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2004-11-25 第161回国会 参議院 財政金融委員会 8号 公式Web版

  1. 平成十六年十一月二十五日(木曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員の異動  十一月二十五日     辞任         補欠選任      金田 勝年君     末松 信介君      南野知惠子君     椎名 一保君      舛添 要一君    北川イッセイ君      溝手 顕正君     藤野 公孝君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         浅尾慶一郎君     理 事                 愛知 治郎君                 中島 啓雄君                 山下 英利君                 若林 秀樹君     委 員                 金田 勝年君                北川イッセイ君                 椎名 一保君                 末松 信介君                 田村耕太郎君                 段本 幸男君                 野上浩太郎君                 藤野 公孝君                 溝手 顕正君                 尾立 源幸君                 大久保 勉君                 大塚 耕平君                 富岡由紀夫君                 広田  一君                 広野ただし君                 峰崎 直樹君                 西田 実仁君                 山口那津男君                 大門実紀史君                 糸数 慶子君    国務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        伊藤 達也君    副大臣        内閣府副大臣   七条  明君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        西銘順志郎君    事務局側        常任委員会専門        員        藤澤  進君    政府参考人        内閣官房都市再        生本部事務局次        長        清水 郁夫君        内閣官房内閣参        事官       久貝  卓君        金融庁総務企画        局長       増井喜一郎君        金融庁監督局長  佐藤 隆文君        財務大臣官房審        議官       佐々木豊成君        財務大臣官房審        議官       青山 幸恭君        財務省理財局長  牧野 治郎君        財務省国際局長  井戸 清人君        経済産業大臣官        房審議官     舟木  隆君        経済産業省製造        産業局次長    奥田 真弥君        特許庁総務部長  澁谷  隆君        国土交通大臣官        房審議官     守内 哲男君    参考人        社団法人信託協        会会長      古沢熙一郎君        筑波大学大学院        ビジネス科学研        究科教授     新井  誠君        独立行政法人都        市再生機構副理        事長       小川 忠男君        独立行政法人都        市再生機構理事  松野  仁君        日本銀行理事   白川 方明君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○信託業法案(第百五十九回国会内閣提出、第百  六十一回国会議院送付) ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○金融先物取引法の一部を改正する法律案(内閣  提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  信託業法案を議題といたします。  本日は、本案の審査のため、参考人として社団法人信託協会会長古沢熙一郎君及び筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授新井誠君に御出席いただいております。  この際、御両人に一言ごあいさつを申し上げます。  両参考人におかれましては、御多忙のところ本委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。  忌憚のない御意見を承りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。  本日の議事の進め方でございますが、まず古沢参考人に五分以内、新井参考人に十分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。  また、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おき願いたいと存じます。  なお、参考人及び質疑者ともに御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず古沢参考人からお願いいたします。
  3. 古沢熙一郎

    ○参考人(古沢熙一郎君) 信託協会長の古沢でございます。  本日は、信託業法案の御審議に当たり、信託業界を代表して意見を申し述べる機会をいただき、御礼を申し上げます。  まず初めに、信託業務の現状について若干申し上げます。  信託は、資産を様々な形で管理、処分できる柔軟性に富んだ制度であり、時代時代の多様なニーズにこたえてまいりました。とりわけここ数年は年金資金の運用管理や資産の流動化などにおいて重要な役割を果たしております。  現在、信託業務は信託銀行を始めとする信託業務を兼営する金融機関が担い手となっておりまして、受託残高は十六年三月末現在で四百九十二兆円に達しております。昨年七月に取りまとめられました金融審議会の信託業のあり方に関する中間報告書にもありますとおり、財産管理等の優れた機能を有する信託が我が国金融システムの基本的インフラとして活用される可能性は今後ますます高まるものと考えます。  次に、信託業界として信託業法案をどのように受け止めているかにつき申し述べさせていただきます。  信託業界といたしましては、これまでの法案策定の過程で御尽力いただきました皆様に深く感謝いたしますとともに、委員の先生方の御理解を賜り、是非とも早期の成立を期待するものであります。  まず最初に、信託業法案に対する基本認識を申し上げます。  今回の改正は約八十年ぶりの改正であります。この間の経済社会の進展に伴う信託制度に対する様々なニーズに対応するものであり、信託制度の更なる普及、発展に資するものと考えております。  次に、改正のポイントとなる点について三点申し上げます。  第一に、受託できる財産権に関する制限が撤廃されるということであります。  経済界には、知的財産権の流動化を始めとして、信託機能を活用したいとの具体的ニーズが存在していると仄聞するところであります。受託財産の制限がなくなることにより、我が国経済において喫緊の課題とされております知的財産権に関して、これまで接点のなかった産業技術と金融とのつなぎ役として信託制度を活用して管理したり、流動化して資金調達を実現することが可能となります。  第二に、信託業の担い手の拡大と、それに伴う業者ルールの整備ということでございます。  自らが信託機能を有して活用したいとのニーズに対応して新たに信託会社が信託業務を行えるようになることは、信託兼営金融機関との健全な競争を促し、より利用者の利便性が向上することになると考えております。こうした担い手の拡大に伴い、業者間で公正な競争が行われるための業者ルールの整備が不可欠となりますが、信託契約の締結の勧誘段階から信託財産の管理運用まで幅広く適切に規律が用意されており、必要かつ十分な整備がなされているものと考えております。  三点目として、信託業の言わば周辺業について整備がなされ、信託制度へのアクセスが向上する点が挙げられます。  具体的には、信託契約の締結の代理、媒介を行う信託契約代理店制度が設けられたこと、及び信託受益権の販売、その代理、媒介を行う信託受益権販売業制度が設けられたことであります。これにより営業網が補完され、潜在的な信託制度へのニーズをくみ上げることが可能となります。  最後になりますが、一般法である信託法につきましても、現在、改正に向け法制審議会で検討が進んでおります。一連の信託関連法の改正は、利用者にとって利便性と信頼性の高い信託制度の健全な発展に資するものと考えております。  これまで申し上げた点について御理解を賜り、是非とも本信託業法案の早期成立をお願いする次第であります。  以上、簡単ではありますが、私なりの意見を申し述べさせていただきました。ありがとうございました。
  4. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) ありがとうございました。  次に、新井参考人にお願いいたします。
  5. 新井誠

    ○参考人(新井誠君) 筑波大学の新井と申します。  本日は意見を述べる機会を与えていただき、感謝申し上げます。  私は、信託業法案の立案には関与いたしておりませんが、一介の研究者として信託業法案についての所見を四点にわたり述べたいと存じます。  第一に、今般の信託業法案に賛成いたします。受託可能財産の範囲の拡大、信託業の担い手の拡大等の信託業法案の考え方は、これからの我が国社会における信託業の発展にとっては極めて妥当であると判断するからであります。  第二に、今後の課題について述べたいと思います。  我が国は世界一の高齢社会であります。超高齢社会における財産管理制度として信託は大変有用な制度であります。しかしながら、信託業法案にはそのような視点がありません。  かつて東京都杉並区において高齢の女性が悪徳業者に土地をだまし取られ殺害されるという不幸な事件がありました。プライバシー保護のため事実を若干変えて説明しますと、この高齢者には三つの希望がありました。まず、所有する不動産を意思能力が衰えても悪徳業者の処分の強制から保全したいという希望です。次に、全財産を重度の知的障害のある娘に承継させたいという希望です。最後に、娘が亡くなった後は、お世話になった福祉施設に財産を寄附したいという希望です。これら三つの希望は、民法上の財産管理制度によってはうまく実現できませんが、信託を用いればすべての希望はかなえられます。不動産を受託者名義に変更して財産を保全し、財産管理能力のない娘に代わって受託者が遺産を管理し、娘を最初の受益者としつつ、娘が亡くなった後は受益者を福祉施設に変更することによって信託はこれら三つの希望をすべて実現することができます。  信託には高齢者、障害者の財産管理に適する特性があります。そして、そのような信託を用いたいとの意欲を示す公益法人、弁護士法人、司法書士法人等の団体が存在することを承知しておりますが、信託業法案では受託者が原則として株式会社に限定しているため、今申し上げたような団体が信託業へ参入する障害となっています。信託業の担い手の拡大というのであれば、この点の見直しは是非とも必要ではないでしょうか。信託は、金融制度のインフラとして機能するのみならず、社会の公器として、高齢社会における高齢者、障害者のための財産管理制度としても位置付けられるべきであると考えております。  第三に、政省令、事務ガイドラインについて述べたいと思います。  信託業法案の運用は、政省令、ガイドラインがどのような内容になるかによって左右されます。信託業法案の趣旨が信託業の健全な発展にあるとすれば、政省令、ガイドラインによって金融制度のインフラとなっているような信託制度の機能が停止するようなことがあってはなりません。  ここでは一括信託システムを取り上げます。  一括信託システムとは、大企業の傘下企業、下請企業である中小零細企業が手形取引やファクタリングに替えて信託を用いて資金調達を図るシステムです。委託者である納入企業は約十二万社、信託財産額は一兆を超えています。政省令、ガイドラインの内容がこのシステムになじまないものとなれば、中小零細企業はこの年末の資金繰りにも困る事態が懸念されています。  まず、委託者である中小零細企業が受益権販売業者に認定されてしまうと、中小零細企業は受益権販売業者としての登録が必要となり、営業保証金を供託し、金融庁検査の対象となってしまいます。形式に拘泥することなく、受益権販売のプロである信託銀行が受益権販売を実質的に仲介している場合には、中小零細企業は受益権販売業者とはすべきではないと考えます。  次に、委託者である中小零細企業は信託設定後も引き続き取立て事務を行いますが、このことをもって委託者が信託業法案二十二条の信託業務を委託する第三者に認定されてしまうと、中小企業金融庁検査の対象となり、罰則規定の適用も受けることになります。中小零細企業は、取立て事務は行うものの、信託業務を委託する第三者ではなく、履行補助者のように取り扱われるべきであると考えます。  最後に、信託業法案二十五条、二十六条の受託者の説明義務に関する規定の趣旨には全面的に賛成でありますが、一括信託システムのように基本契約締結後に反復継続して行われる信託取引については、取引の都度同一の説明を繰り返す必要がなく、委託者の保護に支障を生ずることがない場合に該当すると考えます。  なお、ここでは一括信託システムを取り上げましたが、ここで申し上げたことは信託を用いた資金調達の流動化スキーム一般について当てはまることであります。  自己取引の禁止についても一言申し上げたいと存じます。  信託業法案二十九条二項は自己取引を禁止しており、その趣旨にはいささかの疑念もありませんが、「信託財産に損害を与えるおそれがない場合」という文言はあいまいであり、政省令、ガイドラインにおいてはその基準を的確に定めた上で、信託銀行からの銀行送金、為替取引、その他これに類する取引を行う場合であって、明確なルールに基づいており、実質的な利益相反が生じないときには自己取引に該当しないとすべきであると考えます。  信託業法案の趣旨に立ち返り、信託業の健全な発展のために、政省令、ガイドラインが現行の信託実務、信託取引を萎縮させることのないよう切望いたします。  第四に、制度の見直しの必要性と信託法改正について述べたいと存じます。  グループ企業内の信託は、グループ内の企業のみが委託者、受託者、受益者となり、実質的には同一人がすべての役割を担うという、信託法理から見ると極めて特異な信託です。グループ企業内の信託については、グループ外の第三者は関与しないため最小限の規制で足りるので届出制としたとされていますが、これは特異な信託スキームの規制を緩くするものであって、本来の信託スキームに対する厳格な規制と比較して、ダブルスタンダードとなる可能性があります。これが果たして信託と言えるのか、受託者は受任者としての義務を実際にも履行しているのか等を信託業法案施行後の運用状況を踏まえて見直す必要があるように思われます。当面は、届出制を奇貨として、信託制度が悪用されることのないように、政省令、ガイドラインにおいてしかるべき規制を求めたいと思います。  以上のことはTLOについても同様です。知的財産権の信託が信託業法案の目玉であるかのように喧伝されていますが、知的財産権は内容の複雑な権利であり、海外でも知的財産権そのものを信託する事例はありません。知的財産権のロイヤリティーの信託では不十分で、知的財産権自体の信託を受託しなければならないニーズは本当にあるのかについても信託業法案施行後の運用状況を踏まえて見直す必要があるように思われます。  信託法改正作業は、資産の流動化、証券化といった限定された分野の信託の利用のみに配慮することなく、あらゆる類型の基本法であることを踏まえるべきであり、また受託者の義務の緩和のみに意を用いるのではなく、信託法がそもそも受託者規制法であり、かつ受益者保護法でもあるという特質を十分にしんしゃくして行われるべきであると考えます。  法務省法制審議会は、超高齢社会における高齢者、障害者のための財産管理制度として信託がうまく機能するような法改正を実現すべきであると考えます。  なお、兼営法の抜本的な見直しがなされていないのは、法的整合性、法的安定性の観点からは問題であり、兼営法の改正も必要であると考えます。  以上、四点にわたり私の考え方を申し上げてまいりましたが、要するに、信託業法案には賛成しつつ、今後の課題としては、高齢者、障害者に配慮した信託制度の担い手の創設が必要であり、信託業の運用に当たっては中小零細企業に配慮した政省令、ガイドラインの作成が必要であり、そして、運用状況に照らしたグループ企業内の信託、TLO、知的財産権の信託等の見直しが必要である旨を述べた次第であります。  ありがとうございました。
  6. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑に入ります。  なお、質疑時間が限られておりますので、簡潔に御答弁いただくようお願い申し上げます。  それでは、質疑のある方、順次御発言願います。
  7. 山下英利

    ○山下英利君 おはようございます。自由民主党の山下でございます。  本日は──座って失礼いたします、古沢参考人、新井参考人、お二人の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。  私から質問をさせていただきたいと思いますが、信託協会会長としての古沢会長の御意見をお聞かせいただきたいと思います。  今回のこの信託業法案の改正に当たりまして、信託の業界からは、信託機能の発揮と、それから経済産業の活性化ということで、信託が発展すれば経済産業に対してその活性化に資するというふうな御意見を伺っているところですけれども、具体的にはどういう結び付きということを、会長、考えておられますか。
  8. 古沢熙一郎

    ○参考人(古沢熙一郎君) それでは、ただいまの御質問に対して……
  9. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 参考人、発言の前に委員長と言っていただけますか。古沢参考人。
  10. 古沢熙一郎

    ○参考人(古沢熙一郎君) それでは、ただいまの御質問に対して御回答を申し上げます。  近年、資産の流動化の器として信託が用いられておりまして、対象となる財産を信託をし、それにより生じた信託受益権を多数の投資家に対して売却することで資金調達が図られるというようになっております。この手法が更に活発に利用されることによりまして、金融機関からの貸出し、有価証券市場での有価証券の発行という手段に加え、資産を背景とした新たな資金調達手段として定着することとなりますので、企業への資金供給手段の多様化につながるものと考えております。特に、有価証券市場での資金調達が困難な中小企業にとっては、優良な資産を保有していればこのような取組は可能となりますことから、有力な手段になるものと考えております。  さらに、この信託受益権が投資家間で活発に譲渡されるということになりますと、流通市場において対象となる財産の価値が決定されるということになりますので、資金調達を行う側のメリットも生ずるという側面も期待できるということになります。  こうしたことから、受託可能財産に関する制限を撤廃し、信託業及び信託周辺業の担い手を拡大するという本法案経済産業の発展に大いに寄与するものと考えておりまして、その担い手として一層の努力をしてまいりたいと思います。  以上でございます。
  11. 山下英利

    ○山下英利君 ありがとうございます。  今の御説明を更にちょっと深掘りをさせていただきたいと思うんですが、今回、信託業法の改正に当たりまして、目玉といいますか、ポイントとして知的財産権、いわゆる受託財産の拡大ということがうたってあります。先ほど新井参考人の方からもちょっと御指摘がございました。  知的財産権なるものは相当専門知識を要しますし、また個々のベンチャー企業なんかは一つ一つは非常に小体の企業が多いわけです。そういった中で、こういった改正が行われたときに信託協会として、信託をやっていらっしゃる古沢会長として、これ、どんな商品として実際にマーケットで流通させられるんだろうか、そこのところをちょっとお聞かせいただけますか。
  12. 古沢熙一郎

    ○参考人(古沢熙一郎君) それでは、ただいまの御質問に対して御回答を申し上げます。  知的財産権の流動化を行う場合に、当然ながら投資家にとってその信託受益権が購入しやすいものでなくてはならないということで、したがいまして、その知的財産権から生ずるであろう収益がある程度予測できるものが取り組みやすいというふうに考えております。  私見ではございますが、アニメやゲーム業界が保有する著作権、特にヒット作品の著作権を流動化し、その第二弾の制作費として調達をするといった形での取組が先行するのではないかというふうに考えております。一方、その知的財産権につきましては、この知的財産権の特性に関する投資家の理解が深まるまでの間は、例えば、その価値が減少した場合には第三者が補完措置を行うということであるとか、あるいは有価証券などの他の資産と組み合わせまして知的財産権に投資するといった商品設計上の工夫も必要になるのではないかというふうに考えております。  なお、特許権につきましては、巷間指摘されておりますように、その価値評価の問題は存在いたしますが、そのマーケットに精通する第三者の協力を得て、信託を用いて特許権を管理して、その利用を促進するといった方法での取組は考えられるかなというふうに思います。  以上でございます。
  13. 山下英利

    ○山下英利君 やはり知的財産権なんかになりますと相当専門性高くなるということで、実際信託業者として自己完結でということでいきなりこのマーケットに入っていけるかどうか、その辺については非常にいろいろ検討をいただかなきゃいけないかなと、そのように私も思っていますので、今回の法案改正に際しまして、そういった対応というのを頭に入れていただきたいなというふうに私は思っております。  そこで、時間が非常に限られておるんですけれども、新井先生にお聞かせをいただきたいと思うんですが、これからの信託、信託は幾つかのパターンがあります。資産の運用あるいは資産管理、そして運用、調達の面で非常に重要な機能を持っていくということなんですが、先生さっき御指摘がありましたいわゆるパーソナルトラストですね、この分野において、要するに生活支援育成のための信託としてのビジネスモデル、これは、先生、お考えになられたことございますか。
  14. 新井誠

    ○参考人(新井誠君) ビジネスモデルは既に海外でも例がありまして、例えばアメリカの例ですけれども、信託をして、それでその信託財産によって老後生活を支えると。その生活支援の中には、例えば医療費手当てであるとか、それから福祉的な関連の資金の手当てであるとか、そういうものを信託の中で行うというようなモデルもあることは私は承知しております。  日本でもそういう取組、一部の信託銀行で既に始まっておりますので、私としては、そういうものが順調に育っていくことが必要であると思いますし、さらにこの分野での新規参入があってもよろしいのではないか。その新規参入者と信託銀行がきちっとした競争関係を維持することによって是非こういうビジネスモデルを発展させていってほしいというふうに考えております。
  15. 山下英利

    ○山下英利君 ありがとうございます。  確かに非常に将来において大事な分野ではあります。しかし、そのビジネスモデルがしっかりと作り上げられて、そのビジネスモデルというのは、これ、今度は民間の事業としての採算というものもしっかり確保できるというふうな形で取り上げていただけるような、またいろんな知恵を出していかなきゃいけないという思いがありますので、これは信託協会としてもまた十分考えていただきたいと思っているところであります。  そして、もう最後になりますけれども、最後の質問として、そういう中で、いわゆる国内の富裕層に対するいわゆるプライベートバンキングという言葉が最近よく聞かれるわけであります。このプライベートバンキングの中で信託の持つ位置付けというのは非常に大きいんではないかなと私拝察をしているんですけれども、これからの金融資産の保有形態が変化してくる中で、これは古沢会長にお聞きをしたいんですが、日本型のプライベートバンキングというものはどういうものか、あるいは先般ちょっと問題になりましたシティバンクが行ったプライベートバンキングにおける問題点、これをちょっとお聞かせをいただきたいと思います。  そして、それで私の質問は終わりにしたいと思います。
  16. 古沢熙一郎

    ○参考人(古沢熙一郎君) プライベートバンキングというのは、一般的には富裕個人顧客との間で保有する資産の有効活用であるとか、あるいは相続対策を個別に提案するといった業務を指しているわけでありまして、これらの業務については、必ずしも信託銀行だけでなくて、証券会社であるとか普通の銀行でもこういった業務を行っているわけであります。ただ、その中で信託はこういった業務に関しまして重要な機能を担っているということで、今後もこうした業務については私どもとしては前向きに力を入れていきたいというふうに考えております。  それからもう一つ、シティバンクの問題がございましたが、私どももシティバンクの問題については詳細を知っているわけではありませんけれども、新聞等で報道されているものから推測をして申し上げますと、いわゆる内部管理体制の構築が十分にできてなかったということが基本にあるのかなというふうに考えております。  それで、例えば私ども信託の場合は、例えば信託財産の管理運用する部門と、それからいわゆる法令遵守の管理であるとかあるいは内部監査を担当する部門、それらが相互に牽制関係にあるという組織を作っておりまして、そういう形で事故防止をするということを考えているというようなことであります。  その上で、実務におきまして忠実義務、分別管理義務等の受託者責任を果たさなかった場合に生じ得るリスクを認識をして、そのリスクが生じないための適切な社内ルールを策定して、そのルールの妥当性や遵守状況を監査部門が定期的にチェックする体制が必要ではないかと、そのように考えております。
  17. 山下英利

    ○山下英利君 ありがとうございました。
  18. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 民主党富岡由紀夫と申します。  本日は、お忙しいところ、参考人という形でおいでいただきまして、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。  まず最初に、新井先生にちょっとお伺いしたいんですが、先ほど御説明の中にありました高齢化社会、障害者に対応した福祉型信託が必要だというお話ありましたけれども、今想定されているニーズ、今どのぐらいの人がそういうのをニーズとして持っているのか、その辺のところを、あと、信託財産としては金額的にはどのぐらいの規模として将来的にはそういったニーズがあるのか、今の分かる推測の範囲内で結構でございますので教えていただければと思います。
  19. 新井誠

    ○参考人(新井誠君) 信託財産の額についてはちょっと私、お答えしかねますけれども、ニーズは非常に強いと考えております。私、いろんなところで信託の話をしたり、あるいは成年後見の普及のためにいろんなところでセミナーをやったりするんですが、高齢者の切実なニーズとして財産の管理、承継、それに信託を用いたいというニーズは非常に強くありまして、現にそういう信託を担いたいという団体もあるというふうに承知しておりますので、そこをうまく、そういうものを育てるような受皿というんでしょうか、そういうものがあってしかるべきではないかというふうに考えております。
  20. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 今のお話、いただいたお話の中で、既にそういった福祉型のところをやっている例もあるというふうにお伺いしておりますが、現状の中でもあるというようなお話、御説明だったと思うんですけれども、それが拡大しない要因というのはどういった点にあるんでしょうか、今の中での広がらない要因ですね。お伺いしたいと思います。
  21. 新井誠

    ○参考人(新井誠君) 先ほど申し上げましたように、一部の信託銀行では始まっております。しかし、これはまだ緒に就いたばかりです。  もっと本格的な信託を用いた高齢者、障害者のための財産管理が必要であるというふうに思っておりますけれども、そういうときに、信託銀行株式会社ですので、やはりいろんな制約があるわけですね。そういうときに、例えば公益法人のようなところがその受託者となるという可能性があってもよろしいのではないか。やはり信託銀行ですと収益のことを考えますので、ある程度その収益を度外視した信託のスキーム、例えば親亡き後のための財産管理であるとか、そういうものについては公益法人にさせるというようなことがあってもよろしいかというふうに思いまして、受託者の担い手の拡大といいながら、この分野については率直に申し上げて冷淡な感じが私はしているわけです。  ですから、もっとここは是非踏み込んでいただきたかったというふうに思っております。
  22. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 古沢会長にお伺いしたいと思うんですが、新井先生のお話と古沢会長のお話、ちょっと聞いているとややギャップがあったような感じがしているんですけれども、新井先生からいろいろと今回の業法の改正について不備な点が御指摘いただきましたけれども、例えば政省令によって一括信託システム、今あるシステムの負担というか、そういったものが御指摘されましたけれども、その点について信託業界としてはどのようなお考えをお持ちなのか、教えていただきたいと思います。
  23. 古沢熙一郎

    ○参考人(古沢熙一郎君) お答えを申し上げます。  今回の法律の改正について、私どもで非常に高く評価をしているといいますか、そういう部分の一つとして信託契約の代理店の制度がございます。  これは、私どもの場合には、どうしても信託銀行の場合は普通の銀行に比べて店舗の数が非常に少ないんですけれども、今回、信託契約代理店というような制度ができますと、もう少しその信託の制度を普及、発展させるための店舗網が広がっていくと、これをうまくいろんな意味で活用して、おっしゃるような高齢化社会を迎えて高齢者のための福祉的な信託、そういったものについてもより前向きに考えていきたいというふうに考えております。  以上です。
  24. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 あと、新井先生の御説明の中に、知的財産権を信託財産として認めた場合でも、例えばアメリカではその信託事例の例がないというようなお話だったんですけれども、そういったニーズがないというお話でしたよね。  それに対して、古沢会長の方は、いろいろと、いろんなアニメとかゲームとか著作権とか、そういった分野でいろんなニーズがあるというお話だったんですけれども、その辺は、アメリカなんかでないという、踏まえて、どうしてそういったものがあるというふうにお答え、予想されるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
  25. 古沢熙一郎

    ○参考人(古沢熙一郎君) 知的財産権の中でも比較的私どもが扱いやすいものとなかなか扱いにくいものがあるのではないかというふうに正直言って思っております。  扱いやすいというのは、比較的いわゆる知的財産権から生み出されるキャッシュフローがある程度推し量れるようなもの、こういったものは、著作権であるとかあるいはアニメの関係であるとか、そういった関連のものについてはある程度キャッシュフローが読み込めますので、こういったものについては今後比較的早い段階で取組が可能かというふうに思いますけれども、一方で、特許権のようなものについては、特許権の評価であるとかあるいは特許権をどういうふうに活用するのかということになりますと、私どもの方にはそういうノウハウがありませんので、これはやっぱり産業界と連携をしながら進めていくということが必要なのではないかというふうに思っております。
  26. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 新井先生にちょっとお伺いしたいんですけれども、説明の中で兼営法の改正が必要だという御指摘がありましたけれども、具体的にはどういった点で改正が必要になってくるのか、具体的な事例を挙げて御説明いただきたいと思います。
  27. 新井誠

    ○参考人(新井誠君) 信託銀行は現状では兼営法に基づいて免許を受けて信託業を行っております。今回の信託業法の改正によって、恐らくその信託業法によって信託銀行も規制されることになると思うんですが、これは、私、一人の研究者として見ておりますと、ややその辺、法理論的にいかがなものだろうかという気がするわけです。つまり、兼営法と信託業法が二重の規制になるのかどうなのか、その辺、是非、私、いろいろ資料を読ましていただいたんですが、その辺必ずしも明確ではない。  ですから、やるのであれば信託業法と兼営法を一括で改正する、あるいは両者統合するというようなことが理論的には正しいのではないか。そうではなくて、信託業法のみを改正して、それで本来兼営法の規制の下にある信託業にも信託業法の内容をかぶせていくということはいかがなものかということで、その辺は是非ここ、こちらの方で議論いただければ私としては大変有り難いと思います。
  28. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 午後からもまた審議がありまして、その点をちょっと確認、私はさせていただきたいと思っています。  もう一つ、兼営法と信託業法と、もう一つ、基本法である信託法がございます。信託法の改正の必要は、一緒にやる必要は私はあると思うんですけれども、先生の御意見はいかがでしょうか。
  29. 新井誠

    ○参考人(新井誠君) おっしゃるとおりです。信託法と業法と兼営法、これはそれこそ三位一体でやるべき問題ではなかったかというふうに考えております。業法の考え方と今の信託法の改正作業の考え方は必ずしも同一の歩調で動いていないのではないかという気がするわけです。  信託法の改正の主眼は何かといいますと、受託者の義務の緩和、受託者の義務の任意法規化というようなことが言われております。そうすると、信託にとって最も重要な受託者の忠実義務というのを任意法規化すると。ところが、こちらの業法案では、二十九条の二項ですけれども、自己取引はきっちり制限すると。私はこの点については業法のやり方が正しいというふうに思っているんです。  しかし、一般法である信託の方の規制がもっと緩くなるということはいかがなものだろうかということで、どうもその一体性がないような改革になっているように私には見受けられます。  したがって、今回の業法の改正も踏まえて信託法の内容もしっかりした内容にしてほしいと、同時に、兼営法の問題も是非視野に入れてほしいというふうに考えております。
  30. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ちょっと済みません、関連で今の、お伺いしたいんですけれども、一般法では自己取引というのは制限されていないと、ただし、今回業法で、改正で、特別法的な位置付けで自己取引がいろいろと制限されると、そういうふうに理解してよろしいんですね。
  31. 新井誠

    ○参考人(新井誠君) 現在の信託法は二十二条という規定で自己取引を規制しております。今度の改正でどうなるかということですと、そこのところを任意法規化したいということになるわけです。そうすると、一般法の方は、改正信託法、一般法では忠実義務を任意法規化すると。しかし、今度の業法案の改正ではそこのところをきっちり縛っているわけです。  ですから、一般法をゆるゆるにして業法の方で縛るというのは、私の感覚ではむしろ逆ではないかと。一般法はきっちり縛っておいて、例えば免許を得たような業者についてはある程度緩くするというのは分かるんですが、どうもその辺、平仄が合っていないような感じがしておるわけです。  ですから、信託法の内容についても、是非、先生方、関心を持って引き続き検討していただければ大変有り難いと思います。
  32. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 古沢会長にもちょっとお伺いしたいんですけれども、今回の改正、基本的には賛成ですということで御意見いただいたんですけれども、やっぱりすべてがすべて、何というのか、業界のニーズを満たしているとは限らないと思うんですけれども、信託業界の中で、今回の業法改正によって、やっぱりまだまだ不足する点、問題点があろうかと思うんですけれども、業界のニーズとして、実際に今まで信託業をやってきた業界の代表として、重立った問題点、更に改正すべきニーズ、もしあればお伺いしたいと思います。
  33. 古沢熙一郎

    ○参考人(古沢熙一郎君) 今回は信託業法の改正ということでありますが、私どもとしては、今回の法律改正と併せて、幾つかの規制緩和といいますか、そういうことについて考えていただければというふうに思っておりますが、一つは、地方公共団体が保有します金銭債権や不動産等につきましては信託を使って流動化をするということが今できないわけですけれども、そういうものを可能にしてほしいということで、これは、毎年規制緩和の要望の中でもこれはお願いをしているということであります。一部の地方公共団体では信託以外の方法によりまして保有する金銭債権を流動化し資金調達を行っているというふうに仄聞をしておりまして、地方公共団体の資金調達の選択肢拡大という観点からも規制改革要望を行っているということであります。  それからもう一つが、担保権の信託を可能にするための法制上の整備をしていただきたいという点であります。これは、近時、多数の銀行が協調して貸出しを行うシンジケートローンという手法が一般化しておりますけれども、このローンを後日他の金融機関に譲渡する場合に、そのローンが担保権付きである場合にはその担保権も譲受人に移転する登記が必要となりまして、これがローンの流通市場の発展の阻害要因になっているということで、そういったような規制緩和を是非お願いをしたいというふうに思っているところであります。
  34. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 最後の質問をさせていただきます。  今回の業法改正で、例えば二十七条なんかで信託財産状況報告書という提出が多分義務付けられると思います。今やっている、兼営法の中でやっている信託銀行についても求められると思うんですけれども、例えば月次決算やって、それで配当金を、信託受益者に配当を払っているようなところ、毎月やっているわけですから、これがすぐ施行されたりすると、その状況報告書というのもすぐ翌月から発行しなくちゃいけなくなってしまうと思うんですけれども、そういった点で、システム対応とか、そういった面で施行される時間が、今新聞報道では十二月とか二月とかされていますけれども、それで対応できるのかどうか、お伺いしたいと思います。
  35. 古沢熙一郎

    ○参考人(古沢熙一郎君) 施行の期日につきましては政令で定められるものと承知しておりますけれども、その具体的な時期、私も存じてはおりません。  当然のことながら、当局におかれましても、新規参入者の準備行為のための必要な期間とか、あるいは信託兼営金融機関が諸準備を行うために必要な期間を勘案して適切に定められるものというふうに理解をいたしております。  以上です。
  36. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 これで質問を終わります。
  37. 西田実仁

    ○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。両参考人、お忙しいところ、大変にありがとうございます。  まず、古沢参考人にお伺いしたいと思いますけれども、今回のこの業法の改正の大きなねらいとして、信託というこの仕組みを日本の金融システムの中にいかに根付かせて普及させていくかということが問われているわけでございますけれども、その際に、特にそうした信託という仕組みを広めていく上で、先ほど新井参考人からもお話いただきましたけれども、中小零細企業がこの信託という仕組みを使って様々な資金調達やあるいは知的財産の保全等を図っていくということが非常に重要であるというふうに私は認識しております。  その上でお聞きいたしますけれども、先ほど来から古沢参考人からもお話ありました、信託銀行の場合はなかなか店舗数が普通の銀行に比べて少ないということがあって、そういうことであればなおさら、そもそも中小企業との接点というものは普通の銀行に比べると少ないであろうと想像が付くわけでありますけれども、今般、この業法の改正に当たりまして、信託協会として、中小企業が利用しやすい信託という仕組みにするためにどのような施策あるいはビジネスの在り方を御検討されているのか、もしございましたらお願いいたします。
  38. 古沢熙一郎

    ○参考人(古沢熙一郎君) 当然のことでありますけれども、銀行として中小企業に対する資金供給に係る使命というものは常に認識して経営に当たっていかなければいけないというふうに認識をしておりますが、信託という制度を用いるといたしますと、例えば中小企業向けの貸出し専用の信託を設定をいたしまして投資家から資金を募るとか、あるいは中小企業に対して行った貸出しを信託財産として信託を設定して、その受益権を投資家に販売をするといった手法が考えられるところであります。また、中小企業が保有する資産を信託財産として設定をして、その受益権を投資家に対し販売するということで資金調達を図るという方法も考えられるところであります。  先生御指摘のように、私ども店舗数が非常に少ないので、そういう意味では、信託契約の代理店制度あるいは受益権の販売業者の制度、そういうものも活用しながら中小企業金融の一層の円滑化に努めてまいりたいというふうに思います。
  39. 西田実仁

    ○西田実仁君 今回のこの業法改正に先立って金融審議会でもいろいろと議論がございました。その報告書の中にはこういう一項目ございまして、「我が国における信託会社の事業展開が、今後、国際的な広がりを持つ可能性があることにも十分留意して制度を構築すべきである。」と、そういう意見書が報告書の中に盛り込まれておりました。  今般のこの業法改正におきまして、特に信託銀行国際的な展開ということにどういうプラスのインパクトが考えられるのか、もしございましたらお願いいたします。古沢参考人にお願いいたします。
  40. 古沢熙一郎

    ○参考人(古沢熙一郎君) これは、それぞれの会社が国際的な金融業務をどういうふうに展開をしていくかということといろんな意味で係っていくんだろうというふうに思いますが、私どもの銀行の場合で申し上げますと、かつて私どもも海外に拠点を持ち国際業務を展開したという時期はございましたけれども、これは主として信託というよりはバンキングの方の業務でありました。ただ、これらの業務については、私どもの規模でやっていくといたしますとそれなりの制約もあり、業務としての収益性というものについては問題があるということから、これは思い切って撤退をいたしました。  ただ、信託ということに関連いたしましては、現在でも、例えば年金の資金の運用というのは非常にグローバルな運用をしておりますので、そのフォローのための現地法人というのは、ロンドンであるとかあるいはニューヨークであるとか、そういうところには拠点を設けておりますし、こういう業務はますます今後も拡大をしていくだろうと。  ただ、今回、業法の改正に伴って新たな国際業務の展開というのはまだ残念ながら検討しておりません。そういうことでございます。
  41. 西田実仁

    ○西田実仁君 次に、新井参考人、先生にお聞きしたいと思いますけれども、今回のこの業法に足りない部分を随分御指摘いただきました。その中で、特に福祉信託という点について、もっとこの信託という仕組みを生活支援あるいは後見制度との結合ということを御指摘されたんだろうというふうに認識しておりますけれども。  そこで、先ほど来から出ておりますとおり、ビジネスとしてあるいは福祉信託をやろうとしたときに、同時にその受益者をどう保護していくのかという観点も必要になってくると思います。その中でそれをどう考えたらいいのかということ。そして、収益を度外視した信託というような御指摘も先ほど御発言でございましたけれども、ということは、ありていに言えば、税金なりで、収益が度外視されても続けていかなければならないわけですから、その収益を補うようなシステムを税金投入なりなんなりしていくというお考えと理解すればよろしいんでしょうか。
  42. 新井誠

    ○参考人(新井誠君) まず、受益者保護という点は非常に重要なことです。どうして信託を使うと受益者保護ができるか。それは、先ほど申し上げましたように、信託法というのは、受託者を規制し、受益者を保護する法律なんです。受託者には民法よりも厳しいいろんな義務が課されています。例えば中立義務であるとか、もろもろの義務ですね。したがって、その反射的な効果として受益者は保護されるわけです。ですから、高齢者、障害者が能力がなくなったり、いわゆる弱者になっても信託を用いれば保護されるというのはそういう仕組みから来ているわけです。  そこで問題となるのは今般の信託法の改正でして、先ほど申し上げましたように、その受託者の義務を緩和しようとしているわけですよ。任意法規化しようとしている。そうではなくて、やはり福祉型信託ということを考えると、受託者の義務というのはやっぱりきっちり一定のレベル以上のものにしておかなければいけないということがまず一点申し上げたい点です。  それから、収益のことですけれども、これはやはり信託を用いるというのは、これはやはり御本人の自己決定の世界だと思うんですね。ですから、御本人の財産を使って、それでこういう財産管理制度を使うと。ですから、財産のない方についてはその公的な支援システムが必要かもしれませんけれども、私が基本的に考えておるのは、財産をお持ちの方、それも、先ほど議論ありましたようなプライベートバンキングを使うような層ではなくて、日本にたくさんいる、ほとんどの日本人がそうである中堅の、中間層の方々が使えるような信託、そういうもので私は十分収益が取れるモデルというのは可能だというふうに考えております。  それすらも使えない高齢者、障害者の方で信託を使いたいという方がいらっしゃるかどうかというのは分かりませんけれども、もしいらっしゃるとしたら、そういう方についてはその公的な支援があってもいいだろうと。そこで、私は公益法人がその受託者になってもいいのではないかということを申し上げた次第です。
  43. 西田実仁

    ○西田実仁君 今現実にある、信託銀行がやっておられる特定贈与信託という仕組みがありますけれども、これは、数字を見ると、過去五年ぐらいでどんどん受益者数は減っておりますし、また受託件数も漸減していると、こういうことなんですけれども、これは古沢参考人にお聞きしますけれども、やはりこれはニーズがないのか、あるいは商売として成り立たないので信託銀行さんが余りやらないのか、消極的なのか。この受託件数、受益者数の漸減につきましてはどのように見ておられますか。
  44. 古沢熙一郎

    ○参考人(古沢熙一郎君) 高齢者の財産管理を行う信託を営業として引き受ける場合に、我々受託者の側からとって支障になる幾つかのことを申し上げたいと思いますけれども、高齢者の方の財産を保全し、次世代に承継させるために信託を用いるということは十分に考えられるところでありますし、先生御指摘のとおり、現に営業信託でも特定贈与信託のほか、まあいろんな取組を行っているところであります。  ただ、このような信託におきましては、委託者が意思能力を喪失した後の信託財産の給付の適切性をいかに確保するかとか、あるいは信託財産が不動産の場合にその管理をいかに行うかといったようなところにいろんな問題があるように思います。このような問題につきましては、確かに、任意後見制度や成年後見制度を活用したり、あるいは第三者に不動産の管理を委託するというようなことによりまして解決が可能な場合もあるというふうに思っておりますが、今のところ、先生御指摘のように、件数そのものについては余り伸びていないというのが実情であります。  ただ、我々としては、今後の高齢化社会を展望した場合にはより一層こういった信託の普及を心掛けていきたいと、努力していきたいというふうに考えております。
  45. 西田実仁

    ○西田実仁君 質問を終わります。どうもありがとうございました。
  46. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 両参考人、今日は御苦労さまでございます。ありがとうございます。  もうお聞きすることもほとんどなくなってまいりましたけれども、ちょっと補足的な質問になると思いますが、幾つか、ちょっと時間の節約のためにもうまとめて両参考人に二点ずつ、今の議論を聞いていての補足的なところでお伺いしたいと思います。  まず、古沢参考人にお聞きしたいのは、今回の改正で受益者保護も含めて業界のルールを図ると、整備をするということがありますが、そのルールも、実効性を伴うためには、業界自身の、何といいますか、具体的な体制の確保とか現場でのいろんな整備が必要だと思うんですが、その辺、具体的にどうお考えになっているかを一つお聞きしたい。  もう一つは、今もございましたけれども、新井参考人の方から、株式会社、そうはいっても収益性を追求するというところの心配といいますか、しかも今回は受託者義務が緩和されているという中でそういう心配も出されております。そういう点、この辺り、業界としてどういうふうに考えておられるかという点ですね。  新井参考人にも二点お聞きしたいと思います。  一つは、新井参考人は成年後見法の普及を訴えてこられております。これは日本に比べて諸外国の方が利用されているというお話をお聞きしますけれども、それは先ほど言われました業者の方の参入だけの問題なのか、それともほかの理由もあってほかの外国では利用されているのか、その辺のちょっと背景をこの機会に教えていただければと思います。  もう一点は、先ほどありました悪徳業者の事例、少しお話しされましたけれども、まあいろんな手口があると思うんですが、今回の改正でそれは防げるのか、あるいは今回の改正でも防げないようなこともまだ起こり得るのかどうか、この辺、少し分かることあれば教えていただきたいと思います。  以上四点、まとめてお願いいたします。
  47. 古沢熙一郎

    ○参考人(古沢熙一郎君) 御回答申し上げますが、自主ルールの問題に先立ちまして、今回の法案では過不足なく業者に対する行為規制が定められておりまして、業者がこれを厳格に遵守をし、行政による適切な監督がなされれば、委託者、受益者の保護は十分に実現が可能であるというふうに考えております。  仮に法令上の規制に加えまして業者間での自主ルールを設けるといたしますと、かえって信託制度の柔軟性を阻害をする、あるいは新規参入者の創意工夫を害して過大な行為規制を課す結果となる可能性があるということもお考えに入れる必要があるのではないかというふうに思います。  ただ、我々といたしましても、今後、新規参入者が協会の中に加盟してくるということになりますと、これに合わせて、今回、協会の中で、自主ルールでありませんけれども、倫理綱領みたいなものについては制定をしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  48. 新井誠

    ○参考人(新井誠君) 二点、御質問いただきましたけれども、最初の質問成年後見制度日本で普及していないのはなぜかという御質問であったかと思いますけれども、二〇〇〇年四月に成年後見制度がスタートしまして、現在の利用は三万件強かと理解しております。日本は、一億二千万の人口ですけれども、三万件強の利用です。ドイツは、八千二百万の人口で、利用が百万件を超えております。アメリカの場合は、二億一千万ぐらいの人口で、六十万ぐらいの利用があるというふうに聞いております。したがって、私は日本というのは成年後見制度後進国であるというふうに理解しております。  しかし、先ほど申し上げましたように、日本は世界一の高齢社会で、痴呆の高齢者が既に百六十万人ぐらいいらっしゃるという現状の中で成年後見制度が使われていないのは非常に問題だというふうに思っているわけです。  その理由というのは、非常に難しいんですが、介護保険が二〇〇〇年四月にスタートしまして、介護保険と成年後見はワンセットの仕組みと考えられたわけです。つまり、介護保険は措置から契約へと、介護保険サービスの給付を受けるために契約をしないといけないんです。しかし、日本の社会にはたくさんの痴呆性高齢者がいますので、成年後見制度を通じてそういう契約をしないといけないということなんですが、つまり、現状はきちっとした適法な契約がなされないで介護サービスが、受けているという現状があるわけです。ここはやはり人権擁護、権利擁護という見地からも非常に問題ではないかというふうに考えております。  それで、信託との関連で少し申し上げますと、先ほど特別障害者扶養信託、特定贈与信託という話がありました。これは障害者のための財産管理の制度で、贈与税が六千万円まで非課税になるという非常に優れた機能を持つ信託ではあるわけですけれども、信託のスキームとしては障害者にお金を給付するだけなんです。しかし、問題はその給付されたお金をいかにその障害者のために有益に使うかということですので、例えば、その特別障害者扶養信託と成年後見制度をドッキングさせたような形で使うということも成年後見制度の普及には必要ではないかというふうに考えています。そして、もっと言うならば、やはりその契約は能力がないとできない、したがって成年後見制度を使うんだという、そういう啓発活動も必要かというふうに考えております。  それから第二点目、悪徳業者の処分の強制を今回の業法改正によって防げるかということですが、今回は、これ、業法改正でして、業者規制が問題になっておりますので、その悪徳業者のいろんな手口を防止するという見地からはやや違った考え方が必要かなというふうに考えておりまして、むしろ信託法改正の方でそういうような財産を保全する、プロテクトするという仕組みをきっちり考えていく方が重要かと考えております。
  49. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 終わります。
  50. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 無所属の糸数と申します。よろしくお願いいたします。  今日は両参考人にいろいろお伺いしたいということで準備をしておりますが、私も、大分同じような質問が出てまいりましたので、まとめて簡潔にお伺いしたいと思います。  まず、古沢参考人にお伺いしたいと思いますが、先ほども御説明がございましたけれども、この信託業法改正が信託業界に与える影響について、再度、どのように考えていらっしゃるかお伺いするのと同時に、信託業法改正に伴って新規参入する会社について、信託協会が申請があれば喜んで受け入れるつもりであるというふうに報道がなされておりますけれども、協会側としてその参入基準についてどう考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
  51. 古沢熙一郎

    ○参考人(古沢熙一郎君) まず最初に、信託業法の改正が業界に与える影響についてお答えをしたいと思いますけれども、信託の担い手が増えることによりまして、信託兼営金融機関の既存の信託業務に若干の影響が生ずるかもしれませんけれども、そういったマイナス面よりも、むしろ新たな発想を持って信託制度が利用されるということであるとか、あるいは競争促進がサービス向上につながるといったことなど、信託制度の認知度が向上することなどを通じまして信託制度の利用可能性が一層高まるというプラス面を大いに期待するところであります。  また、今回の改正では、信託の言わば周辺業ともいうべき信託契約代理店制度であるとか、あるいは信託受益権の販売業者制度が導入されることになりますので、信託制度への国民のアクセスが飛躍的に向上するということを期待しておりますし、これらの制度を積極的に活用してまいりたいというふうに考えております。  それからもう一点、新規参入者の参入基準等についてでありますが、本法案の参入基準につきましては、委託者、受益者保護の観点から、業務執行体制の確保、あるいは財産的な基礎、人的な構成というものが求められるというふうに理解をしておりまして、今後、当局によって必要な措置が講じられるものというふうに理解をしております。  そういう、その参入基準を満たしてこの業界に入ってこられる新規参入者については私ども積極的に加盟を促していきたいというふうに、むしろそういう形で信託制度のより一層の普及、発展を図っていきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  52. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今年は三菱銀行とそれからUFJ銀行の統合発表など、三メガバンク時代の動きがありましたが、信託業界にも新たな再編が起こり得るかどうか、お伺いいたします
  53. 古沢熙一郎

    ○参考人(古沢熙一郎君) 信託業界の再編統合の問題でありますけれども、今新聞等で報道されている状況からいたしますと、間もなくそのUFJ信託と三菱信託さんとが合併をするということでありますけれども、これまでもかなり信託業界というのはいろんな意味での再編統合が進んできておりまして、これから先、個別経営の判断でありますけれども、私どもの場合には二年ほど前に経営機構改革というものを立ち上げまして、それを基にしていわゆる収益力の強化を図っていこうという形で進めてきておりました。それが順調に進んでおりますので、中長期的にはいろんな再編統合も念頭に置いていかなければいけないというふうには思いますが、当面はそういう路線上で経営に当たっていきたいというふうに考えているというところであります。  以上でございます。
  54. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、新井先生にお伺いいたします。  先生の信託法とそれから後見法の交錯という、信託制度とそれから成年後見制度との連携、役割分担、それから両者のその連携スキームについて解説をされた論文を読ませていただきました。この論文の中の信託実務が今後の高齢社会を見据えた上でパーソナルトラスト業務分野への積極的転換を図ることを希望したいというその御意見、それから、民法上の成年後見制度との連携を通じて受益者たるその後継者の身上監護を含めた生活全般を支援するシステムの一部としてこの信託を位置付けておくことは十分に可能であるという御指摘ございました。これは福祉の新しい形、それから、先ほどからありますが、福祉型信託ともいうべき極めて重要な考え方だというふうに私も共感いたします。  しかし、日本においてもこのパーソナルトラストが発達していないということは御指摘のとおりで、横浜市において障害者の後見的支援は自治体の責務であると規定した条例の制定が契機になって、今後、日本においてもこの後見的支援を要する障害者の資産活用の手段として後見制度、信託制度の連携が実現していくということを期待いたしましてお伺いするんですが、この後見制度と信託制度の連携、日本において実現するため今後必要な検討課題、政策などを含めたこの日本の信託制度の問題点の御指摘をちょっとお伺いしたいと思います。
  55. 新井誠

    ○参考人(新井誠君) 問題点の指摘については既にいろいろなところで指摘されておりまして、私として今必要なことは、やる気があるかないかの問題だというふうに考えております。自治体がやるのかやらないのか、信託銀行がやるのかやらないのか、で、もし信託銀行がやらないのであれば、新たに参入者を認めると、そういうふうにしていただければというふうに思うんです。  で、私は何も信託がすべて福祉型であれということを強調する気は全くありませんで、信託というのは福祉目的にも使えれば公益信託というのもありますし、資産の流動化のためにも必要であると。あらゆる財産管理の基になるような制度なんですね。で、私は、これからの信託というのが均衡ある、バランスある発展をすべきだと考えておりまして、その中で、諸外国と比べて高齢者、障害者のために使われている分野が余りにも少な過ぎるというふうに今考えているわけです。じゃ日本国民がそういうニーズがないのか、決してそういうことはありませんで、ニーズはあるというふうに考えておりまして、そのニーズをいかに掘り起こしてそのビジネスにつなげていくのかという、そこのところにもう移っているのかなというふうに理解しておりますが、お答えにあるいはならなかったかもしれませんが。
  56. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今いろいろおっしゃっていただいたわけですが、やはり先生のその論文の中に、この信託制度に福祉的な要素を求めるという、それも、もちろんそればかりではないというふうな今のお話でございましたけれども、この福祉型信託の担い手として公益法人やそれからNGOなどへの信託業解禁をすること、それも求められているわけですが、今回のこの信託業法改正では、例外を除き、株式会社のみにしか信託業務が認められていないという現実があるわけです。  これ、信託業を営む者としての信頼性、それから継続性の確保や、それから投資家保護などを確保するその必要からという観点から見ていきますと、公益法人やそれからNGOに信託業を解禁することによって、現状で可能であるというふうに考えていらっしゃいますか。
  57. 新井誠

    ○参考人(新井誠君) はい、可能であると考えております。
  58. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 新井参考人。
  59. 新井誠

    ○参考人(新井誠君) 済みません。  可能であると考えております。  業法によっては参入基準が設けられているわけですから、あらゆる公益法人が自動的に参入するということにはならないわけです。一定の基準があります。  例えば、意欲を持っている公益法人につきましては、法務省がきちっとした監督をしておりまして、メンバーの構成員の意識も非常に高い、そういうのが参入できずに、株式会社ならいいと。株式会社というのは、御存じのように、資本要件が今非常に緩和されております。これは、やはり法体系全体から見てアンバランスではないのかと。更に申し上げますと、諸外国の例を見ても、株式会社しか信託業はできないという規制は、私の理解している限り、ほかにはないというふうに思います。ですから、担い手の拡大というのであれば、もう少し広く認めてもよかったのではないかというふうに考えております。
  60. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 糸数慶子君、時間が参っていますので、簡潔にお願いします。
  61. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 最後なんですが、やっぱりこの信託業と言われるものに関しては、やはり一部の富裕層の者のためという、庶民にはほど遠いものというふうな感じが確かにあるわけですけれども、ただ、信託銀行などから見ますと、財産家しか相手にしてくれないという、それが今回のこの信託業法の改正によって、今先生が指摘されましたように、やはり福祉の観点、それから先ほど話にありました成年後見人制度を連携させることによって高齢者、障害者のセーフティーネットとしての福祉型社会の重要なシステムとして普通の市民が使えるようになるということがとても重要だということを感じました。  以上、古沢参考人と新井先生にお伺いいたしましたけれども、時間もございませんので、一点だけ、先生にこの感想をお伺いして終わりたいと思います。
  62. 新井誠

    ○参考人(新井誠君) 福祉型信託の将来ということですね。  先ほども申し上げましたけれども、普通の日本人が高齢社会に備える財産管理制度として使えるような信託、そうするとニーズもすごくあるわけですので、アメリカのように一部の富裕層が使われるということじゃなくて、一般の市民が使えるような信託というのを是非実現していただきたいというふうに考えております。
  63. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 ありがとうございました。
  64. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  一言御礼のごあいさつを申し上げます。  両参考人におかれましては、大変お忙しい中、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手)  午前の審査はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時十三分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  65. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  信託業法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房都市再生本部事務局次長清水郁夫君外十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  67. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  信託業法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として独立行政法人都市再生機構理事長小川忠男君外二名の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  また、財政及び金融等に関する調査のため、来る十一月三十日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認めます。  なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  71. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 休憩前に引き続き、信託業法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  72. 山下英利

    ○山下英利君 自由民主党の山下英利でございます。トップバッターとして、この今議題となっております信託業法案につきまして政府側に質問をさせていただきたいと思います。  まず、大臣、衆議院本会議の都合というふうに承っていますので、まず冒頭に大臣の御所見、御説明をお聞きをしたいと思います。  まず、私から申し上げたいのは、先般いただきました趣旨説明を基本といたしまして、昨今、信託の社会的なニーズ、これが非常に高まっているということをお聞きするわけでありますが、具体的に申し上げまして、なぜこの信託のニーズが高まっているのか、その辺のところを大臣の御所見と、それから今後の展開ということにつきましてお聞きをいたしたいと思います。
  73. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。  今委員から信託活用のニーズが高まっている理由についてお尋ねがございました。この理由につきましては、産業界における知的財産権の重要性の高まりや、あるいは資産の流動化に関する環境の成熟化を受ける形で知的財産権のグループ企業内での集中管理、そしてTLOによる大学技術の企業等への移転の促進、そして売り掛け債権や不動産等の流動化及び資金調達の手段といった分野で信託機能を活用したいというニーズが高まっているということが挙げられるというふうに思います。  また、一般の事業会社を含む信託業への参入ニーズというものも高まってきておりまして、具体的な例を挙げさせていただきますと、不動産会社が不動産の販売、賃貸に関して有するノウハウというものを生かして受託不動産の管理運用業務を行うこと、また信託会社が投資家から信託を受けた資金を利用し中小企業等に貸出しを行うこと、さらには、その他、金融機関以外の者が信託業へ参入し多様な信託商品の提供を行うことなど、ニーズが高まってきているところであるというふうに考えているところでございます。  こうしたニーズにこたえることによって信託業の発展というものが実現をし、そしてそのことが日本経済の活性化につながってくるものだというふうに私どもとして期待をしているところでございます。
  74. 山下英利

    ○山下英利君 どうもありがとうございました。  今の御説明の中で、やはり企業のニーズというものを主体にしているということなんですけれども、大臣はこれから衆議院本会議ということなんで、これからは副大臣、政務官にお願いをしたいと思います。  それで、次に、今の質問とはまた別にお聞きをしたいんですが、今回の信託業者の認定基準についてなんですけれども、株式会社、そしてもろもろの条件が付されている、これを満たさないと新規参入ができないということなんですけれども、副大臣にお伺いいたします。  金融庁として、具体的にどういった会社がこれに該当すると、入ってくるというようなイメージをお持ちでいらっしゃいますか。
  75. 七条明

    ○副大臣(七条明君) 一つずつ考えてまいりますときに、考えられますことは、今まで参入をしておらなかったような、今回の場合については知的財産権、知的所有権のようなものをする業、それを業としていくような者については出てくるものと思いますが、具体的には理事者の方から答えさせていただきます。
  76. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  いろんな会社といいますか、いろんな形で参入があると思われます。今副大臣から御答弁させていただきましたように、知的財産権についてそのグループ内企業でこの信託を活用するといったケースだとか、あるいはTLOなどによる信託の活用、あるいは不動産会社が受託不動産の管理運用を行うために信託を活用する等々、様々な会社が参入してくるというふうに考えているところでございます。
  77. 山下英利

    ○山下英利君 どうもありがとうございます。  今御説明をいただいたんですけれども、今回、その知的財産権といったような受託財産の多様化、これに対応しているというところの御説明がかなり力点を置かれてあったわけでありますけれども、それで、今回、この法案の中を拝見いたしますと、この信託会社が信託業務の一部を第三者にも委託できるというふうな形で、信託会社が、本体でなくて、その業務の一部を委託しながらやるというようなこともうたってあるわけなんですけれども、これは具体的にどういうイメージを考えていらっしゃるか、金融庁の方に質問させていただきます。
  78. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  まず、この本法案で信託会社が信託業務を第三者に委託するということができることになっておりますが、ただ、この仕組みを若干御説明を申し上げますと、この法案におきましては、免許申請等の際に提出する業務方法書に、信託業務の一部を第三者に委託する場合に、その委託する信託業務の内容及びその委託先の記載が必要となっておりまして、仮にその委託先が確定していない場合には、委託先の選定に係る基準及び手続などを記載する必要があるということになっております。  それから、委託の範囲につきましては信託業務の一部に限られておりまして、委託先等が信託契約に明示されていることとされるとともに、委託先につきましては委託された信託業務を的確に遂行することができる者であること、あるいは委託先に係る契約において、委託先が委託された財産を自己の固有財産と分別して管理すること等の条件が付されていること、こういった条件を満たす必要がございます。  そういったことで、そういう規制の下で委託先へ委託ができるということになっておりまして、この規制の中でいろんな委託のケースが考えられると思います。具体的なことにつきましては、この今の段階で様々なケースが考えられますので余りお示しするわけにはいきませんが、こういった制度を利用するということは当然考えられるというふうに考えております。
  79. 山下英利

    ○山下英利君 したがって、先ほどちょっとお話があった例えば知的財産権、実は今朝ほども参考人に対する質疑の中で同じような質問をさせていただいたんですけれども、知的財産権というのは非常に専門性の高い、かつその中身をよく調べるということが非常に難しい、専門家を使わなければいけない、そういった部分において従来の信託銀行が本体でそのままやるというのはなかなか難しいというふうなお話も聞いたわけであります。  したがって、この第三者に委託ができるといった場合に、例えば知的財産権の中でもどういったものについて、まあいろいろあります。今日話が出ていたのは、例えばゲームのソフトであるとか、そういったものについては対応もできるだろうけれども、例えば製造業が持っている非常に先端的な技術あるいはソフト、一般的でないソフトとか、そういったものに対する評価とか、こういうのは非常に専門家に依存しなければならないというようなところがありますんで、この第三者に委託をするといったところでのその委託の先の基準ですね、これをしっかりと、見る際に、そういった技術面であるとか、いろんな要素を含めていかなければいけないと。また、今度反対に、例えば金融庁がこの信託業という形で今度は検査、管理をしていく場合には、そういったものにまで踏み込んでいかなければならないんじゃないかなと、そのように思っています。  これは質問ではありません。したがって、これは知的財産権を信託財産として広げるという中でいろんなビジネスモデルが出てくると思います。それに対するやっぱり金融庁の目線というのを変えていかないと、また不測のことにぶつかるということも往々にしてあり得るわけなんで、どうかそこの点はよろしくお願いを申し上げたいと思います。  そして、私の次の質問なんですが、これに依存してきます。今は大体企業サイドというような話がありました。ですけれども、これが今度流動化していって、例えば個人の方へ振り向けていった場合に、いわゆるよく言われているのがプライベートバンキング業務というのがあります。  プライベートバンク業務というのは、じゃ実際中身どういう業務かと、その基準が決まっているわけではありません。ありませんので、いわゆる一般的に言ういわゆる個人取引、これの中で要するにこの投資顧問会社というものが、債権が流動化するときに、この信託会社と兼営、あるいはどういう形でこういった個人向けにプライベートバンク業務を展開していくんだろうかというようなところは、金融庁、どのような目線で見ておられるか、それをお答えを願います。
  80. 七条明

    ○副大臣(七条明君) 今、プライベートバンキングについてと、こういうことでございましたけれども、本来、先生言われますように、プライベートバンキングそのものは法令上定義がないと、こういうようなことをおっしゃっておられました。実にそのとおりでございますが、この法案の中で信託業務については、いわゆる多様な形で富裕層のニーズの、特にお金をたくさん持っておられる方々のニーズの多様といった観点においてプライベートバンキング業務と同様の機能を有していると考えるべきであろうと考えております。  したがいまして、法令で定める業務の範囲内において、投資顧問会社等が信託会社となった上で、信託業務としていわゆるプライベートバンキング業務と同様の業務を行うことも想定をされるのではないかと、こういうふうに考えておるところでございます。
  81. 山下英利

    ○山下英利君 ありがとうございます。  こういった信託の業法のような形の討議のときには、やはり具体的なイメージがないとなかなか審議の際に分かりにくいというところもありますので、そういった意味で質問をさせていただいているわけでございます。  次の質問なんですが、したがって、そういった、今回他業種から参入をするということになりますと、いろんな義務規定、これは信託業法においては今回の中に盛り込まれております。  ここで一点お聞きをしたいのは、例えば守秘義務規定というのがあります。これは、例えば銀行における守秘義務規定というのはかなり厳しい守秘義務規定があるんですけれども、例えば先ほどお話のあった不動産業あるいはほかの他業種が信託業という形で今回入ってきた場合に、いわゆる従来金融業が持っている、課されている守秘義務規定と同じ扱いの守秘義務規定が課されるのかどうか、そこの点をお聞きをしたいと思います。
  82. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  本法案におきましては、信託会社あるいは信託契約代理店、それから信託受益権販売業者につきまして、明文によりまして守秘義務の規定は置いてございません。しかしながら、信託会社につきましては、法令及び信託の本旨に従い、受益者のため忠実に信託業務を行わなければならない、これは二十八条という条文に書いてございますが、ここに規定されているところでございまして、忠実義務というのがございます。これが、受託者は専ら信託財産、すなわち受益者の利益のためにのみ行動すべきであるという義務でございまして、信託会社等が当該信託契約において知り得た秘密を正当な理由なくして漏らすということは、これは受益者の利益に反する行為ということでございますので、忠実義務に違反する行為であるというふうに解することが可能ではないかと思います。  したがいまして、今申し上げました信託業法上の忠実義務規定、それから契約上規定されている場合の義務、あるいはこれまで長年にわたって信託銀行等が行ってきた信託業務等を通じて構築されてきました慣習法等を根拠といたしまして、信託会社などにつきましても守秘義務があるというふうに解し得るものというふうに考えております。
  83. 山下英利

    ○山下英利君 ありがとうございます。  守秘義務規定というのは、これは金融だけじゃなくて、こういった信託、特に個人を介する仕事になったときに一番大事な義務規定だと私は思っておりますので、その辺のところがきっちりと検査あるいは指導等によりまして今後遺漏がないようにお願いをしたいなと、そういうように思います。今の御説明によれば、信託業の守秘義務ということで従来の信託銀行とも同じ扱いというふうな御説明でありますので、きっちりとやっていただきたいと、そのように思います。  それで、そうしますと、もう一度金融庁さんにお聞きをしたいんですが、他業種から入ってきた信託会社ですね、これはある意味じゃ子会社という形で入ってくるんではないかなと思いますけれども、そういった他業種といわゆる信託銀行、いわゆる銀行、金融機関等に課される義務というのは基本的に信託の部分については全く同じだと、そういう理解をしてよろしいんでしょうか。そして、それであれば、いわゆるコンプライアンス、これに対しても、要するに一般の金融機関と同じ目線というか同じ基準のコンプライアンス規定というふうなことになるんでしょうか。その辺はいかがでしょうか。
  84. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  先生御承知のように、例えば銀行につきましては大変厳しい監督あるいは検査を行っております。これは、預金者、預金を預かっているという意味で免許業種でございますし、そういう意味ではいろんな形での、ガイドライン等も含めて厳しい規制を行っております。  信託会社自体のコンプライアンスというのは非常に大事だというふうに思っておりますが、そこの部分は業法によってそれぞれの規定の在り方というのが違っておりますので、当然そのコンプライアンスという意味では大事だということは同じでございますけれども、多少そこの部分は、例えば銀行と全く同じということではないかもしれません。ただ、いずれにいたしましても、何回も申し上げますが、そういったコンプライアンスの観点からの監督というのは非常に大事だと私どもも思っております。
  85. 山下英利

    ○山下英利君 今の御説明、よく分かります。金融とそれから信託って違いますから、ですから、信託をやる部分においては、銀行がやらなきゃいけないコンプライアンスも、それから一般のほかの業種が、会社がやらなければいけないコンプライアンスもこれは同じだと。そのコンプライアンスの中身については、これからしっかり見て、銀行を見て、金融機関を見ていらっしゃる金融庁がやはり目線というものをどこに置くかというのは非常に大事だと思いますので、そこのところよろしくお願いしたいと、そういうように思います。  もう一つ、もう一点はその個人の信託ということで今朝ほどの参考人質疑でも少しお話が出たんですが、やはりこれからの高齢化社会に対応したいわゆる公共信託、パーソナルトラスト、こういったものについてやはりこの信託というものが持つ位置付け、いわゆる将来の介護とか、そういったいわゆるお客さんのニーズに合わせるサービスということで考えたときには、その財産管理と、それからそのお客さんの身上監護というんですか、そういった面でのサービス、受益者介護というんですか、をやっていく意味においてこの信託というのが非常に有効なツールだというふうに伺っているところなんですが、今後、この分野における信託というものの発展について、金融庁、どう見ていらっしゃるか、あるいはその問題点というのをもう既にお持ちであれば、それをお聞かせいただきたいと思います。
  86. 七条明

    ○副大臣(七条明君) 今御指摘のパーソナルトラスト、いわゆる御指摘をされておられる福祉に、これからのニーズの中で、特に福祉の信託、その意味でおきますと、例えば知的障害者や神経障害者子供を持つ親が自宅の、自己の保有するアパートや賃貸マンションについて遺言信託を設定をする、あるいは親の死後も受益者である障害者に安定した生活費を供給していくというような福祉信託というケースが一つございます。  また、自宅不動産に住み続けながら、自宅不動産を担保にして年金式により資金の融資を受け、死亡などの契約期間満期時にその不動産の処分等により元利一括返済を行う制度、いわゆるリバースモーゲージについて、これらを信託を行っていくことも検討をされる。  これらのスキームについて信託を活用するメリットは、いわゆる利用者がいろいろな形で、利用者が高齢者であるために不動産の管理について、あるいは利用者の過誤あるいは第三者の詐欺や脅迫によって譲渡、担保権の設定等がなされることがあろうかと思ってまいります。信託を利用すれば所有権は受託者に移転する等々のことが考えられますから、問題が生じた場合にも早く解決をしやすいというようなことが出てまいります。また、信託設定期間中に高齢者の方々が意思能力が低下をしてくるような場合も起こってまいりますが、これらも信託は持続するという観点で法的には安定したものにはなるのではないかと。こういう意味では発展をしていく要素につながっていくものではないかと思いますし、今後はそういう意味でのニーズが高まっていくのではないかと、こういうふうに考えるところでございます。  また、先ほど問題というような表現で先生おっしゃっておられましたけれども、パーソナルトラストについて、信託制度上の問題として、こうした福祉目的の信託を行う場合には株式会社以外の参入を認めることができないかとの御指摘があることは承知をいたしておりますが、株式会社以外の者について、信託業への参入については、その必要性や妥当性を踏まえて、現在改正作業中の会社法制の動向や他の信託業、信託業態の取扱いとの整合性、現在進められている公益法人改革論議にも踏まえて、今後参入についてどうあるべきかということも考えていかなければならない課題だと、こういうふうに考えているところでございます。
  87. 山下英利

    ○山下英利君 どうもありがとうございました。  すなわち、信託というのは、例えば、今よく言われているのは、この市場の、貯蓄から投資へというふうなところに軸足を置いて、資本市場の開拓というふうなことも言われておりますけれども、実際にはこういった将来介護みたいな、そういった受益者のニーズを幅広く取り入れていける、そういった事業であると。したがって、今までのところはその信託、ついつい信託銀行というイメージで、金融というイメージがずっと付きまとっているんですけれども、やはり今後はこの信託業というのが金融業以外の部分にも広がっていかなければいけないんじゃないかなと、私はそのように思います。  したがって、今副大臣御説明になったとおり、いわゆるパーソナルトラスト、この部分については金融という部分を離れた側面もあると思いますので、また引き続き御検討といいますか、この分野をしっかり見ていっていただきたいなと、そのように思うところでございます。  で、また本題にちょっと戻らせていただきたいんですけれども、実際、中小企業の資金ニーズにこたえる、あるいは大企業の資金ニーズにこたえるといった意味での信託でありますけれども、よく言われているこの信託、これが日本の場合にはどうしてもカストディーといいますか、管理を主体にした業務というふうに位置付けられてきたところがあります。例えば、アメリカで言ういわゆるトラストと法制面でも違いがあるということは私もよく存じ上げております。  その中で、例えばプロジェクトファイナンスと申しますか、融資をする際に、従来は例えば不動産の担保がなければ貸出しができないと、こういうふうに言われたところを、最近は不動産担保じゃなくても、いわゆる流動性を担保するような努力をして、そしてきちんとした資金フロー、これを確保しながら融資を行うという努力というのも民間の金融機関でされていると、そういうふうに聞いているんですけれども、金融庁の方で従来御検討をいただいているというふうにお聞きをしておりますけれども、いわゆるエスクローアカウントというのがあります。  これは要するに銀行の預金勘定から分離するということでありますけれども、私も細かいところについてはよく存じ上げないところがありますので、ちょっとその辺のところを御説明いただきながら、その検討状況について御報告をいただきたいと思います。
  88. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  今先生御指摘のエスクローアカウント、エスクロ勘定というものでございますが、これは例えばインターネットを通じた物品等の売買における取引の安全を図るという目的で、買主が商品の確認を完了するまで買主からの購入代金を預かりまして、その確認後に売主に送金するサービスに用いる勘定でございます。  要するに、買主としてはどういう商品か分からないという、インターネットの場合にはそういうことがあるわけでございますから、そういったことを確認しないで代金を送るということになりますと、いろんな事故、トラブルのもとでございますので、そこをこのエスクローサービスをする者が中に入ると、そういうことではないかというふうに考えております。  こうしたサービスにつきましては、例えばその信託会社たるサービス提供者が買主を委託者、それから売主を受益者として、自らが受託者となって購入代金の信託を引き受けまして、その管理、処分を行うという信託スキームの活用を通じて提供されるということが考えられるわけでございます。  ただ、いずれにいたしましても、まだその具体的なスキームにつきましては今後いろんな形で検討が行われるというふうになるというふうに考えておりまして、私どももそういった動きにも注目をしていきたいというふうに思っております。
  89. 山下英利

    ○山下英利君 ありがとうございます。  このエスクロの勘定というのが従来から日本では法制度上できないというふうなことで聞いておりまして、金融機関にしてもそうですし、あるいは一般の方が、先ほど御説明いただいたように、ネットで購入をすると、そういったときの購入代金の決済等についてもそこをしっかり担保できるというふうに、一般の預金口座から分離した形の勘定の設定ができるという形になれば、これは非常に信頼、いわゆる消費者からの信頼というのも出てきますし、それからまた一方、融資という形であっても、一般の預金口座と分離した形でしっかりそれを引き当てとして見るということができれば、従来型のようないわゆる不動産による担保というものがなくてもリスクが取れるんではないかなと、そういうふうに思いますので、これは非常に有効なツールではあると思います。  そういった意味におきまして、今の局長からの御説明、まだまだ道半ばというような印象を持っていますけれども、これは是非とも金融庁の方でこれを実際に具体化できるように御検討いただきたいと思いますが、その辺のところはいかがでございましょうか、副大臣
  90. 七条明

    ○副大臣(七条明君) 今先生から御指摘の問題につきまして、特に今貯蓄から投資へという流れの中で、信託業務が持つ一つのこれから幅広い利用やニーズが出てくるものではないかと考えておりますから、今先生の言われるようなことも十分認識をしながら金融庁としては前向きに検討してまいりたいと考えております。
  91. 山下英利

    ○山下英利君 ありがとうございました。  私、時間になりましたんで、これで質問を終わります。
  92. 大塚耕平

    大塚耕平君 民主党の大塚でございます。  今日は、せんだって本会議質問をさしていただいた内容を踏まえて質問をさしていただきます。また、今日、私の後にはもう実務に詳しい専門家が御質問に立たれますので、後の質問者の皆さんの参考になるように、まず種をまくような質問をさしていただきたいと思っております。  まず、冒頭、伊藤大臣にはせんだって本会議で大変丁寧に御回答いただいたことを心より御礼申し上げます。私はずっとやじ一つ飛ばさずにまじめに聞いていましたんで、やはりきちっと御答弁いただくということの繰り返しが国会審議を実のあるものにしていくというふうに思っておりますので、今日もそういう姿勢で質問をさしていただきますので、是非御回答をしっかりしていただきたいと思います。  まず最初に、本会議でも、政省令が大事だと、今回は金融庁さんですから府令がこれから出るわけですが、そういうことを主張をさしていただいたわけでございますが、昨日の日経新聞の一面は、御記憶の方も多いと思いますが、住友信託さんが年明け早々に知的財産権を商品化する、信託商品として活用するという記事が出ておりました。  年明け早々ということで、信託業法も成立が見込まれることからというふうになっていましたので、もちろん今回私どもも基本的には賛成の立場でございますので、そういう見通しで動かれること自体は結構なことだと思うんですが、会期は十二月三日まででございます。それまでに成立して年明け早々にそういう新商品が出てくるということは、この後、府令についてはどういうスピード感でお作りになって、いつパブリックコメントに付して、そして施行はいつというふうにお考えになっているのか、現時点で御開示いただけるスケジュールがありましたらお伺いしたいと思います。
  93. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  この法案は、金融・資本市場の基盤整備を進めるために不可欠なものだというふうに考えておりまして、法案成立後、できる限り速やかに施行が可能になるように努めてまいりたいというふうに考えております。したがいまして、関係府令等の作成、あるいはそれの、その過程でパブリックコメントも必要になるわけでございますが、これも速やかに実施したいというふうに考えておりまして、それをした上で、法律の施行につきましても、こうした手続に要する時間を勘案しながら、早ければ年内施行も視野に入れて検討をしているところでございます。  他方、この法案の施行に対する民間事業者の準備の必要性等もございますものですから、そういったことで、必要に応じて所要の経過措置を設けることも含めまして、具体的な施行期日について今後十分検討してまいりたいというふうに考えております。
  94. 大塚耕平

    大塚耕平君 年内施行もあり得るということなんですけれども、やはり証取法改正案と同様に府令の中身についてはいろいろ意見も申し上げさしていただきたい点がございますので、私ども政治家は十二月も中旬になりますと年末のあいさつ回りやら忘年会やらでなかなか時間が取れませんので、もうちょっと、局長、具体的にパブリックコメント、もしこれちゃんと法案が成立したら、いつ府令の案が出てきて、いつからいつまでコメント期間だというのを、スケジュール言っていただいてもいいと思うんですけれども、はっきりおっしゃっていただいた方がいいと思いますが。
  95. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 今の御質問にお答えいたしたいと思います。  今申し上げましたように、私ども、なるべく早くという気持ちは非常にあるわけでございますが、この段階で例えば何日からのパブリックコメントというところまで、まだそこまでは、まだ法案を成立さしていただいてないものですから詰め切れておりません。  いずれにしても、先ほど申し上げましたように、早ければ年内施行も視野に入れながらスケジュールを組んでいかなければならないというふうに思っております。
  96. 大塚耕平

    大塚耕平君 どうやら十二月十三日ぐらいからだということのようでありますが。  いずれにしましても、非常に、十年前、十五年前から考えたら本当に想像も付かないような金融の自由化に向けて進んでいるわけでありますので、是非パブリックコメントの段階でも意見交換をさしていただきたいと思います。  さて、本会議の中で幾つか質問をさしていただいたんですが、法案の五条の人的構成について、その詳細はどういう基準になるんでしょうかということをお伺いしました。新しい信託会社が参入を求めてきた場合に信託業務ができるに足る人たちが採用されてなければならないということでございますが、一体どういう人がそれに該当するのかということで、伊藤大臣の御回答では必ずしも具体的な基準まではお話しいただけなかったわけでありますが、あのとき私は、私が例えばその信託会社にいたら私はオーケーなんでしょうかノーなんでしょうかということをお伺いしたわけですが、例えば私はどうでしょう、オーケーでしょうか、ノーでしょうか。
  97. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  なかなか先生の、具体的なその審査で先生がどうなのかというようなお答えはできないと思うんでございますが、いずれにいたしましても、ここに書いてございますように、法案の中にございますように、信託業務を的確に遂行することができる知識及び経験を有する者の基準につきましては、やはり信託業務の特性等も踏まえまして、したがって、その信託、どういった信託業務をやるかということにも左右されるわけでございます。そういったことを踏まえまして、やはり個別具体的に判断をしなければならないというふうに思っております。  審査におきましては、先ほど申し上げました例えばその信託会社の営業、それから管理運用、内部監査法務・コンプライアンスなどといった部門にそれぞれどのような知識、経験を有している役職員を配置しているかと、そういったことをチェックをするといったことも必要だというふうに思っておりまして、いずれにいたしましても、ちょっと、そこを個別具体的に判断をするということで、一義的なお答えというのはなかなかできないということでお許しをいただければと思います。
  98. 大塚耕平

    大塚耕平君 通常国会の証取法改正案のときの局長とのあの審議を思い出してしまうんですけれども、いや、今の御回答では困る人たちが一杯いるんですよ。これから信託会社を申請したいというときに、じゃ、だれを採用して置いておけばいいんだということを悩むわけですよね。  個別具体的に、じゃ例えば私の場合がいいのか悪いのかというのは何か、私、面接か何かしていただけるんですか。いやいや、これ重要なところなんですよ。どういうふうに考えていらっしゃるんですか。これを府令の中でどういうふうに書こうとしていらっしゃるんですか。
  99. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 先ほどちょっと申し上げましたように、それぞれがいろんな部門に所属をされているんだろうと思いますんで、その所属する部門によっては例えば信託業務への従事経験等が必要とされるといったことが考えられると思いますし、あるいは、そういう信託業務以外にも、いろんな部門において金融業務の知識あるいは従事経験が求められる部門、そういったものがあろうかと思いますので、そういったところのやはり勤務経験等々について考えるということもあると思います。  いずれにしても、そういった部門で個別具体的、その信託業務の内容も含めまして判断をしなければならないというふうに思っております。
  100. 大塚耕平

    大塚耕平君 いや、個別具体的にといいましても、これは別に今日は絡んでいるわけじゃないんですよ。本当に知りたいんですよ。現に私の知り合いでも信託会社やりたいという人いるものですから、じゃ一体どういう人を採用すればいいんですかって私も聞かれているんですけれども、分からないんですよ。  例えば、信託銀行に勤務経験があるというと、これは非常に明快ですよね。ただ、そういう方ばかり集められるわけじゃないですから、個別具体的にどういうふうに審査するんですか。当然、じゃ信託会社の業務担当者の履歴書を出してくださいとか、そういうことを多分審査当局としてはされると思うんですけれども、何を見るんですか。
  101. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) なかなか的確にお答えできなくて恐縮でございます。  今のように、私、何回か申し上げましたけれども、勤務経験とか、あるいは研修、各種研修の履歴等といったものが勘案されるということがあるんだろうと思います。  さっき部門がいろいろと、いろんなことを申し上げましたが、例えばコンプライアンスの、いわゆる法令遵守の管理部門なんかにおられる方はそういった意味でその信託関係の法令に関してどれだけ知識を持っておられるかとか、あるいは信託の財産の運用部門であれば、例えば不動産の信託を行う、そういう信託会社であれば、そういった不動産業務にどれだけの知識、経験があるかと、そういったそれぞれのその信託の業務の内容に応じて知識、経験についてその審査をすると、そういうことだというふうに考えております。
  102. 大塚耕平

    大塚耕平君 そこまでお伺いすると、どうやら金融庁がお考えの基準は、信託業務そのものではなくて、何を信託するのかという対象資産の特性に応じてその人的構成要件を考えるというふうにも私には聞こえるんですね。だから、それならそれでいいんです。ここで明快な結論が出るとは思いませんが、そういうことを府令の中で少しでも明確にできるならしていただきたい。  例えば、私たちは党としては反対ですが、今度、郵便局が投信販売をするという法案も、これは法案には反対なんですけれども、ただ、じゃ郵便局の局員の方が投信を販売するときに、じゃどういう方だったら販売できるかというときに、一応研修受けて一定の資格を要するというふうになっていますから、これはこれで法案の是非とは別で、人的構成要素については極めて明確なんですよ。  ところが、この今回の信託会社の場合は、じゃ、例えば、今朝、信託協会の古沢会長いらっしゃっていましたけれども、協会の方で研修を用意して、その研修を一応クリアした方が一人でもいればいいとか、やっぱりそこはもう少し明確にしていただかないと、個別具体的に金融庁が審査するといったら、もうみんな金融庁の顔色をうかがって、今でもうかがっているわけですが、非常に商売やりにくくなるわけですね。是非その辺は明確にしていただきたいと思います。  それに関連してですが、ちょっと質問の通告の順番と違いますが、法案の二十二条の再委託の問題、先ほど山下委員も御質問になりましたけれども、再委託の詳細について、これ府令ではどのように定める予定になっておられますか。
  103. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  法二十二条に規定いたします信託業務の一部の第三者委託の要件といたしまして、内閣府令では、業務委託契約におきまして、まずその委託先の分別管理義務、さらに委託先による業務の再委託の禁止、これは信託会社の同意を得た場合には除こうと思っておりますが、さらに財産管理状況等についての委託先の説明義務、また財産管理状況等に関する書類の委託先の備置義務及び信託会社における閲覧請求権、それから委託者及び受益者の権利保護のための信託会社による解除権といった条件が規定されていることということを定めることを考えております。  いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、速やかに検討した上で、パブリックコメント等によりましてより広く関係者の御意見をちょうだいしたいというふうに考えております。
  104. 大塚耕平

    大塚耕平君 今、二番目のところでおっしゃった委託先による業務の再委託の禁止、ただし信託会社の同意を得た場合を除くというのは、この場合の委託先による業務の再委託の禁止という、この委託先というのはだれを指すんですか。当初の対象資産の保有者ですか。つまり、何といいますか、顧客ですか、それとも、ここで委託先ということは受けた信託会社のことを言っているんですか。
  105. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 先ほどの申し上げました委託先という意味は、信託会社が信託財産を管理運用する、言わば信託契約の委託者から受託をするわけですね。その受託をしたいろんな仕事をどこか第三者に一部委託をすると、そういうことでございます。
  106. 大塚耕平

    大塚耕平君 そうすると、この委託先による業務の再委託の禁止、ただし信託会社の同意を得た場合を除くというふうにおっしゃったということは、その括弧内の信託会社はその最初の委託先を指すんですか。
  107. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) そのとおりでございます。
  108. 大塚耕平

    大塚耕平君 いや、ちょっと違うような気がするんですよね。委託先による業務の再委託の禁止、そこで言う委託先が最初に仕事を受けた信託会社のことを言っているとすると、その後におっしゃった信託会社の同意を得た場合を除くというのはおかしいですよね。論理矛盾ですよね。そうすると、後段の信託会社はだれのことを指しているんですか。
  109. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 失礼いたしました。私、勘違いをいたしておりました。  委託先による業務の再委託というのは、委託をした先を更に再委託をするということだというふうに考えます。
  110. 大塚耕平

    大塚耕平君 そういうことなんですよ。だから、これから府令でそこを、私も議論させていただきたいんですが、先ほど山下先生は再委託について質問されたんです。私も本会議ではそこまで質問しました。  ところが、この府令の中で定めようとしているのは、もう初めから再々委託まで想定しているわけですよね。それがいいとか悪いとか言いませんよ。再々委託まで想定しているということは、再々々委託はオーケーですか、再々々々委託はどうですか。どこまでだったらオーケーですか。
  111. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) この委託先の再委託の禁止の趣旨というのは、民法上、受任者は委任者の許諾がある場合、その他やむを得ない場合を除き、自分で事務を処理し、これを他人に任せてはならないということ、そういった規定がございますが、それに照らして、信託会社から信託業務の委託を受けた者は信託会社の同意がない限り信託業務を再委託することができないという趣旨を明確化をしたと、そういう趣旨でございます。したがいまして、そこには書いてございませんが、更にそれを委託をするということが駄目だとは書いてございません。  ただ、それが望ましいかどうかというのは、確かにいろんな監督上の問題があるかもしれませんが、規定上それが禁止をされているということではないと思います。
  112. 大塚耕平

    大塚耕平君 私自身も今すぐここで再々委託や再々々委託がいいとか悪いとかという特に先入観を持っていないんですけれども、この話はだから最初に申し上げた人的構成の話と関係してくるわけですよ。  最初から再々委託を想定しているような信託会社が参入してくると、別に大して詳しくない担当者を置いておいても、いやいや、いいんですと、どうせ再々委託しますからと言っていれば、中抜きするような信託会社が一杯出てくるわけですね。そういうときに金融庁さんは、個別具体的に審査をするというときに、あるA社には、おたくはその適格担当者がいないから駄目ですと言って、あるB社には、なるほど、おたくはどうせ再々委託をすることに前提しているから、まあこのぐらいの人でいいですねという、そういう審査をするかのような錯覚、錯覚なのかどうなのか分かりませんが、そういうふうに思う人も出てくるわけですよね、金融庁はそういう判断をしているんじゃないかというふうに。  だから、せっかくこの信託機能を活用して日本の金融環境を更に進化させたいと思っているときですから、本会議の中でも申し上げたように、実はこれ証券仲介業を解禁する以上にもっと本当は細かく、取りあえずスタート段階ですから、府令の中や、あるいはできればもっと法律の段階で決められることがあれば決めておく。少なくとももう少し状況が分かるまでは、再々委託まではともかくとして、再々々委託は禁止するとか決めておくべきだと私は思っているんですが、そこは現時点で何かお考えがあればお示しいただきたいですし、特に、現時点では、先ほどおっしゃったように、民法上の問題がなければ原理原則としてはいいんだと、どこまで行ってもということであれば、今後パブリックコメントの中でいろいろ意見を言わせていただきますが、何かおっしゃることがあればおっしゃってください。
  113. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように、先生の御質問で、今、私どもが府令で考えているものを、ここの考え方を申し上げたわけでございまして、これからしかるべくパブリックコメントも含めて関係者の方々のいろんな御意見も踏まえながら、そういった府令以下の規定を決めていきたいというふうに思っております。
  114. 大塚耕平

    大塚耕平君 是非よろしくお願いいたします。  それと関連して、その再委託をどこまで認めるかというので、全部は駄目だというふうに書いてありますよね。預かり資産の何割ぐらいだったらいいとかという、そういう定量的な目安も府令に盛り込むんでしょうか。
  115. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 現在のところ、定量的にどのぐらいということを盛り込むつもりはございません。
  116. 大塚耕平

    大塚耕平君 しかし、これも重要な点ですから、現時点ではそういうお考えかもしれませんが、是非何かほかの、確かに数字で何%というのは難しいと思いますけれども、何か妙案がないかどうかは更に施行までの間に一緒に考えさせていただきたいと思います。  さて、次に知的財産権の問題についてお伺いしたいと思います。  これも本会議の中で、特に私の質問ではグループ内企業の知的財産権の評価の公正性、客観性をどのように維持するのかということをお伺いしたわけでありますが、これについても必ずしも明快な御回答ではなかったと思いますが、改めてお伺いをしたいと思います。  今申し上げましたような点について、府令の中でどのような工夫をすることによって公正性、客観性を維持されるのでしょうか。グループ内企業の場合の信託資産の場合、あるいはごく一般的に知的財産権を信託会社が預かった場合、双方についてお伺いしたいと思います。
  117. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) どなたが御答弁されますか。
  118. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) これは本会議でも答弁させていただきましたが、グループ企業内の信託についても、その委託者及び受託者において合理的かつ目的に沿った公正かつ客観的な会計処理がなされる必要があることは当然でありまして、知的財産権の信託の場合も、委託者及び受託者等のグループ企業内でのモニタリングや監査役、そして会計監査人等の関与により、当該知的財産権の評価の公正性や客観性が担保され、適切な会計処理が行われることになるものと考えております。したがって、その会計基準というようなものをしっかり踏まえた処理がなされていくということが重要であるというふうに考えております。
  119. 大塚耕平

    大塚耕平君 今大臣は会計処理ということで、例えば監査法人の方がその持っている知的財産権をどのように評価するかという視点から多分御回答いただいたと思うんですが、昨日質問を通告するときに事務方の方にはお伝えしましたけれども、今年の前半に大変大ニュースになった日亜化学のあの中村修二博士の青色ダイオードというんですか、青色というんですかあれは、青色ダイオードの特許権の評価についてちょっと調べておいてほしいというふうにお願いをしたので、もし調べてあればお答えいただきたいんですが。  あのとき、あの中村先生の特許権については、その監査法人の評価と弁理士さんの評価というのが随分差があって、社内でも大問題であったというのが実は後日談として伝わってきているんですけれども、その辺の事実関係、いかがですか。
  120. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 今先生の御指摘の訴訟においてでございますが、原告側の中村教授が提出をいたしました価値評価は、超過収益額を千四百九十四億円、特殊事情を考慮すれば二千六百五十二億円というふうにされたのに対しまして、被告側の日亜化学工業が提出した鑑定書では、研究開発費それから自己資本コスト等を控除した結果、十五億円の損失とされていたということでございます。東京地裁の判決では、原告の請求どおり二百億円の支払が命じられたところでございます。
  121. 大塚耕平

    大塚耕平君 二百億という数字だけは我々すごく印象深く残っているんですが、今大臣、副大臣、政務官もお聞きいただいたと思いますが、被告側は十五億、諸控除をした結果ではありますが、まあしかし十五億という数字です。これは今の大臣の御発言からのと関連付けて申し上げれば、多分監査法人もかかわっての評価だと思います。一方、中村博士は、これは自分の特許権がどのぐらいの価値を持っているのかという、言わば弁理士的な発想かもしれませんし、あるいはこれはデューデリジェンスみたいな話とも関係あるかもしれません。その特許権が将来にわたってどれだけの価値を生むんだということを割り引いて現在価値に落としているのかもしれません。  これは、今後、この知的財産権がグループ内であれ一般の信託会社に信託されるのであれ、評価を求められたときにこの差というのは大変な差なんですね。これについては府令の中でどのように扱われる御予定でしょうか。
  122. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 私どもが今考えております府令でということに関しましては、この知的財産権の評価に関する規定ということは置く予定になっておりません。
  123. 大塚耕平

    大塚耕平君 いや、だんだん証取法改正案のときのOTCの議論と似てきましたけれども。  局長、いいですか。これ、今は、あるグループ内で例えば中村博士のような方がいて、青色ダイオードの発明をして特許を持っていたと。今は全然収益を生み出していないから、会社に発明料をくれと言ったら、全然収益を生み出していないからそんなもの上げられないよというふうに研究者は言われたという。ところが、この信託業法改正案が成立して、グループ内信託会社においてグループ内の特許を評価したら、突然これが五百億というふうに評価されたと。ということは、その研究者は今までは給料以外にやらないよと言われていたのが、いきなりバランスシート上は五百億の価値が出たら、当然何かもらえるんですよね。府令ではそういう、府令にそこまで書くことはできませんが、府令はそういうコンセプトで作られるということですね。
  124. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  信託業法は、いろんな形での信託の、何といいますか、業者の規制をすることによりまして信託受益者の保護、そういったことを図るということにはなっておるわけでございますが、それぞれの知的財産権なりあるいはそれぞれの財産権の評価について、こうでなければならないということを規定をするというのは、それは正にそれぞれの利用する民間の業者の方々がどういうふうに評価をするのか、あるいはその中でどういう取引が行われるのかと、そういったことに掛かってくるんだろうと思いますので、私どもからこういうふうにしなきゃいけないということをあらかじめ基準を設けるということは適当ではないんではないかというふうに思っております。
  125. 大塚耕平

    大塚耕平君 適当ではないんではなくて、難しいんですよ、その基準を設けることが。  じゃもう一つ、ちょっと違う切り口で是非お考えをお伺いしたいんですけれども、その信託された特許権なり知的財産権は現在価値ですか、それとも将来これだけの収益を生み出すであろうという将来価値の現在割引価値ですか、どちらですか、これは。
  126. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 知的財産権につきましてはいろんな評価の仕方があるわけでございます。先生よく御承知だと思いますけれども、コストアプローチ、マーケットアプローチ、インカムアプローチという三つの評価手段があるというふうに承知しております。  コストアプローチというのは、その知的財産権の取得に要したコストで評価するわけでございまして、自己開発特許の場合には主として出願コスト、研究開発費がこれに当たるということでございます。それから、マーケットアプローチというのは市場価値に基づいて評価する方法でありますし、インカムアプローチというのは、先ほど先生がおっしゃったように、将来のキャッシュフローの割引現在価値で評価する方法でございます。それぞれのアプローチの評価の仕方がいろんな場面で使われておりまして、例えば税制ではどういうふうに評価するかとか、いろんなアプローチの仕方が、評価のやり方が用いられているということでございます。  そういったことで、いろんな評価があるものでございますから、今後どういった、価値評価についてどういった基準が適当かということで、それぞれについていろいろな研究がなされております。  御承知のように、経済産業省の方では産業構造審議会に設置した小委員会におきましていろんな留意点、論点整理を取りまとめて調査したものもございますし、あるいは日本公認会計士協会におきましても中間報告の取りまとめが行われておりまして、これにつきましても知的財産権の評価の目的の明確化、その目的に適合した評価方法の選択、適用等について指摘を行っていると。  そういったことでございますので、いずれにしても、こういった取組が知的財産権を信託する場合の評価について更に公正性、客観性を確保することにつながってくるんではないかというふうに考えております。
  127. 大塚耕平

    大塚耕平君 念のために申し上げておきますが、我々は今回賛成であります、この法案。しかし、今の議論でお分かりのとおり、相当あいまいな部分があるんです。  もう局長、今の御答弁、私はもう拍手を送りたいぐらいなんですけれども、私の言ってほしいこともう何回も言ってくれました。いろいろな方法がある、いろいろな評価の仕方がある。だから問題なんです。だからここに質問していますように、評価の公正性、客観性をどのように維持するんですかということを本会議でもここでもお伺いしましたし、山下先生もおっしゃったわけで、これは信託機能を自由化するというのは結構なことだと思いますが、この部分をもう少し真剣に考えていただかないと、せっかく賛成したのはいいんですけれども、大変な混乱が起きます。  今有価証券報告書をめぐっていろんな問題が起きているわけでございますが、そうすると、今後知的財産権を有価証券報告書の中に掲載してくる各グループが、あるところ、ある企業とある企業はその評価方法が全然違うと。これを見て投資家は投資するわけですから、これは大変なことであります。  だから、私が申し上げたいのは、今はっきりしていないのになぜやるんだというところまでは申し上げませんので、先ほど申し上げました人的構成要素のところもかかわってくるんですが、やっぱり信託された知的財産権の評価に絡んでは私は四種類の人たちが必要だと思っております。  一つは、大臣もおっしゃった社内の財務的な観点からそれを評価し得る会計監査の立場の方々。それからもう一つは、その特許権そのものの価値を専門家の立場から評価できる例えば弁理士の関係者。さらには、弁理士あるいは会計士といえども特殊な分野に関して言うと専門家ではないですから正確な評価ができるかどうか分からない。したがって、その分野に精通した専門家、例えば豚の信託をするんだったら豚の専門家が要るわけですよ、これは。──笑ってくれないとちょっと場がもたないんですけれども。で、四番目は割引率の関係です。これは今の三種類の人たちがそろって評価をしても、じゃその将来価値を現在に割り引くときに、ある企業は割引率二%でやっていて、ある企業は五%でやっている。これはひょっとしたら監査法人の仕事かもしれませんけれども、そういう現在価値に割り引くときの言わば経済的あるいは企業経営的な見通しを立て得る専門家。  ざっと考えても四種類ぐらいの専門家がかかわった形で知的財産権の評価をしましたという体裁を整える。体裁と言っちゃいかぬですね、そういう実態を整えるということが必要でありますので、専門家を活用するということは、今日、附帯決議の中でも提案をさせていただいて、全会一致で恐らく御採択いただけるものと思いますが、そういうことを改めて申し上げまして、そして府令の中でも極力そういう精神を反映していただきたいということをお願い申し上げまして、この点については大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  128. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) 今委員からは四つの視点から、あるいは専門家を活用して、そしてより公正でしっかりとした評価をやっていかなければいけないというお話でございました。  私は、言うまでもありませんけれども、知的財産の財務会計上はこれは無形固定資産とされておりまして、資産の取得のために支出した金額から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とされているところでございますけれども、先ほど局長からも答弁をさせていただいたように、経済産業省の産構審の小委員会でもこの評価について議論を精力的にされ、そして中間報告を取りまとめ、また公認会計士においても協会において同じように検討されているわけであります。  こうしたやはり専門家の方々を活用して、そして公正性やしっかりとした評価を担保していくということは非常に重要なことだというふうに思っておりますので、こうしたそれぞれの努力の中で先生が御指摘なものがしっかりと担保されていくことにつながっていくのではないか、そうしたことを私どもとしても期待をしているところでございます。
  129. 大塚耕平

    大塚耕平君 大臣が力強く御発言いただきましたので、その点は是非しっかりとやっていただきたいと思います。  しつこいようで恐縮なんですが、この知的財産権についてもう少しだけ質問させていただきますが、これを信託会社が受託した場合に、特許を取るというような、そういうことも必要になってくるわけでありますが、特許を取ることを信託会社が代理をするというようなことになりますと、これは信託法十一条に規定している訴訟信託の禁止の話と非常に近い問題が発生すると思うんですが、その点について、信託会社が特許取得の代理行為を行うことが訴訟信託の禁止的な問題を内包していないかどうかということについて御見解をお伺いしたいと思います。
  130. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 恐縮でございます。特許法の関係でございまして、ちょっと私ども今の段階で正確にお答えする用意がございません。大変恐縮でございます。
  131. 大塚耕平

    大塚耕平君 これは、いや、私自身も本を読んで勉強した話ですから、是非共通認識をここでさせていただきたいんですけれども、信託法十一条はかつて訴訟信託というのは全部禁止していたんですね。ところが、これは実は今日参考人でおいでいただいた新井先生の、午前中においでいただいた新井先生の本なんですよ。新井先生の本によると、現在の解釈というのは、弁護士を利用して訴訟を提起しようとしているような場合にまで当該権利の信託的譲渡の有効性を否定すべき論拠は存在しないと。したがって、信託法十一条が禁止しようとするものはすべての訴訟信託ではなく、ある一定のものは認められると、こうおっしゃっているわけですね。  だから、これの考え方を今の代理特許取得に当てはめると、やっぱり弁理士さんと同じような専門的技能を有していない信託会社が代理をやりますよということになると、これ弁理士資格試験を受けずして弁理士業務ができることになりますので、そういう意味では、この知的財産権の取扱いに関連しては是非信託法十一条の訴訟信託のところをよく御検討いただいて今後の運用について府令の中でしっかり定めるのか、あるいは府令の中では定められないのか分かりませんが、御対応いただきたいと思います。  この点について、やはり大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  132. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) この点については法務省の解釈ということになろうかというふうに思います。そうしたもの、そうした法務省の見解というものをしっかり踏まえて私どもとしても対応していきたいというふうに思っております。
  133. 大塚耕平

    大塚耕平君 いや、僕は大臣には是非分かりましたっておっしゃっていただきたかったんですが、法務省の見解というふうに言われるとちょっとまた違う角度で質問をしなくちゃいけなくなるんですが、今回のこの改正案は、一般には何となく信託業務がすべて開放されて自由にできるように印象付けられているんですけれども、これは局長で結構ですが、今回の改正案はおおむねそういう方向のものだというふうに理解していいですか。ちょっと抽象的な質問で恐縮なんですが。
  134. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、今回の改正案は、一つは信託の受託可能財産の範囲を広げる、それから、あと今まで事実上銀行に限定されておりました信託を営む者を広げる、そういう意味では規制を、規制といいますか、今までやれなかったことが広がってきているということは言えるかと思います。  ただ、一方で、これは受益者などの関係者の保護というのが非常に大事なものでございますから、こういった点ではいろんな行為規制あるいは業者の財産的な規制等々の規制を導入をしているという意味では、そちらの方では規制を強化している部分があるということでございます。
  135. 大塚耕平

    大塚耕平君 じゃ、ちょっと違う角度でお伺いしますが、今回新たにこの改正案が成立して、参入した信託会社ができない信託業務って何ですか。
  136. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 金融庁に申し上げます。  事前にレクをしていると思いますので、是非御答弁をお願いしたいと思います。
  137. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  基本的に、いろんな業法で、例えば先ほどもお話があったかもしれませんが、弁護士とか、要するにいろんな業法で規制があるものについてはそれはできないということになるかと思いますが、基本的に信託業法自体でこういったことをやってはいけないという規定はなかったかと思います。
  138. 大塚耕平

    大塚耕平君 いやいや、ここは通告していなくても是非御回答いただきたかったんですが、信託において一番ビジネスチャンスの大きい不動産処分信託、これできるんですか、できないんですか、新しく参入が認められる信託会社は。
  139. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) できると思います。
  140. 大塚耕平

    大塚耕平君 いや、それは宅建業法で認可をもらえばという話ですよね。じゃ、そこを、だから、信託会社の新たな免許をもらえばすぐできるんですか。そこちょっと、これ重要な問題なんですよ。
  141. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 恐縮です。  先ほど申し上げましたように、ほかの業務の業法でそういった免許とか登録とかというのが必要な場合には当然それが必要だということになります。
  142. 大塚耕平

    大塚耕平君 いや、ここは、実は今の信託の仕組みの中で、いわゆる専業信託というふうに言われている人たちはもう既に不動産処分信託できますけれども、これから新たに参入してくる人たちは、これは国交省の縄張の問題もあってなかなか多分そこはできないだろうというふうに言われているんですよね。これはこれから参入しようと思っている人たちが一番気にしているところなんですよ。  それで、申し上げたいのは、済みません、法務省の話からここに来たものですから、何を申し上げたいかというと、例えば特許の代理取得行為の問題は法務省とこれから調整しなきゃいけない。それから、他の事業免許等の認可を受けないとできない信託が一杯ある。例えば一番典型的なのは不動産処分信託。それから、もう附帯決議に衆議院でも入っています、こちらでも入りますが、福祉信託等の、株式会社以外の、例えばNPOなんかが信託を受けられるかどうか。これは当然、どこかと調整するという話になったら内閣府ですよ。だから、せっかくいい法律をこれから作られようとしているときに、法務省とは未調整、国交省とは未調整、内閣府とは未調整という、そういう食い残しを一杯残したまま中途半端な形で改正案を作っていくということは、日本の今のこの停滞の原因の一つでもある各省庁の縦割りを、あるいは縄張をそのまま維持したままできるところだけやるという話になっているということなんですね、これは。そういうことを申し上げたいんです。だから、大臣法務省の話をされたものですから、ついちょっと脱線しちゃいましたけれども。  だから、今すぐどうこうしろとは言いませんけれども、是非、法案ができたら後はやっつけ仕事で、年内施行を目指して府令をばっと作って、もう関心は次の法律に行くというんではなくて、是非府令を作る段階でいろいろ出ております問題点を少しでも解決する方向で御対応をいただきたいということをお願いをして、この点についても大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  143. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) その縦割りの弊害がやはり信託の発展を阻害することがあってはならないわけでありまして、そういう意味からすると私の先ほどの発言が適切ではなかったのかもしれませんが、私が先ほど申し上げたかったのは、やはり法務省の中の一つのしっかりとした判断、基準というもの、これを無視して今後の信託を考えていくことはできませんので、先ほどの委員の指摘というものを十分踏まえながらも、調整できるものはしっかり調整をして、そして、この信託の発展のための枠組みというものをしっかり作り上げて対応していかなければいけないというふうに考えております。  その中で、府令の整備というのは大変重要なことでありますので、今大変重要な御議論もいただいているわけでありますので、そうしたことを踏まえてしっかりとした府令の枠組みというものを提示をさせていただいて、そして、これもパブリックコメントに付して、多くの方々の意見を踏まえた上で整備をしていきたいというふうに考えております。
  144. 大塚耕平

    大塚耕平君 伊藤大臣には大いに期待をしておりますので、四十代の大臣ということで、四十代、三十代の希望の星でありますので、是非頑張っていただきたいと思います。  残り時間あと十五分ぐらいですので、もう少し詰めさせていただきたいんですが、次に法案の十六条の取締役の兼職制限についても、これは府令で今後どういう内容になりそうなのか、現時点で決まっていることがあれば教えてください。
  145. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  先生御指摘のように、信託会社は信託業及びその関連業務を除く他業を行うことを禁止をされている。法律の二十一条に書いてございますが、信託会社の取締役につきましても、信託業に専念をさせて、他の会社の事業に関係することによりまして信託業務の適正な遂行に支障が生じることを防止をする必要があるというふうに考えております。このため、この法案では信託会社の取締役執行役等の役員が他業に従事することを原則として禁止しております。  他方、やむを得ない事情があって、あるいは又は信託会社の経営に悪影響を及ぼさないと認められる場合にまで他業に従事することを禁止することは過度な規制であるというふうに考えておりまして、この場合には内閣総理大臣の承認を得ることを条件に信託会社の取締役等は他の会社の常務に従事し、又は事業を営むことが認められております。  具体的にその兼職承認の基準でございますけれども、内閣府令で具体的に規定をする予定でございますが、取締役が兼職する他の会社が、合理的な理由に基づいて当該信託会社がその業務の一部を委託した会社又は海外で設立した会社である場合、また信託会社の経営方針に照らして当該取締役が兼職することに相当の理由があると認められる場合、あるいは取締役が営もうとする事業が主としてその家族により営まれる場合、その他、信託会社の業務に支障を来すおそれがなく、かつ特に必要があると認められる場合をその基準として府令に定めることを考えているわけでございます。
  146. 大塚耕平

    大塚耕平君 あと十五分と申し上げましたが、私の勘違いで、あと三分でありますので。  今のは話としては分かるんですが、何やら風の便りでそんなようなことをお考えではないかというようなことも伝わってきたわけでありますが、今の、例えば三番目におっしゃった、取締役が営もうとする事業が主としてその家族により営まれる場合とか、どうもこの兼職制限のところはやたら詳しくて、ほかのところがあいまいな割にこの兼職制限のところだけ詳しかったりして、したがって、何かもうあらかじめ想定されていることがあるんではないかと思われるような濃淡があるんですね、その金融庁から伝わってくるお話に。  だから、あいまいな部分をあいまいなまま残し、そして妙に詳しいところは詳しくという、そういうまだら模様の府令にすることなく、やはり多くの参入希望者がフェアに参入についての審査をしてもらえたんだというふうに思えるような明快な基準をお作りいただきたいと思いますが、ここについては陣頭指揮を執られる局長の御決意を伺いたいと思いますが、ちょっと一言お願いします。
  147. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 先生の御指摘のとおり、なるべく私ども府令において、具体的なといいますか、分かりやすい府令を作るということが私使命だと思っております。ただ、事柄によってはなかなか抽象的なこと以上に書けない部分がございまして、とにかくそういったことも含めていろんな方々のお知恵をおかりしながら府令を定めていきたいというふうに思っております。
  148. 大塚耕平

    大塚耕平君 いずれにしましても、パブリックコメントが付されるタイミングになりましたら速やかに私ども当委員会の委員にも通知をしていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
  149. 尾立源幸

    尾立源幸君 初めて当委員会質問をさせていただきます。尾立源幸、大阪選出でございます。よろしくお願いいたします。  若干、自己紹介を兼ねて思いを述べさせていただきたいと思います。私自身、これまで公認会計士、税理士という仕事をしてまいりました。簡単に言えばお金の集め方と使い方のチェックでございますが、その中で感じたことは、税は分かりやすく、安ければ安いほどいいと、こういうふうな思いでございまして、この視点を基に今後いろいろと質問をさせていただきたいと思います。  そして、もう一点、今回の信託業法の改正に当たりまして、信託業の担い手の拡大、さらには受託可能財産の拡大、ますます信託ビジネスというものが活発になっていくことが予想されます。これまで信託といえば一部の富裕層の皆様の利用される、こういう仕組みだというふうに多くの国民は思っておりますが、今回の改正によって、もっと広く一般に国民の皆さんが利用し、さらにはその利益を享受されるようになるのではないかと私は予想をしております。それはなぜかというと、信託という言葉の持つイメージ、私も信託やったことないんですけれども、やはり安全で何かしっかりした、信頼できる、こんなイメージがあるからではないかと思います。  その一方、この仕組みというのは非常に御承知のとおり複雑でございます。また、関係人が多数おります。財産の委託者、受託者、さらには受益者、こういったものがそれぞれがリスクを抱えながら動いていくというふうに思われますけれども、特に委託者、受益者にどれだけリスクがあるのかということをしっかりと事前に情報を開示をしていくことがまずもって何よりも大事なことだと思いますし、また財産を受託するその受託者の責任として、その説明責任というものを果たしていかなければならない、このように思っております。  ちょっと先輩方いらっしゃる前で恐縮でございますが、孔子の言葉に「辞は達するのみ」、辞は辞書の辞でございますが、「辞は達するのみ」という言葉がございます。これは、言葉は通じさえすればいいんだということでございますけれども、その背後には、裏返せば、相手が分かるように伝えなければならないんだということが含まれているように思います。そういった意味で、二、三、前に進ませていただきたいと思います。  まず、若干信託業法とは外れますが、十一月の十九日から三日間、ベルリンで行われました二十か国・地域財務相・中央銀行総裁会議、これ世界経済日本に与える影響というものをどのように、大臣、お考えなのか。済みません、日銀総裁、済みません、よろしくお願いいたします。
  150. 白川方明

    ○参考人(白川方明君) お答えいたします。  今先生御質問の会議、これは俗称G20、二十か国参加しておりますので、G20と呼んでおりますけれども、この会議では先進国と途上国が国際金融の安定及び世界経済の持続的な成長という共通の目的を達成するためにどのような協力が必要かについて議論をしておりまして、言わば先進国と途上国の対話の場として重要な意義があるというふうに考えております。  今回の会合でございますけれども、世界経済の現状につきましては、原油価格などリスクの要因は残りますけれども回復基調にあるということで、これは歓迎されたところでございます。また、いろんな問題が議論されまして、例えば今回は持続的な成長を達成するための戦略、金融システムの強化、あるいはグローバル化地域統合、国際金融危機の防止とその処理のための枠組みの強化、あるいはマネーロンダリング、テロ資金対策、人口構成の変化等々、様々な問題が議論されたというふうに認識しております。
  151. 尾立源幸

    尾立源幸君 きつい国会日程があるということは承知しておりますけれども、中国やインドやロシアやブラジルなど新興経済をどう国際政策協調に取り組んでいくかというような非常に大きな問題が話し合われたと聞いております。  その中で、日本を除く各国はすべて閣僚や中央銀行の総裁を送っているという報道がございましたけれども、なぜ日本はそのような配慮がなかったのか、ちょっとお聞きしたいんですけれども。
  152. 白川方明

    ○参考人(白川方明君) お答えいたします。  G20でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、先進国と途上国が国際金融の安定、それから世界経済の持続的な成長という共通の目的を達成するための協力について対話を行う場でございまして、議論が、重要な議論が行われたというふうに認識しております。  今先生の御質問の中で、為替を始めとして非常に重要な問題、その点ございますけれども、例えば為替につきましては、これは元々G20の議題にあったというわけではございませんで、世界的な不均衡との関連でアジアの新興市場国における必要に応じた為替相場の柔軟性向上の重要性を強調という形で、これまでの会議におきます考え方を再度確認したということでございまして、それ以上の議論があったというふうには認識しておりません。  もちろん、重要な会議につきましては極力日銀総裁は出席したいという意向を強く持っております。ただ、その場合でも、もちろん一〇〇%出席するというわけにはいきませんもので、総裁とそれから二人の副総裁で分担を行っているということでございます。今回のG20につきましては、そうした内外の、失礼、現在の問題、その時々の経済金融情勢、その下での国内の問題との兼ね合い、それから日程等々を考えまして、総合的に勘案しまして、今回は岩田副総裁が出席するということにさせていただきましたところでございます。
  153. 尾立源幸

    尾立源幸君 それでは、今後はしっかり出席していただきたいと思います。これで結構でございます。  それでは、本題に入らせていただきたいと思いますが、まず、先ほど申し上げましたように、非常に信託市場が広がると思いますけれども、このマーケットの規模拡大、どのぐらい予測されているのか、お分かりのことがあれば教えていただきたいと思います。
  154. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。  委員は、公認会計士として、あるいは税理士として、また海外の経験も大変豊富でいらっしゃいまして、そうした視点からも、これからも御質問に数度となく立たれるというふうに思います。私どもも委員の御質問に真摯にお答えをさせていただきたいというふうに思っております。  今御質問がありましたマーケットの規模がどのような形で拡大をしていくかということでありますけれども、この将来のマーケット規模を現時点で見通すことは、これは大変困難なことではないかというふうに思っております。  最近の信託の資産額については、平成十四年三月末には三百九十三兆円、そして平成十六年三月末には四百九十二兆円と増加傾向にございます。信託の担い手やあるいは受託財産の拡大により、引き続き信託の市場規模というものは拡大をしていくんではないかと、こうしたことを期待をしているところでございます。
  155. 尾立源幸

    尾立源幸君 ちょっと具体的な数字がないのが残念なんですけれども、私がお聞きしているところによりますと、まず監督庁さんの方では、来年度八名の検査官を増員される、これもその一つの根拠じゃないかなと思うんですけれども、もう一点は、外国のマーケットを見てみますと、アメリカにおきまして今二千七百社余りの信託会社、金融機関会社を含めてございますが、この信託業者が日本に入ってくるということも考えられるんじゃないかと思います。一方、我が国におきましては、もう統計数字は細かくは申し上げませんが、現在五十社が営業しておりますが、これらを勘案して、それでも分からないということでしょうか。
  156. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) なかなか正確な市場の規模を予測していく、その数字を明確化していくことはなかなか難しいんではないかというふうに思っております。  しかし、私どもはその受託財産の範囲というものを広げて、そして担い手というものを拡大をしながらこの信託の発展というものを是非期していきたいというふうに考えておりまして、またそれにふさわしい監督の体制というものも充実をしていかなければいけない。委員からもその体制の強化についても御紹介をいただいたところでございました。  こうした市場規模の発展ということを踏まえて、私どもとしても適切に今後対応していきたいというふうに考えているところでございます。
  157. 尾立源幸

    尾立源幸君 民間では大ざっぱな推測もしておるようですが、まあこれ以上結構でございます。  次に、先ほど大塚委員から質問がありました担い手である信託会社の人的基盤について、これはもう今けんけんがくがくやっていただいたので、次に財産的基盤についてお伺いをしたいと思います。  担い手、非常に複数ございます。管理型信託業者、グループ企業内信託会社、信託契約代理業者、信託受益権販売業者、外国信託業者等、たくさん出てまいりますけれども、これらの例えば資本金の基準や営業保証金の、必要であるならば営業保証金の額、この辺を簡単に一覧でお答え願えれば有り難いんですけれども。
  158. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  今先生御指摘の、まず信託会社の財産的基礎でございますが、資本の額が政令で定める最低資本金額を上回っていること、あるいは純資産額が政令で定める金額を上回っていること、収支の見込みに照らして営業開始後三営業年度を通じて純資産額が基準純資産額を下回らない数字に維持されることと見込まれること等を想定をしております。その今の政令で定める額でございますが、政令においては私ども運用型信託会社の場合には一億円というふうに考えております。  それから、管理型信託会社の財産基盤でございますが、これも同じく資本の額が政令で定める最低資本金額を上回っていること、純資産額が政令で定める金額を上回っていることを想定をしております。この金額については今後関係者あるいはパブリックコメント等で決めていきたいというふうに思っております。  それから、信託契約代理店及び信託受益権販売会社でございますが、こちらにつきましては最低資本金等の財産的基礎は求められておりません。ただ、例えばその説明が十分受けなかったために損失を被った顧客の保護のために、信託代理店につきましては所属信託会社の損害賠償責任が、あるいは信託受益権販売業者につきましては営業保証金の供託がそれぞれ定められておりまして、信託受益権販売業者の営業保証金の額につきましては政令において今のところ一千万円を定めることを考えております。  また、外国信託会社の財産的基礎につきましては、これも資本の額が政令で定める最低資本金額を上回っていること、純資産額が政令で定める金額を上回っていること等を想定をしております。  ただし、外国の信託会社につきましては、国内における支払能力を十分に担保するために、国内における支店の営業に係る利益の額のうち一定額、十分の一を超えない範囲で内閣府令で定める金額でございますが、これを最低資本金の水準に達するまで積み立てることを求めているところでございます。
  159. 尾立源幸

    尾立源幸君 ありがとうございます。  そこで、私が一つお聞きしたいのが、外国信託業者の場合、多くの場合、証券会社等でもそうなんですが、支店という形で日本に拠点を置いておると思いますが、この場合、支店の場合は資本金がないということで、現地における本社といいますか、の資本金が、今おっしゃった財産的基盤の一つの判断基準になるんでしょうか。
  160. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  今も私申し上げましたように、外国の信託会社の財産的基礎は資本の額が政令で定める最低資本金を上回っているということでございます。これは、したがいまして、その現地のといいますか、そこでの法人での資本の額ということというふうに考えております。
  161. 尾立源幸

    尾立源幸君 それでは、外国で設立された本社の資本金の額ということでよろしいですね。──はい、ありがとうございます。  次に、信託法には様々な受託者の義務が課せられていることは御承知のとおりだと思います。善管注意義務、自己執行義務、忠実義務、分別管理義務、さらには説明義務等々決められておりますけれども、今回、信託ビジネスが利用者から信頼されるためには受託者の説明責任というものは非常に求められると思いますが、大臣、この辺はどのようにお考えでしょうか。
  162. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) 今委員御指摘のとおり、その信託ビジネスというものが利用者から信頼されるためには、受託者の説明責任というものをしっかり果たしていくということはとても重要なことであるというふうに思っております。  信託法においても、御指摘のとおり、善管注意義務、自己執行義務、忠実義務、そして分別管理義務が位置付けられているわけであります。また、今般の信託業法の改正においては、信託法と同様に善管注意義務、忠実義務、そして分別管理義務を信託業法に規定するとともに、自己執行義務については一定の要件を満たした場合に限り信託業法の一部につき第三者への委託を認める規定を盛り込んだところでございます。  本法案においては、このような受託者責任に関する規定のほか、信託契約の締結に当たって委託者が重要な事実について認識しないまま信託関係に入ることを防止するために、受託者があらかじめ信託関係における基本的事項につきまして委託者に対して説明することを義務付けているわけであります。それとともに、信託契約締結時におきまして委託者に対する書面の交付義務を義務付けるなど、必要な行為規制を課しまして、そして受託者たる信託会社の説明責任を規定をさせていただいているところでございます。
  163. 尾立源幸

    尾立源幸君 ありがとうございます。もう少しこの点を質問させていただきたいと思います。  今、契約の入口のところでの書面交付等の説明義務ということはよく分かりました。その次ですね、財産の運用状況や、また終了に当たって、その途中経過もやはり説明をずっとしていかなければならないと思うんですけれども、その説明義務を果たすためには成果報告書というものをやはり委託者に交付をしていく、これは大事なことだと思います。  今、法では信託財産状況報告書というのを義務付けられておりますけれども、これで十分であるか、ちょっと御意見をお聞かせください。
  164. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。  信託法は、第四十条によりまして、受益者等が受託者に対し信託事務の処理に関する書類の閲覧を請求をし、そしてかつ説明を求めることが認められておりますが、信託業法第二十七条において、計算期間ごとに受益者に対して信託財産の状況について報告書を作成、そして交付することを信託会社に義務付け、受益者に対するディスクロージャーを強化しているところでございます。  そして、先ほどもお話をさしていただきましたように、あらかじめ基本的な事項について説明義務を課す、あるいは書面交付義務を義務付ける、以上のような形で受益者に対する信託財産状況報告書の交付義務や、あるいは委託者に対する説明義務というものを課すことによりまして、信託会社が受益者に対して適切な説明責任というものを果たすことになると考えているところでございます。
  165. 尾立源幸

    尾立源幸君 一定期間の成果を財産状況報告書というような形で委託者に送られることは分かりましたが、私が申し上げたい点は、この報告書というものが受託者自らが作成をして自分で証明をしたというか、これが正しいですというふうに委託者に送られるものだと思いますけれども、この報告書の信頼性というものは、例えば会計士による監査があるとか監査証明書があるとか、そのようなことで担保されるお考えはないでしょうか。
  166. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) 今、制度として、その信頼性を担保することについて具体的なものを用意しているわけではございませんけれども、やはりその信託に対する信頼性というものを確保していくためには、正確な信託財産状況報告書を作っていくということは極めて重要なことではないかというふうに思っております。  こうした義務を果たすことによって、受益者に対する保護をしっかりやっていくということにつながっていくわけでありますので、そうした意味からすると、受託者がその責任を全うするということはとても大切なことではないかというふうに考えているところでございます。
  167. 尾立源幸

    尾立源幸君 ちょっと私の意見を述べさせていただきたいんですけれども、金融庁さんがその監督権限等をお持ちなのはよく分かっておりますけれども、やはりトラブルを未然に防ぐという意味で、もう少し官によらない、民の中でトラブルをあらかじめ防止するような仕組み、仕掛けというものを入れておかれた方がいいんじゃないかと。後追い的に摘発や監督ということで対処をするのではなく、もう少し民の中での自己制御機能といいますか、その辺りを入れられるようなお考えはないでしょうか。
  168. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) 虚偽の書面を交付した場合には罰則の規定がこの中に設けられているわけでございまして、私どもとしましては、やはり官民それぞれの努力の中で信託に対する信頼性というものを向上させていかなければいけないというふうに思っております。  その中でやはり一番重要なことは、民の世界の中でしっかりとした説明責任を果たし、そして信頼を確保していくということに取り組んでいくということがとても大切なことではないかというふうに思っておりますので、それに対してやはり違反することがあればこの罰則規定に抵触するということになってしまうわけでありますけれども、民においてしかるべき責任を果たしていただくことが大変重要であるというふうに思っております。
  169. 尾立源幸

    尾立源幸君 ありがとうございます。  次に、知的財産権が今度受託可能財産になるわけでございますが、先ほど来御議論ございますように、特許、もちろんこの特許は中小企業にとりましても事業化のまだめどが立たない前に資金調達ができるという意味で非常にメリット感があるものだと思いますが、一方、今特許の審査期間や待ち件数というのが非常に多うございます。審査待ち期間で二十六か月、待ち件数で五十万件というふうに聞いておりますけれども、このスピードアップのために特許戦略計画というものをお作りになられまして、特許庁の方で今実行されておると思いますけれども、その状況はどうなっているでしょうか。
  170. 澁谷隆

    政府参考人(澁谷隆君) お答えいたします。  知的財産立国実現のためには、技術革新によりまして新たに生み出される知的財産を迅速かつ的確に保護することが不可欠でございます。特許審査の迅速化は極めて重要な課題となっているわけでございます。  このため、特許庁では、昨年、特許料金の見直しや通常審査官の着実な増員などによりまして、中長期的に審査請求件数とそれから審査処理件数、言わば入りと出の均衡を図るための計画を特許戦略計画として策定をいたしました。その後、特許審査の迅速化に関して政府を挙げての取組というのが更に要請された結果、外部人材として任期付審査官を活用することが認められ、今年度九十八名の任期付審査官の増員が実現をいたしました。今後五年間で五百名規模の増員を図ることを目指しております。また、さきの通常国会におきましていわゆる特許審査迅速化法をお認めいただき、審査の前段階に当たる先行技術調査の外注実施機関の拡充、特許と並ぶ実用新案制度の充実を図ったところでございます。  最近では、本年五月に、総理大臣本部長とする知的財産戦略本部でまとめられた知的財産推進計画二〇〇四におきまして、特許審査の順番待ち期間がピークを超える五年後、二〇〇八年におきまして二十か月台にとどめるとともに、十年後の二〇一三年には世界最高水準である十一か月を達成する目標が設定されております。特許庁といたしましては、この目標を着実に達成すべく、審査体制の強化やアウトソーシングの拡充などに努めてまいりたいと存じます。
  171. 尾立源幸

    尾立源幸君 迅速化法の中で、今後五年間、五百名の任期付特許審査官というものを増員を目指されているということで、まあ毎年百人ずつというようなお話を聞いておりますが、二年間研修をされるということで、本当の意味で、言葉は悪いですけれども、使い物になるのは三年後からと、三年目からというような理解でいいと思うんですけれども、一方、アメリカの方は六年間で三千三百名を増員するというふうに言っております。予算の関係があって全部が全部達成できるわけではないでしょうけれども、それにしても余りにも大きな開きがあるなというふうに感じております。  それで、私の提案でございますが、外から人を募集するのも結構ですけれども、もっと省庁間で又は行政機関の中でそういった適格な方を配置転換といいますか、そんなことも一つの、国民の目から見れば行政が肥大化しないためにも求められるんじゃないかと思います。これは提案という形ですので、もっと省内又は他省庁、更には国の関係機関等々からそういった人材を求められて、まあ出向のような形になるんでしょうか、私はちょっと民間におりましたのでそういうイメージがあるんですけれども、そんな形で期限を区切って、まあレンタルといいますか、貸し出すような、借りる、こちらからいえば借りるですね、そんな制度も考えられればいいんじゃないかと思います。  それでは、ちょっと次に行かせていただきます。  もう一つは、知的財産権の評価の問題、これももう今けんけんがくがくございましたので余り多くは申し上げませんが、一つ、現在、企業間でクロスライセンスというような形で金銭的なやり取りなしに特許権をお互い使用させ合うことによって利用しているような形態があると思うんですけれども、今後、例えばこれを信託にお互いの会社が出して利用していくような場合には、それぞれの特許権の個別価値評価、価値の評価というものが必要になってくると思います。そして、またさらには、その出し手、これまで金銭的に表れてなかったわけでございますから、その出し手に、出し手の方もこの収益なりなんなりを計上していくことになると思いますが、そういった意味でクロスライセンスの可能性についてちょっとお考えをお聞きしたいと思います。
  172. 舟木隆

    政府参考人(舟木隆君) お答え申し上げます。  今先生御指摘ございました知的財産権の評価手法の確立につきまして、経済産業省におきまして昨年七月の知的財産戦略本部知的財産推進計画を受けまして、昨年十月来、産業構造審議会に小委員会を設置をしまして、知的財産権の価値評価手法の検討、整理を行ってまいりました。今年の六月に特許権、商標権、著作権のそれぞれにつきまして、権利の性質、外部市場の有無などを十分に踏まえつつ、目的や場面に応じた適切な価値評価手法を選択するための課題や留意点等を中間論点整理として取りまとめて公表しておるところでございます。  今先生御指摘のクロスライセンスの問題でございますが、クロスライセンス、一般に非常に用いられておるわけでございますが、クロスライセンスをする場合のその知的財産権の価値評価につきましては、いろんな知的財産権、特許権を始めとします知的財産権が複合的に許諾が承認されるというような形態であるわけでございますので、そういう意味で一対一の知的財産権の共用、評価と違いまして、トータルなものとしての評価ということになりますので、そこに関しましてもいろんな要素を考えながらも、全体的な評価としては各企業が総合的にそこは評価ができるようになるわけですから、その全体的な評価をきっちりとしていただいていれば一つの非常に有用なやり方ではないかというふうに考えております。
  173. 尾立源幸

    尾立源幸君 いずれにいたしましても、評価は非常に難しい中で、特に中小・ベンチャー企業の場合は、先ほど来申し上げましたように、のどから手が出るほど目の前のキャッシュが欲しいわけでございまして、一方的に信託会社の方に力関係でその評価が決められるようなことがないようなまたガイドライン等、是非設定をしていただきたいなと思っております。  次に、税の問題についてお聞きをしたいと思います。  この知的財産戦略大綱の中でも、知的財産創造について税制面からも優遇をするというふうに書いてございます。そこで、今一つ例を挙げますと、新研究開発税制でございますが、ちょっと、簡単にでございますが、説明をしていただけますか。
  174. 佐々木豊成

    政府参考人(佐々木豊成君) お答え申し上げます。  先ほど説明求められました研究開発税制でございますけれども、これは平成十五年度の税制改正で導入されたものでございまして、試験研究費の総額の一定割合、一〇%とか一二%、そういうものを税額控除するという制度でございます。これは研究開発の促進を通じて知的財産の創造にも資するということでございます。  それからもう一点、同時に行われましたもので、設備投資減税、これはIT減税あるいは研究開発用設備の取得、そういうものにつきまして特別償却を認め、あるいはITにつきましては選択で税額控除を認めるという制度を導入しております。
  175. 尾立源幸

    尾立源幸君 私も税に携わっておりますので、この研究開発税制、ちょっと調べてみたわけでございますけれども、まず一つ、税額控除であるということはよろしいですね。要は、法人がもうかって法人税が出た場合に一定額の税をまけますよということだと思いますが、中小企業の場合、またベンチャー企業の場合、こういうことが多く考えられます。資本を集めて仕事をするわけでございますが、一年目、多くの研究をやりました、赤字でございます。二年目、赤字でございました。三年目にようやくその花が開いて成果が上がった、黒字になりました、しかしながら三年目には試験研究費はもうないと。この場合、一年目、二年目には全くメリットが得られないと思うんですが、いかがでしょうか。
  176. 佐々木豊成

    政府参考人(佐々木豊成君) お答え申し上げます。  赤字が続く企業で将来黒字に転換していくような企業につきまして、一般の制度として繰越欠損を、七年間欠損の繰越しを認めるという制度もございますが、さらに、この研究開発減税の例では税額控除を一年間繰り越すことができるということでございます。
  177. 尾立源幸

    尾立源幸君 繰越欠損金は、これは大手でも中小でも当たり前のことですのでちょっと関係ないと思うんですが、一年間繰り越す要件をちょっと教えていただけますか。
  178. 佐々木豊成

    政府参考人(佐々木豊成君) 要件といたしまして、試験研究費の額が前年度より増加した場合という要件が付いております。
  179. 尾立源幸

    尾立源幸君 実は、いろんな制度を作っていただくのは有り難いんですけれども、いずれにいたしましても、本当に中小企業なり、また困っているところが利用しやすいのを作っていただきたいというのが私のお願いでございまして、実態を見ていただきたいと。  つまり、私たち専門家でも、税の控除の適用を受けるときに、考えるのが嫌になるほど難しいですね。これは本当にみんなに使ってもらいたいと思って作っていらっしゃるのか、いろいろな規制を加えてなるべく使わないようにしようとしているのか、ちょっと意図が私も分かりません。もう詳しいことは申し上げませんが、本当にパズルを解くような大変な要件をクリアして初めて今の減税も使えるというようなことになっております。そういうことで、是非その辺はもう少し国民に分かりやすい税制を一緒に作っていきたいなと思っておりますので、どうかよろしくお願いします。  あと五分になりましたので、二点だけお願いをいたします。  先ほど、ちょっと前後して済みませんが、グループ内の信託子会社を作った場合のことなんですけれども、ヒアリングをさせていただいたときに、ほとんど、このグループ信託子会社の場合は、資本金、株式会社であれば人的な要件は取り立てて加えないというふうに聞いておりますが、それでよろしいんでしょうか。
  180. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。  グループ企業内の信託であって、かつ受益者がグループ内に収まるような場合には、第三者たる受益者が存在せず、またグループ企業内でのモニタリングが働くことが期待されますので、営業として行われる信託であったとしても、信託業法で求める各種の規制、つまり参入規制や行為規制、あるいは監督規制は適用しないこととしているところでございます。  なお、これらの信託業の実施に当たっては、グループ内信託であることを私どもとして確認をするということが必要でありますので、受託者に対してはあらかじめ届けを行うことを求めることといたしております。
  181. 尾立源幸

    尾立源幸君 それで、グループ内信託の場合、子会社という場合、五〇%超という要件になっておりますけれども、その場合、理論的には四九%ぐらいの他の株主が存在する可能性があるわけでございますが、こういった少数株主の保護というものはどのように図られるのか。つまり、受託者である信託会社が本当に能力を持った方であるかどうか分からないのに信託業務を行うということになると思いますので、この辺り、どのようにお考えでしょうか。
  182. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) グループ内信託につきましては、基本的にはやはり同一のグループの方々がその中で信託をして知的財産権について効率的な運用を行うということが主眼になっております。したがいまして、少数の株主の問題があるかと思いますけれども、そこの部分について何か特定の規制を設けているということではございません。
  183. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) 補足させていただきたいと思うんですが、少数株主の問題については、やはりこれは企業内の私的自治にゆだねるべき問題ではないかというふうに思っております。  そうした考え方の中で、私どもとして、議決権の五〇%超を保有しているということを一つの考え方としての基準として設けさせていただいたところでございます。
  184. 尾立源幸

    尾立源幸君 分かりました。  今まではどちらかというとビジネスの方のお話をさせていただきましたが、先ほど新井先生からもお話ございましたような非営利の福祉型の方で話を若干させていただきたいと思います。  信託業のあり方に関する中間報告書というもので、合名、合資、有限、組合、中間法人、NPO、個人、こういった主体についても信託業へ参入することを考えてもいいんではないかというようなまずお話があります。その件に関して、また衆議院委員会の方でももう伊藤大臣お答えであったかと思うんですけれども、一つ、ガバナンスの問題、ガバナンス機能が脆弱ではないかということと、もう一つは、公益法人改革の今議論がされているところなんで、その議論を待ってというふうなお話で、前向きに検討されるということなのかどうか、まだ分からぬということなのか分かりませんが、とりあえずまだお答えはされてないようなんですけれども、もう一度この点に関しまして、前向きなのかどうなのか、再度の質問で恐縮でございますが、お願いいたします。
  185. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) 今回の枠組みにおいても福祉信託というものを行っていくことはできるわけであります。しかし、この担い手の問題については、今までも国会で答弁をさせていただいているように、NPO等公益法人について、財産的基礎やあるいは監事の設置が法令上求められていないほか、今委員からも御紹介がございましたけれども、公益法人の在り方について正に今議論がなされているところでございます。さらに、会社法制についても改正の作業が行われているところでございますので、こうした作業やあるいは議論というものを私ども踏まえながら、今後の公益法人の参入の適否というものを検討していきたいというふうに考えておるところでございます。
  186. 尾立源幸

    尾立源幸君 一個、会社法の議論の見直しというのが追加されたと思うんですけれども、以前のお答えですと、見直し議論、実は十九日に最終報告というのが出ておりますが、その中で公益法人のガバナンスの強化が打ち出されておりますので、大臣のお考えの方向に沿った改革がなされるんではないかと思っておりますし、もう一点、そういった意味でガバナンスの問題が解決しそうだということ、議論がもう取りあえず終わったということを踏まえてもう少し前向きに進んでもらってもいいのではないかと思います。  最後になりましたけれども、信託の根本的な問題として、御承知のとおり、これはイギリスを中心に発展した制度でございますが、人を信用して自分の財産を託すということでございますので、少なくともやはり、先ほど冒頭に申し上げましたように、説明責任というもの、さらには情報開示というものをしっかり制度の中で担保をしていただく、官が入り込んでああだこうだ言うのではなく、民の中でうまく自動的にその防止ができるような制度を組み込んでいただくことをお願いを申し上げまして、私からの質問、終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  187. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 民主党富岡由紀夫でございます。大塚議員、尾立議員に続きまして質問させていただきます。  信託受益権の販売業者が取扱いする受益権の中で不動産信託受益権というものがございます。この不動産信託受益権の売買というのは具体的にどういうものなのか、ちょっと簡単に御説明いただきたいと思います。
  188. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 一般的に申し上げれば、不動産をある人が信託会社に信託をするとそれに対する受益権が発生するわけでございますけれども、その不動産自体がいろんな形で、賃貸されていればそこからいろんな収入が入ってくるわけですが、それが具体的に受益権になっていくと。その受益権を販売をするという業者、それは業として反復継続して販売をする、そういった営業をする者が不動産の信託受益権の販売業者ということではないかと思っておりますが。
  189. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 不動産信託受益権を買った人は、その受益権を元にその不動産、当該不動産の所有権を移転することは可能ですか。
  190. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 不動産を何することが可能とおっしゃいましたか。
  191. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 不動産の名義を変更することは可能ですか、買った人が、不動産信託受益権を買った人が。
  192. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 信託というのは元々信託の委託者がおるわけでございますが、委託者が信託財産を受託者に移転をすると、そのときに名義が変わるということはございますが、それから先にその名義が変わるということでそれは受益権という形で転々売買されることはありますけれども、不動産自体の名義が変わるということはないと思います。
  193. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 私、いろいろと業界でお伺いしたんですけれども、受益権を持っている人が、例えばその信託契約を解除、やめると、信託契約やめると言ったときには受益権を持っている人が不動産の名義を自分のものにすることができるというふうに伺っているんですが、実際、その不動産信託の委託者が最初からそういう権利でやっていればそういうことが可能だというふうにいろんな方から聞いているんですが、いかがでしょうか。
  194. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 最後に信託を終了する際に、その元に、元の状態に戻すということにもなりますし、受益権を持っておられる方が最後にその当該不動産を自分の名義にするということはあり得る話だと思います。
  195. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ということは、実質的に、信託受益権の売買によって不動産の売買が実質的に行われることが可能だということですね。
  196. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 極めて限定されたといいますか、そういうケースもあるというふうに思います。
  197. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 私もその業界の、同じグループの中に業界の人がいていろいろとヒアリングしたんですが、極めてレアケースじゃなくて、そういうことが可能なんです。  それで、お伺いいたします。  国土交通省の方にお伺いしたいんですが、不動産を売買するときに、例えば仲介業者が入ります。仲介業者の方はどのような責任があるか、どのような規制を受けているか、教えていただきたいと思います。
  198. 守内哲男

    政府参考人(守内哲男君) お答えいたします。  宅地建物取引業者が例えば宅地建物の売買、交換などを行うときには、その際に重要事項を説明しなければならない、買主に対して重要な事項を説明しなければならないという規定がございまして、その説明しなければならない事項というのは、当該宅地又は建物の上に存在する登記された権利、あるいはその登記の名義人でございますとか、あるいはその宅地や建物、特に土地の上に都市計画法あるいは建築基準法といった各種の法令の制限が付いている場合にはその制限の内容、それから例えばその建物がまだ完成していない場合、青田売りと言われるような場合には、造成あるいは建物の工事が完了した場合のその構造でございますとか形状でございますとか、そのようなのを図面で説明しなければならないというようなことを説明する義務があります。
  199. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 宅建業法で不動産を仲介する場合には今の重要事項説明が必要ですと、そして仲介するときには宅地建物取引業者の登録というか、それも必要ですということですよね。
  200. 守内哲男

    政府参考人(守内哲男君) さようでございます。
  201. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ということは、今まで土地の取引については宅建業法で重要事項説明が必要ですと、そしてその販売する人については登録、業者の登録が必要ですということになっているんですが、今、先ほどお話しいただいたように、今回の不動産信託受益権の売買、これによって実質不動産の取引ができるとさっきお答えいただきましたけれども、これは不動産取引の、要するに宅建業法を逸脱した脱法行為に当たるんじゃないかと私は思っております。  先ほど明確に実質的な売買、名義の変更はできるとおっしゃっていました。で、今回、それを扱うのは不動産の信託受益権業者、これはもう本当に登録だけでできちゃうということですね。その辺、非常に私は問題があるんじゃないかと、脱法行為が今回の信託業法の改正によって行われることができてしまうということになると思いますが、いかがでしょうか。
  202. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) どなたに御答弁求めますか。
  203. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 金融庁
  204. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 先ほど御答弁申し上げましたように、名義の移転ということはあり得ると思いますが、通常、信託受益権というのはそれなりの期間を受益をするために、例えば、先ほど申し上げましたように、不動産賃貸の場合にはそういった賃貸料がいわゆる一つの収益になって返ってくるということでございますから、それなりの期間を持って行われるものだと考えます。  したがいまして、非常に、何といいますか、まれに短い期間ということも考えられなくはないと思いますが、通常の取引としてはやはりそういったそれなりの期間があって、最終的にその契約期間が切れた、あるいは信託が終了したときに名義が変わるというようなことになるんではないかと思います。
  205. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 まれかどうかは別として、そういうことは可能なわけです。信託受益権の売買によって実質的な不動産の売買が可能になっていくんです。それは今まで宅建業法で絞られていた重要事項の説明義務とか、登録、不動産取引、宅地建物取引主任の取引ですか、そういった登録が必要なんですけれども、それがなくてできることになってしまうんですね。これは非常に私は大きな問題点だと思っております。  今回の信託業法改正によって、悪いことをしようと思えば、悪いことをしようと思えば宅建業法の抜け穴をついて本当は瑕疵のある不動産を不動産信託受益権という形で売ることが可能になってしまうんですよ。私がもし悪徳業者だったら、そういうふうにやろうと思うんですけれども、どうでしょうか。
  206. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 信託の、この信託受益権という形でのスキームを作るのにはそれなりの当事者、相手がおりますし、それなりの、何といいますか、コストも掛かることだと思います。  したがいまして、基本的に売買というのは、確かに結果的に見れば、それでかなりのある期間を置いてある面が移転をしたという意味では移転をしたということは言えるかもしれませんが、普通の意味での売買という形にはならないんではないかというふうに考えております。
  207. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 済みません。先ほど実質的に売買だとお答えいただいたのに、今はそんなまれなケースないと。まれなケースでもあるんですよ。やろうと思えばできるんです。悪いことというのはまれなケースを利用してやるのが通常なんですね。  このようなことで本当にこの業法を通していいのか。通すには、非常に私は、いや、反対じゃないですけれども、ここをちゃんとクリアしておかないと、抜け道を作るための法律を、何というんですか、賛成するわけにはいかないと私は思うんですが、いかがでしょうか。
  208. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 速記止めてください。    〔速記中止〕
  209. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 速記を起こしてください。
  210. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  今の先生の御指摘は、現行制度でも、別に、不動産受益権販売業者という制度は今ございませんけれども、今回新しく作ったわけですが、現行制度でも同じようなことが起こり得ると思います。したがいまして、この今回の信託業法で新たに、何といいますか、そういった問題が起こるということではなくて、今でもそういうことではないかというふうに考えております。
  211. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 済みません。今、今でもそういうことがあるというのはどういうことなんですか、具体的に教えてください。今でもそういう宅建業法の脱法行為が行われていると今明言されましたよね。(発言する者あり)本当にこっちの方が問題だと私は思うんですが、お答えをお願いします。
  212. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  213. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 速記を起こしてください。
  214. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  度々御答弁をいたしまして恐縮でございますが、今のように実質的に不動産の売買を業として行うということが、仮にそういう形で、今のような形で名義が何回も変わるというような業を行うということであれば、それは宅建業法との関係でその登録なりなんなり所定の手続というのは必要になってくる可能性はございます。
  215. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 何か今よく分からないんですけれども。  今やっているのは、J―REITの不動産投資信託委託者が同じくやっているんですよ。そのときは、J―REITのその中で、宅建業法、宅地建物取引業のちゃんと資格を取ってくださいということがあって、それに基づいて不動産投資信託受益権の売買をやっているんですね。だから、そこはまだ担保されているからいいんですけれども、今回の、不動産、投資信託受益者、投資信託受益権の販売制度というのはそういうのは規定されていないじゃないですか。そこが法の抜け道になるんじゃないかという御指摘です。
  216. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  今の先生の御指摘の部分は基本的に宅建業法のお話だと思います。信託業法に書くというよりも、必要であれば、実質的にそういったことが必要であれば宅建業法のそれなりの資格を持つということではないかと思います。
  217. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 じゃ、国土交通省の方、今のような答弁でいいんですか。信託業法の変更によって実質的な不動産取引、不動産売買が行われてしまう、宅建業法の網をくぐってできてしまう、こういう金融庁の見解について、どうお考えですか。
  218. 守内哲男

    政府参考人(守内哲男君) 現在議論されています法律のスキームのその主体がどのような形かということは国土交通省としては詳細には理解しておりませんけれども、一般的に宅建業と申しますのは、宅地建物の売買、交換、それから宅地建物の売買、交換、貸借の代理、媒介を行う行為、業として行うものというものを宅建業と位置付けておりまして、このようなことを営もうとする場合には、まず先ほど登録、先生に登録というお話がございました。それも必要でございますが、その前提として、第三条で免許を取得することが必要になっていると。二つ以上の都道府県にまたがる場合は国土交通大臣、一つの都道府県の区域で活動する場合は都道府県知事の免許を取って活動すると。免許は基準がございまして、それに合致すれば免許が与えられて登録をして活動をすると、そういう規定になっております。
  219. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 これ以上、多分今ここで議論しても明確なお答えいただけないということですけれども、先ほど明確にお答えいただきましたとおり、不動産投資信託の受益権の売買によって実質的な不動産も、まれではありますが、できるとおっしゃった。それを不動産信託受益権制度で認めてしまうことになりますから、このことを踏まえた上で、この信託業法の、何ていうんですか、審議を行わなくちゃいけないというふうに私は思っておりますので、その点については明確に、皆さん共通認識を持っていただきたいと思います。  ちょっと次の質問、入らさせていただきます。  信託受益権のうち、先ほど来お話しありましたけれども、今回の信託業法で、取り扱われない信託受益権のうち、取扱いができない信託受益権がありますが、これはどういったものが具体的にありますか。教えていただきたいと思います。
  220. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 法律の規定上、取り扱われない信託受益権というような形にはなっていない、そういう規定はございません。
  221. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 あれ、二条の第十項、この法律における信託受益権の販売ってあるんですけれども、その受益権の販売の、この法律で取り扱わないものとして、証券取引法第二条第一項に規定する有価証券に表示されている権利及び同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を除く、これ具体的には貸付債権信託だと思うんですけれども、これは取り扱いできていないというふうに書いてあるんですが、今の答弁とはちょっと違うんじゃないでしょうか。
  222. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 失礼いたしました。  販売業者が、受益権は、今もおっしゃったように、証取法二条一項に規定する有価証券に示されている権利、あるいは二項により有価証券とみなされる権利を除くと書いてございまして、その受益権の中にはそれが除かれているということでございます。
  223. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 この除かれている、有価証券とみなされて、証取法で有価証券とみなされている受益権については、どういう取扱いについての規制があるのか教えていただきたいと思います。
  224. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 今申し上げましたように、証取法の規定でございまして、証取法上の規制が適用されるということでございます。
  225. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 具体的には、その取扱いについては証券外務員の登録が販売員には求められるということでよろしいですか。
  226. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) そういった規制もございます。
  227. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 今の話ですと、今回の信託業法の改正の一番の大きなポイントとして、受託財産の範囲の制限をなくすということで、どのような財産も信託財産として取り扱うことができるという趣旨からいたしまして、ある特定の貸付信託、貸付債権信託については証取法の規制が掛かっているにもかかわらず、それ以外のは掛かっていない。この取扱いの違いの理由を教えていただきたいと思います。
  228. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 証取法の方の規定でございますが、これは転々流通をする、一般の投資家が売買をする、そういった形での証券ということでございますので、そちらの方の規定体系に入っているということでございます。
  229. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 その違いの理由を、どうしてこういう違いがあるのか教えてほしいと思いますが。
  230. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 今申し上げましたように流通性の問題があります。  信託業法上の信託受益権というのは、基本的には、転々流通するということではなくて、民法上の指名債権譲渡の方式を取るということでございますので、基本的には転々流通を余りしないということでございます。そういったものと、それから今申し上げました流通性のある、非常に流通性のある証券との規定の違いということでございます。
  231. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 あれ、何か今のお話だと、今回の業法案の改正の目的が、信託受益権販売業者を作って、業者制度を作って流通を促そうというふうに私は目的として受け止めていたんですけれども、その目的と反すると思うんですが、どうでしょうか。
  232. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 今回の信託業法の目的の一つは販売チャネルを拡大しようということでございます。したがいまして、受益権を分割をして、いろんな方々がその受益権を購入するそのチャンスといいますか、チャネルができるということでございます。
  233. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ちょっと後で、最後にまとめて御指摘というか、お話ししたいと思うんですけれども、それ以外にもちょっと疑問点があるので確認をさせていただきたいと思います。  管理型信託業、これは登録制でございますけれども、なぜこれは登録制なのか、簡単に御説明、お願いしたいと思います。
  234. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 信託業というのはいろんな形があると思います。その中で、基本的には、信託というのは他人の財産を預かるという意味で非常にその要件を厳しく、厳しくというか、一定の参入要件を設けて、しっかりしたその主体が信託を受けるということでございますので免許という形になっておるわけでございます。  ただ、その同じ信託の中でも、その信託財産を預かる上で、ある特定の指図によって、ある意味で非常にその裁量性の低い信託業というのもあり得るわけでございます。そういったものにつきましては、参入制限を免許という形で厳しく設けるよりも、より柔軟な形での登録制度という形にして新たな参入を促進すると、そういった形がいいのではないかという、そういう御議論がありましてこういった形になったということでございます。
  235. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 参入をしやすくするのと、あとはあれですか、余り投資者の被害、損害を与える可能性がないというふうに考えてよろしいんでしょうか。
  236. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) おっしゃるような御議論もあると思います。
  237. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 これ、六十六条に出ていることだと思うんですけれども、信託財産に、何というんですか、受益者とか、いろんな人を保護するために、それを一定の条件での範囲内での指図であればその指図に従ってやっていいということになっているんですけれども、指図に、仕方によってはかなり裁量権が出てくるんじゃないかと私は思っております。  不動産を例えば、さっきのまたあれに戻りますけれども、不動産信託受益権の売買でも、何というんですか、例えば不動産信託でも、その不動産をいつ売るかとか幾らで売るかとかですかね、それ例えば幅を持って指図することも可能だと思うんですね。例えば有価証券の指図でもいろんな指図の仕方あると思うんです。その指図の範囲の中ではある程度裁量権が出てくるケースもあると思うんですけれども、それについてはどういうふうに見ていらっしゃるんでしょうか。
  238. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) おっしゃるようにいろんなケースがあると思いますけれども、先ほども申し上げましたように、私ども裁量権がどれだけあるかということに注目をしております。  したがいまして、指図の仕方が非常に裁量権があるということであれば、それは管理型信託ではないということになるんではないかと思います。ある程度その実態に応じて考えなければいけないというふうに考えます。
  239. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 その規制は今回はしていないわけですね、裁量権の範囲をどこまでにするかと。それによって投資家が、受益者が損害を被った場合はどういうふうに対応できるんですか。
  240. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  今の御質問でございますが、管理型の信託というふうに称して実は非常に裁量権の大きい信託をやっていて損害を与えるというようなケースというのは、先生もおっしゃるようなことがあり得るかもしれませんが、私どもといたしましては、その管理型の信託をする際にも登録の申請をいたします。その際にどういった業務をするかということをチェックをいたしますので、そこの部分は、仮に何かそういった大変裁量の大きい管理型信託を売るなどということであれば、そこは登録要件に合致しない、むしろその免許を取るということになるんではないかと思います。
  241. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 今の関連して、自己取引についてもちょっとお伺いしたいと思います。  今回は二十九条で一定の要件の下で自己取引が認められております。しかし、信託法、現行の今の信託法では認められていないという御説明を午前中伺ったんですけれども、その辺の関係についてちょっと御見解を教えていただきたいと思います。
  242. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  信託におきましては、その自己取引というのは、信託会社が信託財産を取得する場合、あるいは信託会社の固有財産を信託財産の方が取得する場合、さらに、信託会社が信託財産についての権利を取得する場合などの行為を意味するというふうに思っております。この法案におきましては、いずれにも忠実義務に反するおそれのある行為ということで規制の対象としているところでございます。  具体的な例を申し上げますと、例えば、その信託会社が信託財産たる賃貸ビルにテナントとして入居するといったことや、あるいは信託会社が特許権の実施権を取得する行為などがこれに該当するものというふうに考えております。
  243. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) さらに、御質問は、信託法との整合性の問題の御指摘があったかというふうに思います。  その点につきましては、信託法においては、第二十二条において、「受託者ハ何人ノ名義ヲ以テスルヲ問ハス信託財産ヲ固有財産ト為シ又ハ之ニ付権利ヲ取得スルコトヲ得ス」と規定され、基本的には自己取引は禁止をされているわけであります。  これは、利益相反行為を防止する趣旨によるものと考えられておりますが、利益相反行為の禁止は受益者の利益を保護することを目的とすることから、受益者の利益を害さない場合にまで行為を一律に禁止することは相当でないものと考えられております。  そこで、本法案においては、信託契約において、自己取引を行う旨及び当該取引の概要について定めがあり、かつ信託財産に損害を与えるおそれがない場合に自己取引を可能としているところでありまして、このように、信託業法の規定は信託法の基本的な考え方と相違をするものではないと考えております。
  244. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 今のおそれがない場合は認めていますよということなんですけれども、おそれがないけれども損害を与えてしまった場合はどうなりますか。
  245. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 仮にそういった形で損害を与えた場合、その管理失当責任を負うという、そういう可能性があるわけでございます。したがって、そういった場合には損害賠償の責めを負うということでございます。
  246. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 済みません。あと聞きたいこともまだあるんですけれども、ちょっと時間ですので、ちょっと今のお話の中の論点を整理したいと思います。  要は、今までは不動産の取引については宅建業法の縛りがあって、重要事項の説明書とか、宅地建物業者の許可、認可を得て登録された人じゃないと取扱いができなかったのが、今回の不動産信託受益権の売買という形で実質的な不動産取引が、不動産の売買が行われてしまう、宅建業法の網をくぐって行われてしまうということでございます。  この点の矛盾点がありますので、これを是非、統一見解をまとめて委員会に提出を求めたいと思っております。委員長にてよろしくお取り扱いをいただきたいと思います。
  247. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 富岡君から御指摘のありました件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
  248. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 済みません。ちょっと時間があるので、じゃ説明させていただきます。  要は、投資者保護が、さっきの答えも明確になっていないんですけれども、受益者保護が十分でないと思っているんですね。さっき信託受益権販売業者制度のところでも営業保証金が一千万という話がありましたけれども、不動産の取引が一千万で担保できるとは思わないんです。金額がすごい大きな金額の取引があって、その中で、例えば重要事項の説明がなくて取引がされてしまって、そして買った人が、瑕疵、瑕疵担保が、瑕疵があって、それを損害として請求した場合、一千万円じゃ全然足りないケースが一杯出てきます。取扱いが増えれば増えるほど出てきます。ですから、今回のこの、何というんですか、受益者保護の観点から営業保証金を一千万とか、あと信託業務、信託会社の資本金一億というのも、これは規模の大小によって全然意味のない、取扱いが大きくなれば意味のないことになってしまうと、私はそう思っております。  したがって、こういう規定を設けて、これですべて投資者保護が図られているからこの業法はすばらしいんだということじゃないと思いますので、この点についてもちょっと御見解をお願いしたいと思います。  これで、私、以上の今の御返事をいただいて、私の質問を終えたいと思います。
  249. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 先生の御指摘の部分、確かにそういう部分もございますが、基本的に、今回の制度につきましては、例えば信託業者につきましては基本的に資産の分別管理が行われていると、そういったことがしっかりやられるという前提で、さらに、いろんな管理失当があった場合には、そういった営業保証金等の制度あるいは自己資本の制度がある、財産的な規定の問題が、という規定があるということになっておるわけでございます。  そういったことで、一方でそういう受益者の保護を図りながら、ただ一方では新たに参入をする、この新しいビジネスに参入をしていただくというための余り高い障壁になってはいけない、そっちの方も勘案しながら今回のような制度を仕組んだところでございます。
  250. 西田実仁

    ○西田実仁君 私の方からは、まずこの業法の改正の施行日につきまして、先ほど大塚委員からもお話ございましたけれども、改めて確認をさせていただきたいと思います。  先ほどの御答弁では、速やかに実施したい、あるいは早ければ年内施行も視野に入れたいと、こういうお話がございました。しかしながら、さきの衆議院での議論でも、伊藤大臣からは、趣旨を徹底、しっかりとしたPRを行っていくだけではなくて、事務ガイドラインも含めてしっかりと改正し、的確な体制ができるように体制整備に努めていかなければならないと、このようにもお話があったわけでございまして、特にパブリックコメント等の十分な時間も必要でございましょうし、また、今回のこの業法改正におきまして行為規制も厳しくなっておりまして、それに対する業者としての備えも必要となってくるでしょうし、さらに、新しく新規に参入してくる企業を設立しようと思えば、会社設立だけで何か月か掛かるわけでございまして、拙速は避けなければならないというふうにも思っているわけでございますけれども、改めて、この施行日につきましてどんなお考えなのか、お伺いしたいと思います。
  251. 七条明

    ○副大臣(七条明君) 今も先生からもるるお話をいただいたわけでありますけれども、本法案の成立につきましては、できるだけ早く、速やかに施行が可能となるように努めてまいりたいと、これが基本でございますし、年内の施行も視野に入れておかなければならないと、こういうふうに考えております。  が、しかしながら、本法案の施行準備の必要性にもかんがみますと、必要に応じて、先ほど先生がおっしゃられておられます件等もありまして、関係の府令の作成だとかパブリックコメントも含めて所要の経過措置を設けることも、具体的には施行、やらなければならないということで、具体的には施行期日については今後十分に検討をした上で考慮してまいりたいと考えておるところでございます。
  252. 西田実仁

    ○西田実仁君 是非そういう形で、この信託という仕組みが改めて世の中に広まって浸透していくためにも十分な体制を整えた上で施行されることを願ってやまないわけでございます。  次に、この改正による、今回の業法改正による新規参入の想定等につきまして先ほど来からお話もございました。基本的なお考えをここではお聞きしたいと思います。  かつてこの信託業法、信託法が導入されました、もうかなり昔になるわけでございますけれども、当時の議論を見てまいりますと、貴族院での議論におきまして、当時、任意団体だった信託協会の会長さんが議員をされていて高橋蔵相に質問をされているわけでございますけれども、当時は大変に、五百を超える信託会社が多くて、中には信託という名前だけでいかがわしい商売をしているというような会社も随分多く見受けられたということで、この信託業法並びに信託法というものができたわけでございますけれども、そのときに当時の蔵相は、信用堅固な大なる信託会社が少なくして厳重に財産を保護してくれるようなことを望むというような答弁をされておりまして、つまり、やはり人の財産を預かって信託を受けるわけですので、しっかりとした会社にやってもらいたいと、そういう意味ではそんなにたくさん増えなくてもいいんだと、そういうような、当時、八十年以上前の御答弁でございます。  今回、この業法の改正におきましては、当局といたしまして、数の問題は先ほども御議論ありましたので、基本的なスタンスというか、信託、人の財産を受託するという立場であり、しかしながらやはり広めていきたいということもございますでしょうし、その辺、どのような基本的にお考えをされているのか、お聞きできればと思います。
  253. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  先生御指摘のように、今回の信託業法、財産権の、受託可能財産の範囲を拡大をする、さらに、担い手である、信託の担い手である信託業者の範囲を拡大をすると、そういった形で新しい方々に参入をしていただく、新しいビジネスが起こるようにしていただきたいと、そういう気持ちがございます。  ただ一方で、拡大一方ということではやはり受益者あるいは関係者の保護というのが十分でないということでございますので、そういった観点から、様々な行為規制あるいは財産的な規制、そういったもの、あるいは参入規制、そういったことを設けているわけでございまして、そういったある意味で両者のバランスを取った制度になっているというふうに考えております。
  254. 西田実仁

    ○西田実仁君 次に、行為規制についてですけれども、第二十七条で規定されております信託財産状況報告書の作成義務につきまして、どういった場合にこの作成義務が要らないのか、不要なのかということについて、具体的に幾つか項目を挙げていただければと思います。
  255. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  御承知のように、今御指摘のように、信託財産の状況報告書を交付するということになっているわけでございますが、例えば委託者が投資等に関する知識、経験を有する適格機関投資家等である場合には、やはり受託者から説明を受けなくても信託契約の内容とかあるいは信託に起因するリスクを十分理解をし得るわけでございますので、そういった場合には信託会社に過度のディスクロージャーを課す必要はないということで、そういった場合には要らないということになっております。
  256. 西田実仁

    ○西田実仁君 ディスクロージャーが大事なわけでございますけれども、それはもちろんただではございませんで、ディスクロ自体はやはりコストが掛かるということもありまして、顧客によっては、信託報酬料を下げてもらう分、そのディスクロはもう省いてもらいたい、できる限り少なくしても結構だという場合もあろうかと思うんですけれども、これはあれですか、そうしますとこの二十七条で規定されている信託財産状況報告書の作成義務については、相対の顧客との取引の中で、今のような適格機関投資家以外でもそうした契約条項であればある程度省いても構わないということになるんでしょうか。
  257. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように、私ども、今の法案あるいは内閣府令において、そういった適格機関投資家である場合等はこの信託財産状況報告書の交付義務は免除するということを検討をいたしたいというふうに思っております。  そういった面から申し上げますと、個人でどうしても要らないといったことについて、そこはやはり元々の信託の趣旨から考えて、やはりそういった信託財産報告書というのを交付をしておくというのが重要ではないかというふうに思っております。
  258. 西田実仁

    ○西田実仁君 ちょっとよく分からないところがありますので、ほかのところもお聞きしますけれども。  先ほど大塚委員との議論の中で出たものだと思いますけれども、取締役の兼職の制限につきまして十六条で定められているわけで、その具体的なものが府令で更に規定されているということが、たしか四つほど挙げられていたかと思います。  その上で、そのうち、その挙げられていた規定されている項目は、要するに兼業する業務の信託業務に与える影響、並びに信託業務との関連性、こうしたことが、この二点から府令では規定されていると理解したわけでありますけれども、一つだけ、先ほどその取締役が営もうとする事業が主としてその家族により営まれる場合という、ほかの項目とはちょっと違和感があるというか、信託業務との関連性ということが非常に強調されている中で、家族が営んでいるものが必ずしも信託業務と関連していない場合も数多くあると思うんですけれども、そういう場合も構わないということなんでしょうか。
  259. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  この規定は取締役が営もうとしている業務の規定でございますので、その取締役が営もうとしている事業が主としてその当該の取締役の家族などによって営まれている場合、そういったことでございます。こういう場合には、実質的にはその取締役本人が行っているのと同視し得る場合も多いというふうに認められることから、この場合についてもやはり兼職の承認が必要ではないかというふうに考えまして、こういった形になっているわけでございます。  ただ、その際に、実質的にもその家族によって営まれておりまして、当該取締役はその重要な事項についてのみ指示をすれば足りると認められるような場合には、これは信託会社の経営に悪影響を及ぼさないと認められるところから兼職が認められることになるというふうにする予定でございます。
  260. 西田実仁

    ○西田実仁君 今回の業法の改正で信託専門店舗というものが解禁をされる方向であるということが衆議院でも議論されておりました。  これ自体は、兼営法の信託銀行銀行業務を行わず、信託のみを、信託業務のみを行う店舗を想定しているということでございますけれども、やはりこれは元本を保証する業務と保証はしない業務ということが立て分けが非常に不明であるということで、お客様にとって誤認を防止していくということが大事であると、このような御指摘もあるわけでございますけれども、具体的にこの誤認を防止するためにどんな手だてが想定、考えられているのか、顧客に対する誤認防止策についてお聞きしたいと思います。
  261. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 先生御指摘のように、誤認防止というのは大事だと私ども思っておりますが、今現在、どういう形で、誤認防止措置を何らかの形で設けたいと思っておりますが、その措置について私ども検討しているところでございます。
  262. 西田実仁

    ○西田実仁君 是非、その同じ店舗で、信託専門店舗といっても、今回この業法改正でいろんな信託契約代理店とかあるいは受託販売業とか信託会社とか、様々その名前が新しく出てきておりまして、その中で信託専門店舗といきなりこう言われても、恐らく普通のお客さんにとっては元本保証かどうかということも含めてよく分からないのが実態だと思いますので、是非具体的にその誤認をしっかり防止するということを改めて強調させていただきたいと思います。  続きまして、先ほどもちょっと議論出ましたけれども、営業保証金のところで、信託受益販売業者として既に今宅建業者等が行っているところもあるわけでありますけれども、この営業保証金、宅建業者として既に宅建業法の中でその営業保証金一千万円を既に積んでいるわけでありますけれども、改めて、今回この業法が改正されることで、信託受益権販売業者として登録した場合に、その営業保証金を重ねてやはり積まなければならないということでよろしいでしょうか。
  263. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 御指摘のように、宅建業者、建物取引業者が信託受益権を営業して販売する場合には、この信託受益権販売業の登録が必要でございます。この場合、宅地建物取引業法における供託に上乗せして本法案によります供託をする必要があるということでございます。これはやはりその信託受益権を購入する顧客の保護の観点から、信託受益権販売業者としてもやはり営業保証金を供託をしていただくということが必要な措置であるというふうに考えているわけでございます。
  264. 西田実仁

    ○西田実仁君 続きまして、兼業規制なんですけれども、第五条七項に、「他に営む業務を営むことがその信託業務を適正かつ確実に営むことにつき支障を及ぼすおそれ」という記載がございます。  信託業に新たに子会社として参入する場合はそんな問題は起きないわけでありますけれども、そうではなくて、既に他の業を行っていて信託業務に新たに参入する場合、この信託業務の比重というものについては、当然のことながら、最初いきなり、その信託業務の業務範囲がいきなり大きくなるわけはないわけでございますけれども、そうしますと、他に営む業務の方が比重として非常に大きくなってしまう、こういうことになってしまうかと思うんですけれども、ここで、兼業規制で言うところの信託業の比重につきましては、どのぐらいバッファーというか、三年なら、あるいは五年とかあるいは一年とかの期間にこれだけ信託業務の範囲が広がっていけば、あるいは比重が高まっていけば兼業規制には引っ掛からないと、そういうように考えておられるんでしょうか。
  265. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  兼業規制については、やはり信託業務の適正な遂行の確保、財務の健全性の確保、本業への専念といった観点から、やはり原則として他業を禁止した上で、信託業務に支障を及ぼすおそれのない業務であって信託業務と関連する業務について兼業可能というふうにしたわけでございます。  で、その具体的な兼業基準については府令において具体的に規定をすることを予定をいたしておりますが、具体的には、例えばその信託業務の適正かつ確実な遂行に支障を及ぼすおそれがないこととして、その基準の中で人員配置等兼業業務の執行体制の状況に照らして、兼業業務が信託業務に付随するものとなっていることというのを条件にしようとしております。  今先生の御指摘のように、仮に今まで既にその兼業業務を営む会社が信託業務を開始する場合というのもそういった問題が起こるわけでございますが、具体的にそれじゃ兼業が認められる信託業務と他業との比率についてどうかという御質問だと思いますが、これを具体的な数字、お示しすることはやはり困難な感じがいたします。  業務制限の趣旨というのは、信託会社が信託業以外の他業を営むことによって本業がおろそかになったり、他業の失敗によって信託会社の経営を危うくするといった事態が生じるおそれを防止するということであることを踏まえますと、なかなか数字をお示しするのは難しいわけでございますが、こういったいろんな事情を総合勘案して、あくまで信託業がやはり主業であると、主業となる必要があるというふうに考えております。
  266. 西田実仁

    ○西田実仁君 主業といっても、新たに参入してくる企業にとっては、当然今まで業があって、新たに参入をしてくる会社にとっては実態的には主業には最初はならないですね、やっぱり。スタートした時点でゼロから始めるということになります。この場合でも認められるというふうに考えればいいんでしょうか。
  267. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 先生御指摘のように、既に別の他業をやっている場合にはゼロから始まるわけでございますから、おっしゃるとおりだと思います。  そういった場合には、私どもとしましては、今度の審査基準の中で、既に兼業業務を営む会社が信託業務を開始する場合には、信託業務の開始後合理的な期間内に付随する業務になるようになること、要するに信託業務が主業になるようになることということを基準としようと考えております。
  268. 西田実仁

    ○西田実仁君 それは、将来、となればいいと。そこに特に一年とかあるいは二年とか三年とか、特にその期限は設けないということでしょうか。
  269. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) はい。特定の期限を区切ってと申すつもりはございません。ただ、合理的な期間内というのがあると思いますので、相当、何十年も掛かるということでは、それはやや問題なのかもしれませんが、考えられる合理的な期間の中で付随的なものになるということでございます。
  270. 西田実仁

    ○西田実仁君 続いて、その担い手としてのTLOにつきましてお聞きしたいと思います。  TLOがこの信託業務を営む場合には、確認ですけれども、最低資本金は、特にそれは基準としてはないと、要らないと、供託金は必要ということになろうと思います。  大学内で開発された様々な知的財産を信託するということでTLOがその担い手として今回期待されているわけでありますけれども、例えば大学で今いろんな開発をされている場合には、必ずしも大学内の人だけでやっているわけではなくて、例えば地元の中小企業と共同開発をしたりというケースが間々見られるわけでありますけれども、そうした地元の中小企業と共同開発した知的財産権につきましてもこのTLOが信託、受託ができると、このように考えていいんでしょうか。
  271. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 今先生御指摘のように、TLOもいろいろな形があるかと思いますが、TLOが地元と共同して開発した特許権等をTLOに信託し得るかという御質問だと思います。  これは大学等技術移転法の枠組みに該当するかどうかという問題でございますが、これは担当の省庁に確認したところ、そういった場合でもこの枠組みに入るというふうに聞いております。
  272. 西田実仁

    ○西田実仁君 続きまして、今回、この信託業法の改正の意義として、担い手を拡大し、また受託財産を拡大していく、自由化していく、二つの自由化ということがうたわれているわけでありますけれども、特に、私の考えとしては、この信託という仕組みを広めていく上に当たって、特に二つの点が必要だと思っております。  一つは、中小零細企業がこのスキーム、信託という仕組みを活用できるようにしていくということが大事であるということ。そしてもう一つは、機関投資家等大きな投資家だけではなくて、ある意味で個人投資家等もこの信託というスキームを使ってそこに参画してくるということがこの信託という仕組みを日本にもっと広めていくことにつながっていくんではないかというふうに思っておりますので、この二つの大きな点についてお伺いしたいと思います。  まず、中小零細企業とこの信託という仕組みにつきましては、午前中、新井先生からも御指摘がございました。今まで、この信託業法が改正される前にもう既に中小企業の資金調達の一つのスキームとして一括信託システムということが利用されてきているわけであります。  簡単に申し上げますと、委託者である中小企業は、例えば百社とか二百社とか束ねて、それをある一社の商社とかに売り掛け債権を持っているわけでありますけれども、それを束ねた形で信託銀行に信託をして、それを信託受益権として投資家に小口化して売っていくと、こういうスキームがあるわけでございますけれども、ここの関係において、委託者たる中小企業は個別に投資家との契約になっておりまして、この売り掛け債権を資金化していく、まあ簡単に言えば手形の割引みたいなものですけれども、その関係の中において反復継続して行っていくわけでございまして、反復継続ということになりますと、この信託受益権販売業に当たるということにもしなってしまえば大変なことになってしまうというのが今日午前中の新井先生の御指摘だったと思います。この点、一応確認ですけれども、そういうことには当たらないということなのかどうかということを確認をしたいのが一点と。  もう一つ、同じようなこの仕組みの中で、実際にはこの売り掛け債権債権の回収、サービサー業務としては、形上だけとはいいながら、中小企業がこの売り掛け債権を回収する形になっておりまして、そうしますと、これは外部の委託先ということにも当たってしまうのであれば、これまた大変な中小企業には負担になる、いろんな行為規制が掛かってきてしまうと。こういうことになってきてしまうわけでありまして、実態に合わせてこれは解釈をして、運用していただくということが大事だと思っておりますけれども、この一括信託システム、中小企業が頻繁に利用しておりますこのシステムと今回の信託業法の改正についてお伺いしたいと思います。
  273. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) この法案におきましては、信託受益権の取引の安全を確保するために信託受益権販売業者というのを位置付けまして、登録制の下でその適格性をチェックする仕組みということになっていることは先ほどから御説明しているとおりでございます。  したがって、その中小企業が所有する信託受益権を営業として自ら直接投資家に販売することになった場合には、やはりその中小企業は信託受益権販売業者として登録が必要となりまして、営業保証金を供託しなければならないと、そういうことになるかと思います。  しかし、これに対して、中小企業が、自分が所有する信託受益権について勧誘あるいは契約締結等の販売に関する対外的な行為の全部を第三者に委任し、自らは全くそういった対外的な販売行為を行わないという場合には、これは、中小企業自体は販売を行わないわけでございますから、受益権販売業者には該当しない。他方、その委託を受けた第三者が受益権の販売業者として登録が必要になってくるというふうに考えております。  現行の実務では、中小企業の有する売り掛け債権について受託者となった信託銀行がその委託に基づいて当該信託に係る受益権を投資家に販売するというスキームになっておりますので、どちらかというと、こちらの、後者の方になるというふうに考えております。  それから、法二十二条一項に規定します信託業務の委託先としての第三者に該当するか否かということでございますが、これも第三者が信託財産の管理又は処分に関する権限を有すると認められるか否かによって判断するのが適当だというふうに考えております。  定型的なサービスを利用する場合や単純な事務処理を行わせる場合にはこれには該当しないというふうに考えておりまして、具体的には個々の業務ごとに判断する必要がございますが、仮に、その中小企業が信託に出した売り掛け債権を自ら信託会社の委託を受けて回収する場合において、その委託の内容が、例えば単に債務者から支払金を自らの口座において受領する、そしてその金銭を受託者の口座に振り替えるというようなことにとどまるのであれば、これは単純な事務処理というふうに考えられますので、先ほど申し上げましたように、第三者には該当しないというふうに考えることも可能ではないかというふうに考えております。
  274. 西田実仁

    ○西田実仁君 是非、今、既にかなり中小企業の資金調達に役立っているスキームを更により良くしていくためにもそうした運用をお願いしたいと思います。  この信託の普及啓蒙ということにつきましてちょっとお聞きしたいんですけれども、今申し上げましたとおり、中小企業の経営者の方々にこの信託業法あるいは信託ということをお聞きしますと、まず返ってくる答えが、まず信託というのは何だという回答であり、また信託銀行というのは一体何をやっているんだというぐらいになじみがなかなかないというのが実態であろうかと思います。  今回、この信託業法の改正に当たりまして、当局といたしまして、この信託という仕組み、あるいは今回の信託業法ももちろん含めてでありますけれども、特に中小企業の経営者の間にどのように広めていくのか、どのように啓蒙していくのか、あるいは啓蒙するおつもりがあるのかということについてちょっとお聞きしたいと思います。
  275. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) 御指摘のように、信託という言葉は必ずしも一般になじんでいるとは限らないという感じがいたします。  そういう観点からも、この法案が施行の際には、やはり一般の方にどれだけPRしていくかというのが非常に大事だと思いまして、私ども自体もいろんな形で、地方では財務局もございますし、金融庁自体の広報にも努めたいと思いますし、特に中小企業の方々に対しては関係の諸団体にも御協力をお願いをしたいというふうに考えております。
  276. 西田実仁

    ○西田実仁君 特に、この信託というスキームを使って中小企業はこんなメリットがあるという成功事例というかモデルケースみたいなものを、やっぱりその仕組みを抽象的に何か説明してもなかなか手触り感というか手ごたえがあるものではございませんので、そうした、この信託を使った資金調達等々につきまして成功事例等をしっかりと伝えていくということが一番理解を深めていくことになるんではないかと思いますので、その点、是非お願いしたいと思います。  そして、今、既に新聞報道等もございますけれども、今、東京の大田区の産業振興協議会財団法人でございますけれども、信託銀行と契約をして、中小企業の知的財産の侵害を守るためにこの信託という制度を使おうと、こういうことで今着々と準備を進めているようでございまして、私も先般そのお話をお聞きしてまいりました。  なかなか、資金調達をしようという、一番いいんですけれども、中小企業の経営者もそれをすぐに考えるわけですけれども、そうはいっても、なかなかいろんな評価とかの問題、先ほど来から議論あるとおりでございまして、そう簡単ではないと。むしろ、中小企業が持っている知的財産をいかに外部の様々な人から守っていくのか、侵害からいかに守っていくのかということが、この実は信託というスキームが非常に役に立つということで、今、大田区ではその試みを進めているところでございます。  そこに当たりまして、これは本当にいいのかどうかは分かりませんけれども、実際には、その中小企業にとっては、自分が持っている知的財産を例えば信託銀行あるいは信託会社に信託をして、そして侵害から防ぐ、パトロール、いろんな侵害がないかパトロールすることにも、自分たちではできない中小企業が信託銀行という大きな会社あるいは信託会社という大きな会社に委託をして、そうした侵害から守っていくということを考えているわけですけれども、そこで問題になるのは、やはり信託の手数料ということがやはり大変に問題になってまいりまして、中小零細企業、いろんな財産を持っている、知的財産を持っているんですけれども、これを委託しようと思っても信託手数料等がなかなかネックになって広まっていかないという懸念もあるのかなというふうにも思っておりまして、知財立国という標語を掲げている我が日本といたしまして、特に中小企業が持っている知的財産等を生かしていくということから、こうした信託手数料等も含めた、この信託というスキームを使うに当たっての公的な支援等々を考える余地はあるのかどうか、御意見を賜れればと思います。
  277. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) おっしゃるように、この信託のスキームを利用しやすくするという意味で手数料というのは大変大事なことだと思います。ただ、手数料を、何といいますか、人為的に引き上げる、引き下げるというのはなかなか難しいというふうに思います。  ただ、今回、新たにこういったスキームを作りまして、新しい業者が次々と参入する、そういうことによっていろんな形での競争が生まれ、多様な信託の商品、信託のスキームが生まれ、その結果、手数料が下がるということは非常に大事だと思っておりまして、そういう意味でも、新たないろいろな方々の参入というのが期待されるところだというふうに考えております。  したがって、何となく、公的なものを使うということは、これはいろんな御議論があると思いますので私どもがあれこれというふうに決め付けて申し上げるのはいかがかと思いますが、やはり一方で、公的な関与があるということはその分だけ市場をゆがませる可能性もあるということも考えながら、よく検討しなければならないというふうに思います。
  278. 西田実仁

    ○西田実仁君 今のこの大田区のケースでもそうなんですけれども、個々の中小企業はそもそも信託銀行と余り付き合いがないと。午前中も信託協会の会長さんがおっしゃっていましたけれども、店舗数が少なくて信託銀行そのものも中小企業と余り接点がないと。このマッチングをさせていくために財団法人たる大田区の産業振興協議会というのが機能しているわけでございまして、そこが自分の区内にある中小企業がどんな知的財産を持っているのかということをプールして、それをつないでいくという役割を果たしているわけであります。  この場合に、こうした大田区の財団法人のような公的な機関、ここが例えば信託の契約代理店をやろうとした場合にどういうことが、それが可能なのかどうかということもよく正直言って分からないんですけれども、やるには非常にふさわしいんですけれども。でも、実際、法律を読むと信託会社に所属するということになってしまう、それは公的な機関としては無理じゃないかと。だけれども、この中小企業と信託会社ないしは信託銀行をつなぎ合わせようと思えばそうした真ん中に入る機関も必要になってくるというのが実態でございまして、ここをどう考えたらいいのか、もし御所見がございましたらお伺いしたいと思います。
  279. 増井喜一郎

    政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  具体的なスキームを承知しておりませんので、ここで確定的にこうだというふうに申し上げる材料はございませんけれども、いずれにいたしましても、現行のスキームでいろいろな知恵を出しながら、新しいいろいろな形での中小企業の資金調達、そういったスキームをお考えになられるということは非常に重要なことではないかというふうに考えております。
  280. 西田実仁

    ○西田実仁君 後でこの大田区の、そんなに難しいスキームじゃございませんので、ちょっと事前に言っていればよかったんですけれども、昨日たまたま急に聞いたものですから、申し訳ございません。後でそのスキームをお渡しして、是非検討いただければと思います。  最後になりますけれども、もう一つ、この信託という仕組みを広めていくために大事だと申し上げた個人投資家向けのお話でございますけれども、これは、先ほどの御議論で大臣、伊藤大臣からもお話がございました。この行政の縦割りの弊害が信託の発展を妨げてはならないと、こういう御発言があったわけでございます。  そして、今回の業法の改正のねらいの一つとしては、受託可能財産を広げていく、こういうことがあるわけですけれども、個人がこの信託受益権を例えば購入しよう、個人投資家が購入しようと、こういうふうになった場合に、やはりなじみがあるというものでいえば、今、既に動きがあるのは、例えば映画というのがあるわけでございまして、映画の信託を、スキームを使って制作費等を調達をしてということがすぐ考えられるわけですけれども、これは、もう御存じのとおり、商品ファンド法というのがあって別途規制がされていて、映画そのものの信託というものは今の中ではなかなかできないと。  せっかくこの受託可能財産を広げながら、映画だけではなくて、馬とか鉱物権とか、様々この商品ファンド法で個別に規定されているわけでありますけれども、こうした個人投資家をもっと取り込んでこの仕組みの中に参入、参画をしてもらうという意味でも、また、先ほど来大臣がおっしゃっている縦割りの弊害を取り除いていくということからも、例えば商品ファンド法とこの信託業法の今回の改正との調整みたいなものについて今後どう進めていかれるのか、最後にお聞きできればと思います。
  281. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) 先ほども答弁をさせていただきましたように、やはり行政の縦割りの弊害というものが信託の発展に大きな障害になってはいけないというふうに思っております。  今、商品ファンド法との関係ということがございました。私どもも、この法律との関係というものは十分整理をしながら、この枠組みが積極的に活用していただけるように対応をしていかなければいけないというふうに思っているところでございます。  また一方で、今金融審議会においては投資サービス法についての議論も本格的に精力的な議論をしていただいているところであります。機能別、横断的な枠組みというものを設けて、そして利用者の視点に立った枠組みというものをしっかり作っていくということは非常に重要なことだというふうに思っております。  こうした枠組みを整備をしていくためには、様々な論点があることは事実でありますけれども、多くの専門家の方々に参加をしていただいて、また国会でもこの問題についてはいろいろな御指摘をいただいておりますから、そうしたことも踏まえて私どもとして精力的に検討していきたいというふうに思っているところでございます。
  282. 西田実仁

    ○西田実仁君 質問を終わります。ありがとうございました。
  283. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  284. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 速記を起こしてください。     ─────────────
  285. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、南野知惠子君が委員を辞任され、その補欠として椎名一保君が選任されました。     ─────────────
  286. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 大門でございます。もう質問も出尽くした気がいたしますけれども、用意した質問がほとんどダブっておりますので、一つ二つ、確認の意味でお伺いをしたいというふうにしたいと思います。  我が党はこの法案は賛成でございます。今日のニーズにこたえるものであるということ、あるいは参入基準、行為規制、監督などのルールを決めているという点、投資家保護規定も盛り込んでいるという点で、こういう点から賛成をしております。  その上で、もう議論も出尽くしましたけれども、確認のために一つお聞きしたいのは、当局の市場の監視機能をどのように確保していくかと。つまり、市場規模が拡大するというお話がございました。一般企業も参入すると。そういう中で、当局の監視機能を拡大する、その市場に合わせて、体制の強化も含めてですね、どのように強化されていくのか、具体的にお伺いできればと。  もう一つは、午前中、参考人の質疑であったことなんですけれども、株式会社だけではなくて、今後、公益法人にも担い手として広げていくべきではないかという意見が出されておりましたけれども、この二点について大臣の見解を伺えればと思います。
  287. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) この新しい信託の枠組みというものを作り上げて、そして信託の発展というものを期していきたいというふうに思っているわけでありますが、それに当たって、今委員から御指摘のとおり、しっかりとした監視機能、監督体制というものを整備をしていくということは大変重要なことであるというふうに思っております。  本法案におきましても、金融機関以外の者の信託業への参入について免許制又は登録制の下で審査を行うとともに、委託者や受益者の保護の観点から信託会社に対して適切な監督権限を行使する仕組みとしているところであります。  また、これを踏まえて、金融庁といたしましては、信託会社に対する検査・監督のための体制整備を図るため、検査・監督体制の整備に必要な人員の確保、そして検査官等の研修・指導体制の充実、こうしたことを行うことといたしているところであります。  こうした考えに立ちまして、平成十六年度の予算においては、信託会社の担当検査官を五名、そして監督担当者を三名確保するとともに、平成十七年度においても担当検査官を八名要求をして、検査・監督体制の整備に努めているところでございまして、今お話をさせていただいたことに加えて、財務局においても監督担当者を七名要求をさせていただいているところでございます。  そして、もう一つの御質問でありますNPO等の公益法人の問題でございます。  これも先ほど来議論がありましたところでありますけれども、現在、公益法人についての議論がなされております。また、会社法制の改正の作業も行われているところでございます。こうした議論や作業というものを注視をして、そしてその中で他の金融業態の取扱いとの整合性というものも配意しながら今後の参入の適否を検討していくべき課題だというふうに思っているところでございます。
  288. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 ありがとうございます。  次に、先ほども議論ありました土地の信託受益権に絡む問題でもあります問題を質問したいと思います。  お手元に資料をお配りいたしました。  今、国有地であります大手町合同庁舎跡地の売却に絡んでちょっとおかしな事業が進行していると思います。この事業そのものは都市再生本部、これは小泉総理が本部長ですけれども、が都市再生緊急整備地域に指定し、さらに第五次都市再生プロジェクト、国家プロジェクトですね、に指定されたものでございまして、経済効果一兆円と言われるビッグプロジェクトでございます。  お手元にスキームの図を用意いたしましたけど、簡単にどういう仕組みになっているかといいますと、この大手町の合同庁舎跡地を都市再生機構随意契約で売却してもらうと。で、都市再生機構土地区画整理事業をそこで行って、その跡地の三分の二の土地を大手町まちづくり事業会社、今、有限会社大手町開発といいますが、そこに三分の二譲渡する。それが先ほど言いました土地の信託受益権の譲渡という形で行われる、こういうスキームでございます。  中身は何をやるのかといいますと、二枚目を見ていただければいいんですけれども、どういう地域かというのは、合同庁舎三号館の隣にあった一号館、二号館の跡地の空き地になっている部分ですね、ここにこの周辺の民間の企業あるいは団体がビルの建て替えを連続的にやるために、ここを種地にしてどんどんどんどんビルの建て替えをやっていくというふうな大きなプロジェクトでございます。当面、ただ、手を挙げているのは経団連と日経新聞、そしてJAと。この三つがこの空いたところに入る、そしてそのまた空いたところにほかの企業なりが入る、順次連続的に建て替えしていくというプロジェクトでございます。  実際には、この辺のビルというのは築二十五年から三十年というビルが多いわけでして、実際には、何のことはありません、この老朽化した民間の団体、特定の団体あるいは大企業のビルを建て替えする、そういうことにすぎないわけでございます。先ほど言いましたとおり、都市再生機構が区画整理やって、有限会社大手町開発、まちづくり事業会社が再開発、上物をやるという二段階の事業になっています。  この大手町まちづくり事業会社の基になっています、左側の、一枚目の表の左にあります企画・調査会社大手町まちづくり株式会社は、これは地権者十一の企業が入っておりまして、経団連だとか日経新聞とかJAとか三菱地所等が入っている。それが母体になって出資して、まちづくり事業会社を作って上物の仕事をやると、こういうスキームでございます。  いろいろ不可思議な点があるんですけれども、元々この国有地は財務省が競争入札で売却する予定でした。その予定で、もうそのつもりだったわけですが、これは東京都と、まあ東京都というのは今東京最大の不動産ディベロッパーと言われているぐらいのところでありますけれども、その東京都と地元の企業等が待ってくれと、ここを種地にしてビルの建て替えをやりたいと、こういうことを表明したものですから、競争入札での売却を待って随契で、随意契約でやろうということで今待っているわけですね。  この周辺企業、例えば日経新聞社は、二〇〇三年の七月に大手町再開発問題検討委員会を社内に設置して、大変この建て替えに色気を出しております。経団連は、今年五月の総会で、この大手町再開発によって立地するビルの建て替えが促進されることに伴い、経団連会館も新たな拠出金なしで現会館と同等の床面積が確保できる条件が満たされるなら移転計画を進めるということを五月の総会で明らかにしております。  都市再生本部にお伺いしたいんですけれども、この日本経団連が総会で言っている新たな拠出金なしで現会館と同等の床面積が確保できる条件、そういう計画というのは、これ、どういう意味で言っているんですか。
  289. 清水郁夫

    政府参考人(清水郁夫君) お答えいたします。  御質問の大手町の都市再生のプロジェクトにつきましては、平成十五年一月におきまして、都市再生本部の決定でもちまして決められたプロジェクトでございます。  都市再生本部の決定の中身につきましては、御質問にもありました合庁跡地を活用する……
  290. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 聞いたことだけでいいです。
  291. 清水郁夫

    政府参考人(清水郁夫君) はい。  そういったことを含めましたことを決めておりまして、具体的な事業の中身につきましては地元の地権者を始めとする関係者でいろいろ検討して詰めていくということになっておりまして、経団連の今お話があった事項の具体的中身につきましては私ども詳細は存じ上げておりません。
  292. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 私は、これは調べていて、今存じ上げておりませんと言われますけれども、十分御存じの、十分想像し得る、十分分かる話だと思います。  この事業を通じて、この建て替えに参加する企業、あるいは経団連やJAという団体が受けるメリットですね、これ私、五点あると思います。  一つは、これ随意契約で安く国有地を手に入れるわけですからね、これは当然、ここ一等地ですから、外資系も含めて非常に欲しがる。入札でやれば幾らになるか分からないものを随契で、地価の公示価格で手に入れられる、安く手に入れられるということが一つのメリットですね。  普通、ビルの建て替えやるときは、どっかに移転して、そこで仕事して、その間に建て替えると、こういう移転費用が掛かります。一時移転費用が掛かります。こういう大きな企業や団体は相当のお金が掛かります。これが節約できます。できたら入ればいいわけですからね、節約できます。  さらに、ここのプロジェクトは、皆さん、都市再生本部が指定されました都市再生緊急整備地域に指定されていると。つまり、ここは都市計画法建築基準法の適用除外なんです。それに加えて、都が総合設計制度とか公開空き地なんかの制度を加えますと、現在容積率が七〇〇%ですけれども、一三〇〇%に、倍に膨れ上がる。つまり、手品のような仕掛けで経団連、日経、JAが等価交換した土地が倍の価値を生むと、こういううまい、うまみがあるわけです。  もう一つは、この事業そのものにも、このまちづくり事業会社にも民都機構から数々の金融支援がされるスキームになっております。  更に言えば、もし順繰り順繰り建て替えしていきますと、最後に土地が空きます。次々こうやっていくと最後に空きます。それを売却すれば、このまちづくり事業会社にその売却利益が入る、それをみんなでまた分ければいいと、何重にもうまみのある建て替え事業になっているわけです。  どうしてこんな事業が国家プロジェクトなんですか。
  293. 清水郁夫

    政府参考人(清水郁夫君) このプロジェクトにつきましては、大手町という地区は、丸の内とか有楽町、それから北の方には神田とか日本橋とか、非常に高度な業務が集積している地区で行われるわけでございますけれども、そういった業務の集積している地域につきまして、先ほどもお話がありましたように、非常に老朽化している建物も多いということで、そういったことを含め、国有地を活用しまして新たな国際的なビジネスの拠点としていこうということで行われるわけでございます。  それで、容積率等々のお話につきましては、これからいろんな検討を行いながら決まっていくわけでございますし、それから、最後の土地の処分につきましても、必ずしも今の時点でうまみがあるとか、そういう話ではございません。将来のいろんな状況によりましてそういった点は決まってくるわけでございまして、今の時点でおっしゃるような話は断定できないというふうに思っております。
  294. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 だから、どうしてそんな将来どうなるか分からないことまで含まれているのが国家プロジェクトなのかと。  しかも、これ何のこっちゃないじゃないですか。古くなったところを、経団連とか日経新聞だとか、読売新聞も乗り気ですけれども、JAとか、そんなところの建て替えじゃないですか。どうしてそれが、だって民間企業はみんな自前で自分の会社のビル建て替えやっているでしょう。自前でやるのが普通でしょう。こんな種地利用させてもらって、国有地利用させてもらって、その上、更にもうけようと、こんなのがどうして国家プロジェクトなんですか。何でそれが、例えばJAが何で国際ビジネスの拠点になるんですか。おかしいじゃないですか、こんなの。  大体、みんな今自己責任でやっているわけですよ。今回の震災だって、財務省は、あれでしょう、個人資産には支援しないとはっきり言っているでしょう、個人資産の建て替え、たくさんの家が倒壊しているのに。どうしてここだけ、特定の団体と特定の企業のところだけ建て替え支援やるんですか。おかしいんですよ、こんなの。こんなの、正にこんなことをやってくるから政官財癒着が存在すると。極みじゃないですか。こんなことやっているから言われるんですよ。  手続上も、これ数々の疑問があります。  まず、随意契約ですけれども、これ財務省随意契約でやられる場合というのははっきりしています。予算会計令の九十九条二十一号、つまり随契でやる場合は、売却先が公共目的公益事業である、その場合だけ随意契約ができるというふうになっているわけですね。  理財局に伺いますけれども、どうしてこれがこれに該当するんですか、公益事業なんですか。
  295. 牧野治郎

    政府参考人(牧野治郎君) お答えをいたします。  今先生から条文引いていただきましたが、正にその条文で、公共用、公用又は公益事業の用に供するために必要な物件を直接に公共団体又は事業者に売り払い云々のときには随意契約ができるとなっておりまして、今回の事業につきましては、平成十五年一月に、都市再生本部におきまして、都市再生プロジェクトとして段階的かつ連続的な建て替えをやっていくんだということが決定されております。  そうして、その具体的なスキームの中では、都市再生機構は、まず土地区画整理事業を行う、それから、まちづくり事業会社の方は、国交大臣による民間都市再生事業計画の認定を受けた上で市街地再開発事業を行うというように、こういう公的主体の関与の下に極めて公共性の強い都市計画事業は進められていくわけでございますから、我々は、こういった事情を総合的に勘案いたしまして、これは随意契約の要件に該当するというように判断したものでございます。
  296. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 だから、どこが極めて公共性が強いのかが分からないんですよ。仕掛けだけ作っているだけなんですよ。  これは、皆さんの財務省国有財産関東地方議会の議事録見ますと、豊岡さん、豊岡課長が自らおっしゃっています。これ普通にやっちゃうと、これはトンネルだと。都市再生機構を通じて、民間の人たちにトンネルで土地を、国有地を随契で安く払い下げることになっちゃうと。だから、今おっしゃったような都市再生機構がかんで区画整理をやったり、まちづくり事業会社を民都機構の支援を受けられるような民間都市再生事業計画の認定事業にするとか、後から仕掛けを作っている、後からお墨付きを与えているんですよ。  これ普通に、欲しければ、この土地欲しければ入札で、JAにしろ経団連にしろ日経新聞にしろ、みんなで固まって入札で取ればいいんですよ。なら、何にも言われないですよ。わざわざ随契にするために、都市再生機構、後から加わってもらっているんですよ。これ、経過は御存じですね。最初加わってませんでしたね。後から要請されて入ったんですよ。おかしいんです、このスキームというのは。  その都市再生機構でいきますと、なぜ都市再生機構が最初はかんでなかったのに後からかまされたかといいますか、ここに組み込まれたかといいますと、こういうたくさんの会社が建て替えをやるにはそれぞれ思惑があります。時間が掛かります。だから、その計画が全部はっきりしないと時間が掛かると。ところが、これはもう理財局は早く売りたいと。ずっと延期しているんです。それだけ、延期した分だけ金利負担が増えて、国民に、二十三億円も今の段階で国民の負担になっているわけですよ。金利が掛かっちゃっているわけですよ。それぐらいこの一部の企業のために今延期しているわけですね、売却を。  これ以上売却できないというのが理財局の考えですよね。しかし、これは随契で取りたいと。ところが、随契で取るためには企業たちの、企業の話がまだまとまらないと。だから、まず都市再生機構を入れて、ここに買わせようというために入れたんじゃないですか、これ。都市再生機構が後から入ったのは、そういう要請を受けてまず入ると。しかも、土地区画整理事業もやれば公共性ということも担保できるから一石二鳥ということで入って、後から入った話ですよ、都市再生機構というのは。これはもう今日時間がないから答弁求めませんが、レクで伺いましたけれども、後から入った話ですよ。おかしいんです、これ。  この都市再生機構の、ですからね、このポイントは何かといいますと、本来だったら入札でしか取れない。仮にも、取るとしても入札でしか取れない。随契でやるために都市再生機構を加える。さらに、都市再生本部そのものがこれを国家プロジェクト国家プロジェクトだと言い張って指定したと。この二つによって、この一部の、今三つだけですよ、ほかの企業はまだ手挙げてませんよ、この三つの企業が取りあえずここに入れると。で、いろんなことで、先ほど申し上げました五つの点で、これ引っ越ししてもうけられる話になっちゃっていると。こういうメリットを受ける話になっているわけです。  ポイントは、ポイントは都市再生本部がこれを国家プロジェクトとして指定したこと、緊急整備地域にして容積率を自由にできるように指定したこと、こういうことが一つ。そして、都市再生機構がこれに加わったこと。この二つによって、彼らが、民間の団体、民間大企業が大きなメリットを受けられるようになってきていると。まだ決まっておりませんけれどもね。私はやめるべきだと、このプロジェクト、思いますけれども、そういう段階に今差し掛かっているということでございます。ですから、かなめになっているのは都市再生本部だと思います。  都市再生本部というのはどういう形かといいますと、事務局と閣僚、全閣僚が対象と。閣議のときに一緒にやられるか何か分かりませんけれども、そういう形であります。つまり、非常に短い時間でいろんなことを決めていく。事務局が提案権を、提案していく。いろんなことを仕切っているのはこの都市再生本部事務局でございます。  この都市再生本部事務局、当時の事務局はだれですか。今何やっておられますか。
  297. 清水郁夫

    政府参考人(清水郁夫君) 大手町のプロジェクトの本部決定をした当時の事務局長は、現在、都市再生機構の副理事長をされています小川さんでございます。
  298. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 今日、お呼びしております。  小川理事長、あなた、なぜ今そこにいらっしゃるんですか。なぜ都市再生機構にいらっしゃるんですか。
  299. 小川忠男

    ○参考人(小川忠男君) なかなかお答えしにくい質問でございますが、私も役人をやっておりましたので、その後の、何といいますか、仕事として都市再生機構へ行けというふうな任命を受けたのでいるというのが事実でございます。
  300. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 みんなだんご状態でやっているんです。その中心が私は小川さんだと思います。  まず、これ国家プロジェクトに指定するときの都市再生本部事務局長ですから、一番そのとき実務を仕切ってきたのが小川さん、そしてポイントになる都市再生機構をこれにかませたわけですよね。だれが指示したか、はっきり分かりません、今の段階では。その都市再生機構にあなたがその後天下りをしていると。おかしな構図だと、腑に落ちないなと私は思います。すべて仕切ってきたあなたが、仕切るポイントになっている都市再生機構に天下りをしたと。これ御自分で何の、自分でおかしいと思いませんでしたか。こんなところに行っていいのかと、そういうことを思いませんでしたか。
  301. 小川忠男

    ○参考人(小川忠男君) 与えられた職務を忠実に遂行する、これが私の役回りだと思います。いろんな仕事、業務を私どもの都市再生機構、やっております。その中の、重要でないとは申し上げませんが、大きな仕事の一つとしてこういうふうなプロジェクトのコーディネートとか役回りがあるわけでございまして、全体の中の一部として誠実に対応していきたいと思っております。
  302. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 もう時間なくなりましたけれども、あなたは都市再生本部でこのプロジェクトを国家プロジェクトにする大きな役割を果たされて、そして今都市再生機構に移って、同じくこのプロジェクトを、今も言われましたけれども、幾つか見られておると思いますが、統括していると。ずっとあなたが今もこの中心にいるというのは、私、非常におかしな話になっていると思います。  今日はもう時間ありませんから、次回、これ大きな問題ですので、金融も絡みますので、次回、小川さんにすべてを話していただこうというふうに私思っています。  それと、まだ、ちょっと予告編的に申し上げておきますと、千代田区がこの問題に対して最初異論を挟みました。なぜ千代田区が最初このスキームに合意をしなかったかという点、あるいは国有財産関東地方議会、ここで千代田区が合意する前に売却を決定、答申しています。もう数々のおかしい疑惑があるのがこのプロジェクトでございます。続きは次回やりたいと思います。  終わります。     ─────────────
  303. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、金田勝年君、舛添要一君及び溝手顕正君が委員を辞任され、その補欠として末松信介君、北川イッセイ君及び藤野公孝君が選任されました。     ─────────────
  304. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 本日のまたしんがりですが、改めまして知財、知的財産推進計画二〇〇四についてお伺いいたします。  まず、知的財産立国の実現に向け、二〇〇二年十一月の、知的財産戦略大綱、それを受けた知的財産基本法の制定、二〇〇三年三月から内閣官房に知的財産戦略本部が設置され、七月に最初の推進計画が策定されました。そして、本年、二〇〇四年五月二十七日に知的財産推進計画二〇〇四が取りまとめられていますが、推進計画の巻末に知的財産戦略の一年の歩みとして成果がまとめられています。  保護分野では、特許審査の迅速化、著作権法改正、知的財産高等裁判所の設置など大きな成果があったと思われますが、保護分野、活用分野での進展についてどのように政府は評価していらっしゃるのか、まずお伺いいたします。
  305. 久貝卓

    政府参考人(久貝卓君) 我が国の知的財産戦略でございますけれども、今先生お話しのように、知的財産基本法に基づいて昨年三月に設置されました知的財産戦略本部におきまして、知的財産の推進計画を策定する、そしてその着実な実施に取り組んでおるところでございます。  それで、御指摘の保護分野、知的財産の保護及び活用の分野の評価でございますけれども、これは、おっしゃるように、一年の歩みの中で取りまとめがございますが、全体としては我が国の知的財産戦略は進展しているというふうに考えております。  御指摘ありましたように、保護分野では知的財産高裁の設立、あるいは特許審査迅速化等、あるいは模倣品対策の強化ということで関税定率法の改正も行われました。  それから、活用分野でございますけれども、こちらにおきましても、知的財産のライセンス契約におきまして、ライセンサーが破産した場合のライセンシーの保護ということで、破産法がさきの通常国会で成立したほか、民間企業におきましても、この知財の情報開示ということで知的財産の積極的な活用という動きが出ておるという状況でございます。  全体として、保護及び活用の分野としては、全体としては知的財産戦略は進展しているというふうに考えております。
  306. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 推進計画二〇〇四では知的財産戦略全体を俯瞰して、進展が十分でない課題について施策の追加や新たな課題への取組等、およそ四百項目が挙げられていますが、進展が十分でない課題は主にどの点か、お伺いいたします。
  307. 久貝卓

    政府参考人(久貝卓君) さきに申し上げましたとおり、全体としては知財戦略は進展しておりますけれども、個々の分野によりましては様々な未解決の課題が存在しているということも事実でございます。  そのような課題にどう取り組んでいくかということにつきましては、今後また知的財産戦略本部において御議論いただくということになると思いますけれども、例えば活用の分野というところでございますと、依然として我が国の特許権、これは登録ベースで百万件ございますけれども、その六割以上が未利用特許ということと推定されております。必ずしもその権利が十分に活用されていないという側面ございます。  また、知的財産の価値評価ということにつきましては、これもなかなか技術的に困難な問題でございまして、その取組は緒に就いたばかりでございます。知財が有効に活用されて、それで知的財産の流通市場が形成されるというためには、こういった分野での進展が不可欠というふうに考えておるところでございます。
  308. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、知的財産権に対する投資環境の整備の必要性についてなんですが、信託のスキームを使って知的財産権の管理、そして運用手段を多様化したいとのニーズが高まっており、この法案の成立によって知的財産権の活用が促進されることが期待されます。  しかし、知的財産権の価値評価手法が確立されていない点、知的財産権の侵害等の被害に対する対策が不十分である点等を考えますと、知的財産権への投資環境の整備が十分なされているとは言い難いわけで、これらの問題が今後の信託市場の発展に悪影響を及ぼすことが懸念されます。  そこで、知的財産権の評価手法の必要性と今後の見通しについて伺います。  知的財産権の金銭的価値の評価や将来の収益の見積りは困難であるため、価値評価手法の整備が求められますが、その評価基準は受益者に対する配当や損失を算定する上で極めて重要であります。その正当性あるいは正確性、どのように担保するのかが問題になります。  知的財産権の評価基準策定については、経済産業省産業構造審議会の小委員会で今年六月に論点整理として中間報告がまとめられておりますが、二〇〇五年を目途に知的財産権の評価指針が策定されることなんですが、指針が策定された後に指針はどのような位置付けになるのか、我が国の統一的基準にするべき指針を基に政府が何らかの政策を打ち出すのか、知的財産権の評価基準に係る今後の見通しについてお伺いをいたします。
  309. 舟木隆

    政府参考人(舟木隆君) お答え申し上げます。  知的財産の評価という問題でございます。  先生今御指摘をいただきましたとおり、経済産業省におきまして、産業構造審議会に設置しました小委員会におきまして知的財産の評価手法の検討、整理を行ってまいりまして、本年六月に特許権、商標権及び著作権のそれぞれにつきまして、権利の性質、外部市場の有無などを十分に踏まえつつ、目的や場面に応じた適切な価値評価手法を選択するための課題や留意点等を中間論点整理として取りまとめて公表したところでございます。  また、指針につきましてはこれから更に検討を深めていかなければいけないわけでございますが、他方、民間におきましても、今年の六月に公認会計士協会から知的財産評価に関する中間報告書が取りまとめられております。このような取組が非常に活発化してきているところであるというふうに考えております。信託業法の改正によりまして、知的財産権の信託が可能になりましたら、知的財産権の評価が必要となる場面が一層増えることが予想されるところでございます。  ただいま御紹介しましたいろんな取組が活用されますことによって円滑な評価が行われ、実際の取引事例が蓄積されていくことが期待されているところでございます。
  310. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 知的財産権のその保護の必要性についてでありますが、全世界の模倣品など、知的財産権の侵害による被害額は世界貿易の五ないし七%にも上ると言われております。政府の試算では、日本企業が模倣品によって受ける被害は海外と国内合わせて年間約三兆円に上ると言われておりますが、このような状況から知的財産権の保護の強化が求められています。  そこでお伺いいたしますが、その現状を政府はどのように認識されているのか。これまでの取組についてお伺いするのと同時に、アジアを始めとする各国と協調して知的財産権の保護強化を図ること、これも不可欠ですが、財務省においてその水際対策で各国との協調体制をどう作っているのか、お伺いいたします。
  311. 奥田真弥

    政府参考人(奥田真弥君) お答え申し上げます。  模倣品、海賊版対策につきましては、模倣被害を受けたとする企業が増加をいたしておりまして、大変この被害の深刻化を受けて、海賊版、模倣品対策の必要性はますます増加をしているというふうに考えております。  特許庁が継続的に模造品、模倣品の被害の状況につきまして調査をいたしておりますが、平成九年度以降、アンケート調査に対します回答で模倣被害に遭ったという企業の数が増えてございます。平成十四年度では、全体、回答数が二千通でございますが、そのうちの約二八・八%の企業が模倣被害に遭ったという報告をいたしております。この数字も増加傾向になっているわけでございます。  さらに、中国等のアジア諸国におきます製造技術の向上に伴いまして、侵害される権利の種類が商標権とか意匠権、こういったものから特許権へと高度化をいたしておりますし、また模倣品が第三国に輸出され、被害地域が更に拡大をしているという状況になっております。  こういう状況を受けまして、模倣品、海賊版対策につきましては、先生今お話ございました知的財産推進計画二〇〇四の中で大変大きな柱ということで位置付けられております。政府におきましても、経済産業省政府模倣品・海賊版対策総合窓口を設けるなどいたしまして、積極的に対策に取り組んでいるところでございます。  具体的には、WTOでございますとか、こういった多国間協議を活用する。さらに、中国政府を始めとする二国間協議などの各種通商協議の場を利用いたしまして、模倣品、海賊版を製造する相手国政府に対して取締りや罰則の強化を図るように働き掛けを行っております。また、これまで二回、関係省庁の参加を得まして官民合同のミッションを派遣をし、中国政府に対して模倣品、海賊版取締りの一層の強化などの申入れも行っておりまして、中国政府からも対策の強化を図るといった決意の表明がなされております。  さらに、アジアにおきます、いろんな国におきますこの被害の拡大を防ぐために欧米諸国とも連携を取りまして、例えば北京でEUと一緒にセミナーを開くなど、官民を挙げて、欧米諸国とも連携を図りつつ、模倣品、海賊版対策を進めているところでございます。
  312. 青山幸恭

    政府参考人(青山幸恭君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、財務省、税関といたしましても知的財産の水際取締りに関しますアジア各国との連携は極めて重要と考えておるわけでございます。このため、知的財産侵害物品に係ります情報交換についての規定を盛り込みました二国間の税関相互支援協定の締結に努めているところでございます。現在、韓国あるいは中国との間での支援協定の締結に向けて努力しているところでございます。  また、平成八年からでございますが、アジア各国の開発途上国の税関職員に対します知的財産権侵害物品取締りに関します研修を我が国において実施しておるわけでございまして、十六年度におきましては既に九か国十八名を受け入れたところでございます。また、アジア各国に専門家を派遣いたしまして、取締り業法に関しますセミナーを開催いたしまして、各国における取締り強化に貢献しているところでございます。  本年の十一月の二十二、二十三でございますが、上海におきまして開催されました世界税関機構、これWCOという名称でございますが、等によります知的財産権の保護に関しますアジア太平洋地域フォーラムというものにも積極的に参加して、取締りにおきます各国との協力強化に努めているというところでございます。  私ども財務省税関当局といたしましても、今後とも、この支援協定の締結あるいは研修の実施、セミナーの開催等を通じまして、知的財産権侵害物品の水際取締りに努めてまいりたいと、かように考えております。  以上でございます。
  313. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 ただいま御答弁いただきましたが、本年の四月に富士通は、韓国サムスンSDI社製のプラズマテレビの特許侵害だとして東京税関に差止めがあった事件など、あるいは知的財産権企業経営の中心にする意思を日本企業が鮮明に示したという点では大変重要な事件だと言われておりますが、また産業界では、米国の国際貿易委員会のような準司法的な行政機関を作るという、ある意味で日本版ITCと申しましょうか、そういうふうな構想があるということも聞いております。  日本版ITC構想の検討経緯及びその現状についてお伺いいたします。
  314. 久貝卓

    政府参考人(久貝卓君) お答え申し上げます。  知財本部としましては、水際の取締り強化を含めて、模倣品、海賊版対策、これは最重要課題ということで取組を進めております。  御指摘の日本版ITCに関してでございますけれども、これは本年五月に決定されました知的財産推進計画二〇〇四におきましては、そのような新たな組織的体制の整備というよりは、むしろ侵害判断の手続を充実するべきであると、そういう観点から、税関長による侵害認定、それからサンプル分解検査制度を活用した侵害認定、それから外部専門家を活用した侵害認定、あるいは技術判定機関を活用した侵害認定、あるいは司法裁判所の仮処分命令を活用した侵害認定、仮処分申請中の貨物留置についてなどにつきまして検討を行って、そして必要に応じて制度整備を行うことというふうにされてございます。  ただ、おっしゃる、正に先生御指摘のように、最近、日本企業が特許権侵害品の税関での差止め訴訟を提起するケースが相次いでおります。知財本部といたしましては、こうした産業界の新しい動きというものも視野に入れながら、水際での取締り強化を含め、模倣品、海賊版対策を鋭意進めてまいる、そういう所存でございます。
  315. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、知的財産権担保融資についてお伺いいたします。  知的財産推進計画二〇〇四の第三章の一節で、信託制度の活用に続いて知的財産による資金調達の多様化を図ることが挙げられています。その中で、知的財産を経営戦略上重要と位置付ける中小企業、ベンチャー企業を含む事業者に対して知的財産を活用した資金調達が円滑にされるよう、二〇〇四年度も引き続き日本政策投資銀行が行う知的財産権担保融資を奨励するとともに、民間における同様の取組も積極的に奨励するとございます。  日本政策投資銀行では、九五年に知的財産権担保融資を創設して、既に延べ二百五十件以上のベンチャー企業に対して融資を行っており、知的財産権の評価の在り方についてもノウハウも蓄積していると言われております。都民銀行やそれから横浜銀行では、リレーションシップバンキングの機能強化計画の中で創業・新事業支援機能などの強化を目標に掲げ、日本政策投資銀行と業務協力協定を締結して協調融資方式での知的財産権担保融資を実現させています。  そこでお尋ねいたしますけれども、金融庁では、リレーションバンキングをその機能強化計画の中で図る中で、中小企業、ベンチャー企業に対する知的財産権担保融資をどのように促進していかれるのか、お伺いいたします。
  316. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。  知的財産担保融資について、具体的な事例も今御紹介をいただいてお尋ねをいただいたわけでありますけれども、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムにおきまして、今委員から御指摘がございましたように、知的財産権に関しましても創造やあるいは新事業支援機能等の強化をする、こうした観点から、中小企業の技術開発や新事業の展開を支援するため、各金融機関に対し、中小企業が有する知的財産権、技術の評価や優良案件の発掘等に関し産学官とのネットワークの構築、そして活用や、日本政策投資銀行との連携を図るよう要請してきているところでございます。私どもといたしましては、健全かつ成長性のある企業に対する資金供給の一層の円滑化を図るという観点から、知的財産権の活用も含めた事業の収益性に着目した融資が促進されることを期待をいたしているところでございます。  金融庁といたしましては、機能強化計画のフォローアップ等を通じて、各金融機関にこうした取組を一層推進をしていただくことによって、新規事業を含めた地域の中小企業への円滑な資金供給が図られるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
  317. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、中小企業が抱える知的財産権をめぐる諸問題への対応についてですが、政府が掲げています知的立国実現のかぎを握るのは、日本の全企業の九九・七%を占める中小企業による知的財産権の保護や活用の促進と考えます。しかし、中小企業の大半が知的財産権の活用や管理のために人材や資金などを割く余裕がなく、模倣品被害で損害を受けているのが実態だと聞いております。二〇〇二年度に模倣品被害に遭った企業のうち、全体の二八・八%のうちの中小企業の占める割合が三七・二%だと言われております。模倣品対策担当部署を設置している企業は、大企業が三九・六%、中小企業が一九・〇%という状況だと聞いております。  信託業法の改正は、知的財産権の流動化による中小企業の資金調達の多様化などが期待されているところでありますが、特許に関して余り知識のない中小企業にとっては、その維持管理や運用等に関する専門的な事務などは大きな負担と思われます。信託会社等に特許権を信託し、管理運用等が委託できるようになれば、中小企業による信託活用のインセンティブも高まり、資金調達の多様化あるいはその知的財産権の利用促進が期待できると考えるわけですが、金融庁として、今回の信託業法の改正により設けられる信託受益権販売業者制度などを活用した中小企業向けの資金調達モデルなどを積極的に提示していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  318. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) 今委員から御指摘がございましたように、中小企業向けの資金調達モデル、これを積極的に提示をしていくということは私どもとしても大変重要なことだというふうに思っております。  本法案によって信託制度が整備をされましたら、企業は資金調達の経路や手段の多様化が図られるというメリットを享受することができるものと考えております。具体的には、主にベンチャー企業や中小企業が、その保有する知的財産権等の資産を流動化することにより、複数の投資家から資金調達が可能となります。また、信託会社が投資家から信託を受けた資産を運用し、中小企業等に貸出しを行うことによって中小企業は資金調達が可能となる、こうした効果が期待ができるわけであります。  いずれにいたしましても、信託制度の整備は市場型間接金融という新たな金融の流れの構築に資する金融システムの基本的なインフラの整備の一層の進展に寄与するといった意義を有しておりますので、こうした具体的な効果を十分に説明をして、その活用を促してまいりたいと思います。
  319. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今御答弁いただきましたけれども、時間の関係で、通告はしておりましたけれども、恐らく答弁にも、また、私、質疑あと二つほど残しておりますけれども、また次のチャンスに聞かせていただきます。先ほど時間を超過いたしましたので、少しお時間ございますが、これにて終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  320. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  信託業法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  321. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、若林君から発言を求められておりますので、これを許します。若林秀樹君。
  322. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 私は、ただいま可決されました信託業法案に対し、自由民主党民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党並びに各派に属しない議員糸数慶子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     信託業法案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。  一 受託可能財産の範囲の拡大及び信託業の担い手の拡大に当たっては、受益者保護を図るため、信託会社に対し適切な法令遵守体制を整備するよう指導・監督すること。また、信託の対象となる権利や財産の価値や内容の公正性、客観性を確保する観点から、専門家の活用を含め、適切な対応を検討すること。  一 過去、一部信託銀行について、忠実義務、善管注意義務及び分別管理義務等の法令遵守体制に重大な問題があったことから、過去の事例を踏まえ、より適正な業務遂行がなされるよう努めること。  一 新たな投資サービスの登場に伴い、投資家保護の充実の必要性が一段と高まっていることを踏まえ、金融サービス法等の機能別・横断的な考え方に立った投資家保護法制の整備について引き続き検討すること。  一 投資家保護法制の整備に向けた検討に併せて、金融・資本市場における公正な取引を確保する観点から、米国の証券取引委員会(SEC)を含む諸外国の事例等も参考に、引き続き市場監視機能の強化等について検討すること。また、市場監視体制全体としての効率性を確保するよう、行政及び自主規制機関等の検査等の在り方についても検討を行うこと。  一 次期法改正に際しては、来たるべき超高齢社会をより暮らしやすい社会とするため、高齢者や障害者の生活を支援する福祉型の信託等を含め、幅広く検討を行うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  323. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) ただいま若林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  324. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 全会一致と認めます。よって、若林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、伊藤内閣特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。伊藤内閣特命担当大臣
  325. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましては御趣旨を踏まえまして十分検討したいと存じます。
  326. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  327. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  328. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 金融先物取引法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。伊藤内閣特命担当大臣
  329. 伊藤達也

    ○国務大臣(伊藤達也君) ただいま議題となりました金融先物取引法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  政府は、金融先物取引をめぐる環境の変化に対応し、一般顧客を相手方とする店頭金融先物取引等を金融先物取引業に追加するとともに、所要の行為、財務規制を導入するなど、金融先物取引の委託者等の保護を図るため、本法律案を提案した次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、金融先物取引に関する専門的知識及び経験のない一般顧客を保護するため、これら一般顧客を相手方として行う店頭金融先物取引又はその媒介等を金融先物取引業の定義に含め、このような取引を取り扱う業者を金融先物取引業者として、金融先物取引法の規制の対象とすることといたしております。  第二に、金融先物取引業を登録制とし、所要の登録拒否要件を整備するほか、金融先物取引業者が、勧誘の要請をしていない一般顧客に対して、訪問又は電話による勧誘をすること等を禁止することとしております。  第三に、金融先物取引業者がリスクに見合った自己資本を有していることを確保するため、自己資本規制比率の算出、公表を義務付けるとともに、当該比率が一定の率を下回らないようにすることとしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  330. 浅尾慶一郎

    ○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時十分散会