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2010-04-08 第174回国会 参議院 農林水産委員会 7号 公式Web版

  1. 平成二十二年四月八日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  四月七日     辞任         補欠選任      野村 哲郎君     牧野たかお君  四月八日     辞任         補欠選任      主濱  了君     下田 敦子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小川 敏夫君     理 事                 一川 保夫君                 岩本  司君                 佐藤 昭郎君                 山田 俊男君     委 員                 大河原雅子君                 大久保潔重君                 郡司  彰君                 下田 敦子君                 主濱  了君                 藤原 良信君                 舟山 康江君                 松浦 大悟君                 牧野たかお君                 松下 新平君                 渡辺 孝男君                 鰐淵 洋子君                 紙  智子君    国務大臣        農林水産大臣   赤松 広隆君    副大臣        農林水産副大臣  郡司  彰君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        泉  健太君        総務大臣政務官  小川 淳也君        農林水産大臣政        務官       舟山 康江君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木 朝雄君    政府参考人        農林水産大臣官        房総括審議官   針原 寿朗君        農林水産省生産        局長       本川 一善君        農林水産省経営        局長       今井  敏君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○農林水産に関する調査  (食料・農業・農村基本計画に関する件)     ─────────────
  2. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、野村哲郎君が委員を辞任され、その補欠として牧野たかお君が選任されました。     ─────────────
  3. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産大臣官房総括審議官針原寿朗君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 農林水産に関する調査のうち、食料・農業・農村基本計画に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 自由民主党佐藤昭郎でございます。  おはようございます。今日は大変さわやかな天気でございます。また、国会の中庭にも桜が満開でございます。ゆったりとした気持ちでさわやかなひとつ質疑をしたいと思いますので、よろしくひとつお願いします。  今日は、食料・農業・農村基本計画、これについての質疑ということで、私も読ませていただきました。政権交代後八か月、その割にはと言っては失礼ですが、本当に多方面に努力されて、私はよくまとめていただいたなと思います。相当部分、六次産業化をやっていかなきゃいけない、付加価値高めていかなきゃいけない、また多面的機能も図っていかなきゃいけない、こういうところは、私、本当に賛成でございますし、我々が政権与党の時代に掲げた政策の方向と一致する、そういうことでこれは評価したいわけでございますが、しかし一番大事なといいますか、肝心な土地利用型農業、特に米政策改革という分野に関して現状の認識とこれから進むべき方向というのがどうもぼやけている、そういう意味でクリアなメッセージをいただけないということが私は読んでいて非常に違和感がありますので、そこを中心にちょっと今日は質疑をさせていただきたいと思います。  これ、さっと読みまして、特に土地利用型農業、それから米政策、担い手という言葉がないんですよね。これは何か放送禁止用語じゃないですけれども、農水省内で担い手という言葉は使わなくなったんですか。
  7. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 全くそんなことはございません。私もよく担い手と使いますが、ただ担い手という言葉の定義が少し、思いますのは、使う人によって、厳格な定義というものがないものですから、意味が違う場合があると。ただ、私どもは、農業の担い手として、旧来はどちらかというと集落営農だとか、比較的規模の大きな、そして若いやり手の人たちを意味するかのごとく使われた場合が多いと思いますけれども、私なんかは、むしろ担い手というのはすべての人たち、意欲があって規模の大小にかかわらず頑張っていただける人たちはすべて担い手と理解をしてもいいんじゃないかというような気がいたしておりまして、別に禁止用語で使わないなんていう意識は全くございません。
  8. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 それで安心したわけでございますが、やはりこの食料・農業・農村基本計画というのは、国民の多く、そしてまた農業者の方々がずっと御覧になっている。  私どもの政権与党時代にこの土地利用型農業、米政策改革というのをずっと進めてまいりました。前回の、私、質疑でも申し上げましたけれども、十二年にスタートして十六年から本格化させまして十六、十七、十八が第一ステージ、十九、二十、二十一、ちょうど今年の三月までがセカンドステージということで改革をずっと進めてまいったんですね。  これは三本柱がありまして、生産者や生産者団体主体とする需給調整システムと、二番目が担い手、これをしっかり育てていこうじゃないかと、それから三番目が農地の利用集積ですね。こういった大きな三本柱がこの政権交代によってどうなっていったのかということが実はこの基本計画の中にはっきり示されていないことが、農業者にとって、私はまた国民にとっても今後とも不安を生じていくのではないかと、こんなふうに思っておるわけであります。  さっき大臣は、担い手の定義が必ずしもはっきりしないということをおっしゃいましたけれども、実は農水省はもう十六年度から、経営所得安定対策をやるときから担い手の定義をしっかり決めているんですね。これは認定農業者、これは特定農業法人も含みます、それから市町村基本構想の水準到達者、集落営農内の営農を一括管理している集落営農ということで、こう決まっておるんですね。  さあ、この担い手という我々がずっと推進してまいったこの一つの大きな柱に対する今の政務三役のといいますか、この基本計画の中の記述といいますか認識、これは現状と対応方向というのが大事なところで書き分けておられますね。これを見ますと、例えば五ページ、これは一番大事なところですよね。五ページというか、まあ聞いていてください。  五ページについては、まず対象を一部の農業者に重点化して集中的に実施している手法を採用していたと、構造改革を急ぐ余りと。その結果どうなったかというと、生産現場において意欲ある多様な農業者を幅広く確保することもできず、地域農業の担い手を育成するという目的も十分に達成することができなかったと。ここで今まで進めてきた担い手対策というものに対して、まあこう言ってはなんですけれども、今までの努力、いろんな地域の努力というものを否定する、これは自虐的と言っちゃちょっと言い過ぎかもしれませんよ。しかし、そこまで言うかというぐらい、いや、ほかにもあるんです、これ。意欲ある多様な農業者はすべてやるんだという一方で、担い手というものも全然文字に出てこない。  そういうことで、担い手が今の農業政策、特に水田農業プラス畑作農業、特に私どもが力を入れておりました農業展望の例えば麦作、大豆作、そこにおける担い手のこの比重といいますか、僕は進んできたと思いますよ、担い手というのは。ずっと努力してきまして、耕地面積の約四割も担い手に集約できるということで、義務が十八年度にも達成して、これから伸ばしていこうというところ。  この基本計画の参考資料の中にも農業展望というのが書かれておりますけれども、ここも担い手というのが消えているわけですね。図を表示されまして、主業農家というのが、また懐かしい言葉が出てきました。そういう農業展望の中で、現在の農業構造の展望で担い手というものに対してどういうふうな実は位置付けをされているか。麦作と大豆作において、農水省が、今まで我々が進展してきた担い手が担う比重というのはどれぐらいだとお感じですか。考えておられますか。現状です。
  9. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) まず、今御質問の麦、大豆に関して、いわゆるその担い手がどれだけ担っているのかという御質問だと思いますけれども、麦、大豆についてはかなり集団転作、それから集団的な取組が進んでおりまして、かなりの部分がいわゆる集約的な経営という形で担われていると、それは認識しております。
  10. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 かなりじゃないんですね。小麦については一〇〇%、大豆については八五%がもう、日本の小麦と大豆の生産は担い手が、経営所得安定対策に基づく担い手が担っているんですよ。それをひとつ認識していただきたい。  着実に進んできた。担い手の経営面積というのは、今基本計画ではさっぱりだという評価が一つありましたけれども、そうじゃなくて、これは平成八年に担い手が経営していた耕地面積は、経営面積は百二万ヘクタール日本の農地の二〇%。十八年にはこれが倍増して百九十八万ヘクタールになっているんです、四二%。もう既に日本の農地の四二%はいろんな政策を推進して担い手に集約されてきた。これを米政策改革の最後の努力、あるいは経営所得安定対策の更なる進展、そして農地の集積加速事業、我々は三年間で三千億で五十万ヘクタール、これをやりますと水田農業においてもずっと担い手対策は進んでいくんですよ。  さあ、それをしっかりやっていただきたいわけですが、今、食料・農業・農村基本計画の中で経営展望というのを示しておられますね。今、既に担い手に農地面積の四二%が集約されている、我が国の。しかし、この経営展望ですと、三十二年の目標面積というのはどのぐらい考えておられるんですか。この基本計画を裏付けする農地の利用、活用、そういう問題についての経営展望についての見通しを伺いたい。  分からなければ、ちょっともう一つ。数値目標の資料の二というのがありまして、この十九ページに図がありますね。このバックデータといいますか、根拠を。
  11. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) 構造展望についての御質問と承っておりますけれども、今この基本計画の中で、現状、販売農家の経営については、今、販売農家百七十万戸、これが趨勢としては百十一万戸に減ってしまう。これは高齢化等によって農家の数が減ってしまうという状況ですけれども、こういう中で、やはりこの展望では、できるだけ後継者に育っていただきたい、そのために今回戸別所得補償制度で幅広く農業者を支援していくということ、それから六次産業化の推進によって所得を上げていくということ、そういった取組によって幅広く支えていくという、そういう方向の中で百二十一万戸、この中で農地に占める七割が販売農家、そしていわゆる、先ほど古い言葉だというお話がありましたけれども、主業農家ですね、主業農家では四割の面積を担ってもらうという、そういう方向であります。  今委員からはかなり進んできているんだと、今までの対策の中でかなり進んできているというお話がありましたけれども、確かにここまで四割の集積ということはありましたけれども、さて、じゃ、これからこのままの政策を進めて本当に更なる目指すべき方向に行くのかということを考えたときに、現状、前回の構造展望においては、家族農業経営でいわゆる効率的かつ安定的な農業経営を三十三から三十七万戸と見込んでいたわけですけれども、実際に今、もっと広い概念である主業農家でさえ三十五万戸を割り込むという実態、これは目標と大きく乖離しているわけですね。それはやはり急速な高齢化、それから担い手の減少という中で政策の目標、指針たり得ていなかったと思うんです。  ですから、国、今までは政府がまさに一部の農業者に支援を集中してその枠にはめていこうという形で支援してきました。今回の対策というのは、もちろん効率的かつ安定的な経営体を目指すという方向は変わりませんけれども、そこに行く道筋を、押し込むというよりは下支えをして、底上げを図って、そういう発展を遂げた形である経営体をつくっていこうという、そういった考え方を示しているわけでありまして、その手法が違っているんではないかと思っています。  やはり、今非常に農業の現場というのは選別をするほど豊かな状況ではない。ですから、幅広く支えて、戸別所得補償それから六次産業化、いろんなものによって経営体の育成確保を図って競争力を付けていただいて多様な担い手を育てていく、それには、家族経営、集落営農、法人経営、そういったいろんなものがありますけれども、そのために様々な政策を打っていきたいと、これが今後の農業構造の展望の考え方であります。
  12. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 ひとつ答弁は今日の天気のようにさわやかに簡潔にお願いいたします。  私が御質問したのは、この十九ページの構造展望で、三十二年にどれだけの担い手、いわゆるしっかりした経営、他産業並みの所得あるいは他産業並みの就業時間でしっかりやっていく方はあるかと聞いたときに、ここで、十八ページに書いてあるんですよ、これね。主業農家と法人経営合わせると、今は四割なのが三十二年には五割というんですね。これは余りにも低いんじゃないですか。  今、私申し上げましたけれども、過去十年間倍増して担い手に集積し土地利用型農業の効率化を図ってきた。今四二%になった。あと十年間加速していかなきゃ駄目なんですよ。その目標を聞いて、これは余りにも低いんじゃないかということを申し上げたんです。  じゃ、端的に伺いますが、舟山政務官、土地利用型農業、特に米作りについて、効率化というのは求めていくんですか、構造改革していくんですか。
  13. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) 効率化の方向は否定するものではありません。
  14. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 そうしたら、どうして三十二年の目標はこんなに低いんですか。
  15. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) 効率化だけで水田農業がすべて語れないからです。  やはり今申しましたとおり、非常に農業の現場ではいわゆる主業農家だけが、特に米に関してはですよ、米に関しては多様な担い手が今の米生産を支えているという現状にやはり目を向けていかなければいけないと思っています。  そしてさらに、農業の中でも特に水田農業については、生産という役割以外の側面にも目を向けていかなければいけない。やはり現場での生産に伴って、共同作業があって、集落を守って、空気、水、環境を守っているという、そういった側面に着目をする中で、やはり幅広くそれを担っていただく人を育てていかなければいけないという、そういう観点も必要ではないかということで、すべて一部の担い手に集中するということから別の考えに変えたということです。
  16. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 そこがはっきりしないから分かりにくいんですよ。  水田農業、米作り、これに対して産業政策地域振興政策社会政策ごっちゃにするから分からないんですよ。産業政策として、一億二千五百万人の国民に、グローバル化の時代、いろんな厳しい中で安定的に効率的に米を供給していくには、いいですか、米作り、規模の拡大していくしか他産業並みの所得、米作りですよ、土地利用型農業ですよ、規模を拡大して農地の利用集積して所得を上げていく、生産費を下げていく、それしかないじゃないですか。  あなたがおっしゃる、私は賛成ですよ、六次産業化、いろんなものにサラリーマン農家の方々が貢献していく。そりゃそうですよ、集落の中に担い手しかいなくなればこれは集落として、農村の歴史、文化、伝統というのは滅びますからね。その人たちにそこに住んでいただいて生活していただくことは大事ですけれども、それはこの構造展望という政策の中、あるいは米作り、土地利用型農業の所得補償というやり方とは別な政策地域振興政策も含めたものでやるのが筋じゃないですか。  どうやって、米作り農家が今の規模のままで、小規模な兼業農家の方が他産業並みの所得、他産業並みの就業時間での生活を維持できるんですか。そういう方々は、まあこれは言葉は悪いかもしれませんが認定公務員ですよ。そっちが本業あるんですよ。認定サラリーマンですよ。その人たちの所得を補償する、そうじゃなくて、米作りで他産業並みの所得、働いていく人たちに政策を集中していくのが産業政策としての米政策土地利用型農業の政策にならないんですか。
  17. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) 農業というのは、産業としての側面と、私はやはり地域政策としてどう取り組んでいくかという両方の側面、それは切り分けて考えるべきではないと思っています。両方、今現状にですよ、現状、規模拡大進んでいるところもあります。  しかし、今回の構造展望の中でも、記述の中でも示させていただきましたけれども、今それでは規模のメリットがどれだけ働いているのか。これだけ米価が低迷する中で、資材価格が上がっている。非常に、今規模を拡大したからといって果たして経営が潤っているかというと、全くそういう方向にはなっていないというのが現状です。まさに、今そういう観点で、やはり再生産できるような水準の所得をきちんと確保していかなければいけないという、これが戸別所得補償の一つの考え方でありますけれども。  もう一つ、この話は委員もよく御承知だと思いますけれども、やはり地域、特に地域社会、農村ではやはり農業が基幹産業なわけです。日本の多くのところでは、それも水田作、米を中心として農業が担われていると。そこに多種多様な人が、農業生産を営みながらそこで集落を形成し、地域社会をつくっていると。そこで、その人たちがきちんと住み、農業を継続できるような、そういった環境を整えていくというのもまた一つ、これは産業政策に加えて地域政策としても必要な観点ではないかと思っています。  そういう中で、そこを支えていくと、これが今回の基本計画でも示させていただいた方向性だということで、私は、委員が言われるように、産業政策地域政策は別個なものではなく、やはりそれをどう融合させて政策をつくっていくのかと、こういった観点が必要ではないかと思っています。
  18. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 それは当たり前ですよ。産業政策地域政策、ごっちゃにしちゃいけないんです。現地で実施するときは融合していくのは当然必要ですよ、対象は。しかし、国民の血税を使いながら農業にお金を投入していくときに、この政策目的をきちっと分けていくのが私は長い目で見て国民の理解を得られる方策ではないかと思います。  それで、時間もたちましたので、次に、先ほど小麦と大豆のことについて私申しました。  この基本計画の自給率の目標では、平成三十二年に小麦を現状の八十八万トンから百八十万トンに増やす。大豆は二十六万から六十万トンに増やす。  小麦を例に取りましょう。今小麦の生産の一〇〇%は担い手農家が担っていると申し上げました。我々の進めてきた小麦の生産というのは、数量的には目標をクリアしたんですよ。前の十七年に作りました基本計画では、二十七年目標は八十一万トンでした、小麦は。今それを八十八万トン作っている。  今、一番の問題というのは、ここにも少し触れておられますけれども、具体的に、生産される小麦の品質、ニーズと生産者の生産するもののミスマッチなんですよ。百八十万トンを増産していく。しかも、戸別所得安定対策のお話ですと、いや、畑作の方は余地がない、だから水田を利用して更に百万トン増産していくというんですがね。今、畑作麦を中心に生産している小麦ですら、担い手が生産一生懸命努力してやる、それすら、なかなか品質やロットの問題、ニーズの問題で需要者の期待にこたえられない。  今度、サラリーマン農家を含めて全部の農家に対して所得補償される。そして、そこでどうか小麦作ってくださいと。集落営農や担い手じゃなく、そういう方々にお作りくださいと言われても、そういう国民のニーズに合った品質のいい麦を作っていくには排水改良もやらなきゃいけない、利用集積もしなきゃいけない。その予算を全部切っておいてできますか、これは。いかがですか。
  19. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) 今小麦の例でお話しされたので、小麦についてお話をさせていただきますが、御指摘のとおり、現在の八十八万トンから百八十万トンと見込んでいます。  その増産のための手段ですけれども、一つはやはりなかなか畑作についてはもうかなりフルに利用されているということで、やはり残るは水田をどう有効活用していくのかという中で、小麦については、特に裏作麦の作付けの拡大というのを大きく見込ませていただいております。特に、関東以西の排水良好田において裏作麦の作付けを拡大したいということです。そしてもう一つは、やはりこれ、単収も大分上がってきたとはいえ、まだまだ単収は非常に低水準にとどまっておりますので、やはりこれは単収、いろんな品種改良もあると思いますけれども、単収の向上をやはり一割程度は見込んでいきたいと、こういう中で生産数量目標を百八十万トンと見込んでいます。  そういう中で、やはり今なかなか需要に見合った生産ができていないというところなんですけれども、日本めん、うどんはもう七割程度国産が使われています。一方で、パン中華めんがまだまだ一%程度ということで、そういうところにいかに需要に合った生産をしていくのかということでありますけれども、そういった品種改良も含めて用途に適した品種の育成、普及、これは大分進んできておりますけれども、そういったことを更に進めていきたいと思っています。  それで、担い手の話ですね。農地集積について、我々は農地集積も必要だと思っています。ただ、予算を切った切ったと言いますけれども、我々はあのときなぜ切ったのか。一つは、出し手を支援するというやり方がおかしいということであって、農地の集積を否定するものではないということだけはまずちょっと取りあえず申し上げておきます。
  20. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 まだまだ今国会時間がありますので、ゆっくりひとつ聞かせてください。  時間がなくなりましたので、次の、大きな柱であります戸別農家所得補償モデル事業の予算の面についてちょっと大臣の見解を伺いたいんですけれども。  先日の質疑の中で、私は、変動部分の千四百億というのはもっとやり方があるんじゃないかと。大臣がおっしゃる、米価が変動しないならばこれは要らないんです、使えないんですよ。大臣は、いや、使わなくなったら次の年度の本格実施に向けてこれをお使いになるというようなことをおっしゃいましたけれども、これ、使わなかったら不用で国庫に返さなきゃいけないんですよ。千四百億という巨費をここにお組みになったということはやっぱり私はまずかったんじゃないかと思いますよ。もし米価が下がるおそれがあって手当てするのならば、食糧管理特別会計、運用でこれは食糧証券も出せるんですよ。補正で組むこともできる。そういうやり方で農業予算をうまく使っていただければ、土地改良予算の六割カットなんて僕はしなくて済んだと思うんですが、どうですか。
  21. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 一つは、私は、米価も下がらずに、そして変動部分を使わずにできることが一番いいということですけれども、先生を始め自民党の皆さん方が、米価は下がる下がる、暴落する、そのときどうするんだどうするんだということももう再三にわたって言われておるものですから、万が一下がったときもちゃんとこういうふうにやっていますから大丈夫ですよということを農家の人たちにもやっぱりきちっと示していくという意味で私は大切だと。ただし、それは使わない方がいいと。で、それは来年度にと私が言ったのは、委員も元お役所の方ですからよく予算の仕組み御存じですけれども、やっぱり前年度の予算額の中でこれをどれだけ増やすかとかどれだけ減らすかとか、いい悪い別としてそういう仕組みがあるわけですから、じゃ、本当に今はこれぐらいだからこれでやっておいて次の年その二倍も三倍も要求して取れるかというと、それは無理なんですね。  ですから、そういう意味で、例えば自給力も含めてですが、五千六百十八億という、こういう一つの戸別所得補償のモデル事業に対してこれだけの予算をまずかちっと確保したと。さあ、じゃ次は一兆円なら一兆円の本格実施に向けて更に上げていこうということですから、別に無駄遣いするわけじゃありませんので、そういう意味で、よりいいものにしたい、あるいはより安心を与えてまず無難にスタートをさせていただきたいということでこういう仕組みにしたということは是非御理解を賜りたいと思います。
  22. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 なかなか理解は難しいですね。しかし、ひとつこの反省を踏まえてしっかりした予算編成をお願いしたい。  さあ、今日は総務省の小川政務官にも来ていただいています。最後の質問に移ります。土地改良区における政治的中立性の確保についてという論点です。  お手元に参考資料で配らせていただきました。一月十五日に農村振興局長から全土連の会長あてにこういう通達を出したんですね。この2を特に見ていただきたいんですよね。土地改良区等の役員等の執行体制について、議員等が兼職により就任するなど云々、疑念を持たれることのないようにするものということで。  議員、国会議員地方議員、特に地方議員は大きな問題になります、たくさんの方が役員に就任。これを、議員であるから兼職で、もう土地改良区、つまり、この間の質疑でも申し上げましたけれども、地域の水利施設、あるいは圃場整備をやるときの換地計画の合意形成、地域のために本当に、土地改良区の役員というのはこれはボランティアです。給与ないですよ。今、こういう公的な仕事に就く方が本当に少なくなって我々としては困っている、土地改良区の方々は。しかし、やはり日本の農業をしっかり守っていくためには我々が汗かかないかぬなということです。  これから全国でずっと北から、田植が始まっていきますよ。大臣も新幹線の車窓から御覧になる。あの水、あれは天からのもらい水じゃないんですよ、みんな土地改良区の人たちが汗水垂らして管理しているんです。ボランティア的な農家の自治体組織で、経営費に関しては公費負担は一切受け取っていません。  こういう公的団体の、地域の大事な土地改良区、この役員選任規程というのは法令で決まっております、ちゃんと。議員が駄目なんてどこも書いてありません。(発言する者あり)こういう大事な、大事な方々が……
  23. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 御静粛にお願いします。
  24. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 議員はそれぞれ地方公共団体、それぞれのところの選挙で選ばれた方々です。その方々を、こういう公的団体執行部に就任している、そのためだけに、駄目ですよというのはやり過ぎだと思います。これは交通事故が駄目だからあなたは車を運転するなと言うようなものですよ。  この議員の方々が辞めた方がいいよという気持ちがありましたら、もしその方がここに書いているような政治的な中立を侵して何か特定のことだけに働いているというその外形があれば、それは辞めるべきですよ。しかし、地方の議員が、選ばれたこの議員に対するこれは失礼な言い方じゃないですか。だれも公務と政務というのはちゃんと分けていますよ。大臣もそうでしょう、長崎県の知事選挙に行かれたときも公務と政務を分けられましたよ。議員も一緒ですよ。  どうですか、まずちょっと総務省の政務官について、こういう中央省庁地方議会の議員の兼職規定にも違反していないことに対してこういう通達を出すということは、これは地方自治に対する冒涜じゃないですか、議員に対する失敬な言い方じゃないですか。
  25. 小川淳也

    大臣政務官小川淳也君) 地方自治法上の観点だけを申し上げますと、明確に兼職禁止をされておりますのは衆議院議員参議院議員、そして地方公共団体の長、また他の地方公共団体の議員、そして常勤職員等となっております。  今御指摘の点でありますが、土地改良区というある種公的な性格を帯びた団体のその政治的な中立性の確保、この点に関してどのような御指導なりされるかということに関しては、一義的には農林水産大臣の方で御判断をいただくことであろうというふうに考えております。
  26. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 私の方から、そうした、局長名でございますが、通知を出させた責任者という立場でお答えをさせていただきたいというふうに思っております。  あと具体的な現状はどうかということはもし御質問があれば具体的にお答えしますが、これは土地改良に出しただけじゃなくて、農業共済とかあるいは漁業共済等についても出させていただいております。  これはもう前々から言っていますが、別に自民党だからとか民主党だからとかそういうことで私どもはやっているわけではなくて、今も自治省の方からお話ありましたように、非常に公共性の高い、しかも何千億円というようなお金が、そこに税金が投入されているということであればボランティアで、そういう役職に就かずにどんどん応援していただくということは非常に価値のあることでございますけれども、役職に就いて、無給の人も有給の人も両方ございますけれども、そういう形でやるというのは、せっかくその方の非常に気高い行為も、あれは金が欲しいからやっているんじゃないかみたいな、そういうことにとられかねないということもあります。  たまたま新潟の農業共済、滋賀県の土地改良区、いろいろ事件が実はありまして、そこを調べてみたら、手当ばかりじゃなくて、例えば自民党のパーティー券を買っているだとか、あるいは自民党の党費をそこから払っているだとか、そういうこともどんどん出てきておりまして、それはやっぱりちょっと問題じゃないですかということをきっかけにして実はこうしたことを出させていただいたということで、国会議員の方は幸いにして佐賀県も愛知県ももうお辞めになるということで、ですからもうほとんどないと思いますが、あとは地方議員が実際残っていますので、地方議員の方たちも、これは命令ではなくて、こうした方がよろしいんじゃございませんかと。それを無視して茨城県なんかまたなっちゃった人もいますけれども、そういうことを私ども申し上げていると。  必要だったら、もし、全部、じゃ調べてみろと言うんだったら調べさせていただいても結構ですが、そういうことはやらない方がいいんじゃないかなと思って、今のところは問題の起きたところだけそういう調べ方をしています。
  27. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 問題を、大臣、やっぱりすり替えられちゃいけませんよ。土地改良区の役員、理事長というのはボランティアですよ。無給ですよ。ですから、報酬との関係で問題があるというならそういう通達を出されればいい。それから、そういうパーティー券を売ったり何だりしたら法令違反ですよ。ですから、きちっと処分される、これはいいですよ。しかし、地方議員に、なっているその事実だけをもって、あなたは政治的な中立がおかしいんじゃないか、特定の政党に影響を受けるというのは、これは余りにも、まあ民主党が、議員の方がそういう行動をされるから、ビヘイビアされるからそう思われるかもしれませんが、これは余りにも地方議員に対する私は冒涜だと思います。  それで、時間がなくなったんですけれども、先般、大臣が、いや、言いましょうかとおっしゃったんですね。特に、歳費をもらいながら県土連の会長やそういうことになっている、農業共済の人と、おかしいじゃないかと。農業共済とはこれ全然違うんです。事務費の補助ももらっていません。土地改良区というのは、運営費の補助は国費一切入っていないんですよ。国会議員で県土連の会長や、なっている方が何人いて、そしてその方々が歳費をもらっているからおかしいと言うんですけど、歳費をもらっている方がどれだけ、歳費と報酬を、歳費をもらわない、報酬をもらっている方はどれだけいるんですか。個別の名前は結構ですよ。しかし、何人いて、その人は幾らもらっているか教えてください。
  28. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 四月六日現在で国会議員と兼職している都道府県土地改良事業団体連合会の役員は六名でございます。うち二名は報酬を得ておられまして、年額八十万円及び十四万円でございまして、残る四名は無報酬です。
  29. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 八十万円と十四万、六人のうちの二人だけです。年間八十万、十四万円といったら月一万円ですよ。しかし、高嶋参議院幹事長とのやり取りの中でいかにも何か、歳費を受け取りながら報酬を受けている、おかしい、それはできないと、そういう誤解をやはり国民の中に与える私は大臣の御発言というのは今後慎重にしていただきたいと思います。せっかくこの土地改良という施設の運営に当たっている方々の気持ちをやはり私はなえさせるものだと。  これからますますこういった市町村と住民の間に立つ第三セクター、公的な、いわゆる自助、公助、共助の中の共助ですね、ここのところの働く団体というのはこれ大事になっていきますよ。行政としてもこれは育てていくという気持ちで取り組んでいただきたい。議員が兼職していろんなおかしなことをやるなら、そこをきちっと私は取り締まればいいというふうに思います。  時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
  30. 牧野たかお

    ○牧野たかお君 久しぶりに農林水産委員会に来たものですから、何となく懐かしさと、後で質問しますけれども、郡司副大臣と舟山政務官がその席にいらっしゃるというのは、何か本当に変わったなという気がいたします。  それで、まず基本計画の「まえがき」のことを聞きますけれども、ちょっと細かいですが、二ページの最上段に「これまでの農政の反省に立ち、」とありますけれども、どんな反省なんでしょうか。
  31. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 立場を変えたような形で私の方からの答弁になりますけれども、これまでの農政の反省というようなことが「まえがき」にも触れておるわけでありますけれども、もちろん御存じのように、農業、農村というものが所得あるいは雇用の問題等々含めまして、高齢化等を含めまして厳しい現状に直面をしているということは、これは御存じのことだろうというふうに思っております。結果として見れば、これまでの農政というものがこうした流れを的確に止めることができなかった、あるいは反転をして増収であるとか、あるいはいろいろな形の活力を生み出すという形までは行っていなかった、そのことを重く受け止める必要があるという旨の記述だというふうに理解をいただければと思っております。  この要因は、これまたいろいろあるわけでございますけれども、例えば農産物価格が下落傾向をたどる中で資材価格が上昇をし、農業の再生産の確保が困難になっている、あるいはまた一部の農業者による施策に集中をした。結果として、規模拡大を図ろうとするだけではなく、意欲ある多様な農業者を幅広く確保することが結果としてはできなかった、地域農業の担い手も育成できなかった。これ前段のやり取りの中にもあったところでございますけれども、例えばこれまでのやはり前政権の中でも、担い手の関係についてもこれまで何度も政策の修正というものを加えながらやってきたということは御存じのとおりだろうというふうに思っております。  〇三年のときには、これからは外国制度も引用しながら直接支払というものをやっていこう、品目横断をやっていこう、あるいはその中でまた水田の経営安定対策というものに変える中でも都度の修正というものは行われてきたというふうに思っておりますけれども、しかしながら結果として大勢を止めることができなかった、そのようなことを反省をするということでございます。
  32. 牧野たかお

    ○牧野たかお君 丁寧に、先に通告をしたものですから、このペースでいくととても用意した質問が行かないものですから、なるべく簡潔に御答弁をいただきたいと思いますが。  その「まえがき」は、先ほど佐藤理事がおっしゃったみたいにどうも抽象的で、美辞麗句が並んでいるんですけれども何を目指しているかよく分からないんですが、そういう中でいうと、一ページの下段の方には、国家の最も基本的な責務として、食料の安定供給を将来にわたって確保しなければならないというふうに書いてあるんですが、二ページの七段目から十段目を読むと、今度は、従来の農村の農業、農産物を作ることから、別の要するに物を生産する農村の転換のようなことを書いてあるんですが、何か矛盾しているような気がするんですけど、どうでしょう。
  33. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 理想的なことを書いているのではないかというようなことでございますけれども、私どもは、やはり国の政策というものは国民に対して夢を与えていかなければいけない、そこに、産業に従事する人たちにも将来に希望を持っていただかなければいけない、そのようなことは当然あるべきだろうというふうに思っております。  記述そのものが、例えば六次産業の関係なども指しているのかもしれませんけれども、地域の中でこれまでになかったような価値を創造をしていこうということについてももちろん私ども触れさせていただいておりまして、これも先ほど申し上げましたような、地域の活力が失われ雇用の場が減少をしている、やはりその中にいる人たちが主になって付加価値を付けていくような取組、そして、それはそこにある資源というものを有効に使うことによって行っていこう、そのようなことでございますので、これは私どもとして矛盾をしているというふうには考えておりません。
  34. 牧野たかお

    ○牧野たかお君 それは見解の相違だと思いますけれども、今のことを詳しく書いてあるのが、三十ページのところに、「「地域資源」を活用した「産業」の創造」という部分が関連するところだと思っておりますけれども、この中で、六兆円規模の新産業を農山漁村地域に創出するというふうにありますけれども、これは何を創出されるんですか。
  35. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) 基本計画の中の六次産業化の一環として、御指摘のとおり、「六兆円規模の新産業」と記述しております。これにつきましては、やはり地域に様々賦存する資源、例えば今ある未利用の稲わらですとか、それから水田の水路ですね、水路の水を利用した発電事業ですとか、様々なものが考えられると思っております。そういった先端技術と組み合わせて、素材、エネルギー、医薬品等の新たな製品を作り出す産業の育成について特に強化していきたいということであります。  その具体的な六兆円の市場規模につきましては、繊維工業医薬品を含む化学工業、それから石油製品・石炭製品製造業、ゴム製品製造業、プラスチック製品製造業、様々な主な関係産業がありますけれども、この現状の出荷額、生産額が今六十三兆円となっておりまして、一割程度の市場を新規開拓又は代替していきたいと、そういった意気込みの中で六兆円規模の新産業の創出ということを出させていただいております。  今後こうした取組を推進するために戦略を策定するとともに、事業化の可能性、事業創出に知見を持つ人材の育成なども進めていきながら、やはり農村にあるこの資源、価値をしっかりと引き出すような、それによって農村に所得をもたらすという、そういったことを組み合わせて考えていきたいと思っております。
  36. 牧野たかお

    ○牧野たかお君 次に質問しようとしたことのお答えまで今お答えをしていただいたものですから、もうここはこれで終わります。  郡司副大臣、また舟山政務官が発議者として説明をしたときに私が質問をしたのが所得補償政策だったと思いますけれども、一年ぐらい、一年以上たっているんでしょうけれども、思い出しながら質問をしていきますけれども。  まず、こっちに書いてある、基本計画に書いてあることから申し上げますが、二十三ページ、「戸別所得補償制度の本格実施」というところの中の文章に、「恒常的に販売価格が生産費を下回っている米、麦、大豆」というふうに書いてありますけれども、米の場合、私も米の産地じゃないから現実感で言っているわけじゃないんですが、あくまでもいろんな情報からしての判断ですけれども、米の場合は、産地によっては恒常的に下回っているんじゃなくて、上回っているというか、要するに、具体的に言えば新潟県とか宮城県とかそういう、生産費を下回っていると書いてあるけれども、下回っていない産地は結構あるんじゃないですか。
  37. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 結構という数字がどの程度の数字を表すかということもありましょうけれども、構造的に生産費と販売価格というものの差がもちろん逆転をしている地域もあることは承知をしております。
  38. 牧野たかお

    ○牧野たかお君 さっき申し上げたみたいに、前のことを思い出しますと、法案が出されたときにおっしゃったのは、とにかく、一つはすべての農家を対象にするということ、もう一つは、生産費と販売価格との差額、要するに生産費が販売価格を上回っている。要するに販売価格が生産費を下回った場合のそこの赤字部分を埋めるというのが元々の出された、当時出された法案の中身だったと思いますし、また、その後のマニフェストの部分でも多分そういうふうに書かれていたと思いますけれども、そうすると、今度の全国一律に一反歩当たり要するに目標数量を守れば、それに沿っていけば一反当たり一万五千円払うというのは、給付するというのは元々言っていたのと全然違うような気がするんですけど、そうではないですか。
  39. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) 私、今お話のありました戸別所得補償法案の発議者の一人でしたので、お答えさせていただきます。  当時の考えていた基本的な考え方と今回のモデル対策というのは全く変わっておりません。当時も、全国平均で生産費と販売価格を見てその差額を支給すると、単価も全国一律というやり方で提案をしておりました。
  40. 牧野たかお

    ○牧野たかお君 だから、今度、その変動部分というのが元々の要するに私は皆さん方が出された法案に近いのかなと思っておりまして、産地によって要はそれだけ販売価格が違っていて、だから生産費と販売価格の差を埋めるという意味だとちょっと違うんではないかなと私は思っております。  それで、お米の話ですけれども、要は、販売価格も全国、販売価格の三年間、変動部分ですけれども、要するに三年間の販売価格を下回った場合ということでありますけれども、場所によって六十キロ当たり一万二千円のところもあれば二万円以上のところもあると思うんですね。それで、全国平均の三年間の平均といったら、要は、販売価格が低いところは確かにそれで赤字分を埋めるということになるんでしょうけれども、元々高いところにしてみれば、全国平均の方が下なのですから、全然、本来は利益が出ているのに更にそこに上積みになるんじゃないかというふうに思ったんです。そうすると何かすごく不公平感が私はあると思うんですけど、それはどうですか。
  41. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 御存じのように、モデル事業として実施をしているその考え方の中で、全国一律単価として今設計をして実施をしているところでございます。  その考え方は、今委員がおっしゃられたような部分もありますけれども、全体から見れば販売価格よりも生産費の方が、逆ですね、下回っているような形のものがあるというような構造が続いているわけです。したがって、私どもはそこのところをきちんと岩盤部分として補償をしていく、このような中で今後の生産に続けるような力を生み出していこう、あるいはまた若い人たちが参入をするような意欲をそこに見出していただきたい、このような形でやっているところでありますけれども。  では、若干全国的にもちろん違いがありますから、そこの高くなっているところ、販売価格が通常よりも高くなっている人たちの部分はどうなんだということになれば、今回のものを加えたことによって、ほかの人たちよりも所得というものが増加をする可能性というのはもちろんあるわけであります。そこのところは、一朝にしてそのような力が付いたのかといえばそうではなくて、これまでのそれぞれの地域、あるいは個々の生産者も含めて相応の努力の結果がそのような数値を生み出してきているわけでありますから、まさに、こうした制度を含めて一生懸命やれば農業で所得を増やすことができるんだ、ほかよりも努力した者がきちんと魅力としたものに跳ね返ってくるんだ、このような形を取り入れているところでございます。
  42. 牧野たかお

    ○牧野たかお君 今、副大臣がおっしゃったことは一理あるかもしれませんけれども、これどう考えても、国民の税金を使って要は交付金を給付するんですから、利益出ているところにそれを同じように一律に当てはめるというのは、私、公共の政策としてどう考えても合わないなと思いますけれども、まあいいです、それはそういうふうに言っておきます。  二十三ページですね、今度、野菜、果樹については、「恒常的に販売価格が生産費を下回っている状況にはない」というふうに断定してありますけれども、この根拠は何ですか。
  43. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 断定をしているというような言い方でありますけれども、総体として見れば、これは委員御存じのように収穫あるいは調製の機械化が困難な作業が多いということも事実であります。また、労働集約型、大変に労働に対する、何というんでしょうね、圧力というものも多いところでございます。また、生育期間が短い等、品目の転換が比較的容易であったり、需要動向に応じて品目を転換をして所得の確保を図るといったような特徴を有しているというふうにも思っております。  また、果樹については、例えば整枝、剪定、袋掛けなど機械化が困難な作業が多く労働集約的でありますけれども、農家や産地の技術水準により収穫量あるいは家族労働時間、大きく異なること、高品質果実の生産により高価格販売が可能となるような地域あるいは生産者も出ているということで、収益性というものが大きく異なってくるというふうな側面が多いんだろうというふうに思っております。  私どもとしましては、現在、野菜や果樹の生産費の統計というものを正確に調査をしていない段階でございます。したがいまして、個々の例えば統計が取れているものについて見ますと、キャベツなどは十アール当たり農業の粗収益三十六万九千円、農業経営費十九万七千円、差し引いた所得が十七万二千円というようなものが出ているものもございます。また、果樹につきましても、例えばミカンでありますけれども、十アール当たりの農業粗収益が四十三万五千円から農業経営費二十六万九千円、差し引いた農業所得十六万六千円というような数字が出ております。  ただ、先ほど申し上げましたように、地域あるいは個々の農家の、何というんでしょう、取組方によりましても相当違いがある。こういうようなものから全体的に厳しさを増しているということは考えられますけれども、今のような形の中で、今後のモデル事業に続いてのものについては、まさに調査を含めて検討をしていくということをしているわけであります。
  44. 牧野たかお

    ○牧野たかお君 私も、じゃ野菜、果樹の方を全般的に全部把握をしているかというと、それは把握していないんですが。私は一番把握しているのは静岡県の特産品のお茶についてでありますけれども、これから一番茶なものですから余り言いたくないんですが、昨年の相場でいうと、もう十年前の半分ぐらいの価格になってきて、いろんな人の、実際に農家とかいろんな団体から聞くところによれば、もう生産費が販売価格を上回っているところも結構出ているんですよね。  だから、この所得補償という政策を、戸別所得補償、戸別って書いてあるから、ほかの本当に農業の従事者まで広げていくかどうかという、私は、元々の皆さんがおっしゃっていた、すべての農家を対象にという、それと販売価格と生産費の差額を埋めるという、その一つの目標からいえば、これからどんどんどんどんほかの分野の農産物に関してもこれやっていかざるを得なくなっちゃうと思うんですよ。  ただ、そのときに、今でも、正直言ってこのお米の、モデル事業としてやっているお金だけでも、要は全部入れれば五千億以上のお金をやっていて、さっき佐藤理事もおっしゃったけれども、ほかの分野の要は予算がもう大幅に削られているわけですよね。農水省ははっきり全部答えないけれども、幾ら聞いても、今までにこの分野に幾ら使っていたかという農林水産省の予算でいうと、かなり二十二年度から減っていると思うんですよ。ざっと言うと、私が今までいろんなところで答えてもらった中でいうと、お茶関係なんて多分やっぱり三割、四割ぐらい予算でいうとカットされていると思うんですよ。  だから、この戸別所得補償政策をやっていけばやっていくほど、要するに従来の公共事業だけではなくて各分野に支援してきた事業費というのはどんどんどんどん減っていくわけですよ。だから、これをちゃんとトータルで、どこでどういうバランスを取るかということを考えていかないと、これからこの所得補償政策というのは、ある意味では農業全体にとってみるとマイナスになる私は危険性があると思っているんですが、その点、これから要はほかの分野の農産物に対してもどうしてやっていくか、どうして要はこの政策を広げていくお考えなのか、伺います。
  45. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 御指摘をいただいた点は、今後の私どもの全体の政策を、農政をということについての大事な指摘、示唆の点であろうというふうには考えております。  したがいまして、今年の予算の関係から申し上げれば、先ほどの議論のやり取りもございましたけれども、これまで、例えば公共部分についての予算の配分が若干ずつ比率としては増えてきている、その反面、非公共の部分についてはこの間増えるというような予算の組み方がなかった。こういう中で、全体の農業の所得、あるいは高齢化の現状、そして農村の疲弊を考えれば、そうしたところに農業の予算というものをつくっていかなければ、ますます農業というものの展望が見えないだろうというところから今回の戸別所得補償というものを行い、そのための予算というものを確保をしてきたということでございます。  これからそのような観点がどのようになるかということは、またモデル事業を通じてこれからの本格実施の際にも改めて考えていかなければいけない。全体として見れば、国の戦略としての農業というものを、あるいは食料の自給率の向上というものをうたっているわけでありますから、全体の予算の配分というものももちろん私どもとして努力をしていくわけでありますけれども、その限られた配分の中でどのようにしていくかということについては、これからまたいろいろと考え方を巡らせていく必要があるだろうというふうに思っています。  その一つの視点として、これまで以上に消費者の方々、国民の方々の理解を得られる農政の、そして農業予算というものの使い方というものを考えていくことも重要だろうというふうには思っておるところでございます。
  46. 牧野たかお

    ○牧野たかお君 是非それは本当に、今までの政権とは全く違うということを示すためにやるのじゃなくて、本当に日本の農業をとにかくこれからも守り発展させていくという観点で予算の配分というのは決めていただきたいと思います。  それで、今の所得補償政策に伴って関連して質問するんですが、前の政権、石破大臣のときに農政事務所は廃止するという方向を決めました。これはいきさつで言うと、要は汚染米とか何かの対応が悪かったということだったり、いろんな不祥事が続いたということでありますけれども、農政事務所のこれからの扱いというか、どういう方向で、統合するのか、そのまま存続させるように方向転換したのか分かりませんので、それを教えていただきたいと思います。
  47. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) 汚染米のときに、いろんな議論がある中で政府の中では農政事務所の廃止ということを打ち出したと、そういったことと理解しております。一方で、今回組織の見直しの中で、農政事務所、その地方組織も併せて見直すという方向になっています。  やはり今時代の流れの中で、国のやるべき業務というのもまた同じく変遷しているのではないかと思っています。地方分権なり地域主権という流れがある一方で、やはりこれだけは国がきちんと担わなければいけないという責務。それは、例えば食の安心、安全にかかわる問題、それから、今回こういった戸別所得補償のモデル対策をしっかりと進めていき、また本格実施につなげていくという、これはやはり現場段階で普及推進をしていただく組織も必要だということで、今の本省、農政局、農政事務所地域センターという形のかなり細分化された組織をやはりもっと分かりやすく、その一連の流れをきちんとするという意味で少し組織をいじらせていただいております。  具体的には、農政局の下に地域センターということで置かせていただいておりまして、その地域センターの中で、まさにその汚染米の原因となった米のトレーサビリティーのような食品の安全に関する業務、それからそのほかの、BSE等の監視、そういったもの、それから新しい制度の普及というものを担ってもらうということで、今新しい政権の中で、地方局の廃止の問題というのは常にありますけれども、やはり我々とすれば、この農政の円滑な推進に向けて地方局の役割というのは大きいものだと、依然として大きいと思っております。
  48. 牧野たかお

    ○牧野たかお君 ちょっと意地悪なことを申し上げますけれども、これは静岡のあるところで、農業団体で、今、言わばモデル事業で農政事務所の職員の皆さんが市町村へ行ったり、またそういう農業団体のところへ行ったりをされているんですが、そこで民主党政権になったから首がつながったということをおっしゃっている方がいらっしゃったらしいんですが。  要は、二十一年でいうと、この農政事務所を中心に農林省、ほとんど農政事務所ですけれども、三百十八人がやみ専従で処分を受けております。言うなら全農林の組織とすると農政事務所が一番のメーンの職場になっていくんですが、私はほかのところでも言っているんですが、民主党政権になって私はそういうところをみんなが見ていると思うんですよね。だから、ちゃんと改革をする方向で必要なものは残すし、必要でないものはやめるというふうにやっていくなら、私は別に文句もないし、国民の皆さんも納得されると思うんですが、ただ、そういう自分たちの一番の支援母体だから、そこを今度は、自民党のときに廃止すると言ったのをそのために温存していくというようなことでもしお考えになっていったら、私は、本来の農業政策と離れていきますので、そこら辺はちゃんとこれからもそういう方向で、正しい方向でやっていってほしいと思いますけれども、大臣、いかがですか。
  49. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 牧野委員の御指摘のとおりだと思っておりまして、私どもは、必要なものには必要な、これは人も予算も手当てをきちっとしていくと、しかし、これはもう見直すべきだと、必要じゃないと思うものについては、これはもう大胆な見直しをやっていく、当たり前のことだと思っております。  今政務官からも言いましたが、こうした方向で今ありますそれぞれの局、そして農政事務所そのものはなくしていきます。ただ、それが全くそれ以下何にもなくなったときに、じゃ今度始まる戸別所得補償制度は食の安全の問題をどうしていくんだということがありますので、それはセンターという形で、人数は一か所に数名というような形になると思いますけれども、そういうものをきちっと少数精鋭でやっていっていただけるような仕組みに変えていきたい、こんなことを思っております。  私どもになりましていろいろな不祥事も全くないわけじゃありませんけれども、そういうことについても、組合員、非組合員を問わず、やっぱり厳正、公正な形で処分すべきものは処分をしておりますし、そういう労働運動とまた業務とのきちっとした区分ということもやってもらうようにしているところでございます。
  50. 牧野たかお

    ○牧野たかお君 是非そうしていただきたいと思います。  時間がなくなってきたというか、予定していた質問が全部できないんですが、農業農村整備についてちょっと一点だけ聞きますけれども、事業仕分で農道は要らないといって、五百億円ぐらいだったと思いますけれども、大体農道予算というのは。二十二年度はゼロ予算になっちゃいましたけれども、これは本当に農道というのは国が関与しなくてもいいというお考えなんですか。
  51. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 全くそうは考えておりません。  仕分は仕分としてああいう形になりましたが、ただ実際は、今年度ちょっと事業をやればあと二百メーター残ったこの道路がつながるのに、まあここはやらなくていいやというわけに正直言っていきません。ですから、そういうものについては、例の一千五百億の地域が自由に選択できる事業費みたいなことでそういうものを活用したりというようなことで、大体見ていただけると分かると思うんですが、そうしてどうしても必要とされるようなものについては、財源も少ないんですけれども、そういう中やりくりしながら地域の皆さんの御期待にこたえられるように、御要望に最低限こたえられるように措置をしたつもりでございますので、またいろいろ、そうなっていないぞというようなところがあれば、また御要望として出していただければというふうに思っております。
  52. 牧野たかお

    ○牧野たかお君 私、たまたまテレビでそのときゼロにしたところを、まあニュースですからそんなに長くはないですよ、全部見ていたわけじゃないんですが、そのときに、何というんでしょう、仕分人でしたっけ、民間の方が、どうも農道というのを広域農道のことを想定して言っていたみたいで、私の地元というか、うちの周辺の田舎の方の農道のこととこんがらがっちゃっているんじゃないかなというふうに思ったんですよね。  これは、地元のいろんな人と話をすると、さっきの所得補償の話なんですが、山間地ってほとんどお米作っていないんですよ。私のところ、まあ細かいことで恐縮なんですが、元々は私が県会議員やっているときに四つの町があったんですが、そのうち二つの町では水田がゼロなんですよ、山の方ですから。だから、そういうところの人たちからすると、何で米作る人ばっかり国はそういう手厚い支援をして、何で私たちのところは、農道がなければ畑に行けないのに農道をやめちゃうんだというのをよく言われるんですが、私は今、政権だったらいろいろやりますけど、済みません、今は政権の方にいませんからというふうに言っていますけれども。  農道という、やっぱり私は、要は本当に集落、ちっちゃな集落で農業をやっているようなところというのは、農道がないと本当に仕事にならないわけですね。特に高齢化が進んでいるから、今は車で、本当に軽トラックなんかで行く年配の農家の方が多くて、それでもまだ車で行けないところがいっぱいあるんですよ。  だから、そういうのを造らないと、全体的な話とミクロの話、違うかもしれないけれども、農道が要らないというのは、私はすごい乱暴な結果であって、そこら辺はちゃんと、特に、まあ見ている限りですけれども、仕分人という民間の方は都会にお住まいの方ばっかじゃないかなと僕は見ていて思ったんですが、だから、そういう実態が分かっていないままに、国家の予算をこれを削る、削るとか、これをやめちゃえとか、すごい私は乱暴な議論だというふうに見たんですけれども、これはやっぱり農水省としてちゃんと説明をしないと本当に間違った方向に行ってしまうと思うんですが、いかがですか。
  53. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 予算の仕組みを分かりやすくするという意味では、確かに評価もいただいている手法だと思います。  しかし、一方、今委員御指摘のとおりに、必ずしもその仕分をする人たちが政策全般あるいは実態のすべてを把握しているわけじゃありませんから、例えば農業共済に対する国庫負担の問題だとか、あるいは鳥獣被害の問題とか、幾つかのところで私どもと見解が違うことがございました。それについては、法律はこうなっているんだよと、これは法律変えなきゃこれやれるわけがないじゃないかということだったり、あるいは鳥獣被害であったらそういう実態をきちっとお話しするとかいうことで、仕組みは少し交付金の形になりましたけれども、予算を再び獲得をするとか、そういうことでやらせていただいています。  農道についても、言われるとおりに、何か高速道路みたいなものを想定されて言われれば、そんなものは今要らないだろうということになるかもしれませんが、先ほど私申し上げたように、本当に地域の農業にとって、あるいはそうした農作業をする上で必要な道路というのもあるわけですから、そういうものについては、説明をする者がちょっと説明の仕方が悪かったということも一部にはあるかもしれませんが、そういうことも反省材料にしながら、仕分の方たちにもきちっと、なぜ必要なのか、なぜこの予算なのかということを、これはまた独法のこれから事業仕分も始まってまいりますけれども、同じ意味できちっと私どもも御説明ができるように努力をしてまいりたいと、このように思っております。
  54. 牧野たかお

    ○牧野たかお君 是非そこは取り組んでいただきたいと思います。  それで、最後に、この基本計画の後ろに載っている、先ほど佐藤理事が小麦の話をされましたけれども、最後に載っている生産数量目標なんですけれども、多分これカロリーベースで食料自給率五〇%を達成するために、平成三十二年に、だからそれに全体を合わせてこれを割り振っていったんじゃないかなという、そういうことを勝手に思いましたけれども。  その中で、これもちょっと意地悪かなと思うんですが、まず砂糖ね。砂糖は生産量が十年後減っているんですよ。それで、砂糖はカロリーベース取ってみると非常に大きいわけですよね。何で減っているのかと思ったんですが、これはもうWTOとかFTAをその前に締結をどこかの時点でするだろうと、それで掛けている関税が下がるから生産量も減るだろうという話じゃないかと勝手に想像しましたけれども。今、五倍ぐらい多分砂糖の場合は関税掛けていると思いますけれども、これ本当に下げたら多分砂糖、国内生産多分ゼロになっちゃうと思うんですけれども、それはどうなんでしょうかね。
  55. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) 今回の生産数量目標を定めるに当たりましては、今御指摘のようなWTOとかそういったものの関税がなくなったことを想定するとかというものではなく、現状の、今の国際約束の枠組みを前提としてこれからどう生産を伸ばしていくのか、どういう取組をしていくのかと、そういう観点で定めたものであります。
  56. 牧野たかお

    ○牧野たかお君 時間がなくなりましたので、最後、ちょっと我田引水のことを聞いて。  この生産目標の中でお茶は生産数量目標が十年後も下がっているんですが、カロリーとはお茶は関係ないからまあ適当にやっておきゃいいかと、そういう感じで数量を決めたのかなと思ったりもしたんですけれども、私は、そういうカロリーベースに関係ない、カウントできないという農産物ですね、割と農水省は、今に始まったことじゃなくて、元々、みんなが食料自給率自給率、カロリーベースカロリーベースと言うから、すごく扱いがちょっと冷たいんですよ。だから、大体これ、一ついいことは、この基本計画の生産数量の中に品目として入れてくれただけでもいいなとは思っておりますけれども、ちゃんと、カロリーベース関係ない、そういうお茶みたいな農産物も需要を増やす努力をして、生産量を十年後やっぱり増やすぐらいのつもりで取り組んでいただきたいと思いますが、最後にそれを聞いて、質問を終わります。
  57. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) 御指摘のような、カロリーに貢献しないものは軽視していると、そういったものでは全くないということだけは御理解いただきたいと思います。  今回の基本計画の中におきましても、花とか非食用作物についてもやはり所得の増大ですとか農地の有効利用という観点で重要だということを明記させていただきまして、そういうものも育成強化を図るということにしておりますので、お茶も含めてしっかりと生産の振興を図っていきたいという方向は全く変わりませんし、軽視をしているものでもありません。  ただ、お茶については、趨勢的には残念ながら今需要が減っているという状況ですので、そこを何とか食い止めて、また新しい需要開拓ですとか輸出拡大の取組なんかも含めて自給率を九四%から九八%に引き上げようというかなり意欲的な目標も立てさせていただいておりますので、是非、委員におかれましては、御地元のいろんな取組なども教えていただきながら、これからのお茶の振興をしっかりと図っていきたいと思っております。
  58. 牧野たかお

    ○牧野たかお君 最後に、二十二年度予算はもう執行されておりますのでどうこうできませんけれども、また次の予算編成のときには、さっき申し上げた、バランスを考えた中で予算編成をしていただきたいというふうに主張しまして、私の質問を終わります。
  59. 山田俊男

    ○山田俊男君 自由民主党改革クラブの山田俊男であります。  先般、私は三月の十六日の日も、基本計画の素案の段階でありましたが、質疑をさせていただきましたが、本日は改めまして閣議決定されました基本計画について質疑をさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。  私は、どうも頭の中が整理できないといいますか懸念が払拭できないということがこの基本計画並びに戸別所得補償対策の考え方の中にあるということなんです。  例えば、基本計画の中では、これはもう「兼業農家や小規模経営を含む意欲あるすべての農業者が農業を継続できる環境を整備する」と、こういうふうに言っておられる一方で、「経営体が地域農業の担い手として継続的に発展を遂げた姿である効率的かつ安定的な農業経営が、より多く確保されることを目指す。」と、こうされているわけです。  小規模農家、兼業農家も含めた、これらがやっていける対策を講ずるんだぞということについて異論があるのかといったら、私は異論があるわけじゃありません。いや、まさにそのとおりなんだと言うんです。ところが一方で、いや、そうは言ったって、効率的かつ安定的な農業経営、これつくるということなんだぞと言うと、おいおい、それじゃ、そのつながりはどうするんだと。それから、いや、本当のねらいは効率的かつ安定的な農業経営、これを大々的に進めるという思いがあって、それをちょっと後ろに隠しているんじゃないかなんて思ったりするんです。  要は、どうもここの規定の仕方についてダブルスタンダードというんですかね、こっちの側面ではこう言うよ、こっちの側面ではこう言うよというふうに思えてならないんです。それでしつこく前回からもこだわっているわけであります。  そこで、二つのことがあるんです。  一つは、三月十六日の質疑において、これは納得できない、ダブルスタンダードだから納得できないということで、基本計画でどこを目指すのか、将来の農業者の経営展望を描くべきじゃないかというふうに質疑させてもらったんです。そのときに、いや、その経営展望については今検討中でありますよということであったかというふうに思います。  その後、企画部会に、これまでの旧の基本計画では三十五の経営類型を示すという取組だったわけですが、今回、地域に実在すると思われるようなそれぞれ経営体、そういう面では、小規模であったりそれから兼業農家であったりということも含んだ一定の地域にある経営体が、創意工夫、それと規模拡大やそれから新しい作物の導入やそれから加工等の取組をしていく中で発展していける絵はこんな絵なんだぞというふうに書いておられるんです。  これは私は一つの試みであって、ダブルスタンダードをどう埋めていくかということについて努力されているのかということで私は評価したいというふうに思うんですが、この経営展望の位置付けは、これは閣議決定されたんですか、それとも省議で決定されたものですか、それとも企画部会のただ単なる附属参考資料として出されたというだけのものなんですか、その位置付けをお聞きします。
  60. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 最後のお尋ねからお答えをいたしますと、閣議決定に付されている材料ではございません。私ども三役の方の政務三役会議におきまして確認をし、審議会等にお諮りをした、そして活用をしていると、このような内容だというふうに御理解をいただければと思います。
  61. 山田俊男

    ○山田俊男君 大臣、私なかなか良くできていると思うんです。だから、大分事務方はそれぞれ今までの経験も踏まえて検討されて作られたものなのかなというふうに思います。  とすると、大臣、これまでも地域水田農業ビジョンを地域で作ろうじゃないかということを大々的に進めてきた経緯があるんです。それは、旧政権、前政権が効率的かつ安定的な農業経営をつくるためにその目指す方向としてやってきたんだろうというような言い方をしないで、よくよく地域に根差した経営をみんなで相談してつくり上げてくる、地域の実態に合ったものをつくり上げてくる、そのことと今度お出しになった経営展望をどんなふうに参考にしながら位置付けていくのかな、みたいような私は大運動を展開すべきだというふうに思うんです。どうもただ単なる参考資料らしいんですけれども、経営展望の改めて位置付けなり、それから運動展開の材料としての活用、これについてお聞きします。
  62. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) ただ単にということではございません。前政権のときにも同じような展望というものをお出しをいたしましたが、そのものも前政権のときにおいても閣議決定というようなプロセスを経たものではございませんので、それはある意味変わっていないというふうに御理解をいただきたいというふうに思っています。  それから、先ほど言及いただきましたように、できるだけ例示という形をしましたけれども、多様な経営の在り方を実際にあるモデルを若干加工などをしながら全体的に使えるような形のものとして提示をさせていただいておりまして、今ありましたように、それらが一つの参考としていろいろなところで取り組まれるというのは非常に喜ばしいことだろうというふうに思っております。  ただ、先ほど花卉の話が出ましたように、労働集約的である、かなり収入が伸びるということと併せて、かなりの労働の時間が増えるというようなものも散見をされますので、そのようなところは、どのようなバランスを取りながらかということはそれぞれ地域の中の実情に合わせて行っていく、そのような形になるだろうというふうに思っております。
  63. 山田俊男

    ○山田俊男君 当然、雇用確保をどう進めるとか、それから重要作物をどんなふうに選択するとか、創意工夫するとか、機械を導入するとか、農地の利用集積を具体的にどんなふうに進めるとか、それを地域でどんな話合いをしていくのか、ここはもう大きな運動になると思うんです。どうぞ、大臣、しっかりこの取組に名前を付けていただいて、大々的にこれを進めていくという決意を並行してやっていかれたらどうかということを申し上げるんですが、大臣、いかがですか。
  64. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 山田委員は山田委員としての認識、見識をお示しになったというふうに思います。  どちらにしても、こうした私どもの今後十年を見通しての基本計画が単に絵にかいたもちということにならないように、しっかりと数字の上でもそれが実現できるように、その中身を豊富化するためのものが今言ったそれぞれの展望とかいうものでございますので、そういうものは少しでも地域の皆さんに参考にしていただきながら活用していただければ、そして、ああ、こんな例もあったんだ、こういうやり方もあるんだということを知っていただくことは非常にいいことだと思いますので、そんなことも含めてしっかり頑張ってやっていきたいと思っております。
  65. 山田俊男

    ○山田俊男君 もう一つは、四月一日の日にも私質疑させてもらいまして、それは農業改良資金の貸付対象農家の要件についてでありましして、これは、基本計画にもこの金融対策について盛り込んでおりまして、意欲ある農業者が農業経営の発展を目指すことができるように資金調達の支援を図る、という趣旨で盛り込んでおられます。  ところで、どうも、この農業改良資金の法改正も賛成したわけでありますけれども、対象要件について、従来の効率的かつ安定的な農業経営を目指すという方向の中での一定規模を制約した対象要件になっているんです。これは是非見直ししてしかるべきではないかと。まさに、先ほど来言っていますダブルスタンダードをきちっと新しい基本方向の観点で整理していくという意味合いからしても大事じゃないかというふうに申し上げて、議論させてもらったんですが、大臣はその際、一定規模に至らない人には都道府県で対応している場合もあると、それでも足らなければそういうものについて検討していけばいい、という御答弁ですね、途中でされていたわけでありまして、是非この観点での検討を行ってほしいんですが、検討状況は大臣いかがですか、お聞きします。
  66. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 自民党の皆さんにも御賛成をいただいて、まだ改良資金の法案通ったばかりでございますので、その後検討したかと言われても、これは正直言って、今日もビルサックとの交渉その他がありまして、検討いたしておりません。  しかし、私が申し上げたのは、今回の法案というのは、改良資金の法案は主業農家を対象にしたそういう融資制度でございまして、家族経営といいますか、小規模の人たちに対してどうしていくかということは、いろんなことをやっぱり考えていくということは決して否定いたしませんので、また山田委員を始め委員各位のいろんな御意見をいただきながら、もし必要であればどういうことが必要なのかということは考えていけばいいと思っております。
  67. 山田俊男

    ○山田俊男君 是非、ダブルスタンダードの懸念に対してきちっとこたえていくという一つの方法として、私は、どうぞ、制度資金のそれぞれの対象農家の要件についてもう一回見直してみると。実態に合ったように見直して、借りやすくして、小規模農家も兼業農家も経営を発展させていけることができるようにするという、そのねらいに合った仕組みに、こんなふうにしたよという取組は是非必要だというふうに思いますので、引き続き検討を深めてもらいたい、是非お願いします。  それで、私はこの戸別所得補償対策におきます対象農家の選び方、それから今回の対策の仕組み方について、農林水産省政務三役の政治主導たるや、これはなかなか見事だというふうに思っているんです。政治主導そのものについては、党の方は、民主党の方は、民主党を支持しないと要望は聞かないぞと、どうもそんなような雰囲気になっているんじゃないかということがあって、政治主導の気に入らないところもあるんですが。ただ、財務省の壁を大きく突破して、前政権では到底できなかったですよ、岩盤をつくるというこの仕組み。よくこれだけの岩盤を思い切ってつくられたということだけは評価するんです。金に糸目を付けずに、かつまた、先ほど来議論ありましたけれども、農業基盤整備等、土地改良予算を大幅削減しながらおつくりになったわけでありますから、それは評価はいろいろありますけれども、政治主導については私は見事というふうに思っております。  ところで、それじゃ、だからといって、このことで将来展望が開けるのかということになると、またまた懸念といいますか心配がわいてくるわけで、いかに条件整備を整えていくか、このことが物すごく大事になります。ちなみに、これは戸別所得補償についても、従来の民主党の法案をお出しになったときの議論として、要は規模拡大加算を検討していくということがあったわけでありまして、これらについて着実に手を打っていかないと形が私は整わないというふうに思うところであります。  一体どういう規模加算を想定しているのかということなんですが、閣議決定された基本計画で見てみますと、どうもこの規模加算等についてトーンが落ちているんじゃないかというふうに思うんですよ。だって、規模、品質、環境保全の取組に応じた加算について、他の生産・経営関係施策等との関係を整理しつつ、制度上の位置付けを検討する、というふうに書いてある。  制度上の位置付けを検討するということになるとどういう意味合いなのかという心配があるわけでありますが、一体これ、検討しているんですか、していないんですか、お聞きします。
  68. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) そのお答えの前に、度々ダブルスタンダードというようなことで、あたかもダブルスタンダードがあるというようなことになってはいけませんので若干お話をさせていただきたいというふうに思いますけれども、この担い手の議論はまたこれからいろいろやっていかなければいけないというふうに思っております。  ただ、これまでの前政権のときも、いろいろとWTOの交渉の結果もありましたでしょう、直接支払も考えていかなければいけないというようなことの大臣の説明があって後、品目横断などを取り入れた。しかし、元々はその補てんは基金で行ってきて、広がればそのものが少なくなってくる、それも変えていこう。あるいはまた認定農業者、担い手ということの要件もそれぞれ緩和をしながらその数を増やしていこうというようなことは、これは前政権でもずっと行いながら、初めからのところだけではやはり無理があるんだということで、これまでの農政というものもあったんだろうというふうに思っております。  したがって、私どもは、結果として担い手が思った数にまで到達をしなかったということも含めて、これまでの反省の中から、全体を、多様な農業者というような形の中でいかに担い手をそこからつくり出していくか、そのことについての農政をこれから行っていこう、そのような形でありますので、決してダブルスタンダードではないんだということは申し上げておかなければいけないというふうに思っております。  その上で、これからの本格実施に向けて、この加算というものについて、一つは規模の加算ということがあるわけでありますけれども、今も委員の方から御指摘があったように、制度をきちんと整える中で行っていくということについては、これはそのとおりであります。しかし、その中で従前よりも考え方等が後退をしたのかというようなことにつきましては、そのようなことではなくて、本格実施に向けての制度設計の中で、まさにモデル事業の中での検討をきちんと行っていくということでございます。
  69. 山田俊男

    ○山田俊男君 これは針原総括審議官にお聞きしたいと思いますが、私が提出した資料を御覧いただきたいというふうに思います。  平成十年以降の稲作農家に対する経営安定対策を現時点まで掲げて比較した表であります。これまで針原審議官は稲作経営安定対策を始めとする各種の取組にかかわってきたかというふうに思います。これまでの稲作経営安定対策を見てみましても、非担い手対策について稲得といわれる対策を講じてきているわけであります。それから、さらにその次の対策として稲構という対策も講じられているわけであります。  それぞれ認定農家と集落営農等を対象とした経営安定対策がそれに上積みになる、二段階の方式として措置されてきた経緯が私は見て取ることができるかというふうに思いますけれども、これらの取組と今の米のモデル事業である戸別所得補償制度と、どこがどう違うんですかね。おっしゃってみてください。
  70. 針原寿朗

    ○政府参考人(針原寿朗君) 事実経過を中心に御説明いたします。  確かに十年度、稲作経営安定対策、この資料では認定農家は九割になっておりますが、十年度におきましては認定農家の上乗せはなくて一律八割でスタートいたしました。この発足に当たっては当時の山田先生と随分議論をした記憶がございます。  その後、十六年度に米政策改革ということを導入するに際してこのような扱いになったわけですが、この米政策改革の思想というのは、生産調整についてはできるだけ生産者の自由な判断にゆだねる方向で、六年掛けて持っていこうじゃないか。二つ目は、地域の自主性を尊重しようじゃないか。それまで生産調整の助成金は全国一律でやっておりましたが、それではなかなかできない地域もあるので、地域別の単価の設定ができるようにしようじゃないか。三つ目は、助成対象の選択と集中を行おうということで、担い手経営安定対策、北海道十ヘクタール、都府県四ヘクタール、集落営農二十ヘクタール、基本的な要件はここで固まっておるわけでございますが、それを導入すると、こういうような方向を打ち出したわけでございます。  他方で、いきなり十ヘクタール、四ヘクタールということに絞るということはなかなか現実的に難しいだろうということで措置されたのが今先生御指摘になった稲得という、稲作所得基盤確保対策でございます。これは、激変緩和という意味合いを持ちまして、三年間で打ち切られるというものでございました。  また、このとき、お米に助成をするのか、麦、大豆に助成するのか、相当激論がございました。これを地域で選んでいただこうということで、地域によって、お米に対する助成、この稲得の助成を産地づくり交付対策の方に上乗せするというブリッジを架ける措置も講じて、これも地域の自主性尊重という流れでございます。  その後、十九年でございますが、十九年からのいわゆる米政策改革二期対策、後の三年でございますが、そのときに、品目横断経営安定対策、今の水田・畑作経営所得安定対策が講じられ、これも認定農家に選択と集中をするという方向性の中で、三年間で打ち切るはずだった激変緩和措置を、稲構という形で思想を受け継ぎながら要件を変えて受け継いだというのが歴史的な経過でございます。  今回の措置は、自給率の向上のために国が先導的な役割を担おうということで全国一律の単価設定を行う、国の役割を施策の中で選択と集中を行う、自給率向上のために予算を集中化するということで措置すると。それから、担い手に対する選択と集中ではなく、多様な担い手を育てる中で農業の底上げを図っていこうという、こういう思想的かつ歴史的な農政の大転換を行ったわけでございます。ですから、単に助成対象が販売農家をカバーするということのみをもって継続されたということには私としてはならないのではないかと思っております。
  71. 山田俊男

    ○山田俊男君 いろいろ議論し出すとそれは止まらなくなっちゃうんですが、しかしそれにしても、この比較した絵を大臣よく見ていただいて分かりますように、要は非担い手を対象にした、言うなればすべての販売農家といいますか、これを対象にした対策と、それともう一つは、認定農家、さらに集落営農等を中心にして、これは担い手と思われる層を対象にした対策という形での、およそ二本線の形でここ十数年来経過してきているということは間違いないわけであります。  そして、今度の米戸別所得補償対策は、要は水田経営所得安定対策という前回の取組を一部で引き継ぎながら、それはそれで担い手対策を中心にした対策になっています。今、具体的にきちっと実行したのは、十アール当たり一万五千円という価格差を補てんする形でのすべての販売農家対策なんです。  今、私が議論したいのは、皆さんも目指すと言われる効率的かつ安定的な農業経営、地域の農業を担う担い手層をつくり上げていくというこの取組の中での加算の仕組み、これクエスチョンマーク付けてあるんだよ。ここへどういう内容のものをちゃんと入れてくるのかということは、必然的に私は対策として考えざるを得ない対策なんだろうと、こんなふうに思っているからこそこの経緯を見てもらったわけであります。  さて、これは今井局長にお聞きしますけど、今年の水田・畑作経営所得安定対策の加入はどういう状況になっているのかと。これは、今年ですね、二十一年度の実施状況。そして、二十二年度も、実を言うと、これ見て分かるように、担い手部分に関する水田・畑作経営所得安定対策は、この戸別所得補償制度と継続されながら並行的に今動くとされている。二十三年度以降の本格実施になってその扱いをどうするかという議論はあるということだけれど、今の段階は二十二年度は並行的に実施されることになっているわけで、二十一年度の実績はあるはずだし、それから二十二年度の、当然のこと、どんな取組なのかという実績もこれから出てくるはずですよね。これまでの実績についてお聞きします。
  72. 今井敏

    ○政府参考人(今井敏君) 水田・畑作経営所得安定対策の二十一年産の加入状況についてお答えいたします。  まず、加入経営体数でございますけれども、二十一年産で認定農業者で七万九千五百五十七、集落営農組織で五千六百七十六の、合計八万五千二百三十三となっております。  次に、対象品目ごとの対策加入者の作付けカバー率でございますけれども、麦について見ますと、全国の麦全体の作付面積約二十六万六千ヘクタールに対しまして、対策加入者の作付面積が二十五万六千ヘクタール、カバー率でいきますと九六%ということで、本対策でほとんどをカバーしていると。大豆につきましては、全国の大豆全体の作付面積約十四万五千ヘクタールに対しまして、対策加入者の作付面積が十二万一千ヘクタール、そのカバー率八三%ということで、販売向けのものにつきましてはこの対策でほぼカバーされていると、そういう状況でございますけれども、一方、米について見ますと、全国の米全体の作付面積約百六十二万一千ヘクタールに対しまして、対策加入者の作付面積は約四十九万一千ヘクタールで、そのカバー率は三〇%にとどまっているという状況でございます。  先生から御指摘ありましたように、これは二十一年産の数値でございまして、二十二年産につきましても本年はモデル事業と並行してこの対策も走ることになっておりまして、加入手続はこれから、今始まっておりまして、数値につきましてはいましばらくたたないと分からないという状況でございます。
  73. 山田俊男

    ○山田俊男君 米はカバー率は三〇%という状況でありました。ところが、麦、大豆は見事なくらいのカバー率になっているんです。要は、政策的には、大臣、いいものはいいとして評価していくという取組が大変大事なんだと思うんです。米三〇%といいますが、これは局長、お聞きしますけれど、地域によりまして、県によりまして相当の差があるはずなんだよ。場合によったら九〇%、場合によったら八〇%、場合によったら六〇%という県や地域が出ているはずなんですね。そういうところを、どうですか、お聞きします。
  74. 今井敏

    ○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。  都道府県別の対策への加入率、カバー率を見てみますと、各県ごとの米、麦、大豆を含めました合計の作付面積に占める対策加入者の作付面積のカバー率が高いのは、麦、大豆等の作付面積が多い北海道ですとか佐賀ですとか福岡、そういった県が対策全体の面積に占めるカバー率が高いと。米だけでいきますと、北海道、佐賀、山形、秋田、富山、こういったところが米での加入率が高い県というふうになっております。
  75. 山田俊男

    ○山田俊男君 米で低いといいましても、私のふるさとの富山県であれば、県下全体で六〇%近い水準です。県下全体で六〇%のカバー率ということになりますと、地域によりましたら、もう七〇%、八〇%のカバー率になっているものなんです。七〇%、八〇%が、こういう形で、言うなれば認定農家、それに準ずる農家並びに集落営農等でカバーできているということになりますと、相当な私は取組が進んでいるというふうに見ていいというふうに思います。  どうぞ、大臣、いいものはいいとして評価して、そして今並行して実施している水田・畑作経営所得安定対策を生かしていくという、こういう判断が私は大変大事になってくるのではないかというふうに思います。大臣にお考えをお聞きします。
  76. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 今いろいろ数字を出されておりましたし、また都道府県によっても相当ばらつきがあるということも御案内のとおりでございます。  いずれにしましても、こうした実態を踏まえまして、二十二年度の戸別所得補償モデル事業では、対象を一定規模以上の農家に限定をせず、すべての販売農家を対象にしているというような形を取らせていただいております。  今後の水田・畑作経営所得安定対策の取扱いでございますけれども、本格実施に向けてどのような形にするのか、できるだけ分かりやすい、制度ごとの役割分担が明確になるような、そのような検討を行っていくつもりでございます。
  77. 山田俊男

    ○山田俊男君 本川局長にお聞きしたいんですけれども、日本農業新聞見ていたら、大豆の作付面積がどうも一割ほど減るというふうに出ていてえらいびっくりしたんですが、ところが、その翌日は誤報だということが分かって、こんな大事なことを誤報しているようじゃいかぬというふうに思いますけれども。ところが、地方で聞いてみますと、大豆の作付け、減るぞという情報がいっぱいあるんです。  理由は、やっぱり単価を一律にしたと。もちろん激変緩和の措置を講じられたということは評価するんですけれども、それにしても単価を一律にしたということと、それともう一つは、ブロックローテーションや団地化加算や集落営農の取組加算等々、地域で、地域の実態に合わせて多様な、言うなれば従来の転作助成金や産地づくり推進交付金を活用してきた、それがうまくいかなくなってきているということが影響を及ぼしているというふうに見ておるんですが、大豆の見通しについて、局長、どんなふうに見ておられるんですか。
  78. 本川一善

    ○政府参考人本川一善君) 大豆の見通しについて、私どもとしては、この前、農業新聞報道がございましたけれども、表で作っている大豆につきましては九千ヘクタール程度増えるという積算をいたしているところでございます。  それから、最初の報道には、例えば麦で転作の助成金というか、今度の助成金三万五千円をいただきながら表で大豆を作るという二毛作的な大豆作付面積が入っておりませんので当初の報道では減少するというようなことになっておりましたけれども、その二毛作部分についても一万五千円の支援を行うということでございますので、積極的に加入していただけるように、取り組んでいただけるように振興してまいりたいというふうに考えております。
  79. 山田俊男

    ○山田俊男君 本川局長、私は、言うなれば転作助成金、もっと言うと産地づくり推進交付金ですか、平成十六年の生産調整の取組について生産数量目標に転換すると、そうした中で、より団体の取組、生産者の取組を自主的なものにしていくと。関連して、この転作助成金に該当するものについても交付金の仕組みにして、地域で、要は地域の判断で重点作物を決めたり、さらには団地的な取組やブロックローテーションの取組に重点的に対応していくという取組が可能なようにしたわけですね。  もっとも裏がありまして、そうする代わりに、推進交付金については三年間か、何年間か固定だと、だからその間は生産数量目標が拡大する、言うなれば、生産調整が拡大してもその交付金については金額変えないんだぞというのがあったわけでありまして、ここはもう難しいところだった判断でありましたけれども、この自由に使える交付金の仕組みに転換したわけであります。  この転換、私は基本的に悪くなかったと思うんですよ。それをなぜ今回一律の方式にしたんですか、お聞きします。これは、局長、答えられます。
  80. 本川一善

    ○政府参考人本川一善君) 当時の産地づくり対策を導入した理由でありますが、当時の文書なり見させていただきますと、例えば平成十四年十二月の米政策改革大綱におきましては、地域の多様な取組にこたえられる新たな発想の下に、対策期間中、安定した一定の交付額により水田農業の産地づくりを進める対策を創設するというふうに書かれておりまして、まさに委員がおっしゃったとおりの自由な地域の取組を奨励するという観点と、それから一定の交付額によって取り組んでいくという対策として設けられたという経緯でございます。
  81. 山田俊男

    ○山田俊男君 大臣、やはりこれも、いいものはいいとして伸ばしていくという観点が必要で、とりわけ地方分権地域主権ということをしっかりおっしゃっておられるわけでありますから、また、当然のこと、生産者、生産団体の自主的な取組というものも求められるわけですから、そういう観点でこのやはり助成金を生かしていくという姿勢が必要だと思うんです。  激変緩和対策は、大臣は今後本格実施の中で検討していくんだよということをおっしゃっていただいているわけでありますけれども、どうぞ、本格実施の中で、この助成金のありようについて、いいものはいいとして生かしていく観点で見てもらえるというふうに思うんですが、大臣のお考えをお聞きします。
  82. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 激変緩和の措置にしろ、この品目横断の政策にしろ、それぞれ大きな役割を果たしたと思っていますし、特に昨日の衆議院の質問でも、激変緩和、おれのところは下がってと。いや、じゃ一回きちっと調べましょうといって調べたら、全地域議会でもうそれぞれがちゃんと前年度以上あるいはそれを大きく上回る額が補償されていたということで大変喜んでいただきました。  ただし、こういう今評価をいただいている政策が、こういう別個の、別の政策としてやることがいいのか、あるいは二十三年度からの本格実施の中で、その中に織り込んで、仕組みとしてその中の政策としてやるのがいいのか、これは今のモデル事業の実施状況を見てみないと、そしてまた各委員の皆さん方の御意見もちょうだいをしないと、そしてまた関係団体、いろいろありますので、そういう人たちのより使い勝手のいい形はどうなのかみたいなことをしっかりお伺いをする中で決めさせていただきたいと思います。
  83. 山田俊男

    ○山田俊男君 大臣は、今度の仕組みの中で生産調整をちゃんとやる農家が増えてくるんだから、ましてや生産調整の取組と併せて一万五千円を払うという、そしてまた米価が下がったときは補てんするという仕組みを含めて設定しているんだから、これは生産調整はちゃんと進むんだと、米価が下がるようなことはまずあり得ないと、こうおっしゃっていて、それは大変心強いことは心強いんですが、ところが、どうも最近の私も地方を回ってみまして動きを見ると、米価は下がりますね。米価が下がったときに、いや、実は後ろに財源があって、千円か千百円ぐらい下がったって大丈夫なんだというふうにこれまた言えば言うほど、これはまた関係者、関係機関から、おお、米価下がってもいいんなら、おい、下げようかというような、話をしてみたらとんでもない話なんです。  そこで、大変私は心配なのは、まさか大臣が、何といいますか、米価が下がってもいいみたいなことは到底言えないわけですから、今は絶対下がらない、しっかりやってくれというふうにおっしゃっておられるというのは当然だというふうに思います。  しかし、大変杞憂がありまして、政務三役の皆さんも、それからお並びの局長さん、審議官の皆さんも、もしかして、おい、これで米価が下がってもしようがないぞと、むしろ下がった方が生産者の自覚ができて、そして、痛い目に遭ってでも米の世界はそこから新しい世界が開けてくるんだというふうに、もしもこの長い米の歴史の中でそういう転機かなというふうにお考えになって、このことをいろいろ考えておられるとすれば、私は物すごい手ひどい打撃を受ける気がするんです。  もっとも、二つのことがあるわけで、今年の夏は作が場合によったら悪いという状況で米価が上がりましたということになったらもう何の心配もないんです。これはうまくいったな、一万五千円は出るし、米価は下がらないし、うまくいったという話で済むかもしれない。  ところが、その一方で、これはもしも米価が大きく下がってしまったときは、大臣、幾らお金を準備しているといったって、千円を超えて下がるといったときに、もう財源はないわ、そしてかつ米は腐らないですから何年も残りますから、そこの後の苦しみたるや大変なことになるんです。  是非、大臣、ここはちゃんと生産調整やろうじゃないかと、そして計画生産をしっかり実現していこうと、そのための対策をこういう形でちゃんとつくったんだよということを、やはり皆さん一緒に主張していくという姿勢が何としてでも私は必要だというふうに思いますので、改めて、もう時間ありませんが、大臣、簡潔に。
  84. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔に願います。
  85. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 山田委員の御指摘のとおりだと思っております。  私どもも、四月一日から、この制度は強制ではありません、自らの意思で参加するかしないかを決めていただくという大前提がありますけれども、のぼり旗まで作って、各地方組織それぞれが個々の農家を直接お邪魔をするぐらいのつもりで、全農家お邪魔するぐらいのつもりで、是非、自らの意思でこの戸別所得補償制度に入っていただく、参加をしていただく。その中で、生産数量目標を自動的に、入るということはきちっと守っていただくということになるわけですから、そういう意味で制度として成功させ、御心配のような向きがないようにしっかり取り組んでまいりたいと思います。
  86. 山田俊男

    ○山田俊男君 ありがとうございました。
  87. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 午後一時まで休憩いたします。    午後零時二分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  88. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、主濱了君が委員を辞任され、その補欠として下田敦子君が選任されました。     ─────────────
  89. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査のうち、食料・農業・農村基本計画に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  90. 下田敦子

    ○下田敦子君 本日は、貴重なお時間を賜りまして、委員長様始め各委員に厚くお礼を申し上げます。また、赤松大臣におかれましては、再度この御答弁の場をいただきまして、深く感謝を申し上げます。ありがとうございます。  それでは、まず第一のお尋ねでございます。  先般、ドーハで開催されましたワシントン条約第十五回の締約国会議、クロマグロの禁輸の委員会での諸外国の厳しい交渉に多くの理解を得られました赤松大臣並びに関係各位の御努力に対して敬意を表したいと思います。あわせて、今後更なる自然保護対策に御尽力されますことをいろいろとお願いを申し上げたいとともに、漁業資源保護対策に対する農林水産大臣の御所見をお伺い申し上げたいと思います。
  91. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) さきのワシントン条約締結国会議におきまして、クロマグロについて多くの皆様方から御支援をいただいた結果、非常にいい結果が出たというふうに喜んでいるところであります。太平洋クロマグロを始めとした漁業資源につきましては地域漁業管理機関科学資源評価に基づき的確に資源管理を行っていくということが最も適切であるという私どもの主張が理解を得られた、その結果だろうというふうに思っております。  今回の結果を受けまして、我が国といたしましては、大西洋クロマグロ資源を管理をする大西洋まぐろ類保存国際委員会、ICCATでございますけれども、におきまして科学資源評価を踏まえた十分に効果のある資源管理措置が決定をされ、各国がこれを確実に遵守する体制の確立に向けて、従来にも増して積極的なリーダーシップを発揮をし、乱獲防止の先頭に立ちたいという考えでございます。  我が国への輸入につきましても、ICCATのルールを遵守をしない大西洋クロマグロについては一切輸入をしない方針でございまして、昨年度について見ますと二千三百トンがそのような量となっております。  以上でございます。
  92. 下田敦子

    ○下田敦子君 一般の主婦、消費者はもちろんでありますが、すし屋さんが大変ほっとして喜んでおりましたことをまず感謝を込めて申し上げたいと思います。  じゃ、次のお尋ねに入りたいと思います。  先々月、赤松大臣は青森県弘前市にお出ましくださいました。二〇一〇年から農家の戸別補償モデル対策がスタートするに当たりまして、計画生産に対しての予算を確保したとのお話から、マクロベースで見れば相当な魅力的な水準の支援策が講じられたのではないかという期待の声が聞かれます。つきましては、この度の戸別補償の理念が果樹農家に合わないのであれば、果樹農家に対する具体的な補償について赤松大臣の御見解をお尋ね申し上げたいと思います。
  93. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 果樹でございますけれども、これまで優良品目あるいは品種への植え替え、あるいはまた需給調整のための加工仕向けへの支援策を講じてきたところでございます。平成二十二年度予算では対前年度比二五%増となります八十八億円を措置をしたところでございます。  この果樹でございますけれども、恒常的に販売価格が生産費を下回っているという状況では必ずしもないといいますか、全体としてそのような形に見ることができないということから、現在検討中の戸別所得補償制度の仕組みがそのまま適用されることということには今考えておらないところでございます。しかしながら、たくさん取れた、あるいは取れるものが少なくなった、あるいは需給状況等による価格の低下等がございまして所得が減少するということが往々にしてあるわけでございます。そうしたことから、経営安定のための何らかの対策は講じていかなければいけないんではないかというふうにも考えております。  このため、今後、本格導入を目指しております戸別所得補償制度の検討の中で十分にこれからの対策について検討をさせていただきたい、そのように思っているところでございます。
  94. 下田敦子

    ○下田敦子君 大変全国の果樹農家は喜んで今の御答弁をお伺いしたと思います。  それで、私事で恐縮ですが、二十年ほど前に全国フルーツサミットというのが愛媛県の八幡浜で開催されたことがあります。私はリンゴ代表して呼ばれて参りました経験がありますが、ミカン、桃、ブドウ、ナシ、そしてリンゴということで五人の代表者に基づいてのいろんなサミットが開催されました。そこで思ったことは、八幡浜はミカンの産地であります。物すごいミカンの栽培の山と言った方が私はふさわしいんではないかと思いますが、そこにトロッコで登っていって、なおかつ、あの急な坂の台地にミカンの木がたくさんございまして、脚立に上って仕事をしている主婦の方を目の当たりにいたしまして、私は大変な作業だなとつくづく二十年前にそう思いました。  また、青森県においてなんですが、台風がもう決まって必ずおいでになるものですから、台風の直撃を受ける受けない、それでテレビにもう本当に食い付いていろいろその情報を得ているわけなんですが、不幸なことに何回かその直撃を受けたことがあります。私も農家の皆さんと一緒にその直撃の場に居合わせまして、ぼたぼたぼたぼた落ちるあの赤いリンゴが本当に、涙しながらただ見ているだけというあの農家を目の当たりにして、本当に作業というものは大変だなと。米よりも何倍も手数が掛かるということを言います。されば、いわゆる農業共済がどれぐらい進んでいるかというと、なぜか進まない。これはやはり共済金が高いと言う方もおります。  いろいろそういう状況にありますけれども、是非是非こういう意味から大臣に私はお伺いしたいと思うんですが、リンゴ等の果樹経営支援、これと果樹安定対策事業に代わる支援策を、二〇一一年以降に所得補償的な制度を考えていきたいと先般大臣がコメントをおっしゃられたことが報じられています。その具体的な内容、希望的、御準備でも結構ですから、よろしくお願いしたいと思います。
  95. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 先ほど郡司副大臣も申し上げましたけれども、リンゴを始めとする果樹につきましては、構造的、恒常的な形では生産費と販売価格が逆転をしているという状況にはないと思っております。  しかし、今委員御指摘のとおり、私も青森に行かせていただきリンゴの実態を見る、あるいは和歌山へ行ってミカンの実態を見る、また九州もミカン等をやっておられるところも多いわけですが、どこも一律に、この景気の低迷もあるかもしれませんけれども、価格の低迷の中で大変経営に苦しんでおられる、そういうところが多いわけで、どの地域からも是非こうした果樹も含めて戸別所得補償制度でしっかり支えてほしいという御意見をいただいてまいりました。  今の実態は確かにそうなんで分かるんですけれども、しかし、果樹の場合は、比較的規模についても本当に大規模にやっておられるところから、和歌山なんかこんな急峻な坂のところでミカンを植えてやっていらっしゃる方もあると。規模も経営の形態もかなり違うという中で、現在、米、水田を中心にやっておるこの戸別所得補償制度のような全国一律というような制度が当たるのかどうか、これはちょっと考えてみなければいけない。  しかし、副大臣も申し上げましたように、何らかの手だてをしないと、果樹経営の皆さん方、特にリンゴを始めとして、こういう経営の皆さん方は大変厳しい状況にあるのも事実でございますので、現在も、改植等に対する、あるいは優良品目への改植や、そういういろんな手だてをするための果樹対策事業だとかあるいは果樹経営支援対策事業とかいろいろございますけれども、こういう制度の中身でいいのかどうか。それぞれ前年と比べまして額は増やしておりますけれども、こういう支援策でいいかどうかもう一度しっかり見ながら、より経営の皆さん方に応援できる、しっかり経営を支える、そういう中身に、もし見直すところがあるとすればそういうことをやりながら、必ずしもこの二十三年度からの戸別所得補償制度に入れる入れないはまた別の問題として、一番果樹経営に合った支援策を考えていきたいと、このように考えております。
  96. 下田敦子

    ○下田敦子君 大変心強い御答弁、ありがとうございました。よろしくお願いを申し上げたいと思います。  さて、次の質問に移らせていただきますが、平成二十年度の我が国におけるリンゴの消費量は十五万一千三百四十二トンでございました。特に日本の男性の果物の摂取量が低いと言われております。これを栄養学的に申し上げますと、カリウムの摂取量が少ないということであります。このカリウムが不足するとどうなるかというと、神経とか筋肉の働きに非常に重要な作用を持っておりますので、この点をひとつ農林水産省、よろしくPRのほどお願い申し上げたいと思います。  そこで、国産のリンゴの生産量が平成二十年度で二万三千七百五トンであるのに対して、輸入リンゴが十二万七千六百三十七トンもございます。私もワシントン州とかいろいろ収穫の場面その他を見て回る機会がありましたけれども、とてもとても消毒その他がきつくて、ウオーターダンパーという木箱に入れてゆすいで、そのまま付いた土を払っているという状況でございまして、国産のリンゴの丁寧な扱い方とはいささか違うなというのが率直な思いです。こういうたくさんの輸入量が、国産リンゴの収穫高に少なからず影響を与えているのが現状でございます。  そこで、最も大変な状況をお願い申し上げて、御報告したいと申し上げます。  果汁そしてトマトの加工品、これの農産物の十二品目に関する日本の輸入制限措置について、ガットの再提案が内示された経緯があります。リンゴの濃縮果汁など偽装事件がしばしば起きます。この背景には、海外からの安い輸入果汁を、粉末で来ているものとかそういうものを企業が原料として使用して、消費者も値段だけで選んでいるのではないかという声すらこのごろは聞かれるわけでありますが、かなりの問題があると認識しております。  それで、この輸入果汁に対する国産果汁の競争力を高める必要があると考えますが、赤松大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  97. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) 御指摘のとおり、リンゴの果汁ですけれども、自給率が一六%ということで、リンゴジュースの大半は輸入物だという認識を持っております。日本リンゴはやはり生食用を前提とした高品質な果実生産ですので、果汁に原料が供給されるというのは小さい、小玉の果物それから傷の付いたもの、そういったものが回ってくるという状況にあります。  一方で、やはり生産者とすれば価格の安い果汁原料への供給というのをなかなかやりたがらないと、そういった背景もあって、もう値段が約七分の一だという状況ですので、やはりそういうところで供給側としても低コストで供給できる体制、加工品の体制をつくっていかなければいけないと思いますし、そういう中で国としては、例えば新たな加工品の開発ですとか、低コスト栽培体系の確立のための支援、それから生産者と食品製造業者が提携した供給経路の構築、こういったものの支援の中で、国産果汁のまず競争力の強化に取り組んでいくということです。  それからもう一つは、原料原産地の表示というのもやはりこの国産の普及というのの大きな後押しにつながるのかなと思っております。今は義務化はされていないんですけれども、原料が分かれば、値段だけではなくてやはり国産志向だという声もたくさんあると思いますので、そういう意味で、今この基本計画の中でも、加工食品における原料原産地表示の義務付けを着実に拡大すると、できるところからきちんとやっていくんだという、そういった方向性も示させていただきました。  特に、果汁などにつきましては、比較的、何というんでしょうか、障害も少なくこういった取組が早くできるんではないかということで、これは一義的には消費者庁がこの表示について担当しているわけでありますけれども、農林水産省としてもやはりこういった取組を後押しできるような取組をしっかりとしていきたいと思っております。
  98. 下田敦子

    ○下田敦子君 お手元にお届けしております資料三枚がございます。国産品と輸入品が並んでいる場合の、国産品として選択をすると回答した方が、やはりその意味は安全性があるということであります。二枚目も誠にそのとおりで、加工食品の安全性については、原産地が国産物である、それから添加物が少ない、あるいは入っていない、これが消費者の選択動機でございます。  それなのにそれなのに、資料三は、輸入割合が例えば野菜とか様々な食品が非常に増えておりまして、本国の野菜の自給率が非常に低下傾向にあると。これがやはり非常に気になることで、ホウレンソウですら中国から、様々な農薬が掛けられている、そういうものが入ってきていると。これを私どもは消費者とともにやはりしっかりと考えていかなきゃいけない。  そこで、最後のお尋ねで恐縮です。例えば、国産リンゴ、その他の果物一〇〇%使用という原産地表示があった、あるいはまた長野県の原産地呼称管理制度のような方策を立ち上げた場合に、国が支援策を講ずるお考えがないかどうか、そのことでございます。お願いいたします。
  99. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 舟山政務官。なお、答弁は簡略にお願いします。
  100. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) 今申しましたとおり、やはり原料原産地表示をきちんと義務化していく方向性というのは必要だと思っております。  そういう中で、今、一〇〇%使用している強調表示は可能でありまして、そこに対して国が、何というんでしょう、予算的な支援ということは特段考えていないわけですけれども、ただ、そういう表示がきちんと自発的な、今、現段階ですね、強制の義務化の前に自発的な取組がしっかりなされるように、例えば強調表示に取り組むためのQアンドAですとか、ガイドブックですとか、そういったものを策定してやはり表示を推進していると、そういったお手伝いはさせていただいております。
  101. 下田敦子

    ○下田敦子君 どうもありがとうございました。  以上で終わらせていただきます。
  102. 大河原雅子

    大河原雅子君 民主党大河原雅子でございます。政権交代後、初の農水委員会での質問になります。よろしくお願いいたします。  今日、午前中からここまでどなたもお聞きになっていないので、予定外ではございますが、赤松大臣、アメリカから農務長官がおいででございますが、どのような会談の状況になっているのか、御紹介ちょっとだけお願いできますでしょうか。
  103. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 実は、ビルサック長官は前アイオワ州の知事をやっておられまして、山梨県とアイオワ州が姉妹提携をしている、ちょうどその五十周年ということもあり、是非この際日本をお邪魔をして、そして食料安全保障を始め様々な課題について話合いをしたいという申出がありました。  六日の日にお見えになりまして、昨日が食料安全保障をめぐるシンポジウムということで、午前中はビルサック長官が、午後は私がそれぞれスピーチをさせていただきまして、そして、今朝、朝八時から長官と大臣、私の日米間における懸案のことについて話合いということになったわけでございます。  課題は三つ。一つは、食料安全保障について、特にアフリカ等の飢餓に対する対応も含めて日米両国はどうやってそれに貢献していくか。二つ目が、農業問題というのはイコールこれは環境問題なんだということで、環境に果たす役割、農業あるいは水産業、林業、いろいろあると思いますが、そういう立場からもしっかり両国が協力してやっていこうということが二つ目。三つ目は、これはアメリカ側から、現在二十か月齢未満ということで、あるいはSRMについてのそういう見直しをしてほしいという意味での牛肉問題について話がありました。  詳細は時間の関係で省きますけれども、一つ言えば、最後の牛肉問題については、私どもとしては、これまで食の安心、安全の問題、これはもう科学的知見に基づいた形での食の安全ということを大切にしていく、この姿勢は変わらないということ。それから、アメリカの言い分としては、今まで共和党政権の下でOIE基準に基づいてすべてオープンにするべきだと、当たり前じゃないかと言っていましたのを、民主党政権、オバマ政権の下ではもう少し柔軟に、ほかの案件についてもそうだけれども、柔軟に考えていきたいので是非話合いをさせてほしいという御意見でございました。  私どもは、日米関係は重要ですから、その意味で、話合いを拒む理由もございませんから、話合いは結構です、現在は平行線をたどっているけれども、お互いの違いを認識した上で、その違いを克服できるのかどうなのか、どうやったら一致できるのか、そういう議論をしていくことは大いにやりましょうということで、今後の両国間の友好親善を更に深めるためにいい関係をつくっていこうということを結論にして、本日取りあえず会談は終わりました。
  104. 大河原雅子

    大河原雅子君 私も日米関係は大変大事だと思っております。しかし、これまで、国民の立場からいえば、アメリカの食料世界戦略、この下で日本が食料主権というものをなかなか十分には発揮できていないんじゃないかというのが多くの国民の感想ではないかと思います。是非とも慎重かつ断固たる姿勢をお見せいただきますようお願いいたします。  さて、本題の基本計画についてでございます。私は、この基本計画、策定の過程も含めて評価しております。政権が替わるということは本当にこういうことなんだなと思うことが随所に読み取れる、実感をする内容が随所に散らばっております。新政権下で策定された今回の基本計画の特徴について、これまでの農政をどう総括して今後の農政をどう進めていくのか、大臣に伺います。
  105. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 基本計画の策定に至る経過の中で、大変に政策研究会の皆様方にも御議論をいただきました。提言もいただいたことにも感謝をしたいなというふうに思っております。  そのような中ででき上がった基本計画でございますけれども、前基本計画の下では、食料自給率の目標、平成二十七年度に四五%という設定をいたしておりました。そして、施策の対象となる担い手を明確化した上で、その経営の安定を図る経営所得安定対策の導入というものを推進をしてきたというふうに思っております。  しかしながら、結果として、農業所得の減少でありますとか、あるいは担い手不足の深刻化でありますとか、非効率な農地の利用、農山漁村の活力の低下といった農業農村の厳しい現状を変えるには至っておらなかったということになっております。これまでの施策ではないものを行うことによって、活力のある、そして将来に希望の持てる農業にしていこう、そのような認識で作らせていただいたというふうに思っております。  このため、この新たな基本計画におきましては、食料・農業・農村政策日本の国家戦略の一つとして位置付ける。そして、具体的には戸別所得補償制度の導入、さらには品質、安全、安心といった消費者ニーズに合った生産体制への転換、六次産業化による活力ある農山漁村の再生の三つの柱を基本に、食料自給率を五〇%まで高めていこうという目標を定めさせていただきました。  また、その食料、農業、農村を支える農業農村を国家の基盤として将来の世代に確実に継承していくために、農業者、消費者、その他の国民それぞれの努力によりまして国民全体で農業・農村を支える社会を創造していくという国民全体へのメッセージも盛り込んだところでございます。また、大河原委員からの御指摘等によりまして、都市農業という項目も新たに加えさせていただいたという、そのような中身になっております。
  106. 大河原雅子

    大河原雅子君 私は、本当に大きく転換をする、この農政の転換が国家戦略というふうに言っていただけたこと、本当にうれしく思います。私は、やはりこれまでの日本の農政は間違ってきた、誤った道を通ったというふうに思います。  昨年、石破大臣、前農水大臣とここで議論をさせていただいたときに、消費者の声はここで初めて聞いたとおっしゃったんです。私はそれは本当に余りにもショックでした。日本の農政というのは、本当に命をつなぐ食料、これを最優先に自国の国民に、量はもとより安全性も含めたしっかりとした確保をするということが国の仕事のはずだったのにと思っておりますけれども、極論をすれば、主食の米を守るという大義名分の下で、ほかのものは足りなければよそから買ってくればいいと。おかげで自給率は低下をするし、食卓の上は輸入品だらけになっていると。顔の見えない生産者、そこで作られたものが食卓にのる不安で、もう本当に不安の塊になっているのが私たち日本国民だと思います。そういう意味では、消費者から十分理解され支持される、そういう農政への転換でなければいけないと思います。  そこで、まず、消費者の立場からすれば食の安全ということで、この食の不安を解消していくために、民主党マニフェストには食品安全庁というものを掲げておりました。今回の基本計画の中にも、第三章の一項(1)のところに、食品の安全性の向上にリスク評価機関の機能強化、リスク機関の一元化、こういう意味で食品安全庁ということが記述されております。  関係省庁の連携がもちろん必要なわけですけれども、食品安全庁に求められる役割と、それと設置に向けた検討、いつからどういうふうに進めていくのか、その点をまずお聞きしたいと思います。
  107. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 確かに御指摘のとおりでございまして、今度の基本計画の中にもしっかりとこれを書き込みました。  一番ポイントは、やはりリスク管理をしているところが二つあると。厚生労働省であり農林水産省と。もちろん、福島担当大臣の下でやっておられる、そこはリスクを評価するところですけれども、管理をしっかりまず一つの機関でやっていこうということで、どっちがどっちへくっつくとかいう、そういうレベルの話ではなくて、まさに政府を挙げて食の安心、安全のためのそうした機関をつくって、そこが責任を持って一元化された形での運営をしていこうというのがねらいでございます。  他省庁も快く私どものこうした記載をするということについて了解をしていただきましたので、私どもからあえてこれを明記をして、あとは具体的に、ただ書いただけということではいけませんので、それに向けていろんなスタートをしていきたい、これは原産地表示等の問題も含めて総合的にこうした食品安全問題を考えながら関係省庁とピッチを上げて話合いを進めていきたい、このように思っております。
  108. 大河原雅子

    大河原雅子君 食品安全庁の設置に向けた検討というのは、ここまで書き込んでいただくのも本当に御努力をお願いしたところですが、これからがスタートでございます。この食品安全庁の設置の検討というのは、先ごろ策定されました消費者基本計画の中にも書き込まれましたので、この点もやはりスタートラインで多くの注目が集まっているということを是非御自覚をいただきたいというふうに思います。  それで、先ほどもありましたが、食の安全、消費者の選択の権利をしっかりと守っていくためには表示が重要でございます。これまでも取組は強化されてきたわけですけれども、加工食品の原料原産地表示の義務付けの拡大、着実にということでございますので、この拡大の方向性と課題について、消費者庁、泉政務官に内閣府からおいでいただいております。いかがでございましょうか、この点。
  109. 泉健太

    大臣政務官泉健太君) 御質問ありがとうございます。  加工品の原料原産地表示については、平成十三年以降着実に今進めているというところでありまして、ちょうどつい先日、三月二十九日にも、情報収集の一環として数多くの皆様にお集まりをいただいて、事業者あるいは食品関係団体、そういった皆さんから御意見をちょうだいいたしました。  そういう中で幾つか意見がございまして、特に有名産地ですとか生産者側からは、やはり原料原産地表示というものをもっと明確にしていくような方向でやっていただきたいというような御意見もございましたし、一方では、加工業者の側として、いろんな原材料を使っている状況の中ですべて表示し切れるかという懸念の中で、例えば、そこはもう少し業者それぞれの自主的な取組で当面行っていくべきではないかというような御意見もございました。また、黒糖、リンゴジュース等の個別品目ということについても、表示の義務付けが必要という意見があった一方で、さっき言ったような調達の実態から表示が困難であるという意見もありました。  しかし、こういう各業者あるいは産地、いろんなところから御意見をいただいて、できる限りその表示の方向というものを持ちながら、今後更に進めていきたいというふうに考えています。
  110. 大河原雅子

    大河原雅子君 消費者にとって表示は本当に商品を選ぶときの大きな基準になります。しかし、まだまだ日本の表示は分かりにくい。消費者にとって選択の権利を本当に十分に満たすものにはなっていると思えません。例えば、同じカップラーメンでも日本では二十五の項目が記述してある、産地なども書いてあるということもありますけれども、韓国に行くとこれが四十五項目も出てきているんですね。ですから、韓国やEU、こういうところでやはり消費者のために表示が見直されてきました。  そういうことも含めて、後れを取らないように、現に同じものが別の表示、別の国へ行けばもっと詳しく分かる、こういう状況もあるわけですので、是非この加工食品の原料原産地表示の拡大、しっかりと進めていただきたいというふうに思います。  お忙しいところありがとうございました。泉政務官はここで御退席いただいて結構でございます。
  111. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) どうぞ。
  112. 大河原雅子

    大河原雅子君 それで、私は、先ほど御紹介をいただきましたが、都市農業というものについては、地元東京都、ここは二十三区内はすべて市街化区域、そして多摩の少し手前までは全部市街化区域ということで、市街化区域内の農地というものについて長年、どうやったら保全ができるんだろうかと本当に疑問に思っていました。  旧政権下でこの基本計画の中に都市農業という言葉が出てきただけでうれしくなっていたわけですが、今回は一つ項目を設けられまして記述していただいていること、私はここは非常に大きな転換だと思っております。  大臣の愛知県も、この都市農業ということでは大変な場所でございます。都市農業を理解できる大臣ということで、この項目、都市農業への評価、どのように旧来から変えたのか、お聞かせいただきたいと思います。
  113. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 大河原委員御指摘のとおりでございまして、むしろ私は、積極的に都市農業の果たす役割、そしてまた意義、また高収益性ですね、これはやっぱり大消費地をそこに控えているということは、輸送費の面からも、あるいは消費者のニーズが直接伝わってくると。今消費者は何を求めているのか、どういうものが欲しいのか、そういうものが一番間近に分かりやすいという意味で、大変、野菜を始めとして伸びる要素がありますし、十分これは収益性の高い産業として成立し得るというふうに確信をいたしております。そのことがまた、都市における水、緑、環境、そういう意味で多面的な役割をまた十分果たすことにもなるというふうに思っております。  今、私どもは榊原先生たちと研究会なんかやっているんですが、彼の言を借りれば、地産都消というんですね。まさに、地域で作ったものを大消費地である東京都、都民に食べてもらおうと、そうしなければ農業の、特に近郊都市農業の発展はあり得ないんだということで言っておられるわけで、それはすべての面に当たるとは思いませんけれども、確かにこうした都市農業、近郊農業では大きな役割を端的に表した言葉だなというふうに思っておりまして、もちろん全国津々浦々すべての農業者のために農林水産省は頑張りますけれども、決して都市農業を忘れていない、ちゃんと中心に据えて頑張るということを是非御理解いただきたいと思います。
  114. 大河原雅子

    大河原雅子君 一昨日の当委員会の都市農業の視察、小川委員長を始めとして各会派の皆様の本当に温かな御配慮のおかげだと思いますが、やはり現地を見ていただくとイメージがつかめたというお声もいただいて、大変うれしく思っております。都市農業というイメージの中では、都市的農業でしょうと、平方キロ当たり五百人以上のところでやっている農業というふうに思われるところから、いやいや、逆に、もう九万ヘクタールしか残っていない市街化区域内の農地ということで実感をしていただいたのではないかと思っております。  市街化区域内の農地については課題が山積しております。この区域内の農地、減少し続けてきたわけですが、維持するための課題、そして解決すべき課題、これは何だとお考えでしょうか。これは郡司副大臣ですか。
  115. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 委員も御存じのように、市街化という区域は、その目的からすれば限られた年月のうちに市街化をしていくんだと、こういうような規定がそもそもあったところでございます。その中におきまして農業を続けていこうという場合には、生産緑地等の指定を行いながらいろいろな対策を取ってきたということがございまして、基本的には、全体としての土地の利用計画というものを国交省あるいは農水省ばらばらな形で行ってきたということをもう一度見直す必要というものもあるんだろうというふうに思っております。  それから、先ほど大臣が言われましたように、今の時代になってみれば、都市の農業が抱えている評価点というものは非常に多方面にわたっておるわけでありまして、まさに人間が生存をする上では、そうした空間あるいは土地に触れるというそのこと自体が大変に人間性を取り戻すということにもつながるというようなこともこのごろははっきりしてきたわけであります。  したがいまして、そのような観点から、今ある現在の農地の面積というものを、これは都市の中にあるものは貴重なそのような農地なんだという認識の上で、改めて各省庁の枠を超えたような土地の利用の問題について話し合うということが必要ではないか、そのように考えているところでございます。
  116. 大河原雅子

    大河原雅子君 私が住んでおります世田谷も、生産緑地法ができたときには農地の五四%が登録をいたしました。しかし、現にそこに登録できなかった一般農地、ここはもう本当に減り続けるということでございます。  国土交通省の所管のこの生産緑地制度、基本はやっぱり宅地化していくということがございますので、そこには大きな矛盾がございます。そういう意味では、農地を農地として残していく、こういう方策が必ず今回のこの計画、制度を見直していくという中で各省の知恵をもって検討されなければならないというふうに思います。  これは、視察の中でも現地の方々が、これは時間との闘いなんですというふうにおっしゃっていました。過酷な相続税の問題、それから都市の、宅地並み課税されれば莫大な固定資産税が掛かる問題、そういったことから、非常に問題は大きいですけれども、是非ともまず食料生産をしている現場だという視点を必ず持っていただきたい。今年も国土交通省の方では都市農地に関する調査を行うようですけど、農業の多様な機能ということでオープンスペースだとか何とかというふうに書いてありますが、生産している現場だということが、視点が落ちております。そこを、私たち農水の関係の視点をしっかりと植え込むことが何より必要かというふうに思います。  税制の改革に極まると、それなくしてはできないことはもちろん周知の事実ですけれども、やはり都市農業というものは農村というのとはちょっと違う、一つ一人の農家の方は高い技術を持っておられる、そして、そこに長年耕し続けてきた畑に本当に小石一つ入っていないでしょうと自慢げにおっしゃった、本当に優良な農地なんですね。これを失ってはならないというふうに思っております。  前の基本法の中でも市民農園というようなことで守っていくというようなふうに書かれておりますが、市民農園は今は農地ではございませんで、あれは雑種地でございます。農地としての守り方というのは新たにしっかりと組み替えられていかなければなりません。  高齢で営農困難な方への支援策というものはどのようにお考えになっていますでしょうか。この点、いかがですか。副大臣、お願いします。
  117. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) それも、結果としては多分税制の問題にもかかわってくるのだろうというふうに思っております。  今ある農地が耕す人がいなくなったときにどうするかということが、これからは都市だけではなくて全国的にも大きな課題でありますけれども、特に都市については、先ほど言った税制の問題と裏腹の問題があるわけでありますので、この問題について、まず実態がどうなっているかということについての調査から始めなければいけないんだろうというふうに思っております。  そして、今ちょっと言及がありましたけれど、例えば家庭菜園というか、都市農園の今までのこの概念みたいなものがありましたけれども、例えば東京でも作物によりましては三か月分の野菜等を賄っているという生産の能力もございますし、そのようなところが実際にあるわけでありますから、まず実態を調べさしていただいて、そして具体的な手というものが、例えば税制の問題あるいは国土交通省の問題ということにするのではなくて、まず農水省として何ができるか調査をさしていただきたい、そのように思っております。
  118. 大河原雅子

    大河原雅子君 大変いい御答弁をいただきました。実態をしっかりと把握していただくということはまずスタートラインでございます。相続税の猶予認定、これの介護度五というのは非常に厳し過ぎるというふうに思っています。中小企業の経営者の皆さんとは、農業者の方たちやはり働き方が違うというのが私の実感でございます。  それで、最後に大臣に伺いたいと思いますが、実は参議院の財政金融委員会で三月二十三日には菅副総理・財務大臣が、そして三月二十五日には鳩山総理も答弁に立たれまして、菅大臣が、改めて都市農業を位置付け直すということが今問われているので、それに見合った税制の在り方を考え直さなくてはならないというふうに発言されたんです。そして、それを受けて、二十五日には鳩山総理も菅副総理と相談しながら積極的に進めていきたいというふうに発言されました。  ですから、今日はここで農水大臣、赤松大臣から、この改正、制度の見直し、農地を農地として守っていくという是非御決意を聞かせていただいて、質問を終えたいと思います。
  119. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 二つあると思います。  一つは今御指摘のあった税制の問題、幸いにして、菅副総理・財務大臣がそうおっしゃっていただいているので、これはもう財務省もしっかりと私どものいろいろな提案を財源措置も含めて対応していただけるのかなというふうに喜んでおります。  二つ目はやっぱり土地の問題です。これは昨年、改正農地法農地法の改正をいたしまして、そして優良農地については厳格に農地としてそれを守っていこうと。ややもすると、今まで簡単に転用を認めてしまう。マンションが悪いとは言いませんが、本来農地として有効に使われるべき土地がそうしたものに化けていってしまうということについては大変残念ですから、そういう意味で、厳格なこうした農地法の適用をやっていきたい。  そういう意味で、先日、閣内でも議論になりましたけれども、何でも地方に下ろせばいいと、何でも権限を下ろしちゃえばうまくいくんだという考えは、これは私は誤りだと。下ろしていいものはいっぱいあるけれども、下ろしちゃいけないものもあると。それはもうそれぞれの地域が勝手にやるんではなくて、国がやっぱり厳格に法律に基づいて農業用の農地としてしっかり守るべきものは守っていくと。これは当たり前のことで、そういうことも含めてしっかり私どもは言うべきことを言い、やるべきことはやって農水省としての役割を果たしていきたい、このように思っておりますので、委員各位のまた御支援をよろしくお願い申し上げたいと思います。
  120. 大河原雅子

    大河原雅子君 ありがとうございました。
  121. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  新たな食料・農業・農村基本計画に関連しまして質問をさせていただきます。  新たな食料・農業・農村基本計画の「まえがき」におきまして、農業農村を国家の基盤として将来の世代に確実に継承するためには、一部省略しておりますけれども、「国民一人一人が国産農産物に込められた農業・農村の価値を適正に評価し、健全な食生活を実践するなどの行動が欠かせない要素となる。また、こうした国民の理解と行動に支えられることにより、農業者、食品産業事業者は、質の高い食料を合理的な価格で供給する努力を続けることができ、そのことが地域社会を再生させていく力となる。」と、このように書かれておるわけでございますけれども、私もこの点には同感をします。  そこで、赤松農林水産大臣に伺いたいと思います。  国民の理解と行動についてでありますけれども、前政権におきましても、食育の推進を始めとしまして、食品の安全確保のためのトレーサビリティーの制度の推進とか、あるいは地域での米飯給食や地産地消の推進、都市と農村の交流を深めるグリーンツーリズム、あるいは農業体験学習、様々な活動を推進をしてきたわけでありますけれども、そういう中で農業や食品産業、農村の役割や実態について国民の理解の醸成に取り組んできたわけでありますけれども、新政権としまして、農業、食品産業、そしてまた農村に対する国民への理解と信頼の醸成、そしてまた協力や支援の確保にどのように取り組んでいくのか、その具体的な対策について赤松大臣にお伺いをしたいと思います。
  122. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) お答えを申し上げたいと思います。  かねてから公明党は食の安全の問題とか環境の問題にも大変熱心な党だと私は理解をいたしておりまして、またそういう意味で、今回のこの基本計画の策定に当たりましてもいろんな意見もちょうだいをしてまいりました。  一つだけ言えば、私は、農業の問題というのは農業者だけの問題ではなくて、むしろ都市に住む消費者の問題である、国民全体が支えていかない限り、あるいはこれだけのお金を使ってやっていく事業ですから、国民すべての理解と納得、支援と協力がなければ決して成功はしない、このように思っております。  そういう意味で、農業が持つ多面的な機能、単に食の安定的な供給ということばかりじゃなくて、やはり安心、安全の食料を安定的に供給をする、そして水田や畑が果たす役割、水、緑、環境、そういうことをしっかりと守っていくためにも欠かせない一つの産業なんだという理念の下にこれからも、ちょっと概念的に私から申し上げさせていただきましたけれども、そんな視点で今後十年を見通した計画を作らしていただいたということでございます。
  123. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 国民の理解と行動によって質の高い食料を合理的な価格で供給できると、そのようにしておるわけでありますけれども、この合理的な価格というのはどういうことを指しておられるのか、また適地適産とかどのように進めていくのか、また農家の自助努力をどのように評価をしていくのか、こういうことを踏まえた上での農業全般における制度の設計についてどのように対応していくのか、この点をお伺いをしたいと思います。
  124. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 御指摘をいただいたような記述をさせていただいております。  まず、国産品を使っていただこう、買っていただこう、消費をしていただこうというのは、これは当たり前の感覚として多くの方々が持っている、私どももそのことを強力に進めなければいけないというふうに思っております。  どのようにするかということでございますけれども、高くても国産のものを買ってくれ、こればかりではなかなか全体としてうまくいかないだろう。先ほど下田委員がお示しになった選択の基準等のものもございましたけれども、それはアンケートでいきますと、結構高くても国産のものを買うという者の比率は高いんでありますけれども、実際の市場そのものは必ずしもそれだけで動くということにもならないという現実があります。  したがって、農業者、そしてまた国、自治体も、先ほど言ったような合理的な価格で供給できる質の高いものというものを目指す努力というものをきちんとしていかなければいけないんだろう、そういうふうに思っておりまして、例えば今回の戸別所得補償のモデル事業でありますけれども、全国一律ということがいろいろな議論を呼んでおりますが、これはある意味でいえば、努力をして生産をし、規模拡大、効率化ということもおのずからなってくるような考え方を取り入れたシステムとしてやっているわけでありまして、まさにそうした努力が所得にも跳ね返り、そしてその品質の向上、努力というものが適正な価格にも落ち着いていくと、こういうような政策を取り組んでいかなければいけないというふうに思っておりますし、また、これまでの生産調整がややもすれば麦とか大豆というものをどのところでもとにかく作りなさい、こういうようなところも一部あったわけでありますけれども、これからは、例えばやはり水田にしか向かないということであれば、新しい需要の米粉を作るとか、あるいは飼料用の稲をそこに作っていくということも含めて適地というものも考えていく。さらに、先ほど言ったような政策の推進によりまして、合理的な価格、質の良いものというものを目指していきたい、そのように思っております。
  125. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 そうですね、日本食品、安全、安心で良質で大変世界的にも好まれているというふうに日本国民の一人として自負をするわけでありますけれども、やはりそういう農業が再生産可能な状況でなければならないということで、そういう意味では適正な価格で消費者の皆さんに購入をいただくということが大変重要でありまして、そのためにはやはり信頼と、そしてまた、何といいますか、コストダウンの努力も当然ながらしていかなければいけないと、そのように考えておりまして、この合理的な価格ですね、こういうものを追求しながら再生産が可能なレベルに持っていくような対応をしていかなければいけないと、そのように考えております。  今低迷している日本の経済の回復の一助になるという意味では、新たな受皿として農林水産業や農山漁村をこの基本計画の中でも位置付けておるわけでありますけれども、農山漁村に由来する地域資源を活用して付加価値を高めていく、そういう先端技術の開発、そしてまた、応用で新たな成長産業を生み出していくということが大変重要だと、そのように考えております。  そういう意味では、新技術の研究開発にはそれ相当の予算措置も当然必要だと私は思っておりますけれども、今後の新技術開発や成長戦略への発展に向けての対策ということではどのようなことをお考えになっているのか、お伺いをしたいと思います。じゃ、舟山政務官。
  126. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) 委員御指摘のとおり、研究開発というのはやはり経済社会の成長、発展の基礎でもありまして、食料、農業分野の研究開発も食料・農業・農村基本計画の見直し方向を踏まえて計画的、効率的に推進しているというところであります。  具体的には、今御指摘いただきましたとおり、やはり日本全体の成長戦略を考える上でも農山漁村に存在する様々な資源をどう生かしていくのかと、こういった視点からもこの研究開発が欠かせないものだと思っております。  政府全体の成長戦略の中でも、グリーンイノベーションですとかライフイノベーションという形で、例えばグリーンイノベーションとしては環境資源、エネルギー、こういった地球規模での課題の解決というのが大きな課題として挙げられておりますけれども、これに向けて農林水産分野では、新品種の育成や栽培技術の開発を行う食料安定供給のための研究、それから地球温暖化の防止に寄与するようなそういった緩和技術や適応技術、またバイオマスの利活用技術の開発等を推進するところとしております。  また、ライフイノベーション、これは医療、介護、健康というところですね、こういったところに向けてもやはり大きく貢献できる分野はたくさんあると思っております。例えば生物機能を活用した医薬品医療用素材の開発等を行って新需要を創出するための研究を積極的に進めることとしております。  いずれにいたしましても、こうした研究開発は、農林水産業はもとより、全体にとって必要不可欠でありますので、しっかりと対応していきたい、予算の面でもしっかりと確保していきたいと思っております。
  127. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 今医療の分野等々のお話もありましたけれども、今まで農林水産省が開発をしてきたものとしまして、花粉症や糖尿病への対策として新しい米ということの研究も進めてきていたわけではございます。二〇〇六年のときの参議院の予算委員会でも、今は亡きあの中川昭一農林水産大臣に私もこの開発について質問をさせていただいたわけでありますけれども、この花粉症や糖尿病の対策として開発をしてきた新しいお米の研究の進捗状況、そしてまた国民への提供の見込みについてどのようになっているのか、お伺いをしたいと思います。
  128. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) 杉花粉症の緩和米ですとか糖尿病治療米のこういった新しい研究については、特に杉花粉症緩和米につきましては、杉花粉たんぱく質の一部を含んだ遺伝子組換え稲の開発に成功いたしまして、有効性、安全性に関する基礎的な動物実験等を実施してきたところであります。  その実用化に当たりましては、これ非常に、事件、事故というんでしょうか、杉花粉を含む製品を花粉症治療又は予防目的に摂取したことが原因と疑われる健康被害、アレルギー症状ですね、こういったものが報告されたということもありまして、厚生労働省でその実用に当たっての扱いがいろいろ検討されていたわけなんですけれども、平成十九年に、やはりより安全性をしっかりと確保しなければいけないと、そういうことで医薬品として取り扱うべきだという公式見解が出されております。  そういう中で、かなり、何というんでしょうか、細かい治験をきちんと経た上でなければ実用化できないと、そういった厳しい運用を迫られているという中で、今、製薬企業と連携して実用化しようという動きがあるんですけれども、なかなか連携しようという製薬企業が見付かっていないというのが現状であります。  そういう中で、本年度からアグリ・ヘルス実用化研究促進プロジェクトという新しい事業を組みまして、この中でやはり、なかなかそういった企業が見付からないんであれば、国自らがその効果の検証と、あとそれから健康への影響もきちんと検証して、それが検証された段階で次に進むということで、まず初期段階を国が主導して進めるということをすることにいたしました。これによりまして、有効性、安全性に関して有望であるとのめどが立てば製薬企業の参入も期待できると思いますし、おおむね十年程度で何とか実用化していきたいと、そんなふうに思っております。  いずれにしても、農作物の形態のまま医薬品となるこれ世界でも初めてのケースだというふうに聞いておりますので、今後とも関係省庁と連携を図りながら実用化に向けて、もちろん安全性はしっかりと確保した上で努力していきたいと、そんなふうに思っております。
  129. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 日本は稲のゲノム解析等々、研究では世界で最先端を走っておるわけでございまして、そういう科学的な知見を基にした健康によろしい米の開発等もしっかりやっていただきたいと思っております。  当時、中川昭一農林水産大臣に質問したときには、コレステロールの低下米、高血圧の予防米、そのような研究も進めておるというお話でございましたので、食を通して健康を増進をするというふうなことが併せてできれば大変すばらしいことだと思いますので、しっかり研究を進めていただきたいと思います。  次の質問でございますけれども、食料・農業・農村基本計画の目的達成に向けての工程管理についてお伺いをしたいと思います。  基本計画は、食料・農業・農村に関する各施策の基本となるという性格を踏まえて、今後十年程度を見通して定めるものとされておるわけでありますけれども、十年の長さがあるわけでございますので、目標の達成のためにはやはり緊張感を持って対応することが必要だと、そのように思っておりますので、おおむね五年で中期目標を立てて進むということもあるわけですけれども、もっと工程管理を厳格にして進めるべきだと、そのように思っておりますけれども、これに対しての農水省の対応をお聞きしたいと思います。
  130. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 今御指摘がございましたように、基本計画は今後十年間の目標というものを定めさせていただいております。もちろん、これからの経済の動向あるいは経済社会そのものの動向もありましょうし、人口が今後どのように動いていくかという、そうしたものによっても異なってくるのだろうというふうに思っております。  したがいまして、目標は十年後でございますけれども、基本計画そのものは五年ごとの見直しを行いますので、適宜適切にその時点での見直しというものも行っていくということになろうかと思っております。  しかしながら、今御指摘をいただきましたように、高度な目標達成に対する管理というものがあってこそ着実な成果というものが出てくるのであろう、そのように考えておりますので、今の御指摘を受けまして、この計画を更に厳密に実行するように、御指摘がございましたようなことについて十分に検討をしていきたいと、そのように思っております。
  131. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 次に、WTO、EPA、FTAの交渉の現状と今後の対応についてお伺いをしたいと思います。  新たな基本計画の「まえがき」では、農産物の国際的な需要は今後更に高まることが予想される、食料輸出国は輸出規制を導入している、しかし、世界最大の食料純輸入国である我が国は経済力さえあれば自由に食料が輸入できるという考え方から脱し切れていないと、そういう指摘を書かれておったわけでありますけれども、そこで、食料自給率の向上と食料の安定供給という、その両方に関係しているEPA・FTA交渉とWTO交渉についてお伺いをしたいんですが、まず、EPA、FTAの交渉の現状と今後の政府の方針並びに農林水産省としての対応について、赤松大臣に基本的な方向性等をお伺いをしたいと思います。
  132. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 私ども、マニフェストでもお書きをしてありますけれども、国際貿易を基本的には推進をしていくと。そして、WTOという多角的な貿易協定を、特に昨年のドーハ・ラウンドでこうしたすべての国が今年中、一〇年中の妥結に向かって一生懸命取り組もうということを各首脳間で約束しているわけですから、まずそこが基本にございます。  しかし、現実の問題として、今アメリカ、中国等が必ずしもこのWTOのドーハ・ラウンド妥結について、前向きじゃないと言うと言い過ぎかもしれませんが、それほど積極的でないという現実がございます。だとすれば、あとEPA、FTAについては二国間の協定ということで、これについてできるところからしっかりとやっていくというのが基本だというふうに思っております。  余りにも立場が違うところ、あるいはまず研究、勉強から始めていこうというようなところも国によっていろいろございますので、私どもとしては、守るべきものは守る、このところも基本にしながら、しかし一方では、その守るべきことは守ってもなおかつ貿易の拡大にそれはつながっていくようなこともできるというところについては、これはもう積極的に取り組んでいくというのが基本的な考え方でございます。
  133. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 赤松大臣の所信の中でEPA・FTA交渉のことについて述べているところがございましたけれども、EPA・FTA交渉については、我が国全体として経済上、外交上の利益を考慮し、守るべきものはしっかり守るとの方針の下、関係省庁と連携しながら、国内の農林水産業に悪影響が及ばないよう十分に配慮いたしますと、そのように述べておられるわけでありますけれども、ここで述べているのは経済上、外交上の利益を中心に考えておられるような印象を受けるんですけれども、もちろん農林水産業には多面的機能というものがありますので、これを忘れないように、しっかり多面的機能の維持のために交渉も念頭に置いてやっていただきたいということですが、その点、多面的機能等も配慮してどういくのか、お話をお伺いしたいと思います。所信の中ではそのことを余り触れておらなかったので。
  134. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 今委員御指摘のとおりでございまして、多面的な機能ということも当然考慮に入れながら、そしてまた、国会決議等もございます、そしていろいろな過去の経緯もございますので、そういうことも尊重しながら、しかし、民主党マニフェストでも、守るべきものは守るけれども、あるいは自給率の向上や農業農村の振興に支障になるようなことはやらないということも、これもまたマニフェストでも書いてあることでございますので。  ただ、私はこの間、韓国もほとんど日帰りに近い形で行ってまいりましたけれども、何か農水省が、あるいは農業産品がすべてそういう貿易の自由化を阻害をしているというふうに一見見られがちですけれども、実際に交渉へ行ってくるとそうじゃないんですね。実際障害になっているのは自動車なんです、正直言って。  ですから、日韓の貿易の中でも一番問題になっているのは、六兆円と三兆円といういわゆる輸出、輸入のインバランスを何とかしてほしいと、そして、わずか農産品なんというのは五%ですから、その五%云々で全体を何か壊しているように言われていますけれども、決してそうじゃないということが、現地へ行って向こうの外務通商大臣やあるいは農林水産食品大臣とも、向こうは長官と言いますけれども、長官とも話す中で分かってまいりまして、実際にはやっぱり八%の自動車関税が取られて、どおんと、まあ何社とは言いませんが、韓国の中に日本自動車が入ってくるのは困ると、ヒュンダイなんかもう、つぶれるとは言いませんが、大変な影響を受けるというようなことで、そういうこともあるものですから、さも何かすべてのところで農業、農産品が障害になっているかのごとく一般的には言われていますけれども、それは正しくないと。  もちろんどうしても私どもにとってセンシティブな品目として認められないのもあるのも事実ですし、それはもうはっきり私はこれは認められないと言えばいいわけですから、そういう意味で、できるものはやっていく、できないものは横に置いていく、そういう姿勢でやっていけば、私は、EPA、FTAについても一切できないということではないというふうに思っております。
  135. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 その点で、守るべきものの中には、農業や農山漁村が果たしている多面的機能というものを守るべきものとしてしっかり意識をして交渉に当たっていただきたいと思います。  それで、多面的機能に対する直接支払の検討ということでお伺いをしたいんですけれども、農村で農業が営まれることにより発揮される多面的機能の重要性については新基本計画でもきちんと引き継がれているわけでありますけれども、これを適切に評価して農業者の皆さん等の経営安定につなげていくということが大変重要だというふうに思っておりまして、そういう意味では、環境支払等の多面的機能を守っている農業者等に直接支払を行うということは大変重要だと公明党としては考えておりますけれども、こういう方面での農水省の対応、どのような方針でやっていくのか、新政権の方針をお伺いをしたいと思っております。
  136. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 多面的機能と併せて中山間地等の支払というものもきちんとやるべきだろうと、こういうような御指摘だろうというふうに思っております。  私どもも、今回のモデル事業に際しましても、これまでの中山間の直接支払というものはそのままの形で活用させていただくようなことを取らせていただいております。あわせまして、水・緑向上対策なども、これも地域の活性化あるいは地域環境の維持保全、こういうことも含めて活用をしているところでございます。  これらを今モデル事業としては行っているわけでありますけれども、全体の設計の中でも、あるいは環境加算というような加算をどうするか、それと中山間の直接支払、あるいは今申し上げたような水・緑向上対策ですね、このようなものがどういう関係にあった方が一番好ましいのか検討をしながら準備をしてまいりたい、そのように思っているところでございます。
  137. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 時間が余りなくなったので、都市農業のお話が先ほど委員の方からございました。私も視察に行かせていただきましたので都市農業の振興ということで質問をさせていただきたいんですが、四月六日、東京都の三鷹市の都市農業の視察をさせていただきまして、改めて都市農業の重要性と農業の維持の困難性を実感をしたわけでありますけれども、新たな基本計画でも、都市農業の振興や都市農地の保全について述べているわけであります。  そこで、都市農業の維持発展を目指す対策について、まず農林水産省、大臣もしお答えいただければ有り難いと思います。じゃ、郡司副大臣
  138. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 先ほども議論をいただいた点と重なるわけでございますけれども、まさに土地、農地が減少の一途をたどってきたという歴史的な経過もございます。しかし、一方で、都市の生産に寄与するその力というものもまだ十分に備えている段階でございますから、これをどのように保全をしあるいは発展をさせていくかということについて、今回の基本計画では幾つかの点を挙げております。  それは、税制上の問題を検討しなければいけない、さらには土地利用の計画そのものを検討しなければいけない、それぞれに財務省あるいは国交省との連携の下で進めていこう。さらにまた、場合によっては、その土地の農業に対する理解というものが不十分な面が都市の中にお住まいの方々にとってもあるかもしれませんので、そのようなPRというものも行っていこう。そして、先ほど申し上げましたとおりでありますけれども、まず実態を、これまできちんとしたものができ上がっておりませんので、そこのところを調べることによって今後の具体的な対策を立てていこう、そのように考えているところでございます。
  139. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 公明党も、私も参加したことは何回かあるんですけれども、都市農業の視察、そしてまた都市農業者との意見交換会を持っておりまして、昨年の七月七日に都市農地の保全に関する提言というものを取りまとめておるわけであります。  その中で、自治体が一定の条件の下で生産緑地の指定面積を引き下げられるよう生産緑地法の見直しを検討したらどうか、そしてまた、自治体が行う都市農業振興、農地保全、都市環境保全等の施策を支援するため、都市農業振興交付金、これ仮称でございますけれども、そういうものを創設したらどうか、また、税負担の軽減を図るために農業用施設用地等に対する土地利用規制の在り方、評価制度や相続税の在り方などを検討することを提言にまとめているわけでありますけれども、先ほどから質問等もあったわけでありますけれども、税制上の都市農業に対する支援策、特に生産緑地の指定要件を緩和するというようなことを含めて、農林水産省としても関係省庁としっかり協議をしてその実現を図っていただきたい。  その点、先ほどお答え、関係省庁と協議をしているというお話がありましたが、改めて決意だけお伺いをできればと思います。
  140. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 他省庁との連携として行いながらこれからの解決を目指すという部分がございましょう。それから、先ほど申し上げましたように、まず自ら農林水産省としてやれるような調査等も行いながら現実問題としての具体的な支援について検討をしていきたい、そのように思っているところでございます。
  141. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 次に、農作業事故対策の強化についてお伺いをしたいと思います。  農作業事故で毎年四百人程度の命が失われていると。しかし、様々な努力をしているわけでありますけれども、なかなか改善効果が十分でないということで、それにはやはり農業者の高齢化、女性の農業者の増加に対する対応が遅れているのではないか、あるいは農業機器の改善、普及が遅れているのではないかというような問題点が指摘をされております。  新しい基本計画でも農作業安全対策の推進が盛り込まれているわけでありますけれども、農作業事故の防止に対する対策強化についてお伺いをしたいと思います。
  142. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 今年は、三月から五月までの間で、今お話がございました安全対策の月間というよりも、月を超えておりますけれども取り組まさせていただいておりまして、全国で五百を超えるような組織団体参加をしてくださっております。  その中で、昨年の結果としては、残念なことでありますけれども、毎年四百件前後ございますけれども、昨年は三百七十四件の死亡事故がございました。そのうち六十五歳以上の高齢者の比率というものが八割という高い比率を示しておりまして、これはまた増加の傾向にありますので、そこのところに対する対応というものをきちんとしていかなければいけないだろう。それから、女性の割合でありますけれども、約一割強でございまして、おおむね毎年五十件程度が死亡事故として上がってきているわけであります。まさに私たちの国は、ほかの国との大きな違いとして、農業に対する女性の寄与率というものが非常に高いわけであります。そのようなことから、女性に対する対策というものも行っていかなければいけない、そのように思っておりますし、今年は特に新たに労災に対する加入ということについてもそれぞれの団体について協力をお願いをしているところでございます。  大変失礼しました。出ている数字、先ほど申し上げたのは二十一年じゃなくて二十年の集計として出てきている数字でございまして、訂正をさせていただきたいというふうに思いますが、そのような現状でございますので、まだまだ大変に事故率が多い、高いということを踏まえてしっかり取り組むような体制を取っていきたいというふうに思っております。
  143. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 そういう安全な農業の機械の導入ということに関しましてこういうことが言われておるわけですけれども、国土交通省がトラックへの新型ブレーキの導入の際、例えば居眠りをするというようなときに警報が鳴る、そのような機能を導入する場合に、国交省が五割負担を、導入するに当たって五割負担をしている、日本トラック協会が一割を負担をしていると、そういうことで普及を図ったというような事例があります。  一方、農業機械についても、トラクターが転倒したときに家族に異常を知らせるような緊急通報装置というものが既に中央農業総合研究センターが開発をしているんですね。ところが、それが導入されないと。やっぱり農林水産省の補助もなければ、自前でやるしかないということなので、どうも売れないということもあるのかもしれません。高いと、それ導入するのに二十万円以上、ちょっとコストが掛かるということで導入が進まないということがあります。  そういう意味では、国交省が例えばトラックに対してはそういう支援をしているんで、農林水産省としても、もしこういう安全対策に寄与するような、そういう機器が、装置等が開発されたならば、それを導入するためにそういう支援をするというようなことも検討をしてもらった方がいいのではないかと、そのように要望をしておきたいと思います。  それから、私の考えでは、四百人という大切な命が毎年失われているということでありますので、こういう農業事故を予防するための農作業の安全対策を推進するための法律等も検討していったらいいのではないかと。もしこれからの対策がやっぱりスムーズに進まないようなときには、きちんと研究をする、予防対策について研究をする、そして安全対策についてきちんと企画を練って実施をしていく、そういうものを進めるためにはそういう農作業安全対策推進法というようなものが必要になってくるのではないかと、そのように考えておりますので、併せて御検討をいただければと、そのように思っております。  それから、もう時間がなくなってまいりましたけれども、一つだけ最後に質問をしたいと思います。  地球温暖化による農作物の適地が北上するというようなこともあると考えておりまして、今、高温障害回避対策等を農林水産省等で行っていると思いますけれども、こういう地球温暖化による農作物の対策、生産地の対策等をどのように進めていくのかお伺いをしたいと思います。
  144. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 非常に重要な視点だろうというふうに思っております。特に鳩山政権の下で二五%削減をしていこう、大きな目標を掲げて、その具体的な取組についても今種々検討をしているところでございます。その中で、特にこの農林水産の分野というものは、これまで森林の吸収源というものが大変大きな役割を果たすということで取り組んでまいりました。  一方で、ニュージーランドなどは、排出ガスのほとんどが第一次産業から排出をされるものだと、このような中で、日本の技術を生かしてメタン等を土壌に閉じ込めるとか、こういうような研究というものをやっていこうではないかという申出もあったところでございます。それに対して鳩山総理の方からは、きちんと提携をしながらそうした取組をやっていきましょう、こういう中で、今、先ほど委員の方からありましたグリーンイノベーション、その中でも研究開発というものを行っているところであります。  また、こうしたものが国際的な認知の中で吸収源の対策としてカウントをされるように私どもとしても行っていくつもりでございますけれども、いずれにしましても、そうした観点からの取組というものをこれからは大事にしていく、そのつもりで行います。
  145. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 これから地球温暖化対策は本当に一生懸命やっても、一、二度ですかね、数度上がってしまうということで、それに対して、例えば果樹等あるいは水稲でもそうかもしれません、少し北上するというような、産地が移っていくということがあるので、そういうことに対して、基本計画十年でありますから、そういうことも考えながら対応をしていく必要があるんだろうと。  そういう意味では、高温障害に対する研究等も進めておるということでありますので、例えば我が県はサクランボの、山形県サクランボの主要産地でございますけれども、気候等が、温度等が変わっていけばそういう産地が北上するというようなこともあり得るということでありまして、そういうこともしっかり頭に入れながら、十年の長い計画でございますので、対応をしっかりやっていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。
  146. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  基本計画について質問いたします。  今回、新たな基本計画として、食料自給率を今後十年間で五〇%に引き上げるということを明記したことは前進だというふうに思います。それを具体的に進める手だてについてお伺いいたします。  それで、耕地面積が四百六十一万ヘクタールということで、二〇〇九年の耕地面積と同じ耕地面積であることを前提にしているわけです。決定的な違いということでいうと、耕地利用率が現在の九二%から二〇二〇年には一〇八%に引き上げられるということですよね。基本計画では小麦の二毛作を飛躍的に拡大としているわけです。耕地利用率を引き上げて食料自給率を引き上げるという方向性については、これは我が党も支持できるものだと思っています。  基本計画で、五〇%にこの食料自給率を引き上げるために、品目別の食料自給率を引き上げるのに寄与する寄与率というのが出ていますよね。それから見ると、その三分の一が小麦に置かれているわけですね。要するに、食料自給率引上げの戦略の柱を小麦に置いているということだと思うんです。そうであるならば、元々は小麦や大豆なんかも自給率が高かったですし、二毛作もやっていたわけですけれども、それがなぜ行われなくなったのか、その原因をどう見ていて、その原因に対してどう打開していこうとしているのかというのが重要で、まずその点について大臣に御認識を伺いたいと思います。
  147. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) まず、私の方からお答えをさせていただきたいというふうに思っております。  紙委員御指摘のように、以前はかなり二毛作ということで小麦の生産が行われていたことがございました。例えば、昭和の十九年でいいますと八十七万ヘクタール、最大の面積を数えておりますし、三十年でも七十五万、四十年でも三十八万ヘクタールというような大きな面積で二毛作が行われておりました。これは、当時、まだお米というものが戦後の混乱のときも含めまして完全な自給に至っていなかったという中で、米の代用食料として、押し麦、大麦でありますとか、あるいはうどんに使われました小麦が生産、消費をされていたというふうに考えておりまして、関東以西の水田地帯では米と麦の二毛作が広く普及をしていたというふうに思っております。  しかしながら、米の完全自給が達成をされる中で、米の代用食料としての麦の需要が減退をしたことがございます。他方、パンの需要が増加をしたわけでありますけれども、同じ麦といいながら、パンに適した小麦の品種が国内にはその当時なかった、さらに米の作柄を安定化させるために田植時期を二毛作ではなくてずらさせた、前進をさせたということから米と麦との作期競合が生じた、以上のようなことから、二毛作による麦の作付けというものが大きく減少をしたというふうに今のところ考えているところでございます。  このような中で、今後の生産拡大に当たっての考え方でございますけれども、二毛作が可能な関東以西におきまして水田の団地化を図りまして、排水対策なども行っていかなければいけないわけでありますけれども、そのようなこと等加えまして、コシヒカリ等よりも田植時期の遅い水稲の品種、例えばにこまる等の品種に転換を進めていったり、あるいはまた麦の収穫時期が梅雨に差しかかり雨の被害等を受けないよう、わせの麦品種、イワイノダイチ等でございますけれども、育成、普及をするというようなことを考えていきたいというふうに思っております。  こうしたことの組合せによりまして、三十二年までに二毛作による麦の作付けを二十二万ヘクタール程度拡大をしてまいりたいというふうに思っておりまして、その内訳としては、小麦が十九万、大麦が三万というようなことを計算しているわけでございます。
  148. 紙智子

    ○紙智子君 なぜ減ったかという理由で大事なことを一言も触れなかった問題があるというふうに思うんですね。  それで、大臣にお聞きしたので、郡司さんは大臣ではないと思うので、これから大臣にと言ったら大臣がお答えいただきたいと思います。  それで、今は全然触れなかった問題として重要な問題があるんです。  小麦は、一九六〇年のときには三九%の自給率だったわけですよね。それが、一九七〇年に九%まで落ちたわけです。だから、十年間の間に三〇%も下がったわけですよね。当然、そのことによって二毛作が行われなくなったんですけれども、その原因としては、一九六一年に制定された、当時、農業基本法がありますが、ここで選択的拡大政策が導入をされたと。麦、大豆、菜種などの畑作物、それから野菜果実畜産に作目を転換してきたということがあるわけです。そのねらいと本質ということでいうと、麦や大豆、そして菜種などの油糧作物を輸入に置き換えて、畜産の振興で輸入飼料の依存とその輸入拡大を進めると。そのほとんどがアメリカに依存するものだったわけですよね。背景には、当時のアメリカの余剰農産物の実態があったというふうに思うんですよ。  赤松大臣は、多分、私から見ると少し先輩の世代だと思うんですけれども、そういう意味では非常に認識というか、覚えていると思うんですけれども、やっぱり子供のころにパン食べると頭が良くなるとか、そんな大宣伝がされたということが背景にあると思うんですけれども。  当然、小麦の自給率を今度三四%に上げるということになると、これ輸入小麦で百万トンほどは国産小麦に置き換わることになるんだろうと思うんです。これは政策でいえば大転換だというふうに思うんですけれども、アメリカなどの輸出国から見ると、これは権益を損なうということになると。  大臣はこれまでも、カレントアクセスでも、国家貿易の場合はアクセス数量を全量輸入するというふうにおっしゃってきたわけですけれども、小麦もカレントアクセスで今五百七十四万トンですか、国家貿易ということで入っているわけで、これを、じゃ百万トン輸入量を減らして置き換えていくということをしなければ三四%にはなっていかないというふうに思うんです。どのようにして、大臣、そこのところを実現するお考えなんでしょうか。
  149. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) これは、一つには、今一番小麦の消費が多いのはやっぱりパンなんですね。そうすると、製パン業者の人たちともよく話をしますが、これは大規模、小規模問わず、やはり残念だけどという言葉が適当かどうか分かりませんが、食パンには例えばアメリカのこういう小麦を、何とかにはオーストラリアのこういう小麦を、あるいはカナダの小麦を使わないとうまくこれが焼けないとか、そういう実態があります。  ですから、私どもは、別にアメリカにこれは遠慮しているわけでも何でもなくて、そういう製パンをする上でそれに適した品種の小麦に置き換わっていって、それがどんどんそれに代わっていくということはもう大歓迎ですし、それからもう一つは、やっぱり今小麦に頼っている分、私も昨日ビッグサイトへ一時間で往復して見てきましたけれども、ちょうど今食品フェアやっていまして、あそこなんかでも、例えば日本ハムなんかが米粉パン作っているんですね。何でハム屋がパン作っているんだと思いますけれども。しかし、そういうあらゆる食品メーカーの人たちがやっぱり米粉に大変注目していただいていて、どんどん小麦に代わって米粉を使っていこうということをやっていますので、これもかなり意欲的な数字だと思いますが、五十万トンということで、今の輸入小麦にこれを代替をしていくということも打ち出しているわけでございます。  ですから、これは小麦に限らず飼料米についてもそうですけれども、今よく私が例に出しているのは、アメリカ等からトウモロコシを毎年四千億円も買っていると。すべて置き換わるわけではありませんけれども、少なくとも飼料用米を作って、それを食べた豚の方がおいしいんですから、そしてまた、より近くで作ってもらえるという意味で、安心、安全の飼料になるんですから、そういう意味でどんどんとそれに代わるものは代えていくということで取り組んでいきたいというふうに思っております。
  150. 紙智子

    ○紙智子君 今のお話ですと、置き換えていくということをやっていくというお話だったと思うんですね。それであれば、これまでずっと言われてきた、WTO協定になかったけれども、国内でこれまでずっと国家貿易ということで入れればカレントアクセスもミニマムアクセスも全量輸入だというこの見解というのは撤回をされるということですよね。撤回をされるということですよね。そうしないと合わないと思うんですよね。大臣。
  151. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) ちょっと、米の問題と小麦の問題、ちょっと違うと思うんですね。  小麦については、別に今国家貿易というか食管制度でやっています。これはもう製粉業者の人たちのいわゆる納得の上で、それしか使えないわけですから、それでやっているわけで、ただ、今は小麦のカレントアクセスとMA米についてどうなんだという話だと思うんですけれども、今申し上げたように、小麦の方は輸入機会の提供であると、それから国家貿易により輸入していると、基本的には当該数量を輸入すべきものという性格についてはMAの場合と同様だと思いますが、しかし今国内消費量の約九割に当たる極めて大きな数量でございまして、たしか小麦で一四%ぐらいでしたかね、自給率ってね、そんなふうだと思いますが、そういう中で、現在でもその九割を達成して、五百三十万トンという大量の輸入を行っているわけですから、これを、じゃ、すべて取っ払って、もう自由にやりますかというわけには、これはいかないだろうというふうに思っております。  それから、MA米の方は、もう何回も申し上げておりますけれども、これは、ガット・ウルグアイ・ラウンドのあの七百数十%という米に対する関税、これの代償措置といいますか、それを認めさせる代わりに国際的に約束をした、そういうものでありますので、これと小麦とはちょっと一緒にならないということではないでしょうか。
  152. 紙智子

    ○紙智子君 やっぱり交渉をする際に、もっとはっきりと立場を表明される方が分かりやすいと思うんですよね。要するに、置き換えていくということを考えているわけですよ。そうしないと自給率は上がっていかないわけですから。  その際に、今までの約束、約束というかアクセス量として入れると言っていたことを、そうではないんだ、これからは違うんだということを言わないと、今までどおりやっていて、何となく変わらない中でちょっとずつというふうなことではなしに、やっぱり閣議で決めてあるわけですね、五〇%をやるんだと、そのために国家戦略で麦をそこに据えてやるんだから、そうすると、当然向こうだって分かるわけですよ、見ているわけですから。今度、政権が替わって、民主党政権がそういう方向なんだなと。そのときに、はっきりとやっぱり打ち出して、これまで言ってきた立場ではなくて、ここははっきりと戦略的に自給率を上げるためにこうするんだということを言って交渉すべきだというふうに思うんですよね。その辺はいかがですか。
  153. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) これはもう基本的に、だから小麦とお米は全然違うんです。  例えば二年前に、世界的な天候不順もありましたけれども、小麦が不足をしたと。トウモロコシ等についても、エタノールへの転換ということもありましたけれども、それも不足をしたと。そういう中で、日本についてはむしろ、そういう、まあ値段は上がりましたけれども、少なくとも小麦が入らないと、供給できないということはなかったわけです。  それはなぜかといえば、カナダ、アメリカ、オーストラリアとの信頼関係の中で、小麦については、価格は上がりましたけれども安定的に供給がなされたということでありまして、世界のこれからの趨勢を見ると、これはもう昨日の日米の食料安全保障のシンポジウムでも出ましたけれども、特にこれから小麦、大豆等、あるいは飼料作物もそうかもしれませんけれども、これはどんどんとやっぱり逼迫の状況、中長期的に見ても逼迫の状況にあるという中で、現在お米はむしろ生産数量目標を設定してむしろそれを抑えるという状況の中ですから、そういうお米の取扱いとそれから小麦の取扱いは当然これは違うということを是非御理解をいただきたいと思っております。
  154. 紙智子

    ○紙智子君 米とはまた別ですよね。米と一緒にしないでちょっと、したいんですけれども。結局、政権の中で十年後に食料自給率を五〇%に上げると、柱は小麦で百万トン増産するんだと、それも二毛作でやるんだというふうに言っているわけですよね。  それであれば、これまでカレントアクセスで五百七十四万トン輸入をしてきたわけですから、これが、小麦の消費が、物すごく急にその消費が増えるということでもないわけだから、そうすると国産で百万トン増加ということになると、それは一体だれが買うのかということになってくるわけですよね。ですから、そこはやっぱり国産小麦が輸入小麦に置き換わっていくというふうにしなければ、最終的にというか、目標とした自給率には到達しないというふうに思うんですよ。だから、そういうことをはっきりさせて交渉すべきじゃないかということなんですけれども、もう一度。
  155. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) ですから、紙委員がおっしゃっているのは、七十七万トンのアクセス米は、もうそんなものはやらないと、受け入れないということを言えということをおっしゃっているんでしょうか。
  156. 紙智子

    ○紙智子君 米の話はしていないです。
  157. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 米じゃないの。小麦についてということ。
  158. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 舟山政務官、答弁できますか。
  159. 舟山康江

    大臣政務官舟山康江君) 紙委員御指摘のとおり、百万トン数量を増やすということは、その分輸入量は減る方向だと。御指摘のとおり、消費量が大幅に増えない限りそういった方向だというふうに思いますし、やはりこれは自給率目標を達成するためにしっかりとやっていくということだと思います。  そういう中で、そのカレントアクセスとの関係ですけれども、やはりそれは、将来における関係についてはその時々の交渉の状況を踏まえて適切に対応することになると思いますけれども、先ほど大臣からも答弁ありましたとおり、小麦についてはもうかなり大きな数量を既に輸入しているわけですね。消費量の九割という極めて大きな数量を輸入しているという状況もあって、ある意味、米についてはかなり今でももっと増やせという声がありますけれども、小麦について更に枠を増やせとか、達成しろとか、そういった声は実際に外からも起きていないという状況もあります。  いずれにしても、やはり小麦については、そういう事情はしっかりと踏まえて、今後その数量をどうするのかというのは判断していかなければいけないと思いますけれども、やはり今、生産が増えれば輸入量が減ると、そういった方向で進んでいくんだと思いますけれども。
  160. 紙智子

    ○紙智子君 だから、私が言いたかったのは、要するに九割ももう小麦入っているんだから、たくさんの枠入っているんだから、少しぐらい減って取り替わったとしてもそんなに言われないんじゃないかということなのかもしれないんですけれども、そうじゃなくて、やっぱりはっきりと我が国の方向としては切り替えていくんだよということを知らしめていくということが大事だと思うんですよ。  私は、やっぱりこの輸入自由化政策というところが非常にすごく問題意識を持つんですけれども、昨年末に閣議決定されている新成長戦略ですね、これ見ますと、二〇一〇年に日本がホスト国になってAPECの枠組みを活用して、二〇二〇年を目標にしてアジア太平洋自由貿易圏を構築するということのための我が国としてのロードマップを作成するということになっているわけですけれども、このアジア太平洋自由貿易圏に当然アメリカも含まれるんだと思うんですね。そうすると、懸念してきている日米FTAも包含されているんじゃないかと。そういう自由貿易圏になっていくというふうに思うと、それを食料自給率五〇%目標の最終年に、二〇二〇年に構築するというわけですから、どう考えても日本の農業というのはそうなると幾ら食料自給率五〇%といっても大変じゃないかというふうに思うわけですけれども、この辺のところも含めていかがですか。
  161. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 今お話がございましたようなアジア太平洋自由貿易圏の関係につきましてでございますけれども、私どもの基本は、これまでお話をしてきましたけれども、EPA・FTA交渉について述べてきた、我が国の食の安全・安定供給食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わないというのが基本的な姿勢でございまして、この姿勢はすべてのところについての基本姿勢として堅持をしていきたいというふうに思っております。  したがいまして、その範囲において考えていくということになりますれば、先ほど言いましたFTAAP、いわゆるアジア太平洋自由貿易圏の関係につきましてもこの範囲内において行っていくということが基本でございます。
  162. 紙智子

    ○紙智子君 範囲内においてというお話されるんですけれども、今のところは日米FTAは入っていないですよね、交渉に。もしこれ交渉して受け入れるということになったら、米でいえば八二%生産減少になるということが言われているわけで、入っていないんだけれども、こういう形で、実際にアジア太平洋地域という形でその全体の中で交渉に入っていくということになると、いやが応でも日本はアメリカとの関係で非常に厳しいところに立たされることになるんじゃないかという不安もあるわけですよ。  そこに対しての考え方も、やっぱり本当に貫いて五〇%を達成させていくということではやらなきゃいけないというふうに思うんですけれども、その辺のところについてどうなのかということなんです。
  163. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) なったらというもし仮定の話でありますれば、今のところ仮定について私どもで言及をするということにはならないというふうに思っておりまして、基本のところを重ねて文言まで繰り返すということは避けたいというふうに思いますが、基本的にEPA、FTA等も含めて、他の国あるいは地域とのそうした交渉におきまして、我が国の国内農業・農村の振興などを損なうことは行わないということを堅持をしておくということでございます。
  164. 紙智子

    ○紙智子君 今お答えしている中身というのは実は前政権のときに、二〇〇五年に農産物の輸入自由化を促進したときに食料・農業・農村基本計画というのが作られて、EPAの交渉に際しては、食料安全保障や食の安全、安心の確保、農林漁業食品産業の共存共栄の実現、農山村の発展や貧困削減といった面で、我が国と相手国の双方にメリットのある形で取組が求められているということで表現していることと余り差はないというように思うわけですよね。  要するに、そこのところを本当に攻勢的に提案していくということでいうと、食料主権という考え方をそれこそ本当に明記してWTO協定に位置付けさせるというようなことを是非やるべきだというふうに思うんですよ。その点でいかがですか。
  165. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 事実関係だけその前に申し上げておきますと、先ほど申し上げておりますけれども、食の安全・安定供給食料自給率の向上、そして国内農業・農村の振興などを損なうことは行わないというのは、これは民主党としての以前からのマニフェストに書いてある各論の字句でございますので、内容として前政権と変わらないような内容ということがもちろんありましょうけれども、これは私どものマニフェストに使った字句として御理解をいただければというふうに思っております。  それから、食料主権という関係でございますけれども、これまで私どもの政府としては、多様な農業の共存という言い方をしてきました。しかし、これは私個人のことを申し上げれば、十数年前から食料主権というようなものは必要ではないかというようなことを党内でも何度か議論をしてきたことがございます。  しかし、そのこととWTOの中に位置付けろということはまた若干違うようなところがございまして、御存じのように、二〇〇四年のときに使われて、それ以降ある意味を持って使われておりますけれども、まだ世界的に食料主権ということの定義についての合意もなされているとは言い難いのではないかというふうに思っておりまして、私どもとしてもそのような考え方を持っているところでございますが、今現在、世界の中でそのことを皆さんの合意とするまでには至っていないというのが現実というような認識もございます。
  166. 紙智子

    ○紙智子君 官僚の方から説明聞くとそれと同じことを言われるんですけれども、国連では人権委員会で既に食料主権ということをもっとやっぱりしっかりと打ち出す必要があるということで決議もされていますし、そういう今の実際に国際社会の中で進んできている現実があるので、そういうことを議論されたことあるんでしたら、是非とも入れていただきたいと思うんです。
  167. 郡司彰

    副大臣郡司彰君) 私自身はずっとそのようなことを使ってきた経過がございます。したがいまして、いろいろなところで十数年前からそのような議論もさせていただいておりますが、まだ党全体としても政権全体としてもそのような言葉を共通の認識、定義として使っているということにはなっていないということもございますので、これから私自身はそのようなことに努力はいたすつもりでございますけれども、現状、世界のWTOの中でということにはなっていないというのが現実であろうかというふうに思っております。
  168. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっとこの問題だけでまた時間取れないので、是非、今後そこのところも進めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  次、米国産牛肉の問題なんですが、今日、先ほども赤松大臣から報告ありましたけれども、米国の農務長官米国産牛肉の輸入条件の緩和問題でも話をされたと。日本は、事実上、全頭検査の体制を維持しているわけですよね。本来、日本に牛肉を輸出するのであれば、米国の側が日本のこの体制に、基準に合わせて全頭検査をやって行うべきだというように思うんです。  米国の牛肉生産を行っている食肉処理の施設のずさんさということでは、私どもが調べて出版している「ノンコンプライアンス・レコード」でも明らかですけれども、二〇〇六年の六月の米国産牛肉の輸入再開以降、この三年四か月で三件危険部位の混入違反というのを含めて、米国産牛肉の輸入条件の違反で輸入差止めとなった事件というのは十三件に及ぶわけですよね。その中で、例えばカーギル社のドッジシティー工場というのは三回違反を繰り返しているとか、タイソン社のレキシントン工場が二回違反を繰り返しているとか、この米国の食肉の処理施設というのは、言わば巨大なタイソン社とかカーギル社とかいう五大パッカーが全体を支配していて、その工場というのは非常に過剰な生産スピード、物すごい早いスピードで回っていて、人員不足の配置、移民労働者に依拠していると、劣悪な労使関係に置かれているという全体の中でしばしば起こっている問題だというふうに思うわけです。  そういう中で、米国政府に対して、やっぱり日本と同様の全頭検査、全年齢牛からの危険部位の除去、飼料規制を求めて、それが実現できなければ輸入は差し止めるという強い姿勢で臨むべきだというふうに思っています。輸入条件の緩和というのはとんでもないというふうに思っておりまして、大臣の決意、その点で伺っておきたいと思います。
  169. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 日本の場合は、御承知のとおり、二十か月齢未満につきましては各都道府県が自らの判断でもって検査をやっているということでございまして、基本的に農林水産省としてはそれを超える年齢のものについて検査をして、ごめんなさい、厚生労働省としては、国としてはそういう形でやっているというのが現状でございます。  アメリカの中のことについて、こうやるべきだ、ああやれと言うのは、ちょっとこれは内政干渉にも当たるので言えませんけれども、ただ今日のビルサック長官との話合いの中で私が例に挙げて申し上げましたのは、ここに日本の牛肉あります、ここにオーストラリアのオージービーフがあります、ここにアメリカのお肉がありますと。輸入機会を広げても、スーパーへ行って、消費者は同じ値段だという前提でも、じゃ、どれを取るのかというときに、いや、好んでアメリカの肉は安い上においしくて品質も良くて安全だといって取ってもらわなければ消費の拡大になりませんよと。アメリカの肉を避けてオーストラリア日本の肉を取るということになったら、幾らそういう窓口だけ広げてみてもそれは意味のないことですと。中国のギョーザ事件を少し例に取って説明しましたけれども、今ギョーザと関係ないものまで裏を見て中国と書いてあると何となくまた置いちゃうなんていう消費者が、すべてとは言いませんけれども、それぐらい日本消費者というのは食の安全について敏感なんですよと、ですから是非それにこたえるような形でやってほしい、混載事件なんていうのはもう二度と起こさないでほしいということを申し上げました。  ただ、アメリカの方は、今、紙委員からお話に出た三件、混載事案を起こしたところについてはもうちゃんとやっているし、報告書も出しているんで、何とかこれは許してもらえないかというようなお話もありましたが、まあそれは一回報告書もきちっと読ませていただき検討はしたいということを申し上げたということでございます。
  170. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 紙君、時間が来ておりますが。
  171. 紙智子

    ○紙智子君 時間ですね。  ちょっと時間が来てしまいましたので、六次産業化の問題は法案も出されるようなので、そのときにまた質問したいと思います。
  172. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十六分散会