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1999-07-27 第145回国会 参議院 交通・情報通信委員会 14号 公式Web版

  1. 平成十一年七月二十七日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  六月三日     辞任         補欠選任      山内 俊夫君     西田 吉宏君  六月四日     辞任         補欠選任      西田 吉宏君     山内 俊夫君      脇  雅史君     上杉 光弘君  六月七日     辞任         補欠選任      上杉 光弘君     鹿熊 安正君  六月二十九日     辞任         補欠選任      渕上 貞雄君     田  英夫君  七月二日     辞任         補欠選任      田  英夫君     渕上 貞雄君  七月二十二日     辞任         補欠選任      本田 良一君     伊藤 基隆君  七月二十三日     辞任         補欠選任      伊藤 基隆君     本田 良一君  七月二十六日     辞任         補欠選任      内藤 正光君     角田 義一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小林  元君     理 事                 加藤 紀文君                 景山俊太郎君                 寺崎 昭久君                 森本 晃司君                 渕上 貞雄君     委 員                 岩城 光英君                 鹿熊 安正君                 田中 直紀君                 野沢 太三君                 山内 俊夫君                 山本 一太君                 若林 正俊君                 角田 義一君                 本田 良一君                 松前 達郎君                 鶴岡  洋君                 宮本 岳志君                 戸田 邦司君                 岩本 荘太君    国務大臣        運輸大臣     川崎 二郎君    政府委員        厚生省児童家庭        局長       横田 吉男君        運輸省運輸政策        局長       羽生 次郎君        運輸省鉄道局長  安富 正文君        運輸省自動車交        通局長      縄野 克彦君        運輸省航空局長  岩村  敬君    事務局側        常任委員会専門        員        舘野 忠男君    説明員        運輸省航空事故        調査委員会事務        局長       筑波  章君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査  (山陽新幹線福岡トンネルコンクリート剥落事  故に関する件)  (全日空六一便ハイジャック事件に関する件)  (JR株式の売却とJR各社の完全民営化に関  する件)  (チャイルドシートの普及促進策に関する件)     ─────────────
  2. 小林元

    ○委員長(小林元君) ただいまから交通情報通信委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る六月四日、脇雅史君が委員を辞任され、その補欠として上杉光弘君が選任されました。  また、去る六月七日、上杉光弘君が委員を辞任され、その補欠として鹿熊安正君が選任されました。  また、昨日、内藤正光君が委員を辞任され、その補欠として角田義一君が選任されました。     ─────────────
  3. 小林元

    ○委員長(小林元君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小林元

    ○委員長(小林元君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に渕上貞雄君を指名いたします。     ─────────────
  5. 小林元

    ○委員長(小林元君) 運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査を議題といたします。  山陽新幹線福岡トンネルコンクリート剥落事故に関する件及び全日空六一便ハイジャック事件に関する件について、政府から報告を聴取いたします。川崎運輸大臣
  6. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 初めに、去る六月二十七日に発生いたしました山陽新幹線福岡トンネルにおけるコンクリート剥落事故の概要とその後の取り組みについて御報告申し上げます。  まず、事故の概要ですが、平成十一年六月二十七日九時二十四分、山陽新幹線小倉―博多間で停電が発生し、下りひかり三五一号が、延長約八・五キロメートル福岡トンネルの出口を通過後、同出口付近で停止しました。このため点検を行ったところ、一部のパンタグラフが損傷していることが判明しましたので、同箇所について応急処置を行った後、博多までの運転を行いました。  その後の調査により、ひかり三五一号の車両の屋根上にコンクリート片が発見され、また下り線側のトンネル覆工の一部が剥落していたことから、トンネル内の壁面のコンクリートの一部が走行中のひかり三五一号に落下し、パンタグラフを損傷させたことが判明しました。  コンクリートの落下原因については、現在、科学的な分析作業を行うことにより、詳細を調査中ではありますが、現時点では、剥落部上部にコールドジョイント部が存在したこと、またその下部のコンクリートに不連続面があったことから、剥離が生じ、それが徐々に進行し、剥落に至ったものと推定されております。  私は、安全の確保は運輸の基本との認識から、同種の事故の再発防止を最も重要な課題と受けとめ、今回の事故に対応してまいりました。  具体的には、六月二十八日に、九州運輸局からJR西日本に対し事故原因の究明及び具体的な再発防止対策の策定を行うとともに、事故時の連絡体制の確立を図るよう文書により指示し、七月三日には同局の担当官を現地に派遣しております。  また、本省からは、六月二十八日に、同種の事故の再発防止のため、事故原因と推定される明瞭な不連続面となっている施工上の打ち継ぎ目部、いわゆるコールドジョイント部を中心に、新幹線トンネルについて七月末までに緊急に安全総点検を実施するとともに、必要に応じ適切な措置を講じるよう、JR東日本、JR東海、JR西日本に対して指示いたしました。  さらに、七月五日には、JR在来線、民鉄、地下鉄等を含むトンネルを有する全鉄道事業者に対し、同様の事故の発生のおそれのあるトンネルを中心とした点検を行うよう指示したところであり、これらの指示を受け、現在、鉄道事業者においてトンネルの点検及び所要の対策が鋭意進められております。  このうち、JR西日本では、七月六日までに山陽新幹線の全トンネルにおいて目視検査を実施し、二千四十九カ所のコールドジョイントを発見しました。その後、これらのコールドジョイント部周辺での打音検査を実施し、七月二十四日までにすべての検査を完了しましたが、その結果、濁音が観測された三百一カ所について所要の対策を講じているところであります。  また、安全総点検の進展を踏まえ、七月二十二日には本省から大臣官房技術審議官福岡トンネルに派遣し、事故現場及び点検状況について調査を行いました。  今回のトンネル内のコンクリートの剥落事故がコールドジョイントに起因するという予想もしなかった現象であり、また、このことが鉄道運行の安全に直結する重大かつ緊急なテーマであるとの認識のもと、トンネル安全問題について、今後JR西日本が行う原因究明の調査、鉄道事業者各社の点検結果等を受け、トンネル構造物に関するコンクリート問題についての検討会を開催することとし、トンネルの点検方法、補修方法等を含め、中長期的な保守・管理のあり方について年度内を目途に取りまとめることとしたところであります。  なお、他省庁においてもトンネルの点検を実施しており、十分連携をとりながら進めてまいりたいと考えております。  また、このトンネルにおけるコンクリートの剥落問題とは別に、近年、山陽新幹線の高架橋等のコンクリート片の落下事例が相次いでおり、JR西日本の調査結果では平成八年度から現在まで四十七件に及んでいることが判明し、同社では、この問題についても総点検と必要な対策を既に実施したところです。  この問題については、従来からJR西日本の社内の委員会においてその原因と対策等を検討してきたところでありますが、なお高架橋のコンクリート片の落下が相次いでいる現状を踏まえ、今般その検討体制を強化することが必要と考え、鉄道総合技術研究所に新たに委員会を設置し、山陽新幹線コンクリート構造物の剥落等を防止するとともに、健全性を維持するための方策を確立するよう指示しました。なお、この委員会には、国の職員参加する予定であります。  山陽新幹線福岡トンネルにおけるコンクリート剥落事故の概要とその後の取り組みについて御報告させていただきました。  私としましては、早急に緊急点検や必要な対策を実施し、今回の事故で損なわれた鉄道の安全性への信頼を回復するとともに、今後のトンネル保守・管理のあり方を検討し、同種の事故が二度と発生することのないよう、最善の努力を尽くしていきたいと考えています。  委員会の委員の皆様におかれましても、引き続き御支援御協力を重ねてお願い申し上げます。  続きまして、全日空六一便ハイジャック事件について御報告申し上げます。  去る七月二十三日、十一時二十三分羽田発新千歳行き全日空六一便(乗客五百三名、乗員十四名)が離陸直後の十一時二十五分にハイジャックされ、同機は、一たん大島上空付近まで飛行した後、米軍横田基地方面に向かい、十二時十四分、羽田空港に着陸しました。犯人を除く乗客五百二名は無事に降機いたしましたが、この間に、同機の長島直之機長が犯人の凶刃に倒れられ、亡くなられるという、まことに痛ましい事態となりました。この場をおかりして、みずからの命をもって乗客・乗員の安全の確保に尽くされた長島機長のみたまに心より哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々に心よりお悔やみを申し上げる次第であります。  運輸省といたしましては、このハイジャック事件の重大性にかんがみ、まず、現地の東京空港事務所において、二十三日十一時三十二分に空港長を本部長とする航空機不法奪取事件現地対策本部を、運輸本省では同日十一時四十五分に航空局長を本部長とする航空機不法奪取事件対策本部を設置しました。  私は、本省の対策本部を直接指揮するとともに、十三時三十分に羽田空港における保安対策基準を厳戒時に適用するフェーズⅡに引き上げるよう指示し、十三時四十五分にこれを全国の空港に拡大させました。  さらに運輸省では、同日十七時三十分に、航空局長を本部長とする全日空六十一便ハイジャック事件原因究明・再発防止対策委員会を設置するとともに、航空会社等に対し改めて保安対策基準の強化等について文書による指示を行いました。  その後の捜査機関からの情報によれば、犯人は二十三日早朝に一たん伊丹空港に赴き、伊丹空港において凶器の入ったかばんを羽田行きの便に託送し、羽田空港の受託手荷物引き取り場でこれを引き取り、通行禁止の階段を通じて同空港出発ロビーに上がり、全日空六一便に搭乗したということであります。  羽田空港では、既に二十四日早朝より、事件後の全般的な空港保安強化策の一貫として、羽田空港の受託手荷物引き取り場と出発ロビーを結ぶ階段四カ所に警備員を配置させたところでありますが、さらに翌二十五日には、全国の他の空港で同様の問題がないかどうか総点検を実施し、問題のある空港においては直ちに緊急の対策を講じる等の指示を行ったところであります。  なお、新聞報道等によれば、犯人は、先月中旬に羽田空港保安体制の不備を指摘する投書を羽田の空港警察署及び空港ビルに送付し、その後航空会社及び空港事務所にも送付していたものであり、またそのとおり実行したとのことでありますが、現在、本件は捜査中であり、その投書との関係につきましては原因究明の結果を待って明らかにしてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、本件の重大性にかんがみ、運輸省としては、既に緊急措置を講じているところでありますが、今後とも関係省庁の御協力を得ながら、原因究明の徹底及び再発防止策のさらなる検討を行ってまいりたいと考えております。  ありがとうございました。
  7. 小林元

    ○委員長(小林元君) 以上で政府からの報告の聴取は終わりました。  それでは、これより運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 野沢太三

    ○野沢太三君 自民党の野沢太三でございます。  最初に、ハイジャック事件の方から質問をさせていただきたいと思いますが、このたびの全日空六一便のハイジャック事件におきまして殉職されました長島直之機長は、交信記録等から判断いたしまして、最後まで最善の努力を尽くしたものと推定されるわけでございます。不幸にも犯人の凶刃に倒れましたが、五百二名の乗客並びに他の乗務員も助かることができまして、心から御冥福をお祈りし、御遺族にお悔やみを申し上げるものでございます。  また、機体の異常降下に気がつきまして、操縦室の犯人を取り押さえました乗務員の行動と勇気は称賛に値するものと思いますが、この点につきまして運輸大臣の御所感をお聞かせいただきたいと思います。
  9. 川崎二郎

    ○国務大臣(川崎二郎君) 今御指摘もあり、また私も発言をさせていただきましたけれども、長島直之機長が犯人の凶刃に倒れられ、亡くなるというまことに痛ましい事件に至りました。改めて長島機長のみたまに心より哀悼の意を表しますとともに、今御指摘いただきましたように、いずれにせよ五百二名の乗客が無事降機することができたということについては機長初め乗員の方々の努力を評価したいと考えております。
  10. 野沢太三

    ○野沢太三君 詳しい分析はまた後ほどの解明の中で明らかにしていただくことにいたしまして、当面報道等により明らかにされております事柄に関して御質問をしてまいりたいと思います。  今回の事件は、異常なまでの航空マニアとも言うべき人が事前に警備のあり方が不十分であることを指摘して、それに対する関係機関の対応が不十分であるということを不満として犯行に及んだということが動機の一つとして報道され、先ほどの御報告の中にも一部触れられているわけでありますが、乗り継ぎの盲点を利用して貨物扱いの手荷物受取場から階段を逆行してチェックイン済みの出発待合室に入った、こういうふうに言われておるわけでございます。  この点について警備の状況が不十分ではなかったか。単に標識で入っちゃいかぬという程度の指示では、これはもういつでも立ち入ることができるし、また逆行防止の設備、壁があるとかあるいはドアも一方的な方向しかあかないとか、そのような設備が可能なのかどうか。  いずれにしましても、この種の警告やら投書、それから爆破予告等の電話がしょっちゅうあると思うんですが、こうしたものに対する危機管理の対応というものはどうなっておりますでしょうか。差し支えない範囲でお聞かせいただきたいと思います。
  11. 岩村敬

    ○政府委員(岩村敬君) 今回の警告を含め、爆破予告等航空保安に関する警告等は日ごろあるわけでございます。そして現場では、爆破予告等の航空保安に係る警告を受けた場合には、航空会社は直ちにその内容について、会社が要領を定めておりますが、それに従いまして評価をし、その信憑性が高いと判断される場合、また信憑性は低い場合であっても付加的な保安措置が必要と判断した場合には、関係機関とともに必要に応じて航空機そして手荷物の安全を確認するということをいたしておるわけでございます。また、そういう警告がなされた場合には、警察含め関係当局そして他の航空会社にその情報を通報することにいたしておりまして、情報を共有化しつつ安全の確保をするという仕組みをとってまいっておるわけでございます。  今回の全日空六一便のハイジャックに関しての警告の取り扱いでございますが、簡単にちょっと経緯を申し上げますと、六月十四日付の警告書が、投書と申しますか、日本空港ビルデングあて、ターミナルビルを設置し管理しているビルディング会社あてに届いております。その後、中旬から下旬にかけて空港警察そして航空会社に同趣旨の投書が届いたわけでございます。これを受けてそれぞれ対応を始めたわけでございまして、空港警察は巡回監視の強化もその時点で始めておったというふうに聞いております。それから六月二十一日になりまして、我が方の出先でございます羽田の空港事務所の方に同趣旨の投書が届いたわけでございます。  そういうことを受けまして、六月二十九日に関係者が、すなわち事務所、航空会社、それから空港ビルデング、そういった関係者が集まりまして、現場の確認そして対策会議を開いたわけでございます。  その中で、当面直ちにできる対策として、不審者に声をかける、そういったことをしようじゃないか、それからこういった逆行するということがあるということで注意をしようじゃないか、そういった申し合わせをし、その他の方策、今先生御指摘あった施設の改良等を含め、そういったものについては今後具体化を図っていくということで、まさに検討をしていたやさきにこういった事案が発生したわけでございます。  そういう意味で、結果としてその対策が必ずしも万全ではなかったという点、この点は厳粛に受けとめ、反省もしておるところでございます。  我々としては、今後こういう同種の事案の発生防止策、さらにはそれ以上の航空保安対策について万全を期していく、そのための対策をとっていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
  12. 野沢太三

    ○野沢太三君 御努力はされていたことはよくわかりますが、いずれにしてもこれはスピードが非常に重要だと思いますし、相手側が納得をするかどうか、この点もありまして、実名まで名乗って投書をしてきているということからすれば、ある意味でこれは本当に前向きに活用できる情報であったかもしれないわけでありますので、今後ともひとつこれを大きな教訓として取り組んでいただきたい、こう思うわけでございます。  そして、もう一点お伺いしたいのは、ハイジャックをされた場合の犯人に対する対応の仕方というのは、密室であり、かつ飛行中の航空機の中という大変難しい条件の中で応対をせねばならないわけでありますので、これまでも大変これは多くの課題を含んできた問題でありますが、まず何よりも乗客の安全を考えるということが基本かと思いますけれども、今回、操縦室に容易に入ってしまった、あるいは入れたのか、要求がきつかったのか、これはやむを得ないものがあったのかもしれませんが、この点。  さらには、乗務員を何らかの形で保護する方策がないのかどうか。連絡なりあるいは応援なりあるいは防護的な着衣等の着用、それから、最悪の場合には犯人に対する実力行使といったことも含めての対抗措置等も考えておかなきゃいかぬのではないか。  現に、今回の場合も、最終的に飛び込んで取り押さえたということは実力行使ということでございますが、そういった面での対応のあり方がさまざま考えられるだろうと思いますので、これまでのマニュアルの再検討も含めまして機内の警備体制を一層ひとつ考えていただき、これに沿って乗務員の訓練をしっかり重ねていただきたいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
  13. 川崎二郎

    ○国務大臣(川崎二郎君) まさに野沢委員御指摘のとおりでございまして、まず、昔のハイジャック事件というのは、基本的には政治的背景があるものが多うございました。どこの飛行場へ行けと目的地を指定する、場合によっては金を見返りに求める、こういう事案が多かったように思います。しかしながら、平成七年、九年、そして今回の事件を見てまいりますと、どうも我々では想像のつかないことをする。  今回の場合は、機長が大変痛ましい犠牲になったわけでありますけれども、幸いにして今お話しのように、乗組員が入って飛行機の安定性を取り戻すことができましたが、機長自体を傷つけるということは犯人にとって自分の身も安全でなくなるということでありますから、そういう意味では想定し得ない事態が起きてしまったということは事実だろうと思います。したがいまして、やはりこうしたとうとい犠牲というものを踏まえながら、私ども、次への対策はすべて一から見直さなければならないだろうと思っております。  今日までの経験の中でマニュアルというものはつくられておりますけれども、こうした事案が現実に起きたということから、コックピット自体をあけるべきかあけるべきでないかという問題も含めて根本的に私ども検討してまいりたい、このように思っております。また同時に、御指摘のように余り時間のかけられるものではありませんので、私ども早急にこの問題の検討に入りたい、このように思っております。
  14. 野沢太三

    ○野沢太三君 すぐできることと時間のかかることとあろうかと思いますが、いずれにしましても、全力を挙げての対応をよろしくお願いしたいと思います。  それでは、山陽新幹線の福岡トンネルにおきますコンクリートの剥落事故について御質問に入りたいと思います。  山陽新幹線が開業してからこれまで約二十五年経過をいたしております。また、東海道の開通から考えますともう三十五年という年月がたっているわけでございますが、今回の福岡トンネルのように、コンクリートの剥落した塊が列車に直接衝撃をしたという事故は初めてではないか、かように思うわけでございます。しかしながら、過日、新関門トンネルにおきまして停電事故が発生した原因が、やはりコンクリートの一部が剥落したことが原因というふうに報じられておりまして、このような事故が出るということは見過ごしてはならない状況に全体の状況が来ているのではないか。このような現象が起こる素因というものは相当広範多岐にわたっていると疑ってかかることが大事ではないかと思うわけでございます。  運輸省の方におかれましても、先ほどのお話のように総点検を指示されておられますが、この結果についてもう一遍、現時点でわかっている範囲、特に新幹線を中心にお聞かせいただければありがたいと思います。
  15. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) お答えいたします。  運輸省としましては、先ほど大臣の方から報告がございましたように、今回の福岡トンネルの剥落事故を踏まえまして、事故翌日の六月二十八日、JR東日本、JR東海、JR西日本に対しまして、新幹線トンネルについて今月末までに緊急に安全総点検を実施するよう指示したところであります。さらに、七月五日には、JRの在来線、民鉄、地下鉄等を含むトンネルを有する全鉄道事業者に対しまして、同様の事故の発生のおそれのあるトンネルを中心に点検を行うよう指示したところであります。  現在、これらの指示を受けまして、各鉄道事業者において、総点検の実施、これを踏まえた所要の対策を実施しているところでございますが、今までのところ、新幹線につきましては、JR西日本は既に百四十二のトンネルすべて検査を終了しておりまして、結果として二千四十九カ所のコールドジョイントを確認しております。このうち三百一カ所でいわゆる打音検査による濁音が観測されておりまして、これについて所要の措置を講じているところでございます。  それから、JR東海につきましては、六十六トンネルに対して現在のところ六十四トンネルで検査を終了しております。この結果、三十五カ所でコールドジョイントを確認しておりますが、今のところ打音検査による濁音は観測されなかったということでございます。  それから、JR東日本でございますが、百六十二トンネルに対し現在のところ百六トンネルで検査を終了しております。この結果、約百八十カ所のコールドジョイントを確認しておりますが、このうち数カ所で濁音が観測されたということでございますが、現在確認作業中でございます。  また一方、JR西日本では、山陽新幹線の高架橋からのコンクリート片の落下が相次いだということもございまして、高架橋について自主的に総点検を実施しておりまして、剥落等の可能性のある箇所すべてを入念にハンマー等によるたたき落としとかあるいは防錆処理等の措置を講じているところでございます。また、あわせて行った調査によりますと、過去の剥落件数は、平成八年度からでございますが、四十七件に上るということでございます。  さらに、このほかのJR在来線、民鉄、地下鉄等につきましては、各事業者ごとに計画を定めて、これに基づいて点検を行うよう指示しておりまして、現在、各鉄道事業者が鋭意点検を実施しているところでございます。  以上でございます。
  16. 野沢太三

    ○野沢太三君 一葉落ちて天下の秋を知るという例えがありますが、この一つの剥落ということの裏にはやはりそのような大きな素因があったということからいたしましても、今後の取り組みが非常に重要になってこようかと思うわけでございます。発見しました箇所はペンキその他でマークをされる等、注意を払えるようにいたしまして継続的な観測をぜひお願いいたしたいわけであります。  そこで、点検、検査の手法でありますが、私も担当していたことがありますけれども、国鉄時代から熟練した職員が目視あるいは打音を基本にいたしまして、問題のある箇所についてはボーリングをしてコアをとったり、背面の状況を調べる、こんな方法をやってきたわけでありますが、近年超音波を使いまして背面状況を推定するという方法も開発されていると伺っております。現在使われております点検、検査の手法はどのようなものがあるのか、これについて何か新しい進歩があったかどうか、お聞かせいただければと思います。
  17. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 委員今御発言のとおり、現在のJR各社等の鉄道事業者のトンネルに係る点検、検査といいますのは、基本的に目視によりまして、ひび割れであるとか浮き上がりであるとか漏水等の有無を確認いたしまして、これを踏まえて必要な箇所について、先ほど言いましたように、打音検査を実施してこれを確認するということを行っているところでございます。  今回の緊急点検につきましても、基本的にこの目視検査によるコールドジョイントの確認、それから確認されたコールドジョイントについて、その周辺の打音検査により濁音の有無を確認するという方法をとっておるところでございます。委員御指摘のように、超音波等の近代的な技術を活用した方策というのも現在いろいろ検討されておりますが、まだ必ずしも一般的な形では行われておりません。  そういう意味で、運輸省としましては、今後トンネル安全問題検討会、この中で将来的な検査の方法、点検のあり方、これにつきましても、超音波等の近代的な技術を活用した方策も含めましてどういう方法があるのか、その体制の確立について検討していきたいというふうに考えております。
  18. 野沢太三

    ○野沢太三君 今回おっこちましたコンクリートの塊を見ますと、写真で拝見をいたしたわけでありますが、二メートル掛ける六十五センチくらいの三角錐形をした比較的大きいものが落ちている、こういうことだと思います。建設以来もう二十七年を経過しておるし、これまでの構造物検査が大体年一回くらいは行われていたと思いますが、兆候らしきものが発見されていない、突然落下したという原因がどういう理由であるのか。この原因を突きとめることは今後の対策にとって非常に重要な問題ではないかと思います。  専門家の皆様の御判断を大いに期待するわけでございますが、施工上の問題やコンクリートの劣化あるいは振動、風圧等さまざまなことが考えられますが、現時点ではどのような原因とお考えであるか、お聞かせいただきたいと思います。
  19. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 今回の事故につきましては、詳しい原因究明については、現在、JR西日本の方で鉄道総合技術研究所のトンネルの専門家を交えた調査を行っておるところですが、現在のところ推定し得る原因としては、いわゆるコールドジョイント部が存在したこと、また、この下部のコンクリートに何らかの原因で不連続面があったということから剥離が生じまして、それが徐々に進行したことによりコンクリート片が走行中の新幹線に落ちたために生じたというふうに推定されているところでございます。  ただ、この不連続面がどういう形で生じてきたかという細かい原因調査につきましては、現在JR総研の方で詳しく調査をしているところでございます。
  20. 野沢太三

    ○野沢太三君 トンネルにかかわらず鉄道関係の構造物全体につきましては、しっかりした健全度診断の手法というものが既に確立されておって、どんなところをどのような方法で点検、検査をするか、年に一回あるいは何年に一回という形できちんと検査をする仕組みができているはずでございますが、この手法が昔のままでいいのかどうか。さらには、その周期でございますね、検査周期というものを構造物の加齢に伴ってやはり見直していく必要があるのではないか、こういうことも想定されるわけでございますが、この健全度診断の周期見直し、そしてまたその対応策、修繕なり取りかえ、改良に至ります判断というものは現在どのようにしておられるのか。これは、JRのみならず民鉄その他を含めて重要な課題であろうと思いますが、どういう状況にあるか、お聞かせいただきたいと思います。
  21. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) コンクリート構造物の健全度の診断につきましては、JR西日本におきましては、トンネル部について鉄道総合技術研究所がまとめておりますトンネルの検査や補修のためのマニュアルがございます。このマニュアルに基づきまして二年に一回の定期点検ということを行っております。さらに、盆、正月、ゴールデンウイーク等の繁忙期、多客期におきまして不定期点検というのを実施しておりまして、これらの定期点検あるいは不定期点検によってトンネル構造物の健全度診断というのを行ってきておるところでございます。この健全度診断の結果、補強、補修等が必要であればそれを実施しているという形になっております。  一方、山陽新幹線等の高架橋についても同様に、一般的な保守マニュアルをつくりまして、社内に設置しておりますコンクリート委員会において、コンクリートの中性化対策等のマニュアルに基づきまして、同じように健全度診断を定期的に行って、補強なり補修を実施してきているところでございます。  先生御指摘のように、具体的な現在の点検あるいは補修の周期、内容につきましては、先ほども申しましたが、今後のトンネルの安全問題についての保守管理のあり方を検討する運輸省に設置されます検討会におきまして、山陽新幹線のコンクリートにかかわる問題につきまして今後検討していきたい。さらには、高架橋等も含めました全般的な問題につきましては、JR総研における委員会を設置しておりますが、ここにおきましても健全性を維持するための方策を確立するということで、具体的な今後の診断の方法等も含めまして、その診断の周期あるいは手法、そういうものにつきまして、これらの検討結果を踏まえて、必要に応じ見直しを図っていきたいというふうに考えております。
  22. 野沢太三

    ○野沢太三君 ぜひとも手法を今の時点で見直しまして、既に二十年、三十年という歳月を経過した新幹線が今後とも良好に機能していくようにお願いをいたしたいと思うわけでございます。  そこで、構造物の寿命というのは一体どのぐらいまでもつんだ、こういう基本的な問題があるわけでございますが、普通、コンクリートの構造物であれば五十年とか六十年はもう十分もつということであるし、またそれ以上実績を持っている構造物もたくさんあるわけでございますけれども、山陽の場合それよりも相当早いところで問題が出てきたということかと思います。  構造物の寿命は、適切な修繕、あるいは取りかえというところまではいかないにしましても、維持管理の前提の上で寿命というものが決まる、こういうふうに言われておるわけでございます。問題になっておりますトンネル、それから高架橋も今お話がありましたように相当な崩落があるということからいたしますと、差し当たりの浮いた箇所を落とすという点は応急措置としては必要かと思いますが、それをやはりもとへ戻す、断面をもとへ戻すとか、あるいは鉄筋が露出した部分についてはさびをとめるとかいったことも含めた修繕、取りかえ、そして場合によっては抜本的な改良も含めた対応策をきちっと立てておかなければならないかと思います。この点についても今後の研究会の中ではっきりひとつ確立していただきたいと思うわけですが、どうですか。
  23. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 委員おっしゃいますように、現在のところ、コールドジョイントを含めたトンネルの濁音があるところにつきましては、当面の措置としまして、継ぎ当てと申しますかパッチを当てるような形での応急措置を講じているところでございます。それから、高架橋等につきましても、削り落とし、あるいはさびどめといったような形で当面の応急措置を講じて、この結果、直ちに危なくなるようなことがないように処置しているところでございます。  ただ、今後抜本的な形でこれをどう、ある意味では半永久的に、永久的に維持していくためにはどういう手法を用いたらいいか、その点につきましても、先ほど申しました検討会において十分審議していただきまして、それに基づいて対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
  24. 野沢太三

    ○野沢太三君 その際ぜひ留意していただきたいことは、従前の強度を十分維持する、あるいは場合によってはそれを上回るというくらいの対応策を期待したいわけであります。  過日の阪神・淡路大震災のときに高架橋が相当ダメージを受けたわけでありますが、よく子細に現場を見ると、スラブ、基礎のたぐいはほとんど問題がない。問題は、橋脚が相当大きな被害を受けたということから、これを立ち上げまして、橋脚の周辺に鉄板等を補強して、注入その他によってもとへ戻したと。しかし、この工法は従前のものに比べて大体三倍ないし五倍の強度を有するということで御安心して乗っていただいている、こういうふうに報告を受けておるわけでございます。  そんなことも含めまして、今後の高架橋あるいはトンネル等の補修あるいは改良の方策につきましても、寿命の延伸も含めて対応策がきちんと立つような施策をこの進んだ技術の中で生み出していただきたいとお願いを申し上げます。  そこで、ひとつ運輸大臣にこれはお願いでございますが、東海道新幹線も昭和三十九年に開業してから十年程度の間にさまざまなトラブルが出まして、例えば雨が降ればのり面が崩れてとまってしまうとか、レールの継ぎ目が問題を起こして絶えず折損事故を起こすとか、あるいは地震に対して大変心配があるとか、課題がたくさんございました。  そこで、昭和五十年以降検討をいたしまして、月に一回だけでございますが、半日運休をした上で、ポイント、レールの全交換、架線の重量化あるいは信号装置の取りかえ、バラストの交換、さまざまないわゆるリニューアル、若返り作戦を実行したわけでございます。年に十回、約五年間にわたってこれを進めたために、現在、東海道新幹線は、例えばレールのトラブル等はほとんど、年に一、二回程度しか発生しないという良好な状態で走行を重ねておるわけでございます。  山陽も二十五年という歳月からすれば時既に遅しと言ってもいいかもしれませんが、ちょうど今その時期に差しかかっているのではないかと思うわけでございます。運休するか否かは別といたしましても、とにかく必要な維持管理、修繕等の手だてを講ずるということが避けて通れないときに来ているかと思いますので、JR各社とも御協議の上、何としても御英断を振るってこれらの施策が円滑に行えまするよう御指導いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  大臣の所感、御決意を伺いまして、質問を終わりたいと思います。
  25. 川崎二郎

    ○国務大臣(川崎二郎君) 今、過去の経験から御提案をいただきました。まさに列車をとめてでも若返り作戦に入るべきかどうか、こういう御指摘でございました。  実は、私ども、今回の問題に対する対応としまして、一つはやはりJR西日本が基本的には当事者として万全な体制をもって対応すべきであろうと。事故を起こさない、そしてどういうことをすることによって国民の信頼を回復することができるか。この問題について、JRそして協力会社の能力を最大限に生かして今懸命に取り組んでおるところだと思っております。  しかしながら、それだけでは済まない問題であろうと。したがって、JR三社、民間の鉄道事業者、また私は北海道開発庁長官を兼務いたしておりますので、北海道のトンネルもすべて点検をさせました。建設省においてもすべての点検をいたしておると。そういう意味では、日本のこうした問題に取り組むすべての英知を結集してこの問題を解明し、対策を考えていかなければならないだろう、このように思っております。  したがって、第一段階の西日本の責任として何を果たしていくべきかということについて、私自身もできるだけ西日本の経営者と直接会って話をしてまいりたい。先日も東京まで来てもらいましたけれども、できるだけの機会を持ちながら、経営者の判断をできるだけ私自身吸い取りたい。  しかし、一方で、今申し上げたようないろいろな状況判断があり、またいろいろな方々の御指摘もあります。そういったものを総合的に踏まえながら対応していかなければならぬなと思っております。そういった状況で、まさに野沢委員は御専門家でございますので、また私どもにもいろいろ御指導いただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
  26. 野沢太三

    ○野沢太三君 そこで、もう一つだけお願いですが、西日本の責任であることはもちろん間違いありませんけれども、分割・民営という中で鉄道の研究部門が別に総合研究所という形で分離されております。それからまた、道路を初めとして各方面で同種工事をしておるという実績もございまして、学者を含め専門家が相当育ってきておりますので、そういった皆さん方の御経験、知恵をぜひとも結集できるような方策を講じていただければありがたい、かように思います。これをもう一点加えまして、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  27. 川崎二郎

    ○国務大臣(川崎二郎君) 今御指摘いただいたことは、まさに運輸省として大きな課題であろうと受けとめております。
  28. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 私も、去る二十三日に発生したハイジャック事件の問題について取り上げたいと思います。  今回のハイジャック事件で犠牲になられた長島機長のみたまには心より哀悼の意をあらわす次第でございますが、あわせて、安全の確保には今後とも万全を期さなければいけないと考えている次第であります。  それにつけましても残念なのは、犠牲が出てから後追いで保安対策の強化がなされたということが一つ。それから、今回のハイジャック事件の引き金となった凶刃の機内持ち込みというのは、手荷物検査装置の不備というよりは危機管理意識の不足、弛緩、そういったものが原因ではないかと考えられる点でございます。  確かに、一階から二階の出発ロビーへ通じる階段には通行禁止、上らないようにというような立て札もあり、そのことの徹底に努められたんだとは思いますけれども、しかしながら、世間一般に、遊泳禁止という立て札があっても泳いでおぼれる人は毎年残念ながらいるわけですし、立入禁止の札があっても間違ってそこへ潜り込んで池に落ちて命をなくすという子供だっているわけであります。  先ほど運輸大臣は、我々には想像もつかないことが起こったということをおっしゃられましたけれども、災害とか事故というのはえてしていわゆる常識では考えられないような状態で起きるものなので、私はそういう意味でやはりどこかにすきがあったのかなと考えざるを得ないのではないかというように思っております。  そこで、まず大臣にお尋ねしたいわけでありますが、保安上のシステムに不備がなかったのかどうか、あるいは万全を期していたというような緊張状態を本当に保っていたのであろうか、ないしは、今回の事件を反省材料として考えるならば課題は何なんだろうかというような点について、大臣の御認識を伺いたいと思います。
  29. 川崎二郎

    ○国務大臣(川崎二郎君) 先ほども少し触れさせていただきましたけれども、これまでのハイジャック事件は例えば自分の要求する渡航先に行くことを目的とする、このような政治犯等が中心でございました。しかしながら、最近では犯人が通常では想定できない行動をとる。  今回、機長を殺害する、当然そういうことになればまさに飛行機が落ちることになり、自分の命も失われることになる。ましてや飛行機を操縦した経験のない者が操縦をしたいという一つの動機に基づいてこのような犯行に及んだということでございます。  そうなりますと、例えば今御指摘いただきました逆流防止対策について、指摘がありながら万全の体制をとっていたのかということは、まさに私ども大いに反省をしなきゃならぬことであろう、御指摘のとおりだと思います。  そうした問題も含めて、ハイジャックの犯人に対しどうこれから対応していくか、すべて一から見直さなければならないだろう。機中に入り込む前の問題、またそういう事件が起きた場合の対応、一から見直したい、このように考えております。  そして、先ほど御指摘いただいたように、余り時間のかけられるものではありませんので、みんなの知恵を使いながら頑張ってまいりたい、このように思っております。
  30. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 先ほど野沢委員からも指摘がございましたが、今回の事件が起きる前に、犯人は空港内の警備状態の問題点について具体的に文書にしまして空港警察署あるいは空港事務所等に送りつけたという報道がなされております。これには住所、氏名、自宅の電話番号まで入っていたということであり、その後の経過を報道で読んでみますと、何回か自分が指摘した問題に対する対策はどうなっているかという確認の電話まで入れているわけであります。これに対して、引き続き検討しているというのが七月十九日の返事だったという報道になっております。  ちょっとここのところで認識がずれるのかなと思ったのは、先ほどの大臣の報告の中に、九番目に、「なお、新聞報道等によれば、犯人は、先月中旬に羽田空港の保安体制の不備を指摘する投書を羽田の空港警察署及び空港ビルに送付し、その後航空会社」云々と、こういうことを言われているんですが、「新聞報道等によれば、」ということは、例えば空港ビルないしは空港事務所に送られたというのを確認していないということでしょうか、ちょっと気になったのですが。
  31. 岩村敬

    ○政府委員(岩村敬君) 犯人が、そういう意味では実名の報道もされておりません。また、捜査当局から、まさに投書をした者がそのまま犯人であるという断定はまだされていない。捜査当局からそういうことだという情報は得ておりますが、そういうこともございまして、推定されるというか、そういう形をとっておるわけでございます。
  32. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 運輸省が直接犯人と電話応答されたという話は聞いておりませんけれども、しかしながら空港事務所は、再二ですか再三にわたって本人と交信しているという報道があるわけです。その内容からすれば、「報道等によれば、」という認識はちょっと違うんじゃないでしょうか。もっと厳しく、そういう報道に対して反応が遅かったなという反省があっていいんじゃないでしょうか。  例えば、爆弾を仕掛けたという電話が入る、恐らく飛行機の出発を遅らせても点検をされるというのがこれまでだったと思うんです。にもかかわらず、今回はそういう判断が働かなかったという反省がないと、こうした問題の対策というのは今後講じるのが困難になるのではないでしょうか、どうでしょうか。
  33. 岩村敬

    ○政府委員(岩村敬君) 犯人が確実にこの投書した者と同一であるという点が最終的に明らかになっていないのでそういうことを申し上げたわけですが、だからといって我々がこういったものについて反省をしていないということではございません。当然、そういう問題について指摘がありながら対策が必ずしも万全でなかった、この点については我々、反省もいたしておるところでございます。  それから、こういった投書にどういう対応をしているか。これは先ほども御説明申し上げたところでございますが、例えば爆破予告があれば、その機について、飛行機をとめて荷物の点検をするなりそういうことをいたしております。当然、お客様に迷惑がかかりますが、爆破という非常に危険なことでございますので対策をしている。  また、今回の件についても警察当局ともその対応について相談をいたしましたし、聞くところによると警察も警備を直ちに強化していただいていましたし、それから、とりあえず当面できる限りのことということで、不審者に対して声をかける、みんな声をかけよう、それからこういう手口があるので、こういったことに注意しよう、荷物の受取場で監視を強化しよう、そういった申し合わせをしたわけですが、例えば施設を改良したらどうかとか、さらに警備の体制を強化したらどうか、こういったことについてはまさに引き続き検討ということで検討しているやさきに事件が起こってしまった。そういう意味で、その点については対応が遅かったという意味で反省は十分いたしておるところでございます。
  34. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 爆弾を仕掛けたというような問題とは違いまして、どういう文書を新聞社に送りつけてきたのかというのを新聞に一部載せているところもありますから、それを拝見しますと、素人目にもそういえば自分も二階へ上れるかもしれないと思うような状況を指摘しているわけです。確かにそこに人を配備する、あるいは何らかの安全防止策を講じるということになればいろいろ考えなければいけない問題、費用の問題があるとは思いますけれども、その可能性があるということであれば、今までなかったからということではなくて、やはりすぐ対策をしなければいけない、そんな大事な問題ではないかと思うわけであります。  七月二十四日、運輸省の飛行場部長さんは、精いっぱいやってきたというコメントをされております。恐らく御本人からすれば、限られた条件の中で精いっぱいやられたというのはそうなんだろうとは思いますけれども、例えばハイジャックが原因で墜落したというようなところに至ったら、精いっぱいやりましたというだけでは済まされない、やはり管理上のミスがあったという責任は免れないのではないか、私はそんなふうに思うわけであります。  全く予知しないことが起こったのではなくて、予告されたことをやらないから、犯人は、じゃ、おれがやってみるかといってやったという、これは本当かどうかわかりませんが、報道によりますとそれが動機だと言っているわけです。そういう因果関係が明確になっているこの問題については、やはり管理上の手薄、ミスというものは責任を認めなければいけないのではないかと思います。
  35. 岩村敬

    政府委員(岩村敬君) 管理上の責任といいますか航空機に凶器を持ち込ませない、これについての責任がどこにあるかという話ともこれは関連しているんだろうと思います。  これまで関係者、運輸省も含めそれぞれの立場で対策を実施し、またそれに対する指導もいたしてまいりました。ただ、航空機に搭乗する旅客との関係におきましては、やはり第一義的に責任を負って対処するのは航空会社であるわけでございまして、これまでも航空会社において保安検査を確実に実施し、保安検査を受けた後は、搭乗までの間に保安検査を受けていない人や手荷物と接触することがないようにする、こういう姿勢でいろいろな対策を講じてきたわけでございます。  したがいまして、今回の件も第一義的には航空会社責任の範疇にある性格の問題でございますが、ただ、ビルの方の構造の問題もございます。そういったこともあってビル会社とも密接な連絡をとりながら対策を講じてきたわけでございます。そういったことを全体を含めて航空局として御助言なり御指導をしてきた、そんな体制になっておるわけでございまして、そういった指導の部分について我々が必ずしも十分でなかったという、そういう点は反省をしなければいかぬかというふうに思っておるところでございます。
  36. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 ただいま安全上の責任は第一義的に航空会社であるというお話でございますが、これまでの運輸省航空会社との関係でいえばそのようになっていると思います。私はそれで果たしていいんだろうかという疑問を持っているわけであります。  運輸省からちょうだいしました「最近の国内ハイジャック事件と再発防止策の状況」という資料がございます。  その中に、運輸省航空局長が国内航空会社代表あてに平成七年十月に出した文書がございます。これは平成七年六月二十一日に発生した全日空八五七便ハイジャック事件にかんがみて、航空保安体制の充実強化について出された文書でありますが、その文書によりますと、「国の補助対象となっている保安検査機器の増設及び更新を行うとともに、監視装置を新たに国の補助対象として、今般所要の予算措置を講じることとし、また、平成八年度においても、保安検査機器の更新等につき所要の予算要求を行っております。 貴社におかれては、航空保安対策の重要性をご理解のうえ、」「格別のご配慮をお願い申しあげます。」という文書になっているんです。  この文書を読む限りでは、安全確保は航空会社責任でやるんですよ、それに対して国は一定の補助を出しますよ、だからよろしくお願いしますというような仕組みになっているわけですけれども、私は航空会社と国のこういう関係が極めて責任をあいまいにしているのではないかと思うんです。現状においては国には航空会社に対する免許権がございます、来年の二月からは許可に変わるわけでありますが。そういう国が関与しているということでいえば、国の責任保安基準を決める、それを実施するしないは航空会社というのをきちんと仕分けをしてかからないといけないのではないかと思うんです。  例えば、エックス線の透視装置について改良型を採用する、こういう規格のものにいつまでに変えなさい、変えなければ免許を取り消します、ないしは許可停止しますというぐらいの条件をつけて、その結果、基準が甘かったら国の責任です、そのとおりやっていなかったら航空会社責任ですという仕組みをきちんとしないと、お願いします、やらなかったのは航空会社が悪い、いや、運輸省予算を十分つけてくれなかったからみたいな話になっちゃうと、お客の安全というのはどこかへ行っちゃうんじゃないかという心配をしているわけであります。  やはり安全問題というのは許可とか免許条件にするべきなのではないでしょうか。それで、国は国としての責任を明らかにするということが大事じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  37. 岩村敬

    政府委員(岩村敬君) 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、今回の事件を一つの反省材料として、一からと申し上げましたが、ハイジャック対策といいますか航空保安対策について徹底した原因の究明と対策を一から練っていきたいというふうに思っておるところでございます。また、それにかける時間も、先ほど来ございますように、余り時間をかけているのではこれまた間に合わないわけで、早急に結論を得ていきたい、そういう決意で今臨んでおるところでございます。
  38. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 もう一回お尋ねしますけれども、現行の航空法第百条では、「定期航空運送事業を経営しようとする者は、路線ごとに運輸大臣免許を受けなければならない。」となっていますね。今度の改正で、それが路線ごとではなくて事業ごとの許可制に改めるという法律が先般成りましたけれども、これの条件安全問題というものを入れていただけませんか、そういう御検討をいただけませんかとお願いしているわけですが、そこのところをもう一回言ってください。
  39. 岩村敬

    政府委員(岩村敬君) そこの責任の明確化、我々は責任分担をいろいろしてきていると思いますが、今御指摘のような点もございますので、そういうことも含めて、これから行おうとしているマニュアルの見直しも含めて、全体の見直しの過程で検討をさせていただきたいというふうに思います。
  40. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 今回のハイジャック事件に戻りますが、これも新聞報道によりますと、七月二十三日の十一時二十五分、飛行機がハイジャックされた以降の犯人と機長のやりとりなどが新聞報道されております。長島機長が相当御苦労されたというのはこのやりとりを拝見してもよくわかりますけれども、その部分で十分か十二分ぐらい抜けている部分があるんです。これは新聞各社、いろんな取り扱い方をしているんです。  例えば産経新聞は、捜査上の配慮から非公開にしましたというような言い方をし、ほかの読売新聞などは記録されていなかったというような書き方になっているわけです。同じように書かれていれば疑念も生じないんですけれども、どうして非公開になったのか、にもかかわらずいろんな情報らしきものが新聞等に載ってくるというのはおかしいねという気持ちがあるんです。その辺は少し明らかにしておいていただけませんか。
  41. 岩村敬

    政府委員(岩村敬君) 我々管制当局が管制上の通信、すなわちどちらの針路をとる、またどういう高度をとる、これに対する我々の指示、そして機長からの要請、こういったものはまさに管制の記録として公表したところでございますが、その他の部分、管制とは関係なく機長から一方的に問いかけといいますか、話をしている部分がございます。この部分については、捜査当局ともお話をしまして、例えば実際の犯行の時刻を推定させるものとか、犯人とのやりとりがうかがえるもの、そういったものについてはやはり犯罪の動機なり犯行の決行の時刻なり、まさに犯罪そのものの中身になるものでございますので、捜査上の都合で伏せていただきたいということで伏せておるわけでございます。  その他の部分の情報については、公開をするというよりは、いろいろな取材の過程で漏れてきている部分がございますが、少なくとも犯行を直接うかがわせるような部分、そういったものについての情報はまだ表にはなっていないと我々は確信をしておるところでございます。
  42. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 事情はわかりましたけれども、先ほどもちょっと申し上げましたように、新聞によっては動機まで書いてある新聞があるんです。憶測かどうか私はわかりません。  例えば七月二十五日の産経新聞によりますと、動機については、警備上の甘さを指摘する警告文を航空各社などに送ったが無視され、それを証明するためハイジャックを決行したというようなことを言っているんです。確かに、ハイジャックして機長を刺殺すれば飛行機が墜落するのじゃないかというところまで頭が回ればハイジャックでとどまったのかもしれませんけれども、こういう動機まで言っているんですね。  今、航空局長がおっしゃるように、捜査上非公開が適当だという判断があったとしても、こんなふうに書かれちゃうと、何か隠しているんじゃないかみたいな憶測を呼ぶのではないか、そんなことをちょっと申し上げたわけです。  私は、今回運輸省がとられた一連の措置というのは大変素早かったと思いますし、いろいろ問題はあっても努力されているということは感じております。それから、ボイスレコーダー等の記録について発表されたことも私はよかったのではないかと思っているわけでありますけれども、報道が先走ったのか、どこからか行ったのか、その辺が少し不満なところで、要らざる憶測を生んだかなという気がしております。  それから、報道に関してもう一つお尋ねしておきたいんです。  同機に乗り合わせた全日空パイロットの山内純二さんのとっさの判断で惨事を免れる行動をとられたその勇気については敬意をあらわす次第ですけれども、それはそれとして、念のために伺っておきたいんですが、例えば、山内さんは六一便を操縦するために乗ったパイロットではないわけですね。恐らく緊急避難ということなんでしょうが、緊急避難の前に、例えば、あなたも腕に覚えがあるんだろう、おれ疲れたからちょっとかわってよというようなことが許されるのかどうか。その点はどうなんでしょうか。
  43. 岩村敬

    ○政府委員(岩村敬君) 航空法七十三条にここら辺の規定がございますが、機長が不測の事態により指揮がとれなくなった場合には副操縦士が機長の権限を行使するという意味で、副操縦士にそういう訓練をいたしておるところでございます。すなわち、機長が不測の事態になる、けがをされる、亡くなられる、そういった場合には、飛行の異変などその航空機に緊迫した危難に対して必要な手段を尽くさなければならない、そういう義務まで副操縦士には与えられておるわけでございます。したがいまして、副操縦士はこうした事態まで想定をして訓練を日ごろ積んでおります。  今御指摘の、デッドヘッドで乗っておられた操縦士の方がやられたわけですが、あの方は、当該機と同型のボーイング747の副操縦士の資格を持っておられる方でございました。そういう意味では訓練は積まれておったということでございます。  ただ、あの方も、機長としての資格は747についてはない、エアバス320の機長の資格というものは持っておられましたけれども747の機長資格はないという、そういう事情でございますが、今申し上げたように、副操縦士でもそういうときの対応はできるというふうになっておりますので、結果的には危機を立て直せたというふうに我々は理解をしておるところでございます。
  44. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 この747の免許を持っていない人が操縦桿を握るということは、法律に照らせばもちろん普通は違法なわけですよね。これは緊急避難ということでやられたと、そういう理解でよろしいんでしょうか。
  45. 岩村敬

    ○政府委員(岩村敬君) 一つ、先ほど山内さんとおっしゃいましたけれども、高木さんの方がどうも最終的にはハンドルといいますか操縦桿を握られたようでございますが、その方の資格がさっき申し上げたような747の副操縦士。  ただ、本来であれば、本来乗っておられた古賀副操縦士が機長にかわって指揮をとるというのが普通であったわけですが、ああいう非常事態で、古賀副操縦士はその後機長の席に座って最終的に飛行機をおろしているわけでございますが、まさに緊急避難、また資格を、資格といいますか、そういうことの訓練を積んでおったということで危機が回避できたというふうに理解をしておるところでございます。
  46. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 この緊急避難のときの措置というのもなかなか難しいと思うんです。今回はうまく着陸させることができたし、機首を持ち上げるということもできましたけれども、腕に覚えありということで、よかれと思ってやったことがミスにつながったなんということにもなりかねないので、大変難しい問題だなというようには感じております。  ですから、緊急避難というのは一定の条件があって緊急避難と認定されるわけですし、そういうような場合の措置も、副操縦士がかわってやることができるというだけではなくて、もうちょっと緊急避難のときの措置というものも工夫したり、法律的な裏づけというのか整備というのか、そういったものを進める必要があるのではないかということを感じましたが、いかがでしょうか。
  47. 岩村敬

    ○政府委員(岩村敬君) この点に関しては、先ほども大臣がお話し申し上げましたように、まさかみずから操縦する人がハイジャッカーであるということは全く想定していなかったわけで、かつ機長ひとりになってしまった、資格を持った者が。そういう意味では非常に事件の初めから異常なことが続いておるわけでございまして、そうなると、そもそも副機長が出てしまったことがよかったのかどうか、機長ひとりにしてしまったというのがよかったのかどうか。そんなことも含めて、そこら辺の、特にこういう新しい形のハイジャッカーが出てきた場合の対応というものを一から検討してみる必要があろうかというふうに思っておるところでございます。
  48. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 この問題についてはまだ調査が行われている最中でございますので、タイミングを見てまた審査をすることが適当なのかなと感じておりますので、この問題についてはこの辺にとどめたいと思いますが、あと、この件に関して一つだけ伺いたいのは、ハイジャックされたことによって乗客の生命、財産が損なわれたと、万一そうなった場合に運送約款上は賠償責任はどういうふうになっておりますか。
  49. 岩村敬

    ○政府委員(岩村敬君) 運送約款によりますと、ハイジャック事件に伴い、航空保安上の要求によりまして、予告なく航空機の運航時刻の変更、欠航、発着地の変更、また緊急着陸等の措置をとることがありますということがまず約款に書いてございます。  また、こういった措置をとったことによって生じました損害につきましては、今、先生の御指摘の、旅客が航空機内で死傷したような場合を除きますと、それ以外のものについては損害賠償責任は負わないという約款になっておるところでございます。
  50. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 今回のハイジャックとは直接関係のないことなんですけれども、検査体制の問題について一つ確認しておきたいんですが、空港によって、あるいは時間帯によって検査場の入り口に長蛇の列が生じることがございます。もちろんがらがらのときもあることは言うまでもありません。この窓口の数というのはどういう基準で設けられることになっているのか、あるいはどういう状態が起こったら増設するということになっているのか。  羽田その他でも相当待たされることがあって、昨今は飛行場はこれぐらいが常識だという声があるかもしれませんけれども、大体人間というのはだんだん待たされるのが嫌になっているのが昨今の風潮だと思いますので、増設が必要なところはぜひやってもらいたいと思いますし、基準のようなものがありましたらお示しいただきたいと思います。
  51. 岩村敬

    ○政府委員(岩村敬君) まさに先生御指摘のとおり、お客様に長時間並んでいただくということを避けるために、一時間当たりのお客様の数を基準にして増設をしてきておるわけでございます。  ちなみに、平成十年度には二台増設をしておりますし、十一年度は大阪ほかで五台の増設をしておるということで、お客様の増加に合わせてサービスが低下しないように順次整備が進んでおるということでございます。
  52. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 それでは次に、JR株式の売却問題についてお尋ねしたいと思います。  JRの民営化というのは、昭和六十年の基本政策が閣議決定されて以来、それに基づいた諸施策が講じられてきているわけでありますが、株式の売却ということも民営化の一つの大事な要素なんだろうと思います。  報道されている内容によりますと、このほど、東日本の発行株式残りの百五十万株のうち百万株だけ市場に放出される、売却されるということになったようでありますけれども、これに対してJRの方は全株一括して売却してもらいたいというような要望を出しているやに報道されております。にもかかわらず、運輸省が百万株にとどめおいた方がいいという判断をされた理由というのは何なんでしょうか。運輸大臣、いかがでしょうか。
  53. 川崎二郎

    ○国務大臣(川崎二郎君) 昨年の特別委員会、それからことしの委員会の御審議の中で、株問題等について私もお答えをさせていただいてきたところでございます。  まず完全売却、そして民営化、JR法の改正、これを最終的にはやり遂げなければならないだろう、それが私どもの基本的な方針でございます。JR改革以来の基本的な方針は私ども曲げるつもりはございません、こういう御答弁を申し上げてまいりました。  実は、ことしの春先でございましたでしょうか、一部の意見には、安くてもいいから早く売れ、市場が軟調であっても早く売ってしまえ、こういう御意見もあったと思っております。しかしながら、委員会での御審議でも多くの方々は、春に売るというのは少しまだ難しいだろう、今の株式市場を見たら難しいなと。しかしながら、今後は時期を見て、タイミングを見てしっかり売っていきなさい、こういう御指摘をいただきました。まさにそのとおりだったんだろうと思っております。六十七万三千円という終値、そして三%引きで六十五万二千円という価格が決定をされたところでございます。そういう意味では、この価格で百万株間違いなく販売になればという期待を今持っているところでございます。  そのときの議論で、運輸省内部で実はJR三社も来てもらって三月ころから検討を始めております、どういう時期にどのぐらい売ったらいいかと。もちろん御議論の中で、東と西を一挙に今売ってしまえという御議論もありました。いや五十万株ぐらいしか受け入れられないんではないか、こういう御議論もありました、三月当時の市場でございますので。そういった中で百万株という決定をさせていただいたのが今回の措置でございます。  いずれにせよ、できるだけ早い時期に売却をすべきだ、こういう皆さん方の御指摘、私どもはそれを受けながら、当面東と西の売却、場合によっては一括でできるのかとチャンスをうかがってまいりたい、このように思っております。
  54. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 方針が変更されていないということを確認できればそれでよろしいんですが、それにしましても、これも新聞報道ですけれども、大臣が株式の完全売却については立法府などの意向を踏まえながら引き続き検討したい、こういう発言をしたやに報道されております。  今さら立法府の意向を聞くといっても、もう方針は決まってそれに向かって動き出しているのに、株式は売らないでとどめおきたいというような気持ちが働いたんではなかろうかというような推測がされたり、政府・与党の中で全株売るのは時期尚早であると、あたかもこれは政府が保持したいと、そういう意味で時期尚早であるようなコメントを書かれている報道があるものですから、気になってお尋ねしたような次第でございます。  ところで、既に株式の購入予約を受け付けられていると聞いておりますけれども、順調に推移しているのか、百万株に満たないような状態で人気がないのか、その辺はいかがでしょうか。
  55. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) JR東日本株式の百万株の売却でございますが、七月二日に売却手続を公表して以来、七月十二日の売却仮条件発表、それから十三日から株式購入の仮申し込みというのを受け付けてきておりました。この仮申し込みについても非常に堅調でございまして、この点について我々非常に望ましく思っておるところでございます。  実は、昨日、二十六日にこれを締め切りまして、売り出し価格を昨日の終わり値の三%割引の先ほど申しましたように六十五万二千円と決定しております。この結果、売却総額は六千五百二十億円になりますが、本日二十七日から二十九日まで本申し込み、それから代金の払込期間ということになっておりまして、最終的に八月二日に株券を交付するという予定になっております。  今までのところ、最近の好調な株式市況を背景としまして、我々としては比較的高い水準でいけたかなということで、東日本の百万株の売却についてもスムーズにいくというふうに考えております。
  56. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 株式売却が国鉄長期債務の返済に少しでも役立つよう、寄与するよう願っている次第でございます。  ところで、東日本の残余の株式、あるいは西日本とか東海その他の株式の売却等についてはどのような検討が現在されているでしょうか。
  57. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 今後JR株式売却をどういう形で進めていくかということでございますが、ここにつきましては、今後の株式市況の動向を十分勘案していく必要があるかと思っております。それと、JR各社、それぞれの会社の意向等も踏まえまして、関係者の考え方を十分伺いながら、今後所要の調整を図った上でどういう形でやっていくかという方針を決定していくということで、現時点では未定でございます。
  58. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 終わります。
  59. 森本晃司

    ○森本晃司君 政治というものを考えてみますと、大事なのは、国民の生命、生活、生存をどう守っていくのかということに尽きてくるんではないかと思っております。そういった中で、運輸省が行政部門でこういった問題にどう対処していくか、また担っているその責任も大変大きいものがあるなということを痛感しているわけでございます。  連続して今回新幹線で事故が起きた、さらにまた続いてハイジャック問題が起きた。交通が便利になっていくと同時に、またスピードもアップされていくと同時に、危険と隣り合わせにあるのではないかなということを今痛感しているところでございます。  まず最初に、ハイジャック事件で機長さんがお亡くなりになったことに、私も委員の一人として心からお悔やみを申し上げる次第でございます。  今回のハイジャック事件に対して運輸大臣は早速みずから対策本部長として指揮をとられ、大変御苦労をいただきました。機長がお亡くなりになったことは残念でございますが、多くの乗客の命を守り得たということは私は不幸中の幸いではなかったかと思うところでございます。  その後の新聞報道等々を見ていますと、ハイジャック事件については犯人が既にいろんな点を予告し指摘もしていたというところでありますが、それに対して即座に対応していなかったというところにやはり問題があるのではないかなというふうに思います。先ほど来、寺崎委員がいろいろと御指摘をされたところでございますので重なる部分は略させていただきますが、私は、寺崎委員もおっしゃったようにこの問題を十分調査し、さらに今後的確なる対策を講じていくべきではないか、このように思っております。大臣の指揮のもとでぜひ早急なる対策、今いろいろと犯人から事情聴取している段階でございますが、対応をぜひよろしくお願いしたいと思いますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
  60. 川崎二郎

    ○国務大臣(川崎二郎君) ことしの春も規制緩和の法案をいろいろ御論議いただき、また御可決いただいたところでございます。その場でも少し申し上げましたけれども、国鉄という時代、日本航空も国がやっておった時代から民営化という時代を迎え、サービスについてはまさに民間会社の創意工夫で御努力をいただかなきゃならぬ、しかしながら、安全についてはやはり国がしっかりやっていくように、こういう御指摘が多かったと思っております。そういった中で、民営化された中でどう私どもが安全面について注意をしながら民間会社の努力を促していくか、ここがこれからの大きな課題であると思っております。  同時に、先ほどからお話し申し上げておりますとおり、かつての政治犯のようにどこかへ行くことが目的である、したがって、ある意味では犯人にとっては機長が一番大事であるという存在であったものが、今回の事件のように機長にかわって自分が操縦をしたい、私どもがかつて想像し得なかったような事態が生じました。  また、同時に、今回、犯人側の方からさまざまな投書が寄せられておった。私ども解釈するに、善意の御指摘だと受けとめたんだろうと思いますけれども、しかしそれが現実問題は実行されてしまったというところに大きな問題点がございます。航空会社、ビル管理会社、そしてそれを監督をしていかなきゃならない行政の責任、万全の体制をとり得たかということになれば、私ども検証しながら反省をしていかなければならない、このように思っております。  いずれにせよ、犯罪の内容、また今回の山陽新幹線の剥落事故におきましても、私どもがかつての経験法則ではない新しい事態が生じております。そういったものにしっかり対応できる運輸省でなければならないと思いますので、委員の皆様方の御指導をいただきながらしっかりやっていきたい、このように思っております。
  61. 森本晃司

    ○森本晃司君 山陽新幹線のコンクリート崩落事故についてお伺いしたいと思います。  時速二百二十キロで走っている新幹線に二百キロのコンクリートが落ちてきた。幸い、報道によりますと、屋根の上に落ちたのでよかった、あるいはひかりであってよかった、のぞみだったらその上に空調がないものですから直接的に乗客にも落ちて危害が出たのではないだろうかということも報道されております。  きのうも私は東京―京都間往復を午後からやったわけですけれども、やっぱりトンネルへ入ったときにふっと大丈夫かな、そんなことを私は思ったわけでございますし、もしあのコンクリートの落ちたものが運転席に落ちていたらどうだろうか、あるいはまた列車の前に落ちて列車が転覆するという事故が起きていたらどうだろうかということを危惧せざるを得ませんし、あわや大惨事になったのではないだろうか、そのように思います。  今回の事故の前にも、八七年七月に東北新幹線のコンクリート防音壁の崩落。八月に東北・上越新幹線のトンネルで八キロのコンクリートの落下。九六年六月に東海道線の高架から二十六キロの塊が落下して一人が重傷。七月に山陽新幹線の高架からこぶし大の塊が落下。昨年七月には山陽新幹線の新関門トンネルでコンクリートがはがれ落ちて海水が漏れ停電。五月には山陽新幹線の高架から十二キロの塊が落下する。昨年までもコンクリートの落下が相次いでおり、またことしに入ってからも五月、六月に山陽新幹線の高架からコンクリート落下が起きているということでございます。  我が党としては、以前から、山陽新幹線の建設の際にコンクリート工事で海砂を使用したことによるコンクリート劣化の危険性を指摘しておりまして、早急なる対策を要求したにもかかわらず今回のような重大事件が起きてしまったわけでございまして、安全対策が不徹底であると言われても仕方がありませんが、運輸省は今回の事件が起きるまで我が方が主張していた指摘に対してどのような対策と措置を講じてこられたのか、この点についてお伺いします。
  62. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 先生御指摘のように、新幹線の関係のコンクリートの問題、いろいろ事故がございまして、剥落事件がございました。  それを受けて、実は昭和六十三年にJR西日本の方でコンクリート委員会というものを設置しまして、山陽新幹線も含めてコンクリートの問題について、剥落の防止、今後の対策というようなことについて検討を行ってきたところでございます。  同JR西のコンクリート委員会におきましては、山陽新幹線のコンクリートの劣化問題につきまして、例えば海砂の問題であるとかあるいは中性化の問題であるとか、そういう劣化について原因がどういうところにあるのかという問題についていろいろ検討してまいりまして、こういうコンクリートの劣化問題に対処するための補修工法等につきまして検討を行ってきたところでございます。  こういう形の中で、JR西では、剥落箇所の部分的な補修とか全面的なコーティングといったようなことを行うライニング工法等の対策を講じていまして、これらを一応そういう対策を講じてきたわけですが、今回、トンネルのコンクリート剥落、あるいは最近でもまだ高架橋のコンクリートの剥落というようなことが生じてきております。  そういう意味で、必ずしも十分な対策ではなかったというふうな見方もあるかと思いますので、そこら辺について、今後我々としても、JR西あるいはJR総研一緒になりまして、先ほども申しましたように、運輸省の中にコンクリート問題、トンネル問題についての検討会を設けて、これを今後、今年度中に何とか結論を出すとともに、高架橋も含めたコンクリート全般の問題についてもJR総研にいろいろ委託をしまして、具体的な検討を行っていきたいというふうに考えております。
  63. 森本晃司

    ○森本晃司君 次に、こういう点検方法ですが、先ほどの報告の中にもハンマーでたたくということがございました。先ほどの野沢委員の質問の中でも、これは相当経験を積み重ねた人たちがやっておられると思うんですが、そういう形だけでいいんだろうかと。野沢委員の方は、超音波でそれを見つけるという検査の方法があるというお話をされておりましたが、営団地下鉄でことし四月から赤外線カメラによる検知装置を導入してトンネル検査を始めたというふうにも聞いております。  この検査方法でいくと、目に見えないコンクリート剥離も検出することができる、それから見落としも防ぐことができる、それからコンクリートがどれほど劣化しているかというのをデータを積み重ねていくこともできると言われておりますが、この赤外線カメラによる検知装置の導入など、科学的な検査方法も進めていくべきではないかと思っておりますが、いかがですか。
  64. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) トンネルの検査方法、先ほど申しましたように、委員の方からも御指摘がありますように、基本的には目視及び打音検査というのが行われております。ただ、営団の方では、委員の方からも御指摘ありますように、赤外線の検知装置というものを使いまして、具体的に申しますと、トンネル壁面を加熱することにより生じた温度差を赤外線カメラで撮影しまして、その状況を調整して調査するというやり方をやっておるわけです。ただ、これにつきましても、平成十一年度から実際に実施、稼働しております。それから、具体的な精度の問題もまだ必ずしも、例えばひび割れ幅については一ミリまで捕捉可能ですが、内面になりますと五ミリとか十ミリぐらいまでしかできないとか、いろんな問題もございます。それから、JR西等では超音波を使った方法なんかもいろいろ考えております。  そういうことで、これらの新しい検査装置につきましてもいろいろ、長所短所を含めまして今後検討会で具体的に検討いたしまして、こういうトンネルのコンクリートにとって何が最適な検知装置であるか、そういうことも検討しながら、今後適切な点検、検査方法の確立に努めていきたいというふうに考えております。
  65. 森本晃司

    ○森本晃司君 そこでお伺いしますが、この総点検の結果見つかった危険箇所の補修工事、これはだれがどのようにして進めていこうとされているんですか。
  66. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 各事業者、JR西も含めまして、具体的に今点検をそれぞれトンネル等で行っているわけですが、先ほど言いましたように、具体的に見つかりました危険箇所につきましては、その箇所がある程度危険であるということになりますれば、そのところに現在のところ、L字鋼の鉄骨をはめましてボルトで締めてそれをちゃんと固定するというようなことをやる方法であるとか、そういうことの一応の応急措置をJR西自体がとっております。  それから高架橋につきましても、はがれ落ちるおそれがある部分につきましては、その箇所をはっきりとはぎ落として、それでさらに鉄骨等が見える場合には防錆処理を施すというような形で、それぞれ各事業者が具体的にその危険箇所に見合った形で応急措置を講じているところでございます。
  67. 森本晃司

    ○森本晃司君 報道によりますと、山陽新幹線の高架橋、新大阪―相生間で一万七千カ所、それから福岡県内で三千六百八十五カ所もの落下の可能性のある箇所が確認されています。これは大変な数だと思うんです。  その程度はどの程度か、まだ私にもわかりませんが、そういう状況であるのですが、これらの補修を進めていくのはどうされますか。
  68. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 基本的に、先ほど来申しておりますが、現在いろいろ発見されております箇所につきましては、先ほど言いましたような応急措置を講じてまいりたいと思いますが、今後さらに抜本的な形でどういう対応策を講じていくかということにつきましては、先ほどの山陽新幹線のトンネルコンクリートの剥落事故の原因究明あるいは各事業者が行っております総点検の実施結果、こういうものを総合的に判断しまして、具体的にそれぞれの事象に合った抜本的な対応策あるいは処置というものをこれからこの検討会において十分検討していきたいというふうに考えております。
  69. 森本晃司

    森本晃司君 山陽新幹線で塩分をほとんど除去しない海砂が大量に使われて非常に大きな問題にもなってくるかと思いますし、山陽新幹線がその建設工事に入った時分、この時期、高度成長と石油ショックからいろいろと、人手不足の問題とかあるいは資材が高騰した、またセメントが不足していたというふうなことも指摘されておるわけでございます。  こうしたトンネルや高架橋のコンクリート落下事故責任についてでありますが、設計に問題があったのか、それとも工事の施工業者に責任があったのか、工事を発注した国鉄の検査に問題があったのか。トンネルや高架橋のコンクリート落下の責任は一体どこにあり、だれがどのような責任をとるべきなのか。まず、今ある危険な箇所を早急に点検し補修すると同時に、それを単に点検、補修しただけではなしに、一体この原因はどこにあったのかということをはっきりと把握して、それで事故原因の究明と責任を明らかにしていかないと、また同様のことが起きてくると私は思いますが、大臣、いかがでございましょうか。この責任は一体どこにあり、どうすべきか。
  70. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) まず第一義的に、二度と事故を起こさない、そのために応急修理と言われても徹底的な修理をまずやる、これが基本であろうと思います。  同時に、先ほど森本委員から、自分が新幹線に乗っていてトンネルを通るときのお話がございましたけれども、国民全体がそんなイメージを今お持ちになっておると思います。これをどうやって払拭していくかということになりますと、JR西日本の努力だけでは国民の疑念というものをぬぐい去るわけにはいかないだろうと思っております。  応急処理は応急処理といたしまして、今御指摘いただいたように根本的なものをしっかり運輸省はしていかなければならないだろう。必ずしも運輸省だけでないかもしれません。トンネル全体に対する信頼性ということであります。建設省も既にトンネル等をお調べいただいておる。そういう意味では、学会の方々、また建設事業に携わる方々、こういう方々の意見も入れながら、私どもしっかりとした原因究明、そして今御指摘いただいたように二度とこのようなことを起こさない工法というものを確立していかなければならないだろう、このように思っております。
  71. 森本晃司

    森本晃司君 ぜひ、こういった多くの人たちが乗る乗り物についての点検をさらにしていかなければならないし、事故を防いでいかなければならないと思っております。  同時にもう一つ、我が国の中で生命を奪うような状況がふえている中で、やはり自動車事故というのを我々は見逃すことができないんじゃないだろうか。最近、自動車による交通事故が頻繁に起きています。これはなかなか減ろうとしない。私はその中で、特に自分で防ぎようもない子供たちの命の問題についてきょうはちょっとお伺いしたいんです。  ますます少子化社会に入っていくわけです。生まれた子供たち、これは大事に大事にしていかなければなりませんが、最近は虐待による死傷という悲しい出来事も多いわけでございますが、一般的には病気とか交通事故で亡くなるということが多いわけでございます。これはもうまことに残念でございます。子供自動車事故の死傷が五年前より一・五倍増加している、こう言われています。  今回、六歳未満の子供自動車に乗せるときはチャイルドシートを義務づけるように道路交通法を改正したのもそのような事情を見てのことかと思いますし、我が党内にもチャイルドシート委員会というのを設けまして、チャイルドシートを推進し子供の命を守っていこうと思っています。  六歳未満の子供事故の実態を見ますと、平成六年から十年の統計を見ますと、死者は着用が非着用の三十一分の一、着用していると三十一分の一になります。重傷者は着用が非着用の十八分の一、死傷者合計で着用が四千三百二十一人に対して非着用が三万五百七十人と七分の一、チャイルドシートの効果は大変大きい、かつ有効であると私は思います。  私は、交通安全を取り締まる自治省だけではなしに、自動車そのものに行政として携わっている運輸省としてもこの問題は重要な問題として取り組んでいかなければならないと思っておりますが、チャイルドシートの効果、効用について、あるいは推進について運輸大臣はどのように考えておられますか。
  72. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 森本委員御指摘のとおり、チャイルドシートは幼い貴重な命を守るため極めて有効なものと考えております。  御指摘いただいた数字と私どもの持っておる数字、多少違いますけれども、警察庁の調査によると、チャイルドシートを着用していた場合は着用していなかった場合と比べて致死率が四分の一、また重傷率が三分の一と、チャイルドシートの効用が示されております。  また、運輸省といたしましては、チャイルドシートの安全を確保するため、これまで基準等の整備に努めてまいりました。さらに、御指摘いただいたように来年春から義務づけられます。したがいまして、七月二日、自動車メーカー及びチャイルドシートメーカーの団体等に対して、チャイルドシートの普及の促進及び、これは委員会で随分御指摘いただきました正しい取りつけ方法、せっかく買っていただいても取りつけ方法がまずかったということでいろんな御指摘をいただきました。そういう意味で、取りつけ方法のユーザーへの周知を適切に行うよう通達をさせていただきました。したがいまして、今後とも普及促進それから適正使用、この二本立てで努力をしてまいりたいと思っております。
  73. 森本晃司

    森本晃司君 そこで、きょうは厚生省局長にお見えいただいているわけでございますが、先般成立いたしました補正予算の中に盛り込まれた少子化対策臨時特例交付金、これは地域少子化対策を一層進めるための呼び水として約二千億が組み込まれているわけでございます。それで、厚生省がいろいろと例示を挙げていらっしゃるわけでございますが、保育所の問題等々を挙げておられるわけでございますが、私は、生まれてきた数少ない子供たちの命を守って立派に育てることが少子化対策であると思っております。  そこで、今、自治体がチャイルドシートを購入して住民に給付する事業を行っているところもございます。私も、今度の少子化対策の中には、個人に対してはこれは難しい、該当しないのではないかというふうには思っていますが、自治体がチャイルドシートを購入して住民に貸し付ける事業を行っている、これに要する費用、これに対しては特例交付金の対象とすべきだと私は思っております。  ちょっと時間がなくなってまいりましたので一挙にお尋ねを申し上げたいわけでございますが、と同時に、今、各地域交通安全協会がチャイルドシートを購入して住民に貸し付ける事業に対して市町村が助成している、こういうケースも相当ございます。これも今度の特例交付金の対象とすべきだと私は考えておりますが、この点についてもお伺いしたいと思います。  以上、お伺いいたします。
  74. 横田吉男

    ○政府委員(横田吉男君) 今回の少子化対策臨時特例交付金につきましては、市町村が地域の実情に応じまして幅広い少子化対策を行えることを目的といたしております。  したがいまして、その使用につきましても一定の制約がございますが、例えば、先生御指摘ございましたように、個人に対する金銭的な給付を行う、あるいは市町村が既に実施している事業を財政的に肩がわりするというようなことは避けていただくことといたしておりますけれども、チャイルドシートを市町村が購入いたしましてこれを貸与するというような事業につきましては当然可能だと考えておりますし、また御質問のございました交通安全協会等がそういった貸与事業を行う場合に市町村がこれを助成の対象とするということも可能だというふうに考えております。
  75. 森本晃司

    ○森本晃司君 この間の例示の中ではそれがなかったものですから、私の方にも数多くの問い合わせが来ております。今、局長からそういう御答弁をいただいたことが全国の自治体ではまだ十分にわかっていないのではないだろうか、このように思います。今の局長の御答弁のことをどう各地方自治体に周知徹底されるのか、その点についてお伺いします。
  76. 横田吉男

    ○政府委員(横田吉男君) この交付金につきましては、先般も全国の課長会議を開いて説明会等を行ったところでございますけれども、数県からチャイルドシートの取り扱いについて照会が参っております。私どもといたしましては、これに対する回答を各市町村にも周知するという形で周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
  77. 森本晃司

    ○森本晃司君 ぜひまとめてその点についても周知徹底をお願いしたいと思っております。  あともう一点、大臣にグリーン化の問題についてお伺いをしたいと思っておりました。我が党は今度の基本政策でグリーン化について提案し、また取り組んでいこうということを盛り込んでおります。これからも一緒になって地球を守るためにグリーン化に取り組んでまいります。  時間がなくなりましたので終えさせていただきます。  ありがとうございました。
  78. 小林元

    ○委員長(小林元君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十六分休憩      ─────・─────    午後一時二分開会
  79. 小林元

    ○委員長(小林元君) ただいまから交通・情報通信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  80. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。  全日空六一便のハイジャック事件について、まずお伺いをいたします。  機長がとうとい命を落とされるという痛ましい結果になりました。長島直之機長の御冥福を私も心からお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様に心から哀悼の意を申し上げたいと思います。  今回の航空機への凶器の持ち込みは、犯人が受託手荷物受取場で凶器入りのかばんを受け取って、その後出発ロビーに逆流するということによって行われたということが明らかになっております。既にこの逆流防止の対策として通達も出されて、対策がとられているようですけれども、この点についてもぜひ万全を期して進めていただきたいというふうに思います。  同時に、私はこの問題、今回の事件にも触れて、手荷物などの検査の体制の問題についてお伺いしたいと思うんです。  一つは、検知機の性能の問題です。旧型の検知機は一方向からしかとらえられないために、検知機に荷物を通す方向によっては、包丁などであっても薄い金属板としか映らない、そういう欠点があった。そこで、平成九年度より二方向から立体的に中身がとらえられる新しい機種が導入されているとお伺いをしました。ところが、これは七年計画で進められておりまして、全部が新機種になるのは平成十五年だというふうに思います。  そこでお伺いしたいんですが、今回事件のあった羽田空港では検知機が何台あって、そのうちこの新しい機種になっているのは何台なのか、また全国ではどのようになっているか、お答えいただきたいと思います。
  81. 岩村敬

    ○政府委員(岩村敬君) 今、委員から御指摘のございました新しい型の機器、すなわち立体的にモニターできる機器でございますが、これも御指摘ございましたように、平成九年に発生しましたハイジャック事件を踏まえて導入を始めたわけでございます。  現在、全国に百十台の検査機がございますが、このうちこうした最新の立体的モニター画像を映し出せる機器が三十七台入っております。  それからもう一点のお尋ねの、羽田がどうかということでございますが、十九台今検査機がございますが、そのうちの五台が新しい機器になっておる、そういう状況でございます。
  82. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 全体で百十台中三十七台ということは、三三%余りだと思いますが、羽田は十九台中五台、むしろ全国平均よりも低いわけなんです。これはぜひ七年計画というようなことを言わずに、この際前倒しで進めるべきだ、そのための必要な予算措置も講じるべきではないか、私はそのように思います。  もう一つ検知機の問題でお伺いしたいのは、今回の犯人が凶器を託送手荷物、つまり機内に持ち込まない手荷物として送ったということが報道されております。問題は、託送手荷物のチェックがないということも一つあるのではないかと思います。もちろん今回の事件には直接かかわらないんですが、例えば爆発物などが託送手荷物に紛れ込まされた場合に極めて重大な問題になると思うんです。  いろいろ調べてみたら、搭乗者のいない荷物のチェックというのは相当厳しくやっている。だから、搭乗者がいる限り、自分も一緒になって爆発物と乗るということはないであろうという前提での話だと思うんですが、しかしそう決めつけられるかというと、そういう簡単なものでもないと思うんです。今でも国際線の荷物は託送のものもきちんとチェックをしているとお伺いいたしました。それから国内線についても、昨日運輸省に調べてもらったところでは、韓国やニュージーランド、フランスなどではきちっとチェックがやられているというふうにお伺いをいたしました。この際、託送の手荷物についても検知機を通して万全を期すべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
  83. 岩村敬

    ○政府委員(岩村敬君) 受託手荷物につきましては、今御指摘のありましたように、とりわけ爆発物の混入を防ぐという趣旨から、実際に搭乗した旅客数それから手荷物の数、これが一致しない場合にはその手荷物を取りおろして中を検査するということをいたしておるところでございます。  ただ、これはまさに爆破防止でありまして、では今回のようなケースがどうなるのか。例えば託送手荷物の中に包丁が入っていたと。では、それをおろすのかどうかという点、これについては、逆に託送手荷物の中に包丁があれば、それをこの間のようなケースのように持ち出さない限りは飛行機のおなかの中に入ってそのまま目的地へ行くわけで、今回の事例を考えると、そういう点で防げるのではなくて、やはり受託手荷物の取り出し口からそのまま出発旅客になれるという、ここに大きな問題があるのかなというふうに思っているわけでございまして、そういう意味で緊急にまず逆走防止のための警備員の配置等を今回したわけでございます。  先ほど来申し上げていますように、本件については一度一から保安関係の進め方を見直すということで今作業をしております。そういう中で議論はされるかと思いますが、今言ったような点からしますと、今回のような事例にはエックス線の検査というのは、必ずしも有効ではないのかなという気もいたしておるところでございます。
  84. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 ぜひ、爆発物対策等々もありますから、御検討もいただきたいというふうに思います。  さて、次にトンネルのコンクリート剥落事故についてお伺いいたします。  我が党は国会議員団として、去る七月十四日から十五日にかけて福岡トンネルコンクリート剥落現場を視察調査してまいりました。JR西日本からも説明を受けるとともに、専門家の協力も得まして福岡市内、姫路市内の新幹線高架橋についても実際に現地調査をやってまいりました。  JR西日本は二十七日中には運輸省にもパンタグラフの損傷と報告しただけでコンクリート剥落の事実を一切報告しなかった。翌二十八日になってから初めて報告、公表したということであります。  ところが、現地で私どもがJRからいただいた文書によりますと、これはもうはっきり「十一時過ぎコンクリート片とパンタグラフの部品が、また十二時過ぎにトンネル覆工の一部が剥離しているのが発見された。」と。発見は、それこそお昼ごろにはわかっているわけなんですよ。  さらに詳しい文書、入手した文書によりますと、十時四十八分には五十センチぐらいのコンクリート片が落ちているという旨が、さらに十二時四十三分にはトンネル天井剥離は七十センチ掛ける二メーター掛ける四十センチであるということが確かに社内で報告をされております。  鉄道局長は衆議院での議論で、正確な状況把握のために報告がおくれたというような答弁をしておりますけれども、これはそんなものではないのではないかと言わざるを得ません。JRはコンクリート剥落の事実を隠そうとしたと。そして、隠そうとしたけれどもあんなに屋根がめちゃくちゃになった。到底説明のしようもなくなってとうとう剥落だということを翌日おくれて発表した。これが事実だと思うんですが、いかがですか。
  85. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 委員おっしゃいますように、六月二十七日の事故当日の状況では、我が方には、我が方と申しましても九州運輸局の方でございますが、午前十一時三十分に、九時二十四分ごろ福岡トンネル付近でパンタグラフ損傷により停電、その結果、十時五十四分に運転再開し、徐行運転で通ったという旨の連絡を受けたわけです。実際に、コンクリート片との関係で、覆工コンクリートの一部が落下して車両に損傷を与えたという報告がありましたのは翌日の八時十八分でございます。  そういう意味で、実際の連絡がおくれたという点は事実としてございますが、その点につきましては、JR西日本、先ほど委員の方からもありましたように、コンクリートの塊とパンタグラフの損傷、それから車体の損傷、そこら辺の因果関係がどういうふうになっているのかということについて、より正確に状況をつかむということで多少おくれたのではないかと我が方としては思っております。  ただ、どちらにしましても、ある程度の推定として因果関係があるかもしれないという状況になった場合には、やはり速やかに連絡してくるべきものではないかと我々も思っております。  そういう意味で、今回、二十八日に九州運輸局長よりJR西の方に指導文書を出しましたが、その際にも、今後、連絡体制の確立ということについては十分留意するように申し渡してあるところでございます。
  86. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 因果関係が明確でなかったからと、これはJRの言い分ですけれども、これは本当にごまかしだと思いますよ。じゃ、因果関係がなければ、先ほど申し上げたような七十センチ、二メーター、四十センチ、二百キロというような大きなコンクリートがトンネルの内部で剥落したという事実がわかっても報告しなくてよいと。そんなわけないじゃありませんか。因果関係が、それによって電車がどうこうなったかどうか、それはともかく、そんな重大なことが起こっているのを直ちに報告するのは当たり前のことだというふうに思うんです。  しかも、JRは報告も公表もしないまま運転を再開したでしょう。これはもう明らかになっておりますが、事故発生から一時間足らずで上り線は再開、下り線の方は一時間半後に走らせ始めて、いろいろ架線の修復などで中断はありましたが、十三時三十三分には運転再開をしているわけなんです。ですから、これはもう明白にコンクリートの剥落ということを明らかにせずに運転を再開した、重大な事実がわかっていながら発表しなかった、こう言わざるを得ないと思うんです。  あなた方の通達、警告とおっしゃっておりますけれども、これは衆議院でも議論しましたが、「事故連絡体制を確立し適切な措置を」と、たった十六文字ですよ。しかも、鉄道局長の言い分は、事務的な情報伝達を円滑にしていただくためと、こう言いましたよ。事務的な伝達手続が何か不備だったという問題じゃないんです。二百キロものコンクリートが落ちていながらそれを報告しなかったという重大問題だ、ここをやっぱりはっきりさせる必要があると思うんです。  なぜ今回JRがこういう態度をとったかおわかりかということなんです。それは、私はこう思います。つまり、列車の運転阻害にならない限りコンクリート等の剥落について報告する義務はない、規定は今こうなっていると思うんです。コンクリートが落ちることはこれまでも何度もあったと思うんです。しかし、それが列車の運転阻害にならない限り報告してこなかった。だから今回も、因果関係がなければ報告しなくてよいというような状況になっていたんじゃないか。これはやっぱり最大の問題だと思うんです。  これはひとつ運輸大臣にお伺いしたいんですが、こういう現状が今明らかになったわけですから、コンクリートの剥落等々、それは運転阻害にならなくてもこの機会にきちっと全部報告をさせる、この手続についても改めることは当然だと思うんですが、いかがでしょうか。
  87. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 報告規則の関係でちょっと御説明したいと思います。  鉄道事故等報告規則上では、速やかに報告する事項として、乗客に死亡者を生じた場合、五人以上の死傷を生じた場合、それから六時間以上の本線支障を生じた場合、いわゆる運転阻害あるいは事故ですが、こういうものについて報告を義務づけているわけですが、そのほかに「特に異例と認められるもの」というものがございます。当初はパンタグラフの破損・停電事故という状況で、この事故報告が必ずしもこの上記の基準に該当しないんではないかということで若干判断がおくれたんではないかと思いますが、その後、トンネル内を確認して、先ほどのコンクリート片との関係でパンタが壊れ車体も損傷したということがございましたので、これについて、特に異例な事故ということで報告をしてきたということでございます。
  88. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 ですから、やっぱり今回の事故を契機に、改めて安全基準といいますか、そういう報告制度そのものを再度検討するということが求められているというふうに私は思うんです。  これまでも運輸省の点検規定などに基づいて橋やトンネル等々の点検が行われてきた。これは目視で行われていると思うんですが、まず事実をお伺いしたいんですが、福岡トンネルについて、運輸省の規定に基づく定期検査、またJR独自の検査、これは直近ではいつ行われたか、方法と結果はどうだったか、お答えください。
  89. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 山陽新幹線の福岡トンネルの今回の剥落箇所につきましては、JR西日本では、鉄道運転規則に基づく定期検査を平成十年十一月三十日に実施しております。また、ゴールデンウイーク前ということもございまして、平成十一年四月二日に不定期検査を実施しております。しかしながら、いずれも当該剥落箇所については、目視検査ということでやった結果、その段階では異常は見られなかったということを聞いております。
  90. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 ゴールデンウイーク前の検査が四月二日ですからね。事故が起こったのが六月二十七日でしょう。三カ月たっていないわけですよ。わずか三カ月前に異常なしだとされた場所が今回こういう重大な事故を起こしたわけであります。改めて今度全部を点検してみたら二千四十九カ所にわたるコールドジョイントがあったと。一体何を検査してきたのかということだと思うんです。  私は、この事態から言えることは、次の二つのどちらかしかあり得ないと思います。一つは、目視での定期点検といっても、今回の剥離だとかコールドジョイントすら発見できないようなずさんな点検をやってきたのであるのか。あるいは、そうじゃない、きちっとやった、現に何の異常もなかったと言うのであれば、今回目視で異常なしと言われている場所でもこれから三カ月以内に同じように剥落をする危険があるのだということを示しているのか。これはどちらにしたって実に重大なことになると思うんですが、この定期点検のあり方をどう考えているか、ひとつお答えいただきたいと思います。
  91. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 今回のトンネルのコンクリートの剥落の原因としてはコールドジョイントというのが考えられますが、従来、JR西も含めて鉄道事業者として、このコールドジョイント自身が何らかの危険なことに直ちに結びつくという意識はなかったんではないかと思います。コールドジョイント自身は目視によって確認できるわけですが、これが本当に危ないかどうかということは、さっき言っておりますように、打音検査によって濁音があるかどうかということを確認することによって可能なわけでございまして、今回、コールドジョイント部については目視しまして、さらにそれを打音検査によって濁音があるかどうかを確認しまして、危険な箇所と、可能性があるということで、先ほどちょっと申しましたが、七月二十四日までに打音検査を実施した結果、二千四十九カ所のうち三百一カ所がそのおそれがあるということで確認したわけでございます。
  92. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 三カ月前に異常なしと言ったものが今回の事故が起こっているわけですから、当然これからの点検というものはこれまでとは違った形で行われるということでなければ、今異常なしと言われているものが安心できるかどうか、これ自身が非常に疑わしくなるわけですよね。だから、改めて点検のあり方についても見直す必要がある。目視といったって、徒歩で目視しているんですよ。非常に高いトンネルの天井を下から見上げて点検するわけですから、それでどれだけのものがわかるのかということもあろうかと思うんです。  今お話がありましたように、二千四十九カ所コールドジョイント部が発見されたと。これに対して今打音検査等々行っているわけですが、三百一カ所で異常音が認められたと。  この三百一カ所、すべて補強工事がされたんですか、いかがですか。
  93. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 現在、山陽新幹線の点検の結果三百一カ所の濁音が認められた箇所につきまして、L形鋼の取りつけといったような予防的措置を講じようとしております。これは一応八月十日までに全数を完了させたいということで鋭意努力しておりますが、現在時点における取りつけは約一〇%程度となっております。
  94. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 全部についてはできていないわけですね。
  95. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) はい。
  96. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 これも実に重大だというふうに思います。補強されていないコールドジョイントが残されているということでしょう。  だから、改めて、これは八月十日と言わずに本当に早めることと同時に、すべてのコールドジョイント部についてやはり補強工事をきちっとする。コールドジョイントというのは安全上問題があるという認識は、これはもう皆さんお持ちになっていることだと思いますので、ぜひその方向での対策をお願いしたいというふうに思います。  次に、コアの問題です。  抜き取りの調査をやっておられると思います。これは何カ所から抜き取ったのか、どこが分析をしているのか、そして福岡トンネルの今回のコアの分析結果はいつ出るのか、お答えください。
  97. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 現在、福岡トンネルの部分につきまして、事故現場を含めまして七カ所から計十九本のコアの抜き取りを実施しております。  このコアにつきまして、そのうち十一本について現在JR西日本の方でJR総研の方にこれを持ち込みまして、原因究明の調査を早急に出すということで、八月上旬をめどに速やかに調査結果を報告するように依頼して、現在その分析作業を進めておるところでございます。
  98. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 あわせて聞くんですけれども、これまでトンネルなどでは健全度の判定区分というものがあったというふうに思います。福岡トンネルは、トンネルを六百三十五ブロックに分けてそれぞれ判定されている。これは、最も危険なAAというものから最も安全なSというものまで六段階に分かれているというふうに聞いております。  この健全度判定区分で、福岡トンネルには危険とされるA2、A1、AAというのは何ブロックございましたか。
  99. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) JR西日本では、トンネルの点検につきまして、JR総研発行の「トンネル補強・補修マニュアル」に基づきまして実施しております。  この健全度の判定につきましては、平成十年度末における福岡トンネルの点検の結果としまして、六百三十五ブロックのうち、いわゆるA1と言っておりますが、措置が必要な箇所が十九カ所、監視が必要な箇所、これはBと言っておりますが三十カ所というようなことで判定をしております。  この十九カ所でございますが、具体的には、コンクリートが必ずしも密にまざり合っていない、ジャンカと呼んでおりますが、これが十五カ所、それから漏水のといが劣化しているということで、これが三カ所、それからコンクリート壁面の補修の鉄板がさびて塗装が必要だということで一カ所、計十九カ所になっております。
  100. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 私はきょう、判定区分の中身というのも持ってまいりましたけれども、A1というのは、「変状または欠陥があり、それらが進行して、土木建造物の機能を低下させつつあるもの」、「欠陥で、運転保安及び旅客公衆の安全確保のため」「早急に措置を要するもの」。これがA1の評価なんですね。これが既に十九カ所あったということであります。  しかも、これは福岡トンネルだけの話ですから、改めて山陽新幹線全域で行う必要があるのではないかというふうに思います。  それから、コアについても全部からとっていないわけですね、異常音がした三百一カ所。これは音としてはすべて異常が認められたわけですから、きちっとした原因究明のためにもすべての場所からコアを抜き取って徹底分析をするということを求めておきたいというふうに思います。  私、この機会にお伺いしたいんですが、あたかもこのコンクリートの問題というのが今回の事故で改めて降ってわいたかのような対応をされますけれども、それはおかしい。これはもう早くからこの問題は指摘をされてまいりました。  一九八三年にはNHKテレビが、「警告!コンクリート崩壊・忍びよる腐食」と、山陽新幹線の問題もここで取り上げております。あるいは現千葉工大教授の小林一輔氏は、一九八三年三月に、山陽新幹線の高架橋のコンクリート劣化状況の調査を詳細に行って、このとき、建設後十年余りでもう本当にひどいと劣化のひどさを指摘しているわけです。  さらには、我が党の東中光雄衆議院議員が一九八九年の二月一日に、アルカリ骨材反応によるコンクリート劣化対策等に関する質問主意書を衆議院議長あてに出しました。これに対する答弁書というものも今回私、勉強させてもらいました。  竹下総理大臣名の答弁書では、新幹線のアルカリ骨材反応についても書いてあります。「その結果、トンネルについては山陽新幹線六甲トンネル、橋梁については上越新幹線及び山陽新幹線で十一箇所、高架部分については上越新幹線及び山陽新幹線で四箇所にアルカリ骨材反応によるものと思われるひび割れが確認されたと承知している。」と。  つまり、政府自身が既に十年前に、山陽新幹線のコンクリート構造物にこういった問題があるということを認めているわけであります。  私たちが現地調査した実感でも、トンネルといい高架橋といい、まさに満身創痍という状況でした。高架橋でも至るところに剥離が見られました。きょう、とってきたものをお持ちしましたけれども、これが道端に落ちている。(資料を示す)私がたたいて落としたんじゃなくて、道端に幾らでも高架橋から落ちたこういうものが落ちているという状況になっているわけです。  一体運輸省はこの間何をしてきたのかと言われてもこれは仕方がない。まともなコンクリート対策は何もしてこなかったのではないか。いかがですか。
  101. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 山陽新幹線のコンクリートの劣化問題、これにつきましてはJR西日本がこれは当該鉄道事業者として第一義的な責任を負っているわけですが、従来、六十三年ぐらいからコンクリート委員会というものを設けまして、この中でこういう幾つかのコンクリート片の劣化の問題についていろいろ検討してきておるところでございます。  それによりましてJR総研等といろいろ協力しながらやってきておるわけですが、さらに今回、山陽新幹線のコンクリートの劣化問題につきましては、従来のそういうコンクリート委員会に加えまして、JR総研に新たに委員会を設置しまして、検討体制の強化を図っていくということでやっていきたいというふうに考えております。
  102. 宮本岳志

    宮本岳志君 いや、そこなんですよね。  今回対策をとられる。これまで何もしてこなかったことに比べたら前進だと思います。しかし、総研に置く新たな委員会というのは、これはコンクリート問題についてやりますけれども、鉄道総合技術研究所というのは財団法人であって、財政はJR各社など鉄道事業者に負っているわけなんです。だから、本当に財政的にも公正中立にできるかといいますと、これはやっぱり国がやるというのとは少し意味合いが違ってくるだろう。一方で、運輸省鉄道局長のもとに置く検討会というのは、これはトンネルに関してだけのものです。  私どもが提案したいのは、やはり公正中立な立場に立つ、そしてコンクリート建造物の問題全部をきちっと検討するそういう委員会専門家委員会を置くべきではないかということを提案したい。  一つは、運輸省責任を持ってコンクリート問題でのJRグループから独立した公正中立な調査委員会、もう一つは、そこにはコールドジョイントの問題ばかりでなくアルカリ骨材反応その他、とにかくコンクリート建造物専門家等々幅広い研究者を結集して研究に当たる、こういう体制をきちっととって国民の不安を解消すべきだと思いますが、これはひとつ運輸大臣、いかがですか、そういう御決断いただけませんか。
  103. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) まず、今回の剥落事故に関しまして、JR西の一義的な責任でやっている。しかしながら、それでは国民の不安というものを払拭するわけにいかぬ。そういう立場の中で運輸省としても、JRの結果を待ちながら、同時に私どもも調査を進める。この間も技術審議官が行ってまいりました。また、委員会でも御視察をいただいた。そういった意味では、JR西日本が本来やるべきでありますけれども、今回は少し違うのではないか、こんな思いでやらせていただいているところでございます。  それから、コンクリート全体に対する不信というものも実はいろんなところからいただいております。ただ、私も専門家でありませんのでよくわかりません。それは、先ほど申し上げましたように、建設省建設省で御努力いただいておりますし、また北海道開発庁も、私が所管をいたしておりますので北海道においてもこの問題を考えさせていただいておる。そういう意味では、コンクリート全体ということになりますと、運輸省のみではなく、もう少し建設省なり他の省庁とも連絡をとりながらやっていかなきゃならぬだろう。  とりあえず、鉄道総合技術研究所に私どもの職員も出してきちっとしたものをやらせる。同時に、言われるとおりいろいろなところと連携をとっていかなきゃならぬだろう、こういうふうに思っております。
  104. 宮本岳志

    宮本岳志君 最後に、体制の充実についてお伺いしたいと思うんです。  私も現場で話を聞いて驚いたんです。九州支社で、このトンネル、高架橋の点検を何人でやっておられますかと聞いたら、十七人で点検をしているという話でありました。トンネルの検測車は今回一台ふえたということですが、今までは広島支社と九州支社で一台を兼用していた、これで七十二キロトンネルと高架橋を担当していると言うんですね。最初はトンネルの問題が出て、夜はトンネル、その次は高架橋で問題になってきて昼は高架橋、寝る時間がないという生々しい話もお伺いをいたしました。  特に、山陽新幹線の現状が他の新幹線に比べても異常であるということはもう御認識をお持ちだと思うので、私はこの際、国の機関、JRグループ、地下鉄などの技術者、あるいは点検の機材、こういうものも山陽新幹線の点検のために集中をして一気にこの点検を進めるという対策をとるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  105. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) これも午前中にちょっと御答弁申し上げたんですけれども、JR西の経営者として責任を持ってすべてやり切れるか、こういう話を私二週間ほど前にいたしました。JR西としては全力を挙げて取り組みたい、こういう御返事でございましたので、経営者の御返事というものを私は今日では信用をいたしております。  しかしながら、委員会で御視察いただいたり、また私ども直接その現場に入らせていただいたり、いろんな声を聞く中で、また必要があれば経営者と話をして、応援が必要ならばはっきり応援を出してくれという要請が出てくるだろう、こういうふうに考えております。
  106. 宮本岳志

    宮本岳志君 一言だけ。  先日、当委員会で山梨のリニア実験線を委員の皆さんと一緒に体験試乗してまいりました。時速四百五十キロのあのリニアモーターカーでさえシートベルトというものはないわけであります。なぜかと聞いたら、これは進行妨害事故は想定していない、線路上に進行妨害するようなものが落ちるということはあり得ないんだ、こういう話でありました。  ですから、新幹線というものはそういう走行環境を前提とした乗り物なんですね。だから、コンクリートの塊が線路上に落ちるという可能性はゼロでなければ走らせてはならない、そういう交通機関だということをしっかりと見ていただいて、今回の事故についても徹底的に原因の究明と再発の防止に全力を尽くしていただくことをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
  107. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。  それでは、全日空ジャンボジェット機のハイジャック事件についてお尋ねをいたします。  まずは、五百十七名の乗客の生命と引きかえに亡くなられました同機の機長長島直之さんに対して心から哀悼の意を表しておきたいと思います。  このハイジャック事件発生と同時に、いろいろマスコミでも報道されておりますけれども、地上の安全管理の甘さが指摘されておりますし、事件発生を許した原因の徹底的な調査と再発防止のための取り組みの強化、特に乗客、乗員の安全を最優先する施設設備の改善やハイジャック防止のための検査・監視体制を早急に見直すべきではないかと思っています。したがって、必要な措置がとられるべきではないかと考えておりますが、いかがでございましょうか。  また、全空港関係者に対して保安体制の見直しを指導すべきだ、より強化すべきだというふうに考えておりますが、見解はいかがでございましょうか。
  108. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 事件が起きました当日でございますか、先ほど御報告いたしましたように監視体制というものを強化させていただきました。まだその状況で、お客様には多分ある意味では御迷惑がかかっておると思います。しかしながら、安全確保のためでございますので、御理解をいただきながら監視体制の強化を進めてまいりたいと思っております。  一方で、報道等で伝えられておりますし、また警察等からも情報をいただいておりますが、どうやら犯人が逆流という手段によって凶器を航空機内に持ち込んだ、こういうことでありますので、逆流対策も今急いでさせていただいたところであります。  ただこの問題は、まさに長島機長の痛ましい犠牲の中で五百二名のお客様の命が守られたということであります。そうした犠牲というものを考えたときに、我々二度とこのようなことが起きないような体制を根本から考えていかなければならない。そういう意味では監視・検査体制だけでは不十分である。また逆流をとりあえず抑えたからといって、それですべてを果たすわけではない。そういう意味では全般的に一から見直しをしなければならない。同時に、その作業はそう時間をかけられるものではない。航空会社協力を得ながら運輸省として基本的な考え方をまとめてまいりたいと思います。また委員各位には大所高所から御指導賜りたいと思います。
  109. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 犠牲となられました機長とその家族に対する支援の措置でございますけれども、こういうことがあってはならないわけでありますけれども、もし事故が起きた場合に、万全を期す必要があると考えますが、見解はいかがでございましょうか。  また、今後、事故を教訓にして交通運輸事故の遺族に対する支援措置について充実させていく必要があると思いますけれども、いかがでございましょうか。
  110. 岩村敬

    政府委員(岩村敬君) 今回、不幸にもハイジャック犯の凶刃に長島機長が倒れられたわけで、御遺族もそれによっていろいろと困難な状況に置かれるという御指摘はそのとおりだと思います。  こうした場合のケースについて、御遺族等に対しましてどういうような支援措置があるかということでございますが、一つは労働者災害補償保険、業務中であるということでそういうものからの交付が一つあるかと思います。また雇用主である会社による弔慰金といったもの等々があるかと思います。  ただ、そういったもので不十分な場合には、犯罪行為により不慮の死を遂げた者の遺族等に対して国が支給する犯罪被害者等給付金というものがございますが、この制度も今申し上げたような保険、さらにはそういう会社によるいろいろな弔慰金等でカバーできない部分が国による給付の対象となっておるわけでございまして、いずれにいたしましても今申し上げたような形で遺族の方々の御支援がされるものというふうに思っております。  また、第二点目の交通運輸事故の全般についての被害者救済でございますが、今回の場合は乗務員という形で仕事を遂行されている中で不幸にして亡くなられたわけでございますが、乗客の場合におきますと、やはり運送責任を有しておる航空会社による賠償という問題になりますが、これについて運輸省は、直接の支援ということは困難でありますが、航空運送約款認可をしている立場でございますので、航空事故に対する損害賠償に係る航空会社の適切な対応が図られるよう、これまでも責任限度額を引き上げるなり撤廃するなり、そういった措置をしておりますが、そういった形で支援がされてくるものというふうに思っておるわけでございます。
  111. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 航空事故調査委員会の調査結果についてお伺いをいたします。  事故調査委員会の調査結果が事故犯罪捜査証拠として採用されているという声があります。先ほどの同僚の寺崎さんの質問にも、十分間の空白の問題について捜査上の問題というようなお話がありました。これらはどうなのでございましょうか。事実はないのでございましょうか。もし事実であるとすれば、採用となった事案をお教えいただきたいと思います。
  112. 筑波章

    ○説明員(筑波章君) ただいまの問題についてでありますが、私どもの調査といいますのは、だれかの責任を追及するとかだれかれが悪いと、そういうことを目的としているわけではございませんで、今後の事故再発を防止するという観点から科学的に何が原因だったかを調べる、こういうことでございます。  そういう趣旨でありますので、そこの中に確かにだれにとって不利だとかあるいは逆に有利であるとか、いろいろな事実があるわけでありますが、そういうことを離れて客観的に調査を進めているわけでありますけれども、一方、刑事事件なりあるいは民事事件という側面も、航空事故であると同時にそういう側面もありますので、捜査機関から調査結果について私どもに対して鑑定嘱託という形で、当該事件被疑者の方の行動であるとかあるいは機体についての問題であるとか、こういったことについての調査の照会が参る場合もございます。  先ほど申し上げましたとおり、私どもは別に責任の追及をするためにやっているのではない、こういうことをお話しいたしまして、それらの鑑定嘱託に対しまして一々回答するということではなくて、私どもが航空事故調査委員会設置法の二十条の規定で報告書を公表するわけでありますが、その公表する時点で、当該報告書、公表するもののコピーをお送りして、これをもって回答にかえるというやり方でやっております。  したがいまして、私ども、世間一般の方にだれでも見られる格好で公表されたもの以上のものは捜査機関にも何もお渡しをしているわけではございません。これを証拠として採用した事例があるかどうかというのは私ども承知しておりませんけれども、今申し上げましたとおり、捜査機関からの嘱託に対する回答をしている例は確かにございます。
  113. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 ICAO、国際民間航空機構条約第十三附属書の五の十二「記録の開示」では、「記録を事故又はインシデント調査以外の目的に利用してはならない」と明記されています。さらに附属書の五の十二の注意書きでは、「事故又はインシデント調査の間に面接した者から自発的に提供されたものを含む上記の記録に含まれる情報は、その後の懲戒、民事、行政及び刑事上の処分に不適切に利用される可能性がある。もしこのような情報が流布されると、それは将来、調査官に対し包み隠さず明らかにされるということがなくなるかもしれない。このような情報を入手できなくなると、調査の過程に支障を来し、航空の安全に著しく影響を及ぼすことになる」と明記されております。調査の結果を犯罪捜査の証拠として扱うことについて注意を実は促しているわけでございます。  これは事故調査委員会としての原則であり、真理であると思います。事故調査委員会の調査結果が犯罪捜査の証拠として採用されるようなことがあってはならないのです。当然我が国においても当てはまることだと思いますが、仮に事故調査委員会の調査結果を、あくまで調査結果を捜査当局が証拠として扱うようなことがあれば、これはICAO条約に違反すると考えてよいのでしょうか。いかがでございましょうか。
  114. 筑波章

    ○説明員(筑波章君) ただいまのこの問題は大変微妙な話でありまして、従来から議論があるところであります。  一つは、調査で私どもいろいろな方からお話を聞く、あるいはいろいろな記録をいただく。これについてやはりだれがどういうことをしゃべったかというのを明らかにしてしまうと、その後その方に不利益が生じることもあるのではないか、そういう意味ではプライバシーの保護というのは非常に重要ではないか、こういう議論が一方あります。  同時に、当該事故の原因につきまして、あるところから先は、ここから先は秘密であるということでは原因がよくわからぬではないか、国民の皆さんに報告書を公表する以上は、それを読んでいただいて事故原因がよくわかるようにできるだけ包み隠さず報告書に書くべきである、こういう議論も従来ございました。  そういうそれぞれの、プライバシー保護の要請というのも大変もっともな話でありますし、またできるだけ事故原因がはっきりわかるように、よく理解できるように報告書にできるだけ包み隠さず書くようにすべきだという要請もこれまたもっともな話でございます。この両方の調整をどうするかというのが実は私ども大変苦心をするところであります。  ただいま渕上先生が引用されました国際民間航空条約第十三附属書の五章の十二というところに、ここに書いてありますような口述、あるいは航空機の運航に関与した者の交信、医学的、個人的情報、それからコックピットボイスレコーダーの記録の音声、読み取り記録等につきまして、こういったものを報告書に含めるのは、この場合は事故ですね、事故の解析に関係のあるときのみでなければならない、解析に関係のない部分の記録はこれを開示してはならない、こういう規定になっております。  私ども報告書をつくります際には、事故の解析に関係のある部分を載せる、関係のない部分は載せない、こういうことで先ほど申し上げました両者の要請の折り合いを図る、こういうことでそれぞれの報告書をつくる際にこの第十三附属書の規定に適合するようにということで最大限心がけておるところでありまして、私ども報告書を作成する際に、むしろ私としては先ほど引用されましたこの規定に従った対応をとっている、こう申し上げてよいかと思います。
  115. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 次に、山陽新幹線福岡トンネルコンクリート剥落事故について質問いたします。  山陽新幹線福岡トンネル内のコンクリート剥落事故の発生と、その後明らかとなってきました橋脚からのコンクリートの塊の落下事故、さらには鉄筋の露出と腐食など、コンクリート構造物への不安が高まっておりますし、また昨日、新聞報道において山陽新幹線建設作業に携わった元従業員の証言が報道されていましたが、報道内容が事実であるとするならば背筋の寒くなる思いがするわけでございます。  かつて東海道新幹線は半日運休をいたしまして点検、補修工事を行っていましたし、安全面で万全を期するためにも、山陽新幹線もやはり一定の期間運休することも視野に入れて、コンクリート構造物の実態を徹底的に調査、点検、補修をすべきと考えますが、いかがでございましょうか。  また、これらの構造物の維持補修に的確に対応するためには、維持補修事業に対して国として各般の支援を行う必要があるのではないか。これは安全運転、安全を前提にしてつくられた新幹線であるとするならば、なおさらそういうことを明確に国の姿勢として行うべきであると考えますが、いかがでございましょうか。
  116. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 運輸省としましては、安全の確保は運輸の基本的な問題であるという認識から、新幹線トンネルにつきまして今月末までにコールドジョイント部を中心に緊急に点検をするように、それから、安全性の確認を行うとともに、必要に応じて適切な措置を講ずるようJRに指示しているところでございます。また、山陽新幹線の高架橋につきましても、JR西日本が総点検を既に実施しているところでございます。  そういう意味で、当面の応急措置としては一応の何らかの対策を講じておるわけでございますが、委員からも御指摘がありますように、今後具体的な山陽新幹線のトンネルの剥落あるいは高架橋の剥落等についての原因究明と点検結果を受けまして、トンネルの今後の保守管理のあり方を検討するための検討会を運輸省に設けて、今後具体的に検討していこうというふうに考えております。さらには、従来のJR西日本の委員会、コンクリート委員会に加えまして、コンクリートの劣化問題についての委員会をJR総研に設置してやるようにということで指導しておるところでございます。  これらの検討会等でのいろんな検討結果あるいは調査結果、こういうものを踏まえまして、今後、山陽新幹線の構造物の保守管理のあり方、健全性の維持のあり方、こういうことにつきまして我々としてもJR西日本を適切に指導していく所存でございます。  それからもう一つ、国の支援、国としての各般の支援ということがございました。我々としても、このコンクリート問題についていろいろ検討会等での検討結果を踏まえまして、必要な維持補修が的確に行われるようにJR西日本といろいろ連携していきたいと思っておりますが、具体的に例えば維持補修費用等について財政的支援を行うということは、一義的にはやはり施設所有者であるJR西日本、鉄道事業者が本来的に負担すべき性格のものというふうに考えておりまして、現時点では国として財政的な支援を行うということは考えておりません。
  117. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 事故調査委員会の設置についてお伺いをいたしますが、これまでも何回となく提言をしてまいりました。実現を求めてきたところでありますけれども、運輸省は六月二十九日鉄道局長のもとに事故調査検討会を設置する方針を明らかにしていますが、今回発生をいたしました山陽新幹線福岡トンネル内の壁の剥離事故につきまして直ちに事故調査検討会を立ち上げ、調査体制をとられるよう要請をまずは申し上げます。  また、事故検討会は非常設のために、事故等に至らないが、安全に影響を及ぼす、また及ぼすおそれのあるインシデントの分析については弱いと考えますが、今回の事故でも、事故以前に同種の小さな事象が何回もあったことが明らかになっておりますし、インシデントの分析も含めた原因究明及び再発防止を目的とした調査分析を行い、有効な対策を検討するためにも常設、独立の鉄道事故調査委員会の設置が必要だと考えますが、見解はいかがでございましょうか。
  118. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 列車の衝突事故等の大きな事故あるいは特異な事故が発生した場合、これにつきましては、ことしの六月二十九日に鉄道局長、私のもとに学識経験者、専門家で構成されます事故調査検討会を設けまして、直ちにこういう事故が起こったら立ち上げていくということを決めたところでございます。この事故調査検討会では、現地調査を含めまして、事故の原因究明とか再発防止対策の検討を行えるように、あらかじめ検討会のメンバーを選定しておくというような体制を今後とっていこうということで対応したいというふうに考えております。  山陽新幹線のトンネルのコンクリート剥落等の問題でございますが、今回の事故につきましては、その原因がトンネル構造物の問題ということで割と限定されて推定が働いておるということで、むしろトンネルとかあるいはコンクリートといったような問題についてその道の専門家を中心とした体制でやる方がより適切ではないかということで、先ほど来より申し上げておりますような、このトンネル、コンクリート問題についての検討会を立ち上げるということにしておるところでございます。  なお、事故についてのインシデント、事故に至らないけれどもいろんな阻害があった場合の分析についてでございますが、これにつきましては我々としても、運輸技術審議会のもとに事故分析小委員会というのを設けまして、この委員会におきまして、小規模な運転事故であるとか輸送障害など、これらの事象、インシデントにつきましていろんな分析をしまして、詳細に分析して事故等の再発防止に資するということを進めてまいりたいということで、先ほど申しましたように、事故調査検討会の立ち上げの体制を講じたと同時に、事故分析小委員会というものの体制も講じておるところでございます。
  119. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 終わります。
  120. 戸田邦司

    ○戸田邦司君 私は、本日のこの委員会で今回の事故に関連しまして事細かな話をするつもりはありません。きょう、運輸大臣を初め皆さんに出てきていただいて、いろいろ御説明をお伺いしております。各国の議会と行政府の関係で、こういった事故にどういうふうに対応しているかというようなことも考えてみますと、各国それぞれ特徴があるとは思っておりますが、しかし事故が起こったときに、例えばアメリカの運輸省がアメリカの議会に出て行って申しわけありませんでしたというような話を聞いたことがありません。  そこは、立法府と行政府でそれぞれの責任をきちっと最初から認識して線引きができている。さらに申し上げますと、行政府とそれから民間の責任の持ち方がきちっとそこは決まっているんだという約束事のようなものがあるだろうと思います。私は、そういう意味で、立法府と行政府の線引きといいますか、そういうことから考えますと、その規制の仕方がいいか悪いか、規制の仕方のよしあし、それからもう一つは規制があってその運用が適切に行われているかどうか、この二点に絞られていくのかなと、こういう思いがしております。  そこで、今回の事故のようなケースで一体国はどこまで責任を負うんだろうか。行政府の責任の負い方については、立法府も深いかかわりがあるのは、今申し上げましたその規制の仕組み、やり方、規制している法律、そういったものの中身の問題があるからだと思います。  そこで、運輸省はここのところで参入規制の緩和といいますか、規制緩和で相当前向きのことを進めておりますが、一方でその社会的規制あるいはお客の安全、利益を守る、そういったことについての規制は前よりも一層厳しくなる面があってもよろしいかと思っております。そういったことを考えながら、今回の事故について、鉄道の問題、航空の問題、それぞれに事情が違っているとは思いますが、国といいますか行政府としての責任とそれから民間の責任、そこはどういうふうに考えておられるか、お伺いしたいと思います。
  121. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) まず、鉄道の点について、今回の事故の関連で申し上げたいと思いますが、山陽新幹線の福岡トンネル、こういう鉄道施設にかかわる保守管理に起因する問題、こういうものについてはその責任について、基本的に一義的には施設所有者であるあるいは運行者であるJR西日本等の鉄道事業者が負うものであるというふうに我々は認識しております。  ただ、国としてこういう安全問題について運輸の基本的な問題であるということを深く認識しなきゃいけないわけでございます。そういう意味から、単にJR西だけの問題じゃなくてこういう同種の事故の再発を防ぐというために、必要に応じJR西も含めた個別事業者の指導監督を行うということは当然のことですが、今回のように予期し得ないような問題あるいは重大な事故が発生するといったようなときには、鉄道全体の問題としてほかの事業者にもいろいろ指導していく場合もあるかと思いますので、そういう問題について国として所要の対策の検討を行っていくという必要があるのではないかと考えております。
  122. 岩村敬

    ○政府委員(岩村敬君) ハイジャックの方でございますが、一般論を申し上げれば、航空会社は安全な運航を確保する責務を有しております。その一環として手荷物検査等を適切に行うことが求められているわけでございまして、一義的には航空会社がハイジャックを防止する責務を負う立場にあるというふうに考えております。  ただ国は、それぞれの航空会社の問題、また航空の場合ですと飛行機だけではなくてターミナルビルという別の会社もございます、そういったことを含めまして、こういった仕事がそれぞれ適切に果たされるように、一般的に指導しまた監督する立場に我々はあるわけでございまして、規制緩和を進める中で一層こういったことについては国として心してかかっていかなきゃいけない、こういうふうに思っておるところでございます。
  123. 戸田邦司

    ○戸田邦司君 大変難しいところでお答えいただいておりまして、今のお話のとおりだろうと思うんですが、難しいところは予防的あるいは指導的に国はどこまでやるかというようなところではないかと思っております。基本的には、ここまでは国の責任、ここは民間の責任という境目を私ははっきりとさせた方がいいと思っております。  ただ、そうは言いながら、重大事故につながるようなことを放置しておくわけにはいかないので、そこは相当の指導力を持って国側がいろいろやっていかなければならない部分がどうしても残っていく。それは、その時点で考えると国側が責任を負うわけではないけれども、安全性という問題から考えると、こういうようなことで指導しているんだというようなところがあるんだろうと思います。ですから、そういった認識だけは、きちっとお互いに責任の所在をはっきりさせた上で仕事を進めていっていただきたい、こう思っております。  それから、最終的にはやはり国側が、場合によって列車をとめるとか、飛行機の運航をとめるとか、そういう権限は保持していなければ、なかなか民間会社が言うことを聞かない場合もあり得ると思いますから、そういったこともあわせて考えていっていただきたいと思います。  こういう安全の問題についてこれから運輸省はどういうふうに考えていかれるか、大臣から一言お伺いして、質問を終わりたいと思います。
  124. 川崎二郎

    ○国務大臣(川崎二郎君) 規制緩和の議論の中で、安全の確保については委員の方々からもいろいろな御議論をちょうだいしたところでございます。  まず、航空でございますけれども、私就任後、日本航空、全日空、またその他につきましてもいろいろな御注意を申し上げてまいったところでございます。  それから、鉄道に関しましても、JR東において、電気工事をされる方が、労働災害というんでしょうか、建設現場でお亡くなりになりました。また、トンネルの中で停止をいたしまして、その復旧のために四時間以上かかったようなこともございました。  それから、今回の剥落事故の連絡体制等について、私だけではなく、JR西の社長みずからも社内の体制について言及をされております。そういった意味では、JR全体の安全管理体制というものについて私自身少し不安を感じておるものでございます。  そういった意味で、どこからどこまでが国の責任で、どこからどこまでが民間の責任となかなか分けにくいところがありますけれども、現実に私ども仕事をいたしておりまして不安を感じていることは事実でございますので、それは明確に各会社に申し上げながら、まさに会社の中で自律的にやってもらう仕掛けはつくっていかなければならぬだろうと。  また、例えば今度の山陽新幹線の問題で、JR西の調査の結果、そしてその後私どもがJR三社また民間の皆さん方も入れた協議の結果として必ずしも違う方向が出てくるということになれば、徹底的に話し合っていかなければならないだろう。しかし、最終的にはどっちの意見でやるんだということになれば、国が最後のところは担保しなきゃならぬのかな、こういうように考えているところでございます。そこのところだけはしっかり踏まえていかなければならぬなと。しかし、その過程においては民間会社のやっぱり自律というものが基本になりながら進んでいかなきゃならぬだろう、このように思っております。
  125. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 参議院の会の岩本荘太でございます。  私も、準備いたしましたのは山陽新幹線トンネル内のコンクリート剥落事故の関連でございますが、朝からの御議論で大分私の準備したことに関します御答弁をいただきましたので、残りの部分について一、二質問させていただきたい、こう思っている次第でございます。  まず、山陽新幹線の事故、これは予期しなかった事故ということで大変な事故でございますが、これをしっかりと原因究明していただきたいと思う次第でございます。二度とこういうことがないようにお願いしたいわけでございます。  先ほど来の議論にもいろいろございましたけれども、トンネルにしろ橋脚、高架橋にしろ、山陽新幹線にこういう事故が多いということは、これはもう先ほど来お認めになっているというか、そういう認識を持っておられるというふうに思いますけれども、それはそう考えてよろしいわけですね。
  126. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) ほかの新幹線と比べてどうかというのは、明確には具体的な比率とかそういう形では我々もまだ十分把握していないところでございまして、点検調査結果等を待って見てみないとわからないというところがございます。  ただ、現実問題として、先般の福岡トンネルコンクリート剥落事故の前にも、山陽新幹線の新関門トンネルの漏水停電事故等がございました。それから、高架橋等でコンクリート片の剥落事例等が相次いでいるということもございます。  そういう意味で、現在いろいろ我々のところに来ておる情報では山陽新幹線についてこういうコンクリートに関連した事故等が多く見られるということは言えるかと思いますが、全般的に山陽新幹線が特に多くて問題かどうかということは、今後、点検結果あるいは原因調査究明、そういうものを待って見みないと正確にはわからないのではないかと思っております。
  127. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 公式にはそういう発表はされないということですね。  それはそれでやむを得ないんですけれども、山陽地域といいますか、あの地域にはいろんなコンクリート構造物があると思います。それぞれ所管が違いますから全部はおわかりにならないと思うんですが、そういう中で運輸省所管としてこういうコンクリート構造物を持っておられる例えば港湾とか飛行場、そちらの方はどうなんでしょうか。
  128. 岩村敬

    ○政府委員(岩村敬君) 飛行場関係では、空港に乗り入れている鉄道のトンネル、例えば羽田でいいますと京浜急行のトンネル、それからモノレールのトンネルがあるわけでございますが、これについては今調査をいたしておるところでございます。
  129. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 いわゆる中国地域に限ってのことはおわかりになりませんか。  おわかりにならないということは恐らくないんだろうと思うんですが、ということは、逆に言えば山陽新幹線に多い、これに特化される問題だというふうな感じがするんですが。  原因は、先ほども出ました設計の問題、施工の問題があるかと思いますけれども、私はどう考えても設計の問題はないんだと思うんです。東海道をやって、その後東北をやって上越をやっていますから、それがあそこだけ変な設計をやったということはあり得ない。とすると、施工の問題が非常にクローズアップされてくるのかなと。先ほども海砂の問題が出ましたけれども、あるいは新聞等では、施工期間が追い詰められたんじゃないか、それによって手抜きが出たんじゃないかというようなニュアンスも承っている気がします。  故意であれ、故意であったら非常に困るわけでございますが、過失ということもあると思うんですが、その辺も含めて、結局この原因というのを究明された場合に、もし故意だということがあればこれは本当にゆゆしき問題でございますので、そういう場合の対応もしっかりとお考えいただけるのか、その辺をひとつお願いいたします。
  130. 安富正文

    ○政府委員(安富正文君) 委員おっしゃられるとおりで、まずこの原因究明をしっかりとやらなきゃいけないというふうに我々も思っております。  そのために現在、鉄道総合技術研究所において、今回のコンクリートの落ちました部分をコア抜きをしまして、材料分析等の化学分析を実施しております。この中で、化学的試験結果に基づきまして材質であるとか劣化の要因であるとか施工条件といったような、こういう問題について総合的に考察して原因を推定していくということを現在行っているところでございます。  そういう意味で、今回のこの結果を待ちまして、我々としてもトンネルの構造物に関するコンクリート問題についての検討会においてさらにその結果を踏まえまして原因の究明を行っていく所存でございます。
  131. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 私が申し上げたのは要するに施工の問題で、作為的なものはないと思いますけれども、もしそういうものがあったとすれば、これはこれから公共事業が幾らでもあるわけですから、そういう習慣がもし万が一根づくというようなことがあれば大変なことになりますので、その辺はしっかりと監視をしていただきたいな、あるいはしかるべき措置をとっていただきたいな、こう思う次第でございます。  それと、先ほど来トンネルのことを随分言っておられましたけれども、やっぱり鉄筋コンクリート構造物とトンネルのコールドジョイントとでは恐らく落下する機構が全然違うんだと思いますし、いろんな要素があそこの地域に集中しているんじゃないかなというような感じがいたします。  そこで、これからの安全管理といいますか、これは大臣も大変大切だということを盛んに言っておられますが、先ほどもちょっと出たと思いますけれども、心配なのは、こういう原因というか、こうらしいということがある程度わかって、それに対応する取り組みというのをやっておられれば、これは恐らくもうないんじゃないかなと、私は楽観的かもしれませんけれども。トンネルの剥離とか橋脚の問題は、鉄道総研ですか、そういうものがしっかり対応すればないんじゃないかなと思うんですが、これが予期せざることであったということ、翻せば、また予期せざることが起こるかもしれない、こういうことに対する取り組みというのが大切ではないのかなというふうに思うわけでございます。安全管理もまさにその辺が一番大事なんじゃないか。  私は、安全というのは、安全管理の面からやはり少しぐらいむだがあってもいいんじゃないか、むだがあってこそ本当の安全管理ができる。むだというのは、これはいろいろなニュアンスがありますからお一人お一人解釈が違うかもしれませんけれども、今の例えば経済至上主義といいますか、そういう中で、場合によっては犠牲者が出ても経済性からいってこの方がいいんだというような考え方は持っていただきたくないな、そういう意味でしっかりとした、ある程度のむだがあっても安全管理をしっかりしていただきたいな、こう思うわけでございます。  そういう意味で、大量輸送機関を所管されております運輸省として、これからの予期せざるものに対しての取り組みに対する御決意のほどをぜひ大臣から一言お願いします。
  132. 川崎二郎

    ○国務大臣(川崎二郎君) 御指摘いただきましたように、今回の事件を契機として根本的に二つのことを調べなければならないなと。  一つは、トンネルの安全性の問題であります。そこで、当然運輸省の所管もそうでありますけれども、北海道もトンネルの崩落事故がございました。そうした過去の経緯もございますので、改めて北海道のトンネルもすべて点検をさせていただいております。同時に、建設省も建設省所管のトンネルにつきまして国道を中心としながらお調べをいただいておるというのが一つの事実でございます。したがって、トンネル全体への信頼性、また問題があれば何が問題であるか、これを明確にしていかなければならないだろうとも考えております。  それから、先日もオランダとアメリカ等から日本へ事故調査問題、運輸関係全部まとめた事故調査委員会を独立機関としてお持ちになったらどうですかと、こういう御提言を持ちながら、実は信楽の事故が一つのモデルケースになる、こういうことで私と会談を持たせていただきました。  そのときに私から議題として申し上げましたのは、今、日本としてコンクリートに対する信頼性という問題で議論が出ている、我々も各省で連絡しながらやらせていただいているけれども、外国においてもそのような御経験があればぜひ御連絡をいただけないだろうかと。アメリカ、カナダ等から必ず資料を送りますということで、日本ではどういう事故だったんですかということでお話をいただいて、連絡を今とらせていただいているところでございます。  そういった意味では、我が国の過去の経験だけではなく外国の経験、知恵というものも入れながら、鉄道等に対する信頼というものを確保するために努力をしていかなければならないだろう。基本的にはJR西がまずおやりになることが大事でありますけれども、今回はそれだけではなく根本的な問題から見直させていただこうということで取り組みをさせていただいているところでございます。
  133. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 大変ありがとうございます。  前向きな取り組みの姿勢を伺わせていただきまして安心したわけですが、コンクリートといいますと、どちらかというと建設省所管が多いかなというような感じもいたしますけれども、運輸大臣、そのような前向きなお取り組みで、私はぜひともそのように取り組んでいただきたいなと思っております。  私自身も、トンネルのコンクリートというだけじゃなくて、コンクリート構造物そのものをもっと見直さなきゃいけない時期じゃないかなというような気がいたします。どうぞその辺でこれからも、私なりに御協力できることがあればいろいろと努力するつもりでございますけれども、御努力していただけますようお願いいたしまして、質問を終わります。
  134. 小林元

    ○委員長(小林元君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時十八分散会