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○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
この際、特別委員会の設置についてお諮りいたします。
経済活性化及び中小企業に関する緊急対策樹立に資するため、委員二十五名から成る経済活性化及び中小企業対策に関する特別委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
よって、経済活性化及び中小企業対策に関する特別委員会を設置することに決しました。
本院規則第三十条の規定により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。
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○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
国民健康保険法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。小泉厚生大臣。
〔国務大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
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○国務大臣(小泉純一郎君) 国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
今回の改正は、近年の高齢化の進展等に伴い、市町村国民健康保険における退職者に係る老人医療費拠出金の増大、老人加入率が著しく高い市町村国民健康保険の保険者数の増加を踏まえ、医療保険制度等の抜本改革が行われるまでの間において、老人医療費拠出金について現行制度のもとにおける所要の見直しを行うとともに、医療保険制度への信頼の確保と医療費の適正化に資するため、診療報酬の不正請求の防止のための措置及び病床過剰地域等における保険医療機関の指定のあり方等に関し必要な措置を講ずるものであります。
以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、老人医療費拠出金に関する見直しであります。
老人医療費拠出金については、現在、市町村国民健康保険が一般被保険者の保険料等によって負担している老人医療費拠出金のうち、退職者に係る部分についてその額の二分の一を退職者医療制度を通じて被用者保険に負担していただくこととするとともに、老人医療費拠出金の算定に用いられる老人加入率の上限を現行の百分の二十五から百分の三十に改めることとしております。
第二は、診療報酬の不正請求の防止に関する措置の強化であります。
まず、診療報酬の不正請求等の不正行為を行ったことにより、保険医療機関の指定等が取り消された場合に、都道府県知事が再指定等を行わないことができる期間を現行の最長二年間から最長五年間に改めることとしております。また、診療報酬の不正請求に係る返還金に対する加算金の割合を現行の百分の十から百分の四十に改めることとしております。
第三は、保険医療機関の病床の指定等に関する改正であります。
都道府県知事は、病床過剰地域内の病院等について、新たな病床の全部または一部について保険医療機関の指定を行わないことができることとしております。また、都道府県知事は、既存の保険医療機関を含め、医師等の従業者の人数が厚生大臣が定める基準に満たないときや、適正な入院医療の効率的な提供を図る上で保険医療機関として著しく不適当であると認められるときは、病床の全部または一部について保険医療機関の指定を行わないことができることとしております。
第四は、国民健康保険組合及び国民健康保険団体連合会の予算について、都道府県知事の認可を届け出に改めるほか、市町村国民健康保険の事務費負担金の一般財源化に伴う所要の改正を行うこととしております。
最後に、この法律の施行期日でありますが、退職者に係る老人医療費拠出金の負担方法の見直しについては平成十年七月一日、老人加入率上限に関する特例の見直しに係る事項及び市町村国民健康保険の事務費負担金に関する事項は四月一日、診療報酬の不正請求の防止に関する事項、保険医療機関の病床の指定等に関する事項及び国民健康保険組合等の認可の見直しに関する事項については公布日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日としております。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして、次のとおり修正が行われております。
第一に、本法律案のうち、老人加入率上限に関する特例の見直しに係る事項等の施行日を、平成十年四月一日から公布の日に改めることとされております。
第二に、施行日の修正に伴い、平成十年度の老人医療費拠出金の額の算定等について所要の措置を講ずることとされております。
以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
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○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。千葉景子君。
〔千葉景子君登壇、拍手〕
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○千葉景子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、国民健康保険法等の一部を改正する法律案について、総理並びに厚生大臣に質問いたします。
まず、財政構造改革法の見直しに関連し、本改正案の取り扱いについて伺います。
そもそも本法案は、財政構造改革法により社会保障予算にキャップがはめられたために、各保険者グループ間の合意を得ることもなく、審議も不十分なままに国会に提出されたものです。
ところが、どうでしょうか。政府・与党は、財政構造改革会議において、その財革法自体を見直すことを決定いたしました。昨年の臨時国会で成立した財革法の趣旨に沿って、国庫負担の削減を目的につくられた本改正案の取り扱いを一体どう考えておられるのでしょうか。
私は、本改正案を即刻取り下げるべきだと考えます。この点、橋本総理の明確な御答弁を求めます。
次に、厚生大臣にお伺いします。
財革法改正については、社会保障関係費の歳出上限枠、いわゆるキャップ制について、極力抑制することを前提に九九年度に限り、停止することとされています。これは、小泉厚生大臣が辞任も辞さずの覚悟で奮闘された結果だと思います。私は、この間の厚生大臣の頑張りに敬意を表し、大いに期待を寄せておりました。そして陰ながらですが、声援も送らせていただいておりました。
しかし、キャップ制の停止は九九年度予算に限定したもので、非常にこそくなものと言わざるを得ません。厚生大臣はこれで納得をされたのでしょうか。なぜもっと頑張らなかったのか、大臣の御所見を伺います。
次に、本案の項目に沿って質問いたします。
第一に、法案では、医療保険制度等の抜本的な改革が行われるまでの間、市町村が負担する老人医療拠出金のうち、退職被保険者等に係る部分について、その額の二分の一を退職者医療制度において負担することとされております。
そこで、厚生大臣にお伺いします。
退職被保険者等に係る老人医療拠出金の負担方法の見直しについては、財革法に基づく予算編成段階において決定されたものであり、また法案自体が示しているように、抜本改革までの間の小手先の改正と言わざるを得ません。
ことし一月三十日の社会保障制度審議会答申でも、「老人医療費拠出金に関する事項も抜本改革の課題の一つであり、今回の諮問案がその一環であると理解できないことはないが、予算編成上の緊急措置的な面が強く、国民の納得を得るうえで、提案が拙速のきらいがあり、抜本改革との関係も明確ではない。」と指摘されています。この点、厚生大臣の御見解を求めます。
第二に、法案で言う抜本改革についてであります。
たしか、抜本改革の関連法案として今国会に提出を予定していた健康保険法等の一部改正案はどうされたのでしょうか。提出されるおつもりはあるのでしょうか。なぜ、このことについて確認するかといえば、改めて言うまでもなく、昨年の通常国会において成立し、施行された改正健康保険法が、被用者保険本人の一割から二割への引き上げ、高齢者の自己負担の引き上げ、さらには新たな薬剤に対する一部自己負担が導入されるなど、専ら自己負担等の引き上げばかりが先行しており、肝心の抜本改革の議論については先送りにされてきているからです。
民主党はこれまで、財政対策に終始するのではなく、抜本改革に向けて本気で取り組むべきであることを再三主張してまいりましたが、当然のこととして、健康保険法の改正案が今国会に提出されてしかるべきと思いますが、この点、厚生大臣の御見解を求めます。
第三に、不正請求の防止対策について伺います。
私は、この点について改正の趣旨は理解できますが、果たして不正請求の防止にどれだけの効果があるのか疑問を抱かざるを得ません。むしろ、レセプト開示や領収書の発行、カルテの本人開示、さらに個別医療機関ごとに医療監視の結果を公表することなど、政策決定プロセスのあり方も含めて、医療に係る情報を国民全体のものにしていくことが必要だと考えます。また、保険者の機能を強化する観点から、保険者としての情報公開と医療機能評価のためのノウハウの蓄積などの取り組みを進めることこそが不正請求の防止に役立つと考えますが、この点、厚生大臣の御所見をお伺いいたします。
第四に、保険医療機関の指定問題についてであります。
法案では、医療法による病床過剰地域において都道府県知事の勧告に従わないときに、病床の全部または一部を保険医療機関の指定等を行わないことができるものとしています。しかし、私は、この病床過剰地域であるかどうかの前提となる医療圏の設定や必要病床数の算定方法については検証が必要であると考えます。
すなわち、必要病床数については、過去の患者調査による入院受療率と病床利用率を基礎的データとする算定方法であり、これでは現状を固定化して既得権擁護に傾きがちであること、また、医療圏の設定の仕方についても、基礎自治体である市町村を中心に、より地域住民の生活圏を重視した積極的かつ弾力的な見直しが必要であると考えます。
また、現行の仕組みでは、精神病床、結核病床については三次医療圏、すなわち、都道府県を一つの単位とすること、また一般病床については二次医療圏の中で必要病床数を定めることとなっています。しかし、ノーマライゼーションの理念、地域医療という視点からは、精神科病床についても二次医療圏を単位として計画が策定されるべきであり、一般病床についても急性期、慢性期など、病床の機能、役割分担、連携を進める中で、必要病床を考えていくことが重要で、こうした観点からの検討、見直しがぜひ必要だと考えます。さらに、このことについて、昨年十二月に出された行政改革委員会の最終意見によれば、現行の必要病床数の算定方式を改めること、また、必要病床数の枠内での新陳代謝を促進することなど求められており、本改正案はこうした視点に欠け、全く姑息な対応と言わざるを得ません。
私は、医療圏域の設定、必要病床数の算定方法の見直しなど、抜本的にその方法を改めることがまず必要だと思います。そうした意味から、医療提供体制のあり方を含めた医療保険制度の抜本改革の課題の一つとして位置づけ、この保険医療機関の指定の問題もあわせてなお検討すべきではないでしょうか。この点、厚生大臣の御見解を伺いたいと思います。
これまで申し述べた医療提供体制のあり方も含めた医療保険制度の抜本改革に本気で取り組む決意があるのかどうか、改革の目標年次も含め、橋本総理にお伺いいたします。そしてまた、厚生大臣には、抜本改革への具体的な道筋、スケジュールについて御見解を伺います。
最後に、私は、医療保険制度の抜本改革の視点は、国民皆保険のもとで良質かつ適切な医療が保障されること、すなわち、社会的入院などの現行医療システムのゆがみを直し、むだを省き、公正で効率性の高い医療を目指すこと、そして患者、市民の選択と参加を実現する、医療に係る情報公開を積極的に進め、国民的な議論のもとで給付と負担の公平を図っていくことが重要だと考えております。
一方、この間の政府の議論は、専ら患者の一部自己負担を中心とする国民負担増で賄い、医療費に係る国庫負担を削減しようとする意図だけが明らかです。こうしたことが続けば、社会保障に対する国民の信頼は揺るぎ、保険料の徴収や介護保険の円滑な施行にとって大きなマイナスになると考えます。これから進める抜本改革が、社会保障関係費の抑制、国庫負担の削減のために行われるものでないことを政府は明言すべきであると考えますが、総理、いかがでしょうか。この点、橋本総理の明確な御答弁をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
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○国務大臣(橋本龍太郎君) 千葉議員にお答えを申し上げます。
まず、財革法の見直しと本法案の関係についてお尋ねがありました。
本法案は、医療保険制度の抜本改革が行われるまでの間におきましても、近年の人口の高齢化等に伴う老人医療費拠出金の負担の公平化や、医療費適正化の観点から所要の措置を講ずるものであり、財革法の改正とはかかわりなく必要な改正だと考えております。
次に、医療保険の抜本改革の目標年次及び医療保険制度の抜本改革に向けた決意をというお尋ねがありました。
現在、関係審議会におきまして、診療報酬体系及び薬価基準制度の見直しについて審議を行っているところであり、これらの課題につきましては、審議会としての意見がまとまり次第、所要の法改正に取り組んでいく考えであります。
抜本改革につきましては、平成十二年度を目途とする実施を目指して、全力を挙げて取り組んでまいります。
また、抜本改革が社会保障関係費の抑制等のために行われるべきではないという御意見をいただきました。
急速な少子・高齢化の進行に伴い、社会保障に係る給付と負担が増大していきます中で、将来にわたって安定した制度を構築していくためには、給付と負担の均衡を図りつつ、制度の効率化、合理化等の構造改革に取り組んでいく必要があると考えておりまして、医療保険の抜本改革につきましても、このような観点に立って進めてまいりたいと考えております。
残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
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○国務大臣(小泉純一郎君) 財政構造改革法の上限枠、いわゆるキャップ制についての御質問ですが、なぜ合意したのかということでありますが、これは、十年度予算編成の際にはほとんどすべての省庁が前年度に比べてマイナス予算を組むということで、厚生省関係、社会保障関係予算も厳しく見直してまいりました。ところが、今回いろいろな景気の状況もあったと思います。公共事業費等については兆円単位で増額する、減税もまた兆円単位で赤字国債を発行して減税する、言うならば昨年の暮れの編成についての前提が崩れたのであります。
このまま社会保障だけ同じようにマイナス予算を組むというのについては、本格的な社会保障構造改革を進める上において、果たして国民の理解が得られるだろうかという観点から、私は、それだったらば十一年度予算に限ってもっと厚生省に裁量権を持たせてほしい、社会保障関係の予算というのは今まで厳しく見直してきたという点には変わりないけれども、ある程度若干の幅を持たせてもらいたいということで、十一年度に限ってキャップ制を外すべきだと主張してまいりました。いろいろ紆余曲折がありましたが、最終的に私の主張が理解された。結構だと思います。
本法案と医療保険制度の抜本改革との関係等についてのお尋ねですが、老人医療費の拠出金の算定方法については、平成七年改正法附則において三年以内を目途として見直すこととされていることから、予算編成までの間に審議会でまとめていただいた論点整理を踏まえて、政府としての改正案を作成の上、審議会に諮問し、答申をいただいたものであります。
老人医療費拠出金の算定方法の見直しについては、近年の人口の高齢化等に伴い、市町村国民健康保険の加入者に占める退職者の割合が増大していること、老人加入率が著しく高い市町村国民健康保険の保険者数が増加していることから、抜本改革が行われるまでの間においても現行制度のもとにおける見直しを行うこととしたものであります。
健康保険法等の改正案の国会提出に関するお尋ねですが、医療保険制度の抜本改革については、現在、医療保険福祉審議会において診療報酬体系と薬価基準制度の見直しの議論がされております。しかしながら、現時点では薬価基準制度の改革の内容などについて審議委員の中にかなり意見の開きがあります。抜本改革を実現するためには、拙速よりもむしろ十分に議論を尽くしていただく方がいいのではないか、必要ではないかと考えております。厚生省としては、審議会としての意見がまとまり次第、所要の法改正に取り組んでいく考えであります。
診療報酬の不正請求防止対策のため、情報公開が必要との御指摘でありましたが、国民の医療に対する関心にこたえるために、現在実施している医療機関における医療費明細書の発行の推進や保険者によるレセプトの情報開示、悪質な医療機関の医療監視結果の公表、関係審議会の公開等、医療における情報公開を引き続き推進していきたいと考えております。
また、保険者機能の強化が必要との御指摘については、保険者として医療機関に関する情報を収集し、被保険者に対して提供していくことにより、被保険者の立場に立って保険者としての取り組みが強化されるよう促していきたいと考えております。
病床規制に関する行政改革委員会の指摘についてでありますが、今回の措置は、病床過剰地域であり、開設の必要がないとして医療法に基づき中止勧告をした医療機関について、従来から医療保険の対象としない取り扱いとしているものを法律上明文化したものであります。また、既存の保険医療機関についても著しく不適当なものについては、指定更新の際に病床を制限できることとしており、行政改革委員会の御指摘と整合性のとれたものと考えております。
さらに、必要病床数の算定方法の見直しについては、行政改革委員会の御指摘も踏まえ、医療提供体制の抜本的改革の中で検討していきたいと考えております。
医療保険制度の抜本改革への具体的な道筋等についてどうかということでありますが、現在、医療保険福祉審議会において、診療報酬体系と薬価基準制度の見直しについて審議をいただいております。この審議会としての意見が取りまとまり次第、所要の法改正に取り組んでまいりますが、今後、引き続き、高齢者医療制度の抜本改革について審議に入っていただくことになっておりまして、これら広範多岐にわたる課題について、平成十二年度を目途とする実施を目指して取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。(拍手)
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○議長(斎藤十朗君) 渡辺孝男君。
〔渡辺孝男君登壇、拍手〕
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○渡辺孝男君 私は、公明を代表して、ただいま趣旨説明のありました国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、総理及び厚生大臣に対し、質問をいたします。
まず初めに、財政構造改革法と社会保障予算に関連して質問をいたします。
政府・与党は、先週、総事業費十六兆六千五百億円に上る総合経済対策を決定し、あわせて財政構造改革法の改正及び補正予算の編成に着手しました。また、これまで一切の聖域を設けずに行うとした財政構造改革法に基づく予算編成のキャップ制を、平成十一年度の社会保障費に関しては例外的に外す決定を行いました。
この決定に至るまでの政府・与党の迷走ぶりは、目に余るものがあります。当初、総理及び自民党執行部はキャップ制堅持を確認しておりましたが、小泉厚生大臣が難色を示すと、突如として福祉関係基金構想が浮上しました。最終的には、厚生大臣の辞職をも辞さずとの強硬姿勢に押し切られる形で、社会保障予算はキャップ制の例外とするというどたばた劇を演じたのであります。まさに政権末期の混乱と言うべきものでありました。
そこで、まず、総理大臣に質問いたします。
今回の社会保障予算のキャップ制例外化の理由は何か、なぜ平成十一年度のみに限定したのか。また、この決定に至るまでの経緯についても御説明いただきたい。
次に、小泉厚生大臣に質問いたします。
厚生大臣は、これまで財政構造改革法改正に関しまして、橋本内閣では改正すべきではない、改正するというなら、財政構造改革法制定時の論議は一体何だったのかと繰り返し表明しておられました。
厚生大臣は、財政構造改革法の改正と平成十年度予算成立直後の大型補正予算の編成という、政府の大きな路線転換についてどのように認識しておられるのか。また、内閣の方針が小泉厚生大臣の政治信念と相反した以上、閣僚にとどまっているべきではないのではないか。以上の二点に関しての御見解をお伺いしたい。
さて、このような総理の指導力の欠如並びにみずから推進した政策に対する責任感の欠如に対し、また、政策変更を素直に国民に説明しない不誠実さ及び失政による平成大不況を招き国民を混乱に陥れた責任をとろうとしない傲慢さに対し、国民は怒りと憤りを感じております。
その証拠が、目を覆うがごとく低下を示す橋本政権支持率と不支持率の上昇であります。この支持率低下と不支持率上昇の現状に対して総理並びに厚生大臣はどのような所見を持っておられるか、また、このような支持率低下、不支持率上昇の原因をどのようにとらえておられるのか、お聞かせいただきたい。
次に、法案の具体的内容につきまして質問いたします。
まず、老人医療費拠出金に関する見直しについてであります。
この法案は、厳しいキャップ制のもと、国庫負担の社会保障費の自然増八千億円を三千億円に無理やり強引に圧縮するために出されてきたものであることは、多くの識者の指摘するところであります。その結果もたらされたものは被用者保険への負担増であり、これは被用者保険の保険料値上げの引き金となり、結局は国民への新たな負担増につながってくるものであります。
そこで、総理並びに厚生大臣にお尋ねいたします。
健康保険組合の約七割が経常収支赤字に陥っていると報告されている現状で、このような負担を強いる理由についてお答えいただきたい。
また、この老人医療費拠出金の見直しを含む本法案は予算関連法案であり、厳しいキャップ制のもとで成立したものであることを考えれば、社会保障費のキャップ制が見直された現状では、本法案の是非についてもう一度見直す必要があると考えます。
もともと、この老人医療費拠出金の見直しに関しては、社会保障制度審議会よりも、拙速の嫌いがある旨の批判があったところでもあり、やはり本法案は再検討すべきと考えますが、いかがですか。総理並びに厚生大臣の御所見をお伺いいたします。
また、この老人医療費拠出金の見直しは、抜本改革が行われるまでの間と規定しております。しかし、この医療保険制度の抜本改革の大きな柱の一つである薬価制度改革のため今国会に提出される予定であった健康保険法改正案は先送りになる可能性があるとの報道がなされております。この点に関して、厚生大臣にお尋ねいたします。
本国会に提出予定であった薬価改正を含んだ健康保険法等の一部を改正する法律案はいつごろ提出されるつもりか、お答えいただきたい。
また、この医療保険制度の抜本改革は、昨年、患者負担増を伴う健康保険法改正を行った際、政府・与党が国民に約束したものであります。例えば、薬剤費の二重負担という根拠薄弱な制度も、抜本改革の後には廃止すると厚生大臣も明言していたはずです。
そこで、総理にお尋ねいたします。
昨年夏、与党が宣言した平成十二年度からの医療保険制度の抜本改革スタートという姿勢に変更はないのか。予定どおり推進していくというのであれば、高齢者医療保険制度の創設問題も含めて、改めてその具体的スケジュールをお示しいただきたい。
さらに、老人医療費拠出金算定に用いる老人加入率の上限制に関して、厚生大臣に質問いたします。
老人加入率上限を、本法案では二五%から三〇%に引き上げることになっておりますが、なぜ法で定められたとおり上限超過団体が三%程度になるようにという基準が守られないのか、その理由をお聞かせいただきたい。そもそも、少子・高齢化が進む中で、当然老人加入率は高くなることが予想されるのに、どうして老人加入率に上限を設けなければならないのか、その根拠をお示しいただきたい。
次に、診療報酬の不正請求対策でありますが、この点に関しましては、審査点検の適正な実施と罰則の強化にて安田病院のような事件の再発防止を図るべきことは当然であります。安田病院の不正請求事件で疑問が残るのは、どうして早期に適切な改善措置がなされなかったのかという点です。この点に関して、厚生大臣の御所見をお伺いしたい。
また、複雑な診療報酬体系の簡素化と、膨大なレセプト審査事務の効率化は早急に解決しなければならない課題であります。この点に関する厚生省の取り組みについて、厚生大臣より、タイムスケジュールを含めてお答えいただきたい。
次に、保険医療機関の病床指定の規制に関して質問いたします。
本法案では、医療費抑制策の一環として、都道府県知事に対し、病床過剰地域内での病院等の新規開設や増床について、保険医療機関の指定を行わないことができるとの強力な権限が付与されることになっております。医療費が過度に膨張するのを抑制する必要性からの措置と考えられておりますが、既得権益の擁護に転化し、医療機関相互の競争が抑制され、地域住民が良質な医療を受けられる機会が制約されるおそれが多分にあるのではないかと懸念されます。
適切な地域医療の確保が阻害されることがないかどうか、また、本法案は医師の自由開業の原則を規制することにならないかどうか、さらに、この病床規制が今日問題となっている都道府県間の一人当たりの医療費格差の是正にどのようにつながってくるのか、これらの点に関して厚生大臣の見解をお伺いしたい。
さて、橋本政権による政策不況にて、このところ失業率は上昇の一途をたどっております。総務庁の発表では、本年三月の完全失業率は三・九%と過去最悪となっております。このような雇用の急激な悪化は、今後、健康保険制度や平成十二年度より開始される介護保険制度の財政や保険料率にどのような影響を与えることになるのか、総理の御見解をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
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○国務大臣(橋本龍太郎君) 渡辺議員にお答えを申し上げます。
まず、社会保障予算のキャップについてのお尋ねがございました。
毎年多額の当然増が見込まれ、その大幅な縮減には抜本的な制度改正を要する社会保障関係費の特質、現在の経済状況等を考えましたとき、十一年度の社会保障関係費のキャップについては工夫が必要だという議論があり、四月二十四日の財政構造改革会議において、緊急避難的措置として十一年度に限りおおむね二%というキャップを停止することとし、その増加額は極力抑制するといたしました。
次に、橋本政権の支持率についてお尋ねがありました。
原因についてはいろいろあろうと、そう考えておりますけれども、謙虚に受けとめながら、全力を尽くして責任を果たしてまいりたいと考えております。
次に、老人医療費拠出金に係る改正についてお尋ねがありました。
この改正は、老人保健制度を含む医療保険制度の抜本的改革が行われるまでの間にありましても、現行制度のもとにおける拠出金の負担の公平化を図ろうとするものであり、あわせて医療費適正化による縮減により、被用者保険の保険料負担は軽減されることとなる見込みであります。
次に、社会保障関係費のキャップ制の見直しと本法案の関係についてお尋ねがありました。
本法案は、医療保険制度の抜本改革が行われますその間におきましても、近年の人口の高齢化等に伴う老人医療費拠出金の負担の公平化や医療費適正化の観点から所要の措置を講ずるものであり、キャップ制の見直しとはかかわりなく必要な改正であると考えております。
次に、医療保険制度の抜本改革についてのお尋ねがありました。
現在、関係審議会におきまして診療報酬体系及び薬価基準制度の見直しについて審議中であり、審議会としての意見がまとまり次第、所要の法改正に取り組む考えであります。また、高齢者医療制度の改革につきましても、引き続いて審議会で審議に入るものと聞いており、いずれにいたしましても、平成十二年度を目途とする実施を目指して全力を挙げることとしております。
最後に、雇用の悪化が保険財政に与える影響についての御質問がありました。
総合経済対策の実施により景気の回復を図るとともに、この対策に盛り込んでいる緊急雇用開発プログラムを実施することなどにより、雇用の安定を図ってまいりたいと考えております。
雇用の状況が保険財政に与える影響については、雇用の動向が健康保険などの財政に直ちに結びつくものではないと考えますけれども、医療保険制度については、将来にわたり安定した運営を確保するため、その抜本改革に全力を挙げることとしております。
残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
-
○
国務大臣(
小泉純一郎君) 財政構造改革法の改正と補正
予算編成について、
内閣の方針が私の信念と相反した以上閣僚にとどまるべきではないのではないかというお尋ねですが、世の中自分の思うようにいかないのはだれでも同じだと思います。政界、
政党人においても
内閣においても、これはだれにでも言えるのではないでしょうか。自分の主張をどこまで貫くか、どこで妥協するか、それは
個人の
政治判断だと思います。自分の進退については私は人から指図されることなく自分で決めます。
橋本政権に対する
支持率の低下、不
支持率の増加に対してどう思うか。これは確かに
世論調査においては橋本政権に対する
支持率は低下しております。私は、自分の勉強した範囲内においては、
イギリスなんかの
小選挙区制度を見ますと、大体
補欠選挙というのは
与党の
支持率が高くても普通は野党が勝つんです。ところが、これだけ橋本
内閣に対する
支持率が低いにもかかわらず、どんな
補欠選挙でも自民党連戦連勝、これは一体どうなのか。
世論調査が正しいのか選挙民が正しいのか、
専門家の意見を聞いてみたいと思っております。
老人
医療費拠出金の負担の見直しについてですが、
平成十年度においては、老人
医療費の適正化や薬価の大幅な引き下げなどに取り組み、
医療費を削減することとあわせて
制度改正をお願いしているものであり、全体として
被用者保険の
保険料負担は軽減される見込みであります。
社会保障関係費のキャップ制の見直しと本法案の関係についてでありますが、先ほど総理から答弁されたとおりであります。本法案はキャップ制の見直しとはかかわりなく必要な改正であると考えております。
健康保険法等の改正案の
国会提出に関するお尋ねですが、
医療保険制度の抜本改革については、現在、
医療保険福祉
審議会において、
診療報酬体系及び薬価
基準制度の見直しについて審議をいただいているところであります。
厚生省といたしましては、
審議会としての意見がまとまり次第、所要の法改正に取り組んでいく考えであります。
老人
加入率の上限についてのお尋ねですが、この老人
加入率上限は
制度創設当初から設けられているものでありますが、その趣旨は、老人
医療費拠出金の算定に当たり、
保険者ごとの負担の極端な変動を緩和しようとするものであります。
安田病院についてのお尋ねですが、
平成九年八月八日に看護職員の水増しによる不正請求により、
保険医療機関の指定の取り消しを行ったところであります。今回の事案については、病院側が看護職員数の偽装工作を行ったため、従来の
指導監査の手法では実態を十分解明できなかったことなどによるものと考えております。
厚生省においては、今回の事案を踏まえ、悪質な
医療機関への事前通告なしの監査及び
医療監視の実施や、監査と
医療監視との十分な連携を図り、
保険医療機関の
指導監査に当たるよう
都道府県に通知したところであります。
診療報酬体系の簡素化についてですが、
診療報酬が年々複雑化してきていることを踏まえ、
平成十二年度を目途とする
診療報酬体系の見直しに当たっては、簡素合理化を進めてまいります。
また、レセプト審査
事務の効率化については、審査支払い機関において高点数のレセプト等に対する重点的審査などの
事務処理の効率化に努めているところです。さらに、
平成十年度には、全国どこでも準備が整った
医療機関が審査支払い機関に届け出ることで、レセプト電算処理
システムに
参加できるようにすること等により、レセプトの電算処理を積極的に推進し、審査
事務の効率化に努めてまいります。
保険医療機関の病床指定の規制についてですが、一般には、
消費者に対する良質な
サービスは
供給者の自由な競争を通じて提供されるものでありますが、
医療の分野においては、通常の
市場と異なり、
供給が需要を生むことが指摘されており、実際に病床数と入院
医療費の間には強い相関関係が認められています。
そこで、今回の措置は、病床過剰
地域において不必要と認めて知事が勧告した新規病床や、適切かつ効率的な入院
医療の提供の観点から不適当と認められる既存病床を
制限することとしたものであり、適切な
地域医療の確保を阻害するものではないと考えております。
病床指定の
制限と
医師の自由開業原則との関係についてですが、今回の措置については、
医療法における
医療機関の開設等については認めることとした上で、
保険医療機関の指定については、病床過剰
地域における不必要な病床等を対象外としたものであります。これは
供給が需要を生むという
医療分野特有の構造を踏まえ、入院
医療費の適正化を図る観点から行うものであり、必要な措置であると考えております。
病床規制と
都道府県間の一人当たり
医療費との関係についてですが、
都道府県間の一人当たり
医療費の格差については、
高齢者の割合の高低や診療行為の違い等のほかに、特に入院
医療費については
人口当たり病床数の多寡等の要因により発生していると考えております。したがって、今回の病床指定の
制限措置については、
地域にとって過剰な病床が過剰な入院
医療費を生み出すことを防ぐことになりますので、
都道府県間の一人当たり
医療費の適正化に資するものと考えております。
以上であります。(拍手)
-
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
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○議長(斎藤十朗君) 日程第一 漁業に関する日本国と中華人民共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。外交・防衛委員長及川順郎君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔及川順郎君登壇、拍手〕
-
○及川順郎君 ただいま議題となりました日中漁業協定につきまして、外交・防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
この協定は、現行の日中漁業協定にかわるものでありまして、日中両国について平成八年に発効した国連海洋法条約の趣旨を踏まえ、原則として沿岸国が自国の排他的経済水域において、海洋生物資源の管理を行うことを基本とする新たな漁業秩序を確立するため、日中両国の排他的経済水域の全体を協定の適用水域とし、そのうち相互入会水域における沿岸国による操業許可、暫定措置水域における共同管理、北緯二十七度以南水域における操業等について定めるものであります。
委員会におきましては、協定締結の意義、協定適用水域の規制措置、我が国二百海里水域における外国漁船の操業実態と資源保護、日韓漁業協定の締結等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終え、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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-
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
-
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕
-
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 百九十五
賛成 百九十五
反対 〇
よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
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〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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○議長(斎藤十朗君) 日程第二 食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法案
日程第三 農地法の一部を改正する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上両案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長松谷蒼一郎君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔松谷蒼一郎君登壇、拍手〕
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○松谷蒼一郎君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法案は、最近における食品の衛生及び品質の管理に対する国民の関心の高まり等に対応して、食品の製造過程の管理の高度化を図るため、国の基本方針の策定、高度化計画の認定を行う法人の指定等について定めるとともに、高度化計画に従って施設の整備を行う事業者に対し、金融、税制上の支援措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、参考人を招致してその意見を聴取するとともに、HACCP手法の導入に伴う関連産業への影響、中小零細事業者の支援対策、輸入種子の防疫体制等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し、六項目にわたる附帯決議を行いました。
次に、農地法の一部を改正する法律案は、地方分権の推進及び行政事務の基準の明確化を図るため、二ヘクタールを超え四ヘクタール以下の農地転用の許可権限を都道府県知事へ委譲するとともに、農地転用の許可基準を法定する等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、優良農地の確保対策、都道府県知事への転用許可権限委譲に伴う運用のあり方、農地法の基本理念である耕作者主義の堅持等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して須藤委員より本法律案に反対である旨の意見が述べられました。
討論を終わり、採決の結果、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し、三項目にわたる附帯決議を行いました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────
-
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
まず、食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
-
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕
-
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 百九十六
賛成 百九十六
反対 〇
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
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〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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-
○議長(斎藤十朗君) 次に、農地法の一部を改正する法律案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
-
○
議長(
斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕
-
○議長(
斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 百九十六
賛成 百八十一
反対 十五
よって、本案は可決されました。(拍手)
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〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────
-
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律案
検疫法及び狂犬病予防法の一部を改正する法律案
(いずれも内閣提出)
以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
-
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。国民福祉委員長山本正和君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔山本正和君登壇、拍手〕
-
○山本正和君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、国民福祉委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
まず、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律案は、最近における感染症の発生の状況、医学医術の進歩及び衛生水準の向上、国際交流の進展等を踏まえ、総合的な感染症予防対策の推進を図るために、措置の対象となる感染症について類型を設けて見直し、感染症予防のための基本指針等の策定、感染症に関する情報の収集及び公表、健康診断、就業制限及び入院、感染症の蔓延を防止するための消毒その他の措置を定めるとともに、感染症の病原体を媒介するおそれのある動物について輸入検疫に関する制度を創設しようとするものであります。
次に、検疫法及び狂犬病予防法の一部を改正する法律案は、国民の健康に重大な影響を及ぼす感染症の国内への侵入及び蔓延を防止するため、検疫の対象となる疾病並びに隔離及び停留の方法及び手続を見直すとともに、狂犬病の国内への侵入を防止するための措置等を講じようとするものであります。
委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、感染症患者等の人権を尊重する必要性、感染症の新たな類型の定義、感染症の予防と蔓延の防止に関する体制の確立、総合的な感染症予防対策の推進等の諸問題について質疑が行われたほか、参考人からの意見聴取並びに国立感染症研究所及び国立国際医療センターにおける実情調査を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
質疑を終局し、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律案に対し、自由民主党の尾辻理事より、自由民主党及び社会民主党・護憲連合を代表して、病原体等の検査体制の整備、患者等の人権の配慮等に関する修正案が、また、日本共産党の西山委員より、修正案がそれぞれ提出されました。
次いで、討論に入りましたところ、日本共産党の西山委員より、原案及び尾辻理事提出の修正案に反対する旨の意見が述べられました。
討論を終わり、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律案について採決の結果、西山委員提出の修正案は賛成少数をもって否決され、尾辻理事提出の修正案及び修正部分を除く原案は多数をもって可決され、本法律案は修正議決すべきものと決定いたしました。
次いで、検疫法及び狂犬病予防法の一部を改正する法律案について採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、両法律案に対して、附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
まず、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律案の採決をいたします。
本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
本案を委員長報告のとおり修正議決することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
-
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕
-
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 百八十九
賛成 百四十五
反対 四十四
よって、本案は委員長報告のとおり修正議決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
-
○議長(斎藤十朗君) 次に、検疫法及び狂犬病予防法の一部を改正する法律案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
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○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕
-
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 百九十一
賛成 百九十一
反対 〇
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────
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○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
地方自治法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
-
○
議長(
斎藤十朗君) 御
異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。
地方行政・
警察委員長藁科滿治君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔藁科滿治君登壇、拍手〕
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○藁科滿治君 ただいま議題となりました
法律案につきまして、
地方行政・警察
委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本
法律案は、都と
特別区の役割分担の原則の規定を設け、
特別区を
基礎的な
地方公共団体とし、都を
特別区を包括する広域の
地方公共団体と位置づけるとともに、
特別区の
事務処理に関する所要の改正を行う等の措置を講ずるほか、都に留保されている税財源の一部を
特別区へ移譲すること、清掃事業など都が処理していた
事務を
特別区へ移管すること等を行おうとするものであります。
委員会におきましては、都及び
特別区の位置づけ、大都市
制度の検討の必要性、都区財政調整
制度のあり方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
質疑を終局し、採決の結果、本
法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本
法律案に対して、
附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
-
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕
-
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 百九十一
賛成 百九十一
反対 〇
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────
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○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
電気通信分野における規制の合理化のための関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
-
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。交通・情報通信委員長川橋幸子君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔川橋幸子君登壇、拍手〕
-
○川橋幸子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、交通・情報通信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、民間活動に係る規制がもたらす負担の軽減及び行政事務の合理化を図るため、国際電信電話株式会社法を廃止するほか、電気通信事業法及び電波法について、第一種電気通信事業者の提供する役務に関する料金の規制を原則として届け出制とするとともに、無線設備の技術基準適合証明制度等における民間能力の一層の活用を図る等の改正を行おうとするものであります。
委員会におきましては、KDD完全民営化の意義、情報通信分野における今後の規制緩和の取り組み、通信のユニバーサルサービス確保、通信料金に関する規制のあり方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党上田委員より反対の意見が述べられ、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────
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○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
-
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕
-
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 百九十三
賛成 百七十八
反対 十五
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
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○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。
午後四時五十三分散会
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