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2003-03-14 第156回国会 参議院 本会議 9号 公式Web版

  1. 平成十五年三月十四日(金曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第九号   平成十五年三月十四日    午前十時開議  第一 国家公務員等の任命に関する件     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、常任委員長辞任の件  一、常任委員長の選挙  一、日程第一  一、平成十五年度における公債の発行の特例に   関する法律案及び所得税法等の一部を改正す   る法律案(趣旨説明)  一、国務大臣の報告に関する件(平成十五年度   地方財政計画について)  一、地方税法等の一部を改正する法律案及び地   方交付税法等の一部を改正する法律案(趣旨   説明)      ─────・─────
  2. 倉田寛之

    ○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  環境委員長小宮山洋子君から委員長を辞任いたしたいとの申出がございました。  これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 倉田寛之

    ○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。  よって、許可することに決しました。      ─────・─────
  4. 倉田寛之

    ○議長(倉田寛之君) この際、欠員となりました環境委員長の選挙を行います。  つきましては、環境委員長の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 倉田寛之

    ○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。  よって、議長は、環境委員長に海野徹君を指名いたします。    〔拍手〕      ─────・─────
  6. 倉田寛之

    議長倉田寛之君) 日程第一 国家公務員等の任命に関する件  内閣から、日本銀行総裁福井俊彦君を、また、同副総裁岩田一政君及び武藤敏郎君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。  これより採決をいたします。  まず、日本銀行総裁の任命について採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  7. 倉田寛之

    議長倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  8. 倉田寛之

    議長倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数          二百二十     賛成            百三十二     反対             八十八    よって、同意することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  9. 倉田寛之

    ○議長(倉田寛之君) 次に、日本銀行副総裁の任命について採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  10. 倉田寛之

    ○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  11. 倉田寛之

    議長倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数          二百十八     賛成            百二十五     反対             九十三    よって、同意することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  12. 倉田寛之

    議長倉田寛之君) この際、日程に追加して、  平成十五年度における公債の発行の特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 倉田寛之

    議長倉田寛之君) 御異議ないと認めます。塩川財務大臣。    〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
  14. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) ただいま議題となりました平成十五年度における公債の発行の特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。  まず、平成十五年度における公債の発行の特例に関する法律案につきまして御説明申し上げます。  平成十五年度予算につきましては、活力ある社会、経済の実現に向けた予算配分の重点化、効率化、予算執行調査の結果等を活用した経費の節減やコストの見直しなどを行うことにより、歳出改革を一層推進することとし、一般歳出及び一般会計歳出全体について実質的に平成十四年度を下回る水準といたしました。  しかしながら、引き続き歳入と歳出の差が多額に上るため、財政法の規定による公債のほか、三十兆二百五十億円の特例公債を発行せざるを得ない状況にあります。  本法律案は、こうした厳しい財政事情の下、平成十五年度の財政運営を適切に行うため、同年度における公債の発行の特例に関する措置を定めるものであります。  以下、その大要を御説明申し上げます。  第一に、平成十五年度の一般会計歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書の規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行することができることとしております。  第二に、租税収入等の実績に応じて、特例公債の発行額をできる限り縮減するため、平成十六年六月三十日まで特例公債の発行を行うことができることとし、あわせて、同年四月一日以後発行される特例公債に係る収入は平成十五年度所属の歳入とすること等としております。  次に、所得税法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。  本法律案は、現下の経済財政状況等を踏んまえつつ、持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制の構築に向け、国税に関する制度全般にわたり所要の措置を講ずるものであります。  以下、その大要を説明申し上げます。  第一に、法人税について、我が国産業の競争力強化のため、試験研究費の総額に係る特別税額控除制度及び情報通信機器等に係る投資促進税制を創設するほか、中小企業技術基盤強化税制の拡充等を行うこととしております。  第二に、相続税、贈与税について、次世代への資産移転の円滑化に資するため、相続時精算課税制度を創設するほか、税率構造の見直し等を行うこととしております。  第三に、金融・証券税制について、貯蓄から投資への改革に資するため、上場株式の配当及び譲渡所得等に対する税率を軽減する特例制度の創設、上場株式の配当所得に係る申告不要制度の拡充等を行うこととしております。  第四に、土地・住宅税制について、土地の有効利用の促進に資するため、不動産に係る登録免許税の負担の軽減を図るほか、税率格差の是正など、同税の全般的な見直しを行うこととしております。  第五に、所得税について、人的控除の簡素化等の観点から、配偶者控除に上乗せして適用される部分の配偶者特別控除を廃止することとしております。  第六に、消費税に対する信頼性、透明性を向上させるため、事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用上限の引下げ等の改正を行うほか、消費税の額を含めた価格表示の義務付けを行うこととしております。  その他、酒類間の税負担格差の縮小、たばこ税の税率の引上げなどの措置を講ずるほか、既存の特別措置の整理合理化を行うとともに、揮発油税及び地方道路税の税率の特例等期限の到来する特別措置について、その適用期限を延長するなど所要の措置を講ずることとしております。  以上、平成十五年度における公債の発行の特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。  よろしく御審議のほどお願いいたします。(拍手)     ─────────────
  15. 倉田寛之

    議長倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。大塚耕平君。    〔大塚耕平君登壇、拍手〕
  16. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚耕平です。  ただいま議題となりました平成十五年度における公債の発行の特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案について質問いたします。  初めに、公債発行特例法案についてお伺いいたします。  三月五日の本院予算委員会において、国債発行三十兆円枠をめぐる我が党の直嶋幹事長の質問に対して、小泉総理は、私は十五年度も守るなんて全然言っていませんよと発言しました。確認のために過去の議事録を調べてみましたところ、小泉内閣発足直後の平成十三年五月九日、第百五十一通常国会衆議院本会議における枝野議員の質問に対して、総理は次のように答えています。枝野議員にお答えいたします。十四年度以降も三十兆円以下に国債発行を抑制するのか、いわゆる財政構造改革路線についての御質問がございました。私はこの方針は十四年度以降も堅持したいと思っていますとのことでした。  さて、そこで、塩川大臣と内閣法制局長官にお伺いいたします。  暦の上で、平成十五年度は平成十四年度以降に入るのでしょうか、入らないのでしょうか。明確にお答えください。なお、小泉総理は、予算委員会で、平成十四年度は三十兆円枠を守れたとも発言されましたが、実際は三十四兆九千六百八十億円です。発言の間違いを指摘しておきます。  小泉内閣発足以来、日に日に厳しさを増し、とうとう株価が二十年前の水準に戻ってしまった経済状況において、三十兆円枠を絶対に守った方が良いとは申しません。小泉総理の言うように、確かに経済は生き物です。徹底的な歳出の見直しを行った上で、なお財源不足であれば、三十兆円枠を超えることもやむを得ないでしょう。しかし、問題は、そうした経緯や考え方を明確に説明するどころか、先ほどの予算委員会の発言のように、過去の事実と明らかに異なる真っ赤なうそを平気で答弁する小泉総理の政治姿勢であります。国会を冒涜しております。こうした総理の不謹慎、不誠実な態度に対しては、与野党を問わず、我々議会人は断固として抗議すべき問題だと考えます。  そこで、平成の大久保彦左衛門こと塩川大臣にお伺いいたします。  三十兆円枠は過去において公約であったのでしょうか、それとも公約ではなかったのでしょうか。さらに、塩川大臣は小泉総理の発言を不謹慎、不誠実とお考えになるか否かをお伺いいたしたいと思います。  次に、財政肥大化の歯止めとなる財政運営ルールについて質問させていただきます。  昭和二十二年に制定された財政法の下では、長らく単年度ごとの均衡財政主義が財政肥大化の歯止めとなっていました。しかし、御承知のとおり、昭和四十年度補正予算において戦後初めての赤字国債が発行され、旧大蔵省は均衡財政主義を断念いたしました。塩川大臣初当選の二年前の話であります。  そこで、旧大蔵省は、新たな歯止めとして、建設国債の原則と市中消化の原則を掲げました。しかし、その後も歳出は拡大を続け、大平内閣による財政危機宣言を経て、昭和五十年度補正予算において三木内閣が建設国債の原則を放棄し、赤字国債の本格的発行が始まったのです。その際、新たな歯止めとして現金償還の原則が掲げられましたが、結局、実現されることなく、なし崩し的に国債発行残高が累増しました。  以後、市中消化の原則のみが財政肥大化の歯止めとなりましたが、最近の日銀による国債購入額の急増によって、市中消化の原則も事実上機能していません。こうした経緯の中で登場した国債発行三十兆円枠は、単年度予算編成における財政肥大化の新たな歯止めであったのです。  そこで、塩川大臣にお伺いいたします。  現時点における財政肥大化の歯止めは、いかなる原則、いかなる財政運営ルールでありましょうか。恐らく、塩川大臣は、新しい歯止めは二〇一三年度のプライマリーバランス黒字化であるとお答えになりたいでしょうが、残念ながらそれは違います。プライマリーバランス黒字化は、単年度ごとの歯止めではなく、単なる十年後の目標にすぎません。私がお伺いしたいのは、単年度予算編成における財政肥大化防止のための歯止めがあるのかないのか、あるとすればそれは何なのか、ないとすればそれでどうやってプライマリーバランス黒字化を実現するのかという点です。  例えば、国債発行残高に占める日銀の保有シェア上限を設けるとか、あるいはもっと直接的に発行残高や新規発行額のシーリングを設けるといった具体的な回答をお伺いしたいと思います。今後の審議にも影響する基本的な問題です。小泉総理のまねをすることなく、誠実かつ真摯に御回答いただければ幸いです。  次に、我が国の財政赤字がこれほどまでに肥大化してしまった原因について、塩川大臣、竹中大臣、片山大臣にそれぞれお伺いしたいと思います。景気が悪いためという理由をお伺いしたいのではありません。もっと定性的な原因について所見を聞かせてください。  若干、敷衍させていただきます。  OECDの最新統計によれば、中央政府、地方政府及び社会保障基金を含めた我が国の予算規模の対GDP比は三六・六%であり、先進七か国では米国に次ぐ低さです。最大はフランスの四八・八%です。一方、中央政府、地方政府の債務残高の対GDP比は、英国が五〇・九%と最も低く、日本は最悪の一五一・〇%です。対GDP比で見て、予算規模は二番目に小さいのに対して債務残高が圧倒的に多いのはなぜでしょうか。  例えば、独立行政法人や公益法人への間接的支出によって実質的な予算規模はもっと大きいとか、隠れ借金の利払い負担があるとか、あるいは中央政府や地方政府の政府間財政調整制度の構造に赤字を生み出す体質が内在しているといったことがあるのではないでしょうか。  小泉総理は財政も構造改革を行うと言っていますが、財政肥大化の定性的な分析なしでは、財政構造改革など絵にかいたもちと言えます。それぞれの御所管の観点から、三大臣の御認識をお伺いいたします。  次に、先ほども申し上げました日銀による国債購入額の急増についてお伺いいたします。  日銀の国債購入を全面的に否定するつもりはありませんが、本来、日銀の国債購入の政策目的は成長通貨の供給であったはずです。  そこで、塩川大臣にお伺いします。  日銀はいつから政策目的を逸脱したのでしょうか。また、こうした事態は、財政当局はどのように考えているのでしょうか。それは日銀の専管事項であるという答弁を聞くことは御遠慮申し上げておきます。国債消化にかかわる問題であり、正しく財務省の所管事項であります。  あわせて、法制局長官にもお伺いします。  日銀による大量の国債購入は事実上の国債引受けであり、財政法五条に抵触するおそれがありますが、財政法の精神に照らして、どの程度の水準まで日銀の国債保有が許容されるのでしょうか。  現下の事態は、日銀が事実上、財政のファイナンスを行っているに等しく、中央銀行の財政当局化という現象が起きているのです。銀行保有株買取り等の最近の日銀の政策行動は、本来、財政当局や政府が行うべきことを代替していると言えます。そうした政策行動は日銀に授権されている権限の範囲を逸脱するものであります。これは与野党間の争点ではなく、議会対中央銀行の争点であります。  そこで、塩川大臣と法制局長官にお伺いします。  中央銀行が財政当局的な政策行動を行うならば、当該行動は国会で審議すべきではないでしょうか。また、株価の八千円割れを受けて銀行保有株の買取り上限額の引上げが検討の俎上に上っておりますが、仮にそれを行う場合には、日銀の判断で行うべきではなく、別途の立法措置、すなわち国会の同意に基づいて行うべきではないでしょうか。  中央銀行は各国に一つしかない公の器、公器であります。この公器のバランスシートが毀損した場合、再構築するには大きな社会的コストが掛かります。私は、だからこそ安易に中央銀行に財政ファイナンスをさせるべきではないと考えますが、塩川大臣、竹中大臣の所見をお伺いいたします。  中央銀行が財政当局的行動を取るならば、いわゆる中央銀行の独立性の主張は通用しないと言えます。そして、事実上、財政当局と同じような行動を取るわけですから、総裁の任期が五年という長きにわたっていいのかという問題も生じます。  過日、与党幹事長・国対委員長会談において、保守新党の二階幹事長が、目まぐるしい経済情勢を考えると五年の総裁任期は長過ぎると発言されたと聞いています。日銀が財政当局化していることもあり、ある意味でもっともな指摘と言えます。これに対して、小泉総理は、日銀法改正の折に決めたばっかりのことだと一蹴したと聞いていますが、日銀法改正は五年前のことです。二年前の就任以降に決めたこともころころ変えている総理にしては随分気の長いことであります。  このように、総理の発言に首尾一貫性のないことが、国民が総理に信頼を置けなくなってきている最大の理由ではないでしょうか。  次に、税制改正について伺います。  税制改正の細目については伺いたい点が多々ありますが、細かい質問は委員会質疑に譲り、ここでは今次改正のポイントである多年度税収中立という点に絞ってお伺いいたします。  衆議院での審議等を通して、多年度税収中立が達成されるのは七年後の平成二十一年度という見通しが明らかになっています。具体的には、十五年度から十七年度の三年間に三・八兆円の先行減税が行われ、十八年度から二十年度に三・二兆円の増収があり、二十一年度中に税収中立を達成するという姿です。ただし、これは平成十五年度の経済構造を前提にしたものと聞いています。  一方、今年一月二十日に発表された「改革と展望」二〇〇二年度改定版によれば、名目成長率は、十五年度はマイナス〇・二%ですが、その翌年からプラス成長に転じ、十九年度は二・六%、二十二年度は三・二%に上昇する見通しとなっています。これを前提とすれば、多年度税収中立は二十一年度よりももっと早い時期に達成されるはずです。  そこで、塩川大臣と竹中大臣にお伺いします。  内閣府の「改革と展望」を前提にすると、多年度税収中立は平成何年度に達成されるのでしょうか。それは公約でしょうか。仮に公約でないとすれば、多年度税収中立や「改革と展望」にはどのような意味があるのでしょうか。拘束力もなく、公約でもないことを声高に吹聴することは国民に対して不誠実というものではないでしょうか。  また、そもそも財務省が提示していた年度別税収増減見込額の前提に「改革と展望」の内容が反映されていないのはなぜでしょうか。政策間の整合性が取れていることが政府に対する信頼性を向上させる重要なポイントです。財務省と内閣府、塩川大臣と竹中大臣は経済財政諮問会議で一体何を議論しているのでしょうか。これでは政策の合成の誤謬が起きてしまいます。塩川大臣、合成の誤謬という言葉はこういうときに使ってください。  さて、話は変わりますが、私の選挙区は愛知県であります。一昨年の選挙におきまして、自民党の鈴木政二議員と公明党の山本保議員と一緒に三人で当選させていただきました。愛知県は、御承知のとおり、織田信長公、豊臣秀吉公、徳川家康公の三人の英傑を輩出いたしました。別に私たち三人がそうだと申し上げているわけではありません。三英傑は今でいえば総理大臣であります。小泉総理は、風貌といい、奇をてらった言動といい、希代の改革者、信長公のタイプでありましょう。小泉総理は間もなく在任二年になります。信長公のタイプであるとすれば、そろそろ本能寺の変に気を付けられてはいかがでしょうか。その場合、明智光秀公はどなたになるのでしょうか。  愛知県の真ん中に岡崎城があります。家康公の生誕地として有名ですが、城の前には「人の一生は重荷を負て遠き道をゆくがごとし」という有名な家康公の遺訓の石碑があります。その横に、もう一つ遺言の石碑があります。そこには、こう記されております。「天下は一人の天下に非ず、天下は天下の天下なり、たとえ他人天下の政務をとりたるとも、四海安穏にして万人その仁恵を蒙らば、もとより、家康が本意にしていささかもうらみに思うことなし」。我々野党議員も同じ心境であります。しかしながら、小泉総理の治世は、家康公の遺言のようにはなっていないからこそ、我々は総理に真摯な議論を求めているのです。  残念なことに、本日は総理がおりません。塩川大臣を始め、良識ある与党議員の皆様方におかれては、三十兆円枠問題を始め、小泉総理の余りにも不謹慎、不誠実、無定見な答弁を戒め、その政治姿勢に対して厳しく諫言していただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
  17. 塩川正十郎

    ○国務大臣(塩川正十郎君) 私に対してぎょうさん質問ございまして、九つございますが、もし漏れたら、御指摘いただきましたら、追加させていただきたいと思っております。  まず最初に、三十兆枠に関する総理の発言についてでございました。  暦の上で十五年度は十四年度以降に入るのかという難しい禅問答のようなものがございましたが、御指摘の本会議における総理の答弁につきまして、全体を見た上で申し上げれば、これが十五年度予算における国債発行額を三十兆以下にすることを目標とするという言明したものと考えております。おりますので、でございますから、大胆にして機動的に運営するということは絶えず言っておることでございまして、十五年度以降、大胆にして機動的に運営するという方向で処理したいということでございまして、そのために発行の目標額と位置付けることではなくして、一つの倫理的な考え方といたしまして、三十兆円枠を財政規模の確立のための目標としておるということでございます。  それから、プライマリーバランスのことについてお話ございました。  確かに、プライマリーバランスをどこでゼロにし、さらに黒字化していくかということは、財政上非常に大きい宿題でございまして、私たちは、三十兆円の問題と併せて、プライマリーバランスの回復ということにつきまして非常に真摯に取り組んでまいりました。  つきましては、一般歳出について実質的に平成十四年度以下の水準に抑えるということを当面の財政運営の規範にいたしまして、二〇〇六年まで政府の大きさ、つまり一般政府の歳出規模のGDP比は二〇〇二年度の水準を上回らない程度にするということを当面の目標といたしまして、最終的にはプライマリーバランスをゼロにすることを二〇一〇年代のできるだけ早い初頭に行うように設定したということでございます。  次に、我が国の財政の赤字が肥大したことは何か。私もこれは非常に残念でございますけれども、これは諸外国とは違うところは、非常に大きい特徴が一つございます。  それは、日本の言わば公的負担、国民の公的負担というものが、現在、国民所得に対する四六%となっておりますが、その比率を見ますと、税による負担が二三%で、それから保険料等社会保障料の負担というものが、それが一五・五%、あと国債発行に頼っておるのが八・六%ということでございまして、これは、諸外国に比べまして国債の発行に頼っている比率が我が国は非常に高いということでございまして、これがG7中におきます言わば財政構造の最悪の水準となってきておるということでございまして、財政赤字の肥大化の定性的な原因はここにあると思っております。  したがいまして、この構造を変えていくために、先ほど申しましたプライマリーバランスの中に国の収入をどのように図るかということと財政支出をどのように削減していくかということでございまして、今後、厳しい給付と負担の関係を検討することが必要とされるであろうと思っております。  次に、日銀が成長通貨の供給という政策目的を逸脱して国債購入を始めたのはいつからかというお話でございまして、また、そうした事態に対する財政当局としての考え方をお尋ねでございます。  御指摘の成長通貨の供給は、経済成長に見合った通貨を供給することによって物価を安定させるとの趣旨であると考えております。日銀は、現在でもこうした考え方に基づいて、経済成長に必要な通貨を供給することを通じて、日銀法上、金融政策の目的である物価の安定ということを達成するためにオペレーションを行う、そういう手段を講じまして長期国債の買い切りをやっておるということでございます。  なお、日銀は、平成十三年の三月の量的金融緩和政策の開始に伴い、長期国債の毎月買入れ金額を同年八月以降順次増額しておりますが、これは日銀金融政策決定会合において所要の資金供給を円滑に実施する上で必要な手段であるとの位置付けで決定、実施されておるものでございまして、成長通貨の供給の観点から逸脱したものではないと考えております。  それから次に、中央銀行が財政当局的な政策行動を行う場合、当該行動について国会で審議すべきではないかと、こういうことでございました。  これは、恐らく御指摘されたのは、長期買入れの額をどんどんと増やしていくということと、それと株の買入れをしたことに対する御質問、ことを念頭に置いての御質問であろうと思っておりますが、中央銀行が財政当局的な政策行動を行う場合、国会で審議すべきであるということの御意見に対しましては、私たちは、これは日銀が日銀法四十三条の規定に基づいて一々これを当局としての監督省庁に認可を求めてきておりますので、その都度これを行っておるということでございまして、買入れ上限の引上げ等についても、法改正を経ずとも主務大臣の認可により実施可能であると考えております。  それから、中央銀行は安易に財政ファイナンスを行うべきではないというお考えでございますが、これに対しましては、我々は日銀の独立性を尊重しまして、デフレ克服のため大量の通貨を実体経済に供給する必要があることから、その手段の一環として長期国債の買入れを実施しております。その金額についても、日銀が金融政策決定会合等で自ら決定しておりまして、決して政府から強要しておるものではございません。したがいまして、日銀が長期国債の買入れ総額を増額させることをもって事実上財政ファイナンスを行っているとの指摘は当たらないと思っております。  それから、ぎょうさんありますので、多年度税収中立についての税制のお尋ねでございました。  多年度税収中立は、平成十五年度税制改正を決定するに当たって一つの指針としたものであって、財政規律に配慮した現在の経済情勢に対応するとの観点から、意味のあるものであると信じております。  しかし、平成十六年度以降の現実の増減収の姿を見ますと、名目経済成長率等のマクロ経済の指標だけではなく、産業構造やライフスタイルの変化等の様々な経済社会情勢、さらには十六年度以降の税制改正等により大きく左右されるものがございます。  したがって、御指摘のように、「改革と展望」の参考資料だけを前提にして将来の増減収を計るということは困難であり、財務省の試算におきましても、今回の改正の結果、財政に生じる影響について平成十五年度予算ベースで機械的に算出してお示ししたところであります。  特に私たちが配慮いたしておりますのは、確かに十六年度以降において経済が良くなり、税収が増えるであろうという予想はされます。けれども、その企業の増収分がかつての過去におきます赤字の解消のために使用されてしまうものでございますから、直ちにその企業増収が税収に結び付くということはなかなか厳しい状況にあるということを考えながら対処しなければならないのではないかと思っております。  以上でございまして、もし漏れておりましたら、御指摘いただきましたら結構でございます。(拍手)    〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
  18. 竹中平蔵

    ○国務大臣(竹中平蔵君) 大塚議員から三問質問をいただきました。財務大臣との重複を避けて答弁をさせていただきます。  まず、我が国の財政赤字の拡大についてのお尋ねでありますが、正に議員御指摘のように、日本の財政の現状は長期債務残高のGDP比が約一五〇%、G7で最も高い水準になっています。  この赤字拡大の要因については、経済財政白書等で一般政府ベースでの拡大要因、赤字拡大要因の分析を行っておりますが、それによりますと二点あります。第一は、長期にわたる経済低迷と減税の実施などによる税収の減、第二に、度重なる経済対策費用や社会保障関連費用の増大などの寄与が大きいというふうにしております。  政府は、財政の中期的な持続可能性を回復することは非常に重要であるというふうに思っておりますので、引き続きこの財政構造改革を推進していきたいというふうに考えております。  財政のファイナンスをすることによる日銀のバランスシート毀損の問題でお尋ねがございました。  このデフレの克服は日本経済の再生に向けた重要課題であります。政府は、日本銀行と一体となって強力かつ総合的な取組を実施をしている。日本銀行においても量的緩和政策を継続するなど、もちろん様々な努力をされているわけであります。  日本銀行は、このような取組の一環としまして、金融機関が保有する長期国債を買い入れする等の対応を行っておりますが、これは決して財政のファイナンスを目的とするものではない。これ正に円滑な資金供給のため、必要と判断された場合に金融政策として行っているものというふうに私は理解をしております。  日本銀行に対しては、最近の経済や金融市場の現状を十分踏まえ、これまでの施策の一層の充実を含めて、正に独立した立場で実効性ある対応を検討、実施されることを期待しているところでございます。  三番目に、「改革と展望」参考試算における経済成長率の下での多年度税収中立について、並びに「改革と展望」の意義についてのお尋ねがございました。  「改革と展望」、具体的に二〇〇二年度改定でございますけれども、その参考資料として作成されたこの内閣府の試算は、多年度税収中立といった考え方の下で行われた平成十五年度の税制改正を含む種々の構造改革について、一定の仮定を置いた上で、マクロ経済や国と地方の財政の姿についてお示しを示したものでございます。  しかしながら、これはマクロの計量試算であります。税制改正に伴う効果のみを算出して増減収の額を厳密に算定することは技術的にこれは困難でありまして、多年度税収中立が達成されるに要する年数について確たることは申し上げられないということを、これは技術的な問題として御理解をいただきたいと思います。  また、いずれにしましても、閣議決定しました「改革と展望」及びそれを改定し本年一月に閣議決定しましたこの改定二〇〇二年度版は中期的な経済財政運営の基本方針と経済財政の将来展望を国民に示すものでありまして、我々としてはその実現に向けて努力をしたいというふうに思っております。  以上、お答え申し上げました。(拍手)    〔国務大臣片山虎之助君登壇、拍手〕
  19. 片山虎之助

    国務大臣片山虎之助君) 大塚議員から、私、一問ございまして、我が国の財政赤字の原因は何かと、こういうことなんですが、今、国の財政と地方財政を比べますと地方財政の方が大きいんですよ。国は八十一兆何がしですけれども、地方財政は八十六兆二千億です、地方財政計画ベースで。  しかも、地方財政というのは、国民といいますか住民に密着した福祉だとか教育だとか、警察だとか消防だとか、どうしてもやらなきゃならぬ仕事が多いんですね。そういう意味では、景気がいいから悪いからといってそのサービスをやめられない、非変動型なんですよ。  ところが、収入の方は変動型なんですね。これは、景気が悪ければ地方税も落ち込みますし、国税が落ちれば地方交付税も減ると。しかし、同時に、景気対策のために公共事業や単独事業をやらなければいけませんし、国と併せて減税もやらなきゃいかぬと。こういうことで、収支のギャップが開いてきていることは事実で、それが赤字の大きな要因なんですね。  ただ、塩川大臣も言われましたように、基本的には国、地方が毎年三十兆を超える経常的な穴が空くのは、行政サービス国民負担に乖離があるんではないかと。行政サービスが過剰なのか、国民負担が過小なのか、その辺のバランスがどうなのかと。  この辺の議論は、中長期的には私はしなければならないと思いますけれども、当面は、やっぱり景気回復を図る、景気回復を図って税収を上げるということ、国、地方を通じて更なる行政改革行政の簡素効率化を図るということ。それから、地方の立場で言うと、国からできれば税源移譲してもらって、国、地方の今の収入と支出を、乖離を、これをなくしていく、こういうことだと、こう思っておりますので、今後ともよく関係のところと連携しながらいろんな努力をしてまいります。  以上です。(拍手)    〔政府特別補佐人秋山收君登壇、拍手〕
  20. 秋山收

    ○政府特別補佐人(秋山收君) まず、暦の上で平成十五年度は平成十四年度以降に入るかとのお尋ねでございますが、一般論として、法令で十四年度以降と規定する場合は、平成十四年度以後の各年度を意味し、十五年度も含まれることになります。  次に、日銀による国債の大量購入は財政法第五条違反ではないか、財政法の精神に照らしてどの程度の水準まで日銀の国債保有が許されるのかというお尋ねでございますが、財政法第五条は、公債の日銀引受けを禁止し、公債は日銀以外の市中資金で消化するとの原則を定めたものでありますが、法律論として申し上げれば、現行の日銀による国債購入は既発債の購入であり、また、財務大臣からも御答弁ありましたように、日銀の金融政策上の判断として行っているものでありますため、財政法に抵触するものではないと考えます。また、こうした日銀による既発債の購入の水準について何らかの規制をすべきかどうかは、立法政策にかかわる問題であろうと考えます。  最後に、中央銀行が財政当局的な政策行動を行う場合、当該行動は国会で審議すべきではないか、銀行保有株の買取りは別途の立法措置に基づいて行うべきではないかとのお尋ねでございますが、法律で国会の議決を要するとされている案件は別といたしまして、いかなる事柄を国会で審議するかは専ら国会において御判断されるべき問題であり、また、銀行保有株の買取りに関し何らか別途の立法措置を講ずるべきか否かにつきましても、立法政策上の御判断を待つべき事柄であると考えます。(拍手)     ─────────────
  21. 倉田寛之

    ○議長(倉田寛之君) 池田幹幸君。    〔池田幹幸君登壇、拍手〕
  22. 池田幹幸

    ○池田幹幸君 私は、日本共産党を代表して、所得税法等改正案及び公債特例法案について塩川財務大臣に質問します。  小泉内閣は、構造改革なくして景気回復なしのスローガンの下、国民に痛みを押し付け、我慢を強い続けて二年近くになろうとしていますが、この小泉流構造改革によって日本経済と国民生活はどうなったでしょうか。  完全失業率は内閣発足時の四・八%から五・五%に、企業倒産件数は戦後二番目と最悪の水準に落ち込んでいます。株価は内閣発足時の一万四千円が三日前の十一日にはついに七千九百円を割り込み、バブル後最安値を記録しました。正にデフレ不況はますます激しくなり、税収も落ち込み、財政危機は一層深刻化しています。  もはや小泉構造改革の破綻はだれの目にも明らかであります。まず、大失政を招いた小泉構造改革を直ちに取りやめ、国民生活立て直しを柱にした経済財政運営、真の構造改革に転換すべきであります。  ところが、政府は破綻した構造改革を一層推進しようとしております。議題となっている歳入二法は税収の落ち込みによる財政悪化に国債の大増発と庶民増税で対応しようとするものですが、これでは経済も財政も更に深刻な危機に直面せざるを得ないでしょう。  以下、法案に即して具体的に質問します。  まず、公債特例法案について伺います。  小泉内閣は、発足後、いわゆる骨太の方針で、二〇〇二年度の予算で国債発行を三十兆円以下に抑えるなどの本格的財政再建に取り組むことを宣言しました。しかし、税収は当初見込みに比べて二兆五千四百億円も不足し、補正予算で四兆九千六百八十億円も国債を追加発行し、公約はあえなく破綻したではありませんか。  そして、本法案により、二〇〇三年度に過去最高、三十兆二百五十億円の赤字国債を発行し、国債依存度を四四・六%という戦後最悪の水準に持っていこうとしていますが、これでは本格的財政再建どころか財政破壊ではありませんか。  財政の悪化は来年度で終わるものではなく、更に深刻な事態を引き起こすことが多くの試算により明らかにされております。財務省自身の試算では、三年後までに経済成長率を二・五%にまで回復させたとしても、二〇〇六年度には二〇〇三年度税収見込額を上回る四十二・九兆円の赤字国債の発行が必要になるとしています。小泉総理は痛みに耐えれば持続成長が達成できるなどと言いますが、財務省の試算ですら小泉流の改革路線では持続成長が不可能であることを明白に示しているではありませんか。しかも、この試算は超低金利を前提としています。金利が一%上がるだけで国債の利払い費が四兆五千億円増大する現実をどう認識し、どう対応するのか、明確な答弁を求めます。  次に、所得税法等の改正案について質問します。  今回の税制改正は先行減税、多年度税収中立が特徴となっています。まず一兆八千億円の減税を行い、二〇〇六年度から差引き増税になるようにし、七年かけて減税分を取り戻して増減税の収支を整えようというものです。確かに、国の財政にとっては中立でしょう。しかし、研究開発減税やIT投資減税、相続税・贈与税減税などにより減税の恩恵を受けるのは大企業、資産家であり、他方、増税の痛みは、配偶者特別控除の原則廃止、消費税の中小企業特例の縮小、発泡酒・たばこ増税など、専ら庶民と中小企業に押し付けられております。二〇〇九年までの七年間で庶民が奪われる増税額は八兆円以上になり、それが大企業や資産家に配分されることとなるのです。しかも、税収中立を達成した後も、庶民増税一・七兆円はそのまま残ります。これは、庶民にとって増税だけが押し付けられるものではありませんか。  しかも、二〇〇三年度予算では、社会保障分野で二兆七千億円の国民負担増が予定されています。この上に増税を押し付ければ国民生活はどうなるのか、考えたことがあるのですか。確実に家計を冷え込ませ、景気を一層悪化させることになるではありませんか。財務大臣の認識をお聞きしたい。  政府は先行減税をデフレ対策だとしています。しかし、研究開発・設備投資減税がどうしてデフレ対策となるのですか。特に、これまで試験研究費の増額分を対象にしてきた減税を試験研究費の総額に係る減税に変更するわけですが、これでは試験研究費を減らしても減税の恩恵を受けることができ、何ら研究開発の促進にはつながらず、もうけている大企業への優遇措置にすぎないではありませんか。  相続税の減税に至っては、七〇%の最高税率を五〇%に引き下げることによって恩恵を受ける人は一体何人いるというのですか。財務省の推計でも四十名程度にすぎません。一つ下の六〇%の税率が適用されている人を含めても、数百人程度でしょう。こういった一握りの人々への減税がどれだけ景気浮揚に役立つというのですか。明確に答弁されたい。  配偶者特別控除の原則廃止は、国、地方合わせて七千億円の増税となり、年所得一千万円以下の平均的な勤労者約一千二百万人に影響を与えます。このような庶民いじめはそれ自体許し難いことですが、配偶者特別控除の廃止という形で戦後初めての本格的な所得税増税に踏み出すという点で極めて重大です。  政府は配偶者特別控除廃止の理由を女性の社会的自立を促すためと説明しています。もし政府が本気で女性の自立を考えてこの制度を廃止しようというのであれば、基礎控除の引上げなどによる負担軽減が不可欠ではありませんか。今回のようにただ廃止するのでは、家計の負担を大きく増大させるだけであり、何ら自立を目指す女性の支援にはならないではありませんか。  消費税の中小企業特例の縮小は中小業者への事実上の増税であり、重大な問題であります。とりわけ、事業者免税点を三千万円から一千万円に引き下げることは、個人事業者、法人、個人農業で合計百四十八万の事業者が新規の課税事業者となり、課税事業者総数が現在の一・七倍にもなります。  既に多くの中小零細事業者は、厳しい競争にさらされ、価格に仕入れ分の消費税の転嫁ができず、納税のために身銭を切る損税に苦しんでおります。中小企業庁の昨年八月の調査によれば、二千五百万円超三千万円以下の事業者で約三割、一千万円超一千五百万円以下の事業者で約五割の事業者が仕入れで支払った消費税を転嫁できず、自ら負担しています。今回の改正が損税を強いられるおそれのある事業者を百四十八万人も増やすことになり、事態を深刻化させるのは明らかではありませんか。  日本商工会議所など中小企業四団体も、デフレ経済の進展や価格競争の激化により、仕入れにかかわる消費税分の価格転嫁がより困難になっており、いわゆる益税どころか、むしろ損税となっていると指摘し、本改正案に反対を表明しています。  財務大臣は中小事業者の負担増がどのようなものになると考えているのですか。中小事業者の実態を本法案を提出するに当たって調べられたのですか。実態を正確に把握するならば、中小企業特例の縮小などといった発想自体起きてこないはずであります。答弁を求めます。  また、価格表示について内税方式の義務付けを行うこととしておりますが、これは国民の感じる痛み、痛税感を薄めることをねらったものであり、今後の消費税率引上げに向けた地ならしにほかなりません。このようなやり方は余りにもこそくではありませんか。  今回の税制改正はデフレ対策とか経済社会の活性化を目的として掲げたものでありますが、実際は、大企業と資産家のための減税、庶民・中小企業増税を進めるものであり、掲げた目的と正反対の結果をもたらさざるを得ないでしょう。このことを指摘し、質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
  23. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) お答え申し上げます。  まず最初に、今回の措置は本格的な財政再建ではなくして財政破壊ではないかということで、国債発行額と国債依存の度合いについて厳しい御指摘がございました。  平成十五年度予算の編成に当たりましては、歳入面において、先行減税実施によりまして影響分が一・五兆円、つまり一兆五千億円が歳入減となります。これを含めまして、さらに平成十四年度予算に比べて税収が大幅に落ち込む分でございますが、これが五兆円約ございます。このような極めて厳しい状況の中で歳出全体について実質的に前年度を下回る水準に抑制することといたしたものでございまして、ただ公債発行によって予算のつじつまを合わそうということをしたものではございません。  したがって、御指摘の十五年度の公債発行額を三十六兆四千億円、公債依存度が四四・六%と過去最高の水準とならざるを得なかったことは誠に残念でございますが、予算編成に当たりましては、さきに述べた方針の下、財政規模の確保に最善を尽くした次第であります。  なお、プライマリーバランスにつきましては、二〇一〇年のできるだけ初頭において黒字化を果たしていきたいと、鋭意努力してまいるつもりであります。  それから、次のお尋ねでございますけれども、財務省の試算と持続成長についてのお話がございました。  財務省の後年度影響試算というものは、これは毎年国会に提出させていただいておりますが、これは十五年度予算における制度、施策を継続した、このまま継続した場合、十八年度までの歳入歳出はどの程度影響を持つかということは、機械的にこれを積み上げて計算をしたものでございまして、もちろんこれだけでは政治が働いておらないことになりまして、ここに我々は財政再建とそれから経済の活性化というものをどのように盛り込んでいくかということが課題でございまして、一般会計予算の将来像を示したものではなくして、ただ機械的に示したものであるということを御承知いただきたいと思っております。  それから次に、金利が一%上がるだけで国債の利払いが四兆五千億円増大するということを御指摘になりました。こんなことになってはえらいことになってしまうので、実はそうではございません。要するに、今、池田さんのおっしゃるのは、金利が一%上がって、現在の国債保有残高が、全部一%上げにゃならぬとなると四兆五千億円になると、こういう計算でございましょうが、しかし、既発債にはそれぞれ既定の利率が、固定利率が明記されておりますので、それによって計算いたすことになります。  ちなみに、普通国債の残高を申し上げますと、十三年度実績では三百九十二兆円、それから十四年度末の見込みは四百二十八兆円、それから十五年度末の見込みは四百五十兆円ということでございまして、十五年度末全体にかかって一%掛かるというものではないということで御承認いただきたいと思っております。  次に、今回の税制について細かい点が御指摘ございました。  確かにいろいろな問題点はございますけれども、まず最初に申し上げたいと思いますことは、現在の税制改正におきまして、多年度にわたりまして増収と減税とをバランスを取って財政の健全化を図る、同時に、減税を先行させて景気刺激をし、経済の構造改善を併せて進めていくということに立脚したものでございます。  御指摘のございました中で申し上げますと、まず最初に、研究開発費の減税、設備投資の減税等についてお尋ねがございました。  本制度におきましては、試験研究費の額が多いほど減税額も大きくなるのに加えまして、売上高に占める試験研究費総額の割合が高いほど税額控除率を高く設定しておりまして、研究開発の促進につながるものと考えておりますし、また、中小企業等につきましては一律でより高い税額控除率を設定しておりまして、減税のメリットによりまして中小企業における設備投資を促進するということを図ったものでございます。  なお、相続税についてのお話でございましたですが、最高税率を引き下げることによって景気浮揚を図りたいということでございますが、これは金持ち優遇ではないかと御指摘でございますけれども、しかし過去の経過を見まして、相続税の最高税率は諸外国に比べて異常に高いということでございまして、この際、全般的に改正さすことにいたしたのでございます。  最高税率の引下げは七〇%から五〇%に下がったのでございますけれども、その影響を受けるのは約千八百人程度と見込まれておりますが、今回の見直しは、最高税率の引下げだけではなくして、簡素化の観点からも分かりやすく相続税の構造を変えたわけでございます。  それと、なお、贈与税との関係についてお話がございましたですが、ただ相続税の対象者だけではなくして、一般の御家庭あるいは家族におきましても、できるだけ早く相続人に、つまり息子等に遺産の贈与をすることによって若い者の活力を活発化さすという観点から、相続税の対象でない家庭におきましても、贈与の税の負担を軽減することによって家庭内におけるところの一層の協調関係、そして若い者の活力を引き出すということをしたわけでございますので、御理解いただきたいと思っております。  それから、配偶者特別控除の廃止についてお尋ねがございました。  我が国の所得税の空洞化の現状というものをこれは是正しなきゃならぬ、これは御承知のとおりだと思っておりまして、課税最低限が異常に高くなってまいりました。この空洞化を是正する。共働き世帯数が専業主婦世帯数を上回っているという経済社会の構造変化が起こっております。以前は共稼ぎの家庭が少なかったのでございますけれども、現在は専業主婦を上回っておる、こういうことから空洞化を見直せということでございまして、あわせて、税の公平化ということにしたわけでございます。  なお、こうした見直しの趣旨に照らせば、税負担の緩和のために基礎控除額の拡充といった議論が行われておりますけれども、これは我々としては適当ではないと考えております。  それから、消費税のことについてでございますけれども、今回、免税点の限度額を引き下げることにいたしました。これはいろいろな国民の御意見を聞いて我々も踏み切ったことでございまして、一千万円を限度にいたしました。けれども、この一千万円の限度額に適用されるという方は、事業者も相当数ございまして、我々は言わば零細業者に対する影響はそれほど大きくないのではないかと考えております。  結局、消費税は価格への転嫁を通じて最終的には消費者に負担をお願いするものでございまして、納税をしていただくということが原則でございます。小規模、零細な業者の納税事務の負担を軽減するという配慮をいたしまして、一千万円の限度を設定しておるわけでございます。  それから、価格表示でございますけれども、これにつきましてはいろいろ議論ございますけれども、分かりやすくする、消費者に分かりやすくするということでございまして、消費税が含まれておるのか含まれていないのか分からぬような状況でございまして、価格を見まして、後でレジへ持っていったら消費税ぽんと乗せられるということは、どうもこれは感情的に見ましても不愉快なことでございますので、したがいまして、消費税が含んでおるか含んでおらないかということはきちっといたすということが大事でございます。  したがいまして、消費税額やとか税抜きで価格を表明するということは妨げるものではございませんけれども、しかし、消費税はこうでございますということをきちっと一目で分かるようにしていただくというために表示を義務付けていくということにいたしたのでございまして、御理解をいただきたいと思っております。決して痛税感を薄めるためこういうことをするということではございませんで、納税をしていただくことと、それから消費者に対する言わば透明性を確保するという意味でやったものでございますので、御理解いただきたいと思います。  以上であります。(拍手)
  24. 倉田寛之

    ○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────
  25. 倉田寛之

    ○議長(倉田寛之君) この際、日程に追加して、  平成十五年度地方財政計画についての国務大臣の報告並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案についての提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 倉田寛之

    ○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。片山総務大臣。    〔国務大臣片山虎之助君登壇、拍手〕
  27. 片山虎之助

    国務大臣片山虎之助君) 平成十五年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。  まず、平成十五年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。  平成十五年度においては、極めて厳しい地方財政の現状等を踏まえ、歳出面においては、歳出全般にわたり徹底した見直しを行うことにより歳出総額の計画的な抑制に努める一方、個性と工夫に満ちた魅力ある都市と地方の形成、循環型社会の構築、地球環境問題への対応、少子高齢化対策など当面の重要政策課題に適切に対処し、歳入面においては、地方税負担の公平適正化の推進と地方交付税の所要額の確保を図ることを基本としております。  また、通常収支における地方財源不足見込額については、平成十三年度における制度改正を踏まえ、交付税特別会計における借入金を廃止し、国と地方が折半して補てんすることとし、国負担分については一般会計からの加算により、地方負担分については特例地方債の発行により補てんすることにより、地方財政の運営上支障が生じないよう措置するとともに、減税等に伴う影響額についても所要の財源を確保する措置を講ずることとしております。  以上の方針の下に、平成十五年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は八十六兆二千百七億円、前年度に比べ一兆三千五百五十九億円、一・五%の減となっております。  次に、地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  現下の経済財政状況等を踏まえつつ、持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制の構築に向けた改革の一環として、法人事業税への外形標準課税の導入、不動産取得税税率の引下げ、特別土地保有税の課税停止、新増設に係る事業所税の廃止、平成十五年度の固定資産税の評価替えに伴う土地に係る固定資産税及び都市計画税の税負担の調整、配当所得及び株式等譲渡所得に係る課税方式の見直し等を行うとともに、配偶者控除に上乗せして適用される部分の配偶者特別控除の廃止、地方のたばこ税の税率の引上げ等、所要の改正を一体として行うこととしております。  次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、平成十五年度分の地方交付税の総額につきましては、一般会計から交付税特別会計への繰入れ等により、十八兆六百九十三億円を確保することとしております。  また、単位費用の改定を行うほか、道府県の基準税率の引下げ、地方特例交付金の拡充等を行うこととしております。  以上が地方財政計画の概要及び地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。(拍手)     ─────────────
  28. 倉田寛之

    ○議長(倉田寛之君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。高橋千秋君。    〔高橋千秋君登壇、拍手〕
  29. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました平成十五年度地方財政計画、地方税法等改正案並びに地方交付税法等改正案について、関係大臣に質問をいたしたいと思います。  私は、このテーマで一昨年、昨年、そして今年の三年連続でこの場に立たせていただきました。最初の年は小泉さんが総理となる直前で、その後、小泉ブームが起こり、経済は厳しいものの、小泉さんに対する国民の期待は大きく、何か変わるのではないかという願望に満ちた雰囲気でありました。おかげで私の選挙は大変でございましたけれども。そして、昨年は、そう簡単に変わらないなあという中でも、まだ期待を残しておりました。  今年三年目を迎え、小泉総理は、原理主義者さながら、市場競争を唱え、いまだに国民に痛みを求め続けております。痛みは最初より更に痛くなったものの、地方は更に大変な状況になり、一向に明かりは見えず、あえぎ続けています。先日、株価は二十年ぶりに八千円を割ってしまいました。正に危機的な状況であります。  小泉総理は改革なくして成長なしと繰り返し、国民は日々方針なき構造改革に振り回されている一方で、連日報道される自民党と政治資金のスキャンダルの政治不信はますます募るばかりです。政治と金の問題こそが構造改革すべき核心ではないでしょうか。  小泉総理は評論家みたいなコメントを繰り返すばかりで、その結果が大島農水大臣の政治資金疑惑、そして坂井衆議院議員の逮捕であります。もはや政治資金規正法の抜本的改革は避けて通れないことは明白であります。小泉内閣の経済失策の下で、不況、リストラにあえぐ国民や地方の怒りは爆発しています。  現在、野党四党は公共工事事業受注企業からの政治献金禁止を盛り込んだ政治資金規正法改正案を衆議院に提出しています。これを速やかに成立させることこそ、政治献金の浄化に向けた第一歩と考えます。総理の政治資金制度を含めた政治改革に対する明確な方針を、本日は小泉総理がお見えにならないので、福田官房長官にお伺いをしたいと思います。  さて、地方の財政は正に非常事態です。平成十五年度の地方財源の不足は十七兆四千億円と、地方財政支出規模の何と二〇%にも及び、地方交付税総額とほぼ同額という恐るべき逼迫の状況になっています。  このような惨たんたる中で、来年度からは先行減税が予定されております。ところが、この中身をよく見ると、当初三年間は減税、しかしこれもほとんどが時限措置で、四年目以降は一兆円強の増税が続くことになっています。  そこで出てきたのが、塩川財務大臣もよく使っておられる、先ほど大塚議員も質問をいたしましたが、先行減税、多年度税収中立という奇妙な言葉であります。従来の税制改革で、税収中立とは単年度で見て増減税同額の制度改革を意味しておりました。しかし、今回出されている政府案は、税収中立とは到底言えないもので、実質的には増税であります。多年度税収中立など、単なる実質増税のカムフラージュではありませんか。  平成十六年度には年金制度改革を控え、高齢者に係る所得課税の優遇措置の縮小も検討課題になると言われています。  今回の先行減税なるものは、増税超過条件付の減税であることを率直にお認めいただくとともに、先行減税期間である平成十六年度以降も増税があり得るのかどうか、官房長官並びに財務大臣にお伺いいたします。私の質問項目はそんなにぎょうさんありませんので、きっちりと、いつもの総理のように、経済は生き物だからそのときにならないと分からないなどと逃げ出さずに、はっきりとお答えをいただきたいと思います。  地方においては、先行減税の地方財政への影響額は六千八百七十三億円と見込まれ、その補てん措置としては、地方税の減収は減税補てん債により、国税減税による地方交付税の減収は交付税特別会計借入金によることとされております。通常収支分については交付税特別会計借入を廃止したと言いながら、恒久的減税、そして国庫補助負担金の一般財源化の財源措置のため、交付税特別会計借入は打ち出の小づちのごとく使われております。また、減税補てん債は後年度の地方税の増収により、交付税特別会計借入金は後年度の地方交付税原資の増収により、それぞれ償還されることとしています。  しかし、地方税、国税とも大幅に減り続けているのに、増収するという確実な見込みがあるんでしょうか。これでは、償還のめどがないのに、ただ借換えをしますと言っているのと同じではありませんか。そもそも、交付税特別会計借入金の残高は平成十五年度末の見込みで四十八兆五千億円の巨額に達します。この償還をどうしていくんでしょうか。平成十六年度には停止中の償還も始まります。  交付税特別会計借入金の今後の償還方針について、総務大臣並びに財務大臣から明確な答弁をお願いいたしたいと思います。  さて、今回の地方税法等改正案には外形標準課税の導入が見込まれております。バブルの崩壊は地方税、それも法人事業税を直撃し、自主財源の乏しい地方公共団体は一層の税収減に悩まされてまいりました。外形標準課税の導入は、地方公共団体としては戦後のシャウプ勧告以来の悲願とも言え、地方に財源を移す地方分権のためにも必要だと思います。  しかしながら、改正案では対象法人を資本金一億円超と限定し、また、雇用に与える影響への配慮など、もっと慎重に十分検討すべきところが多く残されています。私の出身の三重県でも資本金が一億を超える企業の本社はほとんどありません。結局、都会には有利でも、一番大変な地方には増税のイメージだけで、地方にはほとんど恩恵がありません。また、これは平成十六年四月以降に開始する事業年度からのものなんです。  ところが、政府は、これだけ重要な改正を例年の年度改正と一体にして同じ法律案に盛り込み、年度末処理でいわゆる日切れ法案として一気に成立させようとしております。  悲願である改正ならば、審議時間も少ない中で駆け込み式で提出するのではなくて、もっと慎重な対応が必要です。こんな国民の目をごまかすような方法を取らなければならない理由があるんでしょうか。総務大臣の所見を伺いたいと思います。  あわせて、外形標準課税の導入に対しては、ドイツでは外形課税は廃止されました。企業あるいは雇用に与える影響に関する懸念から、平沼経済産業大臣はこれまで反対を続けてこられました。今回の改正案についてどう受け止めておられるのか、御所見を伺いたいと思います。  このような地方財政の現状を踏まえ、さらに本当の地方分権の実現のためにも、地方財政の抜本的改革、ひいては地方財源の充実が求められております。  片山総務大臣は、事あるごとに財源を地方に移していくと話されておりますし、片山試案なるものを出されました。また、政府としては、国庫補助負担金、税源移譲を含む税源配分の在り方、地方交付税を三位一体として、本年六月をめどに検討を進め、工程表を策定しております。しかし、平成十五年度の地方財政改革を見る限り、悲観的にならざるを得ません。  芽出しと称する制度改正の内容は国庫補助負担金の一般財源化二千三百四十四億円にすぎません。市町村道整備に係る国庫補助負担金の見直しに伴う財源措置は道路四公団民営化関連の波及措置です。  一般財源化の措置方法も問題です。財源措置は地方特例交付金と交付税特別会計借入金であり、地方は八分の一の負担とされています。この地方特例交付金の財源は、総理の公約である国債発行三十兆円枠を放棄して、赤字国債を増発するものです。  そして、交付税特別会計借入金は赤字地方債なんです。総務大臣は、これを新たな芽出しとして、今後も国庫補助負担金の見直しに伴う財源措置はこの手法で育てていくおつもりでしょうか。明確にお答えをいただきたいと思います。  国庫補助負担金の削減に伴う財源は税源移譲が大原則ではありませんか。こんな財源措置では、芽出しどころか、出掛かっている芽も引っ込んでしまいます。むしろ、新しい芽ではなく、伐採した木の根株から出てくるひこばえでしかありません。これは従来の制度の延長や焼き直しにすぎないんじゃないでしょうか。例年の地方財政対策とほとんど変わりません。  これを打破するのが三位一体じゃないでしょうか。財務省は財源を手放さず、総務省は地方交付税、地方特例交付金の拡充をもくろんでいて、どうやって改革していくんでしょうか。スローガンだけ立派でも、結果は三位一体の改革ではなく、八方ふさがりの改革で終わってしまいます。正に小泉改革そのものではありませんか。そして、正にこれまでの財政改革の繰り返しで、どこがどう改革なのか分かりません。もちろん、地方公共団体においても、ただ政府に期待だけをするのではなくて、行政改革を一段と進め、財政の効率化に努めなければならないのは言うまでもありません。  財務大臣並びに総務大臣から、八方ふさがりではなくて、三位一体に懸ける意気込みと明確な方針を伺いたいと思います。  分権の受皿にふさわしい体制整備のためには、市町村合併も選択肢の一つとして、住民の意思を尊重した上で検討が急がれています。しかしながら、政府の進める合併の施策は強制的な色彩が強く、地方からは大きな反発も出ており、また、箱物的な公共事業誘導策でもあります。  平成十年度以降行われている段階補正の見直しは小規模団体の予算編成を困難とし、留保財源率の見直しが市町村にも及んだ場合、小規模団体は合併をせざるを得ない状況に追い込まれています。  国と地方の役割の見直しも不透明なまま、そして都道府県、市町村を含む地方制度全体の在り方を時間を掛けて検討しないまま、受皿論だけが先行しています。地方交付税改革の美名に隠れて、小規模町村の生き残りを絶つような強制的な色彩の強い合併手法は避けるべきではありませんか。  段階補正及び留保財源率の今後の見直し予定について、総務大臣に伺いたいと思います。  また、合併特例法では各種の財政措置が取られていますが、これらは公共事業誘発型の誘導策であり、合併後の債務償還、施設の維持管理を念頭に置いた場合、安易な起債を助長するものではないでしょうか。もう既に実際に私の地元の方でもそのようなことが行われております。ましてや、現下の財政事情を考えるなら、現行の財政措置など保証の限りではありません。このような財政措置をいつまで続けるんでしょうか。  また、総務大臣はこの合併特例法は延長しないと言い続けてこられましたが、最近、延長もあり得るようなことを言われていると聞きますが、地方は何とか平成十七年までに合併をしなければ生き残れないとの言い方で合併を進めております。御所見を総務大臣に伺いたいと思います。  先週、私の地元の三重県鳥羽市で観光業に従事する若者たちと話をする機会がありました。彼らは、景気の落ち込みで観光客は大幅に落ち込み、一方で近隣のアジア諸国とも競争をしていかなければならない大変厳しい状況の中で、国や行政に頼らず、自分たちで努力を重ねて、なるべく多くの観光客に来てもらえるよう頑張っていますと熱く語っておりました。しかし、このまま政府が無策のままでスキャンダルばかりを重ねているなら、日本から独立してアメリカの一員になった方がましだ、このままでは若者はどんどん日本を捨てていってしまうとも嘆いてもおりました。実際そのようなことも起きております。  国は正にがけっ縁です。戦後、日本が経済だけでなく国そのもののリスクが生じるのは今回が初めてではないでしょうか。イラクの攻撃の問題、北朝鮮の問題、経済、教育など、すべての分野で日本は危機的な状況にある上に、繕い続けてきた財政手法はもう限界に達しています。その上、毎年恒例のように起きる自民党の政治スキャンダルで、国民は怒りを通り越してあきらめの境地まで陥っています。  このような非常事態から早く脱して、本当にすばらしい日本を私たちの子供たちに残すには、もう最後のチャンスなんです。そのためには政治資金制度改革、そして財政制度改革を勇気と決断を持って毅然として行っていくことを小泉総理に強く求めて、私の代表質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣片山虎之助君登壇、拍手〕
  30. 片山虎之助

    ○国務大臣(片山虎之助君) 高橋議員から七点の御質問がありました。  まず最初は、交付税特別会計借入金の償還についてどうかと。  お話しのように、四十八兆五千億の巨額に達しております。この償還は全部法律で書いているんです。きちっと規定をしておりまして、国の負担分が十六兆七千億でございますが、これは平成三十年度までに毎年返していくと。地方の負担分が三十一兆八千億ですが、これは三十八年度までの各年度で返していくと。国の場合には一般会計で調達してもらったものを交付税特別会計に入れてもらう、キャッシュを入れてもらうと。地方の場合には将来の交付税原資から返していくわけでありますが、毎年度の交付税は地方財政計画でしっかり確保していきますから、その点は、償還については、私、心配はないと思いますが、しかし、基本的にはやっぱり経済の活性化をやって税収を上げる努力、あるいは行政改革によって無駄を排する努力、あるいは地方への税源移譲等、総合的に検討していく必要があると考えております。  それから二点目は、外形標準課税の導入を年度改正と一緒に出したではないかと。  これは、全体の、一体としての税制改革の一つですから。これは、政府の税調でも与党の税調でもそういうことで御答申いただきましたので、一体として出させていただく、あるべき税制改革の一環として出させていただく、こういうわけでありまして、十六年度からの導入だといいましても、これは税金を出していただく皆さんの方も、あるいは受け取る課税庁の方も、一年ぐらいの準備期間が要るんですよ。電算のシステムを直すことだって必要なわけでありますので、今回の税法の中に一体として出させていただいたわけであります。今までも同じやり方でやっておりますので、是非御理解を賜りたいと思います。  それから、三位一体改革の芽出しということが不十分じゃないかと、こういうお話だったと思いますけれども、税源移譲を毎年度毎年度数千億ぐらいの国庫補助金の一般財源化で税制改正をやるということはなかなか難しい。我々としては、ある年度まとめて、何兆円規模になったらそこで税制改正、税源移譲ということをお願いすると、こういうことでございますので、それは取りあえずのつなぎとしては地方特例交付金と地方交付税の借入れしかないと、こういうように思っておりまして、そこで、これは財務省とよく相談しまして、半分は特例交付金、半分は交付税特会の借入れ、そのうち四分の三は国が責任を持つと。  そうしますと、全体の八分の一が地方と、こういうことになりますが、この八分の一は、先ほども言いましたが、毎年度の地方財政計画の策定を通じてその年度の交付税の総額は確保すると、こういうことでございますから、私は、全部国がある意味では責任を持った措置だと、こう考えておりますので、是非御理解を賜りたいと、こう思いますし、これは芽出しですから、芽出しでございますので、これを一つのルールとして、私どもはこれを踏まえて、毎年度これからこういう国庫補助負担金の整理合理化、一般財源化に伴う財政措置は検討してまいりたいと考えております。  それから、三位一体は本当にやれるのか、八方ふさがりではないかと。  そうじゃないんです。もう閣議決定を二度もやっているんです。しかも、年末の閣議了解では数兆円規模でやると、こういうことで政府の意思としては確定しておりますから、私どもはこれを是非そういうことで進めたいと。今年の夏ぐらいまでに改革工程表を含む全体像を明らかにしたいと、こう考えておりますが、まあ正直言いまして、総論賛成各論反対の方が多うございますので、これからは大仕事だと思いますけれども、是非、本当の地方分権のためにはこういう道筋を付けていくことが是非必要だと、こう思っておりますので、ひとつ与野党を超えて御理解と御協力をお願いいたしたいと、こういうふうに思っております。  それから、市町村合併についてでございますけれども、今回の市町村合併は、これは自主的な合併なんですよ、国の行政改革大綱にもあるように。今までの昭和の大合併や明治の大合併と比べてくださいよ。全部自主的に、たたき台は府県に作ってもらいましたが、それに基づいてやってもらっているんですよ。我々は、あくまでも今回は地方分権を進めるための合併ですから、自主的な合併を進めてまいりたいと、こういうふうに思っております。  合併をするところはいろいろお金が掛かりますから、合併特例債等は認めると、こういうことでございますが、私は箱物嫌いですから、もうできるだけ箱物は認めるなと言っているんです。生活インフラを中心に合併特例債を活用したらどうかと。しかし、どうしても新しい庁舎が要るとか、そういうものについては厳重に審査した上で認めていったらどうかと、こういうことをやっておりまして、地方の方ももうバブルのとき、バブル崩壊後で懲りているんですよ。妙な箱物を造ったらら大変だということはよく地方は分かっておりますので、私は地方の良識を期待いたしたいと、こういうふうに思っております。  それから、段階補正は、御承知のように、規模が小さい地方団体ほど行政経費が割増しになるということで、割り増しているんですよ。もう大昔に決めているものが何十年もたちましたので、今の実態を見て合理的なところに引き戻そうと。これは合併に関係ありません。十四年度から十六年度、三か年で一六、七%の合理化をやろうと、こういうことをやっているので、今まで小さいところは優遇され過ぎだという意見もあるんです。そういうことで、我々はきっちり調査した上でやっておりますので、是非これも御理解賜りたいと思いまして、都道府県の留保財源率を引き下げましたのはこういうことなんです。税収を一杯取れば交付税が減るんです。税収を取る努力、これがやや怠ることになるのではないかと。税収確保のインセンティブを何か制度的に与えるべきではないかと、こういう議論が一杯ありますので、それじゃ今の八〇を七五にしましょうと、こういうことにいたしたわけでありまして、これも合併には全く関係ございませんので、是非御理解を賜りたい。  それから、合併特例法の延長はいたしません。私は何度も本会議でも委員会でも言っておりますように、十七年三月までで合併延長、合併特例法はこれは打ち切ります。  ただ、私が言っているのは、合併の正式な意思決定をしたのに手続が遅れて十七年三月以降になっちゃうと、そういう場合に優遇を認めないのはそれは幾ら何でもかわいそうではないかと、こういう意見があるものですから、とにかく今の法律は、合併の完了しないと、十七年三月までに、優遇措置が受けられないと、こういうことなものですから、この手続がかなり掛かるんですよ。これは是非短縮しなければなりませんけれども、同時に正式な意思決定を、合併の意思決定をしたところは経過措置として優遇措置を十七年三月以降も認めると、こういうことで今検討しておりまして、いずれにせよ、まとまりましたら国会に出しますので、法律改正が要りますので、ひとつよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣福田康夫君登壇、拍手〕
  31. 福田康夫

    国務大臣福田康夫君) 高橋議員にお答えします。  まず、総理の政治改革に対する方針についてお尋ねがございました。  政治家に対する国民の信頼は議会制民主主義の根幹を成すものであります。したがって、政治活動を支える政治資金の在り方については、国民疑惑を招くことがないような仕組みを考えることが必要であります。  公共事業受注業者からの献金などについては、野党四党から既に改正法案国会に提出されている一方、自民党や与党内において現在検討が進められているところであり、今国会中に改善できるような措置を講じなければならないと考えております。  いずれにせよ、国民から信頼される政治を目指して、小泉内閣として努力してまいります。  次に、多年度税収中立の考えに立った先行減税についてお尋ねがございました。  今回の税制改正の影響を試算すれば、増収総額と減収総額がバランスした後は、形式上は増収総額の方が上回ることになります。他方、平成十六年度以降も各年度において税制改正が行われることは当然のことであります。したがって、将来の時点での増減収の姿は、こうした税制改正の効果やその時々の経済情勢にも大きく左右されるため、今回改正による後年度の増減収の効果を取り出して議論することは難しいものと考えます。  いずれにせよ、財政規律担保する観点から、一つの指針として多年度税収中立を目指したものでございます。  以上です。(拍手)    〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
  32. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 最初に、多年度税収中立の考え方につきましては、先ほど官房長官が基本的な考え方を説明いたしましたので重複は避けたいと思っておりますが、要するに、減税はいつでも賛成していただけるんですけれども、ちょっと増税となるとなかなか困難な事情がいろいろございますので、それでは財政のバランスが取れなくなってきて、一層の財政悪化を導いてまいりますので、この際に大幅な減税をすると同時に、またそれに見合った増税、増収対策も同時に並行してお認め願いたいという趣旨でございまして、多年度にわたる増減収のバランスを取ったということでございまして、当年度から見ましたら大幅に減税になってきておるということでございますので、御了承願いたいと存じます。  それから次に、交付税の問題が御質問ございました。  これは実に重大な問題でございまして、現在、御指摘のように、十五年度末で交付税の実態はどうなるかということでございますが、合わせまして四十八兆五千億円の借入残高が残ると。これは大変な金額でございまして、そのうち国が十六兆六千億円、地方が三十一兆八千億円、こういうことになります。これは十五年度末のことでございますから、こういうことになります。  これをどう償還するかということにつきまして、先ほど総務大臣の方から御説明ございましたように、国の方といたしましては、これは平成三十年度までに一般会計からの支出によって漸次償還していくことになっておりまして、地方は、地方負担につきましては、将来の交付税の原資の中から平成三十八年度までに償還するということになっております。  これを実施しようといたしますならば、大変な、持続可能な地方財政を実現していくことに対して大変な努力と御理解を得なきゃならぬと思っておりますけれども、これはどうしても償還をしていただかなければならぬと思っております。  それから、地方行政・財政の問題に関しまして三位一体論の議論があるが、これは掛け声だけじゃないかというお話でございました。  しかし、このことにつきましても、先ほど総務大臣からのお答えがございましたように、まず給付とそれから負担との関係を見直していただかなければならないのではないか。それは、具体的に申しますならば、シビルミニマムとナショナルミニマムのこの責任と負担、これをきちっとやっぱり見直していく必要があるのではないかと。  そして、さらに、行政改革を進める中の地方分権ということをやるといたしますならば、地方の受皿の行政能力の強化、先ほど御説明ございました合併強化ということもございますが、そういうものを併せた上において、財政の問題も同時並行的に解決しなきゃならぬ。  財政の解決につきましては、もう申すまでもございませんが、財源の移譲、これは地方分権、独立させていくんでございますから、それにふさわしい財源の付与をしなければ、これは地方は財政もちません。ですから、財源の移譲ということを行うことは当然でございましょう。それと国庫の負担、負担金というものは国からのものではなくして、地方の自立的な財源の中から捻出していただくということをしなきゃなりませんし、さらに、これに伴いまして、地方交付税がございますが、地方交付税は、現在、地方財政の財源保障の役割をしておるということ、そして同時に財源の調整の機能と二つ持っておりますが、我々といたしましては、もう地方の分権を進めて地方の自立を図っていく以上は、地方交付税におけるところの財源保障機能はこれはもう完全に見直していかなきゃならぬということでございます。  したがいまして、その三本の柱を、これを同時に解決していくということでございますが、まずはその前提として、先ほど申しました地方行政と国の行政との分担、そして行政のミニマムの見直しということを先行するということと併せてやっていきたいということでございます。(拍手)    〔国務大臣平沼赳夫君登壇、拍手〕
  33. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 高橋議員にお答えをさせていただきます。  外形標準課税に関しましては、御指摘のように、ここ数年来いろいろ議論をしてきたところであります。しかし、雇用に対する配慮でありますとか経済活動に対するいろいろな問題点を総合的に判断をいたしまして、そして、その対策がなされているというような観点で今回決定を見たところであります。  私どもの方から言わせていただきますと、一つは、外形基準の部分、これは法人事業税でありますけれども、小さくして四分の一にした、こういうことがございます。また、一億円以下の中小企業に対しましてはこれを課税対象外にする、こういう形で中小企業にとってはこれが負担にならない、こういうこともございました。また、賃金割合でございますとか、資本金が大きなそういう企業に対しても配慮がなされている、こういうことでございまして、私どもとしては妥当な決定であったと、このように思わせていただいております。  以上でございます。(拍手)
  34. 倉田寛之

    ○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十三分散会