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2011-02-16 第177回国会 参議院 本会議 5号 公式Web版

  1. 平成二十三年二月十六日(水曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第五号   平成二十三年二月十六日    午前十時開議  第一 国務大臣の報告に関する件(平成二十一   年度決算の概要について)  第二 平成二十年度一般会計予備費使用総調書   及び各省各庁所管使用調書(第百七十三回国   会内閣提出、第百七十六回国会議院送付)  第三 平成二十年度特別会計予算総則第七条第   一項の規定による経費増額総調書及び各省各   庁所管経費増額調書(第百七十三回国会内閣   提出、第百七十六回国会議院送付)  第四 平成二十年度決算調整資金からの歳入組   入れに関する調書(第百七十三回国会内閣提   出、第百七十六回国会議院送付)  第五 平成二十年度一般会計歳入歳出決算、平   成二十年度特別会計歳入歳出決算平成二十   年度国税収納金整理資金受払計算書、平成二   十年度政府関係機関決算書  第六 平成二十年度国有財産増減及び現在額総   計算書  第七 平成二十年度国有財産無償貸付状況総計   算書     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) これより会議を開きます。  日程第一 国務大臣の報告に関する件を議題といたします。  平成二十一年度決算の概要について、財務大臣から発言を求められております。発言を許します。財務大臣野田佳彦君。    〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  3. 野田佳彦

    ○国務大臣(野田佳彦君) おはようございます。  平成二十一年度の一般会計歳入歳出決算特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書、国の債権の現在額総報告並びに物品の増減及び現在額総報告につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、平成二十一年度の一般会計の決算につきましては、歳入の決算額は百七兆千百四十二億円余、歳出の決算額は百兆九千七百三十四億円余であり、差引き六兆千四百八億円余の剰余を生じました。  この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に平成二十二年度の一般会計の歳入に繰り入れております。  なお、平成二十一年度における財政法第六条の純剰余金は一兆六千二百四十六億円余となります。  以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額百二兆五千五百八十一億円余に比べて四兆五千五百六十億円余の増加となります。この増加額には、前年度剰余金受入れが予算額に比べて増加した額四兆五千百八億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純増加額は四百五十二億円余となります。  一方、歳出につきましては、予算額百二兆五千五百八十一億円余に、平成二十年度からの繰越額四兆五千百八億円余を加えました歳出予算現額百七兆六百八十九億円余に対し、支出済歳出額は百兆九千七百三十四億円余であり、その差額は六兆九百五十五億円余となります。このうち平成二十二年度への繰越額は三兆九千四百三億円余であり、不用額は二兆千五百五十二億円余となっております。  なお、歳出のうち、予備費につきましては、その予算額は二千五百億円であり、その使用額は六百二十六億円余であります。  次に、平成二十一年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は二十一であり、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりでございます。  なお、歳入歳出決算添付されている国の債務に関する計算書による債務額につきましては、平成二十一年度末における債務額は九百五十三兆三千八百六十七億円余であります。  このうち、公債につきましては、平成二十一年度末における債務額は七百二十兆五千四百七十七億円余であります。  次に、平成二十一年度における国税収納金整理資金の受入れ及び支払につきましては、同資金への収納済額は五十兆四千八百四十五億円余であり、一般会計の歳入への組入額等は四十九兆七千七百三十七億円余であります。  次に、平成二十一年度の政府関係機関決算でありますが、その内容につきましては、それぞれの決算書のとおりでございます。  次に、国の債権の現在額につきましては、平成二十一年度末における国の債権の総額は二百七十七兆八千二百五十八億円余であります。  次に、物品の増減及び現在額につきましては、平成二十一年度末における物品の総額は十一兆五千六百九十三億円余であります。  以上が平成二十一年度の一般会計歳入歳出決算等の概要であります。  何とぞ御審議のほどお願いを申し上げます。(拍手)     ─────────────
  4. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。松野信夫君。    〔松野信夫君登壇、拍手〕
  5. 松野信夫

    ○松野信夫君 民主党・新緑風会の松野信夫です。  私は、会派を代表して、平成二十一年度決算について質問いたします。  会計検査院が指摘している平成二十一年度の決算検査報告では、埋蔵金や無駄遣いなど、不適正な経理処理等の総額が約一兆七千九百四億円と過去最高を記録しました。件数も九百八十六件で最多となっております。  今回の検査は、各省庁や出先機関、国が出資する特殊法人など、三万二千九百三十か所のうち三千三百十二か所について実施して、指摘金額の総額は、これまで過去最高だった二十年度の約二千三百六十四億円の約七・五倍に当たり、件数も過去最多だった十九年度の九百八十一件を上回っています。  平成二十一年度の特徴としては、独立行政法人などが保有していた余裕資金、いわゆる埋蔵金を国に返還するよう求めたケースが目立っています。独立行政法鉄道建設・運輸施設整備支援機構の剰余金のほかにも、株式会社整理回収機構が業務で得た利益に関する資金約千八百三十七億円など、百億円を超す規模の埋蔵金が多数見付かっています。そして、悪質な経理処理を表す不当事項は約二百二億円で、昨年度より約七十九億円も増加しています。  国の財政難が深刻化する中、自民党政権時代に見過ごされてきたこうした不適切な経理処理等が多額に上っている実態をどのように総括しておられるか、総理大臣の所見を求めます。  また、二十一年度決算による基礎的財政収支、プライマリーバランスは、リーマン・ショックの影響もあり三十三・五兆円の赤字で、前年度の赤字約十四兆円に比べ約十九・五兆円も悪化しています。政府は、平成二十七年度までに赤字幅を半減させ、平成三十二年度でプライマリーバランスの黒字化を目指すとしていますが、厳しい現状です。しかし、政府の方針としてこの戦略には揺るぎがないかどうか、併せて御答弁ください。  地方自治体では、調査対象となった四十七都道府県と十八政令市全ての自治体で不正経理が見付かり、合計額は三年分で約五十三億円に及んでいます。これは改革派として名をはせる首長の自治体でも起きていることです。住民の監視の目が行き届きやすい自治体に権限、財源を移しさえすれば、さも無駄遣いはなくなるような主張も耳にしますが、それだけでよいのでしょうか。国だけではなく、自治体での不正経理処理も目立っている点をどのように受け止め、その防止策をどのように考えるか、総務大臣の所見を求めます。  地方自治体においては、監査委員に役所のOBが入る等、監査委員制度、外部監査制度が形骸化して、なれ合い監査になりがちです。公認会計士や税理士等の専門性のある監査委員が必要であるとともに、内部牽制が働く仕組みを構築しなければなりません。言わば、お友達監査から中立性、専門性の高いプロ監査へと転換しなければなりません。監査委員の半数以上は弁護士、公認会計士、税理士等から選任するよう、運用面で一層の改善を図るほか、場合によっては地方自治法を改正するなど、適切な監査が機能するよう取り組むべきではないかと考えますが、総務大臣の所見を求めます。  また、こうした監査委員の報酬が当該自治体から支払われるという仕組みでは、監査委員の独立性が担保されません。監査委員の報酬については、監査の対象となる自治体が支払うのではなく、別途、別の機関からの支払に切り替えることを検討すべきではないかと考えますが、この点も併せて御答弁願います。  補助金の場合、どうしても使い切らないといけない、返上はしたくないとの考えから、無理をして使い切る体質が温存されています。そのための不正も数多く発生しています。特に、予算を使い切るために、年度も終わるぎりぎりの段階になって補助金の交付決定をするなど、中央省庁の対応にも原因があるのではないかと思います。また、事業を効率的に遂行できたために補助金が余った場合でも、補助金適正化法第十八条第二項により補助金の返還を余儀なくされるため、節約するというインセンティブが働きにくいことにも原因があるのではないかと考えます。  現在、政府では、ひも付き補助金から一括交付金へ移行しようとしています。取りあえず平成二十三年度予算案では五千百二十億円が計上されていますが、これによって、補助金は使い切らなければならないという補助金の構造的な問題は一定程度解消されるとお考えでしょうか。財務大臣の所見を求めます。  今まで自民党政権では、決算審査を行っても、政府が直近の予算にどのように反映させていたか明らかではありませんでした。  現在の決算書は省庁から上がってきたものを単にホチキス留めしているにすぎず、財務省決算書の作成に当たり十分にその責任を果たしているとは言いにくい面があります。すなわち、決算を踏まえて予算を編成するという民間企業では当たり前のことが十分には行われていません。財政法や会計法によれば、予算の執行責任は各省大臣にありますが、それは予算、決算に対する財務省の責任の免罪符ではありません。予算については、予算決算及び会計令第十二条で予算提出後の各目明細書の財務大臣への送付が義務付けられていますが、決算については規定がありません。つまり、法令上、決算により予算の積算が適正だったかどうかチェックできる仕組みになっておりません。  国会における決算審査充実のためにも、できる限り予算書と決算書の突き合わせができる形にしていくべきではないかと考えますが、財務大臣の所見を求めます。  参議院決算重視です。会計検査院決算検査報告は毎年十一月初旬に内閣に提出され、その後、十一月二十日ころ国会に提出されるのが恒例です。しかし、もっと早く提出されないかと考えます。そうすることによって、国会での審議や指摘を直近の予算に生かすことができます。そのためには会計検査院の機能強化、権限強化も必要ではないかと考えますが、この点をどのように取り組むか、総理大臣の所見を求めます。  そもそも、国会国会として政局のいかんにかかわらず丁寧な質疑を行って十分な審議をしていかなければなりません。せっかく決算重視の参議院とうたっているにもかかわらず、昨年、一部の野党議員が決算委員会においていわゆる時局ネタばかりを取り上げていましたが、これは本来の決算委員会に求められるものではなく、誠に残念なことであります。  菅政権では、長年の自民党政権での癒着なれ合い体質を脱却し、決算重視の参議院での審議を踏まえた予算の策定になることで、この点からも政権交代の意義を強めていただくよう求めて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
  6. 菅直人

    内閣総理大臣(菅直人君) 松野信夫議員にお答えを申し上げます。  まず、不適切な経理処理等が多額に上っている実態についての御質問でした。  平成二十一年度検査報告において不適切な経理処理が多額に上ったことは会計検査院の機能が発揮された結果であるとも言えるわけですけれども、同時に、政府としては、この指摘を真摯に受け止める必要があると、このように考えております。  民主党政権では、事業仕分など新しい手法を導入するとともに、その結果を平成二十三年度予算などに反映させたところであります。決算検査報告も踏まえ、引き続き無駄を徹底して排除し、国民の信頼を得るべく努力をしていきたいと考えております。  次に、プライマリーバランスの黒字化についての御質問をいただきました。  我が国の財政の現状は主要先進国の中で最悪の水準であり、財政健全化は喫緊の課題であると認識をいたしております。  このような認識の下、財政運営戦略を策定し、二〇一五年までに基礎的財政収支の赤字、プライマリーバランスを対GDP比で二〇一〇年度比の水準からまず半減し、二〇二〇年度までに黒字化をするとの財政健全化目標を掲げ、中期財政フレームを毎年ローリングしながら目標の達成を目指すことといたしております。この道筋に従って着実に財政健全化を進めていくという方針には変わりありませんし、まさに不退転の覚悟で臨まなければならない課題だと考えております。  次に、会計検査院の機能強化、権限強化についての御質問をいただきました。  決算国会への早期提出については、国会、特に参議院からの御要請も踏まえ、会計検査院とも協力し、平成十五年度決算から、国会開会中であれば毎年十一月二十日前後に国会に提出してきているところであります。  政府としては、会計検査院の検査機能の重要性について十分認識しており、検査活動が円滑かつ厳正に行われ、その機能が十分発揮できるよう、今後も引き続き配慮をしていきたい、このように考えております。  残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)    〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  7. 野田佳彦

    ○国務大臣(野田佳彦君) 松野信夫議員から私には二点御質問がございました。  まず、一括交付金についての御質問についてお答えをしたいと思います。  補助金は、対象事業が終了した時点で精算していただく必要があります。また、翌年度に繰り越す場合には一定の手続が求められます。  二十三年度に創設をされる地域自主戦略交付金等についてもその点は同様でございますが、対象となる事業において各府省の枠にとらわれずに自由に事業を選択することが可能でございますので、地方公共団体において事業を適切に選択することにより、補助金の円滑かつ効率的な執行に資するものと考えております。  二つ目のお尋ねは、予算書と決算書の突き合わせについてでございました。  決算書の作成に当たっては、財政法第三十八条第二項の規定により、予算と同一の区分により作成をしているところでございます。  決算情報については、従来より国民に分かりやすい形でお示しすることは重要と考えており、例えば、予算においては各目を細分した明細書を作成していますけれども、決算においても同様の明細書を作成することが可能かどうか検討中でございまして、更なる詳細情報の公表に向け、そして当院においては決算重視をされていますので、その審議に資するように努力をしていきたいというふうに思います。(拍手)    〔国務大臣片山善博君登壇、拍手〕
  8. 片山善博

    ○国務大臣(片山善博君) 松野議員から二点お尋ねがございました。  まず、自治体の不適正経理についてでありますけれども、自治体が経理の適正化に努めるべきは、これはもう当然のことだと思います。特に、今後、地域主権改革等によりまして自治体の財政運営の自由度が増すことに鑑みますと、経理の適正化には一層の努力が求められるところであります。  総務省としては、自治体の長、知事や市町村長さんとか、それから監査委員、それから議会に一層の適正化の努力を求めたいと考えております。あわせて、制度的な問題も指摘されておりますので、必要な制度的な点検も行いたいと考えているところであります。  次に、監査制度の充実についてでありますけれども、監査機能の重要性は言うまでもないことであります。専門性の高いプロ監査が必要ではないかとの御指摘がありましたが、そのとおりだと私も思います。  既に、地方自治法改正をしておりまして、監査委員の定数を法定定数から条例で一定数増やすことができるようになっておりますので、その中に、その増やした中に弁護士でありますとか公認会計士などを任用することは、これは可能でありますので、大いに自治体においてその活用を図っていただければと思っております。ただ、現行法だけでは不適正経理を防げないという実態もございますので、監査委員を含む監査制度の在り方については制度の再構築を今検討しているところであります。  なお、委員の報酬を自治体以外の別の機関から支払うことがいいのではないかという御指摘がございましたが、やはり現行の仕組みの中では自治体の特別職でありますので自治体が支払うということになります。  ただ、その中立性を保つということは、監査委員の中立性を保つことは非常に重要でありますので、どうやればその中立性が保てるかという、これを制度的な検討の中で具体的に構築をしていきたいと、こう考えております。(拍手)     ─────────────
  9. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 佐藤ゆかり君。    〔佐藤ゆかり君登壇、拍手〕
  10. 佐藤ゆかり

    ○佐藤ゆかり君 自由民主党の佐藤ゆかりです。  私は、自由民主党を代表して、平成二十一年度決算関連並びに年金の財源問題について、菅総理に質問いたします。  民主党は二〇〇九年の衆議院マニフェスト消費税を財源とする最低保障年金を公約し、昨年の参議院選前には総理が消費税率一〇%への引上げに言及、今月五日の社会保障改革に関する集中検討会議の開始以降は、菅内閣の主な閣僚も消費税社会保障目的税化に言及し始めています。  内閣府の短期経済モデルの試算では、消費税を引き上げると、消費税収が増加する一方、景気減速効果からGDPギャップのマイナス幅が拡大し、消費税以外の法人企業税や個人課税など、その他の諸税が軒並み減収に転じることが示されています。  このように、消費税収が増えほかの税収が減る税収移転が起こる結果、消費税の増税は、社会保障のための税収を増やすものの、景気減速効果で特別会計の特定財源などの各種課税を含めたその他の諸税が軒並み減収となることからは、社会保障以外の国の歳出で歳入欠陥が生じる可能性も読み取れます。  このことは、経済成長による税の自然増収の確実な実現が、消費税増税の前の大前提として必要不可欠であることを改めて示すものであります。総理が言及された消費税率一〇%への引上げにおいて、景気減速による法人企業税や個人課税等の減収分を相殺するために必要最低限の名目経済成長率を一体何%と見ているのか、並行してデフレ脱却をいつまでにどのように実現するおつもりか、社会保障改革集中検討会議の議長として、菅総理、税の議論を始める前にその前提となる経済の基礎的条件について、まずは明示をしてください。  プライマリーバランスの黒字化に向けては、増税による歳入拡大か歳出削減か、そのどちらに基本的軸足を置くかが決め手となります。増税と歳出削減の割合が三対七又は四対六程度と歳出削減に軸足を置く政策は成果が多く、増税への過度の依存は財政再建そのものを頓挫させるおそれがあることは、カナダ、スウェーデンオーストラリアを始め各国の経験から明らかです。  我が国の財政法で禁じられている特例公債は、リーマン・ショックの危機対応終局後の二十二年度予算、二十三年度予算案でも民主党政権の下でいまだに多額の発行が続けられているという放漫財政ぶりです。財政再建における諸外国の歴史的教訓を踏まえ、民主党政権は無駄な歳出の赤字補填を厳格に絞り込む大原則をまずは打ち立てるべきではありませんか。  建設国債と特例公債では意味合いが違います。建設国債の償還期限は、裏付け資産となる国の社会資本の平均的耐用年数を根拠に六十年と定めていますが、裏付け資産のない赤字補填の特例公債まで六十年償還なのは、曖昧な法の抜け穴に問題があるからです。  実際、自民党は今月八日、私も議員立法の発議者の一人として財政健全化責任法案を参議院に提出しました。財政健全化に向けて、新規歳出減税措置には新規恒久財源を付けるというペイ・アズ・ユー・ゴー原則を明記したこの法案は、特例公債発行の抑制にも寄与いたします。  しかし、民主党は、昨年の参議院マニフェストで二〇一五年度までのプライマリーバランスの赤字の対GDP比を半減すると公約していたにもかかわらず、今年一月の新成長戦略実現二〇一一では黒字化への工程作りの先送りを閣議決定しています。方法が見当たらないならば、いっそのこと特例公債の六十年償還を改めて短中期的な具体的償還期限を明文化し、純粋な危機対応に使途限定するなどの抜本的改革案を示して、民主党政権としてプライマリーバランス黒字化への政治的決意を示されるべきではありませんか。総理にお尋ねいたします。  民主党政権の二十三年度予算案は、恒久財源を捻出できずに、本来一時財源に使うべきでない特別会計の剰余金や積立金を食い潰す破綻予算の様相を呈しています。中でも、焦点の基礎年金の国庫負担二分の一維持のための二兆四千八百九十六億円の財源問題では、我が党が昨年十二月の基本方針で民主党公約の四Kなどのばらまき施策の撤回を財源に提案したのに対して、民主党政権は、鉄道・運輸機構特例業務勘定の剰余金一兆二千億円、財政投融資特別会計の剰余金及び積立金一兆五百八十八億円、外国為替特別会計の剰余金見込額二千三百九億円などの未確定の一時財源にさえ依存しています。  そもそも、鉄道・運輸機構特例業務勘定の剰余金は年金に使うものではなく、旧国鉄債務の継承の経緯から、鉄道運輸関連事業の歳入に繰り入れるか、旧国鉄債務の償還に充てるのが適切なのです。自民党は、この趣旨の議員立法、債務等処理法等一部改正法案を国会に提出済みです。  同様に、財政投融資特別会計の積立金も、本来、借入金利に対する運用利回り不足に備える金利変動準備金であり、一時財源として使い果たすべきではありません。しかし、政府予算案では、年金財源に全額を組み入れてしまい、積立金を完全に枯渇させてしまっています。  外為特会の剰余金捻出については更にあきれます。特会法第八条第二項にのっとった自公政権時代の一般会計への制度的繰入れとは異なり、二十二年度、二十三年度政府予算では、剰余金を単なる見込額で一般会計に繰り入れているのです。健全な財政規律の観点からは、ばらまき維持のための極めて異例な禁じ手であり、このような予算の在り方に国民は大きな不安と政治不信すら覚えてしまいます。  さらに、外為特会は円高進行で債務超過に陥っているにもかかわらず、二十一年度決算報告では、剰余金から一般会計への繰入れを除いた四千二百十八億円について、当然特会の積立金に充当すべきところを全く充当せず、全額二十二年度歳入のその他項目に繰り入れています。まだ未確定ながら、予算計上の必要に迫られた二十二年度剰余金見込額のつじつま合わせに、先に埋蔵金を埋めて後から発掘するというような自作自演の粉飾決算との疑いすら免れないこの会計操作の真意について、何の歳出目的で繰り入れたのか、また、この剰余金の残額四千二百十八億円分を債務超過への対応として外為特会の積立金に繰り入れる本当に意思がないのか、総理、明確にお答えください。  まさにこの破綻予算案は、民主党政権がばらまき政策に固執する余り、ほかの歳出へのしわ寄せから、運用上必要な剰余金や積立金まで切り崩し、今さえ政権を維持できれば将来国の財産がどうなってもいい、そういう国に対する背信行為の手のうちを明かすような予算であります。二十三年度予算からペイ・アズ・ユー・ゴー原則を導入し、子ども手当高速道路無料化、高校授業料無償化、戸別所得補償制度の四Kを即刻廃止して、三・三兆円の財源の有効活用を切に求めます。  私がこれほど現政権に健全財政を求めるのには理由があります。そもそも国民年金の国庫負担増は、二十代後半の年金未納率が六五%と極めて高いように、年金制度への若年層の不信感の高まりや、派遣やアルバイトでその日暮らしを続けるワーキングプアといった若者の増加により、自らの所得で社会保険料を支払うことができない人たちの増加が重要な背景にあります。今年四月の新卒採用の内定率は六八%台と過去最悪であり、社会人一般が五%の失業率なのに対し、大学卒業生は八%、男子卒業生では一〇%の失業率、社会保障制度を支える柱ともなるべき若年層の就職が二倍も厳しいのが我が国の社会的現実です。  しかし、世代会計や世代間公平基本法の制定などの新しい概念を通じて若者の社会的公平を訴える声が高まる中でも、民主党政権は一向に路線を変えず、二十二年度に引き続き二十三年度予算案でも四十四兆円台という多額の新規国債を発行し続け、現金給付のばらまきを政治利用するために後世世代借金漬けにしようとしています。  社会保障改革に関する集中検討会議の議長として、菅総理、六月の取りまとめを念頭にあなたが今直ちになすべきことは、ばらまきを直ちにやめ、経済成長で若者の安定的雇用拡大を実現し、一人当たりの社会保障負担を軽減し、子育て世代に対しても、今食い潰すばらまき策ではなく、生涯所得の安定で、将来が展望できるような責任ある国の政策的道筋を提案して、検討会議の議論の火蓋を切ることです。また、納税者としての社会的自立を促す人づくり、自らを助け互いに助け合う、自助共助の規範にのっとる社会人の育成こそが社会保障の安定に必須であり、このことこそが民主党の政治姿勢に一貫して欠けてきた重要な観点と存じますが、総理のお考えをただし、私の質問を終えます。(拍手)    〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
  11. 菅直人

    内閣総理大臣(菅直人君) 消費税の改革の前提としての経済条件に関する質問にまずお答えを申し上げます。  社会保障改革については、議論の順序が重要だと考えております。消費税増税ありきではなくて、まずはあるべき社会保障の姿をしっかりと議論をし、その上で、社会保障制度の安定強化に必要な財源と税制改革を一体的に考えるというスタンスで取り組んでまいります。また、税制改革は、経済に様々な影響を及ぼすもので、その実施に当たっては、経済との関係も十分に勘案してまいりたいと考えております。デフレ脱却については、引き続き重点課題と位置付け、成長と雇用に重点を置いた政策を実施してまいります。  次に、プライマリーバランスの黒字化に向けた決意についてお尋ねがありました。  我が国の財政は、主要先進国の中で最悪の水準にあり、国債発行に過度に依存することは困難な状況に陥っております。財政健全化を進め、財政に対する内外の信認を確保するという問題意識は、自民党が出されたこの財政健全化責任法の趣旨とも共有をいたしていると考えております。  政府としては、今後も財政運営戦略に基づき、二〇一五年までに基礎的財政収支の赤字対GDP比を二〇一〇年比で半減し、二〇二〇年度までに黒字化するというこの財政健全化目標達成に向けて、歳出歳入両面にわたる取組を確実に実施していくことといたしております。これも、貴党が出された法案の趣旨とも一致をしているものと認識をいたしております。  なお、特例公債の償還期限の短縮については、その分、償還額が単年度でいえば増えるわけでありまして、財政に関してかなり硬直的な効果も招くわけでありますので、そこはしっかりと留意していく必要があると、このように認識をいたしております。  次に、外為特会の進行年度の一般会計繰入れについての御質問をいただきました。  御指摘のように、二十二年、二十三年度予算では、税外収入を最大限確保するため、あるいは基礎年金の国庫負担の二分の一への引上げの財源として、外為特会にその年度中に生じる見込みの余剰金から一般会計へ繰入れを行ったところであります。こうした措置は、外為特会において、現在は日米の金利差等により引き続きある程度の余剰金の発生が見込まれることから、現下の極めて厳しい財政事情の中で臨時緊急にやむを得ざる措置として行ったものであります。  次に、外為特会の決算上剰余金の一般会計繰入れについての御質問をいただきました。  二十一年度決算における外為特会の剰余金二・九兆円のうち一般会計繰入れ分を除いた〇・四兆円については、その時点で積立てを行う必要がないと判断したことから、外為特会の二十二年度歳入に繰り入れたところです。この結果見込まれる外為特会二十二年度剰余金見込額二・七兆円については、二十三年度予算案において、一般会計の極めて厳しい財政事情に最大限配慮し、全額一般会計に繰り入れることといたしました。  なお、昨年末に公表した外為特会の剰余金の一般会計繰入れルールに基づき、外為特会の財務の健全性についてはしっかりと確保してまいりたいと考えております。  社会保障改革についての御質問をいただきました。  私が目指す社会保障は、ばらまきではなくて、一人一人が社会の中で居場所と出番を持ち、生き生きと暮らせる基盤となる制度を構築するためのものであります。その柱がまさに雇用でありまして、御指摘のありました若者世代雇用も含めて、それの確保、さらには新成長戦略に基づき、医療、介護、子育て、環境など需要の見込める分野で新たな雇用と需要を創造していくという考えであります。ステップワン、ステップツーを踏まえて、この予算案も今審議をいただいておりますけれども、例えば失業率が五%を切るなど一定程度の効果が上がりつつあると考えているところであります。  また、今回の社会保障改革においては、参加保障の理念の下、国民全てに雇用を中心に能力を形成し発揮する機会を広げていくことが重要だと考えております。  国民的な議論をオープンに進めていくため社会保障改革に関する集中検討会議を開催し、改革のあらゆる論点について幅広く各界から御意見を伺い、まずはあるべき社会保障の姿をしっかり議論してまいりたい、このように考えております。  以上、佐藤ゆかり議員にお答えを申し上げました。(拍手)     ─────────────
  12. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 渡辺孝男君。    〔渡辺孝男君登壇、拍手〕
  13. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  ただいま財務大臣から報告がありました平成二十一年度決算につきまして、公明党を代表して、菅総理並びに関係大臣に質問いたします。  長引く不況により、事業の先行き不安、雇用不安、老後の生活不安など多くの不安が渦巻く今日の日本において、必死に働き生活している国民は、大事な税金がどのように使われたか、また、政治と金の問題について大変厳しい目で見ております。  びた一文血税が無駄に使われてはならない、税金は国民のために公正、効率的に使われるべきである。  また、公僕である政治家の金権腐敗は絶対に許してはならない。国会議員歳費や政党助成金、国政選挙などには血税が使われており、政党や政治家は国民の血税によって政治活動が可能となっていることを肝に銘じなければなりません。しかし、残念ながら、近年においても政治資金規正法違反や公職選挙法違反で議員や会計責任者の秘書などが司法の手を煩わせています。民主党からもそのような議員及び議員秘書を出しています。  そこで、本題に入る前にまず、クリーンな政治の実現をマニフェストで訴えた民主党代表でもある菅総理にクリーンな政治の実現が有言実行できているのか、伺いたい。  それでは、本題に入ります。  平成二十一年度決算では、税収が約三十九兆円と前年度比一二・五%減となったのに対し、公債金は約五十二兆円と前年度比五六・六%も増えており、国の債務残高は平成二十一年度末で約九百五十三兆円となりました。  決算重視の参議院は、前年度決算結果を報告後の次年度予算編成に生かすべきと主張しています。しかし、平成二十三年度予算案では、税収約四十一兆円に対し新規国債発行は約四十四兆円と、二年連続で税収を上回る異常な予算編成となりました。平成二十一年度決算や検査報告が平成二十三年度予算編成にどのように生かされたのか、野田財務大臣に伺いたい。  また、平成二十三年度予算案の子ども手当についても多くの問題点があり、私は、無理な拡充を図るよりは、他の関連施策に振り向ける方がよいのではないかと考えています。  例えば、小児の難病対策とも言える小児慢性特定疾患治療研究事業の拡充です。平成十七年の制度改正により、対象年齢が十八歳未満から二十歳未満に延長されましたが、二十歳以上になっても、1型糖尿病など、治療継続が必要な疾患は多くあります。  そこで、平成二十一年度決算での同事業による給付人数や総額について菅総理に伺うとともに、対象年齢の延長に関しての見解を求めます。  次に、会計検査院による二十一年度決算検査報告に関して質問いたします。  不当事項等の指摘件数や金額が昨年度を上回ったこと、特に指摘金額がこれまでの過去最高額を約七倍も上回る約一・八兆円になったことに対する菅総理の見解を伺いたい。また、今後の改善策について野田財務大臣に伺いたい。  次に、不適正経理に関する指摘について質問いたします。  会計検査院平成二十年から二十二年に検査した農林水産省や国土交通省所管の国庫補助事業に関し、全ての都道府県及び政令指定都市において、預け金や一括払い、差し替えといった形で不適正経理がなされ、合計約五十三億円、国庫補助金相当額で約二十六億円が支払われていました。  一方、指摘を受けた多くの自治体でも内部調査が行われ、不正金額等は約六十六億円となり、うち国庫補助金相当額は約三十二億円に膨らみました。もし、都道府県、政令指定都市全てにおいて内部調査を行えば、その額は更に増える可能性があります。  そこで、片山総務大臣質問いたします。同様の内部調査をいまだ実施していない県や政令指定都市があるか、あればその理由を伺いたい。  また、不適正経理による国庫補助金等が一部の県において昨年七月末現在で返還されていませんでした。その後の返還状況、未返還のものがあればその理由について野田財務大臣に伺いたい。  さて、不適正な経理処理が行われていた原因として、一、会計法令等の遵守より予算の年度内消化の優先、二、会計経理の業務に携わる者の公金の取扱いの重要性に関する認識の欠如、三、契約事務、検収事務等の職務分担による相互牽制機能の不全などが挙げられています。  不適正な経理処理の再発防止のためには、これらの原因に対する対策が重要です。今回の検査でも、再発防止対策は十分でなく、国においても同様の不正経理が指摘されていることから、再発防止対策について野田財務大臣並びに片山総務大臣に伺いたい。  さて、公明党は、不正経理の防止を徹底するために、私的流用がなくとも虚偽の請求書の提出を要求するなど、不正経理にかかわった国家公務員地方公務員などを処罰することを盛り込んだ不正経理防止法案並びに不当事項の指摘を受けた省庁団体による会計検査院への是正対策や処分内容などの報告の義務付けなど、会計検査院の機能強化を図る会計検査院法等の一部改正案をこれまで数度、自由民主党とともに参議院に提出してきました。  そこで、菅総理に、これらの法案についての所見並びに早期成立の必要性の認識について伺いたい。  次に、資産に関する指摘に関して質問いたします。  活用可能な全国一千三百三十三校の休廃校施設を検査したところ、三年を経ても有効活用されていない休廃校施設が四十二都道府県で二百十六校、約一六%に見受けられました。それらの施設の残存価値額は合計で約二百四十九億円、国庫補助金相当額は約百五億円にも及びます。  私は、公明党の地域活性化推進本部の一員として山形県朝日町を訪れた折に、廃校を若手芸術家のアトリエとして有効活用し、地域活性化に役立っている好事例を視察させていただきました。このようなことから、休廃校施設地域ニーズを踏まえてもっと有効活用するよう、菅総理に改善策について伺います。  さて、私の住んでいる米沢市は以前上杉藩の領地で、その十代藩主上杉鷹山公は、財政難に陥った米沢藩の行財政改革、教育改革、殖産興業に力を注ぎ、十一万両以上の負債を完済に導きました。日本国の財政状況も平成二十一年度決算では基礎的財政収支が約三十五兆円の赤字となり、行財政改革は必至の状況です。  そこで、菅総理に質問いたします。  民主党マニフェスト国家公務員の総人件費二割削減を訴えましたが、それをどう有言実行していくのか、具体的方法や工程表について伺いたい。また、財政健全化目標を今後どう達成していくのか、国民に対して分かりやすく説明をしていただきたい。さらに、財政健全化法の制定についての総理の見解を伺いたい。  最後になりますが、上杉鷹山公が世子治広に与えたいわゆる伝国の辞の第一か条には、国家は、先祖より子孫へ伝え候国家にして、我私すべきものにはこれなく候とあります。鷹山公は、財政赤字を将来世代に残すわけにはいかないと自ら率先垂範して改革に取り組み、また不正も正して藩民の信頼を勝ち取り、なせば成るの実証を示しました。  菅総理には、他人任せではなく、自ら率先垂範して行財政改革や政治倫理の確立に職を賭して取り組むよう強く求めるとともに、民主党代表として、マニフェスト破綻が明らかになったことから、国政を私する、つまり私物化するとのそしりを免れるためにも、早期に国民の信を問うことを勧め、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
  14. 菅直人

    内閣総理大臣(菅直人君) 渡辺孝男議員にお答えを申し上げます。  まず、クリーンな政治の実行についての御質問です。  政治家と金にまつわる不祥事、法令違反は国民の政治不信を招いており、厳しい対応と不断の制度改善が必要だと認識をいたしております。民主党としては、党の政治資金の透明化を推進するとともに、所属議員に対しても政治倫理により厳格な遵守を求めていく決意であります。  クリーンでオープンな政治というのは、私が代表選のときに掲げた公約でありまして、党の運営はもとより政治全体についてもそうあるべきだという決意で臨んでまいりたいと思います。また、企業団体献金禁止など政治資金の規制強化については既に法制化作業を進めており、各党協議において合意形成を図った中で実現を目指してまいりたい、是非御協力をお願い申し上げたいと思います。  次に、小児慢性特定疾患治療研究事業についての御質問をいただきました。  この面は渡辺先生の専門分野だとも承知をいたしておりまして、大変貴重な御意見を拝聴いたしました。子ども手当のほか、子ども・子育て支援の充実は、これはこれとして重要だと考えております。  お尋ねの小児慢性特定疾患治療研究事業における平成二十一年度決算での給付人数は十万七千八百九十四人であり、決算額は百九億三千三百十二万八千円であります。小児慢性特定疾患治療研究事業の対象者であった二十歳以降の方々に対する医療費助成の在り方については、厚生労働省に設置した検討チームにおいて十分な検討を行ってまいりたいと、このように考えております。  次に、不当事項等の指摘件数や金額が過去最高となっている実態についての御質問をいただきました。  平成二十一年度検査報告において不適切な経理処理が多額に上ったことは、会計検査院の機能が発揮された結果であるとは考えますが、政府としてはこの指摘を真摯に受け止める必要があると考えております。  民主党政権では、事業仕分など新しい手法を導入するとともに、その結果を平成二十三年度予算などに反映させたところであります。決算検査報告も踏まえ、引き続き無駄を徹底して排除し、国民の信頼を得るべく努力をしてまいりたい、このように考えております。  次に、公務員の不正経理防止と会計検査院の機能強化についての御質問であります。  公務員の不正経理の防止の徹底を図り、会計検査院の機能を強化していく、向上させていくことは重要な課題であると認識しており、御指摘の問題意識共有し、民主党においても検討をしているところであります。  法案については、提出されれば政党間において御議論がなされるものと承知しておりますが、政府としては、これらの御議論も十分踏まえ、より一層の予算執行の適正化に向けて積極的に取り組む所存であります。  次に、休廃校施設の活用についての御指摘をいただきました。  御指摘のとおり、休廃校施設地方公共団体地域の実情やニーズに応じ有効に活用していくことは重要なことだと認識をいたしております。政府としては、これまで、学校施設を他の用途に転用する際に国庫補助金返還をほぼ不要とする措置や有効活用事例等の情報発信などを通じて、地方公共団体の取組に対する支援の充実を図ってきたところであります。今後とも休廃校施設が適切に活用されるよう、引き続き支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、国家公務員総人件費の削減について御質問をいただきました。  国家公務員総人件費の二割削減については、まず第一に地方分権推進に伴う地方移管、第二に各種手当退職金等の水準や定員の見直し、第三に労使交渉を通じた給与改定など、様々な手法を組み合わせることにより、平成二十五年度までにめどを付けることとし、その目標達成に向けて取り組んでまいります。  人件費削減に向けた各般の取組については、今国会に提出すべく検討している給与の引下げを内容とする法案の提出時期に合わせて、できる限り明らかにするよう努めていく所存であります。  最後に、財政健全化目標の達成手法と財政健全化法の制定に係る見解についての御質問をいただきました。  我が国の財政事情を見れば、財政健全化は喫緊の重要課題であることは誰もが疑わないところだと考えます。財政運営戦略において財政健全化への道筋を示しました。その中で、中期財政フレームを毎年ローリングしながら目標の達成を目指すことといたしております。  財政健全化法の制定についてお尋ねがありましたが、政府としては今後も、財政運営戦略で示した財政健全化への道筋に向けて、成長と雇用の拡大を実現し、社会保障と税の一体改革を着実に進めながら、目標の達成を目指してまいりたいと考えております。  なお、自由民主党からも同趣旨の法案が出されていることも私たちよく知っておりまして、こういった問題についてもできるだけ前向きに対応してまいりたいと、このように考えております。  残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  15. 野田佳彦

    ○国務大臣(野田佳彦君) 渡辺議員から、まずは平成二十一年度決算と検査報告の平成二十三年度予算への反映についての御質問をいただきました。  財務省としては、従来より決算結果等の予算への反映には積極的に取り組んできているところでございます。  会計検査報告を受けまして、昨年十一月、各閣僚に対して、検査報告事項や国会における決算審議の内容などを平成二十三年度予算などに的確に反映するように要請をさせていただいたところでございます。  決算結果(不用)については、予算の適正かつ効率的な使用の観点から個々の予算の内容等を厳正に見直し、その結果を予算に的確に反映するとともに、会計検査院の指摘等については個別の事務事業ごとに必要性や効率性を洗い直し、その結果を予算に的確に反映するよう取り組んだ結果、独立行政法人等の過剰な資金等の国庫への返納などを行い、総額で一兆四千三百六十八億円を平成二十三年度予算に反映をさせていただきました。  次に、決算検査報告の指摘件数や金額の増加を始め、国の公金の不適正経理の再発防止策についての御質問をいただきました。  平成二十一年度検査報告においては指摘金額が約一・八兆円、件数が九百八十六件と、過去最大の指摘を受けたことは誠に遺憾でございます。特に、国における不適正経理は国民の信頼を損ないかねず、あってはならないことと認識をしています。  今後とも、予算執行の適正化、会計事務手続における職務の分担による相互牽制や監査の徹底、職員への研修、指導の徹底などにより、不適正経理の是正と防止に努めていく決意でございます。  不適正経理により支払われた国庫補助金等の返還状況についてのお尋ねがございました。  不適正経理により支払われた国庫補助金等のうち、一部については昨年の七月末現在でその返還等が済んでいないものと承知をしています。まずは当該補助金の所管省庁においてその返還状況について速やかに調査するとともに、返還等のための所要の措置をとっていただく必要があると考えております。  以上、お答えとさせていただきます。(拍手)    〔国務大臣片山善博君登壇、拍手〕
  16. 片山善博

    ○国務大臣(片山善博君) 私には二点のお尋ねがございました。  最初に、地方公共団体の不適正経理についてでありますが、会計検査院の指摘をきっかけとした内部調査を実施していない自治体は、総務省が把握しているところでは三団体でございまして、その理由は、従来より継続して公金支出の適正化のための各種対策を実施しているため等と伺っております。  次に、自治体の不適正経理の再発防止策の強化でありますが、各該当の自治体におかれましては、不適正経理の原因が那辺にあったのか、よく究明をしていただくことが大切だろうと思います。恐らくは、御指摘がありましたように、予算の使い切りの慣行でありますとか、職員の言わばコンプライアンス意識の低さなどがその原因として挙げられるのではないかと思います。さらには、監査委員のチェックの甘さでありますとか、議会の決算審査機能の不全なども考えられるところであります。まずは、それぞれの自治体において、これらを踏まえてその原因ごとに改善措置を自主的に図るなど、自助努力によって自浄能力を発揮していただきたい、これがまず必要だろうと思います。  あわせて、国といたしましても、自治体におけるチェック機能の強化でありますとか、透明性の確保などが図られるような制度面での点検を行わなければいけないと考えております。とりわけ、監査委員制度の在り方については、できるだけ早くその検討を進めてまいりたいと考えているところであります。  以上です。(拍手)     ─────────────
  17. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 寺田典城君。    〔寺田典城君登壇、拍手〕
  18. 寺田典城

    寺田典城君 みんなの党の寺田典城でございます。よろしくお願いします。  第百七十七回通常国会は、ねじれ国会となり民主党の政権運営は大変だと思いますが、我が家もねじれております。息子は民主党で、私はみんなの党であります。  ねじれを否定的にとらえる方が多い中で、私は、健全な政権運営のためにはねじれはマイナス面だけではないと思います。それは国民に選択肢を示す政治であります。ねじれがあるからこそ、国民に情報が開示され、与野党がお互いに知恵を絞り、競い合い、そして協力し合うことができるのではないでしょうか。  過去を振り返りますと、秋田県知事時代は、十二年間ねじれの県政でありました。その中で、ぶれないこと、徹底した情報開示と行政コストの削減をすること、公務員の能力を活用すること、具体的な目標設定をすること、そのようなことを念頭に県政運営をしてまいりました。  日本は、秩序正しく可能性のある国であります。日本の将来をどうするのか、早く方向性を示すべきだと思います。総理の基本的なお考えをお聞かせください。  さて、平成二十一年度の決算及び現在の我が国の課題を踏まえ、御質問いたします。  日本は、一九四五年に終戦を迎え、国民が一体となり祖国の再建に邁進してまいりました。神話とも言える奇跡的な経済復興を遂げ、一九八五年にはジャパン・アズ・ナンバーワンと言われるまでになりました。しかし、経済の低成長や少子高齢化により、これまでの人口増加、高い経済成長を前提とした年金や終身雇用などのシステムは成り立たなくなっております。  約五十年も続いた自民党政権は、八百兆円を超える借金を残して政策的に行き詰まり、国民は、世の中を変えなければならないと政権交代を選択しました。政治を変えることを選びました。民主党政権は、これまでの政治を変えることが役目であり、それが国民の声にこたえることであります。  まず、今課題になっております幼保一元化についてであります。  平成二十一年度決算において、幼保一元化を進めるための認定こども園施設整備費補助金は、十七億七千八百四万円の予算のうち、たったの〇・七%の一千二百三十三万円しか執行されておりません。このような予算執行の例がほかにもあるでしょうか。財務大臣にお伺いいたします。  認定こども園の認定件数は、平成二十二年四月一日現在で五百三十二件にとどまっております。これは、保育所、幼稚園、両方の制度がそのまま残った複雑な仕組みとなっており、手続が煩雑で事務負担が増加するなど、施設側から見てデメリットが多いためであります。このような制度設計の甘さが予算執行の非効率を招いております。この実態を見て、文部科学省厚生労働省も、自分たちが子育てに対していかに非協力的なのか、至らないところを猛反省というんですか、超反省すべきであります。  保育所も幼稚園も、業界挙げて幼保一元化に反対する動きが顕著であります。しかし、これまでやってこれたからといって何も変えようとしなければ、この少子化の流れの中で国民の期待にこたえられなくなると思います。保育に欠ける、欠けないという議論ではなく、希望する誰でも、零歳児から受け入れる保育園の良さ、幼児教育に力を注ぐ幼稚園の良さ、両方の恩恵を受けられる効率的なシステムを早急につくり上げるべきであります。文部科学大臣厚生労働大臣は真剣に幼保一元化を進める気があるのか、いつまでにどのような形で実施すべきとお考えなのか、意気込みをお聞かせください。  子育ての中でもう一つ喫緊の課題なのが子ども手当であります。  民主党政権が打ち出した子ども手当は、義務教育と同様、子育てに社会が責任を負うという一歩踏み込んだ考え方を示した点で一定の評価ができるものであります。事業の実施には約三兆円の財源が必要とされますが、農家の戸別所得補償と同様に、今のままではばらまきと言わざるを得ません。多くの国民が社会保障など将来の生活に不安を抱く中で、見通しが何もないまま借金を積み重ねれば、国民が一層不安に思うだけであります。  批判、問題の多い子ども手当でありますが、低所得者の方々にとって必要であることは事実であります。所得が減っていく中で、低所得の世帯の子育てに対する負担感は増しております。親の所得の差による子育て格差教育格差が更に広がっているのが現実であります。  もし、子ども手当関連の予算案、法律案が否決された場合にはどうするのでしょうか。今までの児童手当の受給対象者だけにでも子ども手当並みの金額を暫定的に支給することを検討すべきと思いますが、厚生労働大臣はいかがお考えでしょうか。  現在、保育所に約一兆円、幼稚園には約四千億円の公費が投入されており、子ども手当に必要な約三兆円と合わせると四兆四千億となります。この財源を元に、全ての人が安心して子育てできる、社会全体で子育てを支える全く新しい仕組みを議論してはいかがでしょうか。  世界的な競争社会の中で我が国日本が生き残るには、教育レベルを高め、知的国家をつくり上げることが大切であります。時間の余裕はありません。一刻も早く高等学校までの一貫した教育システムの中に幼児教育を位置付け、全ての子供がひとしく保育教育を受けられる環境を整えることが必要であります。総理の御見解をお伺いいたします。  次に、公務員制度改革であります。  政府民主党は、国家公務員人件費の二割削減を公約に掲げております。現在、我が国では、地方も合わせ人件費は約三十兆円であり、これを二割削減すると約六兆円の財源を生み出すことができます。財政再建に向けた消費税の増税など新たな国民負担を求める前に、まずは国会議員国家公務員も自ら率先して行政コストの削減に取り組むことが必要であります。  知事時代の経験を申し上げますと、日本一簡素で効率的な行政を掲げ、行財政改革を進めながら徹底した行政コストの削減に努めてまいりました。毎年三%の退職者に対し新規採用を一%に抑え、知事部局職員約四千八百人を十年ほどで約三千六百人へと、四分の一削減することができました。そして、県民と職員の生活を守るためと説得し、賃金カットもいたしました。その結果、県全体の人件費をピーク時の平成十年度の千八百三十二億円から、およそ十年間掛けて昭和六十三年度並みの千五百五十一億円へと、二割近く削減することができました。  こうした取組を国全体で進めることがそれほど難しいことなのでしょうか。地域主権を進めることによって重複行政を整理し、国の出先機関を廃止し、それによって生じる余力人員は、高い能力を生かし、国際貢献などで活躍できると思います。  九百兆円近い国と地方の長期債務残高、急速に進む少子高齢化は待ったなしであります。残された時間は僅かしかありません。総理には大胆な改革を期待しておりますので、その決意をお聞かせください。  最後に、国会議員を始め多くの方々は予算の獲得ばかりで決算にはほとんど関心を持たず、誠に残念であります。どの家庭でも、家計の無駄を減らそうとするときは家計簿を見直すのではないでしょうか。国家も同じであります。財務省は主計局を廃止し、決算局をつくってはいかがでしょうか。予算の消化主義はもちろん認められませんが、決算を精査し新たな予算の無駄を省くことは予算編成と同じくらい重要であります。決算をきちんと予算編成に反映させれば、財政の効率化が図られ、財政再建が進むのではないでしょうか。財務大臣の御見解をお伺いいたします。  以上をもちまして、私の質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
  19. 菅直人

    内閣総理大臣(菅直人君) 寺田典城議員にお答えをいたします。  まず、ねじれ国会日本の将来像についての御質問をいただきました。  ねじれは必ずしもマイナス面だけではなくて、ねじれであるからこそ国民に情報が十分に開示されるので、与野党が互いに知恵を絞り、競い合い、そして協力し合っていけるんだという御指摘、大変有り難い御指摘だと、そうなるように私たちも努力をしていきたいと思っております。  日本の将来についてどうしたいのかということについて、私はこの施政方針の中で、平成開国、最小不幸社会の実現、不条理を正す政治という三つの理念を掲げました。現在、審議をいただいている予算案もこの考え方を盛り込み、提案をいたしているところであります。議員が指摘される国会質疑等を通じてお互いが知恵を出し合うという熟議の国会になるように私たちも努力をしてまいりたい、このように考えております。  次に、子育て支援の新しい仕組みについての御質問をいただきました。  御指摘のような考え方に立った包括的、一元的な子ども・子育て新システムは、社会保障改革の中でも優先的な課題の一つであると考えております。チルドレンファースト、子供が主人公の理念に基づき、社会全体で子ども・子育てを応援する新システムを構築することにより、質の高い幼児教育保育の一体的な提供を確保し、さらには高等学校までの教育システムの中でもこの子供中心ということをきちっと位置付けられるようこれからも努力をしてまいりたい、このように思っております。  次に、国家公務員総人件費の削減についての御質問をいただきました。  国家公務員総人件費の二割削減については、第一に地方分権推進に伴う地方移管、第二に各種手当退職金等の水準や定員の見直し、第三に労使交渉を通じた給与改定など、様々な手法を組み合わせることにより、平成二十五年度までにめどを付けることとし、その目標達成に向けて取り組んでまいります。  知事経験を踏まえての御提案であり、また、私に対しても大胆な改革を期待をするという言葉もいただきましたが、そうした経験をもお聞きをしながら、この人件費の二割削減というのは極めて難しい課題であるということを十分に認識しながら、不退転の覚悟で臨んでまいりたい、このように考えております。  残余の質問は関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  20. 野田佳彦

    ○国務大臣(野田佳彦君) 寺田議員から、まず執行率が低調な予算についての御質問をいただきました。  執行率が一%に満たない経費は、予備費のほか、独立行政法人科学技術振興機構施設整備費など、幾つかございます。これは、ただし、予算編成時から経済情勢が変動したり、例えば分かりやすい例ですと、災害復旧の予算を組んでいましたけれども幸いにして災害がなかったりした場合には執行率が低くなるということがありますので、執行率が低いから全て悪いというわけではないということは是非御理解をいただきたいというふうに思います。  いずれにしても、多額の決算不用が生じている事業等については、不用となった理由を精査し、事業等の見直しや予算の削減を行うなど、予算への反映を行ってきているところでございます。  次に、決算の予算への反映についての御質問をいただきました。  財務省としては、従来より決算結果の予算への反映には積極的に取り組んできているところでございますが、御経験を踏まえて、主計局を廃止して決算局をという大胆な御提言でございましたけれども、決算のそういう重要性を十分認識して仕事をするように主計局には伝えておきたいと思います。  ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣高木義明君登壇、拍手〕
  21. 高木義明

    ○国務大臣(高木義明君) 寺田典城議員から幼保一体化についてお尋ねがありました。  幼児期の教育は人格形成の基盤を培う重要なものであり、幼保一体化を進めることは質の高い幼児教育保育を全ての子供保障するために重要であると考えております。  幼保一体化を含む子ども・子育て新システムについては、昨年十二月の社会保障の推進に関する閣議決定において社会保障と税の一体改革における優先課題として位置付けられており、このスケジュールを基にし、関係者からの御意見も踏まえ、しっかり検討を進めてまいります。(拍手)    〔国務大臣細川律夫君登壇、拍手〕
  22. 細川律夫

    ○国務大臣(細川律夫君) 寺田議員にお答えをいたします。  幼保一体化についてのお尋ねがありました。  幼保一体化を含む子ども・子育て新システムにつきましては、現在、子ども・子育て新システム検討会議の下に置かれました有識者、関係者等から成りますワーキングチームによって具体的な制度の内容について検討しているところでございます。  子ども・子育て新システムにつきましては、昨年十二月閣議決定をされました「社会保障改革の推進について」におきまして社会保障と税の一体改革における優先課題として位置付けられており、そのスケジュールに合わせて取りまとめてまいる必要があるというふうに考えております。  全ての子供に対して質の高い幼児教育保育保障するために、関係者の御意見も踏まえながら、子ども・子育て新システムの実現に向けて真摯に取り組んでまいります。  次に、子ども手当関連法案等が否決された場合についてのお尋ねがございました。  子ども手当法案が成立をしなければ、児童手当法に戻ることになります。しかしながら、この場合、現金給付の手当が大幅に減額又は廃止をされ、さらには、電算処理のシステムの整備が間に合わず、六月までに児童手当の支払ができない可能性があるなど、国民の生活に多大な影響を与えることになります。このため、平成二十三年度の子ども手当支給法案につきましては本年度中に成立をさせる必要があると考えております。  なお、法案が否決されることを前提にした議員の御提案につきましては、考え方を述べることは差し控えたいと思います。  議員の皆様におかれましては、是非とも、年度内に向けてこの成立がされるように御協力をよろしくお願いいたします。  以上でございます。(拍手)     ─────────────
  23. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 井上哲士君。    〔井上哲士君登壇、拍手〕
  24. 井上哲士

    井上哲士君 日本共産党井上哲士です。党を代表して総理に質問します。  二〇〇九年度決算は、自公政権が最後に編成した二〇〇九年度予算の執行に関するものです。この予算に表された政治を変えてほしいという、この年の総選挙での審判に込められた国民の願いにどうこたえるのかが決算審議で問われています。総理、どうお考えでしょうか。  国民の願いの第一は、金で動く政治を変えることです。  二〇〇九年度予算審議のときに大問題になったのが西松建設の違法献金事件でした。この事件で、当時の小沢民主党代表の公設秘書が逮捕されました。ところが、それ以来、この疑惑についても、陸山会の土地購入をめぐる資金疑惑についても、小沢氏は国会で一言も説明をしていません。  総理は、年頭会見で、小沢元代表に自らの問題について国会できちんと説明していただきたいと述べ、最終的に場面が来れば私が判断すると述べてきました。この間、総理は小沢氏にどう働きかけ、どのような結果だったのですか。民主党が決めれば、小沢氏の証人喚問で説明責任を果たさせることは可能です。総理、国会が決めることと逃げないで、自ら決断すべきではないですか。  社会保障費の二千二百億円の連続削減が深刻な医療崩壊などを生み出しました。社会保障の削減から拡充への転換という、国民が政権交代に託した大きな願いにどうこたえるかが今問われています。  削減路線の下で、介護保険をめぐって、利用したくても利用できない事態が一層広がりました。親が介護する状態になった人の二割以上が職を離れ、離職者は年間十四万人を超えています。高齢者虐待や介護心中という痛ましい事件も後を絶ちません。総理は現状をどう認識されていますか。  介護の充実が求められるときに、政府が提出を予定している介護保険法の改正案には、要支援とされた軽度の人は市町村の判断で介護保険サービスの対象外にできる仕組みが盛り込まれようとしています。これに対し、介護の現場からは、認知症は軽度のときこそしっかりとしたケアをして重度化させないことが大切だと厳しい批判の声が上がっています。軽度者のサービスからの除外は中止すべきです。答弁を求めます。  なぜ介護充実の願いと逆行するのか。政府介護保険見直しの立場が、新たな国費の投入をせず、新たな施策は新たな財源負担でというものであり、給付の抑制と保険料・利用料負担を国民に迫った自公政権と同じ立場だからではありませんか。民主党は、選挙公約で、財政が厳しい状況でも必要なサービスは引き続き受けられるよう介護基盤整備を最優先しますと述べていました。深刻な現状を打開するためには、介護保険の国庫負担割合の拡充への転換が不可欠ではありませんか。  介護サービスの取上げを中止し、四十二万人に上る特別養護老人ホームの待機者の解消に向けた介護施設の増設を進めること、介護現場で働く人の賃金を国の責任で上げることが必要です。重い利用料負担のために、介護サービスの利用を断念したり、年金が振り込まれる月にしか利用できないなどの事態が広がっています。所得の少ない高齢者は原則として介護保険料・利用料を免除して、お金の心配をせずに介護が受けられる仕組みを緊急につくることが求められています。答弁を求めます。  社会保障と税の一体改革といいながら、進められているのは、介護とともに医療や年金、福祉などあらゆる分野で給付の削減や制度改悪ではありませんか。その一方で、大企業中心の法人税減税と大資産家中心の証券優遇税制の継続を進め、国民には消費税増税など、許されません。大企業・大資産家減税は中止し、介護を始め社会保障拡充の国民の願いにこたえる予算に充てるべきです。そのことが内需を拡大して経済の立て直しにもつながります。  このことを強く求めて、質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
  25. 菅直人

    内閣総理大臣(菅直人君) 井上哲士議員にお答えを申し上げます。  まず、二〇〇九年度の決算についての御質問です。  私の内閣として国民にお約束をしたことを政治主導、官邸主導で一つ一つ実施をしており、次第に成果が上がってきていると、こう思っております。予算に関しましても、従来の配分の大幅な組替えに取り組み、無駄遣いの根絶、税制改正などで財源を確保し、その範囲内でマニフェスト政策を実施しているところであります。  御指摘のとおり、平成二十一年度決算は自公政権によって編成された最後の予算に関するものですが、今般の決算審議も踏まえ、内閣としては予算執行についても真摯に対応してまいりたいと思っております。予算の効率的な使用や経理の適切な処理に全力を傾注することを含め、新しい政策選択を進め、国民の負託にこたえていくことといたしております。  次に、小沢議員の国会での説明についての御質問をいただきました。  小沢議員が国会で説明する必要があるという認識は、今でも私は変わっておりません。その具体的な方法等については、国会のルールに従い、各党各会派において関係委員会等で議論、決定していただくべきものだと考えております。  なお、私が小沢議員と会談をした折に、衆議院政倫審への出席の意思について確認をいたしましたけれども、小沢議員からは、個人的には出席の意思は変わらないと、そういうお答えがあったところであります。  いずれにしても、この問題は国会のルールにのっとって議論されるものであり、決断云々の話とは若干性格が違っていると、このように認識をいたしております。  次に、介護保険の現状についての御質問をいただきました。  介護サービス利用者は高齢者の増加率を上回る勢いで増加しており、介護保険制度は着実に国民の間に定着をしてきている、このように考えております。特別養護老人ホームなどの介護基盤整備については、平成二十一年度から平成二十三年度までの三年間に十六万人分の整備を促進しております。さらに、今国会に二十四時間対応のサービスの創設などを行う介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案を提出する予定にいたしております。引き続き社会保障改革の中で在り方を検討してまいりたいと考えております。  次に、軽度者の介護サービスについての御質問をいただきました。  今国会に提出予定の介護保険法の改正案において、介護予防サービスと配食、見守り等の生活支援サービスとを組み合わせて、生活を支えるための総合的で多様なサービスを創設し、市町村の判断で実施できることといたしております。この総合サービスは、利用者の状態や意向に応じて提供されるものであり、要支援者等に対するサービスの縮小につながるものとは考えておりません。  次に、介護保険の国庫負担割合についての御質問です。  高齢化が進展する中で、介護が必要な状況となっても安心して介護を受けながら生活ができるようなサービスを提供しつつ、制度面でも維持可能なものとすることが重要だと考えております。国庫負担割合の引上げについては、現行の介護保険制度では加入者一人一人の保険料に負担をいただく社会保険方式を採用していることから慎重な検討が必要だと、このように考えております。  介護保険料や利用料の免除に関する御質問をいただきました。  今般の社会保障制度改革では、昨年末にまとめました五原則にお示ししたように、新たなニーズに対応して機能強化を行うとともに、持続可能な社会保障を目指し、その安定的な財源の確保を図りつつ改革を進めていくことといたしております。介護保険制度は国民の連帯による社会保険制度であることなどから保険料やサービスの利用者負担をお支払いいただいておりますが、生活保護受給者については負担を求めていないこと、低所得者については保険料や利用料を軽減するといった配慮をしているところであります。  最後に、法人税等の税制や社会保障の在り方についての御質問であります。  法人実効税率の引下げについては、企業海外に移転して雇用が失われることを回避し、国内投資の増加や雇用創出につながる効果を期待して実行するものであり、大企業のためにやっているというよりも雇用確保のためにやっているということを是非御理解をいただきたいと思います。  また、証券優遇税制についても、景気回復に万全を期するために二年間延長し、平成二十六年一月から二〇%本則税率とすることといたしております。これもかなり低い水準に私が就任したときありましたが、幸いにして、現在、株価も少し上昇してきておりまして、決して大金持ちの人に対して何かということでやったのではなくて、やはり景気の上昇のためにはもう二年間は続けさせてもらおうということで、こうした形を取ったところであります。  社会保障については、平成二十三年度予算において社会保障予算の五%増をこれは確保しております。今後、安心できる社会保障の確立に向け、まず、あるべき社会保障の姿をしっかりと議論し、その上で税制改革も含めた社会保障と税の一体改革の検討を進めてまいりたい、このように考えております。(拍手)     ─────────────
  26. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 舛添要一君。    〔舛添要一君登壇、拍手〕
  27. 舛添要一

    ○舛添要一君 新党改革の舛添要一です。  本日は、菅総理の政治哲学につきまして質問させていただきます。  総理は、政権を担当するに当たりまして、最小不幸社会の実現、そして不条理を正す政治が御自分の政策の基本であると明言されました。しかしながら、さきの改造内閣の発足とともに、その基本方針すら明確でなくなったような気がいたします。  また、菅内閣の政策が従来の民主党マニフェストから大きく懸け離れていっていることは、誰の目にも明らかであります。それが昨今の内閣支持率の低下にもつながっていると考えます。マニフェストを掲げて選挙を戦い、政権交代を実現した以上、そのマニフェストをほごにすることは有権者への背信行為であります。  自公政権と民主党政権が政策の上で決定的に異なるのはどの点なのでしょうか。別の表現で言えば、民主党らしい政策、菅首相ならではの政治哲学とは何なのでしょうか。  総理は、一に雇用、二に雇用、三に雇用と言われます。仕事に就きたくても職がないことほど寂しく悲しいことはありません。政府雇用の確保や職業訓練に全力を挙げるのは当然のことであります。私が厚生労働大臣のときも、雇用調整助成金の活用など、この分野でできる限りの努力をいたしました。しかしながら、自ら進んで能力を磨き、つらい仕事でも我慢して継続するという気概に欠ける人たちに出会ったこともまた事実でございます。働かざる者食うべからずという言葉があります。また、天は自ら助くる者を助くという言葉もあります。これらの言葉を総理はどのように理解していらっしゃるのでしょうか。  社会保障の充実は必要ですが、自立の精神をなくした人間ほど尊敬に値しないものはありません。まずは自ら努力する、その上で本当に困った人は助けるということでなければ、社会保障費は際限なく増えていくことになります。民主党の政策がばらまきだと批判されるのは、自立と援助の間の緊張関係を欠いているからではないでしょうか。  次は、セーフティーネット論の落とし穴、陥穽という問題であります。  介護や医療にお金を投入することは、確かに大きな内需拡大効果があります。また、国民の不安の解消にも大きな効果があります。ただ、問題は、その投入するお金をどこで稼いでくるかということであります。オリジナルマネー、ニューマネーがなければその仕事はできません。デフレを克服し経済成長を図ってこそ必要な資金を調達できると考えます。財政再建は経済成長と同時並行して実行すべき課題だと思いますが、この点について総理の御所見をお伺いいたします。  次に、外交安全保障についてお尋ねいたします。  この分野につきましても、民主党、そして菅内閣が自公政権の政策と異なるのはどの点についてでしょうか。日本外交の基軸は日米関係だというだけでは自公政権との違いが分かりません。あえて皮肉を込めて申し上げれば、普天間基地移設について最低でも県外だとか抑止力は方便だとかおっしゃった鳩山前首相の方が、まだ民主党の政治哲学に忠実なのではありませんか。  民主党らしい外交安全保障政策とはどのような政策なのでしょうか。我が国周辺に核武装した国々があり、我が国のみでは自国の安全を保障できないことは明白であります。したがって、私たちは日米安保という選択をいたしました。集団で安全保障を確保せざるを得ない状況であります。  しかしながら、そういう状況であっても、自らの国は自らで守るという気概がなければ他国の尊敬を勝ち取ることはできません。菅内閣には自らの国は自らで守るという強い決意があるのでしょうか。尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の対応を見ていますと、危惧の念に駆られます。日本自らが行動しないまま、黙っていてもアメリカが支援に駆け付けると考えるのは少し認識が甘いのではないでしょうか。  日米安保条約が信頼性を保つためには、まずは日本自らの不断の努力が不可欠だと考えますが、この点につきまして総理の見解を求めます。  日本の米軍基地の四分の三が沖縄に集中していることの重みを全国民が認識すべきでありますし、沖縄県民に対する感謝の気持ちを忘れてはなりません。また、他方では、日本の若者が沖縄のビーチで休息しているときに、アメリカの若者はふるさとから遠く離れた地で同盟国を守る勤務に就いていることもまた忘れてはならないと思います。普天間基地の移設問題について、今の菅内閣の方針を御説明ください。  最後に、内政、外交共々しっかりとしたかじ取りを行って日本国の将来を誤らないように要望いたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
  28. 菅直人

    内閣総理大臣(菅直人君) 舛添要一議員にお答えを申し上げます。  まず、民主党らしい政策あるいは自民党との違いについて、当初、内政を中心にお聞きになったことにお答えをしたいと思います。  私は、この国会において、平成開国、そして最小不幸社会の実現、そして不条理を正す政治という三つの理念を掲げました。そして、二十年以上続いた日本の停滞を打破していく、そのための予算を提示をいたしました。  具体的に申し上げれば、もう既に成長戦略の中で申し上げてきましたけれども、かつての公共事業中心の景気対策、さらには行き過ぎた市場万能主義の景気対策の失敗の中で雇用と成長を中心として日本経済を立て直していく。その効果が現在、次第次第に現れている。つまり、景気浮揚ができなかった自民党政策と私たち民主党を中心とした政権の差は、まさにこの経済を安定的に成長軌道に乗せられるかどうかに懸かっていると。このために全力を挙げているところであります。  次に、社会保障政策の考え方についての御質問をいただきました。  私は、雇用こそが自立の最も重要な要素だと考えております。決して何か失業している人に仕事をしないでもどんどん給付をするということを言っているわけではなくて、まさに潜在的には需要があるにもかかわらず、介護の分野のように余りにも賃金が安過ぎるために供給が出てこない、こういうことについては多少の財政出動をしてでも供給を出して、そしてそれが需要につながり、それが結果として失業率の低下につながり、デフレの脱却につながっていく。まさに私が申し上げている雇用から成長へという考え方はそういった考え方に立つわけでありまして、舛添議員が言われました自立という考えと私は方向は一致していると、決してばらまき政策ではないということを強く申し上げておきたいと思います。  次に、介護や医療に必要な財源確保についての御質問をいただきました。  御指摘のとおり、介護や医療の分野で雇用を創造すれば、国民の不安の解消につながるとともに、所得が増え、消費が増え、経済が活性化してまいります。社会保障制度の改革については、まず、あるべき社会保障の姿をしっかり議論し、社会保障制度の安定強化に必要な財源と税制改革を一体的に考えるというスタンスで取り組んでいく所存であります。  次に、財政再建と経済成長についての御質問をいただきました。  政府としては、財政健全化を経済成長、社会保障改革と一体的に実現することが重要と考えております。今後も、新成長戦略と財政運営戦略を一体的に推進し、成長と雇用拡大を実現していくとともに、社会保障と税の一体改革を着実に進めながら、財政運営戦略で示した財政健全化目標の達成を目指してまいりたいと考えております。  次に、私の内閣の外交安全保障政策について、特に自民党との違いについて何かという御指摘がありました。  私は、もちろん違いはありますけれども、外交において、必ずしも何か大きな違いがあることが必要だというよりは、継続すべきものは継続し、その中で違いは違いとして打ち出していくべきだと考えております。  私の内閣では、日米基軸、第二にアジア外交の新展開、第三に経済外交の推進、第四に地球規模の課題への取組、第五に安全保障環境への日本自身の的確な対応を五本の柱として外交安全保障政策を推進してきております。  例えば、五番目の柱に関して申し上げますと、日本を取り巻く安全保障環境の変化等を踏まえて、新防衛大綱においては、従来にも増して即応性、機動性を備え、高度な技術力と情報力に支えられた動的防衛力を構築することといたしております。  また、日米同盟については、私の内閣においても外交の基軸であり、安全保障経済文化・人材交流の三本の柱を中心に更なる深化をさせてまいりたい、このように考えております。  自国を守る決意についての御質問をいただきました。  安全保障国家が担う最も基本的な施策であり、また、国の防衛が国民一人一人に支えられて成り立つものであることは論をまたないところであります。私の内閣で策定した新防衛大綱においても、我が国の安全保障の目標を達成するための根幹となるのは自らが行う努力であるとの認識を示したところであります。  最後に、普天間飛行場の移設問題についての御質問をいただきました。  普天間飛行場の移設問題については、沖縄において厳しい声があることは十分承知しておりますけれども、危険性の一刻も早い除去に向け、昨年五月の日米合意を踏まえ、沖縄の皆さんに誠心誠意説明し、理解を求めながら、最優先で取り組んでまいりたい、このように考えております。  以上、舛添要一議員の御質問にお答えをいたしました。(拍手)
  29. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────
  30. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 日程第二 平成二十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書  日程第三 平成二十年度特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書  日程第四 平成二十年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書   (いずれも第百七十三回国会内閣提出、第百七十六回国会議院送付)  日程第五 平成二十年度一般会計歳入歳出決算平成二十年度特別会計歳入歳出決算平成二十年度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十年度政府関係機関決算書  日程第六 平成二十年度国有財産増減及び現在額総計算書  日程第七 平成二十年度国有財産無償貸付状況総計算書  以上六件を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。決算委員長鶴保庸介君。     ─────────────    〔審査報告書は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔鶴保庸介君登壇、拍手〕
  31. 鶴保庸介

    鶴保庸介君 ただいま議題となりました平成二十年度予備費関係二件及び平成二十年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書並びに平成二十年度決算外二件につきまして、決算委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、平成二十年度予備費関係二件は、憲法及び財政法の規定に基づき、予備費の使用等について、国会の事後承諾を求めるため提出されたものであります。  これらの主な費目について申し上げますと、まず一般会計の予備費使用は、賠償償還及び払戻金の不足を補うために必要な経費、年金記録確認地方第三者委員会の運営に必要な経費、国際的テロリズムの防止及び根絶のための自衛隊補給支援活動に必要な経費などであります。  また、特別会計予算総則の規定による経費の増額は、社会資本整備事業特別会計の道路整備勘定における道路事業の推進に必要な経費の増額などであります。  次に、平成二十年度決算調整資金は、同年度における一般会計の歳入歳出の決算上生じた不足を補填するため、同資金から一般会計に七千百八十一億円余を組み入れたことについて、決算調整資金に関する法律の規定に基づき、国会の事後承諾を求めるため提出されたものであります。  委員会におきましては、二月十四日にこれら三件を一括して議題とし、まず財務大臣から説明を聴取した後、予備費の早期提出、決算審査の結果を直近の予算編成に反映させるため常会会期中に審査を終了する必要性、行政刷新会議における事業仕分の在り方、特別会計における予備費計上の在り方、テロ対策・イラク支援に係る予備費の支出状況等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、討論を行った後、採決の結果、これら三件はいずれも多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。  次に、平成二十年度決算外二件につきましては、予算及び関係法律が適正かつ効率的に執行されたかどうかを精査するとともに、政府施策の全般について国民的視野から実績評価を行い、その結果を将来の予算編成及びその執行に反映させるとの観点に立って審査を行ってまいりました。  委員会におきましては、内閣総理大臣を始め全閣僚出席の下での全般質疑のほか、全七回に及ぶ省庁別の審査など、合計十一回の審査を行い、公益法人に対する国等からの公費支出の必要性の検証、独立行政法人の会計経理及び業務運営等における不適切な事態、国及び地方公共団体における不適正な会計経理等について質疑が行われたほか、行財政全般にわたる議論が交わされ、昨年十月十八日に質疑を終局いたしました。その詳細は会議録によって御承知願います。  二月十四日、委員長より、本件決算審査を踏まえ、本会議で議決すべき議決案及び五項目から成る内閣に対し措置を要求する決議案を提出いたしました。  以下、議決案の内容を申し上げます。     一、本件決算は、これを是認する。     二、内閣に対し、次のとおり警告する。       内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に報告すべきである。  1 平成二十年度決算検査報告において、指摘金額が二千三百六十四億五千万円と二年連続で過去最悪となっていることや、不当事項等の指摘件数も過去二番目に多い七百八件に上っていることなど、不適正経理や無駄遣い等の指摘が後を絶たないことは、遺憾である。    政府は、歳出全般にわたって無駄の排除を厳しく求められている中、本院の度重なる警告等にもかかわらず不適正な公費支出が繰り返されている事態を重く受け止め、予算執行の適正化に向けた抜本的な再発防止策を講ずるべきである。  2 国等から多額の公費が支出されている公益法人について、内部留保率が三十パーセントを超える法人が国費等交付先法人全体の三分の一程度に達していること、所管府省OBが多数天下り、かつOBの在籍人数が多い法人ほど所管府省からの支出額が多くなる傾向があることなど、様々な問題が指摘されていることは、看過できない。    政府は、公益法人に対する国等からの公費支出について、その必要性を絶えず検証するとともに、所管府省OBが在籍する公益法人への支出については、特に透明性の確保に努め、その妥当性に関して説明責任を十分果たすべきである。  3 独立行政法人の締結する契約について、随意契約が依然として半分程度を占め、競争契約での一者応札の件数割合が四割以上となっているほか、落札率が九十九パーセント以上の契約が過半となっているなど、実質的な競争性が確保されにくい状況となっていることが指摘されるとともに、業務運営及び役員人事等についても、国家公務員OBが役員に多数天下りしており、また、関連法人と不透明な契約関係にある法人も見受けられるなど、様々な問題が明らかになったことは、遺憾である。    政府は、独立行政法人に対して、運営費交付金等の多額の財政支出がなされていることにかんがみ、契約の競争性の確保及び役員人事を始めとする適正な業務運営を徹底させるべきである。  4 消防庁が、平成二十一年九月に高度救命処置シミュレーターを大量調達した契約は、一般競争の体裁を取りながら、仕様、入札参加条件、予定価格等の決定及び審査等において、透明性や公平性を欠いていた上、販売者の複数応札があった入札も実態は同一製造者からの調達であるなど、契約の競争性向上や予算節減に対する配慮を著しく怠っており、国民の多大な不信を招いたことは、遺憾である。    政府は、予算の効率的使用を徹底するため、調達に係る審査方法及び審査基準を一層明確化するなどして手続の透明性等の向上を図り、契約の競争性が実質的に確保されるよう努めるべきである。  5 平成二十年度決算検査報告において、内閣府を始めとする一府四省の物品購入等に当たり不適正な経理処理が行われ、さらに、農林水産省及び国土交通省所管の国庫補助事業に係る事務費等に関しても、会計検査が行われた地方自治体のすべてにおいて、虚偽の書類を作成するなどして需用費等が支払われていた事態が明らかになったことは、極めて遺憾である。    政府は、全府省を対象に会計法令等の遵守を徹底するなどして内部統制機能を確保するとともに、地方自治体に対しても、国庫補助事業に係る経理の適正化に向けて指導・助言を積極的に行い、公金の使用に対する国民の信頼回復に努めるべきである。  6 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構は、決算検査報告において平成十八年度から三年連続で委託費等に関して不当事項として指摘され、また、同機構が二十一年度に発注した地方委託事業に関して、委託先の十二道県の雇用開発協会等において契約に違反する経費や飲食費に支出する等の不適切な経理処理が明らかになったことは、極めて遺憾である。    政府は、同機構の業務運営の適正化に向けて、役員人事の刷新や、これまで実施されてきた業務委託の妥当性の検証に取り組むとともに、二十三年度以降、同機構が自ら担うこととした現行の地方委託事業について、円滑かつ効率的な実施を徹底させるべきである。  7 航空自衛隊が発注したオフィス家具等の調達に関して、航空自衛隊第一補給処の職員がOBの天下り先であるメーカーに対し、それぞれの受注目標を事前に設定するなど、平成十七年度から二十年度までの四年間に結んだ三百十一件の契約において、官製談合が行われていたことは、極めて遺憾である。    政府は、平成十六年度決算に関する本院の警告において、防衛施設庁の官製談合を指摘されたにもかかわらず、再び官製談合が引き起こされた事態を重く受け止め、再発防止に万全を期すべきである。  8 独立行政法駐留軍等労働者労務管理機構は、主たる事務所を東京都に置くことが法律で定められているにもかかわらず、本部の実質的機能を他県へ移転し、そのため独立行政法人通則法において毎年度大臣の承認を受けることとされている財務諸表も、平成十九年度以降承認されていない不正常な状況が継続していることは、看過できない。    政府は、同機構に対し、法令違反の疑義ある状態を早急に是正し、業務の効率化を図るよう、指導を徹底すべきである。  以上が議決案の内容であります。  討論を終わり、採決の結果、平成二十年度決算は多数をもって是認すべきものと議決され、次いで、内閣に対し警告することについては全会一致をもって警告すべきものと議決され、また、措置要求決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  次に、平成二十年度国有財産増減及び現在額総計算書は多数をもって是認すべきものと決定され、また、平成二十年度国有財産無償貸付状況総計算書は全会一致をもって是認すべきものと決定されました。  なお、本件決算外二件の審査を受けて、国会法第百五条の規定に基づき、会計検査院に対し検査要請を行いました。要請した検査項目は、国土交通省及び独立行政法水資源機構が整備する大規模な治水事業の実施について、並びに特別会計改革の実施状況等についての二件であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  32. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。  まず、日程第二の予備費使用総調書について採決をいたします。  本件を承諾することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  33. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  34. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十七     賛成           二百二十六     反対              十一    よって、本件は多数をもって承諾することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  35. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 次に、日程第三の経費増額総調書及び日程第四の決算調整資金からの歳入組入れに関する調書を一括して採決いたします。  両件を承諾することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  36. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  37. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十七     賛成           二百三十一     反対               六    よって、両件は多数をもって承諾することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  38. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 日程第五の平成二十年度決算の委員長報告は、本件決算を是認すること及び内閣に対し警告することから成っております。  まず、本件決算を委員長報告のとおり是認することについて採決をいたします。  本件決算を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  39. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  40. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十七     賛成           二百二十六     反対              十一    よって、本件決算は多数をもって委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  41. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 次に、委員長報告のとおり内閣に対し警告することについて採決をいたします。  委員長報告のとおり内閣に対し警告することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  42. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  43. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十七     賛成           二百三十七     反対               〇    よって、全会一致をもって委員長報告のとおり内閣に対し警告することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  44. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 次に、日程第六の国有財産増減及び現在額総計算書について採決をいたします。  本件を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  45. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  46. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十六     賛成           二百二十五     反対              十一    よって、本件は多数をもって委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  47. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 次に、日程第七の国有財産無償貸付状況総計算書について採決をいたします。  本件を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  48. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  49. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十七     賛成           二百三十七     反対               〇    よって、本件は全会一致をもって委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  50. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 先ほど議決されました内閣に対する警告に関し、内閣総理大臣から発言を求められました。内閣総理大臣菅直人君。    〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
  51. 菅直人

    内閣総理大臣(菅直人君) ただいまの御決議に対しまして所信を申し述べます。  政府としては、従来から国の諸施策の推進に当たって、適正かつ効率的に執行するよう最善の努力を行っているところでありますが、今般八項目にわたる御指摘を受けましたことは誠に遺憾であります。  これらの御決議の内容は、いずれも政府として重く受け止めるべきものと考えており、御決議の趣旨を十分に踏まえ、今後このような御指摘を受けることのないよう改善、指導をしてまいります。(拍手)
  52. 西岡武夫

    ○議長(西岡武夫君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時十三分散会