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1992-06-18 第123回国会 参議院 逓信委員会 12号 公式Web版

  1. 平成四年六月十八日(木曜日)    午前十時開会     ―――――――――――――    委員の異動  五月二十八日     辞任         補欠選任      成瀬 守重君     陣内 孝雄君      山田 健一君     吉田 達男君  五月二十九日     辞任         補欠選任      二木 秀夫君     関根 則之君      松浦 孝治君     伊江 朝雄君      吉田 達男君     山田 健一君  六月一日     辞任         補欠選任      伊江 朝雄君     岡野  裕君      矢原 秀男君     片上 公人君  六月十一日     辞任         補欠選任      片上 公人君     矢原 秀男君  六月十五日     辞任         補欠選任      下村  泰君     西川  潔君  六月十七日     辞任         補欠選任      矢原 秀男君     太田 淳夫君      西川  潔君     下村  泰君  六月十八日     辞任         補欠選任      守住 有信君     吉川 芳男君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         粕谷 照美君     理 事                 尾辻 秀久君                 斎藤 文夫君                 大森  昭君                 中村 鋭一君     委 員                 岡野  裕君                 沢田 一精君                 陣内 孝雄君                 平野  情君                 吉川 芳男君                 國弘 正雄君                 三重野栄子君                 山田 健一君                 太田 淳夫君                 吉岡 吉典君                 足立 良平君                 下村  泰君    国務大臣        郵 政 大 臣  渡辺 秀央君    政府委員        郵政大臣官房長  木下 昌浩君        郵政省放送行政        局長       小野沢知之君    事務局側        常任委員会専門        員        大野 敏行君    説明員        厚生省社会局更        生課長      松尾 武昌君        会計検査院事務        総局第四局長   白川  健君    参考人        日本放送協会会        長        川口 幹夫君        日本放送協会副        会長・技師長事        務取扱      中村 好郎君        日本放送協会理        事        堀井 良殷君        日本放送協会理        事        沖  清司君        日本放送協会理        事        中野 正彦君        日本放送協会理        事        諏訪 恭也君        日本放送協会理        事        安藤 龍男君        日本放送協会理        事        中村 和夫君        日本放送協会会        長室〔経営計画〕        局長       黒川 次郎君        日本放送協会財        務企画局長    岡  晴彦君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○日本放送協会平成元年度財産目録、貸借対照表  及び損益計算書並びにこれに関する説明書 ○日本放送協会平成二年度財産目録、貸借対照表  及び損益計算書並びにこれに関する説明書 ○継続調査要求に関する件     ―――――――――――――
  2. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る五月二十八日、成瀬守重君が委員を辞任され、その補欠として陣内孝雄君が選任されました。  また、同二十九日、松浦孝治承及び二木秀夫君が委員を辞任され、その補欠として伊江朝雄君及び関根則之君が選任されました。  また、六月一日、伊江朝雄君が委員を辞任され、その補欠として岡野裕君が選任されました。  また、昨十七日、矢原秀男君が委員を辞任され、その補欠として太田淳夫君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 次に、日本放送協会平成元年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書、日本放送協会平成二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書、以上両件を一括して議題といたします。  両件について、まず、政府から説明を聴取いたします。渡辺郵政大臣。
  4. 渡辺秀央

    ○国務大臣(渡辺秀央君) ただいま議題とされました日本放送協会平成元年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書並びに監事の意見書の国会提出につきまして、その概略を御説明申し上げます。  これらの書類は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものであります。  日本放送協会から提出されました平成元年度の財務諸表によりますと、平成二年三月三十一日現在で、一般勘定につきましては、資産合計は三千七百九十億八千六百万円で、前年度に比し二百二十四億五百万円の増加となっております。  これに対しまして、負債合計は二千七十三億二千百万円で、前年度に比し三百六十一億三百万円の増加となっております。  資本合計は一千七百十七億六千五百万円で、前年度に比し百三十六億九千八百万円の減少となっております。  資産の内容は、流動資産七百二十五億一千百万円、固定資産二千八百六十億八千九百万円、特定資産百九十四億八千六百万円であり、負債の内容は、流動負債九百五十四億八千六百万円、固定負債一千百十八億三千五百万円となっております。  また、資本の内容は、資本一千八百五十四億二千七百万円、積立金三千六百万円、事業収支差金百三十六億九千八百万円の欠損となっております。  受託業務等勘定につきましては、資産合計、負債合計とも五百万円となっております。  次に、損益につきまして御説明申し上げます。  一般勘定につきましては、経常事業収入は三千七百九十七億五千万円で、前年度に比し二百三十二億二千九百万円の増加となっております。  これに対しまして、経常事業支出は四千十八億三千二百万円で、前年度に比し三百四十七億八千八百万円の増加となっております。  この結果、経常事業収支差金は二百二十億八千二百万円の欠損となり、これに経常事業外収支差金四十九億三千万円の欠損を加えた経常収支差金は二百七十億一千二百万円の欠損となっております。  これに特別収入百七十五億五千万円を加え、特別支出四十二億三千六百万円を差し引いた事業収支差金は百三十六億九千八百万円の欠損となっております。  受託業務等勘定につきましては、経常事業収入は四億一千二百万円であり、これに対しまして、経常事業支出は三億七千三百万円となっております。  この結果、経常事業収支差金は三千九百万円となり、これに経常事業外収支差金五百万円の欠損を加えた事業収支差金は三千四百万円となっております。  なお、監事の意見書におきましては、監査の結果、財務諸表は、日本放送協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認めるとされております。  引き続きまして、平成二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書並びに監事の意見書の国会提出につきまして、その概略を御説明申し上げます。  これらの書類は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものであります。  日本放送協会から提出されました平成二年度の財務諸表によりますと、平成三年三月三十一日現在、一般勘定につきましては、資産合計は四千六百十七億百万円で、前年度に比し八百二十六億一千五百万円の増加となっております。  これに対しまして、負債合計は二千五百二十三億三千八百万円で、前年度に比し四百六十億一千七百万円の増加となっております。  資本合計は二千八十三億六千三百万円で、前年度に比し三百六十五億九千八百万円の増加となっております。  資産の内容は、流動資産一千百八十億四千九百百円、固定資産三千二百六十八億九千八百万円、特定資産百六十七億五千四百万円であり、負債の内容は、流動負債一千四百三十一億一千百万円、固定負債一千百二億二千七百万円となっております。  また、資本の内容は、資本一千八百五十四億二千七百万円、繰越欠損金百三十六億六千二百万円、事業収支差金三百六十五億九千八百万円となっております。  受託業務等勘定につきましては、資産合計、負債合計とも二千百万円となっております。  次に、損益について御説明申し上げます。  一般勘定につきましては、経常事業収入は四千八百八十四億六千六百万円で、前年度に比し一千八十七億一千六百万円の増加となっております。  これに対しまして、経常事業支出は四千四百二十四億九百万円で、前年度に比し四百五億七千七百万円の増加となっております。  この結果、経常事業収支差金は四百六十億五千七百万円となり、これに経常事業外収支差金七十一億二千八百万円の欠損を加えた経常収支差金は三百八十九億二千九百万円となっております。  これに特別収入九億九千万円を加え、特別支出三十三億二千百万円を差し引いた当期事業収支差金は三百六十五億九千八百万円となっております。  受託業務等勘定につきましては、経常事業収入は三億三千六百万円であり、これに対しまして、経常事業支出は二億八千五百万円となっております。  この結果、経常事業収支差金は五千百万円となり、これに経常事業外収支差金六百万円の欠損を加えた当期事業収支差金は四千五百万円となっております。  なお、監事の意見書におきましては、監査の結果、財務諸表は、日本放送協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認めるとされております。  以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議のほどお願いいたす次第でございます。
  5. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 次に、日本放送協会から説明を聴取します。川日本放送協会会長。
  6. 川口幹夫

    参考人(川口幹夫君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成元年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに監事の意見書の概要につきまして御説明申し上げます。  まず、一般勘定の当年度末の資産総額を財産目録、貸借対照表で見ますと三千七百九十億八千六百万円で、この内訳は、流動資産七百三十五億一千百万円、固定資産二千八百六十億八千九百万円、特定資産百九十四億八千六百万円。このうち固定資産の内容は、建物七百五十五億六千七百万円、土地二百二十一億二千二百万円、機械及び装置八百五十億三千二百万円、放送衛星三十億六千五百万円、その他の固定資産九百九十三億三百万円でございます。  当年度末資産総額を前年度末と比較しますと、二百二十四億五百万円の増加となっておりますが、これは建設計画に基づく衛星放送設備、番組設備の整備等によるものでございます。  一方、これに対する負債総額は二千七十三億二千百万円で、この内訳は、流動負債九百五十四億八千六百万円、固定負債一千百十八億三千五百万円。このうち固定負債の内容は、放送債券四百五十億八千万円、長期借入金四百三十億三千七百万円、退職手当引当金百八十六億五千万円、その他の固定負債五十億六千八百万円でございます。  当年度末負債総額を前年度末と比較しますと、三百六十一億三百万円の増加となっておりますが、これは長期借入金の増加等によるものでございます。  また、資本総額は一千七百十七億六千五百万円で、この内訳は、資本一千八百五十四億二千七百万円、積立金三千六百万円、当期欠損金百三十六億九千八百万円でございます。この資本総額は前年度末と比較し百三十六億九千八百万円の減少となっております。  次に、新たに設定いたしました受託業務等勘定の当年度末の資産総額を財産目録、貸借対照表で見ますと五百万円で、これに対する負債総額は五百万円でございます。  次に、損益計算書について申し上げます。  まず、一般勘定の経常事業収支について見ますと、受信料等の経常事業収入は三千七百九十七億五千万円で、前年度と比較し二百三十二億二千九百万円の増加となりました。これは主として、新たに衛星料金を設定するとともに、受信契約の維持・増加に努めた結果によるものでございます。  なお、有料受信契約件数は三十五万件増加し、当年度末には三千二百三十一万件となりました。  次に、経常事業支出は四千十八億三千二百万円で、この内訳は、国内放送費一千二百九十二億七千六百万円、国際放送費三十一億七千八百万円、契約収納費四百二億百万円、受信対策費十三億一千五百万円、広報費十七億七千七百万円、調査研究費四十五億二百万円、給与一千二百三十九億八千七百万円、退職手当厚生費三百九十九億一千九百万円、一般管理費九十四億五千百万円、減価償却費三百七十六億八千六百万円、未収受信料欠損償却費百五億四千万円となっております。  これは前年度と比較し、三百四十七億八千八百万円の増加となりましたが、主として、放送番組の充実、受信契約の維持・増加施策の推進に伴う事業運営費の増加等によるものでございます。  以上の結果、経常事業収支差金は二百二十億八千二百万円の欠損となり、これに経常事業外収支差金四十九億三千万円の欠損を加えた経常収支差金は二百七十億一千二百万円の欠損であります。さらに、特別収入百七十五億五千万円を加え、特別支出四十二億三千六百万円を差し引いた当期事業収支差金は百三十六億九千八百万円の欠損となりました。この欠損金につきましては長期借入金をもって補てんすることといたしました。  次に、受託業務等勘定の経常事業収入は四億一千二百万円で、経常事業支出は三億七千三百万円となりました。その結果、経常事業収支差金は三千九百万円となり、これに経常事業外収支差金五百万円の欠損を差し引いた当期事業収支差金は三千四百万円となりました。この当期事業収支差金につきましては一般勘定の経常事業収入へ繰り入れております。  なお、監事の意見書では、貸借対照表等は、監査の結果、協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認めるとされております。  引き続きまして、平成二年度の概要につきまして御説明申し上げます。  まず、一般勘定の当年度末の資産総額を財産目録、貸借対照表で見ますと四千六百十七億百万円で、この内訳は、流動資産一千百八十億四千九百万円、固定資産三千二百六十八億九千八百万円、特定資産百六十七億五千四百万円。このうち固定資産の内容は、建物七百五十二億百万円、土地二百三十三億四千九百万円、機械及び装置九百七十五億百万円、放送衛星百四十四億一千五百万円、その他の固定資産一千百六十四億三千二百万円でございます。  当年度末資産総額を前年度末と比較しますと、八百二十六億一千五百万円の増加となっておりますが、これは建設計画に基づく衛星放送設備、番組設備の整備等によるものでございます。  一方、これに対する負債総額は二千五百三十三億三千八百万円で、この内訳は、流動負債一千四百三十一億一千百万円、固定負債一千百二億二千七百万円。このうち固定負債の内容は、放送債券四百四十七億一千万円、長期借入金四百五十五億六千七百万円、退職手当引当金百九十九億五千万円でございます。  当年度末負債総額を前年度末と比較しますと、四百六十億一千七百万円の増加となっておりますが、これは受信料前受金の増加等によるものでございます。  また、資本総額は二千八十三億六千三百万円で、この内訳は、資本一千八百五十四億二千七百万円、繰越欠損金百三十六億六千二百万円、当期事業収支差金三百六十五億九千八百万円でございます。この資本総額は前年度末と比較し三百六十五億九千八百万円の増加となっております。  次に、受託業務等勘定について見ますと、当年度末の資産総額及び負債総額はそれぞれ二千百万円でございます。  次に、損益計算書について申し上げます。  まず、一般勘定の経常事業収支について見ますと、受信料等の経常事業収入は四千八百八十四億六千六百万円で、前年度と比較し一千八十七億一千六百万円の増加となりました。これは主として、平成二年度を初年度とする五カ年の経営計画のもとに、平成二年四月からやむを得ず受信料額の改定を行うとともに、受信契約の維持・増加に努めた結果によるものでございます。  なお、有料受信契約件数は三十四万件増加し、当年度末には三千二百六十五万件となりました。  次に、経常事業支出は四千四百二十四億九百万円で、この内訳は、国内放送費一千五百七十八億六千五百万円、国際放送費三十七億二千万円、契約収納費四百十七億二千二百万円、受信対策費十四億一千八百万冊、広報費二十億六千八百万町、調査研究費五十三億五千六百万円、給与一千二百七十六億七千二百万円、退職手当厚生費四百二十五億七千二百万円、一般管理費百六億一千四百万円、減価償却費三百五十八億四千万円、未収受信料欠損償却費百三十五億六千二百万円となっております。  これは前年度と比較し、四百五億七千七百万円の増加となりましたが、主として、放送番組の充実、受信契約の維持・増加施策の推進に伴う事業運営費の増加等によるものでございます。  以上の結果、経常事業収支差金は四百六十億五千七百万円となり、これに経常事業外収支差金七十一億二千八百万円の欠損を差し引いた経常収支差金は三百八十九億二千九百万円であります。さらに、特別収入九億九千万円を加え、特別支出三十三億二千百万円を差し引いた当期事業収支差金は三百六十五億九千八百万円となりました。このうち、債務償還に充てた資本支出充当は百五十億八千七百万円であり、事業収支剰余金は二百十五億一千百万円であります。  なお、この事業収支剰余金は翌年度以降の財政安定のための財源に充てるものであります。  次に、受託業務等勘定の経常事業収入は三億三千六百万円で、経常事業支出は二億八千五百万円となりました。その結果、経常事業収支差金は五千百万円となり、これに経常事業外収支差金六百万円の欠損を差し引いた当期事業収支差金は四千五百万円となりました。この当期事業収支差金につきましては一般勘定の経常事業収入へ繰り入れております。  なお、監事の意見書では、貸借対照表等は、監査の結果、協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認めるとされております。  これをもちまして概要説明を終わらせていただきますが、今後の協会経営に当たりましては、公共放送としての使命と責務を深く認識し、放送事業の一層の発展に努力してまいる所存でございます。  何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
  7. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 次に、会計検査院から検査結果についての説明を聴取いたします。白川会計検査院第四局長。
  8. 白川健

    ○説明員(白川健君) 日本放送協会の平成元年度及び二年度の決算につきまして検査いたしました結果を御説明いたします。  まず、日本放送協会の平成元年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書等は、平成二年八月十三日内閣から送付を受けましたが、その検査を終えて、同年十二月十日内閣に回付いたしました。  次に、同協会の平成二年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書等は、平成三年八月十六日内閣から送付を受けましたが、その検査を終えて、同年十二月五日内閣に回付いたしました。  同協会の両年度の決算につきまして検査いたしました結果、特に法律、政令もしくは予算に違反し、または不当と認めた事項はございません。  以上、簡単でございますが、説明を終わります。
  9. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  10. 三重野栄子

    ○三重野栄子君 ただいま議題になりました二件、並びに関連をいたしまして五点質問をいたします。  まず第一にバルセロナ・オリンピックについてでございます。  七月二十五日から八月九日まで開催されますバルセロナ・オリンピックにつきましては日に日に関心が高まっているところでございます。私は、さきの平成四年度NHK予算の審議の際にバルセロナ・オリンピック放送の権料について質問をいたしましたけれども、その際、交渉中ということでございましたので、その後どのようになりましたでしょうか、お尋ねをいたします。  また、ソウル・オリンピックと比較しながら、NHKと民放との分担比率が決められてきた理由、経過。また、放送権料のほかに協力金の負担もあるそうでございますけれども、国民がひとしく期待をしているけれども、だんだんそういう権料が多くなっていくという状況もございますので、お尋ねするところでございます。
  11. 中村和夫

    参考人(中村和夫君) バルセロナ・オリンピックについては、民放との比率が、NHKが八〇、民放が二〇ということになっております。モントリオール大会、一九七六年でございますが、このときNHKの比率は八六・七%、民放が一三・三%ということになっておりましたけれども、今度のバルセロナ大会は、ソウル大会に引き続きまして八〇対二〇ということになっております。これも民放といろいろ話をして、御理解を得てこういう形におさまったということでございます。御承知のように、放送の枠をどのくらい民放がとれるのか、スポンサーとの関係でどのくらい放送ができるのかということが一つ大きな要因になっております。  それから比率は、できるだけ民放とお話し合いをして負担の軽減を図りたいと思っておりますが、何といっても一番大きな問題は、モントリオール大会と比べますと放送権料が四十四倍にも上がっている、それとソウル大会と比べてみましてもほぼ二倍近くなっているということもございまして、我々、民放と一緒になってジャパン・プールというものを組んで、それでIOCに対して放送権料をできるだけ抑えるように、ジャパン・プールとして一枚岩になって放送権料を下げてもらうという交渉をやっておりまして、そこの放送権料をどうやって下げたらいいかというところが最大のポイントになってきます。
  12. 三重野栄子

    ○三重野栄子君 協力金の負担の問題はいかがですか。今は権料のことを伺いました。協力金と一緒ですか。
  13. 中村和夫

    参考人(中村和夫君) 協力金につきましては、IOCとの権料の交渉の最終段階で、交渉を決着させるために、別な形での技術協力金というものを別に設定して、それをやはり一つのてこにして権料を抑えるという観点から決まっております。
  14. 三重野栄子

    ○三重野栄子君 いろいろ検討されているようでございますが、このことにつきましてはもう少し私の方も勉強をしてお尋ねしていきたいというふうに思います。  そこで、バルセロナとの時差の問題でございますが、七時間差があると思いますけれども、その場合に、民放との放送枠、あるいはスポンサーとのかかわりでこういうふうに権料が決まってきているわけですけれども、放送計画の概要についてお尋ねをしたいわけです。  その場合に、地上放送と衛星放送とはどうなるのか、それからハイビジョン放送はどういうふうになっていくのか、それから、総じてNHKと民放とのかかわりはどういうふうにして調整されていくのか、その点についてお尋ねをいたします。
  15. 中村和夫

    参考人(中村和夫君) 今御指摘のように時差が七時間ございまして、主な競技の決勝というのは零時、真夜中から始まります。主な競技の予選が大体夕方から始まるということで、深夜時間帯は生中継が主ということになると思いますが、総合テレビでは百七十七時間、一日平均十一時間四分を予定しております。ソウル大会のときには百七十八時間十一分でございましたから、ほぼ同じでございます。  それから、衛星第一テレビでございますが、大会期間中はオリンピックチャンネルとしてこのソフトを最大に放送したいということで、三百三十三時間、一日平均二十時間四十九分を放送いたします。ソウル大会のときに二百四十五時間四十五分でございました。  ハイビジョンの方は一日八時間程度、百二十八時間放送する予定でございます。ソウル大会が六十四時間でございましたから倍になります。  ラジオの方は百二時間というごとになっております。
  16. 三重野栄子

    ○三重野栄子君 そういたしますと、大変時間も長くなって、それからそれぞれのところでも努力をされているわけでございますけれども、このオリンピックの取材あるいは制作体制というようなものはどのようになっているんでしょうか。要員体制も含めてお尋ねをいたします。
  17. 中村和夫

    参考人(中村和夫君) 非常に歓迎されるソフトであるということで、視聴者の御期待に十分こたえていかなければならないと思っていますが、報道局を中心に、地方局も含めまして、また関連団体、外部のプロダクション、こういうところの協力を得まして、多様なパワーを結集して必要な体制を確保していくということになります。番組編成面でも、いろいろオリンピックで放送がなくなる番組もございますから、そういうところのパワーも、中央、地方も含めまして動員して事に当たりたいというふうに思っております。  ただ、オリンピックが始まる前には参議院の選挙がございまして、参議院の選挙のいろいろな事前番組とか準備もございます。オリンピックはオリンピックでまた別の体制できちんと準備をしなければいけないということもありまして、現場職員には通常より負担をかけるというようなことになると思いますけれども、労働条件についてはできるだけ配慮して現場を指導していきたいというふうに思っております。  現地の派遣団は大体二百人程度になると思います。  国内での制作体制、受け入れ体制は、選挙とか高校野球の地方予選とかそういうことの今詰めをやっておりますので、間もなく大体決まると思います。
  18. 三重野栄子

    ○三重野栄子君 参議院選挙もあり体制の準備があろうかと思いますが、さきに参議院の牛歩がありましたときに、NHKでそういう参議院の様子を知らせられたときに、番組を変えてそういうことがあったということで、そういうのじゃ困るじゃないかと番組の大変好きな人から抗議があったというようなこと、これは新聞などで見たわけですけれども、今おっしゃいましたように少し番組編成が変わるわけですから、そのあたりはどのように事前に連絡がされていくのか、それと制作経費はどのようになるかということを重ねてお願いいたします。
  19. 中村和夫

    参考人(中村和夫君) 今もう既に行っておりますけれども、オリンピック期間中はこういう編成になりますというPR、それからパンフレット、衛星放送等につきましては、新聞でもオリンピック期間中はこういう編成表になりますということをPRしております。  それから制作費でございますが、このオリンピックのジャパン・プールの方の制作費は約十四億三千万円ぐらいかかる予定でございます。この制作費の分担は民放とほぼ折半という形で、五三対四七という比率になると思います。  それから、先ほども御指摘ありましたけれども、番組編成を変えるといろいろ御苦情がございますけれども、電話の対応を初め、いろいろな形できめ細かに周知をしていきたいというふうに思っております。
  20. 三重野栄子

    ○三重野栄子君 大変大きな経費を使われていくわけでございますので、このオリンピックの放映が成功するように希望いたします。  次に、ハイビジョンの試験放送が行われておりますけれども、現在どのような状況になっているかということをお伺いしたいわけです。  カラーテレビが爆発的に広がったというのは東京オリンピックのときだったんではないかと思いますけれども、バルセロナのオリンピックはソウルの二倍ほどのハイビジョンが放映されていくわけでございますけれども、現在のハイビジョンの試験の状況、番組に対する視聴者の希望だとか、それから今後の体制というようなことについてお尋ねをいたします。
  21. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) ハイビジョンの試験放送につきましては、今ハイビジョン推進協会というものを中心にして試験放送を行っているわけですけれども、私どももハイビジョンの実用化をさらに推進するためにいろいろな面で協力をしているということでございます。ソフトの提供、それから送信業務などの面で積極的に協力をしております。NHKの場合は一日四時間程度ソフトを提供しておりまして、去年の十一月二十五日からことしの三月三十一日までに五百十五時間番組を提供してございます。半分は既存のソフトの利用、それからスポーツの生中継、新作番組となっておりまして、残りの半分は再放送で充当しているということでございます。  現在、ハイビジョン推進協会にはNHKの職員が六人出向し、それから退職してハイビジョン推進協会に行った者が一人おります。  現在、ハイビジョン推進協会は送出、送信設備というのを持っておりませんので、NHKとJSBの地上設備を使って試験放送を行っているということでございます。  我々、平成元年の六月から一時間ずつ実験放送を行ってきたわけですが、その間いろいろな形でハイビジョンソフトの蓄積、開発というものを行ってきましたけれども、今後ともその制作ノウハウ、ソフトの蓄積という面で従来どおり努力していきたいというふうに思っております。何せ制作費がなかなかかかるものですから、地上放送と両方に使えるような形で一体的な制作ということも推し進めていきたいというふうに思っております。
  22. 三重野栄子

    ○三重野栄子君 ハイビジョンの問題につきましては、推進協会を中心に今行われておりますが、これからの課題として、地上放送と一緒に放送されるようなという御提案がございましたんですけれども、やはりNHKとしては、今まで開発しそしてソフトも蓄積をしていく中で、推進協会に協力ということよりも、NHK自身でこうやっていきたいという将来の展望というのはいかがでございましょうか。会長にお伺いしましょうか。
  23. 川口幹夫

    ○参考人(川口幹夫君) 御承知のごとく、ハイビジョンはNHKが約四半世紀にわたって開発いたしまして、今実用化に向かって大きな役割を果たしてきている最中でございますけれども、この技術特性の非常にすぐれた高品質のメディアであるハイビジョンというものを、次世代の放送メディアというふうに広く視聴者に提供するためには、引き続いてやはり私どもが先導的役割を果たす必要があるというふうに思っております。  現在は、ハイビジョン推進協会による試験放送ということで、それに参加し協力する形で行っておりますが、積極的な普及、それからハイビジョンにふさわしい番組の開発をする、それからさらに制作体制の整備を行うということがどうしても必要になってまいります。そういうことを進めながら、ハイビジョンを実際放送するという事業化につきましては、この試験放送期間における放送サービスのあり方、それから視聴者の動向等々を十分見きわめまして、公共放送の新たな役割として私どもは主体的にこの事業に取り組みたいと思っておりまして、慎重に対応しながら、しかし積極的に対応するということを考えております。
  24. 三重野栄子

    ○三重野栄子君 NHKは受信料で賄われておりまして、ハイビジョンが大衆化されるというのはなかなか難しいかとは思いますけれども、しかし次代を担うものとして大変期待をいたしておりますので、御検討をお願いしたいというふうに思います。  次に、衛星放送の問題にかかわりますけれども、衛星契約促進のために多数契約一括支払い、それから団体一括支払い割引制度というのがつくられたのでございますけれども、具体的にはどういうケースで利用されているのでしょうか。平成二年度末を見てみますと、多数契約で九万五千六百七件、団体一括が三万二千六百二十件でございますが、これは衛星契約と比べますと利用度が悪いように思うのでございますけれども、利用者が少ない理由について分析されておりましたらお尋ねしたいと思います。
  25. 諏訪恭也

    ○参考人(諏訪恭也君) お答えいたします。  団体一括支払いについては、平成元年度八月からの衛星放送の有料化によりまして、衛星契約の促進と契約収納業務の効率化を図るため、衛星契約者十五名以上がまとまった場合に、代表者の口座から一括して引き落とすということを条件に、一契約者から一月二百五十円を割り引くという割引制度でございます。  これによりましてCATV加入者の衛星契約の促進を図っていこうとしたわけでございます。CATV事業者、特に大規模CATV事業者による団体一括支払いの利用促進が大きな課題でございますけれども、各CATVと協会とのコンピューターシステムがマッチしないということのために、これを利用すると事務量が大変ふえるということとか、それから、実施するにしても一括支払いの手続をそれぞれとしなきゃならないということがありますので、人手の確保が容易じゃないということから今のところ大幅な利用には至っておりません。しかしながら平成四年度は、団体一括支払いについては年度内に二百五十九の利用グループ、増加件数にしまして三万二千件と前年度の増加実積を上回っております。ということで、問題点を一つ一つ克服しながら着実にふえているということでございます。  一方、多数一括支払いは、主にホテルとか病院、大規模事業所の衛星契約十件以上の一括支払いに対して割り引く制度でございまして、平成三年度には新たに九百十九グループの多数一括支払いの適用がありまして、約四万五千件の増加になっております。これも前年度実績を上回っております。全体から見ると大したウエートではございませんけれども、着実に伸びておるということから、今後も衛星放送の普及と衛星契約の増加のためにこれらの制度を積極的にアピールするとともに、CATV業務委託の拡大やホテル、大規模事業所への衛星放送の導入を促進してまいりたいというふうに考えております。
  26. 三重野栄子

    ○三重野栄子君 やはり創設されて間もないのでまだ徹底をしていないというか、これからの問題というふうに考えてよろしいようでございます。  次には、放送受信料の問題についてお尋ねをいたします。  平成二年度におきまして地上波受信料の値上げがありましたのですけれども、受信料の収納率と額が元年度に比していささか減少しているのじゃないか。そしてその場合に、受信料改定の周知活動、あるいは受信契約、受信料収納のための体制あるいは要員、業務改善についていろいろされているというふうに先ほど報告の中にもございましたのですけれども、減少しているという状況もございますので、その点どのような原因があったのかということをお尋ねいたしたい思います。  それから、受信料の免除の問題でございますけれども、平成二年度は元年よりも受信料免除が件数、類とも多くなっているように思います。どのようなところに免除件数がふえ額がふえたのか、そういうことについて特徴がございましたらお答えいただきたいというふうに思います。
  27. 諏訪恭也

    ○参考人(諏訪恭也君) 平成二年度の営業活動については、六年ぶりに受信料額の改定をお願いした年であるということから、新受信料額の早期定着並びに衛星契約の確実な増加の二点を最重点の課題として取り組んだわけでございます。その結果、衛星契約、契約総数のいずれも増加計画を達成することができましたけれども、既契約者からの受信料収納については前年度の実績を下回ることになりました。つまりは、元年度は収納率九六・八一%であったものが、二年度が九六・五八%ということで〇・二三%のマイナスというふうなことになりました。  このように受信料収納率が前年度実績を下回った理由としましては、視聴者への新しい受信料額の説明などに手間と時間を要したということでございますし、訪問集金効率が前年度より低下したことや、それから、元年度に衛星契約が目標に達しなかったということがございましたので、二年度は是が非でもこの衛星契約を回復させたいということで衛星契約に活動が傾斜したということから収納活動に若干のおくれが生じたということでございます。また、人手不足が深刻化し、外務業務の労働力の確保が極めて困難になりまして、臨時要員で補完したんですけれども追いつかなかったということでございます。安定的な収納を確保するため、口座利用率を高めることによりまして、今後も衛星契約を中心に衛星目標の達成を目指して、契約数の増加を図りつつ受信料収納にも一層努めてまいりたいというふうに考えております。  それから、受信料免除の件でございますけれども、件数それから額でございますが、受信料免除の件数は元年度が百十七万件、二年度が百二十万件ということで、約三万件ふえております。それから額でございますけれども、元年度の免除額が百二十二億、二年度の免除額が百六十億、この差が三十八億ということで、ふえております。  まず件数の方でございますけれども、平成二年度になって小中学校や社会福祉事業施設に対してテレビの設置状況調査をきめ細かに実施したということで、免除対象件数がそれによって判明したということでございます。  それから額の方でございますけれども、これは主に二年度に受信料改定をしたことによりまして、免除額がその分自動的に増額したということでございます。  以上でございます。
  28. 三重野栄子

    ○三重野栄子君 放送受信料の問題でございますが、人手不足その他で、口座利用率を上げるとかいろいろ御努ガをいただいているようでございますが、平成三年度の決算も出ているようですけれども、それはどのような方向になっているのかということをお尋ねいたします。  それから今の免除対象の問題ですが、小中学校とか社会福祉関連の事業所等を細かく精査したところがふえたということでございます。額もふえた。そうしますと、もう余りふえたので免除をやめようということになるのではないかと大変心配をいたしますけれども、そこのあたりの御見解はいかがでしょうか。
  29. 諏訪恭也

    ○参考人(諏訪恭也君) まず最初に、先ほどの発言の中で若干の訂正を申し上げたいと思います。団体一括支払いの年度内増加のことを申し上げましたが、これを平成四年度と申し上げましたけれども、これは平成三年度のことでございます。訂正いたします。  免除の見直しについては、これは国会の附帯決議、それからNHKの経営に関する審議会の答申等もありまして、基本的にはこの免除の見直しをする、免除の廃止を基本線とするということになっておりますけれども、そのためには、国等の財政措置を前提にし、円滑に廃止するということになっておりますので、予算編成期をとらえて国等にそういう免除廃止の要望を出し、円滑に実施したいというふうに考えております。しかしながら、私どもとしては主にやはり施設免除を中心にまず取り組みたいというふうに考えておるところでございます。  元年度、二年度については、元年度衛星放送の有料化、二年度料額改定ということで大変に営業活動がおくれたわけでございますけれども、三年度についてはすべての目標を達成することができました。
  30. 三重野栄子

    ○三重野栄子君 最後の問題でお伺いしたいのでございますけれども、障害者の雇用と登用についてお尋ねをいたします。  障害者の雇用の促進等に関する法律を見てみますと、その目的は「障害者の職業の安定を図ること」というふうにありますけれども、私といたしましては、身体または精神に障害があっても、職業の安定による経済的自立ということは大変重要な問題でございます。障害を持った方々とその家族の人たちも安定した生活ができるということは、生涯において希望が持てるものであろうというふうに思うわけです。一方、この法律にもありますけれども、障害者の雇用義務というのは、事業者の社会連帯の理念に基づくものであると考えるわけです。  我が国の政治経済の仕組みというのは男性本位というふうに言われておりましたけれども、最近ようやく女性の側にも壁が低くなったという状況にあります。二十一世紀は男性と女性がともに生きていく、そういう時代へ向かっておりますけれども、障害者の問題につきましては、もっともっと女性以上に壁が大きいのではないかというふうに感ずるわけです。  今まで放送の問題については、いろいろと御尽力をいただいておりますけれども、それは映像をどう見るか、どういうふうに広めるかという立場でございました。私はここで、ことしは国際障害者年の最終年でもございますし、NHKではどのように障害者の雇用が進められているのかということをお尋ねをいたしたいわけです。  そこで、職員数と障害を持っておられる方の実数と比較、それからどんな障害を持たれている方が今働いておられるのか、例えば車いすとかあるいは重度の視覚障害とかそういうこと。それから、そういう方々はどういう仕事に今ついていらっしゃるか。そのことについてお尋ねをいたします。
  31. 安藤龍男

    ○参考人(安藤龍男君) お答えいたします。  協会は、法律の精神にのっとりまして、障害者の採用についてはできる限りの努力をしておるわけでありまして、ここのところ年数名ずつの障害者の採用を行いまして、雇用率も着実に上がってきております。  そういう中で、平成三年度について申し上げますと、障害者の雇用数は二百十六名でございます。常用雇用労働者数が一万五千二百十九名ということに対して二百十六名の雇用数でございます。雇用率は一・四二%となっております。  従事をしている職種でございますけれども、放送、これはディレクター、アナウンサー、取材、すべての職種でございます。そのほか技術、事務、協会の全職種にわたっております。  それから障害者の障害の種類でございますけれども、視覚障害、聴覚障害、上肢・下肢障害、あるいは内臓疾患等多岐にわたっております。なお、重度障害者の実数は三十七名でございます。
  32. 三重野栄子

    ○三重野栄子君 今、大変広範なところで働いておられるということで、障害をお持ちの方々もNHKの事業につきまして関心をお持ちであろうというふうに思います。しかし、残念ながら私はこういうところで今まで働いておられるということを存じませんでしたけれども、こういうところにも職場があるのだということをPRしていただくというようなことは考えられないものでしょうか。その点を一つお伺いしたいと思うんです。  自分は例えばこういう重度があるけれども、NHKではこういうところで働いている。ひょっとしたら自分もそういうところにこれから働けるのではないかというふうに、努力していこうとか、そういう面があるのではないかと思います。パンフレットのきれいなのをいただいても、なかなかそういう皆さんが活動していらっしゃる部面が出てこないというふうに思うわけでございますけれども、その点はいかがでございましょうか。  先ほども申しましたけれども、ことしは障害者年の最終年でもございますし、十二月は障害者の日というか、そういうのもあるようでございますから、これからうんと障害者に関係する番組も今まで以上にふえていくのではないかというふうに思うわけです。  伺いますと、番組をつくるときに、障害者というのは協力をするというふうに障害者の皆さんから伺っているわけですけれども、自分たちは協力するのじゃなくて、自分自身がつくっていきたいという御希望の方もおられるようでございますけれども、そういう機会が与えられるのかどうか、その点についてお伺いしたいわけです。  それと、例えばアナウンサーの場合にも、コンピューターグラフィックスとかパソコン、点訳機を利用しますと、目が見えなくてもアナウンサーができるとか、そういうふうなことも伺ったりしておりますし、ハイテク機器を利用すれば車いすの障害者とか視覚障害者の方も放送分野の前面に出てやれるのではないかというようなことも伺っておりますし、イギリスのBBC放送も車いすのディレクターがおられるというようなことを伺ったりしておりますが、NHKの中身を知らないでそういうことを言うことは大変僭越でありますけれども、先ほども申しましたように、まだ私どもが目に触れてなかったということもございますので、そういう点で、障害者の皆さんにも開かれた職場になりつつあるということをぜひお知らせをいただきたいと思うんですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
  33. 安藤龍男

    ○参考人(安藤龍男君) 職員の職場のことについて、前半部分の御質問についてお答えさせていただきます。  現在、例えばアナウンサーとか記者とか、実際に番組に登場する職員の中で障害を持った方もたくさんおります。アナウンサー、記者合わせまして十名以上職員の中におりますが、そういう中で、適性を見て、キャスターだとかリポーターとか、あるいは解説というふうなところにも画面には登場してもらっているわけでございますけれども、殊さらこういうところで障害者が活躍しているということを確かに今まではPRをしていなかったという点はございます。企業といたしましては、障害者の仕事あるいはその職域を広げるということについては一層努力をしていく必要があろうかと思いますので、御指摘を受けまして努力していきたいと思います。
  34. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) 番組面でどういう取り組みをしているかということについてお答えいたします。  昨年の障害者の日にNHKスペシャルというものをやりましたけれども、実際に車いすの障害者がリポーターとして取材いたしました「地上一一〇センチのリポート」というのを放送いたしました。これは車いすの視点から障害者問題を考えてみようということでやったわけですけれども、やはり障害者の方がみずからリポートするということで新たにいろいろな問題点が示されるということもございました。それからスタジオ討論では、健常者のゲストだけで話を進めるということではなくて、三人の障害をお持ちになる方も一緒に番組に参加していただいた。この場合には視覚障害者の方と手足の不自由な方が全部で三人参加したということで、いろいろな形で障害者が社会的に立派に活動できるということを障害者自身が実証しているという番組を組んでおります。これからもいろんな面で、企画、取材、討論その他の面で障害者自身にも参加していただけるようなことを考えていきたいというふうに思っております。
  35. 三重野栄子

    ○三重野栄子君 ありがとうございました。質問を終わります。
  36. 山田健一

    ○山田健一君 それでは私の方から引き続きまして御質問をいたしたいと思いますが、まず最初に大臣の方にお尋ねをし、見解をいただきたい、こう思っております。  これは新聞報道でありますが、十六日の閣議で、今回のPKO法案の成立をめぐってテレビ報道のあり方についていろいろ批判が出た。「渡辺秀央郵政相はテレビ報道の実態を調査する考えを示した。」、こういう報道がなされております。ほかの新聞では、「「マスコミがPKO法案の報道に際して湾岸戦争を必ず出したため、PKOすなわち戦争というイメージが付いてしまった」と不満を漏らした。」、こういう記事がありまして、すぐ後実は官房長官が、「政府が、報道の内容をめぐって報道機関に再検討を求めることはない」。「規制はできないので、精査してみよう」と大臣が述べられたことについては、「電波行政の所管閣僚としての発言ではなく、個人的な意見表明との見解を示した。」、これは官房長官の方が示されたようであります。  いずれにしても、閣議の席で仮にそういう形で精査をするとか調査をするという発言が出たということになれば、これは個人的な見解では私は済まないと思いますし、事実そういう形で郵政大臣の方からのコメントがあったのかどうなのか、この点についてはいかがでございますか。
  37. 渡辺秀央

    ○国務大臣(渡辺秀央君) 基本的に閣議の内容は実は公にできないわけでありますが、しかしせっかくのお尋ねでございますので、しかもまだ非常に大事な問題ですから、しかもまだこの件については実は閣議後の記者会見で私の見解も申し上げておるので、官房長官の方の考え方がむしろ何か正しいみたいに述べられていますけれども、事実を申し上げておきたいというふうに思います。  それは閣議案件の中で話が出たということではないのが一つです。ある閣僚からいわゆるPKOの報道についての話がございました。どうもイメージとして、PKOというのは平和維持のためなのに戦争に行くみたいなことだねと、こういうことでありました。私は、実は閣議では余り余計なことは言わない主義にしているんですが、法案が通ったという段階こそ、むしろ政府はこの法案の趣旨を広く国民に一層理解し、かつ徹底をしてもらうべく努力をすべきだ。法案が通ってしまえばそれでいいというようなことであってはならない。特に今回のように、後半においていろいろ問題を惹起したという段階においてはと、私は実はそう考えましたので、そういうような考え方を述べて、少し総理が積極的にそういうイニシアチブを握るように、こう申し上げました。  かつ、政府広報という手段が政府には御案内のとおりあります。これもどちらかというと、私も官邸にあって経験したことですが、読まれる範囲、あるいはまた政府広報を受ける範囲というのは比較的どうも限定というか狭められている。やっぱりもっと広く、むしろ逆に言えば、私はNHK、民放という意味で心の中では言ったんですが、広く周知をしてもらうことが大事じゃないかという意味を実は申し上げたわけでありまして、調査をするとかそういうことは私申し上げていないのであります。しかし一部閣僚からは、私の顔を見ての発言がありましたから、私がちょっとうなずいたことがあるいはそういうふうに受け取られたのかもわかりません。これは不用心、不用意であったのかもわかりません。  しかし、放送法第三条、そして第三条の二等について十分承知をいたしている私でありますから、また一番肝心の私の記者会見でそんなことを言ってないんですから、これはひとつ山田委員におかれて御理解を賜りたい。まして、放送番組の編集の自由が放送事業者に認められていることであって、個々の内容については介入すべきものではない。これはもう明確に所管官庁の責任者として私は承知をいたしております。  その背景は、放送事業者の皆さんがその第三条の二に基づいた義務、あるいはまた公正な報道、中立性を保つということは当然その背景として持ってもらわなきゃならぬということは、この機会において責任者の立場からは当然申し上げておかなきゃならないことであろうと思います。  前段の御質問について、官房長官の記者会見の方のぐあいと若干のニュアンスは違いますが、そこのところは、私の記者会見ということをどうぞひとつ、郵政省における記者会見、そこでそれらの問題についての言及は一切しておりませんし、かつ、今後政府としてこういう事態だからより努力をすべきだと、むしろ私はPKOなるものを周知してもらうべく努力をすべきだという発言をいたしておりますので、御了察を願いたい、こう思います。
  38. 山田健一

    ○山田健一君 大臣の今見解を聞きました。なるほど私も大臣の記者会見のあれを持っておりません。ただしかし、そうはいいましても、政府は一体であるという立場からすれば、官房長官の方がこういう談話、コメントを出す。会見をする。肝心の郵政大臣の真意が伝わってこない。こういうことじゃ困るわけでありますから、この点については、今後こういう関係があるかもしれませんので、十分踏まえていただきたい。  今おっしゃいましたように、法案の趣旨等についてしっかり政府の立場として周知をする、これは私も理解をいたします。ただ、後でも述べられましたように、報道の内容、中身等について、これは介入すべきでない。これはまさに民主主義の根幹にかかわる問題であります。この点については、改めて政府の見解として明確にここに基本認識としていただいたという形にしておきたいと考えております。  同時に、きょう決算でお見えいただいておるわけでありますが、NHKにもこの関係で少しお尋ねをいたしたいと思います。NHKに対しても今日までいろんな見方あるいは批判等々含めてあることは事実でありますが、公共放送としてどうNHKを守り育てていくのかという視点からこの点 は考えなきゃいけない。特に、報道の中身等々につきましても、政府あるいは国会、これとの関係でいいますと、ややもすれば今日まで国会が関与をするというような傾向もあったことも事実であります。そういうことをしっかり踏まえて、NHKの立場で表現の自由をしっかり守っていく、こういう立場でぜひ努力をいただきたいというふうに考えているわけであります。  私は、大変実は感心をいたしましたのが、九一年八月一日、川口会長の就任のあいさつの中で、「放送の自由、表現の自由を守ることは当然のことです」、こういうことの中身なんでありますが、   私は非常に鮮烈な思い出がひとつあります。  それは私が放送総局長をやっていた時に、NH  Kスペシャルの特番で出した「核戦争後の地  球」です。   大きな共鳴と共感を得ました。   ところがこれを取り上げた方がいて、とうと  う国会の予算委員会の審議にかけられるという  状況になりました。当然のことながら、国会と  いえども、番組の内容に介入することは絶対に  許されぬことです。だからわれわれはそれに対  して、必死の思いで抵抗しました。そのとき私  が非常に感じ入ったのは、当時の川原会長の態  度でした。   川原さんは私を呼んで、「川口君、戦争という  ものに対する憎しみ、人を殺すということに対  する絶対的な拒否、それこそが、われわれが果  たさなければいけない絶対的な心構えだ。それ  をこの番組は実に見事に出していると思う。だ  から絶対引かない、そうしょう」と言われまし  た。以来、私と川原さんは、いろいろなところ  と折衝を重ね、質問にも答えました。結果とし  て、大方の支持が集まり、あの番組は堂々たる  番組としていくつかの賞に輝きました。その時  に、もし会長が後ろを向いたり、逃げ腰になっ  たりしたらどうだったでしょう。私以下、番組  の制作にあたった人たちは、おそらくさんたん  たる思いを味わったに違いないと思います。   いま私は立場が変わって、そのときの川原さ  んの立場になりました。このNHKが素晴らし  いところだというのは、そういう自由闊達な作  り方ができるからで、内容の豊かなものを作り  出そうと思えば作れる環境を十分持っていると  ころだからこそ、やり甲斐がいっぱいあるんで  はないか。そして、それを自分たちで作り出し  ていこうと思っています。 これはすばらしい会長の見識、決意、こういうものが述べられたというふうに思っております。報道機関として今やテレビの持つ、いわゆる報道メディアとしての役割というのは非常に世間のステータスを得ている。こういう立場からいいますと、この基本姿勢というのは非常に大事な立場だというふうに私は感じ入っているわけであります。  湾岸戦争のときも、今やアメリカあたりでもジャーナリズムとして言われておるのは、湾岸戦争で破れたのは、確かにイラクのフセインも破れたが、同時に報道も破れた、こういう言い方がある意味ではされております。かなり厳重な報道規制、管制、こういうものが敷かれた。この反省の上に立って、今後報道はどうあるべきかということがかなり熱心に議論をされております。  これとの関係でいいましても、実はイギリスのBBC、私の聞くところでは、常に客観性を保つという視点から、あの多国籍軍に参加をしたイギリス軍の報道については、最初から最後までイギリス軍はという報道を貫いた、こういうふうに言われておりまして、いわゆる客観的な視点をずっと貫き通した。果たして日本の場合、それはないけれども、仮に自衛隊が参加をしていた場合にどういう表現に一体なっただろうかな、その客観的な姿勢が貫き通せるだろうかということも、実はあわせてその裏返しとして考えていたわけであります。  国論をまさに二分するといいますか、そういう状況の中でいろんな議論が行われておる。こういう状況の中で報道の果たしていく役割、使命、しかも真実を伝えていかなければいけない、表現の自由を一方で守る、これがやはり民主主義の基本でなければいけない。こういう立場からいいますと、NHKの果たしていく役割というものも極めて重大だというふうに考えております。先ほど会長のごあいさつを私が御披露いたしましたが、そういうことを踏まえての会長の考え方、基本的な態度、これをお聞かせをいただきたいと存じます。
  39. 川口幹夫

    ○参考人(川口幹夫君) 国民の知る権利にこたえるというのが報道機関の基本的な姿勢でなければいけないと思っております。私、会長に就任して以来まだ一年になりませんけれども、この一年間、終始職員一同とともに国民の知る権利にこたえる、あるいは国民の十分な御満足のいただける放送内容にするということを心がけてきたつもりでございます。  特に、報道に当たりましては、当然のことですが、不偏不党であり、公正中立を守るということがNHKのよって立つ基盤でなければいけないと思っております。したがいまして、今回のPKO法案についてもさまざまな立場からの論調がありましたけれども、それをできるだけ多角的に取り上げたつもりでございます。今後とも私は報道の自由というものについていささかも権力の介入そのほかを許さないということで守り続けてまいりたいと、こう思っております。
  40. 山田健一

    ○山田健一君 改めての会長の今決意をいただきましたので、ぜひとも基本姿勢を貫いてNHKの信頼性、公共放送としての役割、こういうものがますます高まっていくようにぜひ私たちは期待をしたい、こういうふうに思っております。  この問題はさておき、実はこれもNHKにちょっとお尋ねをしておきたいと思うんですが、来月参議院選挙が行われる予定ということになっております。いわゆる選挙結果の報道ですが、この前の衆議院選挙のときも実は誤報があった、こういうふうに聞いております。当確万歳をやった、これはそれでいいんですが、後でこれはだめだった、こうなりますとこれは後おわびに行ったんじゃ済まない。実は私の知っている方があるときこれがありました。これは県会議員選挙であったわけですが、当確だから早く万歳をやってくれ、万歳をやる、後間違っていた、わずかな差でありますが私の知っている方が落選、こういうことになりまして、後NHKの方がおわびに行かれた。おわびに行かれて済むようなものじゃないじゃないかという話が随分あったわけであります。  その意味では、NHKに対する信頼、こういうものが高いだけに国民の皆さんもそこに注目をしておるわけでありまして、今度参議院選挙を迎えますけれども、前回あった誤報の原因がどこにあったのか。さらに今度の参議院選挙に向けて、確かに速報性も要ります、正確性がより以上求められている、こういう立場からどういう対策が考えられているのか、この辺についてお尋ねをいたしておきたいと思います。
  41. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) 確かに前回の衆議院選挙において福島一区と鹿児島一区で当確判定を誤りました。候補者の皆さんはもとよりですが関係者に大変御迷惑をおかけいたしまして、また視聴者の信頼を損なう結果となりまして、厳しく反省を迫られております。  NHKの当確判定は、もう既に御承知かもしれませんけれども、世論調査などの事前の基本取材に加えまして、投票当日は、全国約三千三百カ所の開票所に派遣した職員の情報、そういうものを総合的に分析するとともに、今までの開票速報で培ったいろいろなノウハウを加味して、十分な根拠を得た段階で当確を打つということをやっておりますけれども、福島一区の場合には郡山市、鹿児島一区の場合には鹿児島市、有権者と投票者数が極めて多くて、この二つの場合ですと開票の出方が一部均等に出ていなかったということもございまして、候補者の得票データの集計ミス、そういうものがちょっとございました。確認作業を非常に厳密にやっぱり行うべきであったわけで、それをきちんとやれば防止できたというふうに判断しております。  そういうことをもう一度きちっと見直しまして、今回の場合も当確判定システム体制の全面的な見直しということを行っております。御指摘の点、十分踏まえまして誤りのないように、やはり信頼が第一でございますから、きちっとやっていきたいというふうに思っております。
  42. 山田健一

    ○山田健一君 ぜひよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。  次に、テレビの受信障害対策についてお尋ねをいたします。  先般、報道によりますと、郵政省の方で、今日までの難視聴対策、とりわけ都市の高層ビル等による都市受信障害、これについては何か調査研究会を設置して、九月ごろですか中間報告を出して、十一月に最終報告を取りまとめる方針である、こういうことになっているようであります。  平成二年に放送法の改正がございまして、当時、都市の受信障害について、ほとんどCATVということになっておるけれども、SHFの電波を利用した中継局の設置、これも今までは放送事業者ということだけであったわけですが、ビルの管理者といいますか、建築主ですか、そういうところも含めて放送事業者以外の者にもSHFの中継局を開設できるように放送法の改正でなったのは御承知のとおりであります。  この平成二年の法改正以降、一体どれだけこれが改善をされ、しかも、そういった法の改正に伴ってSHFの中継局が設置をされたのかということを聞きますと、実はその後今日まで免許人は一件、平成二年十二月にあるだけ、こういうことに実はなっているわけであります。  法改正がやられた当時は、経費等の面から、こういったSHFを利用した中継局への期待が高まっている、この方式の円滑な導入を図るために法改正をやるんだということで法改正がやられたけれども、現在まで一件しか実は中継局ができていないという実情のようでありまして、一体この辺についてどういう理由でこうなっているのか。あるいは本当にSHFの電波、これに期待が高まっているということでありましたら、それだけ期待が高まっているのであればどんどんもっとできているはずなんですが、その辺は本当にそういうニーズの把握ができていたのか。あるいはまたそのことによってどのぐらい都市受信障害が改善をされたのか。この辺について郵政省としての見解を賜りたいと思います。
  43. 小野沢知之

    ○政府委員(小野沢知之君) お答え申し上げます。  SHF放送局でございますが、今先生御指摘のように実際の利用例は一局でございまして、平成二年の十二月に仙台市におきまして建築主が免許人となって開設されたこの一件だけなんですが、こういう状況になっている理由につきまして客観的に考えてみますと、次の三点ぐらいあるのじゃないかというふうに考えます。  まず第一点ですが、SHFの放送局によります対策地域内で新たな中高層建築物が建設されますと、SHF放送局の電波がこれらの建築物でもって遮へいされまして新たな障害が発生してしまう。そういったことで、次々と中高層建築物が建設されている地域では適切な対策と必ずしもなっていないということが客観的に言えるというのが第一点。  第二点ですが、大体三千世帯ぐらいを分岐点といたしまして、三千世帯以下の対策地域になりますと、費用の問題で、共同受信施設による対策経費よりもSHF放送局による対策経費の方が大きくなってしまう。これが第二点でございます。  それから第三点として、SHF放送局による対策の長所等が建設業者等の関係者に十分周知されていない、こういう反省すべき点がまだあるんじゃないかということ。そういったことで、今まで実績のある共同受信施設の方による対策の方が優先的に行われてきた。整理いたしますとこういう三点があろうかと思います。  ところで、このSHF放送局というのは、対策世帯数が多くてかつ中高層建築物が林立してない地域、例えば地方都市では効率的な対策として考えられるのではないかということで、その特性に着目いたしまして、現在セミナーの開催とかリーフレットの作成などを進めておりまして、周知徹底を図りつつあるところでございます。また、平成四年度に財投の適用金利を下げるという措置も初めてとりまして、そういったことで今後SHF放送局による対策の長所等について周知を図る、そうしてその特性に応じた利用を促進してまいりたい、こういうふうに考えております。  そこで、先ほど御指摘のありましたテレビジョン放送受信環境基盤整備に関する調査研究会、塩野宏成蹊大教授を座長といたしますが、これは来週六月二十五日に発足させます。そこで受信障害の状況に適した対策方法を明確にしていきたいというふうに考えております。また、退路を断つという形でもって、ここで得られた結論等を予算折衝等に活用したいと考えまして、九月には中間報告、十一月には最終報告をいただきたいという考え方を固めているところでございます。
  44. 山田健一

    ○山田健一君 今、小野沢局長の方から御答弁いただきました。三点ぐらいに整理をされましたが、SHFが、そういうどんどん新しいのができて適切でない、三千世帯以下、こういうところなら共同受信施設の方がベターである、こんなのは最初から実はわかっておるわけでしょう。放送法を改正をしてまでやっているわけでしょう。法律改正をやったけれども、その後たった一件、実は理由はこれこれこれです、こんなもの最初からちゃんと調べりゃわかることであって、しかも当時は、経費面等も考えたら非常にこれに対する期待が高まっておるんだ、こんなことで我々は法案の審議をして通しておるわけでしょう。その意味では、これはやっぱりもうちょっと法の運用、実際の適用、こういうことに当たって施行していく側も責任を持ってやっていただかないと、思いつき的に、よっしゃ、これでいきましょう、こんなことでは私はやはり責任を負った郵政行政、こういうことにはならぬだろう、このように今感じているわけであります。  ちなみに、いわゆる都市の受信障害の現状というものをちょっとあわせてお知らせください。
  45. 小野沢知之

    ○政府委員(小野沢知之君) 辺地におけるテレビジョン放送の難視聴世帯数は確実に減ってきておるわけでございますが、都市の方は、高層建築物等による受信障害世帯数は、昭和五十七年の実態調査によりますと約六十二万世帯、昭和六十一年度の調査によりますと六十七万、平成元年度で六十八万ということで、減るというよりもむしろ微増しているので、したがって、この都市受信障害対策は基本的に大事だという認識を今改めて持ったということでございます。
  46. 山田健一

    ○山田健一君 辺地における受信障害について、衛星放送等々によってやるとか、いろんな経過が今日までありまして、実態が一体どうなっておるのかということもいろいろ議論があるところでありますが、それはそれといたしまして、かなり着実に減ってきておるんだろうというふうに思います。  むしろ問題は、数年前からこの都市受信の障害については指摘をされて、何かいい方法はないかということでいろいろ一方で議論がされてきたことも事実であります。そういうことを踏まえてこの法改正がやられたというふうに私どもは理解をしております。したがって、率直に見直すところは見直す、そしてもっと責任を持ってこういう対策をやっていかないと、こういう制度をつくりましたよ、周知徹底に努めております、こう言ったって実績が、結果がこういうことを示しているわけでありますから、この点については十分今後の課題として、しかも早急にこれは対策をしていく、こういう立場でぜひとも御努力をお願いしたい、こういうふうに思っております。  あわせて、こういった受信障害に対してNHKの方でどういう取り組みがなされているのか。平成二年度の料金改定、このときに受信対策費ということで一億円ふえて十三億から十四億、こういうことになっているようでありますが、果たしてこれで十分な対策になっているんだろうかということもちょっと今考えているわけでありますが、この辺についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  47. 諏訪恭也

    ○参考人(諏訪恭也君) お答えいたします。  都市の建造物の建設に伴って発生する受信障害につきましては、郵政省の指導に基づきまして原因者の責任と負担において改善が進められているところでございます。私ども原因者責任主義と申し上げているわけでございますけれども、NHKとしましては、受信相談の一環として障害調査、対策の技術指導を行うとともに、制度的解決を関係方面に要望するなど都市受信障害解消の促進に努めてきたところでございます。また、電波吸収パネルだとか、それから先ほどお話の出ましたSHF放送による障害対策など、改善技術の研究開発を行って受信障害の未然防止と早期改善に努めておるところでございます。  しかしながら近年、年々高層建造物の増加に伴って障害が複合化している実情がございます。特に都市部においては原因者を特定するというのがなかなか困難なケースが発生しておりまして、解決が難しい現状でございます。こうしたことから、郵政省は都市受信対策の研究会をつくったというふうに伺っておりますけれども、協会も当委員会に参画し、長年培った障害関係技術を生かして、受信障害解消のための方策の確立に向けて積極的に協力していきたいと考えております。  それから、先生のお話のあった対策費の件でございますけれども、十三億を十四億に一億増額しましたけれども、これは都市受信障害対策とか視聴者からの受信相談に応ずるなどの受信サービス全般にかかわる経費でございまして、今後ともなお一層効率的運用に努めて効果あるものにしたいなというふうに考えておるところでございます。
  48. 山田健一

    ○山田健一君 ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。  きょうは時間が余りありませんから次に進みますが、先ほど三重野委員の方からハイビジョンについて質問がされておりました。試験放送を続けていって実用化に向けて今動いている。NHKとしても今日まで長い間にわたってその先導的な役割を果たされてきた。その点については我々も評価をいたしておりますけれども、ここにきてハイビジョンのいわゆるディジタル化の動きといいますか、かなり新聞等でもいろいろ取り上げられてきておりまして、果たしてこれから将来どうなのか、こういう我々も実は懸念を抱いております。  日本がこのままいけばいわゆるアナログ・ミューズ方式、これで孤立化をするんではないか。ついせんだっては例の国際的な標準規格の問題でいろいろやりました。そのときはいわゆるディジタルでいくのはもっともっと十年ぐらい先だろう、こういう見方がされて、当面はこれでいこうということできたわけでありますが、どうもかなり速いピッチで欧米においては進んでおるようでありますし、あるいはまた、ディジタル化に向けて日本の企業がアメリカの企業とも提携をして共同開発でやっていくというような動きも出てきておるという状況で、果たしてこれからハイビジョン方式のあり方はどうなっていくのかと懸念を実は抱かざるを得ない。こういうことがどんどん出ると、あるいは普及のあり方というものにも影響してくるのではないか、こういうふうに考えておりまして、この点について郵政省の方にお尋ねをいたしたいと思うんです。  まず実態として、欧米あたりでいわゆるこのディジタルは一体どういう開発状況になっておるのか。特にその見通しですね、当初かなり先だろうというふうに言われておりましたが、この辺についての見通し、そしてまた、今の現状がどうなって、今後どの辺で実用化というふうに考えておられるのか。この辺についての状況についてお知らせをいただきたいと思います。
  49. 小野沢知之

    ○政府委員(小野沢知之君) お答え申し上げます。  世の中は技術革新を基軸といたしまして変革のピッチが速いので常に注意をしていなきゃいけないわけですが、お尋ねの件につきまして外国の状況について実態を御説明いたしますと、まず米国ですが、FCCは、現行地上波テレビ用周波数帯を使用して、ATV、次世代テレビジョンのことでございますが、これを導入する方針を決定しております。そのATVの方式といたしましては、当初二十三の方式が提案されましたけれども、現在はディジタル伝送方式のものが四万式、アナログ伝送方式のものが一万式、計五万式が残っておりまして、方式選定のための試験が行われているという段階でございます。  次にヨーロッパでございますが、ECが我が国のハイビジョンと同様にアナログの伝送方式で衛星放送を行うHDMACの開発、実用化を進めておりまして、平成七年に本格放送を行う予定でございます。一部の国、例えばイギリス等におきましてはディジタル伝送方式の研究が行われておりますけれども、現在、ECではHDTV衛星放送の方式をHDMACからディジタル伝送方式に変更する具体的な計画はない、そういう状況でございます。  ところで、我が国の状況でございますが、平成二年六月に電気通信技術審議会におきまして、放送用として十分な画質であり実用段階に最も近い方式であるということから、HDTVの伝送方式としてミューズ方式が答申され、昨年三月に郵政省が同答申に基づいて技術基準を制定したところでございます。  そういったことを受けまして、昨年十一月二十五日から社団法人ハイビジョン推進協会によりましてハイビジョンの試験放送を開始しておりますが、それまでの実験放送では一時間だったものを八時間にいたしました。そういった放送時間、内容の充実、それから公開受信会場もこの半年間で、当時百四十カ所ぐらいだったのが、現在二百九十カ所ぐらいということで倍にふえております。それから受信機の価格ですが、当初の予想をはるかに早まりまして百万円台前半の受信機が出てくるようになってきているわけですが、そういったことによりまして、我が国によるハイビジョンの普及発達に弾みがついてきているというふうに考えております。  ところで、ディジタル伝送方式のHDTVを導入する件についての私どもの考え方でございますが、第一点として、現状では、放送衛星の一チャンネル分の周波数帯域幅、二十七メガヘルツでミューズ方式と同程度の品質の放送をディジタル伝送方式で行うことは不可能であるということ。第二点として、ミューズ方式による受像機の普及環境が先ほど申し上げましたように我が国で次第に整ってきている一そういったことから見まして、我が国のHDTV衛星放送の方式といたしまして、今後ともハイビジョンを積極的に推進していく方針をとりたいというふうに考えております。  なお、国際無線通信諮問委員会、CCIRにおきましては、現在のハイビジョン衛星放送より広い周波数帯域幅を用いて、より画質のよいHDTV衛星放送を行う広帯域HDTV衛星放送にディジタル伝送方式を用いることを研究しております。この広帯域HDTV衛星放送は、二〇〇七年から使用可能となる新たな周波数帯、二一・四ギガヘルツから二十二ギガヘルツを使用するため、現在のハイビジョンと併存が可能であるというふうに考えておりまして、我が国といたしましても、この面の研究も積極的に進めていく考えでございます。  そういったことで、多角的に目を見据えてまいりたいというふうに考えております。
  50. 山田健一

    ○山田健一君 基本的な郵政省の見方、考え方については理解をいたしますけれども、かなり報道等で、もう流れはディジタル化に向かっていっておるんだ、こういう中で日本だけが孤立化をしていくのではないかというような、むしろ逆に危機感を感じてのこういう報道になっているというふうに思うわけであります。  NHKとして、今日まで本当に技術的にも先導的役割を果たしてこられた、こういう立場から、こうした欧米の流れを踏まえ、今後我が国としてどうこの問題に対処していくのか、現状と見通しについてお尋ねをいたしまして、時間が五十分までということでありますので、私の質問を終わりますので、よろしくお願いいたします。
  51. 中村好郎

    ○参考人(中村好郎君) ハイビジョンのディジタル化につきましては、確かに世界じゅうが今ディジタル、ディジタルという問題で沸き上がっております。私どもといたしましても、研究所を中心にこのディジタルの問題につきましては長年研究をしてきておるところでございます。  私どもの現状における判断といたしましては、ハイビジョンのディジタル放送を衛星でやる場合、高度のディジタル技術を利用したとしても、ミューズ方式を大きく超える画像品質を得ることは困難だというように私どもは考えております。逆に言いますと、今のミューズ方式はアナログと言われておりますけれども、実は帯域を圧縮するためにディジタルの技術をふんだんに使っております。そういう意味では、今はやりのディジタルという考え方と基本的には同じ圧縮の考え方をとっております。最後に電波に乗せるところでアナログの変調という方式を使っているわけでございまして、そういう意味では、ミューズ方式で開発したディジタルによる帯域圧縮技術ということが、アメリカで言われておりますディジタル放送にも十分適用し得る技術でもございます。そういう意味では、今後欧米についても横断的にいろんな意味でこの技術情報が交換されていくだろうというように私どもは思っておりまして、そういう観点から、日本だけがアナログを使っているために孤立するというような将来にわたっての危惧は全くないというように私どもは考えております。  それから、現時点でこの開発をしたミューズ方式にかわってトータル的なディジタル放送を採用するということになりますと、これはまた新たに国際規格の問題でございますとか、あるいは受像機にこれをどういう形でアプライしていくのかという受像機側の開発の問題でございますとか、いろんな問題が個々にまた発生をしてまいりまして、私どもがミューズ方式で今まで開発経験をしてまいったような、約十年にわたるいろんな意味での努力をまたゼロからスタートせざるを得ないということになろうかと思っております。そういう意味で、今後、先生の御指摘になられたような技術的に孤立というような問題は十分避けながら、今まで開発をしてきておりますミューズによるハイビジョン放送ということが、当面これでスタートすることが私は一番最良の方策だろうというように思っております。
  52. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十分休憩      ―――――・―――――    午後一時十五分開会
  53. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、日本放送協会平成元年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書、日本放送協会平成二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書、以上両件を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  54. 斎藤文夫

    斎藤文夫君 自民党の斎藤文夫でございます。  会期後半で逓信委員を拝命いたしまして、大先輩の守住先生、岡野先生、お二人にかわりまして私そして尾辻委員が理事に就任をさせていただきました。大変名誉なことと思っておりまして、いよいよ会期末を控えまして、ぜひ逓信委員会の議事録にきょうは二人とも名をとどめさせていただく、その意味で質問に立たせていただいたところでございます。よろしくお願いを申し上げます。  なお、理事に就任をさせていただきまして、粕谷委員長を初め各党の理事の先生方の大変御指導をいただきました。いい勉強をさせていただいたわけでございます。一部ふなれのためお手数をおかけいたしたことをこの席をおかりしてごあいさつをさせていただきたいと思っております。  まず第一に、議題となりましたNHKの二年度にわたる決算の問題でございますが、初めて私も勉強させていただきました。今日、平成二年度から平成六年度までの五カ年計画で経営計画が組まれ、一年一年着実に御努力を積み重ねておられるようでございます。そこで、ちょうど五カ年経営計画の半ばの時期でもございますし、過去の経過の状況、そしてまたこれからの見通し等についてお尋ねをさせていただきたいと思っております。  特に今日、衛星放送が始まりましてから、ますます飛躍的に多メディア化してまいりましたし、あるいはまた多チャンネル化をいたしておる。こういう現状の中、言うならば放送というものが戦前、戦後を通じて今日一番大きな変革期を迎えておるのではないかな、このように思っておるところでございます。こういう時代を背景といたしまして、NHKが民間の報道機関といい意味で切蹉琢磨をしていただきながら、長期的視点に立って経営方針をお立てになっておられるその御努力を多とするところでございます。  したがいまして、後ほど財政計画で一点だけお尋ねをさせていただくわけでありますが、この事業計画に盛られました重点政策、これの進捗状況、並びに今後放送業界全体がどういう方向になっていくのか。とりわけ国民のニーズにどう対応するか。あるいは国際化時代、もう世界のニュースというものがその場で国民に周知されるような時代が来つつあるわけであります。こういう背景をお踏まえになられて、方向をお聞かせいただきたい、このように思っております。
  55. 堀井良殷

    参考人(堀井良殷君) 平成二年度から六年度までの五カ年計画におきまして、公共放送としての使命の達成のために、まずは地上放送の充実、刷新、それから海外へのすぐれた情報の提供、国際放送の充実、あるいは映像情報の提供といったような問題、さらに衛星放送のさらなる充実、またハイビジョンの開発、普及に努めるといったような点を重点項目に事業を進めておるわけでございますが、わけてもこの衛星放送につきましては、平成三年度末で普及は五百四十万程度になったのではないかと推定されております。また、NHKとの衛星放送の契約件数も三百八十万件ということになりまして、平成四年度、今年度には衛星放送に係ります経費について単年度で収支相償うということを見込みまして目下努力しておるということでございまして、この衛星放送というものが非常に大きな事業の柱に成長してまいったという状況でございます。  もちろん、こうした事業を進めるに当たりましても事業運営の近化代、合理化ということは努力してまいらなければならない点でございまして、組織、要員体制の見直しも、非常に順調に効率的な業務体制を進めておるところでございます。また、機械設備等の高機能化あるいは事務のOA化といったような点で、さらに業務の質の向上と省力化を図っておるというところが現状でございます。  ただ、こうした五カ年計画の中でも、先生御指摘のように新しい状況というのが生まれてきておりますので、こうした新しい状況に即して、激動する内外のニュースの充実とか、あるいは多メディアの中でのより質の高い番組を制作していかなきゃならぬということとか、さらに衛星放送のもっと充実した放送番組、あるいはハイビジョンにつきましてもさらに普及推進してまいらなきゃならぬ、国際的な映像情報の発信についても努力してまいらなければならない、こうした非常に新しいいろんな問題が生じているという現状でございまして、こうした方向にさらに努力していきたい、こう思っておるところでございます。  こうした事業運営を行います基本となります財政につきましても、この五カ年計画の推移の中で、平成三年度それから平成四年度、それぞれの年に百億を超す収支改善を見込むというような形で、五カ年で収支均衡を図るという計画の上に立ちながらも、さらにその収支状況を改善する努力を日々続けておる、こういう現状でございます。
  56. 斎藤文夫

    斎藤文夫君 それでは、もう一問お尋ねをさせていただきます。  財政計画、今もちょっと御説明がございましたが、平成二年に料金改定をして健全経営を目指して大変御努力をいただいておるところでありますが、決算の推移を拝見いたしますと、料金を上げたときは大体二、三年黒字、時代の要請にこたえていろいろ努力をしていくと赤字になっていく、これがこの六年間の据え置きをされたときの数字でわかるわけであります。  今回、五年据え置かれて経営健全化、安定化をお図りいただける、大変結構なことでありまして、その御努力も十分承知をいたしておるところでございます。今後の財政運営の安定についての会長のお考えをお聞かせいただいて、終わりたいと思います。
  57. 川口幹夫

    参考人(川口幹夫君) NHKは受信料というものを基本にして運営をしております。したがいまして、この受信料に頼っていくという形を基本に据えながら業務の運営についてはさらに努力をしていかなければいけないと思っています。したがいまして、五カ年計画というものがあるわけですけれども、時代の変遷とそれから情勢の変化、NHKが置かれている現在の細かい分析をいたしまして、少しでも先に延ばしていく、つまり五カ年計画で終わりというふうなことには満足をしないで、現在の受信料体制をできるだけ長く保っていくような形をとらせていただきたい。そして、その中でNHKがやるべき仕事は的確にやっていくということを心がけたいと思います。  一つは、国際情勢の変化に伴う報道体制の整備、それから新しい放送文化というものをつくる体制、それから多様な番組を提供する姿勢、それから新しいものへの取り組み方というようなものを基本の考えにしながら、一方では効率的運営を心がけていって、そしてできるだけ値上げをしないで済むような状況というものを少しでも長く続けたいというふうに思っております。
  58. 尾辻秀久

    ○尾辻秀久君 続きまして、自民党の尾辻と申します。ごあいさつは斎藤先生十分にしていただきましたので省略をさせていただきますが、NHKの川口会長さんは郷土の誇る大先輩に当たられますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  早速質問をさせていただきます。  現在、地上の放送局テレビのほかにBSテレビが三チャンネル、CSテレビが四チャンネル全国では見ることができるということでありますが、このように多メディア・多チャンネル化が進み、放送メディアが大きく変化しようとしている時代にあっては、公共放送であるNHKの役割はますます重要なものになってくると考えられます。こうした中でハイビジョンが脚光を浴びているんだと思いますし、けさほどの三重野先生、山田先生の御質問の中にもございました。そこで、私も二問ほど質問をさせていただきたいと思います。  一問は、これも午前中お話のありましたハイビジョン推進協会が行っております試験放送の反響について、大変いいものだという反響なのか、いまいちだという反響なのか、どうぞ平易にお答えいただければ大変ありがたいと思います。  また、二問目といたしまして、これも午前中の三重野先生の御質問に対して制作費が大変高くつくものであるというお答えがございましたので、私素人でございますので、素人にわかりやすい表現で、どのくらい高くつくものなのかお教えいただければありがたいと思います。  そして同時に、そうした面から、放送を出される側というお立場で、今後の普及の見通しをどのように持っておられるのかお答えいただきたいと思います。
  59. 堀井良殷

    参考人(堀井良殷君) ハイビジョン推進協会に参加いたしましてNHKとしましては毎日四時間の番組を提供して放送し、その他と合わせましてハイビジョン放送は一日八時間をベースに進められているわけでございますが、スポーツ中継とか大相撲、それからこの間はアルベールビルの冬季オリンピックがございました。あるいは音楽番組、それからハワイの日食を記録したドキュメンタリー、そういうハイビジョンならではの番組を提供しまして非常に反響を呼んでいるというふうに私ども考えております。  例えば、公開受信会場というのがございまして、ここでアルベールビル・オリンピックの際にアンケートをしたのでございますが、期待どおりだった、おもしろい、こういうお答えが六五%もあった。非常に迫力のある映像だ、あるいは映像が鮮明だというような評価のお声が非常に高かったというふうに聞いております。各メーカーのハイビジョンテレビの受像機といったものも発売が相次いでいるようでございますし、私どもといたしましてはこれが非常に今関心を呼んでいるというふうに思っておるわけでございますが、なお本格的なハイビジョン放送の実用化、普及、そしてハイビジョンというメディアの成熟というものに向けて進んでいるものというふうに私どもは思いまして、その過程の中で私どもも努力してまいりたい、このように思っておるわけでございます。
  60. 中村和夫

    参考人(中村和夫君) 制作費についてお答え申し上げます。  現在のNTSC方式の番組づくりと比べますと、一概には申せませんが、制作費が大体二、三割は高くなる。これはやはり機械が非常に高くつくということが一つの原因でございますし、編集作業にも時間がかかったり新しい機材が要るということでございます。  例えて申しますと、ハイビジョンのカメラが一台四千万円ぐらい。今のNTSCのカメラが一千万円ぐらいでございます。VTRにしますと、ハイビジョンのVTRが四千五百万円、現在のNTSC方式ですと二千五百万円ということで、やはり経費が高くつきます。ただ、ハイビジョンで撮ったソフトをNTSCに変換しまして、ハイビジョンと現在のNTSCと両方に利用するという方式もとっておりますので、そういう面での工夫が必要だということが言えると思います。
  61. 尾辻秀久

    ○尾辻秀久君 お答えをお聞きいたしまして、これは早くハイビジョンの見られるテレビを買えるように金をためておかなきゃいけないな、こう思いました。御一緒に期待をさせていただきたいと思います。  次に、災害時の放送についてお尋ねをいたしたいと存じます。  昨年六月ごろのあの大規模な雲仙・普賢岳噴火のときを思い起こしますと、情報不足や不確実な情報のために騒然となる事態が随分と起きたようであります。高度情報社会とか多メディア・多チャンネル時代と言われていても、いざ事が起きると、憶測を呼ばないような正確な情報、誤解を生じないような詳しい情報を迅速に、しかもどこにいても入手できるようにするということはやはり非常に難しいということを証明したとも言えると考えます。このような災害時における報道機関の果たす役割は重要であります。特に公共放送としてのNHKの役割は極めて大切であると思います。  そこで、今後災害に関する放送をNHKとしてどのように充実させていこうと考えておられるのか。またさらに、取材陣の中からも亡くなった方を出した雲仙の教訓として、災害報道に携わる方の安全確保策についてNHKはどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。
  62. 中村和夫

    参考人(中村和夫君) NHKは災害対策基本法によりまして指定公共機関というふうになっております。国民の生命、財産を災害から守る、そのために最大限の努力をしなければならないということでございますが、今御指摘ありましたように、迅速かつ正確な情報が非常に大切だということは御指摘のとおりで、日ごろよりハードとソフト、それと取材体制というもので、どうすれば速報体制の充実強化ができるのかということを心がけております。深夜も信号電波で家庭のテレビのスイッチが入る緊急警報放送の設備というのも設置してございますが、これも含めまして、地震につきましては、全国五十四の放送局に気象庁の規格品でありますNHKの震度計というものも置いて地震に備えております。  それから、雲仙で犠牲者を二人出しまして大変遺憾な出来事でございましたけれども、常日ごろから取材する人たちの安全というものには十分気を使っておりまして、現在では、あの雲仙の事故以降コンパクトロボットカメラを平成三年度で三式準備いたしましたし、水中ロボットカメラというものを一式。それから、取材に出ている者が例えば危ないから緊急に引き揚げるようにというような場合、一斉に指令が現場に届くという無線受令システムを三十台、小さなものですけれども、これはもう雲仙で現に使っております。それからロボットカメラを駆動するためのソーラー電源システム、これも二式。それから火砕流等によるやけど、そういう対策に不燃着衣というものも現在もう使用してございます。今年度は無人で操縦ができるヘリコプターを一機配備したいというふうに思っております。それから、現場に安全管理をきちんとする責任者というものを改めてきちんと置くということを実行しております。
  63. 尾辻秀久

    ○尾辻秀久君 何かあると頼りはNHK、そう言うと民放に怒られるのかもしれませんが、やっぱり何かあったときはNHKのテレビをつけてみようという気になるわけでございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げておきたいと存じます。  災害時の放送ということでもう少しお尋ねをいたします。  我が国の国際的地位の向上に伴って諸外国との人的交流も活発化しており、観光客やビジネスのような一時的な来日のみならず、外国企業の我が国への進出に伴う従業員の派遣やへ日本人の人件費の高騰による途上国からの労働者の流入が急増しております。当然この人たちは日本に居住するわけでありますが、生活習慣も自然条件も全く異なるところでの生活は平穏なときでも不安があろうと思います。特に自然条件の違いは、災害発生時の対応が予測できないというハンディを背負っており、例えば地震のない国の人などは、少し揺れただけでも何事が起こったのかと思って大変心配をするのだろうと思います。  私は、大変精進が悪いものですから、ロスの地震もペルーの大地震も遭遇をいたしました。そういうときに一番困りますのは、ラジオをひねっても言葉がわからないわけでありまして、さっぱり情報が得られない。まさしく右往左往するわけでございます。そんな体験がございます。  そこでお尋ねをいたすわけでございますが、近年外国人居住者が増加しております。災害発生時に言葉が通じないことでの混乱が心配されるわけであります。NHKとしてはこうしたことについてどのような検討をしておられるのか、お尋ねをいたします。
  64. 中村和夫

    参考人(中村和夫君) そういうような重要な情報英語放送いたします外国人向け緊急英語放送というものは六十三年四月から運用を開始しております。現在までには、平成元年十一月の三陸沖地震の際に放送を行ったという実績がございます。伝える情報緊急警報放送の対象となる二つの種類の情報でございまして、一つは大規模地震の警戒宣言の発表の内容。それから津波警報が出たときに放送を行う。いずれも全国放送で、総合と衛星の第一、第二。これは三つとも副音声を使います。それから音声波ではラジオの第二放送を利用するということになっております。  緊急警報放送、外国人向けの緊急英語放送の場合は、英語のアナウンス要員というものがすぐに駆けつけるという体制が必要でございますが、時間的なラグタイムをなくすために現在この夏をめどに、放送内容をオーディオにあらかじめ入れておいて、とっさの場合にはそれを使って、英語のアナウンサーなりなんなりがスタジオに駆けつけるまではオーディオファイル、それを使うというような対策もやっております。気象情報など通常の英語ニュースのサービスは十九時のニュースがバイリンガルでやっておりますが、そのほか「トゥデーズ・ジャパン」というのが英語でニュースその他を放送しております。
  65. 尾辻秀久

    ○尾辻秀久君 それでは、次にお尋ねをいたします。  冒頭申し上げましたように、多メディア・多チャンネル化が急速に進む中で、CSを使用した放送サービスがことし四月から開始されております。現在、CSはBSに比べてより多チャンネルであると聞いておりまして、今後の技術の進展により一層多チャンネル化が可能と予想されます。  このような変化の中で、公共放送としてのNHKは、国民のニーズや環境の変化を十分認識して、国民の豊かな生活を実現するようすぐれた放送番組をぜひ提供していただきたいと考えております。また、放送技術の進歩は、高画質化、高音質化といった高品質の放送に対する国民のニーズにこたえるものでもありまして、新しい放送サービスの開拓にもつながるものでありますから、先端的な放送技術の開発も公共放送としての重要な役割の一つであると考えます。  そこで、多チャンネル時代において、NHKは公共放送としての役割をどのように果たしていくお考えか、会長にお尋ねをいたします。
  66. 川口幹夫

    参考人(川口幹夫君) まさに尾辻先生御指摘のとおり、今多メディア・多チャンネル時代へ向かって、特にアメリカとヨーロッパと日本でありますけれども、そういう傾向が非常に進んでおります。間もなく日本でも、今CSが二つ上がっておりますけれども、このCSの普及がさらにふえていって多メディア時代、多チャンネル時代ということに目の前でなっていく、そういう情勢にあります。  私は、国民の皆さんに対して多様な情報が提供され多彩な番組が提供されるということは、これは非常にいいことだと思います。ただその一方で、そういうことによって一方的な、例えば視聴率競争とかあるいは商業化とかというふうな傾向に走る嫌いはないだろうか。そうなりますと、多メディア時代の中で公共放送のNHKが占める位置というものはさらにまた重要になってくるという考え方を持っておりまして、幾らチャンネルがふえても、その中でやはりNHKの放送は必ず見たり聞いたりしておかなければいけない、そうしなければいけないようなチャンネルだというぐあいに認識してもらうことが一番大事だろうと思っております。  そのためには、内容の充実ということがまず第一に必要でありますし、それからその内容の充実したものをどうやってお届けするのか、サービスの仕方ですね、そういったことが大事になろうかと思っております。ですから、多メディア・多チャンネル時代の中で、私どももその新しい武器を十分に駆使して、そしてその多メディアの中で公共放送が本当に信頼される電波として生き抜けるようにいろんなことで努力をしていきたいと思っております。
  67. 尾辻秀久

    ○尾辻秀久君 郵政大臣にもお尋ねをいたしたいと存じます。  BSテレビは、現在のBS3a、3b体制での三チャンネルから、その後継機段階では八チャンネルになるという話も聞いておりますが、CSテレビは、六チャンネルから将来はBS以上にふえるのではないかという話もまた耳にするわけでございます。地上のテレビも全国的に、NHK二チャンネルのほかに、民放四チャンネル化が進んでおります。また、CATVも三十チャンネルを超えるような多チャンネルケーブルテレビが登場してきております。  このような本格的な多メディア・多チャンネル時代においては、各メデイアがどのような関係を保ちながら発展をするのか。あるいは少しオーバーに言いまして、群雄割拠の時代になるのか判然としないわけでございます。公共放送としてのNHKが果たしていく役割も、放送の役割が何であって、放送全体の将来の構図がどのようになるかというビジョンを持った上で、その中で位置づけられて初めてその重要性がはっきりしてくるものであると考えます。  そこで郵政大臣に、多メディア・多チャンネル時代を迎え、放送の将来ビジョンについてお考えをお聞きしたいと存じます。
  68. 渡辺秀央

    ○国務大臣(渡辺秀央君) 今、尾辻先生言われましたとおりで、また先ほども川口会長が述べられたとおりでありますが、多メディア・多チャンネル時代を想定して、しかもまたそれに対応すべく、郵政省として放送行政を今後いかに将来展望の持てる政策を練り上げていくかということを鋭意検討、研究をいたしている最中でもございます。  その一番の例が、今お触れになりましたが、今後一、二年を目途に、BS3の後継機の今後の利用あるいはまたこの方向性というものについて、将来の放送のビジョンを策定していくことについて電波監理審議会に実は郵政省としては極めて異例な白紙諮問をしている、こういうことであります。一方郵政省としては、放送行政局に放送政策課というのを新設しまして、こちらの受け入れ態勢というか、あるいはまたそういう受け皿とでもいいましょうか、あるいは準備態勢というか、もちろんこれが機能していけば、言うならば行政指導的な大きな政策指導の役割を果たしていくという期待の中でこの政策課というものを新設することにしているわけです。  いずれにしましても、よく聞かれたときに私なりに、もうこれからはソフトの時代だと、非常にそのソフトが大切になっていく。先ほどもハイビジョンの機械が非常に高い、撮る方も映す方も高い、映る方も高いというお話でありましたが、現実にしかしそれらはだんだんと淘汰されて、そして言うならば一般的な大衆的なものになっていかなきゃならぬ。昨年私が大臣に就任したときにはハイビジョンが三百四十万円、三カ月ぐらい前になって二百三十万、そして今日では百三十万、これくらいの短い間に、半年の間に三段階ぐらい来ているわけです。  そういう意味で、私たちはぜひひとつ、地域情報の推進やあるいはまた生活情報基盤の整備など地域社会の振興に貢献すること、あるいはまた国際化に適切な対応をすること、そして放送全体が調和ある普及発達を遂げることという三つの柱の中でこれから対応してまいりたい、努力しまして期待に沿いたいと思っております。
  69. 尾辻秀久

    ○尾辻秀久君 時間があと五分ほどあるようでありますから、もう一問だけ、くだらぬ質問になりそうでありますけれども、お尋ねをさせていただきたいと思います。  まさにくだらない私事を申し上げますけれども、夕方から夜にかけて家にいますと、あの衛星放送のスポーツ、アメリカのプロパスケットやアメリカンフットボールなどが映る番組がありますが、あれを子供たちとどんなチャンネル争いをやってても見る方でございまして、スポーツ番組があるとかじりつく方でございます。ですから、バルセロナの放送がどうなるかということをお尋ねしてみたいと思っておりましたら、午前中に三重野先生がもう十分にお尋ねになりましたので、本来でございますとお尋ねすることもないんですが、あのお答えの中で、私も一生懸命聞いておりましたら、一日平均二十時間を超える放送を予定しておられるということでございます。そうなると一日じゅう見られるのかなと思いまして、これはいよいよ寝る間がなくなるなと思ってお聞きをしておったんですが、要するにそういうことでございますか。  バルセロナのオリンピック放送、どういうことになるのか、いま一度ちょっと詳しくお答えいただければ大変ありがたいと思いまして、お尋ねをいたします。
  70. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) お尋ねの一日平均二十時間四十九分という放送は衛星の第一テレビのことでございますが、衛星第一テレビは二十五の全競技を生中継主体でお伝えしたいということでございます。時差が七時間ありまして、夕方から主な競技の予選が始まりまして、決勝は日本時間の零時からということでございますので、深夜が生中継で、生中継中心になるというのは総合テレビもそういう形になりますけれども、特に衛星放送はオリンピックチャンネルというふうに位置づけて、全競技を生中継で放送してみたいというふうに思っております。
  71. 尾辻秀久

    ○尾辻秀久君 今から寝だめをしておきたいと思います。どうもありがとうございました。
  72. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 まず、NHKの選挙報道についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  目前に参議院の通常選挙が迫っているわけでございますが、今回の参議院選挙については、これに取り組む企画といいますか、バルセロナ・オリンピックもそうでありましょうが、これは大変なやっぱり国民の関心事でありますし、民主主義社会においてはこの報道が最も重要なことであると思いますので、今予定されております総時間枠、その放送の態勢ですね、簡単で結構でございますから教えてください。
  73. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) 先ほどもちょっと御説明しましたけれども、オリンピックの準備の態勢と、参議院選挙が七月の二十六日にあるであろうという想定のもとに、従来どおりの特別番組その他の番組を構成すべく今最後の詰めを行っております。おっしゃるとおり選挙は大事な事柄でございますから、たまたま開会式と開票の日とダブるとかそういうこともございますけれども、そこはきちっとめり張りをつけて、総合テレビと衛星の第二できちっと選挙報道、速報をやっていきたいというふうに思っております。
  74. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 選挙の報道で大事なことは幾つかあるかと思うんですが、候補者が何を主張しているのか、あるいは候補者が所属する政党なり会派がどういう政策を展開しているのか、それをまず国民にしっかりとお伝えいただくということ。それから次に、これまた国民的関心事として、だんだん投票日が迫ってまいりまして、現状で何党が有利でどの候補者が当選の確率が高いのかということは、当然これ大きな関心を呼ぶところであります。これも大事なこと。それからもう一つは、いよいよ開票になりまして、当落の判定でございますね、やっぱりこれは国民からしても、立候補しておる候補者からしても、一秒でも早く一体自分は当選するのかしないのか、NHKが当選確実と言うか言わないかが最大の関心事でございます。だから、そういう点に留意をして放送をおやりになるんだろうと、こう思います。  そこで少し世論調査、選挙報道の予測についてお伺いをしたいと思うんですが、NHKの場合は、選挙に当たりましていわゆる世論調査、それからそれに伴う候補者の当落予想というものは、どのようにして情報を収集し、それを統計的に結論づけられるんでありますか。
  75. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) 各種選挙の事前報道や世論調査の取り扱いについては、もう先生御承知かもしれませんが、NHKでは慎重の上にも慎重を期して、選挙の公正を害しないように十分注意して報道に努めておるところでございますけれども、世論調査については、やはり当確の判定その他に使用する資料の一つとして実施しているというふうに受け取っていただいてよろしいかと思います。いろいろな形の取材を総合的にやって、その中で世論調査というのを当確判定の一つの資料として扱うということで、世論調査というのは慎重に扱っているというのが現状でございます。
  76. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 私も実は放送局におりまして、報道部に長い間おりまして、選挙デスクも何回か経験をしてまいりました。NHKさんも恐らくそうだし新聞社もそうだと思うんですが、世論調査をいたしまして生数字が出てまいりますが、それを会議を開きまして、その生の数字に記者が足で稼いだ情報を加味いたしまして、この候補は強いとか弱いとかいうのを現実に判定していく、そういうことになろうかと思います。恐らくNHKさんもそのようにされていると思うんです。  そこで、NHKの場合は、そういった世論調査の生数字、それに独自の取材網に準拠して出されました結論というものはこれまで一度も公表されたことはございませんか。
  77. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) あくまでも速報のための材料でございますから、公に公表したということはございません。
  78. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 先般のイギリスの総選挙であったと思うんですが、英国における世論調査で、私の記憶に誤りがなければ、労働党が圧勝するであろう、こういう世論調査の結果が出ておりました。その世論調査が投票の直前に公表をされました。ふたをあけてみますと実は保守党が圧勝をいたしまして、そこでイギリスでは、じゃ世論調査の精度は一体何なのかと、こういう問題。もう一つは、投票日の直前に発表される世論調査結果というものが有権者の投票行動に影響を与える。今回のイギリスの場合もそれではなかったのか。いわゆるアナウンスメント効果ということが言われて、先般もこの国会における議員の皆さん方の政治改革協議会におきまして、このアナウンスメント効果というものを考えて、どうだろうか、選挙の直前の世論調査、当落予想というものは控えた方がいいんじゃなかろうか、こういう論議が出ましたですね。  これについてはいろいろな意見がありまして、投票日直前の世論調査の結果をマスコミで発表することは、これは報道の自由に関係することであるから、それを規制するのはやめた方がいいだろうというようなおおむねの結論を得ているようでございますが、NHKがこれまで投票日の直前にNHK独自の取材に基づく世論調査の結果を発表したことがないというのは、やはり今私が申し上げましたような、直前の発表は有権者の投票行動に重大な影響を及ぼすおそれがあるから、だから世論調査の結果は発表しない、そういう観点に基づいてやっていらっしゃるんですか。
  79. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) 過去の経験から、世論調査というものも必ず誤差を含んでおりますから、開票をしてみなければわからないというところば十分に考えられます。そういうことで我々は、世論調査の取り扱いについては、一つの当確判定の材料とかそういう扱いにしておりまして、慎重の上にも慎重を期しているということでございます。
  80. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 私がお尋ねしているのは、まさに今回のイギリスの総選挙に出たような、投票直前の世論調査の発表は有権者の投票行動に一つのアナウンスメント効果を与えるから、だからNHKはこれまで世論調査の結果を発表していないのかと、こう聞いているわけで、あなたのお答えは私の質問に対する答えとはちょっとニュアンスが違うように思いますが、その観点に基づいてどうお考えかをお伺いしているんです。
  81. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) 先ほども言いましたように、世論調査というのは誤差も含んでいるということ、それと今御指摘のあったようなおそれなしとはしないということがある以上、慎重に扱わなければいけないということでございます。
  82. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 というと、一つの論理の必然としては、であるからして、例えば具体的に日を限って、投票日の一カ月以内は一切の世論調査の発表をしないというようなことを法的規制を加えてそのように実施をする、今言ったように、実際に政治改革協議会でこういう意見が出ているわけですが、そういうことについてはNHKはどうお考えですか。
  83. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) 私どもは、今申しましたように、そういう観点から世論調査の扱いも含めて慎重に慎重にやっておりますので、そういう節度ある選挙報道というものに努めておるところでございますから、法的な規制を加えるということには報道機関として賛成いたしかねるという立場でございます。
  84. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 私もおっしゃるとおりだと思います。  これはまことに個人的な経験でございますが、六年前の参議院の通常選挙におきまして私は実は大阪で立候補したんです。これはNHKさんに聞いたわけではございませんが、そのときの各紙の直前の世論調査によりますと、これは修正を加えたものも、それから加えない生数字も実は私の高位当選を圧倒的に数字は示しておりました。直前の新聞発表は、ニュアンスの差はありますけれども、中村鋭一は完全に当選圏内であるというようなことが大見出しで各紙に出ました。ふたをあけますと、実は西川潔さんが百二万票、私は六十万票弱で物の見事に落選をいたしました。  このときに言われたのは、やはりそういった新聞報道等で上下五%から一〇%ぐらいは移動をしたんじゃないか、いわゆるアナウンスメント効果が見事にあらわれたんじゃないかということでありまして、そういう個人の経験からすると、候補者として戦っている者からすれば、直前に報道をされる、例えば絶対強いとかそのような報道を、場合によっては意図的にされますと、結果として候補者が重大な不利益をこうむるというようなことがありますので、報道の自由はもちろんでありますけれども、今おっしゃったように、こういった世論調査の発表は投票日が近づけば近づくほど慎重の上にも慎重にひとつ対処をしていただくにこしたことはないだろうということを申し上げておきたいと思います。  次に、今もう情報が本当に行ったり来たり多様化しておりまして、日本に入ってくる情報もたくさんありますし、それから日本から世界に発信される情報もたくさんあるわけでございますが、特に映像による情報発信ですね、これが大変重要な問題である。朝からの委員方の質疑の中でもそのことは取り上げられておりますけれども、NHKとして今世界に向けて発信しておられる情報の多様さというものと、これからたどっていく方向性というものについてお示しをお願いいたします。
  85. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) NHKで現在映像情報海外発信をやっておりますのは、一つは英語によるものがございます。英語で発信する番組が四つございまして、「トゥデーズ・ジャパン」、「アジア・ナウ」、「ジャパン・ビジネス・トゥデー」、それから、ことしの一月から始めておりますが、アメリカのABCの深夜に向けて「アジア・ビジネス・ナウ」というのを英語で発信しております。  最後のABC向けのは別にいたしまして、前の三つの番組はPBS系中心に届けておりますけれども、「トゥデーズ・ジャパン」を例示しますと、PBS系で大体三千万世帯が見ております。それからカナダのCBCで四百万、同じ番組をタイのIBCでは三万世帯ぐらいが見ております。それから、「アジア・ナウ」につきましてはPBS系で四千万世帯。「ジャパン・ビジネス・トゥデー」は、これはCNBCというところを通じて流しております。それからヨーロッパのスーパーチャンネル、これを通じて衛星で流しております。  それからもう一つ、現地法人がやっておりますテレビ・ジャパンというところに、これは日本語中心でございますが、欧米とも十一時間程度番組を流しております。ことしの五月末現在でアメリカが二千九百世帯、ヨーロッパが四千七百世帯という状況でございます。  今後の問題といたしましては、この英語の発信番組は、先ほど御指摘ございましたように発信量が少ないということもございますので、これをアメリカのPBS系だけでなくて、アジアとかヨーロッパにさらにどういう形で発信していくかということが課題になっております。
  86. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 そこのテレビ・ジャパンをもうちょっと詳しく教えてもらえませんか。皆さんの評判とか、今後の編成方針とか、放送時間枠とか、そういう点についてのこれからの前向きの計画を教えていただけませんか。
  87. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) 先ほども御指摘ございましたけれども、テレビ・ジャパン、これは英語を中心とした発信ではなくて日本語を中心とした発信番組でございます。大体アメリカで二千九百世帯、ヨーロッパで四千七百世帯ということを申し上げましたけれども、評判は、在留邦人等からのリアクションによりますと、もう日本語のこの放送を見るのが生活の一部になっておりまして欠かせない。それから、子どもの日本語教育にとって非常に役に立っている、一つの教育手段になっている。それから、九時のニュース21、生で放送しておりますので、現地の大使館や政府機関にとっても貴重な情報源になっているというようなリアクションが寄せられております。ヨーロッパの人びとからも、テレビ・ジャパンを通じて日本が身近になった、日本語の学習に有益になったというような意見も寄せられております。  ただ、現在の経済状況もございまして現地法人の事業展開というのはなかなか苦しい側面がございます。例えば協賛金の問題だとか、そういう面で非常に苦しい面がございます。映像情報の海外発信という我々にとっての公共的な使命を果たすためにもますますソフトの面で充実させていきたいとは思っておりますけれども、単にNHKだけの問題としてでなくて、国全体として取り組んでいかなければならない側面もあるんだということも感じております。
  88. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 話は変わりますけれども、私、数日前にブラジルのリオデジャネイロに行っておりました。日本の代表団の皆さんたくさんおられまして、日本の情報は入っているかと、こう聞きましたら、皆さんやはりCNNをごらんになっているわけですね。今さらながら、あの湾岸戦争以来このCNNというものの存在が本当にグローバルに随分声価を高めているなということを痛感したわけです。あれだけの時間量であれだけの報道量でありますから、ずっとCNNを見ておりますと、今日本で起こっていること、これはもうプロ野球の成績に至るまでCNNをしっかり見ていればわかるというような形なんですね。ですから、文字どおり、NHKはナショナルウェーブとでもいいますか、日本を代表する存在でありますから、テレビ・ジャパンも含めて、世界の日本語をわかる人たちに非常に大きな影響力がありますので、さらにひとつこれは充実をしていただくようにぜひお願いをしておきたいと思います。  NHKの受信料ですが、三年度における契約の伸び率とそれから受信料収入について、これは計画どおり収納はできていて、今後の見通しも明るいんでしょうか。
  89. 諏訪恭也

    ○参考人(諏訪恭也君) お答えいたします。  受信料の収入増加については、私ども営業活動の最大の課題であり、公共放送の財政基盤の安定を図ることが営業活動に強く求められているというふうに認識しております。こうした基本認識のもとで、平成三年度の営業活動は、全協会的な連携のもとでの衛星の普及促進ということを背景に、衛星契約の増加を図りつつ、契約総数の方も着実に推進いたしました。その結果、両目標の達成をすることができたわけでございます。  衛星契約の増加につきましては、三年度の増加目標百四十五万に対して年度末百四十五万一千ということでございますし、契約総数の増加につきましても、増加目標四十万に対して年度末四十万三千件。それから受信料収入につきましては、三年度収入予算四千九百八十九億円に対して一億円増収の四千九百九十億円を確保いたしました。  ということで、三年度の営業活動については、まず年度計画を全部果たし得たということでございまして、四年度に今取り組んでいるところでございますけれども、キーポイントはやはり衛星の普及促進がいかに図れるかということでございますので、今その辺に重点を絞って活動を続けているということでございます。
  90. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 先般この逓信委員会で沖縄県に参りました。そのときに現地でお話を伺いましたら、沖縄の局長さんは、たしかオリオンビールの副社長から人材発掘で、川口さんがされたのかどうか知りませんが、引っこ抜いてきて、頑張れということで、随分張り切っていらっしゃいました。しかし、そのときに局長さん言っておられたのは、沖縄の受信料収入がはっきり言って全国で一番悪いんだ、頑張っておりますがと、こういうことだったんですが、現状、沖縄県どうですかね。
  91. 諏訪恭也

    ○参考人(諏訪恭也君) おっしゃいますように、沖縄県の現在の契約、収納の状況は全国最下位ということでございます。それは、沖縄においては公共放送の前に民間放送、つまりNHKの番組も民間放送を通じて提供しておったということがございますので、受信料の支払い習慣というものが本土に比べてはるかにおくれておるという結果でございます。その結果、例えば世帯契約率で申しますと、全国の場合は八八・六%でございますが、沖縄は七七・一%、それから受信料の収納率でございますけれども、全国は九六・九%、これは二年度でございますけれども、それに対して沖縄県は四七・九%ということでございます。したがいまして、沖縄での受信料制度を根づかせるということを重点に今活動に取り組んでおりまして、おっしゃいますように、民間の営業活動のノウハウを持った局長さんに契約局長として入っていただきまして、そのノウハウを全面的に展開して今上向きの状態ということでございます。
  92. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 今上向きで大変結構でございますが、沖縄県に限らず、全国的にそういうところがもしあるとすれば、単に受信料収入に限らず、営業の一線で苦労した人をNHKも思い切ってどんどん新しい血を入れるという意味でも活用なさることをお考えになったらいいだろうと、これは私見でございますが申し上げておきたいと思います。  先ほどちょっと触れたんですが、ブラジルでのアースサミットに数日でございますけれども私も参加をさせていただきました。リオセントロに参りますと、本当に世界じゅうの報道機関が来て実に活発な取材活動をしておりました。通信社、新聞社にとどまらず、各国のテレビ局が随分あのリオセントロの中のロビーで、多いときは、私はっと見ましたら六カ所ぐらいでコメンテーターやキャスターの人がテレビカメラに向かって報道をしておられました。そのときに私は、ああ日本はどうだろうなと、こう感じたんです。時間がありませんのでNHKの皆さんのところにはお伺いできなかった。  そこでお伺いをいたしますが、今回のアースサミットにおけるNHKの取材態勢、送り込んだ人員、それからつくった特番の数、総報道時間等々についてお教え願えますか。
  93. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) お答えいたします。  端的にお答えいたしますけれども、NHKでは全部で十九人送り込みました。ただ、現地ごらんになっておわかりかと思いますが、会場と放送局との間の移動その他に非常に時間がかかりますから、それで放送局と会場との間にマイクロを引いたりいろいろなことをして、先ほどごらんになったというリポーターはその会場のリポーターだと思いますが、そこで民放とプールでいろいろな形での共同取材をした、ユニの取材もそのプールを使ってやったということでございます。  番組ですが、数でいいますと、総合テレビ、教育テレビで合計十七本、十五時間十八分やっております。「救え・かけがえのない地球」というNHKスペシャルとかプライム10、こういうものを中心に重点編成をしております。衛星の第一、第二では三十六本、四十時間三十五分。ラジオでは合計で十四本、四時間五十五分。FMで四本、三時間二十分。総計七十一本、六十四時間八分というものを放送しております。  中では、ちょうど時間的には朝が一番情報が入る時間でございますから、モーニングワイドで二十八本、それから正午のニュース、十九時のニュース、ニュース21、ミッドナイトジャーナルそのほかで三十六本等々放送をしております。
  94. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 そこで端的にお伺いいたしますが、私が行っておりますときは十日、十一、十二、十三あたりでございまして、宮澤総理が来れるか来れないか、これが現地の最大関心事でございました。外国の代表団の皆さんも政府関係の方も、それから議員の方々、マスコミの方々も、私が日本から来ているということを知りますと、プライムミニスターは来るのか来ないのか、日本は大変な期待をされているんだからぜひ宮澤さんは来るべきだと、こういう意見が実は圧倒的だったんですね。  そのとき日本はどうかといいますと、これは私もまさにその渦中にあったわけでございますが、日本列島ことごとくPKOについて大変な関心が高まってその審議に集中をしていたわけですね。ところがブラジルのアースサミットでは、これは百四十カ国のみなさんがお集まりのアースサミットで、評判の悪いブッシュさんですらやっぱりやってきて御自分の意見をおっしゃっている。キューバのカストロさんも見えている。そういうときに宮澤総理がお見えにならぬというのは大変いけないじゃないか、困ったことじゃないか、これが現地の圧倒的な世論というものであったと思うんです。  NHKは、そういった現地の、日本は大変期待をされている、だからこそ宮澤さんは来なければいけないという意見が大変支配的である、だから宮澤さんぜひ来てもらいたいという意味のコメントは、NHKとしては一定の見解として打ち出されましたですか。
  95. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) 具体的にどういう放送をしたか全部私拝見していないので定かではありませんけれども、宮澤総理のメッセージがビデオで届けられて、それが文書に変わりましたというその背景などについてはきちっと報道をしております。
  96. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 どうも私はその点で現場が少し消極的であったことは否めないと思うんですね。私が向こうに行っておりましても、あの雰囲気の中で、日本の総理大臣は来ない、来ないからビデオを持ってきて、それはそうでしょう、ブッシュ大統領から世界じゅうの元首の目の前で、今から日本の総理大臣がビデオテープでしゃべるからあなた方ちゃんと聞きなさいというようなことを言って、世界じゅうの元首や総理が、ああそうでございますか、なるほど日本は大国ですね、総理はお忙しい、御苦労さん、じゃ我々は喜んでビデオテープを見せてもらいましょうと言うか言わぬかぐらいのことは、当然マスコミも取材をしてそのことをはっきりと日本に対して私は打ち返すべきであった、こう思うんですね。その辺が随分腰が引けているといいますか、成り行き任せといいますか、そういう点があった。  その成り行き任せの中にNHKも含まれているとすれば、今後はかような取材のときには、やはり皆さんも日本の国益を代表する一面を持っておられるわけでございますから、そういうときには率直に、現地はこうなんだ、こういう意見だということを国民の皆さんにしっかりとお伝えするような、そういう体制を望んでおきたい、こう思います。  それから、今申し上げております環境問題、これはもうこれから二十一世紀にかけて最大の社会的なあるいは政治的な課題になることは論をまたないわけでございますが、NHKはこの環境問題につきましてこれからどのような編成方針で取り組んでいくおつもりなのか。例えば総報道時間量、あるいは企画、それも短期的な企画、長期的な企画。私、随分NHKスペシャルが好きでございまして、あのNHKさんが腰を据えてNHKスペシャルをおつくりになる。本当に払いつも敬意を表しておりますし、拝見するのが楽しみなのでございますが、例えばそういった番組でこれから環境問題とどう取り組んでいくのか、特に地球環境問題とどのように取り組んでいくのか、お聞かせをお願いいたします。
  97. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) 環境問題については、NHKとしてはやはり二十一世紀に向けての最大の問題の一つであるというふうに認識しております。既に五年前に環境プロジェクトというものをつくりまして、これは報道、番組制作局、あらゆるセクションを横断的にした組織ですが、どういう番組を出していったらいいのか、NHKスペシャルとかプライム10、そういう大型の番組だけでなくて、日常のニュース番組ででもどういう形で展開していったらいいのかということを検討しております。  現在のところ具体的に固まっておりますのは、九月をめどに、CO2その他放射性物質を出さないということで注目を集めております、クリーンエネルギー太陽光発電の技術開発の現状と課題というのをNHKスペシャルでやりたいというふうに思っております。今、将来に向けて何時間、何本ということは具体的には申せませんが、五年前からそういうプロジェクトをつくって、二十一世紀へ向けての課題であるという認識のもとに取り組んでおるということでございます。
  98. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 我々環境特別委員会でも、環境庁を環境省に格上げをしましょう、こういう意見が支配的なわけですね。ですからNHKも、今プロジェクトとおっしゃいましたけれども、NHKの中の一つの組織として、例えば環境政策局とでもいいますか、そういう独立したセクションをつくって本格的にこれに取り組むというおつもりはありませんか。
  99. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) そういうお考えもあろうかと思いますけれども、環境問題というのは本当に多岐にわたる問題でございますので、単にニュース取材とか番組制作局とかというだけではなくて、いろんなセクション、社会部、科学・文化部、NHKスペシャル部、サイエンス番組部といったようなところのいろいろ情報を多角的に集めてやらないと、なかなか総合的ないい番組はできないというふうに考えておりまして、それでこういう環境プロジェクトをつくっているというのが現状でございます。
  100. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 ですから、科学・文化部、制作、報道分かれて有機的に情報を集めるとおっしゃったんですね。それだったらやっぱり各省庁の縦割り組織と一緒でなかなか有機的に活動しないわけですから、せっかくプロジェクトチームをおつくりになっているんだから、それをもっと拡大、発展するというような考え方をされたらどうですかと提案をしているわけでございまして、プロジェクトチームがちゃんと立派に活動するなら、それはそれで結構でございます。  プロ野球中継でありますが、NHKは、年間のプロ野球のテレビ中継計画は、シーズン開幕までに各球団と契約を終えまして、何月何日何曜日はこのカードを放映するということはシーズン開幕前に決定しているんでしょうか。
  101. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) おっしゃったとおりです。
  102. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 そこで、ことしのプロ野球で言うと、これは阪神タイガースが物すごい勢いで、ほとんどどのカードでも視聴率二〇%を超えているわけですね。私、関西ですけれども、NHKの中継予定を見て、パリーグファンの方には申しわけないが、きょう例えば阪神・ヤクルト戦が神宮であるというときに、NHKの番組ぱっと見て、失礼ですけれども、ロッテ・日ハム戦をNHKがおやりになるというとげっそりするというんですか、今や社会的関心がどこにあるのかNHKはわかっているのかというような気もしないでもないんです。これは契約があることですけれども、そこのところをフレキシブルに、やっぱり一つの社会のニーズというのがあるわけですから、NHKさんも視聴率をとって悪いことはないわけですから、その辺は有機的に、シーズンを追うにつれて編成を変えて放映をするというようなお考えはございませんか。最後にそれをお伺いして終わります。
  103. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) そういう編成を私どももやりたいんですが、先ほど御指摘ございましたように、年度当初からもう契約を済ませているということもございましてなかなか実施できません。ただ、交渉ができないわけではないんですが、今言ったようなカードですとどこの局もやりたいわけですから、したがってまた権料が高くなる。そこで一つ問題が起こるということがございます。ただ、衛星放送で中継権を持っているカードについては、交渉によって場合によっては地上波に流すという可能性も少しは残されております。
  104. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 会長、ひとつ張り込んでください。
  105. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 それでは、公開番組に関する問題についてお尋ねしておきたいと思います。  「のど自慢」などの公開番組が地方で行われているわけでございますが、これは地方の実情が全国的に伝わるよい機会でありますし、地元の期待も大きなものがありますし、ローカル放送の充実ということにも寄与いたしますので、こういった公開番組については積極的に行ってほしいと思いますけれども、NHKではどのような効果が出ているとお考えでしょうか。
  106. 中村和夫

    参考人(中村和夫君) その地域の歴史や文化、風俗、習慣、さらにそこに住む人たちの暮らしや町の表情、そういった地域の情報を全国に伝える有力な場になっているということと、一流の人たちが地方に行くというチャンスがございますから、そこで地域文化の向上にも寄与できる。それからNHKにとってみましても、視聴者サービスと申しますか、視聴者との結びつきを深める上で非常に有意義な場になっているということでございます。
  107. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 この公開番組のことにつきましては、十年ほど前に同僚委員がこの委員会でも質問を行っているわけでございますが、当時NHKでは、原則的には地元に金銭的負担をかけずに全部NHKの責任で行う、そういう方針で進められてきている、そういう答弁があったようでございます。当時はまだ規模とか地元の負担もそれほど大きくなかったようでございますけれども、現在ではかなりのさま変わりをいたしておりまして、公開番組のみならずさまざまな番組制作におきまして地元の協力が行われております。大河ドラマのように場合によっては地元自治体が億単位の経費を負担している例もあるわけでございます。「信長」の例ですと、私の地元の岐阜市でもそのような予算を計上してやっていることがございます。  番組制作に当たりましては、地元との協力関係とかが強くなりますし、地元の経費負担が大きくなってきているわけでございますが、そういった点につきましてはどのようにお考えでしょうか。
  108. 中村和夫

    参考人(中村和夫君) 公開番組の派遣については、市町村の周年記念とか市民会館の落成記念とか、いろいろな形の記念行事にあわせて実施しているという場合が多いのが現状でございます。それで地方自治体との共催というような形をとっております。  ただ、番組制作経費についてはNHKがすべて負担をするという形で、NHKのスタジオをそのまま使う、例えばNHKホールですといろいろな設備を補強しなくても放送が出せるというようなことがございますけれども、例えばステージが狭いとか、照明も足りないとか、場内に送り返す音声をきちんと整備するために補助的な装置が必要だとか、それから場内の整理とか、そういうものについては地元とお話し合いの上協力をしていただいているというのが実情でございます。  岐阜のような場合は、あれは地元に負担していただくということではなくて、地域振興とかいろいろな形でこういうものをつくりたいということで御相談がございまして、結果としてはNHKが、地元がおつくりになった、大体自治体第三セクターが中心になってやっておりますけれども、そこの施設を借りてその分についてお支払いをするという形で実施しているわけでございます。
  109. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 岐阜市の場合も決して不満も言い不平宣言っているわけではございませんで、いろんなことで市の方も大いに観光の事業として推進いたしております。  また、これは前に中村委員の質問に対していろいろ御答弁されている中に今のようなこともありました。照明、音響の架設費用の一部等でございますけれども、やはり地方へ参りますと、会場については確かに広い会場、体育館等を使いまして、そういった架設の照明とか音響の費用というのは、相当これはまたかかることも確かですね。非常にこれは高価な場合もあります。私たちもそういうことをいろいろとやった経験もありますものですから。  しかし、そういうものに対してNHKとして、どういうところでどういうふうにやるかわかりませんし、これからは全国的にいろんな要望等ありますれば出かけていくわけでございますから、そういったいろんな経費の負担できるところばかりを選ぶんじゃなくて、NHKとしても十分そういう体制を組んで、どういうようなところでも地元に対して負担をかけないような体制でいくのが、まあ予算でいろいろ縛られるでしょうけれども、そういう体制をつくって地方自治体からの要望についてもこたえるようにしていくべきではないかと思うんですが、その点どうでしょうかね。
  110. 中村和夫

    参考人(中村和夫君) 自治体でお金が出しにくいところは公開番組ができないというようなことはございませんで、公開番組、年に二百二十ぐらいございますけれども、地域的なバランスとかそういうものを十分に考えた上で、その自治体の経費負担の能力というものなどは考えないで実施しております。
  111. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 その点よろしくお願いしたいと思うんです。  また、これも同僚委員の質問等がかつてございましたが、地元自治体とかあるいは企業の協賛の問題について、NHKでは内部の基準に基づいて適正に処理しているということでございますけれども、民放等からいろんな批判が出ているわけでございますが、この点はどのようにお考えでしょうか。
  112. 中村和夫

    参考人(中村和夫君) たびたびこの点についても御質問いただいておりますけれども、企業の協賛というのは、公開番組収録に付随して行われるイベントヘの協賛という形で、これは割合神経質なぐらい注意をしてやっております。放送番組の制作、収録には関係のない部分の経費に限るということを言ってやっておりますけれども、いろいろな点で誤解を招くような点が生じないように慎重な配慮を続けながらやっていきたい。こうしたイベントも地域の活性化に貢献するものでございますから、ある意味では地域との結びつきを強くするという役割も担っておりますので、そういう誤解を招かないように慎重に配慮しながら実施していくということが必要だというふうに思っています。
  113. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 自治体とか企業からの協賛金の額が大きくなりますと、間接的にNHKが何かのメリットを受けているんじゃないかという批判もされている場合もありましたが、そういうような状況がクローズアップされますと、やはり受信料制度を維持していく上でマイナスになりはしないかという心配も一つあります。  また、先ほどお話をしましたように、NHKと民放とのあつれきというのは、結果として地元にしわ寄せが来るんじゃないかということと、公開番組等の誘致に地元による経費負担が既成事実となりますと、私先ほど申し上げましたように、財政の苦しいところは軽視されるおそれがあるんじゃないか、こういった懸念があるわけですが、その点はどのようにお考えですか。
  114. 中村和夫

    参考人(中村和夫君) そういう点も、先ほど申し上げましたように、その自治体の貢献がどうこうだからこうします、公開番組をやらないとかやるとかというようなことは全く考えておりませんで、いろいろな御希望がございますので、慎重に地域的なバランス、やはり視聴者サービスということを勘案しながら場所等々を決めていくという形でやっていきたいと思っております。
  115. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 最後になりますけれども、会長にNHKの公共放送としての使命についてお話を伺っておきたいと思います。  先ほどから同僚委員からもそのことは再三お尋ねがございましたけれども、いろいろなマスコミの状況を日本国内だけでなくて世界的にも見てみますと、NHKのような存在のそういう公共放送というのはなかなか数少ないわけですね。したがって、その貴重な立場というものはやはりNHKとして固持をされていかなきゃならないのではないか、こう思っているわけです。最近のアメリカにおけるマスコミのブッシュ攻撃などというのは、多少の偏向性があるんじゃないかなと私も思わざるを得ないような状況もあります、あるいはマックスウエル出版社の例もありますし、その中で公共放送としてのNHKがやはりその使命というものを全うしながらやっていただきたいと、私もそう考えている一人ですから、その点を最後にお尋ねして、質問を終わりたいと思います。
  116. 川口幹夫

    参考人(川口幹夫君) NHKが持つべき責務といいますか、私は大きく分けて二つあると思うんです。一つは、国内的に受信者に対してどのような放送内容を提供するかということだと思うんです。それは一つは、的確な情報の提供ですね、知る権利というものに対する的確なこたえ方をするということがまずあります。それから次は、日本の文化あるいは芸術というものに対する放送としての使命を果たすという役割があろうかと思います。そしてもう一つは、これはスポーツとかエンターテインメント等でありますけれども、豊かな生活をする、豊かな精神生活を送るというために、そういう内容のものをできるだけ数多く多様に提供するという使命がまたあろうと思います。そしてもう一つは、放送というものは非常に新しいメディアでありますから、またさらにそれがみずからも新しくしていくという性格がありますので、できるだけみずからを常に新しくするということに心がけるべきだと思っておりまして、例えばハイビジョン等についても先駆的な役割はやはりNHKが果たすべきであろうというぐらいなことを考えております。  もう一つの面は、国内じゃなくて、国際的な面での放送の立場というのをやっぱりNHKは自覚をすべきだろうと思っております。合いわゆるボーダーレス時代ということになりまして国際間の壁はなくなりましたけれども、本当の意味の国民的な理解、国際的な理解というものは、これからが本当のそういう時代になると思っていますし、そのために電波が非常に大きな役割を果たすであろう。そういうものに対してNHKは、ナショナルブロードキャスターという位置づけでできるだけのことをすべきである。それが国民の皆さんの御期待にもこたえることになるであろうというふうに思っておりまして、そういう二つの面をNHKはできるだけ的確に、しかも積極的に実施をしていく必要があると、こう思っております。
  117. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 今議題になっている決算の時期ですね、この時期はNHKに対する批判が非常に高まった時期だったというふうに思います。NHKに対する批判の中身は、従来から権力寄りだという批判もありました。これはNHKとしてどうお考えになるかは別としまして、権力寄りだという批判がありましたが、それに加えて、島前会長のもとにおけるこの決算に当たる時期には商業主義だという批判が非常に大きく広がった時期であり、そのために民放との対立等いろいろな問題もあったわけです。  そういう時期であるということを念頭に置いて見るためかどうかは別としまして、決算書を読んでみますと、やはり幾つかただしておきたいなと思うことがございます。そういう点で決算書を中心に幾つか質問させていただきますけれども、一つは、平成元年度それから平成二年度の決算書を見ると、金融機関からの借入金が非常に増大しているということを感じます。一方、平成二年度の決算書を見ますと、有価証券、長期保有有価証券ともに著しく増加しております。  何がふえたかという点の一つは、国債がふえている。八九年三月三十一日現在の約百五十八億円から、九〇年三月三十一日には約百九十一億円、九一年の三月三十一日には約五百二十九億円と、こういうふうになっております。一方で銀行からの借入金がふえており、片方で国債がふえている。これはどういうわけだろうかという疑問がまず出てきます。それにお答えをいただいた上で私の質問は続けさせていただくことにしましょう。
  118. 中野正彦

    参考人(中野正彦君) まず、借入金の増加について御説明をいたします。  平成元年度五百三十億の長期借入金、これは銀行からすべて借りておりますが、これに対して二年度末が五百八十五億、五十五億円の増加になっております。この理由といたしましては、これは二年度に新規に設備投資のために百五十五億銀行から借り入れをしております。それから、過去に借り入れたものの返済期限が到来しまして、百億円返済をしております。したがいまして、差し引き年度内に五十五億の借入金が増加した、こういう状況でございます。逆に借入金が減る場合は、またこの設備投資の関係で借入金の増減ということが年々出てまいります。  それから二点目の、有価証券の中でかなり国債等がふえているということでございますが、私ども日常の資金運用につきましては、これは受信者からお預かりしている受信料でございますので、なるたけ多様化を図ってより高利回りの資金運用をしたいということを日常心がけておりまして、手持ち資金については、銀行に対する預金のほかに国債でありますとかあるいは事業債、金融債等のより利回りの高い公社債にもその資金運用を図っている、そういうことで有価証券がふえている、こういう事情でございます。
  119. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 借入金がふえた理由は設備投資だということですけれども、そういうふうに設備投資ということで借り入れをする一方で有価証券、長期保有有価証券を購入する。高利回りだという今の説明ですけれども、実際上高利回りでここでうまくいったのかどうなのか。借入金の金利とそれからこの有価証券の利回りとを比較してみますと、平成元年度では長期借入金の平均金利よりも国債の利回りが高くなっていますが、平成二年度になると相当逆転していて、ここからは私は逆にリスクはあってもメリットはなかったんじゃないかというふうに思いますが、これはどうですか。
  120. 中野正彦

    参考人(中野正彦君) 平成元年度の例で申し上げますと、財務収入の総利回りは五・五%でございました。それに対する財務費でございますが、これは銀行に対する借入利率でございます。これは放送債券の率も入っておりますが、五・五三%ともうほとんど差がございません。そういう状況でございます。
  121. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 二年度は。
  122. 中野正彦

    参考人(中野正彦君) 二年度につきましては収入の利回りが六・〇五%、それから支払い利息の方は七・〇九%ということでございます。
  123. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私どもがNHKにお伺いしたところ、平成二年度では国債の平均利回りは五・三七%、長期借入金の平均金利は七・五七%だというふうに聞きましたけれども、これは違いますか。それは後でいいんですが、平成元年度ではそういうおっしゃったことも言えるかもしれませんけれども、平成二年度について言えばそれは逆さまになっているということだと思うんですね。  銀行から長期借り入れをやって、設備投資だけではなくて、この決算書から見ると結局その金の一部分は有価証券、長期保有有価証券の購入費にも充てられている。しかもその結果、この資金運用が成功しているということだけでなく、そういう年もあるかもしれませんが、そうでない結果にもなっているんじゃないかというような感じを受けるんですが、そういう資金運用からリスクが出たということはないんですか。
  124. 中野正彦

    参考人(中野正彦君) 先ほどお尋ねの国債の利回りでございますが、元年度が五・五七%、二年度が五・三七%でございます。  それから、この資金運用の面でリスクが発生したのかというお尋ねでございますが、そういう実績は今までございません。
  125. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 リスクがあったことはないということですが、それではもう一つお伺いします。  この決算書でもう一つ、国債とともに外債がふえておりますね。平成元年度では昭和六十三年度と比較して約二十七億円の増、それから平成二年度はさらに約九十三億円の増となっております。説明によると利回りがよかったと言っておりますが、しかし、同じように、平成二年度の長期借入金の金利に比べると利回りは低いという数字になっておりますね。  これも、外債というのも同じ理由でやっておられるのかどうなのか、この点でもリスクは全くなかったのかどうなのか、お伺いします。
  126. 中野正彦

    参考人(中野正彦君) 先ほども資金運用の基本的な考え方で申し上げましたけれども、より有利に資金運用をするためには、いろんな公社債等、多角的に多様化した形の運用を図っているということでございます。したがいまして、御指摘のありました外債についてでございますが、これも比較的利回りが高いということで外債の選択をいたしております。  ちなみに元年度で申し上げますと、これは新規に購入したものが六・〇六%でございまして、それに対して国債は五・〇五ということで、比較的外債の方が有利になっている。それから、外債につきましては、これは円建て外債とドル建てとございますが、なるたけ私どもは円建てで購入をするということにしております。たまたま外貨建てのものもございますけれども、これはやはり為替ヘッジということをかけるようにいたしておりまして、つまりスワップ取引でございますが、したがってそういうリスクを、それのヘッジを十分考慮してやっております。
  127. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私はどうしてもわからないのは、長期借入金の平均金利は平成二年度では七・五七%ですね。今の外債でも、これは国債よつば有利だという話ですけれども六・〇六%ですね。そうするとやっぱり帳じりは合わないと思うんですけれども、それはどういうふうに説明なさるんですか。
  128. 中野正彦

    参考人(中野正彦君) 先ほども申し上げたんですが、銀行からの借り入れは、これは資金運用のために借りているんではなくて、あくまでも建設費、つまり設備投資の財源として借り入れを行っているものでございます。
  129. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 それは知っていますよ。ですけれども、NHK全体の決算の中で見ると、片方では決算のために高い金利の金を借りて、片方ではそれよりも利率の低い外債やら国債を買っていくということは、全体から見ればそれはプラスにはならないんじゃないですか。  もう一つ聞きます。この決算書で私もう一つお伺いしておきたいと思うのは、長期預金がふえている問題です。要するにこれは特金だということですね。特金は八六年度から行われている。ちょうど日銀が八六年度末と八七年二月に公定歩合を下げて、それで史上最低の金利のもとで特金が人気を呼んだ。こういう時期にNHKも特金を始め、さらにファントラにも投資しているということですね。要するにファントラが特金を上回る人気を呼んだ。そういうときにファントラにも投資するということです。  私、まず聞いておきたいんですけれども、この特金、ファントラの中には株式も含まれていると思いますが、それはどれぐらいな比率になっていますか。
  130. 中野正彦

    参考人(中野正彦君) 特金、ファントラにつきましては、これは運用を開始するに当たりまして一応のめどを設けております。つまり、株式については三〇%をめどにする、そのほか公社債あるいはCD、現先等の運用でということでございます。
  131. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 株式が三〇%あるということを今お認めになりました。予算の説明を受けたときには株式投資はやってないんだという説明でしたけれども、どういうわけでそのときにそんな説明があったのかは別として、今、株式投資は三割をめどにしてやっているということで、NHKさんが株式投資もやっておられるということが明らかになったわけです。  この株式投資との関係で一つお伺いしておきたいんですが、長期預金が八九年三月三十一日現在の八十五億六千八百万円から平成元年度になると六十五億六千八百万円と約二十億円減っています。この長期預金が二十億円減ったのはなぜなのかということをお伺いしておきます、端的に言えば、これは特金によって損をした結果減ったのかどうなのか、私ちょっとそういう疑問を持ちましたのでお伺いしておきます。
  132. 中野正彦

    参考人(中野正彦君) まず第一点のNHKは株式運用をしているのかしてないのかということでございますが、予算の説明のときに株式運用はいたしておりませんと申し上げました。これはどういう意味がと申し上げますと、直接株式をNHKが売買する、そういうことは一切やってないということでございます。特金、ファントラの運用に当たりましては、これは世の中一般に、三〇%程度の組み込みであれば株式の価格の増減に十分ヘッジがかけられる、こういうことで、これは専門家の研究の結果、三〇%程度であれば特金、ファントラ、株式運用があっても大丈夫だ、こういうことでございましたので、それは特金、ファントラの中に組み込んだ形で信託銀行あるいは投資顧問会社に委託をしている、信託契約をしてやっているということでございます。  それから、長期預金が減っだということは、長期預金は、一年以上資金を運用する場合に長期預金あるいは長期保有有価証券という形で整理をいたしております。資金が今度一年以内に支出に回されるというときには、その長期預金なり長期保有有価証券は流動資産の方へ振りかえをいたしております。これは一般の企業会計原則でワン・イヤー・ルールという形で、一年未満になったものは固定資産から流動資産へ振りかえるということでございます。
  133. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 今おっしゃったような説明をなさるわけですけれども、いずれにせよ株式もやっていることは間違いないわけですが、九〇年代初頭から株価暴落で証券会社の大変な問題が起きたわけですが、そうすると、NHKの場合はこの株価の暴落による影響は一切受けなかった、それによる損失は一切なかった、そういうことですか。
  134. 中野正彦

    参考人(中野正彦君) 株価の暴落によって現実に損益という形で損失は発生いたしておりません。
  135. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 損失はなかったということです。私は資料を持っていませんからその答弁をそうだと思うしかありませんけれども、いずれにしましても、NHKというのは国民から徴収する受信料をもとにして経営をやっている公共放送です。仮にこの間損失はなかったかもしれませんけれども、そういうリスクを伴う財テクのようなことをやるのは、やっぱりこれは私は非常にまずいというふうに思います。  そういうことを私がなぜ指摘したいかというと、いわゆる商業主義と言われた時期に、受信料を基礎にしてNHKの経営の基本をそこに据えるんだということから外れて、受信料収入には限度がある、そこで経営の収入の多角化を図るとか、あるいは事業収入をふやすとか、そういう一種のゆがみ、踏み外した状況が生まれたのがそういう資金運用にもあらわれていると私は思うんです。この点は否定されるかもしれません。また、損失は実際出なかったかどうかは別としまして、やはりこういうことはブレーキをかけるという意味では大きく検討し直した方がいいというふうに思っていますけれども、会長、このままやっぱり株も三割をめどにやっていくという方針なのかどうなのか、これは過去の決算ですから、今後の問題をひとつお伺いしておきたいと思います。
  136. 川口幹夫

    参考人(川口幹夫君) 吉岡先生御指摘のとおりNHKは受信料で賄われている公共放送でございます。したがって、受信料を基本にして運営をすべきだということは私も全く同じように考えております。ただ運用の段階で、受信料は二カ月以上の前納になるわけです。ですから前受金という形でもって入ってきますので、ある程度そのお金を有効な形で運用するというのもまた受信者に対するある一つの形ではないかというふうにも思えますが、ただ、今の先生の御質問の中で非常に重大なことも含まれているというふうに思いますので、今後は十分に参考にさせていただきながら、受信料の運用については誤りなきを期したいと思います。
  137. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私は、郵政省関係のときにも簡保の事業のときにも、この株式投資の問題は同じような趣旨で、国民から預かった金をということで申し上げましたけれども、その点は今いろいろ慎重にということですから、私はそういうふうに努力していただきたいということを申し上げておきます。  次に、同じようなやはり一種の商業主義のあらわれだと思うのは、関連企業問題です。決算書を見ますとNHKの関連企業への出資というのがずっとふえているわけですね。これは私は数字等を挙げるまでもなく明らかなことですからあれしますが、いただいた資料によると二十八団体ですか今あるということです。この関連企業というのも結局は受信料収入に中心を据えないで関連事業収入をふやそうというところから出発したものだと思うんです。私はそう思っているわけですけれども、この決算書の時期にかくも関連企業への出資がずっとふえて、たくさんの関連企業がつくられていった。これの目的、理由、それはどこにあったんですか。私が指摘していたとおりなのか、そうでないのか、これを最初にお伺いしておきます。
  138. 沖清司

    参考人(沖清司君) 先生御指摘のように、元年度の関連団体への出資額は約五億六千万円、二年度は二億三千万円となっております。我々が関連団体を設立いたしますのは、NHKの関連団体はNHKの事業を補完し、そして支援することによって公共放送NHKの業務の円滑な、また効率的な運営に役立てる、こういうことが主目的でございます。あわせて、NHKの持っております番組であるとか、あるいは長年蓄積いたしました番組制作のノウハウであるとか、あるいは技術的なノウハウを社会にも還元する、そういうことによっていささかでも副次収入を確保する、そういった観点で関連団体を設立しておるわけでございます。  こういうことでございまして、放送法制の許される範囲でございまして、関連団体への出資、設立を行ってまいりました。
  139. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私今の答弁はどうもすかっとよくわからないんですけれども、そうすると、関連企業をつくって、そこで事業外収入もふやすと。この関連事業というのは株式会社ばかりじゃないけれども株式会社もたくさんあるわけで、これは営利事業ですね。NHKの仕事をNHKがやらないで関連企業をつくってやらせて、そこで事業収入も上げるということになると、これはNHKが営利事業にも乗り出したということにもなるわけですけれども、そういうことなんですか。
  140. 川口幹夫

    参考人(川口幹夫君) 確かに、先生のおっしゃるような意味で民間放送連盟からも批判をされたという事実はございます。私は去年会長に就任してこの問題は非常に大きな問題であるというふうに受けとめました。したがって、去年から関連団体のみんなに言っていることは、あくまでもNHKというものが本体にあって、それを関連の中の事業で支えていくという役割である、収入等はNHKにとってはまことに付加的なものであって、いわゆる副次収入という形で一応計上しますけれども、本体が四千数百億ある中で八十二億ということでことしも予算を立てましたけれども、余りそちらの方に重点を置くような運用は絶対しないと思っております。  今後も、関連団体の問題は非常に大きい問題でありますから、私の会長としての判断では、今後いたずらに商業化の批判を浴びるようなことにはしない、放送を支える立場で関連事業の発展は図るべきものだというふうに思っております。そういう運用の仕方をしていきたいと思っております。
  141. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 今、関連団体問題というのも検討し直すと、これは会長が従来からおっしゃっていることでもありますので、当然この決算の時期と同じ形で今後続くということではないと私も思います。  その場合に、外部団体、そこの実情というのは、私時間があれば少し詳しく述べながら会長の意見もお伺いしたいことがあったんです。NHKが外部団体をつくってやっていくというのは、一つはやっぱり制作費等々を安上がりにしようと、外部団体に委託することによって。例えばコストを二割ダウンするとか、いろいろな方法が物によると書かれているわけですね。それが結果として外部団体で働く人らにどういう問題を与えるか、私、逓信委員になった関係でいろいろそういう関係者からも要望も受けましたし、実情もよく聞いてくれということでいろいろお話も聞きました。  そうしますと、NHKから出向になって外部団体で働くようになると、それは大変らしいですね。例えば労働条件なんか、労働時間でもそれから残業手当というふうな面でも、NHKの本社が完全かどうかはさておきまして、それに比べても大変深刻な実態だと。私はいろいろ書かれている本でもそういうことは読みましたけれども、NHKが大いに節約しながら受信料で大いにやっていこうと。しかしその節約という場合にも、やっぱり労働者労働条件の基本的には守らなくちゃいかぬ部分というのはあるわけです。  そういう点で、私時間がないからここで一々申し上げられないんですけれども、会長は、そういう出向した人の労働条件とか、それから外部団体のいろいろな労働条件等々はよくよく御存じになっているのか。御存じになっておれば感想を聞き、もしまだ十分でないとお考えになれば、そういうところの状況なりを会長自身もよくよく調べてもいただきたいということを提起したいんですけれども。
  142. 川口幹夫

    参考人(川口幹夫君) 関連団体を設けた理由というのは、NHKの仕事を効率的にしようという面もあるんですけれども、もう二つありまして、一つは、放送番組というのはやっぱり非常に多様で多彩でなければいけない。NHKの中だけでつくっておりますとどうしてもいわば単彩になってしまうということがありますので、関連団体が外部の血を入れることによって番組の多様化を図るというふうなねらいもありました。  それからもう一つは、NHKで長年にわたって培ってきた一種のノウハウ、そういうものを外部に還元するという、そういう社会的意義というのも当然あったわけでございます。そういうふうなことがあわせてNHKの関連団体の設立の趣旨になっているわけですけれども、私は、その一番目のNHKの番組を効率的につくるという方に余りに大きな比重が行き過ぎたら、これはおっしゃるような批判を受けることになろうと思うんです。ですから、そこは十分にこれからも節度のある運用をさせていきたいと思います。  今の御質問の労働条件、制作案件のことですが、これは当然会長として常に全体を把握しておかなければいけませんので、なるべく細かく把握して、できるだけ条件が悪くならないようにすることをお約束したいと思います。
  143. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私、時間があればその労働条件の問題は少しここで実情も、私が聞いているのをお話ししたかったんですけれども、時間の関係でそれは会長にぜひやっていただくようお願いするにとどめておきます。  もう一つ、NHKに関連する問題で、これは郵政大臣を中心にお伺いしておきたいと思う問題は、国際放送の問題です。私は予算審議のときにも国際放送については質問をしましたけれども、NHKには放送法で国際放送を義務づけられているわけですね。NHKからいただいた資料によりますと、昭和二十七年には五時間だった放送時間が、平成三年度に四十八時間にふえている。この間、国際放送の費用は四千六百万円から七十九億九千五百万円に膨れ上がっております。政府の交付金というのが当然あるわけですけれども、大体最近では二〇%ぐらいに大ざっぱに言うとなっているというふうに私は計算しているわけです。  これは郵政省からいただきましたけれども、放送法に基づいてこの国際放送の命令書が毎年出ている。この命令書というのも、私いただいて見ますと、これはいろいろ細かなことまで命令されている。「放送事項」だとか、あるいは「放送区域及び放送区域別送信空中線電力」というようなものから、「放送時間」、「放送に用いる言語」等々いろいろ命令が出されているわけですね。  それで、私が非常に疑問を持ちましたのが「国の費用負担」ということの関係です。「国の費用負担」というところで、「この命令の実施は、放送法第三十五条第一項の規定により国の負担する費用、四千六百三十六万八千円の範囲で行うこと。」というふうに書かれているんですね。範囲で行えというふうに書いてあるわけですね。ところが、NHKは大体この五倍ぐらい国際放送で使っていると。郵政省からはこの範囲でやれと。こうなると、この範囲でいい、NHKは要らぬことをしている、そこまで国は放送してもらわなくてもいいという趣旨なのかどうなのか、まず大臣にお伺いします。
  144. 渡辺秀央

    ○国務大臣(渡辺秀央君) それは、これ以上のことをやらないでいいということではなくて、郵政省の命令放送の範囲でおやりなさい、その範囲の分は郵政省が資金を負担します、要するに交付金でやりましょうと、こういうことなんです。先生は今逆の論法でおっしゃいましたけれども、それをまさに逆にお考えになっていただけばいいわけなんです。
  145. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私の質問も、まともにとるとどういうことになるかということですけれども、そうすると、NHKは国の交付金の範囲でやっておれば放送法上は無難で、それでいいということになるんでしょうね。全然やらなければぐあいが悪いでしょうけれども。この範囲内でやっておればサボっているということを郵政省はおっしゃるんですか、どうですか。
  146. 渡辺秀央

    ○国務大臣(渡辺秀央君) それは先生らしくない質問だと思います。それは要するに、NHKは公共性の団体であって、しかも一般視聴者から、国民から料金をいただいて、そして公正中立に国内で放送をやり、そして海外にいる邦人に対しても国内情報を提供していると、こういう業務を一つは責任の分担として持っておられるわけですね。命令放送というのは、郵政省として、NHKの普遍的なそういうもの以外に、これはひとつぜひやっておいてくださいよと、これはこの地方向けにこういう放送はやってくださいと。もちろんそれは放送法にもとらない範疇で、前提として当たり前のことですが。そういう意味でやる場合を郵政省の方の言うならば交付金、そしてNHKはNHKの設置の趣旨に基づいて、自主的に放送していくのはNHKの負担金でやっていくと。こういうことで、もう御存じのとおりでございます。
  147. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私の言いたいことはこれからですけれども、つまり、日本の国際的な地位が向上したとかいろいろ言われる。やはり日本を国際的にいろいろ正しく知ってもらう。また、海外にいる日本人もふえた。そこへ日本の情報も提供しなくちゃいかぬと、大体二つの理由が国際放送については書かれている。その必要性というのは一層強まると思うんですね。ですから、NHKとしては、この放送部分というのは今後もっともっとふえることになると思うんですね。  問題は、NHKは公共放送ではあるけれども、NHKだけの事情によをものではなくて、私は日本自身にとっての問題だと思うんですね。ところが、国際放送というのは受信料が取れない放送だと思いますね。NHKは海外まで出かけて受信料を取るわけにはいかないわけですからね。そうすると、一般の視聴者の負担で、そういう当然国がやるべき国際放送の大部分を負担させられるという形になっているわけですね。  これは全体の額が低い時期、NHKの中の比率も、この間資料をもらいましたけれども、まだこの国際放送が一割も二割も占めるというわけではありませんけれども、比率は別として、この部分というのは今後とも一層ふえるだろう。一層ふえるときに、NHKの経営の将来の見通しがもとでいろいろゆがみや何かが生じて、商業主義だとかどうとかいろいろな問題が出たこともあるわけですね。  私は、そういう国際放送というのが日本の国として当然責任を持つべきものとして今後ふえるということになれば、それをNHKの受信料、視聴者の分担でそこを支える、その部分も僕はあってもいいと思いますけれども、全体としては、二割の範囲でやれという命令じゃなくて、やっぱり命令したからにはその放送について国がその費用は、大きく言えば全体見るのかどうなのか、私はその基準まではここでは言いませんけれども、命令放送でこういう仰々しい命令を出してやらせたからには、そこの部分はやっぱり政府がもっと責任持つべきであると、そう思うんです……
  148. 渡辺秀央

    ○国務大臣(渡辺秀央君) ちょっと勘違いしておられる。
  149. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 勘違いじゃない。放送は区別なしにやっているんですから、命令放送部分とそうでない部分が区別してやられているわけじゃありませんからね、と私は思います。
  150. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 吉岡君、時間でございます。
  151. 渡辺秀央

    ○国務大臣(渡辺秀央君) もう時間が参りましたから簡潔に申し上げますが、一つは、命令放送をお願いする場合には、それに見合うすべてを交付金として見ています。  しかし、前段、吉岡委員がおっしゃいました点に関して、私は先ごろのこの委員会の席におきましても国際放送のこれからの充実強化を図る方針ということは前もって申し上げていることでありまして、NHKにそれらの部分を、いわゆる荷物を余りにも背負わせてはいけないということも先般、お調べになっていただければわかると思うんですが、私の答弁の中にあるはずなんです。ですから、これは余り政府の方から強要してもいけないことでもありますし、そこの限界ということを考えながら、かつまたNHKの方でも御努力をいただいて、この国際化時代に対応していく国際放送、あるいはまた海外の邦人に対すも放送、あるいはまた海外各国の皆さんに日本の実情を放送を通じて理解してもらう、そういったことについてのこれからのいよいよの重要性と、そしてまたこれからの期待というものを考えながら、我々としてはこの予算確保について今後とも努力をいたしてまいりたい。そういう中で先生のおっしゃる問題解決の方向を見出していきたい、こう思っております。
  152. 足立良平

    ○足立良平君 私は、最初にNHKの方に少しお聞きをいたしまして、後ほど郵政省の方の放送の業務の関係でお聞きをいたしたいと思っております。  まず第一点は、これは営業関係の問題でございますが、平成元年度とそして二年度の決算をずっと拝見をいたしておりまして、この中で、受信料の関係についてでございますが、平成元年度は受信契約の目標が四十五万件の増を目標にされておる。実際は三十五万件くらいでしょうかね。それから平成二年度は、三十三万件の目標に対してこれはむしろ目標をオーバーしている。大変に難しい状況の中で目標を一応平成二年度は達成されておる。そして、先ほどの同僚議員の質問の中で、平成三年度も目標を達成したと、こうお聞きをいたしたわけであります。  考えてみると、受信料の関係というのは今までもこの逓信委員会でよく議論がされているわけでございますが、この受信契約というものをどんどん増加させていくということはNHKにとってみたら大変これは重要なものである。まして、NHKの事業予算といいますか、事業費は受信契約が一番基礎になりますから、私は大変重要なものだろうというふうに思っていますし、これはさらにNHK側でも努力をしていただかなきゃいけないだろうというふうに思います。  そういう前提を置きながら、ただ考えてみますと、日本の人口動態というものを考えてみると、世帯数というものはだんだん伸びが鈍化してきている。そして社会的な人口の移動というものも、単身赴任であるとかあるいは共稼ぎのなにであるとか、そういうことになってくると、一般的には、面接してどんどんこれをふやしていくことは、これはもう何ぼでもコストをかけて、深夜に家庭訪問すればできるというのは、これは理屈上は言えるんでしょうけれども、実際的にはなかなか難しい問題なんです。そのコストあるいは経費と、そしてこちらの収益の問題と考えてみても、どこに分岐点があるんだろうというふうな問題は、私は早晩突き当たってくるのではないかというふうに思うんですね。  今までの資料をずっと拝見いたしておりますと、昭和六十二年以降NHKは外務職員の採用をストップしているというふうな資料も私は見たことがあるわけであります。そういう面で将来的に、そういう大変制約条件の多い中で、この種の受信契約というものをさらにふやしていくことは本当に可能なのかどうなのか。建前としてはこれが中心でありますからふやしていかなければならない。この建前は私は毫も揺るがすことはできないと思うんですけれども、将来展望を考えてみると、NHKとして一体この辺をどのようにお考えになっているのか、ちょっと考え方をお聞きかせ願いたいと思います。
  153. 諏訪恭也

    ○参考人(諏訪恭也君) 受信料制度のよって立つ基礎は、もちろん放送法三十二条にございますけれども、それのざらに背景になっているのはやはり視聴者の受信料の支払いの習慣といいますか、これだと私どもは思っております。六十数年間NHKは受信料をいただいてきて、国民の間にかなり受信料の支払い習慣というものが定着してきておるというふうに思っております。  もちろん、先生の御指摘のように、世帯構造の変化、殊に単身世帯の増加、これは私どもの営業対策をやる上において、面接は困難というふうなことで大変私どもの営業活動のウイークポイントでございますけれども、この単身世帯がこの間の国勢調査によりますと五年間で世帯増の約五五%を占めているということがございますし、共稼ぎを含めますと全世帯の四〇%を超すということにあります。そのほか、例えば対価意識の高揚だとかということを含めて、営業活動の環境は非常に厳しくなるということは私ども感じております。  それで、今後受信料制度を維持していくポイントとして私どもが考えておりますのは、視聴者の支持を得るということからいいますと、受信料を集めるのにお金がかかり過ぎるということのないようにしていかなきゃならない。それからやはり公平に皆さんが負担しているという状況をつくっていかなきやならない。まさにこれは二律背反でございますけれども、その重要な課題を克服していかなきゃならないということから、受信料を集めるのになるべく効率的に集める方法を考えたい。それが一つは、足で稼ぐといいますか、訪問対策をしなきゃならないという構造を、なるべく訪問対策以外に置きかえるという形を基本的にとっていきたいものだというふうに考えております。  そういうことで、現在持っているパワーをそのほかのものにシフトしながら、公平負担といいますか、業績確保という面に向けていきたいと考えております。
  154. 足立良平

    ○足立良平君 確かに答弁としてはそういうことに相なってくるんでしょうけれども、これは実際難しい問題だろうと思うんですが、効率的に考えるという面からいたしますと、これはできるかどうかちょっとわかりませんけれども、電話料金というのはほとんど今振り込みになっているんでしょうが、公共料金との関係とか、これはいろんな個人の秘密の問題もあるんでしょうけれども、水道であるとか電力であるとかあるいは電話であるとか、もう少し将来的にその種のものが一体としてどのように考えていけるのかというふうな、やはりこういう複雑な社会構造になってまいりますと、今までの体制と同じ考え方で、深夜に訪問して云々の物の考え方だけでいいかどうか、こういう点が私は近い将来出てくるのではないかというふうに思っておりまして、一つのこれからの検討の課題として私は一応ここでは提起をしておきたいと思うんです。  もう一点、次にちょっと違う課題でございますが、要員の関係なんです。  NHKの職員の皆さん方の関係なんですが、私NHKから出されておりますパンフレット等ずっといろいろ拝見させていただいておりますと、NHKとして効率的に運営をしていかなきゃいけない、こういう観点で、例えば一万五千名体制を早急に確立をするんだという文言がずっと並んでおります。最近になりましたら、もう既に一万五千名を切っちゃって一万三千名台に入ってきている。一万四千名を切っちゃっている。  これは正直申し上げて、NHKがどれだけの職員でいけるのかどうか、私まだ十分把握し切れておりませんからちょっとお聞きをいたしたいと思うんですが、これだけの情報化社会の中でこういう放送のメディアというものは、要求される質の面からいたしましても、相当やっぱり要求度合いが高くなってくるものだろうというふうに思います。それと、前回の逓信委員会でも申し上げたんですけれども、日本の放送業界の中でNHKの持っている公共性という面からすると、他のメディアよりもより質の高いものを維持するということがNHKの公共性のゆえんではなかろうかというふうに私はこの前申し上げた記憶がございます。  そういう点からいたしますと、どんどん要員が減ってくるということは、一体NHKさんとしてこれからどういうふうな考え方を持って、そしてある程度効率化ということとの兼ね合いの中でやっていこうとされているのか、ちょっと理解がその点でしにくいわけなんですが、この点に関しましてNHKの考え方というものをお聞きをいたしたいと思います。
  155. 安藤龍男

    ○参考人(安藤龍男君) 受信料で運営されておりますNHKにとりましては、いつの時代でも効率的な業務運営というのは最大の経営課題であろうというふうに思っております。そういう意味で、昭和五十五年からずっと効率化の努力をしておりまして、およそ十年間で二千名の要員を削減して、一万五千人体制を平成元年に達成いたしました。  現在進めております経営計画、平成二年度からの五カ年計画でございますけれども、これによりましても、さらに業務体制の刷新を一層進めまして、コンパクトな体制を目指しております。この計画では、一年三百名程度の要員削減を行いながら、二百億円以上の人件費の削減を図ろうというのがこの計画でございますけれども、この計画が達成した後の要員体制について、どういう体制が適正なのかというのは非常に申し上げにくい。といいますのは、今後、サービスをどういうものを行っていくかということと密接不可分でございますし、そういうことで具体的な数字は申し上げにくいわけでありますけれども、多メディア時代における公共放送としての役割というのを今後十分に果たしていくというために必要な制作力とか、取材力については確保していかなきゃいけない。これが経営の最大の課題であろうという認識を持っております。  そういう意味で、こういう人手不足というような状況もございますし、そのためには協会の中での要員のシフトといいますか、管理、間接部門から放送部門の方へ要員を移していくとか、あるいはまた関連団体だとか、あるいはまた多様な外部のパワーを積極的に活用することによりまして、これから協会に期待される情報なり放送サービスを実施する体制を整えていきたい、こういうふうに考えております。
  156. 足立良平

    ○足立良平君 さらにお聞きをいたしたいと思うんですが、これはちょっと会長にお聞きした方がいいのかもしれません。これも先ほど同僚議員から出ておるんですが、出向者の関係です。  昨年この逓信委員会で私もちょっと質問をさせていただいたわけでございますが、出向者というのは、ことしの六月現在で九百名にも達しているというふうに統計を見させていただいております。これは昭和六十年でありますと三百十名くらい。これが年を追いまして、六十一年が四百名、そして六十二年が四百六十名、そして平成元年が六百九十名、そして二年が約八百名強というふうに出向者というのは漸次ふえてきている。そういう状況を私は見させていただいております。  昨年の逓信委員会でも、特に制作陣の空洞化の問題というものを、会長がかわられたときにその種の発言をされているわけでございます。そういう観点から、出向の問題も含めて、会長の表現をかりるとするなら、「どこでどのような仕事をさせるのかという選別だとか、そういったことを基本的に点検し直す。」、このように本逓信委員会で答弁をされているわけであります。  一遍にこの種のものというのは、出向者の点についても変化するものでは、人事というのはないと思います。しかし、従来の出向者がふえてきた度合いというのは、会長が就任された以降もほとんど変化していないというより、漸次ふえてきているのではないかというふうに数字の上からは判断できるわけでございます。そういう面からいたしますと、前にお聞きをいたしておりましたような会長のお考え方と、そういう実数というものは少し乖離しているのではなかろうかなという感じを受けるんですが、この点いかがでしょうか。
  157. 川口幹夫

    参考人(川口幹夫君) 足立先生の御質問のとおり、一種の空洞化が進んだという認識を実は私はいたしました。空洞化というのはどういうことかといいますと、三百人が四百、四百が八百というふうに外部関連団体に出向する者がふえますと、いわゆる働き手がNHKの中から出ていきます。そうすると、これはざれごとですけれども、父と子の何とかかんとか、ひところそういうことが言われたぐらいに、高齢者と若手の新入社員というふうなものだけで番組をつくらなければいけないというような状況もあっちこっちで起こっておりまして、それが一種の空洞化を招いて、かえって番組制作には大きな障害になるというふうなことが起こっていたように思います。それは私は最も警戒するべきことであって、関連団体をつくったといっても、先ほど申し上げましたように多様な番組をつくり上げることが目的の一つでありますから、そのためにはどうしてもやっぱり物をつくっている人間の問題というものが一番大事になります。  そこで、これはもう積極的に空洞化を埋めていく努力をしようということで、ことしも六月五日に管理職の異動をやりました。その後七月にまた一般職の異動をやりますけれども、そういう中で、出向については、いろんな問題を勘案した上で、数としてはふやさない。中の人たちも関連の方でも、いい仕事ができるような体制というものを何とか考えようということを基本にしてやっていきたいと思っております。
  158. 足立良平

    ○足立良平君 次にちょっと郵政省の関係についてお聞きをいたしたいと思います。  NHKの難視聴の世帯数ですが、従来ですと十万世帯ということをよく言われていたわけでありますが、この前、これもまた逓信委員会でさらに調査をしたいということの答弁を得ていたわけでございますが、調査の結果は大体どのくらいの世帯数になっていたのか、ちょっとその点お聞きをいたしたいと思います。
  159. 小野沢知之

    政府委員(小野沢知之君) お答え申し上げます。  平成二年度から平成三年度にかけてのサンプリング方式による実態調査の結果が得られたわけですが、これは郵政省が財団法人のNHKエンジニアリングサービスに委託したものですが、その結果によりますと、NHKテレビジョン放送の辺地難視聴世帯数は約七万世帯と推定されておりまして、着実に減ってまいっております。
  160. 足立良平

    ○足立良平君 きょうは急にここの委員会が始まりましたので、私も十分調べ切ってないので、今までのやつをフォローする委員会みたいな格好になってまことに申しわけないんですが、この難視聴対策につきまして、これも先回の逓信委員会で、従来これは難視聴対策十万件を早急にやっていこうということで、三十億円の基金を設立してやっていこうといたしていたわけですね。ところが、実際の機器の金額というものも相当下がってきている。あるいは難視聴の実際の数も相当減ってくるとすると、従来の、本人負担が二分の一で、それから国が四分の一で、地方自治体が四分の一というふうなことでなしに、もう一気に国として補助を大幅にふやしてやっていったらどうかということを私は提案をいたしました。  それに対して、これは郵政大臣、さらに実態を調べて一応検討してみよう、こういう御答弁を先回の場にいただいているわけであります。私が先ほど申し上げたような事実というのは、やっぱり難視聴の件数も減ってきているし、機器もさらに価格は低くなっているわけですから、そういう面でこの助成措置の見直しというのをもう一度真剣に考え直す、こういうことが必要なのではないかというふうに思うんですが、いかがでしょう。
  161. 渡辺秀央

    ○国務大臣(渡辺秀央君) この基金制度、今お聞きしておりまして、実は私のところもこの制度というのがあることを知らないで、私が大臣になってから初めて適用させていただいたということを今思い出しました。こういう制度があるとなりますと、実際問題として、利用者というか地方自治体はむしろ積極的に取り組んでくれることは事実だと思うんです。ただ、足立委員のおっしゃる、全体像が非常にコンパクトになったね、したがってもうそれぐらいのことはという段階であるかどうか。地域によりましてかなり費用がかかるところもあるかもわかりませんし、もう少し検討しながら前向きに取り組んでいく時期であるのかなという感じでございます。  この制度は、ここのところ利用度が大幅に増加している。平成二年度の八・五倍ぐらいになっていますね。第二期の段階だというふうに位置づけまして、これから制度に関する意見を集めて、地方自治体の負担に関する点とかあるいは補助金交付の手続の簡素化であるとかというような問題につきまして、もう一層ひとつ検討させていただきたいと思っております。
  162. 足立良平

    ○足立良平君 大臣、この前も私申し上げたんですが、これは補正予算でやったんですね。あのときにも私も議論の中に入ったんですが、地方自治体も大変積極的なんだということを郵政省はおっしゃっているわけですね、あのときの議論として。ところが、難視聴地域あると言われておるところの市町村といろんな話をいたしますと、担当者自身は全く知ってない。ですから、こういう制度があるということが実際わかってないという面もあると思うんです。  その面では、先ほどもちょっと議論として出ておりましたけれども、法律をつくるときの郵政省の認識と法律ができた後の問題点というのは現実問題として相当開きがあるということでございますから、したがってそういう面では、いつまでもこれを何年計画、十年計画あるいは十五年計画でやっていくような代物では私はないだろうと思います。そういう面でひとつ思い切った、これは法改正をしなくていける問題ですから、そういう点でひとつ前向きに検討していただきたい、私はこのことをお願いしておきたいと思います。  次に、これは山田議員の方から提起された問題でございますが、都市部における受信障害の関係についてでございます。一万の僻地における受信障害というのはそういうことでどんどん件数が少なくなっている。都市部においては受信障害というものはどんどんふえてきている、こういう状況でございます。これは私は事前には質問通告をいたしておりませんでしたけれども、言ってみればこれは高層建築の問題だろうと思いますけれども、これもいろんな点についてちょっとお聞きをいたしますと、昭和五十一年の三月に郵政省として指導要領というものを一応持たれて、そして指導されているというふうにお聞きしているんですが、この内容が現在の郵政省として都市部の受信障害に対する指導の要領になってそのまま生きているというふうに見てよろしいんでしょうか。
  163. 小野沢知之

    政府委員(小野沢知之君) お答え申します。  今先生御指摘のとおりでございまして、これが都市部における難視聴対策のいわば憲法というような働きをしてまいりまして、この十何年間でこの原則に基づいていろんな事態が解決されてきている、そこまで来た、こういうことでございます。
  164. 足立良平

    ○足立良平君 私も実は五十一年時点のこの要領をずっと一回拝見をいたしました。この内容というのは私も全くそのとおりだろうというふうに思います。特に都市部における受信障害というものがどんどんふえてきているということは、これはこの中にもはっきりされていますように、原因者の責任主義といいますか、原因者が負担をしていくという原則というのは、これは私は守っていかなきゃいけないだろう、これはきちんとしていく必要があるだろうと思うんですね。  ただ、この原因者が特定しにくい状況にどんどん今なってきておる。こういう実態からいたしますと、この指導要領だけで原因者云々ということはできないわけです。その場合の郵政省の考え方というものはどういうお考え方をされているのか。特定が困難なケースがもう今どんどんふえてきているということに対して郵政省は一体どのようにお考えになっているのか、お聞かせ願いたいと思います。
  165. 小野沢知之

    政府委員(小野沢知之君) 昨年、難視聴対策のことをいろいろ考えたんですが、辺地難視聴が一定の見通しがついてまいりましたので、これからは高層建築物等による都市を中心とした受信障害対策に力を入れるべきだというふうに考えました。そこで、平成四年度以降の重要施策の中にもこの問題を掲げるということに踏み切ったわけでございます。  今先生御指摘のように、この十何年か原因者負担主義の原則を定着させることに懸命になってまいりまして、ようやくそうなってきたんですが、いわゆる複合障害ということで、原因者の特定が困難でかつ地域がだんだん広くなっていくというふうなところへまいりましたから、今御指摘のありました指導要領だとかそういったことも含めて、これを改めて総合的に勉強して、調査研究をして基本的な対策を立てるべきじゃないかということで、来週二十五日に調査研究会を行うわけでございます。  くしくも、さっきお話のありました指導要領作成の原点となりました、原因者負担主義に関する調査研究のときに手がけていただきました、座長をしていただきました塩野宏先生が今度快くお引き受けくださいまして、十何年間のいろんな経緯を踏まえて、いろんな問題点を踏まえて取りまとめていくということで、各界からの大勢の人々が参加してくださることになっております。  恐らく、各界の有識者の人で権威のある方々ですから、いろんな議論をして妥当な結論を、今お話のありましたように何年もかかってということじゃなくて、早い問に結論は得たいというふうに考えておりまして、ことしの秋には中間報告在得て予算折衝等に反映できるものは反映させる、それから十二月末には最終報告書を得てとか、そういうピッチを上げて対策を講じなければいけない問題だというふうに考えております。
  166. 足立良平

    ○足立良平君 わかりました。早急に結論を出していただきたいと思います。  これはもう答弁していただかなくて結構ですけれども、これをずっと拝見しておりまして、これはおもしろいことだ、おもしろいことと言ったら大変失礼なんですけれども、こういう文章がこの指導要領の中に書かれているわけです。昭和四十八年の六月にテレビジョン放送難視聴対策調査会を設置して、そしてこういう指導要領をつくられているわけですね、郵政省として。ちょっと読ましていただきますと、「受信障害が多発し、かつ、その原因が複合する地域について、受信障害の制度的解消を図ることが必要である旨指摘されている。郵政省は、同調査会の検討結果をも参考として受信障害解消の具体的方策を検討しているが、制度的解消を図るためには、立法上の措置等が必要であるためこ云々ということでずっとこう書かれているわけです。  四十八年といったら石油ショックのころなんですね。それ以降日本の経済というのは、さらに東京の一極集中が進んでいく。そしてまた、東京を中心にして大都市は大変高層建築というものがその時分を契機にどんどんどんどんなってきているわけですね。ですから、そういう社会的なあるいはまた経済的な変化が四十年代の後半から我が国の中に相当進んでいるときに、その方策というものを、既に方向性は郵政省として持っているけれども、何かしなきゃいけないなということも考えているけれども、この十数年間あるいは二十年間近く郵政業務の中でこの問題について全然一つも前に進んでいないということは、一体どうだったんだろうかなという感じを私は実は受けたわけです。  小野沢局長がこのポストに座られたのはつい最近ですから、その責任をどうこう言うつもりは全くございませんけれども、郵政業務というのはちょっとそういう面で、経済社会がどんどん進んでいっているのにちょっと後手後手になってきているんではなかろうかというふうに、これはひょっとしたらこれだけかもしれませんよ。ほかは全部進んでおるのかもしれません。そういう感じを受けたことだけ申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
  167. 川口幹夫

    参考人(川口幹夫君) 足立先生の御質問に対して私ちょっと不正確な表現をしましたので訂正いたします。  出向者の数の問題で、制作の空洞化をさせないために出向者をふやしませんということを申し上げました。これは制作についてはそうなんです。ただし、出向者全部というのは、営業関係の営業サービスというのがあります。それから技術の関係があります。こういう人たちについては若干の出向者の数はふやさざるを得ませんでしたので、それだけは一つ訂正しておきます。
  168. 足立良平

    ○足立良平君 わかりました。
  169. 渡辺秀央

    ○国務大臣(渡辺秀央君) せっかくの足立先生の御提言をいただきましたから、拳々服膺して今後一生懸命やっていきたいと思っております。
  170. 下村泰

    ○下村泰君 先ほどから伺っていて実はびっくりしたんですが、三重野委員からでしたか御質問があったときに、オリンピックの放送権料が四十四倍になったと。四十四倍にもなった金額というのは、これはIOCが運営費に使うんですか、それともあそこにいる委員が勝手にぽつぽに入れちまうんですか、NHKの方にはおわかりにならないと思うんですが。私はオリンピックの放送でいつかここで申し上げたことがありましたけれども、あのモスクワ・オリンピックのときの契約書を見ると、日本がまるではかにされた契約書で、あんなびっくりした契約書を私見たことがない。これはたしか川口さんも御存じだろうと思いますけれどもね。  それを私が決算委員会で質問したときに、一体その資料はどこから手に入れたんだなんて言われたこともございました。言った方はテレビ朝日のもう亡くなった方ですからどうのこうのありませんが。あれから四十四倍、これは大変な額だと思うんですが、その割には出演料は上がっていないんですね。そのくらい上がるとありがたいんですが、私はここのところ出たことありませんから。  それはこちらに置きまして、恒例によりまして、これは私が勝手に恒例によっておるんですけれども、字幕放送についてまた伺いたいと思います。  去る三月二十七日の当委員会で、NHKの中村さんでしたよね、字幕放送が進まない理由として費用、時間、要約者を挙げられたわけです。私がこの三つの中で最も問題だと思うのは要約者の問題だと思うんです。  そこで、厚生省にまた来ていただいたんですが、いつも御足労、本当に御苦労さんだと思います。そこで伺いますが、現在の要約筆記者養成事業の現状について、実施都道府県、登録者数などについてひとつ教えていただきたいと思います。
  171. 松尾武昌

    ○説明員(松尾武昌君) 先生の御質問は、手話ができない中途失聴者、難聴者の方の要約筆記という意味に理解させていただきまして、この現状について御説明させていただきます。  中途失聴者、難聴者のコミュニケーションの手段としてはまさに要約筆記が大事でございまして、障害者の明るい暮らし、これはメニュー事業でございますが、この中で要約筆記奉仕員の養成事業、これは五十六年から開始をいたしました。それから要約筆記奉仕員派遣事業を六十年から開始しております。  この要約筆記奉仕員の養成事業につきましては、四十七都道府県市、全県というと五十八都道 府県指定市ありますので、若干やっていないところがございまして、四十七都道府県市で実施しておりまして約千人ぐらいがその講習を受けております。それから要約筆記奉仕員の派遣の方でございますが、これは若干減りまして三十二都道府県指定市でございますので、実施していない県が少しあるということでございます。  こういう状況でございますので、私ども、要約筆記奉仕員養成事業あるいは派遣事業の充実について、今後もっと力を入れていきたいというふうに考えております。
  172. 下村泰

    ○下村泰君 それはもちろん、今あなたがおっしゃったように、この要約者についての資格制度というのは、字幕放送のためだけでなく、中途失聴、難聴の方々で手話のできない方、こういう方々に必要なわけですが、厚生省はそのあたりをどうお考えですか。また、全国的に技術レベルというのは一体どうなっているんですか。
  173. 松尾武昌

    ○説明員(松尾武昌君) 技術的といいますか、きちんとした統一的なレベルで標準的なものを示しておるという状況ではございませんで、各都道府県の中でベテランの方々に講師になっていただきまして養成事業をやっているという状況でございます。
  174. 下村泰

    ○下村泰君 実際に技術レベルにはばらつきがあって、そして要約者の確保も困難だと思います。今後、資格制度も含め、手話のわからない難聴者のためにも要約者の養成は極めて重要でございます。字幕放送を拡大する上でも必要になってくると思うんですが、今後の対応について、しつこいようですが、厚生省、ひとつもう一回お答え願いたいと思います。
  175. 松尾武昌

    ○説明員(松尾武昌君) 先生御指摘のとおり、要約筆記につきましては、ある意味では身体障害者福祉対策の中では非常におくれているといいますか後発部隊でございまして、これから相当力を入れなきゃいけない事業だというように思っております。つい先般、全国の難聴者、中途失聴者の団体を設立いたしまして、こういう団体を通しまして、今先生の御指摘のような問題につきましては十分研究してまいりたいと思っております。
  176. 下村泰

    ○下村泰君 ひとつ一段と御努力をお願いしたいと思います。厚生省さん結構です。  今のような状況下ではなかなか要約筆記者は育ちません。聴力障害者情報文化センターで一生懸命やっているようですけれども、これだけでは不十分です。NHKとしてもこうした点についてどんどん要望されていくということが大切じゃないかと思います。待っていたのではちっとも前に進みませんから、ぜひ主体的に取り組んでほしいと思います。  ここでひとつ御説明を願いたいんですが、ハイビジョンや衛星放送における字幕放送の現状について教えてください。
  177. 中村和夫

    参考人(中村和夫君) ハイビジョン、衛星放送の字幕放送でございますが、ハイビジョン放送での字幕放送というのはまだ方式、利用その他について技術的な問題がクリアされておりません。そこがまず第一だと思います。衛星放送についても字幕放送はまだいろいろな問題がございますので、今は主として総合テレビということになっております。
  178. 下村泰

    ○下村泰君 もう一つ、手話のついた番組について、その現状、実態について教えてください。
  179. 中村和夫

    参考人(中村和夫君) 手話の番組でございますが、昭和五十二年四月から教育テレビで「聴力障害者の時間」というのを放送を始めております。手話を初め口話、指文字、字幕スーパーなどさまざまなコミュニケーションの方法を取り入れているということでございます。放送日は日曜日の午後七時四十分から七時五十五分でございます。  それから、平成二年の四月から教育テレビで「きょうのニュース 聴力障害者のみなさんへ」という番組を提供しております。月曜日から金曜日まで午後七時五十分から八時までの十分間、土、日それから祝日は七時五十五分から八時ということになっております。  それから、同じく平成二年の四月から教育テレビで「みんなの手話」という番組を編成しておりまして、ボランティア活動を志す人たちを対象に手話で表現するための入門講座というのを放送しております。これは月曜日の午後六時半から七時まででございます。  手話の番組については、一週間の放送時間が一時間四十五分ということになっております。
  180. 下村泰

    ○下村泰君 手話つき番組については今後機会を得て伺ってまいりたいと思います。  政見放送への手話通訳導入、それから字幕スーパーの導入というのは聴覚障害者の参政権にかかわる問題だと思います。現在研究会で検討中と言い続けて何年になるんでしょうか。そして、通常番組への字幕の拡大などは、私は、NHKとして、公共放送を行うものの使命として、具体的にどうすればすべての視聴者に伝えられるか主体的に提案してほしいし、研究、検討していただきたいと思います。法の壁というものがあったりしてやりにくいとは思いますけれども、ぜひお願いしたいんですが、ここでひとつ会長のお気持ちを聞かせていただきたいと思います。
  181. 川口幹夫

    参考人(川口幹夫君) 御指摘のように、字幕制作を委託している字幕制作機構の制作体制の強化とか、それから手話通訳者の確保、こういうものはNHKだけではとてもできません。したがって、関係者が力を合わせて将来取り組んでいかなければなかなか解決しない大変難しい問題だと思っております。ただし、先生おっしゃたように、私どもはみずからの問題としてもこれは真剣に取り組んでいこうと思っております。  それから、多重放送の受信装置を内蔵した受像機の生産の問題というものにつきましても、字幕放送の制作を行っている放送事業者の立場からすると、メーカーにこの取り組みをうんとやってもらいたいということを慫慂したいと思います。NHKとしては、関係各方面と緊密な連携を図りながら、身障者の方々の要望に十分こたえるような対応をできるだけやっていきたい、こう思っております。
  182. 下村泰

    ○下村泰君 ありがとうございます。  次は受信料の減免措置について伺いたいと思いますけれども、現在の減免の状況、対象、件数、額について教えてください。  次に、この措置を導入した経緯、それから対象を決める際の基準、特に世帯主が視覚・聴覚障害者の場合半額にしているんですが、これはどういうわけなんでしょうか、お聞かせください。
  183. 諏訪恭也

    参考人(諏訪恭也君) 受信料の免除につきましては、全額免除と半額免除がございます。全額免除につきましては児童福祉施設とか生活保護施設社会福祉施設、学校でございます。また、個人では生活困窮者、貧困な身体障害者等々、これが全額免除でございまして、全額免除の件数は八十八万八千件、免除額は百二十七億七千四百万円。それから半額免除につきましては、視覚・聴覚障害者、重度の肢体不自由者、重度の戦傷病者、合わせまして件数は三十一万二千件、免除金額は二十四億九千七百万円。合わせまして、受信料免除の総件数は百二十万件、それから免除額は百六十二億七千百万円ということでございます。  それから免除の基準、障害者に対する減免措置を導入した経緯でございますけれども、全額免除は昭和二十八年に生活にお困りの耳の不自由な方を対象としてスタートしまして、その後昭和三十七年に生活にお困りの身体障害者、昭和四十五年には市町村民税非課税の重度の精神薄弱者の世帯まで拡大し今日に至っております。また、半額免除につきましては、昭和三十九年に目の御不自由な方と耳の御不自由な方を対象として、昭和四十五年には重度の肢体不自由な方と重度の戦傷病の方にまで拡大し今日に至っております。  それから、免除対象を決める際の基準ということでございますけれども、NHKの受信料はテレビをお備えの方から等しく徴収することとしておりまして、公平負担が原則でございます。したがって、受信料免除措置は郵政大臣の認可を受けた基準に合致する方に限って認められる例外的な措置でございまして、社会福祉の通念上の合意が得られる最小限の範囲で行っているものでございます。このような趣旨のもとで小中学校や障害者など、教育施設社会福祉の分野に限定して免除措置を行っておるところでございます。  それから、世帯主が視覚・聴覚障害者の場合で受信料が半額になっている理由はなぜかということでございますけれども、先ほども申し上げましたように、受信料免除は、協会の公共的使命に照らしまして、社会福祉的、教育的見地から実施しているものでございます。免除のうち半額免除につきましては、先ほど申し上げました視覚、聴覚、重度の肢体不自由、または重度の戦傷病者である世帯主が設置した受信機が対象となっておりますけれども、その趣旨は、福祉面での厚い保護を必要とする方々に料金面での御負担を軽くすることで、より放送を楽しんでいただける機会を増大することが必要であるという考えから、協会の財政的事情も勘案して、一定の範囲の障害者の方々を対象に実施しているものでございます。  なお、全額免除につきましては、福祉事務所長等によって貧困と認定された障害者の家庭、または重度の精神薄弱と判定された市町村民税非課税の御家庭が対象となっております。  以上でございます。
  184. 下村泰

    ○下村泰君 今お話を伺ったんですけれども、テレビが見えないけれども音は聞こえる、音は聞こえないが画面が見えるから半額なのかななんと思ったりするんですけれども、もしそうだったらこれは大変な問題だと思います。以前、文教委員会におきまして学校の免除を廃止するという話が出て、私もそれには反対しました。それは、それにかわる措置、例えば自治体や国の助成などの対応の見通しがない中で一気に廃止するのはよくないという判断から反対したんです。  さて、現在、NHK、郵政省、厚生省文部省、法務省の五者から成ります放送受信料額免除問題に関する関係機関連絡会というところで免除措置について検討されているようですけれども、この検討状況とその経緯、今後いつまでにその結論が出されるのか、それについて伺いたいと思います。
  185. 小野沢知之

    政府委員(小野沢知之君) 放送受信料の免除問題につきましては、郵政省が主宰いたしまして、平成二年の十一月に関係省庁、法務省、文部省厚生省、NHK、それと郵政省五者によりまして放送受信料免除問題に関する関係機関連絡会を設けて現在検討中でございます。  この放送受信料の免除措置は、NHKの財政状況の悪化を契機にして、国会の審議や附帯決議等も踏まえまして、関係機関の協力を得つつ、昭和五十三年度以降放送受信料免除の廃止に向けて見直しか行われてきましたけれども、現在、小中学校とか社会福祉施設等が残っております。  そこで、政府及びNHKに対して、NHK予算の国会審議等におきましてその検討が求められたことから、ただいま申し上げましたような連絡会を設けまして意見交換を行ってきている、こういうことでございますが、この連絡会はこれまで数回開催しておりますが、免除問題に関する各機関の考え方、今後の進め方等につきまして意見交換を行ってまいりました。これはこの連絡会だけじゃなくて、それぞれの事情、特異性等もございますので、個別の意見交換も行ってきているところでございます。  なお、いつごろをめどに結論を得るかということでございますが、平成四年度じゅうを目途に、放送の普及という見地から行ってきました放送受信料の免除措置の趣旨にかんがみまして、その継続あるいは廃止等について整理を行っていきたいという考え方で今検討を行っているところでございます。
  186. 下村泰

    ○下村泰君 私は、障害があるから減免すべきだとは思いませんよ。ところが、先ほど申し上げましたように、例えば耳の聞こえない人にとって、目の見えない人にとって、字幕も手話もないテレビを見て、あるいは状況説明がないなど、本当に楽しんだり活用していると言えるでしょうか、今の現状で。そういう方々への配慮が万全でないとして、それで受信料を取るということはおかしいんじゃないかと思うんです。目の見えない人、耳の聞こえない人、その人たちがその状態のままで楽しめるだけの手当てをしているならば、これは当然受信料取って当たり前ですし、私は徴収せにゃいかぬと思っていますよ。だけれども、そういう方々に対して全然手落ちがあるわけですよね。足りていないわけですよ。  この間も申し上げましたけれども、アメリカのABCの副社長のジュリアス・バーナーという方が、利潤ベースの放送なのにマイノリティーサービスに取り組む理由を聞かれて、ライセンスを受け放送を出すというのは責任の重いこと、障害があろうとなかろうと、一人でも多くの視聴者に責任を果たさねばならないんだと述べているわけですよね。ましてNHKは受信料でやっているわけですから、その責任は民放より一層重いと思います。  すなわち、この受信料の減免の問題というのは、NHKがいかにその責任を果たしているかがまず問われなければならないと思います。その上で、十分果たしているということになったとき政策的な見地からの議論ができると思うんですけれども、いかがでございましょうかね。どうもポリシーというか理念がないように思うんですけれども、いかがでしょうか。
  187. 川口幹夫

    ○参考人(川口幹夫君) 下村先生おっしゃるように、この問題は非常に複雑で難しい問題を抱えております。私どもが実現していくにもまた難しい幾つかの障壁を抱えておりますけれども、あえてやっぱり乗り越えなきゃいけないと思います。そのために、おっしゃったような細かいことを今五者会議でいろいろ連絡をして早く結論を出したいというふうなところにきておりますから、今年度末をぜひお待ちいただきたいと思います。
  188. 下村泰

    ○下村泰君 それでは、次にマスコミと障害者ということについてちょっとお伺いしたいと思います。  心の病のある方、すなわち精神障害者と言われる人々に対する報道姿勢について、何度もお願いしているんですが一向に改まらないんです。心に病のある方が例えば犯罪を犯した場合、どういうお気持ちで報道されていらっしゃるのか、ちょっとお聞かせください。
  189. 中村和夫

    ○参考人(中村和夫君) 精神障害者による犯罪報道については、そういう障害を理由に刑事責任が問われないという場合や軽減されるということもございますので、障害者が逮捕された場合でも匿名で報道するということをやっておりまして、障害者の人権に配慮をしているということでございます。NHKとしても、精神障害者に対するいわれのない偏見につながらないような報道、その内容については十分な配慮を行っていきたいというふうに思っております。
  190. 下村泰

    ○下村泰君 例えば入院歴があるとか分裂病だといったことが殊さらに、ちょっと何か事件のあったときに、これこれこうだったああだったということをよく言うんですよね。そうしますと、ブラウン管を見ている人は、ああやっぱりそうだからこういうことになったのかなんて、そういう感覚になるんです。こういう心に病のある方の犯罪と一般の健常者の犯罪と比べたら全然違うんですよね。それこそ〇・何%しかないんですよ。それがこういう方々がちょっと犯罪を犯すと、それ見たことかって取り上げるんですね。ですから、こういう人間を野放しにするとどうのこうのというようなことにすぐなるわけです。  ところが、こういう方たちというのは非常に気の小さい方が多いんですよ。本当に神経の弱い方がこういうふうになるんですからね。そういうところをひとつ思いやっていただいて、これからひとつ十分に気をつけていただきたいと思います。  今度ちょっと知恵おくれの方について伺いたいんですが、先ほど三重野委員からでしたか御質問がありました。この間私も伺いましたけれども、NHKさんは障害者の雇用率は一・四二%、大変すばらしいと思います。ただ、知恵おくれの方のことについては、この間もお伺いしたところが、たしかこういうお答えがありました。「協会は今効率的な業務運営ということで要員を削減しておりますし、放送事業という特殊性というものもございまして、精神薄弱の方の雇用増を図っていくというのは容易でないと思いますけれども、今回の調査の趣旨は十分理解いたしております。今後とも研究をさせていただきたい」、こういうふうにお答えになっているんですけれども、この「放送事業という特殊性」という文言と「容易でないと思います」というのは、これはどういう意味なんですか。ちょっと伺わせてください。
  191. 安藤龍男

    ○参考人(安藤龍男君) 前回の委員会で下村先生の御質問に対して私がお答え申し上げた次第でございますけれども、確かに協会は要員削減といいますか、効率化を実施しているということの御説明を申し上げたわけですが、その背景には、協会がかなり社会的な分業を推進するというようなことで、協会の中で行う業務というのは極めて制作、取材体制ということになってきておりまして、そういう意味で要員も削減をしているということで、現在の状況について御説明を申し上げたわけでございますけれども、精神薄弱の方の適性といいますか能力というものに応じた仕事、あるいは職場というもので活躍をしていただかなきゃいけないという認識は私どもも持っております。そういう中で、企業としても障害者の能力、適性にふさわしいそういう仕事や職場というものを見つける努力をするということも必要だという認識も持っているわけでございます。  協会としましては、前回も先生にお答え申し上げましたように、放送事業においてもそういう仕事があるかどうかということで研究させていただきたいというふうにお答えを申し上げたということでございます。
  192. 下村泰

    ○下村泰君 研究をするということなので、それ以上私も突っ込めませんけれども、もちろん実際に知恵おくれの方々にも程度があります。ですから、その程度に応じて仕事ができるかできないかを検討してみてください。実際に養護学校を出ている方、あるいは通常の学校でもって特殊学級で教育されている子どもさんたちもいます。そういうお子さんたちも、使い方という言葉は失礼かもしれませんけれども、雇用の仕方によって十分に普通の人間と同じように、健常者と同じように仕事ができないことはないんです。  私も今までこういうことに携わってまいりましたのでいろいろ調べていますけれども、代々木にラーメン屋さんがあるんです、中華料理屋さんが。名前は香蘭といいましたか。そこで障害者で知恵おくれのお子さんだけを使っているんですよ。時にはラーメンのおわんは割るわ何やるわ、勘定させるとお金が足りなくなるわ、余計出し過ぎるわ、余計もらっちゃうわでもうてんてこ舞い。それがある程度、一定の教育者がきちんとついてやっているうちにきちんとできるようになったんです。ちゃんとその事実があるんです。  だから、やり方によって、教え方によって、指導の仕方によって、NHKにもいるでしょう、きっとそういう方を好きな方が。そういうのを指導してみたいなんという、教育の任に当たってみたいなんという方がいるかもわかりませんよ、NHKはあれだけの人数がいるんだから。中には随分余計なやつもいるけれども。そういう人たちをひとつ教育係にしてやってみたらどうですか。実際にやってみないで、ただこれから研究しますとか、やれ特殊性がどうのこうのと、それはもう逃げ口上ですよ。  NHKさんがそれこそ先鞭をつけてくださればどのぐらい社会がよくなるか。そのことについては川口会長とあわせて大臣等の意見をお聞きしたいと思うんですが、もう大体お答えが見えていますから伺いませんけれども、とにかくやってみてください。川口さんよろしくお願いします、うなずくだけで結構ですから。大臣やらせてみてください。もう間もなくお別れになるかもわかりませんけれども。  それで、いわゆる障害があるから障害者ではないんですよね。その障害を受け入れない社会があるから障害者になる、こういう言葉もあるんです。それから、障害者で生まれたから悲しいんではない、日本に生まれたから悲しいんだという言葉もありますよ。そのくらい日本という国はそういうことに対してよくないんです。  ただ、文句ばかり言っていてもあれなんですけれども、一つだけ、私は感激してこの間テレビの前でおじぎしちゃったんですよ。この間、僕はよくケチケチケー、ケチケチケーと悪日言うんですけれども、NHKスペシャルで「あなたの声が聞きたい」という番組が放送された。植物人間になった人、この植物人間になった人を医者が全部見放してもうだめだとさじを投げた。その人たちを引き受けているのが札幌市の効外の脳神経外科病院、これを半年にわたってリポートしたらしいんですけれども、これを見ていて私は感激したんです。  とにかく、ほっておいたらもうそのままになってしまう。だから無理やりに起こす、座らせる。そうすると、最初のうちは表情が変わらないのが、寝かされているやつが起こされたものだから、床ずれしているような体が起こされるものだから痛いわけです、あちこち。そうすると、だんだんそれが顔の表情に出てくる。見ていてびっくりしましたね。そうして、点滴なんかでやっているのを、今度無理やりに物を入れて、あごを下から突き上げて動かして、それでだんだん自分の力で物が食べられるようになる。  それから、企業戦士だった御亭主がひっくり返って、奥さんが理容師で床屋さんやっている。その御主人はもうまるで動けなかったのが、今度看護婦さんが工夫して、この人はこういう車ならば動けるでしょうと看護婦さんのアイデアでつくった車いす、そしたらそれが動かせるようになった。その看護婦さんが泣くんですよね、窓の方へ立っていって。それから、その奥さんが来て、一メートルも動かないんですよ、その動いた瞬間にこの奥さんが泣き出す。  そこの病院というのは全然赤字なんですね、黒字にならない。なんでそんなことができるかといったら、医者と看護婦さんの気持ちがぴったり一つになって、しかもお医者さんは看護婦さんだ。看護婦さんがそれまでやってきた長い経験の積み重ねから、この患者はこうしろああしろ。一番びっくりしたのは、三歳か四歳のときに交通事故に遭ったかわいらしいお嬢ちゃんが、その病院でそういうリハビリを受けて小学校へ通っているんですよね、医者から見放された子供が。びっくりしましたね。番組の最後に私は正座しておじぎしましたよ。本当にすばらしい。  こういう番組をNHKがやれるんですよね。ですから、余りくだらない番組やらないで、もっともそうなると私は出られなくなりますがね。NHKの持っているこういった機動力といいますか、こういった力をどうぞひとつ難病とか、言うなれば骨髄バンクの問題であるとか、あるいはこういう病気を世間に知ってもらいたい、そして、こういうふうにすることによって、こういう方々に温かい手が差し伸べられるというような人道主義にのっとったような番組をこれからもどしどしやっていただきたいと思います。
  193. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  194. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 御異議ないと認めます。     ―――――――――――――
  195. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、守住有信君が委員を辞任され、その補欠として吉川芳男君が選任されました。     ―――――――――――――
  196. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  197. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました平成元年度NHK決算、平成二年度NHK決算に反対の討論を行います。  日本共産党は、この決算の前提となる平成元年度及び平成二年度予算に反対しました。 平成元年度予算に反対したのは、消費税分の受信料への転嫁と、予算委員会の中継問題であり、平成二年度予算に反対したのは、受信料に消費税を転嫁したことと、受信料の値上げが大幅で、かつ、国民の合意を得ないままであったこと及び放送の政治的公平に反する事態があったことでした。  加えて、この予算執行の時期は、島桂次前会長のもとでNHKの巨大化、商業化という批判が強まり、民放と対立を深めるなど多くの問題をはらんだ時期でした。  さらに、島前会長の進めた国際化やNHK内部の合理化路線に対して、NHK内外から多くの批判がなされたことも想起する必要があります。  その上、先ほど質問したように、NHKが関連企業を拡大、強化し、関連企業を通じた副次収入をふやそうとしたこと、財務収入の増大を求めてリスクを伴う投資に走ったことも、視聴者である国民の受信料によって支えられている公共放送であるNHKのあり方として、あるべき姿なのかどうか疑問を提起しなければなりません。  以上のことを指摘して、私の討論を終わります。
  198. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  199. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、日本放送協会平成元年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書について、これを是認すべきものと議決することに賛成の方の挙手を求めます。   〔賛成者挙手〕
  200. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。  続きまして、日本放送協会平成二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書について、これを是認すべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  201. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。  なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  202. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  203. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  204. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  205. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  206. 粕谷照美

    ○委員長(粕谷照美君) 以上をもちまして、本通常国会において当初予定しておりました逓信委員会における法律案八件、日本放送協会予算及び決算二件、計十一件の案件を含むすべての議事を終わりますが、この際、委員長といたしまして一言ごあいさつを申し上げます。  私が委員長に就任いたしまして、約十一カ月、この間、委員の皆様方には、委員会」の運営に御協力を賜りまして、心から感謝をいたしております。  おかげさまで、委員長としての重責を果たし得ましたことを、この機会をかりまして、心から厚く御礼を申し上げる次第でございます。  最後になりましたが、委員皆様のますますの御健勝と御発展を心から祈念いたします。ありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十九分散会