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2003-03-25 第156回国会 参議院 厚生労働委員会 3号 公式Web版

  1. 平成十五年三月二十五日(火曜日)    午前十時一分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         金田 勝年君     理 事                 武見 敬三君                 中島 眞人君                 浅尾慶一郎君                 山本 孝史君                 沢 たまき君     委 員                 狩野  安君                 斎藤 十朗君                 伊達 忠一君                 中原  爽君                 南野知惠子君                 藤井 基之君                 宮崎 秀樹君                 森田 次夫君                 朝日 俊弘君                 今泉  昭君                 谷  博之君                 堀  利和君                 風間  昶君                 井上 美代君                 小池  晃君                 森 ゆうこ君                 大脇 雅子君                 西川きよし君    国務大臣        厚生労働大臣   坂口  力君    副大臣        厚生労働副大臣  鴨下 一郎君        厚生労働副大臣  木村 義雄君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       森田 次夫君    事務局側        常任委員会専門        員        川邊  新君    政府参考人        厚生労働省医政        局長       篠崎 英夫君        厚生労働省健康        局長       高原 亮治君        厚生労働省医薬        局長       小島比登志君        厚生労働省労働        基準局長     松崎  朗君        厚生労働省職業        安定局長     戸苅 利和君        厚生労働省雇用        均等・児童家庭        局長       岩田喜美枝君        厚生労働省社会        ・援護局長    河村 博江君        厚生労働省老健        局長       中村 秀一君        厚生労働省政策        統括官      青木  功君        社会保険庁次長  伍藤 忠春君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○社会保障及び労働問題等に関する調査  (厚生労働行政基本施策に関する件)     ─────────────
  2. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省労働基準局長松崎朗君外九名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) 次に、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、厚生労働行政基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 私、まず冒頭に、今のイラク情勢に関して幾つか質問させていただきたいと思いますが、特に生物兵器テロの可能性等々が言われておるという状況の中で、まず最初にお伺いしたいのは、二十日の安全保障会議での、特に今申し上げました国内テロ対策との関連で厚生労働省の役割について御答弁をいただきたいと思います。
  6. 坂口力

    国務大臣坂口力君) おはようございます。  今お話のございました二十日の日に開かれました安全保障会議におきましては、今お話しございましたテロ対策に対しましてどのように対応をするかということがこちらが発言をいたしました中心でございます。いわゆる緊急対応方針でございます。  厚生労働省の中にも緊急テロ対策本部を作りまして、それに対応できるようにするということでございます。その中で、主なものといたしましては生物化学兵器、とりわけ炭疽菌でありますとかあるいはまた天然痘等に対します対応が十分にできている体制になっているかどうかということが中心でございまして、そうしたことが議論になったということでございます。
  7. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 今御答弁いただきました生物兵器についてお伺いさせていただきますが、炭疽菌については恐らく抗生物質ということになるのかと思いますが、その量が十分あるのかどうかということと、あわせて天然痘についてはワクチン備蓄しておかなければいけないということでございますが、そのワクチンにかかわる、どの程度現在我が国として対応しているのか、金額並びにその人数という観点からお答えいただければと思います。
  8. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 炭疽菌につきましては、これは抗生物質で対応できますし、それに対応する抗生物質は全国で十分に配備されておりますし、また地域的に見ましてもそれぞれの地域に配備をする、地域的な偏りがないようにということでこれはやっております。  もう一つの方の天然痘でございますが、元々持ち合わせておりました二百五十万人分あるわけでございますが、これだけでは十分とは言えません。現在、二十六歳ですか、以下の方がいわゆる種痘を受けていないわけでございまして、そういたしますと全体の三分の一ないし四分の一ぐらいの人口の人たちが受けていないということになるわけでございます。そうしますと、三千万ないし四千万、それぐらいじゃないかと思いますが、一か所で大量に必要になるのをどのぐらいに見るか、一千万人なら一千万人ぐらい対応を一か所でできるということになればいいのかどうかというようなことが一番考え方の中心ではないかというふうに思っております。  そうしたことを念頭に置きながら今体制を整えているところでございまして、テロ対策上どれだけということは言わないということだそうでございますけれども、しかしその辺を目途にしながら着々と準備を進めているということでございます。
  9. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 今の御答弁でちょっと一点だけ確認させていただきたいんですが、種痘を受けられた方はこれはずっと有効なのか、それとも、ある年限を過ぎるとそうでもない可能性もあるんではないかということもあったものですから、その点について政府としてどういうふうに判断されておられるかということを確認させていただきたいと思います。
  10. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) やはり高齢になってまいりますと抗体がだんだん落ちてくるということは考えなければなりません。若いときに抗体ができておりましてもだんだんなくなってきている人もあるというふうに思いますから、そうしたことも念頭に置いておかなければならないかもしれません。私なども大分抗体が落ちてきているのではないか、こう思っておりますが。
  11. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 そういたしますと、三千から四千万という前提とおっしゃいましたけれども、そうでない方も含めて対策を練っていただきますように御要請させていただきたいと思います。  次に、今般の戦争が早急に終了すればそれは当然いいわけでございますが、長期化した場合の景気への悪影響というのは民間のシンクタンク等の調査を見ても様々出てきておりますが、雇用への影響というものが当然考えなくてはいけない問題ではないかなというふうに思っております。  そこで、大臣はこのイラク攻撃が我が国の雇用失業情勢に与える影響ということについては現段階でどのように考えておられますでしょうか。
  12. 森田次夫

    ○大臣政務官(森田次夫君) イラク攻撃によります日本経済への影響についてでございますけれども、おっしゃるように、短期決戦か長期戦か、こういうことで見方も違ってくるだろうというふうに思います。  仮に、短期で終了する、こういうことになれば一時的には原油等も上昇するかもしれませんけれども、米国を始めとする世界経済への影響等はそれほど大きくないんじゃないか、こういう見通しが一般的でございまして、日本経済、雇用への影響も限られたものになる、このように考えておりますけれども、また長期戦、こういうことになりますと、やはり原油価格が高騰したり、米国経済が減速するような場合には我が国経済を、雇用にも影響が及ぶんではないか、このように考えておるわけでございます。  いずれにいたしましても、我が国の雇用失業情勢等への影響につきましては今後の戦闘の展開によるものと考えておりまして、事態の推移を注視していくことが必要である、このように認識をいたしております。
  13. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 確かにおっしゃるとおりですが、もう既に、特に旅行業界などではかなり影響が出ているのではないかなと思いますので、少なくとも業況調査をするべきではないかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
  14. 森田次夫

    ○大臣政務官(森田次夫君) イラクの情勢が今後我が国経済にどのような影響を与えるか、こういうことでございます。その中でも、特に旅行業ということでございますけれども、今後の展開であるとかそれから産油国の対応など、様々な要因が作用するものと考えることから、関係省庁と密接な連携を図りながら事態の推移を注視して各方面への影響を見極めていくことが必要であると認識しております。  そこで、海外旅行でございますけれども、新聞等を見ますとキャンセル等が出ておる状況でございまして、特にやはり中小業者等に対しましては注視していくことが必要であるかなと、このように認識をいたしております。ただ、海外の方が国内の方にシフトしておると、こういうような報道もあるわけでございます。
  15. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 いや、注視いたすのは当然ですが、今私が申し上げたのは業況調査を厚生労働省としてやられるおつもりがあるかどうかということなんですが、その点についてはいかがですか。
  16. 森田次夫

    ○大臣政務官(森田次夫君) 直ちに調査すべきかどうかということは、これ私として直ちに御答弁は申し上げられませんので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
  17. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 政府としても、先ほど申し上げましたテロの話と併せまして、経済への影響を少なくするという、極力そういうものが出ないというふうにもおっしゃっておられるところですから、それほど手間の掛からないことであれば是非とも調査なりをしていただければと思います。  加えて、これ長期化するのかどうかというのは今の段階では予断ができませんが、その影響を出さないというような方針であるというふうに承っておりますので、少なくとも、必要があれば一般会計による追加的な雇用対策というものが必要になってくる側面も出てくるんではないかと思いますが、その点についての認識を大臣に伺いたいと思います。
  18. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 今、政務官から御答弁申し上げたとおりでありまして、これからの推移、早く決着着くのかそれとも多少長引くのかということによりまして経済に与える影響も違うというふうに思っております。ただ、原油が上昇するとかそうしたことが今後更にあるのかどうかというふうなことも大きな要素の一つではないかというふうに考えております。  不確定要素が非常に多いわけでございますけれども、まず取りあえず平成十四年度の補正予算、通過をさせていただいておりますから、それを、早急にそれで対応をする。そしてまた、十五年度予算が成立をさせていただきましたならば、それを前倒ししてでも対応するということがまず手順としては大事ではないかというふうに思っております。  それでもなおかつそれでは十分でないということになりましたときにどう考えるかということはあり得るというふうに思いますけれども、現在の段階におきましては、十四年度の補正予算並びに十五年度の予算を早期に対応するということにしたいというふうに思っております。
  19. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 是非ともその点よろしくお願い申し上げたいと思います。  そこで、今度は大臣所信について承ってまいりたいと思いますが、その中では雇用重視型社会ということを大臣は言っておられます。特に時間当たりの労働生産性を高めるということで、私もこの点については大変賛同をいたすところでございまして、日本がイタリアの約三分の二であると、生産性が。時間当たりの労働生産性にすると三分の二であるということは、何とかしてイタリア並みに一・五倍にしていければというふうに私自身も賛同をするんですが、残念ながら十一月二十日に行われました経済財政諮問会議でのやり取り、議事録を拝見いたしますと、竹中大臣の方は、「坂口大臣は」、議事録をそのまま読ましていただきますと、「坂口大臣は「雇用重視型社会」と言われたが、結局は、従来から問題になっている需給ミスマッチの解消だと思う。」というふうに竹中大臣の方は経済財政諮問会議の中では発言をされておるわけでございまして、これは質的に全く違うものなんではないかな、需給のミスマッチという側面は短期的な側面であって、大臣がおっしゃっているのはもう少し長期的な目標として時間当たりの労働生産性を高めていきたいということなんではないかなというふうに私は理解をしておるんですが、そういう観点からすると大臣の趣旨が同じ閣内の竹中大臣に伝わっていないんではないかなというふうに思いますが、その点についてはいかが思われますでしょうか。
  20. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 雇用重視型社会という考え方を示しまして、その中で労働生産性を高めるということが何よりも大事ということをかなりこの今お配りをいただきましたペーパーの前のこの会議のときに私は述べたつもりでございます。  その中で、一つは雇用、生産性を高めなければならないし、一方におきましては労働時間というものを守っていかなければならないと、その二つが成り立たないことにはやはり日本は駄目なんだということをかなり言ったつもりでございます。それは、一つは雇用問題でございますし、一つは少子高齢化の問題を取り上げまして、少子高齢化の立場からするならば、やはりその時間設定というものがちゃんとできていない国は駄目なんだということを申し上げて、一方におきましては労働生産性を上げなければならないんだ、そして、これから労働力人口がどんどん減っていきますので、その労働力人口とそしてこの労働生産性とを掛け合わせたものがGDPになるんですから、よほど頑張ってやらないことにはこれからGDP上がりませんねということを申し上げて、喚起を促したつもりでございます。で、ミスマッチの方で話、確かに出されて、それはちょっと次元の違う話だと私も思っております。  それで、もう少しここは私も時間を指して言わなきゃならないんだろうなというふうに思っておりますが、じゃ、労働生産性を上げるために何をどうしていけばいいのかという議論をもう少ししてもらわないといけないんじゃないかという気がいたします。そういう意味では、いわゆる日本の中の研究開発などももっと進めるようにするためには一体どうしたらいいのかといったようなことに議論が向いてこないと、いつまでたちましても労働生産性上がってこないという気がいたしまして、そうしたこともこれから強調していきたいというふうに思っている次第でございます。
  21. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 中長期的展望について私も正にそのとおりだと思っておりまして、是非、今、大臣が言われたことと短期的なミスマッチという側面とを閣内で、あるいはその経済財政諮問会議の中でうまく平仄が合うように話を進めていただければというふうに思っております。  そこで、雇用重視型社会というふうに今御答弁いただいたわけでありますが、これは中長期的な提言だというふうにおっしゃっておりますが、来年度の予算あるいは法律改正にこれを反映したものというのはございますでしょうか。
  22. 森田次夫

    ○大臣政務官(森田次夫君) 雇用重視型社会の実現のためには、おっしゃられるように、中長期的な取組が必要であると、このように考えております。  そこで、お尋ねの平成十五年度の予算や今国会に提出している法律案についてでございますけれども、一つは、学校等と連携をいたしまして、中高校生の職業体験機会の促進等、若年者の総合的な雇用・職業能力の開発対策の推進でございます。いわゆるインターンシップと言っております。  それから、二番目としまして、長期連続休暇の取得促進や多様就業者ワークシェアリングの導入に向けたモデル開発事業の実施、これを行うことにいたしております。  それから、働き方に応じました適正な労働条件を確保するための労働基準法の見直しや、多様で柔軟な働き方を可能とする職業安定法及び労働派遣法の見直しを提案することにいたしております。  それから四番目として、労働者のメンタルヘルス対策や過重労働による健康障害防止対策の推進など、安心して働ける環境作り、さらには将来にわたりまして雇用のセーフティーネットとしての安定的な運営を確保するための雇用保険制度の見直し等でございます。  それら各般の施策を盛り込んでおるところでございます。
  23. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 では、雇用重視型社会の具体的な中身、特に労働生産性の向上の観点から伺ってまいりたいというふうに思いますが。  私は、特に労働集約的な、今後、短期的には少なくとも、長期的にもそうだと思いますが、雇用が増えると言われておりますサービス産業でどうやって労働生産性を高めていくかというのが一番大きな課題ではないかなと、こういうふうに思っていますが、そこで、二つ今日ちょっとその例を挙げて、こういうものだとなかなか日本では難しいのかなと。そういうものでは、じゃどういう、そういう実例があるけれども、どのようにサービス産業の労働生産性を高めて海外にも対抗していくかという観点から伺ってまいりたいと思いますが。  一つは、最近テレビでも出ておりますが、骨なし魚、要するに魚の骨を全部取って加工していると。これは中国などで病院や老人ホーム向けに作られているというものでありますが、こうしたものの需要は多分日本の中でも相当あるんでしょうけれども、日本で骨を取っていくのができるかというと、これはなかなか難しいだろうなというふうに思うわけであります。  それからもう一つは、当委員会に直接関係あることでございまして、たまたま私の知り合いの歯科医師の先生から伺ったんですが、最近では、歯科の技工ですね、いわゆる入れ歯等々を作るときに、歯科医師の先生が直接インターネット等の発達もありまして海外に資料等をコンピューター等を使って送って、そして中国等で技工、加工された歯を作ってまた日本に送ってくるというケースもあると。そうすると、国内でやる分には、これは国内の技工所が直接海外に頼むと法律違反、技工士法上の対応、問題になるということで承っておりますが、歯科医師の先生がやられる場合にはこれは対象外であるといったような部分も報告を受けておりまして、骨なし魚と全く次元の違う話でありますけれども。  様々、ある種労働集約的な部分、あるいは歯科技工士というような様々な技術の必要な部分においても、そういったもの、側面においても海外との競争、サービス産業においても競争が行われていると。そういう中でどうやって労働生産性を高めていかれようとしておるのか、その点についてお伺いをさせていただければと思います。
  24. 鴨下一郎

    副大臣鴨下一郎君) 今、先生がおっしゃっていたような高付加価値の商品をどういうふうに作っていくかということが国際競争力の上で不可欠だという、こういう問題意識は正に先生と共有しているところでありまして、特にサービス産業等はこれから更に比重が高くなっていくわけでありますから、そういう中における労働生産性を高めていく、こういうようなことは国の施策の中でも最重点課題の一つになるんだろうというふうに思います。  そういう意味におきまして、厚生労働省の中でも、例えば、サービス経済化が極めて我々よりも先んじて行っている例えば欧米諸国の経験をできるだけ参考にしつつ、更に規制改革を含めた民間の知恵もかりながら構造改革を進めていくと、こういうようなことでありまして、一つは、高付加価値的なサービス提供を行うために必要な教育訓練コースの開発や試行的な実施を行いまして、その成果を民間へ普及していくと、こういうようなこととか、それからさらに、それぞれの労働者がスキルアップしていっていただかないといけないわけでありまして、そういう意味でのキャリア形成促進助成金や教育訓練給付制度による能力開発の支援を行っていく。それから、もう一つの観点としましては、多様就業型のワークシェアリングを普及しまして、いろんな働き方があるわけでありまして、従来型の働き方だけではなく、サービス産業においてはある意味で在宅で働く方もいらっしゃるかも分からないし、短期的な働き方もあるかも分かりません。こういうようなことを含めた様々な多様な働き方の環境整備をしていこうと、こういうようなことで進めてまいりたいというふうに思っております。
  25. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 今の御答弁を伺っておりまして、是非推進していただきたい側面がかなり多いんですが、その中で他省庁所管の産業政策とも密接に絡み合っている部分というのもある、相当あるんではないかなと。そうなってきますと、これは密接に絡み合っているからやるなということではなくて、厚生労働省的な観点からどういったことを訴えていかれるのか、特に教育訓練ということなのかなと思いますが、そのことと併せて、どのような場で世論や他省庁にそのことを訴えていかれるのか、併せて御答弁いただければと思います。
  26. 鴨下一郎

    副大臣鴨下一郎君) 先生、今おっしゃったように、他省庁産業政策というのは、例えば労働生産性を向上するために新規産業を起こしていくと、こういうようなことで、一つはライフサイエンスやIT技術を利用したような科学技術による新規産業の創出だとか、それからもう一つは、不良債権処理を加速して、金融を再生してシステム開発を進めるというようなこういうような趣旨だとか、我が国の市場が世界的に開かれたものになるような物流拠点をどういうふうに整備して、その物流に対する高コスト構造をどういうふうに是正していくか、こういうような趣旨は他省庁が中心にやっていただかなければいけないわけでありますが。  先生御指摘のように、厚生労働省としてやらなければいけないのは、それに加えまして、そこで働く方々の言わばキャリアアップといいますか、高付加価値のサービスを担えるような人材をどう育てていくか、こういうようなことに集約されるんだろうというふうに思っておりまして、それに関してはあらゆる面から、例えば国民の皆さんにも訴えないといけないし、好事例があればそういう好事例を御紹介しなければいけませんし、さらに先ほど申し上げましたような各種助成金等を使って企業にインセンティブを与えていくと、こういうようなことでやってまいりたいと、こういうふうに思っております。
  27. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 是非、人材育成ということがこれからの二十一世紀においても重要なキーワードになってまいりますので、この点について積極的に取り組んでいただければと思います。  そこで、雇用重視型社会では、大臣の所信にもあったと思いますが、労働時間の短縮というものが重要課題ではないかなと思います。労働時間の短縮といったときに、名目上の労働時間と実質的ないわゆるサービス残業を含めた労働時間というものが両方あるんだと思いますが、一つはサービス残業、残業手当が付かない残業の是正あるいは撲滅というものが急務ではないかなというふうに思いますが。  私の地元の神奈川でも、電話相談を実施いたしましたところ、毎日の帰宅が十一時とか十二時だけれども、残業手当は一切付かないとか、あるいは月百時間の残業をしているにもかかわらず十六時間分しか手当が一律出ないといったような深刻な状況を訴え電話相談があったというふうに聞いております。  こういったことについて、大臣サービス残業の撲滅にどのように取り組んでおられるか、お伺いしてまいりたいと思います。
  28. 森田次夫

    大臣政務官(森田次夫君) いわゆるサービス残業でございますけれども、これは労働基準法に違反すると、釈迦に説法でございますが、あってはならないものでございます。  これを解消することは重要な課題であるわけでございますが、そのためには、使用者に適正な労働時間管理を図らせるために、平成十三年四月に労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準、こういうものを策定をいたしまして、その周知徹底を図っておるところでございます。  また、平成十三年四月から十四年の九月まででございます、一年半でございますか、この間に監督指導によるサービス残業の是正結果を取りまとめまして公表を行い、サービス残業の解消に向けた厚生労働省としての姿勢をお示しをしたところでございます。  今後とも、引き続き的確な監督指導を実施することにより、サービス残業の解消に努めてまいりたい、このように考えております。
  29. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 サービス残業の撲滅については、具体的な対策としては、労働基準監督署の監督官が積極的に企業を訪問して点検をしていただくのが一番だと思いますが、具体的に監督官は全国で何人いらっしゃいますか。それで、年間の監督実績は何件でしょうか。
  30. 森田次夫

    大臣政務官(森田次夫君) 平成十四年度の労働基準監督署における監督官の定員でございますけれども、二千七百六十三人でございます。これはまず、正に第一線の監督署ということでございます。それから、十三年度の監督の実施事業数でございますけれども、十七万三千六百九十一件、このようになっております。
  31. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 そういたしますと、監督官一人当たり年間で大体六十三件、週にしますと一、二回、一回か、多くて二回ですね、程度の監督ということになってくると思いますが、もう少しその監督に回る件数を上げられないものでしょうか。仮にもし上げることが難しいとすると企業に啓発活動をするということになると思いますが、具体的にどんなことをやっているのか、併せてお答えいただけますでしょうか。
  32. 森田次夫

    ○大臣政務官(森田次夫君) 労働基準監督署において事業場で行う監督指導というものはそれだけ、サービス残業だけではございません。解雇の問題であるとかまた賃金の不払等にかかわる申告・相談が増加をしておるわけでございまして、これらにも的確に対応していかなければならぬわけでございます。  また、監督に行きまして、問題のある事業場に対しましては具体的な改善指導を行い、その改善状況について時間を掛けて改善の確認を行っておるところでございます。さらに、重大かつ悪質な事案につきましては司法処分も含めた厳正な対処を図っておるところでございます。  厚生労働省といたしましては、今後とも、直面する諸課題の迅速、的確な処理に努めるなど、国民の期待にこたえるべく最大限の努力をしてまいりたい、このように考えております。
  33. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 大事なところでございますから一言だけ私も発言をさせていただいておきたいというふうに思いますが、雇用重視型社会というふうに言っておりますけれども、現実の問題といたしましては、非常に国際化の中で企業がリストラ等を行い、残った人が長時間労働をするという形になってきておりまして、必ずしも良好な方向に向かっているとは思っておりません。むしろ逆の方向に向かう可能性があるということを心配をいたしているわけでございます。  先ほどからお話をいただきましたとおり、限られた人数でやっているものでございますから、この人数で日本国じゅうの企業を全部当たっていくということは、これはもう到底不可能な話でございますので、企業に対する啓発ということをやはりもっともっと取り組んでいかなきゃならないんだろうというふうに思います。中には、このサービス残業が違法だということが分からない経営者も中にはあるわけでございますので、いやこれは違法なんだと、やはりサービス残業はやらしてはならないんだということをもっともっとやはり積極的に進めていかなければならないんではないかというふうに思っている次第でございます。  そうしたことと、そうした予防策と申しますか、起こさないためにどうするかということと併せて、そして、それでもなおかつ起こっておりますところに対しましてはそれを取り上げていく、そして罰すべきものは罰していくということでないといけないだろうというふうに思っております。
  34. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 是非そういう方向で取り組んでいただければと思いますが、特に労働生産性、我が国は、先ほど冒頭申し上げましたように、イタリアと比較して大体三分の二であるということですが、サービス残業も含めて考えると実はもっと低い可能性もあるんではないかと。  ですから、その労働生産性を高めるという企業の中での啓発をして、結果としてサービス残業にならないということももちろん必要だと思いますし、そして今おっしゃいましたようにこれは違法であると。これからの私は日本の社会というのは、規制を掛けてやっていくというよりかは、あるルールを事後的にその審判である当局がしっかりと守らせる社会に変えていかなければいけないというふうに思っておりまして、そういう観点からいいますと、正にこの労働基準監督署の監督官などはルールを守らせる役目、アンパイアの役目ではないかなと思っていますので、定員の規制等々いろいろ厳しい状況あると思いますが、そうした観点においては、ここは増やすべきところは増やしていくことも必要なんではないかなと、こういうふうに思っておりますので、そういう側面からも是非大臣に頑張っていただければと思います。もし何か御発言があれば。
  35. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 雇用重視型というのはなかなか、口では言うんですけれども、非常に難しい話でございます。  サービス、サービスじゃありません、サービス業ですね、サービス業を更に拡大をし、そしてその生産性を上げていくということ、これは大変大事なことでございますが、私はそのサービス業の中でも諸外国にかなうものとかなわないものとがあると。私は、分かりやすい言葉で箱に入れて送ることのできるようなものは負けると、こう言っているわけでございまして、サービス業はだから箱に入れて送れないようなものをちょっとやらなきゃいけないと。それはやはり二次産業と三次産業をどう連結させるかというところにあるんだろう、そこに雇用も生まれるんだろうというふうに思っています。  例えば、自動車ならば自動車を売りますときに、その中の色をどういう色にするとか、あるいはまたどういういすにするとか、あるいはまたバックミラーをどんな形にするとか、それぞれ皆希望があるわけでありまして、そうしたそれぞれの個人が要求します希望を聞いて、そしてそれに合った自動車を売るということになれば、製造業プラスそこにサービス業が出てくるわけでありまして、それはまたそうすることによってその人だけしか乗っていない車、自分だけしか乗っていない車ということでありますから少々高くても買うんじゃないかというふうに思っておりまして、そうしたことを考えていくこと以外に私は日本のこの中でサービス業というものを伸ばしていくということはなかなか難しいように思っておりまして、経営者の皆さん方にお会いをするごとにそのことを申し上げているところでございます。
  36. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 本日は、実は自閉症協会の方も少し傍聴に来ていただいておりますので、残りの時間で厚生労働省として自閉症の方あるいは知的障害を持っておられる方に対する雇用対策について伺ってまいりたいと思います。  まず、大臣は自閉症の方の雇用問題についてどのように認識をされておられますでしょうか。
  37. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 自閉症の皆さんあるいは知的障害者の皆さん方の雇用につきまして、現実問題といたしましては非常に心を痛めているわけでございます。自閉症の皆さん方はもうそれぞれ状態も違うわけでございますので一概になかなか言えないわけでございますが、自閉症のお子さんやそれから、お子さんといいますか、自閉症の方やそれから知的障害者の方をより積極的にやはり雇用しようという方も最近は出てきていただいておりますことを大変心強く思っております。  そうした皆さん方は、やはり企業というのは、ただ単に物を生産するだけではなくて、社会的貢献というものがやはりプラスされた企業でなければならない。自閉症の皆さんやあるいは知的障害者の皆さん方、あるいはまた身体障害者の皆さんもそうでございますが、そうした方々の個々の能力をどう伸ばしていくかということが大変大事な時代に来ているということを言われている方がございまして、私は大変敬意を表しているわけでございますが、やはり企業経営の中にそうした思いで障害者の皆さん方を始めとする方々の雇用というものを積極的に考えていただく方が一人でも多く出てくることが大事だというふうに思います。  厚生労働省といたしましても、そういう皆さん方が少しでもやりやすくしていくためにはどうしたらいいかといったようなことも実は考えております。幸いにいたしまして厚生省と労働省が合併したわけでございますから、今まで別々にやっておりましたことを一つにまとめて、そして皆さん方と雇用とをどのように連結をしていくかということに、今様々なことに取り組みつつあるところでございますが、決してまだ十分と言えるところまでは至っておりません。また、現在こういう経済状況でございますので、障害者の皆さん方の失業ということも一般の方々以上に大きな問題になってきていることも承知をいたしております。  したがいまして、この雇用を、これはもう障害者全般についてでございますけれども、雇用を十分にしていただいていない企業というのがあるわけでございまして、そういったときにはその名前を公表するといったところまでやはり行わないといけないというので、その辺のところまで現在来ているところでございます。
  38. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 具体的に伺ってまいりたいと思いますが、その前に、今おっしゃっていただいた中で、厚生行政としてやってこられた部分と労働行政としてやってこられた部分を一つにまとめるということは多分大きな要請があると思いますので、是非早急に進めていただければと思います。  それからまた、雇用の進んでいない企業の名前の公表ということもおっしゃっていただきましたが、併せまして積極的に進めておられる企業を推奨するという観点から、そうした部分も公表していただければというふうに思います。  そこで、具体的な質問をさせていただきたいと思いますが、ハローワークでは自閉症の方に対してどのような対策を講じていらっしゃいますでしょうか。これは知的障害として認定を受けた人と、そしてそうでない人と分けてお答えいただければと思います。
  39. 森田次夫

    ○大臣政務官(森田次夫君) ハローワークにおきましては、障害者の方の職業相談を専門に行う窓口を設置をいたしまして、知的障害者専門の職業相談を、相談員を置きまして、きめ細かな相談を行っておるところでございます。また、事業主の方に対しまして、障害者の方の就職後の職場定着指導も行っておると、こういう状況でございます。さらに、障害者の方の個々の状況に応じまして、トライアル雇用や職場適応援助者を活用しながら自閉症や知的障害者の方々の就職の促進を図っております。  これらの施策を効果的に活用することによりまして、今後とも障害者の雇用促進を図ってまいりたいと、このように考えておるわけでございますが、あと、他の障害者も知的障害者と同じような形でいろいろと施策を行っておると、こういうことでございます。
  40. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 今、森田政務官が述べたとおりでございますが、その中の一点を少し強調して言わせていただければ、ジョブコーチの話がございました。私は、自閉症等の場合には、やっぱりジョブコーチがしっかりとして、そして対応をしていくということがとりわけスタートのときには大事ではないかというふうに思います。  ただ、その企業における経営者と、そしてそこに働く人たちとの間の仕事の割り振り、あるいはこうしてほしい、ああしてほしいというようなことだけではやっぱりうまく進みにくい。やはり、自閉症の皆さん方の心の中をやはりよく察して、そしてそのことが、仕事が円滑に進むようにどのようにしていったらいいかということの、少しその辺の、心の中を翻訳すると申しますか、心の中の状況を十分に経営者に伝える、また経営者の言っていることを十分にまた働く人たちに伝えるということが大変大事でありまして、その辺のところがやはりこれからの雇用にとりましては非常に重要になってくるというふうに私は感じております。
  41. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 今、大臣御答弁いただきましたジョブコーチは是非推進していただきたいと思いますが、先ほどの質問でちょっと伺いたかったのは、それを推進するに当たっても、自閉症という症状を持っておられる方でも知的障害として認定を受けておられる方は窓口でそれは把握ができる。しかし、そうでない場合についてはハローワークではなかなか、具体的な対策として今のところ統計立ててはなかなか対策が取れていないというふうな認識を持っておりますが、その点について、現状はどうなっておるのか。あるいはそれを、先ほど厚生行政、労働行政一緒にするという観点からどのように変えていく可能性があるのか、その点について、ジョブコーチを進める上でもどういうふうに考えておられるか、御答弁いただければと思います。
  42. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) これは、御指摘いただきますように、なかなかそこの統計を取るところまで至っておりません。  自閉症の皆さん方の中にも、一層この治療といいますか、治療というよりもケアと言った方がいいのかもしれませんし、やはりふだんから手を差し伸べる何らかの措置が必要な方もおみえでございますし、それからもうその必要性のない方もおみえだろうというふうに思います。また、知的障害というふうに認定されている人も中にはおみえだろうというふうに思いますが、決してそうではない方もおみえでございます。  そうした皆さん方の場合に、初期の段階におきましては、もちろんお仕事をしていただくということも大事でございますが、あわせて、社会に適応していくためにどのような手の差し伸べ方があるのか。それは、ジョブコーチという範囲を少し超えて、治療と言うと少し言い過ぎになるかもしれませんが、もう少しケアをするというやはり立場も加えたことが必要になってくるのではないかというふうに思います。  その辺のことがこれからスムーズにいけるようにするためには、そうした立場の人たちというものをどう養成をしていくかということも大事な問題になりますし、また全国のそうした皆さん方におこたえをしていくためにどういう体制を作り上げていくのかということも真剣に考えていかなければならないというふうに思います。
  43. 浅尾慶一郎

    ○浅尾慶一郎君 人に優しい雇用重視型社会を作っていくという観点から考えましても、今申し上げましたように、自閉症の方といっても様々な方がいられるわけで、そのうちの一部の方は知的障害ということで認定を受けておられまして、そういう方は障害者雇用率制度の下で、大臣が先ほど御答弁いただきました法定雇用率の中でカウントされると。しかし、そうでない方は当然その認定を受けていないから障害者ということではないんで法定雇用率にカウントされないということであります。どちらがどうかということはなかなか分かりづらいんでしょうけれども、今のような経済状況、雇用情勢を考えますと、自閉症を持っておられて、自閉症であって、そして障害者という認定をされていない方の雇用もなかなか難しいのかなと。  ですから、そういう中でジョブコーチということは幅広く自閉症の方に役立つと思いますが、しかしそれに加えて先ほど申し上げましたような企業の啓蒙活動も是非進めていただければと、このように御要望させていただきたいと思います。  時間の関係で恐らく最後の質問になろうかと思いますが、その中で、少なくともハローワークの職員においても、障害者に対してのきめ細かい対応ができるように、ハローワークの職員の研修ということもやっていくことが必要ではないかなと、こういうふうに思います。  現状を伺いましたら、知的障害者相談窓口ハンドブック職員用というものが厚生労働省の、これは旧の労働省職業安定局が作られたものだと思いますが、こうしたものを渡しておられるということですが、ただ単にその窓口職員に渡すということではなくて、障害者といっても、大臣御存じのように、様々な、個々の方が持っておられる様々な態様があるわけですから、その窓口の方についても十分な理解が足りないと、せっかくの窓口であっても相談に来られた方に十分説明ができないというような事例も見られると思います。  例えば、分かりやすく説明をしなければいけないときに分かりやすく説明し切れていないといったような事例も聞きますものですから、そうした観点から、まずは灯台の下から是非とも自閉症や知的障害者あるいは身体障害者の方との接し方について周知徹底をしていただきたいと思いますが、その点について御答弁をいただければと思います。
  44. 森田次夫

    ○大臣政務官(森田次夫君) 御指摘のとおりでございまして、障害者の職業紹介に当たりましては、障害種別、程度ごとにきめ細かい対応が必要であると、このように認識をいたしております。  このため、ハローワークの担当職員に対しましては、障害者の職業紹介のための、ただいまお話ございましたハンドブックを配布するほか、毎年、厚生労働省の研修所におきまして障害者雇用専門研修を実施をいたし、それから障害者の職業問題、障害者の雇用管理等について研修を行っているところでございます。  また、より専門性の高い知識につきましては、地域障害者職業センターと連携を図りながら習得を図る、このようにいたしておるわけでございます。  さらには、ハローワークにおきましては、このため、すべてのハローワーク職員が受ける基本研修に障害者向けの職業紹介業務についてのメニューを盛り込んでいるところでございまして、これにより知的障害者の方に対する理解の徹底を図っているところでございますが、今後一層の徹底を図ってまいりたい、このように考えておるわけでございます。
  45. 沢たまき

    ○沢たまき君 公明党の沢でございます。よろしくお願いいたします。  御存じだろうと思いますが、先週の水曜日に、東京労働基準監督署が二十四歳の社員が過労死したことに対して労災認定をし、上司を書類送検したことが報道されておりました。    〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕  まず、この事件の概要についてお伺いをいたします。
  46. 松崎朗

    ○政府参考人(松崎朗君) この事案、二つ中身がございまして、一つは御質問ございました労災の関係でございますが、これは二十四歳の会社員の方が自殺したことにつきまして、御遺族から労災の認定申請がございました。これにつきましては、中身はプライバシーに関することなので省略させていただきますけれども、この自殺につきましては業務上であるということで認定されたというのが一件ございます。  また、それに先立ちまして、御遺族である御両親から、会社それから上司につきまして労働基準法等の違反があるということで告訴がなされました。この告訴を受けまして監督署で調査いたしましたところ、労働基準法の違反、例えば割増し賃金を支払っていなかったとか、また遅刻に対する制裁金、これが労働基準法の制限を超えておったといった点、そういった労働基準法違反の事実がございましたので地検に送致したというものでございます。
  47. 沢たまき

    沢たまき君 大変悲惨な事件であろうと思っております。学卒の新入社員、あるいは勤務経験が短い若者をここまで追い込むということは極めて重大だと言わなければならないと思います。  若年者の雇用機会はもう大変厳しいわけですので、やっとの思いで就職できた若年者は、何としても一人前になるため、必死になって働いていたというふうに推測をいたします。しかし、必死になって働くことと個々の能力の問題は別問題でありますから、若年者ゆえに経験も少なく、能力はどうしても未熟の場合が多いんだろうと思います。したがいまして、それをカバーするため無理をする、あるいは無理をさせる傾向が強いのではないでしょうか。このような厳しい労働環境にあったのかなと思っております。たとえ自殺でなくても、それ以前の症状としてノイローゼやうつ病になる若年者が多いようでございます。  この事件を徹底的に調査していただいて、この事件は単なる個別事件ととらえるのではなくて、雇用の在り方、それから労働問題の在り方の問題として防止策を講じていくべきだと思っておりますが、いかがでしょうか。
  48. 松崎朗

    政府参考人(松崎朗君) 確かに御指摘のように、最近、若年者だけではなくて、いろいろ仕事上のストレスを感じるという労働者の方が増えてきております。そういったことから、私ども労働基準行政におきましては、平成十二年の八月でございましたけれども、いわゆるメンタルヘルス指針、事業場におきます労働者の心の健康づくりのための指針というものを作りまして、その周知に今現在努めておるところでございます。  今後とも、この指針の周知徹底を図るためにいろいろ事業を行っておりますけれども、さらにこういったメンタルヘルスの問題、これ事業場の中だけではなかなか言いにくいといった面もございます。そういったことから、事業場外の対策といたしまして、現在、横浜労災病院の中にメンタルヘルスの総合相談窓口というものを設けまして、そこで職場でのいろいろ心の健康問題、そういったものにつきまして問題を抱えております労働者の方から電話、来所等で相談を受けるということで、言わば会社の方にはないしょで相談できるといったような体制も作り、また全国的ネットワークも今構築しつつあるところでございます。  さらに、自殺の予防、自殺も非常に増えておるわけでございますが、こういった自殺の予防対策につきましても、いわゆる自殺予防マニュアルというものを作りまして、現在その周知徹底というものをまた含めて、そういったものを通じまして予防対策というものに努めております。
  49. 沢たまき

    沢たまき君 今、局長がおっしゃってくださいましたけれども、心の健康づくり対策ですよね、おっしゃっていただきました。  十三年の十二月、労災保険過労死の認定基準の改定によって、おっしゃっていただいたメンタルヘルス対策とか過労死対策に必要な措置を講じていただいていると今伺いました。ですけれども、これらの施策を通じても、若年者に限ってという項目はないわけなんですね。心の健康づくりのための指針で、心の健康づくりの計画の部分にしても、おっしゃったメンタルヘルスケアの具体的な進め方の部分にしても、若年者向けというふうに配慮はないわけでございますね。  仕事に慣れていない若者、私はインターンシップでも経験しているとよかったのになというふうに思いますし、また別途伺おうと思いますが、インターンシップもなかなか狭き門のようでございますし、仕事に慣れていない若者というのはなかなか上司に相談しにくいこともあるでしょうし、先ほども申し上げましたとおりの雇用失業情勢でございますから、つらくても、しんどくても何とかして仕事に付いていこうと無理に仕事を重ねてしまう、こういう場合も多々あることは容易に想像付くわけでございます。  こう考えてまいりますと、せっかく平成十五年度の予算で新規に過重労働による健康障害防止対策の推進として六千四百万円予算が計上されております。その中で産業医の研修を実施することと掲げられております。    〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕  私は、人事労務管理担当者とか上司と若年労働者との間のパイプ役になっていただけるんじゃないかと思いますので、この産業医の方に特に若年者の心の健康管理に関する分野を勉強していただいて、若年者の過労死の防止あるいは心の防止という、そういう役割を果たしていただきたいと考えておりましたので、この予算が付いたのをうれしく思っております。と同時に、有効に活用していただきたいなと思っております。  そこでお伺いするんですが、横浜の国立とおっしゃいましたけれども、ないしょで会社にも分からずとおっしゃいましたけれども、産業医の研修という項目がありますが、どういうことを想定していらっしゃるのでしょうか。また、この研修カリキュラムには若年者の過労死の防止策は入っているんでしょうかどうかお伺いをいたしますとともに、この若者の過労死対策に対する坂口大臣のお考えもお伺いできればと思っております。
  50. 松崎朗

    政府参考人(松崎朗君) 御質問のように、過重労働対策といたしまして総合対策というものを作りまして、現在進めておるところでございますが、御指摘のように、その中でやはり産業医の方の役割というのは非常に大きいものがございます。そういったことから、産業医の方が行います助言、指導の具体的内容等につきましては、現在もう既に健康障害防止マニュアルというものを作成いたしまして、全国の医師会でございますとか産業保健推進センター、それから地域産業保健センター、そういったところを通じまして、その活用について周知を図っておるところでございます。  さらに、来年度の予算といたしまして、御指摘ございましたように、過重労働による健康障害防止対策のための産業医に対する研修というものを予算を要求してございます。ここにおきましては、いわゆるマニュアルをいろいろ作成いたしまして、産業医向け、産業医の方が具体的にどういうふうに企業の中で情報収集し、どういうふうに指導していくかといったことについての手助けをしていこうというための研修でございます。  また、その中身につきましては、特に予算要求した段階では、特に若年者ということに重点を置いてはたしかございません。しかしながら、これから研修の内容、そういったものにつきましては早急に詰めたいと思ってございますので、ただいまの御指摘も踏まえまして、中身についてきちんとしたものにしていきたいというふうに考えております。
  51. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 今、局長から答弁のあったとおりでございますが、産業医の問題というのは大変大事な問題でございます。ただ私、もう少し詰めていかなきゃならない問題としまして、産業医が企業の中でいろいろ従業員の皆さん方のことを相談に乗ります、あるいはまた、中小企業の皆さん方に対して出張して、そしてそこで相談に乗る、そこで、問題がそこでありました場合に、その産業医が主張いたしますことがその企業の経営に生かされているかどうかということなんだろうと思うんです。  産業医の診断は診断、そのことと企業の経営というものとがそこでうまくミックスをして、そしてそれが生かされるということにならなければいけないわけでございますが、産業医は産業医の診断だけに終わってしまって、そのことが必ずしも十分に人事管理だとかそうしたことに生かされない場合があるものですから、そこをやはり考えていかないといけないのではないかというふうに今考えておりますことを少しだけ付け加えさせていただきました。
  52. 沢たまき

    ○沢たまき君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  では次に、私は四月一日から実施されます支援費制度についてお伺いさせていただきます。  構造改革の一環として福祉分野も数多くの諸施策が進められております。最近、電車に乗って本当に変わったなと思うのがバリアフリー化です。身近なところではエスカレーターの設置やエレベーターの設置です。ほとんどの駅やホームに設置されて、障害者の皆さんにとってその行動範囲も大変に広がりました。すばらしいことだなと思っております。  私は、この参議院に当選してからすぐに、障害者の皆さんと一緒に日比谷から新宿まで地下鉄に乗って、車いすに乗ってデモンストレーションをいたしました。そのときは駅員の方が二人掛かりで八十キロぐらいの電動車いすと障害者を抱えて、地下三十メートルもある階段を運んでいただきました。その駅員の方は、やはり腰が痛むからといって、重量挙げの方がするような大きなベルトをなさっていないと持ち上げることができないとおっしゃって、若い方がお二人、あるいは見る方と五、六人の方々、抱えて下ろしていただいたんですが、本当に申し訳ない、障害者の方も駅員の方も本当に申し訳ない気持ちで一杯でございました。そのことを思いますと、本当に感無量でございます。  交通バリアフリー法を平成十七年までそれぞれ目標が定められて進められておりますので、今後ますます障害者の方々にとっても自分の行きたいところに行けるようになると大いに期待をしているところであります。  支援費制度も障害者の生活支援の大きな構造改革の一環だと思いますが、この交通バリア法の推進と支援費制度の創設の効用、省が違いますけれども、どう考えていらっしゃるか、ちょっと伺わせていただきたいと思います。
  53. 河村博江

    ○政府参考人(河村博江君) 先生おっしゃいますように、交通バリアフリー法によりまして障害者の移動の利便性あるいは安全性、そういった向上を通じまして、社会参加の促進に向けて環境整備が進んでいくものというふうに承知をいたしておるところでございます。  また、この四月一日から始まります支援費制度の導入によりまして、障害者福祉サービスにつきましては、行政がサービスを決定している従来の措置制度から障害者自らがサービスを選択する仕組みに改正されることになりまして、これによりまして障害者の自己決定を尊重して利用者本位のサービスの提供が促進されていくというふうに考えておるわけでございますが、どちらの施策につきましても、障害のある方と障害のない方とが同等に生活をし活動する社会を目指す、いわゆるノーマライゼーションの理念の実現に向けて、そういった意味では取組として共通したものはあるというふうに思っておりますし、また相互に作用し合って障害者の地域生活の支援に大きく貢献するものになるというふうに思っておるわけでございます。
  54. 沢たまき

    ○沢たまき君 ありがとうございました。  交通バリアフリー法は国土交通省の所管でありますし、支援費制度は厚生労働省の所管であります。関係省庁の施策が相互に作用し合って障害者の方の生活支援に対する相乗効果が発揮される、そのような政策であってこそいわゆる効率的な福祉政策ではないかなと考えております。  特に、厚生労働省の福祉政策は福祉政策全般の基盤部分に当たるわけでございますので、今後とも他省庁の政策と十分に連携を取り合っていただいて、効果的な障害者福祉政策を進めていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。大臣の御見解を伺わせていただければと思いますが。
  55. 河村博江

    ○政府参考人(河村博江君) 障害者施策は、保健福祉あるいは雇用就業のほか、教育あるいは住宅、あるいは交通、様々な分野にまたがるものでございまして、それぞれの施策を所管する関係省庁が十分に連携して障害者の生活全般を総合的に支援していく必要があるというふうに思っておるわけでございます。  このために、政府におきましては、すべての閣僚で構成されますところの障害者施策推進本部というものが設置されておりまして、総合的かつ効果的な施策の推進を図ることとされておるわけでございます。具体的には、障害者基本計画及び障害者プランに基づきまして、関係省庁において各般の施策が講じられることになっておるわけでございます。  厚生労働省といたしましては、先生おっしゃいますように、障害者施策全体の中で非常に大きなウエートを占める立場にあるということを踏まえまして、本年四月にスタートする新しい障害者基本計画及び障害者プランに基づきまして、関係省庁と十分な連携を図りながら障害者施策の効果的、効率的な推進に努めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
  56. 沢たまき

    ○沢たまき君 よろしくお願いを申し上げます。なるべく縦割りにならないようなお願いをしたいと思います。  私は、厚生労働省の福祉政策とほかの省庁の政策を突き合わせてその効果をチェックされると無駄だとか更なる効果的な政策が発見されるんではないかと思っております。是非御検討いただければと存じます。  この支援費制度につきましては自治体からいろんな声が出ております。私も委員派遣で秋田県や宮城県に参りましたけれども、かなり厳しい御意見もございました。厚生労働省の方も同行されていらっしゃいましたから、そのことは十分承知されていると思います。また、ある自治体では、これは委員派遣で行ったところではないんでございますが、この支援費制度を例えて品切れの高級レストランと、こう比喩しておりました。いわゆるメニューはあるが、注文すると品切ればかりという。考え方とか理想、本当にすばらしい、大変期待をした、しかし何せ肝心の料理が注文されても品不足なんだ、品切れなんだと、こういうふうにおっしゃっていまして、面白いなと思ったんですが。サービス提供基盤、それからマンパワーの不足で市町村が大変御苦労なさっているということでございます。しかし、一つの大変大きな構造改革として、介護保険のときのように長い目で見て育てていきたいと大変前向きにとらえられておりました。  このような自治体の声について、御感想があればお聞かせいただきたいと思います。
  57. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 確かに、この支援費制度をこれでスタートするわけでございますが、マンパワーが確実に各市町村において整っているというわけではないんだろう、これから併せてマンパワーの育成をしていかなければならないんだろうというふうに思っております。  現在まで非常に熱心にお取り組みをいただいてきた市町村におきましてはそれなりにやはりこのマンパワーも育っているんだろうというふうに思いますが、今まで余り熱心でなかったところ、熱心でなかったところと言うとおしかり受けますけれども、十分に障害者の問題を手掛けておみえにならなかったところにおきましてはやはり人材も不足している、今まで育ってきていないというふうに考えるのがこれは順当だろうというふうに思います。  したがいまして、これで全国的にスタートさせていただくわけでございますから、その全国的なスタートの中でやはりマンパワーを同時に育成をしていかなければならない、そのことに対してどういう対応をしていくのかということが我々厚生労働省にも問われているというふうに思っております。  御指摘いただいたことを十分踏まえながら、我々も品切れの高級レストランにならないようにしていかなきゃいけないというふうに思っております。
  58. 沢たまき

    ○沢たまき君 この支援費制度は、障害者、障害児の自己決定と自己選択によって自らが契約によりサービスを利用する仕組みであると、局長もおっしゃるそのとおりでございますが、スムーズにいけばよろしいんですけれども、施行後しばらくは様々なトラブルが起きるんだろうと予想されます。  厚生労働省として、こうした障害者、障害児の地域における相談窓口である障害者(児)相談支援事業を十五年度から特定補助制度から地方交付税に移行いたしましたよね。このために、少し、今まで公的な相談窓口あるいは民間の相談窓口の方も存立が大変厳しくなっているようなんです。この点をどう把握されていらっしゃるでしょうか。
  59. 河村博江

    ○政府参考人(河村博江君) この支援費制度の下で不可欠になります相談支援機能というのは、個々の市町村のサービス提供資源の実態あるいは地域におきます障害者のニーズ等に即して、かつ地域の創意工夫を生かして弾力的に展開されるべきであると思っておりまして、言わば地域密着型の住民サービスの一つであると。  したがいまして、これまで国庫補助金によりまして二百とか三百とか、そういう実施主体を限定して画一的に相談支援事業を行うというよりは、地域の主体性やあるいは自主性を尊重しながら事業を進めていく上でそういったものにしていく方がより望ましいのではないかというふうに考えておるところでございまして、この障害者の相談支援事業の一般財源化に当たりましては、地方特例交付金及び地方交付税によりまして所要額が確実に地方財政措置がされると。それから、所要の事業費につきましては基準財政需要額に算入されるということになっておるわけでございまして、おっしゃいますように、この支援費制度におきまして都道府県あるいは市町村によります障害者への相談支援の重要性というものは一層高まっていくというふうに思っておりまして、この一般財源化によりまして後退することのないように、国としては、平成十五年度の相談支援の実施状況につきまして調査を行いますとともに、各都道府県、市町村に対して事業の継続について直接助言するような指導ということも行うつもりでございますし、また一般的な相談支援の総合的な実施体制を整備するために障害者地域生活推進特別モデル事業というものを新たに創設いたしまして、その活用方策も指導してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
  60. 沢たまき

    ○沢たまき君 よろしくお願いします。  いずれにいたしましても、支援費制度が障害者の皆さんから信頼される制度にするためには、間違っても措置制度よりサービスが低下することのないようにしていただきたいと思います。また、相談窓口体制を大変明確にして、丁寧に相談に応じていただくことが大事であろうかと思います。直接助言をしてくださるとおっしゃってくださいましたのでよろしくお願いしたいんですが、そのためにも障害者の団体、事業者の団体とよく協議もしていただきたいと思います。  厚生労働省が障害者プラン、厚生労働省は、障害者プランが十四年度末で完了することから、基本的な福祉サービスの基盤は整備できたとしていますけれども、万全でしょうか。
  61. 河村博江

    ○政府参考人(河村博江君) 現行の障害者プラン、この平成八年度を初年度とする七か年計画にのっとりまして、ノーマライゼーションの理念の実現に向けて具体的な施策を推進してきたところでございます。  特に、サービス提供面におきましては、ホームヘルプあるいはグループホーム等につきまして数値目標を定めまして整備を進めてきたということでございますけれども、これら自体はおおむね順調に推移をしてきているわけでありますが、これから支援費制度の施行に当たりまして、障害者の地域での生活を支えていくためには更にこのサービス提供基盤の整備というのを一層促進していくということが必要であるというふうに思っております。このために、政府におきまして昨年十二月、今後五年間を対象とする新障害者プランを策定いたしたところでございまして、これに基づきましてサービス提供基盤の一層の整備を進めていきたいというふうに思います。  この新障害者プランにおきましては、特にホームヘルプサービスあるいはグループホーム、あるいはそういった形での障害者の地域生活を支援すると、基幹的なサービスにつきまして、どこでも、全国どこでも一定水準のサービスが受けられるように、全体としてサービス水準の底上げを図るという観点から整備目標を設定いたしておりまして、今後このプランを着実に推進することによりまして利用者のニーズに真にこたえられるようにしていきたいというふうに思っておるところでございます。
  62. 沢たまき

    ○沢たまき君 ありがとうございます。よろしくお願いします。  また、障害者のデイサービスですけれども、通所可能という物理的な条件があります。いわゆる地域の需要に合った施設が整備されていることが大事でありますが、ところが現場では、事業者、施設が障害者を選ぶという逆選択というのが生じかねないところもあるようでございます。今、局長がおっしゃってくださったんで、底上げを図るとおっしゃってくださいましたけれども、そういうことがあるようでございますので、実態を調べていただいて早急に提供基盤の整備を推進していただきたいと、このように思っております。  また、障害者の地域生活を支援するためにそれぞれ障害の特性、地域の特性に応じた多様なサービスが必要になります。しかし、支援費の制度は、支援費のメニューというのは基本的に現在の措置制度と全く同じであって、メニューの拡大がされておりません。地域生活の支援をするのであれば、今おっしゃったような身体障害者のグループホームそれから移送の介護など、新たなメニューを開拓すべきだと思っているんですが。  また、既存のメニューについても支援費の基準の単価が低く設定されており、特にホームヘルプでは介護保険の家事援助が介護報酬の改定によって複合型と統合されて従前の単価が一・五倍に引き上げられたのに対して、支援費制度では引上げ前の介護保険の家事援助と同額のままということで、家事援助というサービス類型が残されてしまいました。それで、多くの居宅の介護事業者というのが支援費での家事援助サービスへの参入を見合わせている状況にあるようでございます。障害者のデイサービスもほとんどの事業所が支援費基準では経営が成り立たないと言っております。  新たなメニューを開発したり事業者の参入を促進するためにも、その支援費の基準ですけれども、魅力あるものにしていっていただきたいと思っているんですが、いかがでしょうか。
  63. 河村博江

    ○政府参考人(河村博江君) 幾つか盛りだくさんの御質問ございましたが、このデイサービス等の提供基盤を整備して逆選択が起きないようにしろということが一点でございます。  その点につきましては、この新しい障害者プランではこれまでの、十四年度までの整備目標、デイサービスにつきましては一千か所でありましたけれども、これを一千六百か所に拡大したいというふうに思っておりまして、初年度につきましても所要の財源措置を講じておるということでございますが、逆選択の問題につきましては、こういった基盤整備を進めるということが第一でありますけれども、この事業者が正当な理由なくサービス提供を拒否してはならないということを運営基準に明記をいたしておりまして、そういう正当な理由なくサービス提供を拒否した場合には支援費対象の事業所の指定を取り消すというような仕組みも導入されておるということで、そういった問題のないようにしたいというふうに思っておるところでございます。  それから、二番目のお尋ねでございますが、新たなメニューを開発すべきではないかと、あるいはホームヘルプについては一部、単価がもっと改善しないと事業者参入は進まないのではないかというお尋ねがございまして、十五年度からスタートしますこの支援費制度におきまして、私どもこの障害者プランで数値目標を掲げておりますのは、多くの障害者が利用しておる基幹的な在宅サービスあるいは施設サービスを対象にしてそういったものを定めておるわけでございますが、この支援費制度の対象範囲につきましては、支援費制度の施行状況を見ながら、障害者のニーズも踏まえながら、今後十分検討していきたいというふうに思っております。  それから、この支援費基準におきます単価につきましては、例えばホームヘルプサービスに関しましては、事業者参入を促進するという観点から、あるいはサービスの質を確保するという観点から現行の介護報酬と基本的に同水準になるように改善をしたところでございますが、介護報酬と障害者のホームヘルプサービスの単価というものを一概に比較するということはできないところもございます。例えば、身体介護の比重というものは障害者の方が高齢者に比べるとずっと高い、あるいは、より長時間の利用が多いと、そういう障害者のホームヘルプサービスの特性を踏まえれば、全体として介護報酬と比べても十分遜色のない水準になっておるというふうに考えております。  いずれにいたしましても、今後、支援費基準につきましては、サービス基盤の効率的な整備というものを進めていくために、サービス提供の利用実態あるいは事業者の経営状況、そういったものを踏まえまして必要な見直しを行ってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
  64. 沢たまき

    ○沢たまき君 次にお伺いいたします。  先般、障害児童を対象にして音楽療法を実施しているNPO法人の方から要請がございました。知的障害者のお子さんを対象として活動している法人で、生活支援というよりも療育支援を中心にやっているわけです。スタッフは、養護学校の先生、保育士、認定音楽療法士など十人で対応されております。現在はボランティアで行っていますけれども、父兄の皆さんからは月に二千円出していただいているということでございました。  現在、二十五人を対象に行っておりますけれども、大変に人気がありまして、ほかにも多くの希望者がいるということなんですが、現在のスタッフでは精一杯だそうです。通常、障害者の施設ですと、登録されて参加するのが三分の二ぐらいだそうですが、この法人がやりますものはほとんど欠席がないくらい成績がいいのだそうでございます。ただ、悩みは、その音楽療法を行う場所を借りて行っている、施設を借りて行っているために会場が安定せず、大変困っていると言っておられました。  例えば、こういった場合、児童デイサービス支援費があります。小規模の場合一日五千三百九十円、標準規模の場合一日当たり三千七百十円、大規模施設一日当たり二千八百四十円となっております。児童デイサービスを行っている施設に会場をお借りしてできないものかと相談してみたんですけれども、音楽療法がメニュー化していないものですから、施設とすれば単価が低いためになかなか難しいと言っておられました。音楽療法をデイサービスとして支援費の単価を加算していただければ可能ということでございました。  支援費制度が利用者の選択ということであれば、是非この音楽療法を支援費のメニューとしていただきたいと思います。先ほど同僚の浅尾議員が過労、サービス残業のこととか障害者の自閉症の方とかとおっしゃっていましたけれども、自閉症の方にも大変効きますし、若年者の過労の、産業医の方にも少しこの勉強をしていただければすごく助かるなと思っていますが、いかがでしょうか。是非音楽療法をメニューにしていただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
  65. 河村博江

    ○政府参考人(河村博江君) この児童デイサービスにおきまして、利用者の方々が音楽を聴いたり、あるいは演奏するといった様々な形での音楽活動が幅広く行われておりまして、利用者の訓練等に役立てられているというふうに承知をいたしておるわけでございますが、これらの音楽活動につきましては、デイサービスとして行われておりますサービス内容として広く一般に行われておるということで、支援費のメニューとして新たに特別に加算をするということはなかなか難しいんではないかというふうに思っておるところでございます。  先生が音楽療法の問題に御熱心に取り組まれているというのはよく承知をいたしておりまして、厚生労働省といたしましても、どのような障害なり疾病にどのような音楽あるいは音楽活動が有用であるかなど、きちっと評価をして、あるいは知見をまとめるということが重要であるというふうに思っておりまして、そのために現在、厚生科学研究におきまして、エビデンスに基づいた音楽療法の臨床効果判定に関する研究というものを行っておるところでございます。
  66. 沢たまき

    ○沢たまき君 どうぞよろしくお願いいたします。大変普及をしておりますし、知的障害児あるいは自閉症の疾病等々、大変に効きます。薬でない部分で大変効いておりますので、どうぞ、研究をしていただいているようでございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  障害者の側からいたしますと、利用する、先ほどもちょっと触れていただきましたサービスの質、重要になってまいります。どんなにサービスの事業者が多くてもサービスの質が劣悪では障害者は困ります。障害者が安心できる良質なサービスを提供されることが求められますが、再び、再度お聞きいたします。どのように取り組まれているでしょうか、伺わせていただきます。
  67. 河村博江

    ○政府参考人(河村博江君) 先生おっしゃいますように、障害者福祉におきまして良質なサービスを確実に確保するということは非常に重要な課題だというふうに思っておりまして、これまでも第三者評価、障害者・児施設のサービス共通評価基準というものを作成いたしまして、これを用いてサービスの第三者評価というものを進めていることが一点でございます。  それから、新たに導入されます支援費制度におきましては、サービスを提供する事業者との対等な関係に立って障害者自身がサービスを選択するという仕組みでございますので、事業者間の競争を促すことによりましてサービスの質の向上を図るということも支援費制度の一つの大きなねらいでございます。  さらに、こういったものを実現していくために、この支援費制度におきましては、一定のサービスの質が確保できるようにサービス提供事業者の指定基準というのを改めて設定いたしまして、その中におきまして、事業者は契約に当たりましてサービス内容について書面で説明して交付するというふうに、常に利用者の立場に立ってサービスの提供に努めるということがうたわれておるわけでございますし、また制度的には、利用者等からの苦情に迅速にかつ適切に対応するというふうにするために窓口の設置、そういったものを設けなさいというような形での苦情相談窓口ですね、そういう必要な措置を講じなければならないというふうにされておるところでございます。  このような取組を通じまして、支援費制度の下で良質なサービスの確保に配慮がなされておるわけでございまして、今後サービスの一層の質の向上に努めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
  68. 沢たまき

    ○沢たまき君 よろしくお願いいたします。  次に伺います。  障害者基本法の第二条に、障害者を「身体障害、知的障害又は精神障害があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」と規定して、精神障害者も対象としております。しかし、支援費制度では、身体障害者・児と知的障害者・児のみを対象として精神障害者を除いているため、同じ障害者でありながら利用できる制度、あるいはサービス利用における利用関係の法的な位置付けに差異が生じていることになりますが、この点、厚生労働省はどう考えていらっしゃるんでしょうか。精神障害者も将来は支援費制度を導入されるのでしょうか。
  69. 河村博江

    ○政府参考人(河村博江君) この支援費制度におきましては、障害者福祉サービスについて、行政がサービスの受け手を特定してサービス内容を行政が決定するという、そういう措置制度の仕組みから契約に基づく利用制度に転換するということを目的にいたしておるわけでございまして、身体障害者、知的障害者及び障害児を対象にいたしております。  一方、精神障害者の福祉サービスにつきましては、これまでも措置制度というんではなくて、利用者と事業者の利用契約に基づいてサービス提供が行われておりまして、そういった意味では、支援費制度の導入により実現しようとしている仕組みというものは既に確保されておるというふうに思うわけでございます。  また、障害者プランにおきまして、支援費制度と併せて精神障害者福祉サービスの計画的整備を行っておるわけでございますが、ただ、精神障害者福祉サービスにつきましては、特に入所施設でありますとかデイサービスの代わりに精神科デイケアといったような形で医師の判断を必要とするというものもあるわけでございまして、現時点におきましては精神障害者を支援費制度の対象にするということは考えておらない、両制度の運営状況を勘案しつつ、今後の検討をしていくべき課題ではないかというふうに思っておるわけでございます。
  70. 沢たまき

    沢たまき君 四十七分でございますので、あと一問だけ聞かせていただきます。  介護保険では、要介護者の支援を行うために専門員、いわゆるケアマネジャーが制度化しておりますが、支援費制度では市町村がこの役割を果たす、担うことになっております。障害者地域生活を支援するためにはいろんな福祉サービスの提供が必要になりますことから、市町村はそれを調整、管理するケアマネジメントは不可欠となります。この専門性の担保市町村で果たして可能なんでしょうか。実態はどうなのか、ちょっと伺わせていただきたいと思います。
  71. 河村博江

    政府参考人(河村博江君) 先生おっしゃいますように、障害者地域生活を支援するために障害者の多様なニーズを適切に把握、評価して、これに基づいてケアプランを作成、実施するというこのケアマネジメントの手法が重要であるということでございまして、この支援費制度におきましても、サービスの申請から決定、利用に至る一連のプロセスにおきまして、市町村職員等がケアマネジメントの手法を積極的に活用することを想定いたしております。  このようなケアマネジメントに従事する市町村あるいは民間の社会福祉法人等の職員の専門性を確保することは非常に重要な課題でございまして、このため平成十年度から研修を実施をいたしております。  また、平成十五年度から、更に高い専門性を持った人材を養成するために、国と都道府県のそれぞれの段階におきましてスキルアップのための上級研修というものを実施いたしまして、これに市町村職員の積極的な参加というものを求めておるわけでございまして、こうした取組を通じまして、支援費制度を担当する市町村職員におきまして一定の専門性が担保されるよう、これまでも努力をしてきましたし、今後とも努力をしていきたいというふうに思っておるところでございます。
  72. 沢たまき

    沢たまき君 終わります。  ありがとうございました。
  73. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) 午前の質疑はこの程度とし、午後三時まで休憩いたします。    午前十一時四十六分休憩      ─────・─────    午後三時開会
  74. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、厚生労働行政基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  75. 小池晃

    小池晃君 日本共産党小池晃です。  まず最初に、抗がん剤イレッサの副作用問題をお聞きしたいと思います。承認の過程の問題であります。  二月末の段階で、間質性肺炎、急性肺障害の副作用報告が五百二十三件、死亡が百七十七件、深刻な被害が出ています。様々な問題指摘されておりますので、まず最初に参考人にお伺いしたいんですが、第一に、アストラゼネカ社は発売から半月後の八月初旬には副作用拡大の危険性認識していた、にもかかわらずアメリカの審査を優先させて、結局十月十五日まで添付文書の改訂が遅れた。それから第二に、二〇〇一年二月、これは臨床試験中の副作用ですけれども、アストラゼネカ社が実際よりもグレード、重症度を低く報告したと。しかも、国への報告は医師の最初の緊急報告から四十日以上経過をしております。それから第三に、二〇〇一年に副作用危険を示す動物実験データ、この報告を研究者から受けていたにもかかわらず、承認まで厚労省に報告せず隠していたと。こういったことがこの間報道されています。  厚労省として、これ、薬事法に違反する重大問題だと私は思うんですが、調査の状況について、そして会社に対する改善指導とか行政処分、これはどうなっているのか、御説明願いたいと思います。
  76. 小島比登志

    政府参考人(小島比登志君) 先生御指摘の第一点目でございますが、アストラゼネカ社は早い時点で副作用問題を十分承知していて適切な対応を取らなかったんではないかという点でございます。  私ども、このイレッサの健康被害に対しましては、十月四日からアストラゼネカ社と接触して緊急安全性情報への発出を向けて協議を始めたわけでございますが、そのときの副作用報告がまだ非常に少なくて、さらに、十月十五日の緊急安全性情報の発出は、被害例が二十六、うち死亡十三ということでしたが、十月二十六日にアストラゼネカ社が自ら発表したときには百二十五例の被害例で、うち死亡例三十九と。これは非常に多かったということで、一体社内の安全体制あるいは副作用の報告体制がどうなっているのかということで、大阪府を通じまして調査に入ったということでございます。  その調査は十一月五日に大阪府から報告されてきたところでございますが、具体的には、八月十二日の段階で副作用報告に関する会議を開きまして詳細情報の収集や調査項目の追加等を検討しているということ、それから九月十一日に開催した社内会議で添付文書を改訂するとの結論であったこと、それから九月十九日には英国本社に改訂添付文書案を送付したこと等々のことが十一月五日の段階で私ども把握したということでございます。これにつきましては、更にアストラゼネカ社等調査しまして、副作用報告が適正に行われていたかどうか更に事実関係を詰めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから、第二点目の御指摘につきましては、一つは、副作用動物実験結果を承認審査の段階で報告していなかったという報道がございました。これにつきましては、企業からの事実関係の報告を受け、現在その事実関係につきまして精査を行っているところでございます。  それからまた、臨床試験の重症度の報告が間違っていたのではないかということでございますが、これについては企業に事実関係の報告を現在求めているところでございます。それらを精査いたしまして、薬事法違反になるかならないか私どもとしては鋭意詰めて、必要があれば必要な処分をしてまいりたいというふうに考えております。
  77. 小池晃

    小池晃君 これらは既に報道されてもう一月以上もたっておりますし、大阪府の調査はもう五か月たっている、まだ精査中だと。私は、これ非常に何事かと思うんですが、しかも承認一か月前の昨年五月に既に国内で間質性肺炎による死者が出ていたということが明らかになりました。厚生労働省はこの事実についてはいつ報告を受けたんでしょうか。
  78. 小島比登志

    政府参考人(小島比登志君) 先生御指摘の症例につきましては、審査センターに対しまして平成十四年五月二十二日に報告された治験外のゲフィチニブを提供された日本人の肺臓炎の症例であると承知しております。当該副作用報告におきましては当該症例は死亡例として報告されており、審査時には報告資料に基づき死亡例として評価をしているところでございます。
  79. 小池晃

    小池晃君 五月二十二日にメーカーから知らされていたと。これは厚労省も知っていたことであります。しかし、この報告から二週間ちょっと、六月十二日に薬食審の薬事分科会が開かれてイレッサの承認を了承していると、これに基づいて厚生労働大臣が七月の五日にイレッサを承認しているわけです。  薬事分科会には副作用による死亡例があったということは、国内の間質性肺炎の死亡例があったということは報告されたんでしょうか。
  80. 小島比登志

    政府参考人(小島比登志君) 審査センターにおける審査は、五月九日に審査報告書というものを作成して、それに基づきまして五月二十四日に医薬品の薬事分科会の中の第二部会というところで審査が、審議が行われております。  この五月二十七日に提出された事例については、私どもとしては、審査センターにおける審査報告書の中で間質性肺炎の重大性、いわゆる副作用である可能性は否定できないという評価をしていることから、私どもとしてはあえて薬事分科会の方には報告をしていなかったということでございます。
  81. 小池晃

    ○小池晃君 これ、だって、国内で初めての死亡例ということであったら重大な情報じゃないですか。こういったことが承認し、了承した分科会に報告されなかったというのは、私、極めて重大だと思うんです。  しかも、審議会に報告しなかっただけではなくて、十二月二十五日に開かれたイレッサの安全性問題検討会でも国内では承認前に間質性肺炎による副作用死はなかったと、そう説明していたと思うんですが、これ間違いありませんね。
  82. 小島比登志

    ○政府参考人(小島比登志君) その点でございますが、昨年の十二月中旬以降だったと思いますが、NSKの報道で海外のいわゆる治験外のイレッサの使用によりまして副作用がたくさん出ているんじゃないかと、要するにそれを考慮したのかというような報道がなされまして、私どもといたしましては審査センターの資料を、大部なものでございますが、鋭意それを整理したということでございます。  その整理の中に先生御指摘の日本人の死亡例というのがあったわけでございますが、実は、この資料を作成する際に、その項目は入っていたわけでございますが、死亡欄のチェックがちょっと落ちてしまっていたということが実際、事実でございます。
  83. 小池晃

    ○小池晃君 ミスで済む話じゃないんですよ、これは。見落としたで済む話じゃないでしょう。だって、五月には報告受けていたんですよ。承認前に副作用で死亡者が国内でも出ていたという重大な情報ですよ。これを見落とすというのは、私、極めて不自然だと思うんです。  五月二十七日には報告を受けていたと。テレビや新聞でもそういったことが言われていた、にもかかわらず資料を作成するときに気が付かなかった、書き落としたと。それで、このイレッサの安全性問題検討会にはそういう国内での死亡症例は承認前にはなかったという報告しているんです。私、これ極めて不自然だと思いますよ。これ、五月から既に分かっていた、ずっと分かっていたのにひた隠しにしていたということなんじゃないですか。  しかも、確認しますけれども、この五月二十七日の例というのが国内での発症、間質性肺炎の死亡第一例なんですか。
  84. 小島比登志

    ○政府参考人(小島比登志君) 日本人としては、治験提供外、治験外の提供でございますが、最初の例ということでございます。
  85. 小池晃

    ○小池晃君 そんなことないんじゃないですか。五月九日のこれは審査センターが出した報告書ですよ。五月九日に出した審査センターの報告書にこう書いてあるじゃないですか。審査センターは、国内外で死亡が認められている間質性肺炎については云々と書いてあるんですよ。五月九日の時点で国内外で死亡が認められる間質性肺炎というふうに書いてあるじゃないですか。ということは、五月九日に出した審査報告書に既に国内で間質性肺炎、死亡があると書いてあるんですよ。でたらめじゃないですか。
  86. 小島比登志

    ○政府参考人(小島比登志君) 少なくとも私ども国内の例は承知をしておりません。
  87. 小池晃

    ○小池晃君 駄目ですよ、そんなのは。駄目ですよ、そんなことじゃ。審査報告書に書いてあるじゃないか。そんなのは答弁になっていないよ。ちょっと時計止めてくださいよ。そんなのは駄目ですよ。
  88. 小島比登志

    ○政府参考人(小島比登志君) 国内外と書いてあるはずでございますが、それは外ということでございます。
  89. 小池晃

    ○小池晃君 国内外で死亡が認められている間質性肺炎ですよ。これは国内、国外という意味じゃないんですか。これが何で国外という意味なんですか。
  90. 小島比登志

    ○政府参考人(小島比登志君) 国内外合わせて、要するにその場合ですと二例だと思いますけれども、死亡が認められているということでございます。
  91. 小池晃

    ○小池晃君 じゃ、あくまで五月九日以前には国内の死亡症例はなかったということなんですね。それは、じゃそういうことで確認しておきますが、非常に、じゃ、この書き方は不正確だと私は思いますけれども。  でも、これは非常に私、重大だと思うんですよ。だって、五月二十七日に承認前に副作用の死亡が報告されていたのに、それは承認を決定する薬事分科会には報告されなかったわけですよね。しかも、十二月二十五日に開かれたイレッサの安全性問題検討会でもこの報告はされなかった。資料に書き落としたという説明であります。  そもそも、これだけの問題が次から次へと出てきている。承認過程に重大な問題があるのは間違いないと思うんです。しかし、ゲフィチニブ安全性問題検討会は、これは昨年十二月に開かれましたけれども、承認過程についての検討をやっていない。十二月二十五日にやったきり、その後一度も開かれていない。何で承認過程について検討しないんですか。
  92. 小島比登志

    ○政府参考人(小島比登志君) その検討会でございますが、私どもといたしましては、主に薬事審議会の委員の先生方を中心に、専門的立場からこのゲフィチニブの安全性について御審議を賜りたいということで、その議事次第の第一番目に承認時の安全性、有効性に関する評価についてというような項目も挙げてございます。  それがどのくらい委員の先生方の間で議論されたかというのはまた別の問題でございますが、私どもとしては、審査に携わった委員の先生、それから安全対策の関係の委員の先生、ほぼ同じぐらいの比重で選んで双方の観点から議論を詰めていただいたということでございます。
  93. 小池晃

    小池晃君 いや、だから答えていないんですよ。何で、承認過程について検討していないじゃないですか、十二月二十五日も。そして、それ以後も一回も開かれていないでしょう。承認過程の検討をなぜしないんですかというふうに聞いているんです。
  94. 小島比登志

    政府参考人(小島比登志君) 承認過程ということで明示的に議題を提出したわけではございませんが、あくまで承認時の安全性、有効性に関する評価、それからもう一つ大変重要な議題がございまして、市販後における安全性と安全対策について、これも同時に御審議をいただいたということでございます。
  95. 小池晃

    小池晃君 重大な話じゃないですか。だって、国会では、大臣承認過程について検証する必要があると答弁しているんですよ。それなのに明示的に承認過程について検討することを議題にしなかった。検討しなかったということじゃないですか、そもそも。全くこんな判定会、委員会作っても、検討していないということなんじゃないですか。  大臣、これ私、重大だと思うんですよ。副作用による死亡という重大な情報承認のときの薬事分科会にも報告されなかったわけです。それで承認決定された。その後の対応も遅れて副作用が拡大したんです。問題がなかったかどうか検討する委員会承認過程についての検討が明示的に議題としてなかったと。検討すると言ってしなかったわけでしょう。  大臣は当委員会で、承認の経緯はどうだったか、誤りがなかったか、すぐ検証しなければならないと、私が質問してお答えになりました。ところが、やっていないんですか。これ重大じゃないですか。これ約束違反ですよ。  大臣、この承認の過程について再検証すべきじゃないですか。
  96. 坂口力

    国務大臣坂口力君) イレッサの話につきましては、私もあれからかなり多くの学者の先生方の御意見もお伺いをいたしております。また、これが審査されました時点のときの話も聞いているところでございますが、一応きちっとしたものは一遍やらなきゃいけないというふうに思っておりますが。  これは、それぞれの学者の先生方によって随分意見が異なっております。どちらかといえば臨床の先生方は、いや、それはいろいろ副作用もありますけれども、しかし、今まで他の抗がん剤によってどうしても助からなかった、あるいはまた手術をすることもできない、そういう人たちにこれは使って、そして効果のある人がいるんだから、副作用を最小限にこれは押しとどめることを中心にしながらこれは持続してほしい、こういう御意見が非常に多いわけでございます。  確かに、いろいろの症例を拝見をいたしますと、もう化学療法等によってどうにもならなかった人の中に完全と言っていいほどもう回復した人たちもかなりいる、そういう状況でございまして、これは使い方というのは非常に、この薬は使い方が非常に難しいけれども、きちっとしてそれを使うことができれば、副作用を抑えることができれば有効な薬であるという先生方の御意見というのも私は理解ができるわけであります。  ただし、それはもう使われてからの話でございまして、委員がおっしゃるように、承認する前の話というのは私も全く分からなかったわけでございますので、これはどういう理由でこれが優先的な薬品としてこれが議論をされて、そしてこれが承認をされたのかという過程につきましてはきちっと検証をしたいというふうに思っております。
  97. 小池晃

    小池晃君 大臣はこの間も国会で言われたけれども、やっていないんですよ。検討会開いたけれども全く議題にもなっていないんですよ。これは直ちに検討していただきたい。  あわせて、今日お配りしておりますけれども、ちょっと資料を見ていただきたいんですが、ちょっとこの検討委員会のメンバーについて。  これは私が厚生労働省請求して提出してもらった資料でありますけれども、十二名の委員、ゲフィチニブ安全性問題検討委員会の委員、これを見ますと、これは十二人中、薬事審の委員が十一人なんですよ。うち、医薬品第二部会、第二部会というのは、これは抗がん剤イレッサなどを承認する部会のメンバーは四人です。薬事分科会は二人です。そのほかにも二人、いろんな審査とか報告書作成に協力したという人がいるんです。しかも、イレッサの承認を行った部会の部会長と部会長代理までいるんです。  大臣、こういうメンバーで承認が果たして公正公平に、妥当に行われたかと議論できますか。私は、これじゃ身内の審査で、こういうメンバーで議論したって承認に問題があったなんという結論出てくるはずがないと思うんです。  大臣承認過程を検証するのであれば、このメンバーについても検討し直す必要があるんじゃないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
  98. 坂口力

    国務大臣坂口力君) それは学者の皆さん方を非常に侮辱した話だと私は思いますね。この皆さん方は、それは確かにその中に携わった人がいるかもしれません。いるかもしれないけれども、その人たちは自分たちの学問的信念に基づいておやりになっているわけでありますから、それを、ここに出ている人は全部これは何かでたらめみたいなことを言うのは甚だ失礼な話だと私は思います。  これは、この中の幾人かにつきましては、私は個別にもいろいろのお話を伺っております。その人たちはそれぞれの今までの学問的体系の中で信念としてこれはこうだということをおっしゃっているわけでありまして、これを審査するときに入っていたからそれは駄目だというのは、それは私はいささか言い過ぎではないかと思いますね。
  99. 小池晃

    小池晃君 しかし、参考人にお伺いしますが、このメンバーを集めたときに承認過程についての意見はだれからも出なかったというふうに私お聞きしていますが、間違いないですね。
  100. 小島比登志

    政府参考人(小島比登志君) 承認過程ということでは名指しではありませんが、やはりイレッサはどういうふうな性格であるとか、どういうふうな被害が出るかということであれば、そのことも議題になっていたということでございます。
  101. 小池晃

    小池晃君 イレッサという薬がどういう効き方をするかとか副作用どうかとか、そういうことを聞いているんじゃないんです。承認過程がどうだったかということについて明示的に議題も出さなかったし、実際にこれを十二月二十五日に開いても、そのことについて意見が出ていないんですよ。  だから、侮辱とか言うけれども、このメンバーでは私は無理があると言っているんです。能力がないとかそういったことを言っているんじゃないんです。承認過程に直接携わった人たちが十二人中十一人を占めるような委員会で、承認に問題があったということが検討できるのかと言っているんです。  私は、承認過程をきっちり、大臣言うようにきっちり調べる必要あるというのであれば、やはりこの承認に携わらなかった人も含めて、国民から見て、だれが見ても公正公平な検討をすべきだというふうに思いますが、大臣、もう一度いかがですか。そういう検討、全部入れ替えろとは言いませんよ。しかし、やはり承認過程検証するのであれば、一定の見直しは必要なんじゃないですかと申し上げているんです。どうですか。
  102. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 私は、その審査されたときに的確な情報というものがその先生方にそれは届けられていたかどうかということが私は問題だと思っております。その先生方はそのときの情報によって決断をされたわけでありますから、そのときの情報に間違いがあれば違う結果が私は出るというふうに思います。  したがって、その先生方にそのときの正確な情報をお伝えをして、そしてそれが問題であったかなかったかということをやはりもう一度検討をしていただくということは意義のあることだと思っております。
  103. 小池晃

    ○小池晃君 私は、十二月二十五日に検討会を開いても、結局、承認過程については全く議論していないわけですから、こういうメンバーで繰り返すのであれば、承認過程についてきちっと公正な検討ができるとは思えないんです。しかし、大臣は検討するというふうにおっしゃいましたので、これは、この検討をやるということは、これは引き続き見守っていきたいというふうに思います。  引き続いて、難病の問題についてお聞きをしたいんですが、特定疾患の治療研究事業の見直しの問題です。  これ、障害者基本計画やプランの中でも難病問題は重視をされている。大臣の所信でもこの障害者計画やプランを着実に推進するし、難病対策についても引き続き総合的な取組を進めていくとお話ありました。  大臣にお聞きしたいんですが、難病患者の治療と研究を一層進めるためにも、今回のこの見直しによって患者負担が増えないように私は十分配慮すべきだと思うんですが、大臣、いかがですか。
  104. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 難病、難病といいますか、特定疾患治療研究事業のことだというふうに思いますが、今回の見直しにおきましては自己負担制度を見直すことといたしております。  これは、重症患者に対しましては引き続き全額公費負担としたいというふうに思います。重症患者以外につきましては、これまでは所得の多い少ないにかかわらず一部負担をしていただいてまいりましたが、所得の少ない人、低所得者につきましては全額公費負担として負担を軽減をしたいというふうに思っております。  それ以外の方につきましては、他の難病性疾患でありますとか障害者医療との均衡を配慮して、無理のない範囲内で所得と治療状況に応じた段階的な一部自己負担を導入をさせていただきたいというふうに思っております。中でも、日常生活に特段の支障がなくて、就労等も可能な方も中にはおみえになるわけでありますから、一般医療の扱いとするのか、それともこの難病の中で考えていくのか、そうしたこともよく検討をしていかなければならないというふうに思っている次第でございます。  ですから、もうちょっと、一言で言えば、今まで一律に何もかもやっておりましたのを、そうではなくて、所得の多い少ない、あるいはこの病気の重い軽い、そうしたことを十分に考慮をして、そして重い人それから所得の少ない人には負担が掛からないように、そういうふうにしていきたいと、こういうことを申し上げているわけです。
  105. 小池晃

    ○小池晃君 この所得に応じた自己負担の問題ですが、いまだに具体策、具体的な姿が明らかにならないという中で不安が高まっています。  私の元に愛知県の女性から手紙寄せられました。お孫さんが特定疾患だということで、資料にお配りしております。これは愛知県のある自治体が送ってきた通知なんですが、これ見ますと、特定疾患医療給付制度は大きく変わります、所得基準が導入されます、詳細は未定、六月以降書類を郵送します、世帯全員の所得証明が必要になると予想されます、非常に不安をあおるような中身であります。お手紙でも、本当にこんなことが送られてきて不安と怒りで我慢できない、この一片の通達がどれほど不安に陥れるものかというふうに訴えられている。  私、こういう通知を送ると、これは本当に患者さんの不安高まるばかりじゃないかと思うんですが、こんなやり方問題あるんじゃないですか。参考人にお伺いします。
  106. 高原亮治

    ○政府参考人(高原亮治君) 私も、委員のお配りになりましたこの特定疾患医療給付の患者の皆様へというものにつきましては、かなりといいますか、相当不正確かつ不適切な点があるんだろうなと思っております。早急に、都道府県を経由いたしまして、どういう経過でこういうふうなものが配られるに至ったかということを調査してみたいと考えており、適切に指導してまいりたいと思っております。
  107. 小池晃

    ○小池晃君 現行の負担は一回千円、月二千円までです。更生医療をモデルに所得に応じた負担額ということになっていくと多くの患者さんが負担増になるんではないかという不安が出てきている。大体、患者さんが負担が増えていくことになる危険性があるのは、通院、入院についてどの程度の所得から負担が増えるということになってしまうのか、そこについてお示しいただきたいと思う。
  108. 高原亮治

    ○政府参考人(高原亮治君) この所得の範囲内、私どもは、患者さんが世帯主もしくは世帯の最多収入者であるかどうか、それでどこまで合算するかと、本人もしくは最多収入者で切ろうということで考えております。したがって、このお配りになったような世帯全員ということは今のところ、検討課題の一つではあるけれども、軸足としてはそこには置いておりません。  それで、患者自身が世帯主又は世帯の最多収入者の場合で考えますと、仮に更生医療の徴収基準額表と比較いたしますと、入院におきましては前年の所得税額が十九万八千円以上の場合、外来においては前年の所得税額が九千六百円以上の場合に現在の治療研究事業の自己負担額の上限を上回ることとなります。
  109. 小池晃

    ○小池晃君 こうなってくるとかなり負担が増えてしまう人が出てくるわけであります。私は、こういう形をそのまま適用することはやはりやめるべきだと、患者さんの負担が増えないように極力配慮をすべきだというふうに思うんです。  それと、先ほど大臣がちょっと言われた一般医療で見ていくという話ですが、これは症状が軽快した者については一般医療ということについても不安が大変広がっていると。認定外されると病院に行きにくくなってしまう、それで検査が遅れて病状が悪くなるということもあるんじゃないか。そもそも軽快しているときというのは余り医療費掛からないわけですから、私は難病医療、予算全体のことを考えても、これ、わざわざ良くなったら外すというようなことはせずに、今までどおり制度を続けていくべきではないかというふうに考えるんですが、この点いかがですか。
  110. 高原亮治

    ○政府参考人(高原亮治君) 非常に長期、比較的長期にわたりまして著しい制限がなく、日常生活、就労等の社会生活を営むことができる寛解状態にある方も現実いらっしゃるわけでありまして、それについて委員御指摘のように医療費が掛かっていないじゃないかという議論もあるかと思いますが、これは重症軽症というふうなことである程度症状に応じて給付を厚くしたり、それからちょっとお待ちいただくということで考えておるわけでございます。  これは認定を、疾患の認定自身をこれは解除するということではございませんので、これは症状が今軽いから一般医療の負担をしていただくということだけでございますので、その疾患自身の認定は増悪した場合には直ちに行われるわけでございますので、実際の不利益というふうなものは余りないのではないかと考えております。
  111. 小池晃

    ○小池晃君 その悪化した場合の再認定ですが、これは簡単な手続で速やかに行うということを説明されているんですが、これは検査なども含めてさかのぼって公費助成されるというふうにお考えなんでしょうか。
  112. 高原亮治

    ○政府参考人(高原亮治君) これは検査の状況、それからその他理学的な所見によって判断されるんだろうと思いますが、実際に増悪が医師により確認された日にさかのぼって適用するというふうに考えております。
  113. 小池晃

    ○小池晃君 それと、その診断基準の問題ですが、この通知、ある自治体の通知でも診断基準変わりますというふうに強調しているんです。認定を打ち切られる方が出ることも予測されますというようなことを書かれている。これも大きな不安を呼んでいるんですね。  診断基準の見直しというのは、これはまさかその基準を厳しくして今認定される人を対象から外すと、そんなことを考えておられるんじゃないでしょうね。その点、確認したいんですが。
  114. 高原亮治

    ○政府参考人(高原亮治君) この診断基準の改定でございますが、例えば強皮症という病気がある、これは現在研究班で使っておる診断基準と、例えばこれは国際的な標準になっておりますアメリカリウマチ学会、これの診断基準の方が実際日本の医学部の教科書なんかでも使われておるようなんですが、そういうふうなところで乖離が生じている。その他、この研究事業も通じまして、いろいろな診断基準が現代の医学よりかちょっとずれてきたところがあるということを修正するために行うものでございまして、御質問のように基準を厳しくして認定を打ち切るというふうなものでは全くございません。
  115. 小池晃

    小池晃君 私は、今計画されている負担増あるいは一般医療への移行というのは難病の治療研究推進に逆行すると思いますので、これは治療研究の充実こそ行っていくべきだし、患者団体の声をよく聞いて見直しを進めるべきだということを申し上げておきたいと思います。  さらに、ちょっと時間がないんで簡単にしたいんですが、今日閣議決定政令が出されました医療労働者の派遣についての政令の問題であります。  これ、今までは医療労働者の派遣労働禁止されておりました。ところが、今日、社会福祉施設等について解禁をしたと。今回のこの社会福祉施設への派遣解禁によって派遣の対象となり得る医師数あるいは看護師数、准看護師の数、これはどの程度になるんでしょうか。
  116. 篠崎英夫

    政府参考人(篠崎英夫君) 平成十三年十月一日現在の社会福祉施設等調査、そして介護サービス施設・事業所調査によりますと、社会福祉施設などにおける医師の従事者数は常勤及び嘱託医などとなっている者の数を合わせますと四万一千五百六十三人、それから同様に看護師、准看護師の従事者の数については五万三千五百二十八人となっておりますので、今般の措置により約合計いたしますと九万五千人ほどでございますが、これら医師看護師労働者派遣の対象となり得るというふうに考えております。
  117. 小池晃

    小池晃君 社会福祉施設だけだといってもかなり多いんですね、こういったことに解禁をすると。これ、関係団体からも反対の声が上がっています。日本医師会、看護協会、それから連合も反対の事務局長談話を出しています。日弁連もやはりこれは反対であると。しかも、こうした重大な問題について政令の改正という閣議決定で行うのではなくて、国会の審議による法律によるべきだと主張されている。  これは大臣にお伺いしたいんですが、これ様々な問題点あると思うんですね、社会福祉施設とはいえ。しかし、これが本当に閣議決定だけで決まると私は重大な問題があるんじゃないかと。これ、中身の問題点、様々あると思うんですが、十分に検討されたとは言えない。例えば日本医師会は、チーム医療の継続性が保たれるのか、医療事故責任はどうなのか、あるいは守秘義務の問題はどうなんだというようなことも主張しています。  これ、私は、こういった問題を閣議決定だけで政令で決めるというのではなくて、少なくともきちっと国会で審議すべきだと思うんですが、これは検討し直す必要があるんじゃないですか。大臣、いかがでしょうか。
  118. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 派遣につきましてはいろいろの御意見のあるところでございますけれども、しかし非常に雇用が多様化されてまいりました現在におきまして、医療の分野といえども必要な場合があるわけですね。  例えば、その福祉施設等で働いておみえになります看護婦さんが何か、例えばお父さんならお父さんがどこか御病気でお休みになるとか、あるいはまた御自身の都合でしばらくお休みになるといったときに、しかしそれは辞めたくない、良くなればそこに回復したいといったようなときに、その期間雇用の、この派遣業でつないでもらって、そしてまた復帰するというようなこともでき得るわけでありますから、マイナス面だけではなくて非常にプラス面もあるわけでございますので、私は、そうした意味でこの派遣業というのはこれからだんだんと必要になってくるし、やはり福祉の分野で一度これはやらせていただいて、そしてその状況を見させていただくというのは一つの方法だというふうに思っております。  政令でというお話でございますけれども、政令で今までも決めてきたわけでございますので、これはそうした形で一遍やらせていただきたいと、そういうふうに思っている次第でございます。
  119. 小池晃

    小池晃君 メリットもあるとおっしゃいますけれども、様々な問題点解決されないまま見切り発車だと。しかも、総合規制改革会議などでは医療分野へも拡大すべきだと、厚生労働省も検討すると。やはり医療分野にまで及んでくれば、本当に正に患者さんの身体、生命に本当に直接かかわる問題として危険性が指摘されているわけでありますから、この問題は本当に国会で審議をせずにどんどんどんどん進めていくというやり方は大変問題があるということを申し上げておきたいというふうに思います。  最後に、東京北区東京社会保険病院の問題をお尋ねしたいと。  これは、建物既にできていまして、四月から開設する予定でした。ところが、突如中止ということで大問題になっている。一方で、これは国立病院廃止に伴うもので、品川にある社会保険都南病院が新築移転をするということで合意していた。ところが、これを全社連に委託を中止するということを突然決めて、病院開設のめどが全く立っていないという状態にあります。  これは、本当に年末の慌ただしい中、どたばたっと決められたことであります。十二月の半ばに、都南病院の管理者は全社連を通じて新病院開設準備をこのまま進めていいのかと聞いたけれども、粛々と進めるようにと言われた。十二月の後半に方針転換があったはずなんですね。十二月の二十五日に社会保険病院の在り方の見直し、これが発表された。それまではそういう話全然なかったわけです。少なくともそれまではこの問題は、新しい病院は全社連に委託するという方針だったはずです。ところが、十二月の二十七日に病院には委託中止という方針が決まった。  木村副大臣は、十二月の二十六日に北病院を訪問されていますね。これは間違いないですか。
  120. 木村義雄

    副大臣木村義雄君) 二十六日に現地を見学いたしました。
  121. 小池晃

    小池晃君 要するに、方針転換の正にその日にあなたは北病院に行かれた。これは委託しないという方針を決めてから行かれたんですか。それとも行ってみて委託しないという方針が決まっていったんですか。
  122. 木村義雄

    副大臣木村義雄君) 社会保険病院につきましては、これは相当長い経過の議論があるんです。  おととしまでさかのぼるわけでございまして、そこは政府管掌健康保険のやっぱり厳しい現状があるわけでございまして、そういう財政状況も踏まえまして、昨年の健康保険法改正案の経過過程におきまして、その在り方の抜本的な見直しが求められて、その附則、同法附則にもその旨が明記されているわけでございます。  これを受けまして、厚生労働省といたしましては、昨年の三月に医療制度改革推進本部を設置しまして、この中で社会保険病院の在り方についての基本的な検討を行うとともに、新規に開院する東京社会保険病院についても全体の見直しの方針に即してどのようにすべきかの検討を進めてきたところでございまして、このような経緯を踏まえまして昨年の末に厚生労働省として社会保険病院の在り方の見直しの方針を決定したものであり、今回の東京社会保険病院の件につきましても、社会保険庁がその方針に基づいて対処をしたものでございます。
  123. 小池晃

    ○小池晃君 私は、その数年間の議論のことを言っているんじゃないんです。この三日間の突如としての方針転換の問題を言っているんです。  これ、本当に現場は大変なことになっているわけですよ。都南病院の職員の皆さん方はもうずっと、新しい病院ができると、それを心の支えにしてずっと働いてこられたんです。レントゲン技師は必要最小限の人員で効率的に働けるようにどうしたらいいか撮影室をレイアウトした。検査技師はシステム構築を二年掛かってやった。みんなが夢を抱いて、新しい病院で働けると。もう十二月の二十七日、職員の皆さんが聞かされたのは年明けですから、それまでずっとそういう思いでやってこられたんです。看護助手の皆さんは、併設される老人保健施設で働けると。だからヘルパーの資格取った人もいるんですよ、そこで頑張ろうと。  私、何年間か検討があったというのは、それは今議論しているんじゃない。それがあったとしても、三年間の経過措置の中で委託の在り方を見直すと言っているんだから。それなのに、わずかこの数日間で大方針転換をして職員の夢を奪った。雇用を守るべき厚生労働省が百十七名の都南病院職員とそれから新規採用予定の百三名の職員の雇用の場を奪ったわけですよ。  大臣、厚生労働大臣ですから雇用を守る立場でもあるんだ。あなた、大臣、これ、こうした人たちに対して雇用の場を奪った責任というのをどういうふうに考えていらっしゃるんですか。お答えいただきたい。
  124. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) それは、そんな二日や三日で決まったわけではないんですね。昨年の何月でございましたか、ここの委員会におきましても、武見先生でしたか、どなたかが御質問になりまして、それに対しましてそのときに、もうそれは見直しますということを木村副大臣、答えているんですね。ですから、そうしたことは着々と進んできていたわけでございます。ですから、そんな急なことではなかったわけでございますけれども、最終的な決定をされましたのは、それは確かに年末であったかもしれませんけれども、そういう状況が続いてきていたということは、これは事実でございます。  ですから、我々といたしましては、これは後をどう引き受けていただくかという、いろいろの引受手、後でここをやりたいというところが幾つか手を挙げていただいておりますので、それぞれの病院に対しまして、こちら側の条件を示しながら、こういうことでどうでしょうかということを申し上げているわけでございます。
  125. 小池晃

    ○小池晃君 大臣、ということは、この当委員会で確かに木村副大臣が、四月一日に立派な病院がテープカットするようなことは許しませんというようなことを発言されましたよ、あの時点で北病院は全社連に委託しないという方針が出てきていたということなんですか。だとすれば重大ですよ。現地には何の話もなかったんですよ、その間。十二月に、十二月に都南病院が全社連に問い合わせしたときには粛々と進めてくださいと言ったんですよ。おかしいじゃないですか。  大臣、これ重大だと思いますよ。もし、その時点でそういう方針があったと。じゃ、あの木村副大臣の答弁があったときに北病院は全社連に委託しないという方針を持っていたんですね。
  126. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) それは社会保険庁の社会保険病院全体を見直すということを言っているわけで、その全体を見直す中におきましては、新しいできるところにつきましては、それは当然のことながらそこに含まれてくるということを言っているわけで、これからも社会保険庁の関係の病院の中で、今、全社連でしたかね、全社連が運営をしていただいておりますけれども、それはすべて全社連というわけにはこれからいかなくなってくる、多くの病院は他のところにゆだねていただかなければならなくなってくるというふうに私は思っております。  それは全体の中の見直しでありますから、それは御理解をいただかないと私はいけないというふうに思っております。
  127. 小池晃

    ○小池晃君 いや、だからまたごまかしているんですよ。  そんなことは分かっているんですよ。社会保険病院の在り方についてずっと議論あったことは分かっているし、二十五日にそれが出たと。それまで、私は北病院のことを言っているんです、北病院に対しては何の説明もなかったんです。全社連に委託するということが報告されていたわけですよ。それを突然ひっくり返したと。  北区議会はこう言っていますよ。この意見書では、北区議会としては区民の大きな期待や関係者のこれまでの努力等を勘案すると納得できるものではないと、本区議会は政府に対して既定方針どおり四月開設に向けてこれまで以上の努力をするよう強く求めると。地元もはっきり言っているんです。これは公明党も賛成の全会一致の意見書であります。  これ、内定者に対する違約金、これは四千五百七十万円支払われています。転職者五十万円、七十四名に対して。それから、新卒者に三十万円、二十九名。これは病院の建設費、土地代は、整備費で百六十四億円、土地代で百三十二億円、合計二百九十六億円です。新病院使わなくても維持しなきゃいけませんから、これ毎月大体一千数百万円掛かると聞いている。  発注業者からも損害賠償請求額が示されているというふうに聞いていますが、これは幾らになるんですか。
  128. 伍藤忠春

    ○政府参考人(伍藤忠春君) 都南総合病院の廃止に伴います業者との関係でございますが、ただいま受注業者から全社連に対しましていろいろそういった話は来ているようでございますが、全社連が今いろいろ聞き取りをしているということでございまして、その額も、長い何というか取引上の関係でありますから、額も流動的なようでございまして、いまだ確定をしていないというふうに報告を受けております。
  129. 小池晃

    ○小池晃君 これ、全社連に問い合わせると大体七億円近くになる可能性があるというふうに言っているんです。厚労省に損害賠償請求するという話も報道されているんですね。私、これ本当にこれだけでも大変な無駄遣いではないかというふうにも思います。  しかも、これ重大なのは、都南病院の職員は行き場を失っているわけです。まだ就職先が決まっていない職員が十二名いる。その他、退職届の未提出者が三十四名います。この人たちに解雇予告通知書が送られているんです。これ、事業主の都合による解雇は整理解雇であります。  整理解雇の四要件をお示しいただきたい。
  130. 松崎朗

    ○政府参考人(松崎朗君) いわゆる整理解雇四要件といいますものは昭和五十四年の東京高裁の判決だと思いますけれども、その中におきまして一般的に言っていますのは、そこで言っておりますのは、特定の事業部門の閉鎖に伴い、同事業部門に勤務する従業員を解雇するについて、それが就業規則に言うやむを得ない事業の都合によるものと言い得るためにはということで三点言っております。  まず一点目が、同事業部門を閉鎖することが企業の合理的運営上やむを得ない必要に基づくものと認められる場合であること。  二点目として、同事業部門に勤務する従業員を同一又は遠隔でない他の事業場における他の事業部門の同一又は類似職種に充当する余地がない場合、あるいは同配置転換を行ってもなお全企業的に見て剰員の発生が避けられない場合であって、解雇が特定事業部門の閉鎖を理由に使用者の恣意によってなされるものでないこと。  三点目として、具体的な解雇対象者の選定が客観的、合理的な基準に基づくものであること。  以上、三点の要件をもって足りると言い、さらに四番目として、解雇について労働協約、就業規則上いわゆる人事同意約款とか協議約款が存在するにもかかわらず労働組合の合意を得ず又はこれと協議を尽くさなかったとき、あるいは解雇がその手続上信義則に反し、解雇権の濫用にわたると認められるとき等においてはいずれも解雇の効力は否定されるべきであると言っております。
  131. 小池晃

    ○小池晃君 これ、四要件すべて満たしていませんよ、このケース。だって、人員削減の必要性と言うけれども、結局これは社会保険病院の移転を前提にして都南病院の閉鎖が決まっていたんだ。厚労省が全社連の委託を中止して、移転できなくなったにもかかわらず都南病院の廃止も決めたんです。だから、厚労省がこれ決めたわけですから、厚労省が閉鎖したわけですから、厚労省が無理な決定を元に戻せばこれ人員削減の必要はないわけです。  さらに、その手段として整理解雇を選択することの必要性、配置転換の余地がないかどうか。これ、全社連の病院、五十四か所も全国にあるんです。しかし、都南病院の職員に対しては、これ全社連とあと日赤何とかの公的病院の求人を、これこれしかじかの求人がありますと示しただけなんですよ。後は勝手にやってくださいと、こういう対応をしているんですよ。  そして、さらにその解雇対象者の選定の妥当性ということで言えば、これは退職届を出していない職員、それから就職未定の職員三十四名、事情を考えず一律に出しているんですよ。  そして、手続の妥当性はどうか。これは三月十一日の労使交渉では解雇の決定されていない、いろんな方策を検討したいと。二十六日、明日再度交渉するとなっていたんです。ところが、それを待たずに十七日に突然解雇予告通知を送り付けたんですよ。つまり、これは本当に私、まれに見る不当な整理解雇だというふうに思うんです。  この原因は何かといえば、厚労省が北病院を全社連に委託することを中止する一方で都南病院の廃止を決めたことが原因じゃないですか。私、こんなことを厚生労働省がやっていいのかと。雇用を守るということを企業に対して指導監督すべき厚労省がこんなことをやっていいのかと。これは私、極めて鋭く問われているというふうに思います。これは雇用を守るルールを破壊する前代未聞の暴挙である。それから、国立病院廃止に伴う地元との約束を裏切ったこと。それから、委託中止によって新たな税金の無駄遣いまで生まれている。これは、厚労省のやり方には全く道理も大義もありません。これは撤回すべきじゃないですか。大臣、いかがですか。
  132. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 撤回するつもりはございません。このまま進めさせていただいて、新しい病院がそこでできるようにしたいと考えております。
  133. 小池晃

    ○小池晃君 無責任だよ、余りにも。とんでもない。
  134. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) 時間が参りました。
  135. 小池晃

    ○小池晃君 社会保険病院の在り方についていろんな議論があるというのは、それはいいとして、私はそれはくみしませんけれども、それはいろんな議論あるでしょう。でも、このやり方には余りにも問題があり過ぎるんだというふうに私は思いますので、これは撤回、引き続き求めたいというふうに思います。  終わります。
  136. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私は、介護保険の今後の運用の方向性について伺いたいと思います。  まず、サテライト型などに象徴される小規模で設置コストが安く、そしてNPOでも運営に携われる施設を重視していく方向なのかどうか伺います。    〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
  137. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 今の先生お話しございました地域に密着した小規模で様々な機能を持ったケアの在り方、こういったものにつきましては、やはり高齢者の方が住み慣れた地域で暮らし続けられる、こういう理念に沿ったものと考えますので、私どもはそういう方向でこれからの高齢者介護の在り方について検討してまいりたいと、こういうふうに思っております。
  138. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 規制改革特区で特養に株式会社が参入できるということの検討があると思うんですが、これは言わば大規模な方向でのある意味での規制緩和、大規模な施設の参入ということでの規制緩和だと思うんですけれども、これは別な言い方で言うと無駄な公共施設を造るというのと同じで過剰に豪華な施設を造ることになると思うんですが、今地方の現場サイドで要望があるのは、先ほども御答弁ありました、むしろ逆に小規模の多機能型の介護施設であります。  このための調査費が実は本年度、平成十五年度の予算に計上されるという予定であるというふうなお話を伺っておりまして期待していたんですけれども残念ながらその項目すらなかったんですけれども、なぜこの調査費について予算が計上されなかったのでしょうか。理由を伺いたいと思います。
  139. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 今、先生からお話のありました予算要求の件でございますが、平成十五年度予算の概算要求におきまして、私ども地域分散型サテライトケアの推進経費として十五億円要求をいたしました。これは、今、先生からお話がありましたように、大規模な特別養護老人ホームの言わば支所の機能としてサテライト的に地域に小規模で様々な施設を造り、多機能なサービス拠点を整備していく。このために、市町村が先進的な取組をしている地域の視察でございますとか、住民の方の理解を得るための啓発経費、それからそういったことを構想しております社会福祉法人内部の検討経費等々を要求したものでございます。考え方といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、高齢者ができる限り住み慣れた地域の中で生活続けられるような様々なシステムを検討しなければならない、その一つとして要望いたしたものでございます。  残念ながら、大変厳しい財政状況もあり、今回、財政当局との折衝の過程で、私ども力が足りませんで、この予算案が獲得できるまでは至らなかったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、地域に密着した小規模で多機能ケアの在り方については私どもこれからも追求すべき課題であるというふうに考えておりまして、今年度、実は研究費を用いまして、初期から終末期に至るまでの地域に密着した望ましい痴呆性高齢者ケアの在り方に関する調査研究ということを、研究班を立ち上げまして、二つの研究グループで、一つは、今、先生お話がありました在宅から通所、一時宿泊、グループホーム入居に至るなじみの環境の連続性を考慮したケアの在り方について、もう一つは、地域で住み続けるためにはみとりまでできないと完結しないという御指摘がございますので、グループホームにおけるターミナルケアの可能性について、こういった二つの研究班を十五年度スタートさしたところでございます。  我々といたしましては、こういう研究班の成果も得ながら、また介護保険制度、法施行後五年を目途とした制度見直しに向けて検討を開始しているところでございますので、こういった検討の場で、今、先生から御指摘がございました小規模多機能施設の整備がどうあるべきか、また介護保険の給付の中でそういったものをどう位置付けていくか、こういったことについて検討を進め、必要に応じまた予算要求なり制度改正を行ってまいりたいと考えております。
  140. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 厳しい財政状況は分かります。でも、一方でその基盤整備予算の半額である一千五十億円というのが施設整備に計上されているわけです。今までの考え方で特養なりそういうものを造っていくということは非常にやっぱりこれからの現場でのニーズには合わない、そしてしかもコストが非常に掛かるということで、本来であれば平成十五年度からもうそういうことが目に見えて分かるような形で予算編成されるべきだったと思います。  大臣にこの点についてもう一度御所見を伺いたいんですけれども、厚生労働省としては小規模の施設を今後増やしていくと、今までの大規模な特養等に頼るようなやり方ではなく、そちらの方をむしろ重視していくんだと。そして、地元でNPOの団体などに会って話を聞きますと、今ほど局長からお話がありました多機能型ショートステイ、デイサービスや地元に密着したそういう細かいサービスに対応できる、そういう小規模の施設について、現状ですと様々な施策についての制度をあれこれ利用してと、手続等その施設をまずスタートさせるときに大変難儀をするわけですけれども、一つのパッケージとしてそういうものが造れるような政策をしてほしいという要望が大変あるんですけれども、この点について坂口厚生労働大臣の御所見を伺いたいと思います。
  141. 中村秀一

    ○政府参考人(中村秀一君) ちょっとその前に、先生から御指摘のありました点について二つほどお答えをさしていただきたいと思います。  一つは、今、多機能小規模と申し上げましたが、先生からお話ございましたように、デイサービスでございますとかそういった在宅系のサービス、あるいは一般の方からは施設のように見えるかもしれませんが、グループホームにつきましては介護保険は在宅サービスというふうに位置付けられておりまして、こういったものの設置につきましては、例えば設置主体の制限も社会福祉法人に限るというようなことはございませんし、またそういったものの整備につきまして、先生から御指摘がありました一千五十億円の整備費の中から、施設整備なりそういったハードの整備については今の予算の方から支出ができると、こういうことでございます。  先生から御指摘のございましたように、確かに今の介護保険、在宅三本柱と申しまして、ホームヘルプサービス、ショートステイ、デイサービスなどメニューはございます。また、ございますけれども、そういったメニューの組合せに苦労するといいますか、そういったこともございますし、それから、特別養護老人ホームになりますと最低基準が三十というようなことで、三十というのが大きいか小さいか、いろいろ議論はあると思いますけれども、やはりグループホームの十人程度という小規模さに比べると大きいというような問題もございます。    〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕  こういったものを解決していくためには、先ほど予算要求の御指摘、十五年度要求にちゃんと計上できなかったことは力足らずじゃないかという御指摘がございましたけれども、こういったことが全部できるようにするためには、介護保険制度全体の給付の体系なり、そういったものの見直しが必要でございまして、介護保険において介護報酬として給付できるというふうなところまでまいりませんと事業者の方としては安んじて、あるいは恒久的に事業として踏み切れないという問題があろうかと思います。  私どもの十五年度予算要求につきましては、あくまでもそういったことを促進するために、まず中での、法人の中での構想、検討について助成するとか、そういう予算でございましたので、今回取れなかったことは残念なことではありますが、最終的には介護保険制度全体の見直しの中でここのところをきちんとしていかないと解決にならないという認識をいたしておりますので、先ほど申し上げましたように、今年度、研究班を立ち上げて議論もさせていただいているところでございますので、この問題はこれから私ども本格的に検討する介護保険制度の見直しの中で重要な課題として検討させていただきたいと考えているところでございます。
  142. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 結論だけ申し上げますと、小規模多機能のケアというのはこれから大事な分野だというふうに思っております。今、局長から答弁ありましたように、今後の見直しの中でこうしたものをどういうふうに形成していくか、より具体化をしていきたいというふうに思っております。
  143. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 ありがとうございます。大変前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございました。  御存じだと思いますけれども、全国のNPO法人というのが大変急増しておりまして、二月末で一万八十九法人、その中で約六割が今のところ福祉関係ということでございます。私も本当にいろんなNPOの方とお会いしてお話聞くんですけれども、やはり何でもかんでも、市役所というんでしょうか、行政に頼るんじゃなくって、地域の人たちがそれぞれサービス提供会員、そして利用会員ということでお互いに助け合って、これからの高齢社会の中でもより住みやすい地域を作っていこうという動きが急速に広まっております。厚生労働省としても、そういう民間の地域の人たちの知恵と力をできるだけ引き出すという方向で今後施策を進めていっていただきたいと思います。  続きまして、社会保障制度設計の方針について、特にまた介護保険なんですけれども、伺います。  今年は、年金制度改革、医療制度抜本改革など、人口減少社会に対応した新しい社会保障制度構築について、議論というよりも、そろそろもう本当に結論を出さなければいけない年だと思います。今のこの経済の状況、いろいろな理由がありますけれども、一番大きな原因は国民の将来不安があると。この国民の将来不安が景気を更に悪化させているという指摘もあるわけです。  それで、その新しい制度の基本設計をする際に重要なことは、現在の財政状況、そして社会状況を把握して、正確なデータに基づいて予想を立てることが必須だと思われます。この基礎データや基本方針を広く国民に知らせ、そして国民から納得を得ることが必要ではないでしょうか。  この点、介護保険というのは、私は人口変動に対応したなかなかよくできた制度だと思っております。だったんですけれども、残念ながら、何か今回また特例という名の問題の先送りで、当初の設計どおりに運用がなされないのではないかとの危惧を持っております。  この点について伺いますが、介護保険の財政安定化基金という制度があるんですが、これは本来の介護保険料の決定プログラムからすると例外的措置、言わばセーフティーネットとして機能すべきものだと思います。しかし、昨年末に特例で財政安定化基金の償還期限の延長を政令で決められましたけれども、これはセーフティーネットとしての機能よりも単なる問題の先送りというふうに私には見えるんですが、大臣の御所見を伺います。
  144. 中村秀一

    ○政府参考人(中村秀一君) 今、先生からお話がありました財政安定化基金の問題についてお答えを申し上げます。  まず、財政安定化基金は介護保険制度のために各都道府県に設置されております。保険者は市町村になっておりますが、市町村が予定どおり保険料をいただけなかった場合や、あるいは市町村の予測に反しまして非常に給付が増えた場合に赤字が生じることになります。その場合の赤字に対して必要な資金の貸付け、交付を行うために作られておりますのが財政安定化基金でございます。  先生御指摘のように、貸付けに、赤字の市町村は貸付けを受けますけれども、その返済については次の事業計画期間、介護保険の方は事業計画期間は三年になっておりますので三年間でお返し願うと、こういうことが原則になっております。  ところで、十五年度から新しい事業計画期間がスタートし、介護保険、各市町村で新しい保険料を設定させていただいたわけでございますが、今回はその赤字の返済期間、借り受けた市町村が返済する期間、三年が原則でございますが、やむを得ない場合には九年間に延長させていただきました。  これは、残念ながら、介護保険、二〇〇〇年四月が初めてでございましたので初めて保険料を設定すると、その際に残念ながら見込み違いが大きかったと、こういう市町村に対しましては、次の三年間でお返し願うということになりますと、本来いただくべき次の三年間の保険料に前の三年間の穴の空いた分を上乗せしなきゃならない。この見込み違いが大きかった場合には、平成十五年から十六年、十七年、三年間の保険料の額が大変過大になるということで、言わば分割払として三年ではなくて九年間でしていただくと、前の年の、前の期間の三年間分が次の三年間で返していただくのの三分の一で済むということで、余りに次の計画期間に引上げ幅を大きくしなくて済むということで取った特例措置の更にまた特例措置でございます。  言わば制度スタート、二〇〇〇年の制度スタートのときの保険料の見込み違いについて何とか第二期以降、三期、四期、九年間でなだらかに返却するということによって激変緩和を図りたいという、言わば制度スタート時の見込み違いについての特例措置として今回認めたものでございますので、その辺は御理解を賜りたいと、こういうふうに考えております。
  145. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 そんなに見込み違いが起こるというほどこの制度の、介護保険料の計算のルールというのはそんないい加減なものじゃ私はなかったと思いますが、そんなにたくさんの自治体で見込み違いがあって、こんな特例を慌てて決めなければいけないという、そういう背景があったんでしょうか。こういう特例を、の特例ですか、を出す、出さなければいけないというその根拠、数字的な、その点についてお答え願います。
  146. 中村秀一

    ○政府参考人(中村秀一君) まず、赤字の市町村の額でございますが、平成十二年度で全保険者数二千八百九十九でございまして、貸付けを受けた保険者、赤字の保険者は七十八ということで二・七%でございます。平成十三年度は二千八百七十七の全保険者に対して貸付けを受けた保険者は三百九十ということで一三・六%でございます。二・七%から一三・六%に増加いたしております。  それと、積立金の額は、十三年度で申し上げますと、一年間に大体六百六十億円ほど積み立てておりますので、平成十三年度、二年目で千三百五十億円程度を積み立てております。貸付けを受けました三百九十の市町村で百億程度の貸付けを受けておりますので、積立金については八・一%ということでございます。  三年間で私ども基金積立てとしては二千億円程度予定いたしておりまして、十四年度の結果が、まだ年度末終わっておりませんが、出ておりませんけれども、四百億円くらいの貸付総額になるのではないかと。したがいまして、基金の額としては千六百億円程度残ると。これが第二期の場合にまた幾らか積み増しをし、また基金貸付けを受けるところも出てきますので、基金の残額としては十七年度末でも千六百億円程度残ると、こういうふうに考えています。したがいまして、基金全体としては、二千億円くらいの基金の中で四百億円くらいの貸付けでございますので、基金全体として何か揺らぐというような問題ではございません。  ですから、全体のシステムとしてはそういうシステムですが、問題は、貸付けを受けられた個々の貸付者の方は自分の保険財政の中で貸付けを受けるわけでございますから、返すということになりますと、その返すお金は次の保険料に跳ね返るということになりますので、そこの保険料の引上げ幅が、そうでなくても今後三年間の介護サービスの増大が見込まれますので、保険料を引き上げなきゃならない。それにプラスして、過去三年間の赤字分の補てんもしなきゃならないというダブルで引上げ要素が掛かる部分について、前の三年間の返却についてはもう少し返却期間を長くして、なだらかに、引上げ幅をそれほど大きくしないようにしなければならないということで行った措置でございます。  ですから、基金全体の話ではなくて、個々の、貸付けを受けた個々の市町村の保険料の上げ幅を考慮したと、こういうことでございますので御理解賜りたいと思います。
  147. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 その問題については、私は昨年の医療保険の改正のときにこのような問題が起きますよということは質問の中でも指摘してあったと思います。そのときに介護保険料の見通しについて質問いたしましたけれども、明確なお答えありませんでした。  そういう問題があると分かっているのならば、なぜ国会で議論しなかったのでしょうか。政令で特例措置を促しておりますけれども、問題の先送りを法律よりも下位の法規範である政令で決定してよいのでしょうか。問題を先送りにするかしないかということはこの場で議論すべきではなかったでしょうか。大臣の御所見を伺います。
  148. 中村秀一

    ○政府参考人(中村秀一君) 議論の前提といたしまして介護保険の財政の仕組みだけ申し上げますと、先生、昨年、国会で医療保険の際に介護保険の財政の問題も御議論いただいたということですが、介護保険の保険料は三年ごとに三年間の保険料を各市町村で決定していただくと、こういうシステムになっております。  十二年四月に介護保険制度スタートいたしますときに、十二、十三、十四と三年間の介護事業計画を立て、三年間の介護ニーズを見込み、したがって三年間の介護給付を見込み、保険料としては三年間で均衡するように、十二年ではプラスが出るでしょうけれども、十三年で大体均衡し、十四年で例えば十二年に出たプラスも取り崩して均衡すると、こういうシステムを取っております。  したがって、財政の見直しは各市町村が条例で今回、十五年度、十六年度、十七年度の保険料水準を大体各市町村、もう三月二十五日でございますから終わっていると思いますが、条例で改正をしているということでございます。その際の前提条件として、過去三年間で生じた貸付けを受けたところの返却の期間を九年にする、政令でしたということでございますので、財政システムについて何か先走って、あるいはそれをないがしろにするような措置を取ったということではないということは御理解願いたいと思います。
  149. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、この問題について私は指摘してあるんですよ、問題になりますよと。介護保険料は値上げせざるを得ませんよと。緩和したとおっしゃいますけれども、ますます介護給付、介護サービス給付が増える、今後増えるという中で、借金を本来ならば次の三年間で、それも保険料の算定の中に組み込んで、次の三年間のサービス量を見込んできちんと計画して出せるようになっているわけです、仕組み自体が。  ところが、これ特例で先送りにすると、どうやってその借金また返すのかという問題がまた、とにかく問題の先送りです、これは明らかに。ですから、こういうことを国民に広く知らせることなく、そして議論することなく政令で決定したという、こういう国会軽視の態度は私は問題だと思います。  医療費三割負担の決定のときもそうだったんですけれども、あのときも国民の負担増の総額を教えてくださいというふうに何度も質問しましたが、一・五兆円であるとかそういう具体的な数字が出てきたのは審議の終盤になってからの後出しだったと思います。  とにかく、今年、先ほど申し上げました社会保障の新しい制度設計ということで結論を急がなければならない年ですので、きちんとしたデータを出していただいて、それを公表し、広く国民の議論を得る、そして国民の納得を得る形で方針決定すべきだと最後に申し上げたいと思いますが、一言、大臣に最後、御所見を伺いたいと思います。
  150. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) 森先生がここでそういう御指摘をしていただいたとすれば、森先生の方が先見の明があったと、こういうことだと私は思います。  しかし、現実問題といたしましては、初めて皆市町村が始めたことでございますから、そうやっぱり森先生ほどの先見の明はなかったんでしょうね。そう思ったようにはいかなかったと。そのときには皆さん返さなきゃならないわけで、一遍に返すのはえらいから、ぼつぼつ返してくださいということを申し上げたわけで、その辺のところはちょっと情状酌量していただいて私はよろしいんじゃないかと思いますけれども。
  151. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 終わります。
  152. 西川きよし

    ○西川きよし君 どうぞよろしくお願いいたします。  まず、本日私の方からは、介護問題についてお伺いをしていきたいと思います。  介護保険制度における平成十五年度の課題、施行後初めての介護報酬の見直し、それから制度見直しの検討、あるいは第二期介護保険事業運営期間の初年度ということで、非常に大切な一年になるのではないかなというふうに思うわけですけれども、そうした中で、これまでの介護保険の実施状況、要介護度の低い人の利用が大幅に伸びております。  厚生労働省が掲げる政策としてできるだけ高齢者の方を要介護、要支援にしないこと、あるいはたとえ要介護になっても介護度をできるだけ上げないようなサービスを提供する、そうした方向性であるというふうにお伺いしておりますし、局長のいろいろ書き物、おしゃべりになったことも目を通させていただきましたが、現状の説明からまずお願いいたします。
  153. 中村秀一

    ○政府参考人(中村秀一君) 今、西川先生からお話ございましたように、介護保険制度をスタートして三年経過しようといたしておりますけれども、サービス利用者の方は、この三年近くの間に、二〇〇〇年の四月、百四十九万人から、昨年の九月でございますけれども、二百五十八万人ということで、七三%の増加をいたしております。特に在宅サービスの利用者の方については九三%増ということで、二倍に近い増加になっております。  それから、先生お話がありました要介護認定を受けた人の数でございますが、二〇〇〇年四月に二百十八万人でありましたものが、昨年十一月に三百三十三万人ということで、これも五二%増加しております。全体の要介護認定受けた方の増加率は五二%でございますが、先生からお話ありましたように、要支援、要介護一という言わば軽度の方の数が増えておりまして、全体が五二%の伸びに対して七〇%以上伸びているということでございます。  したがいまして、最近利用されている方、要介護認定、利用しようと思って要介護認定を受けている方、増えておりますけれども、特に軽度の方が増えておるということが最近の状況でございますので、介護保険制度としては介護が必要になってもできる限り自立した在宅生活継続するという観点から見ますと、どうしても重度になりますと施設にお世話になる方が多いという状況でもございますので、要介護状態にならないような介護予防、あるいは介護が必要になってもできるだけ、軽度の方が多いわけですので、その方の状況を悪化させないような、自立支援に役立つようなサービスの提供が必要ではないかと、こういうふうに考えている次第でございます。
  154. 西川きよし

    ○西川きよし君 ありがとうございました。  大臣も所信の中で述べておられたんですけれども、介護報酬の見直しについては、今もございましたけれども、在宅重視、自立支援の観点を踏んまえて行うという中身でございます。この在宅重視、自立支援の観点の重要性というのは本当に素直に理解をいたします。  私事でいつもお話をさせていただくんですけれども、先日、うちの家内が「多重介護奮戦録」という介護の本を出させていただいたんですけれども、やっぱり介護支援、三人の親、そしてまた家族、僕を含めて子供たちみんなで助け合った、そして一人でも多くの人たちに何かプラスになればということで書かせていただいたんですけれども、我々家族にとりましても本当に介護サービスにどれだけ助けてもらったか、支えていただいたか。しかも、三人おりますものですから、介護なり支援を必要とする状況の中で、家族だけでは本当に支え切れなかったというふうに思います。身をもって介護保険サービスの成果というものを本当に実感させていただきました。  この多重介護、少子化という状況の中で、今後ますます一人っ子同士の結婚ということも珍しくなくなっていくと思います。長男長女が結婚し、そして四人のお年寄りがということになります。できる限りの介護予防、あるいは介護度をできるだけ上げない、そうした観点から政策を進めるという方向性はそのとおりだろうと思います。  この介護予防について、来年度予算案の中では、筋力トレーニングであるとか細かく、足づめのケア事業だとか、いろいろ細かいことも追加されております。  私の母親ですけれども、ちょうど要支援でただいまお世話になっておりますけれども、正しくこの対象になるわけですけれども、定期的にデイサービスを利用しておりますけれども、そこでこの予防介護あるいは地域の支え合い事業のメニューの一覧表を見せていただきますと、かなりたくさんのメニューがございますが、これらは一つ一つ事業を推進することで具体的にどのように介護予防に効果が発揮されるのか、ところどころううんというようなところもございますので、是非この事業評価についてお聞かせをいただきたいと思います。
  155. 中村秀一

    ○政府参考人(中村秀一君) 今、先生から御指摘がございました、これから重要だと、あるいは現在の介護保険の状況を見て非常に望まれるという介護予防・地域支え合い事業でございますが、これは介護保険がスタートいたしました平成十二年度から地域の高齢者保健福祉を支えるために介護保険制度と車の両輪としてやってきているものでございまして、来年度も四百五十億円の予算を計上してやっているものでございます。  効果の点はどうかということでございますが、今、先生から御指摘のありました例えば筋力トレーニングなどにつきましても、研究費を出しまして、札幌市の健康づくり事業団で実際に高齢者の方の筋力トレーニングをやっていただきまして、かなり効果があると。  例えば、分速八十メートル以上の速さで歩けない場合には大きな信号を渡れないということで、高齢者の方で足腰が弱ってきますと歩行速度が落ちると。こういった場合、分速六十一メートルの六十八歳の女性ですけれども、外に出れないと、不安で信号を渡れないので外に出れないということがありますが、三月間の筋力トレーニングをやりましたら、六十一メートルしか一分間に歩けない方が百九メートル歩けるようになったということで、安心して外に出れるなど、そういった、これは個別の事例でございますが、筋力トレーニングについても調査をいたしまして、効果があるということで、来年の補助事業に入れるというふうにしたところでございます。  先生からお話ございましたように、介護予防事業、三年間たっておりますので、各市町村に対しましては事業の、個別事業の実態調査を私ども十五年度はさせていただきたいと思っておりますし、もう一つ、介護保険は十五年度五兆四千億の総事業費と見込んでおりますけれども、五兆四千億支出して本当に見合った、費用に見合った介護給付がなされているか、その給付適正化の取組も取り組みたいと思っています。  その中で、市町村が取り組んでおられます介護予防支援・地域支え合い事業も本当に所期の効果、発揮しているのかどうか、併せて調査させていただきたいと思っております。これは市町村自らの取組としても取り組んでいただきたいと思っておりますので、そういったことで、今求められております介護予防、リハビリテーションについてより効果的になるように、今回の介護報酬でもそういった観点から見直しをさせていただいたわけでございますが、この点について市町村に働き掛けてまいりたいと思っております。
  156. 西川きよし

    ○西川きよし君 どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。  札幌だとか川崎市だとか、大変いい効果の出ているところもたくさんございますし、今回の介護報酬の改定というのは、在宅サービスだけを見ても、訪問看護費の改正、居宅介護支援の加算、減算等と、単価だけではなくて、その仕組み、考え方、大幅に変わる部分がたくさんございます。  そして、そんな中で事業者さん、利用者さんも含めて、これまでとの違いで利用者さんが不便に感じているというのはどんな分野でしょうかという、こういうことをいろいろお伺いしたりすることが私の仕事ではないかなというふうに、地元に帰ったときなんかはそう思って、いろいろ出掛けさせていただいたり、お伺いをしたりするんですけれども、こういったお伺いをいたしますと、皆さん今回は口をそろえて、西川さん、通院介助のことですと、この通院介助の改正のことで本当にみんな現場は頭を抱えておりますというお話を伺ってまいりました。  確かに、これまでの一般的な通院の介助といいますと、介護度の高い方であれば、例えば電車、バスはこの高い方は使えない場合が多いわけですね。例えば四とか五とかいう方は使えません。どうしても車での移動になります。その場合にタクシーの利用も、それはタクシーに乗られる方もおられますけれども、裕福な方はそうでありますが、やっぱりこれは負担面もかなりあります。そして、私の周囲を見渡す限りでは、例えばヘルパーさんが事業所の車なり、そしてまた自家用車でお宅まで迎えに行かれて、そして病院の介助の後、また車で自宅まで送る。ただ、ヘルパーさん一人の場合ですと、運転中は介助ができないわけですから、当然この間は介護の報酬は請求できないということですけれども、お年寄りの負担としては、車に乗るまでの介助の費用と病院内での介助の費用、その一割負担ということですね。そして、送迎の負担はなしと。  こういったサービスの形態というのが全国でたくさんあるわけですけれども、先ほど申しました、そこでこの四月からは、もうそこですけれども、この四月からはその事業所が道路運送法上の許可を受けていなければ介護報酬の請求はできないと。つまり、こういった無償で送迎をしている訪問看護事業所までがいわゆる締め出されてしまうという形になってしまいます。  そこで私も、先週でございますけれども、その理由を厚生労働省にお尋ねをいたしました。その場合についても、道路運送法に抵触をする、つまり違法である、したがって違法行為に介護報酬は支払えないと、このように厚生労働省の担当部局の方から御説明をいただきました。しかし、そのことを今度は反対に、違法であるということでありますので、国土交通省にお伺いをしてみました。国土交通省は、違法ではないが柔軟に対応すると。つまり、現行のデイサービスの送迎と同様の対応になるのではないかなと思いますということでございます。  本日までいろいろと御相談をしていただいたと思うんですけれども、今日までこの時間まで国土交通省とはどういった話合い、どういった整理になっておりますか、是非お伺いさせていただきたいと思います。
  157. 中村秀一

    ○政府参考人(中村秀一君) 今の西川先生お尋ねの点につきましては、厚生労働省と国土交通省の方とお話合いをさせていただいているところでございますので、経過なり背景なりについて少し御説明をさせていただきたいと思います。  まず、この四月からなぜこれが問題になるかということでございますけれども、実は介護保険がスタートいたしましてから、ホームヘルパーの資格を持たれた運転手さんが、タクシー会社の運転手さんが乗り降りの介助を行う介護タクシーというものが各地に出てまいりました。この事業所が訪問介護の事業所の指定も受け、乗り降りをされた場合に、身体介護三十分未満の方が多いわけですが、ことで二百十単位、二千百円介護保険から支払われると、こういう介護タクシーが出てまいりました。一部のタクシー会社では運賃をお取りにならないで、介護保険から二千百円出るものですから運賃はサービスにしておくということで介護保険の一部負担二百十円だけいただいて介護タクシーということで出ているところもございました。  で、私ども審議会の方で介護報酬見直しの議論してきたわけでございますが、市長会の代表あるいは町村会の代表の方々からは、そもそもこういったサービス自体がおかしいんじゃないか、介護保険の給付の対象にすることは反対であるという強い御指摘もございましたし、また乗降の介助といってもきちんとしたサービスがなされているのかどうか、実際タクシー代を介護保険で払っている結果になっているんではないかと、様々な議論があり、介護報酬見直しに当たり、ここの問題については適正化の観点から乗車降車の介助という新しい介護報酬を設定し、単価としては、一乗りですね、百点、千円ということで、しかも要支援の方はお使いになれないと、こういうような適正化の措置を打ち出したところでございます。    〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕  この新単価ができたものですから、その新単価の適用になる方はどういう方かということでいろいろ通知を出したりした中で実はやや混乱が生じまして、今まで先生御指摘のようにNPOやボランティアの方が行っております移送サービスについても何かこの道路運送法上のタクシー会社みたいに新たな許可がないとその移送サービスができないんじゃないかと、こういう御懸念が生まれているところでございます。  そういったことにつきまして、国土交通省の方と協議してまいりましたけれども、今回の介護報酬の改定、元々、今典型的には今御説明しましたタクシー会社の運転手さんがヘルパーの資格を取って云々ということを念頭において介護報酬を設定したわけでございまして、この今回の介護報酬の改定で道路運送法上の取扱いが変わるというふうには私ども認識しておりません。つまり、これまでNPOの皆さんとかボランティアの皆さんがこういう移送事業をしてきたと、移送サービスをやってこられた、これが今まで道路運送法上の許可を取らないでおやりになっているのはあると思いますけれども、そういったことについて今回、今回の介護報酬が改定されたから新たに許可を取らなければならないとか、そういった扱いは考えておりません。したがって、道路運送法上の許可がなければ介護保険の適用を受けられないというものではないと、ここは国土交通省とお話合いが付いております。  私どもの方の通達に、逆に介護事業者は道路運送法上に抵触しないことというような要件になっておりますが、実はこれは文字どおりタクシー会社で道路運送法上問題になっているタクシー会社さんがありましたものですから、私どもそういうタクシー会社は困りますよと、こういう趣旨で書かせていただいたつもりでございまして、今、先生が御懸念になっておりますようなNPOやボランティアのサービスの方々に新たな規制を掛けるとか、あるいはそこを介護保険上排除するという意識は毛頭ございませんでしたので、そこが混乱生じているようでありましたら、そこはきちんといたしたいと思いますし、いずれにしても道路運送法上との、ボランティアなりNPOの取扱いはこの介護報酬の問題以外にもいろいろかねて懸案ございますので、そういったことにつきましてはよく国土交通省の方と引き続きお話合いもさせていただきたいと考えております。
  158. 西川きよし

    ○西川きよし君 御丁寧に御答弁をいただいて、ありがとうございました。  今いろいろお伺いいたしました。何か本当に全国の現場の方々は大変不安に思っていらっしゃいますし、もう四月といえばそこですし、いろんな方々から御相談を受けるんですが、要は今までどおりで御答弁があったように行かれる、四月から新たに乗降介助という部分を、あの部分はそうではないというふうに御理解させてもらってよろしいんでしょうか。済みませんが再度御答弁だけお願いします。
  159. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 繰り返しになるかもしれませんけれども、今回の介護報酬のこの部分の適正化については、少なくとも介護報酬の方としては身体介助のサービスとして必要な方に乗り降りの介助されるということについては私どもきちんと評価をすると、その代わりといってはなんですが、交通費そのものを介護保険タクシー代とかそういったものについて介護給付をしているものではないということは明確にいたしております。  それから、NPOやボランティアの方が今回の介護報酬の改定に伴いまして道路運送法上何か新たな義務なり責務なり新たな許可を取らなくてはならないと、そういったことは考えておりません。その点については国土交通省とも我々理解に達しているというふうに認識いたしております。
  160. 西川きよし

    西川きよし君 どうぞ皆さん方が、全国の皆さん方が安心をしてお仕事ができるように国土交通省とよくお話合いをしていただいて通達をすぐに出してあげていただきたいと思います。  次に、介護サービスに支えられたという我が家の話もさせていただいたんですけれども、家内の母親が昨年亡くなったわけですけれども、高齢者の置かれている状況、利用の希望してもなかなか今度は利用ができないという方々がたくさんいらっしゃいます。    〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕  例えば重度の痴呆症状がある方で激しい徘回、介護者に抵抗するとか暴力行為、こういった方がたくさんいらっしゃいますし、こういった暴力に対する恐怖はたくさんあるわけですけれども、いっときも、四六時中目が離せないという、でもサービスが受けられない。以前、NHKのテレビを、一週間ですか、もう少し前だと思うんですが、見せていただきました。こういうケースを特集しておられまして、特にショートステイなどは暴力行為がありまして他のいわゆる利用者、いわゆる互いということですけれども、しかし職員の目が行き届かない、なかなか受け入れてもらえない。それから、利用可能の場合でも、日ごろデイサービスで通い慣れた施設ではなくてなじみのない遠くへ離れたショートの施設で、帰ってきて、環境に慣れないものですから、かえって悪くなって帰ってきたりもいたします。こういった御家族にこそサービスが行き届かないといけないというふうに思うんですけれども、今のこの、NHKでも特集やっておったんですけれども、これは是非大臣に一言お伺いしたいなと思うんですが、お願いいたします。
  161. 坂口力

    国務大臣坂口力君) ここなかなか難しいところだと率直に言って思います。  高齢者でそして痴呆症状が出て、そしてかなり暴力的な振る舞いあるいは発言をされる人というのはかなりいるわけですね。全部が全部ではそうないかもしれませんけれども、やはり若いときの習性というのは僕は出るような気がしているんですね、私の経験からいきまして。だから、若いときにエリート意識を持っていた人というのは割に乱暴な言葉も出ますし、そうですね、よその人のことを申し上げるといけませんから私、自分の兄のことを申し上げますが、高等学校校長をしておりまして、学生におい、こらと言って怒っておったんでしょうね。それで、やっぱりちょっと痴呆が出てまいりましてから、PTさんが来てリハビリなんかやってやろうと、こう思いますと、おい、こらと言って怒るわけですね。それで、姉が悪がりまして、断りを言いに行くんですけれども、いやいいですよ、いいですよと初めは言うておってくれたんですが、そのうちに来てくれなくなってしまいまして。  ほかの人も見ておりますけれども、大体若いときに偉い人だったというのは危ない、私はそう思っています。だから、ここにおる人たちはかなり皆危ない人たちがいるというふうに思えてなりません。そういうところというのは、やっぱり痴呆になりましても取れないんですね。ですから、そういう人たちをうまくあしらって見てくれるという専門家がやっぱり必要でありまして、同じように怒っておるような人ではこれはいけないわけで、やっぱりそういう人に対しましても、扱う人によって、うまく扱うヘルパーさんいるわけですね。  そうしたことを思いますと、これから先の人の問題にこれはなるわけでございますが、やっぱりそうしたことをよく心得たヘルパーさんあるいはPTさんといったような人たちをどう養成するか。やっぱり技術だけではなくてそういう心の問題、相手に対する感じ、その辺のところをやっぱりわきまえた人が必要になってくるというふうに思っております。
  162. 西川きよし

    西川きよし君 もうあと一分でおしまいになってしまいました。たくさん質問を用意させていただいたんですけれども、次回に移させていただきますが、あと残り一分で、今、局長にもお聞きいただきたいんですけれども、大臣の方からもこういった答弁をいただきましたので、どうぞそういった乱暴な方とか、暴言を吐く、そしておうちでお世話をしていらっしゃる皆さん方は、我が家もそうですが、例えば他のおうちなんかでは、おなかのところにお盆を入れたり座布団を巻いたりして、そういった方をちゃんと見ておられます。そういった意味では、今、大臣がおっしゃったように、技術を向上させていただいて、より良い介護をよろしくお願い申し上げたいと思います。  残りの質問はまた次回に移させていただきます。ありがとうございました。
  163. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 今年一月の完全失業率は五・五%であり、新卒高校生の史上最悪の就職内定率が七四・四ということは改めて雇用情勢に関して厳しい現実を労働者とその家族に与えていると思います。  適当な仕事がありそうにないとする、いわゆる求職意欲喪失者として完全失業者にその人たちを分類いたしますと、失業率は一〇・四になる、このような水準が常に悪化をしているということの状況をどのように分析し、受け止められていられるのでしょうか。
  164. 青木功

    政府参考人青木功君) ただいまのお話にございましたように、一月の完全失業率は五・五%ということで、昨年の八月、十月と並んでこれまでで最も高い水準となっております。  また一方、求人倍率の方を見ますと緩やかに上昇傾向にございまして、一月の有効求人倍率は〇・六〇倍ということになっておりまして、また新規求人も前年同月比で見ますと一二・三%増ということで、七か月連続の増加になっております。  このように失業率が高止まりする一方に、有効求人倍率が緩やかに上がっている、こういうふうな環境でございますが、このことは職種年齢など様々な理由による雇用のミスマッチが存在しているということも考えられまして、ミスマッチ対策を始めとした総合的な雇用対策の必要性を裏付けるものというふうに思っております。  また、地域別の失業率を見てみますと、三%台の県が五つございます。また、沖縄県が八%台、大阪府が七%台ということで高くなっております。また、平成十三年と十四年で比べてみますと、十一の県で失業率が下がっておりますが、三十六の都道府県では上昇をしているという経過をたどっております。  失業者の方を見ますと、男性が五・六%ということで前月に比べて上がっておりますが、女性が五・五%ということで前月に比べて〇・三ポイント上昇ということで最も高い水準になっております。この理由としては、収入を得る必要が生じたために職探しを始めたという方が前年に比べて六万人多くなったとか、あるいは自発的理由による離職者の方がこれまでの減少基調から増加した、対前年四万人増でございますが、こういったことが女性の方々の失業増というふうに分析をされております。
  165. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 今の分析結果につきまして、常にこの結果はミスマッチの対策が必要だということを言われ続けながら、しかしじりじりと失業率が低下しているということが数年続いているということなんですが、政府として比重を掛けた失業対策がこの状況では効果が上がらないと思いますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
  166. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 北海道でありますとか、それから近畿、九州といったところは非常に失業率も高いですし、我々の方の求人倍率も悪いわけですね。いいところはこの前も、若干増えたかも分かりませんけれども、山梨でありますとか、群馬、福井、静岡、こういったところ、いいわけですね。  そのいいところと悪いところとにはそれぞれのやっぱり特徴があって、私もいろいろ細かく見ているんですが、やっぱり現在のいいところというのはどちらかといえば二次産業がまだしっかりしている。二次産業の中でも組立て産業ですね。組立てで、電気機械の組立てとか、あるいは運輸、通信自動車辺りの組立てですとか、そういうことをやっているところというのは非常にいいと。しかし、同じ二次産業でも生活関連のものを作る、例えばタオル作っているとか何作っておるとかという、そういうところ、それから糸作っているとか、木材やっているとか、あるいはアルミニウムやっているとかいう、いわゆる素材を作っているようなところは二次産業でも悪いという、大体そういうふるい分けございまして、ちょっと北海道九州の皆さんにはそんなこと言ったらしかられますけれども、日本の両端でございますからそんなこともあるかな、こう思うわけでございますが、やはり日本の一番真ん中であります近畿がなぜ悪いのかと思うわけです。大阪も悪いし、和歌山も兵庫も奈良もみんなずっと悪いわけですね。やっぱりそこは素材型の産業が多いというふうに言われておりまして、組立て型じゃない、多いのは。  やはり基礎的なそういう問題も私は存在する、その辺のところをそれぞれの地域、もう少しどういうふうにしていくかというその辺のところにもう少し一歩入り込んでやっぱり見ていかないと、この雇用の問題なかなか解決しないなというふうに思っている次第でございます。
  167. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 ただいまの御説明によりますと、非常に構造的な視点を重視した失業対策が組み立てられないとミスマッチ、ミスマッチでハローワークだけの状況では私は非常に駄目だというふうに感じます。  その中で、地域雇用創出特別交付金の制度というのは効果を上げているのでしょうか。その雇用維持の施策というものは効果を上げているのですか、お尋ねします。
  168. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) まず、緊急地域雇用創出特別交付金でありますが、これは厳しい雇用失業情勢の下で、地域が創意工夫によりまして緊急かつ臨時的な雇用就業機会を作っていただくということでやっておるものであります。平成十三年度、これは三か月間でございますが、この間で新規の雇用が約二万三千人創出されるということになってございます。それから、平成十四年度でございますが、約十四万人の新規雇用が創出されると、こういう見込みに現在なってございます。  この事業につきましては、今申し上げましたように、臨時的なものでございます。ただ、この事業で雇用された失業者の方がこの事業に従事した経験を生かしまして、その後の安定した雇用につながるということは大変意義のあることだろうというふうに考えていまして、こういった観点十分踏まえて事業の企画・実施に努めるように地方公共団体にもお願いをしているということでございます。  厚生労働省といたしましても、地方自治体と連携いたしまして、交付金事業に雇用されました失業者の方について、事業による、事業が終了すると、それに伴う雇用の終了後を視野に入れてハローワークへの求職登録等の再就職活動を促していると、こういったことでして、ハローワークの方ではキャリアコンサルタント等によるきめ細かなコンサルティングを行おうと、こういうふうに考えております。  それから、もう一点、雇用維持の御質問ございましたが、雇用維持の対策といたしましては、景気の変動等に伴いまして企業が一時的に事業活動の縮小を余儀なくされると、景気が回復されるまでの間、何とか雇用を維持しようということで休業を行ったり、教育訓練を行ったり、出向を行ったりといった一時的な雇用調整を行う事業主に対しまして雇用調整助成金制度で支援をしているところでございます。これにつきましては、休業について申し上げますと、平成十三年度で約百三十一万人日、これ延べでございますが、平成十四年度は今年の一月までで約二百十六万人日を対象に支給しているということでございます。  企業の中には、長期雇用を維持し、それによって企業の発展を図ろうという企業もなお多いわけでありまして、そういった企業の雇用の維持の努力、これに対する支援として十分な機能を果たしているんじゃないかと、こういうふうに思っております。
  169. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 雇用対策法の改正によって第七条に努力義務で募集、採用に関して年齢制限をしないこととされたにもかかわらず、厚生労働省告示二百九十五の指針によりますと、その第三号、第四号は、年齢制限が認められる場合として、定年までの年数及び年功型賃金等を理由とする年齢制限を認めています。  現実には、中高年労働者の多年のキャリアを生かす、あるいは現在の不況を乗り越える戦力として頑張ってもらうと。さらに、多くの企業が終身雇用制と年功序列賃金体系の見直しを進めているということでありますと、この指針というものが効果を上げているのでしょうか。それとも、早急な見直しが必要なように感じますが、いかがでしょうか。
  170. 戸苅利和

    ○政府参考人(戸苅利和君) 厳しい雇用情勢、特に中高年の方の雇用情勢、非常に厳しいわけでありまして、そういった意味で求人年齢制限をなるべく撤廃していくということが重要な課題になっておるわけであります。  今御質問の指針の第三の三号、これは定年年齢まで間がない方について、その当該企業において一定の期間、その企業で必要とする能力なりノウハウなりを培う、形成するために一定期間が必要だと、そういったケースもあり得るだろうということで、そういったケースについては求人年齢に制限をするのもやむなしと、こういうことで設けているものでございますし、それから第四号については、これは余り一般的なケースではないと思いますが、賃金体系が専ら年齢による年功序列賃金と、こういった場合にかなり高年齢の方で年齢だけを理由に高賃金になってしまうということになるとなかなか企業としてもその持っている技能なり知識と賃金が合わないと、こういうことでそういったケースについて例外規定と、こういうふうにやっておるところでありまして、これも年功賃金一般を幅広く例外として認めたと、こういう趣旨ではないというふうに思っています。  そういった意味で、今、先生御指摘の二点については、やっぱり厳格な運用が必要だろうというふうに考えておるところでございます。  この求人年齢制限につきまして、現在の状況でありますが、年齢不問求人の割合が大体一三%程度と、こういう状況になっています。この割合も一進一退という状況でございまして、この厳しい雇用情勢の中でこれを何とか引き上げたいということで、先般、平成十七年度までに倍以上の三〇%とする目標を設定いたしまして、その達成に向けてシンポジウムの開催、あるいは事業主に対する指導、勧奨等々の計画的な取組を行っていこうというふうに考えておるところでございます。
  171. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 ワークシェアリングについてお尋ねをいたします。  先般、昨年の十二月二十六日で、政労使のワークシェアリング検討会議において、多様な働き方とワークシェアリングに関する政労使合意というものが取りまとめられました。  その文書を読んでみますと、いわゆる政府の財政支援について書かれております。これによりますと、既存の制度を動かしながら緊急対応型、あるいは多様就労型のワークシェアリングの導入を図るということが書かれておりますけれども、この政労使合意が発表された以降、どのような施策が講じられてきているのでしょうか。
  172. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) 先生おっしゃるように、ワークシェアリングを実現するためにはある意味で関係者の理解と協力が不可欠であります。  総理からの指示を受けまして、昨年の十二月二十六日に多様な働き方とワークシェアリングに関する政労使合意が取りまとめられたということでございますが、その中で、政労使は多様な働き方とワークシェアリングに関する事項について課題を整理し、それぞれの立場でその着実な具体化を進めると、こういうようなことを合意したわけであります。  厚生労働省としましては、このワークシェアリングの導入を推進していくために、ワークシェアリング普及推進会議の開催等における言わば普及啓発をしていく。それからもう一つは、今、先生お話しになりました多様就業型のワークシェアリング導入のモデル開発事業の実施によりまして業界、さらには企業でのワークシェアリングの導入促進などの施策を推進していくための平成十五年度予算に盛り込んだところでございます。  また、もう一つの緊急対応型ワークシェアリングにつきましては、昨年の六月から財政支援策を実施しておりますが、さらに、平成十四年度補正予算において生産量の減少を要件としないなど、雇用創出に重点を置いた改善、拡充を図っているところでありまして、今後はこの合意に至った政労使の取組について、政労使が協力し合って推進し、現実にワークシェアリング導入が進んでいくように政府としても取り組んでまいりたいと、こういうような状況でございます。
  173. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 この政労使合意によりますと、「仕事に応じた公正な処遇の推進」ということが書かれております。これは均等処遇の原則を意味しているというふうに私は理解するわけですけれども、どうも法制化については様々な形で見送られそうでありますが、本来、指針とかを書いても、一番使用者の本音のところは、例えば均等処遇をして同じように社会保険に入れた場合に、社会保険料の負担というものが過重になってくるということがたまらないというようなことが私は根底にあるのではないかというふうに思うわけです。だから、財政支援ということも均等処遇の原則と言わばセットで、社会保険料の優遇措置なども含めて考えなければいけないというふうに私は考えるんですが、その点について大臣の御見解はいかがでしょうか。
  174. 坂口力

    ○国務大臣(坂口力君) これは私よりも岩田局長に聞いてもらった方が本当はいいんだろうと思いますけれども、均等処遇というものを本当やっぱりやっていかないといけないんだと思うんですね。そこは私もそう思っておりますが、なかなかそこが、しかしそう簡単ではないというのが現実でございます。  今経営者の皆さん方も大変御苦労をされておりますし、その皆さんも御苦労もさせていかなきゃならない。時間外労働をかなり多く強いると申しますか、労働者にしてもらうということでありますと、サービス残業がない限り、パートで別枠で雇っていただいてもそんなにその差はないと申しますか、むしろ別途雇っていただいた方の方が全体としては安く付くんではないかと、いろいろ計算してもらっているんですが、私はそう思っています。  しかし、やっぱり経営者の皆さん方からすると、別途雇うとその方がやはり採算ベースでいえば高く付くという観念を非常に強くお持ちをいただいているような気がするわけでありまして、いろいろな試算をしていただいておりますが、私は必ずしもそうではないというふうに思っている次第でございます。
  175. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 それでは、深夜労働の免除の請求権の問題についてお尋ねしたいと思います。  日本航空の事件が起きまして、抽せんで七十五名に絞り込むというようなことがありまして、四月、五月、様々な企業努力に対して御指導をされていると思いますが、この七十五名という枠が相変わらずその指導にもかかわらず会社側が維持していると。そして、事業の正常な運営上、私は合理性が非常に少ない、むしろ法の規定からすれば、請求したときは労働させてはならないというふうに規定してある以上、会社の態度については随分問題であって、仕事がないから休職に入ってもらうというのは不利益処遇となるのではないかというふうに考えるわけですけれども、岩田局長にお尋ねしたいんですが、どのように指導されて、これはどのような状況になっているのでしょうか。
  176. 岩田喜美枝

    ○政府参考人(岩田喜美枝君) 関係の労働者あるいはその組合から、二月の下旬でございましたけれども、東京労働局の方に相談がございました。東京労働局の方では、相当の回数を重ねて企業から事情を聴取いたしまして、三月の三日でございましたけれども、育児・介護休業法の趣旨に照らしてやはり指導することが必要であるというふうに判断いたしまして、三点、指導をいたしております。  一つは、今、先生が御指摘の点なんですけれども、深夜業の制限を適用する労働者の枠、七十五名というふうに会社は言っておりますけれども、その枠を拡大するように一層の努力をしてほしいという点。そして、全員が、当面ですね、深夜業の制限の適用を全員に受けていただくだけの枠が仮に確保されないということになりました場合には、その枠から外れた方に対する配慮、具体的な配慮を検討してほしいということもお願いいたしました。  二点目ですけれども、その枠が十分でない場合ですけれども、会社の方は当初は抽せんで選別をするということを言っておりましたけれども、労働者を限定する方法については、育児・介護休業法の趣旨に照らしまして、そういった方法ではなくて、緊要度の高い方から優先するといったような合理的な方法を検討してほしいということもお願いいたしました。  三点目には、恒常的にその深夜業の制限を拒むということを前提とした業務運営の体制であるということであれば立法の趣旨に反するというふうに思われますので、当面はなかなか体制を整備するのに時間も掛かるということも理解できますけれども、こういった希望者全員が深夜業の制限の適用を受けられないといったような状態が恒常的に続くということになりますと、これは大きな問題だというふうに思いますので、深夜業の制限を希望する労働者の全員が制限の適用を受けることができるように、人員体制の整備を可及的速やかに講じていただくように、この点も会社にお願いしたところでございます。  現状では、その後、会社は例えば抽せんというやり方は取りやめて緊要度に応じた選抜をしたいということで考慮していただいているようでございます。  七十五名はおっしゃるように当面その枠が拡大したという報告は受けておりません。  また、暫定的に四月についてどういう措置を講ずるということについても、会社から労働者、組合の方に説明があるようでございますけれども、現状では会社の対応を見守っているということでございまして、その会社の対応を見ながら、また更なる対応が行政として必要かどうか、判断してまいりたいと思っております。
  177. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 最後に大臣にお尋ねしたいのですが、家族的責任を理由に深夜業や時間外労働の免除を請求した場合には、やはり企業は希望者に対して積極的に免除を保証する体制というのを日常的に取り組み、しかも具体的な請求にあったときには、それに誠実にこたえるようにするというのが企業の配慮義務として当然だと思いますが、この点について大臣の御意見をお伺いして、私の質問を終わります。
  178. 鴨下一郎

    ○副大臣(鴨下一郎君) 育児・介護休業法に基づきまして、小学校の就学に達するまでのお子さんを養育する、こういう労働者が請求した場合には、事業者は深夜において労働させてはならず、また一定の制限時間を超えて労働時間を延長してはならないと、こういうようなことが原則でありまして、これらの労働者の請求については、事業主は事業の正常な運営を妨げる場合のみ拒否できるものとされており、また事業主は労働者の請求を認めるために通常考えられる相当の努力をすべきものであると、こういうようなことでありまして、今後とも育児・介護休業法の趣旨に沿って適切な対応がされるように助言、指導等を的確に行ってまいりたいと、こういうようなことでございます。
  179. 大脇雅子

    ○大脇雅子君 終わります。
  180. 金田勝年

    ○委員長(金田勝年君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時八分散会