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2010-03-16 第174回国会 参議院 農林水産委員会 3号 公式Web版

  1. 平成二十二年三月十六日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小川 敏夫君     理 事                 一川 保夫君                 岩本  司君                 佐藤 昭郎君                 山田 俊男君     委 員                 大河原雅子君                 大久保潔重君                 亀井亜紀子君                 郡司  彰君                 主濱  了君                 藤原 良信君                 舟山 康江君                 松浦 大悟君                 岩永 浩美君                 中川 義雄君                 松下 新平君                 渡辺 孝男君                 鰐淵 洋子君                 紙  智子君    国務大臣        農林水産大臣   赤松 広隆君    副大臣        内閣府副大臣   大島  敦君        外務副大臣    福山 哲郎君        農林水産副大臣  郡司  彰君        国土交通副大臣  辻元 清美君    大臣政務官        総務大臣政務官  階   猛君        農林水産大臣政        務官       舟山 康江君        環境大臣政務官  大谷 信盛君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木 朝雄君    政府参考人        農林水産大臣官        房総括審議官   針原 寿朗君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○農林水産に関する調査  (平成二十二年度の農林水産行政の基本施策に  関する件)     ─────────────
  2. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に農林水産大臣官房総括審議官針原寿朗君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 農林水産に関する調査のうち、平成二十二年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題といたします。  本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 亀井亜紀子

    ○亀井亜紀子君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の亀井亜紀子でございます。政権交代をしてから農林水産委員会では初めての質問になりますけれども、よろしくお願いいたします。  今回の所信を拝見いたしまして、幾つか私が是非進めていただきたいという政策がございました。その一つが農業の六次産業化の推進です。本日、資料をお配りしておりますが、届いておりますでしょうか。  私は、実は昨年、この委員会で、たしか三月と六月に二回、農業の六次産業化についての質問をさせていただいております。そのきっかけとなったのが島根県にある一企業です。まさに社名がシックス・プロデュース、六次生産という意味なんですけれども、大学生が起業いたしました。  彼は牛乳屋さんの子供でして、起業するきっかけは、お年寄りの方に昔の牛乳を飲みたいと言われたことだそうです。昔の牛乳はどんな牛乳だろうと調べたところ、実は島根県でも昔は牛舎で牛を飼うのではなくて自然放牧がされていて、その中で牛乳が作られていたということを知りまして、そういう自然放牧の牛乳を生産したいと考えました。けれども、そうすると、そのできた製品が規格外になってしまうので、販売先も見付けなければいけない。そのために、じゃ一次産業から三次まですべて自分でやろうと考えて、一次掛ける二次掛ける三次で六次産業という考え方をつくり出し、ビジネスを始めました。今軌道に乗っております。このことを私は、自分の地元ですから耳にいたしまして、ああ、六次産業と、そういう考え方をこの委員会でも紹介してまいりました。  今回、政府としてこういった六次産業化を推進されるということですけれども、こういった取組は全国でも今広がってきているのでしょうか。大臣のこの法案を提出された思いですとか全国の事例、それから、私は一掛ける二掛ける三で六次産業と考えていたんですが、農水省の方に一足す二足す三で六次という説もあるのですよと言われました。私は掛け算かと思っておりましたけれども、どちらでもいいことかもしれませんが、大臣の御見解をお聞かせください。
  6. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) おはようございます。  六次産業化についての御質問がありました。  まず、六次産業化についてですけれども、六次産業化というのは非常に広い概念でありまして、農林水産物だけではなく、農山漁村に存在する土地、水、その他の資源を有効に活用して、一次産業としての農林漁業、二次産業としての製造業、そして三次産業としての小売業等の事業の融合を図る、一体的に行っていくという、そういう取組であって、これを応援していこうというものであります。  御質問にありました一足す二足す三なのか、一掛ける二掛ける三なのかと。いろんなとらえ方があると思いますけれども、やはり一体的にとらえるということを考えると、足し算よりは掛け算なのかなと思っております。それは、やはり相乗効果が出るということ、もう一つは、やはりどれが欠けても、足し算であれば例えば一次がなくても何とか成り立ちますけれども、掛け算は一次がゼロであればすべて答えはゼロになってしまいます。そういう意味からも、やはり掛け算ととらえた方がより実態的なのかなと思っております。  それから、六次産業化の事例、委員御紹介のそのシックス・プロデュースも拝見させていただきましたけれども、そのような取組というのは今全国に相当たくさん出てきております。是非そういった優良事例を紹介しながら、この取組をもっともっと後押ししたいと思っております。  今日、二つぐらい少し紹介させていただきたいと思いますけれども、例えば加工に係る優良事例といたしましては、和歌山県の東牟婁郡農事組合法人古座川ゆず平井の里においてポン酢、マーマレードなどのユズ加工、販売に取り組んでおりまして、その結果、平成十一年と比べて加工品の売上高が三千二百万円だったのが、ここ数年で九千四百万円と三倍近くに伸びているという事例。この結果、パートを含め十七名の従業員を雇用、そのうち九名がUターンということで、地元の雇用の拡大にも役立っているという事例であります。  もう一つ、直接販売に係る優良事例といたしましては、例えば千葉県の柏市で農産物直売所「かしわで」において、農家が設立した直売所で農産物の直接販売に取り組んでおります。その結果、直売所を開設した平成十六年度と比べまして、これも三・七億円から九・三億円と売上高が相当大きく伸びているとともに、パートを含めて今六十五名の従業員が雇用されているということで、非常にこういった農山漁村にある様々な資源を利用して六次産業化を進めていくということはいろんな効果が上がっていると思っておりまして、是非こういったものをどんどん広げていきたいと思っております。
  7. 亀井亜紀子

    ○亀井亜紀子君 それでは、六次産業化の推進、よろしくお願いいたします。  さて、先ほどのシックス・プロデュースという会社の立ち上げのきっかけは、その製品が規格外であったことです。ですから、私は規格ということについてお伺いをしたいと思います。  野菜にしても魚にしても乳製品にしても、規格外食品というのは流通をしないということに私は問題があるのではないかと思っております。  キュウリを例に取ります。曲がったキュウリは消費者が好まない、売れないから引き取らないのだという話が一つあります。私自身は、キュウリを丸ごとかじるわけではありませんから、例えば切ってサラダにしたりするのであれば少々曲がっていても気にいたしません。スーパーマーケットに行って真っすぐのキュウリが三本サランラップにくるまれて売られている状態というのは、やはりある種不自然だなというふうに私は感じています。  では、そのキュウリ、曲がったキュウリを好むのがだれなのか、それは果たして売れないから、消費者が選んでいるのか、あるいは流通業者が選んでいるのか。私は、例えば流通業者が段ボールに入れてキュウリを運ぶときに、ある箱に百本入る、真っすぐならば百本入る。ところが、曲がっていたら八十本しか入らない。だから真っすぐの方が好まれるのではないかと、そういうふうに考えたこともあります。  真っすぐなキュウリを求める消費者もいるでしょうから、そういうものを流通させることも大事ですけれども、でもやはり、なぜスーパーでキュウリが山になっていて好きなものを取ったり、そういう売り方というのがもっと広がっていかないのかなという気がいたしております。地元では、こういった売り物にならない野菜、ある旅館ではもったいない野菜と呼んで、それを仕入れて調理して食事に出すという活動をしているグループもあります。  一方、私は、キュウリ農家を訪問して話をいたしましたけれども、その中で、比較的若いんですけれども、僕は規格が大好きですという方にもお会いしました。彼の言い分は、キュウリが曲がるのは栽培者の腕が悪い、キュウリは本来真っすぐ育つものである、そして農家にしてみれば、真っすぐのいいキュウリを育てれば、これはA級品として幾らで買ってもらえる、その方が売上げの見通しもしっかり立つし、農家の技術の向上にも役立つので規格は必要なのですと、そういうことを言いました。なるほどなと思いました。  そこでお伺いしたいのですけれども、行政というのはやはり法律を作ったり基準を作ったり、規制をしていく方が仕事だと思います。ですから、規格を作るのは行政の仕事なんでしょうけれども、それでは、出回らない規格外製品というのは市場のニーズに任せて、市場でそれこそ六次産業なりビジネスを起こしていいと考えられるのか、それとも、それはそれで、食料自給率を上げるためにも出回る方法を考えていかれるのか、どういう立場に立って政策を考えておられるのか、質問させてください。
  8. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 今、委員からもいろんな声の御紹介がありましたけれども、やはりその規格をめぐりましては様々な声があると承知しております。やはりもったいないという観点、それから消費者が好まないんではないかという観点、また一方で、やはり今規格を定めているわけでありますけれども、実はこれは国が規格を決めているというよりは、生産者団体が独自の規格を定めて、流通の円滑化ですとか品質の均一化を図るという観点から取り組んでいるものであります。こういう取組、かつては非常にばらばらで物も悪かったわけなんですけれども、やはり市場取引に乗せるために、こういう取組の中で一定の品質の向上等に役に立ってきたのかなと思っております。  ただ、一方で、今お話があったように、やはり今非常にもったいないという視点、それから消費者の鮮度志向、有効活用の観点から、やはりそういう安ければ見栄えにはこだわらないという声とか、その用途に応じて、形なんかこだわらない、曲がったキュウリでもいいんだという、そういった声も出てきておりまして、やはりそういう取引、実際にそういうものを売っている産直ですとか直接取引なんかも増えてきております。  そういう動きに対して、国といたしましても、農林水産省としても、やはりそういう取組も支援していこうということで、例えば多様な農産物を直接消費者に販売する直売所を支援するとか、あとは、食品小売業者と農林漁業者が提携して行う直接取引を推進するということとか、あとは市場でも、元々は商物一致、取引と物が市場にあって一致して動かすわけなんですけれども、そうではなくて商物分離で、取引は市場で、しかし物は直接現場から現場へということの動きも出てきておりまして、多様な流通システムを応援していくという、そういう視点で今取り組んでいるような状況であります。
  9. 亀井亜紀子

    ○亀井亜紀子君 流通は多様であっていいと思いますので、六次産業を含め、いろいろな流通手段を推進していっていただきたいと思います。また、市場もニーズに合わせていろいろと拡大していくんだと思います。  それでは、次の質問に移りたいと思います。  森林と林業の再生について質問させていただきます。  今回、公共建築物等における木材の利用を促進するための法律案が提出されると伺っております。これは、私は国産木材の需要拡大政策だと理解をいたしております。WTOの関係上、保護主義と言われないために国産とはなかなか書けないのでしょうけれども、例えば国立公園の管理棟を建て替えますと、そのときにカナダのログハウスのようにしたいと思って一式を輸入したら意味がないなと私は思います。ですので、これは国産木材の需要拡大策だと、そのように理解してよろしいでしょうか。  それからもう一つ、御紹介したい例がございます。参考資料に付けておりますけれども、熊野本宮で昨年の五月から神社のお札を地元の間伐材の使用に切り替えております。神社のお札というのはやはり白っぽい木で皆同じような色をしていると、そういうイメージがありますけれども、別に白くなくてもいい、一枚一枚色が違っても構わないわけですから、わざわざ他県から木材を入れてくるのではなくて地元の間伐材を使いましょうという、そういう取組を始めております。非常にいいことだと思います。全国の神社が、お札を地元の間伐材を使うだけで大分私は需要が掘り起こされるのではないかと思いますので、こうした取組も是非政府として推進をしていただきたいと思います。  それでは、先ほどの質問、よろしくお願いいたします。
  10. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 御質問をいただきました公共建築物木材利用促進法案、今準備をさせていただいております。  もう御存じだと思いますけれども、私どもの国は大変に木材の需要が潜在的にございます。実際にもございます。そしてまた、戦後植林をされました国に植わっている木材が大変に伐期を迎えておるということがございます。ですから、そのようなものをきちんと路網などを整備をすることによって、まず川上、そして川下のところまできちんと流通をするような体制を整えることによって国産材の利用率を高めていこう、そのことが前提にあるということは間違いのないところでございます。  したがいまして、法案の中には文面として、今のところ、国内で生産をされた木材、その他の木材というような規定をさせていただいておりますけれども、国産材の利用を促進をしていこうということをうたっているようにも私どもはきちんととらえさせていただいております。  そして、その中で、今御指摘がございましたように、WTOの問題がございます。内外無差別ということがWTOの原則でございますから、国内で生産をされた木材を例示をするというような形の中で国産材の需要を喚起をしていこうと。  さらにまた、国産材だけではなくて間伐というものにつきましても、これまでは切捨て間伐などということが大変多く行われていたことも事実でございます。こうしたものの有効活用を図ることもまさに自給率を上げていくということでございまして、今御指摘をいただきました熊野本宮の関係もこれは大変にすばらしい取組だなというふうに思っておりまして、ただ、宮司さんのところ、神社さんのところも、これはまさにある意味では公的なものではございませんから、そのような形をしろということの指導まではできませんけれども、こうした事例を広めることによって皆様方のところで国産材を使っていただけるようにしていきたいというふうに思っております。
  11. 亀井亜紀子

    ○亀井亜紀子君 ありがとうございます。  それでは次に、戸別所得補償制度についてお伺いをしたいと思います。  この制度は恐らくEU諸国の制度を参考にしたものだろうと私は理解しております。たまたま、今日はいらっしゃいませんけれども、山田副大臣が以前、二〇〇七年の十一月にサピオという雑誌にお書きになった記事を目にしました。「農家への一兆円所得補償制度で日本の食料自給率は六〇%まで復活する」というタイトルが付いております。そして、その中で麦の例がございます。麦価差益の場合に、安い輸入小麦を国内価格に合わせて高く売るのではなく、高い国産小麦に助成金を出して、逆に安い輸入小麦の価格に合わせるという考え方を当時、山田副大臣は発表しておられます。そして、麦の国内消費は大体六百二十七万トン、ここから飼料用の約百万トンを除くと食料用は五百二十九万トン、このうち国内生産はわずか八十六万トンにすぎません。それを国内消費する食料分まで増産をすれば、それだけで食料全体の自給率は一〇%アップすると書いていらっしゃいます。ですので、こんなようなお考えがあって今回の戸別所得補償というような政策が民主党さんから出てきたのかしらと私は推測をしておりますけれども、今回の法案に至ったその背景の考え方について御質問いたします。
  12. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 今回の戸別所得補償制度の背景ですけれども、やはり今、日本の農業を取り巻く環境というのは、従事者が減少し、高齢化し、また所得の激減、そういう状況の中で非常に厳しい状況にあります。やはり大きくは、今非常に価格の低迷という状況に直面する中で、再生産が確保できない、農業が継続できないという、そういう状況にあると思います。そういう中で、やはり年々食料自給率が低下して、ある意味国の基本的な責務である食料の安定供給そのものを脅かすような状況になっています。こういう背景の中から、やはり農業の再生産を確保していかなければいけないんではないか、こういう中で戸別所得補償制度の導入を決めたところであります。  具体的には、今申しましたとおり、例えば主要産品、米、麦、大豆、こういった土地利用型の主要農産物に関しては今恒常的に生産費よりも販売価格が下回っている状況にあります。やはりこれを何とかしていかなければ、当然、ボランティアじゃありませんから、再生産できません。そういう中で、基本的には生産費と販売価格の差額を補てんして再生産を促すための制度だということでありまして、その差額を補てんすることによって意欲あるすべての農業者が農業を継続できるような環境を整える、しっかりとそれを下支えするというのがこの戸別所得補償制度の導入目的であります。そういう中から、下支えする中からやはり創意工夫と意欲を喚起していって、生産を拡大し、自給率の向上にもつなげたいと、そういう意味であります。  今御紹介いただきました山田副大臣の数年前の論文ですけれども、価格は輸入価格に合わせて云々という議論でしたけれども、今の制度設計の中では、今の国境措置の中でのものを考えているわけでありまして、まだそこまで価格も、関税とかそういった差益を取らずに安く抑えようということにはなっておりません。今の貿易制度の仕組みの中で、それでも今非常に経営は厳しい状況ですので、その中で今支援をしていくというものであります。  二十二年度、来年度から、まさに今予算の審議いただいていますけれども、二十二年度から始まります戸別所得補償制度モデル対策については、自給率向上を図る上でポイントとなります麦、大豆、米粉用米、飼料用米などについて、生産拡大を促す自給力向上事業と、それから恒常的に赤字に陥っている米に対して所得を補償する米のモデル事業をセットで行うものであります。二十三年度からの本格実施に向けましては、来年度のモデル対策の実施状況を踏まえて、品目、支援内容をしっかりと検討していくという、そういう考えであります。
  13. 亀井亜紀子

    ○亀井亜紀子君 では、時間がなくなってきましたので、次の質問に移りたいと思います。  前政権時代に進められた大型公共事業が幾つかありますけれども、その方向転換がもしできるとしたら、それは政権交代した今であろうと思います。  二つの例を出したいと思います。一つは中海の干拓淡水化事業、もう一つは諫早湾の干拓でございます。  中海の方は、私の地元にも近いわけですけれども、これは途中で中止をしております。今日、地図をお付けしました。一枚目は、宍道湖と中海がどういうつながり方をしているかという全体像です。そして二枚目が、今、中海がどうなっているかということなのですけれども、堤防が二つあります、大海崎堤防と森山堤防。ここで囲った内側を干拓をしようと、一部干拓をしようという計画であったわけですけれども、中止されましたので、この堤防は存在したまま放置されております。そして、この堤防の内側の水が大分劣化しておりますので、森山堤防、上の方の堤防ですね、ここを昨年開削をいたしました、六十メートル。目的は船の通航のためということで開削をして、やっと二十八年ぶりに通水ができて、今少しずつ中の水が良くなってきているとの報告もあります。  けれども、地元の漁民の方々は、もう少し外海と内海の海流を推進してほしい。具体的に申し上げれば、森山堤防を六十メートルではなくて二百メートルぐらい開削をしてほしい、もう片方の大海崎堤防も開削をして、今道路になっていますから、上は橋を架けて通行できればそれでよいと、そういう提案がありますし、また、工事のときに大分海底を掘ってしまっているので、そういったしゅんせつくぼ地の埋め戻しですとか、やはり農水省がやった工事をそのまま放置するのではなくて、環境を戻す、そういう努力もしていただきたいという声が上がってきております。  そこで、中海の干拓淡水化事業の中止に伴う様々な環境の劣化について今農水省がどのようにお考えなのか、お考えを伺いたいと思います。
  14. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 御指摘がございましたように、中海の干拓でございますけれども、平成十二年に本庄工区干拓の中止を決定をいたしまして、十四年には淡水化の中止を決定をいたしたところでございます。今御指摘をいただいたように、六十メートルのところを開削をして、今、水が相互に行き来をするような形の中で水質の変化が現れてきているというふうに思っております。私自身も二、三度本庄工区の方にもお伺いをいたしまして、以前の大変に漁が活発であったときの写真なども公民館等に展示をしているものをよく見させていただいております。  今、この六十メートルについて更に広げてはどうかということでございますけれども、今のところ六十メートルでもかなりの量が行き来をするような形になっている、これ以上広げることによってその状態が大幅に改善をするかどうかということがどうもはっきりしないというようなこともあるようでございますけれども、しばらくそのような形で推移を見させていただいているというようなところだろうというふうに思っております。  それから、さらに御指摘をいただきましたけれども、湖底の改変ですか、砂利を取ったということに伴いましてのくぼ地ができております。そのことが魚類の生息を脅かすような貧酸素水塊の拡大ということにつながっているかどうかということを調べなければいけないだろうというふうに思っておりまして、その原因について解明をするようなことはやっていかなければいけないというふうに思っております。  いずれにしましても、これまでと違いまして、工事を中止をし、淡水化を中止をし、六十メートルの開削を行って、今状況を見ながら、今後の漁業のありようについては県の方と十分に協議をしながらやっていきたいというふうに思っているところでございます。
  15. 亀井亜紀子

    ○亀井亜紀子君 是非よろしくお願いをいたします。  この中海というのは、真ん中に大根島という島がありますけれども、この島を中心に反時計回りの潮流があるそうです。この反時計回りの潮流を復活させたいというのが地元の漁民の声ですので、それに向けて是非よろしくお願いいたします。元々アカガイやアサリやスズキがたくさん捕れた地域でして、一九五〇年代から六〇年代は年間四千トンもあった漁獲量が近年三百トンに激減していると、そのように報じられておりますので、是非調査の方よろしくお願いをいたします。  関連で、諫早湾の干拓、開門問題についてもお伺いいたします。  こちらの方は最後まで干拓が完了してしまった例だと思います。私がこの地域に興味を持つのは、やはり中海を続けていたらどういうことになったんだろうかと、そういうふうに思うからであります。  今、水門を開けるべきかどうか、その検討がこれからされるというふうに伺っております。佐賀地裁が二〇〇八年六月に開門調査を命じて、今国が控訴している状況にありますけれども、地元との合意形成を重視し国が調整に乗り出す、そういう方針、そうとも取れる御発言もありましたけれども、今国はどのように対応策を考えておられますでしょうか。やはりこれも時間がたつとどんどん水質が更に悪くなると思いますので、お考えを伺いたいと思います。
  16. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 諫早湾の干拓事業でございますけれども、これは、過日、赤松大臣が委員会の答弁に答える形で、もう一度検討委員会を設置をしてできるだけ時間を掛けずに一定の方向性を出すようにと、そのような御発言がございました。それを受けまして、農林水産省の中に私が座長という形で検討委員会というものを設置をいたしました。そして、与党あるいは政府の方の意見をそれぞれお聞きをしながらまとめていこうという作業を始めさせていただいたところでもございます。  時ちょうど今日のお昼に第二回目の委員会を開くことになっておりまして、それぞれ関係をする県の知事の方からも御意見を伺い、あるいはこれまでの経過等も十分に参考にしながら、今の段階でどのような方向性が出せるのか、白紙の状態で私どもは真摯に取り組んでいきたいと、そのように思っているところでございます。
  17. 亀井亜紀子

    ○亀井亜紀子君 諫早湾も私は二年ほど前に視察に行っております。水面にアオコが浮いていた光景というのは今でもはっきり覚えておりますので、中海のように早く通水が行われるように願っておりますので、どうぞ対策をよろしくお願いいたします。  以上で私の質問を終わらせていただきます。
  18. 藤原良信

    ○藤原良信君 赤松大臣を始め政務三役の皆様方、日夜御奮闘されておりますことに敬意を表しながら、御質問をさせていただきたいと思います。  農林水産分野の重要性については、委員の皆様を始め、これは共通の認識でございます。限られた時間でございますので、今回は水産に絞ってその中で御質問をさせていただきます。  今日は、内閣府からも大島副大臣、それから総務省の階政務官、環境省の大谷政務官、わざわざ御出席いただきまして、ありがとうございます。  私は、このたびのチリの大地震津波の対策を尋ねながら、水産政策の充実について、政策について御質問していきますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  このたびの被災につきましては、私ども民主党岩手県連といたしまして二班に分けまして、主濱先生共々、現地を視察をさせていただきました。大変悲惨な状況でございました。その実情について、大臣、冒頭御報告をしておきます。把握をされていると思いますけれども、状況下、私なりに把握をしたことをまず御報告をいたします。  今回の被災は、これは複合的な被害だと思っております。と申しますのは、これは農作物と違いまして、今年の春に作付けをして秋に刈取りをするという、いわゆる水産の栽培事業というのはそういうものではないわけでありまして、四年先を目途として、三、四年先、早くて三年、四年先に、これは種を植え付けた、あるいは稚貝を栽培をしていって、そして生産物になるのは四年先と。ホヤは四年先でございます。それから、ホタテガイとかカキも早くて三年、四年先にようやく生産物になるというものでございます。ですから、全滅をしてしまいますと、これは四年間は収入がなくなってしまうんです。これが一つあります。  それから、これから個別にお聞きしますけど、強い水産づくりの交付金ということを要望されておりますけど、これらをやっていくにしても、そうするとどんなことかというと、スーパーアンカーを取り付けて固定をしておくと、これ被害が遭いにくいと。そういうところは今回も残っているんです。ところが、海底にこれは打ち付けるものですから、海底には残材が残っている、これを取り除かなきゃならない、取り除くためには大変な費用が掛かると。ちょっと天文学的数字だと思いますね。  ですから、後で大島副大臣にも是非お尋ねをし、見解を求めたいと思いますけれども、今回、激甚災害の指定を、これをやるような案件だと思うんです。数字上はこれは厳しいというふうには、それは今の現実ではなっておりますけれども、今の数字ではそうなんですが、三、四年先までこれ被害及びますし、それから、これ背後関係が非常に深い問題ですよと。  しかも、この地域というのは、局部的な問題ではありますけれども、高齢者が極めて多いということで、そうしますと、四年先を目途に、今から御高齢の方々が改めて直して、そして生産体系ができるような養殖施設を更に造って、四年先に収入が得れるようなことを四年間待つかということなんです。不安になってやめていく人が出てくるだろうと思います、それなりに対策ぶたないと。  そうしますと、どんなことが起きてくるかということは、先ほど複合的と言いましたけれども、私は漁協の組合員やめていくと思うんです、漁業やめれば組合員やめますから。そうすると、漁協経営も成り立たなくなりますよ。それから、地域経済も、これ当然影響していくということでございます。  よって、農林水産省は、これは中心でありますけれども、農林水産省を中心として、各省庁連携をしてこの対策をぶっていく必要があると思うんです。  そういう意味で、赤松大臣の御所見と、それから各省庁にお聞きいたしますので、よろしくお願いいたします。
  19. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 御承知のとおり、激甚災害の指定につきましては、中央防災会議が定めます激甚災害指定基準というものがございまして、それによります。その文書、基準には二%だ、一%だ、四〇%だと、いろいろな基準がございますので、全くそれを無視してというわけには正直言っていきません。  ただ、私どもも、今回のこの津波による被害につきましては連日報告を受けていますけれども、当初は十七億円ぐらい、トータルで、それが連日連日どんどんどんどんどんどん積み上がっていって、今日時点で被害総額が六十一億五千五百万円というふうに、日を追って本当に億単位でどんどん増えてくるという状況でございますので、各県から上がってまいります数字についても精査をする必要がありますけれども、私どもといたしましては、是非関係府省庁とも連携を密にしながら、委員のそういう御意見、御要望もございますので、しっかり前向きに取り組んでいきたい、こんなことを考えております。
  20. 藤原良信

    ○藤原良信君 ありがとうございます。  今回はわざわざ、ほかの委員会もあるようで、まげて大島副大臣にも内閣府、御出席していただいておりまして、激甚災害の元締でございますから、ただいまの、私、諸状況、実態を申し上げましたけれども、現在は現在ですけれども、これからの進み方について、激甚災害に向けて、お取り組み姿勢について御見解をお示しをいただきたいと思います。
  21. 大島敦

    ○副大臣(大島敦君) 藤原委員の質問にお答えをさせていただきます。  中井担当大臣も、岩手県そして宮城県含め、各沿岸部の被災状況については深く心を痛めているところでございます。  先ほど赤松大臣からの御答弁がございましたとおり、今回の津波によって岩手県では今六億三千三百万円、これまだ確定値ではございませんので、現在のところは、先ほど赤松大臣の六十一億五千五百万円の中で岩手県として六億三千三百万円が確定値ではないんですけれども今数字として積み上がっております。  そして、カキ、ホタテ、これも、先生おっしゃるとおり、一度いかだが壊れてしまうと三年から四年、次の、要は収穫というんですか、出荷には時間が掛かるという話も聞いておりまして、養殖施設に大きな被害が出ているということは承知をしておりまして、岩手県知事より施設の復旧に対する国の支援について、先般、中井大臣のところに要望がございました。  お尋ねの激甚災害の指定については、対象となる施設の被害状況等を把握することがまずもって必要なものですから、引き続き今情報の収集に努めさせていただいておりまして、被害状況等の実情に応じて適切に対応してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
  22. 藤原良信

    ○藤原良信君 ありがとうございます。  先ほど申し上げましたけれども、何度も重複して恐縮でございますけれども、これはまだまだ被害実態の数字が変化していくと思います。これは海底に残っておる残滓、これを取り除かなければ強い養殖施設のいわゆる整備にはつながっていかないわけでありまして、すなわちスーパーアンカーということを申し上げましたけれども、よって、これらを取り除いていく数字、それから三、四年先までこれ被害があるということ、こういうことを踏まえて、是非農林水産省と連携をして、激甚災害に向けて、これを進めていっていただきたいということを改めて申し上げまして、御検討していただきたいと思いますので、そのことを申し上げまして、もし見解があれば、改めて大島副大臣、よろしくお願いします。
  23. 大島敦

    ○副大臣(大島敦君) 済みません。一件だけ訂正。  先ほどの六億三千三百万円は養殖施設だけですので、岩手県全体としては十七億六千九百万円という数字を聞いております。  今の先生の御指摘についても、しっかり受け止めさせていただいて対応を取っていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
  24. 藤原良信

    ○藤原良信君 ありがとうございます。  それじゃ、ほかの委員会もあるようですから、御退席されて結構でございます。  それでは、個別の対応策について、これはどうしても、津波対策だけじゃなくて、水産の政策の充実ということでは私どもも認識一致していますので、これらの進め方、政府の考え方ということにもなりますので、個別の案件について副大臣等に御質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  まず、漁業共済の在り方でございます。  これは、御案内のとおり、加入率は、漁獲共済、養殖共済、特定養殖共済の三つの共済の平均が加入率五割でございます。もうずっとこの問題については取り上げてまいりましたけれども、それで漁業施設共済に至っては一割でございます、加入が。しかしながら、農水省の任務であります食料の安定供給や農山漁村の振興を達成するためには、より多くの漁業者に加入してもらうことが大事でございます。そうであるからこそ、掛金の国庫負担を行っているということだと思います。しかし、それでも加入が増えないとすれば新たな手だてを工夫すべきだと思いますが、私はずっとそう思っております。  共済加入が進まないのは、加入に当たっての負担感が漁業者に相当あるからだと思うんですね。特に、新たな経営安定対策として導入されました漁業共済の上乗せ対策、いわゆる積立ぷらすについてもそうなんですが、加入条件といいますか、加入要件が五つありまして、その中には六十五歳未満でなければ対象にならないとかというそういう条件、これも前回の私は委員会で取り上げて、こういうことはやめるべきだというふうにずっと申し上げてきました。要は、要件緩和をしていかなきゃならないと思うんですね。ましてや、これ農業の場合は、米の分野ですが、ナラシ対策でいきますと一対三で、国が三、農業者が一。で、この積立ぷらすも一対一なんですね。水産業者、漁業者が一、国が一と。  ですから、加入を進めていくことは大変これは重要だということで今申し上げておりますけれども、こういうことを含めて対応を、加入を進めさせるような、こういう被害等が起きた場合に共済というのは非常にこれは助けになるわけなんですね。これを総合的に考えるべきだと思うんですが、昨年の十一月の委員会でも私指摘しましたが、その後、どんなことを検討されてきて、どういうことを表していこうとしているのか、お示しをしていただければ有り難いと思います。
  25. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 今、漁業共済の件と積立ぷらすの二点について御質問いただきました。  漁業共済の加入状況につきましては、もう御指摘のとおり、現在、これは平成十八年度の数字ですけれども、五一・七%と約半数となっています。これは、昭和三十九年の制度発足以来、何度か制度改正を重ねて、また積極的な加入推進運動、やはりこの共済というのは、平時では役に立たないけれども、こういった不測の事態、災害のときに威力を発揮するというものでありますので、その趣旨なり、加入促進を図ってきた結果、年々増えてはいますけれども、今御指摘のとおりまだ半分にとどまっていると、そういう状況であります。  やはり掛金の負担感が強いということもありますけれども、こういう中で、共済掛金に対する国庫補助が行われておりまして、漁業種類ごとに補助率が異なっていますけれども、平均で共済掛金の四五%程度を補てんしている、補助しているというのが漁業共済であります。  さらに、今御指摘のあった平成二十一年度から漁業共済経営環境変化特別対策事業、そういった事業で共済掛金の上乗せ助成を行っておりますけれども、これは大きな損害が生じた場合、例えば今回の地震による津波ですとか、そういった大きな損害が生じた場合に十分な補償が得られるように、また一方で、小規模なものは自己負担で対応するという、免責ですね、そういった形になるような新しい契約方式、こういったものを選択した場合には国が一割程度掛金助成をすると、こういう対策も取っておりまして、この結果、今現在で一万五、六千件に増えてきておりますけれども、こういうところでやはりこの共済のメリット、必要性をもっと更に訴えていきたいと思いますし、例えば、これは昨年の十月の制度改正におきましても、共済を支払う場合を地震、噴火、津波、こういった災害に限定をして掛金を安くした商品、そういったものを開発もしているところです。  そういう中で、できるだけやはり多くの皆さんにこういう災害に対応した、被害の軽減に資するような共済をしっかりと宣伝、周知をしていただこうと思っておりますけれども、いずれにいたしましても、いろんな魚種ごとに掛金が違うとかいろんな問題がありまして、それについて、漁業者を始めとして関係者の御意見を踏まえて今も検討をしているところであります。  さらに、もう一つの積立ぷらすについてですけれども、これは御指摘のとおり非常に要件が厳しいという声が随分ありまして、これに対しましては、例えば加入要件について、平成二十年末に所得要件の見直しを行いました。さらには、年齢要件についても、なかなかこの六十五歳未満というのは非常に厳しいという指摘がたくさんありましたので、後継者の確保が確実である場合には対象とするなど、緩和を行ってきているところであります。  また、積立て割合、今一対一の積立て割合、その割合について、様々な諸般の情勢を考慮して決定されたと聞いておりますけれども、この積立ぷらすというのは、今国で検討しております漁業の戸別所得補償制度、これとどう置き換えていくのか、これをベースにどう新しい戸別所得補償の設計をしていくのかと、こういった検討も併せて在り方を今検討しているところでありまして、これは二十二年度で在り方検討をしているという状況であります。
  26. 藤原良信

    ○藤原良信君 ありがとうございます。  これは抜本的に、ただいま申し上げましたように、一対一、一対三の話を申し上げましたけれども、啓蒙だけじゃなくて、この共済の加入を高めるための抜本的なことも考えなきゃならないと思いますので、このことについては改めてまた申し上げたいと思います。今日はこのほかのこともありますので、進めさせていただきます。  よって、これからの災害に強い強固な安定的な養殖施設を造っていくとすれば、スーパーアンカーの話を今言いましたけれども、これは適切であると言われておりますけれども、これを進めるとすれば海底に固定しなきゃならないということになります。よって、こういうことをやっていく上での今度はいろんな応援策として強い水産業づくり交付金という、そういう支援が必要だと思いますが、このことについて進捗状況、それから、やるとすれば早期の交付金の配分についてもこれは進めていただきたいと思いますが、これも簡潔にお願いいたします。
  27. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 災害に強い養殖施設の整備に対する支援につきましては、今御指摘のとおり、強い水産業づくり交付金による助成が可能となっています。やはり、今私も被害の現状なんかを少し見聞きする中で、外海の波の荒いところでかなり強い波にさらされても非常に強い、アンカー固定したような施設は壊れていないけれども、内海の波の穏やかなところほど軽微なアンカー取付けによって被害が大きいということも聞いております。そういう中で、やはりこれを機により強い基盤をつくっていこうという、その県の姿勢というのはやはり評価はすべきだと思っておりますし、そういうものを国のこの強い水産業づくり交付金でしっかりと支援できると考えております。  そういう中で、今、これは都道府県が地域の事業要望を取りまとめて水産庁に申請する仕組みとなっておりますことから、関係県の要望を受けて可能な限り施設整備を支援していきたいと、そういう方針であります。これはだらだらと時間を掛けてやっても仕方がありませんので、やはりこういった交付金の交付手続につきましてもできる限り速やかに行いたいと、そんなふうに思っておりまして、現在、岩手県からも幾つか要望をいただいておりますので、しっかりと早期の対応を今進めているというところであります。
  28. 藤原良信

    ○藤原良信君 ありがとうございます。前向きな答弁で大変心強く思います。  よって、これは被害漁具の撤去とか災害廃棄物の処理の問題が随分あるわけでありますので、ちなみになんですけれども、今お聞きしますと、個人で海面の下のいろんな漁具とかなんかを整理するので、綱を切ったり直したりするのに潜水夫を頼んでいるんですね。ちなみに、その潜水夫を、一組というのは三人で組むんだそうです。一日幾ら掛かるんですかと聞いたら十五万だと言うんです。ある人は二組頼んでいまして、何日掛かるんですかと言ったら一か月ぐらい掛かると言うんです。この処理だけで一千万ぐらい掛かるんですね、一千万ぐらい。そういう実態が今の被害状況だということでございます。  よって、各省庁にお尋ねいたしますけれども、自治体もこれ負担しているんです。市町村が自分のところで単独費出していたりなんかしていまして、いろんな残滓処理について、おかに上げればこれはいろんな問題生じますので、それを処理するのに金が掛かるということで、環境省からまず、大谷政務官、わざわざ今日はありがとうございます。  環境省に災害等廃棄物処理事業というのがございます。被害漁具の撤去や処分あるいは補修に関してという形になっていくと思うんですが、今回の事案について、この事業の適用、そしてその可能性についてお示しをいただきたいと思うんです。
  29. 大谷信盛

    ○大臣政務官(大谷信盛君) 環境大臣政務官大谷でございます。ありがとうございます。  災害廃棄物処理ということに関しては、収集、運搬、処分において二分の一の補助をさせていただくとなっています。残りの半分に対しては八割の補助がありますから、合わせて都合九割補助ができる。災害廃棄物ということでやらせていただくということになっております。
  30. 藤原良信

    ○藤原良信君 ありがとうございます。適用になるということで御認識をさせていただきます。ありがとうございます。  大谷さん、ありがとうございます。  階総務省政務官にお尋ねいたします。  市町村の地方自治体が単独で財政支援をするということを議決をして決めて進めております。そうしますと、財政的なことは自分で出してということになっていきますけれども、これを総務省として特別交付税で、これは暦年対応ということであるそうですけれども、これは十二月と三月なんですか、これを含めて是非総務省で、特別交付税でその地域の市町を応援をするということを進めるべきだと思いますけれども、御検討の今の状況下をお知らせください。
  31. 階猛

    ○大臣政務官(階猛君) お答えいたします。  まずもって、藤原先生におかれましては、今回の津波対応、被害復興に向けて最大の努力をされていらっしゃることに対し、私も政府の一員として、また地元岩手の国会議員の一人として、心より敬意を表したいと思います。  その上で、御質問の件でございますが、ちょうど今日、閣議決定で今年度の三月期の特別交付税の配分が決まっていると思います。その中身につきましては、今回、原口総務大臣の方でかなり透明、公平なルールを作りまして、災害に遭われた地域にはそれに見合ったような的確な配分もしているというふうに承知しております。  そういったことも踏まえまして、今回の津波については残念ながらこの三月には間に合わないわけでございます。今年の一月から十二月までの被害に見合った部分については今年の十二月、それから更に被害が拡大するようであれば来年の三月というタイミングで特別交付税の支給というものを考えていきたいと思います。  国の支援の状況なども見ながら的確な対応をしてまいりたいと思いますので、今後とも御指導よろしくお願いいたします。
  32. 藤原良信

    ○藤原良信君 ありがとうございます。両政務官、本当に前向きな、的確な御判断で進めていくという姿勢を改めて認識をいたしましたので、明快な御答弁をありがとうございました。  そこで、今回の漁業被害を踏まえて、改めて漁業者の所得安定制度の必要性を痛感をいたしております。来年度予算では、漁業所得補償制度の調査費一億七千万円が付けられております。早ければ二十三年度にも沿岸漁業を対象にモデル事業をスタートさせると仄聞しております。  漁業については、その性格上、好不漁等による収入の変動が大きいことに加え、コスト増を価格に転嫁しづらい流通構造にもあると思います。漁業者の自助努力のみでは資源、漁場の安定を両立させることは難しいと思っております。そして、資源管理等の取組等によって生ずる所得減少等の影響を緩和する政策が、よって必要なんだと思います。  このようなことから、漁業の持つ特性等に即した所得補償制度を早期に導入することは、我が国の資源、漁場を守るという意味でも、あるいは水産食料の安定供給体制を確立するということでも必要だと思っております。よって、私は、漁業共済制度、積立ぷらすの充実が改めて重要だなと、そういうふうに認識をいたします。先ほども申し上げましたけれども、積立ぷらすの要件緩和、これらを含めた全体の中での制度づくりになっていくことを期待をいたしております。  現時点での漁業所得補償の制度のイメージについて、どう取り組んでいこうとしているのかをお示しをいただきたいと思います。
  33. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 今委員の方から御発言がありましたように、この水産漁業に対する所得補償の考え方というものは、まだ整理をしなければいけない部分があるだろうというふうに思っております。したがいまして、今年は、先ほど申し述べたような予算を計上して検討させていただいているところでございます。  その中で、やはり資源管理という考え方はいずれにしても大事なものとしてとらえていかなければいけないだろう、ただ、具体的な制度設計の中で、今の共済の部分とそれから積立ぷらすの部分とを生かすことによってより制度設計が可能になるということももちろん検討をさせていただいているところでございます。  いずれにしましても、一年間かけまして、それぞれの検討を重ねる中で、先ほど来からの委員の御指摘も踏まえたような制度設計に向けて取り組んでいく所存でございます。
  34. 藤原良信

    ○藤原良信君 ありがとうございます。よろしくお願いをしたいと思います。  それからもう一つ、もしよろしければ、委員長、大谷政務官それから階政務官は答弁終わりましたので御退席されても結構でございます。  資源管理の分野として、大きな課題として、これからの検討事項として私は取り上げさせていただきますけれども、巻き網、底引きトロールの問題でございます。  各地域、日本全国現場へ行かせてもらいますと、魚礁破壊、あるいは資源管理からいきましても、一網打尽にこれは捕ってしまうんで、これらのルール作りをしてもらえないかということを大分言われます。これらについて、今後の検討でございまして、時間がございませんから、これを是非検討していただきたいと、次の委員会で取り上げさせていただきますのでよろしくお願いを申し上げたいと思いますが、御見解があればお示しをいただきたいと思います。
  35. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 巻き網漁業、それから底引き網漁業、沖合漁業ですね、こういったものの中核を成しているわけですけれども、やはり、今現状、日本の海面漁業において漁獲量の約三割を生産する漁業になっておりまして、やはりその存続を図っていくことが重要なんだろうなと思っております。  ただ、一方で、やはり今御指摘のように、一網打尽に資源を捕り尽くしてしまうということであっては持続可能性は確保できませんので、そういう意味で、TAC、漁獲可能量制度とか資源回復計画によって資源管理を強化してまいりました。そして、この資源回復計画によって例えば休漁・禁漁区の設定をした場合には、例えば減収分の一部を補てんするなり、そういった制度も設けております。  さらには、やはり沖合と沿岸とのいわゆる線引きというんでしょうか、そういうものを設定、操業禁止ラインを設定して、余り沖合漁業に入ってこないような、そういう取組もしておりますけれども、やはり資源管理についてはこれからもしっかりと管理の適正化、強化を図っていく必要があるというふうに思っております。
  36. 藤原良信

    ○藤原良信君 ありがとうございます。  赤松大臣を始め農水省、総合的に本当に今回のこの津波対策に意欲的に取り組んでおりますこと、水産の充実に取り組んでおりますことに改めて敬意を表させていただきます。よろしく進めていただきますようお願い申し上げたいと思います。  最後に、委員長、私は是非委員長から、百聞は一見にしかずでございますから、現場の視察を政府のそれぞれの担当部署、現場を見ていただくようにこれを指示をしていただければ有り難いと思いますし、それから要請をしていただきたいと思います、指示というよりは要請を。それから、委員会での視察ができるのであればこれも御検討いただきたいと思います。  以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  37. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 委員会の視察の件の申出につきましては、後刻理事会で協議いたしたいと思います。  政府への要望は、大臣がいらっしゃるから直接お尋ねされたらいかがでしょうか。
  38. 藤原良信

    ○藤原良信君 委員長にお任せします。
  39. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) そうですか。では、後刻、理事会と協議の上、取り計らいたいと思います。
  40. 松下新平

    ○松下新平君 私は自由民主党の松下新平です。  早速ですけれども、赤松大臣の所信に対しまして質問をいたします。  政権交代後、初めての通常国会での所信をお聞きいたしました。私の地元でも、農業、そして林業、水産業、従事されている方から意見でありますとか要望、そしてこういうことを聞いてほしいと承っておりますので、時間の限り、矢継ぎ早の質問になりますけれども、本日は十八問通告しておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。  まず一問目は、WTO農業交渉、EPA・FTA交渉への取り組み姿勢についてお伺いいたします。  現在行われておりますWTO交渉は十年目を迎えておりますけれども、いまだ交渉妥結に向けた先行きが見えない状況にございます。二〇〇九年のラクイラ・サミットの共同宣言において、WTO交渉を二〇一〇年末までの合意を目指すことが明記されました。あと九か月です。  その上で、WTO交渉の中の農業交渉に限って見れば、農業交渉議長が提示した最新の農業モダリティーに関する議長テキストは今から一年三か月前となる二〇〇八年十二月六日の第四次改訂版でありまして、それ以降新たな提案はなされておりません。第四次改訂版の中で、我が国の最大の関心事である重要品目の数について見ますと、タリフラインの原則四%プラス代償付き二%の計六%となっており、我が国が主張する八%とは大きな開きがあるなど厳しい内容が示されております。  また、民主党は、昨年の衆議院総選挙のマニフェストにおきまして、国内農業などを損なうことはしないとの留保を付けながらも、米国との間で自由貿易協定の交渉を促進し、貿易投資の自由化を進めることを基本姿勢としています。  WTO交渉やFTA・EPA交渉で農畜産物の大幅な自由貿易を前提に交渉が進められれば、我が国の農業は壊滅的な打撃を受けます。特に、農業が基幹産業となっている地域への影響は計り知れません。農業の衰退は地域経済の悪化を加速させ、その影響は商工業やサービス業など他産業へも波及いたします。  そこで、質問いたします。  現在、WTO農業交渉は米国等の慎重な姿勢により進展はしておりませんけれども、今後、WTO非公式閣僚会議等を通じて交渉が一気に動き出して交渉妥結まで進む可能性は否定できないところでございます。政府はWTO交渉、特に農業交渉が今後どうなると予測されているのか、また、交渉を進展させるために我が国がイニシアチブを発揮する考えがおありなのか、お伺いしたいと思います。
  41. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) WTOの農業交渉に、松下委員、いつも関心を示していただいて本当に敬意を表したいと思っております。  この農業交渉でございますけれども、多様な農業の共存ということを基本理念として交渉が行われているのは御承知のことだろうというふうに思っております。各国の農業が相互に発展をすることができるような貿易ルールを作っていこう、そのようなことだろうというふうに思っております。  赤松大臣は、就任後間もなくでございますけれども、アメリカを訪問をさせていただきました。カーク通商代表、それからビルサック農務長官と会談をいたしましたし、十一月にもジュネーブで開催をされました第七回のWTOの閣僚会合等にも出席をし、また本年の一月にもダボスに出向きまして非公式の閣僚会合にも出席をしてきたところであります。この場を通じまして、今も御指摘がございましたけれども、多様な農業の共存を基本理念とする我が国の食料輸入国としての立場について主張をしてきたところでございます。  今後の見通しということになりますと、先ほど例示されました一昨年の十二月もそうでございました、その年の七月もそうでございましたけれども、幾つかこれまでもまとまるのではないかというような機運がある中で、結果としては今日を迎えているところでございます。  私どもとしては、基本的には本年度中にまとめたい、このような姿勢を持ちながらも、これまでの経過等も踏まえまして、また、今年も関係をする国ではそれぞれ選挙等が予定をされている国もあるようであります。十分にそうしたことを配慮しながら、今後の成り行きを見守ってしっかりと交渉を続けていきたい、そのように思っているところでございます。
  42. 松下新平

    ○松下新平君 大臣の言葉を引用され、横に大臣がいらっしゃるので、大臣の御答弁もお願いしたい、あっ、次で結構です、済みません。  次に、農業モダリティーに関する最新の議長テキストは提示されましてから一年以上にもなり、その内容が妥結に向けて既成事実化したようにも見えます。仮に、現状の農業交渉議長テキストの内容で決着するとなりますと、我が国への経済、とりわけ農業に対する影響は極めて大きいものがございます。議長テキストの第四次改訂版のまま妥結するようなことは絶対避けなければならないと思いますけれども、大臣の見解をお願いいたします。
  43. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 今、副大臣の方からも少し触れていただきましたけれども、ジュネーブ、そして一月のダボス会議と並行して行われました非公式ですけれども閣僚会議、こういう会議を通じまして、WTOのラミー事務局長ともその都度いろいろと突っ込んだ話もさせていただきましたし、各国首脳とも話をさせていただきました。  ただ、全体のまず流れの話でいいますと、例えば、非公式とはいえWTOの閣僚会議では、アメリカそして中国のそれぞれの代表が参加さえしないという状況でございまして、人によればG2なんということで、いわゆるこの主要二か国が入らないままで本当に話は進むのかという懸念を持っている国が多いのもまた事実でございます。  ただ、ジュネーブのときのWTOの会議でも、私も発言しましたけれども、すべて発言した百数十か国は、必ずドーハ・ラウンドの本年中の、二〇一〇年中の妥結と、そして自由な貿易をということは必ず発言をするわけですけれども、総論はそうだとしても、各論に入っていくとそれぞれの国の利害が対立をして、正直なかなか進まないと。  特に、郡司副大臣も申し上げましたけれども、アメリカ等が中間選挙を控えていると、とてもその前までに、綿花等の問題がございまして、これはそう積極的に取りまとめに動こうというようなことにはなっていないというのが私は実態だと思っております。  しかし、自由貿易を求めていく、基本的にはという姿勢は、これは各国共通、世界共通でございますので、この視点はきちっと持ちながら、ただ、衆参の国会決議もあります、そして私ども民主党もマニフェストの中で、もう御存じ、何回もこれ引用していますけれども、我が国の食の安全・安定供給、それから食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わないというのが基本姿勢でございまして、そういう姿勢をきちっと堅持しながら、今委員が御指摘をいただいた、私どもとしては具体的な交渉の中では三つの重要な点があると、お話のあった重要品目の数と柔軟な取扱い、上限関税の不適用、そして関税割当ての新設、この三つが私どもとして重要項目だということで臨んできておるところでございますので、積極的な話合いはいたしますけれども、こうした基本的な姿勢を堅持しながら交渉に臨んでいきたいと、このように考えております。
  44. 松下新平

    ○松下新平君 マニフェストについてはお聞きしようと思ったんですけれども、今あわせて決意をいただきました。国内農業・農村の振興と食の安全を損なわないと明確におっしゃったので、是非お守りいただきたいと思います。  次に、戸別所得補償制度モデル対策についてお伺いいたしたいと思います。  まず、米価下落の懸念と大幅な下落に対する対応についてでございます。  政府は、今月中の策定を目指して検討している新たな食料・農業・農村基本計画において食料自給率を十年後には五〇%を目指すとの方針は、我が国の食料安全保障の確立に向けて国内農業の大幅な振興を図ることを前提にしているものとして評価したいと考えております。しかし、食料自給率の向上を進めようとする二十二年度の戸別所得補償制度モデル対策には幾つかの困難な課題も残されております。米の需給調整は、事実上、選択制となりました。全国一律十アール当たり一万五千円の定額部分の交付というメリット措置が設けられましたけれども、米の需給調整が確実に働き、米価の下落に歯止めを掛けることができるかどうかは不透明でございます。  また、米の豊作、消費者の米離れ、少子化の進展などによって米が供給過剰になって、米価が下落する可能性もあります。モデル対策では変動部分の交付が用意されているとはいえ、過剰米が生じ米価が大幅に下落すれば、必要な所得が得られるかどうか、不安は残るわけです。次年度の米作りに必要な所得が得られなければ、耕作放棄地が更に拡大することは容易に想像できます。  そこで、質問です。  赤松大臣は昨年の秋以降、この参議院での農林水産委員会等の場で米戸別所得補償モデル事業には参加農家に強力なメリット措置が用意されている、そのため多くの米生産農家が参加することとなり、生産目標数量が大方達成できて、結果的に米の需給は引き締まり、心配されるような大幅な米価の下落は生じないのではないかとの考えをずっと示してこられました。  しかし、米の生産には、御案内のとおり、豊作、凶作の変動が付き物であって、たとえ作付け段階で生産数量目標が完全に達成できても、二十二年産米が大豊作になれば過剰米は生ずることとなります。これまでの過剰米対策である集荷円滑化対策を廃止して、新たな過剰米対策が用意されていない中で、それでなくても低下している現在の米価がこれ以上下落しないと言えると本当にお思いでしょうか、お伺いしたいと思います。
  45. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 二十二年産米、これはこれから天候がどうなるのか、作況指数はどうなるのか、これは先のことなので私も確定的、断定的なことは言えませんけれども、少なくとも作況指数が例えば一〇八なんていう、特別に大豊作なんていう、今お話ありましたけれども、これは過去二十年間に一度しかありませんが、そういうふうに仮になったときは、確かにお米は私どもが考えた、予定した以上のお米ということになるかもしれません。  ただ、先ほど委員がおっしゃった中で少し違うなと思いましたのは、たくさんできたら予定した農家の収入は下がるというふうに言われましたけれども、これはそうじゃないんですね。というのは、下がろうが、その部分を変動部分で、定額部分、変動部分で見るものですから、それについては財源がどれだけ要るかという、そういう御心配は単にあるかもしれませんけれども、所得そのものについては、収入そのものについては低下はしないと。むしろ、余分にできた分を今度は加工米だとかそういう飼料等に回すことによって、本来予定した量以上のものはこれはプラスアルファになるわけですから、むしろ農家、個々の農家にとっては御心配の向きはないということになると思っています。  ただ、大前提は、一〇八なんていう特別な例を除いて、私どもは現状、今その準備段階ですが、現状を見たときに多分そうはならないだろうなと、かなり需給は締まってくるだろうなというふうに思っておる根拠は、背景は、例えばあしたも大潟村の村長さんお見えになりますけれども、これは一回お礼が言いたいといって僕のところに、どうしても会いに行きたいといって村長さん見えます。それはなぜかというと、もう今まで反目し合っていた減反賛成派、反対派、これは本当にうまく一緒になって、今度の大潟村だけでももう約九割近い、もしかしたら九割超えるかもしれない、そういう形で、生産数量目標にきちっと見合う形で皆さんがこの制度に参加をされるということに今なっております。  そして、これは別に秋田県ばかりじゃなくて福島県やその他の都道府県についても、今まで減反政策に反対して作り放題、やり放題やっていた人たちも、かなりの部分が今度はこの戸別所得補償制度に参加したい、是非自分の自主的な気持ちでやりたいということで、これはもう全国の数字がどんどん今出てきていますから、それ見ていただければお分かりですけれども、参加するということは生産数量目標を守るということですから、ですから大潟村だけでも二十万俵減るんですから、各県がこれどんどんどんどん減っていくと。  それから、反対に今度はペナルティーを科した分は、作る人たちに上乗せになっていた部分も今度はそれも矯正されますから、ダブルで米は減っていくということですから、御心配の向きは当たらないというふうに思っております。
  46. 松下新平

    ○松下新平君 大臣がいみじくも言われた財源がやっぱり問題だと思うんですね。それが今、国の方は財源が厳しいという報道がされる中で、本当に農業の分野守ってくれるのかという声なんですね。  二十二年産の米価の下落幅が大きく、再度お伺いしますけれども、モデル対策に組み込まれている変動部分の交付金の支払が大幅に増えて予算が不足した場合には当然補正予算ということになりますけれども、それはお約束いただけますでしょうか。
  47. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) まず、結論だけ先に申し上げれば、そういうことは想定をしていないということであります。  それはなぜか。これは委員も御承知のとおりに、今回の定額のところを決めるのも、過去最も低い相対価格の水準、十九年産で一万四千二十六円、これを下回ったとしても十分補てんのできる水準で設計をしておりますので、それを下回るということはまず常識的には考えられませんので、そういう意味で、定額部分に加えて変動部分、額にして一千三百九十一億円用意しておりますので、それを上回ることはないというふうに思っております。
  48. 松下新平

    ○松下新平君 その点については、この委員会でまた議論してまいりたいと思います。  次に、生産費に関する地域間での不平等是正についてお伺いいたします。  米所得補償モデル事業の交付単価の算出に当たっては、全国一律の標準的な生産費として、経営費プラス家族労働費八割の合計が取られております。この標準的な生産費を下回る標準的な販売価格との差額が定額部分として交付されます。しかし、生産費は、中山間地や圃場整備等が進んでいない地域では、作付け、生産管理、収穫等の効率が悪くなるために、標準的な生産費に比べて高くならざるを得ません。  また、各都道府県を見ると、生産費には相当大きなばらつきがあります。十九年産の十アール当たりの米の生産費を見ますと、最も低いのは北海道の十万六千九百六十七円、それに対して最も高いのは和歌山県の二十四万八千百六十一円と、実に二・三倍もの開きがございます。  そこで、質問です。  このような産地間や圃場の地理的条件の差による不平等を緩和するためには、交付金算定に当たっての生産費を地域単位、少なくとも都道府県単位で策定することが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  49. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 御指摘のとおり、米のモデル事業の定額部分は、恒常的なコスト割れを補てんするものとして、標準的な生産に要する費用と標準的な販売価格との差額を算定したものであり、十アール当たり一万五千円、これは全国一律の単価としているという状況であります。  これは、生産を効率化させてコストダウンを図るという、やはりこの努力は必要だと思っております。また、農産物の品質を向上させて、販売単価を高める取組も重要だと思っております。やはりそういった一律の単価を設定することによってこういった取組を促す、そういう役割も果たしていると思っています。  仮に、委員御指摘のとおり地域別の単価を設定した場合には、例えば生産コストの削減努力が必ずしも十分ではなく生産費が高くなってしまっている地域ですとか、それから、あるいは販売努力が必ずしも十分ではなくて、販売価格が低くなっている地域の方がコスト削減の努力をしていいものを作る努力をした地域よりも国から多くの交付金を得ることにもなりかねない、こういった逆に不公平も生じるんではないかと、そういうふうに思っておりまして、やはりそういった一定の努力を促すということもあって、全国一律の単価にさせていただいております。  また、地理的条件、今御指摘のとおり、様々地理的な条件の違いがあって、コストにも違いがあるということは承知しております。そういう個人の努力を超えた生産条件の格差を補正することは必要だと思っておりまして、そういう中で、現在は中山間直接支払制度を措置しておりますし、そういった生産条件の格差の補正というのはしっかりと今後も検討をしていかなければいけないと思っております。
  50. 松下新平

    ○松下新平君 まさに机上の空論でありますので、これもしっかりまた議論をしてまいりたいと思います。  次に、新規需要米の作付け促進に向けた取組についてお伺いいたします。  水田利活用自給力向上事業では、戦略作物の一つとして飼料用米や米粉用米の新規需要米が取り上げられて、十アール当たり八万円という手厚い助成が行われます。作る農政を促進するという点からの措置であると考えます。  しかし、新規需要米は、飼料用米との厳格な区分管理が必要なことから、流通時の保管や管理に費用がかさむこと、播種前契約や収穫時の現地確認に多大な労力が必要になることなどの課題が生産者団体等から指摘されてございます。また、新規需要米の生産者にとっては、その作付けをためらうこととなりかねない、実需者との出荷販売契約の取り交わしや、収穫を確実に行うことが捨て作り防止策として生産者に課せられております。  そこで、質問です。  いかに手厚い単価を用意しても、新規需要米の作付けが進まなければ水田の有効活用という事業目標は達成されません。生産者が新たな作物としての新規需要米栽培に専念できるように、流通時の保管、管理に対する支援や播種前契約の円滑な実施に向けて、行政としてはどのように取り組むのかお伺いいたします。
  51. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 新規需要米の生産に関する課題は委員御指摘のとおりだと思っております。やはり保管、管理、流通、こういったもののしっかりと支援をしなければいけないと思っておりまして、そういう中で、流通、加工段階に対する支援といたしましては、原料となる米の乾燥調製貯蔵施設、製粉・製パン施設等の加工施設の整備に対して、米穀の新用途への利用の促進に関する法律もこれ去年成立しましたけれども、これに基づく生産製造連携計画によりまして、生産者と製造事業者が連携することを前提に幾つかの支援を実施させていただいているところであります。  具体的な支援措置といたしましては、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金による助成、それから日本政策金融公庫による長期低利融資の用意、それから製造設備等を取得した場合の税制上の特例措置を措置しているところであります。こういった措置によって、流通、加工段階での施設整備をしっかりと行っていただきたいと思っております。  また、やはり、御指摘のとおり、いわゆるマッチング、供給と需要のマッチングというのは非常に大事だと思っておりまして、例えば生産者と製造事業者の播種前契約が円滑に進むように、国といたしましては双方の意向を把握して情報提供を行っている、こういったことによってマッチングに努めておりますし、実際に、やはり地域を越えて、いろんな需要があるけれども供給がなかなか追い付かない地域ですとか、そういう地域を越えたマッチングが必要になってくるところもあると思っております。  そういう中で、現在、聞き取り調査によって把握した実需者のニーズ情報を実需者の了解を得たものすべてにおいて担当、連絡先を整理して、各都道府県地域水田協議会に情報提供をこれもう実際にしております。これを見ますと、具体的に、例えば米粉用などについては、新潟県を始めとして従来から米加工業が盛んな地域を中心に需要が存在していて、逆に供給が足りないという状況もあります。米粉用はそういった状況です。  例えば、そのほか、飼料用米については、養豚、養鶏が盛んな地域においては非常に今需要が旺盛だということ、稲発酵粗飼料、WCSですね、こちらについては酪農、肉用牛が盛んな地域において需要が多く見られておりまして、やはりこういったものを整理すると、かなり、欲しいけれども供給が追い付かないという地域、出したいけれどもなかなか供給先がないという地域、それぞれありますので、そういうマッチングというのはやはり国もお手伝いできるところはたくさんあると思いますし、実際の生産現場でもそういったマッチング努力もしていただきたいと思っております。
  52. 松下新平

    ○松下新平君 ちょっと時間が押していますので、どうしても聞きたい質問がありますので、通告をちょっと順番変えて質問をいたします。  施設園芸における担い手の支援についてお伺いしたいと思っております。  ハウスを使う施設園芸では、原油、肥料等の生産資材の価格高騰に対して生産コストを削減するための努力を重ねてきました。私の地元宮崎県では、燃料を重油から廃材を主体とした木質ペレットに切り替える、ヒートポンプを導入する、ビニールの二重被覆を行うなどの効率化に取り組んでおります。しかし、新規就農する場合やハウス等の施設を拡大する場合には多額の初期投資が必要となるという課題があります。  大胆な二酸化炭素排出削減策を提唱している現内閣であればこそ、CO2の排出削減と担い手支援の両立を図るために、施設園芸における施設整備への支援や同農業における太陽光等の自然エネルギー活用、技術確立に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
  53. 郡司彰

    副大臣(郡司彰君) 御指摘をいただきましたように、施設園芸、大変な御努力をいただいているというふうに思っております。その振興について、意欲的な農家による新規参入あるいは規模拡大を推進をするという目的で、更にまたCO2の排出削減に取り組んでいきたいというふうに思っておりますし、農家の経営体質の強化を図ること、これは大変重要なことだろうというふうに思っております。  このため、リース方式によるハウス導入支援、農畜産業機械等リース支援事業でございますけれども、二十二年度の予算としましては二十七億円の内数としてそれらを考えております。さらに、ヒートポンプ等の省エネルギー設備の導入支援、施設園芸農業機械の温室効果ガス排出削減対策、二十二年度予算案、六億円でございます。さらに、農業関連施設への太陽光パネルの設置支援といたしまして、二十二年度予算としては六十八億円を計上をしているところでもございます。  これらの施策を活用をいたしまして新しい担い手をつくっていこう、さらにCO2の削減効果を高めていこう、そのように思っているところでございます。  参考までに、昨年発表をされました農林水産業によりまするCO2の削減の努力でございますけれども、前年に比べ四・七%、二百六十六万トン減少をし、京都議定書の基準年に比べまして二四・八%、千七百七十九万トン、全体で減少をしております。今御指摘をいただきましたCO2に限りますと、農林水産分野だけで一千百六十一万トンでございましたけれども、前年対比一二・〇%、百五十八万トンの減少をしておりまして、基準年に比べると四七・三%という大幅な削減を結果としてはもたらしております。  これ、大変にそれぞれの農家の方々、そしてこれまでの技術的な取組その他によっての効果だというふうに思っておりまして、今後ますます皆様方の御協力を得ながら進めていきたいというふうに思っております。
  54. 松下新平

    ○松下新平君 是非進めていただきたいと思います。  農業分野の最後の質問になります。最後は、食料・農業・農村基本計画の策定についてお伺いしたいと思います。  本年三月末のこの策定に向けまして作業を進めていらっしゃると思います。食料は国民の生命維持を図るものであること、また農は国の礎であることを強調されて、消費者や国民の理解を得られるものとなるよう取り組んでいただきたいと思っております。また、農業・食料問題は農家だけの問題にとどまらず、環境問題や雇用問題、ひいては経済へも波及するとともに、我が国の国土を保全する、このような多面的な機能を持ち合わせています。この点から農業の経営基盤の確立も明確に打ち出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  55. 郡司彰

    副大臣(郡司彰君) ただいま食料・農業・農村基本計画も策定の途上でございます。  今御指摘がございましたように、大臣からの所信の中でも触れられておりますけれども、まさに農林漁業というのは命の産業であると同時に、環境の源を預かっている部分であろうというふうに思いまして、そこのところをきちんと踏まえながらこれからの施策もやっていかなければいけないというふうに思っております。  その前提といたしまして、残念ながら地域を含めまして疲弊をしているというのが現状でございますから、その再生を図っていこう。そのために、先ほど来御議論をいただきましたけれども、農業の分野におきましては、所得の向上を含めた、あるいは自給率の向上を含めて所得補償政策というものを取り組んでいこう。あるいはまた、地域の活性化、雇用の拡大ということを目指した六次産業化ということにも取り組んでいこう。もちろん、食が命の産業であるということは消費者にとっても大事な意味合いがあるものでございますから、食の安全ということにも取り組んでいこう。そのような視点を入れた形で、これからの基本計画、さらに施策というものを進めていくつもりでございます。
  56. 松下新平

    ○松下新平君 まさに命の産業、そして環境の源としての農業の多面的な役割を明確に打ち出していただきたいと思います。  残りの時間で林業と水産業についてお伺いしたいと思います。  まず、林業分野についてですけれども、人工林の齢級構成標準化に向けた取組についてお伺いしたいと思います。  国は京都議定書による森林吸収源目標、CO2の三・八%削減の達成に向けて、毎年五十五万ヘクタール程度の間伐等の取組を進めています。間伐等が必要な九齢級以下の人工林は、面積では全体の六五%を占めています。しかし、温暖な南九州では木の成長量が速いことから主伐が可能な人工林が増えており、私の地元宮崎県では既に六割以上が主伐期を迎えております。我が国全体で見ても、今後十年を経過すれば、昭和二十年代後半から四十年代初めにかけて大規模な再造林された人工林が一斉に主伐期を迎えるために、主伐可能な人工林の割合は現在の三五%から六〇%に上昇いたします。  そこで、質問です。  主伐期を迎えた人工林を一斉に伐採することは、一時的に潤うとしても、切り尽くすような勢いで伐採を続けるならば、将来切る木がなくなるといった事態も生じかねません。今後、持続可能な林業を実現するためには、百年程度をサイクルとして、毎年一定の伐採量が確保できるよう人工林の齢級構成の平準化を図るべきと考えております。したがって、今後、主伐についてはどの齢級の人工林に対してどれくらいの量を伐採するかについて計画的に進める必要があります。今後の主伐の在り方についてどのように取り組まれるか、お伺いいたします。
  57. 郡司彰

    副大臣(郡司彰君) 今、松下委員からの御発言の中でほとんど語られていたのかなというふうに思っております。まさに戦後植林をしたものが伐期を迎えつつありますし、十齢級を超えるものがそのうち六割、七割と増えていくような形を迎えるんだろうというふうに思っております。先ほど御発言がございましたように多様性を発揮をする、そのような観点からも積極的に森林の循環利用というものを進めるために、間伐、若返りというものを図っていかなければいかないというふうに思っておりますし、皆伐という方法がこれまで多く取られてきた地域があります。そこのところにつきましても、逆に林家の方々にとりましても長い期間にわたって経営が成り立つような、長伐期という考え方というものをこれからは取り入れていくということが必要になってくるのではないかというふうに思っているところでございます。  その施策を十分に生かし切るためにも、私ども、森林・林業再生プランというものを発表させていただきました。間伐、切捨てをやめていこうとか、あるいはまた路網の整備を行っていこう、そのためのプランナーを育てていこう、さらに、機械化等によって労働災害というものもなくしていこう、ついては全体の国産材の自給率を高めていこう、そのために取り組んでいくつもりでございます。
  58. 松下新平

    ○松下新平君 是非よろしくお願いいたします。  次に、もう一問。林業における戸別所得補償制度の導入、この必要性についてお伺いしたいと思います。  今後、少子高齢化により人口減少が進めば住宅が余るようになりますために、木材需要の大幅な増加は期待できなくなります。また、現状では木材価格の低迷が続いているため、森林所有者の林業経営意欲が低下するとともに、林業の担い手の減少や高齢化が進んでおります。林業経営を成り立たせるために、路網の整備、高性能林業機械の導入、施業の集約化に取り組み、生産コストの低下を図ることは必要であります。しかし、小規模経営の山林や、地形の急峻なところでは生産コストを下げることは容易ではありません。見通しは厳しい現状がございます。林業は、立木の伐採、搬出コストに加えて、再造林等の育林コストまで賄うことができて初めて持続可能となるわけであります。  そこで、民主党は昨年の衆議院総選挙のマニフェストにおきまして、間伐等の森林整備を実施するために必要な費用を森林所有者に交付する森林管理・環境保全直接支払制度の導入を掲げています。ここでは間伐等の森林整備費用の補てんにとどまっております。持続可能な林業実現のため、農畜産物の戸別所得補償制度において販売価格と生産費の差額を補てんするとしたように、林業においても木材販売価格と育林コストまで含めた生産費との差額を補てんする仕組みへともう一歩踏み出すことはできないのか、お伺いしたいと思います。
  59. 郡司彰

    副大臣(郡司彰君) 今委員からの発言にございましたように、直接支払というものも考えていこうということを考えとして打ち出しております。  御存じのように、この林業の長さ、時間的な長さというものがございますから、いつも所得が上がるような形を取れればもちろんよろしいわけでありますけれども、なかなかそこが難しいということがございまして、林家の方々の意欲を失わせている、さらには、国産材と外材とのこれまでは価格差等もございまして林業に対する熱意が低下をしていると、このようなことが続いたというのは現実であろうというふうに思っております。  そのような観点の中で、これまでもそうでありましたけれども、植林をする、それから下刈りをする、間伐をする、そのような全工程の中で、国、県と合わせましてこれまでも約七割の補助というものを行ってまいりました。しかも、これはその後の伐期を迎えたときの売上げその他からそのものを引かせていただくということがないような形でも行ってまいりました。しかし、それでもなおかつ、最後のところの運材費その他がなかなかプラスに転じない要因だということも聞かされております。  そういう中で、この現実に合ったような形の林家を支える形というものが、先ほど御指摘がありましたような、ただ単に生産費と販売価格の差額というだけでは時間的なものに耐えられないことも出てくるのではないか。そのようなことから、これまでの直接支払制度というものを十分に検討しながら、林業・森林の経営に合ったような経営の安定対策というものを考えてまいりたい、そのようなところでございます。
  60. 松下新平

    ○松下新平君 郡司副大臣におかれては、優しい語り口で、大変期待しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、漁業分野についてお伺いしたいと思います。  まず、沖合・遠洋漁業の経営安定対策についてお伺いしたいと思います。  地元の話で恐縮なんですけれども、私の地元で、農畜産業とともに漁業も大変盛んな地域でございます。県漁連の調査によりますと、昨年十二月時点の水揚げは、前年に比べ、数量ベースでは数%の減少なんですけれども、金額ベースでは何と一一%、一割以上の減少となっております。漁業関係者のお話をお聞きいたしますと、資源管理の取組に協力しているものの、資源回復の足取りは遅く、そこに燃油高騰や魚価の低迷など漁業者だけでは払拭できない問題が重なって、経営の悪化に歯止めが掛からないということでございます。  鳩山政権は、農業だけではなく、今後漁業にも所得補償制度を導入する方向性を打ち出されていますが、聞くところによりますと、当座のところは沿岸漁業を対象とするようです。それはそれで重要ですが、本県漁業の主力を担っている沖合、遠洋のカツオ・マグロ漁などでも経営の下支えは喫緊の課題でございます。漁業の所得補償制度では、沿岸だけではなく、沖合、遠洋も当然対象に入れるべきだと考えますが、御所見をお願いいたしたいと思います。
  61. 郡司彰

    副大臣(郡司彰君) ただいま、水産の分野における所得補償の問題について沿岸を主に考えているのではないかという御指摘がございましたが、私どもとして、沿岸だけを主に考えているという検討をしているわけではございません。  確かに漁業の形態として遠洋あるいは沖合、沿岸というような種類がございまして、それぞれの成り立ちあるいは所得の把握の仕方、それから資源管理にかかわり方も違っているところはございます。そのような中でどのような所得補償というものが可能なのか、そのことについて、先ほど藤原委員からの御指摘にもございましたけれども、本年度の予算を付ける中で検討を進めさせていただいております。  例えば、本当に大手の数社というものを除けば、二十数年前に二十数万いた漁業の方々が十年たったら十万に減るんではないか、まさにそのような形で今十万をちょっと超えるような方々の数になっているわけであります。そこのところを、私どものこの日本の近海の、食の文化も含めて、あるいはカロリーの源ということも含めて、漁業者というものがどのぐらいの規模が適切なのか、そしてその方々がどのような漁業をすることによってこれからの日本の食生活に寄与できるのか、そのような意味からも資源管理も含めて全体像を把握する中で検討をさせていただきたい、そのように考えております。
  62. 松下新平

    ○松下新平君 次に、国際的な漁獲規制への断固たる対応についてお伺いしたいと思っております。  今月の十三日から第十五回ワシントン条約、CITES締約国会議が二十五日までの日程で開幕いたしました。この会議では、日本にとり非常に重要な魚種である大西洋クロマグロなどを商業取引規制の対象に加えるべきか否かが話し合われることになっております。大西洋クロマグロの禁輸提案、モナコ提案については欧州を中心に支持が集まって、予断を許さない状況にございます。  ただ、これらの国々の賛成の判断基準は純粋に科学的知見に基づくものとは言い切れず、例えば選挙が近く環境政党の支持を得るために賛成するであるとか、他の提案への支持獲得のための取引材料として賛成するといった声も聞かれます。仮にモナコ提案が可決いたしますと、次はミナミマグロ、その次は太平洋クロマグロ、メバチなどなど、漁獲規制の網はどんどん広がっていくことは必至であり、私の地元宮崎県を始め、日本のマグロ産地の死活問題に発展しかねません。  赤松農林水産大臣は、先日の所信表明の中で、「科学的な知見に基づき、持続的な利用が確保されるよう国際社会をリードしてまいります。」と決意を表明されました。そうした力強い決意を表明されたわけですから、科学的知見に立脚せずに、単にかわいそうであるとか禁輸すれば資源が回復するといった情緒的、短絡的な理由に基づく禁輸提案には断固反対し、中途半端な妥協は一切しないように求めます。大臣の御見解をお願いいたします。
  63. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 所信表明でも述べさせていただいたとおりでございまして、私どもとしては、資源管理は私どもも必要だと思っておりますし、また是非そのリーダーシップを日本が果たしていかなければいけない、持続的な漁業ということで、これはクロマグロに限りませんけれども、これはすべての地域での取組をやっていきたい。  ただ、そのことと、今回ワシントン条約の締結国会議の中で言われているシーラカンスやパンダやジュゴンと何でマグロが一緒になるんだということで、これについては今妥協せずというお話がありましたけれども、断固として私どもの主張をきちっと伝えていきたい。  ただ、EUの二十七か国を始め、アメリカ、エジプト等、主要な国々もこのモナコ提案に賛成ということを正式に今打ち出しておりまして、決して楽観できる情勢ではありませんので、主張は主張としてやっていきますけれども、後はあらゆる合法的な手段を使って、一票でもこのモナコ提案反対のための活動を進めていきたい。  昨日から、今日からかな、水産庁長官も行かせまして、外務省と農水省、二つの省約三十名の職員を派遣をいたしまして、各国への働きかけを今強めているというところでございます。  今、毎日必ず報告が来ますけれども、具体的な国名を挙げることは避けますけれども、いいと思っていたところがどうやらちょっと危ないぞとか、あるいは今まではっきりしなかったところが正式に日本を支持すると、このモナコ提案には反対だと言っていただいているところもありますし、日々刻々と情勢は変わっておりますので、日本からも随時指令を出しながら、何としてもモナコ提案が成立をしないように全力を挙げて頑張りたいと、このように思っております。
  64. 松下新平

    ○松下新平君 是非頑張っていただきたいと思います。  水産は以上です。  残り十分弱ございますので、農業の分野に、先ほどちょっと飛ばしたものを質問したいと思います。済みません。  戸別所得補償制度モデル対策についての四番目、括弧四のその他作物の見直しの必要性についてお伺いしたいと思います。  水田利活用自給力向上事業では、麦、大豆等の作物に対して全国統一価格が設定されるとともに、単価設定については作物間で大きな隔たりがあります。特に、その他作物については十アール当たり一万円と低く設定されています。その他作物については、対象作物に制限はなく、都道府県単位で対象作物の選定と単価設定をすることが可能となっております。  しかし、実際には対象作物の品目には限りがあって、私の地元宮崎県では旧市町村単位で一品目の予定としております。このため、複数の市町村にまたがって農地を所有する生産者や集落営農等で取り組んできた作付けのブロックローテーションなど、農地の合理的、効率的な活用や、自給率向上に取り組んでいる生産者がその再生産に向けた所得確保に困難が生じているとの指摘が寄せられております。  そこで、質問です。  その他作物については水田利活用自給率向上交付金の単価が極めて低く設定されていましたが、地域によっては、その他作物の作付けがブロックローテーションの維持等により農地の合理的、効率的利用を図る上で重要な意味を持つ場合があります。しかし、今年の交付金単価では採算が取れないために、より交付金単価の高い戦略作物をローテーションの順番を崩して作付けする地域もあると思われます。集落営農やブロックローテーションによる作付けが行われている地域にはその他作物に対し加算金等を付けるべきであったと思いますが、いかがでしょうか。
  65. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 来年度からの水田利活用自給力向上対策事業については、自給率向上を図ることを主眼に置いたシンプルで分かりやすい制度設計だということで、自給率向上に重要な麦、大豆等の戦略作物について、主食用米並みの所得が得られる水準の全国統一単価によって全国的な生産拡大を推進するという、こういったところで制度設計をいたしました。  一方、戦略作物以外の今御指摘のその他作物につきましては、野菜とか雑穀とか、各地域で各々特色を生かした作物が生産されている実態を踏まえまして、十アール当たり一万円に基づく助成総額の範囲内で、都道府県の実情に応じて柔軟に助成作物単価を設定できる仕組みといたしております。  しかしながら、こういった助成体系とすることによりまして、これも我々政務三役、現場に出向いて様々な御意見を伺う中で、こういう状況の中でこれまで高い助成単価を設定していた地域では、助成額が減少して生産体制を維持できなくなる、今までの取組が壊れてしまうといった様々な御指摘をいただきました。そういう中で、都道府県又は地域単位で助成単価を上乗せできる激変緩和措置を講じさせていただいたと、そういう状況であります。  この激変緩和措置におきましては、助成額減少の影響の大きい例えば集落営農組織、今御指摘のブロックローテーション組織に対して助成単価の上乗せを行うことも可能であり、こういった仕組みを効果的に活用してこれまでの取組を継続していただきたいと思っております。  今、この激変緩和については、各県にこの枠を配分させていただいて、各県ごとにその取組を検討しているというところでありまして、今聞くところによりますと、宮崎県におきましては県一本で、県段階でその運用を設定すると。県によりましては地域に任せているところもありますけれども、宮崎では県で設定するというふうに聞いております。まだ最終的に決まったとは聞いておりませんけれども、例えば団地化への加算、地域ごとの重点品目への加算ということを行いたいと、そんな途中経過を聞いておりますけれども、いずれそういった今までの取組が損なわれないようなブロックローテーションの取組をしっかりと継続いただけるような、そういった激変緩和措置の活用をお願いしたいと思っております。
  66. 松下新平

    ○松下新平君 最後の質問になりますけれども、モデル対策の検証に当たっての生産現場の意見反映と地域単位の重視についてお伺いいたします。  二十二年度のモデル対策をベースに、今後、土地利用型作物や畜産、酪農等に対する戸別所得補償制度の検討が行われていると理解しております。本格的な戸別所得補償制度の実施に向けてモデル対策の検証を行うに当たっては、生産現場である農家の意見を反映するとともに、地域単位の視点で課題に取り組むことを要請いたしたいと思いますが、最後に御答弁をお願いしたいと思います。
  67. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 御指摘のとおりでございまして、この予算がお認めをいただきますと四月一日からモデル事業はスタートをするわけであります。そして、このモデル事業の中でいろんな御意見やいろんな改善点等出てくるかもしれません。もしそういうものがあれば、しっかりそれは、広く皆さん方の御意見をお伺いをする中で、あるいは私どもも現場に出掛けていく中でその実態を見て、来年度の、二十三年度の、今度は本格実施ということになるわけでありますから、そういうところにこのモデル事業の経験と、そしていろんな試みを是非本格実施の中で生かしていきたい、このように考えております。  委員を始めそれぞれの皆さん方からのまたいろんな御意見もあろうかと思いますので、そういう御意見も聞かせていただく中で、是非いいものを二十三年度本格実施の中でつくっていきたいと、このように思っております。
  68. 松下新平

    ○松下新平君 ありがとうございました。  今日は所信に対する質疑でしたけれども、また委員会を通じてもまた議論を深めてまいりたいと思います。  ありがとうございました。
  69. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十九分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  70. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、農林水産に関する調査のうち、平成二十二年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  71. 山田俊男

    ○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。  本日は先輩委員の御理解をいただきまして大変長時間の時間をいただいたわけでありまして、ちゃんとやれるかどうか心配でありますけれども、どうぞよろしくお願いします。  本日は、大臣が三月十二日に、食料・農業・農村審議会企画部会に新たに三月までお作りになります食料・農業・農村基本計画素案についてお出しになったわけでありますから、それを中心に質疑をさせていただきたいというふうに思っております。大臣の所信表明でも三月には取りまとめる予定だというふうに明らかにされているわけでありますので、緊急を要する、本日の委員会はそういう面でも大変大事な委員会であるというふうに思いますので、大臣を始め皆さんのかなり率直な御意見を賜りたい、こんなふうにお願いするところであります。  そこで、若干ちょっと順序を変えまして、冒頭、基本計画でも大きな課題として取り上げられておりますWTO、EPA、FTAについて大臣にお聞きします。  基本計画では、これはお手元に私の方の提出資料という形で出させてもらいましたが、これの十七ページを御覧いただきたいというふうに思います。この十七ページに、(5)で、「輸入国としての食料安定供給の重要性を踏まえた国際交渉への対応」ということで、WTO交渉については、「今後とも「多様な農業の共存」という基本理念の下で主張を展開し、各国の農業が相互に発展することができる貿易ルールの確立を目指して、食料輸入国としての我が国の立場を最大限反映すべく、取組を継続する。また、東アジア等における地域連携の推進に当たっては、我が国を含む関係国の食料の安定供給に資する取組を進めるとともに、EPA、FTAについて、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わないことを基本に取り組む。」と、こう明記しているわけでありまして、その観点からすると、大臣、安易な農産物の自由化には合意できないという考えをここできっちり示されたというふうに受け止めましたが、それでよろしゅうございますかね。是非、大臣にここはお願いしたいと思います。
  72. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 私の方からは、今この文面読まれましたけれども、まさにこの立場で旧来からWTOの交渉や、あるいは先日のダボスでの会議等でも、基本的にはこの多様な農業の共存、特に日本は食料輸入国でありますから我が国としての立場をきちっと申し上げ、そして私ども、私の所属をいたします民主党でも、マニフェストの中で「食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない。」ということもきちっと書いてありますし、また、FTA、EPAについても、守るべきものは守るということも再三各委員会等でも申し上げておるところでございます。  午前中の先ほどの御質問にもございましたので、そういう立場でも松下委員にはお答えをさせていただいたところでもございます。
  73. 山田俊男

    ○山田俊男君 どうもマニフェストにおきまして、米国との自由貿易協定の交渉の促進というふうにお書きになったものです。もちろん、今大臣のおっしゃったなお書きがあるわけでありますけれども、前文の方がどんどん前へ出て喧伝されているところがあるわけで大変不安があるわけですが、この点、まさにこの基本計画にお書きになったことが決意であるということをちゃんと表明されたと受け止めていいですね。
  74. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) ある意味でいえば当然は当然ですけれども、例えば、先ほども申し上げましたけれども、WTOの会議へ行っても、すべての参加国が必ずドーハ・ラウンドの二〇一〇年中の妥結、それに向けて各国は頑張る、そして、これからも自由貿易の進展のためにそれぞれの国は頑張ると、これはみんな言うわけですから、ただ、言っているだけでやらないとは言いませんけれども、そういう形で、それをいかなる国、いずれの国も否定をするわけにはこれはいかないわけで、ある意味でいえば当然垣根を低くしてお互いに自由な貿易、これは投資やサービスも含めてできるところはできるだけやっていくというのはまず基本にございます。  ただし、そういう中でそれぞれの各国の事情も条件もあるわけでございますから、そういう中で先ほど申し上げたような、それをすることによって日本の農業農村が一遍にぺちゃんこになってしまうというようなことは、これは当然認めるわけにいかないということで、その立場で守るべきものは守る、これは当然のことではないかと私は思っております。しかも、あとは衆参のそれぞれの、これは全会一致、全党一致の決議もあるわけでありますから、当然それに私どもは拘束をされるというのもまた当然のことと思っております。
  75. 山田俊男

    ○山田俊男君 私は、特にこれ全文を、基本計画素案の全文を読み上げさせていただいたのは、ここに「多様な農業の共存」、これを基本理念として取り組むというふうに大臣がおっしゃっていることの意味が大きいんです。ここで言っていることが、要は我が国と同様、課題を抱えるそれぞれG10を始めとする農業国、それからEUの各国の国々としっかり連携してやっていくということなんだということでありますので、その点を特にしっかり頭に置いて、オーストラリアがどう言っている、アメリカがどう言っている、インドがどう言っているみたいような話じゃないということを、ここに書いてあるということを是非是非踏まえていただきたい、こんなふうにお願いします。  本日は外務大臣にお願いしておりましたが、ちょっとどうしても都合が付かなくて、福山副大臣にお見えいただいておりまして、ありがとうございます。  外務大臣が豪州や韓国へそれぞれ訪問されたわけで、その際、EPAについて言及がそれぞれあったということが外務省のホームページに記載があるわけであります。ラッド・オーストラリアの首相の表敬では、ラッド首相からは、日豪関係全般の重要性を踏まえて政治主導で交渉を迅速に進めるべきとラッド首相が指摘したのに対し、岡田大臣は、政治主導による交渉の重要性に同意しつつも、お互いに譲歩すること、すなわち豪州側においては日本側の農産品をめぐるセンシティビティーに配慮する必要性を指摘したということだけが載っています。これはホームページですから、そんな全体像を示すということになっていないわけですが、副大臣、これでいいですか。
  76. 福山哲郎

    ○副大臣(福山哲郎君) 福山でございます。  今日は外防委員会が行われているため大臣来れませんこと、お許しをいただきたいと思います。代わりに私がお答えをさせていただきたいと思います。  今、山田委員がもう御指摘いただいたとおりでございまして、二月の二十日、岡田外務大臣とラッド首相の会談の際に、ラッド首相からは、日豪関係全般の重要性を踏まえて、政治主導で交渉を迅速に進めてほしいとの要望があったというふうに承っておりますが、岡田大臣からは、今、閣僚委員会等で努力をしているということを説明をしながら、EPA交渉を前進させる上で農業などのセンシティビティーに配慮しつつ、現実な対応をすることが重要だというふうにお答えを申し上げ、私が把握をしているところではそれ以上でもそれ以下でもありません。  以上でございます。
  77. 山田俊男

    ○山田俊男君 韓国の李明博大統領ともお会いになっておられまして、日韓EPAについて、岡田外相から李明博大統領に対して、早期に交渉を再開すべく、日韓双方が国内的に努力していきたい旨伝達。李明博大統領からも、日韓EPAの重要性は十分理解している旨発言があったと。これだけの書き方だけになっているんですがね。李明博さんと岡田大臣は、岡田さんが代表のときにお会いになっていると。そして、その際に、日韓FTA・EPAについては交渉を進めようじゃないですかということをお話しになっているという立場からしても私は大変心配しているわけですが、こういうホームページの書きぶりで内容はいいんですか。
  78. 福山哲郎

    ○副大臣(福山哲郎君) 重ねてお答えをさせていただきます。  二月の十一日、岡田外務大臣はやはり、今、山田委員御指摘のように訪韓をされまして、李明博大統領を表敬訪問をされました。今、山田委員が御指摘をいただいた等のやり取りがあったというふうに私も理解をしております。  我々としては、韓国は基本的な価値を共有する隣国であり、東アジアの経済リーダーでもありますので、日韓両国がEPAを締結することは両国の関係強化のみならず、東アジア地域の経済連携の促進にとっても重要であるとは考えております。  しかしながら、それは、先ほどから申し上げておりますように、農業などのいろんな課題を損なってまでということは考えておりませんが、私どもとしては、やっぱり東アジアの市場創造等を考えたときに、EPA、FTAの締結というのは日本にとっては一つの国益だというふうに考えておりまして、そのことと農業上のセンシティビティーを配慮することをやはり踏まえて、配慮した上で現実的かつ建設的な対応をしていきたいというふうに思っているところでございます。
  79. 山田俊男

    ○山田俊男君 私は、十一月十日の予算委員会で岡田大臣に対してこの問題について質疑しましたが、その際の岡田大臣の応答は、EPAは日本の国益であり政治主導で進めていくと、こうおっしゃっているんです。ただこれだけなんです。これは、内容によっては非常に心配なんです。一体何があるかということであります。だって、国益でしょう。そして、政治主導で進めるという話ですから、これでは何の留保も付いていない心配があるわけであります。  昨年十一月に、関係閣僚委員会というのが外務大臣の下に設置されましたですね。これまで開催は何回になるのか。この点について新聞の報道は一切ないわけでありますが、一体、何回開催されているんですか。
  80. 福山哲郎

    ○副大臣(福山哲郎君) 外務省の中に、EPA・WTO推進本部を昨年の十月、外務省内に設置をいたしました。岡田大臣及び担当の副大臣、政務官が定期的に報告を受け、今後の交渉方針及び必要な国内調整について検討しているところでございます。これまで六回開催をいたしまして、現在交渉中のEPA交渉やWTOドーハ・ラウンド交渉の状況等を確認をさせていただいているところでございます。
  81. 山田俊男

    ○山田俊男君 赤松大臣、関係閣僚のお一人、有力なお一人であるわけですが、どうですか、この六回にわたります閣僚会議にお出になりましたですか。
  82. 福山哲郎

    ○副大臣(福山哲郎君) これは閣僚会議ではなく、今のはEPAの推進本部です。
  83. 山田俊男

    ○山田俊男君 そうすると、EPA推進本部ね、六回。  それじゃ、私がお聞きしたのは、これまで、閣僚会合の名前であるようでありますけれども、当時は関係閣僚委員会という名前だったはずです。これ一体、何回開催されているんですか。福山外務副大臣、お願いします。
  84. 福山哲郎

    ○副大臣(福山哲郎君) 関係閣僚委員会はこれまで三回開催をさせていただきまして、やはりこれも現在交渉中のEPAの現状と課題、またWTOドーハ・ラウンド交渉への対応等について議論させていただいたと承知しております。
  85. 山田俊男

    ○山田俊男君 赤松大臣、三回開催されたというふうに聞いていますが、大臣はお出になりましたか。
  86. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) それは私の日程でやっていますので、大臣が出席しない四大臣会合なんてありませんから、全部出ております。  ちなみに、今御指摘があったように、初回が十一月六日、二回目が十二月十八日、三回目が本年の一月二十二日ということで、こういう関係閣僚のいろいろな打合せですから、中身についてだれがどう言ったとか、どの省がどういう主張だとか、うちとどこが違うとか、そういうことは言わない方がいいと。大いに議論をして国の方針を一つにきちっとまとめて、そしてまとめた上でほかの国と交渉に当たるというのが基本でございますから、中身については、そんな別に悪いことを話しているわけじゃありませんが、詳細にお述べすることは御遠慮させていただきたいと思います。  なお、この四閣僚、大臣だけでは、農水、外務、財務、経産の四大臣だけでは今後きちっと一つに内閣としての考え方をまとめるということではいかがかというような御意見もございまして、むしろ官邸も入ってやった方がいいということで、その後、EPA・WTO関係閣僚会合と、今までは閣僚委員会でしたが、会合という形で少し陣容も変えまして、二月十九日にその関係閣僚会合の第一回目の会合が開かれたところでございます。
  87. 山田俊男

    ○山田俊男君 分かりました。どうも、新聞報道も一切ないわけです。だから、一体何が話し合われているのか、分からないわけです。  それから、赤松大臣は、いやいや、一々それは表に言わなくてもいいというふうにおっしゃいますが、しかしこれは国民全体の大変な関心事であります。とりわけ農業者、産地にとりましても重要な関心事であります。民主党の政権与党は、それから与党・政府は、ちゃんと国民全体に情報を出して運営していくというのが基本なんじゃないですか。このことについて一切報道がないということは、どうも考えてみると、内々、報道できないことを議論しているんじゃないかという気がするんですが、一体この点はどうなんですか。
  88. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) そう悪く取らないで、お互いにその辺のところは信用していただいていいのではないかと。  ただ、正直申し上げて、経済産業省と農林水産省と、それはそれぞれの立場が違いますから、若干意見が違ったりそういうところは当然出てくると思います。しかし、農水省の意見が内閣全体を直ちに代表するものではありませんし、経産省の意見がまた今申し上げように直ちにそれが鳩山内閣のすべてを決するということではありません。  ですから、関係閣僚できちっと議論をして、そこに官邸も入りということは、事実上、最終的には総理のお考えも入れながら、内閣としての一つのきちっとした方針を定めていくということでございまして、例えば韓国と日韓のEPAをやろうというときにも、それぞれの大臣が全く違うことを言っていたんじゃこれは話になりません。  私もお許しがいただければ、今度、二十一、二十二ですね、日、祝日を使って国会審議に影響のない形で一泊二日で韓国へ行って、これは水産の問題もほかにございますので、こうした日韓の間の漁業協定をめぐる問題も含めて、それからまたこのEPAの担当大臣とも会って話はしてきますけれども、そういうときにも、それぞれの省の意見だけではこれは話が進みませんので、基本的には正式な会合をやるときにはちゃんと日本の考え方をまとめてということになりますので、そうしたときは当然、総理も含めた、関係四大臣、あるいは官房長官も入れれば五人の大臣と総理というようなことで、きちっとそれは相談をして当たるということになると思います。  それをまだ今の段階で、いやいや、あの大臣はこう言った、この省はこういう主張だなんということを、かえって出ることは余分な混乱をもたらすだけでございますので、その点は山田委員も是非御理解をいただきたいと思います。
  89. 山田俊男

    ○山田俊男君 関係閣僚会議、ましてや総理もお入りになって、官房長官もお入りになってということになると、大事なのは農林水産大臣が所管する大臣としてしっかり決意を持って臨むということが大事なので、その点は徹底して大臣に頑張ってもらわない限りぐずぐずになっちゃうんですよ。その点、是非大臣にお願いしておきたいと、こんなふうに思います。  ところで、福山副大臣、どうもこれ、仄聞したと言ったら委員会でそういう仄聞した話していいのかという話になりますので、かなり確実なんですが仄聞したことにしておきますけれども、要は外務省の職員が北海道、鹿児島、沖縄を訪ねて、それで視察をしておいでになって、それはいいですよ、視察は大いに結構、勉強してこなきゃいかぬ。その際、戸別所得補償制度があるから大丈夫なんだというふうにおっしゃっておられるやに聞くわけですが、その点はどんなふうに承知されていますか。
  90. 福山哲郎

    ○副大臣(福山哲郎君) 申し訳ありませんが私はその事実を確認しておりませんので、今外務省の職員がそのようなことを言っているかどうかについては、済みません、コメントを控えさせていただきたいと思います。
  91. 山田俊男

    ○山田俊男君 分かりました。多分そうだというふうに思います。  要はですね、大事なことは、大事なことは、要は会合が何回も重ねられておられる。例えば閣僚会合は四回になる、さらにはこの推進本部委員会は、副大臣もおっしゃったように六回になりますと。そこでいろんなことが話し合われて、そのための下ごしらえといいますか、準備といいますか、根回しといいますか、そういうことの中で物事が進むということは絶対許されないですからね。  その点、是非、もう一回推進本部委員会をちゃんと開催されたときによく事情を副大臣としても把握しておいてもらった方が有り難い、こんなふうに思いますので申し入れておきます。
  92. 福山哲郎

    ○副大臣(福山哲郎君) 今の山田委員の御指摘はしっかりと私も受け止めさせていただきたいと思います。
  93. 山田俊男

    ○山田俊男君 分かりました。  それじゃ、副大臣、委員会がおありだそうですから結構でございます。ありがとうございました。  続いて、この基本計画の中心課題であります担い手の問題について質疑をさせていただきます。  最初に、これはもう赤松大臣にお答え願いたいんですが、今回の基本計画では、現行基本計画にある農業経営の展望、お手元に今日は資料を出させてもらいましたこの展望です、これは附属的な資料としても基本計画の中の重要な資料として出されているわけでありまして、ざっと御覧になっていただきましても、これ営農類型、経営形態、作付け体系、それから技術体系、経営規模、粗収益、経営費、それから従事者の労働時間、さらには従事者一人当たりの所得等についてまでこれは記述されている内容のものでありますが、これ基本計画素案にはくっついていないんですが、これはどう扱われますか、新しい基本計画の中では。お聞きします。
  94. 針原寿朗

    ○政府参考人(針原寿朗君) 事実関係ですので私から御説明させていただきます。  先生御指摘の経営展望でございますが、そもそも一回目の基本計画、これは平成十二年三月の基本計画でございますが、その際に、閣議決定ではなく、その関連する附属文書として農林水産省の責任で明らかにした資料でございます。  その意味でございますが、新しい基本法におきまして効率的、安定的な経営体という言葉を使いまして、そういう経営体が農業生産の相当部分を占めるそういうふうな構造をつくっていく、そういうことを書いたわけですが、その効率的、安定的な経営体というのはどういう経営体であるのかというのが明らかではない。具体的な農家の皆様がどういう規模、どういう作付け体系を目指せばいいのか、これも明らかではない。それを行政の責任として明らかにしたものでございます。閣議決定文書ではございません。  そこにおきましては、三十五の営農類型ごとに農業経営の展望として例示しております。その思想は、他産業並みに働けば、他産業並みの生涯所得を得られるためにはどのぐらいの規模が要るんだろうかということで出しております。これが一回目でございます。  二回目は、前回の基本計画、同じような性格のもので出しておりますが、これにつきましては基本的な考え方は同様にいたしまして、ただ、新しい技術ができます、あるいは価格が変化いたします、そういうものを反映したものとして出しているわけでございます。  そういうものでございますので、経緯から申しますれば、審議会の企画部会に出したものは閣議決定に直接関係のするものを政務三役の御指示を受けて出したわけでございまして、その附属する文書につきましてはこれから政務三役の御指導があるものと私どもは考えておるところでございます。
  95. 山田俊男

    ○山田俊男君 そうすると、大臣、これは今後、政務三役が検討の上、出すものは出すということでいいんですかね。といいますのは、この法律第二十一条に、「国は、効率的かつ安定的な農業経営を育成し、これらの農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立するため、営農の類型及び地域の特性に応じ、」云々と書いてあるんです。だから、そういう面ではこの営農の類型というのは、地域の特性に応じた営農の類型というのは極めて重要なんです。  大臣ね、これ大臣にお聞きします。この経営類型はそうすると当然違うでしょう。同じものを出せと言っているわけじゃない。経営類型という形で法律二十一条に基づいて検討すると、検討させるということで理解していいんですね。
  96. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 今御指摘をいただいた部分でございますけれども、確かに基本法の二十一条で効率的かつ安定的な農業経営を育成し云々ということが書いてございます。  したがいまして、そのことについての類型という形をこれまでもお示しをいただいたんだというふうに思っておりますけれども、具体的にどのような形を指すのかということになりますと、これは基本計画の中で、先ほど針原総括審議官の方から申し上げましたように、地域の他産業と同等程度の収入を得るためには、しかも労働時間を同じようにする中でどういうような類型が必要なのかと、こういうことを行ってきたというふうに理解をしております。  ただ、現実の問題としてなかなかその中で示してきたような三十三万から三十七万ぐらいの方々をそのような形にしていこうという、数字的にも整っておりませんし、目指してきました年収でいいますと例えば五百万というようなものについてもなかなかそこに及ばなかった等々の中で、今、更に厳しい農業の現状があるということをまずどうとらえるかというような議論が先にあって、そのような形のものが出していけるんだろう。ただ単にこれまでと同様にそのような数字をお示しをするだけで、結果として伴っていなかったというようなことを私どもとしてはできるだけ反省をしなければいけない、そうした作業を今重ねているところでございます。
  97. 山田俊男

    ○山田俊男君 今のお話を聞くと、どうも出せないと、ないしは出さないというふうに受け止めるんですけれども、いいですか。
  98. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 実はこの御質問は、昨日、若林元大臣からも参議院の予算委員会で出まして、そのときに私が申し上げたのは、各農家といってもいろんな形態がありますし、それから地域ごとにもいろんな異なる経営条件等もありますから、そういう中で多様な道筋を、附属的な文書とはいえ閣議決定に付せませんからそれは、それを説明するためのいわゆる附属的な文書として出す場合には出すということに、旧来、自民党政権のときでもそうされてきたと思いますが、いうふうになるということになると、果たしてそういう多様な形での道筋を示すことができるのかどうか。  しかし、これは与党の中にもできるだけ将来に向けての経営形態がイメージできるようなものがやっぱりあった方がいいという意見も正直ございます。ですから、今それを政務三役の段階で検討させていただいているという段階で、もう出さないんだなみたいな今断定的なお話ありましたが、そうとは決めていませんし、だからといって、旧来、皆さん方が、自公の皆さんが政権を取られておったときに出したようなものの形になるのかどうか、これはちょっと検討をさせていただきたいというふうに思っております。
  99. 山田俊男

    ○山田俊男君 赤松大臣はかなり正直に、率直におっしゃっていただいたというふうに思います。  それで、大臣がかくのごとく正直におっしゃった背景は、この基本計画において、我が国の農業を支える担い手というのをどんなふうに受け止めているのかということともう密接に関連するわけなんですよ。  だから、それで基本計画の担い手の記述について見ていきたいというふうに思いますけれども、基本計画の四ページに見出しになっている、意欲ある多様な農業者というふうに見出しになっていて、かつ、この言葉は基本計画の随所にこれは出てきます。一体これはどういうイメージなんですかね、お聞きします。
  100. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 委員よく御案内のことだというふうに思います。  これまで、担い手という形で、先ほどの二十一条に基づくようなものを基本計画の中で規定をしてきたというふうに思っております。その中では、先ほど言いましたように、幾つかの類型はあるけれども、全体として例えば七割とか八割とかという生産を三十七、八万ぐらいのところの担い手の方々に担ってもらうような、そのような構造に変えていこうということをこれまでなさってきたんだというふうに思っております。結果はなかなかそのような形になりませんでしたということが一つ。  それから、現実の問題として高齢化をしている、しかし、地域の中でそれぞれ今の中で頑張っている農業者の方々に、それに対する国の政策というものが余りにも少なかったのではないか、そこのところをきちんととらえるような政策というものがあってしかるべきなのではないか。このような観点から、私どもは戸別所得補償制度を取り入れることによりまして、意欲のある多様な農業者というものを考えてきたということでございます。そのことによりまして農業が継続できるような環境を整備をすることを行いながら、地域農業の発展あるいは農地の維持に中心的な役割を果たすでありましょう、そして、耕作放棄地の発生防止や地域社会の維持等に貢献をする地域農業の担い手として育成、確保をするように考えているところでございます。
  101. 山田俊男

    ○山田俊男君 同じ四ページに、そこを御覧になっていただきますが、農業の将来を担うべき効率的かつ安定的な農業経営の育成は遅れておりと。今、郡司副大臣のおっしゃっていただいたことと関係するかもしれません。そして、認定農業者や集落営農等、一部の農業者に施策を集中するだけでは、生産現場において意欲ある多様な農業者を幅広く確保することができず、地域農業の担い手を育成するという目的に対する効果が限定的なものであったというふうにお書きになっているんです。これ、こう書いて分析は分析として私は結構だというふうに思います。  ところで、この趣旨からすると、将来担うのは、本来、本当は望ましいというふうに思っているのは、効率的かつ安定的な経営体であり、それらが地域農業を担うんだと、担うものになるんだというふうに受け取れるんですけれども、それでいいんですか。
  102. 郡司彰

    副大臣(郡司彰君) 将来にわたってそのようなことをもちろん否定するわけではありません。規模拡大がなされ、効率的な農業経営がなされ、そのことによって安定をした収入を得るという形が取れることは望ましい形であろうというふうにも思っております。  しかし、先ほど申し上げましたように、現実を見るときに、そのような形だけでこの国の農業が、さらには地域を限ってみれば中山間地等の条件もございましょう。そのような、それぞれの地域に応じたような形の中で多様な農業者というものをきちんととらえることによって、そしてその中で、先ほど来言われているような条件が整うところ、条件をつくりやすいところ、そのようなところについては意欲を持った規模拡大、効率化をするような方々が育ってくると、そのように考えております。
  103. 山田俊男

    ○山田俊男君 十一ページには、再び済みません、「意欲あるすべての農業者が農業を継続できる環境を整えることが必要である。」という記述があります。そうですね、今、副大臣がおっしゃったこととも関係するかもしれません。そして同時に、十七ページには、「意欲あるすべての農業者が農業生産活動を通じて所得を確保できるよう措置する」という記述があって、これは一体どういうイメージなんですか。今、副大臣がおっしゃったことと同じイメージなんだというふうにおっしゃるんですか、お聞きします。
  104. 郡司彰

    副大臣(郡司彰君) 御存じのように、二十五年前は平均的な基幹的な農業従事者が四十五歳でございました。それが十五年前には五十五歳、五年前には六十五歳という中で、十年を経るごとに十歳ずつ現実問題として年を取ってきたというのが今の日本の現実だろうというふうに思っております。  そのような中で、これから新しく農業に参入をする方のためにどのような制度設計をすれば参入をしていただけるんだろうか。それからあわせて、今それぞれの地域で頑張っている方々が続ける意欲がある間、きちんと農業ができるようなことも考えていかなければいけないだろう。直ちにどこかに、担い手といいますか、この部分の人たちが日本の農業を担うんだと、そう単純に私たちの国の農業というものは転換ができるものではないというのは、これはもう御存じのとおりだろうというふうに思っております。  したがいまして、それぞれの立場の農業を営む方々がそれぞれ所得がきちんと把握ができて、来年度の作付けに意欲を持たすような形を取るということがこの中で期待をされているというふうに思っております。
  105. 山田俊男

    ○山田俊男君 何度も繰り返すようで恐縮ですが、こういうふうにそれぞれ基本計画のあらゆるページに担い手の規定がいっぱいあるわけです。言及されているわけですから、私は申し上げるわけでありますけれど。  十八ページにもあるんですね。「我が国農業の産業としての持続性を速やかに回復させ、食料自給率の向上と多面的機能の維持を図るためには、農業生産のコスト割れを防ぎ、兼業農家や小規模経営を含む意欲あるすべての農業者が将来にわたって農業を継続し、経営発展に取り組むことができる環境を整備する必要がある。」。これ、すべての農業者ですよ。「意欲あるすべての農業者が将来にわたって農業を継続し、経営発展に取り組むことができる環境を整備する」、こう書いてあるわけだ。  必要性は私も否定はしませんが、この担い手のイメージというのは一体どういうイメージなんですか、お聞きします。
  106. 郡司彰

    副大臣(郡司彰君) 委員もよく御存じのとおりだと思いますけれども、現状が大変厳しい状況に立ち向かっているということは認識のとおりだろうというふうに思っております。  これまでの農政におきまして、需要の変化に対応するような生産拡大を通じて所得を最大化させるというような形がややもするとなかったのではないか。あるいはまた、農産物の価格が低迷をする中で、対象者を絞り込むという施策だけで意欲がある多様な農業者を担い手に育成できなかったというようなこともあったのではないか。優良農地の保全あるいは農地の利用集積の促進等の取組が十分に機能しないということもあったのではないか。結果として、耕作放棄地が増えるというようなものも派生をしているわけであります。  そのような中で、絞り込みという形の中の政策が、私どもとしては、なかなかこれまでの構造転換そのものにも結び付かなかったし、結果としてはこれまでの政策そのものが、先ほど来から言われているような需給の緩みというものも生み出すようなことも含めてあった。  そういう中で、私どもは、一つは戸別所得補償というものを取り組みながら、それぞれの地域、それぞれの形の農業に営む方たちが意欲を持って取り組めるような形というものを考えていると、そのようなことだというふうに御理解をいただければと思います。
  107. 山田俊男

    ○山田俊男君 決して副大臣のおっしゃったことを否定するつもりではありません。思いは分かりました。  ところで、それじゃ、二十一ページ、恐縮です。ここに、「競争力ある経営体を育成・確保する。このような経営体が地域農業の担い手として、継続的に発展を遂げた姿である効率的かつ安定的な農業経営をより多く確保することを目指す。」、こういうふうにおっしゃるときの、この今十八ページで言ったような意味合いでのすべての、意欲あるすべての農業者が将来にわたって経営をやっていくということと一体これは矛盾しないんですかということで申し上げているんです。
  108. 郡司彰

    副大臣(郡司彰君) 私は矛盾をするものではないだろうというふうに思っております。  先ほど言いましたように、効率化をする、あるいは規模拡大をする、このこと自体を私どもも決して否定をするわけではありません。しかし、一足飛びにこれまでのような形で施策の中でそれがかなったんだろうか。だとすれば、私どもは今行っている人たちに意欲を持っていただいて、所得を一定程度確保する中で、しかしながら、先ほど言いましたように所得補償制度というものが一方で制度として導入をするわけでありますから、そこのところは、先ほどの委員からの午前中の質問にもありましたように、例えば全国一律がどうかという判断のところもありますけれども、結果として、努力をし、そしてブランド力を持ちながら、販売のところまで地域としても個人としても努力をいただいた人が所得が増えるような構造のものを私どもはつくっているわけでありますから、結果として今言ったような形の人たちが地域の中で輩出をしてくるだろう、そのことを私どもは期待をしておりますし、そのことが今現状のところと矛盾をするものというふうには考えておりません。
  109. 山田俊男

    ○山田俊男君 例えば、この二十一ページの競争力のある経営体というふうにいいますと、これは今、郡司副大臣はこれを否定するものではないというふうにおっしゃった。その際の競争力のある経営体というのは何に競争力があるかというふうにいうと、価格を下げて輸出もできるという経営体を想定しているのか。それとも、さらには、これは政財界、さらには学者やジャーナリスト等で構成された日本国際フォーラムという研究機関があるんです。そこが提言していたのは、我が国の四百五十万ヘクタールのうちの三分の一の百五十万ヘクタールについて、百ヘクタール規模の経営体を一万戸つくるなんて言っているんです。まさかこういうことをお考えじゃないんだと思うんですが、どうなんですか。
  110. 郡司彰

    副大臣(郡司彰君) 一万人で一人が百町歩というような形の考え方を出している団体があるということも存じております。しかし、それは、例えばそのような形を描いたとして、今現在からどれだけの年月、どれだけの政策的な施策を行えば可能なのかということももちろんありましょう。しかし、国全体としてそのような方向そのものを目指すのかということもあろうかというふうに思っております。私どもは、まさに規模拡大、効率化を先ほど言いましたように否定をするものではありませんが、一足飛びにそのような形がこの国で現出をするということも、これもまた現実的ではない話だろうというふうに思っております。  例えば、委員もよく御存じのように、いろんなシミュレーションの中に農地の、あるいは生産基盤といいますか、そのものに対する公的なかかわり、あるいは個々人の負担の度合いというものはほとんどこれまで度外視をされてまいりました。例えば、一反当たりの維持管理というものが平均をすると地域によって違うと思いますが、それを、全部農地を取得をするならともかく、そうでない形で集約をする場合には、その維持管理だけでも、例えば十町歩、二十町歩、百町歩ということになれば相当な金額にもなるわけであります。その辺のところと、地域としての水管理の問題、農村という機能、そうしたものをもろもろ考え合わせるときに、直ちにそのような計算が成り立つ私たちの国の現状ではない、そのように思っております。
  111. 山田俊男

    ○山田俊男君 何か私はあっち行ったりこっち行ったりしているように大臣受け止めておられるんじゃないかという気がするんだけれども、決してそうじゃないんだよ。  私の言うのは、こういう形で多様な意欲のあるすべての農業者を対象にして、それが生きていける政策を打つと書いてあるんだよ、環境を整備すると書いてあるんだよ。その一方で、競争力のある経営体をつくって、これらが地域農業の担い手として、継続的発展を遂げた姿である効率的な経営、安定的な農業経営を確保するんだと書いてあるんだ。要は、二つの原理がこの基本計画の中に含まれているんだよ、二つの原理が。それを何となくいろんなところでいいとこ取りしているというところがあるわけだ。  例えば、旧政権が基準を入れたと、対象農家に基準を入れたと。入れるのはけしからぬという中で、いや、我が方はすべての販売農家が対象ですよといって、そしてそのことを大いに強調をされている。しかし一方で、こういう形で効率的かつ安定的な農業経営をより多く確保することが目指す一つの形だということをおっしゃっているわけ。  ここをちゃんとするためには、文章だけの話じゃなくて、制度の仕組みも中身も経営類型もちゃんと示さなきゃいかぬのだよ。そうじゃなかったらイメージがわかないから、一体どんなものをお出しになったんだろうということになるわけだ。このことを申し上げているんです。
  112. 郡司彰

    副大臣(郡司彰君) 本質的に、山田委員のおっしゃっていることと私が考えていることはそんなに違わないだろうというふうに思っています。  先ほどちょっと申し上げましたけれども、残念ながら高齢化をしている、残念ながら農家人口は減少をしている、その中でこれから農地を減らさずに、逆に言ったら、もっと利用率も高めていこう。だとすると、それは残念ながら今の段階では、限られた農業従事者という数の中でどれだけ効率的に農地を集約化してやっていくかという形が一方で出てこなければそれは無理だということにもなるわけでありますから、もちろんその部分についてもきちんとやっていくということなんであります。  問題は、先ほど大臣から答弁をしたように、そのような形で併存をするような考え方だとすれば、この地域のこういう類型ではこの規模でこのような形で収入がこれだけになりますよというものを出さなければ議論をできないではないか、そういうような御指摘だろうと思いますので、その点については、先ほど大臣が答弁をしましたように、そのことを出さないということが前提ではなくて、どのような形が結果として数字的に表せるのか、その辺のところについては検討をさせていただきたい、そのようなことでございます。
  113. 山田俊男

    ○山田俊男君 大変難しい問題だから、そういう面で政治的に判断するにしても行政的に対策を練るにしても物すごく難しいわけだから、ここはよくお考えになる、検討した上で措置されるという大臣のお話は私もそれで了としますが、要は、地域の実態を踏まえて多くの関係者からの意見を聞いて、その上でちゃんとこの作業に是非当たってもらいたいというふうにお願いするところであります。  関連するんですが、ちょっと話を変えますけれども、ヨーロッパのことについて触れざるを得ないというふうに私は思います。といいますのは、今回の直接支払、所得補償の取組にしても、やはり先進国ヨーロッパの動きというのを念頭に置いた取組になるんだろうというふうに承知します。  ところで、同じヨーロッパといいましても、私も十分承知しているわけじゃないんですけれども、フランス、ドイツと、それから一方でイタリアギリシャスペインとはすっかり経営の形が違うというのは間違いないというふうに思っているわけですけれども、しかし、ヨーロッパのこの農業の経営形態をつくり上げたのは一定時期におきます構造政策の展開があったんです。一九七〇年代のマンスホルト・プランというのがありまして、これは、マンスホルトさんはヨーロッパ委員会の副委員長、当時、だったわけでありますが、お出しになって、そして他産業並みの所得を将来実現し得る経営、さらには離農年金の追加支給等による高齢農業者の離農促進や農地の流動化、さらには農業者やその子弟に対する教育等々が三つの柱として推し進められたというふうに承知しています。  もちろんこの推進には多くの反発も当然あったわけでありますが、こういう形でやっぱり一つの、何といいますか、時期を経験しているということの意味は私は大きいわけだし、そのことが結局はヨーロッパの農業と、それと共通農業政策、さらには直接支払の多様な仕組みも含む現在の農業の形をつくり上げているというふうに思っております。  ところで、大臣にお聞きするわけでありますが、ヨーロッパの農業について、国民的合意があるというふうにヨーロッパの関係者は自慢するんです。それは、一定の経営規模と農業で食べていける形ができ上がっているんじゃないかというふうに私は承知しています。そして、それら農業者、農業で食べていける農業者が、おい、この仕組みじゃ、ないしはこのWTOの規定の仕方だと食べていけないぞというふうに思えば、それは納得いかないという強い意思の表明になったり運動になったりしているということがあると思います。しかも多くの国民はそのことを合意しているんです。  一体、我が国のこの農業の構造について、在り方について国民合意があるのかということを大変心配するんですが、ここは大臣、ヨーロッパの農業を御覧になっているというふうに思いますが、どんなふうに受け止めておられますか。
  114. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 今、山田委員からEUの共通農業政策の流れを若干触れていただきましたけれども、非常にこのEUの共通農業政策、CAPにつきましては長い歴史がありまして、今御指摘のとおり、七〇年代に構造改革を行ったということでありますけれども、これはただ単に例えば規模拡大を促すとか離農対策をしたとかではなくて、そのバックにはやはり価格支持制度というものがあり、それを背景にこういった改革を行ってきたと。その時々の時代背景に伴って様々な改革をしております。  そういう中で、一九九〇年代以降は価格支持水準を下げて直接支払をもうこの段階で導入しております。マクシャリー改革の中でもう直接支払の手法を導入しているということでありまして、その後、例えば条件不利地域対策を統合して環境対策を追加したりとか、農村開発政策として農業農村の多様な価値を支援するとか、いろんなことをやってくる中で、またもう一つは、やはり恐らく、そういった政策を取るとともに、まあヨーロッパのいろんな休暇制度とかそういったものも相まって、やはり都市と農村が密接に関係して交流していたということ。それから、国境を接している国々ですから、やはり国境維持政策としても非常に農業が有効だったということもあると思いますけれども、そういう中で、多くの国民が、やはり国にとっては農業が非常に大事なんだ、多少財政負担を伴っても農業をしっかりと守っていかなければいけないんだというのが、やはり長い年月を経て理解の醸成につながっているんではないかと思っております。  翻って日本の今の農業政策を見ておりますと、私自身も非常に感じているところでありますけれども、やはり都市と農村、農業と消費者というのがどこか対立関係の中で、農業のための政策という非常に小さい議論の中で行われてきた結果、なかなかそういった相互理解が進んでこなかったんではないかと思います。  そういう中で、今回の基本計画の中でも、やはりまずは、農業の重要性というのは農業農村のためのみならず、特に都市住民にとって非常に重要なんだ、この農業の多様な価値というのは国民を挙げて支えていかなければいけないんだと、そういった思いをまずしっかりと書かせていただいて、やはりその共通認識をつくっていかなければいけない。やはりそういったヨーロッパの様々な多様な農業政策というのは多くの人の理解によって支えられていると思っておりますので、そういう中で、やはり日本のこれからの農業政策もそういう視点、都市の視点、消費者の理解、そういったものをしっかりと得ながら進めていきたいと思っております。
  115. 山田俊男

    ○山田俊男君 舟山政務官、大変御説明ありがとうございました。  ところで、私の言うのは、そういう国民合意の前の段階の苦しい構造改革の取組があったと。そして、今いろいろまだ課題を抱えておりますけれども、今の水準のそれなりに食べていける経営体をつくっていると。もちろんそれに対して様々な、今もありましたけれども、共通農業政策も含めた財源なり支援が講じられているわけです。その前の段階の取組を一体どんなふうにちゃんと評価するか、考えるか、政策としてどう推進するかというのが大事じゃないかというふうに私は申し上げたつもりなんです。  ところで、私自身もヨーロッパの農業団体との関係で幾つかショッキングな、かつ大変示唆に富んだ経験をしております。これは、いつもあっちこっちで言うものだからもうお聞きになった人は多いかもしらぬのですが、大臣には言ったことないんで、これは申し上げようというふうに思うんですけれどね。  WTOその他の交渉で、ヨーロッパの農業団体と我が国の農業団体はかなり親密な連携を取っております。その際、あるとき、ヨーロッパの農業団体の関係者が、山田さん、日本という国は不思議な国ですねと。外務省が来て、経済産業省が来て、マスコミの関係者が来て、経済界の皆さんが来ると、日本というのは貿易立国だ、だからこそ農産物も自由化の例外じゃないんだというふうにおっしゃるというんだよ。  一方、農業団体が行って、農林水産省が行って、それから生産者団体が行くと何と言うかといったら、自給率が四〇%だと、食料の安全保障のために国内の必要な農業生産はきちっと守らなきゃいかぬのだということをおっしゃると。  一体、日本という国は、両方来るわけですから、で、両方聞くわけですから、日本という国は不思議な国ですね、それで独立国と言えるんですかといってしゃくに障ることを言われるわけだ。  こっちもしゃくに障るから、しゃくに障るから、こっちも、ヨーロッパだって物すごい農業予算を掛けているじゃないですか、共通農業政策の中で。だから、そのことについてしっかり批判を言われるでしょうというふうに言ったら、確かにもっと節約できないかというふうには言われると。だけど、三つの国民合意の要件があるという。  一つは、安全、安心をヨーロッパの農業、農業者は届けてくれている。GMO食品を結局はヨーロッパへ出すことについては様々な制約を彼らは講じています。長い間裁判闘争をやりながらも、それを守っているんです。ホルモン剤入りの食肉についても、これを流通することについて強い要求の中で頑張っている、このことについて国民合意がありますというんです。  二つ目は、ヨーロッパの農村は本当にきれいだと、この農村景観を維持しているのは農業者ですということについて国民合意がありますと。  三つ目は、あの二つの世界大戦を経験した、その中で、結局は大変な飢餓と、それと食料自給率の向上の大事さというのをヨーロッパの国民は経験しました。だから、農業のありようについて国民合意がありますよと、こう言ってるわけです。  まさに必要なのは、そういう合意に向けてどんな取組がちゃんとできるかということなんです。としたときに、私は、どうぞ、担い手のありようについて一等先に申し上げたように、この基本計画、さらに、後で議論します戸別所得補償の仕組みについてもそうなんですけれど、手を打っていくための手だてとして、ちゃんとより有効な対策を打ったというふうにおっしゃるんだったら、どういう農業経営をつくり上げていくのかというイメージをちゃんと出すべきじゃないんですかということで申し上げているわけでありますので、この点をちゃんと大臣の意見をここで聞いておきたいんです。
  116. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 先ほど来、担い手の問題でいろいろ御示唆をいただきました。  私どもは、それほど別に、多分山田委員とそう違わないと思いますが、今度の特に戸別所得補償制度の中で私どもが考えましたのは、今の日本の農業の実態を考えるときに、じゃ、一体だれが本当にこの農業を今、あるいは田んぼや畑を支えていてくれるんだというのを見れば、地域差はそれぞれありますけれども、例えば私の地元の東海地域だとか中四国なんというのは、六五%は高齢農家とサラリーマンを始めとする兼業農家が支えているんです。そして、収入は百万とか百五十万で、農業所得はですよ、それじゃもちろん食っていけませんから、あとは、高齢者が自分の年金をそこに入れながら、あるいは出稼ぎに行ってそういう勤労所得を得ながら、それでもってカバーして自分の農家としての農業をきちっと支えているという実態があります。  ですから、その人たちが年取ってもう完全に亡くなられちゃったときには、その田んぼや畑はこれは耕作放棄地になっていくということでございまして、今までの政権が農地集積は必要だ、大切だと、私もそう思います。しかし、それをやりながら、じゃ農地を集積したのと田んぼや畑がなくなっていくのとどっちが多いかといったら、残念ながらなくなっていく方が多いんです。  ですから、私どもは、こういういわゆる集落営農のような、そしてまた農業法人のような、そういう大規模化した効率的で安定的な、しかも大規模な経営をやっていく、そういうところもしっかり応援をしていくけれども、一方では小規模な、しかも今多面的な機能ということが非常に注目されるようになってきていますから、そういう意味で、水、緑、環境を守っていく、今守ってきていただいているそういう小規模な農家についても、ぼろもうけはできなくても何とか再生産をするための最低限のことはできるような、そういう仕組みをまさにこれから多様な農業としてしっかりと共に支えていこうという考え方でございます。  ですから、全国画一的な価格の設定ということについていろいろ御批判はありますけれども、だからこそ大規模な効率的な、しかも協業化を進めているようなところはどんどん生産性が上がりますから、それはどんどんもうけてもらって、そしてどんどんまた規模を拡大してもらって更にいい経営をやってもらう、そのための応援もこの戸別所得補償制度の中でやっていると。  しかも、これに今度は六次産業化が加わってくれば、もっと別の意味での付加価値を高めた商品、あるいは新たな雇用ということについても生まれてくるんじゃないかというふうに思っております。  あとは、先ほど来お話のあるそういうことを、山田委員も決して今のこのいろんな政策や制度を否定しておられるわけではないと思うので、ただそれが目に見えるようにしてくれと、イメージできるようにしてくれということなんで、それについては、必ずしも数字を出すことがいいと私は思いませんけれども、少なくとも、どういう人が担い手で、どんなことをやってどういう姿になるんだということについては、地域ごとのいろんなことがあるんで、どの程度のものが出せるかこれは分かりませんが、それを今検討させていただいて、より制度が理解の下で、国民の納得の上で、しかもそれは農業者だけではなくて、都市住民、消費者たちにもしっかりと理解の上で、やっぱり日本にとって農業を振興していくことは大切なんだということを消費者の皆さんにも理解をしてもらって、先ほど来、ヨーロッパのいろいろ話出ました。私もスイス行ってびっくりしたんですが、スイス産の卵というのは高いんですね、値段が二倍も三倍も高い。こっちは輸入した卵がある。しかし、スイスの賢明な消費者は高い国内産の卵買っていくんですね。  ですから、そういう国民意識というか、やっぱり自国のものを、安全なものを、安心して食べられるものを高くても買っていこうというような啓蒙、教育活動もやっぱり必要だなということも併せて思っております。
  117. 山田俊男

    ○山田俊男君 今、地域の実態に応じた経営の姿というものを検討していく努力をしたいというふうに大臣におっしゃっていただきましたんで、是非その努力をして、一体どこを目指しているんだという、そしてもちろんその中に試行錯誤がありますよ、試行錯誤があってこの努力もあります。この努力の上に、ここを目指しているんだというのを分かりやすく提示してもらいたいというふうに是非お願いするところであります。  また、ヨーロッパの話も出ましたので、若干それと関連しまして、大臣、大臣が多様な農業の共存というふうにWTOの取り進めでもおっしゃっておられる。そのこととやっぱり大きく関連するのは、ヨーロッパの農業団体ともどんなふうに大臣自身が交流されるか、仲間をおつくりになるかというのは、これ物すごく大きいんです。今後の大臣が苦労されるWTOの交渉その他の場においても大変重要です。  実は、今ヨーロッパから、COPAというのはEU農業団体連合なんです、その会長さん、ウォルシュさんが今お見えになっています。なお、アメリカのファーマーズ・ユニオンの国際担当理事のカールソンさんもお見えになっているんです。JA全中と一緒になってシンポジウムをやるということでありまして、消費者団体も含めてやりたいということでありますが、是非大臣、お忙しいかもしれませんが、時間があれば、三月十八日なんですけれども、シンポジウムのその後でも、私は、大臣、ちゃんとこういうCOPAの会長に会っておくと、日本の農林大臣として。このことは、何度も言います、多様な農業の共存というふうに言ったときに物すごく大事なんです。いつ何どき、交渉が困難になったとき、助けられることがいっぱいありますから、是非検討をお願いしたいというふうに思います。  さて、今、大臣からも、前政権の農地集積の取組についてもその必要性というのは承知しているよと、それは大事なんだとお聞きしたわけです。まさにそうなんです。  我が国の農業の課題というやつを考えてみたときに、前政権であろうと新政権であろうと、この島国で農地が零細に分散錯圃されて、そして一方で、先ほど来ありましたけれども、都市から様々な攻勢、侵略があって、それからもちろん高齢化が進んでという、この実態はもう変わらないんですよ、前政権も新政権も。この実態の中で一体何ができるか、何をしていかなきゃいかぬのかということが課題になってくるわけで、そうなると、この農地の集積というのは物すごく大事だし、それから同時に、農地の集積を着実にこれはやってきた。これは団体が推進するとか前政権が推進するとかいうだけの話じゃなくて、地域の中から農地の利用をどう合理化するか、団地化するか、使いやすいものにするか、効率化するかということの中で集落営農が進んできたんですよ。この集落営農を一体どう評価されているのかということをお聞きします。
  118. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) これまでの取組の中で多くの集落営農組織というものが生まれてきているだろうというふうに思っております。先ほど大臣からの答弁にもありましたけれども、今回の戸別所得補償制度におきましても、まさにそうした取組が生産費あるいは販売価格との間においても優位な立場に立つような形が作られてきているというふうに思っております。それはいろいろな取組の中での成果の一つでございますけれども、まさにこのような集落営農の組織化というものは、私どもも認識をし、評価をしているところであります。  新たな基本計画におきましても、小規模農家あるいは兼業農家も参加をした集落営農について地域農業の生産性向上あるいは農業生産活動の維持のために有効な取組として位置付けをしておりまして、その取組については推進をしていく考えでございます。
  119. 山田俊男

    ○山田俊男君 思いといいますか決意はそれで私も賛成です。  ところが、今回の二十二年度の予算編成に当たりまして、大臣、強い農業づくり交付金が減りました。産地づくり交付金も減りました。それから、農業農村整備事業は圧倒的に削減されました。それから、農機のリース事業等についても予算額を減らしております。そしてさらに、この水田利活用自給力向上事業、これは戸別所得補償にかかわる事業と連動する大変大事な事業でありますが、これを一律単価にしたわけじゃないですか。この中に、今申し上げたそれぞれの中に地域の多様な実態を生かしつつ集落営農を進める、農地の利用が一番の課題であります、それを進めるという要件がそれぞれ入っていたんです。だから、これらの予算が削減される、ないしは箇所数が少なくなる中で今この集落営農の取組が頓挫しようとしているんです。このことを、どうですか、承知されていますか。
  120. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 個々の予算について確かに今御指摘があったようなところが出ているということもございます。そして一方で、集落営農ということとある意味では重なりますけれども、水田協議会その他に対して今回の制度を円滑に行うための、そうしたものについては大幅に増やしているということも一方ではございます。  そうしたことは、予算的なものは、いろいろ減ったところ、あるいは重点的に増やしたところ、そのようなものがありますけれども、私ども、これからの本格的なこの国の農業の在り方、そして本格的な制度の導入については、今御指摘のあったようなところもいろいろ総合的に勘案をする中でより良い方向に努めていくように検討をしているところでございます。
  121. 山田俊男

    ○山田俊男君 先ほども申し上げました水田利活用自給力向上事業、金額、一律にしました。もちろん大臣が相当努力されたというふうに思いますけど、激変緩和措置を講じられた。しかし、激変緩和措置は一年限りというような話になってしまっている。  結局、この産地づくり推進交付金の中で多様な取組、これは旧政権、前政権の中で地域の実態や意向を反映して活用できるという仕組みで曲がりなりにもやってきたわけです。その中で、ブロックローテーションや団地化や、そしてそれを担うのはまさに集落で土地利用を調整するという役割で推進してきたといういきさつがあるわけですから、どうぞこの日本で最大の日本農業の課題であります小規模零細、分散錯圃という、この土地利用、土地所有の実態を解決するためには、この問題を柱に置いておかなきゃいかぬのですよ。  改めてもう一回、これは御決意を聞きたいと思います。
  122. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 決意の方は大臣の方から後ほど御発言があるかもしれませんけれども、その前段のところで、今年の水田利活用については同じ額にしたじゃないか、全国一律にしたじゃないかという話もございましたし、額的には減ったではないか、このような御指摘もございました。  これは委員もよく御存じのことだと思います。昨年の段階で、例えば水田フル活用というような名称で行った、その中で米粉でありますとかというものについては、新規需要という今度の枠内に入っているものについては当初五・五万円の予算でございましたが、昨年だけ八万円にしましょうというような形のものもございました。  したがって、私どもも同様に、これまでの中で、今回はモデル事業を行う中でそれぞれの意見を聞きながら今年度に対応するような激変緩和というものも行ってまいりましたし、本格的な制度運用の中では、改めてその辺の、先ほど言いました総合的な検討を重ねる中で地域の中における不自由がないように設計をしていく、そのつもりでございます。
  123. 山田俊男

    ○山田俊男君 分かりました。率直におっしゃっていただいていますので、よくよく今後の政策運営にそれを生かしてもらわなきゃいかぬというふうに思います。  さて、この次に、いや、大臣の決意を聞いておきたかったんです。
  124. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 先ほど来申し上げましたように、集落営農については、もうこれは、実はここに戸別所得補償制度の説明のパンフレットもあるんですが、この中でもこの下のところに集落営農で加入することのメリットと、どうぞ集落営農に加入してくださいというようなことも書きまして、ここへ入ってもらえばこんなメリットがありますよということで呼びかけもさせていただいております。  それから、予算も減ったので集落営農も減ったじゃないかみたいなお話もございましたけれども、平成十七年、一万六十三件と言ったらいいんでしょうか、だったものが、平成二十一年には一万三千四百三十六ということで増えていますので、是非これが更に自主的にそういう形で、高齢農家なんかも一人でやっているのは大変ですから、こういう集落営農を組んで、それに参加をして、そして効率的な、また協業化を進める、そういう経営に是非進んでいただきたい、そういう指導をしっかりとやってまいりたいと、このように思っております。
  125. 山田俊男

    ○山田俊男君 続きまして、戸別所得補償対策について若干、この担い手問題と関連して触れさせていただきたいと、こんなふうに思います。  私は、すべての販売農家を対象にしたことについてやっぱり功罪があるんだと思うんです。これは、多分いいところばっかりじゃなくて功罪があるということを、これまでの私の言いぶりも含めて少しは承知いただいているし、元々そのことを含んでおりながらこの政策を展開されているというふうに私は思うのでありますけれど。  要は、この方策で地域農業を担う担い手がちゃんと育つのかどうかということなんですよ。もう一つは、一定の所得を確保する手だてであるということについては私も否定はしませんし、大変いいぞというふうにおっしゃっている向きもあるということは承知しているんです。だからといって、高齢化等の中で経営から離脱するという世の中の流れに任せて、そして時代の推移を見るだけでいいのかというジレンマを感ずるわけであります。何としても、やはり地域を担っていく担い手を積極的に育てていくという条件整備対策が何としてでも私は必要だということでありますが、これについて賛成いただけると思うんですけれど、いかがですか。
  126. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) それであれば、反対に山田委員にお伺いしますが、じゃ小規模の高齢農家やそういう兼業でやっているようなところはもうなくなっていいと言われれば、いや、それはそうじゃないと、そういうところもちゃんと頑張れるようにしろとおっしゃると思うんですよね。  ですから、私どもはまず、やる気がなければ困りますけれども、意欲のある方であればすべての農業者が最低限、生産、再生産のためにやっていける、そのことだけはきちっとまず補償しましょうと。だけれども、また本格実施のときに考えますけれども、例えば規模の拡大だとかあるいはいろいろな環境対策だとかいうものについても、必要があれば今度は加算措置等をやって更にそれを促進をしていくということも、このモデル事業を実施をした上で、それを検証しながら皆さんと一緒に考えたいと思いますけれども。  とにかく今、先ほど来何回も言っていますけれども、このまま放置していては、何の応援もしなければ、特に小規模の、中山間地の生産条件の悪い人たちはどんどんどんどんやっぱり農業の生産点から撤退をしていく、やめざるを得ない、もう続けていけないというのが実態ですから、これをしっかり止めて、今度の耕地面積も、基本計画をもしお認めいただければ、今までの耕地面積と変えないと。必ず一方では減っていく分はあるわけですから、その分は反対に、耕作放棄地の三十九万ヘクタールのうちの十万ヘクタールぐらいはまだ優良農地なんですから、そこを是非今度は復活をさせていくと。そういう努力をしていかないと、とても食料自給率四一が五〇になるなんということは夢のまた夢と。土地は減っていく、農業者は減っていく、どうやって自給率を上げるんですか。そういうことを思えば、是非私どもの今御提起申し上げている政策についても御理解がいただけるのではないかと思っております。
  127. 山田俊男

    ○山田俊男君 関係しますので、二十一ページに、これ、①のアの「家族農業経営の育成・確保」ということに関連する項目で、そこにありますが、「戸別所得補償制度の実施に併せ、地域農業の担い手の中心となる家族農業経営について、経営規模の拡大や農業経営の多角化・複合化等の取組による経営改善を促す。その際、農業者の自主的な申請に基づき市町村など地域の関係機関が協力して地域農業の担い手を育成・確保する仕組みとして定着・普及している、認定農業者制度の活用を推進する。活用に当たっては、年齢や経営規模による制限や兼業農家は認めないといった制度に対する誤解の解消に努めるとともに、各地域での効果的な制度運用を推進する。」と書いてあるんだ。  これ、ここに書いてあるから、大臣、新政権がかくのごとく打ち出したのだぞというふうにおっしゃると思うんですが、実はこれ三年前の参議院選挙に負けまして、旧政権は、その結果、もうかんかんがくがくの議論をやった上で、そしてこの仕組みをつくり上げたという経緯があるんです。だから、もうこういう形で、家族農業経営、そして意欲ある人を幅広く助けていく、支援していくという方向は変わってないということだけ、その気持ちは合っているんですから、そこはちゃんと自信持ってこの路線は推進することについて私は、大臣、大賛成なんです。  ところで、続いて、大臣は今のお話の中で、今後モデル事業の検証を行った上で加算制度についても検討したいと、こういうふうにおっしゃったわけでありますが、その加算制度に関連して、私は、これは場合によったら針原総括審議官に聞いてもいいというふうに思うんですが、前政権のこともよく承知しているはずなんだよ、それから新政権のこともよく承知しているかもしらぬ、それで聞くわけだけど、旧政権の水田畑作経営所得安定対策の規模要件を踏まえた取組を並行させる方法があるのではないかというふうに思っているわけです。  何でかと。だって、現に今も、大臣、経営所得安定対策は継続したままだし、場合によったらこれは来年も予算を確保しなきゃいかぬはずですね。それから、認定農業者制度の位置付けはどこでなされているかといったら、それこそ担い手に関する法律でその位置付けができているわけです。だから、私は、規模拡大加算を入れていくということであれば、そこをどんなふうに工夫するかということがあっていいというふうに思っているんですけれども、針原さん、それとも政治主導でやってもらうかな。
  128. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 経営所得安定対策、法律からいえば担い手経営安定法が関係をするわけでありますけれども、この関係については、御存じのように、今年のモデル事業については運用をさせていただく部分を運用させていただきながら制度の設計を今行っているところであります。  今後のことについては、今御指摘があったようなことも踏まえて、本制度の中で全体像をどのようにするかという検討の中で今後とも結論を出していく、そのように考えているところでございます。
  129. 山田俊男

    ○山田俊男君 分かりました。今後の検討ということでありますが、是非、前政権側からこんなことがあったからといって遠慮しないで、大事なことは大事なこととしてですよ、だって、規模拡大加算が必要だと、一体どんなふうに工夫しながらそこを進めるかということを、日本農業の再建、復権のために、気持ちは同じなんだから、とすると、知恵を出してやらなきゃいかぬというふうに思いますから、どうぞ検討してもらいたいというふうに思います。  ところで、戸別所得補償と関連して生産調整の選択制のことも、これはもう触れざるを得ないわけであります。  確かに、大臣は大変もう好きになっておられる、私の大嫌いな大潟村の話と関連しますけれども、私なんか四十年近くもあそことけんかしてきたんですから、もう簡単に大臣のように素直になれないというか、思いがあるわけですが、大潟村にとるとこの一万五千円の一律固定支払というのは極めて大きいというふうに思いますよ。してやったりというふうに思っていると思うんだ。  一方、しかし小規模、山間地、独自販売定着地帯、これは一万五千円もらってもなかなか有り難くないんですよ、これは容易じゃない。この前、千葉県のある地域へ行きましたら、山田さん、戸別所得補償制度一万五千円なんてあんたは一生懸命言っているけど、おれの地域は関係ないんだと言っているわけ。関係ないって、田んぼあるじゃないですかと言ったら、だれも生産調整やってないからと言ってましたよ。全部米は売れるんだと言ってましたけど、そういう地帯もあるわけです。  ところで、全面的に米を作るという地域は一万五千円じゃなかなか変わらない可能性もあるんです。大臣、米価が下がったから、それを補てんするための財源をしっかり準備しているよということも承知しているわけですが、それでも間違いなくやっぱり米は作りやすいということがありますから、この際、米作って売っちゃおうという動きがあるのは間違いないというふうに思います。  それから、御案内のとおり、大臣はいつも自慢されている、生産調整の目標を達成しなくても、米粉や加工米、えさ米等への取組に満額の助成が付くわけですよ。これも効果がありまして、それは、全部えさ米や米粉作る、又は、生産調整やらなきゃいかぬ分だけえさ米や米粉を作るんじゃなくて、一部だけ作って、一部はまた米作ってというような取組もできると。それはそれで自主性を生かした取組じゃないかと言われればそれまでなんですけれども、大臣、私が心配するのは、どうしてもやっぱり過剰が出るんじゃないかという心配なんですよ。  この点、心配されませんか、お聞きします。
  130. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) もう何度も答えていますが、前政権時代に三十万トンから五十万トンぐらい常にだぶついてきたと、それをどうするんだという議論は、それは正直言ってあると思います。  しかし、二十二年産米からの話でいえば、これは今、千葉の話も出ましたけれども、しかしやっぱり、全国の今状況ずっと上がってきていますけれども、これはもうはっきり申し上げて、今までやりたい放題やってきた人たちが反対にかなりの部分この戸別所得補償制度に自主的にやっぱり参加をしてきているというのも、これ福島なんかもそうですし、別に秋田ばっかりじゃなくて福島なんかもそうですし、一番今までそういうところを自由にやっていたのが関東圏だと思いますが、その辺りのところも、たまたま山田委員が行かれたところはそういっておっしゃったかもしれませんけれども。  これからまた、今自民党の先生方が価格が下がるぞ、下がるぞ、下がるぞと言えば言うほど、その人たちは、じゃ、大損したときはもろに掛かっちゃうわけですから、その人たちは、だれも補償してくれないわけですから、そういうことが皆さんが言っていただけば言っていただくほど、その人たちは、やっぱり、じゃ、ちゃんとそういう制度に入っておこうかなと、入れば暴落したときにちゃんと変動部分で見てくれるし大丈夫だからということに私はなるんじゃないかと思っていまして、別に単に観念的に大丈夫だ、大丈夫だと言っている意味じゃなくて、現実に今いろんなところからずっと数値も上がってきていますが、流れはそういう流れになっているというのも事実ですので、心配はいたしておりません。
  131. 山田俊男

    ○山田俊男君 私は、前政権じゃなくて新政権の戸別所得補償制度が、米価が下がって大変なことになって、やっぱり政策間違っていたということになったらいいななんて決して思っていませんからね、私は。決して思ってないです。全然思ってないですよ。だって、苦しむのは、それは大臣じゃなくて政務三役じゃなくて農家なんだから。今ここで米価が下がって、そして下がった分、今補てんすると大臣おっしゃっているが、下がり方が激しくてどうにもならなくなったときに、大臣、財源ありますか。それは準備するというふうにおっしゃったって、大変ですよ。今の二兆四千五百億の予算で、それをもっとほかから取ってくるというふうにおっしゃるなら別。取ってくるといったって国家財政も大変です。  言うなれば、今やっぱりここ大事なのは、そういうことだけじゃなくて、ちゃんと、生産調整の目標達成のためにこんなメリットがありますからちゃんとやりましょうと、それから、きちっとこの水田利活用自給力向上の仕組みを通じて、さっきも集落営農の大事さをおっしゃっているわけですから、こういう取組をちゃんとやりましょうということこそ、大臣、私は、おっしゃって歩かれるといい、そのことが物すごく大事だというふうに思うわけであります。  例えば認定農業者の仕組みにしても、今回の基本計画の中で、ここまで書くのかと、何度も書くのかと思うくらい、認定農業者のような意欲的な担い手については、実は前政権と違って生産調整の取組は外したんだぞというふうにおっしゃっているわけだ。これ、場合によったら、このことが米価低落の物すごいトリガーを引く可能性があるんですよ。だから、もうここまで生産調整の取組も含めて弾力化するというふうにおっしゃるんならおっしゃったで、しかし、みんなでここは支えないと、本当に米価が下がる。今も下がって在庫がたまって、三十万トンないし四十万トンの米の在庫があって、かつ、業者さんはもう一万五千円くれるんなら、それじゃ米価下がってもいいだろうというふうにおっしゃって、取引が本当に停滞しているという声も聞こえます。  現段階ですらそうなんだから、これが来年の米の作付けの動向が分かってきたりして、それこそ参議院選挙が終わった後の夏は大変な困難に農業者は遭う可能性があるんです。同時に、政権与党も物すごい苦しみを味わうことになるわけです。  ですから、ここは余り格好付けないで、ちゃんと、申し上げた生産調整を言うなれば目標生産数量の達成に努力しようということをおやりになるべきだと、こんなふうに思いますが、大臣にお聞きします。
  132. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 私どもは別に黙って案、プランを出したぞ、だからそれに従えと言っているわけじゃなくて、いかにこの制度が農業者にとってメリットがあるのか、そして、日本のこれからにとって、特に麦、大豆、米粉、飼料米というのはいずれも、もう御存じのとおり、大豆なんかは六%か七%ですかね、麦で十何%だと思いましたけれども、あとは全部外国に頼っているということですし、トウモロコシを始めとする飼料関係もそうでございます。  そういう意味で、自給力、自給率を上げていくためにも、特に日本が今必要としている、特に日本が足らないというものについて、それを上げていくために単に生産調整で数量を決めて、その中を守ってくださいよだけじゃなくて、その余った水田を利用して是非自給力を上げるためにこんな努力をしてください、その代わりまたこちらにもこんないいメリットがありますよということを今お示しをしながら、もうあらゆる機会を通じてこの制度への参加を呼びかけておりますし、また、地域地域、あるいは田んぼの条件もいろいろ、水田の状況もいろいろあるでしょう、水が多いとか少ないとか、それによって合う作物もそれぞれあると思いますので、そういうこともしっかりお伝えをしながら、是非、強制ではないですけれども、結果的にはすべての人たちがこの戸別所得補償制度に自らの意思で参加をしてもらえるように引き続いて努力をしてまいりたい、このように思っております。
  133. 山田俊男

    ○山田俊男君 大臣は、米価の対策とも関連しながら私も申し上げるわけですが、予算委員会で備蓄制度について、百万トン棚上げを考え得るのではないかと、こうおっしゃったわけで、かつ、MA米は七十万トンありますから、そこは百七十万トンぐらいを考えてこうおっしゃっているのかなと。ちょっと分からないんですけれども。  さて、従来は、マニフェストとは言いませんが、民主党のインデックスの中で三百万トンの棚上げと、これはミニマムアクセス米も入れてというふうにおっしゃっていたこともあったのではないかというふうに覚えているんですけれども、この備蓄の制度の運営につきましても、大臣、余り画一的に考えないで、今の現状を踏まえて、在庫がいっぱい残っていて、そのことは、米腐らないですから、来年の米なりに大きな影響を与えますし、それから、大臣、戸別所得補償の成否にも大きな影響を与えるんです。それから、米の変動部分の支払の水準とも関係してくるわけでありますから、どうぞここのことについても、備蓄についても十分配慮して、弾力的な、まさに弾力的な運営というやつを今政府が考えないと大混乱に陥りますよ。その点についてお聞きします。
  134. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 備蓄制度でございますけれども、マニフェストでも三百万トンというような数字がございまして、あっ、インデックスですね、インデックスにもございまして、独り歩きをしているようなところもございました。これまでも大臣がいろいろなところで発言をしているというふうに思っております。  まず、現在の百万トン、これは国が保管をするものがございますし、MA米は一年で入ってくる量としては七十数万トン、実質的には若干それを下回りますけれども、というものがございますけれども、これまでの蓄積もございまして、おおよそ百万近いものが今現在はあるのではないかなというふうに思っております。それから、民間のところの在庫としてもかなりの量が今現在はあるのではないか。まさに国全体として見れば、大変な作況が低いときにおいても一定程度賄えるような水準にはあるんだろうと。  そのことを頭に置きながら、今後の改定あるいは棚上げ備蓄の在り方、あるいはまたどのような形の備蓄方法にするのか、あるいはまた過剰米との関連をどのような形で整理をするのか、その辺のところについて、御指摘をいただきましたように柔軟に対応していきたいというふうに思っております。
  135. 山田俊男

    ○山田俊男君 是非現状をしっかり踏まえていただいて、将来も考えて、国としてやれることは何なんだということを謙虚に考えて是非やっていただきたい、こんなふうに切にお願いするところであります。  さて、これは先般の企画部会で一部議論になったやに聞いておりますけれども、今回の基本計画の中で農業団体についての言及が何か所かにわたっておりまして、これもまたなかなか激しく書いてあるんですよ。何でこんなふうに書かれなきゃいかぬのかと思いつつ私も見ているところであります。  もう読み上げるのもしゃくに障りますから、読み上げるのも省きますけれども、どうぞ、企画部会で大臣がおっしゃった、農協外しをしようとは思っていない、JAが中心になって水田農業協議会の事務もやってもらっていると、農業団体の基本的役割は評価している、農家のために今後も頑張ってほしいというふうに発言されていると承知していますが、大臣、それでいいんですね。
  136. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) これはもう再三にわたりまして私は申し上げておりますし、この間の企画部会にも出て、直接、ちょうど全中の会長さんもお見えになりましたので、その場でも申し上げましたけれども、これから戸別所得補償制度を推進をしていく、きちっとどの地域でも仕上がりをさせていく、そのためには地域協議会の協力、とりわけその中核で頑張っていただく農協の皆さん方の協力なくしてはこれはうまくいきませんので、わずかな事務管理費みたいな形で幾ばくかの事務費は出しますけれども、しかしそれで本来は十分じゃないと思いますが、そういう中で前向きに協力をしていただけるということで、それはもうちゃんと評価もしておりますし、お礼も申し上げております。  ただ、この間、昨日もある本をお見せして言ったんですが、いろいろな形で、農協に入っていないとどうこうとか、融資やその他がなかなかされにくいとか、あるいはもう農協経由で云々よりも自分は直接どうこうこういうことをしてほしいとか、あるいは政治とのかかわりの問題とか、いろんな意味で正直言って批判がないわけではありません。ですから、私は、農協本来の目的である農業者のための組織として、そして、今も信頼はあると思いますけれども、更により親密な関係、信頼関係をやっぱりつくっていただける努力を、農業者もしなければいけないかもしれませんが、組織としての農協も、是非虚心坦懐にその辺のところは取り組んでいただいていいんじゃないでしょうか。  じゃないと、これからは、今度の郵政のあれじゃありませんけれども、郵便局や地域の信用組合、信用金庫とこれはサービス合戦になるわけですし、どこが一番安心してサービスよくやってくれるか。それによって、農業者たちはどこでも選べるわけですから、そういうことになれば、やっぱり本当に農業者のために一番力になって心配して頑張ってやっているのは農協なんだよというようなことを言っていただけるように努力をしていただく必要があるんじゃないかということは、もう率直に茂木会長にも申し上げました。
  137. 山田俊男

    ○山田俊男君 そうした諸意見があるということは十分私も承知していますし、農業団体もそれぞれ承知しているものだというふうに思います。  ただ、大臣、我が国の農業が置かれたないしは地域が置かれた協同活動の重要性、水利用にしても、それから農地の効果的な利用にしても、それから災害に対する協同の取組にしても、地域社会の中ではやはりどうしても一人の百歩よりも百人の一歩という形で協同活動を重視する雰囲気が現にあるわけであります。その中でどうしても一部批判もありますし、自主的にちゃんとやるよということもあるというのは私は事実だろうというふうに思います。  そういう人も含めて理解をもらっていかなきゃいかぬわけですが、往々にしてこの基本計画の議論が、まあ木を見て森を見てないというんですかね、そういうやっぱり感情的な記述になってないのかなというふうに懸念するところがありますので、大臣、よくよく目を通していただいて、大臣の今の思いがちゃんと表れるようにやっていただきたいと、こんなふうにお願いいたします。  さて、法律のことについて一、二質問しておきたいんですが、食料・農業・農村基本法は改正するんですか、改正しないんですか。というのは、効率的かつ安定的な担い手の育成ということをメーンにしてこの法律ができているわけでありますが、しかし先ほど来から議論しますと、将来像のイメージ、それからさらに経営類型を描こうというときに、効率的かつ安定的な担い手というのも否定はしてないんだということであれば、これは現行の法改正なしでいこうということなんですか、どうなんですか、お聞きします。
  138. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 現在、直ちにこの部分がおかしいとか、これはどうしても変えたいとかいうことがあるわけではありませんけれども、この基本法に限りませんけれども、私はそれこそ、先ほど山田委員言われるように柔軟に変える必要があれば変えればいいし、当然それは皆さんと議論して決めていくわけですから、もしそういう点が出てくればそういうことを御提起申し上げたいと思いますし、今この時点で直ちにそれに取り組むということは私自身は考えておりません。
  139. 山田俊男

    ○山田俊男君 同時にお聞きしますが、もう二つ法律が関係するわけですね。農業の担い手に関する経営安定のための交付金法の改正。これは、言うなれば品目横断経営安定対策ないしは、名前は変えましたが水田・畑作経営所得安定対策の論拠になっている法律でありますが、これは変えるのか、変えないのか。私は、変えないんなら変えないで、さっき話したように並行して仕組みを走らせればいいというふうに思いますし。  それから、食糧法ですね。これは生産調整の実施と、かつ生産調整方針の策定をこれは農業団体にきちっと位置付けるということになっているわけですね。これについても変えるんですか、変えないんですか、お聞きします。
  140. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 二つの御指摘でございますけれども、経営所得安定の法の改正でございますけれども、これ先ほどちょっと申し上げましたが、所得補償制度の本格実施に向けた制度設計において、政策体系として分かりやすい制度ごとの役割分担の在り方を勘案しながら結論を出していきたいというふうに思っております。  また、この関係につきましては、今年度は米あるいは水田ということのモデル事業でございますけれども、麦、大豆等の関係につきましてはまた検討する部分がございますので、いずれにしましても法制度を含めて今のところ継続をいたしますが、本格実施の際には検討していきたい。  それから、食糧法でございますけれども、この部分につきましては本格実施に合わせてかどうかということは若干ありますけれども、変えていかなければいけない内容を含んでいるのではないかな、そのように思っているところでございます。
  141. 山田俊男

    ○山田俊男君 法律の改正は当然この場でも議論になるわけですから、是非前広の議論をやっていただいて、将来に禍根を残さないようなことを是非是非やっていこうじゃないですか。それをお願いしておきたいというふうに思います。  最後に、生産数量目標について触れておきたいというふうに思います。  これは自給率向上目標を設定されて、それに向けて生産数量目標をそれぞれ作物ごとにお出しになって、さらに克服すべき課題について短く書いてありますけれど整理されているというのは、私はなかなかこれはいいことじゃないかと、こんなふうに思っているところであります。  ところで、そうはいうものの、品目によっては、作物によっては増えるばっかりじゃなくて減るものもあるわけね。一体、減る作物サイドからとってみると、例えば減っているというのは何が減っているかって言われると、生乳、牛肉、豚肉、てん菜、サトウキビ、野菜等ですよ。これは減っているわけ。減っている側からいうと自給率向上をやろうと言っているわけでしょう。食料の安全保障を図ろうと言っているわけでしょう。海外から農産物の輸入が現にある作物じゃないですか。  そんな中で、海外物ともそれぞれ競争しながら、それこそおっしゃっている六次産業化も含めて、そして生産力を高めていこうというときに、かつ、意欲ある多様な農業者がずっと経営を継続していけるような措置を講ずるというふうに言っておりながら、作物によっては、今言いました重要な作物について生産目標を下回るような、今年の現行を下回るような生産目標を設定されるというのは、やっぱり納得いかないというところはあるわけです。  それから、例えば麦みたいなように、麦は御案内のとおり、今度は外麦の売渡価格下げられたでしょう。下げられたら、今度は国産麦。これは何でかといったら、今までのような内外格差で価格設定しているんじゃなくて、価格については海外から入ってくるものと同等の市場価格の中で形成されるという仕組みを取っているんです。その後、補てんをしているんですよ。しかし、今の現時点の価格形成の動向からすると、国産麦の方よりも外麦の方が安いわけよ、売渡価格がね。これじゃ、一体これはちゃんと引き取ってもらえるのか、自由に流通するのかという課題を抱えるわけ。制度的にもそれぞれ作物が抱える課題というのはあるんですよ。  このことについて思いを致して、思いを持って、そして制度上もこのことを支えていく、需要拡大も含めて支えていくという仕組みにしていく。それから、不足するんだったら牛乳の生産なんかについても適切な制度の設計を追加して実施していくとか、そういう裏付けがなかったらやっぱり駄目だというふうに思うんですよね。  この点についてお考えをお聞きします。
  142. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 食料・農業・農村基本計画の素案の中でそれぞれの品目ごとの生産数量目標を定めておりますけれども、やはり今生産数量目標を定めるに当たっては供給力、どのぐらい実際供給できるのかというその供給の側面と需要の側面と両方を勘案しなければこの数量は決まっていかないんだと思っています。これは決まるといっても目標ですけれども、やはり一つは今非常に自給率が低い、例えば御指摘の小麦とか大豆なんかは、やはり何とか今持てる土地をフルに活用して少しでも自給率を上げていきたいと。あわせて、やはりその輸入小麦を代替するような形で品質の向上、品種の開発、そういったものも含めて生産を拡大しなければいけないと思っています。  さらに、米についても、朝食欠食者が今千七百万人と言われておりまして、やはりそういった朝食欠食の改善、これは健康面の改善にもつながりますので、そういうことも進めなければいけないと思っておりますし、やはり潜在的な需要を起こす、掘り起こすことによって需要拡大の余地が存在する、そういったものに関してはやはり大いに需要を増やしていこうと思っております。  一方で、やはり人口の減少ですとか高齢化の進展が見込まれることから、やはりその各品目の状況では、努力はするけれどもなかなか、実際のその需要がなかなか伸びないんではないかと思われる品目もありまして、そういう中で今御指摘の牛乳・乳製品、それから肉類が減るという目標よりは大体横ばい、おおむね横ばいという目標を定めておりますけれども、やはりなかなか、特に例えば生乳については飲用乳が非常に消費が減退している。一方で、チーズなどが今消費が伸びておりますので、そういったチーズ向け、輸入チーズに代替するような国産でやはりいいチーズを作る、チーズ向けにもっともっと生乳の需要を増やしていくといった、こういう努力もしなければいけないと思いますので、是非、そういう生産数量目標に向かって、様々な御提言を委員からもいただきながら、しっかりと国内の生産を増やせるような、そういうことを進めていきたいと思っております。
  143. 山田俊男

    ○山田俊男君 どうぞ、今後の生産振興や、各作物の制度対象数量の基準を決めていくときの大事な資料になる可能性があるんです。だから、ここの設定についてはよく意見を聞いてもらって、よく考えて、そして策定してもらいたいと、こんなふうに思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  144. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  三月十一日の赤松農林水産大臣の所信に関連して、また、二月二十七日発生のチリ大地震による津波にて甚大な被害を受けた三陸海岸の養殖業者を中心とする被災者対策について質問をさせていただきます。  まず、チリ大地震津波被害対策並びに今後の漁村の地震・津波対策について質問をいたします。  公明党は、二月二十八日の大津波警報発令同日に井上義久幹事長を本部長とするチリ地震津波対策本部を立ち上げまして、避難施設や被害を受けた漁業の現場を視察をさせていただきました。私も、二度ほど三陸の漁港の方を視察をさせていただきました。そこで現場の漁業者や地方自治体の長あるいは担当者の方々から切実な要望等をいただいておりますので、それらを踏まえて質問をさせていただきます。  まず最初に、押し寄せた津波により、三陸沿岸のワカメ、昆布、カキ、ホタテなどの養殖業者は、施設や水産物の被害額が、三月十日現在の数値でありますけれども、三十億円を超える甚大な被害を受けたわけであります。また、破損した施設等の撤去、処分や施設復旧あるいは生産再開、そしてまた、収入が得られるまでの時間が掛かりますので、生活再建には多大な費用が掛かるわけであります。  これらの被災者救済のために激甚災害指定の弾力的な運用を行うことが必要だ、特に局所激甚災害の指定基準について新たな認定基準を設けて今回の被災者に対する財政的な援助等を行えるようにする必要があるのではないか、そのような要望をいただいておりますが、この点に関しまして農林水産大臣並びに内閣府大島副大臣、おいでいただきましてありがとうございます、のお考えをお聞きしたいと思います。
  145. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 午前中の御質問にもお答えをしましたけれども、チリのこの地震によります津波の被害につきましては、連日農水省としてもその被害の実態把握に努めております。毎日毎日、被害金額は上がっていきます。昨日時点で被害総額は六十一億五千五百万円に上っております。特に宮城県、岩手県等を中心にして大変被害が大きくなっていると。まだ海の下に、海底に沈んでおるいろんな、沈んだままの状態のものもございますので、そういう調査をしていけばもっと多分被害額は大きくなるんではないかと予想をしております。  激甚災害の指定をというお話でしたけれども、これは中央防災会議の意見を聴いた上で政令指定をするということになっておりまして、その中央防災会議の激甚災害に指定する場合のいろんな条件がありますけれども、何とかは二%とか一%とか、これを上回ったときとか、いろいろありますけれども、その辺のところは、とにかく漁業者を中心にして大変困っておられる方たちが多いわけですから、できるだけまず全体的な被害状況の把握をした上で、是非前向きに取り組んでいきたいというふうに思っております。
  146. 大島敦

    ○副大臣(大島敦君) 渡辺委員の質問にお答えをさせていただきます。  渡辺委員おっしゃられたとおり、いかだが大分皆さん浮いてしまって、港のところに大分集まって、下にはアンカーなるものがまだあるということの状況はよく承知をしておりまして、当委員会、そして衆議院の委員会でも、御地元の皆さん、非常に大きく声を上げられているという実態がございます。  それを踏まえまして、お尋ねの激甚災害の指定につきましては、やはり対象となる施設の被害状況をまずは把握させていただき、今、都道府県の方にもいろいろと頑張っていただいて、引き続き情報の収集に努めている状況でございまして、今の段階では被害状況等の実情に応じてできるだけ適切に対応していきたいということで頑張らせていただくということでよろしくお願いをいたします。  以上です。
  147. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 本当に津波という、予想外といいますか、しかも、人的被害はなかったわけでありますけれども養殖施設という特殊な業態に対してやっぱり被害が大きかったということでありますので、そういう点も十分考慮をしながら、激甚災害、局所になると思うんですけれども、そちらの方の適用を検討よろしくお願いしたいと思います。  次に、被害を受けた養殖業者にとって急がなければならないことは損壊施設の復旧、生産再開、そして生活再建であるわけでありますけれども、その際に、今後の地震、津波等に更にきちんとした対応をするために防災対策も併せて行うことが大事だろうと、そのように考えておるわけであります。  例えば、この間、宮古の方の、宮古湾の被害の方を見させていただいたんですが、平成十五年の十勝沖地震、津波のときには、被害を受けた宮古湾内の養殖施設の打ち込みアンカーによる防災対策の強化も併せて行った、そういう復旧事業をやっておるわけであります。そしてまた、生産種苗の購入、あるいはアンカーを強化したことに対して県と市が補助を出しているわけであります。  今回、被害が大きいために、やはり国による支援を強化をしていただいて、ただ単なる復旧ではなくて、今後、そういう災害が起きたときに被害が大きくならないような減災あるいは防災というところを加味した復旧対策を取る必要がありますので、その点に関しまして、農林水産大臣の支援といいますか、そういうものに支援をどのようにお考えになっているのかお聞きをしたいと思います。
  148. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 午前中の藤原委員からの質問にもお答えいたしましたけれども、まさにこういった災害を契機に、やはり災害に強い、津波にも耐えられるような強固なアンカー、そういった養殖施設の整備については、やはり積極的に国としても応援していかなければいけないと思っております。そういう中で、強い水産業づくり交付金による助成が可能となっておりますので、地元の要望を踏まえて、早急に対応していきたいと思っています。  また、養殖業者が漁業の再建、種苗の購入等を行う場合には、これも午前中にお話ししましたけれども、日本政策金融公庫の農林漁業セーフティネット資金、これはかなり低利で融通できる資金でありますけれども、そういったものとか、漁業近代化資金などの制度資金の活用も可能となっておりますので、できるだけ情報提供をしながら現場でのニーズにしっかりと対応していきたいと思っております。  また、なお、三月一日には、こういった日本政策金融公庫に対しても早急に対応するように相談をできるような体制を取るようにということで通知も出しまして、現場のそういった相談窓口なんかもきちんとできているような状況になっていると聞いております。
  149. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 そうですね、今回の被害を受けて漁業者が、養殖業者の方々がもうこういう仕事はあきらめようというふうにならないように、大切な担い手でありますので、そういう方々が安心して事業を継続できるように応援をしていただきたいと思います。  そしてまた、漁業共済のことが先ほども質問にありましたけれども、やはり漁業者にとっていつどれくらいの期間で起こるものか、地震、なかなか予想が付かないということで、ついつい一番身近なところに資金を使いたいということで、漁業共済、様々なメニューがあるわけですけれども、どうしても加入率が低くなってしまう。やはり加入率を上げるためにはもう少し国としての支援、今も多くの支援策があるわけですけれども、更なる強化ができないのかという、それは現場の方々の切実な声であるわけですが、これに対しましてどのような対応が可能なのか、農水省にお聞きをしたいと思います。
  150. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) この件につきましても、午前中にもお答えいたしましたけれども、やはり今、現状の加入率というのが五割、半分ちょっとということになっておりましてまだまだ低い。加入促進の努力はしておりまして、年々上がってはいますけれども、なかなかまだ多くの人に加入いただいていない状況になっております。  そういう中で、やはり国としてはまず、共済掛金の現在平均すると四五%を補助しているところでありまして、こういった補助の在り方も検討していかなければいけないと思いますし、さらに、二十一年度から大きな損害が生じた場合に十分な補償が受けられ、また逆に小さいときには免責になるような、そういう新たな商品も作りまして、その場合には掛金の上乗せ助成、一割助成ですから、少し、かなり軽減はされると思いますけれども、こういった対策を実施して、漁業共済経営環境変化特別対策事業というものを実施しておりまして、順調にこの助成の中で契約をいただいている漁家の方も増えております。  また、昨年十月に施行された制度改正においては、やはり共済掛金が高くてなかなか入れないと、そういった声を踏まえまして、地震に限定した商品、こういったものにして掛金の安くなる新たな商品を導入いたしまして、これもまだ件数は少ないんですけれども、こういった商品を導入していると。  今後も新しい商品などをまたきちんと検討していかなければいけないと思いますし、しっかりと共済商品のPRに努めながら、やはりいざというときのための安心のものなんだと、こういった共済の本来の役割なんかもきちんと訴えながら加入促進に向けて努力をしていきたいと思っております。
  151. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 先ほども廃棄物の問題も出てまいりましたけれども、クレーン船によって、損壊した施設の撤去等するわけですが、お聞きしたところでは一日八十万円掛かるとか、大変高額な費用も掛かるわけであります。  そしてまた、問題は、そういう施設にもちろん生産して残念ながら廃棄しなきゃならないそういうホタテとかワカメとかいろいろあるわけですけれども、そうしますと、おかに上げると腐ってくる、当然ながらにおいもひどいということで、すぐに産業廃棄物処理が間に合わないということがありまして、お聞きしたところでは、そういうものを一時的にどこかに移して保管をし、そして産業廃棄物を処理する炉で燃やすまでの期間を少し置かなきゃいけない。それが置く場所がないと、やはり漁港にそういうものを置いておきますと、においがひどいということでほかの商品にも風評被害等で影響を受けるということでありますので、一時的にそういうものを保管するような場所もできれば支援をしていただく、確保するための支援をしていただきたいとか、様々なそういう産業廃棄物として出てきてしまったものを処理するための費用等について応援をいただきたいということでありますので、これは農林水産省だけではなくて環境省とかあるいは自治体、総務省関係もありますけれども、そういう方々と協力をしながら、津波あるいは自然の災害というものに特化した形で臨時特例的な対応というものができれば有り難いということでありますけれども、この点について舟山大臣政務官の方にお答えいただきたいと思います。
  152. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 被災した施設が漁港や漁場へ漂着した場合に、これは所有者とか占有者が明らかであれば除去、処分する責任というのは基本的に所有者にあるということになっています。  ただ一方で、午前中、環境省それから総務省から答弁がありましたけれども、環境省の方でも災害等産業廃棄物の補助事業というものがあるようでありまして、こういったものの活用ができるのではないかというお答え、また総務省においては災害についての交付税措置、こういったものもありまして、所有者が明らかでない場合には地方自治体が撤去するため、やはりかなりお金が掛かると思いますので、そういうものに関してはやはりこういった交付税措置などもしっかりと措置をしながら、残念ながらここ数年、地方への交付税が非常に減ってしまったという状況がありますので、やはりそういった地域のいろんな取組を支援するような交付税措置というのは国全体としても考えていかなければいけないと思いますし、今回こういった形で災害についての特別交付税ということ、これについては総務省ともしっかりと相談しながら、やはり漁業を所管する農林水産省としてしっかりと対応できるように相談していきたいと思っております。
  153. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 もう一つ、地震、津波についての質問、最後でありますけれども、漁業者という視点ではなくて漁村の住民の視点から、やはり建設予定になっておった海岸堤防あるいは津波防波堤、防潮堤、そういうものがまだ完成していないところがあるんで、三陸に関しましては大規模地震の発生の切迫性、今後三十年以内に例えば三陸沖北部では九〇%、それから宮城県沖の地震では九九%という大変な切迫性があるわけです。宮城県沖地震のときは私も体験したわけでありますけれども、そういう地震が発生する可能性が高いということでありますので、今回の経験を生かしながら、防波堤あるいは防潮堤等まだ完成していないもの、そういうものをしっかりこの際建設を促進していただきたい。  そしてまた、もう一つ問題なのは、やっぱり沿岸の国道等が一時通行止め等しなければならない、津波でやられると被災者が出てしまうということでありますので、その場合に、三陸の海岸の特徴といいますか、バイパス道路というものがやはりなかなか建設されていない、あるいは途中であるというようなこともありまして、万一のとき、避難所におられる方に救援をする場合に、食料とか医療とかそういうルートが確保されない、孤立してしまうところがあるということで、そういうバイパスの道路等をしっかり確保するためにそういう道路網を整備をしてもらいたいという、そういう切実な要望等もいただいておるわけでございます。  この点に関しまして、辻元国土交通副大臣、そしてまた農村の活性化等、安心等を担っておられる農水省として、そういうものの推進にどのように取り組んでいただけるのか、お伺いをしたいと思います。
  154. 辻元清美

    副大臣(辻元清美君) 渡辺委員にお答えいたします。  まず、国土交通省所管の防潮堤や道路の面につきましてお答えいたします。  御指摘のとおり、やはり日本は島国ですので、防潮堤の耐震化等は非常に重要だということで前政権からも少しずつ進めてきていただいております。財政的な制約もございますので、今社会資本整備に掛ける税の割合を減らしていくという中でも、この安心、安全の部分については充実させてまいりたいというように考えております。  今御指摘のこの三陸海岸等以上に今後も地震等の可能性が高い部分につきましては、特に重要沿岸域と指定いたしまして、三つございます、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域、そしてもう一つ、東海地震防災対策強化地域、そして三つ目が東南海・南海地震防災対策推進地域と、これは特に重要沿岸域として進めてまいりたいと考えております。これ以外のところを進めないのではなくて、特に重要度の高いところを中心にこれからも万全を尽くしてまいりたいと思います。  そして、道路の方なんですけれども、御指摘の三陸縦貫自動車道の整備、これは四十五号線、今回何か所か通行止めにいたしましたので、併せてもう一本という御指摘だと思うんですが、既に今、供用済区間が九十五キロ、四三%と、そして事業中区間が六十九キロで約三一%ということになっております。残りの部分につきましても、今道路整備の在り方を国交省の方で見直しておりますけれども、この防災という観点からの道路というのも非常に重要だという観点も十分勘案しながら、総合的に今後の道路整備について決めていきたいと思っております。
  155. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 今、辻元国土交通副大臣からもありましたけれども、防災事業、安心、安全を確保する事業というのはやはりいつの時代にも大切なことだと思っております。  そういう中で、特に漁村の多くは、前面が海で背後はすぐ高い山だという非常に狭隘な土地に立地していることから、災害に弱い、そういった傾向がありまして、そういう中で、これまでも防潮堤の整備、漁村内の避難路、避難広場の整備などを進めてまいりました。また、その避難路とか避難広場の整備に当たりましては、やはり周辺地域からのアクセスを確保しなければ、幾ら避難したところで孤立してしまっては、やはりこれはその後の避難後の生活に支障が生じてしまいますので、やはりそういったアクセスの確保、そういうものをやっていかなければいけないと。そういう意味におきましては、道路事業を所管する国土交通省とも連携を図りつつ、必要な整備を推進していきたいと、そんなふうに思っております。
  156. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 今回の経験をよく点検していただいて、検証していただいて、必要度の高いところ、しっかり促進をしていただきたいと思います。  ありがとうございました。辻元副大臣、もう退席して結構でございます。  それから、次の質問に移らせていただきます。  水産資源の維持、増産並びに管理の強化という、そういうテーマで質問をさせていただきますが、今クロマグロが話題でありますけれども、クロマグロに限らず水産資源の枯渇が問題になっておるわけであります。  今後の水産資源の確保対策について、赤松大臣の方から、こういうふうにやるんだということを、ポイントを教えていただければ幸いでございます。
  157. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 日本周辺水域の水産資源の状況というのは、これは独立行政法人水産総合研究センターの評価によりますと、評価対象魚種の八十四系群のうち三十七系群、約四割なんですね、量とすれば約四割が低位水準だという評価になっています。これは、水温の変化など海洋環境の変化による影響、また沿岸域の開発、産卵、育成の場となる藻場、干潟の減少、それから回復力を上回る漁獲が行われたことなど、様々な要因によると思われております。  そういう中で水産物の安定供給を図るためには、こういった水産資源の確保、水産状況の改善、資源の持続的利用というのが極めて重要でありまして、これまでも漁獲可能量制度、TAC制度をサンマ、マアジ、マサバ等七魚種について運用するとともに、資源回復計画、これも系群ごとに計画を立てておりまして、今全国で六十五計画を立てていますけれども、こういったものを推進してきたところであります。  これは、国際的にも今後ますます水産資源管理を的確に行うべきだという、そういう要請は強くなっておりまして、日本としても資源管理を今後とも積極的に進めていきたいと思っております。  また、このTAC制度の運用に当たりましては、午前中の松下委員の質問にもありましたけれども、かわいそうだとか、何となく少なくなっているからということではなくて、やはり科学的知見に基づいてしっかりと管理しなければいけないと思っておりまして、そういう中で、やはりきちんと科学的知見の中でTAC制度などを運用をしていきたいと思っております。
  158. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 日本は世界一の長寿国になったわけでありますけれども、それはやはり日本食という、健康に良いと評価をされておりますけれども、そういう文化があると。日本型食生活の中には魚食文化というものも大きな貢献をしておるわけであります。そういう日本型食生活の普及、お米を中心としていろいろな副菜を食してバランスの良い形になっている、あと魚食ですね、畜産物以外にもそういうお魚のたんぱく質を取る、そのほかにも頭が良くなる成分とかいろんなのがあるわけでありますけれども、そういうものを食してきて健康長寿国になってきている、あるいは長寿国になってきているというわけでありますので、こういう食文化日本型食生活の文化、あるいは魚食文化というものをやはり今後も振興していく必要があるわけであります。  この点について、大臣あるいは舟山大臣政務官、お考えありましたらよろしくお願いいたします。
  159. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) やはり人間の味覚というのは子供のころに形成されますので、特に子供のときにしっかりと正しい食習慣、食生活を身に付けさせることが大事だと思っています。  私事ですけれども、私に三人の子供がいるんですけれども、幸い魚が大好きで、やはり小さいころから食べ慣れているとずっと食べ続けるんじゃないかと思うんですね。やはりそういった取組も必要だと思っております。そういう中で、やはり消費者に日本型食生活の意義ですとか重要性、健康にいい、そういったものをきちんと啓蒙すると同時に、やはり生産者に対しましても、消費者ニーズに合った水産物を提供していく、そういった取組も促していかなければいけないのかなと思っています。  このため、農林水産省においては、子供たちを対象とした料理教室を開催したりとか、あとは、やはり学校給食で一番そういった、何というんでしょうか、味覚の一部が形成されると思いますので、その学校給食を統括している学校給食会に対して情報誌の提供をしたりですとか、それから魚種ごとのしゅんの食べ方、栄養面に関する情報提供、こういったことで魚食普及の取組の支援を実施しています。  さらには、漁業者団体が消費者ニーズに合った水産物を提供するために行う販売戦略の策定、実行、それから新規販路の開拓、そういった多様な取組を支援するような事業も用意しておりまして、これは水産物産地販売力強化事業と、今二十二年度概算決定額で九億七百万円、九億円ですね、約九億円の予算も付けておりまして、こういう委員御指摘のようにやはり魚食文化をしっかりと振興させていきたいと思っております。
  160. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 大切な漁業資源でございますので、密漁とか違法操業等は取締りをきちんとしていかなければならないと、そのように思っておりますけれども、そういう密漁あるいは違法操業等によって生産されるようなものを排除していかなければいけないと思うんですけれども、生産地あるいは生産者の証明によるそういう水産物を市場にきちんと提供していく、そういう取組がなされておるようでありますけれども、この点をどのように支援をしていくのか、農水省のお考えをお聞きしたいと思います。
  161. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 委員御指摘の件は、恐らく特にアワビに関して、これは一昨年ですか、平成二十年に宮城県内で密漁者から密漁アワビを買い付けて一部の中央卸売市場の卸売業者へ販売したという事例がありまして、これは事件に発展しているんですけれども、こういったことを受けて、平成二十一年、昨年の二月に、総合食料局長と水産庁長官の連名で中央卸売市場、生産者団体、都道府県に通知しております。  やはり密漁を防止していく、これは資源管理という面もありますし、しっかりと正しい市場流通を促進していくということもありまして、やはり産地証明書、例えばアワビにつきましては、幾つかの卸売市場におきまして産地証明書がないものは取り扱わないとか、そういう取組をしていると聞いておりまして、市場関係者と生産者団体が連携して密漁対策を進めているところであります。  農林水産省といたしましても、やはりこういった密漁水産物の市場流通を防ぐ観点から、しっかりと指導していきたいと思っております。  また、卸売市場法では正当な理由によらない受託拒否が禁止されていますけれども、密漁により入手されたというのは、もうこれは明らかに正当な理由ですよね。ですから、やはり密漁により入手された物品は取り扱ってはいけないと、こういった通知もいたしておりまして、積極的に密漁防止に取り組んでいきたいと思っております。
  162. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 密漁等の防止に役立っているのが、都道府県の方もそういう漁業取締り船というのを持っておって取締りを行っているわけでありますけれども、なかなか地方財政も大変厳しいということでありまして、三隻あったものを二隻に減らしていると、青森県の場合はそういうふうになっておるわけでありますけれども。  その際、こういう提案があったんですね。各県でそういう漁業取締り船を造るというのは、設計から、最初から各県が独自にやっていくとコストが掛かると。水産庁等が、もし共通の仕様であれば、共通の設計で船を造る、それを必要に応じて都道府県が購入すると。多少のオプションはそれは付けることはあると思うんですけれども、そういう共同でもいいような船がある場合は、取締り船、共同での設計、共同購入という形でコスト削減をしたらどうかと。  あるいは、様々な水産物の漁期があるものですから、各県が協力して船を出していけば、総数としては少し減らせる可能性があるということで、都道府県の負担も軽くなるんじゃないか、そういう提案もいただいておりますけれども、この点に対して、水産庁としてどういう支援ができるのか、あるいはそういう、いろんなやり方があるかもしれませんので、その検討をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  163. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) 今御指摘の漁業取締り船については、沿岸域を管轄する各都道府県において建造、運航管理が行われている、そういった現状です。  共同設計、共同購入という御提案ですけれども、非常に一つの案としてはなかなか面白いなと思うんですけれども、ただ一方で、都道府県ごとに、漁業取締り船の建造については、漁業の態様が違う、大きさ等もかなり違うんですね。大きいところでは例えば五百トン級の船を持っているところもあれば、五十トンぐらい、その十分の一程度のちっちゃい船で取締り船を運航しているところもあると。更に言えば、その地域によっては調査船との兼用で取締り船を走らせているところもあると。  様々な、いろんな事情によってまちまちだという状況を踏まえると、またさらに、そんなに頻繁に更新するものでもありませんので、県によってその更新時期が全然ずれているんですね。そういったいろんな事情からなかなか、一つのアイデアではあるんですけれども、現実的には難しいかなと、そんなふうに思っています。  ただ一方で、近隣の県同士が合同でそういった購入、設計するということは、これは排除するものでもありませんし、そういった取組は進めていただきたいと思いますし、また、合同の取締りなどは現にこれやっているところもありまして、そういった取組を応援することはできると思っております。  いずれにいたしましても、漁業取締り経費、全体的に非常に予算が国も都道府県も厳しい中で、やはりできるだけ効率的な予算運用をするという意味におきましては、都道府県の意見を聞きながら効率的な取組を検討していきたいと思っております。
  164. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 警察庁の方では全国共通のそういう取締りの船ですね、やっぱり造っているところもあるし、都道府県が独自のものを造る場合もあるんですが、共通仕様のものも持っておられるということでありますので、検討していただければと思います。  やはり海の水産物確保していくためには海の環境をきちんと保護をしていく、改善をしていくということが大事でありまして、今、磯枯れの問題とか、あるいは、私も先日北海道に行ったときには、ホタテの貝殻に付いてくるホヤとか、商品にならないものでありますけれどもザラボヤというようなもので、廃棄するものが重量が、物すごくかさが大きくなってしまって大変だというようなお話も聞いたり、あるいは逆に今まで捨てていた貝殻等を有価物として利用して使っていこうとか、いろんな流れがあるんですけれども、そういう廃棄物を少なくするとか循環型社会というような観点で有価物にしていくとか、そういうことで廃棄物を減らしながらまた磯の環境を整えていくとか、様々な対策が必要かと思っておりますけれども、こういう点に関しまして、農水省、新たな対策というようなものがあれば教えていただく、あるいは来年度の予算でどういうことを考えておられるのか、そういうことがあれば教えていただきたいと思います。
  165. 舟山康江

    ○大臣政務官(舟山康江君) まず、磯焼けですけれども、これはいろんな原因がありまして、やはりその原因を正確に把握した上でそれぞれ対策を講じることが必要だと思っています。  例えば、ウニ、魚による食害が原因の場合にはやはり食害生物の駆除をしなければいけない。海藻の種不足の場合には海藻を移植するとか、栄養塩の不足の場合には栄養供給、それから海藻の定着しやすい環境がない場合にはそういった定着を促すコンクリートブロックの設置など、それぞれの原因に応じた対策をする必要があると思っておりまして、そういったことに対応するために、平成十九年二月に磯焼けの原因と対策をまとめたガイドラインを取りまとめたところであります。さらに、その普及を図るために、磯焼け対策を含めた藻場、干潟対策の交付金制度を創設し、支援しているところであります。  この藻場、干潟の保全というのは本当にこれから、今年COP10もありますけれども、生物多様性の保全という意味でも非常に重要だと思っておりまして、そういった対策を強力に継続していきたいと思っています。  また、ザラボヤですけれども、これは一昨年辺りから特に北海道において噴火湾を中心に大発生して大きな被害になっております。これは有害生物漁業被害防止総合対策事業の対象生物に追加いたしまして、除去に係る経費について助成を行っていますけれども、やはりこの根本的な発生原因については、調査が始まったばかりなんですけれども、関係者一体となって発生メカニズムの解明に向けてこれからも調査を推進していきたいと思っております。  最後のそのホタテの貝殻等の有効利用という観点は、私は非常にいい御指摘だと思っております。今でも水産関係の公共事業において魚礁の構成材料として貝殻を使用したり、防波堤の中詰め材として貝殻を使用したりという取組を行っていますけれども、より一層こういった産廃となっているものを有効にこれは使えるわけですね。主成分がカルシウムであることから建設資材として、リサイクルとして大いに活用が可能だと思っておりますので、今後補助事業に当たって、例えばこういう条件を付していくとか、もう更に利用が進むような仕組みも考えていかなければいけないと、そんなふうに思っております。
  166. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 時間がないので質問を用意してきておりましたけれども後にしたいと思いますが、新たな食料・農業・農村基本計画を作るということで、もう間近にできるということでありますので、そういうものができたときにはまたしっかりした議論をしていきたいと、そのように考えております。  ありがとうございました。
  167. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  大臣の所信に対しての質問をいたします。  それで、二月の乳価に対する質問のときにも取り上げたんですけれども、日本のミニマムアクセスあるいはカレントアクセスなどのWTOの貿易ルールに関する問題についてお聞きします。  大臣はWTO協定を読まれていると思うんですけれども、ミニマムアクセスにしろカレントアクセスにしろ、このアクセス数量はあくまでも輸入機会の提供ということだと思うんです。アクセス数量が輸入義務数量であるというような規定がWTO協定上どこかにあるでしょうか。
  168. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 御存じのように、ミニマムアクセスについては機会の提供というふうに理解をされているところでございます。ただし、国家貿易として行っている品目についてどのように扱うかというのは、それぞれ国が時々の内閣、閣議によって決められている、そのような運営をしているというふうに思っております。
  169. 紙智子

    ○紙智子君 まずはWTO協定上は規定はないわけですよね。
  170. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 文言を訳していきますと、機会の提供というふうに訳せるものだというふうに理解をしております。
  171. 紙智子

    ○紙智子君 それから、国家貿易の話がありましたけれども、国家貿易であるならば、アクセス数量が義務輸入数量になるという規定がこのWTO協定上ありますか。
  172. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) WTOの協定上ではなくて、その、何ていうんでしょう、趣旨を生かした私どもの国の閣議決定というような中でそのようなことがうたわれているというふうに思っております。
  173. 紙智子

    ○紙智子君 ですから、WTO協定上は規定されていないんだけれども、我が国でそのことを決めていると。だから、言ってみれば、前政権、自民党政権の時代に、WTO協定上は書いていないけれども、自分たちで解釈をして政府の統一見解ということで決めたわけですよね。だとすると、なぜそういうWTO協定上特に根拠のない解釈を政権が替わった中で民主党政権が引き継がなきゃいけないのか、大臣、いかがですか。
  174. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) これは一つの国際約束でございまして、そういう意味で、これからいろいろな国々とEPA、FTA、そして全体的にはWTOのいろいろな交渉をする上でやはりこうした約束そのものは政権が替わっても守っていかざるを得ないと、このように私は考えております。
  175. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっと質問した意味というか、質問したことというのは、要するに、協定上は規定がないのに、言ってみれば勝手に解釈して、それで国内で決めて義務だという形でやってきた。そのことというのを、なぜ民主党政権が、政権が替わった中で同じようにその上に乗っかってやるのかと。政権が替わったんだから、そのことに対する検討があってしかるべきじゃないかという意味でお聞きしたんです。
  176. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) ですから、政権交代があって、紙委員の御質問の趣旨は、政権交代したんだから、もう前の内閣が決めたことは破棄してもいいんじゃないかということだろうと思うんですが、ただ、これは国内の問題よりもむしろ、御存じのとおり、当時は細川政権だったと思います。私も当時、一時期与党の幹事長、当時は書記長と言いましたけれども、その間のあれにかかわっておりましたけれども、言わば七百数十%という米の関税化をすることによって何としても日本の米農業を守ると。そういう中で、一つの妥協案としてこうしたミニマムアクセスの問題が、一つの国際約束としてそれを受け入れることによってこうした関税化が進んだということだと思っておりますので、その後、その方針を自民党政権、自社さ政権でも引き継いでこられたというふうに思いますし、そういう意味で、世界に対する、各国に対する約束として私はこれは守っていかざるを得ない、そのように考えております。
  177. 紙智子

    ○紙智子君 当時は自社さ政権で受け入れたということがあるのでということなのでしょうか。
  178. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 細川政権です。
  179. 紙智子

    ○紙智子君 細川政権ですか。  このWTO協定上義務だという規定があるんですかという質問は、実は今初めてしたわけじゃなくて、もう随分前、私たちの先輩の、共産党の先輩の議員が、当時WTO協定した後に同じ質問したんですね。当時は、とにかくミニマムアクセスは義務なんだと。義務だ義務だということで、もう洗脳されるように義務だって思わされていたわけだけれども、そのときに質問で、じゃ協定上どこに書いてあるのかというふうに聞いたら、当時は、もうひっくり返しひっくり返し探して調べた結果どこにも書いていなくて、結局は機会の提供だというのが正確な訳であるということをそのとき明らかにしたわけですよね。  それで、だから、義務じゃないということがなっているにもかかわらず、いや、国家貿易にした場合は義務なんだというふうに枠を決めてきた経過があって、ただ、私はやっぱり、当時、WTO協定を結んだ経過、それから、それからもう十年以上もたって十四年、五年目になるんですかね、ということで考えたときに、国際情勢が非常に大きく変わってきたわけですよ、食料をめぐって。しかも、あの事故米の問題が起きて、多くの国民の中では、なぜこんなミニマムアクセスを必要がないのに無理をして入れなきゃならないのかという気持ちが、あの事故米の問題をめぐってすごく大きく膨らんできたと思うんです。  そういうことを考えたときに、改めてそのとき、決めたときの時代と今とを考えたら、食料不足でむしろ各国が食料をもっともっと作っていかなきゃいけないと。当時結んだときというのは、どちらかというと国際社会全体の中で食料が余りぎみということもあったと思うんですけど、今そういう事態ではないわけですから。そういう新しい状況の下で、新しい環境に照らしてやっぱり見直しを掛けていくということは必要なんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
  180. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) これは平成六年五月二十七日の衆議院予算委員会で、これは大いに当時議論をし、もめまして、そういう中で政府見解ということで文書でもって確認をされているものがあります。多分お手元にもその書類をお持ちだと思いますけれども。  そういう中で、三の項で、我が国が輸入しようとしても、輸出国が凶作で輸出余力がない等客観的に輸入が困難な状況もあり得ないわけではなくて、かかる例外的なケースにおいてはミニマムアクセス機会として設定される数量に満たなかったとしても、法的義務違反が生ずるものではないというようなことも確認をされております。  しかし、現実の問題として、今、じゃミニマムアクセス米をどこから輸入しているのかということを見てみると、たしか、今手元に資料ありませんが、アメリカそれから中国等、非常にいろいろな意味でセンシティブなそういう国々から、いろんなことを考慮しながら、国際関係等を考慮しながら入れているという経過がございます。  ですから、そんな七十七万トンなんて要らないじゃないのという意見も分からないわけではありませんが、しかし、もしこれを、こんなものは義務じゃないんだから一方的にもうやめますと言ったときに起こるいろんな事態について考えれば、私どもは、かつて国際約束としてガット・ウルグアイ・ラウンドの中で取決めをしたこのことについて、政権がいろんな形で変わってまいりましたけれども、引き続きそういう方向では、約束は約束事として私は維持をしていった方がいいというのが農水大臣としての私の考え方でございます。
  181. 紙智子

    ○紙智子君 我が党は、予算委員会の要求資料で、毎年、WTO加盟国のうち国家貿易で食料輸入を行っている国の名前と、それから輸入品目、それからアクセス数量、それから実際に輸入している量を資料を要求して、資料を出していただいているんですね。  それを見ると歴然とするんですけれども、例えば韓国では大麦、大豆、バレイショ、マンダリン・タンジェン、それから松果、それから台湾では米、中国では穀物、食用油、砂糖、綿花、それぞれ、アクセス約束数量というのを最初決めるわけですけど、これよりも下回った輸入になっているんですよね。韓国でいうと、大豆はアクセス約束数量の三〇%ですし、バレイショは三九%だと、マンダリン・タンジェンは二二%だと。中国は、穀物はアクセス数量の四%なんですね。食用油は四五%になっている。それから、綿花は二一%の水準なんですよね。ですから、これは皆、実は国家貿易品目なんですよ。  だから、よその国では国家貿易品目なんだけど約束数量を全部満たしていないという状況があるんですけれども、こういう状況だからといって何かWTOの国際会議の場で大問題になるというようなことはありますか。なっていますでしょうか。
  182. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 他国のことは私の立場でいろいろ言わない方がいいと思います。少なくとも、しかし日本は信義の国ですから、約束したことはきちっと守る。それ以上のことはしないけれども、約束だけは最低限守るということはやっぱり必要なんじゃないでしょうか。
  183. 紙智子

    ○紙智子君 時間がすごく過ぎてきている、そして状況も変わってきている。情勢を踏まえてやっぱり新たな改革が必要なものについては見直しの方向も打ち出すという柔軟な対応でやっていくことが今やっぱり必要だというふうに思うんですよ。  国際社会全体も、そういう意味では、それぞれ各国がWTO協定に基づいてやってきた結果、いろんなやっぱり矛盾が出てきたりしていて、各国の中でも食料というのは本当に主権として大事な問題だということも言われている中で、やっぱりそういうところをしっかりと踏まえて日本として新たな提案をしていくということも大事じゃないのかと。  自民党政権が当時政府統一見解ということを出していたわけだけれども、言わば、せっかく政権が替わって、いろんなことを見直したり、やれるチャンスのときに、相変わらず前政権のやってきた中身を無批判に引き継いで、その見直しの作業に取りかからないと。日米のFTAなどを含めたFTAを推進しようとする姿勢に対しては、やっぱり全国の農業者の中では、期待もあったんだけれども、しかし、今やそういう姿勢が変わってないということでは不信の、不安、不信ですね、の念を大きくしているという面もあるわけですよね。  ですから、日本農業に打撃を与えないようにするんだということは繰り返し言われているんだけれども、そうであるならば、ミニマムアクセスとかカレントアクセス、こういう見直しの作業に取りかかるべきではないかと思うんですけれども、いかがですか。
  184. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 議論としてそのようなことというのはあり得る議論であろうというふうに思っております。  一方、交渉事は現実として今現在も続いているわけでございまして、今年度中にまとまるまとまらないという議論も午前中ございましたけれども、そのような中で、一昨年の十二月に出されている議長のテキストというのは四%プラス二%、私どもは八%というような、重要品目を含めて、いろいろなところでの議論を重ねているところでございます。  したがって、例えば新たな提案をするという形になりまするときには、相当な準備をして掛かるということがもちろん必要でありましょうし、新たな提案ということになれば、これまでの世界的な交渉事の中では、それまでのところを超えて新しいものということは、その提案をした国にとって有利な条件というものが多分内在をしているような形で提案をされてくるということが多かったということでございます。  したがいまして、結果として、その交渉の中で、それならば更に各国の要求圧力というものが強まるという結果が生み出したということは、これ紙委員もEUにおけまするセクター方式の結果等についても御案内のとおりだろうというふうに思っておりまして、まさにそうしたことを勘案をしながら検討を重ねていかなければいけない重要な問題だろうというふうには思っております。
  185. 紙智子

    ○紙智子君 議論としてはあり得ない話ではなくて、あり得る話だけれども、ただ、相手があるからいろんな準備が必要だということなんでしょうか。今、郡司議員が言われたことというのは、大臣は同じなんでしょうか。
  186. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) もちろん、当たり前のことですけれども、議論としてはどのような議論ももちろん成り立つわけでございます。そして、国としてこれまでの約束事項というものを超えて新しい提案を、今現在、今年中にも交渉の妥結を目指しているそのラウンドの中においてでき得る状況かどうかということも併せて考えなければいけない、これは当然のことだろうというふうに思っております。  もたらす結果が今現在の結果を上回るというような自信と見通しというものがない中で、議論としてのそのものだけを今国際社会の中においてなし得るということには私どもとしてはならないんではないか、そのように考えているというところでございます。
  187. 紙智子

    ○紙智子君 今まで政権が続いてきて変わらない中でまた交渉となったら、今までの経過があってなかなか急に変えられないという側面はあるんでしょうけど、政権が替わって、我々の考え方はこうなんだということに立って、日本の現状も見たときに、自給率四〇%そこそこということで、ここを上げていくということを最大の目標にしているわけですよね。  そういうことも含めて提言をしていくということでは、もちろん準備も必要でしょうし、そういうことは一定の時間も必要なのかもしれませんけれども、そういう気持ちがあるかどうかということがまず大事なわけですよね。本当にその先に向けてというか、そういう必要もあるということで、やる気があるかどうかというところが大事で、それすらないということになると、これはちょっといただけないんですけれども、そこはどうなんですか。
  188. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) これは、省全体あるいは国全体としての意思を今どこかでそのような形で議論をしている、検討しているということにはならないというふうに思っております。  私、個人的な発言からすれば、長い将来にわたって今のままでいいのかどうかということもありましょうし、もう少し長い展望で見れば、逆に、穀物を私どもの国が買うというような状況ではなくて、もっと人類の英知としては、食料が足らない地域、食料が足らない人たちがいるわけでありますから、そこに対してどのようなことをなし得るかという議論は当然あってしかるべきだというふうに思っております。
  189. 紙智子

    ○紙智子君 今、当面するところでいうと、四%だとか具体的な数字が突き付けられていて、そこを守っていくというところで精いっぱいの交渉というのが今の実態なのかもしれませんけれども、そういう中で、私たち日本共産党が前政権のときも提案してきましたけれども、米のミニマムアクセスについてはEUが導入してきたセクター方式を日本でも導入したらいいんじゃないのか、穀物区分ということでやれば米の輸入は必要なくなるんじゃないのか、全体でバランスを取ってやることができるんじゃないかということで明らかにしてきたわけです。  これも、予算委員会の要求資料で出してもらいますと、セクター方式導入の検討状況ということで求めたのに対して、どういう回答かといいますと、セクター方式の導入については譲許表の修正が必要でありと。ですから、ガット第二十八条にありますけれども、協定上この譲許表を修正するためには関係国と交渉して合意することが必要だというふうに書いてあるわけですよね。ですから、変えられると。譲許表を変えるためにはもちろん交渉して相手も分かってもらわなきゃいけないということですけれども、是非そのことを関係国と交渉して、譲許表を改正をしてセクター方式を導入するということを考えるべきではありませんか。
  190. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) これまでの経過の中で、ウルグアイ・ラウンドの際にそうした方式を私どもで取るということの選択まで行かなかったという歴史的な判断については御存じのことだろうというふうに思っております。しかし、WTOの中でこのようなセクター方式というものが否定をされているものとは言えないわけでありますけれども、現実にEU等が行っているということも事実だというふうに思っております。  その中で、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、技術的に言えば、その譲許表が現在のウルグアイ・ラウンド合意に基づくベースになっているわけでありまして、この交渉が行われておりますから、これを変更するということは、先ほど御指摘があったような手続等が出てくるということもまた事実だろうというふうに思っております。  一方、EUが食肉のセクター方式を導入した経緯及び効果について若干お話をさせていただきますれば、平成五年末のウルグアイ・ラウンド合意のアクセス数量を設定するに当たりましては、品目のくくり方につき統一的なルールがなかった、そのため関心のある国同士で交渉によって決められたというような経過があったというふうに聞いております。  EUは、食肉のアクセス数量を設定をするに当たりまして、牛肉そして鶏肉、豚肉、羊肉等の食肉をまとめて一つの肉というセクターで設定を行って、結果として、豚肉、鶏肉については消費に占める割合を五%未満とする一方で、牛肉、羊の肉については五%よりも大きく設定をするということになったわけであります。ただし、食肉部門を一括したといっても、あくまでも全体量の計算に当たってのことでありまして、個々の品目につきましては譲許表において細かく数量を設定をする、そして、さらに食肉セクターの全体として義務数量であります、これは五%ということになっているわけでありますが、EUは、結果としては上回る五・四%になったというのが事実としてあるわけでありまして、先ほど申し上げたように、そのような点も踏まえて慎重に判断をしなければいけないんだろう、そのように思っているところであります。
  191. 紙智子

    ○紙智子君 我が党がそういうやり方にしたらどうかという提案をした背景といいますか、それは、やはり米の問題でいいますと、日本は既に七十七万トンミニマムアクセスで入れなきゃいけないと。ところが、その何%ということで、これから後の交渉でいうと更に大きな米を入れなきゃいけなくなる可能性もどんどん言われてきているわけですから、しかもその上限関税という問題も言われてきている中で、これ以上の米が入ってくるようになれば、日本の米というのは本当に支え切れない状況に米農家というのはなっていくわけですよね。そこを本当にどうやって食い止めるのかということについて考えたときに、やっぱりいろんなやり方を試みてみることが必要だし、今までやったことがないことだけれども、そういうやり方もあるんだったら、それも検討に入れてやるべきじゃないのかということで提案をしてきているわけですよね。  前政権のときに、石破大臣のときには、ミニマムアクセス米を入れないで済むんだったらそれにこしたことはないと、そのためにはどうすればいいのかということで、その選択肢の一つとしては検討していくということを答弁されていたわけで、それやらないということであれば、ちょっと前政権よりも後退した話になっちゃうなと思うんですけれども。
  192. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 議論をしない、検討をしないということを申し上げているつもりはございません。前大臣のときに、結果、検討したけれども難しいという判断をしたということもあったろうかというふうに思っております。  多分セクターということになりますれば、穀物とか、そのようなくくりということになるのかもしれません。今現在、小麦そのものはアクセスの数量が決まっておりますけれども、現在、そのものの実態からすれば、これは九二%ぐらいの数字に今収まっているというのが現実でもございます。だとすると、さらにその議論をすることによって、先ほどのように、私どもが本当に得るのが今現在の形の中であり得るのかどうかということについては、十分に検討をそれはしなければいけない、そのように思っております。
  193. 紙智子

    ○紙智子君 もっと議論したいところですけれども、あともう一問お聞きしたいことがありますので、次に行きます。  それで、米の戸別補償モデル事業についてなんですけれども、この事業をめぐって全国の市町村から悲鳴のような声が上がっているわけです。  それで、この戸別所得補償モデルの事業では、補償を求める農家というのは四月から六月にかけて申請書を提出しなきゃいけないですね。その申請書の作成や発送やチェック、これについては水田協議会に事務を任せていると。ほとんどの水田協議会というのは、その事務を実は市町村がやっているわけです。事実上、市町村がこの膨大な申請書の作成をし、発送し、チェックをするという事務の業務を任されていることになっているわけです。  それから、国から交付金で事務作業に伴う事務費や賃金を払うというふうになっているようなんですけれども、その賃金の額や社会保険の額が明記されていないと。さらに、交付金は四月初めに入金されないで、これは市町村としては事務員を雇いたくても賃金を支払えない状況で、雇用もできない状況だというんですね。  さらに、申請書は様式が、様式そのものが案ということになっているので、申請書を入れる封筒すら印刷しようにもできないと。各農家の水田のデータを印刷するソフトもまだできていないと。だから、申請書が出た後の水田のチェックもすべて手作業になるという、気が遠くなるような膨大な業務なんだと。  こういう業務を市町村に押し付けるような法的根拠というのはあるんでしょうか。
  194. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 戸別所得補償については、これは各党、各委員からいろいろ御質問があったところです。  あくまでも今回は国の事業として私どもお願いをしておるわけでございまして、それぞれの都道府県、そして市町村、また実際に、これは他の委員のときにも申し上げましたけれども、いろんな作業をやっていただくのは今ある地域の協議会、こうした皆さん方に、ここには市町村も入っているし、農協も入っているし、いろんな関係の皆さん入っているわけでございますので、そういう皆さん方の御協力もいただきながら、実際の手続はやっていきたいと。  ただ、農水省としても、いろいろな必要なデータ等を整備をするために二十二年度から百五十人程度を地方農政局に新たに配置をいたしまして、こういうメンバーをまた中心にしながら、地域の皆さん、水田協議会や市町村の皆さん方と協力しながらこうした作業をやっていっていただくと。  なお、四月、原則的には予算が正式に決定をしてからいろんなことを始めるというのがこれ大原則ですけれども、今、紙委員が言ったような、現実問題として多分今月中に例えば予算が通るんだろうと、しかしそれを待っていたんじゃもう四月の終わりから忙しくなるので、できるだけ、もし通ったとしたらという前提の下で、いろんな書類とかそれからいろんな手続の詳しい話だとかいうことについて農水省としてはできるだけ皆さん方に御迷惑掛からないように早めにお伝えをしようということで、そういう前提付きですけれども、予算が通ったらという前提付きですが、そういう今事務的な作業については進めさせていただいております。  それから、例の推進事務費ですけれども、七十六億円計上しています。これはあくまでも、そこで新たな人たちを雇い込んで、その人たちにどうこうというよりも、むしろ、市町村の皆さん方あるいは農協の皆さん方、そういう人たちに本来業務のほかに申し訳ないけれどもそれをちょっと手伝ってもらえないかと。そういう意味で、私は何度も申し上げているが、十分なお金とは言いませんが、半分ボランティアのようなことでございますけれども、その事務費も有効に使っていただいて、是非国のこうした事業に御協力をいただきたいという趣旨でございますので、これは新規に人を雇ってどうこうといったらそれはとても、もう一つゼロが付いても、七百六十億でも足りないぐらいだと思いますので、その辺はあくまでも人件費ではなくて事務費だということで御理解をいただきたいというふうに思っております。
  195. 紙智子

    ○紙智子君 あくまでも協力を求めるということであれば、やっぱり市町村の立場に立って見ていただきたいんですよね。  それで、御承知だと思いますけど、やっぱり合併などをして相当人も削減されていて回らない状況がただでさえある中で更にそういうことで増えるということですから、是非、これは実態というか、大臣に現場に行っていただいて、そして状況をやっぱり見て、見て、どういうふうなことをやらなきゃいけないかということでやっていただきたいと思うんですけれども、最後にそのことだけちょっとお答えをいただきたいと。
  196. 赤松広隆

    ○国務大臣(赤松広隆君) 私のような者でそれはお役に立てばもちろん何でもやらさせていただきますけれども、今ちょうど予算上がる、上がらないのぎりぎりのときですので、予算が成立をした後、いろんな現場での状況について、どこかはちょっとまだ検討させていただきますが、現場の実態も見させていただきたい。私や、あと副大臣、政務官もでき得ればそれぞれ分担して、一か所だけというんじゃなくて五人が、五か所をそうすると見れるわけですから、そんなことも考えてみたいと思います。
  197. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 委員長、済みません。
  198. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 郡司副大臣。
  199. 郡司彰

    ○副大臣(郡司彰君) 済みません。  先ほどMA米のことにつきまして、平成六年の関係でございますけれども、閣議決定と発言をしたようでございますが、政府統一見解でございますので、訂正させていただきます。
  200. 紙智子

    ○紙智子君 終わります。
  201. 小川敏夫

    ○委員長(小川敏夫君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十九分散会