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1992-03-27 第123回国会 参議院 農林水産委員会 4号 公式Web版

  1. 平成四年三月二十七日(金曜日)    午前十時開会     ―――――――――――――    委員の異動  三月二十七日     辞任         補欠選任      大塚清次郎君     下稲葉耕吉君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         永田 良雄君     理 事                 鎌田 要人君                 北  修二君                 菅野 久光君                 三上 隆雄君                 井上 哲夫君     委 員                 青木 幹雄君                 下稲葉耕吉君                 鈴木 省吾君                 鈴木 貞敏君                 高木 正明君                 初村滝一郎君                 星野 朋市君                 一井 淳治君                 大渕 絹子君                 谷本  巍君                 村沢  牧君                 猪熊 重二君                 刈田 貞子君                 林  紀子君                 喜屋武眞榮君        発  議  者  村沢  牧君        発  議  者  菅野 久光君        発  議  者  谷本  巍君    国務大臣        農林水産大臣   田名部匡省君    政府委員        農林水産大臣官        房長       馬場久萬男君        農林水産省農蚕        園芸局長     上野 博史君        農林水産省畜産        局長       赤保谷明正君        林野庁長官    小澤 普照君        林野庁次長    赤木  壯君    事務局側        常任委員会専門        員        片岡  光君    説明員        環境庁自然保護        局計画課自然環        境調査室長    高橋  進君    参考人        日本中央競馬会        理事長      渡邊 五郎君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○松くい虫被害対策特別措置法の一部を改正する  法律案内閣提出、衆議院送付) ○森林組合合併助成法の一部を改正する法律案  (内閣提出、衆議院送付) ○青年農業者就農援助法案村沢牧君外三名発議  )     ―――――――――――――
  2. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  本日の審査のため、参考人として日本中央競馬会理事長渡邊五郎君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  4. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) 松くい虫被害対策特別措置法の一部を改正する法律案森林組合合併助成法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。  両案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  5. 谷本巍

    ○谷本巍君 まず初めに、松くい虫法案の問題について伺いたいと存じます。  政府は、この原因についてマツノザイセンチュウが原因であるとしまして、その運び屋であるマダラガミキリをなくすために特別防除いわゆる農薬空散を続けてこられました。特別防除法の制定の五十二年当時、政府は五年以内に被災率を一%以内におさめたいというお話でありましたが、結果としましては被害は減るどころか逆にふえるというような状況になって今日に至っております。  その間市民団体や学者、研究者などの間から多くの問題点が指摘されてまいりました。一つは農薬空散の効果に対する疑問であります。また同時に、松枯れ原因につきましても、大気汚染であるとかあるいは松林の管理のあり方が変わったといったこと等々が複雑に絡み合って起こってきているのではないか。したがって、農薬空散だけでは防ぐことができないのではないかといったような指摘等もあったわけであります。  実態的に見てみますというと、例えば瀬戸内の松枯れ状況を見てみますというと、コンビナート周辺から枯れ始めており、そして漸次それが外延的に拡大するというような状況をたどっております。  そういう状況を見てみますというと、大気汚染が有力な原因の一つであったのではないかというふうに見ることができますし、またさらに、松林の管理の問題で見てみますというと、外材の輸入がふえるに従って松の経済性が低下し、そして管理が手抜きになっていく。そういう状況の中で松の生命力が低下をしてきたというような状況が見られます。実態的に見てみましても、現に大気汚染がないところや松の管理が行き届いたところでは被害が少ないといったような状況であります。  そういう状況の中で、政府としましては松枯れ原因をどう見ておられるのか、初めに長官にその点をお尋ねしたいと思います。
  6. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) お答えを申し上げたいと思います。  ただいま先生が御指摘いろいろございましたけれども、私どもの方も、この松くい虫の被害の問題につきましてはいろいろ研究等も重ねてまいったところでございます。今日問題になっておりますいわゆる激害型の松の枯損でございますけれども、当時の国立林業試験場、現在は森林総合研究所に改組しておりますが、ここで研究をしてもらいまして、その結果、マツノマダラカミキリが媒介するマツノザイセンチュウによるものであるということが明らかにはされたところでございます。このようなマツノザイセンチュウによります枯死の症状は、外見から見ましても、大気汚染等によります枯死とかあるいは葉・新梢部の変色の現象とは状況も異にするものだということでございます。  しかしながら、今、先生がおっしゃいましたけれども、私どもとしても、松の枯損につきましては、手入れ不足によります松の不健全化というものとか、あるいは酸性雨等によります環境の悪化、こういうことが要因である、あるいは誘因となって生ずる場合もあり得るというようにも思っておりまして、この影響につきましても追跡してまいりたい。そしてまた、松林を含めました森林全体の手入れ不足などの問題に対応してまいりたいと考えておりまして、松林の保全対策につきましては総合的な角度から取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
  7. 谷本巍

    ○谷本巍君 長官、最近、松だけではなくて、杉やヒノキについても松と似たような虫害の状況が見られるというような声を聞くことが多くなってきました。この点は、松の場合と違って手入れがされているから人ごとにならずに済んでいるというような話も伺うことが多いわけであります。そうしますと、この種の原因の基本には、公害の問題とともに、今も長官が言われましたが、手入れをどれだけするかということがやはり大きな対策になってくるのではないか。つまり、手入れを可能とするような条件整備ということがもう一つの問題ではないのかといったような問題があるような気がするわけであります。  そうして見てみますというと、こうした木材の虫害問題というのは、言うなれば林政全体の中で位置づけながらとらえていかなきゃならぬという性格を持つような気がいたします。また、杉やヒノキの問題についての調査、それからまた、対策についての研究などを検討されておるのかどうか、その点について伺いたいと思います。
  8. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) 松以外の病虫害問題、これはやはりございます。虫害というようなことで申し上げますと、杉でございますとスギカミキリとか、あるいはスキザイノタマバエというようなものもございますし、そのほか私ども把握しているところではマイマイガによります虫害でございますとか、スギハダニというようなものとか、常にいろいろな病虫害の危険森林というものはさらされているとも言えるわけでございます。  したがいまして、これらの虫害等によります他の樹種についての被害につきましては、私どもも常にその状況把握を怠りなくやってまいりたいと思っておりますし、幸いにして最近松くい虫のような激害型のものは今のところないという判断はしております。しかし、常にそういう被害も存在することも事実でございますから、これらに対します研究も怠りなくやらせていただきたいと思いますし、それからこういう害虫の行動様式等いろいろ異なるわけでございますから、森林の手入れ、例えば間伐の促進などによってかなり効果があるということもあるわけでございますので、これらの点につきましては常に私どもも、原因の分析解明等を含めまして、森林全体の健全化を行うための手入れその他をしっかりとやってまいりたいと考えております。
  9. 谷本巍

    ○谷本巍君 その点を篤とお願いを申し上げながら、続いて、大臣に伺いたいと存じます。  本法案と新年度の予算案を見てみますというと、今までと違った幾つかの重要な変化が見られます。  例えば、特別防除につきましては、重点的、限定的に実施していくという方向が示されてきたというような変化がその一つでありますが、また同時に、松枯れ関連の予算案を見てみますというと、例えば特別防除について見ますというと、これまで関係予算の二分の一以上を占めてダントツ的状況が続いておったのでありますが、新年度予算では二分の一以下に抑制されるというような状況が出ており、さらにはまた、樹種転換について見てみますというと、大幅増額で関連予算の中ではトップになる、こういうような新たな変化が見られます。こうした変化は、私どもの党がこれまで要請してきた線に沿った大きな変化だと私どもはとらえております。  そこで、大臣に伺いたいのでありますが、この法案の延長は今度で三回目ということになります。ここで延長しますというと合計二十年ということになるわけであります。まあ言ってみるならばこれが最後かなという印象も私は深めておるところでありますが、今回の延長でおおむね終息という方向に向かうことができるのかどうなのか、その辺のことについての大臣の決意のほどをお聞かせいただきたいと存じます。
  10. 田名部匡省

    国務大臣(田名部匡省君) 松くい虫の被害については、これまでも大変努力をいたしてまいりました。しかし、何分にも広範囲でして、どうも庭木を守るみたいなわけにはいかぬというようないら立たしさはあります。  しかしながら、ピーク時に比べますと四割程度まで減少しておるわけでありますけれども、しかし、この種のものはもう完全に撲滅いたしませんとまたふえてくるということがありますので、今、先生お話しのように、保全すべき松林を重点的にやろうということがございます。  効果的な防除を徹底するという意味で、今お話にありましたようなことも考えておりますし、また、樹種の転換、どうしてもこれに弱い木は何としてもやっぱりこの際植えかえていかなきゃならぬということも考えておるわけでありますが、いずれにしてもこういうことをやりながら終息に向けて、もう最後だと思って一生懸命取り組みたい、こう考えておりますので、全力を挙げてひとつこれをやってみますので、よろしくお願いしたい、こう思います。
  11. 谷本巍

    ○谷本巍君 そうしますと、大臣、今度のあと五年間の間におおむね終息は可能だというふうにお考えになっておるということですね。
  12. 田名部匡省

    国務大臣(田名部匡省君) 常に終息に向けておるわけでありますが、今度は本当に終息に向けてやろう、こういうことであります。
  13. 谷本巍

    ○谷本巍君 その点は大臣に篇とお願いをしておきます。  続いて、長官に伺いたいと存じます。  農薬空散による生態系と人体被害の問題であります。当委員会は、昭和六十二年の延長の際の附帯決議の中で、「薬剤の飛散等生活環境及び自然環境に及ぼす影響について引き続き必要な調査・検討を行うこと。」ということを述べております。この五年間も多くの市民団体の皆さんからは農薬空散後の松林で調べてみたところ、マツノマダラカミキリがほとんどいないというようなレポートが出されたり、森にすむ昆虫の被害だらけだといったような点等が指摘される中で、農薬空散なるものが生態系を破壊しておるといったような現状等についての指摘が続いてまいりました。  またさらに、農薬空散の周辺住民の健康被害の問題についても多くの指摘が行われております。例えば、子供のアレルギー鼻炎がひどくなったとか、アトピーの子供の症状がひどくなったとか、さらにはまた、頭痛、目がちからかするとか、気分が悪くなる、腹痛、下痢等々、要するにまいた農薬の特有の症状等が見られるという指摘等々が続いてきておるのであります。  そこで、伺いたいと存じますのは、こうした空散による生態系、人体被害などの問題について調査を行ってきておられるのかどうか。中身まで触れますというと時間が多くかかりますから、ひとつ簡潔に御説明をいただきたいと存じます。
  14. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) 特別防除によります生活環境なりあるいは自然環境に対する影響につきましては、私ども調査を実施しております。これは昭和五十二年度以降継続しているわけでございますけれども、調査のテーマは特別防除の自然環境等への影響調査という形で実施をしているところでございます。  若干事例を申し上げたいわけでございますが、この調査の中で、例えば河川水におきます薬剤の残留、これなどを調査しましたところ、散布後経時的に減少し、速やかに検出限界未満または微量値となっているというようなことも判明しておりまして、今までのところ生活環境等に大きな影響があったという調査結果までは出て一おりませんが、いずれにいたしましても調査につきましては今後も引き続いて実施してまいりたいと考えております。
  15. 谷本巍

    ○谷本巍君 そこで、大臣に伺いたいのです。  島根県の行政監察事務所が平成三年の五月の十日に公表された文書を見てみますというと、この空散に関するいろいろな問題が指摘されております。例えば、市町村の実施計画の策定問題について、地区協議会の開催をきちっと行って幅広く意見を聞くというような状態になっていなかったといったような指摘もその一つであります。またさらに、地区実施計画の変更後の公表がされていなかったという例があることも指摘されております。さらにはまた、学校周辺での農薬散布については、距離のとり方に問題があったといったような指摘があり、さらにはまた、定期バスとか鉄道などに対してあらかじめその時間帯における窓閉めの要請がなされていなかったといったような指摘等々がそれであります。  昭和六十二年の本法案の延長の際の附帯決議を読んでみますというと次のように述べております。「特別防除の計画・実施に当たっては、関係地域住民の意見を十分尊重し、事前の周知徹底に努め、」云々、そしてさらに言葉を続けて、「被害が発生した場合には直ちに特別防除を中止し、原因の究明及び円滑な損害補償を行うこと。」といったように述べておるのであります。  そこで、大臣に伺いたいと存じますのは、附帯決議の趣旨が十分生かされて特別防除が行われていたとするならばこうしたような状況というのは起こらなかったのではないのかというふうに私は考えます。また、こうした行政監察事務所の指摘にあるようなことをなくすために、今後の指導について十分徹底を期していただきたいと思うが、いかがでありましょうか。
  16. 田名部匡省

    ○国務大臣(田名部匡省君) 島根県の行政監察では改善を図るべきだという御指摘があったことは聞いております。今後このような問題が生じないよう、改正法の施行に当たっては、特別防除を実施する場合の環境保全への配慮などを定めた基本方針の趣旨が都府県を初め地域の特別防除の実施者の段階までより一層徹底するように指導してまいりたい、十分この件に関しては皆さんの意見を伺ってその上で実施をしたい、こう思っております。
  17. 谷本巍

    ○谷本巍君 これまで私ども、林野庁のお話を伺っていますというと、当該地域の住民の皆さん等々の反対があれば特別防除はやりませんといったようなお話等々も聞いておるのでありまして、これは大変結構なことではないかと思います。思いますが、本法案の農薬空散の仕組みについて見てみますと、どうも私どもとしては納得のいかない点があるのであります。  といいますのは、高度公益機能を有する松林については、国または県が代執行ないし直接防除を行うことができるということになっており、さらに山林所有者は正当な理由なくして拒否をすることができないといったこと等が述べられております。この点につきましては、林野庁の御説明を伺ってまいりますというと、急速な松枯れ拡散を防止するためにはこうした措置が必要であるとか、あるいはまた、所有者が零細であって、したがって費用負担の問題との絡み等々もありましてというような説明を聞いてまいりました。聞いてまいりましたけれども、多くの市民団体から農薬空散効果についての疑問が出されており、さらにはまた、先ほども申し上げましたように、人体被害や生態系破壊の問題等々が指摘されている中でのことでありますから、所有権制限の特権的なものを持って行うあり方ということについてはどうしても私自身としては疑問を禁じ得ないのであります。  そこで、長官に提起をさせていただきたい点がございます。  といいますのは、特別防除が効果があるというのなら、やはり説得力のある実証をしていくべきではないか。そのための調査研究というのも必要であります。必要でありますが、同時に、市民団体との話し合い、できるならばこうした調査についても市民団体と共同部な調査などをやりながら議論もしていくといったようなことがあってしかるべきではないのかと思うのです。  ともかくも皆さんが出してこられたデータと市民団体が出してきているデータの間には相当の距離があるんです。この点は空散による環境への影響調査の問題についても同じであります。でありますから、多くの市民団体から当局が示しておる影響調査について原データの公表ができないかといったような要求も出ておるわけでありまして、こうした点についても検討していただきたいと思います。あるいはまた、市民団体の健康被害調査の問題についてもやはり率直に耳を傾けて議論をしていく。こうした議論もこれまで林野庁としては一定の努力をしてきておることは私も知っておりますが、そうしたことにさらに力を入れると同時に、何らかの形の共同部な調査というのを検討していただくことができないのかということなのであります。  申し上げるまでもなく、法律の制定者には、立法目的とその達成手段の合理性なるものを示していく義務があります。まして農薬空散につきましては、今申し上げましたように、国と県に言うなれば強制権を与えておるのでありますからなおのことだと言ってよいのであります。つまり、防除効果や安全性の確保などについて当局自身に実証責任があるのでありますから、篤とその点についてはお願いを申し上げたいのであります。
  18. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 私どもは、激害型の松くい虫被害につきまして何とか終息段階へ持っていきたいということで努力をいたしておるわけでございますけれども、防除の効果等につきましても十分に調査をしてまいりたいと考えておりまして、具体的には、特別防除実施都府県におきまして、毎年度ごとに特別防除を開始した箇所に定点を設定して、いわゆる定点調査でございますが、被害率、これは本数率でございますが、これの経年的な推移につきまして調査を行い、状況の把握に努めているところでございます。  また、特別防除が健康に与えます影響につきましては、まず特別防除に使用します農薬でございますが、これは農薬取締法に基づきまして毒性試験成績等により安全が確認されており、定められた使用方法に従って使用していく、このことにより人体に悪影響を及ぼすことはないと考えてはおりますが、今後は、特別防除を実施する地方自治体等は地域の住民の方々との対応の窓口を設けて、ここでその周知徹底を図り、危被害でございますが、これらの発生状況の把握に一層努めながら効果的な防除を実施してまいりたいと考えております。
  19. 谷本巍

    ○谷本巍君 市民団体との接触についてはさらに積極的にやっていただきたいということも今申し上げたところでありますが、その点いかがでしょうか。
  20. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 地域の方々に十分な御理解をいただくということは大変重要なことでもございますから、今も申し上げましたけれども、こういう方々との窓口をつくることによりまして、円滑に、あるいはまた御理解を深めることをやってまいりたいと思いますし、さらに実施に当たりましては、推進協議会というような形で十分に事前にもそこで御意見もいただき、効率的な、効果的な更地ができるようにしてまいりたいと考えております。
  21. 谷本巍

    ○谷本巍君 ただいまの御答弁だけではちょっと私自身も納得いかない点がありますが、たくさん質問事項がありますので先へ進ませていただきます。  次に、大臣に伺いたいと存じます。農薬空散に際して地域住民の意向を反映させるための仕組みの問題についてであります。  水源地や病院、それからまた鳥類保護の適用地などでの空散を避けるのは、これは当然のことでありますが、また同時に、住宅地や学校、給食・給水施設、人の集まる場所といった周辺での空散も避けるのもこれまた当然と思います。その点とう考えるかということと、同時に大事なことは、当該地域の住民や施設管理者の同意と納得を得て行うということが大事だと考えますが、その点について、大臣、どのように今後努力をされていくのか、所見を承りたいと存じます。
  22. 田名部匡省

    ○国務大臣(田名部匡省君) この種の私どものこれからとる行動でありますが、国民的に関心を持ってもらうとか理解をしてもらうとか、あるいは国民的な運動といいますか、そういうものがないと、これを徹底的に撲滅するといっても結局は残るところがあるということになるとなかなか難しい面も出てくる。そういうことで、樹種の転換とかなんとかということを考えて、本当にどこまでやれるかという、私も気持ちでは徹底的にやりたいと思うんですが、実施段階になりますと、今お話しのように、やっぱり学校とか病院とか住宅とかというものに影響のあるところは避ける。そうするとあとは手でやらなきゃならぬ。河川の上流でも問題があると言えば奥地でもできないということになりますし、そうすると残るという問題が出てまいります。  その辺が非常に難しい作業をやるわけでありますが、しかし、何といっても、やっぱり今お話しの地域住民等の関係者の意見を尊重するということでこれは進めてまいらなければならない。したがって、被害対策の連絡協議の場であります推進連絡協議会等を通じて、また、この特別防除に関する対応窓口の設置などによってより一層的確に地域住民の意向を把握して、その理解と協力を得てこの事業を実施していくという考えてあります。したがって、地域住民の皆さん方のいかに協力を得るかということが大事なことだ、こう思っております。
  23. 谷本巍

    ○谷本巍君 それで、長官、今、大臣から地域住民の意向を尊重してやっていくという話があり、推進協議会の話が出てまいりました。この推進協議会の一つには地域住民の意向を反映できるような構成員ですね、どういう構成の仕方をするかというその構成員の問題ですね、そこが一つは大事だと考えますし、それからまた、協議会の開催を活性化していくといったようなこと等が必要不可欠になってまいります。この点については、単に国会での答弁ということだけではなしに通達等々で明らかにしていく、そして周知徹底を図っていくということをしていただけますか。
  24. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 広く御意見を聞くという仕組みが必要であろうというようにまず基本的には考えるわけでございますので、この推進連絡協議会の構成メンバーにつきましても、直接広く御意見をお聞きするということからメンバーを選定するようにという指導をしているところでございます。  なお、今後さらに特別防除に関します対応窓口の設置につきましても、これを確実に実施するために私としては通達をもってきちっとこういうものの推進方を指導するようにしてまいりたいと考えております。
  25. 谷本巍

    ○谷本巍君 次に、樹種転換などの問題について伺いたいと存じます。  農薬空散などに対して今度出てきておるのは、天敵利用の問題であるとか抵抗松への転換の問題とか、そして樹種転換、そして樹幹注入といったような問題等々があるわけでありますが、こうした点は環境保全にかなう手法でありますから、こうした点を積極的に伸ばしていくというひとつ努力を強くお願いしておきたいと存じます。  それからまた、その問題と同時にもう一つ大きいのは樹種転換の問題であります。  樹種転換の問題は、特別防除の場合と違って強制力がありません。しかも、松の所有者で見てみますというと、人手がない。さらにまた、林業に対する意欲も失われている例が多い。つまり、やる気がないといいましょうか、そういう状況がかなり多いわけであります。したがいまして、この樹種転換を進めていくのにはやる気を起こすことができるような助成等々の措置が必要なのではないかというふうに思います。どんな助成等々の措置を考えておるのか、その点について伺いたいと存じます。
  26. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 松くい虫の被害対策は総合的に進める必要がございますので、先生の今御指摘もございましたように、樹種転換その他の方法も積極的に取り入れたいと考えているところでございますけれども、この実効を確保するためには、担い手の問題初め確かに状況は厳しいものがございます。  したがいまして、これを打開するといいますか推進するために、まず平成四年度の予算案でございますけれども、樹種転換につきましては、一般の造林事業より国庫補助率の高い松林保護樹林帯緊急造成事業、これを創設させていただくということにいたしまして、松の生立木の除去を図ります感染源除去事業、これは予算内容を強化させていただきたい、こういうことも考えております。  それからさらに、樹種転換を推進するために、都府県が伐採、更新、あるいは松材の利用に関する計画の策定でございますとか、それからこの森林の所有者でありますけれども、それから、さらにはまた、森林組合、流通加工業者等に対する働きかけや指導等を行いますために樹種転換推進事業を新たに実施することとしておりますけれども、実際に担い手不足の中でこういう樹種転換というような仕事を進めていきますためには、やはり森林組合のような事業体が強化充実されまして、こういうことを担っていただくということも大切でございますから、今回御審議をいただきます森林組合の合併助成というようなことも推進させていただきたいと考えているところでございます。
  27. 谷本巍

    ○谷本巍君 私、特に伺いたかったのは、補助の内訳はどんなふうになっているのか、そしてまた、所有者の負担というのが何割ぐらいになるのか、そこはどうなんでしょうか。
  28. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 先ほど国庫補助率の高い事業を創設させていただくというふうに申し上げましたけれども、若干補助率につきまして申し上げますと、通常の造林の補助率といいますと、基本的には国が十分の三、県が十分の一で、十分の四を基本にいたしまして、これに係数をいろいろな態様によって掛けておるということでございますが、今般創設いたしますものは、国が二分の一、それから県が十分の二を補助するという形になりますから、従前のものに比べましてかなり高補助率になるというようにも考えておりますが、このような事業、あるいは先ほども申し上げましたその他の事業を組み合わせながら実施してまいりたいということでございます。
  29. 谷本巍

    ○谷本巍君 当事者が三割負担ということですね。所有者の方が三割負担ということですね。そういうことですね。
  30. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) そのとおりでございます。それを基本といたしたいということでございます。
  31. 谷本巍

    ○谷本巍君 果たして三割負担ということでやれるのかどうなのか、その辺のところは自信がありますか。
  32. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) この樹種転換といいますのは、したがいましてそれを転換してどういう木を植えていくかというようなこともかかわるわけでございますけれども、その土壌条件とか気象条件も勘案しまして樹種の選択もしなければなりません。  もともと松が生えているところというのはどちらかといいますと土壌条件は余りよくないところが確かに多いわけではございますけれども、しかしながら、森林としての機能を維持していただく、あるいはでき得ればある程度利用できる樹種というようなことも考えながらやってまいりたいと思いますので、補助率は今申し上げましたように結局合計で十分の七になるわけでございますけれども、これを基本とさせていただくことによって、従前よりも高いものでございますので、これでまずやってみたいというように思っておるところでございますが、これがさらに効果を上げるようにしますために、また各種の支援というようなこと、あるいは地域の活性化も含めて考えなけりゃいけないことはいろいろあるかと思いますけれども、総合的な実施を図りたいということでございます。
  33. 谷本巍

    ○谷本巍君 時間がだんだんなくなってきておりますので、伐倒駆除命令に関連したことについても伺いたいと思っておるのでありますが、後ほどこれは時間があったら伺うことにいたしまして、続いて、森林組合合併助成法の一部改正案について質問を申し上げたいと思っております。  昨年森林組合法が改正されまして、国有林、民有林の提携、川下と川上との提携等で地域から林業振興計画をつくっていくというようなことになりました。これは日本の林政にとってはまさしく画期的な改正でありました。そこで今度は合併助成法案が出てきたわけであります。この合併助成法案は、その改正を受けて森林組合が新たな森林組合法に基づいた目標達成に資するように合併を進めていくんだといったようなこと等が挙げられておりまして、その意味では大変結構なことではないかと思います。  ただ、合併問題というのは、まあ悪いものと悪いものを合併させてみてもこれはよくはならないんで、私どもはそういう例を農協の合併についても実に多く見てきております。ですから、悪いものと悪いものとをかけ合わせてよくなるという実証的なものをやはり示していかなきゃ、単に合併するから補助します、援助しますということでは、これは政策ということの体をなさないのではないかと思います。これは森林組合だけじゃありませんが、農協合併についても合併すればよくなるという実証的研究というのがこれまで少な過ぎるんですね。  政府が本法案に基づいて合併助成を行うというのなら、よくなる実証的根拠、これをやっぱり示していくべきではないのかというふうに思います。そして、合併をすれば組合活動がさらに活性化するような事例を積極的に提起していくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
  34. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 先生の御指摘、私もよく理解できるわけでございます。したがいまして、森林組合の合併をこれからさらに進めていくわけでございますけれども、私ども、森林組合の状況を見ますると、以前に比べまして大分合併も進んではまいりましたが、まだ全国に千六百余ございまして、規模も非常に小さいというようなところが多いわけでございまして、これでは活発な活動自体が最初から懸念されるという事例もあるわけでございます。  私どもは今後昨年の森林法の改正によりまして流域ごとに森林の整備を図り、あるいは林業の活性化を図るということを法改正とともに新たに取り組まさせていただいているところでございますけれども、このような流域活性というような考え方にも立ちまして、流域ごとに広域な体力のある森林組合を少なくともまず一つはつくって、そしてこれをモデルにさせていただいて、さらに森林組合の体質強化あるいは活性化を図ってまいりたいと考えているところでございます。
  35. 谷本巍

    ○谷本巍君 ともかくも森林法が改正されまして、私から見ると画期的な林政の転換という時代に入っているわけですから、合併でうまくいくかいかないかということが、森林法改正の趣旨が生かせるかどうかということについては、言ってみれば決め手といってもいいような意味を持つような気がするわけです。  これまでの農業協同組合の場合などを見てみましても、合併ということになりますというとどうもシェアを高めることだけに関心が集中している。そして合併ができ上がりますというと本所にすべての機能が集中する、こういう格好のものが多いんですね。建物で言いますと、合併が進んだところというのは、一番いい建物は役場、その次が農水省の建物と、こう決まっているんですよ。  私どもがこれまでいろいろ調べてみた例で言いますと、農協が合併して大型化してくれば大型化してくるほど農家や林家との接触の部分をより多くしていったやつがうまくいくんです。例えば農業で言いますというと、営農センターとか生活指導センター、そういうものをそれぞれの地域的な条件に応じながら配置しながら、より農家、林家との接触の部分に力を入れて合併をしていったというところは見事に活性化しているという例が多いわけでございます。でありますから、この種の問題についてはややもすると行政の側もシェアを高めることだけに関心が集中するという嫌いがあるのではないかと存じますので、その点は篤とひとつ申し上げておきたいと思います。
  36. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 森林組合はみずから例えば労務班、作業班などを抱えまして事業も実施しているわけでございます。確かに、ただ合併しただけでは本当の意味での効果というのは十分に出ないというように考えます。  それで、これからはしかしながら担い手の問題もございまして、特に林業というものの作業の進め方も新しい方向に持っていかない限り若者にとっても魅力があるとは言えませんし、そのような意味で例えば事例的に申し上げれば、高性能の機械も導入しなければならないというようなことになりますと、やはり事業量も一定量確保していかなければならないというようなこともございますから、合併によりまして全体のそういう事業量なり、あるいは何といいますか、本当に林業に熱意を持った人たちをそこに参加していただいて、安定的な仕事をしていただく、あるいは能率的な仕事をしていただくというような意味からも合併の促進は必要だというように考えているところでございます。
  37. 谷本巍

    ○谷本巍君 次に、大臣に伺います。  林業をどう活性化させていくかということについては多くの課題があるのでありますけれども、わけても重要なのは、一つは機械の導入、それからもう一つは、先ほど来話も出ておりますが、人手の確保ということでなかろうかと思います。  機械化問題では、日本の林業というのは、水田等々に比較しますというと約三十年おくれているというような指摘がございます。高性能で、小型で、なおかつ軽量なもので、日本の地形に合った機械の導入、これをやっぱり急いでいくということが大きな課題になっておるんではないでしょうか。  さらにはまた、人手の確保問題については、いわゆるオペレーターの確保の問題とともに、人手全体の確保の問題としましては、何といっても労働条件の改善、それからまた、社会保障の充実といったようなことの解決が不可欠の問題であると考えます。  そうした点について、大臣、今後どのように努力をされていかれるのか、御所見を伺わせていただきたいと存じます。
  38. 田名部匡省

    ○国務大臣(田名部匡省君) 非常に林業を取り巻く環境というのは殊のほか厳しいと思っております。この状況を何とか活性化をして森林の整備も図っていかなきゃならぬということで、民有林と国有林が一体となって、林業の生産性の向上を図る。それによってこの担い手の育成、確保、木材の流通、加工の合理化等を進めていかなきゃならぬ、こう考えております。  その一つには、また合併して、まあ小さいものと小さいものが一緒になるとどうなるかということもありますが、しかし小さいままにしておきますとなかなか合理化も進んでいかないし、出資金なんか見ましても、五百万円未満というのが三割もあります。大きいので三千万以上というのは二四%、あとはその間に五百万から三千万までの間にたくさんあるわけですね。  それと、常勤の役職員等もおりますが、十人以上というのはもうまれでありまして、一人とか二人とかという本当に零細な組合が多い。これは十人と十人が合併すれば二十人にするのかというと、十人で賄っていける、土地や建物も他に利用できる、電話もそんなにたくさん要らぬというメリットもありますので、そういうことをやりながら、森林整備事業計画の策定による造林・林道事業を計画的にまず進める。  それから二番目として、今、先生お話しの高性能機械の導入とオペレーターの養成をしていきたい。これは担い手の確保といっても、ただ体を使っているだけでは若い人たちは喜んで働いてくれるとは思えないんですね。特に若い人たちは機械が好きでありますから、そういうことで養成をしていきたい。機械のおくれは、急傾斜地が多くて今まで余りそういうものを研究しなかったのでありますけれども、今導入して逐次これをふやして いきたいということが第二点。  第三点は、森林組合等の林業の事業体をつくって、体質を強化する。そのことによって、就労条件の改善を通じて担い手を確保していきたい。まあ、雨降りには休んでいるというんでなくてどこかで作業していける、通年何かこうやっていけるという、そしてもう他産業並みの待遇を考えながらやっていかなければ、なかなか担い手を集めると言っても難しいと思いますので、そういう点に力を入れてやっていきたい。  第四点として、流通、加工の合理化による国産材の産地形成を図る。各般にわたって施策を総合的に推進していきたい、こう考えております。
  39. 谷本巍

    ○谷本巍君 そこで、大臣でなけりゃお答えいただけない問題がありますので、それとあわせてお願いを申し上げたいと存じます。  先ほど申し上げましたように、森林法の改正で、地域から計画を積み上げてきて、そして全国の整備計画を立てるということになりましたね。この整備計画は、従来とは違って閣議で決定をするということになりましたね。閣議で決定をするということは、この実施については政府全体が責任を持つということになったと言ってよろしいと思うんです。  とりわけ担い手の確保問題ということになってきますと、労働条件の改善とか、先ほど申し上げました社会保障の充実等々の問題で、他の省庁にまたがる問題が出てきますね。しかも、これらの問題というのは、林野庁の努力だけでは限界があるわけです。そうしますというと、閣議で決定事項にしたという点をどう実施面で有効に生かしていくかということが大事になってくる。労働省との話し合い、厚生省との話し合いといったような問題等々になってきますというと、やっぱり事務当局もさることながら、大臣が思い切ってひとつそれで動いていくということが大事であると思います。  その点について、大臣にこの際あわせてお願いをしておきたいと思うのでありますが、いかがでしょうか。
  40. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 森林整備事業計画は、平成四年度を初年度といたしまして、三兆九千億円の規模で閣議決定を今後させていただこうということで今作業を進めているところでございますけれども、このような投資目標ができたということが今後の森林の整備に大きな推進力になるということを考えますし、今、先生おっしゃいますように、確かに政府全体でということ、これはそういうことで御承認をいただくということで大変意味もございます。  そして、私どももそこの点は、今後関係の省庁、これいろいろございますから、特に、例えば山村問題であれば国土庁でございますとか、あるいは地方自治体もいろいろ御協力いただくというような自治関係でございますとか、そのような関係、その他またいろいろございますから、私どもも最近そういう横割りの勉強会も実はさせていただくということで、つい最近四国の現地でも各省合同で勉強会も開かせていただいたりしております。  いずれにいたしましても、広い視点からの森林の整備ということも心がけていかなけりゃいけない。森林の機能というものがそれだけまた重要でもあるということでもございますけれども、そのことをしっかり基本に踏まえながら私ども進めさせていただきたいと考えております。
  41. 谷本巍

    ○谷本巍君 その点で、もう少し伺いたいことがあったのでありますけれども、最後、もう一つありますので、そっちの方へ移らせてもらいます。  今、松くい虫の問題でこの審議をしておるわけでありますが、どうやらこの次は、下手するというと、ヒノキも杉も似たような状況になってきはしないかという不安感を私は禁じ得ないのでありますけれども、やっぱり考えてみますと、もとをたぐりゃ何なのかというと、これは外材の輸入ですね。外材の輸入によって国産材が値段がたたかれてきた、だから松の手入れができなくなった。今のところ杉、ヒノキは何とか手入れしているから松枯れほど問題になっていないけれども、どうも今のような状況でいったら、早晩杉もヒノキも似たような状況になりはしないかという不安を禁じ得ないわけです。  そうしてみますというと、やっぱり外材の輸入というのをどう制限するかということが私は課題になってくると思うのです、今の段階でそれがやれるかどうかは別といたしましても。今ウルグアイ・ラウンドをやっていますね。あれは十年前から出てきた話ですよ。その十年の間には、二十一世紀に向けての最大の人類競争の課題になってきたのは何なのかというと、貿易を盛んにすることじゃないですよ。環境をどう守るかということが最大の課題になってきた。その意味では、ウルグアイ・ラウンドの議論というのは、長い目で見ますというと時代逆行そのものというふうに私どもには思えてならぬのであります。時代の流れが変わってきておる。そういう点を踏まえながら、やはり外材の輸入問題については大臣に対処していただきたいと思うのです。  とりわけ当面の問題として大事なのは、秩序ある輸入といいますか、それを徹底していきながら、さらにその先の問題としては地球環境問題と絡めた外材の輸入問題ですね。これをやっぱり、日本は世界各国から批判されておるわけでありますから、解決していくということについて大臣に篇とお願い申し上げておきたいんですが、いかがでしょうか。
  42. 田名部匡省

    ○国務大臣(田名部匡省君) 先般も新木場に視察に行ってまいりましたが、アメリカ、カナダから大変な量の木材が入っております。大体四分の三を外材に依存しておるわけでありますから、それももうかつてのような材料ではなくて、きれいにかんなをかけて刻んでもう建てるばかりにして入ってきているものもあります。ですから、木材の需給及び価格の安定というものがありまして、どうしても抑えますと国内の住宅が今度は建材が高くなるという問題がありますね。  それと、国産材を利用しないでコンクリートとか鉄骨とかというのが丈夫で安くなりますと、そっちの方がふえていくという傾向もあるんです。なかなか一口に言ってこの問題は大変でありますし、環境という面から見ると、よその方はあんなに切って日本にどんどん売って大丈夫かなと思う面もあるんですね。私の方はちょっとまだあと十年ぐらいたつとどんどん出せる状態になりますから、それにしても木材をお互いの国でどんどんどんどん切って消費するということは余りいいことではないと思います。  したがいまして、私も文部大臣にもこの間お願いしましたが、地方の学校を建てる場合に、そこの町に合ったようにしたらどうかと。例えば、青森県は割合自然に恵まれたことが多いんです。そこに鉄筋コンクリートの学校がいいのか木材の学校がふさわしいのかということで大分進めておいてくれます。さらに、それをやることと、その場合でも、国産材が高いと言われておりますが、外材と半々ぐらいにまぜて使ったならばコストも下がる、そういうことをひとつ文部大臣研究してくださいと、こう言ってお願いはしておきました。  いずれにしても、輸出国との協議と情報交換等を通じて木材輸入の急激な変化は避けていかなければならないと思っておりますし、主要木材について四半期ごとの短期需要見通しの作成をする、あるいは公表をいたして関係業界の安定的輸入を促す等の措置を講じているところであります。  今後とも需要に見合った輸入が行われるように努力をしていきたいと思いますし、関係業界の指導等も行っていきたい、こう思っております。
  43. 谷本巍

    ○谷本巍君 終わります。
  44. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 松枯れ対策として過去十五年間農薬の空中散布などを行ってきましたけれども、現在もなお松林総面積の四分の一に当たる五十六万ヘクタールの被害があるというふうに聞き及んでいます。法案の審議の過程で、空中散布等の施策により五年以内に被害率一%以内の終息型の被害にとめることができると予測をした当初の見通しは余りにも甘かったと言わざるを得ないと思います。それなのに今回さらに五年間の延長を提案し てきた根拠はどこにあるのでしょうか。
  45. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 昭和五十二年に松くい虫の被害対策につきまして特別措置法を制定して以来、五十七年、六十二年、これを改正延長して対策に取り組んでまいったところでございます。  この結果、被害量につきましては、ピーク時五十四年度の二百四十三万立方から平成二年度には九十五万立方にまで減少しているわけではありますが、被害地域が大変当時に比べれば拡大しております。奥地にまで及んでいるというようなことではございますけれども、最近の状況を見ますと、しかしその拡大もようやく停止しつつあるというようにも把握しております。  ただし、かといってまだまだ百万立方近い被害も出ているわけでございますけれども、全体としては被害はおおむね中ないし微害の状況となってきているということでございまして、これらの状況を踏まえ、さらにその対策を充実させたいと考えておりますけれども、そういうものと相まって今後の鎮静化を図り、終息段階に持っていくという考えのもとに今回五年間の延長をお願いするということにした次第でございます。
  46. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 いただきました参考資料の六ページを見ていただきますと、九州とか沖縄それから四国、近畿、関東地方では被害が縮小しているように見ることができますけれども、その被害を受ける松そのものが減少したためにこういう傾向になっているのか。  そうでないとすると、中国地方のグラフを見ていただきますと依然として被害が多いんですよね。これは中国地方に何か特別の理由があるのかどうか。それから、北陸・東山それから東北地方はこれからちょっと拡大傾向になるようにこのグラフでは見えるわけなんですけれども、そこらあたりの見通しを聞かせていただきたいと思います。
  47. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 確かに、地域によりましてこの被害の実態が異なっているわけでございます。これは気象条件とか、あるいは昆虫等の活動の条件というようなものが関係はおるというように思っておりますけれども、南の方からだんだん北の方へ被害が拡大してまいっておりまして、中国地方が特に多い状況でございますけれども、これはやはり松林そのものが大変この地域は多いというように思っております。それから、考えてみますと、土壌条件等からなかなか樹種転換等についても条件的にほかの樹木というのが成育しにくいということもあろうかと思います。松林であればこの辺は成育しやすいということもあります。そのようなことでなかなか減少傾向というものが顕著に出てこないという実態もございます。  一方、それから、ほかの地域でございますけれども、関東地方でございますとかこういうところを見ますと、五十三年以降爆発的に増加をいたしましたけれども、その後は逐次減少に向かっている。一方また、北陸・東山あるいは東北のようなところはどちらかといいますと後発型の地域でございますが、これは増加とは言えないにしても大体横ばいになっておりますから、それぞれの地域態様に応じて私どもも防除を実施してまいりたいと考えているところでございます。  それからなお、もう枯れるものがなくなったのではないかと言われることも時々ございますけれども、内容的に見ますと確かに森林面積の若干の減少というようなこととかございますけれども、全体的に見れば、それでも松林のいわゆる蓄積、材積でございますが、これは増加しつつございます。したがいまして、これも地域によって若干異なるのではございますけれども、全体として見ればそういうこともございますから、やはり私どもはこの松くい虫の防除に努めることが肝要であろうと考えているところでございます。
  48. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 ただいま御説明いただきましたように、中国地方は松林が非常に多い地域であって終息の傾向が見えないという御答弁をいただきました。そうなると、この法案によって行われた施策が必ずしも有効に働いたとは言えないと思います。松林の多い地域では防除がなかなかできないというお答えの中に私はそういうふうに見るわけでございます。  本法の改正に当たりまして、被害対策対象松林の範囲を限定されました。そして、被害拡大防止松林の範囲から被害の最先端部にある松林を対象から外しましたですね。この見直しに当たって基本的にどうして対象から外したのかということをお聞きしたいわけです。既にその先端部においては樹種転換が完了したのか、あるいはあきらめたのか、あるいはマダラカミキリの生息北限に達したと見ているのか、そこらあたりの御見解を。
  49. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 確かに、終息ということにつきまして努力はしておりますけれども、しかしやはり防除しなければもっと拡大するというおそれがあるわけでございますので、この点につきましては鋭意防除に努めさせていただきたいわけでございます。  そこで、先端地域ということを今後ここで新たにどのように処理していくかということでございますけれども、現行法上は、この被害拡大防止松林は高度な公益機能を持っております松林周辺の被害松林であるというようなこと、それから先端地域の確かに被害松林を設定いたしてきたわけでございますけれども、現在その被害量が四割水準に落ちてきたということと、それから、先ほど申し上げましたけれども、被害の著しい拡大というものがとまってきたということを踏まえまして、しかし、一方では高度公益機能松林の周辺にまだ感染源が残存していることも事実でございます。したがいまして、これらを考えてみますと、今後の対処の仕方というのは感染源の存在しているところを徹底して防除していくと同時に、その周辺の松林につきましては、その周辺から再び松くい虫が、飛び込みと言っておりますが、侵入してくることのないように樹種転換もあらせて行うということにさせていただいて、防除を効率的に進めるという考え方なのでございます。そういう意味で絞っていく、限定していくという考え方をこの際提案しているところでございます。
  50. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 高度公益機能松林を限定して守るために、その周辺の松林については積極的に樹種転換を進めると言いますが、その場合、被害が認められない松についても、県知事が森林組合に対し助言や指導及び勧告を行うことができるのでしょうか。
  51. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 樹種転換そのものは、森林としての機能を維持していくということが前提になりますし、それから高度公益機能松林への感染源を除去するという観点から行うということにいたしているわけでございますけれども、樹種転換ということになりますと、松くい虫によります枯損木だけではなくて生立木の伐倒も含むということにはなります。  したがいまして、これにつきましては、やはり所有者の自主的な取り組みということが必要にもなるわけでございますけれども、私どもとしては、森林機能が落ちてはいけませんから、本当に生き生きとしているものまで伐倒するというのはいかがかと思います。ですから、そこのところの判断の見きわめというのは必要でございますけれども、樹勢が弱ってきているとかいろいろなことをそこで判断する必要がございますけれども、少なくともそれが感染源にはならないようにしたいということを基本的に考えまして、樹種転換を進めていくということでございます。  したがいまして、当然樹種転換をいたします対象松林といたしましても、被害が進行しているというようなことでございますとか、あるいは本当に成林する見込みがあるかないかというようなことも判断材料にしたいと思いますし、そしてまた、ある程度森林の実態から見ても伐期に来ているかどうかというようなことも考えまして、それらの条件に合うところから優先的に実施してまいりたいと考えているわけでございます。
  52. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 その被害が認められる松かどうかの判定というようなことも非常に基準としては難しいと思うんですけれども、次に行かせてもらいます。ちょっと保留しておきます。  平成四年度予算において樹種転換に係る予算が十六億四千五百万円ですか、計上されていますけれども、実際にこの事業が行われる箇所は全国にどのくらいあるのか、あるいは有名な地域があればその名称を知りたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  53. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) この五年間で全部で七万ヘクタール強を実施したいというように考えておりますが、まあ有名なということではないかと思うのでございますね。ですから、確かにどうしても松林として保全をしなければならないという松林の周辺ということで考えております。個々にはこれはいろいろな箇所があるかと思いますけれども、今ちょっとどことどこの箇所という具体例を申し上げるまでにまだ煮詰まっていないところでございます。
  54. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 私の調査では、新潟県では日本海岸に直面をして浜辺からすぐ町並みが続いているところに中頸城郡の大潟町というところがあるんですけれども、そこの防潮防風林とか静岡県の千本松原などがその対象になっていると聞いています。大潟町では、浜辺のところからすぐ人家があるというようなことの中で、対象になっている松林につきましては、私は松しか生えないようなところだというふうに、選挙区ですのでよく行くんですけれども、そういうふうに認識をしています。だから、本当に広葉樹への樹種転換というのがそんなにスムーズにいくのかなという疑問が残りますし、千本松原の松については、その松を守るために、背後に香貫山という山があるんですね。この山の松に既に少し被害が発生をしたということの中で、その香貫山を樹種転換するというような計画があるやに聞いているわけですけれども、佐渡島に松くい虫の被害が及んだことを考えますと、香貫山の松を伐採したからといって千本松原の松がそのままの形で守れるとはどうしても思えないんですね。私は、むしろ香貫山の松が存在することによって、そこにたくさんあれば被害が広く及ぶということはあるわけですけれども、それによって集中的な被害というのは免れるんじゃないかというふうに思うわけですけれども、そういうふうには考えないでしょうか。
  55. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) これは、個々のケースにつきまして私どもも十分実施する場合にはいろいろ相談もしたいと思っておるのでございますけれども、ごく一般論的に言わせていただきますと、今、先生おっしゃる御懸念は私はちょっと違うのかなという感じもいたしました。  といいますのは、有名な、あるいは地域がどうしても保全したいというような、例えば海岸の松林等につきましては、おおむねそれは松林としてまとまっているところだと思うのでございます。ですから、ある程度独立しているようなところはやはり松林として徹底的な防除をしていくのがよろしいかというように思うわけでございますが、守りたい松林とそうでない松を含む森林がある程度両方とも存在するようなケースにおいては、その周辺の松林、あるいは周辺の森林と言った方がよろしいかと思いますが、そういう中で感染源になりそうなものは除去してほかのものに転換するということを基本的には考えているところでございますから、個々のケースにつきまして十分に検討しながら実施してまいりたいと考えております。
  56. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 私が香貫山にこだわるのは、その香貫山が大変な野鳥の宝庫なんですよね。ですので、今、形とか松とか広葉樹とがあって、非常に観光地としても貴重な存在であるわけなんですね。その香貫山の松が樹種転換をさせられるということになると、そこの生態系が変わってくるという心配をするわけですね。そういうことの中でそういう話を聞きましたものですから、ぜひ樹種転換を抜本的にやるような計画だけはやめてほしいと思うわけですね。  例えば、ここのところを、抜本的に香貫山全体の松を全部なくしたとしても、そうすると、千本松原を特別防除しなきゃならない、空中防除しなければならないような状況になると思うんですね、そこを守るためには、今もやっているのかもしれませんけれども。そうしますと、そこに、香貫山に生きている昆虫とか野鳥とかが被害を受けるというふうに思うわけです。環境破壊に物すごく伝わっていくというふうに思うわけですね。私は、その山自体は、広葉樹があり、松があり、杉があり、それでこそ美しい日本の山だというふうに認識をしています。そういうことの中で高度公益機能松林を守るために周辺の松は犠牲にしてもいいという発想は私にはなじめないんですけれども、大臣はこのことについてどうお考えですか。
  57. 田名部匡省

    ○国務大臣(田名部匡省君) いろんなケースが考えられると思うのでありますが、ほうっておいて枯れたらどうするかという問題が一つあります。  それで、また一方では、松はどちらかというとどんなやせた土地でも育つということで、海岸に非常に多いんですね。ほかのものではなかなか育たなくても松は育つ。そういうことでありますから、日本の何松ですかな、中国の松とかけ合わせて和華松というのがある。これは非常に強い松だという。まあ、いろいろ幾つかあります。そういうものに松を、別な木にやるんでなくて、松は松にやれるわけですから、いろんなケースがありまして、飛ぶ範囲というものもあるし、いろいろ考えて対策を立てていかなきゃいかぬ。それはあくまでも地域の人たちがどうするかという考え方をお示しをむしろいただいて、もし枯れるということになったときにはどうなさるつもりかという面も考えながらこれは進めていかなきゃならぬ、こう思っております。
  58. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 千本松原の件は、これから何年かすれば、実際にどんなふうに行われたかを見に行けばわかるわけですので、きょうの審議を忘れてほしくないと思っています、  補完伐倒駆除命令の強化が図られましたけれども、過去において伐倒駆除命令が速やかに行われなかったことがあるのでしょうか。そういう事例があるからこそ、今度これが強化をされたのかということを知りたいわけですけれども、また、所有者はこの命令を拒否することができないのか。できないとすれば、先ほど私が問題にしました松くい虫が付着したおそれのある松はどのように判別するのか、その基準を示していただきたい。
  59. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) 今回補完伐倒駆除というものを新たにこの法案の中で提案しておりますのは、従来松くい虫対策を進める場合に、今までの十五年、この法律ができましてからもうそれだけの経験をさせていただいたわけでありますけれども、その中でやはり対策としてまだ足りなかった点があるという判断を実はしたわけでございます。と申しますのは、森林の中にある松でもいろいろな形態のものが実はございまして、今回補完伐倒駆除の対象としておりますのは、いわゆる被圧というふうに言っておりますけれども、ほかの木の陰になって成長がとまっておったり、衰弱をし、さらにそれが枯れるという状況がございます。  そういうのに松くい虫は非常につきやすいのでございます。ところが、今まではそれを駆除するように措置されていなかったわけでございまして、そういう松くい虫がつきやすいものがいわゆる感染源になりますために、それにつきまして今回そういう伐倒駆除ができるようにするという意味で新規にそういう制度をつくらせていただくということでございます。
  60. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 所有者が命令を拒否することができないのかということと、松くい虫が付着したおそれのある松の判定基準を聞いているんですけれども。
  61. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) その中にザイセンチュウが入っているかどうかということになりますけれども、それを一つ一つ調べるのは大変難しいわけでございます、現実には。それで、その状況から見まして、そのおそれのあると申しておりますのは、明らかに枯れの状況から見てこれはセンチュウが付着しているというように考えられる、つまり状況から言えばそれが枯死した状況ということになるわけでございますが、ですから、これに ついてこれを除去するということでございます。  それからなお、その所有者にとりましては、これは枯れた木ということになりますので、それをそこに置いておいても成長するとか経済価値がふえるということはございませんですね。ですから、そういう意味で、これについて除去してほしいということは申してもその森林所有者の損失にはならないという判断をしているわけでございます。
  62. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 松くい虫が付着したおそれのある松というのは、現にまだ枯れておらぬと思うんですね。この文章から見ますと。そのことを、まだ所有者が健康だと思っておって、そのことが拒否できるのかどうかということを私は問題にしたいわけですけれども、結構です、時間がないですからいいですけれども、次へ行かせていただきます。  松枯れの被害材積は昭和二十五年から五十年まで、これは資料の五ページを見ていただきますとわかりますけれども、この二十五年間で千三百三十八万立方メートル、そして五十一年から平成二年度の十五年間で二千八十四万立方メートルとなります。その合計は実に三千四百二十二万立方メートルに及びます。平成二年度の蓄積量三億三千六百万立方の実に一〇%を超える数字になっています。  特に本法の制定後に被害が拡大をしているのを見るとき、必ずしもこの法案効果を発揮したとは思えないわけですけれども、参考資料の四ページをさらに見ていただきますと、近年の造林面積とそれから素材生産量が載っています。昭和五十五年から造林面積が著しく減少を来しています。素材生産量も減少しているわけですけれども、それでも平成二年度には二百七十七万二千立方メートル生産されています。同じ二年度の松枯れ分が九十五万立方あるわけですので、単純に計算をし、年間三百七十二万立方が消えたというか松林ではなくなったということになります。  このままで推移しますと蓄積量は九十年後には完全になくなるという、単純計算ですけれども、そういうことになるわけなんですけれども、この間造林面積が現在のように一千ヘクタールというようなところにとどまっておるとすると、経済林としての松林は既にもう用をなさなくなるのではないかというふうに思います。  そして、先ほど谷本さんが指摘をされましたように、外国産材にその多くを依存するような、そういう体質になっていってしまうのではないかという懸念を持つわけですけれども、この数字から長官はどういうふうにお考えでしょうか。
  63. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) いろいろな問題点を含んだ御指摘というように受け取りましたが、まず、確かに松くい虫の被害によって失われた松、大変残念なことでございます。しかし、いろいろと私どもの方の研究の方面からの考え方も聞いておりますと、それからまた私どもも現地で防除をしたところとしないところでのその効果、違いがあるということもありますけれども、もし防除をしなかった場合はもっと被害が拡大したということも推定できるわけでございますので、その枯損しました松というのは、これは確かに資源的にも大変もったいないなと思うわけでございますから、これにつきましては、その枯損の松についての有効利用ということは別途考えてまいらなきゃいけないと思っておりますし、それから造林面積につきましては、これは大変確かに減少しておるわけでございます。  しかしながら、松というのはまた有用な木材資源でもあったわけでございます。確かに今の日本では比較的松というのは建築などの材料にするものが少なくなっているようでございますけれども、パイプチップ材としても使われておりますし、また地域によっては建築材として非常にその価値を認められているというケースもあるわけでございます。しかしながら、今の状況では植えてもまた松くい虫の被害を受けるのじゃないかという心配は当然ございますから、造林量は落ちてきておりますけれども、これにつきましては、私ども今後松くい虫被害の終息に向けた努力をすると同時に、一方で、先ほど大臣からも御答弁がありましたけれども、育種事業によりまして耐性力のある松の苗木を供給していくこと、これを増加させていきたいということも考えているところでございます。
  64. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 それでは、今の蓄積量がなくなると推測をされる九十年後にどれだけの蓄積量を持つ計算になっていますか、見通し。
  65. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) 数量的に蓄積量がどうなるかということはv今その推定値というものは持ち合わせておりませんけれども、ただ、実態を申し上げますと、被害を受けた、しかし松林の蓄積量全体では実は以前より増加をしているわけでございます。つまり、回復してきたり、あるいは他の松林の成長ということもございますけれども、日本の松林の全体の蓄積量はむしろ増加の傾向にございます。ただし、地域的には一部減少しているところもあるということを申し上げているわけでございます。
  66. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 森林業というのは大変長いスパンで見なきゃならない仕事であるわけですので、将来の展望をきちんとした中で政策展開をしていただかないと取り返しのつかないことになるのではないかという心配を私はするわけでございます。よろしくお願いいたします。  先ほど谷本先生も触れられましたけれども、広島県の教職員組合におきまして、八八年、九一年と小中高校生一万人から二万人の人たちに対して薬害に対するアンケート調査を実施したところ、約一五%から二〇%の生徒が何らかの薬害被害を訴えているというデータが出ています。毎年繰り返して行われている空中散布によって人間の免疫機能が全体として低下をしていくのではないかということをこの調査をした人たちが大変心配しているわけですけれども、この件に関してはどういう認識をお持ちでしょうか。
  67. 上野博史

    政府委員(上野博史君) 農薬につきましては農薬取締法に規定がございまして、その登録を受けなければ販売をしてはならない、使用してはならないということになっております。この登録を受けるに当たりましては、その農薬についての毒性試験あるいは土壌や作物への残留試験等々、各種試験成績をもとにしまして、環境庁の定めております登録保留基準というものに照らして検査を行った上で、問題がないというものについて登録を行っているわけでございまして、そういう登録を受けたものでございますれば、私どもとすれば問題はないというふうに考えているところでございます。  国際的にも今松林の防除に使われております主要な農薬につきましては、FA〇やWHOという国際的な場でも安全性が各国の毒性学の専門家によって確認をされているというふうに聞いておるところでございます。
  68. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 空中散布により昆虫やクモやダニなどが一時的に死滅するが、およそ一カ月ぐらいで復元するというこの調査の報告を受けております。  昆虫が一カ月ぐらいで復元するとなりますと、マダラカミキリ昆虫の一種だというふうに思うわけですけれども、散布をしてもすぐにまたもとの状態に戻ってしまうというこの報告書どおりだとすると空中散布は効果的ではないのではないかというふうに思うのですけれども、この認識はいかがでしょうか。
  69. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) 森林に生息しております昆虫はいろいろ種類が多うございます。一般的には、一般的な昆虫、それからこのマツノマダラカミキリ、どういうところがその世代の交代などの点で違うのかなということで私どもも分析をしているわけでございますけれども、一カ月でおおむね昆虫の生息数が回復すると言っておりますのは、ほかからの、また戻ってくるといいますか、のがあるわけでございますけれども、通常は一年間で何回も世代交代するというのが多いわけでございます。  マツノマダラカミキリの方は、これは一年一世代ということになっておりますので、もちろんほかの昆虫でも一年一世代というのもございますけれども、小型の昆虫はもうちょっと早く回転しているようでございます。したがいまして、回復度も早いというように思っているところでございまして、私どもの方としては、マツノマダラカミキリの羽化脱出時というのがいわゆる防除上特に重要な時期でございますから、このときに散布をさせていただいて、大体二回散布で六週間ぐらいの薬剤効果ということで考えておりますので、昆虫に及ぼす影響も極力小さくしようということでございます。  いろいろと調べてみますと、昆虫は一般的には回復してきている。それから、マダラカミキリもこの期間一番後食をし、そのときにザイセンチュウが松に侵入する時期でありということでございますから、ここを重点に抑えることによって防除効果を上げようとしているところでございます。
  70. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 小さな虫や鳥や魚たちの死の警鐘を私たちは謙虚に受けとめ、自然の生態系を変えてしまうような施策はなるべく講ずるべきではないと考えます。この法案の審議に当たり、過去十五年間に及ぶ松枯れ対策について系統的な総括をし、根本的な見直しが必要になったのではないかと考えます。  長い間山を守り続けてきた新潟県笹神村の老人は私に、松を大事な燃料や資源として扱わなくなったから山が荒れてきて、そして松くい虫が増殖をするようになってきたんだと、そういうふうに話してくれました。そうであるならば、今辛うじて資源として守られている杉やヒノキやアスナロたちにも、人手不足から保全管理ができなくなったとき、今の松枯れと同じような状態が生ずる危険性があると考えます。松が発している警告を改めて検証してみる必要があるのではないでしょうか。この件につきましては、先ほど谷本委員から長官、大臣それぞれお考えを聞かせていただいておりますので、私は自分の主張だけさせていただきまして、次に移らせていただきたいと思います。  最後に、台風の被害の回復状況についてお尋ねをしたいと思います。  大臣は、所信の中で台風災害についても復旧対策に万全を期すと述べられました。森林組合合併助成法改正の審議に当たり、本年二月二十七日開催された災害特別委員会の議論を踏まえて質問をさせていただきたいと思います。  私も台風十九号通過後の森林被害調査に石川県能登半島を訪れました。それはひどい被害状況でした。樹齢百年、二百年もの杉やヒノキ、アスナロが根こそぎなぎ倒されたり、引きちぎられたり、ねじれ倒れたり、山合いの谷に折れ重なって倒れている木々。雪解け時期を迎えてあの山々がどうなっているのかが案じられます。絶望感に打ちひしがれていたあの山の人たちの顔は、少しは希望がよみがえっているのかという、そんな思いをしながらお尋ねをしたいと思います。  激甚災害法に基づき、五年間でこの倒木の処理をする計画で各県と連携を保ちつつ事業が行われているように聞きます。当初は大型機械の早期導入が困難と見られていましたけれども、平成三年度中に既に三十台が入ったと聞いています。そして、三千五百名の労働者がこの処理に当たっているとも聞きます。実際に被害状況の把握と復旧計画、その達成の見通しはどうなっているのかということを、先ほどの災害特別委員会のときに松前先生がその計画書を提示するようにという質問をされているわけですけれども、そういう計画書ができているのであるならば私にも、後でいいですので提出をしていただきたいというふうに思います。  時間がないので言うだけ言わせてください。梅雨どきの集中豪雨に対応した二次災害防止の対策は十分に進んでいるのかどうかということを一つお聞きしたい。そして、その二次災害防止対策が十分に進んでいないところについては、その地元の人たちにそういう箇所があるということを周知徹底をしておく必要があるというふうに思うわけですけれども、速やかに避難ができるようなそういう準備が地元で進んでいるのかどうかということをお聞きしたいと思います。  そして最後に、山の被害を復旧させ、そして山を守るというこれからの農水省の意気込みについてお聞かせをいただきたいと思います。  大変時間がなくて申しわけありませんが、端的にお答えいただきたいと思います。
  71. 田名部匡省

    国務大臣(田名部匡省君) 私たちは、常に自然の中に生きて、自然との闘いを強いられて、この台風もまた自然のなせるわざだ、こう思います。思いますが、被害が甚大でありました。したがって、今年度末には一〇%、そして四年度は四〇%までいきます。ですから、五年間で大体ほぼ目的を達成できる。こういう計画で進んでおりますが、何分にもさっき申し上げたように広範囲にわたっておりますので、激甚災害法に基づく森林災害復旧事業の計画的実施を図っていくわけでありますが、二次災害の防止の観点から緊急治山事業の的確な実施もやっていかなきゃならぬ。両面で今進めておりますので、万全を期してやりたい、こう思っております。
  72. 一井淳治

    ○一井淳治君 まず、松くい虫被害を絶滅ないし根絶できない理由からお尋ねしたいと思います。簡潔にお願いいたします。
  73. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) 松くい虫被害につきましては、マツノマダラカミキリが媒介するマツノザイセンチュウによって引き起こされる被害であるということでございますけれども、我が国の松が抵抗性がなかったということになるわけでありますけれども、そしてそのようなことから、ザイセンチュウの異常な増加によりまして激甚な被害になりました。  このように、しかも地域的にも拡大をいたし、広範囲かつ大量に生息しているこの害虫の状況では、根絶ということにつきまして大変な費用、労力というものも要するわけでございます。しかしながら、この被害を早期に鎮静化させる必要がございますから、これにつきまして今後さらに総合的な対策も講じて防除に努めることを考えておるわけでございます。
  74. 一井淳治

    ○一井淳治君 林野庁の方では、松くい虫を絶滅というか根絶するという考え方を持っていないんじゃないでしょうか。共存するという考えを持っているんじゃないか、そこに根本があるんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
  75. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) 非常に長い時間で考えますと、まあ松の方にも抵抗力がつくということもあるんでしょうけれども、それではその森林の機能が失われるということでございますので、やはりこの際防除をさせていただかなければならないということでございますが、そういう意味で防除の実行と同時に、先ほども申し上げましたように、抵抗力のある松の苗木育成していくということも考えますけれども、今のところはこの害虫は大変私どもとしては都合が悪いと考えておるわけでございます。
  76. 一井淳治

    ○一井淳治君 これは、漏れ聞いたんですけれども、林野庁では、自然の生態系を壊したらいけないので松くい虫の根絶は考えていない、そういう立場のように聞いているんです。これははっきりした答弁を聞いていませんけれども、根絶を考えているのかどうかですね。目標として松くい虫の根絶に置いているのかあるいはそうじゃないのか、そこのところをはっきりとイエス、ノーで答えてください。
  77. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) まあ、根絶を考えていないと言っている人間はいないかもしれませんが、それは恐らくこういうことではないかと思うんです。私どもは、あくまで鎮静化をして、特段の防除をしなくてもいい状態に持っていきたいというふうに申し上げているわけでございますから、そのときに一匹もいなくなっているかどうかというか、そういうことでございますので、まあしかし、森林に対する被害はやはり根絶したいわけでございます。
  78. 一井淳治

    ○一井淳治君 いや、それを聞いて安心しましたけれども、これからは林野庁の中の目標を、根絶するんだと、そこにはっきり置いて指導していただけませんか。そうしないと、何といいますか、虫を殺すわけですから、スケジュールだけを予算を使ってこなしているというだけでは虫は死なないわけですね。本当にこいつを殺してやろうという意欲を持って本気で取り組まないといけないわけですが、それがないんですよ。ですから、今のお言葉を徹底してもらいたいというふうに思います。  それからもう一つは、論理的に言いますと虫は殺さないといけないわけですね。殺すためには、空散を使うんだったら、農薬をヘリコプターを使ってまくわけですけれども、ヘリコプターの順番がうまく適用できない、したがってヘリコプターを増加することと、それから農薬をまく前の虫の状態をよく研究してまくこと、それからもう一つは農薬が松によくこびりついて落ちないようにする研究、この三つをよくやってもらわなくちゃいけないと思うんですけれども、それが余りできてないから、長い間うまく効果が上がっていないと思うわけですけれども、簡単な御感想で結構ですから。
  79. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 数々の御指摘をいただいたわけでございますけれども、私ども取り組んでおりますのは、一つは、重要だと考えておりますのは発生の予測でございまして、これにつきましては、気象条件でございますとか、相当長い経験もさせていただきましたので、最近はかなり的確にいつ大発生するかという予測ができるようになった。大発生といいますか、羽化脱出の時期でございます。ただし、これは実態上は一週間ぐらいのずれは実はあるわけでございます。そこで、散布する薬剤の効果期間も二回で六週間ぐらいとしておるわけでございますけれども、一週間ぐらいのずれはあっても、あるいはまたヘリコプターの飛ぶ飛ばない、例えば天気が悪けりゃ飛ばないということもありますものですから、若干のずれがあっても効果を発揮するようにということも考えてやっているというようなことでございます。今後もいろいろと研究は続けてまいりたいと思います。
  80. 一井淳治

    ○一井淳治君 今後の見通してございますけれども、これまで相当の予算を投入して、自治体の予算も合計すると恐らく千数百億円になるんじゃないかと思いますけれども、しかし全体的に見ればかえって松くい虫が元気を出しているという状況があるわけです。それからまた、完全にやっつけないで、まだ健全な松が残っていますから、残った松へ松くい虫がたどり着いていってそこで生き残るわけですね。ほっておったらもう松が枯れてしもうて松くい虫がいなくなってしまうかもしれませんが、かえってやりようによっては松くい虫被害を長引かせているということにもなっていくと思うんです。そういったことがないように御努力をお願いしたいわけですけれども、この五年間で本当に終息させてもらえるんですか。重ねての質問でまことに恐縮なんですけれども。
  81. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 二百四十万立方メートル台から九十五万立方ということを再三申し上げて大変恐縮でございますけれども、そういうような状況、それをさらに今後少なくしていくということでございますけれども、それにつけ加えまして防除の方法でございますが、今般、新たに補完伐倒駆除でございますとか、あるいは樹種転換でございますとか、さらにはまた天敵の導入も考えているわけでございますが、とにかくあらゆる手段を投入いたしまして防除を実施することにより終息状況に持ってまいりたいということでございます。
  82. 一井淳治

    ○一井淳治君 それから、松くい虫に抵抗力のある松の開発や苗木の育成ですけれども、これをもっともっと進めていただきたい。これはそう簡単には進まないとは思いますけれども、もっと進めていただきたいというふうに思いますけれども、そのあたりはいかがでございましょうか。
  83. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 従来は、中国産の馬尾松と日本の黒松をかけ合わせの和華松をつくりまして、これを供給しておりましたが、これに加えまして、最近は国産種の松の中で抵抗力のあるものを、これはもう以前から取り組んでおったわけでございますけれども、やっとこれならばというのも出てまいりましたので、これらの供給本数を今後増加させてまいりたいと考えております。
  84. 一井淳治

    ○一井淳治君 その点をさらに強力に推し進めていただきますよう要望申し上げたいと存じます。  それから、きょうは松がテーマでございますけれども、時折、杉かヒノキかわからないんですけれども、松以外の樹種が枯れておるということも最近見たことがあるわけですけれども、杉やヒノキなどに対する防除の対策、病気や虫害に対する対策ということは万全にやってもらわなくちゃいけないと思いますけれども、そのあたりはいかがでございましょうか。
  85. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 杉、ヒノキ等に対するいわゆるせん孔性害虫という分野の被害が実は出ておりまして、平成二年度では全国で約二千五百ヘクタールほどの被害が発生しております。このために、杉、ヒノキせん孔性害虫被害対策推進事業その他によりましてこの防除にも努めているわけでございますが、内容的には被害材の移動監視でございますとか、あるいは被害発生源の除去等を行いまして、被害の減少に努めてまいりたいと考えております。  なお、このような杉、ヒノキにつきましても抵抗性品種の育成などにも取り組んでいるところでございますが、これらの諸対策の推進に今後努めますと同時に、除伐、間伐等の森林の手入れ等にも努めまして、活力のある健全な森林の造成を図ってまいりたいと考えております。
  86. 一井淳治

    ○一井淳治君 次に、森林組合の合併という課題でございますけれども、地域で非常に重要な役割を果たしております森林組合を育成する、そのためにも合併が必要であるという御方針のようでありますけれども、この五年間を見ますと、たしか三十三の合併しかできてないというふうに聞いておりますけれども、どうも合併が余り進んでないという状況にあるように思います。そういった中で、今後どういう意義をこの合併に持ちながら、そしてこの合併をどのようにお進めくださるのか、そのあたりについての御所見を大臣からお伺いしたいというふうに思います。
  87. 田名部匡省

    ○国務大臣(田名部匡省君) 合併の進まない原因というのはいろいろあります。ありますが、このままで赤字を背負ってやっていくことから脱却するというまず組合の幹部の皆さんの考え方だと思うんですね。どうも一国一城のあるじなものですから、また合併すると、赤字経営のところといいところとなると、あそことは一緒になりたくないという考えがありまして進まないこともそのとおりでありますが、今度の場合は流域を単位として森林の整備や林業生産等を総合的にやろうということで、どういう反応を示してくれるか、期待が持てるということになると進むのではないかという期待をいたしているわけであります。  組織、経営基盤が何といってもこれで充実をする、あるいは流域の林業の担い手となる広域組合を広範に育成することが重要だ、この辺を本当にしっかりと受けとめていただきたい、こう思っているわけであります。  また、面積の規模でありますとか、近隣の市を含む郡単位の程度の規模を一つの目安にしておりますので、経済的なつながりとか歴史的なこともありますので、十分実情に合った合併を促進したい、こう考えております。平成三年度末の見込みの千六百強から合併促進期間終了まで、平成八年度でありますが、おおむね千程度になるであろうということを考えておりますので、系統、行政を挙げて合併の推進を図っていきたい、こう考えております。
  88. 一井淳治

    ○一井淳治君 予算を拝見させていただきますと、またこれは予算案でございますが、森林組合の助成事業とすれば、三年度の予算ではふるさと森林活性化対策事業というのがありまして、これについては四年度は金額はやや減る。そのかわりに、三年度になかった森林組合合併促進等特別対策事業ということで相当額の予算がつけられてお るわけでございますけれども、その特別対策事業については、いろんなメニューと申しましょうか、事業内容の御説明ができているわけでございますけれども、こういったことで本当に合併の促進が可能なのかどうか、そのあたりについて長官の御所見をお伺いしたいと思います。
  89. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 今まで広域合併というものがなかなか簡単に進まなかったという要因をまず考えてみたいということでございますが、この点につきましては、やはり合併しようとする組合間の財務の不均衡の存在もございました。また、組合と組合員間とのつながりが希薄になっているのではないかというようなこと、あるいは組合員へのサービスの低下を懸念する声もあったのではないか、あるいはまた、市町村との関係が希薄化することを恐れましてなかなか町村をまたがる合併ということも進まないということもございました。  そこで、これらのことをよく考えまして、今後はこれを改善する形でやっていかなければならないということでございますが、まず組合員間のコンセンサスを得ることも必要でございます。また、当然新しい時代に対応いたしまして、森林組合の機械、施設などの近代化を図るというようなこともございます。そして、作業班の機能発揮のために施設を整備していく。このようなことになりますと、広域な合併が必要だという機運も出てまいりますし、また同時に、これらを促進する予算というものが必要になりますので、それらの観点から森林組合合併促進等特別対策事業というものを起こすということでございます。  さらに、これらとあわせまして、いろいろ税制上の優遇措置等を講じなければいけないということでございまして、合併認定を受けた組合に対しまして法人税等の軽減措置を講じますとか、あるいは合併に伴います退職金やあるいは負債に対する充当資金を貸し付けるというような資金の活用を行いますとか、予算のみならず金融、税制の面まで含めまして広い支援的な措置を行うことによりまして合併促進を図りたいと考えております。
  90. 一井淳治

    ○一井淳治君 私は、合併というものは手続的に非常に面倒ですし、森林組合の方々が本当に合併しようという、合併のメリットを考えて、やろうという気持ちを持たないと大儀でやらないと思うんです。  こういうようなメニュー、新しい特別対策事業をおつくりで、これをお進めいただくわけですから、これは大いにやっていただいて、展開していただいて、合併の指導をお願いしたい、その機運を醸成していただきたいというふうに思いますけれども、これをある程度やってみて、できない場合には思い切って、例えば幾つかの森林組合が一緒になって林道をつくる場合はもう二千万とか三千万上げますよとか、あるいは合併をして新しい林業機械を導入する場合には三千万でも出してあげますよとか、そんな何か思い切ったことをやらないと合併できぬのじゃないかというふうな感じもいたします。  そういったことも御記憶いただきながら、進行状況によってはさらに強力な合併対策事業を打ち出していただきまして、ただ合併の必要がないものを無理やりにしてもいけませんし、適切な合併事業を推進していただくよう要望しておきたいというふうに思います。  それから、この場をおかりいたしまして、場外馬券売り場の関係について質問をさせていただきたいというふうに思います。  日本中央競馬会の行っております場外馬券売り場の新設につきましては農林水産大臣の承認が必要となっております。その要件として吉国答申というのがございまして、地域社会の調整、すなわち地元の同意が必要であるということになっておりまして、また平成元年六月の衆議院での請願の採択を受けまして、平成二年七月二日に農水省の次官通達によりまして、この地元の同意については十分な配慮をするようにという強い通達による御指導があったわけでございます。この地元の同意が何としてでも必要だという農水省のお立場は今後も不変であるのかどうか、そのあたりについてまずお伺いしたいと思います。
  91. 赤保谷明正

    ○政府委員(赤保谷明正君) 競馬の健全な発展を図るためには、やはり地元の住民の方々の理解が必要不可欠であろうと思います。それで、これまでも一般的には場外馬券場が町村に設置をされる場合にはその町村長の同意、それから市などの場合には一般的には関係する町内会長の同意の有無をもちまして、それぞれ地元の調整が図られたかどうかという判断材料として取り扱っているところでございまして、場外馬券場の設置に当たっては、今申し上げました地元との調整が整っていることが必要不可欠であると考えておりまして、町内会の同意というものは必要であるという考え方に変わりはございません。
  92. 一井淳治

    ○一井淳治君 ただいまの御説明によりますと、地元の同意というものが要件として必要だ、そして岡山市のような市の場合は、その同意というのは町内会長の同意である、そういうふうにお伺いしたわけでございますけれども、この岡山市内で最近問題になっております新福地内での場外馬券売り場を推進する業者の方々は、かつては地元の町内会の同意があるんだというふうに言われまして推進を図ってこられた経過がございます。  これは農水省の方ではごらんになっていないと思いますけれども、新福町につきましては六十二年一月ごろの、豊浜町につきましては六十二年三月ごろの地元町内会長の同意があるんだということで、これまで場外馬券売り場の承認を求めようと思って運動を進めてこられたという経緯がございますが、この六十二年の二つの同意があったかどうかは、これは別にきょうのテーマではございませんけれども、仮にそういう同意があったとした場合、それから非常に長時間たっておりますし、また、その後社会情勢の変化もあることでございますから、今後新福地区で場外馬券売り場の新設の承認申請をするに際しての同意とすれば、その昭和六十二年の古い同意というものは地元の同意としては有効ではない、そんなものは地元の同意があったとは言えないというふうに私は考えるわけでございますけれども、農水省はどのような御判断でございましょうか。
  93. 赤保谷明正

    ○政府委員(赤保谷明正君) ただいまお話のございました岡山市の新福町の場外馬券売り場につきましては、日本中央競馬会から、平成二年の五月二十二日付で設置を断念する、設置断念を関係方面に通知したという報告を受けておりますので、その時点でこの件についての同意は消滅しているものと理解をいたしております。
  94. 一井淳治

    ○一井淳治君 この岡山市の場外馬券売り場の問題につきましては、問題点は、町内会というものが一つじゃなくて二つ、自称も含めますと二つの町内会があるというふうな混乱した状況にあることと、それかうまた、推進する方々が、例えば市会議員を買収されるとか、あるいは農水省の指導を聞かないで建築を強行されるとか、非常に強引なことが行われておったという過去の事実がございまして、それからまた、学校内で子供たちが反目するような、地域での非常な穏当でないいろんな情勢が出てきておるわけでございます。  したがいまして、今後この問題で、農水省の御指導によって一応混乱は回避できたんですけれども、再び地元の混乱が起きてはいけませんので、日本中央競馬会に対しましても適切な指導をしていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
  95. 赤保谷明正

    ○政府委員(赤保谷明正君) 岡山の場外馬券売り場につきましては、平成二年五月二十二日の設置断念の経緯から見まして、日本中央競馬会に対して十分慎重に対応するよう指導をしてまいりたいと存じております。
  96. 一井淳治

    ○一井淳治君 次に、きょう中央競馬会の方に御足労を賜っておりますけれども、参考人に対して質問をさせていただきたいというふうに思います。  岡山の市議会で、去る三月の二十三日に表町商店街連盟などから出されまして、日本中央競馬会の場外馬券売り場を新福地区と表町地区の二カ所に併設する、それについて理解を求めるという請願が出まして、これを三月二十三日に岡山市議会が採択をしたということがございました。このような新しい動きでございますけれども、この新たな動きに日本中央競馬会は、何か関係といいますか、つながりがあるのかどうか、その点についてまずお伺いしたいと思います。
  97. 渡邊五郎

    ○参考人(渡邊五郎君) ただいま御指摘のございました岡山市議会で場外発売所に関します請願が採択されたということは、私ども新聞紙上等で知っただけでございます。本件については、私ども中央競馬会としては何らかかわりはございません。
  98. 一井淳治

    ○一井淳治君 そうしたら、日本中央競馬会は平成二年五月の公文書で、農水省やそれから岡山市長さんその他の関係者に対して馬券売り場の設置を断念するという通告をなさったわけでございます。それで、今回の動きとの関係でございますけれども、そういった公文書が出たことも十分配慮していただき、そのときの決断の重要性ということについてもお考えいただきまして、そういう立場に立ちますとそう容易に態度変更はできないだろうというふうに私は考えますけれども、この新福地区での場外馬券売り場の新設ということについては、これまでの日本中央競馬会の断念するというお考えに変わりはないのかどうか、そのあたりについてお尋ねをしたいと存じます。
  99. 渡邊五郎

    ○参考人(渡邊五郎君) 先ほど来お話が出ておりますように、平成二年五月に、岡山市の新福町場外につきまして断念する旨、公文書をもちまして農林水産省、岡山市長その他関係者に御通知をいたしております。したがいまして、本件につきまして日本中央競馬会といたしましての姿勢は変わっておりません。
  100. 一井淳治

    ○一井淳治君 今後、過去のいきさつを考えますと、過去のいろんな状況があったことを考えますと、中央競馬会を引き込もうといろいろな画策もあろうかというふうに心配いたします。そして、これに巻き込まれて地域に混乱を起こすようなことがあると非常に困りますので、そういったことがないようにしていただきたいというふうに思います。農水省からもそのような指導がなされているんじゃないかと思いますけれども、そのあたりについてはいかがな御所見でございましょうか。
  101. 渡邊五郎

    ○参考人(渡邊五郎君) 先ほど申しましたように、地元の状況等につきましては、私ども十分了知しておりませんが、ただいまの御意見も参考にさせていただきまして、場外発売所の設置につきましては、これまでも農林水産省の御指導を受けてまいってきておるところでございますし、御指摘の件については、従来の経緯もこれあり、監督官庁の御指導のもと慎重に対処する所存でございます。
  102. 一井淳治

    ○一井淳治君 どうもきょうはありがとうございました。  次に、林業で働く作業員の方の賃金の問題についてちょっとここでお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。  これは、国有林について民間に発注する場合、あるいは監督下にある森林開発公団が民間に発注する場合という限定をした上での質問でございますけれども、現場で作業を発注する場合には、労働災害が起こらないようにするために、労働安全に関する法律に従って必要な対策費を工事費の中に参入すべきである。これは当然のことでございますけれども、その点についてはいかがでございましょうか。
  103. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 労働安全、大変重要な問題でございます。林業関係の発注事業というのは各種ございます。治山事業、林道事業、造林事業ということでございますが、土木的事業につきましては安全費を積算しておるわけでございます。それから造林事業でございますけれども、労働安全に要する経費につきましては、労働安全費という名目では積算は実はしておらないわけでございますけれども、しかし実際には、安全上必要な保安帽等の保護具につきましては必要経費として見込んでいるところでございます。  それからもう一つ、作業の実態上の安全を確保する観点から、林地、これは傾斜地で仕事を行っておりますために、傾斜地に対応した作業工程の補整ということをほとんどの地域で行っているところでございますけれども、今後も作業の実態というものを踏まえまして、適切な工程ということで、これを念頭に置きまして対処してまいりたいと考えておるところでございます。
  104. 一井淳治

    ○一井淳治君 植林の場合についてお尋ねをしたいわけですけれども、植林というのは比較的安全であるということで、割合安全対策を考えない嫌いがあるんじゃなかろうかというふうに思いますけれども、急傾斜の場合には事故が起こる可能性があるわけでございます。これは労働安全衛生規則との関係で、傾斜が四十度以上という急傾斜の場合に限って質問するわけですけれども、労働安全衛生規則によりますと、そういった場合には、縦方向で二メートル以上の高さがある場合にはロープを使うとかあるいはネットを張りなさいというふうになっているわけでございます。  そういう急傾斜のところには植林をするかどうか。植林をしないというのが一つの利口な方法であると思いますけれども、しかし、そういうところに植林をする場合には、これはもう労働安全衛生規則を守っていただいて、ネットを張るかあるいはロープをつないで作業をする。そうすると、ネットを張ったりする手間賃もかかりますし、またロープをつけて作業なんかしていると労働能率が半分以下になってしまいますから大変コストが高くなると思います。そういったことも考えて、不利なことになるんですが、しかし四十度以上の傾斜地で植林をやらせる場合には、それをやらないと労働安全衛生規則に反するわけですから、その点の十分な御認識をいただいて、今後そういう急傾斜地については特段の御指導とか配慮をお願いしなくちゃいけないと思うんですが、いかがでございましょうか。
  105. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 先生御指摘のように、労働安全衛生規則によりますと、いわゆる墜落等による危険の防止という観点から、高所あるいは傾斜地につきまして安全措置を講ずるように指示されているところでございます。私どもとしては、実際の山地地形、やはり傾斜四十度以上というところも実はございます。しかし、そのようなところで、それでは一般的な高所作業というような観点からのロープあるいはネットを張るということができるかということになりますと、これは場所にもよりますけれども、一般的には広い造林地の中で作業するということで、移動しながら作業しておりますのでかなり技術的にも難しい面もございます。  しかしながら、造林の事業の推進ということも必要でございますから、今後安全対策をいろいろな観点から考えてまいりたいと思いますけれども、そのような中の対処方法の一環としては、特に危険な箇所の作業は避けるということも考えられるわけでございますから、このようなこともよく考えまして、とにかく安全確保を重点的にこれからも実施してまいりたいというように考えているわけでございます。
  106. 一井淳治

    ○一井淳治君 そうすると、四十度以上の急傾斜地で植林をする場合には、安全対策をした上で植林をするという御方針とお聞きしていいですね。
  107. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) その安全対策という面はいろいろ広い面も含んでおりますけれども、例えば林道、作業道というようなものも増加させまして、これからは高性能の機械の導入も考えておりますが、そういうことも技術的に考えてまいりますし、それから、今申し上げましたように、しかし端的な対策ができない場合は、そこの場所を避けるということも含めて考えさせていただきたいと思っております。
  108. 一井淳治

    ○一井淳治君 まあ、作業をしない方が私は利口だと思いますけれども、する場合には事故が起こるんですね。事故が起こったらその森林組合の組合長さんが検察庁へ呼ばれて搾られるわけですね。そして、どうしてロープを張っていなかったと言われるわけです。ところが、そのロープの代金もネットの代金も工賃に入ってないわけですから、非常に窮地に陥るわけで、今後そういうところを作業される場合は、必ずロープやネットの代金や、あるいは作業の能率が落ちるわけですから、その能率が落ちた前提で植林一本当たりの労賃を高くするとか、それから、あるいはネットを張るとすればネットを張る時間や手間がかかるわけですから、その手間賃も配慮していただくように要望いたします。その点は大丈夫ですね、そうなりますね。
  109. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 今の御指摘は作業工程の判断の問題にもなります。先ほども申し上げましたように、適正な工程につきまして考慮してまいりたいと考えております。
  110. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時二十五分まで休憩いたします。    午後零時二十五分休憩      ―――――・―――――    午後一時二十六分開会
  111. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします  休憩前に引き続き、松くい虫被害対策特別措置法の一部を改正する法律案、森林組合合併助成法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  112. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 最初に、松くい虫被害対策特別措置法についてお伺いします。  各種の被害対策が法案に盛られているわけですけれども、その中でいわゆる特別防除、空中薬剤散布による防除についてだけ限定してお伺いします。  まず、この空中薬剤散布の効果についてお伺いします。  空中薬剤散布というのは、結局はマツノマダラカミキリ、いわゆる松くい虫を殺すということの方法ということになるわけですが、その調査結果について農水省の方から、死亡昆虫の捨い取り調査をした、その調査をしたのは国立林業試験場で、調査した範囲は九百平方メートル、幅二メートル、長さ四百五十メートルの路面で捨い取り調査をした、一カ月半の期間で四十四頭の松くい虫を採取したというふうなことが報告されていますが、この調査はいつ、どこでやったのか、またこの調査は農水省とどういう関係にあるのか、お伺いしたいと思います。
  113. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) お答えいたします。  先生の今御指摘の調査は、林野庁が委託をして行ったというものではございませんが、国立の林業試験場、これは現在森林総合研究所というふうに改組をしておりますが、この研究所自体がみずから実施したものであります。  なお、調査の日時、場所でございますけれども、一九七九年六月九日から七月二十三日にわたりまして茨城県茎崎町において行ったものでございます。
  114. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 それで、この調査結果はそうすると林野庁が直接関与しているわけじゃないということですが、この調査結果等は公表されているんでしょうか。それからまた、この調査結果に対して林野庁としてはどのような所見をお持ちなんでしょうか。
  115. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) 本調査結果につきましては、第三十一回の日本林学会関東支部大会で報告し、またさらに「森林防疫」という雑誌に論文が掲載されているところでございます。  なお、林野庁といたしましては、この調査につきましては、私どもの機関でございますから、信頼に足る調査であると考えております。
  116. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 農水省あるいは林野庁自体ではこの空中散布の後の松くい虫の死滅状況というものを調査したことはないんでしょうか。
  117. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) ございません。
  118. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 そうすると、林野庁としての死滅状況の調査は全くない。しかも、今の調査というのも、七九年というともう十三年昔に国立林業試験場というところがやったということになるわけですが、調査する必要性というふうなことは考えていないんですか。
  119. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) まず、調査した機関が農林水産省林野庁組織の一環でございますし、また松くい虫はこの研究機関、さらには育種組織あるいはまた行政部局が連携して一体となってやっておるということでございます。  それからなお、年数はたっておりますけれども、年数がたって変化するものでもないという判断もございますので、これらの調査につきまして改めて特別に調査いたしたいとは考えておらないところでございます。
  120. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 そうすると、民間団体でこの空中散布の後で果たして松くい虫がどれだけ死んでいるのかというふうなことを調査したということが報告されているわけです。  福島県の「いわき空中散布を考える会」というところが、平成二年の六月と七月の二回、空中散布の直後に松くい虫の死滅状況を調査した結果が、死亡昆虫が六月には二千五百九十三匹いた、七月には八百五十七匹いた、しかし、松くい虫は六月も七月もゼロであったという調査結果が発表になっておりますが、この調査結果を聞いて知っておりますか。
  121. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) 今、先生の御質問でございますけれども、私どもとしては、福島県にございます「いわき空中散布を考える会」の調査については承知しておりません。しかしながら、山梨県にございます「きれいな水を守る県民の会」の調査については、拾い取り調査をした死亡昆虫にマツノマダラカミキリは含まれていなかったとの報告がされていたとのことは聞いております。
  122. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 今、長官おっしゃったように、山梨県の「きれいな水を守る県民の会」という団体が、平成三年六月、同じように空中散布後の松くい虫の死滅状況の調査をしたその結果によれば、死亡昆虫は千九百八十六匹いたけれども、松くい虫はゼロだったという結果が報告されているわけです。  この調査結果の報告は、こちらの山梨県の方の調査結果の報告は林野庁としても御存じだということですが、十三年前に先ほどの国立林業試験場でやったというのだと四十四匹はいたというけれども、今の二つの団体がやったのだと、ほかの昆虫は二千匹近くも、あるいは二千匹以上も死んでいるけれども、松くい虫は一つもいなかったと、こういうような調査結果もあるわけなんです。  空中散布というのは、松くい虫を殺すための防除方法なんですから、まくにはまいたけれども、後は松くい虫が死んでいるか死んでないかは知らぬ、あるいは調べる必要もないというふうなことじゃその効果測定を全然やってないことになると思いますが、もう一度そういう調査をやらなくてもいいということの理由をお伺いしたい。  特に、何度も申し上げますけれども、これだけの費用と手間をかけて、あるいは環境破壊とか言われながらやっていることのその結果というものは、先ほどの一井先生じゃないけれども、松くい虫を殺すことのためにやっているんですから、本当に死んだか生きているか調べなかったら全く無意味だと思うんです。いかがですか。
  123. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) 確かに薬剤により松くい虫を殺すということはございますけれども、要は、松くい虫被害の防除が目的でございますので、したがいまして、いろいろと各団体等での調査結果等につきまして、私ども関心は持っておりますけれども、ただ、その効果調査そのものを怠っているということはございませんで、これにつきましては、森林総合研究所におきます調査研究に加えまして、都道府県も通じまして実地に幅広く効果調査というものも行っているわけでございますから、この辺の御理解賜りたいと思うわけでございます。
  124. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 いや、それこそ、さっきの一井さんの話じゃないけれども、もう少しはっきり言ってもらわにゃならぬ。なぜかというと、いろんなことを効果判定いろいろやっているという、それはわかりますよ、いろんな効果判定のことはこの参考資料にも書いてあるから。ただ、今私が質問しているのは、松くい虫を殺すために空中散布して、それでその散布した結果として薬剤のついている松の葉っぱなりを食えば松くい虫は死ぬということでやっているんだから、死んだとすれば死骸があるはずなんです、消えちゃうわけじゃないんだから。その調査をなぜしないのか。それこそが空中散布の効果を判定するための一番直接的な方法じゃありませんか。それをなぜやらないのか。しかも、十三年前に試験場がやったということで、それ以後は全然やってないとしたら、本当に松くい虫が農薬散布によって死んでいるんだか生きているんだかわからないんじ神ないですか。松くい虫の死滅調査をやっているんですかやってないんですか。
  125. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) 先ほども申し上げましたが、死滅調査というものはやっておらないわけでございます。なぜかと申しますと、確かに薬剤を散布して、これが松の木に付着しますと、そこへカミキリムシが飛んでまいるわけでございますけれども、そこで薬剤が松くい虫に付着いたしますが、これは私どもが得ている知見では、そこで即死するわけではなくて、何日かかかるというケースもあるようです。そうしますと、それがほかに移動するということもありますし、あるいはまたほかの鳥等に食べられるということもあり得るわけでございますね。ですから、この調査を徹底いたすということは大変なエネルギーを要するものであるということにもなるわけでございます。また同時に、私も最近いろいろ研究いたしておりますけれども、聞きましたところでは、すぐ死なないまでもマツノマダラカミキリの食欲は急速に減退するということも言われているわけでございます。  そういう効果もございますものですから、私どもは、死滅の調査に全精力を注ぐよりは、もろもろの調査もいたしまして防除の実績を上げたいと考えているわけでございます。
  126. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 長官、あなた何かいろいろ空理空論を言っておられるけれども、松くい虫はどこかへ飛んでいって、そっちへ行って、そっちの違うところへ行って死んだかもしれぬとかどうとかいろんなことをおっしゃるけれども、もしそうだとすれば、ここのところでまいたやつで向こうへ行って死んだとすれば、向こうでまいたやつがこっちへ来ても死ぬかもしれませんよ。そんなあんた冗談みたいなことではだめなんですから。  それで、またこれはお金かかると言うけれども、先ほどの資料の中にもある、要するにどのくらいの率で被害が発生するかなんという調査、こんな調査を一生懸命やっているけれども、これだって随分金がかるでしょう。広いところの範囲やって、全体の松を、健全な松とそれから今度は病気になった松を調べるなんてどこかにありましたね。あんな調査なんて随分金がかかるじゃないですか。そんなもの、あなた、行って、落っこっているか落っこってないか、ある広さ決めて松くい虫がいるかいないか見るだけだからそんな費用がかりゃせぬ。そういうことじゃなくて、本当にこの空中散布の効果があるかないかを直接的に明確に証明できるのは、松くい虫が死んでいるか死んでないかの調査なんです。  大臣、こういう松くい虫が本当に死んでいるか死んでないかというふうなことの調査を含めて、客観的な第三者機関による効果測定というものについてどうお考えになりますか。そういうことをやるということをお考えになりませんか。
  127. 田名部匡省

    国務大臣(田名部匡省君) 一度死んでいるというのを確認しているわけですから、後は同じ薬であれば十分これで退治できる、こういうことでやっているんだろうと思います。  調査も、それはやっていただいても結構ですが、いずれにしても死んでいるかどうかの確認さえできれば、何匹だったかとかというのは余りこだわらないでやらせていただきたい、そう思います。これは大変だろうと思うんですね。何回も調査してどのくらい死んだかというのを拾って歩くというのも大変な仕事だと思います。いずれにしても、この薬剤が本当に殺す効果がある、こういう確信であればこの方法でやらせていただきたい、こう思います。
  128. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 大臣、そんなことをおっしゃっているようじゃどうしようもないと思うんです。だって、先ほど申し上げた二つの民間団体は、別に松くい虫がいないようにいないようにといって調査したわけじゃないんです。調査してみたらいなかったというんです。それで、あなた、そんなに銭がかるわけじゃない、民間団体がやっているんですから。それで、この空中散布には総額にして年間四十億も金かけているんだから、その結果として本当にそういう効果があったかないか調べてみるというのは当然のことだろうと思う。今の大臣のお話だと、十三年前にやった、やった結果死んでいるということがわかっているからそれでいいんだと言うけれども、去年とおととしと二つの民間団体がやったら全然いないと言っているんです。もう少し謙虚に、客観的な第三者機関によって本当にこれで松くい虫が死ぬのか死なないのかということを調査するべきだと思いますが、これはまた、今の大臣それ以上お答えにならぬだろうから、それはそれとしておきまして、この空中散布の経費についてちょっとお伺いしたい。  平成三年度の予算で見ると、民有林に対する松くい虫の被害対策予算が、国の予算が四十四億四千四百万円、このうち空中散布の費用が二十二億五千四百万円で、五〇%を超えているんです。この防除予算の中の半分を超えているんです。で、これに対してまたほぼ同額の金額を地方団体が負担しているということになりますから、空中散布には年間四十五億円も金をかけているんです。それで、この空中散布によってどれだけの地域をやっているかというと、九万ヘクタールを薬剤散布しているという。しかし、五十六万ヘクタールのうちの九万ヘクタールを空中散布するについて、今のような四十五億円もの金がかかっているわけです。この空中散布にかかる、国の予算の方で言えば二十二億五千四百万円、地方を合わせると今申し上げたように四十五億円。これは大体どんなところにどの程度使われるんですか。
  129. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 平成三年度予算では、被害区域面積五十五万ヘクタールのうち特別防除で今九万ヘクタールという御指摘ございました。  このほかどういうような防除をやっているかといいますと、薬剤につきましては、地上散布で行うものが一万ヘクタールございます。それから伐倒駆除で二十一万ヘクタール。それから、さらに特別伐倒駆除が十三万ヘクタール。それから樹種転換で十万ヘクタール。このようなことで総合的に対応しているところでございます。
  130. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 私が今聞いたのは、空中散布の二十二億五千四百万円の支出の項目的な内訳はどうですかと伺ったんです。
  131. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) これは、二十二億につきましては特別防除ということですから、費目的には一本であると思っておりますが。
  132. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 要するに、この二十二億の空中散布の金のうち半分は農薬代、半分はヘリコプターのチャーター料と、こういうようなお話なんでしょう。私が伺いたいのは、そんなに薬が高いんかなということと、そんなにヘリコプターのお金って高いんかなということなんです。  要するに、国と地方を合わせれば四十五億円かけている、年間に。随分高い薬をまいているんだか、あるいはヘリコプターのチャーター料というのがどのくらいか知らぬけれども、この薬代が半分、ヘリコプター代が半分ということの価格の相当性というふうなことについては林野庁はどういう所見を持っておられるんですか。
  133. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 予算の内容の分析でございますが、確かにこの二十二億のうち、内容を分けますと、薬剤費が約四五%、それから航空機の費用が四五%、その他一〇%ということになっております。これを別の観点から見ますと、ヘクタール当たりにいたしますと四万二千円程度と見ているわけでございます。  それで、これが高いか安いかというようなことになりますと、これはいろいろ見方があると思いますけれども、私どもといたしましては、松林を保全するためにこれだけの経費が航空機防除によってはかかりますが、通常、今一ヘクタールの森林を造成するということになりますとやはり大変なお金がかかるわけでございますから、そのような意味合いからすれば、最も効果的なコストで防除をしているというように考えているところでございます。
  134. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 いや、私はヘリコプターを雇ったことないから値段は知らないんです。それから農薬の値段も知らないけれども、いかにもお金が高いから、これの価格の相当性、妥当性について林野庁としてどんな関心を持って、どんな検討をしているんですかということをお伺いしたんです。  まあ、今のような答弁じゃよくわからぬけれども、時間がないから先へ進みます。  先ほど谷本先生からも人体に対する空中散布の影響についていろいろお話がありました。私もこの点について非常な関心を持つものですが、人体に対する影響調査それ自体を林野庁でしていることはありますか。
  135. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 人体に対する影響調査そのものでは実施しておりません。
  136. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 林野庁としては、何かいろいろ昆虫がどうだとかあるいは植物がどうだとか、環境調査やったということの調査結果は参考資料に出ているけれども、人体に対する影響調査というのをやったというのが、調査結果も出ていないし、例えばやってないと言う。  なぜやらないのかということをお伺いしますが、民間団体の調査によれば、先ほど谷本先生がおっしゃったように、広島県の廿日市市というところの調査も出ているし、それから広島県教職員組合の「公害と教育」という雑誌に掲載されたアンケート調査結果もあるわけです。で、谷本先生も御存じだし、私も読ませていただいている。こういう民間団体の調査によれば、散布後に異常を訴えるという人が二〇%、三〇%いるという事実が一方において報告されている、民間団体によって。しかし、林野庁としては、全然人体に対する影響調査をしてもいないし、する気もあるのかどうか知らぬけれども、どうしてしないんですか。それから、今後する気はあるんですか。
  137. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 直接の調査をしない理由を申し上げます。  この特別防除に使用しております農薬は、農薬取締法に基づきまして毒性試験成績等により安全性が確認されているものでございまして、また、定められた使用方法に従って使用すれば人体に悪影響を及ぼすことがないという判断に立ちまして直接の調査はいたしておりません。しかしながら、一方で、先生が今御指摘ありました例えば広島県の例でございますと、これは政府機関ではございませんが、アンケート調査のことも聞いております。  そこで、今後このような民間団体その他での調査結果等があれば、私どもはそれにつきましてはその把握に努めたいと思っておりますし、なお、今後は地方自治体等に対応窓口も設けますから、そこでいろいろ実際の対応はさせていただきたい、このように考えております。
  138. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 今、長官のお話の中で一言非常にすばらしいことをおっしゃっているんです。今後は自治体にそういう民間団体からの意見聴取だとか、まあ苦情ということもあるでしょうが、そういうものにいろいろ誠実に対応する機関を設置するというように承ったんですが。今まではともかく民間団体がいろいろ調査して持っていっても、そんなものはおまえたちがやったことで、役所の方はあずかり知らぬということでほとんど相手にしていないというふうな苦情があるわけです。そうすると、今後はそういう機関を設けて、都合がいい調査結果だろうが都合が悪い調査結果だろうが、ともかく各種団体と誠実にその調査内容等についても検討する方針だというふうに承ってよろしいわけですか。
  139. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 各地域の方々なりあるいは関係する方々は大変関心も高いと思いますから、そしてまた、そこから得られる情報等、これは内容的には各種あると思います。ですから、内容によりまして、医学的なものもあるでしょうし、それから私どもが研究機関でやっているような科学的なものもございましょうし、いろいろあると思いますが、それぞれのまた専門分野の方ともそういう内容についてはよく相談するようにしたいと思いますが、いずれにしても、受け付けるところを決めておかないといけませんので、県なり地方自治体にそういう窓口を設置したいということでございます。
  140. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 この松くい虫の最後に大臣にお伺いしておきますが、これも先ほど谷本先生からのお話があったんですけれども、要するに空中散布に対する散布の基準というものを農水省が決めている。ところが、それが現場においては厳密に実行されているということでもないということについて、群馬県、滋賀県、鳥取県の行政監察事務所からそれぞれの地方自治体にいろんな報告がされている。農水省として、自分がつくった空中散布に関する基準がどのように遵守されているかについて、今後そういうことのないようにどう処置していくおつもりか、大臣にお伺いしたいと思います。
  141. 田名部匡省

    ○国務大臣(田名部匡省君) この特別防除の実施に当たっては、環境保全の配慮などを基本方針妃定めまして、その適切な実施が図られるように今までもやってきてはおりますが、いろいろな御意見ありますので、改正法の施行に当たっては、都府県を初め地域の特別防除の実施者の段階までこの趣旨が徹底されるように、担当者会議等あらゆる機会を通じて指導してまいりたい、こう思っております。
  142. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 以上で松くい虫に関する質問を終わります。  次に、森林組合含併助成法に関連してお伺いします。  平成二年度の数字で言うと、森林組合の組織率は、森林所有者と組合員の比率、あるいは組合員の所有している森林面積の全民有森林面積化対する割合とか、この辺はどうなっておりますか。     〔委員長退席、理事鎌田要人君着席〕
  143. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 林野庁が調査を実施しております森林組合統計によってこれを見ますと、平成二年度におきます森林組合員数は約百七十五万人ございまして、これは地区内の森林所有者数の五二%ということでございます。このようなものが組織率といいますか加入率というふうに言えると思います。
  144. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 面積の方はどうですか。
  145. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 面積につきましては、組合員の所有森林面積は約千百五十三万ヘクタールでございまして、これは地区内の県有林を除きまして民有林面積の七四%に相当しております。
  146. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 そうすると、森林所有者の五二%は組合員だけれども、四八%は森林組合とは別個で森林組合に加入していないという状況、また、その組合員の所有する森林の面積は全森林面積に対し七四%、こういうことになると、人的構成の面においても、その組合員の所有する面積の比率においても非常に不十分ではなかろうかと思うんです。まして今後、森林を流域管理システムによって保全培養していこうというときに、組合に入ってない人が半数近く、また、組合員でない人の面積が二六%もあるというと虫食いだらけみたいなことになっちゃって、やっていくのに非常に支障を来すんじゃないかと思いますが、この辺に対してはどんな所見をお持ちなんですか。
  147. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 森林では七四%の加入でございますが、所有者からいくと五二%というずれがございますのは、一つには零細な所有者の加入率が低いのではないかということが考えられるわけでございますので、この所有規模の小さな方々について、林業経営に対する意欲を高めていただく必要もございますが、それから最近は不在村森林所有者がふえているということもございます。したがいまして、今後は組合の合併促進とも あわせまして加入率も高めたいと考えておりますけれども、いずれにいたしましても森林組合の組織や経営基盤が脆弱でございますと、加入をしたいという森林所有者側からの意欲はなかなか高まらないということもございますから、各般の施策を講じまして加入率も高め、実際に森林の整備、活性化が図られるようにやってまいりたいというのが私どもの考えでございます。
  148. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 質問通告してありましたけれども、ちょっと飛ばします。  従前の森林組合の合併の状況を見てみると、合併助成法に基づいて合併した組合と、それからこの法律の規定によらない全く任意の合併というものがあるわけです。統計の細かい数字は申し上げませんけれども、この合併法によらない任意の合併が合併設立総数の四、五割あるわけです。これは数字は申し上げませんけれども、林野庁は当然おわかりなんです。  そうすると、昭和三十八年から平成三年までおおよそならしてみて、合併助成法という法律があるけれども、その法律によって合併した組合と、その法律とは無関係におれたち合併しようやということで合併したのと、任意の合併が四、五割ある。法による合併は逆に言えば五、六割である。この状況はどうしてこういうことになっているのかということを林野庁はどう判断しているんですか。
  149. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 確かに両方のものがあるわけでございますけれども、最近の第四期の合併状況について見ますと、平成三年の十二月三十一日までの実績では、百八十一組合が参加して五十その合併組合が設立されております。この中で助成法の適用に基づいているものは、百十四組合が参加し三十三の合併組合、合併実績全体に対しましてはその割合は六割ということになっております。それで、残りの四割ということでございますけれども、これらが合併した主な理由は、合併後の森林組合の組合員経営森林面積、あるいは払い込み済みの出資総額、常勤役職員数のいずれかが認定基準に満たなかったことによるということでございますから、基準に満たないものの合併につきましても、これはやっていただくということは前進であるというように受けとめております。
  150. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 そうすると、この合併助成法によって合併したのが今の期間中、昭和六十二年から平成三年までで三十三組合がある。で、この法によらない任意の合併が二十四組合あるということで、その理由は合併基準に満たないようなところがいわゆる任意の合併であると、こういう今の長官のお話でした。  そうすると、合併基準がきついためにこの助成法による合併ができないという状況があるにもかかわらず、今般、合併基準をさらに格上げしようということはどういうことなんだろうかということをお伺いしたい。というのは、現行の施行令第二条によれば、認定基準としては組合員経営面積の合計が一万ヘクタール以上、出資総額が二千万円以上、常勤役職員が七名以上というふうになっているわけです。これを、今般この基準をさらにきつくして、組合員の経営面積の合計は一万ヘクタールから一万五千ヘクタールにがさ上げ、出資総額は二千万円から三千万円に格上げ、常勤役職員の数を七人以上を十人以上に格上げと、こういうふうに基準を格上げしたら、ますます落ちこぼれが多くなって、合併助成法に基づく合併ができないで、結局任意に合併せざるを得ないという組合が多くなるということになって、むしろ現在のせっかく法律があるにもかかわらず、法律によらない合併というものがこれだけあるのに、さらに基準をきつくすることによってもっとふえるんじゃなかろうかと思うんです。その辺はどういうお考えでやっておられるわけですか。
  151. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 確かに基準に満たないものもあるわけでありますけれども、しかしながら、合併して事業規模等を増大させることが活性化につながると考えております。  さてそこで、今後の認定の基準にしたいと考えております数値を先生が今御指摘されましたが、私どもは、これを決めていきます判断材料といたしましては、先ほど申し上げました第四期において認定を受けて合併した三十三組合、これらの規模との比較を考えているわけでございます。  こことの比較をやってみますと、面積規模でいきますと次期基準をおおむね一万五千ヘクタール以上としておるわけでございますが、第四期の合併実績で見ますと平均二万一千ヘクタールとなっておりまして、これを若干下回る数字を基準にしたいというようにも考えております。その他払い込み出資総額あるいは常勤役職員数等を見ましても、いずれも合併実績の平均値よりもある程度低いもので次の基準を決めてまいりたいと思っておりますから、先生御指摘の御懸念でございますけれども、必ずしもその条件が厳し過ぎて合併が進まないのではないかということではなく、やはりこの程度の規模の合併をしていただいて内容の充実を図っていくべきであると考えているところであります。
  152. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 この合併助成法による助成措置についてお伺いします。  合併助成法の五条には、合併した組合に対し、施設改良あるいは造成あるいは取得費用等もしくは指導の経費、項目はそういうふうな項目になっているわけですが、こういうことを実質的に補助することができる旨規定してあります。この合併助成法五条の助成措置というものは現在どうなってますか。
  153. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 森林組合合併助成法第五条の規定というのは二点ございまして、合併後の組合による施設の統合整備に要する経費、それからもう一つは都道府県による指導経費について予算の範囲内において補助金を交付することができると規定しているわけでございます。これらの規定に基づきます助成措置はいずれも第一期、これは昭和三十八年度から四十二年度にかけて行われた合併でございますが、ここのケースにのみ講じられておりまして、現在はこの規定による補助金の交付は行われておりません。
  154. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 そうすると、昭和四十二年まではこの五条の補助がなされていたけれども、それから以降は補助していないということは、補助の必要性がなくなったということでしょうか。
  155. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) この点につきましては、森林組合合併助成法制定時の状況でございますとか、助成措置の理由でございますが、これを考えてみますと、立法当時は旧市町村単位の脆弱な組合が三分の二を占めておりまして、事業活動の基盤になる施設を自分の力で整備することは極めて困難であると考えられましたために、合併に伴う施設の統合整備に当たりまして、施設の改良や取得等を補助対象としたという考え方がまたございます。  それから指導経費の補助につきましても、旧市町村単位の森林組合を市町村単位に統合することを目標に合併が推進されましたために、合併参加組合数が大変多数に上ったということもございまして、指導経費につきましても予算措置を行ったということでございますけれども、それ以降につきましては昭和三十九年度以降の林業構造改善事業等各種の森林組合強化策による対応が可能となりまして、当面特に予算措置の必要がないと考えられたこと等によりまして、また合併件数も第一期よりは少ないということもございまして、これらの予算措置を講じていなかったわけでございます。  しかしながら、予算措置というものは講じないものの、第五条につきましては森林組合をめぐります状況が大きく変化いたしました場合には、法律補助に対する予算措置の必要性が生ずることもあり得ますので、第五条の規定との関連におきまして、第一条の目的規定、これにつきましては存続するものと考えておるところでございます。
  156. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 今、長官がおっしゃったのは非常に重要な問題なんです。なぜかというと、この合併助成法の五条による補助は今必要がなくなったという趣旨なんです。もし、この五条の補助が必要ないんだとすれば、この合併助成法そのものが必要ないんです。なぜかというと、この合併助成法の一条の「目的」によれば、「この法律は、」「森林組合の合併についての援助、合併後の森林組合の事業経営の基礎を確立するのに必要な助成等の措置を定めて、森林組合の合併の促進を図ることを目的とする。」ということになっているんです。ところが、必要な助成は要らないんだ、補助金は要らないんだということになると、わざわざこの法律をつくって、森林組合合併助成法というその助成の必要がないと言うんですから、この法律自体が必要なくなってしまうんじゃないですか。  しかも、昭和四十三年から今日まで二十数年間全然補助がないというんだから、法五条の補助がなくていいんだとしたらこの法律は要らないことになるんです。この法五条を指定するために一条から四条まであってこの法律はできているんです。この辺はどう考えているのか。
  157. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 合併助成法第五条に基づきます予算措置、確かに現在講じておらないところでありますけれども、私どもとしては将来ともその必要性が消滅したというようには考えておりません。したがいまして、第一条の目的規定につきましては、当面第五条の予算措置は講じないということではありますけれども、状況変化に対応する必要性というものが生ずることもあり得るわけでございますので、これらの規定は存続すべきものと考えております。
  158. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 あなた、そんなこと言うけれども、二十数年間一銭も助成していないで、今後助成する必要が生ずるかもしれないからこの条文はあった方がいい、したがってこの法律はあった方がいいなんて言ったって、二十何年間もやってないんです。これからいつやるか、三十年先にやるのか、百年先にそういう必要性が生ずるのか知らぬけれども、生じるんなら生じたときに法律を制定すりゃいいんであって、何も意味のない法律をいつまでも置いておく必要は何もないんじゃないか。  しかも、これが重要なことは、この合併助成法五条の助成措置を講じないでおいて、反面において予算補助でそれにかわるようなものを、それを含めてもっと全般的に補助金を出して助成しているんです。そのことが問題なんです。合併助成法という法律にこういう助成をすることができると書いてある、そっちはやらないで、それと同じようなことを予算措置でやるということは、この法律を実質的に無視して、行政が独断でやっていることと同じことなんです。  要するに、この合併助成法によれば、こういう要件に合致した人には補助金出しますよと言っているんです。ところが、そういう法律による合併とは無関係に合併した、あるいは合併しない単なる森林組合に対しても予算措置で補助をしているということは、せっかく法が予想していることと全く別個なことを行政の裁量でやっていることになる。  例え話で言えば、この間も林野庁の人が来たときに言ったんだけれども、試験で八十点以上の成績いい人には奨学金を出すよという法律がある。ところが、八十点以上とらなくても、ともかく学校へ来ている人にはみんな奨学金出すよと言ったら、点数のいい人には奨学金を出しますというその法律は無視されているんです、だれにでも出すということになると。それと同じことなんです。そのために、結局この法律が実質的には空洞化しながら、行政措置によって、予算補助によってカバーされている。こういう状況は甚だ不適切だと思います。  大臣、合併助成法に基づく助成措置が要らないんならばこの法律をやめるべきだし、この法律に基づく助成をやってもなおかつ足らないという部分についての予算補助ならそれは納得できるんだけれども、それをなしにしての予算補助だけで処置しているということの状況について大臣はどのようなお考えですか。簡単にお答えいただいて終わります。
  159. 鎌田要人

    ○理事(鎌田要人君) 小澤長官、まず事務的に説明してください。
  160. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 大臣の前に若干お答えをさせていただきたいわけでございます。  この法律の目的は、やはり森林組合の合併につきましての援助あるいは合併後の事業経営の基礎を確立するのに必要な助成等の措置を定めておりますが、要するに森林組合の合併を促進して体質強化になるわけでございます。  それで、予算につきましては、今この法律上の補助はしておりませんが、ただし、もっと広い意味で、税制の特例措置等、いろいろな形でこの法律の趣旨を生かしまして合併促進になるようにやっているというようなこともございますので、この辺もぜひ御理解賜りたいと思っているのでございます。
  161. 鎌田要人

    ○理事(鎌田要人君) それでは、最後に田名部大臣。
  162. 田名部匡省

    ○国務大臣(田名部匡省君) まあいささか問題がなと思う法律も、これはなりでなくていろいろあると思いますが、しかし、いずれ合併するための認定を受けるために必要な法律ということで、今はそういうことで使われてないということがあるかもしれない、中身のことは私はわかりませんが。いずれにしても、何かのときにこれが必要になるという場合もあるでしょうし、別にこれがあるために被害をこうむっているということもなければこのまま生かしておいて、何かのときには使うことでいいんではないか、私はそう思います。
  163. 林紀子

    ○林紀子君 私は広島県に住んでおりますが、広島県は松林の面積が全国一で、しかも瀬戸内海沿岸部を中心に松くい虫被害が大変大きい場所だということですので、川尻町の野呂山という山の上まで行って現地調査をしてまいりました。県の担当職員の方々や川尻町の町長さんなどにも大変御協力をいただきました。また、筑波にある森林総研で研究者の方々からお話を聞くこともできました。  そこで、こうした調査などをもとにいたしまして質問をさせていただきます。  まず初めに、この特別措置法が制定されてから十五年経過した現時点で、これまでの対策をどのように見るのかということです。  一つの意見として、岩波新書から「日本農薬事情」、こういう本が出ておりますけれども、この著者の河野修一郎さんという方は、「最も被害の激しかった一九七九年を含む一二年間を「松くい虫防除薬剤」を販売する側にいた者として、その実態、問題点などに触れておきたい。」、こういうふうに述べまして、松くい虫の特別防除について「森林保護を考えるうえできわめて大きな示唆に富む失敗事例だった」と総括しています。つまり、松くい虫の空故事業を十五年延々と続けて、しかも成功しなかったということを言っているわけですけれども、林野庁はこうした現場に携わった著者の意見、どのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。
  164. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 今お示しのその本を私も読ませていただいておりますけれども、松くい虫の被害につきましては、やはり昭和四十年代後半かう急速にと申しますか増加してまいりまして、五十二年から特別措置法を制定し、対策を実施してまいりましたが、その後はやはり気象上の問題もございましたけれども、爆発的に増加をしたということがこざいました。そのようなときにちょうどこの特別措置法も制定されましたために、私どもとしては鋭意その防除に努めてまいったということがあるわけでございます。  現在ピーク時の四割水準ということで、一定の成果を上げてきたというように評価をいたしておりますけれども、この「日本農薬事情」におきましては、五年間で被害を鎮静化できず、十五年を超えても被害は百万立方を超えているという指摘をしておるわけでございますが、これらにつきましては、先ほども申し上げましたような気象上の変化等々あるわけでございますし、全国的な規模に広がった段階におきましては、やはり防除ということが大変に重要であると考えておりまして、もし防除を実施しないということになれば、これは森林総合研究所の研究結果でもございますけれ ども、急速にむしろ被害は増加するであろうということも予測されるわけでございますので、あくまでも被害対策を徹底していくということが重要であると考えております。
  165. 林紀子

    ○林紀子君 河野さんはこの本の中で、「松の緑を守る方法があったとするなら、日本列島全体を薬漬けにして守るしかなかったのだが、それが不可能なら空散で松を守るという計算は成り立たなかったのである。」「薬剤を散布すれば害虫は必ず撲滅できる、と決めつけることへの警鐘である。」というふうに書いているわけですね。  確かに激害地域の中にあって、空散で緑を守っているという松林もある、そのことは私も川尻町野呂山で実際見てまいりました。しかし、じゃ空散によってこの川尻町全体、野呂山全体の松枯れを鎮静化させることができたかというと、そうでなかったということも事実であるということも同時に見てまいりました。空散という防除技術の持つ限界を示していると思います。空故実施県が減少しているというのもそのためではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
  166. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 昭和五十二年に制定されましたこの特別措置法が必要な効果と結びついているというように考えますが、要するにすべてのところでもちろん空散をやるわけでもございません。むしろ被害森林の一部について空散をやっております。しかし、これはそこを徹底防除によりあくまで松林を守るという基本があるからでございまして、重点的な防除を行っているのもそのためでございます。  そして、ほかの森林も森林としての機能をやはり発揮してもらわなげればいけないということで、総合的な対策も講じてまいりますけれども、それからなお、松くい虫の被害対策といたしましても特別防除のみならず、今までも申し上げておりますように、伐倒駆除、樹種転換等を含めました総合施策を実施するということでございますから、御指摘の著書に見られるような批判が必ずしも当を得たものではないというように考えているところであります。
  167. 林紀子

    ○林紀子君 次に、環境庁にお伺いしたいと思うわけです。  今回の法律改正に当たり、環境庁は林野庁に対して申し入れをしているということですが、それはどういう内容のものかというのを聞かせてください。
  168. 高橋進

    ○説明員(高橋進君) 環境庁といたしましては、特別防除等の松くい虫の被害対策の実施に当たりましては、自然環境あるいは生活環境の保全にも配慮をいたしまして、慎重に実施される必要があるというふうに考えておるところでございます。  このため、今回の改正に当たりましても、自然環境保全地域の野生動植物保護地区あるいは国立・国定公園及びその鳥獣保護区の特別保護地区を特別防除の対象としないことなどにつきまして、引き続きまして基本方針により定めるようにお願いしていくというところでございます。
  169. 林紀子

    ○林紀子君 また、環境庁では日本自然保護協会に委託して、松くい虫被害対策として実施される特別防除が自然生態系に与える影響評価に関する研究、こういうものを行ったというふうに聞いておりますが、どうしてこういう研究を行ったのか、そしてその結論はどういうものか、これもお答えいただきたいと思います。
  170. 高橋進

    ○説明員(高橋進君) お尋ねの環境庁の調査についてでございますけれども、松林の生態系につきましては多種多様なタイプがございまして、その特性につきましては不明な点も多いところでございます。このため、松林生態系の基礎的な情報を整備いたすということとともに、自然環境に対しますいわゆる農薬の長期的な影響、これにつきまして土壌動物を主体にいたしまして調査をしたところでございます。  この結果でございますが、農薬散布の影響につきましてははっきりいたしませんでした。むしろ、森林の環境変化によります影響が大きいということなどが判明したところでございます。
  171. 林紀子

    ○林紀子君 こうした申し入れや研究成果を受けて、林野庁はどのように法案改正やまた基本方針の中に反映させているのかというのを教えていただきたいと思います。
  172. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) 特別防除につきましては、従来から環境庁とも意見調整を十分に図ってまいっておりますが、この中で貴重な野生動植物の生育地でございますとか自然環境保全法によります野生動植物保護地区等に存する松林におきましては、特別防除を実施しないこととしているなど、これらは基本方針にも明確にいたしまして、環境に対する影響に配慮しているところであり、今後もそのようにやってまいる所存でございます。
  173. 林紀子

    ○林紀子君 環境に対して配慮をするというお話しありましたけれども、先ほど来質問がございましたけれども、人体への影響、それについてはどういう調査をしているのかということでは先ほどお答えがありました。農薬が安全であるから、また定められた使用方法で使用すればよいから、それは調査をしていないといったしかお答えだったと思うわけです。  私は広島に住んでおりまして、先ほど来引用がありましたけれども、広島県の教職員組合公害教育」分科会というところで大変大がかりなアンケートをされていると、そのことを注目いたしまして私も読ませていただきました。人体への影響ということでは、一九八八年の場合、小中学生一万五千二百三十人にアンケートを行い、一万三十六人から回答を得ている。去年、一九九一年にはさらにこれを広げて、十六市町の八十一校の学校の生徒についてアンケート調査を行い、二万三千二百五十人からアンケートを得ているということではかなり大きな対象の調査ではないかと思うわけですね。そして、その結果、三三%に当たる答えが影響がある、被害があったと訴えている。これは複数回答ですので、実数で言うと一九%ぐらいの子供が目がちからかしたり吐き気がしたりということまで含めて影響があったと答えている。これは八八年の場合ですが、そして去年の九一年の場合には、実数一二%の子供たちが被害を訴えている。しかも、この被害の状況といいますのは、ゼロから五百メートルのところでこの空中散布を受けたという子供たちの被害率が非常に高い。低いのは三千メートルから四千メートルで、周辺に行くほど低くなっているというふうに書かれているわけで、そういう意味ではこれはなかなか実態に即した実情を反映しているアンケートではないかと思うわけですけれども、これについてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
  174. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) 広島県の教職員組合が行いましたアンケート調査につきましては私どもも聞いているところでございますが、ただ、これにつきましては、特別防除の実施に伴いまして、今、先生がお話しされましたような学校の児童生徒に健康被害が生じたと言われている、このことは承知しているわけでございます。しかし、私どもは広島県の方からは、学校そのものからは被害の報告を受けていないというように聞いておるわけでございます。  しかしながら、今後この防除というものを実施していく場合には、この危被害等の把握ということが大変重要でございますから、今後私どもとしては、特別防除を実施いたします地方自治体等が地域住民との対応窓口を設けまして、防除についての周知徹底を図りつつ危被害の発生状況の把握にも一層努めるように指導してまいる考えでございます。
  175. 林紀子

    ○林紀子君 私は、今その窓口を設けて地方自治体の方からそういう声も聞くというお話を聞いたので、それはそれでいいわけですけれども、今まで十五年間これを続けてきてそういうものがなかったということがかえって不思議なわけですね。これだけのアンケートで、かなり説得力のあるというか、事実に即したものがはっきりしているにもかかわらず、これが県の方からこちらに一切届いていないという、そのことが非常に大きな問題ではないかと思うわけです。  私も、この質問に先立ちまして、実際どういう被害があったかというお話を聞かせていただきましたら、お答えは、蚕とかミツバチとかエビとかそれから車の塗装に影響があったというようなお話は聞いているわけですけれども、人体への被害というのは一切聞いてない、届け出がないというふうに聞いたわけですね。そこのところが一番問題なんじゃないかと思うわけですね。  基本方針にも、これは第三の四の(2)というところを拝見いたしましたら、「特別防除の実施により、農業、漁業その他の事業に被害が発生し、又は周囲の自然環境及び生活環境に悪影響が生じた場合には、直ちに当該地区の特別防除を中止し、その原因の究明に努めるとともに、適切な事後措置を講ずるものとする。」というふうに書いてあるわけですね。でも、それが上がってこない、わからない、知らなかったということでは、この「適切な事後措置」もできないし「原因の究明」もすることができないということじゃなかったかと思うわけです。  ですから、今後も地方自治体の窓口にそういうものを設けて把握に努めるということですけれども、十五年間どうしてそれをしなかったのかということについてもう一度聞かせていただきたいと思います。
  176. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) いろいろとその防除に伴います被害発生については、私どもは状況の把握には十分努めているところでございまして、そのような内容を見ますと被害件数というのは大変低下をしたわけでございます。最近では全国で年間四件というような数字もあるわけでございます。しかしながら、こういう情報なりあるいは被害の状況というのがやはり正確に早く手に入りませんと対応もしにくいところもございますので、今までの状況では私ども被害は大変に減ってきているという認識をしておりますけれども、しかしながら、今後ともいろいろな影響というものを考えますときに、これらの情報の把握あるいは対処につきましては、この防除が円滑に地域の理解を得て行われるようにいたすことが重要と考えておりますので、今後とも適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
  177. 林紀子

    ○林紀子君 私は森林総研に行きまして、この松くい虫の原因というのがマツノザイセンチュウというものにある、そしてマツノマダラカミキリというのがその運び屋であるというお話を聞きまして、やはりこれを突きとめるための科学的な御努力というのは大変なものだったなというのを非常に感じたわけですね。ですけれども、その後の対応というのが、今お聞きしましたように大変科学的でなかったというふうに思うわけですね。ですから、そういう意味では、今お答えのありましたように、きちんと事実を把握する、事実に基づいて対処もしていく、そのことをきちんと守っていただきたいというふうに思うわけです。  次に、予算の問題をお聞きしたいと思いますけれども、国の予算額はこの五年間だけでも年々減少しているわけですね。そして補助率も行政改革の名のもとにカットされてきている。そのために自治体負担が大変増加しているのではないかと思いますけれども、それはいかがでしょうか。
  178. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) 確かに最近、国及び地方公共団体財政状況並びに行革審の答申などを踏まえまして、高率補助公共事業と同様、この関係予算につきましても暫定措置といたしまして六十一年度に適用された補助率が適用されているところでございます。これに対する負担増の問題でございますけれども、地方財政における負担増につきましては、地方交付税の特別交付税におきまして措置されていると私ども承知しているわけでございますから、予算措置につきましては必要なものが全体として措置されているという理解をしているところでございます。
  179. 林紀子

    ○林紀子君 今回の改正で、特別防除の限定化で被害の先端地域、特に東北地方などでは、国や道府県が行う防除面積が減って、逆に市町村や森林所有者が行う防除面積というのはふえるんじゃないかと思いますが、それはいかがですか。
  180. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) 今回の被害の拡大防止松林の範囲の見直しでございますけれども、まず松くい虫被害対策特別措置法等に基づきまして、被害量が四割水準に減少してきている、あるいはまた、被害地域の著しい拡大というのもほぼ停止しつつあるということ。しかしながら、依然として保全すべき松林やその周辺に感染源が残存しております。これらを踏まえまして、防除の必要性の高い地域において都道府県知事等が重点的な実施をいたしますために、そしてこの防除が効果を発揮するという観点から新しい対応を考えているわけでございます。  この場合に、この地域の松林の保存等のために、都道府県実施計画の対象とならない松林で被害対策を講ずべき松林につきましては、地区実施計画の対象とする考えでございます。これらのことで地域を重点的かつ効果的な実施ということで今後処理してまいりたいと考えております。
  181. 林紀子

    ○林紀子君 最後に、大臣にお伺いしたいと思いますけれども、前回、前々回の改正の際、松林保全懇談会の一員であった西口親雄さんという東北大学教授の方が、ここに「森林保護から生態系保護へ」という本を持ってまいりましたけれども、この著書の中で次のように述べています。   もっとも根本的なことであるが、日本のマツ  ノザイセンチュウ病は、次第に二次性病害にも  どりつつあることを、認識すべきである。した  がって、松枯れにたいしては、特別措置法では  なく、恒久法で対応すべきときにきている。そ  れは、薬剤による対応ではなく、松林管理のあ  り方、さらにいうならば、日本の里山管理のあ  るべき姿を示すものでなくてはならない。というふうに書いているわけですけれども、この根本的な考え方、「根本的なこと」というふうに提案していることについて、大臣はどういうふうにお考えになりますでしょうか。
  182. 田名部匡省

    国務大臣(田名部匡省君) もともとこの特別措置法というのは、異常な被害に対処して松くい虫の防除に当たるということで制定されたわけでありますから、昔からあったわけではなかったものですからそういう措置をとった。松そのものは、燃料にしたり適当な時期に切って利用しておるというときはこういうことはなかったのかな、こう思います。  木でも人でも年輪を重ねると病気になりがちなわけですね。これはリンゴの木でもそうであります。やっぱり余り古くなりますとどうしても樹体が病気にかかるということで、そういうことはかっては切ったものですからなかったと思うんですが、しかし、今はそういうことではありません。いずれにしても、この被害はピーク時に比べると減少いたしておりますが、まだ百万立米ほど残っておりますので、この特別措置法に基づいて対策が必要であるということでお願いをいたしておるわけであります。    〔理事鎌田要人君退席、委員長着席〕  しかしながら、松ばかりではありませんが、木の枯れるというのは、手入れが不足しておるとか、あるいは酸性雨、環境の悪化、いろいろな要因があると思います。森林の手入れ等はやっていかなきゃならぬ、こう思います。思いますが、これまた広大な森林の手入れがどれほどできるかということになると、集中的にやらなきゃならぬところをやるという以外に、今度の場合もそういう作戦に方向を転換して、そして対策を立てようということで、今こうして審議をいただいておるわけであります。
  183. 井上哲夫

    ○井上哲夫君 私もまず松くい虫被害対策特別措置法について御質問をしたいと思います。  実は、この松くい虫被害対策特別措置法、これは既に最初の措置法制定以来二回にわたって延長がなされてきたということでございますが、私が所属する連合参議院の場合は、過去に関与をしておりませんので、初めてこの法案に直面をしたわけでございます。  私どもでるるこの問題について議論をいたしましたところ、非常に小さな法案と言っては語弊があるんですが、この特別措置法についてはかんかんがくがくの激論が延々と続きまして、最終的には今回は賛成をするという結論に達しましたけれども、非常に強い反対といいますか、もしくは、具体的に言えば空中散布についてなぜとめることができないのか、しばらくそれをやめた方がいいんではないかというような、そういう強い反対の意見もありました。  そこで、私は、やはりこの法案については、守られるべき利益といいますか、法益が生活環境あるいは自然環境、一万守られるべき法益も、松林といいますか、森林のまさに環境と環境がぶつかっている、そういう法案の中身であるということを、そこから大変素朴な疑問をもとに御質問をしてみたいと思っております。  まず一番最初に、この空中散布の予算について、先ほど猪熊委員から御質問と中身の回答がありましたが、過去五年間におけるこの防除予算、とりわけ空中散布にかかる予算、そしてこの予算の執行内容についてお尋ねをいたします。
  184. 小澤普照

    政府委員(小澤普照君) お答えいたします。  特別防除の予算につきましては、昭和六十二年度から申し上げますと二十六億円ということで、対象面積は十万ヘクタールでございます。六十三年度が同様に二十五億円で十万ヘクタール、平成元年度におきましては二十五億円で九万九千ヘクタールでございますが、さらに平成二年度は二十四億円、九万三千ヘクタール、平成三年度は二十三億円の予算で八万三千ヘクタールの実績となっているところであります。
  185. 井上哲夫

    ○井上哲夫君 実際に空中散布というのは、殺虫剤が空から舞って落ちてくる、こういうふうに素人が見ますと、これは恐ろしいという受けとめ方をするわけですが、実は私、一つ疑問なのは、水田ですね、稲作で水田に殺菌剤をヘリコプターでまいてみえる。これは鹿児島といいますか、南から北に稲作の作付の時期につれながら、かなりまとまった水田であれば殺虫剤ではなくて殺菌剤でしょうけれども、それをヘリコプターで空中散布する。これは時期的に暖かい南の国から東北、北海道までずれ込みがありますから、ヘリコプターでまくスケジュールからいってもうまいぐあいにいく。  この松くい虫の特別防除の空中散布の場合には、そのような散布時期の相違が、さっき一井委員がおっしゃいましたが、憎き虫をぶち殺す、そのためには最も効果のあるときにまかなきゃいかぬというその問題を前提にして、きれいに地域的にまく時期がずれるのかどうか。もしそれがうまくいかないとすれば、世上反対派の一部が言っているにすぎないと言われる、本当にまくべきときに、まかなければいけない場所に最小限度をまいているかどうかということが怪しいぞという、そういう議論とまたぶつかってしまうんではないか。その点について、全く素朴な疑問でございますが、お尋ねをしたいと思います。
  186. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) やはり気象条件、気候というようなものとも絡んでおりまして、ある程度の幅はございます。やはり南と北では時期も異なりますが、同時にまた、ある一定の地域におきましても羽化脱出する時期を考えまして散布を行いますけれども、ある程度の幅もあるということになっております。実際上実施しておりまして、年間八万ヘクタールでございますとか九万ヘクタールという面積でございますから、航空機の使用上、そちらの方からの支障があって適期に実施できないということは聞いておりません。むしろ各地域における羽化脱出の時期を適切に把握いたしまして、その中でやってまいるということでございますが、その羽化脱出の時期も予測精度はかなり高まっておりますけれども、まあ一週間程度はずれることもございますが、ここは薬効の能力の範囲の中で処理できるというように考えて実施しているところでございます。
  187. 井上哲夫

    ○井上哲夫君 同じことですが、それでは、この松くい虫の防除のための薬剤空中散布の時期と水田の稲作への殺菌剤の空中散布とは重なり合うようなことはないのでございますか、時期的に。
  188. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) ちょっと水田の方ば直接の所管外でございまして、的確な御説明ができるかどうかわかりませんけれども、実態上はヘリコプターの使用ということになりますので、そこのところについては具体的にそれぞれ支障がないように調整を行うことになっておりまして、支障は生じていないと判断をしております。
  189. 井上哲夫

    ○井上哲夫君 まあ、世間ではといいますか、反対派の一部の人はいろいろおっしゃってみえる。その中には、果たして薬も本当に開発改良された薬剤なのかどうか、あるいはヘリコプターのスケジュールを確保するのは至難のわざである、したがって適正な時期にまくということはなかなか容易なことではないというようなことを聞くわけでございます。これは一部の人の声と私もそう受けとめておりますが、問題はこういう素朴な疑問に対して、今私が予算の額と執行状況をお聞きしたのは、すべて予算どおり完全執行されるということとまく時期のそういうデリケートな問題はどのように調整できるんだろうか。とりわけ最近、民間会社のヘリコプターはよく落ちて――それはよく落ちてというんじゃない、よく落ちてというふうなことを言う人がおるということでございますが、大変なスケジュールの調整の中にあるというふうに言う人が多いということを考えますと、その辺の反対を言われる人たちの御批判に対してどのように受けとめられてみえますか。
  190. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 私どもも適正な防除が行われるということが必要だと考えておりますけれども、確かにヘリコプターにつきましても雨が降ればその日は飛べないということもあるわけでございます。したがいまして、そこのところをどの程度弾力的に行えるかということに私どもも関心を持っているわけでございますけれども、これの問題につきましては、私どもは通常二回散布というのをやっておるわけでございまして、一回の散布でおおむね薬の有効期間は三週間と見ておるわけでございます。二回まきまして六週間、六週間の中で効力を発揮するようにということを考えているわけでございますから、若干の羽化脱出の時期がずれた場合、あるいはヘリコプターの使用が日程調整の都合で一日、二日すれるということは、その中で十分対応できるということでやってまいっておるわけでございますけれども、実態が円滑にいっているのかどうかという御質問というように受けとめますと、ぜひまた後日先生にも現地等を御視察もいただければ幸いと考えております。
  191. 井上哲夫

    ○井上哲夫君 そこで、私は何を考えてこういうことを聞いているかといいますと、やはりこういう素朴な疑問というものは一番耳を傾けなければならない。だとすれば、私に言わせれば、いろいろ問題が多いと言われながら、なおかつ松林を守るためには必要なんだと言うからには、そして延長、延長と十五年やってきて、理解を得られない人たちからはそんなに効果がないならやめろとまでひどいことを言われておるということを前提にしますと、実は空中散布の実施の時期、実施の内容、あるいは実施後の生活環境あるいは自然環境への影響など、あらゆる農水省が持っている資料を本当ならば国民の前に全部出すべきではないだろうか。それをやらないと、隠せば隠すほどおかしい、おかしいというふうに見られる。その点が、私も所属しておりますが、日本弁護士連合会の今回のこの法案延長の反対を強く出した意見書の根底には、データを出さないものにどうして信用できるんだ、こういう基本的な強い意思があるわけであります。  その点についてお尋ねをいたしたいと思うんですが、この日本弁護士会の意見書の中には、今私が申し上げましたデータが、あって出さないのか、ないから出さないのか、出てこないと、こういう意見があります。それに対して私が林野庁の方にお聞きをすると、あるものについて差し支えのない範囲で出しております、あるいはデータをとることに専門家の非常に高い精度のデータということになると、それを一々国民に出すということも理解の程度を超える面もあろうか、あるいは専門家の研究対象にもなるということで出さないものもあるという御返事でした。  そこで、私は思うのでございますが、例えば農薬についてデータを出せと言えば、これは利益を上げ、秘密で研究をしている農薬会社にとってはめったやたらにデータを出してもらったら競争会社との兼ね合いで困るとか、あるいは誤解をされて商品のイメージを壊されてしまっては困る、そういう意味でデータを出せない障害になることはあろうかと思います。しかし、空散の例えば実施予定、現実に実施をした内容、予定はしたけれども実施できなかったこと、さらに実施後の追跡の問題、こういうことについてのデータは隠す必要はほとんどないものばかりではないかと思うのでございますが、その点でいかがでしょうか。
  192. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 日弁連の意見書はいただいておりまして、私どもはこれに対しましては御回答をすべて申し上げております。いろいろとコミュニケーションが不足しておったなという感じもございまして、私どもが明確にお答えできる点が私は多かったと思っておりますけれども、今のデータの問題も指摘が確かにございまして、データも私どもは別に公表をしてないとかいうことではなくて、現に必要な専門家に見ていただくとかいうことはかなりあるわけでございますから、調査結果につきましても、中央森林審議会ですとか、あるいは都道府県段階の審議会、それから地区推進連絡協議会の場等においては極力公表して参考にしていただいているわけでございます。  あと、例えばこういうのは公表してないのがあるんです。効果調査等を実際の地点を選んでやっておりますけれども、この場所が余り一般に知られてしまいますと、この場所がいろいろ変化してしまいますと調査ができなくなるというようなこともございますから、若干そのような専門的見地から、そこに余り立ち入ってもらうと困るというようなことはございますけれども、一般的にはデータたつきましては十分公開して対応してまいりたいと考えております。
  193. 井上哲夫

    ○井上哲夫君 そこで、もう一つだけお尋ねをしますが、先ほど過去五年間の空中散布の特別防除についての予算の額と執行面積を教えていただいたんですが、ことしの予算についてももう計上されているということですが、これから五年間の林野庁の見通しとしては、この空中散布による特別防除の予算というものは、これまでの傾向を見ると少しずつ減ってきておる、面積も減ってきているということですが、今後の傾向についてはどうなんでしょうか。
  194. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 予算といいますのは、いろいろな費目で組み立てられておりますので、今、先生がおっしゃいました松くい虫防除予算という項目では実は減少傾向にあるわけでございます。  これは端的に申し上げれば、被害量も減っているからということにもなるわけでございますけれども、ただし、私どもはこれからの松林の整備充実ということも考えますと、この費目の予算だけではないわけでございまして、それ以外の森林整備に関する予算というのを十分に有効に使う必要があると考えておりますから、これらのものをトータルいたしますれば、今後全体としてはさらに内容も充実し増強して、適切な松林の整備、ひいては森林の整備に当たってまいりたいと考えております。
  195. 井上哲夫

    ○井上哲夫君 私は、今、質問していること、細かく通告はしてなかったんで大変申しわけないとは思っておるんですが、私は一番望みたいことは、いろいろ問題のあるこの特別防除、とりわけ空中散布については、天気やヘリコプターやいろんな事情でできなかったらもうそれはいい、予算を一〇〇%執行しなきゃいかぬということじゃないんだ、むしろ余ったものは地上散布なり樹幹注入なり、もっともっとお金がかかる防除の方もあるんだから、そちらに回してくれと、こういうふうなことを現場に強く要請していただきたいと思うのでございますが、いかがでしょうか。
  196. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 私どもも予算の適正な執行ということに努めるよう常に心がけているわけでございますが、若干実態を申し上げれば、今防除に対する御熱意も各地域で大変高まってきておるわけでございまして、予算につきましては大変要請の方も多いということで、適正な執行、配分にむしろ苦労をしつつ実行している状況でございます。まあ、余りましたというようなことはなかなかないわけでございますけれども、今後とも適切な防除に努めてまいりたいと思っております。
  197. 井上哲夫

    ○井上哲夫君 実は、私はきょうの質問の通告のときに、この空中散布についてはいろいろと問題が多いというふうに言われておるんで、散布するについて地元の了解、同意をとるについては、そんなに問題があって、林野庁がいつもまるで問責の対象のようになるようであるんならば、議会の承認を得て散布するとか、あるいは散布後も地方自治体に追跡モニタリングというかそういうことをやるようにするとか、そういうことはどうなんだろうということを聞きました。林野庁の関係者の方が、それは余りにも理想論で、そんなことではとても実施はできない、むしろ具体的に細かい努力をして万遺漏なきをもってやっておりますと、こういう御返事で、それはそう言われてみるとあえてそのことを質問してみてもと思ってやめたわけでございます。  最後に大臣に、これは質問通告しておりませんが、お尋ね――お尋ねというよりも、大臣のツルの一言でもう少しこの空中散布についてこれからより効果が上がるように期待をしてお願いしたいのでございますが、何度も申し上げておりますように、この問題の資料、データをもっと国民にオープンしていく。一方、またこれは環境の保護なんだ、だから、そう資料を公開しない方がいいと考えるよりも、この問題こそ役所は国民にどんどんどんどん資料開示をしていく、つまり行政機関の持っている情報をどんどんどんどん開示していく。この問題に関しては一番適しているところではなかろうかと思うんで、とりわけ空中散布の実施状況、その結果、まあ何匹虫が死んだか、それはもうわからぬことでございますが、できる限りそういう開示をしていただきたいということをお願い申し上げまして、大臣の決意を伺いたいと思います。
  198. 田名部匡省

    ○国務大臣(田名部匡省君) 薬剤散布につきましては、いろいろと御異論のあることも十分承知をいたしております。しかし、各県においては、今、長官の答弁にありましたように、もっとやってくれ、もっとやってくれと言われても、予算に限りあるものですから、その対応に追われているという状況でありますし、またデータのこともそうですが、隠しているものは何にもございません、これは。むしろ、こういうパンフレットをつくって皆さんにPRに当たっていただいたりいたしております。どの程度の範囲に出すかというと、結局はこの松の病気に国民が無関心だということで、せっかくデータが出ておってもそれを見てくれない。人もたくさんおるわけです。  ですから、一人一人がみんな松をどうやって守るかということからスタートいたしませんと、薬剤散布にしてもやめろということであれば、じゃ一体どうするか、松がなくなってもいいのかと、こうなりますといろいろまた論議を呼ぶわけでありますから、いずれにしても今度は地域の方々の意見、この地域はやってはいかぬ、そういうものを十分聞きながら、必要であればどんなデータでもお出しをして、理解していただけるものならば私の方ではお出しをして協力をいただきたい。何にしても、大切な松をどうやって守るかということでみんなが本当に真剣になって考えていただければ非常に幸いだ、こう思っておりますので、そういう考え方でこれから努力をしてまいりたい、こう思います。
  199. 井上哲夫

    ○井上哲夫君 ありがとうございました。     ―――――――――――――
  200. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) 委員の異動について御報告いたします。  ただいま大塚清次郎君が委員を辞任され、その補欠として下稲葉耕吉君が選任されました。     ―――――――――――――
  201. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 私は、待ち時間も少のうございますので、二、三要望として申し上げて、予定した問題点を一括省きたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  まず第一点の要望は、先ほど来お聞きしております特別防除、空中散布に対して人畜に被害があるという、このことはもう常識として論じられております。しかも、そのことが地域で始まったデータを取り上げて迫っておるわけです。それを、いわゆる農水省が計画していないものの被害はこれは別だと、こういったかたくななお気持ちをお持ちにならないで、何であろうがとにかく地域住民から盛り上がってくるものを大事にしていただいて、前向きで取り上げていただくという、この誠意をお持ちにならないといけないのではないか、こう思いますが、大臣、いかがですか。
  202. 田名部匡省

    ○国務大臣(田名部匡省君) おっしゃるとおりだと思います。  私たちも、薬剤散布、農薬そのものは規定に従って利用すれば人体に、あるいはその他のものにも影響がない、使い方が問題だと思うんです。しかし、そう言ってみても、やっぱり地域の人たちにすればいろいろ影響があるんじゃないかという御懸念あります。ですから、御懸念あるところは外して空中散布をしていかなきゃならぬ。絶対だめだというところまでこちらで強行してやるというものではないのでありますから、そこのところは多少また、先ほど私が申し上げたように国民がどれだけの関心を持つかということがそこなんですね。ですから、人体に影響がないが、空中散布のときにはちょっと戸を閉めて一時間とか二時間こうするとか、そういういろんな意見を交わした上でやっていきたい、こう思っております。
  203. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 次に、空中散布をなさる場合のその面積の基準がございますかどうか。
  204. 小澤普照

    ○政府委員(小澤普照君) 確かに、ヘリコプターを使いますから、余り小面積というのはなかなか適合しないわけでございますから、私どもは、基準と申しますか、大体十ヘクタール程度以上ぐらいのところがこれに適しているというように考えております。
  205. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 と申しますのは、沖縄では音の空中散布が大変でございます。いわゆる爆音、爆音の散布がこれはもう健康上、夜も寝られぬ、学力は低下する、学習意欲はと、こういうふうに音の空中散布を思い出しながらお聞きしたわけであります。  と申しますのは、人畜に被害があるというふうに先ほど申し上げましたが、爆音が今沖縄、特に嘉手納基地を中心とする大変な爆音の激しさがふえてきておるんです。すなわち七十ホンが許容の音の基準なんですね、それを上回るというと人間に被害があるという。ところが、沖縄では嘉手納基地で百ホン以上の回数が一日に百回以上も頻繁に繰り返されておるという。こういう音のもとで不安な毎日を過ごしておるというのが沖縄の県民の、特に嘉手納基地の住民の実情であります。  そこで、毎日、毎時間、毎秒、その音のデータをとっておりますが、嘉手納基地では。結果、このことが人間の命に関係があるかどうかということを今検討されつつあるということなんですね。間違いなくこれは生命に、音の基準を超えた音を絶えず吹きまくれば人間の命にかかわるということももう科学的に立証されておる今日であります。こういうふうに、空中散布にしても音の散布にしましても、常に科学的なデータを持って主権在民にこたえていくという、あるいはリードしていくという、こういう指導性を持ってもらわなければいけないと私は思うんですが、繰り返すようでありますが、大臣、いかがですか。
  206. 田名部匡省

    ○国務大臣(田名部匡省君) せっかくのお尋ねですが、ヘリコプターは夜は飛びませんので、夜間の騒音はない。それから、どちらかというと森林地帯でやるものですから、余り町の中で御迷惑をかけるということはまあないのではないかなという気がいたします。  音が生命にどれだけの影響があるかというのはよくわかりませんが、私たちが東京に住んでおって、随分車や何かの音がすごい。田舎へ帰ると車の音も聞こえないところに住んでおるんですが、どうも青森県人は短命で東京の人たちが寿命が長い。こういうことを見ると、もう少し私たちの方が長生きしていいがなと思いますが、そういうデータはとっているかどうかわかりませんが、とっているとすれば事務当局からお答えをさせていただきたいと思います。
  207. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 大臣、終わりにいたしたいと思いますが、それで申し添えておきますが、繰り返すようでありますが、一人の声といえども我々はただ無造作にこの席上で訴えておるのではありません。少なくとも、主権在民の声を、地域住民の声をそれなりにキャッチしてこの委員会にも臨んでおることは間違いのないことでありますので、どうかひとつ、ここで要望されることについては常に前向きで真剣に取り上げて、これを科学的に立証して広げてくださることを今後特によろしくお願い申し上げ、時間が少し残っておりますけれども、これで私はもう要望を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
  208. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより両案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べいただきます。
  209. 林紀子

    ○林紀子君 私は、日本共産党を代表して、まず松くい虫被害対策特別措置法の一部改正案の反対討論を行います。  反対理由の第一は、松材の薪炭利用の減少や木材の輸入自由化政策のもとでの松材価格の低迷、林業労働者の激減、高齢化の中で、松くい虫の駆除措置である伐倒駆除や特別伐倒駆除量が低下し、特別防除のみに頼る傾向となってきています。さらに、駆除処理の低迷により、被害木は立ち枯れの状況のまま放置され、それが感染源となり被害を広げ、松林の荒廃を進行させています。被害面積は横ばいの状況で、被害の終息のめども立っていない状況です。こうした中で、伐倒駆除を飛躍的にふやすための措置をとらずに、ただ特別防除を推進する特別措置法を延長することに反対です。  第二の理由は、農薬の空中散布による人体への影響や生態系に与える悪影響の可能性について国民の関心は高まっています。農薬の空中散布による人体被害について全国保育団体連合会の調査でも指摘されており、また日本弁護士連合会も反対を明らかにしています。松くい虫防除の総合性を失い、今後、さらに特別防除に依存することが必至であるような特別措置法の延長には、社会的批判の高まりを踏まえて賛成するわけにはいきません。  反対の第三の理由として、駆除措置を飛躍的に高めるためには、国産材の材価の向上を図る林業政策を確立することを初め、林業従事者の確保などが不可欠であります。その対策を講じないまま特別措置法を延長することは、松くい虫対策のゆがみを招くものであり、反対であります。  次に、森林組合合併助成法の一部を改正する法律案に対し反対討論を行います。  反対の理由の第一は、本法案の今回の改正は、昨年改悪された森林法と国有林野事業改善特別措置法で導入された流域管理システムにこたえられる森林組合として、国有林野事業の肩がわりを押しつける行政指導型の合併を推し進めるものです。しかも、合併及び事業経営計画の計画事項として森林施業の共同化、合理化に関する計画などが追加されており、組合運営に行政の介入を容認するものであります。本改正案は行政主導型の流域単位の広域合併を強行に進めるもので、従来の合併とは性質が異なるものです。  第二の理由は、本法の改正で、合併及び事業経営計画を立てるには、これまでの組合員の半数以上の出席の総会で、三分の二以上であったものを、総代の半数以上が出席する総代会において、三分の二以上の多数による議決によってもできることになります。組合員に大きな影響を与える組織の合併に当たり、総代会で決定されることを可能にすることは、民主的手続を後退させるものです。  第三の理由は、広域合併は、組合員や市町村との連絡の低下、サービスの低下を招くとともに、各市町村の行政の取り組みの不均衡な実施から、組合の運営に複雑さを余儀なくされており、決して組織の強化を導くものではありません。  以上の理由で反対をいたします。
  210. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより順次採決に入ります。  まず、松くい虫被害対策特別措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  211. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、井上君から発言を求められておりますので、これを許します。井上君。
  212. 井上哲夫

    ○井上哲夫君 私は、ただいま可決されました松くい虫被害対策特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、参院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     松くい虫被害対策特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たり、松くい虫の被害対策を緊急かつ総合的に推進するとともに、次の事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。  一 松くい虫等による異常な被害を早急に終息させるため、地域の被害態様を十分に把握した上で総合的な被害対策が適切かつ効果的に実施できるよう、国、都道府県、市町村、森林組合等を通じた実施体制をさらに充実、強化するとともに必要な予算を確保し、本法の目的が達成されるよう万全の努力を行うこと。  二 松くい虫防除特別措置法が制定されて以降十五年間に、環境保全への国民的関心が高まっていることを重視し、可能な限り伐倒駆除、樹種転換、樹幹注入、天敵利用等の方法を選択し、被害の終息に努めること。今後の制度運用に当たっては、その趣旨が地域の実施者へより一層徹底するよう努力すること。   そのため、その運用基準を明確化すること。  三 国、都道府県及び市町村は、総合的に被害対策のため地域の自主的な取り組みを促進し、松林の重要性や被害の状況とその防除方法等について地域住民、松林所有者への普及啓発に努めるとともに、その支援に努めること。  四 特別防除については、住宅、宿泊所その他の家屋及び公園、レクリエーション施設その他の利用者の集まる場所の周辺の松林においては、原則として、これを実施しないこと。  五 特別防除の実施に当たっては、地域住民の意見を十分反映できる構成員をもって協議会を開催し、特別防除の必要性、薬剤の安全性、人蓄への危被害防止、環境への影響について周知徹底を図り、生活環境及び自然環境の保全に留意しつつ慎重に実施すること。  六 特別防除の実施に当たっては、被害状況の把握に努めるとともに、その実施によって被害が発生した場合においては、直ちに特別防除を中止し、その原因究明に努め適切な措置をとることとすること。特別防除により被害が生じた場合には、国家賠償法等に基づく円滑な損害補償を行うこと。さらに、薬剤の飛散等が生活環境と自然環境に及ぼす影響について引き続き必要な調査を行うこと。  七 樹種転換については、新たな山造りを進める観点を含め長期的な視点に立って計画的に行っていくものとし、都道府県、市町村、森林組合等が必要とする予算措置、技術指導及び労働力の確保に努めること。  八 松の枯損メカニズムについて、引き続いてその徹底究明に努めるとともに、天敵鳥類の活用による防除の推進を図るほか、誘引剤の利用等、環境保全と調和しやすい新しい防除技術の早期実用化を図ること。また、選抜育種の一層の推進と併せて、バイオテクノロジー等の導入による抵抗性品種の育成及びその供給体制の整備等育種事業の充実に努めること。さらに、松の枯損被害についても、手入れ不足等による松の不健全化や酸性雨等の影響について調査研究を推進すること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  213. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) ただいまの井上君提出の附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  214. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) 全会一致と認めます。よって、井上君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、田名部農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田名部農林水産大臣。
  215. 田名部匡省

    ○国務大臣(田名部匡省君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。
  216. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) 次に、森林組合合併助成法の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  217. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、三上君から発言を求められておりますので、これを許します。三上君。
  218. 三上隆雄

    ○三上隆雄君 私は、ただいま可決されました森林組合合併助成法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、参院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     森林組合合併助成法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たっては、最近においても我が国森林・林業をめぐる諸情勢が依然として厳しいことにかんがみ、流域林業の中核的担い手としての森林組合の組織経営基盤を強化するため、次の事項の実現に遺憾なきを期すべきである。  一 森林組合の合併の促進に当たっては、組合の実態、地域の実情等に基づいた適切な助言、指導を行い、個々の森林組合自体が意欲をもって取り組めるように努めること。    また、森林・林業・林産業を活性化するため、流域を基本単位として、森林整備水準の向上、国産材産地形成等を図る流域管理システムを確立していく上で、森林組合に流域林業の中核的役割を担うことが期待されている。そのため、技術向上等に必要な教育、指導の推進による技術者の養成に努めるとともに、地域振興のリーダーともなりうる森林組合職員の人材の確保に努めること。  二 林業後継者の育成に資するため、地域社会との連携を強化しつつ、学習研究体制・林業試験研究機関の整備、グループ活動の活性化に努めるとともに、個性と魅力のある地域づくり、都市との交流の促進、その他有効な施策の充実を図ること。  三 林業労働者を確保するため、雇用の安定、労働基準法の完全適用、社会保険への加入促進、福利厚生施設の整備等労働条件の向上、労働安全衛生の確保に努めるとともに、高性能林業機械の導入を図ること。  四 間伐対策については、その緊急性にかんが   み、引き続き森林組合等が行う間伐事業に必   要な施設の整備、森林所有者等が共同して行   う計画的な間伐の実施、間伐材の需要開発等   に努めること。  五 森林災害共済については、対象森林の構成   の変化、異常災害の発生、加入率が低いまま   に推移していること等を考慮し、林業経営の   安定化を図るという観点から、共済加入の拡   大と健全な運営を図るとともに、森林国営保   険と併せて、長期的展望を踏まえつつ、将来   の経営及び仕組みのあり方について引き続き   検討を行うこと。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同を賜りたいと思います。
  219. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) ただまいまの三上君提出の附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  220. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) 多数と認めます。よって、三上君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、田名部農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田名部農林水産大臣。
  221. 田名部匡省

    ○国務大臣(田名部匡省君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。
  222. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  223. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  224. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) 青年農業者就農援助法案を議題といたします。  発議者村沢牧君から趣旨説明を聴取いたします。村沢牧君。
  225. 村沢牧

    ○村沢牧君 私は、ただいま議題となりました日本社会党・護憲共同の提出に係る青年農業者就農援助法案について、提案者を代表いたしまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  御承知のとおり、農業の持つ公益町機能は食糧の安定供給、地域経済の発展と安定化、国土や環境の保全など多岐にわたっており、農業の維持発展は国民が豊かな生活を送る上で不可分の課題であります。  しかしながら、今日の我が国農業は、進展する経済の国際化の中で、国外からの農畜産物の輸入圧力を受ける一方、国内的には農家の生産意欲をそぐ減反政策、低迷する農産物価格などによって農業経営は行き詰まり、将来展望を見出せないまま、過疎化、高齢化、集落の消滅、農地、山林の荒廃などが進み、他の先進諸国には例を見ない農業、農山村の崩壊が進行しております。とりわけ農業後継者不足は深刻であり、このままでは我が国農業はその存立自体が懸念される状況にあります。  農林水産省の調べによると、新規の学卒就農者は一九八〇年は七千人、八五年は四千八百人でありましたが、八九年には二千百人、九〇年には千八百人と、大変な勢いで減少しております。このように農家の子弟が我が国農業の将来に絶望し農業、農村から離れていく一方で、全国農業会議所が設置している新規就農ガイドセンターへの相談件数が設置以来一昨年までの四年間に六千件にも上っていることからもわかるように、農外から新規の農業参入を希望する青年が潜在的に数多く存在するのも事実であります。このような農外からの新規参入希望者や、農業経営を希望する農家の子弟に対して、就農の際の不安材料を少しでも少なくし、そして一人でも多くの青年農業者が定着てきる体制を確立することが、我が国農業にとって緊急かつ最重要な課題であることはだれもが認めるところであります。  以上が、本法案を提出するに至った理由であります。  次に、本法案の主な内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、都道府県がこの法律の定めるところにより青年農業者等に対し青年農業者就農援助資金の貸付事業を行うときは、政府は、都道府県に対し、その事業に必要な資金の四分の三を限度として無利子で貸し付けるものとしております。  青年農業者就農援助資金とは、次の七種類の資金であります。  まず、新規就農修学資金であります。これは、青年農業者が都道府県が行う新規就農研修を受けるために必要な資金を奨学金として無利子で貸し付けるものであり、その限度額は日額三千円としております。この資金には、新規就農研修終了後引き続いて三年間就農すれば返済免除の道が開かれております。  次に、現行の農業改良資金助成法の農業後継者育成資金のうち部門経営開始資金を改組拡充した農業設備等資金であります。これは、青年農業者等が新規営農するに当たり資本の装備を確保するために必要な資金を無利子で貸し付けるものであり、その限度額は一般の青年農業者は千五百万円、農業後継者である青年農業者は千二百万円としております。  次に、農業経営規模拡大資金及び農業経営円滑化資金であります。これらは、青年農業者等が農業経営の規模を拡大するために農用地を取得するのに必要な資金及び一定の融資機関から借り入れた一定の資金の返済資金を、新規営農から二年を経過した青年農業者等に対し低利で貸し付けるものであり、その限度額は、前者は一千万円、後者は五百万円としております。  さらに、営農生活援助資金であります。これは、特定の青年農業者に対し、新規営農後の当面の生活を安定させるために必要な資金を低利で貸し付けるものであり、その限度額は二百四十万円としております。  最後に、現行の農業後継者育成資金と同様に、高度経営技術習得資金及び留学研修資金を無利子で貸し付けることとしております。  以上が青年農業者就農援助資金の内容でございます。  第二に、青年農業者に対し都道府県等が行う一定の農業研修に対し、政府がその費用の一部を補助することができることとしております。  第三に、国及び地方公共団体は、青年農業者が近代的な農業経営の担当者として育成されるよう、必要な助言、農用地、住宅の借り受け、取得のあっせん等の援助を行うとともに、必要な研修を受ける機会を提供するように努めるものとしております。  以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願いを申し上げます。
  226. 永田良雄

    ○委員長(永田良雄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十二分散会