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2003-05-15 第156回国会 参議院 法務委員会 12号 公式Web版

  1. 平成十五年五月十五日(木曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員の異動  五月十三日     辞任         補欠選任      朝日 俊弘君     角田 義一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         魚住裕一郎君     理 事                 荒井 正吾君                 市川 一朗君                 千葉 景子君                 荒木 清寛君                 井上 哲士君     委 員                 岩井 國臣君                 佐々木知子君                 陣内 孝雄君                 中川 義雄君                 野間  赳君                 江田 五月君                 鈴木  寛君                 角田 義一君                 浜四津敏子君                 福島 瑞穂君        発議者      江田 五月君        発議者      千葉 景子君    衆議院議員        修正案提出者   塩崎 恭久君        修正案提出者   漆原 良夫君    国務大臣        法務大臣     森山 眞弓君    副大臣        法務副大臣    増田 敏男君        厚生労働副大臣  木村 義雄君    大臣政務官        法務大臣政務官  中野  清君    事務局側        常任委員会専門        員        加藤 一宇君    政府参考人        法務大臣官房長  大林  宏君        法務省刑事局長  樋渡 利秋君        法務省矯正局長  横田 尤孝君        法務省保護局長  津田 賛平君        厚生労働大臣官        房審議官     鶴田 康則君        厚生労働省医政        局長       篠崎 英夫君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    上田  茂君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○法務及び司法行政等に関する調査  (矯正施設の処遇に関する件) ○心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者  の医療及び観察等に関する法律案(第百五十四  回国会内閣提出、第百五十五回国会衆議院送付  )(継続案件) ○裁判所法の一部を改正する法律案(第百五十五  回国会朝日俊弘君外三名発議)(継続案件) ○検察庁法の一部を改正する法律案(第百五十五  回国会朝日俊弘君外三名発議)(継続案件) ○精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一  部を改正する法律案(第百五十五回国会朝日俊  弘君外三名発議)(継続案件) ○連合審査会に関する件     ─────────────
  2. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十三日、朝日俊弘君が委員を辞任され、その補欠として角田義一君が選任されました。     ─────────────
  3. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案検察庁法の一部を改正する法律案及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、来る二十日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認めます。  なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に法務大臣官房大林宏君、法務省刑事局長樋渡利秋君、法務省矯正局横田尤孝君、厚生労働大臣官房審議官鶴田康則君及び厚生労働省医政局長篠崎英夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  8. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、矯正施設の処遇に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 千葉景子

    ○千葉景子君 おはようございます。民主党・新緑風会の千葉景子でございます。  今日は刑務所にかかわる問題、参議院のこの法務委員会でも当初、スタートより積極的に、あるべきこれからの矯正の在り方等含めまして質疑をさせていただいておりますが、今日は私はちょっと医療にかかわる問題などを中心に質疑をさせていただきたいというふうに思っております。  そのちょっと前提でございますけれども、今度、法務省が、死亡帳を出していただきましたが、死亡帳から様々な問題点の調査をされまして、その結果を中間的に発表されました。それによりますと、千五百四十八件につきましては、一応事件性というんでしょうか、そういうものはないと認められるということで、更に十五件、これからもまだ継続して調査をされるということでございます。  今日、ちょっとこの前の理事会、理事懇談会の席で私は申し上げたんですが、やっぱりこれだけの中間的な調査をされて、結果が一定出たにもかかわりませず、やっぱりこの問題、当初はこの委員会からいろいろな問題提起をさせていただいて、そして資料もなかなかお出しいただかないところを、やっぱりできるだけ資料の提出を求め、そして死亡帳がこれだけ全体の目に触れ、その中で法務省も調査をされるようになったということでございますので、やっぱり中間的にでもあれ、そういう報告がまとまった、あるいは調査がまとまったということであれば、当然、委員会に、あるいはそれぞれの委員にまずはその報告をし、そして意見を求めるなどの姿勢がまずあってしかるべきだというふうに思います。先にマスコミに発表されて、そして委員会などには全くナシのつぶてということでは、やっぱり法務省の改めて姿勢というものが一体何なんだろうかと。委員会とか国会を軽視をしているというふうに考えざるを得ないということでございます。  ここは質問はいたしませんけれども、その姿勢を改めて厳しく指摘をさせていただき、今後の対応を本当にきちっと取っていただきたい。そして、国会に真摯な態度でやっぱり法務省としての姿勢を示していただきたいと、こう思っておりますので、森山法務大臣からも関係のところを是非厳しく指導していただきたいというふうに思っております。  その中で、千五百四十八件につきましては問題がほぼないようだという御判断なんですけれども、これはいわゆる暴行による死亡だとか、そういう事件、物理的なですね、そういう問題はなさそうだという判断であろうかと思いますけれども、それ以外に、本当にこの千五百四十八件の中からいろんな問題点というのは当然見えてくるものだというふうに思うんですね。そういう意味で、この十五件は継続ですけれども、千五百四十八件、これについて一体どういう御認識でいるのか。  例えば、私がいろいろとこの間出していただいた視察表等を拝見をいたしても、確かに暴行による死亡とかいうことではないにしても、医療にかかわる部分であるとか、あるいは保護房や革手錠の使用の在り方、こういうところなどにもいろいろな深い問題がやっぱりある、かいま見えてくるのでございます。  そういう意味で、この調査結果の千五百四十八件について一体どういうとらえ方をされているのか、ここからどんな問題点を受け止めているのか、その辺りはどう認識されておられるのでしょうか。
  10. 大林宏

    政府参考人大林宏君) お答え申し上げます。  今御指摘のとおり、本件の中間報告におきましては千五百六十六件を対象にいたしまして、十五件を一応取り分けまして、これについては調査継続をするということにいたしました。これは、現在までの調査によっては刑務官等による違法な暴行によって被収容者が死亡したものではないと断定するには至らなかったという案件、五件ありますが、それのみならず、行刑施設における医療行為や医療的対応の問題を更に検討すべきだとされた案件も相当含まれております。  私どもといたしましては、これらのまだ中間報告の段階でございます、本委員会等でまたいろいろと御指摘があろうかと思いますし、またこれから新たな資料も見付かるかと思いますので、それはそれで、またその指摘等に対してできるだけ対応していきたいと。  基本的には、今申し上げたとおり、名古屋刑務所事件を契機といたしまして、刑務官等による暴行ということが最重要といいますか、それがどのように、あるのかないのかということが非常に問題になりましたので、それを最重点に私どもの調査を進めてまいりましたけれども、今、委員御指摘のとおり、医療の問題も伏在しております。これにつきましては、矯正局内に矯正医療問題対策プロジェクトチームを設置してありますし、これについては今後の刑務所医療の問題として生かしていきたいと、こういうふうに考えております。
  11. 千葉景子

    ○千葉景子君 是非、まずこの千五百四十八件というやっぱりその重い事実、そこからいろいろな問題点、あるいはこれからの私たちが受け止めていかなければいけない課題、そういうものを是非こういう中からもきちっと認識をしていってほしいというふうにまず思っております。  そこで、今、医療の問題ということもございまして、刑務所の医療というのは一体どういう仕組みになっているのかということをまずお聞きしたいと思うんですが、刑務所における診療、例えば医療刑務所というのもございます。それから、一般の刑務所にも診療施設というんでしょうか、診療体制というのがございますけれども、これは医療的な法規制はどういうふうになされているのでしょうか。そのところをちょっと厚労省の方で御説明をいただきたいと思います。
  12. 篠崎英夫

    政府参考人(篠崎英夫君) お答え申し上げます。  刑務所の中におきます医療施設、病院あるいは診療所を設ける場合には、これは医療法の適用を受けることとなります。ただし、刑務所の中の病院、診療所につきましては法務省が開設主体となっておりますので、医療法の手続上の問題で、都道府県知事許可などではなくて厚生労働大臣承認といった、言わばその手続上の特例が設けられているということでございます。  しかし、国が開設主体でありますので、むしろ当然のこととして、医療法上の医師看護師などの人員配置基準ですとか、あるいは病床面積などの構造設備基準などもろもろの規定につきましては、刑務所の中であっても一般の病院、診療所と同様に適用されるということになっております。
  13. 千葉景子

    ○千葉景子君 今お聞きをいたしますと、例えば医療刑務所ですと病院としての位置付けになる、あるいは刑務所内の医療ですと、例えば診療所ということで開設の申請がされて、それについては医療法の適用があるという、こういう構造だというふうに思います。  そういうことであれば、当然それに医療法上きちっとした体制整備をしなければいけないと、人的にも物的にも。この監視はどういうふうになされてきたのでしょうか。そして、例えば監視をされた結果、どんな実情と厚労省などは把握されておられるんですか。あるいは、何か指導をしたとか、改善の是正を指導したとか、そういうようなこれまでの経緯というのはあるのでしょうか。
  14. 鶴田康則

    政府参考人(鶴田康則君) お答え申し上げたいと思います。  医療法の二十五条に基づきまして、都道府県それから保健所設置市の長、それから特別区の長におかれましては医療機関への立入り権限が付与されております。都道府県等は、医療機関医療法に沿った適切な運営管理を行っているかどうか否かについて検査して、適切な医療を提供できるよう指導するとともに、より医療の質の向上を図ることを目的にこの立入検査を実施しているところでございます。  刑務所内の医療機関についても、他の医療機関と同様に医療法上の立入検査の対象となっておるわけでございますが、この立入検査の事務につきましては都道府県等の自治事務となっていることから、刑務所内の医療機関に対する過去の立入検査の具体的な個別的な実績等についてはこちらでは把握しておりません。
  15. 千葉景子

    ○千葉景子君 じゃ、法務省の方ではその点についていかがでしょうか。立入検査をされた経緯があるとか、あるいは何か改善なり指導を受けたというようなことがあるのかどうか。その辺は把握されておられますか。
  16. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) お答えいたします。  ただいま厚生労働省当局からも御答弁ございましたように、刑務所、医療刑務所につきまして、あるいはその施設内の診療につきましては、医療法上の病院や診療所としての医療法による立入検査が行われています。  過去三年間の検査結果を至急調べたんですが、それによりますと、看護婦の不足、それから病室への定員を超える患者の収容、それから医療事故や院内感染防止対策を徹底するための基本指針の作成等につきまして、管轄の保健所から指導、指摘が行われたことがございます。もとより、これらの指摘、御指導につきまして、そういった受けた、それを受けた施設におきましては、いずれもその改善、是正に努めているというふうに承知しております。
  17. 千葉景子

    ○千葉景子君 ちょっと私もまだ詳細に調べてはおりませんので、本当に医療法上の体制が整っているのか、あるいは今お話がございました看護師の基準不足とか、その施設に入れる患者の数とかが多過ぎるとかいろいろあるようでございます。そういうところを更にきちっとやはり精査をして体制というのを取っていかなければいけないというふうに私は思います。  というのは、今回のこの一連の状況を見ますと、医療の不足、あるいは医療がなかなか施されないで放置をされて、それがひいては死に至っているのではないかと思われるような事例、それから、特に精神医療などの面では、そういう精神的な疾患とかあるいは症状がありながら、そこに対するきちっとした対応が取られていない、むしろその対応のために保護房などが多用されているのではないか。その中で、また症状を悪化させて、それが死に至ったり、あるいはいろいろな障害になっている。こういうどうも構造が今の刑務所の中にあるのではないかというふうに、全体を見た中で私は受け止めるわけです。  一つ一つ全部を挙げるわけにはいきませんけれども、やっぱりそういうことを考えますと、直接、暴行などが行われたケースというのは確かに少ないのかもしれない。しかし、こういう医療の不足や特に精神的な医療などの不足などによって、そしてそれが本来の治療ではなくて、抑圧とかあるいは保護房の活用のような形によって、むしろ健康やあるいは命までをも奪っているということがあるのではないかというふうに私は疑いを持つところでございます。  先般、参考人の御意見を伺いました。精神科のお医者さんからも話を伺いまして、確かに本当に私も思います。刑務所での収容というのは決して健康を損ねるためにやっているわけではない。やっぱり一定の自由を拘束をすることによって刑罰を科しているということでありまして、そこで健康を更に悪くされたり、あるいは命を奪われるなどということが許されてはならないわけですね。  それから、いずれにしても、一定の期間受刑をするけれども、また社会に帰っていく。そうなりますと、やっぱりそこと社会とのつながり、そういうものをどういうふうに作っていくのかということなども医療の面でも当然考えていかなければいけないところだというふうに思います。そういう意味で、こういう私なりの認識を是非これからいろんな形でまた御提起をさせていただきたいというふうに思っております。  今回、十五件、継続の調査をされるということになりました。確かに、その十五件というのは、死亡帳や、あるいはその後提供いただきました視察表等を見ましても確かに本当にいろいろ疑問を呈せざるを得ない事例であることは当然でございます。  しかし、先ほど言いましたように、じゃ、それ以外の千五百四十八件が全く問題がなかったのかといえば、私はそうはとても思えないわけでして、全部を挙げるわけにはいきませんので、ちょっと何点か挙げさせていただきたいというふうに思います。  例えば、今回の調査で、東京拘置所の、通し番号で言います、千五百九十番というのが継続の調査になりました。これは、あれですね、たしか訴えが起こされたりしている、人権救済の申立てなどがされているということもありますが、それがやっぱり再調査をしなければおかしいなと思われるのは当然だというふうに思うんですが。だとすると、東拘のほかの案件、例えば千五百五十八というのがございます。これは確かに暴行ということではないのかもしれませんけれども、医療の不足あるいは保護房への収容の問題点等を考えますと、決してこれは全くの問題がないというわけにはいかず、むしろ医療過誤のようなものにも通ずるのではないかと思われるようなケースではないかというふうに思います。  あるいは、異様なのが川越の少年刑務所です。これは死亡事例の中でも三件もが継続の調査案件になっておりまして、千五百三十三、千五百三十九、千五百四十と、こういうことですけれども、これだけ問題案件があるということは、やっぱりその背景に何か根本的な問題が潜んでいたのではないかと、こういうことも疑われるというか疑問になるわけですね。一体こういうところはどういうふうに考えておられるんだろうか。  それから、府中の百六十五、これも調査が継続をされる。これは前回この委員会でも問題になりましたけれども、身分帳がどこかへ紛失してしまったと。こういう、極めてずさんなのであるのか、それとも何か意味があって、あるいは理由があってどこかに身分帳が隠匿されてしまったのかよく分かりませんけれども、そういう事案でございます。  調査をされるのは当然のことだというふうに思いますけれども、やっぱりこの府中で、更に調査は継続をされてはおりませんけれども、例えば百四十三番とかあるいは百五十番、これなどもそういう意味では暴行による死亡ではないかとは思いますけれども、先ほど申し上げましたように、やっぱり精神的な症状、そういう中で保護房に収容され、そして適切な治療とか医療が施されないままに、それがひいては死に至らしめているのではないかということをやっぱり疑わせるような視察表等の私は記載ではないかというふうに思っております。  これら、本当にこれは何点か、一部を今指摘をさせていただいたわけですけれども、こういう調査を継続されていくもの、しかしそうではない部分にも多々こういう疑問の点がございますけれども、今日はちょっと医療という側面を中心にしてはおりますけれども、これらの指摘をしたような案件などについてはどんなふうな認識、あるいは調査結果から問題点を読み取っておられるのでしょうか。
  18. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) お答えいたします。  ただいま委員から種々御指摘賜ったところでございますが、おっしゃるように、委員おっしゃいますように、やはり医療は国の責務、刑務所における受刑者に対する言わば国の責務でございます。そして、心身ともに健全な状態で社会復帰をさせる、これがまた矯正、行刑の目的でございます。そのために、私ども、刑務所には医療関係職員、医師看護師等の医療関係職員が配置され、そして行刑施設医師、あるいは場合によりましては外部機関医療機関等の協力を得ながら、健康の維持管理、治療等に当たっているわけです。  しかしながら、これまで種々御指摘ございましたように、医師や医療スタッフの人材確保、医療機器や病室等医療設備の更なる充実を図らなければならないなど、現在の刑務所の医療にはなお難しい問題が多いというふうに承知しております。  また、特に今、委員おっしゃいますのは刑務所における精神医療の問題でございますけれども、これにつきましても、私どもも、そのような様々な指摘があることは十分謙虚に受け止めて、そしてこの医療体制の整備等を図らなければならないと考えております。  また、川越少年刑務所の点についての御指摘がございましたけれども、今問題になっているようなケースは、正に真相解明のために鋭意調査を行っているところでございますけれども、この調査を進めていくことによりまして一層、事案ごとの問題の所在が明らかになると思いますが、それによりまして、医療体制あるいは受刑者処遇に関する職員の意識といった施設全体にかかわる問題があるということが明らかになりましたときには、これは当該施設の運営全般につきまして掘り下げて調査を行い、そしてまた適切な対応をしなければならないというように考えております。  以上でございます。
  19. 千葉景子

    ○千葉景子君 限られた時間ですので、そこは是非そういう方向を私も求めてまいりたいと思いますが。  今申し上げてきたような事例以外にも、私は一つこれを紹介をさせていただきたいというふうに思うんですね。本当に刑務所での処遇というのが、あるいは特に精神的な非常に圧迫になっている、あるいは拘禁が非常に精神的な障害を更に悪化をさせたりしているということを改めて感じた事例でございますけれども。  栃木刑務所ですね。栃木の九百五十三番という、これは死亡時二十五歳の女性でございます。いろいろな経緯はありますけれども、精神的な、精神科医療がどうも必要な状況もございました。そういうときに保護房に何回かにわたって収容されております。その中で、本当に私も何か心痛むというか、ちょっとつらい思いをして読みましたけれども、女性なんですけれども、保護房で手錠をされています。そういうものですからトイレができない。そこで、看守の人に、済みません、先生、ズボンを上げてください、こう言うわけですよね。何回、何回もというか、その都度、ズボン下げられません、トイレできません、多分それでズボンを下げるような介助をするということになるのかもしれませんけれども、そういうことがたび重ねて行われている、あるいはそうせざるを得ない状況に置かれてしまう。これは本当に、やっぱり普通の女性であっても、あるいは特に精神的に非常に不安定な状況にあってやっぱりそういうことをもう言わざるを得ないという、そういうところに追い込まれているというのは、非常なるこれは、何というんでしょうね、人間性の剥奪でもあるし、そういう私は印象を受けました。  今日は、そういう状況なんだと、ことがやっぱり刑務所の中では当たり前のように行われているという一例としてちょっと紹介をさせていただきましたので、これについては答弁は今日は求めません。  最後に、もう一遍お聞きをいたします。  九二年に、今現在、北九州医療刑務所になっておりますけれども、城野医療刑務所におきまして、暴行により受刑者が傷害を受けるという事件がありました。これは、ようやく一年くらいたちまして内部告発があったようです。発覚をして、その後、小倉簡裁で暴行によって罰金二十万円という判決が出ておりました。  これについてはその後どういう対応が取られたのか。あるいは、事件後、やっぱりこういう刑務所内でのこういう問題についてどういうことをここから学び、そしてそれが生かされてきたのかということを考えますと、全くこういう事件がその後の処遇やあるいは改善に生かされてこなかったのではないか、そんな気がいたします。しかも、これはどうして単なる暴行になったのか。特別公務員暴行陵虐事件などという形にはなっていないようですけれども、こういう結局、過去のことから何にも学んでこないままに結局、今の現状に至ったというのが実情ではないかなというふうにこの事件からも思いますが、何かコメントなりお考えがございましたら御答弁をいただいて、終わりにしたいと思います。
  20. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 簡潔に。
  21. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) 委員御指摘の、当時の城野医療刑務所、現在の北九州医療刑務所における事案がございましたことは事実でございます。これは受刑者に対する暴行ということでございまして、この事件の後に矯正当局によりましては、部内の矯正管区長協議会矯正管区中の部長、協議会等の席においてこの事案を紹介いたしまして、そして再発防止に指示したところでございます。  しかしながら、今回の一連の名古屋刑務所事件が生じたことは、結果的にはこうした事案に基づく種々の検討、あるいは再発防止策というものが結局、十分教訓としては生かされなかったということになるわけでございまして、この点につきましては誠に遺憾でございますし、また大変残念であり、また申し訳ないことと思っております。  今後は、これらの反省や行刑改革会議での議論を踏まえまして、更に実効性のある再発防止策を講じて、このような事案の絶無を期してまいる所存でございます。
  22. 井上哲士

    井上哲士君 日本共産党井上哲士です。  先日の委員会でも参考人質疑をこの問題で行いまして、行刑改革をどう行っていくかという御意見を伺いました。ただ、この本当の改革をする前提としてはやはり事実の徹底した解明が必要でありますし、その上で刑事的な、行政的な責任をきちんと取らせるということが不可欠であります。  とりわけ、名古屋刑務所の十二月事件、そして五月事件の真相解明は絶対不可欠な問題でありますが、その点、先月二十二日の委員会でも私、質問いたしましたが、三月三十一日に出されました行刑運営に関する調査検討委員会の中間報告が、真相解明という点でいいますと大変不十分であり問題が多いということを指摘をいたしました。  特に、五月の革手錠死亡事件について、この革手錠をきつく締め直したという事件の核心的な事実が視察表や動静視察表などに記載がないということについても全く触れられていないということを指摘をいたしました。  この視察表というのは、動静視察表というのは、こういう革手錠を使用したり保護房収容しているときの被収容者の動静を直接保護房に行った職員が少なくとも十五分に一回記録をしていると。それから、処遇表の場合は、テレビのモニター等で勤務する職員がやはり革手錠を使用中又は保護房収容中の被収容者の動静を、テレビで映し出された状況を見て、これも少なくとも十五分に一回記録をすると、こういうことだと局長の答弁も行われております。  この五月事件の革手錠を締め直したという問題は、公判の冒頭陳述でも大変生々しく書かれております。被告人前田は、同日午前十一時四十五分ころ、被害者甲に革手錠を使用してからしばらく経過したことから、同人の様子を見に行くこととし、同人に反省の態度が見られなければ、同人に使用していた革手錠を更に強く締め直して、同人に苦痛を与え懲らしめようと考え行ったと。すると、被害者甲は、うつ伏せに横たわっていたが、うおお、こらなどと言ってなおも反抗的態度を示したことから、被告人前田は、更に懲らしめのため革手錠を強く締め付けることとしたと。そして、被告人前田の、まだまだ、もうちょいなどという指示に従い、二人掛かりでベルトを強く引き、被告人らは尾錠に最も近いベルトの穴、周囲約五十九・八センチメートルにつめを入れて革手錠を固定をしたと。大変生々しく当時の経過が書かれております。  元々八十センチぐらいのウエストを六十センチまできつく締めたということが言わば致命傷にもなったということが言われているわけですが、このことが十五分に一回書かれるはずの処遇表にも動静視察表にも書かれていないと。この問題を前回、私は指摘をいたしました。  当時、局長は、そういう事実が記載をされていないのは確かだが、それがなぜかは判明をしていないという答弁でありましたが、その後、調査をして、その理由は判明をしているんでしょうか。
  23. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) 委員御指摘の点も含めまして、この一連の名古屋刑務所事件につきまして、現在引き続き、当局及び名古屋矯正管区において調査を行っているところでございます。
  24. 井上哲士

    井上哲士君 この処遇表、動静視察表を書くべきであった当時の職員というのは特定をできているんでしょうか。特定をした上で更に調査で理由が判明をしないと、こういうことでしょうか。
  25. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) お答えいたします。  この今申し上げた調査につきましては、処分対象者を特定するという等の観点からも引き続き調査を行っているわけでございますが、御案内のように、これらの事件につきましては関係職員が多数ございますし、それから公判請求された被告人が否認をしているというような状況もございまして、その調査になお相当の期間を要しているというのが実情でございます。
  26. 井上哲士

    井上哲士君 処遇表も動静視察表も手書きで書いてあります。我々も資料をいただきました。筆跡を見れば一体だれだったのか、当時の出勤状況を見れば一体だれだかというのはすぐ特定できるはずなんですね。こういう人たちは、特に今の公判の対象になっていない人でもあるわけですから、行政の問題として、これ、しっかり調査をすることができるはずなんです。  で、特定ができているんですか、できていないんですか。もう一回答弁をお願いします。
  27. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) 引き続き調査をするということで御理解賜りたいと存じます。
  28. 井上哲士

    井上哲士君 理解できません。これは、この問題だけでないんですね。  これ、衆議院でも追及がありましたけれども、例えば十二月のホース事件でありますが、これも当時の所長は知らなかったということになっているわけですけれども、やはり当時の実態を見ますと、二時二十分ごろにホースで水を浴びせられて、午後三時二十八分に保護房収容が解除をされているということですから、少なくとも四回ぐらいは、この間に、巡視の記録、視察表というのが入らなくちゃならないと。これがきちっとやられていたら所長は知らないはずはないんですね。  しかも、この十二月事件で受刑者にホースで水を掛けたということは、今の裁判でも、少なくとも掛けたこと自身については被告人も認めている事実でありますけれども、このことを当時の所長が知らなかったということにこの中間報告は何も踏み込んでいないということでありますから、大変極めて問題が多いということをこの中間報告については言わざるを得ません。  これ、大臣、ちょっとお聞きしますけれども、これ、いずれの事件も既にもう捜査が行われて公判中であります。検察の捜査の邪魔になるというようなことを過去言ってきたわけでありますけれども、そういう言い訳はもうできない問題だと思うんですね。矯正行政としてしっかり事実を解明をして、そこにあった、例えば集団的に隠ぺいをしたんじゃないかと、こういう体質などをしっかり解明をし、改善をするということが問われている問題だと思います。  この五月事件、そして十二月事件、当時見ていたはずの刑務官、報告を受けたはずの幹部職員、そして問題を見ていたはずの医師なども含めて、しっかり大臣責任で真相解明をして、これは中間報告でありますから、最終報告等も当委員会等にも出していただくということが必要でありますけれども、その点、大臣、いかがでしょうか。
  29. 森山眞弓

    ○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるように、事件の解明につきましては事実の確認が何よりも大事だと思いますので、できる限り今調査を継続し、事実の把握に努めているところだと思います。そのような方向で、報告するべきものが出てまいりましたときは早速、委員会にも御報告申し上げて、御理解いただくようにしたいというふうに思います。
  30. 井上哲士

    井上哲士君 正に、真相の解明が前提であります。  繰り返し言いますけれども、その点で必ず再度の報告を、正に大臣責任で改めて求めておきます。  で、その上で、今度、中間報告が出されました死亡帳調査班による調査結果についてお聞きをいたします。  当委員会での求めにも応じまして、十年間のすべての死亡帳が出されました。この中身の調査というのは、改革の前提である全容解明にとっても非常に、基本的に非常に重要な課題だと思っております。その点で幾つか具体的にお聞きをいたしますが、まずこの中間報告の調査の概要の中で、関係書類の調査により行ったとありますが、この関係書類というのは具体的には何でしょうか。
  31. 大林宏

    政府参考人大林宏君) お答え申し上げます。  調査資料としては、死亡帳、被収容者身分帳簿、いわゆる身分帳と呼ばれているものですが、診療録死亡診断書、死体検案書、被収容者死亡報告、保護房収容書留簿、戒具使用書留簿等の行刑関係資料のほか、検視結果、死体解剖所見等を検察当局からも確認いたしておりまして、これらを調査資料といたしたものでございます。
  32. 井上哲士

    井上哲士君 書面のみでは判断が困難な事案については必要に応じて関係者間のヒアリングを行ったと、こういう記述もございますが、書面のみの調査、それから関係者から聞き取りを行った調査、それぞれ件数はどのようになっているでしょうか。
  33. 大林宏

    政府参考人大林宏君) 今まだ調査継続しているものもございます。それから、調査が一応済んだという形にはなっておりますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、今後、委員の方々の御指摘等により、更に調査を進めることも考えております。  そういうこともありまして、具体的な案件、この案件についてどういう調査をしたかという詳細についてお答えすることは差し控えたいというふうに考えておりますが、これまでの調査におきまして、医師につきましては、外部医師四名の方々にいろいろと御所見を聞いたりしておりますし、それから刑務官等の関係人の調査につきましては、はっきりした人数はちょっと申し上げられませんが、少なくとも十名以上については聞き取り調査を実施しております。
  34. 井上哲士

    井上哲士君 約千五百六十六件のうち、聞き取り調査をしたのが大半だったのか、それとも書面のみのものが大半だったのか、その辺の内訳はどうなんでしょうか。
  35. 大林宏

    政府参考人大林宏君) 今のような御質問からすれば、書面審理で病名等、あるいはその附属する関係書類で判断したものが大半であると、こういうふうに承知しております。
  36. 井上哲士

    井上哲士君 医学的知見が必要と判断された事案については法医学専門医から教授を受けることとしたと、こうありますけれども、こういう医学的知見が必要と判断をされた事案というのは何件ぐらいだったんでしょうか。
  37. 大林宏

    政府参考人大林宏君) 今の御指摘、医師からアドバイスを受けたもの等ございます。外傷の有無、内容や、診断病名、診療経過等からでは死因の特定や死因と被収容者の身体の外傷との因果関係を判断することが困難であるというふうに考えられた事案についてお医者さんから医学的知見の教授を受けております。  件数について具体的に申し上げますと、合計二十六件でございます。
  38. 井上哲士

    井上哲士君 継続調査となっている十五件はすべてそれに含まれると考えてよろしいでしょうか。
  39. 大林宏

    政府参考人大林宏君) 今の二十六件の内訳を更に申し上げますと、十三件につきましてはお医者さんの医学的知見を参考にしまして継続の要なしといたしたものでございます。さらに、残り十三件はその御意見も参考にして更に調査継続する必要があると、こういうふうに判断したものでございます。
  40. 井上哲士

    井上哲士君 その医学的知見に基づいて調査の継続必要なしという判断をしたものはどれでしょうか、具体例を挙げていただけますか。
  41. 大林宏

    政府参考人大林宏君) これはちょっと手元に資料ございませんけれども、なお、先ほども言いましたように、さらに、必要なしというものが調査することに移行することもございますし、その関係もございまして、現段階においてその詳細を明らかにするということはちょっと差し控えさせていただきたいと、こういうふうに考えております。
  42. 井上哲士

    井上哲士君 調査の中で、外傷の有無ということも判断をされておりますが、その外傷の有無の判断資料というのは何だったんでしょうか。
  43. 大林宏

    政府参考人大林宏君) 資料は、死亡帳それから被収容者身分帳簿、診療録、死体検案書、死亡診断書、被収容者死亡報告、保護房収容書留簿、戒具使用書留簿等の行刑関係資料の記載のほか、検察当局から確認した検視結果、死体解剖所見等を精査し、外傷の有無、内容等を判断したものでございます。
  44. 井上哲士

    井上哲士君 ただ、例えば名古屋の五月事件の革手錠死亡の問題ですが、これは死亡診断書を見ますと外傷の記述はないわけですね。死亡帳にも外傷ということは書いてありません。この名古屋の五月事件につきましては司法解剖まで行われたわけですけれども、死亡帳を見ますと検察官通報もされていない。死亡帳や死亡診断書に外傷の記述がないものというのは随分あるわけですね。  ですから、これ、②に分類をされた、外傷がないから犯罪死の疑いがないと判断をされるというのは、言わば書面だけでは分からないこともあろうかと思うんですが、その点どうでしょうか。
  45. 大林宏

    政府参考人大林宏君) 具体的な案件につきまして、どれを根拠にしたということはちょっと私、今の手元の資料では分かりませんが、先ほどの資料等、それの中に添付されているあるいは写真等のあるものもございまして、いろいろな形で外傷の有無を判断したんだと、こういうふうに考えております。
  46. 井上哲士

    井上哲士君 それじゃ、個別事案について幾つかお聞きをいたします。  松江の三百九という事案ですが、これは死亡帳には「熱射病の疑い」とのみ書いてあるものですが、これは過去にも取り上げましたけれども、国賠訴訟で国側が敗訴をし、それが確定をした事件でありますが、継続調査に入っておりません。これはなぜでしょうか。
  47. 大林宏

    政府参考人大林宏君) お尋ねの整理番号三百九の事案は、松江刑務所浜田拘置支所における四十四歳の男性被収容者の死亡事案でございます。  被収容者は、保護房収容中に意識消失状態に陥っているのを発見され、死亡するに至ったものであります。司法解剖の結果では、死因はアルコール後期離脱症候群による振戦譫妄状態に基づく自律神経症状による発汗作用促進等による脱水症状による高カリウム状態を原因とする急性循環器不全とされております。被収容者にアルコール依存症の既往症、既往歴がある、死因と整合性が認められる、それから致命傷となる外傷がなかったことなどから、被収容者の死亡は刑務官等の違法な暴行によるとの疑いがないものと判断したものと承知しております。  ただ、本件につきましては、委員御指摘のとおり、国家賠償請求が提起されて、適切な医療を施さなかった点において過失が認められると、こういうふうな形で判決が出されております。私どもの死亡帳調査班によるこれまでの調査では、本件において医療行為や医療的対応の観点から刑法上の問題を生ずるようなものではなかったんではないかと、こういうふうな判断をしたものでございます。  しかしながら、このような判決もございますので、矯正医療問題対策プロジェクトチーム等において今後の医療体制の在り方の検討をするための重要な資料だと、こういうふうに考えております。
  48. 井上哲士

    井上哲士君 刑法上の問題はなかったということでありますが、今ありましたように、矯正行政として、医療問題として適切な処遇だったかという問題は問い掛けている事案でありますから、引き続きこれはしっかりと見ていただきたいと思います。  もう一件具体例で、月形の五百四十四番という、これも保護房事案でありますが、「急性心不全」という記述のものです。  これは②という分類、病名自体からは外因によることがあり得るが、死体に特段の外傷がないことから犯罪死の疑いがないと判断されたという分類に入っておりますが、その判断の根拠はどうだったんでしょうか。
  49. 大林宏

    政府参考人大林宏君) お尋ねの事案は、月形刑務所における四十四歳の男性の被収容者の死亡事案でございます。  被収容者につきましては、司法検視が実施されておりまして、外因死を疑わせる外傷等の所見は認められなかったということになっていることに加えまして、被収容者には心肥大の既往症があり、急性心不全との死因と一定の整合性が認められることなどから、被収容者の死亡が刑務官等の違法な暴行によるとの疑いはないと、こういうふうに判断したものでございます。
  50. 井上哲士

    井上哲士君 法医学専門家の意見を聞いたのが二十六件ということがありましたので、残りは、千五百四十件は特に聞いていないということになるわけですね。  この残りの部分で医療過誤などが含まれている可能性というものはないんでしょうか。
  51. 大林宏

    政府参考人大林宏君) 医療過誤という概念、程度の差が非常にあるものだと考えます。  今申し上げたとおり、私どもの方は刑法上の観点から主として調べております。ですから、今回、暴行があったとは認められないと分類した中に医療上の問題が絶対なかったかと、こういうふうな御質問であれば、それはそのようにまでは断定できないというのが現状でございます。
  52. 井上哲士

    井上哲士君 この間の当委員会での議論でもありましたように、医療の問題、十分かどうかということだけにとどまらない、過誤に近いものも指摘をされてきたわけであります。  今の答弁にもありましたように、このチームは主として刑法上の問題での調査だったということになりますから、医療の問題というのは見落とされている可能性が大変高いと。医療上の問題でどうだったかというのは別途、調査、検証がされているんでしょうか。この点どうでしょうか。
  53. 大林宏

    政府参考人大林宏君) 今回の調査につきましては、先ほども申し上げましたように、基本的には刑務官等による暴行による死ではないかどうかということに重点は置いてございますけれども、しかしながらその調査の過程でやはり委員御指摘のように医療的な問題があるんではないかというふうな事案もありまして、これにつきましては今回の振り分けた十五件の中にも御報告しましたように含まれております。  ですから、私どもとしては、基本的なスタンスは今申し上げたとおりでございますけれども、今後のやっぱり医療行政というのは非常に大事なことでございますので、今の、これからの調査、あるいは委員の先生方の御指摘等があったものにつきまして、必要なものにつきましては更に調査を深めまして、これは矯正局における医療行政の改革といいますか向上といいますか、そういうものに役立たせていただきたいなと、こういうふうに考えているところでございます。
  54. 井上哲士

    井上哲士君 これは矯正局でということのようですが、今度、医療問題のチームも立ち上げられたようですが、例えばこのチームでそういうような問題を検証するのか、それとも別途、矯正局として医療的な問題がなかったということを検証していくのか、この点どうなんでしょうか。
  55. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) お答えいたします。  この死亡帳調査班が対処した事案につきましては、ただいま官房長がるる答弁申し上げましたように、引き続き調査継続されるものもございますし、そういったものを踏まえて、矯正局としてもまたそれが今後の矯正医療の充実向上に役立つための資料としていきたいと、そういう考えでございます。
  56. 井上哲士

    井上哲士君 要するに、死亡帳調査班の調査に基づいてという趣旨ですか、矯正局としては別途、検証はしないという趣旨ですか。
  57. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) 失礼しました。  誤解があったかもしれませんが、そういうことも踏まえてということでございますので、当然、矯正局としては、今後の矯正医療をどのようにすべきか、これはどこに問題があったかということからまずスタートするわけですから、そういった中で種々検討を加えていくということでございます。
  58. 井上哲士

    井上哲士君 今度立ち上がった医療チームでの検証はされるんでしょうか。その点はどうでしょうか。
  59. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) 失礼しました。  このプロジェクトチームというものは、この矯正局の中でのまた一種の横断的な組織として立ち上げまして、今後の矯正医療をどのような方向にしていこうか、中期的、短期的な観点から改善すべきものは改善するといったことで検討していこうということですので、まだこれから何をするかということも含めてまだ現在、ある程度のことは指針といいますか方針はもちろんございますけれども、やっていく中でいろんな問題点があれば、それをまたプロジェクトチームの中で行っていくということになろうと思います。
  60. 井上哲士

    井上哲士君 全体の問題でも言いましたけれども、やはり現状の問題をえぐり出してこそ改革の方向が見えてくるわけでありますから、その中でもしっかりとやはり検証をするということを求めたいと思います。  このチームには外部の医療関係者というのは参加をしているんでしょうか。
  61. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) お答えいたします。  外部、全く純粋の民間とかそういう意味、矯正以外という意味では外部の者は現在加えておりません。しかし、メンバーとしては、矯正局内ということではございませんで、医療刑務所医師等の関係者をメンバーとして加えております。そしてまた、この検討する過程で外部の方の御意見をこれから聞いていくことになろうかというふうに考えております。
  62. 井上哲士

    井上哲士君 これはやはり外部の方の目をしっかり入れるということがこの間の教訓でもありますから、これは強く求めておきます。  その中で、例えば明らかな医療過誤などが見付かったという場合は、これは行政的な対応はどういうことになっていくんでしょうか。
  63. 大林宏

    政府参考人大林宏君) 将来のことで断言はできませんけれども、今のおっしゃる、仮に明らかな医療過誤がある、あるいは刑法上取り上げられるべき問題があれば、当然それは事案に応じて必要な対応を考えなければならないと、こういうふうに考えております。
  64. 井上哲士

    井上哲士君 先ほども指摘がありましたけれども、この調査継続中の事案で東京拘置所の千五百九十というのがありますが、これは五月の七日に遺族、お母さんが国賠訴訟を提起をされております。当時四十五歳の一人息子が投薬を制限をされて死亡をしたと、こういう訴訟であります。去年の六月の三十日に拘置所の中でタオルをのどに詰めて自殺をしたとされているわけですが、精神障害を持って投薬を続けていた息子に適切な投薬がなされなかったと、その結果の自殺だと、こういう訴訟なわけですね。この投薬制限といいますのは、当然、外傷もありませんし、カルテも見ただけでは、相当の医学的知識があったり、それまでの診療経過がないとにわかには分からない大変難しい問題かと思います。  こういった問題もあるわけでありますから、正に外部の目も入れて、本当に医療に問題がなかったのか、どこを改善をすべきなのか、この点でしっかりとした検証と改善を強く改めて求めまして、質問を終わります。
  65. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。  私も、今回、死亡帳調査の中間報告で、暴行、医療過誤の可能性として十五件を挙げていただきました。どのような調査を行って選んだのか。他の千葉委員そして井上委員からも質問がありましたけれども、どうしてこの十五件に絞られたのかということで、済みません、先ほども質問がありましたけれども、聞き取り、もう一回、済みません、聞き取り、全般的に例えば聞き取り調査はどういうふうにしたのかと。あるいは、この中には明らかに刑事捜査が始まって終わっているケースなどありますが、もう少し具体的に、どうして絞ったのか、教えてください。  それから、例えば黒羽刑務所のような、というかたくさんありますが、保護房での突然死の事例というのが、その千六百のうち二百四十件に絞った中で私たちが見た中でもかなり出てきたんですが、十五件のほかにも多数その保護房の中での突然死というのがたくさんあります。  ですから、済みませんが、ちょっと質問が重なりますが、調査の経過をちょっと教えてください。
  66. 大林宏

    政府参考人大林宏君) お答え申し上げます。  死亡帳調査班におきましては、先ほども申し上げたところでございますが、死亡帳や身分帳、診療診察録あるいは検視結果や死体解剖所見の結果、確認できた場合にはそれらを精査し、被収容者の診断病名、既往歴の有無、内容、治療経過、死体の外傷の有無、内容、当該外傷の原因、革手錠使用の有無、その他制圧行為の有無、それから保護房収容の有無等を逐一確認いたしまして、その上で必要に応じ医学的知見を求めたり、関係者からのヒアリングを行い、被収容者の死亡が刑務官等の違法な暴行による疑いがないかどうかについて総合的に検討をしたものでございます。  継続調査とした十五件につきましては、現在までの調査においては、いまだ刑務官等による違法な暴行によって被収容者が死亡したものではないと断定するに至らなかった案件、具体的には五件ございます。その調査の過程で、行刑施設における医療行為や医療的対応の問題を更に検討すべきと判断された案件、これが十件ございます。  その詳細については、まだ現在、調査を継続しておりますので、ちょっと申し上げられませんけれども、概要としてはそのような経緯で振り分けが行われたところでございます。
  67. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 でも、先ほど例えば千葉委員からも質問がありましたけれども、この中に入っていなくても、例えば栃木刑務所の中において女性を革手錠、保護房にすると、ズボンのことですごく上げてくださいとか下ろしてくださいとか訴えて、出た後に自殺をして、自殺未遂。しかし、中枢神経が障害があって、それが理由で亡くなっているというケースなどは、明確に暴行はないかもしれない、あるいは明確な医療過誤はないのかもしれませんが、明らかに不適切です。  ですから、この十五件について、きちっと今後、中間報告以降もっと精査し、調査をきちっとして報告をしていただくと同時に、この十五件以外のケースでも私たちがいろいろ指摘をしているようなケースについては、暴行はないかもしれないけれども明らかにもう少し、例えば摂食障害で死亡している人などもおります。だから、医療過誤とまでは言えないかもしれないけれども、もう少し適切な医療行為があれば明らかに死なずに済んだというケースもありますし、保護房突然死のケースがたくさんあるにもかかわらず、絞られているには若干疑問もあります。  ですから、この十五件以外の件についても、きちっと今後も事実の究明、問題の把握、対策ということをやっていただけるのでしょうか。
  68. 大林宏

    政府参考人大林宏君) 今の御指摘でございますが、先ほどから申し上げていますように、この十五件というのは中間報告として一応振り分けたものでございます。その後も御指摘をいただいている、あるいは資料をいただいているものもございます。これらを参考にいたしまして今後とも必要な調査を継続していきたいと、こういうふうに考えております。
  69. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 改めて、また詳しい資料をいただいて読んでみました。例えば、これは何かこれ以上調査をしなくても明らかに変じゃないかというケースが幾つもあります。  例えば、十五件のうち、京都舞鶴拘置支所、死亡帳番号五百九十五のケースは、被疑者を保護房に収容し革手錠を使用、さらに暴行のおそれがあるとして両足首、更には大腿部に捕縛、縄を掛けているわけですね。ですから、両足首と太もものところに縄を縛っていて、その後わずか一時間半余りのうちに脈拍確認できない状態になって死亡をしています。縄を掛けて一時間半後に死亡と。ここまで制圧する必要があるのかと。確かに、ドアをけったとかいうのはあるんですが、保護房の中で革手錠をして、足を縛って、太もも、足首も縛ってしまうと。すぐ亡くなっているわけですね。これは調査継続するまでもなく暴行ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  70. 大林宏

    政府参考人大林宏君) 御指摘の事案は、舞鶴拘置支所における三十九歳の男性被収容者の死亡事案でございます。被収容者につきましては、死亡当日の保護房収容や革手錠、両足首への捕縄使用等の制圧行為が認められるのは御指摘のとおりでございます。  他方、行政解剖の結果におきましては、死因は食道静脈瘤破裂疑いによる窒息死とされておりまして、保護房収容や革手錠の使用と被収容者死亡の間に因果関係はないような判断がなされているところでございまして、これについては、なおちょっと調査をしなければ断定ができないということで、今回、調査継続案件といたしたものでございます。
  71. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 このケースは、口腔内、口の中に大量の、多量の吐血、右腹部に打撲痕、だから、おなかに打撲の跡が見られると。移送先の病院の医師は内臓出血の疑いを指摘というふうになっています。検察質問に、医師は、でも保護房、革手錠と死亡との間に因果関係なし、病死と、こうなっているわけですね。しかし、記録を読みますと、やはり腹部に打撲痕があり、死亡が余りに急激に行われているために制圧による、行き過ぎた制圧による死亡の可能性が高いと思われます。  この点については、再度、資料提出や調査をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
  72. 大林宏

    政府参考人大林宏君) できる限り前向きに検討したいと、こんなふうに考えております。
  73. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 大阪のケースで、済みません、大阪刑務所の急性心筋梗塞、番号二百十六番、保護房、革手錠使用からわずか一日で死亡している。心筋梗塞ということで病死扱いしていますが、明らかに一日じゅう革手錠を装着していたことによる影響ではないか。  これは記録を読むと非常に痛ましくて、この人はずっと、くそ、寝られへんやないかと放言し、それから例えば、こら、ワッパ外せ、殺すぞと大声を発している。ワッパじゃ寝られへんやないかと放言する。おまえ、ワッパ外したら覚えとけよ、外せ外せ、いい加減にせえよ。これ、十五分置きに必ず外せ外せと言っているわけですね。ワッパ外さんかいと大声を発しながら、ワッパ外さんかいと大声を発している。  つまり、この人は、革手錠を外してくれ外してくれと言い続けていて、それが十五分置きの視察表の中にずっと繰り返し繰り返し出てきているわけです。ワッパ外せよ、こらと大声を発する。きつう締めやがって、覚えとけよという、もうずっと十五分置きに同じことを、外してくれ、痛い、きつく締めやがって、覚えていろということを言っていると。  これがやはり保護房、革手錠使用から一日。もしかしたら、これは寝られないと言っていますので、もしかしたら、片手前片手後ろの非常に、こういう両手前両手後ろでなくて、要するに寝られない状況で締められたんじゃないか、あるいはきつくやっぱり締められているわけで、なぜこれが病死となるのか。  これは、カルテが全く大阪刑務所は出ておりませんけれども、これはどうなんでしょうか。
  74. 大林宏

    政府参考人大林宏君) ちょっと、今のカルテの件、調べておりますが、今の御指摘の件についてちょっと御説明いたしますと、本件は大阪刑務所における四十八歳男性の被収容者の死亡事案でございます。本件は、死亡日の前日に被収容者が刑務官につかみ掛かろうとしたため制圧し、金属手錠を使用し、さらに革手錠を使用して、保護房に収容中、横臥して意識もうろうとした状態にあるのが発見され、その翌日に死亡したという事案でございます。  記録上は特段の外傷は認められませんが、制圧行為が認められることなどから、いまだ被収容者が刑務官等による違法な暴行によって死亡したものではないと、こう断定するに至らないと、こういうふうに判断したため調査継続案件としたものでございます。
  75. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 もちろん、事実の究明あるいは刑事上の問題があり得るのかどうかということはあるんですが、なぜやはりこんなに厳しく革手錠を使用したのかということの検証を是非お願いしたいと思いますが、いかがですか。
  76. 大林宏

    政府参考人大林宏君) これは、調査継続案件でございますので、更に詳細に調査したいと思います。  なお、今、カルテのことで御質問がありましたので、ちょっと矯正局長の方から御答弁させていただきたいと思います。
  77. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) 委員からカルテの提出がないという御指摘でございますが、この案件のカルテは、カルテの保存期間が経過しておりますので、現在、存在しないということでございます。
  78. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 あと、黒羽刑務所死亡帳番号九百六十九。月形刑務所、急性心不全、先ほどもありましたが、番号五百四十八。これは保護房突然死で、月形刑務所は、保護房収容からわずか半日後に死亡していると。保護房に入れたら半日で死んだ、亡くなってしまった。黒羽刑務所も、保護房に収容されて二日で突然死をしている。明らかに不審で、死因が全く追及されている形跡がありません。また、月形刑務所も、本人はリウマチと高血圧を持っておりますが、突然死ぬような症状ではなかったはずです。  今後も、今回十五件出ておりますが、それについて資料もいただきましたけれども、十五件以外についてもやっていただきたいことと、この十五件についての継続案件、それから私たちは個別のケースについてなぜ事実究明するかというと、その中から総合的に何が改善されれば本当にこういう、人が亡くなったりすることを防止できるかということにあります。  ですから、有罪、無罪を決める、あるいは、ここは裁判所ではないわけですから、冤罪だとか有罪だ無罪だということを議論する場では全くないと私は三権分立の立場から思います。  ただ、なぜ事実究明をするかといえば、裁判も起こせなかった人たち、事実が外にも全く現れなかった人たちがいて、それはここできちっと問題を追及しない限り、どこでも問題にできないわけですから、今の時点で。是非、今後もきちっと調査と報告と、これ以外の点についてきちっとやっていただきたいと思います。  ところで、今後の調査もさることながら、改めて記録を読んでいて、なぜここまで放置をされたのか。例えば、死亡帳のケースに関していえば、死亡帳を見ただけでは分からないんですよね。細かに見ると死亡原因が分かる。つまり、はっきり言うと、死亡帳がでたらめであるというものが大分出てきています。  ですから、死亡帳の書かれ方、法務省に対する意見の上げ方等も含めて、検討の余地があると思いますが、いかがですか。
  79. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) ただいま委員、御指摘ございましたし、またこれまでのこの一連の名古屋刑務所事件を契機とした矯正行政に対するいろんな御質疑等の中で、この死亡帳、あるいはその報告の内容、あるいはその時期等について種々御指摘があったところでございます。  これらにつきましては、矯正当局といたしましても重要な問題と考えておりまして、既に内部的にはその改善策、具体的な改善策等について検討しているところでございます。
  80. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 今まで、ですから記録を読んでおりますと、医師は、全く問題ない。例えば、外傷があって、腹部に打撲痕があったり、いろんな体に跡があっても、因果関係なし、問題なしというふうになっていたりするわけですね。是非、今後、そのチェック機能が全く働いていないという点について改善をお願いします。  また、ちょっと細かい点なんですが、私は記録を読んでいてすごく違和感があったのは、遺族に引渡しをしたときに遺族が文句を言わない、だから遺族の感情は良好であるとかいうことばかり書いてあるんですね。これはむしろ、裁判を起こされないかとか、そういうことのみに注意をしているんじゃないか。  もっと言うと、実は、今回出てきた十五件のうちは、割ともう時効になっているものの方が多いんですよね。そうすると、ごく最近のものは余り出てきていないので、むしろ、ちょっと話が散漫になって済みませんが、なぜ遺族の被害感情みたいなことをこの記録に残すのか。  重要なことはそんなことではなくて、やはりどうやって天寿を全うする以外のやり方で人が死ぬことを防ぐかということにあると思いますが、なぜ遺族の被害感情とか、遺族が文句言っているか思っていないかみたいなことが書いてあるんでしょうか。
  81. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) 失礼しました。その個々のケースについて、ちょっと私、十分把握しておりませんので、それぞれがどういう趣旨でそういったことを書いているか、直ちにちょっとお答えしにくいんですけれども、これは推測ですけれども、やはり行刑の在り方等について批判がされているのかいないのかというその直接的な意見ということでそこに記載していることもあるのかなと、今ここで考えたことですけれども、そんな感じがいたします。  いずれにしても、その措置について遺漏があるというような指摘がもしあれば、それはそれでまた記載するということではないかと思います。
  82. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 しかし、川越少年刑務所のように、遺族が食って掛かって文句言っているというのはあっても、その後のフォローというのは別にないわけですね。私は、正直言って、裁判を起こされる余地があるのかどうか、そういうことに割と神経を注いでいたのではないかというふうにも思っています。  今日、ちょっと質問が、十五件について、ちょっと偏ったかもしれませんが、こういう事態を今見て、改めて、例えば大臣、何をやっていればこのような事態は防げたと本当に思われますか。行刑会議から提案がもちろん出るとは思うのですが、一体何をやっていればこんなことは防げたというふうに思われますか。
  83. 森山眞弓

    ○国務大臣(森山眞弓君) 非常に基本的な御質問でございますが、名古屋事件の問題から発生いたしましたこの行刑に関する信頼を失いました現在の時点において、これを何とか回復しなければいけないというのが私たちの考え方でありまして、それには、やはりまず事実を解明して、そこに潜んでいる問題点を明らかにして、それを解決していくということからスタートしなければいけないというふうに思っております。  今指摘されました様々な問題点、いずれも注意しなければいけない問題点ばかりだと思いますし、かねて申しておりますように、刑務官の意識の問題であるとか、あるいは全体の行刑施設の在り方の問題であるとか、あるいは特に医療の問題については残念ながら十分でなかったということが大きな理由の一つだというふうに私も感じておりますので、それらの問題について、それぞれ集中的に検討し、外部の御意見もちょうだいして、基本的に考え直していかなければいけないことが多々あると思います。そのような努力をこれからも続けていきたいというふうに思います。
  84. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 千六百件、約千六百件の死亡帳を出していただき、二百六十件の細かい資料を約いただいたわけですが、たくさんの疑問があり、その中で、やはり私は、変な言い方ですが、きちっと何にも言えないで突然死んだり、外せと言いながら死んでいってしまった人たちに本当に供養したい思いで一杯で、それを踏まえて、是非、本当にこういう人が出ないように、一人でも出ないように行刑改革を、実は国会議員と一緒に法務省自身も、目指す方向は、人権侵害や不当に亡くなる人がいないことを、一人でも本当に生まないように努力することであり続けると思いますので、是非、根本的な本当に改革をお願いしたいと思います。  ところで、医療のことなんですが、先日、法務省は、二〇〇三年三月十七日、「各刑務所の医療の実情について」という書面を出しました。それをまたこちらで精査をし直したところ、やはりかなり問題があるんじゃないか。  非常勤、常勤、あるいは常勤とされながら一週間に一遍しか働いていなくて一千二百万もらっているなんというのもこの委員会で明らかになりましたけれども、総合病院のようにやれということは全く無理としても、内科医が全くいない病院もあるわけですね。女性の例えば刑務所笠松刑務所は、外科一人、精神科二人、産婦人科一人、歯科一人で、内科がいない。やはり、女性刑務所である和歌山刑務所も、病理学一人、産婦人科一人、精神科一人、内科医が一人もいない。なぜか、やはり女性刑務所である刑務所も、麓刑務所、外科一人、精神科一人、産婦人科一人、内科がいないんですね。  内科がいないと、やはり風邪を引いたりいろんなときに非常に困るのではないかというふうにも思うんですが、確かに、総合病院のようにすべて専門をそろえろというのは無理かもしれません。ただ、内科が一人もいない刑務所が結構、結構というか、あるわけですね。  これはどうなんでしょうか。実際、問題は起きていないんでしょうか。
  85. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) 現在の刑務所における医師あるいは医療関係スタッフの配置状況については、今、委員御指摘のような状況でございます。  確かに、内科がいなくていいのかというところについては、それぞれの、刑務所内におけるそれぞれの受刑者の健康状態その他ございますけれども、我々矯正当局といたしましては、いずれにしましても、その施設内で適切な医療を施すことができないというときには、人的、物的な医療設備を重点的に配置しました医療刑務所に移送して治療を行うとか、あるいは必要に応じて外の病院、診療所に移送して、あるいは入院させて、通院させて治療を受けさせる、さらには外部の医師に往診に来てもらうといったようなことで対処しているわけでして、いずれにしましても、関係の医療刑務所あるいは近隣の医療機関等との連携をきちっとしながらやってきたつもりでありますし、これからもそういった方向でやっていこうということでございます。
  86. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 疑り深くて済みませんが、本当にきちっと往診などされているんでしょうか。今の話でも、医療刑務所に行ったり外部の病院に入院という事態であれば、入院ですから、相当これは症状が重いと。  悪いですけれども、死亡帳やこのカルテやいろんなものを見ていると、何にもされないで死んでいる人が多いわけですよね。亡くなっている、全然治療を受けていなくて保護房の中で死んでいるという人も多いわけですから、おなかが痛い、風邪を引いたというぐらいで外部の医師がきちっと往診してくれているんでしょうか。  東京拘置所は、医師は十一人おりますが、内科は一人もおらず、循環内科、内分泌内科、これは内科医二人と言うべきかもしれませんが、宮崎刑務所は常勤で外科が一人いるだけ。本当にきちっと内科の例えば往診とかやられているんですか。
  87. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) いずれにいたしましても、現在、この矯正の医療が抱えている問題につきましては、今の委員の御指摘も含めまして様々な点が言われているわけでございまして、私どもは、そういった御意見を謙虚に受け止めまして、きちっとした体制というものを検討して、なすべきことはするという方向でやってまいる所存でございます。
  88. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 医師が一人で、しかも非常勤という施設もあります。お医者さんがいないわけですね。それから、精神科は五十六人で、歯医者、歯科は十九人です。そうすると、全部でこれは、施設が、百十七の行刑施設に歯医者さんが十九人しかいない、しかも非常勤が圧倒的に多い。そうすると、刑務所に入るときは歯の治療をしていかないととんでもないことになってしまうというふうに思うんですね。  実際、歯医者さんがいない刑務所で、要するに物すごく歯が痛いというんじゃなくても、何となく痛いとか虫歯の状況とかあると思うんですね。これはどうしているんですか。
  89. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) 先ほど申し上げましたように、常勤の医師がいるところは別としましても、そのときの症状等によりまして外部の医療機関に受診させるなどしているわけです。  いずれにしましても、今の点も含めまして、やはりそれで十分かどうかということはこれから検討してまいらなければならないことだと考えております。
  90. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 それから、ちょっと疑り深くて済みませんが、何か死亡帳やカルテや動向を見ると、きちっと診察受けられていないと思っておりまして、本当に外部の治療がきちっと往診で受けられているのかと。  これはちょっと難しいかもしれませんが、どの程度、外部の医師が関与しているかというふうな資料等はありますか。ちょっと即答できなければ、これは質問通告していないので結構です。
  91. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) 現在、即答はちょっといたしかねます。
  92. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 あと、常勤という医師でも昼間の十二時半に勤務終了という医師もおりますし、大体五時にはみんな終わっています。夜間については対応するということの答弁がかつてあったわけですが、死亡帳を見ると夜の間に亡くなっている人が非常に多いですね。夜亡くなる、あるいは朝早く亡くなるという人が非常に多いし、保護房などでも朝死んでいるというのが非常に多いわけですけれども、夜の間の体制についてこれは本当にどうなっているのか、医者は本当に来ているのか、緊急病院にやっていることはちゃんとやっているのか。あるいは、准看護師さんもいるわけですけれども、明らかに対応は不十分だと思われますが、いかがですか。
  93. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) 現状ということからまず申し上げますと、夜間の医療体制に万全を期するためにはこれは医師に当直を行わせることが望ましいということ、これはもう言うまでもないことだと思います。しかしながら、現実といたしましては、ほとんどの行刑施設では夜間に医師を配置する勤務体制を取ることが困難な状況にございます。そのために、状況に応じまして医師の自宅待機をしてもらったり、あるいは看護師や准看護師である保健助手を交代で勤務させるなどして、急患や病気療養中の受刑者の、被収容者の病状の変化に即応できる体制を取るようにしています。それから、施設内で十分な医療を施すことができないときは、先ほどと同様のお答えになりますけれども、外部の病院に入院させたりしておりますし、緊急の場合には救急車の出動を要請していることもございます。  そのようなことで医療の措置には万全を期しているわけでありますけれども、被収容者の状況とか病状によりましては受入先病院の確保が困難を窮めるということもまた現実にあるわけです。行刑施設におきましては、そのようなことから、日ごろから近隣の医療関係機関と良好な関係を維持するように努めているところであります。  いずれにいたしましても、これにつきましても様々な御意見があるわけでありまして、この夜間の医療はどうあるべきか、そのためにこれからどうすべきかということについては具体的に検討を始めているところでございます。
  94. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 医療については万全を尽くしているということなんですが、明らかに、カルテやいろんなものを見ると、医者に全くみとられずに死んでいる、あるいはとても普通の社会では考えられない病名で、肺炎や風邪やいろんなもので亡くなっているわけですよね。突然死も多い。それについてはとても万全であるとは思わず、医療が本当になされているのかというふうに思いますので、是非その改善をお願いします。准看護師さんは刑務官出身の人も多いというふうにも聞いております。  私は、医者の人たちの人権教育などが全くされていないんじゃないか、ちょっとひどい言い方をしますと、何か人間扱いをされていないんではないかというふうに思うことはあるんですが、外部の医師の人たちに対する、何か例えば人権教育やそういうことというのはなされているんでしょうか。
  95. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) 行刑施設の職員である医師はもちろん職員、国家公務員の職員ですからそれは当然ですけれども、外部の者に対して矯正当局が人権教育をなし得るかということになりますと果たしてという感じはいたします。そういう御趣旨なんでしょうか。
  96. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 時間ですが一つ、済みません。  というか、質問は、常勤、非常勤の医師に関してきちっと人権教育はなされているかという質問です。
  97. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) 医師に対する人権教育を行っているところはあるそうですが、すべてについて行っているかどうかについてちょっと今十分把握しておりません、私の方では。
  98. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 じゃ、時間ですので、終わります。
  99. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時三十五分休憩      ─────・─────    午後一時一分開会
  100. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を再開いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案検察庁法の一部を改正する法律案及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会法務省刑事局長樋渡利秋君、法務省矯正局横田尤孝君、法務省保護局長津田賛平君及び厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長上田茂君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  102. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案検察庁法の一部を改正する法律案及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  103. 荒井正吾

    ○荒井正吾君 自由民主党の荒井正吾でございます。質問をさせていただきます。  私は、心神喪失等の状態で重要な他害行為を行った人に継続的かつ適切な医療と観察を行い、病状の改善、同様の行為の再発防止や行為者の社会復帰を促進することは重要な国家の課題あるいは責務と考えますので、本法案には賛成でございます。  一方、本法案による制度は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った人に対する処遇の決定、医療の実施、地域社会における処遇というのを三つを大きな柱にしておりますが、私は、本制度が人々の懸念や不安を払拭して積極的な評価を受けるには、とりわけ処遇の決定についての客観性、明瞭性、説明能力、言わばアカウンタビリティーの確保が極めて重要と考えますので、本日はその点について質問をさせていただきます。  私は、地元の奈良で、手をつなぐ親の会という名称の会の人々と親しくさせていただいておりますが、この会は、身体障害者や精神障害者の子を持つ人たちの会でございます。お互いの情報交換や励まし、支え合うのを目的としております。その中で伺うわけですが、身体障害よりも精神障害の方が見えないという点で一般の理解を得るのに大変な困難があるということをよく聞きます。  この法案も目に見えない障害を持った人たちの扱いでございますので、ある面、大変な困難がある制度であろうかと思います。  本法では、法第三十三条第一項で、検察官が、対象行為を行った際の精神障害が改善し、これに伴って同様の行為を行うことなく社会に復帰することを促進するためにこの法律による医療を受けさせる必要が明らかにないと認める場合を除き、入院等の決定の申立てをする、あるいは法第三十七条第一項では、同様の医療を受けさせる必要があるか否かについて裁判所は医師の鑑定を命じる、さらに法第四十二条第一項では、裁判所は同様の医療を受けさせる必要があると認める場合、入院の決定をすることとされております。  検察官、裁判官又は御担当の医師は、これらの判断は具体的にどのようなメルクマールでされるのでしょうか。普通の症状と違って、熱が高い、湿疹が出た、レントゲンの影があるといった客観性のある基準は存在しないように思いますが、これらの三つの判断については、強制入院であるとか隔離政策であるとか、入院積極、退院消極であるとか、非難が惹起される可能性のある決定でございますので、それを払拭するに足る説明力のものになっているかどうかについてお伺いしたいと思います。
  104. 上田茂

    政府参考人(上田茂君) この法律による医療を受けさせる必要があるか否かの判定に際しましては裁判所が個々の対象者を病院に鑑定入院させることになりますが、裁判所から鑑定を命じられた医師は、症状や行動を注意深く観察し、必要な身体及び心理検査を行い、また対象行為を行った当時の精神症状と対象行為の関係、またその際の心理的、社会的状況、あるいは病歴と過去の他害行為の有無等を調査いたしまして、また諸外国司法精神医療機関で用いられています評価尺度等も参考にしながら、さらに入院中の種々の治療に対する反応性も考慮することによりまして、この法律による医療を受けさせる必要があるか否かを、今申し上げましたような診察、調査等を行い、総合的に判断していくこととなります。  鑑定を行う医師は、最終的な処遇の決定を行う合議体の裁判官及び医師であります精神保健審判員に対し、対象者にこの法律による医療を受けさせる必要があるか否かについて、特に医療の専門家でない裁判官にも理解できるような鑑定結果を提供する責任を有しております。  また、合議体の医師である精神保健審判員は、その専門的な知見に基づき鑑定結果が妥当性や客観性を持つかどうかについて改めて検証できること、合議体がその鑑定結果の妥当性や客観性に問題があると判断した場合には再鑑定を命ずることが可能であること、こういうことから、医師による鑑定は十分に客観的であり、説得力のあるものになるというふうに考えております。
  105. 荒井正吾

    ○荒井正吾君 何度かその点、事前にお聞きもしたんですけれども、やはり難しい分野じゃないかなというふうに思います。ガンマGTPであるとか血糖値であるとか、そういうメルクマールがないということは分かるんですが、じゃ、どうして客観的に説明するのかというのはやはり難しいように思いますが、しかし医学が進歩してできるだけ最良の検査方法がこの分野でも開発されて、客観性に十分堪え得るような判断がなされることを期待したいと思います。  しかし、一方、どのような場合でも、間違った判断がされるんじゃないかという不安がやはり存在する分野でもあろうかと思います。医療の進歩を判断に反映していただくということを期待する一方、しかし判断の正確性が十分確保されないという懸念もあるわけでございますが、それをカバーするための手続というようなものも用意されているのでしょうかどうか、伺いたいと思います。
  106. 樋渡利秋

    政府参考人(樋渡利秋君) お答えいたします。  本制度におきましては、対象者に対する処遇の要否、内容を決定するに当たり、例えば鑑定入院制度を設け、鑑定のための十分な資料を収集して精神科医による適切な鑑定を行うこととし、裁判所におきましては精神科医をもその構成員とする合議体による審判を行い、必要に応じて精神障害者の保健及び福祉に関する専門家であります精神保健参与員の意見も聞くことを可能とし、さらに対象者には弁護士である付添人を付して多角的な角度からの検討を可能とするなど、対象者の病状を慎重かつ確実に判断し得る制度を設けて入通院の要否を判断することとしております。  すなわち、鑑定入院におきましては、精神保健判定医等の専門的な学識経験を有する医師が対象者を直接診察し、あるいは必要な検査を行うなどの方法により医師としての専門的見地から処遇の要否に関する鑑定を行うとともに、入院中の対象者の言動や病状等を医療的見地から観察することにより、個々の対象者の病状等に応じた正確な判断が行われるような仕組みとしており、またこのような鑑定結果を受けた裁判所におきましても、裁判官と鑑定医とは別の精神科医である精神保健審判員が付添人等から提出された資料をも踏まえ、それぞれ専門的知見を十分に生かして、鑑定結果の合理性、妥当性を十分に吟味するなどの方法により、個々の対象者の病状等に応じた最も適切な処遇を的確に決定することができる仕組みとしております。
  107. 荒井正吾

    ○荒井正吾君 先日、参考人の浦田先生から聞いたところでも、なかなか判断の難しいところであるというふうにおっしゃられました。  しかし、現在の最良の判断をしていただきたいと思いますが、一方、その判断の進歩があろうかと思います。この法案で予定されております指定入院医療機関は、我が国の司法精神医療を実践する場所であるとともに、司法精神医学という独自のフィールドを確立してその向上を図る重要な場所であると思います。  指定入院医療機関は、今後、司法精神医療及び医学のメッカとなるような専門性、人員の配置等の体制の確保が期待されると思いますが、一方、そのような専門性のある先生というのは大変市場の価値も高くて、待遇というのは一般には大変高いものであると思いますが、そのような人に対する専門性の確保あるいは待遇の確保というのは十分であるんでしょうか。
  108. 上田茂

    政府参考人(上田茂君) お尋ねの指定入院医療機関におきましては、国の責任の下、患者の精神障害の特性に応じ、その円滑な社会復帰を促進するために必要な医療を行うこととされております。  具体的には、この指定入院医療機関におきましては、法第十六条第一項に基づく厚生労働省令において医療関係者の配置を手厚くすること等を定めることとしておりまして、またこれにより十分なスペースを取り設備が十分に整った病棟において、高度な技術を持つ多くのスタッフが頻繁な評価ですとかあるいは治療を実施することを求めるとともに、医療費についても患者本人が負担することなく全額を国が負担することとされておりまして、一般の医療機関に比べ、国による全面的な支援の下、手厚い精神医療を行うものであります。  また、修正により盛り込まれました附則第三条第一項に示されていますとおり、本制度は最新の司法精神医学の知見を踏まえた専門的なものとすることが求められているところでありまして、例えば欧米諸国の司法精神医療機関で広く実施されております精神療法を導入するなど、高度かつ専門的な精神医療を行うことも考えているところでございます。
  109. 荒井正吾

    ○荒井正吾君 大変期待をさせていただきたいと思います。  一方、先日、府中刑務所を視察させていただきましたが、刑務所の医療にもそのような最先端の医学の向上の成果を取り入れられたらいいなというふうに思うわけでございますが、例えばその医師を交流させるとか、定期的な情報交換の場を持つとか、いろんな仕組みでその刑務所の医療、精神医療というのを向上させるような取組をしていただけるんでしょうか。
  110. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) お答えいたします。  刑務所における精神医療は、刑の執行機関という枠組みの中で精神障害を有する受刑者の治療を行い、医療を行い、心身ともに健全な状態での社会復帰を図ることを目的として実施されるものでございます。  当局といたしましては、できる限りその充実に努めることが重要であると考えております。そのため、医療刑務所等を中心に精神科医等を配置して医療体制を整備し、近隣の医療機関等の御協力を得ているわけでございますが、本制度が施行された場合には、指定医療機関における実践で得られた司法精神医学の成果も取り入れつつ、精神障害者に対する適切な医療の実施に努めたいと考えております。  なお、矯正施設の医療には医師や医療スタッフの確保を始めとして難しい問題が多うございますし、また、ただいま委員から御指摘のようなこともございましたので、矯正局内に発足させた矯正医療問題対策プロジェクトチームによる検討や行刑改革会議の御議論等を踏まえまして、種々の御意見を考慮しながら、刑務所における精神医療をなお一層向上させてまいりたいと考えております。
  111. 荒井正吾

    ○荒井正吾君 よろしくお願いいたします。  今述べていただきましたが、医療機関刑務所における医療とともに、実際の社会の場におけるアフターケアなども患者様にとっては大事かと考えます。本制度では保護観察所の社会復帰調整官がコーディネーター役となり、退院後のアフターケアのネットワーク作りを行われるというふうになっております。大変いい制度だと思いますが、実効性が確保されるのか、大変また地域にとって新しい面があろうと思いますので、具体的に実効性が確保されるような仕組みになっているかどうかを伺いたいと思います。
  112. 津田賛平

    政府参考人(津田賛平君) ただいま御指摘のございましたように、対象者の社会復帰を促進いたしますためには、退院後のアフターケアの充実が必須であろうと思います。  そこで、保護観察所の社会復帰調整官は、言わば地域社会におきます処遇のコーディネーターといたしまして、指定通院医療機関を始め保健所等の都道府県、市町村等の機関と協議いたしまして、地域社会における処遇の実施計画というものを定めまして、この実施計画に基づきまして各機関が行います医療、援助等の処遇が適正かつ円滑に実施されますよう関係機関の間で緊密な連携の確保に努めることとしております。  また、医療機関や保健所等の関係機関と十分な連絡を取り合いながら精神保健観察を実施することとしておりまして、具体的に申し上げますと、対象者の通院状況でございますとか生活状況を見守りながら、対象者御本人や家族からの相談に応じて、通院とか服薬を継続するように働き掛けていくことといたしております。  以上、申し上げましたとおり、社会復帰調整官はこのような処遇等を実施することを通じまして、対象者の継続的な医療を確保して、その社会復帰の促進に努めることといたしております。
  113. 荒井正吾

    ○荒井正吾君 もう終わりますが、大変時間が限られて、はしょった説明で大変、質問で失礼いたしましたが、最後にお願いを一つ申し上げておきたいと思いますが、本制度は司法と医療の両面にまたがるために、法務省、厚生労働省の両省が関係しておられます。両省にお願いしたいのは、共通、共同の課題として取り組んでいただきたい。これは犯罪人だから法務省、これは病人だから厚生労働省、そういう気配がちょっと感じられないわけでもない場面もあったものでございますので、共通の課題として両省、今後大変発展が期待される分野でございますので、取り組んでいただきたいというお願いを申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。
  114. 江田五月

    ○江田五月君 森山法務大臣、歴代法務大臣として最長不倒距離をクリアされたということでございまして、誠におめでとうございます。  私どもは、法務省を取り巻くいろんなことがあって、もう森山さん御自身の進退をお考えになった方がいいんじゃないかなどと今でも思っておりますが、今日はそういうおめでたいときですから、そういう苦口はたたかないことにしておきますが。  法務省の所掌の行政範囲は非常に広い。この際、法の厳正な執行、とりわけ刑法、これについても覚悟を新たに取り組んでいただきたいと。いつもお優しい法務大臣でございますが、法の持つ厳しい面というものはやはり法務大臣が先頭に立ってそれを体現していただかなきゃならぬと思っております。  お答えありますか。
  115. 森山眞弓

    ○国務大臣(森山眞弓君) 江田先生から激励のお言葉をいただきまして、誠にありがとうございます。  今仰せのとおり、この仕事を預かっております以上は忠実に、また誠実に一生懸命に仕事に邁進していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
  116. 江田五月

    ○江田五月君 とりわけ刑事法というのは、時にはもう自分の感情を殺してでも執行していかなきゃならぬという厳しい面があるわけで、そこは情に流されることなく、たとえ身内であっても厳しく悪をたたいていくという姿勢を忘れてもらっちゃ困ります。国民のためによろしくお願いをいたします。  木村副大臣お見えですので、いささか伺っておきたいと思いますが、昨日の衆議院の厚生労働委員会で木村副大臣の問題が集中審議をされたそうですね。その中で、柔道整復師のことや何かがいろいろ議題になっていたようですが、併せて心神喪失者等医療観察法の、これも触れられたということなんですが、日本精神科病院協会、これは一体どういう団体だと御認識ですか。簡単にお答えください。
  117. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 精神科の病院の方々がお集まりになっていただいている団体でございます、だと思います。
  118. 江田五月

    ○江田五月君 社団法人ですよね。これはどこが監督をしているものですか。
  119. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 厚生労働省でございます。
  120. 江田五月

    ○江田五月君 この日精協という社団法人政治団体も持っているようですが、その政治団体はどういうふうになっていますか。
  121. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) お持ちになっていると思います。
  122. 江田五月

    ○江田五月君 どういう名前ですかね。
  123. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 日本精神病院協会政治連盟でございます。
  124. 江田五月

    ○江田五月君 昨年、木村副大臣はその日本精神科病院協会政治連盟か、から十一月と十二月、五十万と三十万、計八十万の政治献金を受けていたと。これは副大臣御自身が答弁されたようにちょっと伺ったんですが、もう一遍確認をいたします。
  125. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 日本精神病院協会政治連盟から毎年、献金をいただいております。
  126. 江田五月

    ○江田五月君 昨年のことを伺います。
  127. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 先生御指摘のとおりでございます。
  128. 江田五月

    ○江田五月君 その前の年、あるいはその前々年はどういうことか、今、御記憶はありますか。
  129. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) いただいておることは間違いないと思います。
  130. 江田五月

    ○江田五月君 金額は。
  131. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 政治資金規正法に公表されている金額は恐らく三十万とか、そういう金額じゃなかったかと思うんですが。
  132. 江田五月

    ○江田五月君 これは、私もまだ十分調べられていないんですが、日本精神病院協会政治連盟の陣中見舞いという一覧表がここにはあるんですが、平成十二年度、平成十二年六月十五日、自民党香川県第二選挙区支部。確認しておきましょうか、木村副大臣は政党支部の代表、これは会長と言ったり支部長と言ったりいろんな名前があるようですが、これは何かされていますか。
  133. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 失礼しました。これですね。  十二年で、平成、二〇〇〇年、西暦二〇〇〇年でございますけれども、日本精神病院協会政治連盟から合計百三十万円で、パーティー券を含めまして合計百三十万円でございます。日本精神病院協会政治連盟ですね。それから、二〇〇一年に日本精神病院協会政治連盟、同じ政治連盟から六十万円いただいております。
  134. 江田五月

    ○江田五月君 私が今尋ねたのは、それは前の質問のお答えを補充されたんだと思いますが、今質問をしたのは、政党の支部なり総支部なりの役員を木村副大臣されていますかという質問
  135. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 私ども自由民主党第二選挙区支部の支部長を仰せ付かっております。
  136. 江田五月

    ○江田五月君 そうですね。今の百三十万とか何十万とかというのは、これは大臣個人ですか、政党ですか。
  137. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 個人の資金管理団体に二〇〇〇年の場合が三十万円でございまして、選挙区支部で百万円になっております。それから、二〇〇一年の方は個人の資金管理団体に六十万円でございます。
  138. 江田五月

    ○江田五月君 昨年十一月と十二月、今の百三十万円とか六十万円とかという金額からすると、金額自体は特別跳び跳ねてというわけではないのかもしれないけれども、二か月連続にわたって五十万、三十万、これはちょっと過去のものと同じでございますというわけにはいかないんじゃないかと思いますが、いかがですか。
  139. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 今申し上げましたように、二〇〇〇年が合計で百三十万円でございますし、二〇〇一年は六十万円でございますので、今の数字、先生の八十万円というのはちょうどその中間に位置するのではないかと、このように思います。
  140. 江田五月

    ○江田五月君 二か月連続というようなことが今まであったかどうかなどいろいろあるんですが、それは分かりました、それで。  日本精神病院政治連盟が、昨年の十一月、十二月あるいは十月、この当時は衆議院の法務委員会あるいは厚生労働委員会とかで今議題になっているこの法案を審議をしている真っ最中だったわけですよね。その真っ最中に木村副大臣だけでなくてその他の大勢の皆さんに政治献金をされている、あるいはパーティー券を購入しておると、そういうことがささやかれておるんですが、これは、日本精神科病院協会というのは厚生労働省監督、所管の社団法人ですから、そして副大臣は今日ここへおる中では厚生労働省の最高幹部ですから、ひとつこの団体及びその関連の政治連盟などが行った昨年のそのころの、あるいは昨年一年の献金、これを調べて出していただくことをお約束いただきたいと思いますが、いかがですか。
  141. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 平成十四年の、先生、意味でございますか。
  142. 江田五月

    ○江田五月君 そうです。
  143. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 恐らく、平成十四年は今、先生がおっしゃったような金額じゃないかと思うんですが。
  144. 江田五月

    ○江田五月君 リストを出していただけますか。
  145. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) それは連盟の話ですから、それは私は何とも言い難いわけでございます。
  146. 江田五月

    ○江田五月君 社団法人日本精神科病院協会というのは厚生労働省の所管の公益法人で、そしてそれの関連の政治連盟もあるわけですよ。  ですから、その政治連盟のことですから知りませんと言われるなら、そう言われればいいですが、要するに、その協会やその政治連盟が行った政治献金及びパーティー券のリストを出してくださいと言っている。
  147. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 協会の方は確かに先生がおっしゃっているとおり我が省所管でございますけれども、政治連盟の方の所管は、省が、これは任意団体ですか、いや恐らく、これはもし政治団体だとしたら自治省の、総務省ですか、総務省の所管だと、こう思うんですね。  それから、その団体がリストを出すか出さないかというのは、これは私個人の問題ではございませんから、それはその団体の方がどう考えるかということであろうと、このように思えてならない次第でございます。
  148. 江田五月

    ○江田五月君 調べて出すことはその団体に聞いてみなきゃ分からぬという話ですが、委員長、資料要求を厚生労働省に対していたしますが、これはちょっとここで、この委員会として厚生労働省に今の日本精神科病院協会及びその関連の団体政治献金についてのリスト、昨年分、これを出すように要求をいたしますが、取り扱っていただけますか。
  149. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 後刻、理事会で検討いたします。
  150. 江田五月

    ○江田五月君 これ、後刻検討だけでは、実はちょっとここから先なかなか質問しにくいんですが、ちょっと取りあえずおいておきます。  次、木村副大臣にもうちょっとお尋ねをしておきますが、今ここで答弁をされますよね。前回の質問のときにも私、木村副大臣質問をして、この心神喪失者医療観察法の問題について答弁をしていただきましたね。これらのこの国会での副大臣としての答弁は、これは副大臣の公務員としての職務行為であると、こういう認識はありますね。
  151. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 厚生労働省の副大臣としてお答えをさせていただいております。
  152. 江田五月

    ○江田五月君 厚生労働省の副大臣というのは公務員であると、この認識はありますね。
  153. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 厚生労働省の副大臣でございます。
  154. 江田五月

    ○江田五月君 公務員であるかどうかの認識はありますかと。
  155. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) そのとおりでございます。
  156. 江田五月

    ○江田五月君 当たり前ですよね、それくらいのことはね。  そして、副大臣は、昨年十一月六日、社団法人日本精神科病院協会全国集会というのがございまして、そこに来賓としてお出掛けになった。そして、いろいろ述べられているんですが、今のこの法案、今、私ども全力を挙げてこの法案の成立に懸命に努力をしている最中でございます、しかし残念ながら云々とあって、何とか頑張ってこの法案をできるだけ早く通したいなと思っているような次第でございます、とにかくこの法案が通らないことには、また皆様方からよく言われておりますいわゆる一般対策、これが見込みが立たないと言っても過言ではないわけでございまして、こういうことからも、できるだけこの法案の早期成立に一生懸命に頑張ってまいりたいと、省を挙げて取り組んでまいりたいと、こういう気持ちで一杯でございますと。  これはこの雑誌の編集者が書いたことではありますが、こういう趣旨のことをお話しになったことは事実でしょうか。
  157. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) この法案は、御承知のように、司法精神医療の充実を図る観点から政府が提出をし、その成立に向けて取り組んでいる法案でございます。私といたしましても、そうした立場から法案成立を取り組むことを申し上げたものでございます。  この法案は、言うまでもなく、特定の団体どうだこうだというものではなくて、我が国の精神保健対策の充実という観点から提出されたものでございまして、正に省を挙げて、これは省を挙げてというのは、私どもで厚生省の中で本部を作りまして、本部を立ち上げまして、精神障害部だけではなくて、全省挙げて取り組むという決意を表明させていただいたところでございます。
  158. 江田五月

    ○江田五月君 今いろんなことをおっしゃいましたが、こういう趣旨のことをおっしゃいましたか。イエスとかノーとかで答えてください。
  159. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) ですから、今申し上げたような趣旨で、この法案の大切さ、必要性、そういうことをはっきりと申し上げさせていただいたので、これは政府の提出した法案でございます。
  160. 江田五月

    ○江田五月君 ここで書いてある、これは言われたんだろうと思いますが、また皆様方からよく言われております、何を言われたんですか。
  161. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 皆様方から、精神保健対策の充実というものを言われているわけでございまして、これは当然のことだろうと思います。
  162. 江田五月

    ○江田五月君 その中にはこの法案の成立も入っているんですね。
  163. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) この法案が成立しないと精神保健の充実ができないと。先ほど申しましたように、司法精神医療の充実を図るわけでございますから、この法案によって司法精神医療の充実を是非図らせていただきたいと、そういう趣旨で申し上げたわけでございます。
  164. 江田五月

    ○江田五月君 いろいろと何か気になることがあるなというお気持ちが心にあって答弁されているような感じはするんですが、まあ、ちょっとおいておいて。  刑事局長、刑法のことをちょっと教えてほしいんですけれども、最近、刑法、平仮名で口語体になって、私もよく分からぬのですけれども、百九十七条ですね、公務員がその職務に関し賄賂を収受したときは五年以下の懲役に処すると。これはあれですか、公務員が別にだれかに頼まれたわけでもなく、その職務を曲げたわけでもなく、正しい職務をきっちり行った、それでもそれに関係して賄賂、賄賂というのはいろんなことが賄賂ですが、お金は賄賂じゃないと言うのはなかなか難しいと思いますけれども、お金をその職務に関連して受け取ったら、これは五年以下の懲役になるんだと、こういう趣旨なんですかね。
  165. 樋渡利秋

    政府参考人(樋渡利秋君) 委員十分御承知のとおりに、刑法の構成要件は書いてございますが、具体的に犯罪が成立するかどうか、犯罪の要件に該当するかどうかというのは収集された証拠に基づいて司法の場において判断される事柄でございまして、一般論でお聞きだと思うのでありますけれども、その解釈にもいろいろございますが、とにかく委員がおっしゃいますように、請託を受ければ受託収賄という罪がございますし、曲げれば枉法収賄ということもございます。  この百九十七条の構成要件は、公務員がその職務に関して賄賂を収受、要求あるいは約束したときに成立するものでありまして、その収受された利益が職務に対する不法な報酬であって、それを認識、認容していたことが必要であるというふうに承知しております。
  166. 江田五月

    ○江田五月君 いや、だから平仮名になってよく分からぬようになっていると言ったんですが、まあ片仮名のときもいろいろ分からぬことは一杯ありましたがですね。  もう一つ、法務省、法務大臣が最高責任者として所管している行政の中には犯罪の捜査と、そして公訴の提起と、あるいは法の執行と、こういうことをつかさどる検察庁の行政というものも入っている。検察官に対する指揮監督のやり方というのはこれは検察庁法でいろいろありますが、全体として入っていることは間違いない。  犯罪の捜査には何かの端緒がなければ捜査に着手ということにはならないんですが、国会のこういう質疑の中で、正に国民の皆さんの見ている前で、我々がいろんなやり取りをするその中で、その折に触れて犯罪行為にかかわるような質疑も行いますが、国会のこういう委員会での質疑で現れたことという、そこからどうもこれはやはり法の厳正な執行のためには捜査をしなきゃならぬという、そういうきっかけをつかむ、要するに端緒となる、こういうことはあり得る話、法務大臣、お気の毒ですから、刑事局長、あり得る話ですよね。
  167. 樋渡利秋

    政府参考人(樋渡利秋君) 少し説明させていただければと思うのでありますが、捜査の端緒といいますのは、捜査機関犯罪の嫌疑を抱いて捜査を開始するに至った原因となる事由をいうと解されております。  刑事訴訟法には捜査の端緒といたしまして、現行犯、告訴、告発、請求、自首などが規定されておりますが、捜査の端緒となり得るものはこれらに限定されるわけではございませんでして、捜査機関は新聞記事、投書、風評など、広く社会の諸事象からその端緒を得ることが許されるものと承知しております。したがいまして、委員御指摘のような委員会あるいは国会での質疑の中で捜査機関が端緒を得るということも許されているものと思います。  しかしながら、若干これに敷衍させていただきますれば、捜査機関においてこれらの諸事象を把握し、これに犯罪の嫌疑を抱いて捜査を開始するに至った場合に、初めてこの事象が捜査の端緒となったと言えるものでありまして、捜査の端緒となり得ることと捜査の端緒となるということはまた別問題だろうと思います。
  168. 江田五月

    ○江田五月君 なり得る話ですから、しかも今、私は、犯罪になるのではないかとどうも考えられるようなそういう事案について実は聞いているんです。これは私も、だから申し訳ないけれども、ここでの答えが下手をしたら、もちろん黙秘権の告知もしておりませんし、権限のある人間調書を取って読み聞かせをやっているわけでもないから、それはダイレクトにじゃないけれども、それでもここでの供述が一定の刑事訴訟法上の効果を持つ場合があるので、私自身もはらはらしながら聞いているんです。そうやってやっているときですから、ここはやはり法務大臣も、厳正な法の執行はお誓われたわけですし、やはり刑事局長もこれからのやり取りをやはりよく聞いておいていただきたい。捜査の端緒になり得ると。  そこで、もう少し聞きたいんですけれども、先ほどの話なんですよ。日精協が去年の正に法案審査の真っ最中に献金をしておると、たくさんのところですよ。ちなみに、ほかの皆さんに献金を受けましたか、その当時と聞きたいところですが、まあやめておきましょうね。聞きたいところですが、これはやっぱりちょっと出していただかなきゃいかぬ。  私は、木村副大臣、これ申し訳ないけれども、やっぱりあなたは法務省の最高幹部の一人として……(「厚生省」と呼ぶ者あり)厚生省の、厚生労働省の最高幹部の一人として、衆議院での委員会審議の最中にも出てきて答弁をされているし、ここでもまた答弁をされているわけで、そしてその同じ時期に金銭の授受があったわけですよね。しかも、ここでおっしゃっているのは、また皆様方からよく言われておりますという、請託じゃないですか、これ。そういうことがあって、そして、しかも例の柔道整復師のときには渡した方が要請を実現してもらうために渡したと言っているわけですよね。そういうことがあって、これは私は非常にやばいところだと思うんですよ。  この法案の審査が、この法案の審査の舞台そのものが犯罪行為の場であった、その結果として法案が生まれた、そんなことになったら、我々国会議員というのは、これは何のかんばせあって選挙区へ帰れるかということになるわけですよね。  ですから、これはやっぱり是非今の献金リストについては、さっきのような答えではなくて、ちゃんと出してもらうという約束していただいてその結果を見なければここの審議はできないんですよ。委員長、いかがです。
  169. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 後刻、理事会で協議します。
  170. 江田五月

    ○江田五月君 そのことを一つおいておきます。  もう一つ。法務大臣、そういうような経過ですから、これは、去年の十月、十一月、十二月、そして今日まで木村副大臣の職務の行為と、そして関係する団体からの献金とその間の関連についてきっちりと調べていただかなければ、今のこの質疑自体が、ここで質問していること自体が犯罪につながるということをやったら、それは我々たまったものじゃない。そうではないんだ、これは私ども晴れて国民にも、いや自分たちは犯罪とかそういうものに関係なく本当にこの精神医療のためにこの法案を審議していると胸を張って言えるかどうか、そこのところが問われているわけですから、これは今の木村副大臣と献金のことについて、法務大臣として調査をしてこの委員会に報告をしていただきたい。いかがですか。
  171. 森山眞弓

    ○国務大臣(森山眞弓君) 今お尋ねになったことは捜査機関の活動にかかわることでございますので、法務当局といたしましてはお答えいたしかねるわけでございます。  あくまで一般論として申し上げれば、捜査機関刑事事件として取り上げるべきものがあれば常に厳正、公平に所要の捜査を行って、適宜適切に処理するものと承知しております。
  172. 江田五月

    ○江田五月君 そう刑事事件にかかわるというけれども、まだ端緒になり得るとしか答えていないんで、この事件、これ、ここのやり取りが端緒になりましたというふうにお答えになるなら、それは我々もそれはちょっと困りますよね。捜査やっている最中だからとなるけれども、捜査なんか始まっていることはないんですよ、まだ。あるいはあれですか、これはもう捜査始まりそうだから私たちは木村副大臣に何も聞いちゃいけないということになりますか。それだったらそれで、またこれ質問できないですよ。そうじゃないんで、調査をしてくれと。捜査と調査と、ソとチョの違いがあるんです。どうですか、調査をして、ここはちゃんと木村副大臣を相手に我々が質疑をしても大丈夫だという、そういうあかしを出してくれなきゃ審議ができないじゃないですか。
  173. 樋渡利秋

    政府参考人(樋渡利秋君) 大臣がお答えになりましたことは、正しく検察の具体的な活動にかかわることでありますから法務当局としてはお答えいたしかねるというふうに申し上げたものでございまして、実際にそういうことが捜査の端緒となるか否かというのは正しく検察の具体的な捜査活動でございまして、それを法務当局が憶測したり、あるいはそういうことを言える立場にはないということでございます。
  174. 江田五月

    ○江田五月君 法務当局の中には捜査を担当している部分もあるんですが、私は今捜査をしてくれと言っているんじゃないんで、法務省としてこの法案を提出されているわけでしょう、この場に。しかも、国会の審議があって、そこで皆さん答弁したり、私は前回の質疑のときに、もうそういうことは全然知らなかったものですから、塩崎さんと、与党と野党とが立場は違ってもいろいろと本当に協議をしながら一定の修正までやってきて、それについて我々は意見違うから反対ではあるけれども、しかし国会という場が本当に鳩首協議、知恵を集めて一つの法案を作るという努力をしてきた、そのことはそのこととしてこれは一定の評価をしたいというようなことまで言って、実はそのことが全部賄賂に汚れていたということになったら、これは本当にもう、我々だって立つ瀬がない。  どうでしょう、委員長、今の問題についてしっかりした、これは法案を提出している行政の責任者としての調査を求めていただきたいと思いますが、いかがですか。
  175. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 森山法務大臣、御答弁はございますか。求められている調査というお話ですが。
  176. 森山眞弓

    ○国務大臣(森山眞弓君) 先ほど申し上げたとおりでございますけれども、法案の審議過程に問題があるかどうかということでございましたら、それは委員会が調査されるべきことではないかと思います。
  177. 江田五月

    ○江田五月君 審議過程に問題じゃなくて、法案を出している政府ですよ。いいですか。厚生労働省は、もちろん法務省の提出の法案ではあるけれども、厚生労働省もこの法案、立案をし、そして国会に提出し、そしてこの審議を進めるときに答弁もずっとしているわけですよ。法案審議の過程で何か、委員会に何か変なことが起きたんじゃないんですよ。政府です。閣法です。これを調査をしていただきたいというんですが、これは委員長、私も今、丸々二十四年そろそろ国会議員やっているんですが、いまだ今まで大臣責任を追及して大臣辞めていただいたこともあります。しかし、国会の審議というのは何より大切だというので、ぎりぎりまでいっても審議を止めたりしたことはないんですが、これは皆さん、このままで時間がずるずる行って、はい、時間が来ました、法案採決ですと言われてもたまらない。  これはちょっと理事さん、そのことについては委員長の方からちゃんと求めていただきたい。それが答えがなければこれ質問することできない。
  178. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 江田委員に申し上げます。  立法過程における、立案過程における不正行為云々というその調査につきまして委員会として調査するか否か、また、どのようにするかを含めて、これ後刻、理事会で協議するほかないと考えますが。
  179. 江田五月

    ○江田五月君 私は法案の中身についてまだまだ一杯聞きたいことあるんですが、法案の中身に入って時間をずっと費やしていって、はい、それでおしまいですと言われたんじゃ我々たまったもんじゃない。犯罪の成立に手をかすようなことになったら大変なので、ここで今の点だけは明確にして、我々は安んじてここで法案の審議ができるという場を確保していただきたい。その確認をしていただきたい。そのために、これは今そういうことを求めていただきたい。それが求められないんだったらそれ以上審議ができないということを言っている。
  180. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 速記を止めてください。    〔午後一時四十九分速記中止〕    〔午後二時四十二分速記開始〕
  181. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 速記を起こしてください。  木村厚生労働副大臣に申し上げます。  先ほど、江田委員からの質問の中で、日精協政治連盟政治献金リストが話題となったところでありますが、リスト提出につきまして努力をしていただけますかどうか、御答弁をお願いいたします。
  182. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 副大臣としては、なかなか権限が、直接の権限がこれはございません。そのことは十分に御理解をいただきたいのと、このように思うようにならない次第でございますが。(発言する者あり)
  183. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 委員長からの今の発言は、努力をしていただけますかどうかという質問でございます。
  184. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 厚生労働副大臣として権限がございません。権限がございませんもんですから、お約束なかなかいたしかねるんでございますけれども。(発言する者あり)
  185. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 速記を止めてください。    〔午後二時四十三分速記中止〕    〔午後二時五十四分速記開始〕
  186. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 速記を起こしてください。  木村副大臣にお尋ねいたします。  先ほど委員長から、リスト提出について御努力いただけますかという趣旨で御答弁を求めましたわけでございますが、再度御答弁をお願いをいたします。木村副大臣
  187. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 努力いたします。
  188. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 質疑を続けてください。江田委員。
  189. 江田五月

    ○江田五月君 いや、あきれましたね、本当に。それだけの答えをいただくためにこんなにみんなの時間を無駄にしたわけで、これ以上、私、ここでいろいろ申し上げていたら、それがまた時間の無駄になりますから次へ行きますが、木村副大臣に今努力いただくわけですが、協会には監督権限はあっても政治連盟には何もないからなんという、そんな逃げの手を打っちゃいけないですよ。そんなの分かっているわけですからね。しかも、この平成十二年、先ほど木村副大臣、百万と何十万でしたか、言われていましたが、百万というのは陣中見舞いだろうと思いますが、その年にはこの協会政治連盟は六千四百二十万と。これは、手元だけでも、それだけのお金をばらまいて言わば法案を買おうとしているんじゃないかなどということになると大変なことなんで、これは私は、次のこの委員会の審議の日までに今の献金リストについては出していただきたいということを申し上げておきます。そうでなければ、この答えにのっとって次の質問を考えますので、その次の質問はできません。  そこで、次にもう一つ、法務大臣の方に先ほどお願いをしている調査ですが、これはこの法案の立案から、さらに法務委員会衆議院の方にかかって、そしていろんな各党の議論があって、最終的に修正されてここまで来ている、その経過の中での木村副大臣の行動ですから、私はこの法案成立過程で内閣としてかかわっていることがお金に汚れているんではないかということを聞いているわけですよ。  法務省ですから厚生労働省のことについては何もできませんと言ったって、内閣ですから、やはりこれは、法案提出している、その衝に当たっている法務大臣として、その調査は、この法案の審議の過程で木村副大臣がこの日本精神科病院協会の皆さんあるいは政治連盟の皆さんとどういう接触があったか、どういう要請があったか、それに対して例えば集会でどういう答えをしたか、その間、金はどういうふうに動いたか、そういうことについての調査をお願いをしますが、いかがですか。
  190. 森山眞弓

    ○国務大臣(森山眞弓君) 法案の提出者といたしまして、経緯につき関心を持って十分に受け止めさせていただきます。
  191. 江田五月

    ○江田五月君 このことは、その後また、その今の関心、調査、その結果をお伺いすることとして、以後の私の質問については、そうしたことを踏まえなければ質問できませんので、残りの時間は留保します。
  192. 浜四津敏子

    ○浜四津敏子君 公明党の浜四津でございます。  それでは、まず法務大臣にお伺いいたします。  この法案で設けようとしている今回の制度は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の処遇に関するものでございます。ところで、最近における心神喪失者等による他害行為の動向についてお答え願います。
  193. 森山眞弓

    ○国務大臣(森山眞弓君) 平成九年から平成十三年までの五年間におきまして、殺人、放火、強盗、強姦・強制わいせつ、これは未遂も含むんですけれども、及び傷害傷害致死に当たる行為を行った心神喪失者等の数は年間四百人程度で推移しておりまして、この数に特に大きな変動は認められません。  この五年間の検察庁の受理人員中、心神喪失者等の割合は約〇・二%でございますが、そのうち、殺人では約七・〇%、放火では約八・〇%、傷害致死では約三・〇%、強盗では約〇・五%、強姦・強制わいせつでは約〇・三%、傷害では約〇・三%を心神喪失者等が占めております。  心神喪失者及び心神耗弱者による近時の重大な他害行為の事案といたしましては、網羅的に把握しているわけではございませんが、例えば平成十年一月、堺市におきまして、偶然通り掛かった幼稚園児を包丁で突き刺すなどして一名を殺害し、二人に重傷を負わせるなどした殺人事件がございました。また、平成十年九月、奈良県内において、かねて自分に嫌がらせをするなどしていると邪推していた被害者らの頭部を木製バットで殴打し、一名を殺害し、一名に重傷を負わせた殺人事件もございました。それから、平成十一年八月、大阪市内において、通り掛かりの書店店内に入りまして、同店の店主を所携のペティナイフで突き刺して殺害するなどした殺人等事件。また、平成十二年六月ごろから八月ころまでの間、大阪府泉南市内の民家で、家族五人に対し、自宅に閉じこもる生活を余儀なくさせ、飢餓等により死亡させた殺人事件。また、平成十四年三月に、長崎県内で、隣家の被害者を包丁で突き刺して殺害した殺人事件等がございます。  これらは最近の例でございますが、幾つかそういう例が今も見られているということでございます。
  194. 浜四津敏子

    ○浜四津敏子君 本法案第三十三条一項によれば、「検察官は、被疑者が対象行為を行ったこと及び心神喪失者若しくは心神耗弱者であることを認めて公訴を提起しない処分をしたとき、又は第二条第三項第二号に規定する確定裁判」、これは無罪若しくは刑の減軽ということになりますが、「確定裁判があったときは、当該処分をされ、又は当該確定裁判を受けた対象者について、継続的な医療を行わなくても心神喪失又は心神耗弱の状態の原因となった精神障害のために再び対象行為を行うおそれが明らかにないと認める場合を除き、地方裁判所に対し、第四十二条第一項の決定をすることを申し立てなければならない。」。その後にまたただし書が続いております。  すなわち、本制度において、検察官は、不起訴処分をしたとき、あるいは確定裁判、無罪、刑の減軽の確定裁判があったときは、原則として処遇の要否、内容を決定することを裁判所に申し立てなければならないということとされておりますが、必要的に申し立てなければならないとした理由はどこにあるのか、また例外的に、一定の場合に申立てを義務としていないこととしておりますけれども、その理由がどこにあるのかをお伺いいたします。
  195. 樋渡利秋

    政府参考人(樋渡利秋君) お答えいたします。  新たな処遇制度は、心神喪失等の状態で殺人、放火等の重大な他害行為を行った者に対しまして継続的に適切な医療を行うとともに、これを確保するために必要な観察等を行うことによりまして、その病状の改善とこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、もって本人の社会復帰を促進することを目的とするものでございますので、このような者について広く本制度による処遇を受ける機会を与えるため、検察官は対象者につきまして、委員御指摘のような場合に、裁判所に対し、原則として本制度による申立てをしなければならないこととしたものであります。  ただし、本制度による処遇を行う必要がないことが明らかである者についてまで検察官に申立て義務を課すまでの必要はないことから、検察官において、対象行為を行った際の精神障害を改善し、これに伴って同様な行為を行うことなく社会に復帰することを促進するために、この法律による医療を受けさせる必要が明らかにないと認める場合には、検察官に申立て義務はないこととしたものでございます。  また、殺人や放火等と異なり、傷害につきましては比較的軽微なものもあり得るところ、そのような場合についてはあえて本制度の対象とするまでの必要はないと考えられますことから、傷害のみを行い、他の重大な他害行為を行わなかった対象者につきましては、傷害が軽い場合に限り、当該対象者が行った行為の内容、当該対象者の病状、生活環境等を考慮して、当該対象者に対し本制度による処遇を行うまでの必要性がないと判断される場合には、検察官は本制度による申立てをしないことができるということとしたものでございます。
  196. 浜四津敏子

    ○浜四津敏子君 本制度の手続は、刑事訴訟手続ではなく審判となっております。その手続は少年審判に似ている部分もあると思われますが、少年審判と異なりまして、家庭裁判所ではなく地方裁判所がこの審判を行うこととしております。地方裁判所がこの審判を行うこととした理由がどこにあるのかをお伺いいたします。
  197. 樋渡利秋

    政府参考人(樋渡利秋君) お答えいたします。  現在の家庭裁判所は、それまで司法省の一行政機関でありました少年審判所が行っていた少年問題に関する審判を行うこととともに、少年問題と家庭問題は密接な関係があり、同一の機関が総合的に取り扱うことが適当であると考えられましたことから、地方裁判所の支部として置かれていた家事審判所の審判機能等を吸収し、少年の健全な育成家庭平和と健全な親族共同生活の維持を目的とする裁判所として設置されているものでございます。すなわち、現在の家庭裁判所は、少年審判と家事調停審判とを専門的に取り扱う裁判所として設置されたものでございます。  他方、現在の地方裁判所は、裁判所の権限に属するものとされている事項の中で他の裁判所の権限に属さないすべての事項について権限を有するものとされておりまして、現行法上、原則的な第一審裁判所とされております。  このように、家庭裁判所少年問題と家庭問題を専門的に取り扱うため特に設置された裁判所であるのに対し、地方裁判所は原則的な第一審裁判所でありますことから、少年問題とも家庭問題とも異なる本制度による処遇の要否、内容の判断につきましては、家庭裁判所において行うこととするのではなく、原則的な第一審裁判所である地方裁判所において行うこととすることが最も適当であると考えられるからでございます。
  198. 浜四津敏子

    ○浜四津敏子君 この審判手続におきまして、本法案四十七条では被害者等の傍聴を認めておりますが、第三十一条三項によれば、「審判期日における審判は、公開しない。」と定めてありまして、原則非公開とされております。この審判手続を原則非公開とした理由についてお伺いいたします。
  199. 樋渡利秋

    政府参考人(樋渡利秋君) お答えいたします。  本制度の審判におきましては、対象者について、対象行為を行った際の精神障害を改善し、これに伴って同様の行為を行うことなく社会に復帰することを促進するため、入院をさせてこの法律による医療を受けさせる必要があるか否かについての審理が行われ、その結果に基づいて処遇の要否、内容が決定されることとなります。そのため、この審判におきましては、当該対象者の精神障害の類型や過去の病歴、現在及び重大な他害行為を行った当時の病状、治療状況、病状及び治療状況から予想される将来の症状といった事実も明らかにされることとなりますところ、このような人の精神の状態等にかかわる事実は、事柄の性質上、プライバシーに深くかかわるものでありまして、みだりに他に知らせるべき事柄ではないと考えられ、また、これを明らかにすることは今後の対象者の治療や円滑な社会復帰にも支障を来すおそれがあるものと考えられます。  したがいまして、このような事実が明らかにされる審判につきましては、本来、他人の傍聴を認めるべきではないと考えられますことから、本制度の審判については原則として公開しないこととしたものでございます。
  200. 浜四津敏子

    ○浜四津敏子君 本制度の審判手続は、医師及び職業裁判官が同等の立場で決定にかかわることになっております。しかし、地方裁判所の決定に対して不服がある場合には高等裁判所に抗告することができるということになっておりますが、この抗告審においては職業裁判官のみで構成されることとなっておりまして、医師を構成員に加えないということになっております。その理由について御説明願います。
  201. 樋渡利秋

    政府参考人(樋渡利秋君) お答えいたします。  新たな処遇制度におきまして、地方裁判所の合議体を一人の裁判官と一人の精神保健審判員で構成する趣旨は、処遇の要否、内容の決定に当たって、医師による医療的判断に併せて裁判官による法的判断が行われ、両者のいずれの判断にも偏ることがないようにすることにより、両者が共同して最も適切な処遇を決定することができる仕組みとするところにあります。  しかし、本抗告審は、自ら積極的に調査を行って対象者の処遇の内容を決定するものではなく、地方裁判所の決定を前提といたしまして、決定に影響を及ぼす法令の違反の有無を判断するほか、事実認定や処分の当否については、原決定が著しく合理性、妥当性を欠くものではないかとの観点から判断し、原決定を維持できない場合にはこれを取り消して、再度、地方裁判所に差戻し又は移送する役割を担うものでございまして、その判断内容は裁判官による判断になじむものであると考えられますことから、抗告裁判所は裁判所法の規定どおり裁判官三名で構成することとしたものでございます。
  202. 浜四津敏子

    ○浜四津敏子君 本法には第四章以降に地域社会における処遇についての規定がございます。精神障害者社会復帰の促進を図るためには地域住民の皆様の理解と協力が必要不可欠と考えられます。しかし、現状におきましては、まだまだ偏見、差別が強いのが実情でございます。  今回、この新たな処遇制度を創設するに当たりまして、この制度が実効性あるものになるためには精神障害者に対する差別、偏見の解消が不可欠と考えられますが、それに向けてどのように取り組もうとしておられるのか、お伺いいたします。
  203. 津田賛平

    政府参考人(津田賛平君) 御指摘のとおり、地域社会におきまして対象者の円滑な社会復帰を促進いたすためには地域住民の方々の精神障害者に対する差別や偏見を取り除くことが必要であると考えております。そのためにも精神障害者社会復帰を支援しておられます個人や民間団体協力を得ることが重要であると思います。本法案百九条におきましても、保護観察所の長は、本制度の対象者に対する民間の支援活動を促進するとともに、民間の方々らと連携して、対象者の円滑な社会復帰に対する地域住民の理解と協力を得るよう努めなければならないとしているところでございます。  具体的な取組といたしましては、例えば精神障害者社会復帰を支援するボランティア団体等の協力を得まして、本制度の対象者の社会復帰について理解と協力を得るための啓発活動を実施し、あるいは地域の実情に即して対象者やその家族と地域住民との交流の機会を設けるなど、地道に息の長い活動を続けていくことが考えられます。  また、本件の新たな処遇制度を実施する過程で対象者が円滑に社会復帰する実績を積み重ねていくことが、長期的に見ますれば精神障害者に対する差別や偏見の解消につながっていくものと考えております。
  204. 浜四津敏子

    ○浜四津敏子君 社会復帰調整官につきましては必要な専門性を有する者を新規に採用するということでございますけれども、十三日に行われました参考人質疑において浦田参考人からも御意見が述べられましたように、本制度の地域社会における処遇の枠組みはこれまでにない新規なものでございます。  そうしたところから、社会復帰調整官採用後に十分な研修が必要と考えられますが、これについてはどのように取り組まれるお考えでしょうか。
  205. 津田賛平

    政府参考人(津田賛平君) お答え申し上げます。  保護観察所に新たに置かれることになります社会復帰調整官は、精神保健福祉士の有資格者など精神保健や精神障害者福祉等に関する専門的な知識を有する職員を採用することといたしておりますが、本制度により新たに創設される精神保健観察等の事務を適切に行うためには、一般の精神保健等に関する知識や経験のみではなお不十分であると考えております。  そこで、採用後におきましては、本制度の趣旨や各種手続の要件等を始めといたしまして、司法精神医学など本制度における処遇に必要とされる知識でございますとか精神保健観察等の実務に即した技術を習得させるため、採用者に対しまして相当期間の研修を実施することとしております。
  206. 浜四津敏子

    ○浜四津敏子君 精神保健福祉法第二十五条の検察官通報でございますが、従来、この二十五条通報というのは安易に行われている傾向がある、本来、処罰されるべき者が医療に送られている、医療の現場に過大な責任が押し付けられているという声が精神医療の現場にはありますが、この点についてはどうお考えでしょうか。
  207. 樋渡利秋

    政府参考人(樋渡利秋君) 精神保健福祉法第二十五条は、検察官に対しまして精神障害者又はその疑いのある被疑者について不起訴処分をしたとき等はその旨を都道府県知事に通報することを義務付けておりますが、この検察官の通報義務は、精神の障害により医療及び保護の必要がある者に対しまして広く医療等を受ける機会を与えるために課せられたものであり、その者の責任能力の有無、程度はもとより、措置入院の要否にもかかわりがないものでございます。  検察官はこのような法の趣旨に従って通報義務を果たしているものと承知しており、仮に検察官による通報後の手続におきまして措置入院の必要がないとされ、あるいは精神障害者ではないと判断された場合でありましても、検察官が安易に通報しているとの批判は当たらないというふうに考えております。
  208. 浜四津敏子

    ○浜四津敏子君 先日の参考人質疑の中でも出てまいりましたが、医療刑務所における精神科治療についてもかなり不十分な点があるのが現状のようでございますが、一般刑務所の中の受刑者につきましても、少なからぬ人が本来、精神病治療の対象となるべき精神障害者であったり、あるいは適切な処遇が必要とされるいわゆる精神病質、人格障害者という受刑者がかなりいて、そういう人たちが治療やあるいは処遇の対象から外れているというのが現状だと言われております。  こうした受刑者に対しても必要に応じて適切な精神医療あるいは処遇が行われることが大事だと考えておりますが、刑務所の精神医療の向上を図るためにどのような取組を考えておられるのか、お伺いいたします。
  209. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) お答え申し上げます。  精神科治療を優先すべき受刑者につきましては、医療刑務所等に収容しまして精神療法、作業療法、薬物療法等の治療を行い、病状の改善が認められた場合には一般の刑務所に移すこととしております。  一方、精神障害を有するものの医療刑務所等に収容するまでもない軽度の者につきましては、一般の刑務所におきまして、近隣の医療機関等の御協力を得ながら必要に応じて投薬等の治療を行いつつ刑務作業を行う矯正処遇を行うこととしております。  しかしながら、刑務所における精神医療につきましては、ただいま委員から御指摘がございましたことも含めまして、また医師や医療スタッフの確保を始めといたしまして難しい問題が多いというのが現状でございます。そこで、矯正当局といたしましては、先般、発足させました矯正医療問題対策プロジェクトチームによる検討や行刑改革会議の御議論等踏まえまして、種々の御意見を考慮しながら、刑務所における精神医療をなお一層向上させますよう努力してまいりたいと考えております。  以上です。
  210. 浜四津敏子

    ○浜四津敏子君 本制度の必要性について議論の直接のきっかけになったのが二〇〇一年六月八日に発生いたしました大阪・池田小児童殺傷事件でございました。この事件加害者につきましては、精神病質の中でもいわゆるサイコパスと言われる特質を持っているのではないかと言う専門家の方もおられました。  このサイコパスというのは、アメリカFBIで研究が続けられてきたものでございまして、ヒトラーもサイコパスと言われております。あるいはオウム真理教の麻原彰晃もサイコパスの可能性が高いと指摘する専門家もおります。  このサイコパスの特徴としては、普通ならためらう行為を何ら良心の呵責や罪悪感なく行う、また自己中心的、傲慢、他人との共感能力が欠如している、またせつな的で自分の行動をコントロールできないなどの特徴を持っていると言われております。  アメリカでの研究によりますと、このサイコパスは人口の二・八%にも上っておりまして、社会的階層はすべての分野にわたっていて、知的レベルの高い医者や弁護士の中にも少なからずいるということでございます。このアメリカの比率がそのまま日本に当てはまるかどうかは疑問だと言う専門家もおりますけれども、最近の異常な犯罪の増加傾向を見るにつけ、大変心配しているところでございます。  アメリカのFBIでは、近年、殺害状況などから犯人像を特定するプロファイリングの技術を取り入れているということでございます。いわゆる異常犯罪を犯した服役囚に直接インタビューをして、彼らの行動パターンあるいは思考様式などを研究してプロファイリング技術に生かすといった努力も続けられていると伝えられております。  このサイコパスが広く国民に知られるようになりましたのは、日本でもヒットしたアメリカの映画「羊たちの沈黙」やその続編の「ハンニバル」で登場人物の一人の性格を表現する用語として使われてからでございます。  こうした理解し難いような異常な犯罪というのは最近の傾向なのか、あるいは昔からあったことなのかにつきましては不明でございますが、ともかくサイコパスはいわゆる精神病ではございませんので、基本的に本制度の対象外、原則的に対象外となってまいります。しかし、いずれの国でもこれらの処遇は大変関心の高い課題で、日本でも、これも繰り返しになりますが、今後の重要な取り組むべき課題の一つだと考えております。  アメリカやドイツ、イギリス、オランダ等々の国々で真剣にこうしたサイコパスを始めとする精神病質、また人格障害と言われる人たちの社会治療処遇についての研究実施が行われておりますが、日本でもこうした国々に倣って早急に真剣な取組をされることを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
  211. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。  修正案では、退院の条件として、対象行為を行った際の精神障害を改善し、これに伴って同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するため、入院をさせてこの法律による医療を受けさせる必要がなくなったと認められる場合とあります。具体的にはどういう状況なのか。  私が懸念をしていますのは、病気は完全に、完全にということはありません、病気は一応治った、しかし社会に同様の行為を行う可能性があるので更に治療が必要であるということで、どんどんどんどん入院が、強制入院が長期化するのではないか。現に、イギリスのインディペンデント紙では、病気は治っている、しかしなかなか外に出れないということが特集記事として出ておりましたけれども、この点はどうなのでしょうか。
  212. 塩崎恭久

    衆議院議員(塩崎恭久君) 衆議院の議論でも、長期化をするんではないかということは一番の問題点の一つでございました。  修正案によりますと、第五十一条第一項において、精神障害を改善し、これに伴って同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するため、入院を継続させてこの法律による医療を受けさせる必要があると認められない場合であって、精神障害を改善し、これに伴って同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するため、この法律による医療を受けさせる必要があると認められる場合には、退院を許可するとともに、入院によらない医療を受けさせる旨の決定が行われることとなっているわけでございます。  具体的には、患者の精神障害の特性に応じて、その円滑な社会復帰を促進するために、国の責任において専門的な医療を継続して行う必要がある場合で、入院という形態による医療の必要性までは認められないものの、その精神障害の状況や生活環境等にかんがみ、円滑な社会復帰のために、社会復帰調整官による精神保健観察により継続的な医療を確保するため必要な観察及び指導を行う必要があると認められる場合でございます。
  213. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 今の答弁ですと、結局治っても、治るという言い方も変かもしれませんが、諸般の事情から観察をするということは、端的に言うと、一応治療は終わった、病気はなくなった、というか、なくなったが、しかし同様の行為を行う可能性があるので観察をする必要があって入院、こういうことがあるわけですね。
  214. 漆原良夫

    衆議院議員(漆原良夫君) 要件は、入院の要件は二つありまして、一つは対象行為を行った際の精神障害を改善するために入通院の必要がある、これが一つですね。もう一つは、同様の行為を行うことなく、社会復帰できるかどうかという、二つの要件があるわけなんですけれども、今、先生おっしゃった、病状が全部全快をしたということであれば、第一の要件がもうないわけですから、したがってその後の入通院の必要はない、こう判断します。
  215. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 ただ、私も病気が治ったという言い方をしておりますが、第二の要件があるために実はまだ治っていないということが起こるのではないかと大変危惧するのですが、いかがですか。
  216. 漆原良夫

    衆議院議員(漆原良夫君) そういうおそれのないように、まずお医者さんとそれから裁判官でしっかり鑑定を基礎にして審理をしていただく、それに不服があれば抗告という更に上の判断を仰ぐという、こういう道を残しておりますので、そういう今、先生がおっしゃったような、ある意味では社会防衛のためにこの制度が乱用されることのないようにやっていく必要があるというふうに思っております。
  217. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 この法案で一番違和感を持つのは、なぜ他害行為を行った人だけこのような要件をするのか。つまり、精神障害者人権ということを考えれば、端的に、治療が終わったら同様の行為を行うかどうかを判断することなく退院させればいいわけですし、なぜこの人たちだけを特別視するのかということがこの委員会を通じても私には分かりません。
  218. 塩崎恭久

    衆議院議員(塩崎恭久君) 前回も強制入院のことを福島先生御指摘で、その点であろうかと思いますが、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者は、精神障害を有しているということに加えて、重大な他害行為を犯してしまったという、言ってみれば二重のハンディキャップを負ってしまっているということでございます。  そして、このような者が有する精神障害は、一般的に手厚い医療を、専門的な医療を受ける必要性が高いと考えられて、そしてまた仮にそのような精神障害が改善されないまま、今お話が出ましたように、再びそのために同様の行為が行われるようなことになれば本人の社会復帰に重大な障害が出ると。やはり、このような医療を確保することが一番大事なんだろうということだと思うんです。医療が整備されていればこういうことが防げるんだというお話がありますが、このような医療を確保することはやっぱり必要だろうということだと思います。  そこで、このような者についてはやはり国において、国の責任において手厚い専門的な医療を今回改めて用意をいたしまして、統一的に行って、また退院後の継続的な医療を確保するための仕組みというものを整備するなどによって円滑な社会復帰を促進することが特に必要であると考えられることから、このような者を本法案の対象とするということでございます。
  219. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 この法案の医療と一般の精神医療との関係はどうなるのでしょうか。例えば、この法案の対象者が退院後に地域の病院に入院することがあるのでしょうか。元々の主治医がいた場合、審判やこの法案による医療にかかわることはできるのでしょうか。
  220. 樋渡利秋

    政府参考人(樋渡利秋君) 本制度におきまして、裁判所により入院の決定を受けた者につきましては、一般の精神医療に優先してこの法律による医療が実施されることになりまして、精神保健福祉法に定める任意入院、措置入院又は医療保護入院をすることはございません。  また、仮に対象者に主治医がいた場合でありましても、対象者の医療に携わっていたことは除斥事由には当たらないこと等から、このような主治医が本制度の審判にかかわることは法律禁止されておらず、さらに裁判所の通院の決定により、当該対象者が元々の主治医の病院に通院することとなるなど、主治医がこの法律による医療にかかわることもあり得るところでございます。  なお、裁判所により通院の決定を受けました者又は退院を許可された者につきましては、この法律による医療とともに一般の精神医療を受けることは排除されておらず、任意入院や医療保護入院等により退院後に地域の病院に入院することもあり得るところでございます。
  221. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 この間、参考人の方にお話をお聞きしてちょっと分からなくなったんですが、今修正案では「同様の行為を行うことなく、」という要件が入っている。そうすると、通常の精神科医における治療と違う治療がなされるのか、同じ治療がなされるのか、これはいかがですか。  提案者でも政府でも、どうぞ。
  222. 樋渡利秋

    政府参考人(樋渡利秋君) 失礼しました。  この法律による医療とは、国の責任において行われる、患者の精神障害の特性に応じ、その円滑な社会復帰を促進するために必要な医療でありまして、具体的には、指定入院医療機関におきましては、厚生労働大臣が定める基準において医療関係者の配置基準を手厚くすること等により、医療施設や設備が十分に整った病棟において高度な技術を持つ多くのスタッフによる手厚い精神療法等を実施し、医療費も全額国が負担するなど、一般の医療機関に比べて手厚い精神医療を行うものであり、かつ我が国に比べて司法精神医学が進んでいる欧米諸国における医療を参考としつつ、我が国の最先端を行く高度かつ専門的な精神医療を行うものでございます。
  223. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 私が思っているのは、入院費がただになるとかそういう問題ではなく、要するに量的な問題でなく質的な差異があるのか。つまり、普通の精神医療であれば、他害行為を行っていようが行っていまいが、個々人に合わせた、多分、診療、医療が行われるわけですよね。しかし、この法案によって「同様の行為を行うことなく、」、実は再犯のおそれの言い換えにすぎないと思っているんですが、これが入ることで、何か、治療の本質は実は変わらないにもかかわらず、裁判所の関与をして、よりやはり出にくくなってしまうのではないかというふうに思っております。  ところで、ちょっと質問項目としてたくさん挙げているんですが、今日、木村副大臣に特別に来ていただいて、ちょっと途中で入られたので、ちょっと順番が変わって済みませんが、改めてお聞きをします。  先ほど、江田委員の方から質問が出ました。私も今日、質問をしようと思い、質問通告をしておりましたが、社団法人日本精神科病院協会全国集会で、去年十一月六日の日に発言をされていらっしゃいます。一般対策、これが見込みが立たないと言っても過言ではないわけでございまして、こういうことからもできるだけこの法案の早期成立に一生懸命に頑張ってまいりたい、省を挙げて取り組んでまいりたい、こういう気持ちで一杯でございますと発言をされています。  ですから、改めて私からも、この日精協がだれに政治献金をしたかというリスト、それから木村副大臣自身が去年十月、十一月のみではなくて、去年一年間分のリストを出してくださるように私からも、江田委員の話と、それから先ほどのこともありましたけれども、改めて強く要望いたします。
  224. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 答弁求めるんですか。
  225. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 はい。済みません。
  226. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 先ほど答弁させていただいたとおりであります。それで、先ほどリストで数字言いましたのは、これは実は共産党さんからの資料に基づいて言いまして、共産党さんからの資料でございまして、その点だけちょっと踏まえさせていただいて。  それで、昨年一年の日本精神科病院協会の献金でございますか。これ、正確な数字じゃありませんけれども、私のあれでございますけれども、それ以外に三十万ございまして、合計で百十万だと、こういうふうに思います。
  227. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 それで、もう一つ私が……(発言する者あり)もう一つ私が木村副大臣にお聞きをしたいのは……(発言する者あり)
  228. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 許可なく発言しないでください。
  229. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 じゃ、どうぞ。委員長、済みません。
  230. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 去年一年間ということでございますね。去年一年間では、今の申し上げたとおりです。
  231. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 もう一つ木村副大臣にお聞きをしたいのは、四月十八日、大学教授らを招いて厚生省内で開かれた医師臨床研修制度に関する懇談会で、すぐに弁護士に訴えられるような日本の医療にしてはならない、司法改革で弁護士がどんどん養成されようとしている、アメリカのような医療をネタにして稼いでやろうという非常におかしな人たちが増えてくると発言をされていますが、このような発言はあったのでしょうか。
  232. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 先般の私の発言につきましては、その真意が伝わらずに誤解を招いたことは大変遺憾でございます。この際、その発言について真意を説明させていただきたいと、このように思うわけでございます。  医療は患者と医師の信頼関係を基本に行われるべきものであり、このような観点から、医師臨床研修を必修化し、患者を全人的に理解することができるよう医師育成を図ることを必要と考えているところでございまして、一方、昨今のアメリカにおきましては医療をめぐる訴訟が頻発し、医療現場も萎縮して防衛的になっているとともに、これらのことが検査や医賠責保険料の増大に結び付き、医療費が増嵩する理由の一つにもなっているところでございます。それが非常に大きな問題であるとアメリカで言われているわけでございまして、我が国においては、先ほど申し上げた観点に立った新たな研修を進める、臨床研修を進めることでこのような問題を防げるのではないかと考えているところでございます。  去る四月十八日でございますが、に開催されました臨床研修制度と地域医療に関する懇談会における発言は、今述べたようなアメリカの医療に関連して伝えられることを引用しながら臨床研修の重要性を述べたものであり、新しい臨床研修は、医師個人の技術向上ということを超えて、患者と医師との望ましい信頼関係を構築することの重要性を身に付ける場であると考えているところでございます。両者の信頼関係をより一層深めることができれば、訴訟の頻発をいささかでも防ぐことができるのではないかと、このように考えているところでございまして、不幸にも医療事故が起こり、訴訟を提起されている患者、家族の方々の置かれた状況や心情について十分理解をしているからこそ、このようなことをより一層理解できる医師を育てる臨床研修の重要性について発言をしたものでございます。  つまり、全人的な理解ができる医師を養成することの必要性をお話しさせていただいたわけでございまして、現在の我が国の司法の状況について問題があるというような発言をしているものではございません。  以上のことから、こうした発言の真意についても十分御理解をいただければなと、このように思っているような次第でございます。
  233. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 全人的な臨床医が増えることはもちろん結構なんですが、このアメリカのような医療をネタにして稼いでやろうという非常におかしな人たちが増えてくる、すぐに弁護士に訴えられるような日本の医療にしてはならない。特に前段の、アメリカのような医療をネタにして稼いでやろうという非常におかしな人たちが増えている、こういう発言はあったのでしょうか。
  234. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) そういう話を聞いているということを伝えさせていただいているわけでございます。
  235. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 いや、日本においてそういう人たちが増えているということを聞いているということをおっしゃったわけですね。
  236. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) アメリカにおいてそういうようなことがあるんで、そういう話を聞いているということでございます。
  237. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 いや、これは、司法改革で弁護士がどんどん養成されようとしている、アメリカのような医療をネタにして稼いでやろうという非常におかしな人たちが増えてくるというのは日本の話ですね。
  238. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 正に、アメリカのようなということで、アメリカの話をさせていただいているわけでございます。
  239. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 いや、違うんです。アメリカのような日本にしてはならない、アメリカのようにしてはいけないということですから、日本の話じゃないですか。日本で医療をネタにして稼いでやろうというおかしな人たちが増えてくる、これは問題だということじゃないんですか。日本の話ですね。
  240. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) アメリカで今そういう問題が起こっているんです。アメリカがそういう問題が起こっているんですよ。だから、そういうふうに、アメリカのようなふうになってはいけないなと。アメリカはそういう話を聞いていますから、そのことを非常に心配しているんです。
  241. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 司法改革で弁護士がどんどん養成されようとしている、こういう発言はあったんでしょうか。
  242. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 今、あれじゃないですか、ロースクールとかそういう法案を審議したり、そういう方向性、今出ているんじゃないでしょうか。
  243. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 私が問題だと思うのは、アメリカの国がいいかどうかという評価は別にして、アメリカのようなふうにしてはいけない。私は、今日二つの質問、先ほど江田議員もされましたが、木村議員自身が命やそういう問題について一体どういう御見識をお持ちなのか。特に、心神喪失者処遇法案は正に人権の、極めて重要な人権問題ですから、それを、献金を受けて、それで副大臣頑張ってやるんだということだったら非常に困ると思います。それで二つ目のこの質問もしているわけです。
  244. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 先ほどから申し上げておりますように、政治献金の有無によって政策を変えるとか、そういうことは断じてございません。ちゃんと政治献金につきましては適切に処理をさせていただいているところでございまして、そして私は、大臣、副大臣、政務官規範等にのっとりまして、献金の有無にかかわらずしっかりとこの業務を、仕事を遂行させていただきたい、このように思っているような次第でございまして、こういうようなことで、政治献金がどうで、有無で、何回も申し上げますけれども、政策を曲げるようなことはいたしたことはございません。また、今後もいたすことはありません。
  245. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 しかし、政治献金をもらっているところに行って、この法案を成立させますと言い、頑張りますということをおっしゃっているわけですね。  ちょっと話が元に戻りますが、アメリカの話ではないですよ。今さっき木村副大臣おっしゃったように、ロースクールなど出てきて、弁護士が増えている、そういうような社会にしてはいけないと。日本の話じゃないですか。
  246. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 今、弁護士が増えているとか、そういう話は正に伝聞なんです。あれ、文書を、速記録か何か、今は手持ちにないけれども、よく読んでください。ちゃんと書いてございます。ちゃんと、本当にちゃんと書いてある。是非読んでいただいて、速記録もしあれば読んでいただいて、ちゃんと書いてある、自分でも感心するぐらいにちゃんと書いてあるんです、ちゃんと言ってあるんです。その部分は伝聞なんですよ、伝聞。本当にそのとおり書いてあるんです。
  247. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 じゃ、伝聞ということで、失礼しました。  そうしたら、何とおっしゃったかは、でも日本のことでしょう。その演説の中では、アメリカのような社会にしてはいけない、そして訴えられるようにしてはいけない、医療をネタにして稼いでやろうという、じゃ、もう端的にお聞きします。アメリカのような医療をネタにして稼いでやろうという非常におかしな人たちが増えてくる、こういう趣旨の発言があったかなかったか、教えてください。
  248. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) それ、文書速記録読んで……
  249. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 違うんです。今答えてください。
  250. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) そこは、そういうことも予想されるわけですよ。予想されるわけで、予想されると言っているんです。だから、そういう伝聞があるけれども、アメリカでは今こうですよ、弁護士さんが増えて、そういう訴訟が増えていますよ、そういうこと。それで、そういうことによって医賠責の保険料が上がったり、それから防衛医療になったり萎縮医療になったりしているんです。だから、そういうふうにしてはいけない、そういう可能性があるから、そういうことをしてはいけないと。それで、一番やっぱり大事なのは、患者さんの痛みが分かる、そういう本当の苦しみが分かる、そういう医療をしていただきたいな、そういうことを申し上げたんです。  ですから、本当にこれから、やっぱり医療というのは、今までどうしても大学出たらすぐに専門分野に行ってしまうんです。どうしても技術的とか、そういう研究的とか、そういう方になりがちな方々が非常に多いんです。それよりも、本当に、例えばプライマリーケアからすべて、小児科から始まって、そういうローテーションをすることによって幅の広い医療を学んで、その中で、先生がおっしゃっていることと同じことだと思いますけれども、医療の中で患者さんの痛みが分かる、御苦労が分かる、またそれを支えている家族の苦労が分かる、そういう痛みが分かるお医者さんを育てなきゃいけないんです。  そのことを是非、臨床研修の場で学んでほしいな、そういう医者が是非出てきてほしいという願いを込めてお話しさせていただいているのがどうしてあんなような形の報道になったか、もう本当に分からないんです。
  251. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 私は、全人格的な臨床医が増えることはもちろん賛成ですし、そういうことの努力がされることももちろん大賛成です。しかし、それを弁護士が増えて訴えられるというふうなレトリックで語られること、そのものがやっぱりおかしいと思うんですね。  というのは、今、医療過誤の勝訴率は大変低いです。密室ですから裁判は非常に困難で、医療被害に苦しんでいる人たちもたくさんおります。そういうことに関して余りに感性がないというふうに思います。  先ほどの政治献金の問題に戻りますが、この法案が、例えばお金がばらまかれることによって一部の精神科医の負担を減らし、そして裁判所に一部関与して押し付けて、そして他害行為を行ったとされるいわゆる精神障害者の人たちの強制隔離になるとしたら、お金で買われた法案になるんではないか、そういうことを潔白を証する意味でもリストを出してくださるように重ねてお願い申し上げます。  ちょっと法案の中身に戻させていただきます。  審判の付添人の役割はどうなるのか。例えば、本人が記憶がない、やっていないと否認をしている場合、付添人が無実を訴えるなど事実の争いが可能なのか、その辺はどうなるのでしょうか。
  252. 樋渡利秋

    政府参考人(樋渡利秋君) 本法案によります処遇制度は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対し、継続的かつ適切な医療を行い、また医療を確保するために必要な観察等を行うことにより、その者の社会復帰を促進することを目的とするものでありまして、このような本法案の目的等にかんがみ、本制度におきましては対象行為の存否の確認を含め、裁判所による審判手続により対象者の処遇の要否、内容を決定することとしており、本制度における付添人は対象者の正当な権利を擁護し、適正な審判、処遇決定のために審判協力するものでございます。  付添人は、このような役割の下で対象者と信頼関係の維持に努めながら当該審判協力することとなります。対象者は、自己が選任した付添人であれば、方針の合わない付添人を解任することは可能でございますが、裁判所が職権で付す場合、対象者は審判において付添人の変更を裁判所に申し出ることはできますものの、変更するか否かにつきましては裁判所が本制度の先ほど申し上げた目的等に照らし判断することになります。  また、本法案におきましては、不起訴処分をされた者については本制度の審判において対象行為の存否の確認を行うこととしているため、対象者はこのような事実の存否を争うことが可能でございます。
  253. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 法案は入院の上限を定めておりません。かつての改正刑法草案でも保安処分の入院は最高七年というふうに定めていました。なぜでしょうか。
  254. 樋渡利秋

    政府参考人(樋渡利秋君) お答えいたします。  本制度におきましては対象者の入院期間の上限を定めないこととしておりますが、これは対象者の社会復帰を促進するとの本制度の目的に照らしますと、対象者について本制度による医療の必要があると認められる限り入院を継続させ、手厚い専門的な治療を行うことにより、その社会復帰を促進する必要があると考えられますところ、このような必要が認められるか否かは当該対象者の病状やこれに対する治療の状況等により左右されるので、あらかじめ入院期間の上限を定めることは適当でないと考えられるためでございます。  また、本制度におきましては、入院期間不当に長期にわたることがないようにするため、原則として六か月ごとに裁判所が入院継続の要否を確認することとしており、また入院患者の医療を現に担当している指定入院医療機関の管理者が、その時点の病状等を考慮して常にこれを判断し、入院継続の必要があると認めることができなくなった場合には、直ちに裁判所に対し退院の許可の申立てをしなければならないこととしております上、入院患者側からも、裁判所に対し退院の許可の申立てをすることができることとしているところでございます。
  255. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 ただ、患者のその人から言えるとしても、刑務所の申立て、人権じゃないですけれども、なかなか本人がどうしていいか分からないということもあると思うんですね。  なぜ改正刑法草案では保安処分の入院が最高七年となっていたのになくなったのか。人によってはこれは不定期刑みたいに、刑ではないですけれども、非常にめどが立たない、更新は制限がないわけですから、この点でもある程度上限を決めて問題をきちっと解決をする、あるいは長期入院の歯止めを掛けるようにすべきではないかと思いますが、いかがですか。
  256. 樋渡利秋

    政府参考人(樋渡利秋君) 繰り返しで恐縮でございますが、やはり医療を受けて改善をして出てきて社会に復帰されることを願えば、こういうふうに六か月ごとに裁判所に点検させる、そして本人からも裁判所に申し出ることができるという制度にしたものでございます。
  257. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 時間ですので、終わります。
  258. 井上哲士

    井上哲士君 日本共産党井上哲士です。  前回の質問に続きまして、修正案提案者に、この法律による入院命令、退院命令の要件の問題についてまず質問をいたします。  提案者は衆議院の答弁で、自傷他害のおそれも認められないような者については社会復帰の観点からの配慮を要するとは認められませんので、この要件には該当しない、したがって、入院ないし通院の決定は行われることはないと、こういう答弁をされております。自傷他害のおそれのない者は除かれると。つまり、自傷他害のおそれがあるという人が一つの基準ということになります。  前回質問したときに、この法律では自傷他害のおそれは判断をしないんだという答弁だったわけでありますが、では、この自傷他害のおそれがない者はこの要件に該当しないというのは一体どこで絞られることになるんでしょうか。
  259. 塩崎恭久

    衆議院議員(塩崎恭久君) ただいま御指摘がございましたとおり、精神保健福祉法による措置入院制度におけるいわゆる自傷他害のおそれがあると認められない者については本制度による処遇の対象となることはないと考えまして、先日、そのようなお答えを申し上げたわけでございます。  しかし、この答弁は、自傷他害のおそれがないと判断される者がいると仮定して、そのような者は修正後の要件に当てはめれば本制度による処遇の対象となるのかどうかという観点からお答えをしたわけであって、本制度による処遇の要否あるいは内容を判断するに当たって、裁判所がまずその者に自傷他害のおそれが認められるか否かということを判断するという趣旨のことを申し上げたわけではないわけでございます。  すなわち、仮に自傷他害のおそれがあるとは認められないような者がいた場合に、そのような者が本制度による処遇の対象となるか否かを問われたとすれば、そのような者は、精神障害の改善に伴って同様の行為を行うことなく社会に復帰できるよう配慮することが必要な者ではないわけでありますので、修正後の処遇の要件の一つであります精神障害の改善に伴って同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するため、この法律により医療を受けさせる必要があると認められる場合には当たらないことから、本制度による処遇の対象とはならないと考えたことを述べたわけでございます。
  260. 井上哲士

    井上哲士君 そうしますと、この配慮すべき中身の一つの要素だと、こういうような理解でよろしいんでしょうか。
  261. 塩崎恭久

    衆議院議員(塩崎恭久君) 自傷他害のおそれがあるなしを今回の要件として判断をするということではございません。
  262. 井上哲士

    井上哲士君 いずれにしても、この自傷他害のおそれがない者は、この要件には、この入院命令や通院命令の対象にならないということのわけですが、では、そういう自傷他害のおそれがある人の中で、この法律による手厚い医療を必要とする場合と、一般医療で十分だというその判断基準、その要素というのは何になるんでしょうか。
  263. 塩崎恭久

    衆議院議員(塩崎恭久君) これは衆議院委員会でもかなり議論が出たところでございますが、本制度で裁判所が判断する事柄は、本制度による処遇の要件でございます、また繰り返して恐縮でございますが、対象行為を行った際の精神障害が改善し、これに伴って同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するためこの法律による医療を受けさせる必要があると認められるか否かということでありまして、まず自傷他害のおそれがあると認められるか否かを判断した上で、さらに本制度による処遇の要件に該当するか否かを判断するわけではないというのは今申し上げたとおりでございます。  確かに、仮に自傷他害のおそれがあると認められるような者がいた場合に、そのような者であっても、そのようなおそれが本人の社会復帰の大きな妨げになるとまでは認められないような場合、こういう場合には、本制度による処遇の対象とはならないこととなりますけれども、このような、精神障害の改善に伴って同様の行為を行うことなく社会に復帰できるよう配慮するまでの必要がない者については、一般の精神医療が行われることは別といたしまして、本制度による処遇の対象とするまでの必要はないと、このように考えるべきと思われます。
  264. 井上哲士

    井上哲士君 ずっと衆議院からこういう議論が行われておるわけですが、何度お聞きをいたしましても、医療が必要な者には医療を行うんだという同義反復にしか私には聞こえないんですね。こういうあいまいもことした規定で実施をされますと、合議体の裁判も非常に困難なのではないのかと。明確なやはりものを、具体的なものを示すということが私は立法府としても必要だと思うんですね。  措置入院の場合は昭和六十三年の厚生省の告示第百二十五号というので、自傷他害のおそれの判定基準というのを示しております。自傷行為又は他害行為のおそれの認定に当たっては、当該者の既往症、現病歴及びこれらに関する事実行為等を考慮するものとすることとしまして、病状ごとにその認定に関する事項というのが大変細かく出されております。これが出されていても、今の、現行の措置入院における判断のばらつきが大変都道府県によってあると、これは改善しなくちゃならないということを衆議院でも答弁、当局からもありました。  衆議院の答弁の中で厚生労働大臣が、やはり判断基準が必要だという答弁もされているわけですね。では、どういう人を選ぶかということ、それは具体的にはその判断基準というものをやはり作っていかなくてはならない、措置入院につきましてはそれは作られているわけでありますから、突き詰めていけば、自ら行った行為についての認識ができているかどうか、自らを制御する能力が生まれてきているかどうかといったことが入院の一つの判断になるだろうと、こういう厚生労働大臣の答弁もあるわけですね。  やはり、こうした具体的な判断の基準ということを示すことが必要かと思うんですけれども、この点、提案者、いかがでしょうか。
  265. 塩崎恭久

    衆議院議員(塩崎恭久君) ただいま井上先生御指摘の告示百二十五号というのを私も見てみました。主に医療的な観点から基準が書かれているかと思うわけでございますけれども、今回の新たな処遇制度におきましては、処遇の要否、内容の決定は精神保健判定医による鑑定を基礎として行うこととされているところ、その際、考慮すべき事項が法律に具体的に規定をされております、三十七条二項ということで。  精神保健判定医は、一定の研修を受けるなど精神医療の分野における高い知見と、特に今回、司法医学等々、全般的にこういった知見は高めていこうということでありますが、その高い知見と豊かな経験を有する医師が任命されると考えられると思います。さらに、修正案においては、指定医療機関における医療が最新の司法精神医学の知見を踏まえた専門的なものになるようこの水準の向上に努めることや、一般の精神医療の水準向上を図ることを政府義務付けて附則などを付けているわけでありまして、精神保健判定医の水準の確保がそういったものによってなされるということだと思います。  したがいまして、御指摘のような判断基準がこの法律以外にまた定められるということがなくとも、十分に客観的で適正な鑑定が行われることになるというふうに考えておるところでございます。
  266. 井上哲士

    井上哲士君 いや、鑑定に基づいて合議体が判断をするわけですから、そこのやはり判断の基準というものは要ると思うんですね。私、この厚生労働大臣の御答弁もこういう趣旨だと思うんですね。その判断基準というものをやはり作っていかなくてはならないと、こう述べられているわけですが、厚生労働省としてはどういう基準が必要で、どういう手順が必要とお考えでしょうか。
  267. 上田茂

    政府参考人(上田茂君) 精神保健福祉法第二十八条の二の規定に基づく措置入院の必要があるか否かの判定を行う場合の基準につきましては、措置入院をさせる都道府県知事の判断基準ではなく、措置診察に当たる精神保健指定医が行う診察の判定の基準でありまして、判定に当たっての考慮事項等が記載されているところでございます。  他方、本制度におきましては、精神保健判定医等が鑑定入院命令を受けた者の精神状態等について鑑定を行い、その鑑定結果を基礎とし、生活環境をも考慮して裁判所が対象者の処遇の要否、内容を決定することとしております。この鑑定を行う精神保健判定医に関しましては、司法精神医学に関する研修を受講していただくことを検討しておりますが、鑑定に際して必要と想定される検査や調査、あるいは考慮すべき事項等についても資料を作成した上で教授することを予定しているものであります。昨年十二月六日の衆議院法委員会における坂口大臣の答弁はこのような趣旨であったと理解しているところでございます。  この法律による医療を受けさせる必要があるか否かの鑑定に際して必要と想定される検査や調査、考慮すべき具体的事項等の内容につきましては現段階において検討中でありますが、いずれにいたしましても、裁判所から鑑定を命じられました医師が対象者の症状や行動を注意深く観察し、必要な身体及び心理検査を行い、そして対象行為を行った当時の精神症状と対象行為の関係、その際の心理・社会的状況、あるいは病歴と過去の他害行為の有無等を調査し、また諸外国司法精神医療機関で用いられている評価尺度等も参考にしながら、さらに入院中の種々の治療に対する反応性も考慮することにより、この法律による医療を受けさせる必要があるか否かを総合的に判断していくことが可能となるようなものとしていきたいというふうに考えているところでございます。
  268. 井上哲士

    井上哲士君 措置入院における医師の判定というのに基づいて都道府県知事が決定するわけですが、そこで単なる診察ではなくてやはり判断が行われているわけですね。そのための基準としてこういうものが出されているわけでありますし、大臣の答弁はどういう人を選ぶかという判断基準が必要だと言われているわけでありまして、鑑定の問題を言われているんではないんです。やはり、こういうあいまいな一般的な要件のままでこれが実施をされるというのは、きちっとした判定ということからいっても非常にやっぱり問題が大きいと思います。この審議の中で具体的にこれは出していただきたいことを強く要望をしておきます。  次に、いわゆる社会復帰調整官の問題についてお聞きをいたします。  法案では、社会復帰調整官を保護観察所に置きまして、保護観察所に社会復帰の役割を担わせると、こういう仕組みになっております。しかしこれ、衆議院の答弁などを見ましても、今度の制度がかつての保安処分とは違うんだという理由として、処遇の決定を刑事手続と切り離していること、それから入院施設法務省で設置せずに厚生労働大臣が所管あるいは指定する病院をしていること、こういう説明しているわけですね。ですから、処遇の決定、入院、ここは言わば刑事司法と切り離したから保安処分と違うんだという説明をしながら、最後の社会復帰の役割を担う主体を刑事司法の一環を担う保護観察所に行わせるというのは、これはやはり保安処分的な発想に基づくものだと私は言わざるを得ないと。その点いかがでしょうか。
  269. 津田賛平

    政府参考人(津田賛平君) お答え申し上げます。  本制度の地域社会における処遇につきまして保護観察所が関与するということにいたしました理由の一つは、本制度による処遇は国の機関がまず中心となって行うことが適当であるということ、二番目に、保護観察所は全国に五十か所設置されておりまして、そのネットワークによりまして対象者の退院や転居による遠隔地への移動等にも的確に対応いたしまして、統一的かつ円滑な処遇の実施が可能であることなどを総合的に考慮をしたものでございます。  その上で、本制度におきましては、保護観察所に精神障害者の保健、福祉等に関する専門的な知識を有する者を社会復帰調整官として新たに相当数を配置いたしまして適切な処遇を行うようにしておりますことから、本制度による処遇を担う機関といたしましては保護観察所が最もふさわしい、このように考えております。
  270. 井上哲士

    井上哲士君 幾ら聞いてもふさわしいという説得力が見えてまいりません。従来の保護観察所の仕事と今回の精神保健観察というのは本質的に違うと、こういう答弁も衆議院では法務省自身からありました。実際、社会復帰調整官の仕事の中心が医療の確保だということ。それから、この社会復帰調整官になる人が、精神保健福祉士、看護師、保健師、いずれも厚生労働省の管轄だということ。そして、コーディネートするその相手も医療機関、保健所、いずれも厚生労働省の管轄。  先ほど全国的組織だとか国の責任だということを言われましたけれども、実際のやる中身からいいましても、これはやはり厚生労働省が担うべき仕事だと思いますけれども、その点どうでしょうか。
  271. 上田茂

    政府参考人(上田茂君) 本制度において対象者の地域社会における処遇に保護観察所が関与することとなっていますのは、本制度による処遇については国の機関が中心となって統一的に行うことが適当であると考えられること。二点目としまして、その対象となる者、目的、職務を遂行する上で必要となる専門的知識等は異なりますが、裁判所への申立て手続など保護観察所の従来の業務と類似する点もあると思われること。また、保護観察所は各都道府県に少なくとも一か所は置かれておりまして、その全国的なネットワークにより対象者の退院や転居による遠隔地への移動等にも的確に対処し、対応し、精神保健観察等の事務を円滑に実施できること。  こういった点を総合的に考慮したものでありまして、地域社会における処遇においては、保護観察所が一定の役割を担うことが適当であるというふうに考えているところでございます。
  272. 井上哲士

    井上哲士君 今の答弁でも、専門的知識は違うけれども裁判所との関係などは類似をしていると、こういうことでありました。  ですから、本来やるべき仕事である対象者の社会復帰ということの大半は、やはり保護観察所が今まで担ってきた専門的知識などとは違うということなわけですね。唯一、裁判所の関係がある、それでは私は全くこの理由にならないということを指摘します。  刑事政策、司法の一環であるこういう保護観察所に属している人が社会復帰調整官になるということで、対象者の方も何か自分たちが監視をされているようなことになる、それで良好な治療ができるのかと、こういう懸念もいろんなところから指摘もされているわけでありまして、本当にやはり社会復帰、患者の立場に立ったことからいえば、やはり厚生労働省がしっかり担うべきだと思うんですね。  しかも、今の保護観察所の状況を見ますと、新しい仕事を担うような状況なのかと。この間の保護観察事件、環境調整事件の増加、今後の見込みというのはどうなっているでしょうか。
  273. 津田賛平

    政府参考人(津田賛平君) お答え申し上げます。  保護観察事件を年末の係属事件の推移で見ますと、平成十年末は六万五千八百八十三件でございましたが、その後、毎年増加をしておりまして、平成十四年末では六万九千六百二件となっておりまして、この五年間で四千件の増となっております。中でも、刑務所少年院を仮釈放となって保護観察を受けている者の件数が近年著しく増加しておるところでございます。また、この間の件数の増加率を基に加重平均して推計いたしますと、平成十五年末の全体の件数が七万件を超えるものと予測されるところでございます。  一方、環境調整事件をやはり年末係属件数の推移で見ますと、平成十年末には四万三千四百四十五件でございましたが、平成十四年末は五万六千三百八件と年々増加しておりまして、この五年で約一万三千件の増となっております。この間の件数の増加率をやはり同様に推計いたしますと、平成十五年末の件数は更に増加いたしましてほぼ六万件になるものと予想されます。
  274. 井上哲士

    井上哲士君 合計をいたしますと、今の数でいいますと平成十年で十一万弱、十五年の見込みでいいますと十三万を超えるという数になるわけですね。しかも、例えば覚せい剤事犯者とか高齢者が大変増えている、処遇困難が増えているということもあります。  じゃ、一方、これを担う保護観察官の人数というのはどうなっているでしょうか。
  275. 津田賛平

    政府参考人(津田賛平君) 保護観察所の定員の推移について申し上げます。  平成十年度は千百二名でございましたけれども、平成十四年度には千八十一名となっておりまして、平成十五年度につきましては社会復帰調整官の五十六名の定員増がございましたので、その分を差し引きまして、従来の保護観察部門だけで申し上げますと千七十四人となっております。
  276. 井上哲士

    井上哲士君 その中で、実際に事件担当の保護観察官というのは六百人ぐらいだとお聞きをしております。ですから、一人の保護観察官が担当する平均事件数は、保護観察と環境調整を合わせますと大体二百件ぐらいに、先ほどの数でいいますとなるわけですね。しかも、この数は今後更に増える。しかも、処遇困難者が増えまして、業務の複雑、困難さを増している。その一方で保護観察官が減らされているということでありますから、一人当たりの負担は非常に加重的に重くなっているというのが現状なわけですね。保護司の皆さんも高齢化もし定足も、充足をしていないわけですが、そういう皆さんの献身的な共同体制でようやく維持をされているというのが現状だと思うんです。  今の刑務所の過剰収容の問題やいろんな犯罪情勢の悪化ということを考えますと、単に刑務所の収容を増やすというような形ではなくて、社会復帰を担う更生保護の分野をむしろしっかり促進をする、そういう点での役割は非常に高まっていると思うんですね。その点での大臣の認識、そして、むしろこういうところに今までと全く違う新しい仕事を担わせるのではなくて、しっかりした増員も含めて業務を充実させることこそが私は必要だと思いますが、その点いかがでしょうか。
  277. 森山眞弓

    ○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおり、保護観察所の任務というのは非常に大きくなりつつありまして、これからも更に一層責任が重くなってくると思います。  そこへ新たな制度を入れていくわけでございますので、よほどそのつもりで準備をしなければいけないと私どもも考えておりまして、今度必要となる社会復帰調整官というものは是非とも確保しなければいけないというふうに考えておりまして、できる限り努力してまいりたいと思います。  差し当たって、平成十五年度は、この法律がもしできればということで要求してございますが、それに、今年度は年度途中からでございますが、五十六人を要求しておりまして、来年度以降は更に増やしていかなければいけないというふうに考えています。
  278. 井上哲士

    井上哲士君 この制度で、社会復帰調整官は、まず裁判所における裁判時の生活環境調査、次に入院治療中の生活環境の調整、さらに通院治療中の実施計画を定め、それに基づく精神保健観察をやるという、こういう三つの大きな仕事になりますが、大体五年後、この生活環境調査、生活環境の調整、精神保健観察、それぞれ何件程度になると想定をされているでしょうか。
  279. 津田賛平

    政府参考人(津田賛平君) お答え申し上げます。  本制度におきまして、まず前提となりますが、検察官による申立ての対象となる者の数でございますけれども、年間約四百人程度であると考えられております。この数字を基に類推いたしますと、生活環境の調査につきましては年間これとほぼ同程度の数が予想されるところでございます。  本制度の施行後でございますが、まずどの程度の人員に対して入院決定や通院決定がなされるのか、それから入院決定された者がどの程度の期間、入院することになるのか、それから退院した後にはどの程度の期間を経て本制度の処遇を終えることになるのか、これらのことにつきましては、処遇事件を取り扱う裁判所の合議体におきまして個々の事件に応じて決定される事柄でございますので、生活環境の調整と精神保健観察事件数の予測につきましては確定的なことを申し述べることは困難でございます。  なお、精神保健観察につきましては、先ほど申し上げましたとおり、検察官の申立ての対象となる人員が年間約四百人程度見込まれるところでございますので、当初から通院決定を受けた者、あるいは指定入院医療機関から退院した者につきましては数年にわたって精神保健観察を実施することを考えますと、本年施行後数年のうちに千数百名程度にはなることが予想されるところでございます。
  280. 井上哲士

    井上哲士君 精神保健観察が千数百名、生活環境調査がですから約四百、それに加えて生活環境調整ということが入りますと、私もいろんな試算などを見せていただいていますが、ある程度の年、時限がたちますと、大体合計すると三千件ぐらいになるのではないかというような試算も見せていただいております。  衆議院の答弁では、この社会復帰調整官の対象者は五名から十名程度ということも言われておりますが、この五名から十名というのは精神保健観察の数だけを想定されているのか、それとも生活環境調査なども含めた数を想定されているのか、これはどちらでしょうか。
  281. 津田賛平

    政府参考人(津田賛平君) 先ほどおっしゃいました五名ないし十名という数字でございますけれども、これは一般の保護観察官の行っております保護観察と比べまして大体倍程度の時間が掛かるのではないかということから五名ないし十名という数字が出ておるものでございますけれども、この数字は、今御指摘ございましたように、専ら精神保健観察に従事するとした場合に、社会復帰調整官が専ら精神保健観察に従事するとした場合に一人の社会復帰調整官が担当できる対象者が五名ないし十名となるということでございます。
  282. 井上哲士

    井上哲士君 ですから、精神保健観察で五名ないし十名ということでありますけれども、環境調査、生活環境調整も加えますと十数名というような規模にもなっていくわけですね。私、これは大変な数だと思うんです。  現在の保護観察でも、東京や大阪に、保護観察所に直接処遇班ありますけれども、大体十数名の担当だとお聞きをしておりますが、今度の場合は格段に負担も大きいわけですね。審判が行われる地域指定入院医療機関の所在地、それから地域に戻る場所が必ずしも同じ県とは限らないわけでありまして、いろんな調査、調整についても他府県まで行くということも必要になるでしょう。それから、最初は一県に一名ぐらいしか配置をされないわけでありますから、対象者に訪問をするという点でも大変な負担になるということを考えますと、本当に言われているような機能を、それだけのことを担当してできるのかということを私は非常に疑問に思います。この点は本当にしっかりとした人的体制の確保ということを、我々は法務省保護観察所に置くのではなくて、厚生労働省に置いた上でしっかりした人的な確保をしていただきたいと思います。  かつ、その関係機関をコーディネートしようと思いますと、研修ということもありました。しかし、相当現場の状況を知って人的なつながりもある、人的な、そして状況も知っているという人がやらなければなかなかコーディネートということにならないと思うんですね。この辺の人の確保ということは大変重要だと思うんですが、これはそういう点からいっても私は厚生労働省が担うことが必要だと思うんですが、現実のやっぱり十分な経験を積んだ人を確保するという点で厚生労働省はどういう責務を担おうとされているんでしょうか。
  283. 木村義雄

    ○副大臣木村義雄君) 井上先生の御質問にお答えいたします。  社会復帰調整官につきましては、まず法務省においてその確保及び質の向上が図られるものと承知しているところでございますが、厚生労働省といたしましても、社会復帰調整官に対する研修等が行われる際、必要に応じまして医療機関、精神保健福祉センター、保健所等の関係機関協力を得られるよう努力してまいりたいと、このように思っておるような次第でございます。
  284. 井上哲士

    井上哲士君 終わります。
  285. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  286. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。  心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案検察庁法の一部を改正する法律案及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会からの連合審査会開会の申入れを受諾することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  287. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  288. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  289. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  四案審査のための連合審査会に政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  290. 魚住裕一郎

    ○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十五分散会