な財源ではないので、マニフェスト関係予算三・六兆円については歳出削減と税制改正という恒久財源で対応しており、責任ある財政運営に努めてきたところでございます。  今後は、民主、自民、公明の三党間において八月四日や八月九日に歳出見直しに関する合意が図られているものと承知をしており、政府としてもこれらの合意を踏まえ適切に対処してまいりたいと思います。  続いて、マニフェストについての御質問をいただきました。  マニフェスト工程表の平成二十三年度の欄に掲げられている各事業の国費は以下のとおりであります。  子ども手当については、子ども手当二・二兆円を当初予算において措置しております。なお、子ども手当については、第一次補正予算において二・〇兆円に減額するとともに、今般の三党合意に基づき第三次補正予算において一・九兆円程度に減額することとしております。  高校の実質無償化については〇・四兆円を措置しています。年金記録問題への対応については〇・一兆円、医師不足解消などの段階的実施については三百二十一億円、農業の戸別所得補償制度については所要額ベースで〇・九兆円となっています。暫定税率の廃止については、自動車重量税に係る暫定上乗せ分の一定部分の税負担を軽減することにより〇・二兆円を対応しています。高速道路の無料化については、〇・一二兆円を当初予算において措置していますが、第一次補正予算において〇・一兆円を減額しています。雇用対策については、求職者支援制度として百七十三億円を措置しています。  続いて、マニフェストの見直しについての御質問をいただきました。  民主党政権発足以来、歳出歳入両面にわたりマニフェスト項目実施のための財源の確保を図ってきたところであり、今後とも、政策を進めるに当たってはその財源を確保することが重要であることは言うまでもありません。また、マニフェストについては、本来、任期途中での進捗状況等を踏まえた検証を行うべきものと考えており、その上に東日本大震災の発災という新たな事情が生まれたところでもあります。これを踏まえて政策の優先順位を考えることが必要であり、国民の生活が第一というマニフェストの理念は堅持しつつも、現実を踏まえた対応をしていくことが重要であると考えております。  消費税についての御質問をいただきました。  現在の社会保障制度は五十年前に基本的な枠組みができましたが、人口構造の変化など、その後の社会経済情勢の変化に十分対応できていません。また、現在の世代が享受する給付費の多くを後代の負担にツケ回している現状にあります。  そうした状況を踏まえ、社会保障・税一体改革成案においては、社会保障給付の規模に見合った安定財源の確保に向け、まずは二〇一〇年代半ばまでに段階的に消費税率を一〇%まで引き上げ、当面の社会保障改革に係る安定財源を確保することとされているところであります。  安心できる社会保障制度を確立することはどの政権でも避けては通れない課題であり、本年度中に必要な法制上の措置を講ずるべく議論を進めていく覚悟でございます。  続いて、本格復興予算についてのお尋ねがございました。  東日本大震災に際しては、短期的に必要となる救助・復旧事業については、既定の歳出の見直しや剰余金の活用などにより、適時の対応を図ってきたところでございます。  一方、本格的な復旧・復興を実効的に進めるためには、復興期間の設定、必要となる復興施策の洗い出し、復興事業に係る財源の確保なども体系的に行うことが必要であり、こうした観点から、七月末にかけて復興基本方針を策定をいたしました。  今後は、この復興基本方針に示された考え方、進め方に沿って所要の財源確保措置を講じた上で、平成二十三年度第三次補正予算を策定していくこととなるものと考えております。  続いて、汚染牛の補償額の根拠についてのお尋ねがございました。  八月五日に農林水産省は、東京電力による賠償を前提に、三か月分の餌代等相当額として肥育牛一頭当たり五万円の立替払の支援のほか、出荷制限されている県において県の畜産関係団体による出荷の適齢期を過ぎた牛の買上げなどを新たに決定、公表しているものと承知をしています。  いずれにせよ、政府等による出荷制限指示等に係る損害については、東京電力福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する第一次指針において東京電力による賠償の対象となることが基本的な考え方として明らかにされており、政府としては、引き続き、東京電力による迅速かつ適切な賠償が行われるよう万全を期してまいりたいと考えております。  続いて、復興のための増税についての御質問をいただきました。  復旧・復興のための財源については、次の世代に負担を先送りすることなく、今を生きる世代全体で連帯して負担を分かち合うことを基本としています。  集中復興期間中の復興・復旧事業に充てる財源については、累次の補正予算等における財源に加え、歳出の削減、国有財産売却のほか、特別会計、公務員人件費等の見直しや更なる税外収入の確保及び時限的な税制措置により確保することとしています。  税制措置については、現在、税制調査会の下に作業チームを設けて検討を進めているところであり、現時点で具体的な内容が決まっているわけではありませんが、復興基本方針及び復興基本法の規定に基づいて、今後、各党の御意見も虚心坦懐にお伺いしながら検討を進めてまいりたいと考えております。  最後に、円高、株安についてのお尋ねがございました。  最近の為替市場では経済のファンダメンタルズから離れた一方的に偏った円高の動きが見られますが、こうした動きが続くと、日本経済が震災からようやく復興に向かいつつある中、経済、金融の安定に悪影響を及ぼしかねないため、八月四日に為替介入を実施をいたしました。今後とも、市場において投機的な動きがないか、これまで以上に注視し、あらゆる措置を排除せず、必要な場合には断固として行動をしてまいる決意であります。  株価については、様々な要因を背景に市場において決定されるものであり、株価の水準や変動要因等について言及することは差し控えさせていただきますが、株式市場の動向についても、今後も十分注視してまいりたいと考えています。  また、円高による経済の下振れリスクについては、東日本大震災からの復興基本方針においても、企業立地競争力の強化などの産業空洞化防止策や企業の国際競争力強化のための施策などが盛り込まれており、こうした施策を着実に実行することが円高対策にも資するものと認識をしています。(拍手)    〔国務大臣細川律夫君登壇、拍手〕
  13. 細川律夫

    ○国務大臣(細川律夫君) 愛知議員にお答えをいたします。  子ども手当についてお尋ねがありました。  まず、御指摘のビラの作成については、私は事前に承知をいたしておりません。  次に、ビラの内容につきましては、岡田幹事長も八月十八日の記者会見で次のように述べております。今の子ども手当が、一万三千円がそのまま続く、これから来年度以降も続いていくというふうに受け取れかねない表現がありますので、そういう意味で不適切であったと考えておりますと述べているところであります。  次に、来年度以降の子ども手当の金銭給付制度については、今回の三党合意に沿って十七日に閣議決定いたしました特別措置法案の附則において、政府児童手当法に所要の改正を行うことを基本として法制上の措置を講ずることと規定をいたしております。この規定に沿って、各党の御意見も聞きながら、今後、更に具体的に内容を検討をしてまいります。(拍手)    〔国務大臣鹿野道彦君登壇、拍手〕
  14. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 愛知議員の御質問にお答えいたします。  まず、農畜産物の安全性を確保する仕組みとそのための支援についてのお尋ねでございますが、国民の健康を守ることを最優先に、食品衛生法の暫定規制値を超過する食品の流通を防止することが重要でございます。  具体的には、これまで、原発事故発生後速やかに、厚生労働省におきまして、食品衛生法に基づく暫定規制値を決定、公表するとともに、関係県に適切に農畜産物等を検査するよう指示してきたところでございます。  また、政府原子力災害対策本部におきましては、原発事故の状況に応じ、検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方をその都度定めているところでございます。現時点におきましては、放射性沃素よりも放射性セシウムに着目し、また、放射性物質の降下、付着に加え、農地土壌からの移行にも着目し、さらには国民の食品摂取量等の実態にも着目した検査が行われるようにしているところでございます。さらに、検査結果を踏まえて、原子力災害対策本部長指示に基づく食品の出荷制限等を的確に実施をいたしました。  このような仕組みによって、消費者の食の安全の確保に取り組んでいるところでございます。  農林水産省といたしましては、厚生労働省に全面的に協力をいたし、検査の円滑な実施に努めており、都道府県の検査計画の策定を支援したり、都道府県の依頼に応じた検査の実施や、平成二十三年度当初予算や第一次補正予算によりまして検査機器の整備も進めているところでございます。  今後、更に検査の増大が見込まれることから、都道府県における検査が引き続き的確に実施されるよう、検査体制の整備につきましてできる限りの支援をしていきたいと考えているところでございます。  次に、汚染牛に対する支援と一頭五万円の根拠についてのお尋ねでございますが、御指摘の一頭当たり五万円の支援は、出荷制限等により当面の資金繰りに困っている肥育農家に対しまして、肥育する全ての肥育牛一頭当たりの餌代等約三か月分相当額を支援するものでございます。  さらに、出荷制限が行われた県におきまして畜産関係団体が出荷遅延牛を実質的に買い上げる場合の支援や、出荷された牛の価格下落分の支援も実施することとしたところでございまして、肉用牛肥育経営をしっかりとこれからも支援してまいりたいと思います。  また、今般示された原子力損害賠償紛争審査会における中間指針におきまして、政府等による農林水産物等の出荷制限指示等に係る損害につきましては賠償すべき損害と認められるとされており、農林水産省といたしましては、東京電力が早急に賠償責任を果たすよう万全を期してまいります。  最後に、包括的な補償の枠組みについてのお尋ねでございますが、今回の福島原子力発電所事故による農林漁業者の損害につきましては、東京電力により早急に賠償金が支払われることが基本でございます。  これまで農林水産省は、原子力損害賠償紛争審査会が策定する指針に農林漁業者の損害が適切に盛り込まれるよう働きかけるとともに、関係県や団体、東京電力による連絡会議をこれまでに五回開催をいたしまして、東京電力に対し仮払金の早期支払などの誠意ある対応を求めてきたところでございます。  八月五日に審査会が策定した中間指針におきましては、農林漁業者の損害が幅広く賠償の対象として位置付けされたところでございまして、農林水産省といたしましては、東京電力に対し一層の早期支払を求めるなど、引き続き、適切かつ速やかに賠償の実現に全力で取り組んでまいります。(拍手)     ─────────────
  15. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 秋野公造君。    〔秋野公造君登壇、拍手〕
  16. 秋野公造

    秋野公造君 公明党の秋野公造です。  私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十三年度公債特例法案について質問をさせていただきます。  公債特例法案は、本来、平成二十三年度予算成立時に関連法案として可決すべきものです。それが、本予算可決後五か月もしてから参議院に送付をされてきました。七月五日には財務大臣が、公債特例法案が成立しなければ九月以降円滑な予算執行が困難になると発言していますが、裏付けのない予算のままでは、そんなことは昨年度末から誰もが分かっていたことであります。民主党が与野党合意を得るための努力を五か月間の間一切してこなかったから、参議院送付がこんなにも遅れたのであります。  三月十一日には未曽有の大震災が起こりました。未曽有の震災においては、平時の感覚だけでは復旧・復興が進まない。だから、非常時の対応が必要であり、復興基本法を私たちは成立させたのです。歳出を見直さないで復興財源の捻出はあり得ません。どうして歳出の見直しを今まで積極的に行わないで、復興予算の捻出に積極的にならなかったのか、民主党はよく反省すべきであります。  振り返って、東日本大震災に当たっては、初動だけでなく、復旧・復興に対しても政府の対応は余りにも遅く、復興基本法の成立も、原子力事故被害緊急措置法の成立も、原子力損害賠償支援機構法案の成立も、野党提出の議員立法又は閣法の大幅修正により実現したことを政権与党としてどのように感じていますか。私たち公明党は、現場の声をスピーディーに届け、一貫して修正協議をリードしてきました。  緊急時に平時の考えに固執し、地元が不眠不休で対応しても痛みを感じることもできず、対応を自治体に丸投げしていては、国民の生命、身体、財産を守ることはできません。苦しんでいる被災地の方々を前にして国が復興の重責を担う気概が湧かないのならば、この非常時に政権を担う資格はない、与党である意味は全くないということを強く申し上げておきます。  それでは、法律案に対し質問を行います。  本法律案は、わざわざ基礎年金国庫負担分の財源措置を内閣修正により切り離し、特例公債発行だけの根拠法としたものであります。基礎年金国庫負担分の財源措置の震災復旧財源への転用法案は既に成立しているにもかかわらず、この法案が成立しなければ歳入の四割を占める特例公債が発行できず、三十六兆九千八百八十億円もの歳入を確保できなくなります。冒頭申し上げたとおり、執行が苦しくなると分かっていながら早期に与野党合意を得るための努力を放置してきた責任について、総理の見解を伺います。  本予算成立後、これまで政府は震災対策として平成二十三年度第一次補正予算、第二次補正予算を編成しました。第一次補正予算では、四兆円の震災対策費の財源として二・五兆円の年金臨時財源を流用、また八千億円の予備費を充てることにより、思い切った歳出の見直しは行われませんでした。第二次補正予算も、平成二十二年度の決算剰余金を用いて、歳出削減は全く行われませんでした。  どうして歳出の見直しを積極的に行わなかったのですか。平成二十三年度予算審議に当たっては、国債発行が歳入を上回る予算編成を行ったことが問題であることは分かっていたはずです。さらに、震災復興に捻出する財源が必要であることは分かっていたはずです。三党間の話合いにおいても合意まで時間が掛かりましたが、一体、民主党はどの部分から歳出削減を行い、震災復興に充てようとしていたのか、総理の見解を求めます。  改めて、公債特例法案成立に向けて三党合意をどのように評価しているか、総理の見解を求めます。公党間の合意は極めて重いものです。三党合意を誠実に履行していくということを約束してください。  本年三月三十一日衆議院本会議にて子ども手当法案が撤回されただけでなく、三党合意により子ども手当が廃止されます。来年度より、三党合意に基づいて、恒久的な子どものための金銭の給付の制度については児童手当法に所要の改正を行うことを基本として法制上の措置が政府提案されるということでよろしいか、総理の見解を求めます。また、この対応により五年間でどれだけの復興予算に振り替えることができるか、財務大臣の見解を求めます。  東日本大震災からの復興基本方針によると、事業規模として最初の五年間で十九兆円程度を見込んでいますが、これには一次補正及び二次補正予算の六兆円が既に入っており、残り十三兆円で五年掛けて復興を行うということになります。この額は被災地にとって必要な事業を積み上げた結果なのか、財務大臣の見解を伺います。また、五年のうち初年度にどの程度必要と考えているか、併せて見解を伺います。  さらに、今後の進め方として、歳出削減と税外収入の増収により確保される財源を三兆円程度と仮置きして進めるとありますが、三兆円程度とはじいた根拠は何ですか。財務大臣の見解を求めます。歳出削減は最大に見積もっても三兆円ならば、三党合意のおかげでほぼ達成できます。これ以上は被災地復興に回す財源はないということですか。総理の見解を求めます。  来年度予算編成に当たり、その前提となる中期財政フレームを毎年半ばごろ改定するとしてきましたが、八月十二日になってようやく閣議決定されました。どうしてこんなに遅れたのですか。来年度予算編成を遅らせた責任について、総理の見解を求めます。  今般の円高、金融市場の不安定な状況については、復興にも悪影響を与えないか懸念されています。米国で債務上限引上げ法が成立した後も円高傾向に歯止めが掛かっていません。  G7声明には、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済及び金融の安定に対して悪影響を与える、我々は為替市場における行動に関して緊密に協議するとしたものの、一方で、市場において決定される為替レートを我々が支持することを再確認したとは、円高に強い姿勢で対処するとの姿勢が弱かったと思います。さらに、八月八日のG20財務大臣・中央銀行総裁の声明は、今後数週間緊密に連絡を取り、適切に協力し、金融の安定と金融市場の流動性を確保するために行動を取る準備があると、円高抑止の姿勢が全く見えません。震災復興のために断固とした円高阻止に向けた姿勢を市場に示すべきであったと考えますが、財務大臣の見解を伺います。  歳出削減により財源確保をすることが必要な理由は震災復興のためだけではありません。税と社会保障の一体改革について伺います。  公明党は昨年十二月に新しい福祉社会ビジョンの中間取りまとめを発表して、以前から制度改革に取り組んできた社会保障制度を改めて見直すとともに、うつ病、虐待、引きこもりなど、新たな社会リスクへの対応を新しい福祉と名付け、孤立から支え合いの社会への総合的な対応策を提言しました。  一方、菅総理が政治生命を懸けるとした課題である税と社会保障の一体改革案に対して閣議決定できなかった理由は何ですか。総理に伺います。  社会保障機能の強化については二〇一五年までに二・七兆円を増加させると明確ですが、財源の確保として消費税の増税には党の反対で非常に高いハードルが課されました。財源なき給付の拡大により更なる財政悪化が懸念される結論は、これまでの民主党予算編成に対する姿勢そのままではありませんか。財政悪化が心配ではありませんか。財務大臣に伺います。  民主党の成長戦略には真の景気対策がありません。先日、公明党は円高対策を含む総合経済対策に関する緊急提言を発表しました。第三次補正予算編成においては、復興対策だけでなく、急激な円高対策と景気対策を行うことが不可欠です。例えば、我が党が提案し実現したエコポイント制度は大きな経済効果を上げました。ばらまきには固執して、どうして有効な景気対策を終わらせたのですか。これでは財政再建などできません。エコポイント制度は終了しましたが、我が党がこれまで提案し続けてきた中古住宅のリフォームポイント制度の導入を改めて提案をします。十年間で九十兆円と大きくリフォーム市場を拡大するとされ、震災復興にも中小企業対策にも資する景気対策です。平成二十四年度本予算にも入れてはいかがでしょうか。国土交通大臣及び財務大臣に伺います。  政府・与党の意思決定はばらばらで、思い付きで幾ら方向性を打ち出しても最後まで何一つ完結できません。これが復興と成長戦略等を遅らせている最大の要因ではないでしょうか。  国民の生活を守るには、どこまでも現場の声を真摯に聞いて、一つ一つを地道にかつスピーディーに政策として実現していく地に足の付いた取組が必要です。その取組で、私たち公明党は、チーム一丸となって東日本の震災復興を更にスピードアップさせ、国民を守り抜いていくことに全力を尽くしてまいることを約束し、質疑とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
  17. 菅直人

    内閣総理大臣(菅直人君) 秋野公造議員にお答えを申し上げます。  まず、特例公債法案について与野党合意を得るための努力に関する御質問をいただきました。  御指摘のように、特例公債法案は、今般の大震災に緊急に対応するための一次補正予算の財源を確保するため、四月二十八日に政府修正を行い、まずは一次補正予算及び震災関連法案の成立を最優先にして取り組んできたところであります。その上で、並行して、四月二十九日の三党合意に基づき、これまで民主、自民、公明の三党で協議を続け、今般八月九日、三党合意に盛り込まれた歳出見直し等の事項について合意に至ったと承知をしておりまして、関係各位の御尽力に深く感謝を申し上げます。  現下のねじれ国会の下、大震災という困難を乗り越えて政策を円滑に進めていくため、これまで私なりに真摯に政府としての考え方を国民の皆様や各党に御説明し、御理解を求めてきたところであります。震災からの力強い復旧・復興や、日本経済再生のためにも、我が国財政への信認の確保と予算の着実な執行が不可欠であります。特例公債法案の一刻も早い成立を心からお願いを申し上げます。  次に、歳出削減と復興財源についての御質問をいただきました。  御指摘のように、これまで震災対策として二回、計六兆円規模の補正予算を編成いたしましたが、財源は歳出の見直しや税外収入の活用を積極的に行い、国債の追加発行を行わずに対応してきたところであります。  具体的には、第一次補正予算では、年金臨時財源の活用や経済予備費の減額のほかに、子ども手当上積みの見直しや高速道路無料化社会実験の一時凍結といったマニフェスト施策の見直しなど、積極的な歳出削減により必要な施策の財源を確保しました。また、二次補正予算でも、決算剰余金を活用し、当面の復旧対策に万全を期すための施策の財源を確保したところであります。  また、今後についても、三党合意に基づき子ども手当の見直しを行うなど、二十三年度第三次補正予算や二十四年度以降の予算において、歳出削減による更なる財源の確保を図ることといたしております。  次に、三党合意についての御質問をいただきました。  八月九日に三党幹事長によって取り交わされた特例公債法案成立に向けた三党合意については、三党が大震災からの復興、経済や国民生活に支障を及ぼさないよう互いに努力し、譲り合い、配慮したものと評価しており、政府としても尊重してまいりたいと考えております。  次に、来年度以降の子どものための金銭給付制度についての御質問をいただきました。  子ども手当については、今般の三党合意を踏まえ、特別措置法案を閣議決定を八月十七日に行い、既に国会に提出しているところであります。  お尋ねの来年度以降の子どものための金銭給付制度については、この法案の附則で、三党合意に沿って、子ども手当の額等を基に、児童手当法に所要の法改正を行うことを基本として、法制上の措置を講ずると規定したところであります。  次に、歳出削減と税外収入の更なる確保についての御質問にお答えします。  御指摘のように、復興基本方針では、税制調査会における時限的な税制措置の検討に当たって、歳出削減及び税外収入の増収により確保される財源を三兆円程度と仮置きして進めるということといたしております。これはあくまで仮置きでありまして、現在、民主党の財源検証小委員会財源チームにおいて、税外収入や特会見直し等による更なる復興財源の確保の作業が進められているところであります。党におけるこうした議論も踏まえ、歳出削減や税外収入等により、できるだけ財源を確保してまいりたいと考えております。  次に、中期財政フレームの閣議決定の時期についての質問にお答えします。  御指摘のとおり、昨年六月に閣議決定した財政運営戦略では、毎年半ばごろ、中期財政フレームの改定を行うこととしております。しかしながら、本年三月十一日に発生した東日本大震災からの復旧・復興は我が国にとって最優先の課題であり、復興構想会議での議論、提言等を踏まえて、七月二十九日に東日本大震災からの復興基本方針を決定したところであります。今年の中期財政フレーム改定に当たっては、この復興基本方針を踏まえた震災復旧・復興対策を中期財政フレーム上、どう取り扱うかについて検討し、決定する必要があったことから、昨年と比べて遅いタイミングでの閣議決定となったものであります。  今後、震災復興のための第三次補正予算と並行して来年度予算編成も粛々と進め、例年どおり年内編成を行う予定であり、予算編成が遅れているとは考えておりません。  最後に、社会保障と税の一体改革についての御質問にお答えします。  公明党が昨年末に発表された新しい社会保障ビジョンは、共助の精神にのっとり、充実した中福祉中負担を実現するなどの考え方に基づき、年金、医療、介護子育て支援、貧困・格差対策などについて幅広く改革が提案されており、本年六月に政府・与党社会保障改革検討本部で決定した社会保障・税一体改革成案と共通する点も多いと、このように考えております。  社会保障・税一体改革成案については閣議報告を行いましたけれども、その際、各党各会派に改革のための協議を提案し、参加を呼びかけることについて了解を得ているところであります。閣議決定については、各党との協議を経た上で行うことといたしたいと考えております。  安心できる社会保障制度の確立は、どの政権でも避けては通れない課題であります。御党もしっかりしたビジョンを出しておられるので、是非今後御一緒に議論をさせていただきたいと、このように考えております。  残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)    〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  18. 野田佳彦

    ○国務大臣(野田佳彦君) 秋野議員から六問の御質問をいただきました。  まずは、子ども手当の対応により復興予算の財源がどれだけ確保できるかというお尋ねでございます。  先般の三党合意に基づいて子ども手当の見直しを行う場合、現行つなぎ法の月一・三万円ベースと比べて、平成二十七年度までの五年間でおおむね二兆円程度の財源が確保できると考えております。  続いて、復興の事業規模についての御質問がございました。  復興基本方針において示された当初五年間の復興集中期間における事業規模十九兆円については、阪神・淡路大震災の際における当初五年間の国及び地方公共団体負担分を踏まえつつ、被害総額の違い等を勘案するなどして、全体として五年間で少なくとも十九兆円程度は必要と見込んだものでございます。  今後、被災地域の声を聞きながら基本方針に掲げられた諸施策を実施していくことになりますが、一定期間経過後に事業の進捗等を踏まえて復旧・復興事業の規模の見込みと財源について見直しを行うこととしております。  また、当初五年間の集中復興期間のうち初年度に必要となる額は、現在策定が進んでいる地方公共団体復興計画等も踏まえながら、更に検討していくこととなります。  続いて、復興財源三兆円の算出根拠についてのお尋ねがございました。  復興基本方針の策定に当たり、税制措置以外の復旧・復興財源を検討する中で、子ども手当の見直し等の歳出削減などを仮定した数字として三兆円程度という額が示されました。このように、三兆円程度は仮置きの数字であり、具体的な財源確保の在り方については、党の財源検証小委員会財源チームや税制調査会等において引き続き検討が深められていくものと承知をしております。  続いて、円高対応についての御質問をいただきました。  最近の為替市場では、経済のファンダメンタルズから離れた一方的に偏った円高の動きが見られます。こうした状況を踏まえ、例えば八月八日、G7電話会議では、私から、為替についてG7として適切に協力することが重要であり、また八月四日の為替介入について、最近の為替市場の動きは一方的に偏った円高の動きであり、日本経済が震災からようやく復興に向かいつつある中、経済、金融の安定に悪影響を及ぼしかねないため実施したものであると説明をいたしました。  今後とも、市場において投機的な動きがないかこれまで以上に注視をし、あらゆる措置を排除せず、必要な場合には断固として行動していく決意でございます。  続いて、社会保障・税一体改革についての御質問をいただきました。  社会保障・税一体改革成案においては、まずは二〇一〇年代半ばまでに段階的に国、地方の消費税率を一〇%まで引き上げ、当面の社会保障改革に係る安定財源を確保するとした上で、社会保障改革について、税制抜本改革の実施と併せ、各分野において遅滞なく順次その実現を図るとしております。  こうした考え方に従って、今後、社会保障の安定財源の確保と財政健全化の同時達成に向けて着実に取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、リフォーム市場の拡大に関する御質問をいただきました。  リフォーム市場の拡大に関しては、国土交通省において、公明党御提案のリフォームポイントも参考にしながら、リフォーム市場拡大のための施策について幅広く検討されている段階と承知しております。まずは、国土交通省での検討を待ちたいと考えております。(拍手)    〔国務大臣大畠章宏君登壇、拍手〕
  19. 大畠章宏

    ○国務大臣(大畠章宏君) 秋野議員の御質問にお答えを申し上げます。  ただいまリフォームポイント制度の導入についてお尋ねをいただきました。  住宅は暮らしの基盤となるものであり、国民生活の充実を図っていくためにはその質の向上が不可欠であり、同時に、地域経済を活性化させるためにも、また内需拡大のためにも、裾野の広い産業分野である住宅市場の活性化は大変重要であると認識しておるところであります。  とりわけ我が国は、住宅投資に占めるリフォーム投資の割合がヨーロッパ諸国に比較して低く、既存住宅を有効活用するとともに、リフォーム市場を拡大していくことは重要であります。このため、新成長戦略に定められた二〇二〇年までに中古住宅市場やリフォーム市場の規模を倍増させるという目標の達成に向けて、検討会を設けてトータルプランの検討を行っておるところであります。  検討会におきましては、現在講じられているリフォーム市場整備に関する施策の効果等を検証し、さらに、リフォーム市場を拡大するため、御提案をいただきましたリフォーム促進策としてのリフォームポイントなども参考とさせていただき、幅広く検討してまいります。(拍手)     ─────────────
  20. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 桜内文城君。    〔桜内文城君登壇、拍手〕
  21. 桜内文城

    桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。  特例公債法案の趣旨説明に関し、民主党マニフェストの主要項目の見直し等についてただすとともに、世代間格差の是正という観点から、以下、番号を付して質問いたします。  質問第一。政権交代とは、結局何だったのか。  本来、政権交代の意義は、政府意思決定の仕組みを根本から変えることにあったはずです。官僚の利益のためでもなく、労働組合の利益でもなく、既得権益でがんじがらめにされた日本を変えてほしいと多くの国民が望んだ結果、二年前の夏に政権交代が実現しました。しかし、今なお既得権益を守ろうとする組織、団体が日本を覆い尽くしています。  民主党政権は、マニフェストの大きな柱としていた天下りの根絶どころか、わたりを繰り返してきた元大蔵次官を日本郵政社長に、元エネ庁長官を東電副社長に天下りさせた上、現役出向解禁により天下りのバケツの底が抜けた状態になりました。  先月、総務省が公表した資料によれば、同一府省退職者が三代以上連続して天下っている独立行政法人等の数は千二百八十五法人、千五百九十四ポストに上ります。これのどこが天下り根絶なのでしょうか。  この二年間で民主党マニフェストのほぼ全てがでたらめだったことが明らかになり、政権交代への期待は失望に変わりました。例えば、暫定税率、廃止せず。子ども手当子ども手当法の廃止、児童手当法の復活、拡充へ。高速道路無料化、来年度予算要求にも計上せず。高校無償化、農業戸別所得補償、共に見直し。そして、国の総予算二百七兆円を全面的に組み替えるという公約も、結局、一般会計の僅か三割にも満たない総予算組替え対象経費二十五兆円にまで消えてなくなる。  二年前の衆議院総選挙とその際の民主党マニフェストは一体何だったのか、菅総理にお尋ねします。  質問第二。政治主導とは何か。  はっきりと申し上げます。民主党政権の政治主導は間違っています。法律による行政の原理を踏みにじり、国会が定めた法律を無視することが政治主導だと勘違いしているのです。  例えば、原発事故への対応を見ても、合同対策協議会の設置に関する原子力災害対策特別措置法二十三条違反など、法律の明文規定に違反し、大勢の避難住民を被曝させました。また、対策本部等の乱立、浜岡原発の停止要請、再稼働に関するストレステストなど、法律の根拠なき恣意的な行政が繰り返されました。  確かに自民党政権時代には官僚主導の政治がまかり通っていました。本来、公平中立な立場で法の忠実な執行のみを担当すべき官僚が、内閣法案提出権と予算編成権を通じて官僚共同体の利益を最大化していました。  これに対し、選挙で選ばれた国会議員が、憲法上与えられた権限である立法権と財政処理権限を官僚から取り戻し、主権者である国民の利益を最大化しようとしたのが政権交代であり、政治主導であったはずです。したがって、本来、政治主導とは、全国民を代表する国会議員が立法権を行使し、その法律を内閣総理大臣を始めとする行政権が忠実に執行するという法律による行政の原理を徹底する法の支配を意味します。  残念ながら、民主党政権の言う政治主導は、菅総理の個人的な思い付きによる人の支配、あるいは単なる多数決による党の支配に堕してしまったのではありませんか。菅総理にお尋ねします。  質問第三。内閣総理大臣とは何か。  菅総理は、憲法上、内閣総理大臣の権限と責任行政権、すなわち法の執行権に限定されていることをわきまえていらっしゃいますか。逆に言えば、内閣が既存の法律や予算を乗り越えようとする場合、民主主義のプロセスに従い、内閣から法案又は予算案を国会に提出しなければならない。そのことを理解していないからこそ、法律を無視する行政が繰り返されているのではないでしょうか。  ピーター・ドラッカー氏は、一九三九年に出版された処女作の中で、ナチズムの特徴を権力は自らを正当化するという点に求めています。これは、国民が選挙を通じてナチスとヒトラーに権力を与えた以上、ヒトラーの行うことは全て正しいという倒錯したロジックを意味します。  憲法の定める三権分立を無視し、国会の定める法律を無視する内閣総理大臣は、ヒトラーと同じ過ちに陥っているのではないでしょうか。菅総理にお尋ねします。  質問第四。世代間格差の是正をいかにして図るのか。  特例公債法案は、憲法十一条後段に言う現在及び将来の国民、この二つの世代の間での資源配分、負担の分担をどうするかという問いを我々に突き付けています。内閣府の平成十七年度年次経済財政報告における世代会計の推計によれば、六十歳以上の世代と将来世代、すなわち二十歳未満の世代やまだ生まれていない世代との間には約九千五百万円もの世代間格差があることが明らかにされています。  世代間格差の是正のため、早期に社会保障目的の消費税増税を主張する向きもありますが、我々は断固として増税に反対します。先週公表された今年第二・四半期GDP速報によれば、名目で年率マイナス五・七%。このような大幅なマイナス成長は震災前の昨年第三・四半期から続いており、このような時期に増税というデフレ政策を実施するのは正気のさたではありません。  お年寄り向けの社会保障関係費の総額は、国、地方合わせて年間六十兆円を超えております。毎年、若者世代から徴収した社会保険料をそのままお年寄りに移転してもなお足りず、税や国債を財源とする一般会計から更に年間二十八兆円を移転し続けることはもはや不可能です。社会保障関係費の圧縮はあらゆる政党にとってタブーとされていますが、全国民の理解と協力の下、ここにメスを入れない限り世代間格差の是正は絵にかいたもちとなります。  そこで、お年寄り向けの社会保障関係費の圧縮とともに、その代替措置として、例えば年金給付の一部を介護施設での終身居住権や介護サービス受給権等に振り替えることにより、これら現物給付の拡大と現金給付額の抑制とをセットで進めることを提案します。また、公的年金制度に世代別の勘定区分を設けることにより、世代ごとの受益と負担を一致させると同時に、世代間の財源の移転を明確化します。  社会保障の重圧と消費税増税によって日本の未来を押し潰してしまうのか、あるいは我々の提案のように社会保障関係費の現金給付自体を圧縮し、世代間格差の是正を図る工夫を考えるのか、財務大臣、厚生労働大臣、そして経済財政担当大臣の所見をお伺いします。  質問第五。最後の質問です。  震災からの復興財政再建の名の下に、法人税、所得税の大増税を目指すのか否か。我々は、全ては日本の未来のためにを基本理念とし、増税ではなく、財政金融一体のマクロ経済政策で新たな経済成長を目指します。  我々が開発した国家財政ナビゲーションシステム、国ナビの自動仕訳機能により、政府予算案や野党の修正動議に基づく予定財務書類を作成し、経済全体へのインパクトを測定するシミュレーション等が可能となりました。公会計制度改革によって日本政府財務状況を正確に把握した上で、一般会計、特別会計合わせて二百二十兆円を文字どおり総組替えする財務マネジメントを実現します。  具体的には、第一に金融政策として、日銀及び金融機関全体を対象とする一国経済全体の信用需給の調整を行い、デフレからの脱却を目指します。ゼロ金利で流動性のわなに陥っている中、金利政策は効きません。むしろ財政政策的な金融政策として、市中に流通するマネーストックを増加させ、予想インフレ率を上昇させる非伝統的な量的緩和策を実施すべきです。  第二に財政政策としては、政府が日銀に百兆円規模の経済復興基金を設置し、同基金政府保証を付した上で新たな経済成長に資する未来への投資、例えば再生エネルギー研究開発等を財政政策として実施します。加えて、子育て世代、勤労世代の税負担、社会保険料負担を軽減するとともに、世界中から資本を呼び込むために法人税率を二〇%程度に半減すべきです。  復興のため、財政再建のためと称する大増税によって日本経済を破壊するのか、あるいは我々とともに増税なき復興、未来への投資、そして財政金融一体のマクロ経済政策による国家経営を目指すのか、財務大臣の所見をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
  22. 菅直人

    内閣総理大臣(菅直人君) 桜内文城議員の御質問にお答えをいたします。  桜内さんがこの政権交代とは結局何だったのかということの中で、従来の政官業の癒着による政治を変えようとしたことが必ずしもできなかったのではないかという趣旨の御質問だったと思っております。  確かに、私始め民主党は、従来の特に内閣官僚によってコントロールされ、政官業の癒着構造を打破して、まさに国民の生活が第一政治を実現しようと、そのことを国民に訴え、国民の皆様の期待で政権交代ができたと、このように考えております。  そういった中で、二年前の政権交代で、従来のコンクリート中心の投資を人重点への投資に大きく予算配分を変え、また中央集権から地域主権への移行などを進め、さらに社会保障と税の一体改革など多くの課題に取り組み、前進をいたしていると考えております。  マニフェストにつきましては、確かに財源確保などを含めて実現できていない政策もありますけれども、実現がかなり進んでいる政策もあり、そういった中での大震災の発生もありまして、今後もこのマニフェスト精神を大事にしながら政権を運営していくべきだと、このように考えているところであります。  次に、質問の二と三において、政治主導と行政権の問題、さらには総理の権限についての御質問をいただきました。  震災と原発事故への対応の中で、国民の安全と安心を守るため政府全体として全力で取り組んでまいりまして、必要なときには経産大臣や担当大臣と相談しながら内閣総理大臣としての決断をしてきたところであります。  例えば、原子力災害特別措置法に基づいて設置された原子力災害対策本部の本部長として、同法二十条に基づき事故収束、避難等のための措置を講じ、国民の安全と安心を守るために取り組んでまいりました。  御指摘の同法二十三条について、御指摘では、二十三条違反など、法律の明文規定に反したとありますけれども、ちょっとこの指摘はどういうことを意味しているのか、必ずしも十分に理解できません。  例えば、この法律に基づいて原子力災害合同対策協議会が設けられておりますが、確かに関係市町村の中には被災したところもあって全員が参加できていないものもありますけれども、しかし、この対策協議会そのものは、震災以降、毎日現在においても開催されていると聞いておりまして、法律に基づいて運営されていると、このように理解をいたしております。  また、質問の三の中に、憲法の定める三権分立を無視しているというふうに御指摘があります。  憲法の規定の中には三権分立の規定はありません。国民主権がこの憲法の主眼でありまして、その国民主権を司法、立法、行政の三つの機能が分担しているというのが私の現行憲法に対する考え方であります。  そして、国会は国権の最高機関と規定されております。それは、主権者である国民が直接に選ぶのは国会でありまして、その国会内閣を選ぶ、つまり総理大臣を選ぶわけでありまして、そういった意味で、私が申し上げているのは、桜内さんが言われているのともしかしたら理解が全く逆転しているのではないか。つまり、私は、内閣国会内閣制だと。国会内閣を決めるし、もし国会内閣がおかしなことをすればもちろん不信任案を出して辞めさせるか解散に追い込むことができるわけであります。  そういった意味で、何か私が国会や立法を無視して、何かヒットラーという言葉が出ておりましたけれども、そうした行動を取っているというのは、私の憲法の解釈とは全く逆の解釈をされているのではないかと言わざるを得ません。  そういった意味で、民主党政権の目指す政治主導は、国民の生活が第一という政治を実現するために、まさに国民が選挙で選んだ国会が国権の最高機関として機能すべきだと、まさにここにおられる国会議員を含めて最も主権者に近い立場で大きな権限を持っていると、その下において内閣が構成されている、このように考えておりまして、是非、そういった私の考えに対する誤解は解いていただければと思っております。  以上、残余の質問については、他の大臣から答弁をさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  23. 野田佳彦

    ○国務大臣(野田佳彦君) 桜内議員から社会保障における世代間格差についての御質問をいただきました。  社会保障においては、国民の自立を支え、安心して生活ができる社会基盤を整備するという原点に立ち返り、その本源的機能の復元と強化を図ることが求められております。また、現在の社会保障給付の財源の多くが赤字公債、すなわち将来世代の負担で賄われている状況はこれ以上放置できず、現在の世代が受ける社会保障は現在の世代で負担するとの原則に一刻も早く立ち戻る必要があります。  このため、今回の社会保障・税一体改革においては、社会保障について、必要な機能の充実と徹底した給付の重点化、制度運営の効率化を同時に行うとともに、消費税率の引上げにより社会保障給付に係る安定財源確保を図るなどの取組を通じて社会保障改革の財源確保と財政健全化を同時達成することを目指しており、これにより世代間格差の是正が図られていくものと考えております。  財政政策と経済政策についてのお尋ねがございました。  我が国経済を自律的な回復軌道に乗せていくことは重要な課題と認識しており、経済施策については、新成長戦略等に基づき新たな成長分野の拡大等を推進するとともに、金融面については、日銀において引き続き政府との緊密な情報交換、連携の下、経済を下支えするよう期待をしています。  一方で、我が国の財政赤字は巨額であり、経済成長による増収等に頼るのみで持続可能性を確保することは困難であると考えております。将来世代に負担を先送りすることなく、今を生きる世代で連帯して負担を分かち合うことが未来への責任であると考えております。  また、急速な少子高齢化に伴い、社会保障支出の増大が避けられない中、国民の安心を実現するためにも、税制抜本改革を通じて社会保障改革の安定財源確保と財政健全化を同時達成することが必要であります。  こうした税制措置の経済への影響を判断する際には、税制措置が家計に与える影響、歳出増が経済を刺激する影響、財政の持続可能性に対する市場からの信認など、様々な観点から総合的に検討することが重要であると認識をしています。(拍手)    〔国務大臣細川律夫君登壇、拍手〕
  24. 細川律夫

    ○国務大臣(細川律夫君) 桜内議員にお答えをいたします。  世代間格差の是正についてお尋ねがありました。  少子高齢化が進む中、年金、医療、介護子育てなどの不安をなくし、国民が安心して暮らせる社会保障制度の構築と、それを支える財政の健全化を図ることは極めて重要な課題でございます。  このため、今回の社会保障・税一体改革成案におきまして、世代間のみならず世代内での公平も重視しつつ、社会保障各分野を通じた重要な機能の充実や徹底した給付の重点化、制度運営の効率化を図るための改革項目を具体的に示しているところでございます。  厚生労働省としましては、成案に示された工程に従って、国民的議論をいただきながら、着実に改革を進めていくことにより、国民が安心して暮らせる持続可能性のある社会の実現を図ってまいります。(拍手)    〔国務大臣与謝野馨君登壇、拍手〕
  25. 与謝野馨

    ○国務大臣(与謝野馨君) 桜内議員から世代間格差の是正についての御質問を受けました。  社会保障・税一体改革成案においては、世代間、世代内での公平の確保等を図る観点から、子ども・子育て支援の充実や医療・介護サービスの効率化、重点化など、給付と負担の両面での見直しを行うこととしております。また、例えば非正規雇用の方の厚生年金等の加入を実現いたします。  この一体改革により、社会保障改革の安定財源確保と財政健全化の同時達成を図り、安心できる社会保障制度を確立することは、雇用を生み、消費を拡大するという経済成長との好循環につながるものと考えております。  以上です。(拍手)
  26. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────
  27. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 日程第一 東日本大震災に対処するための私立の学校等の用に供される建物等の災害復旧等に関する特別の助成措置等に関する法律案(橋本聖子君外六名発議)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長二之湯智君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔二之湯智君登壇、拍手〕
  28. 二之湯智

    二之湯智君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、東日本大震災に対処するため、私立の学校等の用に供される建物等の災害復旧等に関し、私立の学校等の設置者に対する特別の助成措置、地方公共団体に対する特別の財政援助等について定めるものであります。  委員会におきましては、平成二十三年度第一次補正予算による私立学校施設の災害復旧の状況、災害復旧事業において公私間格差を是正する必要性、本法律案と私立学校の自主性との関係等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終局し、国会法第五十七条の三の規定に基づいて内閣から意見を聴取いたしましたところ、政府としては反対である旨の意見が述べられました。  続いて、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会の藤谷理事より反対、自由民主党の熊谷委員より賛成の旨の意見がそれぞれ述べられました。  討論を終局し、採決の結果、本法律案は賛成少数をもって否決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  29. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。熊谷大君。    〔熊谷大君登壇、拍手〕
  30. 熊谷大

    熊谷大君 自由民主党熊谷大です。  私は、公明党、みんなの党、たちあがれ日本・新党改革、自由民主党を代表して、いわゆる私立学校建物特別助成措置法案について賛成の立場から討論を行います。  まず、東日本大震災においてお亡くなりになられた方々に改めて深く哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。  発災から五か月が経過し、東京では震災の影響はほとんど感じられなくなりました。しかし、被災地では三月十一日はまだ終わっていません。いまだに九万人を超える避難者、四千七百人以上の行方不明者がおり、至る所に震災のつめ跡が残っております。山は崩れ、海は荒れ、町並みは色を失っています。  被災者の苦しみ、悲しみを一刻も早く解決するために全力で取り組むことは、党派を超えた思いであったはずです。しかし、最近の政府・与党の対応は、松本復興大臣の岩手、宮城両県知事に対する、知恵を出さないやつは助けない、県でコンセンサスを得ないと我々は何もしないとの暴言や、安住国対委員長の被災した自治体首長に対する、国からお金をもらって自分は言いたいことを言い、できなかったら国のせいにすればいいとの批判、直近では、野田財務大臣が東日本大震災を千載一遇のチャンスと述べたことなどにも端的に表れているように、被災者への当初の思いは失っていると言わざるを得ません。  私は、被災地出身の議員として現場の切実な声に日々接しておりますが、被災者が一番つらいことは、時間がたつにつれて人々の関心が薄れ、忘れ去られていくことだと思います。松本復興大臣や野田財務大臣、安住国対委員長などの心ない言葉がどれだけ被災者の心を傷つけているか、政府民主党の方々にはお分かりにならないんでしょうか。  だからこそ、私は冒頭に被災地への弔意とお見舞いの心をこの本会議の場で改めて確認したのです。今こそ与野党被災者に改めて寄り添い、できることは何でもやろうという初心に返る必要があると思います。  しかしながら、政府民主党の被災地に対する冷淡さが象徴的に示されたのが今般の私立学校建物特別助成措置法案への対応です。文部科学省は、私立学校災害復旧について、第一次補正予算私立学校教育研究活動復旧費補助を加えて実質公立学校並みの三分の二の補助を行っているから、もはや十分であると説明していますが、被災地の実情を全く理解していないと言わざるを得ません。  まず、私立学校教育研究活動復旧費補助は、設備、備品が対象であり、建物の災害復旧費としては使用できないのです。結局、私立学校の建物の災害復旧については二分の一の補助にとどまるのであり、第一次補正予算は、一番負担の重い建物の災害復旧について何とか国から支援してもらいたいという私立学校の要望に到底こたえられるものではありません。  私立学校では、補正予算の枠組みでも、災害復旧について、三分の一は自己資金あるいは私学事業団の援助によることになります。しかし、児童生徒が減少し、復帰のめども立っていないため、私学助成は減額され、授業料などの納付金が減少するので自己資金も苦しい状況に置かれます。震災以前からの負債を抱えている学校もあり、私学事業団から援助を受けても二重債務になります。私立学校の自力による再建は限界を迎えているのです。  だからこそ、補正予算成立後も、岩手県、宮城県、福島県の被災三県や、全日本私立幼稚園連合会、日本私立中学高等学校連合会、日本私立大学団体連合会、日本私立短期大学協会などの各種団体から、私立学校災害復旧補助率について公立学校並みにかさ上げしてほしいとの強い要望が寄せられているのです。第一次補正予算では不十分であることは、これらの被災地からの切実な要望がはっきりと示しているではありませんか。  自由民主党では、三月十一日の発災直後から、阪神・淡路大震災の教訓を基に、必ず私立学校災害復旧に対する特別な支援措置が必要になると考え、既に三月三十日に公表した地震・津波対策の第一次提言で、私立学校災害復旧において公私の格差が生じないよう特別な措置を講じることを政府に求め、五月二十七日の第三次提言では、法律案の要綱まで示して早急な対応を求めてきました。  しかし、政府民主党が何ら対応もしないまま八月を迎えたため、もはや看過できず、少なくとも学校施設の復旧については、私学が安心して臨めるようにするために我々は議員立法を提出したのです。文教科学委員会において法案審議の際に、民主党から時機を失した議員立法ではないかという質問がありましたが、自らの怠慢から目をそらすのはいいかげんにしていただきたい。本来であれば、政府・与党が内閣提出法案として責任を持って策定すべきものを、余りにも対応が遅いため既に野党が何本も議員立法を提出していることに対して、与党として全く反省がないではありませんか。  さらに、文教科学委員会の議論及び反対討論において、民主党から本法案に対する何点かの問題点が指摘されました。その全ては、後段述べるように、反対のための反対であり、後付けの理屈にすぎません。我々として許すことのできない二点について、高校授業料無償化法案の審議の際と比較して、明確に反論しておきます。  まず、法案提出の趣旨説明を行った当日に採決を行うのは拙速であり、憲法八十九条が公の支配に属しない教育事業に対する公金の支出を禁じていることに関連して、私学の自主性、独立性と私学に対してどの程度の公的支援を行うかについては様々な意見があるのでより時間を掛けて議論すべきだとの、原理原則論も交えての批判がありました。  最初に指摘しておきたいことは、高校授業料無償化法案の審議において、本来であれば一年以上掛けて慎重に議論すべきところ、中央教育審議会への諮問も行わず、無償化の理念、目的と教育基本法に定める教育の目的や教育の目標との関係など、制度の根本的な原理原則についても明確な見解を示さないまま、ほかにも重要な問題点が多く指摘されていたにもかかわらず、一週間足らずで審議を打ち切り、採決を行ったのは民主党だということです。  通常時なら、将来的な私学の振興の在り方について長時間掛けて議論を行うのは、むしろ望むところです。しかし、災害対策には何よりも迅速性が求められます。しかるに民主党は、議院運営委員会でも本法案委員会への付託をいたずらに遅らせ、やむなく議決により付託することになりました。十分な審議時間を確保できなかったとすれば、その責めは全て民主党にあるのです。  また、助成の対象となる専修学校各種学校政令で定めることについて、法律の中できちんと定めるべきとの批判がありました。これについても、高校授業料無償化法案の審議において、対象となる外国人学校について明確な基準を示さず、法案成立後に省令に委任して外国人学校を指定し、朝鮮学校については半年近く迷走した挙げ句に、省令から更に文部科学大臣が定める規定に再委任するという極めて無責任な方式としたのは民主党ではありませんか。朝鮮学校問題については、いまだに尾を引いたままです。  我々は、このような無責任なやり方ではなく、当該専修学校各種学校が被災地で果たしている教育インフラの役割を総合的に勘案した上で幅広く判断すべきと考えていますが、日本私立学校振興・共済事業団による復旧支援融資の対象となる専修学校及び各種学校基準などの事例を参考にして、法案が成立すれば早期に政令の内容を決定できるものと考えています。  高校授業料無償化については、恒久財源がなく、昨年の概算要求において、自公政権時代に決して行わなかった憲法上の国の責務である義務教育国庫負担金にまでシーリングを掛ける事態となりました。高校授業料無償化は、民主党が言うような継続可能な制度ではなく、文部科学省の予算を破綻に導く存在です。  被災した小中高校生向けの就学支援金が既に底をついていると報道されています。だからこそ、我が党は、高校授業料無償化を廃止し、それにより得られる財源を十分な震災復興や低所得者の支援に充てることを求めてきたのです。破綻したばらまき政策に固執し、自らの過去の行いを顧みず、本法案に反対するだけの理屈を振りかざす民主党の態度は、誠に情けないと言わざるを得ません。
  31. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 熊谷君、時間が超過いたしております。簡単に願います。
  32. 熊谷大

    熊谷大君(続) 本法案は、衆議院で先に各党間の協議が行われ、一旦民主党合意が調いましたが、民主党国対にストップされました。
  33. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 熊谷君、熊谷君、簡単に願います。
  34. 熊谷大

    熊谷大君(続) 聞くところによれば、財務省が難色を示したからといいますが、民主党被災者よりも財務省の方を向いているんでしょうか。  本来は、民主党も本法案に賛成であったはずです。
  35. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 熊谷君、熊谷君、熊谷君。
  36. 熊谷大

    熊谷大君(続) 反対の理由は全て後付けにほかなりません。  衆議院文部科学委員会民主党筆頭理事は、公党間の信義を守れなかった責任を取って辞表を提出されました。
  37. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 熊谷君、熊谷君、熊谷君。
  38. 熊谷大

    熊谷大君(続) 我が党は、志を同じくする皆様とともに、一刻も早く民主党政権を打倒し、この国難を打開する体制を責任を持って打ち立てることを国民の皆様にお誓いするとともに、参議院の良識をもって私立学校建物特別助成措置法案を可決いただきますことを心よりお願い申し上げて、賛成討論といたします。(拍手)
  39. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 神本美恵子君。    〔神本美恵子君登壇、拍手〕
  40. 神本美恵子

    ○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。  東日本大震災に対処するための私立の学校等の用に供される建物等の災害復旧等に関する特別の助成措置等に関する法律案に対して、会派を代表して、反対の立場から討論いたします。  冒頭、発災から五か月を過ぎましたが、被災された皆様方に心からのお見舞いを申し上げるとともに、皆様に寄り添い、今後とも復旧・復興に全力を挙げることをお約束申し上げます。  まず、本法案に関しては、学校以外の公共的な施設を含めた災害復旧に係る助成制度全体の在り方をどうするのかという視点を欠いております。病院や福祉施設など学校以外の多くの施設も被災している中にあって、私立学校施設のみならず、他の公共的な施設を含めた災害復旧に係る支援の在り方全体について十分な検討が行われることなく本法案は提出されております。  激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に基づく現在の制度体系は、昭和三十七年に自民党政権下でつくられ、平成七年の阪神・淡路大震災の際も含め長く運用されてきたものであります。  学校に関する災害復旧制度では、公立学校私立学校専修学校各種学校の扱いが異なっており、専修学校各種学校については激甚法に基づく支援対象とは位置付けられておりません。このような扱いの違いは、それぞれの教育施設に係る制度の在り方、施設の運営の自由度などと密接に関連しており、私学の自主性の観点に照らした検討が欠かせません。そのような制度全体を俯瞰した上での議論を尽くすことのないまま、この法案だけを拙速に決定しようとする提出者の姿勢には疑問があります。  法案の個別の内容についても検討が不十分な箇所が見られます。  例えば、法案第四条は、災害復旧事業に対する地方公共団体の助成について、あたかもそれが地方公共団体義務であるかのように、地方の負担を軽減するための交付金を国が交付するということを制度化しようとしておりますが、助成を行うことが地方公共団体義務付けられていないのにもかかわらず、地方公共団体の負担軽減を国に義務付け肩代わりをすることは、地方財政法の原則に照らし適切なのでありましょうか。  実態としても、私学の施設災害復旧事業に対し独自に助成を行っている地方公共団体はほんの一部に限られております。この交付金が何を対象とし、どのような狙いを持つものなのか、にわかに理解し難いところがあり、法案第四条は多くの被災地の私学を本当に支援するものになるとは思えません。  このようなことを含め、本法案は、激甚法とその他の法令の継ぎはぎで作られている感が否めず、精緻さを欠いている上、学校現場の真のニーズをとらえているとは言い難い面が少なくありません。  本法案東日本大震災への対処のためとされていますが、もちろん政府・与党として東日本大震災に伴う私立学校の復旧に全力で取り組んでいるところであります。  平成二十三年度第一次補正予算においては、激甚法に基づく私立学校施設災害復旧補助に加え、より自由度の高い復旧支援経費としての経常費助成を措置し、現場のニーズに柔軟に対応しております。専修学校各種学校についても災害復旧補助を措置しており、さらに、日本私立学校振興・共済事業団において五年間の無利子・長期低利融資を行うなど、総額一千億円を超える措置を補正予算で講じ、設置者への支援に努めております。  本法案の趣旨はこの補正予算において既に実現されているものであり、今被災地において求められていることは、このような予算が復旧活動に早急に活用されることであります。仮に本法案が成立すれば、私立学校災害復旧事業に関する実務が大きく変更されることになります。既に事業計画書を提出したり、交付内定済みの計画が変更になったりするなど、学校現場の実務への影響が懸念されます。  このことが果たして被災地の早期の復旧につながるものと言えるでしょうか。私は、野党の賛同も得て成立した第一次補正予算の執行を引き続き精力的に進め、被災した学校に役立てていただくことが復旧に向けた最大の近道であると考えます。  以上のように、本法案については、私学の自主性と財政支援との関係、地方財政制度との整合性などの極めて重要な論点について検討不十分、内容不十分であり、現場における早急な復旧に真に資するものとは思えません。災害復旧の在り方全体を議論することは与党としても反対するものではありませんが、そのようなプロセスを欠いたまま、委員会で提案理由説明をしたその日のうちに審議、採決まで行うという本法案の拙速な進め方については賛同できない旨を申し上げ、私の反対討論といたします。  ありがとうございました。(拍手)
  41. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  42. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  43. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  44. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十五     賛成            百二十八     反対              百七    よって、本案は多数をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  45. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 本日はこれにて散会いたします。    午後三時十八分散会