運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1999-04-15 第145回国会 参議院 農林水産委員会 11号 公式Web版

  1. 平成十一年四月十五日(木曜日)    午前十時三分開会     ─────────────    委員の異動  四月十三日     辞任         補欠選任         小川 敏夫君     木俣 佳丈君  四月十四日     辞任         補欠選任         木俣 佳丈君     小川 敏夫君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         野間  赳君     理 事                 岩永 浩美君                 三浦 一水君                 和田 洋子君                 須藤美也子君                 村沢  牧君     委 員                 岸  宏一君                 国井 正幸君                 佐藤 昭郎君                 中川 義雄君                 長峯  基君                 森下 博之君                 小川 敏夫君                 久保  亘君                 郡司  彰君                 風間  昶君                 木庭健太郎君                 大沢 辰美君                 谷本  巍君                 阿曽田 清君                 石井 一二君    国務大臣        農林水産大臣   中川 昭一君    政府委員        環境庁水質保全        局長       遠藤 保雄君        農林水産大臣官        房長       高木  賢君        農林水産省農産        園芸局長     樋口 久俊君        農林水産省畜産        局長       本田 浩次君        農林水産省食品        流通局長     福島啓史郎君        農林水産技術会        議事務局長    三輪睿太郎君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木 威男君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関す  る法律案(内閣提出) ○肥料取締法の一部を改正する法律案(内閣提出  ) ○家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に  関する法律案(内閣提出)     ─────────────
  2. 野間赳

    ○委員長(野間赳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案、肥料取締法の一部を改正する法律案及び家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律案、以上三案を一括して議題といたします。  三案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 佐藤昭郎

    ○佐藤昭郎君 おはようございます。自由民主党の佐藤昭郎でございます。今回の三法案につきまして質疑を始めたいと思います。よろしくお願いします。  まず、全体としての評価でございますけれども、この三つの法案、これは十二月八日に農林水産省、そして自由民主党も決定し、そして公表いたしました農政改革大綱に基づく改革プログラムの第一弾ということで、私どもも非常に期待しておりますし、また国民全体、また農家の方々も非常に期待している、そういった意味で重要な法案ではなかろうか、このように思っております。  ただ、この三つの法案を見てまいりまして、国民の方々、そして農家の方々が自分たちの営農や経営にどのようなかかわりを持つのかという点で具体的な中身が直ちに浮かんでこない、そういう印象がございますので、私は、この法案の具体的な内容について国民の皆様にもあるいは農家の方々にも知ってもらう、この審議を通じて知っていただくという観点からひとつ御質問してまいりたい、こんなふうに思っております。  まず、持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案でございます。  この第二条に「定義」というのがございまして、その一番最後のフレーズでございますけれども、「次に掲げる技術のすべてを用いて行われるものをいう。」ということでございまして、ここに持続性の高い農業生産方式の定義が記述されているわけでございます。第二条の第一項の一号から三号までここに記述されております。  この「技術」とは具体的にどのような内容をお考えになっておられるのか。また、「すべてを用いて行われる」ということでございますけれども、一号や二号あたりはかなり農家もなじみの深い営農技術でございますが、三号の「有害動植物の防除に関する技術」あたりになりますと、昆虫、天敵を用いた防除とか、アイガモを用いた雑草防止とか、なかなか農家の方々にとっても余りなじみのない、あるいは初めて取り組む技術も多いのでございます。  こういったものがすべてワンセットでないとこの持続性の高い農業生産方式にならないのかという点もちょっと心配するわけでございますが、そこら辺の少し具体的な内容についてお伺いしたいと思います。
  4. 樋口久俊

    政府委員(樋口久俊君) 御提案申し上げております持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律の第二条の中で、「農林水産省令で定める」という部分の具体的な中身についてのお尋ねでございますので、お答え申し上げます。  まず、第二条第一号の、「たい肥その他」等々書いてございまして、「土壌の性質を改善する効果が高いものとして農林水産省令で定めるもの」と。この農林水産省令がまず最初でございますが、いわゆる土づくりの技術を規定する見込みでございまして、堆肥等有機質の資材を土壌に施用していく、そういう技術を中心に考えているところでございまして、その場合に土壌診断を踏まえた施用が中心になろうかと思っております。  次に、二号のところに同様の規定がございまして、その場合の農林水産省令で定めるものといたしましては、局所に肥料を施用する、つまり非常に俗っぽい言葉で申し上げますと、ぱっとまくのじゃなくて注射を打つような形でロスがないような形で施用していく、そういう技術がございまして、そういうもの、あるいは肥料効果をコーティングする等々によりまして調節する肥料が開発されておりまして、そういうものを施用する技術等々を規定する見込みでございます。  それから、三号につきましてやや詳しいお尋ねがあったわけでございますが、これにつきましては、やや一般的に知られているものといたしましては、被覆をすることによる栽培とかマルチ栽培の技術等々でございますし、最近開発されておりますものでは、天敵利用あるいは性フェロモン剤を利用する技術等々について定めることとしておりまして、この法律のねらいとしております非常に持続性が高い農業生産方式ということの、その高いということに着目をしまして、これらの技術のすべてを組み合わせた農業生産方式を念頭に置いております。  ちょっと誤解がないように申し上げておきますと、この技術そのものは技術水準が非常に高いというよりはむしろ基礎的な技術でございますが、それを組み合わせることによって非常に持続性が高まるという点に着目をしておりますので、その特に効果の高いという点に着目をして組み合わせて導入してもらうということに焦点を当てているところでございます。
  5. 佐藤昭郎

    ○佐藤昭郎君 「すべてを用いて」ということでございますので、第一項の一号、二号だけではだめなんですね。そういうことですね。  そうしますと、やはり技術も進歩いたしておりますし、農家の取り組みという点から考えましても少しハードルが高いかなという感じもしますので、そこは農林水産省令の制定に当たりまして農家の方が取り組みやすいような形での配慮をひとつお願いしたい、こういうふうに思っております。  続きまして、第三条の「導入指針」でございます。  第二項のところで、「都道府県の区域又は自然的条件を考慮して都道府県の区域を分けて定める区域ごとに、」と、こうなっておりまして、現在の都道府県の体制そのほかを考えてまいりますと、具体的なイメージがそれぞれ各県が導入指針を定める場合に技術的にもまた時間的にも相当苦労するのではないか、こう想定されるわけでございます。  今のところ国として考えておられる導入指針の具体的な内容なり、あるいはこれを都道府県がどのようなスケジュールで策定していかれることを念頭に置いておられるのか、そこら辺を伺いたいと思います。
  6. 樋口久俊

    政府委員(樋口久俊君) この導入指針につきましては、ちょっと補足的になりますけれども、個別の技術そのものはそれほど水準が高くなくて、高くなくてと言うと申しわけないんですが、ハードルがそれほど高いわけではございませんが、皆さん、農業者を初めとしてそれに取り組むことをちゅうちょしておられるといいますか、知っておられるけれどもなかなか導入しがたい。それを組み合わせてやっていただくことによって高くなる、そういう組み合わせた農業生産方式を具体的に作目を対象として明示して定めていただく、その場合に地域の特性に即して導入するという形で定めていただくということが一つポイントであろうかと思います。  それから、施肥の適切な励行ということがポイントになろうかと思いますので、農業改良普及センター等によります土壌診断を活用していただいて導入を図るということが念頭にございますので、その促進のために具体的にどうやってそういう土壌を確認していくかというようなことも書いていただくということを考えているところでございます。
  7. 佐藤昭郎

    ○佐藤昭郎君 その場合に、技術を区域や地域に合った生産方式として組み立てて農家に普及していく、そこら辺がポイントになろうかと思うんですけれども、これは第四条の「導入計画の認定」、そしてそれが具体的に実行されるためにも重要になってくるわけでございますけれども、各都道府県の体制、これは非常に大事だと思います。あるいは国の試験場の体制、行政側の体制なり農家の方のいろんな団体、そういったところがどのようにこれを推進していく体制にあるのか、そこら辺をひとつ導入計画の認定とも絡めて、その具体的な内容とも絡めて少し御説明していただければありがたいと思います。
  8. 樋口久俊

    政府委員(樋口久俊君) 第四条に掲げてございます導入計画の中では、簡単に申し上げますと、書面にいろんなことを書いていただくということでございますけれども、その書いていただく場合に、どういう生産方式でやるか、あるいはどういう形で作付をしていくか、自分が目標とする収量はどのくらいかというようなことを書いていただくわけでございます。  それからもう一点は、どのような形で経営の中を変えていくか。もっと簡単に言いますと、資材や機械をどうやって導入していくかという具体的な計画、それに必要な資金をどうするかということを書いていただくわけでございます。  それを確認する場合に、当然のこととして、今、先生もおっしゃいましたけれども、いろんな方のサポートなり情報提供なりがないといかぬわけでございまして、その場合には、地域に密着して一番よく地域のことを知っておられるし、またその農業者の水準とか環境も知っておられる農業改良普及センターが技術指導を積極的に行うことが重要であろうと私どもは考えておりまして、その役割を十全に果たしていただくというために、体制の整備とかいろいろな予算その他で御支援を申し上げようと思っているところでございます。
  9. 佐藤昭郎

    ○佐藤昭郎君 この法案に関しまして、このうたわれる目的や目指すところというのは非常に重要だと思うわけでございます。やはり、ポイントは、農家の方が具体的にこの持続性の高い農業生産方式を本当に導入していくだろうか、そのインセンティブなりバックアップというのが非常に重要だと考えております。  このインセンティブについて見ますと、営農資金、農業改良資金等の償還期間の特例あたりがトップに挙がってきているわけですけれども、昨今の低金利時代では、かなりこの改良資金等の償還条件なんかも緩和されてきている中で、この法律によりますと、ある点では報告をし、また国、県に対して求められれば実施条件の報告もしなきゃいけない、罰則もある。こういった面でのデメリットといいますかハードルもあるわけでございまして、これを乗り越えて農家の方がこれでやってみようと、こう思われるための農業者側からのインセンティブ、この持続的な農業全体が、それで生産された農作物を消費者に買っていただかなければこの運動というのは農家の方々にとっても持続しないわけでございますので、ある意味では農業者や消費者、行政が一体となった取り組みといいますか運動といいますか、こういった点が大事になろうかと思います。  これについて、例えばこの委員会でも別途また上がってくる法案として予定されております品質表示法案あたりの連携とか認証の表示の方法とかいろいろあろうかと思いますけれども、そこら辺、消費者の理解も得られる、農家としてこれに取り組んでいく運動、そういった点について農水省としてはどのようなプランを今持っておられるか、伺いたいと思います。
  10. 樋口久俊

    政府委員(樋口久俊君) まず、生産サイドでは、先ほどもお話をしましたことでもございますが、そのほかにいろんな研修会を実施するとかあるいは共同利用施設の整備等を行うということで、法律でお願いしている支援措置のほかにも予算でも手当てをしているところでございますが、とりわけ全国段階で農業団体とかあるいは流通・消費者団体の方にも加わっていただきまして連携をして、こういう生産方式を導入するということについて知識を深めていただくだけではなくて、むしろそのアクションプランとでもいうようなものを関係者が集まって決めていただいて、具体的にどうやって進めていくかというような形で取りまとめていただければと考えておるところでございます。  さらに、この方式が推進をされて、認定を受けた農業者の皆さんがみずから生産されたものにそういう表示を、あるいはその旨のわかるような形でお示しになるということで、片や消費者の方が別途こういう取り組みがあることを知っておる、物がちゃんと出てきてこれがそうだとわかる、そういう形で消費者の皆さんの支持を得るということになれば、さらに農業者の方にもプッシュできるといいますか、エネルギーがわいてくるわけでございます。そういう形のインセンティブが出るということでございますので、農業者に対する支援も期待して、そういう生産から流通まで通じた意思の統一といいますか、それを行えるような形にしていければと思っております。
  11. 佐藤昭郎

    ○佐藤昭郎君 その点は大事な点でございますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  次に、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律案についてお尋ねしたいと思います。  まず、この法律は非常に大事な法律だと思います。この法律を出すに至った現在の畜産業あるいは日本国土全体の窒素バランス、富栄養化、それから環境基準に硝酸性窒素を監視項目として付加していった、いろんな動きがあるわけでございますが、農林水産省として、この法案を出すに至った背景なり経緯について御説明願いたいと思います。
  12. 本田浩次

    政府委員(本田浩次君) 畜産環境問題につきましては、御案内のとおり、近年におきます畜産の飼養規模の拡大でございますとか耕種農家の高齢化などを背景といたしまして、家畜排せつ物の利用が大変困難になりつつあります。一方で、野積み、素掘りなど家畜排せつ物の不適切な管理が依然として存在しております。このために水質汚濁、悪臭などに関連した苦情の発生率が増加する傾向にございます。また、特に最近では、硝酸性窒素によります地下水汚染の問題でありますとか、クリプトスポリジウムによる水道水源の汚染問題などもありまして、家畜排せつ物につきましてもこれまで以上に適正に処理することが求められている状況にあります。  我が国の社会全体におきまして資源循環型社会への移行が求められておりますし、国民の環境意識がますます高まりつつあります中で、我が国の畜産の健全な発展を図っていくためにはこのような畜産環境問題に的確に対処していくことが極めて重要であると認識しております。このため、今般この法律案を提出いたしまして、畜産業におきます家畜排せつ物の管理の適正化と利用の促進を図るための措置を講ずることとして、御審議をお願いしている次第でございます。
  13. 佐藤昭郎

    ○佐藤昭郎君 今ほど畜産局長から御説明がございました。そして、この法律の第一条から見てまいりますと、私の感想では、この法律というのは畜産業の健全な発展に資することを目的という、ある意味では狭い目的に限定した目的になっておるんですけれども、農政改革大綱なりこれまでのいろんな意見、御審議の経過を聞いていますと、農業の自然循環機能の発揮という点でもこれは大きな目的がある。畜産業自身のおいしい畜産物をつくる、あるいは今ある意味では環境に対する加害者としての畜産業、それを是正するというものがございますけれども、国土全体の窒素のバランス等いろんな点を考えますと、農業の自然循環機能の発揮という点からも大きな目的を持つ法律じゃなかろうかと思います。  この点、具体的な法律の施行に当たりまして、その点も見ながら考えていくし、また国民全体や消費者の理解を得るためにもそういったポイントについてもしっかりとした説明が必要ではないかと考えますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  具体的な条文の中で、第七条には大臣が基本方針を定める、そして八条には都道府県の計画を定めていくという点が明記されているわけでございます。そして、九条には畜産農家の方々が立てられます「処理高度化施設整備計画の認定」という項目があるわけでございますが、それぞれの法律事項について、今、国がどういうふうな具体的な内容を想定されておられるか、ごく簡単で結構でございますので、御説明願いたいと思います。
  14. 本田浩次

    ○政府委員(本田浩次君) この法律案に基づきます国の基本方針におきましては、家畜排せつ物の利用の促進につきまして、例えば堆肥化のための施設整備でありますとか試験研究の推進など、全国に共通する施策の基本的方向を示すこととしております。  また、都道府県計画におきましては、地域におきます家畜排せつ物の利用状況、それから施設の整備の現状などを踏まえた上で、具体的な家畜排せつ物の利用でありますとか、施設整備の目標などを示すこととしているところでございます。  また、個々の畜産農家の方々は、みずからの家畜排せつ物の処理施設の整備計画につきまして計画を定めて、この整備計画の内容が都道府県計画に適合しているかどうか都道府県知事の認定を受ける、こういう仕組みになっているわけでございます。また、その認定を受けた際には、金融上、税制上などの優遇措置が講ぜられる、こういう仕組みでございます。
  15. 佐藤昭郎

    ○佐藤昭郎君 この法律で大事な点というのは利用の促進という点ではなかろうかと思うわけでございます。この点で、やはり私は、今畜産の飼料問題、特に国産の自給飼料生産の基盤の強化というのが本当に大事ではなかろうかと思っております。  二千万トンの輸入飼料を輸入している、それが窒素換算で年間九十万トン。国土全体が大変富栄養化する中で、地域においても今の畜産の排せつ物の問題が生じてきている。一方では、農家にとって生産調整、これが大変な重圧感があるわけでございます。  今、転作田では、飼料用作物の生産面積十二万ヘクタールですけれども、これはやっぱり環境問題あるいは農地の有効利用、いろんな点を考えましても、本当に農林水産省として力を入れてこの自給飼料生産の強化策というのは練っていかなきゃいけない、こんなふうに考えておりますけれども、平成十一年度の予算、具体的な予算を含めまして、決意といいますか、自給飼料の強化策についての考え方をぜひ伺いたいと思います。
  16. 本田浩次

    ○政府委員(本田浩次君) 先生御指摘のとおり、畜産におきます飼料自給率の向上でありますとか、それから生産コストの低減と経営の安定化、さらには家畜ふん尿の草地への適切な還元によります畜産環境問題への対応を図る観点から、農地の有効利用でありますとか放牧の推進などによりまして自給飼料生産基盤を強化していくことが極めて重要であると考えております。  このために、私どもは、平成十一年度予算におきましても、まず第一点といたしまして、草地などの造成、整備でありますとか、御指摘の転作田などの既耕地の活用によります飼料作物の作付の拡大、それから第二点には、飼料生産技術の高位な平準化でありますとか飼料作物の優良品種の普及などによる生産性と品質の向上対策、さらには中山間地域の耕作放棄地の活用であるとか日本型放牧の推進によります放牧の促進、さらに稲わら、野草などの低未利用資源の活用などの施策を総合的に推進しているところでございます。  また、先般、農政改革大綱でありますとか、新たな酪農・乳業対策大綱を決定したところでございますけれども、これに即しまして、飼料作物の作付面積の具体的な数値目標でありますとか、地域の実情に即しました飼料増産のための効果的な推進方策などを定めました飼料増産推進計画を策定することにしているところでございます。  今後とも、これら施策の積極的な推進によりまして、飼料生産コストを低減し、自給飼料生産の振興を図ってまいりたいと考えているところでございます。
  17. 佐藤昭郎

    ○佐藤昭郎君 最後に、この政策を推進するに当たっての畜産農家の負担の問題、そしてインセンティブの問題でございます。  いろいろな補助事業の充実、それから予算の増大も図られているようでございます。それをしっかりやっていただくということも大事でございます。一方、これは先ほどの持続性農業の法案とも同じことでございますけれども、消費者や納税者にとっても理解が得られる、バックアップを得られることで畜産農家もこれに取り組んでいくという姿勢が大事ではなかろうかと思うんです。加害者としての農業、畜産という点もある程度公開しながら、消費者や国民と情報を共有しながら理解を求めていくという点がこの政策の実を上げるには大事だと思います。  消費者や国民の皆様との交流や連携、運動、そういった取り組みについても非常に大事だと思いますので、その点、もし農水省として考えていることがあればお願いしたいと思います。
  18. 本田浩次

    ○政府委員(本田浩次君) 家畜排せつ物の処理を適切に進めていきますために、従来から補助事業でありますとかリース事業などによります家畜排せつ物処理の整備の推進を図ってきているところでございます。また、この法律案によりまして、家畜排せつ物の処理施設の取得でありますとか施設、機械の賃貸料の全額一括払いなどに対して必要な長期低利の農林漁業金融公庫資金を創設することにしているところでございます。さらに、この法律案の制定にあわせまして、税制面でも所得税、法人税、それから固定資産税の特例措置の創設を図っているところでございます。  今後、この法律案及びこれに関連する施策の推進を図ることによりまして、環境保全に配慮した畜産経営の確立に努めてまいりたいと考えているところでございます。  さらに、我が国の畜産の安定的な発展を図っていきますためには、先生御指摘のとおり、畜産農家が都市の皆様方との交流を図り、消費者の理解を求めていくことが極めて重要であると考えているところでございます。  私どもといたしましても、これまでも牛乳でありますとか食肉に関する消費者の理解を深めるための普及啓発活動の実施でありますとか、地域におきますふれあい牧場の整備などによりまして消費者との交流促進を図ってきたところでございますが、平成十一年度から新たに、畜産農家みずからが消費者ニーズに対応した新鮮で安全なアイスクリームでありますとかソーセージといった乳製品、畜産加工品を加工、販売するための施設を整備する事業を創設しているところでございます。  今後とも、これらの施策の推進を図ることによりまして、消費者の理解を得ながら、地域社会と調和のとれた畜産経営の推進を図ってまいりたいと考えているところでございます。
  19. 佐藤昭郎

    ○佐藤昭郎君 ありがとうございました。終わります。
  20. 郡司彰

    ○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司彰でございます。同じように、さきに趣旨説明を受けました三法に関連して質問をさせていただきます。  まず、今回の三法でありますけれども、食料・農業・農村基本法の具体化にかかわる第一弾の審議だという論調もありましたが、この基本法にかかわる法案は今国会でこの三法を含めまして何本がどのような法律名で予定されているか、お聞かせいただきたい。
  21. 高木賢

    ○政府委員(高木賢君) 今国会には、既に十五本になろうかと思いますが、審議をお願いいたしております。その中には水産関係のものとか行政改革関係のものとかございますけれども、今お尋ねのありました新しい基本法に関連いたしますものといたしましては、今お願いしております環境関係の三法、それから本院先議でお願いいたしております特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部改正案、それから卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案並びに農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律案というものがございます。さらに、農地の確保、有効利用という基本法案の二十三条に関連するものでございますが、農業振興地域の整備に関する法律の一部を改正する法律案、これらが新基本法案に盛り込まれました今後の基本的な施策の方向に沿った法案であるというふうに考えております。  ただ、この法案は、現在実態として存在しております緊急の課題に対処するということでございまして、新基本法案の流れに沿ったものですけれども、それと同時に実態上の必要に対処する、こういう意義もあるというふうに考えております。
  22. 郡司彰

    ○郡司彰君 昭和三十六年当時の基本法論議、私は今になってお話を聞くというふうなことにしかならないわけでありますけれども、その当時、基本法の論議が十分になされて、その後に関連する法案が処理をされたというふうに聞いております。今回ちょっと手法が変わったのかなという思いをしているわけでありますけれども、手法が変わったとすれば、どのようなお考えなんでしょうか。
  23. 高木賢

    ○政府委員(高木賢君) 現実の農政は既にいろんな局面で動いていると思います。そしてまた、世の中の変化のテンポが速いわけでございますので、例えば今お願いしております環境三法は、環境問題の重要性にかんがみてぜひお願いしたいということでおります。  ただ、そのことが同時に体系的に農政全般の流れと背馳しているかどうかということになりますと、そうではなくて、新しい基本法案に盛り込まれている環境重視の考え方にまさに沿っているということで、実態上の必要性と法制上のといいますか農政全体の方向との合致、この両面から位置づけられるというふうに考えております。
  24. 郡司彰

    ○郡司彰君 この後、会期の問題等、今回以降の基本法の審議入りについては理事会の方で十分検討をいただくことになるんだろうと思いますけれども、どうも私の単純な計算でいきますと、本当に基本法の議論が十分にできる時間というものがとれるのかどうかというふうな危惧をしてしまうわけでありますけれども、その辺、きちんと議論をしていくというふうな、大臣の決意をちょっとお聞きしたいと思います。
  25. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 先ほど官房長からも申し上げましたように、今国会に御審議をお願いしている法案は十五本ほどあるわけでございますが、いずれも農林水産省というよりも国家的に非常に大事な法律でございます。したがいまして、御審議をお願いし、御成立をお願い申し上げたいといずれも思っておるところでございますが、基本法につきましても四十年近くぶりの大改正ということでございまして、これにつきましても十分な御議論の上、御成立をお願いしたいところでございます。  なお、今まさに御審議いただいております今回の環境三法は、先ほど官房長からも答弁がありましたように、基本法の精神に沿ったものであると同時に、緊急性と環境、あるいはまた先日、乳価決定に当たって御議論をいただいた面も含めまして緊急性の非常に高いものでございますから、そういう意味でも早急に御審議を尽くしていただき、そしてまた御可決をいただきたいというふうにお願い申し上げる次第でございます。
  26. 郡司彰

    ○郡司彰君 法案の方に具体的に入っていきたいと思いますけれども、持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案、今の話の流れの中で、私自身は基本法の中の大事な分野になってくるんだろうというふうな思いがあります。  その思いからすると、今回の提案内容は、いろいろ大事なことがあるわけでありますけれども、突き詰めていきますと、改良資金助成法の特例とか課税の特例というふうなところに大体集約をされてくる。本来、持続的な農業とうたった場合には、内容がもう少し広がっていいんじゃないか、もっと濃いものがあっていいんじゃないか。  先ほどの局長の答弁の中では、ハードルは余り高くないというふうな話もありましたけれども、なぜ急いでこのような内容で出す必要があるのかというのがよく理解できないんですが、もう一度答弁をお願いします。
  27. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 御説明が十分でなかったかもしれませんが、技術のハードルの話でございますと、一つ一つの技術は必ずしも農家の方々が導入をちゅうちょされるほど高くはないということでございます。しかし、やはり全体として持続性が高い農業生産方式と言うからには、それらを組み合わせて相当効果のあるものになるということを頭に置いているわけでございます。  それからもう一点は、土づくり等々、それから化学肥料、化学農薬の使用の低減につきましては、先ほど大臣からもお話を申し上げましたが、緊急に対応を求められているという部分がございます。そういう面から、特に必要な技術的側面に着目した生産方式をこういう法律で定めて、それを具体的な形で都道府県を通じて浸透させていく、こういうことが早急にやらないといけないことであろうということで、その普及浸透というのが一つのねらいでございます。  もちろん、先生お話ございましたように、今回の法律の名前というのは、平たい言葉で申し上げますとかなり格好がいいと、自分で言うのも変なんですが、そういう法律にはなっておりますけれども、農業は本来、環境と調和をして持続的に発展するということに関して、すべてをこの法案で対応するということを想定しているわけではございません。繰り返しになりますが、緊急に対応が求められている堆肥等を活用した土づくり、それから化学肥料、化学農薬の使用の低減ということを中心として、そういうことでやっていただく農業者の皆さんに制度的な支援を行うということが法律の内容になっているということでございます。
  28. 郡司彰

    ○郡司彰君 今の御答弁の中にもございましたように、「持続的な」というのはこれからのキーワードになってくるというふうにも思います。  御存じのように、アジェンダ21実施計画の中で、土壌に関しては土地へのアクセスを向上させ、雇用を創出し、農村からの移住を減らすための包括的な地方政策が重要であると。これは日本の国そのものにそのまま合致をするかということになれば、また途上国との関係があってそうではないのでありますけれども、またその中で、各国政府は農業研究への投資を続けることとし、これらの研究の成果を実際に土地において持続可能なように実施していくのには長い年月が必要となる、このように述べられているわけです。  私自身は、先ほど基本法の話から入らせていただきましたのは、やはり基本法の議論の中で、この「持続的な」という言葉の中にもっといろんなものが包含されて、包括的な形でもって出されるということが必要だろうというふうに思ってまいりました。何か今回、三法そのものも、また後ほどもちょっと触れたいと思いますけれども、農水省という大枠だけではなくて、その中の局とか課とかそのようなところの一つ一つのセクションの中での必要が迫られているという、そのような発想では困るんじゃないかなと思っているわけですけれども、その点はどうですか。
  29. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 先ほどの御答弁に補足する形になるかと思いますけれども、当然、法律の規定に基づきます支援措置、これは十分浸透させていかなきゃならないと思っております。  そのほか、平成十一年度の予算におきましても、例えば土壌診断施設を導入していくとか、有機物の供給施設の共同利用のための整備を行っていくとか、あるいは研究開発についても必要な研究の推進を行う等々、これは決して全体としてこの政策の推進の取り組みが局によって偏っているということではございませんで、関係のところではこの政策推進のためにそれぞれのポジションでかかわって協力をしていくという形になっております。  これらの措置がすべて効果を発揮することにより持続性の高い農業生産方式の取り組みが浸透していきまして、いわば現在ではどちらかというと私どもは点的なものではないかと思っておりますが、これが面へ広がっていく。そういうことで、最終的には環境と調和のとれた持続的な農業生産の確保に資していく、そういう考え方に立っているところでございます。
  30. 郡司彰

    ○郡司彰君 第一条の方で、「環境と調和のとれた農業生産の確保を図り、」という文言がありますけれども、いわゆるこの環境保全型農業をしっかりやっていこうというふうに理解してよろしいのではないかなというふうに思いますけれども、これまで土づくりというよりも肥料の施用によりまして収量増を図ってきた、そのようなことがあっただろうと思うんです。今回振り返ってみると、当初はそれが非常にいい方法だと。しかし途中から、どうも渡っているのを見たらば、赤信号のところを渡っているような感じになってきているんじゃないか。青信号のところをきちんと渡りましょうというふうなことで、これからもっとやる。しかし、今までみんなで渡ってきたのが赤信号だったとすれば、今もまだ渡っている方があるわけでありまして、それなりの効果ももちろん上がってきたわけです。  その辺のところについて、今回はこのように変えますよ、今までのやり方についてはいろいろ考えた結果、いろんな意味で欠陥というかそのようなところがあった、そのような説明というのが大方に対して十分になされていないんじゃないかと思いますけれども、その点をちょっとお聞きしたいのと、二条だったでしょうか、「たい肥」等の文言がありまして、土づくりを行うということになるわけでありますけれども、「たい肥」等という中に何が含まれるのかということでありますけれども、今までの地力増進その他のことをも考えまして、合理的輪作への休閑緑肥作物というふうなものも当然入ってしかるべきだと思いますし、そういう概念が必要なのではないかと思いますけれども、そのことについてはいかがでしょうか。
  31. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 二点お答えをしたいと思いますが、一点は、先生と若干考え方が違うのかもしれませんが、私どもとしましては、環境保全型農業そのものは今回の法案を提案することで決して否定をしているわけではございませんで、環境保全型農業、確たる定義があるわけではございませんが、現在のところ私どもが考えておりますのは、農業の持つ物質循環機能を生かして、生産性との調和に留意しつつ、土づくり等を通じて、化学肥料、農薬の使用等による環境負荷の軽減に配慮した持続的農業ということで考えております。この考え方は、全体としてのフレームといいますか、大くくりな考え方を示すものでございまして、持続性の高い農業生産方式も、決して違う考え方に立っているわけではございません。むしろ、その環境保全型農業の具体的な推進のための手法とでも、一つの考え方として位置づけていただければと思っております。  したがいまして、今回の法案は、農業者の方に目指していただく農業生産方式を具体的に定める、明確にする、それに取り組んでいただく方の支援措置を明らかにするということではなかろうかということでございます。したがいまして、従来、環境保全型農業を推進してきたけれども、例えばハンドルを切って、今度はこういう方式でいくよという考え方ではないということは御理解をちょうだいしたいと思っております。  それからもう一点、技術の内容について御質問がございましたが、この中で堆肥、これはもう有機質のものを堆肥に限定しないということでございまして、例えば厩肥とか等々あろうかと思います。御質問がございました緑肥作物につきましては、レンゲ等、そのすき込みにより土壌に有機物や栄養分を供給するということで、これはもう御説明するまでもなく、土壌の性質を改善する効果が高いものであるということは私どもも承知をしておりまして、この第二条の第一号の省令で規定します技術については、これを含めて規定をするというふうに考えております。
  32. 郡司彰

    ○郡司彰君 局長、私の方はこの間の一連の、今回の法律も環境保全型ということが主眼だろうというようなことでございまして、これまでの肥料の製法だけを収量度の変化ということできちんともう一回うたうべきだと、そういうふうなことでございます。  それから、今ありましたクローバーとか燕麦とかいろいろその休閑のところに植えているというようなことがございますけれども、これは確かに価値そのものをなかなか生み出すことにはならない。しかしながら、全体として、例えばそのようなところにいろんな方が、その地域以外の方が行ったときには、景観というものも一つの価値というふうなことで見ることができるかもしれませんが、いずれにしても経済的な意味での価値というものは余り生み出さない。  しかし、土壌づくり、土づくりの関係からいえば、そんなこともやっていかなくちゃならないだろうというふうなことになるわけでありまして、そうしますと、労力は使うんだけれども見返りというものがほとんどないというふうな、狭い見方ですけれども、なってしまう。その辺に対する何か支援策というものもお考えになっておりますでしょうか。
  33. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) これは先ほどもお話を申し上げましたが、かなり技術を導入していただいて、その農業生産方式が定着をしていき、それを消費者の方にも評価していただいて、それなりの流通のパイプといいますか、それを確立していくということで、例えばブランド化をしていただくとか、産地化をするということにつなげていただくということが私どもの念頭にあるわけでございます。ただ、栽培をするだけと、すき込まないでというだけでは、土づくりの効果という面ではこの法律が期待する部分にはなかなかつながらないだろうと考えられますので、例えば緑肥の場合はすき込んでいただくということを技術の内容にするということになろうかと思っております。
  34. 郡司彰

    ○郡司彰君 先ほどもちょっとありましたが、環境保全型農業ということに関して、せんだって私の方で食糧法に関して大臣の方に本会議の中でも質問を行ったわけでありますけれども、環境保全型農業はコストが若干高くなる、その分については消費者にしわ寄せが行くような形ではなくて財政負担をしてはどうなのかということに関しまして、大臣の方からの答弁では、環境保全型農業普及への取り組みは不十分な状況にあり云々ということで、今回新たに今お話しの持続的な法律を出すというふうな答弁があったわけであります。  この法律案そのものを見ましても、財政負担ということが部分的にといいますか、関連をしては当然出てきているわけでありますけれども、私の方としてはまだ十分ではないような気がしますけれども、改めてその辺のところについてお答えをいただけますでしょうか。
  35. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 先ほどから先生の御質問を拝聴いたしまして、環境面あるいは持続的という言葉について突っ込んだ御質問をいただいております。  言葉的に言えば、当委員会でも何回も御質問、御議論いただいておりますように、今回の法案というのはある意味では、私なりに言えば、農業の果たす多面的な役割を促進するための法律という位置づけが高いのではないか。先生からも景観というような御指摘も今ございましたし、まさに環境といえば、これは農業者だけではなくて国土全体でございますから、私の提案理由の中でも申し上げましたように、国土全体ということになりますと国民全体ということになりますし、またその一部分といいましょうか、重なっている部分として土づくりということ、あるいはまた化学肥料の低減あるいは生物農薬等をより使っていきましょうというようなことが、まさに広い意味での農業の果たすプラスの側面を総合的に促進していく、まさにそのメーンは国民に対する食料の安定供給ではございますけれども、いろんな機能を果たす意味での本法案だというふうに私自身は実は思っております。  そういう意味でも、先生御指摘のように、まだまだ技術的な面も含めましてやるべきことは多々あることは我々も承知をしておりますし、それからこれに農業者が取り組んでいこうとするならばコストがかかるわけでございますし、またそれなりの決意あるいは理解も必要だろうと思いますので、そういうための努力、そしてまたそれをバックアップするための施策が必要でございます。そういう意味で、税制上あるいは金融上の支援策を本法律の中で規定しておるところでございますが、本年度予算におきましても、それをバックアップするための種々の予算を導入しておるところでございます。  さらには、これは消費者にとってもプラスになることでございますから、そういう意味で消費者にとってもプラスになるような農産物を供給する。現時点においてはそういうものは高いということは私も事実だろうというふうに認識をしておりますが、さあ、それではそのコスト負担は一体どこが負うのか。生産者が負うのか、消費者が負うのか、国が負うのかといえば、そこはやっぱり生産は生産者として努力をし、そしてまたそうやってできたものに対する消費者ニーズがあるわけでございますから、そこはおのずから生産者と消費者との間の市場関係といいましょうか、もちろん国のバックアップというものが前提にあっての話でございますけれども、そういう中で、消費者がこれに対してはこのぐらいの価格で適正なんだということで実際に物の売買がされているということを私は現実のものとし、それに逆行することは考えておりませんけれども、そういったトータルとしての全体の推進に向けて本法案が役に立つようになっていくべく御審議をいただきたいと思います。  長くなりましたけれども、先生の御質問の趣旨を私なりに今理解しながら答弁をさせていただきました。
  36. 郡司彰

    ○郡司彰君 今の大臣の答弁の中でバックアップの施策というふうなこともございましたので、またそのバックアップの内容の充実が、お願いを後ほどもしたいと思いますけれども、生産者の方も当然これは努力をするという姿勢がその前提だというふうにも思っております。  先に進みまして、第三条の関係で、都道府県の取り組みということになりますと、これまでの環境保全型農業の推進というものについてはこれまで行ってきた、今回の法律については若干異なるわけでありまして、これまで各県でそのようなことに実際に取り組まれているところというのはほとんどないのかなという感じはいたしますけれども、あったらちょっと教えていただきたいのと、先ほどもありましたけれども、今後の指針内容、期間、そういったものについてどのような指導をなされるおつもりか、伺いたいと思います。
  37. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) お答え申し上げます。  環境保全型農業、それはこれまで全国的に展開するということで国、都道府県、市町村、農業団体が一体となって対応してきているということでございますが、都道府県におきましては、ほとんどの県でその定着化を図るという形で推進の方針は策定をいただいているところでございます。先ほどもちょっと申し上げましたけれども、なかなかこれが点から面に広がっていかないというもどかしさがあるのは事実でございます。  ただ、公共団体としましては、市町村それから農業団体が組織としての決定といいますか、そういう方針はお決めになっておるわけでございまして、市町村におきましては千を超える市町村が推進計画を策定されております。ただ、ざっくばらんに申し上げまして、農業者の段階では作目によってかなり違っておったりいたしまして、まだまだ広がりについては十分な点がないかなという実感は持っておるところでございます。
  38. 郡司彰

    ○郡司彰君 今、御答弁いただいたように、行政やら農業団体やらで組織をして事に当たるというふうなことはこれまで同様でよろしいのではないかと思いますけれども、この環境保全型という中にもいろいろありますけれども、ややもすると、私のところはそういう形でやっていますよ、隣はやっていませんよということによって、虫でありますとか草でありますとか、お互いが迷惑だとかというふうな感情を持つように立ち至ってしまうようなケースというのが非常に多いわけであります。  そういう意味ですと、一定の規模とか何かという形をまとめる、先ほどおっしゃったような、組織だけではなくてもう少しきめ細かく合意形成ができるような、そのようなソフト面の手当てというものも十分に考慮していただきたいというふうに思っております。  それから、さらに要望としまして、改良資金助成法の特例で貸し付けを受ける場合の対象が具体的に示されていないのかなと、そのような感じがいたしますけれども、この対象を具体的に示していただきたいのと、先ほど大臣の方からもバックアップ施策ということで、今回についても償還期間の延長ということにもなっているわけでありますけれども、それぞれ聞いてみますと、なかなか大変なんですよというふうな話が多いわけでありまして、さらなる延長というものも考えていただければありがたい。  それからもう一つ、あわせて質問をいたしますけれども、農業機械に対する課税の特例というふうなことになっておるわけでありますけれども、例えば稲作農家でありましても、堆肥盤整備を行うというような施設整備に対する補助というものの率をもう少し高くしてもらえないか、そのような要望もあるわけであります。現在も補助そのものは行っておりますけれども、個々の新しい法律の中でさらにそのような堆肥盤施設の整備に対してもお考えがあればお願いしたいと思います。
  39. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 改良資金の償還期間の点でございます。これについては農業改良資金助成法施行令の第一条の第六号に定める資金、いわゆる環境保全型農業導入資金というものを特例の対象として予定をいたしております。  もう少し具体的に申し上げますと、土づくり、化学肥料や農薬の使用の低減に関連する技術を有効に使うために、例えば側条施肥を行うことのできる田植え機とかそういうもの、それから生物農薬、天敵農薬あるいは性フェロモン剤を導入するために必要な農業資材、それから堆肥舎等の農業施設、これらの設置に要する資金を貸し付けるということにしておりますが、この資金の償還期間は、今お話がございましたけれども、改良資金の世界といいますか、最長の十二年ということを想定しているところでございます。この期間の設定についてはいろんな御意見、御議論が途中経過であったわけでございますが、例えばこれは無利子の資金でございまして、そういう点もひとつ実際的な問題として考慮しないといけないだろうと。  それから、金額的にかなりけたの高いというものではなくて、むしろ農業機械というものでございますから、例えば大規模な土地を購入するというのとは少し違う金額になってくるのは当然だと、こういうことでございますけれども、そういう負担のことを考えると、据え置きを除いて実質的な返済期間が九年という大変長い期間になりますので、これはかなり効果のあるものであろうという考え方が一点でございます。  それから、先ほどお話をしましたように、他の改良資金の種類とのバランス等々を考慮しまして、私どもの世界では目いっぱいということで十二年ということで設定をさせていただいているというところでございます。  それから、堆肥舎につきましてはいろんな形での助成があるわけでございますけれども、一つは、先ほどお話をしました改良資金の対象として個人が設置をされるという場合に対象になるということでございますし、地方公共団体、農業集団あるいは認定の農業者なんかが集まって共同でおやりになるということで、堆肥施設の設置をおやりになるという場合には、今回新たに持続的農業総合対策ということで大臣からお話をしましたが、バックアップのための予算の中で対応するというふうにしているところでございます。
  40. 郡司彰

    ○郡司彰君 続きまして、肥料取締法の一部を改正する法律案の方に関連して質問したいと思います。  この肥料取締法、この後、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律案というものも出てくるわけでありますけれども、通常、個人で乳牛を飼っていらっしゃるとか、そういう場合に、当然ここから排出されるもの、それが一定の量、一定の期間内の中で自分のところで還元をしていくということ、それ以外に余剰といいますか、余ったものが出たとき、例えばそれを売り出すと、業ではないんだけれどもというのと、それから業になるものというふうな、そのようなものが出てくるかと思うんです。  そうしますと、実際の農家の方からすると、肥料取締法と家畜排せつの法律と分けて考えないで一緒の方がわかりやすい、こういうふうに思うところが多いという意見を聞いております。そのような中で、わざわざ二つにするというふうなことが必要なのかなという意見がありまして、単純に考えると、先ほどの話ではありませんけれども、課ごとにセクションがそれぞれ決まっている、そんなことになってしまうのかなという思いがあるわけでありますけれども、そのようなことの理解でよろしいでしょうか。
  41. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 今回、肥料取締法の中で御提案を申し上げております特殊肥料に関します品質表示制度は、消費者といいますか、お使いになる農業者の皆さんが適切な施肥を行うことができるためにその品質を識別できるようにしなきゃいかぬ、そういうねらいがあるわけでございます。  したがいまして、画一的に、形式的にといいますか、すべての特殊肥料について表示をするということが頭の中にあるわけではないわけでございまして、一般論といいますか、一言で申し上げますと、マーケットに流通するというものを対象に想定しているわけでございます。これは先ほどお話をしましたように、品質を識別できるかどうか、どういうものでできているかということがわからないといかぬということでございます。  したがいまして、逆に自給的に生産をして消費をされる、あるいは極端に言えば、隣の人で日ごろから何でどういうものをつくっているか知っているとか、場合によってはその人にどうだったろうかと聞いてもいいというようなケースの場合には何もそういう必要はないんじゃないかと考えております。  なお、いろんなケースがあると思いますけれども、それは今言ったような考え方で、例えば日常の情報や直接的な照会でちゃんと可能でないかということまで無理やり表示をするということが必要であるというふうに私どもは考えていないところでございます。
  42. 郡司彰

    ○郡司彰君 そうしますと、一定の地域の中で顔見知りかどうかはともかくとして、いろんな近隣のつき合いという範囲内のそういったものに関しては大丈夫ですよと、そういうふうな理解でよろしいということですね。
  43. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) これから具体的なこれに基づきます規定を変えていくときに、本当のぎりぎりの仕分けはしないといけないと思いますが、基本的な考え方は先ほどお話をしましたとおりでございまして、今お話があったようなことも踏まえた上で整理をしなきゃいかぬと思っております。
  44. 郡司彰

    ○郡司彰君 一部の特殊肥料が普通肥料へ移行といいますか、登録制になるということでありますけれども、この汚泥肥料と特に重金属の関係でそのような配慮が今回なされているんだと思いますけれども、これはこれまでも流通はしてきた、生産がされてきたというふうなことだろうと思いますが、これまで土壌汚染等の事例といいますか、そのようなものが具体的にあったのかどうかということをお聞きしたいと思います。
  45. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 正直言いまして、有害成分を含む流通量みたいなものを調査しておりませんので具体的な数字はわかりませんが、最近十年の間に都道府県が立入検査を行っておりまして、その結果を私どもが聞いておるところによりますと、特殊肥料を指定する場合の告示、いわば重金属等の基準がございます。  例えば、乾物一キログラムにつき砒素だと五十ミリグラム以下等々の基準があるわけでございますが、その重金属等の基準を上回ったものが立入検査の結果、十年間で、多い年で一年だけが三件、四年間は全く発見をされていないというような実態でございます。  しかし、これは決して大丈夫だということではございませんで、むしろ流通量がふえてまいりますので、今回御提案を申し上げますというように、事前にこういう仕組みをつくっていくことが必要ではないかと思っているところでございます。
  46. 郡司彰

    ○郡司彰君 重金属は、御存じのように、一回ごとのというよりは期間をかけての蓄積ということになるんだろうと思います。ちょっと事例としては別になりますけれども、ダイオキシンも含めて当初予定をされていなかったものが後になってということがあるわけでありますので、今回の法律が施行されるに当たっては十分にその辺のところも押さえておいて、これからの調査等についても生かしていただければというふうに思っております。  それから、有害な物質、重金属を含む汚泥肥料の浄化施設等というふうな話がよく一般に出されますけれども、それ以外にもあるんだろうと思うんです。どういうような工場からどのぐらいの数量が出ているのか、わかれば教えていただきたいなと思います。
  47. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) これは、平成九年に私どもがアンケートということで、生産業者の方から調査をしたものの比率で今把握をいたしておりますので御紹介を申し上げますと、汚泥を原料として生産されます特殊肥料をおつくりになる方、これは肥料の専門の業者が一九%、廃棄物の処理を行われる方が二五%、それから下水とかし尿を専門に処理を行われる業者の方が三八%で大部分だというふうに把握をいたしております。
  48. 郡司彰

    ○郡司彰君 それで、今回は業として行う方については結果として保証票をつける、そういうような形態になってくるわけだと思いますけれども、いずれにしましても品質もこれまで以上にきちっとした管理をしていただく、安全なものにチェックをしていただくということになるんだろうと思うんです。  当然、コストというものがこれまで以上にかかってきてしまうのかなというふうに思っておりますけれども、コスト面としては、はね返りとしてどの程度を考えていらっしゃいますか。
  49. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) これには品質表示の分析費が大部分を占めるんじゃないかと思います。窒素、燐酸、カリ、こういう主要な成分について仮に分析をするということを想定しているわけでございますが、業者の方、例えば株式会社でございますとかいろいろな方で幅が大きくてなかなか難しいのでございますが、一万円から二万円ぐらい、もうちょっと具体的に言いますと、八千円から一万八千数百円みたいな価格を私ども把握いたしております。  そのような形で、合わせてあるいは別々に分析をされてそれを転嫁するといいますか、最終的に出荷をされるものにどのくらいはね返るかと。これは試算でございますので、前提条件がいろいろついていますので、そこを省略して申し上げますと、大体二十キロ袋入りのもので一円前後ではないかなというのが私どもの現在の条件を踏まえた上での試算の結果でございます。
  50. 郡司彰

    ○郡司彰君 法の趣旨からしましても、安価な供給対策というものが当然出てくるわけでありまして、そうしますと、今のところ二十キロで一円というようなことになると、当面それほどの対策ということには当たらないのかなというふうに思いますけれども、実際にやってみた中で、使う農家やそういう地域にとってこの価格が高くなってくる。そのような便乗というものがあればそれは極力指導をしてもらいたいのと、そのようになったときには、安価な供給ということを前提として何らかの支援策というものもその時点では考えていただきたいなというふうに思います。
  51. 樋口久俊

    政府委員(樋口久俊君) 一つ言い落としましたが、二十キロ袋入りの全体の価格が大体五、六百円でございまして、そのうちの一円ぐらいの価格上昇になるかと思います。  ただ、おっしゃるようにこれは試算でございまして、今後の推移を見ないといけないわけでございますが、場合によっては、例えば分析費等々いろんな機関に私ども既に支援をしたりあるいは助成を申し上げているものもございますので、そういう利用の情報を提供するとか、できるだけ明確に、あるいは安価で分析ができるというようなことについての配慮といいますか、そういう情報提供等を含めて頭の中に置いていきたいと思います。
  52. 郡司彰

    ○郡司彰君 次に、家畜排せつ物の関連でありますけれども、先ほど佐藤委員の方からもありましたけれども、これは農家の方も何とかしなくてはいけないという思いは同じなんです。  これはどうかにしていかなければ大変だろう、その思いは同じなのでありますけれども、現在、構造あるいは管理に対するところの管理基準というものが省令だということでまだ明らかになっていないわけであります。その辺のところが明らかになってこないとなかなか具体的な話として皆さんの中に進んでこないわけでありますけれども、管理基準については今どのようにお考えでしょうか。
  53. 本田浩次

    政府委員(本田浩次君) この法律案におきましては、先生御指摘のとおり、農林水産省令で堆肥舎などの施設の構造設備及び家畜排せつ物の管理の方法に関する基準を定めることにしております。この基準によりまして家畜排せつ物の管理の適正化を図っていこうとするものでございます。  現時点におきましてこの基準についてどのような考え方をしているかということでございますが、施設の構造設備に関する基準といたしましては二つほど考えております。  まず第一点は、ふんの処理または保管の用に供します施設でございますけれども、言ってみれば堆肥舎みたいなものでございますが、これにつきましては、床をコンクリートその他の不浸透性材料で築造しまして、適当な覆いでありますとか側壁を有するものとするということでございます。  それからもう一つは、尿でありますとかスラリー、液状のふん尿混合物でございますけれども、この処理または保管の用に供する施設、言ってみれば尿だめみたいなものでございますけれども、これにつきましては、コンクリートその他の不浸透性材料で築造いたしました構造の貯留槽にするという方向で検討を行っているところでございます。  また、ソフトの管理の方法でございますが、家畜排せつ物の管理の方法に関する基準といたしましては一応三点ほど考えております。  第一点は、家畜排せつ物は構造設備、先ほど申し上げましたあの設備でございますが、構造設備の基準を満たしている施設において管理すること。それから第二点は、送風装置、攪拌装置などを設置している場合にはその維持管理を適切に行うこと。それから第三点は、当然のことでございますけれども、施設に破損があるときは速やかに補修を行うことといった内容で考えているところでございます。
  54. 郡司彰

    ○郡司彰君 今、構造的な面については二つ、それから管理の方で三つほど具体的に挙がりました。  例えば、堆肥舎の場合でもそうでありますけれども、コンクリートで下の方をやっていただく、側面もそうでありますし、屋根があればというふうなことになるんだろうと思います。これまでよく言われてきましたのは、建築基準法でありますとか、十センチなければとかといろいろ言われてきたわけでありますけれども、今回の堆肥舎その他については、いわゆる基準法とか何かの言う厳密なものではなくて、きちんとした要件を満たしているということが基準になるということでよろしいでしょうか。
  55. 本田浩次

    政府委員(本田浩次君) 建築基準法の適用との関係につきましては、直ちに適用される、されないということをここでお答えするのは難しいのでございますけれども、一般論といたしますと、地面と固定された状態で設置されていて、側壁があって覆いの屋根があるというのは建築基準法上家屋に相当するということで、建築基準法の適用が及びかねないという状況になると思います。  ただ、私どもといたしましては、できるだけ畜産農家の負担にならないような、しかも家畜排せつ物の野積みでありますとか素掘りでありますとかといった不適切な管理の形態にならないようなぎりぎりのところの施設基準を考えていきたいというふうに思っているところでございまして、現時点におきます私どもの考え方につきましては、そういった考え方であるということで御理解をいただければというふうに思っております。
  56. 郡司彰

    ○郡司彰君 説明としては理解をしましたけれども、なかなか納得できないというようなところもあるのであります。  実は、この前提となりますそれぞれの農家の状況でありますけれども、例えば大臣よく御存じの北海道なんかはこれまでも負債の問題をどうするんだということが随分言われてきて、なかなか思うような効果といいますか、数字的にはやっている農家が減少したりいろんなことでもって一戸当たりとか全体の負債の額が減ってきているようになっているんですけれども、かなりまだ深刻だというふうな思いをそれぞれの農家の方が持っているわけであります。負債対策が前提としてきちんと取り組まれている、それが前進されてきているというふうなことにならないと、わかっているんだけれどもなかなかできないんだと、そのようなことになってくるわけであります。  現在のこの負債対策についてはどのように取り組んで、どのような状況でしょうか。
  57. 本田浩次

    政府委員(本田浩次君) 畜産農家の負債の現状と対策の状況でございますけれども、先生御指摘のとおり、平成十年度公表の農業経営統計調査によりますと、例えば酪農家につきましては、一戸当たりの負債額が平成九年末で千四百六十九万一千円となっております。これは年度当初に比べまして四・二%減少している、こういう状況でございます。一方、一戸当たりの資産額につきましては六千三百六万一千円、これは負債額を大幅に上回っている状況にございまして、年度当初に比べましても資産額は二・三%の増加になっております。また、肥育牛及び養豚経営につきましても、数字は御説明いたしませんけれども、同様の傾向となっておりまして、畜産経営の全体的な負債の状況は大変改善されてきているというふうに思っております。  しかしながら、個別経営の実態を見ますと、一部には固定化した負債を抱えて苦戦している畜産農家があることも事実でございます。これらの経営の皆様に対しましては、従来から、御承知のとおり、償還期限の延長でございますとか、据置期間の延長でありますとか、中間据置期間の設定など各種制度資金の貸し付け条件の改善であるとか、それから自作農維持資金によります再建整備資金、償還円滑化資金の融通などを行ってきております。  このほかに、特に酪農、肉用牛、養豚の農家に対しましては、大家畜経営活性化資金でありますとか養豚経営活性化資金の融通などによります長期低利資金への借りかえ措置を講じてきているところでございます。これらの措置の適切な活用によりまして、畜産経営の一層の改善と体質強化に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  58. 郡司彰

    ○郡司彰君 今ありましたような数字になっていると、補助金の種類もたくさんあるわけですけれども、実際には担保がもうありませんよというようなところまでなってきているというのが多いんですね。例えば、五十頭とか百頭ぐらいでそれぞれ今回のものに照らして施設をつくりました。大体幾らぐらいかかるというふうな試算でしょうか。
  59. 本田浩次

    政府委員(本田浩次君) 先生御指摘のとおり、文字どおり施設整備に要しますコストにつきましては、施設の種類、これは堆肥舎でありますとか乾燥施設が必要かとか、そういった施設の種類でありますとか飼養規模などによって異なるわけでございまして、一律にその額を示すことは困難でございます。  そこで、一定規模の畜産農家が標準的な堆肥舎を新しく整備する場合にどのぐらいかかるかということを試算してみますと、酪農の場合で、これは平均的な姿でございますが、飼養頭数五十頭規模ということで考えてみますと七百五十万円程度ということでございます。それから、肉用牛の場合でございますが、これは繁殖牛経営と肥育牛経営の平均ということで、飼養頭数規模二十頭で計算してみますと二百万円程度、こういう状況でございます。それから、養豚の場合で、これも平均的な規模で飼養頭数八百頭ということで計算してみますと七百万円程度というふうに見込まれております。  なお、これは先ほど御説明いたしました標準的な構造基準に沿って試算した場合でございますが、これを防水シートなどを利用して簡易な施設によって整備するということで計算してみますと、このコストはただいま御説明いたしました試算の三分の二程度になるのではないかというふうに見ているところでございます。
  60. 郡司彰

    ○郡司彰君 今、大体五十頭で七百五十万、肉用ですと二十頭で二百万ぐらいというような数字ですけれども、例えばこの前もちょっと北海道に行って見てきました。厳しいなという話を相当されました。例えば釧路湿原、ラムサール条約にかかっているところがありますけれども、そこでなさっている百頭のところ、これは今の局長からの答弁の方は多分違うんだと、フリーストール方式で飼っているところで実際にやったところが七千万から八千万ぐらいかかっているんです。それで、北海道開発庁の補助事業としてそれをやっているわけですけれども、方式が違いますから一概に言えませんけれども、なかなか七百万で上がるのかなというふうな思いを皆さんが抱いておりまして、相当程度のものになってくる。  それから、先ほど言いましたように、これはそれぞれの農協の方でもって農家の経営の数字をもとにしていろんなランクをつくっておりますけれども、北海道の場合ですとAランクと言われるのは大体四四%、Bが四七、C、Dはそれぞれ五、四というふうに少ないのでありますけれども、大体Aでもきついだろうというふうに一般的に言われているわけです。  そこで、皆さん方が言うのは、例えば乳用牛ですと乳価でもって一年間どれだけの収入があるんだということになると、私が行ったところなんかは夫婦と息子さん、それからパートの人なんかを使っていましたけれども、三人の家族の年収でいいますと六百万をちょっと切るぐらい、そういうふうな年収になっているわけです。要するに、乳価で返せるのかというような議論が相当出ておりまして、本当にこのような形でもってやっていくということには自信が持てない、そういう議論が多いわけです。  そこで、例えば人間の世界でいえば、この問題については下水道に当たるんじゃないかと。下水道のところというのは公共事業というような側面をより高くというよりも、公共事業と国営のものとして考えていただかなければ、なかなか一方で食料生産に寄与する、国内の農業総体の問題からも頑張っていこう、その思いと一致しないんだと、そのような思いが大分言われておりますけれども、公共事業あるいは国営のものとして考えていくというようなお考えはございませんでしょうか。
  61. 本田浩次

    政府委員(本田浩次君) 公共事業として考えるかどうかということをお答えする前に、私ども、今回、法律を提案していることともかかわるわけでございますけれども、今後、畜産経営が地域の中で安定的に発展していくためには、まさにこの家畜排せつ物の問題につきまして適切に対応いたしまして、畜産環境の保全でありますとか資源の有効利用の確保の観点からこの環境問題につきまして適切に対処をいたしまして、堆肥として農地に還元することを基本としてその利用の促進を図っていくことが必要だろうと思っております。確かになかなか難しい点ではございますけれども、少しでも資源化をして有価資源として利用できるという形での活用がまず必要であろうというふうに思っているところでございます。  加えまして、できるだけ低コストで家畜ふん尿の処理を行う、これも大事な点であるというふうに思っております。先生御指摘の数千万円かかったということにつきましても、これも堆肥舎だけをつくっているのか、それとも浄化槽もつくっているのかといった施設整備の内容とかかわりを持っておるわけでございますので、先ほど御説明いたしました堆肥舎だけについて見れば七百五十万円でございますが、これにし尿処理施設を加えると一千万円を超える、そういった計算になるわけでございます。  いずれにいたしましても、私どもといたしましては、この畜産環境問題に対処いたしますためにあらゆる手段を講じて助成措置を講じていきたいというふうに思っておりまして、まず第一点は、個人利用にかかわる施設整備につきましては、融資でありますとかリース事業などによって支援を行っていきたいというふうに思っております。それから、補助事業におきましては、これは公共事業、非公事業双方を用意しているわけでございますけれども、共同利用にかかわります家畜排せつ物の処理利用施設の整備に対して助成を行っていきたいというふうに考えているところでございます。  公共下水道や集落排水施設で家畜排せつ物を処理することにつきましては、私どもは次のように考えているところでございます。  まず、家畜排せつ物は人のし尿に比べまして汚濁負荷量が極めて高い。これは、例えば豚では人間の十倍、それから牛では六十倍に当たる、こういうふうに言われているところでございまして、しかも一戸当たりの飼養規模が大変大きくなっていると。例えば、北海道のように平均規模でいきますと八十頭規模になっているわけでございますので、八十頭の牛ですと五千人ぐらいの町の下水処理に匹敵する、こういう状況でございます。  したがいまして、これを公共下水道などで受け入れるという形にいたしますと、公共下水道などの処理能力を大幅に増加させることが必要だと考えられます。これは、実態としては、自治体の財政状況などを考えますと一般的には困難であるというふうに考えられるところでございます。それからまた、この家畜排せつ物を下水などで処理いたしますとその使用量が膨大なものとなりまして、一戸あたりの利用料金の負担額が、農家がみずから浄化処理施設を設置する場合に比べて恐らく割高になるだろうというふうに見込まれております。  したがいまして、私どもとしては、まさに畜産は農業内部におきます資源でございますので、まず畜産農家の皆様方といたしましては、堆肥舎などをきちんと整備していただいて良質な堆肥をつくって、それをできるだけ農地に還元するという形で利用していく方向でこの問題に対処していくのが必要ではないかというふうに考えているところでございます。
  62. 郡司彰

    ○郡司彰君 今の答弁、よくわかるんですよ。公共の下水道にというふうなことではなくて、下水道と同じような感じでもって、公の形でもって何とかできないか、そういうことなのでありまして、北海道や何かで下水道が牧場に全部来ているかというと、それはそっちの方が大変なことになるわけでありますから、公共事業としてやっていただけないかということなんです。  それからまた、地域的に共同の施設をつくるというようなことも出てくるかと思うんですけれども、共同の施設といいましても、液状化を相当しますので輸送というか搬送が相当困難だと。当然それぞれの自家施設での処理ということになるんだろうと思うんですけれども、その中で、では自家施設でやる場合にどこまでやるんだということになれば、さっきの乾燥のことも含めて一定の段階で共同の方に移せるとかそのような形も考えられてくると思うんです。共同については共同、それからそれぞれ補助金の出方が違ってくると思うんですけれども、そのような中間的な形のものについてもこれから考えていただくということの方がより現実的かなというふうに思いますので、その辺についてはどうでしょうか。
  63. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 先生の今のお話を伺っていまして、最初のいわゆるABCD、これについては平均以上が九割を超えているということで、昔は、まあまあいいところが三分の一、普通が三分の一、悪いところが三分の一みたいな大ざっぱな数字から比べると全体としてよくなったなということを私も認識しております。  今、先生御指摘のように、北海道の私の身近な地域を中心にした地域は、例としては少ない例かもしれませんけれども酪農畜産地帯であり、そしてまた今御指摘のあった全国で最後に指定された釧路湿原国立公園がありますし、それから地元の話で恐縮ですけれども、サケ・マスが遡上してくる川が多いんですが、そこに対しての影響というものがあって、実は畜産の問題というよりも地域の大きな問題になっているということは、私自身、地元の問題としてかなり前から聞いておるところでございます。  一方、大量のふん尿、今も答弁がありましたように、六十人分を一頭が出すわけでございますから、これをどういうふうにしていくかということは実は大変な地域の問題でございまして、しかも先生御指摘のように、まず人間の方の排水もまだ十分ではないという状況でございます。  こういう例が現にあると、しかも畜産以外には農業がないと言ってもいいような地域でございますから、そういう地域に対して国としてどういうふうにしていったらいいかというのは、農林水産省、特に畜産局長としてはなかなか答弁しづらい部分もあるんだろうと思います。  私は地元だから好き勝手なことを言うつもりは毛頭ございませんけれども、これは今、局長からも答弁がありましたように、あらゆる知恵、手段をみんなで絞っていく、つまり地元自治体あるいは北海道庁、そしてまた地元農業団体、個々の農家を含めて、それぞれの特殊事情をどういうふうに解決したらいいかということで、北海道北海道でいろいろな特例措置をとっておりますし、またいわゆる広い意味の公共事業公共公共公共じゃなくて、広い意味の公的な事業として何ができるかということを、地元自治体北海道、国と、まさにこの法案を御審議していただく上でも大きなポイントになる事例だと思いますので、引き続き御指導をいただきながら、地元とよく実態を把握しながら対策を考えていかなければならないと認識をしております。
  64. 郡司彰

    ○郡司彰君 今、大臣の方から答弁がありましたので、それぞれの施策について何とか前進が図られるようにしていただきたいなというふうに思います。  最後になりますけれども、罰則規定がございまして、五十万円というようなことになっている。確かに、環境というふうな側面から見ればほかの規定の方がもっと厳しいものもたくさんあるわけでありましてよくわかるわけでありますけれども、一方、酪農をやってきた、牛を飼育してきた、豚を飼ってきた、そのようなところの観点から見ると、どうも、やってきた中でここまで経営状態が思わしくない、わかっているんだけれどもなかなかできない、気がついたら法律違反だということで五十万円というふうなことになりますと、かなり気勢をそがれるといいますか、意欲をなくすようなことにもなりかねないというふうなことを相当聞かされております。  そういう意味では、この五十万円という額が下がればということでもないわけでありますけれども、適用については十分な配慮をいただきたいということと、それから猶予の時間、期間といいますか、これについても、一部については、この法が施行されて以降何年後なんだと。そういう話の中で、一定の年月が巷間で流布されておりますけれども、現在考えているところについてお聞かせいただきたいと思います。
  65. 本田浩次

    ○政府委員(本田浩次君) 罰金の額についてでございますけれども、管理基準を遵守するための措置の実効性を確保するということと、それから畜産業を営む者に対します過度の負担の回避という双方の要請を踏まえまして、御提案しているような額を定めさせていただいたところでございます。  これは、先生も御指摘のとおり、他の類似の制度を考慮いたしまして、例えば水質汚濁防止法に基づきます排出基準違反の罰則が六カ月以下の懲役または五十万円以下の罰金になっているといったような例などを参考にして、この罰金の額を定めさせていただいているところでございます。  ただ、先生御指摘のとおり、適用に当たりましては十分に畜産農家の方々の御理解も得た上で実行していく必要があるというふうに私どもも考えているところでございまして、家畜排せつ物の処理または保管の用に供する施設の整備に係ります期間などを勘案いたしまして、管理基準の適用につきましては畜産経営に過度の負担を課することとならないように、先ほど御説明いたしました管理基準に定めます各事項ごとに、これはハードの基準とソフトの管理運営基準と両方あるわけでございますけれども、ハードの基準とソフトの基準ごとに一定の経過期間を設けるという方向で検討していきたいというふうに考えているところでございます。  できるだけ理解を得た上で、この法律が円滑に運営できるような方向での経過措置の設定をしていきたいと考えているところでございます。  以上でございます。
  66. 郡司彰

    ○郡司彰君 できるだけというような猶予期間の話がありましたけれども、例えば五年とかというようなことを頭に置いてよろしいでしょうか。
  67. 本田浩次

    ○政府委員(本田浩次君) ハードの基準につきましては、例えば五年というようなことで考えていきたいというふうに思っているところでございます。
  68. 風間昶

    ○風間昶君 公明党の風間ですけれども、まず持続性の高い農業生産方式のことについて伺います。  都道府県が策定する導入指針において、私は、化学肥料や化学農薬の削減目標は数値的目標を出すべきだというふうに思うんです。特に、窒素については今土壌中に極めて多く存続しているというか過多の状況が続いているということなものですから、削減の数値目標まで定めることが私は望ましいと思うんです。  これは土の中に含まれてくる水の種類は、もちろん生活排水やいろんなことがあるかもしれないけれども、むしろそちらの方が大きい問題かもしれないけれども、農業に関していえば農水省がきちっとある程度ここまでは出さないようにということは指導していく必要があるのじゃないかと思うんですけれども、地域差のある、あるいは種目別によって使う量も違う、さまざまあるにしても最低基準の削減値を目標値として掲げるべきだと思いますが、どうですか。
  69. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 先生からお話がございましたとおり、肥料の中での成分で窒素が非常に私ども関心を抱いている成分であることは間違いないと思います。ただ、御提示ございました窒素について削減目標を具体的な数値でつくってはどうかというお話につきましては、農業をそれぞれ営んでおられますところの気象条件、土壌条件、これは先生もおっしゃったわけでございますが、地域によって大変区々さまざまでございます。  私ども調べてみたわけでございますが、同じ作目でございましても、例えば水稲のコシヒカリの場合でございますが、栽培に必要となります肥料の施用量は各県で一応の標準的なものがございますけれども、最高十アール当たり窒素ベースで七キログラムと定めている県から三キログラム程度ということで、二倍以上の開きがございましたりして、都道府県で相当違うなという感じを持っております。  それと、仮に今度は片方で技術を導入するといいますか、そういうことをしていって低減の程度等々を示すにしても、地域ごとの異なった数値を書くといった場合に、農地に投入される肥料由来の窒素が具体的に削減目標として数値で定められるかということでございまして、そこはなかなか難しい面があろうかと思っております。  さらにお話ございましたので、仮に地域ごとに目標を定めるとした場合でも、適正な施肥をもう現に行っておられる方がおられまして、片方は率直に申し上げますとかなり入れ過ぎているという方がおられた場合に、どうやって具体的な全体の目標を決めるかということで、決め方によっては逆に不公平なことになる、公平性の観点から合理性を欠くことになるのじゃないか等々ございまして、なかなか数値として削減目標を決めるということは現在のところ適当な形ではないんだろうということで、私どもとしては、全体としての導入すべき技術の形ということで農業生産方式を御提案させていただいているということでございます。
  70. 風間昶

    ○風間昶君 ですから、基本的には化学肥料や化学農薬を削減するという方向で持続性のより高い生産方式という法案を出してきたわけでしょう。  今おっしゃったように現実に削減をやっていらっしゃる方もいると。これは都道府県の単独事業としても先進的な事例が出てくることになるんだと私は思うんです。うちはここまで削減してこれだけ生産性の高い、しかも安全性の高いものをつくっているんですよということが出てくると思うんです。  であれば、要するに最低ミニマムの削減目標値ぐらいをきちっと出しておけば、逆に言うと張り合いが出てくるという部分も一方では利点としてはある、一方では差別になるという今の公平性を欠くというお話だけれども。  そうなると、単独事業としていいものをつくりたい、より生産性を上げてつくりたいということになると、今度はそういうところに、今までもやっていらっしゃるけれども、補助金というかいろんな支援事業をこれからやらなきゃならないということでありますから、交付金や補助金の対象事業としてそういう先進的にいい農法でやっていくということの地域あるいは府県にどのぐらいの予算措置をしていくのかということが、またそこも張り合いになるというところなものですから、今まで環境保全型農業に何十億という金をつぎ込んでいるけれども、その辺のことも含めて、要するに補助金や交付金の対象を、先進的な事例にどのぐらいのことを考えて、どのぐらいの予算でいるのか教えてもらいたい。
  71. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 今回、持続性の高い生産方式を導入するということのいわばサポートするための新たな予算ということで、それぞれ別途あったものを除きまして新たに対応するということで考えておりますのがおよそ三十億程度ございます。これらにつきまして、本年度から共同利用施設の整備とか技術の濃密な普及指導等々ということで御支援をしていくわけでございます。  その場合に、どういう基準で、例えばどういうふうに各県で、配分と言うとちょっと失礼になるかもしれませんが、していくかということについては具体的なことがあるわけではございませんで、むしろ採択をいたしますときに、この法律の文章の用語をそのまま使わせていただきますと、どのくらいの数の認定農業者がおられるかとか、具体的にどういう形で地域で取り組んでおられるかということをケース・バイ・ケースで見ながら、採択をしていくときにそういうことが配慮事項になるのかなという感じは持っておりますけれども、最初からこういう基準であれば幾らということで考えているということではございません。
  72. 風間昶

    ○風間昶君 確認しますけれども、持続性が高いということはコストがつくということですよね。どうですか。
  73. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) これも条文を使わせてもらって恐縮でございますが、私どもが提案しております法案の第二条に、「この法律において「持続性の高い農業生産方式」とは、土壌の性質に」云々と書いてございまして、「合理的な農業の生産方式」ということを書いてございます。  したがいまして、導入当初は、先生おっしゃいましたように、今までやっていなかったことをやるわけでございますし、新たな機械を入れたということで収量が不安定になる等々からかなり御負担がかかるんじゃないかと思いますが、きちっと安定的にこれが普及していきますと、本来はこういうことはある意味では対応しなきゃいかぬ技術の部分もあるわけでございますから、ここで書いてございますものを導入すれば、当然のこととして常にコストが高くなるというふうには考えていないわけでございます。
  74. 風間昶

    ○風間昶君 今お話がありましたように、導入に当たって最初は物すごくコストがかかるわけですから、生産者の方がその導入にちゅうちょすることは当然考えられるというふうに思うんです。そうすると、税制や金融面での優遇支援をどうやっていくかということが、殊に農業機械の範囲といいましょうか、種類によって相当高いのは高いわけでありますから、そこの部分について、その導入計画を実施するのに必要な機械類の範囲というのは具体的にどんなふうにして決まっていくのかというのが一点。  それから、一方で生産性を高めてコストを下げる機械を導入することで、持続性の高い農業生産方式を導入するのには非常に側面的に役に立つわけですけれども、そうすると、今回導入する支援措置の対象にどういう機械があるのかということを教えてもらいたいと思います。
  75. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 導入する技術に三つございますので、それぞれについて一つずつ事例を御紹介いたしますと、土壌の性質を改善するためにマニュアスプレッダーということで、いわばそういう有機質のものを供給する機械でございます。それから、肥料の施用を低減するために側条施肥ということで、そういう機能を備えた田植え機でございます。それから、化学農薬の使用を低減するということで、中耕を念頭に置いた除草機、こういう機械を導入することを考えておりまして、なかなか難しいのでございますが、機械の性能が高いということではございませんけれども、一定のレベルは要求されるわけでございまして、幅があるわけでございますが、私どもの推定では、安いものでは数十万から高いもので数百万程度のものかと考えておるわけでございます。  これらはもちろん改良資金の対象になるわけでございますが、先ほどお話をしました機械のうち、取得価格が二百八十万円、これは租特法の施行令によって規定があるわけでございまして、二百八十万円以上の場合には税金の特例措置が講ぜられるということになろうかと思います。
  76. 風間昶

    ○風間昶君 今回の法案は専ら生産段階に限って減農薬の目標を打ち出すものでありますけれども、流通の段階では単に減化学農薬だとか減化学肥料といっても府県によって違うわけですね、先ほどのお話ではないですけれども。要するに、それぞれの県ごとというふうに明確にはいかないけれども、独自の農薬使用基準があるわけです。したがって、同じ産地でつくられたものが、ある県では減農薬野菜、ある県ではそのままの普通の野菜として売られているという現象も起こっているわけです、現実には。  当然そうなんですが、だからそうなりますと、野菜の種目ごとに応じたというふうにした方がいいのか、あるいはつくる際に農薬がどのぐらい使われたということにした方がいいのか、いろいろな考え方があるにしても、いずれにしても統一的な薬品というか化学合成資材の基準というものが僕はやっぱり必要ではないかと思うんですけれども、大臣、そこはどう思いますか。東京で食べているもの、北海道で帰って食べているもの、同じものでも違うわけですね。
  77. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 先生の御指摘はよくわかります。全国一律の基準ということに関してでございますけれども、先生御指摘のように、どっちがいい悪いは別にして、同じものでも東京で食べるものと我々の地元で食べるものとつくり方の条件が若干違う。これは南北に長い、狭い国土であっても自然条件が違いますし、極端に言えば、道路一本挟んで地力、気候条件も違うわけでございますから、そういうものを一律的にやるということはなかなか消費者にとっても意味が違ってくるのであろうというふうに思います。  しかし、やはりこれは地域の多様性というものを配慮いたしまして、それぞれの実情に応じた減・低農薬等の取り組みを推進することが必要だという認識に立っておりまして、農林省といたしましてはガイドラインというものを設けまして、減農薬栽培農産物の表示の基準につきましては、当該地域の同作期において当該農産物について慣行的に行われている使用回数のおおむね五割以下と、こういうようなガイドラインがあるわけでございます。  要は、生産者にとって、先ほど先生からも御質問のありました、少なくとも初期にはコストも、あるいは労力というか精神的な意味も含めたエネルギーもかかるわけでございますので、そういうものの条件も違いますし、また消費者にとっても、もともと三回だったものが一回になるのか、六回であったものが三回になるのかで幾らかでも違うと思います。  これは、これからの法案の話をしては失礼かもしれませんけれども、例えば国会に御提出申し上げておりますいわゆるJAS法なんかとも絡んでくる議論だと思いますが、生産者、消費者両方が正しい認識と情報、そして効果が上がるように、また先生の御趣旨も私自身も理解できる部分もございますので、今後も引き続き我々としても実態に即するように努力、検討してまいりたいと考えております。
  78. 野間赳

    ○委員長(野間赳君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ─────・─────    午後一時三十一分開会
  79. 野間赳

    ○委員長(野間赳君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案、肥料取締法の一部を改正する法律案及び家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  80. 風間昶

    ○風間昶君 持続性の高い農業生産方式の導入促進法案について、残っている分を少しやらせていただきます。  いわゆる無農薬農法については、非常に科学的根拠があいまいで、ある意味では玉石混交の感があるわけでありますけれども、今回の法案で言うところのより好ましい農法に関して、無農薬農法についての検証をどのようにされているのか。きのうの質問通告のときにはなかなか検証が困難だという話だったんですが、それであるならば、本当に持続性の高い農業生産方式における農法というのは位置づけがあいまいになってくるのではないかと僕は思うのです。  だから、科学的検証のできている部分があるはずなんですが、まずそこを一つ教えていただきたい。もし科学的にも根拠が明らかであるということで普及させるべきものがあるならば、今回の農業者が行う導入計画によって今度は県とか農協なりが奨励していくことになると思いますけれども、その場合の補助制度についてどうなのかということについての二点、お伺いしたいと思います。
  81. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 二つございました。  一つは無農薬栽培、これは、一言で申しますけれども、なかなか条件が、言い方によっては全く違った話になるかもしれませんが、全く農薬を使わないことを証明する、これは非常に難しいことではなかろうかと思います。特に、我が国のようにかなり圃場なり経営がそれぞれ近接をして行われているということになりますと、これはもうほとんど不可能に近いということではなかろうかと思います。ただ、どうしてもということで、かなり閉鎖系といいますか、相当限定された条件のもとでやるということでなければいけないのではないかなという気がいたしております。  ただ、無農薬栽培そのものが仮に存在した、あったと証明された場合には、これは私どもとしては持続性の高い農業生産方式の一つとして扱える可能性はあるんじゃないかというふうには考えております。位置づけについてはそのように考えているわけでございます。  それから、例えばそういうたぐいのといいますか、そのような農薬なり肥料を減らしてくるというようなやり方の栽培、これはいわば千差万別でございまして、従来から生産者がいろんな工夫をして取り組んで範囲を拡大してきておられるわけでございまして、農林水産省としてはそのような取り組みに、補助事業の対象にするとか金融措置で支援を行ってきているわけでございます。  具体的に挙げてみますと、例えば堆肥の供給の施設でございますとか、土壌診断を行うことのできる施設でございますとか、それへの助成とか、あるいは農業改良資金の貸し付けとか、あるいは表示についての指導等々を行ってきているわけでございます。  今回、御提案申し上げております法律に基づきましてきちっとした手続を踏んで確認をされたものについては、当然、法律に定めてございます金融・税制上の支援は行われるわけでございますし、これに関連して予算措置を充実させておりますので、これらを活用していただいて、例えば農薬を減らすような農産物の生産ということについては役立てていただきたいと思っているところでございます。
  82. 風間昶

    ○風間昶君 何か非常に一般論的な話になっているんだけれども、本当に一〇〇%ピュアな無農薬というのはあり得ない、日本の気候条件、風土的な環境条件からいきますと。しかし、減農薬については、ある程度検証されればということですが、その検証すら僕はできていないんじゃないかと思っているんです。これは民間の自主性に任せてやっている部分もあるわけでありましょうから、それは難しいと思うんです。だけれども、それはそれなりに、農水省のいろんな附属機関というか、特殊法人も含めて機関があるわけですから、そこでインビトロでも検証しておく必要があるんじゃないかと。そういうことに関しては、規模が小さくても例えば補助事業をきちっとやっていくというふうに、具体個別的であるかもしれないけれども、そういうところを奨励してやることが、私はもっと、より生産性を高めていく農法が普及していくのに寄与するんじゃないかと思うんですけれども、もう一回。
  83. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) ピュアという言葉をお使いになりましたが、全くゼロかどうか、なかなかこれは議論が難しいかもしれません。極めて難しいということは御理解をいただけると思います。  ただ、消費者、つまり最終的に消費をされる方との間に、だれがそれを保証するかという、確認をすることの責任といいますか、その技術について相当きちんとした整理がされなければ、これについては消費者の方もなかなか受け手としての自信といいますかそういうものがないでしょうし、生産者の方もそれについてきちんとした流通のパイプといいますか、マーケットができていくということについてなかなかエネルギーがわかないという面もあろうかと思います。  したがって、そういう一定の条件のもとにつくられたものについては、だれがどういう責任で、どういう形で保証するか、これを整理しないと難しいかなという感じもいたしております。
  84. 風間昶

    ○風間昶君 わかりました。  次に、肥料取締法の一部改正案について伺います。  今回、普通肥料に分類される汚泥肥料や汚泥堆肥は、非常に均質性というか均一性の確保というのは困難だと思うんですね。したがって、その有効成分についても、有害成分についても、商品というか製品がさまざまな工程を経てつくられていく、その生産サイクルごとに検査をするチェック体制というのは本当は必要じゃないかと私は思うんですが、ここはどうですか。
  85. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 今回、新たに汚泥等が普通肥料の扱いになるわけでございまして、その場合、公定規格というものを定めるということになるわけでございます。  その登録をする場合に、大別しまして二つのチェックといいますか、それが行われる。一つが、その定められました公定規格にきちっと適合しているかどうかということを確認するという手順が一つでございます。それからもう一つは、植物に対する影響を見ないといけませんので、栽培試験を行うということで、大別して二つのチェックを行うということになり、そのようなやり方で品質の保全を図るということだろうと思っております。
  86. 風間昶

    ○風間昶君 これは、僕は、ある特殊な作物だけでもいいからきちっと生産の一つ一つのサイクルごとにやっておく必要があるんじゃないかと。先ほども大臣がおっしゃったように、これからJAS法の一部改正で遺伝子組みかえ食品あるいはオーガニック食品、さまざまなことが今度入り込んでくる。そうなると、一方では消費者はそれに対する安全性を、国としてどうやっているのかということの情報を求めているわけで、しかし一方では、余りぎちぎちやり過ぎると今度は逆に不安を消費者に与えるということがあるものだから、何か一つでもいいからピックアップしてやるべきではないかと思うんですけれども、その生産サイクルごとに。そこをもう一歩突っ込んで、どうですか。
  87. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 平たい言葉で言うと危ないといいますか、重金属等の有害と考えられる成分が含まれるかどうか、これは当然、私どもとしては単にチェックをするだけじゃなくて、いろんな形で知見を深めるといいますか、自分たちの業務の中でそういう試料をふやしていくということは必要ではないかと思っております。  そのために、具体的にみずから栽培をやるかどうかというのは今のところまだ決めていないわけでございますが、さまざまな情報を前提にしながら知見をふやしていって、例えば万一新たな知見が見つかったというようなときに別の成分を加える等々のためにそういう作業は続けていかなければならないと思っております。
  88. 風間昶

    ○風間昶君 今度は保証票について伺いますけれども、保証票は登録期間で三年ごとに更新されていくが、しかし登録期間が今度六年に延長されるものもあるというふうになっていますね。どうしてどんな基準で延長を認めたのか、三から六と倍に、それが一点。当然、規制緩和の観点からは六年に延長されるものの範囲をふやすことも必要だけれども、事汚泥肥料や汚泥堆肥については有害物質を含んでいる可能性があるから、これは安易に登録期間を延長すべきではないと私は思っております。それは三年ごとというふうになっているけれども、極端な話、むしろもうちょっと詰めてもいいぐらいではないかと思っているんです。  基準を六年に延長した部分についてどんな基準で決めたのかということと、汚泥堆肥、汚泥肥料についてはむしろ三年をずっと維持すべきだし、極端な言い方をすると、場合によってはもうちょっと短縮してもいいのではないかというふうに思っていますが、この二点について。
  89. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) お話ございましたように、普通肥料の登録の有効期間は六年と三年と二つあるわけでございます。  このメルクマールといいますか、おおむね二つほどでございまして、一つは原料とか生産方法がかなり固定化をしているかどうかということでございます。それから、原料とか生産の工程あるいは使われる成分、その形態から見て肥料の有効性、肥効ですね、それから安全性、そういう両面から見て予測し得ないような問題の生ずるおそれが少ないもの、こういうものは、先ほどお話ございましたように、相当きちっとした管理といいますか生産が行われるだろうということで六年ということを考えておるわけでございます。  そういう考え方のもとで、汚泥肥料等に翻ってみますと、産業活動や生活活動から出てまいります廃棄物を原料といたしておりまして、希金属等の有害成分を許容限度以上に含有する等々のおそれが強いということで今回考えておりまして、六年とするのは適当でないということで三年ということで予定をいたしております。
  90. 風間昶

    ○風間昶君 だから、極端な言い方をすると三年でいいのかということも踏まえて突っ込んで聞いているんです。
  91. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 現在のところ、一応三年にするということで考えております。  なお、先ほどもございましたように、途中で別途の知見が得られてそれはもう危ないということになりましたら、それの流通を停止するとか取り消しするとか、当然そういう別途の措置が法律上用意されておりますから、それは適切に対応していきたいと考えております。
  92. 風間昶

    ○風間昶君 そうしますと、もしこの法案が通りますと、公定規格でそして登録してそれを要するに調べるところ、いわゆる肥飼料検査所というんでしょうか、そこの役割というのは極めて重要なポイントになってくると。  そういうことでいえば、きのう質問通告で教えてもらった、たかだか全国に六カ所しかない、しかも百四十名、多いところ少ないところあるにしても。検査所の増員を過去十年から現在までは聞きましたが、現在の百四十数名で今後対応し切れるのかという問題が起こってくるんじゃないかと思っていますけれども、増員についての目標設定を含めて、そこが一点。  それから、登録更新が一定の期間に集中しちゃいますとまたそこで大変な検査量と費用もかかってくるということでしょうから、振り分けなどの措置、ここについてお考えがあれば伺いたい。
  93. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) お話ございましたように、私ども、今度、肥料取締法に基づきまして改正後は全国六カ所に設置されております肥飼料検査所で対応していくということになるわけでございまして、大変重要な任務を担うということになります。  ただ、どういう形で今回の業務が影響してくるかということでございますが、現在新たに普通肥料として登録をされるだろうと見通しておりますのが千七百銘柄程度ではないかと見ておるわけでございます。これが一挙にされると、先生からお話ございましたように、まさに受け入れ側でパンクをしてしまうということもございますので、事前にいろんな振り分けをするとか、それから相手方とよく相談をするとかいうことをやりまして、登録申請が一時期に集中しないように事前に十分調整を行う。当然、私どもはそれなりの情報は持っておりますので、全くやみから何かが出てくるみたいな話ではございませんので、よく調整をしていきたい。  かつ、それは一定の時期だけでございまして、その後また通常業務に移っていくわけでございますので、むしろふやしますとかえってそこだけそのレベルでまた動いていくという不都合もありますので、むしろその部分は私どもの組織の内部で逆に業務調整などをして、例えば本省からその期間は助っ人を出すというとあれですが、受付・審査業務等について支援体制を充実するということで、その期間はしのいでいくといいますか対応していくということにしたいと思います。  それから、先ほどもお話を申し上げましたが、登録だけではございませんで、当然その後のウオッチといいますか、が必要になるわけでございます。これにつきましても、これまでもそういう考え方でやってきておりますが、被検査者といいますか、対象になります検査を受けられる業者の方の負担の軽減とか、検査をできるだけ効率的にやるということで、形式的、一律にやるんじゃなくて、これまでの立入検査の成績等を私どもは承知をいたしておりますので、その辺で検査の重点化を図るとか臨機応変な対応を行うということで現状の体制のもとで対応をしていくことは十分可能だと考えておるわけでございます。これで何か業務の円滑な遂行に支障を来すとかあるいはどちらかがおろそかになるというようなことのないように、本省と肥飼料検査所が一緒になりまして業務の配分等を考えながら対応していきたいと思っております。
  94. 風間昶

    ○風間昶君 わかりました。  次に、家畜排せつ物の管理適正化利用促進法案についてです。  家畜のふん、堆肥については実際上はかなりその切り返しに設備を投入しなきゃならないということで、三カ月以上数回の切り返しを伴う堆積を行うことが望ましいとされているけれども、現実にはこれはなかなか難しい部分も場所によってはあると。規模によってはこの切り返し設備にかなりの投資が必要な場合も出てくるわけで、そこについての金融支援をどうするのか。具体的な小さいことではあるかもしれないけれども、農業者にとっては大変大事な問題だと思うので、そこを一つ。  それからもう一つは、今回、野積みや素掘りをやめて、堆肥舎の整備を促進する法案でもあるわけですから、そうはいっても攪拌装置を備えた堆肥舎というのは割合は極めて低くて、肉用牛ではわずか一%以下、〇・八%ぐらい。特に、鹿児島だとか宮崎だとか徳島なんかでは大変な処理能力を強いられているということもあるわけです。  そこで、堆肥舎の設置奨励をするために、僕は個々の農業者に金融支援や税制上の支援だけでは足りなくなってくるおそれがあるのではないかと思いますから、むしろ自治体なりあるいは農協が例えば共同利用センターなどを設置していって、そこに補助金を交付していった方がより効率性が高くなってくるんじゃないかと思っているんだけれども、ここの部分について、二つお願いしたいと思います。
  95. 本田浩次

    ○政府委員(本田浩次君) このたび、この法律に基づきまして家畜排せつ物の処理、堆肥化に必要な機械、施設の整備を重点的に行うための金融上の支援措置といたしまして農林漁業金融公庫に新資金を創設することにしたところでございます。  この新資金につきましては、従来の畜産経営の環境保全のための資金に比べまして、まず第一点では、機械、施設の取得などにかかわります資金の償還期限につきまして、従来十五年以内であったものを二十年以内に延長する。それから、貸付限度額につきましては、個人につきまして一億円から一億二千万円、法人に対しては三億円から四億円にそれぞれ引き上げるという点。それから第三番目に、融資対象につきまして、機械、施設の取得などに加えてリース料金などの一括払いの賃借料などにつきまして融資対象にするといった点などの貸し付け条件の拡充を図っているところでございます。  それから、堆肥センターの問題でございますけれども、御指摘のとおり、優良な堆肥をつくり、しかもその利用を一層推進していくためには、共同堆肥化施設につきまして、地域における家畜排せつ物の集中的・効率的処理や堆肥の品質向上による流通、利用の促進を図る上で共同利用の堆肥センターが極めて重要な役割を果たすというふうに考えているところでございます。このため、従来から補助事業などによりまして地方自治体、農協などが設置する共同堆肥化施設の整備を推進しているところでございます。  これにあわせまして、堆肥の広域流通の促進を図る観点から、堆肥センターにおきます堆肥の成分分析でありますとか、それから耕種農家に対する堆肥の散布を進めるために堆肥センターにマニュアスプレッダーのようなものを整備するような事業でありますとか、さらには堆肥センターと耕種農家の堆肥に対する需要動向について、言ってみればいわば堆肥需給マップのようなものをつくるとか、それから堆肥の投入効果の実証展示などを行うとかといった事業を新たに実施することにしているところでございます。  今後とも、こうした施策の円滑な実施によりまして共同堆肥化施設の整備の促進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
  96. 風間昶

    ○風間昶君 個人を一億から一億二千万に上げたと胸を張って言える話じゃなくて、そんな一億も借りる人は一個人でいるわけはないんです。せいぜい借りたって二千万ぐらいなんだから、具体的にもうちょっと個人個人だったらどこまでお貸しできるのか、あるいは相手側の状況も見定めなきゃならないけれども、そういう話をしてもらいたかったんだけれども、まあいいや、時間がないから。  大臣、農業における土づくりの必要性を再認識しなければならないという観点で僕はこの三法案があると思っているんです。現在の農業というのは生産最重要視の中で、ある意味では対症療法的な法案なのかなと思うので、意見をちょっと聞かせていただきたいんです。  僕は、土を休めるという視点で一カ月とか一カ月半ぐらい必要じゃないかと思っているんです。ヨーロッパのように一年とか八カ月とか休めることはできても、日本はそういうことをできないから、その視点を大臣が持っているのかどうかということが一つ。  それからもう一つは、環境に優しい農業実践ということでありますけれども、消費者に対する啓蒙を、それはやっていらっしゃるんだけれども、むしろ僕は二十一世紀の中盤を考えるならば、今の小学校高学年あるいは中学生ぐらいの、要するに次の時代を背負う人たちに日本型食生活のあり方を含めてきちっと学校教育の中で持っていけるようなことを閣議なんかでも文部大臣に思い切って言ってもらいたいと思うんです。  その二点を伺って、終わります。
  97. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 土を大事にする、つまり維持する、そしてまた地力を増進する、そしてそのために休める。その反対が、荒らすことによって、特に表土ですけれども、土をなくしていく、このなくしていった例というのは世界じゅうにいろいろあるわけでございまして、我が国の狭い国土、またある意味で厳しい自然条件の中で多くの人間に対しての食料供給、そういう観点からも土を休めるということに関しては私も非常に強い関心を持っておるところであります。  そういう意味で、今回は持続型の地力増進みたいな法案を御審議いただいておりますけれども、先生御指摘の土を休めるということに関しましては、これは畑作の話になりますけれども、例えば輪作体系をやっていく場合に、輪作障害をなくすということから順番にやっていっておりますけれども、一年間一定の農地を休耕させるということに私自身も強い関心を今まで持っておりまして、一年間自分の持っている畑の何分の一かを緑肥だけを育ててそして後ですき込んでいく、それによって地力を増進させる。  したがって、農業生産物としては収入が上がらないわけでございますから、農家にとっては短期的には減収になるわけでありますが、長期的にはプラスだという観点から、しかしその減収を何としても補てんすることが農家の意欲に結びついていくだろうということで、農林省としましても平成七年から、緑肥といいましょうか、そういう作物で一年間つくって土に戻すということで、土を休ませるということに対しましては一反歩当たり五千円の補助金も出しまして、そういう土を休めるというような施策をとっておるところでございますけれども、今回の法案の審議過程を通じまして、さらに土というものの大切さ、そしてまた一度失われたらそれを取り戻すことは不可能でございますので、守り育てるためのいろいろな手法というものをこれからも生産者だけではなくて、我々も大いに技術的な面も含めて頑張っていかなければならないというふうに思っております。  それから、消費者、特に子供に対する食生活、あるいは自然、生き物、土に対する関心ということに対しましても私自身も関心を持っておるところでございます。  幸い、文部大臣もこの問題には非常に強い御関心をお持ちでございまして、ことしは文部省の予算で都市の小中学生を農村に行っていろいろと体験をさせるという事業をつくっていただきましたし、来年からは、今度は農村の方々が都市に来て、狭い土地かもしれませんけれども、土に直接触れて子供たちを指導したり、あるいはまた農村でのいろいろな体験、あるいはまたそもそも御飯のもとは一体どういう形をしているんだみたいなごく基本的なところから、都市から農村へ、農村から都市へという形で、特に次世代を担う子供たちに対して、自然そして土、国土というものとの親近感あるいは実体験感をふやしていくように、文部省等々とも連携をとりながら、先生御指摘のような趣旨を踏まえてこれからも進めていきたいというふうに考えております。
  98. 風間昶

    ○風間昶君 終わります。
  99. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 日本共産党の大沢でございます。  農業と環境の問題については、生産者の中でも私たち国民の間でも非常に関心が高まっていると思うんです。だから、総理府が行った世論調査でも、農業が自然環境と国土保全に貢献していると答えた人たちが年々増加しているという実態がそこに見られると思うんです。一方では、今問題になっています家畜の排せつ物による環境汚染が社会問題化している。日本の畜産の発展にとっても一日も早くこれは解決しなければならない問題だと私たちも考えています。  そこで、日本共産党も政府に対してこの点については対策を要求してきたところですけれども、今回の家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律案に対しては、農家の皆さんもとても不安を抱いているんです。というのは、この法案の内容を知って、今でも大きな負債を抱えている、環境対策はやりたいけれどもこれ以上の投資はできない、だから政府は離農しろと言うのかというような批判も起こっているんです。  一体、政府は各農家に個別に処理施設の設備を行うためにどれくらいの投資が必要と考えているのか、設備投資による年間経費も含めて教えていただきたいと思います。
  100. 本田浩次

    ○政府委員(本田浩次君) 家畜ふん尿の処理施設の整備に要するコストでございますけれども、これは堆肥舎でございますとか乾燥施設を備えているかどうかとか、それからし尿処理施設といった施設の種類ごと、それから飼養規模などによって異なるわけでございまして、一律にその額を示すことは大変困難でございます。  ただ、あえて一定規模の畜産農家が標準的な堆肥舎を新しく整備する場合のコストということで試算をしてみますと、これは平均的な飼養規模ということでとらえておりますけれども、まず酪農の場合には、飼養頭数五十頭規模で七百五十万円程度ということでございます。それから、肉用牛につきましては繁殖経営と肥育経営で相当規模が違うわけでございますけれども、これも平均で飼養頭数二十頭ということでとらえてみますと二百万円程度というふうに試算されます。それから、養豚の場合、飼養頭数八百頭ということで計算をしてみますと七百万円程度ということでございます。  なお、これは標準的な堆肥舎ということで試算したものでございまして、例えば防水シートなどを利用して簡易な施設に整備するというような場合には、このコストは標準的な施設の場合の三分の二程度になるというふうに見込まれているところでございます。
  101. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 経費については御答弁がなかったわけですけれども、去年の調査で、日本農業新聞に発表されていたんですけれども、処理施設の建設費や経費などのコストについての農水省試算というのが記事で載っていたと思うんです。そこでは、乳牛四十頭規模の酪農経営の場合は施設整備に約千五百万円、処理経費が年間三十五万円ぐらいはかかるという試算が出されていました。大体私たちは、幅があると思うんですけれども、北海道の人たちにお聞きしたらそれぐらいは最低かかるというお話だったわけです。優良事例をもとにした試算ということですけれども、これを見ても農家経営を圧迫することは明らかだと思うんです。  ですから、今の畜産農家にこの負担で処理施設を建設できるとお考えですか。
  102. 本田浩次

    政府委員(本田浩次君) 先ほど郡司先生の御質問にもお答えしたわけでございますけれども、畜産農家の今の経営状況でございますが、平成十年度公表の農業経営統計調査によりますと、農家経営一戸当たりの負債額が平成九年末で千四百六十九万一千円と年度当初に比べて四・二%減少しているという状況でございます。一方、一戸当たりの資産額は六千三百六万一千円ということで、負債額に比べて大幅に上回っている、それから年度当初に比べまして資産額は二・三%の増加になっている、こういう状況にございます。  一方、私ども、この畜産環境問題の解決というのは当面の最重要課題だというふうに認識しておるわけでございまして、個々の畜産農家の素掘りでありますとか野積みの解消のための施設整備を図るいわゆる補助つきリース事業というものを用意させていただきまして、これは二分の一の補助つきリース事業でございますけれども、平成十年度当初におきまして予算額で八十一億円の予算措置を講じたわけでございます。  この予算額につきましては、私どもの予想を超えた大変な事業要望が寄せられたところでございます。私ども、現下の緊急の課題であるというふうに一方で認識しているわけでございますけれども、この事業に対する畜産農家の方々の御要望を考慮してみますと、堆肥化処理施設の整備に向けた畜産農家の投資意欲が大変強いものと考えているところでございます。  農林水産省といたしましては、従来から家畜排せつ物処理利用のための施設、機械の整備に対する公共・非公事業の実施でありますとか制度資金、それからただいま御説明いたしましたリース事業など各般の施策を講じているところでございます。  また、今回この法律案を提出いたしまして、堆肥化施設などの整備を推進するための金融上なり税制上の新たな支援措置も講ずる、充実することとしております。さらに、補助つきリース事業につきましても、畜産農家からの極めて強い要望を踏まえまして、平成十一年度予算におきましては、ただいま御説明いたしました当初の八十一億円に対しまして百五十億円の予算措置を講じているところでございます。  今後、こうしたそれぞれ多くの各般の支援措置を通じて、できるだけ早急に施設整備の推進を図ってまいりたいと考えておりますし、また畜産農家の方々の投資意欲も相応に極めて強いものがあるというふうに考えておるところでございます。
  103. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 リース事業についてはちょっと後でお尋ねしたいと思うんです。  今、負債額は改善されているという答弁ですけれども、全国的な負債額の一戸当たりの金額、それから北海道などでは九八年度の統計でも負債総額は三千百四十六万円になっているわけです。ですから、こういう人たちが本当に数百万円、数千万円、ちょっと差がありますけれども、そういう投資を行って本当にやろうとしている人が去年のリース事業ではあったという報告なんで、金額が少なかったから殺到したという実態があるわけですけれども、やはり圧倒的多数の人たちがまだできていないわけです。  そういう人たちが本当にやれるという実態にあるのかという不安を私は抱いているんですけれども、こういう結果はこの人たちを離農に追いやることになるのではないか、そういう心配をしているわけですけれども、畜産局としてはどういう予想を持っていらっしゃるんですか。
  104. 本田浩次

    政府委員(本田浩次君) 畜産農家の方々、全般的には経営の状況、負債の状況は大幅に改善している状況にあるということはただいま御説明したとおりでございますが、ただ個別の経営農家の実態を見ますと、確かに多くの負債を抱えてその経営改善に大変苦労されている、苦戦をされているという農家があることは事実でございます。  したがいまして、私どもといたしましては、こうした負債対策につきましては、別途、長期低利の資金への借りかえ措置などを講ずることによりまして畜産農家の負債対策にも全力を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。  そうした負債対策を一方で講じながら、環境問題にも適切に対応していくことが地域において畜産経営の円滑な展開を図っていく上で不可欠な課題であると考えておりまして、そうした考え方のもとにこの法律を提案させていただいている次第でございます。
  105. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 法案で言われている支援策は農林漁業金融公庫から金利二・一%の融資と税制上の特別措置があるということだけだと思うんですが、今まで農業改良資金としてありました、生産環境改善に対する融資という形でやられていましたけれども、この融資は償還期間は最長十年だったんですけれども、これは無利子であったわけですね。だから、私は、無利子ということですから農家の皆さんからは喜ばれているんだろうと思ったんですけれども、これは融資を受けていらっしゃる方が非常に少ない報告を知ったんですけれども、昨年度の予算が三億円だったそうですが、これに対して実績は三千九百万円にすぎないという結果であった。私は、不思議に思いまして農家の皆さんに聞いてみたんですけれども、無利子といっても今は低金利の時代だから魅力はない、これ以上結局借金はできないという、投資ができないという意見が出ているわけですけれども、そのとおりだと思うんです。  だから、法案の支援措置で本当に農家の支援になるんだろうか。無利子の農家の改良資金さえ利用できないほどの非常に大変な経営になっている農家があるということをまず認識していただきたいと思うんです。ですから、支援措置を本当に抜本的に改善しなければ、私は、経過措置五年間という答弁がありましたけれども、施設整備はできない、やっぱり残ってくるんじゃないか、そういう思いがするわけです。罰金の問題も出ていましたけれども、罰金を払えばよいという問題ではないと思うんです。ですから、施設整備の投資ができない農家は離農に追い込まれるのではないか。  もともと家畜排せつ物による環境汚染というのは今日まで政府が推し進めてきた規模拡大政策に私は要因があると思いますから、本当に国の責任で施設整備をやるべきじゃないか。ですから、支援策を融資融資という、利率の問題という内容ですけれども、融資でなく補助的な制度で抜本的に強化すべきだと思いますが、いかがですか。この辺、大臣、どうですか。
  106. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 今、先生から、北海道ではまだ大半が非常に厳しい経営を行っているというお話がありましたが、北海道におきましても畜産経営、酪農経営は全体としては負債面でもまた総合的な生産環境面でも私は大きく改善をしていると理解をしております。  しかし、先ほどいわゆるAランク、Bランク合わせて九割以上というお話もございましたが、ごく一部、昔に比べればかなり少ない部分でありますけれども、依然として厳しい農家がある。しかも、例えば北海道の道東の根室地方のある町での実態なんかを聞きますと、もう数戸、AさんとBさんとCさんとDさんと数戸であるということを町長さんや組合長さんが全部把握をしておりまして、したがってそれに対してどういう対応をとっていったらいいのかということについても、いろいろと個別的に、町全体の大きな問題というよりも個々の問題として対症療法的にこれから対策をとっていけるようになってきたというような話もつい最近その町長さんから伺ったところでございます。    〔委員長退席、理事岩永浩美君着席〕  そういう意味で、いわゆる不足払い制度が発足して以来の三十三年の間に厳しい時代もありましたけれども、今御指摘の北海道に関して申し上げましても、全体としてはかなり私は改善をされていき、また前向きの方向性に向かう状況になってきておるというふうに認識をしております。  ただ、現に負債が三千数百万というお話がありましたが、確かに全国平均あるいは北海道以外に比べれば多いわけでありますが、一方ではまた資産も多いわけでございまして、そういう中で、先ほど申し上げましたが、そういう地域だからこそ逆に、いわゆる家畜排せつ物対策というのが町全体あるいは地域全体の問題であり、もちろん農家自身の問題でもあるわけでございます。したがいまして、本法律を中心にいたしまして、自治体あるいは先ほど申し上げました個々の農家単位での問題点もはっきりとしてきておるわけでございますので、単協、町そして北海道庁と総合的にそういう対策を講じて、とるべき対策をとっていく状況に入ってきておる。  なお、二・一が高いか低いかということは、公定歩合が五%の時代の二・一といえば大変低い、そんな制度資金はなかったわけでございまして、三・五がたしか最低であったというふうに記憶をしておりますが、今や二・一とかそういう金利、これはもちろん公定歩合が〇・五という時代でありますから、それとの関係でありますけれども、そういう時代にもなってきておる。あるいはまた、経済状態全体が厳しいとかいう状況もありますし、低金利という時代もありますし、いろんな状況がありますので、そういう中で、個々の農家あるいは日本の酪農、畜産全体の向上、そしてまた時代の要請であり、最終的には農家にとってもプラスになるこの家畜排せつ物に対する処理対策というものを推し進めていくべく制度をつくり、また投資をし、また個々の農家の御努力をいただくということでこの政策を推し進めていきたいというふうに考えております。
  107. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 おっしゃったとおり、農家の皆さんはこの問題を本当に解決したいと思っているわけです。畜産も続けていきたいと考えているわけです。ですから、今おっしゃったように、昨年から始まったこのリース事業に申し込みが殺到したという結果、予算は去年八十一億円だったわけです。それがいっぱいになって、畜産環境整備機構が独自に三十億円を組んだという報告も聞いたんですけれども、本年度の予算は約百五十億円ですか、増額された。それは数字的にはそうなっているわけですけれども、北海道では二分の一の国の補助に加えて道が四分の一の補助をしたために農家は四分の一の負担でよかったという本当にいい制度になったわけです。ですから、殺到したと思うんです。ただ、予算が少な過ぎて希望する農家に対応できなかったというのが昨年の実態でした。申し込んだときには既にもう枠がなかったと他府県ではお聞きしました。  ですから、合計百十一億円昨年あったわけですけれども、受けた農家はおよそ八百五十戸にすぎなかったわけです。農水省の調査では、いわゆる未整備農家戸数というのは酪農だけでおよそ二万五千戸という数字が出されていると思うんですが、このリース事業に限って言ったならば、五年という経過措置の中で整備どころか本当に計算したら二十年以上もかかるということになるわけです。  だから、本当に政府は環境対策事業をやろうという姿勢があるんだろうか、私はこれではうかがえないと思うんですが、リース事業を含めて、私はやっぱり充実させる今後の対応が要ると思うんですが、その点いかがですか。
  108. 本田浩次

    政府委員(本田浩次君) 畜産環境問題の解決のために私どもは従来からいろいろな対策を講じてきているわけでございまして、これまでもるる御説明をしてきているところでございますが、改めて少し丁寧に御説明をさせていただきたいというふうに思います。  堆肥舎でありますとか乾燥施設でありますとか、それからし尿処理施設でありますとか、そういった家畜排せつ物の処理、管理を適切に行い、しかも良質な堆肥をつくることによって有効利用を促進するための施設整備を行うというための事業といたしまして、従来から一つは補助事業によりまして、これは公共事業と非公事業と両方あるわけでございますけれども、こうした公共事業、非公事業によりまして、主として共同利用にかかわります家畜排せつ物の処理利用施設の整備を行う、これが一つでございます。  それから、個人利用にかかわります施設整備につきましては、融資でありますとかリースなどによる支援策を講じてきているということでございます。特に、先ほど来御説明いたしております二分の一補助つきリース事業に対する農家の方々の要望は極めて強かった、こういうことでございます。  これに加えまして、今回この法律案を提出いたしまして堆肥化施設などの整備を推進するための新しい金融上なり税制上の支援措置を講じてその充実を図っていく、こういうことでございまして、これら万般の政策を総合的かつ効率的に展開することによりまして、できるだけ早急に施設整備を進め、早期に畜産環境問題の解決を図っていきたいということでございます。
  109. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 ちょっと質問に答えていただけていないと思うんです。その内容については法案で出ているわけですからわかるわけです。この法案で解決できるのかという見通しをお聞きしたわけです。  もう一例、北海道の補助について今説明しましたけれども、茨城県なんかも国が二分の一の補助をする事業に県が三分の一の補助を上乗せして、市町村はもっとそれに上乗せしたわけです。ですから、農家負担は一〇%ぐらいまで引き下がったところも出てきているわけです。茨城県の場合は霞ヶ浦の問題もあって対策を求められたことから支援措置も充実されたということですけれども、今回の法案によって茨城県のようなことが全国で求められていると思うんです。  だから、国としても、私は、今乳牛だけで二万五千戸の未整備事業があるということを述べましたけれども、これも個人施策、共同施策を含めて、あなたたちが言っている五年間という経過措置の中で二〇〇五年ぐらいには九九%の家畜排せつ物の環境対策ができるというプログラムというんですか、そういう計画というのを、私は、法案を出す以上やっぱり持っていて、これで必ずつくれますよ、環境対策ができますよというその辺の見通しをお持ちですか。あれば示していただきたいということをお尋ねしているわけです。
  110. 本田浩次

    政府委員(本田浩次君) 先生が今までいろいろ酪農家で二万五千戸ぐらいというような数字をおっしゃっておられました背景にありますのは、農林水産省が平成九年に行いました環境保全型農業調査によりまして、これまで御説明しておりますように、例えば酪農につきましては野積みで三六%の農家が行っている。それから、素掘りで行っている農家が五%。それから、肉用牛につきまして野積みで一八%。それから、養豚農家につきまして野積みが九%、素掘りが一〇%。採卵鶏につきまして野積みで三%の農家が行っている。こういった実態でありますとか、それから農業構造動態調査から推計するところによりますと、酪農及び肉用牛につきましては屋根のないいわゆる堆肥盤のみを有するものが酪農で二九%、肉用牛で二〇%ある。こういった結果を踏まえた酪農家のこれからの施設整備を必要とする農家の戸数が二万五千戸、こういうことでございます。  小規模な農家につきましてはみずからの経営耕地に堆肥を還元すればいいというようなこともあり得ますので、小規模農家につきましては特に施設整備を行わなくても管理の適正化を図ることができるということを前提といたしまして計算をすると、今後、施設整備を要する農家が約四万戸と考えているところでございます。  これらにおきます施設整備の必要総額につきましては、先ほど来御説明しておりますように、飼養頭数規模等、それからどんな施設を整備する必要があるのか、それから周辺環境との関係等々、その整備費は一律に算出することは極めて困難な面があると考えているところでございます。  今後、これまで御説明しておりますような各般の施策を総動員いたしまして早期に畜産環境施設の整備を進めていくわけでございますけれども、その整備についての考え方につきましては、この法律案に基づき策定されます基本方針なり都道府県計画において、地域の実情に即した施設の整備目標を定めながら、この計画を通じて施設整備の全体の必要額の把握に努め、その必要額の投資を助長するような施策を講ずるよう努力していきたいと考えているところでございます。
  111. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 そういう点では不十分ですけれども、四万戸という数字が残っているという点では計画的に環境対策としてやっていただきたいということをお願いいたしまして、次に移りたいと思います。本当に国の責任でやっていただきたいことを念を押しておきたいと思います。  もう一点、運営所というんですか、施設の経費の問題についてお聞きしたいと思います。  現在、環境保全型畜産確立対策事業というのでやられているわけですけれども、共同でやられている兵庫県の三原町というところの堆肥センターを私、見てきたわけですけれども、ここは七戸の農家で堆肥生産組合をつくってセンターを建設したわけです。建設費は四億六千七百万円でした。国や県、町の補助を受けて、六戸の農家が各五百万円ずつ出して、一戸の農家が三千五百万円の負担をして始めたわけです。だから、本当に建設の負担だけでも農家にとっては大変だと。昨年四月から操業を開始していますから十二月までの決算が出たそうです。そこで、減価償却費等処理経費を合わせて四百万円の赤字が出たということです。これには人件費は含まれていないそうです。農家の皆さんは本当に頭を抱えているわけです。一年だけだったらいいけれども、これから続けていかないといけない施設を持ったわけですから。  このような共同の堆肥化施設は全国に大小合わせて三千ぐらいあるそうですが、一九九五年の農水省調査によりますと、事業主体は五八%が営農集団、二五%が農協、七%が市町村となっています。施設の収支状況は、赤字が四五%、もう圧倒的です。黒字はわずか四%にすぎない。農家の皆さん個人で処理する場合だけでなく、こういう共同で処理する場合も黒字のところはほとんどないというのが現状なわけです。  だから、施設整備への支援措置の充実というのを求めたいと思うんですが、処理経費がこんなにも必要だということに対して、専ら施設はつくったけれども大変だという実態の中で、政府としていわゆる整備に対しての対応というんですか、補助施策というんですか、そういうものを考えていただきたいと思うんですが、その点についてはいかがですか。
  112. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) いわゆる家畜の排せつ物対策というのは、先輩の先生方には釈迦に説法でありますけれども、昔は堆肥として有効利用されるむしろプラスの物質であった。それが、大規模経営化あるいはまた労働力あるいは高齢化、いろんな問題等々で、先ほど畜産局長からも答弁ありましたように、耕種と畜産とが分離をしてしまったということが、まさにこの問題の環境保全型あるいはまた持続可能な環境保全型農業に対して、あるいは地域に対して大きな影響を及ぼすということがここ数年の大きな問題になってきておるわけであります。    〔理事岩永浩美君退席、委員長着席〕  しかし、これは単なる無用な、あるいはまた無益な物質ではなくて、これをやはり土に還元することによって新しい時代に適応できる畜産、あるいはまた耕種系農業ができるという観点に立って有効利用していこうということでリサイクル型の一環として堆肥を有効利用していこうということでございまして、そういう視点にまた改めて返っていこうということが原点にあって、この法案に基づいて種々の施策を講じていこうということでございます。  確かに、私の手元にも先生と同じような、共同利用施設のうちの赤字が半分近くあるとか、もうかっているところは四・四%とかという数字が手元にございますけれども、そういうふん尿の現状から、これを持続型農業のてこというか材料にしていこうというための大きな方向転換の一つの法律として位置づけ、そのために諸施策をこれからいろいろとバックアップしながらやっていこうということで御理解をいただきたいと思います。
  113. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 本当に規模拡大政策によって私はこういう事態になったと思っています。  農業新聞の座談会で本田畜産局長もこう述べています。環境問題との関係では、酪農、畜産の特徴的な点を触れると、一つは短期間に急激な規模拡大が行われたということです。現行の農基法のもとで三十数年の間に、酪農でいうと二十四倍の規模拡大となっていますと述べて、こうした規模拡大の進展に、ふん尿処理施設の整備が追いつかなかったために、問題とされている素掘り、野積みといった状況が多く見られるようになっているわけです。あらゆる政策手段を導入して、畜産環境問題に対応していこうと考えていますと述べていますね。そのとおりだと思うんです。それをやっていただきたい。本当に規模拡大は農基法のもとで政府が推進してきたというのはだれもが一致する点だと思いますし、その結果、ふん尿処理施設の整備が追いつかなかったという原因も明らかだと思うんです。だから、政府の支援策が極めて不十分だったということを反省して、あらゆる施策、補助体制を整えてやっていただきたいということを指摘いたしまして、次の質問に入りたいと思います。  家畜の処理施設で、法案では、処理高度化の施設計画を提出し、適当であるとの認定を受けた農家だけが支援を受けられることになっていますね。だから、例えば堆肥舎を、立派なものをつくるのではなくて、今ちょっと御説明がありましたように、簡単なコンクリート、それから擁壁、屋根をビニールハウスなどでした場合で多額の投資をせぬ、自力で手づくりの施設をつくるといった農家にも私は支援を行わなければならないと思いますが、そういう点についてはどういう配慮というか対策を考えていらっしゃいますか。
  114. 本田浩次

    ○政府委員(本田浩次君) まさに、先生おっしゃるとおりでございまして、基本的には国は基本方針を定めて、それから都道府県におきまして地域における家畜飼養の状況でありますとか施設整備の状況などを踏まえまして、できるだけ環境問題を速やかに、かつ円滑に解決するための施設整備計画をつくると。  こうした計画をつくりまして、別に強制するわけではございませんで、各畜産農家の方々がそれぞれの考え方に沿いまして、みずからの考え方に沿った形で施設整備計画をつくり、しかもどんな施設にするのかということについては、その計画をつくり、さらに資金の調達計画などにつきましても、それから工事方法などにつきましても各畜産農家の方々が自発的に計画を定めて、その畜産農家の方々が希望すれば、都道府県にみずからの施設整備計画を提出いたしまして、都道府県知事の認定を受けた畜産業を営む者に対してこの法律に基づく各種の優遇措置が講ぜられる、こういう仕組みになるわけでございます。  これは、例えば補助事業、先ほど来御説明しております二分の一補助つきリース事業などによります投資などにつきましても考え方は全く同じでございます。
  115. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 農家の皆さんが本当に不利にならないような対応をしていただきたいということを指摘しまして、肥料取締法について二点ほど質問したいと思います。  ちょっと資料をいただいたんですが、昨年、アメリカの方で肥料からダイオキシンが検出されて問題になっています。ワシントン州の政府環境保護部が廃棄物再利用肥料のダイオキシン含有試験を昨年夏に行ったところ、対象になった五製品それぞれからダイオキシンが検出され、そのうちの二製品には想像以上の高いダイオキシンが含まれていたと。製鋼所の廃棄物を再利用した亜鉛粒剤が汚染されていたという点、それから微量要素の一つである亜鉛の材料源はほとんど産業廃棄物に依存しているという点が内容として発表されていたんです。  この肥料取締法で有機成分としての含有量の最大値が定められているわけですけれども、やはりダイオキシンがこれだけ問題になっている中で、そういう中にぜひ調査の対象として含めていただきたいと思うんですが、現在そういう調査などはされた経過はありますでしょうか。
  116. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 肥料には大きく分けて二つあるわけでございまして、大宗を占めます化学肥料、これは原料が無機物でございますから、ダイオキシンを含有する可能性はほとんどないと一応考えているわけでございます。ただ、汚泥肥料等の有機物を原料とする肥料につきましてはダイオキシンを含有する可能性は全く否定できない、要するにゼロと言うわけにはいかないということでございますが、正直言いまして、ダイオキシンについていろんな議論があったことは先生御承知だと思いますが、なかなか知見が十分ではございません。  したがいまして、私どもとしては、もう既に十一年度予算から新たにこれに関して肥飼料検査所で知見の集積あるいは実態の調査をやるという予算化をしておりまして、そのための調査あるいはどうやって集めるかということにはもう着手をしているということでございます。
  117. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 ぜひこの点については強化していただきたいということを再度お願いしておきたいと思います。  下水処理場の汚泥などを原料とする肥料の生産量はここ数年ふえていまして、百万トンを超えています。産業廃棄物からつくられる肥料もあるわけですけれども、やはり肥料の検査は大丈夫なんだろうかという不安があるわけです、このダイオキシンも含めてあるわけです。  特殊肥料、普通肥料の生産、輸入はそれぞれ登録も検査も違うわけですけれども、普通肥料の生産、輸入には登録、仮登録が必要で、その際、申請書の審査と肥料の検査が行われているわけですけれども、登録期間が過ぎた時点で再度登録、仮登録を受けるための検査が行われることになっていますが、これ以外の検査ということでは、農林水産大臣または都道府県知事が必要と認めるときに立入検査を行うことになっていると書いてあるわけですが、十分な検査が行われ、有害物質を含んだ肥料が含まれていないかという不安があるんです。  そこで、先ほど肥料検査官の質問が一部ありましたけれども、現在、国の検査官、都道府県の検査官がおられるそうですが、その人数とその体制で本当にやっていけるのかどうか。そして、国の肥飼料検査所というんですか、全国に六カ所あるそうですが、これが独立行政法人化されるという方向が示されているわけですけれども、本当に肥料の安全性を守っていく大事なこの時期に、体制や予算が確保されるのかという不安もあるわけです。  ですから、独立行政法人化というのはこういう大切な任務を持つ中ではやるべきじゃないということも私は指摘をして、国が責任を持てる体制で維持をすべきじゃないかという検査体制をお願いしたいと思うんですが、その点についての御答弁をいただいて、終わりたいと思います。
  118. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) ある意味では、先生まさにおっしゃったとおり、心配もあるわけでございまして、こういう重金属等の有害成分を含む可能性のあるものを普通肥料に移しまして、公定規格をきちっと定めて、それに適合しているということを確認した上で登録をするという形で品質の保全を図るということになっているわけでございます。  さらに、これに限らず、先ほども話をしましたが、いろんな科学的知見を集積し、また実態の把握を行っていくわけでございまして、例えばさらに有害性が明らかになった、そういう物質があったというようなことがございましたならそれを追加する。あるいは、現在既にあるものについても、一定の条件に該当して、どうも適当でないんじゃないかということが確認されれば、それは流通の規制をかけるなり登録の取り消しをするということでやれるわけでございますし、そのための立入検査という仕組みも整備をされているということでございます。
  119. 谷本巍

    ○谷本巍君 初めに、環境保全型農業の定義に関して幾つか伺いたいと存じます。  地力増進基本指針は次のように述べております。「農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和等に留意しつつ、肥料や農薬の過剰使用等に起因する環境への負荷の軽減に配慮した持続的な農業」と、こう言っております。この定義は、農業生産上の定義として環境保全型ということは言えても、食料政策上の環境保全型というぐあいに果たして言えるのかどうなのか、初めに伺いたいのはその点であります。  肥料や農薬を軽減した物質循環の機能を生かした農業を環境保全型と定義すると。しかし、生産地域の水の汚染問題や大気の汚染、さらにはダイオキシン等々の土の問題、こうした問題はこの定義とは関係がないんですね。ということは、農法上は環境保全型と規定することはできても、食料政策上それを環境保全型とは言えないというふうに私は思うのです。  なぜ食料政策上も環境保全型と言えるような方向を追求しようとしないのか。地域ぐるみでやれば可能だということは前に私も申し上げたことがある。なぜこういうふうな規定の仕方をされていますか。
  120. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 先生御指摘の、今引用されたのは、平成六年四月十八日の「環境保全型農業推進の基本的考え方(抜すい)」のポイントだろうと思います。確かに、これを読みますと、「農業の持つ物質循環機能を生かし、」云々ということで、持続的な農業をやっていくというふうになっておりました。これを読めば、農法について環境に配慮をするということでございます。  先生御指摘のとおり、現時点で当委員会でも何回も御議論をいただいておりますように、先ほども私ちょっと申し上げましたが、現在、農業あるいは農業に従事しておる地域、そしてまたそこから生産される農産物を通じて全国民との関係というものはまさに密接不可分であり一体でありまして、そこに共通するものは相互の信頼関係であり、国土の保全と発展、農産物を生産する地域に対する都市からの信頼関係、そして農村部から都市へ対してのニーズにこたえるということでございます。そういう意味で、この時点、今から五年ほど前ということで、時系列的に変化をしたと言ってしまえばそれまでかもしれませんけれども、ここは農法、農業生産というものに着目をした中での環境に配意した基本的な考え方。  今回御議論いただいておりますこの持続性の高い云々という法律につきましては、先生御指摘のように、今申し上げたような農業の多面的機能、つまり生産活動、経済活動だけではなくて、地域保全、地域の文化、伝統、歴史を守る、あるいは景観、教育的側面、さらには国民の大多数を占めるその農産物によって生命を維持し、健康あるいはいろいろな夢といいましょうかニーズを満たすという意味での食品というもののニーズがあるわけでございまして、それにこたえられるような、つまり、長くなりましたけれども、農村地域、さらには消費者ニーズにこたえられるようなものも含めた広い意味での多面的な機能を満たした形での持続性の高い農業生産をやっていかなければならないという観点からの法律であるというふうに御理解いただきたいと思います。
  121. 谷本巍

    ○谷本巍君 個人個人でばらばらにやっているんじゃなくて、将来展望としては、地域全体でやれるような取り組みでやっていきますというと、これは地域社会における大気の問題、水の汚染問題等々もかなり解決することができるんです。そういう環境の中でつくられた、まさしくここで定義しているような農法でもってやれば、文字どおりの環境保全型農産物になるんです。なぜそういう方向を追求しようとしないのかということを私は申し上げているんです。  そこのところでもう一つの課題になってくるのは、対象の基本をどこに置くかということともかかわりになってくるんです。個人に置くのか、ないしは地域集団に置くのか。どうもこの法律を読んでみますというと個人が対象、これが基本になっておるようであります。しかし、個人を基本にしてみても、現実的には農薬散布は行われているんです、農薬空散が。それから、集団防除が行われているんです。それに、最近は耕作放棄地が増加しておりましょう。病害虫の巣になったような耕作放棄地の隣で減農薬の農業生産をやるといったって、これはできっこないんです。  ですから、これはやっぱり地域全体で取り組める方向をどう目指すかということが基本に据えられなきゃならぬ。前にも申し上げたが、この際にもひとつそこを申し上げておきたいと思うんです。  特に、皆さんは知らないかと思いますけれども、畜産のふん尿処理問題で追われ追われて山に登った畜産がどういう悲劇的状況を生み出しているかといいますというと、硝酸窒素による地下水汚染、最も深刻なのが中山間地帯の畑作地帯です。水道がない。井戸水に依存している。井戸水が既に汚染されている。騒ぎが起こっちゃ困るというので、自治体は知っていても伏せているところがあります。これは子供が多かったら直ちに悲劇が起こってきますよ。  そういうふうな一部には逼迫した状況が生まれているだけに、目指すのは地域ぐるみの取り組みなんだ、そしてスタートは個人というところに置きますけれどもと、そこのところをひとつ明確にしてほしいんです。いかがでしょうか。
  122. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 法案だけで議論をするということになりますと、先生おっしゃったとおり、この農業生産方式そのものが農業者個人に焦点を当てて対策を組んである、これは事実でございます。しかし、この持続性の高い農業生産方式が本当にその目的どおり浸透していくかということになりましたら、これは先生おっしゃったとおり、個別の人たちがそのまま点として存在していたのでは全く意味がないわけでございまして、地域ぐるみ、もっとふろしきを広げますと、全国的にきちっと対応していくということが最も望ましいと私どもも考えております。  したがいまして、予算措置でいろんな共同利用施設を整備するほかに、全国的ないろんな組織なり立場を代表された方に集まっていただいてきちんとした御議論をいただいて、これの具体的な計画、アクションプランというようなものをつくってそれに従ってやっていく。そのことが生産者サイドに、消費者サイドに考え方が浸透していって、先生のおっしゃった言葉に例えれば、地域ぐるみで産地化をして、受け手の消費者はブランド化すると。そういうことで全体が円滑にいくということは、当然これは頭の中に描かれているということは申し上げておきたいと思います。  逆に、これまでなかなか面的に広がらなかった部分をそういう面で補っていって、点から面へというのが一つ私どもの考え方としてあるわけでございます。
  123. 谷本巍

    ○谷本巍君 それからもう一つ、この法案を読みまして私が不思議に思いましたのは、消費者が出てこないということなんです。  御存じのように、日本の有機農業運動は、有機農業によって生ずるリスク負担を含めて生産者と消費者の提携で進められてまいりました。そして、こうしたあり方ないしはこうしたシステムづくりというのは、アメリカでもかなり今評価されている、日本に学べという言葉が一部に出てきているという話を耳にしております。  ところが、持続型農業を目指そうという法案の中に、その種の話が出てこないんですね。地域農業が全体として環境保全型になっていきますというと、地域社会に自然がよみがえります。そして、安全食がとれるようになってまいります。そして、そういう中で地域社会全体が農業を支えるという関係が生まれてくるんです。  私は、そういうことを目指さなきゃならぬと思うんですよ。それにはやはり生産と消費の関係を分離して見るんじゃなくて、もっと積極的に、一体的にとらえるという視点があってしかるべきだと思うのです。その点、どうお考えでしょうか。
  124. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 先ほども御答弁を申し上げました部分を繰り返すことになって恐縮でございますが、今回の法案は、緊急に手当てをしないといけないという側面もございまして、そういう必要性のある技術を中心に規定をしていく。具体的にそういう技術を明らかにするというのが一つのポイントでございまして、決してそのことだけでこの目的が達せられるということは毛頭考えていないわけでございます。  当然、そうやってつくられたものが一定のボリュームと価値で流通をされることにならないとこれは全く絵にかいたもちになるわけでございますから、決して消費者をないがしろにしているわけではございませんで、消費者を頭に置いているということから、先ほどお話ししましたような、全国的な運動みたいなものをつくっていただくような予算をバックアップするための予算ということで計上させていただいているということでございます。
  125. 谷本巍

    ○谷本巍君 次に伺いたいのは、技術指導の問題であります。  これまで地域の農業を有機農業に切りかえていきたいという考え方を持った市町村長さん等々にお会いをしたときに、やっぱり一番最初に出てくるのが技術指導の問題なんですね。そこを何かもう少し行政側からバックアップしてもらえるような方法がないのですかといったような声等々がこれまで多くありました。  環境保全型農業をやっていこうという立法措置なのでありますから、そうした現場における技術指導体制の強化、これは当然念頭に置かれていると思うのですが、その点どうなのかということが一つ。  それから、もう一つ伺いたいと思いますのは、省庁再編成で技術研究部門がエージェンシー化されるというふうに伺っております。研究指導体制は一体どうなっていくのか、特に環境保全型農業に向けた試験研究というのがどうなっていくかについて伺いたいのです。
  126. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) まず、指導の方を私の方から。  この農業生産方式が普及浸透していくためには、やはり地域の事情をよく知っており、かつ個別具体的な農業者に直接接していろんな技術指導をしております地域農業改良普及センターの人々が中心的な部分を担っていくことが重要じゃないか、こういうふうに考えております。かつ、そこにはいろんな土壌診断等の機器も整備をするということになっておりまして、そういう形で都道府県には支援をしていきたい。  さらに、本年度の予算では、そういう活動がより円滑にいくということを確保したいということで、都道府県における体制の整備とか、さっきもお話をしました生産方式を検討されるときの必要な予算とか、それから具体的に目で見せるというのが一番いいわけでございますから、どういう形の生産方式を実現したらこういう形の圃場になるんだよという展示圃を実際つくってお見せする。実験田と言った方がいいのかもしれませんが、そういうものもつくれるような予算等々、それから農業者の皆さんを体系的に研修する、そういうような予算で充実をしていくというふうなことを一つ考えております。
  127. 三輪睿太郎

    ○政府委員(三輪睿太郎君) 試験研究についてお答えをいたします。  先生御指摘のように、先般、中央省庁等改革推進本部におきまして、国の試験研究機関の独立行政法人化を図ることとされております。  法人化をいたしましても、農業の持続的な発展に関する生産技術の開発、これはこの農業の実現に不可欠な極めて重要な課題と認識しておりまして、法人化後におきましても、引き続き研究者の確保、それから研究の推進、これは力を抜かないで努めてまいりたいと思っております。  また、再三御指摘のように、地域段階における取り組み、現場における取り組み、これは極めて重要でございますので、都道府県の地域における研究につきまして都道府県とも連携を強化して進めてまいりたいと思っております。
  128. 谷本巍

    ○谷本巍君 今のお話で行政改革関係の技術の問題、ほっとはしましたけれども、もう少し具体的に伺いたいんです。  試験場で申しますというと、県を入れてたしか三百六十ぐらいになりますか。それから、研究者でいうとどうなんでしょう、約一万人見当になりますか。エージェンシーになった場合、この関係がどんなふうになっていくのかということであります。  御存じのように、日本列島は多様な変化に富む列島であります。環境保全型農業というのは、それぞれの地域の自然を生かす、それぞれの現場に見合う技術の確立が勝負どころになってまいります。つまり、その成否が開放体制下の日本農業の将来というのを私は大きく左右していくのではないかと思います。  これまでも、技術陣の地方配置というのが多過ぎるという批判の声が一部にありました。今必要なのは、研究者が現場と一緒になって取り組んで、環境保全型農業というのは文字どおりの大きな転換でありますから、取り組んだものを上に上げていく、そういう関係をつくっていくことが今、私は非常に大事になってきていると思うんです。  そうした点も含めて、どんなふうに考えておられるか、お聞かせいただけませんか。
  129. 三輪睿太郎

    ○政府委員(三輪睿太郎君) 御指摘のように、我が国は、気候でいえば亜寒帯から亜熱帯に至るまで幅広い気象条件、それから地形でいえば急峻な山地から山間地域にわたる非常に多様な立地条件に立脚して農業が行われております。  そういうことで、現在、農林水産省では、自然条件等で国土を地域区分いたしまして、それぞれの地域特性に対応した研究の拠点としまして全国に六カ所の地域農業試験場、これは国の研究所です。地域農業試験場を配置しておりまして、技術開発を進めております。  これから法人化をいたしましても農業の事情が変わるわけではございませんので、こういった地域における国の研究体制についてはきちっと確保をして、さらにその地域における公立の試験研究機関、都道府県の試験研究機関、あるいは大学、民間の研究等あるいは普及等の連携を強化して、技術の開発、移転を果たしていきたいと思っております。
  130. 谷本巍

    ○谷本巍君 次に伺いたいのは、家畜排せつ物の利用促進に関連してであります。  堆肥づくりとともに広域流通をどう進めるかということについて初めに伺いたいと思います。  これは釈迦に説法になってきますけれども、耕種農業と畜産農業の分離というのは、複合経営というのを解体していったということとともに、もう一つは地域的な単作、専作型をもたらした。同じ県でも、例えば岩手県で申し上げますというと、あの大きい県の北の方が畜産地帯なんです。南の方が耕種農業の地帯なんです。これを北から南へ持ってくるというのは大変なことなんじゃないのかというような問題等々もありますし、それからまた南九州の場合は、文字どおりその典型とも言っていいような状況であります。こうした問題をどう解決するのかということであります。  その第一点の問題としては、家畜排せつ物利用法では市町村の役割というのが全く書いていないですね。私は、こういう広域流通をやろうというときには市町村の役割が非常に大事になってくるんじゃないかと思うわけです。その位置づけがどうも法文を読んだ限りではわからぬ。そこは一体どうなのかということであります。  それからもう一つは、広域流通を考えないと処理が不可能だという地域がかなりあるわけであります。それだけに、こうした状況を生んだのはいわば農政の責任が極めて大でもあるわけでありますから、一定の助成政策等々を講じて、それが円滑にいくような方法をお考えになっておるかどうなのか。いかがでしょうか。
  131. 本田浩次

    ○政府委員(本田浩次君) まず、我が国におきます家畜排せつ物の発生量と、それを肥料に利用した場合のマクロの需給関係がどうなっているかというところから……
  132. 谷本巍

    ○谷本巍君 そこは質問しておりません。
  133. 本田浩次

    ○政府委員(本田浩次君) そこから入った方がわかりやすいかと思いますので、ちょっと触れさせていただきます。  家畜排せつ物の発生量を主要な肥料成分である窒素量に換算いたしますと七十五万トンになります。このうち、浄化処理されて河川などに放流されているものがありますし、それから堆肥化の過程で窒素が揮発する、揮散するといったものがありますので、実際に農地に還元される必要のある家畜排せつ物の窒素量というのは約五十二万トンというふうに試算をされております。  我が国におきます堆肥などのこうした窒素受け入れ可能量でございますけれども、現在使われております化学肥料の使用量を前提とした場合に、窒素の受け入れ可能量は全国ベースでは七十万トン程度と見込まれております。したがいまして、マクロベースで見ると、我が国の家畜排せつ物の発生量は農地に還元できないほど過剰な状況にはない、これは冒頭、先生御指摘のとおりでございます。これは数字で説明させていただきました。  しかしながら、先ほど来、大臣からもお答えしておりますように、問題になっておりますのは、畜産経営と耕種農業経営の立地が必ずしも一致しない、それから畜産経営と耕種農業経営がいずれも専業化して大規模化してきている、こういったようなところから堆肥化による農地への利用が困難な地域が生じている場合もあるのは事実でございます。  したがいまして、私どもといたしましては、このような地域において家畜排せつ物の還元が適切に行われるようにするために、良質な堆肥の広域流通をまず一つは進めていく必要があるだろうというふうに思っているところでございます。このための手だてを講ずるために、先ほど来御説明いたしておりますように、共同利用の堆肥センターなどについて整備を進めていくことがまず第一点でございます。  ただ、これだけでは、特定の地域におきましては、先生おっしゃるとおり、例えば南九州のような地域におきましては堆肥需給バランスがうまくいかない、こういうようなところもございますので、こうした地域におきましては、浄化処理して放流する方式でありますとか、それから畜舎洗浄水として再利用する方式などをまず一つは進めていきたい。  それから、さらにこれは長期の課題でございますけれども、飼料の改善によります窒素、燐の排出削減技術の開発などを促進していくことも重要である、こういうふうに考えているところでございまして、これがまず第一点でございます。  それから、堆肥の広域流通に対する助成でございますけれども、先ほど来御説明いたしているとおり、特に公共、非公の補助事業によりまして共同利用の堆肥化施設の整備を推進する。さらに、この堆肥センターの中でも、現在、堆肥の成分分析でありますとか耕種農家に対する堆肥の散布を行っている堆肥センターが全体の二〇%強ぐらいにしかすぎません。したがいまして、こういったものに対して助成を新たに行っていくということでありますとか、それから堆肥需給マップの作成などについて助成を行って、堆肥の広域流通を一層促進していきたいと考えているところでございます。  それから、市町村の役割でございますけれども、市町村の役割につきましては、先ほど来御説明いたしているとおり、市町村が堆肥センターの整備の主体となっていることであるとか、それから市町村によっては堆肥の利用促進の奨励措置を講じている、こういうようなところがございます。こういった堆肥の利用促進に取り組んでいる事例も少なくないわけでございます。  したがいまして、市町村による堆肥センターの整備につきましても、各種事業を通じてその整備に対して助成を行っていくと同時に、各市町村で取り組まれている市町村の積極的な取り組みを広く収集して公表することによりまして、全国的にこうした方向での堆肥の利用促進が市町村が主体的に取り組まれるような形で推進されるように、この法律の実施を待ちまして、私どもとしてはその推進、指導に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  134. 谷本巍

    ○谷本巍君 畜産局長、聞かないことまで答えていただく必要はないんですよ。私の方は時間と見合わせながらやっているんですから、途中で丁寧な答弁が出てきますと省略しなきゃならぬ部分も出てくるんです。だから、その点しかとお願いしておきます。あと時間も残り少ないですよ。  もう一つ畜産局長に伺いたいのは、片一方で環境保全型農業にしろと言っておいて、畜産の方は従来どおりでありますというぐあいにはいかないわけだ。ですから、飼料生産の自給化といったような問題点が出されてきているわけでありますけれども、現状で見てみますと、担い手の減少の中で規模拡大を進めていかなきゃならぬという中では飼養管理で手いっぱいですね。したがって、排せつ物利用で自給飼料生産というのはなかなか大変だと思う。やれる人もあるが、やれぬ人が非常に多いというのが実は現状であります。そういう現状で、環境保全型畜産への転換ということはやっぱり真剣に考えていかなきゃならないときに来ているのじゃないか。  つまり、例えば農地面積当たりの飼養頭数制限、これはEUがやっていますね。あの種の思い切った検討というのも必要になってきているんじゃないかと思うんだが、その点いかがでしょうか。
  135. 本田浩次

    ○政府委員(本田浩次君) おっしゃるとおりでございます。  まず第一点は、先ほど来御説明いたしているとおり、畜産廃棄物の処理を適切に行う、それから処理された堆肥を利用できるために自給飼料基盤を強化していくという方向、さらには日本型放牧の推進などによりましてこうした飼料基盤を一層強化していくことが必要であると考えているところでございます。今後、飼料増産推進計画を策定いたしまして、飼料の増産に努めていきたいというふうに考えているところでございます。  加えて、先ほど来御説明いたしているとおり、堆肥センターにおける良質堆肥をつくるための分析能力の確保であるとか、それから散布サービスなどにつきましても行っていく。これは先生御承知のとおり、例えば飼料作物の作業を受託するコントラクター組織なども全国にかなり整備されてきておりますので、こうしたコントラクター組織を利用した形での飼料の作付の拡大につきましても支援をしていきたいと考えているところでございます。
  136. 谷本巍

    ○谷本巍君 次に、減収補償の問題について伺いたいと思います。  私の友人は鳥取でニンジン栽培をやっておるのでありますけれども、地下水が硝酸態窒素の汚染が進んだということで、施肥の改善等々を行いました。いいものがとれるようになりました。値段もちょっと上がりました。ところが、二年目三年目はもう続きませんでした。理由は何なのか、やっぱり採算上の問題だということであります。  有機農業生産をやっているところなどでは、例えば私の知っているところでいいますというと、新潟県に幾つかありますけれども、そこなんかの場合には、消費者団体とJA、市町村、そして生産者とで基金をつくって減収補償をやるといったようなことをやってきている例も見られます。やはり、その種のことを考えませんと、この種の農業というのは、特に有機農業の場合は最初が肝心でありますから、減収が出てくるのは。そういったような制度等を考えていかなくていいのかどうなのか。そこはいかがでしょうか。
  137. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 先生御指摘のように、有機というか堆肥を導入した農業、そしてまた環境に配慮したということで、初期投資がかかるわけでありますし、また農家の皆さんの精神的あるいは肉体的なエネルギーというものも重くなると思います。そういう意味で、スタート時点では離陸するまでにコスト面その他で非常に負荷がかかる、その結果、減収という事態を我々も考えておるところであります。  しかし、いいものがとれるというふうに先生から今御指摘がありましたが、中長期的には、いいものを持続してとっていけるような農業経営ができるということは消費者ニーズにもこたえていけることになりますので、そういう意味で安定的な時点になりましたならば、そういういいものをより高い値段で売れるようになっていく、ブランド化、産地化ということにもつながっていくものと我々は期待しながらこの問題に取り組んでおるわけであります。  なお、導入期に当たってのいろいろなコスト面等の負担につきましては、金融あるいは税制等々の助成措置で対応していきたいというふうに考えております。
  138. 谷本巍

    ○谷本巍君 環境保全型農業などに今取り組んでおられる皆さんがおっしゃっていますのは、おれたちは安い農産物がどんどん入ってくる中でやっているんだと。それから、環境負荷が非常に高い、つまり環境を犠牲にした農法による低コスト生産、そういうものが出回る中でおれたちは勝負を迫られているんだという声が非常に多いです。  ですから、安全なものをつくってくれというのであれば、まず輸入をストップする、それはできないと言う。ならば、やっぱり一定の助成を考えるべきじゃないのか。あるいはまた、環境負荷の非常に多い農産物、農業生産というものをそのままにしてある。そういうものをきちっと規制した上で環境型農業生産をやってくれというのだったら話はわかる。ところが、そっちの方は野放しにしておいて環境型に切りかえろというのは、これはちょっと酷じゃないかという声が圧倒的ですよ。こういう声をどう受けとめられますか。
  139. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 生産面からいいますと、やはり環境というものに十分配慮した生産活動をしていかなければならない一方、消費者面から見れば、やはり過去において先生御承知のような、ある果物を解禁して大変な心配をしたわけでありますけれども、一定時期を過ぎましたならばやはり国産の果実の方がいいといった例もございます。  そういう意味で、やはり消費者は国産の、そして有機というか、安全性というか、おいしさというか、安心と品質というものを求めているのではないか、まさにそれが消費者ニーズの一番大きな柱の一つではないかと。  今ある例を、これは名前を出していいのかどうか、例えばサクランボでありますとかあるいはポストハーベストの問題とか、いろんな問題に対して消費者は特に不安を持っておるというこの時点でございますから、むしろ先生の今お話しされた順番を逆にして、我々はこういういいものをつくっているんだから堂々と外国産と張り合って、高くてもいいからいい日本のものを買いたいんだ、そういうような消費者のニーズにこたえていけるように消費者サイドの方にも我々からも強く働きかけをしながら、この作業を進めていかなければならないというふうに考えております。
  140. 谷本巍

    ○谷本巍君 耕種部門の生産農家に対して環境保全型のものをつくれと、やりましょうというからには、その場合には畜産の方もあり方を変えなきゃいかぬと、これはそうですよね。これと同じように、環境負荷が非常に多い農業生産というのはしばしば見られるわけでありますけれども、例えば南九州の商系の大規模畜産なんというのはその典型です。環境破壊もいいところですよ。そういうのが安いものをどんどん出しているわけでしょう。それをそのままにしておいて、皆さん、環境保全型をやりましょうといったってこれは政策としてはバランスがとれないと思うんですよ。  ですから、そういうふうな環境保全ということから見て、度外れた環境負荷の多いそういう生産については一定の規制をするということをやらなきゃこれはバランスがとれないですよ。どうですか、大臣。
  141. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 先ほど内外の例を申し上げましたが、国内においてもやはりポイントは、消費者に対する農産物の情報の提供というものが消費者ニーズに対して私は大きくマインド的に影響を与えるのではないかというふうに思っております。  そういう意味で、先生御指摘のようなそういうものを消費者は好む人もいるかもしれませんけれども、一方ではこういうふうにつくったんだということに対しての私は国民的なニーズというものは高いというふうに認識をしておりますし、またさらにそういう正しい情報をより多く国民に提供することによって国民的に受け入れられるものを生産者が努力してつくれば、それに対してそれだけ結果として、価格的にもあるいは人気の面でもそういう消費者ニーズにこたえていける、また消費者がそういうものを欲しがるというふうに考えておりますので、今の先生の御指摘に対しては、とにかく正しい生産条件、生産方法あるいはその地域の特殊性、あるいはつくったものの品質の特殊性というものが国民一般に広くよく情報が行き渡るように我々としてもこの法案の実施に当たっては努力をしていかなければならないなと今改めて思っておるところでございます。
  142. 谷本巍

    ○谷本巍君 どうも大臣と私の考え方が大分すれ違っているというか、違うようでありますが、最後に伺っておきたいのは次の点であります。  これはあくまでも私見でありますけれども、私は国の自給なんてどうでもいいと思っているんです、極端に申し上げますと。一番大事なのは私は地域の自給だと思うんです。地域から自給率を高めていくというような問題提起でやっていきますと、これは地域で結構つくれるものまで買って食っているということがみんな発見できるわけですよ、みそ、しょうゆを初めとしましてね。  例えば、大豆転作をやる。国産丸大豆一〇〇%で豆腐でもつくったらこれはうまい豆腐ができますよ。それを地域で加工し、地域で売るということにすれば物は三回転していくんですね。今までのように、それは主産地でつくりなさいと。主産地というのは原料供給生産地ですよと。全部根こそぎ都市へ持っていってしまう。付加価値は全部地元へはおりないというような形じゃなくて、そういうふうなやり方を考えていったら私はどうなのかと思うのです。  地域型の食料自給生産運動というのは地域の自然をよみがえらせて安全な食料生産ということになっていくでしょう。そういうふうになっていけば食べ方も変えることができます。今出されておる新しい基本法に食べ方を変えるという考え方が書かれておりますけれども、具体的な手法がない。具体的な手法というのは、地域の自給運動の中から安全なもの、環境保全型農業をやる、そういう中で生産と消費というのをきちっと結びつけていく。そうすれば、食べ方を私は変えていくことは可能だというふうに思うのです。  つまり、地域自給と環境型を結合した地域合意づくり、そして地域農業再建への戦略展望というのをそこから開いていくというような形にしながら地域と都市が結べる環境をつくっていく、ここのところが私は大事になってきていると思うのです。大臣、どうお考えでしょうか。
  143. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 地域でつくったものをまず地域で消費するということの御指摘については、率直に申し上げて一長一短あるのではないか。結論的には先生と同じではないかと私は期待しているわけであります。  まず、歴史的に言えば、全国で米のとれるところは地場のお米、あるいはみそ、しょうゆ、お酒も含めてそういう地場のものを、漬物もそうだったと思いますけれども、そういうものは生産の限界もあります。また、いい意味で言えば、顔の見えるところでつくり方まで全部わかったところでつくっておりますから安心して食べられる、またおいしいということで、そういう面でもメリットがあると思います。  一方、適地適産ではありませんけれども、少なくとも日本の国内の中で一生懸命努力して、そしてその結果、消費者のニーズにこたえられるものがより高い値段で売れていくということが、国内の中でそういうふうに流通をしていけば、こういう情報化時代でございますから、極端に言えば、輸送方法も大分近代化してまいりましたし、情報も産直等のネットワークも進んでおります。先生は地域を主体にして都市へというお考えでございますから、そういう意味では私は反対ではございませんけれども、オールジャパンで見ますならば、どこどこにいてもどこどこのおいしそうな、あれは多少高くても食べたいということも、やはりそれに対して供給するということは、値段が高くても買う人がいるということになります。  ここから先は質問外で怒られるかもしれませんけれども、日本の農産物がおいしいからひとつ輸入をしたい、つまり日本から輸出をしてくれというようなものがあればどんどん輸出をするというようなことも一部ございます。そういうようなこともございますので、先生のその原点と、それからいいものはより高い値段で消費者が求めていくということとがミックスした形で、生産者の努力、そして消費者ニーズがうまく合致するような、環境にも適応した形の農業生産というものをこれから推し進めていくべきではないか。結論的には先生と同じではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
  144. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 自由党の阿曽田でございます。  今回の三法案、私は、これからの農業形態というものを二十一世紀に向けて大きく変えていこうというようなことで高く評価をいたします。むしろ、遅きに失したかという感じも常に持つわけでありますが、現場におりまして、今回、国が取り組もうとしていること、既にもう取り組んできた経過もございます。  そんな中で、なかなかうまくいかないのは、土づくりは大事だということはみんなわかっているんだけれども、その土づくりが、思うに現場で実行されていかない。それはどういうところにあるかということをまず御認識されているところからお聞かせいただきたい。
  145. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 地力の確保、あるいは土づくりという言葉が適当かもしれませんが、これが大切なことはもう改めて申し上げるまでもなく、皆さん直接やっておられる農業者を含めてもよくおわかりのことだと思いますが、その中でなかなか果たせない。むしろ、近年、地力が低下していると言われる原因としては、大別して私ども四点ほどあるんじゃないかと考えております。  一つは、かなり高齢化が進行いたしておりまして、農業労働力の不足が一つの原因かなと。それとあわせた形ではございますが、大変堆肥づくりということについては労働力を要します。重労働でございます堆肥の生産、施用がどうしても気が進まないというと語弊がありますけれども、エネルギーがわいてこない、ほかの方途に走った方が楽だということが一つあるんじゃなかったかと思います。  それから、収穫が定着をしてまいりまして、従前ほど稲わらという形での収穫が行われないということで、原料としての稲わらが確保できなくなってきたんじゃないかというのが三点目でございます。  それから、地域によりましてはだんだん有畜農家が減少するということで、畜産と耕種の距離がかなり遠くなっている。堆肥の原料となりますふん尿の入手が困難となってきている。全部が全部じゃございませんでしょうが、これらがいろいろ相互関係しながら、どうしても地力が低下するようなことにつながる堆肥の施用量の低下ということがあったんじゃないかと思っているわけでございます。
  146. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 現場では、土づくりのためにいわゆるバーク堆肥から牛ふんの堆肥、そういうものの導入は、これは施設園芸農家では絶対入れないと連作障害、いや地現象が出て成り立たないとか、無理してでもこれは入れるんです。しかし、単収の高くない永年作物等について、あるいは露地物の野菜等については、これは入れたいけれども、なぜ入らないのかというところをもう少し農林省として分析していただきたいなと思いますのは、まず第一に、そういう有機質肥料というものが化学肥料と比べて単価の面も高い、そして速効性もない。そして、今、局長がおっしゃった労働面で大変手間が要る、そういうようなことで皆様方はそういう有機質肥料投資をやらないんです。やるよりもそちらの方に行きたがるんです。  一トン当たりの堆肥、これは牛ふんの堆肥なんですが、八千円でわざわざ半熟堆肥を畜産農家から買ってきまして、そこで完熟堆肥に仕上げて農家に売っているんですが、その運搬費まで入れて八千円で出しているんです。これに対してやっぱり生産者は高いと言うんです。五千円までならばそれは導入が非常に可能なのに、しかし今度は、提供する側は三千円だけ出してどんどん使ってくれといったら飼料費がなくなってしまう。  導入したいけれども、そういう有機質肥料投入の単価をいかに安くするかということが私はまず一番大事なネックになるところだろうと思うんですが、その対策はどのように今回の持続的農業の中で考えておられますか。
  147. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) これは先ほどお話をしました中の一つで、要するに畜産農家と耕種農家の距離が離れているということをお話ししたわけでございますが、コストを下げるためには、やはり相互に需給を確認するといいますか、どういうところにそういう需要があって、どういうところで例えば稲わらが余っているとか、そういうことを正確に結びつけることが必要じゃないかということが一つ私としては最近感じているところでございます。これは典型的には、お耳に入っているかもしれませんが、南九州で若干稲わらが不足しているということもございましたりして、なかなかそういう情報が正確にマッチングをしていないということもございますので、そういうきちっとした需給を結びつける方策が一つ必要かなと。  あとは、先ほど畜産局長からお話がございましたが、受け手側の農家からしますと品質がいいものを、というのはやっぱり条件が安定している、これにつきましては、今回の法案の中で一定の品質を表示するということにしてありますので、そういうことをやっていただきますと、むしろ受け手側の方も安心をして、何といいますか、手が出ると言うといけませんが、そういう条件が整備できるだろうと思っております。そういう点からは表示が一つのきっかけになればいいなという感じを持っております。
  148. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 局長の答弁でわかりましたとなかなか言えないお答えなんですが、そういう有機質肥料を安く生産者に供給するシステムをどうつくるかということを、やはりこれはうまく畜産農家から耕種部門の農家の方々にどうそれを流通させていくかということでもあるんですが、安く有機質肥料を生産さえすれば一気に土づくりにその有機質肥料が投入されていくということは火を見るより明らかです。それに取り組まないというのは、先ほど言いました三点、ここのところの問題を詰めていただければ、私は生きた法案になるだろうというふうに思いますので、改めてそこのところを農林省、真剣に考えていただきたい。現場でそういうものが受け入れやすい、取り組みやすいためにはどういう施策が必要かということであります。  今まで産地ではいわゆる減農薬あるいは無農薬栽培、有機栽培、こういう形で、熊本県は勇作くんという名前で出しているんですが、なかなか定着しない。それはなぜかというと、産地でそういう有機栽培、減農薬栽培したトマトにしてもミカンにしても、そういうようなものを市場に出して、先ほど谷本先生がおっしゃったように、初年度はうまく売れるんです。あるいはいい品物がそろって出せるんです。ところが、二年三年と続きますと必ず品質にばらつきが出てきて、そして収量も減収してくる。これは地力の、土地の土壌条件が変化して、まだ有機質肥料の効果が出ていない。  そのときに消費者は何と言うかというと、味も形も色も均質でちゃんとそろったものでないとこんなものはだめだということで出荷が受けつけられません。それが現実なんです。味がよくて形も色もきちっとそろったものでないといい値がつかないんです。だったら、そういう取り組みに、高く売れない、売れていかない筋合いのものはつくっても一緒だというふうになってくるんです。これが現実なんです。  だから、そういう有機質肥料のもとでの栽培へ移行していく、持続的農業を進めていくという過程の中で、市場側あるいは消費者側は、やっぱり曲がったものよりもきれいに真っすぐになったものがいいんです。少し虫が入っているものよりもきれいなものがいいんです。そういう消費者ニーズというか、購買の尺度が今もなおそういう従来ながらの手法で購入されているとすれば、これはなかなか挑戦していったって難しいというふうに思うんですが、その見解をお聞かせください。
  149. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) 一つは、生産サイドのお話からいきますと、先ほどもお話をしましたが、生産の技術をやはりきちっと一定のもの、あるいはレベルを高くする、そういう指導、そのための普及員はもちろんそういう素養を身につけないといけませんけれども、それをきちっと農家の方々に徹底できるような体制にする必要があるんじゃないかということが一つあると思います。  それから、流通の場合は、恐らく、今のようなお話でございますと、いわゆる青果市場へそのまま出すというよりは、むしろ個別具体的な、別の言葉で申し上げますと産直とかそういう特別のルートなりをきちっと整理する。そのためには、私どもとしてもいろんな情報なり拠点がございますから、そういうところで流す。今どきでございますとインターネットなんかできちんと情報を流せばそういう消費者ニーズは間違いなくあるわけでございますから、そういったことをどうやって結びつけていくか、そういう御協力をする、あるいは情報を提供するということが一つポイントになるのかなという気がいたしております。
  150. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 現場の認識と農林省の考え方と相当差があるような気がするんですが、いかに技術を進めていくといったって、今までもう何回となく挑戦して、そういうニーズがあるというのはすき間部分です。すき間部分で一時期出ていく、あるいは限られた数だけが出ていっているんです。しかし、ほとんどの商品は、従来の品質の味がよくて均質で形のいいもの、見かけがいい、器量のいいもの、そういうものがやっぱり流れていくんです。売れていくんです。  ですから、そのことをどうするかというと、これは国民、消費者挙げてそういうきちんと安全なもの、環境に供している、そういう地域、生産者から生まれてきた作物については、それなりに消費者の方々が、オーガニックじゃないけれども、一つのこだわりの規格品だというある意味では理解と、そしてそういう方向への認識をより深めさせないと絶対成功しません。私はそういう苦い経験を何回もしてきておりますから。  今回、農林省がこうやって踏み込んだ以上は、非常にいいことですから、これを一つのてこにして成功させるためには、産地サイドだけに求めてもこれは私は成功しないと思います。消費者サイドの方々、国民全体がそういう理解を深めていかなきゃならない。そこで初めて私は、大きく農業に対する認識も変わってくるし、また大臣が絶えず言っておられる多面的機能というものに対しての国民の認識につながってくると思うんです。そういうところが私は農政に欠けているというふうに思うんです。大臣、どうですか。
  151. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) やはり、先生御指摘のように、もちろんおいしいもの、それから品質のいいもの、これは当然でありますけれども、何かつやつや光って、そして見た目がよくて、極端な例でいいますと、何か虫が食っていないのがいいものだと、もちろん虫が食っていたらこれがいいかどうかという議論は別ですが、要するに害虫すら寄りつかないような農産物が果たして安全なのかという議論が一時、私もどこかの本で読んだ記憶がありますけれども、そういう意味で、例えばキュウリでも真っすぐな方がいいとか、本来曲がっているはずのものが曲がっていなかったり、あるいはやたらときれいに見えるものが即いいんだと、いいものももちろんあるわけでありますけれども。  ですから、先生が言われる本来の生きているもの、農産物とはどうあるべきかというものをきちっと消費者に、大半のといいましょうか、多くの消費者はそういう認識を持たずにというか、逆のニーズになりがちなところで、減農薬とか有機とかその辺はわかっているんでしょうけれども、物を見てどういうものが本物なんだということについての情報というものについては、我々としてはまだまだ正確な、あるいは本来の情報というものを伝える努力という余地があるんだろうと思います。  これは消費者というよりも、もっと深い意味でいえば、子供たちが小さいころからそういうもので育っております。私自身もその世代の一番最初のころかもしれません。  そういう意味で、先生御指摘のように、先ほども文部大臣と一緒になってやりましょうと、今いろいろやっておりますけれども、教育、小さいころの幼児段階から、本来あるべき、おいしい本来の農産物とは何なんだと。ただ真っすぐならばいいのだとか、そういう次元の話じゃない正しい知識を、家庭教育と言うとちょっと踏み込み過ぎかもしれませんけれども、我々のできる範囲内で、正しい情報をできるだけ多くの機会に多くの国民に努力をすることが、この法案全体の目的あるいは今後御議論いただく基本法全体の御議論のソフトの部分といいましょうか、精神的な部分で支える大きな部分だと思いますので、これからも我々としては一層、法案審議を通じて努力をしていかなければならないということを、先ほどの谷本先生、今の阿曽田先生のお話を聞きながら痛感しているところであります。
  152. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 あと一分ですので、要望いたしておきます。  畜産の終末処理施設というものに対して、五カ年間で野積みあるいは掘ってやっておる問題の解決、私の計算では約二千億ぐらいかかるだろうと思います。ですから、五年間で農家の方々が負担にならないようなことを十二分に考えていただいて、補助金プラス低利融資の資金の手当てをきちんとやっていただきたいということ。そして、畜産農家がつくった堆肥についても、畜産農家が完熟堆肥の生産までできるようにしてあげるか、もしくは耕種部門で堆肥センターを持っているものは、そこで完熟堆肥をつくり上げて、供給できるものにも五千円以下で生産ができるような、畜産農家と耕種部門、野菜部門への提供でのそういう一つの流通、あるいは生産コストをなるたけ下げていただくという工面をひとつお考えいただきたい。  と同時に、消費者の方々にそういう本当の減農薬、無農薬あるいは有機質肥料における栽培というものを定着させるためには国民の御理解が要る。その点を強く農林省としてお取り組み願うことをお願い申し上げて、質問にかえたいと思います。  終わります。
  153. 石井一二

    石井一二君 私は、持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案に関連して、若干お伺いをいたします。  そもそも、この法律案の根本は、土づくりがおろそかになっているという過去の反省に基づいて、今後それを改善していこう、そういうねらいがあるように思うわけでございますが、この法律ができて、持続性の高い農業生産方式が採用されて、実際どの程度具体的な改良が行われると思われておるのか。何か具体的な数値でもおありであればお示しをいただきたいと思います。
  154. 樋口久俊

    政府委員(樋口久俊君) 具体的にこの法律が動き始めるといいますか、対応が行われる場合には、都道府県がどのような形で農業生産方式をお決めになるかということが一点でございます。  それから、農業者の意向がどうなるかということがございますので、私どもの方から、いろんな前提を置くにしても、具体的な数字を申し上げることはなかなか困難であるということは御理解をいただきたいと思いますが、それだけではあいつ何言っているという話でございますので、現在私どもが承知しております限りで、いわゆる環境保全型農業の手順で、都道府県あるいは市町村へおりていって、どの程度の農家が取り組んでおられるかという推定がございます。それは、大体十五万戸程度の農家が対応しておられるのではないかという推定をいたしておるところでございます。  そのほか、私どものアンケートで、かなりの農協の方が、現在は対応していないけれども、将来はどうしてもこういうことに対応しないといけないだろうという意向を持っておられるのは相当あると承知をいたしておりまして、そういう方々が積極的に取り組んでいただくということであれば、今取り組んでおられる方と、今後の意欲をかなり積極的に評価して、その数字に上積みをした数の方が導入計画の認定を受けていただけることになればという見込みを一応しているところでございます。  なお、重なりますが、いろんな前提がございますので、この数字はあくまでも大まかな目安というふうに御承知をいただきたいと思います。
  155. 石井一二

    石井一二君 局長の答弁は極めて無責任なように思うんです。  例えば、都道府県がどのような対応をするか、それによるからわからぬとか、農業者の意向によって違うとか、そういうものを指導して一定の方向へ持っていき、その結果、ターゲットとしてこういうものをねらうんだということがあって法律案は提出されるべきであろうと思います。またの機会に論議いたしますが、私は、あなたの見解は甘いし無責任であると声を大にして申し上げておきたいと思います。  続いて、堆肥ですが、これは労力の投入という観点から生産費の増大につながると思いますが、一方、食料・農業・農村基本法案の第二条三項あるいは二十一条に言う効率性とか生産性というようなことと矛盾する面が多々あると思うんです。  あなたは先ほど、そういうものは人がさわりたがらぬのだというようなことまで、農家の方が堆肥についてはややさわりたがらぬのだというような感じの答弁もしておられましたけれども、この点について御所見を伺いたいと思います。
  156. 樋口久俊

    政府委員(樋口久俊君) 条文を引いて申しわけないんですが、第二条の規定で、この法律で言う農業生産方式は、「土壌の性質に由来する農地の生産力の維持増進その他良好な営農環境の確保に資すると認められる合理的な農業の生産方式」というふうに規定をいたしております。  この場合の「合理的」ということは、生産物の量や質をこれまで行ってきた生産方式から低下させないで付加価値を反映した価格で販売されること等により、経営的な面から合理性を有するものであるということを考えておりまして、私どもとしては、今お話ございましたような、他の法律案等々の生産性の向上や効率的かつ安定的な農業経営の育成という展開方向とは矛盾するものではないと一応考えているところでございます。
  157. 石井一二

    石井一二君 農村の土地という面で我々は今論議しているんですが、かつて農用地土壌汚染防止対策ということで、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律案についてけんけんがくがくと論議を交わしたことがございます。  こういった中で、先ほど風間議員が窒素という言葉をちょっとおっしゃいましたが、特定有害物質としてこの法律では何を対象にしてこれまで取り組んでこられたんですか。
  158. 遠藤保雄

    政府委員(遠藤保雄君) 農用地土壌汚染防止法に基づきます特定有害物質でございますけれども、現在三つございます。  一つはカドミウム及びその化合物、二つ目は銅及びその化合物、三つ目は砒素及びその化合物でございます。
  159. 石井一二

    石井一二君 今、これら三つの化合物による基準値以上の検出がされた地域、あるいはその結果、指定地域の累計面積、対策計画を策定した面積、こういうのを見てみますとかなり違いがあるんです。この差はどこにあるのか、わかれば教えていただけますか。
  160. 遠藤保雄

    政府委員(遠藤保雄君) まず、お答えする前に現状をちょっと御説明申し上げます。
  161. 石井一二

    石井一二君 現状は要らぬ。
  162. 遠藤保雄

    政府委員(遠藤保雄君) 今、先生の御質問でございますけれども、要するに計画地域と実施地域の差はなぜ生じているかということでございますけれども、まず指定地域面積は約六千二百七十ヘクタールでございます。それで、対策計画策定面積が約六千百八十でございます。その差九十ヘクタールについては、現在、計画策定中の面積ということで差ができておるということでございます。
  163. 石井一二

    石井一二君 いや、答弁漏れだ。基準値以上の数値が検出されたけれども指定地域に入っていないと、こういうのを私、聞いたでしょう。
  164. 遠藤保雄

    政府委員(遠藤保雄君) 基準値以上の検出地域、約七千百四十ヘクタールございますけれども、指定地域が約六千二百七十ヘクタール、その面積になっております。この差は現在、地元においていろいろ調査等をしておるということでございます。
  165. 石井一二

    石井一二君 昭和四十六年より始まったこの事業ですが、あと何年ぐらいで完成できると見積もっておられますか。アバウトでいいですよ。
  166. 遠藤保雄

    政府委員(遠藤保雄君) 現在、対策地域として指定された地域は、先ほども申し上げましたように、六千二百七十ヘクタールございまして、現在、事業が実施され完了されたのが三千七百五十ヘクタールでございます。したがいまして、残り二千五百二十ヘクタール、これから実施しなきゃいかぬということでございまして、これにつきまして今後の見通しというものは、最大限努力していくということで、ちょっと確たることはお答えできないということでございます。
  167. 石井一二

    石井一二君 中川大臣、この土の問題について聞きたいというと、それは環境庁でございますと農水省は言うんですね。今、環境庁ですよね。  それで、実際、ではだれがやっているのと言うと、これは多分とんてんかんてんやっているのは農水省だと思うんですが、どこでやっているんですか。
  168. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) それぞれの目的によって違うと思うんですが、例えば最近の例で申しますと、埼玉県のあの所沢の問題では、土壌については農水省がやりましたけれども、厚生、環境、農水一体の中で、ホウレンソウと土地については農水省でやりました。それぞれの状況によって違うと思います。
  169. 石井一二

    石井一二君 局長が違う答弁をしたくて手が二、三回挙がっていますので、ぜひ御指名をしてやっていただきたいと思います。
  170. 樋口久俊

    政府委員(樋口久俊君) 補足して御説明申し上げます。  今、局の名前を言えという御質問でございましたので、構造改善局と農産園芸局でございます。
  171. 石井一二

    石井一二君 それで、私は、環境庁だという感じで任せているから結局、行政の一体感が出てこない、したがってこういう土地の改良がおくれてくる、こういうような考えを持っているんです。  例えば、今、局長は構造改善局と農産園芸局と言われたけれども、なぜ分かれているんですか。一カ所でばっちりやって、法案に対する解釈も指定地域についてもすべておたくで掌握しておられるべきじゃないですか。
  172. 樋口久俊

    政府委員(樋口久俊君) 規模によって、事業を行うといいますか、予算がついているところが違いまして、大規模なものは構造改善局で実施をしておりまして、小規模なものは農産園芸局で予算の手当てをしてございます。
  173. 石井一二

    石井一二君 大規模と大規模でないという区別は何を基準にして行っていますか。
  174. 樋口久俊

    政府委員(樋口久俊君) 一応、十ヘクタールを基準にいたしております。
  175. 石井一二

    石井一二君 今、我々が論じております畜産関係の環境という観点で我が国と外国を見た場合に、畜産業のやり方も違いますけれども、外国、特に先進国における現状について、これ御通告しておりますが、若干御説明いただければありがたいと思います。
  176. 本田浩次

    政府委員(本田浩次君) 外国の例ということでございます。とりあえず、EUとアメリカ合衆国の例を御説明させていただきます。  EUにおきましては、EU委員会による規制と加盟各国によるもの等がございます。  EUの主要畜産国でございますオランダ、デンマーク、イギリスなどにおきましては、八〇年代前半、畜産業からの汚水流出が主な原因となって地下水汚染や海水の富栄養化などが発生したことから、ふん尿の散布量、散布時期の制限などの規制が導入されております。また、デンマークでは、面積当たりの飼養頭数制限を行っているというふうに承知しております。  また、EU委員会におきましては、加盟国において地下水汚染などが深刻になってきたことから、九一年に委員会規則を定めまして、地下水の窒素濃度が高い地域を硝酸塩脆弱地域として指定いたしますとともに、家畜ふん尿の散布時期の制限、家畜ふん尿処理施設の設置義務、家畜ふん尿の散布上限量の設定などから成る行動計画を策定して、本年十二月までに行動に移すこととされているということでございます。  また、アメリカにおきます畜産環境対策は連邦政府によるものと州政府によるものがございます。連邦政府では、水質保全法に基づきまして、千家畜単位、これは肥育牛換算でございますけれども、以上の大規模畜産経営体に対して経営許可の取得を義務づけている。また、千家畜単位未満の畜産経営体につきましては、各州が環境保全上最も効果的と考える管理手法を実施するよう求めているということでございます。  また、ほとんどの州政府におきまして、連邦の規制に加えた独自の規制を実施しておりまして、例えばノースカロライナ州政府におきましては、一九九五年に大規模養豚場のふん尿貯留施設が豪雨により決壊して広範囲な河川汚染を起こしたために、一九九七年三月から二年間、養豚施設の新増設を禁止する措置をとっている、こういうことでございます。
  177. 石井一二

    ○石井一二君 先ほど同僚の大沢議員がちょっと触れられましたが、この肥飼料検査に関して、検査所の百四十二名という現在の体制は、特にこのことが肥料取締法とか飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律である程度何をやらなきゃいかぬとかいうぐあいに規制されておりますので、行政改革の流れの中で増員が難しいと思うんですが、この法律ができたことにより、仕事が多過ぎて実際できぬという事態が起きるんじゃないかということを懸念しますが、御所見はいかがですか。
  178. 樋口久俊

    ○政府委員(樋口久俊君) この法律に基づきまして、肥飼料検査所は、お話ありましたように、大変重要な役割を負うわけでございますが、実は一番大変なのは、当座が一番大変な部分が出てまいります。というのは、汚泥を原料として生産される肥料が普通肥料ということで登録をされる、この業務が実は一番大変じゃないかと思っております。  これは、今のところ私どもの見込みでは千七百銘柄ほどのものが出てまいりますが、これはある程度の情報を持っておりますし、事前に調整ができるというふうに考えておりまして、よく相談をしまして、一時期に集中しないように登録作業を行っていくと。逆に、今度はそのバックアップをするために本省からも、例えば人を出すとか助っ人として提供するというような形でそれには十分対応できる。一時期の経過的な部分でございますので、そういう対応をすれば十分乗り切れるという判断をいたしておりまして、おっしゃったような事態にはならないものと思っております。  逆にまた、その後のウオッチの部分につきましても、検査の場合の重点化を図るとかいうことで対応していければ十分ではなかろうかと考えております。
  179. 石井一二

    ○石井一二君 ちょっと語尾が聞こえにくいので、はっきり物を言っていただきたいと思います。  それから、この家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律案についてですが、この三条の二項によりますと、「畜産業を営む者は、管理基準に従い、家畜排せつ物を管理しなければならない。」と、こういうように書かれておりますが、私の兵庫県なんかを見てみますと、一頭とか二頭とか、せいぜい四頭とかいうような、ちょっと裏庭におるという感じなんですね。こういったところへそのような、ならねばならないという、例外を認めぬというような強い態度の法律を適用して、びしびし罰則も適用しかねないというような勢いで果たしてやれるものかどうかと思うんですね。  そういう零細者に対する例外というものがあるのかないのかということと、私は、融資制度等についてもいろいろお考えがあるようにも聞いておりますが、この利子を国が負担してやるというようなことぐらいは当然だと思うんですが、中川大臣であればそれぐらいの力がおありだと私は考えておりますが、何かその辺、抜本的な御答弁が出ないかと思いますが、御所見はいかがでしょうか。
  180. 本田浩次

    ○政府委員(本田浩次君) 意欲的な予算措置の問題につきましては大臣からお答えをいただきますけれども、一つは小規模な畜産農家の問題でございますが、小規模な畜産農家につきましては、この農家から発生し得る家畜排せつ物の量が少ないということでありますとか、それからこうした小規模な農家におきましては、自己の経営の内部におきまして、大体、複合経営形態だと思いますので、例えば草地でありますとか、畑地でありますとか、水田でありますとか、そういったところで家畜排せつ物の利用が可能であろうというふうに考えておりますので、適用除外の対象にしてまいりたいと考えているところでございます。  それからまた、これまでもるる御説明してまいっておりますけれども、管理基準そのものの適用につきまして、特にハードの施設の整備にかかわります期間などを勘案いたしまして、この管理基準の内容ごとに必要な適用猶予期間を設ける方向で検討したいというふうに思っているところでございます。長いものでは五年ぐらいというふうに考えているところでございます。
  181. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) 条文に経過規定がございますので、実施状況を見て、その中で政治的な決断を今後検討していきたいと考えております。
  182. 石井一二

    ○石井一二君 今、局長答弁で、適用除外の対象に小規模なものはしていきたいという意欲的ともとれる御答弁をいただいたんですが、ちょっと条文を読んでいて私、見逃したんですが、何条のどこに書いてあるんですか。
  183. 本田浩次

    ○政府委員(本田浩次君) 具体的な適用除外の内容につきましては、省令で定めることにしております。
  184. 石井一二

    ○石井一二君 では、今は書いていない、だけれどもそういうことで考えていくと、そういうことですね。  はい、ありがとうございました。終わります。
  185. 野間赳

    ○委員長(野間赳君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより三案に対する討論に入ります。──別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  186. 野間赳

    ○委員長(野間赳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、和田君から発言を求められておりますので、これを許します。和田洋子君。
  187. 和田洋子

    ○和田洋子君 私は、ただいま可決されました持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合、自由党及び二院クラブ・自由連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、農地の生産力の維持増進に不可欠な土づくりが年々減退する一方、化学肥料や化学農薬の過剰な使用の是正、有機農産物等に対する消費者のニーズが高まっている実情にかんがみ、国民に安全な食料の安定的な供給を確保するとともに、農業が本来持っている自然循環機能が十分に発揮され、農業の持続的な発展を図るため、本法施行に当たっては、次の事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。  一 農業の公益的機能を適正に評価する手法を確立し、国民の理解と支持を踏まえ、環境と調和のとれた持続的な農業への総合的な支援策の検討に取り組むこと。  二 持続性の高い農業生産方式の確立のため、土づくりにおけるたい肥その他の有機質資材の施用に関する技術、肥料の施用に関する技術及び有害動植物の防除に関する技術の開発を推進するとともに、地域の特性に即した技術開発・指導体制強化への取組を進めること。  三 持続性の高い農業生産方式の普及浸透を図る上で効果の大きい高能率農業機械や天敵農薬・肥効調節型肥料の導入を促進するため、これらを導入する農業者に対する支援策の一層の充実に努めること。  四 持続性の高い農業生産方式は、地域全体で取り組む効果が大きいことから、集団的にこの方式の導入が進むよう支援の充実と誘導策の強化を図ること。  五 都道府県による導入指針の決定に当たっては、国が適切に支援・助言していくとともに、都道府県間において著しい不均衡が生じないよう配慮すること。    右決議する。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  188. 野間赳

    ○委員長(野間赳君) ただいま和田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  189. 野間赳

    ○委員長(野間赳君) 全会一致と認めます。よって、和田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、中川農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中川農林水産大臣。
  190. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) ただいま御可決いただき、ありがとうございました。  御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後、最善の努力をいたしてまいります。
  191. 野間赳

    ○委員長(野間赳君) 次に、肥料取締法の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  192. 野間赳

    ○委員長(野間赳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  193. 野間赳

    ○委員長(野間赳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、和田君から発言を求められておりますので、これを許します。和田洋子君。
  194. 和田洋子

    ○和田洋子君 私は、ただいま可決されました家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合、自由党及び二院クラブ・自由連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律案に対する附帯決議(案)   我が国農業の基幹的部門である畜産業は、飼養規模の急激な拡大、担い手の減少、高齢化の進行等極めて厳しい情勢に直面している。こうしたことを背景として、地力の向上に大きな役割を果たす貴重な資源としての家畜排せつ物の利用が困難となり、他方では畜産環境問題が深刻化している。   よって政府は、本法の運用等に当たっては、次の事項の実現に努め、環境と調和した畜産経営と家畜排せつ物の有効利用の促進を通じた畜産業の健全な発展に万遺憾なきを期すべきである。  一 管理基準及び基本方針については、地域において畜産業が占める地位にかんがみ、実態を踏まえて定めること。  二 都道府県知事が行う指導・助言、勧告、命令については、地域の実情等を考慮するとともにきめ細かい配慮をするよう、周知を図ること。    また、罰則等に関する措置の適用に当たっては、周知徹底の必要性、地域の実情、畜産・酪農経営の状況等を踏まえ、慎重に対応すること。  三 都道府県計画を定めるに当たっては、畜種、飼養規模、飼養形態、経営農地の確保状況、たい肥の需要量、自然条件、社会条件等地域における多様な要因を考慮し、地域や個々の経営に最適なものとなるよう周知を図ること。  四 家畜排せつ物の不適切な管理を解消するため、補助事業やリース事業、制度資金等により、家畜排せつ物処理施設の計画的、総合的な整備を円滑に推進するとともに、支援の一層の充実に努めること。  五 効率的かつ低コストで家畜排せつ物を処理し、利用するため、悪臭防止、浄化処理、資源化等に関する技術の開発・普及を促進するとともに、そのための支援を充実すること。  六 飼料基盤に立脚した畜産・酪農を確立し、飼料自給率の向上等への対応を図るため、草地の造成・整備の計画的な推進、自給飼料生産の拡大に努めること。    また、環境保全にかなう畜産の確立に努めるとともに、畜産部門と耕種部門との連携を確立・強化し、たい肥の広域流通を促進するための支援の充実を図ること。    右決議する。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  195. 野間赳

    ○委員長(野間赳君) ただいま和田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  196. 野間赳

    ○委員長(野間赳君) 全会一致と認めます。よって、和田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、中川農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中川農林水産大臣。
  197. 中川昭一

    ○国務大臣(中川昭一君) ただいま御可決いただき、ありがとうございました。  御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後、最善の努力をいたしてまいります。
  198. 野間赳

    ○委員長(野間赳君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  199. 野間赳

    ○委員長(野間赳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十四分散会