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2003-06-12 第156回国会 参議院 国土交通委員会 21号 公式Web版

  1. 平成十五年六月十二日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  六月十二日     辞任         補欠選任      斉藤 滋宣君     田村耕太郎君      野上浩太郎君     小林  温君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         藤井 俊男君     理 事                 鈴木 政二君                 脇  雅史君                 山下八洲夫君                 森本 晃司君                 大江 康弘君     委 員                 岩城 光英君                 木村  仁君                 沓掛 哲男君                 小林  温君                 田村 公平君                 田村耕太郎君                 鶴保 庸介君                 松谷蒼一郎君                 吉田 博美君                 吉村剛太郎君                 池口 修次君                 北澤 俊美君                 佐藤 雄平君                 谷林 正昭君                 続  訓弘君                 大沢 辰美君                 富樫 練三君    国務大臣        国土交通大臣   扇  千景君    副大臣        国土交通副大臣  中馬 弘毅君        国土交通副大臣  吉村剛太郎君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       岩城 光英君        国土交通大臣政        務官       鶴保 庸介君    事務局側        常任委員会専門        員        杉谷 洸大君    政府参考人        国土交通省住宅        局長       松野  仁君        国土交通省政策        統括官      河崎 広二君    参考人        都市基盤整備公        団総裁      伴   襄君        都市基盤整備公        団理事      田中 正章君        都市基盤整備公        団理事      古屋 雅弘君        都市基盤整備公        団理事      那珂  正君        都市基盤整備公        団理事      中田 雅資君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○独立行政法人都市再生機構法案(内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 藤井俊男

    ○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  独立行政法人都市再生機構法案の審査のため、本日の委員会に国土交通省住宅局長松野仁君及び国土交通省政策統括官河崎広二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 藤井俊男

    ○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 藤井俊男

    ○委員長(藤井俊男君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  独立行政法人都市再生機構法案の審査のため、本日の委員会に都市基盤整備公団総裁伴襄君、都市基盤整備公団理事田中正章君、都市基盤整備公団理事古屋雅弘君、都市基盤整備公団理事那珂正君及び都市基盤整備公団理事中田雅資君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 藤井俊男

    ○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 藤井俊男

    ○委員長(藤井俊男君) 独立行政法人都市再生機構法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 谷林正昭

    ○谷林正昭君 おはようございます。谷林正昭でございます。  もう三回目になりましたけれども、実はこの新機構に当たりまして、私はどうしてもこれは一つの政治決断も必要になってくる場面があるんではないかなというふうに審議をさせていただいて思っておりますし、一方では強力なリーダーシップも必要になってくる、このように実は思っております。  昨日、参考人の皆さん方に来ていただきまして御意見を聞かせていただきました。都市再生ということをしっかりこれからはやっていかなきゃならない、東京というものも東京なりにもっともっとしっかりしなきゃならない、地方の都市も頑張らなければならない。あるいは、一方のこの新機構の事業の柱であります賃貸住宅の確保、そして建て替え、そしてそこに住んでおいでになる方々のコミュニケーション、あるいは、どういいますか、本当にそこに住んで良かった、住みたくなる、こういうまちづくり、こういうものが実は昨日、非常に有意義に議論をさせていただきましたし、意見も聞かせていただきました。  私は、マンション建替え法のときに本会議質問をさせていただきました。そのときに、小学校四年のときに家が丸焼けになった、そしてバラック生活を四年間、四年から中学二年までバラック生活をした、そして、その後、父親が頑張って小さな家を建てた、しかしその父親が私が高校二年のときにトラックの上から転落をして労働災害で死亡した。  父親というのは、十八年に結婚をして、戦争に行って、二十年に帰ってきて、私が二十一年に生まれ、そして三十八年に、間に子供三人生まれ、そして大火に遭い、家が丸焼けになって、頑張って家を建てて、そしてその家が完成しないうちに四十二歳の若さで亡くなった。何のために父親はこの世に出てきたんだろう、そう思いながら本会議質問をさせていただいて、その大きなポイント、私の母親は今八十になろうとしておりますが、いまだに完成していないその家を、ばあちゃん、家、少し直すけ、建て替えるけ、こう言ったときに、八十になる母親は──済みません、ちょっと詰まりました。父ちゃんが頑張って建てた家だから、私が死ぬまで壊さんといてくれ、直さんといてくれ、実はこう言うんですね。  それくらいに住宅というのは、家というのはその家族のきずな、そして家同士のきずな、そういうものを、その地域のためにどうあるべきかということを私は父親や母親が教えてくれた、このように思いながら本会議質問させていただきましたし、またこの新機構設立に当たりまして、住宅というのは本当に大切なものだと思いながら実は質問をさせていただいております。  そういう意味では、今、今日もたくさんの方がおいでになっております。本当にこの公団住宅で住んで良かった、子供たちも大きくなった、これからは自分たちが住み続けるために、高齢者の皆さんのことを、そして仲間になったそういう人たちのことを思いながらやっていきたいという参考人の御意見もございました。  そういう意味で、私はこの公団が果たしてきた役割、そういう意味では非常に大きなまちづくりというものが私はあると思います。そういう意味で、居住者だけではなく、その周辺のまちづくりにも公団が果たした役割は非常に大きい、より良い町環境というものを作ってきた、そういうことを考えたときに、この貴重な公団を取り巻く環境、空間、これを非常に大切にしなければならないというふうに思いますので、もし建て替えのときに、高層にして、周りを売り払って、町コミュニティーを作り直すというのは非常に私は難しい、厳しいというふうに思います。そういう意味で、この貴重な空間が建て替え事業によって失われてしまうことがないように私はすべきというふうに考えます。  ある人に聞きましたら、三十年前にそこに移り住んだときに、そしてみんなで桜の木の苗木を植えた。それが年々太くなって、今じゃすばらしい花見ができるような状況にもなった、そういう、気持ちの上ではそこに植えた樹木と一緒に育ったという気持ちもある、そういう大切な空間を是非守り続けたい、こういうことを考えさせていただいております。  そういう意味で、是非大臣に御答弁をいただきたいと思いますが、そういう貴重な空間、町の安らぎみたいなものが建て替え事業によって失われないような配慮を是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  8. 扇千景

    ○国務大臣(扇千景君) おはようございます。  連日と言うべきか、この審議も度重なってまいりました。  そして、今、谷林議員が自らの生い立ちと自らの御家庭をあえて吐露して、我々に住宅の重要性、また人生にとって住宅がいかに大事であるかということをお説きになりまして、私は、谷林議員が、自分の父親が戦争に行って苦労し、帰ってきて、そして働いて家を建てて、何のために生きたんだろうとおっしゃいましたけれども、私は、三人の立派なお子様を残し、そして谷林議員のように世のため人のためにこうして国会の中に出てくる、こういう人を残しただけでも、私は、お父様がこの世に存し、そして自分の子孫を立派に残してくだすったということだけでも、そして自分の苦労を苦労としなかったお父様だと思いますけれども、それを分かってくれる子供がいるということは私はどんなにお幸せだろうと思います。  そういう意味で、谷林議員があえて御自分の経験を吐露なさいましたけれども、私は、それに負けることなく、またその意思に、私は、谷林議員が今後もそういう心を持って多くの人のために働かれることは私は立派なお父様への孝行だと思いますので、心から称賛をし、今後も頑張っていただきたいことをまず冒頭に申し上げておきたいと思います。  それから、参考人をお呼びいただいて、オープンスペースのお話が出たようでございます。私は大変大事なことだと思いますし、家を建てればそれで全部満足だというものではなくて、環境というものがいかに、私は大人より子供に対する環境の保全ということは大きな精神的な影響を及ぼすものだと思っています。コンクリートに囲まれて、自然と接することなく、春、夏、秋、冬と日本の四季があっても、春、夏、秋、冬に咲く花の名前も子供は分からない。そして、このごろは春、夏、秋、冬に季節に即した果物も子供は名前が言えない。そういう日本の特徴のある自然と接することなく、コンクリートの中で育ってしまったのでは、今、谷林議員がおっしゃったような人間性はまず育ちません。  そういう意味で、私は、今までこうして公団が果たしてきた約少なくとも七十五万戸の、賃貸の管理しているところが今約七十五万戸、二百万人、この人たちにとっても私は大きな責任も持っていると思います、そういう意味で。ですから、参考人がおっしゃいましたように、オープンスペースをいかに生かすかということは、私は、高層になってオープンスペースをなくさないでくださいと谷林議員おっしゃいましたけれども、高層にして余ったところをすべからく私は自然を保護する緑の町にする、そしてその余ったスペースで少しは老人のためにエレベーターも付けようではないかと、そういうことに私は政策転換することの大きな第一歩だと思っていますし、私はそれが二十世紀と二十一世紀の違いだということを絶えず言い続けております。  ですから、二十一世紀のソフトの時代を作るためには、今後の改革によって、高層に建て替えたときも、そういうより余ったスペースは緑の回帰、自然回帰、そしてバリアフリーと老齢社会に適応できるようなものにしていくという原則がなければ建て替える意味もありません。古くなったから、年数が来たから建て替えるだけでは味もそっけもありません。  そういう意味では、私は、今後、あらゆる統合した知恵を働かせて、なおかつ建て替えてよかったなと言えるものにしなかったら何のために建て替えるんですか。私は、そういうお気持ちと、また公団が今回こういう法案を出して皆さんに御審議いただいているのも、そこに原点があろうと思っておりますから、その自然と人間の共生という原点を忘れることなく私は遂行すべきだと思っております。
  9. 谷林正昭

    ○谷林正昭君 ありがとうございました。  今日来ておいでになる皆さん方は、みんな公団に入っておいでになる方、そしてこれから建て替え準備をされている方、あるいはもう終わった方、いろんな方がおいでになろうかと思いますが、その方々のお話を聞いたときに、これからは若い人たち、子育て世代、こういう人たちも公団に入っていただいて、そして、より活性化のある、老人だけの公団ではなくて、棟ではなくて、やっぱり若い人たちも安心してそこへ入っていただけるような、そういう環境も作りたいなと思っておいでになると思います。  そういう意味では、若者世代、子育て世代、そういう人たちが魅力を感じる公団住宅、こういうものを私は施策としては必要だと思いますが、そういう施策を今後作っていかなければならないと私は思いますが、いかがでしょうか。
  10. 松野仁

    ○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。  公団は建設時期の古い賃貸住宅団地から順次建て替えを行ってきているところでございます。したがいまして、建設時期が古い団地ほどお年寄りの方の割合が多いという、高いということがございまして、建て替え事業の実施に当たりましては、若者世代あるいは子育て世代の居住に対応した住宅を併せて供給することによりましてバランスの良いコミュニティーが形成されるよう配慮することが重要でございます。したがいまして、従来の建て替え事業におきましては、公団が従前居住世帯のための住宅のみならず、若者世代や子育て世代の居住のための賃貸住宅も供給してきたところでございます。  しかしながら、今回の特殊法人改革におきまして民間にできることは民間にゆだねるということで、都市再生に民間を誘導することを基本とするという業務の見直しがございます。新規の賃貸住宅につきましては、直接供給ということではなくて、民間事業者に対する支援を行うことによって政策的に必要な賃貸住宅の供給を誘導するということとしております。  したがいまして、今後の新規着手の建て替え事業におきましては、機構が、都市再生機構が従前居住世帯の入居のための賃貸住宅を供給するということでございますが、若者世代や子育て世代の居住にも対応した新たな賃貸住宅を余剰地において民間供給支援型賃貸住宅で供給するということになりますので、そういう形で供給する、あるいは場合によっては公営住宅あるいは保育所等の子育て支援施設の併設を促進すると、こういったことで若者世代等にとっても魅力的な居住環境を作っていくということになろうかと思います。
  11. 谷林正昭

    ○谷林正昭君 是非、これからは、マンションはマンションで、いい環境は環境として私はできていくと思います。それから、賃貸住宅は賃貸住宅として、またいい、すばらしいところもありますし、まちづくり、環境づくり、こういうものも大切になってくるというふうに私は思っております。  そういう意味で、是非、ソーシャルミックスという言葉を使うことも実は聞きました。そういうことで、いろんな方々がそこで頑張られる、そういう環境を政策的に私は作っていくべきだ、それが強いて言うならば日本の活力になっていく、そういうふうにも、飛躍し過ぎかも分かりませんが、私は感じております。是非、若者あるいは子育て世代に魅力ある公団、こういうところに政策的にやっていただきたいというふうに思っております。  次の質問に入らせていただきますけれども、私、小学校のときに、こういう言葉は適当かどうか分かりませんけれども、エンゲルの法則、エンゲル係数というのを実は教えていただきました。私も食べ物もろくにない時代に育ちましたし、母親も苦労しましたし、ちらっとさっき見苦しいところをお見せしましたが、子供のときに家が丸焼けになってというようなことがありまして、いわゆる収入に、その家庭の収入に占める食費の出費の割合が多ければ多いほどその家庭は苦しいというような話を実は習いました。ところが、今はそういう時代ではないと思います。  いろんなものを、飽食の時代と言われるようにありますし、昔は着るものも着ない、何もしないででも食べるということに執着をしなきゃならなかった。ところが、今はそうではない。今は逆に、私はそのことを考えたときに、食べるということよりも住むということに、家というところに私は収入の大部分を、その家族の収入の非常に大きなウエートを占める、そういう統計があるのかどうか私は分かりません。しかし、一戸建てを持とうとしたら大きなローンを組まなきゃならない、月々返済をする、それは食べるものも食べないで返済をしなきゃならない。あるいは賃貸住宅に入れば月々その家賃を支払わなければならない、そうなれば食べるものも着るものも我慢してでもそれに対応しなきゃならない。  私は、今の環境は、住むということに関して重きを置かざるを得ないような、そういう状況になってきているというふうに思います。そういう意味では、公団賃貸住宅の建て替えに伴う、その収入に占める、いわゆる住に係る負担が非常に多くなっているという、私は、そういうふうな状況の中で、より住宅弱者と言われるような人たちに対して国が政策的に、あるいは公団が政策的に、あるいは何かをやるべきだというのが、そのエンゲルの法則から考えて、私は、今度は逆に住宅ということを、住むということを、ローンを組んでいる人もおいでになります、それから、今ほど言いましたように、月々家賃を支払って家庭を営んでいる人たちもたくさんおります。そういう意味では、特に、収入が減ってくる、年金生活になる、そういったときに、限られた収入の中で固定した住に係る支出が多くなる、こういう現状をやっぱり私は直視しながら、政策的に住宅弱者と言われる人たちのための手を差し伸べるという政策が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
  12. 古屋雅弘

    ○参考人(古屋雅弘君) ただいま委員から御指摘いただきましたように、入居者の方々にとっては家賃の問題、大変重要でございます。  特に、建て替えの場合は、家賃も含めて入居者の方々の居住環境が変わりますので、私ども大変きめ細かにいろんな配慮をさせていただいておるつもりでございますが、家賃について申し上げますと、建て替え後の住宅に戻られることを希望される方々で特に低所得者の高齢者世帯、母子世帯、障害者世帯あるいは生活保護世帯の方々につきましては、一般の戻り入居者の方々より一段の家賃減額措置を講じまして、居住の安定に配慮させていただいているところでございます。  また、建て替えの場合には、できるだけ公営住宅を併設するなり、借り上げ公営住宅という形で供給していただくなり、そういったものの導入に努めまして、自治体の方でも私どもの従前入居者を優先的に入居させていただく、あるいは周辺の公営住宅への入居あっせんを講じていただくといったような措置を講じておるところでございます。  これらの措置につきましては公団法にもその根拠規定が置かれておりますが、機構法にも同様の規定が置かれておりまして、これら低所得高齢者等の世帯につきまして、今申し上げたような措置につきましては引き続き適切に実施していく必要があり、大変重要な課題であるというふうに考えております。
  13. 谷林正昭

    ○谷林正昭君 いろんな措置がなされていて配慮がなされている、今そういう御答弁でございました。私もいろんな資料を見させていただきまして、よくここまできめ細かくやっておいでになるなという部分もございます。  そこで一点、しつこいようですが、一昨日質問させていただきましたいわゆる旧制度と新制度の関係、ここでもう一遍やらせていただきますけれども、一昨日の御答弁では、こんなことを言っちゃ失礼ですけれども、当時の、戻りたいか戻りたくないかということを家賃を示しながら、戻った場合の家賃を示しながら選択をしていただいた、だから今更その制度をこのラインに合わせるということは、戻りたかったけれども家賃が高くなるからといって出ていかれた人に大変申し訳ないからラインを合わせられないんだ、こういう御答弁だったというふうに私は思います。  今おいでになる方々の理解が得られないから合わせられないんだというものではなかったように私は受け止めました。そうなってきたときに、一定の判断をしてその団地を出ていかれた人たちを切り捨てるという意味では私はないと思います。そうではない、今おいでになる、地域は違いますけれども、公団で生活をしておいでになる方々、そしてこれから収入も少しずつ下がっていくあるいは上がっていく、いろんな方、おいでになるかと思います。年金生活になる、いろんな方がおいでになるかと思いますが、新制度と旧制度というのは、やはり私は新しい機構になるこの機会に一定の出ていかれた人たちの御理解も得られるような、そういうシステムを作りながら線を合わせるべきだと、これは可能だというふうに私は先日の答弁を聞いて思いました。  今おいでになる人たちの中で、それはおかしい、そういうそごは起きません。強いて言うなら、建て替えのときに仕方ないといってその団地を出られた方々との気持ちをおもんぱかれば、今合わせるのは難しいという答弁だったというふうに思います。しかし、いろんな方々の、そしてそこに一緒に少なくても住んだコミュニティー、そういうものを思い起こしていただけるならば、今ここで新しい機構になるときに、新制度に合わせたからといって、出ていかれた方々は何をしてくれるんだ、こういう気持ちには私はならないというふうに判断をさせていただきました。  したがいまして、この問題は非常に、まだまだ議論が足りないかも分かりませんけれども、私はこの機会に、富樫先生が御質問されて、そして、もしそういう方々を一線に合わせるとしたらどれだけの費用が要りますかという質問に対して、大ざっぱに言って二億円で済む、こういう答弁もございました。私は二億円が大きいお金か小さいお金か分かりません。しかし、そこに住んでおいでになる方々が、そのお金で不公平感がなくなって、そしてこれからもそこで住み続けようという、正に心の通った公団政策、こういうものが得られるとするならば、是非この機会に新制度に合わせていただきたい。これは理屈とか、そういうことでいうとなかなか難しいかも分かりませんけれども、政治的判断も一方では必要だというふうに思いますので、御答弁をお願いいたします。
  14. 古屋雅弘

    ○参考人(古屋雅弘君) 大変切実な御指摘でございますけれども、お言葉を返すようでございますが、建て替え事業の実施に当たりましては、委員御指摘もいただいたように、戻られる場合の家賃はこうです、減額措置はこうですと、あるいはほかの団地へ移られるならこうです、公営住宅はこういうふうにあっせんさせていただきますということを、建て替えの着手説明会以降二年間にわたりまして居住者の方々に条件を提示し、選択をしていただいているわけでございます。  その戻り入居に係る家賃減額措置につきましては、ある種建て替え事業に伴って家賃が激変することに対する補償措置、公共事業でいろんな物件を買収されるときに補償いたしますけれども、それに類似のものでございまして、この件につきましては、旧制度により戻り入居された方々とは戻り入居後の減額措置についていろんな条件を提示させていただいた上で合意をし、戻りの契約をさせていただいておりまして、補償措置としてはこれで完結をしているんではないかというふうに考えております。  仮に、先生からいろいろ御指摘ございましたけれども、やはり旧制度で戻られた方に新制度を適用するということであれば、実は戻られた方を上回る方々が団地から別の住宅へ移っておられるというような事情がございますので、やはりそういった方々との公平というか、バランスをやはり考えざるを得ない。そういうことから、遡及して新制度を適用するということは非常に困難であるということも誠にやむを得ない状況ではないかなというふうに思っております。  なお、さはさりながら、公営住宅との連携でありますとか、高優賃も大変力を入れてこれから供給しようとしております。公営住宅との併設、あるいは私どもの住宅、公団住宅を公営住宅として借り上げていただいて、公営住宅として供給するという実績はこれまで二千七百五十五戸に達しておりますし、また建て替えを契機に公営住宅にあっせんして、公営住宅の方に入居していただいた方々は二千九百四十四名に達しております。  そのような他の住宅施策との連携において、戻りの入居者の方々あるいは従前居住者の方々の居住の安定が図られるよう最大限努力をいたしたいと思います。
  15. 谷林正昭

    ○谷林正昭君 きめ細かな対応をしながら、そして特に第一線で居住者の方々と対応されて、努力されているということも十分承知をさせていただいております。  しかし、私が今言わせていただいておるのは、そういう納得ずくで仕方がないから出ていかれた方々のことをおもんぱかって、ずっとこの後も触らないんだ、しかし新しい制度というのはその次にまた見直すときが来ると思うんです。やっぱり段階的に見直すときが来るという、そういうことが私は必要ということを考えたときには、今このときに正に、より信頼関係を強めるということも含めて、そしてこれからはその住んでいる方々の公団に対する信頼、こういうものも強めていく。こういうことを含めたときにはやっぱり、理事、古屋理事には政治判断はこれは私は求めるつもりはございませんが、しかしながら現実的にそういう声を受け止めていただいた公団、そして今度はその公団が新しく機構に変わる、このときに政治判断をいただきたいというのは、これは大臣に聞くしかないんです。  大臣には通告してありませんけれども、今の理事の答弁をお聞きになって、そして私が今申し上げたお話をお聞きになって、私は是非ここで大臣の判断をいただきたいと思いますし、是非御答弁をいただきたいと思います。
  16. 扇千景

    ○国務大臣(扇千景君) これは先日、谷林議員からもありましたし、共産党の富樫議員がそのことに対しても私に答弁を求められました。  このことは、今まで住んだ人たちが出ていって、そして建て替えるときに、帰ってくるときにはこれこれこれこれの特典がありますよ、配慮しますよといったときと、制度改正によって、最初に出ていって、帰ってきてもらう配慮の配分の仕方が少ないから私はもう新しいところへは帰れませんよといって帰れなかった方もあるのはおっしゃるとおりでございます。  けれども、制度改正というのは、御存じのとおり、やっぱりその時代に合った制度改正をせざるを得ない。また、制度改正することによって新たな第一歩が踏めるという制度改正もあるわけでございます。ですから、今、谷林委員がおっしゃったように、制度改正前に、じゃ平成九年と平成十年で差が出るじゃないかと、そうおっしゃることはよく分かります。  ただ、全く例は違いますけれども、制度改正というものと世相の違いということで、例えば、バブル期に亡くなった方が遺産相続税で、バブルのときに地価評価が高くて、バブルのときに死んじゃったから物すごい遺産相続税が掛かった、バブルがはじけて、今死んでいれば、同じものでももっと資産価値が下がって遺産相続税が少なかったじゃないかと、こういうことも、これは例が違うかもしれませんけれども、例えばですね、制度改正というものと世の中の違いというものがありますから、私は、どこで線を引くかということをきちんと私は住民の皆さん、あるいは建て替えるときに説明の不足があったということだけは私は認めます。また、そうするべきだと思いますけれども、公団がどの程度皆さん方に情報開示をし、御説明をしているか、それは私は注意すべきことだろうと思っていますけれども、私は情報開示が第一だと思っています。  親切、丁寧にと今、谷林議員が言ってくださいました。細かに政策的にも配慮していただいていると言っていただいたことに対しては、公団が私は最大の配慮をしてきたんだろうと思いますけれども、今言ったように、平成九年、平成十年でそこで線を引いて格差ができたということに対しては、もう一度私は説明が必要でございますし、私は、それは政治判断ですることというよりも公団の姿勢でございます。私は、政治判断で、今、二億のお金が多いとか少ないではありません。そういう意味で、私は、今度公団が機構になるときにそういうことをきちんと住民に納得していただいて、今、政府が考えて、そして、変な話ですけれども、住宅公団の別途にあります、この機構もあります。そこではプラスになっています。変な話で、株式会社日本供給会社というのは、これはプラスです。  ですから、ここで私は二億の金が多い少ないではなくて、必ず制度改正するときには住民に納得できるような説明が必要であるということは、今後もあり得ることですから、私は、そのことを今度、機構の改編とともに住民の皆さん方に納得できるような説明をするというのは、それは仕方がないことだと思いますけれども、そういう配慮をするべきであるということは重ねて私は注意したいと思います。
  17. 谷林正昭

    ○谷林正昭君 今、大臣がお答えになりました内容、私は非常に意味が深くあるというふうに受け止めさせていただきました。正に公団の姿勢、そして公団が住民の皆さんとどう対話をしながら、そしてより良い方向性を作る、新しい措置を考える、そういうところだというふうに受け止めさせていただきました。是非、公団から国土交通省に相談があった場合はひとつ適切なアドバイスをいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。  そこで、次の質問に入らせていただきますけれども、道路公団の問題がよくマスコミあるいは取りざたされます。それは、本体ががたがたになっているにもかかわらずファミリー企業が非常にもうかっている、そしてそこに多くの人たちが天下りをしているというようなことがよく取りざたされます。そういう意味では、同じ目でいわゆる整備基盤公団を見たら私はいけないというふうに実は思いました。  というのは、今、子会社、ファミリー企業を調査をさせていただきましたら、全部調査ができるわけじゃありませんが、一点、一つの会社で日本総合住生活株式会社というところがあります。いわゆるJSというところでありますけれども、これが年間一千億円を超える、一千億円ですよ、一千億円を超える事業の取引がこの基盤整備公団とあるということが分かりました。世の中で一千億円を超える取引をすぽんとやっている。そして、それが、じゃ、どれだけもうかっているのかというようなことなども実は見させていただきましたが、非常に利益率が悪い。一千億円の仕事をして〇・数%の利益率。これは一体どうなっているのかな、正直言って思いました。  ところが、昨日、参考人の方のお話を聞きました。リニューアルとかあるいは修理だとか、こういうとき、あるいはメンテナンス、そういうときに、私たちはこの日本総合住生活株式会社、JSの皆さんのその働きぶり、気の遣い方、仕事ぶり、そういうことを考えたときに、非常に信頼を持って安心してやっていただいている、こういう声もいただきました。そうなってくると、一体このJSというのはどういう会社なのかということを世間にしっかり明らかにして、そして、いいところは伸ばす、悪いところは改める、こういうような観点で私は見ていかなかったら大きな誤解が生じるような気がしてきました。  そこでお尋ねをいたします。このJSというのはどういう仕事をしているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
  18. 古屋雅弘

    ○参考人(古屋雅弘君) 日本総合住生活株式会社、いわゆるJSは公団が資本金の三分の二を出資いたしまして設立いたしました私どもの子会社でございます。これは、この会社は、公団の賃貸住宅の管理業務を補完するということで、効率的、機動的に動いていただく組織として作ったわけでございます。  具体的な仕事としましては、公団が実施すべき業務ではありながら、例えば住戸内の改良でありますとか、小規模な、もう日常茶飯事あるいは昼夜を分かたず生じるような不具合といったようなものに緊急に駆け付ける、あるいは給排水のライフラインが故障したといったときに夜でも日曜でも駆け付けるといったような、そういった対応を入居者の方々との円滑な関係の中で、住戸の状況もよく承知しながらやっていただくことが必要でございまして、そんな業務を補完的に遂行していただくために作られた会社でございます。  それで、株主として公団が三分の二の支配権を持っておりますので、公団のいろんな管理方針を踏まえながら重要な業務を遂行していただいているところでございます。
  19. 谷林正昭

    ○谷林正昭君 それでは、この三分の二の株を持ちながらやっている、私はそんな大きな株ではないと思うんですね、二十億円か十何億円だったと思うんですけれども、その会社が一千億円近くあるいはオーバーするような状況だというふうに聞いたんですが、具体的にその数字を聞かせていただけますか。近年、公団からの受注高と経常利益、その経常利益は何%に当たるのか。簡単に、率直でいいですから、お願いいたします。
  20. 古屋雅弘

    参考人(古屋雅弘君) JSの公団からの受注高は、平成十三年度決算で一千二十億でございまして、ここ数年大体一千億程度で推移しております。経常利益は平成十三年で見ますと十六億円。したがいまして、売上高に占める経常利益の割合、経常利益率は平成十三年度の場合は〇・九%となっております。
  21. 谷林正昭

    ○谷林正昭君 一千億円を受注しているということでありますから、非常にすごいお金がそこへ行っているというふうに思います。しかしながら、その経常利益が非常に少ない。利益率も悪い。この理由を聞かせてください。
  22. 古屋雅弘

    参考人(古屋雅弘君) JSは、先ほど申し上げましたように、公団の子会社で、私どもの管理方針に従って仕事をしていただくという意味で全く純粋の会社とは異なるわけでございます。したがいまして、そういう子会社としての性格を踏まえまして、民間と競合するような大規模修繕工事等からは撤退いたしまして、先ほど申し上げましたような補完的な業務に専念をしてきているという、一つ業務分野の重点の移動があります。  それから、公団のいろんなコスト削減に積極的に協力していただく。例えば、工事仕様の見直しでありますとか積算の合理化でありますとか新技術の導入でありますとか、そういったコスト低減に先導的に、いろんな技術開発をしながらこれに取り組んでいただいているといったようなことがございまして、大変、集合住宅の管理というのはまだ民間でもなかなかそういうことに手掛けておられる業者さん少なくて、成熟が十分でございませんので、こういったJSを活用しているところでございます。
  23. 谷林正昭

    ○谷林正昭君 私は詳しく経理内容を調べるつもりはございませんが、端的に、役員の構成で、公団からの再就職の方は何名おいでになりますか。
  24. 古屋雅弘

    参考人(古屋雅弘君) JSの現在の役員総数は十八名でございますが、そのうち公団OBが十名でございます。
  25. 谷林正昭

    ○谷林正昭君 じゃJSは、これまでこの会社を優遇したことはありますか。
  26. 古屋雅弘

    参考人(古屋雅弘君) 優遇ということではございませんで、先ほど申し上げましたような、公団にとって、あるいは居住者の方々にとって大変重要な業務に特化をしていただいてやっておると。その結果、その分野の仕事についてはある程度公団からの発注割合が高くなるということもまたやむを得ないわけでございますが、時代が変わっていろんな民間業者さんが育ってまいりますれば、そういった民間業者さんの成熟に応じて、先ほど申し上げましたように、大規模の修繕工事からは撤退する、中規模も撤退するといったようなことをやっておりますので、改めるべき点は改め、より本当に公団及び居住者の方々にとって必要な業務に特化をさせていきたいと考えております。
  27. 谷林正昭

    ○谷林正昭君 二年ほど前にある新聞に随意契約の問題も実は報道されまして、誤解を招くような内容にもなっております。私はこのJSが悪いとかおかしいとか言うつもりは毛頭ございません。だけれども、一番大切なのは、そこに住んでいる方々と信頼関係でこのJSがどういう位置付けにあるのか、ここがポイントだというふうに思います。そういう意味では、十八名中の十名が天下りをしている。そして一千億円ある中での、今ほどなぜ利益率が悪いかという説明もございましたが、私はやっぱりそこの人が多い、あるいは人件費あるいは管理費、そういうものにもやっぱりしっかりメスを入れなければならないところもあるんではないか、こういうふうに感じました。  そういう意味で、是非、このJS以外にもファミリー企業が幾つもありますが、是非、このファミリー企業の悪いところはしっかり直す、この際に。それをしっかり私はやっていただきたい。そうしないと、国民の目線はファミリー企業というのは全部駄目だというところに行ってしまいます。そうではない、ファミリー企業の中でもそこに必要な部分で頑張っている、そして信頼関係を持って高い技術でというところもあるんですよ。私はそれは大切にしなきゃならぬと思います。  そういう意味で、この際、しっかりファミリー企業の見直し、悪いところは切る、そしていいところは伸ばす、こういうところをしっかりやっていただきたいと思いますが、その決意をお願いをいたします。
  28. 田中正章

    参考人(田中正章君) 今回の改革によりまして公団は独立行政法人、ここへ移行するわけでございます。機構本体も効率的で透明な経営を図る、こういうことになるわけでございますが、子会社、関連会社といった私どもの関係会社についてもその見直しを図ることといたしております。  関係会社の業務につきましては先ほど来お話が出ておりますが、民にできることは民にという、これは機構本体と同様の大原則ございます。こういう考え方から、民間と競合する業務から原則撤退いたしまして、例えば、先ほど来お話が出ておりますけれども、賃貸住宅にお住まいの方々の応急、緊急対応サービスなど、あるいはこれから機構が手掛けますところの複雑な権利関係の調整業務、機構が行うわけでございますが、これを支援する業務、こういった機構が行っていく業務の補完、代行ということに重点を移しまして、業務の見直しを図ることといたしておるところでございます。  こういう業務の見直しを通しまして、関係会社の数でございます、五十四の関係会社が私どもございますわけでございますけれども、これは公団以外に、出資をして株主となっていただいている地方公共団体など、こういった株主の方々の理解を得つつ、おおむね三十社程度に整理再編する所存でございます。  それから、透明性という観点では、機構移行後は、機構本体と、それからこういった関係会社との連結財務諸表の作成が義務付けられることになりまして、その結果も、それも公表されることになります。こういったことで透明性も確保されるということになるわけでございます。  以上でございます。
  29. 谷林正昭

    ○谷林正昭君 是非、透明性を確保しながら、そういう見直すべきところはしっかり見直しをしていただきたいというふうに思います。  時間がなくなってきましたので、基本的な考えを副大臣、大臣にお尋ねをしていきたいというふうに思います。  一つは、一昨日質問したときに、資産はどれだけあるかと言ったら、これは十六年度に出しますと。じゃ、負債はどれだけあるかと言ったら、それも十六年度出します、こうおっしゃいました。ところが、負債なんというのは今すぐでも出るんですよ。そういう意味では、私は、この新しい機構になるときに当たって、この機構の資産の透明性、経営責任の明確化、これをしっかり私はやるべきだと、それをどう担保するのか、お尋ねをいたします。
  30. 中馬弘毅

    副大臣(中馬弘毅君) 今、谷林委員の方から御指摘されましたファミリー企業等も含めたこうした大きな改革、これが今大きな政府の課題でもございます。従来は、やはりお役所というところは、預かった税金でしょうか、これを正しく予算に組み、そしてまたそれを大蔵省が審査して、それをきれいさっぱり残さずに使ってしまう、それが一つの義務でもあり、役目でもあったわけでございますが、そうする中で、ただ、普通の日常業務ではなくて、こうした事業経営の場合には、国鉄の場合にもあるいはまた電電公社もそうでございましたけれども、こうしたファミリー企業的なものを抱えて、そこで少し、何といいましょうか、仲間同士の取引をしてしまうといったようなケースも出てきて、これが大きな国民の批判を浴びているところでございます。  そういったことから、民営化ないしはこうした独立行政法人化を今目指しているところでございますが、民営化の場合はともかく、この独立行政法人の場合はあくまでやはり公的なこれは法人でございますから、入居者その他も誤解ないようにしていただきたいと思いますのは、ただ利益追求のためにどんどんと家賃を上げてしまうんじゃないかといったこともございます。しかし、民間企業ならばともかく、こうした独立行政法人ですから、そのことにつきましては非常な制約といいましょうか、また我々役所も含めた監督官庁がしっかりとこれは見守らなければならない問題でもあります。  と同時に、今のお話がありました透明性の問題につきましては、これは独立行政法人として新たな会計制度を設け、そして業務運営の仕組み等が民間的に行われることを義務付けております。ただ、今までは、お役所といった場合には、購入したものといいましょうか、取得したものはそのときの取得価格で計上されているわけでございますが、これを全部時価評価にしなければいけない。大変な、道路公団も今やっておりますが、大変なこれは大きな作業でございますが、来年の七月、独立行政に移管するまでに、移管した後ですかね、こういったことをちゃんと見直して、BS勘定等もはっきり明らかにすると同時に、今言いましたような民間企業並みの財務諸表を作成し、第三者である会計監査法人の監査を受けることによって資産、負債の状況が定期的に開示され、その透明性が確保される仕組みになっております。  そして、業務の運営につきましても明確な目標を設定しまして、中期計画期間三年から五年ですけれども、この終了時点で独立行政法人評価委員会という、それぞれの省にございますが、第三者機関によって業績の評価を行うこととしております。そういう意味で経営責任の明確化が図られる仕組みになっておりますので、そのように御理解いただきたいと思います。  このようにいたしまして、機構におきましては、資産、負債の透明性が確保され、経営責任の明確化が図られることが独立行政法制度によって担保されているものだと考えております。
  31. 谷林正昭

    ○谷林正昭君 是非、明確化を担保しなきゃならぬというふうに思いますし、最後に大臣にお尋ねをいたします。お尋ねというよりもこれは要請になるかも分かりません。  というのは、昨日の参考人質疑のときでも、新機構になるときにはやはり民間的感覚、そして、どうしても黒字にならないところがあるかも分からないけれども、それを意味ある赤字にしなければならない、こういう御意見もございました。私もそのとおりだというふうに思います。赤字を出しても、その赤字が将来につながる、そして意味がある、国民が納得してくれる、そういうところも大事だというふうに思います。そのためには、私はしっかりしたリーダーシップ、これが大事だというふうに思います。  したがいまして、そのリーダーシップ、そしてそれを思い切って何をやるか、いわゆるこの機構の体質改善を、大臣は一昨日の御答弁の中で体質改善という言葉を非常に強い口調でおっしゃいました。是非、そこら辺りをしっかり国民の皆さんに聞かせていただきたい。体質改善をするためにはリーダーシップが必要です。そういう意味で、是非、大臣の最後に御答弁を受けまして、私の質問を終わらせていただきます。
  32. 扇千景

    国務大臣(扇千景君) 今回、いろいろ御議論いただいていますけれども、私は、今までの公団が果たしてきた役割、その重要性は、今まで国民の皆さん、今二百万人の居住者の皆さんもよく分かってくださっていると思います。  ただ、今回、この機構に変わるときに、今言ったようなファミリー企業、子会社、関連会社含めて今五十四社とか五十八社、言いました。これだけあることだけでも不思議だから、これを変えようと。機構に変わるときこそ私はうみは出すべきだと思うんです。  そして、今も話がありましたように、私は一概に天下りが全部いけないとは言いません。それぞれの専門でもって、まだ五十二、三歳で天下って専門を生かそうという、そのいいところだけはいいですけれども、十八人の役員の中で十人いるというと、ちょっと異常ですよね。これは常識的じゃないですね。だから、そういうことをやっぱり変えていかなきゃいけない。  そして今、たまたまお話が出まして、株式会社の日本総合住宅、これが今までどれだけあったかといいますと、剰余金が出ているんですね。その剰余金自体の金額が、私の手元に入ってきたものでは五百十二億円あるんです。そして、ですけれども、少なくとも私は、これだけの剰余金があって、なおかつ今人数を減らしました、職員も減らしました、リストラもしますというけれども、将来、四年掛かって五千人を四千人にしようということも計画しています。けれども、必要不可欠な人は、サービスの低下につながりますから、これはしなきゃいけないけれども、例えばファミリー企業のこの五百十二億円というのは今後どうするのかと。単なる五〇%株を持っていますけれども、これは民間の株式会社なんだから、これはもう全部どこか行っちゃっていいんです、それはいけないんですね。  ですから、例えば例を挙げれば、五百十二億円をどのように今後活用するのかということを考えていけば、これは基金の積立金を新たにこのお金で創設して、少なくとも少子高齢社会に対する対応の補助金にするとか、あるいは、少なくとも今後、光ファイバー等々のサービスでお年寄りでも家にいたまま何かができるような設備に投資をしていくとか、あるいは今、先ほどから話が出ておりますように、環境の問題とか、あるいは防災の装置をするようにこの基金を活用するとか、そういうことで、機構と同時に、この機構に変わるときにどさくさで今までもうけたものをそのまま逃げていってしまったのでは、私は国民の皆さんにも、入った皆さんにも申し訳ない。入っていた人に還元されなければいけないわけですから。  私は、そういう意味で、今回の機構に変更するときに、今、副大臣が言いましたように、ただ新しい制度になって、新しいスタートで、そしてよりサービスをという言葉だけではなくて、今までいけなかったうみも完全に今回は出し切って、そしてその剰余金なら剰余金をいかに還元していくかということも私は指導していきたいと思いますし、公団としても、私は、今までいいこともしたんですから、この悪い部分はいいことと相殺されてしまっては意味ないので、それは私は十分考えて、反省もしながら、新たなスタートに、そしてみんなに、ああ、やっぱり機構になってよかったなと言われるような改正と、反省とともに改革していくべきだと思います。  そして、先ほども管理はまだできませんと言うけれども、民間に一杯管理者できています。みんな管理業者が一杯育っていますから、民にゆだねるところは民にゆだねるということで、私は改革のきっかけがいい方に行くように指導していきたいと思っています。
  33. 谷林正昭

    ○谷林正昭君 終わります。
  34. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。  私は、今回の法案審査に当たりまして、公団住宅が本当に量から質へという住宅政策にきちっと当てはまるような、そういう住宅政策であってほしいという思いで質問させていただきたいと思います。  今、三大都市圏とか四大都市圏とか言われている地域で、安くて、広くて、災害にも強い安全な賃貸住宅はどれだけ供給されているかということについて、まずお聞きしたいと思います。  一年半前だったでしょうか、二〇〇一年の十一月八日の当委員会で、私は公団住宅の民営化問題を取り上げて、そのときに、民間による住宅供給の実態はどうなっているかということを質問しました。そのときに、住宅局長は次のように答えられております。特にファミリー向けの賃貸住宅は大都市圏においては非常に不足しているというのが現状でございます。一つの数字で申し上げますと、四大都市圏で約二百五十万戸程度不足しているという試算もございますと、こういう内容でございました。  民間でできることは民間でということで都市再生機構法案が出されてきたわけですけれども、この二百五十万戸不足しているという、この都市圏でファミリー向け賃貸住宅はその後どれだけ改善されたのかということなんですが、私も数字で調べてみまして、ほとんど改善されていないという実態なんですね。四大都市圏でファミリー向けの良質な賃貸住宅は民間では供給が困難と言われてきました。昨日の参考人の質疑もそういう内容でしたが、またその理由、その根拠はどういうことでしょうか、まずお聞きいたします。
  35. 松野仁

    ○政府参考人(松野仁君) このファミリー向け賃貸住宅約二百五十万戸不足しているということは、その基になる調査が、全国で五年ごとに実施しております住宅・土地統計調査によっております。  住宅局長がお答えいたしました二百五十万戸不足というのは、平成十年の調査を基にしております。四大都市圏で借家に居住している二人以上の世帯の数が約五百七十万世帯であるのに対しまして、五十平方メートル以上の借家のストックが約三百二十万戸ということでございまして、したがって、その差としてファミリー向け賃貸住宅ストックが約二百五十万戸不足しているという状況を示したものでございます。  先ほど申し上げましたように、この調査は五年周期で実施しているということでございますので、四大都市圏におきますファミリー向け賃貸住宅不足の改善状況、これは正確には来年、十五年、今年の調査の結果が公表されなければ分からないわけでございます。来年以降にその結果が公表され次第、御報告させていただきたいと思いますが、傾向をもう少しさかのぼって見てみますと、平成五年時点、先ほど平成十年と申し上げましたが、平成五年にさかのぼって見てみますと、当時のデータで見ますと、不足数が約三百十万戸ということでございました。それが、先ほど申し上げましたように、平成十年には二百五十万戸の不足ということで、その十年以前の五年間の傾向を見ますとやや改善の傾向にあるということが見て取れます。その後どうだったかということは、統計調査をまたなければいけないということでございます。  それから、最近の傾向として見ますと、住宅着工から見ますと、五十平方メートル以上の借家が毎年十万戸を上回る着工がなされているということで、これから見ますと着実にファミリー向け賃貸住宅の供給が行われているのではないかという、これは一つの傾向としての判断だけでございますが、そういったことではないかと思います。
  36. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 もう一点の質問のファミリー向けの住宅が民間ではなぜ供給は困難と言われているのか、その点について。
  37. 松野仁

    政府参考人(松野仁君) ファミリー向け賃貸住宅の供給、民間ではなぜ困難なのかということでございますが、従来、賃貸住宅は個人の地主の方が土地資産活用として供給されるというものが大半でございます。大部分は小規模でございまして、恒久施設整備を伴うような開発、つまりまちづくりを伴うようなものは非常に少ないということでございます。したがいまして、土地を保有していることに伴います税金などのコストが負担できれば十分であるという個人地主の方によって経営されております賃貸住宅が家賃相場を形成しているということがございます。したがいまして、新たに土地を取得して、企業的経営によって、法人がそういった企業的経営によって賃貸住宅を経営しようとしましてもなかなか難しい面があります。  それは、一つは、土地取得コストを家賃に反映しようとしますと市場家賃は高めの家賃になってしまう、したがって空き家のリスクがあると。それから、基盤整備等に時間を要するということがありますが、それに伴う負担増を回収できないというようなことがあり得ると。それから、賃貸住宅事業そのものが投下資金の回収に長時間を要するということで、通常の民間の株式会社のような法人が短期の資金回収を求めるという行動原理がございます。これにはなじみにくいと。それから、長期安定的な低コストの資金調達をしなければいけませんが、これがなかなか難しいというようなことがございます。  そういうことの結果として、民間賃貸住宅は極めて回転率の高いワンルームタイプあるいはかなり超高級の賃貸住宅になっているというような二極化しているということで、その間の良質なファミリー向け賃貸住宅の供給がなかなか難しいというのが実態だと思います。
  38. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 結局、民間がファミリー住宅を造るということは採算性に劣るということでやられていないというのが、やられている率が少ないということが実態だと思うんです。  そこで、民業圧迫とか、民間でできるものは民間で、官から民へというのが現在進められている特殊法人改革のスローガンですけれども、民間が今供給している広くて安全、つまり良質なファミリー向け賃貸住宅を私は調べてみました。皆さんのところに資料を配付をさせていただいているんですが、昨日は港区の区長さんがおいでになったんですが、これは中央区の民間賃貸住宅マンションの家賃の三井不動産の空き物を、空き部屋の物件をインターネットで検索をしたんですが、非常に高いというのが一目瞭然に分かると思うんです。でも、確かに広くて安全で、職住近接、都市居住という恵まれた賃貸住宅です。しかし、問題は、今ここに示しているように家賃の高さが並ではありません。月二十五万円、三十万円という家賃です。私は、これが標準的な中堅層の世帯が支払可能なファミリー住宅の家賃と認識できるのかどうか。  そこで、公団も、二枚目に資料を付けておりますけれども、都心居住、職住近接の良質な賃貸住宅の供給を掲げて事業を進めています。これは家賃が二十万円以上の住宅の一覧表も書いているわけですが、この間、公団が家賃二十万円以上の住宅の建設をした所在地、この間でいいです、団地名そして募集の倍率、募集戸数の合計を示してくださいますか。
  39. 古屋雅弘

    参考人(古屋雅弘君) 平成十四年度に東京の都心五区、中央、千代田、港、新宿、渋谷を例に取りまして家賃が二十万円以上の住宅を含む団地の状況等についてお話し申し上げます。  幾つか事例がございますが、一つは港区及び品川区にまたがりますシティコート目黒、第一次でございますが、募集戸数二百七十九戸、応募者数二千九百七十八名、倍率十・七でございます。それから、同じく同団地の第二次募集でございますが、募集戸数が二百五戸、応募者数が二千二百四十九、倍率が十一・〇倍。それから、中央区に所在しますムーンアイランドタワーでございますが、三百五十戸の募集に対しまして、二千六十三人の応募で五・九倍。それから、河田町コンフォガーデン、これは新宿区でございますけれども、第一次募集が、二百八十六戸に対しまして、一千四百八十三名の応募で五・二倍。それから、同じく同団地の第二次募集でございますが、三百十三戸の募集に対しまして、一千百三十八人の応募で三・六倍、こういったような状況でございます。
  40. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 これだけ多くの皆さん、応募者が出るということは、私は、やはりその立地条件設備水準を考えると、市場家賃に比べて著しく割安感ですか、ああ、ここは公団で安いなということを感じる、そういう家賃、立地条件になっていると思うんですね。  そこで、高い家賃だが、まあ広くて良質、そして都心の居住で職住近接になっているという賃貸住宅が民間企業からも高い家賃で供給されている、そして公団からも供給されていると。しかも、公団は相当な倍率で応募者が集まるという状況になっていると。こういうことになれば、私は、民間ディベロッパーから見れば民業圧迫ということになるかもしれないです。でも、民間企業の活動が私は大事だということも思っております。そういう立場に立ったとしても、家賃が高いという賃貸住宅の供給のこの問題だけ、家賃の問題だけを私は調整すればこれは改善できるのではないかなと思うんですが。  ちょっとその問題と関連して、だけれども、大都市圏での借家の世帯を中心にしたこの居住水準の立ち後れというのは非常に現在でもあると。都市勤労者という標準的な中堅層の世帯が支払可能なファミリー向け賃貸住宅の供給、これはどうなっているのかということなんですね。これはどこが供給しているのかという最大の問題が残ってくると思うんです。公団が機構になった後も含めて、これが供給を予定している、これらがこの問題を解決できる住宅を供給する、予定しているファミリー向けの賃貸住宅は、どの地域でどの程度これが供給するように今可能になっているのか、その戸数について教えてくださいますか。
  41. 古屋雅弘

    参考人(古屋雅弘君) 大都市圏での公団のファミリー向け賃貸住宅の戸数、供給戸数でございますが、ストックと新たに新規供給とございますが、平成十四年度末で四大都市圏において管理しているストックは七十一万戸ございます。それから、四大都市圏におきまして十五年度以降に新たに供給する言わば一種の仕掛かり中の住宅でございますが、これにつきましては二万戸を予定しております。
  42. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 これから約二万戸、四大都市圏で予定しているということですが、私は、これが終わればどうなるのかなという、二百五十万戸からしたら非常に危惧を感じるんですが、公団の方は、ファミリー向け賃貸住宅の供給実績、今もちょっと説明をいただきましたけれども、調査室の資料を見てみますと、一九九九年が一万一千七百四十四戸ですね。二〇〇〇年度が一万八百七十九戸、二〇〇二年度は一万四百六十二戸となっていますね。だから、このペースでいったら二年間で事業は終わってしまうわけですね。その後どうなるのかということが非常に私は心配というんですか、この二百五十万戸が必要だとする四大都市圏での実態からすれば大変貧しい計画ではないかと思いますが、その後はどうなるのでしょうか。
  43. 松野仁

    政府参考人(松野仁君) お尋ねのファミリー向け賃貸住宅に対する今後の改善策をどうするかということでございますが、それぞれの、住宅政策を進めるに当たって、それぞれ国民一人一人が、持家、借家を問わず、その人生の時期に応じて多様な選択が可能な住宅供給をするということが大事だと思いますが、賃貸住宅につきましては、まず都市基盤整備公団におきまして賃貸住宅を供給を管理していく、これは建て替えを含めてという意味でございますが。それから、民間事業者によるファミリー向け賃貸住宅、これは例えば公庫融資による賃貸住宅、あるいは特優賃というような制度も含めてでございます。それから、高齢者世帯向けの良質な賃貸住宅、これはいわゆる高優賃というものも含んだ施策もこの中に入っておりますが、こうしたことのための金融面あるいは予算面における支援をしてまいりたいと思います。  それから、現在、高齢者の方が比較的広い家に住んでおられて、お子さんたちが独立されて、比較的、見ますと、少人数でかなり大きな家に住まわれているということがございます。逆に、若いファミリー世代が比較的狭い家に住んでいるというようなことで、いわゆる住宅ストックのミスマッチというのが起きているということがございます。この解消のために、広い家に住んでいる高齢者の方がそれを賃貸の市場に出すというようなこともこれから起きてくるということでございます。このミスマッチを解消するための持家の賃貸化を支援するというようなこともこれからやっていかなければいけないということで進めているところでございます。  今回、既存の住宅、公団住宅を引き継いで都市再生機構がその公団住宅を管理するということになりますけれども、敷地等を整備しまして、建て替えに際して剰余地があれば民間事業者に譲渡する、あるいは民間事業者に賃貸することによって賃貸住宅の建設を支援するという形もありましょうし、そういったことで良質な賃貸住宅が確保されるように努めてまいりたいと思います。
  44. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 特優賃、また特定公共賃貸住宅ですか、いろんな制度があります。しかし、やっぱり数は知れているんですよね。今、局長は、建て替えによる新規供給ということも努めていきたい、土地が余れば民間に売ってということも言われましたけれども。  そこで、公団の建て替えによる新規供給という点に、聞きたいと思うんですが、公団は、これまで公団として、またこれから機構として建て替えに入るわけですけれども、戻り入居者分の住宅しか建設しないという報告を昨日の参考人の方からも聞いたわけですが、正確なところはどうなのか。建て替えによると、最近の戻り入居者の割合はどの程度ですか。
  45. 中田雅資

    参考人(中田雅資君) 公団の建て替え事業は、古い賃貸住宅を居住水準をまず向上させようと、それから敷地の適正利用をやろうということで実施をしております。  実際の実施に当たりましては、戻り入居者用の住宅をまず建設する、さらに周辺の市街地の整備に必要な公共公益施設、それから公営住宅社会福祉施設等の導入を図っていくというふうなことでやっております。その際、適正な土地利用を図った上で容積率を有効に活用した結果、結果として生み出された当該住棟における新規分、これは公団がファミリー向け賃貸住宅として活用していくことになります。  また、敷地の適正利用によって生まれる整備敷地について、そこでは多様な住宅ニーズに対応して民間分譲住宅として活用する。また、賃貸住宅供給が必要な地域におきましては、今後は民間供給支援型の賃貸住宅制度を活用するということにしておりますが、その際、民間による供給が行われないときは機構が自ら賃貸住宅を建設、供給し、補完的な役割を適切に果たすということにしております。したがいまして、建て替えによる建設戸数を戻り入居数だけに限定するというわけではございません。
  46. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 そこで、戻り入居数だけに限定をしないと言っていますけれども、現在、戻り入居されている人たちの数字はやはり三割から四割になってしまっているわけですよね。ですから、これではファミリー、特に子育て世代の人たちが住みにくい、帰れない、そういう実態になっているということも昨日の参考人の方の意見だったと思うんです。  私は、今数字を余り明示されずに、そういう制度があるんだと、そして民間にゆだねると、そして機構はそのことを支援するんだという、言葉では聞くんですけれども、本当にこの二百五十万、四大都市圏で困っていると。で、今これをどう解決するかというのが見えないわけですね。  一番私は、これからの計画の中で計画が立てることができるのは、やはり今言いました、建て替えの際に新規の入居者を見込んだ、そして建て替え戸数を確保して、ファミリー入居者の人たちのために良質な賃貸住宅の供給を継続させるべきだと。民間ということも言っていますけれども、機構がこのことをやるべきだということを指摘したいと思うんです。  これは、伊藤参考人は、機構の仕事として非常にこれは大きい役割がある、社会責任があるということまで昨日は参考人は述べられました。そのとおりだと思うんです。その役割について、もう一度御答弁いただけますか。
  47. 那珂正

    参考人(那珂正君) 建て替え事業に際してその地域の様々な住宅需要に対応するために、例えば分譲住宅用地として活用するほか、今申し上げましたように、本当にその地域に賃貸住宅、ファミリー向けの賃貸住宅需要が強くて、またその必要性があるという場合には、これ今申し上げましたように、今までは確かに公団自ら新規建設を主体にやっておりましたけれども、今後、機構になってからは、なるべく民間にその上物の住宅の建設と賃貸住宅の経営、事業をやってもらおうということで新機構の仕組みはできております。  したがいまして、私ども新機構としては、まずは第一に、民間事業者にしかるべくファミリー向け賃貸住宅を適正に供給してもらうということで、民間賃貸住宅支援事業もスタートさせたばかりでございます。  今、理事が申し上げましたように、もし、地域地域によっては、やはり民間事業者によるその供給がなされない場合もあるかもしれません。そういう場合には、新機構としてはその補完的役割をきちっと果たしていきたいと、こういうふうに思っております。
  48. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 民間に役割を果たしてもらうといった言葉で、それがもし駄目だったら機構がその責任を果たしていきたいということは確認したいと思います。  でも、今まで私も述べましたように、民間がやった場合は本当に家賃の面で二十万、三十万という高い家賃で、正に子育て支援の、ファミリー家族が入れるかどうかというのが私は今指摘をしたわけですが、やはりそういう人たちが入れる賃貸住宅を造るべきであるということが今の私の主張なんです。  そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、四大都市圏でのファミリー賃貸住宅が約二百五十万今不足しているという、そしていろんな施策を講じてこれからそれをやるんだと言うんだけれども、数字的には私は見えないと。だけれども、今やれる確信を持てるところは、今の公団の建て替えのときにそういう新規加入、新規居住ができるような居住を建設をすることが一番適切であるということを私は思うんですが、可能な限り努力するという大臣の発言を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
  49. 扇千景

    ○国務大臣(扇千景君) 今日、私は大沢議員にいい資料を出していただいたと思っています。私もこの資料を今拝見しておりますけれども、今、公団が言いましたように、今まで公団、この資料の二ページで四というところで、家賃が公団の二十万円、二十五万円超の住宅が存する団地一覧というのを出していただいて、今、公団の理事が何倍という倍率を言いました。ほとんど三倍、少なくとも、河田町なんかは五・二倍、二度目でも三・六倍。この外れた人たちが一ページにある民間の高いと言われるところにやむなく、ここ入れないんですから、抽せんに、その入れなかった人は近傍の私はこの民間の高いところでも、泣く泣く入ったかあきらめたか、どっちかなんですね。  ですから、今、公団が、理事が申しましたように、私は、でき得れば、建て替えて戻る人たちには最大限の配慮をしています。これは後で言いますけれども、そういう配慮をして、なおかつその人たちに補完的な役割として、今後、機構になっても建ててくださいねという御要望としては分かります。  ただ、少なくとも、今、二ページにいただいた公団の抽せんが少なくとも三倍から五倍になっているということで、要望自体はあるのは分かりますけれども、だったら民間との競合性をどうするのかということもこれまたこれありということで、なるべく安い、だけど公団でもこの二十五万ってびっくりしますよね。それほど高いところにこれだけ、五倍、三倍、三百戸一千人以上がこれ応募しているというのも私は大変いい資料を出していただいたと思っていますので、こっちは五倍で、片一方、民間はやっぱり高いから、これ三井不動産の空き室物件のインターネット、これ空いているわけです。  ですから、どれくらいの私は坪数があるのか、あるいは平米があるのかよく分かりませんけれども、それくらい私は切実な思いで皆さんが必死になって安いファミリー向けのものを探していらっしゃるということだけは、今日この資料をいただいて、完全に皆さんの要望というものはこの資料に出ているわけですね。  ですから、私は、ある程度、今言ったような、大沢議員がおっしゃったような建て替えにおいて戻り入居者の数が足りない、またその戻れなかった人たちに対しても補完の役割をしろという、補完であればいいですけれども、私は、民間との、官と民の在り方というものを今変えようとしているときですから、私は、この大変今日いい資料をいただきましたので、今後も私は、公団が機構になってもどの程度、新規というものは、もう二年後ほとんどなくなります、公団の仕事としては、団地としては。  けれども、私は、そういう希望を民間が果たしてどこまで、民間にゆだねられるかということも含めながら、私は、大きな住宅政策の根幹にかかわることですので、今後も、今おっしゃった官が逆に民の補完になるということへの転換期に来ていることに対しては、私は、住宅政策の基本的なことですので、よくこの機構変更の下で民の要望というものだけはどこまで受け入れられるかというのは検討に値すべきことだと思っています。
  50. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 本当に高い家賃だったらもう今の不況の中で住めないというのが実態なんで、その実態を私はつかんでいただいて、これからのファミリー住宅、四大都市圏でこれだけ不足しているという実態を私は何度も述べましたけれども、そのことを解決するための役割は公団にある、機構にある、そのことを一層念を押しておきたいと思います。  私は、特殊法人改革という一分野の政策にこの住宅政策がすべて従わなければならないということはないと思うんですね。やはり、住宅政策として国民の求めに応じて、私は、今何度も申しますが、公団のファミリー向けの賃貸住宅の供給を維持してほしいと。必要な場合には更に拡大するということを強く強く申し入れて、時間がありませんので、家賃の問題に一つ質問をしたいと思います。  家賃の問題なんですけれども、大臣は今まで本当に居住者の皆さんが不安を持つことがないようにと繰り返し発言をされていました。よく認識をされた上での発言だと思いますけれども、やはり本当に深刻な今日の不況の中で賃金は下がっている、また医療や介護保険の問題もあります。  こういう状況の中で、都市再生機構法案の二十五条の二にある「経済事情の変動等」という指摘をしていますが、これは現行法にもあるわけですが、この経済事情というのは、やはりこういう本当に生活の、生活実態の経済事情を考慮してやってくれているのかどうかが一つ。  そしてもう一点は、先ほどから谷林議員が質問を繰り返しおとついからもしていただいておりましたし、昨日の参考人でも指摘をされました建て替え事業における家賃の特別減額措置の新旧制度の統一について、今、大臣はその時代に合った制度を改正してきたんだと、そういう答弁をされましたけれども、そうしたら、公団の姿勢として、私はこの検討主体は公団にあると思うんですが、公団から相談があった場合は、大臣はきちっとこの問題をもう一度、これだけ要望が多い、矛盾がある、もう一度精査をして検討する内容であると思いますが、この二点についてお伺いいたします。
  51. 松野仁

    ○政府参考人(松野仁君) 最初の機構法の第二十五条第二項、「経済事情の変動等」というのがございます。これは何を指しているかということでございますが、まず第二項そのものが、継続家賃の改定に当たって近隣の住宅の家賃とのバランスあるいは現在適用されている家賃の額のほかに、市場における家賃の推移などの経済事情の変動等を勘案して適切な水準に定めるということにしたものでございまして、これらのことは民間で家賃改定する場合にも一般的に考慮されていると考えております。  御指摘の経済事情の変動等というのは、経済情勢を始めとする諸条件の変化を勘案するとしたものでございまして、具体的には市場における全体的な家賃の推移といったものを想定しているということでございまして、入居者の言わば収入の変化とか、そういったものを念頭に置いたものではございません。  それにつきましては、むしろ第四項のところで、高齢者、身体障害者等の特に居住の安定を図る必要がある者で家賃を支払うことが困難であれば家賃を減額することができることとしているといった、こちらの方の第四項で考えていることでございます。  もう一つ、新旧制度統一のお話でございますが、これは確かに大変お気持ちはよく分かるわけでございますけれども、先ほど公団の理事からもお答えしましたが、これは一種の言わば公共事業の推進という、建て替え事業、社会施設としての公団住宅の建て替えということの促進策として対応している言わば補償措置でございます。したがって、これによって合意が成立しましてスタートしている、あるいは一部完了しているというような事業の場合には、通常、新しく制度改善したときに、それをさかのぼって過去の事業に適用するということは原則としてないということでございます。  それは、やはりこういった助成措置、国も助成しているわけですが、そういったことでございますから、それをさかのぼって実施するということは基本的に難しいものだというふうに考えております。
  52. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 本当に、今答弁がありましたけれども、やはり経済情勢というのは市場の家賃ということですけれども、本当に苦しい今の生活の実態、総務省の調査でも収入実態がマイナス八%この三月で出されているわけですから、そういうこともこれから考慮できるような、そういう家賃改定を求めていきたいと思います。  そして、新旧制度の一本化という点については、図らずも今本音を言われました、建て替えの促進策だったということを言われました。私は、そういう目的じゃなくて、本当に今の実態を踏まえて、これを機構に当たるに当たって制度を一本化させていくということを要望して、終わります。     ─────────────
  53. 藤井俊男

    ○委員長(藤井俊男君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、斉藤滋宣君及び野上浩太郎君が委員を辞任され、その補欠として田村耕太郎君及び小林温君が選任されました。     ─────────────
  54. 大江康弘

    ○大江康弘君 国会改革連絡会(自由党)の大江でございます。通称国連でございます。  やはり最後は国連がまとめなきゃいかぬのかなと、こんな大きな使命感で、しかしこれで衆参通して審議をしてきたこの重要法案ももう最後の質問でございます。何か私が法案の行方を決めそうで、非常に重大な、肩の荷が重いわけでありますけれども。  昭和三十年に住宅公団が出発をして、今回四度目の改名で都市再生機構という、四回名前が変わりましたから、またこの名前もいつ変わるか分かりません。今度変わるときには都市再生住宅機構ぐらいにまた名前を変えていただいたら、名前だけでも安心するんじゃないかなと、こんな思いもするわけでありますけれども。  やはり連日の議論の中で、昨日も参考人の方が、先ほど谷林委員の話ではないですけれども、やっぱりやっていこうと思えばどうしても赤字というものが出てくる、その赤字を恐れずにという意見でもありました。それだけにやはり民間が参入しにくい、そういう収益ということを考えれば、どうしてもやっぱりこの今求めておる法案というものをやっていこうと思えば、どこまで民間が参加をしてくれるのかという部分、それでもやっぱりやらなければいけないというこの片っ方では国の責任、そして国のしっかりした関与というものを実は感じたわけであります。  そこで、もう一点だけ、ちょっと住宅局長にお聞きをしたいと思います。  私は、民間誘導ということを今回挙げられておられますけれども、先ほど言いましたように、必要度の高いというもの、これをやっぱりやっていく。その代わり、必要度の高いというのはその裏には採算性が低いだとか効率が悪いという部分がどうしても付いてくるという、それを国としてどう補っていくのかということは、今回新たにやっぱり問われておるこの法案に対してのこれからの国の私は意思であろうというふうに思います。  今まで機構以前のこの公団は、郊外にニュータウンを造ったりとか、いろいろ市街地の再開発というものをやってきたわけですけれども、やっぱりこれからは一つは都市の再生をどうするか。我々こうして都会を眺めておって、田舎におれば、前回も申し上げましたか、やはりあの阪神・淡路大震災なんかは、我々田舎で起こったってあんなにたくさんの被災者の数にはならない。その代わり、やっぱり都会というのはそういう、便利であるけれども一つの大きな危険性をはらんでおると。  しかし、どうしてもやっぱり国策としてはこれをやり遂げていかなければいけないという中で、やはり民間にどこまでそれを求めていくのか。この法案で果たしてどこまで民間にそういう一つの責任を、民間に民間にという流れはこれは分かりますけれども、しかし、やはりそういう中で今回私は不安に思うのは、そういう一つの国の関与、国の責任というものが非常に求められる中で、最後にやっぱり私は局長にもう一度、この民間誘導というのはいいですけれども、やっぱりその部分とは別に、先ほども言いましたように、国の責任というものをしっかりと果たしてもらいたいという思いもありますので、ちょっと一点だけ最後に局長にお聞きをしたいと思います。
  55. 松野仁

    政府参考人(松野仁君) お答えいたします。  特に先生御指摘の密集市街地のような、いざとなると大火の危険性があると、あるいは倒壊してしまうというようなケースがあり得るということで、阪神大震災でも大変大きな被害が出ました。こういった、かなり多くの部分が密集市街地で起きたということでもございます。こういった大都市における対策というのが国としてもこれから対応していかなければいけないということでございます。  今回の機構法でも、これと併せて今国会に密集市街地整備法の改正を出させていただきまして、この中でも防災街区整備事業というものを都市再生機構が取り組むことができるような仕組みにしております。やはり公共団体あるいは都市再生機構といったところが積極的に取り組む必要があると思います。  あわせて、国もその事業をやりやすくするという意味で、様々な助成措置、特に零細権利者の方々に対する対応措置というのが大変重要でございますので、従前居住者用住宅というような制度を用意いたしまして、家賃対策補助まで行いましてスムーズに事業が進むように、国と都市再生機構のような公的機関がこれに積極的に取り組んでいくということを進めてまいりたいと思います。  また、賃貸住宅につきましても、民でできることは民でということではございますが、完全に民間に任せるということではございませんで、機構が機構としてやるべきこと、つまり公共施設整備等の民間ではなかなかできないことをした上で、取得した土地を定期借地で出すといったことで地代のコストをかなり低く抑えるということによって、民間事業者でも都市再生機構がこれまで供給してきたものと同等の賃貸住宅を供給できるという供給支援型の賃貸住宅制度として、それは言わば衣替えするということでございますが、これによって国も機構も賃貸住宅供給の支援を積極的に進めてまいりたいというふうに思っております。
  56. 大江康弘

    ○大江康弘君 局長、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。  この三日間、この委員会には、非常に驚いたことは、たくさんの傍聴者の皆さんが来られておった。皆さんお仕事も持たれて、いろいろ用事もある中で大変である、しかしやはりこの法案の行く末が、本当に皆さんが毎日生活されておられる、住んでおられる中でのいろいろとかかわってくることであるという、やっぱりそういう切実な思いであったかと思います。道路を造れとか橋を付けろというような話ではないわけでありまして、それだけに、我々、この委員会もそういう皆さんの思いをどれだけ政府に対して訴えられたか、あるいは政府もどういう判断の中で答えていただいたか、それは傍聴者の皆さんの御判断ですけれども。  しかし、少なくとも昨日の片岡さんという参考人の方の御意見を聞かせていただきますと、今いろいろ口を開けば国民の皆さんから国がいかぬ、政府がいかぬ、我々野党もよくそれは言うんですけれども、しかしこの片岡さんの昨日の意見の陳述を見ますと、やはりこれまで半世紀にわたり集合住宅、まちづくりを進めてきた公団の果たした役割は大きいと。これだけやっぱり国が評価をしていただいておるということは、本当にどうしてこたえていったらいいかということにもつながるんですけれども、最後に公団に一点だけちょっと聞かせていただきたいと思います。  先ほどJSの話が出ました。谷林委員はやはりそういう一つの道路公団とは違ったファミリー企業の中でのこれからの在り方ということを言われたと思います。JS自体は、これはもう公団の皆さんが高く評価をされておるわけであります。大臣は先ほど役員が十八人おって十人天下りというのもこれもと言いましたけれども、私は、そういう一面もありますけれども、しかし数の問題ではなくて中身の問題というふうに思いますので、やっぱり能力のある、こういう専門に頑張っていただいた皆さんの、官僚の役員の皆さんの能力をどう使うか、これはやっぱり政府の知恵でもあるし、我々政治家のこれはやっぱりどううまく使うかというのも知恵であります。大臣は、思っていてそういうことをちょっと遠慮しながら恐らく言ったんだと思いますけれども。  そういう中で、私は、この公団が今まで評価をしていただいた部分、先ほど古屋理事ですか、民間が余り育っていないという答えもありました。これはやはり、育っていないということは、それだけやっぱり民間が入りにくく間口を例えば公団が狭くしてきたのか、あるいはやはり民間が入っていこうと思ったってなかなか民間が思うような収益を上げられない、二十四時間サービスでと。私はどちらかといえば後者ではなかったかなと、こんなふうに思うわけです。大臣から言わせれば甘いということかも分かりませんけれども。  しかし、そういう中で、公団として、今まで住まれてきた、公団に住まれてきた皆さんと築き上げてきた片っ方での委託とか、いろんな形の中で民間開放ということでありますけれども、やっぱりこの信頼をどうつなぎ止めていくかということも私は安心感につながっていくと思うんですが、そこらは公団として、ちょっとお答えいただきたいと思います。
  57. 古屋雅弘

    参考人(古屋雅弘君) 公団が造って築き上げてまいりました七十五万、六万戸の賃貸住宅は機構に継承していただくわけでございますが、言うまでもなく公共賃貸住宅でございますので、公共賃貸住宅としてふさわしい管理を今後もきっちりやっていただかなければならないと思います。  その際に、やはりそれを効率的にスリムな体制で透明な業務執行に努めなければならないわけでございまして、その際に民間のお力をかりるということも、これはいろんな機会、事業機会を創出しながら考えなければなりませんけれども、機構なり公団なりの株主としての支配権が及ぶ、その管理方針を実現していただく、そういう最小限の業務というのもやはりございますので、関連会社をうまく活用しながら、できるだけ民間の企業の事業機会というものもまた併せて確保しながら、全体として、居住者の方々に安心してお住まいになられ、また公団の業務が最も効率的な形で執行されるように努めてまいりたいと存じます。
  58. 大江康弘

    ○大江康弘君 いろんな不安もあるし、私もそうですけれども、この機構自体がどういう方向に行こうか、行こうとしておるのかというある程度の概念は分かっておっても、どうもやっぱり今までの経過の中でそういう築き上げてきたものが崩されるんじゃないかという不安というものもあるというふうに思います。どうかひとつそういうものを、新しい機構になってもひとついいところはしっかりと引き継いでいただいて、そういう公団に住まわれている皆さんとの信頼関係というものを更にひとつ崩すことのないような努力をしていただきたいということを最後に要望しておきたいと思います。  それと、もう本当にこれが最後です。大臣、昨日、そういう中で、この公団というのは、都会もあるでしょうけれども、やっぱり我々、この都会を見るにつけて、田舎にあるようなほのぼのとした一つの町のコミュニティーだとか、そういう部分というものを実は公団に住まわれている皆さんが作り上げているということを実は感じました。こういうきずなというものも昨日聞かせてもいただいたんですけれども、やはりそういうものが今崩れていくんかなというような不安を皆さんがお持ちになられている。  しかし、やはりこの機構の、今までの公団のやってきた一つの仕事とこれから機構の持つ部分の中で、公団のことだけではなしに、都市再生をどうしていくかという片っ方に大きな目標もあると思います。  そういう中で、一つは、そういう公団に対して、先ほど五百十二億円ですか、なんかの剰余金があるという形の中で、どう使っていくかという話もある。こんなお金、少しは家賃で下げてあげるように使ってあげたらいいなと、そんなことも思っておったんですけれども、なかなかその家賃を下げるという話が出てこなかった。  そういう中で、いろいろとやはりこれから公団の皆さんがこれだけ高く評価をしていただいたものをどうつなぎ止めていくのかということの考え、それと同時に、この機構が、本当にこれからの我々の新しいこの日本の国が求められる住宅政策、そしてまた日本の都市機能を高めていくということに関してどういうふうに運用していくのかという、最後にやっぱり大臣にひとつその思いを聞かせていただきたいと思います。
  59. 扇千景

    ○国務大臣(扇千景君) いろいろ御論議をいただきましたけれども、少なくとも都市公団、御存じのとおり、昭和三十年に設立されて以来今日まで、多くの中低所得者も含めて、あらゆる皆さん方の御要望にこたえて、私たちは、この設立三十年以来今日まで、あの当時ダイニングキッチンなんていう新しい言葉も、これ公団に初めてダイニングキッチンができて、女は、ダイニングキッチンてどんなものだろうなんて私なんか思いましたけれども、そういう先取りもしながら、私は、居住環境も含めた公団の質の向上に私は努力してきたと思います。  努力してきた、それを皆さんが評価していただいて、少なくとも、今でも管理しておりますのが約七十五万戸、そして二百万人の居住者と、こういう数字に私は公団の努力というものが、国民が評価していただいて、今日歩んできたということに対しては皆さんも認めてくださり、またなおかつ、先ほど大沢議員が資料をお出しになりました。公団が建てて、家賃が高いけれども、五倍にもそして三倍にも競争率があって外れるというくらい都心に対して集中しているということも事実でございます。  なぜなれば、これは地域公団も含めてですけれども、昭和四十九年に業務開始しまして、この地域公団というものが主として三大都市圏以外の地域でこれを建ててきたと。それで、山手線内の面積が約六千三百ヘクタールでございます。ところが、この地域公団が建てたものというのは、これは山手線内の六千三百ヘクタールを超えることの六千八百ヘクタール、これだけ供給してきたわけでございますので、私はそういう意味では大変、約六千八百ヘクタールのこの宅地を供給した重みも、これは私は地域公団に対してもやっぱり評価してあげなきゃいけないと思います。  ただ、先ほどからも、谷林議員から、大沢議員からも、この間は少なくとも皆さん方から、富樫議員も言われましたけれども、今まで住んでいた人が建て替えで出ていって、戻りの話が大変もうこの委員会で重要な課題として論議されました。  私は、けれども、公団住宅の建て替えについては、従前から居住者の居住の安定ということをこの委員会で何度も言われましたけれども、私は家賃の激変緩和をしようということで、戻ってくる人に対しても、私は具体的に、戻って入居されるすべての皆さん方に対して本来の家賃の二〇%の軽減処置も取っていたということも私は再認識していただきたい。また、それだけの政策を取ってきたと。また、低所得層の、あるいは高齢者の皆さん方に対しては配慮する必要があるということで、その方に限っては特別な減額処置、これも戻りの入居者の希望者にはしたという事実も、私は大変な公団の努力であったということ自体も御理解を賜りたいと思います。  また、今最後におっしゃいましたけれども、今回のこの改正によりまして、私は、簡素でなおかつ効率的で、なおかつ住居の皆さんには透明な私は説明が必要であるということもこの委員会で皆さんに御指摘をいただきましたので、今回は、今後、今お話が出ました子会社、関連会社、無駄があるものを省くというのが今回の大きな改革の原則でございますので、そういう意味で、省くからといって住民の夢まで省いてしまったのでは、これは意味がありません。そういう意味では、居住者の皆さん、そして我々の、またこれからこれを利用しようという人たちが夢をなくすことのないような、私は公団と今後のこの機構への変換によって改めて新たな夢が出てくるというような機構改革にしていきたいということをまた見守っていきたいと思っています。  ありがとうございました。
  60. 藤井俊男

    ○委員長(藤井俊男君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  61. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人都市再生機構法案に対して反対討論を行います。  本法案は、都市公団を廃止し、都市再生の名による民間企業の開発支援を機構の業務の中心にする一方で、目的にあるように、新たな賃貸住宅建設は行わず、民間の賃貸住宅の供給支援を行おうとするものです。  反対理由の第一は、政府は特殊法人改革の整理合理化計画で都市公団の非効率、非採算を挙げましたが、問題は、バブル崩壊後も引き続いて土地取得を続け、三千ヘクタールを超える未利用地、その中でも七百ヘクタールに及ぶ塩漬け土地、これを保有していることです。改革されるべきは、この赤字を生んでいる、このような非採算、非効率の事業を整理することです。本法案はこれらの業務を機構の中心にするとしています。やるべきことが逆さまで、改革とは言えないものです。  第二に、公団住宅には七十万の世帯の方が、そして二百万人以上の居住者が生活しています。しかも、高齢化が進んでいます。居住者が安心して住み続けられるとともに、若い世代も含めたバランスの取れた地域社会を作ることが求められています。すなわち、賃貸住宅の充実と拡大であります。  採算の点でも、賃貸部門は黒字です。経営は健全です。ところが、本法案は新たな賃貸住宅供給から撤退するとしています。これは、国と公団の本来の責任という点でも、採算という点でも居住者と国民の願いに反するものです。  高齢者、子育て世代の居住の安定を確保するためにも公共住宅の役割は一層大きくなっています。ファミリー向け賃貸住宅の充実、拡大は、公団を始めとする公的責任で行うなど、今後更に充実させ、そのことを、あるべきことを主張して反対討論といたします。  よろしくお願いします。
  62. 藤井俊男

    ○委員長(藤井俊男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  独立行政法人都市再生機構法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  63. 藤井俊男

    ○委員長(藤井俊男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、山下君から発言を求められておりますので、これを許します。山下八洲夫君。
  64. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 私は、ただいま可決されました独立行政法人都市再生機構法案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     独立行政法人都市再生機構法案に対する附帯決議(案)   都市再生機構は、自主的、自律的な運営を行う独立行政法人として、所期の成果を挙げるためには、業務運営の効率化と財務内容の改善を図るとともに、中期目標に基づく中期計画の適正かつ確実な実施を図るべきである。   以上のような観点に立って、政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、都市再生機構は、都市基盤整備公団と地域振興整備公団の地方都市開発整備業務部門が統合され設立されることから、効率的な業務運営が行われるよう組織の簡素化等を図ること。また、機構設立後においても、事務・事業や組織の見直しを行うこと。  二、機構は、経費の削減、譲渡用資産及び未利用地の早期処分並びに支払利息の低減等による財務体質の強化を図るとともに、財務内容等の情報公開を積極的に進めること。  三、機構は、市街地の整備改善に関する業務の実施に当たっては、関係権利者の意思が反映されるよう努め、地方公共団体、民間事業者等との協力及び適切な役割分担を図るとともに、コーディネート業務等のノウハウが積極的に活用されるよう努めること。  四、機構は、民間事業者では実施することが困難でリスクの高い事業を行うに当たっては、創意工夫等により、事業リスクの軽減に努めるとともに、リスク管理の徹底を図ること。  五、機構の保有する建替余剰地の処分に当たっては、公的資産として活用し、公園・福祉施設・公営住宅等公的な利用を図るよう努めること。  六、機構は、民間事業者の賃貸住宅の建設の見通しを十分勘案しつつ、その供給支援に努めるとともに、良質な賃貸住宅供給が確保されるよう、その補完的役割を適切に果たすよう努めること。  七、機構は、都市基盤整備公団から承継する賃貸住宅について、居住者との信頼関係を尊重し、居住者の居住の安定を図り、住宅や利便施設等の適切な維持管理を行うとともに、家賃が低所得の高齢者等の居住者に対して過大な負担とならないよう配慮すること。  八、機構は、老朽化した賃貸住宅の建替えに当たっては、低所得の高齢者等への建替家賃減額制度に配慮するなど居住者の居住の安定を図るとともに、良好なまちづくりとコミュニティの維持に努めること。  九、機構の理事長及びその他の役員の選任においては、適切な人材が広く内外から起用されるよう十分配慮すること。  十、機構への移行に当たっては、これまで維持されてきた職員との雇用の安定を含む良好な労働関係に配慮すること。  十一、機構の子会社、関連会社等については、整理・合理化を図るとともに、財務内容等に関する情報公開を推進すること。また、機構関連業務の業務契約について、関係法人との随意契約の適用を厳格に行い、競争入札を原則とし、中小企業への発注機会の拡大のための分離分割方式の活用を含め一般の民間事業者の業務機会の拡大に努めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
  65. 藤井俊男

    ○委員長(藤井俊男君) ただいま山下君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  66. 藤井俊男

    ○委員長(藤井俊男君) 全会一致と認めます。よって、山下君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。扇国土交通大臣。
  67. 扇千景

    ○国務大臣(扇千景君) 独立行政法人都市再生機構法案につきましては、各委員におかれまして熱心な御意見を、また御高見を賜りました。ただいまは可決されまして、心から御礼を申し上げたいと思います。  なお、附帯決議が付されましたので、この審議中における各位の御意見と、そして御高見と、今の附帯決議において提起されました都市基盤整備公団から承継しますこの賃貸住宅の居住者の居住の安定、あるいは効率的な業務運営等につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  これに、委員長始め各委員の今までの御協力に心から、また御指導賜ったことに御礼を申し上げて、ごあいさつに代えます。  ありがとう存じました。
  68. 藤井俊男

    ○委員長(藤井俊男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 藤井俊男

    ○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会