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1993-02-24 第126回国会 参議院 産業・資源エネルギーに関する調査会 4号 公式Web版

  1. 平成五年二月二十四日(水曜日)    午後一時開会     ―――――――――――――    委員の異動  二月五日     辞任         補欠選任      武田邦太郎君     小池百合子君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     会 長         浜本 万三君     理 事                 上杉 光弘君                 星野 朋市君                 藁科 滿治君                 横尾 和伸君                 長谷川 清君                 立木  洋君                 萩野 浩基君     委 員                 岡  利定君                 佐藤 静雄君                 関根 則之君                 楢崎 泰昌君                 南野知惠子君                 吉村剛太郎君                 久保田真苗君                 庄司  中君                 西野 康雄君                 深田  肇君                 白浜 一良君                 吉田 之久君                 小池百合子君    事務局側        第三特別調査室        長        秋本 達徳君    参考人        財団法人高年齢        者雇用開発協会        理事長      守屋 孝一君        弁  護  士  若菜 允子君        全国中小企業団        体中央会常務理        事        錦織  璋君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○産業・資源エネルギーに関する調査  (高年齢者の雇用問題に関する件)  (女性の雇用問題に関する件)  (中小企業分野における雇用・労働時間短縮問  題に関する件)     ―――――――――――――
  2. 浜本万三

    ○会長(浜本万三君) ただいまから産業・資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る二月五日、武田邦太郎君が委員を辞任され、その補欠として小池百合子君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 浜本万三

    ○会長(浜本万三君) 産業・資源エネルギーに関する調査を議題といたします。  本日は、高年齢者の雇用問題に関する件、女性の雇用問題に関する件、中小企業分野における雇用・労働時間短縮問題に関する件、以上の調査のため、参考人といたしまして財団法人高年齢者雇用開発協会理事長守屋孝一君、弁護士若菜允子君、全国中小企業団体中央会常務理事錦織璋君、以上に御出席をいただいております。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙中のところ本調査会に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の私どもの調査の参考にいたしたいと存じます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  なお、議事の進め方といたしましては、二十分程度それぞれの御意見をお述べいただきました後に委員の質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  それでは、最初に守屋参考人からお願いを申し上げます。
  4. 守屋孝一

    参考人(守屋孝一君) 守屋でございます。  まず、高年齢者の雇用問題をお話しするに当たりましては、まず我が国の高齢化の現象を一言お話ししてから中に入ろうかと思います。  これはもう先生方あるいは十分御承知と思いますが、我が国は今急速な勢いで高齢化が進んでおります。しかし、これはよく中身を見ますと、大きく分けるとこの高齢化の特徴は二つの点に分かれると言えるんじゃないでしょうか。  第一点は、高齢化のスピードが極めて速いということであります。国際的に高齢化のスピードを見ます場合に、大体その国の六十五歳以上の人口の割合が七%を超えますとエージングソサエティー、いわゆる高齢化が始まった国と言われております。それから、これが一四%に達しますとエージドソサエティー、一つの高齢化の成熟した段階というように見るわけでありますが、日本の場合はこの七%から一四%に達するまでの間が大体二十四年、ところがフランスですとこれが百十五年かかっております。アメリカが七十五年、イギリスが四十五年ということでありまして、何をもってスピードが速いかといいますとこの期間が短いということがスピードが速いということになりますが、これを比較してみますと、例えばフランスでは日本と比較しますと、今のを割り算しますと四・八倍の日本スピードがある。アメリカと比較しましても三・一倍、こういう非常に速いスピードで高齢化が進んでおるというのが第一の特徴でございます。  それから、第二の点は、高齢化の到達する水準が極めて高いということであります。若干数字を申し上げますと、時間の関係がございますから簡単に申し上げますが、一九九〇年、平成二年になりますか、この時点で日本の六十五歳以上の人口の総人口に占める割合は一二・一%でございます。これが西暦二〇二五年、これは実は厚生省の人口問題研究所が昨年九月に公表した推計でございますが、二〇二五年になりますと二五・八%という推計が出ております。ほかの、例えば今申し上げましたフランスとかアメリカイギリス等を見ますと、大体二〇%前後のあたりで高齢化が頭を打つという見通してございまして、日本はこれが二五・八%、二六%に近いというのは非常に高齢化の水準が高いということであります。  このような日本のこの二つの大きな特徴が現実にこれからの日本の雇用問題に反映してくるわけでありますが、今のところ我が国の雇用者中に占める五十五歳以上の割合、これを私どもが雇用問題として扱う場合は五十五歳以上を高年齢労働者ということで扱っておりますが、この割合を見てまいりますと、昭和四十五年には五十五歳以上の人の割合が八・八%、まあ九%ぐらいです。ところが、もう既に平成三年の時点、これで一五・一%、今申し上げましたのは労働力調査の数字でございます。ですから、雇用労働者の中に占める高齢者の割合はもう既に大分高まってきているということでございます。  このような、何といいますか数字の上がる裏側には、これはもう御承知のように定年延長という のが今大分日本は進んでおりまして、平成四年の調査によりますと六十歳以上の定年制をしいている企業の割合は七六・六%、近々この定年を延長することをもう既に決定している、あるいは予定しているという企業を含めますと、実にその割合は九〇%を超えるわけでございます。  しかし、定年延長はこのように進んでおりますが、実際に一般の労働市場で高年齢者の求職者はどのような状態に置かれているかというのを見ますと、これは御承知と思いますが、労働省が発表いたします年齢別の有効求人倍率というのがございます。これで見ますと、これは昨年の十月の数字でございますが、五十五歳未満のあたりの有効求人倍率は――有効求人倍率というのは御承知と思いますが全国の公共職業安定所に申し込まれました有効求職者、これに対する有効求人の割合でございます。これが昨年十月で一・三三倍。ですから、これは有効求職者一人に対して一・三三人の有効求人があるということでございます。これは五十五歳未満がそうですが、実はこの五十五歳を超えてまいりますと、これが実に倍率ががくんと落ちてまいりまして、五十五歳以上六十歳未満が〇・四一倍、六十歳から六十五歳未満、このあたりが〇・一六倍というように、非常にここに断層が出てくるわけでございます。  これは後で、この数字がどういう意味をしておるかというのはまた申し上げますが、これは実はかつてのバブル経済下の、あの大型の景気拡大の時期でもこのように五十五歳以上に今の有効求人倍率に大きな断層が出ておったわけでありまして、当面の経済の状況は私が申し上げるまでもなく先生方御承知のとおりでございまして、平成三年三月から大型景気が下降局面に入りました。もう既に二年を経過するかという時期まで来ておりますが、今、新聞等いろんな資料を見ておりますと、大体本年後半には景気が転換点を迎えるのではないかというように見られておりますが、今のところ非常に労働力の需給関係というのは緩和しているのが状況でございます。  ちなみに、バブル大型景気のピーク時点というのは平成三年三月でございますが、この時点で先ほど申し上げました有効求人倍率は一・四七倍というところまで上がっていたわけでありまして、求職者二人に対して求人が三件出るというぐらいのところまでいっておったわけであります。今は、今というのは昨年の十二月の時点が最新の数字でございますが、この時点では〇・九三倍というように一を若干割ったというところまで求人求職関係、需給関係ですが、これが緩和してきております。  これはもう皆さん御承知のとおりで、昨年の上期ぐらいまでは雇用調整といいましても大体自動車であるとか電子、こういう景気後退の影響を非常に深刻に受けていると言われる分野で残業規制とか配置転換、出向というようなことが行われていたわけでありますが、現在では、御承知のように鉄鋼、非鉄を初めとしまして、機械関係あるいはさらに産業全般に雇用調整が及んできておりまして、一部に既に希望退職を募るというような事態にもなってきているわけであります。  景気の下降ぐあいを見ます場合に一つの大きな指標は、私は実質経済成長率の動きだろうと思いますが、前の円高不況と言われたのは六十年の下期から六十一年の下期のあの時期でございます。この円高不況のときも、実は我が国のGNPの成長率で見ますと二・九%、三%をちょっと切るぐらいの時期でございまして、今はどうかといいますと、実は昨年十二月末に経済企画庁が平成四年度のGNPの実質成長率見込みを出しておりますが、これを見ますと一・六%でございますから、実は円高不況のときよりも成長率だけで見ますと非常に落ち込んでおるということが言えると思います。  しかし、労働力の需給関係から見ますと少し様相を異にしておりまして、先ほど言いました円高不況の時期の昭和六十一年には有効求人倍率というのは、実は年平均で〇・六二倍というところまで落ち込んだのでありますが、今回は先ほども申し上げましたように〇・九三というところでとまっております。  これがどうしてとまったかということですが、新聞等には、いわゆる企業が企業内に百万を超える失業者を抱えているとかというようなことも出ておりますが、最大の要因は、我が国のこれからの労働力の供給構造が非常に変わってきつつあるというのを企業経営者の方々も読み取られている。ということは、中長期的に見ると、構造的な労働力の不足時代がもうすぐ目の前まで来ているという御認識があるというのが私は一番大きいと思います。そのほかにも経済の構造が変わったとかいわゆる内需拡大型の経済になったとか、いろいろな事情がありますが、これが一番大きいのではないかと私は思っております。  そういうことから、これからの供給構造はどうなるかということでありますが、この一つの大きな指標としましては、我が国の労働力の供給源といいますか、生産年齢人口の推移だろうと思っております。この生産年齢人口の増加数が実は最近急激に鈍化しております。これは、労働力調査で見ますと、昭和六十二年から六十二年にかけましての時期の生産年齢人口の増加数というのは、年に八十二万人程度が増加しておったわけでありますが、平成元年から平成二年の段階ではもう既に四十万を切っております。さらに、今後の見通しとしては、先ほど申しました人口問題研究所の推計等によりますと、一番最近でいいますと、平成四年から平成五年にかけては恐らく十九万程度の増加数にしかならないだろうというのがこの推計で出ておるわけでありまして、さらに言えば一九九五年、平成七年を境に我が国の生産年齢人口は絶対数がマイナスになるという事態になるわけであります。  当然このことは労働力人口、先ほど私は急減というような意味で申し上げましたが、労働力人口はもう御承知のとおり、現実に労働市場に出てくる、顕在化する労働力の担い手でありますが、これも実はこれからだんだん増加率が鈍化しまして、これは労働省の雇用政策研究会の推計によりますと、西暦二〇〇〇年ごろを境にマイナスになるだろうという見通してあります。  もう一つは、先ほどもちょっと触れましたが、我が国の高齢化の影響が当然この労働力人口にも出てまいりまして、これから労働力人口の高齢化はより進むというのが、これは時間が余りありませんから数字は申し上げませんが、この雇用政策研究会の推計にもはっきり出ておるわけであります。労働力人口の増加数も一九九〇年から西暦二〇〇〇年までの間に三百八十万人増、これは実はケース一とケース二と二つ推計がありまして、私はこの三百八十万人の方をとっておるわけでありますが、これでいくと簡単に算術平均しましても年間三十八万人出る。  これはどういう意味を持つかといいますと、これも先生御承知と思いますが、平成五年度の経済見通し、これは経済企画庁が予算編成のときに出しておりますが、このときは実質成長率が三・三%という見通しになっておりまして、その場合に就業者増の見込みは六十五万人ということでありますから、これが仮に三・三が下がるとしても、先ほど言いましたように、これからの労働力人口の増加数というのは非常に少ない数字であるというのがおわかりだろうと思います。  いろいろ申し上げましたが、このような我が国の労働力の供給構造が変わってくるということになってきますと、今我が国の各企業でとられておりますところの雇用システムというのは、実は第二次大戦後昭和二十年代から三十年代にかけて構築されたシステムでございまして、この背後には、日本の豊富な若い労働力を前提にして今の日本の雇用システムが構築されたわけであります。ところが、そういう前提が今なくなりつつあるというのが一点。もう一つは、かつてよりも高齢化が非常に進んできているというのが二点目。それから三点目は、実は今の我が国の雇用システム、企業の採用になっている雇用システムというのは、実は高度成長のときに非常にうまくフィット するようなシステムではなかろうかと私は思っております。  ところが、これも政府の発表しております生活大国五カ年計画を見ますと、平成四年から平成八年の実質経済成長率はこれから三と二分の一%程度という見方になっておりますが、要はこれから安定成長に移ってくるというと、かつての高度成長、さらに豊富な労働力を前提にしたところの雇用システムというのは変えていかざるを得ないことになってくる。  じゃ、これからはどういうことになるかというと、制約的な労働力供給構造を前提にして、これは高齢者のみならずすべての労働者の方々個々人の個性が十分に尊重されてその能力が十分発揮されるような雇用を実現するという、ちょっと回りくどい言い方でございますが、これが目標になるというように思っております。  そうした場合に、今どういう対策がとられているかといいますと、政府の対策としては、一つは六十五歳までの継続雇用の推進、もう一つは高年齢者の再就職の促進、もう一つは、御承知と思いますが、シルバー人材センターの充実によりますところの定年後のいわゆる就業の場の確保という、大きく分けるとこの三つが政府の今とられておる施策でありまして、今申し上げた中の最初の六十五歳までの継続雇用の推進というところが当協会の主たる担当分野でございます。  このような今後の高齢化の中でどのように対応するかということになりますと、まず私どもが今手がけておりますのは、実は高齢者を雇用するということについて企業にちゅうちょされる点が幾つかあるわけでおります。もう時間がありませんのではしょりますと、この点というのは、これはある調査があるのでございますが、一つは健康上高齢者の場合は問題が多いということ、二番目は仕事の能率が落ちるということ、三番目は新しい仕事に適応しづらいという、この三点を企業は指摘されるわけでありまして、私どもは、この三点を克服するようなノウハウをどうつくり上げていくかというのが最大の課題だろうと思っております。これは取っかかりなんです。そのために私どもは、健康上の問題は健康管理の問題、そして能率の問題は作業改善、職務再設計といいますが、作業改善の問題、そして、あとの適応の問題は、これは教育訓練の問題として企業とともに共同研究を進め、あるいは大学等への能率改善のための委託研究等をやっております。  そういう中で、実はこの三つの点について、企業の診断システムの開発を今進めておりまして、平成五年度中にはそのうちの二つのシステムが開発を終わります。そういうものをてこにしまして企業の新しい雇用システムの構築に向けて支援していくということをまず始めていくというのが私どもの課題でございます。  もちろんこの三点だけではございません。またほかの点を言えば、例えば賃金体系をどうするかという問題あるいは労働時間の問題、特に高齢者は労働時間の問題が非常に大きいわけでございますが、さらにいけば組織問題、組織というのは高齢者会社、高齢者職場といった組織問題等をどうするか、こういった面についても企業は総合的な見直しをする時期に来ております。もっとも、今ちょっと景気がこういう状況でございますが、そういう時期に来ておりますので、これは一つの摩擦現象でございますから、これを何とかできるだけ摩擦を少なく解消していくという方向に向けていろんなノウハウの開発等をやっておるというのが私どもの現状でございます。  いろいろ申し上げましたが、幾つかの私どもが当面する課題と対応策について申し上げさせていただきました。
  5. 浜本万三

    ○会長(浜本万三君) どうもありがとうございました。  それでは次に、若菜参考人にお願いを申し上げます。
  6. 若菜允子

    ○参考人(若菜允子君) 女子の雇用問題ということでお話をさせていただきます。  女子の雇用問題をお話しする前提としては、女子を取り巻く経済社会の動向がどうだということ、その中で女子がどういう位置に置かれているかということをお話しなければならないんですけれども、ただいま守屋参考人の方から現在の経済社会の動向については詳しいお話がございましたし、私も同じようなことを申し上げたいと思っておりましたので、その部分については勝手ながら援用させていただきまして、守屋先生のお話を前提に進めさせていただきたいと思います。  結局、守屋先生もおっしゃいましたように、現在の経済社会の動向といいますと、一つは構造的な労働力不足時代が到来するということ、もう一つは労働者について言えば職業生活と家庭生活、これの調和をいかに図るかという、この二つの視点が大事だ、こういうことだと思います。  そういった状態を背景にいたしまして現時点での働く女性の現状を御紹介したいと思うんですが、概略を申せば、働く女性というのは年々数も増加しておりますし、それから勤続年数も長くなっております。それから、専門的、技術的な職業に従事するということでかなり責任のある部分を担っているということが言えるわけで、それから見ますと結局これからの我が国の経済社会を担う重要な力を持った労働力だということが言えると思います。  一応ここで数字をある程度申し上げた方がいいかと思いますので簡単に申し上げます。  まず、女子の労働力人口でございますが、平成四年の時点で二千六百七十九万人、全体の労働力人口の四〇・七%を占めております。それから女子の労働力率というのは平成四年で五〇・七%でございます。この女子の労働力率につきまして非常に特徴的なことは、御承知のように非常に年齢によって差があるということなんですね。どういう差があるかといいますと、結局、三十歳から三十四歳までの出産・育児期で一応多くの女性が労働市場から退出しますからそこでぐっと落ちできます。それをボトムにしまして、二十歳から二十四歳までと四十五歳から四十九歳までをトップにして、いわゆるM字型というものを描くわけでございます。これは、近年ずっと上方にシフトはしてきているんですけれども、相変わらずそういう状態である。ただ、ちょっと観点を変えて調査をしたものの数字をこれに合わせてみますと、女子の非労働力人口、簡単に言えば働いていない人の中で就業を希望している人の数というものを当たってみます。これを労働力人口に重ねて今の年齢別のM字型カープがどうなるかということを見てみますと、一番ボトムになっている三十歳から四十歳層でぐっと上がるわけですね。ですから、今までのM字型というのが台形のような形になってくるということが言われています。ですから、これは何を意味するかというと、現時点では女子労働者の多くが出産・育児期で労働市場を退出しますけれども、意識の上ではやはり職場に進出することを非常に強く希望しているということがあると思います。これが後にいろいろお話ししたいことの前提になるものですから、一応まずこれを申し上げておきます。  労働力の中で女子雇用者の数字をちょっと御紹介してみたいと思いますが、まず平成四年の女子雇用者の総数は千九百七十四万人、雇用者総数の三八・六%を占めております。これはもう年々上がってきた数字でございます。それから、これは平成三年の調査ですが、平均年齢が三十五・八歳ということでございます。平均勤続年数の方はどうかといいますと七・四年ということでございます。勤続十年以上の女子労働者の割合はどうかということですが、この点は平成三年の統計で二六・八%、つまり四人に一人が勤続十年以上ということでございます。学歴別では短大卒以上が平成三年で二五・六%、こういう数字になっておりますし、また既婚者の割合は約七割ということで推移しております。  このように一応数字でお示ししましたが、結局、この女子労働者がこれからの我が国の経済社会の中で量的にも質的にも非常に重要な地位を占めるということがはっきりとここに示されている と思うわけですけれども、ただ、女子労働者が能力を十分に発揮して働くことができるというためには、能力発揮のための環境整備をする必要がある。それから、男子を含めた労働者全体についての職業生活と家庭生活との調和のとれた生活を実現するという施策がとられなければならないということは当然のことになってまいります。  具体的に申し上げますと、一番目には、男女の雇用機会並びに待遇を均等に確保するということでございます。それから二番目には、育児休業制度あるいは介護休業制度を広く行き渡らせまして、仕事と家庭の両立を支援するという必要が出てくるということでございます。それからもう一つは、女性の場合には先ほどのボトムの話に関連するんですが、出産・育児期で現時点ではまだかなりの方が退職をされますので、退職をされなおかつその後で再び仕事を持つという形が多いことから再就職を援助するという必要が出てまいります。それからもう一つは、再就職のときの就業形態としましては、パートタイム労働につく方が圧倒的に多いものですから、やはりこのパートタイムとしての働き方を適正なものにする、このための制度をやはりここで確立する必要が出てくると存じます。  時間が余りありませんので、一応レジュメに従いまして現状と問題点を指摘していきたいと存じます。  まず、一番目の男女雇用機会均等法の関連でございますが、女子がその能力を発揮して働く、そのための条件整備をするという中で、やはり何といっても基本的に重要なのは、男女にこだわらないで本人の意欲あるいは能力というものを重視するというそういう雇用管理が行われるということだと思うんです。これなくしてはもう女子労働者の労働の基本が崩れてしまうということだと私は思います。  昭和六十一年の四月に男女雇用機会均等法が施行になりまして、労働省の方でもいろいろな施策を立ててこれの定着に努力をされておられます。その努力の結果、現時点で雇用の分野で女子であることを理由に差別してはいけないんだという認識は一般的に広がったということ、このことは否定できませんし、それから均等法をてこにしまして女子を活用しようという企業も徐々にふえてきている、このことは間違いないと思うんですね。ただやはりかなりまだ問題が残っております。  一つは、これは労働省の平成元年の調査によって明らかなところなんですが、いまだに男子だけの募集をするというところが非常に多いんですね。特に技術系につきましては高卒者を含めて五〇%の企業で男子だけの募集をしている。それから事務系につきましても、四年制大学卒ですと二六%、四分の一ぐらいはやはり男子だけの募集をしているという現状がございます。  それから配置なんかの点についても、企業の基本的な考え方というのは、女性の特質、感性を生かせる職務に配置するというのが約半分なんですね。すべての職務に配置する、つまり男女の性にこだわらずに配置するという企業はもう四分の一足らず、二三%くらいしかないという実情でございます。管理職が出たと申しましても、部長で言えば一・二%とか、一番多い係長でも五%ぐらいという程度で、それなりの努力は買いますけれどもまだまだあるべき姿からいうとほど遠いということが言えると思うんです。  特に大卒の女子の場合には昇進したいという意欲が非常に強いんですけれども、半分近くはそうなんですが、その人に胸のうちを聞いてみますと半分の人はだめだろうと答えますね。それはなぜかというと、事業所に女子を登用する姿勢がない。それからもう一つは、これも大事なことだと思うんですが、昇進するように育成されていないというんですね。育成されなければ、チャンスを与えるとか与えないということはそもそも問題にならないということですから、この辺に問題があると思います。  それから、定年、退職、解雇、この辺は均等法で禁止規定になっておりますから、ほぼ全部の企業で男女別定年制とか結婚・妊娠・出産退職制というのは姿を消しているわけですけれども、実際には今のような結婚とか、あるいは一定の年齢に達するということになりますと勧奨退職ということがあっていづらいという雰囲気がある、結局はやめざるを得ないということが実際には行われているということがあります。  それからもう一つは、コース別管理制度という本来のこの制度の趣旨を曲げて男女が差別的に運用されている実態があるというふうなことでございます。私は先ほど来からの経済社会の動向にあわせて考えますと、結局この労働力不足時代に向けてやはり女子労働者というものを基幹労働者を含めたそういう労働者としていかに確保するか、これが最大の課題じゃないかと思うんです。そうなってきますと、やはり今のような募集、採用、配置、昇進、一番大事なところで、均等法が努力義務規定になっているということの影響だと思いますが、なかなか改善されていかないというここら辺を見ますと、私としてはもう均等法が施行されて七年たつことでもありますので、この辺の均等法の見直しというものをやはり私たちは考えていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っております。むしろこれは労働力確保、この委員会はそういう委員会ですのでそういう観点で申し上げますけれども、確保ということからいえばむしろ緊急の課題なんじゃないかというふうに考えております。  それと同時にやはりそういう男女全く同じに扱うんだということになってきますと、もう一つ保護規定の問題が当然ここで出てくるわけでございますけれども、やはり男女で労働条件の枠組みを同じにするというこれはもう基本的なことだと思いますので、やはりこの辺の保護規定、労基法の保護規定、まあ母性保護を除いたものでございますが、それについてもやはり現状にあるいは将来に合わせて見直しをしていく必要があるというふうに考えております。  それから、次は育児休業に参ります。  育児休業の重要性は先ほど来申し上げました、出産、育児で非常に女子労働者が退職するということですから、雇用を継続してもらうためのいろんな施策の中で重要なものになってきますし、そこは重要であるということで、御承知のように平成三年の五月八日に育児休業法が成立いたしまして、昨年の四月から施行されております。ここは現段階ではまだ三十人を超える事業所の男女労働者が申し出によって育児休業を取得することができるというふうになっておりますが、三年後、平成七年からは全事業所にこれは適用になるということで、恐らくこの普及は急速に伸びていくのではないかというふうに考えております。  この育児休業についての問題点は、事業主の側から提起されているのは、休んでいる間に育児休業者の能力が落ちる、これをどういうふうに維持向上するかという点、それからもう一つは代替要員の確保が非常に難しいといいますか、企業規模によっては難しいということが挙げられております。この点については、労働省の方でいろんな助成金の支給とか、それからハローワーク、婦人向けの公共職業安定所で代替要員のコーナーを設けてそのあっせん等に努力をされているというふうに聞いております。  それからもう一つ、これは重要な問題なんですが、労働者側からの課題として休業中の労働者の経済的な援助ということでございます。一応統計をとりますと、半数近くはノーワーク・ノーペイということでこの育児休業期間中は無給になります。無給になりますと、その間地方税あるいは社会保険料というものを負担しなければならない部分がありますから持ち出しになるということで、その経済的な負担のために利用が制限されるという面があるんじゃないか。それと、男女どちらにとれるといいましても、無給だということになると結局は女の人がとるというふうなことにもなってくるというふうなことがありますので、この辺はどうしても改善をしなければいけない。これは育児休業法を検討しました婦人少年問題審議会 で、私もその審議会の一員でしたから、いろんな意見が出ました。出ましたけれども、結局短期間にそれについて結論を出すことは難しいということで将来の検討課題になったんですが、やはり育児休業中の労働者の経済的な援助という問題も早急に何らかの施策が立てられなければいけないんじゃないかと思います。  私はこの点について一言申し上げますと、やはり子供を育てるというのは家庭の問題であると同時に、これは今の労働力不足時代が来るということでもおわかりのように社会の問題であるんですね。世代交代がうまくいかない、結局経済活動が継続して続かないというわけですから、社会的な問題でもあるわけで、やはり社会保険というふうな制度の中でこの経済的な援助をするという仕組み上いうものを考えていくべきじゃないかというふうに考えております。  それから次の介護休業についてでございますけれども、これは介護のために仕事をやめる、あるいは勤務先、勤務条件を変えるという人が調査で見ましても四割を超えているという状態でありますし、実際に家庭で中心的に介護をしているというのは女子が多いんですね。女性が多いということで、やはりこの介護休業制度というものを企業の中に確立するということも女子の就業援助のために非常に大事なことだというふうに思います。この点については労働省の方からガイドラインが出ておりますし、それからまた平成三年、四年の労使交渉の中でも積極的な取り組みがされておりまして、自動車産業では平成三年から、電気産業では平成四年から制度の導入に向けた取り組みをされているというふうに伺っております。ですから、これはさらにその普及というものが加速されていくというふうに考えられます。  この点について私はちょっと申し上げておきたいと思うのは、もちろん企業内福祉制度として介護休業制度を普及させるということは非常に重要なことなんですが、介護に関する政策というのはもちろんこれだけではないわけですね。やはり先ほどの育児と同じでして、やはり家族と同時に社会も介護に手を差し伸べるというその視点が非常に重要ですし、例えば介護施設を増設するとか、それから訪問介護制度あるいは在宅で介護が受けられるようなサービスの充実とか、またそれに関する情報提供とか相談とか、さらに言えば介護労働力の確保とか、そういうもので全体的な社会的な支えがある中で初めて企業内介護休業制度というものも機能するんだというふうに考えておりますので、その辺の課題についてはよろしく御検討いただきたいと思います。  それから次の再就職問題に参りますが、これは先ほど来申し上げますように、再就職する女性というのは非常に多いんですが、これはほとんど主婦層でございます。ここでの問題は雇用管理の問題が非常に強く指摘されておりまして、例えば採用のときに上限年齢をつけるという企業が圧倒的に多いんです。それから、再就職を希望している女子の資格とか経験とかそういうものを余り見てくれない、評価してくれない、それから採用後も非常に単純労働といいますかそういうものに安易につけて、教育訓練、昇進というものに非常に消極的だということが言われておりますし、実際そうだと思います。ただ、この再就職女子というのは育児が一段落し、育児をしている人もいますけれども、一応は一段落したという労働力でございますから、長期労働、長期勤務が期待できるという労働力なわけです。ですから、やはり企業としては長期勤務ということを考えて、それに見合ったいろいろな雇用管理をしていただく必要があるんじゃないかというふうに考えます。  この点について、労働省では現時点では全国五カ所、レディース・ハローワークというのを設けて女子向けの再就職希望者に対する職業あっせんあるいは相談等をやっておられまして、私も東京のをちょっと見学させていただいたんですが、そこで非常に感じたことは、いわゆる単純な職業紹介じゃなくて指導といいますか、相談といいますか、職務につくまでのケアというものに非常に力を入れられていることを拝見いたしまして、この点もやはり重要なことだなというふうに感じました。  それから最後、もう時間がありませんが、パートタイム労働に関連して申し上げます。  御承知のように、このパートタイム労働についての問題は週間の就業時間三十五時間未満の短時間雇用労働者数というところで見ますと、平成四年で八百六十八万人おります。雇用者中に占める割合が一七・三%でございます。そのうち女子が約七割ということです。この伸び率が非常に著しいと申しますか、急激でございまして、六十三年以降伸びているんですが、特にこの四年間でその増加数を見ますと、三百三十五万人ふえているわけでございます。その内訳は、女子が二百六万人、男子が百二十九万人でございます。率にいたしますと六二・九%の増加率ということでございます。ですから、こういうことを見てまいりますと、短時間労働というのは我が国の労働市場の中で非常に大きなウエートを占めている。ここに対する適正な政策が今まさに求められている実態だというふうに言えると思います。  就業の形態等についてもいろいろ問題があるわけでございますが、それはちょっと省略いたしまして、結局今パートタイム労働について問題になっていることは、一つ言えば非常に雇用が不安定であるということ、もう一つは通常の一般の労働者との間に格差があるということでございます。パートタイム労働と申しましても、時間が短いだけでございますから、当然労基法とかその他の労働法は全部適用になるわけでございますけれども、そこで労働条件に非常に格差が出てくるということが問題になっております。  この点につきましては、労働省の方で短時間労働者の雇用管理に関する法律案の要綱というものをまとめられまして、本年の二月十五日に婦人少年問題審議会に諮問をされまして、現在同審議会で検討を進めているところでございます。ここでいろいろな問題が出されておりますけれども、現状を踏まえて短時間労働者の雇用の改善を図るにはどういう手段がいいかということが結局その審議会での議論の中心になっているということを一応御報告させていただいて終わりにしたいと思います。
  7. 浜本万三

    ○会長(浜本万三君) どうもありがとうございました。  最後になりましたが、錦織参考人にお願いいたします。
  8. 錦織璋

    ○参考人(錦織璋君) 私から中小企業分野における雇用・労働時間短縮問題について意見を述べさせていただきますが、初めにお断りを申し上げたいことがございます。  それは、中小企業は日本経済社会の中に広範かつ多種多様な分野に数多く存在しておりまして、その存立形態も異質多元的と言われておりますように、生業的経営からベンチャービジネスあるいは革新的経営まで、また伝統的産業分野から先端技術分野まで、さらには都市型地場産業から地方型地場産業など幅広い分野を形成いたしております。したがって、中小企業の領域を一口で言いあらわすことは大変困難でございます。資料でお配りしてありますように、中小企業は小、零細企業が大半を占めております。しかし従業者数となるとそのウエートは若干低くなります。そこで、私がここで述べる中小企業は小、零細企業を念頭に置いているため、発言に若干矛盾が出ることがあればお許しをいただきたいと思います。  初めに、中小企業におきます雇用問題について申し上げたいと思います。  第一は現状でございますが、平成景気下における中小企業経営の最大の際路は人手不足が挙げられておりましたが、最近の不況の深化に伴いまして緩和基調が続いております。現在の中小企業の雇用状況をマクロ的に見ますと、受注、売り上げの減少から残業削減、配転などのほか、パートタイム、派遣労働者、臨時労働者、外国人労働者などの解雇、縮小が一部に行われておりますが、本社員、本工にまで雇用調整が及んでいるのはまだ 少ない状況でございます。  本会の調査によりますと、昨日まとめました一月末の雇用人員のDIは前年比マイナス一九でございます。これはDIは好転から悪化を引いたものでございます。変わらずというのが七〇ぐらいございます。これは昭和五十八年のマイナス二四・七、それから昭和六十二年のマイナス二〇・二と円高不況時と匹敵する状況になってまいりました。聞き取り調査によりますと、現在の景況の見通しが不透明で、かっこのまま不況が二月から三月ごろまで続くと本格的雇用調整に入らざるを得ないということを下請企業でよく聞かれるところであります。  このように、雇用調整がこれまで本格的でない理由を考えてみますと、一つは中小企業では潜在的に人手不足が続いており、本社員、本工にまで雇用調整が及ぶと今後の企業継続が困難になること、二番目にこれまでの蓄積によって何とか持ちこたえられてきたこと、三番目は三K職種などでは依然として不足が続いていること、四番目に若年労働者の確保は依然として困難なことが挙げられます。  ところで、これまで中小企業は人手不足でしたが、最近の状況を循環的なものと考えるのか、構造的なものとして今後も続くものか判断しかねております。しかし、これまでの対応を見てまいりますと、省力化投資、経営システムの改善、下請の活用などはもちろん、小、零細企業では今やパートタイム労働者や高年齢労働者は基幹労働力となっていると言って過言ではありません。  平成三年の労働力調査によれば、短時間労働者、いわゆるパートタイマーでございますが、八百二万人で、そのうち規模別就労先は、一人から二十九人が四〇・八%、三十人から九十九人で一四%と全短時間雇用者の五四・八%を百人未満企業で占めております。また、五十五歳以上の高齢労働者は、平成四年の本会調査のうち、製造業男女常用労働者で見てまいりますと、当該企業の中に占める割合は、一人から九人では三〇・六%、十人から二十九人で二三・二、三十人から九十九人で一八・五と年々中小企業に働く労働者は高齢化が進んでおります。  二番目は、今後の見通しと対応でございますが、中小企業における雇用問題は労働力供給構造の変化もあって非常に重大な時期を迎えていると思っております。これからの労働市場の予測を経済審議会二〇一〇年委員会報告から見ますと、平成七年には十五歳から六十四歳の生産年齢人口はピークに達し、以降減少に転じることとなり、平成十二年には労働力人口が、そして平成二十二年には総人口もこの年をピークにして減少に転じると予測をいたしております。  また、労働省の研究会試算による経済成長と労働力需要との関係を見ると、一九八〇年から八五年の経済成長率は四%で就業者増加率は一%であったので、GNP弾性値、つまり経済成長率一%上昇に必要な労働力は〇・二四となっております。これを平成七年で予測をいたしますと、就業者増加率は〇・九でございますので経済成長率は三・七五となりますが、四%の経済成長をするには就業者増加率〇・九の確保と労働生産性の伸びが必要となります。平成十二年を予測すると、就業者増加率は〇・四が予測されますので経済成長率は一・六%程度ということになり、労働生産性をかなり上げないと四%成長は困難ということになります。これを見る限り人手不足によって経済成長は制約を受けるおそれがあります。  このことから、中小企業におきます雇用問題を長期的な課題として考えると次の三点を挙げることができると思います。  第一点は、GNP弾性値の〇・二四を下げる努力が必要である。これは経済成長に必要な労働力を少なくする、つまり経済効率の一層の推進を図ることが必要であります。省力化、合理化、過剰サービスの是正、特に経済効率のおくれております流通の効率化が必要というふうに考えます。  二番目は、就業者増加率の伸び率〇・九ないし〇・五を高める必要があります。つまり、労働力供給構造の変化に対応するため、女性、高齢者の雇用促進、育児休暇の普及、特殊出生率一・五三人の引き上げ、ミスマッチの改善、これは先ほど守屋参考人からお話がありましたように年齢間あるいは地域間、職種間の求人倍率等の改善が必要であります。  三番目は、このままでは経済成長に制約を受けざるを得なくなるので、国民全体に省力化について理解を求める必要がございます。  その他としては、外国人労働者の受け入れ、海外進出などがあります。むろん個別中小企業も労働条件の向上、職場環境の改善などが必要であることは言うまでもありません。  次に、中小企業におきます労働時間短縮問題について申し上げたいと思います。  現状は、ごく最近発表されました毎勤統計によりますれば、平成四年の実労働時間は千九百七十二時間と、前年比四十四時間減で初めて二千時間の大台を割りました。これを規模別に見てまいりますと、五百人以上で千九百七十時間、百人から四百九十九人で千九百七十二時間、三十人から九十九人で千九百七十三時間でございます。五人から二十九人では千九百九十七時間でございます。規模間格差は二十九人以下の小、零細企業を除くと大差はないと言えます。  中小企業における労働時間の特色を見てまいりますと、大企業に比べると所定労働時間は長いが残業などの所定外労働時間は少ないと言えます。そして、所定労働時間では休日が少ないことが中小企業の実労働時間を長くしている主因と言えます。  中小企業における労働時間短縮を阻害している要因には、中小企業経営の脆弱性のほかに、顧客、取引先の要求、人手不足、同業他社との横並び、労働者の賃金志向などのほか、コスト高を生産性向上で吸収できない業種があることが挙げられます。特に下請やコンビニエンスなどではかんばん方式、多頻度配送などが要求され、時間短縮は困難が多い状況にございます。例えばこの十二月の中小企業庁の下請取引調査によりますと、休日前発注休日直後納入は「しばしばある」が一三%、「時々ある」三一・九%、計四四・九%あり、前年の四一・二%よりふえております。また、終業後発注翌朝納入は「しばしばある」、「時々ある」を合わせ一五・三%もあります。これらの改善なくして、中小企業の時間短縮は困難と言えます。  中小企業においても、多くの困難の中で時間短縮に努力をいたしております。本会の調査によると、その理由の上位は、労働力の確保・定着、労働基準法の改正、時間短縮の社会的風潮、従業員の福祉向上を挙げております。経営者の意識、社会的認識も少しずつ変化しております。  次に、労働時間法制についての要望、意見を申し上げてみたいと思います。  労働時間に関する法改正が今国会で審議されると聞いております。その内容については今ここで申し上げませんが、次の点について意見を述べたいと思います。  本年三月三十一日までとされる中小企業への猶予措置週四十六時間制につきましては、現在の不況の深刻化にかんがみ、当面継続するよう希望しております。これは、昭和五十年以来時間短縮の歴史的経過を見てもおわかりのとおり、好況時には時間短縮が進みますが、不況時には停滞することが明らかであります。現在の不況の深刻なことに御理解をいただきたいと思います。  また、九人以下の商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業については週四十八時間の特例が認められております。労働組合ではこの特例廃止を主張しておりますが、先進国でも職種や業種によって多様な特例が認められております。この特例は、社会的不公正に反しない範囲内で認められるべきと考えております。特に欧州には、イギリスの商店法、その他の国では閉店法があって、営業時間規制によって労働時間が制限されておりますが、工場労働者よりも若干長く働いております。工業と商業ではそこに差があっても社会的に 不公正とは言い切れないものがあると考えます。何とぞ御理解をいただきたいと思います。  以上、時間の関係で言い足りないところがございますが、これをもって私の意見といたします。
  9. 浜本万三

    ○会長(浜本万三君) どうもありがとうございました。  以上で参考人からの意見聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  10. 久保田真苗

    ○久保田真苗君 初めに守屋参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、おっしゃるように、確かに六十歳までの定年は大体ふえてきているんですが、六十五歳までの雇用を確保するというところに一番大きい眼目があると思いますし、それを進める上から、一体どういうことができるのかということなんですが、もちろん雇用を継続していくというのが一番のことだというふうに言われております。ところが、会社で雇用を継続していく場合に、例えば窓際族ですとか、それから賃金の上昇がとまる、あるいはそれよりももっと悪い賃金になる、あるいは身分を変える、そういう経験をなめなければならないのが雇用者の一つの特徴だと思うんです。それともう一つは、そういう高齢雇用者の持っている人間としてのいろいろな心理、そういった問題と、それから、もう一つは、よく聞く話なんですが、年金との結びつきですよね。つまり、再雇用する場合に、その人の手に入るところの厚生年金、それの金額と合わせて、つまりその分だけ何といいますかサービスになるという、そういう仕組み、考え方がかなりあると思うんですね。それで、そういたしますと、本人の方としては、それだけの給料をもらっているんだからその分は御奉仕してもいいんだと、そういう心理もあるかと思うんです。  一方、例えば、年金支給開始を後ろに下げていった場合に年金の金額が次第に上がって、後ろへ行くほどよくなるという、そういう一つの方式もあるわけでして、そのあたりの年金との関係において高齢者の雇用というものはどういうふうに考えたらいいのか、その二つにつきまして、今最先端のお仕事をしていらっしゃる参考人から御意見を伺いたいと思います。
  11. 守屋孝一

    ○参考人(守屋孝一君) まず、前の点でございますが、先生おっしゃる意味でいきますと、一つは、定年が延びれば延びるほどいいということがあるかもしれませんが、私ども、一番高年齢者で考えなければならないことは、加齢とともに個人差が非常に出てくるという問題がございます。ですから、今は大体六十歳定年が定着してきたというように考えておりますが、しからば六十五歳まで定年延長という形で持っていくかどうかということになりますと、個人差の問題が非常に大きい。やはりこれは、何といいましてもその人の能力に応じて雇用をどう考えていくか、そこに多様な雇用の形態が出てくる必要があるんではなかろうか。果たして画一的に持っていけるかどうかというところには非常に疑問を持っておりますし、また、その点は先生も御同感かと思います。  しかし、先ほどもお話出ました賃金の問題等になってきますと、これはまた別の問題が出てまいりまして、一つには、会社に対する、経営に対する貢献度に見合った賃金というような問題もございます。かつての高度経済成長の時期にまさに日本の三種の神器と言われた年功序列型賃金体系というのが、果たしてこれからの新しい経済社会の中でそのままで生きていけるかどうか、こういう点もさらによく検討しなければならないというような問題もある。  要は、高年齢化すると個人差が出てくるという問題を念頭に置きながらも、高齢者の雇用継続ということを我々は考えていく。そういうことになりましたときに、今までの雇用システム、一律の雇用システムを見直しながら、新しい形で高齢者の能力を最大限に発揮してもらって、また幸福な職業生活のみならず人生が送れるような形でどのように構築していくかというところが最大のポイントになるんじゃなかろうかと思います。  年金との関係につきましては、これは現在政府でもいろいろと御検討になっているやに聞いております。問題は、部分就労、部分年金というような問題かと存じますが、これは、言うはやすくして、どのようにうまくヒットさせるかということになってきますと、技術面で非常に難しい問題があります。しかし、言えることは、要は、年金と雇用とがうまく連携がとれた形で高齢者の就業ニーズに対応したようなシステムがつくられる必要があろうということでございます。
  12. 浜本万三

    ○会長(浜本万三君) ちょっと皆さんにお断りをしておきたいと思いますが、当調査会での質問は起立してやっていただくことが慣例になっておったんですが、各委員の皆さんはそれぞれの委員会に所属されまして、それぞれの委員会の特徴があるわけです。例えば外務委員会は座って質問をするというようなことがございますので、本日はひとつお座りの上で質問をいただく、こういうふうにいたしたいと思いますので、よろしくお願いします。
  13. 久保田真苗

    ○久保田真苗君 個人差は確かにあるかもしれないんですけれども、年金財政の関係もあって年金の支給をだんだん切り下げていくというような、そういう状況の中で定年を六十五歳までに持っていくのかどうかということについては、やっぱりそこら辺の方針がはっきり決まらないということだと非常に不安定なことになると思うんです。そういう意味で、何かそこに指針を出すとか、そういったことはできないものなんでしょうか。  つまり、年金の開始年齢と、それから職場での雇用が確保される年齢というのは、いろいろあるけれども、しかしそれはつながるものでなければならない。年金をもらうまでは雇用というものは原則として続くものだという、そういう方針をはっきりする。つまり、雇用の方が優先していくという方針を出すということは、まさに平成七年から追加労働力の絶対数がマイナスになっていくという状況の中では今が一番いいチャンスなんじゃないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
  14. 守屋孝一

    ○参考人(守屋孝一君) 座ったままで答弁させていただきまして非常に恐縮でございますが、先ほど私が申し上げましたのは、六十五歳までの雇用を否定したのではなくて、何らかの形において六十五歳まで雇用を確保していくという方策で、定年延長だけではない。それはなぜかというと、定年延長というのは一律定年延長になるわけでございます。それも個人別定年延長というようなやり方があるかどうか、これはまたそれぞれの企業が御検討される話であり、我々も研究はしてみたいと思っておりますが、重要なことは、個人差が非常に大きく開いてくる中でもなおかつ雇用をいかにして確保するかということになってまいりますと、これを一言で言えば定年を全部度外視した継続雇用ではなくて、いろんな形でとにかく六十五歳までは何とかして雇用が維持できるような新しいノウハウを考えていく必要があるし、またそのように我々は支援していこうということは先生のおっしゃる意味と私は同じかと存じます。  ただ、年金の、特に老後保障の年金の問題になってまいりますと、私どもの立場だけでこれを一律に言える問題ではなくて、年金財政やいろんな問題もあるでございましょうし、私、実は年金問題は素人でございますので、ちょっと意見を申し上げるほどの実力がないということをひとつ御認識いただきたいと思います。
  15. 久保田真苗

    ○久保田真苗君 それでは、これからはひとつ御研究いただければありがたいと思います。  それでは次に若菜参考人にお伺いしたいんですけれども、当面の緊急課題は均等法の改正である、そういうふうに私も思うんですね。そういたしますと、今御指摘になりましたのは、労働力不足に向けて、現在あるところの努力規定というものを義務規定に変えていく、そういう見直しが必要だというふうに、私はそんなふうに理解させていただいたんですけれども、確かにそうだと思います。  この均等法が成立しましてからその後に幾つかの裁判の例がございまして、例えば従来から取ら れていなかったところの昇進問題の勝訴、それから昇給問題の勝訴、そういった一番確保されていない権利が一応裁判で勝訴が出ている。そうしますと、今努力規定になっているところも裁判に倣うという、そういう格好でできるのかもしれないなというふうに思うんでございますけれども、先生はいろいろな場面で、役所やそれから雇用主とかそういった実際の場を御経験でいらっしゃいますから、どうでしょう、努力規定を義務規定にしてしまうという、そこのところでどういうお見通しをお持ちか、可能性を実感していらっしゃるかというのが一つなんです。  それからもう一つは、これは二、三年前に伺ったお話だから今でもそうかどうかは私ちょっとつまびらかでないんですけれども、一つのメカニズムとして地方地方に雇用調停委員会でございますか、何かそういう少人数の委員会があるんですね。ところが、閑古鳥が鳴いているというんです。そうすると、非常にこれは景気の悪い話でございまして、なぜ閑古鳥が鳴いて、そういうところへ持ち込まれる件数が少ないのか。あるいは、件数が持ち込まれたとしても、私が今まで議論の上で争ってきましたところは、あれは両者の同意がなきゃ会合も開けないということになっていますでしょう。ところが、これは持ち込むのは必ず女性労働者の方で、それに同意を与えるのは使用者。そのパターンは双方的なものじゃなくて一方的なものなんですよね。そうすると、第一に労使の同意の原則というような形のものが本当に有効なのかどうかです。  このメカニズムは、外国を見ますとかなりよく働いていると思うんで、日本のメカニズムはその辺がどうなのか、どう御観察でいらっしゃるか。もし直すとすればどういう知恵があるのか、その辺御意見をお願いしたいと思います。
  16. 若菜允子

    ○参考人(若菜允子君) まず最初の、現在努力義務規定になっているところを義務規定に直す可能性についてどう考えるかという問題でございますが、先生も御指摘になりましたように、努力義務規定になっている部分についても裁判でこれは違法だという結論が出ているという状況があるわけでございますね。ということはどういう意味がといいますと、均等法が成立する時点では、やはり現在のその努力義務規定を含んだ均等法でも非常な論議を醸したわけでございます。ですから、やはり現状に合わせたああいう均等法ができたんだと思うんですが、その後七年を経過していろいろな教育的な効果もあったでしょうし、そこにさらに加えてそういう裁判例も出たということで、やはり社会の意識というものはかなり男女を問わず変わってきているというふうに私は見ております。その点は、法律をつくるにはやっぱり社会から遊離したものではできないという意味で非常にそこも大事だと思うのと、今の労働力の問題ですよね。  今までの考え方というのは、どうしても、ちょっと言葉は悪いかもしれませんが、何となく周辺労働者でお茶を濁すという考え方があるわけですけれども、やはり男女を問わず基幹労働者というものを育てないことには経済がうまくいかないんじゃないかということを私非常に恐れるといいますか、心配するといいますか、そういうふうに思っております。そういうことからいいますと、まあその可能性を判断する能力はないんですけれども、どうしてもそこら辺はきちっと押さえていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っております。  よく出てくることで、意識の問題というのがありますよね。職場の意識が変わらないとか、それから事業者の意識が変わらないとかいうことがありますけれども、やはり意識を変えるのは制度の枠組みでしか変わらないと思うんですね。そうでなくて変わる部分も一部ありますけれども、そういう部面が非常に強いということもありますので、何とか変えていきたいものだというふうに思っております。  それからもう一点のメカニズムの問題でございますが、確かに私の聞いている範囲でも調停というのは一件もないということで、それがやはり制度上の両者の合意が要るというところに問題があるんじゃないか、私もその点は確かにそのとおりじゃないかと思います。ただ、これどういうシステムでやるのがいいか知恵を出せと言われましても急にいい知恵は出ないということが一つあるのと、例えばアメリカのように改善命令を出すというふうなのが一番、行政命令を出すというのはそれはいいと思いますが、やはり社会を構成している人間の法律制度に対する考え方の違いというものも考えなきゃいけないということを見ておりますと、それが果たしていいのかということもあります。  ただやはり、調停は同意がないからできないということはありますが、私も弁護士ですからいろいろ調停をやっておりますが、最後は結局両者の同意がないとできないんですね、調停というのは。ある程度開始はできますけれども、最後の調停を成立させようとしたらやっぱり両方がそっちの方へ向いていないことには成立しないということがあるので、同意を必要とするということが必ずしも非常識だ、非常識といいますかおかしいとも言えないんですけれども、しかし仮にこの調停委員会をつくるにしましても、もう少し女子労働者がそこに駆け込んだら何かの解決が得られるというそういう明るい見通しが持てるような、そういうシステムに直していかなきゃいけないかなと思いますが、やはりその前提は法律そのものの方にあるんじゃないかという気もするんですね。  例えば努力義務規定ですと、幾ら調停委員会へ行きましてもそこのところで努力したかしないかという次元の話になってしまいますから、結局女子労働者の方からいえば調停委員会に行っても果たして解決ができるのかという、まず行こうという意欲がなくなってしまうというふうなところにも根本的な問題があるような気が私はしております。ちょっとあいまいなお答えで申しわけありません。
  17. 久保田真苗

    ○久保田真苗君 あいまいではなくて、努力規定の部分は実際にはその均等法の条文を裁判で使うことはほとんど不可能なんですよね。ですから、調停委員会という小さなものでやるんだろう、それしかないんだろうと思います。  ただ、裁判へ持っていくということは大変なことでございまして、私もいろいろ計算してみましたけれども三年から十年ですね。そうすると、本人は退職になっちゃうというケースも少なからずあるわけでございますから、確かにもう少し強力な、裁判まで持っていかないでも委員会で何とか決着をつけてもらう、しかし命令を出してもらうためにはこの努力規定ではどうにもならない。私は何も努力規定は全然無効、何といいますか役に立たないとは言わないんですけれども、争いをおさめるにはほとんどあれがない。しかし、そういう争いがなかったんならともかく、裁判でから取られている、そこまでいっているので、何とか私どもも均等法の見直しを今やるべきときに来ているわけなので、ひとつ先生のおっしゃるようなそこのところでこれからもよろしくお願いしたいと思います。  ありがとうございました。  それから、最後になりましたけれども、錦織参考人にお伺いしたいのでございます。  ちょうど一番最後のところで、労働時間法制に関して御要望をお話しくださいました。これは今国会に出てくることが予想されておりますんですけれども、労働基準法の改正問題があるということなんでございます。  ただ、この労働時間法制に関しましては従来から非常に中小企業がいわば短縮のための一つの障害になるような、そういう脆弱性を持っているということでいつもこの中小企業問題が出ているところなんでございます。こうした猶予措置、猶予措置というのは結構なんですけれども、確かに外国でも大企業と零細企業を全く同じに扱わない法律というものはかなりあると思います、特に職場の条件に関しましては。ですけれども、猶予期間というものはいずれかは満期が来るわけでござい まして、それに向けてできるだけ早い改善を必要とするのであれば、中小企業においては時間短縮のために一番直したいところ、そして一番有効な手段ですね。  確かに、中小企業はおっしゃるように幅が広うございまして、先端的なものもあるし伝統的なものもある。幅は広うございますから一律にはなかなかおっしゃりにくいと思うんですけれども、でも経営規模が小さくてなかなか労働力が得にくい、あるいは日本の場合特に下請という問題があるわけです。休日前にどかどかと持ち込まれてきて休日明けに納めろというようなそういう無理、そういうものも改める必要があると思うんですけれども一向に改まるという様子がないんですね。  どういうふうにしたら、どういう措置をとったらこの時短問題というのが成功するんでしょうか、お伺いいたします。
  18. 錦織璋

    ○参考人(錦織璋君) お答えを申し上げます。  大変難しい御質問で、なかなかこれという決め手は正直な話私にもございません。確かに法律ではもう四十時間が決まっておりまして、それに向けて中小企業がステップを踏みながら短縮をしていくということで、ゴールは大体平成九年三月三十一日までということのようでございますので、それまでに何とか四十時間を達成したいというふうに我々も思っております。  ただたまたま、本当でございますとこの四月一日から四十四時間になっても実際はよかったんでございますけれども、御案内のように大変不況が深刻でございましてちょっと今直ちに四十四時間にするのにはいろんな意味で障害がある、こういうことでお願いをした経緯がございます。  御承知のように、猶予はそれまでの猶予でございまして、これは特例で残すというのとは話は全く違います。我々といたしましても猶予期間中にそういった体制をつくってほしいということは常々申し上げておりますし、そういうことに達成するために中小企業庁なりあるいは労働省に対しましてそれを促進するためのいろんな制度もつくっていただいておりますので、景気が逆にまた回復基調に向かってくればある程度の前進は、逆に言えばもうちょっと早足で進むことも可能ではないかというふうに私は思っております。  私は、個人的に実は中央労働基準審議会で四十時間法制をするときに委員をしておりまして、そのときにも全会一致で決めた制度でございますので、私としても何とかして四十時間が達成できるように見守っているという状況でございます。
  19. 南野知惠子

    ○南野知惠子君 本日の守屋先生、若菜先生、錦織先生、それぞれのお立場で本当に高邁な御高説をお伺いできまして、ありがとうございました。    〔会長退席、理事藁科滿治君着席〕  私は、労働問題については多少未熟でございますので、御質問することにおいて失礼があるかもわかりませんが、容赦なくお答えいただきたいというふうに思っております。  確かに我が国の人口構造といいますのは高齢社会に突入していくし、二〇〇七年になりますと世界でも日本が一番の高齢社会国になるということから、そういった労働の需給問題については今取りかかっていかなければどうにもならない時期に来ている、その御説はよく拝聴いたしました。  守屋先生にお伺いいたしたいのでございますけれども、先ほどのお話の後方の部分にございました高齢者を雇うという場合におきまして、若者はフルイドインテリジェンスといういわゆるひらめきの能力がございますが、高齢者にはクリスタルインテリジェンスといういわゆる総合能力があるというようなことも高齢者の雇用に当たっては大切な御配慮になるのかなというふうに思っておりますが、先ほどの御説の中に、やはり個々人の個性を発揮できる年齢ということから、採用または再就職、定年後の就職場の確保というのが先生御専門の担当の分野だというお話をお伺いいたしました。  そのことにつきまして、どのような職種を先生がお考えになっていらっしゃるのかということを教えていただければうれしゅうございますが、お願いいたします。
  20. 守屋孝一

    ○参考人(守屋孝一君) 私、先ほど高齢者を雇用するに当たって企業がちゅうちょする短所だけを時間の関係で申し上げましてまことに申しわけなかったのでございますが、長所も御承知のとおりございます。例えば欠勤が非常に少ないとか、あるいは経験が豊富であるというような問題とか、責任感が非常に強いとか、そういう長所もございます。その長所はもう企業はよく御承知なんで、その長所をそのまま生かしていただいて、なおかつ先ほど三つ申し上げました短所といいますか、企業がちゆうちよされる面をどう解消していくかということが、当面、まず高齢者の雇用、能力開発、雇用開発を進めていくのにまず取っかかりとして一番企業にわかってもらえる点であろうということで、そこを取っかかりにすると申し上げたわけでございます。  職種ということになりますと、私は高齢者向けの職種という考え方をいたしますと、今の状態を前提に考えますと非常に狭く物を考えてしまう可能性がございます。むしろ最近のハイテクの関係であっても、これは教育訓練の仕方に若干工夫は要ります。    〔理事藁科滿治君退席、会長着席〕 例えば、先ほども言いましたように高齢者は個人差が非常にあるということになってきますと、同じ教育訓練をするにいたしましても、例えばマン・ツー・マンでやる、集合訓練よりもその人の個人差に応じてマン・ツー・マンでやるとか、あるいはただ座学というんじゃなくてOJTと我々は言いますが、仕事に即して仕事をやりながら身につけてもらうとか、そんないろんな訓練の業務もあるわけで、そういうことをやればほとんどの職種について高齢者が十分その能力を発揮できるというように私は確信しておりまして、そういう方針で私どもは今業務を進めておる状況でございます。
  21. 南野知惠子

    ○南野知惠子君 ありがとうございました。それでいささか安心をいたしました。高齢者の職種の場面はいずれ我が道かなというふうにも思っております。  そこで、先生の最後にお話しになられました健康の問題、これは健診などでクリアしていかれるというお話でございました。それから能率、そういった問題につきましては、作業の改善ということもお話しいただきましたし、新しい部署への適応ということには、今もお話お触れいただきました教育訓練、実地指導というようなところで、過誤なく仕事ができるようにという御配慮があるということを察知いたしましたが、その次にお話しになられました賃金の問題、労働問題、組織問題ということについては、多分先生がお時間がなくお触れになれなかったのではないかと思いますので、五分ぐらい先生の御高説をいただけたらうれしいと思います。
  22. 守屋孝一

    ○参考人(守屋孝一君) 私どもが、まず今研究開発を進めておりますのは、企業がちゅうちょする点をどう解消していくか。私は、今日本の高齢化というのは一種の摩擦現象だと思っております。急激に高齢化が進んだゆえに、企業がその対応に非常に苦慮されている。それを私どもがノウハウを開発して、その対応の仕方を提供していく、支援していくというのが我々の存在理由であろうというように考えておりまして、今そこに全力を入れておりますが、それだけでは問題は解決できないだろう。  そこで、あと出てくる問題として、賃金問題。賃金というのは、その企業で御採用になる賃金体系ですね、これをどう考えるか。私は、年功序列型賃金体系は全くだめとも思っておりませんが、昔どおりの非常に右上がりの賃金体系そのままがこれから生きていくとも思えません。このあたりのモデルをどう開発するかというのを今非常に苦慮しておりまして、実はこれについては近々これの開発の前段階になる研究に取りかかっていきたいというように考えております。  また、この賃金と労働時間というのは実は非常に密接な関係がございます。労働時間と私一言で 言いましたが、正確に言えば、労働時間というものは労働形態と言った方がいいわけです。例えば、一つの仕事を、これ我々はジョブペアリングと申しますが、二人でやっていただくとか、あるいは労働時間のとり方を工夫するとか、いろんな形でその高齢者の個人差に着目して、より働きやすいような、能力が発揮しやすいような一つの賃金管理をこれから考えていく必要があるし、またこれについては非常に難しい問題もございまして、これからどのように考えて開発していこうかというのを考えておるところでございます。  そういう中の延長線上で、賃金が若い方の場合と少し変わってくるとか、あるいは労働時間管理が変わってくるとなりますと、これが同じ職場、同じところで、若い人と高齢者の方とが混在して働いていただくのが最も適した腸もおるわけです。これは技術、技能の伝承という意味では御一緒に働いてもらった方がいい。ただ、ところが例えば一例を挙げますと、アセンブリーラインというような、組み立ての、ラインで流れるような場合、これは分けた方がいいという研究の例もありますし、あるいは一緒にしても十分やっていけるという例もございます。そこら辺、非常に難しいところなんですが、必要に応じては今のような形で雇用システムが変わってくるとあるいは高齢者の方々だけの高齢者職場、あるいは高齢者工場、あるいは高齢者会社、初めから高齢者を集めて会社をつくるんじゃなくて、そういういろんな高齢者が働きやすいようにしてさしあげる形の中で出てきたその組織のあり方、こういうものもこれから私ども一つのモデルができるかどうか、研究するのはまだこれは緒についておりません。今後の将来課題であろうというように考えまして、今先ほど説明の中で若干触れさせていただいたわけでございます。
  23. 南野知惠子

    ○南野知惠子君 ありがとうございました。  本当に労働問題というのは、時間をどのようにするか、その時間に対する給料をどのように職種に均等に評価するかというのが大変難しいお仕事だろうなというふうに思っておりますが、高齢者に対しては、ただ単に自分の趣味を生かすということではなく、やはりその人が持っている人生の中での存在感ということが自分の生きていることにおいて大切である。そのためには、やはり年をとったから家庭にいてほしいとか、年をとったから趣味でどうというんじゃなくて、適切な職場が与えられて、その人が自分の能力を発揮しているというその気持ちが一番社会に貢献する気持ちではないのかなというふうにも思ったりいたしております。  最近、高齢者に対する思いやりということも考えないといけないんですが、高齢者の虐待が始まっている中で、我々はどのような形で高齢者に対応していかなければならないかということも大きな問題になってくるだろうというふうに思います。  また、高齢者であるから賃金がそれなりにスライドして上がるということでもないと思いますので、そこら辺も年金その他との絡み合わせの中で御配慮いただき、またこれから先の御研究の結果がございましたら教えていただきたいなと思っております。ありがとうございました。  次に、若菜先生にお願いしたいんでございますが、先生の弁護士というお立場からいろいろと女性の生きざまということもごらんになってきておられるだろうというふうに思っております。その中で、女性の雇用問題というのは私も大変関心がございますし、私も職種を持っておる人間の一人といたしまして、どのように専門職として生きていくのか、またはパートとして生きていくのか、家庭婦人と生活、職種とを一致させていくのかと、いろいろな関連の問題が出てまいります。  その中で、男性と違って女性ということにおきましては、やはりその人のライフサイクルの中で、どのような段階でどのような職種が適切であるかということも一つはあるんですけれども、その人の人生観の中で、いわゆる仕事を決めていく段階で、結婚したらやめようかという人も出てくるかもわかりませんが、妊娠したらやめようか、または妊娠をどのように継続していったらいいかというような、職業との絡み合わせの中で悩みを持っている人たちが多いだろうとおっしゃっております。先生の御高説のとおり、やはりこれからの女性、マンパワーがどのような労働力を高めていくことになっていくのか。それが日本の労働力、経済力ということとも関連してくるだろうというふうに察知いたしますので、先生のお話の中から育児休業制度に関連いたしまして、もうそれがスタートされてはいるんですが、中身の充実というポイントにつきましては、先生のお考え、何かございますでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。
  24. 若菜允子

    ○参考人(若菜允子君) 中身の充実をどうするかという御質問でございますが、結局それの一番大きいところは、先ほど私がちょっとお話し申し上げたように、経済的な援助がやっぱりされるかというところが一番大きいように思います。  それで、特に女の人の方からは、休みたくても給料はなくなる上に負担だけふえるということではとても休むことはできないというふうなこともありますし、それからもう一つの面は、先ほどの繰り返しになりますが、男女労働者が育児休業を取得できるということになっておりましても、それが経済的援助との関係で非常に難しくなってしまうということになると、本人の意思とは関係なくその家族責任の負担が女性の方にだけかかってくる、そこがやっぱり問題なんじゃないかなと思います。  今先生がおっしゃったように、女性にはいろいろな生き方があると思います。ですから、それはもう本人の問題で、働かなきゃいけないとか、そういうことは男女を問わず言えないわけですよね。ただ、同じに働くときに、やはり平等な扱いをして、本人がやりたいということが女であるがゆえにできないというのは、そもそも不公平といいますか、人間としておかしいことであると同時に、やっぱり人間としてのおかしさのゆがみが社会とか経済の中に反映されてきて、非常に必要な人材が育たないというふうに反映して、結局最後の必要な人材が育たないというところばかりみんなが見るようになりますけれども、それはなぜかといえば、もともとの人間的な意欲、そこを阻害しているところにあるというふうに思います。  ですから、それは単に女性だけの問題ではないんだとはもちろん思いますが、非常に今女性が当てにされているといいますか、ある意味じゃ脚光を浴びたということなのかもしれませんけれども、私なんか余り労働力ということだけの面はどうかなという気が実はするんです。やっぱり働くことも人間の大きな権利ですから、今のように思います。
  25. 南野知惠子

    南野知惠子君 ありがとうございました。やはり子供を産み、育てるというそのポイントというのは、女性はどうしても避けて通れないだろう。その間における労働の問題、それから専門職との絡み合わせ。専門職であってもそういった出産、育児ということに絡み合わせれば、次の復帰にはパートに行かなければ仕方がないかなという人たちも出てくる。そこら辺の絡み合わせもあるんですけれども、出産、育児というところのポイントをどのように押さえたらいいのか。  それは、やはり家庭の中で男性の大いなる援助があり、最近の男性は比較的家庭の中の役割を分担してくださってはいるんですが、子産みまでは今分担してくださってはおられないわけですので、そこら辺がどのように育児、保育の問題とあわせて家庭の中でできるのかなと。または職場の中で保育施設が完備されるのかなと。また、地域の中で保育施設が完備されるのかなと。そのような働く女性のそういうポイントの段階での、働く時期の環境をどう整えたらいいのかなということが一つ疑問でございましたので、それをちょっと。
  26. 若菜允子

    参考人(若菜允子君) 今、先生がおっしゃったので、私ももう一つ申し上げないと非常に均衡がとれないと思いますので、先ほどの意見につけ加 えさせていただきますと、さっき申し上げたように、やっぱり社会全体が子供を育てるという観点から保育所とか、それから女性が使いやすい形で保育所をもっと増設する、それから企業内にもつくるとかということで全体的に援助する。それで初めて育児休業制度というものが生きてくるのじゃないかというふうにも思っております。御意見と同じだと思います。
  27. 南野知惠子

    南野知惠子君 それと最近の話題でしょうか、ダブル・インカム・ノー・キッズという若い人たちの生活の価値観がありますが、そのような方向に持っていったというのは、先生何が原因だったのか、何か教えていただけることがございますでしょうか。女性の生き方の価値観ということでございます。
  28. 若菜允子

    参考人(若菜允子君) さあ、それはちょっと難しい御質問でございまして、本当に常識的なことしかわかりませんけれども、ただ非常に子供を育てにくいという環境であることは事実だと思います。ですから、今のような育児休業制度というのが本当に機能するような社会になれば、変わってくるんじゃないかなと思います。  ただ、あとは教育費に非常に金がかかり過ぎるとか、いろいろそういう育児だけの問題じゃないと思いますけれども。
  29. 南野知惠子

    南野知惠子君 では、もう一つ次の介護休業制度ということでございますが、やはり介護休業となりまして、それが男性、女性に適用されておりましても、やはり給料の問題から女性に負担がいきやすい。妻であり、おしゅうとさんをあれしたり、子供の面倒を見たりという、そういった重労働が女性に付加されるということでございますけれども、その介護休業制度の中に対象者、例えば病気の方がどのような状態であるのか、どのような症状であるのかということによって、通しで何カ月かの休業、何年間の休業ということでなしに、育児休業の中でも母乳育児の時間がありましたのと同じように、午前中一時間、午後一時間とか、またはその中間で、ちょっと近ければ帰れるとかというような、そういった休業のシステムということについては、何か教えていただけることがございますでしょうか、休業のとり方という意味で、
  30. 若菜允子

    参考人(若菜允子君) それは先生のおっしゃるとおり、ただ休むだけではなくて、例えば短時間勤務とかフレックスとか、そういういろんな需要に合わせた制度であってほしいと私も思います。  その点に関しては、労働省でお出しになった介護休業制度に関するガイドラインの中でも、そのことは「勤務時間の短縮等の措置」というところでお触れになっておりますから、単に休むというだけじゃなく、いろんな措置を決める必要があるということは私もそのように思います。
  31. 南野知惠子

    南野知惠子君 本当にそういったフレックスタイムがとれるような形での休業がとれるともっともっと女性の労働力の提供という場面がふえてくるのではないかなというふうに思いますので、またそういったことも先生の御示唆によって考えていきたいというふうには思っております。ありがとうございました。  では、続きまして錦織先生にお願いしたいのでございますが、零細企業といいます中に私が関連しております開業医の問題も含まれるかなというふうには思っておりますが、そういった医療労働という問題との関連もございますが、これは時間がありましたらお尋ねしたいと思っておりますので、今先生の御高説の中から御質問させていただきますとするならば、時間短縮問題ということにつきましては、土曜日に休まなければならないとか、それから何時間休まなければならないとか、そういったこだわりが必要になってくるのでしょうかと思うことが一点でございます。  さらにまた、零細の方の場合には天気に左右されるようなお仕事にも従事しておられる方がおられるのではないかと思いますので、そういう場合に一週間五日制とか、そういうパターンということでなく、フレキシブルなそれこそ時間短縮ということの適用ができるのでしょうかということと、さらにまた、寒冷地域などはそれの最たるものだというふうに存じておりますが、そういったことについての適正休業と、時間短縮という意味でございますけれども、それは先生、何かお考えがございましたらお教えいただきたいと思っております。
  32. 錦織璋

    参考人(錦織璋君) 労働時間の短縮を進める上で、労働時間の弾力化ということが大変問題になりまして、先般の改正でもいろいろと法改正が行われたところでございます。したがいまして、時間短縮をするためには、忙しいときには多少長く働いて、暇なときにはその分を余暇で休む、こういうことがトータルとして労働時間の短縮につながるのではないかということで、今回も若干改正が行われるということになっているわけでございます。私は、そういうものを活用することによって労働時間の短縮はある程度進むんではないかというふうに考えております。  それから、休む場合に土曜日あるいは日曜日に休まなければいけないかという問題だろうというふうに思うのでございますが、これは法律でも要するに日曜日というふうに限定したわけでも必ずしもございませんで、一週間のうちに一日ないし二日休むということでございますので、業務によってしかるべき休日を定める、就業規則で定めればよろしいのではないかというふうに思っております。日曜日には労働者が全部休むことになりますと、電車は動きませんし、せっかくの余暇にも十分利用できないということにもなるわけでございますので、そこら辺は弾力的な対応ができるというふうに思っております。  特に寒冷地あたりでは、確かに夏の間は多少労働時間が長くても、冬の間その分どうしても気候の関係で休日が多くなるというのは避けられない事実でございますし、諸外国の中でも夏場については若干長く働いてもいいというような規定があるのを見たことがございますので、そこら辺は今回の弾力的な措置によって大いに活用することができるのではないかというふうに思っております。私も労働法制の専門家ではございませんので確実なことを申し上げることはできませんけれども、従来の経緯から考えまするとそこら辺がかなり緩やかになるのではなかろうかというふうに考えております。一適正休業というようなお話がございましたけれども、何をもって適正かということについては私も何ともお答えができません。しかし、労働基準法というのはそもそも最低の基準を決めているわけでございますので、それ以上は労働協約なり労使で自主的な交渉でお決めになって、さらにそれを上積みしていくというのがこれは日本以外の先進国でもみんな同じでございます。そういう意味では若干、大企業の方ではほとんど四十時間は達成をしているわけでございまして、むしろそういう意味での中小企業については若干労働時間短縮が、労働組合組織率が大変低いということもございますし、経営上の要因等もございまして大変おくれているということではないかというふうに考えております。
  33. 南野知惠子

    南野知惠子君 ありがとうございました。  先ほどの寒冷地の問題と絡み合わせまして、農閑期がございます。または地元では働けないので、いわゆる都会に出かけていこうかという方たちもおられますが、そういう方たちの災害が合ふえているようなこともございます。それにはいろいろな教育ということもお考えになっておられるとは思うんですが、そういった田舎から出てこられて貴重な労働力を提供しておられる労働者が、災害に遣わないようにということについては何か予防策みたいなものが零細企業の中でも考えられているのでしょうか。
  34. 錦織璋

    参考人(錦織璋君) むしろ政府の方の指導も、安全衛生についてはだんだん使用者側に対して指導等が数多く行われるようになりまして、安全衛生については私はかなり改善は進んでいるというふうには思っております。しかしながら、まだ十分であるというわけにはいかないというふうに思いますが、たまたま私どもで諸外国に行って工場 見学をして、日本の場合を比較してみますと、工場内での安全衛生というのは日本はかなり進んでいるのではないかというふうに私は思っております。  ただ問題は、建設その他でも若干足りない箇所もある。また、経営者の意識として必ずしも十分でない人もございますので、我々といたしましては協同組合等同業組合等を通じましてそこら辺の周知徹底を図っている状況でございます。
  35. 南野知惠子

    南野知惠子君 最後に、外国人労働者のことに先生お触れいただきましたが、やはりどのような職種外国人労働者として今の段階で適切なのかということも何かアイデアがございましたらお伺いしたいと思っております。
  36. 錦織璋

    参考人(錦織璋君) 外国人労働者につきましては、新聞その他でも大変伝えられておりますように社会的な問題等もございまして、我々も適正に外国人労働者が活動できるように関係の中小企業の方々にもお願いをしているところでございます。  そこで我々といたしましては、どうしても違法外国人労働者問題が入り込むことのないように協同組合等をつくりまして、現地の公的な機関といろいろとお約束をし、契約をして労働条件あるいは安全衛生等についても契約した上で訓練生として受け入れる、こういうことで集団の責任のもとに一定期間日本労働をして研修をして帰っていただく、こういうことを今現在進めております。二月現在で我々が行っております協同組合等での共同の受け入れは九十五組合でございまして、約二千五百人ほど研修を受けております。  これは初めに川口で鋳物の協同組合中国の方から鋳物研修のために引き受けをしたというのがございまして、大変現地でも喜ばれているということもございますし、かつ川口市で住宅等の提供等もございまして、研修にそれなりの成果が上がっているということをモデルにいたしましてこういうシステムを考えました。幸い中小企業庁からもいろいろな御支援をいただきまして、若干現在では部分的ですけれども、平成四年度では二十組合について補助金をいただいて、そして適正な訓練ができるように進めております。  それには、今九十五組合、現在、補助金以外を含めまして研修を実施している組合につきましても、現地の地方自治体がその訓練についていろいろと支援をするということが条件になっておりますので、関係方面からいろいろと指導を受けながら誤りのないような受け入れを行っている状況でございます。
  37. 南野知惠子

    ○南野知惠子君 国際社会としても、外国人の受け入れということは大変必要なことになってこようかと思っておりますので、そこら辺もお含みの上、よろしくお願いしたいと思っております。  お三方の先生方、どうもありがとうございました。
  38. 白浜一良

    ○白浜一良君 公明党の白浜でございます。きょうは、お忙しいところありがとうございます。  それじゃ、何点かお伺いしたいと思います。  まず、守屋参考人にお伺いしたいと思いますが、高齢化のスピードが速く進展するということで今お話ございまして、基本的には労働力が不足していく、こういうことをおっしゃいましたけれども、経済成長との関連もあるわけですね。これは当然労働力との弾性値の問題とも関係がありますが、もう低成長でもやっぱり労働力が不足していく、そういう基本的に認識されているわけですか。
  39. 守屋孝一

    ○参考人(守屋孝一君) 今の先生の御質問は非常に難しい部分に触れるわけでございますけれども、不足するかどうかというのはおっしゃるとおり、一言で言えば経済成長がどうなるかということに絡んでいると思います。  例として私が申し上げたかったのは、平成五年度の経済企画庁の経済見通し、これは先ほどちょっと触れましたが、平成五年度、経済企画庁が見通しを立てておりますのは、実質経済成長率三・三%、その場合に就業者増がどれぐらい見込まれるかということになりますと、あの経済見通しては六十五万人の就業者増が見込まれる、こういうことでございます。  もう一つは、御承知の経済大国五カ年計画というのがございます。あれを見ますと、平成四年から平成八年の実質経済成長率見込みは三%二分の一程度という見通しが出ております。そうしますと、もしこれが三%二分の一程度で進むとすれば、単純に見ますと、増加必要数が今三・三%で六十五万人という見通しが出ておりますから、そうなってきますと、先ほども言いましたように、労働省の雇用政策研究会推計によりますと、一九九〇年から二〇〇〇年までの十年間、この間で、これ私はケース二の方で申しておりますが、この十年間に三百八十万人労働力人口はふえるだろうという推計になっている。これは、恐らく今の生産年齢人口の伸びから見ていきますと、先になるほどだんだん増加数は低くなってくると思います。  単純平均で見ましても、三十八万人ということは、どう見ても三%あたりの経済成長ですと労働力不足、今のままで、今のままのやり方、今のままの雇用システムを維持していっておると、先ほども言いましたように、五十五歳以上のところで需給関係に非常に断層がある、断層という意味は、五十五歳以上については求人倍率がうんと下がる、こういう状況だと非常に人手不足になってくるだろうと思うんです。この断層というのが私は一つの摩擦現象である、このように理解しております。  そうなると、ここをどのようにノウハウを我々は開発していって、新しい雇用システムを企業が構築するのを支援していくかということによってこの摩擦をできるだけ解消していきたい、そういうことでございます。
  40. 白浜一良

    ○白浜一良君 傾向性としてはそれよく私わかるんですけれども、短期、中期的に見ましたら、日本のいわゆる終身雇用制も崩れてきています。それから、不景気ということもあるんですが、最近は管理職の解雇というか、比較的高年齢で蓄積された技能と知識をお持ちの方も解雇されていく。若年労働者というのは、いずれにしても不足してくる。これは出生率の低下もございますし、それはよくわかるんですが、必ずしもそういう高齢者への雇用に果たして向かうのであろうかどうかという非常に危惧をしております。  私、悲観的なことを言って申しわけないんですけれども、確かにお年に見合ったすばらしい仕事をされている方もいっぱいいらっしゃいますが、町を歩いていまして、ああいう建設工事とかガードマンをされているお年寄り、本来はそういうお年寄りがされなくてもいいような職種についていらっしゃる方もたくさんお見受けするわけで、なかなかその辺の需給関係が、雇用関係がうまくいくのかなという心配を一方でしているんですが、どのようにお考えですか。
  41. 守屋孝一

    ○参考人(守屋孝一君) これは直接のお答えになるかどうかわかりませんが、先ほどから私が引用しております労働省の研究会の推計の場合のケース二というのがございます。先生御承知かと思いますが、この場合のここで出ているのは、これは育児休業が普及するとか高年齢者の継続雇用制度が進んでいった場合、これはケース二のような形になるだろうと。そこで私は、ケース二を利用してお話ししていたわけです。  これを見ていきますと、一九九〇年ですから平成二年でございますね。平成二年のときの継続雇用の割合は一三・九%の企業が継続雇用を取り入れているけれども、西暦二〇〇〇年には半数を超えると予想されております。  現状を申し上げますと、ちょっと私も正確には覚えていないんですが、今継続雇用制度を導入している企業の割合は二二%前後だったと思います。この数字は平成四年の数字でございますから、一三・何%でしたか、この二年間にそこから約二二%前後まで伸びてきたわけです。今はちょっとおっしゃるとおり景気が低迷状況でございます。しかし、これがいつまでも続くということになるとこれは大変な問題でございますし、私 は年後半には恐らく転換期を迎えて上がってくるんじゃないかと予想はしておりますが、今度そうなってくると、そんな先の話じゃなくて、私はこの継続雇用制度というのはだんだん進んでくるだろうと。ということは、高齢者の活用という問題が企業にとって非常に重要な問題にもなってきます。また、そういう中で高齢者の職業の安定も進んでいく。それをいかにスムーズに持っていくかということが非常に重要である、このように考えております。
  42. 白浜一良

    ○白浜一良君 ありがとうございました。  じゃ、若菜参考人にもちょっとお伺いします。  これもまた悲観的な話なんですが、私は大阪に住んでいるんです。それで、実態面から申し上げますと、パート労働をされている主婦の方がたくさんいらっしゃるんですが、一つは税金の問題、一つは社会保障の問題で、百万円ぐらいでやめるんですね。働けるんですがやめちゃうんです。それは御本人の立場でそうなんでしょうし、それは雇っている方も困るんですね。こういう現実があるわけです。  自立した女性という観点から申し上げれば、当然きちっと労働をして、それに見合って報酬を得るという、まあ税金がかかるような収入があればそれは当然負担する、これは当然な考え方なんですが、現実面ではパート労働なんかそういう実態が物すごくあるんですが、そういう事実をどのように思われますか。
  43. 若菜允子

    ○参考人(若菜允子君) 私もその点は、先生はおかしいというふうな御趣旨でおっしゃったと思いますが、私もそう思います。  といいますのは、結局それによって就業調整をするということは、自分の働き方を非常にマイナスといいますか、それだけでいいんだという仕事ぶりになってしまうということで、これは非常によくない作用を持っていると思いますので、基本的にはやはり働いたら払うべきものは払うという姿勢がどうしても必要だと思いますけれども、ただそのときに、現在のいろいろ税金とかその他の公的負担というのは、女性が大体主婦専業でうちにいるということを前提に立ち上がっているわけですよね。ですから、それと働いたら払うべきだということがちょうど今ぶつかり合っているような状態で、それは就業調整というふうな形で出てきていると思いますので、やはりここら辺で、これだけ多くの女性が働くようになりましたので、観点を変えて全体としてこの負担というものをどういうふうにしていくかということの仕組みを考え直すべきときだと思います。  その仕組みがどういうものであるべきかについては、それはちょっと簡単には私もお答えできませんが、方向としてはそういうふうにするべきだというふうに思っております。
  44. 白浜一良

    ○白浜一良君 それから、育児休業の制度ができまして、先ほどからもお述べになっておりましたが、無給の制度でございますので、当然有給制度に、中身の充実とかいろいろおっしゃっていましたが、具体的に有給にすることが将来的に私ども必要だと思っています。  私どもの党のプランでは、考え方の基準としましては、例えば平均月収の六割ぐらいをめどにして、国と事業主と本人の積み立てで三分の一ずつぐらい負担する、大体こういう制度、これは私どもの党の考えなんですけれども、一応そういう有給制度をつくるに当たりましての、こういう基準的な考え方というか、そういう考え方あるんですが、これどのように思われますか。
  45. 若菜允子

    ○参考人(若菜允子君) やっぱり、有給か無給かということになれば、無給は原則じゃないかと思うんですね。ただ、それは企業と本人との関係ですから、無給であってもある意味では当然だと思うんですが、ただやはり、じゃ、それでほっておけるかということは、そうではありませんので、先生がおっしゃるように、雇用者と労働者と国の三者で、掛金といいますか、そういうものを出し合ったそういう社会保険のシステムの中で、それが経済的な援助をするべきだというふうに私も思います。
  46. 白浜一良

    ○白浜一良君 内容的にはどうですかね。
  47. 若菜允子

    ○参考人(若菜允子君) 内容、六割ですか。  六割というのは、今の産休の場合を基準にしていらっしゃるわけですよね。それも一つの線かなというふうには思いますがね、割り数からいいまして。それはやっぱり財源とかいろんな問題があって決まってくることだと思いますから、何割が妥当かというふうに、私もその辺は専門家じゃありませんので、何とも言えませんが、一つのめどだというふうには思います。
  48. 白浜一良

    ○白浜一良君 もう一点、お伺いしたいんですが、先ほど育児休業制度の問題も、これは男性も女性も両方保障された制度なんですが、ところが無給やからどうしても女性の方に実際上の負担はいくというふうにおっしゃいましたですね。  確かにそのとおりなんですが、この介護休業制度というのはまだ制度はないんですが、こっちになるともっとやっぱり法のといいますか、イーブンで負担していい制度だと思うんですけれども、その場合なぜ女性の方に負担がかかるかということで、一つ先ほど無給だからという話されたというふうに私、育児休業制度の方ですよ、伺っていたんですが、そういう対等に負担していく制度として何かポイントみたいなものございますか、そういう有給制度にするというほかに。
  49. 若菜允子

    参考人(若菜允子君) これは経済的な援助以外は、やっぱり意識といいますか、働き方、それに対する価値観の問題だと思います。  ですから、やはり個人の生活を大事にするという視点が非常に前に出てくれば、産むのは女性ですけれども、育てるのは、これはもう当然男女両方いなければ育てられないわけですから、やはり場合によっては父親がとるというふうにもなるんじゃないかというふうに思いますけれども、これは結局役割分担意識というのが抜けないと、金の問題もちろんありますけれども、役割分担意識というものを変えるということが非常に大事じゃないかというふうに思います。
  50. 白浜一良

    ○白浜一良君 どうもありがとうございました。  錦織参考人にちょっと一、二点お伺いしたいと思いますが、確かに中小零細企業の実態というのはいろいろございまして、先ほどお述べになりましたように、どうしても大手の下請をしますので、休日前発注、休日直後納入とか、いろいろ実態的にあるんですね。自動車関係なんかでもジャスト・イン・タイムいって、これはコストを考えたら一番やっぱりコストを削減する方法としては考えられるわけです。そういうところが全部下請の会社にいくわけです。当然不景気になったら仕事も減っちゃう。いろんな縮図というか、全部下請の方にしわ寄せがなるんですが、こういう現状の問題点というか、分析はされているんですが、お立場から考えて何かこうしてほしいとか、こういう点に関してこうあるべきだとか、何かそういう御意見ございますか。
  51. 錦織璋

    参考人(錦織璋君) 私は、こういった労働時間等の格差ができる要因には四つあって、一つは付加価値生産性要因と、もう一つは労働市場要因と、それからもう一つは経営者要因、最後は労働運動要因、こういう四つぐらいで、それらの総合的な結果としてこういう格差が出てくるのではないかというふうに考えておりますので、これを一つずつ別に切り離して議論はできないというふうに思っております。さりながら、それではいつになっても問題なかなか解決しないわけですが、一つは最近非常に考えておりますのは、経営者要因としてどういうふうに自分のところの時間短縮なり、そういうものを進めていくかということについて、もう少しはっきりした意識をやっぱり持つことが大変大事ではないのかなというふうに思っております。  もちろん、法律で強制するというのは一つございますけれども、法律は大体最低基準をおおむね決めるものでございますので、それをさらに重ねて手厚くしていこうというのには、やっぱり企業の努力という以外にはない。下請も最近では、確かに企業の従属的な下請もありますけれども、独自の専門的な能力なり技術なり、そういうものを 生かして独自の事業展開をしているものも少しずつふえてきております。そういうところはいわゆる従属性ということからはかなり抜け出ているわけでございますので、やはり一つは権利意識で、要求するものは要求していくというのが一つと、自分でそういう道を切り開いていくというのと二つあるような感じがいたしております。
  52. 白浜一良

    ○白浜一良君 最後にちょっとそれと関連するんですけれども、フリンジベネフィット、今ちょっと問題にされていますね。要するに大きな会社というか、収益の大きな会社がある。そういう雇用条件に物すごい差が出ますね。これは税法上の問題もさまざまあるんですが、そういうのはなかなか中小零細企業は雇用面で今度は物すごい条件の差で出てきますね、そういうことが。そういう実態はどのようにお考えになっていますか。
  53. 錦織璋

    参考人(錦織璋君) 私は、特に付加価値、福利厚生につきましてはいろんな要件があって格差というものができ上がっているというふうに考えておりまして、それは例えば大企業のように従業員が大勢あれば運動場もつくらなきゃいけない、あるいは保養施設もつくらなきゃいかぬ、こういうことになるわけですが、そのためにかなりの投資も必要だと思います。ところが、人数に制限があります小零細企業では、そういうものより市販のもの、既設のものを利用、活用した方がもっと効率的でもあるし、かつサービスも余計に受けることができるというふうに考えておりますので、そういうことについてコスト面だけを見ると確かに格差はあるんですけれども、内容面から考えるとそれほど大きな格差ではないんではないかというふうに思っています。  ごく最近、私頼まれまして、例えば墨田区で、区役所が主体となって中小企業の従業員のためにどういうような福利施設をつくったらいいか、今調査研究をある機関に依頼してやっておりますが、そこで、いろんな調査を見てみますと、墨田区内で通勤時間が三十分以内で事業所に通えるというのは何と五一%ある。そういう人たちに住宅をとか、あるいはこれは労働時間の短縮の問題もあるんですが、田舎になれば田舎になるほどそういうものは必要がなくなるわけでございます。それをただ統計的に見て、大企業がこれだけ出している。大企業の場合は全国から必要な人を寄せ集めなきゃなりませんから、住宅も用意しなきゃならぬ、余計なお金が当然かかってまいります。そういう場合と、中小企業みたいに地域限定的な存立条件もございますけれども、労働力の需給もその地域限定的な市場の範囲内で調達をいたしますので、それほどお金がかからないというそういう問題もございますので、数字だけで余り判断すべきではないというふうに思っております。
  54. 白浜一良

    ○白浜一良君 どうも失礼いたしました。ありがとうございました。
  55. 長谷川清

    ○長谷川清君 きょうは本当にありがとうございます。長谷川でございます。  話を続けていく意味で、錦織さんの方から先に御質問したいと思うんですが、この時間短縮ということですね。これについてのかぎが、どうしても中小零細企業のところにポイントがいっておりまして、ここがひもとけないと数字は上がらない、こういう状況になっております。先生も先ほどおっしゃっていたように、なぜ今時短なのか、法制化してまでと、こういった基本的なところがまずあると思いますね。このことについては大体もう国際社会の中で、国と国という単位で経済活動をお互いするのにフェアにいこうよという意味合いが全部ありまして、日本の経済活動はアンフェアなところがあるという中に長時間労働というのがあるんだと思うんですね。  まずそこら辺の整理の上に立って、また、先生今お答えの中でおっしゃいましたように、これを本当に数字を上げていくためには、労働には労働側の方の一つのわきまえがなければならぬ。それは時間を短縮することによって一時間当たりの労働の密度が高まるんですよ、また高めなければなりませんよ、トータル的にそういうことを経て労働の生産性を数字で上げなきゃなりませんよと。こういうことについては、連合を初めとして大方の労働側のサイドは卒業してわきまえを持っていると思うんです。  問題なのは、今度は、今お話ありました経営サイドにおいて特に中小零細企業、年間で一千九百五十二億の中小企業助成金があるにいたしましても、それを最大限に活用しても、そんなものではとても数字が上がってこない現状がございますから、いわゆる経済界のそれぞれの団体であります経団連や日経連や経済同友会――商工会議所あたりはこの時短には絶対反対、特に法制化には反対と、こう言われておりますが、そういう経営団体に集まっているそれぞれの大手のところに先生のお立場からいろんな要請といいますか、お願いを、例えばもとのところの、大手の中の仕事の仕組みを変えませんと、金曜日に発注して月曜日に納入しなさいと言われたら土曜、日曜、下請は働かざるを得ない、ごうよく言われるんです。  ですから、これはまず一つは、大手のリスクといたしまして、従来の仕事を見直し、関連あるいは資本系列別に、企業系列別にそれらを見直して実効を上げるということができるかどうか。第二には、発注単価の中に、コストの中にそれが見直しとして入り得るかどうか、そういったいわゆる大手としての発注元のリスクがどのぐらいになるのか。それはできるところとできないところ、そしてまたできた場合に、それが解決すればその中小零細においても時短が前進するというところもかなりあると思うんですが、そういった分野について何かお考えが、あるいは経緯がございましたらお聞かせいただきたいと思います。
  56. 錦織璋

    ○参考人(錦織璋君) この問題は大変古くから議論をされておりまして、なかなか解決できないというのにはそれなりの理由があるというふうに思っております。というのは、やはり中小企業は数が大変多いせいもございまして、いたずらな競争といいましょうか、過当競争と称しているように、どうしても仕事が欲しいために自分の労働条件をある程度切っても仕事を確保しなきゃならない、そういう形で過当競争が行われておりますので、仮に発注方法を幾ら決めたとしても、中小企業同士の競争のためにそれが守れないという、そういう傾向がたびたびあるわけでございます。それらも一つの阻害要因になっているのではないかというふうに思います。  無論、発注単価等については、それに見合うべきものとするようにという公正取引委員会等の通達も出ているわけでございますが、現実に中小企業での下請の存立を考えますと、継続発注をしているような形での結びつきの中では、それをもって仮に恐れながらということで訴え出るということは御承知のようになかなか難しいわけでございまして、これは私は一種の日本の文化だというふうにも思っているわけでございまして、これを是正するのは正直な話、なかなか難しさがあるのではないか。しかし、これを放置していてもいけないわけでございますが、最近この時短に関連をいたしまして、やはり大企業自身ももう少し下請のあり方について見直しをする必要があるのではないかというようなことを日経連でも言い出しておりますので、これから大いにそれを期待したいというふうに思っております。
  57. 長谷川清

    ○長谷川清君 ありがとうございました。  この問題は、今お答えがありましたように、私も大きいところは大きいところなりに、小さいところはまた小さいところでなお二重三重に苦しい思いをしていると思うんですね。ですから、これはもう経営哲学それ自身に大きい、図太い柱が入ってきて、そのくらいの認識がなければ、日本の大企業といえども、これからの成長率、それからまた日本の進むべき商取引がうまくいかないんだ、今までのような調子にはいかないんだと、どこまでその認識が深まって実行に結びつくかというところに最後のかぎがあるんじゃないかなと思うんです。  それでは、次に若菜参考人さんお願いしたいんですが、女子労働の場合、これはイコール三次産業と言ってもいいほどに三次産業に圧倒的にその 人口が多いわけですね。二次産業では、普通OLと言われるところにおける賃金体系というのは、大体今主流をなしておりますのは日本的職務給という、いわゆる机に座れば仕事の内容がありまして、そこにつけば年齢が何歳であろうが、男であろうが女であろうが、この職務に対してお金を幾ら払うという賃金、これはアメリカのような契約社会ではそれ一本ですけれども、日本の場合にはそれにプラス年功序列型のいろんなものが、そこに査定という要素があったり、いろいろとしておりますね。ですから、これが七、三のところもあれば四、六のところもあると思うんです。しかし、大体なべてみてそうなっておる、タクシー業界のような歩合制のようなところはまた別として。  こうなりますと、先ほどもお話がありましたように、技術産業、技術系のところでは募集率は男性ばかりだ、五〇%どこう言っておりましたね。これは考えてみますると、大学の理工系であるとか、高校の工業系、技術系の輩出される数が第一少ないんですね。そこに女性の人たちがどんどん入ってくれば、私はこれからのいわゆる労働力不足は、高齢者の活用と言っちゃ怒られるけれども、高齢労働と女子労働をいかに活用していくというか、吸収していくか、こういうことだと思うんですが、吸収していく分野がもう少し二次産業の方にも入ってこなければならないはず。そうなりますと、学校教育のあり方や女性自身の、何と言うんでしょうか、好みなんだか体質なんだかさがとでも言いましょうか、大体三次産業にどうしたって向いちゃうんですな、この大いなる約七〇%の人が三次産業に向いちゃうという。  それで、第一そういう学校を経てこない、そういう技能を身につけないで社会に入ってきますから、合いう職務給賃金からいきますと、いすに座ったらコピーならコピーを焼いたり、ちょっとお茶酌みしたりとかということですから、いわゆる頭脳労働、ホワイトカラーより少し賃金が落ちて、そして差が保てる。この差のことをこれを指していわゆる差別だというのは私は当たらないと思うんです。差があって平等だと。画一は逆不平等とよく言われますから。だから、いわゆる創意工夫と知恵と能力を発揮しなきゃならないその仕事についている者と、それから定型業務をやっている者とに差があって平等が保てるということだと思うんですが、女性労働の場合が、二次産業に入ってきたときには、さっきのお話のように約七、八年で退職をなさる。その場合には結婚の理由とか出産の理由なんですね。  ですから、私は、それを法的に今カバーを必要とするのがいわゆるここのところ新たに二つ、三つ出てまいりました育児休業法で保護したり、あるいは介護法で保護したり、そして男女雇用均等法でやっておりますが、何か男女雇用均等となりますとばっと同じなのがあたかも平等であるかのごとく一般に考えられるんでしょうが、その辺のところ、学校教育の問題や女性の意識の問題、こういう問題が根っこにあって分野は開けているんだけれどもなかなかそこに入ってくる量が少ない、こういう関係になっているんじゃないかと思うんですが、その辺はいかがでしょう。
  58. 若菜允子

    ○参考人(若菜允子君) ただいま差があって平等というお話がございましたけれども、その差が個人差なら私はそれは当然だと思うんですね。ただ、男女差という、その個人の意識とか能力ではない単なる生まれ持った本人の選べないそこでの差というものが基準になるのがやはりおかしいんじゃないかという、意識というか、そういう問題だと思うんです。ですから、例えば技術系は五〇%は男子募集しているのがおかしいといっても人がいないじゃないか、こういう御指摘でございます。  それは結局採用数ではないわけですよね。そもそも窓口に応募して窓を開いてくれるかくれないか、そこが半分開いていないというんじゃ数が多いとか少ないとかという問題とは別問題なわけです。ですから、やっぱり一人だって貴重なんですから、それが一人も入れないというところがそこの問題じゃないかというふうに私は思います。  ただ先生は、確かにおっしゃるように、それはもう雇用の窓口と申しましても、そこへ行くまでは、生まれてからそこへ育つまでの長い本人なりの教育、家庭、いろんなものに取り囲まれてその中で育ってきた人間ですから、それは急に変えると言っても変えられない部分があって、御指摘のようなものも確かにあると思いますけれども、ただ、やっぱり私は差があって平等というのは個人差であればいいと思うんですが、男女差でそういうものの差というのはやはりおかしいので、それをまさに直そうとしているのが男女雇用均等法ですから、それは私なんかから言うと自然な法律だという感じがいたします。
  59. 長谷川清

    ○長谷川清君 これは多少時間がかかるんでしょうけれども、やはり事技術、いわゆる二次産業、大体男社会なんですね、圧倒的に。そういう中でのいわゆる技術力やそういう能力が信頼に値する、女だからだめと言っているならば先生おっしゃるとおり問題だと思うんです。しかし、今現実の社会の中で、どちらかというと、何も無理してまだ男で用を足らす場合、足りているからというところがあったりして、いわゆる技術の能力に対する信憑性の問題とかいろいろあると思いますから、やはり女性の技術者の量がふえてこなきゃいけないと思うんですね。ここにいらっしゃる女性はみんなこれ平等ですわね、同じ歳費ですから。だから仕事の量と能力においてやっていくんですから、そういう点では、私は、やがて時間の問題としてそこに到達をしなければならぬという、方向としては一致をしているんだと思うんです。  最後になりますけれども、守屋参考人にお伺いをしたい点は、またそういう意味における高齢労働をどう社会にと、この問題について先ほど三つの要点としておっしゃいました中に、三番目にシルバー人材センターが入っておりました。私はこのシルバー人材センター、ちょうどこの間この調査会でも香川県に行ったときに実態はどうなっているだろうと数字を聞いてみましたら、香川県においても二十一カ所既に組織ができておって、実績では発注量は官で四千件、金額で三億、民間では一万七千五百件の発注量があって十一億、あとは個人でしょうね、一億三千万ぐらい。十五億三千万程度の規模のものになっておりますけれども、そもそもこのシルバー人材センターというのは、中小零細の人々が功成り名を遂げてリタイアして、それからその後における仕事、自分は植木なら上手だよとか、筆は上手だよとか、ふすま張りは上手だよとか、英訳、翻訳ができるよとか、そういう過去の若かりしころの自分の能力を生かしてやれるものを地方自治体ごとにできておりますシルバーセンターにカルテとして出しておくことによって、需要があればそのときに行って仕事をしてお金をいただく、こういう、つまりこれは今ここで論じておりました雇用労働というものの不足ということが今基本のテーマになっておりますが、それを補うものとして、この人々は雇用関係がないんですから数字に上ってこない労働力ということになると思うんですね。  そういうところに意味があると思いますが、全体の労働力、雇用労働力とこの雇用関係のない労働力、シルバーセンター、東京では二十三区全部にできておりまして、高齢者事業団となっておりますけれども、こういう労働力のいわゆる全体の貢献度といいますか、人によりましては十年、十五年とそこで働いている人がいるわけですけれども、この貢献度は一体何%ぐらいにトータルとしてお考えであるか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。
  60. 守屋孝一

    ○参考人(守屋孝一君) 甚だ申しわけないんですが、私は財団法人高年齢者雇用開発協会の理事長をしておりまして、雇用関係の方を担当しております。先ほど申しましたのは、あれは政府の施策として、まず何としてでも六十五歳までの継続雇用を進めていきたいという、その柱の部分を乱やっておりまして、今度は高年齢求職者の就職というのをその二番目に言いましたが、あれは安定 所でございます。それから三番目のシルバー人材センターというのは、もう先生おっしゃるように、雇用関係の終わった方、この方の対策としてこれはありますが、私もきょう高齢者の雇用問題というつもりで来ておりましたので、ちょっと担当も違いますし、私がいいかげんなことを言ったらかえって申しわけないと思いますので、これは遠慮させていただきたいと思います。
  61. 長谷川清

    ○長谷川清君 それでは、六十五歳定年ということが話題に出ましたけれども、これは機械的な六十五歳定年ではまたいろいろ抵抗がありますね。そこで、どうしてもフレキシブルな雇用契約というものの多様化を求めなきゃいかぬと思うんです。  そういう場合にグレード制の導入ということが一つには、例えば六十歳で普通今まで定年でしたと、六十五歳の定年制を持ちたいけれども、そうすると六十五歳で定年退職になりますから、六十歳でやめられますと中途退職になりますね。今六十歳定年ですから、五十七歳で定年すると中途退職ですよ。そうすると、退職金やその他は六十歳定年とは率が変わって落ち込むわけですね。現状はそういう関係になっております。そうしますと、それを六十五歳に定年を延長するという場合、いろいろ会社の方ではそれだけのまた資金をしょうわけですから、そういうことをやめて、個別の契約に。私はもう、午前中なら午前中の勤務だけ、午後の勤務だけ、あるいは十時ぐらいから出て二時か三時には、だけどそれだけ労働時間が少なくなるからお手当も少なくなる、それで結構なんだと、こういう感じのものにしていくような、現にそれを採用しているところもあるんじゃないかと思うんです。  ですから、そういったものをどんどん広げていけるようなあり方とか、あるいは六十歳であれしたので雇用はそこで切るけれども、再雇用と言うのかどうかわかりませんか、一たんそこで再雇用して嘱託扱いでもいいから、自分の能力、技術的な能力や事務能力やいろんなものをグレード制で現在の社員に当てはめて、ランクづけをして給与を払っていくという仕組み。あるいは現職の中でありましても例えば非常に技術にすぐれているけれども、この人は本当は昇格して、何人かの部下をつけてやってやらなきゃいけないんだが、そういう能力には余り適していない、しかしこの技術は大変に優秀であるという場合には、そこの店の店長と同じぐらいの給料をグレード制で引き直して支給してやるといったような、いろいろそこには創意工夫と知恵が働くことによって労働力をつなぎとめていく、しかも働く方も払う側も非常に合理的であるといったようなことなども考えられるんですけれども、そういった点などについて、あるいはその応用などについて新しく雇用の創造といいましょうか、創出というようなものについて何かお考えなり聞いた語なりありましたら。
  62. 守屋孝一

    ○参考人(守屋孝一君) 私も幾つか事例を知っておりまして、例えば定年延長の場合ですと個別定年制をやっているという企業もあるんです。それから、再雇用の場合、就労時間を半日にしたり、あるいは隔日にしたり、あるいは先ほどもお話ししましたが、ジョブペアリングといいまして、これは二人で話し合って、この日は私が出てくる、この日は私が出てくると、こういうふうに分ける。企業は多様なやり方をされながら高年齢者の能力をどのように引き出していくかということはお考えになっております。  ただ、私どもは推薦する、推奨品はこれしかないという言い方はできませんし、これまたそれぞれの企業の文化と伝統がございますから、よそのものを、ある企業のものをある企業にそのまま持っていくこともできません。  そこで、私ども今やっておりますのは、実は若干宣伝になるかもしれませんが、私ども昨年七月に好事例集を、「事例にみる高年者雇用のフロンティア」という本を出しました。これは推奨品が今のところ余りまた蓄積がございませんで、約二十例ぐらい出しております。この本は、実は思ったよりも売れまして増刷したぐらいの本でございますが、私どもはこういう好事例などを出しながら、あるいは企業とも共同研究しながら、その中でいい事例を次々につくり上げていって、あるいはそういう事例を収集しながらこれを経営者の方々にヒントにしていただく。それでそこの企業でまた新しい知恵を出していただいたら、それをまた私どもに教えていただいて、またそれを好事例として発表していくというようなことをやりながら積み重ねていきたい。  というのは、どこが悪いかという診断は比較的画一的にできる部分もあるんでございますが、じゃどう直すかというのは、まさにその企業のカルチャーがございますから、簡単によそのものをそのまま持ってくるわけにいきませんので、そういうヒントを差し上げていくというような形で次々に事例を積み上げていく、それを公表していくというやり方でこの問題には対応していきたいというふうに考えております。
  63. 長谷川清

    ○長谷川清君 ありがとうございました。
  64. 立木洋

    ○立木洋君 よろしくお願いいたします。  最初に守屋参考人にお尋ねしたいんですが、私は高齢者について言えば、高齢者にとっては働くことを選択する自由ということと同時に、引退を選ぶ自由もある、それはやっぱり完全に保障されるというのが最も望ましいのではないかというふうに考えるんです。  この間、ある統計を見てみますと、定年退職なさった方になぜまたお仕事をされるんですかといって聞きますと、結局、経済的な理由だというのが最も多くて、男性の場合で八四・五%という数字まで見ました。そうすると、自分はもう引退したいんだと思っても、やはり働かないと生活できない、そういうのが日本の現実だろうと思うんです。  ここに問題点があるということは念頭に置いているんですけれども、そのこと自身をお尋ねしたいんではなくて、先ほどちょっとお話が出ましたように、今までの日本の大きな企業が、やはり若年労働者に依存をしてきて、長期にわたってそれに対して一定の訓練をし教育をする、しかし一定の時期になると年功序列で賃金がどんどん高くなりますから、できるだけ早くやめてほしいというふうなことで早期の退職なんかが勧告されていくという、若年層に依存した体質というのが非常に長い間続いてきた。そういう管理システム、雇用システムというのが続けられてきました。それで、中高年齢になると、これが中小企業の方に出向したり仕事が変わっていくというふうに、どうしてもしむけられていくというふうなことだと思うんですね。  これで高年齢者の雇用安定法というのがつくられて、それが二回にわたって改正されて、先ほどの義務規定云々という問題もございましたけれども、そういう中で高齢者に対する雇用という問題も考えられて、雇用の延長だとか、あるいはそれを、再雇用あるいは継続雇用などの問題等々が生かされるような状況が出てきましたけれども、しかしなかなか五千人以上の大企業に見ると、全体の比率から見ると非常に低い。それから、九一年三月の調査で見てみますと、百人未満の小企業で六十歳以上の従業員が占めている比率が五・五%、中小企業が三・二%、千人以上の大企業は〇・九%という数字が出ているんですが、大企業で高齢者の雇用の実態がそういうふうに進まないことについてどのようにお考えになっておられるのか。
  65. 守屋孝一

    ○参考人(守屋孝一君) まず、先生おっしゃるように、私も冒頭の御説明で申し上げましたが、今の日本のそれぞれの企業がお持ちの雇用、あえて雇用と言うよりも経営システムと言った方がいいかもわかりませんが、これはもうおっしゃるとおり昭和二十年代から三十年代、この時期の豊富な、かつ若年を中心にした労働力の担い手、これを前提にして雇用システムが構築されたことは、まさにそのとおりだと思います。  それともう一つは、その雇用システムがさらに有効に機能したのは、これはさっきからお話が出ております、例えば終身雇用制というような問題 にしてみましても、あるいは年功序列型賃金という問題にしましても、これは高度経済成長のときに非常に有効に機能するシステムであったともまた言えると思います。しかし、これから今までのような四%を超えるような高度経済成長は果たして可能かどうか、これは論をまつところがございますが、こういう状態になってきたときに、高年齢者の雇用の問題というのは、たとえ大企業といえども避けて通るわけにはいかない問題だろうと思っております。  現実に、ちょっと今数字がすぐ出ませんが、産業全体で見ますと、これは労働力調査にたしかあったと思いますが、高年齢者の雇用の比率というのは、たしか四十五年ごろはまだ一%、せいぜい二%足らずのところだったと思うんでありますが、今はもう既に四%を超えるところまで上がってきております。  今の段階だけでどうこうというわけにはまいりませんが、これは私は大中小を問わず、高年齢者の活用、活用という言い方が悪ければ能力の有効な発揮ができるようなシステムの開発というのは、もうこれは共通の課題だろうと思っておりますし、またそうしなければ、先ほども言いましたように、今度三・三%の経済成長で今の雇用システムで六十五万人の就業者が必要になる、こういう現実。これから後の労働力の供給量がどうなるかということを考えた場合には、これはすべての規模を問わず共通の課題になってくるというように私は思っておりますし、また現実にそのように大企業でも対応されているのを承知しております。  特に大企業では、ちょっとこれは名前を出すわけにいきませんが、これは超巨大企業でも今TQC活動が非常に盛んでございますが、高齢者のことを念頭に置いたところの職場改善というのが非常に進んでいるという事実もございますし、これは当然その前提には五十五歳の定年延長、今まで五十五歳だった定年を六十歳に延長したというところにその改善の必要性が出てきておる、これは私は将来は進んでいくというように考えております。
  66. 立木洋

    ○立木洋君 参考人は、先ほど年金問題は専門ではございませんとおっしゃったんですが、今やっぱり高齢者の雇用の問題と絡んで年金問題というのは非常に重要な問題なので、参考人が高齢者雇用開発というお仕事を通じてお感じになっている点で結構なんですが、ちょっとお尋ねしたいんです。  今問題になっているのは、年金の支給年齢を六十五歳にするということが問題になってきていますね。確かにヨーロッパの方では、大体年金の支給年齢は六十五歳というところが非常に多い。六十二歳、六十三歳、六十五歳とかいうふうなのがあります。しかし、アメリカやイギリスなんかの場合には定年制がなくて、年齢による雇用差別禁止法というのがありますから、仕事をせずやめるということにはならない。もちろんドイツやオーストラリアなんかについては、公務員の場合にだけは六十五歳以上仕事を禁ずるという法律はありますけれども、しかし全体的に見てみると、ヨーロッパでは年金の支給年齢と退職年齢を比べてみますと支給年齢の方が早く来る、その後に退職年齢になるというふうな、だから退職年齢と年金の支給年齢とは接続しているわけですよ。これが離れてしまうと大変な事態を高齢者にもたらすということに私はなるんではないかというふうに思うんです。ですから、六十歳で定年になって六十五歳にならないと年金が支給されないということになると、これらの方々は一体どうなるんだろうか、非常に重大な問題になるんではないだろうか。  これはILOの報告書を見てみますと、そこで述べていることについても、これからの社会保障の問題については、仕事をすることを選ぶ場合に年金の受給権がそれによって脅かされることがあってはならないというふうなことも指摘されているわけで、当然その退職年齢と年金の支給年齢ということは完全に接続すべきであるというのが私は合理的だと思うんですが、その点について年金そのものの制度の問題でなくて結構ですが、お仕事を通じてのお考えがあればお聞かせいただきたい。
  67. 守屋孝一

    ○参考人(守屋孝一君) いや、私は年金全く関係ないと申し上げたんじゃなくて、年金をどうつなぐかという技術的な問題がございますから、そこまで私は踏み込んで言うほどのことはできないと申し上げたんで、私も当然、何と言いますか、高齢者の今の就業のインセンティブを考えました場合、この点から年金をどう見直すかということは極めて重要な課題だということは十分認識しております。  ただ、しかし一つ今ありますのは、これは個々の企業の対応として、御承知の在職老齢年金、六十から六十五までの間のこの在職老齢年金を前提にして、六十から六十五の間の方の賃金を決めるというのは本末転倒ではないかという意識は持っております。しかし、当然のことながら今の在職老齢年金、おっしゃっている意味は在職老齢年金制度をどうするかというお話だろうと思うんですね、今の年金制度というのは一応基本は六十五ということになっておりますから。これについては、もともと厚生年金というのは六十というところからスタートしておりますから、長く掛けている人においては既得権問題もあるでしょう。いろんな点もあるし、今のインセンティブをどう与えていくかという、そのための年金のあるべき姿というのは当然あると思います。その検討まで否定したんじゃなくて、検討はすべきであると思うが、どのようなやり方がいいのかという提言まではできないということを申し上げたわけであります。
  68. 立木洋

    ○立木洋君 次に、若菜参考人にお願いいたしたいと思いますが、先ほどおっしゃった女性の労働力の問題についてのデータ、いろいろよく理解させていただきました。年齢別の労働力の率の曲線をどう描くか、M字型になる、これは先ほどお話がございましたように、日本というのは一つのやっぱり特徴ある曲線の描き方なんですね。それは必ずしも本人たちが自分の意思でそういうふうになっているということではなくて、意思としては働きたいのだけれども、働くという条件が、ある意味で言えば整っていないので結局はM字型にならざるを得ないというような趣旨として受け取ったわけです。  それで、直接この問題とかかわりがある問題として、数年前に騒がれました出生率が一・五七になった、さらにその明くる年には一・五三になったといってこれは大変な状態で騒がれてきたわけですけれども、この問題についても、結局子供を産んで育てたいんだけれども、そういう条件が整っていないから、それがやっぱりできないという関係が私はあるんではないだろうか。結局、この間の婦人雑誌でデータを見てみますと、やはりできるならば三人ぐらいの子供を持ちたいという数字も私は見たんですけれども、実際にはそれが一人の子供で我慢せざるを得ないというふうな状況になってしまっている。  しかも、結局は政策的な貧しさということがやっぱりどうしてもあるんであって、これは先ほど参考人がおっしゃった育児休業の問題から介護休業の問題から、いろいろな問題が関連してあるんではないかというふうに思うのです。ヨーロッパでの出生率が低下した、例えばスウェーデンの場合でも大変な低下がありましたけれども、これは政策的に回復して、今二・〇一か〇二ぐらいまでになってきているんじゃないかと思うんですね。  この点についての、育児休業やあるいは介護休業等々についての、つまり一つは企業の責任についてどういうふうにお考えになっているのか。それともう一つは、国としてそういうふうな出生率の低下という傾向とあわせて、これからの女性の労働力というのが重視される状況の中で、国の施策としてどういうふうにしたらいいというふうにお考えか、それらの点についてお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
  69. 若菜允子

    ○参考人(若菜允子君) やはり国の施策とすれば、二言で申し上げれば、雇用が継続できるような環境を整備するということだと思います。その中の一つとして育児休業があり、また介護休業制度があるというふうなとらえ方になるんじゃないかと思います。  ただ、この出生率の低下の原因が何なのかということは、雇用の継続が難しいというところが大きな部分を占めていることももちろんですけれども、やっぱりそれ以外にも非常に教育に金がかかるようなシステムになってしまっているとか、雇用の分野以外のそういう国の施策というものも大いに影響しているんじゃないかと思いますので、育児休業制度がある程度普及したからといって、それだけで驚くように数字が上がるかというと、これはなかなか難しいというふうに私個人としては思っております。  そういう意味では、政策的なものを相当全体的に考慮しないといけないんじゃないかなというふうに思います。
  70. 立木洋

    ○立木洋君 最後に、錦織参考人にお尋ねしたいと思いますが、先ほど来いろいろ問題になっている、非常に大変な問題だということなんですけれども、時間短縮の問題ですね。  今お述べになったいろいろ困難な問題がある、とりわけやっぱり不況の状態だから猶予期間を置いていただくというふうなことが望ましいという趣旨のことを述べられたわけですけれども、その点について、中小企業における労働時間短縮の阻害要因についても幾つかお述べになりました。それはわからぬわけではないんです。これも理由が不況だからというふうにおっしゃったんですが、先ほど参考人がお挙げになった数字、これを見てみますと、例えば特に下請やコンビニエンスなどでのかんばん方式や多頻度配送などの問題、それから納検制度の問題だとか、罰金制度の問題だとか、不況になればなるほど親企業のやり方というのは厳しくなるんですね。これは現実として起こっていると思うんです。  先ほど参考人がお挙げになった数字を見てみても、平成四年の十二月の場合に、結局休日前に発注して休日直後に納入させるというのが四四・九%だとおっしゃいました。これは中小企業庁の調査によりましても、平成三年では四一・二%、それから平成二年では四〇・三%、だんだん毎年ひどくなっているんですね。これは中小企業庁の調査で出ている数字ですけれども、これは不況だから難しいという面と、不況だから親企業がますますそういうやり方を厳しくするから一層難しくなるということと私は関連があるんだろうと思うんですよ。  先ほどちょっとおっしゃいましたけれども、この間も我々香川県に調査に行きましていろいろ話を聞きますと、こういう実態があるではないかと親企業に言っても、いやそんなこと実際に起こっていないといって一蹴されてしまうというんですよ。なかなかその事情を訴えても届けてもらえない。数字を挙げても、そんなに多いごとがあるかといって拒否されてしまう。そういう状況が現実に下請中小企業、零細企業の場合には存在している。これは、五〇%以上の下請がありますし、それから親企業が分散しているという状態を考えると七割からが下請という状態になっておりますから、この持っている比重というのは非常に大きいだろうと思うんです。ですから、この点については日本的な伝統があるというふうなお話も出ましたけれども、言いにくいこともやっぱり言えるような何かシステムといいますか、国としても何らかの対策をとる必要がおありというふうにお考えになっておられるのかどうなのか。  そうしないと、やはり不況になれば常にしわ寄せが中小零細企業に来て大変になる。いつまでたっても労働時間の短縮にならないと、中小企業で働くことにメリットを感じない労働者がなかなかも嫌いしていく、こういう堂々めぐりになるんですね。だから、そういうことをやっぱりどこかで吹っ切る必要が私はあるだろうというふうに考えますと、今のそういう現実の問題、親企業のそういうあり方の問題についてどうすべきかというふうな点についての何かお考えがあればぜひお聞かせいただきたいと思います。
  71. 錦織璋

    参考人(錦織璋君) 大変難しい問題で、確かに不況になればなるほど効率化というものを要求されてきますし、これは親企業も必死でございますから、競争の範囲が大変国際的に広がっておりますので、どうしても効率を求めるというのはある面ではやむを得ないことだろうというふうに思います。問題は、求め方が公正に、ある程度是認できるような状況がどうか、こういうことになろうと思うんですが、ただやはり、私いろいろ下請関係も多少勉強させていただくと、欧米の下請システム日本の下請分業システムとでは何か大変基本的に違う面があるように思います。  欧米の下請ですと、品物を注文する際に入札か何かで、一定の要件を決めたもので安いものがそれを落としていく、こういうことに対して日本の場合ですと、親子関係と言っていいのかどうかわかりませんけれども、非常に継続的な発注が行われている。ですから、欧米の下請といいましょうか、主として部品メーカーということになるわけで、ちょっと従属性は大変低い、極めてインディペンデントな独立的な色彩が強いものですから、嫌なら仕事は断っちゃう、別にわしは関係ない、そのかわり別に品質を要求されなくて、決まったもの以外にはそれ以上さらによくして品物を納めるという必要もない、こういう関係でございます。  日本の場合ですと、継続発注もあり、また親もその下請の品質管理とか生産管理についてはいろんな技術指導とかというような援助も与えてくれておりますし、若干そういう意味では欧米の場合とかなり違いますし、また下請も親へ、図面等から見てさらによりよいものを親の方にまたアドバイスするというようなこともございまして、いわばそこに相互協力関係があるというのが欧米日本との違いではないか。少なくとも日本の場合は、日本国際競争力がこんなに強いというのにはそういった下請分業システムがあるんだとするならば、これはそれなりの評価というものはしてあげなければいけないんだろうと思うんです。ただ、問題はその関係で、価格まで親が干渉するというところが非常に問題でございまして、そこら辺をどう合理的な範囲内でおさめるかということになるのではないか。しかし日本のこういう下請システムが最近では欧米にもだんだんと入り込んできているということを考えますと、欧米の下請の経営者の意識日本の経営者の意識との違いは多分あるんだろうというふうには思うんです。  我々も国に対しましてはその不況時については特に親企業を指導していただくようにお願いをし、また公正取引委員会あるいは中小企業庁長官の共同での通達等も出ておりますので、それが実効が上がるようなことを我々も努力していかなきゃいかぬというふうに考えております。
  72. 萩野浩基

    ○萩野浩基君 お三人の先生方のお話を聞き、また質疑を聞きまして本当に参考になりました。それからまた御丁寧な論文をそれぞれ先生方が出していらっしゃるのが大変参考になりました。  時間もちょっとオーバーしておりますし、与えられた時間が十何分でございますから、少し絞って、一人一人の方に聞いているとあれなので、順番に時間の許す限りでお答えいただいたらと思います。  先ほど来聞いておりまして、高齢者雇用、それから女性の雇用、やはりこういう問題を考えるときに、我々の意識改革というもの、それからまた雇用ストラクチャーの改革、またそれから政治が関係してくるわけですけれども、制度改革とかそういう面から総合的に考えていかなきゃならないというのをとっても感じました。  まず最初に、先ほど同僚委員から意見もありましたが、若菜先生おっしゃったM字型、二十代と三十代と四十代と、確かにこれは労働者数とかいろんな面から考えればそういうのが出ると思いますが、この労働力率という、これははかり方はいろいろございます。何を基準にして労働力率をは かっていくか、その場合男性と女性との違いもあります。私あるところで見たことがあるんですが、記憶をたどりますと、知的労働とそれから肉体的労働とか、労働にもいろいろあります。特にちょっと女性のことを先に、きょうは女性の方々の質疑者も大変多いですし、御答弁も若菜先生もいらしておられますから、ちょっと女性のことで考えてみたいんですが、大体女性の労働力率といいますか、効力のピークというのが四十五歳から大体五十五歳ぐらいなんです、これは総合的に考えてみて。ともすると二十代でなければ、何か女性は二十五になるともう結婚を焦るとか、いろいろ言われますけれども、実際に私の秘書なんかもそうですし、大学で実際に第一線でやっておられる先生、職員等見ましてもそれはかなり言えると思うんです。そういう意味で、我々は今までの固定概念を変えていかなきゃならない、私はそういう意味で女性の四十代から五十代、もっと五十代の少し後半まで、これを今むだにしている、そのように考えます。  私のところの宮城県をとりますと、今学校の、幼稚園は当然でございますが、特に小学校教員は女性の方がとっても占めておる。占めておるからまずいんだということを言う人もいますけれども、私はそういう意見は持っておりません。ただ、残念なのは、やはり育児のときにある期間が抜ける、そうすると、自分の子供に対してもかわいそうなことになるし、それを習っている子供さん方にとってもかわいそうだ。そこで私はある期間を置いて、前から提唱しておったんですが、その間は休んでいらして、給料は何分の一かは出して、そしてまた復帰できる。それはかえっていい経験を、母親の経験をしているというのはやはり教員の質の向上にもつながってくる。宮城ではそういうのを今やっと採用し始めているんです。けれども、まだ十分PRも徹底しておりませんですし、まだそれの申し込みが少ないということです。私がそれを思いついたのは、実は私の姉が保育園の園長をやっておりまして、一番脂の乗っている五十五歳でリタイアをするときとってもさみしそうな顔をしていたんです。そういうところから、労働力率から考えて日本は実に女性のウイメンパワーをむだにしているんじゃないか。  私の大学では女性を一切差別しておりませんで、私はどうも何か女性の採用が多いんで萩野先生は女性に甘過ぎるんではないかと言われております。これは女性から票をたくさんもらったからというわけではございませんが、これを大いに利用しなければ私は本当に人的資源の損失だと思っております。  その点に関しまして、若菜先生どのようにお考えでございますか。
  73. 若菜允子

    参考人(若菜允子君) 私も同感でございまして、非常に有能な女性の力というものがむだにされているということはつくづく感じます。特に、これを統計で見ますと、高学歴者の方が再就職する率が低いということがあるんです。ですから、もちろん学歴だけで人間がどうこうというわけではありませんけれども、意欲とか能力をはかる一つのメルクマールだというふうに考えますと、やはりそういうもともと意欲がありかつ能力があった人間を社会が使い切れていない、その期待にこたえていないというところが問題だと思います。  ですから、先ほど再就職のところでちょっと申しましたように、やはりその人の能力、経験を見て使ってほしいということです。一番やっぱり再就職のときに問題になるのは、大体四十歳ぐらいを年齢制限の頭へ持ってくるんです。そのためにもうそこだけで人材が落ちてしまうということがありますので、そういう高齢者といいますか、再就職者を有効に使うというふうなことに目を向けた政策をとっていただきたいと私も思います。
  74. 萩野浩基

    ○萩野浩基君 今先生おっしゃっておられましたが、それに加えて、これは我々も考えなきゃなりませんですしまた雇用開発の方でも考えていただきたいんですが、イギリスなんかで使用していますワークシェアリングというような方法を日本も考えていかなきゃいけないんじゃないか。  それから賃金体系なんですが、実際に子供大学に行くとか非常にお金のかかる年齢というのは、男性の場合、私なんかは今二人大学にやっていますから一番苦しいときなんですけれども、私のところの大学なんかでは給与体系をちょうど和らぐらいのところをピークにするようにして、そして上に上がるともう給料ストップ、そのかわり大学の場合は七十歳までです。そしてこれは男女平等です。それから、大学院で教える場合は七十五歳まで文部省でもオーケーを出しております。だから、そういう場合に私はエクスペリエンストマンという言葉を使っておるんですが、またはオールダーマンでもいいですが、そういう経験というものをもっと使っていく、そして今の時代は特にハードの部門は機械がいろいろやるので、やはり経験というものが物を言う、そういう時代になってくると思うんです。  そういう意味で、一番最初に申し上げました意識改革、それから雇用構造の改革とか制度改革、そういう面からこれからに対してどのようにお考えになっているか、守屋先生と錦織先生にお願いいたしたいと思います。
  75. 守屋孝一

    参考人(守屋孝一君) 私は、まことに申しわけないんですが先生の年齢を承知しておりませんので、今ピーク時期のあたりをどこら辺とおっしゃったのかよくわかりませんけれども、今の日本賃金体系というよりもむしろかつてのと言った方がいいかもしれませんが、高度成長期の企業の賃金体系は右上がりといいますか年功序列の比較的きつかったものが、今だんだんこのカープが倒れてきているという現実がございます。さらに言えば、これからの賃金体系はどうあるべきかというのは非常に難しい問題があります。というのは、ただこれは賃金だけを言うわけにはいきません。これと表裏一体になっておりますのがいま一つの日本的な専門職制度のようなもの、これをどう考えるかということも職務給絡みで非常に重要なことになってまいります。こういう問題については、これから私どもも本格的に研究していきたいと思っております。平成五年度の予算が早く成立すれば、その予算が私どもに来ますので早くやれるんであります。  また、いつまで雇用するかというお話もございますが、さっきの労働力率の絡みで見ますと、長期的に見ますと労働力率は私は低下傾向に向くだろうし、またそれを否定するのもおかしいだろうと思います。ただ、今までの日本労働力率の年齢別の状況を見てまいりますと、大体六十歳代層、六十から六十九のあたりでなだらかに、なだらかといいますか、引退される。七十歳のあたりでもうごく一部といいますか例えば大学の先生もほとんど停年は七十のところが多いように聞いておりますが、会社経営者とかこういうところで一部に残られる方もありますが、大体引退されるように感じております。ですから、これをまた七十五までという話になりますと、若干強制労働みたいな感じもしますのでちょっと言いづらいんですが、要は働く意思能力のある高齢者の方が豊かな職業生活を送れるような形でその雇用開発を進めていく。  それがまたひいては、企業にとってみれば、若いときは企業に対する貢献度よりも賃金がうんと低くて年をとってくると上がってくるという形の方が、企業がだんだん大きく膨張していくときにはやりいい、やりいいといいますか根拠もある制度なんですが、そうでないとなるとこれは企業としてももちませんし、この辺のあるべき賃金の体系というのはこれからよく考えてみたい、これも研究してみたいと思っておりますし、平成五年度から着手しようとは思っております。
  76. 錦織璋

    ○参考人(錦織璋君) 中小企業では、賃金関係で見る限りにおきましては大企業と比べて年功カーブは低いというのが一般的でございます。大体三十歳ぐらいまでは大企業とほぼ同じでございますけれども、それ以上になりますとカープは寝てまいります。それが労働力の異動する一つの要因にもそれはなっているんだろうというふうに思いますが、主として中小企業の付加価値生産性に起因 する部分は多いのではないかというふうに思います。  現在、中小企業、特に零細企業で高齢化が大変進んでいるということは、やはり六十歳代からの方の採用といいましょうか、もちろん継続も含まれるわけなんですけれども、比較的賃金も年金との関係もありまして安く使えるという意味も多分あるんだろうというふうには思いますけれども、大変高齢化している。それはなぜかというと、大企業と違いまして生涯雇用で賃金カープを高くするというよりも、その持っている能力でもって賃金を支払うというのが大体中小企業では一般でございますので、そういう方向になっているのではないか。特に、零細企業では定年制というのはございません。我々の調査でも、一人から九人で、これは記憶でございますが、多分三〇%は定年制がない、こういうことでございます。そういうところには定年まで働く方が必要ないのかもしれませんし、またあったとしても、その年齢、能力に応じて賃金を支払う。逆に言えば、定年がないために労働は大変厳しい、こういうことも言えるかと思います。  それから定年に関連して、私も労働省でいろいろと高齢者関係の研究会にここ数年携わっておりますが、労働組合の方々の個人的意見という形ではございますが、六十五歳定年には皆さん反対をされております。労働組合がなぜ六十五歳の定年に反対されるかというと、もう六十歳でいい、なぜ六十五歳まで働かにゃならぬのか、六十歳になったら一つの区切りで、後は趣味に生きたい人もいるだろうし、仕事につきたい人もいるだろうけれども、もっと多様な六十歳以降の進路を決める、選択をする道をつくってほしい、こういうことでございまして、これも年金との関係がございますけれども、一つの考え方ではないかなというふうに思っております。  確かに、今中小企業の上位企業では、そういった意味合いでの高年労働者に格別な、また業務もつくっているということもございますので、これは時間の問題としてだんだんと私は解決できる問題ではないかというふうに考えております。
  77. 萩野浩基

    ○萩野浩基君 どうもありがとうございました。終わります。
  78. 小池百合子

    ○小池百合子君 三人の皆様、きょうはありがとうございます。最後の一人でございますので、よろしくお願いいたします。  まず、守屋さんに伺いたいんですが、先ほど来高齢者雇用を促進させるためにさまざまなノウハウを開発中であるということも伺いました。また、既にほかの議員の方々が大枠の部分のところ、細かいところ、かなり御質問がございましたので、むしろ具体的なノウハウ、どういうことを開発中なのか、タイムシェアリングであるとかドゥーベアリングなども伺いました。それから、さまざまな企業のうまくいっている例についての御本を出されたら非常に人気があったということでございますので、そういったノウハウ、ほかにどういうノウハウを開発中でいらっしゃるのか、またそのいい例について具体的に聞かせていただければと思います。
  79. 守屋孝一

    ○参考人(守屋孝一君) 開発中と申しましたのは、これは先ほども申し上げました高齢者を雇用することについて、企業がちゅうちょされる点はどういう点かといえば、これは労働省関係の雇用職業総合研究所、今これは労働研究機構というところの研究所でございますが、ここで五十八年に調査しております。ちょっと古いんですが、ここで長所と短所という言い方で調査をしているんです。現実に企業が五十五歳以上の人を雇用されて、その長所と短所はどう思うかということで調査してあります。  そうしましたところ、長所は先ほどもちょっと申し上げましたが、短所の方は冒頭に申し上げましたように、一番多いのは健康上の問題、その次は仕事の能率が落ちるという指摘、それから新しい仕事に適応しにくい、この三点が実は一番多いわけなんです。企業にとってみれば高齢者を雇用していく、雇用というのは新たに雇用することも、今雇用している人をさらに継続雇用する意味でも、ここは必要であろうという観点で、私どもはこの三点をどう克服、克服といいますか、問題点をできるだけ解消するということからアプローチしていったわけです。  そうした場合に出てくるのは、健康上問題が多いということ。これは健康管理の問題になるわけです。それからもう一つは、仕事の能率が落ちるという、これは作業改善、この作業改善というのはハードの面とソフトの面があるわけです。機器の改善もあれば作業手順とか仕事の分担の改善もあるわけです。それからもう一つの、新しい仕事に適応しにくいという問題。これは一つは新しい技能について適応しにくい問題と、新しい職場環境について適応しにくい問題とあるわけです。そこで、これについてはある意味では適応を念頭に置いた教育訓練というのが非常に重要になってくる。  そうした場合に、企業の今のシステムについて、どこに問題があるかということをその企業が十分御承知かどうか。そのためには、私どもは、おたくの企業を診断した結果、こういうところに問題がありますよというのをまず指摘してさしあげるということも重要なことだろう。そのための診断システムを今開発している最中だというふうに申し上げたわけであります。  もう一つの好事例集の話は、診断というのはあくまでもここに問題がありますよということなんで、ではそこをどう改善するかという話になりますと、これはそんな簡単に一つのシステムでやれるものじゃございません。千企業があれば千通りあるわけです。万の企業があれば万通りあるわけです。ですから、これについてはヒントを差し上げる。そういう意味では、こうやったらうまくいきましたという事例を、我々はそれを好事例と言ったわけですが、この好事例を収集していく。それを積み重ねていって、企業の経営者の方にヒントを差し上げていく。それがより改善をスムーズにしていく道だろう。その中の一つとして、先ほど申し上げましたような好事例集の本をつくったということでございます。具体的にというと、そういうやり方をしておるということでございます。
  80. 小池百合子

    ○小池百合子君 御趣旨はわかるんですが、ヒントというのは例えばどういうものがあるのかということを伺いたかったんです。
  81. 守屋孝一

    ○参考人(守屋孝一君) きょう本を持ってくれば
  82. 小池百合子

    ○小池百合子君 そうですか、じゃそれは買って読むことにいたします。
  83. 守屋孝一

    ○参考人(守屋孝一君) いや、これは本屋で店頭販売しておりませんで、私どもが全部直売をやっておりますんで、いずれ先生のところには一冊お送りします。
  84. 小池百合子

    ○小池百合子君 わかりました。  諸外国では定年を迎えた方は、逆にハッピーリタイアメントという、そういう価値観の違いというのがございますので、そういった社会的な価値観の違いの中では高齢化のスピードが特に速い日本は余り参考にならないかもしれませんけれども、そういったさまざまな諸外国との比較等を通じまして、日本がこれから学べる点などたくさんあると思いますが、その主なところはいかがなものでございましょうか。
  85. 守屋孝一

    ○参考人(守屋孝一君) これは実は率直に申しますと、諸外国といいましてもヨーロッパ諸国の場合と日本の場合と相当事情が違います。というのは、日本の場合は特にこういう不況になるとか景気が停滞する、あるいは雇用問題が出てくるというと、それは高齢者の方に出てくるんです、高齢者雇用問題として。しかし、ヨーロッパの場合は若年の失業者問題として出てきます。そこで、これは全然出方の様相が違うというのが一点。それからもう一点は、冒頭申し上げましたように、高齢化のスピードが日本ほど急激でない、そこで、摩擦が非常に小さいということがあるわけです。  したがって、雇用問題として高齢化問題を真っ正面から取り上げているという形では出てきてい ないんです。ヨーロッパの場合の高齢者問題というのは、うんと高齢化されまして、身体的機能等の著しい低下が起こったと、むしろそういう場合に自立のための社会参加のためにどういうような、例えば機器を開発するとか、これは福祉機器というのでございましょうか、そういうことについては非常に先進的な部分がございますが、いわゆる産業機器の面あるいは職場改善といったような面でこれが直接日本に持ってこれるようなヒントというのは、私も実は昨年ヨーロッパへ参りまして調べてまいりましたがなかなか見つからない。むしろ日本は今までの日本的なやり方をさらに日本の将来を見通して日本的に解決していかなければならないというように考えております。
  86. 小池百合子

    ○小池百合子君 ありがとうございました。  続いて若菜参考人に伺いたいのでございますが、御指摘ありましたように日本の女性の年齢別の就業率、これをカープにいたしますとM字型になるというのは、まだまだこのカープの度合いも変わっていないようでございますけれども、つまりそれで出産と育児のためにそれだけ時間をとりながらも一方では出生率はどんどん低下する一方であるというようなことでございますので、出産、育児のために時間をとっても出生率は一向に上がっていないという、そういう現実があると思うんですね。  その辺のところは女性の感覚からいいましても、やはり経済的な理由であったり、それからやりがいを求めるとかいう、そういう点もあると思うのでございますけれども、そのためにも逆に一貫性を持った、また安心感を持った雇用形態、新しい雇用形態を企業の方も進めていくことによって、日本の人口が本当にもっとどんどんふえていくことがいいのかどうか、これはマーケットが小さくなるといったような経済的な理由はあるでしょうけれども、人口がどんどんふえていくことがいいのかどうかは別にいたしましても、もっと女性のライフサイクル、そして女性が何を人生に求めているのかといったような、そういう大きな観点からの雇用形態が望ましいと私は考えているわけで、多分その辺御共感いただけるのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  87. 若菜允子

    ○参考人(若菜允子君) 私もそのように思います。  結局、出生率の問題にしてもただ単に人間の総合的な生活から生まれてくる感覚によって決めることですので、おっしゃるようにやっぱり総合政策ということが非常に大事じゃないかと思います。
  88. 小池百合子

    ○小池百合子君 ありがとうございます。  また、先ほど最初の二十分の間に御指摘なさいました女性の人材としての活用の面で欠けている点ということで育成という、特に管理職などを目指す女性に対しての育成の部分が欠けているという御指摘がございましたね。  そこで、最近では総合職、一般職と、入社の際のそういう選択をさせるという方法を幾つかの大企業がとって、これはなかなかうまくいっていないわけですね。これはむしろ女性の側の意識の問題であるとか、それが実はやってみたけれどもうまくいかない、もしくは企業側がやってみたけれどもどうも扱いにまだまだなれていない、さまざまな問題点があろうと思うのでございますが、こういった女性の選別的な雇用ですね、最初の、これについてはどういうふうにお考えになりますでしょうか。
  89. 若菜允子

    ○参考人(若菜允子君) コース別人事制度そのものは、それ自体は私は能力によって分けるということをとらえれば別に問題のある制度とは思わないですね。  ただ、運用の上で非常に男女を差別するためにとまでは言いませんけれども、そういうのに使われやすいところが問題になるんじゃないかというふうに思います。ですから、もちろんそういうことでコース別人事制度の望ましいあり方とかいうふうないろんな指導なんかも出ておりますので、そういうものがもう少し企業の中に浸透されていけば改善される余地は大いにあるんじゃないかなというふうに思っております。
  90. 小池百合子

    ○小池百合子君 ありがとうございました。  最後に、錦織さんに伺いたいと思いますが、きょうのレジュメの中の三ページ目のところにも今後の課題として大きな三点を挙げられて、この中に、もういろんな問題点が集約されていると思うのでございますけれども、特に運輸関係などが残業等も長くてなかなか時短にはつながらないという点がよく指摘されるわけです。  そこで、かなり流通の効率化といったような大きな流通構造全体の見直しも含めまして非常に大きな問題点があると思います。中小企業の側からもこういった点についてはいろいろと御要請もあるとは思うんですけれども、そういった流通の効率化など、産業全体の見直しなども必要になってくるわけです。そういった点についてはそちらではどういう見方をとっていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。
  91. 錦織璋

    ○参考人(錦織璋君) 日々産業というものはその時代の変化に合わせて改善合理化していくものでございますので、格別これということを取り上げるのは大変難しいわけですけれども、我々が見て、確かに流通という物流問題と一般の商業関係と二つあるわけです。特に、物流関係で運輸というのは世界的に残業時間といいましょうか労働時間は長いですね。それは、業務の単純性とかそういう問題に起因する要素が多分あるんだろうというように思いますが、それはそれなりの合理化、労働時間短縮と、いろいろまた特別な労働省での計画等もございまして、今少しずつですが進んでいるというように思っております。  ここで、特に流通の効率化というのは、一般的に言いますとR分のWといいましょうか、リテール分のホールセールということで、要するに小売と卸売の売り上げの比率を見てまいりますと、アメリカでは多分一・〇ぐらいでございますけれども、日本の場合は大体二・六ぐらいという倍以上。すなわち生産から末端の最終小売に行くまでの間に、消費者に行くまでの間に大変大きな流れがそこにできているということでございますので、もし労働力という側面から物を考えた場合には、生産から直ちに、多様な卸を通さないで直接小売の方に行くということがこれからの消費生活の上からも大変大事ではないかというふうに考えておりますので、労働力という観点から見た場合でも、特に卸売問題ですね、卸と小売との問題がこれからの大きな課題になるのではないんだろうかと、こういうふうに考えておりますので、特にここに特掲をしたと、こういうことでございます。
  92. 小池百合子

    ○小池百合子君 結構でございます。ありがとうございました。
  93. 浜本万三

    ○会長(浜本万三君) 御苦労さまでした。  以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。  参考人の皆様には、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。ただいまお述べいただきました御意見につきましては、今後の調査の参考にさせていただきたいと存じます。本調査会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手)  それでは、本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十八分散会