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2003-04-22 第156回国会 参議院 厚生労働委員会 9号 公式Web版

  1. 平成十五年四月二十二日(火曜日)    午後零時四十五分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         金田 勝年君     理 事                 武見 敬三君                 中島 眞人君                 浅尾慶一郎君                 山本 孝史君                 沢 たまき君     委 員                 狩野  安君                 斎藤 十朗君                 伊達 忠一君                 中原  爽君                 藤井 基之君                 宮崎 秀樹君                 森田 次夫君                 朝日 俊弘君                 今泉  昭君                 谷  博之君                 堀  利和君                 風間  昶君                 井上 美代君                 小池  晃君                 森 ゆうこ君                 大脇 雅子君                 西川きよし君    国務大臣        厚生労働大臣   坂口  力君    副大臣        内閣府副大臣   伊藤 達也君        内閣府副大臣   根本  匠君        総務副大臣    若松 謙維君        外務副大臣    矢野 哲朗君        厚生労働副大臣  鴨下 一郎君        厚生労働副大臣  木村 義雄君    事務局側        常任委員会専門        員        川邊  新君    政府参考人        防衛施設庁長官  嶋口 武彦君        文部科学省初等        中等教育局長   矢野 重典君        厚生労働大臣官        房審議官     青木  豊君        厚生労働省職業        安定局長     戸苅 利和君        厚生労働省職業        能力開発局長   坂本由紀子君        厚生労働省政策        統括官      青木  功君        社会保険庁運営        部長       磯部 文雄君        国土交通大臣官        房審議官     中山 啓一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○雇用保険法等の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○参考人の出席要求に関する件     ─────────────
  2. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  雇用保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長戸苅利和君外七名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) 次に、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。坂口厚生労働大臣
  5. 坂口力

    国務大臣(坂口力君) ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  雇用保険制度は、厳しい雇用失業情勢の長期化等により、受給者が増加する一方で保険料収入が減少し、極めて厳しい財政状況にあり、こうした財政状況や雇用就業形態の多様化の進展等に的確に対応し、失業した労働者の生活の安定及び再就職の促進を図るとともに、将来にわたり安定的な運営を確保していくことが求められています。  このため、給付について、早期再就職の促進、多様な働き方への対応、再就職の困難な状況に対応した重点化等を図るとともに、保険料率について、労使負担の急増を緩和する配慮をした上で、必要最小限の引上げを行う等の措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。  第一は、雇用保険法の一部改正であります。  まず、基本手当日額について、受給者の再就職時賃金の実情等にかんがみ、基本手当日額の高い受給者層を中心に、その上限額を引き下げ、給付率を見直すこととしております。  次に、基本手当の所定給付日数について、倒産、解雇等による離職者は現行の通常労働者の日数に、それ以外の離職者は現行の短時間労働者の日数に一本化するとともに、三十五歳以上四十五歳未満の倒産、解雇等による離職者については日数の延長を行うこととしております。  また、就業促進手当を創設し、常用雇用以外の就業にも基本手当の一定割合を支給することにより、基本手当受給者の多様な形態による早期就業を支援することとしております。  このほか、教育訓練給付及び高年齢雇用継続給付について、失業者の給付への重点化を図るため、給付率等の見直しを行うこととしております。  第二は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正であります。  雇用保険の失業等給付に係る保険料率について、賃金総額の千分の十六とし、平成十六年度末までは暫定的に千分の十四とすることとしております。  第三は、船員保険法の一部改正であります。  船員保険についても、雇用保険法の改正に準じて所要の改正を行うこととしております。  最後に、この法律の施行期日について、平成十五年五月一日としております。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いを申し上げる次第でございます。
  6. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 中島眞人

    ○中島眞人君 自由民主党の中島眞人でございます。  本来なら、大臣から本意をお聞きしたいと思いますが、一心同体でこの問題で取り組んでおります鴨下副大臣を中心として、雇用保険問題に関する内容について、与党として御質問をいたしたいと思います。  雇用保険制度は、今日のような厳しい経済情勢下で重要な役割を担う雇用のセーフティーネットでありますことはだれしもが認めているところでございます。しかしながら、雇用保険制度は、近年の厳しい雇用失業情勢を反映して、収支が急速に悪化しております。来年度中には財政破綻に陥ることがほぼ確実な情勢となっております。  この方向を回避していくためにどうしたらいいのかというのが政府・与党の考え方であり、私も党の厚生労働部会長という立場におりましたものですから、一・四の労使の負担率を一・六に上げて、そして財政負担を労働者の皆さん方にも少しでも和らげていこうと、こういう中から、党並びに政府・与党が一体となって財務当局から一般財源二千五百億円をこの保険制度に導入をすると。こういう形の中で、今回、雇用保険制度の改正の一つの大きな土台が作られたと、このように認識をいたしておりますけれども。  それにつけましても、ここへ来て急遽このような、来年度からいわゆる財政破綻がするんだという正に寝耳に水のような発言を聞いたわけでございますけれども、これらはもう数年前から予知されておったんではなかろうかと。こういう問題も含めて、今回の法案と、そしてそこに至る一つの経過というものについてまずお聞きをしておきたいと、こんなふうに思います。
  8. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 雇用保険につきましては、平成十二年に改正の御審議をいただき改正を行ったところでありますが、その後、更に経済状況が悪化し、失業率も四%台から五%の前半、中盤まで高まるという状況になったわけであります。  そういった中で、雇用保険につきまして、前回の改正によりまして収支均衡ということで見込んでおったわけですけれども、実際には当初の予想を上回る急激な雇用失業情勢の悪化、それから内容的にも、リストラ等によります会社都合、倒産・解雇等による離職者の方の受給者に占める比率が高くなってしまった、そういったことと併せて受給者に占める中高年齢者の方の比率も高まったと、こういったことで当初の予想以上に財政事情が悪くなってきたということが一つございます。  それからもう一つは、前回の改正でパートタイム労働者につきましての給付、適用の改善を行ったわけでありますが、これによりましてパートタイム労働者の方の適用が進み受給者も増えたということで、雇用就業形態の多様化が雇用保険の制度の中にもかなり反映されるようになってきたと、こういった事情がございまして、そういった財政事情、それからパートタイム労働者の適用の促進による就業形態多様化の状況を雇用保険の中でどういうふうに適切に反映していくかということの必要性、そういったことから今回の見直しを行うに至ったということでございます。  それからもう一点は、実は平成十三年の秋から年末、それから翌年の年初にかけて、これは一つはアメリカにおきます同時多発テロ、それから日本におきますBSEの問題、これが契機になったんだろうと思うんですけれども、そのころに企業のリストラが集中的に行われたということで、この影響が、実は平成十三年度の決算を見極めたところ、本年度、平成十四年度の財政に大変大きな影響を与えるということが分かりまして、そういったことで、昨年の四月から関係審議会で急遽御検討いただき、今回の改正案を提出させていただいたと、こういうことでございます。
  9. 中島眞人

    ○中島眞人君 それにしても、このままでいけば雇用保険制度というものが、財政というものが全く破綻をしてしまうと、こういう中から一つの改正という問題が出てきたんですけれども、当初考えておったものに対して、いわゆる労使の負担を和らげていこうという、そういう一つの意図があることについては評価を申し上げたいと思うんです。  さてそこで、本来、私は雇用保険制度というのは労使の間でのいわゆる協定に基づいてセーフティーネットを作っていくものだろうというふうに考えるんですけれども、先進諸国におきまして、我が国の場合は給付の四分の一が公費が投入をされているわけでございますけれども、そういう例というのは先進諸国の間を見てどんな状況なのか、この辺についてもお聞きをいたしたいと思いますし、同時に、給付を受けていく際に、パートタイマーまでも含めてこの給付を拡大をしているというのは私はやっぱり日本は進んでいるんではないかと、こんなふうに思うんですけれども、その辺についての位置付けをまずお聞きをいたしておきたいと思います。
  10. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) まず、雇用保険の運営につきまして、その費用を国が見ている例というのは、欧米先進諸国見ますと、日本以外はドイツだけと、こういう状況になってございます。  それから、パートについての適用でありますが、パートについては、雇用保険につきまして国内の社会保障制度の中でもかなり前向きに取り組んできているところだろうと思いますが、諸外国見ても恐らく日本のような格好で、ちょっと私も具体的に各国どういった適用になっているのかというところまで詳細は存じ上げておりませんが、日本の雇用保険におきますパートの適用というのは、恐らく先進諸国の中でもかなり積極的な対応をしている方ではないかというふうに思っております。
  11. 中島眞人

    ○中島眞人君 次に、改正案における財政設計の考え方についてお聞きをいたしたいと思います。  雇用保険制度が雇用のセーフティーネットとしての役割を果たすためには、厳しい経済情勢下で頻繁な改正を繰り返し、かえって国民の間に不安を巻き起こすようなことは避けなければなりませんが、そういう点で、一部の報道等、今年の一月以来から各報道がされている内容というのは、何か雇用保険が非常に圧縮されて大変に不利になるというふうな、そういう、その点だけについていわゆる報道がなされ、そしてまたそれが喧伝をされているという実態なんでありますけれども、マクロでこの雇用保険制度というものをやっぱり正直に伝えていくべきではなかったのかと。そして、この中におけるマイナスの部分は何であり、そしてこのことによってどういう一つのメリットが生まれてくるのかと。  こういう両論を出しながら、国民並びに私どもの議会に対しても説明をする努力が足りていなかったんではないのかと、こんなふうに率直に認めざるを得ないと思うんでありますけれども、それはそれとして、今回の改正の制度設計の前提として、雇用保険受給者の動向を中期的にどのように想定したのであるか、その辺について御答弁をいただきたい。
  12. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 今回の改正に当たりまして、基本的な想定の前提といたしまして取りました指標が雇用保険の受給資格決定件数でございます。  これは、被保険者の方が失業して、その後求職申込みを安定所にされたときに、御本人が労働の意思、能力がきちんとあるのかということを確認して雇用保険の基本手当の受給資格の決定をするものでありますが、これをベースに、その後の就職の見込みですとか、あるいはその後就職をあきらめてしまうというふうな状況ですとか、そういったものの過去の動向を基に推計しておるものでありますけれども。  まず、受給資格決定件数につきましては、過去十年間、これはバブルが崩壊した後、雇用情勢がかなり悪化した期間でございます、この過去十年間の平均の伸び率が年五%程度ということでございましたので、今後五年間はその五%、過去十年間の平均であります五%程度の割合で受給資格決定件数が伸びたとしても雇用保険の安定的な運営が確保できるようにと、こういう考え方で今回の制度設計を行いまして、その上で、その前提に立って、給付、負担両面から、今、委員御質問、御指摘のとおりの考え方で見直しを行ったということでございます。
  13. 中島眞人

    ○中島眞人君 重ねて申し上げますけれども、制度の安定的運営を確保するために給付の徹底した見直しは必要不可欠であろうかと思います。  ただし、雇用保険会計、財政というものが非常に厳しいから給付を全般的に削減するんだということが先行されて論議されますと、そういう在り方に対して国民の側から見れば大変不安感が生じてくると。この辺のことが十分理解をされていなかったんではないのかと、またその辺を理解をするように努めていかなければいけないんではないのかと、こんなふうに考えるところでございます。  きちんと優先順位を付け、本当に必要な方々に対する必要な水準の給付は確保しつつ、早期再就職を阻害するなど現行制度の不合理な部分を集中的に見直すという考え方がこの雇用保険法の改正の中にはありますけれども、それらをやはり徹底して、やっぱり国民の周知をしていく、そして雇用保険制度というものが、給付が長期化していかないようなそういう、そして早期就職に、就業につながっていくような一つの役割を果たしていくということが、この雇用保険制度がある面では一つのセーフティーネットの役割であると同時に、日本の雇用制度というものの一つの潤滑油として果たしていく役割を担えるんではないかというふうに思うのでありますけれども、この辺についての御所見をお伺いしたいと思います。
  14. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) 今、先生が御指摘いただきましたように、単に財政的な問題だけではなくて、本来的に現行制度の中で様々な不合理な部分というのがあったわけでありまして、これらをある意味で集中的に見直していこうと、こういうような趣旨が一番大きなことなんだろうと思います。  その中で、雇用保険制度をまずどういうふうに的確に把握して、そしてなおかつ失業者の生活の安定及び再就職をできるだけ早くしていただけるような、こういうようなことにするというのが第一義的な問題でありますし、さらに将来にわたって雇用のセーフティーネットとしてのこれはもう制度として安定的な運営をしていくというのが非常に重要でありますから、こういうふうな目的にかなうように、早期再就職の推進、さらに働き方の多様化に伴ってまた再就職の困難な状況への対応など、こういうようなことを全体的に押さえて対応しているものであります。  これ、具体的には、基本手当日額と再就職時の賃金の逆転現象を解消すると、こういうようなことのために特に高賃金層の方々に給付率等の見直しを行うと、こういうようなことがある。さらにその一方で、多様な早期就業を促進する就業促進手当の創設をするとか、倒産・解雇により離職したパートタイム労働者の所定給付日数の拡充を行う、さらに倒産・解雇等により離職した壮年層の所定給付日数の延長等を図ると、こういうようなことで、先ほど先生おっしゃっていたように、言ってみれば現行制度の中の多少の問題点を是正して更に将来にわたって使いやすい制度にしていこうと、こういうような趣旨でございます。
  15. 中島眞人

    ○中島眞人君 説明を求めて、そして答弁をしてくると、いわゆるおぼろげながらこの雇用保険法が目指す方向性というのが見えてくるわけでありますけれども。  率直に言って、報道されている中身とかあるいは伝わっている中身というのは、何か雇用保険の給付者は大変増えてきている、増えてきているそれを、状況をこのまま継続をしていくと、大変、雇用会計、雇用保険財政が破綻をしてしまう、だから圧縮をしていくんだと、こういうことの方が、先ほどから述べているように、印象として先行しているということについては紛れもない事実だと思うんですけれども。  今、鴨下副大臣あるいは安定局長からお話がございましたように、この中にはいわゆる給付の長期化をまず防いでいく、そして給付のアンバランスというものを是正をしていくんだと。同時に、この中で、改正の中で言っておりますように、就業促進手当という新しい一つの項目が出てきていると、こういう面をまとめて、従来よりこれを国民の皆さん方と一緒になって取り組んでいくことによって失業の長期化という問題をいわゆる抑え、そしてその間安心して、そしてさらにいわゆる就業に就くという意欲の問題の喚起と、こういう三つの問題がいわゆる呼び起こす導火線になるんだと、こういうふうに、私はまるで副大臣答弁みたいなことを言っておるわけでございますけれども、そんなふうに取れるんですが、そういうふうに受け止めていいのかどうか。  そして、同時に、私が言ったこの三つの問題、長期化を防ぐという点、あるいは給付のアンバランスを是正するんだと、もう一つ、就業促進手当というものの新設という問題、これらについて分かりやすく、国民の皆さん方に分かりやすく説明をいただけるような御答弁をいただきたいと、このように思います。
  16. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 雇用保険の目的は二つあるわけであります。一つは失業中の生活の安定を図る、それからもう一つは再就職の、早期再就職を促進すると、こういうことでございます。  欧米諸国の場合には、二年、三年あるいはそれを超える長期失業者の滞留ということで悩んでおりますけれども、我が国がそういう状況になってはいかぬのではないかというふうに私ども考えておりまして、そういった意味で、今回の雇用保険の改正に当たりましては、受給者、雇用保険受給者の方の早期の再就職をいかに促進するか、そういう観点からの見直しを重点に行っておるところでございます。  一つは、先ほど副大臣が申し上げましたように、特に賃金の高い層を中心にいたしまして、雇用保険の受給額とそれから再就職時の賃金と比べますと、基本手当の受給額の方が高いということがありまして、なかなか就職に踏ん切りが付かないという状況があると。この辺りをやはり正す必要があるんじゃないかということで、今回、高賃金層を中心に基本手当の日額の給付率を見直させていただいているということが一つございます。  それからもう一つは、雇用保険受給中の方になるべく早期に就職するというふうなことに役立つ給付を充実しようということで、今回、就業促進手当を設けまして、これまでは、雇用保険の所定給付日数を三分の一以上残して常用就職をされた、早期の常用就職された方について還元給付的なものを行っておったわけですが、今回は、もう少し多様な就業の仕方、失業中に無業でいるよりは仕事に就いた方が就業意欲が落ちない、あるいは再就職したときに職場への適応能力も高まるというふうなことも併せ考えまして、常用以外の働き方で就職した場合にも基本手当の三〇%を支給しようというふうなことで、失業の長期化の防止あるいは早期の就職促進というふうな観点の内容を盛り込んでおるところでございます。  それからもう一つは、パートタイム労働者の方が非常に増えてきたという中で、従来は、パートタイム労働者の方というのはまたパートタイム労働というパターンが多かったということで、パートタイム労働に就くのは求人倍率等見ても割合常用労働よりは容易であるということで所定給付日数が通常の労働者の方よりもパートタイム労働者の方の方が短かったんですけれども、今回はそれを通常労働者とパートタイム労働者の給付内容を一本化するというふうなこと。  それから、先ほど副大臣からもお話ありましたが、リストラの影響を受けやすい、それから再就職が非常に困難な壮年層についての給付について、会社都合、倒産・解雇等で離職した壮年層の所定給付日数を延長する。  それから、失業者の方に対する給付とそれから在職者の方に対する給付のバランスも取ろうというふうなことで、教育訓練給付につきまして給付の見直しをし、ただ、最近、若年者の方の求職者が多い、それから中途採用の方も多いということで、従来は五年間雇用保険に入っていないと教育訓練給付受けられなかったんですが、三年間でも受けられるようにしようということで、いろいろな目配りをした案を提出申し上げているというつもりでございます。
  17. 中島眞人

    ○中島眞人君 言うなれば、三つの仕組みがうまく絡み合って、いわゆる給付の長期化ということにならないように、そして就業が促進できるような、そしていわゆる給付のバランスが保たれるような、こういう主張が盛られているわけでございますが、これについては、時代あるいは背景が変わっていく中でいろいろなまた今後も検討をしていかなければならない問題だろうと、こんなふうに思いますので、この辺については継続した中でひとつ御論議を賜りたい。  特に、一般的に間々ある例としては、雇用保険財政がいわゆる硬直化してきたから、あるいは赤字になるからカットするんだと、というふうな印象が、先ほどからも述べておりますように、先行しないように、そういうことに留意をしていただきたいと、こんなふうに思うんです。  そこの点で、冒頭申し上げましたように、当初は、雇用保険会計というものが、現行一・四%を一・六%で労使で分担をしていこうと、ということでしたけれども、政府・与党としては、この際、値上げをしていくことについては、やっぱり労働者の皆さん方に対して大変負担が重くなるんではないのか、あるいは使用者側にとっても負担が大きくなっていくんであろうと、という形で、私ども与党としては、二年間の猶予期間の中で、いわゆる雇用保険制度というものを安定化する路線へ乗せるためにこの徴収を二年間先延ばしたと、こういうふうに先ほども申し上げ、そのことを重ねて申し上げておきたいと思うんでありますけれども。  この保険料率を据え置くことに当たって、さきの補正予算により一般会計から二千五百億円の早期再就職支援基金を設け、この効果により雇用保険の収支改善を図られるようにしたことでありますけれども、考えてみれば、これは一般財源から雇用保険会計の方へ、どういう形であれとも初めてこれが付いてきたという認識は他の、特に財務との間では、今後もこの問題については、一つの糸口が出てきたんであって、そういう一つの方向性というものが今後も継続できるのかどうなのか、これは事務当局にお聞きをしておきたいと思います。
  18. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 今回というか、さきの補正予算で設けました早期再就職者支援基金でございますけれども、これは、不良債権処理の加速をしようという政府の改革プログラムの中で、これにより失業者の発生ということの影響が出てくるだろうと。それに対応して失業者の早期再就職を支援するために設けたというのが財務省と我々の共通認識になっておるところであります。  ただ、実際の効果ということになりますと、今、中島委員おっしゃったとおり、これにより雇用保険の受給者の早期の再就職が促され、それによって給付の削減効果が出てくると、これも事実で、それによって雇用保険財政にプラスの、かなりプラスの効果が出るというようなことになっておるわけであります。  今後について、正直言って役所の立場で今後の予算をどうということはなかなか申し上げにくいわけでございます。我々としては、今回の雇用保険制度の改正によって、今後、少なくとも五年間程度は収支の安定が図られるような制度を仕組んだつもりでございまして、そういった意味で、不良債権処理のように予測できないような突発事態が起きたときにまたどういう離職者対策等を講じるのかということは、それは十分あり得る話だろうと思いますが、今の段階で今後どうするというのはちょっと申し上げることは控えさせていただければと思います。
  19. 中島眞人

    ○中島眞人君 時間もありません。  率直に言って私は、今回の改正が、十七年度からまた雇用保険が引上げになるという、二年間据置きを置いているわけでございますけれども、二年間たったときには雇用保険会計というものが健全に運用されて労働者の皆さん方の負担が増加をしないような、二年間とは言ってございますけれども、会計が改善をされて、いわゆる増負担にならないように十分努力をしていただきたいと、こんなふうに思いますと同時に、もう一つ、もう答弁は結構でございますが、中長期的課題として、雇用対策を効果的に実施することにより失業者を減らしていく政策努力がまた必要だと思います。  そういう点で、雇用対策というものは常に厚生労働省の一つの基本にあるということを念頭に置きながら、ひとつ雇用保険の給付者を減らしていく、そして就業の早期化という問題について鋭意努力していくことを強く期待を求めて、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  20. 沢たまき

    ○沢たまき君 公明党の沢でございます。よろしくお願いいたします。  大変厳しい雇用失業情勢に対応するため、政府は、一昨年、総合雇用対策を取りまとめ、雇用の受皿整備、雇用のミスマッチの解消、セーフティーネットの整備を三つの柱として進められてきたところであります。  雇用の受皿整備としては、医療、福祉、環境分野での市場拡大、技術革新による新事業の創出など規制制度改革を通じた新市場、新産業育成、雇用のミスマッチの解消には官民連携をした求人情報の提供や職業紹介と職業訓練の提供による早期再就職の促進等ミスマッチのための連携強化、セーフティーネットの整備としては緊急地域雇用創出特別交付金による地域のニーズに応じた臨時的な雇用創出、失業なき労働移動の強化など、三つの柱を立て、そして具体的な対策を執行してこられたわけでございます。  平成十四年度の予算では総額約三兆八千億円の雇用対策関係予算が執行され、雇用対策には万全の対策が講じられてきたわけでございますが、しかしこれだけの雇用対策が講じられたにもかかわらず、失業率はその後も上昇をしており、失業等給付事業の財政の状況も悪化の一途をたどっているという状態であります。  雇用保険制度は失業者にとっては最後のよりどころ、すなわちセーフティーネットとしての機能を果たすものでございます。国のすべての総体的な経済政策の影響がこの雇用保険制度に降り掛かってくるわけですので、その見通しは大変厳しいものがあるとは理解できます。しかし、雇用保険財政の推移を見ますと、平成十年から一段と収支の悪化が進んでおり、その後改正した雇用保険法の効果によって収入が持ち直したとはいうものの、さきに述べましたように、失業率の上昇によってその効果も相殺されてしまって今日の大変厳しい事態を招いているという。  前回の改正から今日に至った背景について厚生労働省はどう認識されているのか、伺わせていただきたいと思います。
  21. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) 前回の改正から今回の法改正に至った背景はどういうようなことなのかと、こういうようなお話でありましたけれども、先生御存じのように、前回の改正以降、様々な状況、特に内外の経済状況等によりまして厳しい雇用失業状況が予測を超えて長期化しているというようなことも含めまして、雇用保険財政が極めて厳しい状況にあるということはかねてから言われているところでありますけれども、それと同時に、雇用就業形態の多様化が更に進展するなど制度をめぐる諸情勢も変わってきていると、こういうようなことが背景にあるんだろうと思います。  したがって、前回改正は四%台半ばの完全失業率の下で失業等給付に係る収支を均衡させることを目指して行ったものでありますけれども、実際には十三年度の完全失業率が五・二%の見込みを更に上回ったと、こういうようなことから、失業等給付に係る収支は改正法施行後も赤字が続いておりまして、十四年度末の積立金残高が二千二百三十三億円と極めて低い水準で推移してきたわけであります。  また、受給者の早期再就職を実現する上で、高賃金層を中心とした基本手当日額と再就職時の賃金との逆転現象が際立ってきたと、こういうようなこともございます。  さらに、雇用就業形態の多様化や前回改正時に行った短時間労働者の適用要件見直しの影響等によりまして、短時間労働被保険者が急増したと、こういうようなことも重なりまして、制度の見直しを行う必要が出てきた、こういうようなことでございまして、今回、特に昨年の四月に関係審議会において検討が重ねられまして、昨年の十二月に早期再就職の促進、働き方の多様化への対応、再就職が困難な状況への対応等の観点から、言ってみれば給付と負担と両面にわたる見直しが必要であろうと、こういうようなことが今回の改正の背景でございます。
  22. 沢たまき

    ○沢たまき君 ありがとうございました。  これ、通告はしていないんですけれども、私がたまたま感じていることをちょっとお話しいたしますと、確かに戸苅局長もおっしゃいましたように、九・一一とかBSEとか、その辺にすごく、リストラがはやったという言い方はおかしいですけれども、リストラが多くなった。また、あとはいろんな大企業の不祥事等々もあったりいろいろございますが、この失業率が高くなったというその要因については、もちろんそのように経済の不況もありますし働き方の多様という転換期みたいなこともありましょうけれども、もう経営者の労働者の解雇に、解雇といいますか、経営者の労働者の雇用に対する安易な姿勢というものをちょっと私はかいま見ることがありますので、それもその一つの要因ではないかと思います。  これは確かなことではなくて大変いけないとは思いますが、ある自動車会社ですけれども、一つの自動車が大変短期間で利益を上げたと。しかし、それを見たもう片っ方のある大きな自動車会社の社長は、あっちは大変に解雇をした上での利益を上げた、我が社は一人も解雇していない上にちゃんと利益を出していると。そういう経営者の労働者に対する姿勢というのも一つの要因であるような気がいたしております。  この経営者の解雇に対する歯止めというものに関してもしっかりと進めていくべきだと思っておりますが、副大臣、いかがでございましょうか。
  23. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) もちろん、雇用というのは労使、特に労使の共同連帯の下で雇用が保たれるわけでありますので、先生がおっしゃるように、ある種、経営者の努力によって雇用を抱えていただけるというようなところもあるかも分かりませんけれども、全体的な経済の状況から見ますと、それぞれ経営者もそれから労働者も一生懸命やっている中での例えば倒産だとか解雇だとかと、こういうようなことが生じているというのが現実なんだろうというふうに思っておりまして、それに対していかに政府側としてセーフティーネットを整備していくか、そして制度を持続させていくかと、こういうようなことが重要なことだろうというふうに思っております。
  24. 沢たまき

    ○沢たまき君 じゃ、次に参ります。  単に雇用保険財政の収支の改善を図るための給付の抑制を行うというのではなくて、労働市場の構造的な変化等を十分に踏まえつつ、厳しい状況にある人は必要な給付を確保し、めり張りの利いた見直しであるということを国民の皆さんに十分に理解をしていただくよう努力をなさるべきだと思っておりますが、いかがでしょうか。  厳しい雇用失業情勢の下で社会的に弱い立場にあります障害者の方々など再就職が困難な方や、あるいは倒産・解雇により離職を余儀なくされたパートタイム労働者の方については給付について特段の配慮が必要であると考えておりますが、この点、今回の改正ではどのような対応がなされているんでしょうか、伺わせていただきます。
  25. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 雇用保険につきましては、現在でも、障害者等の再就職の困難な方、それから倒産・解雇によりましてその御本人が心の準備、あるいは再就職のための何の準備もないままに離職してしまった場合に、再就職までに要する期間がその他の方に比べて長く要るんじゃないかということを踏まえまして、所定給付日数については、障害者の方、あるいは倒産・解雇等による離職者の方については長い所定給付日数になっているところでございます。    〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕  今回の見直しに当たりましては、一つは、今申し上げました所定給付日数について、障害者の方など再就職困難な方、それから倒産・解雇の方については現在の給付日数を基本的に維持するということでございます。障害者の方については倒産・解雇等以外の離職の場合でも給付日数を今回は維持するということにいたしております。  それから、先ほどちょっと申し上げましたが、三十五歳から四十五歳未満の壮年層の方、この方々の再就職もなかなか困難であるということなものですから、こういった方については、倒産・解雇等で離職した場合には所定給付日数を更に三十日延長するということで、めり張りの付いた給付の内容にしたというつもりでございます。  それから、パートタイム労働者についても、先ほど申し上げました障害者の方がパートであった場合、それから倒産・解雇等により離職した場合については、給付日数を通常労働者の場合と、通常のというのはパートタイム以外のという意味ですが、の給付日数と同様の水準まで拡充するということで、全体に再就職の困難度等を考慮した給付の見直しを行う内容になっておるところであります。
  26. 沢たまき

    ○沢たまき君 雇用対策について私なりの考えを述べさせていただきたいと思います。  この地方選の間、各地を回ってみて、地域の雇用対策に一層力を入れるべきだとつくづく感じました。やはり、地域生活に密着した雇用政策の実現、地域住民に密着した雇用政策の推進、今後一層進めるべきではないでしょうか。今までは雇用失業情勢について地域格差、地域間の格差が大きくて、国の一律の地域雇用対策が功を奏しなかったというのが現実ではないでしょうか。  私が読んだ法政大学の諏訪康雄先生は、欧米の経験を通して、集権的な政策決定から分権的な政策決定へと移行する流れを強め、地域や産業の多彩な実態から懸け離れた画一的、一律的な政策を上から押し付けることのマイナス面が意識され始め、中央政府は、むしろ地域などからの多層的で多様な政策決定の枠組みとなる基本制度を整備したり、分権的な政策決定の間の調整をする役割を担うべきであると指摘されています。  地域百年の計となる本格的な経済雇用戦略というものは、地方分権の下、地域が主体となって独自の雇用政策に取り組むための環境条件の整備が不可欠と感じてまいりました。これを踏まえて、その地域地域がそのオンリーワンとなれる産業を見付け出して作り出す動きを高めるべきだと感じております。これが日本を再生させていくのではないかと期待しております。  鴨下副大臣の地域雇用対策に対する取組についてちょっと伺わせていただきます。
  27. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) 先生御指摘のように、例えば雇用状況も地域によってそれぞれ偏在もあるわけでありまして、そういうようなことも含めて、先生おっしゃっていることは極めて重要なことだろうというふうに思います。  国におきましては、全国的な視野から言ってみれば各種の雇用政策をやっていく、こういうようなことは国としては重要なことでありますけれども、反面、例えば地方の自治体が、地域の実情に応じて国の施策とうまく連携をしながら、創意工夫をしつつ、その地域に応じた雇用政策、雇用対策を練っていく、こういうようなことが組み合わさるということが極めて意義深いことなんだろうというふうに思っております。  厚生労働省の方でやることといたしましては、一つは、地域雇用開発促進法によりまして、都道府県が関係市町村の意見を聞きながら地域雇用開発計画を策定した場合において、国としては、事業主団体が実施する就職支援活動を支援する地域求職活動援助事業、さらに、雇用機会が量的に不足している地域等に事業所を設置した場合における労働者の雇入れを支援する地域雇用開発促進助成金等の施策、さらに、地域の実情に応じて地方公共団体にその創意工夫に基づく事業を企画、実施していただくことにより、臨時的、短期的な雇用機会を創出する緊急地域雇用創出特別交付金事業など、こういうようなものを組み合わせていただきたいなというふうに思っておりますし、さらに、これは各県の労働局においても地域の雇用対策についてそれぞれ都道府県と協議を行う場を設けておりまして、こういう場を通じて、地域の言ってみれば実情に合わせた形で雇用に取り組んでいただきたいと、こういうふうにも考えております。  また、もう一つ付け加えて申し上げれば、例えば、今回小泉総理の肝いりで行われました構造改革特区等も含めて、それぞれ地域がうまく工夫をしていただくということが、先生がおっしゃる趣旨を反映する上で極めて重要なことだろうというふうに認識しております。
  28. 沢たまき

    ○沢たまき君 私は、地域から雇用の政策を作るためには、都道府県単位あるいは地域単位の雇用の統計を国が調査し、公表していくべきだと思っておりますが、いかがでしょうか。  昨年、総務省が都道府県別の完全失業率とか就業者数、労働力人口の公表に踏み切ったと言われておりますが、地域の雇用対策がしっかり実態に応じた雇用政策を進めるためには、この県単位、地域単位の情報を、年間ではなくて、できれば月単位の情報を提供していくべきだと思っております。厚生労働省の労働局というのは県単位にあるわけですから十分対応できると思いますが、いかがでしょうか。
  29. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 御指摘のとおり、地域の実情に応じました雇用対策を的確に行うというためには、やはり各地域の雇用の状況、労働市場の状況、これを正確に把握するということが不可欠でございます。  労働局ということで申し上げますと、全国の公共職業安定所で日々取り扱っております求人、それから求職、それから就職、それぞれの件数につきまして、これは都道府県単位、それからハローワーク単位で毎月取りまとめ、これを広く公表、提供しているというところでございます。特に、労働局におきましては、当該都道府県の求人、求職、就職の状況、それからそれぞれのハローワークの状況、そういったものにつきましてまとめて例えば県庁にもお渡しするとか、あるいは経済界、労働界、その他県民の方々一般に広く公表、提供していると、こういう状況にございます。
  30. 沢たまき

    ○沢たまき君 よろしくお願いします。  地域の雇用問題として、公共事業による雇用創出効果というのが近ごろでは変化しているんではないかと思っております。  公共事業の本来の目的であります社会資本を充実させることによって災害を防いだり、生活の水準を向上させたり、さらに経済効果を引き上げること、それで国や地域の競争力を高めると、こういうことにあったわけでございますが、近年、近ごろ社会資本がもう大変充実するようになってくると公共投資を追加しても従来のように成果を上げるということができなくなってきております。これは公共投資がすべて悪であるという概念ではありませんで、従来のような公共投資主導の経済、雇用の政策、対策は今や時代に合わなくなっていると。経済・雇用効果というのは、これではもう限界に来ているということであります。地域独自の経済・雇用対策が主導でなければいけない、地域が主導でなければならないというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
  31. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 雇用機会というのは、元々それ自身を作り出すというのは非常に限界のあるところでありまして、基本的には、経済活動が活発になって、それにより雇用に対する需要が出て、それで雇用機会が拡大すると、これが基本だろうと思いますが、そういった意味で、公共事業、公共投資の果たす経済効果、それの雇用への波及効果、これもかなり大きなものがあるんだろうと、こう思います。  ただ、今御指摘のとおり、公共投資もいろいろ限界があり、いろいろな問題点の指摘もあるところでございます。そういった意味で、今、委員お話しのとおり、地域による雇用対策あるいは地域にふさわしい雇用対策、そういったものを地域の創意工夫でやっていただくというのは大変雇用機会の創出あるいは雇用の安定という意味で非常に重要なことだろうと、こういうふうに思っています。  そういった意味で、公共事業のみに依存せずに、民間企業あるいはNPO等々を活用して、それにより雇用機会が増えるというやり方もあるわけでありまして、そういったことで、民間企業、NPOを活用しつつ、公的な関与により雇用機会の創出を図るというふうな考え方から、現在、緊急地域雇用創出特別交付金を設けておるということであります。  これは、各県あるいは各市町村に、失業者の数ですとかあるいは雇用失業情勢の深刻さの度合いですとか、そういったものに対応いたしまして各県に交付金を交付させていただいて、各県、それから各市町村の創意工夫でいろいろな事業を行い、雇用を創出していただいていると、こういうものでございます。  さらに、これは考え方として、雇用が回復するまで、あるいは景気が回復するまでの臨時的、一時的な雇用機会を創出しようということでございますが、もう一歩進みまして、地域に根差した常用の雇用機会を作っていただこうということで、今回、地域雇用受皿特別奨励金というものを設けまして、これは地域に密着したサービス事業を行う民間企業あるいはNPO、公益法人、第三セクター、そういった法人を設立して、三十歳以上六十五歳未満の方の雇用の場を創出した場合に対する支援を行うということでやっておるところでございます。  それから、先ほど副大臣からもお話がありましたが、都道府県と連携して雇用対策をということで、連携がうまくいくようにということで、連携して国としてやれることをということで地域求職活動援助事業というものも行っているということで、最近におきます厚生労働省の雇用対策というのも、委員御指摘の地域に根差した雇用対策といいますか、そういった方向にウエートをかなり増してきていると、こういう状況でございます。
  32. 沢たまき

    ○沢たまき君 最後に御要望として言おうと思ったことを局長先におっしゃってくださったので申し上げますが、その緊急地域雇用創出特別交付金のこの事業について、建設政策研究所北海道センターの「地域に役立ち失業者を支える就労対策を目指して 北海道における交付金事業と可能性」と題する報告書の研究の中にそういうのがあったんですね。  もうこれすばらしい、これは私はもう、この交付金事業というのは正しく地域と密着した雇用対策だろうと思うんですが、大変、拓銀から始まって大変経済的に苦しい立場にある北海道が、森林の整備とか埋蔵文化財の整理、子育ての支援、交通弱者の対策、自然回復推進の調査、幼稚園・保育事業、列挙し切れない様々な事業をこの交付金で起こすことで新たな雇用を生み出したという記述がありました。具体的には、同じ事業費の百万円当たり、従来の公共事業費だと百万で十人ですけれども、その六倍以上の実績を示しているんですね。  だから、おっしゃったように、政府は本来の、臨時的と言ったけれども、長期的に結び付けるとおっしゃってくださったので、その工夫も是非やっていただきたいと。この交付金事業を充実させることによって、地域の工夫と発想によって地域の雇用創出を支援していただくよう要望しておきます。これは御答弁要りません。  済みません、ちょっと国土省に聞きますが、地域の公共事業のことについてちょっと伺いたいんですが、今までよりも小規模の公共事業にシフトすることの方が中小建設業者のシェアも雇用も拡大する傾向が出ていますが、国土交通省は地域の公共事業の在り方についてどう考えていますか。
  33. 中山啓一

    ○政府参考人(中山啓一君) 公共事業は、その実施が短期的な需要を創出するという側面がございます。優れた経済効果を有していると言われております。これまでも、このような経済効果によりまして経済の下支えに一定の役割を果たしてきたというふうに考えております。  一方、最近の厳しい財政状況の中では、これまで以上に重点化を図りつつ、よりスピーディーに、また低コストにより質の高い公共事業を進めるために、国土交通省といたしましても、抜本的な改革を進めることが必要であると考えております。  その一環といたしまして、今後の公共事業の実施に当たりましては、特に地方につきましては、地方が自らの知恵と工夫で個性を生かしながら自律的な取組が進められるよう、政策の基本を、従来、均衡ある国土の発展というキャッチフレーズございましたけれども、個性ある地域の発展、個性ある地域の発展へと転換することといたしております。    〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕  このため、具体的には、バリアフリーだとか中心市街地の活性化など、各々の地域が主役となって取り組むべき課題に対しまして国が地域の自助努力をサポートするなど、国と地方が適切な役割分担の下で、雇用の拡大にも配慮しつつ、地方のニーズに合った真に必要な事業に重点的、効率的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  34. 沢たまき

    ○沢たまき君 よろしくお願いしたいんですが、従来のように経済を支えたり、それはもちろんそうなんですが、もうそういうことではなくて、表に出ておりましてなるほどなと思ったんですが、大工事をするとそれだけ人数が多いのかなと思ったら、そうではないんですね。そうではなく、小規模の方が単価も安く、また雇用も人数も増えているという研究発表があります。そのことを伺ったんでありまして、バリアフリーは国の政策で、バリアフリー法もできているわけですから、それはどんどん進めていただきたくて、これは雇用の問題で伺っているんですが、努力してください。  大規模じゃなくてもいいですから、雇用の創出ができ、コストができ、中小零細企業の建設業の方がコストも、またシェアも広がるということですので、よろしくお願いします。  次に伺います。  慶応大学の樋口先生なんですが、労働の生産性、資本生産性の経済効率の概念、こういうものではなくて、樋口先生は全要素生産性という、こういう概念を使って、人口の一人当たり百万円の社会資本を増加した場合どれだけ地域の経済効果を改善できるか、都道府県単位で公共事業の効果をシミュレーションされているんです。  一九七五年と一九九八年では、その効果は、都道府県単位でも全体的にかなり低下をしております。これを拝見いたしますと、なるほどやみくもに公共投資をしてもその効果が低いんだということは目に見えてよく理解ができます。  いわゆるこの樋口先生が言われる全要素生産性、新技術の開発とか地域の創意工夫、地域全体の取組など、地域の様々な要素の掘り起こしを含めた取組が大事であるということであります。地域の生活に効果のある雇用の政策と住民に密着した雇用の政策、こういうのを進めるためには、この全要素生産性を研究して政策を進めていただきたいと思いますが、副大臣のお考えをお聞きして、終わりたいと思います。
  35. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) 先生おっしゃるように、地域のそれぞれの創意工夫でどういうふうに雇用を作っていき、なおかつその地域の経済を活発にしていく、こういうようなことがこれから特に少子高齢化社会の中で重要なことでもありますし、さらに、先生おっしゃっているように、それぞれの地域が特徴がないといけないわけでありますから、その地域の自治体の方、それから地域のそれぞれの活動をなさっている方々が一番その地域のことをよく分かっているわけでありまして、そういう方々の意見を聞きながら、厚生労働省の方の仕事としては雇用をいかに作っていくかと、こういうような観点から先生の御指摘を踏まえてやっていきたいというふうに思っております。
  36. 沢たまき

    沢たまき君 終わります。
  37. 山本孝史

    山本孝史君 民主党新緑風会山本孝史でございます。  大臣、本当に御苦労さまでございます。今も衆議院本会議がおありになって、こちらに来られて早速の質疑でございますが、お聞きをしましたら、この二十五日の金曜日の午後からマレーシア・クアラルンプール及びスイス・ジュネーブに行かれて、またすぐ帰ってこられる、二十九日にお帰りと聞いております。  マレーシア・クアラルンプールは例の重症急性呼吸器症候群対策、SARS対策ということで行かれるそうでございますが、シンガポールは、話を聞いておりますと、建国以来の、ひょっとしたら国がつぶれるんではないかというような大騒ぎになっているそうでございますので、中国当局の情報隠しというのも大変問題だと思っておりますけれども、是非情報交換をしっかりしてきていただきたいことと、それからスイスへ行かれまして、WHO、ILOに行かれるそうでございます。ILOで是非日本労働のこの状況ということをお話しいただいて、率直に意見交換公務員制度の問題についてもILOに提訴をさせていただいておりますが、先方の受け止めの問題、それから我が国が批准をしておりません多くの条約がございます。それについての日本国の対応というものもお話合い、率直に世界各国の潮流ということについての議論をしていただきたいと思いますし、WHOに行かれますれば、お書きをいただいておりますが、是非たばこ対策について、世界の中で大変大きな議論になっております、この委員会でもこの後健康増進法の議論もございますけれども、たばこ対策についての世界の潮流というものについて、是非最新の情報を持って帰っていただいてお聞かせをいただきたいというふうに思います。  御苦労さまですと申し上げながら、各種御注文というかお願いを申し上げて、大きなお土産を期待をしておりますので、よろしくお願いを申し上げます。  早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。  また、今朝、実は御担当の方に御無理を申し上げまして、渋谷のヤングハローワークとしぶやワークプラザに行かせていただきまして、御担当の方と御意見を交換をさせていただきました。とりわけ若年者の就業対策をどう考えるのかということが、私この後の質疑でも触れさせていただきたいと思っておりまして、その参考にと思って行かせていただきました。急なお願いで迅速に御対応いただきまして、また御丁寧な御説明をいただきまして、御担当者の皆様にお礼を申し上げたいと思います。  さて、法案でございますが、まずお聞きをしておかなければいけないと思っておりますのは、この法案の施行日の問題でございます。五月一日となっておりまして、先ほどの提案理由説明にも、何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げますと、こうおっしゃられました。  これは紋切り型の表現で、こう書いてあるわけでございますが、参議院が今日から審議を始めまして、五月一日ということで、日程的に考えましても、間に連休が入るわけでございます。与党の皆さん方は、二十四日、あさってにもこの委員会で上げて、翌二十五日、大臣は午後から外国でございますから、午前中の参議院本会議で可決をして五月一日の法律施行に間に合わせようと、こういう腹積もりだと思うんですが、実際のところ、それできちんとした対応ができるんだろうか。速やかに御可決をと、こうおっしゃっておられるわけですが、本当に五月一日でいいと思っておられるのでしょうか。  私は、御担当者の方と率直に御意見を交換させていただいて、正直なところ、これはなかなか厳しい、困る、本当は連休明けで六月の半ばぐらいからの施行にしていただくのが一番いいという率直なお声もいただきましたけれども、今のままでいきますと五月、二十五日の金曜日の午後に法案が成立しましたということで各事業所に通知をする、郵便物を送る、月曜日の二十八日の午後に郵便物が届く、翌二十九日はお休み、三十日一日挟んで五月一日施行日でございます。  そういう極めて厳しい窮屈な日程の中で、与党の皆さん方が無理やり日程を組んで、それで国会審議の、あるいは国会対応のメンツを優先をして、結局そのしわ寄せは労働者に行ってしまう。それが本当にいいのだろうか。それが厚生労働大臣としてのお考えなんでしょうかということをまずお聞きをしておきたいと思います。
  38. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 初めに、衆議院の方の本会議がございまして、途中で退席させていただいて、それぞれ御質問いただいている皆さん方にも大変御無礼を申し上げました。おわびを申し上げたいと存じます。  さて、今、山本議員からお話がございました本法案の審議並びに五月一日施行ということになっているこの状況についてでございますけれども、私はお願いをしている立場でございますから、先ほど紋切り調のお願いを申し上げたというふうに御指摘をいただきましたが、まさしく速やかに御審議をいただき御可決をいただくことをお願いを申し上げなければならない立場でございまして、なかなかそれ以上のことを私から申し上げるのは言いにくいわけでございますが、いずれにいたしましても、五月一日という差し迫った日程になっていることもまた事実でございます。  その日程を念頭に置きながら、この法律を参議院におきまして可決をしていただきましたならば、速やかにひとつその周知徹底方に努めたいというふうに思っているところでございます。でき得る最大限の方法によってそれはする以外にないだろうというふうに思っておりますが、そういうことでお許しをいただけたらと思います。
  39. 山本孝史

    ○山本孝史君 政府・与党は一体だと理解をしておりますし、法律を出されておりますのは政府でございますので、自らが、この審議日程の中で労働者に迷惑を掛けるわけにはいかないという意味で、自ら五月一日の施行日の修正を御発言されればいいわけですね。厚生労働省としてはこういうことで最初はお願いしたけれども、こうなったので、今からでもいいので提案を変えますと、施行日を五月の連休明けにセットをし直していただいて結構ですと、いや、むしろそうしてくださいと、こうおっしゃればいいことだと思っているんです。物理的に私は周知徹底は不可能である。一生懸命やりますとおっしゃっておられますが、では法案が成立する前から何かできるわけではございません。  御担当者の方に、これでは無理じゃないですかと申し上げましたら、いやいや先生、この法案を閣議決定といいましょうか審議会で決定をしたときの新聞報道、一月二十三日の新聞でございますが、一月二十三日の新聞に失業手当などの給付削減案答申、労政審が答申をしたという記事がございまして、これを見られた皆さん方は五月一日から失業手当等は減額される、雇用保険は改正されるということを御存じだと、こうおっしゃったんで、そんなばかなことはないと。そんな一月の二十三日の新聞を見て、五月一日からどう変わるかなんてことを考えている人間がいるはずがないと。これはやはりきちっと法律が成立をしてからそれぞれの事業所を通じて労働者に通知をするというのが、これは厚生労働省として取るべき当たり前の姿だと思うわけですね。  法案を審議をしていただくのは国会ですから、できるだけ速やかにとおっしゃるのは、理屈はそうかもしれません。しかし、閣法としてお出しをいただいている既に出された法案ではありますが、今からでも私は、厚生労働大臣の立場として、法案の施行日については修正をさせていただくと、こういう御発言をされるのが責任ある立場におられる私は厚生労働大臣の姿勢ではないか、こう思いますので、改めてこの施行日について自ら修正されるお考えはないのか、お伺いをしたいと思います。
  40. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) まだ子供は生まれていないわけでございますから、生まれた後どうするかということは次の段階でございまして、今はこの子供が生まれるようにどう皆さん方にお願いをするかというのが当面の課題であろうと思っております。生まれます時期によってそのほかのことはすべてまた決まってくるわけでございますから、現在の段階ではそれをお願いを申し上げるという以外にないと思っております。
  41. 山本孝史

    ○山本孝史君 建前の話はそうですけれども、現実を見てやるのが仕事だと私は思いますので、今のはある意味では無責任、そして、どうにでもなれ、あとは現場が何とかやってくれればそれでいいではないか、こういう姿勢だと私は思います。  今回、この国会に労働関係の法律が幾つか出されているわけです。この雇用保険法の改正あるいは労働基準法の改正、そして派遣労働、職業安定法の改正。言わばこの国会、雇用国会とも当初言われていたわけでございますが、私は、厚生労働省は一体どっちを向いて仕事をしているんだと。企業の側を見ているのか、あるいは与党の意向だけを酌んでいるのか、本当に労働者の立場になった労働行政をしようとしているのか、非常に私は不思議に思いますというか、首をかしげております。  したがって、大変失礼な質問なんですが、厚生労働省は企業の味方なんですか、あるいは労働者の味方なんですか、どちらなんですかということをまずお伺いをしたいと思います。
  42. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 今までから労働省というのは政労使三者一体になりまして、法案にいたしましても、すべてのことに御相談を申し上げてまいりました。これはもうずっと長い、旧労働省時代からの慣例でございまして、そんなにすべてのこと、そんな小さなことまでそういうふうにしなくてもいいじゃないのとこちらが言いたいほど、すべてのことについてそういうお考えのお聞きをしながら、その中で進めてきている、そういう今までの経過がございます。  したがいまして、私は、単にこれは雇用者の方を向いているとか、あるいはまた労働者の方を向いているとかということではなくて、政労使三者の十分な審議の上に事を進めてきている、そうした皆さんのお声というものを反映させながらやってきているというふうに理解をいたしております。
  43. 山本孝史

    ○山本孝史君 政労使三者構成の中で中立的な立場といいましょうか、そういうことでやってきているんだと、こうおっしゃりたいんでしょうけれども、どちらが力関係があるかと言われれば、当然雇っている側の方に力関係が大きいわけであって、その意味で、労働者側を向いているというよりは、私は、労働者の側に立ってどうしていくのか、そして何よりも、これからの日本の大変厳しい失業状況が続いている中で、あるいは大きく経済の状況が変わっていく中で、働くということはどういう意味合いなのか、働くということをどうやって守って、作っていくのか、そのことについての明確なメッセージが出てこないということが、私は、申し訳ありませんけれども、一体どっちの側に立っているんですかと、こう申し上げている私の思いの中なんですね。  なぜそういうことを申し上げるかというと、今回、労働基準法の改正で、この後審議になるわけですけれども、解雇することができるということを明記して、これがいろいろ議論になっているわけですけれども、解雇はいつでもできますよということを改めて労働基準法に書くということで、私は一歩企業側に立った姿勢だと思っておりますが、そして解雇しやすいという状況を作りつつ、今回の雇用保険法の改正で失業してしまうと受ける金額は非常に少なくなる。解雇されやすくなって、しかし解雇された後だれが助けるかということについては、更に失業手当は少なくなっていくという中で、おまえらはそれで頑張れよと、こういうメッセージにしかならない。  しかも、採用については期間限定の契約社員の姿勢がどんどんと広がっておりまして、いつでも社員を解雇することができる、働いている者を解雇することができるという状態が拡大していくのじゃないだろうか。派遣労働が製造現場にも広がってきますし、正社員が一層少なくなっていくというこれからの世の中でございます。その中で裁量労働制が更に広げられて、そして、幾ら働いても所定労働内で働いたとみなされて賃金もそれしかもらえないし、また、そういうものだということで労働基準法の枠外に置かれていく。さらに、過重な労働で、今、上はリストラされる、下からは入ってこないということで、三十、四十代の人たちが非常な過重労働に追い込まれている。  こういう状況の中で、一体、今回出てくるこの雇用保険法の改正、労働基準法の改正あるいは職業安定法、派遣労働法の改正、それぞれを通して見ていくと、どう見たって、好きにやっていきなさいと、企業経営が苦しいんなら企業が何とか頑張っていけるように社会的な規制は緩くしますよ、あとは経済が回復するのを待つだけです、こういうふうにしかメッセージが受け取れないんですよ。だから、厚生労働省は一体どっちの側に立っているんですかと。やっぱり三者構成の中で云々ということを格好良く言うんじゃなくて、労働者の立場を、弱い立場に立っている人の声をしっかり受けて私たちは行政をやっていきますと、こう発言するのが厚生大臣としての立場じゃないんですか。
  44. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 解雇のお話が出ましたけれども、現在、四要件、これは裁判の結果として出ているものでございますが、その結果に対して我々は何らそこにプラスをするとかマイナスをするとかという考え方は毛頭ございません。今までのこの考え方を守りたいというふうに思っている次第でございます。  ただ、裁判所のこの判決は特定のものに対するこれは判決でございますから、それが一般化されているとはいいますものの、やはりそこを一般の、全体に通じてその思想を広めていきたい、全体的にその考え方を浸透させるという意味で法理として取り上げたところでございまして、それによって今までよりも雇用者側に立つとかあるいは労働者側に立つとかいったようなことでは決してございませんで、今までのその考え方をそのまま踏襲していきたいと思っているところでございます。  また、今、厚生労働省は弱い立場の労働者の側に立つべきではないかというお話がございましたけれども、現在のこの厳しい企業状況を、経済状況を見ましたときに、やはり経済あって、そしてその中で雇用が生まれてくるようなそういう産業あって、そしてまた雇用もそこで増大をしてくるわけでございますから、一概に勤労者の立場だけを主張をしてというわけにもまいりません。そこは客観的な立場に立って、先ほど申しましたように、政労使三者それぞれの立場がございますけれども、双方の御意見を十分にお聞きをしながら、そしてまとめ上げていくというのが私たちの立場ではないかというふうに思っております。  もちろん、その中で労働者側の御意見につきましても十分お聞きをして、その皆さん方の御主張もできる限りその中に取り入れていくという、そういう立場を取っていることは間違いがないわけでありまして、そういう姿勢でこれからも進んでいきたいと思っております。
  45. 山本孝史

    ○山本孝史君 労働基準法の解雇規定の問題については法案が審議をされたときに改めて議論をさせていただきたいと思っておりますけれども、親鳥を殺してしまったのではどうしようもないじゃないかと、こういうふうにおっしゃるわけでございますが、親鳥も健全な親鳥でなければ困るわけであって、何でも生きていればいいかという話でもないだろう。  しかしながら、やっぱり私は、答え方として、あるいはその姿勢の見せ方として、そういう政労使三者の方で云々と、こうおっしゃるだけではなくて、もう少し働いている側の声を受けた姿勢での御発言というのはあるのではないだろうか。かねて労働大臣も御経験をされておられるわけでございますし、厚生労働大臣も長く今務めていただいているわけでございますが、この間のことを考えれば、もう少し私は人間味のある、あるいは労働者の声に、側に立った御発言をいただければと思いますので、残念だと、こう申し上げておきたいと思います。  さて、今回の改正によって、「求職者給付の支給を受ける者は、必要に応じ職業能力の開発及び向上を図りつつ、誠実かつ熱心に求職活動を行うことにより、職業に就くように努めなければならない。」という、いわゆる求職者給付受給者の責務の規定が新たに設けられることになりますが、なぜこのような規定を置くことになったのか、その理由を御説明をいただきたいと思います。
  46. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) 先生がおっしゃっているのは第十条の二だというふうに思いますが、求職者の給付受給者の責務に関する規定につきましては、職業能力の開発、それからその向上を図って誠実かつ熱心に求職活動を行うというようなこと、かねてからそういうようなことであったわけでありますけれども、そういうような趣旨を法律上、これは確認的に明記すると、こういうような趣旨でありまして、先ほど大臣のお話ではありませんけれども、足すものもなく引くものもなく、極めて中立的に、確認的に明記をさせていただくと、こういうような趣旨でございます。
  47. 山本孝史

    ○山本孝史君 ただいまの御説明は、かねて説明されておられることと同じ言葉が繰り返されたわけでございます。確認的に書いたんだと、こういうことでございますが、なぜ確認的に書かなければいけないのかということを聞いているわけでございます。
  48. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 雇用保険の基本手当の給付の運用につきましては、保険料を支払っていただいている事業主、それから被保険者の方、それから受給者の方、それぞれにいろいろな思いを持ちながら運営されているということだろうと思います。  正直言って、今回、二年間の保険料率の据置きをするということはあるわけですけれども、その後は更に千分の二の保険料の引上げをさせていただくということで、事業主の方にもそれから被保険者の方にも更なる負担をお掛けするということになるわけであります。  それからもう一つは、やはり真剣に仕事を探している方々、こういった方々についても、賃金、離職前賃金の高い方については給付額を、給付率を圧縮させていただくと、こういうふうになっているわけでありまして、やはりそういった中で雇用保険の運用を見ますと、やはり例えば、少なくなったとはいえ、結婚退職をされて、真剣に就職しようとする意欲が本当にあるのか、安易に権利と、雇用保険、保険料を負担したのでこれは権利であると勘違いをされて給付を受けられる方、あるいはもう引退するつもりであるにもかかわらず、その給付を受けようとする方、こういった方がいるんじゃないかというふうに思っておる方がやはり社会的にはかなりおられるということも否定し得ないことだろうと思います。  そういった意味で、書かずもがなだという御意見だろうと思うんですけれども、そういった今回の雇用保険制度の改正の中で、やはりその雇用保険にかかわる事業主、それから被保険者の方、あるいは受給者の方、そういった方々に雇用保険の基本的な考え方、要するに労働の意思及び能力を有するにもかかわらず就職に就くことができない状態にあって誠実に求職活動をしているということが必要なんだということを、という精神を確認的に書かせていただくというふうに考えたわけであります。  これは、大臣もいろんな場で申し上げておるところでありますけれども、この条項を入れたからといって、これまでの運営、運用を変えるというつもりはありません。そういった意味で、確認的に雇用保険の考え方というものを関係者の方に理解いただこうと、こういう考え方で設けようというものであります。
  49. 山本孝史

    ○山本孝史君 ただいまの御答弁は、かねてされておられる、これも繰り返しになっております。  ただ、これができたことで運用を変えることはないと、こうおっしゃいましたので、恐れ入りますが、今後、通達を出される折に、給付を受けている人たちにどうこうしろとか、あるいは現場で指導をするというときのその通達については、この委員会に必ず御報告をいただくようにお願いをしたいと思います。委員長、お願いします。  答弁してください。必ず出すと答弁してください。あるいはもらうと言ってください。
  50. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 委員長、理事の方と御相談させていただきます。
  51. 山本孝史

    ○山本孝史君 委員長と御相談と言っているけれども。
  52. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) ただいまの発言は、後刻理事会で協議をさせていただきたいというふうに思います。
  53. 山本孝史

    ○山本孝史君 いろいろと法案ができ上がりますと、この委員会の中でいかなる審議をされていようとも、その法案がある意味では独り歩きをするということがございまして、しかも、私たちの委員会の知らないところでいろんな通達が出ていくというのがこれまでの例でございますので、恐れ入りますが、ただいまは確認的に書いただけであってこれによって現場の指導が、あるいは対応が変わるわけではないという局長の御答弁をいただきましたので、それにかかわるような通達をお出しになるときは必ずこの委員会にお出しをいただいてからにしていただきたい、このように重ねてお願いを申し上げておきます。  それでは、今日、ヤングハローワークに行かせていただきましたと冒頭申し上げました。高卒の就職難の問題について少し御説明をし、そして大臣の御見解をお聞きをしたいというふうに思います。  お手元に資料をお配りをさせていただきました。ごらんをいただければというふうに思いますが、厚生労働省で発表いただいております高卒、高校の新卒者の就職内定率の推移という表でございます。  昨年十一月末の六〇・三%が一月末には七四・四%となって改善されたように一見見えるわけでございます。日にちを追って、各年度とも十一月末、一月末、三月末、六月末ということで数字、内定率の数字は上がってまいります。しかしながら、この内容を詳しく見てみる必要があるのではないかと思っています。  二枚目の数字をごらんください。この数字は、一枚目の表の、図の裏付けになる数字でございますが、この三月の高校新卒者の就職内定率七四・四%、一番右下に数字がございます。就職内定者も十一月末からで見ますと二万二千人増えております。いいことだったと思いますが、就職内定率の算出の分母となっております求職者数でございますが、昨年十一月末の二十万百五十人が一月末には十九万千五百四十人と減っております。要するに、これ何で減ったかといいますと、この間に就職ではなくて進学に希望を変えた方、あるいは縁故就職等々をなさった方、あるいはもう求職するのをやめようと思った方がこの分だけ減りまして、結局分母が減ったことで就職内定率の見掛け上の改善に大きく影響をしているというのが実態だと思っています。  経年的に見ていただきたいのですが、毎年七月末での求職者の率、十一年の七月末、全生徒数の中で二〇・八%の方が就職を希望しておられましたけれども、それが毎年、二〇・〇、一九・三、一八・九とずっと下がってきております。  それで、こういうふうに、ごらんいただけますように、また学年末での未就職者が毎年約二万人ほど、学年が終わっても、すなわち卒業しても就職のできなかった人が毎年二万人程度出る、当初就職を希望しておられました皆さんの三割ないし四割がその望みを実現できずに進路変更かあるいは就職できない状況を余儀なくされている。そしてまた、この表の中には中退をした方は出てこられませんので、そういった方々を含めると、高校で勉強はしたけれどもその後の進路がめどが立たないという方が非常に多くおられるということがよく御理解をいただけるというふうに思います。  実は、もう一つの問題なんですが、それでもまだ進学できる子はいいのかなというふうにも思っています。あしなが育英会という団体がございます。坂口厚生労働大臣もよく御理解をいただき、また御支援をいただいている団体でございますが、このあしなが育英会は病気あるいは自殺、災害などで親を失った遺児たちに奨学金を貸与して高校、大学の進学を支援しておりますけれども、一つの調査をいたしました。それは、昨年の四月に奨学金を利用している高校三年生に就職の希望を聞いたところ、九百十九人の奨学金を利用している高校三年生のうち三〇・六%、三割の人が就職を希望しておりました。お配りをすれば、数字をお配りをすればよかったんですが、済みません、口頭での御説明になっておりますが、三割の人が去年の四月時点では就職を希望しておりました。一般の家庭より、先ほどごらんいただきましたように、二〇%程度の就職希望率からすれば、遺児家庭の皆さん方の就職希望率は一〇ポイントほど高いということになります。  それから一年たちました。新年度を迎えまして、この四月八日にこの人たちに再びその後の進路についての調査をしたそうでございます。就職をした人が、就職希望の中で就職をした人が六八・四%、進学をする人が九・三%、決まっていないが就職先を探す人は一三・五%、迷っている人は八・八%という数字でございました。この進学する人を除いて再計算しますと、就職を希望していた人たちのうち就職した人は七五・三%で、残りの二四・六%の人たちが、就職を希望していたけれども新年度となっても今も就職先を探している、すなわち顕在的な無業者になっているか、あるいは当てもなくさまよっている潜在的な無業者の状態になっている。就職を去年の四月に希望したけれども、四人に一人は結局のところどうしようもなく、当てもなく今まだ仕事を探しているかさまよっているという状態になっている、これが状態だろうと思います。  申し上げましたように、経済的にもし余裕があれば、当面の就職浪人を回避するといいましょうか、専門学校に行く、あるいは大学に行ってこの表からは消えていくわけですけれども、遺児家庭の場合はそれもできない経済状態に置かれておりますので、こういう状況になる。この閉塞状況に対する絶望感というのは非常に深いものがあると私は思っております。就職ができないということが、こう言っては何なんですが、生徒の出身階層と進学した高校ランクとは強い相関関係にあると言われておりますので、就職できないということは、この低い社会階層が再生産されるということになるわけでございます。  大臣に是非お聞かせをして、また御意見あるいは御感想をお聞きをいたしたいと思っておりますが、あわせて、あしなが育英会で、就職できなかった、あるいは迷っているという遺児たち、あるいはそのお母さん方に聞いた声がございます。是非お聞きをしていただいて、御感想をお聞かせをいただきたいと思います。  埼玉県の母親。求人が少なく、思うような職もなかったので進学に切り替え、今子供はアルバイトで学費を稼いでいます。本当は就職してほしかった。下に弟もいるし、できれば思い直してほしいのですが、就職できないので仕方ありません。福岡県の男子。就職活動を続ける予定だけれども、アルバイトもないような状況でどうしようかと焦っています。兄の就職もまだ決まっていないのでとても不安です。三重県の母親。娘は土日アルバイトをしながら就職活動をしています。私は目が不自由なので何も力になってあげられないし、仕事をしてくれと言い過ぎると本人が悩んでしまうし、全くどうしたらいいか分かりません。兵庫県の女の子。近いところでは求人がないし、遠いところは交通費がないので面接にも行けません。群馬県の同じく女の子。とにかく就職できればいいと職種を問わず探していますが、先生にももう自分で探してくれと言われました。  こういう状況に今、この春卒業した多くの子供たちが追い込まれている。こういう声を聞かれて、大臣、率直なお声を、あるいは御感想をお聞かせをいただきたいと思います。
  54. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 若年者、とりわけ高校を卒業した皆さん方の就職が非常にうまくいっていない、大変心を痛めているわけでございます。あしなが育英会の皆さん方のお話も今お聞かせをいただいて、大変な環境の中だということをよく理解することができます。  それで、先日来、若年失業者と申しますか、若年者で就職ができなくなってきた背景は一体何なのか、いろいろの分析をやっているところでございます。  完全に今でき上がったわけではございませんけれども、端的に申しますと、一つは、いわゆる技術面あるいは地域水準と申しますか、高度なものが要求されるようになりまして、そして企業の側が採りますとき、今まで高校生を採っておりましたところが、最近は大学、短大等を採っているという面が半分ございます。それは程度の高い部分の上半分でございます。今度は逆に、普通、だれでもできるような仕事と言うと少し言い過ぎがございますけれども、それほど高いレベルを要求されないような仕事の部分はパートの皆さん方に取って代わられている。  したがいまして、今までの高校生の就職の部分は、非常に難しい上半分のところは大学、短大あるいはまた技術学校等の卒業生に占められる、下半分のところはパートの皆さん方にゆだねられている。そうしたことで特に高校の卒業の皆さん方の就職というものが低下をしてきている。そういう実態がかなり浮き彫りになってきておりまして、これらのことを踏まえて、これからどういう手を打っていくかということが大事だというふうに思っている次第でございます。  これは厚生労働省だけではいかんともし難い問題でございますので、これは文部科学省あるいはまた経済産業省ともタイアップをしていかなければならないというので、間もなく、そうしたタイアップをしてどうここを克服するかというお話合いをすることにいたしておりますが、いずれにいたしましても、教育の問題も考えなければなりません。  といいますのは、一時期、工業でございますとかあるいは土木でございますとか、そうした技術系の高等学校が、それはもうなかなか就職ができないというふうなことで、だんだんと普通科を目指して普通科に転換されていきました。特に地方の方におきましては、農業だとかそうした、畜産だとかそうした学科のあったところも普通科高校にというふうに転換をしていきました。そのことが現在、今度はその普通科高校のところが、大学等に行く場合にはよろしいんでしょうけれども、就職をするという場合になりますと、そこがまた非常に難しい状況になってきている。むしろ、技術を身に付けた子供が、お子さんが要求されるというようなことがあったりいたしまして、もう一度、そうした高等学校の教育の在り方等にも、考え方をもう一度考え直すということも大事でございますし、それは少し時間の掛かる問題でございますから、中期的にそれは行うとしまして、当面の問題として何ができるかということをもう少し詰めて考えなければならない。そして、今年、そして来年卒業する、今年、来年といったような、あるいは去年卒業した方でまだ残っている人もありますし、その中にはフリーターとしてその日その日を送っているような人たちもあるわけでございますから、その当面の皆さん方に対して何ができるかということと少し中長期的な問題とに分けてこれは考えていかなければいけないというふうに今思っているわけでございます。  少し厚生労働省の範囲を超えたところで総合的に対策をもう一度考え直すというところに今迫られているというふうに理解をいたしておりまして、そうしたことで現状を打開をしたいというふうに今考えているところでございます。
  55. 山本孝史

    ○山本孝史君 今朝、渋谷のヤングハローワークあるいは渋谷のワークプラザを拝見させていただきました。機会があればあちらこちらのハローワークに寄せていただいております。  是非ひとつまずはやっていただきたいなと思っておりますのは設備面の問題であります。相談をしていただく窓口、隣同士ございますけれども、この間を高いパーティションで区切っているところと、パーティションなしに隣席と、隣で何をしゃべっているかが聞こえるようなそういう相談窓口もございます。今日行かせていただきましたヤングハローワークでは、高いパーティションで区切られておりまして、しかも普通のハローワークよりも広いスペースを取っておられて、相談員と相談に来られた方が斜めに向き合うようなテーブルの配置になっておりまして、相談する側にもいすが二つ置いてございまして、家族で来られたり友達で来られたりしてもいいようにというような配慮もしておられました。また、インターネットを利用しての適性検査等々もやっておられまして、こんなのは是非サイトでだれからでもアクセスできるようにしていただいたらいいなというふうにも思いました。  そういう意味で、設備面の部分と、まだまだやれる部分はあるなと思いましたが、今日、高卒のあるいは若年の方の就職問題で是非やっていただきたい、すぐにもやれると思っていますのは、就職相談をする方の数を増やすということ、学校にとりわけ置いていただきたいというふうに思っています。  一番よろしいのは、今日も心理のカウンセラーの方がこの渋谷のヤングハローワークで相談に乗っておられます。予約制でやっておられますけれども、一か月先まで予約は一杯になっているそうで、来られた方は一杯持っておられる仕事のこと、あるいは家庭のこと含めて、悩みの御相談をしておられるわけであります。  高校でも、私、地元の大阪の就職担当の先生方とできるだけ懇談をさせていただいておりますけれども、熱心な就職担当の先生がおられる学校は非常に高い就職率を示していると思っています。なぜなのかなと思いましたら、一年生のときからその生徒さんをずっと見ておられますので、その生徒の適性ですとかあるいは性格ですとかを学校の先生方よく御存じなわけですね。そういう意味でのお取組がやっぱり必要なんじゃないだろうかと。初見で、すぐにそれでどうこうということに就職はなかなかならないのではないかと思っています。  したがって、高校での就職指導の環境を整備しなかったらいつまでたってもこの状況は変わらないのではないか。個人的に何か機械でとかあるいはその場でとかというのではなくて、個人的によく話を聞いて指導してあげるという体制を取らないと就職に結び付いていかないのではないかと思っています。  今年の政府の予算案に対して、民主党は独自の予算案を作らせていただきました。その中に、高等学校に職業カウンセラーの設置をするということをお盛り込みをしました。次世代のために人への投資、あるいは地域の教育力の強化が必要であると、こう思っていまして、就職指導教員あるいは専門員の加配、あるいはその先生方が求人に開拓に回られるその求人開拓の費用といったような面も是非面倒を見ていくべきではないかと思っています。  このお話を実は厚生労働省にしましたら、済みません、学校の話は文科省ですと昨日も言われまして、今日そういう意味で文科省の初等中等局長来ていただいておりますけれども、文科省として是非、就職のための就職指導部あるいは進路指導部を強化をする、その中に専門的なカウンセリングのできる人、教員であってもいいし、あるいは専門家であってもいいと思いますけれども、を配置していく。やっぱり人に対しては人の配置をしないことには問題解決しないと思うんですが、そういうお取組をしていただけないかということをお聞きをしたいと思います。
  56. 矢野重典

    ○政府参考人(矢野重典君) まず、御指摘のとおり、高等学校新規学卒者の就職は極めて厳しい状況にあるわけでございまして、我が省といたしましても大変憂慮をいたしているところでございます。  このような状況を踏まえまして、私どもといたしましては、これまで経済団体へ働き掛けをしてまいりましたし、そういう、そのような働き掛けはもとよりでございますけれども、御指摘の就職支援体制の点でございますが、これにつきましては、就職指導を専門に行います就職支援のための教員、これを私どもはジョブ・サポート・ティーチャーと呼んでおりますけれども、こうした教員の配置でございますとか、あるいは地元産業界などの外部人材を活用したキャリアアドバイザーを配置するなど、それぞれの高校におきましてきめ細かな就職支援体制の充実に努めてまいっているところでございますし、また、厚生労働省と協力して、未内定者に対する職業相談、あるいは就職準備講習の充実といったようなことにも力を入れているわけでございます。  さらに、当面のことではございませんけれども、生徒の望ましい職業観、勤労観を育成する、そしてその適切な職業選択に資するように、インターンシップの推進といったようなことについても力を入れてまいっているところでございます。  私どもといたしましては、今後とも、このような対策を総合的に取り組むとともに、厚生労働省と連携を一層密にして、学校における就職支援の更なる充実に努めてまいりたいと考えております。
  57. 山本孝史

    ○山本孝史君 大臣も局長も、両省よく緊密に連絡し合って、協議し合って、あるいは経済産業省等も入っていただいてと、こうおっしゃっているんですが、やっぱり若い人たちに夢を持ってもらう、あるいは若い人たちがこれからの世の中の大変大切な宝なんだと、こう口では言うんだけれども、政府がやってくることはそうじゃないというふうにしか見えないんですね。  例えば、じゃ、文部省と厚生省、厚生労働省の間でちゃんとした若年就業を進めるための協議をするような機関なりあるいは窓口というのはきっちり決まっているんですか。
  58. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 一つは、両省次官をキャップにというかトップにしまして関係の局長との協議会をやっています。それから、あとは、それぞれのテーマごとに、例えば人材育成であるということであれば、職業能力開発局とそれから初等中等教育局あるいは高等教育局というようなことでやっていまして、安定局のことで申し上げますと、若年者対策、それから新規学卒者対策の担当課長あるいは担当補佐、これは相当頻繁に文部科学省の担当の課長なり補佐なりといろいろ協議し、相談しているという状況でございます。
  59. 山本孝史

    ○山本孝史君 局長さん、申し訳ありませんが、その事務次官を長とする協議機関があって、どのぐらいの頻度で協議をしておられるんでしょう。どんなことを話し合っておられるんでしょう。
  60. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 私の理解では、多分一年に一回だろうと思います。一年に一度、それぞれの立場からどういったことを取り組もうとしているのか、それから、どういったことが隘路になっているのか、それから、両省それぞれこういったことをやろうじゃないかというふうなことをテーマを出して協議をしていると、こういう状況であります。  具体的なことは、その後、先ほど申し上げました、それぞれの局レベルあるいは課長、課長補佐レベルで細部を詰めていると、こういうやり方でやっております。
  61. 山本孝史

    ○山本孝史君 年一回事務次官が集まって、それでこんなことをやってみようか、ああだこうだと言ってみても、こんなの始まらないんです。会議をしているなどというふうにはおこがましくて言えないんです。担当局長のレベルの協議、あるいはその下の課長さんレベルの協議、申し訳ありませんけれども、どういう形でいつこういう人たちが集まってこういう会議をしました、こういうことを話し合いましたということを、恐れ入りますが、この一年間ぐらいで結構でございますので、ペーパーにしてこの委員会にお出しをいただきたいと思います。
  62. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 非公式のもの、公式のもの、いろいろございますが、記録の残っている限り、まとめまして先生のところにお届けします。
  63. 山本孝史

    ○山本孝史君 記録に残らないような会議というのはないと思うんですね。それは正式な協議機関でも何でもないわけで、したがって、当初申し上げましたように、きっちりとした協議機関を作ってやってくださいと。  国として、若年者というものが非常に、の就職が大変重要であって、毎年二万人もの子供たちが高校を卒業しながらも就職できずにいると。フリーターになっているというのも、決してそれは選んでやっているわけじゃないわけですよ。それしかないからそうなっていることであって、その人たちのことも考えると、あるいは中退に追い込まれているというのも、結局絶望的な状況の中で、親を見ていても親も大変厳しい中でリストラをされていく、子供たちも仕事がない。どこを向いたって閉塞している世の中の中で、どうすりゃいいんだというのが今の子供たちだと思うんですよ。そういうことを考えますと、せめてやっぱり大人の世界はきちんとしたものを作っていくべきじゃないか。  年一回の事務次官会議じゃなくて、あるいは記録に基づけばやっているかもしれないというものではなくて、きっちりとした、せめて月一回ぐらい、それぞれの状況どうなっているかということの把握をしながら、新しくこういう施策を組み立てておりますということで御発表いただけるような、そういうしっかりとした取組をしていただけないだろうかと。厚生労働大臣、そういう取組をしていただけないでしょうか、お願いします。
  64. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) これは、先ほどおっしゃったように、やはり現場にある人に、例えば現場で学生の就職をお世話している先生、その先生の中にも熱心、不熱心もあるわけですけれども、そこに、その先生方に現状の新しい情報というものをいかに提供するかということに私はもう尽きてくると思っております。  この省と省との間の話合いもそれは大事でございますけれども、なかなかそこでは現場に即したことになってこない。ですから、現場のところから積み上げていかないといけないというふうに思っておりまして、今年、少ないですけれども、ジョブサポーターというんですかね、学校の先生と御一緒にその地域の企業を回るとか、その先生方に、こういう制度を、こういうことを、今ありますからこういうことを考えてはどうでしょうかというようなことをお話をしたり、一緒に行動したりという人をつくってきている。  いいところは、先ほどおっしゃったように、本当にいいんですね。私も昨年の九月か十月ごろ、九月ごろだったと思いますけれども、私の地元の高等学校へ行きまして、工業高校ですが、もう一〇〇%就職決まりましたというふうに言っておみえになる。それびっくりしたんですけれども、そのときにも商業高校は大変のようですよということを言っておみえになった。やはり科によっても違うんだろうというふうに思いますが、やっぱりそういう、より具体的なことでどうするかということになっていかないといけない。  もう一つは、やはり企業の側にも、現在だけではなくてもう少し長い目で考えて、そして雇用というものを考えていただかなければならない。そこをやはり私たちもしっかりこれは言っていかないといけないというふうに思っております。  そうしたことの、やはり現場のそうした積み上げということを中心にしながら、国として、何を今必要としているか、どんなことを国がやらなけりゃならないかといったことを発信をしてもらうという体制が今は大事だと私は思っておりまして、そういう方針を積み重ねたいと思っております。
  65. 山本孝史

    ○山本孝史君 大臣おっしゃるように、やはり現場がどうなっているかということをよくつかんで、それに即した仕組みを組み立てていくということだと思います。  私どもが卒業したときはこんな就職難の状況ではございませんでしたので、それぞれ自分の就職あるいは求職体験を持ちながら考えているわけですが、世の中は全く違ってきていますので、その状況に即したものを作ろうとすれば、やはり現場で一番御苦労をいただいているまずは高校の先生方のお声をしっかり受け止めていただいて、何がいいのかという話だと思うんですね。  一人一社制が邪魔しているから就職が悪いんだとおっしゃいましたけれども、現場では一人一社制なんてとんでもない、だってそもそもそんな数来ないもんと、一人で複数受験できるほどに会社の求人来ないんだからというお話であって、頭の中で考えることと現実とは大分違いがあると思っています。  その意味で、是非、どんな声が協議をする場に上がってきていて、それを基にして厚生労働省が、あるいは文部科学省が、あるいはその他の省が一緒になってどういう協議をして、この結果としてこういうことをやっていきますという流れが国民の側に見えるように是非していただきたい。そのために、今先ほど、御無理な御注文かもしれませんが、どういう協議をしておられてどういう内容であったのかということを是非この委員会にお示しをいただきたい、こう申し上げたわけでございます。是非御対応いただきたいと思います。  それで、質問時間が限られておりますので恐縮ですが、今後の雇用の状況あるいは失業状況の見通しとそれに対する労働行政はどうなっていくのかという基本的な、今後、申し上げましたように、労働基準法にしても、あるいは派遣労働にしてもいろんな法案ございますので、一般質疑的な質問で恐縮でございますけれども、一体これから先どうなっていくと思っておられるのか。  そして、それに対してどうするのかということなんですが、私一番気にしておりますのはワークシェアリングの問題であります。あれほどワークシェアリングをどうしようと言っていたのに、ワークシェアリングはどこへ行ってしまったのでしょうか。一体この先どうなるのでしょう。  政労使のワークシェアリングの検討会議で政労使の合意が発表されました。政府の財政的支援措置はしかしながら引き続き検討にとどまっておりますし、実際に採用されておられる会社が増えてこないということについて、一体どう受け止めておられて、これからどうしていこうとしておられるのか。ワークシェアリングはもうやめだと、こういうことなのか、あるいはやりたいと思っているけれども進まないからそのままほっておこうと思っておられるのか。一体どういう受け止めでどうしていかれるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
  66. 青木功

    ○政府参考人(青木功君) ワークシェアリングの問題につきましては、もう先生御案内のことと思いますけれども、昨年の十二月二十六日に政労使ワークシェアリング検討会議におきまして、いわゆる多様就業型のワークシェアリングの推進について合意をいただいたところでございます。  その基本認識といたしましては、ワークシェアリングにつきましては、これからの労働力需要、少子高齢化が進行する中で、様々な働き方というものが生まれてこないことには、家庭責任がある方々、あるいは高年齢者、様々な人たちの力の発揮が難しいこと、あるいは企業側でも様々な形の働き方でもって働く労働力というものを調達していく、そういった上で極めて重要ということの位置付けの下に合意をいただいたところでございます。  しかしながら、この問題につきましては、例えば賃金の問題、働き方の、現在のいわゆるフルタイムを前提とした様々な制度との調和の問題といったことで、法制面はともかく、実際の企業のプラクティス、それらにかかわるまで様々な見直しをすることが必要になるというふうなことも共通の認識でございます。  そこで、とにかくこういったことが働く現場にとっていいことであるということを分かりやすくお示ししていくことが重要であるということで、今年度の事業といたしまして、多様就業型ワークシェアリング導入モデル開発事業といった事業を労使の御協力を得て展開しようということにいたしておりまして、現在、日本経団連それから連合の担当の方と協議をいたしておりまして、できるだけ早い時期にこういったものをスタートして、こういった働き方が今後にとって有益であるということを関係の皆様にも分かるように示していきたいというふうに思っております。
  67. 山本孝史

    ○山本孝史君 有益であるということは、示していただかなくても多分みんな有益だと思っているんじゃないんでしょうか。  それを進めていくために、あるいは進まないのはなぜ進まないのかというところがどういう御認識ですか。
  68. 青木功

    ○政府参考人(青木功君) 端的に申し上げますと、一つは、まず働く側からの意識でございますけれども、やはり一定の時間で、例えば一日八時間、週四十時間ということで生計が立っている、あるいは、それに加えて一定のお約束の中で超過勤務手当も含んだ形での生活設計ができているということで労働の組織ができています。  それから、雇用する側の立場にとってみますと、逆の意味で、そういったいわゆるフルタイム雇用の方々を前提といたしまして、そこに例えばパートタイマーの皆様、あるいはアルバイトの方々とかあるいは派遣労働の方々、いろんなことを組み合わせて調達をしているんですけれども、そこのところに出てきている例えば労働保険の問題であるとか、あるいはパートタイマーの問題の中で現在検討されているような幾つかの問題、一体それを克服、現在のところ克服しにくい環境のものが幾つかあるということがなかなか直ちに進んでいかない原因ではないだろうかというふうに思っております。
  69. 山本孝史

    ○山本孝史君 克服しにくい状況は恐らくこれから先はますます克服しにくい状況になるんではないだろうか。そのときに、先ほど冒頭、大臣に御質問を申し上げました、一体どっち向いているんですかという中で、やはり社会的な規制をある程度していかないとこれは進んでいかないのではないだろうかと。超過勤務を前提に生活が成り立っておりますと、であれば、これはずっとそのままいってしまうわけですね。個人の働き方の問題ではありますけれども、やっぱり長時間労働はしてはいけないんだということで、労働基準監督署なりの、きちんとした長時間労働なりあるいは労働時間管理の不法な問題については対応していくとか、あるいはやっぱり同一労働の同一賃金で均等待遇を考えていくということを打ち出していかないと、すなわち社会的なルールの中で一定の整備をしていかないと、そのときに必ず企業側がそれは困ると、こう言うわけですが、しかし全体として考えたら日本の国のためになるということを是非説得もしながら、そういう方向性に努力をしていかないといけないんではないだろうか。企業が言っているとおりにやっていけばこの状況は絶対変わらないと思います。やっぱりワークシェアリングをする中で、みんなで仕事を少しずつ分け合うということでなければ恐らくいかないんじゃないだろうか。  高校の卒業生に聞いてみましても、やっぱり先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、男の子にとってはもう製造の現場はないわけですね。みんな外国行ってしまっている。女の子にとって、販売とか事務をやりたいと思っても、みんな短大とか大学生に取って代わられている。そうすると、本当に仕事が残らないんですよね。それじゃなくて、やっぱり私は、失礼だけれども、日系人に働いていただくのもいいけれども、日本国内で卒業したばかりの高校生の職場を是非そういうところでも確保してくれよというのが正直な思いなんですよ。  そういう意味で、企業の流れでいけばなかなかいかないものを、是非法的な整備をするという姿勢の中で企業に考え方を変えていただくということが必要なんではないかと思います。またどこかの機会でやらせていただきたいと思っています。  今回の法律の中で給付制度が見直しになるわけですけれども、もう一度確認をしておきたいんですが、この給付の削減額、何といいましょうか、削減額というのかあるいは抑制できた額というのか、いろいろありましょうが、給付の制度の見直しで給付の削減額が幾らになるのか、それによって国庫負担の額は幾ら減少するという計算をしておられるのか、お聞かせをください。
  70. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) まず、十五年度、初年度でございます。基本手当の給付率、それから上限額の見直し、それから通常労働者と短時間労働者の所定給付日数の一本化等々の制度改正によりまして、それに伴う早期就職促進効果、これも合わせますと約三千百億円の給付減ということを見込んでおります。これによりまして国庫負担額は五百八十億円の減ということを見込んでいます。  更に申し上げますと、さきの補正予算で早期再就職者支援基金を設けました。これによりまして雇用保険受給者の早期再就職が進む。あわせて、この基金によります支援金を受ける場合には雇用保険の就職促進給付を受けないということになりますので、その効果が約一千億円の給付減、これに伴う国庫負担額の減が約三十億円の減、合計いたしますと平成十五年度におきます全体の給付減は約四千百億円、国庫負担額の減は約六百十億円、こういうふうに考えております。
  71. 山本孝史

    山本孝史君 そうしますと、二千五百億円の早期再就職支援基金を作られた結果としてこの雇用給付の方は一千億円給付が減ると、こういうことで、それで国庫の負担がそれによって幾ら減るとおっしゃいましたか。
  72. 戸苅利和

    政府参考人(戸苅利和君) 約三十億円であります。これは、就職促進給付は国庫負担がございませんので、この三十億円の効果というのは何かと申しますと、これによる早期再就職が進んで基本手当の給付が少なくなると、こういうことでございます。
  73. 山本孝史

    山本孝史君 税金と保険料とをどう考えるかですけれども、片方で二千五百億の税金を使って、片方で一千億の保険料給付が減ると、こういうことでおっしゃっておられるわけですけれども、二千五百億円、先ほど中島委員は、政府としては二千五百億円大盤振る舞いで出したんだと、こういうような自画自賛のお話をされたわけですけれども、二千五百億円出しても、こっち側で一千億円、実は保険給付が減るわけですね。要は、このお金というのは、給付を受けたときに残り三分の二を残す、すなわち三分の一の期間の間に再就職をすればこの基金からのお金がもらえると、こういうことになっているわけです。  じゃ、そんなに、一千億円とおっしゃった。どのぐらいにそこもらわれるのかなと私思っているんですが、今の失業給付の受け方を見ますと、これは皆さん方は非常に腹立たしいと思っておられるんですが、皆さんはというのは厚生労働省職員の方たちですけれども、実際のところ、給付が終わってから就職をする方たちがいるんだと。だからこれは困ると。だから、できるだけそんな人は給付を受けている間に早く就職してくれよと、こう思っておられるわけですよね。  それに対してインセンティブを掛けるために、三分の一の間に就職をしてしまえば、後の方からのお金で更にそれに対して御褒美を上げましょうと、こういう話になるわけですが、しかし現場で実際のところ求人活動を始めて、求職票を持って、そして実際の今度は就職をさせてあげようというか、求人をしている会社の方はなかなかそれですぐには決めてくれないわけですよ。自分たちの方で手元で持ちながら一か月ぐらい、あるいは二か月ぐらいの間に決めたらええわと、こう思っているわけで、なかなか仕事が決まらない。そのうちにだんだん日にちはたっていくわけですね。だから、私は、思っているほどにこの二千五百億円を使う人は今おっしゃったほどにはならないんじゃないだろうかと思っています。  しかも、このお金が残ったら、今度は失業給付金に貸付けをすると。貸付けをするということですから、失業給付の状況が良くなればそこから返してもらうということですから、実際のところ国庫の二千五百億円はそう痛まないという計算になっているんじゃないだろうか。だから、出した出したと余り偉そうに言うなという感じが私はこのお金はしております。  そういう意味で、何かニンジンをぶら下げて早く就職しろしろというよりは、もっといい仕事を作れよというふうに多分職安に来る人たちは思うんじゃないかと思います。そのことだけ指摘しておきたいと思います。  それからもう一点、確認のためにお聞かせをいただきたいのは、保険料の問題であります。  今度は、原則千分の十六ということで、本則は千分の十六とお決めになりますが、千分の十四で二年間いくと、こうなっておりますが、まずお聞きしておきたいのは、その途中で状況が悪くなれば、千分の十四ではなくて本則千分の十六にこの二年間の中でも戻ることがあり得るかということ。更にお聞きをすれば、その先、千分の十六の本則ですから、弾力条項を発動して千分の十八に、場合によってはこの二年間の間にもなることが法律上はあるかどうかということをお聞かせをいただきたいと思います。
  74. 戸苅利和

    政府参考人(戸苅利和君) 答弁申し上げる前に、先ほどの件でちょっとお時間いただきたいと思うんですが、先ほども申し上げました早期再就職者支援基金の効果は、これは一年分のというか、平成十五年度の効果として一千億円ということでございまして、基金自身は二年間で二千五百億でございますので、その一千億というのは一年分であると、こういうことをちょっと申し上げておきます。  それから、今のお話でございますが、確かに法律上は現在でも弾力条項発動の要件は満たしておるわけでございまして、万一、雇用情勢が急激に悪化して積立金を使い切っても給付できないというふうなケースになった場合にどうするかということだろうと思いますが、まず我々の考え方としては、まず予備費を使用するということになろうかと思います。予備費が大体千九百億ほど組んでおりますのでまず予備費を取り崩すと。その後は雇用安定資金の残高、これがまだございますので、雇用安定資金の臨時的使用を行うと。それからその次は、先ほどお話のございました基金に、早期再就職者支援基金に余裕金があればこれを借り入れるということでございまして、弾力条項の発動というのは、そういったあらゆる手段を使ってもなおかつ給付の財源に事欠くといった場合にやるということであります。  我々としては、とにかくそんな事態にならないように、雇用保険、もし成立させていただきましたならば、今回の改正の雇用保険制度の的確な運用といいますか、そういったものに努めてまいりたい。あわせて、先ほどお話のありましたとおり、やはり雇用機会をどう作っていくのか、それからそのミスマッチをどうやって解消していくのかという意味で、雇用対策の充実ということも必要だろうと思います。  あらゆる手だてを含めまして、とにかくこの二年の間に弾力条項を発動するようなことのないように全力で努力をしていきたいというふうに思います。
  75. 山本孝史

    ○山本孝史君 言葉の使い方なんでしょうけれども、本則千分の十六になっていて、今は千分の十四で二年間止めておこうと。これ、千分の十四を千分の十六にする、本則どおりにするということも弾力条項の発動ということなんでしょうか。
  76. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 本則は、今御指摘のとおり、本則は一・六でありますが、附則で一・四ということになってございますので、保険料率は一・四でございます。後は弾力条項を〇・二の範囲で発動することが理論上は可能というか、法制上は可能ということでございますので、万策尽きてという場合には弾力条項を発動すると一・六になると、こういうことであります。
  77. 山本孝史

    ○山本孝史君 もう一問お聞きをしておきたいというふうに思っておりますが、緊急地域雇用創出特別交付金の問題でございます。  大変大きな効果があったとほかの委員が御指摘をされましたけれども、四千三百億円を交付して、基金、十六年度末で解散ということでございますので、まだ年度途中でございますけれども、四千三百億円を基金として持っていて、これまでに幾らのお金が使われて幾らの人が採用されたのか、そしてその人たちのうちで何人が今も継続して雇用されているのか、その数字を教えてください。
  78. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 緊急地域雇用創出特別交付金でございますが、これは平成十四年の一月から始めたものでございますけれども、平成十四年の一月から三月までで約八十九億円、これによりまして二万三千人の新規雇用が創出されたと。それから十四年度におきまして千四百億円、約十四万人の新規雇用が創出されたということで、これは、十四年度は都道府県から出していただいております事業計画の積み上げでございます。ですから、実際には単価が少し安くなった、あるいは事業に余計足が出てしまったと、いろんな事態があると思いますので、大体結果としてはこの千四百億円の近傍で決算が締まるんじゃないかと、こう思っていますが、そう前提いたしますと千四百八十九億円これまでに使っているということでございます。  それから、そのまま交付金で民間に委託しております、あるいは臨時教員等で自治体が自ら行っております交付金の事業にそのまま引き続き雇われた方というのは全部で三百六十二人。これは、一月、先ほど申し上げました平成十四年の一月から三月までに行いました事業、それが四月になってその事業に引き続き雇われていた方というのが三百六十二人と、こういうことでございます。ですから、二万三千人の新規雇用があったわけですが、そのうちの三百六十二人の方がそのまま交付金で行っていた事業に引き続き雇用されたと、こういうことでございます。  ただ、民間企業にとってみますと、自治体からの発注がそこで切れてしまうということもあるわけですから、そうなると事業を、新たな事業展開をするとか別の顧客を見付けるという限りでない限りはなかなか事業主の方もそういった方を引き続き雇うということにはならないということで、この三百六十二人については事業主が、その持っている能力、あるいは本人の性格、あるいは適性、こういったものを高く評価して引き続き雇用したということではないかと思っています。
  79. 山本孝史

    ○山本孝史君 ちょっと耳がこのごろ悪くなっているんでよく聞こえないんですが、その二万三千人を採用はされたと、しかし、その後継続して雇用されている者は三百何人しかいないということですか。だから、結局、緊急地域雇用創出特別交付金、その三か月単位、六か月単位、いろんな条件が付いてどうなんだろうと、こう言っていたわけですね。確かに、お金が四千三百億の基金を作って、そのお金が使われることによって一定の仕事は無理やり作り出されてきてアルバイト的に働くことはできるんだけれども、それは必ずしも継続的な雇用にはなっていないと、こういう認識でよろしいんでしょうか。
  80. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 緊急地域雇用創出特別交付金は元々、今御質問のとおり、臨時的、一時的な雇用機会を地域の創意工夫で作ってもらおうと。ただ、昔のように失業対策事業になってはいかぬ、失業者が滞留し非効率的な事業が営々と行われるということになってはいかぬのではないかということで、景気が回復し雇用が回復するまでの間の臨時的な措置として行っているというのが本来の目的でございます。そういう意味では本来の目的に沿って運営されているということだろうと思います。  ただ、我々としては、やはり交付金の事業で働いた、働いて得たノウハウなりあるいは技能なり知識なり、そういったものがその後の再就職に生かされるということが非常に重要ではないかというふうに思っています。そういった意味で、現在、交付金の交付に当たりましては、交付金事業を行います自治体に対しまして、事業の企画立案に当たってなるべく、交付金の事業での就業が終わった後、再就職に結び付きやすいような事業を企画いただくように、それから、実際に交付金の事業で働いていた方については、その後の再就職のための相談をハローワークできめ細かに行うというふうなことで、当該事業にそのまま引き続きということよりは、むしろ交付金の事業で働いて得たノウハウなり知識なり技能なり技術なり、そういったものを再就職、早期再就職にいかにうまく結び付けるかということで取り組んでいるということでございます。
  81. 山本孝史

    ○山本孝史君 恐れ入りますが、じゃ、この交付金を受けた人で再就職している人たちの数というのは御存じなんですか。
  82. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) これは現在調査中でございます。調査ができましたら、また公表したいと思っています。
  83. 山本孝史

    ○山本孝史君 四千三百億のお金でまだこれからやっていくわけですから、お金といわゆる政策効果としての評価をするためにも、一体どれだけの効果があったのか、あるいは、これが今後の雇用の創出あるいは今後の労働行政の中でどう位置付けをするかということにも大変重要でございますので、そこの評価はしていただきたいというふうに思います。  ただ、指摘だけ申し上げたいと思いますが、この中に中小企業の特別委託事業というのがございます。この委託対象事業は、常用労働者数五十人未満で三年前からの直近の事業年度まで二年連続売上高が減少して、直近の事業年度の売上高が三年前の売上高と比較して三分の一以上減少している、この企業がこの委託を受けれる対象事業となる。これ、普通に読んだら、もうつぶれている、つぶれ掛かっている中小企業に人を雇ってもらって何とかそこで雇用を生み出そうと。これ、基本的に発想が無理があると思います。  こういう事業まで作り出してやろうとしている中で、私は、やっぱりお金を付けたから何とかなったんだという話はやめていただきたい。きっちりとした政策効果、例の少子化対策特別交付金もそうでしたけれども、しっかりとしたやっぱり事業の効果があったのかどうかということを評価をする、それがやっぱり参議院としての立場だと思いますので、是非数字は出していただきたいと思います。  時間になってしまっているようでございますので、済みません、来ていただいていたんですが、お聞きをしたかったのは、失業したときに、だんなが失業したらいよいよ奥さん、働いている奥さんの扶養者になってしばらくやっていくしかないなと思うんですが、そのときにどうやったら保険料等の問題とか解決できるのかな、あるいは実際に被扶養者にしてもらえることになるのかな、その辺よく分からないので聞きたいと思っていたのですが、私の質問が時間がなくなったので、ごめんなさい、また聞かせてください。  それで、是非、さっき何回もお願いをしました、文科省と厚労省とその他の省庁の中できっちりとした協議機関を作っていただいて、こういうことを話し合っていますと、年一回の事務次官会議じゃなくて、あるいは立ち話的な話じゃなくて、ちゃんとしたメモでこうやってやっていますよということが国民にも報告できるような税金の使われ方、行政のやり方をやっていただきたいと思いますので、期待を申し上げております。  後、浅尾議員に質問替わりたいと思います。  ありがとうございました。
  84. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 雇用保険法の質疑に入る前に、去る十八日に木村副大臣が厚生労働省の中の臨床研修制度に関する懇談会のあいさつの中で、司法制度改革で医療をネタに稼ぐおかしな弁護士が増える、こうした問題に対応するためにも研修は重要というふうに述べられたというふうに報道がなされております。その発言の経緯についてまず伺いたいと思います。
  85. 木村義雄

    ○副大臣(木村義雄君) 浅尾委員の御質問にお答え申し上げます。  まず、私が発言したことの意味を申し上げたいと思うわけでございますが。  そもそも医療は患者と医師との信頼関係を基本に行われるべきものでございます。このような観点から、医師の臨床研修を必修化し、患者を全人的に理解することができる医師の育成を図ることが大変必要なことと考えているところでございます。  一方、昨今のアメリカにおきましては、医療をめぐる訴訟が大変多くなってきております。医療現場も萎縮して防衛的になっておりますとともに、これらのことが検査や医賠責保険料の増大に結び付き医療費が増嵩する理由の一つになっている、こういう問題が言われているわけでございます。我が国において、先ほど申しました観点に立った新たな臨床研修を進めることでこのような問題点を防ぐことができるのではないかと考えているところでございます。  去る四月十八日に開催されました臨床研修制度と地域医療に関する懇談会における発言は、今述べたようなアメリカの医療に関連して伝えられていることを引用しながら臨床研修の重要性を述べたものでございます。新しい臨床研修は、医師個人の技術の向上ということを超えまして、患者と医師との望ましい信頼関係を構築することの重要性を身に付ける場であると考えているところでございます。両者の関係が、両者の信頼関係がより深めることができれば、訴訟の頻発というものをいささかでも防ぐことができるんではないかと考えているわけでございます。もし不幸にも、不幸にも医療事故が起こり、訴訟を提起されている患者、家族の方々の置かれました状況や心情について十分理解をしているからこそ、このようなことをより一層理解をできる医師を育てるこの臨床研修の重要性について発言したものでございます。また、現在の我が国の司法状況につき問題があるという発言をしているものではございません。  以上のことから、こうした発言の真意について御理解をいただきたい。よろしくお願いを申し上げる次第であります。
  86. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 臨床研修で患者さんとお医者さんとの間で信頼関係を築く、あるいは具体的な医療ではなくて人間的な側面あるいは人間的な交流を増していくということについて私は反対するものではありません。しかし、そのことと司法制度改革あるいはアメリカの例をとらえて、じゃ、臨床研修でしっかりとした信頼関係があれば訴訟がなくなるというふうにも取れるんですが、そういう意味で、要は信頼関係を築くということで、訴訟が起きやすいということとの因果関係というか、関係が今の御答弁だとよく分からないんですが、もう一度お話しいただけますでしょうか。
  87. 木村義雄

    ○副大臣(木村義雄君) 医療というのは、何というんですか、特に医師の方々は非常に、何というんですか、ある意味で普通の方々がやったらそれは刑法に問われることなんですね。例えば、手術というとメスを使って体を切り開くわけでございます。医師はそのために刑法の除外規定としてそういうことが許されているわけです。そして、病気というものも、これは完全に治るものもあれば治らないものもあるわけであります。ですから、医者に掛かれば病気は全部治してくれると。ところが、今申し上げましたように、治らない病気もある。  その辺をやっぱり医師と患者の方々が、両者が本当に信頼関係を持って、お互い説明し合いながら進めていかないと、手術をして成功しない場合ももちろんあるわけでございますし、病気が思うようにならない場合もある。そこは病気としてやはりそういう元々の性格を持ったものでございますから、そこは相当信頼関係というものをこれから築いていっていただかないと、せっかくこの先生にお願いしたのに病気治らなかったと。治らなかったらすぐにまた何か別のアクションを起こすということでは、これはやはりとてもとても、あのアメリカのような防衛医療や萎縮医療につながってしまうと、結局それは大勢の患者さんにとっては決して幸せなことじゃないわけでございまして、やはりそこの、今のやはり医療のそういう置かれた特殊性というものを十分理解をお互いにしていかなきゃいけない、そういうことが大変重要なことでないかと、このように思っている次第ではあります。
  88. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 つまり、今のお話ですと、例えて言うならば、臨床研修と若干違うのかもしれませんが、インフォームド・コンセントをしっかりしておけば、結果が望むようにならなかったとしても、それは事前に患者さんにも伝えてあることであるから、したがって医療過誤ということで訴訟にならないというような御発言ではないかなというふうに私は理解をいたしました。  そうだとすると、前提として、そのことと医療をネタに稼ぐおかしな弁護士が増えるということとの関係というのは余りないんではないかなと思いますので、そこについては発言を訂正されたらいいんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  89. 木村義雄

    ○副大臣(木村義雄君) 先ほど申しましたように、昨今のアメリカにおいては非常に医療訴訟というのが頻繁をしている、そしてそのことによって医療費が増嵩しているという、そういう話を私はよくアメリカに行ってきた方々とか医療関係者の方々から聞くものでございますから、そういう話を例え話として引用さしていただいたような次第でございます。
  90. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 アメリカで訴訟が多いというのは、件数としては事実かもしれません。しかし、御案内のとおり、アメリカの医師の恐らく臨床研修の時間というのは、何というんですか、医師免許を取った後のレジデンシーの時間を入れると日本よりも恐らく長いんじゃないかというふうに思いますので、そこの因果関係というのが全くここで、今の副大臣の御答弁では明らかになってこないんではないかというふうに思いますね。  もう一つは、我が国の臨床研修制度というのは、その趣旨は副大臣御答弁されたとおりで、確かに人間性というんでしょうか、そうした側面をお医者さんの皆さんにますます磨いていただくということなんだと思いますが、そうした趣旨と今の訴訟というのは余り適切な例ではないんではないかなと私は思いますが、その点について大臣の方から何か御発言をいただければと思います。
  91. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 今、木村副大臣の方から答弁ございましたとおり、医師のこの研修というものによって、いわゆる医師の技術の向上あるいは倫理面におきます向上というものを図るということが、これは最も大事なことでございまして、それによって患者の皆さん方との間の信頼関係を築いていく。今までもそうして努力はしておみえになったんでしょうけれども、研修が一つの分野に偏っていると申しますか、そういう全体を見るということが今まではなかったものですから、非常にベテランの先生におきましても自分の専門以外のことに突き当たると大変いろいろの問題が起こった。そうしたことをなくしていくという意味では、訴訟等が起こらなくなるということと私は結び付くのではないかというふうに思っている次第でございます。  したがいまして、これから先、技術の向上等を目指していく、そのことによって患者さんとの間でいろいろなことが起こるといったようなことがだんだん減っていくという方向に向かっていくということであれば、私はそれは一つの大きなプラスになるだろうというふうに思っております。そういう趣旨で木村副大臣が述べたとすれば、私は一つの考え方だというふうに思っている次第でございます。
  92. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 臨床研修と訴訟との関係というのは、臨床研修をした結果、冒頭私の方からも申し上げましたように、患者さんとの信頼関係が深まるという側面がある。結果として十分に、必ずしも一〇〇%の治癒するかどうか分からないことであってもそれに取り組むんだということで、事前に患者さんに告知をし理解をしていただいた上でということであれば、そこはその臨床研修とその部分とどういうふうに関係がしてくるのかというのももう少し私も専門ではありませんから分かりませんけれども、そういう側面もあろうかと思いますが、そのことと、じゃ司法制度改革で医療をネタに稼ぐということとは、必ずしもというか全く関係がないというふうに思いますので、そこは十分に御発言に留意をされるようにお願いを申し上げたいと思います。  次に、前回の駐留軍離職者等臨時措置法の質疑で積み残した問題がありますので伺ってまいりたいと思いますが、まず防衛施設庁は、前回、米軍との関係があるんで、労働基準法違反であるけれども、直ちには、変えていきたいと思うけれども、直ちにはなかなか難しいというような話を御答弁されたと思います。しかし、今日、外務省、外務副大臣お越しでありますが、日米地位協定にははっきりと駐留米軍には日本の法令の尊重義務というのが規定されておりますが、その点について間違いがないかどうか、副大臣、御答弁お願いします。
  93. 矢野哲朗

    ○副大臣(矢野哲朗君) 一般国際法上、接受国に駐留を認められた外国軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令が適用されず、このことは我が国に駐留する米軍についても同様と考えております。  しかしながら、同時に駐留を認められた外国軍隊が接受国の法令を尊重しなくてはならないことは、当該軍隊を派遣している国の一般国際法上の義務と考え、米国もこの尊重義務を負っていることは事実であります。また、我が国に駐留する米軍は、我が国の法令を尊重する一般国際法上の義務を負っていると同時に、日米地位協定第十六条でありますか、このような考え方に基づいて米軍の構成員及び軍属による我が国の法令の尊重義務を定めているというところであります。
  94. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 今言われたのは、いわゆる日米地位協定の第十六条にはっきりと、「日本国において、日本国の法令を尊重し、及びこの協定の精神に反する活動、特に政治的活動を慎むことは、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族の義務である。」と。つまり、日本国の法令尊重義務が日米地位協定に規定をされているということであります。そうだとすると、日本国の法令で、なおかつ労働基準法には罰則規定もあるわけですから、その法令を尊重するように義務付けられているというふうに理解すればいいんだと思います。  そこで、外務省からも駐留米軍に駐留軍関係労働者について労働基準法が守られるように働き掛けるべきではないかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
  95. 矢野哲朗

    ○副大臣(矢野哲朗君) 駐留軍等の労働者の労働条件についてでありますけれども、現在、防衛施設庁並びに米軍の間で話合いが行われているところであります。でありますから、当省としては、当面はその話合いを見守りつつ、必要に応じては協力をしていきたいと、こういう考えであります。
  96. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 先般の当委員会の質疑の中で、分かりやすい例の方から申し上げさせていただきますと、現在の例えば駐留米軍で労働されている方はマスターレーバーコントラクトという契約を結んでおられまして、その中で、例えば日本の法令では、現在、週の最低労働時間が、週の労働時間が四十時間というふうに規定されておるところが、一部四十四時間になっておると。これは労働基準法に反するということは、先般、当委員会で明らかになったわけであります。  今申し上げたように、その際に、防衛施設庁からは、それは、確かにそれは労働基準法違反だけれども、米軍との関係もあるのでというようなお話もありました。しかし、米軍との関係もある中で、私はむしろその米軍ということを理由にされておるんじゃないかなと。必ずしも米軍にとって不利益な変更にはならない、日本の労働基準法を守ることは不利益な変更にならないというふうに思います。  なおかつ、なおかつ日米地位協定において、しっかりと米軍についても日本の法令を尊重するということが第十六条に書いてあるわけでありますから、そうだとすると単に不作為、今までずっとやってこられなかった不作為のことを相手側に責任を転嫁しているだけではないかというふうに私には聞こえるわけであります。  そこで、防衛施設庁長官、今日お越しでございますけれども、いつまでに労働基準法の違反状態を改めるのか、明言していただきたいと思います。
  97. 嶋口武彦

    ○政府参考人(嶋口武彦君) 先生御指摘の点、課題、私持っていると考えております。  ただ、この問題が、累次申し上げているとおり、私どもの権限と責任のみにおいて解決が可能であれば、先生御指摘のような時期を明言することは可能だと思います。ただし、しかしながら、累次申し上げておりますけれども、米軍と話をしなければ解決できないという問題でございますので、残念ながら私のみの責任において時期を明言するということは困難であります。  いずれにいたしましても、御指摘の点はよく承知しておりますし、それらを踏まえて今後とも米側と鋭意折衝して解決を図っていきたいと考えております。
  98. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 米側と話をしなければということですけれども、先ほど申し上げましたように、米側には日米地位協定に基づいて日本の法令を尊重する義務があるということですから、外務省に伺いますが、じゃ、労働基準法という日本の法令を尊重しないでいいという理屈付けは米側はできるんですか、地位協定上。
  99. 矢野哲朗

    ○副大臣(矢野哲朗君) 繰り返すようでありますけれども、防衛施設庁の努力を見守っていきたいと思います。
  100. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 私が伺っているのは地位協定の解釈でありますから、米側に日本の法令を尊重しなくていいと言うことができるんですか。
  101. 矢野哲朗

    ○副大臣(矢野哲朗君) 先ほど浅尾委員が朗読されました十六条の解釈は、先ほどのとおりだと私も理解しております。
  102. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 そうだとすると、米側は労働基準法を守らなければいけないということですね。
  103. 矢野哲朗

    ○副大臣(矢野哲朗君) 第十六条の解釈は、以上のとおりだと私も理解します。
  104. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 その解釈は守らなければいけないということになると、米側は労働基準法、防衛施設庁から申入れがあったことに対して拒絶することができないという理解でよろしいですね。  米側は拒絶することができないと。要は、労働基準法にのっとった形での三六協定等々を結んでいくということについて、日本の法令に従わなければいけないということですね。
  105. 矢野哲朗

    ○副大臣(矢野哲朗君) さような問題意識の下に、るるこの話合いが行われているという善意に基づいての今は協議中だと私も理解をさせていただいているところであります。
  106. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 もう一度同じような質問を別の角度からさせていただきますが、十六条というのは日本法令を尊重しますというふうに書いてあるわけでありますから、そうすると、米側からほかのことを理由に、日本法令に反することについて、それを守らないということには抗弁ができないということでよろしいですね、外務省解釈は。
  107. 矢野哲朗

    副大臣(矢野哲朗君) 十六条の規定を理解しつつ、あるべき姿を協議されていると私は解釈しておりますから、ひとつ協議を我々としても見守って、しかるべき結論を見いだしていただきたい、そのように考えております。
  108. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 十六条ということで日本法令尊重義務というのが定められているわけでありますから、それを防衛施設庁としても米側に交渉の際に言われればいいんだと思いますが、いかがですか。
  109. 嶋口武彦

    政府参考人(嶋口武彦君) 先ほどから御答弁申し上げたとおり、私どももこの問題大変な大きな課題であるということで、鋭意米側と折衝しているところでございます。
  110. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 余りやっても平行線になりますが、そもそも日本法令を尊重するということを地位協定に書いて、それで米側も納得して結んでいるわけですから、そのことも日本から申し上げた上で交渉を、交渉というか三六協定を結ぶなり、日本法令に従うような形にしていくのが正しい姿だというふうに思います。それをそういうふうに言わないというのは、まあこれ答弁求めてもきっと御答弁できないでしょうけれども、私はある面、法令あるいは条約、取決めというものを結んでおきながら、後はなあなあでやってきたという今までのそういう精神につながるんではないかと。  私は決して、アメリカという国は、自分で結んだ約束ということについて、しかもそれも明文化されたものであれば、そういうふうに指摘されれば、それはそれに従う国だというふうに思っていますので、そこは憶せずやられる方がいいんではないかというふうに思っております。ですから、即刻やっていただきますようにお願い申し上げたいと思います。  そこで、次の質問に移らさせていただきたいと思いますが、駐留米軍に従事する日本の人は大体二万五千人ということなんですけれども、この職は障害者雇用率というのは適用になるんでしょうか。
  111. 鴨下一郎

    副大臣鴨下一郎君) 障害者の雇用の促進等に関する法律におきましては、国及び地方公共団体、民間事業者といった雇用主体別に雇用率制度等の障害者雇用責任を課しているところでありまして、駐留軍関係労働者については、日米地位協定に基づき在日米軍のために労務に服する者であって国が雇用するものであるが、日米安保条約に基づく国家公務員法の特別法において公務員でないとされておりまして、障害者雇用促進法上に規定されている国の雇用義務の対象となる職員に該当するものではないことから、雇用率制度は適用されていないというようなことであります。
  112. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 ちなみに、二万五千人の企業で雇用率、あるいはそれ以上の企業で雇用率が適用されないケースというのはありますか。
  113. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) 現在の政令におきまして民間企業の法定雇用率を一・八%と定めているわけでありまして、五十六人以上の規模のすべての企業に障害者雇用率制度が適用されると、こういうような解釈であります。
  114. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 米軍、在日米軍、駐留軍で働いておられる方の様々な職種、もちろんあると思いますけれども、私はこの点で、必ずしも軍隊であるからそこは障害者雇用の雇用率を適用しなくていいというようなことにはならないんだと思います。  それからもう一つは、例えば米国本土の軍属にも恐らく障害者の雇用率というのが、アメリカのイコール・エンプロイメント・オポチュニティーという考え方、アメリカにもありますから、というか、むしろ向こうの方がその点においては多分進んでおるんだと思いますが、米軍の本土でもそういった率が適用されているんではないかと思います。  昨日、レクの中で外務省には、米国本土の米軍で障害者の雇用率あるいは数というのはどんなものか教えてくださいということをレクの中で申し上げたと思いますが、数字をお持ちであればお答えいただきたいと思います。
  115. 矢野哲朗

    ○副大臣(矢野哲朗君) 米国の国防総省の関係機関によれば、米国国防省総数の障害者の占める割合でありますけれども、現在一・〇六%であるというふうに承知しております。
  116. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 ちなみに、これは施設庁に質問通告していないんですけれども、現在二万五千人いる日本の駐留軍関係の方の中で障害者の方は何人ぐらいいらっしゃいますか。
  117. 嶋口武彦

    ○政府参考人(嶋口武彦君) どのくらいいるかという数字については把握しておりませんけれども、平成十四年度の、年でしょうか、年末調整において障害者の控除を受けた方は百三十名おられるというふうに承知しております。
  118. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 そうすると、二万五千人に対して百三十名ということは〇・五%強ということであります。  法律が適用にならないというのは、私は別に米側としてもこれは法律を適用する職種にしても困らないと思いますし、現在アメリカ本土においても、一・八%には及びませんが、一・〇六%であるということからすると、法律で措置をすべきではないかというふうに、適用除外という部分を変えていくべきではないかと思いますが、厚生労働大臣はどのように思われますでしょうか。
  119. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 確かにこの問題、谷間になっていますですね。先ほどから議論ありますように、十六条によりまして日本の法令を守るというふうに、米国が日本の法令を守るということになっている。ですから、その中に日本の法令の一つであります、何ですか、障害者雇用促進法、これもその一つでありますから、本当は守らなきゃいけないということになるわけですけれども、この雇われている皆さん方は公務員ではないと、公務員には当てはまらないと、こうなっているし、では民間かといったら民間でもないということで、何となく谷間になってしまっているということではないかということ、法律的には、そんなふうに思っております。  したがいまして、この問題は、そうはいいますものの、日本の中におきますこれは雇用の問題でございますから、これは米国に対しましてもできるだけ日本の、法律的にはなるほど谷間にはなっておりますけれども、守っていただくように、守っていただくということですから、日本の法律がこういうことですから、谷間ではありますけれども従ってもらうようにこれはお願いしないといけないと思います。  これはもちろん外務省もあるいは防衛施設庁も関係省庁でございますし一番中心ではございますが、しかし厚生労働省も雇用のことをお預かりしている省でございますから、やはり厚生労働省としましても、その雇用条件の問題でございますとか、あるいはまた障害者の雇用の問題ですとか、そうしたことはよく米側にも説明をして、私たちもその役割を果たさなければならないと、そういうふうに思っている次第でございます。
  120. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 是非、確かに障害者の雇用促進法については、今、大臣が御答弁されたように、谷間になっている部分があるんだと思います。ただ、是非そのお願いをいただければ、米側としてもこれは反対はできない話だと思いますし、確かに米本土においても一・〇六%、日本の一・八%に及ばないとしても、仮に一・〇六%であっても今の倍の障害者の雇用の職場がそこで確保できると。今日の本題であります今の日本の雇用状況を考えた場合に、特に障害を持っておられる方の雇用というのは大変厳しい状況だと思いますが、こういう特殊な、仕事内容が特殊ということではなくて職場が特殊なところであっても、そういう形で少しでも雇用の数を増やしていくことができれば私は非常に有意義だと思いますので、そういう点で大臣の是非とも働き掛けをお願いしたいと思います。  それからもう一点、これは谷間ではなくて、完全に前回の当委員会において基準法違反であるという話になっております労働基準法の方についても、日米地位協定において日本の法令尊重ということもありますものですから、大臣からの外務省、防衛施設庁に対する働き掛けについての決意を伺いたいと思います。
  121. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 両省ともよく相談をさせていただきたいというふうに思いますが、必要があれば、我々が米軍に直接、我々のこの状況、いわゆる法律の内容等について説明が必要ならばしたいというふうに思います。
  122. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 是非、アメリカとの関係、大変大事だと思いますが、やはり向こうの国は、恐らく皆様御存じのとおり、取決めで決めたことについては粛々と従う国だというふうに私は理解していますし、そのとおりだと思いますので、是非そういう方向で働き掛けをしていただきたいと思います。外務副大臣、防衛施設庁長官、結構でございますので。  次に、今回の雇用保険法の改正について伺ってまいりますが、まず改正自体が景気の低迷による雇用情勢の悪化に対応したものであるということは申すまでもありません。そこで問題は、そうは言いながらも、景気が、バブルが九二年に崩壊したとすると十年間にわたって回復していないと。それはなぜ回復しないのかというのが一番大事な問題なんだと思いますが、厚生労働省からしても、景気がなぜ回復しないのかということについて、労働者の雇用あるいは新たな雇用を作っていくという観点から積極的に発言してほしいというふうに思います。  そこで、少し政府の経済対策についてお伺いをしてまいりますが、一部報道では、今の株価の問題から、いや株価がこんなに下がったのは時価会計を入れるからだと、あるいはまた土地についても減損会計を考えているからだというような話が出ておりますが、金融庁としては時価会計の停止についてどういう考えを持っておられますでしょうか。
  123. 伊藤達也

    ○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。  私どもといたしましては、やはり利用者を保護し、そして投資家を保護することが大変重要な使命だというふうに考えております。  会計制度の問題については、極めて専門性の高い分野でございまして、技術的な面もあり誤解が生じやすいのかなというふうに思いますが、例えば有価証券の分野についての会計ルールでございますけれども、すべてにおいて時価会計が導入をされているわけではございません。今議論になっております長期保有株の問題でございますが、これはバランスシート、つまり株価の時価というものを資産に正しく反映をさせるということで時価会計が導入をされておりますが、損益計算書につきましては原価法の世界でございます。しかし、商法におきまして、昭和三十七年に著しく株価が下落しましたときにそれを減損処理をするということを規定をしておりまして、これは実務上四十年間定着をしているわけでございます。  また、こうした会計ルールが中小企業にも適用されているんではないかと、こういう御議論もございますけれども、こうしたルールというものは大企業一万社に対して強制適用され、そして外部の監査が義務付けられているわけであります。これは多数の投資家、そして中小下請企業を含む債権者、従業員というものが存在をし、そして債権者保護、投資家保護の観点から極めて重要であるからであります。現在、財団法人の財務会計基準機構におきまして、こうした会計ルールの問題について厳正かつ精力的に検討がなされておりますので、私どもとしましてはこの議論を注視をしていきたいというふうに思っております。
  124. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 時価会計導入に至る経緯はるる、副大臣御存じのとおり、国際的な流れもあったことだと思います。私は、仮に変更をしたとしても、投資家は、特に大企業を見ているアナリスト及び投資家は、その時価会計を導入しなかった場合と比較して、結果としてバランスシートはそのとおりで見るんではないかなというふうに思いますので、かえって、もし仮に、今の御答弁ですと、今の議論の推移を見守るということでございましたけれども、仮に変えたとしてもそこは余り効果がないんではないかなと。むしろ変えなかった場合も含めた分析をされてしまってかえって逆効果になるんではないかと思いますが、その点についてどのように思われますでしょうか。
  125. 伊藤達也

    ○副大臣(伊藤達也君) 今、委員御指摘のとおり、証券市場に対する内外の投資家の信頼を高めて、そして証券市場の活性化、向上を図っていくためには適正な財務認識、そしてディスクロージャーというものが不可欠であるというふうに思っております。  会計基準の適用を仮に恣意的に操作することによって企業活動の実態というものを隠すようなことになってしまいますと、これは投資家の信頼というものを失いかねないわけでありますから、私どもとしましては一般に公正妥当な会計基準というものを尊重していかなければいけませんし、これからも引き続き尊重していかなければいけないというふうに思っております。
  126. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 ありがとうございます。  次に、株の買取り会社について、金融庁、どのように考えておられるか、伺いたいと思います。
  127. 伊藤達也

    ○副大臣(伊藤達也君) これにつきましても今様々な議論が行われているところでございますので、そうした議論、検討状況というものを私どもとしても注視をしていきたいというふうに思っておりますが、一般論といたしまして、やはり株の買取り会社の問題については様々な問題があるというふうに思っております。  その問題点というのは、例えば意図的に需給を調整するということになりますと、これはやはり市場に対する信頼というものを大きく失ってしまうことになるわけでありますし、また現在の我が国の証券市場の規模というのは時価総額で二百兆円を超える極めて大きいものとなっておりますので、株価に影響を与えるということは大変限界があるのではないかというふうに思っております。また、買い取った株式というものが下落した場合に、その損失というものはだれが負担をするのか、どういう方法で負担をするのか、こうした様々な問題点があるというふうに思っております。
  128. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 今御答弁いただきましたように、私は今のこの十年間掛かっている景気の低迷というのに対して、残念ながら多分余り小手先のことでやっても効果は薄いのかなというふうに思います。そういう意味で、厚生労働大臣からも何か雇用の安定を図る観点から政府の経済対策に対して発言をされたことがあるのかどうか、またはこれからどういう発言をされていかれるのかどうか、もし何かあれば伺っておきたいと思います。
  129. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 私は経済の専門家でもありませんししますから、なかなか総論的にどうするかというようなところまで私は議論が行かないわけですが、厚生労働省としての立場から、昨年来、経済財政諮問会議等で発言をいたしておりますのは、以前にもここで申し上げましたけれども、労働重視型社会というものを申しておりまして、それは一つは、私は労働生産性を上げる以外に日本の経済は元に戻らないというふうに思っておりますので、そういうふうに発言をさせていただいているわけでございます。  しかし、労働生産性を上げなきゃならないんですが、一方において余り労働時間が長くなってしまって、一人の労働者に対する労働時間を長くして労働生産性を上げるということになりますと、これまた大きな問題が起こるわけでありますので、いわゆる労働時間を守るということと労働生産性を上げるという、これはなかなか難しいことですけれども、双方、二つのことを同時に決着をしなければならないという難しいかじ取りに日本は迫られている、しかしそういうふうにやっていく以外にないということを強調しているところでございます。
  130. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 私も一人一人の労働生産性を高めること、結果としてそのことが多分企業収益の増加ということにもつながるでしょうから、長期的には株価の問題にもいい影響を与えるのではないかなというふうに思いますので、引き続きそれが実現するように御努力をいただきたいと思います。金融副大臣、結構でございます。  次に、今回の雇用保険の改正に関して、少し失業給付という観点から伺っていきたいことがありますが、民間の労働者の失業給付を切り詰めようとしている今回の改正でありますが、一方で国家公務員については、御案内のとおり、雇用保険料を払っておりません。払っておりませんが、実はハローワークで退職手当を受給している、支給されているという実態があるので、ちょっと民間に比べて不公平じゃないかと、そういう観点からお伺いをいたしますが、まず国家公務員退職手当法によりますと、懲戒免職になった職員は当然退職手当がもらえないというふうに書いてあるんですが、同じ退職手当法の十条を見ますと、ハローワークで失業の認定を受けると退職手当がもらえると。つまり、当然のことですが、懲戒免職になった人に退職手当、退職金を払うというのはおかしい話ですから、八条ではそれは出さないと書いてあるんですが、ただ十条を見ると、ハローワークで失業という認定を受けると退職手当がもらえると。そうした制度を設けている趣旨はそもそもどういうところにあるんですか。
  131. 若松謙維

    ○副大臣(若松謙維君) まず、国家公務員の失業者の退職手当、この制度の趣旨でございますが、退職手当が退職後の生活保障としての性格を併せ持つと、こういうことにかんがみまして、退職時に受給した退職手当額が極めて低額であった者又はいわゆる懲戒処分等による退職手当を受給しなかった者、こういった方々に対して退職後失業している場合に限り支給をするという、こういう国家公務員退職手当法に定められている制度でございます。  そこで、懲戒免職の処分を受けた者であっても、退職後失業している場合に、その方のいわゆる生活保障、そういった観点から必要であるというふうなことから失業者の退職手当を現在支給しているところでございます。
  132. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 じゃ、まず数字の方を伺いますが、懲戒免職で本来退職手当もらえないけれども、ハローワークに行かれて退職手当を受け取る職員の数というのはどのぐらいいるんでしょうか。
  133. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) 平成十三年度において国家公務員退職手当法に基づく失業者の退職手当をハローワークを通じて受けた方々は三千六百十七人でありますけれども、そのうち離職理由が懲戒免職等であった人たちの数については、制度上の問題もありまして把握はできていないというのが現実であります。
  134. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 把握するべきだというふうにまず申し上げた上で、民間企業の場合は、懲戒免職になったとして失業手当がもらえるとすれば、それは本人及びその会社が雇用保険料を払っているからなんですね。ところが、国家公務員は、御案内のとおり、本人が雇用保険料を払っていないと。払っていないにもかかわらず、なおかつ懲戒というような事由で退職になったというにもかかわらず退職手当がもらえるのはおかしいというふうに思いますが、その点についてどのように考えられますでしょうか。
  135. 若松謙維

    ○副大臣(若松謙維君) まず、国家公務員の失業者の退職手当につきまして、国家公務員を退職する際に支給された退職手当の額が雇用保険の失業等給付相当額を下回った者が退職後引き続き失業していると、こういった場合にその差額を、先ほども申し上げましたように、生活保障の観点から支給しているところでございます。  そして、失業者の退職手当は、失業等給付とは異なりまして、今申し上げましたような差額分をあくまでも退職手当として支給するものであることから、国が現在全額負担しているものでありまして、これは最低保障生活を守るという観点から必要な措置であると認識しております。  そこで、委員の御懸念のいわゆる民間の雇用保険との比較についてでございますが、民間の失業等給付につきましては、失業者が退職時に受け取った退職金とは別に保険金として支給されているということでございまして、なかなか、国家公務員の失業者の退職手当と民間の失業保険とこれは横並びで比較できる制度でもございませんで、そのような制度が異なることから一概にいわゆる比較が困難ではないかと、そのように考えております。
  136. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 ちなみに、地方公務員は同様な制度があるんでしょうか。それとも、地方公務員の場合は当該自治体が補てんをしている、直接支払っているんでしょうか。
  137. 若松謙維

    ○副大臣(若松謙維君) 地方公務員の失業者の退職手当の支給のお尋ねでございますが、これにつきましては各地方公共団体の条例に基づき支給されております。  その内容につきましては、一般の退職手当と同様に、国家公務員の失業者の退職手当に準じて条例で定められているところでございます。また、その支給方法につきましては、条例に基づいて地方公共団体から直接失業者に対して支給する取扱いになっております。
  138. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 今の副大臣のお話で、地方公務員の場合は地方公共団体から直接失業者に対して支払われていると、国家公務員の場合はいったんハローワークを経由して支払われているという違いが明らかになったわけであります。  私は、失業、たとえ退職の事由が懲戒免職であっても最低限の生活は保障しなければいけないというもし考え方であるとしたとしても、それはあるのかもしれませんが、そういう考え方があるとしたとしても、それはそれぞれの国家公務員と地方公務員で差を付けるべきではない。つまり直接、国家公務員の場合であっても、元々の関係する省庁から払うような形にした方がいいんではないかというふうに思いますし、その方が恐らく透明性も高くなるんではないかというふうに思います。  つまり、懲戒免職という事由で退職した人がハローワークという直接本人とは関係ない機関に行ったとしたとして、そこから退職手当という名の下の失業給付を受けるという形よりは、直接元々の関係のあった省庁、地方自治体と同じように行かれた方が退職事由等々の関係もあるし、あるいはなぜ懲戒免職になったのかということの説明もはっきりするんではないかというふうに思います。  そこで、厚生労働省としてこの制度についてどう考えているかと。この機会に、今申し上げましたように、少なくとも厚生労働省あるいはハローワークが関与するという形ではなくて、地方公務員と同じように、直接当該雇用関係のあった省庁から支払われるように改めたらいかがかと思いますが、その点についてどのように思われますか。
  139. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 私も大変不勉強でございまして、今回、こういう制度があるということを先生御質問いただいて私も初めて知った次第でございます。  これは総務省の御担当でございますしいたしますので、よく御相談をさせていただきたいと思います。
  140. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 総務副大臣に改めて伺いますが、地方自治体所管されておられるんで、地方自治体と国家公務員と平仄が合うような形に制度を改められたらいいんではないかと思いますが、その点について御意見を伺えれば。
  141. 若松謙維

    副大臣若松謙維君) 幾つか今の御質問には論点があろうかと思いますが、まず、国家公務員がこの退職手当をハローワークに事務をお願いしているというのは、何といっても、失業者の退職手当を払う際にはその個々の対象者が毎月失業の認定をいわゆる行うことが必要なわけですね。その上で支給をしていると。この事務は、二点から今の制度が良いのではないかと理解しております。  一点目は、失業認定から支給に至る、こういった先ほどの事務を一貫して行うことは、当然これはハローワークの専門でもございますし、そういったところに依頼した方が国全体としての事務の効率化に資すると。これが一点目でございまして、二点目といたしましては、この支給に必要な会計上の負担ですね、これは地方公務員の場合と異なりまして、例えば退職時に所属していた会計、それぞれの省庁の会計ですね、それと、さらにこのハローワークが所管するいわゆる厚生労働省一般会計、これはともに国の会計機関でありますので、いわゆるそこでの繰入れ等のやり取りが容易であると、こういったことで国の場合にはハローワークにお願いしております。  それで、それでは地方自治体でございます。これは三千二百自治体がございまして、それと全国に約四百あるハローワークとの関係、これをやりますと大変複雑な会計間のそれぞれの資金のやり取りがありますので、それはちょっと効率的にはいかがであろうかと、そんなことから地方公務員につきましては地方自治体にお願いしていると、このような理解をしております。
  142. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 地方自治体は数が多いから大変であると、国の方は元々国のお金だから右から左で後で調整すればいいということは、そもそもの制度の透明性という観点からするとそれはちょっと違うんではないかなと、こういうふうに思うわけであります。つまり、懲戒事由が発生したということについては、当該本人ということももちろんある、の責任だと思いますが、同時にそれを雇用していたその役所あるいは会計ということの責任もあるわけですから、そこを明らかにする必要性があるのではないかというふうに思いますので、是非そこは御検討いただくようにお願いをしたいと思います。  では、雇用保険法本体についてお伺いをしてまいりたいと思いますが、先ほど山本理事の方からもるる御質問させていただきました。私自身もこの今回の施行日が五月一日になっているということについてはなかなか難しいものがあるのじゃないかなというふうに思います。時間の関係がありますものですから幾つか質問を飛ばすかもしれませんが、まず厚生労働省としてはゴールデンウイークの連続休暇を指導しているというのは御案内のとおりであります。そのゴールデンウイーク期間中に結局周知をするということになるのではないかなと。このことは自己矛盾ではないかと思いますが、その点についてはどういうふうに御答弁されますか。
  143. 鴨下一郎

    副大臣鴨下一郎君) まずは本法案が一日も早く御可決をいただきますようにお願いを申し上げたいというふうに思いますが、その場合に、改正法の成立後直ちに周知をしていかなければいけないわけでありまして、一つはインターネット等を使いまして厚生労働省のホームページ、さらにしごと情報ネットワークなどの活用、さらに適用事業所への周知用のパンフレットの送付や安定所の窓口での配布等を含めて速やかに周知をしていきたいと、こういうふうに考えているわけでありまして、先生お尋ねのように、ゴールデンウイークの連続休暇を取れということをある意味で厚生労働省指導しておきながらその期間に周知するのはと、こういうようなお話でありますけれども、今回の雇用保険制度の改正においては、法案の改正の趣旨は御理解いただいていると思いますが、平成十七年度に保険料率の引上げがあること、さらに給付の見直しを早く実施して雇用保険全体の財政の収支改善を図ると、こういうようなことでありますので、早期施行が不可欠であるというふうに考えているわけであります。  そういう意味で、改正法の円滑な施行のため、ゴールデンウイークの期間中であっても成立日から施行日までの間に改正法の周知について、先ほども申し上げましたような様々な方法を取りまして、最大限の努力をして事業者へ若しくは労働者の皆様へ改正内容を一刻も早く知っていただくと、こういうようなことで御協力をいただきたいというふうに考えております。
  144. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 ちなみに、例えば今月の二十五日に退職したケースとゴールデンウイーク明けの五月六日に退職したケースと二つあったといたします。当然、人によっては五月六日に退職した結果、失業給付の受給額が減額されているということになるんだと思いますが、この差額がありますと、その方がその五月六日だったら減るということを知らなかった、あるいはその当該企業においてそのことを周知徹底していなかったという場合に、政府の周知徹底義務の不作為とは言えないまでも、不完全ということが言えるのではないかと。そうだとすると、それは差額について国家賠償請求できるんじゃないかと思いますが、その点について、できますとは言われないでしょうけれども、どのように考えられますか。
  145. 鴨下一郎

    副大臣鴨下一郎君) 施行後に離職した場合には、基本手当につきましては今回の改正による引下げ後の給付率や上限額が適用すると、こういうようなことでございます。  法令の対外的効力は、当事者がその内容を知るか若しくは知らなかったかということにかかわらず、公布によって生ずることとされているわけでありまして、改正法が適正な手続によって公布施行され、これに基づいて適正に基本手当が支給された場合には、国に対して国家賠償というようなことはこれは当然できないというふうに考えるわけであります。
  146. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 法律公布によって適用されるということであれば、先ほどの労働基準法であってももうとっくに公布しているわけですから、それはそのとおり適用していただければいいわけでありまして、相手がある場合にはいろんな事情があると、相手が一般の声なき声の場合には公布によって適用というのは余りに理不尽ではないかと、こういうふうに思いますが、その点について、大臣、いかが思われますか。
  147. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 原則的には副大臣がお答え申し上げたとおりだというふうに思いますが、今の御質問はあれでしょうか、裁判になったときにどうかという御質問でございましょうか。裁判になりましたら、それは裁判をお受けするという以外にないと思いますけれども。
  148. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 いやいや、私が申し上げたのは、例えば駐留米軍において五十年間、労働基準法が本来適用されなければいけないにもかかわらず適用されてこなかったと、それは相手があることだというような御答弁を政府全体としてはされておると。しかし一方で、相手が見えない今回のようなケースであれば、それは公布によって適用されるというのは、余りにその御答弁としても理不尽な差があるのではないかと思いますが、どういうふうにお考えになるでしょうかという質問でございます。
  149. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 法律でございますから、周知徹底をしなければならないことは当然でございます。一方において、駐留軍の場合に周知徹底がされているのかどうか分かりませんけれども、関係者はもうよく知っている。例えば施設庁でありますとか外務省でありますとかというようなところはよくお分かりをいただいているというふうに思うわけでありまして、そちらの方の話はやはりあいまいなままで置いておいてはいけないというふうに思っておりますから、先ほど御答弁申し上げましたように、はっきりさせたいというふうに思っている次第でございます。  こちらの方の今度の法律の話はこれから周知徹底をしなければならない話でございますので、一生懸命に周知徹底をしたい、こう思っております。
  150. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 だんだん時間がなくなってまいりましたので質問を進めますが、是非、余りにもその五月一日ということについてはおかしいと思いますので、そこについて先ほど山本理事の方から質問させていただいたとおり、政府としても再考いただきたいと思います。  そこで、大変質問遅くなりまして申し訳ありませんが、内閣府経済財政諮問会議失業率は二〇〇五年から減少に転じるという試算を出しています。なぜ内閣府としてそういうふうに考えられるんですか。
  151. 根本匠

    ○副大臣(根本匠君) 経済財政諮問会議に、今回の改革と展望の二〇〇二改定に合わせまして、実は審議の参考資料として、先生御指摘の内閣府の試算を提出をいたしました。  その考え方でありますが、今、政府を挙げて構造改革、精力的に進めておりますが、構造改革の効果が発揮されるにはある程度の時間を要するだろうということも踏まえまして、二〇〇四年度までの集中調整期間中には厳しい状況が予想されると考えておりますが、現在、四本柱の改革、要は税制改革、歳出改革、規制改革、金融システム改革と、こういう四本柱の構造改革を加速することによって二〇〇五年度ないし二〇〇六年度ごろには経済の成長経路、これは中期的な成長経路に近づいてくるだろうと、こう予測をしております。二〇〇五年度ないし二〇〇六年度ごろには中期的な経済成長の経路に近づいていくということから、失業率についても二〇〇四年度までの集中調整期間の後には徐々に低下していくものと見込んでおります。
  152. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 一方で厚生労働省は、今回の法改正を含めても失業手当の受給者数を指標にして今後五年間は制度の安定的運営ができると。失業率としては減じるということになっているんですが、今回前提としている失業率を、内閣府の失業率を指標に前回の法改正ではしていましたけれども、今回からは受給者数ということで、ベースにする数字を変えています。これはなぜそういうふうに変えたんでしょうか。
  153. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) 前回の改正時は、言ってみれば一般的な分かりやすさと、こういうようなことを重視しまして、完全失業率と連動させた推計としたわけでありますけれども、受給者に占める特に中高年齢層の比率の高まりがありまして、完全失業率は前年改正時の想定の範囲内であるにもかかわらず、想定した収支改善が実現できていないと、こういうようなことが大前提にありまして、今回の改正には雇用保険受給者の動向を最も端的に示す、こういうようなことで受給資格決定件数について、バブルの崩壊後、それから雇用情勢の悪化した過去十年間の平均的伸び率を勘案しまして、年五%程度の割合で伸びが続くとの前提に立っても今後五年間程度は安定的運営が確保できるようにすると、こういうようなことで給付及び負担の両面にわたる見直しを行いました。
  154. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 数字が違うということになるのかもしれませんが、厚生労働省の方は失業給付の受給者が毎年五%ずつ伸びていっても安定的な運営ができるということで今回の制度改正をやっていると。一方、内閣府が出されております失業率そのものは二〇〇五年から改善をするということになっておりまして、同じ内閣でありながら違う見解を持っているということになってくると思いますが、内閣府として、もっと失業率良くなるんですよと厚生労働省に言われれば今回のような無理な改正をしなくてもよかったんじゃないかと思いますが、その点について、副大臣、せっかくお越しでございますから、御意見をいただければと思います。
  155. 根本匠

    ○副大臣(根本匠君) 私も、今、鴨下副大臣の話を聞いていて、要は失業率というのはストックの水準で見ますから、ダムの水みたいなもので、放流したやつでまた新たに入ってくると、水準は変わらないんだけれども中身がどうも変わるという話なのかなという感じがいたします。つまり、失業率と受給件数の件数の関連が、受給件数の方は毎年この十か年のトレンドで五%伸びている、そのときに失業率はどうかという関連が、そこのところが必ずしも失業率と実際の受給件数の伸びが連動していない。失業率だけでは説明できない、高齢化比率が高まっているとか、そういう構造的な要因もあるので今のような御答弁になっていると思います。  我々の方は、その意味では矛盾しているとは考えておりませんで、我々は二〇〇五年、二〇〇六年度にかけて中期的な経済成長経路に近づいていくということから、失業率はその意味では改善していくだろうと予測しているところであります。
  156. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 直接一〇〇%連動はしないでしょうけれども、当然失業率があって受給者というのがある中で、大きなトレンドとして二〇〇五年からは失業率が減少しますよという大変明るい話をされておるわけですから、それを当然前提に、受給者も五%増えるということでなく考えるのが筋ではないかなと、こういうふうに思います。これ、御答弁は結構です。次の質問に移りますので、根本副大臣、結構でございます。  ちょっと時間がありませんので一つ飛ばしまして、今回の改正については、雇用保険料の事業主負担分の引上げと労災保険料の引下げがセットになるはずだったと聞いておりますが、それは事実でしょうか。
  157. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) 今回の雇用保険制度の見直しに係る審議会の議論の過程においては、例えば将来にわたる雇用のセーフティーネットとしての安定的な運営を確保していくと、こういうような観点から、給付の見直しとともに雇用保険料率の引上げについて議論をいただいてきたわけでありまして、一方、労災保険料の引下げは、これは厳しい経済状況を勘案して、最近における労災事故の発生状況等を踏まえて検討してきたわけでありまして、その雇用保険料率の引上げと労災保険料率の引下げをセットで行うと、こういうようなことを決めたわけではございません。
  158. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 労災勘定は今でも、労災そのものは件数減っているんですけれども、七兆円の積立金があると。これは将来の労災を今受けられた方の確定した年金額だという御説明をいただいておりますが、それとは別に、各地の労災病院等福祉事業の予算というのが入っておりますが、それは平成十五年度、どのぐらいあるんでしょうか。
  159. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) 平成十五年度の労災保険特別会計の労災勘定は、歳入の予算額が一兆四千百五十九億円で、歳出予算額は一兆二千百六億円となっておりまして、この中で労働福祉事業においては、これは二千百三十一億円となっております。
  160. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 積立金の部分については確定した債務だというふうに御説明いただきました。しかし、労働災害にかかわる福祉事業をこの委員会でも議論させていただいた中で、例えば労災病院はなくしていく方向だというようなことを考えれば、これは減らしていけるんじゃないかなというふうに思います。  雇用保険も、先ほどセットではないという話をされましたけれども、雇用保険も労災保険も基本的には労働保険料という名目で一括して徴収されているわけであります。そうだとすると、雇用保険がこれだけ財政が逼迫しているわけですから、労災保険からあるいは労災勘定から資金を融通してもらうことを考えたらいいんではないかなというふうに思いますが、大臣はいかが考えられますか。
  161. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 労災保険の方には積立金が多いものですから、いろいろな御意見、正直言ってあるわけでございます。しかし、よくよく調べてみますと、現在いわゆる年金をもらっている皆さん方が終生それをもらわなければならないわけでありまして、そうした方々の積立金、これは積立年金みたいなものでございますので、今はありますけれども、将来はこれなくなっていくものでございますから、これがあるからといってそう使うわけにはなかなかいかないというふうに今思っております。  雇用保険、労災保険、それぞれ近いところに存在することは私もよく分かりますけれども、いずれにいたしましても、労災病院等の問題は早く決着をして、そしてもう余分にいるということはなくしていくということが大事だというふうに思っておる次第でございます。
  162. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 時間も参りましたので、最後、質問させていただきますけれども、年金、積立金の部分についてはおっしゃるとおりだと思います。  ただ、今申し上げましたように、福祉事業を果たして本当にやっていく必要性があるのかどうかということは考えなければいけないと思いますし、今回の保険料率で五年間は大丈夫ということでありますけれども、五年後にもう一回再設計をしていくということになると、制度そのもの、つまりはセーフティーネットであるという制度そのものに対する信頼感を失っていくんではないかなと。  そこで、その五年間の間にもう少し、例えば、これは財務省当局との関係もありますけれども、一般会計で支えていくのか、あるいは今申し上げましたように労災保険の中の福祉事業からもお金を回すのか、あるいは合わせ技なのかもしれませんが、いずれにしてもしっかりとした制度設計を付けていく必要性があるんではないかなと思いますが、五年間の間にどういう制度設計を付けていくのか、大臣の御決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
  163. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 様々な角度からこれから検討していかなければならないというふうに思います。  だんだんと働く人たちの数も少なくなってくる時代に向かうわけでございますから、これからの雇用保険、あるいは労災保険もそうでございますが、とりわけ雇用保険につきましての財政というのは厳しくなることだけは間違いがございません。そこを乗り切っていくためにはどういうことを気を付けていかなければならないのか。これは雇用保険だけではなくて社会保障全体の中でどう位置付けて、どのように考えていくかを決着を付けなければならない問題だというふうに思っている次第でございます。
  164. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 終わります。
  165. 小池晃

    ○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  本日、この雇用保険法案、趣旨説明したその日に審議をすると。こういう本当に国民生活に深くかかわる重大な法案をこんな扱いでいいんだろうかと。私は、もう徹底的な審議を求めたいと、まず最初に申し上げたいと思います。  その上で、最初に大臣の認識を伺いたいんですが、そもそも雇用保険制度というのは何のためのものなのか。憲法二十五条では生存権、二十七条で勤労権、労働権を保障しております。この上に立って、雇用保険法は、失業した場合にその生活を保障するとともに再就職の促進の努力を払う、これは国として当然の責務だという基本から整備されてきたものだというふうに考えます。  国民に雇用を保障するということは、これは国の責務であると。その上に立って、雇用保険制度というのは失業者の生活の安定、再就職の促進を図ると、このためのものだというふうに私は思っているんですが、大臣はこの雇用保険制度というものをどういうふうにとらえていらっしゃるか、基本的な認識をお伺いしたいと思います。
  166. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 最初から大変大きなお問い掛けでございますけれども、雇用保険の歴史をずっと振り返ってみますと、いわゆる国家保障的な考え方の下にこれは出発をしたというのではなくて、政労使三者のお互いの助け合いの中で雇用保険というのは出発をいたしておりますし、その連帯の精神の中で今日も私は継続をしているというふうに思っております。  したがいまして、今後もそうした政労使三者の自立と連帯の中で進めていくものというふうに理解をしているところでございます。
  167. 小池晃

    ○小池晃君 政労使が、実態としてはその三者で支えているということはそれはあるかと思いますけれども、私は、基本的にはこれは国がそのやはり中心、心棒に据わって支えるべき制度だというのが憲法の考え方でもあるし、あるいは雇用対策法や職業安定法などもそういう基本的な考え方の下に作られている法律だというふうに理解しております。  その点で、この間の雇用対策見てみますと、小泉内閣になってから、これは様々な雇用対策ということを言われてきましたけれども、失業率は小泉政権発足前の二〇〇〇年には四・七%、これが昨年は五・四%まで増加しております。さらに、失業期間を見ますと、明らかにこれは長期化する傾向が見られている。二年以上の完全失業者の数は、二〇〇一年二月には失業者全体の一二・七%、四十万人だったわけです。これが二〇〇二年十月から十二月までの平均では一六・一%、五十五万人の人が二年以上の失業と。十五万人も長期の失業者が増加しているということになると思います。  これは、失業期間が長期化しているという現状であるということは、これはお認めになりますね、政府参考人。
  168. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 労働力調査の特別調査等を見ますと、失業者のうち失業期間が一年以上の方の割合は、昭和六十三年から平成三年まで若干低下しておりますが、その後、平成四年以降は趨勢的に上昇を続けているということでございます。    〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕  趨勢的な方向としてはおっしゃるとおりだと思います。
  169. 小池晃

    ○小池晃君 結局、雇用者数も十八か月連続後退しているわけであります。ここに見られるように、国が本来行うべき必要な雇用が創出されているとは言い難い状況がある。失業者は増えている。しかも、失業者の中で長期の失業者の比率も増えている。失業期間は延長している。このようなときには、国は雇用の確保にこそこれは全力を注ぐべきであるというふうに思うわけです。  ところが、今回の法案は、失業者が増えて失業期間が延長している、長期失業者が増えているという中で、失業手当を削減する、あるいは給付期間を短縮する。もちろんすべてが短縮されるわけじゃない、中には延びる人もいるんだとおっしゃるかもしれないけれども、全体としては給付期間を短縮すると。  大臣、お伺いしたいんですが、このように失業期間が延長しているときに、あるいは失業者が増えているときに、そもそも失業給付を削ったり給付期間を短縮するということは私は正に逆行ではないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
  170. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) 現在の基本手当の給付水準と労働市場における再就職時の賃金の手取り額を比較しますと、やっぱり高賃金層を中心に基本手当の方が高くなるという、こういうような言わば逆転現象が生じているというようなことがございます。  一方、雇用保険制度においては、基本手当の受給中よりも所定給付日数分の基本手当の受給終了直後一か月以内に再就職の時期が集中すると、こういうようなこともありますことから、これは基本手当日額が高いほどそれが顕著になっていると、こういうような傾向も見られるわけであります。  これらの状況を総合して、高額の基本手当の存在によって、ともすると再就職よりは基本手当を受給しようとする判断が働く場合もあるということもございまして、結果的に再就職時期が遅れてしまう方々が相当数存在すると、こういうようなことを含めて、基本手当日額と再就職時の賃金との逆転現象を解消して受給者の早期再就職の推進を図るために、高賃金層を中心に賃金日額の上限額を引き下げるとともに給付率の下限を原則六〇%から原則五〇%に引き下げると、こういうようなことにしたものであります。
  171. 小池晃

    ○小池晃君 そのように政府は、失業手当の支給終了後一か月以内に再就職している者が多いんだというふうにこの間衆議院でも、本会議でも説明されています。  しかし、そもそもこの統計の中で再就職している人というのは、五八%しかいません、再就職していない人は、再就職できる人が全体の四二%しかいないわけです。その四二%の中で基本手当の受給終了後一か月以内に再就職した人が二九%、これをもって突出している、多いんだと言うけれども、全体から見れば、再就職している人が四二%、その中で二九%の人が一か月以内に再就職しているということであれば、これは全体から見れば一二%でしかないわけですよ。  副大臣は今、手当の方が高いから再就職の意欲が持てないというようなことをおっしゃるけれども、私は全く根拠はないと思います。  この問題、去年も議論しました。この一二%の人たちだって、何もこの失業手当があったから就職を延期していたというわけじゃないと思うんです。特にこれは比較的高賃金層ですよ、中高年ですよ。やはり求人少ないわけですから、なかなか条件に合うところは見付からないと。手当が切れて、もうやむなく低賃金、悪条件で仕方なく就職していると。だから、一か月後に一定のピークがあるというのは、私はうなずけるんです。しかし、かといって、それだって全体から見ればわずか一二%なんですよ。  私、お伺いしたいんですが、この全体から見れば一二%の人の存在を理由にして手当を削減する、こんなことは到底許されないんじゃないですか。いかがですか。
  172. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 基本手当日額と、それから雇用保険の所定給付日数の受給期間中と、それから支給終了後一か月以内の関係、これは数字を集計いたしますと、かなり明確にといいますか、相当明確にその関係がはっきりしているんじゃないかと、こう思っています。  例えば、基本手当日額が七千円から八千円までの方につきましては、雇用保険の受給中に就職する方は四二・五%、それから一か月後に就職する方が三九・五%、こうなっています。さらに、それがあと千円高くなりますと、八千円から九千円までになりますと、受給期間中が四〇・二%、支給終了後一か月以内が四二・一%とここで一か月後の人が多くなってしまう。さらに、千円高くなって、九千円から一万円までですと、受給期間中が三七・五%、受給終了後一か月以内が四五・五%と、こういうことになっていまして、受給終了後一か月以内、失業されてから受給終了後一か月以内の就職率というのは基本手当日額の高い人ほど就職率は高くなっています。  一方、受給期間中の就職率というのは逆に基本手当日額の低い方ほど高くなっていると、こういうことでありまして、その辺りを考えますと、やはり明らかに基本手当の受給中に就職される、あるいは受給終了後に就職される方と基本手当日額の関係というのはかなり明確に、先ほど副大臣がおっしゃったようなことが見て取れるんじゃないかと、こう思っております。
  173. 小池晃

    ○小池晃君 いや、だから、そんなことは分かっているんですよ。そのことは先ほどそれ前提に議論したでしょう。だから、それは、基本賃金日額が高い人ほど就職しにくくなっているという現実があるだけだと私は言ったんですよ。  しかも、今、全く私の質問に答えていないんです。副大臣、あなた自分が答弁したことなんだから、ちょっと答えてくださいよ。わずか一二%の人を理由にして、それですべてがそうであるかのように削るということ自体、私はこれは全く合理性欠けると思いますけれども、いかがですか。
  174. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) 先ほど申し上げましたように、その一二%というようなことだけではないわけでありますけれども、多くの理由の一つとしてそういうようなことがあるということであります。特に、逆転現象があるというのは極めて問題があるということと、それが多くは高賃金層に偏倚していると、こういうようなことを考えますと、今回の改正というのはそれらの方々に対しての話でありまして、低賃金層、それから中位の方々に関してはほぼ中立というようなことでありますので、そういうようなことで、お互いに労使が共同で連帯で、共同連帯で助け合うと、こういうような趣旨から、逆転をしているところに関しては是非協力をしていただきたいと、こういうような趣旨でございます。
  175. 小池晃

    小池晃君 いや、逆転しているところについてはとおっしゃいますけれども、じゃ、これ、さらに、削減されるのは何も基本手当六〇%の高賃金層だけではないわけですよね。十二万六千三百円以上の手当であれば削減されるわけですよ。  こういう本当に厳しい賃金層でしょう。こういう人たちの手当まで削るということは、逆転現象が起きている、起きていないということでは説明できないんじゃないですか。今回削減されるのは決して六〇%保障だけじゃないですよ。月収十二万円までみんな下がっていくわけですよ。そういう仕組みになっていることは一切説明できないんじゃないですか。
  176. 鴨下一郎

    副大臣鴨下一郎君) ですから、先ほど申し上げましたように、逆転現象というのも一つの大きな改正の要素であるというようなことと、それから、もちろん今の雇用情勢そのものにおいて、先ほどからお答え申し上げているように、特に長期の給付の方々が増えていると、こういうようなことも含めて、ある意味で雇用保険制度というものを維持して将来にわたって安定的なものにしていく上で今回は改正をするということが必要だと、こういうような判断でございます。
  177. 小池晃

    小池晃君 失業者が増え、その上、失業期間が延長しているようなときに、本当にわずかな命綱を断ち切るようなことは私は本当に許せないというふうに思うんです。しかも、今回の法案によって一人当たりの給付が削減されるということは今議論したんですが、それではその失業給付を受ける人の数はどうなるのか。法改定後の試算では、月平均の受給実人員はこれは何人になるんですか。
  178. 鴨下一郎

    副大臣鴨下一郎君) これは、今回の雇用保険法改正によりまして、平成十五年度の予算においては、月平均の受給者実人数は約百八万人程度になるというところを見込んでおります。
  179. 小池晃

    小池晃君 昨年度は百九万人ですから、一万人の減少なんですよ。失業者全体の数増えているのに、失業手当の受給者が、これなぜこの今回の改定によって減少するのか、ちょっとそこを説明していただきたいんです。
  180. 戸苅利和

    政府参考人(戸苅利和君) 平成十四年度の補正予算の受給資格決定件数の伸び率、これは直近一か年、十三年の十一月から十四年の十月までの伸び率でございますが、これを考慮いたしまして月平均の受給者実人員の見通しを百九万人ということにしたところであります。  一方、平成十五年度予算につきましては、先ほど申し上げました直近一か年、十三年十一月から十四年十月の受給資格決定件数の伸び率、これを、同じ伸び率を使いまして、それに基づいて受給者実人員を見込んでおりますけれども、この前提条件に加えまして、今回の制度改正効果、これにより受給者の方が早期再就職をしたりということもございます。それから、所定給付日数の一本化をするというふうなこともございます。そういったことを加味いたしまして百八万人と、こういうことになっております。
  181. 小池晃

    小池晃君 それでは、お聞きしますけれども、もしも現行の制度のままで、給付期間のままで今年度の受給実人員を計算すると何人になるんでしょうか。
  182. 戸苅利和

    政府参考人(戸苅利和君) 今申し上げましたのと同じ計算方式で計算いたしますと、約百十四万人、こういうことになります。
  183. 小池晃

    小池晃君 結局、今回の制度改悪で、本来であれば百十四万人月平均もらえる、それが百八万人になるわけですから、毎月六万人失業手当を受けられる人が減少する、そういう制度改定だということなわけです。  これ、痛みを分かち合うという言い訳は私は通らないと思うんですね。手当削減して幅広く広げるというのであれば分かるけれども、もらえる人の数も減るということになるわけです。失業者が増えているときに、失業手当額を削減する、それだけではなく、受給できる実人数まで減らしていくと。大臣、私、こんなことは到底どのような言い訳をしても正当化することできないと思いますが、大臣、いかがですか。大臣、お答えいただきたい。
  184. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 社会保障というのは、先ほども申しましたとおり、これはそれぞれの助け合いですから、働いている人とそして現在失業している人との間のこれは助け合い、そしてまた厳しいときには、失業している人の中におきましても、やはり恵まれている人とそうでない人との助け合い、それはやはり私はやむを得ないのではないかというふうに思っております。  そうした中で、厳しいときであればこそお互いに助け合っていくということでありますから、そうした中で厳選をして、本当にこの人に手を差し伸べなければならないという人に差し伸べていくというのがやはり本来の制度ではないかというふうに思っております。
  185. 小池晃

    小池晃君 私はとても了解できないですよ。こんな厳しい経済情勢になっている、この経済失政の責任というのは小泉内閣責任ですよ。失業者が増えることを前提にした経済政策ですよ。その中で失業者が増えているわけですよ。そのことに責任も取らずに、そしてお互いに痛みを分かち合えだとか、そんな議論は通用しないですよ。今回のやり方によって国庫負担減るわけですから。基金で上積みしていると言い訳するかもしれないけれども、国は、みんなで分かち合うと言いながら、国は責任を後退させているわけですから。こういう本当に国策によって起こっている今の経済破綻、あるいはこれだけの大不況、失業者増に対して、私は国庫負担を増やして、国こそまず率先してこういう事態を支えるということをやるべきだと。ところが、それとは全く逆行して、失業手当は削るわ、実際受けられる人は削るわ、こんなやり方は本当に断じて認められないというふうに申し上げたいと思うんです。  しかも、政府はちょっと前まで何と言っていたか。二〇〇〇年の雇用保険法の改悪のときにはこう言っているんですよ、答弁で。「今回の改正により失業率が五%台の半ばまでは雇用保険を安定的に運営することができる、」と、そういうふうにはっきり答えているんですね。これ参議院労働社会政策委員会です。  現在も五%半ばですよ。それなのになぜ保険財政、これ維持できなくなっているんですか。
  186. 戸苅利和

    政府参考人(戸苅利和君) 当時改正いたしました時点とそれから現在の時点、一つは企業のリストラが続いたということで、失業率は同じ五%半ばということでありますが、失業の中身自体が、企業のリストラが当時よりも大きく利いているということだろうと思います。  具体的に申し上げますと、それによって受給者のうちで中高年齢者の方の比率が高まっている。中高年齢者の方につきましては、一つはベースになる賃金日額が高い、それから給付日数も長い、こういうことがございます。    〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕  それからもう一つ申し上げますと、当時の想定以上にリストラが進んだということで、倒産・解雇による離職者の方の数が当時の想定をはるかに上回ってしまったと、こういうこともあるんだろうと思います。これは、就職の心の準備もなく離職してしまうということがあるものですから、そういった倒産・解雇による離職者の方の場合も給付日数が長いということで、給付日数の長い方の割合が増えたと。この結果、当初の予想を超えて赤字になってしまったと、こういうことだろうと思います。
  187. 小池晃

    ○小池晃君 失業率五%台半ばまで安定的に運営できると言っていたんですよ。失業率五%の中身が、そんなこと、そういうふうに倒産、非自発が増えるとか中高年増えるなんて当然予想されることじゃないですか。そんなことも予想できていなかったのかと。私は、これは正に今おっしゃったようにリストラの影響だと。これ、もう一つあると思いますよ。やはり賃金が下がっていますから、保険料収入だって減っているわけですよ。だから正に、支出の部分でいえばリストラによって支出が増えている、それから保険料収入は更にリストラあるいは賃下げによって収入が減っているということでしょう。こういう中で今やろうとしていることはどういうことかと。  ちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、今回の雇用保険改定による給付の削減額は総額で幾らになるんでしょうか。
  188. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 平成十五年度ということで申し上げますと、基本手当の給付率、それから上限額の見直し、それから通常労働者と短時間労働者の所定給付日数の一本化、それから再就職促進効果、これを合わせて約三千百億円の給付減と、こういうことになると見込んでおります。  それからもう一つ申し上げますと、補正予算で設けました早期再就職者支援基金、これによりまして早期再就職が進む、あわせてこの基金によります支援金を受けた場合に雇用保険の就職促進給付を受けなくなるということで約一千億円の給付減、両方合わせて約四千百億円でございます。
  189. 小池晃

    ○小池晃君 だから、今回の給付削減というのは四千百億円もの規模なわけですよ。こういうリストラによって当初政府がわずか三年前に予想していた財政見込みすら狂っているという事態ですよ。それほどの激しいリストラ、本当に大変な消費不況が進んでいるわけです。そういうときに四千百億円も失業給付を削減するというのが今度の提案であります。  これ、昨年十月の連合総研の調査では、労働者の四人に一人は一年以内に失業の不安を感じるというふうに答えている。これで更に失業手当も当てにできない。四千百億円も削られるということになれば、私はこれは正にますます消費を冷え込ませると。さらに、保険料の引上げも予定をされていると。こういうふうなことをやれば可処分所得を奪い、ますます景気が悪化すると。私は、今度のようなやり方というのは正に雇用保険財政を一層悪化させると。  大臣、こんなやり方すると正に、また三年後ぐらいに同じような議論をすることになるんじゃないですか。今の議論の中では六%台半ばまで大丈夫ですというふうに答弁されていますけれども、こんなやり方でますますリストラをあおるような、不況を加速するような負担増を押し付ければ、ますます雇用保険財政は悪化の悪循環をたどることになるんじゃないですか。大臣、いかがでしょう。
  190. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) これは景気の動向によって大きく左右されるでしょうね。現在の状況は早く景気を回復せしめるために打つ手は何か。そうしたことから、不良債権の処理を始めとして早く、一時的ではありますけれども、一時的な悪化を恐れることなしに早くこの経済状況を元に戻そうという、そういうことでやっているわけでありますから、私はそんなに時間を、掛からずに回復できるだろうというふうに思っております。回復できましたならば現状というものは大きく好転をするというふうに思いますから、それまでどう辛抱をしていくか。それまでは堪え忍ばなければならないというのが現状だと認識いたしております。
  191. 小池晃

    ○小池晃君 こんな、医療費を増やす、年金を削る、介護保険料を上げる、失業給付を削る、こんなことをやって景気が良くなるわけないじゃないですか。これ本当にどうかしていますよ。こんなやり方をしていたら、私は本当にますます悪循環に突き進んでいくばかりだというふうに思うんです。  しかも、今回、基本手当日額の算定方法を変えます。これ、そもそも現行制度では失業時賃金の六〇%が下限でした。失業前賃金の六〇%というのが失業者の生活の安定と再就職の促進のための限界だったということだと私は思うんです。ところが、今回これ五〇%にすると。再就職活動のための生活保障ができる下限を六〇%から五〇%に引き下げる根拠を示していただきたい。
  192. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 今回の給付率の見直しにつきましては、先ほど来副大臣も御説明申し上げていますけれども、高賃金層について税引き後の再就職賃金とそれから非課税である雇用保険の基本手当日額の間に逆転現象が見られると。それによって、高賃金層の方については、雇用保険の所定給付日数中に就職する方よりも給付を丸々受給した後一か月以内に就職する方が多いと、こういうことがあるわけであります。この逆転現象を正そうというふうに今考えて計算いたしますと、五割にしないと逆転現象が解消しないというのが一番大きな理由でございます。  それから、五割自身についての考え方というのは、実は雇用保険法、昭和六十年だと思うんですが、そのころやったときも検討はしていたということで、そういう意味で、我々としては、今もお話ございましたが、五〇%というのは正直ぎりぎりのところかなというふうなことでぎりぎりの判断をさせていただいたということであります。
  193. 小池晃

    ○小池晃君 説明は再就職時賃金とのバランスで説明をされるんですけれども、これはそもそもそういう考え方じゃなかったはずなんですよ。失業前賃金の保障だったわけですよ。それが急に今回再就職時賃金との関係でというのは私はフェアではないと思うんですね。六〇%を五〇%に下げるのであれば、私は五〇%に下げても再就職活動のための生活保障ができるんだということをしっかり説明すべきだと思いますよ。今のは、前、議論があったからいいんだと、それだけじゃ説明になっていませんよ。これ全く説明できないんじゃないですか。五〇%でも本来の再就職活動の支援のための生活保障ができるという根拠を示していただきたい。
  194. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 可処分所得ということで考えますと、仮に高賃金層、五〇%の給付を受けている方が再就職をして、税引き後の手取りの賃金考えますと、ほぼ均衡するということでございます。  そう考えるといたしますと、これはいろんな考え方あると思いますけれども、雇用され再就職して、勤務に伴ういろんな経費も掛かると思います。一方で、再就職活動に要する経費というのもそれぞれ掛かると思いますが、その辺り、仮に同額掛かるといたしましても、再就職時賃金並みの給付をするということであれば、それは求職活動も十分できるというふうに考えております。
  195. 小池晃

    ○小池晃君 再就職時賃金並みの賃金を保障されれば再就職活動できるというのは、私は根拠、非常に薄弱だと思いますね。  さらに、聞くけれども、失業給付についてのILOの社会保障最低基準、これはどうなっていますか。今回の改悪でこの基準守れるんですか。
  196. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) ILOの百二号条約、社会保障の最低基準に関する条約でございますが、これにおきましては、失業給付の給付率は標準受給者について前職賃金の四五%以上でなければいかぬと、こういうことになっております。これにつきまして申し上げますと、一つは標準受給者という限定が付いております。それから、これは実は、前職賃金について、税、社会保険料等の控除後の賃金でも差し支えないと、こういう限定になっています。  そういった意味では、我が国の場合は、今申し上げたような税とか社会保険料を控除する前の名目の賃金でやっているということもございます。もっと言うと、五〇%でございますので、四五%ということは当然クリアしていると、こういうことだろうと思います。
  197. 小池晃

    ○小池晃君 しかし、今、税や社会保険料のことをお話しになりましたけれども、一時金の問題もあるわけですね。  これは、八四年改正時に離職前賃金の対象から一時金除いているわけです。これは、今、一時金含めていないから六〇%、あるいは現状クリアしていますけれども、これ、もしも一時金含めると、平均賃金で見ますと、大体今の六〇%という手当は四八%相当になるんです。つまり、現行でもこれはILO最低基準、私ぎりぎりではないかと思いますよ。局長、ちょっと聞いておいてほしいんですけれども。  これを更に五〇%に下げれば、私は、一時金も含めた賃金総額に対してはこれ四〇%にしかなりませんから、これはILO最低基準違反ということになるんじゃないですか。
  198. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) ILOの条約をどう解釈するかということだろうと思いますけれども、我々としては、定例賃金というか基準賃金というか、それとの比較ということでILO条約は解釈されているんではないかと、こう思っています。
  199. 小池晃

    ○小池晃君 いやしかし、日本の賃金体系というのはやっぱり一時金の比率高いわけですよ。国際的な基準に照らすとすれば、一時金をその基準に含めたかどうかの是非はさておいて、国際的な基準に照らして日本の失業給付の最低基準を考えるんであれば、これは一時金も含めて考えなければやっぱり生活実態に合わないんではないですか。私は、今のままではILO最低基準以下になるという危険が極めて高いというふうに思うんです。  もう一回、大臣に私お伺いしたいんですが、賃金水準の五〇%で再就職活動する際の生活保障ができるとは、私はさっきの説明では全く納得できません。しかも、ILO最低基準との関係でも非常にこれ重大だというふうに思うんです。  中高年の失業者の皆さんというのは、これは長期に失業の経験なくずっと働いてきた方が多いわけです。そうした人たちに、本当に意欲を持ってもらって能力を本当に一〇〇%発揮してもらうと、私は支援することこそ求められていると思うんですね。  やはり厳しい雇用環境です。中高年なんて本当にないわけですから。そういう中で、やっぱりそういった人たちに頑張っていい仕事を見付けてくださいということで支えることこそ、私、雇用保険制度に求められているんじゃないだろうかと。そういった人たちのところを削るというのは、私は正に全く逆行するやり方だというふうに思うんですが、大臣、もう一度、いかがですか。
  200. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 確かに、高賃金層の方の中に中高年齢の方が多いということはそのとおりだろうと思います。  ただ、今回の雇用保険の改正、非常に厳しい財政事情の中で、雇用保険制度の目的であります失業中の生活の安定と並んで早期再就職の促進、この両面をいかにバランスを取って、それから雇用保険の被保険者の方、それから事業主の方、そういった方々の全体のコンセンサス、理解、最大公約数といいますか、その辺りはどの辺りなのかと、こういうふうに考えたわけでありまして、そういった意味で、雇用保険の失業給付について、いろんな立場からいろんな御議論あるわけでございますが、我々としては、やはり合理的な考え方として、今回のように低賃金層の方については極力給付率を維持し、高賃金層の再就職賃金とそれから基本手当日額との逆転現象は解消して、なるべく高賃金層の方については再就職の促進という方にウエートを置くということで見直したものでございまして、我々としてはこれで御理解をいただけるんではないかと、こう思っています。
  201. 小池晃

    ○小池晃君 全く理解できません。最初から同じことしか言っていない。本当に答弁できていないというふうに思うんですね。私の言っていることに対して答えていらっしゃらない。  景気悪化しているんですから、これは他の、ほかの社会保障制度とは違うわけですよ。高齢化だとかあるいは疾病構造の変化とか、そういったことはないわけです。正に経済情勢がダイレクトに反映するわけです。経済失政があるわけです。こういうときにこそ、せめてもの罪滅ぼしに国が責任を持つと、私はこれ当然のことだと思うんですよ。だって失業者増やす政策やっているんですからね。そのこと自体、私どもはもう正面から反対ですけれども、それをやるぐらいだったら、せめて罪滅ぼしに失業手当を厚くすると、私はこれは人の道だというふうに思うんですよ。  国庫負担比率引き上げて、そして財政危機しのいで、そして景気回復に全力を挙げていくということをやるべきだと。景気回復すれば、以前の雇用保険制度なんというのは赤字のアの字もないわけですから、景気が良ければ全く財政、問題ないわけですから。そして、ここでしのいで、国庫負担入れてしのいで、そして景気が回復したらば財政も安定していくと、私はこれが本当にあるべき姿であって、国庫負担を緊急避難的にでも私は引き上げて、給付カットも、あるいは今後予定されている保険料の引上げというのも断じて撤回すべきだというふうに思います。  さらに、雇用保険本体に関係する部分ですが、失業認定の厳格化の通達が昨年九月に出されていると。雇用保険法第三十二条の給付制限について、これまでは、紹介先の賃金が地域の平均賃金水準以下の場合は、これは紹介を拒否しても給付制限を受けなかったんですけれども、昨年九月の通達で、三十二条三号の「不当に低いとき。」の水準が、百分の百というのが百分の八十になっています。すなわち、紹介先の賃金が八割、地場賃金、地域の平均賃金の八割であっても、低賃金を理由に断ったりすると給付制限掛けられるようになると、こういう改定をしたということなんですね。  これ、確認したいんですが、いかがですか。
  202. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 一つは、失業認定の見直しに合わせまして、効果的な再就職の実現に向けて、基本手当の受給におきます法三十二条の給付制限の一層的確な運営を図るという観点がありまして、そういった観点から職業紹介拒否等に正当な理由があると認められる場合の基準につきましての見直しを今回行いました。今おっしゃるとおりでございます。  一般の賃金水準と比べまして不当に低い場合に該当する地域の同職種等の平均的賃金との格差、これをおおむね百分の百よりも低い場合から、おおむね百分の八十よりも低い場合に改めたということでございます。これは、八十というのは給付率の最高に合わせようと、こういうことでやったものであります。
  203. 小池晃

    ○小池晃君 雇用保険の精神というのは、正に労働力の安売りをさせない、雇用の安定を図るというのが法の趣旨だと思うんです。これ、地場賃金の八割までの賃金は我慢しろというのは法の精神に反するんじゃないですか。
  204. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 正直申し上げて、市場経済システムという中で恐らく日本の労働市場も動いているんじゃないかと、こういうふうに思います。そう考えますと、やはり賃金の実態等から見て、前職と全く同じ賃金でないと就職しませんということが現在許されるような賃金の実態ではないんじゃないか、こういうことだろうと思います。  そういった意味で、雇用保険の受給者の方が真剣に仕事を探すということであるとすると、やはり標準的に再就職した場合の賃金、この辺りも見ながら、しかし、賃金実態がもっと低いというふうな場合もあるわけですけれども、考え方としてはぎりぎり給付率の最高であります八〇%に合わせて失業の認定はやっていこうと、こういう考え方であります。  基本的には、今申し上げましたように、基本手当の給付率との均衡を考える、一方で受給資格者の方のここにおいても就職意欲の喚起を図りたいと、こういう考え方に立っているものであります。
  205. 小池晃

    ○小池晃君 ちょっと聞き捨てならないんですけれども、現在の経済情勢の下では、地域の平均賃金を要求することは、これは不当なことなんですか。
  206. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 現在の日本の賃金の実態といいますか、これで見ますと、やはり、年功序列賃金というわけではないんですけれども、再就職したときの賃金、それから勤続を重ね能力を高めていった場合の賃金、これを比べますと、平均の賃金というのは、そういう意味では、学校を卒業してずっと就職されている方、それから中途採用はされつつもかなりの年限就職されている方、それから去年初めて就職した方、そういった方々の全体の平均の賃金ということなんだろうと思います。そういった意味で、我々としては、やはり今回の基本手当の見直しも、特に高賃金層について再就職賃金というものを一つのメルクマールに考えたということで、これについても同様の考え方を取ったということであります。
  207. 小池晃

    ○小池晃君 しかし、その地域の平均賃金拒否することが給付制限の理由になるなんていうのは、私とんでもないと思うんですよ。だって、その地域の平均賃金より二割も低くては、本当家族を守っていけないという労働者だっているはずです。労働者の側でそれを選択するということは、それはあるでしょう、経済情勢厳しくなる中で。しかし、この給付制限の理由にこんなものを入れるなんてことがあっていいのかと。労働者の側で、そんな地域の平均賃金より二割も低くちゃ家族守っていけないと、そんなときでもそれを拒否すれば給付受けられなくなる、こんなことがあっていいんですか。どうなんですか。
  208. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 紹介拒否による雇用保険法三十二条の給付制限の運用でございますが、これは確かに、今おっしゃいましたように、何というか、それだけをもって判断するということではないわけで、それまでの公共職業安定所の職業紹介に対してどういった対応を取っていたのか、あるいは職業訓練受けるようにという指示に対してどういった判断をしていたのかと、そういったことを総合的に判断するということでございます。  そういった意味で、この百分の八十以上の仕事を断ったからといって、それだけを理由に給付制限するということではありません、それは申すまでもないことでありますが。ただ、職業紹介をした仕事を断るときに、百分の百よりも低いものを、ちょっとでも低い、あるいは、今申し上げた百分の八十までですが、百分の八十までのものを断ったというふうなことで、今はそれは百分の百でないと運用していないわけですけれども、今度は百分の八十というのも一つの判断の材料にしようと、こういうことであります。
  209. 小池晃

    小池晃君 大臣に今までの議論を含めてお伺いしたいんですが、この失業手当削減では、失業手当を削っていくということは、私は、失業手当は少なくなればなるほど、もうやむなく就職せざるを得ないということになってくる、悪条件での再就職を推進することになりかねない。そして、地域の地場賃金の八割までは再就職を拒否できないような給付制限掛けていくと。収入が二〇%下がっても、地域平均賃金より二〇%低くても断れないと。これ、現在でも賃金がどんどんどんどん下がっているわけです。それなのに、更に平均の八割の賃金ということを条件にしていく。  私はこのやり方というのは、そして法の冒頭に再就職の努力というようなことまで付け加えられたと。私は、この全体像というのは、正に雇用保険制度の改悪を通じて本当に国が逆に低賃金を促進するような、そういう方向になりかねないんじゃないかと、この運用いかんによってはそういう危険性が非常に強いんじゃないかというふうに、これは大変重大だというふうに思うんです。失業者の生活条件の悪化ということではなくて、日本労働者全体のこれは労働条件を悪化させることにつながるんじゃないかと。  そして、併せてもう一点。就業促進手当というのは今回盛り込まれたわけです。これは選択できるんだというふうに衆議院でも答弁されていますけれども、先ほどの前半の議論の中では、多様な就業形態を促進するためだというふうに副大臣も答弁されている。  こういうふうになれば、全体として、この雇用保険制度の今回の改定を通じて、賃金は低い方に、雇用は正規雇用から非正規雇用にという方向に持っていくという仕組みになっていくじゃないですか。そういう危険性が非常に強い改悪だというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
  210. 坂口力

    国務大臣坂口力君) これはもう需要と供給の関係で雇用の状況というのは回復するわけですから、経済の回復が見られる、そしてそういうふうになってまいりますと労働力はだんだん必要になってくるわけでありますから、そうしたら賃金は元に戻る。それはそれまでの辛抱だと私は思いますね。  それは、小池議員は国が出せ国が出せとおっしゃいますけれども、雇用保険は国が出せ、医療費は国が出せ、年金は国が出せ、もう国自体が破綻し掛けているときでありますのに、本当に破綻させてしまっていいんでしょうかね。私はそうは思っておりません。
  211. 小池晃

    小池晃君 いや、それは国だって削るべきところ一杯ありますよ。そういったところからやはり本当に景気回復に役立つ方向に行くべきだというふうに思いますよ。  本当に今の無責任だと。もう正に自由経済という、もう完全に国はノータッチで、もう自然現象のように進んでいくという立場じゃないですか。もう、大臣のように自然に需要と供給の関係で景気も回復していくし雇用も戻っていくというんだったら、もう政府なんて要らないということになりますよ。雇用政策なんて必要ないということになりますよ。社会保障制度なんてなくたって、自然に需要と供給の関係で景気も良くなっていくし雇用だって回復していくという議論じゃないですか。私は本当に耳を疑うような無責任な議論だと思いますよ。何のために国があるんですか。そんな需要と供給の関係、資本主義の、その経済理論だけに、経済原理だけに任せていたらばもうどんどんどんどん悪化するからこそ国がいて、そして社会保障制度があり雇用保険制度があり支えているわけじゃないですか。その責任を果たさずして、需要と供給の関係で良くなりますなんというのは、本当に私、無責任な発言だというふうに思います。そんなやり方では本当に景気の回復なんというのは断じて認めないし、断じてそれは私は景気の回復なんてあり得ないと思いますし、ますます雇用保険財政にしても社会保険財政にしても悪化するばかりだというふうに思いますよ。  ちょっと時間がもうほとんどなくなってきてしまったんですけれども、ちょっと用意していた青年雇用の問題、冒頭の問題だけちょっとお聞きしたいんですけれども。  青年雇用の問題です。  高卒の未就職者の数が大変今増加しています。一月末現在で五万人だと。文科省の調査では、昨年十二月現在で未内定者が八万人だと聞いています。三月十九日の参議院予算委員会で、我が党の吉川議員質問に対して大臣はこう言っているんですね。働くという気持ちがなければなかなか就職しないと。本当にそうだろうかと私思うんです。大臣は、まずやる気をどうしたら持たせるかということが先決問題だと言っているんです。高卒未就職者四万五千人は、これは就職望んでいるわけですよ。望んでいるにもかかわらず、働き先がない。大臣は先決問題は気持ちの問題だと言うけれども、私は先決問題は就職口を増やすことではないかと思いますが、いかがですか。
  212. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 私もすべてが若い人たちの気持ちの問題だということを申し上げているわけではありません。  しかし、若い人たちの気持ちの問題もあるということを私は申し上げているわけであって、一部だけ取り上げて言ってもらってもそれはいけないわけで、私は全体としては若い人たちに仕事の場を与えなければならない。それは先ほど、今日ここでもお答えを申し上げましたとおりの、若い人たちに対する今までの仕事というのはだんだんと全体の状況で少なくなってきている。それは大学やあるいは短大、専門学校といったようなところに取られる部分もあるし、そしてまたパートタイムその他の人たちに譲っている部分もあるし、そうした環境に置かれているこの高等学校卒業者の問題を構造的な問題としてどう取り組んでいくかということが大事だということを申し上げているわけであって、そこを解決することなしに駄目だ駄目だと言いましても良くなってくるわけではありません。
  213. 小池晃

    ○小池晃君 私も大臣はそんなこと言うはずないだろうと思って発言全文見たんですよ。  大臣こう言っているんですよ。最初から読みますと、一番大事なことは、若い人たちにやっぱり働くという気持ちを持ってもらうこと、これが私は一番大事だと思うんです。どれほどいろいろなものを並べましても、働くという気持ちにならなければ、これはなかなか就職しないわけでありますから、まずやる気をどうしたら持たせるかということが先決問題と思っております。その後は、外国の例もいろいろありますが、日本に最も見合った対策を立てていきたいと思っております。  これ、全体として見れば、正に気持ちの問題が先だ、先決問題だ、一番大事なことは気持ちの問題だというふうに大臣言っているじゃないですか。私は違うんじゃないかと言っている。この全体の発言を見れば、大臣の認識はまず気持ちの問題だ、それがあってから就職口整備することだと、そういうふうにしか読めない発言ですよ。私は違うと。その後で遠山大臣は逆の言い方しています。まず就職口の確保だと言っている。私は、これは当然だと思うんです。  だから、正に青年、特に高卒未就職者の就職問題の解決のまず最初にやるべきことは、私は就職口を増やすということではないかと。一番今の理由というのは中高年のリストラとともに新卒者の採用の削減があるわけですから、そこにこそメス入れると、これが青年の雇用対策の一番大事なところだという認識をお持ちじゃないんですか。
  214. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) それはその議論が始まります前にまだいろいろの議論があったわけで、私はその部分では確かにそういうふうに申しており、というのは、若い人たちに対するいわゆる求人というのはかなりあるわけですね。若い人たちに対する求人あるわけですよ。だから、若い人たちに対する求人があるんだけれども、なかなかそこに行ってもらうというわけにいかない。ミスマッチがそこに存在をしている。全体の世代の中で見れば、失業率も高いですけれども、求人もまた高いわけですよ。だから、その問題もある。それから、一度就職をしてもらっても途中で辞められる方が多い。こうした問題も考えていかなきゃいけないということを私は申し上げたわけであって、やはり若い人たちに対する就職の問題が大事だというのは私もそれはそう思っておりますよ。  そして、しかしそうはいいますものの、そこが大事だというだけではそこに働く人たちが生まれてこない。生まれてこないその理由を尋ねていくと、そこを分析をしてみると、高校卒業のところの仕事がほかの部分に行っている。そういう全体としての社会状況、経済状況が今作り出されている。だから、その新しい経済状況の中で高校卒業の皆さん方に職を与えるためにはどう改革をしていったらいいかということを考えざるを得ない、そういうことを私は申し上げているわけであります。
  215. 小池晃

    ○小池晃君 求人一杯あるんだとおっしゃいますけれども、政府の例えば二〇〇二年度の労働経済白書を見ても、九〇年代後半以降、学卒求人が大幅に減少し就職環境が厳しかったことがその後の離職率を高めていると考えられるというふうに分析しております。  辞める人多いんだというふうにおっしゃるけれども、九八年の若年者就業実態調査報告を見ても、離職の理由は、賃金条件や労働時間、休日、休暇の条件が良くなかったというのが二三・七%、倒産・解雇二・一%。四分の一は就業環境が厳しい、本当に当初言われていた条件と全然違うということで辞めている人が多いわけですよ。根性ないとか気持ちの問題だとか、そういう問題じゃないんだと。これは青年の意欲の問題ではなくて、本当に今の厳しい就業環境、この問題なんだという認識を持たなければ、私は対策も誤ったものになるというふうに思うんです。  その点で、ちょっと資料を配っていただきたいんですけれども、(資料配付)本来ならば、やっぱり新規採用枠を増やすということで国が責任を持つと。サービス残業をなくすとか、そういうことで九十万人の雇用生まれるということもあるわけです。  これは、サービス残業の根絶というのは緒に就いたばかりですけれども、これ徹底してやるべきですが、緊急の対策として、自治体では、今お配りしている資料にあるように、緊急の高卒未就職者対策というのをやられています。  私ども調べたらば、ある程度の数の自治体で緊急施策やっていると。これ、例えば長崎などは、その資料にもあるんですが、週三十時間の就業で、その間にスキルアップの講習などの就職支援も行うような取組やっているんです。それから、臨時職員を雇用するという県でも同時に就職活動に役立つような時間とか講座を設けていると。  もちろん、全部がいいかどうかというのはこれ吟味必要ですよ。いろんな意見あると思うんです。助成金付きのアルバイトということになりかねないという意見もあると。  しかし、高校を出た直後から四万五千人もの人が仕事がないと、こういう実態がある中で、やっぱり何かやりたいと。自治体としても何としても、少しでもこういった人たちを職に就けるような努力をしたいという、私は自治体の気持ちは大変よく分かる。これはこういう思い、当然だと思うんです。  私は、こういう取組を国としてもよく調査研究をして、国としても何か必要なことはできないかと。例えば、今示した中には、先ほども議論ありましたけれども、緊急地域雇用創出特別交付金使っているような事業もあります。  そういったことも含めて、やはり国として、こういう地方自治体でやられている様々な取組に学んで研究をして、やはり何らかの高卒未就職者の緊急対策、こういった取組をやる必要あるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
  216. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 御指摘のとおり、各市町村あるいは各都道府県でも高卒者のいろいろな対策を取っておられます。  我々も、学校在学時、それから求職活動をしている時期、それから就職した後の定着の問題、そういったことをやっぱり総合的にかつ体系的に対策を更に講じていかぬといかぬだろうと、こう思っているところであります。  今の自治体の問題でありますが、自治体については我々もどんな状況かということはいろいろフォローに努めているところでありますけれども、やはりこれもいろいろ伺いますと、一年あるいは一定期間やってみたけれどももう見直した方がいいんじゃないかというところ、それから、やっぱりニーズも高いんで続けていこうと、いろんなところがあるようでありまして、我々としては、そういった自治体での取組というものがどういった効果を上げているのかということはやはり十分検討をしてみる必要があるだろうと、こう思っているところでございます。  それから、交付金につきましてでございますが、交付金についても幾つかの自治体で若年者を対象にした交付金の事業はやっているようでございます。  ただ、我々の立場からいたしますと、交付金については、なるべく幅広い層の失業者の方になるべく多くの一時的、臨時的な雇用機会を付与いただくと、こういう観点でやっておりまして、基本的にはそれぞれの自治体の判断で、若年者にも効果的であるということであれば、これはやっていただくということはそれはそれで意義のあることだろうと思います。
  217. 小池晃

    ○小池晃君 それから、職業訓練の問題をお聞きしたいんですけれども、国と自治体が訓練施設で行っている高卒までの学卒者対象の職業訓練の募集は、聞いたところでは、十三年度、これ直近ですけれども、都道府県立の施設で一万三千人だと、能力開発機構で四千人で計一万七千人だと聞いています。  この一万三千人の都道府県立施設の定員に対して、これ倍率は一・八六倍、結構希望している人が多いわけです。就職率も、これ八〇%就職しているというふうに聞きました。これなかなか希望している人も多いし就職の成績もいいようですが、こうした都道府県立施設への助成金額、直近五年でどうなっているか、これどうも減少しているようなんですが、減少している理由も含めて御説明いただきたいと思います。
  218. 坂本由紀子

    ○政府参考人(坂本由紀子君) 学卒者訓練の運営経費への補助といたしましては、平成十年度の都道府県立の能力開発校への補助金額は百四十二億円であります。平成十五年度予算では同様の額が百二十三億円でございますので、御指摘のとおり、経費としては減少をいたしております。  その理由といたしましては、都道府県における能力開発校の統廃合等がございまして入校生が減少をしているというようなこともありまして予算額が減少しているものであります。
  219. 小池晃

    ○小池晃君 もう時間ないので質問はしません。提案だけさせていただきたいと思うんですが、いろいろと見ると、全体として倍率は高いんだけれども、人気のないような科目もあるらしいです。これはやはり応募が多いところは私は規模の拡大をもっとすべきだと。これは都道府県任せにせずに、国としても必要な財政支出を私は考えるべきだというふうに思うんです。  それから、雇用保険の適用外になっていますから、学卒者は、そういった人の生活保障も検討すべきではないかと。  それから、いろいろと中身聞くと、コンピューターが非常に古かったり、ウィンドウズの95を使っているとか、そういったので訓練しているとか、そういう話も聞くんですね。ですから、やはり本当に今の求人の水準に見合うような内容の吟味、水準の向上をしていくべきだと。  私は、全体として、高卒未就職者あるいは高卒学卒者向けの施設に対する助成金が減っているというのは大変問題だというふうに思っています。これは是非もっともっと光を当てて、本来必要な訓練ができるような仕組み、その予算措置を取るべきだということを主張して、私の質問は終わります。
  220. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 国会改革連絡会(自由党)の森ゆうこでございます。よろしくお願いいたします。  まず、本日の質問に入る前に坂口厚生労働大臣にお伺いしたいんですけれども、先ほど提案理由を説明されましたときに、最後に、原稿では、何でしたっけ、提案理由の説明は、原稿では「何とぞ、御審議のうえ、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。」というふうになっていると思うんですが、大臣はアドリブで、何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げますという、慎重にという言葉をお入れになったんですけれども、私はそれをお聞きして、大臣は何かこの法案について大変懸念を持っていらっしゃるのではないかという印象を受けましたので、是非最初に伺いたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  221. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) それは私の読み間違いですね。
  222. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 読み間違いにしては非常に特に力を込めて強調して読まれたというように記憶しております。きっと大臣がいろいろな点で御懸念があるのではないかと思いますので、その点をただしていきたいと思いますが。  まず、最初に伺います。  就業促進手当につきましては、先ほど来いろいろな御説明がありましたけれども、もう少し、どのような場合に対象となるのか、もう少し具体的に分かりやすく御説明をしていただきたいということと、それからこの就業促進手当ということが、雇用促進の観点から評価はある程度できるとは思いますけれども、もう少し上乗せをして支給額を五〇%程度に高めて一層のめり張りを付けてはどうかと考えますけれども、政府参考人にお答え願います。
  223. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 就業促進手当でございますが、現在は、雇用保険の所定給付日数を三分の一以上残して早期に常用就職された場合に一定の給付を一時金でしていると、こういう制度が再就職手当としてございます。  今回は、それに加えまして、失業のその所定給付日数を三分の一以上残して、常用ではない働き方、例えば一定期間期間を限った働き方、あるいはパートタイムのような働き方、こういった働き方をした場合に、その働いた日について、その日に失業をしていたとすれば受け取れる額の三割を支給しようと、こういう制度でございまして、これによって失業期間中に無業状態で何もしないでいるということに比べますと、就業の習慣を失うことがない、あるいは就業の意欲を失うこともない、それから再就職した場合に新しい職場に適応が容易になるだろう、こういった観点で再就職の促進に役に立つだろうと、こういう考え方で設けるものでございます。  確かにこの給付の効果を考えますと、まあ五割の給付というのも考えられるわけでありますけれども、考え方として、もらい残したというのもおかしな話なんですけれども、所定給付日数として残した日数の一定割合を支給するという考え方で元々のこの制度、運営してきている。それでも受給資格者の六分の一ぐらいは今でもこの制度を活用されているということでございますので、我々としては、この三割でまずそれ相応の効果は上がるんじゃないかということでありまして、他の制度とのいろんなバランスを考えますと、五割の給付というのが妥当かどうかということについてはもう少し慎重な検討が要るんじゃないかと、こう思っております。
  224. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 一つだけ確認させていただきたいんですが、常用ではないということは、今ほど、まず有期ということをおっしゃったと思いますが、パート、そしてアルバイト。そうしますと、派遣、登録型の派遣労働者も含まれるということでよろしいんでしょうか。
  225. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 御質問のとおり、登録型派遣でも支給になるということであります。
  226. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 それでは次の質問に移りたいと思います。  先日の本会議でも質問させていただきました新卒無業の問題ですが、先ほど来同僚委員から、特に高卒の皆さんの新卒者の無業状態についての対策に関しての質問がありました。  ヨーロッパでは、雇用対策といえば、どちらかというと若年者の失業に対する対策が、これが長年深刻な社会問題となっておりまして、打たれているということで、雇用対策といえば若年者に対する対策ということだそうでございますが。先日も本会議で申し上げました。私、特に深刻だなと思うのは、この数がもう放置できない、大学生でも二割、高校生の場合は先ほど来お話がありましたけれども、この数もそうなんですが、結局、きちんとした技能を身に付けることができないままフリーター、いわゆるフリーターということでずっといきますと、結局、非熟練労働者として年を重ねていく、このことが非常に問題だなというふうに思っておりまして、この対策について様々な多少対策が取られているんですけれども、もっと思い切った、一般会計からの財源ということになるかと思いますけれども、もっと本当に思い切った対策が必要ではないかと考えますが、この点についての御見解をお願いいたします。
  227. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 御指摘のとおり、学校を卒業してなかなか常用雇用に就けないという状態で経過いたしますと、本人にとっても技能が身に付かないということがあり、社会にとってもやはり社会の活力あるいは経済力、産業力、そういったものにも深刻な影響が及ぶということであります。更に申し上げますと、ヨーロッパの状況を見ていますと、若年のころに失業率の高かった方というのは中年あるいは中高年になっても失業率が高いと、こういう経験則があります。そう考えますと、今の失業率の高い若年者をそのまま放置するということになりますと、例えば十五年後、二十年後の日本の失業率が、今のような五%台の半ばをはるかに超えてしまうんじゃないかという危機感を我々も正直持っているところでございます。そういった意味で、とにかく若年者が本人の能力あるいは希望、適性に応じてきちんとした職に就けるということは大変社会にとっても重要な問題だろうというふうに思います。  そういった意味で、今御質問のとおり、ヨーロッパに比べますと、あるいは欧米に比べてと言った方がいいのかもしれませんが、日本の場合は高齢者対策にかなり対策のウエートが掛かってきたということであります。そういった状況の中で、ここ一、二年、若年の雇用対策に我々としてはかなり力を注いできたというふうに思っています。  ただ、これにつきましてもなかなか、正直言って、厚生労働省プロパーといいますか、厚生労働省のみの対策ではやはり限界があるということでありまして、文部科学省なりあるいは産業界を所管する関係各省なり、そういったところと連携を取ってきちんとした対策を講じていく必要があるんじゃないかというふうには思っていまして、我々としては、厚生労働省としては、ここ一、二年の当初予算あるいは先般の補正予算等々で、在学中からの職業体験機会の充実でありますとか、あるいはフリーターの自立のための対策でありますとか、あるいはこの三月の学卒未就職者の対策でありますとか、いろんなものを講じておりますけれども、もう一段の総合的、包括的な対策については今後きちんと対応していく必要があるんじゃないかとは思っております。
  228. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いずれにせよ、かつては企業が学卒者の教育訓練、職業訓練というのをオン・ザ・ジョブ・トレーニングでやっていたわけですね。今はもう企業がそういう余裕がない。もうどんどんリストラをしていって、長年勤めた人もリストラするし、新しい新卒者も雇えない。ましてや、そういう新卒者を教育するというような余裕がない。でも、だれかがやらなければいけないわけでして、将来のことを考えたときに、これはもう非常に重要な問題とも思いますが、大臣にはこの問題にお答えいただく予定はなかったんですが、一言お願いいたします。
  229. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) やはり、企業は即戦力の人を今もう求めるようになっているわけで、そういたしますと、ただ高等学校を出たというだけではなくて、そこに何かやはり技術を身に付けていないといけないというような状況になってまいりました。そうした状況を考えますと、それから先の何か専門的なことをおやりいただくような期間に、それが半年なのか一年なのか分かりませんけれども、そうした技術を身に付けていただくというようなこともこれから考えていかないといけないだろうというふうに思っております。  そういう意味で、多分今週中というふうに思いますけれども、経済産業省と文部科学省、それから内閣府、多分内閣府と思いますが、四省で集まりまして、今後の若年者雇用というのをどうするかといったことをこれから話合いをしていきたいというふうに思っているところでございます。
  230. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 ありがとうございます。  それで、その教育をどこでやるのかということにつきましては、やっぱり職業訓練校というのは、学校というのはやっぱり限界があると思うんです。幾ら学校でいろんなことをやっても、実際に体験してみないことには役に立つかどうか分からないということがありますので、むしろ、今日たまたま文芸春秋を読んでいたらこういう提案があったんですけれども、オン・ザ・ジョブ・トレーニングの訓練費用として雇用者に支払う一種の技能養成バウチャー制度の創設ということはどうだろうかと、様々な提案がありますけれども、職業訓練校の限界ということもやっぱり考えていただいて、いかに即戦力となれる人材を作っていくのかと、企業に余裕がないときに、じゃ厚生労働省が何ができるのかということを真剣に考えていただきたいと思います。  次の質問に移りたいと思いますが、政策統括官にはワークシェアリングのその後ということをお聞きしようと思いましたが、先ほど同僚委員からの質問がありまして、その中での御答弁について少し確認させていただきたいと思いますが、このワークシェアリングを推進していくということについて克服し難い様々の要因があるというふうにお答えになったんですけれども、具体的にこれとこれとこれということでお答えができましたら是非お願いしたいということと、やはり答弁の中でありましたのは、今の様々な制度がフルタイムを前提としているというお言葉がありました。私もそうだと思います。今回の雇用保険のこの改正に当たっても、依然としてフルタイムが前提となった考え方になっていないか、もっと抜本的な改革をする必要があるのではないかと、これも代表質問でさせていただいておりますが、その点についてお答えをいただきたいと思います。
  231. 青木功

    ○政府参考人(青木功君) ワークシェアリングの問題で幾つか具体的な問題意識を先ほど御答弁をさせていただきました。  そこで、考えますと、特にいわゆる多様就業型というワークシェアリング、これはこれからのかぎになるわけでありますが、これは労働力を供給する側、つまり働く側が様々な、一日じゅう働ける人から一日数時間しか働けない方、様々な方がいる。それから能力的にもいろいろと。これを、今度は労働力を受け入れる側もございますが、やはり一定の生産性は保っていかなければならない。そうすると、現実問題として、長期的に見て労働力が減る中で、いろんな働き方の人たちを上手にマネジメントして一定の成果を上げていかなければならない。つまり、フルタイムの方が主で、残りの方はそれに従属的な働き方をするんじゃなくて、それぞれ一人前に力を出していただくような形で働く場をマネジメントしていかないと、多分予定されるような効果が得られないんではないだろうかと思います。  そこで、その中でいろいろ問題があると申し上げたのは、例えば、そういったことで職場全体が、法制度のみならず、職場の在り方そのものがまだまだフルタイムの方を前提にした、例えば福利厚生の提供だとか、そういった労働条件面も含めて、まだまだそこまで行っていないんではなかろうかという点がございますし、それから働く方についても様々ですけれども、必ずしもレベルの高い部分のところの職場が提供されているわけではないんで、何と申しますか、御自分の持っている能力がもったいない使い方をされているというふうな話もあるだろうかと思います。  いずれにしましても、今回の雇用保険も、そういったフルタイムだけじゃなくて、いろんな働き方の方々を前提にした前進であると、私ども同じ省内でありますけれども、大変評価をしておるところでございますが、そういった形で、一挙に何かを解決するわけにはいかないと。したがって、先ほどもお答えを申し上げたのですけれども、いろんな事情のところでもモデルケースを作っていただいて、そこで出てくる問題を一つ一つ解決する中で労使の皆さんにこれはいいものだということをお分かりいただかない限りなかなか進みにくい面があるのではないかというようなことを申し上げたのでございます。
  232. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 これは大変難しい話だと思うんですけれども、先ほど大臣も、前にもおっしゃいました労働重視型社会の実現ということで、労働生産性と労働時間短縮の両立、これは大変難しい問題を抱えてしまったわけですけれども、やはり今までの政策は何となくいろんな状況に対して後追いという性格が強かったと思うんですが、大臣がこのような社会を目指さなければいけないという強いお気持ちがあるのであれば、それに誘導していくような、それを奨励するような政策をやはり厚生労働省として実現していくべきだと思うんですけれども、大臣はいかがでしょうか。
  233. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) そこは御指摘のとおりだと私も思いますね。だから、そこを更に具体化をしていかないといけないというふうに思っています。  先ほどのワークシェアリングも、いろいろ労使で話はしていただいているんですけれども、なかなか難しいといいますのは、一つは、労働者側はやはり賃金削減ということにこだわりを持っておみえになりますし、それから使用者側はやっぱり均衡処遇という問題に、なかなかそうはいかないと、短時間労働者は均衡処遇というわけにはいかない。この二点でなかなか一致点ができないということでございまして、そうしたこともございますけれども、しかし、このワークシェアリングも一歩進めなきゃなりませんので、全体としての業界、五つか六つか分かりませんが、業界幾つかに分けまして、その中で何か所か、四、五か所ずつ、五か所なら四か所ずつで全体で二十か所というふうにモデル的にやはりやっていただくということをやらないとこれ前へ進みませんので、そういうことで前に進めたいというふうに思っております。  全体としまして、先ほど御指摘いただきましたように、時間の問題にいたしましてもやはりこれ努力をしていかなければなりませんし、それから労働生産性を上げるようにしていくために厚生労働省として何をなすべきかということも考えなきゃいけないし、ここの分野は経済産業省にしっかりお願いをしなきゃいけない話でございますから、よく話をしていきたいというふうに思っているところでございます。
  234. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 ありがとうございました。  今ほど賃金の削減ということが、それは労働者が大変抵抗すると、それは当然だと思います。今回のこの給付の削減についても、失業給付の給付の削減ですけれども、主に再就職状況が厳しい中高年層が対象でございますね。  それで、私は本会議のときも申し上げましたように、逆転現象という現実がある以上、ある程度避けては通れない、これはそう思います。しかし、実際問題を考えてみますと、私もそういう立場ですけれども、普通にもう夫婦二人だとか又は一人で暮らしているとかということであれば、多少の収入の削減といいますか、給料が減るということについて何とかやりくりできるということはあると思うんですが、中高年というのは何を抱えているかというと教育ですね。これ、教育もローンでやっているんです、今。物すごくお金が掛かります。東京の私立大学に入れますと、四年間入れると家が一軒建つというぐらいですね。二千四百万ぐらい掛かると、生活費も含めて。それから、住宅ローンもあります。  ですから、給付削減致し方ないとしても、これは別な表現をすると、個人の不良資産ができるわけですね。不良債権が、個人の不良債権ができる。給料は減った、子供たちの教育にお金が掛かる、教育ローン、住宅ローンを抱えている。そうしますと、これは給料が大幅に目減りしたために、又はこの失業給付の給付が大幅に削減されたために、今まで特に不良債権だったわけじゃないですけれども、個人の不良債権になってしまうわけです。これが非常に問題なんだと思うんですね。  この個人の不良債権の処理ということについて、その救済を、銀行の不良債権の処理は公的資金の注入でやりますよね、同じ視点で考えて、私は、個人の不良債権の救済を例えば雇用三事業を廃止しないんであればその財源でおやりになってはいかがと思うんですが、いかがでしょうか。
  235. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 御指摘のとおり、今回の基本手当の支給率の見直しが高賃金層の再就職賃金との逆転現象の解消ということで行いますものですから、日本の今の賃金・雇用慣行の下では、結果として中高年齢層に相対的に大きな影響が出てしまうということはもう避けられないことであります。今、大変重要な御指摘だろうと、こう思います。  ただ、雇用保険の三事業は、元々事業主の方々の雇用保険料だけを財源に行っているというものでございまして、これは企業行動に起因する雇用の諸問題、これを解決しようということで設けているものでございます。企業の年功序列賃金体系、あるいは長期勤続、長期雇用システム、それに伴う定年制、そういったことで企業行動の結果として高年齢者の方の雇用情勢が厳しいということ、例えを挙げればそういうふうなことに支給するということなものですから、個人の方、個々の労働者の方のいろいろな事情で教育ローンを抱え、あるいは住宅ローンを抱えているということについて、個々の救済を三事業で図るのは、これは非常に難しいんじゃないかというふうに思っています。  我々としては、中高年齢者の方の早期の再就職を何とか支援したいということで、本年度の予算新規施策として中高年齢者のトライアル雇用を導入してみたり、あるいは中高年の長期失業者の方に対して民間のノウハウも活用したセミナーやったりと、こういうふうにしています。
  236. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 だから、そういうことをしていただいても、結局再就職先の賃金が低いわけでしょう。それが問題になっているわけですよね。それ、逆転現象とおっしゃっているじゃないですか。だから、再就職しても給料が今までより大幅に低いから、それまでは不良債権じゃなかった教育ローンや住宅ローンが不良債権になっちゃうんですよ。払えなくなるんですよ、ローンが。それが問題だと言っているわけ。だから、その救済を雇用保険三事業でやればいいじゃないですか。だって、企業の都合でリストラされたり、そして倒産して失業するわけですから、当然その雇用保険三事業の対象になると思います。私、時間がないので、このことについての御答弁は結構ですけれども。  例えば、財源はほかにもあると思います。これ、通告していないんですけれども、先ほど思い付いたんですけれども、年金資金の運用に失敗して、今、五兆円の穴が空いておりますね、この二年間で。私は、こういうのだって財源にして使ってもいいと思うんですよ。穴が空くとかなんとかという答えが返ってくると思うんですけれども、どっちにしろ穴空いて、穴を空かせているじゃないですか、運用に失敗して。それならば、この皆さんたちの不良債権を短期にでも保障してあげる、何らかの形で保障する。で、その人たちがまた普通に仕事に復帰すれば今度は年金の支え手になるわけですから、そういうことでしてはいかがかと思いますが。  それも含めまして、大臣に最後に伺いますが、本会議では竹中大臣にグッドランディングというふうにかわされてしまいましたけれども、ソフトランディングでないことは確かなんですよ、つまり。ハードランディングじゃないグッドランディングなんて言っていましたけれども、ソフトランディングじゃないことは確かなんです。  ということは、やはり過去の失業率のトレンドをベースラインにするというその考え方は間違っていると思うんですね。今のこの経済情勢や、今後の本当に構造改革推進するということであれば、やっぱり欧米並みの一〇%程度の失業率を覚悟してそういう雇用保険制度を設計すべきであると思います。  そうやりませんと、再度の法改正が五年どころか二年、三年のうちにやらなければいけなくなると思うんですけれども、大臣、先ほどの件も含めまして、決してそうならないというふうに責任を持って言えるのでしょうか、坂口厚生労働大臣。今日は、今回は大臣御自身の先見の明を伺って、質問を終わります。
  237. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 先に年金の話をお断りをしておきますけれども、あれは株価によっては確かにマイナスになっておりますけれども、全体ではマイナスになっているわけじゃございませんので、十四年度どうだったかはまだちょっと分かりませんけれども、それまでの分は、一部預金してありました分と、それから株式の面と、そうトータルで見れば決してマイナスになっておるわけではございません。それだけちょっと申し上げておきたいと思います。  さてそれから、ソフトかハードかというのも、これもなかなか難しい話でございますが、最初言われていたほどハードランディングではなくなってきたと、かなりソフトになってきたと私は思っております。そんなにハードランディングではなくなってきているというふうに思います。  これは、いろいろ皆さんの御意見もあってだんだんそういうふうになってきているというふうに私は感じておりますけれども、いずれにいたしましても、現在抱えております構造改革、これをやり遂げなければならないことだけは間違いがないわけで、それをやり遂げる間どうするかという問題があることも事実でございます。  したがいまして、できる限り国民の皆さん方に御理解をいただける範囲の中での軟着陸というのが大事なんだろうというふうに思っておりますが、しかし、今お話ありましたように、これが何年も何年も続くというわけでは決してありません。それぞれの御家庭でのやはり不良債権というのがたまってくることもこれも事実でございますから、それを大きくしないために一体どうするか。それは、若干現在は今までのお勤めのことを思えば安いけれども、そこを辛抱してお勤めをいただいて少しでもそのマイナス分を少なくしていただくのか、それとももっといいお仕事ができてくるまでそれこそ待つという方針でいかれるのかということは、それぞれやはりお考えによって違うだろうというふうに思っております。  経営者の皆さん方の中には、一年間は辛抱してほしいと、そして本当に片腕になっていただけるということが分かれば私たちはもう少しそれはしっかりと出すという方もあるわけでございますので、そうしたことも念頭に入れながら全体としてやはり考えていく以外にない、そういう今時代ではないかというふうに思っております。  いささか歯切れが悪かったですけれども、お許しいただきたいと。
  238. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 私は、最初に、今回の拙速な審議に対して、大きな驚きとともに異議を申し立てたいと思います。  雇用保険の失業手当受給権というのは働く人たちの権利であります。そして、今回の改正は非常に不利益な変更部分を含むわけであります。したがいまして、法律の施行も国会における審議も周知徹底ができる常識的な期間を置くということは重要なことであると思われます。  これが二十五日に国会を通過したと仮定しましても、周知徹底期間はわずか五日間、その中で土日と休日を含んで、実際上は二日間でそれを行う。先ほど副大臣はインターネットなどで周知徹底を図ると言われましたけれども、働く人たちあるいは失業手当を受ける人たちというのは、そうした周知徹底期間五日間でこうした法改正を予測すべき義務はないわけであります。予測し得ない相当の理由があったときは損害賠償責任が政府並びに国会に発生する危険すらあるのではないかと思います。  私は、そういう意味で、今回の審議がこのように運んだことについて、非常に強権的なこうした審議状況そして配慮不足というものを、やはり審議としては暴挙でありまして、現場に配慮をしない行為だというふうに思いますので、この点を明確に申し述べておきたいと思います。  さて、雇用保険法の改正の意義と内容についてお尋ねをいたします。  完全失業率が五%台に高止まりして、失業者も三百五十万人前後というところで推移してきました。そして、先ほども言われておりますように、若年世帯や中高年世帯に対して非常に厳しい失業情勢があります。  就業促進手当の受給者などについてまず確認をしたいのですが、大体、再就職率とかあるいは失業手当を受給した後の失業の継続というのはどんな状況にあるのでしょうか。
  239. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) まず、若年者の方でありますが、平成十三年度におきまして二十九歳以下の再就職手当の受給者数は約十三万六千人となっております。また、平成十二年度における調査におきましては、二十九歳以下の雇用保険の支給終了後の未就職率は四九%ということでございます。  一方、中高年齢層でございますが、これも平成十三年度におきまして四十五歳以上五十九歳以下の再就職手当の受給者数は十一万一千人、六十歳以上六十四歳以下の受給者数は一万七千人と。十二年度におきます調査によりますと、四十五歳以上五十九歳以下の方の雇用保険の支給終了後の未就職率は六〇%、六十歳以上六十四歳以下の方については八七%と、こういう状況になっております。    〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
  240. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 そういたしますと、デフレ不況が長期化いたしまして、失業者の絶対的な数値が高止まりする中で、保険料負担労働者やその使用者の絶対数も減少しつつあるわけです。その結果として、当然基本手当等の受給者が増大し高止まりしていることによって今年度末で雇用保険財政が枯渇するということが懸念されているわけでありますが、その大臣の基本的な認識と財政見通し、そしてどういう予測を基礎として中期的な運用がなされるのか、お尋ねをいたします。
  241. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) 今回の改正の基本的な認識と今後の財政の見通しについて先生お尋ねでありますけれども、雇用保険制度をめぐる諸情勢は、言ってみれば極めていろいろな意味で今まで不透明でありましたけれども、失業者の生活の安定及び再就職の促進を図ると、こういうようなことを目的としまして、一つは雇用のセーフティーネットとしての安定的な運営をきちんとしなければいけない。もう一つは早期再就職の推進でありますし、働き方が多様化した現在におきまして、特にそれに対応する必要があるということとか、それからさらに、再就職の困難な状況への対応など、いろんな観点から行うわけでありまして、一概に財政的な観点というようなことではございません。  また、今回の改正では、雇用保険受給者の動向を最も端的に示します受給資格決定件数について着目して、過去十年間の平均的な伸び率である年五%程度の割合で今後とも伸びていく、こういうようなことを前提に立っても、これから五年間ぐらいは安定的に運営ができるようにと、こういうようなことで今回の改正をしたわけでありまして、極めて言ってみれば固い前提に置いているというようなことでございます。
  242. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 前回の改正で、早期再就職を促進するために、離職理由による給付水準の見直しを中心として、非自発的理由による離職者には給付日数を長くして自発的離職者には短くするなどの見直しが行われましたが、その政策的な効果はどのようであったでしょうか。
  243. 戸苅利和

    政府参考人(戸苅利和君) 前回の改正におきましては、失業率が四%近いと、あるいは前後と、こういうことで、前回も雇用失業情勢の悪化を背景に制度の改正を行ったところでありまして、御質問のとおり、倒産・解雇等により、あらかじめ失業するという状態を予測あるいは準備できずに失業されてしまった方については就職の困難度を考慮して所定給付日数を長くし、一方、自己都合等の自発的離職者の方については給付日数を短くすると、こういうことにいたしたわけでございます。  その政策効果を定量的に把握するに至っておりませんが、第一線等からの話でありますと、これは一昨年来のリストラ等の影響で、倒産・解雇等による離職者の方について給付日数を延ばしたということはそれなりの効果を発揮しているというふうに認識しておりますし、一方、自発的離職者についての給付日数の短縮というのは、これは雇用情勢が厳しくなったということもあって一概になかなか申し上げ難いところがございますけれども、ハローワークに求職申込みをされる方の中で在職者の求職者が増え、あるいは自己都合の離職者の求職者が減っているということを考えますと、かなり事前に再就職のための準備をされる方も増えてきているということではないかというふうに考えております。
  244. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 今回のように、常用以外の早期就業者に対して基本手当日額三〇%上乗せるという早期就業促進手当の問題があります。これは短期低賃金の緊急的な臨時雇用レベルの再就職ということで、再度の失業が生じるという可能性が高いのではないか、長期的な雇用に結び付かず、常用雇用へのインセンティブが全然働かないと考えますが、この政策はそのような懸念はありませんか。
  245. 戸苅利和

    政府参考人(戸苅利和君) 今回新たに設けることとしておりますその就業促進手当でございますが、これにつきましては、一つは、労働市場の構造変化によりまして短時間就業あるいは派遣就業等の多様な働き方が増大するという中で、雇用保険制度についてもそういったものに対応していく必要性があるというふうに考えた点が一点でございます。したがって、早期の常用就職以外の就職についても早期の就業促進のための手当を新たに設けたということでございます。    〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕  それからもう一点は、雇用保険の受給中に全く無業状態でいるよりも、短期とはいえ、あるいは一時的とはいえ、就業した方が就業意欲の維持あるいは再就職したときの新しい職場への適応力の向上、こういった点から効果があるんじゃないか、こういうことで考えたところであります。  いずれにいたしましても、どちらの働き方をするかということは、これは雇用保険の受給者の方の自由な判断によるところでございまして、そういった意味で、これを設けたということが短期というか雇用の不安定を招くということにはならないんじゃないかと、こう思っております。
  246. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 大臣にお伺いしたいと思いますが、今回の改正では、通常労働者とパート労働者の給付内容を一本化して、倒産・解雇等とそれ以外の離職理由による給付内容が改定することになっております。倒産・解雇の離職理由が従来の通常労働者の水準で、それ以外の離職者はパート労働者の水準にするということがなぜ多様な働き方への対応ということになるのでしょうか。このような一本化は単に給付水準を切り下げるということにすぎず、働き方の多様性に対処するのであれば、パートや派遣や有期雇用等現状での多様な働き方にある労働者が現に継続して働いている実質を直視する方式にこそ改めるべきではないでしょうか。  先ほど、短期低賃金の緊急臨時雇用レベルでの再就職というのは自由な判断で取りあえず再就職というような考え方で政策上の懸念はないということでしたが、非常に危惧があるわけですが、いかがでしょうか。
  247. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 確かに今回のこの失業者の中で二つに大きく分けて、自発的な失業者とそれから非自発的失業者と両方に分けて、そして、自発的に失業者になった人につきましては通常の労働者もパートと同じように見る、その代わりにパート労働者の人も非自発の場合には通常の人と同じように見ると、こういうことにしたわけでありまして、非自発的に辞める人についてはパートであれあるいは通常の労働者であれ、ここは重く見るということにしたわけでありまして、そうした意味で、多様な働き方への対応というのがなぜ広がるのかというお話だろうというふうに思うんですが、様々な形での雇用に対する対応を考えました場合に、それは、通常の職場に戻ることがたとえできなくても、パートその他、あるいは派遣業もあるかもしれませんし、様々な働き方で一時しのいでいただくということはでき得るのではないかというふうに思っております。そうした意味で、好む好まないはあるというふうに思いますけれども、様々な働き方の中で一時をしのいでいただくことはでき得るのではないかというふうに思っている次第でございます。  そういう意味で自発と非自発とを少しアクセントを付けさせていただいたということでございますが、その代わりにこの自発と非自発との関係を明確にしていかないといけない、ここをはっきりとやはりしていかないと何のために分けたのか分からなくなってしまいますから、ここは明確にしていきたいというふうに思っている次第でございます。
  248. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 非自発といわゆる自発の境界は非常にあいまいでありまして、やっぱり離職理由で本当に救済がきちっと取られるよう運用をされることが必要であろうと思われます。  次に、再就職が困難な状況に対応した給付の重点化につきまして、三十五歳以上四十五歳未満で三十日の延長と、当然、倒産・解雇等による離職者でございますが、しかし、四十五歳から六十歳未満の離職者の再就職の状況を見れば、この世帯についても非常に深刻な状況なのですから同様の措置を図るべきではないかと考えますが、なぜ措置が講じられなかったのでしょうか。
  249. 戸苅利和

    政府参考人(戸苅利和君) 御質問のとおり、再就職の困難度ということから申し上げますと、四十五歳から六十歳の方、これらの方々が一番再就職の困難度が高いということだろうというふうに思います。  実は、この点については、前回の法改正でその点を十分意識した上で、四十五歳以上六十歳未満の方については、例えば雇用保険の被保険者であった期間が二十年以上の場合は三百三十日、それから十年以上二十年未満の場合は二百七十日ということで、前回かなりの上積みを、所定給付日数の上積みを行ったところでございます。  前回は、実は今回行います三十歳から四十五歳については、まだリストラ等の影響もあるいは雇用情勢も四十五歳から六十歳に比べると相対的に軽微なものではないかと、こういうふうな考え方から、現在、四十五歳から六十歳の方が三百三十日である被保険者期間二十年以上の場合に二百四十日、それから十年以上二十年未満の場合は四十五歳以上六十歳未満の方が二百七十日のところを二百十日ということで、四十五歳から六十歳の方に比べると所定給付日数がかなり低いと、こういう状況でございます。  こういった状況、その後、前回の改正以降のリストラの状況、そういった中で、子供さんが高校生あるいは大学進学というふうな方々も多い、再就職も非常に困難であるという辺りを考慮いたしまして、今回、三十日を上乗せし、二百四十日、それから二百七十日ということで四十五歳以上六十歳未満とのバランスを正したということで、我々としては、当面この三十日の延長ということが相当程度の効果を発揮するのではないかと、こう考えております。
  250. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 確かに、前回の改正において落ちこぼれたところを拾うという意味では有効であろうかと思いますが、しかし、四十五歳から六十歳未満の未就業率の高さを考えますと、やはりここに何らかの手当てが必要ではないかというふうに思います。  さて、教育訓練給付についてはどう実効ある教育訓練を図るかということで、給付率や上限額を一律に引き上げるということは現状の教育訓練の実態を見ると逆効果にはならないか、むしろ教育訓練の対象となる内容を見直して専門性や技術力を積み上げていくということで、教育訓練の対象ごとに給付率や上限額をきめ細かく設定した方が効果的と考えますが、いかがでしょうか。
  251. 戸苅利和

    政府参考人(戸苅利和君) 教育訓練給付でございますが、これにつきましては、給付率が八割と相当程度高率な水準にございます。また、上限額も三十万円ということで、どうもその運用の実態を見てみますと、講座の選択が本当にこの教育訓練給付の受給者の方の雇用の安定なりあるいは就職の促進なりということに本当に役に立つものなのかどうかということについて疑問を抱かざるを得ないというふうな実態も間々見えるところでございます。  そういった中で給付の見直しをどうするかということで、御指摘のとおり、講座を見直すというのも大変有効な手法であるわけでありますけれども、今回につきましては、先ほど来いろいろ御議論いただいておりますとおり、基本手当日額、失業者の方の基本手当日額も給付率を引き下げざるを得ない。こういう状況の中で、どちらかというと、在職者の方々も給付されているという中で、全体の給付のバランスを見るという観点からも、給付率、上限額の引下げはバランス上必要ではないかと、こう考えたわけでありまして、今回の見直しに当たりましては、法律に提案させていただいておりますとおり、給付率、上限額の引下げを行うわけですけれども、それと併せて、今お話しのとおり、講座の中身についてもきちんと再就職等の効果のあるものかどうかをきめ細かく判断していくということで、講座指定等の重点化も図ろうということで考えておるところであります。
  252. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 雇用安定資金の使用に関する特例措置によって、雇用保険財政維持のために雇用保険三事業から雇用安定資金というものを作って三事業の剰余金を組み入れる、そして支出を弾力化して財政事情に対応するというふうになっておりますが、剰余金をどうやってアップしていくのかと。そして、支出を弾力化するというのはどういうことでありますか。借入れとか貸付け等に何らかの配慮をされるのかどうか、これの、いわゆる雇用安定資金のイメージというか、運用イメージを教えていただきたいと思います。
  253. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 雇用安定資金でございますが、これは雇用安定事業あるいは能力開発事業等の雇用保険の三事業、これが、不況時には失業者の方も増える、あるいは失業防止のための企業に対する助成の必要性も高まるということで失業時に多額の支出を要する。一方で、好況時にはそれほどの支出が要らなくなると。そういうことで、景気のワンサイクルの間で、毎年度毎年度の収支の均衡を図るということではなくて、景気のワンサイクルで収支の均衡を図るための資金の調整弁として設けられているのが雇用安定資金でございます。  そういった意味で、財源も事業主のみの負担ということでありますから、本来であれば雇用安定資金につきましては雇用安定事業に使うと、これが基本でございますが、何分厳しい雇用保険の財政事情にあると。  元々、雇用安定資金自身も失業の予防あるいは再就職の促進、能力の開発を図るということによって失業者の減少を図る、これで本来の給付であります失業等給付の支出削減に資すると、こういう目的で作っているということを考えますと、今回、破綻の危機に直面しております雇用保険財政について、万やむを得ない場合については雇用安定資金の残高を失業等給付に臨時的に使用できるようにしようと、こういう考え方で、平成十九年度末までの時限的な措置として、雇用安定事業の運営に支障のない範囲内で特例的に雇用安定資金を失業等給付の支払に充てることができるようにしようということでございます。  それから、三事業自身については、その政策効果等、いろいろ議論があるということでございまして、我々としては、政策効果の低いもの、あるいは不要不急なもの、こういったものはきちんと見直して、雇用安定三事業、雇用保険の三事業の効率的な運営を図る、それによって雇用安定資金についてもできるだけ資金の残高を増やすようにということで努力をしたいと、こう考えております。
  254. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 今回の雇用保険の改正は、財政バランスに配慮して、失業状況の予測性に今までの誤りがあったということで改正の一つの端緒となっていると思われます。そして、短期低賃金の緊急的な臨時雇用を取りあえずの再就職として考えていくということによって常用雇用へのインセンティブが働かない、したがって総合的な雇用創出のための政策にはどうもマイナスに働くのではないかと。そしてまた、生活実態を見ない上限の額の制限とかあるいは期間の短縮というのは、非常に弱い者に痛みを更に加えていくということになるのではないかと。  企業の社会的責任として雇用の継続保障というのは不可欠であり、日本的な雇用慣行とは言わないまでも、こうした長期安定雇用というのは労働者の個々人のライフスタイルとライフステージに合わせた生活設計を可能にするということで、非常に日本の労働慣行の中では働く上での能力を発揮できる原動力になってきたと思いますが、今回の雇用保険法の改正はこうした長期安定雇用の創出策との関係についてどのような関係を持つのか、非常にマイナス効果が発揮するのではないかという点で最後に大臣のお考えをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
  255. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) これからの経済の発展を考えましたときに、先ほどから出ておりますように、私は労働生産性をどうしても上げる以外に方法はないというふうに思っておりますが、そういう意味では、産官学、この連携によりましてそこから新しい事業を生み出していこうという、これは経済産業省中心にお考えになっていることでございますが、とにかく一千事業所を作りたいということでございましたが、現在のところ八百事業所ぐらいのところまで来ているというふうにお聞きをいたしております。  非常に規制改革を行いまして、たとえ一円の資本でもやれるというようなことにして、もうとにかくやりやすいような体制を今整えている、そうした中でかなり進んでいることは間違いがない。各大学等で新しいところを成長させているということのようでございまして、我々のこの雇用政策もいろいろの新しい雇用を生み出すことにいろいろの財源を付けておりますけれども、やはり生産性を上げるような、この事業が進まないと全体として日本経済の底上げをするということにはならないというふうに思っておりますので、経済産業省辺りがおやりになっているそうしたところにどのように雇用の面でのバックアップをするかといったようなことを更に考えていけば一層充実をするのではないかというふうに思っている次第でございます。  そうした中で新しい雇用がどんどんと生まれ、そして生産性が上がるということになれば日本の経済は着実に前進するというふうに思っている次第でございます。
  256. 西川きよし

    ○西川きよし君 皆さん、御苦労さまでございます。もう外は暗くなっておりますが、あと三十分御辛抱いただきたいと思います。  私の方から、早速でございますが、今回雇用保険法とともに一部改正が提案されております労働保険料の徴収法についてお伺いをいたしたいと思います。  まずは政府参考人にこの法の目的、それから今回の改正内容について御説明をいただきたいと思います。
  257. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) まず、労働保険徴収法でございますが、この法律は労災保険と雇用保険、二つまとめて労働保険と呼んでおりますけれども、この二つの保険の事業の効率的な運営を図ろうということで設けたものでございます。  具体的には、両保険の保険関係の成立、例えば事業所が新たに設立された場合に保険が適用される、労働者が雇われた場合に保険に加入されると、その辺りをこの保険でやる。それから消滅の問題、会社がなくなったあるいは労働者の方が離職した。それからもう一つが、雇用保険の徴収、雇用保険料と労災保険料を一括して徴収しようと。こういう目的で設けられている法律でございます。  今回の改正内容、主に二つございます。  一つは、雇用保険の失業等給付に係ります保険料率につきまして、本則におきましては賃金総額の一・六%とする、附則におきまして平成十六年度末までの間は暫定的に現行の一・四%のまま据え置くというのが一点でございます。  それからもう一点は、保険料につきまして、実は一覧表にいたしまして一般保険料額表というのを制定というか、これは厚生労働大臣が労働保険徴収法に基づいて定めると、こういうことになってございます。個々の事業主の方はこれを基に保険料を払っていただいているということですけれども、最近は給与事務がコンピューター化されているという中で、この表によるのは大変だと、むしろコンピューターでちゃんと計算した方が速いと、こういう事業主の方も増えてきているということがございますものですから、事務の簡素化、事業主の方の負担の軽減ということで、一般保険料額表というのを厚生労働大臣が定めるという規定を削りまして、コンピューターできちんと計算して出していただけばそれで結構ですと、こういうことにしようという二点でございます。
  258. 西川きよし

    ○西川きよし君 御丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございます。  そこで、本日、私の方からは、個別案件に基づきまして、この労働保険の徴収行政についてお伺いをいたしたいと思います。  実はたくさんお便りをいただくんですけれども、私どもの方に、京都市の方ですけれども、歯科技工業を営む事業主の方なんですけれども、この方。それから、実際に徴収行政の最前線で業務をされている労働局の職員の方からでございます。御相談をいただきました。そして、お電話、お便り、その内容をお話し申し上げたいと思うんですけれども、この事業主さんは平成二年七月に新しく歯科技工の会社を設立をされて、この労働保険の手続のために京都南労働基準監督署に労働保険関係成立届を提出されました。  そして今日は、私はこちらへ参りまして十七年になりますが、資料をお配りさせていただくのは初めてでございますが、よろしくお願いを申し上げます。初めて資料をお配りさせていただきますが、この資料にございますように、この届け用紙に所在地、名称、氏名、そして事業の概要、この欄に歯科技工と事業主さんは明記されました。  次に、この用紙の右の上ですけれども、業種という業種コード番号を記入する欄がございますが、こちらは事業主御本人ではなくて、監督署の担当者がコード番号などを記入されたわけです。現場の方のお話をお伺いいたしますと、この欄の記入は窓口の職員さんが記入されることが一般的ということだそうでございます。  ところが、この職員さんが誤って保険料率の高いその他の製造業という番号を記入してしまいました。本来、歯科技工所は九四一四なんですけれども、これを六一一六と書かれてあります。つまりその他の製造業ということですが、プロの方でも間違うぐらいですから本当に複雑なんですけれども、私も勉強させていただきましたが、かなり複雑でございます。そのことで平成二年度から平成十三年度まで本来よりも高い保険料を納め続けるという結果になったわけでございます。しかも、毎年度の更新における労働保険料の申告書にも歯科技工と書かれていたにもかかわらず、訂正されることはなかったということでございます。  まず、この件の事実関係の経緯の説明を政府参考人にお願いをいたします。
  259. 青木豊

    ○政府参考人(青木豊君) 今、委員がお挙げになりました京都のこの事例でございますけれども、確かに平成二年七月に事業主の方が監督署に歯科技工と記載した保険関係成立届を提出しまして、その業種区分、おっしゃったように、その他の各種製造業とした保険料申告書をその後毎年度提出していたというものでございます。ということであります。
  260. 西川きよし

    ○西川きよし君 最後の方がちょっと分かりにくかったんですが、もう一度お願いできますか。
  261. 青木豊

    ○政府参考人(青木豊君) 委員御指摘になりましたように、正にこの業種区分のコードのところは一般的に監督署の職員が窓口で記載をするというのが普通であろうというふうに思います。なおかつ、歯科技工につきましては、御指摘になりましたように、ここにありますものではございませんで、間違って、間違ってといいますか、この歯科技工というのとこの業種番号の六一一六は違っているということでございます。
  262. 西川きよし

    ○西川きよし君 ありがとうございます。  この問題については、最初にお話を聞きましたときには単なる、私自身はいつもいただくお便りの、たくさんあるわけですけれども、単なる窓口のトラブルではないかなというふうに、自分ではそういう印象を持ったわけですけれども。ただ、損害を受けた事業主さんだけではなくて、この不支給を決定した労働局でこの件の調査に当たった職員さんからも、不支給としながらも救済策で悩んでいるというお話がございまして、よく聞いてみますと、問題解決については、労働保険料徴収法の四十一条の解釈で、それから職権による取消しについての解釈、さらに現在行われている審査請求については最終的な御判断は厚生労働大臣が行われることになっておるということで、そこであえてこの場でお伺いしたいと思いまして。申し訳ないですが、いつももう僕は、あれせいこれせいというようなことをよう言いません、いつもお願い議員で申し訳ございませんのですが、やっぱりこういった方々のことを取り上げてここで質問させていただきたいなと思うものですから。  今、これまでの経緯も説明いただいたんですけれども、この事案を調査された担当官の方から直接お伺いをいたしますと、この件は明らかに、正直な方で、行政側のミスでございますと、それも度重なるミスをした結果ですと、このようにはっきりとおっしゃる方です。そして、高い保険料を徴収していたことは明らかでありますので、当然事業主としては、十二年間分ですから、計算をいたしますと非常に多額と申しましょうか、本当に百万円以上になるわけですね。そして、事業主は当然ながらその返還を求めたわけですけれども、返された額は過去二年間分、残りの十年間分は返されなかったということでございますので、その点の理由を是非今日はお伺いしたいなと思いまして、よろしくお願いします。
  263. 青木豊

    ○政府参考人(青木豊君) 若干御説明申し上げますと、確かにそういうことでずっと歯科技工とは異なった業種区分による高い保険料をずっと納めてこられたわけでありますけれども、平成十四年にこの事業主の方からこれはおかしいんじゃないかということで業種区分の見直し、変更申出がございまして、実際に調査を行った上でこれはそうだと、違っているということで、今お話ありましたように、平成十二年度と平成十三年度の労働保険料の差額を間違いでしたということで返還をいたしました。  これに対しまして、実際には平成二年から払っているではないかということで、過大な労働保険料はそれだけ払っているんだということで、審査請求が、二年分じゃないということで審査請求がなされているところでございまして、この案件につきましては、現在その処理のために中で具体的な手続を進めているところでございます。所要の手続であります労働局の弁明書に対する請求人の方からの反論書の提出を待って裁決をすると、こういう段取りになっているところでございます。  それで、なぜその二年間分をやったかということでありますけれども、これは労働保険料につきましては、今お挙げになりました労働保険徴収法四十一条の規定によりまして還付請求する権利は二年で時効消滅するということになっているわけでございます。したがって、その二年分以外の更に昔の十年分の返還、還付請求権については、時効消滅したため不支給としたというふうに承知をいたしております。
  264. 西川きよし

    ○西川きよし君 ありがとうございます。  それでは、その労働保険徴収法の四十一条の、今申しました四十一条ですけれども、この規定は、このように明らかに行政側のミスであることを行政側の方も認めているという事例についても適用されるべき規定であるのか、果たしてまたどうなのか。そういった、立案過程におきましてこういった事例も想定されていたのかというふうに疑問を持つわけですけれども、この法律規定の解釈についてお伺いさせていただきたいと思います。
  265. 青木豊

    ○政府参考人(青木豊君) 立案過程でそこまで考慮していたかいなかったかというのはちょっとにわかには分かりませんけれども、この労働保険徴収法の四十一条については、保険料を徴収する権利とそれから保険料の還付を受ける権利について二年の消滅時効ということにしているわけでありますけれども、これは税などに比べまして、こういった、これについての権利の行使というのが比較的簡単にできるということもありますし、それからいたずらに長期にわたって権利の不安定な状態の下に置くということは大量処理をしている事務を更に一層複雑化するということで設けられているということであります。  この消滅時効につきましては、国税通則法の規定の例によっておりまして、通則法の規定では七十二条二項それから七十四条二項におきまして、時効の援用を要せず、また利益を放棄することができないというふうに規定をされておりまして、民法などで時効という場合には時効を援用して、援用した場合だけ時効というのができるわけでありますけれども、この労働保険の保険料につきましては、そういう援用しないで当然に消滅してしまうという規定になっているわけでございます。これは社会保険料とか税とか皆同じでありますけれども、そういうことでありますので、時効を援用したくないと思っても当然に消滅するということで時効が成立してしまうと、こういうことになっているわけでございます。  そういうことで、この四十一条の労働保険料につきましても、その還付を求める権利につきましても一般的にはこの規定が適用されて二年で時効消滅するということになっているというふうに理解をしております。
  266. 西川きよし

    ○西川きよし君 諸先生方もそれは少しおかしいというような、何か応援をいただいているような気持ちにもなるんですけれども、それで今、答弁を聞きながら自分で感じたんですが、こっちへ僕も四十一条を持ってきておりますけれども、これにはこう書いてあるんですが、「労働保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。」という規定、徴収金を徴収して、「又はその還付を受ける権利は、」とあるのは、徴収又はこの還付は二年で時効とありますが、じゃ、どこから二年ということは書かれていないわけですね。  どこからか二年ということは書かれていないのではないでしょうかということをいかがでしょうかというふうに僕はお伺いしたいわけですけれども。これ高く払い過ぎて、そしてどのようにして、素人ですから、還付請求をしたらいいのかとか、そんなことを思うわけですけれども、こういうことにはどういうふうにお答えいただけるんでしょうか。
  267. 青木豊

    ○政府参考人(青木豊君) これは、時効はその権利を行使することができることとなったときから進行するということだろうと思います。そういたしますと、この労働保険の還付につきましては、実はこれは労働保険につきましては申告制を取っておりまして、事業主の方が自分で計算をして、それで申告書とともにお金を払うという、こういう原則になっております。  したがって、間違いがあればいつでも申告をし直してやっていただけますし、そういう意味では、払ったときからもう既に時効が進行すると。何か行政の一定の処分とか、そういうことがあって初めて権利が発生するということではありませんので、そういう意味では払ったときからということになろうかと思います。  そういう意味で、先ほども申し上げましたように、この京都の件についても二年間分の差額分を返還したと、こういうことで処置をしているんだろうというふうに思っております。
  268. 西川きよし

    ○西川きよし君 もう一つすっきりしないというか、答弁しておられる側も何か、何か勇気を持ってすぱっと答弁をしていないような気持ちになるわけですけれども。  この事実関係を調査した、今反論ですけれども、京都労働局の担当官の皆さんは住民と密着した行政サービスを、今まで御質問した中でされておられるわけですね。これは法の規定だから駄目と突き放すのではなくて、どのように考えてもこの事業主はお気の毒ですと。労働局の職員の方々が事業者さんの立場から、いろんな角度から真剣に研究や検討をされたわけですね。その意味では、この京都労働局は本当に僕は心の通った行政マン、行政をされていると。それでは坂口厚生労働大臣は大変安心ではないかなと、いい子分を全国にお持ちだなというふうに思うわけですけれども、行政の度重なるミスは明らかなわけですね。  何とか過去にさかのぼって保険料をお返ししていただけないかという今御質問をしたわけですけれども、何かいろいろ御答弁をなさったわけですけれども、今の四十一条の解釈も含めていろいろと検討される中で、職権による取消しを行うことで過去の保険料の賦課徴収処分を職権で取り消して正しい保険料の額に訂正をいたしましてその差額をお返しできるのではないのかなというふうにこちらの方々は考えていらっしゃるわけですね。  そして、昨年の十一月に、京都の労働局の担当者が厚生労働省の労働保険徴収課へ御相談に行かれたそうですね。そのときに、その徴収課の回答は、職権による取消しについては法律上に規定されたものではないので積極的に肯定するわけにはいかないが、かといって否定をするものではないと。労働保険料の徴収権者は京都労働局長であるので、この件については京都労働局で判断をしてもらいたいと、こういうことであると私はお聞きしておるわけですけれども、このケースの、じゃ職権の取消しについて厚生労働省の見解を是非お伺いしたいと思います。
  269. 青木豊

    ○政府参考人(青木豊君) この職権の取消しといいますか、四十一条では、記載に誤りがあったときはその認定決定をするというような規定、文言があるわけですけれども、いずれにしましても、いつまでできるかということに関しましては、時効が先ほど来申し上げていますように二年ということもございますし、それから徴収法で決めていないことは国税通則法の例によるということになっているわけでありますけれども、税の取扱い等を勘案しますと、その職権による取消しというのはなかなか難しいのではないかというふうに思っております。
  270. 西川きよし

    ○西川きよし君 それは法的な力があるということではありませんし、今おっしゃったことは分かるんですけれども、やはり行政の担当官にも立場的に法律に規定されていないことについて対応も難しいことがあると思います。  この点について、政治的な立場からということに今度は相なるわけですけれども、大変いつもいつもこういう、何というんですか、難しい質問をさせていただくんですけれども、これまで坂口厚生労働大臣にこの質問を聞いていただいて、これはミスは行政側にあるということもあちら側もちゃんと認めておられるわけですし、これでは本当に納税をするような気持ちにはならないのではないかなというふうな、そんなことまでやっぱり素朴に考えてしまいますし、大臣に是非御見解をお聞きしたいと思うわけですけれども。今後、苦しい状況の中であっても、やっぱり保険料をまじめに納めている事業主とそして徴収する行政側の信頼関係の構築というような意味でも、本当に今苦しいときですけれども、これはそういった今信頼関係ということにおいても大変大切なことではないかなというふうに皆さん思われているのではないかなというふうに僕は思います。  明らかにこの差額の全額を返還すべき対応をお考えいただけないかなというお願いをしたい気持ちで一杯で今質問をさせていただいているわけですけれども、私にもいろいろな相談のお便りがございます。また、タレント議員やということで誹謗中傷や嫌がらせやというようなこともたくさんありますけれども、その中で、いろんなお便りを事務所で精査し、そして相談をして、今日はこれに絞って質問をさせていただいているわけですけれども、今までお聞きいただいて、本件の最終的な判断は坂口大臣にあるということでございますので、最後に大臣の御見解を聞かせていただいて、よろしくお願いをいたしたいと思います。
  271. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 今日は難しい話の多い日でございましたけれども、最後の話は一番難しかったように思います。  京都のこの例は誠に残念なこれは例だというふうに思いますが、現在審査請求中だということでございますので、その結論も見ないといけないわけでございます。  先ほどからこちら側の答弁やら青木さんの答弁やら西川議員の御質問やら聞いておりまして、私も余り法律には強い方ではございませんけれども、法律で決めた時効というものとそれから国の方が明らかに誤ったときのその処理の仕方との関係ということではないかというふうに思います。ここの法律に書いてあります還付二年というこの時効は、ここに書いてある還付というのは正当な理由によるところの還付の話だけのことなのか、それとも誤ったことも含めての還付なのかというところの判断なんだろうというふうに思います。  議員のお話を聞いておりますと、ここに書いてある二年の還付というこの時効の期限というのは、正当な理由でこの還付をするときのことのようにも思えますけれども、青木さんが答えているのを聞きますと、いや、これはすべて含めての還付だというふうに聞こえるし、そこをどう判断するのかということになるというふうに思いますが、ここは、委員が御指摘になりますことも十分それは理由のあることでございますので、ひとつ更に検討させていただいて御報告を申し上げるということにさせていただくのがこの場としては一番いいのではないかというふうに思いますが、それで御理解をいただけるかどうか、一遍お聞きをしたいと思います。
  272. 西川きよし

    ○西川きよし君 私は五十五分まででございますのであと三分ぐらいしかないんですけれども、今、大臣にいつもいつも難しい御質問をさせていただくわけですけれども、そうですね、特にこの役所、この委員会は本当に揺りかごから墓場まで、子供さんからお年寄りまで幅広い本当にすばらしい委員会に僕は参加させていただいていつも幸せだなと思っておりますけれども、今日のこの内容をいただいて一度質問をしてみようという気持ちになったわけですけれども、これは明らかに、聞いていただきまして、やっぱり役所側も、行政側も、私たちの間違いですということで何とかしてあげたいということで京都からわざわざ厚生労働省までお出向きになって、そして、今るる述べさせていただきましたように、何とかお願いができないかということで今精査をしておられるわけですけれども、やはりいつも思いますのは、最後は法律ということになるんですけれども、僕らいつも庶民の代弁者ということで、初心を忘れぬと、ここでは本当にやらせていただいているんですけれども、なかなかそれは難しゅうございます。法律にしても制度にしても難しいことばかりで、もっともっと勉強しなければいけないことが一杯あるんですけれども、その中にあっても、少し認めていただければ、こんな冷たい仕打ちがあるものなのかということが制度や法律には多々ございます。  ですから、自分が思うのには、もう少しその制度や法律の行間を少し、声なき声というんですか、そういうものを主に僕らは取り上げさせていただいているんですけれども、なかなか一枚のはがきや手紙や、こうして送っていただいて質問をさせていただくというのは難しゅうございます。あとは本当に役所へ出向くかデモをするか、それも何回も何回もしてやっと取り上げてもらうか。もう少し行間を情やとか真心で埋めるというのは大変難しい判断だと思いますけれども、そういうことを特に坂口大臣に判断をしていただくということが、この中にも書いてありますので、厚生労働大臣が判断をするということでございますので、どうぞ、今御答弁いただきまして、またおうち、ではなしに、今ついついおうちへお帰りになったらと言い掛けたわけですが、省庁の方にお帰りになりましたら、皆さん方と御相談の上、この方も本当にもうストレスがたまって、くさっていると思うんですね。ですから、約一億三千万人の中のお一人、もう一億三千万人ぐらいみんながストレスがたまっているというような報道がされている中で、お一人でも気持ち良く税金を納め、一生懸命仕事をしてまた税金を納め、役所を信じ、法律を、制度を信じ、仕事ができるような方向に持っていっていただければ有り難いなと思います。  一分前ですが、終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  273. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) 本日の質疑はこの程度といたします。     ─────────────
  274. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  雇用保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  275. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  276. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会をいたします。    午後六時五十五分散会