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2010-11-05 第176回国会 参議院 農林水産委員会 3号 公式Web版

  1. 平成二十二年十一月五日(金曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  十月二十二日     辞任         補欠選任      小川 勝也君     一川 保夫君  十月二十七日     辞任         補欠選任      金子 恵美君     蓮   舫君      外山  斎君     川崎  稔君  十月二十八日     辞任         補欠選任      川崎  稔君     外山  斎君      蓮   舫君     金子 恵美君  十一月二日     辞任         補欠選任      柴田  巧君     水野 賢一君  十一月四日     辞任         補欠選任      水野 賢一君     柴田  巧君  十一月五日     辞任         補欠選任      横山 信一君     竹谷とし子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         主濱  了君     理 事                 岩本  司君                 大河原雅子君                 野村 哲郎君                 山田 俊男君     委 員                 一川 保夫君                 金子 恵美君                 郡司  彰君                 外山  斎君                 徳永 エリ君                 松浦 大悟君                 青木 一彦君                 加治屋義人君                 鶴保 庸介君                 長谷川 岳君                 福岡 資麿君                 竹谷とし子君                 渡辺 孝男君                 柴田  巧君                 紙  智子君    国務大臣        農林水産大臣   鹿野 道彦君    副大臣        内閣府副大臣   平野 達男君        外務副大臣    松本 剛明君        農林水産副大臣  篠原  孝君        経済産業副大臣  松下 忠洋君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官      松木けんこう君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木 朝雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○農林水産に関する調査  (EPA(経済連携協定)及びTPP(環太平  洋連携協定)交渉に関する件)     ─────────────
  2. 主濱了

    ○委員長(主濱了君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十月二十二日、小川勝也君が委員を辞任され、その補欠として一川保夫君が選任されました。  また、本日、横山信一君が委員を辞任され、その補欠として竹谷とし子君が選任されました。     ─────────────
  3. 主濱了

    ○委員長(主濱了君) 農林水産に関する調査のうち、EPA(経済連携協定)及びTPP(環太平洋連携協定)交渉に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 郡司彰

    ○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司でございます。今日は急な集中審議ということになりました。TPPについて幾つかの質問をさせていただきたいというふうに思っております。  まず、菅総理が所信表明でTPP参加の検討をということを表明をしたのが十月一日のことでございました。その後、七日の日でございましたけれども、参議院の本会議におきまして私が代表質問に立たせていただきました。そこでも質問をさせていただきましたが、まだ巷間、TPPという言葉自体が皆様の耳にはなじんでいないような時期ではあったのかなというふうに思っております。  それから一か月たちましたけれども、少なくても、この国会内におきましては、今年度流行語大賞に該当するような形で急速にこのTPPという言葉が皆様の耳にも入り、そしてまたいろんな関心もいただいてきたのかなというふうに思っております。  しかし、一方でいまだに、その内容はどういうことなんだろうか、あるいはその情報が正確にすべてに伝わってきているんだろうか、あるいはまた、その本質の部分においてどのような影響をもたらすのか、いろいろなところが不明確なままの状態ではないかというのが今の実感でございます。  その中で、順序が逆だというふうな意見もございますけれども、与党におきましてもPTが政調の下に設置をされました。既に十数回の議論を重ねて一定の文言の取りまとめを行ってきた、このようにも聞いておるわけでございます。そしてまた、その間におきましても、関係の閣僚会合あるいは副大臣会合などが頻繁にこれまた開かれたというふうに思っておりまして、その中で鹿野大臣につきましてもいろいろと御発言をされてきたのではないかなというふうに思っております。  その議論の過程で、いろいろ議論があったわけでありますけれども、先立って例えば生物多様性COP10がございましたし、MOP5もございました。そのような中でも大臣が発言をされていたというふうに聞いておりますけれども、生物多様性でありますとか、あるいは農業の持つ多面的な機能、こういうことに言及をされましていろいろとお考えを述べてきたというふうにも聞いております。  まず、その大臣から、農業が持つ多面的な機能でありますとか、その辺のところが今回のTPPの議論という中にもしかしたらば少ないのではないかという意見もございますけれども、大臣のお考えをまずお聞かせをいただきたいと思います。
  5. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 今、郡司委員の方から御指摘をいただきましたTPPの対応についての議論というふうな中におきましても、この多面的機能のいわゆる発揮をいかにして維持していくかというようなことについても言及されているところでありまして、私も触れてきたところでもあります。  もちろん、これは言うまでもなく、国土の保全なり環境保全なり水源の涵養という役割を果たすと同時に、過般、COP10におきまして生物多様性の保全につきまして一つの合意がなされたわけでありますが、その中に水田というものが非常に生物多様性の保全にとって重要だというふうな位置付けもされたということであります。  この水田には六千種に近い生物多様性というふうなものがおるというようなことから、非常に国際会議におきまして改めて水田というふうなものの位置付けがされたということは、いろんな意味で大きな意味を持つのではないかなと、こんな思いをいたしているところであります。
  6. 郡司彰

    ○郡司彰君 大きな成果も上げられたというふうにその会議自体は思っております。  そしてまた、それと直接ではございませんけれども、今回のTPPに関しましては、農水省でもいろいろな影響が及ぼすのではないか、その試算というものも公表をされたかというふうに思っております。四兆一千億というふうに記憶をしておりますが、この四兆一千億というのは作物ごとの積み上げた数字だろうというふうに思っております。ならば、今お話をいただきました多面的な機能というものを、もし別個ということでありましょうか、考えるとすると、その及ぼす額というものはどのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
  7. 篠原孝

    ○副大臣(篠原孝君) 三兆七千億円と計算しております。
  8. 郡司彰

    ○郡司彰君 これからまた、その辺のところはいろいろな議論のところで出てくると思います。  例えば、かつて林業の関係だけを見ましても、その及ぼすところは七十何兆円というような数字が出されたときもございました。これからこうした議論をするときに、地域の崩壊その他含めて、品目ごとの被害あるいは試算だけではないというような、その辺のところについてもお考えをまとめておいていただければなというふうに思っております。  次に、こうしたいろいろな動きの中で、菅総理は農政の改革本部というものを設置をしていこうではないか、つまり、今回のことにかんがみなくても、それとは別なことととらえたにしても、この国の農業を強いものにしていこうということ自体はいつも考えていかなければいけない課題の一つだろう、このように思っております。  そして、政権交代以降、新しい政権の下で幾つかの柱というものを掲げてきたというふうに思っています。大きくいえば、所得補償の制度をきちんとやっていこう、それから食の安全、安心というものを確立をしていこう、さらには六次産業化ということの内容を深めることによって地域の雇用あるいは活性化というものを図っていこう、このようなことがあったと思います。  今回のTPPに関していえば、例えばその中の食の安全一つを取っても、関税の問題ではなしに内外無差別の原則などからいって、国内でこのようなものをきちんとやっているんですよ、だからそれに相応するような、相当するような形でもって輸入をするのならばしていただきたい、こういうことも安全と絡んで、まさにこの国の食の安全、農業を守るということにもつながる、強い農業づくりにもかかわってくるのではないかなというふうにも思っているところであります。  そのような観点を含めて、強い農業の体質というものはどのようなものだというふうにお考えになっていらっしゃいますか、お聞きをいたします。
  9. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 強い農業というふうなことはいろんなとらえ方があると思いますけれども、今、郡司委員が申されたとおりに、基本的にはやはり農村、農業というふうなものの振興を図っていかなきゃならない、こういうふうなことが原点であると思うわけであります。  そういう意味で、やはり農業者の方々に再生産に意欲を持ってもらうというようなことが第一ということを考えれば、やはり戸別所得補償制度というふうなものをこれから制度として恒常的なものにしていくと、長い間続けていくというようなことが一つは大事なことだと思うわけであります。  また、もう一つは、なかなか今の農村社会というふうなものにおきましてはいろんな問題を抱えておりまして大変な状況であるということは私自身も承知をしておるわけでありますけれども、そういう中で農産物を生産してもらってきました。それをいろんなものに加工もしてきてもらいました。ただ、そこでどうしてもいま一つ弱いというんでしょうか、なかなか思うようにいかなかったというのが販売ルートというふうなことではないかと思うんであります。  そういう意味で、今回、いわゆる六次産業化法案をこれから審議していただくということになるというふうなことをお願いをいたしておるところでございますけれども、すなわち農産物を生産していただいて、そしていろんなものを作っていただいてそれを、その販売をするという、そういう一次、二次、三次が一体となってその地域に、農村社会に定着をすればまたそこに新たな活力が生まれてくると。そういう意味で、いわゆる六次産業化というふうなものは、どうしてもこれからの強い農業というものを進めていく上で不可欠ではないかと思っておるわけであります。  そしてもう一点は、やはり消費者の方々も最も望んでおる食の安全、安心というものをどう確立していくか。  やっぱりこの三つの考え方というふうなものが一つの柱になってこれからの強い農業というふうなものをつくり上げていかなければならないんじゃないかと、こんな思いをいたしておるところであります。
  10. 郡司彰

    ○郡司彰君 例えば食の安全でいいますと、表示の問題については原則これからやっていこうというようなことも決めていただいて、これをまず実行に移すこと自体も大変努力が必要なことだろうというふうに思っております。  それから、それぞれの生産者、あるいは生産者の団体等もありますけれども、今回の問題については慎重というよりも反対だと、こういう意見が多いというふうにも伺っております。私は、そのこと自体は団体の方々の御意見として尊重をしなければいけないというふうに思いますけれども、先ほど言いましたように、この問題とは切り離しても、やはりこの国の農業を強くする、そしてその力をもっと大きなものにしていくということはやらなければいけない。  私自身は、食品の安全の前段で、例えば生産者の方々と手をしっかり結んで、GAPであるとかHACCPであるとかトレーサビリティーであるとか、こういうようなシステムというものを確立をするということは欠かせないというようにも思っているわけでありますけれども、この辺のところについては、急でございますけれども、篠原副大臣、もしお考えがあればお聞かせください。
  11. 篠原孝

    ○副大臣(篠原孝君) 今の郡司委員の御指摘は非常に大事な点だなと思います。  貿易の自由化ということになりますと、いつも関税が先に立ちます。しかし、今は関税というのは、それはある程度貿易の障害になっているかと思いますけれども、日本の農産物全体の関税も平均税率は一一・七%です。EUは一九・五%、アメリカはさすが五・五%ですけれども、隣の韓国は六二%ということでして、日本はそうした中では非常に低い方なわけです。  関税の問題は相当片付いてきているのではないかと思いますし、午前中、衆議院ではいろいろ開国という言葉をめぐって議論が闘わされたわけですけれども、日本はこれだけオープンにしているので、江戸時代に長崎の出島だけで貿易しているわけじゃないですし、今更開国なんというのは私ははっきり言っておかしいと思います。  ここで大事になってくるのは、私は、日本の国民の食の安全を考えた場合、基準・認証制度とか言われておりますけれども、安全性の確保だと思います。これまでも、この内外無差別でいったら、日本はこういう厳しい基準をしていると。典型的な例がBSEですけれども、二十か月齢でやっているといったら、内外無差別なわけですから、アメリカにだけ十五か月と言っているわけじゃないですから、世界の常識でいうと、日本の厳しいルールで、ただ日本が決める権利があるわけです。これは絶対守っていかなければいけないんじゃないかと思います。関税とは別の話だと思いますけれども。  ただ、心配は、EPAで二国間でやったりする場合はそういうことをちゃんと協議できるわけですけれども、TPPという世界で一挙にやったりする場合、こういった食にかかわる独特の問題がどのように議論されるのかというのは明らかではありません。ですから、我々は、TPPに参加するかどうか分からないわけですけれども、その前の情報収集に全力をまず尽くすべきじゃないかと考えております。
  12. 郡司彰

    ○郡司彰君 副大臣にはまた後ほどその辺の交渉のことについてもお聞きをしたいと思いますが、大臣、もしよろしければ、今のようなことで、私自身は、TPPにかかわらずともやっぱり強い体質をつくっていく必要がある、しかし、今のままではやはりやらなければいけない課題がたくさんある。そうしたものを一定程度行う期間あるいは予算規模としてはどのようなものが考えられるか、今のところでもしお考えがありましたらばお聞かせいただきたいと思います。
  13. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 私は、就任時におきましては、一つの十年間というものを期間と定めて、この間にこの日本の将来の農業像というふうなものを、農村像というものをつくり上げていきたい、そのためには当然いろんな対策が必要でありますと、こういう意味で、農林水産省一省だけで行政を、そういう農林水産業の、第一次産業の健全なる姿を描くということはなかなか難しいんじゃないかと、こんな思いを致しながら、新たな財源の必要性というものから、農林水産業というものは環境産業であるという意味で、環境税というふうなものをもし導入した場合にはそういう財源を回していただければなと、こんな思いを率直に申し上げたということでございます。
  14. 郡司彰

    ○郡司彰君 残された時間、ちょっと篠原副大臣に交渉のことについてお話を聞かせていただきたいと思います。  篠原副大臣、御存じのように、WTOの担当として駐在をなさりながら交渉に当たってきたという経歴がございます。そういう目から見て、今回、私どものところでこの一か月間いろいろな議論をしてまいりました。例えば、事務的な協議を行うんだということがありましたし、情報収集の協議を行うんだというようなことがございましたし、参加の検討をする、あるいは検討してから参加を決めるんだ等々、いろいろございましたけれども、こうした国内のそのいろいろなよって立つやり取りの中で、これ、外交的に交渉する場合にそのようなニュアンスというものは相手の方にきちんと伝わるというような形でお考えでしょうか。
  15. 篠原孝

    ○副大臣(篠原孝君) それぞれの言語にはそれぞれの言語の持つ独特な意味がございます。私、外交交渉に携わりましたけれども、今、郡司委員に御紹介いただいたとおりでございますけれども、なかなか伝わりにくいことがございました。  例えば、これは余り良くないなと思った例で申し上げますと、日米構造協議というのがございました。この英語は、ストラテジック・インピーディメント・イニシアチブというんです。インピーディメントというのは障害なんです。戦略的障害、イニシアチブというのは構想とかいうんですね。日本でそんなのがそのまま訳で使われたらとんでもないことになるんです。そんなものは、日本になんか障害はないということになるんで、知恵のある人たちが日本語にしたときには日米構造協議とか名前を付けたわけですね。それで、日本には構造的な欠陥があるから直していかなあかんのじゃないかというイメージがそれで流布してしまったんじゃないかと思います。  このように、我々の日本で言っている言葉を、逆になりますけれども、協議が事前か、それはそのものの協議かというのが今問題になっておりますけれども、こういうのは本格的な交渉なり事前の交渉をするにも、日本の立場はこうですよということをきちんと伝えていかないと、日本語で、EPAの基本方針なり党の提言いただきましたけれども、あれをきちんと伝えながらやっていくということにも意を尽くさなければいけないんじゃないかと思います。
  16. 郡司彰

    ○郡司彰君 今、副大臣が最後に言われたところがやはり大事なところなんだと思うんですよね。私たちはこのように解釈をしている、このような言いぶりでやっているはずだというのがまさに相手の方にきちんとその意思として伝わる、そのような思いとして私たちの国はこの問題にかかわっていくんだと、こういうようなところをしっかりとやっていただきたいというふうに思いますし、そのことを私は、農林水産省の政務三役の方々は同じような気持ちだろうというふうに思っております。しかし、交渉そのものは農林水産省だけが、あるいは農林水産省が前面に立つわけではございませんので、是非ともその辺のところを全体の中で発揮をしていただくように御要請を申し上げまして、私の方の質問を閉じさせていただきます。  ありがとうございました。
  17. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 北海道の長谷川岳と申します。  改めて、鹿野農林水産大臣、御就任おめでとうございます。  今回、御就任に際してお聞きしますが、大臣は九月十七日の就任記者会見において、菅総理大臣から指示された内容として発表された中にはTPPについては全く触れられておりません。それはなぜなのか。また、TPPを前提として大臣をお引き受けになられたのか否かをお伺いしたいと思います。  そして、菅総理大臣は十月一日の所信表明演説においてTPPへの参加を検討すると表明しましたが、この発言に対する大臣の受け止め方についてお伺いしたいと思います。
  18. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 私が菅総理から農林水産大臣をやるようにというふうなときには、EPAの推進ということに力を入れてくれと、こういう話でありました。  それからもう一つは、TPPについて所信にやったときにどういう考え方だったかということですけれども、あくまでもTPPについては検討と、こういうとらえ方をいたしたということであります。
  19. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 今回のAPECで突然態度を表明するということは、国内におけるコンセンサス形成プロセスが不完全ではないかと。政権さえ維持していれば外交上は政府の責任でも何でもコミットしてしまえるというのは傲慢であり、余りにも国会軽視ではないかと私は考えます。  現在の状況の中でAPECでTPPに加入を表明することで本当に一次産業が守られるのか、大臣、副大臣、大臣政務官の三役にTPP参画の賛否をお聞きいたします。賛成か反対か、簡潔にお答えください。
  20. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 長谷川先生からのそういう思いを込めての質問でございますけれども、このTPPに対する対応をどうするかと今政府内で検討して、最終段階に来ておるわけでございますので、私自身がどうであるかというふうなことにつきましては、誠に申し訳ございませんが、差し控えさせていただきたいと思います。
  21. 篠原孝

    ○副大臣(篠原孝君) 私も同じでございまして、菅総理の下、それから鹿野大臣の下、考え方を一緒にしまして対応しているところでございます。
  22. 松木けんこう

    ○大臣政務官(松木けんこう君) 反対であるということを言いたいところですけれども、大臣と副大臣になぞらえてやっていきます。
  23. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 北海道選出の松木政務官にお尋ねします。  北海道では、十勝管内、人口三十五万、就業人口の一五%が農林水産事業に従事して、特に製造業、四千億円のうち食料品、飲料、飼料等の製造分野で二千九百億円、七割強を占めます。同時に、網走管内、三十一万人中、就業人口の一五%、農林水産業でございます。製造業は四千二百億円のうち食料品、飲料、飼料等の製造分野が六割弱の二千四百億円。宗谷管内は、七万人のうち就業人口の一五%が農林水産業、そのうち製造業が九百八十億円のうち食料品、飲料、飼料等の製造分野が九割の八百九十億円にも上ります。  こういった数字を見てもTPPはこの一次産業だけの影響とお考えでしょうか。どのようにお考えでしょうか、お答えください。
  24. 松木けんこう

    ○大臣政務官(松木けんこう君) 一・五%だけだと言った人もいますけれども、そうではないでしょう。もっと幅広く影響があるというふうに思っております。
  25. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 次の質問になります。  政権交代のきっかけとなった二〇〇九年の民主党マニフェストにおいてFTAの交渉を促進する、その際、食の安全、安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことはないと記載していますが、先日、農水省が発表した試算において国内農業・農村の振興を大きく損なうものでございます。仮に、FTAよりも自由度の高いTPPに参加するとなれば、マニフェストは守られると認識されておりますか。  また、本年三月に閣議決定したばかりの食料・農業・農村基本計画においては、食料・農業・農村政策を国家戦略の一つとして位置付け、平成三十二年度の食料自給率をカロリーベースで五〇%に引き上げる、小麦の生産を倍以上に増やす、そういうことが盛り込まれております。  農水省の試算では、食料自給率は一四%に低下する結果となっていますが、マニフェストに盛り込まれている食料自給率五〇%達成のためにはどの程度の予算が必要と考えているか、その試算はございますでしょうか、大臣にお伺いします。
  26. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) まだ方向が決まったわけでございません。TPPに対する対応の方向はまだ決まったわけでございません。そういう意味で、これに対してどう対応するかということのいわゆるぎりぎりの調整がなされておるというふうなことだけ、私から申させていただきたいと思います。
  27. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 民主党が進めている戸別所得補償制度、それは販売価格が生産費を恒常的に下回っている作物を対象にその差額を交付する制度としておりますが、農産物の自由化を前提とした制度なのか、そうではないのか、再度確認したいと思います。大臣、お願いいたします。
  28. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 戸別所得補償制度というものは、現在の国境措置というふうなものを前提としてということでございまして、そのことは明確に申し上げさせていただきたいと思います。
  29. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 特に、この北海道の畑作農業の基幹作物である甘味資源作物、でん粉原料バレイショの生産量減少率は試算では一〇〇%の試算結果となっています。加工原料農作物は地域の製糖工場及びでん粉工場で加工された上で製品として流通しており、地域農業、地域社会、地域経済に大きく影響をいたします。北海道農政部における米、酪畜を含めた七品目の影響試算においては、生産減少額は五千五百六十三億円、関連産業、地域経済への影響を含めると二兆一千二百五十四億円の減少になります。  このように北海道経済が壊滅的となる数字が積み上がっていますが、このことに対してどう受け止めておりますか。試算としてでも結構ですから、鹿野農林水産大臣に改めてお伺いしたいと思います。
  30. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 過般、高橋知事さんが、いわゆるTPPというふうなものに対しての影響というふうなものについて約二兆一千億というふうな数字をお出しになられたということも、これは承知をいたしております。そういう意味で、大変大きな影響を及ぼすことになるんだなというふうなことを改めて認識をしながら、そういう中でどう対応するかというようなことを今検討させていただいているということでございます。
  31. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 松本外務副大臣にお尋ねを申し上げます。  昨年来から日米関係が悪化しており、政府が沖縄の普天間問題を先延ばしし、いまだ解決に至っていない。間髪入れずに中国、ロシア等は圧力を掛けてまいりました。その一つが尖閣問題であり、北方領土の問題だと考えております。このような外交ミスの代償として、日米同盟の再構築のためにTPPの参加検討を自ら表明することに至ったのではないか、懸念をしております。その点についてお聞きしたいと思います。
  32. 松本剛明

    ○副大臣(松本剛明君) まず、日米関係についてでありますが、御指摘のとおり日米関係についても解決をすべき課題があると。これは、大変日米の関係は深い関係であるがゆえに様々な課題もその中で発生をしてきて、しっかりとこれを両国の政府間の交渉の中で解決をすべきものだというふうに認識をしておりますが、基本的に日米関係が大変悪いという認識は私どもは持っておりません。大変良好な関係の中で推移をしているというふうに認識をしております。先般も日米外相会談が行われたところでありますが、広範な形での連携協力がその中でも会談によって進められているというふうに理解をしております。  その上で、TPPについてのお話でありましたが、私ども外務省としては、米国にどうこうというようなお話はこのTPPについてはないというふうに承知をいたしております。  ただ、政府の中で、私ども外務省が申し上げておりますのは、この成長センターと言われるアジア太平洋地域において、特に当初は四か国でスタートしたことは御案内のとおりでありますが、現在九か国が交渉しているという中では、大変大きな割合を占める国々が参加をする中で、経済、通商のルールが作られようとしているということが一つ。  それから二つ目は、こういった通商の交渉というのはこれまでも数々行われておりますけれども、今回は既にこの一年間で六回の交渉が設定をされているという情報に我々も接しておりまして、極めて速いペースで進められているという中で、私どももアジア太平洋地域の中の一員としてこれに対してどう対処するかということを判断をする必要があるということは政府の中で申し上げているところでありまして、我が国にとりまして、こういったものがアジア太平洋地域の中で動いていることについてどう対処すべきかということを我が国の国益からどのように判断をすべきかということで申し上げているというふうに御理解をいただけたらというふうに思います。
  33. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 もう一つ質問を付け加えます。  前原外務大臣は十月十九日の講演において、日本の国内総生産、GDPにおける第一次産業の割合は一・五%、一・五%を守るために九八%が犠牲になっていると発言したことは、食料の安定供給を果たす第一次産業の役割を軽視した発言である、そのように受け止めております。真意を確認したいと思います。  ちなみに、私どもの同僚のプロ野球出身である石井浩郎参議院議員は、一・五キロの心臓と肝臓でおれの百キロの体を支えているんだと。私は、この農業問題というのは、一次産業の分野は非常に大切な分野であるというふうに考えます。松本外務副大臣に真意を確認したいと思います。
  34. 松本剛明

    ○副大臣(松本剛明君) 前原大臣の恐らく前後の御発言もお読みになった上での御質問だというふうに思っておりますが、前原外務大臣も、これは所掌ではありません、鹿野大臣がおられますので。我々がこういった場で申し上げるべきことかどうかというのはありますが、政治家として前原大臣は、農業を切り捨てていいと思っている人は一人もいないということも申し上げております。また、農業は大切で、農業の食料自給率を高めるべきだというのが私の考え方だということも申し上げておるところでございます。そして、諸外国を見る中で、徹底した国内農業に対する支援策をやっているということを認識し、自国の農業を保護した上でその国を開くということをやっていると。めり張りを付けた政策をしっかりやらないと大局を見失って国力が落ちてくるということに危機感を持った上で、全体の大局を見るという意味で申し上げたというふうに私は理解をしておりまして、一・五%を守るために九八・五%のかなりの大部分というものが犠牲になっているのではないかという文章がその全体の文脈の中で言われているわけでありますけれども、一・五%を切り捨てていいとか大切にしなくていいということは全体の中では一切申し上げてないというふうに御理解をいただけたらというふうに思います。
  35. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 もう一度伺いますが、それでは犠牲という言葉は正しい表現でございましょうか。
  36. 松本剛明

    ○副大臣(松本剛明君) 累次の発言を申し上げているわけでありますが、御指摘のとおり、十月十九日については、今申し上げたような全体の文脈の中で、全体を全部読みますと長くなりますので割愛をいたしますが、その前後を読みますと、長寿社会で農業従事者が長生きするのはいいことだが、守ってきた産業の従事をしている方の平均年齢が六十五・八歳、一・五%を守るために九八・五%のかなりの大部分というものが先ほどの韓国の一つの事例を見ても犠牲になっているのではないか、こういうことを考えるときに、私は今こそ国を開くということを本気で考えないと、もはや日本の競争力はどんどん低下してしまうのではないかという申し上げをしています。
  37. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 改めて一次産業の役割を軽視した発言だと、そのように認識をしておりますので、前原大臣に一次産業の皆さんに対しておわびを求めたいというふうに思います。  続けます。  仮にTPPに参加した場合、日本農業は崩壊し、これまでと比較にならないほど食料を海外に依存することになると想定されます。  食の安全、安心が確保されるのか疑問。そして、食料、小麦輸出大国であるロシアは、本年八月から小麦の輸出禁止に踏み切っており、これまでも輸出規制を実施した国が、この平成二十年からウクライナ、カザフスタン、そしてベトナム、ブラジル、ボリビア、約二十か国ある中、安定的輸入を確保できる時代ではないということを認識をしておるでしょうか。そして、日本の食料安全保障をどう確立していくのか、鹿野農林水産大臣、松本外務副大臣、それぞれにお伺いしたいと思います。
  38. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 今、長谷川委員がお触れになりましたロシアの小麦の件につきまして、過般、APECの食料担当大臣会議におきましてロシアの食料大臣とお話ししたときに、小麦の輸出につきましてどうかというふうな中で、まだ決まっていないと、こういうことでございましたけれども、来年の七月まで延ばすというようなことも、まあ報道で承知をしたわけでございますが、そういう中で、非常にこれからのこの国際社会におけるところの食料の市場というものはタイトになってくるというようなことも予測もしなけりゃなりませんし、また食料安全保障のAPECの会議におきましても、二〇五〇年には一・七倍の食料が、現在よりも一・七倍の食料が必要だと、こういうようなことも言及されているということも非常に重要なことではないかと思っております。
  39. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 経済産業省においてTPP不参加による基幹産業の損失について試算されておりますが、日本がTPPに不参加のままでEU、中国とのFTAも遅延するとの勝手な仮定の下での試算であり、意図的に影響額を膨らませているとも受け止められておりますが、いつこの試算表は、どなたの指示でこの試算表は作られましたか。松下経済副大臣、どのように受け止めておりますか。
  40. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) 産業界の大変大きな危機感というものを反映して今回の試算になっていると、そう理解しています。  中小企業を含む我が国の製造業、それから貿易を担っている輸出入、貿易産業界、大変大きな危機感の下に、現在雇用をどう確保していくのか、どういうふうにGDPの底上げに努力していくのか、そういうことに毎日腐心しているわけでございまして、そういう状態の中で、現状維持ではなくて、相対的に日本を閉ざして世界の潮流から取り残されることだと、産業界は本当にそういうふうに危機感を抱いておりまして、そういうものを反映した考え方でございます。  特に、EU市場、欧州市場では、日韓の家電メーカーのシェアが逆転いたしました。基幹産業が韓国製などとの厳しい競争にさらされる中で、今EPAの締結の遅れというのは関税の差額がきちっと出てまいりますので、大変致命的な打撃になるということでございます。  そういう意味で今回の試算は、こうした問題意識から、やっぱりTPPに参加しなかった場合のコストを明らかにするものでございまして、全体の輸出に関連する八十四兆円、これは産業でございますけれども、そのうちの自動車、それから電機、それから輸送機械、それから一般機械、そういったものの基幹産業に絞って、そして算出したものでございまして、全体の規模からいきますと四分の一ということでございます。  以上でございます。
  41. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 もう一つ伺います。  基本的にTPPの元となっているP4とTPPでは、それぞれの国家間の貿易投資関係の緊密度の違いから性格は大幅に異なっており、二十四の作業部会がどのような着地点を目指しているのか、より詳細な情報が必要だと考えます。  そして、現在議論が集中している農業貿易の自由化問題以外に、看護師を含む医療制度や、特に副大臣の担当する郵政、この国民新党の推している郵政の資金運用など、金融サービスの規制の調和について、どの程度の幅を持った条約を考えているのか検証すべきであり、それがあって初めてTPP参加への検討ということになるのではないか。どのようにお考えか、副大臣にお伺いしたいと思います。松下副大臣、お願いします。
  42. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) アメリカの年次報告、いろいろ毎年議論して、毎年やっておりますけれども、この中には幅広くいろんなものが含まれております。その中で、一つ一つお互いの国のいろんなウイン・ウインの関係をどうつくっていけばいいのかということで、激しいいろんな議論がもう何十年も行われてきております。  そういう中で、私たちは自分の国のしっかりした存在感を示すためにも、そしてまた、外に出ていくためには、やはり日本の農業、これはさっきおっしゃいましたけれども、人間の体でいえば心臓であり肝臓だと思っておりますし、そこから日本の全国に血液を送っている、そういう大事な部分でございますから、そこをしっかり強いものにしていかないと私たちの国も成り立っていかないと、そういうふうに考えておりますし、中小企業を含む我が国の製造業、四百二十万あります。そして、輸出貿易、輸入、そういうものを組み合わせて、やっぱり国際競争力を付けていくために、両方がしっかりと強いものになっていくためにはどういうふうに知恵を絞っていけばいいのか、そこが知恵の出しどころだと、そう思っております。  以上です。
  43. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 郵政についても言及をしていただきたいと思います。
  44. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) 郵政の問題もこの中に入っている、年次教書に、年次の政府の要望書の中にしっかり入っている一つでありますし、我が国としては、既に郵政改革法案を今国会に提出しておりますので、その御審議をしっかりお願いしたいということでございます。
  45. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 アメリカは逆の発言をしているというふうに伺っておりますが、いかがでしょうか。
  46. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) 私も長年こういう問題に取り組んできましたけれども、アメリカの主張はいつもそうです。そのとおりにする必要はないと思っていますし、私たちは自分たちの主張をしっかり繰り返しながら激しい交渉をして今日に至っております。
  47. 松本剛明

    ○副大臣(松本剛明君) 今、長谷川委員御指摘のとおり、TPPについては各分野にわたって広範な交渉がなされているというふうに承知をしております。  先生方にも、TPPというお話をさせていただいたときに、既に四か国ででき上がっているTPPと九か国で今交渉しているこれからのTPPというのがある中で、この九か国については、今御指摘のとおり、米国を含めて五か国が加わる中で、非常に広い分野について様々なことが議論されているというふうに承知をしております。  他方で、この結論が出ているわけではありません。まさに、だから今、これから交渉の途上、予定をされた数回のうちの何回かが今行われているところでありますが、今、その意味では、TPPというものについていろんな御議論をいただいておりますが、これからTPPと、九か国若しくは九か国プラスアルファのTPPができようとしている中で、日本の主張をどこで伝えるのか、若しくは九か国プラスアルファのTPPができ上がった中でそのTPPを判断をするのかということを判断をすべき時期がそう遠くないうちに来ているということを私どもは外から集めてきた情報の中で今申し上げているというふうに御理解をいただけたらと思います。  郵政も当然、交渉のうちの参加をしている米国がこれまでも主張しているところは我々も承知をしているわけですから、当然、その国を中心にテーブルの俎上にのせようという動きの中でテーマになっているものというふうに、御指摘があった点はそういうふうに理解をしております。
  48. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 だとしたら、経済産業省、なぜこの二十四の作業部会によって、どういう影響を与えるかという試算の中に入っていないのかということは改めてこれから問うていきたいと思います。  いずれにしても、この今回のような問題は、貿易政策における司令塔不在という状況というのは、菅民主党政権の調整能力の低さというのは過去の自民党政権時代とは比較にならない、そして今後も起こり得ることだと私は考えます。このため、貿易、投資政策の司令塔として農業貿易も横断的に権限を持つ通商代表部といったような組織の検討が新たに私は望まれるのではないかというふうに思います。  最後、意見として述べさせていただきまして、締めさせていただきます。ありがとうございました。
  49. 青木一彦

    ○青木一彦君 参議院の島根選挙区から初当選をいたしました青木一彦でございます。新人でございますので、どうかお手柔らかにお願いいたします。  私、新人国会議員として予算委員会そして決算委員会等に出席させていただきましたが、私、見ておりまして、今の菅総理、全く総理としての気概が感じられません。そして、棒読みを続けられる総理、そして傲慢な態度で答弁をされる仙谷官房長官の姿勢に大変不満を持っております。  それに比べまして、農林水産委員会における鹿野大臣を始めとする政務三役の皆様方の真摯で丁寧なお答え、私は敬服をいたしております。今日はTPPの集中審議でございますが、どうか丁寧な、真摯な御答弁をよろしくお願い申し上げます。  それでは、質問をさせていただきます。  先ほど長谷川先生もおっしゃいました、私も、大体一九七〇年ぐらいからASEANと日本は緊密な関係を取ってきたというふうに理解をいたしております。そして、二〇〇九年十月に政府間でASEANプラス3あるいはASEANプラス6の協議を開始いたしました。これは自民党政権下の下、長い期間を掛け、そして丁寧に行われた私は交渉であったというふうに思っておりますが、それが今回、突然、国会の冒頭でTPPという私も余り聞いていない言葉が出てまいりました。  これは国民の皆さんも全く理解できなかったことと私は思っておりますが、なぜ突然TPP、先ほど大臣は、EPAというお話はされましたがTPPというお話はされませんでした。突然出てきたことに対する所感をお尋ねいたします。
  50. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 確かに、今、青木委員が申されたとおりに、私どもも、二〇二〇年FTAAPの構築を目指して、アジア太平洋地域の貿易圏構想というふうなものを意識しておることは間違いございません。  そういう中で、昨年の十一月にオバマ大統領がTPPに対して言及をされて、そして今年になって三月に交渉が始まったということでありますから、当然、日本とアメリカの関係というふうなこと、そしてアジア太平洋地域ということを考えたときには、我が国としてもTPPについてどうするかということは当然検討してしかるべきことじゃないかと、こういうふうに思っております。
  51. 青木一彦

    ○青木一彦君 今、検討とおっしゃいました。私は、今回のAPECに向けて、果たして検討であるのか、今疑問に思っております。前政権、鳩山政権下の中でも、普天間、これはトラスト・ミーから始まったことであります。それが一転二転三転、どうなるか分からない現在状況に陥っております。  先ほど長谷川先生もおっしゃいましたように、今回の尖閣列島そして北方領土、これは明らかに、日米関係に大きなひびが入った、このことに付け込んだいろんな行動ではなかったかと私は思っておりますが、何かアメリカ中心のTPPに参加せざるを得ないという私は空気を感じております。この外交の失策、私は失策だと思っておりますが、何で地方にとって基幹産業である第一次産業がこのツケを払わなければならないのか、非常に疑問を感じております。  私、田舎で生まれ育ちました。この辺を含めて、なぜ今TPP、参加されなければならないのか、今検討しなきゃいけないのか、余りにも唐突だと思いますが、この唐突なことに対して鹿野大臣のお考えを述べていただきたいと思います。
  52. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 先ほど申し上げましたとおりに、アメリカがこの三月から交渉に入ったということもこれ事実でございまして、そしてそういう中で、我が日本の国も貿易立国でありますから、これからもいろんな意味で他国との貿易をどうしていくかというふうなことも、これは当然検討していかなきゃならない。  そういう中で、EPAというふうなものを推進していくという方向性を民主党としても、鳩山内閣としても菅内閣としても出しておるわけでございますけれども、当然、しかし、じゃTPPというふうなものをどう位置付けするのかというようなことについては検討していかなきゃならぬというふうなことは、これは国民の人からも理解をしていただくことになるんじゃないかと思います。
  53. 青木一彦

    ○青木一彦君 先ほど長谷川先生も御質問の中で多少言われました、食料安全保障ということをおっしゃったと思います。私、大臣は第一次海部内閣のときにガット・ウルグアイ・ラウンド、大変苦労をされたというふうに存じておりますが、このときに、食料安全保障論というのを盛んに述べられていたのが大臣だというふうに記憶をいたしております。  ちょっと大臣の方から、この日本における食料安全保障、もう一回ちょっと私に、余り知らないものですから、お答えいただければと思っております。
  54. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 青木委員の言われたように、青木委員はよく承知をされておりまして、食料安全保障というのはまさしく次の世代に対して残していかなきゃならない、引き継いでいかなきゃならない大変重要な問題だと。  実は私、二十一年前に農林水産大臣を拝命したときに五極の農林水産大臣会議がありまして、その席で初めて、我が国として食料安全保障という問題を提議したということでございます。そういう意味で、私は、ずっとこの二十年間、自来、この食料安全保障というものの重要性を主張してまいりました、あらゆる機会を通して。  そういう意味では、今回、いろんなこれからの農業政策あるいは貿易政策というふうなものを検討するに当たりまして、当然、食料安全保障というふうな視点が大変重要であるというふうなことは忘れてはならないものだという意識の中で、今農林水産行政に取り組んでおるところでございます。
  55. 青木一彦

    ○青木一彦君 ありがとうございました。  私、今回のTPP、本当に日本の国の食料安全保障が守れるのかどうなのかということも疑問に思っております。  先般、十月二十一日の参議院の農林水産委員会で大臣は、世界の食料需給というものを踏まえ、二〇二〇年に五〇%にし、農業農村の振興とセットを考えるとおっしゃっております。そして、TPPに参加した上で、私はこの五〇%というものが本当に実現可能な数字であるのか、その辺をはっきりとお答えいただきたいと考えております。
  56. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) まだ参加をするというようなことの方向は決まっておりません。当然、もし、仮の話でありますけれども、そういうような判断をするということならば、この食料自給率というふうなものとどう整合性を取っていくのかというふうなことは非常に重要なところだと、こういう認識を持っております。
  57. 青木一彦

    ○青木一彦君 私、今の内閣に問われておるのは危機管理だと思います。私、APECでどういうことを総理おっしゃるか分かりません。しかし、参加した上でということは、これは参加しないと考えないというふうに取ってよろしいんでしょうか、大臣にお尋ねいたします。
  58. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) これは、重ねて申し上げますけれども、このTPPに対する対応というものはまだ方向が決まったわけではありませんし、今最終段階、ぎりぎりの詰めをいたしておるということでございます。
  59. 青木一彦

    ○青木一彦君 じゃ、まだ何にもTPPの方向は決まっていないということ、そういうふうに取ってよろしいですか、大臣。
  60. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 所信表明で総理からTPPについては参加の検討をすると、こういうようなことでありまして、そのことに対して検討をして、しかし、どういうふうな方向を見出していくかということは、APECまでに何らかの形でこの考え方を出していかなきゃならないなというようなことの中で今検討しておるというふうにとらえていただくということじゃないかと思っております。
  61. 青木一彦

    ○青木一彦君 これはどなたでも結構ですが、今、一次産業に従事している、これは農業に限定いたしましょう、農業に従事していらっしゃる方の推定従事者の人数、ちょっとこちらでお答えいただきたいと思います。農業従事者。  あっ、済みません、これ質問、ちょっと分かるかなと思って。
  62. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 兼業者も含めてですか。
  63. 青木一彦

    ○青木一彦君 はい、そうです。
  64. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 兼業者も含めますと四百六十万人くらいでございます。
  65. 青木一彦

    ○青木一彦君 農水省さんが出していらっしゃるいろんな試算、数字見せてもらいました。これ、約三百四十万人の雇用が喪失するというふうに試算書では書いてあります。私、三百四十万人さっき言われた数字から引き算しますと、もうこれはほとんど雇用がなくなるに近い数字であると考えております。それでこれから強い農業、林業、水産業をつくっていく、私、はっきりとそれが国民の前で言えるのか、ちょっと疑問に思っておりますが、その辺のところ大臣にお尋ねいたします。
  66. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) TPPに参加をする、そのことによって国境措置すなわち関税が撤廃されたと、完全にゼロ、関税ゼロ国になったというふうな場合にはこういうことになりますよということでありまして、当然、あくまでもまだ方向は決まっていませんけれども、そういう数字であるということだけはひとつ御理解をいただきたいと思います。何もしないで全く関税がゼロになったというようなときにはこういうふうな数字になりますと、こういうことでございます。
  67. 青木一彦

    ○青木一彦君 じゃ、大臣に質問いたしますが、全くゼロ、関税をゼロにするというわけじゃなく、例えば五〇%であるとか三〇%であるとか、そういう参加の方法は今回のTPPではあるわけですか、ちょっと質問いたします。
  68. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) いわゆるこのTPPに参加をするということは、私が承知している限りにおきましては関税撤廃が前提になると、こういうふうなとらえ方をいたしております。
  69. 青木一彦

    ○青木一彦君 今の大臣の答弁を聞きますと、ということは三百四十万人の雇用が失われるというふうに考えてよろしいですか、お答えいただきます。
  70. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 何もしない場合はそういうふうなことということになります。
  71. 青木一彦

    ○青木一彦君 私、今回、三百四十万人、何もしなければ三百四十万人、これ簡単な数字じゃないと思います、三百四十万人という数字は、どう考えても。今の菅総理、一に雇用、二に雇用、三、四がなくて五に雇用と、そのようにおっしゃっておりますが、新たな雇用が創出できる、まるでマジックじゃないかと私は思っておりますが、その点、新たな雇用がもし手だてをすれば、どういう手だてをすれば雇用が創出できるのか、大臣にお尋ねしたいと思います。
  72. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) あくまでも検討ということでありまして、仮定の話で今具体的にということは、申させていただくことは控えさせていただきたいと思います。
  73. 青木一彦

    ○青木一彦君 先ほどの、もう一回戻りますが、食料の自給率、TPPに参加したら五〇%が可能か可能じゃないかというお話を伺いました。農業の振興とセットで考えると、大臣、十月二十一日におっしゃっているわけですが、もしこれを修正されなければ、何か具体的な対策あるのか、先ほどちょっとお答えの中で多少不確かなことがありまして、もう一回お尋ねしたいと思います。
  74. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 重ねて申し上げますけれども、TPPに対する対応をまだ決めたわけでございません、方向が決まっておらないわけであります。そういう中で私が申し上げるというのは、これは控えさせていただきたいと思います。
  75. 青木一彦

    ○青木一彦君 今、TPPの関係の閣僚の皆さんが集まって会議をするというお話、今日も新聞に出ておりました。これも延期された。与党の中でまだこの議論は尽くされておりません。はっきり言ってまだ、私ら野党でございますが、蚊帳の外であります。農林水産省の皆さん方に、例えば農業の試算の数字が出てまいりましたが、まだ林業、漁業の数字、試算の数字、何ら、出してくださいというお願いをいたしておりますが、これ出てきておりません。これは出るものなんですか、出ないものなんですか、お答えいただきたいと思います。
  76. 篠原孝

    ○副大臣(篠原孝君) 農業の試算については二〇〇六年の日豪EPA、FTAが取りざたされたときに一度計算いたしました。それから一年後の二〇〇七年に経済財政諮問会議から要請がありまして、このときにきちんと計算して、農業については計算のやり方というのを確立したものがございます。今回の数字はそれに沿ってまとめたものでございます。  ところが、林業と水産業については、その当時からも、のかしてやっておりまして、今試算中でございます。
  77. 青木一彦

    ○青木一彦君 済みません、今試算中というお話を聞きましたが、これは、じゃ、具体的にいつ出るのですか。農業の数字はもらいました。漁業、林業に従事される方、これは私らも説明する責任がございます。不安だと思います。いつ出るのか、この場でお知らせいただければと思います。
  78. 篠原孝

    ○副大臣(篠原孝君) 農業については、先ほど申し上げましたように試算の方法等確立しております。しかしながら、TPPについては、今まだ参加するかしないかというのも検討中でございますし、まだ正直のところ、これについては計算をきちんとしておりません。(発言する者あり)しておりません。  ただ、国内対策がいずれ必要になってくるでしょうし、そのときに合わせて計算をしていくべきではないかと思っております。
  79. 青木一彦

    ○青木一彦君 そこら辺がちょっと理解できないです。もう何回も、数字を出してくださいというお話は何回もいたしております。試算はしておりませんということは、試算なくしてTPPに参加あるいはそのことを検討されるわけですか、そこら辺をお答えいただきたいと思います。大臣にお願いいたします。
  80. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) そういうことも含めて検討しておるということでございまして、まだ具体的に農業というふうなものを軸としていろんな試算をしているわけでありまして、そのほかに当然、漁業なり林業というふうなものの影響というふうなものも踏まえた中で当然議論はしているということでございますが、また具体的な数字を出すタイミングであるかどうかというふうなことも含めて、当然、その中においては議論がなされていかなきゃならないと思っております。
  81. 青木一彦

    ○青木一彦君 やはり所轄の大臣、副大臣、はっきりした方向性を出されなければ、これは私、今、これかなり議論が矮小化していると思いますが、経産省と農水省の戦い、プラスマイナスがどっちが多いか、そういう図式になっているというふうに私は認識をいたしております。  その中で、やはり農林水産業を守る大臣、まだやっぱり数字が出ない、これはすべてまだ考え中ですと、考慮中ですと。これは明らかに私はAPEC迎える前にタイミングが余りにも遅い。今の内閣の危機管理のなさというのを全くもってはっきり表しているというふうに考えておりますが、大臣、その辺をお答えください。
  82. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 漁業なりあるいは林業に対しての影響についての試算というふうなものを全く私どもが検討してないというわけじゃなしに、当然、ある程度の数字というものは出ておるわけでありますけれども、しかしとらえ方が非常に難しいところもありますから、そういうものを含めて当然議論の対象としていかなきゃならないということは、これは私どもの意識としてあるわけでございます。
  83. 青木一彦

    ○青木一彦君 いや、もう出すのか出さないのか、そこら辺を私もう一度はっきりさせていただきたいと思います。やはりこの危機管理のなさ、出ないなら出ない、出るなら出る、その辺をもう一度お尋ねいたします。
  84. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 林業なり漁業に対する影響というふうなものは、当然しかるべきときにはこういうふうなことですよというふうなことの数字は出していかなきゃならないと、こう思っております。
  85. 青木一彦

    ○青木一彦君 篠原副大臣にお尋ねします。  これ、出されるつもりはありますか。あるのかないのか。試算したって、かつておっしゃっていると思いますが、その辺をお答えください。
  86. 篠原孝

    ○副大臣(篠原孝君) 対策を講じるためには基の数字がなければなりませんので、そのときには絶対必要だと思います。しかしながら、今現在、農業の試算をいたしましたけれども、我々は我々の伝統的なやり方に基づいて計算しているわけですけれども、計算結果についてあれこれいろいろ、これちょっと大げさなんじゃないのかというふうな批判もありますので、林業と水産業についてはもう一度きちんと原点に返って計算しようとしております。  ちょっとだけ付言させていただきますと、水産物についてはIQとかいうのもありましてちょっとややこしくなるわけでして、ちょっと慎重な計算をしなければならないという事情があります。
  87. 青木一彦

    ○青木一彦君 今、以前の発言で試算をしたというお答えを伺っているみたいなんですが、ちょっとお答えが違うような気がしますが。
  88. 篠原孝

    ○副大臣(篠原孝君) 試算中でございます。
  89. 青木一彦

    ○青木一彦君 じゃ、これ、試算中、非常にいい言葉だと思います。  いつまで試算されるのか。これはもう未来永劫試算中です、こういうお答えなのか、私ら本当疑いたくなりますが、その辺をはっきりと、いついつまで出すのか、APECが終わった後なのか前なのか、その辺、お答えいただきたいと思います。
  90. 篠原孝

    ○副大臣(篠原孝君) APECという期限は、EPAの基本方針をその前につくるということでございまして、その後官邸に、農業の関係ですけれども、対策本部が設けられることになっております。その検討の中で試算をきちんとして出していくことになると思います。
  91. 青木一彦

    ○青木一彦君 これは私、通告出しておりませんが、最後に、第一次小渕内閣のときに、これはお答えできる答えだと思いますが、国歌・国旗法案が提出されました。これを鹿野大臣は賛成されましたか、反対されましたか、お答えいただけますか。
  92. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 賛成です。
  93. 青木一彦

    ○青木一彦君 私は多分、今の総理、菅総理は反対をされたと思っております。記憶は確かです。多分、反対されました。  私は、この国家観のない総理の下で農林水産業がどうなるか分からない。先ほど数字もまだ出せないとおっしゃいました、今思案中ですと、そういうお答えばかりを伺いました。これは私は、今の民主党の中で一番農政のことを長い間十分御存じなのが鹿野大臣であるというふうに私は確信をいたしております。何としてでも、体を張ってでも第一次産業を守っていただくことを心から祈念をいたしまして質問に代えさせていただきます。  今日はどうもありがとうございました。
  94. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 自民党の福岡資麿と申します。  私は農林水産業を基幹産業といたします佐賀県の出身であります。衆議院一期務めさせていただいた後、この夏の参議院選挙で参議院議員にならせていただきました。参議院議員として、また野党としても初めての質問に立たせていただくことになります。野党らしい質問をさせていただきたいというふうに思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。  まず、冒頭申し上げたいのは、午前中からも断片的にずっと審議を聞かせていただきまして、大臣始め皆様方、誠実に答弁をされていらっしゃるというのは十分伝わってくるんですが、先ほども御自身の賛否については明言を避けられました。  やはり農水大臣というのは農業をつかさどるところのトップであるわけでありまして、皆さん全国の関係者の方々は注目されているわけです。閣内で当然共通の意識を、認識を持たなきゃいけないというのは分かるんですが、農業をつかさどるところのトップとして、政治家としてここはやっぱり御自身の意思を明確にしてほしいという思いを多くの方々はお持ちでいらっしゃると思うんですが、それはいかがでしょうか。
  95. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) いろいろな考え方があると思います。賛否をはっきりしなきゃ駄目だということも一つの考え方であると思います。  しかし、私は、この場で賛成とか反対とかというふうなことを意思表示することというふうなことは別にいたしまして、農林水産業に対する思いはもう本当にしっかりとこの胸に刻み込んでやっていきたい、このことだけは申させていただきたいと思います。
  96. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 そのお言葉、しっかりいただきまして、閣内で議論する場合には、たとえ一人であろうと農業をしっかり守るという立場から全面的に体を張ってやっていただきたいということを、時によっては辞表を懐に忍ばせて、本当に農業を守るんだという気概を是非示していただきたいということを申し上げさせていただきたいと思います。  そして、私たち議連の方でも、基本方針に関して、TPPへの参加を撤回するようにということの決議案を出させていただいております。委員長の方でお取り計らいをいただければというふうに思います。
  97. 主濱了

    ○委員長(主濱了君) その件につきましては、後刻理事会で取り計らいたいと思います。
  98. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 そうしたら、まず、基本的なことからお聞きをさせていただきたいと思います。  まず、松本副大臣の方にお聞きをさせていただきますが、日本は今までそういった貿易の交渉につきましてはWTO交渉を基軸としてきたというふうに認識しています。EPAとかFTAというのもWTOがベースにあって、それを補完するものとして位置付けてきたというふうに認識していますが、その方針というのは今も変わりありませんか。
  99. 松本剛明

    ○副大臣(松本剛明君) 御指摘のとおり、WTOに基づく世界の通商体制というものは大変重要でありますし、また、我が国はその中で大きくメリットも得てきたというふうに考えております。同時に、でも、世界の国々の中でEPA、FTAの交渉も推進をされてくる中で、我が国の国益を維持増進をしていくために必要な交渉は外務省としても取り組んできたというふうに思っております。  その上で、今TPPの御指摘があったわけでありますが、これも言うなれば複数の国によるFTA、EPAというふうに言えるわけでありまして、その意味では、WTOの下でFTAを結ぶ場合は、貿易量若しくは品目で九割以上、また十年以内というようなルールが定められているわけでありますが、その枠組みの中で行われる交渉の一環だというふうに理解をしております。  その上で、先ほどもお話がありましたけれども、今回、御答弁を申し上げたところと一部重複をするかもしれませんが、やはり大変速いスピードで交渉が進んでいるということ、そういう中で、我が国として、その交渉に対して、交渉が行われているところについて日本としてどういう態度を取るかということを考えるべき時期に来ているんではないかということを外務省として申し上げております。  それは、どういう中身になるかということが分からないということは、情報を我々も精いっぱい収集をしているわけでありますが、逆に言えば、どういう中身になるかが今から決まろうとしているということも事実でありまして、いつも外国が決めたものをどうするかということではなくて、諸外国とともにルールを決めるという考え方もあるというふうに私どもは考えております。
  100. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 今おっしゃったように、日本として国益を追求するというのは当然のことであります。ただ、今までもやってきたように、EPA、FTAも通じてバイで交渉を積み重ねていく、韓国とかはそういうやり方をやっているわけでありますが、そういうやり方も当然やり方の一つとしてあるわけでありまして、そういう中で、少なくとも私たちからしてみると唐突にこのTPPという話が出てきたと。何か、ずっと慎重にこれを検討してきたというような節も感じられないまま、突然このような話が出てきたということにすごく違和感を感じているわけであります。  そこで、松下副大臣にお聞きしたいんですが、先ほども申しました、今回、TPPという話が出てきました。個別の、バイで国益のために交渉を積み重ねていくというやり方もあるわけであります。先ほど篠原副大臣の方も、やっぱり皆さんが集まったテーブルの中ではお互い、バイの中ではお互いの権益を主張しやすい部分があるけれども、共通のテーブルに着くとなかなか難しい側面もあるということをさっきおっしゃいました。そういう中で、あえて今回このTPPというところの発想に至った理由、それを教えていただきたいと思います。
  101. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) 先ほどもお話ししておりますけれども、中小企業を含む我が国の製造業、輸出産業、国際的な競争力を付けていく、そのことは非常に大事でありますし、そこで雇用をしっかり確保していく、海外に逃げていかない。海外に大変大きな日本企業だけの工業団地ができている、五万人もそこで人を雇用して周辺に二十万都市ができている、こういうことがたくさんございます。そういうことの、やっぱり国内の空洞化を何としても防ぎたい、同時にやはり、人間の体でいえば心臓であり肝臓でもあるこの日本の農業、食料の問題、ここはしっかりと血流が全国に回っていくようなふうに、しっかりとしたものにしていかなきゃいけない。これは大変極めて大事なことでございまして、やっぱりこの二つを何とかして強いものにしていくことが必要だということは痛切に感じております。  そういう中で、このTPPの問題は今年の三月からアメリカを含む関係国間で交渉が急速に進展してきました。昨年、アメリカが十一月に入ってくるということを宣言してから、環太平洋、初めは四か国の小さな、小さなといいますか大国ではない国々から始まったことですけれども、そこに大きな輪ができてきている。そして、日本もこういう議論を始めた途端に中国が今度はその事前のいろいろな協議に入ってくるという、情報収集かなということも言っていますけれども、そういう情報も入ってきている。  そういう中で、私たちは今ここでその交渉にどういう形であれ、とにかく入っていく、そういう中で国際的なルール、こういう大きな環太平洋の中で急速に進んで自分たちの一つのルールを作ったときに、それに遅れて入ったときに私たちはそれに付いていけるのか、いろんな新しい部品も何かも含めて国際スタンダードができたときに、そうでないもので入っていくわけにいかない。  交渉にどういう形で入るにしろ、あるいは参加するにしろ、どういう形にしろ、最初からそこに入っていって、国際ルール作り、そういうものに、それはおれは違う、それはおれはできる、そういうことにやっぱり入っていくことが大事だと、産業界をあずかっている者として感じたわけでございます。  以上です。
  102. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 おっしゃるとおり、国内の空洞化は避けなければいけないというのはおっしゃるとおりであります。  しかしながら、昔から、そのFTAAPも含めて、日本がこのアジア圏の中で主導権を握るというような掛け声があった中で、何か先ほどの答弁聞いていると、自分たちのあずかり知らぬときにアメリカも入ってきた、オーストラリアも入ってきた、何か動きが始まろうとしているから、私たちも乗り遅れないように何か情報収集しなきゃいけないんですみたいな、そういうふうにもとらえられかねない答弁だというふうに聞こえたんですが、その辺、松本副大臣、どういうふうに考えますか。
  103. 松本剛明

    ○副大臣(松本剛明君) 元々、FTAAPという意味では、ASEAN、ASEANプラス3、ASEANプラス6などの様々なトラックでいろんなパターンが考えられてまいりました。  御承知のとおり、でも今回のTPPについては、元々はシンガポール、ブルネイ、今回はベトナム、マレーシアということで、ASEANの国々もTPPに参加をする若しくはしようという動きも出てきたわけであります。  御指摘のとおり、やはり、松下副大臣からも申し上げましたように、米国並びに、それと同時期に四、更にマレーシア加わって五か国が加わったということは大変大きな要素だということは私どもも考えております。そういったことも含めて、我々にある様々な選択肢の中で、まさにお話があったように、農業は私どもとしても大変大事な、そして日本の産業であると同時に社会においても大事な存在だというふうに理解をしておるつもりですし、同時に、製造業、そしてそれに連なる中小企業にとっても、どういう形を取っておくのが大事なのかということを総合的に勘案をしたときに、今急速に動いているTPPというものについてどういう態度を取るのかということが大事だということであります。  その上で、繰り返しお話をさせていただいておりますが、この時期に大きく議論を皆様にお願いをさせていただいているのも、一つのTPPのこれから一年間が交渉の山になってきているという情報に我々は接していることはほぼ間違いないというふうに思っています。ですから、この大きな交渉の山を迎える時期に先立って、この時期に一つの判断をするのか、それともその交渉の山が一つ越えたところで判断をするのかということを判断をしなければいけないというふうに私どもは考えているということでございます。
  104. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 今の御答弁聞いていると、何か交渉の山がすぐ目の前に来ているから、何か検証もできないまま何となく乗り遅れないようにしなければいけないというような、そのような意味合いにも取れる発言だというふうに思っています。  申し訳ございません、ちょっと時間の関係で次の質問に行かせていただきますが、関連して御質問をさせていただきます。  先ほどWTO交渉の話させていただいた、その絡みで質問をさせていただきますが、今まで日本はWTO交渉の中では、農産物の輸入国としてG10という連携をつくりながら、どうやって、農業の多様性とか農業との共存とか、そういったことをずっと訴えてきながら日本の主張を続けてきたわけであります。そのためには、重要品目の確保であったり適切な関税措置の維持が必要だという立場を一貫して日本としては取ってきたわけで、これがTPPの参加に合わせるということは、関税ゼロ、重要品目なしということでありますから、日本の今までの主張と全く整合性が取れないんではないかというようなことも言えるんじゃないかと思いますが、その点についての大臣の考えを聞かせてください。
  105. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 基本的にはこのTPPに対する対応というものは、まだ方向は決めておりません。  そういう意味で、おっしゃるとおりにWTOの交渉というふうなものは、まだ具体的な形でどうするかということも決まっていない中で整合性について申し上げるということは困難だということだけ申させていただきたいと思います。
  106. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 多分、WTOにおける主張とTPPの参加交渉のときにダブルスタンダードというのは取れないんだというふうに思います。その辺りはどういう腹をくくって、今後検討するにしてもある程度軸は定めておかなければいけないと思うんですが、その辺り、篠原副大臣、よかったらお答えいただけますか。
  107. 篠原孝

    ○副大臣(篠原孝君) 御指摘のとおりでございますけれども、WTO農業交渉におきましては、我が国は守るべきものは守る、重要品目について例えば八%の例外を設けさせていただくと、これをずっと主張してまいりました。それと関税ゼロを宣言してTPPに参加する場合は矛盾するわけでございますけれども、大臣がお答えになりましたとおり今はまだ決まっておりませんので、そういう仮定の下で我々はどうするかということは申し上げられないと思いますけれども、WTOの農業交渉は引き続きずっと続いておりますので、我々は今までの主張を繰り返していく以外にないのではないかと思っております。
  108. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) WTOと、もう一つはバイでいっているEPAというのがあります。  恐らく今の我が国のこれから考えなくちゃならないのは、これまでEPAで取ってきたスタンスと現に今進んでいるらしいTPPという枠組みというのがどういうものかということの違いをよく見極める必要があると思います。  EPAにつきましては、御案内のとおり日本は先般インドとの大筋合意ができました。その前に十一か国と合意をして、その幾つかはもう批准もしています。その中でずっと統一してあるのは、米、牛肉、それから乳製品、これは全部例外なく例外扱いしています。これが日本のスタンスだったわけです。  それで、EPAにつきましては、貿易額あるいはタリフライン、品目数というのがございますけれども、大体どちらかで九〇%自由化すれば、あとはバイの交渉で自由にやってもよろしいですよということになっていますから、今まで日本は貿易額では大体九割、タリフラインでいきますと大体八〇%前半ぐらいでした。  その一方で、世界のEPAを見ますと、タリフラインでも九八%とかという極めて高い自由化をアメリカなんかは進めているという、その延長線上でこのTPPはどうやら進んでいるということなんです。これは多分、松本副大臣からいろいろお話があったと思いますけれども、TPPは即時締結したら八割撤廃、残りについては原則十年以内に撤廃という大変厳しい、むちゃくちゃ高いハイレベルの枠組みが設定されるそうです。  そして、先ほどから何にも整理されていないという話がありましたけれども、整理されていないのは当たり前なんです。この国では、この農林水産委員会でも予算委員会でもそうですけれども、常に農産物は例外扱いするとずっと議論してきましたから。ところが、今TPPというものが進んでいるという中に、もし仮に日本がそこに、仮にですよ、参加しようと思えば、今までとは全く違う、ひょっとしたら農産物の例外扱いももう無効になるかもしれないというぐらいの未体験ゾーンに入らなくちゃならないわけです。それは大変な決断ですよ。だから、簡単に交渉に参加しますとか、これはTPPに入りますなんて言えないんです。  言えないんですけれども、言えないんですけれども、TPP自体は、アジア、これも多分松本副大臣からお話あったと思いますけれども、アジア太平洋の新たな経済連携の枠組みになる可能性があるんです。それから、貿易投資の、そこで様々できた投資のルールがこれからのアジア太平洋地域のルールになる可能性があるんです。  そのルールに日本がのるか反るか、場合によったら相当決断を迫られるときが来るかもしれません。いや、のらなければのらなくてもいいんです、これは判断ですから。しかし、のらなければのらないなりに日本はいろんな問題が出てくるでしょう。のればのっただけで、今度は農業問題で様々な問題が出てくると思います。そういった議論を総合的にこれからしっかり始めて、この議論に少なくとも、少なくともTPP交渉に参加するとか、TPPに参加するという以前にまず、この議論をまず始めていかなくちゃならないという、そういう立場に今政府はあるのではないかというふうに思っています。
  109. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 今おっしゃったように、TPPが将来のアジア太平洋地域の礎になる可能性というのは、可能性はありますけど、必ずそうなるという確証はないわけであります。  そこにのっかっていくかどうかというのは極めて大局的な判断が必要なわけでありまして、先ほど篠原副大臣もおっしゃったように、日本の農業についてどうするかという部分についても、WTOの整合性も含めて、ある程度こちら側の慎重な検討も進めた上でアドバルーンを上げるというのが筋ではないかと思うんですが、どうも、もう総理の所信で述べるというのは物すごくこれ大きい話でありますから、何となく先にもうその話が行って、世界各国が日本はそういうふうに動くんじゃないかというような思いをしていて、後で何かやっつけで帳じりを合わせている、そういうような感じに受け止められかねないんじゃないかなというふうに思います。  それに関連して一つ聞かせていただきたいんですが、今回、内閣府、そして経産省、農水省、それぞれ試算をお出しいただきました。今回、この試算を出すに当たって、十月の二十七日に出されたんですが、元々こういうことを、影響を予測して、こういう調査をしなさいという調査を指示したのはいつ指示されたんですか。
  110. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) 調査の検討がいつからかということについては、ちょっと今のこの段階では私は詳しくは承知しておりませんが、いずれ、今年の春から相当の、ある程度の検討は進んできたというふうに理解しています。
  111. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 いろいろな仮定というか、いろいろな想定をしなければいけないから試算は難しいというのは分かるんでありますが、どうも出された試算を見ると、急遽、急場で作ったんじゃないかというふうに思われて、ずっと従前からこのことを想定して、影響も含めてスタディーをし続けた結果の試算なのかなという部分について甚だ疑問に思わざるを得ないようなところもあるわけでありますが、済みません、この点は質問通告していませんでしたので、後日でも結構ですので、いつその指示を出されたか教えていただければと思います。
  112. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) 後できちっと把握して御報告申し上げたいと思います。
  113. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 あともう一つ平野副大臣にお聞きしたいのは、この数字を見ていて、GTAPモデルというのを作って内閣府として試算をされていますが、川崎研一氏が行った試算によるというようなことをずっとその注釈として書かれているわけでありまして、これはあくまでも参考資料ということか、要はこれで内閣府が政策判断するわけじゃなくて、内閣府がこの人に試算を頼みましたよって、そういう意味合いのものなんですかということをお聞きしたいと思います。
  114. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) 内閣府がこの川崎さんという方の属している、これは経済研究所だと思いますけれども、そこに依頼をして計算をしていただいたというものでございます。
  115. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 それは、あくまでもこれは内閣府としてこの調査結果も含めて責任を負うということも覚悟されているかということをお聞きしたいということです。
  116. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) この試算をやるに当たっては、関係省庁と調整したある種のシナリオといいますか、そういったものに基づき試算が行われておりまして、GTAPモデルそのものについてはWTOを始め広く関係機関が活用している応用一般均衡モデルというふうに言われていまして、GTAPモデルそのものについてはある程度の評価が得られているということでございまして、それが特定の人が計算したから数値が変わるとか、そういう筋合いのものでもないのではないかというふうに理解しています。
  117. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 GTAPモデルというのはいろいろなところで使われているということは私も承知しています。ただ、いろいろ資料とか見ても、本当に、じゃ、そのGTAPモデルを信用していいものか、これが本当に日本の現状を表していくのかということについて、私自身まだ自信を持てない部分というのもあろうかというふうに思っていまして、そういった上で一つお願いをさせていただきたいのは、今回、農水省、経産省も含めて、非常に独自のやり方で試算をされているというような見方ができると思うんです。例えば、経産省の場合は十年後のスタディーというようなことでありましたし、また三産業をピックアップして、ほかの産業についても更に影響があるだろうみたいなことで、そこの部分はすごくファジーになっているというようなことなんですね。農水省にしても、関税を仮に全廃した場合というような前提になっていまして、極めてそういう意味では不確実性の高い、それを基に大局的な判断をするには余りにも心もとない試算が出てきて、それをもって何か判断されるというと、私たちもちょっとおかしいんじゃないかなと言わざるを得ないような試算になっているんじゃないかというふうに思います。  やっぱりそこは、各省はいろいろな思惑あるわけですから、内閣府として、こういう基準で農業そして産業界も含めてどういう影響が出るんだと同じ物差しで出してもらわないと分かりづらいと思いますが、その点について、平野副大臣、お願いします。
  118. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) そういう観点での御指摘はあちこちからいただいております。じゃ、それに沿った形でどういう試算ができるかということについては、まだ残念ながら今具体的な検討は進めておりませんが、いずれ、先ほど申しましたように、このTPPということに関して様々な観点から議論をしていくという段階の中で、そういったもし試算が可能であればやっていくことも考えなければならないと思います。  ただ、これは前提条件、あるいは何をどういう考え方でやるかによっていかようにでも数字は変わってくるということで、私は、むしろいろんな数字が出てくる中で、そういった数字を眺めながら、見ながら総合的に物事を決めていくというのが一般的には私はいいんじゃないかなというふうに思っています。
  119. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 多分最後の質問になりますが、トータルのスケジュール観と絡む話だというふうに思います。聞くところによると、アメリカは一年後のAPECまでにある程度の方向性定めたいということでありまして、そういう意味で言うと、我々としても、仮にそれを一年後ということまでに帳じりを合わせるとするならば極めて時間がない中での作業を強いられていくわけであります。  そういった中で、例えば先ほどの青木議員の質問みたいに、農業だけじゃなくて水産とか漁業についての影響もいつまとまるか分からない、そういう状況で、極めて先ほどの試算も含めて不確定要因が多いという状況が一方で国内にはある。一方で、そのTPPの方は各国の協議がどんどん進んでいく、一年後にはゴールが出てくるかもしれないという部分で、非常にそこの道のりという部分でいうと、こちらの国内のまとめ方というか試算の出し方も含めて、そういった部分が極めて遅いというか不十分過ぎる中での動きではないかなというふうに言えると思うんですが、その点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  120. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) 松本副大臣からもありましたけれども、今九か国でやっているTPPは大変なスピードで進んでいるという感じがします。簡単にまとまるかどうか私はよく分かりませんが、一説には、来年の十一月にハワイで、次のAPECは横浜ですが、その後のAPECがハワイでやるということで、アメリカはそこまでには妥結をしたいみたいなことを目指しているというところも伝わっています。本当にそのとおりいくかどうか分かりません。  その一方で、このTPP交渉に仮に、仮にですね、日本が参加するといっても簡単ではございません。まずその前に九か国の全部の同意を取らなければなりません。九か国の同意をまず取れるかどうかも分からない。それから、各九か国が日本に対してどういう意向を持っているかも現段階ではよく分かりません。外交レベルでは、アメリカなんかではいろんな、水面下でいろんなことをやって、伝わってきますが、表ではいまだに交渉進んでいませんから。  だから、そういった中で日本は、我々とすれば、これは私としては今担当ですから、スピード感持ってこれいろんなことのプロセスを踏んでいかなければならないのではないかという感覚を持っておりますが、党内では、あるいは皆さんの中ではそれすら駄目だという方もおりますから、そういった方々との意見の調整も図りながら、しかし、なおかつ現実にTPPという交渉が日本抜きで大変なスピードで進んでいるということをしっかりと横目でにらみながらこれからのプロセスを考えていかなければならないということでありまして、その前提として、ここは農林水産委員会でありますし、私も頭のてっぺんから足先まで、農林族という言葉があるとすれば農林族のつもりでありますが、農業との両立というのはしっかり図っていかなくちゃならないという視点を持ちながらやっていくことが大事ではないかなというふうに思っています。
  121. 主濱了

    ○委員長(主濱了君) 福岡資麿君、時間ですので短くまとめてください。
  122. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 はい。  TPPの交渉がどんどん進んでいると、そういう客観的状況は分かりますが、あくまでも国内のいろいろな積み上げが不十分な中で物事をなし崩し的に進めていくということについては絶対反対をさせていただくということを申し上げさせていただきまして、質問に代えさせていただきます。  ありがとうございました。
  123. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  十月の二十一日の本委員会で、環太平洋経済連携協定、TPPへの参加につきまして鹿野農林水産大臣に質問した折に、関税撤廃が原則のTPPに仮に日本が参加すると仮定した場合の日本農業に与える影響について試算を示すべきだと、そのように申し上げましたけれども、十月の二十七日に農林水産省、経済産業省並びに内閣官房より包括的経済連携に関する影響試算の資料が示されたわけであります。本日は、農林水産省より示された農業への影響試算に関連して質問をさせていただきたいと思います。  最初に、多面的機能の喪失について質問をさせていただきます。  農業の持つ多面的機能の重要性につきましては論をまちませんが、平成十三年に日本学術会議の答申でも示されたように、あえて代替財で貨幣評価を行えば八・二兆円規模にも達すると推測をされているところでございます。今回、試算では、農業の多面的機能の喪失額について、その試算根拠も含めましてどのようなものであったのか、大臣にお伺いをしたいと思います。
  124. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 今、渡辺先生からお触れになられたこの多面的機能の喪失額というのは、平成十三年の十一月の今申されました日本学術会議答申を踏まえて、今回の試算で出された水田や畑作の作付面積の減少部分に相当する多面的機能の喪失額を積み上げたものであるということを申させていただきたいと思います。
  125. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 額についても少し教えていただければと思います。
  126. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 農業の多面的機能が三兆七千億程度喪失するという、そういう試算結果を十月の二十七日に発表させていただきました。
  127. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 積算根拠としまして私がいただいた資料では、洪水防止機能が二・二兆円程度、それから河川流況安定機能ですか、これが一兆三千億円程度マイナス、前の二兆二千億円もマイナスでございますけれども、そのほかに地下水涵養機能、これが〇・五千億円程度、それから土壌浸食、まあ流出でありますけれども、これの防止機能としまして大体二千億円程度と、そのような試算の根拠で積み上げて三・七兆円程度となっておるんですが、日本学術会議の試算によりますと、そのほかにも土壌崩壊防止機能として当時約五千億円程度、そのほかにも、これはいろんな考え方あると思うんですが、保養休養及びやすらぎ機能ということでは高い数値で二兆約四千億円程度が試算をされておったわけでありますけれども、今回の試算にはこれは試算せず、加えられておらないということでありますけれども、その理由につきましてもお伺いをしたいと思います。
  128. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 今、渡辺先生から申されたということにつきましても、非常に大事なところでございますけれども、私どもとしては堅めに試算させていただいたと。平成十九年の二月の方法と同じということでございまして、堅めに試算をさせていただいたということでございます。
  129. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 今、グリーンツーリズム、そういうものも大分盛んになっておるわけでありまして、そういうものを期待しておる農業現場の方々も多いわけであります。そういう流れの評価というものがないということは、この試算そのものが、多面的機能の試算の喪失そのものが過小評価されているんではないかと、私自身そのように思っておりまして、もっときちんと数値を積み上げた試算を出していただきたいということを申し上げたいと思います。  それから、日本の農業は、単に私たちが生きるために不可欠な食料を提供しているだけではなくて、私たちが生活をするための重要な多面的機能を有しておりまして、それを発揮して私たちを守ってくれているわけであります。歴史的にも日本の風土、文化の形成に大きな貢献をしているわけであります。  そのような日本の農業の果たしている広い意味での役割、全体像をやはり国民にきちんと情報提供し、周知し、その上で国民の声をきちんと聞いて的確に国としての政策決定をする、国の行政に反映をしていく、こういう点が非常に大事ではないかと、そのように思っているんですが、この点に関しまして鹿野農林水産大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
  130. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 今、先生御指摘をいただきました多面的機能への影響というふうなものは、国民の人たちにきちっと周知もしなきゃなりませんし、また国民の人たちの声も聞かなきゃならない、いろんな方々から御意見をお聞かせいただかなきゃならぬというふうなところは非常に大事なことだと思っておりますし、また改めて、先ほど申し上げましたけれども、国際会議におきましても、この日本の水田というふうなものが生物多様性というふうなものの保全にとって大変重要だというような位置付けもされておるということでもございますので、この点はこれからも大変重要な問題であると、テーマであるということをしっかりととらえていかなきゃならないと思っております。
  131. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 私は、食料は海外から輸入しても食べられればいいんだというふうなことではなくて、やはり国民の皆様に、いろんな報道等を通じまして、あるいは口コミでも何でも、大臣がおっしゃっていただいても結構なんですけれども、やっぱりきちんと多面的機能というもの、これをお知らせして、もし仮にTPPに参加をするというふうなことになったらば、単に食料だけでなくて、これまでの日本の文化、風土というものが激変してしまう可能性があるということをやはり国民にも認識をしていただいて、きちんと選択をする、そういう期間が必要だと思うんですね。やはり、今、拙速に参加、不参加というようなことを決定をする前に、まずは国民に、こういう案件があるんだけれども、どういうことになるのかということをしっかりお知らせをして、国民の声を聞いてから判断をするということが大事だと思いますので、そのことを再度申し上げておきたいと思います。  それから、個別の話になりますけれども、TPPに参加する場合に主要農産物等に与える影響の試算も出されておるわけでありますけれども、最初に、今回の試算によると、水田が約七割減、畑が約四割減になるという試算も出されておりまして、やあ、これは大変なことだなと、やっぱり日本の風景、農山村の風景というものも変わってしまうなと、そういう強いショックを受けたわけでありますけれども、このような試算も出ているということで、これに対する鹿野大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
  132. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 今の、先生から言われましたTPPの参加というふうなことによりまして水田は七割程度、いわゆる国境措置が関税ゼロになるということを前提とした場合に、水田が七割程度、畑作は四割程度、合わせて五割強の作付面積が減少すると、こういうことでございまして、この検討というふうなものは米なり小麦などの十九品目の農産物の国境措置をすべて撤廃した場合と、こういうふうなことを仮定して出した数字でございまして、これはまさしく多面的機能の喪失というふうなものに加えて、いわゆる将来にわたるところの食料安全保障という問題が提起されましたけれども、そういう食料の安定供給にも大きな影響を及ぼすという認識を持たなければならないと、こう思っております。
  133. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 やはりなかなかTPPといっても具体的なイメージがわきにくいんで、ちょっと個別のお話になりますけれども、米に関する今回の試算では、国産米の約九割が外国産米に置き換えられるとされていますけれども、鹿野農林水産大臣、山形県も農業の盛んなところで米どころでございますけれども、九割が外国産米に置き換えられるだろうというような試算があるわけですが、これに対する御所見をお伺いをしたいと思います。
  134. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 言うまでもなく、水田地帯というのは、私の山形県もそうでありますし、東北地方、北海道、北陸、まあ言えば全国至る所にそういう穀物を作っていただいている方々、あるいは畑作、あらゆる農産物を作っていただいている方々に大きな影響を及ぼすものと、こういうふうな認識は私どもも持っておるところでございます。そういうふうなものを受けながら、どう判断をしていくかというふうなことが大事なことだろうと思っております。
  135. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 小麦に関しても、外国産小麦粉にほとんど置き換わって一%しか国産のものが残らないということの試算が出ているわけでありまして、大変な状況だなというふうに思います。  東北でも牛肉生産は宮崎県、鹿児島県とか向こうと同じように盛んであるわけでありますけれども、国産の牛肉生産に与える影響についても大臣にちょっとお伺いをしたいと思います。私の住んでいる米沢も米沢牛を一生懸命やっているわけでありますけれども、そういう牛肉の生産に与える影響についてお伺いをしたいと思います。
  136. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) もちろん、牛肉なり乳製品なり、そして今先生がお触れになられました小麦、こういうふうな生産をしている方々にも大きな影響を及ぼすということはもちろん大変重要なことになってくるんじゃないかと、こういうふうな認識はしかと持っておらなければならないと思っております。
  137. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 試算によりますと、肉質の四等級、五等級の国産牛は残ると、いわゆるブランド牛は残るだろうということでありますけれども、そのほかの牛肉は外国産に置き換わるだろうと。例えば、乳用種の場合はほぼ全量が外国産に置き換えられるのではないかということでありまして、こういう乳用種からの牛肉を提供されているところにとってはほぼ全量が置き換えられるということでありますので、大変な状況かなと思っておりまして、やはりこういう具体的な試算を聞いておりますと、もう大変な状況になると、よっぽど心して決断をしていかなければいけないのかなというふうに思っております。  TPP以外にも非関税障壁というものも、これも解消していこうというような米国の要求もあるようでありますけれども、牛肉輸入の月齢制限の条件、こういうことに対しても影響が出てくるんじゃないかと思うんですが、これに対してはいかがでしょうか、現状は。
  138. 篠原孝

    ○副大臣(篠原孝君) 渡辺委員御指摘のとおり、関税だけじゃなくてその前の前段階としていろいろなことを要求されてくるのではないかという、イの一番に牛肉のBSEの関係の月齢制限のことが出されます。  この点につきましては九月十四、十五日に協議をしておりまして、技術的な会合を実施しておりまして、日本側からアメリカ側に向けまして具体的なデータの提出を求めております。それで引き続き協議を行っておりまして、今結論が出たわけではございません。  それから、今後のことでございますけれども、関税ゼロというのが問題なのであって、こういったことは、先ほど郡司委員の質問に対してお答えいたしましたけれども、また別問題でございまして、食の安全に関する問題については科学的知見を重視いたしまして判断していくべきものではないかと思っております。
  139. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 やはり輸入の食料あるいは加工品に対する安全性を求める国民の声というのは本当に強いものがあるわけでありまして、そういう国民の声をしっかり受け止めながら政策判断をしていただきたいと思います。  また、ちょっと地方の経済の状況に影響するということで、甘味資源作物への影響でありますけれども、これは沖縄とか北海道とか鹿児島とかこういうところに物すごい影響があるわけでありますけれども、例えば沖縄にした場合、サトウキビが栽培されておるわけでありますが、国産糖のすべてが外国製の糖に置き換わってしまうという試算が出ておるわけでありますが、具体的に沖縄なんかではサトウキビの畑を作っているようなところがそうするとどのようになってしまうのかと、こういうことに対してのお考えというか、を大臣にちょっとお伺いをしたいんですけれども。
  140. 松木けんこう

    ○大臣政務官(松木けんこう君) 国内の砂糖はすべて外国産に置き換わると。一千五百億程度の減少というふうに試算をしておりますし、これに伴って、製糖工場など関連産業ですね、こっちの方もほとんど駄目になるということでございますので、地域の経済とか雇用に与える影響というのは計り知れないぐらい大きなものがあるということになります。
  141. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 万が一、こういう交渉に入るというようなことになれば、じゃ、例えば今沖縄の例挙げましたけれども、沖縄で代替の作物があるのかということになりますとこれまた本当に大変なことになるんですが、そういうことを一つ考えても本当に大きな問題である。ただ単に食料というよりは、もう地域の経済、地域の生活に物すごい影響があるということで、本当に慎重に、また国民の皆さんにそういう状況をしっかりお知らせしながら国民の声をしっかり聞いていくというのが大事であろうと、そのように考えております。  次に、食料自給率、先ほども話がありました。TPP、現段階で参加するというようなことになれば、改善の策を図らないということであれば、四〇%から一四%に食料自給率、カロリーベースでありますけれども下がってしまう。一四%、これはすごいことだなと。今でも五〇%で、先進国の中ではもう日本はどうなっているんだと、四〇%でですね、大変な状況にあるということで、もういち早く、十年間でとにかく五〇%に引き上げようということで皆決意をして頑張っておるわけでありますが、そういう意味で、今回の試算では一四%というもうとんでもない低い数値になってしまうということでありまして、これを一つ考えても大変なことだということになりますが、これについて、やっぱり、もしそういう参加というようなことになれば、当然ながら、先ほどからお話あるように、食料・農業・農村基本計画ですね、作ったばかりでありますけれども、変更を余儀なくされるんじゃないかという心配があるわけですが、この点に関しまして、大臣、どのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
  142. 篠原孝

    ○副大臣(篠原孝君) 自給率の前にちょっと、計算のことについていろいろ先ほど議論がありましたので、それについてちょっと触れさせていただきたいと思います。  我々の計算は、GTAPモデルには食料の場合はこの自給率なんかは合わないわけです。ですから、我々は我々の計算の仕方で計算しております。GTAPモデルというのは、経済全体とか、この年とこの年、この国とこの国との比較はできるんですが、品目ごととか産業ごとの比較はできないわけでございます。  自給率の低下についてでございますけれども、皆さんちょっと思い起こしていただけばお分かりになると思います。渡辺委員、小麦に触れられました。小麦は、かつて日本の関東平野以西の水はけの良い田んぼはほとんど二毛作でした、作ってたんです。それからもう一つ、最もひどいのは菜種だと思います。日本中、北から南まで春の風物詩として菜種で真っ黄色になりました。それがあっという間に消えるんです。ですから、米も麦もいろんなものが消える可能性は物すごく強いわけです。これを御承知おきいただきたいと思います。  それから、林業にしても、試算をしていないというおしかりを受けておりますけれども、木材、丸太は関税ゼロなんです。今林業の状態がどうかということをお考えいただくと、いかに関税ゼロにする場合危険かというのをお分かりいただけると思います。  そういったことから考えますと、自給率一四%に下がるというのは、これ、我々この計算も堅めに計算しての一四%ではないかと思います。このことはきちんと考えていかなければいけないんじゃないかと思います。  これをどう五〇%に、民主党が政権奪取してから十年以内に一〇ポイント上げるということできるのかという御質問でございますけれども、私は余り大臣と比べて紳士でもないのでちょっと荒っぽいことを言わせていただきますと、やっぱり関税でも守られる必要が私はあるんだと思いますね。片方だけをゼロにするというのは余り賢明な方策ではないと思います。  しかしながら、ヨーロッパは、一度、今菜種のことを何で申し上げたかというと、関税ゼロにしたんです、油糧種子。ですから、ウルグアイ・ラウンドの関係者の皆さんは覚えておられると思いますけれども、その間じゅうアメリカとEUは油糧種子パネルというので争っていました。関税ゼロにしてしまったが、しまったとEUは思ったんですね。この関税を上げて国内で作ろうとしたんです。しかし、関税を上げるのには失敗しました。ところが、正々堂々とやったんです。どれでやったかというと、一応直接支払で、お金を付けることによって、日本でいうと農業者戸別所得補償です、これで復活いたしまして、今皆さんヨーロッパに行かれるとお気付きだと思います、いったん消えたものなんですが、春行くと菜種の黄色で真っ黄色、それから夏行くとヒマワリの黄色で真っ黄色。飛行機の中で酒飲んでちょっとお休みになっている方は別として、空港が近づくとすぐお分かりいただけると思います。  日本も、やり方によっては再び菜種を復活し、麦を復活することができると思います。それは政府の政策いかんだと思っております。
  143. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 今菜種のお話ありましたけれども、直接支払等で復活もやる気になればできるということでありますが、そのためには大変な財源を確保しなければいけない、数年やって財源切れで途中でやめたというのでは何の意味もないわけで。やっぱり公明党も、食料安全保障のための財源というのは別枠でしっかり確保してやらないといけないんじゃないかという、そういう提案もしているわけでありますけれども、一度、何といいますか、廃れてしまったものをもう一回再生するというのはもう廃れないように努力する以上のすごい努力が要るものですから、これは大変なことだなと、よっぽどまず進む前に慎重に対応しなければいけないということを感じております。  先ほど、林業のお話もありました。林業を担っていただく方は中山間地等に多いわけでありますけれども、私、このようなTPPに参加することになると、中山間地の集落等が、作るものもない、もう今でさえ限界集落というような、余りいい言葉でないんですが、そういう集落があるわけですが、ますます集落は維持ができなくなって消えてしまう、そういうことになる。  林業も、国産木材の自給率を二八%から十年間で五〇%に引き上げるという目標を我が国立てているんですが、それの担い手としての人も集落にいなくなってしまうんじゃないか、実態上その実現が難しいんではないか、そういう中山間地の集落に与える影響というものをどのように配慮しながらやっていくか、これも大事なことじゃないかと思うんですが、この点に関してお答えをいただきたいと思います。
  144. 松木けんこう

    ○大臣政務官(松木けんこう君) お答えさせていただきます。  中山間地域の農地は我が国の全農地の四三%を占めているわけですけれども、これはもうほとんど壊滅的な影響を受けるだろうというふうに思います。
  145. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 今、簡単に壊滅的な影響を受けるだろうというお言葉ですが、本当に大変な状況になるんではないかと。ちょっと背筋がぞっとするような今の段階で試算になってしまうんで、やっぱりよっぽど慎重な対応ということと同時に、やっぱり国民の皆様にこういう現状なんだよと一個一個丁寧に御説明をして、本当にそれでいいのかどうか、そういうことをやはり御判断をいただくような資料を十分提供していただくと、そういうやっぱり時間が、熟慮するという時間が必要なんですね。  だから、これから政府の方ではEPAの基本方針を決定しようということでありますけれども、私はやはり余りにも拙速過ぎる、もうちょっと時間掛けてタイミングを見ていかなければいけないんじゃないか、余りにも拙速過ぎると。  やはり再度、基本方針の決定、特にTPPに参加する、参加しない、あるいはその検討を始める、そういう段階ではまだないんじゃないかなと思っておりますので、是非とも鹿野農林水産大臣始め三役の皆様には、そういう農業、そしてまた多面的機能、そしてまた集落の問題等を配慮して御判断をいただきたいと、主張をしていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。
  146. 柴田巧

    ○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。  先ほどからもいろいろ議論が続いておりますように、このTPPの問題も大詰めを言わば迎えようとしておるわけでありますけれども、先ほどからもいろんな指摘がありますように、本当にその十月の一日の総理の所信表明の際に極めて唐突という形の中で出てきたと。これは、私のみならず多くの国民の皆さんもそう感じていることだと思います。  まるで、昨日の参議院の本会議でもいろいろありましたが、さきの参議院選挙においても消費税の問題が突如出てきたように、それと非常に似ているなと感じざるを得ません。菅総理、熟議、熟議とはしばしばおっしゃいますが、民主党の中で、あるいは閣内、政府の中で、それこそ熟議がなされてない中にこうやって出てくるというのは本当にびっくりするわけでありまして、先ほどからもいろいろ議論がありますように、しっかりここは議論を尽くさねばならぬところではないかなと私自身は思うところであります。  いずれにしても、先ほどからいろんな試算がありますように、このまま突入をしていくとなると農林水産業に甚大な影響が出る、あるいはそういったものを基幹産業とする地方、地域で、ただでさえ厳しい中に、いろんなこれからは問題が深刻になってくると。雇用の問題、いろいろ菅総理も一生懸命取り組んでおられる割には、地方の、地域の雇用問題がより一層深まるということも考えられるわけですし、農林水産関係はやっぱり幅広い、すそ野の広い産業です。その生産資材や飼料や農業機械や輸送業等々幅広い関連産業があるわけで、そういったことも含めて多大な影響を与えることになりかねないということにはしっかり留意をしなきゃなりませんし、ひいてはこの国の歴史や文化や伝統や、そういったものを揺るがすといいますか、言わばこの国が根なし草になってしまいかねない、そういった問題もはらんでいるTPPの問題だというふうに認識をしっかりせねばならぬのだと私は思うわけですけれども。  にもかかわらず、これをどうしてもやるということであるならば、しっかりとした、じゃ、これに参加することによって農業をどう強くしていくかというものはセットで出てこなければ、やはりこれは納得できるものではないでしょうし、交渉の参加を口にするばかりで、日本の農業をどうしていくか、強くしていくかということが欠けているから、多くの国民がやはりこれは大丈夫かなと思わざるを得ないわけですし、したがって、そういうものが今明示的に出されていないがゆえに議論が深まっていかないというのはあると思うわけで、これはまさに菅総理大臣というか、この政権の持つ、何か言わば場当たり的で戦略のない、そういったことがこの問題、まあ尖閣も北方領土もそうかもしれませんが、この問題にも現れていると言わざるを得ないと思います。  大体が、この菅内閣になって農業、農政の分野についてはやや、本当に力を入れようとしているのかなということを疑問に思わざるを得ません。六月に新成長戦略もでき上がりましたが、この農業分野を大きな柱には据えられてはいないのは御承知のとおりです。  また、さきに出された緊急経済対策の中においても農業分野の扱いは極めて軽いものだと言わざるを得ないし、今の米の下落の問題についても余り重要視されていないのではないかなどと思うと、そういった政権が今国を開くことと農業は両立できるとおっしゃっても、多くの関係の皆さんは、農業をやっておられる皆さん、生産団体、あるいは地方の皆さんは本当かなと思わざるを得ないと思うわけですね。したがって、やっぱり真剣に議論がなされないと、また、こういうふうに日本の農業を強くできるんだというものを示してもらわないとなかなか結論が出てこないのではないかと、そう考えるところであります。  そういう考え方に基づいて以下質問をしていきたいと思いますが、さすがに六人目になると重なる部分もあるのでちょっとお許しをいただいて、限られた時間の中で質問をさせていただきたいと思います。  今申し上げましたように、地方にとっては参加をするということになると大変なことになるわけでありまして、したがって、参加表明、交渉参加といいますか、検討をするということを言われてから、政権としては、政府としては、農水省としては、地方の声や農業団体などの声をいかに真摯に受け止めてきたのか、この点をまずお聞きをしたいと思います。
  147. 松木けんこう

    ○大臣政務官(松木けんこう君) お答えさせていただきます。  あらゆる方が来られて、いろんなお話をさせていただいております。十月十九日にJA全中、二十五日には北海道の方々、四日には鹿児島の方々、同じく四日にはJAの全青協さん、そして同じく四日には全国町村会の方々、いろんな方が本当にいろんなお話をしていきます。どなたも大変な危機感を持って我々にいろんな要請をしていっているところでございますので、政府部内でそういう団体の皆さんの声を真摯に耳を傾けて政府部内の検討に反映をしていくように最大限の努力をするということでございます。
  148. 柴田巧

    ○柴田巧君 先ほど申し上げましたように、言わば農政の歴史的大転換にもし仮に参加するということになるとなるわけであって、であるならば、地方の声もしっかり、生産団体等々のやっぱり声も真摯に受け止めながらやってもらわなきゃならぬと思いますし、今そういう大転換をもしするとするならば、与党の中でも、あるいは政府の中でもいろいろ意見が分かれている中で、また、先ほど言いました、参加した場合に具体的に、じゃ、どうなるのかということが示されない中で、拙速に交渉参加ということになるということは将来にやっぱり禍根を残すことになるんじゃないか、しっかりとした検証と国民的議論というのは不可欠なんじゃないかと思いますが、そこら辺、改めてになるかも知れませんが、大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
  149. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 今日も、午前中衆議院、そして午後から参議院の先生方からいろいろと御意見等も聞かせていただきました。  また、松木政務官からお話し申し上げましたとおりに、農業者、農業団体、私も足を運んでそういう生の声も聞かせていただいたということもありました。いろんな関係の方々、また消費者の方々はどういう思いをしているかというようなことも聞かせていただいているところでございますけれども、今先生がおっしゃるとおりに、そういう声というふうなものを、考えというふうなものをやはり受け止めていくということは非常に大事なことだと思っております。  ただ、今、このTPPに対する対応につきましてどうするかということにつきましては、もう最終の段階、ぎりぎりのところに来ておりますので、具体的につきましては私から言及させていただくことは控えさせていただきたいと思います。
  150. 柴田巧

    ○柴田巧君 そういう中で、こういうTPPの問題が出てきてからだろうと思っておりますが、菅総理をトップとする農政改革推進本部というのが新設されるという、このEPAの関係閣僚会議でですかね、方針が決まったと聞いておりますが、大臣のお言葉だと、これはTPPとはセットではないのだというふうに新聞報道では承知をしておるわけでありますが、このEPAを推進をではしていく上で、じゃ、どういう農業をつくっていくかということ、これをどういうスケジュールで今後やっていこうとされているのか。そしてまた、そこでは具体的にどういうことを検討課題にしていこうと今のところお考えになっておられるのか。名目的なトップは菅総理かもしれませんが、実務的なトップは大臣だろうと思いますので、この農政改革推進本部の今後のスケジュールと検討課題についてお聞きをしたいと思います。
  151. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 正式にこの農業改革本部というふうなものを設けるというふうなことだけは基本的に決めておるところでございますけれども、これも正式決定ということになりますならば総理自らが本部長になってもらいたいというふうなことで、私も改めて要請もしなきゃならない。そして同時に、じゃ、どういうスケジュールで進めていくかというふうなこと、どういう中身をもってこの本部において検討していくかというふうなことは、言わばこれから詰めていかなきゃならないと、こういうふうに思っております。  しかし、基本的には、これからの日本の国の二十一世紀の姿形を見通した場合に、この第一次産業というものをどう国政の中に位置付けしていくかということは非常に大事なことだと、こういうふうな認識に立って農業改革本部をつくるというふうなことになっておりますということだけは申させていただきたいと思います。
  152. 柴田巧

    ○柴田巧君 これからということになるんでしょうが、例えばこういったことを特に中心に議論したいという、何かそこら辺はありますでしょうか。
  153. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 一つは、戸別所得補償というふうなものを進めていく場合に、言わば二十三年度からは対象を畑作物まで拡大いたしましたけれども、そのほかの農作物についてどうするか、恒常的にやっていく場合にどういう制度設計をもってやっていくか、あるいはまた、この六次産業化というふうなものが先生方の御理解の中で法案が通ったとした場合に、具体的にそういう中で、じゃ、どうしてそれを定着させていくか、あるいは食の安全あるいは安心感を国民の人たちにどうやって確保していくか、あるいはまた、EPAを進めていく場合に当然国内対策というものが必要でありますから、それに対する財源をどうするかというような等々、総合的にこれからこの本部において議論をしていかなきゃならないな、こんな言わばイメージを持っておるということであります。
  154. 柴田巧

    ○柴田巧君 今も戸別所得補償制度のことも出ましたし、前々から大臣も、EPAを推進をしていく上で、この来年度本格実施を予定されている戸別所得補償制度を一つの軸に考えたいということはおっしゃっておられるわけですが、果たしてこの市場開放への言わば対応策としてその所得補償制度が本当に十分な対応策になるのかと、日本の農業の競争力を強化し得るものかというのは非常に私は、前の委員会でも御質問をさせていただきましたが、疑念を持つものであります。  やはり、その規模の拡大はもちろんのこととして、集約化に向けた農地制度の改革であるとか、あるいは規制緩和による新規参入の緩和でありますとか促進であるとか、こういった今までの農政というか、とりわけ民主党農政の抜本的なやっぱり転換が、改革が、変換が必要なのではないかと思うんですが、その点、大臣はどのようにお考えになっておられますでしょうか。
  155. 篠原孝

    ○副大臣(篠原孝君) よく規制緩和、規模の拡大、企業の参入とかいうのを言われております。昨年、参入については、貸借であれば企業でも構わないというのを法律改正をしております。それから、農業者戸別所得補償についても、構造改革が進むように全国一律の単価にしておりますし、鹿野大臣は就任以来、規模加算というのを二年目、三年目に導入していくべきじゃないかということをおっしゃっておられます。農業者戸別所得補償の下でも強い農業は必ず実現できると思っております。  それから、済みませんが、後半になってまいりましたので一つ二つちょっと大胆な答弁をさせていただきたいと思いますが、鹿野大臣、ちゃんと主張しているのかということをいろいろ言われました。そのことをちょっと私が代わりにお答えさせていただきますと、二十四日の日曜日に全閣僚で議論をいたしました。そのとき、全時間の四分の一、鹿野大臣が発言されておられました。おとといの第一回目の関係閣僚の会合では三分の一、鹿野大臣が発言されておられました。おとといの二回目の閣僚会合では半分、大きな声で発言されておられました。十二分に発言されておられます。その点は是非御安心いただきたいと思います。  それからもう一つ、菅総理ですけれども、ちょっと時間が掛かって済みませんけれども、菅総理の下、二〇〇四年、菅代表の下、鹿野大臣がその当時ネクストキャビネットの農林水産大臣でした。私は初々しい一年議員じゃなくてちょっとひねた一年生議員だったかもしれませんが、それで作ったのが農業再生プランでございます。それでやってまいっております。菅さんは農業に対する思い入れが強いんです。それから、林業再生プラン、これも菅総理の下やっておりまして、十分総理も農業、林業には思いをはせた政策を考えておられると思います。
  156. 柴田巧

    ○柴田巧君 一生懸命頑張っておられるのは分かりましたが、ちょっと時間が、大分しゃべっていただいたので時間がなくなりました。最後になると思いますが、いずれにしても、先ほどもありましたが、EPAの推進をするに当たっても財源が必要になってくるわけで、環境税をそれに充てたいというのは大臣のお考えのようであります。ただ、現時点では、閣内のあるいは政府の中のコンセンサスが得ているとも思われませんし、やはり環境税をそういったところに充てていくということになると国民的な理解も必要だと思いますが、これはどのようにこれから取り組んでいくべきとお考えになっているか、お尋ねをしたいと思います。
  157. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 私、就任時に、農林水産行政を進めるにおいてはもはや農林水産省一省でやっていくということは限界を感じておりますと、こういうことを申し上げました。そういう意味で、その限界の一つは財源であります。  やっぱりこの連綿と続いた自然と人間、国民との間の関係をきちっと保っていく、そういう多面的機能というふうなものの発揮を維持していく、あるいは国民生活の食の安全を確保していく、食料安全保障を次の世代にまで残していくというようなことを考えたときには、やはり新しい財源が必要じゃないかということで、一つの考え方として環境税というふうなものを回してもらえばなと、こんな思いを申し上げたところでございまして、これから政府内においても当然財源については議論されていくものであると思っております。
  158. 主濱了

    ○委員長(主濱了君) 柴田巧君。簡潔にお願いいたします。
  159. 柴田巧

    ○柴田巧君 いずれにしても、質問ではありませんので、しっかり国民の声を聞いていただきながら、また、こういう国際化時代、ボーダレスな時代、不可避だろうとも思います。したがって、そういう中で強い農業づくりにしっかりと取り組んでいただきますことを強くお願いをして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  160. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  午前中の衆議院の農水委員会の中で、菅総理が所信表明演説の中でTPPへの参加を検討するというふうに発言するときに事前の了解を得ていたのかどうかという点で、これは事前の了解を得ていたということを認められたんですね、大臣はね。  ということは、やっぱり国内対策という、大臣の所信の中に入っていたこの国内対策というのは行く行くはやっぱりTPPへの参加ということを仮定して考えていたことだったのではないのかと、セットではないと言いながら、実際にはそれがあったんじゃないのかなということを改めて考えたわけです。  今の議論とちょっとそこのところは違うわけですけれども、民主党内からもいろいろな意見が相次いで出てきた中で、今はもっと慎重にというふうになっているんですけれども、そこは実際のところは違ったんじゃないのかなというふうに私自身思うわけです。  それで、民主党のこのTPPのプロジェクトチームですかがこの間いろいろ議論されて、それで提言を出されているわけですけれども、FTA、EPAについては推進していくということですよね。これは、こっちの方は推進するけれどもTPPはちょっと待てというのでいいのかというと、そうでもないというふうに思うわけです。  我が党の立場は、二国間の貿易の場合は、やっぱりそれぞれにとって有益なもの、どちらもいいというものについてはこれはちゃんと判断をして、慎重に見て判断をしてそして賛成するものもあるわけですけれども、しかし、アメリカだとかオーストラリアとかの場合のように、FTA、EPAでこれは多大な打撃を受けるということには断固反対ということでやってきたわけですよ。そういう意味では、アメリカやオーストラリアとのEPA、FTAについてはこれ進めるということになっているわけで、TPPは駄目だけれどもこっちの方はいいというのはちょっと違うんじゃないのかというふうには思うわけです。  その上に立ってなんですけれども、TPPについてなんですが、これ皆さんも質問されていて、私もやっぱり何度聞いても、大臣自身のお考えをはっきり聞きたいと思うわけですけれども、この間の農林水産省の試算で、参加した場合に、加入した場合に日本の食料自給率が一四%まで下がると。十年後に食料自給率五〇%にするというのを閣議決定したわけですけれども、このことと加入ということが本当に両立できるのかと。できるというふうに考えているんだったらどうやってするのかということについて大臣にお聞きしたいと思います。
  161. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 昨年の衆議院選挙におきまして、EPA、FTAを推進するということはマニフェストにも掲げられておるというふうなことの事実関係だけ申させていただきたいと思います。  また、食料自給率につきまして、一四%まで、このTPPに参加した場合に国境措置がゼロになると、いわゆる関税撤廃ということで言わば試算が出ていると、こういうようなことから今先生が言及されたわけでありますけれども、あくまでも仮定の話でございまして、まだ方向が決まったわけではございません、こういうふうなことだけは申させていただきたいと思います。
  162. 紙智子

    ○紙智子君 仮定のことであって決まっていないからだと言うんですけれども、これ、具体的に見ていかなければならないわけです。  例えば国内対策で、大臣は別の場所で発言されているんだけれども、例えば大幅に農水予算を拡大するとか、それからいろいろな対策の中の一つに体質改善の問題ですとか幾つか挙げられていると思うんですけれども、どうやっても関税を撤廃した場合にはこれは安いものが入ってくるということは避けられないわけですよね。  そういう中で、例えば自給率五〇%ということで民主党のマニフェストの中でもはっきり言っている、自給率五〇%のために麦生産を国内では百万トンに引き上げるということを書いていますよね、麦生産百万トンに引き上げると。麦の関税がゼロになったら、この麦生産が増えるどころか、九九%の国産の麦が全部輸入に置き換わることになってしまうわけですよね。そうすると、全く五〇%の目標というのは不可能になると。このことは、大臣、お認めになりますよね。
  163. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 重ねて申し上げますけれども、このTPPに参加をすると仮定した場合に関税がゼロになると。そのゼロになるということを前提とした場合に一四%に自給率がなるんじゃないですかということを、これを試算として出したということでありまして、これに対して、じゃ、そのままにしておくのか、それとも国内対策を、仮にの話でありますから、国内対策をやったときにはどうするかというふうなことは、これは当然新たな数字が出てくるというふうにも思うわけでありますけれども、いずれにしても、今方向が決まったわけじゃありませんので、これ以上言及させていただくことは控えさせていただきたいと思います。
  164. 紙智子

    ○紙智子君 関税がなくなった場合に、自給率を上げるための戦略作物にしていた麦というのは増やせないわけですよね。だから、どうあろうとも、これから進むかどうかは別としても、一般的に見てもそうですよね。それについては、大臣、認められますか。
  165. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 今の先生の質問はちょっと私理解できないんですけれども。何らかの措置を講ずればあるいはまたこの自給率が上がっていくということも、その可能性はあるというふうなことはその中に含まれてくるんじゃないでしょうか。そういう意味で、あくまでもこれは仮定の話であります。仮定の話を私、この場において軽々に申させていただくことは控えさせていただきたいと、こう思っております。
  166. 紙智子

    ○紙智子君 そういう仮定の話は避けるということでずっと先送りしてきているということ自体、非常に問題であるというふうに思うんですよ。  だって、実際に参加を検討すると言っておきながら、具体的な、じゃ、こうなった場合はどうなるかということをめぐって議論を真剣にしようとしているのに、まだそれについては決まっていないから何とも答えようがないという、そういう答弁は極めて不誠実だと思いますよ。
  167. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) きちっとこのTPPに対する対応を決めたときにはこうでありますというふうなことを申し上げる、これの方がよほど私は国民にも理解してもらえると思えると思うんです。まだ何にも方向が決まらない中で、ただああですよ、こうですよというふうなことは、かえって私は国民に対して不誠実だと、こういうふうな認識を持っております。
  168. 紙智子

    ○紙智子君 今そういうことを言われるんですけれども、やはり多くの人たちが、いきなり総理大臣の所信表明の中で参加ということを言われて、実際にどうなるかということで心配をして、各団体なども含めて心配をして要請をしてきているわけですから、これに対してちゃんとその思いを受け止めてきちんと明らかにしていくということは必要なことだというふうに思うわけですよ。  それで、何も決まっていないことをいいかげんに出すことの方が不誠実だと言うんですけれども、実際に話し合われていることも出さずにそして先送りをしていくということ自体、APECの中でそのことを、参加するかどうかということも含めて、どういうふうにしていくのかということが、今その判断が求められているわけですよね。それに対して先送りをしていくということは、極めて、午前中、衆議院でもそういう議論がされたかとは思うんですけれども、問題だというふうに思うんですよ。  それで、問題は、この日本が食料自給率一四%のままで、計算したらそうなるというのが農水省の試算ですけれども、果たして将来日本の国民が生存を守ることができるかどうかというところが問題になってくると思うんですね。  それで、お配りしたちょっと資料を見ていただきたいんですけれども、これはアメリカの大気研究センターが十月十九日に出している、地球温暖化で二〇三〇年までに米国の中部や西部の多くの地域で深刻な干ばつに見舞われると、今世紀末に中国や東南アジア、アフリカ、南米、オーストラリアの大部分も深刻な干ばつに見舞われると、地中海地域は人類の経験したことのない深刻な干ばつに見舞われる可能性があるということを明らかにしているわけです。世界的に農業生産が深刻な打撃を受けると。  人類の生存のための食料の確保が非常にこれ見ると心配になる状況があるわけですけれども、そういう中で、自ら食料を自給できるということを努力していかなきゃいけないわけですけれども、それができない状況に日本がなってしまえば真っ先にこれ飢餓に追い込まれるということになることは必至だと思うわけです。  大臣は、このTPP加入はそういう意味ではそういった危機的な状況に日本を追い込んでいくことになるというふうに思うわけですけれども、それでもよしとするのかどうかということをお聞きしたいと思います。
  169. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 私、先生、ちょっと誤解しないでもらいたいんですけれども、私がTPPに対して参加をするというような考え方に立っているということは一度も申し上げたことございませんし、また今、干ばつの話を出されましたけれども、当然、二年、三年くらい前ですか、オーストラリアで大干ばつがあったというようなこと等々、あるいはまた、中国におけるところの、あるいはロシアにおけるところのそういう環境問題に関しての異変、異常気象というふうなものがこの地球を襲っているというふうなことは当然いろんな意味で総合的に判断の材料というふうなことは忘れてはならないことだと思います。
  170. 紙智子

    ○紙智子君 そういうことも忘れてはならないというふうにおっしゃったわけですけれども、このことと併せて、要するに言いたいことは、お金で買い取ってくることができるように思っていると思えばそれはもう全くそうじゃなくて、事態としては極めて深刻だし、だから温暖化に向けての対策も今各国が真剣に取ろうとしているわけでもありますから、そのことをやっぱり十分考えた上でも、ここはTPPへの参加ということはやめるべきだというふうに思うわけです。  さらに、先ほど来出されていますけれども、地域経済に与える影響という点でも、私も北海道だし、松木政務官も北海道の出身なわけですけれども、このTPPに加入することによって二兆一千二百五十四億円ですか、この影響が出ると。地域経済への影響ということでいうと九千八百五十九億円だと。雇用の話も十七万三千人もの雇用が失われると。この被害額というのは、日豪のEPAの影響試算のときに一兆三千七百六十一億円というのが出されたんですけれども、その一・五倍に及ぶわけです。ですから、北海道の地域全体が丸ごと崩壊するに等しいというふうに思うわけです。  事態は北海道にとどまらないということなんですけれども、農水省の試算で、GDPの減少額で七兆九千億円ですか、それから就業機会の減少が三百四十万人ということですから、日本の農村がやはり崩壊することになるわけで、これ、本当に認められない話だというふうに思うわけです。  だから、今各地で緊急集会という形で集会が持たれてきているんですけれども、そのスローガンになっている中身というのは、地域社会の在り方とこの国の形を問うというような、これは北海道ですけれども、これには、漁業や林業や農業の団体ももちろん主催者で入っていますけれども、そのほかにも北海道の経済団体連合会、それから商工会議所など含めてもうすべて団体が入って、それぐらい地域全体にとってどういう問題なのかということで立ち上がっているわけです。  ですから、こういうことについては絶対認められないというふうに私は強く言いたいわけですけれども、これを是非、やっぱり日本的規模で考えたときに、大臣がなぜ総理大臣に対して、だから私はできないというふうに言えないのかというように思うんですが、いかがでしょうか。
  171. 松木けんこう

    ○大臣政務官(松木けんこう君) 紙先生、いろんなお話を今いただきました。本当に日本にとって大変なことだというふうに思いますし、大臣も、ここでは言いませんけれども、その気持ちで頑張っていると思います。
  172. 紙智子

    ○紙智子君 大臣、いかがですか。
  173. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 先生からの御意見というものは承らさせていただきました。
  174. 紙智子

    ○紙智子君 私は、前原外務大臣が先日、一・五%に九八・五%が犠牲になっているという話、これどなたかも取り上げましたけれども、この発言というのは全く逆の話だなというように思うんですよ。今まで豊かだった日本の農林水産、一次産業を一・五までそれこそ切り詰めてきたその政治の責任というのは本当に大きいものがあるというふうに思いますし、それが逆に発想が転換されていて、一・五%の犠牲になるという考え方はいかがなものかというふうに思っているんですけれども、最後にこのことに対しての感想をお聞きして終わりたいと思いますが、いかがですか。
  175. 鹿野道彦

    ○国務大臣(鹿野道彦君) 農業、第一次産業の果たす役割というのは単なる産業というふうな役割だけではなしに、物を生み出すということだけでなしに、その生み出すことによって多面的機能の発揮を維持している、あるいは生物多様性の保全にも寄与しているというようなこと、本当に大きな役割を果たしているんだというようなことを踏まえていかなければならないと思っております。
  176. 紙智子

    ○紙智子君 いろんな角度から考えても、TPPへの参加はもう断固反対ということを申し上げて、質問を終わります。
  177. 主濱了

    ○委員長(主濱了君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十二分散会