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2004-11-16 第161回国会 参議院 経済産業委員会 4号 公式Web版

  1. 平成十六年十一月十六日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         佐藤 昭郎君     理 事                 泉  信也君                 加納 時男君                 小林  温君                 藤原 正司君                 渡辺 秀央君     委 員                 魚住 汎英君                 沓掛 哲男君                 倉田 寛之君                 保坂 三蔵君                 松田 岩夫君                 松村 祥史君                 加藤 敏幸君                 木俣 佳丈君                 直嶋 正行君                 平田 健二君                 藤末 健三君                 浜田 昌良君                 松 あきら君                 田  英夫君                 鈴木 陽悦君    国務大臣        経済産業大臣   中川 昭一君    副大臣        内閣府副大臣   七条  明君        法務副大臣    滝   実君        財務副大臣    上田  勇君        厚生労働副大臣  西  博義君        経済産業副大臣  小此木八郎君        経済産業副大臣  保坂 三蔵君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       平田 耕一君        経済産業大臣政        務官       山本 明彦君    事務局側        常任委員会専門        員        世木 義之君    政府参考人        法務省入国管理        局長       三浦 正晴君        外務大臣官房長  北島 信一君        財務大臣官房審        議官       小手川大助君        農林水産大臣官        房国際部長    内藤 邦男君        経済産業大臣官        房地域経済産業        審議官      薦田 康久君        経済産業省通商        政策局長     北村 俊昭君        経済産業省貿易        経済協力局長   中嶋  誠君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○経済上の連携の強化に関する日本国メキシコ  合衆国との間の協定に基づく特定原産地証明書  の発給等に関する法律案内閣提出、衆議院送  付) ○アメリカ合衆国の千九百十六年の反不当廉売法  に基づき受けた利益の返還義務等に関する特別  措置法案(内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 佐藤昭郎

    ○委員長(佐藤昭郎君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に法務省入国管理局長三浦正晴君、外務大臣官房長北島信一君、財務大臣官房審議官小手川大助君、農林水産大臣官房国際部長内藤邦男君、経済産業大臣官房地域経済産業審議官薦田康久君、経済産業省通商政策局長北村俊昭君及び経済産業省貿易経済協力局長中嶋誠君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 佐藤昭郎

    ○委員長(佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 佐藤昭郎

    ○委員長(佐藤昭郎君) 経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 小林温

    ○小林温君 おはようございます。自民党の小林温でございます。  メキシコ合衆国との経済上の連携の強化についての原産地証明書の発給法案の審議でございますが、過去の経緯をひもとかせていただきますと、一九九九年から事前の検討が始まっていたということで、かなりの時間を掛けてメキシコとの間の合意を見たわけでございます。おかかわりをいただいた関係者の皆様には大変な御苦労をいただいたということで、敬意を表させていただきたいというふうに思うわけでございます。  前にもこの委員会でお話をさせていただいたことがあるかと思いますが、私、九〇年代の前半にワシントンDCの大手の法律事務所におりまして、このNAFTAの実務にかかわっておりました。私のいた事務所がメキシコ側のNAFTAの代表を務めているという関係があって、当時、たった一人の日本人として非常に疎外感を実は覚えてこのNAFTAのメキシコとアメリカとの間の交渉を実は見ていたわけでございます。  当時の時代情勢からすると、日米間にはまだ経済摩擦がくすぶっておりました。いつアメリカにたたかれるんじゃないかということで、日本は少し肩をすくめていたわけでもございますが、その一方で、アメリカ側は、明らかにこのNAFTAの推進を通じて、ライバル国である日本を何らかの形で外そうという動きが実はこうしたNAFTAの締結の中であったということを私は間近で拝見をさせていただいていたわけでございます。  当時、例えばメキシコ、アメリカ国境には自動車始めたくさんの日本企業のプレゼンスもありましたが、小競り合いというか、例えば割当て制だとか、それから原産地規則の問題とかで、日本企業どうしていいのか分からない状況下にもあったわけでございます。日本は、ガット、WTO体制を中心にその維持強化に努めるというのが当時の方針でもございましたし、その中で国益の確保を追求していくという方針だったわけでございます。  私、そういう日本の姿をワシントンから見ておって、もしかすると日本というのはこの通商戦争の中で時代に乗り遅れるのではないかということも感じていたのも事実でございます。  当然、WTOのルールが変わったり、あるいはWTOで扱われない分野での自由化ニーズが急速に高まったということもあったかとは思いますが、この日本とメキシコのEPAが今まで存在しなかったことにより、我が国は四千億円の輸出の機会を毎年失ってきたという試算がございます。こういう数字に併せて、メキシコとの貿易の中に占める割合も例えば六・一%から三・七%に下がっているということもあるわけでございますが、こういうことに至ったということは、私は、やっぱり明らかに通商外交における戦略ミスが我が国にあったのではないかというふうに思わざるを得ないわけでございます。  この点について、どうしてこういうことが生じたのか、そして、今後こういうことが二度と起きないように、FTA、EPAをめぐる問題においてどういう外交姿勢、通商政策上の姿勢を展開していく考えかということについて御見解をお伺いしたいと思います。
  6. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) おはようございます。  今の小林委員の御指摘は誠に重要な、このWTOあるいはEPAを考えるときの決して忘れてはならない大事な視点だと思っております。小林委員はもう実際にワシントンでお仕事をしながら実感としてそういう体験をされたということは、大変貴重というか、御苦労されたんだろうと思います。  言うまでもなく、戦後のガット体制が、ブロック経済からの脱却ということで、世界をみんなでルールを作ってオープンにやっていきましょうということでございました。ただ、これは今から、あえて私の感じとして申し上げますと、先進国中心という形で進んできたことも事実だろうと思っております。  そういう中で、ガットができたときはあれ四十数か国、四十七か国か何かでスタートしたと思いますけれども、日本とかドイツとかが入っていって広がってまいりまして、何回かのラウンドを経て、そしていよいよウルグアイ・ラウンドになったときに、私の記憶では、日本は多国間の貿易体制というものは大事であるということでやってきたと思いますけれども、九〇年の前半ぐらいにいったんウルグアイ・ラウンドの見通しが全く立たなかった時期があって、中座したという状況の中で、アメリカを含めて各国が二国間にばっと走っていったわけでございます。これが文字どおり今から考えるとFTAということでNAFTAになり、また御審議いただいておりますメキシコも今や三十二の国や地域とFTAを結ぶようになっていった。  日本は、率直に申し上げて、私もその当時自民党の農林部会長という立場で見ておりましたけれども、ウルグアイ・ラウンドをどうしようかということで頭が一杯でございまして、世界の国々が二国間の最恵国の体制を作っていくと、しかもそれはガット上もWTO上も認められたわけでございますから、正直言って出遅れたということは事実だろうと思っております。日本は貿易立国ですから、世界じゅうの国と平和な関係に基づいて貿易を拡大していかなければならないにもかかわらず、結果的に自ら障壁を高めてしまった。メキシコにおいても、マキラドーラという体制がございましたけれども、それがNAFTAによって廃止された後、非常に不利益を被ったということでございます。  遅かったわけでありますけれども、今懸命に、メキシコの重要性についてはもう、余り長く答弁すると怒られますのでやめますけれども、極めて重要なメキシコと今回EPAを結べたということは、そして御承認の御審議をしていただくということは大変有り難く重要だと思っておりますし、今後も東アジアその他、積極的にやっていくことが日本経済の発展につながっていくことだというふうに考えております。
  7. 小林温

    ○小林温君 一つ私、象徴的に覚えているのは、そのNAFTAが合意をされた日はワシントンじゅうで至る所でパーティーが行われていまして、正に戦争の勝利を祝っているような雰囲気だったということを覚えているわけでございます。ですから、この教訓を是非生かしていただいて、今後の通商戦争には日本は負けないぞと、こういう決意で臨んでいただきたいということをお願いをしたいというふうに思います。  一方、世界の流れがFTAに向かっているからということで、とにかく二国間のFTAをどんどん結んでいけばいいのかということでもまたないわけでございます。結局、急速に各国がFTAの重要性に気付いて、個々別々のFTAを二国間で結んだ結果、今お互いに整合性が全く取れない、かえって、原産地規則だとかその他いろいろな問題が複雑に絡み合って自由貿易が逆に阻害されているという、俗に言われるスパゲッティ・ボール・フェノメノンという言葉もあるわけでございますが、日本にとってみれば、日本と相手国の二国間の貿易が、その自由化の度合いが高まるということももちろん重要ですけれども、と同時に、マルチで貿易をする諸国間の相互の障壁がどんどん低下をしていくと、これはWTOの理念でもあるわけですが、これも忘れるわけにはいけないというふうに思うわけでございます。  ですから、日本は残念ながら後発であると言わざるを得ないわけでございますが、後発であるからこそしっかりと戦略を持って、今FTAで先に進んでいる国が直面している問題をうまく回避できるのではないかと私は思うわけでございまして、二国間のFTAを作っていっても最終的には非常に大きなところで枠組みが共通して存在をして、例えば東アジアを念頭に置けば、全体で質の高い自由貿易が確保される、そのために日本がどういうふうにルール作りにかかわっていくかと、あるいはいかに主導権を取ってそのルール作りにかかわっていくかということが今問われているんだろうというふうに思います。  そこで、APECが開催を今日からされるわけでございます。大臣も行かれるのか行かれないのか、まだ難しいところのようでもございますが、このAPECの中でFTAは一つの主要議題になっております。議長国のチリはFTA案のモデル案を提示をしたいということで、積極的に提言もしているようでございますが、こういうモデル案がいいかどうかということも含めて、日本としてAPECの中でのFTAの議論にどうかかわっていくかということについて御見解をお伺いしたいと思います。
  8. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) チリで行われますAPECの閣僚会合並びに首脳会合では、今、小林委員御指摘のように、このWTO、FTA、あるいはまたAPECの中の経済連携をどうやっていくかということが主要な議題になるというふうに聞いております。チリはもとよりメキシコと同じようにFTA先進国でございますから、多分積極的な提案があるというふうに思っております。  今、スパゲッティボールの話がございましたけれども、もとよりWTOルールとFTAルールというものは別々、あるいはまたお互いにマイナスの影響を及ぼすものであってはならない、WTO上の協定にも基づいて、そしてトータル、整合性の取れるいい発展になっていくという共通の目的にあるというふうに考えておりますので、そういう前提でAPECでこのような議論がなされる、日本が日本の国益と世界貿易発展のためにどういうふうに役割を果たしていけるかということについて、真剣に考えながら会議が行われるものと考えております。  ちなみに、今御指摘のように、私はまだ院の御了解をいただいておりませんが、何とぞよろしくお願いをいたします。
  9. 小林温

    ○小林温君 個人的には是非大臣に行っていただいて、堂々と我が国の主張を展開をしていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思いますが、メキシコ以外、各国との交渉状況についてもお聞きしようと思ったんですが、後に回させていただいて、その今のルール作りということでございます。  各交渉、二国間の交渉の中には例外規定が当然盛り込まれるわけですけれども、特に原産地規則というものもその条件の中に入るわけです。これをいかに例外を少なくするか、そして透明性を持たせるか、これを質を担保するという意味で是非実現をしていかなければいけないというふうに思うわけでございますが、と同時にスコープを広くする、これは例えばバイからリージョナルな取組をしていくということも一つでございましょうし、それからFTAとEPAという言葉がございますが、物の取引にどちらかというと特化しがちなFTAという概念に対して、EPA、もう少し広い部分で制度の構築とか経済・技術協力、そういうところまで含んで交渉ルールにおいても枠組みを作っていくということがこれからのルール作りの中で必要だと私は思うわけでございます。  昨年のAPECの後に、新聞あるいはメディア各社が、東アジア地域でのEPA、FTA競争で日本が出遅れたと、こういう記事あるいは報道が躍ったわけでございます。中国は以前からこのアジア地域におけるFTA、EPAの推進にかなり積極的でございまして、いろんなところでリードをしようというふうに思っているわけでございますが、これはやっぱり発展途上国間のFTAというものは、その授権条項の適用も事実上認められているわけでございまして、先ほど申し上げたような関税撤廃の域を超える質の高い経済連携には中国がリードしている限りならないというふうに私は思います。  ですから、日本としては、やはり将来的に質の高い東アジア全体の経済連携を目標に置く、またかつWTOにも加盟した中国にもビジネス環境の整備をしっかりと迫っていくと。こういう意味におきまして、日本がこの東アジア全体での経済連携の質を高めていくということを実現をしていかなければいけないというふうに思います。  こういう考え方の下に、政府が更に積極的に東南アジアへのアプローチ、まあ中国、ちょっといろいろ厄介なこともございますけれども、対中国もにらんだ上で進めていくということについてその意義をお伺いをできればというふうに思います。
  10. 保坂三蔵

    ○副大臣(保坂三蔵君) 大変包括的なお話で、私も参考になりました。  中国を中心とするというよりも、日本がイニシアチブを取って東アジア経済圏、EPAを構築していくということは極めて重要なことだと存じております。御案内のとおり、中国が二〇〇一年の十一月、もう三年前でございますが、包括的な経済協力の枠組み協定を結びました、ASEANとの間で。そういう点では、先ほど大臣がいみじくも申し上げましたように、メキシコとのEPA協定がいささか出遅れた感があると率直なお言葉がございましたが、中国に関しましても、時期的にいえば、時系列的にいえば、確かに三年、日本は後れているような形に相なります。  しかしながら、日本は技術や資金で東南アジア各国に対しましては日常的に非常に深い通商関係を持っておりまして、そういう点では決して後れを取っていると思えません。また、小林委員お話しのとおり、中国の場合は途上国同士の協定でございますので、そういう点では例外品目が多く、非常にまだまだレベルの上では日本の目指している高レベルな総合的なパッケージということにはならないと思っております。  ただ、二〇〇一年の協定の後に、二〇一〇年、ASEAN各国と、そしてまた二〇一五年までには新たな加盟国と順次協定を結んでいくという取決めになっておりまして、そしてまた来年の一月にはアーリーパッケージで、アーリーハーベストで農産品の一次関税引下げなどが行われますから、決して私どもは先んじているとは思っておりません。  しかし、いずれにいたしましても、EUやアメリカ、二極を見ながら、東アジア経済圏が現実的にEPAでそれぞれ結び合って自由貿易を推進していくという点では、日本はこのリーダー、イニシアチブを取っていくことを目指しております。おかげさまでフィリピンとの話も進み、またマレーシア等、そしてまた加えて韓国、それぞれ私ども交渉が進んでおりますので、これらを根っこにいたしまして、順次東アジアの中での統一ルール作り等につきましては努力していく決意でございます。
  11. 小林温

    ○小林温君 いずれにしても、その中国、ライバルになるかパートナーになるかは別にして、対中国政策というのを念頭に置いていただきたいと思います。  それで、時間もないので最後になりますが、いずれにしても、今FTAの動きばらばらだということありますが、究極的には東アジア全域の統合を目指すべきだということについて実は各国間の意見は一致しているんじゃないかというふうに思いますし、その中で日本が経済統合をどういうふうに支援していくか、あるいはリードしていくかということがこれから問われるんじゃないかと思います。そして、これを推進するためには、例えば省庁の縦割りというようなことも言われておりますけれども、そうした弊害を乗り切って、乗り越えて、自ら司令塔となって国益を考え、政治的な決断を行うという主体が必要になるかと思いますが、この点について大臣の決意をいただきたいと思います。
  12. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 現在、四か国、それからASEAN全体と来年四月からやろうということになっておりますが、小林委員御指摘のように、それぞれ国によってやり方は違うとは思いますけれども、基本的な戦略というものをきちっと持つということは、冒頭申し上げましたように極めて大事なことだというふうに思っております。  そのためには、政府一丸となって、そしてまた国会のいろいろな御指導もいただきながら、そして関係業界ともよく相談をしながら、そしてまた相手の立場もよく理解をしながらやっていくことが大事だろうというふうに思っております。  そういう意味で、よく御指摘いただきますが、政府はばらばらではないかというお話がありますが、少なくとも今まで締結されましたシンガポール、メキシコに関しましては、セクターによって極めてセンシティブな部分はございましたけれども、関係各省あるいはまたトップの我々がよく連絡を取り、総理の指示、あるいはまたリーダーシップの下でやってきた、そしてまた、それによって結果が出たということは事実でございます。  今後とも、ますますその別の更に広い分野での交渉が今行われている国もございますので、そういう御指摘が事実として国益に反するようなことがないように頑張っていきたいというふうに思っております。司令塔をどこに一本化するかしないかということにつきましては、国会等の御議論、あるいはまた最終的には総理大臣の御判断になるというふうに考えております。
  13. 小林温

    ○小林温君 終わります。ありがとうございました。
  14. 松村祥史

    ○松村祥史君 おはようございます。自由民主党の松村祥史でございます。  当委員会、初めての質問でございまして、いささか緊張しておりますが、よろしくお願いをいたします。  私は、数か月前まで地方で、自分で申しますのも変でございますが、悪戦苦闘しながら頑張る小規模事業経営者の一人でございました。現在、日本の全事業所の九九・七%は中小企業だと言われております。そのうちの、九九・七%の九割は小規模事業者と呼ばれる方々だと。正に日本の底辺の経済を支える苗床であると思っておりますし、私もその中におりましてその自負心の下に頑張る一人でございました。  常日ごろから、日本経済において、海外で活躍できる外資獲得のできる企業と、また苗床である地域経済を支える中小零細の企業の施策と二軸があるべきだと思っておりましたし、今景気が大変、若干の上向きを見せたというものの、零細企業、中小企業にとりましてはまだまだ身を削る思いで苦しんでおられます。  今日は、せっかくでございまして、大臣もおいででございます。中小零細企業の施策については十分な御理解を日ごろからいただいていると思っておりますが、どうか、とりわけ小規模事業者の施策においても今後十分な、よりきめ細やかな御指導をいただきますように、この場所をかりまして強くお願いをいたしまして、質問に入らさせていただきたいと思います。  今回の法案は、去る九月十七日に小泉総理がメキシコ合衆国のフォックス大統領と署名された我が国とメキシコ合衆国のEPAの発効に合わせて、この協定に基づく原産地証明書の発給等に関する国内制度を定めるものであると認識しております。メキシコ合衆国は一億人の人口と世界第十位の経済規模を有する成長市場であり、今回メキシコとの経済連携協定が締結され関税が撤廃されることにより、我が国企業にとっては、一説によると四千億円近い効果があると、メキシコ市場が大きく開かれることになると考えております。日本の企業がグローバルな競争に勝ち残り、国益を確保するためにも、今後の通商戦略としてEPA、FTAなどのルールの策定への取組方も今後極めて重要になってくるものと思っております。  北村通商政策局長にお尋ねをいたしますが、メキシコ合衆国とのFTA締結は、シンガポール共和国に続き我が国にとっては二か国目となりますが、シンガポールとの締結は、実質上は経済的な効果よりも我が国がFTAを結ぶことを内外に示す政治的な意味合いの方が大変強かったんじゃないかと認識をしております。  しかし、今回の交渉は、メキシコは既に三十数か国という国々とFTAを結び、言わばFTA先進国と言えるのではないでしょうか。我が国においては農業問題等でいったん交渉決裂さえ危惧されましたが、それら難問を乗り越え、締結までにたどり着いたことにより、関税の撤廃、引下げにより、正に正真正銘のFTAであると思っております。  そこで、我が国のFTA、EPA戦略において、メキシコとはどのような理由で経済連携協定を締結したのか、締結したその意義や期待される効果等についてお伺いをしたいと思います。
  15. 北村俊昭

    ○政府参考人(北村俊昭君) お答えいたします。  ただいま先生の御指摘のとおりでございます。メキシコは、世界第十位のGDPの経済大国であります。人口一億人、また北米、中米の言わば大きなゲートウエーでございます。また、日本からも既に約三百社の企業が進出をし活動をしている重要な事業拠点でもあります。  ただ、メキシコにおきましては、先ほど来御議論ございましたけれども、九四年のNAFTAの発効、さらに二〇〇〇年のEUとの、EUとメキシコとのFTAの発効に伴いまして、日本にとってみますと比較的高関税、大体平均で一六%の高関税が日本から輸出する場合には掛かってくると。そういう意味での日本の輸出競争力が大きく減退をしたと。あるいは、FTAがないということのために、メキシコの国内における政府調達、これもかなり大規模なマーケットでございますけれども、政府調達の中で不利な扱いを受けざるを得ないと、そういった弊害が現実に表面化をしてまいりました。そういった中で、先ほど申しました日本から数百社の企業が進出をしていたわけですけれども、将来に不安を覚えて撤退をすると、そういった事例も出てきたところでございます。  そういった意味で、言わばメキシコとの関係では、FTAを結ばないがゆえに相当な不利益が出てきたということがこのFTAを結ぶ一つの大きな根拠でございます。  また、先ほど来申しましたように、メキシコは北米、中米における大きな拠点でございます。その中で日本の企業がグローバルに活動していく際には、やはり安定的にそこで投資をして安定的にビジネスができると、そういった投資環境もしっかりと作っていかなければならないと。そういった観点から、不利益を解消し、日本から進出をした企業の投資環境を安定的なものにしていくと、そういったことでこの協定に取り組んだ次第でございます。
  16. 松村祥史

    松村祥史君 正に正真正銘のFTAでございます。どうか日本企業が活躍できますように、ますますの推進をお願いしたいと思います。  また、引き続きまして、原産地証明についてでございますけれども、今回、我が国企業にとってこの原産地証明というのは大変重要なものであると考えております。しかし、発給申請者が中小企業である場合には、申請手続など慣れていないものと予測されるため、国からのきめ細やかな支援が必要であると考えております。  経済産業省においては、商工会議所を発給機関に指定する考えであると聞いておりますけれども、それはいかなる理由から商工会議所を指定することをお考えなのか、お聞かせいただければと思います。また、手続に慣れている企業は一部にすぎず、やはり中小企業に対しては十分なPRと申請時のフォローが必要と考えますが、どのような対策や支援をお考えになられておるのか、中嶋貿易経済協力局長にお尋ねをいたします。
  17. 中嶋誠

    ○政府参考人(中嶋誠君) まず第一点目でございますが、日本とメキシコの経済連携協定の第三十九条におきまして、特恵原産地証明書の発給の主体につきまして、輸出締約国側の権限のある政府当局に加えまして、その政府当局が指定する団体というふうに規定されております。これは実は経緯がございまして、本協定の交渉におきましてメキシコ政府側は国、政府による発給を主張いたしましたけれども、我が国政府としては民でできることは民でという立場から交渉いたしました結果、特定原産地証明書の発給機関として発給体制に信頼の置ける団体を指定するということで最終的に合意に至ったものでございます。  この点につきましては、我が国の商工会議所は既に戦前から原産地証明の発給業務を行っております。昭和二十八年に制定されました現在の商工会議所法の第九条におきましても、その事業の一つとして規定されております。実際、実績を見ましても、平成十五年度におきまして年間約五十四万件と、我が国の原産地証明書の約九六%を発給しております。こういうような理由によりまして、原産地証明書の発給につきまして既に十分な知見と体制を有しておるということで、この協定に基づきまして指定団体とすることにつきましてメキシコ政府も了解をしております。このため、今回、日本側の原産地証明書の発給団体として指定をすることを予定しております。  それから、第二点目でございますけれども、中小企業者に対するきめ細かな配慮でございます。  実際、この協定に基づきまして特恵関税の適用を受ける物品は数千品目に上ることが予想されます。したがいまして、中小企業を含めまして相当数の我が国の事業者がこの協定に基づきまして原産地証明書の発給を申請することになると思っております。実際、この日墨の経済連携協定で品目ごとに定められております原産地規則につきましては、通常の非特恵の場合と異なる部分も数多くございます。例えば、工業製品の多くの品目につきましては、関税分類の変更基準という通常の基準に加えまして域内原産割合要件を導入することなどでございます。したがいまして、証明書の発給申請に必要な書類、資料につきましても従来とは異なってくる場合が増えてくると見込まれます。  このため、経済産業省といたしましては、日本商工会議所あるいは各地の商工会議所と連携をしながら、この協定やこの法案の概要、あるいは証明書発給の申請の手続、それから必要書類などにつきまして全国で事業者を対象に説明会をきめ細かく開催いたしますとともに、インターネットなどを通じまして広報にも努めてまいりたいと存じます。また、各商工会議所におきましても、証明書発給申請に不慣れな中小企業者に対しましてきめ細かな対応を行うように適切に指導してまいりたいと考えております。
  18. 松村祥史

    ○松村祥史君 ありがとうございます。  大変きめ細やかな説明をいただきましたけれども、中小企業が中小企業たるゆえんは、簡単に思える作業ほどなかなか、時間を掛けて、手間を取ることができないと、簡単に作ることができないというのが原因でもございます。是非その点は御理解をいただき、十二分なPR、また手続の推進を図っていただきたいと思っております。  さて、現在、我が国は、EPAにおいてASEAN諸国でも対フィリピン、マレーシア、先行して交渉を行っておりますけれども、ASEAN諸国におけるEPA交渉は、関税引下げにとどまらず、物に関するFTAから、企業でいうところの人、物、金といった投資、経済、人の移動などに幅広い分野で経済連携を強める意義があるものと思っております。  そこで、今、今後我が国のスタンスやASEAN全体とのEPAの取組について大臣の見解をお聞かせいただければと思います。
  19. 保坂三蔵

    ○副大臣(保坂三蔵君) 恐縮でございますが、これは私の方から御答弁させていただきます。  お話のとおり、日本とASEAN、あるいはまた東アジア、従前から大変深い通商関係にございます。してみれば、各企業はASEAN全体で企業活動を展開しているわけでございますので、EPAをASEAN、対ASEAN全体に広げることが最終的な目的でございます。しかしながら、現実的にはまだまだ依然として高い関税率あるいはまた投資障壁がございますので、一刻も早く、この解消のためにはまずは話合いができるところからということで、対フィリピン、マレーシア、あるいはまたASEANプラス3ということで韓国との交渉を続けてきたところでございます。  なお、ASEAN全体といたしましては、今年九月に行われましたジャカルタでの経済大臣会合で来年の五月から本交渉に入る予定でございまして、二年以内の交渉妥結をめどに今頑張っております。その意味で、今回、お許しをいただきまして大臣がチリに行くということは非常に大きな意味がございまして、そういう点では一つの方向が出てくるものと確信している次第でございます。
  20. 松村祥史

    ○松村祥史君 保坂副大臣、ありがとうございました。  それでは、最後になりますけれども、FTAとWTOについてでございますが、この二つの整合性を取ることは非常に重要と考えております。WTOあるいはその前身である関税貿易一般協定、いわゆるガットの基本的な理念は無差別原則であり、EPAあるいはFTAは特定の国や地域の間でだけ関税を撤廃するというものですから、この無差別原則に抵触する可能性があり、非常に難しい問題であると考えております。また、ともすれば、先進国と途上国との経済格差が一段と広がるおそれもあると懸念されます。  そこで、大臣に、FTAとWTOについてどのような戦略で今後進めていくべきだとお考えなのか、お聞かせいただければと思います。
  21. 小此木八郎

    ○副大臣(小此木八郎君) おはようございます。  WTOというのは多角的貿易体制の基盤となるこれは重要な制度と、これも委員も御承知のとおりであると思いますけれども、このWTO交渉が長期化する中で、我が国としても諸外国に後れを取ることなくEPAに取り組む必要性があろうと思います。  EPAとWTOはそれぞれ長所がありまして、両者を相互補完的なものとしてともに積極的に取り組んでいくことが必要であると思いますし、EPAやWTOに取り組む過程で、途上国のいろんな実情にも配慮しつつ通商交渉を行ってまいりたいと、こういう気持ちでおります。
  22. 松村祥史

    ○松村祥史君 もう時間もございませんけれども、ありがとうございました。  初の質問ということで若干駆け足で緊張ぎみに質問させていただきましたけれども、十分なお答えをいただいたものと思っております。今後、日本の経済が世界の中で活躍していくためには、日本の企業の育成、二軸を持って今後も取り組んでいただき、このFTA、EPA、全力を持って進めていただきたいと思っております。  以上をもちまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
  23. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 おはようございます。民主党・新緑風会の木俣佳丈でございます。  今日は、四十五分、そして後半部分は同僚議員の藤末議員に四十五分ということで、よろしくお願いを申し上げます。  まず冒頭、FTAの成立過程のことについてなんでございますが、今日は小林さんからもいろいろ話がありましたけれども、オールジャパンとしてのメリット、そしてまたオールジャパンだけじゃなくてアジアに特に中心にということだと思いますが、そのメリットを考えながら進めていかなければいけないというのは当然のことだと思うんです。多分、小林さんなんかもかかわっていらっしゃったということであれば、よくその辺の交渉過程というか御存じだと思うんですが、私は実際現場におりませんでしたが、アメリカではやはり商工会議所とかがかなり中心になってこのFTAを積み上げていくという形になっているというふうに聞いております。  私も、もちろん経済団体に在籍した者なものですからそういう方々にもお話は伺いましたけれども、やはり産学の連携の中でこのFTAどうだろうかということは何度かもちろんされているのは存じております。ただ、どちらかというと、日本の場合は官主導の感があるという感じでございまして、やはりアメリカの場合は、アメリカの場合はというわけじゃないんですが、つまりかなり国益に準じていて、つまりFTAがもう制定されて発効したというところから、もういやっとこう市場に出ていけるような、つまりはもうルールは自分たちが作っているから使い勝手が非常にいいというのが基本的な、どうも日本のやり方と、例えばアメリカ一国を挙げればアメリカのやり方のどうも違いがあるかなというふうに思っておりまして、簡単に言いますと、与えられるものではなく作るものであると、これが基本的なFTAの考え方のように聞いておりますけれども、大臣はその辺りどのようにお考えでしょうか。
  24. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 基本的に、日米のFTAあるいはEPAを私なりに見ておりますと、全く木俣委員御指摘のとおりの認識を私自身持っております。先ほど小林委員にもお答え申し上げましたように、日本の場合にはWTOで行っているときに九〇年代の初めにとんざをしたと。実は、アメリカもWTO中心で実は途中まで行っていたんですけれども、そのときにたしかウルグアイ・ラウンドのブラッセル会合というのがちょっとぶっ壊れまして、そのときからNAFTAにばあっと走っていったと。その後、WTO体制になった後も、例えば、今年一年でも幾つアメリカはFTAを各国と結んだでしょうか。中東地域あるいはまた豪州あるいはチリ等々と猛烈な勢いで結んでおります。オーストラリア、実はオーストラリアと結んだのにオーストラリアと非常に関係の深い、ある意味では経済が本当に一体というと失礼かもしれませんが、綿密なニュージーランドとは実は交渉すらやっていない、これは非常に私は印象的だと思っております。つまり、アメリカの場合には文字どおり官民一体となって、経済的戦略と政治戦略が一体となってやっていることの象徴だろうと思います。  こういうところで私の感想を申し上げるのはひょっとしてはいけないのかもしれませんけれども、豪州とアメリカの交渉なんというのは私は何年掛かるか分からないと見ていたんですけれども、数か月で交渉がまとまってしまいました。豪州側には若干、終わった後、不満等があったやに聞いておりますけれども、猛烈な勢いでやっていったのは、先ほど日本が経済的なメリットというようなことを申し上げましたけれども、それプラスアルファの文字どおり猛烈なエネルギーというものがアメリカを今FTA戦略を走らせているのではないかと思っております。  御指摘のとおり、決まった後は経済界から、それから法律顧問から、もちろん政府を挙げてだあっと行って、一挙にその実経済の分野に入っていけるということもございます。もとより、アメリカはこういう条約等は上院が決めることになっておりますけれども、御承知のように、WTOの場合には、ファストトラックじゃなくて、何とかプロモーションアクトという権限も政府が持っておりましてやっているということを考えますと、その目的設定、そしてそれに向かってのエネルギーとスピードというものは、特にここ数年のアメリカのFTA戦略というものは物すごいものを感じる。日本も負けないようにといいましょうか、後れを取って不利にならないように今から国会あるいは経済界、各界ですね、各経済セクターとまた国民的な関心、後押しもいただきながら政府一丸となってやっていかなければならないと考えております。
  25. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 御認識は一緒ということであるわけなんですが、やはり今度の日墨のとき、それからフィリピンへ入っていく、こういったところではどうなんですか。今言われたように、いやもっと違う方法で、使い勝手がいい、FTAという言葉自体が余り経産省というか政府全体使いませんが、これは農業配慮で、EPAと呼べば農業のことは入っていないんじゃないかと、EPAというのは、というような配慮の中で言っているという、余談ではありますが。  例えば、ちょっと余談をもう少し言えば、アメリカのFTAは日本のEPA以上にもっと広いんですよ。先ほど小林さんが反対のことを言っていましたが、知っていながら反対のことを言っているのかなと思ったんですが、もっと広いんですよ。ですから、もうEPAなんて呼んでいなくて、まあ大体、グローバルに大体通じるのはFTAという言葉だと思うんですね。ですから、そのようにしてもらいたいということと、それと、これは通告しておりませんが、そのことと、もう一つは、やはり実際に使い勝手がいいような方法をやっぱり大臣なり、大臣なりにというか、現政府なりにやはり考えて是非いただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
  26. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) まず、FTAかEPAかということですが、あえて言えば、フリートレードなのかエコノミカルパートナーシップというのかという意味で言えば、何も農業とかそういうものをあえて刺激しないためにということではないということを是非御理解をいただいて、より広い意味で、貿易だけではなくてほかの経済関係もという意味で私どもはEPAという言葉を使った方が適切だというふうに思っております。  今やっている交渉、あるいはメキシコにつきましても、元々は日本にとってメリットのあるという側からのインパクトというか提言といいましょうか、いろんな形であって、話合いというのは多分民間でいろいろあったんだろうと思います。さっきのメキシコでいえばマキラドーラが駄目になりというようなことがあって、そういうところからやっていかないと、これは日本経済全体にとってもデメリット、大変なことになるということでありますが、いざスタートをするときにはメキシコの場合でも、今また韓国、ASEAN三か国との場合でも産学官がまず共同研究をしましょうということを一年あるいはその前後、時間を掛けて、その中には特にASEANとか韓国の場合にはセンシティブと言われております農林水産関係の皆様方や、人の問題も出てきておりますので、その関係の皆様方、あるいはまた我々の工業分野も含めて、民間でまずいろいろと、民間それから専門家、それから政府がトータルでいろいろと議論をしながらメリット、デメリット、そして相手の立場の理解というものを考えてやっていき、そしてその次のステップとして政府間交渉に入っていくというのが今までの日本のやり方でございまして、これは私は、これではっきり言って日本の場合には、チリやメキシコと違って三か国目、四か国目という、まだまだ、世界で百幾つ、百八あるFTA、通報されているのは二百幾つだそうですけれども、EU拡大の関係で今百幾つが有効と言われておりますが、その中で後発、貿易立国でありながら後発でありますから、今までやってきたことは効果のあることだと思います。  お互いにトータルとしてメリットがあるならばウイン・ウイン、イコール痛みを分かち合うということで、痛みをどういうふうにしてカバーをしていくかということも踏まえながら、できるだけ早くやっていくということも重要だろうと考えております。
  27. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 まだちょっと質問をこういう感じで続行したいんですが、今日は副大臣に多く来ていただいておりますので、先にちょっと厚生関係の、つまりフィリピンの自由貿易が控えておりますが、この関係のことについて、APECに行かれますので、その前にと思ってちょっと質問させていただきます。  新聞報道等でも言われておりますように、看護師、介護士をフィリピンから入れたいと、フィリピンの方は出したいという要請が非常に強くなっておりまして、この辺が非常に対フィリピンとの一つの大きな焦点なのかなと思っております。当然ながら高齢化は進んでおりますので、この日本でも需要はどんどん高まっている一方だと思っておりまして、更に言えば、看護師、介護士の方々の、こういう言い方するとその業界の方も怒るかもしれませんが、やっぱり質的な問題ですね。これも、つまりモラルの問題というのか、大分、ちょっと首をかしげたくなるような方が多くなって、実際、きてしまいました。ですから、日本がかつてサービスというのはただであると言っていた時代から、かなりサービスというのはコストが掛かる時代という感を医療の分野でも、常に私もしている次第でございます。  そこで、ちょっと伺いたいのは、報道では毎年百人ずつ介護士を受け入れていくというのが八月の新聞報道にあったわけでございますけれども、しかし、じゃ介護分野でどの程度の陣容が必要かというこのものについては約百八十万人、二〇〇七年で百八十万人要るんだと、こういうふうに推計が厚生省から出ております。  百八十万人の中の百名ずつ年間受け入れていくということで、間に合わないというのが私のイメージでありますが、西副大臣にお答えいただきたいんですが、この百という数字も含めて、どこからその算定根拠出てきているのか、そしてこのFTAを結ぶに当たって何か障壁があるのかどうか、その辺りお答えいただければと思っています。
  28. 西博義

    ○副大臣(西博義君) お答えを申し上げます。  委員御指摘のように、フィリピンとの間で医療・福祉分野の人の移動という問題について、経済連携協定の交渉を進めております。その過程におきまして、相手国から要望があったということから今、この協定の締結を促進する意味から、関係省庁と連携しながらこの検討を行っているということは事実でございます。その際に、我が国の労働市場への悪影響を避ける等のために受入れ枠の設定をしようということを今考えております。  介護福祉士の受入れにつきましても適切な受入れ枠を設定したいというふうに考えておりますが、先ほど先生、確かに新聞、一部新聞では百人という報道が出ておりますが、実はまず受入れ枠の設定をどうする、どうしたらいいのかということ、それから先ほど御指摘がありましたように、質を確保するためにどういう制度を設けたらいいのかという枠組みについて議論をすることが必要と考えておりまして、具体的な人数につきましては、そのような検討を経た上で決定をさせていただきたいと考えているところでございます。
  29. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 今のお話の中で、受入れし過ぎるとまあ社会的な不安が高まるという意味でしょうか。ただ、フィリピンの肩を持つわけでありますが、もうアメリカ、中東を始めとして、介護士、看護師、更にはメードさんも非常に多くの方々があり、フィリピンのGDPの一〇%がこの派遣、派遣というか人材派遣というお国柄なんですね。ホスピタリティーというのを第一の、何というんでしょう、国是にしているというのか、こういう国でありまして、そういう国で資格を取った人を入れるのに、基本的に資格ある方を入れるのに社会不安が広がるというのはむしろ反対だろうというふうに私は思っております。  むしろ問題なのは、いわゆるじゃぱゆきさんということで問題になった、いわゆるいろんなところで働く方々、この方々が私は問題だと思っておりまして、日本がやっている政策、入管行政も含めて正反対のことをやっていると私は思っているわけです。  是非、枠をどの程度にするのかというのは、大臣がせっかくAPEC等へ行かれるわけでございますので、ですから、主務大臣はこれ外務大臣になるんですか、経産大臣になるんですかね、厚労大臣になるのか、まあちょっとよく分かりませんが、せっかく閣僚級の話合いができる場でございますので、私も下院議長等々からも強く要請を受けておりますので、是非前向きに経産大臣、御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  30. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 仮にチリに行けるということになりますと、私にとりまして、バイの会談の第一のお会いしたい大臣がフィリピンのプリシマ商工大臣でございまして、プリシマさんとはここ一か月の間に二回ほど東京でお会いしていますが、専らFTAが大分ほかの三か国に比べまして先行をしております。今も経産省の日下審議官が行っておりますけれども、そういうことで突っ込んだ話合いをしたいと思います。  先方は、この人の問題、介護士さん等について強い御要望がございますし、今御指摘のようにフィリピンというのは人、優秀な、そして何というんですか、優しいお仕事を世界じゅうでやっている実績もございます。担当は直接的には別の省になるわけでございますけれども、その辺のことも十分理解をさせていただいて、お互いに文字どおりウイン・ウインの成果が得られるように突っ込んだ話合いをしたいと考えております。
  31. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 最近、言葉で、今大臣使われたウイン・ウインの関係というのはよく使われるんですが、私は案外、貿易もそうなんですが、ゼロサムだと思っていまして、貿易赤字でも出れば、どっかがもうかればどっかが赤字になっているという話で、例えば今のお話でも、日本看護師介護士が損すれば要はフィリピンがもうかるというようなことなんで、ウイン・ウインという言葉は余り好きな言葉ではないわけなんですが、余計なことなんですが、まあ是非進めていただきたいと思います。  ただ、時あたかもそれに合わせたように、この日曜の一面に、介護士の資格を全部福祉士に限定をすると。今、二十七万人か八万人ですか、いるこの介護士の、ヘルパーですね、ごめんなさい、介護関係に従事している二十八万人ぐらいの方々のうち介護士を持っているのが八%ぐらいなんですかね、それをすべて有資格者じゃないとやらせないというふうにするというようなことがぽんとこう出るのは時を同じくしているのかなという感じがするわけですが。  それで、入管行政の方に移りますと、今日法務副大臣に来ていただいておりますが、一つは、看護師の場合には医療という項目で在留の資格があると、しかし資格をもらっても就労というのは四年以内に限定されるという、こういう資格だと聞いております。ただ、介護士については、そういった在留資格がございません。ですから、結局、日本介護士の試験日本語で受けないと在留資格がない。つまりは、介護士というのは、フィリピンでそういった資格を取っていても、結局単純労働であるというところでありますが、今後どうでしょうか。入管の行政として改善をするその可能性というのはあるんでしょうか。
  32. 滝実

    ○副大臣(滝実君) 介護士についてのお尋ねでございますけれども、おっしゃるとおり、これについては日本で改めて資格を取っていただくと、こういうことになろうかと思うんでございます。  しかし、いずれにいたしましても、今、関係省庁でこれ、どうするかというのは法務省単独で決めるわけではございませんで、厚生労働省がどういう方針なのか、そういうことによって法務省としては入国管理上御相談をさせていただきながら、その条件を決めさせていただくと、こういうことになろうかと思います。
  33. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 今、厚労省からの要請がない限りはやらないということだったんで、副大臣、どうでしょうか、そういう御要請をされる予定はありますでしょうか。  つまり、マンパワー、この介護の問題で議論がいろいろ進んでいるわけなんですが、保険料や給付の話に議論が集中しておりまして、マンパワーというところに実は余り行っておりません。これは、つまり厚生労働省が出してきた需給のバランス、マンパワーの需給のバランスにも関係があるのかなと思っておりますが、結局、バランスしていくんだというのを無理やりにかなり作っている資料に基づいて、結局はこのマンパワーのところは除外して話が介護問題に進んでいるんですが、私はどう考えても全体像として、つまりはオールジャパンとして、マンパワー的に、仮にですよ、仮にそこそこのところに収束をしていく可能性があったとしても、地域的な偏在というのは、これは看護師にしても介護士にしても、これは御案内ないかもしれませんが、なければ是非現場へ行って調査してください。愛知県だって地域偏在がひどいですよ。ですから、そういった問題があります。  そういう中で、結局、在留資格も与えない、そしてまた入る門も狭くして、日本語で、日本語試験受からなければ要は取るもんかと、来させるもんかと。これじゃ、どんどん、いい人材はもうアメリカ、中東にどんどん取られるんですよ、結果として。その辺りはどうでしょうか。
  34. 西博義

    ○副大臣(西博義君) 今、介護士、介護分野における労働力が不足しているんではないか、特に地域的に偏在しているんじゃないかという趣旨のお話もありました。そのことは、私も田舎に住んでおりましたので、若干都市部とそうでないところとの需給の差というのは現実にはあるんではないかというふうな気はしておりますが、さはさりながら、全体的にはまだ介護関係の人材が不足しているという状態にないこともこれは事実でございます。  御指摘のように、今後高齢化が進展してきまして介護サービス市場が拡大していく、またサービスの質的向上が今後更に求められていくということを考慮すれば、今後の介護職員及び介護福祉士の需要は当然全体的には増大していくというふうな認識を持っております。  その上で、今回の交渉におけるこの介護福祉士の受入れに当たりましては、業務の内容が非常に国民の一人一人の身体並びに気持ちですね、精神にかかわるということもありまして、少なくとも現在においては国内のこの労働市場に悪影響を与えるということは避けていきたいと、こういう気持ちがございます。ですから、まずは専門職としての受入れに限定さしていただく、そして受入れ枠を設定さしていただくという方針を持っておりまして、しっかりした枠組みの下で優良な人材の確保を優先して対応していきたい、このように考えております。
  35. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 今のお話の中でちょっと矛盾するかなと、こう思いますのは、例えば需給がバランスしていくということは労働市場に悪影響を及ぼさないということなんですよ、開放しても。だから、需給がある程度、何というんですか、均衡取れてくるということであれば、何もむやみに狭くする必要はないと。ただ、私は、需給はそういうふうに安定していかないということでありますから、まあ広げた方がいいと。要するに、どちらに行っても広げた方がいいということになるわけなんですが。  要するに、いつ、先ほど中川大臣からお話がありましたように、アメリカなんかを見ればもう非常な勢いで、私はFTA推進がいいのか悪いのかということは後でまた議論しますが、それはそれとして、やはり日本が損を余りしないような形でどんどん進めなければいけないという観点からすれば、要するに、いつまでにこのフィリピンとのFTAを結ぶのかというのは非常に大事な、まあアジアの一つの、ASEAN、特に主要国、まあASEAN5の中の一番、一番というか主要国の一つだと思いますので、ですから、これは年限切って、いつごろまでにどのぐらいというのをお答えいただけますでしょうか。どのぐらい入れると、そういうところで合意をさせたいと。
  36. 西博義

    ○副大臣(西博義君) 先ほど申し上げましたように、今即座に今の段階で何人を入れるということについては省としても決定はいたしておりません。先ほど申し上げました、どういう内容の人をどの程度ということについては、一定の枠組みを考えた上で交渉の際には取り組んでいきたいという感じでおりますので、枠組みが先にこれからの交渉の議題になるというふうに、枠組みといいますのは、資格の問題とかいうような条件がまず交渉の主題になるというふうに考えております。
  37. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 まあ一つの積み上げた考え方だとは思うんですが、しかし、そこからいきますと、大体もう本当にほとんどはいれなくなるというのが見えるんですね。まああんまりくどくどこの話をしたくないと思いますが。  是非、フィリピンは特に、私も初めて伺って、まあアロヨ大統領には会えませんでしたが、デ・ヴェネシア下院議長とか有力な方々と話していて、非常に経済的にも今困難な時期にあります。そういう意味で、早めの締結を心から希望をする一人でありますので、御尽力いただければと思っております。  じゃ、もうお二人、副大臣、どうぞ。  先ほどウイン・ウインの話等々出ましたけれども、FTAが非常な勢いで広がりを見せているということだと思います。そういう中で、これはWTO体制の中の例外規定ということでFTAを位置させているものが、かえって極めて大きなボリュームになろうとしているということだと思います。  戦後、戦後というのは第二次世界大戦の後の、何というんでしょうか、経済的なグローバル化という中で、じゃ本当にウイン・ウインなのかということで考えますと、東アジアにとっては、日本が合ったかどうかは分かりませんが、まあ間違いなく日本のおかげという、自分で我が国のことを言うのもおかしいんですが、日本のおかげでアジアは富んだということは間違いないと。ただ、例えばアフリカ、特にサブサハラの国々、それから中東、それから中東欧、こういった国々では必ずしもそのグローバライゼーションがプラスに寄与してないというのが、これ統計的に見えております。  更に言うと、ここ三十年間見ただけで、何と経済危機と言われるその数はどのぐらいあるかというと、百あるんです。経済危機というのが百。年間三つあると言うんですよ。だから、じゃ、例えば戦前、四五年前に、じゃ経済危機、確かに二九年辺りの経済危機はばあっと広まっておりますので、正に伝染的に広まっておりますが、世界大恐慌は別として、じゃ、そんなにたくさん経済危機と呼ばれるようなものが発生したのかなと。ちょっとこれも調べておりません。ただ、ここ三十年間で百あるそうです。  だから、やはり私は、例えばアジアの成功についてもグローバライゼーションが成功の秘訣だという、例えばイコールをさせるということもちょっとどうかなというふうに思いますし、果たして本当に世界の人々が幸せになるようなものなのかなというのが一つ、今回いろいろ学ばしていただいて思うことなんです。  やはり、二年ぐらい前までは経産省も、大臣も含めて、先ほど来からお話がありますように、基本的にはWTOルールを基軸にしてというのが、最近は、言われるのは、WTOとFTAと二本立てなんだよと、こういうお話を大体どこでも専門家はするんですね。この二本立てというのが僕も意味がよく分からないんですが、いずれにしましても、これから先の日本のこの戦略として、じゃ、どういうふうに、要は世界のこの貿易投資、サービス貿易も含めて、あったらもっと幸せになるのか。  つまりは、やはり、ちょっと広い話でいえば、九月十一日のテロ、そしてまたイラクなんかも基本的には貧困のゆえにというようなことがあるわけでありまして、結局、WTOにしてもFTAにしても、いわゆる公的な介入をしながら、簡単に言えばこのルール自体が国際公共財ということであると思います。ただ、これはキンドルバーガーなんかも八五年辺りから言っているように、世界政府がない中で国際公共財というのがどう機能していくんだという提起があります。  そういうことも含めて、そういういろんな思いの中で日本が負けちゃいけないからFTAという、どちらかというとマイナスを取り返しに行くんだと、メキシコなんかは何かそういう感じで感じるわけなんですが、そんなのでいいのかなとちょっと私は思うんですが、大臣、どうでしょうか。
  38. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 三十年間で百の経済危機があったという話でありますが、それはそれといたしまして、今の木俣委員のお話を伺っておりまして、確かに八〇年代までは多角的貿易体制がまずあってというのが日本の方針でありましたけれども、WTOルールに基づくEPA、FTA、二国間、あるいはASEANなんかですと、RTA、地域間といったいろんな形態があっていいんだろうと思うんです。  共通のルールは百四十八か国が加盟して認め合っているWTOルールであり、それはそれで今また改定交渉をやっているわけでありますけれども、確かにWTOの中にはいろいろとまだ、まだといいましょうか、非常に定義があいまいなものもございますし、また、各国それぞれ、日本も含めてプラスになる面をできるだけやっていこうということで各国がいろいろと交渉しているわけでございますが、そういう議論と、それからもう一点、最後御指摘になりましたことにつきましてでありますけれども、後れたことは多分十数年前は事実でありますけれども、その後、シンガポール、メキシコ、今御審議いただいているこの法案、そしてフィリピン、ASEANの国々、それから韓国、それからASEAN全体、そしてまた、私は、基本的にはよほどの問題のある国以外は、貿易立国としては、やっぱりお互いにプラスになるということであれば積極的に経済的な関係強化をしていくべきだというふうに考えております。  もちろん、おっしゃられたように、私はゼロサムだとは思っておりませんけれども、申し上げているのは、ウイン・ウインというのは逆に痛みを伴うということもセットですよということで使っているわけでありますが、先ほどのフィリピンの人の問題なんというのは、私は、厚生省が先ほどお答えになっているのは、あくまでもウイン・ウインの関係を前提にしてできるだけ痛みを伴わないという範囲でのぎりぎりの御答弁をさっきされているのかなというふうにも思っております。  そういう意味で、これから日本も、スタートは確かに後れましたけれども、現在それから今後は、より積極的に日本のために、そしてまた相手国のために、そして世界のために私はこういう経済連携を積極的にやっていくべきだと思います。  その場合に、そのウイン・ウイン、あるいは痛みを伴うというのは、例えば、日本とフィリピンとがやっている場合には、フィリピンというのは一人頭GDPが千ドルの国であります。しかも、先ほど御指摘ありましたように、いろいろ数字が正確じゃないかもしれませんが、私も、GDPの一割は海外からの送金に頼っているんだというふうなフィリピンの経済ということを考えたときには、日本だけが良くなるんじゃなくて、フィリピンのキャパシティービルディングあるいはまた経済や技術力や人の向上のために貢献するということも、やっぱり先進国と発展途上の国との経済連携というのは単なる物やお金や人の移動だけではなくて、メキシコにおいても技術支援なんていう分野も今回は取決めしておるわけでございますので、そういう面からも広い意味で、最終的には経済というよりもっともっと広い両国間の関係の強化というものを目指すべきだし、そういう方向で日本は今後積極的に活動していきたい、いかなければならないというふうに考えております。
  39. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 そうしますと、この例外規定のFTAというものがWTOという一つの枠組みの中でどういう位置を占めていくかというのがちょっと私は分からないんですね。何というか、それぞれがどういうふうになるんでしょうかね。世界の国々がWTOで共通基盤を結ぶのが面倒くさいから、もうそれぞれ二か国又は一か国と、あるエリアというふうに進んでいくんでしょうかね。  どういうふうに進むべきなのか、進ませるべきなのかというふうに思っていらっしゃいますか。
  40. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) ですから、WTOと二国間との関係というのは、確かにウルグアイ・ラウンドも十年掛かったわけですね。十年近く掛かった。七年ですか。七年掛かったわけでありますし、現在のドーハ・アジェンダも二〇〇〇年からやっておりまして、まだモダリティーまで行っていないという状況ですから、大変これは時間が掛かる。文字どおりセクターが何次元あるか分かりません。昔は七次元と言っておりましたから、七次元百四十八次方程式みたいなものを答えを求めるみたいな作業だとすると大変なことに、作業になるわけでありますけれども、でもこれはこれでやっていかなければならない。いや、もう我々にとってメリットがないからWTOなんかどうでもいいやということがあってはならないということを進めていくことは、先進国である日本にとってはこのことは極めて大事な日本の責務の一つだろうとは思っておりますから、そういう意味で、今もジュネーブでは事務的な交渉がかなり突っ込んだ形でやられているやに聞いておりますけれども、いよいよ来年の十二月に向けまして、次の目標に向けてこれからアメリカやEU等々の新しい我々のカウンターパートがどんどん決まっていった中で動き始めていくと思います。  他方、FTA、EPAにつきましても、これはWTOの中でいろんな例外があります。途上国に対する例外もあれば新規加盟国に対する例外もありますし、二国間の例外もあるということでございますから、そのWTOかFTAかということではなくて、マルチのルールとバイの特別のルールとは整合性を持たせなければいけないし、それを前提にやっていく。もう委員御指摘のとおり、仮にこのメキシコとの間が決まってWTOに譲許したときに、ほかの加盟国が文句を付けてそれが認められたら、これはまた内容を変えていかなきゃいけないという、お互いWTO加盟国のメンバーとしてのそういう義務もあるわけでございますから、そういう意味で二国間というものも同じように大事。それから、WTOは、二国間さえやっていけば、そんなものは面倒くさいからいいんだというものでもないと。両方とも求めていくことが特に貿易立国である日本にとっては重要なことだと思っております。
  41. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 時間がだんだんなくなってまいりましたが、WTO自体のいろいろ定義を見ておりますと、面白いことが、先進国、途上国同士の授権条項、つまりは例外規定、FTAを結ぶ場合の十年、九〇%というようなものが除外される。例えば、授権条項が適用されるような途上国という位置付けがあるんですが、ところが途上国の定義がないと、これが非常に、これが不明確なんですね。  例えば、こんなことは正に釈迦に説法でありますが、円借款は、例えばパーキャピタ三千とか無償は千四百とか、例えば日本なりに、又は世界銀行なりに途上国の定義というのをこうしておるんですね。ところが、WTOにはないということは、是非、APECの場ではないとは思いますが、次なるジュネーブに行かれたときに、大臣からも明確な定義をしたらどうだということを言っていただきたいんですが。
  42. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) おっしゃるとおり、途上国に定義がないから自己申告制になっております。時々、OECDに入っている、いわゆる先進国クラブに入っている国が、私のところは農業は途上国、でも工業では先進国というような使い分けをやっておりますから、親しい関係になったときには相手の大臣に、ちょっとそれは都合が良過ぎるんじゃないのということは間々言っております。正式の会合でも言ったことございます。  ただ、今回のドーハ・アジェンダが百四十八か国のうち、もういわゆる途上国と名のっている国が百数か国までなっているという現状は私は確かにおかしいとは思いますけれども、現状、定義がない。LDCについては定義があるわけでありますけれども、私は途上国ですと言って、途上国のグループ、G90とかG33とかG20、いろいろあるようでありますけれども、それぞれみんな途上国としてやっているというのは、特にグレーゾーンの途上国は、ちょっと正直言って、まあこういう国会の場ですから言葉を選ばなきゃいけないんですが、なかなか、あなたが途上国ですかというふうに何回か直接申し上げたことはございますし、今後も私は言い続けたいというふうに思っております。
  43. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 是非、ジュネーブでそういうお話をしていただきたい、し続けていただきたいと思います。  あと、シンガポールとの、JSEPAなんですかね、フォローアップということで、大臣もいろいろ見直しも含めて考えたいという報道がありますが、どの辺りを考えたいのか。そしてまた、特に日星と例えば米星との間だと差がやはりあると感じるわけでありますが、その辺りはどのようにお感じになるか、ちょっとお伺いします。
  44. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 何といいましても、日本にとりましては初めてのFTA、EPAを結んだのがシンガポールでございましたから、そういう意味で、毎年レビューをし、五年ごとに協定そのものも見直すというルールになっております。毎年やっておりますから、いろいろと動き出した後、お互いの国にとってこういうことをしたいということ、あるいは両方がこういうことをしたいということが出てきております。その一つは、やっぱり原産地規則がいろんなやり方があるということで、お互いによりプラスになるようなこと等が既に議論になっておりますし、その辺は率直に話し合って、そのタイミングの時期に意見交換したいと思っております。
  45. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 もう時間が来ておりますけれども、もう一問だけ金融関係の御質問をしたいと思うんですが、日星の間のものと米星との間で圧倒的な違いがあるのはやっぱり金融関係、決済機能、国内の決済機能。簡単に言うと、フルバンキング機能のステータスを米企業に与えるか与えないかということが圧倒的な差であるということが専門家たちが言っていることでありまして、是非、円の国際化ということと、それと、すべて一致するような話になるかならないかは分かりませんが、しかしアジア危機からの教訓ということも含めて、やはり日本企業がフルバンキングのステータスをアジア地域で持って、円の決済機能、決済の価値としての円がどこまで膨らんでいくかというのは私もちょっと十分に今のこの時点では分かりませんけれども、しかしやはりアジアは円だというぐらいの方向性を付けるための一つとしてそういった機能を持たなきゃいけないと。  さらには、今、大臣がおっしゃったような、例えばシンガポールというのは、貿易というもの自体を、ある意味で、何といったらいいんでしょうかね、規定していると。つまりは、マレーシアで全部組み立ててシンガポールから出す、これもFTAのその範疇に入るんです。ところが、日本は六〇%付加価値基準とかいろんなこと言って、結局、シンガポールで組立てして、付加価値六〇%以上付けないと駄目なんという、こういうところで終わっているわけですが。  いずれにしても、金融担当副大臣から、この辺、フルバンキング含めて、金融アジアでの在り方、またFTAの中での在り方、こういったところを、両副大臣に来ていただいていますので、財務副大臣からは、国金局がやはりなくなったことがかなり金融国際金融の機能低下ということが言われておりますので、その辺りを短くお答えください。
  46. 七条明

    ○副大臣(七条明君) 今、先生の方からFTA、金融の場合は、これサービスということもありまして、本来は経済連携協定のEPAという交渉だと、こういうふうに思っておりますけれども、その中で金融庁としては今まで積極的に取り組んできたところでもございます。  特に今、円とドルとか、円と、対、向こうの国との関係ということも含めて考えていきますと、これはもう個別な問題でございますから、その都度その都度積極的に前向きな発言をしていかなきゃならないと、こう考えておりますけれども、例えば二〇〇一年の十月に行われましたシンガポールとのEPAの交渉の中で、シンガポール側は、保険会社に対する出資比率、出資の基準比率を、四九%を撤廃をしてこれ一〇〇%まで持っていったと。こういうようなことも含めまして、WTOでの自由化水準を上回る自由化を約束をさせたと、日本にとってはこれはプラスの方に出てきたわけであります。  ですから、メキシコの交渉も含めて、同様のように、これからも積極的に、あとこれから四か国、今タイ、マレーシアあるいはフィリピン、韓国ということもありますが、金融に関することが出てくる場合は、これは積極的に今までどおりやっていきたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
  47. 上田勇

    ○副大臣(上田勇君) 木俣委員からの御質問なんですが、もう委員も十分御承知のとおり、今の所掌の関係というのはいろんな議論を経た上で決まってきたわけでございまして、金融について一元的につかさどる金融庁において、今、七条副大臣から御答弁があったとおり、責任を持って適切に対処しているものだというふうに理解しております。
  48. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 終わります。
  49. 藤末健三

    ○藤末健三君 民主党・新緑風会の藤末でございます。私は、人生初めての国会質問でございまして、今日が、すごく緊張すると申しますか、ちょっと気合が入り過ぎている感じもございますが、是非御了承いただきたいと思います。  元々、私、実はこの一月まで大学の先生をしておりまして、このたび国会の場を目指させていただきましたのは、一つはやはり経済外交というものをやりたいという思いがありました。したがいまして、今日初めての国会質問をこの経済連携協定に当てていただきまして本当に感謝申し上げたいと思います。  私は、なぜ経済外交に興味を持つかと申しますと、一つありますのは、やはり今、日本の安全保障というものを議論したときに、すぐ自衛隊、軍備の話になるわけでございますが、やはりこのアジア地域、国際的な安定化を図るという意味で、経済の交流、まず物の交流、そして人の交流、そして資金の交流、また情報の交流といった国境を越えたいろいろな交流が地域の安定、ひいては平和を作っていくという思いがあるからでございます。  そのような意味でも、この、皆様先ほど御質問ありましたけれども、FTAでなく、やはりEPA、経済連携協定という名前を付けられたその先見性にまた敬意を表するとともに、また非常に一生懸命働いていただいています政府の皆様に感謝の意を表していきたいと思っております。  ただ、今までのEPA、シンガポールとメキシコ、今回メキシコというわけでございますが、私から見ましても、シンガポールはやはり農業問題がなく、一つのジャブ的なもの、まあ試しにやってみようというようなもの、そしてまた今回のメキシコにつきましても、年間四千億円ぐらいの被害が想定されるということでございまして、どちらかというとちょっと受け身じゃないかなという印象はまずあります。  ただ、今回のメキシコの経済連携協定、EPAを見ますと、やはり農業問題が入っているということで一つ踏み出しているんじゃないかなと思っておりまして、そういう意味では、今後、フィリピン、タイ、マレーシア、ASEAN、そして韓国といった国々と交渉する上では非常に大きな一歩じゃないかと思っております。  非常に重要なことは何かと申しますと、私、今感じていますのは、二国間協議をどんどんどんどん皆様が一生懸命やっていただいているわけでございますが、一番見えにくいのは最終的なゴールが何かというのがまだはっきりしていないじゃないかということであります。中川大臣もおっしゃっていますように、東アジアの連携を作っていくんだということが非常に大きなゴールだと思うんですけれども、昨年、平成十四年十月に政府が出されましたFTAの戦略を見ますと、そういうゴールがどういうものかというのがまず見えないという状況ではあります。  したがいまして、私が思いますのは、このFTAをどうアジアの安定に結び付けていくかということについて、大きなビジョン、そして戦略、それともう一つ大事なことは、やはり私自身が思いますのは、体制的なものがまだ不足しているんじゃないかと思いますので、大きく、その戦略というものとそして体制についてお話をさせていただきたいと思います。  まず一つ目にございますのが、これは是非中川大臣に初めての質問でございますのでお答えいただきたいんですが、日本の戦略というものにつきまして、EPA又はFTAのその意義と具体的な進め方、そして日本の国益にどうつなげていくかということを教えていただきたいと思います。ウイン・ウインという話がございますけれども、具体的にどんなものかということを大臣のお考えをお願いいたします。
  50. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 初めてということで、初めての御指名をいただきまして光栄に思います。  藤末委員の御指摘、藤末委員は経済あるいは国際経済の専門家ですから、お分かりになった上で答弁させていただきますが、日本は貿易立国でないと生きていけない。先ほど安全保障というお話がちらっとありましたけれども、世界じゅうが平和でないと生きていけない、まず。マラッカ海峡がおかしくなったりホルムズ海峡がおかしくなったり中東がおかしくなったりすると、もうそれだけで日本経済は大きな打撃を受けかねないと。まず、平和でなければ生きていけない。平和の中で豊かに生きていくためには、やはりいいものを作って、そして世界に売っていくということでなければ、いわゆる先進国としての経済あるいは国民の生活というものを維持できない、これは大前提だと思います。  そういう中で、しかし、我が方だけの理屈だけでは、これは貿易でも外交でも成り立っていかないわけでございます。先ほどから受け身、受け身というお話がございますけれども、確かに積極的な二国間の経済連携というものは貿易立国としては、あるいはまた他の主要国の中では出遅れたことは事実でありますけれども、しかし、メキシコにつきましても、メキシコの国の人はよく十字路戦略、十字路戦略という言葉を使いますが、メキシコというのは、南北アメリカの十字路であり、中心であり、太平洋、大西洋の真ん中にいるという意味で、縦横の十字路にいる極めて重要な国なんですと。  そのメキシコが、日本が困ったからメキシコに頼んでFTAやりましょうというだけではなくて、メキシコも是非日本とやりたいと。メキシコにとってみれば、アジアの入口としての日本とやることにメキシコも意味がある。お互いに意味があるから交渉をして、そしてその結果、譲り合うところ、痛みを分かち合うところもありますけれども、トータルとして、先ほどお話ありました、世界第十位の経済規模、貿易量のメキシコと、世界第二位の経済、貿易はひょっとしたら中国に抜かれたのかもしれませんが、二位か三位の国が太平洋を挟んで包括的な経済連携をしていくということは、極めてこれは意味のあることだというふうに考えております。  そういう意味で、今は、今度は東アジア、我々のお隣さんの国々とやっていくことが日本にとってもプラスになりますし、その中にはいわゆる韓国のような先進国もございますれば発展途上の国々もありますので、そういう国々とお互いにいいところ、そして痛みは分かち合い、かばい合って交渉をしていくことによって、何も数字の問題だけではなくて、相手国のいろんな進歩にも貢献できるような形での経済連携をやっていくということは、両国の発展にとって文字どおり一足す一が三にも五にも十にもなるという決意で我々はこのEPAに取り組んでいるところでございます。
  51. 藤末健三

    ○藤末健三君 どうもありがとうございます。  ただ、一つありますのは、やはりEPA、国際的なこの協調を作るということと、もう一つ大事なことは、国内的な産業構造を変化させるということと、また雇用の構造を変化させるという面があります。そういう観点からしますと、やはり将来的に、相手国とかの間で将来的にどういうふうに産業が変わっていくか、雇用が変わっていくかということを、シナリオを書いた上できちんとそれを検証しながらこのEPAを進めていくということが私は必要じゃないかと思っておりまして、衆議院なんかの質疑を見ていますと、例えば農業問題でそういうシミュレーションをやっているかという質問に、回答はできないというお答えなんですよ。  ですから、私は、できないんではなく、やはりきちんとどういう産業、まさしく産業を所管する経済産業省でございますので、産業構造がどうなるか、そしてまた日本国内の雇用構造がどうなるかということをきちんとシナリオを作り、それをまたチェックしながら進めていただきたいと思っております。  次の質問に移らさせていただきたいんですが、特に今回の、日本・シンガポールのEPAが結ばれてもう何年かたったわけでございますけれども、その検証をやっているかどうかということにつきまして、特に人の移動の面と、もう一つは金融サービスの面、特に証券取引の面につきましてお答えいただきたいと思います。それは法務省さんと金融庁さんにお願いしたいと思います。お願いします。
  52. 三浦正晴

    ○政府参考人(三浦正晴君) 人の移動の関係につきましてお答え申し上げます。  日本とシンガポールのEPA締結前の二〇〇二年と締結後の二〇〇三年のシンガポール人に係る新規入国者数を比較いたしますと、総数では、二〇〇二年が七万四千三百人、これ約でございますが、でございますが、二〇〇三年は約七万四千五百人となっておりまして、二〇〇三年の方が前年より約二百名程度の増加ということにとどまっております。  さらに、日本とシンガポールのEPAにおきまして協定上約束をされました在留資格別について見てみますと、投資・経営及び技術につきましては若干増加している一方で、商用者に係る短期滞在及び企業内転勤につきましては合計で約八百人程度減少しているところでございます。  この理由として考えられますのは、推測でございますが、二〇〇三年におきましては米国等によるイラクに対する武力行使及びいわゆるSARSのアジア地域での流行等がございまして、これが影響しているものと考えられるところでございます。  この本協定の効果につきましては、データを更に収集いたしまして、引き続き分析を行う必要があるものと考えておるところでございます。
  53. 小手川大助

    ○政府参考人(小手川大助君) シンガポールとの間につきましては、ちょうど正にこの二〇〇二年の十一月に相前後いたしまして、十二月からアジア債券市場の育成のイニシアチブということをスタートさせまして、現在、財務大臣会合の下に六つのワーキンググループを作りまして、それで鋭意いろんな新しい提案をしてございます。  特にシンガポールは、日本とともにこの域内におきまして一番主導的な地位にございますので、いろいろ共同議長をするとか、そういう形でいろんな形の育成をやっているところでございます。
  54. 藤末健三

    ○藤末健三君 まず、人の移動につきましては、これはSARS、あとイラク戦争という理由を挙げていただいたと思うんですけれども、全体の人数は変わってないんですよ。そして、大事なことは何かと申しますと、日・シンガポールEPAに書かれた商用目的の人々の移動の容易化という意味では、ビジネスの方々は下がっているんですよね、実は。全体少し上がりながら、ビジネス分野は微減しているということについてはちょっと御説明いただけてないんでないかというふうに思います、正直申し上げて。  そしてまた、金融につきましても、ここにデータがありますけれども、証券取引におけるネットでの取引高が二〇〇二年と二〇〇三年比較すると一一%減っているという状況でございます。ただ、減ったことが悪いということを申し上げているのではなく、私が申し上げたいのは、やはりきちんと検証をして、何が問題か、そしてどうしなきゃいけないかということをやはりやっていただきたいと。取決めだけを決めて、それだけでほっておくんではなく、きちんと毎年チェックして、対策を立てていただくということを是非やっていただきたいということをまずはお願いさせていただきたいと思います。  それは、やはり何が問題かと申しますと、当初にシナリオがないことが私は問題じゃないかと思っておりまして、やはり政府全体としましてある程度のシナリオを作っていただき、それを検証して進めていくということを是非やっていただきたいと思います。  次に、申しまして、メキシコの話に戻りますと、やはり私は、そういうシナリオ分析、きちんとした将来を見据えたやっぱりEPAの進め方というのが必要だと考えております。  そこで、今回の日本・メキシコのシナリオ作りと申しますか、そういうプロセス、どういうふうにシナリオを作り、そして検証をするかということにつきまして、当然大臣、進められているとは思うんですけれども、どんなふうにお考えかということを是非教えていただければと思います。  済みません、お願いします。
  55. 北村俊昭

    ○政府参考人(北村俊昭君) 日本とメキシコのEPAの交渉に至る過程でのシナリオあるいは今後の検証というお話でございました。  先ほど来御議論ございましたように、日本とメキシコ、それぞれ経済の規模あるいは貿易、さらには日本からの投資という意味では、かなり経済の実態からくるあるいはビジネスの実態からくる問題点というのが明らかになってきたと。そういう中で、特にNAFTA、あるいはメキシコのEUとのFTAの締結等々に伴って日本の産業に対する不利な状況があらわになってきたということから、北米あるいは中米、さらには南米と、そういった地域との日本の経済環境を考えた場合に、まずは優先的に日本とメキシコのそういった不利な状況を是正し、さらに日本がそういった地域全体で日本の経済活動を発展していくためには、やはりこういったしっかりとした枠組みは必要なんだという意味で、私どもとして、メキシコを北米、中米、南米における経済連携の強化の第一号として私どもとしても結んでいったと。そういったのがプライオリティーといいましょうか、シナリオだと思います。  検証につきましては、正に今回御議論をいただいておりますので、正式に発足をしてからきちっと具体的な評価をしてまいりたいと思いますけれども、特に申し上げたいのは、この協定の中でビジネス環境委員会、事業環境委員会、日墨の共同で委員会を作って、そこにそれぞれの、日本側、メキシコ側のビジネスの代表の方が入って、どういう成果が上がっているのか、あるいは逆にどういった点がまだ足りないのかと、そういったことを含めて十分具体的な議論を闘わせて、より良い協定の運用に取り組んでいこうというふうに考えております。
  56. 藤末健三

    ○藤末健三君 私がお願いしたいのは、やはり産業構造とか雇用がどのように変わっていくかというシナリオをやっぱり経済産業省が率先して作っていただきたいと思います。  具体的に調べてみますと、日本経済研究センターやあと経済産業研究所などが、どのように産業構造が変わるか、そして雇用が変わるかという研究はされているんですよ。ただ、それはあくまでも学術的な研究で、やはり政府の政策に反映されていないという状況ですので、是非ともそういうシナリオをきちんと作っていただきたい。  そしてまた、なぜシナリオを求めるかと申しますと、外務省がやった調査によりますと、今、国民の八割がEPA関心ないというふうに言っているんですよ。なぜ関心がないかといいますと、やはり何やるか分からない、自分たちの生活にどう響くか分からないと。私にとってはすごく大事な協定だと思うんですけれども、日本の産業構造、雇用構造を変えるという協定だと思うんですが、将来像を示せないがゆえに国民の関心が低いという状況にありますので、是非とも経済産業省に、やっぱり業種を横断した産業政策をなされる経済産業省にやっていただきたいというお願いを申し上げたいと思います。  それを踏まえまして、今後、農業も含めました産業構造、雇用構造をどのように作っていくかということにつきまして、大臣、中川大臣に是非御質問を申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
  57. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 先ほど、まずシンガポールでスタートして農業でメキシコが入ってというお話でありましたが、あえてフィリピン、タイということになりますと、今度は人の問題ということが新しく入ってくるわけでありまして、今八割の方がFTA、EPAに関心がないということでありますけれども、人の問題になってくると大分一般の普通の人々にも介護とか医療とかで、あるいはタイで向こう側が主張されているタイ式コックさんとかいろんな話が出てきますけれども、より身近なものになっていくんだろうというふうに私は期待をしております。  産業構造につきましては、もちろん守るべき産業、そしてまたもちろん雇用全体、経済全体を維持していくということは言うまでもないことでございますけれども、やはり日本にとって痛みを伴うといいましょうか弱い部分というのは経済産業省の中にもセクターとしてあるわけでありますが、これを何としても大事な産業だから守っていかなければいけない。そのためにはやっぱり、どういう結果になるかにもよりますけれども、厳しい状況に仮になるとするならば、それに負けないだけのいわゆる産業の高度化ということを産業政策としてやっていかなければならないというふうに考えております。これは、多分農業についても同じことが言えるんだろうと思います。  あくまでも産業をどういうふうに転換させていくかということは、先生も専門でありますけれども、こうしたいと思うことと実際実態がどうなっていくかということはある意味では違うことも間々ありますけれども、あるべき姿、あるいはまたあってはならないことに対してあってはならないようにしていくために、産業政策として高度化なり、あるいはまた対策を取るなりしてやっていくということは、特にお互い意志を持ってEPAを締結しましょうということが前提である以上は、その辺の配慮というものは重要になってくるというふうに考えております。
  58. 藤末健三

    ○藤末健三君 どうも大臣、ありがとうございます。  次に、ちょっと話を変えまして、やはり冒頭で申し上げましたように、東アジアの経済の連携をどうするかという話にちょっと移らさせていただきたいと思います。  私が今思いますのは、やはり将来の東アジアのビジョン、どうあるべきかということを作らなきゃいけないということがございまして、単にEPAを締結するだけではなく、やはりODA、先ほどお話にありました金融の話、そして留学生の受入れや、あと環境やエネルギーの問題、そういうものを包括的にどうやっていくか、アジアとしてどうやっていくかということをやはり視野に入れたものを作っていかなきゃいけないというふうに考えます。  そこで、ちょっと大きな話になりますけれども、やはりASEAN、マルチを含めまして、東アジアでどのような統合ということを前提にして日本は役割を持っていくかということについて是非お聞きしたいと思います。  例えば、韓国ですと、日本が開発の中心であり、そして中国が製造する、そして物流は韓国がやりますよということを位置付けをされていましたり、あとシンガポールでしたら、我々はアジアのハブになるんだよということを言っておりますが、そういう意味で日本の位置付けというのはどういうふうにお考えかということを是非お願いいたします。
  59. 保坂三蔵

    副大臣(保坂三蔵君) 先ほどから委員と大臣の議論を聞いておりまして大変勉強になりましたが、帰するところ、日本の場合は、日本の生命線でありますところのアジアはしっかり確保しなくちゃいけない、こういう立脚点でございます。EPAをそれぞれの各国とやっていきながら、最終的に東アジア経済圏、こういう形で統一ルールを決めていくとか、あるいは先ほどから議論がありますように、ウイン・ウインといいましても、相手は発展途上国でございますから、当然、互恵互譲とはいいながらも、日本の配慮がなくてはならない、こういうこともございます。  それから、二番目には、国際戦略上の立場がございます。そして、今申し上げたような相手国や相手地域の状況というのがございますから、そういうものをおしなべて包括的にまとめていきながら、既にNAFTAやあるいはEUでグループ化しておりますところのEPA、FTA、これらの動きよりも少しく高水準のEPAにしていく、そういう私たちは責任があるんではないだろうか、このように思っておるところでございます。  なお、投資面では既に日中韓で研究会も開いております。それから、EPAに関しましても、インドとは既にワークショップを持っておりまして研究中でございまして、次なる展望、視野も持ちながら、現在進行中でございます。
  60. 藤末健三

    ○藤末健三君 どうもありがとうございます。  それで、東アジアの地域的な経済の連携という意味では、もう有り難いと思うんですけれども、私がやっぱり思いますのは、日本がその中でどのような位置付けをするかということが重要じゃないかと思います。  例えば、先ほど申し上げましたシンガポールですと、中国とインドに挟まれている、そしてASEANの中にあるということで、やはりアジアのハブになっていこうということをおっしゃっています。その中で何が大事かと申しますと、例えば物流のハブであるということを決め、例えば空港を整備し、空港もどんどん拡充していますし、二十四時間は当たり前、あと港を整備する。あと教育のハブという話もありまして、シンガポールは、外国の大学十校を誘致しているんですよ、海外から。そして、今五万人の外国人の学生が学んでいるというようなこと。あと、金融のハブとしまして、シンガポールの証券取引所にもうインドの企業をどんどん上場させているとか、あと、会計士とか監査事務所を税制優遇で外国から呼んでいると。いろんな制度をやってやはりハブとしての機能を作ろうとしていると。  そのような、やはり日本がどういう位置付けでやるかということはやっぱりはっきりしていく必要があるんじゃないかと思います。  それとまた、大事なことは何かと申しますと、やはり日本がこのアジアにおいて、先ほども小林議員からも議論がありましたけれども、自分たちの制度、自分たちに有利な制度をやはりきちんと普及させていくということが重要じゃないかと。  先ほども議論ありましたけれども、アメリカの方では、例えばホワイトハウスが国家安全保障戦略というものを作りまして、その中に明確に、自国の法律をきちんと普及させることによってアメリカの安全保障を実現しようじゃないかということが書いてございます。具体的には、今、中東の自由貿易地域構想といったものがなされていまして、アメリカの教育省が向こうに行ってセミナーをやったり、またマスコミに対する訓練、マスコミのやり方の訓練とか、いろんなことをやっていると。そういうやっぱり包括的な考え方がこれからどんどん重要になってくるんではないかと思います。  そのためにも、やはり日本が、今まで議論あったとは思うんですけれども、省庁横断的な総合力を持って、やはり、くどいですけれども、シナリオ分析とか戦略というものを作っていかなきゃならないんではないかと思います。  私は、やはりこの経済産業省には期待するものが非常に大きく、やはり業種横断的に産業政策を作るという役割を持った役所でございますので、例えば先ほど申し上げましたように、ODAの話、あと金融の話、教育の話、あと環境、エネルギーとか、いろんな分野にわたるとは思うんですけれども、是非とも所管にとらわれずリードをしていただきたい、分析をしてきちんとリードをしていきたいと思っております。  そのためにはやはりいろいろな制度が必要でございますが、やはり是非お願いしたいのは、ビジョンを作る、将来どうなるかということを作り、それを検証するだけでなく、もう一つ大事なことは、やはり入管制度とか、先ほど申し上げましたように、インフラをどう整えるかといった国内の政策をそういうEPAに合わせてきちんと作っていくこと。条約を締結したからそれで終わりというんじゃなく、やはりきちんとレビューをし、またもう一つ大事なことは、入管制度を変えていく態度、体制を整えるとかいったようなことを是非ともやっていかなきゃいけない。これは政治のイニシアチブでやんなきゃいけないとは思うんですが、やっていかなければいけないと思っております。  そこで、ちょっと質問でございますけれども、今の交渉だけでも調整だけでもない、やはり先ほど申しましたように、各省庁がもうある程度一致してやってはいただいているとは思うんですけれども、やはり統一的なその見通し、シナリオとか戦略を行うためのやっぱり司令塔が必要じゃないかと思います。やはり各省庁の方々がいろいろやっていただくのは正しいとこもあるとは思うんですよ、調整する意味で。ただ、今の状況を見ていますと、やはり調整が非常に先頭に来て次に他国との交渉という順番になっているんではないかと思っていまして、是非とも司令塔的な役割をどうするかということについて大臣の見解を伺えればと思います。お願いします。
  61. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 政府間の交渉ですから、司令塔はあくまでも内閣総理大臣であって、その下で、日本の場合には関係各大臣がいて、そしてずっと事務的なスキームになっていることは言うまでもないことでございますが、逆に実際の交渉というのは、先ほど申し上げましたこのメキシコとか、今四か国やっておりますのにつきまして言いますと、まず産学官で実際の経済の第一線にいらっしゃる方々同士が率直にここが欲しいとお互いに言い合ったり、ここは駄目とお互いに言い合ったりということを数か月から一年ぐらい掛けてくると、おのずから問題点というものが、あるいはまたメリットというものが出てくるわけでございます。  我々は、こういう自由主義経済ですから、日本の経済界、これはもちろん農業とかサービスとか金融も含めてですけれども、のおやりになりたいことをバックアップするということですから、こうしろああしろということではなくて、おやりになりたいことについてできるだけ交渉でいい成果を上げたいというのが我々の使命でございまして、それを積み上げていって、政府間交渉、正式の交渉になったときにはまたこれは積み上げてずっとやっていくということでございます。  それから、先ほど大変重要な御指摘があったと思いますけれども、終わった後の検証をどうするのかということも非常に大事でございまして、経済産業省としては、これは内部の検討会みたいのを一度やったことがございまして、メキシコについてはどうだったんだろうかというようなことをやりましたし、また、各省おやりになっていると思います。  これも総合的に、今後総合的な、今回のFTA、メキシコとのEPAの交渉結果、それから今後のフォローアップというものを政府全体としてやっていくことが必要でありますし、それが次の交渉にも役立ってまいりますし、そういう蓄積が正に、日本が貿易立国としてFTA・EPA先進国、大国と言われるような国を目指すべきだと私は思っておりますけれども、そのための貴重な財産になっていくというふうに思いますので、きちっとした司令塔の下できちっと産学官、あるいはまた各省、そして国会の御審議、御指導、そして国民的な御理解というものと相手方への配慮というものを総合的に判断しながら交渉を実りあるものにしていきたいと思っております。
  62. 藤末健三

    ○藤末健三君 先ほど大臣からのいろんな要望を積み上げてなさっているという言葉もお聞きしたんですけれども、私はやっぱり、積み上げも非常に重要だと思うんですけれども、もう一つ大事なことは、やはりある程度想定される産業構造、雇用構造に引っ張っていくという発想も必要だと思うんですよ。アジアとの間でどういうふうに分業が行われ、そしてどのような雇用構造になっていくかということを想定した上でいかなければ、やっぱり小さい範囲での、やっぱり最適化というのは多分、合成の誤謬という言葉あるじゃないですか、全体としては最適じゃないという話がございますので、是非ともきちんとした分析がやっぱりやれる、やるべきじゃないかと思います。  今まで衆議院とかも見ていますと、USTRという議論がございまして、アメリカの通商代表部が非常に仕切っているからまねするべきじゃないかという話で、それに対しまして、閣僚会議をやっているんでいいんじゃないかということを回答をいただいております。  ただ、やっぱりUSTRを見ますと、人数の問題もございますけれど、一番大きいのは、USTRの下に九十の部会があるんですよ。それぞれの部会においていろいろ、農業問題がどのように将来的に展望されるかというシナリオを書いたり、やっている部会がございまして、やはりきちんとしたそういう分析をする部隊がやっぱり要るんではないかと思っております。  で、私は、やはりこの経済産業省が業種横断的な産業政策のとりでだとしてあると思いますので、是非とも、今若干、一つの課で八十人体制でなされているじゃないですか、経済連携課で。やっぱり人数的にも僕はちょっと人少ないと思いますし、一つの課でできる問題じゃないような気がしますし、またもう一つございますのは、やはり私も昔役人やっていましたので申し上げますと、二年で大体人が替わっていくという体制で、果たして今後の長期的な視野にわたるこのEPA、ひいては東アジアの経済連携ということに対応できるかどうかということを是非とも考えていただきたいと思います。  それと、内部の体制を整えるとともに、また一つお願いしたいのは、やはり外部、大学とか研究機関が今一生懸命シミュレーションなどをやっておりますので、やはり内部で検討して公表できませんというものじゃなく、きちんと分析した上で公表していただき、そしてやはり国民の皆様にEPAがどれだけのインパクトがあるかということを知っていただくことが重要だと思いますので、是非ともそれをなさっていただければ有り難いなと思っております。  最後になりますけれど、質問としまして、是非ともこれを踏まえまして、このEPA、東アジアの地域経済連携などを目指したEPAなどを進める国内体制につきまして大臣がどう思われるかということをお聞かせいただければと思います。お願いします。
  63. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) あるべき産業構造というお話については、先ほど申し上げましたように、現実とあるべき姿、当為と存在みたいなものがあって、あるべきものに近づけていきたい。そのために、経済産業省としても今年の五月に新産業創造戦略というものを出しまして、これから日本が世界の中で先端、ナンバーワンにやっていける産業群、あるいはまた地域活性化のために役立つ産業群という構想を出したわけでございますが、それを例えば東南アジアに広げていく場合には、九月にASEANに行ったときに私がASEAN諸国に提唱したんですけれども、ICタグをみんなで共通で研究をしていきましょうということを提言をいたしまして、これは日本が持っている技術や商品を押し付けるんじゃなくて、日本も研究中だけれども一緒に研究しましょうよと。あるいは、コンテンツについてもこれから一緒に情報交換やったりシンポジウムやったりしましょうよということで、先進国と、まあ失礼ですけれども、二百ドル、三百ドルのASEANの国々もあるわけでございますけれども、みんなでやれるところは一緒に進んでいきましょうと、我々もこれからですと、一緒にスタートしていきましょうということが、まあ手前みそかもしれませんけれども、相手には非常に評価されたというふうにも思っております。  そういう中で、今後そういうものが積み重なっていって、何といっても最も日本に一番近い、しかも経済的にも無視できないのは中国であり韓国でございますから、韓国とは今やっておりますけれども、中国についてもこれは全く、無視どころか、大変大きな、経済的な、エネルギッシュな国でございます。  ただ、先ほどちょっと申し上げましたように、WTOに入ったばっかしということで、まだまだWTO実行のプロセスのまだ過程にあると、その先に行っていない。したがって、市場ルールでありますとか知的財産権の問題でありますとか、その辺を整備していただいて、その上でより包括的な関係強化と。そして、それが日中韓でありASEANでありというふうに、点と点とがつながって面になっていくということが、一歩一歩着実に成果を上げていくということが最終的な東アジア全体の中での、先ほど申し上げた後発のASEAN諸国も含めて前進できるために日本が貢献できる目的達成のための戦略ではないかというふうに考えております。
  64. 藤末健三

    ○藤末健三君 どうもありがとうございます。  最後にちょっと、質問する時間がありませんので、最後に自分のこの意見を申し上げますと──八分ぐらいありますかね、済みません、もう質問やります、やっぱり。  私がちょっと申し上げたいことを総括しますと、先ほど大臣から、中国、WTOに入ったばかりでこれからの出方を見るということをおっしゃっていただいていますが、ただ一方で、アメリカとかヨーロッパを見ますと、今、知的財産権の制度をどうするかという交渉を始めているわけですよね。ですから、やはり我々日本として、中国にとってやっぱり大事なことは何かと申しますと、制度をどう、我々日本の国にとっていい制度を中国に使ってもらうということは非常に重要だと思うんですよ。  そういう意味で、これちょっと本当に失礼なことかもしれませんが、私は日本は少し出遅れているんではないかなという気がしております。なぜ出遅れるかと申しますと、やはり私思いますのは、相手の出方を見てこうやっていこうということが今の戦略なんですよ、実は。外務省さん、皆様が、政府が作られた戦略でございまして、やはり戦略というのは最終的な東アジアの経済圏がどうなっているかと。その中で日本はどういう位置付けにあり、日本の国富にとって何が必要かということをやはり決めた上で、そこに行き着くための道筋をやっぱり作らなきゃいけないと思うんですよ。それが一つございます。  そして、もう一つ大事なことは、ゴールを決めて道を決めることと、もう一つは、きちんと、結んだEPAなんかを検証していくシナリオを作り、どういう影響があり、そして何があるか。  私はやはり経済産業省に期待しますのは、経済産業省は、一九六四年に外資法というものを撤退され、その前の年に外為法というものがなくなったんですよ。それは何かと申しますと、諸外国のプレッシャーにより日本は資本を開放しなきゃいけないし、あと、為替管理ができなくなると。その中で、例えばもう十年後に外資が入ってくる、IBMが入ってくる、GMが入ってくるということで、一生懸命半導体の研究開発組合を作ったり、いろんな努力をされたわけですよね。もう一度、やはりそういう意味できちんとしたシナリオを作り、何年までに何をする、したがって、国内政策はこうあるべきだということをやはり経済産業省が言っていただきたい、僕は、と思います。それを、シナリオを是非作っていただきたい。  それが三点目なんですけれども、シナリオを作るといってもやはり、それも経済産業省に与えられた範囲だけでなく、やはり業種横断的な産業政策をなさる経済産業省として、やはり僕は農業も医業も産業だと思うんですよ、はっきり言って。農業は農業という問題じゃなく、やはり農業という産業ですし、医業という産業、福祉という産業、そういう産業としてとらえた上で総合的な産業政策というものをやっぱり考えていただきたいと思います。  そのためには、実際に政策をやるときには、例えばODAとか、あと教育の問題、規制をどうするかとか、あと航空を、飛行場をどうするかとか、いろいろ落ちるとは思うんですけれども、やはり考えるところまでは経済産業省に音頭を取っていただきたいと思いますし、また、最後のお願いは、やはり今、一つの課八十人体制でなされておられまして、そしてまた二年で人が替わってくるという体制でございますが、少なくとも、諸外国を見ていますと、私が昔、国際会議なんかに出たときに感じましたのは、みんなドクター持っているんですよね。外国の方と、アメリカと、USTRと交渉しますと、向こうのその、例えば商務省の人とかUSTRの方はドクター持ち、博士号を持っているんですよ。この道もう十年という人が出てきて議論するんですけれども、やはりなかなか勝ちにくいというところはございますので、そういう意味で、具体的にこのEPAなどを戦略的に進めるという意味で、その人事体制なども是非とも考慮して強化していただきたいと思います。(「大臣、答弁」と呼ぶ者あり)いいですか。じゃ、大臣、是非お答えいただきます。
  65. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 大変、先ほどから拝聴しておりますと、経済産業省頑張れということでございまして、ただ、そのまま喜んでいるだけじゃなくて、緊張感を持って産業政策の今後についても取り組んでいきたいというふうに思っております。  ただ、先ほど新産業創造戦略という形で、これは提案型の戦略提示でございまして、まあ二十年代、三十年代のように、こうあるべきだと、こうすべしというものでもないのかなと。時代が少しずつ変化している中で、柔軟に、かつ先見性を持ってやっていかなければならないというふうに思っております。  それから、各省との関係においては、それぞれ重要なお仕事をやっておるわけでございますから、連携を取りながらやっていかなければなりませんし、また各省の日ごろからの、例えば人事面での交流でありますとか、同じ問題については常によく連絡を取っていくとかいうことをやりながら、まあ私はよく言うんですけれども、そんなことに気を遣ってつまらないエネルギーを消耗するよりも、もっと前に向かってお互いに力を合わせていけばいいじゃないのかと。  USTRにつきましても、御指摘のように、この道何年とか、ドクターとかアンバサダーとかいう方々一杯いらっしゃる中で、我々としても優秀な人材を持っておりますんで、それを最大限活用して対抗できるように頑張っていきたいと思いますんで、引き続きよろしくお願いいたします。
  66. 佐藤昭郎

    ○委員長(佐藤昭郎君) 時間が押しておりますので、どうぞ。
  67. 藤末健三

    ○藤末健三君 最後に、中川大臣には是非とも、昔、野武士集団と言われましたこの経済産業省の皆様を率いまして、やっぱり所管とかにとらわれず、他省庁をリードして、是非ともこの東アジアの経済連携を進めていただきたいと思いますし、それがこの国の平和、そして繁栄につながると思いますので、是非とも頑張っていただきたいと思います。  以上です。ありがとうございました。
  68. 佐藤昭郎

    ○委員長(佐藤昭郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時八分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  69. 佐藤昭郎

    ○委員長(佐藤昭郎君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  70. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  午前中に引き続きまして、この日・メキシコ経済連携協定について質問したいと思いますが、また、本日は法案審議でもございますので、一部条文に則した質問をしたいと思っております。  その前に、この法律の意義について最初にお伺いしたいと思っております。  私は、今回のこの原産地証明手続に関する法律は、単なる手続法ではなくて、非常に意味のある、戦略性のある法律であると、そう思っておりますし、またそう運用していかなければならないと思っております。  といいますのは、原産地証明という手続でございますけれども、必ずしも世界で一種類の手法ではございませんで、アメリカとかヨーロッパとかアジアの国々でそれぞれ違ったスタイルで運営がなされております。例えば、自己申告制といいまして、輸出業者が自分でこれを申告して輸入国政府が一々チェックをすると。そういう自己申告型の制度の原産地証明制度を取っている国もございますし、また、輸出国がちゃんと責任を持ってチェックをする、また輸出国の指定機関がチェックをするという輸出国型という場合もあります。さらに、その両方を組み合わせたような、輸出国でチェックをしながらも、併せて疑義があれば輸入国の人もやってくると、こういろんなタイプが世界であるわけでありますけれども、今回は日・メキシコ協定の中でその一つを選ばれて、そしてこの法律にされたということは、一つの大きな戦略に踏み出したのかなとも思っております。  そして、最初にお聞きしたいのは、そういう意味で、今現状で既に二百幾つかのFTAが世界で結ばれておりますけれども、ヨーロッパとかアメリカとかアジアの中でどういうスタイルの原産地証明の制度が主流となってきているのかについてお答えいただきたいと思います。
  71. 中嶋誠

    ○政府参考人(中嶋誠君) お答え申し上げます。  今、委員御指摘ございましたように、世界の経済連携協定におきましては、原産地証明書の発給の方法について大きく言うと三つぐらいのタイプがございます。一つは、北米自由貿易協定、いわゆるNAFTAでございますけれども、ここでは輸出者自らが原産品であることを輸入国の政府に対して証明をする自己証明制度でございます。二番目の類型は、欧州連合、いわゆるEUでございまして、これは、輸出国の政府やあるいは輸出国の商工会議所が原産品であることを証明する第三者証明制度とそれからこの自己証明制度が併存しているタイプでございます。それから三番目のタイプは、ASEAN自由貿易圏、いわゆるAFTAでございますけれども、ここでは輸出国政府が原産品であることを証明する第三者証明制度でございます。  このように、三つぐらいのタイプがございますけれども、日本とメキシコの経済連携協定におきましては、第三十九条で、この特恵原産地証明書の発給につきましては、輸出締約国政府の権限ある当局又はその当該当局の指定する団体と規定しておりまして、先ほどの三つのタイプからいいますと、三番目の第三者証明制度の類型に該当いたします。これに基づきまして、具体的には、メキシコ側は政府の経済省が発給を予定しておりまして、日本側におきましては、国内で既に原産地証明書の発給について十分な知見と実績を有しております商工会議所が存在しておりますので、この商工会議所を活用した第三者証明制度を予定しております。
  72. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ただいま世界では三つぐらいのタイプがありまして、特にアジアではこの第三者証明型という形で実施されているという話もございましたが、私は経済産業省時代に基準認証とか相互承認も担当させていただきまして、あくまで輸入国がすべてを担当するというのは限界があるんだろうと。やっぱり輸出国自身がしっかりチェックをして、その結果を輸入国が受け入れていくというのが、今後、世界の貿易を活性化していく上で相互承認時代の一つのインフラとなるのかなと。また、今回、日墨協定で選ばれたスタイルがAFTA、つまりASEANのスタイルにのっとっているということは非常に意味があるんだと思っております。  そういう意味では、今後、二国間でも、韓国、タイ、フィリピン、マレーシアと、こういう国々とのFTAを日本としても進めていくわけですが、今後はそれらの国々との原産地証明のスタイルをどうするかという議論になっていくわけですけれども、その見通しについて次にお伺いしたいと思います。
  73. 保坂三蔵

    副大臣(保坂三蔵君) ただいま中嶋局長から御答弁申し上げましたように、経済協力協定交渉中でございまして、向後原産地証明書をどういう形で出すかということにつきましては、大変恐縮でございますが、コメントを差し控えたいと存じております。  済みません、申し遅れましたが、いずれにいたしましても、日本の産業の、あるいはまた企業の要望を十二分にしんしゃくしてやっていくということが原則でございますので、よろしくお願い申し上げます。
  74. 浜田昌良

    浜田昌良君 確かに二国間のFTAは、相手国の意向もありますし、一概に決めて、交渉事ですから、できないことだと思っておりますけれども、やはりこれからの東アジアのFTAは重要だという御質疑が午前中も行われました。そういう意味では、このアジア東アジアインフラとして一つの基準・認証制度である原産地証明の仕方を統一していくという観点もしっかり持っていただいて、是非これらの国々との交渉に当たっていただきたいと思っております。  次に、日・メキシコFTAの全体についてまず質問に移りたいと思うんですが、今回の二国間協定によりまして、全体としては追加的な輸出可能性が四千億円、雇用効果が三万二千人という経済省の推計もありますが、輸出拡大で恩恵を受ける業種、地域と、輸入拡大で逆に疲弊するそういう業種、地域は異なるわけです。まあそれが異なるから反対というわけではありませんが、疲弊をしたり影響を受けるその地域経済をほかの政策でいかに補完するかと、これが重要と考えております。そういう地域対策などの取組があって初めて我が国の国民全体がFTA、EPAというものを受け入れていこうと、こういう考えになるんだと思っております。  そういう意味で、牛肉、豚肉、オレンジといった農産品を含め、輸入拡大によって影響を受ける地域を支援し得る地域経済対策は十分なのでしょうか。現在ですら、好調な中部、九州、東北地方に対し、北海道、四国では景気回復が遅れているという地域のばらつきが大きくなっております。今後、FTAによる輸入急増などに対して地元の産業の高度化に取り組もうとする地域には十分配慮していただきたいと思っておりますが、経済産業省の地域経済対策において、ばらつきのある地域経済をどのような対策で底上げしようとされているのかについてお伺いしたいと思います。
  75. 薦田康久

    ○政府参考人(薦田康久君) お答えいたします。  今、先生から御指摘ございましたように、この経済連携協定というものは原則としてすべての関税を撤廃するんでございまして、海外に部品、製品等を輸出しております地域の中小企業等へのメリットは大きいものと考えております。  他方、今、先生から御指摘ございましたように、一方でセンシティブな分野を含んでいるということも事実でございまして、まずはこのような分野に関しましては、国内の生産基盤を含めまして、この自由化が国民経済に与える影響を慎重に見極めつつ国全体としての視点から判断をしていきたいと、かように考えているところでございます。  いずれにしましても、経済産業省といたしましては、この経済連携協定の影響のいかんにかかわらず、先ほど先生から御指摘ございましたように、景気の回復に遅れが見られる地域、これたくさんございます。大分最近良くなってまいりましたけれども、まだら模様ということはおっしゃるとおりでございまして、現在この地域経済の活性化を図りまして我が国経済の活性化全体を実現していくということが極めて重要であると考えているところでございます。  このため、地域の経済とそれから雇用の担い手でございます、まず中小企業の活性化のためのいろいろなセーフティーネットを始め、諸施策を今講じているところでございます。また、若年層のための雇用促進政策、ジョブカフェといったようなこともございます。また、特にこれからの新しいベンチャーであるとか、それから雇用を創出するものを作っていくということで、現在産業クラスター形成というものを強力に推進しているところでございまして、今後ともこの日本の動きをウオッチしつつ、この地域経済の活性化に全力で取り組んでまいりたいと、かように考えているところでございます。
  76. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ただいま地域経済対策について、種々のメニューがお話ございましたが、是非今後、こういうFTAを含め、影響を受ける地域には重点的に手厚い対策をお願いしたいと思っております。  今回のメキシコとのFTAで我が国の輸入拡大が予想されるものとしては、第一に豚肉やオレンジなどの農産品が挙げられておりますが、私は革製品などの工業品も輸入拡大されるんじゃないかと考えております。現在、メキシコから輸入されている鉱工業品のうち、今回の協定で関税が引き下げられる主な具体例とその輸入拡大の見通し、さらには国内産業への影響について、特に鉱工業品に絞ってお答えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  77. 北村俊昭

    ○政府参考人(北村俊昭君) お答えいたします。  鉱工業品の分野で、例えば貿易額の多い品目で関税を撤廃をするという品目の例を挙げてみますと、化学品あるいは繊維製品等でございます。ただ実際問題、現在メキシコは既にいわゆる特恵税率の適用国であります。そういう意味では、これらの製品についても既に比較的低い関税でメキシコからの輸入が行われているということでございますので、そういった意味では、この協定そのものによって関税が撤廃をされたことが直ちに今申し上げた産業に甚大な影響を与えるということはないものというふうに考えております。  もちろん交渉の過程におきましても、そういった日本の産業の実態、そういったことにも十分考慮して交渉を行ってきたわけでございますし、あるいは、したがいまして、関税撤廃に至る経過期間、これをどのように置くかといったことにおいても、国内産業への影響を回避をするという観点から設けておりますし、まあ万々が一こういった関税の引下げ、撤廃により輸入が急増すると当該産業に大変な悪影響が起こるといった場合には、この二国間でセーフガード措置が講じることができると、そういった言わば措置も用意をしているところでございます。  そういった意味では、私どもとしては今先生が御指摘の問題についても十分配慮をして協定をまとめさせていただいたところでございます。
  78. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ただいま御答弁いただきまして、それほど急激な影響というのは今の時点では予見されないんじゃないかと、大丈夫じゃないかという御答弁もございましたし、また、いざというときにはセーフガードというものも適用できるということでございますので、引き続き動向をウオッチしていただいて、適宜適切に、また機動的に対応をお願いしたいと思っております。  次に、細かくなりますが、法案審議でありますので、法律案に則した原産地証明手続についてお伺いしたいと思います。  今回、ある分野の輸入拡大という痛みを伴いつつも、メキシコとのFTAを締結したわけでありますから、恩恵を受ける輸出品は我が国が原産地であると、そういうことを厳正にチェックし、国内の雇用の拡大につながるよう、原産地証明手続を適切に適用していただきたいと考えております。  そこで、メキシコ向け原産地証明の申請は、第三条一項に基づき申請されることになっておりますが、現時点での予想では年間何件ぐらいの申請が、またどのような品目を中心に行われると見込まれているかについてお伺いしたいと思います。
  79. 中嶋誠

    ○政府参考人(中嶋誠君) メキシコ向けの輸出の現状でございますけれども、件数で申しますと、メキシコの税関の調べによりますと、日本から二〇〇三年で年間約五万件程度でございます。このメキシコ向け輸出につきまして、金額ベースで見ますと八四%が有税、関税が掛かっております。  それから、メキシコの税関でこの有税である品目のうち九四・二%、これは品目ベースでございますけれども、これがその今回の特恵対象品目に該当すると思われることから、結論として、この年間約五万件のうちの相当部分がこの協定に基づきまして特恵対象の貨物になると見込まれます。大体年間数万件のオーダーということでございます。
  80. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ただいま五万件……
  81. 中嶋誠

    ○政府参考人(中嶋誠君) ちょっと……
  82. 佐藤昭郎

    ○委員長(佐藤昭郎君) もう一回。
  83. 中嶋誠

    ○政府参考人(中嶋誠君) 失礼申し上げました。  具体的な品目についてのお尋ねがございました。答弁漏れで申し訳ございません。  対象品目といたしましては、主な輸出品目は、自動車、それからその部分品、それから鉄鋼、それから半導体等の電子部品、その他機械類が大宗でございます。
  84. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 品目につきましても御答弁いただきまして、ありがとうございます。  今こういった、自動車とか電子部品とかそういった分野で年間五万件ほどの申請があるという話でございましたが、実は現在でも年間約五十万件の原産地証明の発給を全国の商工会議所が行っているから多分審査体制は大丈夫だろうと、そういう見方もございます。  しかし、私はそうは思っておりません。現在、商工会議所が行っております原産地証明の発給業務は、九九・九%がいわゆる非特恵のもの、つまり日本産であるからといって特別の恩恵は受けないというものでございます。逆に言えば、虚偽の申請をしても、虚偽の申請それ自体をそれほど予定していないという、そういうものでございます。今回の法律の場合は、平均一六%の関税がゼロとなるかならないかの証明が原産地証明であるわけであります。しかも、東アジアで日本が初めてのFTA締結国と、こう聞いております。ある予想では、近隣国産の虚偽の原産地証明が数多く申請されるのじゃないかとの見方もあります。  そこで、このような虚偽の原産地証明をしっかり摘発する対策が重要と考えているわけですが、現時点ではどのような品目について、どのような国からの迂回輸出が懸念されるのかについてお教えいただきたいと思います。
  85. 中嶋誠

    ○政府参考人(中嶋誠君) 現時点で、あらかじめ特定の国からの迂回輸出とかいうことが想定しているわけではございませんけれども、いずれにいたしましても、委員が御指摘ございましたように、これからこの特定原産地証明の虚偽申請などがないようにということを厳重にチェックすることが必要だと思っております。  具体的に申しますと、原産地証明書の発給の審査に当たっては、日本の場合には商工会議所の中の専門的知識を持った職員が申請内容を審査することとしておりますが、実際に原産地証明書の発給申請時に提出されましたその商業インボイスでございますとか、あるいは輸出入申告書などのこの添付書類に基づいて、申請の内容とそれから協定で規定されております原産地規則とを照合いたしまして原産性の判断を行うわけでございます。その場合、必要な場合にはこの申請者にその追加の資料、例えばそのコスト明細でございますとか、あるいはその製造の工程表でございますとか、あるいは部品などの製造証明書あるいはその船荷証券、そういったようなものを提出させることとなります。  さらに、仮にその虚偽の、あるいは不正と疑われるような申請がなされました場合には、例えばその申請者が輸出業者である場合にはその申請者以外の実際に作った製造業者への照会を行うとか、あるいは、当然ながら実際の物品の現物の確認をするとかいったようなことを想定しております。それからさらに、商工会議所間同士の情報の共有、これは現在でもある程度行っておるわけでございますけれども、仮にその虚偽又は不正を行った申請者に関しましては、商工会議所のイントラネットを通じまして商工会議所間で情報を共有することとしておりまして、仮にそのような者から申請があった場合には、審査をより厳しくするといったようなことも工夫したいと思っております。
  86. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 せっかくのFTAでございます。虚偽の原産地証明に対しては厳しく対応すべきだと思っております。  しかし、法案によりますと、虚偽申請や原産地の虚偽標章、つまりマークですけれども、の罰則は五十万円となっております。国の代わりに原産地を審査する指定発給機関、先ほどのお話だと日本商工会議所のようですが、そこが秘密漏えいした場合には懲役一年以下という重罰になっているのに対して、若干軽いんじゃないかと私は思うわけであります。虚偽申請に対する抑止力を持つため、また累犯を防ぐためにも一定の重さが必要と考えますが、いかがでしょうか。  またあわせて、このような罰則自体が国外犯に及ばないと思いますが、日本に事務所を持たない海外の法人、個人が日本国産として虚偽の原産地証明を行った場合にはどのように対応するのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
  87. 中嶋誠

    政府参考人(中嶋誠君) 御質問の中で、まず罰金の額についてのお尋ねがございました。これは、同様のこういった規制を持ちます他法令を踏まえて決められたものでございますけれども、こういった罰則、いわゆる罰金に加えまして、本法案では、この原産地証明書の真正さを担保するために事後的に、その偽りの原産地証明書が申請された、あるいは発給されたといった場合には、発給の取消しといった措置を置いてございます。これに基づきまして、更にそれを返納命令を掛けると、あるいはそれに従わない場合には更にその罰則を掛けるといったような段取りになります。全体として原産地証明書の適正な発給を担保することとしております。  それから、その次にお尋ねございました、海外法人が虚偽の我が国発行の原産地証明書をメキシコ税関に提出した場合ということなんですが、これは通常、それにかかわる輸入業者の方がメキシコ税関に提出するわけでございますけれども、そういう場合には、それが発覚すればこれはメキシコの国内法によりまして罰則の対象になり得るわけでございます。これはこの協定上もそういう位置付けになっております。  それからさらに、日本メキシコ経済連携協定に基づきまして、メキシコ政府から我が国政府に対しまして、ちょっといぶかしい案件があるんで情報提供の要請をするということがあり得ます。そういうことを認める規定がございます。こういう場合には、メキシコ政府から疑わしい証明書について、我が国政府として、この指定発給機関、これは個別の商工会議所からの申請に基づいて要件に合致した商工会議所を指定することを予定しているわけでございますけれども、そういう商工会議所とも連携をいたしまして、メキシコ側に迅速に情報提供を行うということでございます。  それから、更に付け加えさせていただければ、そもそもその原産地証明書の偽造自体を困難にしようということでございまして、これは現在の非特恵の場合でもある程度工夫はしているんでございますけれども、具体的には、例えば証明書を複製、コピーした場合に、特定の透かしが出るような特殊仕様の用紙を使用するとか、あるいは証明書番号を一連の、一元的に管理をしていくといったような措置を講ずるべく、これはメキシコ側と一緒になって検討しているところでございます。
  88. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ただいま、虚偽の申請対策については幾多の対策を考慮されていると、また日本とメキシコの間での情報交換システムを活用されるというお話もございましたので、是非そういう手法を活用していただいて、虚偽の原産地証明にはしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  一方、今回の法案では、虚偽の申請ではございませんが、証明書が発給された後でそれが日本製ではないと分かるという事態が想定されているようであります。第六条の「特定原産品でなかったこと等の通知」という条項でございます。このような条項の趣旨及びそれが必要となる背景について少し御説明いただきたいと思います。
  89. 中嶋誠

    ○政府参考人(中嶋誠君) 今お尋ねがございましたのは本法案の第六条だと存じます。  例えば、これは、特定原産地証明書の発給を受けた者が、後になってその物品が特定原産品でなかったことに気が付いたと。例えば輸出業者の方がメーカーからの書類をうのみにして、そのまま申請をしたんだけれども、後で何らかの事情でよくよく調べてみたらそれが誤りであったとか、事後的にそれが分かったような場合、あるいは、証明書の発給を受けるために提出した申請書の記載とか資料の内容に誤りがあったと、結果的に証明書の記載に誤りが生じたといったような場合とか、あるいは、そもそも証明書に記載された事項が事後的に後で変更されたとか、そういったことを知った場合にはその旨を経済産業大臣なりあるいは指定発給機関に通知をするということを義務付けております。  この通知を受けると、経済産業大臣は、その特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品でなかったというふうに認めますときは、当然ながらその当該証明書の発給決定を取り消すということになります。で、返納義務を掛けることといたしまして、それに従わない場合には罰則が掛かるということになります。  こういうことを通じまして、この第六条で、特定原産品でなかったことが事後的に分かった場合に当局なり関係者にその通知を義務付けると。この通知義務違反に対してはそれ自体として罰則も掛かることになっておりまして、全体として特定原産地証明書の正確性や有効性を担保しようとしているわけでございます。
  90. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今御答弁ございましたように、工業品の場合は幾つかの部品から構成されておりまして、後から分かるという場合もあるようでございまして、そういう意味では、この原産地の審査は、申請者に悪意がある場合でも、ない場合でも大変だと思っております。  ただし、冒頭申し上げましたように、この原産地証明という制度は、今後日本が東アジアでFTAを拡大していく上で一つの大きな重要なインフラとなっていくと思っております。そういう意味では、幾つか細かな点を聞かせていただきましたが、是非厳正な運用をしていただいて、今後のASEANの国々とのFTA拡大の立派なインフラとして運用していただきたいと思っております。  そういう意味で、最後に、通告しておりませんでしたけれども、大臣に、今回の原産地証明の手続の法律を通じて、東アジアの一つのFTAを拡大していくと、その決意についてお伺いさせていただいて、私の質問を終えさせていただきたいと思います。
  91. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 今、浜田委員からいろいろ御質問、御指摘いただきましたが、この制度が文字どおり両国にとってプラスになるというためには、やっぱり特別のメリットをお互い同士に与え合うわけですから、そのためにはきちっとしたルールなり制度の信頼性が確保されなければいけない。そういう意味で、シンガポールはございましたけれども、大量の原産地証明が出てくるということを前提にして、両国、メキシコの場合にはメキシコ政府ということになりますが、我が国の場合には日本国政府が代行することを認めた機関に証明書を発給させるわけでありまして、信頼性というものが大事だと思います。  これができることによって、今後のASEAN各国、あるいは韓国と現在やっておりますが、どういうふうにやるかについては今正にこれから決めていくわけでありますけれども、これのまたいい運用に向かってのスタートにしていかなければなりませんので、制度をきちっと守られるように、政府としても責任を持つ立場でございますので、運用に、きちっと運用されるように対応していかなければならないというふうに思っております。
  92. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございます。
  93. 田英夫

    ○田英夫君 メキシコという国は地理的にも遠いし、率直に言って一般の日本の皆さんからすると余りおなじみがない国かもしれませんが、今回、事実上のFTA外交と言っていいと思うんですが、そのトップ、シンガポールはありますけれども、事実上のトップということになったことに対して、やはりそれは戦略があるのかなという感じをして聞いているんですが、いかがですか。
  94. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) メキシコというのは、先ほども、午前中も申し上げましたが、世界で十番目の経済規模の国でございまして、今ASEAN一生懸命やっている中でこういうことを言っちゃいけないのかもしれませんが、ASEAN十か国と同じ経済規模を持っているわけでございます。それから、先ほども申し上げましたが、十字路に位置する要路であり、世界の多数、三十二か国とFTAを結んでおりますので、そこを拠点としてまた先に行けるということもございます。  それから、歴史的には、明治の初めの日本の最大の外交案件でありました不平等条約というものがございましたけれども、最初に、主要国といいましょうか、外国で日本と平等条約を結んだ第一号がメキシコとか、関東大震災のときに大変な支援を受けた、お互い地震国家であるとか、難破船の救助をお互いにし合ったとか、そういう歴史的なこともございまして、本格的な第一号をメキシコも日本とやりたい、日本もメキシコもやりたいということで、こういう成果になったということは大変意義があると思いますし、これを今後の成果のスタートラインにしていきたいというふうに考えております。
  95. 田英夫

    ○田英夫君 正に同感であります。  メキシコ側が既に結んでいるFTAは四十二か国に及んでいるようですが、もちろん中南米はもう軒並みですね、そしてアメリカ、それからヨーロッパに、正に今大臣言われたように、メキシコという国は、あの中南米のところにいながらヨーロッパと接し、中南米はむしろリーダーとしているという、これはそういう意味を込めて、アジアで今度は最初の日本という国が結ばれるわけで、これ、外務省もおいでいただいているかな、本当に外交上の一つの拠点、結び付くと非常に多くの利点があるという意味があると思うのですが、外務省からお答えいただけますか。
  96. 北島信一

    ○政府参考人(北島信一君) お答え申し上げたいと思います。  メキシコは、今、経済産業大臣がおっしゃいましたように、世界でも有数の重要な市場であるということですけれども、このメキシコとの経済連携を強化することは日本にとって大きな利益になるのみならず、これによりまして米州市場への足掛かりを築くことが期待されます。  また、メキシコでは、自由貿易協定の相手国とそうでない国を差別的に扱う政策、これを取っているものですから、日本の企業がこれまで様々な面で欧米企業に比べて競争上不利な状況に置かれていたということで、こうした不利益の解消に向けましてこの協定の締結を急いだということでございます。
  97. 田英夫

    ○田英夫君 私の経験で一つ驚いたのは、一九六五年ですが、メキシコが呼び掛けて世界で初めての非核地帯条約というのを締結したんですね。ロブレスという外務大臣が中心になってやったんですが、非核地帯条約という考え方自体、一般的にまだなかった時代。そのロブレスさんにたまたま会う機会があったら、いや、それは日本の非核三原則を参考にしたんですと。それにもう一つ加えて、核を持っている国からこの地域は攻撃してはならないと、つまり中南米に核保有国は攻撃をしないという、それを条約の附属文書で約束をしたんですね。それで大変驚きましたね、そのスケールの大きさというか視野の広さというか、そんな経験がありますけれども。  この問題で今、日本政府として今後のFTA外交の一番難しいと同時に大事なところは、やはり中国だと思いますね。大臣、午前中、大臣の方から答弁で言っておられましたけれども、これを、そこまで行く前にいろいろ韓国だとかASEANとかあるわけですけれども、ちょっとけたが違う難しさがあるだろうと思いますが、余り時間がありませんから、最後にそれだけ、この中国に対するFTAというものをどういうふうに大臣はお考えか、聞かせていただきたいと思います。
  98. 保坂三蔵

    ○副大臣(保坂三蔵君) 私の方から御答弁をお許しいただきたいと存じます。  中国は、お話のとおり、アメリカと並んで日本にとりましては最大の貿易国でございます。まあいろいろございましても、最終的にはAFTAあるいは東アジア経済圏の中で中国抜きで日本がEPAを進めていくことはできない、かように考えております。  御紹介いただきましたメキシコの交渉を進めている段階で、日本はASEAN三か国の交渉、また韓国との交渉を進めてまいりまして、おかげさまで今日、大臣が出発されることが正式に決まりましたが、これで何とかフィリピンを物にして、そしてしっかりと協定を結んだ上で、最終的にAFTAの方に出掛けていくと、こういうスケジュールでおります。  中国のお話が出ましたけれども、いずれにいたしましても、後ほど御答弁あるかもしれませんけれども、中国に関しましては、大変な相手でございますが、三年前にWTOに入りましてからいろいろ中国は関税の引下げ等各国に約束をしていることがございますから、日本としてはそういうものをしっかり見ながら、それから、現在既に中国との経済取引、商取引をしている中で問題点が非常に多くございます。恣意的な手続の変更だとか、あるいはまた知的財産の確保ができないとか、いろいろ問題点はございますが、そういうものを含めて、しっかりと中国等を視野に入れながら、東アジア経済圏の中での統一的なルールを作るために努力し、そして貿易立国たる日本のバックヤードでありますところのアジアの一つのスタイルをしっかりと決めていきたい、このような強い意志で経済産業省としてはおります。
  99. 田英夫

    ○田英夫君 終わります。
  100. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 最後の質問でございますので、各委員と重複する部分が多々あると思いますが、お許しをいただきまして、単刀直入に伺ってまいります。  国内産業の空洞化が懸念される中、今回のメキシコを始めといたしまして、今後ともASEANプラス3などFTA・EPA交渉が精力的に進められます。このFTA、EPAが真の国際競争力の強化になり得るのかどうか、FTA戦略の展望を伺いたいと思います。また、農業者を含めました国民的な合意形成が必要と思われますが、その点についても併せて伺います。
  101. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 二点、鈴木委員から御指摘がありました。  メキシコにつきましては、先ほども答弁いたしました、ほかの方から答弁ありましたように、まず既に平均関税率一六%というハンディキャップを負っている日本であったわけでございます。メキシコは、今も田先生ともお話をさせていただきましたが、世界じゅうの主な国ともう既に基本的には関税ゼロの世界でやっているわけでございまして、その中で、貿易立国として、そしてまたメキシコの位置付けが大きい中で、どんなに技術的に科学的に頑張っても一六%というハンディキャップはこれはいかにも高過ぎる、しかも以前はマキラドーラといういい制度があったやつがなくなってしまったということで、そういうハンディキャップを何としても撤去して、そして、その上で日本技術力、生産力、人間力を生かしてやっていくという意味で、正にこれからが真の意味で、メキシコあるいはメキシコを通じての大きなマーケットの中にやっていける競争力を持った戦力に、正にスタートに付いたというふうに思います。また、メキシコも同じような考えでこの交渉をまとめたと考えております。  この交渉で、我が経済産業省の所管でも幾つかいわゆる守らなければいけない厳しい分野もございましたが、御指摘の農業につきましても幾つかあったわけでございます。最後には五品目が大きな焦点になったわけでありますが、ちなみに私の地元の主要作物でありますアスパラガス、カボチャも自由化を即時やったわけでございますけれども、これにつきましては、農水大臣が関係業界の皆様方とよく、状況を把握しながら、よく連絡を取りながら、そして外務大臣、私含めて三人でよく相談をしながらやってきたところでございますので、決して、関係者の皆様には満足かどうかということはまたこれからのことも見なければなりませんけれども、説明を十分した上で、それぞれ、特に我々の日本側の守るべき部分あるいは痛みの部分については懸命に御理解をいただきながら交渉に臨み、合意に至ったというふうに理解をしているところでございます。
  102. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 中川大臣、ありがとうございました。私も農業県、秋田県の出身でございます。  現在、農水省では新たな食料・農業・農村基本計画を策定中でございますが、これがFTA交渉とどのような整合性が図られているのか。今の大臣のお話とちょっとダブる部分もありますが。私、国内農業をしっかりと整備して取り組むべきと考えるんですが、その辺のお考えを聞かせてください。
  103. 内藤邦男

    ○政府参考人(内藤邦男君) お答え申し上げます。  我が国の農業をめぐる状況につきましては、消費者の食の安全、安心への関心の高まり、構造改革の立ち後れなど、そういった課題に対応した政策改革が求められている状況にあると認識しております。  このような状況の中で、現在、今後の農政推進の指針となります食料・農業・農村基本計画の見直しにつきまして、食料・農業・農村政策審議会で精力的に御検討を進めていただいているところでございます。審議会における各界各層の代表者の方々の幅広い意見を踏まえながら、食料自給率の目標、基本政策の方向につきまして、来年三月の閣議決定を目指し、全力で取り組んでいきたいと考えております。  一方、各国とのEPA、FTA交渉に当たりましては、農業の多面的機能への配慮、我が国の食料安全保障の確保に加えまして、我が国農業における構造改革の努力に悪影響を与えないよう、国内の農業政策と整合的に交渉を進めているところでございます。  以上でございます。
  104. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 農産物の関税撤廃には、生産者のみならず消費者の皆さんも多くの関心を持って注目しております。  交渉に当たって、その農産物への影響などシミュレーションは行っているんでしょうか。その点、教えてください。
  105. 内藤邦男

    ○政府参考人(内藤邦男君) EPA、FTA交渉に当たりましては、農業の多面的機能への配慮、先ほど申しましたけれども、我が国の食料安全保障の確保、それから農業における構造改革の努力に悪影響を与えないよう十分留意して交渉に取り組んでいるところでございます。  具体的には、我が国の基幹品目それから地域農業における重要品目など守るべきものを守り、譲れるものは譲るという基本的考え方の下で、相手国側の関心にできる限りの対応を行いつつ、個別品目の事情に応じまして関税撤廃の例外品目それから経過期間の設定などによりまして、国内農業への影響を極力回避しながら対応してまいりたいと考えております。  それに加えまして、我が国の品質の良い農産物の輸出を拡大するため相手国に対しまして関税撤廃を積極的に要求し、これまでの守りだけではない、攻めも含めた交渉を展開することで我が国農業の健全な発展を図っていきたいと考えております。  以上でございます。
  106. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 産業としての農業というとらえ方で質問させていただいております。  十三日には農水産物をめぐってフィリピンと大筋合意をしたという報道がありました。  FTA交渉では、WTOの提案と同様に、品目ごとの柔軟性を確保した関税水準の設定が図られておりますけれども、FTAで合意した品目などについて、今後、WTOの交渉でもなし崩し的に自由化が進展するのではないかという農業者の皆さんの不安の声が聞かれますけれども、この不安に対してどのようにこたえていくのか、お聞かせください。
  107. 内藤邦男

    ○政府参考人(内藤邦男君) お答え申し上げます。  EPA、FTA交渉は二国間交渉でございまして、この交渉におきましても、私ども、多様な農業の共存を基本理念とし、先ほど言いましたような我が国の基幹品目、それから地域の農林水産業における重要品目など守るべきものを守り、譲れるものは譲るという考え方で臨んでおります。  その際、相手国側の関心、それから競争力、品目ごとの国内事情を勘案しまして、国内農林水産業への影響を極力回避し得るよう、例外それから経過期間等を設けているわけでございます。このように、この交渉は各国ごとの事情に応じて異なる交渉結果となっているものでございます。したがいまして、その交渉結果をもちまして直ちに多国間の交渉でありますWTO農業交渉の対応が決まるというものではございません。  今後のWTOの農業交渉に当たりましては、多様な農業の共存を基本理念として、引き続きまして、スイス、ノルウェー、韓国などのG10諸国との連携を強化しつつ、途上国への働き掛けも行いながら、柔軟性があり、輸出国と輸入国のバランスの取れた貿易ルールが確立されるよう、交渉に全力を尽くしてまいりたいと考えております。  以上でございます。
  108. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 工業製品につきましては日本は大幅な輸出超過の反面、農林水産物に関しては輸入超過、これが現状でございます。  私は、農業分野がしわ寄せを被るようなFTAであってはならないし、日本の農業者にも公平な利益がもたらされる必要があると思います。また、構造的に抱える高コスト体質の下で、農業に限らず地場産業を中心とした国内産業が国際競争力を保てなくなっていて社会問題化し始めております。  今後、東アジア諸国とのEPA、FTA締結によりましてこうした傾向が助長されることがないよう切に願いまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  109. 佐藤昭郎

    ○委員長(佐藤昭郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  110. 佐藤昭郎

    ○委員長(佐藤昭郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 佐藤昭郎

    ○委員長(佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  112. 佐藤昭郎

    ○委員長(佐藤昭郎君) 次に、アメリカ合衆国の千九百十六年の反不当廉売法に基づき受けた利益の返還義務等に関する特別措置法案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。中川経済産業大臣。
  113. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) アメリカ合衆国の千九百十六年の反不当廉売法に基づき受けた利益の返還義務等に関する特別措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  世界有数の貿易大国である我が国にとりまして、国際ルールに基づく自由貿易の確保は、極めて重要な課題であります。しかしながら、米国企業に、ダンピング輸入企業に対する被害額の三倍賠償請求を認めるアメリカ合衆国の千九百十六年の反不当廉売法は、二〇〇〇年にWTO協定違反が確定したにもかかわらず、同法に基づき我が国企業が多額の賠償を求めて訴えられている事態に至っております。  かかる現状を踏まえ、同法に基づき提訴された我が国企業が、その訴訟によって被った損害の回復を請求すること等を可能とすべく、今般、本法律案を提出した次第であります。  次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。  第一に、千九百十六年の反不当廉売法に基づく訴訟の被告として賠償義務を負った我が国企業等は、原告米国企業等に対し、当該訴訟により被った損害等の回復を請求することができることとしております。  第二に、千九百十六年の反不当廉売法に基づく我が国企業等に対する訴えについて外国裁判所が下した確定判決は、我が国においてその効力を有しないこととしております。  以上が、本法律案の提案理由及び要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
  114. 佐藤昭郎

    ○委員長(佐藤昭郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十一分散会