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1999-08-06 第145回国会 参議院 地方行政・警察委員会 19号 公式Web版

  1. 平成十一年八月六日(金曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  八月六日     辞任         補欠選任         白浜 一良君     風間  昶君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小山 峰男君     理 事                 釜本 邦茂君                 松村 龍二君                 輿石  東君                 山下八洲夫君                 富樫 練三君     委 員                 井上 吉夫君                 岩瀬 良三君                 鎌田 要人君                 木村  仁君                 久世 公堯君                 谷川 秀善君                 保坂 三蔵君                 高嶋 良充君                 藤井 俊男君                 魚住裕一郎君                 風間  昶君                 八田ひろ子君                 照屋 寛徳君                 高橋 令則君                 松岡滿壽男君    衆議院議員        政治倫理の確立        及び公職選挙法        改正に関する特        別委員長     桜井  新君    国務大臣        自治大臣        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    野田  毅君    政府委員        内閣官房内閣内        政審議室長        兼内閣総理大臣        官房内政審議室        長        竹島 一彦君        警察庁長官    関口 祐弘君        警察庁生活安全        局長       小林 奉文君        大蔵省金融企画        局長       福田  誠君        通商産業省機械        情報産業局長   広瀬 勝貞君        郵政省電気通信        局長       天野 定功君        自治大臣官房長  嶋津  昭君        自治省行政局選        挙部長      片木  淳君    事務局側        常任委員会専門        員        入内島 修君    説明員        通商産業省機械        情報産業局次長  林  良造君     ─────────────   本日の会議に付した案件 〇不正アクセス行為禁止等に関する法律案(内  閣提出、衆議院送付) 〇公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提  出)     ─────────────
  2. 小山峰男

    ○委員長(小山峰男君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。  不正アクセス行為禁止等に関する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は昨五日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 松村龍二

    ○松村龍二君 自由民主党の松村龍二でございます。自民党先輩、同僚諸兄のお許しをいただきまして、この不正アクセス行為禁止等に関する法律案につきまして質問をさせていただきたいと思います。  現在、電子時代、デジタル革命というようなことが言われるわけでございます。当委員会におきましては住民基本台帳法の審議もしておるわけでございまして、我々委員も現地視察あるいは参考人からお話をお伺いしましたり、お互いの質疑の中、また自治省からの御説明の中でいかに今の時代が電子時代に突入しているかということを勉強している昨今でございます。本日、この不正アクセス行為禁止等に関する法律案について審議がされるわけですが、御質問をさせていただきたいと思います。  現在のインターネットの普及は目覚ましいものがございます。郵政省の統計によりましても、インターネット接続ホストコンピューターは、平成七年、ちょうど私が国会に当選させていただきましたときに十万台でありましたのが、平成十一年には百六十九万台でございます。インターネットの利用者は、平成七年には四十五万人であったのが、平成十一年には一千十万人というような爆発的な飛躍を遂げております。しかし、これはアメリカ等に比較いたしますとまだまだ普及率が低いといった現状にあるわけでありまして、日本人の新しいものに対するどん欲な民族性等からいたしますと、ますますこのインターネットが今から国民に普及するのではないかというふうに思います。インターネットの利用率は十世帯に一世帯、事務所では五世帯に一世帯というようなことだそうでございます。  さて、インターネットなどのネットワークが急速に発展する中、ネットワーク上の違法行為、不正行為に対して厳正に対処していくことがネットワークの健全な発展、高度情報通信社会の構築を図る上で不可欠であると考えます。このような観点から政府もこの不正アクセス行為禁止等に関する法律案を国会に提出されたものと理解しているわけでございます。しかし、私も少しかじるわけでありますが、パスワードでインターネットに入っていきますと、いろいろ検索する会社がありまして、ヤフーとかそれぞれ有名ですけれども、そこに人が勝手に接続したからといって何の犯罪、電気代をただで取られるなという感じはしますけれども、そのほかどういう犯罪になるのかなということが必ずしも明確ではないわけでございますが、まずこの法律案の必要性について、基本的な認識を国家公安委員長にお伺いします。
  4. 野田毅

    ○国務大臣(野田毅君) ただいま松村委員御指摘のとおり、今日は非常に急速なテンポで高度情報通信社会の構築に向けて進んでおるわけでございまして、我が国においても官民挙げてこの高度情報通信社会の構築に取り組んでおるところでございます。  そういう状況下におきましては、その基盤となりますコンピュータネットワーク、これは言うならば社会インフラというべきものでございまして、その社会インフラであるコンピュータネットワークの安全を脅かし、そしてまた信頼を揺るがすような行為、この不正アクセスという行為はまさにそういう行為でございます。したがって、この禁止処罰を内容とする法律を整備するということはまさに喫緊の最重要課題の一つでもあると認識いたしております。  そういう点で、欧米諸国では既にこの不正アクセス行為は犯罪だということになっておるわけでございますが、我が国においてはまだそこまで行っておりませんでした。そういう意味で、今回我が国においても禁止処罰をするということは、我が国における喫緊の課題であるというだけでなくて、国際的なハイテク犯罪対策を推進する上でも必要であるというふうに認識をいたしております。
  5. 松村龍二

    ○松村龍二君 ハイテク犯罪はボーダーレス性、よくテニスの選手とかサッカーの選手とかが携帯のコンピューターを持って海外へ出張して、インターネットで次の日程を知って行動しているというようなことで、犯罪その他においてもまさにボーダーレス化しているということが理解されるわけでありますが、昨年バーミンガム・サミットにおきまして初めてハイテク犯罪を含む国際組織犯罪対策が主要議題とされたとも聞いております。  そこで本年、サミットへ行くまでにこの法案が上がらなかったことは残念でございましたが、サミット参加国間ではハイテク犯罪対策についてどのような議論が行われているのか、警察庁にお伺いします。
  6. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) ハイテク犯罪につきましては、大変大きな国際的な問題になっているという状況にございます。  そういった状況を踏まえまして、ハイテク犯罪対策につきましては、サミット参加国首脳によりまして平成七年六月に設置されました国際組織犯罪上級専門家会議、これを我々はリヨングループと言っておりますが、このリヨングループと、その下部組織であるハイテク犯罪サブグループにおいて具体的なハイテク犯罪対策について現在検討がなされているところでございます。これらの会合におきましては、ただいま委員御指摘のバーミンガム・サミットにおいて与えられましたハイテク犯罪対策に関する課題であります十の原則及び十の行動計画の迅速な実施のための検討が進められている状況にあります。  その中で、具体的にどのような検討事項があるかということでございますが、例えば電子データの取得等のための法的枠組みや、産業界との緊密な協力のあり方等について積極的な議論が現在行われているところでございます。
  7. 松村龍二

    ○松村龍二君 国際的な議論も踏まえハイテク犯罪対策を強化していく必要があると考えますが、最近のハイテク犯罪の発生状況はどうか、また、ハイテク犯罪増加の原因を警察庁はどのように分析しているのか、お伺いします。
  8. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) 最近、ハイテク犯罪が相当急増している状況にございます。具体的な数字を挙げて御説明申し上げたいと思います。  まず、ハイテク犯罪の平成十年の検挙件数は四百十五件でございます。平成九年が二百六十二件でございましたので、一年で五八%も増加しております。また、五年前の平成五年に比較しますと、平成五年が三十二件でございますので、約十三倍の状況にございまして、相当急増しております。  その中で、二つの犯罪類型がございますけれども、まず、電子計算機使用詐欺、電子計算機損壊等業務妨害などのコンピューターや電磁的記録を対象とする犯罪は二百九十九件となっております。平成九年が百七十九件でございますので、六七%の増加となっております。  また、もう一つの類型でございますコンピューターネットワークをその手段として利用したネットワーク利用犯罪につきましては、百十六件発生しておりまして、平成九年の八十三件に比べまして四〇%の増加ということでございます。このように相当急増している状況にございます。  こういったハイテク犯罪増加の原因についてでございますけれども、私どもといたしましては、社会経済活動のあらゆる分野で情報化が進展していることがその最大の要因であろうかと考えておる次第でございます。また、ネットワーク化の進展に伴いまして、不正アクセス行為を手口とする犯罪やネットワークを通じて違法コピーを頒布する著作権法違反事件も発生しており、ハイテク犯罪は多様化、巧妙化する傾向にあるという状況にございます。  今後ともネットワークの拡大、情報化のさらなる進展が予想されるところでございますので、ハイテク犯罪はますます増加、多様化する、こういった状況で懸念される状況にあると考えております。
  9. 松村龍二

    ○松村龍二君 私は昔政府広報というところに携わっていたことがあるんですが、役所の話というのは、何かマクロからとらえて非常に抽象的で、正確は正確なんでしょうがわかりにくい、庶民が聞いてわかりにくい、こういうことをそのころよく指摘されていたわけですが、ただいまの答弁も何か全然わからぬわけです。もう少し具体的にインターネットを使ってどういう犯罪があるのか少し説明していただくとともに、具体的にそのようなハイテク犯罪対策にどのように取り組んでいるのか、お聞かせいただきたいと思います。
  10. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) ハイテク犯罪は最近急激にふえてきたものですから、具体的な内容を説明すると大変わかりにくいという欠点があることは御了解いただきたい、このように思います。  そういった中で、二つの類型があると申し上げましたけれども、以前は例えば文書なり書面で記録をしておりましたが、現在はディスクだとかそういうところに電磁的記録でもって記録する、そういう形になっております。そういった形でその電磁的記録を破壊したり、そういうものを利用して詐欺したりする犯罪が大変ふえてきているということでございます。  ちなみに申し上げますと、例えば一つの例でございますが、電話回線に接続したパソコンを操作いたしまして、銀行のオンラインシステムを介して銀行の預金業務等のオンライン処理に使用する電子計算機に対しまして、実際は振り込み事実がないにもかかわらず振り込んだというふうなデータを打ち込みましてそれを詐欺する、こういった事案があったりするということでございます。  また、もう一つの類型といたしまして、従来は例えば街頭あるいは通信販売で物を売るとか役務を提供するという形で消費者を欺罔しましてその代金をだまし取る、そういう形態もございましたが、そのだます手段がインターネット上で行われる、こういう形に変わってきているということでございます。例えば、パソコンを売りますということでホームページに出しまして、そこに金を振り込みましてもそれが送ってこない、そういう形のものがふえてきている、そういうふうな状況でございます。そういったもののみならず、これから著作権の問題とかいろんな問題がたくさん出てくるのじゃないか、こういうふうに思っておるわけでございます。  そういった状況にあることから、私どもといたしましては、昨年六月にコンピューターネットワークの急速な発展、普及に伴い増加、多様化しているハイテク犯罪に対処するための総合的な施策を立案したわけでございます。体制、法制の整備などを内容とするハイテク犯罪対策重点推進プログラムを公表いたしましてハイテク犯罪対策の推進に現在努めておるところでございます。このプログラムに基づきまして、警察庁におきましては、ハイテク犯罪に対する都道府県警察の活動を技術的に支援する技術対策課を本年四月、情報通信局に設置するとともに、関係省庁と連携しつつ、G8ハイテク犯罪サブグループ等の国際的な検討にも積極的に参加させていただいている状況にございます。現在御審議いただいておりますこの法律案も、このプログラムの中に位置づけられているものでございます。  各都道府県警察におきましても、ハイテク犯罪対策室の設置、専門的知識を有する者の中途採用も含めた専従捜査員の配置や関係企業、団体との連携、広報啓発を行う情報セキュリティーアドバイザーの設置、装備資機材の整備等に取り組んでいるところでございます。  なお、この中におきまして、このハイテク犯罪というのは本当に新しい分野でございますので、委員御指摘のように、国民にわかりやすいような広報啓発活動を進めていくように努力してまいりたいと考えております。
  11. 松村龍二

    ○松村龍二君 郵政省から発行されている解説によりますと、みずから開発したプログラムを使ってインターネットサービスプロバイダーの社員のID、パスワードを探知し、それを用いて会員のID、パスワードを格納したサーバーに侵入し、数千人の会員のパスワードを入手した例とか、パソコン通信上でパスワード探知ソフトを使って他の会員のID、パスワードを探知し、それを盗用してその会員に成り済ました上、電子掲示板等を利用してパソコン部品を販売すると偽って数百万円をだまし取った等、具体的な事例が書いてあります。インターネットを手がけていない方にもわかるような平易な解説、啓蒙をしていただきたいというふうに思います。  次に、ネットワーク上のさまざまな違法行為、不正行為に対しましては、警察による取り締まりも重要ではあろうと思いますが、電気通信事業を監督する郵政省や産業界を指導する立場にある通産省も積極的な対策を講ずる必要があると考えます。  まず、郵政省に対しましては、ネットワーク上の違法有害情報対策、プライバシー保護、こういうようなことも講じていると聞きますが、具体的にどのような施策を講じているのか、お伺いしたいと思います。  続きまして、通産省に対しましては、企業が被害に遭うことがないような活動をどのように講じておられるのか、お伺いしたいと思います。
  12. 天野定功

    ○政府委員(天野定功君) 近年、インターネットのホームページ上で我が国では販売が禁止されております薬物とかあるいはわいせつ情報など違法有害な情報の流通が社会問題になりつつあるわけでありまして、郵政省としましても、健全な高度情報通信社会の実現のためには、このようなネットワークの陰の部分に対しましても適切に対応いたしまして、国民の皆様が安心してネットワークを利用できる環境をつくっていかなきゃならないと考えております。  具体的な取り組みの状況を申し上げますと、インターネットを通じた毒物の売買、あるいはわいせつ情報などの違法有害情報の流通に対しましては、プロバイダー等が加盟します社団法人テレコムサービス協会が、ネットワークの自主規制としましてのガイドラインを昨年策定いたしましたが、そのガイドラインにおきまして、違法有害な情報が発見された場合、プロバイダーが当該情報の発信者への警告、削除あるいは利用停止などの措置をとることなどを規定したものであります。このガイドラインの策定に当たりまして、私どもはその内容の支援、そして特にその周知徹底に努めているところでございます。  さらに、青少年からこうした有害な情報をできるだけ排除する、いわゆるフィルタリングにつきまして、その技術の高度化を図るため、現在横浜市と協力いたしまして研究開発を進めているところでございます。  今後もこのような多角的な観点から検討を進めまして、表現の自由を確保しつつ、利用者が安心して電気通信を利用できる環境の整備に積極的に取り組んでまいる所存でございます。
  13. 林良造

    ○説明員(林良造君) 今、御指摘ございましたように、インターネットは非常にオープンな環境でございます。その結果、情報を改ざんしたりあるいは情報が漏れたりということで、これがネットワークの信頼性を損なうという新たな問題が生じておるわけでございまして、情報通信ネットワークの利用者の自衛措置といいますのは、先生御指摘のとおり、防犯側とあわせまして車の両輪のような非常に重要な位置づけだと思っております。  我々通産省のサイドからいたしますと、利用者が適切な保護を実施できるようにということで、一番最新の情報、どういうふうな不正なアクセスがあるか、あるいはどういう傾向があるか、そういう最新の情報、あるいは具体的な防御の方策、そういうような情報を提供するということ。あるいは最近のアクセスというのは相当技術的に高度なものになってきてございます。そういった意味で、そういうような手口に対応するために、防御のための技術開発といったようなことも、あるいはその普及といったこともさせていただいております。  具体的に申し上げますと、平成二年にコンピューターウイルスにつきまして対策基準をつくりました。そして、今郵政省からも御説明もございましたように、平成八年八月に不正アクセス対策につきましてガイドラインをつくっております。この内容といたしましては、システムユーザー全体としてパスワード、IDの管理でありますとかその事後の対応についてまとめておりますし、あとシステム管理者に対する心得、あるいはネットワークサービス事業者の基準、あるいはハードウエア、ソフトウエアの供給者の基準に分けましてそういうガイドラインをつくっております。  また、IPA、情報処理振興事業協会におきまして、どういう不正アクセスがあったかという届け出を任意でやっていただいておりまして、それに基づいて実態調査あるいはその分析をやっております。そしてさらに、同じIPAにおきまして、どういう侵入があったかということを検知する技術あるいは新しい認証技術のようなものの開発、それからさらには暗号技術開発といったようなことをやっておるところでございます。  さらには、民間で不正アクセスの対応組織がございます。これはJPCERTと呼んでおりまして、世界的にもCERTという緊急レスポンスチームのようなものでございますけれども、その日本版を支援しておるところでございます。  以上、通産省といたしましても、高度情報通信社会の実現には情報通信ネットワークの信頼性の確保が極めて重要であるというふうに考えておりまして、企業を初めとする利用者がさまざまなネットワーク上の脅威に対抗できるように引き続きこれらの施策を推進してまいりたいと考えております。
  14. 松村龍二

    ○松村龍二君 最近、インターネットバンキング等の電子商取引が拡大しているという報道をよく耳に、目にするわけであります。  我が国経済の発展を考える上で電子商取引の普及に努めることは非常に重要なことであると思いますが、他方このような電子商取引はハイテク犯罪の呼び水になることが容易に懸念されるところであります。  そこで、郵政省、通産省に、電子商取引の現状と今後の見通し、電子商取引の安全確保のために必要と考えられる、あるいは推進している施策の具体的内容、ユーザーにとって信頼されて使われるということが大切でありますが、時間もございませんので、安全確保のためにどういう配意をしているかということを中心に簡単にお答えいただきたいと思います。
  15. 天野定功

    ○政府委員(天野定功君) 電子商取引の全世界における市場規模は、これは一九九七年で約二百六十億ドル、日本円にしまして三兆円ぐらい。これが二〇〇三年から二〇〇五年にかけまして一兆ドル、百十五兆円という大変大きな金額が予測されております。我が国におきましても、平成十年におけるインターネットビジネスは関連部門を全部含めますと市場規模は約六兆六千億と言われておりまして、このうち直接国民の皆様方が関与いたします最終消費者市場における市場規模は千六百六十五億円で、昨年と比較しましても約二倍という形で非常に大きく膨らんでおるわけであります。  こういった形で今後ますます電子商取引の発展が拡大するであろうと思われますが、これの安全確保も極めて重要でございまして、郵政省としましても幾つかの取り組みをいたしております。  まず、私どもの平成八年度からの取り組みで次世代インターネットに関する研究開発というものがございますが、この中で認証マーク技術を活用いたしましたホームページの真正性、そのホームページが本人の真正なものであるかを証明する技術の開発。それから、不正アクセスに対しまして、ただいま御審議いただいている法整備のほかに、発信源追跡技術の開発。さらに今後の課題でありますけれども、電子署名が少なくとも手書きの署名や押印と同等の法的な効力を確立するための電子署名、電子認証に関する制度整備などの取り組みなどを今進めておるところでございます。
  16. 林良造

    ○説明員(林良造君) 規模につきましては今郵政省の方から御説明ございましたところでございますけれども、我々も調査をいろいろやっておりまして、九八年で八・七兆円、アメリカは二十一兆円ということでございますからまだまだ少ないところでございますけれども、それが五年後には七十一兆円というようなスピードで進むというふうに調査結果は出ております。ただ、現実にはさらにそれが速いスピードで進んでいっているというのがむしろ実感かと思います。我々といたしまして、そのセキュリティーを確保していくということが非常に電子商取引の発展にも重要だというふうに考えております。  具体的には、その課題は多うございます。電子署名・認証あるいは消費者保護、個人情報保護、セキュリティーといった非常に幅広い課題がございます。それらの課題に関しまして、ユーザーが安心して取引を行える環境を醸成していくということが極めて重要と考えております。現に、欧米のみならず、アジア各国においてもそれらの制度整備が順調に進んでおるところでございます。  認証につきましてもあるいは個人情報保護につきましても、高度情報通信社会推進本部が中心になりまして、プライバシーあるいはセキュリティーマーク等々の制度あるいはその法制の検討といったことを進めておるところでございます。
  17. 松村龍二

    ○松村龍二君 今度の法案は、一口で言いますと他人のパスワードを使ってインターネットにアクセスしてはいかぬということが一つ。それからもう一つは、そのような他人のパスワードを売るような商売をしてはいかぬという二つに尽きる非常に簡単な法案である。しかも、そのような事態が起きたときにどのように対応するか日ごろ教育しておく、また国会への報告を求める、三省庁の緊密な連携をするように求めている法律であるというふうに認識するわけでございます。  この不正アクセス禁止法をどちらの委員会でやるかといったことがかなり長期間もめておりました。しかし、この法案はあくまでも今申しました性格から犯罪をあれすると、こういうものでありますので、私は当地方行政・警察委員会が審議するべき内容であるというふうに思うわけです。  今後ともこの三省庁がしっかり緊密に対応することが必要であろうと思いますが、最後に、国家公安委員長から、より一層のハイテク犯罪対策の推進に向けまして、また本法の施行に向けての決意をお伺いします。
  18. 野田毅

    ○国務大臣(野田毅君) 御指摘のとおり、我が国の経済社会の発展を考える上で、高度情報通信社会の健全な発展が非常に重要なことであると認識をいたしております。その基盤となるコンピューターネットワークにおける安全を確保するためにも、ハイテク犯罪対策の一層の充実強化に努めてまいる所存でございます。  今御指摘ございましたように、本法の施行につきましても、関係省庁との連携を十分に図りながら万全を期してまいりたいと考えております。
  19. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 おはようございます。  民主党・新緑風会の山下八洲夫です。  この不正アクセス行為の禁止等に関する法律案につきましては我が党も賛成でございますので、その立場の上から若干疑問点等をお尋ねさせていただきたいと思います。  同時に、きのうの夜慌てて決まったものですから、その後質問通告をさせていただきましたけれども、質問通告をしてそれから質問の中身に入りましたもので若干スタンスがずれているかわかりませんが、そういうことがございましたら御容赦いただきたいというふうに思います。  今回の情報通信分野におきます技術の発達、それとサービスの多様化、高度化、あるいは我が国を初め世界の国々も社会経済分野におきましてネットワークシステムが急速に進展しておりますことはもう明らかであるわけでございます。しかし、そうした情報通信技術を悪用したハイテク犯罪が急増していることもまた一方では大変な大きな社会問題になっていますのでこの法案が出されたというふうにも理解しております。  犯罪といたしましては、不正侵入やあるいは改ざん、破壊あるいは業務妨害というようなことが多種多様にだんだんと起きてきております。ただいまの答弁の中でもございましたとおりでございます。  政府の資料でも、ハイテク犯罪の検挙状況は、平成五年が三十二件でしたのが、平成十年にはその約十三倍の四百十五件にも及び、大変多くの件数が認められている。検挙されていないのも考えますとこれの二倍、三倍とあるかもわかりません。大変な多くの犯罪が存在しているのではないか、こういうようなことも私自身も率直に受けとめている次第です。  そこで、不正アクセス防止のための法制化は当然必要であるわけですが、また諸外国でもアメリカ、カナダ、ドイツ等々で法制化されておりますし、国によっては罰則も刑法処置がされているところもあるわけでございます。住宅に入る泥棒でも一緒でございますが、みずからがきちっとそういう犯罪に遭わないということをまず行うことが一番大切だと。そのためには、家庭の玄関でもキーの二重ロック、三重ロックをすればそれだけ丈夫になるわけでございますし、そういう意味からいきましてもこのコンピューター世界も全く同じだと思っています。  そうしますと、日常の管理として、例えばこれはワクチンと言った方がいいのかウイルスと言った方がいいのか、そういうものを常に注入しておいて、そしてもう一つは、先ほどもございましたとおり暗号化をどんどん推進していく。相当ガードはかたくなると思うんです。  二つ目は、不正アクセスを行うとコストが高くつきますよ、そういう悪いことをしようとすれば厳罰が来ますよと、罰則もあるわけでございますが、こういう犯罪意識をしっかりと持たせていく、こういう啓蒙活動も大変重要だと思っています。  三つ目は、先ほどもちょっとお話に出たわけでございますが、不正アクセスの発見の向上だと思うんです。警察庁にいたしましても郵政省、通産省にいたしましても、あるいはNTTなんかも相当な専門、プロでございますから、そういうところが一体になりまして、できれば瞬時に発見ができる、そういう技術を、実際、開発を常にやっていらっしゃると思いますけれども、それをより横の連携もしっかりとしていただいて常々行うことが私は一番のセキュリティーになってくるというふうに思います。  そこで、私はそのようなことを考えているわけでございますが、自治大臣とそして郵政省の所見を伺いたいというふうに思う次第でございます。
  20. 野田毅

    ○国務大臣(野田毅君) 高度情報通信社会の構築に向けて、今基本的に問題提起されました三つの角度からの視点というのは非常に大事な視点であると考えております。やはり社会的基盤でありますコンピューターネットワークシステムというものの安全性、そのセキュリティーに対する信頼というものがあって初めてこれは成り立つわけでございます。そういう点で、今御指摘の三つの視点というのは非常に大事な視点だと。  ただ、非常に技術進歩が激しい世界でありますだけに、その技術の態様ということが、当然のことながらそれはシステムを管理する側においても、あるいは犯罪を捜査して摘発をしていくという側においても、場合によってはそれを利用する側の皆さんのある意味では自衛的な発想法ということも当然一つは念頭に置く必要があろうかと思います。  しかし、少なくともこのシステムの信頼を揺るがすような不正アクセスという行為自体、これを放置するということはできませんので、それで今回まずこの点について焦点を絞って御提案を申し上げておるということでございます。
  21. 天野定功

    ○政府委員(天野定功君) コンピューターネットワークが社会活動全般に広く及んでおる今日におきまして、コンピューターネットワークの設置者自身が先生がおっしゃいますようにまずみずから自衛措置を講じていただくことが非常に重要だろうと思っております。この法案の第五条にも、そういう意味で「アクセス管理者による防御措置」ということもうたわれているところでございますが、郵政省もかねてから情報通信ネットワーク安全・信頼性基準というものを設けまして、関係の団体に対しまして自衛の措置をとっていただくよう指導いたしているところでございます。  また、この法案でも予定しておりますように、アクセス管理者がアクセス制御機能といった自衛措置を講じても、それをさらに破って入ってくる悪質な不正行為に対しましては、これはやはり放置しておくのは適当でないということで、今回の法案はそれを処罰をもって禁止することで抑止効果が期待できるということでございます。  それからまた、今後とも、防止技術あるいは不正アクセスの発信源の追跡技術につきましても、関係省庁と一体となりまして取り組んでまいりたいと考えております。     ─────────────
  22. 小山峰男

    ○委員長(小山峰男君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、白浜一良君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君が選任されました。     ─────────────
  23. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 しっかり自衛措置をいたしましても、それでも破ってくる。相当高度な技術がないとそういう芸当はなかなか難しいと思うんですが、率直に申し上げましてそういうことはあり得るということは私も十分承知をいたしております。  ただ、やはり何といっても、先ほど三点挙げさせていただいたわけでございますが、まず自衛措置をそれこそ自分では強固過ぎるぐらい強固にしていく、この姿勢がまず基本にないと、この法律案も、法律ができたからこの法律におんぶにだっこして、自衛措置も、玄関のキーは二個つけた方が丈夫なんだけれども一個でいいわと、こうなったら逆の効果になってくるわけでございますので、ぜひその辺についての啓蒙活動もよろしくお願いしたいなというふうに思う次第でございます。  次へ移っていきたいと思いますが、私はこの問題、憲法二十一条二項といった方がいいと思いますが、憲法二十一条の二項について若干伺いたいなと思うんです。これはもう御案内のとおり、「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」。プロバイダーが結局サーバーとかあるいはハードディスクとかそういうところへ通信を蓄積いたしますから、プロバイダーは見ることができるんですね。それから、よく郵政省と警察庁が議論になりました通信ログ、これも同じですね。  そうしますと、ひょっとしたら通信の秘密を知ろうと思ったら知り得るんですから、一つ間違うと二十一条に違反するのではないか、あるいはそれに抵触するような気もするわけでございますが、それについて警察と郵政省はどのようにお考えなのか、御所見をいただきたいと思います。
  24. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) 委員御指摘のとおり、いわゆるインターネットの世界におきましては個人情報あるいはプライバシー、企業の情報等がございまして、そういったものについては守っていかなければならない、こういうふうに思っております。通信ログにつきましてもそういった意味で大変重要なものだと考えております。  ただ、その場合におきましても、プロバイダー等におきまして課金を行う、あるいはいろいろなトラブルが発生する、不正アクセスが行われることがある、その場合にそれを発見して防止措置を講じなければならない、そういうふうな義務もまたあるわけでございます。  そういった観点で、そういう業務上の必要な観点から通信のログを保存するということ、しかもそれが業務の範囲内で相当性の範囲内であるのであるならば、それは通信の秘密、これを侵すことにはならないんじゃないかということと考えております。  ただ、そういったいろいろな議論があるということを踏まえてこういったものについては取り扱っていかなければいけないんじゃないか、こういうふうに基本的に私どもは考えておるわけでございます。  現に、プロバイダーの皆さん方におかれましては、そういった憲法なり通信の秘密の問題とかいろんなことを総合的に理解していただきまして妥当な判断が行われるように私どもとしては期待してまいりたい、またそういうふうに現在行われているのではないか、そういう期待を持っておるところでございます。
  25. 天野定功

    ○政府委員(天野定功君) 郵政省の考え方も、ただいまの警察御当局からの答弁と基本的に同じでございまして、先生おっしゃいますプロバイダーが取り扱う通信ログは、通信の内容そのものではございませんけれども、通信日時とかあるいは通信の相手方に関するもろもろの情報でございまして、こういったものは基本的には通信の秘密に属するものございますけれども、プロバイダーが通信事業を遂行するに当たりまして、料金計算とか明細書の発行あるいは料金等に関する利用者からの苦情、問い合わせなどに対応するため、さらには自己の管理する情報あるいはシステムの安全性の確保のためにも必要な情報でございます。  こういった観点から、業務に必要かつ相当な範囲で通信ログを記録したり保存することは刑法のいわゆる正当業務行為として違法性が阻却されるというふうに解しておるところでございます。
  26. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 次に、侵入に対します処罰対象についてお聞かせいただきたいなと思うわけです。  日本弁護士連合会もこの法案への意見書の中で、問題点の一つとして、本来すべき法整備をせずに前段階の行為だけを罰しようとしている、こういう指摘がされているわけです。法案を見ますと割と狭いんですけれども、何か日弁連ではかなり処罰対象が広いというような意見書を出されているわけです。その結果としての処罰対象の実例がおもしろおかしく新聞に、ちょっと古いんですが出ているわけでございます。  これまで純粋に善意から行ってきた行為も、懲役刑を伴う犯罪になってしまうかもしれないんですよと。これは呼びかけ人でもございます弁護士の牧野二郎さんが懸念をしているわけです。ネットの健全な発展や安全確保のため不正アクセスを禁止、処罰する法制度の整備が急務、これは小渕総理がそういう政府答弁をされたわけでございますが、そういうことは当然だ、何らかの対策をしないといけないということも当然だが、実際に誕生したこの法律には疑問があると言って疑問を投げかけております。  今回の法案は、侵入した目的や動機、または侵入した結果相手に与えた損害の内容にかかわらず、権限なくアクセスしたこと自体が処罰の対象となり得る大きな特徴がある、ここが一つです。  それから、同じく善意の警告問題です。ネット技術にたけた学生などの間では、安全対策の甘い企業や大学などのシステムにわざと侵入した後、当該の企業などに防壁の抜け穴について警告するメールを証拠つきで送ることがあると。一見奇妙な行為ですが、これはインターネットがまだ少数の人々の自主的なネットだった古きよき時代の名残だと。同法案が成立すれば、こうした前途有望な青年たちが突然犯罪者になって捕まってしまう、これが二つ目です。  三つ目にGUESTを指摘したのがあるんです。いろいろホームページを見ていたら、会員専用というページがあった。IDとパスワードを打ち込まなければ先へは進めないわけですが、しかしそうしたサービスは入会希望者に対してお試し利用ができる仕組みがたくさんあると。典型的な例がID、パスワードともGUESTと打ち込めば一定期間あるいは一部だけサービスの利用ができる、こういうやり方。試しに打ち込んだら侵入できちゃった。ちょっとしたのぞき見もこの法案では不正アクセスになってしまうのである、そういう懸念がある。見るだけなら本来は犯罪性はないはずだ、またプライバシー情報やデジタルデータの保護などを法律で先に定めるべきではないか、これを後回しにするのはおかしいんじゃないかと。  こういう今申し上げたような事例はこの法律では違法になるんでしょうか、ならないんでしょうか。警察庁、お願い申し上げたいと思います。
  27. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) 三点について御指摘がございました。  その前提といたしまして、この法律の考え方について若干御説明させていただきたいと思いますけれども、まずこの法律の基本的な考え方についてでございますが、コンピューターをネットワークに接続して行われる社会経済活動の安全確保は、一般にその利用権者を識別符号により識別し、識別符号が入力された場合にのみコンピューターの利用を認めるというアクセス制御機能により実現されている、こういうことでございます。  不正アクセス行為は、アクセス管理者が識別符号の入力を電気通信回線を通じて行うコンピューターの利用の条件としているにもかかわらず、他人の識別符号を無断で入力するなどしてこのアクセス制御機能を侵害する、こういう行為だと思っております。この不正アクセス行為は、アクセス制御機能に対する社会的信頼を失わせまして高度情報通信社会の健全な発展を阻害するものである、こういうふうに考えます。そういった意味で、不正アクセス行為自体に禁止、処罰の必要性が認められる、こういう考え方でございます。  したがいまして、先ほどの第一点の問題点につきましては、この行為自体が処罰、禁止の対象だということでもって御理解いただければと、このように思う次第でございます。  それから、次の二点目の善意の警告という観点についてでございますが、この部分につきましては、アクセス管理者に対しましてそういった問題点があるということを指摘するのであるならば、アクセス管理者に通告いたしましてその了解のもとにそれをやるというのが通常の健全な方々の発想ではないかな、こういうふうな感じがいたします。そういったことを考えまして、この法律案におきましてはアクセス管理者の承諾を得てそのような行為をした場合には禁止、処罰の対象外となっておるということでございます。  いずれにいたしましても、アクセス管理者に無断でそのような行為を行うことをセキュリティーの向上に資するからだということで許容するというものは、現在のこういった高度情報通信社会において妥当であろうかどうかという点についてちょっと疑念を呈してみたい、このように思う次第でございます。  それから、第三点目のGUESTという指摘がございました。  ちょっと詳細にわたって申し上げますが、よろしいでしょうか。
  28. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 はい。
  29. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) このGUESTの問題につきましては、コンピューターによりましてはID、パスワードにGUEST等を入力すれば利用が可能となるような初期設定をしているものがございます。また、ホームページ等を設ける方々におきましてはGUESTという入力をすればホームページ等を閲覧したり利用することができるような状況になっております。  この場合にはアクセス管理者がそのような行為をすることを認めるということでございますので、これは、アクセス制御機能をアクセス管理者が設置しているわけでございますが、利用の制限をしていないという状況じゃないかと考えております。そういった意味で、その範囲内におきましては不正アクセス行為に該当しない、こういうふうに考えておるわけでございます。  いずれにいたしましても、私どもといたしましては、これから高度情報通信社会になりますと、極めて安全性というものを確保することが重要になろうかと思いますので、そういった観点を踏まえながら現段階では必要最小限度規制を行っているところでございますので、そういった点については御理解いただきたいと思います。
  30. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 今の答弁をお聞きしていまして、率直に申し上げまして私は必要最小限がやはり広過ぎるなという感想を持ちました。特に、企業や大学へそのシステムへ通告しないで侵入をして、そして警告メールを証拠つきで送るというのは身元を明らかにするということですね。明らかにするのも今の御答弁ではこれは違法だよという可能性があると、ちょっと微妙な言い回しでございましたが。  そうやってみますと、せっかくこれからコンピューター時代でどんどん若いいい人を育てていこうと、育つ過程で、それこそ途中で捕まっちゃった、そのうち戸籍が汚れてきちゃったということになると大変なことになりますので、もうきょうは時間がありませんので議論はいたしませんが、その辺についてはもう少し慎重に前向きに検討をしていただきたいというふうに私は思う次第でございます。  余り時間がございませんのでちょっと飛ばしまして、通信ログの保存義務の問題について若干また意見やらお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。  今回の法案では通信ログの保存に関する規定がないわけでございます。ログの保存については、郵政省とそれから警察庁のやりとりは十分私も承知をしています。ログ自体が利用者の利用日時、通信相手方等の情報であり、その取り扱いは先ほどもお話がございましたとおり非常に慎重に行うべきで、通信の秘密やプライバシーを最大限に尊重しなくてはいけない。当然のことであると思います。  平成十年五月のバーミンガム・サミットにおける合意に基づいて、日本においてもハイテク犯罪に対しまして国際的に協調して対処するための法制度が今こうやって審議されているわけでございます。そして、ことしの七月に開かれましたケルン・サミットで本当は報告することだったんでしょうけれども、ちょっと政治のおもちゃになったのか、いよいよこの会期末に、いまだに上がっていなくて審議をしているわけでございます。  いずれにいたしましても、先進国と足並みをそろえなければならないということでもありますし、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、さっきもちょっと触れましたけれども、そういうところではログの保存が義務づけられていないんです。まして、犯罪捜査のための保存を規定している国も私はないと承知をしているわけでございます。  そこで、警察庁は不正アクセス対策法制の基本的な考え方の中で、ログの三カ月間保存を義務づけるようかなり郵政省と議論をなさったわけでございますが、なぜ三カ月の保存が必要かとあれほど議論なさったのか。また、逆に言いますと、先進国なんかそういうことは規定していない、義務づけていないわけでございますから、通信の秘密その他の関係かもわかりませんが、郵政省の方は保存する必要はない、そういう考え方であったわけです。  特に、そういう中で、警察庁としては今後もある程度保存の義務づけを果たしていく考えをお持ちなのか。いや、もう保存の義務づけは果たさないよというようなお考えなのか。その辺について郵政省と警察庁の御答弁をいただけば時間が終わりますので、終わりたいと思います。
  31. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) ログについての御指摘がございましたので、若干御説明させていただきたいと思います。  コンピューターの利用記録でありますログは、不正アクセス行為をされた者がこれを発見するための手がかりであるということでございます。また、そういった観点で、現在も多くの企業やプロバイダーが不正アクセスの発見防止に資するログを記録、保存している状況でございます。そういった意味でのログの有効性についてを含めまして郵政省さんといろいろ議論させていただいたわけでございます。  そういった意味でのログの有用性については考え方は同じだと思いますが、ただその中で、ログの記録、保存を義務づけすることにつきましては、個々の事業者の業務上の必要性、事業者の負担、国際動向の観点から議論し、先生御指摘のとおり、国際的な動向が流動的である、そういう状況を踏まえましてこれを今回の法律案に盛り込むことは見送ったということでございます。ただ、法制化につきましては、今後引き続きそういった国際動向を見きわめながら検討してまいりたい、こういうスタンスでございます。  ただ、もう一点だけ若干御説明させていただきたい点がございます。  私どもがログの記録、保存を検討したのは、あくまで不正アクセスされたことを発見するためという目的のためでございまして、直接捜査のためにそれをやるということではございません。その場合に、保存されているログが捜査のために資するかどうかという観点であれば、当然資すると考えているということです。しかし、それは別の視点でございますので、そこは御理解いただきたい、このように思う次第でございます。
  32. 天野定功

    ○政府委員(天野定功君) 郵政省は、通信法制を所管しておりますので、通信ログの保存につきましては慎重に扱う立場をとっております。  その立場に立ちまして、ログの保存の義務づけにつきましては、ただいま警察庁から答弁がございましたように、ログの保存の実態あるいは捜査の必要性と通信の秘密との関係、プライバシー保護への配慮あるいは事業者の負担、国際動向など、さまざまな観点から議論してまいりました。  結論としましては、ただいまの警察庁の答弁のとおり、今後の国際動向を見きわめつつ、さらに引き続き検討するといたしたところでございます。
  33. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 まだ一分三十秒ございますので、ちょっと今の御答弁に、特に警察庁の方ですが、私なりの意見を申し上げたいと思います。  ちょっとこの新聞も古いんですけれども、新聞にこういう記事があるんです。  「兵庫県に住むネットワーク管理者は四年前、自分で会員制の電子掲示板を運営していた。ある会員によってわいせつな画像のファイルが張り付けられた。それを知りながら、ファイルを削除しなかったとして、この管理者はわいせつ物公然陳列容疑で逮捕された。 そのときパソコンなど一式が警察に差し押さえられた。犯罪とは直接関係ない二千六百人分のログなど、個人情報も含まれていたという。」と。そこまで差し押さえされているんです。  ですから、必要最小限というのが大変重要になってくるのでございまして、ログをぽっと持っていけばもうみんな入っているんですから、大変な量が入るわけでございます。そうすると、通信の秘密に抵触しますし、場合によれば先ほど申し上げました憲法二十一条にも抵触いたしますので、国際的な動向を勘案しながらといっても相当に慎重にやっていただきたいと思います。  同時に、差し押さえするのは本当の意味での必要最小限にしていただきたいということを強く要望いたしまして、終わらせていただきたいと思います。
  34. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。  時間が余りありませんので、何点かに絞ってお話を聞かせていただきたいと思います。  先ほどサミットの話がございましたけれども、この不正アクセス、とにかくサミットで約束しましたということで、早くやれ早くやれと、そういう形で警察の皆さんがずっと一生懸命やっておられたんです。ケルン・サミットは終わりましたけれども、サミットではどんな報告をしたんですか。今出しております、衆議院でやってもらっています、そんなところだけでサミット参加諸国は結構ですと、そういう話なんですか。
  35. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) ただいま委員御指摘のとおり、ケルン・サミットにおきましては、ハイテク犯罪を含む国際組織犯罪対策につきましては直接の議題とならなかったもの、こういうふうに私ども承知しておりますけれども、この行動計画の進捗状況につきましては、サミットの負託を受けました公式の政府間会合を通じて報告を行っているところでございます。  具体的に申し上げますと、本年五月、パリで開催されましたサミットの下部組織であるハイテク犯罪サブグループにおいて、この法律案が国会に提出されたということを報告しております。また、その内容がサミット首脳に対する報告となっている、こういうふうに理解しております。  こういった内容を踏まえまして、サミットの声明におきまして、我々は両専門家グループに対して来年改めて報告を行うよう要請する、こういうふうに示されているわけでございます。この両専門家グループと申しますのは、国際組織犯罪とテロリズムに関するそれぞれの上級専門家会議を指しております。  また、この声明におきましては、ただいまのこととあわせまして、犯罪に関する閣僚級会議がことしの秋にもモスクワにおいて開催されることを歓迎する、こういったことも述べられているわけでございます。ハイテク犯罪対策は、ことし秋、モスクワで行われるG8、司法・内務閣僚級会合では議題とされるものと見込んでおるところでございます。  そういった意味で、この問題につきましては、我が国の現状というものを報告いたしまして、国際的な協力に支障がないように私どもは考えております。また、モスクワにおきましても、そういった意味で私どもの考え方をよく説明してまいりたいと考えております。
  36. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 わかりました。事前の警察の御説明では、あたかも日切れ法案のような言いぶりでこられたものですから、それほど考えなくてもよかったということですね。  それで、この法律の今回の制定の必要性なんでございますが、もう先行の委員が聞かれておりますが、どうしてもちょっとわからない。不正アクセス、アクセス行為自体を禁じようということでございますが、取り締まりがねらいじゃなくて抑止効果をねらっているんだと。抑止効果というのは、刑罰法規は当たり前の話で、人の物をとれば十年以下の懲役になるわけで、それで窃盗がなくなっているかというとそんなことはないわけです。  また、無断使用というのは悪いことなんだ、そういうためにこの法律があるんだと。でも、それはある意味ではモラルの問題だなというふうに思うわけで、先ほどもございましたけれども、本来この目的とする禁じなきゃいけない犯罪的行為、害を及ぼす行為、その未遂罪のさらにその手前で押さえ込もうということなんですが、どうもその辺も踏まえてこの必要性というのがまだ釈然としないというのが私の思いなんですが、もう少しわかりやすくというか、腑に落ちるように説明をお願いできますか。
  37. 野田毅

    ○国務大臣(野田毅君) 先ほど局長の方から、山下委員にでしたか、御答弁申し上げたと思うんですが、今日これだけ高度情報通信社会発達してまいりまして、その中でコンピュータネットワークシステムの信頼性、安全性ということが大前提になるわけです。その大前提である問題について何によって安全の確保がなされているかということからいえば、少なくともアクセス制御機能が有効に働いているということが大前提になるわけです。したがって、不正アクセスということはまさにアクセス制御機能に攻撃をしかける、つまりコンピュータネットワークシステムに対する信頼性を揺るがすことになっていくわけで、そのこと自体が放置できない行為なんです。  したがって、何らかの犯罪の予備的な手当てということではなくて、何らかの予備罪ということではなくて、不正アクセス行為自体を禁止処罰をするということでなければ、コンピュータネットワーク社会に対する信頼性、安全性、セキュリティーというものは確保できない。こういう角度から提案を申し上げているというふうに私は理解をいたしておりますし、そういうことがあるから、諸外国においても既に犯罪行為として処罰の対象としているということになっておると理解をいたしております。  そういう意味で、コンピュータネットワーク社会が構築されてきておりますので、そういうハイテク犯罪に対しては国境を越えた国際的な協力体制ということも必要になっていく。そういう意味で、サミット等々国際会議においてもその重要性が指摘されて、早く構築すべきであるということを要請されているというふうに理解をいたしております。
  38. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 今の御説明によりますと、犯罪に対する処罰というのは、守る法益、刑事法だと個人的法益に対する罪とか社会的法益、国家的法益。そうすると、今の公安委員長の説明は社会的な法益に対する罪になっていくのかなと。かつ社会秩序ネットワーク上の秩序を乱す危険性がある。そうすると危険犯なのかなというふうな思いになってくるわけです。  これは引き出しをあけただけで何で処罰されるんだという議論もあれば、いや、そうじゃないよと。スピード違反だと。ルールをきちっとやっていて、スピード違反だから、スピード違反それ自体では別に具体的な法益を侵害していないとしても、その侵害の可能性はある。大きな人身事故にも発展しかねないというところがあるわけですが、スピード違反の場合は、事故が発生すればそれはそれできちっと業過致死でいくわけですね。この場合はその先がないわけです、不正アクセスの場合は。ない部分もある。  だから、今電磁記録云々とか、六二年の刑法改正に基づいて若干はできておりますけれども、まだ手当てされていない部分がいっぱいあるわけです。その方から先にきちっとやるべきじゃないかというふうに思うんですが、その点についていかがですか、もう一度。局長でも結構です。
  39. 小林奉文

    政府委員(小林奉文君) この法案の立法の趣旨につきましては、ただいま大臣から説明があったとおりでございます。  それに対しましての質問でございますけれども、私どもといたしましては、アクセス制御機能に対する信頼というものが今後の高度情報通信社会における基本的なものだということだと思っています。そういった法益を侵害する行為が不正アクセス行為だということで、その行為自体に法益侵害性がある、こう考えておるわけでございます。  もう一つ、先生御指摘のように、では不正アクセスをした後にいろいろな犯罪行為が行われるじゃないか、こういうことがありまして、その場合、まだ現在、犯罪行為とされていないけれども社会的に相当でない行為がある、それについて罰すべきじゃないか、こういうふうなことだと思います。  その場合に、そういったことについて検討する必要があるということは御指摘のとおりだと思います。ただ、今回御提案申し上げて審議していただいておりますこの法律案につきましては、不正アクセス行為が一つの社会的実態として、一つの大きな固まりとしてある。その不正アクセス行為を防ぐためには、例えば不正アクセス行為禁止処罰するということとともに、先ほどのいろいろな議論がございましたけれども、まさにアクセス管理者が防御措置を講ずる、あるいはそれに対しまして行政、国等が援助をする、いろいろな措置があって総合的な対策が必要だということで一つの法律にまとめたわけでございます。  したがいまして、先ほど言ったようなものにつきまして否定しているわけではございませんで、また別途それを検討する必要がある、こういう認識でこの法律を提案させていただいているということを御理解いただきたいと思います。
  40. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 それに関連してログの問題をお伺いしたいんですが、ログの保管あるいはそれに基づいての捜査等につきましては、私は、国際的動向につきましてログの保存自体が許されない方向でいくんだろうというふうに思うんです。先ほど御答弁の中にあったように、プロバイダー自体においても課金等について業務上必要だから、その範囲内で違法性が阻却されるというお話もございました。だから恐らく、これ自体はもちろん憲法上の人権の問題もございますので、許されない方向になるんだろうな、それでログの保存については削除された形で政府提案になっていると思います。  そうしますと、では捜査はどういうふうに具体的にやっていくのかと当然なるわけでございます。  一つは、課金業務に必要なこの期間でさえログは保存されるわけでございますが、高度なクラッカーにとってはログ自体を消去、改ざんするというようなこともできるわけでございまして、そういう場合はどのような形で捜査をしていくのか。  ログの捜査以外の捜査はどのようなものがあるのか、これが二点目です。要するに、消去、改ざんに対する対応はどうするのか、それからログのデータ鑑定以外の捜査方法はどのようなものが考えられるのか。  それから、クラッカーはコンピューターを使っているわけでありますが、いろんなネット上の捜査以外に、周辺事実を重ねていってこれが犯人かなというふうになっていくんだろうと思うんです。そうすると、犯人自体がコンピューターを使っているわけであります。そのコンピューターに入り込めば一番わかりやすいんだろうと思うんです、せっかく警察においてもサイバーポリスをつくっているわけですから。  ただ、クラッカーのコンピューターというのは恐らくアクセス制御機能があるんじゃないのかというように思っていまして、そうすると、勝手に入っていくとサイバーポリスがクラッカーになっていくという恐ろしいパターンになるわけです。その場合でも、捜索令状みたいなものがきちっとあって行けばまたちょっと違うのかなと思いますが、その辺はどのように考えておられますか。  この三点、まとめてお願いします。
  41. 小林奉文

    政府委員(小林奉文君) まず、不正アクセスの具体的な捜査方法について御説明申し上げたいと思いますけれども、不正アクセスの捜査方法というものは、不正アクセス行為を受けたアクセス管理者の届け出によって捜査が開始されるということでございます。  その場合に、大きく分けますと二つの捜査方法があるのではないかと考えております。まず第一が、ID、パスワードの漏えいルート、流出したデータの流出元等、現実社会における犯人との接点、こういったものの捜査があろうかと思います。またもう一つは、コンピューターの利用記録、いわゆるログでございますが、このログからアクセス元のコンピューターを探り出していく、こういう方法が二つあろうかと思うわけでございます。  そういった観点で、クラッカー等につきましてはログを容易に消してしまうのではないか、そういう状況のときどう対応するのかということでございますが、いわゆる不正アクセスした対象のコンピューターにおきましていろいろな場所にログが保存される状況になっております。そうしますと、そのログをすべて消去するためには管理者権限をとってやらなきゃいけませんので、すべてを消し去ることは大変難しいということでございます。そういった意味で、すべてを消し去ることはないのではないか、私どもは、そういった形のもので捜査を進めていけるのではないか、こういうふうに期待しております。  ただ、それが現実でできるのかと言われると大変困難なものが伴おうかと思いますけれども、それを克服していくのが私ども捜査の立場の責務だ、こういうように思っている次第でございます。  それから三点目につきまして、クラッカーのコンピューターにアクセスしてやっていったらどうかという話がございましたが、委員御指摘のとおり、それは私どもの捜査の範囲を超えたものだと思います。少なくとも、刑事訴訟法の権限に基づいてそれをやらなきゃいけないということでございます。  ただ、具体的な事件の捜査として考えた場合に申し上げておかなきゃいけないのは、クラッカーのコンピューターがそこであるということが特定できるのであるならば捜査はスムーズに進むのではないか、こういうふうなことが感ぜられるということでございます。そういった意味で、わざわざそこまで入っていく必要はそれほどないのかなという感じもする、しかしそれは現実のケース・バイ・ケースでございますのでにわかに断定しがたい、そういうふうな感じを持っているわけでございます。  なお、一点だけ追加させていただきたいと思うんですけれども、先ほどのログについてでございます。私どもといたしましては、不正アクセスされたということを発見するために必要であろうということで、いろいろ先生御指摘の問題点はあろうかと思いますけれども、それにつきましては国際動向を見きわめつつ検討してまいりたい、こういうことで御理解いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
  42. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 六条に、いろんな援助を行う、そのための必要な事例分析を外部のものに委託できるというふうにありますが、この委託先の概要といいますか、どういうことを想定されておられるのか。また、ある一定な塊を持ってやっていけばこれはもしかしたら天下り先を準備される条文なのかな、そんなような疑念も生じ得るわけでございまして、ちょっと御説明いただけますか。
  43. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) この法律に基づきます委託先についてでございますが、特定の法人あるいは個人を現在予定しているわけではございません。あくまで、不正アクセス行為の方法、原因等に関する調査研究について能力を有しておりまして事例分析の実施に関する事務を適正かつ確実に行うことのできる体制、例えば設備とか予算が整っているとか、そういったことを有すると認められる法人や個人を各都道府県公安委員会が選定するということでございます。  したがいまして、委託先として、この法律ができたからといって法人を新たに設立することは考えていないということでございます。  そういった意味で、委員御指摘の委託先が云々ということにつきましては、私どもは毛頭そのような意図がないということだけは了解していただきたい、このように思う次第でございます。
  44. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 それから、今度ID屋さんに対する処罰規定が設けられましたけれども、ID屋さんというのはかなり社会に対して大きな影響を与えるといいますか、不正アクセスした人間よりももっと悪影響を及ぼすんじゃないのか。そうすると、これは罰金だけですからちょっとバランスを失するのではないかということ。  あと、今アドレス屋さんというのもあるんですね。メールアドレスは確かに名刺の中にも書いてあるわけではありますが、これが一覧表みたいな形になってかなり社会生活上変な事案がいっぱい出てきているわけでございまして、この辺の対処方についてはどのようにお考えなのかを伺って、終わります。
  45. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) まず第一点の、不正アクセス行為を助長する行為の禁止を第四条で規定しておりますが、これはある意味で先生御指摘のとおり大変問題の行為だと思っております。  ただ、現在の法体系からいたしますと現実に行った本犯よりもそれが重いというのは若干問題があるのではないかということで、いろいろな検討の結果このようになったということでございますので、御理解いただきたいと思います。  次に、メールアドレス等の売買が予想されるけれどもそれにどう対応するのかという点でございますが、これにつきましては一般的にそういった行為を処罰する法律は現段階ではないというふうに考えております。ただ、そうはいいましても、いわゆる個人情報等をそういう形で流すということは大変問題だと思います。  私どもといたしましては、そういった情報等が入手される際に不正アクセス行為というのが通常伴うのではないかという形で考えられる場合があろうかと思います。そういったことを踏まえまして、その行為については、極めて悪質な行為でございますので徹底的にそういった面から捜査をしてまいりたいと考えております。  なお、その観点でございますけれども、民間部門を対象とした個人情報保護のあり方につきましては政府として法整備を含めたシステムを整えるため総合的な検討を進めている、こういうふうなことにあるということを私どもは承知しておるということでございます。
  46. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 終わります。
  47. 八田ひろ子

    ○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。  インターネットの利用者が一千七百万人を超えたということで、それに伴ってコンピューターネットワークの信頼性をいかに確保するか、きょうもその論議が委員の皆さんからも出まして、コンピューターネットワークの信頼性の確保という点からいえば、私どもも不正アクセスの禁止、防止というのは非常に重大で、法制化が必要だというふうに考えます。  それだけでなく、きのういただきました資料のバーミンガム・サミット・コミュニケのところでも、これの前提となる、一番最初に必ず出てくるのが「適切なプライバシーの保護を維持しつつ、」と。  きのうの住基台帳の改正の論議でもそれが大きな話題になっているんですが、個人情報の保護と、それから不正アクセスから守るということで、実際に不正にアクセスをするということなんですが、その規定というんですか、何を守るのか、事業者の責任を明らかにし、明文化、法制化をすることが必要だと、三点セットで必要だというふうに思うんですけれども、実際にこの法文の中ではそういうふうなことにはなっていないと思うんですけれども、それはどうしてなんでしょうか。
  48. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) この法律案で評価しております不正アクセス行為についてでございますが、この不正アクセス行為はアクセス制御機能に対する社会的信頼を失わせ、高度情報通信社会の健全な発展を阻害するものであると、こういう観点で、それ自体に禁止、処罰の必要性があるというふうに考えておるわけでございます。  この場合に、不正アクセス行為を防止するためには、今、委員御指摘のとおり、いろいろなアクセス管理者の対応だとか防御措置、こういったものとか国の援助とか、いろんなことが総合的になされて初めて不正アクセス対策として一つの大きな固まりとして成り立っていくんではないかと、そういう観点でこの法律を書かせていただいたということでございまして、ほかの部分を全く無視して書いたということではございません。一つの法律の固まりとして評価したということであります。  その場合に、不正アクセス行為によって他人の管理するコンピューターに侵入して個人情報をとる、あるいは個人情報が流出する、そういうことについての懸念は当然あろうかと思います。その部分につきましては、私どもはそういった行為が行われる際に、不正アクセス行為が伴えば当然そういった観点で厳しく対処してまいりたいと思っておるわけでございます。この不正アクセス行為の禁止、処罰は、先ほど御説明させていただきましたように、アクセス制御機能に対する社会的信頼を確保するものでございまして、個人情報の保護をこの法律の目的としていないという、そういうところでございます。  ただ、そうは言いましても、この不正アクセス行為が行われることによって情報が流出されるケースを考えてみた場合に、不正アクセス行為を禁止、処罰することによって個人情報の流出が防げる、そういった意味で個人情報の保護に資する、こういうふうに考えております。また、個人情報の保護についてはこの不正アクセスとは別に当然検討を加えられなければならない、こういうように考えております。  そういった観点で、民間部門も対象とした個人情報保護のあり方について、政府全体として総合的に検討し、法整備を含めたシステムを速やかに整えていくこととしている、こういうふうに私ども理解しておりまして、私どもといたしましてもそういう観点で参加してまいりたい、こういうふうに思っております。
  49. 八田ひろ子

    ○八田ひろ子君 先ほど来、犯罪の予備罪ではないとか、そういうお答えはいただいているんですが、前の委員も聞かれたんですけれども、それじゃその法益ということはどうなのかということになるんですね。  日弁連の意見書の中でも、「いわゆるハッキングを、それのみで処罰の対象とする法制は、米国でもサウスカロライナ州を除いては見当たらない。」とか、国際的な問題というのをさっきからもおっしゃっているんですけれども、そういうのではどうなのかというのが実際にあるわけですね。また、不正アクセスといっても、これだけたくさんの人が利用をし、しかもこれからももっと広範な利用になっていくというときにはどうなのか。  それと、犯罪の予備罪でないというふうにおっしゃっても、そういう質問が出てくるというのは、旧案では犯罪の予防ということで明らかに何か予備罪と読めるようなのがあるわけですね。そういった意味ではどうなのか。  それから、過失犯は処罰しないというのが明文上はないんですけれども、過ってたまたま入ってしまったとか、それから誤作動で入ってしまったとかいろいろありますね。そういうことはあり得ると思うんですけれども、これは明文化はなかなか難しいということなんでしょうか。  以上の三点です。
  50. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) まず、保護法益の観点からの御質問がございましたけれども、この点につきましては、繰り返しになりますけれども若干御説明させていただきたいと思いますけれども、不正アクセス行為によりましてアクセス制御機能が侵害されますと、アクセス制御機能による利用者の識別に対する信頼が害されるということになろうかと思います。  その結果、犯罪に及んだとしても追及を免れるのではないかとの期待を生んで犯罪に対する抑止力が失われまして、これを助長するおそれが生じるということでございます。
  51. 八田ひろ子

    ○八田ひろ子君 予防という意味ですね。
  52. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) 犯罪の防止と。それとともに、ネットワークを無秩序な状態にして、安心してネットワークを利用できないという事態を招いてネットワーク同士の接続が抑制されて、ひいては高度情報通信社会の健全な発展が害されるおそれが生ずることになるということでございます。そういった危険が生ずることを防止するために不正アクセス行為を禁止、処罰するものでございます。  したがいまして、このような考え方に基づきますれば、一言で申し上げれば、アクセス制御機能に対する社会的信頼を侵害するものとして不正アクセス行為を禁止、処罰するということでございます。  なお、犯罪の防止ということでございますが、現在の法律案におきましても、第一条の「目的」におきまして、「電気通信回線を通じて行われる電子計算機に係る犯罪の防止」ということが目的の中で掲げられておるわけでございます。私どもは、ハイテク犯罪を防止するために、この不正アクセスを禁止、処罰することが必要だというふうに考えておる次第でございます。  次に、過失犯の問題についての御質問がございましたけれども、過失犯につきましては、この法律では過失犯を罰する規定がございませんので、過失犯については処罰の対象とならないということでございます。例示に挙げられました、たまたまそういうところに当たってしまったということにつきましては、不正アクセス行為として処罰されないということでございます。
  53. 八田ひろ子

    ○八田ひろ子君 たまたま当たったというのと、たまたま当てようと思ったというのはなかなか難しいというのが実際にはあるものですから。  時間もありませんので、次に捜査のことを伺います。この日弁連の意見書を見ますと、警察の捜査というのは、従来から、「軽微な「犯罪」を被疑事実として捜索差押許可状を取得したうえ、当該事件との関連性のない資料を多数押収するなどの警察権の濫用が」「指摘されているところであり、本法制についても」「危惧も禁じ得ない」というような意見書が出ております。  捜査に当たって、プロバイダーの問題で言いますと、プロバイダーが捜査当局の求めに応じて令状がないのに通信記録、ログを見せるということは絶対にそういうことはされないというふうに確認をさせていただいていいでしょうか。
  54. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) 不正アクセス行為を捜査する場合にいろいろなことを私どもとして行うわけでございますが、その捜査はあくまで刑事訴訟法の規定にのっとってやるということでございます。したがいまして、証拠物あるいは押収すべきもの、こういったものについて捜査の対象となるものでございまして、そういった犯罪と明らかに関係ないものについてそのような対象とならない、こういうふうに考えておるわけでございます。  具体的な捜査の過程でどういうふうな形になるかということでございますが、例えば不正アクセス行為の捜査は、通常のケースで言いますれば、被害を受けたアクセス管理者の被害申告によって捜査が開始されるというのが通常でございます。その場合に、不正アクセス行為に関係があると思われるログにつきましては、被害申告をしたアクセス管理者において既に特定されているというケースがほとんどだと思います。  また、その場合に、次にプロバイダーについて発信元を捜査するためにいろいろと捜査活動をすることになりますが、その場合におきましても、被害者のところで特定したログ、これに係る捜査資料を私どもとして刑事訴訟法の手続にのっとって確保すれば十分であるということでございまして、全くこの事件に関係のないようなものをやるということは通常ないと思います。  ただ、委員御指摘のような批判というものが現にあるわけでございます。そういった批判というものを踏まえまして、私どもはこういった不正アクセス行為の捜査につきましては、犯罪と関係のないもののログ等を押収するとかあるいは刑事訴訟法の規定に反するような形でやるということは厳にないように都道府県警察を十分指導してまい りたい、こういうふうに思っております。
  55. 八田ひろ子

    ○八田ひろ子君 特定できる通信に限って、そして捜査をされるときには令状に従ってされるというお答えで、特定できない場合には犯罪と関係ないユーザーのログまで捜査することはないということですね。  刑事訴訟法によりますと、例えば不正アクセスに使用されたコンピューターの差し押さえをするということは当然できるわけですが、あるいは踏み台と言うんですか、成り済ましの被害者ですけれども、踏み台にされたコンピューターの場合もあるわけで、そういう場合は全く事件に関係がないわけです、その人が犯罪をやったわけではないですから。ところが、そういうものの差し押さえとか一時的にコンピューター操作がストップしちゃうとか、そういうような被害の場合はどうなるんでしょうか。
  56. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) それでは、踏み台となったプロバイダー等いろんなところについて限定して御説明させていただきたいと思います。  通常、不正アクセス行為の発信元を捜査する過程で、その不正アクセス行為を行うために踏み台となった別の特定電子計算機、例えばプロバイダーの電子計算機等が判明する場合がございます。その場合に、そのログが必要となる場合がありますけれども、その場合にも被害を受けた電子計算機の捜査から関係があると思われるログを特定した上で刑事訴訟法の手続にのっとって押収等の手続をとるということでございます。  その場合に、私どもとして必要なのはあくまで不正アクセスに関係するものでございまして、すべてを押収する必要は全くないということでございます。
  57. 八田ひろ子

    ○八田ひろ子君 コンピューターを押収しないということですか。
  58. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) はい。プロバイダーにおきましてハードディスク等にいろいろとデータが保管されておりますけれども、この全体のものを私ども押収するのではなくて、その関係する部分をプロバイダーの協力によりまして特定して、それをフロッピーディスクに複写する、あるいは用紙にアウトプットしていただいてそれを押収する等をする、そういう手続で足りるわけでございますので、現実にあれだけ大きなコンピューターを押収するというのは、また捜査上も非効率でありますし、そもそもそこまでの必要はない、こういうふうに考えておる次第でございます。
  59. 八田ひろ子

    ○八田ひろ子君 不正アクセスで言いますと、成り済ましだとか、しらばっくれということが実際には問題になるわけで、不正アクセスそのものをやる人が、自分の本名というんですか、ユーザー名とかパスワードを使うことは考えられない。たどればすぐにわかるということだそうなんですけれども、不正アクセスの場合、たどっていって着いたところが犯人であることはほとんどないのじゃないかと。成り済ましの可能性が高いというのがありますね。  しかし、絶対ないかといえばそこはしらばっくれというのがあるそうで、こういうのを調べるためには、いや自分は踏み台になったんだ、成り済ましの被害者だというふうに言った場合には通信記録を全部調べないといかぬということになるんじゃないかと思います、要するにその人の部分の。  しかし、調べた上で、犯人だった場合は当然調べなくちゃいけませんけれども、犯人でないとき、成り済ましたというふうに言った本人の言うとおりだったとき、この人が通信記録は見られたくないんだ、自分の通信記録は見せたくないというふうに言う場合の救済というんですか、さっきのコンピューターのようにはっきりお答えがいただけるかどうかわかりませんけれども、そういう場合。  不正アクセスが発生するのは、さっきもお答えいただいたように、親告罪ですから親告をする。第一被害者というのは自分で告発するからいいんですけれども、そういう踏み台にされた人が通信記録は見せないよという場合はどうなのか。通信記録を見せないんだったら、その人は不正アクセスというふうになるのか。自分は絶対違う、見せたくない、でも強制的に見せさせられるんだったら、先ほど来問題になっている通信の秘密の関係 ではどういうふうになるのかというのをちょっと教えていただきたい。
  60. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) 普通の不正アクセス行為につきましては、他人のID、パスワードを使うという形のものが多いかと思います。その場合に、ID、パスワードの真正の者がそれをアクセスしたかどうかということにつきましては、例えば電話回線を使っているかどうかとか、いろんな状況で全体的に判断できると思います。そういった中で最も適切な捜査方法をとっていくということでございます。  またその場合に、通常でありますれば、例えば具体的なログということにつきまして極めて犯罪が行われたという蓋然性が高いのであれば刑事訴訟法の手続にのっとってやるということは現在の法制度の中では許されるものだと思っております。  しかし、先生の御指摘の部分は、そういった強制手段によることが妥当な状況にあるかどうかということの判断についての妥当性があるかどうかという指摘であるならば、それは妥当性があるというふうな形で裁判所でも認定されるような形での捜査をしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。  いずれにいたしましても、この問題というものは、関係者というものは多数ございます。そういった方々の協力を得ながら、現実にだれが不正アクセスをしたかということを探っていく捜査を私どもはしてまいりたいと思っております。しかし、その捜査に当たっては、あくまでも大きな枠として刑事訴訟法の手続があるということだけは御了解いただきたい、このように思います。
  61. 八田ひろ子

    ○八田ひろ子君 現場では、刑事訴訟法の手続があるという一言だけで一般の人にとっては大変なプレッシャーであるということですね。  最後に大臣に伺いたいんです。例はちょっと簡単に申し上げたのであれなんですけれども、成り済ましやしらばっくれというのは、IDとかパスワードなどの管理の問題というのが個人とか事業者においても今不明瞭であるということがありますし、先ほどありましたID屋と言われるような存在に端を発しているわけですけれども、こういうことを防ぐためにも、最初に申し上げましたように、個人情報の保護というものの厳格な基準、法の整備、それから事業者の責任、こういうものが法的に担保されるべきだというふうに私は思って冒頭に三点セットということが必要なのではないかというふうに申し上げたわけで、不正アクセスを禁止するということは法制化が必要だと無論思うわけです。  短時間にいろいろな問題を伺いましたけれども、そういういろいろな危惧もあるということは三点セットの残された二つ、個人情報の保護とか事業者の責任、こういうものについての法制化というのも急いでされるべきではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  62. 野田毅

    ○国務大臣(野田毅君) 今御指摘ございましたが、それぞれ相互に関連していることも事実でございます。しかし、ではそれらができ上がるまでこれをまだ待っていていいかというとそういうことでもないと思います。  そういう点で、この不正アクセス行為の禁止、処罰の法律ができたから後皆大丈夫ですということにならないことはもちろんでございまして、これはこれとして、別途これは住民基本台帳ネットワークシステムにも関連して、民間分野をも含めた個人情報の保護に関する法整備全体としてのあり方、まさにこれを一つのきっかけとして先般来いろいろ御議論もいただいているわけでして、この法案が成立をさせていただいた後においても、できるだけ速やかにそれらの検討を政府においてもトータルとして努力をしてまいりたいと考えております。  議会においても、当然のことながら、それぞれ各党でまた御検討もぜひお願いを申し上げたいと思っております。  それから、事業者に関する義務づけ等々に関しても、これは事業者自身の自己責任の分野でもございますが、なお一層さらなる技術的な研さんも積んでいただくなり、そういう形の中で対応していかなければならぬと思っております。  ただ、法的にどこまでのことができるのかということはちょっと勉強をさせていただきたいと思っています。
  63. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。  大臣と局長の答弁を聞いておりました。特に局長が笑みを浮かべて大変自信を持って堂々と御答弁されていることに私は感動いたしております。  高度なコンピューターネットワーク社会がまさに実現したというか、さらにまた進行しておるさなかにございます。そういう中で、不正アクセスの問題に見られるように、恐らく新しい犯罪が生まれたんだろうというふうに思います。そして、従来の刑法典にない構成要件で社会の秩序を維持していかなければならないということだろうと思います。  私のように二十七年前に弁護士になった者からすると、なかなか理解が十分に及ばないところもありますけれども、二、三質問をさせていただきたいと思います。  大臣の答弁の中で、アクセス制御機能の信頼性、安全性の確保、ここにこの法案の大きな目的があるんだというお話でございました。なるほどと思いながら、そうであれば、同時に、この情報ネットワークを不正アクセスから守るセキュリティーの開発の重要性というのも一方では私たちは重視をしなければいけないんだろうなというふうに私は受けとめました。  というのは、そういう意味でのセキュリティー会社が、元ハッカーなどを集めて新しい法人をつくるというふうなこともあるやに聞いておるわけであります。そういうハイテク犯罪の増加という社会的な背景の中で、一方では、まだ不正アクセスというような新しい犯罪類型としてはとらえることはできないでしょうけれども、例の東芝製のビデオデッキをめぐるトラブル告発のホームページの問題もございました。あれはまだ取り締まらなければならない犯罪行為じゃないでしょうけれども、一種の社会現象として私たちが真剣にそれぞれ受けとめなければならない課題だろうと思います。  そういうふうな状況の中で、警察庁に技術センターを設置したということを知りました。この警察庁の技術センターというのは、恐らく不正アクセスなどの捜査を技術面でサポートする部署だろうというふうに思います。この技術センターの設置に見られるように、ハイテクを悪用する側と捜査する側とのまさに激烈な技術競争がいよいよ始まったと言ってもいいのではないかというふうに思います。  そこで、私は、警視庁の方にもハイテク犯罪対策センターができたということを資料で見せていただきましたけれども、この警視庁のハイテク犯罪対策センターの組織体制や活動内容、それから現在までの実績等がございましたら、お教えいただきたいというふうに思います。
  64. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) 警視庁におきましては、本年五月に、ハイテク犯罪に精通いたします捜査員等約六十名の体制でハイテク犯罪対策センターを設置したところでございます。  このセンターの活動内容についてでございますが、ハイテク犯罪の捜査、それから各警察署等で行われますハイテク犯罪捜査の指導、それから捜査に係る技術的な支援、こういったことを行うとともに、インターネット上の違法情報の収集、それからハイテク犯罪に係る相談の受理、企業及びプロバイダーとの連携等の活動を行っているところでございます。ある意味でハイテク犯罪に対応するための総合的な仕事をここでこなしている、そういう状況でございます。  発足間もないわけでございますが、その実績について若干申し述べてみたいと思いますけれども、インターネットを利用したわいせつ図画販売目的所持事件等の検挙を行うとともに、開所以来七月末までに民間の方々から三百七十七件の相談を受理しておりまして、その状況に応じて適切な対応をしてハイテク犯罪の防止あるいは防御措置の講じ方についての指導を行ったと、こういうふうに報告を受けているところでございます。
  65. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 さて、本法案作成に至る過程でログ、いわゆる通信履歴をめぐる警察庁と郵政省の考え方に相違があったやに聞いております。先ほど山下先生からも御質問があって重複をするかもしれませんが、私はそのあたりは十分わかっておりませんので、警察庁と郵政省で考え方にどういう差異があったのか。  それから、本法案ではログ保存の義務づけを見送ったようでありますが、その理由等について簡潔にお教えいただきたいと思います。
  66. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) まず、ログがどういうふうな性格のものかということでございますが、不正アクセス対策の観点から考えました場合には、いわゆるログというものが、不正アクセス行為をされた者がこれを発見する手がかりになるものだ、こういうものと理解しておるわけでございます。  こういった不正アクセス対策としてのログの有用性につきましては両省間に認識の相違はないところでございますが、ログの保存、記録、こういったものを義務づけることにつきましては、個々の事業者の業務上の必要性、事業者等の負担、国際動向等、こういった観点から鋭意検討させていただいたところでございます。  不正アクセス対策について国際的に見た場合に、不正アクセス行為の禁止処罰については既に諸外国で規定されておりますので、我が国においても早急に法制化する必要があるということでございます。  そういった一方で、ログの記録保存を確保する方策については、現在G8のハイテク犯罪サブグループなどで議論されている最中でありまして、国際動向は流動的であるということでございます。  そういった状況を踏まえまして、ログの記録保存の義務づけについては今回の法律案には盛り込むことを見送りまして、この法制化については今後引き続き検討していく、こういう形で現在に至っている、そういう状況でございます。
  67. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 私は、本法案のように、増加をするハイテク犯罪に対処する新しい立法の必要性というのはよくわかります。  さて、そういう新規立法をすると同時に、やっぱりプライバシーの保護やデジタルデータの保護を法律で定めるということもまた我々が取り組まなければならない課題だろうというふうに思うわけであります。  本法律案について日弁連あたりからの批判の一つに、犯罪にならない行為の予備行為を処罰することになりはせぬかという強い批判があるわけです。私も日弁連の会員なんですが、さっきもどなたかから出ましたが、他人の引き出しの中を見ても現行刑法上は犯罪にならない。それがネット上ではのぞき見をしようとかぎをあけただけで犯罪の対象となる。いわゆるのぞき見の問題です。  のぞき見だとか、成り済ましだとか、しらばっくれとか、概念としてそう言っただけじゃ多くの国民にはなかなか理解できないようなことがまかり通っているわけでありますが、今言う予備行為を処罰することにつながらないかという批判に対してはどのようにお考えでしょうか。
  68. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) 不正アクセス行為というものは、従来の一般の現実の社会と違いまして、ネットワーク上で特有なものだと思っております。そういった観点から考えた場合に、本法案で禁止、処罰することとしている不正アクセス行為は、アクセス制御機能に対する社会的信頼を失わせ高度情報通信社会の健全な発展を阻害する、そういう形のものだと思います。そういった意味で、それ自体に禁止、処罰の必要性が認められるということでございます。まさにネットワーク上における性格を反映した、それ自体が処罰の対象となる行為だ、こういうふうに考えておるわけでございます。  そういった考え方でございますので、犯罪にならない行為の予備的行為を処罰しようとする、そういった性格のものではない、こういうふうに私ども理解しておるわけでございます。また、それらの不正アクセス行為以外の犯罪、あるいは現在犯罪とされていない行為についてどのように対応するかということについても、また改めてこの法案とは別途検討すべき対象のものではないか、こういうふうに思っております。
  69. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 現実に犯罪が惹起した後の捜索、差し押さえの問題が一つございます。これは局長の答弁にありましたように、刑事訴訟法の原則を守ってやるというのは当然でして、またそうあってほしいと私も思います。  通信傍受法に絡んで、私どもの会派で、あるプロバイダーを呼んで勉強会をしたときに、ネット上に公然わいせつの図画が流されて、それで何度か捜索、差し押さえを受けたという業者の話の中で、範囲を超えるようなものがあって、準抗告か何かをしてそれが認められたというふうな話もありました。実際に私は判決を読んでおりませんので具体的な質問をするわけじゃありませんが、そういうことがないようにぜひやっていただきたいということを御要望として申し上げておきたいと思います。  最後に、電子計算機使用詐欺罪などを新設した八七年の刑法改正作業の過程で、今審議をしております不正アクセスを処罰の対象とすべきではないか、いや、それはまだそういうふうにはならないといういろんな論争があったようですが、当時指摘された問題点等は本法案ではどのようにクリアされたのか、そこをお教えいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  70. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) 委員御指摘のように、昭和六十二年に刑法の一部改正が行われたわけでございますが、その際にコンピューターにより処理、保存される情報の不正入手及び漏えい、それからコンピューターの無権限使用について検討が行われたわけでございます。  この二点につきまして、まず情報の不正入手及び漏えいの問題についてでございますが、情報の中には秘密情報、プライバシーに係る情報あるいは財産的価値ある情報等、さまざまなものがあるということでございます。また、不正入手等に対する罰則の要否等については、これらの情報の法的保護はいかにあるべきかなど、さらに諸般の角度から検討を重ねる必要のある多くの問題が存するということでございます。  それから、次のコンピューターの無権限使用に対する罰則の要否についてでございますが、刑法は財物の占有、移転や、人に対する加害を伴わない無権限使用自体は処罰の対象としていないことから、コンピューター以外の機器等の取り扱いとの均衡を考慮するとともに、どのような観点から処罰の根拠、違法性の実質をとらえるべきかについて今後なお諸般の角度から検討を要するという理由によりまして、罰則の整備が見送られたという状況にございます。  そういった中でこの法律案を提出させていただいたわけでございますが、この法律案は、コンピューターネットワークを利用した犯罪の防止と、コンピューターネットワークにおける電気通信の秩序の維持を図る観点から、識別符号の盗用などによるコンピューターへの不正アクセス行為を禁止、処罰するものでございます。  コンピューターにより処理、保存される情報の不正入手及び漏えい、コンピューターの無権限使用という観点とは、その規制の範囲あるいは趣旨、こういったものが異なることでございまして、この法律案につきましてはそういった観点から御提案させていただき審議いただいている、そういう状況にあるということでございます。
  71. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 終わります。
  72. 高橋令則

    ○高橋令則君 自由党の高橋でございます。  私は、最初に大きな問題と申しますか、そういう御質問をしたいと思うんです。不正アクセスを禁止する法律がないのはG7の各国では我が国だけだ、こういう資料がありますが、これを今回やっているものと私は認識をしておるんですけれども、そのとおりであるか。そして、この内容は、指摘されているG7各国の対応する法律との関係は十分であるかどうか。それをまずお聞かせいただきたいと思います。
  73. 小林奉文

    政府委員(小林奉文君) 不正アクセス行為につきましては、先進諸国におきましては法的規制がなされておりまして、現在その法律的規制がなされていないのは我が国だけでございます。そういった状況につきましては、委員御指摘のとおりでございます。    〔委員長退席、理事山下八洲夫君着席〕  諸外国におきましては、それぞれ不正アクセス行為そのものを禁止したり、いろいろな状況にあるということでございます。  次に、もう一点は……
  74. 高橋令則

    ○高橋令則君 今回の法律は、G7のこの部分についての中身をおおむね充足しているかどうか。
  75. 小林奉文

    政府委員(小林奉文君) そういった観点で、私どもは不正アクセス行為を諸外国の立法例を参考としながらやっておりますので、一〇〇%、百二十点満点かと言われると自信はございませんが、評価してもらえるだけの内容にはなっている、こういうふうに考えております。
  76. 高橋令則

    ○高橋令則君 大臣に御質問させていただきたいんですけれども、バーミンガム・サミットのコミュニケ、それからその前の八カ国の閣僚のコミュニケ等があるんですね。  これを見ていると、次のサミットにおいてハイテク犯罪と闘うための原則と行動計画の進みぐあいを報告するとともに、ハイテク犯罪を捜査、追及していくための能力の向上、法執行機関の体制の整備、それから法制度の見直しというふうな項目があるんですけれども、これがいずれ次のサミットで報告されることになっているというふうに私は認識をしているんですが、これはもう出ているんです。したがって、この法律の整備だけではなくて、今申し上げましたいろんな項目があるんですけれども、それに合わせて今後国が取り組んでいかなければならない、国際的な関係からもそういう決意が必要なのではないか、このように私は思いますが、大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
  77. 野田毅

    ○国務大臣(野田毅君) 先ほど来、いろいろ御議論いただきましたが、少なくとも日本国内における高度情報通信社会の構築の上で信頼性、セキュリティーということを考えますときに、この不正アクセス行為を放置しておくわけにはいかないという意味でこれが喫緊の課題だ、しかも国際的な水準から見て、既に諸外国において禁止の対象になっている、日本は残念ながらそうなっていないという現実があるという点で、国際的な角度から見ておくれているのは問題であるというのが一つございます。    〔理事山下八洲夫君退席、委員長着席〕  それから、今御指摘ございましたが、それだけではなくてバーミンガム・サミットのコミュニケなりあるいは今回のケルンでも、下部機関ということなんですけれども、その中でそれぞれのワーキンググループなりあったわけですが、今御指摘ございましたような薬物及び国際犯罪との闘いという中で、この中の一つとしてのハイテク犯罪に対する行動計画、そして八カ国の司法内務閣僚級会合閣僚声明、これでハイテク犯罪と闘うための十の原則と十の行動計画、こういった中で具体的にこうした法整備のほかにいわゆるこの捜査共助体制をどうつくっていくか等々、かなり国際的に共同歩調の中で相協力をしていかなければならない、一緒に解決していかなければならないテーマがそれぞれ示されておるわけであります。  したがって、今回の法案は、言うならそれの日本国における対応としては第一歩である、したがってこれを踏まえてさらにいろいろな形で具体的なテーマに関して対応をしていかなければならないというふうに私は考えておりまして、先ほど局長からも答弁申し上げましたが、そういう一環として本年の秋にモスクワにおける閣僚会議等についての言及が既になされておるということで理解いたしております。
  78. 高橋令則

    ○高橋令則君 各論に入ってちょっと質問させていただきますが、罰則の問題です。八条にあるわけですけれども、この条項については各委員からも話があったわけで、ちょっと特異な犯罪なものですから、罰則のバランスというのは非常に難しいと思うんです。結果はこのとおり「一年以下の懲役又は五十万円以下」云々と書いてありますが、この考え方はこれで適正かどうか、それをお聞かせいただきたいと思います。
  79. 小林奉文

    政府委員(小林奉文君) 不正アクセス行為禁止は、この法律案にも書いてございますように、犯罪の防止及び電気通信に関する秩序の維持を目的として行われるものでございます。  そういった観点から、この法定刑につきましては、いわゆるコンピューター犯罪の法定刑より低くするのが妥当ではないか、また他の法律における電気通信の秩序を乱す犯罪の法定刑を参考として定めることが適当ではないか、こういうふうな二点の観点から考えたわけでございます。その結果といたしまして、法定刑が「一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」とされたところでございます。  これにつきまして、低いのじゃないかという批判があるということは十分承知しておるところでございますが、現在の法体系の中ではこれが妥当ではないか、こういうふうに私ども考えておるわけでございます。  また不正アクセス行為を行った後にいろいろな犯罪行為が行われるわけでございますが、その犯罪行為刑法に定められた罰則等によりまして処罰されることになりますので、そういった点を踏まえて考えたならば必ずしも低いと言えるものじゃないのじゃないかと考えておるわけでございます。  現在は法律上禁止されておりません不正アクセス行為禁止処罰されることになれば相当の抑止効果があるのじゃないか、そういった意味で不正アクセス対策として大きな意味がある、こういうふうに考えておるところでございます。
  80. 高橋令則

    ○高橋令則君 私は少し軽いのではないかという感覚がありました。ということは、この不正アクセスをする方にはいろんな態様があると思うんです。マックスでいえば軽い、そして過失の話がちょっとありましたけれども、あれはどうかなと思うし、軽いものもあると思うんですが、限界ということを考えればちょっと低いのかなという感覚を持っております。いずれ、今後の進み方によってまた十分御検討いただきたいというふうに思います。  もう一つは、これは第六条になりますか、これも魚住委員からも話があったんですけれども、援助とか取り締まりとかいろんな手当ての条項があるわけです。これが果たして十分フォローできるのかどうか。センターの問題もありましたけれども、とにかく新しい業務でありますので、これに体制が十分ついていけるのかどうか、それをお聞かせいただきたいと思います。
  81. 小林奉文

    政府委員(小林奉文君) 不正アクセス対策を含めましたハイテク犯罪対策につきましては、委員御指摘のとおり、相当高度な専門的知識が不可欠となります。そういった観点から私どもとしては現在の技術を凌駕するような能力をつけることが極めて重要な課題だと、こういうふうに考えておるわけでございます。  そういった観点で、現在、各都道府県警察におきましては、専門的知識を有する者をハイテク犯罪に関する相談対応等を行う情報セキュリティーアドバイザーとして配置したり、あるいはシステムエンジニア等専門的知識を有する者を専門捜査員として中途採用するなどして、援助や取り締まりのための体制の整備に努めているところでございます。また、高度かつ専門的な知識を持つ電磁的記録媒体の解析要員を情報管理部門に配置するなど、関係各部門に対する支援体制の整備を図っている、そういう状況にございます。  また、具体的にいろいろな教養を行わなければいけないという観点から、警察大学校等におきまして捜査員や支援要員に対する教養を実施しているところでございます。  また、警察庁におきましては、本年四月に都道府県警察の活動を技術的に支援するためにナショナルセンターとして情報通信局技術対策課を設置しておるところでございます。  全国の警察を挙げてハイテク犯罪対策のための要員の確保、体制の充実、能力の向上に今後とも努めてまいりたいと考えております。
  82. 高橋令則

    ○高橋令則君 最後に、郵政省の方にお聞かせをいただきたい。  この法律によって、メリット、デメリットというのは変ですけれども、規制される面が出てまいります。一方、情報通信という観点からしますと、できるだけフリーにやってもらった方がいいわけですので、さっきのログの問題等も私も承知しておりますけれども、今後こういう法律ができたことによって通信行政の中でどういうふうに取り組んでいかれるのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
  83. 天野定功

    ○政府委員(天野定功君) 近年の情報通信分野におきます技術の発達あるいはさまざまなサービスの高度化に伴いまして、我が国の経済社会がネットワークへの依存度を高めております中で、このようなネットワーク社会を脅かす不正アクセスが急増しているわけで、これを放置しておけば、今後の高度情報通信社会の健全な発展が妨げられるおそれがあると危惧しているわけであります。  今回のこの法案は、これまで我が国において処罰の対象とされていなかった不正アクセス行為等を禁止、処罰することによりまして、その抑止効果が期待され、その結果としまして国民が安心してネットワークを利用できるような環境が整備されるものでありまして、今後の健全な高度情報通信社会の発展に寄与するものというふうに考えております。  そういったことで、私どもは、この法案の運用におきまして、先ほどからの御議論もございますように、まず、コンピューターネットワークの設置者であるアクセス管理者がみずからの防御措置をきちんとしていただくことを私どもも支援していくとともに、関係省庁一体になりまして、その防止技術の開発あるいは国民に広く啓発普及することにも努めていきたいというふうに考えております。
  84. 松岡滿壽男

    ○松岡滿壽男君 参議院の会の松岡滿壽男です。  今度の法案につきましては、私自身、デジタル犯罪に対する法整備が全体的にちょっとおくれているんじゃないかということで、何回か当委員会でも質問したことがあるんですが、不正アクセス行為についても同様でありまして、この法案はやはりバーミンガム・サミットにおいての国際協力を約するということから整備をされてきたわけでありまして、時宜を得たものだというふうに思っております。やはりグローバリゼーションの中での負の部分、いわゆるそういうハイテク犯罪、これはやっぱり国際的に協調し合ってやっていかなきゃいかぬ、やっと序曲にたどり着いたということだというふうに思うんですね。  それで、アメリカを初め各国のハイテク犯罪に対する取り組みを見ていますと、これは大変な取り組み方をしているんですね。我が国の場合はやっとこのアクセス法案をつくってこれからスタートしていくということでありますが、法整備や体制づくり、これからどういうプログラムでやっていかれようとしておるのか、お伺いをしたいと思います。
  85. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) まず、委員御指摘のとおり、ハイテク犯罪に対しまして対応する方策につきましては諸外国におくれているということは事実でございます。そういった意味で、今回不正アクセス法案を提出させていただいたわけでございます。  こういったものにつきまして国際的な動向というものはどういう状況になっているかということでございますが、ハイテク犯罪を含む国際組織犯罪対策が昨年のバーミンガム・サミットにおきまして主要議題として取り上げられたわけでございます。そのコミュニケにおきましては、ハイテク犯罪に関する十の原則及び十の行動計画に迅速に対応するということでもって合意をしておるところでございます。  例えば、行動計画の三におきましては、「電気通信及びコンピュータ・システムの濫用を適切に犯罪化しハイテク犯罪の捜査を促進することを確保するため、我々の法制度を見直す。」とされているわけでございます。この一環として本法律案を提出させていただいたということでございます。  また、行動計画の五におきまして、「共助要請の実行に先立つ証拠保全、国境を跨ぐ捜索、及び、データ所在地が不明な際のコンピュータによる当該データの捜索に関し、実行可能な解決策の検討・開発を継続する。」、こういったことが挙げられているわけでございます。  国際捜査共助手続のあり方等も国際ハイテク犯罪対策推進上の重要な課題となっておりまして、現在いろいろと国際的に検討されているわけでございますので、我が国におきまして、特に警察におきましては、これら政府間会合に積極的に参加して国際的な捜査協力の推進に努めてまいりたいと思っております。また、我が国内におきましても、ハイテク犯罪対策に対応するための体制、能力面の向上も必要でございますので、その面の努力をしてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、今後、サミット等の政府間会合における個別具体的な合意事項が出てこようかと思います。そういったものを履行するために法整備が必要とされることがあろうかと思います。その場合には関係省庁とも緊密な連携の上で適切に対処してまいりたいと思っております。
  86. 松岡滿壽男

    ○松岡滿壽男君 先ほど高橋先生が罰則のことを言っておられましたけれども、私もそういう思いがちょっとします。諸外国の場合は罰則がどうなっているのか、それから今住基法でいろいろ当委員会でも議論しておるんですけれども、例えば四情報を漏えいした場合に懲役二年以下それから百万円の罰金です。ところが、現在既に市町村でやっている現状の情報を漏えいした場合は、守秘義務違反という形で一年以下、四万円以下という形なんですね。その辺の整備のされ方がどうもばらばらになっているんじゃないかなという感じもするんですが、まず、諸外国と比べて本当にきちっとした、一年以下、五十万円以下の罰金というのが妥当なのかどうか、もう一度ちょっと伺いたいと思います。
  87. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) まず、外国の法定刑について若干御説明させていただきたいと思いますが、例えば不正アクセス行為についてアメリカでは一年以下の禁錮、十万ドル以下の罰金、こういう形になっております。各国の罰則も六月ないし三年という形になっておりまして、そういった中では我が国はそれほど、低いと批判されるかもしれませんけれども、それほどおかしなものではないんじゃないかなという感じはいたします。  ただ、いずれにいたしましても、これは新しい犯罪形態でございますし、御指摘のようにいろんなケースもございますので、それに応じてどのような法定刑が妥当かということは、今後いろいろなほかの法制等との比較の問題におきまして十分検討していかなければならない問題であろう、こういうふうに考えております。
  88. 松岡滿壽男

    ○松岡滿壽男君 大蔵省、来ておられますか。  電子商取引における不正アクセス等の問題点も重要課題だというふうに思うんです。この前、安田参考人ですか、電子商取引が二〇〇五年には二百兆円ぐらいになるんじゃないかというような見通しを言っておられました。非常にこれは大きな問題で、これはまた犯罪に直結してくる可能性が非常に強いわけであります。特に今度は電子マネー、これは一つの通貨でありますから、実施することになればかなりの法律改正が必要となってくるんじゃないかと考えておりますが、電子マネーに対する考え方及びその法改正についてのお考えを伺いたいと思います。
  89. 福田誠

    ○政府委員(福田誠君) 電子マネーについてのお尋ねでございますが、まず電子マネー、電子決済についての考え方いかんということでございます。  これにつきましては、昨年六月に電子マネー及び電子決済の環境整備に向けた懇談会の報告書が取りまとめられたところでございまして、この中では、「電子マネー・電子決済は、従来にない効率的な決済方法を提供することにより利用者利便の向上に寄与するとともに、高度情報通信社会における電子商取引の発展の基盤となるものである。」というふうに位置づけられております。また、同じ報告書におきまして、電子マネー、電子決済の健全かつ円滑な発展普及のためには、「利用者の信認を確立するとともに、決済システムの安定性を確保することが必要である。」とも指摘されております。そして、お尋ねの法制面につきましては、「電子マネー・電子決済に関し、幅広い事業者による参入を促しつつ、利用者保護及び決済システムの安定性を確保するという政策目的の下で、新たな立法措置を含む法的な制度整備を図る必要がある。」とされております。  そういうわけで、電子マネー、電子決済につきましては、急速な技術進歩の中でただいま民間部門の創意工夫によって実用化、普及が図られるべき分野であるとともに、制度の国際的な整合性に配慮する必要もございますので、私どもといたしましては内外の動向、ニーズを踏まえつつ検討を進めてまいりたいと存じます。確かに法的にはかなりの整備が必要かと存じます。
  90. 松岡滿壽男

    ○松岡滿壽男君 ありがとうございました。  この法案の第七条に、「国家公安委員会、通商産業大臣及び郵政大臣は、アクセス制御機能を有する特定電子計算機の不正アクセス行為からの防御に資するため、毎年少なくとも一回、不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況を公表するものとする。」というふうに書いてあるんですけれども、具体的にはなかなかこれは困難なことだろうと思うんですけれども、どういうタイミングでどんな方法でこれを公表されるんでしょうか。それをお伺いしたい。
  91. 小林奉文

    ○政府委員(小林奉文君) 法案の第七条に基づきまして不正アクセス行為の発生状況等について公表することになっておりますけれども、この点につきましては、警察や関係団体への届け出の件数、内容等をもとに、また研究開発の状況等につきましては業界団体や企業に対する実態調査等により把握することとなっていると考えておりますが、それをどのように把握していくかということにつきましては、関係省庁がございますので、郵政省さん、通産省さんとも十分検討して、発生状況等が国民にわかりやすいような形でやってまいりたいと思っております。  なお、不正アクセス行為の発生状況につきましては、全国的あるいは世界的な発生状況を分析してある程度の傾向が見えてきたところで発表していくのがアクセス管理者にとって有効であると考えておりますが、アクセス制御機能に関する技術の開発研究の状況とともに、どのような時期にどのような方法により公表するのが最も効果的であるかという点につきましても両省庁と具体的方法について検討してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、この法の第七条が置かれた趣旨が十分に果たされるような形でやってまいりたいと思っております。
  92. 松岡滿壽男

    ○松岡滿壽男君 この法案もそうですけれども、通信傍受法、それから改正住基法案、まさにデジタル社会ならではのものだと思うんですけれども、通信の自由、プライバシー保護等が必然的に問題になってくるわけでありまして、個人情報保護法の立法化がやはり急がれるというふうに思うんですけれども、この点についてのお考えを伺いたいと思います。
  93. 竹島一彦

    ○政府委員(竹島一彦君) 政府といたしましても、個人情報保護法の法整備を含む実効性あるシステムということでございますが、それにつきましてできるだけ年内に基本的な枠組みをまとめ、それに肉づけをいたしまして、住基法案の方で言われております三年以内の法制化という宿題もございますので、それにきちんと間に合うようにシステムづくり、その中で必要となる法整備について検討していきたいと思っております。  それで、現に七月二十三日にそのための検討部会を設けておりまして、本日第二回目の会合をやるということで着々と検討させていただいているところでございます。
  94. 松岡滿壽男

    ○松岡滿壽男君 終わります。
  95. 小山峰男

    ○委員長(小山峰男君) 他に御発言もないようですので、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  不正アクセス行為の禁止等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  96. 小山峰男

    ○委員長(小山峰男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  輿石君から発言を求められておりますので、これを許します。輿石東君。
  97. 輿石東

    ○輿石東君 私は、ただいま可決されました不正アクセス行為の禁止等に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合、自由党及び参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     不正アクセス行為の禁止等に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、左記の事項について、善処すべきである。  一、不正アクセス行為は、コンピュータ・ネットワーク上の行為であり、一般の犯罪類型と異なる側面を有することから、本法の施行に当たっては、国民に対し犯罪構成要件の周知徹底を図ること。  二、ネットワーク・セキュリティ対策の促進及び充実を図るため、関係機関、団体等と緊密に連携・協力し、不正アクセス行為からの防御等に関する技術の研究開発に努めるとともに、不正アクセス行為に係る相談窓口の充実・強化を図ること。    また、ユーザ及びアクセス管理者等に対するセキュリティ対策に関する情報の提供及び啓発活動を積極的に行うこと。  三、不正アクセス行為の再発防止の援助申出の際提出することとされる「参考となるべき事項に関する書類その他の物件」に係るプライバシー情報等については、事例分析後は、速やかに返還・消去・廃棄等の処分を行うこと。    また、援助と犯罪捜査は別個の手続によるべきものであり、混同かつ職権濫用がないよう、特段に配慮すること。  四、不正アクセス行為を含むハイテク犯罪の対策を推進するに当たっては、諸外国の動向及び諸外国との整合性に配慮しつつ、情報通信分野におけるプライバシー保護についても十分配意すること。  五、通信履歴(ログ)については、憲法に保障されている通信の秘密の趣旨をそこなうことがないよう、今後とも慎重に扱うこと。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
  98. 小山峰男

    ○委員長(小山峰男君) ただいま輿石君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  99. 小山峰男

    ○委員長(小山峰男君) 全会一致と認めます。よって、輿石君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、野田国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、これを許します。野田国家公安委員会委員長。
  100. 野田毅

    ○国務大臣(野田毅君) 不正アクセス行為の禁止等に関する法律案につきまして、大変御熱心な御審議をいただき、速やかに御可決いただきましたことを厚く御礼申し上げます。  政府といたしましては、審議経過における御意見並びにただいまの附帯決議の御趣旨を十分尊重いたしまして、高度情報通信社会の健全な発展に寄与するため、ハイテク犯罪の防止とネットワークの秩序の維持に万全の措置を講じてまいる所存でございます。  今後とも御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
  101. 小山峰男

    ○委員長(小山峰男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 小山峰男

    ○委員長(小山峰男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  午後三時まで休憩いたします。    午後零時二十八分休憩      ─────・─────    午後三時開会
  103. 小山峰男

    ○委員長(小山峰男君) ただいまから地方行政・警察委員会を再開いたします。  公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は昨五日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  104. 富樫練三

    ○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。  最初に、この公選法の一部改定の問題について、洋上投票制度について伺いたいと思います。  洋上投票をめぐっては、日本の海員組合など長年にわたって強く要望し、運動されてきたものであります。当初、自治省が消極的な姿勢であったもとで、我が党もその実現を積極的に進めてきたものでありますけれども、今回ようやく実現することになりました。  海員組合の実現させよう洋上投票というパンフレットがありますけれども、ここでは、船員の公民権や選挙権の行使は船員の基本的な人権であって、船員が船舶に乗船中いつでもどこでも選挙ができる、そういう制度改正を求めているものでありますというふうに書いてあります。長期間の遠洋航海等に従事する船員に、国民の基本的な権利である選挙権行使の手段を具体的に保障することは当然であります。運動されてきました船員関係者の努力に改めて敬意を表するものであります。  そこで一点伺います。  この制度は当面指定船に限っておりますけれども、実施を重ねる中でよりよいものに改善する必要があると思いますけれども、今回のこの改正によってどれくらいの船員の皆さんが投票できる条件ができるのか、この点についてひとつお知らせいただきたいと思います。
  105. 片木淳

    ○政府委員(片木淳君) 今回の対象となります船員の数は約三万二千人になる見込みでございます。
  106. 富樫練三

    ○富樫練三君 ありがとうございました。  では次に、選挙運動期間前に掲示された政治活動用ポスターの撤去の問題について伺いたいと思います。  この条項は、衆議院選挙、参議院選挙、都道府県会議員と知事の選挙、それから指定都市の議員、さらに市長の選挙について、選挙期間前に掲示された政党活動用ポスターのうち候補者の氏名等の記載されたものについて、掲示した者に対して選挙公示日または告示日中に当該選挙区内から撤去することを義務づける、そういうものであります。  そして、選管による撤去命令とその命令に従わない者に対する罰則、五十万円でありますけれども、これを定めるものと、こういうことになっていると思います。  そこで、自治省の一九九七年四月二十八日付の東京都選管あての電話回答、これによりますと、選挙の告示前に掲示された政党の政治活動用ポスターは告示後は撤去されるべきであると考えるがどうかという問いに対して、自治省から、法第百四十七条第一項五号に該当する場合を除き、撤去させることはできないと回答しております。  この回答については選挙時報でも解説などが出されておりますけれども、その解説によれば、政党の政治活動用ポスターの掲示については、いわゆる事前ポスターの掲示制限はないが、政党ポスターの形をとっていても公職の候補者等の氏名が大書きされるなど公職の候補者等の政治活動用ポスターと認められる場合には、法第百四十三条の第十六項、第十八項及び第十九項の規制を受けることとなる、そして政党の政治活動用ポスターであっても公職の候補者等の政治活動用ポスターと認められるものであればこの規定により撤去対象のポスターになるが、それ以外の政党の政治活動用ポスターは対象とならない、こういうふうに述べております。  大変ややこしいんですけれども、要するに自治省と選管は政党の政治活動用ポスターについて、公職の候補者の氏名が大書きされるなど公職の候補者の政治活動用ポスターと認められるときは撤去対象、そしてそれ以外は、すなわち政党の政治活動用ポスターは撤去対象とはならないという見解を出しているわけなんです。  この見解と今回の法案とは明らかに違う中身になっているということですので、この従来の見解というのは間違っていたというふうに見解を改めたのか、ここを自治省にまず伺いたいと思います。
  107. 片木淳

    ○政府委員(片木淳君) お答えいたします。  現行法におきましては、ただいまお話しございましたように、政党等の政治活動用ポスターにつきましては選挙期日の公示または告示前に掲示することについては特段の規制はございません。しかしながら、これらのポスターに、これもお話しございましたとおり、弁士等として立候補予定者の氏名が大書きされるなど当該立候補予定者個人の政治活動用ポスターと認められる場合には、個人につきましては、御案内のとおり、任期満了日前六カ月間の掲示禁止等いわゆる事前ポスターの規制がかかるということでございまして、御指摘の回答をいたしております従来からの内容に変更はないものでございます。  今回の法改正によりまして、選挙期日の公示または告示前に掲示いたしました政党等の政治活動用ポスターでございましても、候補者の氏名またはその類推事項が表示されるものにつきましては公示または告示日のうちに撤去しなければならなくなるというふうにされたところでございます。
  108. 富樫練三

    ○富樫練三君 ということは、今までの見解を変えたわけではない、間違っていたというふうに理解したわけではない、こういうことなんですね。そうならば、なぜ今まで自治省見解で認めてきたものを今回わざわざ規制する必要があるのか、こういう問題なんですけれども、なぜ今回この条文を出したのか。この点について自治省及び提案者に伺いたいと思います。
  109. 片木淳

    政府委員(片木淳君) 政党等の行います政治活動は基本的にはできるだけ自由であるべきものと考えております。しかしながら、選挙運動と紛らわしい政治活動を自由に認めるということにいたしますと、選挙の公正を確保するために設けられております選挙運動の規制の実効性が失われるおそれが生ずるということで、現行法上一定の規制が必要だと判断されておるところでございます。  今回のポスター規制につきましては、政党その他政治活動を行う団体の選挙の公示告示前に掲示いたしました政治活動用ポスターが公示告示後にも放置されまして公正な選挙運動に支障を及ぼしているのではないかという実情にかんがみまして、衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会におかれまして各党各会派の御協議によりまして法案化されたものと承知をいたしておりまして、公正な選挙の確保のために妥当な措置ではないかと考えておるところでございます。
  110. 桜井新

    衆議院議員(桜井新君) 自治省が今御答弁したとおりでありますが、これまでの政治活動用ポスターも告示後の紛らわしささえなければできるだけ自由であるべきなんでしょうけれども、選挙告示に入って候補者と間違えるような紛らわしさのあるようないわば脱法行為的なポスターがはんらんをして、そのために大変迷惑しておる、こういうことから、各党協議をした結果、こういうことは公正を欠くことだから改めるべきだという考え方で、共産党さんは反対ということでありましたが、ほかの政党は全部賛成で、どうするかという議論をした結果として、このことについて意見を申し述べる機会をいただければやむを得ないということで皆さんの合意が得られたので、こういうことで改正させていただくことにした、こういうことでございます。
  111. 富樫練三

    ○富樫練三君 そうすると、要するに紛らわしい、だから法改正をして告示日に撤去させるんだ、こういうことのようでありますけれども、もともと我が国の公選法のもとでは、立候補予定者等の政治活動、これが選挙活動にわたるものと認められない限りは特に規制は受けない、こういうふうになっていたんです。  それで、これはもちろん確認団体が認められる、選挙時における政治団体の政治活動については一定の規制が従来からあったわけですけれども、ところが一九七五年、いわゆる裏打ちポスターの掲示禁止以来の公選法の改悪、これによって選挙期間中の政党政治活動にあれこれの規制が拡大されてきました、その後。  そういうわけで、今度の法案も政党政治活動用ポスターの掲示をより厳格に規制して、べからず選挙、あれをやっちゃいかぬこれをやっちゃいかぬ、こういうべからず選挙をさらに強化するものだというふうにこの点を強く指摘したいと思うんです。  先ほど、紛らわしいというのが今度の法案の最大の提案理由だというふうにおっしゃいましたけれども、紛らわしいからといって法律でもってそれを全部取り締まる、こういうことはやっぱり選挙の公正さという点からいっても正しい方向ではないのではないかというふうに思います。  この点に関して、今回の法改定でポスターの撤去義務を負うことになる、今度の提案で「掲示した者」というふうになっておりますけれども、この「掲示した者」とは具体的にだれをいうのか、ここのところはどのように考えているんでしょうか。
  112. 桜井新

    衆議院議員(桜井新君) 自由が建前でありますけれども、公正ということを期すことが一番なので、共産党さんのそういう御発言も衆議院でもありましたけれども、ほかの政党の皆さんはそうでないということで、こういうことを規定しよう、公平を期すという意味でやろうということになったこと。  それから、どなたが撤去するかということは、当然「掲示した者」といえばその政党の地区の責任者がやるべきなんだろうと思いますが、それこそどうしてもというのなら探さなきゃならぬけれども、聞く前に張った当事者が一番わかるわけですから、こういったことは犯人探しみたいなことじゃないわけですから、良識的にやられることだろう、私はその政党の良識を信じておりますし、我々衆議院の仲間が議論したときも、皆さんもそんな疑義を持って議論した人はいなかったと思っております。
  113. 富樫練三

    ○富樫練三君 そもそも政治活動の自由というのは憲法が保障している原則であります。したがって、議会制民主主義の根幹をなす国民の代表を選ぶ選挙、そういうときこそ政党や候補者の言論や政治活動の自由、これは最大限に保障されるべきだというふうに思います。  そこで、世界の幾つかの主要国、選挙期間中の政治活動についてでありますけれども、特にポスターの取り扱いについて、イギリスアメリカドイツ、この三カ国についてはどのような規制があるのか、自治省の方でわかりましたらお答えいただきたいと思うんです。
  114. 片木淳

    政府委員(片木淳君) イギリスアメリカドイツにおきましては、選挙運動用ポスターの掲示を規制する規定があるとは承知しておりません。
  115. 富樫練三

    ○富樫練三君 そうなんですね。この三国については、ポスターについては全然規制がないわけなんです。ですから、これは政治活動の自由が保障される、こういうことになっていると思うんです。そういう世界の流れから見ても、さらに憲法精神から考えても有権者の知る権利をきちんと保障するべきだというふうに思います。  近年、選挙での投票率が長期的に見ると低下する傾向があります。投票時間の延長や不在者投票の拡充などの中で、前回の参議院選挙では若干の投票率の上昇が見られたわけでありますけれども、長期的にはやっぱり低下をしている、こういう状況であります。  この原因はいろいろあると思います。例えば政治腐敗に対する国民の不信のあらわれとか、あるいは政党の主張が国民には理解しにくいとか、選挙制度の問題であるとかさまざまな角度からの分析が必要であると思いますけれども、その中でも一つの要因として選挙運動や政治活動への規制の強化によっていわゆる暗やみ選挙、こういうふうに言われておりますけれども、有権者に政党や候補者の姿、政策が見えにくくなっている、こういうこともあると思います。国民の知る権利をきちんと保障して、政党や候補者の政策を知り判断する機会を大いにふやすこと、これが国民の基本的な権利、参政権を保障することとなると思うんです。  同時に、さまざまな条件のもとで投票の意思があるけれども投票ができない状況を改善する、このことも一つの問題であると思います。今度の法案とは直接関連はありませんけれども、その一つとして、今高齢化社会と言われております、そういう中で寝たきり高齢者の投票を保障するための在宅投票制度が必要だというふうに考えておりますけれども、この実施についての検討や見通しの状況、もし現時点でこの程度までということがあれば、それをぜひお知らせいただきたいと思うんです。
  116. 片木淳

    政府委員(片木淳君) お答えをいたします。  寝たきり老人等現行の制度では投票することが困難な方々の投票機会をどう確保していくかは重要な問題と認識をいたしております。  ただ、いわゆる寝たきり老人に郵便投票を認めることにつきましては、どのような状況の方を寝たきり老人としてとらえて、そして全国的に均一の取り扱いをしていけるのかどうか、あるいは公的な証明方法、これをどうするのか等、選挙の公正確保の観点からの課題がございます。幅広く検討を進めてまいりたいと考えておる状況でございます。
  117. 富樫練三

    ○富樫練三君 今、全体の人口の中で高齢者が占める比率というのはどんどん高くなっているわけなんです。したがって、こういう方々の選挙権を、投票権を保障するということは、これからの日本にとっては大変大事な問題だというふうに考えるわけなんです。  今、把握しているところで、大体どのくらいの人数がそういう対象者としているのか、それから郵便投票の問題やあるいは公平さあるいは公的な証明の問題とか、こういうことを言われておりますけれども、こういう点については、かなり具体的に検討されているのかどうか、その辺についてはいかがでしょうか。
  118. 片木淳

    ○政府委員(片木淳君) まず、数の問題でございます。いわゆる寝たきり老人の数、厚生省の推計を承知いたしておりますが、寝たきり老人は平成五年九十万人でございましたが、平成十二年には百二十万人、平成二十二年には百七十万人、平成三十七年には二百三十万人になるものと推計をされておるところでございます。このうち、どの程度の方を対象とするのかどうかということにつきましては、もちろんまだ結論は出ているわけではございません。  それから、現在の検討状況でございますが、今申し上げましたそういう寝たきり老人の将来見込み数字もございますので、そしてまた先ほど申し上げましたように、寝たきり老人等の現行制度で投票することが困難な方々の投票機会をどう確保していくかということは重要な問題だと認識いたしておりますので、厚生省のそういう動向、また介護保険制度が今議論になっておりますけれども自治省の重点施策の中におきましてのそういう状況も踏まえまして何か検討できないかということが課題になっておりまして、いろいろと検討はさせていただいておりますけれども、先ほど申し上げましたような公的な証明方法をどうするかといった投票の公正確保の観点の課題はまだまだあるなという今段階でございます。
  119. 富樫練三

    ○富樫練三君 今、介護保険制度との関連、こういうことでありましたけれども、将来二百三十万人ぐらいになるということであれば大変重要な問題だというふうに思います。これは、例えば介護保険で要介護として認定された方については投票の権利をきちんと公的に保障するとか、そういうふうなことを考えているという意味ですか。そこのところをもうちょっと、もしわかれば具体的にお願いしたいんですが。
  120. 片木淳

    ○政府委員(片木淳君) 少し経緯がございまして、戦後間もなく郵便による不在者投票をかなり拡大した経験がございますが、その当時、非常に不正も発生して大変な問題になりまして、一時全面的に取りやめになった経緯がございます。昭和四十九年に現行の郵便による不在者投票制度を創設いたしますときに、昭和二十六年当時の反省に立ちまして、公正を確保するためのいろいろな工夫をして現行制度に至っておるという状況でございます。  お尋ねの介護保険の関係につきましては、私ども今承っておりますところでは、もちろん公的証明という点では認定制度もあるわけでございますけれども、その内容といたしましては、要介護認定等の基準時間によりまして要介護状態の区分をされるということで、時間概念で区分をされておるという点につきましては、公正の確保、その必要性を認める範囲につきましてそのまま使えないという問題がございます。そこら辺をどうするか、非常に重要な課題ではあろうかと思いますけれども、事務的にまだ勉強しておる最中であるというふうに御理解いただきたいと思います。
  121. 富樫練三

    ○富樫練三君 高齢者の投票権をきちんと保障するという課題とあわせて、在外邦人の国政選挙での投票権の問題ですけれども、これについてはこれから衆議院選挙、参議院選挙の比例代表については投票できると。ところが、これは選挙区選挙については現時点では除外をされているわけなんです。比例代表について投票をしながら、回を重ねながらさらに具体的な方法を検討するというふうに伺っているわけなんですけれども、選挙区選挙についても実現が可能であろうというふうに思います。  そこで、外国に三カ月以上居住しているという方々で有権者になっている人、子供さんもいるわけですから、そういう点では有権者は現状で大体どのぐらいいるというふうに把握しているのか、この点についてはいかがでしょうか。
  122. 片木淳

    ○政府委員(片木淳君) 約五十九万人と推計をいたしております。
  123. 富樫練三

    ○富樫練三君 五十九万人というと、やっぱり大変多数の有権者だというふうに思います。したがって、高齢者や外国に居住している方々についても参政権をきちんと保障するという点は、一番最初の洋上投票の問題を含めて大変大事な問題であろうというふうに思っているんですけれども、選挙区選挙についても投票が実現できるように、この点の検討はどういうふうに今進められていますでしょうか。
  124. 野田毅

    ○国務大臣(野田毅君) 率直に言って、これは国外における初めての投票制度でありまして、これから国外への情報伝達をどういう形でやっていくのか、あるいはまた在外公館の体制が、どういう対応ができるのかということを、率直に申し上げて、まずは比例代表選挙で実施をして、その上でどういう問題があるかということも点検をしながら、もちろん選挙区選挙にも拡大できれば一番いいわけで、やはりどういう障害があるのかないのかということをまず実際に比例でやってみて、その上で判断をしたいというふうに考えております。
  125. 富樫練三

    ○富樫練三君 終わります。
  126. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。  私どもは、この改正法案には賛成でございます。その上で、二、三質問をさせていただきたいと思います。  特に、本改正法案で公職にある間に犯した収賄罪等の刑に処せられた者の被選挙権停止期間の延長問題、これは私どもが与党の時代に提起をし、同時に佐藤孝行問題が起こったときにぜひやろう、こういう機運になったということで、この間、実現をしたことは大変うれしく思いますし、特別委員長の御苦労に感謝を申し上げたいというふうに思っております。  それから、洋上投票についても、これは遠洋航海に従事する日本人船員の長年の要求課題でございましたし、国民すべからく公平に選挙権を担保するという意味では、私はとてもいい改正だというふうに思っておるところであります。  ところで、今回の洋上投票でございますが、衆参の通常選挙のみというふうになっておりますが、そういうふうに限定をした理由と、それから私は技術的には自治体選挙にも応用、適用は可能ではないのかというふうに思うわけでありますが、本改正法が成立した後に自治体選挙にも適用を拡大するということについて自治省はどうお考えになっているか、お聞かせをいただきたいと思います。
  127. 片木淳

    ○政府委員(片木淳君) 今回、委員長提案で洋上投票制度におきまして地方選挙等を適用にしていないということでございますが、お考えといたしまして、洋上投票制度におきまして地方選挙も対象といたしました場合には、次のような問題が生ずるというふうに考えられたと承っております。  船長におきましては、各地方選挙の別ごとに投票用紙等の請求、保管、投票等の事務を行わなければならず、その事務負担が過大になるのではないかということでございます。現行の指定船舶の不在者投票制度も同じ考え方でございまして、同様に衆議院議員の総選挙と参議院議員の通常選挙を対象といたしておるところでございます。  洋上投票の対象選挙として地方選挙を今後加えることにつきましては、今申し上げましたような問題もございまして、またファクシミリによる投票制度、これも初めての試みでございます。国政選挙における洋上投票の実施の状況を見て、また御議論もいただきたいと思いますし、私どもといたしましても検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  128. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 確かに、自治体選挙まで適用を拡大すると、今おっしゃるように船長の負担はふえるかもしれませんけれども、ただ遠洋漁業に従事する人たちというのはそれぞれ地域的に私は固まりがあるんじゃないかと思いますけれどもね、その出身者というか。そういう点では、多少面倒くさいとか手間暇かかるかもしれませんけれども、衆参の通常選挙で可能であれば自治体選挙にもこれは可能な仕組みとして、私はぜひ近い将来実現できるように取り組んでいただきたいと思います。  それから、提案者にお伺いいたしますけれども、対象船舶、対象船員との関係で、本法案では遠洋区域を航行区域とする船舶等に乗って航海する船員と、こういうふうになっているわけです。そうすると、遠洋区域であっても外国船籍に乗り込んでいる日本人船員、要するに日本船籍じゃなくして外国船籍を有している船舶、それに乗り組んでいる船員に対してはどういう扱いになるんでしょうか。
  129. 桜井新

    ○衆議院議員(桜井新君) これは、自治省からお答えをした先ほどの質問と同じように、そういう議論もございましたけれども、これ全部詰めているとまた時期が先へおくれてしまうんです。とりあえずやれるところからやって、長年の願望であったのでスタートをさせようと、そのスタートをさせるについて、今やっている指定船舶の不在者投票制度というのが衆参の選挙だったのでそうしようということと同時に、日本国籍の船でないものまで拡大をしますとなかなか合意を取りつけるまでに時間もかかる、こういうこともありますので、とりあえずスタートをして、今あなたの御質疑のあった件については、先ほどの質問も含んで、これからいろいろな経験をした中で合意を進めていこう、こういうことでありますから、今後の課題とさせていただきたい、こう思っています。
  130. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 先ほど、富樫委員の質問に対して、自治省の方から、本法改正によって洋上投票が可能となる船員の数が三万二千人というお答えでした。この三万二千人の中には、今私が指摘をした、いわゆる外国船籍に乗り込んで遠洋漁業に従事をしている日本人の船員というのは入っておるんでしょうか。
  131. 片木淳

    ○政府委員(片木淳君) 入っておりません。外国船籍の乗組員は入っておりません。
  132. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 そういう外国船籍に乗り込んでいる遠洋区域を航行区域とする船員の数もかなり多いと聞いておりますが、その実態は掌握しておられるんでしょうか。
  133. 片木淳

    ○政府委員(片木淳君) 実態も掌握いたしておりません。そういうふうに外国船籍のものでございますので、実態の掌握もできないというところに今回の問題の難しさもあるというふうに考えております。
  134. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 私は、実態が掌握できないというのはどうも納得できないんですが、例えば全日本海員組合とか、いろんな船舶会社その他を調査、問い合わせすれば、その実態は掌握可能だと思うんです。  全日本海員組合などの指摘によると、むしろ外国船籍の船に乗り組んでいる乗組員がかなりおるというふうに指摘をされておりますので、私は、速やかな実態調査をして、将来そういう人たちにも適用を拡大していく、特別委員長がおっしゃっていた、今はこれで走り出して、そういう人たちまで適用しないとやっぱり法制度のもとで差別が生ずることになるのではないかというふうに考えておりますので、どうぞ自治省におかれてもまた提案者におかれても、引き続き私はこの対象船員の問題、船舶の問題については適切なる取り組みをお願いいたしたいということを申し上げて、終わりたいと思います。
  135. 小山峰男

    ○委員長(小山峰男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  本案の修正について富樫君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。富樫練三君。
  136. 富樫練三

    ○富樫練三君 私は、日本共産党を代表して、公職選挙法の一部を改正する法律案に対する修正の動議を提出いたします。その内容につきましては、ただいまお手元に配付されております案文のとおりでございます。  その提案理由について御説明いたします。  公職選挙法の一部を改正する法律案の内容は三項目となっていますが、第一の収賄罪等で刑に処せられた者の被選挙権の停止期間延長と、第二の洋上投票制度の創設の二項目については、国民の要求を反映したものであります。しかし、第三の選挙運動の期間前に掲示された政治活動用のポスター撤去の項目については、議会制民主政治に影響を与える重大な問題点を持っております。  そこで、日本共産党は、原案中のポスター規制部分について削除する修正案を提出いたします。  今日の社会における政党の政治活動の自由とは、議会制民主政治の根幹をなす憲法上の重要原則であります。まさに国民の代表を選ぶ選挙のときこそ、政党や候補者等の言論、政策による選挙や政治活動の自由は最大限に保障されるべきものです。 したがって、選挙や政治活動への規制強化は憲法の要請に逆行するものであり、到底容認できません。  原案の第三に示されている選挙活動の期間前に掲示された政治活動用のポスター撤去は、従来、自治省・選管の見解で選挙期間中の政党の政治活動として認められてきた、いわゆる弁士連名ポスターの選挙期間中の撤去を義務づけ、政党の政治活動用ポスターの掲示をより厳格に規制しようとするものであります。  これは、選挙期間中の政党の政治活動にあれこれの規制をする、べからず選挙をより強化するものであり、認められません。  そこで、修正案では、政党の政治活動の自由を保障するため、原案中のポスター規制部分について削除することとしております。  以上、修正案の概要を申し上げ、委員の皆様方の御賛同をお願い申し上げて、提案理由の説明といたします。
  137. 小山峰男

    ○委員長(小山峰男君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  138. 八田ひろ子

    ○八田ひろ子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案に対して反対、並びにただいま提案がありました日本共産党提出の修正案に対して賛成の討論を行います。  今回の公職選挙法の改正案のうち、収賄罪等の刑に処せられた者の被選挙権停止期間の延長については、いわゆる汚職議員に対して被選挙権の停止を十年間とし、より厳しい制裁を科すものであり、賛成であります。  船員の洋上投票につきましては、長期間の遠洋航海等に従事する船員に国民の基本的権利である選挙権行使の手段を具体的に保障するものであり、我が党も実現を積極的に推進してきたものであり、賛成であります。  次に、選挙運動の期間前に掲示された政治活動用ポスターの撤去についてであります。  従来、自治省・選管の見解で選挙期間中の政党の政治活動として認めてきた、いわゆる弁士連名ポスターの選挙期間中の撤去を新たに義務づけることによって、政党の政治活動用ポスターの掲示をより一層厳格に規制するものであります。これは、本来自由であるべき選挙期間中の政党の政治活動への規制を一層強化するものであり、反対であります。  ポスター規制という原則上の問題が含まれる以上、被選挙権停止期間の延長、洋上投票については賛成でありますが、本案については反対せざるを得ません。  次に、日本共産党の修正案につきましては、提案理由説明にもありましたようにポスター規制の規定を削除するものであり、賛成であります。  以上で討論を終わります。
  139. 小山峰男

    ○委員長(小山峰男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、富樫君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  140. 小山峰男

    ○委員長(小山峰男君) 少数と認めます。よって、富樫君提出の修正案は否決されました。  それでは次に、原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  141. 小山峰男

    ○委員長(小山峰男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  142. 小山峰男

    ○委員長(小山峰男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十分散会