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2004-04-27 第159回国会 参議院 文教科学委員会 14号 公式Web版

  1. 平成十六年四月二十七日(火曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員の異動  四月二十二日     辞任         補欠選任      小斉平敏文君     有馬 朗人君  四月二十三日     辞任         補欠選任      内藤 正光君     谷  博之君  四月二十六日     辞任         補欠選任      畑野 君枝君     大門実紀史君  四月二十七日     辞任         補欠選任      佐藤 泰介君     小林  元君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         北岡 秀二君     理 事                 亀井 郁夫君                 後藤 博子君                 鈴木  寛君                 山本 香苗君                 林  紀子君     委 員                 阿南 一成君                 大仁田 厚君                 大野つや子君                 扇  千景君                 橋本 聖子君                 伊藤 基隆君                 小林  元君                 谷  博之君                 中島 章夫君                 西岡 武夫君                 草川 昭三君                 大門実紀史君                 山本 正和君    国務大臣        文部科学大臣   河村 建夫君    副大臣        文部科学副大臣  原田 義昭君    大臣政務官        文部科学大臣政        務官       馳   浩君    事務局側        常任委員会専門        員        山口 俊史君    政府参考人        文部科学省高等        教育局長     遠藤純一郎君        文部科学省高等        教育局私学部長  加茂川幸夫君    参考人        日本私立中学高        等学校連合会会        長        中央教育審議会        委員        学校法人渋谷教        育学園理事長   田村 哲夫君        横浜市大学改革        推進本部最高経        営責任者        学校法人慶應義        塾名誉参与    孫福  弘君        日本私立大学教        職員組合連合中        央執行委員長        日本福祉大学社        会福祉学部助教        授        今井 証三君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○私立学校法の一部を改正する法律案(内閣提出  、衆議院送付) ○政府参考人の出席要求に関する件 ○学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提  出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十二日、小斉平敏文君が委員を辞任され、その補欠として有馬朗人君が選任されました。  また、去る二十三日、内藤正光君が委員を辞任され、その補欠として谷博之君が選任されました。  また、昨二十六日、畑野君枝君が委員を辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任されました。     ─────────────
  3. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) 私立学校法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案の審査のため、参考人として日本私立中学高等学校連合会会長・中央教育審議会委員・学校法人渋谷教育学園理事長田村哲夫君、横浜市大学改革推進本部最高経営責任者・学校法人慶應義塾名誉参与孫福弘君及び日本私立大学教職員組合連合中央執行委員長・日本福祉大学社会福祉学部助教授今井証三君の三名の方に御出席をいただいております。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙のところ当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございました。  参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べをいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。  次に、議事の進め方でございますが、まず田村参考人、孫福参考人、今井参考人の順でそれぞれ十五分程度御意見をお述べいただいた後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございます。  それでは、まず田村参考人から御意見をお述べいただきます。田村参考人。
  4. 田村哲夫

    ○参考人(田村哲夫君) このたびは、私立学校法の一部を改正する法律案の審議に当たりまして、参考人として意見を述べさせていただく機会をいただきましたことを大変重荷を感じております。  と申しますのは、私立学校とよく言われる言葉があるわけですが、この私立学校という言い方は大変明治以来の言葉でありまして、私どもにしては、当事者としてなかなかこういう言い方がいいのかどうかというのを常に考えている部分があります。  と申しますのは、実はこの学校ということを最初に言い出したのは慶應の福沢諭吉さんがおっしゃったわけですが、その当時、最初に書いた言葉で、書類で読んでみますと、官の学校、私の塾と、こういう表現をしております。つまり、学校というのは、日本の場合は、英語で言うとインスティチュートという言い方がありますが、ユニバーシティーではなくてインスティチュート、つまり国家目的というか、何か目的は外部から与えられたものに対して教育をする仕組みという、これが学校というふうに福沢諭吉はとらえていたようでありまして、そのことは今日に至るまでかなり正確な内容を指摘しているというふうに考えています。  ですから、私たち私立学校にとっては、本当は私立の塾と言うべきだと思うんですけれども、言わなかったために、今、塾というのは別の意味になってしまいましたから、その言葉が使えなくなってしまったと。  その上に、もう一つ問題がありまして、これは私という言葉と公、公という言葉の意味でございます。  日本語では私という言葉は余りいい意味で使われていません。私するとか勝手にやるという意味で言いますね。つまり私していることは余りいい状態ではないという感じがあるんですけれども、これに対して、公、公という言葉はいい意味というふうにとらえられます。  言葉の意味から言えば、私という字はのぎへんにム、つまりふたをする、のぎへんは食物という意味ですから、食べ物を独占するという意味が私の語義と言われています。公というのはハ、ムでございますから、ハというのは開くという意味ですから、ふたを開くという意味ですから、公がいい意味であるというふうに使われるのはやむを得ないということです。  官の学校がいつの間にか公の学校になりまして、現在では公立学校と私立学校という、こういう対立で使われているということで、私立は最初からハンディを負っているという、こういう感じを持ちながらこの言葉を使わせていただいております。  文部科学大臣がたしか委員会の席上で学校法人法というふうにおっしゃったことがありました。あれは後で訂正されましたが、正確に言いますとあれは正しいわけです。私立学校法と言いますと、そういう価値観を含めた言葉で法律の説明をしているという意味でちょっと問題があるなというのは率直に感じているわけであります。  前段はその程度にいたしまして、実は明治三十二年、一八九九年、二十世紀に入る直前に私立学校令という勅令が日本では公布されまして、私立学校もインスティチュート、つまり国が目的とする教育に参加するという、こういう法体制ができ上がります。私立学校令で約五十年、ちょうど五十年、学校の法律として機能しておりました。戦後になりまして、昭和二十四年、一九四九年、新しい民主主義の国をつくるということで、学校制度も大幅に変わります。そこで私立学校令は私立学校法というふうに改正されるわけであります。自来五十五年、ちょうど今年が五十五年目であります。この時期に私立学校法の一部が改正されることは、私ども大変意味があることというふうに理解しております。  実は、この五十五年もたって一部改正でいいのかなという、本当は名前も変えた方がいいんじゃないかなと思っているんですけれども、まあ、この委員会での審議とは違いますので、それ以上触れませんけれども。  それでは、現在議論されている私立学校法ということについて、少しくその位置付けを考えてみたいと思っております。  お手元に資料を差し上げてございますけれども、社会の新たな価値と仕組みを創るということで、一九九八年十二月に特定非営利活動促進法という、いわゆるNPO法という法律が作られております。従来、二十一世紀の経済社会システムは、行政、企業、それから市民の各セクターのバランスのある関係が必要であろうと。この市民活動の一環としてこのNPO法という法整備がされるわけですけれども、我が国では、とりわけ行政、企業に比して市民セクターが十分に成長してないと言われております。その意味でいいますと、このNPO法の対象となっている市民セクターの部分を学校、正確には塾と言った方がいいのかもしれませんが、学校という分野で担うのが私立学校ということであります。  その際に、私立と言うと、私しているとか、そういう感じがありまして、言いながらちょっと抵抗感があるんですけれども、要するに、学校法人立の学校がそこを担っていると、こういう意味であります。  一番資料の左側に特定非営利活動法人の活動分野ということを、二〇〇三年に追加されたものを十七の分野にわたって書かれております。これをごらんいただきますと、NPO法の対象となっている非営利活動が、正に私どもが活動している学校法人の教育活動がその分野に入るということはお分かりいただけると思います。  その下に、そういう観点から、NPOのいわゆる法人制度というものを現在日本においてどういうものがあるかということで整理してみました。それが、一番上に出ているのが学校法人でありまして、これは関連法として私立学校法、これは本当は学校法人法と言った方がいいんだと思うんですけれども、これがあると。対象は七千七百五十六法人あるということであります。  そして、その下に法人のマッピングというのを試みております。これはこちらで作ったものですから、余り権威はないんですけれども、まあ一応参考にということで作らせていただいています。これでいきますと、右側の社会福祉法人の下にあるのが学校法人になるわけであります。こんな位置付けになっているというふうにお考えいただければと思います。  そこで、現在議論されております私立学校法の一部改正には三つの柱があると言われています。一つはガバナンスの強化、二つ目が透明性を高める、財務情報の公開、それから三番目が私立学校審議会の構成の見直しという、こう三つの分野があるわけでございますが、これらの項目はすべてこの真ん中の図一、「セクターの境界図」という図表を見ていただきますと非常に分かりやすくなるんじゃないかと思いまして用意してみたんですが、つまり、先ほど申し上げました、社会経済のシステムの中でプロフィットを求める仕組みのセクターとノンプロフィットのセクターがそれぞれ活動するわけですが、それがノンプロフィット、つまり非営利セクターで見ていただきますと、民主性を高め、透明性を高め、効率性を追求する、市場規律などを影響をはっきりと受けるという仕組みを作ることによって今日的に活動できる仕組みになり得るという、こういう考え方で、その視点で考えますと、この三つの改正の趣旨というのは明らかに必要なことだということが考えられるわけであります。  ガバナンスの強化、つまり理事長という仕組みを明確に出し、理事会の活動を正確に表明する、そして評議員、監事の役割を強化するという、これは正に今日求められているガバナンスの強化と言われる、これはほかの、例えば株式会社を始めとするいろいろな分野でこれらが今、日本の問題点として議論されているわけですけれども、これを学校法人の中にも取り入れようという考え方がございます。  それから、二番目の透明性を高める。これは今日にあっては当然のことでありまして、この透明性を高め説明責任を果たすという組織でなければ社会から支持されないということは明瞭であります。利益を追求する株式会社でもそういうことをやっているわけですから、私立学校がやるのは当たり前という、学校法人がやるのは当たり前と、こういうことであります。  そして、三番目の私立学校の審議会の構成の見直しということでございますが、これは、ごらんいただきますように、どこの世界に四分の三の関係者が審議会のメンバーになっているなんということを決めているかということで考えますと、これは五十五年前に作られた制度ですから、当時は民主的な教育制度を作るために必要なこととして幾つかのテーマが掲げられていたわけですが、その一つが私立学校の振興ということがあったわけです。つまり、戦前の学校教育がインスティチュート、つまり目的を国が定めてそれに従って学校が教育するという、この仕組みが余りにも強かったということで、それに対応することで私立を強化しなきゃいけない、私立学校を強化しなきゃいけないという、こういう考え方が基本にありました。そこで、保護する意味で、審議会の構成が四分の三以上私学関係者になっていたという、こういう歴史的な経緯があります。  ですから、今日、私立学校が社会的に認知され、先生方が大事にしていただいているという、こういうことが前提としてもうでき上がったとすれば、審議会は普通の形のいわゆる行政審議会に変わるべきで、関係者が四分の三以上も入るなんというようなことはあり得ないんであろうというふうに思っております。  ただ、この構成が各地方に任せっきりにしていいのかということは、私自身もよく分かりません。これはなかなかに難しい問題でありまして、しかし、今のままでいいとは全く考えていないというのが私の参考人としての意見でございます。  最後になりましたが、この法律の仕組みというのは全体としては当然進んでいくべき筋道であろうというふうに考えていますけれども、こういう法律を作ることによって、学校法人、私立学校という存在が社会に認知されていくという方向に強く踏み出すんだろうというふうに考えていますが、ただ、これを、この法律のままでいきますと、現実に学校法人といいましても、隣にいらっしゃいます孫福先生の慶應義塾大学から始まって、幼稚園の園長先生と奥さんが幼稚園の先生している二人だけでやっている幼稚園も学校法人であります。それを同じことでやるということには明らかな無理があります。  そこで、そこの部分については、小規模法人に関しては何らかの配慮をしていただかないと、せっかく寄附をして、寄附を元に教育をしようという人たちの意向が通らないような結果になることを非常に心配しています。したがって、その部分については是非御配慮を賜りたい。  以上で参考人としての御説明を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
  5. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) ありがとうございました。  次に、孫福参考人にお願いいたします。孫福参考人。
  6. 孫福弘

    ○参考人(孫福弘君) ただいま御紹介いただきました孫福でございます。この参考人としてお呼びいただきまして、誠にありがとうございます。  私のその肩書といいますか、ごらんいただきますと、公立大学に関係をしておる肩書でございまして、なぜ公立大学の関係者がここへ出てくるのかというふうにちょっと御疑念を抱かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、私自身は、実はこの三月まで慶應義塾大学といいますか、学校法人の慶應義塾に四十年以上実は勤めておりまして、慶應義塾の理事という形で経営にもかかわっておりましたし、それから最後の数年間は慶應義塾の湘南藤沢キャンパスの教授として教育研究にもかかわってきたと、そういう人間でございます。  この四月から、公立大学であります横浜市立大学の法人化が来年に控えておりまして、その法人化のための準備とそれから大学の改革を担うということで、そこにございますような肩書で四月一日就任をしたと、そういう者でございます。その点でどうぞ御理解をいただければと思います。  それで、この私立学校法の改正につきましてのコメントということでございますけれども、まず前提として、ちょっと資料をお配りしておりませんのは誠に申し訳ございませんが、できるだけ分かりやすく御説明を申し上げたいというふうに思いますが、まず前提といたしまして、私は多分三つの前提があるんだろうというふうに思います、議論をする場合にですね。一つは、私学のその独自性とかそれから多様性をどういうふうに配慮をしながら法的な規制をしていくかという問題ですね。それからもう一つは、逆に私学の公共性とか公益性に配慮をするという意味でどういう法的な枠組みをはめていくのかと、これが二つ目でございます。  この二つは、実は昭和二十四年に私立学校法が成立をする過程におきまして様々な議論がございましたけれども、その議論は主としてこの私学の独自性というものをいかに助成するかといいますか、助長するかというか、それともう一つは、その私学の公共的な面というものをいかにして担保するかという、この二つの点の一種のせめぎ合いといいますか、そういうところをめぐって議論をされて、結局この私立学校法というものが成立したと、そういうふうに認識をしております。  実は、今日新しく私立学校法の改正が行われるという場合に、今日的な前提というか、それがもう一つ多分あるんだろうというふうに思うんですね。それは何かというと、御承知のように、国立大学が国立大学法人に変わります、変わりました。それから、公立大学が公立大学法人に変わる可能性がある。これは選択肢が出てきたということでございますけれども、そういうふうに設置形態そのものが国立、公立が大きく変わるというふうなことがございます。そういう新しいその状況、高等教育、国の高等教育全体についての非常に大きな地殻変動といいますか、そういう状況の中でこの私立学校の在り方といいますか、それがどういうふうに考えたらいいのかというふうなことも多分議論の前提の一つとして今日的な意味を持っているんではないかというふうに私は思っております。  したがいまして、その前提として、その三つの、私学の独自性あるいは多様性への配慮ということと、それから私学の公共性、公益性への配慮ということと、それから国の高等教育全体の設置形態といいますか、それを含めた一種のグランドデザインといいましょうか、そういうものの中で、国公立との関係で私学がどうあるべきかというふうな、この三つの前提で多分議論をしていく必要があるのかなというふうに私は思っております。  そういうことを念頭に置きながら今回の私立学校法改正内容について拝見をいたしたわけでございますが、三番目に言いました国立大学法人、それから公立大学法人への移行との関係でのこの私立学校法改正というものは、事実上、多分これは、私はその小委員会の人たちとも話をしましたけれども、実際上それがちょっと、今回の私立学校法改正の議論の枠組みではちょっとそこのところは枠を超えているといいましょうか、そういう部分があって、今回の議論といいますか、この改正案の中には余りそういうものは反映されていないというのが実感でございます。  そういう意味でいいますと、その最初の二つの点、それを踏まえて判断をいたしますと、全体的には私はこの法案、法案といいますか、この改正案に対しては賛成でございます。  基本的に、幾つかの点について簡単にコメントをさせていただきたいと思いますけれども、まず私学審議会につきましては、これは実は大学法人は直接この私学審議会とはかかわりませんのでコメントをする立場には多分ないかと思いますが、先ほどの田村先生のお話ともほぼ同趣旨でございまして、改正の趣旨はおおむね妥当というふうに思います。ただ、知事等の自由裁量権というものがやや広過ぎるのかなというふうな議論は多分あるだろうと思います。この辺の問題は若干残るかと思いますが、ただ、おおむね妥当というふうに私は考えております。  それから、理事会についての規定が新しくできたということでございますけれども、これも、これは学校法人の業務を決し、それから理事の職務の執行を監督するというふうな形になっております。これは言ってみると、営利法人、株式会社で見れば取締役会に当たるようなものだというふうに解釈をできるわけでございますけれども、公共性とか公益性、それから、実際に意思決定のデュープロセスといいましょうか、意思決定の組織といいましょうか、それがきちんと整備をされたという意味でこれは前進であるというふうに思っております。  この辺の問題も、実は私自身は、長年大規模組織といいますか、しかも大学法人にかかわってまいりましたので、そういう観点から見て、私自身の判断としては結構な改正だと思いますけれども、実際にこれがまた、非常に小規模な法人とか、あるいは大学法人ではない初等中等教育の法人とか、あるいは幼稚園の法人とか、そういう小規模な法人から見ると、ちょっとこれだけ形式的にがちがちやるのはどうかなというふうな御意見はおありかと思います。ただ、大学法人から見ると、これは当然のことだというふうに思います。  それから、代表権の問題も、理事長への権限の集中化というのは、これはある意味では、先ほどのガバナンスの話がありましたけれども、国立大学法人とか公立大学法人の成立といいましょうか、それのガバナンスと考えてみると、こういうことは、これはプラスの方向だというふうに思っております。  それから、監事の職務でございますけれども、チェック機能を強化すると。これも、言わばガバナンスの強化という意味でこれも望ましいというふうに思います。それから、監事の選任について評議員会の同意が必要になると。これも、先ほど言いましたようなチェック機能の保障というふうな意味では、おおむねその方向に沿った改正であろうと思っております。  それから、外部理事、理事に外部の者を入れるというふうなことが法的に今度うたわれるわけでございますけれども、これもどちらかといいますと、我々のところで見ると、現状は既にもうそのことが実行されておるわけでありまして、言わばその現状追認型の条文というふうに私どもからは見ておるわけであります。しかし、これは後で多分いろいろ細かいところの議論になるかもしれませんけれども、外部の理事で非常勤の理事が一種の企業の社外取締役のような形になりますけれども、そういう理事の影響力がどのくらい実質的に及ぶかということは、これは実際に長年慶應で経営にかかわっておりまして、そういう気持ちは持っております。  それから、外部監事も理事と同様、監事も外部の人間を入れるようにということでありますけれども、それもある意味では理事以上に当然のことだというふうに思っておりまして、これは当たり前だというふうに我々の側から見ると思っております。むしろ外部性をもっと強調してもいいのかなというぐらいには実は思っております。問題は、チェック機能、監事のチェック機能がきちんと働くかどうかということの評価によって多分その条文の効果というものが評価されるんだと思っております。それから、事業計画とか事業実績を評議員会の意見を聞くということでございますが、これもチェック機能を果たすという意味では望ましいことだというふうに思います。  それから、財務情報の開示でございますけれども、これもアカウンタビリティーといいますか、財産目録等の回覧というのは、これは実際に既にもうやっておるというところがほとんどでございますけれども、七割、八割のところがやっておるというふうに思いますけれども、これは当然のことだろうというふうに思っております。  そういう意味で、全体的に問題はないというふうに私は解釈をしております。実際に、だから全体として見ると、この法案についての評価といいますか、それは、公共性、公益性への配慮という点ではかなりその意味では進んでいるというふうに思いますし、それから、私立大学の独自性とか多様性を逆に縛っていないかというふうな観点でこれをとらえますと、これは、私ども大学法人、特に大規模な大学法人から見れば、そういうことは全くなくて、むしろ現状が、この法案の新しい条文等は既に現状の方がもうむしろ実行されておるといいますか、そういうところの追認的な要素が非常に強いものですから全く問題はないというふうに思いますが、ただ、これは分かりませんけれども、小規模、非常に小規模な組織であるとか、それから大学ではない初等中等教育あるいは幼稚園等の非常に小規模な法人の場合に、逆にある意味では必要以上の縛りといいますか、そういうことが、というふうにお感じになる場合があるかもしれませんけれども、これは私自身は分かりませんということでございます。  それから、最後のところの、前提の三つ目の国公立大学、国公立の法人、国公立の大学法人とのガバナンスの整合性というふうな問題がありまして、これは実はこの法案そのものの中では直接扱われていない部分でありまして、言わばこれは私自身がコメントする場合のちょっと付け足しになるわけでありますけれども、国立大学法人、公立大学法人はちょうどその中間を行くと思いますが、国立大学法人の場合に、内部組織におけるそのガバナンスといいますか、言わばトップに対するそのチェック機構といいますか、これが私学の場合とかなり違うというふうに思います。  その意味で、国立大学法人の場合には、国立大学法人法をごらんいただきますと分かりますが、とにかく学長というのが、これが法人の長でもあるわけでありますけれども、そこに非常に大きな権限が集中しておると。それで、役員会が開かれて、役員会でほぼすべて決定がされると。役員会というのは、実質的に、企業の新しいコーポレートガバナンスなどの考え方からすると、いわゆる執行役員、そのトップがCEOになるわけですけれども、CEOが学長であると、そういう形になっておるわけです。で、取締役会、コーポレートガバナンスにおける取締役会に当たる機能というのが実は国立大学の場合には非常に弱いといいますか、むしろ経営審議会のような、そういう形でありますけれども、これはあくまでもその審議をするというふうな形になっておって、そこが決定機関になっているわけではありません、ということですね。  それに対して私学の場合には、理事長、理事というのがこれまでの法案で、この条文では執行役員といいますか、それに当たるわけでありますけれども、今回のこの理事会は、その執行役員である理事の業務の執行、それを監督するというふうな表現がございます。すなわちこれは、理事会は取締役会に当たるというふうなことですね。  それの更に外側に評議員会というのがございます。評議員会というのは多分これは、なかなか営利組織の場合と比較するのは難しいんですけれども、社団法人なんかでいうと社員総会のような感じに実は受け止められるというふうに、特に慶應なんかの古い大学ではそういうふうになっているということです。場合によると株主総会というふうなことにも、そこをその決定機関にする場合には株主総会になるというふうなことになるわけです。そういう組織が理事長、それから理事の周りを取り巻いていると。これがいわゆるガバナンスの基本になっています、私学の場合には。  それが、国立大学の場合にはそれが役員会、役員会の長としての学長に非常に大きな決定権があって、それで経営審議会などもありますけれども、それは審議をするにとどまるというふうなことになっておって、結局それの内部組織じゃなくてむしろ外側の方に国の文部科学省があって、そこが監督をするというふうな形の、いわゆる外部で監督をする、そういうシステムになっているということですね。これが大きな違いであります。  国立大学法人がこれで動いたときにどうなるのかということですけれども、数年様子を見なきゃ分かりませんけれども、多分大分経営の形態というのは変わってくるのではないかというふうに思っております。そういう意味で、その私立学校法と国立大学法人法とか、そういうところとのガバナンス上の整合性というのか、整合性をどういうふうに考えるかという問題はありますけれども、そういう問題は今後の課題として残っているのではないかなというふうに実は思っております。  時間が参りましたので、まずこれだけで終わらせていただきます。ありがとうございました。
  7. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) ありがとうございました。  次に、今井参考人にお願いいたします。今井参考人。
  8. 今井証三

    ○参考人(今井証三君) 日本私大教連の中央執行委員長で、日本福祉大学の今井と申します。  本日は、私立学校法の改正の論議に当たり、お招きいただきましたことを感謝いたします。  皆さんのお手元にお渡ししてありますメモに沿って陳述をいたしたいというふうに思います。  まず初めに、私立学校法の改正に当たっては、何よりもまずその原点をやはり私たちは確認する必要があるというふうに思います。  日本国憲法が制定され、そしてその下で教育基本法が制定されたと。教育基本法の前文には、日本国憲法の民主的で文化的な国家を建設するという、そして世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意をしたと、この理想の実現には根本において教育の力にまつべきものであるというふうに前文に書かれてあるわけですけれども、教育の力は正にそのようなものが期待されているがゆえに、その後、学校教育法、そして現在私たちが今議論しようとしている私立学校法ができてくることになるのであります。  この私立学校は、国公立教育機関の補助的な機関から国公立と同等の役割を担う公教育機関へというふうに位置付けられ、その第一条で、私立学校の特性にかんがみ、自主性を重んじ、公共性を高める目的をもって、私立学校の健全な発達を図ることを目的とするというふうに、形で私立学校法ができたわけであります。この原点を私は強調しておきたいというふうに思うものです。その後、私立学校の私学振興助成法が財政的なサポートをするということでできたのは御承知のとおりです。  その後、この私立学校法をめぐる現在は、私たち当時からの私学からすれば非常に大きな発展を遂げてきたと。今日では、学生数の七五%を教育するということになっている。したがって、私たちは非常に大きな役割を担うと。そういう、私学への期待が非常に高い段階に来ているという現状になっているというふうに思います。  しかし、一方で、学校法人の伝えられる幾つかの不祥事というものが発生していることも事実であります。このような現状の中で恐らくこの私立学校法の改正問題が登場したというふうに私たちは認識しています。  それでは、このたびの法改正案に対しまして私たちはどのような基本的な態度であるかと申し上げますと、私たちは、この改正案は幾つかの点で前進が見られる、幾つかの点で一歩も二歩も前進した部分があるというふうに評価いたします。しかし、現在、私学の現状を念頭に置きますと、まだまだ問題を解決しなければ不十分な部分がかなりあるのではないかという認識もまた一方でしております。そして同時に、この新しい法の改正によって、新たな危惧と申しましょうか、というものも発生しているというふうに私たちは認識しております。  そういう基本的な私たちの考え方に立ちまして、現在検討されております内容を個別具体的に論点として私たちなりに申し上げますと、まず一番初めには、学校法人の業務と、それから学校教育法による学校の校務、このことは現行法でも峻別されているわけでありますけれども、そのことを強く強調したいというふうに思うのであります。  例えば、監事の職務を見ますと、現行法では理事の職務、業務執行の状況を監督することというものから、改正案では学校法人の業務を監督するというふうになっています。もしこの変更が、検討小委員会の述べるように、学校法人の業務の中心である学校の運営に関しても監査の対象に含まれるというふうに、そのような形として理解するということであるならば、これは私たちとしては重大な問題をそこに見なければいけないというふうに考えます。現行法でも使われています学校法人の業務の意味がもし変わるとすれば、第三十六条の「理事会は、学校法人の業務を決し、」だとか、あるいは、理事は「理事長を補佐して学校法人の業務を掌理し、」の意味も必然的に変わってくるということになるからです。  今日、不祥事の根源は、理事会の教育研究活動への介入というものがその原因の多くであるということをかんがみますと、この学校法人の業務の内容というものがもし変わるとすれば、これはゆゆしき問題であるというふうに思うのであります。  したがいまして、私どもは、学校法人の業務は、現行の私立学校法と、それから現行の学校教育法が厳しく峻別しているという、つまり経営の業務と教学の業務というものを厳しく峻別しているということを前提にいたしまして、経営は教学を尊重し、そしてその中で相互に信頼関係を作って私学全体の発展に協力し合っていくということがよいのではないかというふうに思うのであります。  続いて、「監事機能の充実をはかるために」というところで申し上げますと、私学における監事の実態と申しますのは、理事会が監事を選任しているというところがほとんどであります。また、教職員が、不正が発生した場合に、そのことを調査するように要求したとしても、監事が機能したということは私どもは聞いておりません。文科省もこの五年間そのような報告はないというようなことを述べておられます。この点は、今度の改正案で、監査される者、すなわち理事が、監査する者、すなわち監事を選任するというこの基本構造、これが変わっていないと。その不自然さが、だれが見てもよく分かるというこの不自然さ、ここが変わっていないというところが問題ではないかというふうに思うのであります。したがって、監事の公平性あるいは実効性を確保するためには、評議員会での選任が必要ではないかというふうに思います。  この監査される者が監査する者を選任することの不自然さということをベターな方向で考えた場合には、現行制度では評議員会しかないんです。そういう点でいいまして、またその評議員会は、この法全体の中では、理事を適正に規制するといういわゆるチェック機能の役割を担って制度的に保障されているわけでありますから、評議員会での選任が必要であるという私どもの主張というものも、私どもとしては妥当性はあるものというふうに考えております。  そして、さらに、監事機能を実質的に高めるためには、現在二名以上置くことになっております監事のうち一名を、役職者、管理者でない一般の教職員から選任していただきたいという、そういうふうに考え方を持っております。  現在は、一般の教職員が不正を発見したり、あるいはそれを予防したいと思いましても、法制度的にはそのような道筋がありません。一般教職員というのは、私学の教育のより高い公共性を実現すべく、現場で一生懸命研究に教育に、そしてそれをサポートする職務に励んでいるというところなわけであります。  最近、企業の内部の職員の方々が、その企業内部の問題提起をなさって、そしてそのことが非常に国民の健康とか安全だとか、いろんな点で公共性にかかわる問題として大きな役割が果たしておられるというような部分もあるかと思いますけれども、私ども私学におきまして、現場で教育研究に携わって、現場のことをよく知っている私たちが、この監査機能に積極的に参加していくというのも大変大事ではないかなと。そのことによって、公教育としての私学の公共性を一層高めるということになるのではないかというふうに思うものであります。  さて、財務資料等の公開につきましては、コピーの交付について、これは余り前向きに考えられておらないようなんですけれども、現行法ですね、行政機関の所有する情報公開法に基づいて文科省に開示請求した場合に、収支決算等々含めて、いわゆる三表については法人全体のものが大科目のみ既に開示され、しかもだれでもがコピーが取れるという現状になっているということにかんがみますと、コピーの交付については是非認める方向で行っていただきたいなというふうに思います。  それから、正当な事由があれば閲覧を拒否できるという場合につきまして、情報法が悪用される場合というものが議論されているようでありますけれども、これは理事側が情報が悪用される場合ということを第一義的に認定されるわけでありますし、その一義的な認定というものが限りなく拡大していく、いわゆるエスケープクローズになってしまうという、そういう危惧がなきにしもあらずというふうに思いますものですから、この正当な理由についてもそのようにお考えいただきたいと。  それから、三つ目には、閲覧を拒否した場合の罰則規定がないと。これは義務規定なのに罰則規定がないというのは、私ども、ざる法になってしまう危惧があるのではないかと強く感じます。そういう点からいきましても、この義務規定が単なる訓示的、倫理的なものに終わってしまわないような形で何とかしていただきたいなというふうに、この罰則規定の問題というのはもうそういう点では非常に重要な問題であります。  それから、私学審議会につきましては、私どもはこの点については、私ども一歩後退だというふうに認識しています。  このような形でありますと、審議会の持つ役割と意義というものを骨抜きにされてしまう可能性もあるのではないかと。イエスマンだけを任命するということになりはしないだろうかと。これは、行政と国民との間をつなぐ審議会、行政の公平性、公開性等をより豊かにしていくという点からいきましても審議会の役割というものは非常に重要な点であると思うものですから、各階層からの知恵、英知を結集するという意味で、審議会の今回の改定というものは非常に私としては残念だなというふうに思うものであります。  最後に、いろいろまだ話すこととか議論すべきことは一杯あるという意味で、私どもは、引き続き私学学校、学校法の検討というものをやっていきたいと、もう私は是非やっていただきたいというふうに思うものです。  例えば、評議員会の選任方法についてもそうですし、それから、私立学校法の第五十九条には私学助成のことが書かれています。これは、私学助成をすることができるという、できる規定であるわけですけれども、この私立学校法ができた当時が昭和二十二年ですか、千九百四十何年ですね、まあそのようなことであってもやむを得ないかなと思いますけれども、今日のような経済的にも豊かな国になったという点からいえば、是非見直してほしいと、もう少し規範性のある、拘束力のあるものにしてほしいなという、などなどの希望を持つものであります。  したがって、今後一層その検討を続けていただきたいと。そして、私学の公共性を一層高め、二十一世紀の教育研究に貢献し、二十一世紀の平和と福祉を担う若い学生たちをきちっと育てていく、その役割を一層私学は、私たちはやりたいというふうに思っております。どうか、今後もこの検討を続けていっていただきたいというふうに思います。  以上です。どうもありがとうございました。
  9. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) ありがとうございました。  以上で参考人の方々からの御意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  なお、各参考人にお願い申し上げます。  御答弁の際は、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願い申し上げます。  また、時間が限られておりますので、できるだけ簡潔におまとめいただきたいと思います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 参考人の皆さん方には今日は大変貴重な時間をちょうだいいたしまして、ありがとうございました。また、いろいろと貴重な御意見を拝聴させていただきまして、ありがとうございました。  ちょっとお尋ねしたいと思うんですけれども、特に私学経営について。  今回の改正について大きな問題は、やはり何といっても私学経営についての透明性の向上というのが一番大きなポイントではないかと私は思うわけでありますけれども、これまで、私学の独自性とか私学の自由だとか建学の精神というような言葉から、文科省でも、及び腰と言っちゃいけませんけれども、私学に対してはかなり及び腰だったと。お金は出すけれどもということで、お金の方も随分増えてまいりましたけれども、もっともっと、もっと増やさなきゃいかぬということで我々も努力しておるわけでございますけれども。  しかし、そういう中で、やはり私学の経営というのはブラックボックス化しておった面が多分にあるわけですね、これまで。ですから、これに手を付けられてなかったということから、なかなか難しい問題もあるんでしょうけれども、透明性を高めていかなきゃいけない、私は思うんですね。特に、国の方から補助金を随分出すようになりますと、補助金もらってなければ勝手でいいでしょうけれども、補助金が出ていれば国民が負担しているわけですから、そういう意味では私学の透明性というのが大きな課題であろうと私は思うんですね。会社なんかでも、上場会社は特に厳しいですが、非上場の会社でもやはり透明性ということが言われてくるようになっておるわけでありますし、そのことがやはり私学の将来に対して非常に大きな役割を果たしてくるだろうと思うわけでございますけれども。  そういう意味で、今もお三人からいろいろお話聞いたんですが、この透明性という問題見た場合に、今回の改正程度でいいのか、もっとまだいろいろ直してほしいということで今、今井参考人からいろいろと話がありましたけれども、これからの方向としてどのように考えていったらいいのか、具体的にその辺をお三人の方からちょっとお話聞ければと思いますけれども、三人からお願いしたいと思います。
  11. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) じゃ、こちらから順番に行きましょうか。田村参考人。
  12. 田村哲夫

    ○参考人(田村哲夫君) それでは、少しく申し上げてみたいと思います。  簡潔にいきたいと思いますが、かつて、亡くなられた江藤淳さんが、日本の国会とイギリスの国会の違い、どこにあるかというと、一番大きな違いは、日本の国会は官僚がもっと民間を監督しろという、こういうことをおっしゃる、イギリスの国会は官僚が民間に口出してはいかぬという、こういうことをするのが国会の役割だと、こういうようなことを皮肉混じりにおっしゃっていたことがありましたが、私は、私立学校行政というのはそういう部分がかなりあるし、そういうことを意識していただきたいというふうに思います。  つまり、民間活力を利用するという考え方が基本にあるべきだと思います。その際、民間側は、透明性を高める、これは徹底して行うべきだと思います。そして評価をする。官僚によってコントロールされるという仕組みは極力排除すべきだというふうに考えますので、その辺は是非ひとつお考えの中にお入れいただければというふうに思います。  具体的に言いますと、今回の改正で、事業計画を公表する、それから財務諸表の公開を一歩進めたと。そして、更に言えば、いわゆるプラン・ドゥー・シー・チェックという、こういうようなことをよく言われますけれども、その仕組みのかなりの部分がこれで完成したというふうに考えられております。  ただ、これをただやみくもに官僚統制につなげてしまいますと角を矯めて牛を殺すという危険がありますから、是非ひとつその点は、見守っていただくと同時に、ちゃんとやっているかどうかを常に監視していただくということと、それから手を出すということは全く違うんじゃないかというふうに思っておりまして、その辺のところを是非ひとつ生かしていただければ、そして民間の努力を是非させるような方向で今後も議論をお進めいただきたい。そうでないと、何のために私立学校があるのかというこの存在そのものにかかわってくる危険がありますので、その辺をひとつ、今回の措置でかなりそういう意味では条件が整ってきたんではないかなというふうに私どもは考えております。  以上でございます。
  13. 孫福弘

    ○参考人(孫福弘君) 法的に、法律的には、やはりミニマムリクワイアメントといいましょうか、共通して最低限のこれだけは必要だというふうなものを定めていくという、そういう多分前提があるんだろうというふうに思っております。  その意味で、実際に私立大学、個々の私立大学を考えますと、法的な規制といいますか、条文で定められているもの以上のものを実はそれぞれの私立学校があるいは学校法人が、それぞれの寄附行為でより厳しいものを定めるとか、それから、あるいは寄附行為で定めるというレベルではなくても運用上で情報公開というふうなものを徹底してやっていくというふうなことは現実に行われておるわけでありまして、慶應の例を取っても、今回の法的な新しい改正による情報公開、ディスクローズといいますか、そこのところをはるかに超えた形のものをやるというふうなことは実際に物によってあるわけでありますけれども、多分、全体の形としてはそういうことが望ましいんだろうと思っておるんですね。  その意味で、法的な規制以上のところでそういう、何といいますか、私立学校にそういうことをエンカレッジするようなそういう施策といいましょうか、あるいはそういう全体的な、大学とか学校全体におけるそういう風土といいましょうか文化といいましょうか、そういうものを醸成していくというか、それがすごく大事なことかなというふうに思っております。  それとの関係でいうと、実は、私ども私立大学で経営にかかわっている者からすれば、意外と国立大学がこれまでは情報をオープンにするということの点で余り積極的ではなかったというふうに思うんですね。それはむしろ私学以上に実は国民の税金を使ってやっておるわけですけれども、それに対するディスクローズといいますか、それが非常に弱かったというふうに思いますね、はっきり言いまして。  だけれども、最近、その点は随分変わってきましたし、それから、今度の国立大学法人としての、国立大学法人法の中でははっきりとそういう形の情報公開というのがうたわれておりまして、それが正しく実行していただければ、これは私学と同じような形できちんと国民から見て情報が公開されるといいましょうか、そういう形のものが見えてくるというふうに思いますので、私は、その意味では、今回の改正が国立大学法人法とかあるいは公立大学法人法とある意味では軌を一にしているというか、そういう認識をしておりますので、正しい方向だというふうに思っております。
  14. 今井証三

    ○参考人(今井証三君) 私どもは、今回の法案の中で一歩も二歩も前進して評価すべきところがあると先ほど申し上げましたけれども、この情報公開、つまり閲覧に供しなければならないという四十七条の改正は、私は二歩も前進したという、非常にこれは高く評価してよいというふうに思います。これは、最近の傾向である国民の知る権利あるいは消費者主権の考え方、そういう国民の意識の高まりの中で情報公開の分野についてもそのような流れがある、そういう中の流れではあると。あったとしても、この部分をこのように改正していただいたということは大変私は大きく評価するというふうに思います。  ただ、私、先ほど申し上げましたように、この閲覧の公開を本当に実質的なものにするためには、先ほど申し上げましたような、閲覧を拒否をした場合の罰則規定の問題とかなどなど、あるいはコピーの交付、それから正当な理由ということの中に、情報が悪用される場合というような形でどんどんその情報を、せっかく、狭めていってしまうと、公開されたものを、そういうことだけは何としても避けていただきたいなというふうに思っている次第です。  以上。
  15. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 ありがとうございました。  もう一点だけお尋ねしたいんですけれども、私学については、大学では七五%から八〇%が私学が占めている、高校でも三〇%が占めているということでございまして、日本の教育における私学の役割は大変大きいものがあるわけでございまして、そういう意味で、私学の健全な発展がなければ日本の教育の発展はないというふうにも言えるんではないかと思いますし、そういう中で、この少子化の観点、これから少子化になりますので、だんだん大学も困ってくるだろうと思いますね。特にまた、国立大学が独立行政法人になってきて、そして、今話がありましたように、今までは全然クローズだったのが多少透明性を高めてくるということで、非常に競争が激しくなってくるという状況ですね。  そうすると、これから頑張っていくには、どうしても特殊性を出しながら透明性を高めていくというのが企業にとって大きな役割になってくる、大事なことになってくると私は思いますけれども、そういう意味で、これから私学にとっては非常に苦しい時代が来ると思いますけれども、こうした中で頑張っていくためには私学としてやらなきゃいけないことは何なんだというのを、簡単で結構ですけれども、一番大きな問題を一つ二つちょっとそれぞれお教えいただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。是非三人に。
  16. 田村哲夫

    ○参考人(田村哲夫君) 時代の流れは少子化という現象に目をとらわれているわけですけれども、流れとしては、教育に対するニーズが非常に多様化してきているという、こういうことが顕在化しているというふうに認識すべきであろうと思います。  これは、親も含めての意識が、たくさん子供がいますと、そのうち一人面倒見りゃいいやというふうに思うらしいんですが、一人しかいないと、中学校入学式、高校入学式、大学入学式、一回しかないわけですから親が付いていくというこういう現象が起きます。つまり、一人一人の子供に対する教育のニーズというのが非常に多様になり複雑になってまいります。  ですから、それにこたえるというのは非常に難しくなります。ですから、一律のステレオタイプといいましょうか、一つの形を作ってそれに当てはめようというような教育はもう成り立たなくなる。そういう意味では、私立学校の役割は非常に大きいというふうに思います。  基本的には、社会とかこれからの日本の行く末を見詰めて、ニーズに対応した教育を適切に行っていくと。これがきちっと行われない国は十年、二十年後に必ずその結果が出ます。つまり駄目になるんですね。ですから、人材養成というのは少子化のときほど国を挙げて気を付けていただきたい、きめの細かい対応をしていただきたいという、是非これをお願いしたいと思います。  ちょっと時間をオーバーして申し訳ないんですが、例えばこの間の、OECDのPISAと言われる学力調査結果が発表されました。あれを見ますと、フランスとかドイツが学力低下に悩んでいるんですね。いいのが北欧諸国、特に代表的なのはフィンランドなんです。日本はまあまあなんですが。  その理由、第一に挙げますと、一人一人面倒を見ているというふうに親も思うし先生も思っている、子供も思っているという国は学力が高いんです。実際に面倒を見ているかどうかは関係なく、とにかく見ているというふうになっていれば高いんです。不思議なことに日本は一人一人面倒を見ているというふうに意識があるんですね、ほかの国と比べますと。ですから、全体を集めて一つの目標でみんなで頑張ろうというのはもう駄目なんですね。  ですから、そういう意味では、教育は少子化になるからお金が掛からなくなるとか、教育費を少なくすることができるというふうにお考えになるとかえって将来を誤るというふうに私どもは考えています。
  17. 孫福弘

    ○参考人(孫福弘君) 私学の伸長といいますか、どういう形でサバイバルをするかと、あるいはどういう形で伸びていくかという御質問でございますけれども、私は、一番根幹のところは、やはり私学が国立、公立と違うという点は、やはり建学の精神というか建学の理念というか、そこにあるんだろうというふうに思っております。  国立大学の場合には、一番典型的な例が、帝国大学が明治にできまして、その考え方というのは、明らかに国家に必要な人材を養成すると、そのために帝国大学というのはできたんだということですね。これは明らかでありまして、それ以外の国立大学、公立大学も、その意味では、そういう形で国家なりあるいは地方自治体なり地方なり、そういうところの必要性、ニーズというものからできてきたというふうに思うんですね。  それに対して、私学の場合には、やはりそれぞれ独特の建学の精神といいますか、それを持っている、設置者のやっぱり志というものがあるだろうというふうに思うんですね。これが古いままで、現状にどうやって翻訳をするかということをやりませんと、何だ古くさいなという話になって学生には受けないわけですけれども、やはり非常に重要な理念というか精神が含まれていると思うんですね。それは、実際にその意味で私学は非常に多様だというふうに思いますけれども、その多様性というのを非常に大事にしていくということが必要だと思うんですね。  その意味で、やはり私学の独自性の追求といいますか、もちろん大学ということで考えてみると、例えば、経済学なら経済学の教育を、経済学の教育そのものは知識の伝授といいますか、そういうものはこれは当然どこで学ぼうと基本的なところは変わりはないわけでありますけれども、やはりそういう知識の、専門知識の伝授というもののほかに、やっぱり人づくりといいますか、言葉を換えて言うと教養教育と言ってもいいかもしれませんし、あるいはリベラルアーツの教育と言ってもいいかもしれませんけれども、そういうことを通じた人づくりという点では、やっぱりこれは私学はある意味では独自性を発揮できるというふうに思っておりますね。  そういう点で、そこの、そこ一点をいかに強くしていかれるかということ、これは私は、私学のやっぱり、何といいますか、伸びていくというか、そういう点での一番根幹的な部分だというふうに思っております。その意味で、私学は、常にオンリーワンというかそういうものを目指して、ナンバーワンではなくてオンリーワンを目指していくと、そういうことだろうと思うんですね。  それで、私自身は実はもう十年以上前から、大学に関して言えば、私学は、私は、一つの独自性という意味で、国家のための大学でもなくて、あるいは教える人間、大学というのは大学の教授、教授会のメンバーである大学の教員が大学の主役だと思っている組織だというふうにずっと長年思ってきましたけれども、そうではなくて、大学というのはやはり私は学生のための大学でなければいけないと思っている。学生が主役である大学でなければいけないというふうに思っておるわけですけれども、それを十年以上私は唱えてきているわけですが、やはりそういう点が、私学の一つの特徴としてそういうものを作っていくというふうなことは、私は国立、公立と違った形でのやはり独自性が出せるんではないかと思っています。  もちろん、国立、公立も、できれば教員のための大学ではなくて学生のための大学であってほしいというふうには思います。  以上です。
  18. 今井証三

    ○参考人(今井証三君) 私、先ほど、不祥事というふうに今日言われている多くの問題は経営の専断性にあるということを申し上げましたけれども、経営はやはり教学を尊重すると、そして教学はそうした経営に対してきちっと信頼関係を構築すると。そうした形で、経営と教学がまず何よりも信頼関係を確立して、その私学の公共性と透明性を高めていくように力を合わせると、このことが第一に大切だと思います。  それから二番目には、先ほど私たち幾つか提案申し上げましたけれども、現場で働く、現場で研究をし教育し、そして現場でその教学を支える職務をしている職員のこの力というものをやはり信頼してほしいと。  私は、大学の、私学の改革というのは、教学と経営という、そういうレベルの問題ではなくて、そこの大学で働き、学ぶ、その全大学人の英知、この全大学の英知というものを結集しなければ、これからの私学というのは高い透明性と公共性は確保できないというふうに思っております。  したがいまして、先ほど申し上げましたように、私ども現場で一生懸命働いている、研究している、教育をしている、そしてその下で働いている職員、この力を何とかして結集して、させてほしいと、言わば全大学人の英知というのが二番目に大切だというふうに思っている。  以上です。
  19. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 どうもありがとうございました。  私の質問はこれで終わります。どうもありがとうございました。
  20. 鈴木寛

    ○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。今日は、三人の参考人の先生方、どうもありがとうございます。  私学の自主性と公益性という、これは非常に、永遠の課題でありますが、このことについて、正に二十一世紀の初頭に当たってこれをきちっと見直していくという、それが今回の私立学校法改正の意義だというふうに思っております。  それで、先ほどから、いわゆる法律といいますか、政府と私学との関係において、私は政府の役割は二つあると思います。一つには、いわゆる私学助成金を中心として税金が投入されていますから、正に納税者の代理人として、政府が私学に対して、税金がきちっと適正かつ効果的に使われているかということについて監視といいますか、見ていくということが一つですね。それからもう一つは、バーゲニングパワーにおいて劣勢にある消費者である学生、その代理人、この二つの立場があろうかと思いますが、私は、新しい二十一世紀のガバナンスというのは、コントロールからコミュニケーションへということが大事だと思っておりまして、もちろん、消費者たる学生の代理人ではあっても、政府が自らコントロールをするということはなるべく、特にこの私学行政については抑制的にして、しかし一方で、私学を取り巻くステークホルダーのコミュニケーションをやはり充実をさせると、そのために政府が、あるいは法律が何をできるかということを点検、検討をしていくんだろうというふうに思っております。  そういう観点からいたしましたときに、やはり正確な情報がきちっと伝えられる、あるいはきちっとフィードバックをされると、この情報の流れというものがきちっとできているかどうかという観点から一つ一つ見直していく必要があるんだろうというふうに思っております。  そこで、そういうことは前提としつつ、まず一番最初の質問でございますが、これは田村参考人と孫福参考人にお伺いをしたいと思います。  先ほどからございましたように、これから少子化で、あと五年もたつともう本当にいわゆる大学全入時代、既に百五十を超える大学において定員割れという事態が生じているわけでございまして、これ私学経営といいますか、大変なことにもう既になっているんだろうというふうに思います。  それで、もちろん個々の私立学校あるいは学校法人における経営が適正化されるということは当然でありますし、今回の改正の主目的がそこにあったんだと思いますが、今回の改正はこれで良しとして、今井参考人もおっしゃいましたように、やはり不断の私立学校法の見直しというのはこれから恐らく数年間やっていかなければいけないというふうに思っています。  その中で、この私学ビッグバンといいますか大学ビッグバン、国立大学の参入ということもあって、大学ビッグバンの中で、少子化の中で厳しい、私学の私は再編、グループ化とかあるいはフランチャイズとか、その学校を超えた単位でこの問題を取り組んでいかないと、各私学私学が努力をするということだけでは私は済まないんだろうというふうに思います。  そういう意味で、いろいろな複数の大学が、学校法人と大学とを分けてきちっと議論をしなきゃいけないんですが、それをひっくるめて申し上げたときに、そうした大学がもう少し有機的に連携をする、あるいは経営が行き詰まったことが露見する前に、もう少し余裕のあるときに、五年、十年、二十年というスパンでもって戦略的な、もう少し前向きの経営の再編ということが私は必要なんだろうというふうに思いますが、恐らく、今後、私立学校法制の見直しもその点にもう少し切り込んでいかなければいけないというふうに思っております。  そういう観点ですね、どういうことがそのシステムあるいは法制度あるいは税制、会計などについて必要なのかということについてお答えをいただきたいというのが私の最初の質問であります。  とりわけ、私は本会議でも質問させていただいたんですが、評議員のメンバーの中に卒業生というのが入っています。もちろん、卒業生は建学の自由を尊重する上で極めて重要な存在だということは了知しておりますが、しかしながら、ともするとこの卒業生の存在が、有機的で弾力的な、機動的な組織再編というものに対して後ろ向きになってしまう。これも一つの、私は検討ポイントの一つだと思いますが、それを含めて、この私学ビッグバンの時代に対応した、我々が準備、検討、そして変更、進化をさせるべき法システム、会計システム、税制などについて論点をお聞かせをいただければと思います。
  21. 田村哲夫

    ○参考人(田村哲夫君) 先ほど、最初の御説明で、NPOとしての先駆けであったという御説明をいたしました。つまり、戦後、我が国で民間の力を教育の場で生かすという意味でのNPO的な活動を法制化したという、これが学校法人だったと思うんです。今日、その活動を、何といいますかね、余り評価しないで、違った勢力が入ってくることを勧めるような意見があるんですけれども、私はそれは基本的に間違っていると思っております。NPOとしての存在をもうちょっと見直して、もっと活力あるようにすべきだろうと思います。  ただし、現行法制上は今御指摘がございましたような問題点がないわけではありません。例えば、法律で認められたNPOでございますけれども、基本的にできた以上はつぶさないという前提で作られているわけですね。ですから、会計基準なども常に右肩上がりでいるという前提で作られているんです。ですから、減ってきたというとき、つまり予算が減ってきたときにどうするということの対応は率直に申し上げましてできていないんですね。  ですから、これは正に、今、文部省、文部科学省でもその問題点は認知しておりまして対応を始めていますけれども、それを一つの例として申し上げますように、このNPOで動き出した自由で流動的であるべき仕組みが、法律ができて五十五年も固定したために非常に動きが鈍い仕組みになっているということは認めざるを得ないだろうと思います。ですから、このような大きな変革のときに根本的に見直すという動きはどこかでやらなきゃいけないだろうというふうに私どもも認知しております。  これも、しかし、本当は私立学校当事者が話合いをすることで、例えばリーグ制をしてみたり、いろいろな合併、MアンドAというような形でやっていくかどうか、いろいろな方式があると思いますけれども、いろんな仕組みを我々の内部で考えてその努力をするということがまず最初だと思います。  それに応じていろいろな問題が出てきたときに、いろいろと政府のお立場あるいは文部科学省のお立場で援助していただくというのが本来の在り方であろうと。決して、官主導、政府主導でおやりになる改革は、本来のNPOであるべき私立学校をむしろ角を矯めて牛を殺すという、そういう危険があります。ですから、と私は思っていますので、その辺は是非うまくリードをしていただくことをお願いしたいというふうに思っています。大きな課題であることは間違いありません。
  22. 孫福弘

    ○参考人(孫福弘君) ただいまの鈴木委員の御質問は非常に重要なというか重い質問でありまして、なかなか答えにくいというのが実態でございます。これは多分、大学関係者全員に聞いても、なかなかこれ難しい、非常に答えの出しにくい問題だというふうに思っております。  あえて、お答えになるかどうか分かりませんが、私の考えを述べさせていただきますと、やはり少子化というのが非常に大きくて、確かに二〇〇九年問題と昔から言われておりましたけれども、もっと早まるんじゃないかということも言っておりますが、とにかく経営危機であるというふうなことはよく言われます。  そういう点で、確かに、どういうふうに考えていくか、グループ化とかフランチャイズとかというお話もありましたけれども、それ以外にも様々な、例えば連携といいますか、そういう形のものを探っていくとか、コンソーシアム的なものも当然考えるでしょうけれども、そういう考え方はあると思いますが、何といいますか、時代のトレンドの認識としては、そういう少子化の問題と同時に、やはりこれからより顕在化してくるだろうと思うのは、一つは教育の形態というのか、あるいは学びの形態というのか、そういうものが、従来型の大学のキャンパスに行って対面で学ぶというふうな、それはある意味では、大学のキャンパスの中に学生を取り込むというか学習者を取り込むという形の従来型の教育のシステムでありますけれども、それが変わってくるということがありますね。  これはもう明らかに、いろいろ法的にも、例えば新しい通信教育の制度を様々できるように自由にするようにしたとか、そういうことがあって、それは背景としてはITの革命というふうなことがありますが、その意味で外国はもっと進んでおりまして、むしろ日本にもアメリカとかイギリスとか、そういうところから、むしろそういう形で競争を持ち込んでくるといいますか、こういうことがあるわけでありまして、それは日本の大学も安閑としておられないということがありますね。そういう意味で、日本の大学の中だけを考えてみても、一つの大学に所属をして、学生が一つの大学に所属をして一つの大学だけで学んで、一つの大学を卒業していくという学びの在り方から多分変わってくるだろうと思うんですね。ここのところの変化というものと、それからその少子化のようなものと、どういうふうに、両方考えていかなきゃいかぬだろうと思うんですね。  それと同時に、もう一つは国際化といいますか、グローバライゼーションの問題があって、これは今のIT革命と併せて、従来ですとアメリカの大学に留学するとかイギリスの大学に留学するとか、そういう留学生の問題として教育の国際化の問題が考えられてきたわけですけれども、それが留学の問題ではなくて、日本にいて、あるいはある大学に所属していて、同時に向こうの大学も単位を取ってしまうということが起こるわけで、むしろ学生の中には、実は、これは私がおりましたSFCの学生の中にもそういうことをむしろ率先して、自分でそういうメカニズムを学びの体系のような形で本にして、それでむしろそういうことを奨励、自分たちで奨励するんだということをやろうとしている人が、学生たちもいました。ですから、そういう動きが出てくると思うんですね。  そうすると、一体大学って何だというふうなことになるわけでありまして、どこまでが自分の大学で、どこからがほかの、外の、内と外の関係というのが非常に分からなくなってくるということがありますね。だけれども、それはある意味では学びの、学ぶ側から見たら非常にいい傾向でありまして、そういうところを制約をしないでどうやってより良い学びの環境を作ってやるかということが一つ、やっぱり法的な側面からもそれは考えなきゃいけない問題がある。それと同時に、個々の大学として経営的に不都合を起こさないような、そういうふうな法的な規制も含めて、助成的な意味も含めて政府の役割というのはあるんだろうというふうに思っておりますけれども。  そのくらいしか、ちょっとなかなかお答えができないんですが、もう一つは、評議員の、例えば大学の公共性といいますか公益性という点でいうと、確かに評議員会が卒業生の問題で、卒業生というのは確かにうたわれているわけだけれども卒業生の集団自体がまた後ろ向きであるというふうな話がありました。そういう部分は確かにあると思いますね。  やはり、その意味でいうと、将来の課題としては、やはり評議員会のようなところは、むしろ大学のステークホルダーというのは何かということをきちんと押さえて、それはいろいろ議論があると思いますけれども、ステークホルダーの代表のような人を、代表といってもこの選び方はいろいろありますけれども、そういう人をその評議員会の中に入れ込んでいくと。それが評議員会の多分将来の在り方、方向性としては僕はそれがいい方向だというふうに思いますね。  以上でございます。
  23. 鈴木寛

    ○鈴木寛君 ありがとうございました。  私も、正に評議員会というのはステークホルダーのそれぞれのグループからきちっと構成されるべきだというふうに考えておりまして、ありがとうございました。  それで、私は国の、国家のための大学で学んだものですから、慶應の湘南藤沢キャンパスに行きましたときに大変新鮮な感銘を覚えました。正に孫福参考人がおっしゃったように学生のためのガバナンスというのが相当程度確立されているなと。それは、もちろん関係者の御努力ということもありますが、ちょっと質問の時間がないので意見だけ表明させていただきたいんですけれども、と同時に、やっぱりその資金、要するに大学経営について必要な資金というものの、ある意味で、当時のSFC、今もそうかもしれませんが、バランスがいいといいますか、産業界からの研究、共同研究、それから学生からの納付金、そしてもちろん私学助成金ということでの税金、それからOBを中心とする寄附金と。このバランスが、やはりお金の流れというのは極めて重要だというふうに思っておりまして、ガバナンスの在り方とともにですね。そのバランスを良くするということがやっぱり、よりウエルバランスな大学経営、大学のガバナンスに重要かなと思っております。  質問させていただきたかったのは、私学助成金の在り方、正に文部省から学校法人に直接流れるという在り方がいいんだろうかという問題意識を私は持っております。これを例えば、まず私立大学生から始めていけばいいと思うんですが、バウチャーとかクーポンという形で学生一人一人に交付すると、そのことによって相対的にやはり劣位にある学生からの大学経営に対するフィードバックというものの力関係といいますか、バーゲニングパワーをよりバランスいい形にする上では、私学助成金のお金の流し方というものについては更なる議論が必要ではないかなというふうな気がいたしておりますが、時間でございますので、またこの点については三人の参考人の方、引き続きいろんな場でよろしくお願いを申し上げたいと思います。  以上です。今日はありがとうございました。
  24. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) 参考人の先生方にお願いを申し上げます。  各委員の持ち時間が往復で一人十五分でございますので、御答弁、できるだけ簡潔にお答えをいただいて、有効に質疑をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
  25. 山本香苗

    ○山本香苗君 公明党の山本香苗です。  本日は、貴重な御意見、誠にありがとうございます。  早速、短い時間でございますので質問の方に入らせていただきたいわけなんですが、今回、法律を改正するわけでございますけれども、今いろんなお話を聞く中で、また条文しっかり見ていく中で、やはり私立の、学校法人の努力によるところが非常に多いんではないかと思っております。  そうした中で、今回の法改正というのは、やはりその私学の現場の方々の意識というものが変わらないと、その努力、意識次第によってかなり変わってくる部分があるんじゃないかと思っているわけでございまして、まず最初に、三人の参考人の皆様に、実際、今回この法改正が行われるということ、私学関係者の間でどう受け止められているのか、どれぐらいきちっとこの法改正の趣旨を受けて変わろうという意識が共有されているのかについてお伺いさせていただきたいと思います。
  26. 田村哲夫

    ○参考人(田村哲夫君) 今御指摘ございましたように、率直に言って、この法改正に対して全員がもろ手を挙げて賛成というような対応が出てくるわけではございません。今まで一つの仕組みで安住していた経営が、例えば事業計画を事前に出すということ一つ取っても、これは大変な変化なんですね。  つまり、現状では、これは私はやむを得ないとは思うんですけれども、学生募集して定員に満ちていない学校が公表されていないわけです。これは教育という特殊性があるということでやむを得ない面もあると思うんですけれども。これは、私立だけじゃありませんで、公立もそうですね。中退がどれぐらいいるかというのは全然公表されていないんです、学校単位にはですね。これは、教育上関係があるからといって公表を拒むわけです。その辺が問題があるんですけれども、しかし、学校の運営を考えた場合、事業計画を事前に提示して、それがうまくいったかどうかのレビューをするというのは、言ってみれば常識ですね、今の世の中では。それが行われていないという、こういう問題があったわけです。これがここで大きく前進しました。それに対しては、当然、説明責任による問題が出てきますから、いろいろ困る。  同時に、やはり、先ほども御指摘させていただきましたが、小規模法人というのはこのルールでそのままやれる場合とやれない場合があるわけですね。率直に言って、例えば、お父ちゃんが理事長でお母ちゃんが幼稚園の園長さんで先生は一人しかいないなんというところでは、まともな給料もらっていないわけですね。園長先生給料あれっきりだとか、退職金はあれっぱかしかもらえないというようなことが例えば地域社会で分かってしまうというのがいいのかどうか。これは決していいとは思えないんですね。ですから、そういう意味では小規模法人はいろいろと考えなきゃいけないというふうに思いますけれども、基本的には、大法人であればやるべきだろうというふうに思います。  よく言われますけれども、大学の経済規模というのは全部合わせて日産自動車ぐらいなんですね。そこに経営者が五百人ぐらいいるわけです。だからごちゃごちゃしているんです。その理由は教育にかかわっているからということなんですね。ですから、その辺のところをうまく整理していただいて、今回の法律の改正をうまく現場に定着するように御指導いただきますと大変有り難いという感じです。
  27. 孫福弘

    ○参考人(孫福弘君) 御指摘の、私学の現場の意識が一番大事だと、現場の意識次第だというふうなお話、そのとおりだと思います。それからまた、実際に私学の現場におりまして、やっぱり現場の人たちの意識が長年非常に内向きというんでしょうか、自分たちの仲間だけで議論をするといいますか、外の世界が見えないといいますか、そういう形でずっとやってきたというか、そういう認識も私自身は持っております。その意味で、長年それを変えよう変えようと、それから、外の意識、外の目でもって眺めるといいますか、そういう要素を取り込もう取り込もうとしてまいりました。  ただ、最近、かなりその意味では大学改革というものが定着をしてきまして変わってまいりました。そういう点では大きな流れとしてなっておるというふうに思います。  それとの関係で、今回の法改正ですね、これがどういうふうに受け止められているかとかということでありますけれども、大学法人の中の慶應のような大規模な法人といいますか、あるいは歴史のある法人といいますか、そういうところに関して言いますと、かなりの部分が実は、先ほども、最初の答弁の中で申しましたけれども、既に、現状の方がもう既に行っておって、それを追認していただいたといいますか、法的にきちんと定めていただいたというか、そういう認識でありますので、慶應なんかの組織の中でいうと、ああ、これは既に十分我々が理解してやっておることであるというふうな、そういう認識がありますので、それほど大きな衝撃というのか、それはないというふうに思っております。  以上です。
  28. 今井証三

    ○参考人(今井証三君) 私は、今度の法の改正について、まず法と国民意識との関係からいきますと、やはりどんな法も、国民の意識がそれを支えていなければどんな法を作っても、仏作って魂入れずということになってしまうように思うんです。したがって、国民の意識を変えていくという、自らの自己改革という問題を考えないといけないと思うんですね。そういう点からいって、それはなかなかできにくい部分があるかも分かりませんけれども、それはもう必死になって私たちが努力するほかはないというふうに思います。  それは、私学の公共性と透明性を一層高めると、その中にこそ私学の未来があるということでありますから、私たちは、この場合でいうと法が先行する部分があるかも分かりません、ややですね。しかし、その方がむしろ意識を変えていく面もあるかも分かりません。しかし、一番基本は自分たちの意識を自分が変えていくということだと思います。  以上です。
  29. 山本香苗

    ○山本香苗君 ありがとうございました。  次に、今回の法改正のうちの一つ、柱の一つがガバナンスの強化ということでございますけれども、その中でも監事のことについて先ほどお話がございました。選任の方法でもいろいろお話があるということで今井参考人の方からお話ございましたけれども、そもそもこの監事というものが今まできちんと機能してきているのか。いろんなことを聞くわけでございます。  今回、このチェック機能をきちっとこの監事に持たせて本当に機能するのかなというところに心配の声も上がっているわけでございますけれども、法律上というよりも、運用面で更に支援していく、それをきちっと機能するようにしていかなくちゃいけないところがあると思うわけでございますが、その点につきまして孫福参考人の方にお伺いをさせていただきたいと思います。
  30. 孫福弘

    ○参考人(孫福弘君) おっしゃるとおり、監事が本当に機能しているのか、チェック機能を果たしているのかどうかという問題ですね。  これは実は、必ずしも学校法人だけの問題ではなくて、大体組織の監事、様々な、私もほかの非営利組織ですね、財団法人などの役員もやっておりますけれども、監事の有効性というものについては、皆さん、多くの方の共通認識としては、機能していないんではないかというふうな意識があると思うんですね。  これはもう、法的にどれだけ厳密に定めるかという問題もありますけれども、どちらかというと、おっしゃられたように、むしろ法の定めを超えて運用とかそういうところで意識をとにかく変えていく以外にないと思うんですね。  それはどういうことかというと、監事自身のもちろん監査機能を果たしているという意味での意識の改革もありますけれども、同時に監事の監査を受けるという側の、むしろ経営者側の意識の改革、これがないと、監事が幾ら監査をやろうと思ってもそれは多分できないだろうと思うんですね。ですから、その意味で監事監査そのものが経営の体質を強くしていくために必要なものだという意識をやっぱり経営者側が持つということでありまして、その意味ではやっぱり経営者側の成熟というんでしょうか、そういうものが多分基本になければいけないというふうに思いますね。  そういう意味で、ただ何か方法はないかということでありますけれども、幾つか議論の過程で多分出ておりましたのは、こういう外部の監事の、しかもいわゆる非常勤の兼務方式の監事というのがいいかどうか、限界があるんじゃないか、むしろフルタイムでやるべきではないかという、専任の監事、そういう議論もあったかと思いますし、それからまた、それだけのことをやるんであれば、むしろきちんと有給にすべきではないかと。ほとんどは今無給です。ですから、ボランティアでやっているわけですが、ボランタリーにやっているわけですけれども、それを有給にすべきだという議論もあると思います。  これもなかなか難しくて、フルタイムとして監事をやる、しかも今回のような改正ですと、必ずしも会計的な監査、監事だけではなくて、要するに業務の監査というものを厳しくやろうとしているわけですね。それだけのことをやると、むしろフルタイムに近いんじゃないかという議論も多分あるだろうと思うんですね。これもなかなか難しくて、そういうフルタイムの監事が適任者がどのぐらい得られるのかというような問題もあると思いますし、それから、まして有給にすると、その監査を受ける側が監査する人にお金を払うというふうな問題もあって、なかなか難しい問題が多分あるだろうと思うんですね。  その意味でやり方として考えられるのは、例えばその大学なら大学の協会とか連合体のようなところが一括して、そこに各大学がその監事の給与分のお金を払うことによって、そこでまとめてプールして、それからその監事にお金を払いますよと、大学から直接払いませんよとか、そういうやり方もあるいはあるのかもしれないけれども、なかなかそういう仕組みを構築していくのに多分時間が掛かるだろうというふうに思いますけれども。  その意味で、あらゆる意味でとにかくその監事の機能を成功させるためには、監事自身とそれからその監査を受ける側の両方のやっぱり意識の改革というのが必要だと思うんです。それを何らかの形で法的に支援していくというか、そういう方法はあるいはあるのかなと思いますけれども、それは探っていく必要があると思いますね、これから。
  31. 山本香苗

    ○山本香苗君 今井参考人の方に最後にお伺いしようと思うんですけれども、確かに監査というのはある程度独立性というものが必要となる、今言われたようなお話の文脈の中でですね。今まではいわゆる監査される側、理事会の方が選任するケースが多かったという話で、今回それに評議員の同意が必要になってくるという形で、多少勝手に決まる形ではなくなったのかなと思って私は考えているわけなんですけれども、それでもやっぱりあかんと、評議員の、評議員会の方が選任しなくちゃいけない。ちょっと何となく私としてはイメージが付きにくいんですが、そういうふうに主張される根拠について最後にお伺いして終わりたいと思います。
  32. 今井証三

    ○参考人(今井証三君) まず一つは、監査させる者が監査する者を選任するという基本構造が残っているということが一番私は問題だと思うんです。  それから、評議会が同意をするということが加わったから要するに一歩前進ではないかと、そのとおりです、私も一歩前進したと思います。しかし、現在の評議員会の選出方法を見ますと、この東京都内の私立大学、幾つぐらいあるかな、私立大学、五十七法人中三十九法人が理事会が教職員を選任しているんですね。それから五十七法人中三十八法人、つまり六七%なんですけれども、これは理事会が卒業生を選任しているんですね。つまり、約七〇%弱の法人は理事会が事実上評議員を選出しているということなんですね。  そうすると、理事を、この評議員というのは理事を一応チェックするというんでしょうか、適正な規制を加えるという、そういう位置付けを本法で、この法で与えられているものですから、そういうチェックする機能を理事会が選出、現実にはしているという、現実にしている理事会の評議員会が、ですから同意というレベルの問題だけではなかなか問題は解決しないんだろうと。だから私ども、先ほど最後に申し上げましたけれども、評議員の選任方法も、したがって卒業生は卒業生の中で自薦してほしい、それから教職員は教職員の中で自薦してほしいと、少なくともそういう自立ができる評議員会をまず作るということですね。そして、その上でその評議員会が監事を選任するという、そういうプロセスというものがあって私どもの先ほどの主張になっていっている、そういうことです。
  33. 山本香苗

    ○山本香苗君 どうもありがとうございました。
  34. 林紀子

    ○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。  今日は三人の参考人の先生、ありがとうございます。  三人の先生、それぞれ歴史的に振り返ってこの私立学校の成り立ちというようなものもお話しくださったわけですが、私は孫福参考人の雑誌での座談会を拝見させていただいたんですが、その中で、教育刷新委員会がスタートして、そしてそのとき私学に対する構想案というのが論議されたけれども、その骨子というのが公共性と自主性を尊重することと私学助成であったということを書かれていらっしゃいます。私はその公共性と自主性をお話聞こうかと思いましたが、もう御説明をくださいましたので、その後半の私学助成、そのことについてお伺いしたいと思いますが、今までもこの私学助成というのは大変大きな役割を果たしてきたと思いますし、これからも果たしていくのではないかと思いますが、私学助成の在り方についてどのようにお考えになっているか。  そして、同じ問題を田村参考人にもお伺いしたいのですが、田村参考人は日本私立中学高等学校連合会の会長さんもなさっていらっしゃるということで、私は特に私学、高校の皆さんからお話を聞くんですが、ちょっと前までは今の不況の中で修学旅行に行けないという子供たちがいたけれども、今は授業料が続かないということで中退をせざるを得ないと、そういう子供たちも非常に多くなっているということですので、この私学助成というのが大きな役割を果たすのではないかと思いますが、お二人からその点をお聞きしたいのと、それから今井参考人につきましては、その前段で言われておりました私立学校の自主性という問題、それを高めていくのはどのようにしたらいいのかということを聞かせていただけたらと思います。
  35. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) 三人ですね、三人の先生ですね。
  36. 林紀子

    ○林紀子君 はい、三人です。
  37. 田村哲夫

    ○参考人(田村哲夫君) 私学助成の在り方につきまして、特に高等学校に関するお話をいただきました。  高等学校の問題は、やはり基本的には義務教育でないというところがございます。しかし、実際は準義務教育化していると、この問題が私学助成にやはり大きな影を落としているというふうに考えた方がいいと思います。  義務教育の場合にはいわゆる義務教育費国庫負担法に支えられた教育制度が整備されていまして、私立学校が小学校ですと〇・七%でございましょうか、中学が六%ぐらい、私立の存在というのはその程度でございます。しかし、高等学校になると三〇%は高等学校の生徒ということで、その部分はいわゆる義務教育費国庫負担法という制度はない。しかし、各都道府県が、私立の場合には私立学校振興助成法、そこに西岡先生いらっしゃいますが、関係された、法律の基本で助成金というものが高等学校以下にも出されている、それを元にして各都道府県が高等学校以下の補助をしているわけです。  かなり支えているわけですけれども、今その仕組みが改革の中で、つまり財源が確保されないままに制度が消えてしまう危険があるという、こういう危機にさらされているという状態があります。このところをどう考えるかという問題、非常に大きな問題でありますので、これはまた場所を変えて議論する内容だとは思いますけれども、非常に大きな問題を抱えているということを御説明をさせていただきます。  つまり、準義務教育であるけれども、学費に関しては公私の大変大きな差があると。公私と言うと私の方が悪いように取られてしまうので、公立と学校法人立が財政的な基盤が全く違っているという、この問題がありますので、私学助成を拡充されるという考え方は、是非ひとつ今後ともお考えいただきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  38. 孫福弘

    ○参考人(孫福弘君) ただいまの御質問でございますが、私学助成は非常に長い歴史と、それからそれなりの役割というものを、非常に大きな役割を担ってきたというふうに私は思っております。ただ、それは将来的にといいますか、未来志向というふうな形で考えたときに、どういうふうに考えたらいいだろうかということでございます。  それについていいますと、一つは、学校法人とか大学という、これはまあ大学に限って言いますけれども、大学の側から見ると、できるだけ自立といいましょうか、そういうことを心掛けなければいけないという問題と、それからもう一つは、公共性という意味で、公共性というのは何かというと、私はやはり公共性の問題は、大学で学ぶ者、すなわち学生ですけれども、学ぶ者の目でもって私学助成というものを私は見てみる必要があるんだろうと思っております。  大学というその経営体として私学助成をいただくのは大変有り難いことでありますし、それは有り難いことであることは間違いないんですけれども、やはり私学助成の本来の趣旨というのは、むしろ、やはり私学に学ぶ学生のためにどれだけ学費が下げられて、その機会の公平性といいますかそういうものが与えられるかという、多分そういう観点で私は見るのが本来の筋だと思うんですね。  そういうふうに考えていくと、従来の戦前それから戦後にかけての国立、公立、私立という、この大学のカテゴリーの役割分担といいますか、これが今は非常にあいまいになっていると思うんですね。もう戦前は、先ほどに申しましたように、帝国大学は国のための必要な人材をつくるんだということがはっきりしていましたよね。だけれども、そうじゃなくなってきていると。もう発展途上国型の高等教育じゃないわけですね。もう成熟した先進国といいますか、そういうレベルでの高等教育ですから、そうすると、東大とか、国立大学はもう国民の税金を使って安くやっていると、だけれども、実際に東大に通っている学生を東大に送り込んでいる家庭は日本の大学の中で一番平均年収が高いとか、そういう矛盾が起こっているわけですよ、実際に。  そうすると、じゃ一体そういう機会の公平とか、そういう点でいって私学の助成という、それだけの狭い問題でむしろ考える、もうそういうレベルは過ぎているのかなというふうに私は実は思っておりまして、その意味で、もう一回やっぱり国公私の役割といいますか、高等教育全体のグランドデザインというか、そういうものをやっぱりもっともっと議論しなきゃいけない、この議論がほとんどないというか足りないというのが一番大きな私は問題点だと思っていますね。  そういう意味で、そう考えていくと、先ほど鈴木委員が言われたような、私学、個々の教育機関に助成をするという考え方と同時に、もう一つの考え方としては、そうではなくて、機会の公平性という意味からいえば、むしろ大学に行く、学ぶ人たちに、学生といいますかね、そちらの方にお金を出すんだと、助成をするんだというふうな考え方が出てくると思うんですね。そうすると、先ほど出たバウチャー制とかクーポン制とかというものも含めて、そういう考え方は僕はあり得ると思うんですね。  それによって、例えば東大だろうが慶應だろうが早稲田だろうが、とにかく、例えばある意味からいったら、例えば一つの基準としては、家庭の保護者の年収が非常に低い方ですね、そのためには大学に行くのは非常に苦しいというふうな方については、それはどこの大学に行こうが、国立に行こうが私学に行こうが、それはお金をきちんと援助をしてあげるとか、あるいは、もちろん育英という意味からいったら、確かにある意味で非常に能力のある優れている方を大学に行かせるという意味でのそういう助成をするというふうなこともあり得ますし、その基準はどういうふうな基準を引くかということは考える必要がありますけれども、やはり私学助成を従来型の私学助成という枠の中で考えるということは、私はもうむしろ限界が来ているんだろうというふうに思っています。
  39. 今井証三

    ○参考人(今井証三君) 私学の自主性というものは、およそ私二つに考えられるんじゃないかと。一つは、この自主性が、法人の自主性、あるいは私立学校の自主性、あるいは法人と学校とが共通する課題としての自主性、そういうふうにいろんな自主性があるんだろうと思うんです。その固有の分野でのその自主性を、その自主性の名の下に自らの行為を隠ぺいしてしまうとか、そういうような形で自主性というものを主張すべきでないと。自主性にはあくまでも自己責任が伴った形で主張すべきであって、自主性というものはそういう意味で、まずきちっと各分野、分野というんでしょうか、先ほど来私申し上げているのは法人と学校の分離と同じことなんですけれども、そこのところが一番大切であるということが一つです。  それから二つ目には、その自主性は一体それでは何であるのかということになりますと、これはもう先ほど来議論されておりますように、公共性と透明性を高めると、私学における公共性と透明性を高めると、この目的のためにこの自主性という問題がやっぱり手段として、言わばそういう言葉を使えばあるのではないかなというふうに思います。  したがって、結論的に申しますと、私学の自主性というのは、透明性と公共性を高めるために、学校及びそこで働く教員、職員が教育研究を創造的に発展させる自主的な改革、そのためにこそ私学の自主性というものがあるのだというふうに考えております。  以上。
  40. 林紀子

    ○林紀子君 それから、三人の方々がそれぞれ私立学校の審議会についてお触れになりました。この私立学校の審議会についてもうちょっと、それぞれどういう方向で行ったらいいのか、全部地方に任せっ放しでいいのかとか強化されるのではないかとかいうお話ありましたので、三人からそれぞれこの問題をもうちょっと深めてお聞かせいただけたらと思います。
  41. 田村哲夫

    ○参考人(田村哲夫君) 私立学校審議会が一九四九年ですか、私立学校法が作られたときに導入されたわけですが、その背景の考え方はアメリカにおける行政委員会、つまり今から大体百年ぐらい昔に大きなアメリカの社会変革があったときですね。つまり、第一次大戦がヨーロッパで起きるというときに大量の移民がアメリカに入ってきて、経済が物すごく伸びて社会が物すごく混乱した時期があるんですね。それに対して教育を対応していこうということで工夫された仕組みが教育委員会なんですね。それが数十年たってから日本に入ってきて、その考え方が私学審議会にあるということをまず申し上げたいわけです。  ですから、私学審議会は設立当初は私立学校の関係者がほとんどであった、四分の三以上、四分の三でしたかね、以上いなきゃいけないというふうに決めたのは、社会的に余りに認知されていない、非常に弱いからそれを保護するという意味でそういう特殊な対応をしてきたんだというふうに私は理解しているわけです。  しかし、私立が一定の社会的な認知を得て、そして社会全体の支持を受けて活躍するためには、審議会そのものももっと社会全体の意向を反映するような仕組みに変えていくべきであろうと。もちろん私学関係者はいる必要はありますけれども、それはもう半分になったら、もうそれは審議会とは言えないんじゃないかと私は思っております。まあ三分の一か四分の一かということで十分だろうと。それ以外の地域、あとはその地域に応じて、その地域の社会的な構成によって審議会のメンバーを出すということで構成する。ですから、知事が中心になって作るということは、それは間違っていないと思うんですけれども、しかし、その際に全く自由にしちゃうということはちょっと心配なところがあるという意味で申し上げたわけです。そんな感じです。  それから、ちょっとバウチャーのことで一言申し上げてもよろしいでしょうか。
  42. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) はい。
  43. 田村哲夫

    ○参考人(田村哲夫君) バウチャーの場合、非常に、鈴木委員のお話いいんですけれども、その話でいいです、いいと思うんですが、ただ困るのは、大学のときにバウチャーをやると一番困るのは、学部によって掛けている学費が全然違うんですね。そうすると、明らかにバウチャーは行く学部によって変わってきちゃうわけです。ひどい場合は何倍も違ってくるわけですね。それがうまく社会的に認知されるかどうか。高等学校以下ですと、まあうまくいくかもしれません。しかし、それも専門の学校によっては、工業へ行ったりなんかするとバウチャーはかなり、二倍か三倍ぐらい変わるわけですね、学費が。掛けているお金が違いますから。ですから、バウチャーというのは非常に良さそうなんですけれども、本当にやるとなるとそこをどう解決するのかなというのは疑問としてございます。  先生のおっしゃる趣旨はよく分かります。バーゲニングパワーとしての学生にということはよく分かるので、どう生かしたらいいのかなということで、ちょっと疑問を感じましたので申し上げさせていただきました。  失礼しました。
  44. 孫福弘

    ○参考人(孫福弘君) 私学審議会のことでございますけれども、冒頭に私のコメントの中で申し上げましたように、私学審議会は、実は大学法人が直接これへの対象になりませんという意味で、私はむしろ判断保留というのか、私にはむしろコメントする立場にないといいますか、そういうことを申し上げたわけです。  ただ、一学校関係者といいますか、直接関係はないにしてもということであえて一言だけ言わせていただきますと、多分、私立学校法ができた戦後の時代の、いわゆる地方行政といいますか、国の行政も含めて、地方行政といったようなものと、それから現在との間で、かなりその意味では長い年月を経て、そういう意味でこういう形に、あえて厳しい制約を付けないで行けるような、そういう形にある意味では成熟をしてきたというか、そういう時代認識が背景にあるのかなというのが私の、とにかく、直接かかわっておりませんけれども、そういう一人の立場としての意見といいますか、コメントであるということだけを申し上げたいと思います。
  45. 今井証三

    ○参考人(今井証三君) 私、先ほど唯一、一歩後退というふうに評価いたしました。それは、非常に分かりやすい言葉で申し上げますと、産湯とともに赤子を流してしまうということになりやしないかということですね。先ほど四分の三とか、数の問題を議論しているというよりも、数そのものをなくしてしまおうということですから、この新しい改正は。  それで、私は、その審議会行政というふうに俗に言われているものというのは、国民と行政機関との間を橋渡しするものとして、戦後の日本の非常に新しい民主主義的な制度の一つだと思うんですね。つまり、国民の声を聞くという意味でですね。それが、今回、地方の審議会ではありますけれども、そういう点でいっても、住民の主権とか、そういう住民のいろんな各階層の知恵とか、そういうものが行政にこれで反映していくことになるのであろうかなという気がします。  それで、ちょっと念のため私、そこをちょっと調べてみたんですけれども、児童福祉法という法律にも地方に審議会がありまして、そこにも構成が書いてあるんですけれども、そこには、一つには地方住民である議員ですね、それからもう一つは、児童福祉ですから児童又はそういう知的障害者の福祉に関する事業に従事している者と、経験者から選びなさいということが二番目にあり、そして三番目は学識経験者ということで、やはり各階層で努力している、そういう知恵というものを結集する。これは、社会福祉法にもそのような規定があります。ですから、全くなくしてしまって、それをその県知事の任命の白紙委任的にしてしまうということについては、私は良くないだろうと思うんです。  審議会というのは、中央の審議会を見ますとそんなようなことは一つもないですね。全部きちんと各階層から正しく選ばれるようになっていますよね。だから、地方の審議会にもそういうのがない部分があるかも分かりませんけれども、河川法などを見ましたらちょっとそういうところがなかったように思うんですけれども、しかし原則は、審議会というのは、国、行政と国民との間をつなぐものですから、やはりそこの中にその道の、何というんですか、経験のある人の英知というものをきちんと制度的に確保するということは非常に大切なことじゃないかというふうに思います。  以上。
  46. 林紀子

    ○林紀子君 どうもありがとうございました。
  47. 山本正和

    ○山本正和君 どうも御苦労さまでございます。  今井参考人からは審議会等の問題で、更に検討してほしいというふうなことについていろいろと承りました。あと、田村参考人と孫福参考人からは、この法案が成立した後に更に検討すべき課題があるとすればどういうことだろうかということを、ひとつ、一言ずつで結構でございますから、承らせていただきたいと思います。
  48. 田村哲夫

    ○参考人(田村哲夫君) この法案が成立した後の問題としては、先ほど、最初に申し上げましたが、小規模法人の線引きをどうするかという問題ですね。これは、実際上、財政公開あるいは事業計画表の公開ということが言うべくして不可能に近いわけですね。  それから、監事の話も先ほど出ましたが、小規模法人が専任の監事を有料で、あるいは非常に手の込んだ監事をしていただくとすれば、私は、監事というのはただ数字だけではなくて、経理的な数字だけではなしに業務監査というんでしょうか、つまり学校というのは教育する場ですから、教育に関係ないものというのは何もないんですね。全部関係があるわけです。ですから、監事がやる以上は教育もどうしても入ってきてしまう。これは当然だろうと思います。  それは、あとは内部規律の問題であり、その学校の見識だと思いますから、教育の自律性を守るという点は監事の役割とは別に、その学校がやるべきことだと思いますね。ですけれども、仕組みとしては、監事はやっぱりどうしてもやる以上は教育についてもやってしまうだろうというふうに思います。しかし、その辺は問題が起きる可能性がありますので、見守る必要があるという気がします。  以上でございます。
  49. 孫福弘

    ○参考人(孫福弘君) この法案が成立した後の、これを超える問題ということにつきましては、実はこれまでのコメントの中でも何回か触れさせていただきましたけれども、それを繰り返すことにある意味ではなりますけれども、やはりもう少し大きな意味で、国立、公立それから私立を含めた日本の高等教育の全体のグランドデザインといいますか、その中でのそれぞれのカテゴリーの大学法人といいますか、それの位置付け、役割ということですね、それを明確にしていただきたいという感じがしております。  その中には、冒頭に申しましたのはいわゆる組織の内部のガバナンスの機構そのものが、形態が、国立大学法人、公立大学法人と学校法人とで基本的に違う形態を成しているということですね。これが実際に国立大学、公立大学は新しい形で運営を始めて、数年たったときにどうなるかというのを、やっぱり数年たったときに見てみる必要があると思うんですね。それで、やはりガバナンス機構のその特色というものがどういう結果として出てくるかということによって、私学はある意味では非常に、場合によると苦しい立場に立たされるかもしれないという感じがするんですね。あるいは、国立大学法人のような非常に権限集中型のそういうガバナンス機構というものが裏目に出る可能性もないとは言えなくて、その場合には国立大学法人の方をむしろ直さなきゃいけないということが起こってくる可能性があると思いますけれども、それは数年後の問題だと思いますけれども、これはやっぱりウオッチしていく必要があるというふうに私は思っております。  以上でございます。
  50. 今井証三

    ○参考人(今井証三君) 私、どうも先ほど意見の中でかなりいろんなことを申し上げましたので、そのことが、私たちが、法ができた後も是非続けて議論していきたいなと、是非そういうことを検討する場所をまた提供していただきたいなというふうに思います。  項目的に言えば、評議員の選任の方法ですね。それから、私立学校法第五十九条の私学助成の問題だとか、あるいは監事機能の一層の充実を図るためにその監事の選出の問題だとかなどなどがありますので、その際には是非またお呼びいただければ、御一緒に検討するということに大いに私ども努力いたしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  51. 山本正和

    ○山本正和君 ありがとうございました。  終わります、これで。
  52. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人の皆様方に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は長時間にわたりまして大変貴重な御意見をいただきました。誠にありがとうございました。今後のいろいろな審査の参考にさせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。委員会を、委員を代表いたしまして、心から厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)  午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十九分休憩      ─────・─────    午後一時一分開会
  53. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  私立学校法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文部科学省高等教育局長遠藤純一郎君及び文部科学省高等教育局私学部長加茂川幸夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  55. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) 休憩前に引き続き、私立学校法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  56. 橋本聖子

    ○橋本聖子君 自民党の橋本聖子でございます。  今日は、まず最初に大臣に質問をさせていただきたいと思います。  私学の学校の果たすべき役割ということについてまずお伺いをしたいというふうに思いますけれども、現在私立学校に在学する学生の割合ですけれども、高等学校で三割、そして大学また幼稚園については八割にも上がっているわけなんですけれども、私立学校は多様化する社会のニーズに柔軟に対応した特色ある教育研究を進めていくという役割を果たしているわけですけれども、質、量ともに我が国の学校教育において非常に重要な役割を果たしているのがこの私学だというふうに私は思っております。  一方、国立大学の法人化、そして特区における株式会社が設立する学校の誕生など、学校設置の形は大きく変わりつつありますけれども、河村大臣は、さきの衆議院においての文部科学委員会で、これまでにある私立、そして国立大学、公立大学、この関係が切磋琢磨の関係を持ちながらそれぞれの役割を果たしていくのが望ましいという認識を示されましたけれども、国立大学、学校法人については、教授会などの議論に基づく意思決定が迅速さを欠くといたしまして、これを解消するための制度設計となり、そういった面で学校法人を上回る機動性を発揮するかもしれない仕組みへと大きく変化をしているところです。  学校法人の制度設計にはある程度の自由度があり、また民間法人であるがゆえに社会の動向に敏感に反応できる立場にもあります。国立大学が大きく変貌していく中で、私学の果たすべき役割、これは更に大きくなるというふうに思っておりますけれども、改めて、どのように大臣はお考えになっているか、お聞きをさせていただきたいと思います。
  57. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) 橋本先生御指摘のとおりでございまして、今の私学の果たす役割の大きさ、これは数字の上からも、御指摘のとおり、学生数で見ても、大学生が七五%、高校は三〇%、幼稚園においては八〇%というのが私学、私立学校に在学をしているわけでございます。  私学の特質は何といっても独自の建学精神があるということであります。そして、個性を持って教育活動をやっておるということでありまして、そういう意味で日本の学校教育を考えてきても、質、量ともに大きな役割を果たしてきております。  国立大学も法人化をするという大きな変化、御指摘のとおりでございます。そして、国民も学校に対するいろんな期待がある。そういうものにこたえていってもらわなきゃなりません。学校はやっぱり信頼する場所でなければなりません。そういう意味で、これからも私学の役割は大きいだけに、やっぱりその国民の期待にこたえていかなきゃならぬと、こう思っております。  何といっても、学校というのはやっぱり公共性が高いし、それは継続をされなきゃいけないものでありますし、また安定的なものでなけりゃいかぬ。これはもう学校の一つの大きな使命だろうと思います。そうした中で、多様で魅力ある学校が必要である。そういうものが学校教育で積極的に、魅力ある教育が行われる、そういうものが展開されることを望んでおるわけでございまして、そういう意味では、私学を活性化させるということが日本の学校教育の活性化につながると、こう考えておるわけでございます。  その中で、やっぱり国公私立といいますか、日本では国立大学、公立大学、そして私学と、この三つの形を持っておりますし、さっき御指摘のように、一方では株式会社あるいはNPOでという国民の要請もございます。そうした中で、私学振興という形でこれも国策としてこれまで進めてきたわけでございますから、その私立学校がこれまでの信頼にこたえて、そして評価をちゃんと受けるようにという意味を込めながら、私学振興法にのっとりながら、また私立学校法にのっとりながら、政府としても私学振興、これをしっかり図ってまいりたいと、こう考えておるところであります。
  58. 橋本聖子

    ○橋本聖子君 ありがとうございます。  やはり私学に今求められている国民の思いというのは相当強いものがありますので、また是非そのお考えで進めていただきたいというふうに思っております。  近年、建学の精神に基づいて個性豊かな教育活動を進めている私立学校に対しまして社会のニーズが高まっているということですけれども、国立学校の在り方について現在様々な観点からの検討が中教審でも進められております。その検討結果に基づく積極的な取組が求められているところでありますけれども、更に質の高い教育を行う新たな私立学校の設立を進めて、公立と私立の関係を含め、学校間の適度な競争を促すということにより教育サービス全体の質の向上が期待されていると考えております。  一方、少子化など社会経済情勢の変化を受けて私学の経営は全体的に厳しい状況にあります。大半の学校法人は、公教育の担い手として社会的な使命に基づきより良い教育サービスの提供などに努められていることは十分承知しておりますけれども、残念ながら一部の学校法人において不適切な寄附金の収受などが行われていたという事実もあります。  こうした中で提出された本法律案は、私立学校法、法制、法定以来の大改正として関係方面で注目を集めています。先日の趣旨説明によりますと、本法律案は、一として、学校法人の管理運営の改善、そして学校法人に対する財務情報公開の義務付け及び私立学校審議会委員の構成などの見直しという三つの点に関して見直しを行うことにより、学校法人制度及び私学行政の改善を図ろうとするものであります。  こうしたそれぞれの点について、どのような背景に基づいて、また、どのようなことを目的として見直そうということにしたのか、大臣に改めてお尋ねをしたいと思います。
  59. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) 今御指摘をいただきました今回の改正の大きな三つの柱がございます。  これについてでありますが、学校法人が公教育の担い手として今後とも健全な発展をしていかなきゃいかぬ。そうした国民的な大きな期待もあります。一方では、大きな社会現象として少子化という問題がございまして、こうした変化の中で法人自らも改革をしていただかなきゃならぬ。また、少子化時代に向かって、学生に対して魅力ある、生徒児童にとって魅力ある学校経営をやっていただく。一方では、規制緩和というのもございまして、学校法人をめぐる競争激化と、こういう問題もございます。それにきちっと主体的、機動的に適応していただく、対処できる体制にしていただく、そのねらいを持っておるわけでございます。  第一点は、安定した学校運営が確保できるということに対しては、やっぱり経営陣の強化といいますか、そういう意味も含めて、理事、監事及び評議員制度の在り方、それぞれの権限、役割分担、これを明確にしていく必要がある。そして、学校法人の管理運営の改善を図っていただく。こういうことが一つのねらいにございます。  次に、学校法人自らも説明責任を果たしていただく。このために、財務書類等を利害関係人からの請求に応じて閲覧に供することができる、これを義務付けるということにしておりまして、正に説明責任、また開かれた学校運営といいますか、そういうものが望まれるものであります。  またさらに、各都道府県にこの私学においては、一般の高校以下の私学行政、その各都道府県知事にゆだねられている部分が大きいわけでございます。許認可権等々もそうでありますが、そこにある、特に私立学校審議会の委員、この選び方についてでございますが、その構成、推薦手続、この規定を見直しを行いまして、正に地方の知事の判断といいますか、そういうものに我々ゆだねながら、そして私立学校の活性化を図っていただこうと、こういう意味がございます。  以上の三つの柱をもって、今回の私立学校法の改正をお願い申し上げているところでございます。
  60. 橋本聖子

    ○橋本聖子君 ありがとうございます。  続きまして、学校法人における経営の概念と結果責任についてお尋ねをしたいというふうに思います。  今回の法改正の大きな柱としまして、学校法人制度の改正にありますけれども、責任体制の明確化など、法人運営の体制整備と財務情報の公開による透明性の確保が一層求められている、それが、確保がその中身ということでありますけれども、法人運営の体制整備が求められていた背景には、私学を取り巻く経営環境の悪化に対して、理事会制度の整備による責任体制の明確化を図るとともに、監事や評議員会制度の改善による内部監査機能の強化によって、自主性そして自律的な運営を目指すべきの考えというのがあります。つまり、自主的そして自律的運営を目指すべきとされるのは、これまでの私学の経営にはそういった面が不十分であったということではないかというふうに思いますけれども、自己責任と説明責任を十分に果たしてこなかったのではないかという反省があるものと思われます。  国立大学についても同様ですけれども、私立学校、そして特に私立大学関係者の中では現在においても、学校を経営するという表現にアレルギー反応があるというふうに思われますけれども、経営を聞くと、経営効率ですとか、また利潤の追求という言葉が連想される方もやはり少なくないというふうに思いますが、経営という言葉にはリーダーシップと結果責任という意味も私は含められているというふうに思います。  これからの私学には経営責任が求められているわけですが、建学の精神をいかに実現していくか、その具体的な道筋をはっきりと社会に示して、そして客観的な評価を仰ぐとともに、その結果を真摯に受け止めて、着実に歩んでいく姿勢がこれからは特に求められていくんだろうというふうに思います。  私学に求められている経営責任と、そしてまたその責任の取り方について、文科省としましてどのようなお考えか、また改めてお伺いしたいと思います。
  61. 原田義昭

    ○副大臣(原田義昭君) 先ほど大臣からも御説明いたしましたように、私学教育の重要性、在り方については、それこそ幾ら強調しても強調し足りない、そういうような感じがするわけでございます。  先生おっしゃいましたように、建学の精神、これに基づいて私学が立ち上がるわけでありますけれども、当然のことながらその前提としては、その学校が経済的にも健全な運営がなされるということが前提でなければならないと。幾ら精神的な理念ばかりがあっても、結局はその私学が健全な形で維持発展されるためには、当然のことながらこの経営責任、ですから、今委員がお話しになりましたように、まあ世の中的には経営というとすぐ利潤というようなふうに受け取られる向きもありますけれども、私はこれは非常に大事なことだろうと、こう思っております。  学校教育法五条、これは私学の分野、部分でありますけれども、学校の設置者は、その設置する学校を管理し、法令に特別の定めある場合を除いては、その学校の経費を負担すると。要するに、基本的には経済的な、経営的な責任もその設置者が負うんだと、こういうことをはっきり明記しておるわけでありまして、言葉を換えれば、学校の設置者である学校法人が責任を持って行うべきであり、その結果責任についても学校法人が負うんだということであります。  さはさりながら、今回の法改正、私立学校法の法改正に至った私は背景には、やはり今まで長い間に、健全な学校もたくさんありますけれども、中にはやっぱり学校の運営、それがまたいろいろな社会的な問題にも発展したというケースがあったわけでございまして、その辺の反省も踏まえまして、今回、学校法人の体制の在り方、それをしっかり理事会がそのことを、その業務の決定機関として法律上明記すると。従来はその辺があいまいのまま事実上行われてきたというようなこともございます。  そういうような、そのほかに監事の在り方、また学校、いろいろな、例えば内部監査の問題、さらには情報の公開等々、この際思い切って私学の在り方を、特に経営の在り方を改めることによって、従来目指しておりました建学の精神に基づく個性豊かな教育活動を一層充実、健全に発展させていくと、こういうことを考えておるところでございます。
  62. 橋本聖子

    ○橋本聖子君 ありがとうございます。  続きまして、第三者評価制度についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。  学校法人とその設置する学校は、自らの建学の理念に基づいて学校を経営し、教育活動、教育研究活動に当たることになりますけれども、特に経営面については、具体的な動きが外部からは見えにくいために、本法律案についても、財務情報やそして監査報告書の閲覧が求められております。今年度から国公立、私立のすべての大学に対して第三者評価である認証評価制度への対応が義務付けられることとなりましたけれども、評価制度へ対応していく中で、どのような経営上の努力を重ねているのか明らかにしていくことも、これからの私学にとっては大変重要なことになるというふうに思います。  評価への対応は、学校情報公開と、そして密接に連携している厳格な評価制度を構築して、これに対応することで私学の健全化が大いに進むものと期待をしております。理事会、評議会、監事の三者の関係や、理事会と学長、そして理事会と教授会といった経営サイドとまた教学サイドの連携状況なども、経営面の評価を進める中で改善が一層図られていくことが望まれると思います。  特に、経営側とそして教学側の関係については、対立の構図で、どうしてもやはり対立してしまうというような、そういうことが語られることが多いわけですけれども、こうした対立の中で、本当の学校の主役である児童や、そしてまた生徒、また学生、そういった学習環境が損なわれることのないように、生徒の立場に立った形の中で相互に関心を持つ関係の構築に向けて努力することが最大のポイントだというふうに思います。  学内の各機関の相互関係も重要な評価のポイントとされるべきだというふうに考えますけれども、第三者評価制度の本格的導入が私学経営に与える影響といいますか、そういったことについて文部科学省の御認識をお伺いしたいというふうに思います。
  63. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) お答えをいたします。  第三者評価制度の導入と私学経営の関係、影響についてのお尋ねでございます。  委員御指摘のように、本年度より第三者評価制度が実施されるわけでございまして、私立大学につきましても大学の教育及び研究、組織及び運営、施設及び設備の総合的な状況について評価を受けることとなり、その結果も公表されることになるわけでございます。  なお、このいわゆる認証評価につきましては、教育研究活動を評価する上で併せて評価することが不可欠な経営的な面についても評価対象となり得るものでございますけれども、もう本来的には、学校法人の経営状況そのものは必ずしも評価対象にはなっておらないところは御承知のとおりでございます。  この第三者評価につきましては、評価と公表を通じましてそれぞれの私立大学にあっても各大学の取組状況が明らかになるわけでございますから、その改善に努めて成果を上げている大学はますますそれが明らかになって高い評価を受け、一層の発展が期待できる。経営についていえば、ますますその方向が確かなものになっていくという面もあるわけでございますし、一方で、厳しい評価を受け、これが公表された場合には、その評価を踏まえた改善努力といいますか、経営努力が強く求められるわけでございまして、いずれにしましても私学経営に与える影響は大変大きいものだと私どもは考えておるわけでございます。  その結果、この第三者評価制度の推進を通じまして大変大事に私ども考えておりますのは、私立大学全体の質的な向上にも寄与するのではないか、経営努力、経営改善といったことが大学の質の向上にも寄与することが大きく期待できると思っておりまして、私立大学それぞれにおいて、より積極的な取組が行われることを強く期待をしておるものでございます。
  64. 橋本聖子

    ○橋本聖子君 是非よろしくお願いします。  続きまして、評価への対応と監事の実態についてお伺いをさせていただきます。  学校における評価制度は、その自主性、そして自律性を尊重する観点から自己点検評価に始まり、外部評価、第三者評価へと力点が移ってきた経緯があります。しかし本来、公益法人としての学校法人には崇高な建学の理念に基づく高度の自浄作用が備わっているべきであり、多くの学校法人では自己点検の仕組みがきちんと機能しているものと想像しているところですけれども、今回の改正案においても、こういった観点に基づき、役員への外部人材の採用義務化や監査報告書の作成の義務化など、まず法人内部でのチェック機能を充実させることを求めております。  監事の機能強化について、具体策としては、監事の職務として監査報告書の作成を義務付けることとともに、報告書を理事会と評議員会への提出をすることを求めるほか、二人以上置くこととされる監事の一人は外部人材を充てること、理事会、理事長からの独立性を高めるため、監事の人選には評議員会の同意を求めることなどが提案されております。こうした提案が必要となった裏には、監事がその機能を十分に果たしてこなかったというわけではないんですけれども、そういったことがあるという認識があるというふうに思われるわけでありますけれども、文部科学省による大学、短大を設置する学校法人の経営の充実強化等に関する調査報告書では、理事又は監事の任用に当たって、担当業務についての専門的な義務経験の有無を考慮するかどうかの設問に対しまして、八割以上が考慮するというふうに答えています。  では、学校法人において、監事はどのような選考過程を経てどのような人材が選任されてきたのか、改めて伺いをしたいということと、また監事機能の具体的な強化策とされる今回の法改正の事項は現状ではどの程度実施されているのか、改めてお伺いをしたいというふうに思います。
  65. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 学校法人における監事の選任方法、それから実際どのような人材が選任されているか、あるいは今回の法改正における強化策、そのねらい等についてのお尋ねでございます。  まず、現在の監事の選任方法についてでございますが、各学校法人における取組、特色や慣習等様々でございまして、一様ではございません。評議員会による選任又は理事会による選任、これの組合せといった様々な選任方法が学校法人ごとに取られておるわけでございます。  また、具体に監事の人選、選任についてでございますけれども、その場合には理事又は学校法人の職員と兼ねてはならないこと、それから各役員の配偶者又は三等親以内の親族が一人を超えて含まれることになってはならないことが現在定められておりますけれども、これ以外には特段法令上の規定は設けられておりません。実際、実態としても様々な方が選ばれておりまして、例えば公認会計士でありますとか弁護士、そういった特定の分野の専門家、あるいは会社役員が選ばれるといった例が見られるところでございます。  また、今回の改正事項と実態についてのお尋ねでございますが、まず今回の改正事項の第一は、監査報告書の作成義務を監事に法令上義務付けまして、その閲覧等についても規定をするわけでございますが、今回この新たな義務付けでございまして、現状について監査報告書の作成、閲覧の状況については残念ながら私ども実態を十分に把握をしておりません。今回、新たに法律上の義務付けを行うものでございます。  また、監事の選任方法等につきましては、九割以上の学校法人において、任期、選任につきまして寄附行為上既に何がしかの規定を整備しております。ただし、具体的な選任方法について見ますと、先ほど申し上げましたように、学校法人の特色、慣例等によって異なっておりまして、評議員会による選任又は理事会による選任と、一様ではないわけでございます。  さらに、外部理事も今度の法改正で求めることになっておりますが、実態としては学校法人の職員等を退職後引き続き名誉職的に監事として選任している例も見られるわけでございまして、そのような場合には監事が理事長等に言わば遠慮をして、十分に本来の監事の役割、機能を果たせないというおそれもあることから、今回新たに法改正を求めるものでございます。この外部監事の導入実態につきましても、誠に申し訳ございませんが、法人数の数についてまで詳しい調査をいたしておらないところでございます。  なお、その監査する立場の者がその意思決定に参画することは望ましくないといった観点などから、現在、監事と評議員会、評議員との兼職禁止を行うものでございますけれども、九割以上の大臣所管法人では既に監事と評議員会との兼職は行われていないところでございます。
  66. 橋本聖子

    ○橋本聖子君 分かりました。すべてというのは難しいのかもしれませんけれども、やはりしっかりとそういった実態というのを文部科学省としては把握をしていただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、監事による会計監査と業務監査の実態についてまたお尋ねをします。  監事の機能には会計監査と理事の業務執行状況についての監査がありますが、さきの文部科学省の調査では、決算監査については九八%が、そして理事の業務執行については八〇%以上が実施しているというふうに出ておりますけれども、定期的な会計監査は四〇%程度、業務監査は六〇%弱となっております。監査の実行状況は八〇から九〇%の実施率となっておりますけれども、ポイントはやはり監査の中身だというふうに思います。  そういった指摘が当然あるわけですけれども、特に現在の監事は業務監査よりも財務に係る監査に重点を置きがちであるというふうにもされておりますが、私学助成の申請に際しては公認会計士など監査を受ける必要があり、監事の業務と役割分担を整理する必要性も指摘されているところです。今後とも私学、私立学校が明確な経営ビジョンを掲げ、そして健全な運営を続けていくためには、経営そして教学の両面に対する目配りがやはり必要だというふうに思いますが、学部などの設置、そしてまた改廃など、学校運営の大方針にかかわる事項については監事の目から十分に検証していくということが重要となってくるだろうというふうに思われます。  そういった中で、監査報告書の内容は千差万別であって、現在、私学において任用されている監事にはどのような役割が期待されて、そしてどのような実績を上げてきたのかということを説明をしていただきたいというふうに思います。  そして、どのような監査報告書が作成されていて、会計監査、業務監査の実態、公認会計士などの連携についても、その状況をお伺いをしたいと思います。  さらにもう一点、業務監査のあるべき姿というものはどういうものなのかということも加えてお尋ねをしたいというふうに思います。
  67. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) まず、監査報告書あるいは監事に期待される役割についてお答えをいたします。  監事は学校法人の業務を監査する者でございまして、学校法人の公共性及び運営の適正を確保するために極めて重要な役割を現在も果たしておるわけでございます。このような重要な役割を担う監事が行う監査の範囲につきましては、この範囲はどこまでかということで議論があるわけでもございますが、一部に議論もございますけれども、私どもは、財務に関する部分にのみ限られるのではなく、学校法人の業務の中心である学校の運営、この場合にはある部分教学面も含まれてくるわけでございますが、に関してもその対象になるのだと考えておるわけでございます。  具体に申し上げますと、学部、学科の新増設、あるいは教育研究における重要分野の決定でありますとか、学生の募集計画等、教学的な側面を有する部分についても経営にかかわる部分が多くございますので、監事が適切に関与することが期待されておると考えておるわけでございまして、監事の役割から見ますと監査の範囲はここまで及ぶべきものだと考えておるわけでございます。  また、監事は学校法人の運営の適正を確保する上で一定の役割を果たしてきたと考えておりますけれども、改善すべき点もある。大臣も申し上げましたように、監事についても、その役割、権限が必ずしも現行法上明確ではなくて、本来期待される機能が十分に果たされていないと、そういう課題もございましたので、今回の法改正をお願いをして監事制度の充実を図るものとしているところでございます。  また、御指摘のように、監事がその職務を十全に果たすためには、他の監査機能、いわゆる会計監査、業務監査が公認会計士等又は内部監査で行われておるわけでございますが、これとの連携も極めて大事でございます。  監事の職務といたしましては、委員も御指摘になりました財務上の、財産の状況の監査、理事の業務執行の監査と、その大きく二つあるわけでございますが、いずれにつきましても公認会計士等との連携を十分図った上で、この業務の万全な遂行が求められておるわけでございます。  特に、私立学校振興助成法に基づきまして経常費助成を受けている学校法人につきましては、特別な場合を除いて公認会計士又は監査法人の監査を受けなければならないとされておるところでございます。私立学校振興助成法に規定がございます。多くの学校法人が経常費助成を受けておりますのは御存じのとおりでございまして、監事とこれら公認会計士、監査法人がこういった観点からも十分な連携を図ることが求められておるわけでございます。  以上でございます。
  68. 橋本聖子

    ○橋本聖子君 ありがとうございます。  続きまして、監事機能の強化と監事への支援体制の整備についてお尋ねをいたします。  監事からの所轄庁への報告書、報告実態がほとんどないということについて衆議院の委員会でも議論がありました。これらは、所轄庁への報告も重要な役割でありますけれども、まず内部において実効性のある監査をどれだけ行えるかということが必要であって、重要であり、また監査の中身を中身のあるものにするための体制整備について理事会、評議会、教授会など、一緒に作っていくことがまずまず最初に取り組むべき課題だというふうにも考えます。  これまでの監事は法人のOBである高齢者の名誉職となっていた指摘もありまして、選ぶ側、そして選ばれる側の双方に監事機能の強化に向けて自覚を促す必要があると考えます。  具体的な方策といたしましては、監事の常勤化の促進、そして監事に学内情報を提供する内部監査組織の整備といったことも提案をされているところでありますけれども、これらの方策はどの程度の学校法人において実施されているのかということをまずお尋ねをしたいというふうに思います。  また、文部科学省としまして、こうした取組をどのように評価をしているのかということ。そして、評価するならば、評価制度などを通じた側面的なやはり支援というものも検討していくべきではないかなというふうに思いますけれども、この三点についてお尋ねをさせていただきます。
  69. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 御指摘のように、監事の機能を強化するためには、監事の常勤化でありますとか監事の監査を支援する内部組織の整備等、大変重要な課題だと私どもは認識をしております。  現状についてちょっと申し上げますと、常勤の監事を一名以上置いておる学校法人は、大臣所轄の学校法人、大学法人でございますが、これでわずか三十法人。パーセント、率にしますと四%にしかまだすぎません。常勤の監事を置いているものはごくまだわずかに限られておるわけでございます。望ましい監事を支援する内部監査組織の整備状況についても、大きな大学法人等で進んだ取組、関係する室やポストを置いておることを知っておりますけれども、どのくらいの率かについては残念ながら把握をいたしておりません。しかし、こういった組織、内部組織を強化して監事の監査を支援することはとても大事なことだと私ども思っておるわけでございます。  ただ、小規模な法人もございます。今回、法律で義務化等、監事の機能強化等をお願いする法人はいわゆる大学法人から小規模な幼稚園法人に至るまで法人一律に求めるものでございますので、小規模な法人のことも考えますと、すべての学校法人に例えば義務化、常勤を義務化する、あるいは必ず内部組織を設けなさいということはなかなか困難な点がございます。  しかし、今申しましたように、望ましい、常勤化あるいは内部組織の整備は望ましいものと私ども考えておりますので、必要な説明会の開催でありますとか、もし法律改正が成った場合の施行通知等においてその趣旨を十分各法人等に伝えてまいりたいと思っておりますし、こういった施策を通じて今申しました常勤化、内部組織の強化、支援の強化を推進をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
  70. 橋本聖子

    ○橋本聖子君 是非やはり、そういったことが実施できるように側面からのサポートというものをいま一度お考えをいただきたいなというふうに思います。  次に、役員体制の整備状況についてお尋ねをいたします。  本法律案では、役員の定数、任期、選任方法などを寄附行為に定めるものと義務付けているわけでありますけれども、これらの定めがない法人が多数存在するとは思いませんけれども、現状はどのようになっているのかというのをちょっとお尋ねいたします。
  71. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 寄附行為における役員に関する規定の整備状況、規定状況についてのお尋ねでございます。  今回、私立学校法第三十条第一項第五号を改正をいたしまして、改正をお願いをしておるわけでございますが、これは各学校法人において、役員である理事及び監事の定数、任期、選任、解任の手続等について寄附行為に定めることを義務付けるものでございます。  現状でも、委員御指摘のように義務付けはございませんけれども、何がしかの規定を寄附行為上整備している、定めているところは少なくないわけでございます。例えば、現状の寄附行為による規定状況を少し見てみますと、役員の定数については、これは法律上、理事は五人以上、監事は二人以上置かなければならないと現行法も定められておりますけれども、当然この法令に見合った定数は寄附行為上定められてまずおるわけでございます。そして、役員の選任方法又は任期等につきましては、私どもの調査では九九%以上の学校法人、ですからほとんどと言っていいと思いますが、何がしかの規定を設けておるわけでございます。  ただ、役員の解任方法、万一の場合の役員を解任する際の規定等についてでございますが、これについては、先ほどのほとんどの法人が規定されている例と異なりまして、大臣所轄の法人においても約六割しか規定されていないと。ですから、事柄によって寄附行為上整備されているものといないものがあるというのが現状だと御理解いただきたいと思います。
  72. 橋本聖子

    ○橋本聖子君 分かりました。  次に、選任、解任規定の不備による問題について、指摘といいますか、問いをさせていただきたいというふうに思います。  文部科学大臣の所管に係る大学法人においても規定がきちんと整備されていない例があったということですけれども、特に役員の選任、解任に係る規定が整備されていないことによる理事会の混乱といった事態は今後避けなければいけないというふうに思います。  役員規定の整備によってこうした混乱は避けられるのかどうかというのをまず率直にお尋ねをしたいというふうに思うんですけれども、また、役員の規定のモデルは文部科学省より示されるのか、また、示されるとするならばどのようなものになるのかを教えていただきたいというふうに思います。さらには、役員規定の整備がもたらす効果についてもお尋ねをさせていただきます。
  73. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) お答えをいたします。  役員について、その任期でありますとか、選任、解任、特に解任手続等について各学校法人の寄附行為に適切に定められていない場合、設けられていない場合には、委員も御指摘のように、例えば理事、監事、いわゆる役員でございますが、役員の解任等をめぐり紛争が起こるおそれも考えられるわけでございまして、万一そういった事態になった場合には学校法人の円滑な運営上大変大きな問題ともなりますし、私学に対する不信にも結び付きかねない事態と私どもは考えるわけでございまして、これは避けなければならないわけでございます。  そこで今回、こういったことから役員に関する規定を寄附行為において整備することとしたわけでございますけれども、寄附行為に規定されていないことによる無用の混乱、現在そのおそれがあるわけでございますが、どのくらい規定を整備することによって回避できるかといったことを数量的にお示しすることは残念ながらできませんけれども、現在そういう義務がないことによって生じるかもしれない無用の混乱は少なくとも回避できる可能性が高まるんではないかと私どもは思っておるわけでございます。  また、これだけではなくて、これらの定めを設けることによりまして各役員の役割等が明確になるわけでございます。学校法人経営に参画する際の自らの役割、かかわり方がより明らかに、明確になるわけでございまして、各役員が自覚、あるいは、おかしな言い方かもしれませんが、責任を持ってその法人経営に参画するといった副次的な効果も期待できるわけでございます。  先ほど、学校法人については大規模法人から小規模法人まで様々な法人があるということを申し上げましたが、中には、残念ながら役員会、理事会が形骸化しておりましてその理事一人一人について必ずしも自覚や責任が十分でない例もあるやに聞いておりますので、こういったことに対する対応策としても今回の法改正が役立つのではないかと私ども思っておるわけでございます。  また、お尋ねの役員に関する規定の仕方の具体例についてどうするのかということについてでございますが、私どもは寄附行為の作成例、標準作成例を従来から示してきておりますけれども、この中で一つの目安を示せれば一番学校法人にとっても望ましいことかなと考えております。具体の作成方法については、関係団体とも十分意見を交換させていただきながら今後工夫させていただきたいと思っております。
  74. 橋本聖子

    ○橋本聖子君 ありがとうございます。  続きまして、理事会機能の明確化についてお尋ねをします。  学校法人において理事会を組織していないものはないというふうに思いますけれども、これまでの私立学校法においては理事会の明確な位置付けがなくて、理事長の権限も法人を代表することが明記されていなかったために、一部の理事が全体の合意なしに法人の権利にかかわる契約を行い、問題になったという例が少なくないわけですけれども、今回の法制改正案によりまして原則理事長が法人を代表することになりますけれども、これまでどおり理事長を含めてすべての理事が同等に位置付けられることも法人の判断によっては可能とされるようになります。  すべての理事会構成員を同等に位置付けることのメリットというのはどんなところにあるか、お聞きしたいなというふうに思います。法人の判断の余地を残した理由についても併せてお尋ねをしたいというふうに思います。
  75. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) お答えをいたします。  今回の法改正によりまして、委員御指摘のように、原則として理事長のみが代表権を有し、寄附行為の定めによって他の理事にも代表権を付与することができる、可能となるように改めようとするものでございます。これは、実態としては、多く理事長のみ、又は理事長及び少数の理事のみに代表権を制限している学校法人の例が現在多うございます。ですから、現状に即した制度に改めるということが第一点考慮いたしました。  また、その執行機関である代表理事と決定機関である理事会の関係をより明確化する観点、要するに執行機関と議決機関をそれぞれ役割分担するといいますか、関係をより明確化するということのメリットも考えたわけでございますし、その他の理事会を置く法人制度も参考として、言わば現在の原則と例外を逆転させたわけでございます。現在はすべての理事に代表権があって寄附行為で制限をできる、今審議をお願いしております法律におきましては代表として理事長が代表権を持つ、で、寄附行為によってほかの理事にも代表権を認めることができると、言わば原則と例外を逆転させたわけでございます。  ですから、委員御指摘のように、例外的に、すなわち寄附行為の定め方によっては現行と同じようにすべての理事に代表権を残すことも定め方としては可能なわけでございます。これは現在でもすべての理事に代表権を与えながら法人経営をしている、理事会運営をしているという例が少数ながらございます。しかも、調べてみますと、そういった法人にあっては特に問題もなく法人経営が実際行われているという現状がございますので、これを排除する必要は今回の法律改正、制度設計に当たってはないのではないかと考えたわけでございまして、これも現状のことを踏まえながら、こういった例外規定を置くことが各法人の利益にかなうのだという総合判断をいたしたためでございます。
  76. 橋本聖子

    ○橋本聖子君 分かりました。  続きまして、学校法人の意思決定過程の在り方と評議員会の位置付けについてお尋ねをいたします。  今回の制度改正の目的には学校法人の運営の明確なリーダーシップを与えることがあったかというふうに思いますが、リーダーシップの確立には権限とそして責任の所在が明確になっていることが不可欠だというふうに思います。  理事会が学校法人の業務を原則多数決によって決定している仕組みには、これまでと変わらず、学校法人の予算、寄附行為の変更、法人の合併など重要事項の決定に際しては評議員会を意思決定機関とすることも可能な仕組みを変わっておりません。可能な仕組みが変わってないということですね。評議員会の機能について、重要事項を含めた意思決定機関とする法人は歴史の古い私立学校など学校法人には多いとされていますけれども、こうした仕組みがうまく機能している間は全く問題がないというか、全く問題がなかったわけでありますけれども、迅速な意思決定の妨げとなることも想定をされています。  そこで、原則評議員会は諮問機関であり、意思決定機関としての位置付けは例外であることというのを認識した上で、例外措置の運用に当たってはその選択が法人運営にとって大きなプラスになるような、プラスになるように注意することが求められていると考えますが、学校法人としての意思決定の在り方というものについて文部科学省の見解をお伺いしたいと思います。
  77. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 委員も御指摘になったように、学校法人の意思決定について時折、理事会が最高議決機関であるのか、あるいは評議員会が議決機関であるのかという議論があることがございます。しかし、現在の私立学校法上明らかでございまして、学校法人の業務の決定についての最終的な権限は理事会にございます。ただ、これが今度の法改正におきましては理事会が法律上明確に位置付けられまして、議決機関であること、業務の決定について理事会がその権限を有することがより明確化したものでございます。  一方、評議員会は重要事項の決定に際して理事会に対して意見を述べる、理事長が評議員会の意見を聞かなければならない、重要事項については聞かなければならないというのが現行法の規定にございまして、言わば評議員会は諮問機関としての位置付けと私どもは理解をしております。理事会が議決機関であり、評議員会は諮問機関でございます。ですから、先ほど理事会と評議員会の権限について時折議論があると申しましたけれども、私立学校法の解釈は現行法上からも私どもは揺るぎないもの、今申し上げたところで明確だと思っておるわけでございます。  それで、寄附行為の定めによりまして、重要事項の決定について評議員会の意見を聞く際に議決を要することができるという規定が現行の私立学校法上ございまして、この意見を聞く際に評議員会の議決をもってその手続を踏まえるといったことを踏まえると、評議員会があたかも議決機関のようにこの場面だけでは機能いたしますので、先ほど言った議論が生ずるわけでございますが、この場合にも理事会が最終意思決定機関であると、その位置付けは変更されているものではないと私どもは理解をしております。  理事会において業務の決定を行うに当たって、その評議員の、評議員会の意思を確認する方法として、同意の議決を要するという手続が踏まれ、取られているにすぎない、慎重な手続を取っているんだという整理でございます。  いずれの場合につきましても、学校法人の運営についての最終的な責任は理事会が負うということは変わらないわけでございますし、これに留意した法人運営が必要だというのは委員御指摘のとおりでございまして、この基本をしっかり据えた法人運営がなされますように、文部科学省としても関係方面への通知、説明会等で十分な説明を行ってまいりたい、周知徹底を図ってまいりたいと思います。
  78. 橋本聖子

    ○橋本聖子君 続きまして、財務情報の公開状況についてお尋ねをします。  現在、大半の学校法人に対して私学の助成や税法上の優遇措置が行われておりますが、こうした措置を受けている学校法人が財務状況の公開を通じて、社会に対してしっかりとした説明責任を果たしていくということは当然の責務だというふうに思います。さらに、学校教育において私学が果たす役割の大きさ、公益法人などに対して情報公開を求める動きにかんがみて、補助金交付の有無にかかわらず、すべての学校法人がその財務情報の公開に向けて積極的に取り組む必要があると思いますし、また積極的に取り組むことが求められているというふうに思います。現時点において既に多くの学校法人がその財務情報の公開に着手しているというふうに聞いておりますけれども、公開の方法、そして内容を含めた実施状況についての概要についてお伺いをいたします。
  79. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) お尋ねの件につきましては、文部科学省において調査を実施いたしております。財務の公開状況に関する調査というものでございますが、これによりますと、文部科学大臣が所管する学校法人のうち、何らかの形で財務情報の公開を行っているものの割合が平成十五年度には約九六%でございます。ちなみに、数年前、平成十一年度の割合が約六四%でございましたから、格段に情報公開の取組は進んでいると私どもは評価をいたしておるわけでございます。  このうち、いわゆる財務諸表と申しますか、資金収支計算書、消費収支計算書及び貸借対照表、こういった諸表のすべてを公開している学校法人が、公開の仕方はいろいろございますけれども、概要といった形での公開形態も含めてカウントしますと、全体の七六%に及んでおります。広い意味で財務情報の公開をとらえますと、九六%でもう進んでいる。いわゆる厳密に財務情報、財務書類、財務諸表についての公開についても既に七六%が取り組んでいるということでございます。  また、公開の方法についてもお尋ねでございます。  一番多い形態は広報誌等刊行物への掲載でございまして、これが約七割ございます。それから、最近はやりのインターネットホームページの掲載が一八%、二割弱でございます。また、学内掲示板等への掲示が約これも二割ございます。  一方で、情報を公開していない学校法人が若干ながらございます。大学法人で十三、短大法人等で十四、合計二十七法人ございますけれども、その理由も調べてございますので御披露いたしますと、法人ごとによって事由は違っておりますが、公開によるいわゆる風評被害を恐れて、懸念していると、又は学年進行中であるために今は公開しないけれども、完成したときに公開をすることを予定しているという説明を得ておりまして、これらの学校にあっても情報公開ということは避けられない課題と認識をしておりまして、現在公開に向けて様々な検討あるいは準備中であると聞いておるところでございます。
  80. 橋本聖子

    ○橋本聖子君 ありがとうございました。  最後の質問ですけれども、大臣お着きになりましたので、最後、大臣にお尋ねをしたいというふうに思います。  私立学校振興助成法に基づきまして学校法人に対しては私学助成が行われておりますけれども、文部科学省においては、こういう厳しい財政状況の中、着実に私学助成の充実を実現されてきたということはもう敬意を表させていただきます。そして、私立学校が個性豊かな優れた教育研究活動を更に進めていくために、学生などの負担を軽減して、そして今後とも引き続き私学助成の充実を進めていくことが私は大変重要だというふうに思っておりますけれども、この点について、最後、私学助成の大切さといいますか、そういったことを大臣からお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
  81. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) 私立学校が日本の教育の中で占める位置の大きさ、その役割を果たしてきたことを考えますと、この私学振興を更に国の一つの大きな柱として進めていく、これは極めて大事な課題だと考えております。  十六年度予算においても、そういう面で文部科学省としても最大の努力をしたところでございますし、予算編成においても、私学助成というところは最後の大臣折衝まで積み上げてきて決着を見ると。本当はそうしなくてももう大丈夫だというところまでいくべきだという意見もあるわけでありますが、それほど重視しながら我々取り組んできておるところでございます。  現実の数字等、既にお話があったとおりでございますが、平成十六年度も総額で前年度比増六十四億六千万、四千五百五十五億八千万円という金額をしております。しかし、これで十分かと言われると、まだまだ、私学振興助成法の精神からいってもまだまだ十分でない、こういう意見も強いわけでございまして、更にこの充実に努めていく必要がありますし、国立大学が法人化する等大きな環境の変化の中、また少子化の中で私学がやっぱり信頼される学校としてその役割を果たしていくということが必要でございますので、更に私学助成、これについては充実を図るために全力を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
  82. 橋本聖子

    ○橋本聖子君 最後に力強いお話いただきまして、ありがとうございました。是非よろしくお願い申し上げます。  これで質問を終わります。ありがとうございました。
  83. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 大臣にまずお尋ねをいたしますが、今回の私立学校法の一部を改正する法律案は、もしも私学振興助成法という法律がなくて私学に対する助成が行われていなければ、この改正は必要なかったんでしょうか。
  84. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) 私学助成が全く行われてなくてという観点からいっても、そうなっておった段階で今の私学の位置というのがどういう位置付けになっておったか、これほどの、八割の、大学において八割、幼稚園において八割という、大学では七五%と言っておりますが、こうした大きな地位を占めるに至ったかどうか、その点の前提がいろいろありますけれども、しかし、いずれにしても、学校教育において私学の果たしている役割というのは非常に大きいものがあるわけでございますから、それをやっぱり活性化していく。  そして一方では、国立大学の法人化という問題がございます。これについても、御案内のように、評価を受けて、そして開かれたものにしていくということから考えますと、私立学校の在り方も、当然公教育を担っている面からいえば、国民に説明責任もございますし、また、いわゆる国民に対する説明責任からしても経営の透明化ということも当然問われてくるものであろうというふうに思っておるわけでございまして、公教育の担い手であるという観点からすれば、私はこの私立学校も活性化をしていく必要があると、こう思っておるところでございます。  ただ、全く助成がない場合のということを考えたならば、この法案の中身も若干、私学審議会の在り方とかそういうようなことで法案も変わる部分は当然あったろうとは思いますが、基本的には私立学校の活性化ということは必要であると、こういうふうに考えております。
  85. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 私がなぜそういうことを申し上げたかと言いますと、現在の文部科学省、組織として、大臣は十分、与党自由民主党の中での文教政策の経緯については十分御承知であろうと思いますから、むしろ私学部長にお尋ねをした方がいいと思うんですけれども、この私立学校法の改正を行うに当たっては、私学振興助成法というものを論じなければこれは全く実質的な審議にならないと思うんですね。  そういうことを考えますと、これは理事会で決まったことでございますから致し方ないんですけれども、この問題はかなりこの委員会で深く議論をしなければいけない、今日採決されるということでやむを得ないんでございますが、そういう課題であろうと思いますし、是非、委員長におかれては、この法案が成立後も私学の在り方について十分な審議の時間をお取りをいただきたいということを冒頭にお願いを申し上げておきます。よろしくお願いを申し上げます。  そこで、私学部長にお尋ねをいたしますけれども、そもそも私学振興がどのようにして誕生したかということをどのように御承知でしょうか。
  86. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 私学振興助成法の制定を中心とした私学助成の経緯と申しますか、歴史のようなことについてのお尋ねと受け止めて説明をさせていただきます。  今の私学振興の中心になっております私学振興助成法でございますが、法律にも書かれておりますように、私立学校における教育条件の維持向上及び学生等の修学上の経済的負担の軽減、そして私学の経営の健全性を高めることを目的、この三本を柱にいたしまして、昭和五十年に制定されたわけでございます。  もちろん、これ以前にも予算補助等として私学助成があったわけでございますが、この法律の成立を見て画期的に私学助成が拡大していく、拡充していく大きな礎となったのは明らかだと思っております。  この法律ができました背景としましては、もちろん私学関係者の長年の希望があったわけでございまして、関係議員、与党の関係議員、文教の先生方にも大変御熱心な働き掛け、御議論、御検討を経た上で議員立法により成立したものでございます。そう承知をいたしております。  ちょうどこの、少し長くなって恐縮でございますが、五十年に法律成立に至ります過程としまして、その背景としましては、昭和四十年代後半におきまして、人件費の高騰でありますとかいわゆる石油危機以来の物価の上昇等がございまして、これが私学経営に大変大きな打撃を与えておったわけでございます。  もちろん、私立学校は設置者で経営努力をすることが大原則でございますから、いろいろ大汗をかかなければなりませんけれども、私立学校の努力のみでは私立学校における教育研究条件の維持改善を図ることはこの四十年代後半においては言わば困難になっておった、特に私学にとっては大変苦しい状況に置かれておったわけでございます。そこで、先ほど申し上げた私学の関係者間で私学助成についての法律の、独自の法律の制定を求める声が高まっておったわけでございます。  この状況の中、与党、当時の与党自民党文教部会においては、昭和四十八年に私学助成に関するチームを設置をされまして、五十年以降の私学助成について様々な検討を重ねられたわけでございます。  具体には、四十九年の二月には私学助成についての中間報告二次草案というものが公になってございますし、その後、五月には私学振興助成法案の要綱というのがこのチームによって取りまとめられたわけでございます。さらに、六月には、自民党文教部会、文教制度調査会の連名によりまして私学振興の骨子を含む教育改革第二次試案が発表されたと、こういう経過があったわけでございます。  しかも、この私立学校振興助成法につきましては、先ほど申しました私学助成チームあるいは文教部会におきまして、法体系あるいは法全体のありようにつきまして条文に至るまで何度も検討が重ねられたと聞いておりますし承知をいたしておりまして、この間、何より私学関係者の意見も十分意見を聴取をいたしましたし、課題であります財政当局との難しい調整も大変な努力を関係者が払われて、特に文教の先生方の御努力によって調整が図られたわけでございます。  以上の経緯を経て、大変雑な経過説明になったかもしれませんけれども、最終的に財政当局との調整あるいは党内での最終調整がまとまりまして、昭和五十年六月の通常国会終盤において自民党による関係の、これは西岡先生も含まれておられますけれども、提出議員として含まれておられますけれども、議員立法として私立学校振興助成法が提案され、速やかに審議が進められて成立をされ、五十一年四月から施行になったわけでございます。  こういった私立学校振興助成法の制定経緯を踏まえまして現在の私立学校に対する助成の拡充、充実の礎ができたものと、まず一番大事なポイントはここにあると私は理解をしておるわけでございます。
  87. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 その間、今私学部長が御説明になったことは必ずしも正確ではないんで、この私学振興助成法を策定する過程の中で、当時の非常に力を持っておられた私学の関係者が非常な反対をされたという経緯を御存じですか。
  88. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 詳細には存じておりません。存じておりません。
  89. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 実は、今部長のお話に全くなかったのであえて私から申し上げますけれども、昭和四十五年までは、当時文部省は全く私立学校に対しては財政的にも無関心でいたわけです。私学振興会という組織があって、そこが言わば現在の国民生活金融公庫のような役割で私学に対して資金を貸していたという、そういうことだけをやっていたわけで、組織、文部省としては全くこの私立学校に対して経常費を助成するという考え方は全くなかったんです。そのことを御承知ですか。
  90. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) はい、委員御指摘のように、私立学校振興会が二十六年に設立されまして、私学にとって終戦直後の戦災復旧など資金の融資が求められたときにこの振興会が中心になってその役割を果たしたということを存じておりますし、それから、先生、昭和四十五年に経常費助成の開始があって、それまでは十分でなかったというお話がございましたが、それ以前には、国庫補助制度としては施設設備、研究設備を中心による補助制度はございましたけれども、何種類かございましたけれども、経常費の助成につきましては初めて昭和四十五年に開始されるわけでございまして、それまで経常費について十分ではなかったというのは先生御指摘のとおりでございます。
  91. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 小一時間の間でいろいろと御質問申し上げるのは非常に困難なんですけれども、これからの私学の在り方等を考えるに当たって基本的な認識が非常に大事であろうと思いますので、あえて過去にさかのぼっているわけでございますけれども、今部長がお話しの昭和四十五年に初めて経常費の助成が行われたと。何で行われたと思いますか。御記憶でしょうか。
  92. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) どういう目的でというお尋ねでしょうか。
  93. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 目的ではありません。  なぜ昭和四十五年に大学に対する経常費助成というものが、当時百三十二億という金額が何の法律の根拠もなしに予算化されたわけですね。これが初めてなんです、経常費助成というのは。これがなぜ行われたか。簡潔で結構です。
  94. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 先ほど申しましたように、昭和四十五年以前の国の私学助成と申しますのは経常費ではありませんで、物件費、研究設備等の助成が中心だったわけでございます。これが何種類かございましたけれども、四十五年のこのときを契機として、私学関係者からの要望が強くあったと私は理解をしておりますけれども、従前の各種の補助制度を統合又は拡充をいたしまして人件費を含む経常費に対する補助が強く求められたわけでございまして、ここで従前の補助金をまとめまして私立大学等経常費補助が新しく作られた、創設されたものと理解をしております。ただ、同時にこの補助金を執行するための組織も設立されたことも承知をいたしております。
  95. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 文部科学省がそういう御認識だと、全く私学振興助成法というものがどうやって成立したかという経緯を御存じないということになります。  私はちょうど政務次官をいたしておりましたから、坂田文部大臣の下で大学紛争というものを体験をいたしました。そのときに、なぜ百三十二億という一般の経常費助成を行ったかというと、これは私立大学の関係者からの要請というよりも、むしろ各大学、私立大学が授業料を値上げするということをきっかけにして大学紛争が更に拡大をすると、そういう状況の中で私立大学が、これは国立大学も全部の、全国の大学を覆った大学紛争だったんでございますけれども、私学の授業料を値上げすることが全くできなくなってしまったと。そういう状況の中で、正に政治的な決断として百三十二億という予算が組まれたと、これが実態なんです。そのことをお聞きになっておられないんですか。
  96. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 大変説明に舌足らず、不足がございました。  委員御指摘のように、背景としては私学から見て国公立と私学の間にあるその教育格差を何としても解消したいという思いがあったと思いますけれども、先生おっしゃいますように、四十年代後半に発生した大学紛争、特に私学の場合には授業料値上げの反対に端を発するケースが大きな事件になりまして、この問題、すなわち大学紛争、授業料の問題に解決を、決着を付けなければ私学経営に大変重大な問題になるという危機意識が関係者にあったことも私は承知をいたしております。
  97. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 関係者じゃないんです、政治の側にあったんです。  そういうことで、あえて法律に基づかないで経常費助成が行われたと。そして毎年、私学振興助成法ができるまでの間、予算化されてきたわけですね。ところが、私どもにとっては、当時、このままで行くと、予算措置だけであるといつになってこれが終わってしまうか分からない、根拠がないじゃないかということで法律を作ろうということになったわけであります。  これは是非、大臣始め文部科学省の組織として御認識をいただいて、これからの私学振興についての考え方をきちんと取りまとめていただきたいと思うんですけれども、私学振興助成法を作ろうということを決断をいたしましたのは、私自身が当時の自民党の文教政策の責任者として取り組んだときに、大学だけでこれを済ませるわけにはいかないと、私学というのは幼稚園から大学までを含んで初めて私学振興助成ということになるんだと。  ところが、ここに大きな問題が起こったわけです。  義務教育について、これは国が責任持ってきちんとした、設備も定員もきちんと受け入れられる状況になっているんだから、私学については、まあ勝手に私学に行かれることについてはこれは御自由なんだから、小学校、中学校まで助成するというのはおかしいと、そういう議論がございまして、それでは私学振興にならないというのが私の考えでございました。  これは決して、今部長がおっしゃったように私学の関係者からの強い要請ではなくて、昭和四十七年に、今日午前中おいでをいただきました中高の私学の会長、前会長だったと思いますけれども堀越さんが、四十七年だったと思いますが、私がその全国の大会に出席をいたしまして、皆さん方がそのことを望むならば、小学校、中学校、高等学校、大学、幼稚園、全部含めた私学振興助成を何とか作りたいということで、その運動を促して、そして国会に法律を提出するところまで参りました。そのときに一緒に取り組みましたのが、一昨日惜しくも亡くなられました三塚博さん、そして引退をされました藤波孝生さん、現在の衆議院議長の河野洋平さん、そして前総理の森さん、それと私とでこの法案を取りまとめをしたわけであります。  ところが、元々、私学について法律を作るとなりますと、私学振興助成法を作るということになりますと、当然国民の皆さん方の税金を私学に投入するわけですから、それがきちんと会計処理が行われて使われなければいけないと、正に透明化が求められる、不正が行われてはいけないということで、ぎりぎり補助金についての使途についてこれを明確にしてもらわなければいけないということで法律を組立てをしたわけであります。それでも、冒頭に申し上げたように、私学の関係者の皆さん方の中にはそういう法律作ってもらっちゃ困ると、そういう中で私学振興助成法というものを作っていったわけであります。  そういうことを考えますと、これから文部科学省として、そもそも私学とは何なのかと。実は、これは私どもにとっても非常に長い間の懸案でございまして、私学の皆さん方にも、私学というものは一体何なのかと、その定義は何なのかということを幾度となく問い掛けをいたしましたけれども、私も含めて、明快な答えが出ないままに今日に至っているわけです。  そこで、私学振興助成法を作るときに、どこまで国が助成すれば私学たり得るのかということが大きな議論になりました。まあどんなに多くても二分の一だろうということで、二分の一というふうに原案、経常費の二分の一を助成するという、補助するということで法律の原案は作ったんですけれども、財政当局との間でどうしても折り合いが付かないで、二分の一以内補助ができるものとするというふうに法律を書いたわけであります。  それともう一つは、第十一条にございますように、憲法八十九条ですか、八十九条との関係で、公の支配に属さないものにお金は出せないということとの兼ね合いの中で間接補助をやったわけです。それが現在の私学振興・共済事業団の前身である私学振興財団だったわけであります。  ですから、こういう経緯がずっとございますから、これからの私学振興の在り方について、二分の一、一番たしかたくさん経常費の割合からいいますと国が予算化したのは二八%ぐらい、大学の場合は、ではなかったかと思います。そして、高等学校以下につきましては、それぞれの都道府県が行う補助の半分を国が負担するというふうな形で法律を作ったわけです。  そこで、今回の私立学校法の一部を改正する法律案の中で、私立学校審議会について、これを都道府県の知事にもうほとんどゆだねて、細目は全部法文から削除するというのが大きなこの法律の三つの項目の中の一つですね。  これをちょっと拝見しますと、どうも文部科学省は、今の小泉政権の下でどんどんどんどん教育費も含めて削減が行われてきている、どうも私学振興についても交付税化の方向に持っていこうとしている、それに合わせているんじゃないかという疑いさえ持つんです。これは大臣にお答えをいただきたいと思います。
  98. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) 私学振興助成法の在り方と歴史を踏まえて説明いただきまして、私も大学紛争のころ授業料値上げ反対闘争をやった経験がありますが、その裏でああいうことが行われておった、私学がピンチになったということがあった、反対運動、値上げ反対運動を大いにやったことも意味があったのかと思っておりますが。  そういう意味から、その後、憲法八十九条との関連があって私立学校法がありますけれども、さらにきちっとした支援をすれば私立学校振興助成法が要るということもあってこの法律ができていって、その段階で二分の一までだというお話を私も先輩からお聞きをしておるわけでございます。  そこで、これから正に国の方向として、小泉改革の中で三位一体論もあったりいたしますが、これは、これは私がこういう立場であるからですが、一般財源化してどんどん教育費も削れという方向にこれ持っていかれたらこれは大変なことでありますから、これはともかく私学助成の在り方、要するに地方分権、そして地方の裁量をいかに増すかという視点からこれはきておるわけでありまして、ただ、国立学校義務教育負担費等の削減なんといいますと義務教育費そのものが削減されるようなイメージという、これだけでも、もう非常にこのことを言い出すことが間違っているんじゃないかという議論も展開しております。  今回、御指摘のように、今、助成金の在り方、補助金の在り方の見直しということになりますと、おっしゃるように、この私立学校の経常費助成、これも地方に持っていけば一般交付税化と、こういう話が出るわけであります。事実、政権交代したときに、先生向こう側におられたと思うんでありますが、あのとき、赤松大臣のときにこれを一般交付税化しろというのが随分出て大騒ぎになって、我々も大変だというので、五割カットということがあったわけですね、それを我々、それは困るというので、結局七五%まで引き戻してもらったという経緯がございますが。  こういうことから考えますと、やはり私学振興を考えたときに、交付税化するということは、それぞれの自治体の考え方によってどうにでもなると。自由裁量はいいけれども、それによって増やすことも減すこともできるということでは本来の私立学校の使命を果たせないだろうという思いが私も非常に強いわけでございまして、これから三位一体論の中で次はこの話も当然出てくる可能性もあるし、もう現にささやかれていることも知っておりますが、これはやっぱり私学振興を、日本の国における私立学校の在り方、これはそもそも論、正に教育論、これをきちっと踏まえてこの議論に立ち向かっていきませんと、ややもするとその中に流されてしまう懸念、これは、非常に我々としてこれを認めるわけにいかない。きちっとした教育論を打ち立てながら、私学振興の在り方というものをきちっと打ち立てて臨んでいかなきゃいかぬ、今、私もそういう思いでおるわけであります。
  99. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 いや、大臣はそうおっしゃっていますけれども、非常に勘ぐりますと、今回のこの第十条の改正は、非常にもう都道府県知事の方にすべて任せて、細かいことは全部法律から削除してしまって、何か高等学校以下の私学助成については、もう地方にいずれ交付税としてかどういう形か知りませんけれども任せるんだと、文部科学省はタッチしないんだという、そういう布石をここで打たれているような気がするんですが、そうじゃないんですか。
  100. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) この問題は規制緩和等々からきておりまして、私立学校の在り方そのものが、私学団体が私学審議会の中に過半数を持っているということになると、それ以外の参入は一切認めないのかという議論がありまして、この辺については、これはもう私学審議会の在り方そのものだから、どういう形で今後私学の運営の在り方について考えるかということについては、これはやっぱりその認可権を持っている知事の下で判断をいただくべきことであろうということでこの改正を行っておるわけでございまして、そういう意味では地方の裁量性を増すということは事実だろうと思います。  しかし、根本的に、この私学振興法という法律があり、そして学習指導要領を持ち、やっぱり私学教育の根幹を国が持つということにおいてはこの姿勢は変わらないものでありますし、また、この補助金をどうするかという問題についても、やはり教育の格差是正、そういうものから考えてこの制度というのは維持されるべきものであろうと思っておりまして、ただ、これが見方によってはもうすべて知事の裁量でどうでもなるんだと、こう言われればそのとおりと言えないこともない。正に、その健全な在り方については、認可権を持っている知事が、既にもう私立学校の認可権については知事に移譲されているわけでありますから、その中でやっていただくということがこれは基本線にあるわけでございます。だからといって、私学教育の重要性を国がすべて一律に地方へということには私はならないんではないかと思うんです。
  101. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 そうすると、大臣は、本来は私立、いわゆる幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、大学院というそういう、あるいは専修学校、そういう学校の区分ではなくて、私立学校全体として文部科学省が責任持つんだと、それが本来は望ましいと、そして大臣としてはそれを守っていきたいと、そうお考えですか。
  102. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) 私は、私立とそれから公立とありますけれども、公立においても教育の根幹は、義務教育の根幹は政府に責任があるんだという考え方、これは教育の、国民すべてに及ぶ教育についてはやっぱり国にその責任、最終責任あるわけでありますから、そういう形が望ましいと考えております。  しかし、実際に教育を行う現場の在り方、これをやっぱり尊重しなきゃなりませんし、特に私学においては高校以下、知事にその権限が移譲されておるわけでありますから、その現場においてお考えをいただき、その地域の特性、いろんなものを発揮していただく、これが必要なことでありましょうから、そういう方向に向けて必要なものについてはそれは改正をしていかなきゃならぬだろうし、今回の法律改正もその一つがそこにあると、こう考えております。
  103. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 私がなぜそれを申し上げるかといいますと、この私学振興助成法を制定した後、特に幼稚園の場合に顕著だったんですけれども、幼稚園についての地方交付税の積算基礎、積算基礎というのを大体表に出すというのは交付税じゃなくなってしまうわけですから変な話なんですけれども、これとリンクさせていこうと、積算基礎と国の私学に対する助成とをイコールにしようということで進めていったわけです、実際問題として。そうしますと、都道府県でもうばらばらなんです、幼稚園に対する助成の在り方が。それで結局、地方交付税自体を一体幼稚園については幾ら積算しているのか、どれくらいそれぞれの都道府県に来ているのかということ、全国全部明らかになってしまったんです。そして、それに基づいて、非常に地方交付税制度としてはおかしなやり方だったんですけれども、それを明らかにしてしまった上で、それと私学助成とをリンクさせたという経験があるんです。それを考えますと、今大臣がおっしゃったように、地方自治体に任せていくんだということに小泉政権の方向としてはなるんだということになりますと、私学助成というのが都道府県によって高等学校以下についてはばらつきが出るということが予測されるんですね。これについてどうお考えですか。
  104. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) 確かに、地方の裁量を増す、教育費、地方交付税についてこれは自由に使える、正に、算定根拠はあるけれども、使い道については地方の裁量だと、こういうことになりますと、その首長さんの考え方によって教育に掛ける経費の問題に差があるということは想定されるわけでありまして、これをどのように全体の水準維持を果たしていくかという観点から、むしろ国による補助金というものが一つの核になってきて、これが地方にあって、これに加えてどう考えていくかということ、そのことに県議会なりそれぞれの議会、県においては県議会がそのことに思いをして私学助成を考えていただく、一つのこれが基準といいますか、そういうものになってきて、その役割をこれまでも果たしてきたわけであります。  だから、そういう意味で、この国庫補助制度といいますか、こういうものがなくなっていって一般財源化ということになると、正にその辺の私学助成が削減されるおそれというのは、これは十分私はあると思いますね。それで、特に学費が上がっていく、そして公私間の格差に差ができる。そうすると、多様な教育選択の機会が失われる。要するに教育の機会均等という観点から問題が起きる。さらに、格差が生じるということは教育の質の低下という問題も起きるであろうということから考えると、やはり今私学助成を行っている国の補助制度というのは、これはやっぱり各都道府県の私学助成を誘導していく意味で、教育政策的にも私は意味があるし、国全体の私学振興の役割、これは国の役割であると、このように考えております。
  105. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 そうしますと、小泉政権が続けば、この高等学校以下の私学については文部科学省の手から離れるおそれは多分にあると、そういうことですか。
  106. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) 西岡先生言われる、正に完全に交付税化された場合にどうかと、こういうことかと思いますが、これは、そうしますと、正に私学振興助成の誘導策をどういう形で今後担保していくかということをきちっと教育論として踏まえない限り、そういう懸念があることは私も否めないことではないかと思いますね。
  107. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 そこで、同僚議員の鈴木議員から本会議でも御質問申し上げましたし、この委員会でも意見が出されておりますけれども、この私学振興助成法を作るとき、いろいろと私どもも考えたんです。考えたんですけれども、当時は全く私学の経常費助成というものがゼロでございましたから、緊急避難的に百三十二億からスタートしたお金があっただけですから、これは年々増えましたけれども。そこで、ある程度まで私学に対する経常費助成の予算を獲得できた時点で教育費全体を考え直してみようと。  すなわち、生涯教育ということもその当時ごろからようやく議論になってきたわけでして、一人の国民がおぎゃあと生まれて死ぬまでの間、一生の間にどれだけの教育費を公が負担するのかということを積算をして、そしてそれをクーポンとして交付するという、クーポン制とも言いますし、バウチャー制という言い方も、いろいろあるんですけれども、そういう制度を導入するということも私どもは当時考えていたわけです。    〔委員長退席、理事亀井郁夫君着席〕  ただ、財源が全くなかったわけですから。今は私学についてのある程度の一定の財源がございますし、この場合には、国公私立を通じて全体の教育費の負担の在り方について文部科学省としては、こうした、私は小泉改革というのは改革か改悪かよく分からない、反対なんですけれども、こういう状況の中で非常に今大臣のお話のように、私学振興助成法の中で高等学校以下も分からなくなりそうだということを私も感じておるんで、そうであるならば、この際むしろ文部科学省としては打って出て、バウチャー制度を導入すると。生涯教育という、生涯学習という、教育ではありません、生涯学習という状況の中で教育クーポン制というそういう制度を導入するということを検討するということは、私はやっぱり行政でも政治でも一つの政策を実行していくという場合に受け身に立ったらこれは負けですから、正しいと思えば攻めていかなきゃいけないと私は思うんです。  そういう意味で、文部科学省としてそういうことも検討の中に入れて臨まれた方がいいのではないかと思いますけれども、いかがですか。
  108. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) この教育クーポン、バウチャーといいますか、バウチャー制度の在り方、これについて、我々結論からいいますと、研究課題であるという認識は持っておるわけでございますが、現実にこれを確立してやっていく状況、国際的に見てもこのことの、アメリカ等においてもブッシュ大統領そういう話をされたんでありますが、各方面の反対があってなかなか予算ができなかったという状況でございます。  それから、イギリス、フランス、ドイツ、ロシアにおいてもこの制度、実施されていないということもあって、どういう形で教育バウチャー制度を評価していくか、この問題点をどうするかということはもっと考えていく必要があろうと私は思っておりますが、私立学校が入学選抜制度をやっている中で、正に教育機会、学校選択の幅に結び付くのかどうかというような問題、それから発券業務の問題、それから教育バウチャーによる教育機関の競争が教育機関の格差を生むんではないかとか、教育全体の活性化にこれがつながるのかという問題がまだきちっとした点において一つの統一した考え方になっていないということがございます。そういう面で、この教育クーポン・バウチャー制度を現時点で導入することについては、執行上の効率性の問題等も含めて検討すべき課題がまだたくさんあるんではないかと、こう思っております。  ただ、物の考え方として、これに対して対抗上こういう考え方はどうかと言われれば、これは検討課題の一つであろうというふうに思います。
  109. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 一方で文部科学省は、これも小泉総理の御指示のようでございますけれども、特区という名の下に株式会社の学校をお認めになったんですね。今それは実態としてどういう学校がどういうふうに株式会社として運営されようとしているのか。実態は今幾つあるんですか。    〔理事亀井郁夫君退席、委員長着席〕
  110. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 特区における株式会社参入についてのお尋ねでございますが、本年度から三校、一校は大学院、一校は大学、そして一校は中学校の、その学校三種につきまして株式会社立の学校が特区という制度の中でスタートしたところでございます。
  111. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 それは私立学校法のもちろん外側にあるわけですね。
  112. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 委員御存じのように、私立学校法は学校法人が設立する学校を私立学校と定義をしてございますので、この株式会社立学校はその対象外でございます。
  113. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 いや、だから聞いているんです。  そうすると、株式会社学校というのは所管はどこにあるんですか。
  114. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 特区における株式会社の参入は、設置者は、現行法では特区以外におきましては国、地方公共団体、学校法人と限定をされております、この例外として株式会社あるいはNPO法人を認めるものでございますから、設置者だけの例外でございまして、例えば学校教育法の適用につきましては、それぞれ所管でございます、大学の場合には文部科学大臣、高等学校以下の場合には都道府県知事がその所轄庁になるということになるわけでございます。
  115. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 法律にはどのように規定されているんですか。
  116. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 学校教育法で申しますと学校教育法の二条、設置者についての特例をいわゆる構造改革法、特別法で認めておりまして、それ以外については特別な規定を設けておりませんので、学校教育法がそのまま設置者についての特例以外については適用になるというのが原則でございます。
  117. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 そうすると、株式会社の学校というのは、文部科学省の、大学についても監督外ということになるんですか。
  118. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 説明を申し上げている私の説明が不十分であったかもしれませんが、所轄庁については学校教育法の適用は変わっておりませんので、例えば、大学を株式会社が特区という特例の地域で設立しました場合には株式会社立大学ということになります。大学についての所轄庁は文部科学大臣でございますので、文部科学大臣が一定の権限、責任を負うわけでございます。
  119. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 じゃ、私学部長の御認識は、株式会社という組織は何を目的としているんですか。
  120. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 株式会社についてのその特性の説明の仕方はいろいろあろうかと思いますけれども、株式会社について私どもよく特徴的に議論するときに申しますのは、株主の利益を追求する、利潤を追求する組織体であって、これを最大化する、極限化することが当面の目標である組織体だと理解をしておりますし、それが第一の特徴だと思っております。
  121. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 私もそう思います。  そういうことと教育とがマッチするんでしょうか。
  122. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 特区の議論の際に、株式会社参入論については様々な議論がございました。委員御指摘のように、株式会社の本来の利潤追求といった性格が、基本的な性格が公教育、公の性質を担う学校を設置する設置者としてふさわしいのかという議論がございました。利潤を追求して、学校を経営しながら利潤を追求して、その利潤を教育研究条件の改善のために再投資する、してくれればいいわけですけれども、それよりも株主の配当に回ってしまったときに本当にその教育の又は研究の維持向上につながらないおそれがあるではないかといった観点からの議論でございました。私どもそういった観点から、そのまま株式会社が学校を設置ということについては大変懸念があったわけでございます。  したがいまして、特区の制度設計をいたします場合には、株式会社の特例は認めますけれども、その公共性、継続性、安定性を確保するための一定の要件を法律上明記をいたしておるところでございます。例えば、外部評価でございますとか、それから万一の場合のセーフティーネットの構築でありますとか、実際の学校運営を考えましたときに、そこに学ぶ者又は関係者の利益、期待権等を十分勘案した最低限度の株式会社に対する規制、要件を掛けたというのがスタートしております特区制度のあらましでございます。
  123. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 今度の私立学校法の一部改正の、言わば文部科学省としてのこの法律を改正するという動機というのは、一部の私学におけるいろいろな問題が起こったと、これが一つの動機でこの法律を、改正案を提案されたというふうに私は認識しますけれども、違いますか。
  124. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) お答えをいたします。  今般の御審議をお願いしております私立学校法の改正案の背景としましては、委員御指摘のような、学校法人における不祥事が実際見られた、背景の一つとしてあったということは否めないと思っておりますが、それを契機として私学関係者が検討いたしました際には、単に不祥事への対応だけではなくて、大臣も先ほど説明しておられましたけれども、学校法人を取り巻く様々な社会の激変、国立大学の法人化でございますとか様々な法人制度の見直し、あるいは委員御指摘のような特区における取組等、様々な変化を踏まえたときに、学校法人としてどうやって自ら積極的に改善を図っていくべきか、委員がおっしゃいました、打って出ていくべきかということを関係者は議論をなさったわけでございまして、そういったもろもろの総合的な議論、判断の中で今回の法改正の基になるレポートができ上がったと私ども思っておりまして、ある大学の不祥事のみがこの要因になっているわけではないと理解をいたしております。
  125. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 特区ということで何でも許されるということは私はおかしいと思っているんですけれども、株式会社で学校を経営したいというのがどんどん希望者が増えていったときにどういうふうにされるおつもりですか。
  126. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 先ほど来御説明をしておりますように、株式会社立学校はあくまでも特区という特別なスキームでこの十六年度からスタートしたわけでございます。  確かに、特区のスキームについては特定の地域に限定されておるわけでもありませんし、文部省がよく用います指定校方式のように数が限定されておるわけでもありませんから、希望をすれば、すなわち地方自治体の発意と責任の下で特区の数は限定なく増えていくわけでございます。今のところ三校でありますが、委員御指摘のように、株式会社の参入がこれから増えていくことも予想されるわけでございます。しかし、これをどう、これにどう対応していくかということは、特区のスキーム自体が全国化に向けて評価をすることになってございますし、そのための委員会も既にスタートをしております。  私どもとしては、特区におけるその成果が学校教育においてどういうプラスをもたらすか、学校教育制度の活性化をもたらすのか、学校法人制度にとってプラスになることはあるのかといったことを冷静に評価をし、しっかり時間を掛けて教育論の観点から評価をした上で、これを全国化すべきか、株式会社という特別な設置形態を現行法に加えていくべきかどうかを時間を掛けて検討していく必要があるのだと思っておるわけでございます。
  127. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 大臣にお尋ねをいたしますが、本当のことを、本音をおっしゃっていただきたいんですが、文部科学省としては株式会社の学校設立は望ましくない、本来は望ましくないと、そうお考えではないんですか。
  128. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) 私もこの話を聞いたときに、株式会社の在り方というのは正に利潤追求だと、株主還元だということになっていくと、教育がその方に引っ張られるということは非常に好ましいことではないと私も思いました。しかし、また一方、これよく考えてみると、今の教育の在り方に対して、学生や親のニーズにきちっとこたえているのかどうかという指摘もある。  そうした中で、株式会社が資金を集めやすいという観点、しかしそれが余りにも利潤の方へ追求していったならば、当然学費も上がっていくだろうし、それにもう恐らく、需要者といいますか、教育を受ける側の要求にもこたえられなくなっていくはずだから、私はそこは株式会社が成功するとは思えない。  しかし、教育の質をもっと上げるんだということにおいて実験的にやってみたいと言われることについては、これは一つの参考として、あらゆる教育の選択肢の中の一つとして考えられないことではないと、こう思って、私はむしろ私学側に株式会社でやっている教育が見習う点があったら大いに見習って参考にされたらいいとまで申し上げておるわけでありまして、やっぱりそういう意味で、正に教育の質といいますか、教育が信頼される、期待にこたえるものになるかどうかが勝負であって、そこはやっぱりきちっと評価をすればいいわけです。  だから今、現実に今やろうとされている方々は、やっぱり教育をそのまま利潤にしてというわけにいかないだろう。むしろ株式会社の考え方でいったら違うけど、それはもう利益還元じゃなくて、株式会社にも我慢、株主にも我慢してもらって、むしろもう、更に利益はもう一回教育に再投資だということも今表明されておりまして、これは何か株式会社からいうと違う新しい会社じゃないか、株式会社じゃないか、むしろ第三の法人ではないかという話も今一方では出ております。NPOとまた、NPOに近い物の考え方になっておられるなと思って聞いておりました。  当然そういう抑制が働くはずでありますから、一概に株式会社だからすべてノーだと言うわけにはいかない点がある。だから、特区で今やり、それを評価する、これもあらゆる国民の皆さんの選択肢の中の一つだと、私はそう考えております。
  129. 西岡武夫

    ○西岡武夫君 この問題は、私は、文部科学省がやはりきちっと毅然たる態度で、教育というものは何なのかという、どうあるべきなのかということを確固としたものを持って、毅然として、たとえ内閣総理大臣が言われても文部科学省はそれに従わないというぐらいの、ぐらいではなくて従わないという気迫で臨んでいただきたいと思うんです。そうだと言われちゃったからしようがないんだと。そうしますと、私が心配しているのは、このままでずっと行きますと、どうも、小泉改革というのがどういう形で進むか知りませんけれども、文部科学省というのは必要ないんじゃないかとなりそうなんですね。私はそれ心配しているんです。  大臣の御健闘をお祈りをいたします。  終わります。
  130. 中島章夫

    ○中島章夫君 民主党・新緑風会の中島章夫でございます。  ただいま西岡委員の方から私学振興助成法の昭和五十年、五十一年のころのことが話題に出ました。私も常日ごろ、教育の長期の流れをとらえながら教育の政策を検討していくべきだと常に考えているものですから、たまたま大変大事な節目のところに話題が出ましたので、そこからひとつ入らせていただきたいと思います。  お手元に「学校段階別進学率の推移」という、これはたまたま元文部省の大学局長、それから学術国際局長、次官等をされました木田宏さんが書かれました「学習社会の大学」という一九九五年の本から抜き出したものでございます。  私が見ていただきたいのは、それはちょっと見にくいんでありますが、上にどうも汚い字を書いてまた消したりして申し訳ありませんが、一九五〇年、つまり昭和二十五年ですね、新制大学がスタートをした年であります。それで、二番目の欄の、上の二番目の欄の進学率というのは、これは高校の進学率であります。一九六五年、つまり昭和四十年のところを見ていただきますと、進学率は七割、七〇・七であります。これ、fなんて書いてあるのは、左側がm、男性で、右側が女性であります。ついでに申しておきますと、昭和四十五年、一九七〇年に女子の進学率が、高校の場合、男子を凌駕したということになっております。  そのことはさておきまして、さっきの欄で、一九六五年、昭和四十年の七〇%から一九七五年の九一・九、昭和五十年ですね、急速な進学率の伸びがございました。つまり、戦後のベビーブームの波が昭和三十年代の後半に高等学校へ押し寄せまして、昭和四十年代に入りますと大学へ押し寄せると、こういう時期に入っていたわけであります。  ついでに、先に見ておいていただきたいんですが、その次の三つ目の欄、上で、進学率3とありますところ、一九五五年、昭和三十年ですね、一〇・一%であった、新制の最初の卒業生が出ていったころ一〇・一%でありました大学への進学率が、その後増えてまいりまして、どんどんどんどん増えてまいりまして、一九六五年には一七%、そして先ほど言いました七五年、昭和五十年には三七・八%になっておりますが、そこから後、五年ごとの数字で、一九八〇年、八五年、九〇年と、実は九〇年の平成二年のところまで、約十八年間ですが、二十年近く高等教育の進学率が止まっております。  ところが、進学率5の欄でごらんいただきますと、昭和五十年に、一九七五年ですが、三・五。まあこれは実際はこの年にスタートをしたんですが、制度的には、実際の卒業者の、進学の実際の学校のスタートは一九七六年ですが、それで印が書いてあるんですが、いずれにしても三・五から始まって、九四年、この本を書いた時期には一八・五、今日二〇%ぐらいまで増えてきている、つまり専修学校が増えてきていると、こういう数字であります。これは、実は先ほど西岡先生がおっしゃった私学振興助成法のころからの後の趨勢をとらまえておりまして、この間抑制をされたわけであります。  ただ、私がここでちょっと指摘をしたいのは、その前にいわゆる四六答申、昭和四十六年ですね、一九七一年に四六答申が出まして、その直後に高等教育懇談会というのが出ておりまして、高等教育の整備計画についてということをこのとき言っておりまして、当然にこの進学者の高等学校から大学へ押し寄せていく、そういう数を将来どのようにして受け止めるかと。  これは、大学というのは、大学に限らず、特に大学はそうですが、一律にしてはならないわけですから、ある種の計画を、予測をして計画を立て、それに対応するというのは当然必要になってくるわけであります。で、昭和六十一年、一九八五年ぐらい、八六年ぐらいですね、六十一年の進学率を四一%と想定をいたしまして、その進学率の上昇の間に国公立を毎年一万人近く増員すると、そして、この間私学がずっと増えてきておりましたので、地域間の進学率の格差や公私の比率を是正しようという、こういう計画を持っていたということであります。  つまり、高等教育については今日大変大きな数、私学では八割をだかえているわけですが、すべての私学がエクサレンスに相当する教育内容と水準を持っているわけではないと。非常に多くの教育の機会を提供してくれてはおりますが、いざそれにどういうふうに補助し、そしてこれから集中的に支援をしていこうかというときに、それに平等にみんなというわけにはいかないと。今日、手ぬるいとはいいながら、私学助成もそれぞれ特色のあるところに重点的にという建前でやっておられるはずです。  ところが、実はこのときに、今一つおっしゃった、西岡先生が言われた私学振興助成法、これができてまいりましたのは、実は先ほど言われた昭和四十五年のころから、学部の設置についてはその補助金をもらうときに、私学が作っていくときに学部の設置については認可が必要でしたが、その下の学科の設置とか定数の増というのは自由だった。したがって、どんどんどんどん私学はそういう部分で、学部のところはあれですが、学科を増やし定数を増やすということで私学助成をどんどん手に入れると。  こういう、つまり私学助成を増やしてみても、私学は勝手に定数は増やすし、学科を増やしてしまうというようなことでは、水準の維持ということもありましょうし、何かざるにお金を、水を入れているようなものだと、こういう判断もあったし、このころから、高等教育がここまで伸びてくると、本当に高等教育というのはこれ以上進学率が伸びていくというのは本当の姿であろうかという、そういう御検討も与党の政策の中にあったはずでございます。  そういうことから、実は私学の緊縮措置、つまりこの私学振興助成法では、学部、学科の新設、それから定数の増に至るまで認可にかかわらしめた。ちょうどこのころ、高等教育機関等を大都市にこれ以上作らせないとか、いろいろそういう動きもあったやに聞いております。したがって、この法律が、先ほどちょっと見ていただきましたように、この辺りからずっと増えてきた高等教育の進学率が約二十年間止まると。その代わり、都市部にできてきて、特に男子で特徴的になります専修学校へずっと流れていく、こういう動きができたのがその前提であります。  実は、私がちょっと先に言っておきたいのは、高等教育計画ということが、先ほど言いましたように事前に、そういう社会の発展、それから生徒がどういうふうに増えていくかということは、先ほどお話がありましたように常にその計画を立てて対応しておかないと、後追いでは駄目なんですね。ところが、このころから高等教育計画というのが聞かれなくなった。  つまり、私は前にも一回中等教育のところで指摘をしたんですが、中等教育の増加はその直前からずっと始まっておりましたが、その枠を増やすのにもう精一杯で、量的な拡充ばかりに手一杯でありまして、質的な拡充は本当にやらずに、もうほとんど、こう言っちゃ悪いですが、手付かずのまま今日まで来ております。私はこれ大問題だと思っておりますが。高等教育に関しても、私学に量的な拡充をお任せをするという形がこの時期から実は、専修学校もほとんど私学でありますから、そういう形に定着をしてしまって、高等教育の水準をどこが守るかというその非常に大事な判断を欠いてしまっているんではないかということを私は言いたいのであります。  ちょっと長くなりますが、もう一つ、同じころのアメリカの発展をちょっと御参考までに申しますと、アメリカの大学が大衆化いたしますのは一足先でありますが、ちょうど第二次大戦が終わります直前の一九四四年に、御存じの方がいらっしゃると思いますが、GI法というのが成立をいたしまして、いわゆる復員軍人に対しまして生活費、学費付きで特に高等教育機関に収容していったということで、高等教育がずっと増えていきます。このGI法は、一九五〇年の例の朝鮮戦争、昭和二十五年ですね、このときにも有効に働きまして、またその後、一九五〇年代には、例のケネディの公民権法、ケネディに至ります公民権法ということで、それまで高等教育に入るチャンスを与えられていなかった黒人その他の人たちにもずっと広がっていく、こういう時代であります。  そこで、この時期にトルーマン、一九四七年ですが、トルーマン大統領の委員会が高等教育に関する長期計画目標を立てまして、大学適齢人口のうち最小限、四九%は大学前期、つまり今のコミュニティーカレッジぐらいの、大学前期ですね、教養の、まあ教養はなくなりましたが、教育を受ける知能ありと、こういうことを発表しまして、その後、一九六〇年代にかけて約七百校のいわゆるコミュニティースクールというのができていったという、そういう時代であります。つまり公立、税金で賄われている公立でそういう社会的な高等教育の拡充政策を受け入れたという、そういう政策を一方で取ったわけであります。  このことには、例のカリフォルニアのマスタープラン、カリフォルニア州で州立大学のマスタープランが出まして、上位、トップはバークレーとかUCLAとかというユニバーシティーのところは一二・五%、トップ。それから、次位の三分の一ぐらいは州立四年制カレッジ、今カリフォルニア州には二十四ほどあるはずです。残り三分の二のところまで、同年齢層の三分の二のところまではコミュニティーカレッジというふうに、どこの州もこれをかなり参考にしたものですから、公立で受け入れていったということであります。  ちょうど同じ時期に、ハーバードとかイエールとか、いわゆるアイビーリーグはこの拡充をしませんで、入試水準を引き上げて授業料も引き上げるという、こういうことをやって、結局、こういうところがアメリカでは今日学問水準の維持を図っているという大学であるということがもうその後明確になっているんですね。  こういう政策、つまり国公私立によります役割分担、こういったものがずっとありました。アメリカではそういう形ですが、日本の場合には、このちょうど一九五〇年、いや、一九七五年、昭和五十年前後の大学の拡張期に私学にお任せをし、私学振興法というのができたところで安心をしちゃって、計画、つまり高等教育計画というものが忘れ去られて、その反面で大学のエクサレンスという部分をどこで守るのかという政策が消えたんではないかという気がするんですが、この辺について大臣のコメントをいただければと思います。
  131. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) 確かに、委員御指摘のように、戦後といいますか、高等教育において、戦後、正に大学の進学率もああいうふうに増えていった、それと相まってといいますか、量的な拡大がずっと図られてきたと思います。それで、結果的に今見ると、私学の比重というのが世界でも日本が一番大きい、これが我が国の高等教育の特質になっておるわけでございます。昭和五十年に、やっとといいますか、先輩の方々の御努力で私立学校振興助成法が制定をされたということで、国立大学に関しては大学教育の機会均等の面と高度な学術研究という面でありますが、これにかなり力が入れられた。国の政策目的というのもあって、整備が進んでいったわけであります。  こういうことで、高等教育の量的拡大に伴って質的充実という点がいかがであったかということでありますが、これも、遅まきながら大学審議会、昭和六十二年からの、において大学分科会という形になっていって、現在は大学分科会でありますが、ここにおいて自己点検・評価の導入あるいは大学評価、それから学位授与機構を作る、それから第三者評価制度を導入しようということで学校教育法の改正もされてきたところでございまして、今回、この私立学校改正法によって、国立大学も法人化するという一つの大きな節目に来ておりまして、大学全体の環境が大きく変わってきたと。ましてや、十八歳人口の推移、少子化、この中で大学の整備状況を考えながらやっぱり高等教育全体を展望する視点を持たなきゃいかぬということ、この重要性の認識というのが今出てきておると思うんです。  そういう意味で、中教審においても正にグランドデザインを今検討していただいておるところでもございまして、正に十八歳人口急減、このときに高等教育への、いわゆる大学への進学率がどういうふうに進んでいくのか。私学経営者の中には、どんどんこの調子で、今は五〇%近い、これが六〇、七〇にというところまでなかなか行かない、そこにもうギャップが出ておりますから、そういうことをどう考えていくのか。それから、全国の大学が特色を持って発展をしていくのか。公私の役割分担、これはどうあるべきかという問題。それから、最近では大学院の充実の問題も出てまいりました。  こうした大学教育全体の在り方を多面に、多岐にわたって論点、論じていただく必要がありますので、そういう意味で今正にそのグランドデザインの検討をいただいておるところでございまして、文部科学省といたしましては、大学が一層個性化していく必要がございますし、多様化していく必要もある、そして極めて競争的環境も高まってきつつあります。そして同時に、国際競争力、これも醸成していかなきゃいかぬ。こういう情勢下にあるわけでございまして、それにこたえる人材を、高等教育において世界水準の人材をどういうふうに作っていくかという役割も大学は担っておりますので、そういう視点に立って早急に将来構想を打ち立てていくときを迎えておると、このように考えております。
  132. 中島章夫

    ○中島章夫君 これも以前にお見せした、本当はお配りをしたらよかったんですが、OECDの五か国、日本を含むものの教育費、一番長い青いのが、これ皆さん見にくいかもしれませんが、真ん中の茶色いのが初等中等教育費で、下に小さく縮こまっているのが高等教育費ですが、いずれも、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツと比較をして日本は最低であります。  高等教育というのはお金が掛かる、まあ義務教育の場合もそうなんですが、お金が掛かると。日本で私学が八割、私学へ行っている、高等教育について私学へ行っているのが八割とすれば、その中でもやはりエクサレンスということは考えてもらわなきゃ当然いけない、全部がというわけになかなかいかないのかもしれません。  その際、やはり今回の私学法の改正、ちょうど先ほど五十年、例の私立学校令から五十年というのはなかなか面白い御指摘でありましたが、あえて言えば理事者、ちょうど昭和四十年代から五十年代にかけて多くの私学がスタートをいたしました、この理事者が交代の時期に来ております。あわせて、今、経済の我が国は長い停滞期にありますし、学生生徒数の減ということもありまして、非常に大学は冬の時代に入ってきておりますので、今回の私学法の改正、長い間、昭和二十四年にできてから何もできていなかったという意味では期待をしたいところがあるんです。  期待をしたいんですが、私が今ちょっと申し上げたような私学の充実のために、どういうふうにこれ、今回の改正で変化をすることをどれぐらいの期間を掛けて、先ほど来、ちょっと午前中からの御議論の中で、これから私学法は何度かやり取りしながら、何度か見直しもやっていかないかぬというようなお話もありましたが、どれぐらいの時間を掛けてどんな効果をこの私学に、我が国の私学全体に及ぼそうとしておられるのか、可能な範囲でお答えいただきたいと思います。
  133. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 今回御審議をお願いをしております私立学校法の改正の骨子は、社会の様々な変化に積極的に果敢に対応できる学校法人の経営機能の強化を目指しておりまして、それぞれ、理事、理事会、監事、評議員会が本来の役割、機能を十全に果たすことが肝要であるという基本的な考えの下に法案を提出させていただいておるわけでございます。  委員御指摘のように、その成果がどのくらいの期間で現れるんだと、また更に私学法の検討が必要になるのかということにつきましては、まずは今回の法案の改正を実現させていただいた暁には、各学校法人に今回の法案の趣旨の徹底を図らせていただきまして、学校法人の課題をそれぞれ解決するなり見詰め直すなりしていただいて、取組をまず形にしていく、着実に改善を図っていくことが必要だと思っておりますし、それでなお更に検討が必要だということが、課題が見えてまいりました際には、改めて行政課題になってくるものだと私は思っておるわけでございます。
  134. 中島章夫

    ○中島章夫君 ただ、先ほど来これも議論が出ております監事とか評議員会というのは、これも、私も財団の運営をやっておりまして、財団の運営とこの学校法人の運営とを全く同じにするわけにはいかないですが、いろんな場面で今までも何度もいろいろなものを見てきておりますが、余り機能してきたという例はないんですね。つまり、理事者側に非常に強い圧倒的な力がある。つまり、監事も理事者がもちろん選ぶんでありますし、評議員も結局のところ、名簿を作り、それを作って選んでいくのは理事者であります。  そういう意味で、今まで私も、これも別途私大ユニオンという組織を少しそばから一緒に見ておりまして、ここで管理運営の問題について調査をいたしました。そのトラブルというのは、ほとんどがこの管理者と教学側の学長なり教授会との間のトラブル。つまり、本来なら大学の中心でありますべき教授会の運営というものに一々口を挟んだり、そこまで乗り込んできてということは本来ないはずなんですが、こういう大学の冬の時代でありますから、全部非常勤採用、非常に多くの者を非常勤採用にしたり、あるいは勤務条件からいろんなことまで決めてきたりといういろんなトラブルが起こっております。  今回の改正では、骨格は作りますけれども大学にお任せをするという形の中で、こういうトラブルの解消に有効に効いていくとお考えかどうか、その点についての見通しをお聞かせください。
  135. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 委員御指摘のように、現行の学校法人制度、また具体の運営におきましても、一部の学校法人の組織が形骸化しておって本来の機能を果たしていないという課題が確かにあるわけでございます。そして、先ほど申しましたように、今回の法改正の趣旨を、法改正が成りました際にはその趣旨を学校法人等に十分趣旨徹底を図りまして、本来の役割、責任、機能が十全に果たせるように努力をしてまいりたいと思っております。その中で、形骸化しているものが実効ある活動をするようになる、若しくは、先ほど専横、独断の話も出てまいりましたけれども、本来あるべき理事会と監事と評議員会の相互チェック機能が働いて、結果的に学校法人の健全な経営が実現できるといったことも大きく期待をしておるわけでございます。  中でも、教学サイド、理事者側との問題の御指摘もございました。私ども、先ほどの答弁でもお答えをいたしたと思っておりますが、学校法人における理事会の役割は、意思決定機関、最終的な意思決定機関であるというのは現行法でも今回の審議をお願いしております改正法でも変わらないと思っております。一方で、教授会の位置付けは、これも委員十分御存じのように、学校教育法に位置付けられておりまして、大学の重要事項を審議する機関として位置付けられておるわけでございます。これを受けて、具体には、例えば学校教育法施行規則によりますと、学生の入学等の決定について、これについては教授会の議を経て学長が定めるといった一定の権限も法定をされておるわけでございます。  したがいまして、この理事会と教授会、教学サイドとの関係になるわけでございますが、学校法人の意思決定機関は理事会でございますけれども、学校教育法又は施行規則上は、学長、教授会に教学面における一定の事項についての審議といいますか権限を与えておるわけでございますので、理事会としてもこういった学長、教授会、教学サイドの意思又は決定に配慮をすることが当然だと私どもは考えておるわけでございます。  基本的には、こういった原則、その関係の下で理事会と教授会の具体的な権限関係が法人ごとに決まるわけでございますが、各法人においては適切に判断されることが必要であると思っておりますけれども、一般的には、両者が適切な私学経営に求められる相互の役割分担を理解し、かつ協力し合いながら学校経営の責任ある運営に当たっていくことが必要だろうと思っておるわけでございます。
  136. 中島章夫

    ○中島章夫君 中途半端ですが、終わります。時間が参りました。
  137. 山本香苗

    ○山本香苗君 公明党の山本香苗です。  お疲れさまでございます。初めて今日は政務官にも来ていただきまして、御答弁をお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  先ほど来お話がございましたとおり、改正論議のスタートにはいろいろと不祥事のお話もあったそうでございますけれども、今回の法改正は、全般的にこの学校法人制度を見直すという観点から、改善を図るという観点からなされるものだと承知しておるわけでございますが、まず最初にお伺いしたいのは、この学校法人制度自体についてお伺いしたいと思っております。  中島委員のお話の中にも、昭和二十四年に創設されたというお話ございましたけれども、この制度は世界の他の国では見られない日本独自の制度であると伺っております。なぜ、じゃ、この制度は生まれてきたのか。その成り立ちとともに、今まで五十年以上続いてきたこの制度でございます、これの果たしてきた役割を文部科学省としてはどのように評価をされていらっしゃるのか、お伺いいたします。
  138. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) 学校、私立学校の今日の状況、これからの役割、どう考えていくかということ。これは、私立学校が正に独自な建学の精神を持って個性豊かな教育研究活動をやろうということで生まれてから今日、現実には、大学生が約七五%、高校生が三〇%、幼稚園においては八〇%、これだけの学生を擁する一つの大きな役割を果たしてきたということ、そして学校教育の質、量、量の拡大という面もありましたが、この発展に大きな役割を果たしてきた。そういう意味からいえば、この日本の私立学校の果たしてきた役割というのは世界に例を見ない、今御指摘あったものだと思います。  ただ今日、社会経済情勢も大きく変わってきた。そして、国民のニーズもいろんな角度から求められている。そして、個性豊かな研究、教育研究活動を展開している私立学校への期待というのが非常に大きくなってきておる。と同時に、私立学校に我々が求めているのは、公教育の在り方としても、当然公共性や、そして安定性や継続性、これを維持しながら、更に多様な魅力ある学校教育を進めていただきたい、こういう我々の願いもある、国民の期待もある。そういうことで今の現状を見ていると、我が国の学校教育の活性化を図る上でやっぱり私学の活性化を求める、これは非常に今重要になってきたと考えておるわけでございます。  そこで、この私立学校が一層発展しなきゃいかぬ。国民の信頼を失うようなことがあってはならぬ。そういう意味で、今回の改正によって私学振興策が推進をしていかれる、そして私立学校が信頼を受けることになる、その評価を一層高めていかなきゃいけない、こういう観点で今回のこの私立学校改正法案をお出しし、これによって正に私立学校がこれからの役割を十分果たしてもらいたい、そういう期待といいますか、その使命が私立学校にあることをこの私立学校法改正によってはっきりしていきたいと、このように思っておるわけであります。
  139. 山本香苗

    ○山本香苗君 ちょっと学校法人制度自体のことについてお伺いしたかったわけなんです。ちょっと御答弁、もう一度お願いいたします。
  140. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 学校法人制度の基本的なことを補足させていただきます。  現在の学校法人制度の母体になりましたのは民法の財団法人制度でございました。このままでは公の性質を持つ学校の公共性、継続性、安定性を確保するためには不十分であるという議論がこの私学法制定当時にございまして、この財団法人制度を前提としながら、各要件を強化する形で新しい法人というのが構想されたわけでございます。  具体には、理事の最低人数を引き上げて五人以上とする、民法の場合には一人以上でいいわけでございます。それから、設置する学校の校長を必ず理事に加える、教学サイドの方が役員に入ってくるという特別な制度を学校法人制度は構想しております。それから、監事や評議員会を必置とする、必ず置かなければならない、内部のチェック機能が働くことを求めたわけでございます。それから、学校法人の経営に必要な資産を保有すること。こういった要件を従来の財団法人に言わば加える形で、要件を強化する形で新しく学校法人制度を構想し、その成果が先ほど大臣がおっしゃいましたように私学振興、拡充の形で実を結んだということになるわけでございます。
  141. 山本香苗

    ○山本香苗君 大臣、失礼いたしました。ちょっと次の質問に係るもので、学校法人制度の部分、ちょっと私学部長に補足していただいたわけなんですけれども。  というのが、先ほども西岡先生の御質問の中にもありましたけれども、株式会社の参入という問題もございます。四月一日から国立大学法人スタートしたと。今度は公立大学法人というものも出てくると。様々な設置形態というものが生まれてくるというか、そういう可能性がある中で、改めてこの学校法人制度というものの在り方というのを、これからの在り方というものを文部科学省としてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか、そのことをお伺いしたいと思います。
  142. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) 確かにいろんな形の法人の学校設置形態の在り方、これまでは国、地方自治体、学校法人と、こういう形で来ておるわけでございます。ここに新たに株式会社、さらにNPO法人のことも来ておりますが、そういう設置形態を求める声も出てきたということ、私はこれを踏まえてこれからの学校法人の在り方、やはり非常に公益性の高いものでありますから、この学校法人というものがやっぱり継続性、安定性、継続性といいますか、そういうものがやっぱり強く求められる部分があると思います。そして、やっぱりセーフティーネットといいますか、そういうものも必要になってくる。たとえ株式会社であろうとNPO法人であろうと、やっぱり学校の設置者というものは、やっぱりそういうものが根底になければならぬと、こう考えておるわけでございまして、そういう意味で、いろんな形で特区の相談等もあるわけであります。ありますが、我々の方針は、学校の経営の安定性、継続性をお考えになるならば、できるだけ私は学校法人の形で運営されることがやっぱり本来の在り方であろうと。しかも、これまでの長い歴史、伝統の中で、これがきちっと維持されてきた。  ただ、一方では学校法人の在り方が非常に安定性、継続性を求めるが余りに、私有財産をどこまで持てとか、そういう点について非常に作りにくいと。我々は、希望される方々はいろんな意味で、例えば不登校児に対応してこういうNPO法人のような形で、実際学校でないものの形で国民の要望を担ってきたけれども、これを学校法人にするについては非常にハードルが高いと、こういう指摘もありまして、この点については学校法人の在り方を少し見直していかなきゃいかぬ面がある。できるだけ多様な設置者の中に、学校法人に集約するとするならば、もっと学校法人に参入しやすい仕組みも考えていく必要があるんじゃないかと。これはまあ規制緩和の一つであります。  したがいまして、その学校法人に規定、これまでの学校法人の概念からいうと、あらゆる財産も自分持ちしなきゃいかぬとか、そういうものも少し緩和して、例えば校舎、空き校舎を使ったようなものだって実際に運営できるわけでありますから、そういうものはどうであろうかとか、これはしかし法人の、今回特区の考え方なんかで特にそういうのが出てきたんでありますが、どうやって、法人化する場合、特区でのNPOもそうでありますが、やっぱり公的な責任はどこが担保するのかということがありますから、自由に設置者がどんどんじゃなくて、それはやっぱり国は今大学の設置基準を持っておりますけれども、地方自治体がやっぱりある意味では公的な担保をしてもらう必要があるということで、特区においてもそうでありますが、やっぱり公共性を担保するという意味で地方自治体の中で一体となって学校法人に参入していただく、地方自治体の支援をいただいてやれるような形を取っていただくというのが私はこれからの学校法人の形ではないかと、こう思っておりまして、学校法人の在り方についてもやっぱり見直しをしながら、学校法人に参入しやすい形というのはこれから考えていく必要があろうと、このように考えております。
  143. 山本香苗

    ○山本香苗君 ありがとうございました。  この学校法人制度の在り方自体、これからもしっかりと文部科学省の中で御検討いただきたいと。悪いところは改善していかなくちゃいけないわけですけれども、是非とも前向きな御検討をしていただきたいわけでございますが、次に、具体的に今回の改正案の中身についてお伺いをさせていただきたいと思います。  今回の改正案の柱の一つでございます学校法人における管理運営制度の改善の中でも、特に監事機能の強化ということについてお伺いしたいと思っております。  と申しますのも、やはり理事会の機能の強化と相まって、今回、この監事機能の強化を図らなければ学校法人の適切な運営はできないわけでございます。極めて今日の学校法人運営の中で監事に課せられている責任というのは大きいんではないかと考えております。  今日の午前中の参考人質疑の中でも、この監事のお話、いろいろと関係者の方に、参考人の方にお伺いしたわけでございますが、まず選任方法についてお伺いいたしたいと思います。  今は、先ほども御答弁の中に、各学校法人にゆだねられているというお答えがございましたけれども、今回は、選定に当たっては大体が理事が選任するだけだったところに評議員会、評議員の同意を得ることになっているわけであります。しかしながら、やっぱり理事会、監査される側が監査する者を選ぶということは基本的に変わっていないじゃないか、そういう声もあったわけでございます。  やっぱり監査というのは独立性と専門性というものが必要だと思うわけなんですけれども、この監査の選任につきまして、監査という人がどういう方を想定していらっしゃるのかにもかかわってくると思うんですが、この専門性と独立性をどのように担保していくことが必要だと思っていらっしゃいますでしょうか。
  144. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) まず、監事の選任についてお答えをいたします。  現行の私立学校法では、学校法人の理事又は職員、教職員でございます、との兼職が監事は禁止をされております。これ以外に法律上の定めはございませんで、具体的な選任方法は、委員もおっしゃいましたように各学校法人にゆだねられている、各学校法人の寄附行為の定めるところによるわけでございます。  大臣所轄の学校法人、大学法人でございますが、の実態を申し上げますと、委員もおっしゃいましたが、理事会で選任するとしているものの割合が約三割でございます。それから、評議員会の意見を聞いて理事会で選任するというのが四割でございます。それから、評議員会で選任をするというのが三割。大体三様に分かれておるわけでございまして、学校法人ごとにそれぞれの特色や習慣に基づいた選任方法が規定されているわけでございます。  おっしゃられました、監事がその職責を全うするためには、監査される側がこの者を選ぶのではなくて、何がしかの工夫が要るではないかという御指摘を踏まえての御質問であったかと思っておりますが、現行の私立学校法で監事の具体的な選任方法では規定をしていなかったと、先ほど申したとおりでございますが、今回の改正法におきましては、先ほど委員も御指摘になった監査される側の者のみで監事を選任することは好ましくないという考えに立って、その趣旨を踏まえまして、十分に踏まえまして、監事は評議員会の同意を得て理事長が選任をする、評議員会と理事会側、その代表である理事長、双方が監事の選任についてかかわることにして、案を御審議をいただいておるわけでございます。  監事について評議員会だけで選任すべきであるという意見があることも承知をしております。先ほど申しましたように、三つの形態のうちの一つにもなっておるわけでございますが、評議員会の基本的な位置付けは諮問機関ということになっております。ただ、諮問機関という機能だけでとどまってはおりません。寄附行為の定めによりましては、重要事項について評議員会が議決をもって学校法人の業務決定にかかわる、ある場合には深くかかわる場合も想定されておるわけでございます。これは法人ごとによって違うわけでありますが、そういう法人もあることを私学法は想定をしております。  そうすると、このような場合には、言わば評議員会が執行する側、監査される側にも立つことがあり得るわけでございます。ですから、評議員会が選任することだけで監査される側が監査する者を選ぶということを避けることにはならないことも想定されるわけでございます。  そこで、繰り返しになりますが、御審議いただいております今回の改正法案では、評議員会と理事会側、理事長、双方が監事の選任について関与をする案で御審議をお願いをしておるわけでございます。
  145. 山本香苗

    ○山本香苗君 監事の職務というのは現行の三十七条に規定されているように二つあったわけですよね。財産の状況の監査と理事の業務執行の監査。今回は、この理事の業務執行の監査というところが学校法人の業務となったと。監査の対象が学校の運営という形にまで入っていくんじゃないか。御懸念される方々は、監査を口実に教育研究に介入が行われるんじゃないかという声があるわけなんですけれども、これは懸念に当たらないんでしょうか。
  146. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 監事の監査が個々の教育研究の事細かな内容にまで及ぶことは決して好ましいことではないと思っております。しかし、監事の監査が単に財務情報又は財務関係だけにとどまっておったのでは、本来の法人になされるべき監査が十全ではないと思っております。すなわち、監査は、学校法人の業務全体について及びますときに、当然その内容には教務に密接に関連した部分もございますので、その限りで、監事は教務にかかわってもその監査が及ぶ範囲に含まれるという考え方を私どもは取っております。  繰り返し申し上げますが、個々の教育研究の一々細かいことにまでついて監事があれこれ指示する、意見を述べることは好ましいことだとは思ってはいないわけでございます。
  147. 山本香苗

    ○山本香苗君 こうした懸念が生じるというのは、監事が何をどこまで監査すればいいのかというのがまだ何もちょっと手掛かりがないからじゃないかと思っているわけなんですけれども、この法律が成立した後に監査のための方針をきちんと策定するというお考えはお持ちでしょうか。
  148. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) この法律改正をお認めいただきました際には、法律改正の趣旨について必要な各関係条文について十分な趣旨徹底を図ってまいりたいと思っておりますし、必要な場合には、参考例ですとかモデル案等を私学関係団体とも協議しながら、求めに応じていろいろ工夫をしてまいりたいと思っております。その中で、今委員御指摘の点についてもいろいろ検討してまいりたいと思います。
  149. 山本香苗

    ○山本香苗君 今まで法文上のお話を伺ってまいりましたけれども、今日午前中に監事の実態につきましてもなかなか機能していないといったお話もお伺いしてまいりました。  いろんな方々の、関係者の方々が書かれたものなどを読んでおりますと、常勤はほとんどないと、先ほどの御答弁もございました。法人によっては、会計監査だけやっていればいいという雰囲気もあると。ひどいケースでは決算書の表紙に監査しましたとか承認しましたと書いてあるだけのようなものもあると聞いております。  今回、監査の、監査機能の強化を図るわけですけれども、この監査の実態とこの法律で求めている姿というのにかなり乖離があるように感じているわけなんですけれども、これをどういうふうな形で望ましい姿まで持っていくのか、その道筋についてどのようにお考えか、御答弁お願いいたします。
  150. 馳浩

    ○大臣政務官(馳浩君) 私も、この政務官に就任する前に、母校専修大学の評議員を務めておりまして、当時、やっぱり監事の在り方について評議員会の方で厳しく追及して、例えば理事長や理事会とつるんでいるのではないかとか、何か人事の論功行賞で監事の仕事、監査しているんじゃないかなどなど、結構厳しく追及したことを今の山本先生の御質問をお聞きしながら思い出しておりました。  それで、今回の法改正でも、十分に機能充実を図るための改正を第三十七条においていたしておりますが、更にこれに加えて、各学校法人に対して監事機能充実のための更なる取組を進めるように指導することといたしております。  具体的には、各学校法人において可能な限り監事の常勤化を進めることや、理事長等から監事に定期的に学校法人の業務の状況等について報告すること、法人の規模等に応じて監事の監査を支援するための事務体制等の整備を行うこと、これは具体的に申し上げれば監事室を設けて十分に仕事をする体制を整えていただきたいということ、こういったことを更に奨励するように求めるようにしております。さらに、昨年度から実施しております監事を対象とした研修会を引き続き開催することとしておりまして、こういった施策を推進しながら、まさしく監事の機能がより充実されて、それがまさしく学校法人の教育研究活動に資するものとなるように督励してまいりたいと思っております。
  151. 山本香苗

    ○山本香苗君 ありがとうございます。  今日の参考人の質疑の中で、非常にああそうだなと思ったことがあったんですけれども、監事の方々の意識、研修会等々で図っていただくのも大事なんですが、と同時に監査される方、そちらの方の意識改革も図らないと、監事の方だけじゃなかなかできないというところのことを指摘されておりました。この点も是非とも御検討いただきたいと思っております。  次に、時間がなくなってまいりましたので、財務情報の公開の方についてお伺いしたいと思っております。  今回、すべての学校法人に財務情報の公開が義務付けられることとなるわけでございますけれども、このことにつきましては、いろんな私学関係者の方々とお話をすると、やっぱり今やもうどんどん公開していかなくちゃいけないんだということを御自身たちも非常に強く認識していらっしゃるようです。ですから、よく公開用ホームページ上とかいろんなことを言われますけれども、この自主性に任せたらかなり進んでいくんじゃないかなと私自身は考えております。  今回、この四十六条で、学校法人の設置する私立学校に在学する者その他の利害関係人から請求があった場合には、正当な理由がある場合を除いて、これを閲覧に供しなくてはならない、これはあくまで最低限のラインだという認識でおります。  そこで、その他の利害関係人、正当な理由がある場合というのは、結構今までの衆議院の方の審議でも定義が出てきているわけなんですけれども、実際、学校現場でこの閲覧を求められた場合、だれがこれのその他の利害関係人というのに当たっているのかとか当たっていないのかとか、正当な理由があるのかとかないのかとか、それをだれが判断することになるんでしょうか。
  152. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 具体には、その開示を求められた学校法人が、若しくは学校法人の担当者が、又は責任者が判断をすることになろうかと思います。しかし、その判断が恣意的なものであってはいけないわけでございまして、ここでなぜ利害関係人を特定しているか、正当な理由についてはどういうものを言うのかといったことにつきましては、この改正法の施行通知で十分学校法人にその趣旨が伝わるように徹底をしてまいりたいと、こう思っております。
  153. 山本香苗

    ○山本香苗君 是非とも、現場で混乱が生じないようにお願いいたします。  今回、公開が義務付けられる財務関係書類というのは、補助金の適正執行という観点から、国に提出するという視点を持った学校法人会計基準によって作られている。これをぱっと見た感じ、一般人は分からないと。だから、この学校法人会計基準の見直しというものもすべきじゃないかというお話の中で、この三月三十一日に検討まとめという冊子をいただきました、出された冊子を。  今後、このまとめを受けまして、この学校法人会計基準、これはどのような見直しをなされるんでしょうか。
  154. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 御指摘のように、学校法人会計基準については、その見直しについて昨年八月から、公認会計士、学校法人関係者、有識者による検討会を組織いたしまして、専門的、実務的な観点から検討を進めてまいりまして、一定のまとめをしていただいたわけでございます。具体的な見直しの方向性、更に中長期的に議論を深めるべき課題を整理していただいたわけでございます。  今後、このまとめを踏まえまして、例えば基本金の取崩し要件の緩和でありますとか有価証券の時価情報の表示、あるいは財政及び経営の状況を判断するための重要事項を注記として充実することなど、可能なものからこの学校法人会計基準の適正運用に資する観点から取り組んでまいりたいと、こう思っておるわけでございます。
  155. 山本香苗

    ○山本香苗君 次に、今回この法改正が行われることについて、私自身としては国が何でも改善するという形じゃなくて、私学の方々の努力を促していく枠組みを作ったんだというふうに思っているわけです。ですから、私学の方々がやっぱり意識的に変わらなくちゃいけない、もっともっと説明責任も果たしていかなくちゃいけない、自主的にやっていくという機運を作っていかなくちゃいけないわけなんですけれども、今回この法改正が行われた後にこの法律の趣旨というものをきちんと現場まで徹底していくような、先ほど研修会ということをおっしゃっていらっしゃいましたけれども、監事に限らず事務関係者の方々、こういう形の法律の趣旨をきちんと踏まえて活動しなくちゃいけない方々に研修会を小まめに開いていくことが必要なんじゃないかなと思うわけですけれども、そのようなものはお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
  156. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 委員おっしゃるとおりでございまして、法改正の趣旨を小まめに、かつ効率的に学校法人等の関係者にお伝えする必要があるわけでございまして、先ほど馳先生からは監事の研修会のことを答弁していただきましたけれども、学校法人関係者全般について、今回の法改正の趣旨について説明会をブロックごとに開催してはいかがかと、その必要があるのではないかと私どもは考えておるわけでございます。  通知等の発出とともに、こういったブロックごとの説明会で言わば学校法人と意見交換をしながら、この趣旨徹底の充実に努めてまいりたいと思っております。
  157. 山本香苗

    ○山本香苗君 是非ともよろしくお願いいたします。  学校法人調査委員会制度というものがあるとお伺いいたしました。これは、今まで学校法人の管理運営のためにどのように活用されてきたんでしょうか。その実績及び活用状況について教えていただきたいと思います。と同時に、これを今後この改正案成立後にどのように活用していくのか、学校法人の管理運営に更に資する形での運用が図られるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  158. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 学校法人調査運営委員についてのお尋ねでございます。  この制度は、文部科学大臣所管学校法人の管理運営組織、活動状況及び財務状況等について実態を調査するとともに、必要な指導、助言を行いまして各法人の健全な運営の確保に資することを目的としております。歴史が古うございまして、昭和五十九年から設けられた制度でございます。  その具体的な制度についてちょっと申し上げますと、毎年度、学校法人の財務状況あるいは過去の調査実績等を総合的に勘案をいたしまして、当該年度調査対象とする法人を選定をまずいたします。選定をいたしました法人に対しまして、財務状況の分析でありますとか、理事会、評議員会の開催状況でありますとか、あるいは理事、監事、役員等の選任の状況でありますとか、監事による監査の実施状況、会計処理状況等、各般にわたりましてヒアリング、調査を行うわけでございます。その結果、管理運営の在り方あるいは経営基盤の安定確保、事務処理体制の充実強化について具体的な改善指導をこの委員が行っておるわけでございます。  この調査委員の役割が大変期待をされておりまして、特に私学経営が少子化等厳しい状況下で経営困難に直面することが少なくなくなってまいりました。その観点から、この委員の指導、助言が有用だという観点からの期待でございますが、そういうこともあって、平成十四年度からは委員の数及び対象法人数を拡充をいたしております。  具体に申しますと、現在、委員は三十名でございまして、毎年度、先ほど申しました観点から五十法人を選出いたしまして調査対象にしておるわけでございます。具体の委員としましては、学校法人関係者のみならず、法律家、弁護士でありますとか公認会計士、企業の方々、マスコミ関係者、幅広い方々にお願いをしておりまして、この役割を担っていただいておるところでございます。
  159. 山本香苗

    ○山本香苗君 最後に、大臣にお伺いしたいわけなんですが、もう先ほど来いろんなお話が出てまいりましたけれども、やはり教育を担うものでありながら公的助成面で私立と公立との間で格差がある。学生というところに、学生という視点に立てば同じ学生であって、その格差がある、この凸凹があるというのはいかがなものかなと。  この凸凹の方の、国立の方を削って私立の方に持ってこいという話ではなくて、この全体のパイを広げる努力を是非とも。今大変厳しい財政の折ではございますけれども、国立大学法人もいろんな試みをしております、そうした努力を生かしていただくような財政面での支援、また私学におきましても、私学が適切に運営できる、安定した財政に支えられて改革ができるように、是非とも是非とも予算の拡充を図っていただきたい。  私たちもしっかり頑張っていきたいと思いますので、最後に大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
  160. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) この委員会におきましても何度も、先ほど中島委員も御指摘なさいました、日本の公教育に対する財政支出といいますか、これが世界の先進諸国と比較したときのGDP比低いという視点、確かにそういう現状が数字の上にも表れておりまして、そのために特に、高等教育が特にそうでありますけれども、私学に頼る面が非常に大きいがゆえにそういう結果も出ておりまして、そういう面からいいますと、国立大学法人はそれはそれとしましても、この私学助成を伸ばしていくことがその比較値からいっても上げることになるという私も認識を持っておりまして、今これからの点においては、この公私の格差是正という言葉もございますが、むしろ私学を引き上げていくということによって全体の教育の水準といいますか、を上げていくことができる、このように考えておりますし、また私学はその特色を十分生かして期待にこたえる、また信頼にこたえる教育をやっていただくことがこれからますます重要になってきておりますから、そういう観点に立って私学助成の充実に更に努めていきたいと、このように考えております。
  161. 山本香苗

    ○山本香苗君 ありがとうございました。
  162. 林紀子

    ○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。  先ほど来お話がありますが、今回の法改正には私立大学の不祥事がその背景の一つにあったというお話がございました。しかし、私立大学の不祥事というのがなかなか後を絶たない。今こうやって私たちが法改正を論議しているその最中にも不祥事というのが大きく新聞に報道されております。  仙台市の東北文化学園大学というところでは、九七年に大学開設認可を文部省に申請した際、実際には寄附を受けていないのに、宮城県内の医療法人から二十三億円の寄附があると書類に記載した疑いのあることが分かったということですが、この問題に対して文部科学省はどういう対応をなさっているのでしょうか。
  163. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 学校法人東北文化学園大学についてのお尋ねでございます。  この大学をめぐりましては、去る四月二十日以来、同法人が平成十一年度からの大学開設に向けて平成九年に文部省に提出いたしました設置認可申請書類の一部に寄附者が当該寄附の事実を否定しており虚偽の疑いがある、そういった旨の報道がなされたわけでございます。  文部科学省といたしましては、この最初の報道のあった二十日、四月二十日でございますが、早速、学校法人に対しまして、事実関係の迅速かつ徹底した調査を行って明確な報告をするようにと強い指導をしたわけでございます。この指導も督励が何度か及んだわけでございますが、昨日までに判明した、すなわち学校法人からの報告によって判明した大要は次の三点だと思っております。  一点は、前理事長、前理事長と申しますのは、この大学設置申請時点で理事長であった者、現在は辞任をして替わっておりますが、前理事長が今回のその報道された事柄に関して二重帳簿、いわゆる二重帳簿の存在を認めたというものでございまして、このことについては法人内部でもその事実を確認をしているというものでございます。  また、第二点目としまして、委員、寄附の点を御指摘になりましたが、現金の寄附については、先ほどのその大学設置認可申請、申請書類に設置財源として現金寄附が約四十八億示されておりました。四十八億円でございます。この四十八億円について、寄附者に確認をする、あるいは寄附者が事実を否定しているもの、そういうチェックを行ってみたところ、このうち約七億円については確実に寄附があったと確かめられましたけれども、その余については確かでない。簡単に言いますと、約四十八億円のうちの四十億円に相当する額が虚偽の可能性があると考えられるという整理ができる事態になったわけでございます。もっとも、最終的な確認は関係の帳簿に当たる必要がありますので、まだ最終的確認に至っておりませんけれども、そういう重大な事態が判明をいたしました。  もう一点、寄附は、現物寄附もございましたけれども、同じように申請書に記載されておりました額が約十五億円でございましたが、このうち、確かに受け入れられたというものが約二億円しか確認ができておりませんで、差額の約十三億円分については寄附の形跡がなかった、申請は虚偽の内容を含むものだという報告を大学法人からは受けておる。  私どもにしますと、あってはならないような重大な事実が大学側の調査を督励することによって明らかになったわけでございます。  そこで、こうした事実については大変重大な事実だと私どもも深刻に受け止めておりまして、早速、調査確認等を行うために、本日、当大学に関係職員六名を派遣した、現地調査を行うために派遣をいたしまして、関係者から、すなわち先ほど申しました前理事長を始めとする学校法人役員等の関係者からの事情聴取、あるいは必要な物品、現物の存在の確認等をこの調査で今行っておるところでございます。
  164. 林紀子

    ○林紀子君 それに先立ってということなんだと思うんですけれども、この東北文化学園大学は、入学試験で仙台育英学園高校のほかの大学への推薦入学が決まっている生徒を模擬試験だということで受験をさせた。二百五十人に受験をしろということを言って、そのうち百八十四人が一般受験者と一緒に受験をしたと。受験料は三万円だけれども、これはPTAや同窓会、教育振興会から補助をしている。そして、志願倍率というのが五・五倍になったけれども、この水増しがないと四・五倍じゃないかと。水増しのためにこういうことをさせたんじゃないかということもあるということです。  で、今二人の方を現地に派遣をしたということですので、こういう……(「六人」と呼ぶ者あり)六人、失礼しました、六人を派遣したということですので、是非この問題も含めて、現地では大変大きな問題になっておりますし、徹底的に調査をして、こうした不祥事というのを、今私たちが不祥事が起こらないようにということも含めて論議をしているのに、次々とこういうことが起こっては本当に何のために論議をしているのかということにもなりますので、きちんと対処をしていただきたいというのをお願いしたいと思います。  これは今現在進行中の問題なんですけれども、過去の例として、秀明大学というところの事例をちょっとお聞かせいただきたいと思います。  この大学は設置基準違反があったということですけれども、違反内容はどういうものなのか、それから、だれからの訴えで文部科学省はこのことを知ったのか、そしてどのような指導をしたのか、これも事実関係をお答えいただきたいと思います。
  165. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 秀明大学についてのお尋ねでございます。  平成十三年度に開設されました秀明大学、設置者は学校法人秀明大学でございますが、この総合経営学部についてでございます。この学部の当初の設置計画には記載されていない施設、都内の中野にあったようでございますが、中野の施設において教育活動を行っておりました。文部科学省としましては、平成十四年九月以降、大学関係者からの事情聴取、実地調査を行いまして、こういった事実関係の把握を図ったところでございます。  その結果明らかになりましたのは、この施設につきましては、大学系列の学校法人秀明学園、これは知事所管の学校法人でございますが、これからの借用であったと、この施設が借用であったと。平成十四年四月以降、本校とは別の地で留学生を対象にして講義を実施しているということが明らかになったわけでございます。  これを踏まえまして、文部科学省としましては、大学側に対しまして、設置認可申請時の当初計画の変更を無断で行ったことになるわけでございますから、これが遺憾であることを厳しく指摘しますとともに、留学生に対する適切な教育環境を確保すること等の指導を行ったものでございます。  どのような経緯でこの事柄を知るに至ったかということでございますが、残っております書類等で詳細な経緯は分からないわけでございますが、当時の担当者によりますと、大学関係者からの相談を受けた際にこの秀明大学の中野の教育施設に関する情報提供がございまして、それが一つのきっかけになったのではないかと承知をいたしているところでございます。
  166. 林紀子

    ○林紀子君 今、大学関係者から聞いてそういうことが分かったというお話がありましたけれども、私がこのことをお聞きいたしましたのは、今回、学校法人の監査機能を高めるためには監事が職責をきちんと果たすということが重要だということで、いろいろどういう対処をするかというお話、今答弁の中でありましたけれども、いち早く問題を気付いて具体的に指摘できるのは現場の教職員ではないかというふうに思うわけですね。私学が公共性を持ち、自主性を確保するためには、内部的に問題を解決する、こういうことも是非必要なことだと思うわけです。  ですから、外部からの人材登用を義務付けて監査機能の強化ということですけれども、それだけではなくて、現場の教職員による監査制度、こういうものも検討する必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  167. 原田義昭

    ○副大臣(原田義昭君) 御指摘のように、学校法人が健全に、また安定的また継続的に運営されるためには、今回の法案がそのことを扱っておりますように、監査制度の強化、充実が必要であります。そのために、監事の仕事、役割がはっきり強化、また整備されようとしておるところでありますけれども、先生御指摘のように、それとは別にいわゆる内部監査、中の人が自主自律の立場からいろいろ問題点を監督をすると、こういうことも非常に大切だろうと考えております。  平成十五年の十月に学校法人制度の改善方策について文部科学省で検討を行ったときに答申が出ておりまして、それによりましても、学校法人内部の自らによる監査が最も重要であるというようなこと、さらに内部監査機能を充実させるために絶えず監査機能の質的向上に努めていくことが重要であるというようなくだりをもってこの重要性について指摘したところであります。  また、少し古うございますけれども、昭和五十八年に文部事務次官通達として、やはりこの種の内部監査をしっかりやるようにというようなことも今日まで私ども指導してきたところであります。  いずれにいたしましても、監査室というような内部の組織を作っていただきまして、内部の人間、教職員も含めましてそういうものを作って充実すると同時に、また併せて外部の監事に対する支援を行う、こういうようなことが行われようかと思っております。  いずれにしましても、この法律の成立後、しっかりこういうような観点から私どもも指導してまいりたい、こう思っております。
  168. 林紀子

    ○林紀子君 現場の教職員から文部科学省の方にこういう実態ですよという訴えがあるということも往々にしてあるわけですね。ですから、こうした内部告発といいますか、そういう学校法人の不正を明らかにする、そういうことも文部科学省の方でもきちんと対応をしていただきたい、対応すべきだというふうに思うわけです。今後も窓口も明らかにして積極的にやっていただきたいと思いますが、文部科学省としてはいかがでしょうか。
  169. 原田義昭

    ○副大臣(原田義昭君) 文科省といたしましては、私学部、今部長が答弁に立っておりますけれども、二課一室ございます。もちろんそこが直接の窓口でありますけれども、省を挙げてこの問題にも取り組んでいきたい、こう思っております。
  170. 林紀子

    ○林紀子君 次に、財務情報の公開ということでお聞きしたいと思います。  今回の改正では財務情報の利害関係者への公開を義務付けています。これ自体は評価することですけれども、より積極的に公開を進めるということを是非していただきたいというふうに思うわけです。  官庁が所管している公益法人は、平成十三年の八月の公益法人等の指導監督等に関する関係閣僚会議幹事会の申合せ、それで業務、財務等に関する資料、具体的には定款又は寄附行為、役員名簿、事業報告書、収支計算書、貸借対照表、財産目録、事業計画書等々をインターネットにより公開するよう要請するということにして、これを既に実施をしている。公共性の求められる学校法人でも公益法人と同様の取組が求められているのではないでしょうか。ですから、文部科学省としても、公益法人の例を参考にして各学校法人がより積極的に財務情報の公開を進めるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  171. 原田義昭

    ○副大臣(原田義昭君) 今回の法律案では、御指摘いただきましたように財務情報の公開を義務付けておるわけでございます。その公開の方法について、今先生御指摘いただいたところでございますが、おっしゃるように平成十三年八月の関係閣僚会議で、近時の高度情報化時代を先取りするような形でインターネットを駆使をしてその辺の内部情報をしっかりと外部に公開すると、こういう指摘もされておるところであります。  そういう観点から、今公益法人とおっしゃいましたけれども、それにまた準拠するような形で、私どもこの公共性の高い法人としていろいろなメディアを使うということについては大変望ましいことだと考えておるところであります。  もう既に、取りあえずの調査であります、平成十五年度に、大学、短大又は高等専門学校を設置する国所轄の学校法人のうち、六八・五%が広報誌等の刊行物への掲載、一七・七%がホームページへの掲載、一九・六%が学内掲示板等への掲示と、こういう形で財務情報を公開しているところであります。まだまだ十分とは言えませんけれども、この法律が成立する過程で必ずまたその辺の公開の度合いが増えていくものと、そう思っておるところであります。  いずれにしましても、今後とも積極的に指導していきたい、こう思っております。
  172. 林紀子

    ○林紀子君 それとの関連で、この改正で、これまで登記簿にすべての理事が登記されておりましたけれども、代表権を明確にした結果、すべての理事が登記されない可能性があるわけですね。今お話しのあった公益法人は役員名簿を公開しているわけです。ですから、役員名簿を学校法人自らが積極的に明らかにすることも必要だし、登記上も明らかにすべきだと思いますけれども、これについてはいかがでしょうか。
  173. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 役員名簿についても積極的に公開をすべきではないかという御指摘、御質問でございます。  実態を申し上げますと、既に多くの法人でインターネット上で役員の情報提供を細かにやっておる法人は少なくなくございます。ただ、すべての法人にそれを義務付けることが正しいかと申しますと、学校法人の規模、またいろんな状況もございますので、私どもは積極的に公開すべきことは望ましいと思っておりますけれども、まずは学校法人の主体的な取組に期待をしたいと、こう思っておるわけでございます。  学校法人の役員については、役員をそのものを、名簿等をオープンにすることも考えられますけれども、今度の財務情報の公開で申しますと、財務諸表に併せて事業報告書を閲覧に供すること、公開することといたしております。普通、事業報告書につきましては、その法人の概要であります役員組織についても書くのが一般でございますので、この事業報告書の参考例、記載例として役員についての情報も記載することを示しながら各学校法人の積極的な取組を促してまいりたいと思っております。
  174. 林紀子

    ○林紀子君 小規模ということはありましたけれども、やはり役員というのは公的な立場なわけですから、是非それは進めていただきたいと思います。  で、この改正で、財務情報の公開の対象を利害関係人と定めていますね。利害関係人が閲覧をするわけですが、書き写すといってもその作業は本当に大変だと思います。利害関係人にはコピーで提供できるようにすべきですし、この利害関係人という中には当然教職員は含まれると思いますが、いかがでしょうか。
  175. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 今回御審議をお願いをしております法律案としましては、財務情報の公開方式としては閲覧に供するということで、法案上はコピーまで義務化付けをしておりません。しかし、各学校法人の積極的な取組としましては、求めに応じてコピーを提供するということも大変望ましいことだと思っておりますし、そういう実態も多くの法人で見られるわけでございますので、積極的な取組を各法人に趣旨説明をし、協力を求めてまいりたいと、こう思っておるわけでございます。  それから、利害関係人についてのお尋ねでございました。利害関係人につきましては、何がしかの法律上の権利義務を有している者、学校法人との契約関係がその代表例でございますが、そういった者の範囲を利害関係人の範囲として考えておりまして、当該学校に在学しておる学生生徒、若しくはその保護者がその代表でございますし、先生御指摘のように教職員もそこでは雇用契約という契約関係に入ってまいりますので、利害関係人の範疇に入るものと私どもは理解をしておりますし、その旨もしっかり趣旨徹底を図ってまいりたいと思います。
  176. 林紀子

    ○林紀子君 それから、「正当な理由がある場合を除いて、」閲覧に供するということになっておりますが、この「正当な理由」というのは具体的にはどういうことでしょうか。
  177. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) ここでは、財務情報の公開に対しまして弊害も考えられるわけで、乱用、悪用も考えられるわけでございますから、原則求めに応じて閲覧に供しなければならないわけでございますが、例外的に正当な事由がある場合にはこれを拒めるというものでございます。  その例としましては、少し抽象的な話になるかもしれませんけれども、学校法人にとって明らかに不当に財産的な不利益がもたらされる、例えば恐喝等、その後で学校法人に対して善からぬことを考えてその財産的利用、利益を得ようとする者が情報公開を求めるといったケースも、極端なケースかもしれませんが、考えられるわけでございます。また、個人のプライバシー、教職員のプライバシーがその情報を提供することによって侵されることになってしまうというときも、その正当な事由があって公開を手控える、拒むことができるケースとして私どもは想定をしておるわけでございます。  ただ、いずれにしても、ケース・バイ・ケースによって相当理由を判断する必要があろうと思っておりますが、恣意的にこの「正当な理由」を拡大して、本来果たすべき開示の義務に対して余り後ろ向きにならないことはきちんと対応してまいりたいと思っております。
  178. 林紀子

    ○林紀子君 先ほど施行通知というものも出すということでしたが、余り限定的に運用されては、確かに恐喝とかプライバシーの問題とか、一般にそれはしようがないなと認められるところはいいわけですけれども、余り限定的に運用されてはこの法案の法改正の趣旨に反するものではないかというふうに思うわけです。ですから、是非こうした国会での質疑の内容も踏まえまして施行通知というのは出していただきたいというふうに思います。  次に、私立学校の不祥事と言われるものの中には理事会による教学への不当な介入が主要な要因となっている場合というのが多いのではないかというふうに思うわけですね。そこで、法案には、理事は、「理事会は、学校法人の業務を決し、」とありますし、監事の職務としては「学校法人の業務を監査する」というふうになっておりまして、これが学校運営、教育研究に理事や監事が介入するその理由になるのではないかという心配があるわけです。  この「学校法人の業務」というのは具体的には何を言うのか、先ほどもこれに関した質問がありましたけれども、もう一度確認をさせていただきたいと思います。
  179. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 理事会が決定する学校法人の業務についてでございますが、学校法人が行うすべての業務、学校法人は学校を設置、運営することがその核になる業務になるわけでございますが、そういったすべての業務を広範に含むものと考えております。ただ、この意味するところは現行法でも同様でございまして、改正によって、今回の改正法案によって変更されるものではございません。  委員から教学面と経営面との関係の御質問がございましたけれども、私どもは両者は密接不可分のものだと考えておるわけでございます。学校法人はあくまでも、今申しましたように学校の設置、管理を行うことを目的とした法人でございますので、学校法人の業務は必ずしも経営面に限定されず、その教学サイドと密接不可分な部分についていうと教学部分にも及ぶことは避けられない、一般にあるのだろうと、こう思っておるわけでございます。  例えば、学部、学科の新増設、あるいは教育研究における重点分野の決定、学生生徒の募集計画といったことは教学的な側面は有するわけでございますけれども、御案内のように学校法人の経営に関連する問題でもございまして、ここで言う学校法人の業務として理事会が深く関与することは避けられない、やっぱり当然のことだと思っておるわけでございます。しかし、繰り返して申し上げますけれども、教学側の意向に配慮をするというのは経営サイドにとっても大変重要なことでございます。両者が両々相まって、協力しながら学校法人の適正化に努めることを私どもは強く期待をしておるわけでございます。  なお、ちなみに、個々の大学教員の教育研究の内容にまで理事会若しくは監事が深く立ち入ることは適当でないということは、従来から申し上げておるとおりでございます。
  180. 林紀子

    ○林紀子君 教学の面で教職員の自主性を大切にするということは、学校に、大学においては本当に何よりも大事なところだと思いますので、そこのところは絶対に踏み込まないようにということは是非きちんと考えていただきたいと思うわけです。  そして、こういうことを申し上げるのも、不祥事を抱える私学では、物言えば唇寒し、教職員が告発したら即解雇だというようなところがたくさんあるわけですね。教員の地位は教育基本法の第六条二項できちんと守られているわけですし、また、ユネスコの高等教育職員の地位に関する勧告でも、きちんとその教員の身分というのは保障されなければいけないということがうたわれているわけです。  こうした趣旨ももう一度きちんと私立学校に徹底していくべきではないかと思いますが、これは大臣にお聞きしたいと思います。
  181. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) 教職員の解雇の問題については個々の具体の例があると思いますが、これに即してみても、これは雇用問題として考えなきゃいかぬ、判断されるべきものであろうと思います。  私立学校の教職員の雇用関係につきましては、一般の民間企業と同様に労働基準法等の労働関係法令が、規定が適用されるわけでありますから、労働基準法上、解雇に当たっては解雇予告等の手続がやっぱり規定されておるわけであります。さらに、客観的に合理的な理由を欠いて社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして解雇は無効ということになっておるわけでございます。  解雇を始めとする教職員の雇用問題については、これらの労働法制に照らして各学校法人において適切にひとつ運営されなきゃならぬものでありますから、今御指摘のようなケース、即解雇ということについては問題点があるわけでありますから、労働法制に照らして適切に運用されるようにと、先ほど御指摘がありました教育基本法の問題、またユネスコのいわゆる高等教育教員の地位に対する勧告、こういうものもございますので、そういうことの趣旨は徹底されなければならぬと、このように考えます。
  182. 林紀子

    ○林紀子君 最後に、私立幼稚園の問題をお聞きしたいと思います。  幼児教育の重要性が言われておりますけれども、幼稚園教育は、今までのお話にもありましたようにその八割が私立幼稚園で賄われている。ところが、私立幼稚園では、教諭の平均勤続年数八・四年、公立の場合が十八・一年、勤続十年未満の人が七五%もいる、公立は三一・八%。平均賃金も、月十九万九千円、公立の三十三万八千円、ここでも大きな格差があるわけですし、サービス残業が日常化しているし、持ち帰りの仕事も日常化している。多くの私立幼稚園というのは小規模な学校法人が多くて、園長、副園長、主任が家族で運営するなど経営の私物化というような状況になりやすいんだと思うわけですね。ですから、こういうことになると若い人たちが職場に定着しない。  公共性が求められる学校法人で学園の私物化というのは認められないと思いますが、これに関してはいかがでしょうか。
  183. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 御指摘の教職員の勤務条件等、学校法人における具体的な雇用関係につきましては、私学ではございますけれども、一般の企業、民間企業と同様に、雇用者である学校法人と被用者である教職員との個別の契約、雇用契約に基づいて適切に決せられる、解決されるべき事柄だというのが原則でございます。  委員御指摘のように、幼稚園について公立、私立間で例えば平均給与月額に差があることは確かに認められる、御指摘の数字のとおりでございますが、公立と私立では規模が違いますし、何より御指摘のように年齢構成に違いがあるわけでございまして、単純な月額給与の比較は難しいのではないかと思っております。  また、幼稚園法人の場合には、特に規模も小規模のものが多いわけでございまして、事務処理能力にも限りがあるというのが少なくない実態でございます。本来、学校法人としては機動的に理事会等それぞれの組織が責任を持って役割を果たすべきでありますけれども、期待されるべきそういった法人の経営が実を上げていないというのも少なからず見られるわけでございまして、こういった実態のことを踏まえて先生が御指摘になったのかと思います。  私どもとしましては、今回の法改正の趣旨を踏まえまして、これは、小規模であっても私立学校、幼稚園法人であっても適用になる事柄でございますので、趣旨の徹底を図りながら学校法人の管理運営の改善、趣旨の徹底を図ってまいりたいと思うわけでございます。
  184. 林紀子

    ○林紀子君 そういうことを考えますと、入園者の減少、少子化ということもあるわけですから、私学助成の増額というのが一層重要だと思うわけですし、それから、勤務実態ということからいいますと、小中学校では今三十人以下学級というのが大きな声になっているわけですが、幼稚園の設置基準が一クラス定員三十五人だというのを聞いて私もびっくりしたんですけれども、これもせめて一クラス二十人以下、三歳児は十五人以下というふうに見直すべきではないか、この二つの点、最後にお聞きして終わりたいと思います。
  185. 原田義昭

    ○副大臣(原田義昭君) 平成七年度の幼稚園設置基準の改正におきまして、先生御指摘のように一学級の幼児数は三十五人以下とすると改めたところでございます。この三十五人以下という基準は最低基準でございまして、幼児期は人間形成の基礎が培われる極めて重要な時期であることにかんがみて、幼児一人一人の発達の段階や年齢に応じたよりきめ細かい保育を行うことができるよう教育環境を整備することが重要であると、こういうふうに考えているところであります。  文科省といたしましては、今申し上げましたように、一人一人個性を伸ばす、きめ細かく対応するということを目的としまして、複数の教師が合同で保育に当たるチーム保育などの少人数教育を推進するため、私学助成の充実、また公立幼稚園につきましては地方交付税措置などを行ってきたところであります。今、そういう観点からしっかり指導を進めておるところでございます。     ─────────────
  186. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、佐藤泰介君が委員を辞任され、その補欠として小林元君が選任されました。     ─────────────
  187. 山本正和

    ○山本正和君 本法案は、学校法人の管理運営がより厳正になる、さらには、情報公開あるいは審議会の更なる改善ということですね。私も賛成でございます。  ただ、今振り返って考えますと、実は私立学校法というのができたのが昭和二十四年で、そのときの文部大臣が高瀬荘太郎さん、そして時の答弁者であった管理局長が久保田藤麿さんなんですが、この久保田藤麿さんというのは三重県の出身でございまして、大変私も懇意にしてもらったんですけれども、これ余分なことですが、おいっ子があの有名な三重県の北川知事です。  いろんな付き合いしたんですけれども、高瀬荘太郎文部大臣の思い出話のときにこの話が出まして、いや実は大変だったんだと。私立学校に対して、そのときは人件費あるいは経常費じゃないんですよ、設備費を助成するというやつで、私立学校法ができたらやれると。ところが、そのときに憲法八十九条をめぐって大激論が起こったと。憲法でははっきりと書いてあると。公の支配の中にない教育は、これは公金の支出はできませんと書いてあると。どうしたらいいかというんで、この私立学校法の中で、いわゆる公共性はきちっとあると、しかも公の支配が及んでいるということを確認してもらってやっていったんだと。その議論でもう大変な苦労をしたと、こういうお話を時々私は聞かされた。今日はそしてまた西岡先生から、私学助成のときにもう一遍八十九条の焼き直しをやって大変な苦労をされたと。  ですから、私学が今日あるのは、今、日本の私学は大変国際的にも大分有名になってきましたよね。また、日本の内閣総理大臣以下各大臣も私学出身の、我が文部大臣もそうですけれども、たくさん出ていますね。私学というものが持っている公共性というか、我が国教育に与える、占める責任というか地位、非常に重たいと思うんです、私学というのはね。  したがって、これから私学を更により一層発展させていかなきゃいけないと思うんですけれども、そのことについてのまず大臣の抱負を冒頭に伺っておきたいと思います。
  188. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) 御指摘のように、幾多の変遷を経て今日の私学はあるわけでございます。  私学のことを考えますと、今御指摘のように憲法第八十九条がどうしても頭に浮かぶ。しかし、現実には、この私立学校法ができたことによってそれがきちっと裏付けされたということで大きな役割を果たしてきて、更にきちっとした助成をしなきゃいかぬということで私学振興助成法ができたという経緯があるわけでございます。  そうした中で、私学は日本の公教育の中でいわゆる量的な拡大にもきちっとこたえてきた。今、これからの時代は、それをいかに質的な面をどういうふうに充実させるかという時代にも入ってきたと、こう私どもは考えておりまして、そういう面から、これからの私学振興の在り方については、国民の期待というのは、やっぱり私学に寄せる期待が非常に大きい。  高等学校についても、実は三〇%しかないんでありますが、これも、これは大学入試との関係もあるんでありましょうけれども、都市とまた地方の違いはありますが、ほとんど上位、進学を目指す人はまず私学を考えるという状況がある。やっぱりそれは私学が特質を持ってその質の向上ということをやっぱり考えられている面が多分にあるんだろうと、こう思っておりまして、そういう面から考えると、社会経済情勢は大きく変化をいたしておりますけれども、やっぱり国民のニーズといいますか、多様化する国民のニーズにこたえていく、それから個性豊かな私学教育をやる、そういうことがこれから大いに期待されておると思いますから、そういう面でこれからも私学がやっぱり健全な発展を遂げていかなきゃならぬと、こう思っております。  ただ、最近の状況を見ますと、十八歳人口年齢の低下といいますか、やはり少子化を迎えておりまして、私学も、学生集めというのは一つの私学経営の面からいろんな問題が指摘されている。先ほど来お話しのような不祥事も起きつつあって、最近そういうものが増えてきたという現状がございます。そういうものからやっぱり私学に対する信頼を失うことがなってはならぬということで今回の法改正も求めておるわけでございます。  そういう意味で、やっぱり開かれた教育、公教育の中で私学は国民の期待にこたえていく、健全な学校運営を行いながらその期待にこたえた教育をやっていただくような方向に、これからも文部科学省としてもそれを誘導しなきゃいかぬ責任があると、こう思っておるわけでございます。  そういう意味で、この私学の活性化をすることが日本の公教育の活性化につながるということも考えますし、先ほど来議論もありましたように、正に私学助成をしっかり強めることがいわゆる公教育に対する財政支出といいますか、そういう面につながる。正にこれは米百俵の精神にもつながっていくことだと、こう考えながら、これからの私学の充実に努めてまいりたいと、このように考えておるわけでございます。
  189. 山本正和

    ○山本正和君 今の大臣のお話のような方向で是非頑張っていただきたいと私は思うんですが、心配していることがあるんです。  それは、学校教育法で言う学校、私立学校法で指定される学校、これは公の支配に服するわけですから公的なお金を出せるわけですね。ところが、そうでないものはこれは学校とは言わないんでしょう、本当からいえば。学校とは何かという定義聞いたら、学校教育法並びに私立学校法に定められたもの以外は学校と違うんでしょう。ところが、今度は株式会社立の学校ができるとなった場合、これは学校教育法や私立学校法との関係はどうなるんだろうかと。まだ寡聞にしてその部分の条項が改正されるとは聞いてないんだけれども、現実に、ところが認可してもう三つできているというものだから、そこは一体法律的にどうなっているのか、ちょっと教えてください。
  190. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) お答えをいたします。  特区におけます株式会社立学校について申しますと、委員おっしゃいました学校教育法の適用はあるわけでございます。しかし、学校法人、私立学校の設置主体としての学校法人の基本を定めました私立学校法の適用はございません。それから、私学助成の大本であります私立学校振興助成法の適用もないわけでございます。両私立学校に関する適用が株式会社立学校にはございません。  委員もおっしゃいました憲法の公の支配、八十九条に言う公の支配については、政府として法制局の答弁が逐次国会でもなされておりまして、定着をしております。それは、学校教育法、私立学校法、私立学校振興助成法を総合的にその規制内容を勘案すると憲法の公の支配の要請を満たしているというものでございますから、株式会社立学校と学校法人立の私立学校では違った扱いになって解釈上は当然だということになるわけでございます。
  191. 山本正和

    ○山本正和君 ということはあれですね、公の金は株式会社学校には出さないんですね。これは間違いないですね。
  192. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 今申しましたように、憲法の要請である公の支配について言うと、株式会社立学校については疑義があるということが明らかになっていると私どもは思っておるわけでございます。
  193. 山本正和

    ○山本正和君 それは駄目ということですね。
  194. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 公の支配に属しないものについては、憲法上公金等の支出が禁じられておるわけでございます。
  195. 山本正和

    ○山本正和君 だから、出すのか出さないのかと聞いておるんですよ、これからね。そこはどういう構えでおるんですか、文部省は。
  196. 加茂川幸夫

    ○政府参考人(加茂川幸夫君) 憲法上疑義があるものについては公金の支出等はできないと考えております。
  197. 山本正和

    ○山本正和君 それで、まあ一つ分かりましたけれどもね。  私がもう一つ心配するのは、今の日本の教育に大変大きな影響を与えているもう一つ大きな教育機関がある。塾と予備校ですね。これは正に我が国の教育に対して大変な影響を与えておる。  しかし、この予備校や塾は通産省の所管ですよね、文部省とは関係ない。これがどんどん起きるわけだ、しかもどんどん大きくなって金もうけできる。月給も高いんですよ、うんとね。実は私の恩師も某予備校の副校長さんしたものだからよく聞いておるんですけれどもね。  そうすると、問題は、こうやって私立学校法やあるいは今学校教育法の中で一生懸命公教育、我が国の教育のために取り組もうとしている部分と、そういう、そうじゃない営利を目的とした団体ですからね、これのできる、特区のできる株式会社ですから、これはね。やっぱり株式会社である以上は利潤を追求しないといけない、当然。利潤追求しなくちゃ背任罪ですから、これはね。背任に問われるんですからね。  そういうものがうじゃうじゃ出てきた場合にどうなるんだろうか、我が国の教育は、そこが心配で仕方ないんだけれども。ところが、どうも文部省は、所管が高等教育局私学部になるんですか、その今の株式会社の学校は。私は、文部省は知らぬと言ったらいいんじゃないかと思うんだ。文部省はタッチしませんと言うべきだと思うんですよ。文部省は公教育なんだから、公の支配に属する教育に対しては責任を持っておる。公の支配に属さないものは知りませんよというのが私は文部省の立場だと思うんです。しかし、通産省がおやりになることや、あるいは他の省庁がおやりになることは知りませんから、どうぞおやりください、私ら知りませんよと。これが私は文部省の在り方だと思うんですよ。  ですから、大臣の先ほどの御答弁を聞いておってちょっと心配なんです。いつも私は大臣は尊敬しておるんですよ。この前の衆議院の御答弁聞いておっても、別によその院の答弁だけれども、大変感心しておったし尊敬しておる。今日のお話聞いて、何となくすっきりせぬような気したもんですからね。文部省は文部省でございますと、いや、文科省ね。しかし、政府の中の一機関ですから、それはいきなり総理大臣とけんかする必要はないけれども、文部省としての腹は据わっていますよということぐらいは私は本当は答弁してほしいとこう思うんですが、そのことをひとつ大臣に最後にお聞きして、私は質問を終わりたいと思います。
  198. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) 経済財政諮問会議に出まして、それで教育改革の当たりましたときに、日本のそうすると公教育を始めとする教育改革を進めますと、塾等は必要ないんですねと、こういう質問がありました。本来私はそうあるべきものであろうと、こう考えておりまして、これにどう答えるかというのは、なかなか今の現状からいうと非常にその間にギャップがあります。確かに、今御指摘のような点があるわけですね。しかし、これも国民の一つの選択になっておりますから、その選択の幅をそういう面では狭めていかなきゃいかぬと考えておるわけであります。  ただ、今の特区における株式会社の参入あるいはNPOの参入についての議論でありますが、これはいわゆる教育機関としての学校として、これを実験的にということで来たものでありますから、我々の方も、学校というからには、設置者は確かに違うことを認めるが、しかし全体的な学校教育法等の法律の中に入ってもらわなきゃやらないんだと。しかし、その担保は、特に大学については我々の方でやりますが、高等学校や中学校ということになると、これは知事の方でありますから、地方自治体に、その責任に入ってくれと。地方自治体がオーケーを出して担保しなければそれは認められませんということも条件の中で今日スタートしております。  これはあくまでも実験でございますから、これを即全国的に広めるというわけにいきませんけれども、しかし我々の方も、今の公教育等々についていろいろ御批判もある、国民の皆さんのいろんな要請もありますから、いろんな選択肢を増やしてもらいたいという要請もありますから、そういう中で特区としての許容の中に入れているわけであります。それがどんどん広がっていって、今のこれまで誇ってきた我々の日本の教育が駄目になると、そういうことは考えておりませんし、また我々としてももっと自信を持ってその点はいかなきゃいかぬと思っております。  と同時に、教育については、実は塾や何かは通産省の方だということですから、これも考えてみたらおかしいと私は思っているんですけれども、逆に言うと。今、もう一方では、幼稚園と保育所の問題もあるわけですね。これも、あれは厚生省のことなんだからおれたちは全然知らないんだでいいかどうかということは、やっぱり考えていかなきゃいかぬ。これ今統合の話も出ました。やっぱりこれは保育といえども幼児教育という一つの大きな教育を担う我々の役割がある。それとの整合性はこれからどう持っていくかという視点もございますので、やっぱり事教育全体については教育のセンターである文部科学省が絶えずそのことに関心を持ちながら、無関心ではおれないとこう思っておりまして、逆に地方の、東京都辺りの公教育の先生方については、本当に塾は立派な教育をやっているんだ、行って勉強してこいと言われる先生も、教育委員長もおられるわけでありますね。やっぱりそのぐらいの視野を持って教育全体を考えていく視点が必要ではないかと一方では思っております。  また、そういうものによって、本来あるべきものでないものがどんどん強くなっていくことについては、我々はこれはもっと努力してそれにきちっとこたえていかなきゃいかぬと、こう思っておりますが、教育全体については、やっぱり広い視野を持って教育を見詰めていく文部科学省でありたいと、こう思っております。
  199. 山本正和

    ○山本正和君 最後に、それじゃ一つ私の方から今の大臣のお話にも付け加えてお願いだけして終わりたいと思いますが、私などやっぱり、外国でもひょっとしたらあるのかどうか知らぬけれども、余り私は聞いたことがないんですよ、株式会社が学校を作ったというのはね。ちょっとぐらいあるのかもしれませんけれども、余り聞いていないですけれどもね。  何か知らないけれども、やっぱり普通の日本人なら、学校というのが株式会社というのは何となく異質な感じするのが普通だろうと私は思うんですね、国民感情として。それがやっぱり今はこう、それは政治の流れですからいろんなことがあると思うんですよね。学校教育法上の学校と言ってくれと言われて、仕方ないとなった場合もあるかもしれぬ、それはね、政治は力関係ですから。  しかし、本当は違うぞという思いを持って、やっぱりこれ、やってみたけれども、やっぱりおかしいことはおかしいといって直すことがあってもいいと思うんです。今こうなったとしてもですよ。これからまた省で、やっぱりやってみたら、これはおかしいぞという形で取り組んでいただくと。是非その辺で文部科学省のひとつ魂を見せ付けるような行動をしていただくことをお願いいたしまして、質問を終わります。
  200. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  私立学校法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  201. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、鈴木寛君から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木寛君。
  202. 鈴木寛

    ○鈴木寛君 私は、ただいま可決されました私立学校法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     私立学校法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府及び関係者は、私立学校の自主性及び公共性にかんがみ、次の事項について特段の配慮をすべきである。  一、学校法人の管理運営制度の改善に当たっては、学校法人の自主的・自律的な取組が一層求められることにかんがみ、学校法人関係者に対し、本法の趣旨・制度の内容等について十分周知し、その理解と自主的な努力を促していくとともに、改善の状況についての検証を行うこと。  二、我が国の学校教育において、私学が大きな割合を占め建学の精神に基づく特色ある教育活動を通して重要な役割を果たしていることにかんがみ、私学振興策の促進に努めるとともに、私学助成の在り方については、私学の自主・自律性の確保、学費負担の軽減、適正な管理運営等の観点から不断の検討・見直しに努めること。  三、理事長及び理事の権限の明確化に当たっては、教学面における自律性の確保を図るよう配慮するなど、評議員会、教授会等との信頼関係の確立に努めること。  四、監事による監査の実効性を高めるため、適切な監事の選任、常勤監事の導入等監査体制の充実に努めるとともに、監事の意識や資質の向上等のための施策の充実にも配慮すること。  五、学校法人に求められる高い公共性にかんがみ、財務書類、事業報告書等については、外部からも分かりやすい内容となるよう留意すること。    また、設置する学校の種類や規模等、学校法人の多様な実態を踏まえ、各学校法人が自主的な判断により、より分かりやすい公開内容や方法を工夫し、積極的な財務情報の公開に努めること。  六、私立学校審議会の委員の選任に当たっては、当該都道府県の教育全般にわたる充実と発展を図ることができるよう配慮すること。  七、今回の法改正と外部評価制度とがあいまって、私学の公共性がより担保されることとなるため、大学等については、公平・適切な認証評価が行われるよう努めるとともに、初等中等教育については、自己点検・評価結果の公表を更に進めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  203. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) ただいま鈴木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  204. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) 全会一致と認めます。よって、鈴木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、河村文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。河村文部科学大臣。
  205. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) ただいまの御議決につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいります。
  206. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  207. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  208. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) 速記を起こしてください。     ─────────────
  209. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) 学校教育法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。河村文部科学大臣。
  210. 河村建夫

    ○国務大臣(河村建夫君) このたび、政府から提出いたしました学校教育法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  近年、児童生徒の食生活の乱れを背景として、児童生徒が望ましい食習慣を身に付けることができるよう、家庭だけでなく、学校においても食に関する指導の充実を図っていくことが重要となっております。このため、栄養に関する高度の専門性を有する教育職員を学校に設置できるようにする必要があります。  また、近年の医療技術の高度化や医薬分業の進展等に伴い、医薬品の安全使用や薬害の防止等についての社会的要請が高まりつつある中で、薬剤師は、医療の担い手としての役割を積極的に果たすことが求められております。このため、臨床に係る実践的な能力を有する薬剤師の養成を目的として、大学における薬学教育を改善・充実する必要があります。  この法律案は、このような観点から、栄養教諭制度の創設及び大学における薬学教育の修業年限の延長を図るものであります。  次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。  第一に、学校に置かれる教育職員として栄養教諭を位置付けるとともに、栄養教諭に必要な資質を担保するため栄養教諭の免許制度を創設し、併せて、栄養教諭の身分、定数、給与費の負担等について所要の措置を講ずるものであります。  第二に、大学の薬学を履修する課程のうち臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とするものの修業年限を六年とするものであります。  このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。  以上であります。
  211. 北岡秀二

    ○委員長(北岡秀二君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十八分散会