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2002-03-20 第154回国会 参議院 経済産業委員会 3号 公式Web版

  1. 平成十四年三月二十日(水曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  三月二十日     辞任         補欠選任         荒木 清寛君     草川 昭三君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         保坂 三蔵君     理 事                 魚住 汎英君                 松田 岩夫君                 山崎  力君                 平田 健二君                 本田 良一君     委 員                 大島 慶久君                 加藤 紀文君                 倉田 寛之君                 小林  温君                 近藤  剛君                 関谷 勝嗣君                 直嶋 正行君                 藤原 正司君                 簗瀬  進君                 若林 秀樹君                 荒木 清寛君                 草川 昭三君                 松 あきら君                 緒方 靖夫君                 西山登紀子君                 広野ただし君    国務大臣        経済産業大臣   平沼 赳夫君    副大臣        経済産業副大臣  古屋 圭司君        経済産業副大臣  大島 慶久君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       松 あきら君    政府特別補佐人        公正取引委員会        委員長      根來 泰周君    事務局側        常任委員会専門        員        塩入 武三君    政府参考人        司法制度改革推        進本部事務局長  山崎  潮君        金融庁監督局長  高木 祥吉君        法務大臣官房審        議官       小池 信行君        法務大臣官房司        法法制部長    寺田 逸郎君        外務省経済局長 佐々江賢一郎君        財務大臣官房審        議官       石井 道遠君        財務省主計局次        長        牧野 治郎君        文部科学大臣官        房審議官     玉井日出夫君        文部科学大臣官        房審議官     坂田 東一君        文化庁長官官房        審議官      丸山 剛司君        経済産業大臣官        房商務流通審議        官        古田  肇君        経済産業省産業        技術環境局長   日下 一正君        資源エネルギー        庁電力・ガス事        業部長      迎  陽一君        特許庁長官    及川 耕造君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○平成十四年度一般会計予算(内閣提出、衆議院  送付)、平成十四年度特別会計予算(内閣提出  、衆議院送付)、平成十四年度政府関係機関予  算(内閣提出、衆議院送付)について  (総務省所管(公正取引委員会)、経済産業省  所管、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業  団信用保険部門)     ─────────────
  2. 保坂三蔵

    ○委員長(保坂三蔵君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  平成十四年度一般会計予算外二案の委嘱審査のため、本日の委員会に司法制度改革推進本部事務局長山崎潮君、金融庁監督局長高木祥吉君、法務大臣官房審議官小池信行君、法務大臣官房司法法制部長寺田逸郎君、外務省経済局長佐々江賢一郎君、財務大臣官房審議官石井道遠君、財務省主計局次長牧野治郎君、文部科学大臣官房審議官玉井日出夫君、文部科学大臣官房審議官坂田東一君、文化庁長官官房審議官丸山剛司君、経済産業大臣官房商務流通審議官古田肇君、経済産業省産業技術環境局長日下一正君及び特許庁長官及川耕造君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 保坂三蔵

    ○委員長(保坂三蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  4. 保坂三蔵

    ○委員長(保坂三蔵君) 昨日、予算委員会から、三月二十日の一日間、平成十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  平沼経済産業大臣から説明を求めます。平沼経済産業大臣。
  5. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) おはようございます。  我が国経済は、輸出や生産での下げ止まりの兆しといった明るい動きが一部に見られるものの、設備投資は大幅に減少を続けております。加えて、雇用面でも失業率が高水準で推移するなど依然として厳しい状況が続いており、今後更に米国経済の回復の度合いや我が国における所得・雇用環境などの下方リスク次第では、我が国経済の停滞が長期化するおそれもあります。  このような状況に対処し、一日も早く経済を民需中心の自律的な回復軌道に乗せるためには、昨年六月に決定されたいわゆる骨太の方針に沿った構造改革への取組を更に強力に推し進める必要があります。また、平成十三年度の第一次及び第二次補正予算を早急に執行するとともに、現在御審議いただいております平成十四年度予算に盛り込まれた諸施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。  経済産業省といたしましては、平成十四年度において、以下の六つの重点施策を中心に、全力を挙げてその遂行に取り組む所存であります。なお、具体的な予算額につきましては、一部重複して計上している部分があることをあらかじめ申し添えます。  平成十四年度の重点施策の第一の柱は、新市場・新産業の創出であります。現下の厳しい雇用情勢の中で、新たな雇用を生み出し、また、新市場・新産業の創出に結び付く技術開発を積極的に支援してまいります。  第一は、大学発ベンチャーの起業を促進するための支援であります。大学を拠点とした起業の三年間で一千社の実現を目標に、研究開発への支援、経営や知的財産対策への支援、人材育成などに対して、総額で二百五十九億円を計上しております。  第二に、競争的資金の大幅拡充であります。基礎から事業化に至る様々な研究段階での提案公募型研究助成を大幅に拡充することとしております。  第三は、我が国の産業競争力を強化し、経済の活性化を図るため、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料等の戦略分野に対する研究開発投資を抜本的に強化することであり、総額で三百五十二億円の予算を計上しております。  第四は、地域における科学技術の振興と新産業・雇用の創出でございますが、この中心が、いわゆる産業クラスター計画であります。地域経済の再生を図るため、地域経済を支え、世界に通用する新事業の展開につながる産業集積の形成を目標として、技術開発の支援、起業家育成施設の整備、産学官のネットワークの形成を三位一体として推進してまいります。  第二の柱は、IT社会への対応であります。  国民の一人一人がITのメリットを享受するとともに、ITの活用を通じた新規事業の創出と既存産業の効率化を達成するため、電子政府・公共分野の情報化、教育の情報化、情報セキュリティー対策、情報通信関連技術開発、電子商取引の推進等の各項目につきまして、所要の予算を計上しております。  第三の柱は、環境・リサイクル施策の推進であります。  環境問題への取組は、現下の最重要課題であるばかりでなく、今後の産業競争力のかぎともなるものであります。このため、循環型社会の構築を目指して、ごみゼロ化やエネルギー効率の更なる向上のための技術革新、環境産業の創出を加速させてまいります。  第四の柱は、活力ある中小企業の育成とセーフティーネットの整備であります。  新規開業の五年での倍増を目標に、各般にわたる創業支援策を強化するとともに、中小企業が潜在能力を生かして新しい成長分野へ進出するよう経営革新を支援してまいります。また、中小企業への資金供給を円滑化するため、信用保証協会等関係機関に対する支援を行うことにより、金融のセーフティーネットを整備してまいります。さらに、地域の町の顔である中心市街地の活性化対策をソフト、ハード両面で一体として推進してまいります。  第五の柱は、エネルギー対策の推進であります。  今後の環境・エネルギー対策においては、エネルギーの安定供給の確保や温室効果ガスの排出抑制等の地球環境問題への対応に目を配ることはもとより、こうした課題を新たな成長要因に転換していく経済社会システムを構築していくことが重要であります。このため、省エネルギーの推進、新エネルギーの一層の効果的な導入、安全に万全を期した原子力政策の推進、資源エネルギーの安定供給の確保等、各分野にわたる対策を着実に実施いたします。  第六の柱は、新たな活動主体の育成であります。  ボランティアなどの市民活動を経済社会における新たな活動主体として位置付け、町づくりや生涯学習、リサイクルなどの分野でその活動を支援するため、所要の予算を計上しております。  以上御説明をいたしました施策を中心に平成十四年度の経済産業政策を実施していくため、一般会計で総額九千九十二億円を計上しております。また、特別会計につきましては、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計に総額六千百九十五億円、電源開発促進対策特別会計に総額四千九百二十七億円を計上するなど、四つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しているところであります。  さらに、財政投融資計画につきましても、構造改革を断行するために、所要の措置を講じております。  なお、経済産業省の平成十四年度の予算及び財政投融資計画の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてありますので、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。  何とぞよろしく御審議のほどをお願いをいたします。
  6. 保坂三蔵

    ○委員長(保坂三蔵君) 次に、根來公正取引委員会委員長から説明を求めます。根來公正取引委員会委員長。
  7. 根來泰周

    ○政府特別補佐人(根來泰周君) 平成十四年度における公正取引委員会関係予算につきまして、その概略を御説明申し上げます。  総務省所管一般会計歳出予算のうち、公正取引委員会の予算額は、六十一億五千八百万円となっております。これは、前年度予算額に比べますと、総額で一億二千二百万円、二・〇%の増額となっております。うち、人件費は一億四千四百万円の増となっておりますが、この中には、違反事件の処理を担当する部門を中心とした四十名の増員のための経費等が含まれております。また、物件費は二千二百万円の減となっております。  以下、その内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の施行経費等として六十億四百万円を計上しております。  これは、違反事件の審査のための経費、経済実態や流通実態の調査及び対策を講ずるための経費など、独占禁止法を厳正に運用し、法運用の透明性を確保するとともに、規制改革の推進及び規制改革後の市場の公正な競争秩序の確保を図ることにより、競争政策を積極的に展開するための経費であります。  第二に、下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法の施行経費として七千七百万円を計上しております。  これは、下請法の厳正な運用と啓発・普及活動を積極的に行い、下請取引の適正化を推進するための経費であります。  第三に、不当景品類及び不当表示防止法の施行経費として七千七百万円を計上しております。  これは、景品表示行政を積極的に推進し、公正な競争を維持・促進することにより、消費者利益の保護を図るための経費であります。  以上、平成十四年度における公正取引委員会の予算につきまして、その概要を御説明申し上げました。  何とぞ御審議のほどよろしくお願いいたします。
  8. 保坂三蔵

    ○委員長(保坂三蔵君) 以上で説明の聴取は終わりました。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 近藤剛

    ○近藤剛君 ありがとうございます。  おはようございます。自由民主党の近藤剛でございます。  本日、平成十四年度経済産業省関係予算等の委嘱審査を開始するに当たりまして、まず平沼大臣の現下の日本経済に対する認識について御所見を賜りたいと存じております。  御承知のとおり、また大臣先ほどお述べになりましたとおり、確かにアメリカ経済底を打ったと、そしてまた今年の後半に向けましてかなり急カーブでの回復も可能だと、そのような強気の見方も支配的になってきているわけでございます。しかしながら、一方で設備投資は大幅に減少をしているのもまた事実でございまして、失業率、完全失業率は確かに減少、低下はしているわけでございますが、しかし失業者の絶対数はむしろ最近になりまして増加傾向にあるということでございます。  日本経済につきましては、一方で一昨年の十月がピークであったと。したがって、もう既に低下傾向を示してから十六か月目に入っているということもございます。そしてまた、昨年の後半から在庫調整もかなり進んできているということもございまして、循環的な意味でもう底を打ちつつあるのではないか、そのような見方も一方でされているわけであります。  しかしながら、御承知のとおり、現在、日本経済、デフレスパイラルに陥っているのかどうか、あるいは陥るその瀬戸際にあるのではないかと、そのような議論もなされているわけであります。  そのような中にありまして、これからの経済運営の姿勢といたしまして、平沼大臣からただいま御説明ございましたように、まず一日も早く経済を民需中心の自律的な回復軌道に乗せるためには、昨年六月に決定されたいわゆる骨太の方針に沿った構造改革への取組を更に強力に推し進める必要があるということでございます。私も全くそのとおりだろうと存じます。  しかしながら、現在、先ほどから申しておりますようにデフレスパイラルに陥る危険性が極めて高いこのような状況にあって、骨太の方針の中でその第一の施策として述べられております不良債権の抜本処理、この不良債権の抜本処理に関連して、今、このようなデフレ経済に陥る危険性がある時期に果たして本当にやっていいのかどうか、そういう議論があるのもまた事実でございます。私は、必ずしも現在デフレが進行しつつある、あるいはデフレスパイラルに陥る瀬戸際にある、このような時期に不良債権の処理の速度を緩めること、これは必ずしも私は正しいとは思いませんが、しかしながら、一方でそのような議論もあることは事実でございます。  このようなデフレと不良債権の処理に関連いたしまして、大臣としてどのようなお考えをお持ちなのか、現在の日本経済の現状についての認識と併せて御所見を賜りたいと存じます。
  10. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。  今、近藤委員が御指摘のように、日本の経済の現状というのはまだまだ厳しいものがあると思っています。おっしゃるように、設備投資の落ち込みは非常に厳しいものがございますし、失業率も、〇・二%データ的には改善されたとはいえ、非常に高い水準にあるわけでありまして、今、完全失業者が、自発的、非自発的を含めて三百四十万人を超える、こういうような状況であります。  ただ、先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、アメリカの経済の回復とIT関連を中心に在庫調整が進んでいる。また、企業もそれぞれいろいろな形で努力をして、来期辺りは収益性も期待をできるのではないか、こういうような、そういう雰囲気の中で、先般の月例経済報告も、それまでは三か月連続で更に悪化、更に悪化と、こういうことでございましたけれども、それが一服したという形で、ある意味では上方修正というような形に相なりました。しかし、私どもはこれは予断は許さない、こういうことに安住してはだめだと。そういう意味で、やるべきことはしっかりやっていかなきゃいけないと思っています。  不良債権の処理というのは、これは骨太の方針でおっしゃるとおり、第一義的に小泉内閣が取り組む課題でありまして、これは金融検査等の厳格化とタイムを区切ってこれを実行する、こういう形でやっております。これをやることによって、やはり企業に対するいわゆる金融機関がそういう健全な方向に行けば、ある意味では経済の隅々まで資金が行き渡って活力が出てくる、こういう形で、これは絶対やらなきゃいかぬと思います。  しかし、それだけでは私どもとしても不十分だと思っておりまして、やはり我々は中小企業をお預かりしている役所でもありますから、そういう一つの厳しい方向と同時に、やっぱり経済の隅々まで資金が行き渡る、そのためには、能力があってやる気のあり潜在力のある中小企業には、私どもとしてはやはりセーフティーネットをしっかりと張って、そして更に頑張っていただく、こういうことをやっていかなきゃいかぬと思っておりますし、また企業自体が新しくいい部分を伸ばして再生できるようなそういった仕組みも作らせていただいて、それも今稼働していると、こういうことでありまして、私どもは、不良債権の処理と同時にやはりやるべきことはやって、一方だけでこの厳しい絞り込みだけじゃなくて、やはり血の通うようなそういった政策もやらせていただかなきゃいかぬと。  それから、経済財政諮問会議で六月を目途ですけれども、やはり税制をやっぱりいろいろ見直して、そして経済の中に活力を与えていく、そういう税制の見直しも進んできているわけでありまして、私も経済財政諮問会議のメンバーとして、特に経済にわたる税制に関しては積極的にこれから発言をさせていただこう、こういうふうに思っています。  また同時に、この規制改革というものもやっぱり徹底的に行う。そういうことを総合的にやって、この厳しい経済状況、しかし若干、若干ですけれども曙光が見えてきた。そういう中で、やるべきことをしっかりやっていく、このことが私は必要だ、こういうふうに思っております。
  11. 近藤剛

    ○近藤剛君 ありがとうございました。  全く私も同感でございまして、是非そのような中小企業に対するセーフティーネットの拡充、そして新しい産業の創出あるいは需要創出に向けた税制あるいは規制改革、しっかりやっていただきたいな、そのように存じております。  話題を不良債権の処理の問題に戻しますが、不良債権の処理という言葉がある意味では独り歩きをしているのかなという感じも実は私しております。不良債権の処理ということの裏側にあるものは、今、不良債権化している、要するにもうかっていない企業、その再生が必要だという認識があるということだろうと私は認識しております。  したがいまして、不良債権の処理ということは、今、大臣がお話しになりましたように、厳しくそれは対処するという一面はございますが、しかし一方で、今経営不振に陥っている企業をいかにして再生させるのか、そしていかにして新しい分野にそれを導いていくのか、そしてその企業の更なる発展をこれから計画をしていくことができるのか、そういう課題があるのではないかと思います。  そういう意味では、不良債権の処理は単なる金融庁あるいは銀行の役割だと割り切ってしまうのは間違いなんだろうと思います。日本経済、そしてこの不良債権処理にかかわりまして、中小企業がまたいろいろな被害を受けるという事実もございます。そのような意味で、経済産業省の役割にもかなり重要なものがあるのではないかなと私は認識をしておりますが、これから、その今申し上げましたような企業再生に向けて、これはもう早い方がいいことは事実でございまして、御承知のとおり、産業再生法を適用するのか、あるいは会社更生法を適用するのがいいのか、いずれにいたしましても、今損を出している会社はできるだけ早く再建に向けた足掛かりをつかむべきだろうと思うわけであります。  そういう意味で、先ほど大臣がおっしゃられた、不良債権処理が迅速に着実にやっていく小泉政権の考え方、それを正に支持されるということでございますが、そのためにも、経済産業省が果たすべき役割、あるいはその分野も大きいかと存じます。そういう意味で、経済産業省の、これから不良債権処理あるいは企業の再生に向けて果たすべき役割をどのようなものと認識されておられるか、そしてそれを具体的にどのような時間軸で、どのようにやっていかれようとされておられるのか、お考えを聞かせていただきたいと存じます。
  12. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) その現下の厳しい経済状況の中で、やはりこの経営資源というものが有効に活用できていないということが言えると思います。資本でありますとかあるいは労働、技術、こういったことがうまく有機的に結び付いて、そして円滑にこれが機能していない、これが今、日本の経済の大きな問題点だと思っています。  そういう意味で、やはりこれからの経済再生に取り組む一つの大きなポイントは、いかに選択と集中を効率よくやっていくか、こういうことではないかと思っています。その中で、やはり企業が伸びる部門というものをやっぱり思い切って伸ばす。そして、時代にそぐわなかった部分というものは、これはこれである意味じゃ整理せざるを得ない。しかし、伸びる部分に着目をして、そこにインセンティブを与えて企業の活力を付けていく、こういう必要性から、平成十一年に今おっしゃった産業再生法、こういうものを導入させていただいて、そしてこのいわゆる経営資源の効率的な選択と集中、こういう形で実例も今出てきているわけであります。これはこれで今実績が上がっておりますから、これは更に伸ばしていくという方向であります。  これは、さらに大企業の産業再生法の利用が目立つという御指摘があるんですけれども、実際のデータ的には三割は中小企業に利用していただいている。ですから、その分野を更に伸ばしながら、私どもは、これはタイムはどうだということなんですけれども、毎日毎日そういう形で選択と集中の中で私どもはこの産業の再生を図っていくということが必要だと思っています。  それと同時に、やはり企業が力を付けるということは、やっぱりイノベーションというものが非常に大きいわけですね。ですから、大学なんかにそういう技術が蓄積されたままでいて、それが活用されていない。で、産官学、こういう連携を取って、そういうイノベーションに役立つような技術のシーズというものをやっぱり実際に植え付けて、水を掛けて、そして花を咲かせるようにしていかなきゃいけない。そういう形で産学官の連携、こういうことで、特にここは二つございまして、大学発のベンチャーというものも育てて、それが既存の企業と連携しながらお互いにレベルアップをしていく。そして、大学発ベンチャーというものをやっぱり五年以内に一千社作りながら全体をレベルアップする。それから、既存の中小企業を含めて、地域産業クラスター計画、私も先ほどの冒頭の説明でも申し上げましたけれども、こういった形でやはりこの地域の企業が持っているそういう潜在力というものをやっぱり総合的に引き出す、そういうこともやっていかなきゃいかぬということで、今、全国の十九か所で大学も百五十の大学が参画をしていただき、企業も全国合わせて三千社になっています。そういうこともやはり再生のためにやっていこう。これも私どもとしては、今の三千社が一万社になるといったら相当大きな力になる。そういうものも我々はできることだったら五年以内に達成していこう。  同時に、不良債権、その御指摘もありました。この経済産業省サイドでやる不良債権というのは、実際には私どもは、不良債権の処理というのは、そういう機能は持っておりません。しかし、不良債権を処理をしていくに当たっての側面的なそういうお手助けということはやっていかなきゃいけない。それは、やはり先ほど来言っているセーフティーネットを構築しながら、そういう厳しい不良債権の処理に伴って、例えば金融機関が破綻する、あるいは取引先が破綻する、さらにはBSEの問題等々いろいろあります。そういった中で、そういう能力があって潜在力があり、やる気のあるところがそういう連鎖に巻き込まれた場合には、やっぱり不良債権とかそういう債権処理の一環として起こる可能性がありますから、そのときのためのセーフティーネット、こういうことを構築すると同時に、やはり我々としては、この不良債権処理で中小企業が不当な扱いを受けないためにも、これは金融庁と連絡を取っておりまして、昨年の一月に当省と金融庁、それに国土交通省が入りまして、審議官クラスで定期的に会合を持って、やはり同じマニュアルでも中小企業に配慮したそういう処理、そういうことを十分考えてくれと、こういうことを言い続けてきていまして、これは今回の、御承知のとおり、いわゆる早急にやるべきデフレ対策の中にも、金融庁が特に中小企業に配慮したそういう検査と、そういうことも盛り込まれてまいりましたので、そういうことを含めて、いわゆる不良債権処理にも私どもは側面的にできることは応援をしなきゃいけない、こんなふうに思っております。
  13. 近藤剛

    ○近藤剛君 ありがとうございました。不良債権の処理に対する側面的な支援についてのお考えを承りました。  不良債権処理に当たりまして、そのような、今お話にありました側面的な処理に加えまして、企業が再生を図るためには、またその産業、その業界の中での合従連衡、あるいは業界を超えた、あるいは場合によっては国境を越えた業務提携あるいは資本提携、そのような動きもあろうかと思います。世界は正にそういう意味では非常にダイナミックに動いているわけでございまして、日本の産業界においてもそのダイナミズムが最近特に目立っているように思います。  そういう意味で、セーフティーネットの提供あるいは側面的な支援以上に、より攻撃的なあるべき産業の形に向けての、誘導していくといいますか、思い切った産業政策の発動の一環としてのまた役割が経済産業省にはあるのではないかな、そのように存ずるわけであります。  その点に関連いたしまして、最近、流通業界におきましては、一つは一部報道にもございますように、ダイエーの再建計画が報じられているわけでありますが、そのダイエーの再建計画の策定に当たって経済産業省が何らかの役割を果たしたというお話もございます。また最近、国境を越えた話では、西友とウォルマートとの提携が発表されているわけであります。  このような非常にダイナミズムが増している日本の企業再生あるいは産業の活性化に向けた動きに対して、経済産業省はどのような役割を果たすことができるのかどうか、お考えを伺いたいと存じます。  そしてまた、ダイエーのこの再建計画につきましては、必ずしもこの業界の中では今の再建計画は十分でないと。例えば、債権放棄の額にしましても随分と少ないのではないか、このままでは再建計画は十分に所期の計画どおり実行されることは難しいのではないか、そのような業界内での話もありますし、また海外の資本市場あるいは金融市場におきましても、日本の今回のダイエーの再建計画については単なる先送りではないのか、従来型の先送りの延長線にある処理ではないのかという批判もあるわけでございます。  このような国際的な批判もある中にあって、これからの日本の産業の再生の在り方、そして不良債権処理の枠内にあって経済産業省がこれから果たそうとされていかれる役割について、補足的にまたお考えがございましたらお聞かせを賜りたいと存じます。
  14. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 産業再生に関して具体例で幾つかお出しになられました。  基本的に、例えば具体例の中で、ダイエーの再建でございますとか西友とウォルマート、これの提携、これは基本的には民間同士が金融機関を間に入れて、そしてある意味の経済原則でやっていることでございまして、私どもがやはり大上段に振りかぶってこうしろああしろと、そういう立場にはないわけであります。  ですから、ダイエーに関しましては、新聞報道にも出ておりましたけれども、そういう再建計画で、それに基づいて産業再生法の申請が出てまいりました。ですから、それに対しては、我々としては、そういう産業再生のために準備をしている法律でございますから、そういう面で側面的に協力できることは協力をしていこう、こういうことでありまして、今、例えばダイエーの再建計画も十分ではない、そういうちまたに指摘があると、こういうことですけれども、これに関しては経済産業省としてそれが十分だとか十分でないというような、個人的な感想はありますけれども、それは役所としてはそういう立場にないということは御理解をいただきたいと思います。  また、そういう海外とのいろいろな連携というのは、このグローバライゼーションの現代にあって、私はこれからまだまだあることだと思っています。それもやはり民間が民間同士の一つの経済原則に基づいてやる。その中で私どもは、中小企業がやっぱりつぶれない、そして伸びていく、そういう観点でサポートできることは、これは全面的にサポートしていかなければならないと思います。  それから、産業再生を進めていくために、資金供給というものがやっぱり非常に不良債権の処理が進んでいる中で必要なわけであります。これはもうよく御承知のようにDIPファイナンスというのを用意がされておりまして、これが民間金融機関、なかなか今の状況の中で限界があると、こういう形でまだ利用件数が非常に少ないんですけれども、政府系金融機関でもそういったことを、DIPファイナンスというものをやって、やっぱり産業の再生のために役立てていただこうと。こういうことで、商工中金、中小企業金融公庫、それも業務の中に入れさせていただいてきめ細かく対応していくと、そういうシステムを作らせていただきました。  やはり、いわゆる産業再生というものに関しては、そういったDIPファイナンスとか産業再生法ですとか、そういったことを活用しながら私どもはやっぱりセーフティーネットを万全に張って、それから、やはりこういうお困りの方々に親身になって対応する相談窓口、専門家を用意して、そういう相談窓口できめ細かく対応すると、こういうことも非常に必要だと思っていますし、それから、さきの臨時国会で対応させていただきました、更に資金の供給というために、売り掛け債権をいわゆる骨子とした新たな保証システムを作らせていただくとか、そういった形できめ細かく対応していくということが今産業再生にとって必要だと。  それから、新たに産業再生を、起こしていくためには、やはり先ほどもちょっと触れましたけれども、そういった新しいインセンティブが与える分野というものをやっぱり役所として育てながら、そこを企業とうまく結び付けていって、そしてそこのポテンシャルを高めていくと、こういうことも私どもは併せてやっていかなきゃいけない、そんなふうに思っているところであります。
  15. 近藤剛

    ○近藤剛君 おっしゃるとおり、これからの不良債権の処理あるいは日本の産業の再生に向けて、そのようなきめ細かい前向きの施策が必要だろうと思います。  しかし、冒頭、大臣がおっしゃられましたように、日本の経済の再生のためには民需をいかにして拡大をしていくのか、これがポイントになろうかと思うわけであります。民需の拡大あるいは内需の拡大と言ってもよろしかろうと思いますが、その方策としては伝統的には三つほどの手法があると理解をしております。  一つは、財政の役割であります。そしてもう一つは、税制の役割があるんだろうと思います。そして三つ目が、規制の緩和あるいは撤廃を中心とした規制改革があろうかと思うわけであります。  まず、財政につきましては、残念ながら財政出動を大きく行うという環境にはないわけであります。その意味で、今回提案されております予算案の中身を見てみますと、かなりの組替えといいますか、歳出構造の組替えが行われているように見受けられます。その点につきまして、経済産業省におかれてもいろいろと工夫をされているようにこの予算案を拝見をいたしますと見受けるわけであります。  先ほどお話ございましたように、これからの伸びるであろう産業分野に向けた幾つかの先行的な布石をここに、予算案の限られた財源の中で組替えを行っているという形跡が見られるわけでございますが、その点につきまして、今回、先ほど幾つかの分野においての、六つの重点分野ですか、施策ということでお話承りましたが、この分野におきまして経済効果、どのくらいあると今考えておられるのか等につきまして、やや先ほど抽象的なお話でありましたので、具体的な面も含めましてお話を賜りたいと存じます。
  16. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) おっしゃったように、三つの分野、これが柱になっているということはもう私どもそのとおりだと思っています。そういう中で、三十兆の枠と、こういう限られた予算の中で、一次補正、二次補正、そして今御審議いただいている本予算、この中で特に重点分野でやらせていただいています。  その中で、経済産業省といたしましては、一つの柱は、やはり先ほど来議論をさせていただいている中小企業対策、これによって一次補正では一千四百億を計上させていただいて、特にセーフティーネットの保証と貸付け、ここを拡充すると、こういう形にさせていただきました。この経済効果というのは相当あると思いますけれども、実際に、じゃ、どういう形ということは今のところは明らかにはなりませんけれども、これをやることによって、やはり企業が収益性を持って、そして活動が活発になれば相当の大きな成果が期待できると思っています。  それからもう一つは、私どもとしてやらせていただいたのは、これも新規に起業、産業を立ち上げると、こういう形で法案を用意させていただいて、これはとにかく今、年間十八万社しか誕生しない、そういった新規の起業というものを五年以内にこれを倍増して少なくとも四十万社にしようと。そのためには開業資金というものを、いわゆる経営計画を主体として、そういう判断で貸出しをしようと。これですと、具体的にどうなるんだと。もし、捕らぬタヌキの皮算用ですけれども、年間四十万社が誕生して、ベンチャーを含んでいますから、一社平均五名雇用をすると、こういうことになれば二百万の雇用が創造され、これもそういう意味では経済的な効果というものが非常に大きなものがあると思います。  そして、この重点にやりましたことに関しては、例えば健康に対する、みんなが今非常に健康に不安を持っていますから、そういう伸びる分野に対して技術革新による医療、こういうことを予算の中には厚生労働省中心として入れています。そして、介護というものも入っているわけでありまして、そういったことをずっとこの重点の中でやってまいりますと、これは具体的に予測が出ているわけですけれども、例えば数字で申し上げますと、健康に対する不安解消、こういうことは二〇〇〇年には三・八兆ですけれども、ここにしっかりしたことをやれば二〇一〇年には十・七兆円になると。こういったことをいわゆる成長産業としてここをやっていかなきゃいけない。それから、介護というものがこれ、二〇〇〇年が六・三兆ですけれども、これも施設整備等をやることによって、これは十三兆円、二〇一〇年になる、こういうことであります。  当省関係なんかでは、例えばロボットによる家事負担の軽減というようなことでやっていきますと、二〇〇〇年はこれは全くゼロ兆円でございますけれども、二〇一〇年にはこういうイノベーションを起こしていくと四兆円になると、こういうことであります。  もう一つ言わせていただきますと、重点分野でIT、これを当省として出させていただいていますけれども、このIT分野というのも現在は二〇〇〇年ベースで五兆円の規模であります。人とのつながり、コミュニケーションの普及ということでこれが十一兆円になると、こういうようなことでありまして、私どもとしては、こういう重点分野というものに配慮をしながら限られた予算を使っていくと。  こういうことで、中小企業対策、それからIT、情報通信、それから新しいイノベーションの新技術、そういった、燃料電池だとかあるいはナノテクノロジー、そういったものを含めてやっていく、こういう形で我々としてはそういう重点的に配分をしてこの経済の活性化を図っていこうと、こういうことでやらせていただいていると思っています。
  17. 近藤剛

    ○近藤剛君 ありがとうございました。具体的なお話を伺いまして大変うれしく思います。  今お話しになりましたように、重点分野だけ、今数字だけお聞きいたしましても約二十兆円ぐらいの内需拡大効果があるわけでありまして、実に経済成長実質四%の効果があるということでございます。これだけの予算の組替えでこういう効果が起こるということでございまして、この点につきましてはもっとPRをされて、来年度の予算の策定に当たりましては、よりこの面、こういう前向きな面で実際の効果があるんだということを国民に説明をしながら、予算の重点配分が可能になるような、そのような環境を作っていただきたいなと思うわけであります。  次に、歳出面に加えまして税制面の役割、先ほど大臣もおっしゃいましたが、内需創出にかかわる効果は極めて大きいものがあるのではないかなと、そのように存じます。とりわけ急いで検討をしなければいけない分野といたしまして、証券税制がある、そしてまた土地関連税制もある、住宅関連税制もある、そしてまた相続税あるいは贈与税関連の税制改革の必要性も急がれると思うわけでございます。  そしてまた、ある意味ではこれは逆の話ではございますが、中小企業のこれから育成あるいは創業をこれからどんどん助成をしていかなければいけないと、そういう場面にあって、一方では外形標準課税導入の動きもあるわけであります。確かに地方財政、非常に苦しい場面に来ていることは理解できるわけでありますが、しかしこのような新しい税の導入を言う前に、地方自治体における更なる予算の組替え、今、大臣が御説明になりましたように、より効果的なものに予算を振り向けていく努力あるいは行政改革を通じた歳出削減の努力、そういうものが先行をすべきだと私は考えますが、基本的に外形標準課税も含めましたこれからの税制改革の方向性につきまして、お考えがございましたらお示しいただきたいと存じます。
  18. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 先ほども私、触れさせていただきましたけれども、やはりこれから税制改革というのは非常に重要なポイントだと思っています。そこで、経済財政諮問会議でも、六月までに税制を抜本的に検討して我が国の経済にインセンティブを与えなきゃいけない。おっしゃったように、そういう意味では、これから議論していく、あくまでもこれからでありますけれども、例えば投資促進税制でありますとか、承継税制を含んだ相続税の問題でありますとか、あるいは証券税制の全般にわたるそういう検討、そういったことも非常に必要なわけであります。  その中で、やはり外形標準課税、こういうのがありまして、これに関して一つの議論があります。ただ、経済産業省としての立場で言わせていただきますと、外形標準課税というのは、人的な部門に着目をして、そして人件費と絡みの中で徴収する一種の人頭税みたいな、そういう形態であります。  今、さなきだに非常に企業というものが非常に厳しい局面に、先ほど来の議論で浮き彫りになっておりますように、状況に置かれています。そういう中で、例えば、それを実施することによって、全体で見ますと逆に研究投資が、企業が減ってしまう、あるいは設備投資も意欲が減殺されてしまう、そういう面もあるわけでありまして、私どもとしては、ここは総合的に、もちろん議論はしていかなきゃいけませんけれども、総合的に判断をすべきだと、そう思っておりまして、やはり地方の分権だからそういう形というようなことは一概には言えない。やはり経済そして産業界の現状をよく見ながら、その産業の活力が維持されるかどうかというようなことも基準にして総合的に議論をすべきだと、そういう私どもは基本的な考え方を持っておりまして、経済財政諮問会議の中でももちろん私は議論に参画をしながらその辺は詰めていかなければならない問題だと、このように思っています。
  19. 近藤剛

    ○近藤剛君 おっしゃるとおりで、これから経済財政諮問会議を中心にこの議論が進むわけでありますが、是非、大臣には今おっしゃられた方針に沿って尽力を賜りたいと存じます。  そしてまた、需要創出の分野におきまして重要な役割を果たすと思われるのが、先ほど大臣おっしゃいました規制改革であろうかと思います。  この点につきまして、やるべきことは非常に多いわけであります。八〇年代から規制緩和あるいは撤廃が叫ばれてきているわけでございますが、なかなか思うように進捗をしていないというのが現実だろうと思います。そういう意味で、世界は大変大きなスピード、世界はこのスピード感を持って進んでいるわけでございまして、我が国もこの規制改革の面においてより検討を早め、スピーディーに実行をしていく姿勢が求められていると思います。  そういう意味で、経済産業省は政府の各官庁の中にあって先兵的な役割を果たしていただきたいと我々は考えているわけでございますが、この規制改革に向けての経済産業省のお考えあるいは意気込みというものを、先ほど大臣からお話ございましたが、多少具体性を持ってお示しをいただきたいと存じます。
  20. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 規制改革といいますのは、我が国経済社会の構造改革を進めまして、そして新しい産業を創出してそれを育成していく、今後の日本の経済の活力を高める面では避けて通れないところだと思っています。規制改革の推進につきましては、今まで原則として経済的規制は撤廃するんだ、それから社会的規制は必要最小限にしていこうと、そうした認識の中で金融、エネルギー、運輸、物流、こういった分野を中心に規制改革の努力が進められてまいりました。  私ども経済産業省でも、規制改革を含めて二百六十項目昨年列挙させていただいて、そして今ドッグイヤーと言われている非常に時のたつのが早い時代ですから、最初二百六十のうち半分は五年以内にやろうと。しかし、それじゃあれだからというので、その半分の百三十はとにかく全部三年以内にやってしまおうと。しかし、それでもあれですから、百三十のうちの百は一年以内にやろうという形で相当大胆にやってきたところでありまして、これからもますますやっていかなければならないと思っています。  しかしながら、じゃ、現在、民間の創意工夫が生かされて、規制改革によって、新しい市場の創出が行われているかというと、一生懸命努力をしていますけれどもまだまだ道半ばであると、こういうことでありまして、ここは私どもの計画どおりに本当に抜本的に進めていかなければならないそういった分野だと思っております。  今、御承知のように、政府には規制改革の、総合規制改革会議というのがございまして、医療と福祉といった社会的規制の分野を中心に、ここを重点に今審議が、検討が進められているところでありまして、私ども日本は世界に類例を見ないほど少子高齢化が進んでいます。そういう中で、介護の市場ですとか、女性が働くための環境整備、こういった保育の市場、こういったものをやっぱりインセンティブを与えて広げていかなきゃいけない、そういった形で今一生懸命やっています。  経済産業省といたしましては、やっぱり小泉内閣の基本方針が、民にできることはもう極力民に任せようと、こういうことでありますから、そういう民の活力を生かせる、それを阻害するような規制というものはやはり思い切って撤廃をしていく、こういう基本姿勢で私どもはやっていかなければならない、そういう基本的な考え方を持っておりますし、また先ほど申し上げましたように、大きな二百六十項目出させていただきましたけれども、それの達成も、そういう形で規制改革を含めて着実にやっていかなきゃいけない、こういうふうに思っています。
  21. 近藤剛

    ○近藤剛君 ありがとうございました。  正にこの小泉改革の中心的な考え方は、官から民へ、中央から地方へでございます。是非、今、大臣のお示しいただいたお考えに沿った規制改革の動き、更に加速をしていただきたいと、そのように存じます。  いろいろと今、この不良債権の問題あるいは内需拡大の問題等お話ししてまいりましたが、しかしよく考えてみますと、これら経済活動は日本国内では終結をしないわけであります。正に我々はグローバルな経済社会の中にあるわけでありまして、そういう意味で国際競争力というものが日本経済の再生にとって極めて重要な要素になってきたと、そのように思うわけであります。  国際競争力という視点でいいますと、何でもアメリカのまねをすればいいというわけではございませんが、八〇年代、アメリカでこの国際競争力強化に向けた努力が行われたことを我々は思い起こす必要があるのではないかなと思うわけであります。  御記憶にあろうかと思いますが、一九八三年には、当時はレーガン大統領、レーガン政権でございましたが、ヒューレット・パッカードのヤング社長をトップといたします競争力、産業競争力委員会というものが大統領直属の組織として設立をされまして、そして一九八五年に、大変有名にその後なりましたヤング・レポートが発表されているわけであります。このヤング・レポートの中に、今我々が正にこの場で議論をしてまいりました税制の問題あるいは規制改革の問題が取り上げられているわけでございますが、並行して取り上げられている重要な柱として、知的財産権の保護ということと、それから積極的な通商政策の発動ということが言われているわけであります。  知的財産権は、正にこれから日本経済の国際的な競争力を維持強化するためのかなめでございまして、そういう意味で我が国としても、我が国の政府としても重大な関心を持ってこの問題に対処していく必要があろうかと思います。具体的には、技術の開発あるいは知的財産権の侵害の国外における防止あるいは不幸にして紛争が起こった場合のその紛争の処理の在り方、我が国においてはまだまだ改善すべき点が多いわけでございます。  そしてまた、通商政策におきましては、世界の自由化の動きを更に加速をしていくという動きと同時並行的に、我が国の経済的な制度あるいは規制あるいは基準といったものを国際標準化していく、国際的な整合性を取っていくと。  これは、国際的な標準に日本の標準を合わせるということではなくて、日本の標準もある意味では国際的な基準として取り入れていく、その取り入れさせていく努力が必要になろうかと思うわけでありますが、このような点につきまして、知的財産権の保護、そして通商政策の積極的な発動に関連をして、最後に大臣のお考え、あるいは副大臣でも結構でございます、お考えをお示しいただきたいと存じます。
  22. 古屋圭司

    ○副大臣(古屋圭司君) お答えさせていただきたいと思います。  委員は、直近まで正しく通商政策を具現する最前線で御活躍をされておられましたので、今のこの状況というのは体で実感をされていると思います。  企業活動がグローバル化していく、名実ともにボーダーレス化になってきているわけでありまして、そういった観点からすると、我が国の通商政策がどうあるべきか、こういう視点に立ったときには、やはり国内の経済政策とそれから対外政策というのは言わば車の両輪である、表裏一体であるということが言えると思います。そういう意味では、国際的ビジネス環境の整備等に積極的かつ多層的にやはり取り組んでいく必要があるというふうに認識をいたしております。  そういった観点からすると、昨年十一月に平沼大臣がドーハに赴きまして、徹夜の交渉の末、WTOの新ラウンド立ち上げをしたわけでございますけれども、今後もこの国際的なルールづくりに対して積極的に我々が取り組んでいく必要があろうと思います。  また一方で、やはりアジアというものにも視点を置いていく必要があると思いますので、総理が提唱しております日本とASEANの経済連携構想、こういったものを早急に具体化をしていくという必要もあろうと思いますし、また委員がかねてから御指摘の二国間のFTA、こういったものの協定というものを戦略的に活用していくということも必要だと思っております。そういった観点から、やはり内外一体となった通商政策というのがこれから極めて重要であるというふうに私どもも考えております。  また、今御指摘をいただきました知的財産権の問題でございますけれども、これはもう数年来から重要性が指摘をされておりましたけれども、実は今日、三月二十日夕方から総理官邸におきまして知的財産権の戦略会議が行われます。そして、六月までにそのガイドラインを作り上げようということで取り組んでいるわけでありますけれども、これは単に海外の模造品対策、模造品に対してどういう対応をするかということにとどまらず、やはりその知財権をいかに戦略的に活用していくか、そしてその保護をどうやってグローバルな視点で確保していくか、そしてまた国内ではせっかくのすばらしい知財権というものが十二分に活用されていないという実態があります。そういったものをいかに効果的に、そして有機的に、そして早く活用していくか、そしてまたそういった知財権を確保するための手続の迅速化、こういったものが極めて重要でございまして、私どももこの知財権の問題というのは極めて重要な課題として取り組んでいきたいと思っております。
  23. 近藤剛

    ○近藤剛君 ありがとうございます。  日本経済再生に向けて、いろいろな分野でやるべきことは大変多いわけであります。その意味で、今、大臣始め経済産業省の皆様に対する期待は非常に大きいものがあると思います。皆様方のますますの御健闘を期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  24. 保坂三蔵

    ○委員長(保坂三蔵君) 携帯電話をお持ちの方は、マナーモードに切り替えてください。
  25. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。  製造業の中小企業振興の問題について、今日は質問させていただきます。  全国での物づくり産業、わけてもその分野での中小企業の衰退というのは、やはり日本の未来の衰退を予兆させると、そういったことが言われるほど深刻になっていると思います。東京大田区の地域経済振興について、私は具体的に大臣にお伺いしながら、同時に全国の問題提起ができたらと。あるいは、大臣からその問題についてどう対処されているのかということについての答弁をいただけたらと思っております。  大田区の中小機械金属加工業は、もうこれは言うまでもなく非常に高度な技術水準を持っているわけですね。新製品の開発、高度技術による加工・製造、大企業製品の設計など、それは文字どおり苗床機能と言われる、そういう機能を持ってこの間日本の産業に大きな貢献をしてきたと思います。  ところが、この間、産業空洞化あるいはまた長期の不況の影響から大変大きな、何といいますか、衰退が目に見える形でそれが進行しているというのが現状だと思います。したがって、それをどう支え、応援していくかということが政府にとっても非常に大きな課題だということを痛感しているわけですけれども、その点について、まず大局的な大臣のお考え、御所見をお伺いしたいと思います。
  26. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 委員御指摘のように、我が国の製造業というものが、賃金やコストの内外価格差等に対応して、最近特に中国を中心に進出、移転するケースが非常に多いわけであります。  直近の数字でも、例えばこの五年間に三〇%の企業が海外に進出、移転をする、こういう深刻な数字もありますし、一九九〇年にはその移転率というのが六%台だったんですが、直近ではこれが一四・五になっていると。ですから、日本の空洞化というのは、今御指摘のように非常に深刻なものがあると思っております。  特に、御指摘の大田区というのは、これは全国の中でも高度のそういう産業のいわゆる苗床のそういう技術集積が行われている非常に貴重なところでございまして、本当に残念なことですけれども、データ的に見ましても、例えば大田区では、事業者、事業の数が、事業所の数が、平成七年からずっと統計を取ってみますと約一二%低下をしている、それから従業員数も一三%の低下と、こういうことでございまして、この空洞化というものを私どもはとにかく歯止めを掛けなければならないと、こう思っています。  そのためには、やはり国としては積極的にいろんな形で対策を講じる必要があると思っておりまして、まずある意味では規制改革を通じた日本の高コスト構造、これはエネルギー、物流、あらゆる分野で高コストでございますから、これをやっぱり歯止めを掛けて、そして国内自体のそういう競争力を付けていくということは非常に必要なことだと思っています。  それから、そうやって一生懸命しっかりした技術を持って頑張っておられる中小企業、そういった零細企業を含めた方々に対しては、こういう厳しい中でやっぱり万全のセーフティーネットを構築して、そして側面的にお手助けをしなきゃいけない。そういう観点から、これはもう緒方委員もよく御承知だと思いますけれども、セーフティーネット対策も第一次補正予算の中で計上さしていただいて、拡充をさしていただくことにいたしました。  それからまた、開業・創業などのチャレンジを評価して促進する経済、これは先ほど来言っていますけれども、そういう形でやっぱり新しく基盤を整備して全体の競争力を高めていくと、こういうことも必要でございます。地域経済に関しては、これは、これも先ほど来言っておりますけれども、地域のいわゆる産業を有機的に伸ばしていくために地域産業クラスター計画、こういう形で今十九拠点でやっておりまして、東京関係では南多摩地区なんかが非常にいい状況に相なっておりまして、そういった形で、地域の産業というものもそういった形で伸ばしていくということが必要だと思います。  それから、製造業の高付加価値化を抜本的に拡充をする必要もございますので、企業や大学における実践的技術の開発の推進、こういったことも進めていくことが必要だと思っています。そういう意味で、特にそういう苗床になっているそういった企業に対しては、そういうポテンシャリティーを生かして、そしてそれが伸びていくような、そういうきめ細かい私どもは対策をさせていただかなければならないと思っています。  こういった産業の再編ですとかそういった対策に対しては、我々としては、とにかく産業競争力戦略会議というのを昨年の十一月から経済産業省の中に立ち上げまして、そしてそういった総合的な産業の活力を増す、そういった戦略を私どもでは立てております。そういったことも具体的に反映をさせていただいて、こういった問題に対処しなければならないと、このように思っています。
  27. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 大臣は非常に重要というふうに言われました。そして今、私の数え間違いがなければ五点にわたってそういう対策を打っていると言われました。しかし、この間、例えば私自身この大田の集積の問題について、ちょうど九九年の十一月にもかなり詳しい質問をさせていただきましたけれども、それ以降数えても起業者の倒産が増えている。それからまた、そこでの経営が一層困難になっているという事態があるわけですね。  それと、私、先ほど大臣の予算案についての説明を聞きながら、四つ目の柱に活力ある中小企業の育成というふうにおっしゃられましたけれども、こういう物づくりの産業というのは、中小企業というのは、この活力ある中小企業の育成の中に含まれているのかどうか、端的にお伺いしておきたいと思います。
  28. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) もちろん能力があり、潜在力があり、やる気があると、こういう中小企業は我々としては活力ある中小企業と、こういうふうに位置付けております。
  29. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私は、景気動向を知る上で、勉強する上で、大田区蒲田等に定期的に行って定点観測をするという、そうすると、半年後の景気が見事に分かるわけですね。経企庁、今は経企庁じゃありませんけれども、そこの観測よりははるかによく分かるという状況を経験してまいりました。  一昨年暮れはまだ景気は悪くないと言っておりましたよ、悪い中でもね。ところが、昨年の連休明けに行ったときには、もうどうしようもないと。もう機械の音が止まっているわけですよね、聞こえるのは閑古鳥だけと、そういう状況を経験いたしました。ですから、この対策、私いろんな要素があると思います。ですから、ここをどうやっていくのかというのが非常に考えどころですね。  昨年十二月に私、大臣のところに業者の皆さんとお伺いして、その実情について直接お話をして、そしてまた大臣は非常によく話を聞いていただいて、そしてこれから具体的にそういう大田の貴重さは認識しているから努力したい、そう言われましたし、また実態についても調査し対策を打っていきたいというふうにおっしゃられましたけれども、それ以降、その後どういう対応をされたのか。あるいは大臣自身、特にどんな御指示をされているのか、それについてもしありましたらお伺いしておきたいと思います。
  30. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) お越しになられてその直後に、やはり経済産業省、中小企業庁としても実態をとにかくよく把握をし、そしてきめ細かく対応をしなさいと、こういう指示は出しました。それに対して、それは今までも大田区に関しては役所としては、先ほど定点観測と、こうおっしゃられましたけれども、そういう形で自分たちは問題意識を持ってやっていると、こういうことで、そういう私は指示を出しております。ですから、それに基づいて今動いているんじゃないかと思っています。
  31. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私は、いろんな対応が必要になっていると思うんですね。今日は、その中でも先ほど大臣がおっしゃられた産業空洞化の問題ですね、このことについてちょっと述べてみたいと思うんですけれども。  実は、昨年の九月に現地で地域産業振興のシンポジウムが行われました。そこには文字どおり物づくりの最先端をやっている、ちょうどロケットのHⅡAってありますね、あの部品を作っているという大変高度な仕事を、製作所の社長が参加する、あるいは大田区の関係部長が参加する、そしてまた学者、そして私自身もそれにパネリストで参加いたしましたけれども、そこで結局、いろんな議論されたわけですけれども、結局、行き着く先は海外移転の問題なんですよ。親会社がどんどん移ってしまうと、それによって仕事がなくなると、そのスピードがどんどんどんどん進んでいると。大臣がおっしゃられたとおりだと思うんですね。ですから、これをどうするかということが今やはり最大の問題になっているという認識が一致して出されたわけですね。  ちょうど先週土曜日にNHKの特集番組見ていましたら、東京一部上場の八百社を対象にして調査が行われたと。そこで、回答をもらったうちの企業ですね、移転が完了したが一三%、これから移転を増やしていくというのが五六%、検討中が六%。したがって、合計すると七五%、これが移転推進になっているという、そういう数字でした。これはやはり私は大変深刻な事態だと思いますし、このまま進めば、放置すれば日本には物づくりのそういう基盤がなくなってしまう、そういう危機感すら感じたわけですね。  私は、ちょうど経済産業省から、この間行われた調査、いただきました。これも非常にリアルなんですよ。やはり海外移転の形態はどうか。調査した事業所、このほとんどがもう既に海外移転を進めたか、あるいは新増設という方向を打ち出している。それからまた、移転先を見ますと中国が四六%、アジアが八二%、これも実態に合っていると思うんですね。そしてまた、業種別でいいますと製造業がほとんどと。とすると、やはり海外移転、空洞化問題というのは正にこの物づくりに直結する問題になっているわけですね。  そういう中で、私一つ要望しておきたいのは、こういう調査があるわけですから、この分析ですね、そして対策。調査があって、その分析があって、対策が出る。そういう別に分けてステップを踏むわけではないわけですけれども、私、前に、旧通産省時代に、平成六年ですけれども、関東通商産業局が行った調査、これ非常にリアルな調査だと思って拝見いたしました。栃木、群馬、長野、新潟、大田区、そういうところでの調査を実施したと。そして、その中で、例えば大田区については「廃業が進み、これまで大田区の製造業の高い技術力を支えてきた中小零細企業の横の連携による仕事のやり取り──水平分業ネットワークが一部で崩壊の危機に瀕している。」、廃業や転出が進んだ結果、仕事を受けてきた職人がいなくなり、困った事態になっている、そういうことが書かれているわけですね。  私は、今の時点でやはりこういう、これに匹敵するような調査、これを行って、この調査で私は、数字がかなりリアルだと思いますけれども、内容的にも分析を行い、しかもその方向ですね、対策、これをしっかり打っていくことが非常に大事になっていると思うんですけれども、その点で、海外移転について大臣としてどういう対策を今の時点で打つと、それが必要かというお考えかということについてお伺いしておきたいと思います。
  32. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 経済産業省の直近のこのシフトに関するデータを御評価いただいたんですが、これはやはり定期的にやっておりまして、そういう中で分析をして、ここにはその詳しいコメントはございませんけれども、私どもの方ではちゃんとそういう分析はしております。  空洞化ということは、非常に先ほど申し上げたように深刻な問題だと我々は受け止めています。その中で、一つの大きな前提としては、このグローバル化のこの現代にあっては、やはりある意味では補完をしながら国際分業せざるを得ないというのはこれはもうある意味の前提だと思っています。その中で、私どもとしては、日本の競争力を高めながら、日本の経済を温存するためのそういう対策を打っていかなきゃいけない。  それは、一つは、例えば賃金を一つ比べますと、中国は一番乖離しているところは大体三十三分の一、私もあのNHKのテレビを見まして、そういうデータ。少ない、沿海部は七分の一とかそういうことですけれども、平均すれば二十分の一ぐらい安いわけであります。  ですから、そういう中で、ある意味としてはそういう一つの既成事実があると、それを前提としてとらまえて、日本はやっぱり産業技術の蓄積とポテンシャリティーがありますから、この九〇年代、ある意味ではサボっていたイノベーション、技術開発ということをやっぱり起こしていって、相対的な付加価値を高めて、極端に言うと、中国よりも一歩先に、一歩先にある、そういう産業というものを育成をするということは、私はこれ大きな目で見たらそのことがやっぱり一番必要なことだと思っています。  そういう中で、今やっておりますのは、技術開発をとにかく進めて、そして科学技術立国でという形で予算にも、小泉内閣では科学技術予算に傾斜配分をして、そこのところに重点を置く。また、国の中には総合科学技術会議というのを作って、そういうポテンシャリティーを引き出して、究極的にはそういう空洞化というものを防いで一歩先に行くという政策と、それから先ほどもちょっと触れましたけれども、日本の場合には非常にある意味では高コスト構造ということになっています。  もちろん、さっきの賃金の話をしましたけれども、賃金も非常に高い。それから、電気代なんかも中国に比べれば非常に高いコストです、一部自由化をして電力料金は下がってきましたけれども。そういう物流ですとか、そういったいわゆる高コスト構造を是正して、やっぱり日本にそういう企業がとどまるような環境を作っていくことが必要だと。そういう一連のことを私どもは大前提としてやっていかなきゃいけない。  その中で、今の直近の問題として、そういうポテンシャリティーのある、そういった今非常に苦しんでおられる中小企業に対しては、でき得る限り小まめに対応して、そして我々としては、潜在能力とやる気と能力のある、そういった中小企業にはセーフティーネットを張って頑張っていただくと、こういうことを私どもとしてはやっていかなければいけない。  そういう意味では、足下の問題と、中長期でそれを是正すること、そういうことを我々は模索していかなきゃいけませんし、さらにもう一つ、発想を転換しますと、これはこれからの議論になると思いますが、一つのアイデアで、例えば特区の制度なんというのも、例えば大田区とかそういうところに関してはそういう技術集積があるということであれば、そういった発想もこれから私は必要になってくるんじゃないか。  そういったポテンシャリティーのあるところを伸ばすための特別のそういうものを作っていくということも、今のあれじゃないですけれども、将来の視野に入れていくということも一つの考え方だと思っておりますし、そういう中で私どもは総合的にこの問題をやっていく必要があると、そんなふうに思っています。
  33. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 確かに長期的に見れば高付加価値化、これが大事ですし、それからまたコストを下げていく、その競争を付ける、それは当然のことですよね。同時に、海外に移転するという動機は低コストだけではなくて、やはり市場近くに工場を持つ、そういう発想も生まれているわけですよね。  ですから、そういうことも含めたときに、やはり対策として私は短期的な対策ということをちょっと述べたいんですけれども、一番業者の皆さんが聞きたがっている問題。今、大臣がいみじくも小まめに対応したい、やる気、能力のある企業、これを援助したいと言われました。みんなやる気があるんですよ、みんな頑張っていきたいんです。歯を食いしばって頑張っているわけですよね。  ですから、私はみんなそういう方だと思うんですけれども、例えばきめ細かい対応というのはどういう対応ですか。
  34. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) これはやっぱりきめ細かく対応しなきゃいかぬということで、私どもは、全国的に見ますと、一つは九つの地域にある経済産業局、これは雇用の問題もございますから、昨年の八月から厚生労働省とタイアップをしてきめ細かくやっています。  その一つのグループの中に、全国にある商工会連合会、さらには商工会議所、それから中小企業事業団、そういったもろもろのそういうところを作りまして、実は、後で具体的な数字を申し上げますけれども、そういう中で、例えば専門家もそこに含んで具体的にきめ細かく対応させていただく、また信用保証協会ですとか、政府系金融機関にもそういう窓口を作り、今言った商工会議所だとか商工会連合会と連携をしながら、例えば新しい売り掛け債権に着目した融資の問題でありますとか、あるいはセーフティーネットの保証の問題ですとか、あるいは特別保証制度のときの既往債務の支払状況の変更、そういったことに対しても対応して御相談に応じる、そういうシステムは作っております。  さらに、もう一つ言わせていただくと、今度、こういう厳しい中で支払条件を変更したら新しい融資が受けられないんじゃないか、こういう心配をされている方が中小企業者にたくさんいらっしゃる。そうじゃないんだと、こういう形で、そういうこともきめ細かく対応しなきゃいかぬ、そういう形で全国的なネットで対応させていただいている、そしてそういったものがそれぞれ地方自治体とも連携をしていると、こういう今システムはできております。
  35. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 移転が実際に行われて、そしてその後、残った中小企業はどうするのかと。倒産するのはどうかという、あるいは倒産したときにどうするのかという、そういう対策というのは今、大臣が言われた中に含まれていると思うんですけれども、やはり私は、そういう海外移転がどんどんどんどん放置していれば進んでいく、その流れをどうするのかという、それを短期的にどうするのか。  長期的には非常にはっきりしていると思うんですけれども、それをどうするのかということが非常に知恵の出しどころで、これは自由に活動している企業を強制的にストップするということはなかなか大変ですけれども、しかし、私自身、例えばヨーロッパにいたときに経験したことでは、やはりフランスでどんどん企業が外国へ行っちゃう、アフリカ、北アフリカへ行っちゃう、そのときにいろんな対応を取っているわけですね、資本主義国でも。ですから、私は、そういうことも含めて、どういうふうにしたら国の物づくりの基盤を保持できるのかという、やはり大胆な発想で考えていく必要があるのではないかということを痛感するんですね。  ですから、これは短期的な対策ということにならないかもしれませんけれども、私は、今のままでは、今、大臣がおっしゃられたきめ細かい対応を取られていてもこの流れは止まらないと思うんですよ。止めるためにどうするのかと、そういう問題を私提起しているんですけれども、是非そのことは今後も実態を踏まえた上で考えていただきたいと思います。私たちも考えていきたいと思うんですね。  それで、きめ細かい対応ということでいうと、例えば後継者問題ありますよ。こんな大変なときに後継者のことを地元では考えている。例えば、地元の工業高校の校長先生や先生たちが、どうやって地元で後継者を作っていくのかという、そういうことまでやっているわけですよね。これは自力でやっているわけです、ほぼ。ですから、私はそういう努力も是非大臣に見ていただきながら、そういう対応ですね。  私は、さらに、どうしたら海外移転、その流れを止める方向が打ち出せるのか。可能な法律あるいは法令を使いながら、あるいは行政の指導、そういったことを使いながら、それができるのか。今本当にそれは試されていると思うんですね。ですから、その点で、大臣の、何といいますか、今のままではもう止まるすべはないという現状を私は痛感しておりますので、そのことを申し上げておきたいと思います。  さらに、大田区でいいますと、今大きな問題になっているのは信用組合の破綻の問題なんですね。大栄と東京富士、この二つが破綻したことによって非常に大きな影響がもたらされているという問題があります。  大臣は、中小企業関係の金融問題では金融庁とも緊密に連携して申し入れる、あるいは対策を打つと、昨日、西山議員の質問に答えておられました。  私は、この破綻処理が地域の実情を無視して画一的に行われるとか、そういうことになったときにはそれが大変な事態になるということをこの間見てまいりました。  その点で、私一つお伺いしたいと思うのは、破綻した二つの信用組合の受皿に共立信用組合が決まったわけですけれども、この債権引継ぎについて中小企業と地域経済をしっかり守ることが求められていると思うんです。融資の返済については返済条件を維持できるようにするということが地元では切実な願いになっているわけですけれども、そういう点について大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
  36. 大島慶久

    ○副大臣(大島慶久君) これは緒方先生御案内のとおりかと思いますけれども、取引金融機関が突然破綻をしてしまう、それに伴いまして大変経営上の困難に直面する中小企業者に対しまして、一つには、政府系金融機関によるセーフネット貸付制度あるいは信用保証協会によるセーフティーネット保証制度を用いて、いわゆる連鎖倒産、こういったことは是非防いでいかなければいけない、こういう考えに基づきまして、今御指摘をいただきました大栄信用組合及び東京富士信用組合につきまして、具体的には以下述べるような対応策を講じているところでございます。  一つには、当該二信組の破綻が公表されましたのは昨年の十一月二日でございましたけれども、その十一月二日付けで各政府系の中小企業金融機関に対してあるいは保証協会に対しまして中小企業庁より特別相談窓口の設置を指示いたしまして、相談に乗るような準備をいたしました。そして、翌営業日である五日から、各機関の特別相談窓口におきまして、相談に訪れた当該二信組の融資先の中小企業者に対し、今、大臣もお答えになりましたように、できるだけきめ細かな対応をするようにという指導をしてまいっているところでございます。  また、政府系中小企業金融機関におきましては、セーフティーネット貸付けの一環でございます金融環境変化対応資金を始めといたしまして、当該二信組の破綻に関連して資金繰りに困難を来す中小企業者に対して資金繰りを支援する対策を講じているところでございます。  さらには、信用保証協会におきましても、当該二信組の融資先の中小企業の方々をセーフティーネット保証制度の対象として別枠で信用保証が受けられることとしておりまして、当該中小企業の資金繰りを支援しているところでございます。  これらの措置を持ちまして、大栄信用組合あるいは東京富士信用組合の融資先の中小企業者に対してその経営の安定を図るべく目下努めているところでございます。
  37. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 破綻した信金や信組から受皿金融機関への債権者引継ぎのルールがない、これが実は非常に大きな問題になっているわけですね。ですから、地域ばらばらですよ。  例えば、大田区の場合、今二つの信組から受皿の共立信用組合へ引き継がれる債権、先数で九〇%、金額で七〇%引き継がれる見通しなんですけれども、これは地元でうんと運動して、業者が運動したからそうなっているわけであって、ノンルールというところに私は非常に大きな問題を感じているわけですね。  その点で、私は大臣に、やはりこういう問題についてきちっと破綻処理における債権者の引継ぎのルール、これを作るべきだということを、これは所管が金融庁になると思いますので、やはり大臣として柳澤大臣にきちっと話して、そういうことを実現する方向に持っていっていく必要があると思うんですが、その点、お伺いしたいと思います。
  38. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、御指摘のように、この受皿に対して受皿金融機関が統一のルールでそういった支払条件等を引き継がないということは一つの大きな問題だと思っています。  したがいまして、私も、今おっしゃったようにそれは一つの大きな問題点だと思いますので、柳澤金融担当大臣にもそういったことを、私からも、中小企業非常にお困りですから、そういったことも考えてほしい、こういうことで申入れをさせていただきたいと思います。
  39. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私また、聞き取りの中で、信用保証協会、自治体が保証している、保証しても貸し渋る金融機関がある、これはもう大臣よく御存じですけれども、そういう点が多々あるということ、それを聞いてまいりました。  こういうことはあってはならないことですよね。
  40. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) そのように思います。
  41. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 その点で、私は、例えば大田区の信組破綻で今信用保証の基盤と真価が問われていると思うんですけれども、例えば東京都産業労働局や東京信用保証協会などが支援を拡充する必要があると思います。この点で、これはそれぞれがやることでありますけれども、しかし政府として、また大臣としてその点、具体的にどう対応されるのか伺っておきたいと思います。
  42. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) たしか三月六日の日だったと思いますけれども、全国の五十二の信用保証協会のトップに集まっていただきまして、こういう現下の厳しい情勢の中で特ににきめ細かく中小企業に対しては対応をしてほしい、私からそういうことを申入れをさせていただきました。  その中で、一つは売り掛け債権、これがまだずっと浸透していません。それで今、いろいろ浸透させるためにはもっともっとPRをするし、それから特約が付いておりまして、これを解除しないと大企業ですとか地方自治体ですとか中央官庁、そういうものが一つの制限を設けていますから、そういうものを解除する、そういうことに対して周知徹底をしてやるべきだと、こういうことの指示と、それから特別保証制度で既に既往債務を持っておられる方に対しては、やっぱりこういう状況だから非常に柔軟に対応してほしいと、それできめ細かくやってほしいと、こういうことを私は指示をさせていただいて、それを、皆さん方もそれを受けて行動してくれていると、こういうふうに思っています。  もう一点、先ほども触れましたけれども、条件変更したら新たな融資が受けられない、こういうことを皆さん思っておられるんです。そうじゃないと、ちゃんと支払をまじめにやって、そして能力と、そしてやる気があればそういったところには支払条件の条件変更しても新たな融資をを受けられる、そういうことも徹底してほしいと、こういうふうに指示をしたところであります。
  43. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 もう一つ、金融機関が中小企業のランク付けをして貸出し金利の引上げ、これをしようとする動きがあるわけですね。こういうことが広がっていくと、中小企業は資金力では元々不利な上に一層不利な条件があるわけですので、信用リスクの設定については、やはり私は適切な金利設定に向けて所管の金融庁とやはりこれまたきちっとした協議を進めていただいて、中小企業が不利にならない、そういうことが必要になっていると思いますけれども、その点お伺いします。
  44. 大島慶久

    ○副大臣(大島慶久君) 私の方からお答えを申し上げます。  経済産業省といたしましては、今年の一月から二月に掛けまして全国二十都道府県に中小企業庁の幹部を派遣いたしました。そして、地域の金融機関や中小企業に対するヒアリング等によりまして地域の金融機関の実態が一体どうなっているか、こういう調査を行ったところでございますが、その調査の中で分かってまいりますことは、一つには中小企業の資金繰りが全般的に極めて厳しくなっている、これはもう先生御指摘のとおりでございます。  この中で、一部の優良な中小企業と多数の状況の悪い中小企業との二極分化ということが進んでいるな、こういう報告が鮮明に出てまいりました。これを受けまして、金融機関によるいわゆる選別融資が激化をしております。業況の悪い企業に対しては反復融資の拒絶といったようなことも増加をしておる、先生が御心配いただいているのが正にそういった実態調査の中で浮き彫りになっているわけです。そしてさらには、中小企業の業況の差を反映して金利の差が生じているといった状況を把握をしてまいったところでございます。  金融機関側においても、経済情勢の低迷が続く中でございますから、業況の悪化した企業に対してはリスクに応じた金利を取らざるを得ないという事情があるということも現実問題であります。また一方、中小企業側においても、資金繰りが厳しくなる中、担保力も減少しておりますし、一定の金利を上乗せしてでもまだ借り受けたいと、こういうニーズもあることも実態調査の中で分かってきております。  ただ、現在のようなこういう厳しい金融経済状況の中でございますから、民間金融機関においても、短期的な収益性だけではなくて、貸出し先の企業の良しあしというものは、それだけでいいか悪いかという判断をするだけじゃなく、中長期的な業績改善や成長性を勘案しながら、当面の金利負担が過大となって、潜在力のある中小企業が現下の苦境の中から脱却するチャンスをつぶしてしまわないように適切な配慮をし、柔軟な対応を取ることも重要であるというふうに考えております。  いずれにいたしましても、経済産業省といたしましては、現下の厳しい経済状況の下でございます。大臣が度々御答弁の中で説明をされている、やる気と能力のある中小企業までが破綻に追い込まれないような、事態を極力回避していかなければいけない、信用保証協会や政府系金融機関によるセーフティーネット保証あるいは貸付制度の的確な運用により、セーフティーネットに一層の万全を期してまいりたい、こんなふうに思うところでございます。
  45. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 貸しはがし、これの是正も緊急課題だと思うんですね。これは、一月の経済財政諮問会議で大臣がその認識を示された、私も大変注目いたしました。  この問題について、本当に、設備投資や運転資金の返済について条件変更したら、銀行から新規融資受けられないとか、担保の目減りの穴埋めを要求されたとか、一括返済をほのめかされた、暗に歩積み預金を要求された等々いろんな声があるわけですね。もう大臣よく御存じだと思いますけれども。  やはり私は、この問題も、金融庁と連携しての是正、本当に業者は声を上げていると思うんですね、その点についてもお伺いしたいし、それからあといろいろお伺いしたいと思いますので、簡潔な答弁で結構ですが、端的にお願いいたします。
  46. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 貸しはがし、貸し渋りというのは非常に現実の問題で、経済財政諮問会議の私の発言のことを言ってくださいましたけれども、あのときはたしか日銀の総裁が、マネーサプライ十分にしているんだと、そういうことを強調されたから、ちょっと待ってほしいと、それは銀行までマネーサプライ、十分行っているかもしれないけれども、そこから下に下りていないというのが問題じゃないかという発言でありました。  ですから、そういう現状の中で、やっぱりそういう貸し渋り、貸しはがしということを何とかそれを防いで、そして我々としても手助けをしなきゃいかぬということで、実は三年間やった特別保証もそれでありますし、また、今いろいろな形でやっていることも事実で、私どもとしても、金融庁に対してそういったことがやっぱりないように、こういう今現下の厳しい情勢ですからよく連携を取ってやらせていただきたいなと思っています。
  47. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 今、金融庁は、債務者区分の判断の適用例の作成に向けて動いている、経済産業省も参加すると、そういうふうに伺っております。  大臣も御承知のように、イギリスやアメリカの信用組合、信用金庫の検査のように、自己資本比率とは別の観点がやはりどうしても必要になっていると思うんです。これは、もう本当にそういう声が上がっていますよ。具体的には、地域主義を確立するための観点として、重点地域を設定する。その中での預貸率や取引率を見る。あるいは、小口の多数者利用を促進することによって、共同組織金融機関の信用リスクをヘッジするために、融資上限額あるいは大口取引率及び小口多数取引率を指標にする。そういう地域金融機関の特性を突いた検査の観点、こういうことが必要になっていると私は痛感するんですね。  大臣自身、こういう問題についての認識と、そしてまた金融庁への提起、これは必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  48. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) ちょっと話はそれるかもしれませんが、私は、国際取引をしていない地方のいわゆる信金、信組、そういったところ、地方銀行の一部を含めて、私は、BIS規制を掛けたということは非常におかしい、それが手かせ足かせになってやっぱり非常に中小企業の皆さん方に大変な思いをさせているということは事実です。それはBIS規制を満たすために引き当てをしなきゃいかぬと、こういう話になります。  そこで、今おっしゃったように、やっぱり中小企業に対しては、マニュアル、原則のマニュアルをしゃくし定規に当てるということじゃなしに、今おっしゃったように、例えば当該企業の販売力ですとか成長性ですとか、あるいは代表者の収入ですとか資産状況、それからまた地域の中小企業というのは今まで相当それぞれ、西山先生も昨日例を出されましたけれども、七十、八十年、そういう歴史の中で地域と密着していますから、非常にそういうノウハウを持っているわけですね。ですから、そういったことをやっぱり勘案するということが必要で、私どもとしては、金融庁にもそういったことをマニュアルの中に入れてきめ細かく対応してほしい、こういうことをかねがねお願いをしておりまして、この前、御承知のように、早急にすべきデフレ対策、こういう対応策の中にこういう中小零細企業に対するマニュアルは作ると、こういうことに相なりまして、私どもとしては、こういう金融検査マニュアルの記載の趣旨というものが、零細企業の特性に配慮すべきマニュアルの、そういう検査マニュアルの趣旨がまだ必ずしも現場にまで徹底をしていない、こういうことがございますので、私どもとしては、とにかくこういったことを更に努力をさせていただかなきゃいけない、こう思っています。
  49. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 中小企業の皆さんは、政府系金融機関の民営化、その行く末に非常に大きな関心、もっと言えば懸念ですね、それを示されていると思うんですね。事実、中小企業に対する政策金融を担っている商工組合中央金庫、中小企業金融公庫、国民生活金融公庫、これらの役割、これが今の時点でもいかに大きいかということは私は非常にはっきりしていると思います。もう細かいこと申し上げません。  したがって、私は、民営化や廃止どころか、むしろそれを拡充する道、これが求められているというのが私の率直な気持ちですし、恐らくほとんどの中小企業者はそう考えていると思いますけれども、その点についての御所見をお伺いしておきたいと思います。
  50. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 政府系金融機関の見直しというものに関しましては、委員御承知のように、経済財政諮問会議で年内をめどに方向性を出すと、こういうことになっております。  私のところにも、大変、中小企業の皆様方が非常に今のこの時期にやっぱり政府系金融機関が頼りだからやっぱり存続をさせてほしい、こういう声がたくさんあるわけであります。今の私は現状を考えたときに、これから議論をしてまいりますけれども、そういうことを私は土台に置いて議論に参画していきたい、このように思っています。
  51. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 先ほど大臣は、きめ細かい対応を行っているという中に、例えばそういう中小企業の多いところでの窓口の設置、そういうことを言って、相談に乗っていると言われました。それは恐らく信用保証協会のそういう窓口のことだと思うんですね。  私は、こういう状況の下においては、例えば中小企業が密集しているところ、そこで悲鳴が上がっている、それはそう数は多くはないと思うんですけれども、私はそういうところで政府が直接乗り出して、つまり経済産業省が直接乗り出してそこで相談窓口を開設する、そしてそこでいろんな問題をつかむ。それは、大臣が先ほど言われている、何といいますか、定期的にきちっと調査して現状を把握している、実態はこうだという、手のひらに乗せていると言われた、それをもっと恒常的にやっていく保障になると同時に、実態をつかむだけじゃなくて、やはり実際に困っている方々を相談に乗って救う、そういう道を作ると思うんですね。  私は、今の時期はやはり役所として緊急の現地相談窓口設置する、このことをやはり大臣の決断によって進める、そのぐらいのことが求められていると思うんですけれども、それについていかがでしょうか。
  52. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) そのためにも全国九か所に経済産業局を置いて、担当が小まめに回らしていただいて、そういう実態を、把握を努め、また場合によっては御相談に応じる、そういうことで更に問題意識を持ってその職員がやるように私は指示をしたいと、こういうふうに思っています。
  53. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私が言っている意味は、やはり目に見えるように窓口をぼんと置くと。やはり大臣が熱意を込めてそれだけ中小企業を育成する、守るということを言われているわけですから、それを目に見える形で、それは地方局でいいわけですから、そこでそういう措置を取るという、そういうことはやはり私は役所としても、あるいは大臣としても熱意を示す非常に分かりやすい形になると思うんですね。  ですから、是非これは、今ここでこうするこうするということについての答弁は求めませんけれども、是非検討していただいて、やはりそういう相談に乗る窓口、これは緊急ということで、恒常的なものではなくていいと思います。やはり今のこの緊急事態に対してどう対応するかということについての問題提起なわけですから、是非、大臣としてこの問題について検討していただきたい、このことを求めておきたいと思います。  それからもう一つ、最後にこれはお聞きすることになると思いますけれども、やはり不払問題、それからまた契約なしの契約、これが横行している問題があります。  私、直接経営者に聞いたところ、例えば電機部品加工の単価は、去年の春ごろから半分以下、さらに今は四分の三以下。そうなると、これはやっただけ持ち出しですよね。あるいは、エンジン部品製造のある経営者は、一個三百六十円の見積りを出したけれども、向こうは、つまり親会社は一個七十九円の単価を出して強要してきた、そういう強要があったということを述べております。  これは毎年それぞれの法律に基づいて通達を出されているわけですけれども、依然こういう実態が絶えない。絶えないどころか、こういう不況下で大変な事態で、親会社の方は一層その単価の切下げを強めているという実態がある、そのことがはっきりしてきていると思うんですね。  ですから、私は、こうした問題に対してやはり、これまでもやっていると言われると思いますけれども、更にその指導徹底を強めていただきたいと思います。
  54. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 下請代金のそういう遅滞に関しては、法律をつくって対処して、公取と共同でやっているわけでありまして、そういう事例ということは、今非常に厳しい中ですから、更にそこはよく徹底したいと思っております。
  55. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 時間になりましたので、終わります。
  56. 保坂三蔵

    ○委員長(保坂三蔵君) よろしゅうございますか。  それでは、午後一時に再開することとし、休憩をいたします。    午前十一時五十四分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  57. 保坂三蔵

    ○委員長(保坂三蔵君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について御報告を申し上げます。  本日、荒木清寛君が委員を辞任され、その補欠として草川昭三君が選任されました。     ─────────────
  58. 保坂三蔵

    ○委員長(保坂三蔵君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成十四年度一般会計予算外二案の委嘱審査のため、本日の委員会に資源エネルギー庁電力・ガス事業部長迎陽一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 保坂三蔵

    ○委員長(保坂三蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  60. 保坂三蔵

    ○委員長(保坂三蔵君) 休憩前に引き続き、平成十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  61. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 百二十分という大変長大な時間を賜りまして、非常に有り難く、与えられた以上はたっぷりと使わせていただければと思っております。  ということで、いろいろ考えたんですが、第一部、第二部と二部構成にさせていただきまして、第一部の方では、最初から表題を言わせていただきたいと思います。政官業癒着の混合政体の解体こそ不況脱出のための最優先課題ではないかと。これを第一部では大臣その他の皆さんと議論をしながら質疑をさせていただきたい。  それから、第二部は、午前中にも同僚議員、与党議員の皆さんからも知的財産権戦略の重要性についての話がございました。実は、手前みそではございますけれども、今を去る二〇〇〇年の六月に、私ども民主党はこのように「はばたけ 知的冒険者たち」と、こういう民主党知的財産権の二十一世紀戦略というようなものを作りまして世に問うたわけでございますけれども、衆議院選の選挙直前に隠し球的に出そうと思って出したんですが、選挙自体に隠されてしまいまして、余りアピールはできていないんで、今日はこの私どもが既に二〇〇〇年六月に発表しております知的財産権の民主党戦略といいますか、先ほどヤング・レポートの話もございましたけれども、これは民主党版ヤング・レポートだと、我々このような決意を持って作った戦略のレポートでございます。それについてのかなり細部にわたる、またこの戦略は非常に国家全体にかかわる話でございまして、経済産業だけではなくて、例えば司法改革もあれば教育改革もあれば、そういう国政全般にわたる大変重大な問題だと思っておりますので、多少いろいろなところに球が散ってしまうかもしれませんけれども、御協力を賜れば有り難いと思っておるわけであります。  それでは、まず第一部を始めたいと思うんですが、不況脱出ができないその原因、やっぱりこれは、すべて対策を立てる際にはその原因の分析がしっかりとできていなければ、これは有効な対策が立てられないだろうと思います。バブルが崩壊をしてから十年間、私はこれは、一言で十年間と言っても、バブルの処理が終わったのは、実は九五年、九六年ごろには大体終わって、上向き掛けたのがいったん下がって、また上向いたのが小泉さんが来てまた下がったと、こういうふうに、十年の中でも前半と後半でいろいろな分析といいますか、その移り変わりについての原因が違うんではないのかなと思っておりますけれども、いずれにしても、現在まで大変不況の脱出ができていない。  非常に痛切なメールも私のところに飛び込んでまいりました。ちょっと冒頭でございますので御紹介をさせていただきたいと思いますけれども、今、私の手元にこのメールそのままで、これ読み上げるような形で恐縮でございますが、これは地元の、私もかつて青年会議所に入っておりまして、会議所時代の仲間からのメールであります。  頑張ってください。一昨日、関西の水産関係者が一人自殺しました。多分もう一人釣られていくはずです。なぜなら、昨日、本人が金策にやってきたのです。十五日の手形が落ちない、そういうことで金策にやってきた。私には助けることができませんでした。たかが四、五百万円で人が死ぬのです。市内の水産関係者も一昨日、金策に来ました。宇都宮市内の某銀行で融資が受けられなかったということでした。担保は四千万円以上の根抵当で、融資残高二千万円。根抵当を外せば別の銀行で融資が受けられるとのことでした。その銀行に対する増資は一体何のためだったのか。当社の顧客も宇都宮市内の信用金庫の返済をせがまれ、月内の再融資を条件に、返済、受皿信金の答えは、来月の十五日以降にならないと融資はできないとの答えだったそうです。そのため、支払を二か月待ってほしいとの連絡がありました。ダイエーなど大手の救済に使う金で何万人の自殺を止められるのか。元総理が人の命は地球より重いと言ったことがありましたが、今の総理はどう考えているのでしょうか。構造改革のために血を流すのは結構ですが、そのために何人の血が失われればよいのでしょうか。金融庁の査察におびえる銀行のために何社が倒産し、何人が死ねばよいのでしょうか。  こういうふうな大変悲痛な内容のメールでございます。  地域の経済、私は大変危殆に瀕しているのではないのかなと。非常な危機的な状況の中で、まず大臣に御質問させていただきたいのは、なぜこのように不況脱出が長くできずに、特にそのしわ寄せが地域にはますます押し寄せてまいっております。  私も栃木県選出でございます。御案内のとおりの某銀行が結構全国でも報道されておりましたし、また某信金が倒れました。実は私自身も、父親が創立をした信用組合、父親の後に私は代表職を継がせていただいて、しばらくの間、経営のトップにあったことがございます。その私の父の創立した信用組合も破綻をいたしました。  そういう状況の中で大変厳しいしわ寄せが地域にどんどん来ていると、こういう状況であるわけなんですが、その辺についての大臣の、まずお聞きしたいのは、なぜこのように長い間不況を脱出できずにいるのか、その原因をどういうふうに御認識をなさっているのか、聞かせていただきたいと思います。
  62. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。  大変厳しい経済状況でありまして、御指摘のように、長い間不況を脱出できずにいるわけであります。過去、この十年を見ましても、委員も御承知のように、数次にわたる財政出動も相当積極的にやりました。また、ある意味では金融緩和もやったわけですけれども、中長期的に見てこの不況を脱出することができなかった。  それは、構造的に申し上げますと、やはり一つは、今、小泉内閣が率先してやろうとしている不良債権の存在があったと思いますし、それから、これは日本全体の反省であると思いますけれども、この十年間、バブルで、やはり日本は物づくりが得意なわけですけれども、企業を含めてそういうイノベーションとかそういう努力がかつてに比べて少し足りなかった。ですから、企業部門の生産性というのが非常に低かったと。そういった供給構造サイドの問題、それが私は非常に大きい、こういうふうに一つは見ております。さらに、こういった供給側の要因に加えて、今ちょっと触れましたけれども、イノベーションの欠如による需要の萎縮というようなことも経済低迷の背景に私はあったと思っています。  需要というものを構成する大きな要因というのは、言うまでもなく、政府から支出するもののほかに企業の設備投資、それから今GDPの六〇%を占めている個人の消費、さらには、日本は特にそこは大きいと思いますけれども、貿易立国でございますので輸出と、こういうものがあるわけであります。  設備投資については、これは今の数値が如実に示しておりますように、直近の数値でもマイナス一二というような形で設備投資が非常に低調になっている。それから、先行き不透明だという形で、個人の消費を含めて消費というものが、これが若干は現状維持かプラスになっているけれども、長い間GDPの六〇%を占めているいわゆる消費というのが低迷をしている。それから輸出は、これもある意味じゃ象徴的ですけれども、空洞化に代表されるように海外への移転率が高まった。それにつれて、相変わらず貿易収支というのは黒字ですけれども、その貿易の収支の黒字幅が狭まってきている。こういった私はことが一つの要因、長引いたやっぱり不況から脱出できない要因です。  それから、先生御指摘のように、九六年ごろ、一時的にそれまでの財政出動等で、たしかあのころのアメリカのいわゆる成長率が一・五ぐらいのときに日本は三ぐらいのところまでちょっと回復した傾向がありました。そのときに、やはり絞り込むという形の政策、そういうこともございまして、九〇年代を通じて全般に不況が続いている状態、こういうことになっている。そういったところが私は背景としてあるんじゃないかと、こういうふうに思っております。
  63. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 今の大臣の御答弁を私は半分は了解するんですけれども、やはり経済産業省という、どちらかといいますと日本の経済あるいは産業を産業の側で見る見方がやっぱり御答弁の中にはしなくも私はにじみ出ているんではないのかと。すなわち、産業といいますか経済を、経済というのは需要と供給ですから、産業といえば供給側です。正にその供給側の競争力を高めれば何とかなるのではないのかなと。これも間違っていないし、力を込めてやらなければならないと思います。  しかし、それだけでは私は足らないんではないのかなと。やっぱり、こういう状況になりまして私もいろいろなエコノミストの本を読んでみますと、私の一番腑に落ちたのは、最近はやっぱりバランスシート不況という考え方でございまして、これは、言うならばこの不況が長く続いている原因というようなものを、供給サイドにその原因を重く見るというよりも、むしろ需要サイドの方に問題があると。なぜ需要が起こってこないのかと。  例えば、このバブル、これは日本だけじゃなくて、古くはオランダにも二百年ぐらい前にチューリップの投機というようなことであったわけです。もしかしたらアメリカの今の状況も、アメリカは気が付かないかもしれないけれどもバブルかもしれません。なぜあんなにアメリカの株価が高いのかと。これも一種の私はバブルなんではないのかなと思いますけれども。そのバブルがはじけた結果どうなったかと。分析によりますと、例えば、日本全体の地価の価格が、バブルの頂点のときを一〇〇%とすれば、今大体計算をすると、もう二〇%以下に落ちている。すなわち、土地の資産価値というのは八〇%以上下落をしたわけであります。  それから、身近なところではゴルフ場の会員権があります。ゴルフ場の会員権も、私は持っているものもありますけれども、これはおやじのを相続したやつなんですが、これは三千万円だったやつが今は三百万円をもう切っていますよ。二百万円でも買えると。だから、これはもう十分の一以上資産価値、劣化しているんですね。  こういう日本全体の不動産やらあるいは株式、株式も御案内のとおり、頂点にはもう四万になろうとしたんだけれども一万前後になって、これは四分の一になっちゃった。七五%の減価ですよ。こういう不動産、株式、その他の有価証券、いろんな資産をトータルすると、やっぱりバブルによって一千兆円以上の資産の劣化が起こった。正にそういう意味では、非常に言うならばバランスシートが大きく狂ってしまったと。借入れを起こして資産を買ったからといって、じゃ、資産価値が下がったから借入れの金額がそれと連動して落ちてくれれば楽ですよね。だけれども、千万円を借金して買った土地が百万円になったとしても、千万円の借金はそのままです。正にそういう意味では、借金はそのままの形で、だけれどもそれによって購入したいろいろな資産ががくっと落ちてしまっている。この一千兆円の差の中で需要が全然起こってこない、この部分を何とかする、これがやっぱり私は不況の原因と、あるいはそれに伴う不況に対する対策の最も大きなポイント。  正に、不況の原因は、供給側にあるんではなくて需要の側にこそ重くあると、こういうふうな認識が日本の政策の中にちょっと少な過ぎるんではないのかな。最近になって、それ、ようやく小泉さんも少しは出ているような感じがいたしますけれども、やっぱり供給サイド。供給サイドを何とかすればなくなるんじゃないのか、良くなるんじゃないのか、こういうふうな考え方が強いんじゃないのかなと、私はそういう感想を持つんですけれども、いかがでございましょうか。
  64. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 私もさっきの答弁の中で触れさせていただきましたけれども、やはり日本の個人金融資産というのが一千四百四十兆円あると言われています。そして、いわゆる個人消費というのはGDPの六〇%を占めている。ここが動いていないということは、やっぱり需要サイド、そこが非常に大きな問題があると、こういう私は同様の問題意識を持っているわけであります。  ですから、先ほど、そういう個人の消費が起こらないのはやっぱり先行きが不透明だ、こういうことを申し上げましたけれども、おっしゃるとおり、私はバブルというのはある意味では、オランダの例を出されましたけれども、資本主義に付き物の現象だと思うんですね。何か蓄積されたそういう富が、何か一つのきっかけがあると出口を求めてほとばしる奔流のようにそこへ向かって流れ込んでいくと。そうすると、その時点では非常に経済は沸きに沸くんですけれども、結局、実態的にはオランダのチューリップの球根会社がその実態だと。  日本の直近のバブルというのは、私はどうもある意味じゃ土地神話のバブルみたいな感じがある。あのころ、東京が、まともにみんな考えたんですけれども、世界の一大、世界の金融センターになるという、そういう触れ込みがあって、そして土地がどんどんどんどん上がりまして、マンションが足らない、オフィスが足らないという形で、たしかあのときは経済企画庁がそういう統計まで出して、結果的にはあおるようなことになった。だから、今は笑い話ですけれども、銀座の一等地の土地が坪十億になってだれも驚かなかったというような、そういう中で膨らみ切ってしまった。そこで、おっしゃるように資産がすべて目減りをして、それがバランスシートを非常に痛撃をして、そこがやはり改善されないと、私は、供給、そして需要、これを両々相まってやらなきゃいけない。ですから、御指摘は私はそのとおりだと思います。
  65. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 このような議論をしますと、何だ、亀井静香さんと同じじゃないかというようなことも言われそうなんです。私は、亀井さんの、公共投資を恐れてはならないといいますか、それをやらなければ駄目だというのは、半分は賛成します。民主党の中でもいろいろな考え方がありまして、それ自体を賛成できないという方もたくさんいらっしゃるんだけれども、私は、やっぱりそういう意味で、需要を喚起するためには果敢な財政出動、これはやっぱり最後の場面においては避けることはできないし、それしかないとむしろ思っております。  ただ、それをやろうとしたときに、日本はできないんですよ。あとの半分が私は問題だと思うんです。それは何かといえば、正に公共事業という形での財政出動をするという形になったときに、必ずそこに出てくるのがいわゆる宗男さんの問題ですよ。だから、先ほど申し上げたように、政官業癒着の混合政体、正にそういう中で財政出動をして公共投資、公共事業とかその他の社会保障も含めて、そういう公共投資をやろうとしたときに、必ずそのパイプが詰まってしまったり変なところに流れてしまったり、そして本当の意味での経済効果が出ていないような、そういう一種の動脈硬化といいますか、ある意味でその政策決定が脳であるとするならば、もう基本的な脳梗塞状態を起こしちゃっている。その部分を解きほぐさない限りは、本当の意味での改革、どんな手を打っても駄目なんじゃないのかなと、こういうふうに私は考えておりますので、それを一言申し添えさせていただきたいと思います。  そこで、小泉構造改革についての質問をさせていただきたいと思うんですが、私は、小泉さんの構造改革というのは、良い構造改革も悪い構造改革も、あるいは前向きの構造改革も後ろ向きの構造改革も、一緒に構造改革という袋の中に詰め込んじゃって国民の皆さんにアピールしようとしている、そういうことだから改革の方向性がなかなか見えてこない、そこが私は非常に問題だと思っております。  例えば、小泉さんの構造改革、四本の柱の中に、財政構造改革あるいは不良債権問題の処理というような問題が構造改革として入ってきております。しかし、財政構造改革で三十兆円という手かせ足かせが付いちゃっているような感じも私はしますけれども、むしろ財政構造改革を一番喜んでいるのは、これは財務省ですよ。財政中心主義ですよ。財政構造改革を構造改革の中に入れることによって、先ほどの供給と需要の話をさせていただきましたけれども、余計な財政出動をするなというようなことを、最初から手かせ足かせをはめて大蔵省好みの、財務省好みの構造改革に仕立て上げられてしまっているのじゃないのかなと。  これは、ある意味では、逆の見方をすれば、アメリカでは、景気対策ではもう、アメリカはもう金利政策だけでやれると思っている国なんですね。アメリカで景気対策といえば、金利とそれから財政と日本では二つ必ず出てくるんだけれども、アメリカは財政のことなんか考えない。公定歩合の上げ下げで、何とか経済を元気になったりあるいは元気過ぎるのをちょっと抑えたりということができると思っちゃっている。それを信じちゃっている人たちがやっぱり日本の政府の経済政策のやっぱり中心にいるんじゃないのかなと。そういう人たちの動きというようなものは、金融政策だけやっていれば、あるいは日銀だけいじめていれば経済政策はオーケーよと。一番喜ぶのはだれですか。財政至上主義の財務省ですよ。  正に、そういうふうに考えてみると、小泉さんが財政構造改革を改革の柱の中に入れたと。中身はいろんなことを言っているけれども、御答弁の中でも、そうじゃないよというような御答弁も来るかもしれませんけれども、基本的に言えば緊縮財政じゃないですか。構造改革じゃないですよ。また、別の見方をすれば、長い間のたまった公債を何とか処理をしたいという、これは財務省の論理です。それを構造改革の一つの重要な柱として、それを受け入れちゃって構造改革と称しているというところに、ある意味で、まず小泉構造改革が基本的にそのスタートライン間違っている、手かせ足かせを財務省からはめられちゃっていると、私はそういう印象を持つんですけれども、いかがですか。
  66. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 小泉構造改革の中に主要な柱として財政構造改革が入っていることは事実であります。  それは、やはり国の特例公債等のいわゆる累積の赤字というのが六百六十六兆の巨額に上っている。したがって、これが国の財政を圧迫し、例えば予算の中でも国債に対する利払い費というものが大変膨大なことになって、そして予算を組むに当たってもこれが非常に大きな足かせになっている。  それからもう一つは、やはり小泉首相の基本的な認識というのは、今、緊縮財政そのものではないかという御指摘でしたけれども、小泉首相は、予算委員会の答弁でよく言うことは、国の税収というのが今五十兆を切る、そういう状況の中で八十一兆の予算を組んでいる、そして国債もそれを補てんするために三十兆発行している、だからこれは緊縮ではないんだと。そういうことで、彼は不良債権の処理と、やはりこれ以上後世代にツケを残す、そういう不良債権、国としての借金を上積みをしてはならない、だから今それをやるんだという形で、不退転の決意で、今、小泉首相は頑張っていると思っています。  しかし、小泉総理も、やはり今のこの経済情勢の中で、どうしてもいろいろな危機的なそういう状況が来た場合には、自分としては大胆かつ柔軟に対応する用意があると、こういうことは言っておりまして、そういう中で、厳しい中でも、これは皆様方にもいろいろな面で御協力をいただいて、一次補正予算、二次補正予算、こういうのを組みながら苦しい中でやってきたと。  そういう意味で、一面から見れば、御指摘のように緊縮財政そのもので財務省オンリーだと、こういう見方をされる側もありますけれども、一面で見れば、小泉首相が言っているように、そういう厳しい状況の中で今ぎりぎりの選択として、ここは歯を食いしばってもやらなきゃならないんだ、こういう形でやっていると。  私も、閣内の一員として、そのことにやっぱり協力をし、厳しい中でも将来につなぐような、そういうことをやらなきゃいかぬと、そういうふうに思っているところでございます。
  67. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 次に、不良債権の処理、これもまた小泉構造改革の大きな柱になっているんですけれども、不良債権の処理が構造改革になるというのは、どうもよくよく考えてみると、それが構造改革なのかいというのはあるわけですよ。  まず、一つのポイントで言ってみれば、不良債権を処理せい処理せいと言っているのは海外ですよ。それで、日本の金融機関に対する格付の問題等もそれの背景にありまして、言うならば、外国向けにこの不良債権の処理をしていかなきゃならないのかなみたいなメッセージも私は込められているのかなというふうに考えますけれども、それでいきますと、その観点から見ると、外国が問題にしているのは、地方の小さな中小企業の不良債権じゃないんですよ。大きな巨大企業の不良債権問題なんですよ。ところが、巨大企業の不良債権問題の処理については、ダイエーの問題もいろんな見方あるだろうと思いますけれども、巨大不良債権については余り進まないで、微小不良債権だけどんどんどんどんやっている。微小不良債権の元締になっている地方の金融機関もどんどんつぶす、だけれども大きな銀行はもう大体ここら辺で打ち止めだと。  こういうふうなやり方をトータルで見るとどういうことかといいますと、外圧に対するアリバイづくりをやっているような感じじゃないんですか。そのアリバイづくりの犠牲に中小の金融機関をつぶし、その関連の中小の不良債権を処理をしています、一生懸命やっています、進んでいますと。しかし、実際のところ、トータルから見れば、そんなのは本当にもう小さな話なんですよ。  だから私は、そういう意味で、不良債権の問題というようなものがなぜ構造改革なのか。不良債権の問題が、小泉さんの言葉じゃありませんけれども、不良債権の処理なしでは景気回復はしないというふうに彼は言うんだけれども、景気回復にどういうふうに不良債権の処理がメカニズムとして結び付いていくのか。これは、衆議院でも、我が党の菅幹事長を始めほかの皆さんも一生懸命質問した部分ではありますけれども、納得のいく答えが一切返ってきていないんですよ。  先ほどの話じゃありませんけれども、不良債権の処理をする、バブルの処理は大体九六、七年ぐらいまでには大体終わっている。今の不良債権の問題というのは、景気全体が停滞している、そういう状況の中での不良債権ですから、不良債権の処理は別の不良債権を生むんですよ。不良債権の連鎖反応を皆さん作っているんですよ。ますますそういう意味では不良債権の処理を、特に地域、中小にそれを強制するという形には、地域経済の混乱を加速するだけであって景気回復には一切つながってこない、極端な言い方しますと。私はそういう疑問を持つんですけれども、いかがですか。
  68. 大島慶久

    ○副大臣(大島慶久君) 今、簗瀬先生の方から、不良債権処理が景気回復につながるメカニズム、どうなっているんだということでございます。なかなか難しい問題でして、先生がすっきりと了解いただくような御答弁ができないかもしれませんけれども、私から取りあえずお答えをさせていただきます。  金融機関が不良債権を大量に抱えた場合、引当金を含む不良債権処理コストがかさんでいくことはもう御案内のとおりでございますが、ですから新たな貸出しに消極的になることにより優良な企業に資金が行き渡らない、こういう問題が必ず起きてまいります。また、多額の不良債権を抱えていること自体が一つの不安要因とみなされて金融システムに対する信頼を損なっているという面があるということは、先生もこれは否定はされないだろうと思います。そして、不良債権問題は借り手である産業サイドからは債務が過剰な状況としてとらえられます。また、過剰な債務を抱えた企業は新たな資金供給を受けられません。そして、有望な投資機会があっても見過ごすということになりかねないわけでございますので、経済の活性化につながっていかないという問題がそこに当然出てまいります。さらには、不採算事業が市場から撤退していかないことにより企業や事業の新陳代謝が活性化していかないと、こういう問題もあるわけでございます。  不良債権処理を行ってこれらの問題を解決してまいりますことは、経済の動脈である金融システムの安定化あるいは健全化を図り、経済の構造改革を進展させるものであり、中長期的には我が国経済の回復、景気回復につながっていくものである、我々はメカニズムをそのように考えているところでございます。
  69. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 昨日も共産党の西山議員から、例えば中小企業関係の制度融資を幾ら充実をさせたとしても、この金融監督庁の検査マニュアル、これを変えない限りは実際は融資の充実なんということはあり得ないんですよと、こういうお話ありました。正に先ほど、冒頭、私の友人のメールを読ませていただきましたけれども、金融査察を恐れて貸してくれないと。金融検査庁というのはある意味ではもう金融機関にとってはもう本当の意味で独裁の恐怖の権力ですよ。  一昨日もTBSだったでしょうか、ニュースでやっておりましたけれども、破綻をするのは全部、去年破綻をした金融機関の破綻の決定をする理事会はみんな金曜日。で、金曜日が休日で重なったときに一件だけ木曜日になって、それからどうしても金曜日駄目だということで土曜日になったというのがあったけれども、たしか二十六件中二十四件が金曜日。で、一件が木曜日、一件が土曜日。  なぜこんなふうなことが行われるのかというと、もう一から十まで全部金融監督庁がもう手取り足取り正に破綻のマニュアルまで作っていただいて、全部コントロールしながらやっているんです。そういう状況の中で、この制度融資を幾ら経済産業省が中小企業対策と称して作ったとしても、最終的にそれを実行するのは金融機関ですよ。そして、その金融機関が下手なところに貸してしまって検査庁から何か言われたら大変だと。しかも、いわゆる引き当ての基準についての判断というようなものは、極めていろんなマニュアルを作ろうと、個々的な具体的なTPOに、全部それをカバーできるようなマニュアルというのは私は作れないと思いますね。  最終的にはそれは個々の検査官が判断をするんです。その検査官が判断をして、もし間違えた判断をしたときには上司からその検査官がしかられるんですよ。こういう基準だと絶対にどんなマニュアルを作ろうと、これは去年も魚住議員がオーバーキルじゃないかというふうなことで大変鋭い質問をなさったけれども、あのときに地域の実情に応じたいろいろな規定がありますよと、こういうふうな解説をなさっておりましたけれども、やっぱりそれは全部個々の検査官の裁量で行われるとするならば、検査官としては自分の身を守らなければならないから、不良債権の貸出し先を救ってやろうとか相手の金融機関を救ってやろうなんというそういう気持ちよりも、自分が上司に文句を言われないようなそういう決定をすると、こういうふうになるに決まっているじゃないですか。公務員の自己保存本能ですよ、それは。  だから、そういうやり方だとすると、マニュアルなんか幾ら作ったって僕は駄目だと思う。正に基本の部分を変えないと駄目だと私は思うんですけれども、いかがですか。
  70. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) まあ予算委員会を通じてそういう検査体制に関してのいろいろな御意見が出て、議論があったところであります。  中小企業、零細企業を預かる我が経済産業省といたしましては、一月から二月に掛けまして全国の二十五都道府県に幹部を派遣しまして、そして実態を調査をいたしました。その調査の結果は、やはり非常に厳しい状況がある。特に貸出し条件等で非常に厳しいものになっているし、また大変そういう検査という形によって大きな影響がある。さらには、中小企業に対しては今貸出しが二通りに分かれていて、数少ない、全体では三割を切るぐらいなところですけれども、そういった優良の中小企業に対してはどんどん借りてくれ借りてくれといって、ある意味では門前列をなすような感じ。で、七割以上の非常に今厳しいところに対しては、全く貸し渋り、極端に言えば貸しはがしという状況になっている。こういう実態です。  そういう実態を踏まえまして、私どもは金融庁に、やっぱり地方に根付いて、そして地方のそういう中小企業の実態を一番よく知っている中小の金融機関、それの検査に当たっては、ただ単に画一的なマニュアルではなしに、やっぱりその検査の基準というものを中小企業に対しては特に配慮してほしい、こういうことを再三申し上げてきました。  そこで、先ほどの御答弁にも私触れましたけれども、その中で、今回早急に対応するデフレ対応策というのを作りましたときに、金融庁の方も、中小零細企業に対してはいろいろなことを勘案して、そういった一つは金融検査立入り中の検査モニター、立入り後の意見具申制度、こういったものを拡充、充実をして対処をして、そしてさらにマニュアルの運用の具体的な運用例、そういったものを作成して公表すると、こういったところまで来ました。しかし、まだそれはあれですから、私どもも一生懸命今御指摘の点も踏まえて金融庁と連絡を密にしてやらなければならないと、こんなふうに今思っております。
  71. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 昨年来の同僚議員の議論を踏まえて、私は、経済産業大臣としてはできる範囲での大変な努力をしていただいているものと、その点は評価をさせていただきたいと思います。  しかし、お願いをしたいのはフォローアップをしていただきたい。マニュアルというようなものはやっぱりマニュアルなんですよ。システムは、先ほど言ったように公務員、特に検査をするというそういう責任を持たされた担当者の立場で言えば、甘い査定をしたことの責任は自分でしょわなきゃならないというのが、それが、やっぱり制度の根幹はやっぱり変わっていないんですね。そういう中で、自信を持ってここは引き当て率はこんなに高くなくていいんだと、これだけでいいんだというふうなことを言い切ったケースがどれくらいあるのか、是非お調べになっていただきたい。経済産業大臣がリーダーシップ取って作られたそのマニュアルが現実に本当に実行されて、どの程度の審査がそういう形で行われたのかという、そういうフォローアップをきちんとやってもらわない限り私は、それは徒労に終わってしまうおそれが強いと、是非そこはお願いしたいと思います。  そこで、先ほど栃木県の信金、信組のお話をさせていただきましたけれども、御案内のとおり、信金、信組というのは協同組合法という根拠法でできているんですね。ところが、BIS基準というのは、御案内のとおりの国際的なグローバルマネーを動かしているところの決済銀行の基準でしょう。だから、基本的な相互扶助の理念からできている信金、信組と、この自己資本比率によって言うならば資本の論理の中で外部的なチェックに頼るような、そういう基準として作られているBIS基準、これは理念が全然違うんですよ。そこをごったにして自己資本比率をもう上から下まで全部押し付けると。しかも、八%、四%、二%等の刻みを作ったからそれはそれでいいんだと、こういうふうな御答弁をもしするとしたら、私はそれも違うと思う。  一挙にこの自己資本比率の金融検査庁の基準でやられたときに、例えば宇都宮のあの信金の例でありますけれども、今までは不動産の鑑定の仕方について、宇信金では三つの土地の取引事例を平均値として出してそれによって担保評価の基準にしていると、こういうやり方をしている。ところが、金融監督庁はそれに乗り込んで、検査の結果、この担保評価のやり方おかしいと。その判断一つで途端に三十億円の欠損金が出るんですよ。判断一つで三十億円の赤字がぼんと出るんですよ。だから、そういう状況の中で、八%、四%、二%という自己資本比率の刻みなんかを作ったって、そんなのは一挙に飛んでしまうということを実感として分かっていただかなきゃならない。それが分かっていらっしゃるのかどうかですよ。  しかも、自己資本比率というようなものを作った結果、やろうと思っているところは一生懸命みんなから資本金集めるんですよ、まだ破綻をするかどうかぎりぎりのところでみんな勝負しますから。自己資本比率、出資お願いしますと、今までのお客さんとか言うんですよ。で、行くでしょう。で、十万や二十万の出資金をいただいて、あるいは株式会社や銀行なんかの場合は株式の出資金だけれども、そういうようなものを出して、結果として半年後に破綻という形になったりすると、言うならばもう、けが、傷口を自己資本比率によって余計に広げるという、そういう大変なマイナスをこの自己資本比率というのは作っているというのをお分かりですか。  だから、正にそういう意味では、この信金、信組という、こういうところにまで自己資本比率というようなものを当てはめるというこの考え方自体が私は間違っているんではないのかな。これ撤回するようなことを是非経済産業大臣として、マニュアルだけじゃなくて、もうBIS基準じゃなくて別の基準で地域の金融機関見ないと日本の地域経済死んじゃうよと、こういうふうな働き掛けをする御意思は、経済産業大臣、ありませんか。
  72. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 私、先ほど午前中の緒方先生との質疑の中でも、今御指摘のグローバルスタンダードという名の中で、いわゆる地方の信金、信組までそういうBIS規制を当てはめるということはやっぱりちょっとおかしいんではないかと、こういうことは私、言わしていただきました。  私は、今御指摘の点はそうだと思っています。したがいまして、やはり地域に根差して、そして地域のために機能していたそういった金融機関に対しては、やはり当然そういった考え方で私はいくべきだと、こういうことを私は思っているところでありまして、これは私が、管轄が違うわけでありますけれども、金融庁にもそういったことは問題意識として今までも言わしていただいておりますけれども、これからも、あくまでも金融庁の御判断ですけれども、私は中小企業、地方の経済を預かる身としては、私はそういう問題意識を持ってこれからも臨んでいきたいと思っています。
  73. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 追加質問で要求した部分は今のお答えである程度カバーできているんで、要望として申し上げたいんですけれども。  今、皆さん、テレビのコマーシャルを見ると、一番目立つコマーシャル、どの業界だと思いますか。(「ローン、貸金業」と呼ぶ者あり)貸金業、サラ金さんですよね。本当に元気ですよ。よっぽどもうかっているんでしょう。また、そのサラ金さんの背景には大きな銀行が付いているなんていう話もございます。私は、このままいきますと、地域はもう大銀行とサラ金しか、地域というか日本全体の金融はこの銀行とサラ金と、これしかないと、という形になってしまうんではないのかな。  やっぱり金融機関というのはいろんな要素を持っていますよね。大きく分けると、やっぱり皆さんから預金を預かって、それを貸出しして、ある意味で企業を育成するという、そういう本来の金融の業務ですよ。もう一つは、最近はそれによって特にアメリカの銀行は大変な利益を上げているから、そちらがむしろ世界決済というような形で主流になっちゃっているのは投機ですよ。金をグローバルマネーとして動かして、それで利益を上げている。この二つのタイプがあるわけですよ。  BIS基準というのは後者の、世界でグローバルマネーを動かして投機を中心にして金もうけしているという、そういう金融機関のための基準なんですよ、ある意味では。だから、こればっかりを日本の金融機関に持ち込んで、このまま日本の金融秩序あるいは金融のシステムというようなものをどういうふうに構想していくのか。特に、そういうしわ寄せというようなものが一番はっきりと出るのは地域ですから。  だから、是非ともお願いをしたいのは、その地域の金融モデルといいますか、あるいは日本全体のその金融モデル、特にこのままいけば銀行とサラ金の二つの金融機関しかないような状況になったときに、ユーザーの皆さんは大変迷惑を掛かると思うし、私は経済の活力は間違いなくなくなっちゃうだろうと。その部分をしっかりとやっぱり踏まえて、今後の大臣としてのいろんな立場での、高い立場での、所管大臣というよりももっと大きな閣僚の一員としての御発言を是非ともお願いをしたいと、このようにお願い申し上げます。  次に、二月二十七日にデフレ対策が発表されたわけでありますけれども、いわゆる小泉政権のデフレ対策、四つの柱があると。しかし、言うならば大半は金融政策ですよ。金融の安定化とか、先ほど言ったマニュアルの問題も入っていたにしても、あの中小企業の問題もあれも金融の問題ですよ。で、もう一つあるのは、株価ですよね。株式市場だけですよ。  あれもって何でデフレ対策になるんだと私は言いたいし、正に金融政策をやっていれば経済は良くなるという、言うならば、アメリカ的な伝統的なマネタリストが喜ぶような考え方がどうもあそこまでずっと影を落としているんではないのかなと思います。  私は是非とも大臣に御意見を聞かせていただきたいのは、いわゆるマネタリストの常識と日本は違う国になっちゃっているんだということなんですよ。  これは、いろんなところで皆さん御指摘なさるけれども、昨年の十一月四日に、日銀の調査部が「資金循環統計からみた我が国の金融構造」という、こういう調査報告書を出しています。それで、「一九九〇年代における金融構造の変化」という一項がありまして、そこで、「非金融法人企業部門は、九〇年代前半には旺盛な設備投資意欲を背景に大幅な資金不足となっていたが、九〇年代半ばにかけて、設備投資等の実物資産への投資抑制から資金不足幅が縮小し、九八年度以降は資金余剰主体に転じている。」と。資金余剰主体に転じているということなんです。  十年前にはGDPで一〇%、すなわち五十兆円も金融部門を除く企業はお金を借りていた。現在はどうなっているかというと、二十兆円の資金余剰の状態になっているという話です。十年前から比べると、五十兆円の資金不足が二十兆円の資金余剰になっているから七十兆円も、合わせて、企業部門は金を返して身軽になろうとしている。それが、言うならば、先ほど指摘したバランスシート不況の実態でもあるんですよ。そういう中で金融政策を幾らやったって、これはほとんど意味がないだろうと思う。  またもう一つ、アメリカのマネタリストなんかは、金利が下がればみんな預金は引き揚げて別の方に投資してくる、また、特に個人ですよね。ところが、日本の預金者というようなものは、というか、ある意味ではアジア的なものがここにあるのかなと思います。つらくなってくると、やっぱり二宮金次郎的な謙抑型のおしんの時代に戻って、何とか自助努力の中でという、そういう庶民の小さな努力の中で何とかやっていこうという、ある意味ではこれは本当にもう切ないぐらいの庶民の気持ちなんだけれども、それがアメリカなんかの感覚とは僕は全然違うんじゃないのかなと。  これをずっと、先ほどの資金循環統計にもありますけれども、個人の家計部門、九〇年代を通してほとんど変化はないんですよ。大体常にGDP比でいえば六から八%の資金余剰主体になっている。一%以下の金利しか付かない、でもやっぱり庶民はお金を銀行に預け続けている。これなんかも、いわゆるマネタリストと呼ばれている人たちの考えているのと全然逆なんですね。  こういう状況の中で、デフレ対策で金融政策過剰と。財務省は喜びますよ、日銀に対する圧力だけ掛けていればそれで済んじゃうから。自分はその陰に隠れて何にもしないでいいような顔をしていて、財政健全化だけ考えていればいいと。正にデフレ対策自体も、そういう財務省物見のデフレ対策になっているんじゃないんでしょうか。こういうやり方だと僕は全然駄目だと思う。  どうですか、この点についてのお考え。
  74. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 早急に取り組むべきデフレ対応策という形で、簗瀬委員御指摘のように、四つの柱でやらせていただきました。それはおっしゃるとおり、不良債権の処理を更に進めようということと、それから金融システムの安定化をしようということと、それから市場対策をしよう、特に株式市場に着目をして、そして我が方の中小企業対策、こういう四つの柱で、確かに金融面が強調されている、それは事実であります。小泉首相も言っておりますとおり、これは早急に取り組むべきそういう対策の第一弾であって、これから更にデフレ克服対策をやっていく、こういうことを明言しております。  その中で、今、予算を審議していただいているわけでありますけれども、経済財政諮問会議の中で、やはりこれから力点を置いて早急に結論を出していこうと。これは税制、いわゆる税制の改革、こういった形でインセンティブを与えるものはたくさんある、そういう中でひとつ議論をしていこうと。そういうことも今プログラムの中に入れて、少なくとも税制改正についてはこの六月には一つのめどを付けていこうと、こういうことであります。  したがって、早急に対応するという中は御指摘のとおりだと思いますけれども、これから更に広範な範囲で税制改正を含め、あるいは規制緩和を含め、我々としてはほかの面に対しても積極的にやっていかなければならない、こういうふうに思っております。
  75. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 さて最近、小泉さんの人気がひところほどの圧力を感じなくなったのか、いろんなところでいろんな人の小泉改革批判の論文等が出てまいりました。  最近、私、一番読んで面白かったのは大蔵省元財務官の榊原英資さんの「小泉骨太改革は破産した!」。破産したと書いてあります。これは面白かったですね。特に、言うならば日本の官僚のど真ん中にいた人が、日本の問題点、何でここまでやっても日本が良くならないのかというその究極の原因をパーティー・ビューロクラシー・コンプレックスにあると。パーティーというのは政党です。ビューロクラシーというのは官僚です。コンプレックスというのは癒着とか混合体とかという意味で、私は先ほど冒頭に言った、私の言った政官業癒着の混合政体、これとこのパーティー・ビューロクラシー・コンプレックスは同じだろうと、こういうふうに理解しますけれども、どんなにやっても駄目なのは、最終的な政官業癒着のコンプレックス、それに突き当たってしまう。  しかも、昨今で問題になっているのは、例えば外交について政府が言っているのと与党がやっているのと全然違ったり、与党の一部の方だろうと思いますけれども、二元外交だと。正にそういう意味ではパーティーなんですよ。実際に大臣はそこに大臣としていらっしゃるけれども、例えば大臣が自民党の中の商工族の皆さんと別な方向に動こうとすると、商工族の皆さんは恐らく立ち上がるだろうと思いますね。そこで、また抵抗勢力だ何だの議論がそこに出てくるのかもしれないけれども、最終的にはそういう意味での、大臣であっても与党のパーティーの方に支配をされてしまう。しかし、大臣がリーダーシップを取ろうと思うその方向とパーティーが違ったときなんかには物すごく混乱をして、結果として駄目になっちゃうなんというのも一つのパーティー・ビューロクラシー・コンプレックスの欠点ですよ。  だから、ここで榊原英資さんが何と言っているかというと、この経済の分野で、低生産性セクターで既得権益を維持したい企業や団体は、表現はちょっと違いますけれども、票と金ですよ、票と金で族議員に結び付き、規制や補助金の権限を持つ官庁と結び付くと指摘していて、不況から長年にわたって脱出できない原因を癒着による低生産性セクターの温存にあると断言しているんです。  先ほど冒頭に言いましたけれども、私は今の日本の危機を救うためには果敢な財政出動もこれは辞さずと、こういうふうに個人では思うけれども、しかしそれをやったときに大変なことが別に起きてくるなと思うのが正にこのパーティー・ビューロクラシー・コンプレックスなんですよ。鈴木宗男さん的な人がいろんなところに出てきて、本来は経済に直接効果を及ぼしていいようなものが別の方向にねじ曲げられていく、また一つの改革の方向性が完全に矛先が丸められたり、あるいは別な方向に向けられたりして、結果として改革がとんざしてしまう。  正にそういう意味では、この癒着による低生産性セクターの温存といいますか、日本の経済構造改革をここまで遅らせている最大の原因というのは長期政権下での政官業癒着の構造にあるんではないのかなと。その構造を変えない限りは、これは日本経済は良くならないぞと。もっとちょっと失礼な言い方かもしれませんけれども、与党の皆さんもいらっしゃるんだったら、この際、国民のために鈴木宗男さん的な方、加藤紘一さん的な方、上から下まで癒着の構造が非常に支配的だというようなものが自民党であるとするならば、国民のためにこれは構造を打破していただきたいんですよ。  構造を打破する最大の方法というのは、私は一つしかないと思うんです。それは政権の座を降りることですよ。私は、宗男さんと加藤紘一さんの問題があって、このような癒着の問題、恐らく心ある与党の皆さんだって相当心を痛めている部分もある。これを直すためには、もう率先して政権の座を降りて下野をした方が私は日本経済の立ち直りのためには最も有効なんではないのかなと、こういうふうに考えるんですけれども、大臣の御所見を伺って、第一部を終わりにしたいと思うんですけれども。
  76. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 私も榊原英資氏の論文は興味深く読ませていただきました。一つの側面を私は彼はついているなという感じで読ませていただいたわけです。  確かに、低成長部門、それを政官コンプレックスの癒着の中で温存をしてきた、こういう御指摘、それはある部門では今の現象を見ても当たっているわけでございますけれども、おしなべて言うと、自由民主党は、やはり国益の中に立ってまじめに努力している議員も、私も二十二年間議員をしておりますけれども、たくさんいるということも御理解をいただきたいと思います。  正に今、小泉首相というのは、いろんな批判を浴びておりますけれども、そういう先頭に立って、とにかくこの国の構造改革を進めようということで努力をしておりまして、確かに今いろんな問題がその中で噴出をしてきている、そして支持率も下がってきている。しかし、私も閣内にいる一員として言わせていただきますと、やっぱり昨年の四月に誕生して、そして四百五十のいわゆる構造改革というのを全部リストアップしてそれにずっと取り掛かってきました。そしてこれは、この七割はもうこれは動き出している、残りの三割も緒に就いている、こういう実績もあります。例えば、ブロードバンドという例を一つ取れば、去年の一月には正に一万八千の加入者しかいなかったのが、今二百万を超えている。  こういうやっぱり一つの規制緩和を進め、そして、あるいは必要なインフラを整備する、そういう形で進んできていることも事実でありまして、私は、一年になろうとしています。まだまだそういう目に見えない、そういう形が出ているという、そういう御批判もあるわけですけれども、もうこれを進めていけば必ず私は成果として国民の皆さん方の前にそういうものを提示できると、こういうことを信じておりまして、そういう意味でも、下野したらどうだと、こういう御指摘でありますけれども、やはりこの中でもう一踏ん張り、二踏ん張りさせていただきたい。  それは、サッチャーさんだって結果が出るのには五年を過ぎておりましたし、レーガンさんのときでもレーガノミックスが結論が出たのは、果実を刈り取れたのは、あえて言わせていただくとクリントンの時代であったというようなこともありますので、もう少し小泉さんにひとつ是非力をかし御協力をいただいてやらせていただければと、こういうふうに思っています。
  77. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 それでは、話題を変えまして、先ほど与党議員の質問の中にもございましたが、知的財産戦略についての質問をさせていただきたいと思います。  今、一時間にわたって私どもも今の日本の厳しい状況についての議論をさせていただきました。実は、一九八〇年代のアメリカ、先ほども触れられておりましたけれども、大変な危機感に、ある意味では日本以上の危機感をアメリカは持っていたかもしれない。アメリカは、やっぱりトップランナーとしてずっと世界を引っ張ってきたという自信がある、そこの自信が見事に打ち砕かれようとした。日本の製造業を中心にした輸出攻勢に遭いまして、例えば、自ら作り出してこれからの世界はこれで牛耳ろうと思っていた半導体が、一九八五年ではたしか日本のシェアは五六%に達していたと思います。もうアメリカの製造業は見る影もなかったと。  今、テレビコマーシャルで有名な、「インテル入ってる」という、そういう会社が実は一九八六年には倒産の危機に瀕していた。その一九八七、八年掛かってようやく半導体を切って、あれは集積回路の方に方針を転換を、マイクロプロセッサーの方に方針を転換してからようやくインテルは今のあのスタートに立っているなんて、こういうふうな話もあったわけですよ。この一九八〇年代のアメリカのもうすべての製造業は日本の企業につぶされてしまうんじゃないのか、こういうふうな危機感を持っていたアメリカが必死になって何を考えていたのかということをやっぱり我々はしっかりと学ぶべきであろうと。  先ほど御紹介ございましたので、ヤング・レポート、ちょうど一九八〇年代のど真ん中の一九八五年にヤング・レポートが出ておりますけれども、例えば、一九八一年には特許商標庁の権限強化というようなことをやっております。また一九八二年には、アメリカの特許訴訟が非常に区々にわたって判例が違ったりするということではならないということで、一審は連邦地方裁判所が受けるんですけれども、控訴審は一つの連邦巡回控訴審裁判所といったところにこの特許関係の訴訟の上訴審を専属的に管轄させる、こういうことをやったのは一九八二年です。これは司法改革。先ほどの特許商標庁の改革というのは、これは行政改革ですよね。それから特許法の改正、例えば存続期間を延長したり再審査制度を導入したりと、これらはもう一九八〇年にやっている。それから、政府委託の研究開発結果の大学、民間移転、これをバイ・ドール法という、二人の、バイさんとドールさんという上院議員が出したバイ・ドール法という法律ができたのが一九八〇年。こういう一連の、これは、バイ・ドール法というのは言うならば大学の研究機能の強化ですよ。教育改革ですよね。  行政改革から、司法改革から、教育改革。バイ、ドールさんが大学の方をやれば、子供たちの科学的な思考能力が非常に劣ってきているんじゃないのかなということで、かなり初等教育機関に対しても相当一つの方向性を出して、その科学的な思考能力を完成するように、養成するようにという、そういう動きを出す。一連のこの一九八〇年代の動きというのは、やられた日本に何とかこれはもう対抗して、アメリカのプライドを懸けた取組というようなものをここでやっている。それが集約をされているのが、言うならばプロパテント政策ということです。  特許を中心にした、特許だけではありません、著作権とか、そういうような問題、こういうようなものを総合的に知的財産権と、IPR、インテレクチュアル・プロパティー・ライトと、こういうふうに言うわけですけれども、このIPR、これこそやっぱりアメリカの一つの大きな柱だぞ、経済の柱だぞと、こういうふうなことを考えて外交上も果敢に、特許侵害に対する水際にしても、あるいはチェックにしても、外国に行ってのいろんな動きにしても、外交上もこれをやると。こういう全体的な取組の結果、私は、それがコンピューターの作り出すIT革命とうまい具合に絡まってアメリカの現在の経済というようなものがあるんではないのかなと。  正にIT革命をIT革命だけでやろうとすると駄目なんです。IT革命というようなものを、やっぱりその結果としてできてくる生産物とか新しい産業形態とか、そういうようなものを守る。さらに、重要なのはやっぱりユーザーの感覚なんですよ。製造業を中心に物を考えるんじゃなくて、どういうやり方をしたらユーザーに便利なんだろうか、どういうやり方をしたらユーザーが増えてくるんだろうかという、こういうふうな考え方を持ってIT革命とこのIPRの戦略というようなものを絡めてやっていったというのが、これがアメリカの戦略だと。  e―Japan構想についての話もありますけれども、あれは私から言わせれば、非常に日本は逆立ちしているんですよ。需要喚起の方をやらずに供給サイドの、ここもまたやっぱり需要よりも供給というような形で、こういう感覚でIT革命をやろうとするから、IT革命自体も、需要者、すなわちユーザーが置き去りにされた形で一定程度行ってITバブルだとか、製造業の方が元気なくなったらIT革命もう終わりだみたいなそういう印象になっちゃっている。やっぱりこういうふうな間違ったところもあるんですね。  ちょっと話長くなりましたけれども、一九八〇年代のアメリカというのは、IPRについての基本的な戦略をいろんなところで立てながらやってきたと。このことを是非とも学んで、後ればせながら日本でも全力を挙げてこのことに取り組んでいただきたいと思うんですけれども、まずは御決意を聞かせてください。
  78. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 簗瀬先生のおっしゃる私はとおりだと思っておりまして、七〇年代のアメリカを考えますと、やっぱり三つ子の赤字というのを抱えて正に呻吟をしていた、これが実情です。そのときに、日本は世界の経済の中である意味じゃ独り勝ちというような状況でした。そこで、今もう簗瀬委員がおっしゃったように、アメリカというのは戦略をしっかりと考えたと思います。その戦略の重要な柱が、おっしゃる七〇年代から八〇年代に掛けてのプロパテント政策だったと思っています。  ですから、そういう意味で、日本も八〇年代までは独り勝ち的なことを謳歌しました。しかし、その中で、極端に言うと、バブルに浮かれて、本来地に足を着けてやらなきゃいけないこのプロパテント政策も、さらにそれに基づいたイノベーション、そういうことを十年間ある意味ではなおざりにしてきた、そのツケが今来ていると、こういうふうに私は言ってもいいと思います。  そういう中で、たまたま今日も開催されますけれども、知的財産戦略会議、これを立ち上げまして今御指摘の点を早急にやっていかなきゃいけませんので、私どもとしては、経済産業省といたしましても全力を挙げてこの知的財産、これに対する柱を打ち立てていかなきゃいかぬと、こういうふうに思っています。
  79. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 実は、知財戦略会議についてはもう私どもの二〇〇〇年六月の民主党の提案の中にありますので、それを実現をしていただいて大変ありがたいなと思うんですけれども。(「パテント取っておけばよかったのに」と呼ぶ者あり)そうですね、登録しておけばよかったなと。やっぱり選挙をしておりませんから駄目でしょうか。  それで、ちょっと視点を変えて、特許庁の長官お見えになっていますか。特許庁長官か特許庁の関係者にちょっと。  我が国は、高度な技術を持っているというふうなことで、まだそれを信じていらっしゃる人も多いんじゃないのかなと。だけれども、この特許庁の数字といいますか、統計といいますか、調査を見たとき私は実は愕然としたんですよ。これは大変だなと思ったことがこの調査の結果には表れておるんで、ちょっと細かな話なんですけれども、危機感を共有したいというそういう意味合いもありまして、システムLSI、ビジネスモデル、生命科学、ナノテク、ゲームソフト、アニメと、この五つの分野について、日本の特許や著作権の持っている力がどの程度なのかという、そういう現状についてのちょっとお話を聞かせていただければと思っております。  システムLSIなんですけれども、いわゆる高度集積回路と言われているコンピューターの心臓部分であります。半導体を更にもっともっと考える力を付与したというのが簡単に言えば高度集積回路なんだけれども、これを、高度集積回路、LSI、システムLSIというふうに言われているもの、四つの要素技術があるんですね。  その要素技術というのは何かといえば、先ほど言ったマイクロプロセッサー、考える部分、それから膨大な情報を処理するというCAD技術、それから計算をしたものをチェックしなきゃならない、検証する、そういう意味での廉価で信頼性の高い検証技術と、それからもう一つはそういうようなものを組み上げていくプロセス加工技術と、この四つの要素技術の分野があるんですけれども。  これ、この前、二〇〇〇年六月の我が党のこのレポートをまとめる際に特許庁の資料を参考に調べてみますと、マイクロプロセッサーの特許の比較でいいますと、アメリカ対日本が七十三対十八。それから、CAD技術では、アメリカ対日本が七十一対二十一。それから、廉価で信頼性の高い検証技術という、検証技術の部分、このセンサーですよね、これが五十四対二十一。それから、プロセス加工技術、この部分で若干縮まって四十二対二十六と。  だから、加工技術の点で日米の差というのはそれなりに接近はしているんだけれども、それでも四十二対二十六ですから、やっぱりアメリカ優位なんです。考えたり、検証したり、それからみんな、大量処理をしたりという、こういういわゆるコンピューターらしい部分での特許というようなものは圧倒的に七対二ぐらいでアメリカ優位になっているんですよ。この状況は現在どうなっていますか。
  80. 及川耕造

    ○政府参考人(及川耕造君) 九八年の数字が比較できます現時点でも新しい数字でございますので、今、先生御指摘のとおりの状況以上の新しいものはございません。  ただ、最近、若干日本も頑張っておりまして、システムLSIを更に高集積化いたしました新しい技術にSIP、システム・イン・パッケージというのがございますけれども、この分野では日本と米国の出願の総数、アメリカの場合は登録数でございます。要は日本もアメリカもそれぞれの国に出している、そういう意味では国際的な特許の重要な特許というふうにお考えいただいていいかと存じますけれども、これは日本頑張っておりまして、アメリカの三百四十件に対しまして日本は約七百三十件ということで、それなりの頑張りを最近は示しているのではないかと思います。
  81. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 ちょっと質問通告にはないんですけれども、分かったら教えていただきたいんですが、半導体の現在の日本のシェアというのは何%ぐらいになっていますか。
  82. 及川耕造

    ○政府参考人(及川耕造君) 手元に、済みません、ありませんので、後ほどまた御連絡を申し上げたいと思います。
  83. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 経済産業省分かりませんか。──じゃ、結構です、後で。  たしか、もう五六%がもう頂点だったんですよ、一九八六年ぐらい。だけれども、どっと下がってきて、今はもう二〇%たしか切っていますね。もう一〇%も切るんじゃないのかと。やっぱりもうアジアの追い上げというのはすごいですよ、そういう状況になっている。  半導体よりももう一つレベルの高いこのいわゆるシステムLSIでもこのような状況だということは、やっぱり我々は、そんなに日本は高い技術を持っているというふうなことで左うちわでのうのうとしておられるようなほどじゃないと、この分野でも、というふうにやっぱり認識をしておくべきだろうと思います。  次に、ビジネスモデルということなんですよね。これからいわゆる新しい世界的な金融競争の中で、特に金融機関の持っているビジネスモデル特許というのは非常に重要な意味を持っておるんですけれども、これもこの前、特許庁の資料を参考にしてみますといろいろな基本技術がやっぱりあるわけですよ。  例えば証券化する技術、これはセキュリタイゼーションという、これについての日本の特許出願は、出願なしです。アメリカの特許がいろんな特許を取って、様々な担保をくっ付けて証券化をしている。例えば不良債権を処理するといったときに、これは証券化というようなものは必ずテクニックとして使われるわけですけれども、その基本特許あるいは実用特許というのは全部アメリカが持たれちゃっている。こういう状況になっているんですよね。  それから、デリバティブ、これはもう御案内のとおりでありますが、デリバティブについても新規のオプション取引など、デリバティブ自体についてはこれはアメリカの方がもう特許をほとんど持っているわけですよ。日本の特許出願はありません。  その他、危険の価値というバリュー・アト・リスク、例えば不良債権を評価する際に、この不良債権がどの程度の劣化したものなんだろうかということを価値を比較するというそういうバリュー・アト・リスクというこういうものとか、それから資産負債の総合管理、アセット・ライアビリティー・マネジメント、こういうようなものについても日本はちょぼちょぼっと出しているだけで、大半はアメリカが持っていますね。  このまま行きますと、銀行がどんどんどんどん商売をすれば我々の預金がそこに行って、だけど結果的にはかなりパテント料としてアメリカの方にこれお支払をしているという、我々の目に見えないところで我々の預金が流出をしているという、こういう恐ろしい構図なんかも想像できないではないんだけれども、この辺についてのビジネスモデル特許の現状、どうなっていますか。
  84. 及川耕造

    ○政府参考人(及川耕造君) 御指摘のとおりでございまして、ビジネスモデル特許の出願という点では、今申し上げました米日それぞれの特許庁に共通して出願している数を比較いたしますと、九七年、九八年でございますが、日本は約六十件でございます。それに対しましてアメリカは七百件とかなりの差がございます。また、欧州でも約百十件となっておりますので、国際展開という点では日本は数の面では後れております。  ただ、実は二〇〇〇年、二〇〇一年にこの日本におきますビジネスモデル特許の出願は急増いたしておりまして、一万五千件から二万件に達するのが二年続けている、こういう状況でございます。
  85. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 大臣の所信の中にもございました生命科学ですね、遺伝子関係。これについての特許というようなことを次に聞かせていただきたいんですけれども、この基本技術について、これはもうスタンフォード大学が米国で特許取得をしているんですけれども、このライセンス収入は七五年から九七年の間に約二億ドルと、スタンフォード大学随分これで大学の基盤を作っているわけですけれども、非常にこの基本技術、ここもやっぱりアメリカだと。それからゲノム解析、解析の方の基本技術もほとんどアメリカ。この部分で日本が持っているものは何もないみたいな話を聞くんですけれども、ここはどうですか。
  86. 及川耕造

    ○政府参考人(及川耕造君) この今申し上げましたビジネス方法の特許と同じ形で九七年、九八年で件数を取らせていただきますと、御指摘のとおり日本は約四百件でございます。米国が二千九百件、欧州が千百件でございまして、確かにこの数で見ますとバイオあるいはライフサイエンスのうち、特に遺伝子工学の分野では日本頑張らなければいかぬかなと、かように感じております。
  87. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 次に、これもまた大臣の所信の中にございますが、最近大変脚光を浴びているのがナノテクと。ナノというのはあれは百万分の一でしたか、何かどうも単位がもう──百分の一でしたか。(「十億分の一」と呼ぶ者あり)十億分の一。  とにかく本当に細かいと。そういう細かいところで、例えばナノチューブとか、形態記憶をして、いろいろな大変物性の面白い特徴を利用しながら、例えばそこに電気を流していこうとか、そういうことまで行われているんですけれども、さあ、このナノテクについての特許という形になると日本はどの程度持っているんでしょうか。
  88. 及川耕造

    ○政府参考人(及川耕造君) 先ほどと同じように九八年で申し上げますと、この分野では日本はかなり健闘いたしておりまして、米国が約二百二十件でありますのに対して、日本は約八百五十件に達しております。また、個別事例で御案内のカーボンナノチューブが大変有名でございますけれども、これは飯島先生が基本特許に近いものを取得しているのではないかというふうに言われております。  なお、先ほど先生からお尋ねございました半導体の二〇〇一年のシェアでございますけれども、生産の日本のシェアは二三から二四%でございます。
  89. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 次に、これは今ナノテクは随分日本健闘しているというようなことで、正にそういうようなものをもっともっと国民に多く伝えた方がいいですよね。これはもうやれるんだみたいな、そういう気持ちが出てきますから。  その次にこれは日本強いかなと思われるのは、プレステとかいろいろな任天堂とかありますけれども、いわゆるゲームソフト、アニメ、これは特許というよりもむしろ著作権も絡んでいるソフトの分野でもありますけれども、このゲームソフト、アニメの関係で特許とそれから著作の関係はどうなっておるのか、それぞれ特許庁とそれから文部科学省、お見えになっているだろうと思うんですけれども、現状をちょっと御報告していただければと思います。
  90. 丸山剛司

    ○政府参考人(丸山剛司君) お答え申し上げます。  ちょっと文化庁が先に答弁させていただきますが、先生御質問のゲームソフトとかアニメというのは基本的にはそれぞれプログラムあるいは映像ということで、著作権制度によって保護されてございます。したがって、創作された時点から著作権が自動的に付与されて保護されるということで、特許の場合と異なりまして、こういうものが何件あるかということは制度上非常に把握しにくいという状況にございます。
  91. 及川耕造

    ○政府参考人(及川耕造君) 申し訳ございません、分類におきましてソフトという形にしております、アニメどうのこうのというか、今文化庁お答えいたしましたとおり、特許の分類ではそういうふうにしておりませんので、ちょっと手元に正確な数字がございません。調べましてまた御連絡いたします。
  92. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 今、著作権なので、これは登録主義じゃありませんからね。後付けで権利として保護されるというふうな、そういう体制でありますので、御答弁は御答弁で結構なんですけれども、やっぱりこれを戦略的に高めていこうといったときには、やっぱり現状はどうなんだろうかぐらいの御答弁いただければと思ったんですけれども、答弁は答弁としていいんですけれども、何か付け加えることあったら、随分この部分は期待できる部分じゃないかなと思うんですよ、どうぞ。
  93. 丸山剛司

    ○政府参考人(丸山剛司君) お答え申し上げます。  アニメについては、先生御案内のとおり、最近非常に東南アジアを中心に日本のアニメが進出してございます。ただ、私どもも調べてみたんですけれども、まだ統計データは残念ながら手元にございません。ただ、伸びているということは事実でございます。  それから、ゲームソフトについては、社団法人コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会の方でゲーム白書というのを出しておりまして、この数字によりますと、二〇〇〇年の段階で海外に約二千八百億円程度の輸出をしているということで、国内マーケットとほぼ同じ規模で海外に進出をしております。
  94. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 それで、今のような特許の状況があります。例えば、ナノテクとかゲームソフト、アニメ等については、随分今のままでも頑張れば更に良くなるということなんですが、システムLSI、ビジネスモデル、生命科学等については、特許というようなことではなかなかやっぱりアメリカが相当優位に立っているというふうな印象でございます。  ただ、最近、昨日の夕刊でございましたか、東京湾のゲノムベイ計画というようなものが出ておりまして、東京湾にこういう生命科学のいろいろな考え方を持った研究所を集めてこようという、これは東京大学の、生命科学研究所の新井賢一先生が中心になって立ち上げている計画なんですけれども、このゲノムの分野でも、例えばイネゲノムについては日本が実は世界で一番最初にイネゲノムの地図をきちんと発見をした、そういうところなんですね。  イネゲノムは重要なんです。なぜかといえば、イネのゲノム地図を何倍かすればトウモロコシになり、何倍かすれば穀類に、小麦になっていくということで、ゲノムのその地図の構造で言ってみれば、これはもう穀類は大体カバーできるようになる、トウモロコシもそれから小麦もカバーできるみたいなそういう話があるようなので、これを農水省の生物資源研究所が一番最初に全部地図を発見、発見じゃない、解析をしまして、それをホームページに全部公開をしていると、こういうふうな大変すばらしいものがあるので、是非ともこういうようなものをどんどん大きく育てていくような体制を作らなきゃならない。  そのためにやっぱりいろんな戦略も立てていく必要がある。その戦略を若干残された時間、戦略一杯あるので一つ一つ聞こうと思ったんですけれども、だんだん時間がなくなってきたので、駆け足的に聞かせていただきたいと思うんですけれども、まずこれを基本戦略というのであるならば法体系をきちんとやっぱり、私はむしろこれを中心に日本はあるんだというそこまでの徹底した法体系を作っていただきたいということで、若干手前みそを何倍にも増幅したような形になっちゃうかもしれませんけれども、私は異論もいろいろあるかもしれませんけれども、この分野に関しては知財立国の憲法上の規定を置くべきだと、こういうふうに憲法改正の議論がありますけれども、やっぱりナショナルゴールとしてこの知的財産を盛んにしていく、知的想像力を活性化をしていく、そのことによって世界平和に貢献するんだみたいなそういう高い志と目標を憲法にばんとこう書いたらどうだと。  これは実は私だけの荒唐無稽の考え方ではなくて、米国憲法はそうなっているんですよ。私もびっくりしたんですけれども、アメリカのあの憲法の第一条八項八号というようなものがありまして、そこを読ませていただきますと、議会は著作者及び発明者に対して一定期間それぞれの著述及び発明について排他的権利を保障することにより科学及び有用な技術の進歩の促進を図る権限を有すると、こういうふうなことを憲法の中にばんと書いているんですね。これはもう修正ですね、修正条項として、アメンドメントという形で入れたんだろうとは思います。  だから、そういうことで、私は修正のとか何かいろいろあるだろうと思うけれども、憲法のいわゆる法体系の頂点からこの知的財産権を中心に物を考えたらどうだということをやるべきなんじゃないのかなと思っているんですけれども、大臣、ちょっと政治家としての御答弁をいただければと思います。
  95. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 米国の憲法の中には今修正という形で入っているということはその御指摘のとおりでありまして、そういう著作権及び著作者及び発明者にその独占権を一定期間保障するということは、連邦議会が保障するということは州議会ではなくて連邦議会だぞ、こういう一つの精神で書かれていると思っています。  それから、これはもう委員よく御承知だと思いますけれども、憲法にそうやって明確に規定されている国というのはお隣の韓国でございますとか、ロシア、ブラジルに明確に規定されています。ですから、今ずっと簗瀬委員おっしゃったように、こういう知的の財産権、知的のこういう著作権を含めて、これは非常に重要なことでございまして、私はやはり日本のそういう基本法にも、今憲法調査会、両院でいろいろ議論をしていただいていますけれども、その改正する場合のそういうことでこれは具体化してきたら当然その中に私は入れていいと思います。  それはなぜかというと、今の憲法を戦後制定するときにこういった問題意識がなかったわけでありますし、例えばそのほかに環境権だとかそういった問題も入っていないわけですから、そういう基本的なことは当然憲法調査会の中の議論に入れて、やっぱり国の一番大切なものの一つである、こういう位置付けは私は非常に必要だと思っています。
  96. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 次に、日本のこの知的財産権のカタログというようなものを挙げてみますと、先ほどから話に出ている著作権、特許権あるいは実用新案権、意匠権、商標権、それから半導体回路パターンとか不正競争防止法のトレードシークレットとか、もういろんなところに散らばっているんですね。それぞれについてそれぞれの法律がある、またそれぞれについてそれぞれの役所があると、例えば農水省の関係もあれば、厚生省の関係もあると。  こういうふうに考えてみますと、やっぱり本当の意味での知的財産権の戦略をしっかりと位置付けようというふうな形になれば、是非とも必要なのが、先ほどの知的財産戦略の話もありましたけれども、戦略会議がきちんと活動できるような根拠法、そしてまた各省庁に横断的に散らばっている知的財産権を統括して調整をし、またその育成を図っていくという意味での大きな法律をやっぱり作る必要があるんじゃないのかな。IPR基本法です。正に、そういう意味では、知財基本法というようなものをやがて、やがてというよりも、これは力を本当に入れるんだったら、もうすぐ作るべき筋のものじゃないのかなと。IPR基本法を作るべきだという提言をしたいと思うんですけれども、大臣、いかがでしょう。
  97. 大島慶久

    ○副大臣(大島慶久君) 今、簗瀬先生の方からいろいろ非常に知的財産権は多岐にわたる列挙をいただきました。そのとおりでございます。  ですから、もうこの保護すべき対象、また目的に応じて法整備がなされているわけでございますので、御指摘のような特許権等の各知的財産権を統括するような新たな法律を作ることは必ずしも現段階では適切ではないと、我が省はそんな今考え方でいるところでございます。
  98. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 大臣の答弁と若干温度差があるような感じもしますけれども、現状での答弁ということではあるんだろうと思いますが、これ、進めれば進めるほど縦割り行政の中で混乱をさせてはいけないというふうな気持ちにやっぱりなるだろうと思います。それを考えれば、是非ともIPR基本法、知財基本法、これを作っていただきたいと私は強く要望したいと思います。  それからその次に、憲法も知財基本法もなかなか難しい話とするならば、特許法の二条の特許概念が若干現在の科学技術の現状に合わなくなっているんではないのかなという印象を私は持っております。特許法二条で、発明とは自然法則を利用して云々云々というような、こういうふうなあれがありますけれども、先ほどビジネスモデルの話を聞きましたが、ビジネスモデルが特許としての日が当たるかどうかというような形になったときに、自然法則を利用したというような形になってくると紙と鉛筆で考えられるビジネスモデルが何で特許になるんだと、こういう発想になってしまって、諸外国の方がその部分について光を当て始まったところでおっ取り刀、運用で解決をすると、こういうのが実は日本の状況なんですよ。  だから、私は、そういう意味では、もうちょっと特許概念を世界の現状に合わせて変えていく必要があるんではないのかなと思いますが、いかがでしょうか。
  99. 大島慶久

    ○副大臣(大島慶久君) 我が国の特許法では、第二条第一項におきまして、発明を自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なものと、こういうふうに定義をさせていただいております。この定義が特許法におけるビジネス方法に関連する発明の保護を制約しているのではないかと、こういう御指摘があることは認識はいたしております。  この点につきましては、本通常国会に提出した特許法の一部を改正する法律案の検討過程で議論を行いたい。その結果、情報通信技術の発展により出現いたしましたビジネス方法に関与する発明については、ソフトウエアとして実質的に欧米と同等の保護がなされており、さらに、保護の範囲を拡大することについては、審議会及びその後のパブリックコメントにおいても消極的意見が大勢を占めたところでございます。このため、発明の定義について現時点で改正を行う必要はないと、そういう結論を得たわけでございます。  今後でございますけれども、世界的所有権機関、WIPOでございますけれども、そのWIPOにおける各国特許法の国際調和に向けた条約の議論の進展や、経済社会の変化により発明の定義を見直す必要が生じた場合には、改めて検討を行わせていただきたいとお答えを申し上げます。
  100. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 以上で、知財法の体系化といいますか、法的インフラ整備について三点ほど聞かせていただきました。  その次に、行政インフラもやっぱり知財戦略に従って整備をしていく必要があるだろうと思います。  その第一番目に、先ほど大臣の御答弁にもありましたけれども、知的戦略会議、これを作られたということは評価をしたいと思うんですが、ただ、どうも知財戦略会議、作っていただいたのはいいんだけれども、まずその法的な位置付けあるいは権限、これはどうなっているのか、これをちょっと聞かせていただきたいと思います。
  101. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 今般、実は今日夕刻その会合がありますけれども、総理の下で開催されることとなった知的財産戦略会議というのは、これは我が国の産業の国際競争力の強化と経済の活性化の観点から、やっぱりこれを早急にこの知的財産戦略を打ち立てなきゃいけない、その推進を図ることと、こういうことで、総理の下に置かれた一種のタスクフォース、タスクフォース、そういう戦略会議でございます。ですから、そういう位置付けであります。
  102. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 というと、若干我々の提案とはニュアンスが違いまして、知財戦略会議といいながら、実際は総理の個人的な諮問機関的な位置付けに現在のところはなっているのかなと。  ということになりますと、例えば六月に答申をと先ほどお話がございましたけれども、答申がなされたらその後はもうなくなっちゃうんですか。あるいは、私はこの知財戦略会議というようなものをきちんとした位置付けとして、内閣の総理直属の機関として正式に行政的にも位置付けた機関として常設のものとして置くべきなんではないのかなと思うんですけれども、今後はどうするんですか。
  103. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) この戦略会議というのは、早急に国を挙げてこの問題で取り組むべき課題を抽出をいたしまして、着実にこれを実行しよう、そういうことで今日から開かれるわけであります。これを常設の機関にすること、その必要性も含めまして今これから正に会議が検討が始まりますから、その成果とフォローアップ、この中でそういった問題も含めて検討する、こういうことに相なると思います。
  104. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 フォローアップこそ重要で、正に科学はもう分進秒歩でございますので、いったん立てた戦略というようなものがもう日々の検証をしなければ絶対これはもうすぐ時代後れになってくるのはもう見えていますから、是非ともフォローアップの意味もあって、これは常設の機関として位置付けるべきだろうというふうに私は思いますので、御要請を申し上げたいと思います。  次に、現時点での知財戦略会議、正に今の御答弁の中で出ていることでありますけれども、六月に一つのレポート、方針が出たとしたら、恐らく今の執行体制では、例えば著作権の関係だと文化庁にと、あるいは特許権の関係だと特許庁にと、それからゲノムの関係だと厚生省とかあるいは農水省とかと分け持った形でこの知財の何といいますか、戦略が動いていく形になるんだろうなと思うんですよ。これでは、私はやっぱり縦割り行政の弊害というのは出てしまうんではないのかなと。  例えば、先ほどイネゲノムの話をしました。生命ゲノムと植物ゲノムがあるんですけれども、植物ゲノムでイネゲノムが日本が意外に先を行った。ところが、生命ゲノムの方ではアメリカの方がずっと先へ行っちゃっていた。これはなぜかと。アメリカには生命の方にはナショナルセンターがあった、日本には植物の方にナショナルセンター、農水省の生物資源研究所というようなものがあった。ナショナルセンターというようなものがあったかないかで進み具合が全然違うんですよ。  それはそういうふうに考えてみると、知財戦略会議で作った戦略を実行に移すためのナショナルセンターの機能を果たすべきやっぱり役所がきちんと存在をする必要があるんではないのかな、正にそれが私は知財庁というふうに考えるわけでありますけれども、知財庁を御検討いただきたいと、このように質問をさせていただきたいと思います。どうぞ、大臣。
  105. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) ある意味では正鵠を得たそういう御指摘だと思っています。縦割り行政と、こう言われている中で、例えばいろいろな問題があって、かつてロケット開発というのも部局やった、原子力もそういう形でやった。そういう形で大きな流れとしては効率よく統合する方向だと思っています。  しかし、現時点におきましては、我が国の知的財産に関する行政組織については、簗瀬委員よく御承知のとおり、基本的な法目的の相違を踏まえて編成されております。もう法律家の先生に釈迦に説法で恐縮ですけれども、産業の発展に寄与することを目的とする特許法というのは我が経済産業省の所管でございまして、そして文化の発展に寄与することを目的とする著作権法は、これは文部科学省がそれぞれ所管しております。  諸外国の例というのを見てみますと、例えば英国は特許庁、それから著作権法も、特許庁が著作権法も所管している例がありますけれども、アメリカやフランスや中国というのはそれぞれ異なる組織で所管している例があります。  当面、我々としては、昨年の八月には連絡会議を設置をいたしまして、各省庁間で緊密な連絡、連携に努めているところでございまして、今の段階では直ちに御指摘のような組織の新設が必要であるということは私どもは思っておりません。  いずれにせよ、経済産業省といたしましては、今後とも関係省庁と緊密に連携をしながら、全体として整合性の取れた知的財産政策の推進に努めて、柔軟で機動的な対応を図ってまいりたいと思います。  また、恐らく今日始まる知的財産戦略のそういう会議では、今御指摘の問題意識、そういうものも私は当然議論の場に乗ってくるのではないかと、このように思っています。
  106. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 もう一つ、行政インフラという点で提案といいますか、御意見を聞かせていただきたいんですけれども、先ほど、例えばナノテクの分野では随分日本は特許権を持っておるぞと、例えば基本特許的なものは日本人の研究者が持っているんだ等の話は国民に余り伝わっていないですね。国民がこの問題について意識をする、認識を深めるというのは非常に重要なポイントだと思います。  最終的にはやっぱり知的創造力は国民が担うわけで、その国民がこの知的創造をやると、何だ、こういうふうなことができるんだ、こういうすばらしい先輩がいるんだ等のことが分かってもらうためにも、やはりこれ、内閣の中にこの点での、科学技術関係といいますか知財というふうに言ったらいいか、その名称はどうでもいいけれども、こういうすばらしい科学技術の発見や発明があった場合は、それをもう間髪を入れずに国民に伝えるという意味での知財スポークスマンあるいは知財補佐官、こういうものを内閣の中で常設をしていただいて、何かあればぱっとそこで、テレビで、研究者の評価もそれで上がるだろうと思うし、どんどんどんどんアピールするようなそういう仕組みを作るべきなんじゃないのかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
  107. 大島慶久

    ○副大臣(大島慶久君) 今、先生がおっしゃいますように、特許権だとか商標権、広く国民にその重要性を認識をしていただく、そういう啓蒙、普及啓発をしていく、このことの重要性ということは先生と全く同じ考え方を持っているわけでございます。  具体的には、知的財産権の重要性についての教育を充実する観点から、我が国では小中学校から高校までの各段階ごとにそれぞれ副読本を作成をいたしておりまして、平成十二年度におきましては、小中学校向け百八万件、高校向けでは六十四万件、こういう実績で、本の何冊ということでございます。そして、希望する学校には無料で配付をさせていただいておりますし、また大学等を対象に知的財産制度について理解を深めていただくためのセミナーを開催いたしております。これは平成十二年度実績五十八回行っているところでございます。  さらに、企業や国民に対しても全国各地で工業所有権制度等に関する説明会を実施するなど取組を行うとともに、平成十二年度は約百七十回、延べ来場数は実に二万人を超している、こういう実績でございます。また、特許庁ホームページなどの手段による情報提供も充実に努めているところでございます。  こうした所管省庁における取組に加えまして、内閣に知的財産補佐官を置く必要については、その果たすべき役割を明らかにした上で、今後検討すべきところは検討するというお答えでございます。
  108. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 次に、知財のための司法戦略といいますか、司法インフラ整備について、時間がだんだん迫ってまいりましたので、何点かに絞って御質問させていただきたいと思います。  まず、前提問題として、日本の場合はドイツ型といいますか、特許については特許審判と侵害訴訟と。特許審判についてはいわゆる行政庁がやる、侵害の結果の損害賠償については裁判所がやる、こういう一種の二元的な取組になっておるんですよ。これのプラス、マイナス両方あって、私も簡単にはまだ結論は自分自身も出せていないんですけれども、やがては、二元的に、権利の存在問題については特許庁がやり、特許審判という形でですね、侵害訴訟については裁判所がという、こういう二つに分かれたやり方というのはやっぱり二度手間、ロスなんじゃないのかなと、これを一元化していく方向で考えるべきなんではないのかなと思っておりますが、いかがでしょうか。簡単にお答えください。
  109. 及川耕造

    ○政府参考人(及川耕造君) 御指摘のような有効無効について、紛争、一回で解決せいという御指摘があることは承知いたしております。現在、このような御意見を踏まえつつ、侵害訴訟と無効審判との役割分担の在り方について検討いたしているところでございまして、なるべく早く結論を得たいというふうに考えているところでございます。
  110. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 次に、これは調べましたところ、現在、日本の裁判所で特許専門裁判官といいますか知的財産権訴訟の専門的処理体制というようなことで報告を出していただいたんですけれども、裁判官が日本全体で地裁レベルでどれくらいいるかといいますと、平成十四年度では東京地裁に三つの部、十五人の裁判官と調査官が七名、それから大阪地裁に一つの部で、そこに所属をしている裁判官が五名、調査官が三名ということでございまして、特に裁判官の数もそんなに多くはないし、また私は調査官という存在が非常にやっぱり重要だと思いますね。その調査官の体制が、二人の裁判官に一人の調査官しか割り当てられていない。これは極めてお寒い限りなのではないのかなと。東京高裁の方に行きますと、四か部十六人、調査官十一人と、こういうふうなことになっていますけれども、いずれにしても日本の知的財産権関係の司法体制はちょっとやっぱり弱いなと、こういうふうに見ざるを得ないんです。  というところで、私はこの知財専門裁判所というようなものを設けながら司法体制の強化を図っていくべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
  111. 山崎潮

    ○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘の点でございますが、この関係の事件の迅速な処理につきましては、国家戦略として政府が取り組むべき重要な課題でございます。  こういうような観点から、司法制度改革審議会の意見書におきましても、知的財産関係事件につきまして、東京、大阪両地方裁判所に専属管轄化させると。西日本の事件は大阪に、東日本の事件は東京にと、こういう集中化を図るということを提案しておりまして、専門性が強化された裁判官あるいは技術専門家である裁判所調査官でございますね、これを集中的に今投入することによりまして専門的処理体制を一層強化するということから、実質的に今、特許裁判所として機能させると、こういう方向を提言しております。  これを受けまして、昨日閣議決定したわけでございますが、司法制度改革推進計画におきましてもこの問題が盛り込まれておりまして、来年の通常国会にもこの結論を得て法改正の提案をしたいというふうに考えているところでございます。
  112. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 知財専門の裁判官を養成をしていくということも非常に重要な課題になっていくだろうと思うんですが、今いわゆるロースクール構想があるわけでありますけれども、そのロースクール構想の中でこの知財専門官を養成をするというふうな、そういうカリキュラム的な配慮といいますか、これどんなふうに行われようとしているのか、ちょっと質問させてください。
  113. 山崎潮

    ○政府参考人(山崎潮君) ただいま法科大学院の在り方について、私どもも専門家を入れまして検討会を重ねているところでございます。  まだはっきりした構想ができているわけではございませんが、仮にロースクールができるとした場合に、これは法曹養成に特化した大学院でございますので、基本的には基本六法的なところを必須でやっていただきますけれども、それ以外の部分については選択として自由に各大学で盛り込んでいただくと、こういうような構想を考えておりますので、そこに知的財産関係の科目を多く入れて、実質的には知的財産の専門の大学院というような方向で運用できるというふうなことを取り入れようとして今やっているところでございます。
  114. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 今度提出された弁理士法の改正案の中で、弁理士の皆さんに、訴訟上の、共同代理という形でありますけれども法廷代理権の一部が認められたと、私はこれは評価したいと思うんですが。  そこで、実は今、一つ私、懸念をいたしているのは、いろんな資格を持った皆さんがいらっしゃいます。弁理士、弁護士、税理士、行政書士、それぞれが法人化を今やっているわけですね。ところが、法人化をしながら、例えば弁護士法人と税理士法人の横の連携についての規定がそれぞれみんな持ってないんですよ。という形になりますと、結果として法人化をするけれども、別事務所としての体裁をやっぱり例えば建物同じにしても取っておかなきゃならないというふうな形になってくる。これは税務申告なんかの場合も恐らくそういうふうな形になるでしょう。という形になりますと、法人化という点で、集団化していくという点ではある意味では前進なんだけれども、ほかの資格との共同連携をしていこうという形になってくると逆行した法人化なんですね。  私は、そういう意味では、こういう広い意味での知財ワンストップサービスというようなものをやがてはやっぱり考えるべきであろうと。ユーザーの立場を考えますと、弁護士さんのところに行って法律相談して、税理士さんのところへ行って税務相談して、それから弁理士のところに行って今度は特許相談をしてと、こういうふうな形でたらい回しされるのはこれはたまらないわけですよ。一つの事務所で全部済んじゃえば、それは一番いい話になる。  私は、そういう意味では、これは大変それぞれが関係業界を持っていますから非常に大きな話にはなってくるだろうと思いますけれども、是非大臣、これは日本全体のリーガルサービス、広い意味での、これをそれぞれの各斯界といいますか、それの縦割りの中で割拠するような状況になってまいりますとやがて、アメリカなんかではここら辺は非常に柔軟にやっていますから、どおんと来られたときに、日本のリーガルサービスは全然もう手間ばっかり掛かっちゃって費用が重なってきて余り頼りにならないよという形になっちゃうと、これはもう知財どころの話じゃなくなるんです。私は、だからそういう意味では知財ワンストップサービスというようなものを非常に重要に考えるべきだろうと。  そういう意味では、いろいろな資格の横の連携というようなものをどういうふうにしていくのかというのは非常に重要な課題になってくるだろうと思うんです。だから、この点について是非とも注意を喚起をさせていただきたいと思います。これはなかなか答弁難しい問題であるとも思いますので、これは御答弁は結構です。ありがとうございます。  それから、本当に時間が限られてまいりましたので、知的創造のための教育戦略と外交戦略と、あと二つほど残っているんですけれども、このTLO法とかバイ・ドール法とか、日本版バイ・ドール法というようなものが九八年にできました。遅れるところアメリカから二十年近く遅れてしまったわけでありますけれども、このバイ・ドール法の施行実績について、まだ時間が短いところなんですけれども、それなりの成果がもし上がっていったんだったら御報告いただければと。簡単で結構です。
  115. 日下一正

    ○政府参考人(日下一正君) お答え申し上げます。  経済産業省としましては、原則としてすべての委託研究開発にこの条項を適用しております。実績につきましては、十一年度と十二年度の累積の契約件数が三千二百件、契約総額四千九百億円に達しております。この結果、平成十二年のNEDO、新エネルギー・産業技術総合開発機構からの委託による研究開発成果に基づく特許出願数は、この日本版バイ・ドール条項適用前の平成十年度の契約分に比べましておおむね倍増しておりまして、日本版バイ・ドール条項の導入は一定の効果を上げているものと認識しております。
  116. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 更に三つほど質問予定しておったんですけれども、これは後に譲らせていただきまして、いずれにしても、大学をこの知的創造の拠点とするということ、この戦略をしっかりと作っていかなければならない。それから、やっぱり知的創造力を子供のうちから付けるようにしっかりと子供たちの教育をやっぱりしていかなければならないだろうと思います。  そういう意味では、理化学教育の重要性といいますか、現実に実験やら解剖やらを体験としてやりながらその中で考える訓練を子供たちに行っていくと、こういうようなものも非常に重要な知的創造のための戦略の一環であるということを指摘をさせていただきたいと思います。  最後に、外交戦略。  私は、これからの外交戦略として、この知財の分野というのは非常に重要な意味を持ってくるだろうと思います。非常に悔しいと自分自身思っているのは、先ほどイネゲノムの話をさせていただきました。農水省の生物資源研究所、イネゲノムについての地図を、ゲノム地図を世界で一番最初に発見をし、それをホームページに載せてオープンにいたしました。これは大変な英断だったと思います。なぜならば、ゲノム地図を先に発見した方が特許として登録をしちゃってそれで独占的な利益を上げようという動きが一方であった。それに対して、率先して我が国は、そういう対応はまずいと、ゲノム地図はみんなの共有物なんだという、そういう考えで、特許にするなんということをもう念頭に考えずにオープンにしたんですね。そういう大変重要な意思決定を日本で先にやっていた。  ところが、その後ヒトゲノムについての争いが世界で起きたときに、イネゲノムのその経験を外交戦略の中できちんと生かして、日本の時の総理大臣が、我が国はイネゲノムについてこうやったと、ヒトゲノムについてもこの遺伝子地図を自分の会社の独占特許なんかにするなんということはおかしいぞ、そういうことのないようにしましょうというふうな世界で提案をすれば、私はこの生命科学の分野について、日本のリーダーシップというようなものは非常に高まったんではないのかなと。  ところが、実際どうだったかと。それをやったというのは、当時のブレアさんとクリントンさんが二人して話し合って、ゲノム地図については特許対象にするのはやめましょうと先に言われちゃったんですね。その結果として、せっかくの生物資源研究所が今までやってきたというふうなことについての、発見をしたゲノム地図はみんなの世界共有財産なんだから特許対象にするのはやめようという、そういう大きな戦略というようなものが政治の世界あるいは外交の戦略の中で全く生かされなかったということになってしまって非常に私はこれは残念だったと思います。  だから、そういう意味では、是非とも外交上もこの知的財産権、WIPOとかいろいろと今ありますけれども、非常に重要なものであって、これはもう経済産業省とそれから外務省、常に緊密な連携を取って対応していただきたいと思いますので、お待ちになった外務省の経済局長、大変恐縮ではありますけれども、その点についての御見解と、最後に大臣の決意を伺って、質問を終わりにしたいと思います。
  117. 佐々江賢一郎

    ○政府参考人(佐々江賢一郎君) ただいま先生御指摘された知的所有権に関する外交上の意味合い、戦略、私もお話を聞きましてそのとおりだというふうに痛感した次第でございます。特にこの問題は日本の将来を考える上で非常に重要だということで、外交上もこの問題を重視して、先ほど先生が申されましたWIPOとかWTOとか、あるいは二国間の場でこの問題について日本の利益が最大限確保されるように全力を尽くしてまいりたいと思います。
  118. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 本日夕刻から始まる戦略会議、今日、大変貴重な御提言をいただきました。そういったことを踏まえて、日本の知的財産権のしっかりとした発展に努力をしていきたいと思っています。
  119. 簗瀬進

    ○簗瀬進君 以上で終わります。  どうもありがとうございました。
  120. 広野ただし

    ○広野ただし君 自由党・無所属の会の広野ただしです。  今度の、この経済情勢、非常に厳しい中で特に地域がもうがたがたになってきていると、こういうことであります。私のふるさとの富山県でも三月三日に佐藤工業が会社更生法の適用をいたしまして、現在、債権者会議というのが各地で行われております。まあゼネコンの場合、数千社の債権者がいると。まあ富山県だけでも八百社以上の方々との話し合いが行われている。そしてまた、現在、北信越で八十件以上の工事が継続をされている。このことについては、予算委員会の一般質疑で扇国土交通大臣に連鎖倒産の問題と工事の継続のことについて特段の配慮をお願いをいたしました。  平沼経済産業大臣、やはり連鎖倒産の防止あるいは地元企業への格段の融資等、配慮の決意について改めてお伺いしたいと思います。
  121. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 現下の厳しい経済状況の中で、やはり今御指摘の大企業の倒産でありますとか金融機関の破綻、さらには非常に大きな問題になっておりますBSE問題に巻き込まれて、その連鎖によって非常に苦境に立っている中小企業に対しましては、私どもは従来のセーフティーネット貸付け・保証、これを拡充させていただき、さらに既往の債務に関しましても、それを支払条件を変更する、そういったこととか、あるいは更なる融資、それを受けやすいように保障をさせていただく、そういったことを一連やらせていただきまして、ある大手ゼネコンの倒産によってそういった地域の中小企業の方々がお困りだということは、その地域に窓口を設定してきめ細かく対応をする、こういう体制を取っているところでございます。
  122. 広野ただし

    ○広野ただし君 ところで、不良債権問題、特に問題三十社とか、株価百円以下の企業さんということでいろいろと話題になっているわけでありますが、最終的にこの企業を継続させるか、あるいは殺すかというような判断は言わば銀行がやっているというふうに思うわけでありますが、そういうときに、こちらの企業は法的整理と、会社更生法あるいは民事再生法、破産法と、こういうところでいきながら、片一方は私的整理といいますか、特に借金の棒引きと、債権放棄と、このところは非常にやはり中小企業にとっても、何で中小企業の場合は毎日矢の催促で返済を迫られるのに片一方は債権の放棄を受けると、どうしてそうなんだと、こういうやはり非常な怨嗟の声があるわけです。やはりそこが、非常に私的整理ということになると不透明で不公正で、そしてまた恣意性がどうも入ると、こういうところがあるんじゃなかろうかと思いますが、金融庁、こういう点で、個別案件ではなくて、どういう考え方でおられるのか、お伺いしたいと思います。
  123. 高木祥吉

    ○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。  現在、不良債権処理あるいは経済の構造改革ということで、再生可能な企業につきましては迅速にその再生を図るということを金融機関に強く要請をしてやっているところでございます。  しかし、個別の企業の再生に関しまして、例えば今、先生がおっしゃったように法的な手続で再生するのか、あるいは私的な整理手続によって再生するのかとか、あるいはその再建策の具体的な中身でございますね、債権放棄の額とか、そういった問題、具体的な問題につきましては、当該企業とその融資している銀行でございますね、これは数、相当数あったりしますけれども、そういった関係者の間でその企業の、個々の企業の実態だとか、あるいはその業界の置かれた状況だとか、それからその関係金融機関の数だとか取組方だとか、そういったいろんな要素を総合勘案いたしまして判断がなされているというのが実態でございまして、どうしてもケース・バイ・ケースで判断せざるを得ない面があるということを御理解いただきたいと思います。  ただしかし、他方で、先生がおっしゃったように、こういった処理の透明性、公正性というのは大変重要だと思います。そういうことで、金融界、産業界も一緒になりまして、どういう場合に私的整理あるいは法的整理に行くのか、あるいはその場合に手続をどうするのかといったそういった点につきまして研究会を設けまして、昨年九月に私的整理のガイドラインとして取りまとめ、公表がなされております。そういったことで、極力透明性、公正性の確保に向けた努力もなされているということでございます。  私ども金融庁といたしましては、その個々の処理について云々するということは難しい面がございますが、一般論として市場の評価を得られるような適正な再建策の策定等につきまして銀行に対し機会あるごとに要請をいたしております。  また、中小企業の話がございましたけれども、中小企業につきましても極力、できるだけ再生の方向で取り組んでいくように金融機関に要請をいたしております。
  124. 広野ただし

    ○広野ただし君 確かにこの私的整理に関するガイドライン、私も十分に知っておりますけれども、そういう中で債権を放棄したときに、まあ損金算入をして、税でも、税でもまけるんだと、こういうようなこと、まあ言わば公的資金を別の意味で投入をしているわけですよね。だから、そういう、何というか、非常に不透明なやり方よりも法的整理を原則にする、そしてまたもう私的整理は例外中の例外であると、こういう原則で厳格にやはりやっていかないと、片一方は救われて、片一方は倒されると、誠にその判断基準がよく分からないということになりがちですから、よく気を付けていただきたいと、このように思います。  ところで現在、経済の空洞化ということでありますけれども、私はもう経済の空洞化は避けられないんだと思います。先ほど大臣が、製造業において一四、五%ですか、海外に出ていっている。アメリカなんかもう三〇%いっておりますから、ドイツもそういうところですから、アメリカ、ドイツ等の例を見ますと、日本は一生懸命努力もちろんしますが、なかなかそういうところは避けられないことになるのかなと思っておりますが、じゃ海外に出ていく分を日本の中に入れればいい、国内へ直接投資を大いにやらせればいいんだと、こういう思いでおります。やはりどんな色であろうと、白であろうと黒であろうと日本に投資してくれる、このことを大いにやればいいんだと、こういうふうに思っておりますが、そういうときにどうしてもインフラの問題であるとか国内で規制が非常に強いとか、いろんなことがあるわけであります。  特に業法と言われるもの、私の自由党の方で業法をずっと網羅をしまして、この間百七十本ほどの業法について規制撤廃論という考え方でやってまいりました。経済産業省が、数の数え方があろうかと思いますが、二十本以上の業法をお持ちであります。  そういう中で、この業法、特に代表的な例は電気事業法、ガス事業法、石油業法は今度廃止されることになりましたが、そういう中で現在自由化論議をしておられますけれども、私の考え方では、今まで例えば自動車であるとかエレクトロニクスであるとか、非常につらいことだけれども海外と戦ってやっていった企業が強靱な体力を作って、そして稼いでくれていると、こういうことだと思うんですね。ところが、業法があって護送船団方式でやっている産業は、銀行を始め保険、証券、みんな、あるいは土木建設業、運輸業、みんな惨たんたる状況であると。  こういうことから考えますと、やはり代表的なそういう業法、規制緩和という、規制撤廃という考え方以上に業法に目を付けてやっていかなきゃいけないと、こういうふうに思っておりますが、公正取引委員長いかがでしょうか、経済の自由化といいますか、そういう観点から業法についてどういうふうに見ておられますか。
  125. 根來泰周

    ○政府特別補佐人(根來泰周君) この業法につきましては、いろいろ、これはもう先生は御専門家ですから申し上げることもないわけでございますが、いろいろよって立つ理由があるというふうに理解しているわけでございます。そうは言いながら、できるだけおっしゃるように業法面における規制というのを開放して自由な競争をして、競争を促進して経済の活性化を図るということが大切だろうと思うわけでございます。  そういう見地から、私どもも業法に対してもいろいろ意見を申し上げ、また私どもの仕事についてもガイドラインを設けて、競争活発ということを主眼にしてやっているところでございます。
  126. 広野ただし

    ○広野ただし君 そのときに、構造改革といいますか、それぞれの業種における構造改革というものを併せてやっていきませんと、ただ自由化と言ったって、これほうり出されるような話でありますから、そういう中で、話題になるそういう業法のほかに、私は既存産業においても、既存産業が本当に体質の強い産業になっていかなきゃいけない。アメリカの鉄鋼業界のようなことになってしまっては、後でまたお金を投入しなきゃいけない、こういうことになってくるわけで、鉄鋼業であろうと、石油化学でありますとかIT関連の電機産業ですとか流通でありますとか、経済産業省所管の各産業界の構造改革というのはどういう形でどういう理念でやろうとしておられるのか。  昔ですと、それぞれの産業のビジョンというものがありました。そういうところに、今政府がどうのこうのやる時代ではないんですが、今こういうときにこそしっかりとしたビジョンが必要なんじゃないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
  127. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、御指摘になられたように、業法があって護送船団方式という形で、それを外した業界が大変日本の場合には国際競争力を持っているということは事実が示していると思います。  今、そういう厳しい中で、私どもとしては、そういう御質問の点に関しまして、やはり国際競争力を強化するためにどのような構造改革をしていくかと。こういう問題については、近年、賃金やコストの内外価格差等に対応しまして、我が国製造業というものが中国等の海外に進出、移転する動きが続いて、それは先ほど御指摘のとおりであります。そういう中で、我が国の産業の国際競争力の強化と経済の活性化を図っていかなければならないと思います。  そういうために、一つの基本的な考え方として、これは御指摘になられましたけれども、日本は今高コスト構造、これを是正しなければならない。こういう形で、例えば電力料金一つ取っても諸外国に比べて高い。そういったところで、今構造改革という観点の中で、一部電力料金を自由化をする、それによって電力料金は下がってきた、これは事実であります。そういったことにも取り組んで、やっぱり物流やエネルギー等の高コスト構造をまず是正をする。  それから、やはり日本全体のそういう競争力を高めるためには、地域も同時にレベルアップしていかなきゃいけない、地域も力を付けていかなきゃいけない。そういう観点から、これももうよく御承知でございますけれども、地域の産業のクラスター計画というのをやりまして、そしてこの拠点を作りながら、その地域に非常にポテンシャリティーのあるものを中心に産業集積をし、その中で地域の経済の構造改革を図りながら、国際協力を作ってレベルアップをしていく、こういうのも今動いているわけです。  それと同時に、やはり新しい構造改革するという形の考え方の柱の一つに、新しく企業を創造して日本のそういう競争力を付けていく、また経済の基盤を広げていくという形で、これは法案でもお願いをいたしましたけれども、新規企業を立ち上げるために、やはり従来はいろんな手かせ足かせがありましたけれども、新規企業を創業しやすいそういうシステムを、これも構造改革の一つですけれども、やっていく。こういう形で、目標といたしましては、今年間十八万社ぐらいしか新規産業は、新規企業は立ち上がっておりませんけれども、それを倍増しようと。  それから、これはもう御意見があると思いますけれども、税制の面でも構造改革をしていく。そういう形で、また大学に蓄積されているそういうものを生かしながら、一部TLOとかそういうのをやっておりますけれども、いわゆる大学の技術を生かしながら産官学の連携、こういうことも一つでございますし、潜在的な市場を掘り起こして、そしてそこの構造改革によって新たな活力を生み出す。それから産業再編、こういうことをやっていく。  こういったことを、実は昨年十一月から、当省においても産業競争力戦略会議というものを立ち上げまして、そういうものを非常に抜本的に今検討しておる。  多少長くなって恐縮でした。
  128. 広野ただし

    ○広野ただし君 そこで、私は海外にもおりましたときに、各州の知事がもう海外の、アメリカではなんですが、海外の企業を、我が州に来てもらいたいということが最大の眼目でやっているわけですね。ですから、トヨタですとかホンダですとか松下さん、ソニーさん、我が州に来てくれと。アメリカから言えば、日本はどっちかというと黄色人種ですから余り頭も下げたくなかった、昔は。しかし、もう一生懸命になってお百度参りをして懐へ引っ張り込むわけです。そういう面ではやはり内外無差別、言わばオープンにして外国投資を入れ込むということをやはり構造改革の中に大きく入れておいてもらいたいと思うんです。  ですから、流通産業における再編の中でウォルマートが入ってくる、こういうことも非常に大きなインパクトになるわけです。こっちの国内産業だけで考えておってはもうどうにもならない時代になっているんですから。しかも、新しい産業、私は物すごく大切だと思っていますが、既存産業がいかにして強くなっていくかというところに、そこでたくさんの社員が働いているわけですから、そこのところを是非構造改革の大きな力点に入れておいていただきたいと、こう思うわけであります。  続きまして、そういう新しい産業のことがありましたので、その新しい産業のことで非常に個別具体的な話になるんですけれども、お話をさせていただきたいと思います。  先ほど簗瀬さんの方からありましたが、知的財産についての評価というものが今は十分になされていない、国から研究開発予算が出る、あるいはソフトウエア開発のお金が出ると。ところが、年度末までにこう仕上げろと、こういう考え方なんですね。これはもう非常にオールドエコノミーのあれで、箱物を造ると、これは年度末にやれというのは分かります。ところが、物を発明をするとか物を無から有を生み出すというときに、忽然としてあるときにアイデアが出て、それで一気に研究が加速すると、こういうことなんです。ですから、いつも契約をするのも、大体七月か八月になってやっと契約をすると、そして年度末までに仕上げろと。  知的活動というものはそういうものではないんで、ここのところは繰越し等をもう非常に簡単にできるように、アメリカはもういち早くそういうことをやっております。  ですから、今日は財務省さん来ておられると思いますが、知的活動についての繰越しを簡単にしていくということについて、どうお考えでしょうか。
  129. 牧野治郎

    ○政府参考人(牧野治郎君) 今、先生から御質問ございましたが、予算の執行をできるだけ柔軟にやっていくということは非常に重要であるということは承知しておりまして、現在の財政法の制約といいますか考え方の下で、できるだけそれを確保するために繰越明許費を活用する、それから国庫債務負担行為の活用を行うということに努めているわけでございます。  これまでも、したがいまして、こういう研究開発経費は適宜繰越明許の対象としてきておりますが、今後ともこういう繰越しの申請事務、その手続が円滑に進むように、手続の簡素化でございますとか合理化ですとか、そういったことに努めてまいりたいと考えております。
  130. 広野ただし

    ○広野ただし君 そこは本当に単なる繰越明許とかいうようなことでは駄目なんで、アメリカは連邦調達規則に特例を設けてやっているんです。ですから、特に研究開発、ソフトウエア開発というものについてはしっかりとしたことをやらないと、頭脳活動なんですから、年度末までにこうできないとかという話ではないということです。  しかもまた、税制なんかで研究開発の税制やっていますけれども、これもちまちました本当に腰の入っていないものになっておりまして、是非その点も、詳細になりますけれども、ちょっとお話ししておきますと、アメリカの場合はもう直接費用ばかりじゃなくて間接費用ですね、そういうものまで見ているんです。そして、研究開発をした、それでちゃんと利益が出るような契約になっています。日本だと研究開発をするともう大損だと、だから国のプロジェクトに参加したくても参加しないというようなところが一杯あるわけで、そういう点は是非、これからは特に知的財産、そしてそういうものが経済を活性化するということですから、大いに考え直していただきたいと思いますが、財務省はいかがでしょうか。
  131. 石井道遠

    ○政府参考人(石井道遠君) 研究開発に関する税制でございます。先生御承知のとおり、既にいろいろ措置は取っておるつもりでございます。  他方、今後、試験研究促進税制などの租税特別措置の在り方、これは現在、税制全体について新世紀にふさわしいあるべき税制というものを議論いたそうといたしております。その中で検討していくべき問題であろうと思っておりますけれども、その際、一方で、経済活動に中立でゆがみのない分かりやすい簡素な税制ということが一方で求められております。また他方、同時に、こういう経済社会の正に先生御指摘になられましたような構造変化にも的確に対応していかなくてはいけないという要素もございます。  ですから、そのような幅広い観点も含めて今後検討が進められるべき問題であろうというふうに考えております。
  132. 広野ただし

    ○広野ただし君 それと、中小企業基本法のときに、中小企業は、今はもうセーフティーネットのことばっかり言われていますが、正に経済の活力を生み出す非常にその源泉なんだと、そういう考え方がありました。今、中小企業でも生き生きとしてやっているところは幾つもあります。ですから、そういうときの、私、NHKの「プロジェクトX」というのを非常によく見ているんですが、失敗を乗り越えて大変すばらしい成果を出している、中小企業でもそういう企業は一杯あるんで、単なるモデル工場ですとかなんとかいって表彰を中小企業庁はやっていますけれども、やはり映像ですよ、しかも、ちょっとドラマが入ったそういうもので国民の皆さんに訴えると。  もう昔は、やはりソニーでもホンダさんでもトヨタさんでも松下さんでもあるいは京セラさんでも、それを持ち上げた人物がやっぱりいるわけですよね。それにスポットライトを当てたような、昔は中小企業ですから、それでぐんぐん伸ばしてきたというところがあるわけで、私はやはりそういういいところも大いに宣伝をすると。そうすると勇気がわいてきますから、そういうことを是非お考えいただきたいと、こう思います。御見解を。
  133. 大島慶久

    ○副大臣(大島慶久君) 先生のお考え方、我々も全く同感でございまして、やはりメディアの中でテレビの影響というのは非常に多うございますから、そうやって元気に頑張って、いろんなアイデアを持ってやっておられる中小企業の実態というものをテレビなんかで紹介するということは、大変私重要だと思います。  そこで、少々我が省もやっております視点から御説明をいたしますと、中小企業の紹介のテレビ番組、制作放送ということを実際やっております。これは余り長い時間じゃございませんけれども、具体的にTBSで週一回、十五分でございますけれども、「ビジネスズームアップ」という番組を毎週放映をさせていただいております。  そんなことで、これからも頑張りたいと思いますし、また十四年度から地上波放送に加えましてBSデジタル放送にも放送を開始する予定、こういうふうになっております。本年度から開始いたしました中小企業庁のメールマガジンでも、特色のある中小企業の事例を度々取り上げて、紹介をさせていただいているところでございまして、我が省といたしましては、このような広報活動に一層積極的に努力をいたします。  加えて、御指摘のようなマスメディアでの放送等で元気な中小企業や創業者の実像が放送され多くの人の目に触れていただく機会が増えますように、私どもも望んでおりますし、努力をさせていただきたいと、こんなふうに思っております。
  134. 広野ただし

    ○広野ただし君 最後になりますが、九・一一のテロがありましてからもう半年になるわけであります。  日本人の場合は、のど元過ぎれば熱さ忘れるということであります。日本でも、原子力発電所を始め石油コンビナート、もう経済産業省所管のところでテロに遭ったらば大変な事態になる、そういうところがもう多々あるわけであります。かえってそれを言いますとそこをねらわれたら大変なことになりますから詳細は申しませんけれども、特にテロ支援国家ということで対岸の国が言われているわけでありますから、私ども日本海側のところでは、原子力発電所の場合は海上保安庁が沖合に出ているとか、いろいろとあります。  そこのところをもう、もう一回総点検いただいて、しっかりとしたテロ対策が行われるように腹を据えてやっていただきたいと思います。大臣にその御見解をお願いいたします。
  135. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 九月十一日の御指摘がありましたが、私は直後の閣議において、やはり原子力発電所の安全というものを非常に問題意識を持ちまして、発言をさせていただきました。  そこで、今ちょっと言われましたけれども、海上保安庁の巡視船が常時張り付く、また、今までは地元警察でございましたけれども、機動隊、そういったものも常時警備をする、そういう体制を取っています。そういう意味で、私どもとしては、そのほかに所管をしております石油精製設備でありますとか変電設備、こういったところにも私どもはそういう体制を取ると、こういう形で今までもやってきました。  これからも、御指摘のとおり非常に国にとって一番重要な部分でございますので、その安全対策に関しては更に努力をしてまいりたいと、このように思っています。
  136. 広野ただし

    ○広野ただし君 どうもありがとうございました。  終わります。
  137. 草川昭三

    ○草川昭三君 草川であります。  質問の順番を変えていただきまして、委員長始め各党の皆さんに御礼を申し上げます。  午前中の質疑にもあったと思いますけれども、自由貿易を主張するアメリカが鉄鋼のセーフガードを発動したと聞きましたが、その背景はどうか。それから、同じく、昨年のアメリカのテロに対しまして一貫して協力をしてきたイギリスのブレア首相が今回のアメリカの対応について、米国自身の問題の矛先をイギリスなりEUに向けるということはおかしいじゃないかというように米国の批判をしているわけでありますが、今後のEU諸国とアメリカの関係、あるいはまた我が国の対応をどのように考えておられるのか、お伺いをします。
  138. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。  まず、米国自身の内部の背景ですね、そういったことについてまずお答えをしたいと思いますけれども、一九九七年以来、米国鉄鋼生産能力の約三〇%を占める三十一社の企業が破産申請をしたと、こういうアメリカの事態があります。米国政府はその原因を他国からの輸入にすべて帰しておりまして、今般の輸入制限措置を講ずると、こういうふうに見ております。  報道等によりますと、今般の決定の背景としては国内鉄鋼業界等に対する政治的な配慮があった、これは選挙のときにそういう公約をしていたと、そういうような事実もこれはあるわけであります。  しかし、一九九八年以降、世界全体から米国への鉄鋼輸入はむしろ減少傾向にございまして、我が方としては、米国鉄鋼産業が抱える問題というのは、一つは膨大な鉄鋼産業を退職した方々の年金ですとか医療費負担、これが非常に大きな比重を占めている。そして、さらには、非効率な生産設備能力の存在、こういうものがあって非常に競争力が弱まっている。したがって、米国鉄鋼産業自身の競争力の欠如ではない、そういうふうに私どもは理解をいたしておりまして、これらの問題を解決することなく安易に輸入にその原因を求めましてセーフガードの措置を講じることは本質的に解決にはならないと思っております。  御指摘のように、英国も非常に友好国としてやっておりましたけれども、非常にこれに関しましては、鉄鋼セーフガードの措置によって最大の影響を受けるのは欧州であると、そういうことでありまして、強く非難をしているところは事実でございます。EUはもう既に、草川先生よく御承知のとおり、WTO紛争解決手段に付託をしておりまして、EUの対米貿易に与える損失に対する代償の要求も行っているところでございまして、欧州委員会は対抗措置の準備を行う権限もすべての加盟国から取り付けていると、こういう形で米国との間は非常に緊迫の度合いを加えていると、こういうことでございます。  今般、日本にこういう形でセーフガードが発動されると、こういうことに相なるわけですけれども、私どもとしては、やはりまず二国間の協議の中でアメリカの説明をよく聞いた上で、やはりEUと同じような措置を取らなければならない、そういうように思っているところであります。
  139. 草川昭三

    ○草川昭三君 ちょっと私は専門でないので分かりませんが、米国がEUに対して関税の上乗せよりも厳しい関税の割当て方式を提示したというように言われておりますが、日本に対してはどちらを持ってくるんでしょうか。
  140. 古屋圭司

    ○副大臣(古屋圭司君) お答えさせていただきます。  今度のセーフガード措置でアメリカは鉄鋼製品の十四品目を対象にしていますけれども、うち十三品目については関税の引上げ、残り一品目、これは半製品ですけれども、これについては関税割当てにより行うというふうにしているわけでありまして、こういった措置は一部途上国等の例外措置を除きまして輸出国にかかわらず一律に適用されているということでありまして、そういった観点からしますと、米国がEUのみに対して関税割当て方式というものを提示をしたのではなくて、日本に対しても同様の措置が講じられるということになるというふうに考えております。
  141. 草川昭三

    ○草川昭三君 WTO提訴を考えるという今、大臣の答弁ですが、これに対して同調することが予想をされる他の国々はどんなところがありますか、お伺いします。
  142. 古屋圭司

    ○副大臣(古屋圭司君) もう委員御承知のように、今月の三月の七日にEUがガット二十二条に基づきまして紛争処理の手続に付託すべく協議を要請を行ったということでございますけれども、じゃほかの国は、現在では協議要請を行っている国というのはございません。  しかし、このセーフガード協定に定められている事前協議につきましては、我が国そしてEUのほかに、例えば韓国であるとか中国、オーストラリア、ノルウェー、ブラジル、ニュージーランドなどが米国に協議要請を行っておりまして、したがって、これらの国々がWTOに対しまして本件の付託の可能性を有しているというふうに考えております。
  143. 草川昭三

    ○草川昭三君 外務省、見えますか。  ちょっと外務省にお伺いしますが、このアメリカのセーフガードの発動については、先ほどもちょっと大臣答弁されましたけれども、次回の大統領選挙を意識した政治的な決定もあるのではないかと言われておりますし、特に鉄鋼生産地であるピッツバーグは共和党は非常に弱いと、あそこは労働組合が強いところですから、というようなことも原因ではないだろうかと言われているんですが、もし事実であれば、これは大変な私は問題だと思うんですが、日米交渉の大きな柱とすべきだと思うんですが、外務省の対応はどうでしょう。
  144. 佐々江賢一郎

    ○政府参考人(佐々江賢一郎君) アメリカの政府は今回の措置につきまして、表向きと申しますか、ブッシュ大統領自身は、この倒産とか深刻な失業を招いているということで、この外国輸入製品の急速な増加に、調整する機会を与えるための一時的な救済だと、こういう説明をしているわけでございます。  しかしながら、先生御指摘のとおり、ペンシルバニア等の鉄鋼業が盛んな州の幾つかは大統領選で重要な州になっているということは周知の事実でありまして、特に、おっしゃられましたペンシルバニアにおいては過去の大統領選挙におきまして民主党が非常に強いということもあるわけでございますし、ほかの重要な鉄鋼産業が存する州におきましても大統領選において極めて重要な意味合いを持っているということは、先生の御指摘のとおりだと思います。  先ほど平沼大臣がおっしゃられましたとおり、外務省といたしましても経産省と協力して、この二国間の今、セーフガード上の協議を行っておりますけれども、その中で、アメリカの措置の撤回を求める、あるいは場合によって、この状況によってガットに訴えるということで、これは日本として筋を通した対応をすべきだというふうに、このように思っております。
  145. 草川昭三

    ○草川昭三君 大いに頑張っていただきたいわけでございますが、一つ間違えますといわゆる本格的な制裁合戦という、お互いにやるならやろうやと、何だと、こういう感じになると私は大変なことになるような気がいたしますが、米国の、日本が訴えた場合の米国の行動というのは何が予想されるか、お伺いしたいと思います。これは大臣ですか。
  146. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 米国はいろいろな場面で、今回のセーフガード措置がWTO紛争解決手続に付託されることはやむを得ない、こういう姿勢を一貫して示しているところであります。したがって、米国は我が国による付託を受けまして、今後WTOで決められた手続の下で米国の措置がWTOルール違反であるかどうかについての議論を行っていく、こういうことに相なると思っております。また米国政府は、他国による対抗措置の発動をWTOに脅威を与える誤ったものと強く非難をしておりまして、各国を今牽制しているところであります。仮に対抗措置の発動がなされれば、当然、今おっしゃったように、米国から強い反発を招く可能性が高いと思っています。  しかし、WTOルール上、一定の要件の下ではセーフガード措置に対する対抗措置が認められていることになっておりまして、我が国といたしましては、米国政府に対し、そもそもこの問題の発端であるセーフガード措置の撤回を強く求めることがまず第一だと思っておりまして、すべてのWTO協定上の権利を留保の上対応してまいる、こういう基本姿勢を持っておりますけれども、具体的に、じゃどういうことを今アメリカが用意しているか、こういうことはちょっと今のところ分かりませんけれども、相当強い態度で臨んでくることは間違いないと、こういうふうに思っております。
  147. 草川昭三

    ○草川昭三君 では、ちょっと鉄鋼の問題置いておきます。外務省、結構でございますから。  それで、今度は電気事業の自由化の問題を少し取り上げたいと思うんですが、この電気事業の自由化の拡大については、昨年の十一月から大臣の諮問機関の電気事業の分科会が行われておりまして、現行制度の検証論議を終えて、いよいよ四月には制度の検討に本格的に入るというふうに伝えられております。また一方、ガス事業の方は、電力・ガス事業部長の私的諮問機関としてガス市場整備研究会が昨年の夏ごろから幾つかのテーマ別に意見交換を行っておりまして、これもちょうどまとめの時期に入ったと聞いております。  一方、政府の総合規制改革会議というのがあるわけですが、これも昨年の十二月に今後の規制改革の方向性についてといって総理に答申を、この三月末までに行おうと、新たな規制改革推進の三か年計画の閣議決定をすると、こういう流れになっておるわけであります。当然この中には経済産業省のこの二つの諮問機関に関するテーマも含まれるわけでありますが、我々としてもどういう内容がこの中に盛り込まれるのか関心のあるところであります。  また一方、今、アメリカの話が出ましたが、日米経済の構造協議においても、アメリカから日本のエネルギーの自由化に関する制度見直しについてかなり強いプレッシャーが掛かっておるように聞いております。  そこで、質問に入りたいと思いますが、政府としてエネルギーの自由化に関する検討の結論は、今述べましたようにガスの自由化あるいは電力の自由化等々のいろんな意見があるわけですが、どちらを、どちらという質問がいいのかどうかですが、どこにウエートを置いて大臣としては臨まれるのか、お伺いをしたいと思います。
  148. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。  我が国の経済活動及び国民生活の基盤となる電気事業やガス事業に関する制度の在り方については、それぞれの財の特質、例えば電気は貯蔵しにくいけれどもガスはできる、そういう特質がございます。また現在、各々の事業の現状及びこれらを含むエネルギー市場の実態等を踏まえつつ安定供給を効率的に達成し得る公正かつ実効性のある制度を構築していく、このことがポイントであります。したがって、実態に応じて電力とガスで結果が異なることを、これは決して私どもとしては排除をしているわけではございません。  こうした観点から、電気事業制度については、昨年十一月から総合資源エネルギー調査会電気事業分科会で御審議をいただいております。また、ガス事業制度についてもそういった形で同様でやっておりまして、私どもとしては、今言ったそういう考え方で安定供給ということを胸に置いてやっていきたいと。  その中で、やっぱり自由化というのは一つの方向でありますけれども、例えば電力に関して言うと、カリフォルニアのああいう電力クライシスがあったと、そういったことを、安定供給という観点を入れればそういうこともやっぱりある程度きちっと考慮に入れて総合的に判断をしていかなきゃいけない、このように思っています。
  149. 草川昭三

    ○草川昭三君 大変今貴重な答弁をしていただいたわけですが、ちょっと、じゃ電力の話が出ましたので電力に絞って、例えば、その電力の自由化の拡大は投資コストの回収に非常に時間が掛かるわけですから、また政治的な要因というのもたくさんあるわけですから、例えば原子力発電というのが一つあるわけですが、新たに増設をするというのは非常に難しい状況になってきておるわけですよ。そういう意味で、役所として電力の自由化の拡大と国際、国際というのは、国の政策としてやってきた原子力の推進というのをどのようにうまくマッチングするかという、ここは非常にこれから私は政策としては難しくなってくると思うんですね。  それから同時に、バックエンド対策というんですか、核燃料サイクルの確保だとか高レベルの廃棄物の処理、処分等についても、国がある程度責任を持ってあげないと、民間企業にどうぞおやりなさいと言って、なかなかこれもうまくいくことではないと思うんですね。  それからまた、もう一回前に戻りますけれども、そのガスと電気との関係も下手をすると自由化問題ということについて二元的な行政になるという可能性もあるわけなので、そこら辺はよほどしっかりして対応を立てていただきたいと思うんですが、その点どうでしょう。
  150. 古屋圭司

    ○副大臣(古屋圭司君) この自由化による競争原理を導入をするということ、これは大切でございます。一方、その原子力の推進ということも、これは環境、そして安定的な供給という観点からもいずれも重要でございまして、両方やはり推進をしていくということが大切でありまして、実は、大臣が諮問いたしましたけれども、その中に、電力の安定供給を効率的に達成し得る公正かつ実効性のあるシステムの実現をしていくべきと、こういう諮問をしておりますので、その諮問を踏まえて、いかに効率化、そして原子力の推進という課題の追求がお互いに損なわれることのないように、どういうふうにやって推進していくことができるか、この辺を今検討をさせていただいているところでございます。  もう一方、今、核、高レベル廃棄物のことについてお尋ねでございます。これはもう従来から自由化問題とは全く別の問題として我々も考えておりまして、日本は核燃料サイクルを基本的な考え方にいたしておりまして、そして昨年が、失礼しました、一昨年ですか、平成十二年に、いわゆる特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律が成立をいたしまして、この高レベル廃棄物の処分の確保の方法、そしてその地域の選定プロセス等、最終処分の枠組みを決める法律が成立をさせていただきました。いよいよこの最終処分に向けての具体的な事業というものがこの法律が成立したことによってスタートしたというふうに認識をいたしております。
  151. 草川昭三

    ○草川昭三君 そこで、ちょっとまた目を海の外に向けますが、アメリカのエンロンですが、このエンロンというのが倒産に至ったわけですが、これはもう随分日本にも紹介をされております。  私どもも、一時はエンロンが日本に上陸して某電力会社を買収するんじゃないかというような情報なんかもあって驚いたこともあるわけですが、これはかなり、金融の問題は別としまして、デリバティブの問題は別といたしまして、我が国に影響力大変多いと思うんですが、一つ問題点を絞って、今、電力のこの自由化の問題から話を進めておるわけですが、いわゆる電力の自由化ということを非常に簡単に考えていきますと、エンロンのような一つのスタイルを日本のエネルギー会社が進む可能性すらあると思うんですね、膨大な資本力を持っておるわけですから、ほかの面で稼ぐわけですから。  しかし、私はそうではなくて、やはり電力は電力ということの事業で特定をしていただいて、いわゆる垂直分割というんですか、横に広げていくのではなくて、いわゆる発電と送電を分けるというような、垂直分割するのではなく、発送電の一貫体制を維持する。こういうことを言いますと、電力会社の味方をするような発言になって大変恐縮なんですが、そうではなくて、エンロンのあの倒産を見ると人ごとではないと。やはりもちはもち屋で、専門は専門として、日本には従来の方式を定着させた方がいいのではないかと思うんですが、その点はどうでしょう。
  152. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) エンロンに関しましては、草川先生よく御承知のとおり、昨年の十二月二日付けで日本の会社更生法に当たりますチャプターイレブン、この適用の申請を受けました。ダイナジー社による買収がとんざをしまして、格付会社の格付引下げに伴って資金調達が非常に困難になった、これが直接の原因と言われております。また、このエンロンというのは、巨大な企業がブロードバンド事業、こういったところに手を出して失敗をしましたり、また簿外取引について情報公開が不十分だったと、こういった形で市場の信頼を失って一挙に破局に向かったと、こういうことでございまして、御指摘のように、米国のエネルギー市場に与えた影響は極めて深刻な問題だと思っています。  実は、私が通産大臣のときにも一回エンロンの会長が来まして、雄大な構想をぶっておりました。また、経済産業大臣のときももう一回来まして、そして六ケ所村のところに発電所を造るんだと、また宇部興産のところにも、山口県にも造るんだというようなことも言っておりました。しかし、それが着手されなくて非常に私は良かったなと、こういうふうに思っております。  そこで、垂直、水平というお話が出ました。これはエンロン社の例も当然あるわけでございます。しかし同時に、先ほど私がちょっと申し上げたように、アメリカの電力危機というものをやっぱり見てみますと、やはりそういうその一体化じゃなくて、分割をしたというようなところが非常に大きなネックになって電力クライシスを迎えたと、それが安定供給を非常に阻害したと、こういう面があります。  ですから、カリフォルニアのその電力クライシスが起こった後、経済産業省、資源エネルギー庁、チームを編成しまして、そして実態を見てまいりましたし、さらに足を伸ばしてそういった自由化をやっているヨーロッパも見てまいりました。  そういった中で、やっぱりああいうものを他山の石として、私どもは安定供給のためにやっぱりしっかりとした、自由化をやるにしてもしっかりとしたそういう体制で臨まなきゃいけない、こういうことでございまして、そういうことも十分踏まえながら、安定供給ということ、それからやっぱり高コスト構造の是正というそういう面もありますから、そういうことの視点を踏まえてやっていかなければいけない、こういうふうに思っております。
  153. 草川昭三

    ○草川昭三君 じゃ、また今度は少し話題を変えまして、ウォルマートですね、アメリカの最大のチェーン店ですか、これが西友と業務提携を発表したという報道がありますが、これは事前に経済産業省に相談があったのかどうか、それから、もし、これは我々が推定する限りはやがて西友はこれ吸収をされることになるのではないかと思うんですが、我が国の流通業界への影響は相当大きいものがあると思うんですが、どう判断をされておるか、お伺いをします。
  154. 古田肇

    ○政府参考人(古田肇君) お答え申し上げます。  今回の御指摘の業務提携でございますが、あくまで民間企業同士で進められてきておるものでございまして、当省と事前に相談しながらというものではございません。ただ、業務提携発表の前に、当省に対しましても概略のお話はございましたし、また発表の翌日にはウォルマートの責任者が当省においでになりまして、そして御説明、御報告をいただいたところでございます。  それから、御質問のありましたこの今回の提携のもたらす影響といいますか位置付けでございますが、今般は包括業務提携と言っておりまして、長期的なパートナーシップの第一歩だという発表をしております。これは、当面ウォルマート社は六・一%の株式を保有するということでございますが、本年末には三三・四%、二〇〇五年末に五〇・一%、二〇〇七年末には六六・七%ということで、新株の予約権ということで、これだけの割合の引受権を設定しておるわけでございますので、究極的には西友の六六・七%の株式を所有する権利を獲得したということでございます。  一方、西友といたしましては、流通業界における競争が大変激化していく中で、生き残りを懸けて今回の資本受入れを決断したというふうに承知しておるわけでございます。  これまで既にいろいろな流通外資が日本市場に参加しておりまして、うまくいっているものもあれば失敗して撤退したものもあるわけでございまして、今回のウォルマートの進出につきましては、今年の年末までに具体的な戦略についてフィージビリティースタディーをするということで、今のところまだ、具体的にどのような店舗展開をするのかとか、あるいは看板をどうするのかとか西友の既存の店をどう使うのかとかいうことを明らかにしておりませんので、その辺よく見守っていきたいと思っております。  ただ、御案内のように、ウォルマートは世界最大規模の小売業でございますし、特に徹底したローコスト経営ということで、エブリデー・ロー・プライスということで、毎日低価格を提供するということと、そのために、ITを活用しまして大変優れた製販一貫した物流システムを持っておりまして、これによる強力な商品調達力を持っておるということでございますし、また顧客サービスについても大変徹底したものがあるということでございますので、こういった企業が我が国に参入してくることによりまして、これからメーカー、卸、あるいはスーパー等も含めた多様な合従連衡でありますとか連携が進むと思われますし、それから、新たなビジネスモデルの創出に向けて大変な競争が進むとも思われますし、あるいは価格政策、物流政策、あるいは日本の取引慣行といったものについても大きな転換があり得るんじゃないかということで、かなりのインパクトがあり得るということで、私どもとしては見守っていきたいと思っております。
  155. 草川昭三

    ○草川昭三君 今の局長の答弁は、一面では非常に歓迎すべき点がある、あるいはまた消費拡大につながる点があるかも分からない、しかしその反面大変怖いことですねという、一言で言えばそういうお話だと思うんです。多分そうだと思うんです。  そこで、どうなんですか、流通業界は店舗過剰と今考えておみえになるのかどうか、店舗過剰と。多分、店舗過剰と考えておみえになるやに答弁だったと思いますが、もしそうならば今から手を打って、この業界の再編成については、行政指導というそういう時代ではありませんけれども、バックアップをしながら再編をやりませんと、気が付いたときには大変なことになるような気がしてなりません。どうでしょうか。
  156. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 流通業界というのは、消費の低迷の中で売上げが減少する一方で、むしろ店舗の数は増加傾向にある、こういう状況であります。したがいまして、競争が非常に激化しているということは事実であります。  具体的にちょっと数字を申し上げますと、例えば平成九年から十二年に掛けまして大型小売店舗の売上げは三・四%減少しておりますけれども、売場面積は一七・一%増加している、こういう状況であります。しかし、流通業界の競争の原因は、単なる店舗の過剰とは判断し難い面もあることは事実でございます。  すなわち、中国を始めとするグローバルなネットワークによって廉価で高品質な商品が調達され、流通システム自体が大きな変革を迫られている。また、それを背景に、企業レベルでその立地条件や特性を生かしまして、ターゲットとする顧客層、品ぞろえ、顧客サービス、店舗展開の面で様々な戦略が展開される。さらに、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、専門店などの業種、業態間でも消費者の支持を得るための競争が激化しているわけです。こうした中で売上げを伸ばす新興流通業が誕生をいたしまして、また民間企業同士の合従連衡が進む一方で、市場から退出する企業も増加している。それを総体的に見ますと、流通業界というのは正に転換期に入ったなと、そういう認識を持っているところでございます。  このような激しい競争の帰趨としましては、業界の将来像がどのようになっていくかということは一義的に今の段階で断定するのは困難でありまして、それぞれの企業が多様で変化する消費者のニーズを的確にとらえていくことが重要であると思っておりまして、最終的にはそのような取組を行う企業が消費者の支持を得て勝ち抜いていくものだと考えております。  自由経済の中で、御指摘のように、経済産業省が交通整理をして、又はそういうものを抑制すると、こういうことは私ども考えておりません。しかし、そういう傾向をしっかりと見極めながら、側面的ないろいろな政策の中で業界の円滑な、そして健全な発展、そういうものを促していきたいと、こういうふうに思っています。
  157. 草川昭三

    ○草川昭三君 じゃ、もう時間がございませんので、あとちょっと愛知万博のことについてお伺いをしますが。  現状における資金面での地方の負担金は、かなり地方は頑張っているんですというふうにお話を聞いていますが、中央の分担金分がなかなか苦しいように聞いておりますが、どのように把握をしておみえになるのか、お伺いをします。
  158. 古田肇

    ○政府参考人(古田肇君) お答え申し上げます。  会場建設費に関する民間拠出につきましては、現在、博覧会協会におきまして、今おっしゃったような地元、更に中央の業界団体、企業等に広く御寄附をお願いしておるわけでございます。御指摘のように、地元を中心にこれまで一定の企業、団体等から内諾はいただいておるわけでございますが、中央経済界を始め、なお一層の資金協力が必要だというふうに認識しておりまして、引き続き協会において働き掛けを行っていただいておるところでございます。  それから、私ども政府におきましては、寄附金について非課税措置を認めるなどの支援を行っているところでございます。
  159. 草川昭三

    ○草川昭三君 観客の動員、お客さんですが、大体どの程度の見込みか。当初の見込みよりはある程度下げておるわけですが、そういうことを前提に、予定の入場料金は幾らぐらいになるのかなという実は疑問が多いんですよ、地元では。  アバウトなところで結構ですから、お答え願いたいと思います。
  160. 古田肇

    ○政府参考人(古田肇君) 昨年十二月に基本計画を博覧会協会の方で発表しておりますが、そこでは入場者数につきましては千五百万人という数字を見込んでおるわけでございます。  入場料金につきましては、確かに非常に今御関心が高まっておるところでございますが、現在、博覧会協会の中で、過去の国際博覧会の水準でありますとか、あるいは昨今の国内の地方博の事例、これは大体三千円ぐらい、大人で三千円ぐらいでございます。それから、ディズニーとかユニバーサルスタジオとかいった国内の他の行楽施設、これは大人一人五千五百円でございますが、そういった数字も参考にしながら、想定される入場者の年齢層、団体種別、各種割引制度等を踏まえたシミュレーションあるいは運営費の収支見通しなど、様々に今検討しておりまして、これらの検討を基に、今後、入場券の種類、料金の設定等の詳細を決定いたしまして、来年の秋ごろには前売り券の発売を開始する予定でございまして、現時点ではそういう様々な料金設定の在り方についてのシミュレーションをしておるというところでございます。
  161. 草川昭三

    ○草川昭三君 パビリオンの応募の状況、それから参加希望の、大体どんなような内容か。これは地方自治体の参加あるいは民間企業、海外からの出展希望はどんなような現状か、お伺いします。
  162. 大島慶久

    ○副大臣(大島慶久君) 草川先生に私からその件にお答え申し上げますが、まず地方自治体の参加でございますけれども、既に愛知県、これは海上の森にでございますけれども、決定いたしておりますし、また名古屋市が独自のパビリオンを、これは青少年公園の方になりますけれども、決定をいたしております。また、広く中部地域広域交流館というものも計画しておりますが、おいおいそちらの方も煮詰まってくるであろうと、こういう推測をいたしております。  それから、民間企業グループの出展でございますけれども、間もなく三月二十五日から参加申込みの受付が開始をされる予定でございますけれども、主要団体や大手企業等において出展参加の申込みを検討していると、こういうふうにお聞きをいたしているところでございます。  また、海外からの参加でございますけれども、昨年の三月から各国政府あるいは国際機関に対して、外交ルートを通じて正式な参加招請を行ったところでございますけれども、現在、二十七か国、そして五国際機関から正式な参加表明がなされております。  愛知万博が国際博覧会として意義のあるものとなりますように、国内外各方面に多数の出展参加がございますように我々も努めてまいりたいと思っています。  それから、これは参考でございますけれども、小泉総理が各国から訪れてまいります大統領だとか、それから各国の首相、そういった方たちとのお話の中で必ずこのPRをしていただいておりますので、そういった中で今のところは極めて感触がよろしいというのが六か国ございます。これは補足でございますけれども、御説明申し上げておきます。
  163. 草川昭三

    ○草川昭三君 今たまたま二十一日から小泉総理が韓国へ行かれるというお話がありましたが、ここで非常にお聞きしておきたいことが一問あるんですが。  日本と韓国の間で自由貿易協定締結に向けて研究を行うというのが一部報道されておりますが、その点について、どのようなスケジュールで、どんな内容になるのか、これはちょっとお答え願いたいと思います。
  164. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさしていただきます。  日韓のFTAにつきましては、一月末に両国合同の日韓ビジネスフォーラムが開催されました。包括的な分野での経済連携協定締結推進のここで提言がなされたことでございまして、そして二月にはこの座長を牛尾さんがされておりますので、牛尾座長から総理に対して提言がなされました。これを受けて、今後の進め方について政府部内で今検討をしておりまして、韓国側と調整の上進めていくことに相なると思います。  なお、明後日に予定している首脳会談におきましては、韓国側と協力してこのモメンタムを維持して、この点についても当然進展が図られると、こう思っておりまして、私ども経済産業省としても、今までも担当大臣間でこのことは話し合ってまいりましたし、前向きにやっていかなければならないと思っています。
  165. 草川昭三

    ○草川昭三君 もう時間が来たようでありますので、最後に万博の問題で要望があるんですが、雪エネルギーを利用した冷凍倉庫の出展を希望する自治体があります。これは新潟の方だとか北海道の地方自治体で、これは今回の愛知万博のテーマに非常に合致するので、是非冷凍倉庫の出展をしたいというお話があるんですが、ただ、参加料が高いために難しいとか、あるいはパビリオンを作る力がないとかというのがあるわけですが、非常に私、テーマとしては非常に重要だと思っておりますので、是非何らかの援助をかかる自治体等に与えていただきたいということを要望しておきたいと思います。  この点についての御見解を賜りまして、終わりたいと思います。
  166. 平沼赳夫

    ○国務大臣(平沼赳夫君) 草川先生御指摘のように、この万博のテーマというのは「自然の叡智」でございます。そして、二十一世紀というのは正にエネルギーの世紀でありまして、こういう雪氷エネルギー、たまたま今日のNHKの朝のニュースでも新潟県の取組が放映されておりました。そういう意味で、非常に私はこの愛知の万博、これに合った一つの私は出し物になると思います。  そういう意味で、私どもとしては前向きに検討をさせていただきたいと思っております。
  167. 草川昭三

    ○草川昭三君 以上です。
  168. 保坂三蔵

    ○委員長(保坂三蔵君) 以上をもちまして、平成十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  169. 保坂三蔵

    ○委員長(保坂三蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十二分散会