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1999-03-17 第145回国会 参議院 本会議 9号 公式Web版

  1. 平成十一年三月十七日(水曜日)    午後一時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第九号   平成十一年三月十七日    午後一時開議  第一 平成十一年度における公債の発行の特例   に関する法律案内閣提出、衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、平成十一年度一般会計予算  一、平成十一年度特別会計予算  一、平成十一年度政府関係機関予算  一、平成十一年度一般会計予算外二件両院協議   会の協議委員の選挙  一、平成十一年度一般会計予算外二件両院協議   会参議院協議委員議長報告  以下 議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、  平成十一年度一般会計予算  平成十一年度特別会計予算  平成十一年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。予算委員長倉田寛之君。     ─────────────    〔審査報告書は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔倉田寛之君登壇、拍手〕
  4. 倉田寛之

    ○倉田寛之君 ただいま議題となりました平成十一年度予算三案につきまして、予算委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。  平成十一年度予算の内容につきましては、既に宮澤大蔵大臣の財政演説において説明されておりますので、これを省略させていただきます。  平成十一年度予算三案は、一月十九日、国会に提出され、一月二十二日、宮澤大蔵大臣より趣旨説明を聴取し、衆議院からの送付を待って二月二十二日から審査に入りました。  自来、本日まで審査を行ってまいりましたが、この間、三月四日に公聴会を開くとともに、三月三日、八日及び十日には財政金融・景気・雇用及び外交・防衛並びに教育・環境・福祉の三つのテーマについてそれぞれ集中審議を行い、また三月九日には参考人を招致し、日本債券信用銀行に関する質疑を、さらに三月十二日、十五日及び十六日午前には各委員会に審査を委嘱するとともに、予備審査中の一月二十七日から二十九日にかけては、和歌山県、奈良県及び石川県、福井県にそれぞれ委員を派遣して現地調査を行うなど、本日に至るまで濃密かつ熱心な審査を行ってまいりました。  以下、質疑のうち若干につき、その要旨を御報告申し上げます。  政治の基本にかかわる問題として、連立政権及び国旗・国歌の問題につき質疑がなされました。  まず、自由民主党と自由党との連立問題につきまして、「昨年の参議院選挙で反自民を訴えた自由党と自由民主党が連立を組むのは憲政の常道に反し、国民の期待を裏切るものではないか。既に参議院議長が選挙制度の検討を各会派に要請中にもかかわらず、自自連立協定書に参議院の定数五十人の削減を明記したのは看過できない。自自連立については国民の信を問うべきとの意見にどう思うか」との質疑があり、これに対し、小渕内閣総理大臣及び野田自治大臣より、「政権を安定させるには、選挙を通じて行う方法もあるが、また、基本的な政策について政党間で話し合い、合意に達すれば、政権をともにする方法も民主政治ではあり得ることと思う。自由民主党と自由党の党首会談の結果、現在我が国は国家的危機のただ中にあるとの時局認識をひとしくし、国家国民のために政権を安定させて責任を分かち合うことが必要であるとの基本的考え方で一致し、連立政権が成立したものである。参議院の定数削減については、党首会談の合意直後に、参議院自由民主党幹部より、参議院は議長のもとで定数削減も含めて参議院改革の検討を進めており、その協議が優先すると思われるので、自自協定に従うことはできないとの申し出があり、両党首ともこれを了解した。したがって、議員定数削減の部分は、参議院の独自性を尊重することとなっており、事実上意味をなさないものである。連立政権の信を問うべきとの意見について、必ずしも否定はしないが、生きた政治の中で政権の組み合わせが変化するごとに国民の信を問うのがルールとは考えていない。現在は審議中の予算を一日も早く成立せしめ、経済を再建することを先行させたい」旨の答弁がありました。  国旗・国歌の問題については、「我が国の誇りと愛国心を育てていくには、国旗・国歌を法制化し、遵守させることが必要と思う」との一方、「歴史的経緯を考えれば国旗・国歌の強制につながる法制化を慎重に考えるべきではないか」との質疑があり、これに対し、小渕内閣総理大臣より、「国旗・国歌に関し、過去に日の丸・君が代は戦争を思い起こさせるとの反対論もあったが、今日、時を経て改めて我が国を思い、その象徴としての国旗・国歌を考えるとき、この際内閣として一つの結論をとるべきだと思う。既に長年の慣行により国民の間に日の丸・君が代が国旗・国歌であるとの認識は定着しており、政府として、二十一世紀を迎えるに当たり、国旗・国歌の法制化を含めた検討に着手した。今国会に法案として提出するよう努力したい。法制化に伴う国民の義務と権利にかかわる点に関しては、今後内閣で十分検討していく」旨の答弁がありました。  外交・防衛に関し、日米ガイドライン問題に論議が集中いたしました。「日本が米軍を支援することを規定している日米新ガイドラインは、条約的根拠が存在せず、新条約が必要ではないか。周辺事態安全確保法案では、戦闘行動を行っている米軍に対し、我が国が武器弾薬などの補給等の支援を行うことなどが定められているが、こうした行為は米国と戦闘を行っている相手国から敵対行動と見なされ、国際法上の軍事目標となるのではないか。また、武器弾薬の輸送を民間に依頼することがあるのか。その場合、民間の航空機等が攻撃されない保証はあるのか」との質疑があり、これに対し、小渕内閣総理大臣並びに関係各大臣より、「新ガイドラインは、日米安保条約及び国連憲章を基礎としている。日米安保体制は、安保条約の目的の達成のために、地位協定等の関連取り決めや関連国内法令に基づき我が国が広範かつ緊密な協力を行うことを当然の前提としているものである。我が国の米軍への支援行動は、戦争に巻き込まれない地域を想定し行うこととしており、この後方地域での支援活動は、それ自体武力の行使に該当しない。また、国連憲章及び日米安保条約に従って行動する米軍に対して行う我が国の協力も、国際法の基本原則に合致し、許容されるものであって、我が国に対する他国の武力の行使が国際法上正当化されることはない。周辺事態法では、民間に輸送を依頼することが認められ、その中に武器弾薬も含むものの、これは輸送物資の中から当然には排除されないとの趣旨である。また、民間に輸送等を依頼する場合には、攻撃される可能性が限りなくゼロに近いような場合に限定されると考えている」旨の答弁がありました。  現下の最大の課題と言われる景気動向及び経済問題につきましては、「政府は変化の胎動を強調するが、依然景気が低迷しているのはなぜか。十一年度の政府経済見通し〇・五%の達成は可能か。さらに、雇用情勢も大変悪化しているが、政府の雇用対策は十分か。経済の活性化や雇用の創出のため、新規産業創出の対策を喫緊に講ずるべきではないか」との質疑があり、これに対し、小渕内閣総理大臣並びに関係各大臣より、「景気低迷の理由は、短期及び長期の景気循環がともに下降局面にあるほか、我が国経済自身、体質改善が必要な状況になっているなどの要因が重なっていることにある。現在、個人消費の低迷、設備投資の減少、輸出の伸び悩みなど、全体として極めて厳しい状況だが、一方で公共投資が高水準を維持しているほか、減税や低金利の効果等によって個人消費の一部に好調さが見られ、住宅需要も活発化しつつある。政府としては財政・金融両面から最大限の対策を打っており、変化の胎動も大きくなってきていると感じている。十一年度の経済見通しについては、公共事業費は予備費を含め一〇%以上の伸びを確保したほか、税制面で所得税及び法人税の減税等、全体で九兆四千億円の減税を行うなど、〇・五%の達成には万全の手を打ったつもりである。雇用対策については、昨年十一月の緊急経済対策を受けて、十年度の補正及び十一度予算とを合わせ、一兆円の規模を確保した。雇用助成金を大幅に拡充したほか、中小企業創業等の支援策を強化して、新規雇用創出に踏み込むとともに、非自発的失業者を雇った企業への支援を手厚くするなどの措置を講じている。また、新規産業の創出は、二十一世紀の我が国が発展、繁栄していく上で不可欠なものであり、人材確保、資金確保、技術確保等の側面から、制度面及び税制面においてもさまざまな政策をとっていきたい」旨の答弁がありました。  財政、金融及び税制につきましては、「十一年度予算は構造改革を促し、二十一世紀に向けて展望ある予算とはなっていない。国債金利の急激な上昇は市場の国債吸収能力の限界を示すものではないか。金利上昇を抑制するには、日本銀行が国債の買いオペをふやすなどの施策が考えられないか。予備費のほかに公共事業等予備費五千億円も計上することは、財政支出に対する国会の事前議決の原則に反するもので、削除すべきである。十一年度減税案のうち、所得税を定額減税から定率減税に切りかえたことで、年収八百万円以下の標準世帯には増税となるが、景気回復にも逆行するのではないか。消費税の福祉目的税化を消費税法に規定せず、なぜ予算総則に規定したのか」との質疑があり、これに対し、小渕内閣総理大臣及び関係各大臣並びに速水日本銀行総裁より、「十一年度予算は、長期にわたるマイナス成長をプラスに転じさせようと、当面の景気回復に全力を尽くすべく編成したもので、構造改革等について手が及ばなかった面もあるが、公共事業については、即効性、波及性、未来性の三つの観点から施策を取り入れるなどの工夫もしているところである。長期金利が急上昇したのは、十一年度の国債発行額が相当大きくなったことのほか、国債発行総額から見ればわずかにすぎない資金運用部買い入れを停止したことによるもので、市場の過剰反応だと思う。金利水準は国際的に見てなお低く、今後国債が売れなくなる危機的な状況にはない。国債の日銀引き受けは法律で原則禁止されており、特に、新規国債を引き受ければ、財政節度が失われ、悪性インフレの原因となって、内外の信認を失うので考えていない。国債の買い切りオペは、あくまでも日銀券の増加に見合った額を資産として持つというルールを今後も守っていく。公共事業等予備費は、景気の先行きに不測の事態が生じた場合、改めて補正予算を編成し、国会の議決を得るまで時間を要するので、とりあえず公共事業に限った予備費を使用することで対応し、後に国会の承認をいただくこととしたものである。十一年分の所得税減税については、昨年限りの定額減税の実施によって、課税最低限度が高くなり過ぎ、納税人口が減少して、これを今後も続けることが困難なため、今回改めてもとの課税最低限度まで戻り、その上で恒久的減税を実施することとしたものである。消費税を基礎年金等の福祉目的のみに使用すると予算総則に規定したのは、消費税についての国民の理解がより深まるのではないかとの意図に基づくものであり、福祉目的の考え方は継続していくべきものと考えている」旨の答弁がありました。  最後に、ダイオキシン対策につきまして、さまざまな角度から質疑が重ねられましたが、「ダイオキシンに関する政府の安全基準値が厚生省と環境庁で異なり国民にわかりにくく、不安を与えていないか。また、測定方法によって検査値が異なり、検査の信頼性が失われているのではないか。我が国のダイオキシン対策は、諸外国に比較し、十年以上遅れているが、今後、対策をどのように進めていくつもりか」との質疑があり、これに対し、小渕内閣総理大臣並びに関係各大臣より、「「耐容一日摂取量」すなわちTDIを、厚生省は動物実験等の結果から、平成八年に十ピコグラムを提案したが、その後、環境庁は人の健康をより積極的に維持するとの観点から五ピコグラムと設定した。しかし、本年、世界保健機構から、新たなTDIの詳細が明らかになったので、専門家会議で検討し早急に基準の整合性を図ることにしている。また、ダイオキシン濃度の測定分析については、熟練した技術に支えられた極めて微量な濃度の分析という難しい問題を抱えており、検査の信頼性を確保するため、測定分析機関が行った結果を学識経験者を含めた検討会で評価するとともに、分析技術の改善を図るために、公表することとしている。ダイオキシン対策は、安全のかけ橋という点で、緊急に取り組むべき課題と認識しており、関係閣僚会議を設置するとともに、基本指針の策定、検査体制の整備及び国民への情報提供等、施策全般にわたり政治主導により、検討、実施していく」旨の答弁がありました。  質疑はこのほか、経済戦略会議最終報告と政府の対応、円の国際化、公務員の定数削減と行政改革の必要性、北朝鮮への政府対応姿勢、沖縄の経済振興策、金融システム改革、改善進まぬ貸し渋りと円滑な資金供給対策、日本債券信用銀行問題、介護保険制度と要介護認定のあり方、障害者福祉のあり方、新農業基本法と米関税化への対応策など、広範多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して郡司委員が反対、自由民主党及び自由党を代表して月原委員が賛成、公明党を代表して加藤委員が反対、日本共産党を代表して小池委員が反対、社会民主党・護憲連合を代表して日下部委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。  討論を終局し、採決の結果、平成十一年度予算三案は賛成少数をもっていずれも否決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  5. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。竹山裕君。    〔竹山裕君登壇、拍手〕
  6. 竹山裕

    ○竹山裕君 私は、自由民主党及び自由党を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成十一年度予算三案に対し、賛成の立場から討論を行います。  我が国経済は、設備投資の落ち込み、消費の冷え込みが続くなど、依然厳しい状況にあります。かかる状況のもとでは、適切かつ迅速な景気の回復は最重要課題であります。経済再生内閣として昨年八月に成立した小渕内閣は、この難題を解決すべく、これまでありとあらゆる努力を傾注してまいりました。昨年十一月には事業規模二十七兆円という過去最大の緊急経済対策を策定し、あわせて平成十年度第三次補正予算を早急に成立させました。  また、不況を長引かせる最大の原因である金融危機に対しては、政府の強い指導力のもとに迅速な不良債権処理に取り組み、思い切った公的資金の注入を通じて、何としてでも景気を回復させ、経済の再生を図るという強力なメッセージを送っているのは承知のとおりであります。  こうした政府の果敢な取り組みにより、コンピューター、軽自動車などの耐久消費財の売り上げに回復の動きが見られるほか、低金利政策の効果や、住宅減税に対する期待から住宅投資についても改善の兆しがあらわれております。あれほど問題だった貸し渋りも改善されるなど、政府の対策の効果が着実にあらわれているのであります。本予算はこうした方向をさらに推し進め、景気回復をより強力に推進するものであり、大いに賛意を表するものであります。  以下、平成十一年度予算三案に賛成する理由を申し述べます。  賛成の第一の理由は、景気回復を図るための積極型予算となっている点であります。  本予算は、昨年十二月に成立した平成十年度第三次補正予算と一体的に編成され、十五カ月予算として景気浮揚に最大限配慮した内容となっていることは周知のとおりであります。  政策的経費である一般歳出は、対前年度比五・三%増と、昭和五十五年度以降では最も高い伸びとなっております。とりわけ公共事業費につきましては、公共事業等予備費を含めて一〇%を超える高い伸びを確保し、景気回復に絶大な効果を発揮するものと大いに期待するものであります。加えて、経済構造改革等を推進するための各種の重点化枠を設け効率的な配分が行われており、これらの積極予算に加え減税政策により、来年度の日本経済は二年続いたマイナス成長からプラスに転ずることが大いに期待される内容となっております。  賛成の第二の理由は、過去最大規模の減税が盛り込まれている点であります。  本予算においては、所得減税二兆九千億円、法人減税一兆七千億円のほか、住宅ローン減税、子育て・教育減税などの政策減税等が二兆七千億円あり、国税関係だけでも七兆三千億円が減税されることとなっております。さらに、地方税の減税額二兆二千億円があり、これを合わせると総額九兆五千億円の大規模な減税を行うことになっております。  かかる減税は、冷え込んでいる消費の回復に資することはもとより、法人税の実効税率を国際水準並みに引き下げ、企業の国際競争力を向上させるとともに、景気低迷に悩む中小企業にも十分配慮したものとなっております。このようなきめ細かな施策が景気を浮揚させ、経済の活性化を促すことは明らかであります。  賛成の第三の理由は、少子高齢化対策への十分な配慮が図られている点であります。  今後の少子高齢化の急速な進展は、我が国の将来を左右する重要な問題であります。よって、早急にその対策を講じることは、明るい未来を迎える上で避けて通ることはできません。かかる現下の状況を踏まえ、本予算においては、緊急保育等五カ年事業の推進や、がん・エイズ・難病対策の総合的推進など、国民が生涯を通じて心豊かに、安心して活力を持って暮らしていける社会を実現する各種の施策が盛り込まれております。社会保障関係予算としては十六兆円が計上され、新ゴールドプランの着実な推進が担保されている内容となっております。  賛成の第四の理由は、中小企業を取り巻く厳しい経営環境を踏まえ、中小企業対策に積極的に取り組んでいる点であります。  中小企業対策は、中小企業保険公庫の出資金の積み増し等の金融対策に加えて、新規開業・雇用創出支援や経営革新支援対策等の施策を推進することによって、財務、経営の両面から支援を行うこととしており、評価できるものであります。  また、生産性向上のための産業再生計画を具体化するための予算も積極的に措置されており、実効性の確保とともに中小企業にも配慮されたものとなっており、経済構造改革が今後進むものと期待されます。  賛成の第五の理由は、現下の厳しい情勢に最大限配慮した雇用対策が図られている点であります。  失業対策費については五・二%増の高い伸び率を確保しており、また、百万人の雇用創出・安定を目指す事業規模一兆円の雇用活性化総合プランの実施を目指すなど、安全ネットと呼ぶにふさわしい内容となっており、国民の不安を払拭すると確信できるものであります。  賛成の第六の理由として、国民生活の質の向上に資する施策が織り込まれている点であります。  本予算においては、政府がゆとりと潤いのある国民生活を目指して、去る一月二十九日に打ち出した生活空間倍増戦略プランを実現する経費が織り込まれております。かかる施策等により、欧州並みの住宅床面積を実現することなどを目指しております。また、公共事業費におきましては、市街地整備五三・八%増、自然公園二七・五%増など、生活関連社会資本に手厚い予算配分がなされており、生活の質の向上に大いに役立つものであります。  以上、本予算に賛成する主な理由を申し述べました。一刻も早く来年度予算を成立させることは、国民が切望するところであり、世界に向けて景気回復の取り組みについての我が国の強い決意をメッセージとして発信することにもなります。  平成十一年度予算三案は、大規模な減税や二十一世紀を展望した公共事業を中心に据えて内需拡大を図り、民需主導による安定的成長軌道に乗せ、我が国経済が再び活力を取り戻すよう、国民一人一人が夢と希望に満ちあふれた将来を思い描くことができる社会を実現するためにも不可欠な予算であります。  政府におかれましては、予算成立後は速やかにその実行に邁進されることを強く期待して、私の賛成討論を終わります。(拍手)
  7. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 円より子君。    〔円より子君登壇、拍手〕
  8. 円より子

    ○円より子君 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となっております平成十一年度予算三案に反対の立場から討論を行います。  今、我が国はメガコンペティションの荒波にもまれ、戦後五十年のシステム転換を余儀なくされ、国民は塗炭の苦しみを味わっております。しかし、政府はシステムの問題だけに責任転嫁をしているのではないか。政策の成功、失敗には必ず人が存在し、人が国民を幸せにも不幸にもするのです。  私どもが政府予算に反対する最も大きな理由は、国民の苦しみを真に憂え、責任をとり、国民の不信を払拭し、国民に元気を与え、幸福をもたらすのだという気概、志のある人が今の政府にはおらず、その気概が予算に全く反映されていないことにあります。気概と志のあるリーダーがいないことは、戦略を持ったリーダーがいないということであり、予算に見られる政府の諸政策には戦術あって戦略なしということであります。  戦術が局地的であるのに対し、戦略は全体を俯瞰しての対応です。戦後日本の奇跡的な経済発展には戦略がありました。私の言う戦略とは、個として国としてのアイデンティティーを実現しつつ世界全体に貢献する願いということです。  総理は、昨年の組閣後、直ちに経済戦略会議に諮問なさった。しかし、今回の予算案のどこに総理の戦略があるのでしょうか。  四・四%もの失業率で国民は苦しみ、不安を募らせていますが、この失業の増加は残念ながらまだこれからが本番でしょう。このデフレは尋常なものではないのです。日本には戦後の大発展による蓄積が残っているために、ある意味ではまだ骨身にはこたえていません。しかし、その蓄積を背景に、財政が大盤振る舞いをしても、不況に歯どめはかかりません。それは理由があるからでしょう。  長年の水増し型の拡張経済のかじ取り自体が壁に突き当たっているのです。過渡的、部分的に正しいかじ取りであったとしても、それを常態化し、打ち出の小づちのように振り回すのは行き過ぎだったこと、破綻が不可避な水増し型の拡張経済を続けてきたことの誤りを政府は自覚し、責任をとるべきではないですか。  今回の予算は、その誤りの自覚のないまま拡張経済を助長しております。西欧主導の世紀、欲望の世紀であった二十世紀、それへの反省のないまま、二十一世紀への志も示せてはおりません。このことが、リーダーシップへの国民の失望と不信をますます募らせているのです。そして日本の景気回復をおくらせていることを考えると、今回の戦略なき予算案に到底賛成などできるわけがありません。  今、欧米もアジアも、経済の行き詰まりを打開するために日本に多くの注文をつけてきています。しかし、彼らの側も本当の答えを持っているのか。日本自身が持っているに違いないとの期待感があっての注文なのかもしれません。とするなら、政府が常に外圧によって金融政策や財政政策を猫の目のように変えていることは、日本国民の不信を増すだけでなく、世界のために貢献するという立場からも、世界の失望を呼ぶだけです。  さて、先般の経済戦略会議の答申も、日本の経済政策の青写真としてとても十分とは言えません。それは、この答申は、基本的柱を立て、総合的なアプローチを目指している点でそれなりに戦略と言えますが、戦略の質を左右する目的が欠落しております。  戦略会議の目的は、個人に引き直せば、借金苦の状態から、やっと一息ついて生活できるよう正常化することにすぎません。しかし、これだけでは、人は将来への展望も生きがいも見出せません。国においては、この難局を乗り越える覇気をよみがえらせることができません。  今回の予算案もしかり。この予算案では、最大の課題である景気回復に十分こたえているとは全く申せません。政府公約の実質〇・五%の経済成長は到底不可能な内容です。さらに、一過性のばらまき景気対策のみと言っても過言ではありません。  昨十六日に発表された三月の月例経済報告では、景気は下げどまりつつあると上方修正されましたが、来年の民間設備投資は約一〇%も減少し、大幅なリストラ、つまり大量の失業者が出ることが確実視されています。個人消費も大きな上昇は見込めず、輸出も含めて民需が深刻で、惨たんたる現状が底ばいのままであることには変わりがありません。この責任をどうとるのか。一過的に株価が上がったことに浮かれている状況ではないのです。  甘い経済見通しを続けて、経済危機をいたずらに拡大し、かかる事態を招いた政府の責任は極めて大きいものです。この旧態依然とした政府予算が原案のまま通過しても、景気がプラスに転じる見通しは、国民にとって全く不幸なことですが、低いと言わざるを得ません。  さて、今回の予算案は、事ほどさように戦略的とは言えない代物であります。これが最大の反対理由ですが、戦術的予算案としても欠点がございます。  まず第一に、個人所得税、法人諸税等の減税の実施は、遅きに失したと言わざるを得ません。所得税減税の大半が定率減税であり、恒久減税等の抜本改革を見送ったことは、十分な消費刺激や国民の不安解消につながるものでないことは明白です。  個人所得課税については、すべての層を対象にした恒久減税を実現すべきであり、その具体策として、我が民主党は、所得税率の一律二割引き下げによる累進構造の緩和、最低税率の適用範囲の拡大を図り、納税者番号制度と総合課税化への道筋を明らかにする対案を提出いたしました。この提案は、消費拡大にも勤労者の生活向上にも最良の対策であると確信しております。  第二は、公共事業に相変わらず多くの問題点が残されたままであることです。  旧来型の事業が大半であり、大胆な配分見直しに全く手がついておりません。さらに、五千億円の公共事業予備費は使途不明金であり、財政民主主義の根幹を否定するものではないでしょうか。  第三は、かつてない放漫財政に陥り、将来の財政再建に全く見通しが立っていないことです。  国債発行高は当初予算では最高で三十一兆円を上回り、国債依存度は三七・九%にもなります。国と地方の債務残高は、来年度末でGDPの一・二倍に当たる六百兆円に上る見通しです。国民の多くは、近い将来の大増税を懸念しているのではないでしょうか。  このような国民の懸念や不安を払拭するには、政府は何の見通しもなく財政構造改革法の凍結を行いましたが、今後五年間の経済成長見通しと財政展望を明確にし、凍結期間にこれまでの硬直的かつ固定的な手法にかわる新しい財政規律のあり方、財政再建策を取りまとめるべきと考えます。  第四は、行政改革が後退し、税金のむだ遣いが根本から是正されていないことです。  民間企業や家庭では血のにじむようなやりくりが行われているのに、国会、行政の合理化、経費節減は生ぬるいと言わざるを得ません。政府が取り組もうとしている中央省庁や特殊法人の再編は看板のすげかえだけであり、大胆な歳出削減策や地方分権を欠くものであり、真の行革とはほど遠い代物です。  霞が関の官庁街を売却するくらいの斬新な施策なくして、政府が真剣に行革に取り組んでいるとは言えません。英国がPFIを導入し、すべての庁舎を民間に貸し、財政難と行政サービス低下を防いだ実績に倣い、政府も本気で頑張っているなと国民にわかってもらうことが今こそ大事なのではないでしょうか。  第五は、西欧型の規制緩和社会に向かう中で、リーダーならば当然考えておくべき、少子高齢社会や失業問題に対するセーフティーネットの整備が不十分なことです。  現在、国民の公的年金への不信、不安は限りなく高まっています。何よりも重要なことは、公的年金の土台である基礎年金を抜本的に改革することです。さらに、安心して子供を育てることができることの一つとして、扶養児童に係る扶養控除を廃止し、西欧水準並みの子育て支援基金を創設することが不可欠です。  労働・雇用対策においても、国民の不安解消に十分政府予算は資するものではありません。十一月の緊急経済対策で政府が公約した百万人雇用創出の具体策、育児・介護休業の所得保障の充実などを当然盛り込むべきです。  以上、政府への信頼を取り戻し、志を持って危難を乗り越えようとする気概が全く感じられない政府予算に私どもは断固反対いたします。  最後に、マネー至上主義、市場原理主義は資本主義経済を滅ぼすという懸念が海外でも叫ばれています。危機に対する政府の切実感の乏しさこそが危機だということを認識し、一九九九年というこの年を、自己改革へのチャンスとすることこそ景気を立て直すかぎだということを提案し、私の反対討論を終わります。(拍手)
  9. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 山下栄一君。    〔山下栄一君登壇、拍手〕
  10. 山下栄一

    ○山下栄一君 私は、公明党を代表して、平成十一年度予算三案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。  我が国経済は、二年連続のマイナス成長という未曾有の不況に陥っております。消費は低迷が続き、設備投資も大幅な減少を見込む企業がほとんどであります。雇用面においても有効求人倍率は〇・五倍程度と極めて低い水準にあり、失業者は三百万人に上り失業率も過去最悪を更新し続けるなど、雇用情勢は一段と悪化の様相を色濃くしております。  小渕政権は、経済再生内閣を掲げて発足したにもかかわらず、依然として経済対策に実効が見られず、この間、平成十年度の政府経済見通しは、昨年十月に当初見通しの一・九%がマイナス一・八%に、十二月にはさらにマイナス二・二%と下方修正され、その改定された成長率さえ達成が危ぶまれております。  かかる状況の中、提出された平成十一年度予算は、我が国経済を不況から抜け出させるためのものであるにもかかわらず、当面の不況対策さえ不十分であるばかりか、中期的な構造改革につながるものともなっておらず、到底認めるわけにはまいりません。  小渕内閣は、五つのかけ橋を強調しておりますが、国民の生命、生活を守るための安全へのかけ橋については全く不十分と言わなくてはなりません。ダイオキシン問題に関する政府の対応は、国の安全基準値が国際基準と比べて甘く、また省庁によっても異なり、極めてわかりにくく、国民に不安を与えております。また、所沢周辺や茨城県龍ヶ崎市など、高い汚染地域における野菜やお茶、魚介類などの食品に関する国の調査もおくれ、測定分析に関する基準も国際基準よりも劣っているなど、環境問題に対する政府のセンスは極めて鈍いと言わざるを得ません。  ダイオキシン類はもとより、PCB、環境ホルモンなどの汚染実態や健康影響等の総合的な調査研究を進めるとともに、廃棄物対策や発生源対策を抜本的に強化するよう、政府に強く求め、以下、本予算に反対する主な理由を申し述べます。  反対の第一の理由は、平成十一年度税制改正で平成十年度の特別減税に比べ負担増となる中低所得者層への配慮が不十分であり、その結果、景気に悪影響を及ぼしている点であります。  個人消費は国内総生産の約六割を占め、景気回復のかぎを握ると言っても過言ではありません。しかるに、政府の減税策では、減税の大部分が定率減税方式で実施されるため、標準世帯の場合、年収七百九十三万円以下の世帯で昨年よりも実質負担増となっており、これでは個人消費の拡大による景気回復もプラス成長もおぼつかないと言わざるを得ません。  私たち公明党は、かかる状況を踏まえ、総額二兆円規模の特別戻し税の実施を提案しております。政府は一刻も早く、二兆円規模の戻し税を実施して、中低所得者層が減税の恩恵を受けられるようにすべきであります。  反対の第二の理由は、少子化対策が不十分である点であります。  若い夫婦の家庭では、本当に安心して子供を産んで育てることができるのか、十分な教育を受けさせることができるのかという不安に駆られております。本格的な少子高齢社会にあって、子供の誕生から社会に出るまでの子育て、教育に関するトータルな支援システムを築くことが、国民に安心感を与えるために不可欠であると確信いたします。  不況のあおりを受け、可処分所得が減少する中で、児童手当制度の抜本的拡充は、育児の支援に対してなくてはならない政策であります。しかしながら、本予算案では、多くの子供を持つ世帯に配慮して所得制限が緩和されてはいるものの、支給額はこれまでと何ら変わっておりません。施策を実効性あるものにするためには、欧州各国で行われている制度に倣い、支給額を倍増し、支給対象を義務教育終了前の全児童まで拡大するとともに、所得制限を撤廃することが不可欠であります。  奨学金制度については、一部のエリート養成支援という戦前からの育英という古い考え方を改め、すべての子供の能力の多様なあり方に価値を認めるという視点からの支援システムを創設すべきであります。この観点から見ると、本予算案における施策の内容はなお不十分であり、成績要件や保護者の所得制限を撤廃し、希望するすべての高校生、大学生等に無利子で入学金も含めて奨学金が貸与されるよう、制度の大幅な拡充を図ることが不可欠であります。  反対の第三の理由は、行政改革への積極的な取り組みが見られないことであります。  護送船団方式と言われる金融行政の崩壊に見られるように、これまで我が国を支えてきた行政システムの疲弊は明らかであり、国民の官僚不信は高まる一方であります。かかる現状に早急に対処しなければならないにもかかわらず、政府が打ち出した公務員定数の削減は前年より百人も少なく、特殊法人の整理合理化に関しては、我が党が審議過程で明らかにしたように、役員の減少はごくわずかで、その退職金などについても見直しは不十分な内容に終わっています。  税金のむだ遣いをしないという姿勢が極めて希薄であることは、電気料金を初め、公共料金の不経済な使用に関する会計検査院の指摘が繰り返されても、内閣は何ら関心を示さないことからも明らかであります。一刻も早く行政のスリム化を実現するために、行政改革の具体策を目に見える形で実践すべきだと考えます。  反対の第四の理由は、ばらまき型予算によって財政赤字を大幅に拡大させている点であります。  不要不急の公共事業への支出により膨らみ続けた財政赤字によって、国と地方の債務残高はGDPの一・二倍と先進国中最悪の水準に陥っています。そのことによって、既に昨年末からことし初めにかけて長期金利の上昇を引き起こし、今後の状況次第では設備投資の一層の落ち込みや住宅建設を冷え込ませることは必至であります。むだな予算を削減し、財政支出の効率化を通じて財政再建の展望を示すことが必要であるにもかかわらず、そうした努力を放棄した本予算案は到底認めることはできないのであります。  以上、本予算案への反対の理由を申し述べました。  我が国は、二十一世紀において国民生活の豊かさを維持発展できるかどうかの重大な岐路に立たされております。構造改革の推進には痛みを伴い、ややもすれば庶民が最も大きな負担を背負わされかねません。我々は、財政難を理由とする福祉切り捨てに断固反対するとともに、二十一世紀を展望し、社会保障の整備や教育対策を推進して、国民が安心して暮らせる施策の大胆な実施を強く求めて、私の反対討論を終わります。(拍手)
  11. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 笠井亮君。    〔笠井亮君登壇、拍手〕
  12. 笠井亮

    ○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました一九九九年度予算三案に対して、反対の討論を行います。  今、日本経済は、深刻な不況と未曾有の財政赤字という二重の危機に見舞われております。国民が切実に求めているのは一刻も早い景気の回復であり、九九年度予算に必要なことは、むだ遣いに思い切ってメスを入れ、そのために真に有効な対策に財政を投入することであります。  ところが、本予算案は、これとは全く正反対に、財政危機打開へのまともな検討も展望もないまま、またまたゼネコン奉仕の公共事業に大盤振る舞いをしようとしているのであります。また、小渕内閣が進める税制改革なるものは、庶民には増税を押しつけるものであります。これは消費税増税など九兆円負担増によって、今日の最悪の不況を招いた橋本内閣の失政に続く第二の失政とも言うべきもので、総理の責任は極めて重大であります。  以下、本予算案に反対する理由を述べます。  反対の第一の理由は、本予算案が圧倒的な国民には増税となる恒久的減税なるものを盛り込み、消費不況を激化させるものだからであります。  政府の所得減税案では、年収七百九十四万円以下の中低所得者層は、前年度より最高で九万円を超える増税を押しつけられます。我が党の追及で、中低所得者への増税が一兆円に上り、約八千数百億円の消費減となることを大蔵大臣も認めざるを得ませんでした。中低所得者層の方が高額所得者層より消費性向が高いことは明らかであり、景気対策というなら、中低所得者階層にこそ手厚いものにすべきです。  当面の景気対策として、消費税率の引き下げが最も有効であることは、最近の世論調査でも、また、公聴会において消費税減税は短期的なカンフル剤にはなる、減税するなら消費にかかっている税金を減税すべきとの公述があったことからも明らかであります。今こそ消費税減税に足を踏み出すべきであります。ところが、小渕総理が真剣に取り組むとした経済戦略会議の最終答申の中で、消費税の増税は不可避と述べ、増税路線を打ち出したことほど国民の願いに逆行するものはありません。  他方、予算総則で福祉目的と称して消費税を盛り込んだことは、将来、国民に消費税増税のレールを敷くものであり、福祉充実とは全く相入れないものであります。  また、二・三兆円の法人税減税のうち五五%、一・三兆円が全企業の〇・一五%にすぎない三千六百社余りの巨大企業に集中していることは重大です。これらの大企業は、工場の海外移転、リストラ、合理化を猛烈な勢いで推進するなど、不況を深刻化させているのであります。この大企業中心の法人税減税が設備投資に回る保証はなく、景気回復に効果がないことは明らかであります。  反対理由の第二は、本予算案がゼネコン型の公共投資を大幅に拡大し、国と地方の財政赤字を膨張させ、今日の財政危機を一層深刻にするものだからであります。  大型公共投資を野放図に積み増す政府の景気対策は、既にその破綻が明瞭です。過去八回にわたる政府の経済対策により、総額六十四兆円ものお金を公共事業に投入したにもかかわらず、景気は回復せず、国と地方の借金だけが膨らみ続けました。今回の予算案は、これをさらに拡大し、長期債務残高六百兆円、対GDP比率一二〇%という未曾有の危機的ラインに到達させるものです。  さらに重大なことは、これらの政策が今日の地方財政危機の要因となってきたことであります。このことは総理も認めざるを得ませんでした。政府の計画に基づくゼネコン型の公共事業の押しつけは、地方財政を圧迫し、それを口実に福祉、教育、暮らしなど住民サービス切り捨て、住民負担増の計画が推し進められてきたのであります。  こうしたもとで、国民生活は極めて深刻な状況に陥っています。我が党は、特養老人ホームなど介護保険制度の基盤整備のおくれ、公立学校の危険校舎など、全国的な調査に基づいて実態を告発し、緊急の改善を提案しました。巨額の公共事業予算を計画的に半減し、福祉、教育、ダイオキシンなど環境対策、生活密着型重視に転換すべきであります。  また、日本の食糧と農業の将来に重大な影響をもたらす米の関税化強行を絶対容認するわけにはいきません。  反対理由の第三は、本予算案が、六十兆円もの銀行支援策の具体化として交付国債の償還費用二・五兆円を計上するなど、本格的な税金投入の道に踏み出していることであります。  小渕内閣のもとで、先日、大手十五行への七兆四千六百億円の公的資金投入が決められました。長銀や日債銀の破綻によって明らかになったように、この公的資金が返ってくる保証はどこにもありません。この資金が、不良債権を抱えるゼネコンに対する借金の棒引きにも使われることは明らかであります。しかも、資本注入を受けた銀行ほど資金回収に走っており、貸し渋り問題は一向に解消していません。バブルに踊ったゼネコン、大銀行の不始末に、バブルに苦しめられた国民の税金をつぎ込むことは断じて容認できません。  反対理由の第四は、アメリカでも成功の見通しのない弾道ミサイル防衛計画、BMDの共同技術関連費用を盛り込むなど、本予算案が、中国、韓国、東南アジア諸国連合九カ国を上回る年間五兆円もの軍事費を計上していることであります。また、中央指揮システムなど五百億円を計上したことは、水増しが発覚したNECとの契約を前提にしたものであり、一連の水増し請求、過払いへの無反省、無責任ぶりを示すものであります。  予算委員会での論戦を通じて、ガイドライン関連法案が、アメリカの戦争に日本が参加するための戦争法案であることが浮き彫りとなりました。アメリカの先制攻撃による不法な戦争に参戦することは、戦争はしない、戦力は持たないとした憲法九条を否定し、日本を戦争をする国にするものであります。小渕総理は、憲法が改正できないという中でもがいているという中村前法相の憲法敵視発言を憲法擁護義務に違反しないと正当化しましたが、この姿勢は、憲法九条を根本から否定する戦争法案の方向と軌を一にし、憲法の平和原則に真っ向から挑戦するものです。  最後に、本予算案は、昨年の参議院選挙で国民が自民党政治に厳しい審判を下して後、初めて提出されたものです。この国民の声に背を向ける予算三案は、本院において否決すべきものであることを強く主張して、反対討論を終わります。(拍手)
  13. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 山本正和君。    〔山本正和君登壇、拍手〕
  14. 山本正和

    ○山本正和君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、平成十一年度予算三案に対し、反対の討論を行います。  今日、我が国の置かれている状況について、国内外を超えてさまざまな意見が交わされています。二十一世紀日本は消えるなどと論じている学者もいます。経済の混迷とともに、国民の間に我が国の未来についての不安が広がりつつあるのではないでしょうか。  一方、国際社会においても、アメリカの異常とも言える株式の高値に対する警戒感、ヨーロッパにおけるユーロ経済圏の将来についてのさまざまな議論、そして各地における民族、宗教が絡んだ武力紛争、飢餓、悪疫の流行と、まさに世紀末的現象と言える状況にあります。  我が国が敗戦の荒廃の中から平和国家日本の道を歩んで半世紀を超えました。国民のたゆまなき勤労がGDP世界第二位の国を築き上げたのであります。また、我が国は世界最高の外貨準備高を持ち、最大の対外純資産を保有し、規模は縮小したとはいえ貿易黒字は拡大し続けています。  しかし今日、バブル経済の崩壊、莫大な不良債権、さらにはデフレスパイラルとさえ言われる困難な状況を迎えています。しかも、この数年間の総額百兆円を超える景気対策にもかかわらず、なお不況の状況があるのであります。  平成十一年度国家予算は、こうした状況に対して、我が国がどう対処するのかということが問われていると言わなければなりません。また、二十一世紀を展望しつつ、国民に対して、また、国際社会に対して大きな責任を持つものでなければならないと思います。今は、二十一世紀に向けて日本の構造転換の時期であります。この経済の大変動期にこの予算はこたえていると言えるのでありましょうか。その場しのぎの従来型からの脱皮はほとんどなされていないと言わなければなりません。  振り返りますと、我々は今日まで大きな経済危機、構造転換を乗り越えてまいりました。一九六〇年代、七〇年代における繊維業界の構造転換期には、我が国はいわゆる繊維新法と特繊法によって構造改善を行い、この二法の関連予算として当時の額で三千五百億円、平成十一年度の予算に換算すると二兆三百三十億円という予算を費やして産業の振興を図ったのであります。  また、一九六〇年代のいわゆるエネルギー革命の時代、我が国は大変な努力をして石炭産業の合理化を進めながら、エネルギー供給の中心を石炭から石油へと転換していったのであります。三次にわたる石炭対策だけでもおよそ二千八百億円、今年度予算に換算いたしますと三兆円という膨大な予算をつぎ込んだのであります。  政府は、産業構造の変化とその未来展望のもと、大胆にその予算を振り分ける勇気を持たなければなりません。このように、我が国においては大きな産業の転換期に当たり、新産業の勃興を促進し、また旧産業の補助、整理を援助してまいりました。  我が国の製造業の水準は、今日まで国際的に高い地位を占めてきました。自動車、電機、半導体、さらに素材産業等がそれであります。しかし、二十一世紀に入ろうとしている今日、これらを含めて抜本的な構造改革が迫られています。製造業を初め、今日我が国が抱える基幹産業の構造改革の支援、新エネルギーの開発に対して大胆な予算措置を講ずべきであります。そしてそのことが、新しい企業が起こり経済の活性化につながることは明らかであります。  新しいエネルギーや環境の問題は、地球における人類生存の大きな課題となっています。二十一世紀は、従来の石炭、石油、原子力に依存したエネルギーからの新たなる飛躍が求められる時代であります。なかんずく、太陽エネルギーの普及促進は重要課題であります。  我が国は、原発には三十年で三十兆円の予算を講じてまいっておりますが、太陽エネルギー関連予算は二十五年間にわずか一千三百億円にすぎません。アメリカでは、クリントン大統領が百万棟の建築物に太陽光発電装置を設置するミリオン・ソーラー・ルーフ計画を発表し、既に太陽エネルギー関連予算を前年度より二〇%増額しております。しかるに本予算案では、太陽光発電関係予算は前年度比わずかの増額にすぎず、国際的にも立ちおくれている状況であります。  太陽光発電、風力発電を初めとする再生可能エネルギーの導入が進めば、新規雇用が創出され、景気対策となるだけでなく、CO2排出量の削減にも貢献し、環境問題にも効果があることは明らかであります。足りないのは実行せんとする政治的意欲のみであります。  政治は、現実を直視し、実態に即したものでなければなりません。しかし同時に、理想を掲げ、国民に対して未来への展望を示すものでなければなりません。  予算は政治の反映であります。本予算案は、税制、年金、防衛その他多くの問題を抱えているのみならず、以上申し上げました未来への展望を示していない予算案と言わざるを得ません。  平成十一年度予算案は抜本的に組み替えるべきであることを強調して、私の反対討論を終わります。  ありがとうございました。(拍手)
  15. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 田名部匡省君。    〔田名部匡省君登壇、拍手〕
  16. 田名部匡省

    ○田名部匡省君 私は、参議院の会を代表して、一九九九年度政府予算案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。  私は、政治生活が三十二年余になりますけれども、初めての反対討論を行うもので、いささか戸惑いとじくじたるものを感じておるのも事実であります。  さて、日本経済は未曾有の危機に直面し、財政は事実上、破綻状態にあります。大蔵省の二〇〇三年度までの中期財政試算によれば、年率三・五%成長でも三十兆円前後の国債発行が必要と見込まれております。これは、景気がよくなっても変化なしであることを意味しており、しかも、この前提はあくまで歳出の伸びをゼロと置いたもので、年金、公務員給与、公共事業の伸び、すべてゼロに置いて三十兆円の借金がなければ国の運営ができないというのであります。  政府は、何をおいても景気回復のために思い切った財政出動を行ったと言い張っておりますけれども、橋本政権の財政改革と小渕政権の景気対策とは同じ政党の政権とは到底考えられません。政治は結果責任が伴うもので、最重要課題で政策が失敗したときは潔く責任を明確にすべきだと考えるし、国家国民のために最大の努力も期待している一人でもあります。  今や、国、地方の長期債務残高は十一年度末で六百兆円も問題でありますけれども、これが今後さらにふえることが問題であり、これらの先行き不透明なことが国民やマーケットに不安を与えているのであります。  日本経済低迷の底に不良債権の問題があります。このことが議論され始めたのは宮澤政権のときで、当時、私も内閣の一員でありました。九二年以降五年間ぐらいだったと思いますけれども、六十兆円を超える公共事業等の経済対策を実施してきましたが、結果は景気回復につながりませんでした。  九六年、村山政権のとき、住専国会では六千八百五十億円の公的資金を投入され、これに当時新進党であった私は、小沢党首を先頭に、予算委員会室や廊下に座り込んで徹底抗戦したものであります。当時、野田自治大臣と一緒に、法的に処理すべきであると主張し、経営責任の明確を掲げ、五年さかのぼって財産を没収する提案もいたしたのでありますが、当時の財政はあいまいな決着でお茶を濁し、今日の金融破綻でも同じようなことが再び繰り返されようとしております。  当時、大蔵省は、不良債権問題は一件落着と宣言したのでありますが、消費が日本経済の六〇%を占めておるのに消費税の引き上げを行い、一件落着どころか、企業は業務多角化、財テク、土地投資により含み損を抱え、巨大な不良債権を金融機関が支えてきたのであります。情報公開の制度もなく、官僚はすべての事実を隠してきたことが今回の金融不安となり、相次ぐ銀行破綻につながり、約七兆五千億円の公的資金投入になったわけであります。この責任をだれ一人とらず、国民に負担のみを押しつけることがまかり通る官僚国家が無責任国家にしてしまったのではないでしょうか。  九九年度予算においても、行政改革、地方分権による歳出削減の数値目標や将来の福祉社会の明確な展望も明らかにせず、さらに、景気対策のため、公共事業増と減税などで三十一兆円にも及ぶ国債を発行したのであります。  私は、振り返って、新進党時代に、民間の企業が倒産や相次ぐリストラで苦しんでいるときに、政府や政治家は率先して行政改革や政治家の定数削減を行うべきだと訴えてまいりました。地方分権では全国三百に分割する案を初め、規制緩和、裁量行政を廃止することによって財政再建、経済の発展と自由で公平な企業活動を提言してまいりました。  また、減税、公務員の定年延長、特殊法人の原則廃止、天下りや財投の見直し、膨大な借金をしても給与、ボーナス、退職金まで支給するなど、民間では考えられないことを行っている現実を見直さなければと言い続けてまいりました。さらに、経済戦略会議の提言の具体化に早速手をつけるぐらいのことをまずやっていただきたい、こう思います。以上の改革実現のために、私は信念を貫くことをお誓い申し上げるものであります。  国民は政府や政党のためにあるのではなく、政府や政党が国民のためにあるのだということを忘れてはなりません。国民の政治不信もここにあると思うのであります。以上のことから、平成十一年度予算に反対するものであります。  最後に、参議院における予算審議を通じて感じたことを申し上げて終わりたいと思います。  まず、衆議院で予算成立後一カ月で成立する予算審議では身が入らず、参議院の独自性化を考慮し、決算とか法案に重点を置くような方法等一考を要すると思います。衆議院のコピーとか無用論とか言われない参議院の改革を同僚議員に検討を期待し、私の反対討論を終わらせていただきます。(拍手)
  17. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  18. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) これより三案を一括して採決いたします。  足立良平君外百二十三名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。  現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。  よって、表決は記名投票をもって行います。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  19. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖〕
  20. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  21. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百四十六票     白色票           百十七票     青色票          百二十九票    よって、三案は否決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  22. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) ただいまの結果、平成十一年度一般会計予算外二案について、本院は衆議院から両院協議会を求められることになります。  これにて休憩いたします。    午後二時三十三分休憩      ─────・─────    午後三時三十一分開議
  23. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  先ほど衆議院から、平成十一年度一般会計予算外二案について、国会法第八十五条第一項の規定により、両院協議会を求められました。  これより、平成十一年度一般会計予算外二案に関する両院協議会の協議委員十名の選挙を行います。  つきましては、両院協議会協議委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。  よって、議長は、平成十一年度一般会計予算外二案に関する両院協議会の協議委員に今井澄君、今泉昭君、平田健二君、藁科滿治君、風間昶君、山下栄一君、笠井亮君、須藤美也子君、大渕絹子君、奥村展三君を指名いたします。  これより直ちに両院協議委員の正副議長を選挙されることを望みます。  両院協議会の結果の報告を待つため、暫時休憩いたします。    午後三時三十三分休憩      ─────・─────    午後六時十一分開議
  25. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  平成十一年度一般会計予算外二件両院協議会参議院協議委員議長から報告書が提出されました。  この際、報告を求めます。協議委員議長今井澄君。     ─────────────    〔報告書は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔今井澄君登壇、拍手〕
  26. 今井澄

    ○今井澄君 平成十一年度一般会計予算外二件両院協議会の経過及び結果について御報告申し上げます。  本院協議委員は、先ほどの本会議におきまして、議長より指名された後、直ちに協議委員議長及び副議長の互選を行い、その結果、協議委員議長に私、今井澄が、副議長に山下栄一君がそれぞれ選任されました。  なお、衆議院におきましては、中山正暉君が協議委員議長に、中井洽君が副議長に選任されました。  両院協議会の初会の議長は、くじにより決することとなっておりますので、開会に先立ち、抽せんを行いました結果、衆議院側協議委員議長の中山正暉君が議長に当選されました。  協議会におきましては、衆議院側の久間章生君から、喫緊の最重要課題である景気対策に最大限配慮した予算となっていること、二十一世紀を見据え、真に必要な財政需要に対して、財政の適切有効な配分が行われていること、財政構造改革の基本的な考え方が維持され、限られた財源の中で経費の一層の合理化、効率化が図られていること、消費税の福祉目的化が予算総則に盛り込まれていること、今日の金融不安の一掃を図るための金融システム安定化措置が十分に講じられていること等の理由で賛成、次に、本院側藁科滿治君から、所得税減税が金持ち優遇減税となっており、国民の大半を占める年収八百万円以下の世帯では前年より実質増税となっていること、雇用対策や社会保障制度改革といった国民の将来不安を払拭する施策が極めて不十分なこと、公務員定数の削減が不十分で、特殊法人の整理合理化も単なる数合わせに終わっているなど行政改革への積極的な取り組みが見られないこと、消費税の福祉目的税化を法律ではなく予算総則によって規定していること、多額の公共事業等予備費を計上し、財政民主主義の精神に反する予算編成を行っていること等の理由によって反対と、それぞれ議決の趣旨の説明が行われました。  次に、協議に移りましたところ、本院側協議委員の平田健二君、風間昶君、笠井亮君、大渕絹子君、奥村展三君から、また、衆議院側協議委員の伊藤公介君、中井洽君から、それぞれ種々の発言があり、双方において熱心な意見交換が行われました。  かくて協議終結に当たり、本院側の山下栄一君から、両院協議会として参議院側が指摘した予算三案に反対する理由として掲げた諸事項を除去することによって、平成十一年度予算が成立できるよう、衆議院側に協力を要請する旨の意見が述べられました。また、衆議院側の自見庄三郎君からは、平成十一年度予算は現下の経済情勢及び国民生活への影響を考慮し、衆議院側の議決どおり成立することが望ましい旨の意見が述べられました。  結局、意見の一致を見るに至らず、成案が得られませんでした。  以上、御報告申し上げます。(拍手)
  27. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 平成十一年度一般会計予算外二案につきましては、両議院の意見が一致いたしませんので、憲法第六十条第二項の規定により、衆議院の議決が国会の議決となります。      ─────・─────
  28. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 日程第一 平成十一年度における公債の発行の特例に関する法律案内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長勝木健司君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔勝木健司君登壇、拍手〕
  29. 勝木健司

    ○勝木健司君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本法律案は、平成十一年度の適切な財政運営に資するため、同年度における公債発行の特例に関する措置を定めようとするものであります。  委員会におきましては、公共事業のあり方、財政の中期見通し、資金運用部の国債引き受け問題等、各般にわたる質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、本法律案に対し、民主党・新緑風会を代表して伊藤基隆委員より反対、自由民主党及び自由党を代表して金田勝年理事より賛成、日本共産党を代表して池田幹幸理事より反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。  討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  30. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。伊藤基隆君。    〔伊藤基隆君登壇、拍手〕
  31. 伊藤基隆

    ○伊藤基隆君 私は、民主党・新緑風会を代表して、平成十一年度における公債の発行の特例に関する法律案に反対する立場から討論を行います。  歴代自民党政権の経済失政により、我が国経済は戦後最悪とも言える危機に陥っております。  八五年のプラザ合意により、我が国は、円安ドル高の是正と経常収支黒字の縮小という課題に取り組むことになりました。この際、政府は財政引き締めを優先し、金融政策に偏重したマクロ経済運営を行いました。すなわち、金融緩和によって内需を拡大すれば、輸入の増加によって貿易収支や経常収支の黒字が縮小し、円安ドル高も是正できるだろうという考えであります。  その結果、七五年度以降毎年発行されてきた特例公債の発行額は年々減少し、八八年度には一兆円を下回り、九一年度から三年間はついにゼロとなりました。まさに財政再建は手に届くところまで来ていたのです。  しかし、金融緩和政策を長く続けた結果、重大な副作用も発生しました。言うまでもなくバブルの発生です。日本経済はこの世の春を謳歌し、国民は日本が世界経済を制覇したかのような幻想にふけりました。しかし、おごれる者は久しからずという言葉どおり、バブルはあっけなく崩壊しました。そしてバブル崩壊により、今日まで日本経済を苦しめ抜く元凶となる不良債権問題が発生したのです。  しかし、政府は、不良債権問題に対処するに当たり、またしても大きな誤りを犯しました。大蔵省による不良債権の実態の隠ぺいと問題解決の先送りが、事の重大性についての政府の認識を全く不十分なものとし、とるべき政策の判断を狂わせたのです。  政府は、預金者を犠牲にして超低金利政策をとり、銀行救済を図りました。このとき勇気を持って財政出動を行っていれば不良債権問題は早期に解決できたはずです。しかも、六十兆円という途方もない金額ではなく、もっと少ない金額で。財政と金融の分離が必要な理由はまさにここにあるのです。  バブル崩壊後、政府は累計で百兆円を超える経済対策を講じてきました。その結果、九二年度以降公債残高は急増しました。公債残高は九九年度末には三百二十六兆円に達する見込みですが、公債残高が百兆円を超えて二百兆円に達するまでに十一年を要したのに、二百兆円を超えて三百兆円に達するまでわずか五年しかかかっていません。そして国及び地方の借金は六百兆円というとてつもない金額にまで膨張する見込みです。  これだけの巨額の金を投入したにもかかわらず、日本経済は一向に回復せず、景気は悪くなる一方です。実質成長率は九七年度第三・四半期以降五四半期連続でマイナスとなり、九七年度マイナス〇・四%、九八年暦年ベースでマイナス二・八%、九八年度は政府見通しのマイナス二・二%を下回ることは確実でしょう。九八年暦年の企業倒産はバブル崩壊後最悪の一万九千件、完全失業率は過去最高の四・四%と、各種経済指標は目を覆いたくなるありさまです。  百兆円以上の財政出動を行ったにもかかわらず、日本経済はなぜこのような泥沼に陥ったのでしょうか。はっきりしていることは、既に多くが納得しているとおり、日本経済は構造改革なしでは再生しないということであります。  追い詰められた小渕内閣は、窮余の策として、公債依存度約四割という財政規律を全く無視した予算を組むに至りました。しかし、小渕内閣が背水の陣の覚悟をもって提出された平成十一年度予算は、相変わらずの土木工事中心のばらまき予算であり、景気回復に何ら効果がないのは目に見えております。一部の業界と不適切な関係にある自民党が与党である限り、大量の赤字国債を発行してでもその業界に利益を誘導するという姿勢は変わりようがありません。口では構造改革という響きのいい言葉を発しても、それは単なるリップサービスであり、二十一世紀の日本経済をリードしていくような分野にはお金が回っていきません。そして公共工事のばらまきの効果が尽きたら、同じことを繰り返すわけであります。  昨年実施した二度にわたる景気対策、すなわち、事業規模十六兆円超の総合経済対策と二十三兆円超の緊急経済対策にもかかわらず、昨年十月から十二月の民間需要がことごとくマイナスであったことは、まさにこれまで述べたことを証明したものと言えましょう。このような景気回復に効果のないばらまき予算は、結局は国及び地方の借金を際限なく膨張させ、国民の将来に対する不安を著しく増幅させるだけです。平成十一年度末には、国及び地方の借金は六百兆円にまで膨張する見込みですが、これはGDPをはるかに超える金額であり、主要先進国の中では最悪であります。  昨年末には、公債の増発懸念からついに長期金利が急上昇し、市場からの厳しい警告を受けることになりました。政府からは、日銀の国債引き受けという、およそ財政をつかさどる者が口にしてはいけないことまで聞こえてくるありさまであります。現代は金融がグローバル化し、格付機関が市場に多大な影響を与えております。日銀の国債引き受けは、国債の格付の引き下げを招き、長期金利はかえって上昇するに違いありません。中央銀行たる日銀のバランスシートも大きく膨張し、日銀は最後の貸し手ならぬ最初の貸し手になっているとやゆされる始末であります。すべては財政規律に帰着する問題なのです。  このような危機的な財政状況に国民の不安は高まり、景気がますます冷え込んでいるのが今日の我が国経済の現状です。まさに日本経済は悪循環のさなかにあるのです。そして残念ながら経済再生に向けた光はまだ見えてきません。  平成十一年度特例公債法案に、これまで述べてきたような問題に対する危機感が感じられないのは私だけではないでしょう。平成十一年度特例公債法案は、昨年提出された平成十年度特例公債法案を少し手直ししただけの法案で、膨張する公債残高について何ら手だてを講じることもなく、財政規律の精神がほとんど見当たりません。我々民主党・新緑風会は、未来への責任を果たすものとして、このような無責任な法案には到底賛成できません。  小渕総理が昨年冬の臨時国会で凍結した財政構造改革法は、単なる一律歳出削減法であることが大きな問題でした。民主党・新緑風会は、景気回復までの間一時的に財政構造改革法を凍結するとしても、その間財政構造改革のあり方について議論を深め、財政再建のための明確なビジョンを速やかに示すべきだと主張してきました。それができないのであれば、小渕総理はみずからの政治生命に終止符を打ち、私たち民主党・新緑風会に政権をゆだねるべきであります。  以上、平成十一年度特例公債法案に反対する理由を申し述べ、私の討論といたします。(拍手)
  32. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  33. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  34. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  35. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十五     賛成            百三十七     反対             九十八    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  36. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十九分散会      ─────・─────