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1997-05-13 第140回国会 参議院 大蔵委員会 12号 公式Web版

  1. 平成九年五月十三日(火曜日)    午前十時開会     ―――――――――――――    委員の異動  五月九日     辞任         補欠選任      笹野貞子君      久保  亘君  五月十一日   委員嶋崎均君は逝去された。  五月十二日     補欠選任        岡  利定君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         松浦 孝治君     理 事                 石川  弘君                 河本 英典君                 荒木 清寛君                 鈴木 和美君                 久保  亘君     委 員                 阿部 正俊君                 岡  利定君                 金田 勝年君                 清水 達雄君                 楢崎 泰昌君                 岩瀬 良三君                 海野 義孝君                 白浜 一良君                 寺崎 昭久君                 益田 洋介君                 千葉 景子君                 吉岡 吉典君                 山口 哲夫君    国務大臣        大 蔵 大 臣  三塚  博君    政府委員        大蔵政務次官   西田 吉宏君        大蔵大臣官房金        融検査部長    中川 隆進君        大蔵省主計局次        長        林  正和君        大蔵省主税局長  薄井 信明君        大蔵省証券局長  長野 厖士君        大蔵省銀行局長  山口 公生君        大蔵省銀行局保        険部長      福田  誠君        大蔵省国際金融        局長       榊原 英資君        国税庁次長    堀田 隆夫君        国税庁課税部長  船橋 晴雄君    事務局側        常任委員会専門        員        小林 正二君    参考人        日本銀行理事   山口  泰君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○参考人の出席要求に関する件 ○外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する  法律案内閣提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 松浦孝治

    ○委員長(松浦孝治君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  皆様既に御承知のことと存じますが、本委員会委員嶋崎均君は、去る十一日急逝されました。まことに哀悼痛惜にたえません。  ここに、皆様とともに同君の長年にわたる御功績をしのび、謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表し、御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。  どうぞ御起立願います。黙祷を願います。    〔総員起立、黙祷〕
  3. 松浦孝治

    ○委員長(松浦孝治君) 黙祷を終わります。御着席願います。     ―――――――――――――
  4. 松浦孝治

    ○委員長(松浦孝治君) 委員の異動について御報告いたします。  去る九日、笹野貞子君が委員を辞任され、その補欠として久保亘君が選任されました。  また、昨日、岡利定君が委員に選任されました。     ―――――――――――――
  5. 松浦孝治

    ○委員長(松浦孝治君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松浦孝治

    ○委員長(松浦孝治君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に久保亘君を指名いたします。     ―――――――――――――
  7. 松浦孝治

    ○委員長(松浦孝治君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行理事山口泰君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 松浦孝治

    ○委員長(松浦孝治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  9. 松浦孝治

    ○委員長(松浦孝治君) 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 海野義孝

    ○海野義孝君 おはようございます。平成会の海野でございます。  本日は、大蔵大臣を初め大蔵省の各局の最高幹部の方また日本銀行の山口理事には、御多忙のところをお運びいただきまして、大変ありがとうございます。  私は、生まれて初めて一時間五十分、百十分間という大変な長時間をきょうばいただきまして、皆様を飽きさせないように、また前向きの御答弁を政府御当局からいただけるように、また同僚議員の方々にも大いに元気を出していただけるような、そういった質問をさせていただこうど思っております。  先ほど十二チャンネルを見てまいりましたら、これは毎朝九時四十分から兜町のニュースをやっておりまして、ダウは二万二百七十五円、プラス百三十二円、為替の方はこのところ急激な円安修正が起こりました。きょうは若干のもみ合いの状況でございまして、百十九円三十四銭ということで、ひところに比べますと大変円も円安修正が進んできたということでございます。故人となられた嶋崎先生にとられましても、ここ半年間の中で我が国の経済産業、それをあらわす市況商品、こういったものがこのところは大変安定かつ堅調になってきているということはせめてもの嶋崎先生に対するはなむけではないかと、このように思うわけでございます。  とはいいましても、現在我が国の政治産業経済金融等の抱えておる諸改革の問題というのは大変大きな改革でございまして、お互いがそれぞれ絡み合っているというような中で、この改革を二十一世紀の入り口までに進むものはもうどんどんやっていく。そしてまた、全体的にも二十一世紀入り口で大きなグランドデザインがきちんと描かれ、それに向かって歩み出す。そして、いわゆるグローバルスタンダード、こういった面から見ましても大変整合性のある諸改革が進む。こういった問題を抱えておりますので、私は、これは行政また立法を挙げて取り組んでいく重要な問題であると考え、日夜勉強しているわけでありますけれども、そういった点で、これから御質問させていただきたいと思います。  この間の八日の日に、既に嶋崎先生からは九十分に及ぶこの外為法についてのすべてを網羅されたその条文等についての御質疑をしていただいておりますので、ほとんどもう言い尽きているという感じはいたします。  私は、衆議院におけるこの外為法関係の大蔵委員会における質疑等についての会議録も取り寄せて読んでみまして、大方はもう委員の方の、また政府御当局の方々の御答弁もおおむね尽きていると思いますので、私はそういう意味では同じことを繰り返すということはできませんので、大変厳しい状況にありますけれども、私のこれまでの経験を生かした中でいろいろと教えていただこうと、こういうことでございますので、よろしくお願いいたします。  早速本論に入らせていただきますけれども、日本銀行の松下総裁福岡における会議にお出ましになっておられて、大蔵大臣は今回のこの委員会等がありまして、せんだってお帰りになっているということでございますけれども、そういうことで、きょうは日銀の山口理事には松下総裁にかわっていろいろと御答弁をいただきたいと思います。  そこで、まず最初に、これは銀行局長それから山口理事に御答弁をお願いしたいと思います。御案内のとおり、昨年の十一月十一日に、橋本総理からいわゆる金融制度改革あるいは金融システムの抜本的な改革につきましてのゴーサインが出まして、それからちょうど半年になるわけであります。当時は、株式市場を見ましてもあるいはまた債券市場等を見ましても、言うなれば大変混乱したというか、そういった大きな改革に取り組むことに対するマーケットの反応というものはまずは大変厳しく出たというように思います。  その点は、為替につきましては、先般のワシントンでのG7、このときに大蔵大臣が御出席になりましたけれども、あの後で本年の最安値というのを瞬間的に記録しましたけれども、これは一時的というか瞬間的なものでありまして、おおむねやはり一番の混乱は、金融あるいは株式市場等を見ましても、昨年の十一月からことしの一月ごろであったというように思うわけであります。  そういった中で、ここへ来まして、ひところのいわゆる円安株安というような状況から、円高株高というような方向に変わってきた。これは大変大きな重みのある意味合いがあろうかと思います。その辺につきまして、ここへ来てかなり円高になっておりますし、株式市場もそれを受けて大変このところ、先ほども申し上げたようにしっかりしていると、こういったことについて、山口局長また山口日銀理事はどのようにこれを受けとめておられるか、まずその辺のところをお聞きしたいと思います。
  11. 山口公生

    政府委員(山口公生君) 私がお答えするのが適当かどうかの問題がございますけれども、私が所管させていただいております金融銀行業界の様子をお話し申し上げますと、ことしの一月以降、先生の御指摘のように、株価の下落によりまして金融機関の持っている含み益というものが非常に縮小する、場合によっては評価損を計上しなければいけないというような危惧がかなり広まったわけでございます。そうした市場の状況を反映しまして、金融不安がひょっとしたら生ずるかもしれないというようなうわさといいましょうか、そういう風評もかなり激しく立ってきたわけでございます。そうすることによりまして、金融機関におきましてもいろいろなそういった世評からの攻撃と言ってはなんでございますけれども、そういったものの洗礼を浴びることになったわけでございます。  ただその後、各金融機関ともにリストラを相当思い切って進め、またこの機会に不良債権もできるだけ償却をすべきものはしようという姿勢になりまして、それで今期の決算予想も幾つかの銀行では思い切って下方修正をして、その重荷から少しでも軽くなるような努力をしてまいったわけでございます。  そういった努力もある程度の効果を見たと思いますし、また不良債権全体の額を見ましても不良債権の総体として見ればかなり数字も減ってきているということもございまして、そうしたことが少し市況あるいは市場の評価も上がってきたといいましょうか、ひところのそういった激しい批判というものが減ってきたというふうに感じるわけでございます。  したがって、そういったものも今先生の御指摘になりました株式市場等の市場の評価に若干なりとも寄与しているのではないかというふうに思うわけでございます。
  12. 山口泰

    参考人(山口泰君) 金融資本市場あるいは為替市場におきまして、最近雰囲気がかなり大きく変わってきているということは、先生ただいまの御指摘のとおりだと存じます。  日銀の方から見ておりまして、そういう新しい動きが出てくるに至りました背景を二つほど申し上げてみますと、第一は、やはり市場における景況感の変化ということではないかと思います。昨年末あるいはことしの初めごろにかけましては、日本経済の先行きにつきましてかなり悲観的といいますか弱気な見方が多うございましたけれども、足元で景気の回復を示す指標が着実にふえてきているということを踏まえまして、市場の景気を見る目というのがやはり上向きに修正されつつあるというふうに言えるかと思います。これが第一点でございます。  第二点は、ただいま銀行局長がおっしゃったことの補足的なことになるかと思いますけれども、期末あるいは今年度に入りまして幾つかの個別の金融機関につきましてかなり思い切った再建策が打ち出されるということで、市場の中におきましてはいわゆる我が国の金融システムの問題につきまして、問題の処理が着実に進展しつつあるという見方が出てきたというふうに思います。  これら二つのことが、最近における市場の変化の背景にあるのではないかと思っております。
  13. 海野義孝

    ○海野義孝君 どうもありがとうございました。  今の問題に関連しまして長野証券局長に、今野村証券問題で大変御心痛と思いますけれども、私も証券界に身を置いた一人としまして大変ざんきにたえない問題が起こっている、このように思います。一日も早く司直の手においてこれが解明され、そして兜町も前向きにひとつこのビッグバンに合わせてスタートしていただきたい、このように思うわけであります。局長、マーケットからごらんになっての最近の変化あるいは御所感をひとつお述べいただきたいと思います。
  14. 長野厖士

    政府委員(長野厖士君) 初めに、御指摘をちょうだいいたしました証券会社におきます不祥事の問題でございます。  野村証券問題につきましては、ただいま監視委員会において厳正なる調べが行われておると承知いたしておりますし、その結果、法令違反ありとして勧告がございましたら、私どもとして厳しく対応いたし、全体としての市場への信頼というものの回復に努めてまいりたいと考えております。  株式市場全体、そのような問題を抱えておりますけれども、先ほど先生から御指摘いただきましたように、本日の寄りつきは年初来の最高値で寄りついておりまして、特に私どもは、株価の水準もさることながら、株式市場におきます商いが非常に活性化してきておる。五月に入りましてから昨日までで一日平均の出来高が、記憶でございますけれども五億三千であろうかと思います。これは、四月が四億四千、三月が三億台でございましたけれども、総じまして昨年後半の大変に商いの細った時期から比べますと商いが大きくなってきておる。これは、売りの方も買いの方もいろいろな思惑で参加されますけれども、商いが全体として太くなってきておるというのが私どもとしては市場が正常化しておる一番のシグナルと考えております。  その中で、株価水準につきましても年初来の高値を更新するような状況になっております背景は、ただいま山日銀行局長から御説明がありました、一つには、金融システムの不安というものが証券市場に非常に重くのしかかってきておった、これがさまざまな御労苦の中で、まだ完璧とは言えないにせよその暗雲というものが晴れつつあるという印象をかなり大勢の市場参加者の方が思ってきていただいておるということが一つあろうかと思います。もう一つは、山口理事からお話がございました、全体としての日本経済の先行きに対する景況感というものが改まってきたということが二つ目には申し上げられるだろうと思います。  その意味では、そういった全体としての株式市場を取り巻く環境が落ちつく中で今後とも市場が活性化していくことが望ましいと考えておりますけれども、同時に私どもといたしましては、従来型の景気がよくなる範囲で株式市場の活性化を期待するということにとどまらず、株式市場のもろもろの改革を今後進めまして、市場そのものにもつと魅力を高めることによって活発な資本市場というものを形成していきたいと考えておりまして、この外為法の御審議に引き続き並行しながら、今証券資本市場の改革の具体案を証取審で御審議いただいておりますけれども、早く御成案をお取りまとめいただきまして、手のつくものから逐次実施に移したいと考えておるところでございます。
  15. 海野義孝

    ○海野義孝君 大変詳しく御説明いただきまして、ありがとうございました。  いずれにしましても、株式市場が出来高を伴って、当然のことなんですけれども、市況が堅調であるということはやはり経済の諸活動等、あるいはその先行きについて兜町のシグナルとしてはかなり前向きのそういった点滅を始めたということでありまして、これはまことに御同慶にたえないということでございます。  そこで、実は今の一連の御質問の最後のまとめは大蔵大臣に元気いっぱいにやっていただこうと思いますけれども、その前に榊原国金局長、もう今まさに話題の人というような感じがいたします。テレビ等でもじゃんじゃん報道されまして、私も忘れもしない、たしか大蔵委員会か決算委員会かどちらかですが、今月に入っての直近のそういったミーティングにおいてお話がありました。  過去十年間、我が国の為替は平均すると一年に二十三円と記憶していますけれども、そういった変動があるんだと。これはもっと三十円、四十円というような激しい変動のときもありますし、まあ十円ぐらいというときもありますけれども、平均すると二十三円ぐらいであると。そういう意味で、この間のG7直後百二十七円真ん中ぐらいのところまで円安がありまして、私どもいささか心配しましたけれども、そういったことを踏まえて、国金局長からそういうお話があった途端に、これをもって口先介入と言うのでしょうか、我々一議員がわめいたところで何の効果もありませんけれども、さすがに国金局長が申されたことが直ちに世界を電波で飛び回るということで、たちどころに円安修正が起こったということでございます。  八日の大蔵委員会でも大変御自信のあるような、これは後でまたいろいろと御質問しますけれども、御答弁がありました。いち早くビッグバンの中の先兵というか導火線となる新外為法に向かっての中で、これは国金局長が手がけられた法案というかお仕事でありますけれども、そういった中で何か御自分でまず先陣を切って、為替の問題については何かえいやというような勢いが出てきたので、その辺についてちょっと、どういったことからこのところの大きな変化というか、至ったというあたりを少しわかりやすく御説明いただければと思います。
  16. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 為替の動き、当然株式市場の動き、債券市場の動き同様経済のファンダメンタルズを反映して動くわけでございますけれども、ここ一週間ほどの動きはワシントンのG7の共同声明の強い合意が市場に次第に浸透してきたことのあらわれだというふうに考えております。市場は大体そろそろ落ちついてきたかなというような感じで私ども見ております。
  17. 海野義孝

    ○海野義孝君 今おっしゃったようなことがまた今後のマーケットに反映するんじゃないか。ほぼこの辺のところで落ちつくのかな、百十五円から百二十円の間ぐらいのところで落ちつくのかなと、新聞にもそんなことが出ておりましたけれども。  このことと絡んで、私は、先ほどもいろいろ御指摘があった各局長、理事の方のお話の中にも同じようにありましたけれども、景況感というかいろいろな面がやっぱり変わってきたということをおっしゃったわけですけれども、それが端的にあらわれているのがこのところの金利の上昇であります。  これは、きょうの新聞にもトップ記事で出ておりますけれども、いわゆる長プラ、これがついにといいますか、今回〇・六%引き上げられて三・一になる。三・一ということは、たしか去年の十二月に引き下げられて二・五になっていましたから、そういう点から見ると本当に久しく半年ぶりで三%台に戻ったということでありますし、さらに長プラが上昇に転じたということは昨年の五月以来一年ぶりということですから、これはまさに画期的なことだと、このように思うわけであります。  こういった金利、マーケットのそういった面がここへ来て長期プライムレートにもあらわれる、あるいはこのところの利付債の利回りにもあらわれてきているというようなことは、いわゆる経済のファンダメンタルズを先見するのか、あるいはそれに合わせてというのか、金利が上がってきた。従来の金利安、円安、これがここへ来まして金利上昇、円安修正、こういうことになったという因果関係があろうかと思うんですが、その辺につきまして、日銀の山口理事にまずお聞きしたいと思います。
  18. 山口泰

    ○参考人(山口泰君) 長期金利、あるいはその背後にあります債券市場の利回りの修正といいますか若干の上昇につきましては、先ほど来御議論がございますような日本経済の景況の判断につきましてのマーケットのムードの変化ということが背景にあろうかと思っております。  やはり先行きについての景況感の上方修正あるいはその背後にある企業収益の上方修正というようなことが起きますと、これはこれまで弱気一辺倒でありました日本経済の見方が上向きに修正されてきたということで、当然市場の中での景況感、ひいてはその金利感の修正ということにつながってきているというふうに思います。これと為替相場との関係でございますけれども、当然日本とそれから海外主要国との間の金利の関係といいますものは、その限りで相場にも影響を与える、そういう筋合いにあろうかと思います。  ただ為替相場につきましては、ただいま国際金融局長からお話ございましたように、基本的には主要国間のファンダメンタルズを反映して安定していくことが望ましいということかと存じますし、為替相場にはもろもろのいろいろな金利以外のことの変動も反映されてくるというふうに思われますので、そういうことが相まって為替相場の安定を促すことを期待している、こういうふうに思っております。
  19. 海野義孝

    ○海野義孝君 引き続き山口理事にお聞きしたいんですけれども、そういう景況感の問題でありますけれども、これは御案内のとおりで、経済の諸指標というのはどうしたって発表されるのはタイムラグがあるわけです。我が国の統計数字というのは大変正確であり、比較的早いと言われますけれども、しかし、例えばGDPあたりの四半期ベースの発表なんか見ましても、やはり一-三の分が出てくるのは六月の後半ですし、アメリカあたりに比べますと、向こうでは速報が出て、それの訂正が出て、確報が出るというような形で、一方ではその辺が三つぐらいが絶えずダブりながら出ていくというようなことですから、一番やはり効果的というか、影響があるのは一番最初に出てくる速報値というようなことを言われております。  いずれにしても、我が国の場合は確かに長いバブルのトンネルを抜け出すかのような状況に長い間のやはり財政あるいは金融両面からの思い切ったそういう政策によりまして効果が今出始めているやに私も思います。ただ、そうは言っても、このところを慎重に考えざるを得ないというのは、やっぱり四月以降の統計数字というものの問題だろうと。当面はやっぱり四-六の数字というのが問題だろうというふうに思うわけです。これはもうここで改めて申すまでもないことでして、大変なデフレ予算であり、またデフレギャップ的なそういういわゆるこのところの消費、ひいては投資に影響するようなそういった対応策がとられまして、これがこれから具体的な数字は出てくるということでございます。  そういった中で、仄聞するところによりますと、四月のデータとして出ている中では、百貨店であるとかそれから自動車の販売状況であるとか、こういったものは三月までのそういった消費増税あるいは所得減税打ち切り、こういったことに絡んでかなり前倒しの分が出たということが言われております。  もちろん、そういう悲観的な面だけでなくて、私のいました会社の研究所にきのうちょっと聞いてみましたら、そういった中で一方では今年度、平成九年度の住宅投資というのは、昨年がまさに開聞以来というような大変な住宅着工でありましたけれども、それに比べてことしはさほど落ちない。  例えば、昨年が百七十万戸近い年度の住宅建設でありましたけれども、ことしはうまくいけば百四十万後半から百五十万をうかがうようなところまでいきそうだというような話がありました。この辺の、どうしてかというようなことをやっていると時間ありませんから申し上げませんけれども、そういう面から言うと住宅なんかは駆け込み的な面はあったかもわかりませんけれども、必ずしもそれだけの要因ではないというようなものもありますので、四月に今出てきた二つの統計だけで私がとやかく申し上げるということは、これははばかられることではありますけれども、最も早く出たそういう数字、これが今後いろいろ出てくる数字が果たしてどうかなと。鉱工業生産活動あるいは在庫状況等々に対してどういうふうにあらわれてくるかなということが気にかかりますので、そういう面でちょっとくどいようですけれども、先行きについてどういうような展望というか御判断をお持ちか、山口理事にひとつ御説明いただきたいと思います。
  20. 山口泰

    ○参考人(山口泰君) 国内景気につきましては、ただいま御指摘のとおり、新年度に入りまして消費税率引き上げ前の駆け込みの反動といいますか、そういう反動落ちの影響が自動車の売り上げでありますとか、百貨店の統計などにぼちぼち出始めているという状況と存じます。恐らく現在は財政面からの影響が比較的強くあらわれざるを得ない局面ではないかと思っておりますけれども、ならして考えますと、総合的に見まして日本銀行では現在も景気の緩やかな回復基調が続いておるというふうに考えております。  個人消費につきましては、基本的な背景は所得なり雇用なりがどういうふうにふえていくかということかと存じますけれども、最近のその面での指標を見てみますとやはり緩やかな改善傾向がうかがえるところでございまして、それを踏まえますと将来消費が大きく冷え込んでいくという状況ではないように思っております。  また、昨年あたりから設備投資の回復傾向というのがはっきりしてまいりました。これも企業種あるいは規模の大小を問わず回復しているというわけではございませんけれども、設備投資につきましては企業収益の堅調さということを背景にいたしまして着実な伸びが見込まれる状況かと存じます。また、純輸出も引き続き増加傾向にあるというふうに考えております。  こういうことでございますから、当面景気の一時的なスローダウンということはあり得ることかと思っておりますけれども、民間需要が全体といたしまして、つまり消費、設備投資といったことを全体といたしまして緩やかではございますが、しっかりとした足取りを続ける可能性が高いというふうに私ども考えておりまして、そういう意味では景気は恐らく財政面からの影響を乗り越えて回復傾向を持続してくれる可能性が高いのではないかと思っております。  ただ、今も御指摘いただきましたとおり、まだ新年度に入りましてからの指標なり材料なりというのがほんのわずかしか出ておりませんので、このあたりをきちっと判断するためにはいま少しの時間が必要でございまして、日銀といたしましても今後の消費者の行動あるいは企業の行動といったことを十分見きわめながら判断してまいりたい、かように思っております。
  21. 海野義孝

    ○海野義孝君 そういう意味でもいろいろな市況性商品の動向というのが私はこれから差し当たっては注目されるのではないか、こう思います。そういう意味でも安定した為替の動き、あるいはまた株式マーケットが、先ほど御指摘がありましたように、年初来の高値圏にあるということでありますけれども、昨年の春ですか、住専国会が終わった六月の下旬に二万二千六百円という高値をつけてから、ことし一月初めの一万七千円瞬間割れというところまで約五千五、六百円ぐらい下げた、大変大きな調整だったわけですけれども、あの昨年の高値を奪還するような動きにこれからマーケットが行ってくれればなと。そうすれば、私は今の外為の問題にしましても、あるいはビッグバンのいろいろな作業にしましても大変やりやすく進められるのではないかというように思っているわけでございます。  そこで、この辺でひとつ大蔵大臣に御答弁をお願いしたいと思います。為替の問題につきましても大変御心配されておりましたけれども、ここへ来て大変落ちついた、ある程度の円安修正が進んだということでございまして、そういった面で安堵されているかと思いますけれども、安定が望ましいということをかねてより主張されているわけでございます用意地悪な質問をあえてさせていただくならば、今回この円安修正がなぜ起こったかということにつきましては、先般のG7におきましていろいろなことがあったやに思いますけれども、その辺でお差し支えのない範囲でそういったことを踏まえて、現在の為替の状況といったことについて大蔵大臣の御所感をひとつまず簡潔に御答弁いただきたいと思います。
  22. 三塚博

    ○国務大臣(三塚博君) これはG7、七カ国蔵相会議、トップのサミット首脳会議の意を受けるということもさることでありますが、久保先生には私の前任者として怒濤の中で大変御苦労をいただいたわけでありますが、それなども引き継ぎの際にお聞きをしながら、今後の対応、大変な時期ではあるが頑張れという御激励などもちょうだいをいたしました。  実際、G7、蔵相会談というのは世界経済のキーメンバーによる分析と討議なんですね。やはりインフレなき持続的な成長を目指すことがG7構成国だけではなく途上国も含め、最貧国も含め、生活の安定、経済の伸展、こういうものに深く影響をするものでございますから、国益も極めて重要であります。国家である限り国益を大事にしながら議論をするのは当然でありますけれども、G7はやはり世界経済の動向、今後の展望というものについてお互いがキーカントリーとして、また大蔵大臣として責任を持ちながらそこで分析、討議する、こういうことでございます。  ベルリンのG7討議も騒然たる中でスタートを切るわけでありますが、という意味は我が国の政治経済状況という意味であります。失速間近かな、あるいはこのままで日本はどこに行くのであろうかというような危機的な状況とあえて申し上げさせていただきます。そういう中で討議が行われ、我が国の基本方針を誠心誠意申し上げることにより、諸改革の断行が確実に経済の安定成長につながるという確信で取り組んでおるという旨申し上げ、理解を求めたところであります。  適時適切な対応という言葉で終わるわけでありますが、今回のワシントンG7におきましても、実は内部はオフレコだという申し合わせがありますから一々だれがどう言ったかは御勘弁をいただくとして、大変真剣な議論が行われました。もちろん国益あり、ヨーロッパ勢はさらにユーロ統一通貨に向けての至難な中におけるリーダーシップを発揮しなければならぬ各位でございますから、対アメリカ、対日本という意味で議論が行われてまいります。  我が国は、やはりインフレなき持続的安定成長を基本に据えながら適切なレートが望ましい。適切なレートというのはそれぞれ数字を挙げてだれも申し上げません、漠とした適切であります。それは経済の基礎的条件がすべての要素を反映して市場、マーケットが決めることでありますから、そういうことで適切なということでありますが、しかしこれ以上の激しいぶれは、行き過ぎはやはりお互い協調をしていかなければならないのではないかということで、適切に対応をしていこう。ベルリンのトーンよりも、こっちは共同声明でございますから、ベルリンは申し合わせでございましたから、共同声明という合意を得たステートメントになりましたことは、実ははるかに強いメッセージを世界に向け市場に向けて発信をしたと、こういうことであります。  行き過ぎは適時適切に対応する、こういうことでありましたが、直後は全然そのことが市場に反映しませんことについては、G7の持つ性格、発表者が一人に絞ってやるわけでございますから、それ以上のことは、あとは市場の反応、こういうことでありましたが、それぞれの国の大蔵大臣の接触の中で話を聞いてみると、これは強いメッセージだなというようなことで浸透をしたことだけは間違いないと思っております。  その共同声明の、安定したレートの中でインフレなき持続的成長を達する、そのためには適時適切に対処するという、言葉はそこのところは同じでありますけれども、共同声明ということにした重み、このことが評価をされ、合意の効果もかなり浸透したと、こう思っておるところでございます。そういう中で、そろそろ適正なところに落ちついていくのかな、ファンダメンタルズを反映したイコールのそれぞれのところと、こういう意味であります。
  23. 海野義孝

    ○海野義孝君 どうも大変御丁寧にありがとうございました。大蔵大臣、胸中には大変秘めたるものがおありのようで、まずまずというような、一段落というか一安気というような感じのように受けとめます。  今回の問題は、私は先般の本会議でも御質問いたしましたけれども、これはどうやら危惧の念になるということを私も望んでおります。つまり、大変な円安になり、その結果、我が国の貿易収支を初めとして、経常収支等々の内容等も含めて黒字拡大というような形になりますれば、現在せっかく取り組んでいる問題がいろいろな面でやや厄介になるということであります。今回そういったG7での共同声明、それを踏まえて、どうも私は、ビッグバンに取り組む我が国がまさに発信地となって、やはりマーケットが円安を修正するという動きに出たというように思います。しばらくは安定した形で続いてほしいと。  これは、我が国だけ幾ら頑張っても、内外の経済情勢あるいは産業の動向、政治情勢、いろいろなもろもろの問題等によってやはり変動するでしょうけれども、まずはやはりファンダメンタルズの面で、私はこれから日増しに確固たるそういったものになっていくということを希望するわけで、そういった面でのひとつお取り組みをお願いしたいということを大蔵大臣には重ねてお願い申し上げたいと思います。  大分長く一般的なお話を申し上げまして、少し外為法に関連して、ビッグバンにも絡んでくるわけですけれども、その辺のお話をさせていただこうと思っております。  現在の我が国の置かれている状況というのは、外為法の改正問題、これは参議院で通過すれば成立をするわけでありまして、来年の四月一日から大変自由なそういった状況になるわけであります。そういう意味ではもう既に、先ほど申し上げましたけれども、ビッグバンは外為法をもってもう実質的にスタートしていると、このように思います。内外からも、ビッグバンは二十一世紀の入り口と言わないで、少しでも早くやはり前倒しで急いでやるべきだということであります。私も全く同感であります。  しかしながら、例えば十年前のシティーのビッグバンとかあるいは二十年前のウォールストリートのいわゆる金融改革、証券改革と比べまして、我が国の場合は広範にわたってのそういう改革を一気に進めていくということがありますから、ごく普通に考えましても、そのあつれきというのはいろいろな面に出てくると、このように思うわけです。  片や、今我が国は、不良債権の問題等大変頭の痛い問題を一方では片づけながら、片一方では前向きのそういった問題に取り組んでいくという、まさに二正面作戦的なそういう状況に置かれているわけで、当局のこれに対する御苦労は並大抵のものではないと、このように思うわけです。言葉はちょっと失礼ですけれども、現在の我が国の金融インフラといいますか、金融市場といいますか、に対する対応というか状況というのは、モグラたたきみたいなものであって気の休まるところがない。一つ穴をふさげば、一方からはまた大きいのや小さいのがぴょこっと顔を出すというような状況がある中で、一方では思い切った摩擦を伴う金融制度の改革を進めておるということであります。そういう意味からも、一つ一つをてきぱきとやり、そしてやはり私は、いわゆる預貯金者あるいは投資家等に対して不安を与えないような対応というものが今は本当に重要なことであろうと、このように思うわけでございます。  そこで、ここからの質問はがらっと変わって、いささか耳の痛いようなことになりますけれども、これはやはり避けて通れない問題ですのであえて申し上げますけれども、まず銀行局長にお聞き申し上げます。  日本債券信用銀行の経営再建という問題であります。これは最初に自己査定ということから、いわゆる企業の思い切ったリストラ、前向きのそういった対応ということに対応して、大蔵省、日銀の御当局もこれに対してサポートしていこうと、こういうことになったというように聞いておりますけれども、どうもここへ来まして、このいわゆる日債銀というのは、私にとってみれば何というんですか、日本の上位二十行については大変国際的な金融市場においてもその動向は影響が大でありますから、何とかごれをという問題があるんですけれども、どうも来年の三月からは新しい金融三法が稼働するということで、早期是正措置あるいは日銀の信用問題等々のいろいろな形のものが来年四月から動くんですけれども、せっかくこういったものを世界に、我が国の金融制度といいますか金融行政といいますか、いろいろなものをグローバルスタンダードに整合するような方向へせっかく法律を通しながら、今回の問題につきましては、どうも私はそこに厳しいというか、鋭い御当局の一貫したものがやや欠けているかに思うわけです。  現に、劣後ローンを出資に振りかえるというようなことに対しては、生命保険業界、まあ生命保険業界も頭の痛い問題が降りかかってきたわけでありますけれども、これに対しても、生保業界としてもやや難色があるとか、いろいろな問題が出ております。そういった面でも、なかなか日債銀一つの経営再建の問題につきましても、後ほどまたお聞きする問題もありますけれども、検査はどうやら大蔵省の方は終わられたようでありますけれども、その辺も踏まえて、今後のこういったビッグバンクの再建に対しての要するに監督というか支援というか、どのようにさらに手を打っていかれるのか。  私は、決して今おやりになった青写真だけですべて終わったとは到底思えないんですけれども、その辺はいかがでございますか。銀行局長お願いします。
  24. 山口公生

    ○政府委員(山口公生君) 今、先生の御指摘の点は、いろいろな制度的な枠組みをグローバルスタンダードでつくりつつある中で、こういった個別の問題とはいえ、一貫性にやや欠けるのではないかという御指摘だったと思うのでございます。  さきの国会でも御審議いただきました金融三法は、破綻した場合のいろいろなルールあるいはこれからの破綻に対する備えというようなものを明確にしていただいたわけでございます。一方で、政府に、預金者の皆様に不安を与えないためのいろいろな手段もお与えいただきました。そうした破綻処理についてのルールといいましょうか、考え方というのは次第に整備されつつあると思うわけでございます。  この日債銀の問題は破綻ではございませんで、日債銀は非常に市場性資金に頼っておるという構造的な問題もございまして、非常に市場の厳しい圧迫を受けたわけでございます。このままいくと万一のことが起きてしまう可能性も否定できないということで、これがまた、先ほど御指摘のありました、国際的にもかなり大きな問題になりかねないということで、金融不安を招来してはならないということでの、まず思い切った自助努力を前提としたいろいろな支援というものでございました。  こういった破綻に至らない場合での対応ということにつきましては、各国ともいろいろある意味では個々の対応をし、またいろいろ悩みつつ対応しているわけでございます。それは預金者保護という面と金融における信用秩序の維持と、二つの大きな目標があるわけでございます。特に後者にとりましては、国際的なつながりが広まっている今日、やはり政府も中央銀行も真剣に考えていかなければいけない。  アメリカにおきましても、先生よく御存じのように、コンチネンタル・イリノイ銀行の救済問題というのがあったわけでございます。それから、フランスにおきましてはクレディ・リヨネの問題もございました。これらもみんな未然に、あるいは事前に思い切った自助努力をさせながらできるだけの協力をしていくという形で切り抜けておるわけでございます。  そういった個々の対応というものを、やはりあわせてやっていかざるを得ないということでございますが、先生がおっしゃいましたように、こうした国際的な活動をやっている銀行も含めまして、あらゆる銀行がこれから自助努力をもって自分の銀行の健全性を確保していくということが基本だと思うわけでございます。  そのため、せんだっての三法でもお認めいだきました早期是正措置、これを来年の四月から施行させていただきます。これは自己査定、それに外部監査、それに検査でのチェックということで、なるべく早目に、しかも思い切って自助努力をさせると、これは破綻の未然防止でもありますし、万一の破綻の場合のルール化でもございます。非常に大きく物事をとらえますと、社会的なコスト、破綻に伴うコストを最小限にするための努力であります。  つまり、銀行等が破綻をどんどんしてしまうという状況は、だれかに負担をかけるわけでございます。それは預金者にかける場合もあります。ペイオフの場合は預金者にかなりしょってもらうということになりますし、ペイオフをやらずに赤字を全額補てんするとなると、保険料という形で負担することになります。つまり、社会的なコストの増大につながるわけでございます。これは先生の御指摘の、預金者に不安を与える与えないという問題も含めまして、そういった社会的なコストをミニマムにしていくことが一番大切なことだろうと思うわけでございます。そのためにも、早期是正措置という措置でもって早目早目に健全体質を維持するように努力してもらうということで、今後やってまいりたいというふうに基本的には考えております。
  25. 海野義孝

    ○海野義孝君 大変ありがとうございました。  私は、そういう経営再建といいますか、先ほどの私の持ち出した例がちょっと違うかとも思いますけれども、しかし私は何も日債銀が経営破綻しているということを言っているわけじゃありません。ただ、せっかくそういうルールができたという中で、要するに今回の日債銀のそういう経営の健全化に向かっての対応として八百億円、日銀からそういう安定化基金をお出しになったということですね。これは、先ほどおっしゃったような、日本銀行はまさに最後の銀行といいますか最後の出し手ということでもありますから、いろいろな面で確かに日本銀行のそういった業務の目的の中の物価の安定、いわゆる信用秩序という一環で、日本銀行とともどもに今回取り組まれたということについては、これは私は多とするわけであります。  ただ問題は、直近の数字を見ておりませんからわかりませんけれども、今回の日本債券信用銀行の問題はきのうきょう始まった問題でなくて、マーケットにおけるやはり利付債の利回りという問題からもう始まっていることであります。今回、一応経営再建ということに取り組んでおられますけれども、前向きに、じゃ日本債券信用銀行が新しいそういう幾つかの柱によっていわゆる金融機関の大手として再び収益をどんどん上げていくような銀行になるかどうかという面で、例えば先月二十五日にたしか調印されたんですか、バンカース・トラストとの問題でもあります。  どうもあの内容を見ておりましても、あれはセキュリタイゼーションというようなことで日本にない、そういった向こうの持っているノウハウというものを、やはり日債銀はこういったものを今後活用していくということであります。あの中身を見ておりますと、いわゆる日債銀の海外の業務については、これをバンカース・トラストに委託していくということでありますけれども、そういう債権のセキュリタイゼーションあるいは不動産の証券化というような問題について国内のものまでもやるということは、あの中ではどうもはっきりしていないんですね。  私は、そういう面から言うと、どうも今回のバンカース・トラストというのは一体どこまで我が国のそういった金融機関に対してサポートするかということがいま一つわからないと。そういったことも含めまして、日債銀のあとの興銀、長銀に比べて、このところの市中の利付債の利回りというのは相変わらず回復しないという感じに私は思っているんですが、株価は多少戻しましたけれども、その辺のところはどのようにお受けとめしていらっしゃるか、簡単にひとつお願いします。
  26. 山口公生

    ○政府委員(山口公生君) 日債銀の金融債等における利回りの問題というものの背景、一番大きかったのは恐らく関連ノンバンクの処理が進んでいなかったということだろうと思います。それが、今回、一応済むということで、その点についてはその懸念がかなり払拭されるんではないかと思います。  それから、バンカースとの関係につきましては、詳しくは私ども承知しておりませんが、バンカースの持っております。そういう金融技術が、また日債銀における、得意としているそういった債権や不動産の関係での技術とのマリーが起きますと、それがかなりプラスになるんではないかと推測は  いたしております。  そういったことで、まず財務体質をよくし、これからいろいろな努力でもって切り抜けていくということだろうと思います。そういうことは期待できるというふうに思っております。
  27. 海野義孝

    ○海野義孝君 どうもありがとうございました。  もう一つだけ銀行局長にちょっと簡単にお答えをいただきたいんですが、何か最近の新聞報道等によりますと、いわゆる金融機関の自己査定ということを、それぞれ来年四月の早期是正措置といったことに絡んで、自己資本比率というか財務内容をここでさらに健全化していくという上で、まずはその内容をここで一回見直すということをおやりになっているように聞いておりますけれども、現実に各行でそういったことをおやりになっているかということが一点。  もう一つは、自己査定をやってみたらどうも不良債権というのが思ったより多いというようなことが言われているんですけれども、この辺について何か確たるそういったものを局長はお持ちになっていらっしゃるかどうか、簡単にひとつお聞きしたいと思います。
  28. 山口公生

    ○政府委員(山口公生君) 早期是正措置は来年の四月からでございますので、今各行におきましてはその前提となります自己査定のためのいろいろなシステム等を検討し、また自分のところでの検証も始めているところが多いと聞いております。ただ、それによって不良債権等が急にふえたという話はまだ私の方には入っておりません。
  29. 海野義孝

    ○海野義孝君 それでは次に、また銀行局のことで恐縮ですけれども、日産生命の問題であります。  これは、大蔵大臣の方から業務停止命令をお出しになった。万々やむを得ないということで、そういった対応をおとりになったということだと思いますけれども、これは我が国の生保の中でも、三十一社ぐらいあるかと思いますが、中型のところ、十六位ぐらいのところの総資産だというふうに聞いておりますけれども、これにつきまして、福田保険部長にお聞きしたいと思うんです。  一つは、いろいろ大蔵省での検査あるいは生命保険業界での調査がたしか今月末ぐらいまでに完結されるというようなことを聞いておりますけれども、どうもそういった中で、新聞や雑誌のことは私はほとんど信用はしませんけれども、いろいろなことを書き立てる。例えば、二千億円というような債務超過というのが実は、二千億円であれば例の保護基金の関係といいますか、銀行で言う預金保険機構のああいったものの額で何とか賄えるわけですけれども、どうも聞くところによりますと、これがこのところ大分さらにふえてきているというようなお話が一点。  もう一点は、大変高利のいわゆる保険商品というものをお出しになって、日産生命は金をがんがん集めた。これが命取りになって、このところ土地の値段は一向に回復しない、株価はことしの年初にかけて一段と下げたというようなことで大変苦しくなったと。要するに、このところで見ると、いわゆる支払い保険金といったものともう一つは事業資金、こういったものに比べていわゆる受け取りの保険金というか保険料、こういったものが逆ざやになってきているというようなことが言われているわけでして、こういったままで環境が、マーケットの状況が変わらないとするならば、毎年三百億円ぐらいずつさらにそういう面で赤字というか債務超過になるようなあれが出てくるんだというようなことを言っているわけですけれども、これは事実かどうかということなんです。  もう一つは、こういう日産生命みたいな問題は、実はもっとほかの方が最初に出ると思ったのに日産生命が出たんで意外と思ったというようなことを言う人もいるんですけれども、これも大変ゆゆしき問題であります。ということは、これから先もまだ大変なそういう問題があるのかということを、それはいろいろなうみというものは、これから日本が完全なビッグバンをやっていく上においてはそういったものも避けて通れないわけですから、この際、やはりバブルが崩壊して五年余の中で引きずってきたものは思い切ってやるべきだと私は思いますけれども、まずその辺の、今申し上げたようなことの事実関係を部長にお答えいただきたい。
  30. 福田誠

    ○政府委員(福田誠君) お答えいたします。  日産生命の今回の破綻につきまして、当局として日産生命から聞いているところでは、二千億円前後の実質債務超過ということでございます。現在、御指摘のように、大蔵省の検査が実施されておりまして、資産状況の把握に努めているところでございますが、現時点ではまだ検査は終了しておりません。そして、御指摘のように、この二千億円を契約者保護基金との関係で処理できるかどうか、そして引き受ける契約の逆ざやをどう処理できるかというようなことが問題でございまして、そういうことにつきまして現在保険管理人が処理スキームの策定を行っております。やはり計数を見た上でということになろうかと存じます。  今後、契約者保護基金の発動に向けての支援の要請あるいは関係業界への支援要請も行われると聞いておりまして、当局としましては、現段階で処理スキームがどうなるか確たる見通しを申し上げることは差し控えたいと存じますが、いずれにしましても、可能な限り契約者の保護が図られるように当局の方でも努力をしたいと存じております。  そして、逆ざやの問題につきましては、事実かどうかということになりますが、金融環境がこのようなまま、ごく超低金利の状況が長期的に続くとなりますと、やはり過去に引き受けました高利回りの商品の逆ざやの負担がずっと残るわけでございますが、金融環境がどうなるかということもございますし、それから今後、契約の解約とかあるいは他社への移しかえとかいろんなことが出てまいりますので、この逆ざやが最終的にどうなるかということにつきましてはちょっと現段階では申し上げられないところでございます。  それから、ほかの社のことでございますが、この点につきましても、これまで申し上げておりますように、日産生命が破綻した理由は、大きく申し上げますと、バブル期に高利回りの商品を他社に比べて異常なほど大量に売った、それが構造的な原因でございますし、そして特にこの直近一年におきまして、同業他社はリスク資産を極力減らすような運用をしておりましたのに対しまして、日産生命は株式の含み益をねらって、いわばこれを非常に積極的に行って、すべてこれが逆目に出てしまったということがございます。  そういう意味で、実質債務超過ということでございますが、他社につきまして、この日産生命と同様に経営内容が悪化しているところはないというふうに考えております。
  31. 海野義孝

    ○海野義孝君 あえて申し上げませんけれども、今の御答弁は大変納得のいかない点が多々あります。いずれにしましても、今後いろいろとまだまだ大変だと思いますので、適切なそういうひとつ取り組みをしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。  次に、外為法問題についてお聞きしたいと思います。この間、ある新聞を見ておりましたら、国金局長がお出になっている座談会がございました。比較的最近のことなんです。その中でおっしゃっていたのは、最近外資系の銀行が我が国への進出について八件とか九件、別のあるのを読んだら、これは国金局長ではないんですが、二十ぐらいというようなのも出ておりましたけれども、相次いで我が国に進出してくるというような、そういうことが出ておりました。国金局長も座談会でそんなことをお述べになっていたんですけれども、これはやっぱり私、外為の完全自由化というようなことに向かって早くもそういった攻勢が始まっているかなというように思うんですけれども、ちょっとその辺のところの近況を御説明いただきたい。
  32. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) この一日、二日どうなっているかということは実は今手元に資料がございませんけれども、その座談会は恐らく三週間か四週間前だったと思います。その時点では、私どものところに海外の金融機関から支店あるいは駐在員事務所を新たに設置したいという要望が八件ございました。
  33. 海野義孝

    ○海野義孝君 そのように、ここへ来まして外資系の攻勢というか、ビッグバンというものをターゲットにして我が国へのそういう攻勢が始まっているというように受けとめていいかと思います。  この点につきまして、もう一つは、ひところ我が国におけるマーケットにおいてのいろいろな仕事というものが、我が国には規制が多くて大変使い勝手が悪いということもありまして、もちろん一つはバブル崩壊後の我が国の経済のこういった低迷というようなことがマーケットにも反映していたという面もありますけれども、いずれにしましても我が国にそういった拠点を置いていた外資系の金融機関、証券会社等が本国へ帰るとか、あるいは東南アジアの方へ、例えばシンガポールとかそういったところへ、日本に置いていた、東京にあった拠点を移しかえたとかいうようなことがあるんですが、この辺について、これは長野局長ですかね、お願いします。
  34. 長野厖士

    ○政府委員(長野厖士君) 証券会社サイドで申し上げますと、いわゆるバブルの絶頂期にかけまして、バブルの勢いを当てにしました証券業の展開というものが、外資系の証券会社においても非常に進出が急でございました。その後、バブルの崩壊と並行いたしまして、御指摘のとおり、形としては日本に支店を残しておいてもヘッドクオーターとしての機能を香港あるいはシンガポールに移していく、それから現実に日本に置いております現地法人あるいは支店というものを撤退するという動きがしばらく、平成六、七、八年にかけてございました。  八年から九年にかけまして、その流れがやや変わってきたように感じておりまして、少なくとも外国証券会社の日本における法人あるいは支店の職員数をふやす、あるいはヘッドクオーターとしての機能を香港から東京へ持ってくる、あるいは新たな支店設置、あるいは現地法人の進出ということが出てきております。それは見方はいろいろございますけれども、やはり東京市場が魅力的になる動き出しをしておるということで先手を打ちたいという考え方があるようでございまして、そのこと自体は、脅威と感じられる方もいらっしゃいますけれども、市場を管理する立場からいえば、市場の魅力を世界にアピールしつつあるというふうに受けとめていいのではないかと私自身は考えます。
  35. 海野義孝

    ○海野義孝君 今の後段の御説明は、実は追加の御質問をしようと思ったところまでおっしゃっていただいて、確かにuターン現象が起こっているという話を聞くわけです。再び日本へ戻りつつあるとか、先ほどおっしゃったように日本の拠点を強化するとか、こういう動きがあるというふうに聞くんです。  そういった点で銀行局長にお聞きしたいんですが、我が国から対外的な攻勢というのは始まっているんですか。いわゆる外為の自由化とかそういったことに絡んで、我が国の金融機関の対外的な外国へのそういう対応というのは。海外からは日本に対してそういうことがいち早く始まっていますけれども、日本のそういう問題はどうなんでしょうか。質問がちょっとこれはピント外れかもわかりませんが、私は同じようなことが起こるはずだと思ってお聞きしたのですけれども、その辺はいかがでしょうか。
  36. 山口公生

    ○政府委員(山口公生君) 正確な情報あるいはデータをもってお示しはできないのでございますが、我が国の邦銀を押しなべて見ますと、バブル崩壊後の不良債権処理にかなり精力をつぎ込んでこざるを得なかったという状況にございまして、海外の市場に我が国の邦銀がかつてのように大きくどんどん進出していくというような状況ではないように思うわけでございます。
  37. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 若干つけ加えさせていただきますと、今我が国の銀行の海外進出というのは、御承知のように欧米諸国に比べて非常に多いんでございますね。例えば、ニューヨークに支店を出している日本の銀行というのは六十以上あるとか、香港に出しているところは七十以上あるとかいうことで、非常に大きな銀行だけではなくて、横並びで支店を出すということが大変多かったということでございますので、若干今それを整理する、みずからの強いところに特化するというような動きがございまして、国際業務から撤退する銀行というようなことが最近見られておるところでございまして、これはそのこと自体私ども悪いことだとは思っておりません。  全部横並びで同じようなことをやらなきゃいけないということではなくて、今後の金融システム改革の一つのポイントというのは、やはりそれぞれが自分の強いところ、そういうところを重点的にやっていくということであろうと思っております。
  38. 海野義孝

    ○海野義孝君 よくわかるんですけれども、どうもこのところ不幸にして大和銀行であるとか日債銀であるとか、我が国のいわゆるビッグ、定位置に入っているようなところが海外業務から撤退するというのは、どうもビッグバンのあれからいうと逆行しているというような、我が国の置かれている現在の立場というのを物語っているように思うんです。残念でしょうがないと思うんです。  しかし、そうした中で、先般も参考人の方で銀行と商社と証券の方がお見えになっていろいろとここで質疑がありました。私がいろいろ調べたところでは、商社の海外への子会社方式で銀行があるという話を聞いているんですけれども、この辺については具体的にどういった子会社方式というか、子会社で金融機関があるというのは、どのぐらいその辺掌握なさっているか。わからないというか、ないならないでいいんですが、ちょっと新聞で読んで私は気になったものですから、その辺のところはいかがでしょうか。
  39. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) ちょっと手元に正確な資料がございませんけれども、私の理解しておるところですと、商社が持っているのはいわゆるノンバンク、ファイナンスカンパニーというものではないかというふうに思っております。商社が向こうでいわゆる銀行を所有しているというケースについては、私はないと思っておりますけれども、申しわけございません、後で精査してまたお答えをいたしたいと思います。
  40. 海野義孝

    ○海野義孝君 ありがとうございました。  あわせてお聞きしますけれども、いわゆる持ち株会社、純粋持ち株会社というのが我が国でも早晩実現すると思いますけれども、そういうふうになった場合は、この間も私はここで御質問して榊原局長からも笑われましたけれども、我が国のいわゆるジャパン・プレミアムが何%、ポツ一とかポツ二とかあるという中で、日本の銀行でない一流企業はニューヨークにも上場しているし、そういったところはむしろ銀行業を認可したらどうかということを申し上げたら、何か笑い話みたいでしたけれども。私は、これからはそういったことはあり得ると思うんです。  そういうことで、さっき子会社という形で向こうにあるかということをお聞きしましたけれども、今後そういう持ち株会社的になっていった場合に、我が国の場合いわゆる財閥的なそういうものがかなり系列がはっきりしておりますからどうかと思いますが、こういう面でそういう持ち株会社の子会社が海外で銀行業務をやるとか証券業務をやるとか、そういうふうなことが出てくるんじゃないかと思いますけれども、この辺について銀行局長、それから国金局長、可能性としてはいかがでしょうか。
  41. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) まず外為法の関係について申し上げます。持ち株会社の関係は銀行局長が答えてくれると思いますけれども、外為法の関係で言いますと、今回の外為法改正で直接投資に関する許可・事前届け出制度が全部事後報告になりますので、日本の非金融機関、商社なりメーカーが外国で金融機関を買収することは可能になるということでございます。
  42. 山口公生

    ○政府委員(山口公生君) 持ち株会社の議論につきましては、基本法であります独禁法の改正問題が今御審議をされている最中でございますが、私どもの方の金融持ち株という点につきましては、今後早急に検討を進めてまいりたいと思っております。  そこで一つ問題になりますのは、いわゆる金融と商業の分離といいましょうか、あるいは商業という言葉はちょっと語弊があるかもしれませんが、金融とその他の業態との分離をいかに図るかという問題が一つ難しい問題としてあるわけでございます。つまり、ヨーロッパのようにユニバーサルバンクというものを広くとりますと、銀行は何でもやっていいということになるわけですね。持ち株会社にあらゆる種類の業態を並べていいという議論も、それは理論的にはあるわけでございます。ただ、アメリカ等では金融と商業の分離というのをある程度行っているわけです。  特に、銀行持ち株会社法ということで、銀行等を持っている持ち株会社はいわゆるその他の商業というものをやらない形になっておるわけでございます。我が国の法制においてそれをどうするかという問題があるわけでございまして、そういった問題の議論の帰趨を踏まえて、それで判断をしていくということになろうかと思うわけでございます。
  43. 海野義孝

    ○海野義孝君 大変含みのある御発言で、やれるんじゃないかというよりも、日本規制緩和ということが今一番問題になっておりまして、先般もある総合研究所理事長だったか会長が来て私ども質問しましたけれども、そういう規制緩和ということがこれからのビッグバンの中で一つの大きな柱だということで、外為法を完全に自由化される、貿易管理法が貿易法に変わる、大変すばらしいことだと思うんですけれども、どうもフロントランナーは勇ましいんだけれども後ろを見たらだれもついてこない、がたがたしているというようなことでは、これは自爆行為みたいなものになりますから、その辺のところをひとつきちっとやっていかなくちゃいけない、そういうふうに思うんです。  そこで次に、国金局長はこの間、いわゆる個人の一千二百兆円の金は心配ない、海外に逃げていきませんよとおっしゃっていた。果たしてそうかなということをお聞きしたいんです。長野局長にお聞きしたいんですが、我が国にある外資系証券が我が国にない金融商品を国内で販売したりしておりますね。国内の証券会社には認めていないけれども、というものがあろうかと思うんです。それから、もしなければ、それをこれからどういうふうにされるかということがこれからのビッグバンの中できちんともう視野に入って今準備中であるか。  例えば、ラップアカウントの問題が一つです。それから、MMFなんかは、要するにこれはメリルが大変ビッグな企業ですけれども、これは我が国でそういった外資系証券の商品を国内で売っているはずなんです。これは為替の問題はありますけれども、国内のMMFに比べてかなりパフォーマンスが違うと思うんですね。そういう意味で、その点をまずお聞きしたいと思います。
  44. 長野厖士

    政府委員(長野厖士君) 外国の証券会社日本で取り扱う商品が日本の国内のものより範囲が広いではないかという問題につきまして、御指摘のとおり二つ考えてみたいと存じますが、一つは、例えば企業が社債を発行いたします。その社債として許される商品の範囲が日本商法上の社債と外国におきます社債というのは範囲が違うということ。具体的に申しますと、例えば永久債というものは外国では発行が可能でございますけれども、日本商法上は永久に債務を負う債券というのは社債であるかどうかというのがございますので、外国の会社の社債は日本に持ち込まれて永久債が日本で扱われる、しかし日本企業で永久債を発行する者はいないからそういったものが日本では扱われていないというケースがございます。  これらの問題につきましては、商法に関連する領域でございますので法務御当局とも御相談しながら、そういったことまで含めて、諸外国で利用されるものが日本でも利用できるようにするためには、どのようなことが考えられるかという点を検討してまいりたいと考えております。それが一点でございます。  それからもう一つ、証券会社固有の商品設計といたしまして、御指摘をちょうだいいたしましたMMFとかラップとかいうような商品でございます。これらにつきましては、いわば若干の金融機能を加味したような証券総合口座と申しますか、そういった総合的な商品というものがMMFをベースに諸外国では生まれておりますけれども、これが今、日本ではその道がない。  あるいは、これも御指摘いただきましたけれども、ラップアカウントといった形の資産運用。ラップアカウントと申しますのは、先生はお詳しいわけでございますけれども、一件一件の株式の売買ではなく蓄積された資産の残高に応じて証券会社手数料をいただく、したがって個人の資産がふえれば手数料が多くなるという、運用成績にも響いてくるようなそういった商品でございます。日本の場合は、株の一件一件の売買の何%という手数料でございますから、客が損しようが得しようがとにかく売り買いさえあれば証券会社手数料が入るという商いになっております。この違いというものが、日本証券会社が扱うという側面でもそうでございますし、日本の投資家の側から見ましても、アメリカその他の国で許される資産運用と日本で許される資産運用というのは違うということでございます。  これらにつきましては、当然のことながら、現在証券取引審議会におきまして、魅力ある投資商品というものを広く日本国民に開いていくためにはいかなる改革が必要かという中での重要な検討項目として今取り上げられて、近々御結論をいただけるものと思っております。
  45. 榊原英資

    政府委員(榊原英資君) 若干これは一般論でございますけれども、今までの資本流出のその議論の中で、これは私の答弁も含めて若干混乱がございましたので、ちょっと整理をさせていただきますと問題が三つ、三段階あるというふうに考えておるんです。  一つは資本の流出ということでございまして、日本からの資本の流出というのは、経常収支の黒字がある限りはネットでの資本の流出は続くということでございますので、これは経常収支の黒字があればネットの資本は流出せざるを得ないということで、そのネットの資本の流出が直ちに大きく変わるということではないというのが一点でございます。  ただ、金融取引がどこで行われるかということがありまして、今まで東京で行われていた金融取引がロンドンで行われれば、これは金融取引が流出したと。日本から外へのお金の流れが変わらないにしてもそういうことが一つあると。ですから、東京ビッグバンの一つの目的は、金融取引が流出しないように東京市場を活性化させようと。これが第二段階目の問題だと思います。  最後の問題は、これは今の先生の質問とも関係があると思うんですけれども、東京金融取引が行われたとしても、これが日本系の金融機関によって行われるのか外資系の金融機関によって行われるのかという、この三番目の問題があるわけでございまして、この三番目の問題が恐らく今後大きな一つのポイントになってくるんだろうと。  これは、まさに競争ということを通じて外資系あるいは日本系の金融機関がどういうサービスを投資家なり消費者に提供できるか、それと国内の規制との関係はどうか、こういうことになってくると思います。そういうふうに三つの段階で、資本流出、金融取引の流出、金融取引が外資系によって行われるか日本系によって行われるか、そういうふうに整理してみると割にすっきり問題が整理できるんではないかと、そういうふうに思っております。
  46. 海野義孝

    ○海野義孝君 その辺のところを明確にお聞きしたがったわけなんで、それを聞いたからきょうの質問はもういいぐらいですけれども、そうもいきませんのであと少し御質問します。  そこで、今後外為が完全にフリーになりますと、向こうからどんどん入ってくる。いわゆる水際での今までのシャットアウトというような部分が、順次自由化していったといえども、今回百八十度変わっちゃうわけではないんですけれども、お互いにフリーにやれるようになっていくということを考えますと、この間国金局長がおっしゃった為替の変動とリスクと、それから彼我の金利差というものはほぼチャラになっちゃうし、大変リスクを伴うものだからそう簡単には日本からは出ていきませんよというお話がありました。  例えば、こういうことはどうなんですか。今アメリカではラップアカウントは、たしかスミス・バーニーが断トツの実績を持っていると思いますが、千数百億ドルぐらいで年々伸びておる。あれは株式系、それから債券系、まあ株式系の方がリスクがあって、手数料というか管理料は多いようですけれども、そういったものがある。  これが、日本の個人にしても何にしても、送金の届け出ということは今後、これはまた後で薄井局長にお聞きしますけれども、いろいろなその捕捉の問題があるとしても、海外において外貨建ての預金口座をつくり、それで相互に決済し合うとかいろんな問題ができるようになってきますと、ラップアカウントが日本よりも向こうの方がはるかにパフォーマンスがいいというようなことになると、日本の一千二百兆円の個人の金融資産の中には十億円以上の資産を持っているような人は何万といるはずです。こういった人たちが外貨でもって向こうでラップアカウントをやったりあるいはデリバティブの取引をやったりとかいろいろやっちゃうと、これは日本の証券にとっては、手をこまねいていたんでは大変なことになるという問題があるんです。  そこで、これも奇想天外なお話ですが、ロンドンのビッグバンにおいては貸し座敷、これはこの間鈴木先生からお話がありましたけれども、貸し座敷みたいになって、気がついたら欧米のそういう金融資本に席巻されてしまって、当時の証券というのはほとんど跡を残さずなくなっちゃったというお話がありました。私は、外国のそういう証券とか銀行とか、むしろこちら側で合併したらどうかと思うんですよ、されるばかりじゃなくて。そういう面については、どうなんでしょうか。  余り後ろ向きな話じゃなくて、奇想天外なというか気宇壮大な前向きの話で、ロンドン版を今度は日本が外資に仕掛けると。日本金融機関、今から四、五年前には日本の大手二十行は絶対つぶれない、しかも世界の中では上位に入っていたと言われたのが、最近何となく影を潜めてきたんですけれども、そういう考え方というのはおかしいですか。
  47. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 具体的に私がコメントできる問題ではございませんけれども、グローバリゼーションということからいえば、欧米の金融機関は大変クロスボーダーで、いろいろな再編、統合というのは行われているわけでございますから、日本が金融システム改革をやった後、欧米と同じように国境を越えた再編、吸収合併ということが行われる可能性は論理的には十分あると思っております。
  48. 海野義孝

    ○海野義孝君 長野局長、証券の場合はいかがでしょうか。
  49. 長野厖士

    ○政府委員(長野厖士君) 現実の問題としまして、日本の大手証券会社はニューヨーク、ロンドンでいろんな形の拠点を既に取得いたしまして国際的に活躍しておると思います。その意味では、現地では余り話題になりませんけれども、恐らく大勢の方が御存じである以上に日本の金融機関の国際的な場所での活躍というのはあろうかと思います。  一点、あえて感想を申し上げさせていただきますと、例えばイギリスのマーチャントバンクをめぐる再編の話題がございます。これにつきましてはいろいろと、あれは乗っ取られたのではないか、身売りではないかという話がございますけれども、マーチャントバンクというものの魅力が高まり、そこが資本を求めておるということで世界じゅうの有力金融機関がそこに資本を参加させていったということであろうかと思いますけれども、そのプロセスに日本勢が一人も参加していなかったと。その時期がちょうど日本はバブルの後処理で、そういった国際的な戦略を考え踏み込んでいく金融機関が日本にはなかったということは、後で振り返ったときに歴史の中で大きなチャンスを日本が逃したなと言われるのではなかろうかという感想を私は個人的には持っておりましたし、こういった金融システム改革をこれからやっていきます結果といたしまして、そういった世界に目を広げて世界で活躍する金融機関が出てきてくれるような日本の金融システムに移行する必要性があるのではなかろうかと考えております。
  50. 海野義孝

    ○海野義孝君 私、証券についてあえてお聞きしたのは、今東京でデリバティブ関係はほとんど外資系に席巻されていると思うんです。私のいた証券の後輩が今外資系の会社にいまして、そこはフランス系ですけれども、我が国におけるいわゆる株式、債券等のデリバティブスではトップだと言っていました、扱いは。これはうそか本当か私は調べたわけじゃありません。本人がそう言っているんですから、そうだと思いますが。  事ほどさように、かなり我が国は規制ががんじがらめであったために、デリバティブスなんてあんなものは賭博だと言われて相手にされなかった時代がずっと続いたわけですね。ですから、日本の証券でも先陣を切っているような大手のところではそういう日本のいわゆる行政というもののおくれということに対して大変腹立たしい思いをしていたのは事実なんです。  だから、先ほどおっしゃったように、かなりおくれをとったというのは、例えば慶応大学の池尾さんが言っていますけれども、日本が二十一世紀の入り口までにビッグバンで必死になってやったときには、そのときの日本は一九九六年の世界の先進国の状況なんですよということを言っているわけです。学者は何を言うのも自由でしょうけれども、こういうことを学者に言わせるようなことでは情けないわけで、やはり二十一世紀に行くときにはおくれていた分も一気にキャッチアップしていかなかったら、ただ我が国は完全にフリーにしましたよというだけでは侵食されるだけであって、私も本会議で申し上げたように、資本の交流じゃなくて資本の流入だけじゃないか、そういうおそれがあるじゃないかということを申し上げたわけです。  それで、話が前後しますが、国金局長がこの間おっしゃったのは、そういう日本の膨大な自己資金というのは、これは余りにも今までの国内のここ半年ぐらいの状況というのは悲観的な話で充満していましたから、そうではないんだという意味で前向きの明るいお話をされたというふうに私はあのとき受けとめましたけれども、自分でいろいろ考えたときに、果たしてそうかなと。現実に外為が自由化になっていけばどんどん海外へ日本のそういう金持ちは、それこそ今のスイスの隠し金庫じゃないですけれども、そういうことは私は当然あると思うんです。だって、それは企業が国を選ぶ時代だというように、個人の金融資産というものもマーケットを選んでいく時代に当然なってしかるべきだと、こう思うんですね。  そういうことで、さっきから日本の対応のおくれを何とかしてほしいということで、ラップアカウントだとかMMFであるとかいろいろな話を申し上げたわけであります。その点では榊原局長、今私がいろいろずっと申し上げてきたような、決して彼我の金利差だとか為替リスクということからそう簡単なものじゃありませんというのは、私は個人はあれでも、ラップアカウントみたいにしかるべきアドバイザーをつければ、少々の費用を払ったって、国内で今まで株をやって手数料ばかり払っていて、もうけたためしがないなんと言って包丁を持って切りつけるような、そういう投資家はいなくなるわけですよ。今まではやりたくても海外へ出ていけなかったんです。今度は行けるわけですから。  そういうことを考えると、ちょっとこの間の榊原局長の話は私には半分ぐらいわかって半分ぐらいは理解できなかった。その辺いかがですか。
  51. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 確かに、今までも例えば外資系の証券会社は日本にあったわけですから、投資家はそれを通じて海外に出ていくということができたわけでございます。御指摘のとおり、投資家にとっていろいろな投資機会がふえるというのは事実でございますから、その投資機会の中に外国での投資機会と、しかもそこで、おっしゃるように非常にプロフェッショナルな高度なアドバイスというものを受ければ、うまくリスクを回避しつつ資産運用ができるじゃないかという御指摘はそれはそのとおりだと思いますけれども、例えばラップアカウント一つ見ても、それじゃ国内でそれがどうなるのか、国内の証券会社がそれにどう対応するのか、そういうこととの兼ね合いだと思いますので、私は先ほど三段階あると申し上げた一番最後の、日本の金融機関と外国の金融機関が今後どういう形で競争していくかということにかかっていると。  それから、もう一つ言わせていただくと、お金が日本にあるというだけではなくて、日本人で相当優秀なトレーダー、ディーラーが実は存在するわけでございますね。ただ、御指摘のように、しばしばそういう人たちが外資系に今行ってしまっているということでございますから、そういう有能な日本人を今後日本の金融機関の中でどう使っていくかということも恐らくビッグバンに対応する日本の金融機関の一つの戦略の一部だということではないかというふうに考えております。  先ほどはちょっと失礼いたしました。先ほど外国で銀行を有している日本の企業があるかということでございますけれども、これはノンバンクでございますけれども、一部、預金受け入れ可能なノンバンクを有している日本を舞台とした企業がございます。リース会社が一つ、パキスタンで預金受け入れ可能なノンバンクを持っていると。それから商社が一つ、インドでそういうものを持っていると。
  52. 海野義孝

    ○海野義孝君 預金を受け入れるんですか。
  53. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 預金受け入れ可能なノンバンクを所有しているというケースがございます。これは銀行ではございませんけれども、ファイナンスカンパニーというかノンバンクでございますけれども、そのバンクがそれぞれの国の法制で預金が一部受け入れ可能なノンバンクというのがございますから、そういうケースが二つあるということでございます。訂正させていただきます。
  54. 海野義孝

    ○海野義孝君 今の榊原局長のお話の中で、やっぱり日本の対応という面、これはやっぱり規制緩和がおくれているわけですよ。同じ土俵じゃないわけです。だから、先ほどもいみじくも長野局長がおっしゃったように、なぜ日本でラップアカウントできないといったら、手数料が自由化されていないからですよ、はっきりおっしゃったように、これ一つなわけです。  しかし、そういった中で日本の千二百億ドルというアメリカでのラップアカウント口座は、このようにやっぱり私は日本のあれも入っていると思うんですね。ということは、このところ、いわゆる対外取引を見ましても、外債とかいろんな面で相当日本から金が流出している。ひところは大体年ベースにして十五兆円ぐらいの金がどんどん出ていっているというようなことを聞いたことがあるんです。確かに、このところのそういった対外取引を見ると、対内取引に比べて対外取引の方がはるかにスケールが大きいし、差で見るとかなり出ていっている分の方が多いんですね、受け取っている量が、純ざやというのが。そういうことですから、私は今回の問題で、やはり日本の法制、商法の問題、あるいは税法、税制等の問題、あるいは証取の問題、証取なんかも証取審のあれですと、株式の手数料も二段階方式でやるというふうなことを何かったわれているようですけれども、これを一気にということはいろいろと難しい面もあろうかと思うんです。  いずれにしましても、私は外為法関係が今回のように一気に完全にフリーになる、もちろんいろいろな事後報告であるとか送金の問題、送金の問題はこれ外為法じゃなくて別途税法の問題でしょうけれども、いろいろなことがあるし、それからいろいろな規制緩和の面がまだまだおくれているということがありますので、これをやはり少なくとも第一のターゲットは来年の四月の外為の自由化までにどれだけのことがこれから約一年でできるかという問題、さらにその先少しでも前倒しでビッグバンが完成するかということに向けてどういうスケジュール闘争をしていかれるかという問題、この辺のことを最後に大蔵大臣にお聞きしますので、ひとつよろしくお願いします。  その前に、薄井局長にお聞きしたいんですが、先般来やりとりいろいろありましたけれども、何か聞くところによりますと、もしこの秋に臨時国会でもあればいわゆるそういった外為法に絡んでの税制の改正問題等を国会に出したいというようなこともちょっと伺っていますし、それから資料情報制度の問題とかいろいろあります。税制上これは要するに納番制のある国ない国とか、日本みたいな源徴制の国とか、いろいろなことで利子配当等の課税に対するあれも違うんですけれども、これについては具体的にはかなりお気持ちの上では急いでやらなくちゃというように思っていらっしゃると思うんですよ。  私は、残念ながら日本の投資家というのもすべてが性善説をとれないので、むしろ金持ちほどいかに金をうんとふやすかということを考える。金のない人はあきらめているか知らぬけれども、ある人はさらにふやすし税金を払いたくない、こういう状況ですから。そういった中で、今後の外為の自由化に伴ってどのように税制面の改正をお進めになるか、これは私はやはり早くやらないと捕捉の問題とかいろいろなことで大変難しいと思うので、現在のところ具体的に大体お考えになっていることはこれとこれと、いつからこれをこうするんだというようなことについて、まとめてひとつお答えいただきたい。
  55. 薄井信明

    ○政府委員(薄井信明君) 為替の自由化を第一歩としまして、金融システム改革がこれから進んでいくという状況にあるわけでございまして、そういった中でその方向につきましては私どもも異論を唱える立場ではございませんから、現在の税制でよいのかどうかということを勉強してきているわけでございます。  大きく分けて二つの面で対応が要るかと思います。一つは、今まではほかの制度で、例えば外国で口座を持てないというような状況の中での税制であったということですが、今後はそうでないとなりますれば、租税回避が起きないように適切な手当てが要るというのが一つの局面でございます。もう一つは、新しい金融システムの中で、今までの税制の課税の仕方が適当であったかどうか、特に証券税制で代表されるようなそういった仕組みについて新しい時代に合った制度に直していかなければいけない。この二つのアプローチが必要かと思っております。  一方、金融システム改革、直ちに来年四月からすべてが動くわけではありませんので、私ども一番先にやらなければならないと思っておりますのは外為法の自由化に伴う部分でございまして、具体的には、御質問にもございましたが、資料情報制度、海外への送金あるいは海外からの入金につきまして金融機関を通じて報告をしてもらうという制度を早くつくれればいいなと思っておりますし、もう一つは、民間国外債の利子の非課税制度というのがございます。為替の自由化がなった場合には本人確認というものがきちっとしていないとまずい。ただし、それによって、二つのことを今申し上げましたが、二つの制度をがちがちつくってしまうことによって、せっかく自由化したものが税制上動かなくなってしまうということにならないようにバランスを考えながら両方を考えていきたいと思っておる次第でございます。  それと、株価との関係でよく有取税の議論がされるわけですが、株価との関係では私ども有取税についてどうするということを考える必要はないと思っておりますけれども、外為法が自由化になったときに証券税制、有取税、あるいは所得課税であるキャピタルゲイン課税、今のままでいいのかどうか、これは考えないといけないと思っておりまして、来年の通常国会には法案を出すべく年末までに答えを出していきたいと思っております。  その他、金融証券税制関係でいろんな問題があります。この辺も答えが出次第、時期を失することなく対応していきたい、このように思っております。
  56. 海野義孝

    ○海野義孝君 それでは、最後に大蔵大臣にまとめて御答弁をお願いしたいと思います。  きょうは大蔵省の最高幹部の方々に御質問させていただきまして大変勉強になりましたけれども、要するに税制の問題にしてもそうでありますけれども、あるいは証券の問題もそうでありますが、やはり大蔵省としてこういった各局の局益というのがあるんだかどうか知りませんけれども、そういうものがあってはならない。やはりそういったもの全体をまとめてビッグバンに向かって采配されるのが大蔵大臣の役割ではないか、このように思うわけです。  今、いみじくも薄井局長からもお話があった税制の問題なんかも、これなかなか、有取税の例えばこれは撤廃する問題とか、これは税収の問題等から考えると、まさに今の財政再建という中で、一方では金融制度改革やりますと、そういった中では証券関係、いろんな税制も思い切っていわゆるグローバルなスタンダードにしますというようなことになると大変な混乱というか厳しさが出てくるわけでございます。  そういうものをもとより覚悟の上で指揮をとられるのが大蔵大臣だと思いますので、これからまずは来年四月からの外為法を成功のうちに船出して、ビッグバンをさらに前倒しで実現するようにするためにどのような決意と具体的な手法をお持ちか、手法というか取り組みをお考えになっているか、その辺を最後に大蔵大臣に御答弁をいただいて私の質問を終わらせていただきます。
  57. 三塚博

    ○国務大臣(三塚博君) 既に規制緩和ということで金融部門、先般発表したとおりでございます。そして、特に金融三審議会、今熱心な議論をお願いしてあります。六月中には遅くも成案が出ます。答申という形か報告という形かは別としても、かくあるべきである、こういうものが出てくると思います。それを基本としてすぐできるものは直ちに手をつける、法律の縛りのあるものについては法改正に向けて準備を進める、こういうことにしていかなければならぬと思います。  一部、審議会の言うとおりにするなという意見も、国会また各政党のベテランの方からもあります。しかし、審議会はその道のエキスパート、またマクロで物を考える経済学者、金融専門の評論家の皆さんがそこに網羅をされておりますから、そこにエッセンスはあるのかなと。  しかし、それは国会論議の中でただされました各視点をしっかりと踏まえておると。学術的だけではなく、生き物であるまさにその最先端であるマーケットに我が国がどう対応するかということであれば、そこは取り入れるべきものは取り入れていかなければならないと。海野議員が多年の体験をされました実物経済ということで数々の御指摘がございました。各局長またスタッフの諸君も拝聴いたしておるわけでございますから、そういう点でどうあるべきか。また午後に続きます論議におきましても、各委員の皆様方からかくあれと、ここはどうだという御指摘がまた期待されるわけでございますので、全力を挙げていかなければなりません。  勤勉で貯蓄力のある我が国国民が、千二百兆の預貯金を有利に活用していくということを政府として当然考えなければなりません。有利活用ということであれば、我が国発信の商品サービスが出ていかなければなりません。そういうことでプラスがもたらされる。しかし同時に、世界の市場に向けて我が国発信の商品がそういうことで信頼を受ける。こういうことで、円というお金が基軸通過としての信頼を国際市場において確立てきるという、私は最大のチャンスを迎えてきておると思います。  そういうことで、自由市場でございますから、完璧な安全策をということでございますと自由市場の原理原則、実態とぶつかるわけでございまして、そういう中でどういう道があるかは、また御熱心な論議をその後においてもなされるわけでございますから、御指摘をいただきながらいいものに仕上げていかなければならぬと思っております。  局益があるかないかはわかりませんがという甚深な意味は、局益にとらわれるなと、御指摘のとおりであります。昨年来の大蔵バッシングの中で、大蔵の官僚の諸君は、本来の国家官僚としてどうあるべきか、この分野を担当する者としてどうあるべきかということで頑張っておるわけでございます。金融局でスタートするのもそういうことでありますし、金融検査監督庁を腹を据えて喜んでこれの作業に当たり、総理府がバトンタッチをしながら法案を作成、今日御審議と、こういうことでございますから、我が国民のため、我が国家のために仕上げていくということで、私ども御説を体しながら総力を挙げて、この改革が成功するように、そのことが着実に前進をするように、目標は決めておりますけれども、一年でも早く、しかし、来年の四月一日、外為法スタートでありますから、この時点をスタート台にふさわしい概成をした日本市場というものが世界に向けて発信できるようなところまでいきませんとならないと思っております。  格段の今後の御指導と御鞭撻をお願い申し上げます。
  58. 海野義孝

    ○海野義孝君 終わります。
  59. 松浦孝治

    ○委員長(松浦孝治君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ―――――・―――――    午後二時開会
  60. 松浦孝治

    ○委員長(松浦孝治君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  61. 鈴木和美

    ○鈴木和美君 私は、きょうは九日の参考人にお尋ねを申し上げた問題につきまして、改めて大蔵省の考え方などを伺っていきたいと思います。  その一つは、東京市場の認識について改めて伺っていきます。東京市場の活性化はビッグバンとの関係で、日本経済の活性化に連動するものとして外為法の改正は私は遅きに失した、そういう感がしております。しかし他方、すべてが良好というわけではなく、心配する点もたくさんあると思います。  特に、私が参考人にお尋ねをいたしました新聞報道の記事で、東京の市場の認識について、まず一つは東京市場も外資系金融機関の貸し座敷になるのではないかというような論評もあり、なお貸し座敷であっても市場として繁栄するなら、日本経済にとってプラスならいいじゃないか、こういう論評もありました。他方、税制や改正制度がグローバルスタンダードに適合しない現状では、外資系金融機関の貸し座敷にすらならない事態になるんじゃないか、そして東京市場の取引そのものが海外に流出し、我が国金融機関は淘汰され、海外の金融機関も東京に入ってこないという最悪の事態も招く、このような報道がなされているけれども、参考人の皆さんはどういうふうに東京市場をごらんになっていますか、こういう質問を申し上げました。三人の方々、それぞれすべて良好というわけではないけれども、やっぱり活性化のために全力を尽くして努力をしなきゃならぬと思っていますと、こういうお答えが三人のお答えだったと思います。  そこで、これは省の見解というか、省の東京市場に関する認識について改めて御質問申し上げたいと思います。
  62. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 私どもの認識は、このまま外為法改正あるいは金融システム改革をしないまま放置すれば東京市場が今おっしゃった貸し座敷にもなれない、そういうことになるんではないかと。つまり、金融取引そのものがすべて流出してしまうというようなことが起こりかねないと、こういう現状であるということであります。それで、外為法改正そしてそれに引き続く金融システム改革をすることによって東京市場を活性化する、そういうことが必要かと思っています。  ただ、ロンドンの場合と違って、日本というのは千二百兆円の資産があるわけでございますから、ロンドンは比較的貸し座敷的な、イギリス経済は背景としてということではなくて貸し座敷的な色彩がございますけれども、そういうことにはならないのではないか、ならないでほしいというふうに思っているわけでございます。  ただ、東京マーケットで外資系の金融機関と日系の金融機関がこれから競争するわけでございますけれども、その結果がどうなるかということは、これは今後の競争の推移ということ、あるいは国内の制度の整備、あるいはそれぞれの金融機関の今後のストラテジー、そういうものにかかっている。そういうふうに考えているわけでございます。
  63. 鈴木和美

    ○鈴木和美君 私も専門家でないものですから、いろいろ文献を出して調べてみたんですが、非常に恥ずかしい質問なんですが、貸し座敷というのは何ですか。
  64. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 要するにロンドンのユーロ市場という、ロンドンで米ドルの取引が行われているわけでございますけれども、ロンドンをベースにして米ドルの取引が特に外人によって行われると。外国から、例えばアラブからドル建ての預金が入ってくる。そのドル建ての預金を今度例えばラテンアメリカに貸すとか、そういうことでロンドンを経由するんですけれども、外々といいますか、外からお金が入ってきて外に出ていく、それで取引だけはロンドンで行われる。こういうことで、貸し座敷というような表現が使われてきたわけでございます。
  65. 鈴木和美

    ○鈴木和美君 今のお答えでも、大蔵省としてはこの外為法改正によって万全の体制というか環境は全部整っているから大丈夫だと、こういう認識に立っているというように理解してよろしゅうございますか。
  66. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 外為法改正だけで終わるということではございませんので、金融システム改革ということを予定どおり進めていけば東京マーケットは活性化するというふうに考えております。
  67. 鈴木和美

    ○鈴木和美君 私もそうあってほしいと思いますが、やっぱり心配な点がなおかつ残っておりますので、以下心配な点についてお尋ねしたいと思うんです。  これから担い手となる商社の関係でございますが、商社などは、法改正によるメリットがあるとされるネッティングについては、今回の法改正により日本が自由化を実施しても、発展途上国を中心に相手国の外為規制が残っておるわけでございますから、それほどの効果が土がらないのではないかというような、これも報道ですが、そういう見方がありますが、この点について、発展途上国を中心とする為替規制の問題が残るということはどういうものが残るのでございましょうか。
  68. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 御指摘のように、途上国等一部の国で為替管理が残っているところがございます。ですから、そういう国も組み込んだマルチネッティングというのはできないわけでございますけれども、ほとんどの相手国に為替制限がございませんので、マルチネッティングをやるときに、例えば先進国を中心にやるということであれば十分マルチネッティングのメリットを得ることができるということでございまして、商社等は余り支障がないんじゃないかというようなことを言っております。  いずれにせよ、今般の外為法改正で、少なくとも私どもの制度が為替管理に関する限りは先進国並みになるわけでございますから、それによるメリットというのはかなりのものだというふうに考えております。
  69. 鈴木和美

    ○鈴木和美君 そうしますと、シンガポールとか香港とか、そういう取引の関係から見たときに、発展途上国のいわゆる為替規制という問題は、仮にあったとしてもそれほど大きな影響はないんじゃないか、こういう理解に立ってよろしゅうございますか。
  70. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 商社等からそのように聞いております。
  71. 鈴木和美

    ○鈴木和美君 それからもう一つ、これは通産省に本当は聞くべきなのかもしれませんけれども、大蔵省がどういうふうに考えているかという点ですが、これから商社がいわゆる取引の担い手になるということだとすると、いわゆるディスクロージャーというか情報開示というか、こういう問題がとにかく重要な私は要素になってくると思いますね。  したがいまして、この情報開示の問題については、大蔵省から通産省に対して何か指導とか要請とか、そういうものはなさっておられるんですか。それとも、通産省が独自でこれは指導するというようなものに解釈していいんですか、どちらでしょうか。
  72. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 今回の改正によりまして、外為法は業法としての性格を全くなくすわけでございます。ですから、外為法のもとで、商社なり企業なりあるいは銀行なり証券会社に指導するというようなことはないというふうに思っております。ただ、当然のことながら、商社が企業会計原則を守って十分なディスクロージャーをするということは、既存の法体系の中でやっていただかなければいけないというふうに思っております。
  73. 鈴木和美

    ○鈴木和美君 それではもう一つ、これもよく皆さんから御質問があった点ですが、報告義務の軽減、簡素化についてお尋ねをしたいと思います。  これも先日、各委員から質問があったところでございますが、国内の金融機関から報告を求める制度では、今回の外為法改正によって整備される事後報告制度など、税務当局以外に対する報告制度との重複度という問題がありまして、ただでさえ東京市場は報告義務が多いとして芳しくないと言われているわけでございますが、評価を受けていますが、報告義務の軽減とか簡素化については十分な配慮が必要であると考えますが、その点についてはいかが解釈したらよろしゅうございますか。
  74. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 御指摘の報告義務の簡素化あるいは軽減は本改正の一つの目的でございまして、私どもといたしましても、報告制度がかなり負担になっていたというようなことを聞いておりますので、これを簡素化するべく努力をしたところでございます。  現在、これは勘定の仕方によっていろいろ件数が変わってきますけれども、二百四十ほど報告がございますけれども、そのうち百五十は国際収支統計をつくるためでございますので、これは余り減らせないのでございますけれども、その他行政目的のためにとっておる九十の報告を半分以下にするということで今準備をしております。  それからまた、今まではすべて紙で、一定の書式でそれを出していただかなきゃいけないということでございましたけれども、法律的には、これをペーパーレスにするようなことも可能にいたしました。今、金融機関あるいは商社等の実務家と実務レベルで詰めておりまして、報告の数を減らすことあるいはその様式を簡素化すること、そういうことに努力しているところでございます。
  75. 薄井信明

    ○政府委員(薄井信明君) 税の局面からは、今までにいただいていない情報をいただくという意味では金融機関には今までにない作業をしていただくということになりますが、私どもの考え方は、為替が自由化されていない中では必要がなかったけれども、自由化された状況の中では必要であるという考え方からお願いするものでありまして、為替の自由化の先輩格にあるアメリカにおいては非常に税法上、税法上というのも言い過ぎかもしれません、刑法、税法両面から必要な情報をとっておりますので、それを超えることのないように、欧米のやり方を見ながら新たにお願いしたいと考えております。  なお、外為法上の報告義務と税法上の報告義務、それぞれ目的が違います。私どもは、一件一件だれがどこにどう送金したかが大事であって、その点について外為法と必ずしも一致しないので、仮にダブるとしてもやむを得ないと思っております。
  76. 鈴木和美

    ○鈴木和美君 課税上の問題については、さっきのところで見解を伺っておりますので。  さて、銀行局長にちょっとお尋ね申し上げたいんですが、東京市場の活性化というときには、何といってもこの東京市場のバックグラウンドとなっているような幾つかの問題がやっぱり問題になってくると思うんです。  その一つに、やはり私は、不良債権の処理という問題が大きな問題だと思っています。これも参考人にお尋ねしたところ、不良債権の処理には現在全力を尽くして一生懸命やっておりますというお答えでございました。せっかく、東京市場の活性化のために持ち場持ち場でいわゆるそれなりに私は努力されていると思いますが、住専処理に伴う不良債権の処理が最近は新聞報道にも余り出ていないような状況ですね。けれども、私には必ずしも順調に進んでいるというようには思えない面があります。  そういう点から、我が国の金融機関の弱さがそこに嫌われちゃって、金融取引が海外に逃げていっちゃうというようなことがありては大変だと思うんですね。そういう意味からして、この不良債権の現状について、できる限り私は詳しくお聞きいたしたいと思います。
  77. 山口公生

    ○政府委員(山口公生君) 金融機関の不良債権の状況を申し上げますと、八年の九月期末の数字、これが一番新しゅうございますが、その半年前の八年三月期末に比べまして、不良債権の総額が約三十四・八兆円から約二十九・二兆円と減少しております。  この二十九・二兆円をまた内訳でちょっと申し上げたいと思うんでございますが、経営破綻となっている先に対する債権、いわゆる破綻先債権、これが六・四兆円でございます。元本や利息の支払いが延滞している債権、延滞債権、これが十七・五兆円でございます。金利を減免等している債権、これは金利減免等債権と呼んでおりますが、これが五・四兆円でございます。したがって、延滞債権がかなり多いということがわかります。  それから、業態別に見ますと、先ほどの二十九・二兆円の内訳を申し上げますと、主要二十行が十七・四兆円でございます。それから地域銀行、これは地方銀行及び第二地方銀行が五・六兆円でございます。協同組織金融機関が約六・二兆円でございまして、一番多いのは主要二十行だということでございます。  さらに、不良債権額から担保や債権僕却特別勘定などによりカバーされている部分を控除しました要処理見込額も、同時期に八・三兆円から七・三兆円に減少しておりますので、処理は全体として見ますと進んできているということが言えようかと思うわけでございます。  したがいまして、個々の金融機関の経営状況の問題というのはさまざまでございますけれども、全体として見たときには不良債権問題を克服することは可能ではないかというふうに考えているわけでございます。しかし、これもあくまで各金融機関が、今先生の御指摘のように全力を挙げてそれに取り組んでいただくということが前提になるわけでございます。
  78. 鈴木和美

    ○鈴木和美君 そうしますと、銀行局長の展望とか見方としては、この不良債権の処理というのは順調に進んでいるというように認識されていると伺ってよろしゅうございますか。
  79. 山口公生

    ○政府委員(山口公生君) この不良債権処理の償却財源というのは、業務純益あるいは含み益等を充てるわけでございますので、そのバックグラウンドとなります経済情勢とか資産価額とかそういったものがかなり大きな影響を与えると思います。もし、経済が順調に回復していくという前提に立てば、比較的その辺は順調にこの問題も解決の方へ向かうんではないかというふうに言えると思います。
  80. 鈴木和美

    ○鈴木和美君 経済が順調に伸びれば不良債権も順調に処理できるということですね。逆のことを今私は聞いているんですが、不良債権の処理が進まなければ、そのことによって嫌われちゃって外へ逃げていくんじゃないですかとこう聞いている。ですから、順調に今推移しているというのか、そこの判断をきちっと言ってください。
  81. 山口公生

    ○政府委員(山口公生君) 確かに、AとBとの関係は、AからBへの影響、BからAへの影響と両方あると思います。先生の御指摘の点からいいますと、数字を見る限りにおいては、不良債権問題が解決の方向に向いているということは言えようかと思います。
  82. 鈴木和美

    ○鈴木和美君 それでは今度は主税局長にお尋ねしますが、現在のそういう状況の中で税収面への影響について伺いたいと思います。  恐らく、こういう検討がされているかどうかよく知りませんけれども、税収減の可能性ということでは不良債権の問題がありますよと。そこで、国際競争力を持たない我が国の金融機関が大量に淘汰され、法人税収が大幅に減少する可能性も指摘されているところだと思います。したがいまして、まず証券会社等、金融機関が納めている法人税の総額と、法人税全体に占める割合についてお尋ねいたしたいと思います。
  83. 堀田隆夫

    ○政府委員(堀田隆夫君) 税収についてのお尋ねでございますので、国税庁からお答え申し上げます。  私ども、金融保険業というジャンルで、銀行証券業さらには保険業等を含めたところで毎年の法人税収を把握しておりますが、直近の数字で申し上げますと、平成七年分で八千五百九十九億円になっておりまして、法人税額全体に占める割合は七・九%ということになっております。
  84. 鈴木和美

    ○鈴木和美君 これも想定でございますし、またビッグバンの本家の英国の状況などから考えまして、これから大変な私は自由化によります障害というのが出てくると思うんです。  特に、よく言われていますように、金融機関の大量淘汰が行われた場合、もちろん行われないことを期待しますが、そういう大量淘汰が行われた場合、つまりこれは想定ですが、都市銀行の半分が倒産もしくは買収された場合など、法人税だけでなく税収全体にどの程度の影響を及ぼすか。これは、省として何か試算をしているようなことがございますか。
  85. 薄井信明

    政府委員(薄井信明君) 試算はいたしておりませんが、今国税庁から答弁ありましたように、法人税収、大体十四兆円ほどの中の七、八%ということでございまして、それがふえるか減るかということになります。  流れを申し上げますと、金融証券業界の現状を反映しまして、かなり落ちてきておる状況にありまして、かなり今は低い水準にあると見ております。したがって、この状況がさらに悪くなるようなことは望ましくないし、金融証券業界がもう少し元気を出してくれるんだろうと期待しているわけでございますので、その先のことについては試算を持っているということではございません。
  86. 鈴木和美

    ○鈴木和美君 余り時間がございませんので、もう一問にします。  今の話のところは、これから税制の国際的調和というような観点から考えた場合に、税の問題というのは、参考人もおっしゃっておるように、税とか会計制度が異なっているような状況の中ではやっぱりしんどいということも率直に参考人は述べられておりました。  そういうことから考えますと、これは源泉徴収制度であるとか、有価証券取引税であるとか、総合課税とか、分離課税とか、公社債利子の問題とか、こういう制度の問題というのは、今直ちにここで議論するつもりはございませんけれども、こういう問題を抱えて通産省は、先般私は課税上の問題について小委員会の七つの問題を提起いたしました。今回、国際調和ということを考えてみると、いずれその取引が自由化されるということは、漸次国際的な税とか会計制度になじんでいかないと、やっぱり問題を将来に残すんじゃないかというように私は思っています。  それで、主な税項目の見直しに伴う税収額の変動に関する推計というのがこの小委員会でも出ておりまして、有価証券取引税をなくした場合にはどのぐらい減収になるとか、取引税がなくなったときには何ぼであるとかというような各項目ごとに推計を出しているわけですね。そして、その総額として全体としては四千二百二十六億円、これがマイナスになるであろうけれども、多少自由化とか、こういうものが外されたことによって、法人の方が景気がよくなるというようなことを差っ引けば二千二百四十五億程度でおさまるというような推計を通産省がやっていると思うんです。  こういうような数字について、大蔵省はこの試算について符合しているというか、検討した結果、そういうものだろうというように考えるのかという質問が一つ。もう一つは、さっき申し上げましたように、これからの国際税制の調和という観点から、どういうふうにこれから取り扱っていこうとしているのか。この二点についてお尋ねしておきたいと思います。
  87. 薄井信明

    政府委員(薄井信明君) まず、いわゆる減収額の試算のお話でございます。  通産省が発表しておりますものを、私どもどういう根拠で計算しているのかを聞いてみますと、幾つか問題点があると認識しております。  一つは、例えば有取税を廃止したら株価がどれだけ上昇するかといったようなことを極めて大胆に決めて、それによってはね返りの税金計算をしている。あるいは、有価証券取引税が仮になくなれば、法人税のはね返りといいますか、法人税がふえると。この計算に際して、法人はすべて黒字法人で、法人税を払っているという前提でやっているとしか思えない計算をしているといったようなことから、ここの二千二百四十五なり二千二百四十六という数字を、私ども正しい数字とは見ておりません。  かといって、私どもがそれでは今後どういう税収になるのか。しかも、経済にどう影響を与えて、ぐるぐる回って法人税から何から含めてどうなるかということについては極めて難しい計算だろうと思います。むしろ、それを出すことが不可能だと思いますので、私ども自信を持って、じゃどうであるということは言いがたいと思っております。  ただ、一つだけ抜き出して、有価証券取引税というのが今どれだけ税収を上げているかというと、三千五百十億円ということが平成九年度の予算でございます。これを仮定上やめたとしたら税収がそのまま落ちる。一方で、その分法人税が、その分といいますかそれによる法人税のはね返りが出てくるかと思います。赤字法人割合がどのぐらいかという実態等から計算すると、数百億出てくるかと思います。そうしますと三千億前後、その部分だけ取り出せば、しかもこれはスタティックというか、静態的な計算では減収が生じてくると見ております。最初に申し上げましたように、そのことが日本の市場を活性化して、ほかの税収で出てくるじゃないかというところについては計算のしようがないというように思っております。  それから、もう一つの問題、国際的な税制へ進んでいくのが方向ではないかという御指摘でございます。私どもも、長い目で見てみますと、これまでもそういう方向できているかと思いますし、今後とも市場が、特に経済金融市場が国際的になれば、しかも自由化されれば、税制というものもそれに応じて国際的に似たものになってこざるを得ないと思っておりますが、その方向としては私は二つ考えられると思います。  二つといいますのは、課税の方法それから課税を適正に実施するための手法、この二つでございまして、前者につきましては、御指摘のように、源泉分離課税あるいは総合課税といったような世界をどうしていくか。現状では世界がこれは二つに分かれておりますし、いわゆる納番制度を用いてその辺を総合でやっている国もあれば、あるいは源泉分離課税を中心にして、総合といいながら実際上は分離課税方式をとっている国、これは二つに分かれます。したがって、日本がそのどちらに、今はどちらかといえば分離の方ですし、それから納番のない世界ですけれども、今後どっちにいくのかというのは大きな問題として抱えていくことになろうと思います。  それから、もう一つ私が申し上げたいのは、サミットなりOECDあるいはG7で話題になっていますように、国際的に税制を統一化していかないと、金融なり証券にかかる、流動的な資本といいますかそういうものにかかわる税金が相対的に抜けていってしまうのではないか。これはどこかの国が安くしているとそこに資金が流れていっちゃうということで、そうなりがちなものですから、その辺についての反省が今出てきている。  これは、時間がかかるとは思いますけれども、国際的にそこを協調しながら、国際的な観点で適正な課税が実現できるような手法というものを追求していく。こういう意味でも国際的な流れが始まっていると思っております。
  88. 鈴木和美

    ○鈴木和美君 終わります。
  89. 千葉景子

    千葉景子君 この改正の問題につきましては、これまでの質疑の中で大分論点も煮詰まってきているようにも思われます。  ただ、私もこの金融問題というのは、率直に言いまして素人でもございますので、なかなか何回お聞きしてもどうもいま一つすとんとわからない、こういう部分も多々ございます。そういう意味では、これまでに出た質問などとも多少重なる部分もあるかもしれません。そういう意味では、たびたびの御答弁をいただくというようなことにもなりかねませんので、大変申しわけなくは思いますけれども、ぜひ私のような素人にも合点がいくように、わかりやすくまた御説明をいただければ幸いだというふうに思っております。  まず最初に、この外為法改正の背景についてちょっとお尋ねをしたいというふうに思います。と申しますのは、私の率直なこれは感想というか疑問でもあるんですけれども、なぜ今というか、なぜまず外為法改正なんだろうかと。  外為法改正が、金融改革のフロントランナーだというふうに言われているところでもございます。確かに、この改正が東京市場の空洞化への対応というようなことを大きな背景に持っていることは私も理解をするところでもございますし、また世界的に見ても、情報通信技術が非常に国際的になってくる、あるいは金融派生商品等を駆使したいろいろな商品が諸外国などでも大変急速に発達をしている。こういう中で、日本金融市場というのもそういう国際競争の中で熾烈な争いをしていかなければならない、こういう時代でもあろうというふうに思います。そういうときに、金融資本取引というのは、できるだけ利便性の高い市場を求めて動いていくというのも、これも素人ながら私にも大体わかるところでございます。  現実に、金融資本取引というのがバブル崩壊以降、海外へシフトしている、そういう傾向があるということも聞いておりますので、そういう意味で東京市場の空洞化が進んでいると。そして、それに対する危機感というのも非常にあるというふうに思われます。そういう中で、基本的に内外資本取引の自由というものを実行するということは、内外の市場を一体化していく、それから東京の市場を開放してグローバルな環境の中に置くということになりますので、そういう意味では、確かに多少長期的に見ますと、今後活性化につながっていくというのだろうと、そう思います。  ただ、東京市場の空洞化というのは、為替管理が非常に厳しいと、こういうことだけが原因ではないだろうというふうに思うんですね。先ほどから御指摘がありますように、制度上の問題もあろうし、あるいは不良債権が非常に多額に存在をしている、こういうものも世界から見ると信用がなかなか回復し得ない、こういうことにもつながっているだろうというふうに思うのです。  そういう意味では、外為法の改正ということも重要なポイントであるということは十分私もわかりますけれども、それと同時に、東京市場の空洞化の原因になっているさまざまな問題点を同時にやはり解決をしていく、改善をしていくということがないと、先ほどから御指摘のあるようなリスクといいましょうか、海外資本が流出していくのではないか、こういうようなむしろリスクの方が表に出てきてしまうことにもなりかねないんではないか、こういう心配を多少するわけです。  そういう意味で、まずちょっとお尋ねをしておきたいんですけれども、この東京市場の空洞化問題、これの原因というんでしょうか、これはもう多々、一つがこれぞ原因ということではなかろうというふうに思うんですが、これについてはどのように御認識をされてこの改正問題につながっているのか。この辺について、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
  90. 榊原英資

    政府委員(榊原英資君) 東京市場の空洞化も、先ほど証券局長が申しましたように、若干このところ少し復活をしてきているというふうな感じがございますけれども、空洞化の原因ということでございますと、一つは、外為法だけではなくて規制一般ということだと思います。金融関係の規制が相対的にやはり厳しいということが一つあるかと思います。もう一つは、やはり日本経済がバブルの崩壊後元気がない、あるいは日本の企業は元気がない、そういうことも当然東京市場の空洞化ということの一つの原因になっているんだと思います。  ですから、今回の金融システム改革というのは、そういう金融関連の規制全般を見直すことによって活性化をするということがポイントでございますし、もう一点、日本経済が元気がない、あるいは企業が元気がないということに関しては、これは全般的な経済政策あるいは不良債権問題をきちっと解決をつけていく。そういうことでやっていくということで、一方での規制の緩和、一方での適切な経済政策、そういうものが相まって東京市場の再活性化につながるものだと、そういうふうに考えておるところでございます。
  91. 千葉景子

    千葉景子君 そうなりますと、空洞化のさまざまな原因の中には、今御指摘ありましたように、一般的な規制が非常にこれまで強かったこと、バブル崩壊後元気がないと。元気を出すような政策をとらなきゃいけないわけですけれども、そのフロントランナーとして外為法改正がトップに来たということは、どういう意味を持つんだろうかというふうな気がするんですね。  率直に言うと、これは外に向けて広く窓を開くわけですから、窓を開くためにはやっぱり家の中が多少片づいていたりしないと、風が入ってきたらわあっと全部その辺の物が飛び散らかっちゃって収拾がつかないとか、あるいは外へすうっと物が吸い取られていっちゃう、どうもこういうことを感じてしまうわけです。  そういう意味で、この外為法改正というのがフロントランナーになった意味といいますか、そしてそれがどういう力というか、これからの金融の活性化に向けて意味を持つのか、このあたりをお聞かせいただきたいと思います。
  92. 榊原英資

    政府委員(榊原英資君) 外為法改正がフロントランナーになったということは、たまたま外為法改正の審議が先行していたということが事実関係としてございますけれども、ただ全体のパッケージとして見て、外為法改正がやはり一番最初に来るということはそれなりに妥当なことだというふうに私どもは思っております。  確かに、外為法改正だけでほかのものが行われないということであれば、これは大変な危機的な状況になるわけでございますけれども、そういうことではなく、私ども、金融システム改革ということで全体をイメージしてその一番最初に位置づけているということでございますので、外為法改正を一番最初にやるということは、ある意味では私どもの決意を世界に示すということでございまして、川を渡って後ろの橋を全部焼き切ってしまうと、こういうことでございます。  そういうことでありますので、ほかの改革も遅きに失しないように、全体としてきちっとやっていくと、そういう決意のあらわれだというふうに御理解していただければいいと思います。
  93. 千葉景子

    千葉景子君 私も、それは何となくよくわかるような感じがいたします。  というのは、ほかのさまざまな規制あるいは制度改革、そういうものを順次整備し、それがきちっとできたから、さあ窓をあけようという順番ですとどうもなかなか進み方が遅いのではないか。そういうことをやっておると、世界からもさらに日本の市場が置いてきぼりを食ってしまう。  むしろ、少し創業的ではあるけれども最初に強い風を巻き起こして、そしてその後に当然つながっていく規制の緩和やあるいは制度の改革、こういうもののピッチというかスピードをできるだけ速めていく。それを決意と今おっしゃられましたけれども、そういう意味合いを含めてこの外為法改正がトップランナーを走っていくということなのかなという感じが私もしているわけですけれども、ほぼどうもそういう意味があるようでございますので、これが進んで、後ろを見たら本当に何もなかった、ついてこなかったということにならないように今後の取り組みをぜひしていただきたい、こういうふうに思うところでございます。  さて、この外為法改正の今後の影響でございますけれども、私たち一般市民の生活といいましょうか、そういうところにこれがどういう影響をもたらすかということはなかなかわかりにくいところがございます。金融の業務なりに直接かかわっている皆さんとか、あるいはそういう関係の業務、証券、銀行あるいは商社なども関連あろうかと思いますけれども、そういう場では非常に影響というのが目に見えてくるのだろうというふうに思うのですが、例えば個人の投資家であるとかあるいは預金者、あるいはもっと広く言ってしまえば一般市民、国民生活と言うんでしょうかね、そういうところにどういうメリットが出て、あるいはどういう不安定要素が出るのかというようなことがなかなかわかりにくいわけです。  よく例に挙げていただくのは、例えば町の中で、スーパーとかで両替ができるようになるのだというような例とか、あるいは個人で物を外国から輸入したときに外国の預金で決済ができるのだとか、そういうような例はいろいろ挙げていただいているのですけれども、もう少し大きな経済関係の中で考えたときに、一体これが国民生活にどのような影響やあるいは効果をもたらすのだろうか。そういうところがなかなかわかりにくいものですから、ぜひその辺をわかりやすく、少し例などを挙げて御説明をいただけると一般の国民にもわかりやすいんじゃないかというふうに思います。
  94. 榊原英資

    政府委員(榊原英資君) まず一般的に申し上げますれば、今委員がお挙げになった例のように企業、個人の金融取引の自由度が非常に増すということでございます。そういう多様な商品やサービスの中から幅広い選択が可能になるということでございます。  例えば、外国旅行をするようなときにクレジットカードを持っていくのが通常になっておりますけれども、今の法律のもとですと、なかなかクレジットカードをドル預金にリンクして外国で使うということが容易ではないのでございますけれども、外為法改正をすれば、ドル預金にリンクしたクレジットカードというのをつくることが容易になりますので、外国では為替リスクを全く伴わないでそのクレジットカードで決済ができるようになる、そういうことも可能になるわけでございます。  ただ、金融システム改革全般についてもう少し言わせていただければ、やはり個人にとって、プロがいろいろな形の多様な金融商品を提供することが可能になるということでございます。これは当然リスクも伴うわけでございますけれども、リスクについて十分説明をし、それについてアドバイスをするような、そうしたプロが日本でも育ってきて、個人がより有利に自分の資産を運用することができるようになる。  この反面は当然、外資系、日系を含めて金融機関の間の競争が非常に激しくなるということでございますけれども、競争が激しくなった結果、個人のレベルでは多様な商品がより有利な条件で、ただ、より有利なという場合はリスクもあるということでございますけれども、より有利な条件で取得し運用することが可能になる、そういうふうに理解をしております。
  95. 千葉景子

    千葉景子君 それと同時に、例えばこの外為法をフロントランナーとする金融改革が、日本東京市場なり日本の経済を活力のあるものに、あるいは国際競争力の高いものにしていく、こういうことが長期的にできてくるとすれば、それはひいては国民生活にとっても非常にメリットが出るということ、そういう意味に大きな視点でも言えようかというふうに思うんですけれども、そう考えてもよろしいわけですね。
  96. 榊原英資

    政府委員(榊原英資君) おっしゃるとおりでございます。中長期的には、より多様な商品が提供され、より有利に運用することができる環境が整う、そういうことだというふうに思っております。
  97. 千葉景子

    千葉景子君 全体に長期的に見ますと、そういうよい面というのが考えられると。それは今回の外為法の改正、それに伴う大きな金融改革の大変重要なポイントであろうと、肯定的に私も評価をさせていただいているところでございます。  ただ、これも何回も指摘がございますけれども、短期的に見たときに、本当にそこまで行くまでに日本の資金なりあるいは預金なりが外国へ出ていくという不安とかあるいは危険、こういうものは何か先ほどから何回聞いてもなかなかぬぐい切れないところがあるわけです。  御説明をいただきました、それがどういう意味を持つかというのは、資本がそのまま出ていく問題と、それから金融取引が外国で行われる、こういう問題点、それから東京市場で行われるけれども外資系で行われるのか国内資本で行われるのか、こういう問題点というかとらえ方が当然あるということも御説明をいただいて、なるほどという気もするんですけれども、よく言われるように、日本の資金が外国に流出していくのではないか、こういう点について、今でもかなり外債の投資額がふえていますね。外債を買う、個人の投資家でもかなりそういうことがなされてくるようになりました。そういうことを見ますと、確かに局長が常日ごろおっしゃっている為替リスクの問題とかいろいろあるんですけれども、やっぱり一定の期間なかなか日本の市場が十分に対応し切れない。そういう短期的な期間というのは、一定の海外流出というのをなかなか食いとめにくいのではないか、こういう気がするんです。  その点については、どの程度こういうことが起こり得るのか、御認識としてはどんなふうに考えておられるのか。それに対して、それを食いとめる防止策というのでしょうか、それは先ほど言ったように、この後引き続く金融制度の改革ができるだけスピーディーに進むということが一番の防止策であろうかというふうに思いますけれども、その点についてどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
  98. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 先ほど、資本が流出するということと金融取引が流出するということ、それから日系あるいは外資系のどちらで金融取引が行われるかという、その三つの問題点があるというふうに申し上げましたけれども、ネットとしての資本の流出が大きく起こるというふうには思っておりません。  それから、金融取引そのものが東京からニューヨーク、ロンドンに移るということに関して言えば、ニューヨーク、ロンドンと同じような金融商品を東京で提供できるかどうかということがキーになるわけでございますから、これは当然金融システム改革の中で、ニューヨーク、ロンドンで提供されると同じような、そういう商品を提供するということがポイントになるわけでございまして、我々、そういう環境をつくろうと思って努力しておるところでございます。  さらに、そうした中で日系と外資系の金融機関との間でどちらがシェアを伸ばしていくのかということでございますけれども、現在のところ、割に外資系がそういう複雑な商品についてはある程度、一歩先に行っておるわけでございますから、恐らく外為法改正の後いろいろな新しいサービスのイニシアチブをとる金融機関の中では外資系が多くなってくると。今でも外資系が東京マーケットの自由化を念頭に置いて、相当東京でのオペレーションを拡大するという計画をいろんなところでつくっております。  ですから、相当外資系の活動が活発になるというふうには私ども思っておりますけれども、日系の金融機関もそれにどう対応するかということを考えておるところでございますので、そう一挙に外資系に全部とられてしまうということではないだろうと。ただ、特に初期の段階で外資系がかなりイニシアチブをとるというようなことはあるかと思っておりますけれども、それほど大きく日系の金融機関が負けてしまうというようなことではないというふうに思っておりますし、そうでないことを希望しております。
  99. 千葉景子

    ○千葉景子君 私も、ぜひそういうことでないように期待をしたいと思います。  ただ、そのためには、先ほどからお話もいただいておりますけれども、来年の四月に外為法改正が施行されるというまでにできるだけ他の改革が進められていくということが必要であろうと思います。それから、こういう環境に耐え得る企業側のさまざまな努力というのも当然必要になってくるだろうというふうに思っております。  ただ、仮に先ほどお話しいただいたような金融取引が東京市場で行われても、かなりまだ外資系の商品開発などが先んじているということになりますので、そういう意味では、日本の市場というものの本当に競争力というのをつけるためには多少時間がやっぱりかかるのかな、そんな感じもしております。ぜひ、その点などについても、積極的な市場活力の回復というものを私も期待させていただきたいというふうに思っています。  さて、この外為法の改正で、資本の流出というのはそう大きくは心配は要らないのではないかということでございますけれども、それに伴ってというんでしょうか、この外為法改正によって開放されるという中で、為替の問題とかあるいは国内金利の問題なりにもやっぱり影響が出てくるんじゃないかという気がいたします。例えば、国内金利などはどうなんでしょう。国際的な取引が自由になっていきますと、日本の金利の低さというのはそういう意味ではやっぱり非常に気になるところなわけですね。こういう問題にどういう影響が出てくるのか。あるいは、為替相場などにこの外為法改正がどんな影響をもたらしていくのか。  なかなかこういうのは予測をするという話ではないとは思いますけれども、どんな影響する要素があるのか、その辺についてお聞かせ願います。
  100. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 外為法改正時の為替あるいは金利にどういう影響があるのかというのは、そのときのファンダメンタルズの状況あるいは海外の金利の状況等によって異なりますので予測はできませんけれども、一つ言えますことは、恐らく東京における為替の取引が活性化される、あるいは東京における金融取引が活性化されるということは言えると思います。活性化された結果、どちらに行くのか。為替が高くなるのか安くなるのか、あるいは金利が高くなるのか安くなるかということについては、そのときの状況によっておるわけでございます。  それから、もう一つつけ加えさせていただきたいのは、今の状況でもプロの間の取引はほぼ自由になっておりますから、外為法改正というのは、実は専門家でない人たちが自由に外貨取引をできる、こういうことが非常に簡単に言いますとポイントでございますので、そういう意味では、プロの間で完全に自由になっておりますから、マーケットそのものに対する影響ということからいうと、外為法改正の影響というのはそれほど大きなものではないということもつけ加えさせていただきたいと思います。
  101. 千葉景子

    ○千葉景子君 この外為法改正の影響についてちょっとまだお聞きしたいことはあるんですけれども、時間の関係もあって区切りの問題もありますので、あと有事規制の問題についてお聞きをしておきたいというふうに思います。  まず、今回のこの改正で有事規制につきまして多少というか、かなり大きいと言ってもいいのかな、改正がなされております。そこで、その前提としてお聞きをしておきたいんですけれども、今回の改正によって要件がどう違ってきているのか、ちょっとそこをまず確認しておきたいと思います。
  102. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) これは新外為法の第十六条等でございますけれども、従来までは有事規制の発動の要件が「我が国が締結した条約その他の国際約束の誠実な履行のため必要があると認めるとき」ということで、条約あるいは安保理の決議等がないと有事規制は発動できない、こういうことになっておったわけでございます。  今回の改正案では、十六条に、「国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため特に必要があると認めるとき」という要件を加えましたので、これは主管大臣が外務大臣と相談し、閣議決定あるいは閣議了解を得て有事規制を発動することができるということになるわけでございます。
  103. 千葉景子

    ○千葉景子君 そこで、ちょっとお聞きしておくんですけれども、現行法上でも当然有事規制というのがあり得たわけですけれども、どういうときに発動されているのか。これは、国際的な安保理決議とか条約、こういうものが条件でしたから、それに基づいての発動ということになろうかというふうに思いますけれども、これまでの例としてどのようなものがあるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
  104. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) お答え申し上げます。  現行外為法においては、安保理の決議に基づいてこれまで六カ国、イラク、リビア、アンゴラ、クウェート、ハイチ、旧ユーゴに対し経済制裁を実施してきたところでございます。現在継続中の国としては、イラク、リビア、アンゴラがございます。  また、経済制裁の内容でございますけれども、イラク及びリビアについては、同国向けの支払いを許可制、いわゆる資産凍結措置でございます、とするほか、投融資、輸出入と役務取引について規制対象とされており、これらの取引等について外為法上、許可・届け出及び承認制にかからしめておるところでございます。また、アンゴラにつきましては輸出及び仲介貿易が規制対象とされており、これらについては許可及び承認制にかかわらしめているところでございます。
  105. 千葉景子

    ○千葉景子君 今それぞれの、六カ国そして継続中のもの、御説明をいただきました。経済制裁の内容についても触れていただいたわけですけれども、経済制裁の内容も、今回何か現行法と異なるところができたのでしょうか。
  106. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 内容については、資本取引のうち投融資規制については、現行法では事前届け出制の枠組みで実施をしておりますけれども、改正案では資本取引全体について許可を受ける義務を課すことができるようにしておるわけでございます。  ただ、現行法でも事前届け出制の枠組みの中で、審査つき事前届け出制でございますから、その中で対応することは可能だったわけでございますけれども、今回それを許可制にかからしめておるということでございます。これはそれほど大きな改正ではございません。
  107. 千葉景子

    ○千葉景子君 多分、今回の改正で資本取引一般が自由になったわけですから、そういう意味で、それを全体として許可制にかからしめるということで改正になったと、改正というか内容としてはそこでくくられたというふうに解釈すればいいのかなというふうに思うんです。  ところで、従来はこの安保理決議あるいは条約などに基づいて規制が行われていたということでございます。今回、外為法の改正によって原則は自由になるわけですから、このいろいろな意味での規制のかけ方というのは非常に外為法の本来の趣旨からすると相反する。そういう意味では、それをどういうときに発動し、あるいはどういう形で効果あらしめるかというのは非常に難しいというか、問題だというふうに思います。  ところが、今回の発動の条件、今度の改正の中身を見ますと、先ほど御説明をいただきましたように、これまでは条約あるいは決議、こういうものが条件になっていたんですが、「国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与する」というような形で、非常に抽象的な規定が盛り込まれたということになろうかというふうに思うんです。  これだけ読むと、何か何でも入りそうな感じもいたしますし、どういうことを一つは想定しているのか、どんな場合が考え得るのか、どういうことをあれしてこの規定が置かれているのか、その辺について御説明をお願いいたします。
  108. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) この「国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため」という条文がかなり抽象的ではないかという御指摘ですけれども、まずその点については、欧米では通常、国家安全保障のためには行政が何でもできるというような法体系になっておりますので、国家安全保障というような概念に比べますと、これはかなり具体的な概念であるというふうに私ども思っております。  それからもう一つ、それじゃ、これはどういう状況だということでございますけれども、「国際平和のための国際的な努力」ということでございますから、我が国がほかの国の動向を全く無視して独自にやるというようなことは余り想定されないんではないかというふうに思っております。安保理の決議がなくても国際的に相当の国が経済制裁をすると、そういうことを決めておって、我が国としても、そういう「国際平和のための国際的な努力」に資することができると、そういう場合に限って経済制裁を行うということでございますから、アメリカもドイツも中国もロシアもやらないというような状況で、我が国だけが経済制裁に踏み切るということは、この条文上はなかなか読みにくいんではないかというふうに思っております。
  109. 千葉景子

    ○千葉景子君 それは確かにこの条文で読みますと、「国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与する」、こういうことですから、どこも何も考えていないのに日本だけがとっぴなことを考えて何か事を起こすというようなことではないだろうというふうに思いますけれども、ただ非常にこの経済制裁というのが国際関係にも大変重要な影響を及ぼすわけですし、それからこの外為法の骨格、理念からいえば、自由な取引、そういうものに強い規制をかけるわけですから、そういう経済面でも影響が非常に大きいということになるわけですね。  そうなりますと、これまでのように何らかの決議がなされたとか、あるいは条約に基づいて行われるというようなことであれば非常にわかりやすいんですけれども、なかなかこの条文からですと、どんなときに本当に発動され得るのか、それからこれはちょっと後からも質問しますが、一体この判断をどういう歯どめというかチェックをかけていくのか、こういうことも非常に気になるところではあるわけです。  衆議院の方でも、この論議をさせていただいたというところではございますけれども、抽象的な条文ではありますが、世界との外交関係あるいは国内の経済関係、そういうものを損なわないような一定の厳格な運用というものをぜひ求めておきたいなというふうに思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
  110. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 極めて重要な外交上の決定という意味で、広範なインパクトを持っているという御指摘はそのとおりだというふうに思います。ですから、当然のことながら、議院内閣制のもとで内閣が責任を持って行う行為だというふうに理解しております。そういう意味で、安易に発動されるべきではないという御指摘はそのとおりだと思います。  ただ、経済制裁というのは、これは非常に危機管理的な状況でやらなければならないと。この間の湾岸戦争のときもまさにそうでございましたけれども、戦争が起こったようなときに直ちにこういうことをやらなければいけないということでございますので、これは内閣が責任を持って行うということではないかというふうに思っております。
  111. 千葉景子

    ○千葉景子君 今の局長の御指摘は、私もそのとおりだと思います。  やはり、非常に外交、経済、影響力が大きいですから、それについて厳格な責任ある決定をしていただかなければいけないと思います。ただ、今度はその反面、やる以上は、あるいは実施をするとなれば、実効性が伴わないと諸外国からの信頼というのも失うということになろうかというふうに思うんです。そういう意味で、この実効性についてどういう形で担保されるのか、お聞きをしておきたいと思います。  決定をしてもなかなか、この外為法の改正によって外国での決済が自由にできるようになったりいたしますと、それを本当に漏れなくきちっと実効あらしめるというのは困難じゃないだろうか、大変難しい面があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、この実効力についてはどのような形で担保をされるということになりましょうか。
  112. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) おっしゃるとおり、経済制裁を発動するときには、これは広く一般の国民の方に周知徹底しないと実効性が上がらないわけでございまして、広く周知徹底させるということが一つでございます。  それからもう一つは、これは当然のことながら、取引当事者が違反したときの罰則というのが一つのチェックになるわけでございまして、例えば許可を受けないで支払い等を、資本取引を行った場合には三年以下の懲役または百万円以下の罰金と。百万円以下というところは、違反の目的物の価格の三倍までは増額可能であると、こういうことで一つチェックできるということでございます。  もう一つは、通常、資金というのは銀行、金融機関を通じて流れますから、金融機関に許可の確認義務というのを課しておるところでございます。
  113. 千葉景子

    ○千葉景子君 金融機関の確認義務は、送金とか、そういうものにはかけ得るんだと思うんですね。ただ、直接外国で決済をしてしまうというようなことになりますと、なかなかこの確認だけでは難しいところもあると思うんですね。そうすると、結局はそれぞれに周知を徹底して、そしてそれに違反をしたら厳しい制裁、罰則なりが科せられるということが最終的なやっぱり実効性担保のあれになるんでしょうかね、制度としては。
  114. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 我が国の中でできることは、確認義務を課し、それに違反したときに罰をかけるということでございますけれども、当然のことながら、多国間でこういう経済制裁を実行するということでございますから、そういう意味での国際協調ということも非常に必要だと思います。  例えば、アメリカに持っている口座で支払ってしまうというようなことは可能でございますから、その場合にはアメリカが同様の措置をとるということが一つの担保になるわけでございますから、やはり国際的に協調体制というものを組んでやるということが非常に重要なことだというふうに思っております。
  115. 千葉景子

    ○千葉景子君 さて、時間になりますので最後に指摘をさせておいていただきたいと思うんですけれども、これは先ほども、こういう経済制裁というのは非常に迅速が要求される、そして国際関係などにも大変大きな影響を及ぼすということで、政府が責任を持ってこの発動については決定をしていくということになろうかというふうに思うんです。  ただ、そうはいっても、先ほど言ったように、これを実効性あらしめるためには国民全体としてのコンセンサスといいましょうか納得が必要になってこようかと思いますし、それからそれが本当に適切なものであったかどうかと、こういう確認というんでしょうかチェックというものも、これからまた将来に向けてのさまざまな課題として必要になってくるんではないかというふうに思うんです。そういう意味では、でき得るだけ国会を通じて、あるいは他の部分でもこの経済制裁が国民的なコンセンサスになるような、そういう手だてをやっぱり考えていく必要があるだろうというふうに思います。  諸外国の法制では、その点などはどんなふうになっているのか。その点と、それから日本でも、国会にこの制裁をどうかと言われても、なかなかそれを国会が判断するというのもこれは困難を伴うことでもありましょうけれども、ただ後の検証という意味では、国会の中でも議論をしていくということも必要になってこようかというふうに思うんです。  そのあたりについて、どのようにこの制度運用に当たって考えておられるのか、その点についてお聞きをして、きょうは終わりにしたいと思います。
  116. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 御指摘のとおり、国民一人一人に周知徹底させなければ実効性の上がらない、そういう行為でございますので、当然のことながら、国会等を通じて十分その制裁の理由とか、どういうことをやるのかということを説明するということは非常に重要なことだと思っております。アメリカ等でも、これは努力規定ではございますけれども、やはり大統領が議会に対して十分説明をしろというような規定があるわけでございます。  制度として、法律としてそういうものを入れていくということは、私ども大変難しいと思っております。というのは、外交権というのは行政権の一部でございますから、それについてすべて、例えば事後的に承認をとれとか報告をしろとかいうことにするのは非常に難しいかと思いますけれども、実際問題としては、国会等を通じて十分周知徹底を図るあるいは十分議論をしていくということが大事なことであろうというふうに理解しております。
  117. 千葉景子

    ○千葉景子君 大臣、いかがですか。
  118. 三塚博

    ○国務大臣(三塚博君) 有事の場合における極めて精密な御質疑を拝聴いたしました。  地域紛争が大紛争にわたりませんように、安保理が決定した場合は直ちに始動と。しかし、安保理の決定が間に合わぬ場合にはどうするのかと。かつてのイラクの経験がございます。よって、そのときは閣議了解をもって日本の意思決定としていくということにさせていただき、当然本件については、閣議決定に持ち込むことにつきましても、官房長官なりトップなりがかくかくしかじかということで国会に向けて、開会中であればそう申し上げるということになるでありましょうし、決定後さらに国民に向けてこのことを知っていただくという総理談話、官房長官、外務大臣なのでしょうか、そういうことで対応をしていき、国民各位にしっかりと御理解をいただくことによって経済制裁が効果あるものにしていかなければ、何のための決定かということになりますので、段々の御指摘を踏まえて十二分の対応をしていかなければならないと思っております。
  119. 千葉景子

    ○千葉景子君 終わります。
  120. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 最初に、持ち高規制の有事規制についてお尋ねをいたします。  法律上、この持ち高規制、全く条文に出てきていないんですね。有事の際に仮に規制するとすれば、どの条項に基づいて行う考えなのか、お聞きいたします。
  121. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) まさにこれは経済的有事の際でございますから、今まで経済的有事ということでその規制を発動したことはございませんけれども、もしそういう世界恐慌のようなことが起こって経済的有事を発動するということであれば、二十一条、「大蔵大臣の許可を受ける義務を課する資本取引等」及び「許可等の条件」を定めた六十七条によってなされることになると思います。
  122. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 二十一条の何項ですか。
  123. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 二十一条の二項でございます。
  124. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 これまで、国際金融局が指示をいたしまして持ち高規制をしてきたわけですね。今後は銀行の自己責任ということでしているわけですけれども、それならばなぜこの有事規制というものが必要なのか。銀行の方に自己責任でやりなさいと言っているんですから必要がないんじゃないかなと思うんですけれども、どのような事態を想定してこういうことを考えているのか、お尋ねいたします。
  125. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) これは、まさに経済状況がもう大変混乱して、世界恐慌のような状況になったときを想定しております。ですから、例えば為替レートが乱高下するとか、その程度のことで発動するということではないというふうに考えております。
  126. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 それほど重要な問題のときにだけ発動するということであれば、なぜこの条文の中に書かないで「その他」の中で自由にできるようなものにしておくんでしょうか。
  127. 榊原英資

    政府委員(榊原英資君) これは極めて例外的な規定でございまして、これを常時自由に発動しようというような意図は全くございません。
  128. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 そういうことになると、何でも規制できるというふうにも解釈できるわけですね。それほど重要なものを「その他」の中でやれるというのであれば軽微なものなら何でもできるということになるんでしょうけれども、持ち高規制のように、法律に全く書かれていないけれども有事の際には発動できるというんですが、それであれば、そのほかにまだ可能性のある規制というものも当然考えられるのではないかなと思いますけれども、どういうものが考えられますでしょうか。
  129. 榊原英資

    政府委員(榊原英資君) 今、御指摘のところは経済有事ということでございまして、その要件は、「我が国の国際収支の均衡を維持することが困難になる」とか、「本邦通貨の外国為替相場に急激な変動をもたらすことになる」、あるいは「本邦と外国との間の大量の資金の移動により我が国の金融市場又は資本市場に悪影響を及ぼすことになる」、こういう要件が全部満たされたときでございます。  ですから、これは今までの外為法の歴史の中で発動したことはないわけでございますけれども、例えば一九三〇年代の世界恐慌というようなことになって我が国の国際収支の均衡というものが全く破壊されてしまう、そういうような状況になったときは持ち高規制だけではなくて資本取引全体を許可制にするというようなことができることになっておるわけでございます。
  130. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 それじゃ、次に移ります。  次は、株式譲渡益課税、いわゆるキャピタルゲイン課税ですけれども、幾つかお尋ねをいたしますが、最後に大臣のこれに対するお考えをお尋ねしたいと思います。  まず最初に、有価証券取引税の見直しが問題になっております。先ほどの局長のお話ですと、三千五百十億円という相当大きな金額になるわけですけれども、これの見直しが問題になっている中で、その場合にキャピタルゲイン課税のあり方も当然に見直す必要が私は出てくると思っております。すなわち、現行のキャピタルゲイン課税は分離課税のために給与所得に対する課税に比べて大変軽減されておりまして、私はこれは極めて不公平な税制であろうと思っております。  しかも、譲渡益が出たときは、源泉分離課税といって売却価格の一・〇五%だけ、これが選択できる。逆に、今度はロスが出た場合にはどうするかといえば、申告分離課税で譲渡益の二〇%、これが選択できるようになっているわけです。このため、アメリカイギリスなどの総合課税方式に比べて、日本の場合は分離課税ですから大変金持ちが優遇されているという不公平税制の大変大き  い要素を持っていると私は思っております。  私は、これは総合課税にするべきであると、そう考えておりますけれども、大蔵省のお考えをお聞きしたいと思います。
  131. 薄井信明

    政府委員(薄井信明君) 株式の譲渡益に対する課税は、いろいろと沿革がございまして、本来、委員御指摘のように、他の所得と同じように総合課税すべきであるという議論は当然にございますし、かつて日本の税制の歴史の中でもシャウプ勧告以降その種のことをやっていたことがあるわけでございますが、株式譲渡益というのは、御存じのように、幾らである株を買って幾らである株を売ったか、その差額が譲渡益でございますから、二つの非常に頻繁に行われる株の取引の中から譲渡益を把握するということは非常に難しいという問題がございます。  それと、経済的な観点もあったんでしょうが、総合課税にすると損をしたときだけ申告をしてくる、損をしたときだけは幾ら損をしたからというのでほかの所得から引いてくれという申告をしてくるといったようなこともあり、経験上、譲渡益課税については原則非課税とする方がむしろ公平ではないかと。  一方で、代替的にではないんですけれども、非常に外形的に有価証券取引税という形で税金をかける手法の方が適当ではないかという論議がずっとされてきたわけで、現実に税制もそれで来たわけでございますが、平成元年の税制改革の際に原則非課税というキャピタルゲイン課税を原則課税に大転換させていただきました。  この大転換したときに、これまでずっと長年やっていた非課税を課税に持ってきたときに、納税者にとっても、また執行当局にとっても悪平等にならないような形で何ができるかということを詰めた結果として今御指摘のような申告分離と源泉分離の選択制という答えにたどり着いたわけでございます。ただし、これが恒久的にこれでいいということではないので議論を続けてきておりますし、御存じのように二年前に手直しもいたしております。  今後の課題として、御指摘のように、総合課税ということも、例えばキャピタルゲイン把握の手法がうまくっくれるならばそういうことを支えにその方向に持っていくことは一つの考え方だと思います。ただ、もう一度申し上げますが、単に売った価格だけ把握してもいけないわけで、幾らで取得したかがわからないといけないというので、普通の所得に比べて頻繁に売り買いされるだけに極  めて難しい問題があると思っております。
  132. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 一説には納税者番号制度との関係があるというふうに言われておりますけれども、そういうこともお考えで今のようなお答えになるわけですか。
  133. 薄井信明

    政府委員(薄井信明君) 今申し上げましたその把握を、よりやりやすくするためには納税者番号制度が必要だと思います。  一方で、納税者番号制度、長い話はやめますが、それ自体を導入することの是非ということは慎重に考えなくてはいけないと思っておりますので、そういう意味で納番のない中でキャピタルゲインを把握するということは非常に難しいと思っております。
  134. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 よく一般的に納番制がない限りなかなか大変だというお話は聞くんですけれども、しかしこれまでの経過の中で、その納番制がなくてもある程度は把握できるのではないかという意見が幾つか出ているわけですね。その一つが日経のことしの五月四日に載っているんです。  キャピタルゲイン課税というのは、今お話がありましたように、確かに昭和六十三年まで非課税ということになっていたわけですけれども、ただ年三十回以上かつ十二万株以上の継続的取引、また同一銘柄の年間十二万株以上の大口譲渡については総合課税が適用されてきたわけですね。これが、今局長がおっしゃったように、平成元年四月一日以降分離課税になる、そういう推移があるわけですけれども、しかしこれは金持ち優遇との批判が随分出ておりまして、そういうことに配慮をして当時国会で議論をされたときに改正法の附帯決議がつけられているわけですね。それは、総合課税への移行問題を含めて課税のあり方を見直すということになっているわけです。  それで、残念ながらまだこの決議が実現されていないんですけれども、納番制度がなくても「証券取引等監視委員会の監視活動の結果、かつてのように仮名や偽名での取引は困難になっており、申告納税にしても課税逃れの可能性は小さいとみている。」と、したがって納番制がなくても総合課税は不可能ではない、こういうことが言われているんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
  135. 薄井信明

    政府委員(薄井信明君) キャピタルゲイン、株の売り買いで所得が出る、かつそれがかなりの見逃せないような利益が出るという方々は、日々何回も電話で取引したり、非常に反復継続する取引関係があろうかと思います。そういったものを把握していくということは、どうしても機械的に番号で名寄せをしていく、あるいは本人確認の問題は今御指摘のようなやり方があるいはあるのかもしれませんが、本人確認をきちっとするということを担保することはなかなか難しいと思います。  それをせずに総合課税とした場合に、総合課税である以上、損が出たらそれは他の所得から引きますという仕組みと今度は裏腹ですから、むしろ昔に戻って損だけ出していくということも出てくるわけでして、私どもは今の形がペストであるとは思いませんけれども、原則非課税に比べれば大前進ですし、また今後これは総合課税なり、そこへ行く前には例えば申告分離制度の方に一本化していくというようなステップを踏みながら納番のこれからの行く末を見きわめていくということが方向ではないかと思っております。
  136. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 分離課税は後ほどお聞きするとしまして、大変把握が難しいとおっしゃるんですけれども、しかし証券業者にしてみれば個人の名義で何回も取引されているわけですね。そうなりますと、当然そこに出てくる利益というものは把握できるのではないんでしょうか、いかがでしょうか。
  137. 薄井信明

    政府委員(薄井信明君) 私どもは納税者との関係で所得を考えなければなりません。また、いろんなケースが考えられる一つの例として、いろんな証券会社を使うことも可能です。また、国際的にもこれから自由化されることになれば、一社ごとあるいは一支店ごとに仮にできる話であっても、手法は幾らでも考えられる、そういう中で把握するには税務署がきちっと把握する自信がないといけないと。それは、支払い調書なり何なりで番号つきのものを出していただければ、それを国税庁サイドで名寄せして課税していくというのが進むべき道だと思っております。
  138. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 ですから、最初にお答えになったときには、大変頻繁に取引をしてどのぐらいの利益が出ているかということを把握するのが非常に難しいんだというお話でしたけれども、今お話があったように、それなりのやり方を考えれば把握できないことはないだろうと。例えば銀行利子というものは、初めから利子が出たときにはもう二〇%引かれるわけですね。今度の場合でも、海外に出した場合には、それは一定の金額以上は報告する義務銀行に課しているわけですね。そういうことからいえば、証券業界に対してもそういうことの報告というものを求めるということは、これは違法ではないんだろうと思うんですね。  だから、税務署だけで把握しようと思ってもそれはなかなか難しいかもしれないけれども、証券業界そのものにそういった報告の義務というものを課すことによって、私はそんな難しい問題ではないというふうに思うんですけれども。
  139. 薄井信明

    政府委員(薄井信明君) 金利につきましては、取得費といいますか、経費の概念がなくて、一年たてば幾らという金利が出てくるわけですから、そこで現在の制度では総合課税できないものですから国一五、地方五ということで二〇%を源泉徴収するという形をとっております。最初に御指摘になったキャピタルゲイン課税の源泉分離課税は、むしろその手法を使っているわけです。  どうやってそれを、今一・〇五にしておりますけれども、考えてあるかといいますと、株の売り買いをしますと、今ですと五・二五%の利益があるものと仮定をしてそれに税金分を二〇%掛ける、そうしますと一・〇五が出てきます。その一・○五を今いただいているという手法であって、まさに金利と同じような対応をしていると。  それから、ちょっと戻りますが、先ほど最初に申し上げましたように、取得価格と売却価格両方ないといけませんから、ある証券会社で買って別の証券会社で売っちゃうことはできるわけで、一つ一つについて対応関係は絶対わからないようにできるわけです。したがって、どこの国でもキャピタルゲインに対する課税は苦労をしているという状況でございます。
  140. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 二〇%という考え方そのものが私どもとしては非常に低い、ですから総合課税にしない限り問題が起きる、そう考えて、それが基本になって質問しているわけです。今申し上げたような、これは手続工事務的な問題でしょうから、もう少しやっぱり研究をしてみる余地は私はあるのではないかなというふうに思います。  それで、まだなかなかそこまで行かない前に、大口取引者の総合課税への移行という問題がございますね。大口取引者に限ってキャピタルゲインの総合課税を行うという、そういうことですけれども、事実、政府税調におきましても平成四年十一月に利子株式等譲渡益課税小委員会報告というのが出ております。それを読んでみますと、「株式等譲渡益について基本的には総合課税を目指すべきであるとの考え方から、少なくとも大口の株式取引者等については総合課税に移行する方向で検討すべきではないかといった意見が少なからずあった。」と。私が今申し上げているようなことというのはこの税調の中でも相当議論をされて、同じような意見が相当あったというふうに解釈できるわけです。  ですから、やっぱり総合課税に向かっていこうという動きだと思うんですけれども、それについてもう一度、いかがでしょうか。
  141. 薄井信明

    政府委員(薄井信明君) お金持ちの立場になると、仮にそういう大口は総合課税でとらえますというシステムになれば、証券取引を避けていくといういわゆるシフト問題が生じてくることも一つの重大なポイントでして、私ども、その世界だけで逃げないならばいいんですが、総合的に金融の世界が今の状況を、税制が変わったから金の流れが変わるということのないようにどうすればいいかということも考えなければならないということで、ある意味では委員御指摘のように不公平だという面を我慢しつつも総合課税に向かって一歩も二歩も前進したと思っております。  ただ、方向としては大口をやるというよりは全体として総合課税の方向に行けるのが望ましいと思っております。一部分だけ抜き出すと、どうしてもそこがよそへシフトしちやっという大きな問題にぶつかってしまうと私ども恐れております。
  142. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 しかし、局長のようなお考えですと、なかなかこれは総合課税というのは難しいんじゃないかなと思うんですね。ですから、できるところからやっぱり総合課税というものを考えるべきであって、総合課税にしたから株式の取引がそんなに減るというふうには考えないんですけれども、それは見解の相違かもしれませんけれども、私はそういうふうに思うんです。  この問題の最後に、どうしても総合課税には時間がかかるというのであれば、大口取引の分離課税についてもっとやっぱり高率にしてもいいのではないかなと思うんですね。総合課税ができないということであれば、やっぱり不公平だという批判が随分あるわけでして、そういうことからいえば大口取引に対して高率の分離課税を導入するという一歩踏み込んだ税制を考えてもいいんではないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  143. 薄井信明

    政府委員(薄井信明君) 平成元年の原則非課税から課税に大きく前進した際には、個々の取引ごとに源泉分離で譲渡額の一%を課税していただくか、あるいは三月十五日までの申告の際に申告していただく、しかし他の所得とは別に国税二〇%、地方税六%、二六%を利益に対して課税していただくという、どちらかが選択できるようになっております。そういうシステムを一歩、半歩といいますか、前進させまして、現在では一%を一・〇五にしているという状況にあります。この一・〇五にしたのはおととしてして、これは有価証券取引税を三割軽減した際に一を今の一・〇五に引き上げたという改正をしております。  このことの持つ意味は、源泉分離で取引ごとに一%で済んじゃうよというものが少しでもコストがもうちょっとかかれば申告分離の方に流れていくわけですから、だんだん申告分離に行ってもらった方が究極の目的である総合課税に近づくという考え方が背景にあったわけでございまして、そういう意味では委員御指摘の方向で全体の改正が今後行くのかどうか、一つの考え方と思いますし、また申告分離の世界の二〇プラス六のところを、申告分離はある意味では一年分をまとめて申告するわけですからそのときに大きな取引をした人かどうかがわかるわけですので、大口について、そこの税率を変えたらどうかと、そういうような発想というのはあるいはあるかもしれません。  源泉分離の方で一件一件のところでそれができるのかどうか、どちらを御指摘なのか今の御質問からはわかりませんけれども、一つの考え方かとは思います。
  144. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 最後に、大臣のお考えをお聞きしたいと思うんですけれども、このキャピタルゲイン課税というのは、今までの税制調査会の中でもいろいろと御意見が出ているように、どう見てもやっぱり不公平な面がぬぐい去れないことが随分あるのではないだろうかと。そして、税そのものが総合課税というものを志向していくということからいきますと、このキャピタルゲイン課税というのは総合課税にはまず手をつけやすい問題であるし、つけなければいけない問題でもあろうということで、局長のお話を聞きますと、そういう方向というのは当然考えていかなきゃならないというお考えもあるようですけれども、大臣としてのお考えをお聞きしたいと思います。
  145. 三塚博

    国務大臣(三塚博君) 本件につきましては、政府税調答申にも指摘をされておるところでございます。特に、納税者番号制度を初めとする株式取引の把握体制が整備されておりません現況におきましては、株式譲渡益課税の適正化の方法について、これから始まるであろう政府税調におきましても真剣な御論議をいただき、御答申をまたいただくようにしていかなければならぬところであろうと思います。金融システム改革の真っただ中になる十年度以降でありますし、全体が市場税制の中でどうするかという視点も大きな基本的なテーマになると思っておりますので、そのようにお願いを申し上げてまいりたいと思っております。
  146. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 納番制度を、その実施を待ってということになれば、非常にやはりこの問題の解決はおくれるというふうに思いますね。したがって、納番制度をとらなくてもある程度はできるということがいろいろと今まで言われてきたわけですから、私はできるところから手をつけていくのが、やっぱり税の公平化を求めるということからいえばそうやる必要があるだろうと、そう思っておりますので、ぜひひとつそういう方向でやっていただくようにお願いをしておきたいと、こう思います。  次は、課税漏れ対策の問題ですけれども、まず国内居住者による海外預金は現在どのくらいあるものでしょうか。件数と金額がわかれば教えていただきたいと思います。
  147. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 居住者の海外預金は、銀行を省く居住者の非居住者に対する預け金ということで統計が出ております。平成七年末の残高で四千億円程度でございます。件数については、平成七年中に行った外為法上の海外預金の許可件数が一千五百件ということでございます。許可不要とされている海外預金、これは二億円以下の海外預金で投資のためということでございますけれども、これについては海外預金の総数は把握しておりません。
  148. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 もう一つ資料でお聞きしたいことがあるんですけれども、何か時間が間に合いそうもないので先に進みたいと思いますが、外為法のような規制がない欧米では国境を越える資金の動きを捕捉するために金融機関に送金記録の開示義務を課すなどして税務情報の収集体制が整備されているというふうに聞いております。  主税局長はアメリカを参考にするとよくおっしゃるんですけれども、なぜ納税者番号制度をとっているアメリカを参考にするのか。逆に言うと、納税者番号制度がない、源泉徴収制度に依存している欧州にも私は参考になるものがあるのではないだろうかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  149. 薄井信明

    ○政府委員(薄井信明君) アメリカがやはりその辺が一番整合性のとれた仕組みを全体的に持っているのではないかと思っている点が一点。それからもう一つは、ヨーロッパは参考にならないという意味ではなくて、フランスなどはしっかりしております。フランスの状況についても私ども関心を持っております。  ただ、納税者番号が日本ではありませんので、金融機関に名寄せをさせて調書を出させるということが日本ではできませんので、そうなりますと先日来申し上げている一件当たり幾ら以上のものについては機械的に出してくださいという手法が適当ではないかなと。委員おっしゃるような手法をとるためには名寄せができないと無理なものですから、日本でできる最大限のことを行うと。その模範となる国としては、アメリカとかフランスがあるというふうに考えております。
  150. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 それでは、最後にお聞きしたいのは、現行の外為法のもとでは二億円以下の外貨預金は大蔵大臣の許可を要しないで原則自由に行えることになっております。  この場合の利子所得について税務署はどのような形でチェックを行っているのか伺いたいし、また利子を申告しないで追徴課税が行われたようなケースがあるのかどうなのか、お答えをいただいて質問を終わります。
  151. 舩橋晴雄

    ○政府委員(船橋晴雄君) お答え申し上げます。  国税当局といたしましては、あらゆる機会を通じて課税上有効な資料情報の収集に努めております。これらの資料と納税者から提出された申告書を総合検討して適正な課税の実現を図っていくということでございます。  委員、今お尋ねの海外預金の利子所得につきましても、まずは外為銀行を通じた調査等に加えまして、租税条約に基づく情報交換によって得られた情報を活用するなどして適正な課税の実現に努めているわけでございます。また、統計的に何件というようなものはとっておりませんけれども、私どもの調査の中で追徴課税をしたケースはございます。  それから、今回の外為規制の緩和によりまして、このような国際取引を利用した租税回避行為の把握が一層に困難になりますと、適正、公平な課税の実現に支障を来すだけでなく、税収の確保にも影響するというふうに考えておりまして、私どもとしても先般来主税局長から御説明がございます資料情報制度をぜひ設けていただきたいというふうに考えております。
  152. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 終わります。
  153. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 議運の理事会と重なってばたばたしましたことをおわびしておきます。  この前の続きに当たる質問をさせていただきます。私、前回の最後にイギリスのビッグバンの結果をどう評価するかということについて質問し、イギリス政府は成功だと言っていると、こういう答弁を得ました。今回の外為法の改正は、日本版ビッグバンのフロントランナーとして位置づけられているものでありますが、ビッグバンの本家イギリスの経験から見ると、ビッグバンによってイギリスの歴史あるマーチャントバンクが次々と大陸やアメリカの銀行によって買収され、その結果、国際市場としての地位は確保できたが、そこで生き残ったのはイギリスの金融機関ではなく外国の金融機関という皮肉な結果に終わったということがいろいろ指摘されているわけです。こういう問題を含めまして、なぜそうなったかの原因をよく検討しておくことが日本版ビッグバンを進める上では重要だというふうに思っております。  確かに、ニューヨークもロンドンも活性化し繁栄していると言われますが、その繁栄自体にまず問題なしと言えない点が内包されているということを私は取り上げたいと思います。それは、ニューヨークもロンドンも成功した、活性化した、繁栄していると言われているその一方で、貧富の差の拡大が今非常に大きい問題になっておる。所得格差の拡大ということが横たわっている問題であります。  少し古い一九九四年の資料によりますと、アメリカでは、貧困層は所得が減ると、ふえ方の格差じゃなくて、貧困層は所得が減って、それで一方では所得がふえると、そういう格差が生まれております。それはいろいろな資料に出ておりますけれども、一々紹介することは省略したいと思います。  最近、日経新聞に出ましたが、カリフォルニア大学のローラ・タイソンという人が「経済教室」で書いているところによりますと、「八〇年代末には、大半のエコノミストが政府の財政赤字削減を米国経済の最大の課題に挙げていたが、今は彼らは所得格差の拡大こそが最大の経済問題だと見ている。」と、こういう状況が生まれているということですね。  日本でも非常に注目され、よく読まれたレスター・サローの「資本主義の未来」という本がございます。恐らく皆さんもお読みになっていると思います。この本によりますと、「国民一人当たりGDPが増えているときに、実質賃金が下がるというパターンは、アメリカ史上一度もなかったこと」だと、そういう事態があらわれておると、こういうふうに書いております。  私は、これからいろいろな問題を考える場合に、市場が活性化した、経済が繁栄したといっても、こういうふうになったんではやはり本当の繁栄というふうには言いがたいものだと思います。まず、そういう貧富の格差がアメリカでもイギリスでも問題になっていると、この事実は御確認になるかどうか、これはどなたにお答え願ったらいいのか。
  154. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 事実関係として、たしか正確な統計はあれでございますけれども、八〇年代のアメリカの労働者の実質賃金が実際に下がったということは事実として承知しております。
  155. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 下がったその理由はいろいろあるわけですけれども、ここでそれを中心に論議しようとは思いませんけれども、やはり競争力ということからの賃金抑制とか、いろいろなことがあるわけですね。金融市場の活性化、経済繁栄の反映でのこういう貧富の格差が非常に重大であるわけですけれども、賃金だけでなくて失業の増大ということが、一方では自由化、競争力の強化、そして雇用の拡大、所得の増加だと、こう言われる反面、失業者の増大ということが大きい問題になっている。このレスター・サローの本でもそこがいろいろ書かれております。そして、賃金の引き下げだけでなく、いかに人員整理が行われ、リストラによって失業がふえたかということですね。  それで、レスター・サローは、この本の中で書いているんですけれども、不平等の拡大、失業の増大、今簡単に首切りを行う、こういうことは十九世紀の資本主義の欠陥だったと、こう書いているんですね。今起こっていることは、サローが十九世紀の資本主義の欠陥だと言った事態が競争力強化という名のもとに行われていると、こういう事態だというふうに私は思います。  こういう所得の格差、それから失業の増大、こういうふうな問題について、そういうことが起こらないような配慮が、皆さんが今この改正でやろうとしている中でも検討になってきたかどうか、これをちょっとお伺いしておきます。
  156. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 失業は、アメリカ、イギリスは今非常に経済が好調でございますから、失業率が下がっております。失業率がこのところふえているのは大陸、ヨーロッパ諸国でございますけれども、失業の問題あるいは所得格差の増大というのは非常に重要な深刻な問題であるという御指摘は、そのとおりだと思います。  ただ、私ども、この金融ビッグバンということを考えましたその基本的な視点は、消費者あるいは投資家のためにこういう改革を実現するんだということでございますので、具体的に所得格差の問題等を検討したわけではございませんけれども、私どもの視点は、企業のためのということではなくて、投資家、消費者のためにこういう改革を実現するんだと、そういうことでございます。
  157. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 もう一つの問題は、そういう貧富の格差とあわせて、イギリスの金融機関、それ自体がどうなったかということですね。  この間、金融局長は、イギリスの政府代表はビッグバンは成功だと言っていると、こういうお話がありました。それと、そういうことを言っているにしろ、やはりイギリスのビッグバンは成功であったという評価で必ずしも一致しているわけではありませんね。  イギリスの新聞、フィナンシャル・タイムズが昨年十月二十五日号でイギリスのビッグバン十年を振り返った特集をやっております。恐らく皆さんもお読みになったことだと思います。これによりますと、イギリスの十年を振り返って、ビッグバンで十九世紀の世界の市場におけるイギリスの地位を取り戻そうとしたと。つまり、かつてのイギリスの栄光を取り戻そうとしたと。結果はどうだったか。ビッグバンの十年後、ロンドンのシティーは世界の指導的金融センターになった、しかし、世界市場における十九世紀時代における地位の回復は多くの人にとって苦痛に満ちた犠牲の多いものであったと、こう書いているわけですね。  ですから、多くの人にとって苦痛に満ちた犠牲の多いものだったと、イギリスの代表的な新聞が書いている。進めた政府は成功だったと言うかもしれませんが、そういうふうな状況。そして、これはもう私が一々挙げるまでもありませんが、マーチャントバンクは大体イギリス資本の証券業者は三分の一ぐらいになったと、こういうふうに言われているわけですね。やはり、それでも成功だったというふうにお考えになるのかどうなのか、ちょっとこれは確かめておきたいと思います。
  158. 長野厖士

    ○政府委員(長野厖士君) 最終的に、その国の市場の改革が成功であったと判断するか否かというのは、まさにその国の方々の御判断であろうかと思いますので、諸外国のことにつきまして私どもが異なる判断を差し向けることはなかろうと存じますが、イギリスにつきまして、若干先日もお話し申し上げましたけれども、幾つかイギリスの特殊性ということを申し上げたいと存じますのは、もともとイギリスの証券市場改革は、わずか十年前まで、市場での証券業者といったら個人企業とあるいは個人の会員だけに限られていたものを、一般の日本なんかで日本の四大証券とかいうような、どこの国でもあります会社企業の証券会社の参入を開いたというのが一点でございます。  その過程では、五千余りの個人会員、それから三百の中のパートナーシップとか全くの個人企業でありました証券会社というものが、アメリカや日本に代表される近代的な株式会社形態の証券会社に取ってかわっていったというのは当然の成り行きでございます。しかし、それはイギリスの歴史にとってみれば、そういったギルドで守られたシステムを変えるというのは大変な改革でありましたから、ビッグバンという大げさな名前もつけましたし、痛みを伴ったといったことも事実でございます。  マーチャントバンクはもう一つイギリスの特殊な存在でございまして、これは今日まで日本語に翻訳がないように、ユーロマーケットで活躍いたしますイギリス独自の金融機関でございますけれども、これは伝統的な植民地支配の中から発生してきました個人の金持ちが、特殊な金融ビジネス、金融に限りませんけれども、金の売買その他のビジネスをやっておりますけれども、世界の金融の発展の中でそういった特殊な個人形態の事業というものに限界を感じて、大きな資本を必要とするようになった、その資本が国内に十分に満たされていないということで諸外国の資本を仰いで発展の道を探っていっておるというのが実態であろうかと思いますし、このマーチャントバンクというのはそういう意味では諸外国に例のない特殊な存在でございますから、日本でしばしば、マーチャントバンクがつぶれたので日本の銀行もおかしくなるのではないかということを言われますけれども、マーチャントバンクは預金を扱っておる金融機関でもございません。特殊な商社でございますので、そういったイギリスの特殊性を考えるべきだろうと思います。  それからもう一点、外国の資本が入ってくるということに関しましては、イギリスは全体として非常に特殊な感じを持っておるように私は思います。ビッグバン十年ということと同じ期間に、例えばイギリスのホテルでありますとかデパートでありますとか、パブでありますとかあるいは自動車産業でありますとか、あらゆる産業におきましてイギリスは外資の参入を並行的に進めておりまして、事金融だけの特殊な現象ではないと私は理解いたしております。
  159. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 イギリスがどう言っているかという、そのイギリス内部が分かれているわけですね。イギリスの大蔵省は成功だったと言っているということですけれども、彼らはこういうふうにも言っているわけですね。我々は、現在資本の構成には全く関心を持っていないと、英国国民所得が増大し、英国の消費者、企業にメリットがあれば、それでよいのだと。これがおっしゃることだと思います。  しかし、そういう考え方でイギリスの国民が一致しているかというと、そうでない。多くにとって痛みを伴い、犠牲の多いものだったと、こういうこと。そして、そういう貧富の差を含めた事態が今度の保守党の大敗の原因だということも最近私が読む新聞の中でも指摘しているところであります。  その国の金融機関、金融機関といってもマーチャントバンクですが、外国資本の支配下に置かれた、それでも構わないんだと、大蔵省の言うように資本の構成には関心がないんだという考え方をもし是とする立場に日本の大蔵省が立たれるとすれば、日本にとっても一体将来日本の金融機関はその資本構成はどうあろうと関心ないと、金融機関が活性化し、市場が活性化しさえずればいいということでは私は困ると思うんですよ。  長野証券局長は衆議院段階の答弁で、大体無条件にイギリスの金融機関は衰退したのではなくて発展したんだという答弁をなさっているわけですから、やっぱり資本の国籍は問題ないというお考えのようにもとれるわけですが、これイギリスについてのことか、日本の金融機関はどうあるべきかということにも同じ認識なのかどうなのか、お伺いしておきます。
  160. 長野厖士

    ○政府委員(長野厖士君) 先ほど来申し上げておりますのは、資本と言った場合に、イギリスの場合に従来資本を持っておったのはだれかということも考慮に入れる必要があろうかと思います。それが全くの特定の個人の、個人企業として持たれておったところからイギリスの市場改革は出発しております。日本の場合には、既に日本の金融市場で活躍します金融機関はすべて、ほとんどと言っていいほど公開された株式会社になっておりますので、もう資本というものが幅広く国民大衆によって持たれているというところから出発いたしております。  したがいまして、結局その資本を手放すか手放さないかは株式市場においてその株式を日本の企業が持ち続けるかどうかということでありまして、それはもう金融機関に限らず、日本におきましてはすべての産業におきまして外国人がより高い値段で株式を取得することも可能でありますし、また外国が売った場合には外国が売っておるじゃないかという心配が日本にあるほどでございますので、むしろ外人の日本の株式に対する積極的な投資というのは歓迎される側面がございます。これは、マーケットの中でおのずと決まっていくことであろうと私は考えております。
  161. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 金融機関というのは、衆議院の論議を見ましても、産業に対する血液だとか、それからいろいろな論議が行われておりますね。それはある部門に外国資本が出てくるということはよくあると思いますよ。しかし、金融機関が外国の資本の支配下になっても構わないという認識では、私はこれは一体どこの国の大蔵省の人が物を言っているのかという気がしますよ。  ある人が、外為法改正というのはこれ何かといって、こう言いましたよ、外国のために法律を変えるのかと。そう言われかねない議論だと私は思います。大臣、いいんですか、日本の将来。
  162. 榊原英資

    ○政府委員(榊原英資君) 外国のために外為法改正というふうに申し上げられますと、何か反論せざるを得ないという感じになりますので。  イギリスの場合は、証券局長が話をしましたようにマーチャントバンクという個人企業が資本を必要とした、こういう状況にあったわけですから、日本の場合に、外為法改正あるいは金融システム改革の結果、外国資本に日本の金融業が支配されてしまうというような結果になるというふうには私ども思っておりません。  ただ、グローバリゼーションの時代でございますから、国境を越えたいろいろな形の再編とか吸収・合併とか、こういうことは実はアメリカでも起こっておる。アメリカの金融機関が例えばドイツあるいはヨーロッパに買収される、あるいは大陸ヨーロッパのある国の金融機関がほかのところに買収される、こういうことは普通に起こっておることでございますから、そういうことが日本で起こることがすべて悪いというふうに私ども考えているわけではございません。ただ、日本の一部の金融機関に外国資本が入ってくるということは、日本の金融業が外国によって支配されるということでは決してないというふうに思っておるというのが一点でございます。  もう一点は、やはり重要なことは、東京市場を活性化させるということ、あるいは日本の金融業全体を活性化させるということでございまして、東京市場を活性化させ日本の金融業全体を活性化させることがひいては日本の国のため、国益につながっているというふうに私どもは考えております。
  163. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私も簡単に日本がイギリスのようになるとは思っておりませんよ。だけれども、論議を聞いていると、そうなってもそれは繁栄であり、結構なことだととれることを述べられるから僕はあえてそう言うわけですよ。  と同時に、あさひ銀行調査部のリポートは、「わが国も、二十一世紀へ向けて発展していくためには、今後イギリスと同じ道を辿らざるをえないのかもしれない。」というふうにイギリスのような事態が起こり得る可能性も述べていると。これはあなた方もお読みになっているものでしょうから。  そこで、私は話を少しまた進めまして、大臣にもお伺いしたいんですが、国際化の中で適者生存という言葉がありますということを盛んに大臣は強調されました。金融機関の世界もそうなるわけであります、新しい基準に参加する場合には必ず痛みを伴うわけでございますと、こういうふうにおっしゃっております。自由化、規制緩和による自由競争の激化を活性化の活力源にしよう、こういうことだと思います。  日本経済の未来は、それで本当に大丈夫なのかということを私は考えざるを得ないんですね。長期的ビジョンを持った上でのこういう方向の打ち出しでなく、こうしなければ空洞化するからという、私にはきょう午前の答弁を聞いていましてもやはり対症療法的な対応だという感じがしてなりません。  サローを使って申しわけないんですけれども、サローはこの本の中で、世界経済の大きな変化に直面している今、「資本主義社会の政府が果たすべき役割は、将来にそなえることだが、今日の政府はそれと正反対のことをやっている。」と。あなた方もサローに言わせれば長期的な将来像を描くのでなく反対のことをやっている、そういうふうに私は言わざるを得ません。  私は、それであわせて申し上げておきたいのは、競争力の強化、そのためにはコストが低くと、それでグローバルスタンダード、こうおっしゃる。日本が今打ち出している、これが終わったころにはグローバルスタンダードはまた変わっている、そういうことだって私はあり得ると思いますよ。コスト下げの競争に活力を求めるということの中から、どういう二十一世紀の日本の金融機関のあり方を描いておられるのか、お聞きしたい。
  164. 三塚博

    ○国務大臣(三塚博君) 歴史はとあえて申し上げます。それと激変の時代というのは、鋭く世界の流れを分析し把握すること、これが極めて大事だと思うんです。取り残されてしまったわということで気がついてスタートを切りましても成果は出ません。一つの例がヨーロッパ、通貨統一を目指して基軸通貨としてユーロを発行してまいると。既に国境がない状態になっておる中で通貨、国家主権をお互い出し合って、そこでヨーロッパ地域の安定と繁栄、これを期していきたいということに相なっております。やがて二十一世紀は政治統合になるだろう、大きくそこを目指し、争い、戦争のないヨーロッパと、人類の究極の目標に向かっていると見て間違いないと思うのであります。  そういう中で、アメリカ合衆国は、御案内のとおり、双子の赤字を克服しながら全盛期、まさに繁栄の基盤を築きつつあります。問題は、インフレを抑えてインフレなき持続的な安定成長を果たすと、これがアメリカ政府のまた国会の基本的な政治目標であります。御案内のとおり、野党である共和党もそのことにおいては賛成をし、今後健全財政の確立に向けて協調、協力をしようということは御案内のとおりであります。  まさに流れをしっかりと見詰めて、その中で余裕のあるうちにこれに適応できる諸条件を整備していくということ以外にございません。島国であった我が日本がここまで参りました。それは国際化の波をしっかりと踏まえてスタートを切ったから貿易立国が成功したと思います。そういう中で、非常に痛みを伴うものであります。伴うものは金融界に、世界の潮流に沿ってやり抜くというその気迫、あるとは思いますけれども、まだまだおくれているのではないでしょうか。  そういう意味で、第三の開国と申し上げさせていただきましたのは、経済人、特にお金は自由に回るわけでございますから、そういう中で意識の転換を図っていただいて、自由主義の根幹はまさに経済でありますから、経済の血液は金融でありますから、この金融界がそういうことに対応するためには、こういうことであります。  フロントランナー、外為法ということにいろいろな御批判もいただいておりますことは承知をいたしておりますが、象徴的な実はお金の見方、価値の見方というものが完全自由化をすることによって共通に流通し合う。円というお金が、経済大国と言われる実力にふさわしい価値を持っていくということであれば、それに対応する改革が進められていきませんと、それをしないという前提で考えますと、ヨーロッパは確実に統一通貨でいくわけですから、ドルとユーロ、まさに世界の基軸通貨であり、我が国の円は一千二百兆と今言っておりますけれども、これは地方通貨として日本には通用する、周辺の一部には通用しますけれども、通用しなくなったときにお金の価値はどうなるんだろうかという危機的な認識も実は根底にありましたこと、事実であります。  そういう中で、今この改革を前進せしめていくことによりまして、日本がまた世界の三大通貨の位置をしっかりとキープしながら、預金者に対するよりよきサービス、そして諸外国の皆様に対してもその門を全面的に開放することによりまして、両々相まって取り進めさせていただくということが我が国の国益、また国民各位の御期待にこたえることに通ずるのではないでしょうかと、こういうことであります。
  165. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 改革は必要なんですよ。改革に反対しているわけじゃない。しかし、改革の理念、そしてまた改革の方向性、これが問題だということを言っているわけです。重要なことは、規制もない完全な自由化だと、その中から日本経済も世界経済も本当に健全な発展の方向が生み出せるのかどうなのか、これが私は問題だと思いますよ。  私どもは、今必要なことは十九世紀的資本主義の自由を与えることではなくて、国際的にも国内的にも今の事態を打開する新しい民主的な規制が必要だと。国連による多国籍企業行動機関の早期成立、国際銀行などの市場での投機を規制すると、そういうようなことを内容とする新しい国際的な規制を、民主的な規制をつくっていく、そのために日本もまた努力していくべきだと、そう思います。  サローも、やはり規制が必要だと、我々はまだ今の時代に合う新しい規制をつくり出していないと、その新しい規制を我々は生み出していかなきゃいかぬし、生み出すだろうと書いているわけですね。私は、今提起されているものには、自由化、規制化さえすれば活力が生まれるということでは、世界経済、日本経済の将来に対するきちっとした方向性が生まれてこない、そういうふうに感じざるを得ない。  時間が来ましたので、あとはまたもう一回この続編をやらせてもらうことにして、きょうはここで終わります。
  166. 松浦孝治

    ○委員長(松浦孝治君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時十六分散会