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1998-10-05 第143回国会 参議院 本会議 13号 公式Web版

  1. 平成十年十月五日(月曜日)    午後一時六分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第十三号     ─────────────   平成十年十月五日    午後一時 本会議     ─────────────  第一 債権管理回収業に関する特別措置法案、   金融機関等が有する根抵当権により担保され   る債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関   する法律案競売手続の円滑化等を図るため   の関係法律の整備に関する法律案、特定競売   手続における現況調査及び評価等の特例に関   する臨時措置法案、金融機能の再生のための   緊急措置に関する法律案金融再生委員会設   置法案、預金保険法の一部を改正する法律案   (衆第七号)、金融再生委員会設置法の施行   に伴う関係法律の整備に関する法律案、金融   機能の正常化に関する特別措置法案(参第一   号)、預金保険法の一部を改正する法律案(   参第二号)、金融監督委員会設置法案及び金   融機能の安定化のための緊急措置に関する法   律を廃止する法律案(趣旨説明)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、特別委員会設置の件  一、国家公務員等の任命に関する件  以下 議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。  この際、特別委員会の設置についてお諮りいたします。  日本国有鉄道清算事業団の債務処理及び国有林野事業の改革等に関する調査のため、委員三十五名から成る日本国有鉄道清算事業団の債務処理及び国有林野事業の改革等に関する特別委員会を設置いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。  よって、日本国有鉄道清算事業団の債務処理及び国有林野事業の改革等に関する特別委員会を設置することに決しました。  本院規則第三十条の規定により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。      ─────・─────
  4. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。  内閣から、  科学技術会議議員に前田勝之助君を、  宇宙開発委員会委員に澤田茂生君を、  国会等移転審議会委員に新井明君、石井進君、石井威望君、石井幹子君、石原信雄君、宇野收君、海老沢勝二君、下河辺淳君、寺田千代乃君、中村桂子君、中村英夫君、野崎幸雄君、濱中昭一郎君、堀江湛君、牧野洋一君、溝上恵君、宮島洋君、森亘君及び鷲尾悦也君を、  公害健康被害補償不服審査会委員に伊藤卓雄君及び加藤信世君を、  中央更生保護審査会委員に深澤道子君を、  公安審査委員会委員に大川隆康君及び山崎惠美子君を、  運輸審議会委員に大堀太千男君、佐々木建成君及び瀧田あゆち君を、  電波監理審議会委員に岩男寿美子君を、  日本放送協会経営委員会委員に須田寛君、宮崎満君及び八島俊章君を、  労働保険審査会委員に藤村誠君を、  また、中央労働委員会委員に磯部力君、今野浩一郎君、岡部晃三君、落合誠一君、小野旭君、菊池信男君、菅野和夫君、諏訪康雄君、谷口隆志君、西田典之君、花見忠君、横溝正子君及び若菜允子君を 任命することについて、それぞれ本院の同意を求めてまいりました。  これより採決をいたします。  まず、科学技術会議議員、国会等移転審議会委員のうち新井明君、石井進君、石井威望君、石井幹子君、石原信雄君、宇野收君、海老沢勝二君、下河辺淳君、寺田千代乃君、中村桂子君、中村英夫君、野崎幸雄君、濱中昭一郎君、堀江湛君、溝上恵君、宮島洋君、森亘君及び鷲尾悦也君、公安審査委員会委員、運輸審議会委員、日本放送協会経営委員会委員のうち須田寛君及び八島俊章君並びに中央労働委員会委員のうち岡部晃三君、諏訪康雄君、花見忠君及び若菜允子君の任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  5. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  6. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十九     賛成             二百四     反対             二十五    よって、同意することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  7. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 次に、宇宙開発委員会委員及び中央労働委員会委員のうち谷口隆志君の任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  8. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  9. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十九     賛成            百九十三     反対             三十六    よって、同意することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  10. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 次に、国会等移転審議会委員のうち牧野洋一君、公害健康被害補償不服審査会委員、中央更生保護審査会委員、電波監理審議会委員、日本放送協会経営委員会委員のうち宮崎満君、労働保険審査会委員並びに中央労働委員会委員のうち磯部力君、今野浩一郎君、落合誠一君、小野旭君、菊池信男君、菅野和夫君、西田典之君及び横溝正子君の任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  11. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  12. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十九     賛成           二百二十九     反対               〇    よって、全会一致をもって同意することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  13. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 日程第一 債権管理回収業に関する特別措置法案、金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案、競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律案、特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案、金融再生委員会設置法案、預金保険法の一部を改正する法律案(衆第七号)、金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、金融機能の正常化に関する特別措置法案(参第一号)、預金保険法の一部を改正する法律案(参第二号)、金融監督委員会設置法案及び金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律を廃止する法律案(趣旨説明)  十二案について、発議者から順次趣旨説明を求めます。衆議院議員保岡興治君。    〔衆議院議員保岡興治君登壇、拍手〕
  14. 保岡興治

    ○衆議院議員(保岡興治君) 議員提出四法案について、提案者を代表して、その趣旨を御説明いたします。  我が国経済を立て直し、再活性化させるためには、金融システムの安定化、再生が何よりも重要であります。このためには、金融機関の抱える不良債権を早急に処理しなければなりません。このための環境を整備しようとするものが、このたび提出いたしました四法案であります。  まず、債権管理回収業に関する特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、金融機関等が有する不良債権の実質的処理の促進等を図ることが喫緊の課題となっている状況にかんがみ、弁護士法の特例として、一定の要件を満たす民間会社が業として債権の管理及び回収を行う制度を新たに設けるとともに、必要な規制を行おうとするものであります。  この法律案の要点は次のとおりであります。  第一に、法務大臣の許可を受けた債権回収会社は、弁護士法の規定にかかわらず、金融機関の有する貸付債権等の一定の金銭債権について、その管理及び回収を行うことができる旨の規定を設けることといたしております。  第二に、債権回収会社の業務の適正な運営の確保を図るため、その取締役の一名以上に弁護士の選任を義務づけるとともに、暴力団員等の参入等を防止するための措置を講ずる等の規定を設けるほか、業務を遂行するに当たって相手方を困惑させる等の行為を禁止し、また、債権回収会社が一定の裁判上の行為を行うには、弁護士に追行させるなどの行為規制に関する規定等を設けることといたしております。  第三に、法令に違反するなどした債権回収会社に対する許可取り消し処分や業務改善命令などに関する規定を設けるとともに、監督者である法務大臣の立入検査等の規定を設けるほか、暴力団支配排除の観点から、警察庁長官による債権回収会社への立入検査や債権回収会社の回収に当たっての援助等の措置についても規定することとしております。  第四に、所要の罰則規定等を設けるとともに、その施行については、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において行うこととしております。  以上が債権管理回収業に関する特別措置法案の趣旨であります。  次に、金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、金融機関等の不良債権の処理が喫緊の課題となっている状況にかんがみ、金融機関等が有する債権はその多くが根抵当権つき債権であるので、その譲渡の円滑化を図るための臨時の措置を定めようとするものであります。  この法律案の要点は、次のとおりであります。  第一に、金融機関等が根抵当権により担保される債権を共同債権買取機構、整理回収銀行、サービサー等の債権回収機関に売却しようとする場合において、債務者に対し、売却する旨及び新たに元本を発生させる意思を有しない旨を書面により通知したときは、民法の定める元本の確定事由に該当するものとみなすこととしております。  第二に、これにより元本が確定した場合の登記は、根抵当権の移転の登記とともに申請する場合に限り、債務者等の根抵当権設定者と共同で申請しなくても、根抵当権者のみで申請することができることとしております。  以上がこの法律案の趣旨であります。  次に、競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律案についてであります。  この法律案は、不動産競売手続において不当な執行妨害行為により手続の遅延が生じている等の現状にかんがみ、手続のより円滑かつ適正な遂行を図る等のため、民事執行法等の一部を改正しようとするものであります。  この法律案の要点は、次のとおりであります。  第一に、執行妨害を排除する観点から、不当な執行抗告の制限、買い受けの申し出をした差し押さえ債権者のための保全処分の制度等を新設するとともに、執行官等の調査権限を強化することとしております。  第二に、手続の迅速処理を図る観点から、配当期日の呼び出し状の送達方法の改善等のほか、売却の見込みのない場合の特別の措置を定めることとしております。  第三に、競売制度を利用しやすいものにする観点から、買い受け人が銀行等から融資を受けた場合の代金納付による登記の嘱託方法を改善し、買い受け人が銀行ローンを活用する道を開くこととしております。  第四に、抵当不動産に対する競売手続の開始等があったことを知ったときから二週間を経過したことにより、根抵当権の担保すべき元本が確定した場合の登記について、債務者等の根抵当権設定者との共同申請を必要とせず、根抵当権者のみでこれを申請することができることとしております。  以上がこの法律案の趣旨であります。  最後に、特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、預金保険機構、整理回収銀行及び住宅金融債権管理機構が申し立てた競売手続について、その円滑な実施に資するため、同機構等の資料を利用できるよう、現況調査及び評価等に関し民事執行法の特例を臨時に設けようとするものであります。  この法律案の要点は、次のとおりであります。  第一に、執行裁判所は、預金保険機構、整理回収銀行及び住宅金融債権管理機構が申し立てた競売手続について、同機構等から不動産の現況を明らかにする書面の提出を受けた場合において、相当と認めるときは、民事執行法の規定にかかわらず、執行官に現況調査を命じないでこれを現況調査報告書にかえる取り扱いを可能にすることとしております。  第二に、執行裁判所は、預金保険機構等から不動産の評価を記載した書面の提出を受けた場合において、相当と認めるときは、民事執行法の規定にかかわらず、評価人を選任することなく、その書面に記載された評価に基づいて最低売却価額を定めることができることとしております。  以上がこの臨時措置法案の趣旨であります。  なお、衆議院において二法案について所要の修正が施されましたので、御説明いたします。  債権管理回収業に関する特別措置法案に関する修正案の要点は、次のとおりであります。  第一に、本法が金融機関等の不良債権処理が現下喫緊の課題となっている状況に対応するためのものであることを明記することといたしました。  第二に、取扱対象債権につき、原案で規定されていたもののうち貸金業者の有する貸付債権については、金融機関系列の貸金業者が有する不動産担保つき事業者向け貸付債権に限定することといたしました。  第三に、悪質な取り立て行為を防止し債務者の人権を擁護するとの観点から、債権回収に当たり、偽りその他不正な手段を用いることの禁止、利息制限法に違反する約定のなされた債権の履行要求の禁止、貸金業者から借り入れて弁済することを要求することの禁止、法律上支払い義務のない者に対する請求の禁止等、従来、省令で規定する予定であったものなどについて、可能な限り具体的に法文に盛り込むこととして、その明確化を図った上、暴力団員等の使用、白紙委任状の取得及び虚偽広告の禁止について新たに罰則を設けることといたしました。  第四に、本制度については、金融機関等の有する不良債権の処理に焦点を合わせた制度として導入するものであることから、五年後をめどとして実施状況等を勘案して検討を加え、必要な措置を講ずることといたしております。  次に、金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案に係る修正案について御説明申し上げます。  その第一は、我が国の金融システムの一環を構成する保険会社について、これを法案の適用対象となる金融機関等に加えることといたしております。  第二に、金融機関等の資産の買い取りを行うこととなる住宅金融債権管理機構について、これを法案の適用の対象となる特定債権回収機関に加えることといたしております。  以上が修正案の趣旨であります。  これをもちまして議員提出四法案の説明とさせていただき、今後の国会審議における議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げ、趣旨説明を終わります。(拍手)     ─────────────
  15. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 衆議院議員伊藤英成君。    〔衆議院議員伊藤英成君登壇、拍手〕
  16. 伊藤英成

    衆議院議員(伊藤英成君) ただいま議題となりました金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案、預金保険法の一部を改正する法律案、金融再生委員会設置法案及び金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案について御説明申し上げます。  昨年秋の大型金融破綻から一年近い時間が経過しようとしています。この間、我が国の金融システムに対する内外の信頼は大きく失われ、今や多くの金融機関が不良債権という重い病を患っています。その最大の責任はもちろん政府にあります。金融機関の病のひどさを知りながら、国民に対しては症状は軽いという偽りのカルテを示し、手術はもちろんとして治療さえも満足に施しませんでした。しかも、一兆八千億円という巨額のお金をかけてまで打った高価な栄養剤は、全く効き目のないものでした。  このような状況に対応し、我が国の金融の機能の安定及びその再生を図るため、金融機関の破綻の処理の原則を定めるとともに、破綻した金融機関の金融整理管財人による管理及び破綻した銀行の特別公的管理の制度を設けること等により、信用秩序の維持と預金者等の保護を確保することとし、この法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、我が国の金融の機能の安定及びその再生を図るため、新たに設置される金融再生委員会が主体となって、金融機関の破綻処理を二〇〇一年三月までに集中的に実施することとしております。その際、破綻処理の原則として、破綻した金融機関の不良債権等の財務内容その他の経営の状況を開示すること、経営の健全性の確保が困難な金融機関を存続させないものとすること、破綻した金融機関の株主及び経営者等の責任を明確にするものとすること、預金者等を保護するものとすること、金融機関の金融仲介機能を維持するものとすること、金融機関の破綻処理に係る費用が最小となるようにすることという六つの原則を掲げております。  第二に、金融機関の財務内容等の透明性を確保するため、金融機関に対して、定期的な資産の査定の実施と公表とを義務づけることとしております。  第三に、金融機関が破綻した場合に、信用秩序の維持及び預金者等の保護を図るため、金融再生委員会が裁判所の認可を受けて、当該破綻金融機関に対し、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分をすることができることとしております。  第四に、銀行が破綻した場合に、他の金融機関等の連鎖的な破綻を発生させることとなる等により、我が国における金融の機能に極めて重大な障害が生ずることとなる事態か、当該破綻銀行が業務を行っている地域または分野における融資比率が高率である等の理由により、他の金融機関による金融機能の代替が著しく困難であるため、当該地域または分野における経済活動に極めて重大な障害が生ずることとなる事態のいずれかの事態を生じさせるおそれがある場合は、金融再生委員会は裁判所の認可を受けて当該破綻銀行の特別公的管理の開始の決定をすることができることとしています。  第五に、公的資金による資本注入を認める金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律は、直ちに廃止することとしております。  次に、預金保険法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  この法律案は、破綻金融機関から営業を譲り受け、その整理を行うこと等を目的とする整理回収機構を設立し、債権の回収等の業務のほか、整理回収銀行及び住宅金融債権管理機構から引き継いだ業務を行わせるとともに、預金保険機構による破綻金融機関の営業を引き継ぐ受け皿金融機関への出資、特例業務の終了時における累積欠損金の国による負担、特定合併に係る資金援助の廃止等の措置を講ずる必要があることから提出した次第であります。  以下、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、整理回収機構は、破綻金融機関からその営業を譲り受け、及びその整理を行うこと、破綻金融機関からその資産を買い取り、及びその管理・処分を行うこと、金融機関の更正事件における管財人の職務等を行うこととしております。  第二に、整理回収機構の職員は、その債権の回収に係る業務を行う場合において必要があるときは、債務者等が所有する不動産に立ち入り、現況を確認し、その者に質問し、または帳簿等についての説明を求めることができることとしています。  第三に、整理回収機構は、整理回収銀行及び住宅金融債権管理機構の営業の全部を引き継ぎ、その業務を行うことができることとしています。  次に、金融再生委員会設置法案について御説明申し上げます。  この法律案は、金融制度及び証券取引制度について調査、企画及び立案をするほか、我が国の金融の機能の安定及びその再生を図るため、金融機関の破綻に対し必要な措置を講ずるとともに、銀行業、保険業、証券業その他の金融業を営む民間事業者等についての免許及び検査その他の監督並びに証券取引等の監視に関する事務を行うため、総理府の外局として、金融再生委員会を設置する必要があることから提出した次第であります。  以下、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、国家行政組織法第三条第二項の規定に基づいて、総理府の外局として、金融再生委員会を設置することとしております。  第二に、金融再生委員会の所掌事務及び権限を、金融制度及び証券取引制度の調査、企画及び立案をすること、破綻した金融機関の金融整理管財人による管理、破綻した銀行の特別公的管理その他金融機関の破綻の処理に関すること、銀行業の免許並びにこれらを営む者の検査その他の監督に関すること、証券業を営む者の登録及び検査その他の監督に関すること、預金保険機構及び整理回収機構並びに農水産業協同組合貯金保険機構の監督に関すること、日本銀行に関すること等とすることとしております。  第三に、金融再生委員会の委員長は、国務大臣をもって充てることとしております。  第四に、国家行政組織法第三条第三項ただし書きの規定に基づいて、金融再生委員会に金融監督庁を置くこととしております。  第五に、金融監督庁に証券取引等監視委員会を置くこととしております。  第六に、金融再生委員会に株価算定委員会を置くこととしております。  次に、金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について御説明申し上げます。  この法律案は、金融再生委員会設置法の施行に伴い、関係法律の整備を図る必要があることから提出した次第であります。  以上がこれらの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。  なお、これらの法律案は、衆議院において一部修正されておりますが、その概要は次のとおりでございます。  まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案に対する修正について御説明申し上げます。  第一に、金融機関の金融整理管財人による管理及び銀行の特別公的管理の制度のほか、破綻した金融機関の業務承継の制度を設けることとしたこと。  第二に、金融整理管財人による管理及び特別公的管理について、裁判所の認可を受けるという要件を削ったこと。  第三に、金融再生委員会は、銀行が破綻するおそれが生ずると認める場合は特別公的管理開始決定をすることができること。  第四に、預金保険機構による金融機関等の資産の買い取りに関する緊急措置を設けること。  第五に、預金保険機構の業務の特例として、破綻金融機関、承継銀行または特別公的管理銀行の受け皿金融機関に対し、一定の条件のもとで資本注入をできることとすること。  次に、金融再生委員会設置法案に対する修正について御説明申し上げます。  金融再生委員会の所掌事務及び権限を、金融破綻処理制度及び金融危機管理に関する調査、企画及び立案をすることとし、金融制度及び証券取引制度の調査、企画及び立案をすること及び日本銀行に関すること等を削ったこと。  以上でございます。  最後に、野党三会派が提出したこれらの法律案は、与野党により修正を加えられた上で衆議院で可決されました。国会が立法府としての責任を果たし、この国会で金融再生のための道筋をつけることができるとすれば、日本発の金融恐慌は起こさないという世界に向けたメッセージが初めて説得力を持つこととなるのであります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。(拍手)     ─────────────
  17. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 筆坂秀世君。    〔筆坂秀世君登壇、拍手〕
  18. 筆坂秀世

    ○筆坂秀世君 ただいま議題となりました金融機能の正常化に関する特別措置法案、預金保険法の一部改正案、金融監督委員会設置法案及び金融機能安定化緊急措置法廃止法案について、その提案理由を説明いたします。  金融機関の抱えている不良債権を道理ある方法で解決することは、日本経済が直面している重要課題の一つであります。問題は、そのコストをだれが負担するのかという点にあります。もともと不良債権は、バブルの時期に大銀行などが土地投機など乱脈の限りを尽くし、みずからつくったものであります。このツケを国民が負担させられるいわれはいささかもありません。  ところが、この間、政府は、銀行の責任を追及するどころか、超低金利政策、住専への税金投入、三十兆円の銀行支援策など、ひたすら公的資金による銀行甘やかし策をとってきました。これが、最後は国が面倒を見てくれるという銀行のモラルハザードをつくり出し、不良債権の処理をも先送りする結果となってきたのであります。  アメリカでは、商業銀行の破綻処理に際して公的資金は一切使わず、銀行業界の自己責任原則を貫いて問題を解決しました。  日本でも、今やるべきは、野方図な公的資金の投入でモラルハザードを助長することではありません。預金者保護、善良な借り手の保護、決済業務という金融機関の本来責任を自己責任、自己負担の原則で行わせることであります。そうしてこそ銀行業界に自己規律が生まれ、金融システムへの真の信頼をかち取ることができるのであります。四法案は、以上の考え方に立脚したものであります。  以下、その概要を述べます。  まず、金融機能正常化法案についてであります。  第一に、法案の目的で、「金融機関の自己責任の原則にのっとり我が国の金融の機能の安定及びその正常化を図る」ことを明記し、預金者保護、善良な借り手の保護も銀行業界の自己負担によることとしています。  第二に、不良債権の実態開示についてであります。  不良債権の実態開示に当たって重要なことは、処理を急ぐべき不良債権と善良な借り手とを明確に区別すること、すなわちその融資が投機的なものかどうかを明らかにすることであります。そのため、本法案では、金融機関に対し資産査定結果とあわせて貸付資金の使途についても金融監督委員会に報告させ、自主開示する義務を負わせるとともに、虚偽報告には厳しい罰則を科すこととしております。  第三に、破綻処理は金融監督委員会の指導監督のもとに預金保険機構が行うこととし、破綻金融機関の営業譲渡のあっせんや営業譲渡先が未定である破綻金融機関の業務を一時的に引き継ぐ承継銀行の設立、出資をできることとしています。もちろん、その費用は銀行業界の自己負担原則を貫くこととしております。  また、預金保険法一部改正案によって、金融機関の破綻処理や不良債権処理への税金投入の仕組みをすべて廃止します。銀行の破綻処理費用は銀行業界の負担で行うべきであることから、預金保険機構の資金は保険料で賄うこととし、資金が不足すれば保険料を引き上げることで財源の充実を図ります。また、保険料率、特別保険料率を定める際には中小金融機関に配慮することとしています。  次に、金融監督委員会設置法案についてであります。  金融監督委員会は金融機関に公共的役割を果たさせ、貸し渋りや投機的業務など乱脈経営を許さず、金融機関と金融業界の健全な体質を確保することを主たる任務とし、そのため健全経営に関するガイドラインの策定、金融機関の検査・監督、預金保険機構の監督、金融行政に対する苦情処理等を行うこととしています。  最後に、十三兆円の資本注入策を文字どおり全廃し、それに類似した資本注入策を一切退ける立場から提出しているのが金融機能安定化緊急措置法の廃止法案であります。  以上、日本共産党提出の四法案の提案理由を申し述べました。各党各会派の御賛同を心よりお願いいたします。(拍手)     ─────────────
  19. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。岡利定君。    〔岡利定君登壇、拍手〕
  20. 岡利定

    ○岡利定君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました金融再生関連八法案について、発議者並びに総理、関係閣僚に質問いたします。  先週、東京株式市場では平均株価が暴落し、連日バブル崩壊後の安値を更新しております。去る一日発表された日銀短観によれば、景況感が一段と悪化しております。また、二日の総務庁発表の労働力調査によれば、八月の失業率は実質最悪となっております。実体経済の悪化に加え、金融システム不安、アジア、ロシア、中南米等の世界的な金融市場の連鎖的混乱、相次ぐ大型企業倒産等から、我が国経済はデフレスパイラルさえ懸念されております。  このような厳しい状況の打開を求める国民の切実な訴えにこたえるため、また、世界恐慌の引き金を日本が絶対に引かないためにも、金融の再生、景気回復の強力な対策を一刻も早く実行しなければなりません。  衆議院段階において金融再生関連法案について連日連夜与野党協議が行われ、かつて例を見ないような政治主導の議員立法による修正が行われ、本日ようやく参議院本会議の審議にこぎつけました。  この間、長銀問題等に手間取る中で、戦後最大の破綻と言われる日本リースが会社更生法の手続に入りました。金融不安が一層深刻化する等、事態は急を告げております。  参議院においては、これらの法案が、現に発生し、また、将来予想される多様なシステミックリスクに的確、迅速に対応することが十分できるかという観点から、できるだけ効率的に審議していくべきであると考えます。  政府は、この与野党共同修正の金融再生関連法案について、金融危機管理の面から全体としてどのように評価されているか、総理にまずお伺いいたします。  さらに、破綻前の早期健全化措置のスキームが急ピッチで協議されておりますが、これが調って初めて金融システムが安定するものと考えます。総理の見解をあわせてお伺いいたします。  大蔵大臣は、けさG7から帰朝されたばかりであり、息つく間もなく本会議に出席いただき大変御苦労さまでございました。  今回のG7は、現在世界が直面している連鎖的金融危機をいかに防止するかが主要なテーマであり、日本の不況、金融システム不安について厳しい意見が出たと報道されております。G7で日本に対して、特にどのような強い要請があったのか、大蔵大臣としてこれにどのように対応されたのか、御説明をいただきたいと存じます。  次に、日本長期信用銀行に関して具体的にお伺いいたします。  今回の与野党合意案では、国が長銀の株式を強制取得し、一時国有化することになっております。長銀の処理過程を私なりの理解でまとめてみますと、まず、金融再生委員会に設けられる株価算定委員会が決めた取得価格で預金保険機構が長銀株を取得し国有化する。国家管理のもとで、強制的に店舗や厳しいリストラを進め、同時に経営陣の責任を追及する。また、不良債権は日本版RTC、すなわち、整理回収機構に時価で売却され、そこで回収が図られる。そうした国有化を経た後、受け皿となる銀行が国有株の譲渡を受け、旧長銀を子会社化する。加えて、受け皿となる銀行へは自己資金不足を補う目的で公的資金の投入ができるスキームも用意されている。  概略、以上のように理解しているわけです。このような理解でよろしいのか、不足している点がないか、発議者にお伺いいたします。  また、このような処理を的確かつ迅速に行う人材、体制をどのように確保されるのか、発議者から国民にわかりやすく説明をお願いいたします。  一方、長銀の処理が現実化する中で、さまざまな影響が実体経済に出る可能性があります。現に、系列ノンバンクの最大手である日本リースが先ほど申しましたように会社更生法を申請いたしました。次いで、日本リースの子会社である日本リースオートも会社更生法を申請いたしました。長銀は系列ノンバンク、その子会社も含めて多くの企業を抱えており、これらが今後続々と法的整理の過程に入ってくる可能性が高いと思います。  長銀以外の金融機関、例えば農林系金融機関も同様に貸し込んでいるわけで、これら金融機関は損失の拡大を恐れて貸し出しの回収に走るリスクがあります。信用収縮が広がるわけであります。また同時に、雇用問題も一段と深刻化することが危惧されます。  総理そして大蔵大臣は、長銀の国有化から波及して生ずるこうしたさまざまな問題についてどのように認識されているのか、お伺いいたします。あわせて、行政としては影響を最小限に食いとめるよう最大限の努力をしなければなりませんが、具体的にどのような手だてを講じるお考えなのか、政策認識をお聞かせいただきたいと思います。  現在の経済不況の大きな要因の一つは、金融システムが病んでいることであります。これにメスを入れ治癒させ、健全なものにすることが焦眉の急として求められております。本案が早期に成立し、金融機関の破綻処理に有効に機能すれば、内外の市場からも日本経済が評価を受けるようになるものと考えます。また、六月に成立した平成十年度第一次補正予算の効果が秋口ごろから出てくると思われ、景気に明るい見通しが期待できるのではないかと思っております。さらに、強いインパクトを持った第二次補正予算の前倒し編成等の強力な景気てこ入れ策を検討すべきときではないでしょうか。現在の景気認識と景気対策の具体的対応について総理にお伺いいたします。  次に、貸し渋りについてお尋ねします。  先般、日本銀行が金融緩和策を決め、実行したことにより、潤沢かつ良質な資金が金融機関を通じて企業に供給されていくことが期待されます。しかし、短期金利を史上最低に誘導しても、銀行の貸し渋りがあっては何もなりません。銀行を救済するだけではないのかという批判が出てまいります。また、政府は保証補完制度と政府系金融機関の融資制度の拡充を内容とする貸し渋り大綱を閣議決定し、これを受けて先月三十日に本院において中小企業信用保険法改正案が成立しました。しかし、これを実効あるものにするためには、窓口において迅速かつ弾力的に行うことが重要であります。貸し渋り解消にかける通産大臣の御決意をお尋ねいたします。  金融機関の破綻は、内外に大きな影響を及ぼし、また、実体経済にも大変な打撃を与えます。このようなシステミックリスクを回避するためのシステムとして、一時国有化による特別公的管理とブリッジバンクによる方式等の制度が構築されましたが、これが有効に機能するためには金融再生委員会の役割が重要であります。金融再生委員会にどのような権限と責任を持たせようとされているのか、発議者にお尋ねいたします。  また、一時国有化のために銀行の株を強制取得するに当たり、株価算定委員会で適正な評価を行うことになっておりますが、株主の財産権の問題や、高く評価すれば不測の損害を国に与えるといったような問題も含んでおります。このような問題についての見解と具体的な対応をどのように考えておられるか、発議者にお尋ねいたします。  大手銀行が破綻した場合、今まで経験したことのない大きな影響があり、公的資金を投入してこれを救済した方が処理コストや影響は小さくて済むということは理解できるところであります。しかし、金融機関がリストラを初めとする経営合理化にしっかり取り組んでいるというようには受けとめられてはおりません。逆に、経営実態がわからないとか、頭取経験者ともなれば非常識とも言える巨額の退職慰労金をもらっているとかの実態、さらに銀行の貸し渋り、厳しい資金回収等に対するさまざまな批判に満ち満ちております。公的資金の注入の前提は、経営状況の情報開示とともに経営者や株主の責任の追及とリストラを強力に進めることであります。法案にもそのことがきちんと規定されているところでありますが、大蔵大臣の認識をお伺いいたします。  最後に、特別公的管理に移った場合、健全な借り手の保護はどのようになるのか。さらに、経営者のモラルハザードは防げても国の責任において破綻処理をしなければならず、処理コストがブリッジバンクより高いものになるのではないか。また、ブリッジバンクにしてもこの処理が決まった途端、この銀行は市場から資金が取れなくなり預金者も逃げ出していくのではないか。このような金融機関に優良かつ健全な借り手を守ることができるのかといったようないろいろな心配がありますが、これらの点を踏まえて対応をしっかりやっていただきたく、総理に金融再生にかける決意を最後にお尋ねして、私の質問を終わります。(拍手)    〔衆議院議員池田元久君登壇、拍手〕
  21. 池田元久

    ○衆議院議員(池田元久君) 岡利定議員にお答えをいたします。  長銀の処理についてお尋ねがございました。  長銀につきましては、金融監督庁による検査結果の公表を待っているところでありますが、仮に長銀が債務超過であることが判明した場合、または資金繰りに行き詰まって日銀特融が発動された場合は、長銀は破綻したということになりますから、金融整理管財人による管理、公的ブリッジバンクまたは特別公的管理のいずれかの処理方法をとることになります。その中でも、金融システムに与える影響の大きさから考えますと、特別公的管理が最適であると考えるところです。  また、金融再生委員会が長銀について破綻のおそれがあると認めた場合も、特別公的管理を開始することができます。  特別公的管理の開始が決定されますと、金融再生委員会は発行済み株式全株を直ちに取得いたします。株式の対価は、長銀の純資産額を基礎として株価算定委員会が決定をいたします。当然のことながら、純資産額は長銀が発表している数字ではなく、改めて厳格な資産査定を実施した上での数字となります。  こうして国有化された時点で長銀の株主は株主責任をとらされるとともに、金融再生委員会により経営者全員が解任され、新経営者が選任されます。そして新しい経営者のもとで預金者に対する預金の払い戻しや健全な債務者に対する融資業務を継続しながら、人員削減や給与の引き下げ、営業店の縮小等といった経営合理化が進められていくことになります。その間、不良債権は整理回収機構に時価で売却されるので、仮に国有化銀行が債務超過に陥った場合は、預金者保護のための公的資金が援助されることになります。  これらの過程を経まして、これは住友信託銀行とは限りませんが、国有化銀行はほかの金融機関への営業譲渡または株式譲渡により最終的に整理されることになります。その際、国有化銀行が債務超過であってかつ営業譲り受けにより受け皿銀行の自己資本比率が低下する場合は、その比率の回復を図る範囲に限って預金保険機構が優先株式等の引き受け等を行います。  このような処理を的確、迅速に行う人材、体制の確保についてお尋ねでありますが、政府にすべてを押しつけるだけではなく、民主党としても可能な限り協力をさせていただきたいと考えております。  次に、金融再生委員会にどのような権限と責任を持たせるのかというお尋ねがございました。  金融再生委員会の主要な権限は、金融破綻処理制度及び金融危機管理の企画立案、金融機関の破綻処理、銀行の検査・監督等であります。  これまでの金融行政は、大蔵省、金融監督庁、預金保険機構及び金融危機管理審査委員会と権限がばらばらで分散しておりまして、長銀等に対する資本注入についての責任もあいまいでありました。金融再生委員会を設置することにより、金融行政に関する責任体制はより明確になります。つまり、金融再生委員会は、特命大臣を長として金融破綻処理と金融機能再生に一元的に責任を負うとともに、三条委員会として公正さを確保しながら業務を遂行することになります。  次に、特別公的管理の開始により国が取得する株式の対価をどう決定するかという問題についてお尋ねがありました。  先ほど述べましたように、株式の対価は、特別公的管理銀行の純資産額を基礎として、株価算定委員会が決定をいたします。これは、一般の株式会社を清算するときに株主に対する配当を決定するときと同じ考えです。つまりは清算価値に基づいて算定するということでありますから、公正な対価を決定することが十分可能であると考えております。(拍手)    〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
  22. 小渕恵三

    ○国務大臣(小渕恵三君) 岡利定議員にお答え申し上げます。  与野党共同修正案に関するお尋ねでございますが、金融再生問題につきましては、先般の党首会談を踏まえまして、与野党間で精力的に内容の詰めが行われ、本日より本院での法案審査の運びとなったところであり、金融システム再生と安定を図るためには、法案が一日も早く成立することが重要であると考えております。私といたしましては、金融システム全体の危機を絶対に起こさないとの強い決意のもと、金融システム安定に万全を期すべく、全力を尽くしていく所存でございます。  早期健全化スキームについてでございますが、これまでの与野党協議を経まして、破綻前の金融機関の対策といたしまして、金融機関の過少資本状態の解消等、金融システムの健全化スキームにつきまして検討が進められておると認識をいたしております。早期健全化スキームにつきましては、早急に与野党の合意が図られ、速やかに法案化され、早期に成立することを強く期待いたしております。  長銀の国有化から波及して生ずる問題と、それに対する対応についてのお尋ねでありますが、長銀問題につきましては、与野党合意におきまして、これに適用できる特別公的管理の枠組みを確定し、新しい法律で規定した上で対処することとされておるところであります。  政府といたしましては、与野党合意を踏まえ修正された新法が成立することを望みますとともに、新しい利用可能な枠組みのもとで適切に対処いたしてまいりたいと考えております。  次に、現在の景気認識及び景気対策の対応についてもお尋ねがありました。  我が国の景気は低迷状態が長引き、極めて厳しい状態にあると認識をいたしております。政府といたしましては、日本経済を再生させるため、まず総合経済対策の実施に全力を挙げることといたしております。あわせて金融再生に関する法案の早期実現を目指しております。  なお、十六兆円超の一次補正予算につきましては、その裏打ちとなる地方での措置が相当程度地方の九月議会において講じられることとなることから、これから本格的な執行がなされるものと見込まれ、政府としては、まず十年度当初予算及び一次補正予算の執行に全力を尽くすことが重要であると考えております。  このような観点から、公共事業等の施行促進の強化策を十月二日の関係閣僚会議、公共事業等施行対策に関する関係閣僚会議における会議で決定いたしたところであります。  次に、金融再生にかける決意についてのお尋ねがございました。  金融再生問題につきましては、先般の党首会談を踏まえ、与野党間で精力的に内容の詰めが行われ、本日よりこの法案の審議の運びとなったと承知をいたしております。  いずれにいたしましても、金融システムの再生と安定を図るためには、本案が一日も早く成立することが重要であると考えており、改めまして、政府としては金融システム全体の危機を絶対に起こさないとの強い決意のもと、金融システム安定に万全を期すべく、全力を挙げていく所存でございます。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
  23. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) G7のこのたびの協議状況、背景はどのようなものであったかというのが最初のお尋ねでございますが、ちょうど、アジアに発生しました昨年七月以来の金融危機がアメリカにも影響を及ぼすような時点に、ロシアで御承知のようなことがございまして、また、ブラジルでは大統領選挙がございます。ここでその後がどうなるかという不安がいろいろ言われておりまして、また、たまたまそのときにウォールストリートで大きなヘッジファンドが破綻したということがございましたりして、大変に異常な雰囲気でございまして、グリーンスパン議長の言葉をかりれば、戦後初めてこのような金融危機が起こった、みんなが今までと違って危機を回避しようとして逃げに回っておるという、そういう状況にどう対処するかという背景でございました。  このような背景の中で、従来から日本がこの世界不況の一つの大きな火元であるということは、残念ながら多くの人の言うところでございますが、このたびも、したがいましてそれとの関連で一番問題にされましたのは、この金融問題についての処理であったわけでございます。金融再生関連法案及び早期健全化スキームについて多くの人が非常に日本における審議を注目しております。国会におかれまして、これらの問題について十分な、慎重な御討議があることは、これはもうよく理解されておるところでございます。  同時にしかし、この法案あるいはスキームの帰趨によりまして、これは単に国内問題にとどまらず世界の経済に非常に大きな影響を及ぼすということについて多くの人が指摘をいたしました。したがいまして、その結果といたしまして、コミュニケにおきまして、持続可能な銀行に十分な公的支援を迅速に供与することによって、支援するための措置を早急に立法化することを含め、金融システム強化のための速やかな、かつ効果的な行動が重要であるという声明になったわけでございます。  次に、長銀の処理につきましては、ただいま岡議員が言われましたような手順であると私も理解をいたしておりますし、総理大臣からお答えもございました。私どもとしては、いずれにしても金融システム全体の危機を絶対に起こさないとの決意のもとに、金融システムの安定に万全を期したいと考えております。  それからもう一つ、公的資金の注入の前提は、経営状況の情報開示、経営者、株主責任の追及、リストラを強力に進めること、これはもうおっしゃるとおりでございます。  ただいま御審議中の法案について、衆議院で出されました幾つかの疑問も、政府の考えでは、これらの点がどうも緩いのではないか、もっときつくしなければいけないということで、それは私どももそのように感じております。いわゆる情報開示あるいは経営者、株主についての責任等々、これは刑事、民事にかかわることはもとよりでございますが、そうでないことについてもきつくなければならない、これはもうそのとおりと思います。  そこで、問題は、例えば株式の評価をどのようにするか。これはもう低価法、なるべく厳しい方がいい。それは、それだけ余裕が持てるわけでございますから、そういう考え方そのものには私は恐らくどなたも御異議がないのだと思います。  ただ、日本の現状は、非常に大きな貸し出しを小さな資本で金融機関がやっておるというのが事実でございますから、そういうところを非常に厳しくいたしますと、銀行としてはすぐ信用の収縮を図る、いわゆる貸し渋りに出ることは、銀行としては内容をよくしなければならないということで、理由があるといえばございましょうが、急速に起こりますときには、国民経済、殊に中小企業は極端な貸し渋りを受けることになります。  したがいまして、これはどれがいい悪いというよりは、厳しい方がいいに決まっておりますけれども、現実の政策判断としてどのぐらいのところがいいかということを、やはり御配慮いただくことが一つ大事なことではないかと思っております。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣与謝野馨君登壇、拍手〕
  24. 与謝野馨

    ○国務大臣(与謝野馨君) 貸し渋り対策についてのお尋ねでございますが、先般、信用補完制度の拡充、政府系金融機関の融資制度の拡充等を盛り込んだ中小企業等貸し渋り対策大綱を閣議決定したところでございます。  本大綱に盛り込まれました特別保証制度の創設等の対策については、本年十月一日から実施しているところであり、これらにより資金規模において総額四十兆円を超える対応が可能であると考えております。  今後とも、窓口においての親身な対応等を含め、貸し渋り対策に万全を期してまいる決意でございます。(拍手)     ─────────────
  25. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 足立良平君。    〔足立良平君登壇、拍手〕
  26. 足立良平

    ○足立良平君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となっております金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案外関連法案について質問いたします。  平成三年のバブルの崩壊後、不良債権問題等困難な経済構造改革を先送りしてきた歴代自民党を中心とした内閣の怠慢と経済・財政・金融政策の失敗により、今日我が国経済は危機的状況にあります。  このような中、今回、野党案をベースに与野党が共同で金融再生法案をまとめ上げられました。日本経済のまさに根幹にかかわる重要法案を、官僚主導ではなく国民から直接選挙によって選ばれた国会議員同士の議論の積み重ねの中で、極めて緻密で実効性のあるものに仕上げられたことは、立法府としての国会のあるべき姿を示す非常に意義深い出来事であると考えます。その作業の中には大変な苦労があったものと推測をいたします。改めてその労に心から敬意を表したいと思います。  しかしながら、野党三会派案が衆議院に提出されてから既に今日まで一カ月が過ぎているわけであります。日本のみならず世界の市場が不安定な中、このように長い時間がかかり、その間に経済はさらに悪化していることは極めて残念でなりません。日本経済は三期連続マイナス成長というまさに危機的状況にあります。このような経済情勢に対処するには、国会審議の迅速性が不可欠であります。しかし、今回、小渕総理のあいまいな態度や発言により、全くむだな時間が過ぎてしまったことを厳しく私は指摘せざるを得ません。  すなわち、総理は、訪米前の九月十八日の党首会談において、長銀問題について野党三会派提出の金融再生法案で対処することを確認されました。にもかかわらず、その直後に自民党首脳が合意に反することを表明したばかりか、総理御自身もニューヨークで、長銀に公的資金を投入し、住友信託銀行と合併させる旨発言をされているのであります。このように、総理御自身が党首会談の合意を踏みにじったことで与野党間の信頼関係が損なわれ、その修復にかなりの時間を費やさざるを得なかったのであります。  交渉過程において与野党がそれぞれの立場で駆け引きをするのは、交渉である以上あるいはやむを得ないのかもしれません。しかし、一たん交渉がまとまった以上、その結論が仮に当初の意図に反していたとしても、敢然と守っていくことが政党政治の王道でなければなりません。今回の小渕総理及び自民党首脳の一連の発言は、公党としての信義誠実の原則に反するものと言わざるを得ないのであります。  小渕総理は、経済再生内閣と銘打った内閣を組閣しながら、法案をまとめるに当たって何らリーダーシップを発揮しなかったばかりか、逆に総理御自身のあいまいな態度がこのような混乱を招く引き金になってしまったのであります。このことに対してどうお考えなのか、総理の明快な御説明を求めます。  また、首相経験者で経済に明るい宮澤大蔵大臣は、平成の高橋是清と言われ、小渕総理の掲げる経済再生内閣の目玉として再登場され、金融を初めとした経済政策に指導力を発揮されることが期待をされてまいりました。しかし、この法案修正の過程で一体どのように指導力を発揮されたのでありましょうか。政府案を提案した責任者であるにもかかわらず、当事者としてではなく評論家のごとく事態を静観していたのは、まさしく責任放棄であり、日本の金融を再生させるとの気概が全く私には伝わってまいりません。大蔵大臣の見解を求めます。  加えて、大蔵大臣に改めて見解を明確にしていただきたいことがあります。財政、金融の完全分離及び金融行政の一元化を平成十二年一月一日までに施行する旨与野党間で確認をいたしました。大蔵省としては、この確認に従って、今後、財政、金融の分離を実質骨抜きにしようとするなどの抵抗を一切しないことをこの場で明言していただきたいと考えます。  次に、提案者に質問をいたします。  金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案外関連法案には、金融機関に厳格なディスクロージャーを義務づけること、これまで失敗続きだった大蔵省ではなく、新たに設置する金融再生委員会が破綻処理に当たること、破綻した金融機関の責任を明確にし、モラルハザードを起こさないこと、破綻処理方法として大手銀行の連鎖破綻にも対応できる特別公的管理のスキームを用意したことなど、これまでの金融行政とは明らかに異なり、国際経済の信頼にたえ得る新たなスキームが盛り込まれていると考えます。そこで、これらの法案の理念や具体的スキームについて改めてお聞かせを願いたいと思います。  また、これらの法律案の施行に伴って、金融機関救済のための最大十三兆円の公的資金の投入を可能とした金融機能安定化法は廃止されることになりますが、金融機関の破綻処理に際して公的資金はどのような局面でどのように投入をされるのか、御説明を願います。また、破綻のおそれがある銀行についても特別公的管理ができるように修正されましたが、この場合に公的資金はどのように使われるのか、お伺いをいたします。  破綻処理スキームの中で、特に特別公的管理は一時的に国が全株式を取得するというかなり思い切ったスキームであると考えます。この処理スキームは、金融危機を回避するためどのような実効性を発揮するのか、御説明をお願いいたします。また、国が株式を強制的に取得することが憲法第二十九条で言う財産権の侵害に当たらないのか、あわせて御見解をお聞かせください。  最後に、G7と訪米に関連して宮澤大蔵大臣に質問をいたします。  G7共同声明は、日本経済の回復は世界にとって決定的に重要と指摘しております。私も同様に、景気回復と雇用対策は日本経済に課せられた緊急かつ最重要課題であると考えております。しかし、その一方で、宮澤大蔵大臣は追加的な景気刺激策に消極的との一部報道もあります。  政府としては、今後どのような景気刺激策をとる用意があるのか、減税はどのように行うのか、公共投資を行うのか、行う場合の予算規模はどの程度と見積もっているのか等々、具体的な御説明をいただきたいと思います。  共同声明は、存立可能な銀行に十分な規模の公的支援を迅速に適切な条件で実施する手段を含めた金融システム安定のための行動を日本に対して要求いたしております。蔵相は、G7各国が就任以来のあなたの仕事ぶりについてどのように評価していると御認識されているのか、お聞かせください。  宮澤蔵相は、ルービン米財務長官に対して、廃止になった十三兆円より減ることはないと述べ、十三兆円以上の公的資本注入の仕組みを早期に導入することを約束したとされております。ルービン長官に対し、このような約束を行ったのかどうか、真偽のほどをお聞かせください。  自民党から提示されているいわゆる金融システム早期健全化対策は、裁量的な資産査定によって金融機関経営の実態を十分にディスクローズしないのみならず、優良行に対しても公的資本注入を可能とするものです。これは換言すれば、廃止が事実上決まった十三兆円スキームの焼き直しを含んだ早期健全化対策であると言えます。つまり、宮澤蔵相の発言がこのような十三兆円スキームの実質的な復活を意図したものであるなら言語道断であります。納得のいく説明をお願いいたします。  憲政の神様との異名を持つ尾崎咢堂翁は、議会は打ち解けて国家全体のために懇談熟議すべき場所である。討論ではない、懇談熟議、お互いに譲り、力を合わせて国家全体の利益を図らなければならないと喝破し、目先の利害に走る小政治的政党政治に警鐘を鳴らしております。そのためにも、今回の法案が小政治に翻弄されることなく速やかに成立することを願い、私の質問を終わります。(拍手)    〔衆議院議員池田元久君登壇、拍手〕
  27. 池田元久

    ○衆議院議員(池田元久君) 足立良平議員にお答えをいたします。  金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案外関連法案の理念や特色についてお尋ねがございました。  第一に、隠ぺい、先送り、場当たりという言葉に象徴されます国民や市場の信頼を失った大蔵行政と決別するため、新たに金融再生委員会を設置して、金融機関の検査・監督に加えて、金融破綻処理制度及び金融危機に関する企画や立案、金融機関の破綻処理を担当させることといたしました。  第二に、金融機関の自己査定の結果の公表を義務づけ、金融機関の不良債権等の財務内容の透明性を高めることといたしました。ディスクロージャーを義務づけることにつきましては、国民や市場の信頼を回復するためには避けて通れない道でありまして、金融業界に劇的な意識改革をもたらすものであると考えております。  第三に、破綻した金融機関の株主や経営者等の責任を明確化することといたしました。具体的には、株主についてはその出資の範囲内において株主責任をとらせる、すなわち損失を負担させ、経営者について民事、刑事上の責任を厳しく追及するなどの措置をとることになります。  第四に、破綻による影響が大きい金融機関については、特別公的管理という方法によって一時的に国の管理下に置き、預金者や健全な債務者あるいは決済システムを同時に保護しながら整理を進めていくことが可能となります。  第五に、金融機能安定化法を廃止することにより、一般金融機関に対する公的資金の投入を廃止し、株主や経営者等について厳格な責任をとらせることからも、国民の負担を極力抑制することができると言えます。  次に、金融機関の破綻処理に際して、公的資金はどのような局面でどのように投入されるのか、特に破綻していない銀行が特別公的管理銀行となった場合に、公的資金が使われるのかどうかについてお尋ねがありました。  銀行が破綻して特別公的管理の開始が決定されますと、まず破綻銀行の発行済み株式全株を取得するために公的資金が使われます。ただし、株式の対価は厳格な資産査定を実施した上で純資産額を基礎として決定いたしますので、破綻銀行が債務超過であれば理論的にはゼロとなるわけです。その後、不良債権は整理回収機構に時価で売却されることになりますので、その買い取り資金として公的資金が使われます。ただし、理論的には時価イコール回収可能額ということになりますから、この際使われた公的資金はいずれ回収されることになります。そして不良債権をすべて整理回収機構に売却した後、預金者を保護するため債務超過額に相当する金額を公的資金により穴埋めすることになります。  破綻するおそれのある銀行が特別公的管理銀行となった場合には、厳格な資産査定を実施した上で、特別公的管理銀行が債務超過に陥れば、破綻銀行に準じて公的資金が使われることになります。  次に、特別公的管理のメリットについてのお尋ねがありました。  特別公的管理は、銀行が破綻した場合に、ほかの金融機関等の連鎖的な破綻を発生させ、我が国の金融システムに極めて重大な障害を生ずるか、破綻銀行が業務を行っている地域または分野に極めて重大な障害が生ずるおそれがある場合に限って実施するものであります。  国が一〇〇%株主になるということは、非常に大きな信用力をつけるということでありますから、金融システムを守るためにはこれ以上の方法はありません。仮に大手銀行がすべて破綻するような非常事態が発生しても、特別公的管理スキームを使うことにより、我が国の金融システムは保護されることになります。  次に、国が株式を強制的に取得することが憲法第二十九条で言う財産権の侵害に当たらないのかというお尋ねがありました。  憲法二十九条では、「私有財産は、正当な補償の下に、」「公共のために用ひることができる。」と定めております。金融システムはまさに公共の財産でありまして、金融システムを維持するために破綻銀行の株式を国が取得することは憲法に違反しないと考えます。  なお、正当な補償をするため、取得する株式の対価は厳格な資産査定を実施した上で、純資産額を基礎として株価算定委員会が決定をいたします。(拍手)    〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
  28. 小渕恵三

    ○国務大臣(小渕恵三君) 足立良平議員にお答え申し上げます。  金融再生法案の修正の過程と私の対応についてお尋ねがございました。  金融再生問題については、先般の党首会談を踏まえまして、与野党間で精力的に内容の詰めが行われたわけでございます。その過程では、私自身、節目節目でみずから決断し、先般修正法案が最終的に取りまとめられ衆議院に提出され、可決の後、本日より本院で法案審議の運びとなったものでございます。  私といたしましては、金融システム全体の危機を絶対に起こさないとの強い決意のもと、金融システムの安定に万全を期すべく全力を挙げていきたいと考えております。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
  29. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 御審議中の法案が、衆議院での修正協議の過程において、どう対応しておったかという御質問がございました。  このたび、この金融トータルプランに関して幾つかの政府提案、それから議員提案もなされました。野党からも御提案があったわけですが、その御審議の過程で、私は終始、これは全く新しい問題でございますし、イデオロギーというものがそう関係いたしませんから、政府案がベストだというふうに私は必ずしも申し上げません、いろいろ御審議の過程でいい案がございましたらベターなものをおつくりいただくことは、私は少しもちゅうちょしないということを申し上げてまいりました。総理もそのように御発言がございました。  そういう結果として、このたびのような修正が行われまして、ともかく参議院に送付されることになりまして、そのことは私は早期に立案をしていただきたいという趣旨からいたしましてよかったことだと思っております。  なお、実は修正の過程におきまして、各党、殊に野党からは、大蔵省がいろいろ立ち入ることを強く忌避されました。それは理由のあることですから、私も大蔵省の諸君に対しては余り出過ぎたことをしないようにということを申したわけでございます。私自身も表立った行動を差し控えておりました。  一つは、金融監督庁が誕生いたしましたために、金融問題一般は大蔵大臣の所管でなくなっております。金融監督庁の所管になっておりますので、そういうことにかんがみましても野党のおっしゃることは意味のあることだと思っておりましたので、なるべく表に出ないようにいたしてまいりました。ともかく、申すことは与党を通じて希望は申しましたが、そのような行動をとってまいりました。  それから、財政と金融の分離につきましては、九月十八日に党首会談がございまして、政府としては中央省庁等改革の枠組みの中で、次期通常国会終了までに必要な法整備を行ってまいらなければならないと考えております。  それから、G7についておまえはどう評価されたかというようなお尋ねでございましたが、我が国が世界の経済問題の一つの大きな火元になっておるということは皆さんがよく知っておられて、そして日本政府としても一生懸命やっておるということも不満足ながらわかってはいる、しかし、金融問題はなかなか進まないじゃないかというようなことでございまして、どう申しますか、雰囲気は非常に厳しいものでございますけれども、お互い自分自分がいろんな問題を持っておりますから、そういう意味での理解というのもないわけではない、そんなところでございます。  それから、もう一つお尋ねがございまして、それは十三兆に関することでございます。  関係者、殊にルービンは日本におけるこの事態の推移を非常によく知っておりますので、このたびこの法案が衆議院修正され参議院に送られた段階で十三兆円という仕組みはなくなった、それは正確に理解をしております。それで、それがどうなるんだろうということを申しますから、私はこういうことを申したんです。十三兆の枠組みはとにかくなくなりましたと、しかし、今この参議院で御審議になっております金融再生関連法、この中に金融再生に関する資金が恐らく要るはずである。それは先ほど提案者がおっしゃったとおりでございます。何もなくていいわけではない。  それから、もう少し先のことを申しましたら、早期健全化がもし法として成立いたしますと、ここでは確かにもっと金が要るということになりますので、今の段階で実は私は答えられない、どれだけのものが要るかということの与野党の合意もございませんし、それからそれをどういう法形式でやるかということも実はわかっておりませんで、これはなるべく早くやった方がいいのだと私は思いますけれども、具体的にそれは答え得ない、何かのことが行われなければならないと思っているということは説明をいたしました。  もとより、別に何にも約束をいたしておりません。私は、何でもすることは自分の国がすればいいのであって、人に約束をするということは余り好みませんので、何も申しておりません。(拍手)     ─────────────
  30. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 森本晃司君。    〔森本晃司君登壇、拍手〕
  31. 森本晃司

    ○森本晃司君 私は、公明を代表し、ただいま議題となりました金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案外関連法案につき質問をいたします。  小渕内閣が経済再生内閣と命名して出発してから早くも二カ月が過ぎ去りました。しかし、一向に不況打開の糸口は見えず、株価は下がり続け、ついには一万三千円を割り込むところまで下落し、完全失業率は四・三%で戦後最悪、完全失業者も過去最多の二百九十七万人となっております。その上、倒産は相次ぎ、日本経済は再生どころか、今や日本経済は、小渕ではなく、がけっ縁に立たされていると言っても決して過言ではありません。  これは、小渕総理が経済再生へのリーダーシップを全く発揮せず、丸のみ、丸投げの無責任な政治姿勢に終始しているからであります。総理には不況に苦しむ国民の声が聞こえていないのですか。総理には国民の怒りがわかっていないのですか。  今回、参議院に送られてきた金融再生関連法案も、与野党修正協議に政府・与党は修正を小出しにし、いたずらに時間を浪費、九月十八日の与野党合意でようやく決着したとだれしもが思ったのでありますが、その直後から、長銀への公的資金の注入にこだわる訪米中の総理発言を初めとする自民党幹部の発言により、早急に処理すべき法案が迷走に続く迷走を繰り返してまいりました。  総理が口を開けば迅速かつスピーディーにという言葉をお使いになりますが、それとは全く逆に、衆議院での審議入りから一カ月過ぎ、会期末までもうあとわずかというところでやっと本院で審議することになったのであります。総理、どうせ丸のみするのだったら、もっと早くスピーディーになぜやらなかったんですか。  党首会談の合意を踏みにじる発言は、法案の共同修正作業を大混乱させ、内外の市場に誤解を与えました。その責任は極めて重大であり、政党間の信頼を損なう悪質な背信行為であると言えます。総理は、このような事態に対してどのような対応をされたのか、またどう思っておられるのか、まずお尋ねいたします。  宮澤大蔵大臣は、長銀は「特別公的管理で対処する」とした野党案に対して、長銀への資金投入の道が閉ざされると思い、党首会談の合意文書を「特別公的管理等」とするように働きかけたと言われております。これが事実ならば、修正協議を混乱させたのは大蔵大臣自身ではないのですか。  あなたは平成の高橋是清ともてはやされて大蔵大臣に就任されました。高橋是清は四十二日間で昭和恐慌を鎮静させました。あなたは就任以来六十六日たちました。ますます事態は混迷を深めるばかりではありませんか。混迷を打開できない大蔵大臣はその責任をどう感じておられるのか、お尋ねを申し上げたい。  先ほど来の答弁を伺っておりましたけれども、余りにも情けない、余りにもこの混迷を打開しようとする姿が見えない、元気がなさ過ぎる。もっとリーダーシップを発揮しながらやってもらいたい。  ともあれ、不協和音もありましたが、政府・自民党は提出法案を取り下げ、野党案をほぼ全面的に受け入れ、譲歩したことは恐らく自民党政権下では前代未聞の画期的なことであります。大蔵大臣は、担当大臣として政府提出法律案を取り下げられたことをどう考えているのか、お答えいただきたい。  また、G7御苦労さまでございました。世界経済がデフレ色を強めている中、ワシントンで行われたG7の共同声明で我が国に対して名指しで注文をつけておりますが、主な協議事項、我が国としてこれにどのように対応していくのか、G7に出席した大蔵大臣にお伺いいたします。  総理、野党案をほぼ丸のみに近い形で受けざるを得なかった共同修正案をどのように評価しておられますか。また、野党案をほぼ丸のみしたことについて、自民党内からも、自民党は金融問題については落第だ、野党の党首に総理を譲ってはとの声が上がっています。身内をおさめずしてどうして国を治めることができるのですか。  秋の夕日はつるべ落としと言われておりますが、昨今の世論調査を見ておりますと、小渕内閣の支持率はまさにつるべ落とし、わずか一カ月で低いところからスタートしているにもかかわらず一〇%ダウン、これだけは迅速にスピーディーであったと思う。総理、政権担当能力はもはや限界に来ているように見えますが、総理の率直なお考えをお伺いいたします。  次に、発議者である新党平和の石井議員にお伺いいたします。  撤回せざるを得なくなった政府・自民党案の問題点及び今回の三党共同修正案についてどのように評価しておられるのか。また、財政と金融は完全に分離し、金融行政は一元化されると承知しておりますが、その経緯をあわせてお聞きいたします。  バブルをつくり、その処理に失敗した長銀を初めとする金融機関の情報開示についても全く不十分で、国民が到底納得できるものではありません。今回の三党共同修正案では情報開示についてどのように取り扱われたのか、同じく発議者の西川議員にお聞きいたします。  次に、長銀の金融債についてお尋ねします。  長銀は、金融債の発行等で資金調達しております。信用が著しく低下し、株価が額面割れの状況でも依然として金融債の発行が続いていることは疑問でなりません。長銀の金融債は自由な市場では消化できないと思うのですが、消化できるとすれば政府部門、例えば資金運用部、政府系金融機関あるいは日銀などが購入するしか考えられないのであります。もし政府部門が購入しているとすれば、形を変えた公的資金の投入であり、国の財産保全の面からも大問題であります。購入しているのか、していないのか、引受額を含め、大蔵大臣の明快な答弁を伺います。  聞くところによると、長銀の不良債権は九割が回収不能であり、その額も公表されている四、五倍はあるのではないかと言われております。住友信託も、住友銀行や大和証券との提携に参加する方向で、長銀との合併を見直す方向であるとも伝えられています。高橋社長をわざわざ官邸にまで呼んで説得された総理でありますが、もし合併が白紙になったらどうされようとしているのか、所見を求めます。  日本経済は戦後最悪の状況であり、不況はさらに悪化するおそれがあります。民間経済研究機関も、九七年度のマイナス成長に続き、九八年度、九九年度も大幅なマイナス成長を予測しているところがふえております。このままでは戦後初の三年連続のマイナス成長必至であります。このような景気の動向に対して、経済企画庁長官は経済見通しをマイナスに修正する意向を示していると報道されておりますが、今どのような判断をされているのか、所見を求めます。  今回の一連の法的整備は、金融危機打開への第一歩であります。引き続き早期健全化のスキームを早急につくるべきであります。現在、与野党で調整中と聞いておりますが、デフレ連鎖を防ぎ、国会発の金融恐慌を回避するためにも、一刻も早い決着を望むものであります。しかし、自民党案を拝見しても、日本の金融界を中長期的にどのようにしようとしているのか不明確であります。総理はどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。  総理は、六兆円超の恒久的減税、事業規模十兆円超の景気対策を所信表明で明らかにされておりますが、景気対策の表明があっただけで、何も具体化されておりません。住宅ローン利子減税を初めとし、今あらゆる景気対策を総動員し、早急に実施すべきです。いつ、どのような内容で実施するのか。あわせて、失業率が最悪の今日、国民の不安解消のためにも具体的な雇用対策をどう考えておられるのか、お答えいただきたい。  最後に、GDPの六割を占める個人消費の喚起を図ることが肝要です。減税の恩恵を受けられない中低所得者や年金受給者などが六千万人もいると言われています。景気対策のために、我が党は、単に減税だけでなく、四兆円規模の一人当たり三万円の期限つき商品券を支給するよう要請してまいりました。あすにもこの法案を国会に提出する予定であります。政府も研究されていると伺っております。  総理、期限つき商品券の支給を決断すべきときであります。総理は、所信表明で、「今日の勇気なくして明日の我が身はない」と述べられました。総理が民衆のため、今こそ勇気ある決断を迅速かつスピーディーにされることを強く要求し、私の質問を終わります。(拍手)    〔衆議院議員石井啓一君登壇、拍手〕
  32. 石井啓一

    ○衆議院議員(石井啓一君) 新党平和の石井啓一でございます。  森本晃司議員にお答えをいたします。  政府・自民党案の問題点及び今回の与野党三会派共同修正案についての評価でございますが、まず、当初の政府の政策スキームでは、焦点の日本長期信用銀行の処理につきまして、徹底した情報開示がなされないまま金融機能安定化緊急措置法により多額の公的資金の導入が予定されておりましたが、今回の修正案により、金融機能安定化緊急措置法は廃止され、不明瞭な公的資金投入ができなくなったとともに、金融危機の象徴であった長銀の取り扱いについて明快な処理の道筋をつけたのであります。  次に、政府案では、破綻処理の主体が大蔵省、金融監督庁、預金保険機構と、このように分散していたのに対しまして、三会派の修正案では、新たに設置する金融再生委員会が主として破綻処理に当たることと、このようにしておりまして、金融危機管理の一元化が図られたところでございます。  また、政府案では、金融機関の不良債権の実態開示につきましては現行どおりでございまして、市場の信頼を得られるものではございませんでしたが、修正案では、金融再生委員会規則に基づき資産査定を行い、公表義務を課しまして、金融機関の財務内容の透明性を高めているところでございます。  さらに、政府案では、迅速な金融安定化が求められているにもかかわらず、原則二年、最大で五年もの処理期間が設けられておりましたが、三会派修正案では、原則一年、最大でも三年の期間で処理することとされ、スピードアップを図ることとしております。  今回の修正案は、野党三会派の法案を基礎といたしまして与野党三会派が真剣に協議してつくり上げた法案でございまして、官僚の手をかりず政治家が主体となってつくり上げた点は特筆される点であると考えております。  続いて、財政と金融の完全分離、金融行政の一元化についてその経緯と所見ということでございますが、財政と金融の分離、金融行政の一元化については、さきに金融庁の設置が決定をされていたところでございますが、あいまいさを多く残しておりました。  しかるに、今回の修正案並びに与野党交渉の経緯においては、明確にこれに対して踏み出したわけでございます。九月十八日の党首会談並びに十月一日の三会派合意におきまして、「金融再生委員会の設置に伴う財政・金融の完全分離及び金融行政の一元化は、次期通常国会終了までに必要な法整備を行い、平成十二年一月一日までに施行する。」、このようにされ、財政、金融の完全分離、金融行政の一元化の方向性が明確に規定されたことは、今後の経済システムの発展に大きく寄与するものと確信をいたします。  以上でございます。(拍手)    〔衆議院議員西川知雄君登壇、拍手〕
  33. 西川知雄

    ○衆議院議員(西川知雄君) 情報公開について、三会派共同修正案ではどのように取り扱われているかという御質問でございますが、三会派共同修正案では、金融機関の不良債権の実態、財務内容、財務状況等に関する情報公開について、我が国の金融システムに対する国内及び国際的な信頼性を確保し、信用秩序の安定を図る観点から、今回の金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案第六条では、定期的な資産査定と金融再生委員会への報告書の提出、さらに同法案の第七条では、資産査定結果についての公表、これをいずれも義務規定といたしました。  徹底した金融機関の情報開示は、御指摘のように本法案の最も重要な点の一つでございます。報告の具体的な内容等については、今後早急に作成する金融再生委員会規則等で定めることになりますが、公表する資産査定においては国際会計基準を勘案して、現在のSEC基準以上、第Ⅱ分類はさらに細分化をする、そして各分類に応じた引き当ての基準の明確化、連結対象の会社関係は実質的な支配関係へと定義を見直す等が主な内容になると考えております。  もっとも、査定結果の公表は、御指摘がいろんなところからされていますように、国内の中小零細企業に対する信用収縮の可能性も含んでおりますが、その信用収縮が助長されないよう金融機関の業態別に実施時期をずらしたり、また公表内容等について金融機関業態別に差異を設けるなど十分な配慮を行い、現状に適合しつつ、めり張りをつけた効果的な情報公開を目指すことになるものと考えております。  以上です。(拍手)    〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
  34. 小渕恵三

    ○国務大臣(小渕恵三君) 森本晃司議員にお答え申し上げます。  まず、金融再生法案の修正過程と私の対応について厳しい御指摘をいただき、お尋ねをいただきました。  金融再生問題につきましては、先般の党首会談を踏まえまして与野党間で精力的に内容の詰めが行われ、また私自身、節目節目でみずから決断し、先般修正法案が取りまとめられ、衆議院に提出され、可決の後、本日、本院で法案の審議の運びとなったものでございます。  申すまでもなく、政府・与党といたしましては、当初、政府原案を提出しておりました。しかし、その後の過程におきまして、各党間の精力的な話し合いによりまして、今日御審議をいただいておりますような議員立法の法案もまとまったわけでございまして、私といたしましては、当然政府の主宰者であると同時に党の最高責任者として、当初の原案がこうした形で変化していくということにつきましては種々議論のあったところでございますが、先ほど来、節目節目でみずから決断しと、こう申し上げましたことは、いわばこうしたことにつきまして、各党間の熱心な御審議の過程で、いろいろ法案が成立する過程におきまして、私といたしましてもそうした状況を十分踏まえながら決断したこともこれまた事実でありまして、御理解もいただきたいと思っておる次第でございます。  共同修正案の評価についてのお尋ねでありますが、金融再生問題につきましては、先般の党首会談を踏まえまして精力的に内容の詰めが行われておりまして、本日より本院で法案審査の運びになっておるということでございまして、この法案が一日も早く成立されることを祈念しておるということでございます。  いずれにいたしましても、金融システムの再生と安定を図るため、法案の一日も早い成立が重要であり、これまで修正法案の調整に御尽力をされた関係者の御努力を多とするものでございます。  長銀と住友信託銀行の合併についてのお尋ねもございましたが、長銀問題につきましては、与野党合意におきまして、これに適応できる特別公的管理の枠組みを確定し、新しい法律で規定した上で対処することとされたところでございます。  いずれにせよ、長銀問題につきましては、政府としては、与野党合意を踏まえた修正された新法が成立されることを望むとともに、新しい利用可能な枠組みのもとで適切に対処してまいりたいと考えております。  次に、景気対策と景気動向についての見解についてお尋ねがございました。  なるほど、現在、景気は低迷状態が長引いて極めて厳しい状態であることは深く認識をいたしております。そのため、日本経済を再生するために総合経済対策を実施いたしておるところでございますが、先ほども御答弁申し上げましたが、前に決定をされました十六兆円の一次補正予算につきましても、その裏打ちとなる地方での措置が相当程度地方の九月議会において講じられることとなっておりまして、もちろん六月にかなりのところは済んでおるわけでございますが、国政選挙等もございまして、地方におきましてはそうした措置が若干おくれぎみになっておるということでございますので、一日も早くそうした地方と中央と相協力しましてこの一次補正予算の執行に全力を挙げていきたいと思っておりますし、こうした観点から、公共事業の施行促進の強化策というのを関係閣僚会議で決定いたしまして、地方に対しまして中央として、先に、この執行のために必要なものにつきましては、これを支出できるようないろいろの措置を講じてまいらなければならぬという措置も講じておるわけでございます。なお、御指摘がありましたように、私も第二次補正の問題あるいはまた減税の問題等につきましてもお約束をいたしておるわけでございます。  したがいまして、この一次の補正の執行状態も十分勘案しながらではありますが、こうしたさらなる財政の出動の問題につきましても、現下、検討させていただいておりますが、また、税制におきましても、先般、政府税調並びに与党税調に対しまして、そうしたところで十分な審議を促進していただくように私から期待し、お願いをいたしておるところでございます。  いずれにいたしましても、経済戦略会議を発足させ、また、国民のいろいろなお考え、また各省庁も懸命にこの問題に取り組んでおりますので、こうしたことを総合的に施策として反映のできるように、これから最善を尽くしてまいりたいと思っております。  加えまして、雇用対策についてのお尋ねがございましたが、総合経済対策の実施によりまして景気の回復を図るとともに、緊急雇用開発プログラムの実施や産業構造転換・雇用対策本部の決定に基づく政府一体となった取り組みの推進、経済構造改革を通じての雇用拡大に向けた取り組みなどをきめ細かく講じていくことにより、雇用の安定を図り、国民の将来に対する不安の解消に努めてまいりたいと思っております。  最後に、期限つき商品券についてのお尋ねがございました。  実務上、種々の困難な問題もあると考えておりまして、先般もこのことはしばしばこの壇上からもお答えをいたしておりますが、この問題につきましては具体的な研究をさせてまいりたい、このように考えておる次第でございます。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
  35. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 法案の衆議院の修正段階におきましての私の姿勢につきましては、先ほど足立議員に申し上げたところでございますが、それに加えまして、政府案を取り下げることについてどう考えたかということでございます。  先ほども申し上げましたが、政府案そのものがベストだとは必ずしも考えておりません、いいお考えがあれば喜んでちょうだいいたしますということを当初から申し上げておったところでございますが、御審議が進みまして、結局、政府案を取り下げる、これは総理の御決断によることでございますが、私としては、それによって御審議が促進される、ベターなものができるということであれば少しもこだわることはない、こう考えてまいりました。ただいまもそう思っております。  それから、修正協議をおまえが混乱させたではないか、「等」というものをつけ加えたかということをお尋ねがありまして、これは実は私がつけ加えたわけではございませんでした。当時の御審議の中で与党側が心配いたしましたことは、いわゆる緊急金融再建の関連法案だけが通りますと現在の機構はかなり廃止されますので、その結果として破綻前の処理というものの規定がなくなってしまいます。  したがいまして、当然破綻前の処理も必要なことでございますから、その間に空白が生じますと不測の事態が起こりかねないということで、両方の間に空白が生じないようにという意味で、この「等」ということをどなたかがお気づきになってつけ加えられたわけですけれども、これはよかったと思います。結果として今の段階は、衆議院の各党もいわゆる早期健全化スキームが入り用だということをお考えになって共同作業をしておられますから、これは混乱させるよりはむしろ私はよかったのではないか。ただし、私のしたことではないということでございます。  それから、長銀の金融債のことがお尋ねがございました。  これは資金運用部資金でございますが、資金運用部資金の法律第七条におきまして、金融債は国債等と並んで運用対象として認められております。したがいまして、資金運用部は各種の金融債を保有いたしております。また、政府系金融機関は、金融債を法律上保有できる機関は、農林漁業中央金庫、公営企業金融公庫及び商工組合中央金庫の三機関と承知しております。  しかしながら、御質問の資金運用部が特定の銀行の発行する金融債の購入に関しては、こういう状況でございますので十分注意して行われていると承知いたしておりますが、どの銀行のものをどれだけ持っておるかということにつきましては、市場への影響もございますので、具体的に申し上げますことはお許しをいただきたいと思います。  なお、日本銀行につきましては、現在、日本銀行が保有している債券の中に金融債はないというふうに報告を受けております。(拍手)    〔国務大臣堺屋太一君登壇、拍手〕
  36. 堺屋太一

    ○国務大臣(堺屋太一君) 現在の景気動向についてお尋ねがございました。  我が国の経済は、現在、残念ながら極めて厳しい状況にございます。需要項目別に見ましても、個人消費は低調でございまして、収入が減少ぎみである上に、消費者の財布のひもは依然としてかたい状態が続いております。設備投資も減少しております。特に中小企業においてそれが著しい状況にあります。輸出は、アジア向けが不振でございますので、欧米向けは好調ですが、全体としては横ばいであります。  こういった状況から、四半期別で見まして、さきに発表いたしましたように、戦後初めて三期連続のマイナスが今も続いており、改善の兆候はまだ見えておりません。  特に憂慮すべきは雇用情勢でございまして、御指摘のとおり雇用者数が減少いたしまして、失業率が四・三%に達しました。また、株式が低迷をして、日経平均が一万三千円台を割り込むような状態になっていることも御指摘のとおりでございます。  以上のように、景気は低迷状態が長引いておりますが、今日のような日本の経済、極めて巨大化した経済では一朝一夕にこの流れを変えるというわけにはまいりません。一カ月、二カ月でこれががらりと変わるというような特効薬がないのでございます。それだけに、私たち一同は、この景気に対して深い危機感を共有して、用心深く経済運営をしていかねばならないと思っております。(拍手)     ─────────────
  37. 斎藤十朗

    ○議長(斎藤十朗君) 池田幹幸君。    〔池田幹幸君登壇、拍手〕
  38. 池田幹幸

    ○池田幹幸君 私は、日本共産党を代表して、自民、民主、平和・改革、三会派提出の金融再生法案など八法案及び日本共産党提出の金融正常化法案など四法案に関し、総理、大蔵大臣並びに各発議者に質問します。  戦後最悪の不況のもとで、雇用の拡大、実質所得の回復など具体的な不況対策が切実に求められているのに、金融機関の不良債権の処理が重要な課題だからといって、大銀行救済、支援に税金をつぎ込むことのみにきゅうきゅうとすることは絶対に許されません。我が党は、本院に消費税三%への引き下げ法案を二院クラブの島袋宗康議員、自由連合の石井一二議員とともに提出しましたが、この実現など、実体経済の立て直しを図ってこそ不良債権の処理も進むのであります。この立場から、以下、質問します。  第一は、長銀への公的資金投入問題であります。  長銀への公的資金の投入に反対する、これが圧倒的多数の国民の声であり、政治はこの声にこたえなければなりません。民主、平和・改革、自由三党による、もとの野党三党案は、少なくとも、破綻前の銀行への公的資金の投入は認めないとしていました。衆院本会議における我が党の佐々木憲昭議員の質問に対し、民主党、自由党、平和・改革の三党はそれぞれ、長銀への公的資金の投入はしない、金融安定化法を廃止し、十三兆円の公的資金投入の仕組みをなくすと答弁していたのであります。  ところが、今議題となっている三党の修正案はどうでしょう。民主党は、本法案は自民党が野党三党案を丸のみしたものだと言っています。確かに、仕組みや用語は野党三党案とほぼ同じでありますが、内容は全くの別物ではありませんか。  本法案では、破綻前の金融機関に対しても、一時国有化、特別公的管理ということで公的資金の投入が可能になっており、長銀への公的資金の投入を認めたことは明確ではありませんか。野党三党の一つである自由党が、破綻していない金融機関は特別公的管理にはなじまない、長銀処理を意識したものではないかとの懸念を持つとして、修正案に反対していることがそれを証明しています。    〔議長退席、副議長着席〕  なぜ民主党及び平和・改革は国民への約束をほごにして長銀の破綻前処理に踏み切ったのか、国民の前に明らかにすべきであります。明確な答弁を求めます。  さらに、この修正案では合併などの形で住友信託が長銀を引き受ける道も残したのではありませんか。二日の衆院において、宮澤大蔵大臣は、長銀を引き受ける住信に資本注入するのかという佐々木憲昭議員の質問に、そうなるだろうと考えておりますと答弁していますが、民主、平和・改革両党及び総理も同じ立場なのか、答弁を求めます。  長銀については破綻認定なしに公的管理に移すということでありますが、その際の公的資金は莫大なものになります。国有化すれば国が全責任を負うことになり、資本注入以上の救済策をとることになるではありませんか。これによって、株式の購入、不良債権の買い取り、二次損失の穴埋め、住信への資本注入など、必要となる公的資金は数兆円に及ぶと言われていますが、合計幾らになると推計しているのですか。民主、平和・改革それぞれの見通し、見解を求めます。  そもそも長銀がこのような事態に至ったのはなぜか。バブルに踊り、乱脈融資に走った結果ではありませんか。その後始末に数兆円もの税金をつぎ込むなどもってのほかでありますが、金融機能正常化法案の発議者である筆坂秀世議員の見解を求めます。  第二は、公的資金による不良債権の買い取りの問題です。  修正案には、破綻した金融機関だけでなく、破綻前の金融機関に対する公的資金による不良債権買い取りのスキームが盛り込まれました。しかも、破綻寸前ではない一般の銀行も買い取り対象に加えております。これでは、乱脈融資の後始末はすべて税金で処理してやるということになるのではありませんか。  民主党も平和・改革も、公的資金の投入は預金者保護に限ると言っていたではありませんか。破綻前の金融機関であれば、公的資金を投入しなくても預金者は保護されます。ですから、破綻前の金融機関からの不良債権の買い取りが預金者保護と関係のないことは明らかであります。  では、何のため、だれのためなのか。銀行救済はもとより、大銀行の体力強化のために公的資金をつぎ込むことにほかなりません。こんなことは政府案にも野党三党案にもなかったものであります。この大転換をどういう理由で、一体どの段階でだれが持ち込んだのか、明確な答弁を求めます。  もしそれが危機管理のためだというなら、政府・自民党が金融システムの安定の名のもとに無制限に公的資金をつぎ込もうとした論理と仕組みを、そのまま受け継ぐものではありませんか。  さらに、今国会中にも成立を図るとされている金融システム早期健全化スキームでは、自民党の案によると、一般銀行からの不良債権買い取りに加え、本法案で設置される金融再生勘定を活用して新たに資本増強制度を設けることになっております。破綻寸前の銀行はもとより、自己資本比率の低下した銀行についても、株式の取得や不良債権買い取りができるようにするものでありますが、これでは廃止したはずの十三兆円の公的資金投入の仕組みを早期健全化スキームの名で復活し、さらに拡大する大改悪であります。  この不良債権買い取り、資本増強制度でつぎ込む公的資金は一体幾らになるのですか。すべての銀行が抱えている正常債権以外の分類債権は八十兆円から九十兆円と言われていますが、これを全部税金で買い取るとでも言うのですか。一体、あなた方は、税金はくめども尽きぬ泉だとでも考えているのですか。このような国民生活を犠牲にして銀行を甘やかすやり方は、撤回すべきであります。総理及び民主党の答弁を求めます。  なお、宮澤大蔵大臣は、三日のワシントンにおける日米蔵相会談で、当初の枠組みはなくなるが新たな枠組みのもとでも十三兆円を下回ることはないだろうと説明したと伝えられています。法案も提出されていない新しい枠組みの実施を対米公約したことは重大であります。大蔵大臣、これはあなた自身の見解なのか、それとも自民、民主、平和・改革との合意に基づくものなのか、明確な答弁を求めます。  次に、金融システムの安定を図る方策についてであります。  金融システムの安定を図るために、金融機関の破綻処理、不良債権処理は進めなければなりませんが、そこで大切なことは金融機関の自己責任の原則を確立することであります。そのために重要なことは、国の役割と金融機関の役割を明確に分けることであります。国の役割は、不良債権など金融機関の経営実態の情報開示や不当な貸し渋りや資金回収の規制といった検査、監督、指導にあります。金融機関の破綻処理については、国の監督指導のもとに金融機関がみずからの責任で行うことであります。この役割を越えて、国が金融機関の破綻処理に乗り出し公的資金を投入するやり方は、金融機関の責任を不問に付し、モラルハザードを助長するだけで、かえって金融システムの安定を損なうものではありませんか。この点について、小渕総理並びに金融機関の自己責任の原則を柱とした金融機能正常化法案発議者の筆坂秀世議員の見解を伺います。  なお、三党提出の法案は、三党で二週間にわたって事実上の密室協議を続けた上、わずか二時間の審議で採決するという異常なものでありました。このようなやり方は議会制民主主義の自殺行為であります。本院においては、慎重かつ十分な審議を保障するよう強く求めて、質問を終わります。(拍手)    〔衆議院議員池田元久君登壇、拍手〕
  39. 池田元久

    ○衆議院議員(池田元久君) 民主党の池田元久でございます。  共産党の池田幹幸議員にお答えをいたします。  なぜ国民への約束をほごにして、長銀の破綻前処理に踏み切ったのかというお尋ねがありました。  まずお断りしておきますが、民主党は国民に対して長銀を救済することはしないとはっきり公約をいたしました。この主張は何ら変わっておりません。  長銀については、金融監督庁による検査の結果の公表を待っているところですが、仮に長銀が債務超過であることが判明した場合、または資金繰りに行き詰まって日銀特融などが発動された場合は長銀は破綻したということになります。したがって、破綻処理として特別公的管理に移行することになるわけです。また、金融再生委員会が長銀について破綻のおそれがあると認めた場合も特別公的管理を開始することができます。  法案をよくお読みいただければおわかりいただけると思いますが、破綻の認定のあるなしにかかわらず、特別公的管理は破綻処理そのものであり、長銀を救済するわけではありません。  次に、長銀が住友信託銀行と合併する道筋は残ったのかどうかというお尋ねがございました。  通常の形での合併はありませんが、最終的に国有化銀行の株式は住友信託銀行が買い取って子会社化した後、合併するのは自由です。ただし、国有化銀行の株式を住友信託銀行よりも高く買う銀行があれば、国民負担を最も少なくするという原則から、そちらの銀行に売却することになります。  特別公的管理銀行の受け皿金融機関に対して、特別公的管理銀行が債務超過であって預金者保護のための資金援助を受けた場合に限り資本注入はできます。その場合、営業の譲り受けにより自己資本比率が低下した場合、それを改善するために必要な範囲内の金額に限っております。  つまり、長銀が特別公的管理に移行した場合、国有化銀行が債務超過に陥れば、国有化銀行の営業を譲り受ける金融機関が資本の注入を受けることはできます。これはこれまでの破綻銀行の受け皿銀行と同様でありまして、三会派の方針どおりであります。ただし、国有化銀行の営業譲渡先は住友信託銀行とは限りません。先ほども申し上げました、より高く買う銀行があればそちらに売ることになるわけです。  長銀に対して使う公的資金は幾らになるのかというお尋ねがありました。  特別公的管理の開始が決定されますと、長銀の発行済み株式を全株取得するために公的資金が使われます。ただし、株式の対価は、厳格な資産査定を実施した上で純資産額を基礎として決定いたしますので、仮に長銀が債務超過であれば理論的にはゼロとなるわけです。  その後、不良債権は整理回収機構に時価で売却されることになりますので、その買い取り資金として公的資金が使われます。ただし、時価イコール回収可能額ということになりますから、この際使われた公的資金はいずれ回収されることになるわけです。  不良債権をすべて整理回収機構に売却した後、仮に国有化銀行が債務超過に陥った場合は、債務超過額に相当する金額を穴埋めするため、すなわち、預金者の保護のために公的資金を使います。  長銀処理にどのくらいの公的資金が必要になるのかについては、長銀の不良債権が幾らで、そのうち回収不能な金額は幾らなのかということがわからなければ、公的資金の必要額はわからないのは当然です。だからこそ我々は、長銀の検査結果を早く公表すべきだと主張しているわけであります。  次に、一般金融機関の不良債権を公的資金により買い取るスキームについてお尋ねがございました。  不良債権の回収を強力に進めるために整理回収機構を創設することとしておりますが、一般の金融機関であっても適正な価格、時価であれば不良債権を買い取ることができることとしております。乱脈融資の後始末を税金で処理するという御指摘ですが、理論的には整理回収機構に損失は発生いたしません。また、不良債権を時価で売却したことにより発生する損失は、金融機関がみずからの責任で処理すべきものであります。したがって、御指摘は全く当たらないと考えます。  また、このスキームはどの段階で、どのような形でだれが持ち込んだことになるのかというお尋ねがございました。  これは、与野党実務者による修正協議において、実務者から、整理回収機構が一般の金融機関からも不良債権の買い取りをすることができないのかという問題提起があり、協議の結果、そのように修正されたものであります。  また、分類債権の総額は八十兆とも九十兆円とも言われているが、これらをすべて公的資金で買い取るのかというお尋ねがございました。  実際問題として、九十兆円もの不良債権をすべて買い取るということは非現実的であります。買い取りに当たっては、金融機関に対して一定の条件を課すなどの措置を講じることとともに、公的資金の投入額を最小化すべきであると考えております。  最後に、自民党提案の金融システム早期健全化スキームについてのお尋ねがありました。  まず申し上げておきますが、自民党の提案は、金融機関に厳しい資産査定を課すこともなく、不良債権の実態と金融機関の正味の実力を情報開示するものではありません。しかも、関係者の責任をあいまいにして国民に負担を押しつけようとするものであります。自己資本比率八%以上の銀行にも公的資金を投入しようとすることに端的にあらわれておりますが、今般、廃案予定の金融機能安定化措置法の単なる衣がえと断ぜざるを得ません。我々としては賛成できません。  我々は、不良債権の短期集中処理のために、厳格な資産査定を金融機関に義務づけるべきであると考えております。そして、その結果生じるであろう金融機関の過少資本の状態については、それを放置することが国民経済、世界経済に重大な悪影響を及ぼすことになりかねないために、金融機関の自助努力を原則としつつも、公的資本注入の可能性を排除すべきではないと考えております。必要になる公的資金については、厳格な資産査定と引き当てを行った後に予測が可能になると考えております。  なお、我々が考える金融健全化対策によって公的資本の注入を行わなければならないときには、代表取締役等の解任や減資による株主責任の追及などを条件とし、経営指標の監視もきめ細かく行うなど、銀行の経営体質を改善させるべきであると考えております。(拍手)    〔衆議院議員石井啓一君登壇、拍手〕
  40. 石井啓一

    ○衆議院議員(石井啓一君) 池田幹幸議員に簡潔にお答えを申し上げます。  まず、長銀の処理についてでございますが、これはいわゆる破綻前処理という言い方は正確ではなく、特別公的管理により処理されるものと想定をされます。  また、長銀の引き受けにつきましては、この場で予見を申し上げるわけにはまいりませんが、特別公的管理に入るとするならば、その引き受けは営業譲渡の形をとるか、または株式の譲渡により子会社となるかの選択肢がございます。子会社となった銀行を合併するかどうかは引受銀行の判断によるものと考えます。  また、長銀を引き受ける住友信託銀行に資本注入するのかというお尋ねでございますが、長銀が特別公的管理されるとするならば、受け入れ金融機関は住友信託銀行だけに限るものではないと考えられます。その上で、一般的に申し上げますと、特別公的管理銀行の中でも、損失の補てんを要したり、あるいは預金者等の保護のための資金援助を受ける特別公的管理銀行を引き受ける金融機関に対しましては、その発行する株式等の引き受けを預金保険機構ができる、このようにしているところでございます。  また、長銀処理のための公的資金が幾らになるのかというお尋ねでございますが、これは現段階では十分な情報が開示されていないため、必要額を算出する状況にはございません。  破綻前の金融機関に対する不良債権買い取りでございますが、これは修正協議の経緯の中で、不良債権処理を強力に進めるために新たに盛り込まれたものでございますが、これは十三兆円の金融機能安定化緊急措置法の論理と仕組みをそのまま引き継ぐものではございません。  以上でございます。(拍手)    〔筆坂秀世君登壇、拍手〕
  41. 筆坂秀世

    ○筆坂秀世君 池田議員の御質問にお答えいたします。  せっかくの質問ですので、それなりに丁寧にお答えしたいと思います。  まず、長銀処理についてでありますけれども、日本長期信用銀行がなぜ今のような事態になったのかといえば、それはノンバンクを初めとするバブル三業種への極端に傾斜した融資、例えば担保権も設定しないような融資、文字どおり乱脈融資を繰り広げてきた結果であります。例えば、ノンバンク融資は実に五兆円を超えています。融資比率はバブル三業種だけで五五・七%に達しています。これは他の銀行と比較しても全く異常なものであります。この不始末を国民にツケ回して処理する、これは我々の断じて認めるところではありません。  しかも、いまだに政府は、長銀は破綻していない、債務超過ではないという立場をとっています。だったら、そもそも公的資金の投入は必要でないはずです。仮に破綻していたとするなら、それは預金者保護、善良な借り手の保護を銀行業界の責任で行い、破綻処理をすべきであります。  ところが、何らの情報開示も行わず、破綻認定もしない、破綻寸前だと言って一時国有化、つまり特別公的管理を行うというやり方は、結局は破綻後であろうと破綻前であろうと公的資金の投入を可能にするもの、つまり、これはルールづくりとは言うけれども、いわばノンルールをルールにするようなものであります。  なお長銀問題について、破綻処理するから長銀救済じゃない、銀行救済じゃない、こういう意見が一部にあります。しかし、破綻した銀行を破綻処理するのは当たり前のこと。問題は、その費用を銀行業界が負担するのか、それとも公的資金でやるのか、ここにまさに、それが長銀支援なのか、長銀救済なのか、銀行救済なのかの分かれ目があるということも指摘しておきたいと思います。  次に、自己責任原則についてのお尋ねがありました。  アメリカでは、一九八〇年代にSアンドLの破綻処理で巨額の公的資金を使った苦い教訓から、一九九一年、連邦預金保険公社改善法、FDICIAによって、商業銀行の破綻処理は銀行業界の自己責任、自己負担で行うという原則を確立しました。アメリカの銀行業界も、当時、収益低迷で大変な中でこの原則を必死の努力で貫き通し、そして本当の信頼回復をかち取りました。例えば、最近もヘッジファンドのLTCMの倒産の危機に対し、ニューヨーク連銀の仲介で欧米の十四の銀行が負担をし、経営危機を回避させました。しかし、これに対してさえ、アメリカの議会では、ニューヨーク連銀が仲介したというだけで、公的資金の介入につながらないのか、こういう批判の声が上がっています。  私は、この銀行業界への対応で、まさに今、日米で天地の差がある、こう言わなければなりません。日本は、この米国の教訓にこそ学んで自己責任、自己負担の原則を確立すべきであります。例えば、コスト最小化原則ということがよく言われます。しかし、税金投入をやる限りこのコスト最小化の原則を貫くことはできません。自己負担の原則を貫いてこそ、いずれはみずからにはね返ってくる、これで自己規律が働くようになるのであります。こうしてこそ日本の金融システムに対する本当の信頼をかち取ることができるんだということを申し上げて、池田議員に対する答弁にしたいと思います。(拍手)    〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
  42. 小渕恵三

    ○国務大臣(小渕恵三君) 池田幹幸議員にお答え申し上げます。  まず、長銀を引き受ける住友信託銀行への資本注入に関するお尋ねでありましたが、長銀問題につきましては、与野党合意におきまして、これに適用できる特別公的管理の枠組みを確定し、新しい法律で規定した上で対処することとされたところであります。  いずれにいたしましても、長銀問題につきましては、政府としては、与野党合意を踏まえ修正された新法が成立することを望むとともに、新しい利用可能な枠組みのもとで適切に対処してまいりたいと考えております。  次に、早期健全化スキームについてお尋ねでしたが、これまでの与野党協議を経まして、破綻前の金融機関の対策として、金融機関の過少資本状態の解消等、金融システムの早期健全化スキームについて検討が進められていると認識しております。早期健全化スキームにつきましては、早急に与野党の合意が図られ、速やかに法案化され、早期に成立することを強く期待をいたしております。  次に、金融機関の破綻処理に公的資金を投入することについてお尋ねがありました。  破綻処理に当たりましては、破綻金融機関を存続させない、経営者の厳格な責任追及を行う等の方針に従い一貫した対応を行ってきたところであり、預金者保護と金融システムの安定に万全を期しておるところでございます。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
  43. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 十三兆円のことでございますが、先ほどもお答え申し上げましたが、ワシントンで、この関連の法案の御審議の状況はよく知っておりますので、十三兆円というもののスキームはなくなるとよく理解しておりました。  それから、どうなるのかということについて話になりましたのですが、私は何かそれで約束をしたということはございません。と申しますのは、早期健全化のことはともかくといたしまして、今のこの金融再生関連法案でも、金融再生勘定にお金が要る、それは先ほど提案者もお話しでしたが、返ってくるものもあるでしょうが、ともかく金が要るということはそのとおりと思いますので、それをどのぐらいの金額とし、どのような法制で国会にお願いをするかということは、私どもがちょっと検討いたしまして各党の御了解を得てお願いをいたそうと思っておりますが、まだその作業が進んでおりませんで、いずれお願いを申すことになると思いますが、アメリカでその約束というようなことは、ですからもとよりございませんでした。(拍手)     ─────────────
  44. 菅野久光

    ○副議長(菅野久光君) 日下部禧代子君。    〔日下部禧代子君登壇、拍手〕
  45. 日下部禧代子

    ○日下部禧代子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表いたしまして、金融再生関連法案に対し、小渕総理、宮澤大蔵大臣及び野党側提案者に対して質問いたします。  まず、冒頭に申し上げておきたいことがございます。  衆議院における五十日間、六十五時間に及ぶ御審議には敬意を表します。しかし、国民の目からは、その間の論議の内容や経過について正確に把握することは非常に困難であったと思います。今後は、審議過程のより一層の透明化が図られるべきだと考えます。また、会期末直前に本院に送付されたということは、事実上、本院における審議時間が拘束されることを意味いたします。これでは参議院軽視と言わざるを得ません。このようなことが先例にならないよう強く主張するものであります。  以下、法案について質問いたします。  第一に、徹底した情報公開の必要性についてであります。  九八年三月期の灰色債権を含む問題債権は八十七兆五千二百七十億円と、九八年一月公表分の七十六兆七千九十億円からさらに約十兆円が増加しております。九八年三月期において大手銀行を中心に十兆円を超す償却が行われましたが、問題債権は逆に増加するという結果となっています。一体、我が国の不良債権の実態はどうなっているのでしょうか。この際、各銀行別の分類債権をきちんとディスクローズすべき時期に来ていると考えます。  また、分類債権については、各金融機関の自己査定ということですが、このような数字は到底信頼できません。現在、金融監督庁、日銀が大手十九行について集中検査を行っていますが、その結果については各銀行別に徹底したディスクローズを行うべきではないでしょうか。  加えて、第Ⅱ分類債権の仕分けについても明確な基準を設定すると同時に、現在ほとんど行われていない引き当てについても、一定の引き当て目標を設定することが必要だと考えますが、あわせて総理及び野党側提案者の見解を伺います。  次に、金融機関の自助努力、経営責任の徹底した追及についてであります。  国民が血と汗で生み出した結晶とも言える税金を投機経済に狂奔した金融機関等のツケの清算に回していいのだろうかというのが国民の率直な声であります。国民世論の理解を得る努力を政府、日銀は行ってきたのでしょうか。金融機関の自助努力、自己責任を最優先とし、公的資金を不良債権処理に投入することはあくまでも最後の手段とすることによって、モラルハザードを回避することが大原則でなければなりません。  米国においても、SアンドLに対する財政資金の投入はよく知られているところではありますが、八九年末からの大手商業銀行の経営危機については、問題銀行の自助努力、徹底したリストラとFDICの保険料負担で賄い、財政資金は一切投入していないことに注目しなければなりません。これに対して、我が国の場合には、経営成績が悪化しているにもかかわらず横並び配当を続けていることや、役職員の高給批判に対しても是正措置が十分とられたとは言いがたいのであります。  周知のごとく、米国ではSアンドLに対する公的資金の導入に際しては、経営責任が徹底的に追及されました。米国司法省によれば、八九年から九五年度において六千四百五人が起訴され、その九六・五%が有罪判決を受け、実刑に処せられた人は実に三千七百九十三人に上っていると言われます。これに対して、我が国では金融機関の経営者責任が問われた例はほとんどなきに等しいではありませんか。  この際、新たに創設される整理回収機構に金融機関の経営者責任を徹底的に追及するセクションを設けるとともに、検察当局とも連携を図りつつ、民事上、刑事上の責任追及、私財の没収等を集中的に断行していくべきではないのでしょうか。これなくしては国民の公的資金投入についての理解を得ることは困難であり、また許されないものと考えます。  以上の点について、大蔵大臣及び野党側提案者の見解を伺います。  次に、検査・監督体制の強化についてであります。  本年六月二十二日、大蔵省から金融の検査・監督部門を切り離した金融監督庁が発足いたしました。金融監督庁には裁量行政、護送船団方式による事前調整型行政から、公正で透明なルールに基づく事後監視型行政への転換という重要な使命が要請されていますが、現行のスタッフだけでは国民の期待にこたえることは極めて困難であります。検査人員の拡充が早急に必要となりますが、専門性の課題も残ります。今後は本腰を入れて金融検査のプロを育成していかねばならないと考えます。  国税の分野では、国税専門官制度や税務大学校等スペシャリストを育成していくシステムが整備されていますが、これらを参考に金融専門官制度を早急に創設すべきではないのでしょうか。さらに、民間の監査法人の活用等についても検討すべきであると考えます。総理いかがでしょうか。  加えまして、金融監督庁、大蔵省、日銀、預金保険機構の四者の連携が必要となってきておりますが、四者のもたれ合いによって責任の所在が不明確となることが懸念されます。このもたれ合いの関係は、金融再生委員会の設置によってどのように整理されるのでしょうか。私は、この際、金融行政の一元化のために財政と金融の完全な分離を一刻も早く実現すべきだと考えます。総理、野党側提案者の見解を求めます。  次に、金融商品のリスクや預金保険制度の仕組みが国民に十分理解されていないということについてであります。  先般の貯蓄と消費に関する世論調査によれば、預金保険制度について約三分の一の世帯が全く知らないとしており、内容まで知っているという世帯は二割にも満たないという結果が出ております。不良債権の処理や金融ビッグバンの進展に伴い金融機関の再編、淘汰が進む一方、国民には自己責任が求められております。  最近、外債や外貨預金が人気を呼んでおりますが、これらの金融商品は常に為替リスクを負っており、本来は預金保険の対象とはなっておりません。国民に自己責任を要請するのであれば、金融商品のリスクや預金保険制度の仕組みをこの際周知徹底させ、金融機関の説明義務をきちんと果たさせると同時に、消費者が不測の損害をこうむることのないよう早急に金融サービス法を制定すべきだと考えます。大蔵大臣の見解をお伺いいたします。  衆議院における修正合意によりまして、金融機関が一時国有化されることとなります。現在の厳しい経済環境の中で、今後ますます金融機関が資産の圧縮を強めることが予想され、大企業より融資リスクの高い中小零細企業への貸し渋りが一層激化することが考えられます。このような懸念を解消するためにどのような措置を講じていくのでしょうか。  金融ビッグバンが進行する中で、生き残るのが国有銀行と外資系銀行だけという事態を招かないためにも、民間金融機関同士の積極的な合併、買収を促す施策も必要ではないのでしょうか。現在の不安定な市場の動向を踏まえるならば、当面は合併、買収に伴って生ずる新銀行の自己資本の低下問題についても何らかの手だてが必要となってくると考えられます。あわせて総理、大蔵大臣のお考えをお聞かせください。  最後に、大蔵大臣にお尋ねいたします。  G7会議において、国際金融システムの見直しが論議されたようでございますが、日本やアジア諸国にとって、金融システムの整備と並んで、短期の外資移動についても何らかの国際的なルールをつくることが必要だと考えます。いかがお考えでしょうか。  政治の混乱から、日本の金融危機が世界的な恐慌の引き金となる過ちだけは何としても避けなければなりません。この法案の成立によって一日も早く日本経済の活性化が図られ、国民の不安を解消できるよう、我が党といたしましても最大限努力することを申し添え、私の質問を終わります。(拍手)    〔衆議院議員西川知雄君登壇、拍手〕
  46. 西川知雄

    ○衆議院議員(西川知雄君) 情報開示についてまずお答えをいたしたいと思います。  日下部議員御指摘のとおり、徹底した金融機関の情報開示というものは、今回の金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案、この中でも最も重要な点の一つであります。三会派共同修正案では、第六条及び第七条におきまして、この徹底した金融機関の情報開示についての規定を設けております。これは、我が国の金融システムに対する国内及び国際的な信頼性を確保し、信用秩序の安定を図る観点から設けられているものでございまして、第六条及び第七条、特に第七条は資産査定の公表ということを義務づけております。これは努力義務ではございません。そこで、公表する資産査定においては、国際会計基準、これを勘案いたしまして、現在のSEC基準以上のもの、また第Ⅱ分類はさらに細分化し、また、御指摘のように各分類に応じた引き当ての率の基準の明示化、また、連結対象の関係会社は実質的な支配関係へと定義を見直すなどが主な内容になるというふうに考えております。  なお、査定結果の公表は、国内の中小零細企業に対する信用収縮が助長されないよう、金融機関の業態別、また大小別に実施時期をずらしたり、公表内容について差異を設けるなど十分な配慮を行い、現状に適合しつつ効果的な情報開示を目指すことになると考えております。  次に、経営者の責任についてのお尋ねがございました。  今回の三会派共同提案におきましては、その第十八条と五十条におきまして、金融整理管財人及び特別公的管理銀行においては、「被管理金融機関の取締役若しくは監査役又はこれらの者であった者の職務上の義務違反に基づく民事上の責任を履行させるため、訴えの提起その他の必要な措置をとらなければならない。」としております。また、犯罪、刑事事件につきましては、金融整理管財人及び特別公的管理銀行においては、「その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と告発義務を課しているところでございます。  また、七十八条におきましては、第六条の資産の報告について虚偽の報告があった場合については、「五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」というふうに罰則の強化も図っているところでございます。  以上でございます。(拍手)    〔衆議院議員鈴木淑夫君登壇、拍手〕
  47. 鈴木淑夫

    ○衆議院議員(鈴木淑夫君) 金融機関の自助努力、経営責任、リストラ等についてお尋ねがございました。  申すまでもなく、金融機関といえども民間市場経済における私企業でございますから、自己責任原則に基づく自助の努力によりまして経営の改善、発展に努めるべきことは日下部禧代子議員御指摘のとおりであります。しかし、不幸にして、日本におきましては長い間いわゆる護送船団方式による金融行政が続いてまいりました結果、俗に言う、赤信号みんなで渡れば怖くないという式の自主性のない横並び意識と安易な行政に対する依存の意識が強まりまして、日下部議員御指摘のような自己責任原則に基づく自助努力が乏しいことはまことに遺憾であります。これは厳しく正さなければなりません。  したがって、自主的な経営合理化の努力を行った結果競争に敗れた金融機関につきましては、市場から退出するのは当然であり、行政による安易な経営救済を決して許してはならないというのが私ども自由党が共同提出しております法案の基本姿勢であります。  この場合、預金取り扱いの金融機関は、決済システムという国民の大切な公共財を担っておりますから、また、それがゆえにこの営業は免許制になっているわけでございますから、市場からの退出に際し、その清算業務に公的な関与を行うのは当然であると考えます。  公的関与によりまして、決済システムの安全性の維持、預金者の保護、そして借り手企業の借入金シフトの支援といったことに万全の対策を講じる中において、破綻に至った経緯の解明が行われなければならないことは言うまでもありません。その中で、経営責任、株主の責任、さらには借り手子会社の責任の追及がいささかもおろそかになるべきではないと考えております。今回提出している法案もそのような考え方に沿ったものであり、日下部禧代子議員御指摘のとおり、整理回収機構がこの任務を遂行することになっております。(拍手)    〔衆議院議員池田元久君登壇、拍手〕
  48. 池田元久

    ○衆議院議員(池田元久君) 日下部禧代子議員にお答えをいたします。  財政と金融の完全分離及び金融行政の一元化についてお尋ねがございました。  金融行政に係る関係機関は、大蔵省、金融監督庁、日銀、預金保険機構、金融危機管理審査委員会と幾つもあります。衆議院の委員会質疑においては、これらの機関がもたれ合い、責任の所在が一体どこにあるのかわからなくなるような場面が実はありました。また、ことし三月に長銀救済のための一千七百六十六億円の公的資金を投入した責任についても、金融監督庁長官は、金融危機管理審査委員会にすべての責任を押しつけるかのごとき発言をいたしました。しかしながら、そもそも金融監督庁長官は金融危機管理審査委員会の委員の一人であります。このような金融行政に係る関係機関のモラルハザードは、現行の金融行政に根本的な欠陥があることが原因であるとしか考えられません。  そこで、野党三会派は、財政と金融の完全分離及び金融行政の一元化を実現させることが金融不良債権問題の解決に不可欠であると考えまして、金融再生法案においてその完全な実現を提案いたしました。  修正案では、金融破綻処理制度及び金融危機管理の企画立案については、当面金融再生委員会と大蔵省との共管となりますが、業務の内容からいって金融再生委員会が責任を持って当たることになります。そして金融監督庁を金融再生委員会に置くほか、預金保険機構の監督は金融再生委員会が行い、日銀に対しては必要な協力を求めることができることとしております。  また、金融制度の企画立案についても、当面は大蔵省に残りますが、二〇〇〇年一月には大蔵省から完全に分離され、財政と金融の完全分離及び金融行政の一元化が完了することになっております。(拍手)    〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
  49. 小渕恵三

    ○国務大臣(小渕恵三君) 日下部禧代子議員にお答え申し上げます。  まず、我が国の不良債権の実態、各行別の分類債権及び検査結果のディスクロージャーに関するお尋ねでございますが、十年三月末における金融機関の不良債権額は、米国SEC同様の基準で見たリスク管理債権額が三十五・二兆円となっております。  また、各行別の分類債権額を当局が開示することにつきましては、貸し渋りや債権回収の激化につながるおそれがあること、国際的にも整合性に欠ける等の問題があると考えます。  さらに、個別金融機関の検査結果を公表することにつきましては、取引先等に不測の損害を与えたり、場合によって信用秩序維持に不測の影響を与えるおそれがあるなどの問題があると考えております。  第Ⅱ分類債権の細分化の基準等を設けることにつきましてのお尋ねでありましたが、現在行っております主要十九行に対する検査におきましては、第Ⅱ分類債権につきまして、保全の有無や統一開示基準上のリスク管理債権に該当するか留意して四つの区分を行う等、詳細な実態把握に努めておるところであります。細分化につきましては、基準及び引き当て基準については、こうした検査結果等を踏まえ、中長期的に検討してまいりたいと考えております。  金融検査体制の強化及び金融検査の専門家の育成についてのお尋ねがありました。  厳正で実効性のある検査を実施するため、検査体制の一層の充実強化が必要であり、これまでも民間専門家の検査官への登用、検査官に対する研修の充実、検査における外部監査機能の活用等の方策が進められていると承知をいたしております。  今後とも、望ましい人材の確保や検査官の専門性の向上、厳正で効率的な検査手法の確立に努めるとともに、検査体制の計画的な整備を図ってまいりたいと考えております。  金融行政についてのお尋ねでありました。  現在のような危機的状況下におきましては、今回定められた金融再生委員会と関係機関との役割分担のもと、円滑な金融行政の遂行に努めてまいりたいと考えております。  また、財政と金融の分離等に関する問題につきましては、中央省庁等改革の枠組みの中で、次期通常国会終了までに必要な法整備を行ってまいりたいと考えております。  貸し渋り対策につきましては、先般、信用補完制度の拡充、政府系金融機関の融資制度の拡充等を盛り込んだ中小企業等貸し渋り対策大綱を閣議決定し、既に実施しておるところでありますが、これによりまして、資金規模におきまして総額四十兆円を超える対応が可能となると考えております。今後とも、貸し渋り対策に万全を期してまいりたいと考えております。  いわゆるウィンブルドン現象を招かないための施策についてのお尋ねでありました。  各金融機関は、市場規律と自己責任の原則のもとで、みずからの経営判断により得意分野への重点化や合併、提携などを進め、競争力の強化や自己資本比率の向上等の経営体力の強化を進めていくものと考えております。  また、合併、買収に伴う自己資本低下問題につきましては、現在行われております早期健全化スキームに関する与野党間の協議を経まして、金融機関の過少資本状態の解消等の施策について早急に合意、法案化され、早期健全化スキームが早期に成立することにつきまして、強く期待しておるところでございます。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
  50. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 最初に、金融機関への公的資金導入に関しまして、従来、責任の追及が非常に不十分であったと、SアンドLの例をお引きになりましてお話になりまして、確かに今までの行政でいろんな意味での責任追及ということが十分でなかったということは、私も思いますし、また今回の法案の御審議の中でも、衆議院でも随分そういう御指摘がございました。そのとおりであると思います。改めていかなければならないと思います。  それで、不良債権の分類や引き当てについても、もう少し厳格でなければならないとおっしゃることは、私もそう思いますし、金融監督庁の検査のマニュアルぐらいのものは公表しまして、そのぐらいのことはしてもらうということが大事だと思いますが、問題はどの辺までそれを公表させるかということになります。それは、普通であれば公表することがいいに決まっていますが、今のような貸し渋りの状況の中で、それをどれだけ強制するとどのような貸し渋りがひどくなるかというあたりは、政策判断の問題であって、これはいい悪いの問題ではございませんので、そこはよく考えなければならないだろう。しかし、方向としてはおっしゃるとおりと思います。  それとの関連で、今までこの預金保険のことについても皆さん余り御存じないし、それから為替リスクのことだってあるだろう。そういうことになると、いわゆる金融システム、金融サービスについてもう少し消費者が知らなければならないとおっしゃることは、私はきっとそうなってまいるだろう。今のようなだんだん自由化が進みましてディスクロージャーも進んでまいりますと、そういうものが入り用になるのではないか。金融システム改革の本格的な進展状況を見ながら議論を深めてまいりたいと思います。  それから、貸し渋りと合併、買収につきましては、総理が今お答えになられまして、私も同様に考えております。  最後の問題は、いわゆる短期資本の移動をこれからどうするかという問題でございます。昨年、タイから始まりまして、ああいうことでひょっとしてはかなりスペキュレーションではないかと思うような短期資本の動きで国が攪乱された、マハティール氏が一番そういうことを言うわけですが、全部本当でないにしても、私はそういうことがあっただろうという気がいたします。  それで、今度G7が集まりましたときも、アメリカでヘッジファンドの問題がございましたりして、かなりいろんな議論があって分かれております。私自身は、これは私の考えとしか申し上げられませんが、基本的には先進国の間では自由にすべきなんだろう、デリバティブスというようなものがここまで来ますと、それをもとに戻すことはできないだろう。むしろ、その原則自由ということを先進国の間で大事にするために、今度のようなデリバティブが勝手に行動するとか、あるいは後進国がその犠牲になるというようなことは、やはりいろんなそういう形での規制なりモニターなりあるいはサーベイランスというようなもので防いでいくべきではないか。  そうでありませんと、原則自由ということが維持できないと私は思っておりますけれども、この点につきましては、まだ国際でも国内でも議論が分かれているように考えておりまして、しかし、至急に検討しなければならない問題だと思っております。(拍手)     ─────────────
  51. 菅野久光

    ○副議長(菅野久光君) 渡辺秀央君。    〔渡辺秀央君登壇、拍手〕
  52. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 私は、自由党を代表して、ただいま議題となりました金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案を初め各修正法案について、総理並びに大蔵大臣とともに、修正に携わった発議者に多少の重複は御理解を賜りながら、我が党の立場からそれぞれ質疑を行うものであります。  まず、小渕内閣総理大臣にお伺い申し上げます。  本日、参議院に提案された金融機能再生緊急措置法修正案を初め各法案の審議が、事の緊急性を有する性格のものであるにかかわらず、極めて長時間を費やしたことは、みずからのリーダーシップの欠如がもたらしたもので、この種の対応はじっくり時間をかけて調整するという総理のお得意の手法であったり、さらには長銀問題の処理のみの目線で考えることであったがため、早期の決断をおくらせてしまった結果と言わざるを得ません。  金融安定化対策協議時間が逆に不安材料となり、株式市場は、去る十月三日の先週末には、一時的にせよ十二年八カ月ぶりの安値となり、本日午前、さらに二百四十七円安の一万二千九百七十六円、午後にはさらに安値となるなどデフレスパイラルに入っているかの懸念が広がっており、まことに憂慮される残念な事態であります。  総理は今、国民にとってこの未曾有の危機、困難の時期に何が大事なことなのかということを、企業人には何をどうすることが次の発展につながるのかを、今はつらくともやがて希望と生きがいがある社会づくりの見通しを、最高責任者として国民に提示しなければならない大切なときであると思います。  これからの金融政策に対して、大胆な骨太の分厚い政策決断をして取り組むことを期待したいと思うのです。このままでは国民から見た目は、金融安定化のためのものではなく、目の前の長銀処理のための長銀救済法案だったのか、いやむしろ、去る九月二十七日、会社更生法適用を申請した日本リースの乱脈無能経営の後始末をやらされようとしてのことだったのかと、国民からすれば結果論としてむだな時間浪費であったと言われても仕方がないと思うのであります。  適切な例えかどうかは別として、将棋で言うなら、飛車、角を守ることで頭がいっぱいで、最も大事な王将を守るための攻撃を忘れたら戦局は簡単に敗戦となってしまうのであります。長銀が飛車、角の類だとは思いませんが、少なくとも一般論としては、王将は、国家であり国民であり自由経済社会であって、ここでは日本のこれからの金融業界全般そのものであって、十四、五円の株価の信用暴落した長銀ではないことだけは、この際明確にしておかなければならないことだと思うのであります。  今日の段階で、野党案をベースにした修正で妥協するのであれば、八月の時点でなぜ野党三党の提案に耳をかさなかったのか。毎日死ぬか生きるかで努力している中小零細企業の企業主からすれば、この間の時間的価値は永田町で考えるようなものでなく、何物にもかえがたいものであったことを肝に銘ずるべきだと思います。野党がわけのわからない難題を言って時間を費やしたのではなく、政府・与党が事態をあいまいにし、何とかうまく今までのようにソフトランディングに解決したいという古いやり方で時間を費やしたのであって、刻一刻悪化させた今の経済金融情勢は、まさに政府・与党の全責任であると言わざるを得ません。総理のお考えをお示しいただきたいと思うのであります。  今日では大手銀行の資金繰りが厳しくなってきている現状は、だれよりも政府が御承知のとおりであります。あるいは特融の増発や低金利政策などで日銀のバランスシートが悪化していないか、そんなことはないと信じながらも、日銀に損失発生が考えられないか、日本の国債が格下げなどという事態がないか、私の懸念が懸念で終わればそれで結構なことでありますが、大蔵大臣の答弁を求めるものであります。  自由党は、今まで私が述べたような事態が想定されるようなことがあってはならないとしつつも、金融問題という重大性にかんがみ、既に八月の時点で、早期是正措置の厳格な適用による金融業界再編合理化をまず先にやることであるということを提言いたしておったのであります。  しかも、政府・与党が今提案しておる早期健全化スキームにさえも今日的危機意識が政府・与党に感ぜられないのであります。すなわち、我が国金融システム早期健全化対策として金融システム、不良債権を速やかに処理するとともに、新たな資本増強の制度を創設するとして、基本的には資本注入によって現今の金融機関の温存を図るための手段と考えているようであり、今もって護送船団方式を念頭に置いたしぐさは納得のいかぬ考えであり、総理のお考えをただしたいと思います。  さて、与野党妥協案の本金融再生緊急措置法修正案の問題点を指摘させていただきますが、結果、見逃すことができないのが、国民が最も不信感を抱いてきたことは、銀行であるがためになぜ救済されるのか、経営に失敗した責任は経営者や株主がとるのが当たり前なのに、なぜ彼らだけ国家のお金で助けてもらえるのか、率直な疑問であったのであります。  この国民の疑問にこたえるためにも、野党三党の合意は、破綻金融機関には公的資金は一切入れないとしたことであり、この法律は破綻銀行の清算、整理のための法律として修正作業をいたしてきたはずであったのです。野党三党実務者の信頼感の中での積み上げ議論が、いつの時点からか、公的資金を入れるのにどんな方法と条件が満たされればよいのかという点での結果に終わってしまったことは残念であり、事実上破綻した金融機関に姿を変え、衣がえさせて公的資金を入れるための道筋をつくる法律となってしまったと言いたいのであります。  したがって、自由党としては、現時点において、この修正案に限り反対の態度を表明いたしておきます。つまり、多かれ少なかれ、結局は長銀に対する処理を頭に置いたものであって、鮮明なけじめのある解決方法とは言いがたい、従来型のわかりにくいものとなったことは否めない事実であり、残念なことであったと申し上げたいと思います。しかし、この法案作成における今日までの多大の御努力に対しては、提案者に心から敬意を表します。何か御意見があれば承りたいと思います。  さらに、金融行政として、金融再生委員会と大蔵省の共管になっている点も、極めてその責任体制と役割分担の不明な点を危惧いたしております。  今日のごとく危機の時代、緊急を要する事態のときに、果たして二元行政で問題の解決がスムーズにできるのか。とかく役所の縄張りの競い合いをこれまでも目の当たりにしてきたことを考えると、その時点に行政が二つに分かれていた場合、かえって混乱させ、一層悪化させることが心配されますが、修正案に携わった発議者の御意見があれば承りたいと思います。  さて、総理、私が最後に申し上げたいことは、今日の金融危機の事態では、どんな金融安定化対策で解決しようといたしましても、景気対策にまさる解決策はないと思うのであります。今まで予算執行前倒しをやってでも、なかなか景気効果が見えないのが残念な実態であります。内需拡大と福祉予算の安定のために、我が党は消費税を当面の間、経済状況と金融状況にかんがみ三%に戻すことを提言しておりますが、この際思い切って実行されたらいかがですか。総理の御決断を期待いたします。お考えをお伺いいたしたいと思います。  私は、去る九月三十日の経済・産業委員会において総理への質問の中で提案いたしましたが、世界、とりわけアジアの金融危機と景気対策にも対応しないと問題の早期解決は期待できず、我が国とアジアの両にらみの政策が必要であり、そのためにダイナミックな我が国独自のアジア経済ファンドを設立し、アジア経済安定化政策を推進すべきであると提言いたしたところでありますが、何はともあれ政府のアジア協力三百億ドルの資金援助をG7で提言されたことは、アジア各国はもちろん、先進七カ国から高く評価され、久しぶりに言われてやるのではなく、日本みずからの発想で推進するこのアジア政策は、各国からさらなる信頼を得ることと確信し、大いに評価いたしておるところであります。  G7における金融・景気問題について、日本の役割と責任についてほとんどの時間を費やして議論され、批判されたと聞いております。IMFの今後の役割、アメリカなど各国の役割が話し合われたと報じられていますが、先ほど来の重複質問でもあり、大変恐縮でありますが、この点についても大蔵大臣に簡潔に御説明賜りたいと思います。  以上、自由党を代表して幾つかの疑問点を述べ御意見を求めましたが、細部にわたる質疑はあすよりの金融特別委員会での機会に譲り、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)    〔衆議院議員池田元久君登壇、拍手〕
  53. 池田元久

    ○衆議院議員(池田元久君) 渡辺秀央議員にお答えをいたします。  与野党妥協の修正の結果、破綻すべき金融機関まで救済することになったのではないかとの御指摘がございました。  これは全くの誤解であると申し上げます。確かに、破綻していない銀行についても、金融再生委員会が破綻のおそれがあると認める場合は、特別公的管理の開始を決定することができるものといたしました。しかし、特別公的管理の行き着くところは、破綻銀行と同様に他の金融機関への営業譲渡や株式譲渡であり、当該銀行が救済されるわけではありません。株主や経営者等の責任も厳格にとらされます。  また、特別公的管理銀行に対して投入される公的資金はあくまで預金者保護のためでありまして、特別公的管理銀行が債務超過でない場合はそもそも投入されることはございません。特別公的管理銀行の受け皿金融機関に対しても、特別公的管理銀行が債務超過であって、預金者保護のための資金援助を受けた場合に限り資本の増強はできます。これは野党三会派のもともとの考えと全く同じでありまして、残念ながら御指摘は当たっていないと考えます。  次に、金融再生委員会と大蔵省との共管は責任体制と役割分担が不明確であるとの御指摘がございました。  金融再生委員会の主要な権限は、金融機関の破綻処理、金融機関の検査・監督、それに大蔵省と共管となった金融破綻処理制度及び金融危機管理の企画立案等です。このうち金融破綻処理制度及び金融危機管理の企画立案につきましては、破綻処理とあわせて、その業務の内容からいって金融再生委員会が責任を持って当たることになります。また、その運用面におきましても混乱は起きないものと考えております。  一言申し上げますと、我々の努力で金融のばらばら行政が一元化を目指して大きく前進していることを渡辺議員もぜひ御理解いただきたいと思います。(拍手)    〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
  54. 小渕恵三

    ○国務大臣(小渕恵三君) 渡辺秀央議員にお答えを申し上げます。  まず、金融再生問題全般でございますが、政府といたしましては、個別銀行の救済というのではなくして、金融システム全体の危機を絶対に起こさない、そういう強い決意のもとで金融システム安定に万全を期すべく、全力を尽くしてきたところでございます。  いずれにいたしましても、金融システムの再生と安定を図るために、修正法案が一日も早く成立することが重要だと考えております。  金融再生法案の修正の過程につきまして、私の対応について厳しい御指摘がございました。  先ほど来御答弁を申し上げておりますが、金融再生問題につきましては、先般の党首会談を踏まえまして、与野党間で精力的に内容の詰めが行われてまいりました。私自身も、その節目節目で決断すべきことは決断し、そして最終的に修正法案が取りまとめられて衆議院で提出され、可決の後、本日、本院で法案審査の運びとなったものでございます。  私自身といたしましては、今回の重要性にかんがみまして、それぞれの時点におきまして与党あるいは野党の皆さんの御意見も拝聴しながら、政府で提案しておりました法律案はそのままに、今回、修正案につきましてこれを決断し、国会にお願いをいたしておるということでございます。  消費税の減税につきましてお尋ねがございました。  消費税率五%への引き上げを含む税制改正は、少子・高齢化の進展という我が国の構造変化に税制面から対応するものでございまして、我が国の将来にとって極めて重要な改革であったと考えております。せっかくの渡辺議員の御要望でございますけれども、消費税の引き下げにつきましては現在考えておりません。  残余の質問は、関係大臣から御答弁させます。(拍手)    〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
  55. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 日本銀行の国債の信用についてお話がございまして、ことしの七月でしたかに外国の格付会社が日本の国債に云々ということをちょっと言いまして、私はどうも、どうかしたんじゃないかと思って聞いておりましたが、その後、国債の市況は極めて堅調でございますし、表面利回りも低下を続けております。これは株式との関係もあると思いますけれども、とにかく国債に関する限り心配はない、これだけの世界第一の債権国でこれだけ外貨を持っておるわけでございますから、ないと思います。  ただ、銀行につきましては、御承知のようにジャパン・プレミアムがやはり高い、払っても取れないところもあるということは、日本の銀行の信用は残念ながらそれとは違って低い。これは残念なことで、早くいろんな意味で信用を回復することを考えていかなければならないというのが、政府が国会にお願いをいたしておる一つのことでございます。  それから、今度のIMFの会合を一言で言ってみろとおっしゃいましたが、グリーンスパンが言いますことは、これは戦後最大の国際金融の危機である、それは直接にはロシアの問題から起こった、間接的にはアジアからですが、あれ以後みんなが、投資家が今まではリスクというものを排除して進んできていた。ところが、今急にリスクを回避するようになって、つまり進む方から退く方に入ってきたので、それで全体の流れが変わってくる心配があるということをかなり強く申しました。これが特色であると思います。  それから、IMF自身につきましては、今まで金融不安がございますと後から病気を治しに出ていったわけですが、何か事前に防衛する機能を果たし得る方法はないかということがアメリカから提案されましたが、将来の問題として今回は結論を得ませんでした。しかし、将来にこの問題は残っていくのではないかと思っております。これが大きな特色でございます。(拍手)
  56. 菅野久光

    ○副議長(菅野久光君) これにて質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十九分散会