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2005-05-18 第162回国会 参議院 経済・産業・雇用に関する調査会 8号 公式Web版

  1. 平成十七年五月十八日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         広中和歌子君     理 事                 北岡 秀二君                 椎名 一保君                 朝日 俊弘君                 辻  泰弘君                 松 あきら君     委 員                 小野 清子君                 大野つや子君                 岡田  広君                 小池 正勝君                 小泉 昭男君                 中島 眞人君                 西島 英利君                 野村 哲郎君                 松村 祥史君                 足立 信也君                 小林 正夫君                 谷  博之君                 広田  一君                 和田ひろ子君                 浜田 昌良君                 井上 哲士君                 渕上 貞雄君    事務局側        第二特別調査室        長        富山 哲雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○経済・産業・雇用に関する調査  (「成熟社会における経済活性化と多様化する  雇用への対応」について)     ─────────────
  2. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) ただいまから経済・産業・雇用に関する調査会を開会いたします。  経済・産業・雇用に関する調査を議題とし、「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」について委員間の意見交換を行います。  本調査会は、これまで「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」をテーマに調査を進めてまいりました。  本日は、これまでの調査を踏まえ、初年度の中間報告書を取りまとめるに当たり、委員各位の御意見をお述べいただきたいと思います。  議事の進め方でございますが、まず各会派から一名ずつ大会派順にそれぞれ十分以内で御意見の表明を行っていただきました後、一時間程度、委員相互により自由に意見交換を行っていただきたいと存じます。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、これより意見表明を行っていただきます。  御意見を表明される方は順次御発言を願います。  椎名一保さん。
  3. 椎名一保

    ○椎名一保君 自由民主党の椎名一保でございます。  御指名をいただきまして、初めに発言をさせていただきます。  この調査会、会長の公平な御運営のおかげをもちまして、毎回、我が会派の委員も活発に意見を述べることができました。本当に有り難く、感謝を申し上げる次第でございます。  数多くの我が会派の議員の意見を集約してというのは僣越でございますけれども、そういう形で述べさせていただきたいと思います。  バブル経済が崩壊してはや十数年が経過しようとしておりますが、この間、我が国経済は非常に厳しい状況にありました。その原因の一つは、急速に進展したグローバル化であり、国際的な価格競争が一段と強まったことであります。また、グローバル化と並んで急激に進んだIT革命、情報通信技術の発展や少子高齢化社会の進展等、私どもを取り巻く経済社会環境の急激な変化にもその要因を求めることができます。需要の減退とともにデフレ経済が長期にわたって継続しておりまして、一刻も早いデフレからの脱却が求められておると思われます。  さらに、私が特に強調しておきたいのは金融面からの厳しい問題であります。金融機関は、時価会計や減損会計の導入等もありまして、株価や地価の大幅な下落の影響を受けたのであり、とりわけ地域金融機関におきましては不良債権問題が解決したとは言えない状況にあります。大手のメガバンクが再編を繰り返しながら不良債権比率を低下させていったのに対しまして、地域金融機関ではいまだ貸出し状況も振るわず、このことは都市と地域との経済格差を一段と拡大されているように思われます。  政府は、一昨年来、景気は回復しているとしていますが、地域の現状は厳しいところも多く、やはり今後の我が国経済に残された一つの大きな問題点が地域金融機関の経営問題であり、都市と地域との経済格差を是正することが今求められているのではないでしょうか。  きめ細かい地域の発展を進めていく上では、やはり地域の特性に合った施策を行うことが不可欠であると思います。そのためには、現在の国の権限のうち、国の権限でなくてはならないものだけを中央政府に残し、残りの部分は地方政府に権限と財源を併せて移譲していくことが必要ではないかと考えますし、このことによって地域の発展もまた可能になるのではないかと思われます。  次に、日本経済の活性化につきましては、市場経済化で急激に、急速に経済が発展し、世界経済で大きな比重を占める中国の動向が重要なかぎを握っていると思います。IT技術が世界的に発展する中で、中国は技術力を急速に高め、現在、労働集約産業などの分野を始めとして様々な分野で日本は中国と激しい競争をしております。  こうした中国における発展の背景としては、改革・開放の実施、マーケット、資本市場への外資導入、豊富で安価な農村労働力の存在などが挙げられます。確かに政治的には難しい問題を抱えてはおりますが、我が国経済産業にとって中国の発展は脅威や制約要因では決してなく、成長の機会、持続的成長への好機を提供するものであると思います。  ところで、かつて世界一と評された日本の国際競争力は現在低いランキングに位置しております。国際競争力の強化については、科学技術創造立国と貿易立国の二つが基本的要件であり、資源の乏しい日本にあっては、科学技術、生産技術の発展が国際競争力の源泉であると同時に、技術開発による新産業の創出が新たな雇用の受皿になります。そのため、先進技術の研究開発とその産業化を促進するための持続的な投資、高コスト構造の是正、自由貿易体制の強化が肝要であります。  特に、物づくりにつきましては、日本企業の海外生産が進展する中で、高付加価値が創造できる物づくりを追求すべきであります。  また、科学技術の強化の第一に挙げられる研究開発投資につきましては、投資を促進するため、日本が優位性を期待できる戦略分野に焦点を当てた継続投資を実施すること、欧米主要国の水準以下にある政府負担研究費のGDP比率を引き上げることが必要であります。  そして、投資促進のための税制につきましても、試験研究費の総額に対する税額控除について有利な控除割合の経過措置が今年度で終了いたしますので、現行制度の継続、より有利な制度が強く求められております。  さらに、人材投資促進減税が今年度から実施されますが、本制度により、製造現場で物づくりのベテランから若者への技術、ノウハウの継承のため、中核的な人材の育成が図られることを大いに期待したいと思います。  こうした中で、日本でも基礎研究が製品に結び付かない技術の死の谷、いわゆるデスバレー現象が生じており、日本型デスバレーの大きな原因、要因は社内の連携や人材の問題であるとのお話が参考人からございました。企業において積極的に部門間、組織間の連携を強化し、緊密化を図るなどして、是非ともデスバレー現象を乗り越えていっていただきたいと願っております。  次に、雇用、とりわけフリーター、ニート等、若年者をめぐる雇用問題について申し上げたいと思います。  二〇〇二年時点で二百七万人がフリーターであり、三十五歳未満の学卒、独身、無職の若者二百十三万人のうち八十五万人がニートであるとの調査結果が示されております。参考人からは、経済的に苦しい家庭出身のニートが増えていること、今後、中高年ニートがクローズアップされるとの指摘もございました。  こうしたフリーター、ニート等の増加は、少子化の一層の進展、年金等の社会保障制度の脆弱化、社会不安の増大などを引き起こし、我が国経済に影響を及ぼすことが懸念されております。そのため、深刻な状況にある本問題については早急に適切な対策を講ずる必要があります。  政府においては、既に一昨年六月、若者自立・挑戦プランを取りまとめ、当面三年間で若年失業者等の増加傾向を転換させることを目的とし、各省庁が密接に連携した施策に取り組むこととして昨年度から本格的に着手しております。しかしながら、このプランは平成十八年度で終了することとなっておりますので、若年者の就職支援活動の場であるジョブカフェやヤングジョブスポットの設置拡大、トライアル雇用やインターンシップ制度の拡充強化を始めとして、若年者をめぐる雇用問題への取組を一層強化することが必要であります。さらに、各種施策の効果を見極めつつ、必要に応じてより踏み込んだ施策を大胆に講ずることも重要であると思います。  以上をもちまして、意見表明とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
  4. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  それでは、辻泰弘さん。
  5. 辻泰弘

    ○辻泰弘君 私ども民主党が目指している社会の基本理念は、一九九八年四月の党大会において決定した、市場万能主義と福祉至上主義の対立概念を乗り越え、ゆとりと豊かさの中で人々の個性と活力が生きる新しい社会を創造することであります。  私は、民主党・新緑風会の本調査会メンバーを代表して、このような基本理念の実現を図る見地から意見表明を行います。  経済学の教えるところによれば、経済成長の三要素は、資本ストックの増加、労働人口の増加、技術革新であります。その理論を現実の日本経済に当てはめるならば、まず、資本投入は企業の減量経営、過剰債務、銀行の不良債権などの要因が改善されつつあり、IT関連材の技術進歩のテンポの速さ、IT関連の設備や耐久消費財の更新サイクルの短さなどから見て、経済成長に寄与する資本ストックの伸びは今後十分に展望し得ると考えます。  また、労働人口は少子化の影響で伸びが期待できないとの判断が一般的ですが、厳しい企業リストラが今後改善する中で、職業紹介や職業能力開発のための施策が功を奏し、若年者の雇用のミスマッチが解消され、女性や高齢者の労働力率が上昇するような環境整備が図られるならば、決して悲観論に陥る必要はないと考えます。  さらに、技術革新においても、IT、バイオ、ナノテク、エネルギーなどの分野の長足の進歩を見れば、今後の経済成長の最大の牽引役となることが期待されます。  確かに、公債残高の累増、少子高齢化の進行、金融政策の手詰まり、地球環境問題など、難題山積の下、政策選択の幅は限られておりますが、決して悲観的になる必要はありません。政治の使命は明るい将来展望を切り開くことであります。同時に、物質的豊かさから精神的豊かさへ、経済的価値から文化的価値へと価値観の転換が叫ばれ、現に進行しつつある昨今ですが、しかし、それでもなおかつ経済は国民生活向上のためにある、そして経済成長によってこそ得られる人間の幸せがある、充実した人生につながる雇用の安定や物質的豊かさ、高い生活水準、社会の安定性、公平性などがあることも十分認識すべきであります。私は、それらを可能にする一定の経済成長実現への努力が将来にわたって不可欠である、それを放棄しての明るい日本の展望はないと確信するのであります。  さらに、決して忘れてならないことは、日本が資源なき通商国家、貿易立国という宿命を背負っていることであります。国家間の垣根が低くなったとはいえ、本質的に主権国家が単位となっている今日の国際社会においては、高い競争力によって国際的な競争に勝つこと、すなわち、経済成長を抜きにして資源なき通商国家、貿易立国たる国の発展、繁栄はないことを深く肝に銘じなければなりません。  なお、その際の経済成長の担い手はあくまでも民間中心であり、政府はそれを支援すべく、民間活力の活用、経済的規制の緩和を推進するとともに、限られた財源は、少子高齢化への対応、次世代育成、競争力の強化、物づくり基盤の継承、発展、キャリア教育などに重点的に投資していくべきであります。  同時に、経済成長追求の場合でも、人間の幸せのための経済であること、経済の論理が貫徹した弱肉強食の社会に人間の幸せはないことを忘れてはなりません。すなわち、生命、労働、安全、衛生、環境、医療など、人間存在の基本にかかわる社会的規制は人間が生きていく基礎的水準の確保に不可欠であり、むやみな規制緩和などは人間の幸せに資するものではないことを認識すべきであり、競争、規制緩和、民営化万能の風潮には警鐘を鳴らし、見直しを求めていく必要があります。  また、昨今議論となっている社会保障給付費の伸びを機械的に経済成長の伸び率の範囲内に管理するという経済本位、経済優位の考え方は採用することなく、人間本位、人間優位の政策を確立していかなければなりません。  さらに、グローバル化、市場競争万能の世界的風潮の下で、日本においても進行しつつある社会的格差拡大の状況には十分留意しなければなりません。一九九六年の経済白書の「戦後の日本は所得・資産格差が比較的小さく、それが社会的安定の維持や階層分化の防止に役立ってきたと評価できる。何よりも、所得・資産格差が固定していないことが、人々の意欲を引き出し、また能力の発揮を妨げないという意味で、経済の活力を高めたといえるであろう。」との指摘は、九年たった今もなお今日的な課題として一層の迫力を持って我々に問い掛けています。  さて、今後の経済社会の明るい展望につなげるためには、何としても現在のデフレからの脱却が急務ですが、そのためにはGDPの六割を占める個人消費の回復が不可欠であり、当面の政策として、一、定率減税の縮減・廃止の二〇〇六年実施については経済状況に応じて弾力的に対処すること、二、社会保障制度の抜本改革を行い、国民の信頼回復と、安心、安定の確保を図ること、三、最近低下傾向にある労働分配率の回復に努めることの必要性を指摘しておきたいと思います。  また、第二次ベビーブームの投影で出生率回復の最後のチャンスとなる二〇一〇年ごろまでに少子化対策に全精力を投入するとともに、あらゆる政策展開上の桎梏となっている借金財政を克服すべく、行財政全般にわたる改革を断行することが今後の経済社会の浮沈にかかわる喫緊の課題であることを強調しておかなければなりません。  なお、これまでの調査会や視察において、経済活性化と産業競争力強化のための施策として、産学共同、起業・ベンチャー支援、物づくり支援、後継者の育成、中小企業・商店街振興対策、大学院生の登用、インターンシップの拡充などが、また、多様化する雇用への対応策として、労働時間の長短を通じた均等待遇の実現、仕事と家庭の両立支援、技術の伝承、ノウハウの蓄積などの見地からする長期雇用の再評価、能力開発への支援などが、さらに若年者雇用への対応策として、若者を支援する若者を支援するニート・フリーター対策、若者自立・挑戦プランに基づくジョブカフェ、トライアル雇用、日本版デュアルシステム、キャリア教育の推進などが参考人から提示されましたが、それらはいずれも意欲的かつ効果が期待される方策であり、今後、経産省、厚労省、文科省を中心に積極的に推進されるよう、切望するものであります。  最後に、昨年、「改革と展望」並びに雇用対策基本計画について説明を受けましたが、今後、内閣府が、財政を主管する財務省、社会保障を主管する厚生労働省と共同で「改革と展望」の策定に当たること、「改革と展望」をベースとする日本二十一世紀ビジョンに目標達成のための具体策を明示すること、経済計画との整合性が求められながら長期間改定されずに放置され、既に時代に合わなくなっている第九次雇用対策基本計画を早急に改定することを強く求めておきたいと思います。  今日までの関係各位の御協力に深甚なる感謝を申し上げ、これからの二年目の調査において更なる研究、考察に努める決意を申し述べ、意見表明といたします。(拍手)
  6. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  それでは、松あきらさん。
  7. 松あきら

    ○松あきら君 公明党の松あきらでございます。  まず、冒頭、当調査会は毎回活発な各委員の意見がございました。すばらしい調査会運営をしてくださいました会長に、まず御礼を申し上げます。  「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」について調査を進めてまいりました。一年目の締めくくりとして、私どもの意見を申し述べます。  我が国は、戦後、欧米に追い付け追い越せと努力を続け、八〇年代後半に国民一人当たりのGDPでアメリカを追い越すなど、今日の豊かな日本を築き上げました。そして、この間、世論調査によれば、国民の意識は石油ショックを境に物の豊かさから心の豊かさに変化し、またバブル期を境に社会志向が個人志向を大きく上回るようになってきております。  参考人から、成熟社会の共通点として、民主主義が行き渡っている、市場経済が機能している、社会参加が活発に行われている、人権が守られているという点が挙げられました。そのような背景の下で、生活水準や教育水準、健康、平均寿命、福祉の水準が高いことが成熟社会の強みであり、弱みは成功体験とそこからくる過信、自己満足であるとの指摘がございました。  私どもは、このような成熟社会の強みと弱みを十分に認識するとともに、国民の意識の変化も踏まえつつ、生活にゆとりを感じる充実した社会を目指していかなければならないと考えます。  生活にゆとりを感じる充実した社会をつくるためには、当然、経済の活性化は欠かせません。バブル期の負の遺産の処理にもようやく出口の光が見えてきております。そのような負の遺産の処理を早期に終結させ、経済を再生して持続性のある経済成長を実現することが必要です。価値観の多様化、少子高齢化、国際化、情報化など、社会経済状況の変化をむしろ日本経済の潜在力を引き出すチャンスととらえることが重要だと考えます。  健康、環境、安心、ゆとりなどをキーワードとして、生活の質を向上させる新しい時代の潜在的な需要にこたえる産業、事業を育成し、団塊世代の大量退職が控える中で、高齢者、女性、若者を含め、ベンチャーやマイクロビジネスを起業、創業しやすい環境を整えることが重要であります。  また、経済の再生には、そのすそ野を支える中小企業の安定と発展が欠かせません。地域経済の活性化の観点からも、中小企業の振興は重要であります。そのためには、地域の特性を踏まえた資金循環のグランドデザインが求められておりますし、中小企業が優れたマーケティング力や技術開発力を備えるための支援が必要であります。  経済のグローバル化は、国際的な熾烈な競争を引き起こしております。今回、参考人として実務経験の豊かな方々においでをいただき、お話を伺うことができました。その中のお一人は、資源の乏しい我が国にとっては科学技術、生産技術の発展が国際競争力の原点であるとされ、その強化策は、第一に国による支援と税制による研究開発投資の促進、第二に産学官の連携強化、第三にベンチャー育成、そして人材育成であるとのことでありました。正に同感であります。  雇用形態の変化を見ますと、正規雇用が減少する一方、パート、派遣労働、契約社員、また派遣以前の請負労働などの非正規雇用が増加をしております。これは、短期的には景気後退の中での人件費抑制という側面が強いようですが、長期的にはグローバル化、情報化等に対応した企業の経営戦略の変化、国民の側のライフスタイル、働き方に対する意識の変化という要因があり、雇用形態の多様化は今後も進んでいくであろうとの印象を受けました。  その際、重要なことは、各人の能力と努力に応じて多様な挑戦が可能なモビリティー、移動、流動性の高い活力ある社会の実現であろうと考えます。そのためには、やり直しが容易な社会である必要があり、セーフティーネットや教育訓練機会の拡充を図る必要があります。また、多様な働き方ができる環境の整備という観点から、同一労働同一賃金という均等待遇の原則を実現していくことが求められます。  今回の調査を通じて喫緊の課題であると痛感いたしましたのは、若年者の雇用問題です。  近年、製造現場では業務請負の活用が広がっております。約百万人もの特に青年が労働させられております。派遣法にも適用されない状態に問題があります。過酷な労働条件を押し付けたり、請負なのに実態は派遣に類似した偽装請負、違法派遣と呼ばれる行為を行う会社も見られます。また、社会保険についても、業務請負業界では加入率が三割から五割程度と言われております。請負労働者の半数近くは若者であり、非正規雇用拡大のしわ寄せが若者に行き、使い捨てのような働き方をさせられている現実があります。このような働き方ではスキルアップやキャリア形成も図れず、個人にとっても社会にとっても大きな損失です。  厚生労働省の試算によりますと、二〇〇二年の数字ですが、正社員以外で働いている若者、フリーターの数は二百七万人。また、内閣府の調査では、同じ二〇〇二年時点での学卒、独身、無職の若者の数は二百十三万人で、このうち、職も探していない若しくは職に就きたいという希望自体も表明していないニートと呼ばれる若者は八十五万人。ニート、フリーターは、いったんそのような状況になりますと、なかなか抜け出せないと言われております。  しかし、問題の深刻さを考えますと、早急にできる限りの対策を講ずる必要があり、例えばNPO、官と民が一体となって取り組んでいて、一対一でいろいろな相談ができる英国のメンター制、ワーキングリンクス等、大いに参考にしたいと思います。若者に対する就業支援を行うNPOに対する支援や、若者とNPOをつなぐための方策の整備、ニートに対する相談支援体制の強化、大きく言えば学校教育における就業体験の一層の充実など、十分な施策を講ずることが求められます。  参考人の、若者が自分探しとか、個性的とか、自己実現という言葉で一杯一杯になっているという言葉が印象に残っております。個性を育てる、個性を伸ばすということは良いことで、そうあるべきだとは思いますが、今はスローガンとなって、社会の実情と懸け離れているような気がいたします。本来、社会に出て仕事をするということは日々の営みであり、勤勉さや忍耐力、節制などが求められるものです。歌舞伎の中村勘三郎さんは、息子さんに、基本が分かった上で型を崩すのが型破り、基本がなければただの形なしと教えられたとのことです。若者がとかく権利ばかり主張して義務を逃れるという指摘がありますが、まずは、しっかりした生活習慣や考え方をまず身に付け、その上で型を破る、自分なりの個性を発揮していくのが順序であり、そこから自立心や責任感、向上心や挑戦意欲、コミュニケーション力、創造力などが生まれてくるのではないかと強く感じている次第でございます。  以上でございます。(拍手)
  8. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  それでは、井上哲士さん。
  9. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  日本経済の景気は回復の局面に入った、既に堅調に回復しているとも言われておりますが、国民の暮らしや地方にその実態も実感もないというのが現状だと思います。回復したのは多国籍企業などいわゆる大企業の収益と設備投資が中心であり、多くの中小企業は依然として厳しい経営環境にあります。  また、職場では、賃金水準の相対的に高い正規労働者に代えて派遣労働など安価な労働者が導入され、国民の家計収入は連続して低下をし、国民生活や地方経済には上向きになる気配がない。青年の雇用問題などが社会問題化をしているのが実態であります。  そこで、この間の参考人からの意見聴取や質疑応答を踏まえまして、雇用の問題を中心に意見を述べます。  第一は、リストラや不安定雇用の促進が日本経済の基盤と日本の物づくりの優位性を掘り崩していることを直視をし、日本経済の未来を見据えた抜本的な転換を図ることが必要だと考えます。多くの企業が、バブル崩壊後の深刻な不況の中で、コスト削減、特に人件費を抑制して利益を確保する大リストラに向かい、高失業率や不安定雇用の拡大を生み出してきました。このことは、目先の利益には結び付いたかもしれませんが、家計収入の低下や将来不安を引き起こすとともに、企業収益が上がっても家計収入に結び付かない経済構造をつくり、消費の低迷による景気悪化となり、それを理由にした人減らしという悪循環も生んでまいりました。同時に、こうした不安定雇用が日本経済の将来をも脅かしております。  政府参考人からも、派遣では物づくりの強さは出ない、リストラの時代にコストだけで派遣を増やしたということは、やっぱりこれからの国際競争に生きていく強い製造業をつくるという意味ではマイナスだと述べられました。また、日本経団連からも参考人が来られましたけれども、その報告の中で、リストラでの人員削減や有期雇用従業員の増加によって、技術の伝承もままならず、現場力すなわち現場の人材力が低下しているとも述べております。経済界が日本経済全体の問題として雇用に対する社会的責任をどう果たすのか、真剣に検討し、転換することが求められております。  政府も、雇用の流動化、労働市場の活性化などとして不安定雇用を拡大する政策を雇用政策として進めてきました。裁量労働制の導入など長時間労働を合法化する方向での規制緩和、派遣労働の原則自由化、製造業への解禁、臨時雇用の拡大などが進められてまいりました。こういう雇用政策から安定した雇用を拡大する雇用政策への転換、労働者が安心して働くことができるルールの確立こそ今求められていると思います。  二つ目は、青年の雇用対策について。  その責任を若者が自立していないことに求め、若者対策にとどめるのではなくて、雇用する側や教育環境を含めた社会の在り方の問題としての対策に転換することが必要だと考えます。  フリーターやニートの急増にどう対応するかは、多くの参考人から意見が述べられた大変重要な課題です。政府から若者の雇用対策についての報告も受けましたが、その中心は雇用される側の若者対策であり、雇用する側への対策が必要だと思います。日本経団連も、二〇〇五年の経営労働政策委員会報告で、若年層の雇用問題が深刻化した最も大きな原因の一つは、若年層に対する求人の不足である、多くの企業が雇用調整を行ったことが若年層の雇用問題を深刻化させた可能性は否定できないと自ら明らかにしています。  若者の雇用の深刻化は、将来不安や社会保障の空洞化、少子化の原因など、社会全体の問題であります。同時に、技術や仕事が伝承されていかないなど、日本経済の未来にとっても重大な問題であります。その点で、若者の雇用の面での社会的責任を企業に積極的に果たさせる必要がありますし、政府も、サービス残業の規制による雇用の拡大や、福祉や教育など社会的に必要な分野での雇用の確保など取り組む必要があります。  また、求人の拡大と同時に、働く環境の改善も重要です。  ある参考人は、ニートが増えた原因として、病気だから、けがだからと言う人が物すごく増えていることに驚いていると指摘をされました。正社員になっても、合理化、効率化の名の下に企業内教育の予算が大幅に減らされ、十分な人材育成がされないまま即戦力として働かされ、一方、派遣や請負など無権利、違法状態が当たり前のような劣悪な環境で働いている若者も少なくありません。厳しく、やりがいも将来の展望もない中で、体と心の健康をむしばまれる青年も少なくないことを見るならば、このような、人を物扱いする働き方こそやめさせる必要があるのではないでしょうか。  次に、より若者の実態に合わせた対策の必要性であります。  雇用支援では、ジョブカフェ、ハローワーク、また自治体の若者支援など、かなり取り組まれていますが、ニートの若者たちにとってはその場に行くこと自体が相当難しく、対応も時間が掛かります。ニートの支援には若者と同じ目線に立って、時に共同生活をしながら、若者たちが自立するのに時間を掛けてじっくり付き合って支援しなければならず、支援するスタッフや財政の問題など、その果たしている役割の大きさを考えれば、こうしたNPO等に関しては実態に即した支援を一層強化する必要があると思います。  さらに、参考人の意見の中には、相対的に低い階層出身の子供たちが高卒労働市場の逼迫の直撃を受け、さらに経済的理由や家庭的背景から学力と進学機会を奪われるという二重の機会喪失の末に高卒無業者となっているという指摘がありました。よって、家庭的な背景ゆえに学力を低下をさせたり、あるいは特定の進路選択を強いられてしまうようなこういう層の子供たちに対して、手厚く教育的な支援をする必要があるのではないでしょうか。また、就職支援の点でも、職業的成熟と職業的能力という二つの側面から質を高める支援をする必要があると考えます。  以上、終わります。(拍手)
  10. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  それでは、渕上貞雄さん、よろしくお願いします。
  11. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社会民主党の渕上貞雄でございます。  「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」を議題とした本調査会における参考人の意見は傾聴に値する意見が多く、議題の具体化は意見の実現とも言えるほど大変充実した内容の調査会であったと思います。この間、調査会をリードされてきました会長始め理事の皆さん、並びに運営を支えてくれました委員部、調査室の皆さんの御協力に、まず初めに感謝を申し上げておきます。  さて、アメリカ型グローバルスタンダードによる市場経済、競争原理に基づく小泉構造改革の推進は、デフレ不況をますます深刻化させています。その結果、中小零細企業への貸し渋り、貸しはがしによる倒産、廃業、企業リストラが加速し、雇用崩壊が一層進む結果となっています。日本の経済を活性化し、人と地域を元気にするためには、中小企業を中心とした経済活性計画が必要となっています。あわせ、働くことを希望する人が希望に合う条件で働けるという雇用の創出のためにも、中小企業の経済回復策に早急に取り組むことが重要となっています。  現在の政府の経済政策は、企業の経営責任をあいまいにしたまま、個人に対しては必要以上の自己責任を押し付ける構造をつくり出していると言わざるを得ません。リストラの結果、失業者を増やすような政策を実行し、企業の存在のみを救うことを国を挙げて奨励しているかのように見えます。人に対しては、付け足しのような失業政策をセーフティーネットと称しているにすぎません。  しかも、行き過ぎたリストラによって、現場レベルでは熟練労働者の大幅減少によって技術の継承がスムーズにできないという問題が起きており、深刻化しています。特に、コンピューター技術の発展によりブラックボックス化されているものが多く、部品交換だけの補修作業が増え、ますます技術レベルの低下を招いています。  調査会では、この間、織物の伝統技術の粋と言える京都西陣織を視察をいたしました。調査報告にもありますように、歴史にはぐくまれた伝統産業を担う誇りを感じることができました。また、最先端技術開発の現場に視察をすることができ、躍進する企業の強さをうかがい知ることができました。いずれにしましても、中小企業、地域経済の再生なくしては日本経済の再生はないと確信することができました。  このため、私は、地域の特色を生かした自立型経済を支援する政策に取り組んでいくことが喫緊の課題であると考えます。具体的には、地域の社会資本の整備、産業の振興、中心市街地の活性化等に関する政策面での支援、また事業の再生など、地域経済全体の安定化に寄与する政策が地域の力となるようにしていくことだと考えます。  さて、雇用の問題ですが、現在言われているところの雇用の多様化と言われた場合、働き手の意思で契約内容を選択しているようにとらえられがちですが、フリーターやアルバイト、契約社員、嘱託、派遣労働といった労働契約を必ずしも働く側が好んで契約しているのではないのです。  二〇〇三年度版国民白書におけるフリーター調査では、フリーターのうち正社員になりたいと考えている人は七二・二%と、多くが正社員になることを希望していることが明らかではないでしょうか。  つまり、これらの労働契約は、使用者側にとって使い勝手の良い働き手であり、雇用調整のしやすい雇用形態と言えます。雇用の多様化とは、使用者側にとって都合の良い雇用形態であることに注意を払うべきです。  久保田参考人、山田参考人も述べていましたが、働く者が主体的に働き方を選択できるという意味では、正規雇用、非正規雇用の待遇の均等化を図っていくことが何よりも必要であると私も考えますが、そのために労働基準法を変えることには大きな疑問を感じます。したがって、現在の労働時間を規制した労働基準法の見直しのための研究会が立ち上げられ、二〇〇七年の国会提出を目指す動きがありますが、余りにも大きな問題をはらんでいることを喚起をしておきます。  最後になりますが、この調査会の運営に当たられまして、会長を始め理事の皆さん方からの温かい御配慮をいただきましたことに、まずは感謝を申し上げておきます。  でき得れば御協議いただきたいんですが、休会中も含めて、参考人の報告、テーマの検証、それから次の新たなる課題、テーマについて、現地調査を先に行うなどのことを検討をしていただければと、私はお願いを申し上げておきたいと思います。  以上で私の発言といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
  12. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  以上で意見の表明は終わりました。  各会派を代表され、それぞれに明快な意見表明をいただきまして、本当にありがとうございました。  これより意見交換を行いたく存じます。  御意見のある方は、挙手の上、会長の指名を待って簡潔に御発言くださるようにお願いいたします。  それでは、御意見のある方、よろしくお願いいたします。  まず、朝日俊弘さん。
  13. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 どうも御苦労さまです。  各会派からの意見をずっと伺っていまして、なかなかまとめるの大変だなというふうに感想として持ちましたけれども、ちょっと私、二点ほど、まとめに資するのか、かえってまとめを混乱させるのか心配ですけれども、申し上げたいと思います。  一つは、「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」と、この一番冒頭の「成熟社会における」というふうにネーミングしたところについて、もう少し時代認識というか問題意識をちゃんと述べた方がいいのだろうと思います。ちょっと定かではないんですけれども、たしかこのネーミングをするときに会長もそれなりの思いがあったやに記憶をしておりますので、是非、会長の思いも含めて、どういう時代認識をしているのか。  多分この調査会は三年スパンで動くわけですから、少し中期的な展望というか視野を持っておかなければいけない。となると、今の時代をどう認識しているのかということをきちっとある程度、特徴的なポイントというか、あるいは特に強調しておきたい点を明確にしておいた方がいいんじゃないかというふうに思います。そういう点で、是非、冒頭に「成熟社会における」と付けたところの問題意識を少し見えやすいようにした方がいいのかなと。  若干私の思いを言えば、恐らく今年か来年が人口減少社会の初年度になるだろうと思うんですね。だから、この三年間の調査をしていく中で、良くも悪くも一つの転換点に今来ているという認識はやっぱり明確に出しておくべきだろうということであります。  今ちょうど厚生労働委員会では介護保険の審議が始まったところですけれども、つくづく思いますのは、少子高齢化ではなくて少産多死だなと。つまり、子供の数が、生まれる数が少なくて、多くの方がお亡くなりになる、だから人口が減少すると。百万から百五十万近く人が亡くなられるんですね、これから。そういう時代だという、何もそういうことを強調する必要はありませんけれども、そんな時代が来つつあるという問題意識は是非ともどこかで表現していただくといいのかなと。ただ、余り暗いイメージになっちゃいけませんから、そこは工夫する必要がある、こんな点をまず第一に申し上げたいと思います。  それから、あともう一点は、実は調査会スタートのときにもちょっと議論があったんですけれども、もう一つ少子高齢社会の調査会があって、いささか遠慮していたところがあるんですが、というのは、雇用問題も、我々の側はどちらかというと若い人たちの雇用問題にある種スポットライトを当ててきたような気がするんですけれども、高齢者の雇用問題というのは、これもう一方の問題としてあるんだろうなと。  特に、六十五から七十五の初期あるいは前期高齢者、ここの人たちの雇用というか、あるいは社会的活動の場というか、あるいは社会参加の在り方というか、視点を変えて言えば、高齢者を労働力としてきっちり使うというか、そういう視点もどこかであってよかったんじゃないかという。  ただ、これどうしても、ちょっとその少子高齢社会の調査会と課題がダブるかなという思いがあってやや遠慮していたんですが、少しずっとこの間の調査の結果を踏まえて見ると、そういう視点での勉強が少し足りなかったのかなという気がしていまして、これは次への課題という意味も含めて指摘しておいていただくと有り難いなと。  以上、二点申し上げておきます。
  14. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。大変いい御指摘だったと思います。  成熟社会ということですが、まず、経済・産業構造、経済の点でも産業構造の点でも、また人口構成の点でも、今までの右肩上がりとは違うのだという意味で成熟社会を大まかに使ったんだろうと思いますけれども、この点について大変にいい御指摘をいただいたと思います。  それでは、ほかにございませんでしょうか。どの点でもよろしゅうございます。  どうぞ、浜田昌良さん。
  15. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 調査会の今までの運営、本当にありがとうございます。いろんな参考人の方の有益なお話をお伺いさせていただきまして、非常に勉強させていただきました。  この中で出てくる幾つかのキーワードなんですけれども、格差というものをどうとらえるのかというのが、先ほど辻委員からも社会的格差というのが九八年の経済白書以降広がっていくという話がありましたが、それがいわゆる移行期でのトランジショナルな状態だから格差があるのか、それとも今後格差がどんどん広がっていく社会になっていくのかについて、私自身がまだ自分自身じゃ結論が出せていないわけであります。  本来、望ましい形であれば、それはトランジショナルなものであって、やっぱり、先ほど松委員も御指摘になられましたような、やり直しが容易な社会、格差があったとしてももう一度それが再挑戦できる社会へと、それがきれい事ではなくてできる社会になるのが望ましいんだと思うんですが、それが、見方がまだ一つになっていないがゆえに、むしろその社会格差が大きくなっていくんじゃないだろうかという見方も、例えば、前回の耳塚参考人の意見もそうでした。教育の面でもそういう、格差再生産というそういう言葉もありましたですけれども、そういうような言葉もあったように、また地域と都市との格差という問題もあったと思いますし、正規労働と非正規労働の格差という問題もあったと思います。  それがどう今後、トランジショナル、いわゆる移行期としてとらえるのか、それともこれが固定化していくのかについてもう少し皆様のいろんな御意見を承りたいなという気がしております。  以上でございます。
  16. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  今の点について何か御意見ございますでしょうか。  格差をどういうふうにとらえるのか。非常に、一時的なものなのか、それともこれがどんどん広がっていくものなのか、あるいは格差そのものを一つの多様性としてとらえるか、いろいろな考え方があると思いますが、この点について、あるいはそれ以外の点でも結構でございます。  どうぞ、辻泰弘さん。
  17. 辻泰弘

    ○辻泰弘君 今、浜田委員がおっしゃった点、私も認識を共有するところですけれども、当初、この調査会が発足いたしました折に、一つのテーマとして格差のことも取り上げていこうということがあったと思いますので、二年目のテーマに是非取り上げていただいて、いろいろそのことについての識者の分析等も出ておりますので、例えば、この二十年ぐらいの間に所得税の税率が、かなり累進構造がフラットになってきているということ、九三%最高税率でしたけれども、今は五〇%になっているわけですから、その意味においてはかなり変わってきているわけでございまして、それが一つの要因ではないかという分析もありますので、まあそれのみならずかと思いますけれども。  そういった問題について是非二年目に取り上げていただきたいと、このように思います。
  18. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうも。  松あきらさん。
  19. 松あきら

    ○松あきら君 先ほどの朝日先生のおっしゃった正に少子高齢化、私も、もう一つの調査会があるのでちょっと御遠慮していたというところもあるんですけれども、どうしても、経済・産業・雇用ということを、これからのということを考えると、こうした社会に対して目を向けていかなければいけないわけですから、ならないわけですから、少し遠慮しないで、ここともある程度重なる部分も今後あってもいいのかなというふうに考えておりますので、次のときにはこうした少子高齢化ということの、あるいは少産多死というのも入るのかどうか分かりませんけれども、こうした内容も入った参考人の方、あるいはそうしたあれを取り入れた意見交換等々も進めていくべきだと私も考えますので、ちょっと申し上げます。
  20. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  私も同感でございまして、私どもは私どもとしてこの問題を掘り下げる中で、人口減少の問題、避けて通れないわけでございますから、是非、次回も更にこの問題にも触れていきたいと思っております。  どうぞ、椎名さん。
  21. 椎名一保

    ○椎名一保君 これも格差ではないかと思うんですけれども、この調査会でも、二月の二十三日に地域経済の活性化ということをテーマに勉強させていただきましたけれども、金融再編が進みまして、今まで、日本社会も何遍も不況があって立ち直ってきたわけですけれども、やはり富の一極集中、都市が集めた富がうまく再配分されて、日本型の金融制度で地方が何とかやってきたという面があるんではないかと思うんです。でも、今回の金融再編というのは、その根底からもうそれが変わってしまったような気がするんですね。  御承知のように、国内金融機関のBIS基準なるものをつくって、昔、余談ですけれども、開高健さんが、「片隅の迷路」という本を読みまして、その中で、地方というのは御多分に漏れず土地が、地価が高い、産業がないのに地価が高いというようなことがありまして、私も地方の人間ですので、いや、こんなことを書かれてと思ったんですけれども、それがうまく富の配分がなされてファンダメンタルズのない地方でも資産価値がある程度確保されていたと。言ってみれば、家を建て替えるときにそれが担保になって家を建て替えられてきたと。そういったことで何とか日本全体がうまく機能してきたように思うんですけれども、今回の金融再編というのはそういったことを根底から覆してそういう再編をしたというような思いがございますので、今までのような、地方がまた好況になれば復活していけるんだということとは大分違ってきているように思われますので、この点につきまして、いろんな委員会等機会を持って、党でも皆さん方の会派でもおやりになっていると思いますけれども、このことをもう少し勉強させていただけたらと思います。
  22. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  大変貴重な御指摘だと思いますけれども、今の点あるいは更に広げても結構でございますが、地域、富の再配分ということでございました。  どうぞ、北岡秀二さん。
  23. 北岡秀二

    ○北岡秀二君 私、今まで余り意見言ったことないので、こういうときですから申し上げます。  先ほどからのお話で私も一つだけ気になること、格差の話ですね。これ話を聞いて、私、一つのことを思い出しました。それはどういうことかというと、今の竹中大臣が大臣になられるずっと以前に、私ども国会議員有志で数名、お呼び申し上げて勉強会を開いたことあるんですよ。そのときの竹中さんの発言で実は物すごく引っ掛かっておったことなんです。あの方はアメリカで勉強されて、アメリカの経済学を非常に熟知をされていらっしゃる方なんですが、そのときに、国、社会が成長していく過程の中では格差は当然出てくるんだというような話をされていらっしゃいました。  私は、その話を聞いたときに、成長する過程の中には避けて通れない大きな一つの現実なのかなと。それともう一つは、成長していく過程の中ではそういう状況をある意味でいうと容認をしなければ成長していけないんだろうと。その両面の解釈をさせていただいたんですが、今正に日本の社会というのは、皆さん方御心配いただいておるとおり、非常にいろんな分野で格差が生じつつある。今日の経済状況の議論でも、片や政府の方は、経済成長もう大きく底を脱して成長に転じつつあると。外国行っても、私、この前ニュージーランドへお邪魔したときも、ニュージーランドから見ても日本はもう成長しつつある、もう底を脱したと。幾つかそういう、外国からそういう話も聞かされたりして、外国から見ると本当に成長しつつある状況になっているのかなと。  正にそういう状況の中で、私自身、今本当にいい問題提起をされただろうと思うんですが、その格差の問題をこれから我々政治家として、そしてまた、なおかつ国会としてどうとらえていってどう対応していかなければならないのかというのは、これはもう問題提起としては私は非常にいい問題提起だなと思いましたので、私も以前からずっと引っ掛かっている問題で、じゃ、こうなんだという解答はないんですが、同じことを発言をされましたので、私も同じ趣旨で申し上げたいと思うんです。  もう一点、これは私自身、理事懇、理事会の場で私も、この成熟社会における経済・産業・雇用の問題の調査という観点で私は以前から非常に大きな関心のあることが、時代が人をつくり、あるいは人が時代をつくるという言葉もありますが、これは鶏と卵みたいなもので、今正に我々自身が、新しい日本の国、経済、社会が直面したことのない新しい時代に突入をしようという状況の中で、どこの分野においても一番求められているのはリーダーであったり人材であったり、じゃ、その人材をどうやってつくるんだということで、今回もその一つに、テーマにいただいたんですが、実のところを言うと、私は意見は申し上げませんでしたが、各界の方々の意見をお聞きしても確固たる解答はなかなかいただけない。これはある意味で申し上げると、我々社会を形成しておる状況の中で永遠のテーマなんだろうと思うんですが、特に時代の変わり目、新しい時代を迎えるということからすると、先ほどの話じゃないですが、時代をつくるのは人であるということからすると、我々自身、特に行政、政治という観点から申し上げると、一番苦手なところ、そしてまた、なおかつ、私も地方議会含めて長く政治経験しておるんですが、人材育成の議論をすると必ず学校教育の領域に入ってしまうんですよね。じゃ、本当に我々が望んでいる人材育成というのは学校教育の場だけなのかと。じゃ本当に、社会的に、あるいは政治的にという表現が適切かどうか知りませんが、本当の意味で求められる、必要とされる人材を育成するのには我が国社会として何に手を付けていかなければならないのか。  先ほど申し上げた、テーマとして取り上げたにもかかわらず、来られた方が悪いという意味じゃなくて、なかなか解答が得られない現実の中で、私ども自身、先ほどから先生方おっしゃっているように、新しい、本当、まあ画期的ととらえるか悲観的ととらえるかは別なんですが、とにかく新時代を迎えるに当たってこれから我々自身が日本の将来を見据えた上でどういう人材育成をしていくか、それはもう非常に大きな大きなテーマの一つだなというのを今回各テーマでやっていきながら認識を改めてさせていただいた。  これも私、解答ではございませんが、意見として申し上げさせていただきたいと思います。  以上です。
  24. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  成長をすることにとって格差というのは不可欠なのであるかという問題提起、それから、今新しい時代に突入している中で人材をどのようにつくっていったらいいかと、そういうことについての問題提起をいただいたわけですけれども、皆様方、更なる御意見を求めます。他の視点からでも結構でございますので。  どうぞ、谷博之さん。
  25. 谷博之

    ○谷博之君 先ほどの各会派からのいろんなまとめの御意見拝聴しまして、それぞれ大変いい御指摘をされておられるというふうなことで、すごく感銘をいたしました。  その中で、我が会派の辻理事からいろんな意見表明をされましたけれども、その中で、まず基本的なスタンスというか考え方ということで、今後の我が国の経済成長の担い手というのはあくまで民間中心だと、つまり民間活力の活用、それから競争力の強化、そして経済的規制の緩和の推進ですね、こういうようなものを指摘して、しかし一方では、むやみな規制緩和などは人間の幸せに資するものではない、このことを認識すべきだと、競争や規制緩和、民営化万能の風潮には警鐘を鳴らし、見直しを求めていく必要がある、こういう指摘も、ある意味では矛盾するような指摘であるけれども、しかし両方強調された、そういう内容が表明されたと思うんですね。  これは、実は私、非常にこの辺で矛盾を感じている現実のいろんな問題が起きているように思います。例えば、そうじゃないよということを言われるかもしれませんけれども、あのJRの西日本の事故なんかも、これはかなりやっぱり、民営化の競争の結果としてそういう社会的に大きな問題が起きてくる。こういうことを考えると、ここら辺の、いわゆるどういう点で、この後段申し上げたようなことを現実に我々は雇用というふうな分野、あるいは経済成長というそういう分野でとらえていくのかというのが非常にこれから問われていくと思うんですね。つまり一言で言えば、競争あるいは規制緩和というものの中にも、最低限そこに一つのセーフティーネットというものをやっぱりどうつくっていくのかということについての議論がされているようでなかなかされていないような気がします。  そういう話になってくると、これますます現政権の話とか、いろんな見方だとか考え方が出てくるわけですけれども、しかしそれはそれとして、私はやっぱり先ほど申し上げたような基本的な考え方持っておりますので、次の機会にそういうふうな内容に光を当てたような議論ができればいいのかなというふうな気がしておりまして、これは一つの意見として希望させていただきます。
  26. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  いろいろすばらしい御意見が出てきたわけですけれども、成長とか競争とか効率、そういうものに対して、片やセーフティーネットみたいなものも必要ではないか、あるいは人間の幸福といったようなことも先ほど辻さんからの御指摘にもあったわけでございます。  ほかにございませんでしょうか。  和田ひろ子さん。
  27. 和田ひろ子

    ○和田ひろ子君 ちょっと外れてしまうかもしれないんですが、今の事故の話やなんか、もう本当に私、心がこのごろ痛むことが多いんですけれども、日本の社会というか、もう全体的にもう少し時計の針を戻せたらななんという思いがしないわけでもないんですね。一秒を争うのに反省文を書かされたりする人たちのお気持ちとか、もう余りにも経済が発展していって、さっき井上さんが言われたように、まだ何にも企業の教育も受けないのにもう戦士として働かされてしまう、子供たちがニートになってしまう、当たり前だと思うんですね。もう少し、何というか、熟成するというか、社会的に何かもう少し充電期間をきちんと置いたそういう社会をもう一度つくりたいななんというふうに思います。  それで、この間、多賀さんという女性のお話お聞きして、あの方のお話もっと聞いてみたいなというふうに思いました。ギャップイヤーとか一対一で相談相手がある社会とか、そんな社会を日本もつくっていけたらなという思いがします。  私も子供を育てるときに、やっぱり頑張りなさいよ頑張りなさいよって育ててきたんですね。楽しんできなさいなんという育て方は私もしてなかったな、もう本当に反省して、あのお話を聞いてすぐに娘と嫁に、子供たち育てるときにはこういうふうにしたらいいみたいだよなんというふうにすぐメールで送ったんですけれども、ああいう、何というか、和やかなというか、ああいう社会を本当、日本がつくっていけたらいいなというふうな思いがいたしまして、来年からは何かそういう、もっと穏やかな題材というか、そういうものも一つ入れていただきたいなと思います、人材育成の。
  28. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。  何か行き過ぎた成長ということが今話題になっておりますけれども、熟成という言葉も言っていただいたわけですが。  岡田広さん。
  29. 岡田広

    ○岡田広君 それでは、今和やかな社会ということありましたので、私の考え方をちょっとお話をしたいと思います。  経済は、戦後六十年たちましてもう御承知のように伸びました。物質万能の時代になりました。雇用の形も変わってきました。そういう中で今、今日、会社法の法案の説明もありましたけれども、企業とはだれのものかという議論もあります。  やっぱり価値観が多様化をしてきた、そういう社会の中で、成熟社会という言葉で今回議論をしてきましたけれども、これから成熟社会の中でいかに豊かな社会をつくるかというような目的だろうと思うんです。そういうとき、やっぱり私は大事なのは、歴史に学ぶということがとても大切だと思っています。米沢藩を立て直した上杉鷹山という人は、自助、そして互助、公助ということで、三つの精神で改革をしました。正に歴史に学んで教育が私はとても大事だろうと、そう思っています。  鹿児島加治屋町という、今も駅の近くにありますけれども、郷中教育という、西郷隆盛がやりまして、それは、十三歳の子供が十一歳の下の子供、いわゆる子弟教育ですけれども、やっぱり町の中にそういうみんなで集まる場所があっていろんな話をした。それは勉強のことだけではないと思います。西郷隆盛が、大久保利通、あるいは松方正義とか村田新八とか東郷平八郎、大山巌とか黒田清隆とか黒田清輝とか、たくさんの人材を、あの小さい町から日本を動かす人たちを輩出をしたというのは、これは正に教育なんだろうと、そういうふうに思っています。  中国の老子の言葉にも上善水の如しという言葉がありますが、これ私大好きな言葉なんですが、水はさわやかで力強いです。どんな汚いものでも洗い流しをしてしまう大きな包容力を持っています。水は手でつかむことできません。水は両手でくみ取るものです。だから私は人の心も酌み取るということが適当なのかなという、そういう考えを持っていますけれども、水はたくさんの特徴があります。  日本では古くから、水に慣れたかとか水になじんだか、お嫁さんに行ったり転勤したらこんな言葉を使います。水は丸いもの、三角もの、四角いもの、どんなものでもすぐ順応する柔軟さ、柔軟性を持っています。正に、私たち教えられることあると思います。一杯の水が三杯、五杯になれば岩石をも押し流す勢いを持っています。水の持つエネルギー、爆発力、一人ではできないことも三人、五人でやればできるという、正に連携が大事なんだろうということをここで教えられる。正に台風なんかは水の持つエネルギー、爆発力です。  水は高いところから低いところへ流れます。これは自然の摂理です。どんなに高い立場に立っても下積みのときの気持ちを忘れるな、水はいつも高いところから庶民のところ、下へ下へと流れている。私は初心忘れるべからずというのはこの水の論理だというふうに思っています。念願の念という字は今という字に心という字が組み合わさって言葉できていますが、正にこの念願の念という字は水の論理だと、私はそう思っています。水のようなさわやかな自然体の生き方ができればいいんだろうと。こういうことはやっぱり歴史に学ぶということが大事なんだろうと思っています。  私がお願いをすることは、いかに教育というのが大事か。フリーターとかニートの人たちもいろんなことで、ジョブカフェでいろんなことを勉強して、あるいは人材派遣会社で仕事へ勤めたら、そこが自分に性格に合っていたということで就職の定職率も高まっていると。正にこれは情報だと思うんです。IT社会といいますけれども、IT社会というのは一言で言ったら情報過多の社会、都市と地域の格差がなくなる時代、そういう時代がIT社会だと思いますけれども、もう長くなりますからしません、もうこの辺でやめたいと思いますが。  世界地図の中からアフガニスタンはどこかとかイラクはどこかと探すときには、東経何度、北緯何度ということで、横の糸と縦の糸で世界のすべてどんな場所も探し出すことができるはずです。インターネットとかiモードというのは横の糸だと私は思っています。たくさん入ってくる情報の中で、どの情報が自分の仕事に、就職に生かせるかという情報、取捨選択をする、これが縦の糸、自分の考え方、物差しをしっかりとつくり上げる、これができないとIT時代には取り残されてしまうということにもなるんだと思います。だから、いかに情報、情報が大事か。その中で選択する考え方、物差しをつくり上げる。だからマイナスという記号は横一本です。縦の糸を重ね合わすからプラスになるんです。いかにプラス思考が大事かと。  そういう中で、私は公民館行政というのはとても大事だろうと思っています。日本は、数字だけ追い求めてきた結果、地域の人間関係が薄れてきた。特に都会、核家族化という言葉で代表されているように、正にもう一遍原点に戻るということを考えるときには、地域からの出発というのは、今地方分権ということで叫ばれていますが、ですから、文部科学省は今一中学校区一公民館です。これやっぱり一小学校区一公民館ということで、みんなが集まって話し合う場所、これがやっぱり犯罪を防ぐことにもなるし、いろんなことで就職情報になるんです。地域の問題があったら地域で話し合って、それを地方自治体に持っていくというのが住民自治の在り方だと私は思っていますから、是非、そういう教育の中でも生涯学習社会の構築というのがとても大切になるんだろうと思っています。こういうことを是非ひとつ考え方の中に取り入れていただければ。  全部話すわけにいきませんから、ちょっと一端を申し上げさせていただきました。
  30. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。貴重な御意見、本当にありがとうございました。  では、ほかにございませんでしょうか。今の御発言とのかかわりでもよろしゅうございますし、また別のことでも結構でございます。
  31. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 じゃ、いいですか。
  32. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) はい、どうぞ。渕上貞雄さん。
  33. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 成熟社会における経済の活性化、それを求めてきたのが市場経済、そして競争社会、結果として生まれてきているのが格差社会。格差社会が進めば進むほど、私は、社会はだんだんだんだん不安になってくる。不安になってくればその不安のところをどのように解消していくのかというところをどうしていくのかということを考えると、やっぱり我が国における例えばニートだとかアルバイターだとかいろんなことを言われても、結果的には自己責任みたいな感じで、参考人の方も報告されているところもございました。  したがって、やはりそういう不安社会をどのようにしてなくしていくかといった場合の社会的な安全社会のシステムづくりみたいなのを、やっぱり私は立ち後れているんではないかと、このように思います。したがって、それは自己責任論と、事故を起こした場合だとかつまずいた場合は罰則的なもので世の中を計ろうとしていく。極端なことを言えば排除してしまう。そういうような社会というところがやっぱり格差社会を生んでいく条件になってきていると思うんで、やはり社会の安全システムづくりというのを何か議論していくことというのは非常に大事なことではないかなと、このように感じたところです。
  34. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) ありがとうございます。安心社会のシステムづくりということで問題提起をいただきましたけれども、ほかにございませんか。  六回の参考人からの意見聴取の中で、直接に私ども質問したりしながら、結構それを自分の中に取り入れて、一つの哲学なり考え方なりを何となく練り込んでいったんではないかなということをこの意見交換の中から私は受け止めているわけでございますけれども、もっともっと自由に、二度目の御発言でも結構でございますから、一応時間は一時間ぐらいというふうに見ておりまして、三時ぐらいまでもし続けられたら続けたいと思っておりますので、どうぞ御自由におっしゃってくださいませ。
  35. 北岡秀二

    ○北岡秀二君 じゃ、協力する意味で。
  36. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうぞ、どうぞ、北岡秀二さん。
  37. 北岡秀二

    ○北岡秀二君 今の渕上先生の話も格差の話もそうなんですが、私も別の言い方を申し上げると、先生方の中から出てきていましたが、かつての高度成長で、なおかつ護送船団方式ですべてやってきた部分がいろんな意味で制度疲労を起こしてきた中で、確かに我々自身も必要性を感じるのは、いま一度競争社会を呼び起こさなきゃならぬ。別の見方をすると、優勝劣敗、弱肉強食の状況を意図的に創造しなければならない状況、環境にあることも一つは事実だろうと思うんです。その優勝劣敗、弱肉強食の世界をつくればつくるほど、先ほどからのお話の地域間格差も、またいろんな状況の中でも格差を生じさせざるを得ない。そしてまた、なおかつその問題が自動的に発生してくると。  また、そこで我々自身、政治の出番なんですが、そういう状況の中でのセーフティーネットのあるべき姿というのはどうなんだろうと。これも私は、かつての高度成長時代のセーフティーネットの考え方では多分通用しないだろうと思うんです。ですから、セーフティーネットのあるべき姿自身も、我々自身がもう一度頭をゼロからスタートしてその辺りの、まあ救援措置と言ったらおかしいんですが、くみ上げ方というのも、変わったということを前提の中で、じゃ、先ほど先生おっしゃられた自己責任社会の責任が負い切れない人たちに対してどこまで何ができるのかという議論も私は必要になってくるように考えますし、なおかつ、私、もう一つは、競争社会、どこまで進化させたらいいのかなと。そしてまた、弱肉強食の世界をどこの分野でどこまで進行させて、それがどこが妥当なのかというのも関心があることでですね。  一つだけ言えることは、先ほども申し上げましたとおり、今まで余りにも、これはもう言葉が適切かどうかは知りませんが、世界の中で一番、まあ共産党の方を目の前にこういう表現申し訳ないんですが、共産主義を実現したのは日本であると。格差のない社会で、上から下までの差が一番ない国であるというような表現をかつてはされておりましたが、その状況をどこまで打破したらいいのかなというのは我々のこれからの模索すべき一つの、まあゴールと言ったらおかしいんですが、新しい基準というのを見付けていかなきゃならぬなというふうに、また先生の話を聞きながら感じました。
  38. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  ほかにございませんか。  どこまで競争を推し進めていったらいいのか、そして格差はどこまで許されるか、それに対して新しい形のセーフティーネットが必要だという、そういう問題提起でございましたけれども。  いかがでございますか。  どうぞ、北岡秀二さん。
  39. 北岡秀二

    ○北岡秀二君 ちょっと私、余りにも今まで発言しておりませんから、もう一回だけ言います。岡田先生も言いたいんでしょうけど、私、今まで発言していませんのでね。  もう一つ言えば、私はもう以前から社会的に感じているんですが、これは非常に概念的な基本的な理念の話なんですが、特に戦後の日本社会というのは、平等感の非常に錯誤をされた認識をずっと我々、日本社会で共有をしてきたと。私は、もう個人的な活動でよくこの辺りの普及活動をやっておるんですが、大半の日本の戦後教育を受けた方々の中には、平等というと、イコール、第一インスピレーション出てくる言葉というのは結果の平等しか頭にないと。  じゃ、果たして結果の平等が本当のすべての平等かといったら、そうじゃない。これは、もう本当に改めて私も申し上げさせていただきますが、そもそも西欧民主主義社会で定着をした平等概念の原点というのはフランス革命にあって、フランスのあの階層社会、まあ、かつてのどこの国ともそうでございましたが、階層社会がしっかりした封建制度の中で市民革命が起こってきた。市民革命が起こってきたときのあのときの平等概念は、私たちにもチャンスを平等に与えていただきたいというチャンス平等であったんですよね。  今、日本社会を見てみると、教育の世界であれ、経済社会の世界であれ、地域社会であれ、比較的結果の平等を前提にした社会構築をしているし、結果の平等を前提とした人間育成をしていると。ここに大きな一つの壁にぶち当たっていることも事実だろうと思うんです。  結果の平等がいいとかチャンスの平等がいいとかいうものじゃなくて、私は、本来、チャンス平等でなければならない分野、これがどこにあるんだろうか。なおかつ、我々自身が、チャンス平等である以上、結果は責任自分で取らなきゃならぬですから、先ほどからの話の、結果責任の厳しい環境を我々自身がある程度創造をしていかなきゃならぬと。なおかつ、福祉的な領域の中で、厳しい状況というのはチャンス平等ですね。福祉的な領域の中において、結果平等思想の名において、下に、我々国民が、ここからここまでは皆さん手を携えて何としてでもみんなでこのラインは守っていきましょうという意味での結果平等というのは必要なんですが、特に政治の世界や我々の一般国民の認識の中でその辺りの結果平等とチャンス平等の切り分けができていない。その辺りがごちゃ混ぜになってしまって、時と場合によったら、都合のええときに都合のええように結果平等だけを前提に、崇高な社会を構築するに当たってのこの平等を何と心得ているのかということを振りかざすと。  だから、その辺りを我々、政治や社会の中でこれからどう切り分けていくかということも、先ほどの格差の問題や結果責任の中で我々自身が政治的に行政的にどう対応していかなければならないのかというのは非常に関連してくる問題だろうと思うんです。その辺りも意見として申し上げさしていただきたいと思います。
  40. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。結果の平等、機会の平等。  それでは、井上哲士さん。
  41. 北岡秀二

    ○北岡秀二君 あっ、ごめんなさいね。
  42. 井上哲士

    ○井上哲士君 名前も出ましたので、一言だけ申し上げます。  日本が本当に世界で最も平等な社会と評価をできたのかというのは、かなり私は異論を持っておりますけれども、そういうことをおっしゃる方がいたというのは確かに聞いたことがございます。それ自体を今議論をする気ないんですが、今のお話との関係でいいますと、たしか去年でしたっけ、「希望格差社会」とかなんとかいう本が結構売れたと思うんですけれども、この間の参考人質疑の中でも、ニートの若者の言葉なんかで、どうせ僕なんかとか、こういう言葉を非常によく聞かれた。だから、チャンスのスタートラインに立つ前に希望自身を持てなくなっているという若者の姿というのも随分出されたと思いますし、私もいろいろ聞くことがあるんですね。  ですから、結果、それからそのチャンス、その以前の問題にこういうことを感じている若者がやっぱり少なくなく出てきているというその事実と、そしてなぜそうなっているかという辺りも今後大いに研究をしていくべき課題ではないかなということを問題提起だけしておきたいと思います。
  43. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  いかがですか。  足立信也さん。
  44. 足立信也

    ○足立信也君 チャンスであれ、結果であれ、その平等とかいうのは、僕はある意味、作為的なものがあると思うんですね。  戦後というか、それほど僕も長生きしているわけじゃないですから余り大げさなことは言えませんけれども、やっぱり根本にある価値観の変遷だと思うんですね。  戦後からしばらく、まあ四十年代後半ぐらいまでは、やっぱり貧富の差で豊かさを求めていったですね。教育もそうだし、いい会社に勤めて、いい生活をしたいために頑張って勉強をしろというような社会であったんだと思うんですね。やっぱり貧富の差というか、富を目指して豊かさを目指した。やっぱりそれが経済成長に合致したというか、だから方向性は一つの方向性に向いていたわけですね。それが成長社会だったわけで、広中会長が成熟社会と付けたのは、成長社会はもう終わったという意味で付けられたんだと私は思っていますが。  その後、何が起きたかというと、今度は価値観が主に快適さですね、気持ち良さ、それが根本に流れるようになってきて、だから途中でやめてもそれは気持ちいいし、最後まで頑張っても気持ちいいし、格差が広がっていったんだと思うんですね、私は。  じゃ、この後何が根本の価値観になるのかと。そこを考えていくのがこちら、私たちの役割じゃないかなと思っていまして、まだ僕は考え切れたわけではないんですが、僕が何となく思っていることは、個人としての成熟を目指す、それが価値観ではないかという気がしております。  指名されたので、あえて言わしていただきました。
  45. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。  個人としての快適さを求めていくという、成熟を求めていくと……
  46. 足立信也

    ○足立信也君 いや、成熟です。快適さはもう終わったんだと思うんです。
  47. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) ああ、そうでしょうか。そうでしょう。ごめんなさい。  それでは、小池正勝さん。
  48. 小池正勝

    ○小池正勝君 今までずっと平等というお話が出ていまして、北岡先生がおっしゃった機会の平等か結果の平等かと、この議論はもう今の政府の政策との関係もあって、今、都市と地方の話でもそうだし、それから経済的な格差、貧富の経済的な格差という意味でも様々な格差が出てきていると、これはもう恐らくみんな共通の認識なんだろうと思うんですね。  そこで、その議論はもう価値観によっていろいろ分かれますから、どっちが正しいか正しくないか、あるいは全部駄目で全部いいという話はあり得ないんで、どこまで認めるか認めないかという、そういう話になってくるんだろうと、私はそう思うんです。  ただ、そこで考えなければいけないのは、この成熟社会という意味で、余りにもその結果の平等がモラルハザードになっていると、そこのところを僕はもっともっと厳しくやっていかなければならない。もう端的に申し上げて、大阪市の職員の問題であるとかあるいはJRの問題、今回JR西日本の問題、原因はいろいろ、これから、議論されているわけですから原因の話は触れませんが、原因でない事故が起こった後のあの不祥事、たるみということだと思うんですが、正にモラルハザードそのものだと思うんですよね。  だから、こういうことというのはきっちり考えていかないと、この議論にとって極めて大事な部分ではないかと、私はそう思っています。
  49. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  それでは、今の御意見に対してございませんでしょうか。  小林正夫さん、いかがでございますか。
  50. 小林正夫

    ○小林正夫君 今の平等だとか、ちょっとテーマが違っちゃうんですけど、よろしいですか。
  51. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) はい、結構です。
  52. 小林正夫

    ○小林正夫君 私は去年の七月にこういう生活に入らせていただきまして、本当に新しい感覚でいろんな委員会、あるいは出張にもさせていただきました。大変勉強になりました。で、やはり雇用が私は大変気になって、どこの場面で行っても雇用を中心にいろいろ考えてみました。  その中でも、こうやって十か月間ぐらい振り返ってみますと、ニートの人たち、こういう状況は私は好ましくないと思うんですね。フリーターというのは、フリーアルバイターという、要は仕事をいろんな意味でフリーに決めていく。ただ、それが正社員でなかったりあるいは定職でないんで親は大変心配すると、こういう状態にあるんです。フリーアルバイターはまあ少しおいておいて、ニートの人たちというものをやはり私は解消していく必要があるんじゃないかと思いました。  それで、この間、参考人の方で兵庫県の教育委員会の杉本教育次長がお見えになったときに、教育実習というか、子供たちを社会の中に一定期間入れて頑張ってもらうと非常に生き生きしてやっていたということを報告を受けました。私は、話していくとやっぱり教育問題にこれつながっていく気がしているんです。  今言った結果平等もそうなんですけれども、教育の中で個人が生きていく力というのを私は教えていくということが少し欠けているかなという感じがしているんです。それは、やはり豊かになって、先ほどの結果平等ということもあったりして、何か個人が生きていく力、このことが大変必要なんだよということをどこか教えることを少し忘れてきているのかなという感じが私はするんです。  そういう意味で、これから先もこのテーマで研究が続くんですけれども、少しそういうものを、ニートという現象を生み出してきた背景をもう少し掘り下げて、場合によってはそれが教育にあるかも分からないんです。そうなれば、そういったことも少し追っていきながら検討していくということも必要じゃないかと思うんです。  平等というのは、せっかくですから私が思っていることは、子供たちが運動会で走る、私たち小さいころは一等、二等、三等、みんな順番が付けられたんですけれどもね。今みんな走ると一等賞も四等もなくて、みんな走ったということで甲乙ないんですね。やっぱり人間持って生まれたもので、足腰の強い子、あるいは運動をやっている子は、そこの得意な分野で、運動会で一等になったら一等なんですよね。でも場合によっては、運動会で遅くても国語の能力があるとか算数の能力があるだとか、そういう点でみんなが同じじゃないんですよね。何かそのことも、今はみんな同じだという教育が少しこの時代あったんじゃないかと思うんです。  その辺もやはり見直して、それぞれ持っているものにはやっぱり個人の差があるんだということと、その結果は、努力しても違うものがあるんだという、このことも教えていくということも、何か私ニートと同じような一つの対策になっていくのかなということを感じました。  以上です。
  53. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  どなたかございませんでしょうか。今、西島英利さんおいでになりましたけれども、もうちょっと後でも結構でございます。──はい、じゃ、西島英利さん。
  54. 西島英利

    ○西島英利君 私はもう、一つだけ。  今のお話を聞いていて、まさしくそのとおりだというふうに思ったんですけれども、やはり小中学校の教育の現場で、競争というものを全く無視した形の中で教育が行われている。ところが、いったん社会に出ますとまさしく競争の世界であって、その競争に敗れた者は全くそれが評価をされないと。そういうことをやっぱり小中学校の時代に学んでこなければいけないんですね。これは決して変な意味での差別的な競争じゃないんですよ。  ですから、運動会でも、一等、二等、三等のお話されましたけれども、昔は一等賞はノート三冊、二等は二冊と、三等は一冊と、それから着外は鉛筆二本とか三本とか、やっぱりそこに差があったんですね。これに対してやっぱり子供たちは努力をしたわけですよね。で、ノート三冊もらったら、これは絶対使わないんですね、これは勲章ですから。  やはり、そういうような教育というのは僕は非常に大事だろうと思うんですね。決してこれは差別とか不平等とかいう問題じゃない。そういう教育の結果が、いったん社会に出ますととてもそこに適応できない子供をたくさんつくってきた結果がニートとか云々の問題になってきたのではないかなというふうに思っております。
  55. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。  さらに、敷衍してどなたかいかがですか。  じゃ、松村祥史さん。
  56. 松村祥史

    ○松村祥史君 私もこの調査会でいろんな参考人のお話を聞いて大変勉強になりました。本当に会長には感謝を申し上げたいと思いますけれども。  今、小池先生が先ほどおっしゃいましたけれども格差の問題、これはやはり、私は一年前まで自分で家業もやっておりましたし、経営もやっておりましたし、いろんなこの参考人のお話を聞く中で、余りにも自分の周りにあり過ぎたことでしたから、当たり前のように受け入れてしまいましたけれども、格差は確かにあると思います。しかし、これは自由経済の中においては必要なことでもありましょうし。  しかし、例えばこの間ニートの話を聞きましたときに、非常にカルチャーショックを受けました。思春期が延びたんですと、こうおっしゃったときに、思春期っていうのは延びるものかなと。そういうものではなくて、昔は十三歳で成人だと、やっぱり一人の男として、大人として扱われていたと、こういう時代もあったでしょうし。それが今は、思春期が延びて三十五が、まあそういう感覚なのかなと。  じゃ、この背景というのは何なのかなと考えたときに、やはり豊かさが生んだ産物でもあるのかなと。岡田先生がおっしゃいました、やはり教育であろうと思います。そこにやはり平等と公平感、これを履き違えているんじゃないのかなと。  私が思う平等という概念は、例えば御飯を小学生と中学生に、小学校一年生と中学生に食べさせるときに、同じ器ではこれは、これを平等というか、やはり体に合った分だけの御飯を与えてこれを平等というか、やはり公平であるべきだと思うんですね。ある一定のことは平等でやる必要もあるし、競争という中で公平にやっぱりやっていく、その感覚がずれたことが、やっぱりこういったものも生まれているんじゃないかなというふうに強く思いました。  だから、そのことをどう例えば教育の中に、教育システムの中に生かしていくかとか、ニートの、今いらっしゃる皆さん方、こういう方々をこれからどう社会に導いていくか。しかし、基本的にはこういう方々を生み出さないような仕組みを考えなきゃいけないというふうに強く感じました。
  57. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  それでは、どうぞ、岡田広さん。
  58. 岡田広

    ○岡田広君 済みません、運動会の話が出たんで、こういういい話を、私、印象に残っている話をしたいと思います。  運動会終わってから、その学校では一位もリボン、赤いリボンとか、二位青いリボン、三位黄色いリボンとかということで、閉会式になりまして、校長先生が、赤いリボンもらった人、黄色いリボン、青いリボン座ってください。で、残って立っている人は三位入賞しなかった人ですけれども、入賞しなかった人には校長先生が心のリボンを上げますから、空中高く投げますから皆さん取ってくださいって、それぞれの子供たちが立ちながら、先生が投げるしぐさをしてそのリボンを取るしぐさをしました。  これは正にその校長先生の機転だったと私は思っていますけれども、こういう学校教育の中でも、ここの学校は一位、二位、三位、全部一緒じゃなくて三位までランク付けをしています。しかし、ほかの子供たちにそういう形で心のリボンを空中に投げて与えるという、やっぱりこういうリーダーを、学校のリーダー、人材というのは大事だなというのを、その光景を見て感じたわけですけれども、いかにやっぱり和やかな社会をつくるというのはすべて話をすることから始まるんだと思うんです。選挙だって話をしなきゃ口コミということで広がって、後援会の輪は広がらない。話をするから組織の輪が広がると思うんです。これは三輪車の輪という字です。話をするから和やかになるんです。和やかという字は平和の和という字です。だから、聖徳太子十七か条第一条、和をもって貴しとなすと。食べ物だって、ワカメ、ネギやウドや、海の幸、山の幸がみそや酢や調味料によって、お互いに自分の持ち味を主張しながら混ぜ合わせることによってもっといい味を出すのが和え物という食べ物のはずです。これは平和の和という字です。いかに和が大事かという、そういうことだと思います。  ですから、私は、さっき公民館行政、別に公民館じゃなくてもいいですが、やっぱりそれぞれその地域地域でみんなが集まる場所があって話をする、これが一番和やかな明るい社会をつくるということなんだろうと思います。  だから、教育って、生涯学習社会大事だと思っています。さっき西郷隆盛の話、しましたけれども、片っ方では、萩の吉田松陰という人、松下村塾つくりましたけれども、六畳二間です。ここから高杉晋作とか久坂玄瑞とか品川弥次郎、伊藤博文、山県有朋とか、日本を動かした片っ方の人たちを輩出をしたと。いかに教育が大事かと、みんなで情報は共有をする、そんな社会をつくるということを是非要望しておきたいと思います。
  59. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。  大分哲学的な話になってきたわけですけれども、先ほど、物質的豊かさを求めてきた日本社会がそれが今曲がり角に来て、より豊かさ、心の豊かさみたいなものを求めているというところに話が行ってきたわけですけれども、しかしながら、やはりグローバルな競争社会の中に日本は生きていかなければならない中で、どのようにやはり折り合いを付けていくかということに関してもし御意見があれば伺いたいなと、それで今日の議論を終わりたいと思うんですが、何かいい示唆がございませんでしょうか。  どうぞ、椎名一保さん。
  60. 椎名一保

    ○椎名一保君 物質、物から心にというような話では、我々は現実の政治で責任を負う立場におるわけでございまして、そんな簡単では、もちろん皆、先生方もそう思っておられると思います。社会保障費だって、現在八十二兆円で、二〇二五年には百五十数兆円って、実際に掛かるものは掛かってくるわけで、経済成長を常に発展をさせていかなければならないという、そういうようなレールに乗ってしまっていることは事実ですね。  ですから、その中でそれをいかに緩やかにしていくかということが一つのやはり出していかなければならない知恵ではないかと思うんですね。経済・産業・雇用調査会ですから、私、すごく危惧していることが、新卒の人たちの就職先が非常になくなってきて、ニート、フリーターの話も、やはり一番大きな要因は、卒業してもすぐなかなか、それはもう自分の、自由主義社会ですから努力によることが多とされるわけですけれども、なかなかそういう展望、難しい門になって、狭き門になってしまっているということ。  教育のことはもちろん大事ですけれども、その子供たちを受け入れる社会の方が、やはり競争社会の名をかりて、本来今までの日本社会が果たしてきた、卒業してくる子たちをたとえ手間暇掛かっても育てていく、育ててきたというものを、いたずらに競争社会の原理の名をかりてそういったことを怠ってきてしまっているというところに大きなやっぱり欠陥があるんではないか。これはやっぱり先進国もそういう、アメリカなりイギリスなりもそういう難しいところを超えて今結果を見ると来ていないような気がするんですね。日本だからこそ、そういったことを超えていける成熟社会というものをどうして、どうやって目指していくかということをやはりもう少し国会で議論を深めていくべきだと思います。
  61. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。  まだ御発言していらっしゃらない中島さん、それから大野さんいらっしゃるわけですが、何かございませんか。
  62. 中島眞人

    ○中島眞人君 遅くなりまして。実は先ほど財務省の主計局が参りまして、この間の財政審の説明を受けておりましたものですから、特に社会保障費の問題の、伸びなどの説明を受けて遅くなりました。  率直に言って、今、日本の国の借金は七百兆円とか、あるいは地方も含むもう大変な借金だと。と言って口をそろえればマスコミもみんな言うんですけれども、予算の編成をしていく過程の中で考えてみれば、自前の、家計にしてみれば、四十万円そこそこの収入しかないのに八十二万円のいわゆる出費をしているんですね。ここに当然いわゆる赤字になるわけですから、それは借金をするのか、あるいはクレジットを使うのか、そういう一つの仕組みを導入しなければ八十二万円の家計費というのはもたないわけなんです。  そういう点で、私は主計局の連中と今やり合ってきたわけですけれども、じゃ、すぐに君たちはこれを切れと、これはこうしていくんだというふうな形で言うけれども、もう少しやっぱり国民的なコンセンサスを得ながらやっぱり財政計画なりそういうものをつくっていかないと、言うなれば大変なことになるよと、こういう話をしながら教育問題が出てまいりました。  実は、私は高等学校の教師をやった人間で、一番最初盲学校に勤務したんです。私の家内なんかは日本で初めてヘレンケラー教育をやりまして、私が結婚するときには週刊誌で、マリアが結婚するんでこの子たちはどうなるんだなんていって、私が悪者にされたなんというような時代がございましたけれども。  現在なお、日本の教育問題というのは試行錯誤でいるんじゃなかろうかと。特に戦後の六十年の歴史を見ますと、例えば、いろいろな試行錯誤をしているんですね。高校入試の問題なんかでも、例えば総合、いわゆる単独の選抜制度をやったと思うと、それなら不平等が出てくるからいわゆる平等に開こうという形で、都立が、日比谷がトップだったのが、今度は落ちて、今度は私学がこう上がってくると。そうすると、これではまた駄目だというわけで、今度は各県がまた昔のような入試制度に変わってくる。  正に試行錯誤ですよ。そして同時に、現行、子供たちは勉強し過ぎるんだと、だからゆとり教育だという形で文部省が出してきて、ゆとり教育というのは何をしたらいいのかと、そういう一つのテーマの下で、まずゆとり教育は週五日制にすることだと。そういうように大人が決めたその一つの制度が先行していく。子供たちはその大人が決められた一つのレールの上を走ってくると。そういう中に一番悲劇を被ってきたのは私は、だれでもない、子供たちだろうと、こんなふうに思うんです。  私は、実は参議院に当選をして十年になるわけですけれども、一番最初に出てきたときに、元に戻りますけれども、まだ学校教育法の中に、皆さん開いてもらうと分かるんですけれども、特殊教育というのがあるんですよ、特殊教育。特殊教育とはと第一条がありまして、盲、聾、養護、精薄とあるんですね。現在あるんですよ。精薄というのは今度は知的障害者に変わりました。しかし、盲、聾、養護という言葉は依然としてまだ学校教育法の中にあるんです。だから、盲学校という名前もあるんです。それはそれとしてもいいんですけれども、特殊教育という言葉が戦後ずっと続いてきた。だから、私がまず言った言葉は、何で障害がある子供の教育が特殊教育なんだと、彼らは身体に障害があるけれども、心に障害を持っているわけじゃなくて、彼らが学んでいく教育は健常者と同じ普通教育なんじゃないかと。だから、文部省にある特殊教育課というのをやめろと言い続けました。六年間掛かりまして特殊教育課というのはなくなりまして、特別支援教育課となりました。  そういう点で、私は、やっぱり近代日本という国は、少なくとも百年で欧米諸国に追い付いていったわけですから、かなりの無理がある。同時に、やっぱりかなりの押し付けをあらゆる面でやってきた。そういうところにいろいろなひずみとかモラルハザードなどが出てくる要因が今噴き出してきているんだと。こういう点で我々は反省をしていかなきゃいけないんだというような感じを一言持ったことを申し上げて、私の責めにさせていただきたいと思います。
  63. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) ありがとうございます。  じゃ、大野先生と広田先生、一言ずついただけますか。大野つや子さん。
  64. 大野つや子

    ○大野つや子君 ありがとうございます。  私、この調査会、なかなかお伺いできないことの方が多うございまして、ダブったりというような中で、いつも本当にお断りを申し上げてというような中だったものですから、今日は調査会のいろいろなお話を実は承ってというような気持ちで今日は一日座りたいと思って、もう途中失礼することはないように今日は頑張ろうと思っておりました。  そんな中で、先ほどの、また前に戻ってしまうようなことなんでございますけれども、目先の問題という、今現実抱えている問題を本当にやらなければならないというのももう事実でございます。もう大変な喫緊の問題でございますからそれも当然のことなんですが、やはり私、母親というような立場に立ちますと、どうしても今後の日本経済や産業の発展というようなものを考えていきますときに、本当に資源の少ない日本でございますし、産官学連携によって技術革新や何かやっていかなきゃいけない。それから、教育や研究によって人材育成というものは不可欠であるというような中で、やはり私は根本的に、これは将来におけるそれじゃ労働力というものを確保しなければならないということを考えれば、今やはりこれ、少子化の問題というのは本当に真剣に考えなければならないんじゃないかなということ。  確かに、もう一つの調査会でそちらの方面の調査をしているということだと思いますけれども、先ほどの先生方も少し遠慮した面があったねというような御発言もあったわけでございますけれども、やはり何としても、これからのこの国を支えていく子供たちを考えたときにといいますか、少子化というものが社会保障制度の脆弱化とか、もう本当にいろいろな問題に影響があるわけでございますので、大変重要な問題であると私は思っておりますから、どうぞこの調査会でも何かその中で取り上げていただけたらというようなことを申し上げたいと思います。  ありがとうございました。
  65. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。大変貴重な御意見でございました。  広田一さん、よろしくお願いいたします。
  66. 広田一

    ○広田一君 やはり、成熟社会において何を守っていくのか、そして何を変えていくのかというふうな観点から少しお話をさせていただきたいと思います。  何を変え、何を守っていくのかということにつきましては、私たちは、やっぱり自分が生まれ育った地域に対して非常に誇りを私自身も持っております。そうした意味で、自分たちが育った共同体、コミュニティーといったものが、いかに守り、持続可能であるべきかということを考えていきたいなというふうに思っております。  実は私の地元でも、それをつくづく思ったのが、私の地元でも四年ぐらい前に水害が起きました。水害が起きて大変な未曾有の被害が起きたんですけれども、実は死者が一人も出なかったんです。というのはなぜかといいますと、地元の消防団の皆さんが、この家の体の悪いおばあさんはふだんどこに寝ているのかというところまで把握をされていて、水が出てきたときに一番迅速に対応してその命を救った。そういうふうなことを思ったときに、やはり共同体、コミュニティーのすばらしさというものは大変重要だと思いました。  そういうふうな社会が、しかしながら一方では非常に過疎化が進み、若者が一人二人減っていって維持できなくなっていると。そういった意味で、やはり産業、経済、雇用によってこういったコミュニティーがいかに持続可能になっていくのかということをこれから是非考えていきたいと思いますので御配慮をお願いしたいということと、あと、格差のお話がございましたけれども、私は変えていかなければいけない格差で是正しなくちゃいけないのは、やはり官と民だと思います。  いろいろな、待遇、給与面でこれはかなり差が出てきていると私自身考えておりまして、逆に民の人から言わせれば、自分たちはこんなに働いているのに地域、特に地域によってはこれほど給料が少ない、しかしながら市役所の人間はどうなんだという指摘がございます。その一方で、市役所で一生懸命働いている人は、そういった自分たちは一生懸命働いているのに何でこれほどまでの批判を受けなければいけないのか、そういうところでの、何か地域をつくっていかなくちゃいけない人たちのギャップが起きていますけれども、しかしながら、やっぱり官と民の格差というのは給与面等を含めてあるわけですから、ここについて分析をするような調査研究をしていただければなというふうに思います。  いずれにしても、成熟社会において今後私たちがどの方向に向かうのかという視点で一番大事なのは、明治維新の土佐の坂本龍馬の考え方じゃないですけれども、やはり龍馬も次の世代のことを考えてすべて行動したと思います。自分たちの今がよければいいということじゃなしに、次の世代のことを考えて、この成熟社会における経済・産業・雇用に関する調査会の勉強を進めていっていただければと思います。  以上です。
  67. 広中和歌子

    ○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。  予定の時間が参りましたので、委員間の意見交換はこの程度にとどめさせていただきたいと思います。  委員の皆様方からは貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。本日の調査会を踏まえまして、理事の方々とも十分協議の上、初年度の中間報告書案を作成してまいりたいと思います。  どうもありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十七分散会