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1991-12-13 第122回国会 参議院 予算委員会 3号 公式Web版

  1. 平成三年十二月十三日(金曜日)    午前十時一分開会     ―――――――――――――    委員の異動  十二月十二日     辞任         補欠選任      斎藤 十朗君     真島 一男君      星野 朋市君     野末 陳平君      國弘 正雄君     竹村 泰子君      細谷 昭雄君     庄司  中君      村沢  牧君     穐山  篤君      橋本孝一郎君     井上  計君  十二月十三日     辞任         補欠選任      会田 長栄君     種田  誠君      穐山  篤君     村沢  牧君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         中村 太郎君     理 事                 井上 吉夫君                 鹿熊 安正君                 前田 勲男君                 吉川 芳男君                 梶原 敬義君                 久保  亘君                 佐藤 三吾君                 太田 淳夫君                 吉岡 吉典君     委 員                 井上 章平君                 石井 道子君                 石原健太郎君                 遠藤  要君                 大島 友治君                 合馬  敬君                 北  修二君                 斎藤栄三郎君                 斎藤 文夫君                 須藤良太郎君                 関口 恵造君                 田中 正巳君                 西田 吉宏君                 野末 陳平君                 野村 五男君                 真島 一男君                 穐山  篤君                 小林  正君                 櫻井 規順君                 清水 澄子君                 庄司  中君                 竹村 泰子君                 種田  誠君                 前畑 幸子君                 村沢  牧君                 森  暢子君                 吉田 達男君                 猪熊 重二君                 白浜 一良君                 中西 珠子君                 上田耕一郎君                 乾  晴美君                 高井 和伸君                 井上  計君                 寺崎 昭久君                 下村  泰君    国務大臣        内閣総理大臣   宮澤 喜一君        法 務 大 臣  田原  隆君        外 務 大 臣  渡辺美智雄君        大 蔵 大 臣  羽田  孜君        文 部 大 臣  鳩山 邦夫君        厚 生 大 臣  山下 徳夫君        農林水産大臣   田名部匡省君        通商産業大臣   渡部 恒三君        運 輸 大 臣  奥田 敬和君        郵 政 大 臣  渡辺 秀央君        労 働 大 臣  近藤 鉄雄君        建 設 大 臣  山崎  拓君        自 治 大 臣        国 務 大 臣  塩川正十郎君        (国家公安委員        会会長)        国 務 大 臣  加藤 紘一君        (内閣官房長官)        国 務 大 臣  岩崎 純三君        (総務庁長官)        国 務 大 臣        (北海道開発庁        長官)      伊江 朝雄君        (沖縄開発庁長        官)        国 務 大 臣  宮下 創平君        (防衛庁長官)        国 務 大 臣        (経済企画庁長  野田  毅君        官)        国 務 大 臣        (科学技術庁長  谷川 寛三君        官)        国 務 大 臣  中村正三郎君        (環境庁長官)        国 務 大 臣  東家 嘉幸君        (国土庁長官)    政府委員        内閣審議官        兼内閣総理大臣  野村 一成君        官房参事官        内閣官房内閣外        政審議室長        兼内閣総理大臣  有馬 龍夫君        官房外政審議室        長        内閣法制局長官  工藤 敦夫君        内閣法制局第一  大森 政輔君        部長        総理府賞勲局長  文田 久雄君        総務庁行政管理  増島 俊之君        局長        総務庁行政監察  鈴木 昭雄君        局長        総務庁統計局長  井出  満君        防衛庁参事官   三井 康有君        防衛庁長官官房  村田 直昭君        長        防衛庁防衛局長  畠山  蕃君        防衛庁経理局長  宝珠山 昇君        防衛施設庁総務  竹下  昭君        部長        防衛施設建設  新井 弘文君        部長        経済企画庁調整  吉冨  勝君        局長        経済企画庁国民  加藤  雅君        生活局長        環境庁長官官房  森  仁美君        長        国土庁長官官房  藤原 良一君        長        法務省刑事局長  井嶋 一友君        法務省人権擁護  篠田 省二君        局長        法務省入国管理  高橋 雅二君        局長        外務省アジア局  谷野作太郎君        長        外務省北米局長  松浦晃一郎君        外務省欧亜局長  兵藤 長雄君        外務省中近東ア  小原  武君        フリカ局長        外務省経済局長  林  貞行君        外務省条約局長  柳井 俊二君        外務省国際連合  丹波  實君        局長        大蔵大臣官房総  日高 壮平君        務審議官        大蔵大臣官房審  石坂 匡身君        議官        大蔵省主計局長  斎藤 次郎君        大蔵省証券局長  松野 允彦君        大蔵省銀行局長  土田 正顕君        国税庁次長    冨沢  宏君        文部大臣官房長  野崎  弘君        文部省初等中等  坂元 弘直君        教育局長        厚生大臣官房総  大西 孝夫君        務審議官        厚生省保健医療  寺松  尚君        局長        厚生省社会局長  末次  彬君        農林水産大臣官  馬場久萬男君        房長        通商産業省貿易  高島  章君        局長        通商産業省機械  牧野  力君        情報産業局次長        運輸省鉄道局長  井山 嗣夫君        海上保安庁次長  小和田 統君        郵政大臣官房長  木下 昌浩君        郵政大臣官房経  山口 憲美君        理部長        郵政省放送行政  小野沢知之君        局長        労働大臣官房長  齋藤 邦彦君        労働省労働基準  佐藤 勝美君        局長        労働省職業安定  若林 之矩君        局長        建設大臣官房長  望月 薫雄君        自治大臣官房審  遠藤 安彦君        議官        自治省行政局選  吉田 弘正君        挙部長        自治省財政局長  湯浅 利夫君    事務局側        常任委員会専門  宮下 忠安君        員     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○平成三年度一般会計補正予算(第1号)(内閣  提出、衆議院送付) ○平成三年度特別会計補正予算(特第1号)(内  閣提出、衆議院送付) ○平成三年度政府関係機関補正予算(機第1号)  (内閣提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成三年度一般会計補正予算、平成三年度特別会計補正予算、平成三年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。  昨日に引き続き質疑を行います。猪熊重二君。
  3. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 私は最初に、宮澤総理の政治姿勢、もう少し端的に申し上げれば総理とリクルート事件に関してお伺いしたいと思います。  海部前内閣は、リクルート事件の反省の上に立って、いわゆるリクルート関係の国会議員を党務、内閣から除外してきました。これはやはり一つのリクルート事件に対する反省という観点から妥当な処置であったと思います。しかし、宮澤総理は、これらのリクルート関係の議員を自民党総裁としての立場では党の役員に任命し、また内閣総理大臣としては国務大臣に任命しております。総理自身がリクルート事件に関係した議員の一人であるということから当然の帰結であるかもしれませんが、リクルート事件の本質をどのように清算してこのような結果になったのか、非常に疑わしいと思います。  ところで、総理は、みずからがリクルート事件とは無関係であるということの証拠として、いわゆる三点セットを当委員会の委員長に出されました。私も一昨日委員長のもとでこの三点セットを閲覧させていただきましたが、この三点セットを閲覧したことによって、総理の事件との無関係性とか潔白とかということを全く信ずることはできない。  そこで、この三点セットについて順次質問します。  まず、一番最初の書面は株式売買約定書であります。この約定書は、宮澤喜一氏が昭和六十一年九月三十日、リクルートコスモス社の株式一万株を代金三千万円にて株式会社ドゥ・ベストから買い入れたという趣旨の文書であります。総理は、この文書を自分が作成したものではない、服部秘書が総理に無断で作成したんだ、こう言っておられます。  お伺いしますが、総理がこの文書の存在を知ったのはいつでしょうか。
  4. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) これは、私が直接にしたことではございませんけれども、当時私の秘書でございました服部氏のいたしたことでございまして、私の監督責任は免れるものではない、大変に申しわけないことだと思っております。  それで、ただいま株式売買約定書についてお尋ねがございました。昭和六十三年の十二月に当院の税制特別委員会で申し上げましたとおり、この約定書は服部氏の側にはございませんでした。破棄または紛失をしたものと考えられます。したがって、当時この約定書を御提出することができませんでした。しかしながら、約定書を二通つくっておりますので、その一通は譲り渡し人と申しますか、ドゥ・ベスト社の方にございましたわけで、その文書は東京地検に押収された状況でございました、今日でもそうであるかと存じますが。それで関係者のいろいろな御協力によりまして、その後、私が辞任いたしました後でございますが、相手方から、ドゥ・ベスト社からその写しを入手いたしましてそれを御閲覧願ったわけでございます。
  5. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 あなたは、衆議院の予算委員会では、昭和六十三年十二月、辞任直後に写しを入手したというふうに言っておられます。  ところで、写しであってもごらんになればわかるんですけれども、この宮澤喜一という署名の後ろに宮澤という印鑑が押してあります。この印鑑はだれの印鑑で、常時どのようになっている印鑑だったんでしょうか。
  6. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) この印鑑は、ごらんをいただきましたと思いますが、いわゆる三文判でございます。服部氏が事務的に使っていたものであると考えております。
  7. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 いや、事務的に使っていたというのは、いわゆる秘書が秘書という立場で常時使っていた判こなのか、それとも三文判だから判こ屋へ行って買ってきてこのときだけ使ったのか、その辺のいきさつはどうなっているんでしょうか。
  8. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) それは、もちろん私が使った印鑑ではございませんし、私の事務所の経理等々の関連で使った印鑑でもございませんので、秘書としての服部氏がいろいろな場合に私の、何と申しますか、関連したことでそれを使用していたのであろう、こういうふうに考えております。
  9. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 そうすると、服部さんが秘書として常時使っていた事務所の判こであるという趣旨に受けとらせていただきますが、よろしいんでしょうか。  なお、この文書によると取引の日は昭和六十一年九月三十日であります。この日に売買取引が行われたことになっている。そうすると、通常だとこの日に売買代金三千万円が売り主に支払われ、また買い主とすれば売り主から株券の引き渡しか行われた、こういうふうに見るのが普通ですが、その辺はいかがでしょうか。
  10. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) この場合、株式あるいは株券あるいは預かり証がどうなっていたかということでございますけれども、これは服部氏の話ではそのようなものを受け取っておらないということでございます。  昨日も当委員会でその点についての御質問がございまして、同じようなパターンのことが起こっておるようなんでございますけれども、かってこの点につきまして大蔵省の証券局長から、大和証券に確認したところ、株式は売却の受け渡し日の前日にリクルートコスモス社が大和証券に株券として持ち込んだ模様であるというお答えを国会でしておられますので、その事情は私にはわかりかねますけれども、大蔵省の調べではそうなっておったというようでございます。
  11. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 私が伺っているのは、この九月三十日に代金が支払われかつ株券が授受されたというふうに書面上はなっておりますが、いかがですかと、こう伺っているんです。実際に株券は受け取らなくても構いません、株券を受け取っていなければ株券の預かり証をもらえればいいんですから。ですから、要するにこの日に代金の授受とそれから株券の授受というものがなされたというふうにこの書面は読めますが、いかがですか。
  12. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 失礼いたしました。  約定書によりますと、受け渡しの時期は九月の三十日でございます。これには代金支払いの時期については書いてございません。そして、代金は十月十五日に服部氏が調達いたしまして払っておるわけでございますけれども、その間に株式あるいは株式預かり証等の受け渡しは一切ない、こういうふうに聞いております。
  13. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 あなたがそうおっしゃるから私はしつこく聞いているんです。  この売買約定書に受け取り時期六十一年九月三十日と書いてあります。そうすると、金は九月三十日じゃなくて十月十五日なんですよ、株券も受け取っていませんよというと、この受け取り時期の九月三十日は何を受け取るんですか。受け取り時期というその受け取るべきものば何があるんですか。株式の売買で、お金とそれから株と、これ以外に受け渡しする何がありますか。この受け取り時期というのは株か金か、あるいは通常で言えば一緒にその二つという以外に、それ以外に受け取るものがありますか。
  14. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 株式売買約定書、株数一万株でございますので、受け渡し時期というのはその株式についての受け渡し時期というふうにこの約定書からは推定されます。
  15. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 総理、株式の受け渡し日だと、こうおっしゃる。で、その株券は受け取ってないと。だけど、株式は受け取った。金も払わぬうちに株式を渡す人はいないんです。代金と株と同時履行じゃありませんか。要するに、ここに受け取り時期と書いてある九月三十日に代金が支払われ株が引き渡された。現実に株が引き渡されなくても構いませんよ、先ほど申し上げたように預かり証をもらえばいいんですから。しかもこの九月三十日、受け取り時期の六十一年九月三十日という数字と作成日の六十一年九月三十日という日と、宮澤喜一の住所氏名を書いた人は、同じ筆跡の人が同じインクで書いているんです。わざわざ受け取り時期を九月三十日と書いたんです、この宮澤宣こと書いた方が。で、この受け取り時期は株だけだと、代金は別だと、この辺の趣旨を説明してください。
  16. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) この点は書類によって判断をするしかございませんけれども、まず、おっしゃいますように、売買約定書によれば受け渡し時期は六十一年九月三十日でございます。売買約定書には代金の支払い時期については定めるところがございません。  なお、服部氏の話によりますと、この代金は十月十五日にリクルート社の方の指示によりましてファーストファイナンスの銀行口座に支払ったというふうになっております。
  17. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 ですから、私が申し上げているのは、この受け取り時期というものを株券の受け取り時期だとあなたはおっしゃって、代金の方は十月十五日だと。十月十五日なんていうことはここにはどこにも書いてないんだ。そうすると、金も払わぬのに株券だけもらうというふうな取引があるんですか。
  18. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 現実に株券は受け渡されておらないわけでございます。
  19. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 同じ質問を何回もやることになりますが、株券が来た来ないの問題じゃなくて、あなたはこの時期を株券の授受の時期だとおっしゃるんだ。株券の授受の時期が九月三十日だけれども、金の方は十月十五日だなんていう取引がありますかと聞いているんです。
  20. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) これは、私は推定ということを申し上げておるわけでございますけれども、私がかかわったわけでございませんので、売買約定書によりますと、受け渡しの時期は六十一年九月三十日である、で、代金支払いの時期については何も書いてございません。また、現実に株式は受け渡されたり受け取ったりされておらないということがこれらの書類からわかっておるわけでございます。
  21. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 この約定書には、株の受け取り時期が九月三十日で代金の方は書いてないなんていう問題じゃないんです。この約定書の受け取り時期というのは、さっきから何度も申し上げているように、株とお金の授受の時期なんです。あなたが盛んに十月十五日ということをおっしゃるけれども、十月十五日は、金を松本という人がファーストファイナンスに払い込んだだけの日にちにすぎない。  では、ちょっと話を、途中ですけれども次の振込依頼書についてお伺いします。  この振り込み送金関係の書面は、松本雅雄が昭和六十一年十月十五日、ファーストファイナンス株式会社に対し三千万円を三菱銀行有楽町支店から三和銀行新宿支店に振り込み送金を依頼した趣旨の文書なんです。  私がまず伺いたいのは、先ほどの売買約定書によれば、売り主はでっかく書いてある、この株の売り主は株式会社ドゥ・ベストなんです。よろしいですか。金を振り込んだ先が、ここにあるようにファーストファイナンス株式会社ということになると、この振込依頼書は売り主も買い主も何も出ていない。売買約定書によれば、売り主はドゥ・ベスト社なんだし、買い主は宮澤喜一なんだ。ところが、これは金を払い込んだ方は松本雅雄だし、受け取った方はファーストファイナンス。まず、ファーストファイナンスに送ったという、この受取人であるファーストファイナンスというのは何なんですか。
  22. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) それは、服部氏の方からは実はわがらないことでございまして、いろいろこれについては調査が行われましたので、そういうことの方からあるいはわかっておられるかもしれませんけれども、服部氏に関します限りは、十月十五日にファーストファイナンスというところへ三千万円を払ってくれと、そういうリクルート側からの話がございましたので、それで金をつくりまして、松本氏に依頼をして向こうの言われるとおりファーストファイナンス社に十月十五日に現金で支払いをいたしておるわけでございます。どうしてそれがファーストファイナンス社であったかということはよくわからないままになされております。  先ほど申しましたように、このことについて調査をされた政府側の方が、あるいはその辺のファーストファイナンスとリクルート社との関係を知っておられるかもしれませんけれども、服部氏についてはその辺のところはよく事情がわかっていないということのようでございます。
  23. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 今の説明でもわかりません。なぜファーストファイナンスに金を払うとそれがドゥ・ベスト社に対する株式の売買代金の支払いになるんですか。もう少しわかるように説明してください。
  24. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) その点は服部氏側にわかっていないわけでございます。先方側の事情がどのようなものであったかを服部氏はついに知り得なかったわけでございますので、それはもし調査等々が行われておれば、その辺の仕組みがどういうことであったか調査をされた方々にはわかっておられるかもしれないのでございますけれども、昨日もここで似たようなケースについてお話がありましたように、その辺のことはわかっておりませんので、申しわけありませんが、どうもお答えができないのでございます。
  25. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 ファーストファイナンスという会社は、要するに今回のリクルート事件で、九月三十日に総理外九名の方が一括して買ったリクルートコスモスの株式の株売買代金を一括して皆さん方に融資した会社なんです。それはもう私が申し上げるまでもなく、総理御自身御承知のことだと思います。ファーストファイナンスに支払ったことが代金の支払いになったんじゃなくて、ファーストファイナンスからの借入金に対する弁済という形で皆さんが支払っているんです。総理の場合だけは、ファーストファイナンスに払ったのが代金の支払いそのものだとおっしゃるからつじつまが合わないんです。  要するに、九月三十日に代金を支払う、その代金をファーストファイナンスから融資を受けてドゥ・ベスト社に支払った。で、立てかえてもらっておいたから、ファーストファイナンスに三千万円弁済したんだ。立てかえ払いの弁済をした、こう見れば何でもないことなんだ。  あなただけが、一人だけ特別にファーストファイナンスに対する三千万が、借入金の弁済じゃなくて、売買代金の支払いそのものなんだというふうなことをおっしゃるから、全然話がわからないんだ。ファーストファイナンスから九月三十日に三千万円の融資を受け、それの弁済じゃないんですか。
  26. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) その点は、昨日もお聞きになっていらっしゃいましたと思いますけれども、ファーストファイナンスから消費貸借契約を結んで融資を受けられた方もあるわけでございますけれども、服部恒雄氏の場合にはそのような消費貸借契約を結んでおりません。これは明らかでございますので、その間に融資関係があったというケースではこの場合はないように存じます。その証拠に金が払われておるわけでございます。
  27. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 だから、売り主のドゥ・ベストにこれ払い込んだのなら、何もだれもみんなわかるんです、世の中の人が全部。売り生じゃない、売り主のドゥ・ベストと何ら関係のないファーストファイナンスなんというところに金を払い込んで、それが売買代金の支払いだなんということは通らない。もう少しわかるように説明してくださいよ。
  28. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 服部氏にわかっております事実関係はそれだけでございますし、また、お目にかけました諸書類もそれを証明しておるわけでございますので、そのドゥ・ベストとかリクルートとかファーストファイナンスとかが、内部関係でどうなっておったかということは服部氏の側には実はわからない。まことに申しわけありませんが、これはわからないので、どうもお答えができないわけでございます。
  29. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 あなた自身、もうこれは三年前にこの文書を見ているわけです。三年前からもう少しきちんと服部秘書に聞いていれば話がよくわかるだろうと思うんです。  ここでちょっと話を変えますが、総理以外の三名の方のいわゆる三点セットも見させていただきました。きのうも佐藤委員の方からも話がありましたように、加藤紘一さんの書面、この書面読めば全部流れがわかるんです。金銭借用書もあるし、借りた金についてファーストファイナンスに金も返しましたということで全部わかるんだ。  あなたのを見たのでは全然わからない。加藤さんのやつは、ちゃんと見れば、ああこういうふうにしたな、そしてぬれ手でアワでもうけたなと、ここまでちゃんとわかるわけです。流ればわかる。あなたのは流れが全然わからない。  どうしてもファーストファイナンスからの融資はないんだということだとすると、このファーストファイナンスというところに銭払ったら何でその三千万が代金になるんだということについては、当事者に聞かなきゃわからぬことになります。  それはそれとして、今度は、振込依頼書は松本雅雄さんという人が振り込みをしているわけです。松本雅雄さんという人が振り込んだ趣旨については、あなたは服部の指示によって払ったんだけれども、何か銀行員が間違って松本さんと書いたんだと、こういうふうな趣旨のことを言っておられます。しかしそんなことがありますか。  まず、服部さんはだれ名義で払えというふうに松本に指示したということなんですか。
  30. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御説明いたしますが、銀行員が間違って云々ということはございません。また、私はそう申し上げたこともございません。  その間の事情でございますけれども、松本秘書に確かめましたところ、その三千万円という金を服部氏から自分は渡されて、これは自分の個人的なことで済まないけれども、忙しいのでひとつ自分にかわってファーストファイナンスの銀行口座へこれを払い込んでくれと言われた。松本秘書というのは、私の事務所では法律関係とか金銭の出し入れ等々やっておりますので、しょっちゅう取引銀行との接触がございます。それで、取引銀行の担当者にこの振り込みの依頼をいたしたところでございます。  この点は御閲覧を願いました振込依頼書に出ておりますが、その日は六十一年の十月十五日でございます。そして、この振り込みは現金によって行われております。口座間の移動ではなく、現金によって行われておりますのは松本氏に服部氏が依頼をしたその現金でございます。  それで、銀行の人がその現金を受領いたしまして、かねて松本雅雄氏としょっちゅう接触をいたしておりますから、その処理を松本雅雄様というふうにいたしております。これは松本雅雄氏が書いたものではございませんで、銀行か伝票の処理として、これは入金でございますから、出金と違いますので、だれから入金したということは、銀行の人が処理をすることができたと思いますけれども、そういうことで処理しております。これは、実はこの銀行員というのは特定ができますので、今日でもその間の事情はそのとおりであるということを申しております。
  31. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 要するに、あなたの言い分によれば、服部秘書がファーストファイナンスヘ送金しろといって松本に現金を三千万渡したと、こういうことでしょう。だれ名義で振り込めと言ったのか、それを伺っているんです。
  32. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) だれ名義といいましても、かねて十月十五日にはファーストファイナンスのこれこれの口座に払ってくれということを、リクルート社から言われましたとおりの現金を払っておるわけでございます。
  33. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 いや、それ全然答えになってない。三千万の金をどこどこへ銀行送金してくれと人に頼むときに、向こうの先ももちろんしっかり言わなきゃならぬけれども、だれの名義で払ってくれというのか、その名義をだれにしろと、服部が松本にだれの名義にして払い込めと言ったのかということを伺っているんです。
  34. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 自分にかわって払い込んでくれということでございます。
  35. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 そうすると、松本さんにすると、服部さんから服部名義で払ってくれと、送金してくれと、こう言われたのに、松本さんの立場で、松本名義で支払いがなされてしまったと、こういうことですか。
  36. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) しょっちゅう銀行の人が出入りをしておられますから、服部氏から依頼を受けてその金を銀行員に現金として渡しました。銀行は松本雅雄の名前を書き入れましてその伝票を処理しておったと、こういうことでございます。
  37. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 ところで、この振込依頼書は、確かに出金と違って送金の依頼書だから直接松本雅雄本人が書かなくて、銀行の方で、銀行員がかわって書くことがあるかもしれませんが、しかしファーストファイナンスの立場に立ってみれば、よろしいですか、ファーストファイナンスの立場に立ってみれば、この三千万円なんていう大金が、どこのだれ様から入ってきたのかということは、まさに松本雅雄という名前から入りてきているんです。そうすると、ファーストファイナンスは、宮澤さんでもないしそれから服部さんでもない、わけがわからぬ松本雅雄さんなんていう方から三千万も振り込んできたということになったら、まごまごしちゃって間違って入ってきたんだと思うじゃないですか。どうしで松本雅雄名義で払ったこの三千万が株の売買代金だということをファーストファイナンスがわかるんですか。
  38. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) これは、何度も申し上げておることでございますけれども、九月の中旬にリクルートコスモスの人が服部恒雄氏のところへ参りまして、実はこういう株を購入してくれませんかということで売買約定書ができたわけでございます。そして、その服部氏に対して、十月十五日にファーストファイナンスのこの番号のロ座に払い込んでくれということを言われまして、服部氏はそのとおりにいたしたわけでございます。  したがいまして、先方が指示したとおりの金が指示したとおりの日に指示したとおりのところへ入ってまいりましたから、当然のことでございますが、これは服部氏の取引の金であるということが先方としてはわかったはずであると思います。
  39. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 あなたは、本来服部恒雄名義で払うべきだったものをたまたま銀行員が松本さんがいつも来ているから松本さんが払うんだろうというので松本雅雄と書いたと、こうさっきおっしゃったんです。ということは、あなたの立場に立ってすら、ファーストファイナンスの方もドゥ・ベストも、松本雅雄なんという名前は全然わからないわけだ。そんなところから入ってきたものが、何で服部恒雄の関係であるとか宮澤喜一の関係であるとかということがファーストファイナンスにわかるんですか。ファーストファイナンスという会社がどのくらい大きいか知らぬけれども、三千万の金が入ってくるのに、全然わけのわからぬところから入ってくるといったときには大騒ぎになるはずじゃないですか。もう一回お答えください。
  40. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) もう一度申し上げるわけでございますけれども、リクルートとファーストファイナンスとの間がどのようなことになっておるのかが服部氏の方にもわかりかねておりますので、その辺の仕組みがどうなっていたかということを私がお答えすることはできませんけれども、先方が言われた日に言われた口座番号にそれだけの金が入りましたら、先方としてはそれが何かということは当然わかっておったのだと思います。その間のリクルートとファーストファイナンス社の関係の仕組みは、どうもこれは私の方で申し上げられない、わからないということでございます。
  41. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 全然納得できない。  要するに、松本雅雄という名前で振り込んだのは、たまたま服部恒雄で払うべきものを銀行員が間違ってそういうふうにしただけのことなんだなんということじゃない。宮澤喜一、服部恒雄、松本雅雄というのをセットにして考えれば、松本雅雄という名前で来ても向こうはわかるんです。これをセットにして、要するに宮澤総理を中心にして、宮澤、服部、松本という三つを一つにして考えれば、初めてこの松本雅雄の三千万のファーストファイナンスに対する振り込みがわかるんです。それを抜きにして、松本雅雄は関係ないんだと、たまたま銀行員が間違ったというふうなことをおっしゃるから、こんなわけのわからぬ人から三千万入り込んできたということになるはずなんです。これも松本雅雄さんに直接聞いてみなきゃならぬことです。  あなたのお話によると、ともかく金を払ったのは十五日だとこういうことになるんですが、じゃ十五月に金を払ったら株券はどうなりましたか。
  42. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) それは、先ほども申し上げたことなのでございますけれども、本件につきましては服部氏の手元に株券あるいは預かり証等の一切の授受はなかったようでございます。これは昨日もこの委員会でのお話がございましたけれども、類似のケースがあって、どうもそのような処理がリクルートなりファーストファイナンスなりドゥ・ベストの間の打ち合わせでなされていたということ、それについての政府委員の一部の答弁もございますけれども、これは服部氏の方にはわからない先様の事情でございます。
  43. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 私は、何度も申し上げていますけれども、株券が実際に授受されなくても結構なんです。株券そのものはリクルートコスモスに保管してあって、十月三十日、この株を売却するときに大和証券に持ち込まれれば、それはそれでいいんです。  ただ、三千万も金を払ったら株券の預かり証ぐらいはもらわなかったら、銭を払ったけれども全然ないわけですよね、その見返りのものは。大体、株というのは、総理ももちろん御承知ですけれども、株券を持っていなきゃ、幾ら株を買った買ったと言ってみたって、銭を払ったと言ったところで権利は生じていないんです。株券が権利の化体証券で、株券がなきゃどうしようもない。その株券にかわる株券の預かり証を持っていればいいけれども、何も持っていないで銭を払って、株券の預かり証というようなものは全然ないんですか。
  44. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 九月の半ばから、これはリクルート社の人が服部氏にこの購入を勧めましてから一連の当時からの、何と申しますか打ち合わせと申しますか、そういうアレンジメントで行われたものと考えられますので、それに従いまして十月十五日に三千万円を払った、したがって当然受け取った方はこれがどういう金であるかはわかっておる。  それで、おっしゃいますように、その後に株式がまとめて持ち込まれたということのようなのでございますけれども、全体が一貫したことでございますから、ちゃんと金が払われておるということは先方は恐らくわかっておって、それは服部氏から指定の口座に入っておるわけでございますから、その間に株式の受け渡しかないあるいは預かり証も交付されておらないということはそのとおりなのでございますけれども、恐らく全体がかねて九月の中旬の打ち合わせのとおり行われておりますので、別段の疑念が起こらなかったのであろう。恐らく服部氏の立場といたしますれば、この金を振り込んだということがはっきりいたしておりますから、万一のときにはそのことを挙証することができるということでございましょうけれども、実際にはそのような混乱は起こらなかったということのようでございます。
  45. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 この振込書については、先ほど申し上げたように、松本雅雄名義の振り込みということは、服部名義でもいいし松本名義でもいいし宮澤事務所名義でもよろしいと。どうでも効果は同じだったというふうに世間的には見られても仕方がないと思います。  次に、三点セットのもう一つの最後の売却代金入金に関する書面ですが、この株式は十月三十一日に売却になっています。ところが、この売却代金が振り込まれた口座は十一月一日に千円で新規に開設されている。十月三十一日に株を売却した。売却したその日には振り込み先はないわけです。ないというよりも、振り込み先は当然に決まっていたんじゃないんですか。だから別に、十月三十一日、売却の日に代金を直ちに振り込むとした場合にも、振り込み先はもうちゃんとしたものがある。しかし、その後いろいろ考えて、急速翌日、十一月一日、千円預金して新規開設したと、このようにでも見るより仕方がないと思うんです。  いずれにせよ、服部秘書は十一月一日に千円預金して新規開設し、ここに十一月五日、ほかの方と同じ日にちに同じようにこの売却代金が払い込まれているんですが、この新規開設したことについでどのように言っておりますが。
  46. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 今おっしゃいましたとおりのことが起こっておるわけでございますけれども、この入金がありましたのは、服部氏の口座に十一月五日に入金があっておるわけでございます。服部氏は、そのときまでリクルート社というものとの取引を別にいたしておりませんので、そのための口座を開いたというふうに申しておりますけれども、この点につきまして先方側の事情は服部氏にわからないままでございますが、これにつきましてはその当時の証券局長が国会で答弁をしておられまして、十一月四日にリクルートコスモス社が一括して株券を持ち込んだ時点において代金を振り込むべき銀行口座をそれぞれ証券会社に示した模様であると、こういう答弁でございます。  これから推測をいたしますと、リクルート社とそれから銀行と大和証券でございますか、そういう関係の間で、リクルート社がそういういわば何と申しますのでしょうか、働きをしたと、こういうふうに役所側の答弁がなっております。
  47. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 ちょっと話を変えて、この譲渡利益の処置の問題についてお伺いします。  おととい閲覧した総理以外の三名の方の譲渡利益の処置については、平成元年五月から六月にかけて、いわゆる公共団体的なところに拠出して、ぬれ手でせっかくつかんだアワを放してしまったということになっている。総理の場合、これは話が難しいんです。総理総理と言っても、総理は、私じゃない、服部だ服部だと、こうおっしゃるから、総理の立場に立ては、服部秘書はこの譲渡利益をどのように処置されたでしょうか。
  48. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) この問題につきまして、私どもの自民党の中で、いわゆる倫理の問題として内部的に党内の合意事項ができました。それは、実はこのことにいわば何がしかの関連を持ちました、七人でございましょうかの議員に関することでございますけれども、この差額というものは社会に還元すべきであるということから、自由民主党社会福祉事業に寄与する会を通じまして中央共同募金会に寄附をいたしたわけでございます。  私の立場から申しますと、これは私に無関係なごとでございますけれども、服部氏は、宮澤事務所に非常に長いこと勤務をいたしておりました。本人には無論返済能力がないということでございますので、これはやはり長いこと自分の事務所にいた人で、社会的には非常に批判されるべきことをしたわけでございますから、言ってみれば、事務所としてこれは社会に還元をすべきものであろう。本来ならば、これは服部氏に求償すべきものでございますけれども、本人に返済能力がないということは事実でございましょうから、宮澤事務所として反省の意を表することが妥当であると考えまして、二千二百万円を服部恒雄預かり分というようなことで、平成元年六月に中央共同募金会に寄附をいたしました。
  49. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 結局、あなただけが、これは私は関係がない、服部だ服部だとこうおっしゃるけれども、今の譲渡利益の処置、これはこれなりに私としては一つの清算であるとして評価はいたしますけれども、結局全部、売買約定書から始まって、ファーストファイナンスからの金融、それから弁済、それから代金の払い込みあるいは譲渡利益の処置まで、総理は、私は関係ないと言っているけれども、宮澤事務所そのものではありませんか。そう見ればすべてがずっとはっきりするんです。あなたがそうじゃないそうじゃないと言うから、そうじゃないというふうなことが総理御自身のリクルート事件に対する反省というか、そういうことについての反省がないことのあかしということになるからいろいろお伺いしなきゃならぬことになるんです。  三点セットが出てきた。三点セットで出てきている名前は三人ばらばらなんです。第一番目は宮澤喜一と出てきて、第二番目は松本雅雄と出てきて、第三番目は服部恒雄と出てくる。三点がばらばらの名前で、まとめれば、さっきから申し上げるように、宮澤事務所、宮澤総理、あなた自身というところに集約されるはずではありませんか。  いずれにせよ、どうしても総理がその辺のところを明らかにされないのならば、私としては三名の方の証人喚問を要求せざるを得ません。委員長の方でしかるべく取り計らっていただきたいと思います。  服部恒雄、この方に伺いたいことは、宮澤名義の株式売買契約書作成の経緯、買い受け代金支払い時期並びに代金領収証ないし株券預かり証、昭和六十一年十月十五日、ファーストファイナンス株式会社に対する送金のいきさつ、株買い受け名義人宮澤喜一が、株売却代金受取人服部恒雄に変わった時期、方法、いきさつ、このようなことについて服部恒雄証人に伺いたい。  次は松本雅雄氏。松本雅雄氏を証人として喚問して、昭和六十一年十月十五日、ファーストファイナンス株式会社に対し送金した際のいきさつ、松本名義で送金した理由、こういう点についてお伺いしたい。  三人目としてファーストファイナンス株式会社元社長の小林宏さん。この方には、昭和六十一年九月三十日、宮澤喜一名義の三千万円金銭貸借の有無ないし金銭借用証書の有無、右貸付金の返済状況、特に昭和六十一年十月十五日の三千万円の受領の趣旨。  このような点に関して、服部恒雄、松本雅雄、小林宏三名の方の証人喚問を要求したいと思います。
  50. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) ただいまの御要求につきましては、後刻理事会において検討いたします。
  51. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 リクルート事件に関して、もう本当はこんなことを質問している段階でないことは私もわかっているんですよ。わかっているんだけれども、総理が全然責任をお認めにならぬ限りは、やっぱり明らかにせにゃならぬことになるんです。  総理は、総選挙に当選したことをもって一つのみそぎであるようなことを言っておられますが、昨年二月十八日の選挙で総理が当選されたということがどうしてリクルート事件の清算、みそぎとなるんですか。その辺を御説明ください。
  52. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 気持ちを申し上げますと、これは、私がいたした不行き届きでございますから、自分は一生それを反省していかなければならないことであって、もうこれは許されたというようなことは、私が自分で申すべきことではないと思っております。選挙で私が信任されたということは、そういう私の不行き届きを選挙民が御承知の上で、もうそういうことは二度と繰り返すなよ、改めてひとつ我々のために働いてもらいたい、こういうふうに選挙民から言われておると自分自身は考えておるわけですけれども、それでもう私は何も反省をする必要がないといったような気持ちでおるわけではございません。
  53. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 そうすると、新聞報道等によると、総理は、選挙でみそぎはもう済んだのだから自分も潔白になったし、リクルート関係議員を用いることも別に問題はないんだというふうな趣旨のことを言ったように私は理解しておりますが、そうおっしゃられたわけではないんでしょうか。
  54. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) みそぎということの考え方でございますけれども、それは法律的には信任を受けたと考えておりますが、私自身がもう何の反省も要らぬことだといったようには自分としては考えていない、こういうことを申し上げたかったわけです。
  55. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 この点に関して一言だけ総理に嫌みというか申し上げておきたい。  二月十八日の衆議院選挙、広島三区において総理は九万二千九百八十二票を獲得された。しかし、広島三区の有効投票数の一七・七四%にすぎないんです。しかも、この獲得票数は、広島三区の全有権者数に対しては一四・〇二%にすぎない。広島選挙区の投票者の一四・〇二%の人に信頼を受けたからおれは天下御免なんだというふうなことをお考えだとしたら大間違いだと思います。  それから、もし選挙で当選したことがみそぎで責任解除であるということだとしたら、同じ選挙で藤波孝生さんも当選しているんです。藤波孝生さんは現在どういう状況にあるか、総理も御存じのとおり、収賄罪で起訴されて、今公判中じゃありませんか。選挙で当選したから、だからみそぎは済んだんだ、清算されたんだというふうなことは全く成り立たないと私は思うんです。落選したからだめだし、当選したからいいんだというふうなことは全然関係ないと私は思うんです。  その辺についての総理の選挙の当選ということによるリクルート事件との関係について、もう一度お伺いしておきたい。
  56. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 私の心境につきましては申し上げたとおりのことでございますけれども、同僚のことにつきましては、私からどうも申し上げることでなかろうと存じます。
  57. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 ここで、時間がもうありませんので、ちょっと質問通告はしておきませんでしたけれども、けさの新聞報道等で非常に重要な問題ですので外務省にお伺いしたいと思います。  本日、ソウルで開催されている第五回南北首相会談において、南北間の和解と不可侵及び交流協力に関する合意書が署名された模様でありますが、南北でこのような文書が作成されるのは一九七二年の七・西南北共同声明以来のことであります。朝鮮半島の緊張緩和にとり画期的な出来事であると考えますが、これを契機に南北関係が大きく進展することが期待される状況にあると思います。  この南北の合意について外相の所感をお伺いします。
  58. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 結論からいいますと先生のおっしゃるとおりで、一九七二年のいわゆる七・西南北共同声明以来の大きな出来事である、全くそう私も思います。  これは、ソウルで開催された第五回の南北首相会談において、双方で相手方の体制は尊重し合おうとか、それから武力は不行使だ、人的、経済的な交流を進めよう、こういう協力の実施を内容とした今回の合意書、これが両国の首相で取り交わされたということは、まことにこれは画期的な出来事だと私も思うのであります。  この合意書の署名を契機といたしまして、南北首脳会談の早期の開催、南北間の交流、南北関係が飛躍的に進展することを我々は強く願っております。ただ、核の問題とかあるいは査察の問題はどうなっているのかまだ情報をつかんでおりませんが、いずれにいたしましても、今後これを土台にしてさらにトップ会談が進むということになることを強く期待いたします。
  59. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 総理に非常に格調の高い御質問を申し上げて、また格調の高い御回答をいただきたいと思います。  スラブ系三共和国が調印した独立国家共同体協定を審議したロシア共和国最高会議は、この独立国家共同体協定を批准したというふうに報道されております。これに関連してゴルバチョフ大統領は記者会見で、条件つきながらこの状況を前提として退陣を発言している、このようなソ連の状況にあります。  この事態に関して、総理、外相はどう受けとめ、どのように対応していくべきとお考えか、お伺いしたいと思います。
  60. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 今の御質問は、十二日付の恐らくロシア通信の報道だろうと存じます。我々の得ている情報も同じでございます。  前々からのことを考えれば、ゴルバチョフは、新連邦条約をつくって、ある程度自治権を認めながら緩やかな連邦という形でいきたいと思っておったところが、それぞれの共和国、特にロシア共和国、最大の共和国です。それからウクライナ、自ロシア、こういう共和国がみんな独立を宣言し、そして三カ国が集まって独立国家共同体協定、こういうものを結んだわけです。  そこで、何といいますか、ともかくも連邦は崩壊したというようなことを言ったものですが、これに対してゴルバチョフ側は、この間の参議院の本会議でも私が言ったように、十数カ国あるのに三カ国だけで連邦崩壊だとはけしからぬ、そういうわけにいかぬ、こういうようなことを言っておったのですが、それぞれの共和国がこの共同体協定を、ロシア共和国でもこれを承認した。そしてまた、ゴルバチョフ側が連邦の最高会議等を招集してやろうと思ったところが、それぞれの共和国は人口比例で議員を出していますから、それを引き揚げちゃった。したがって、そういうものは流会というようなのが今の状態なんですね。  したがって、こういう流れでいけば、これはまあゴルバチョフさんがお気の毒なこと、まあお気の毒と言っていいのか悪いのかわかりませんが、なかなか連邦をまとめていくということは事実上非常に暗い見通しになってきたということは言えるだろうと存じます。正式に辞任するというようなことを言っておるわけではありませんが、そういう方向に向かっている。  また、軍部がやっぱり流れに沿ってロシア共和国の方、またはその協定が批准されたという方向と一緒の歩調をどうもとるんじゃないか。だから、ソ連の軍首脳とエリツィン等との会談でほぼソ連軍の支持を取りつけたのではないだろうか。これは確定的なことは言えませんが、大体そういう方向におさまっていくのではないかという見通しであります。
  61. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) 簡潔に願います。時間が来ております。
  62. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま外務大臣が説明をされたとおりだと思いますけれども、ゴルバチョフさんが今の段階で言っておられることは、そのような連合体ができたとして、しかしお互いに共通の機能というものはあるであろう。それは例えば何でございますかわかりませんが、国防であるとか交通であるとか金融であるとか、あるいは核管理でありますとか、そういうものをだれかがやはり処理をしなきゃならないのではないのか、それは、そういう意味で共通の処理をするものが何かなければいけないんではないか。それが非常に筋の立ったものであれば自分としてそれをやるにやぶさかではないが、その点が筋の立たないものであれば自分としてはどうも役に立たぬと思うなと、こういうことを今言っておられるのではないかというのが私の推察でございます。
  63. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 いろいろ質問通告を申し上げたんですけれども、時間がありませんので、申しわけありませんが、これで終わりにさせていただきます。以上です。  どうもありがとうございました。
  64. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) 以上で猪熊君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――
  65. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) 次に、上田耕一郎君の質疑を行います。上田君。
  66. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 十二月八日は、真珠湾攻撃マレー半島上陸の五十周年記念でございました。  十一月二十六日に日本政府に手交されたハル・ノート、この内容は、中国から撤退せよ、満州事変前に戻せということと、日独伊三国軍事同盟、これを事実上無効にせよという内容が中心だったことを見ても、この太平洋戦争に至る十五年間の推進力となった大きな問題は、一九三一年の中国東北地方侵略と一九四〇年の日独伊軍事同盟結成、この二つが大きかったと思います。    〔委員長退席、理事井上吉夫君着席〕 ですから、我々はこの十五年戦争からどういう教訓を引き出すかということが最大の問題だと思います。  外務省にお伺いします。  十五年戦争アジアの諸国民に与えた被害、特に死者、各国別にわかっていたら報告してください。
  67. 谷野作太郎

    政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。  お尋ねの件につきましては、いろいろな数字が日本国内あるいは中国なら中国側においてあるわけでございまして、政府としてこのような場で有権的に申し上げ得る数字はないわけでございますけれども、一、二例どういう数字が記載されておるかということでお聞き取りいただきたいと思います。  例えば、日本の高校の教科書等には、中国においては約一千万人、フィリピン等では約百万人、インドネシアベトナム等ではそれぞれ二百万人という数字が記載されておるのを私ども承知いたしております。それから他方、最近の人民日報等の報道によりますと、中国のある学者の方は、日中戦争で犠牲になった中国の方の数字は二千万人というような数字もございます。  いずれにいたしましても、いろいろな数字がございまして、遺憾ながら政府としてこういう場で確定的に申し上げる数字は、何せ戦争の混乱中のことでございますから、ございません。御理解いただきたいと思います。
  68. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 数字は確定できなくても、アジアの諸国民に与えた被害はほぼ二千万人、そう言われていることは今の外務省の説明でも事実で、最大の被害は中国で、中国では一千万人とか二千万人という数字が死者の数として出ているわけだ。  外務省にお伺いします。  これらの被害に対する補償要求が半世紀を経てこのアジアの各地で生まれております。例えば、きのうの新聞には、中国で非戦闘員一千万人の殺傷について二十四兆六千億円、この賠償請求が北京にある日本大使館に提出されたという報道がありますが、今補償要求の現状はどうなっていますか。政府、民間を含めて答えてください。
  69. 谷野作太郎

    政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。  まず、冒頭に申し上げなければならないことは、詳細は時間の関係で省きますものの、累次御答弁いたしておりますように、国と国との関係におきましては、そのようなことは既に多くの場合決着済みであるということをまず申し上げたいと思います。  その上で、ただいま仰せのような先方からの要求、要請が日本の外務省を通じて日本政府に提起されておることも中国の場合は事実でございますし、例えば先ほどちょっと言及いたしました中国歴史学者の方によれば、日中戦争によって損失した中国側の財産は約一千億ドルに上るというようなこともございます。他方、中国とは別に、先生も御存じのとおりでございますが、補償要求ということになりますと、朝鮮半島との関係で日本の法廷に、地方裁判所に、例えばサハリンに残留された韓国・朝鮮人の方々の補償要求ということで既に提訴がされておりますし、また最近の事例では、昨日も本委員会で御議論がありましたいわゆる従軍慰安婦の方々からの訴訟が提起されておるような状況でございます。
  70. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 きのうも従軍慰安婦問題、一非常に心の痛む問題がここでも清水議員から出されました。  加藤官房長官にお伺いしますが、調査するということです。きょうの新聞には、この間東京地裁に提訴された御本人の金さんの非常につらい話が、載っています。十五歳のときにぶん殴られて拉致された、中国の前戦基地に着いた日から将校の相手、慰安婦五人に兵隊約三百人、日に何十人もやってきて本当に地獄の日々だったと、青春を返せと言われているんですね。新聞によれば、十万人から二十万人という数字さえ出されている。もし加藤官房長官が調査されて政府、国の責任が明らかになった際、何らかの補償を考えますか。
  71. 柳井俊二

    ○政府委員(柳井俊二君) 官房長官からお答えがある前に私の方から、これまでのいわゆる請求権の処理の状況につきまして簡単に整理した形で御答弁申し上げたいと存じます。  御承知のように、昭和四十年の日韓請求権・経済協力協定の二条一項におきましては、日韓両国及び両国国民間の財産・請求権の問題が完全かつ最終的に解決したことを確認しておりまして、またその第三項におきましては、いわゆる請求権放棄についても規定しているわけでございます。これらの規定は、両国国民間の財産・請求権問題につきましては、日韓両国が国家として有している外交保護権を相互に放棄したことを確認するものでございまして、いわゆる個人の財産・請求権そのものを国内法的な意味で消滅させるものではないということは今までも御答弁申し上げたとおりでございます。これはいわゆる条約上の処理の問題でございます。また、日韓のみならず、ほかの国との関係におきましても同様の処理を条約上行ったということは御案内のとおりでございます。    〔理事井上吉夫君退席、委員長着席〕  他方、日韓の協定におきましては、その二条三項におきまして、一方の締約国及びその国民の財産、権利及び利益であって同協定の署名の日に他方の締約国の管轄のもとにあるものに対してとられる措置につきましては、今後いかなる主張もなし得ないというふうに規定しております。この規定を受けまして、我が国は、韓国及び韓国国民のこのような財産、権利及び利益、これはいわゆる法律上の根拠ある実体的権利であるというふうに両国間で了解されておりますが、そのようなものにつきまして国内法を制定いたしまして処理したわけでございます。その法律におきましては、韓国または韓国国民の日本国または日本国国民に対する一定の財産権を消滅させる措置をとっているわけでございます。  なお、いわゆる請求権という用語はいろいろな条約でいろいろな意味に使われておりますが、この日韓の請求権・経済協力協定における請求権と申しますものは、実体的な権利でない、いわゆるクレームとよく言っておりますが、そのようなクレームを提起する地位を意味するものでございますので、当時国内法で特に処理する問題がなくしたがって国内法を制定することはしなかったわけでございます。ただ、これはいわゆる請求権の問題が未処理であるということではございません。  以上にかんがみまして、このようないわゆるクレームの問題に関しましては、個人がこのようなクレームについて何らかの主張をなし、あるいは裁判所に訴えを提起するということまでも妨げるものではないわけでございますが、先ほどアジア局長からも答弁申し上げましたように、国家間の問題としては外交的には取り上げることはできないということでございます。  以上が日韓間のいわゆる財産・請求権問題の処理の状況でございます。
  72. 加藤紘一

    ○国務大臣(加藤紘一君) 今、条約局長からお答えいたしましたように、日韓間の条約上の請求権の問題は、一般的に申し上げてそのようなことだろうと思います。  従軍慰安婦等の問題につきましては、今委員御指摘のように、訴訟が提起されておりますので、その訴訟のそれぞれの主張等を見ながら、また事実関係を見ながら、行政的にどう対応していくか考えていきたいと思いますけれども、今のところここでコメントを申し上げられる段階にはまだ至っておりません。
  73. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 では、渡辺外務大臣。
  74. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 官房長官がおっしゃったとおりです。
  75. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 柳井局長が言われたように、国と国との間では一応条約で外交の保護権、これはなくなっている、政府間の請求権を放棄しているんですけれども、個人の請求についてはあるわけですね。これは今大問題になりつつあって、韓国ではデモその他大問題になっている。  外務省にお伺いします。同じ敗戦国で第二次大戦の主役だったドイツでは、こういうヨーロッパ諸国その他に対する被害にどういう補償をやってきましたか。
  76. 兵藤長雄

    ○政府委員(兵藤長雄君) ドイツが第三国に対していわゆる補償という意味で行ったことについてまとめて御報告申しあげますと、まずイスラエルでございますけれども、一九五二年九月のユダヤ人難民のイスラエルにおける居住及び再統合の拡大のための財及び役務の行使に当てるための条約によりまして、総額三十四・五億マルクを支払っております。一方、フランスを初めといたします十二の西側の国とは、一九五九年から六四年にかけまして次々と取り決めによりまして、国は省かせていただきますけれども、総額は九・九億マルク。さらに、一九六一年から七二年にかけましてポーランド等東欧四カ国に向けまして、同じく個別の取り決めによりまして総額一・二億マルクを支払ったというふうに承知いたしております。  さらに、国際的な措置といたしまして、戦争により発生いたしました難民支援を目的といたしまして、一九六〇年十一月に国連難民高等弁務官と協定を締結いたしまして、当初四千八百五十万マルクの基金を設置いたしまして、それをさらに八一年、八四年に追加取り決めによりまして八百五十万マルクの補充支出を行い、総額五千七百万マルクを支払ったというふうに承知いたしております。
  77. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) 関連質疑を許します。吉岡吉典君。
  78. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 今論議になりましたような問題、またきのう論議になりましたような中国あるいは朝鮮からいろいろ侵略戦争にかかわる問題が提起されるのは、日本が戦後、侵略戦争の責任のはっきりした解決をしてこなかった、そのためだと思います。政府の発言にはきれいな言葉が並べられますが、侵略戦争の反省というのは、きれいな言葉ではなく、一番痛いところにもメスをきちっと入れなくちゃならない、私はそう思います。  戦後の日本、そういう立場に立って責任ある反省を示してきたと責任を持って言えるかどうか、総理にお伺いします。
  79. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 戦後、我が国が荒廃から立ち上がります段階で、我々の先輩が平和の回復についていろいろな苦労をされました。それはサンフランシスコ講和会議を初め多くの二国間条約、その中には賠償協定もございましたが、あるいはまたいわゆる共同宣言といったようなもの、いろんな形で国と国との関係は、先ほど政府委員が答弁を申し上げましたように、ともかくも国民の負担において処理をされたわけでございます。それは先輩たちの非常な御努力のおかげであったと考えておるものでございまして、新たに個人が自分の立場からそういう請求権を提訴してこられる、国と国との関係は処理されておるわけでございますけれども、そういうことが起こってまいりました。  これはしかし、なかなか容易ならぬ問題でございます。事実関係の究明ということもございましょうし、またここまで先輩が処理をされてぎた問題との関連もございましょうし、大変に難しい問題だと思いますが、先ほど官房長官が、昨日も申し上げておりましたけれども、こういう問題についてできるだけ事実関係の解明に当たりたい、まずそれを考えております。
  80. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 要するに、各国の国民は日本を許していないということが今もあらわれているわけです。それは日本が侵略戦争の責任を明確にしての反省を示していないからです。アジア諸国にはもちろん、アメリカにだって同じですね。  私、去年の六月、内閣委員会で外務省から答弁を得ましてびっくりしましたけれども、戦後、真珠湾攻撃さえも一度も公式に謝罪したことはないというのが外務省の答弁でした。私、初めて知りました。それでよかったと思いますか、総理。
  81. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) たまたま真珠湾五十年という日がごく最近ございましたので、私としては自分の考えを内外に申し上げたところでございます。  ブッシュ大統領御自身も三つのスピーチをされて、それをお互いに読ませてもらったわけでございますけれども、基本的な考え方としては、それはいろいろやはりお互いに思いはある、殊にそこに来られたアメリカ人の人々に対してそういうことを言っておられるわけですけれども、しかし最後に言えば、我々はやはり将来に向かって物を考えなければならない、世界の平和と繁栄をもたらすということであれば亡くなった人も恐らく自分たちはむだに死んだのではないと思ってくれるであろう、こういうことで結ばれましたが、そのような気持ちでブッシュ大統領もおられるというふうに考えております。
  82. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 五十年、一度も謝らなかったのでよかったかということを私は聞きました。それもう一度答えてください。
  83. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 私ばかりでなく、歴代の総理がこういうことについてはいろいろな場において遺憾の意を表明しておられます。
  84. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 外務省ははっきり公式謝罪をしていないと言明したんですよ。外務省、確認してください。
  85. 松浦晃一郎

    ○政府委員(松浦晃一郎君) 吉岡先生が言及しておられますのは、当時の岡本課長が真珠湾攻撃についての公式謝罪をしていないということを答弁したわけでございますけれども、それに言及されていると思いますが、先ほど来総理が御指摘になっておられますように、全体につきまして、今回も先ほど総理がお触れになりましたけれども、総理御自身の述べられたこと、私ここに持っておりますけれども、アメリカを初め、太平洋、アジア各地域の皆さんに耐えがたい打撃を与え、非常な御苦労、悲しみを与えることになって、我々としては深く責任を感じているということを言われました。  それから、ブッシュ大統領の演説を受けまして外務大臣も談話も発表しておりまして、そこに、アジア・太平洋の人々に対しまして耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたことに深く反省をするということをおっしゃっておられますことを改めて申し上げたいと思います。
  86. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 過去には言及したくないということです。  ブッシュ大統領の演説の話が出ましたけれども、私は新聞報道の見出しに非常に重要なものがあると思いました。「過去を忘れ前進を」という見出し、あるいは「過去より未来を」、要するに過去は忘れて将来を語ろうということのようです。総理もそれが気に入ったようで、過去ではなくというように今おっしゃったと私はとりました。過去の侵略戦争はやっぱり忘れていこうということですか。  私、そこでお伺いします。そういう日本の政府、日本の侵略戦争を明確に反省できないから、他国にも言うべきことが言えない。ブッシュ大統領がこの間、原爆投下についても発言し、謝罪しないというだけでなく、正しかったと言った。それでいいんですか。日本政府の公式態度を教えてください。
  87. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 私自身は過去を忘れていいなんてことを申しておりません。ブッシュ大統領のこの間の演説は、そういう趣旨があったということを申し上げたのであります。そういうお互いの精神でございますから、ブッシュ大統領がそう言われることについては、我々もやはり両国の将来あるいは世界平和への貢献ということを考えまして、そのように考えていくべきであろうと思います。
  88. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 原爆はどうですか。
  89. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまお答えを申し上げたとおりでございます。
  90. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 答えになりません、それじゃ。  原爆投下は正しかったというアメリカのブッシュ大統領の発言に対する日本政府の公式見解を教えてください。
  91. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) この間、それより後に真珠湾でなされましたブッシュ大統領の演説に流れます基調、それは今、吉岡委員が言われたとおりの基調でございますが、そういう精神において考えてまいりたいと思います。
  92. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 答えになりません。もう一度答えてください。答えになっていません。
  93. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) ブッシュ大統領のこの問題の日米関係についてのお考えは、吉岡委員もまさに言われましたように、ホノルルにおいて述べられたそういうことでございますから、そういう全体の考えの中でこの問題を考えていけばいいと、私はそういうふうに申し上げておるわけです。
  94. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 原爆投下についての発言さえできない、本当に情けない総理大臣だと思います。  それでは、私はここで具体的にお伺いします。  広島、長崎への原爆投下の直接責任者であったカーチス・ルメー、元空軍大将です。日本はこの人に勲一等旭日大綬章を贈った。非常にいいことをしたと思いますか。総理、あなたは広島ですから、はっきり答えてください。
  95. 文田久雄

    ○政府委員(文田久雄君) 私から叙勲の経緯について簡潔に御説明させていただきたいと存じます。  お示しのルメー大将は、一九五七年、昭和三十二年以来、米国空軍の参謀副長をいたしておりまして、一九六一年、昭和三十六年以降は同参謀長をいたしております。そして叙勲当時に至っているものでありますが、米国空軍と我が国の航空自衛隊との緊密な遠路のもとにおきまして、我が国防衛力の拡充強化に関しまして、米軍の対日協力、援助に寄与するところ大であった、こういう功績に基づきましてお示しの叙勲をいたした次第でございます。
  96. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 総理、私は総理に質問しました、いいことをしたと思うかと。どうですか。
  97. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま賞勲局長の御説明でお聞き及びのとおりです。
  98. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 お聞きのような半世紀なんですね。アジアの諸国民に対してそういう非常に無責任な態度をとっている。同じ戦争の主役のドイツと比べても、際立った対照は鮮明だと思うんですね。そうして、五十年たって自衛隊の海外派兵というんですから、アジア諸国が警戒と批判の声を上げるのは当然です。  ここにスターズ・アンド・ストライプス、太平洋軍の準機関紙です。十月二十五日付にホーリー在日米軍司令官、中将の話が載っています。これに、今度のPKO法案についてホーリー在日米軍司令官は、アメリカの平和維持活動任務に日本が海外派兵できる法案と、そういう評価をしているんですからね。だから、在日米軍司令官は、アメリカのためにいよいよ自衛隊が海外派兵してくれる、そういうふうにはっきりスターズ・アンド・ストライプスのインタビューで述べているんですから。  PKOの法案についてお聞きします。  この柱は、言うまでもありませんが、一つは国連指揮下のPKO、PKFに自衛隊が参加できること。二つ目は、国連決議があれば、人道的国際救援活動ということで自衛隊が事実上多国籍軍的活動にも参加協力、実施できるという内容なんです。きょうはこの後者の問題についてお聞きします。  この第三条二号の規定で人道的国際救援活動を実施できる要件、これはどうなっていますか。
  99. 野村一成

    ○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  この法案で人道的な国際救援活動と定義、御指摘のとおり三条二号にございまして、具体的には四つに分けることができるかと思います。  一つは、国際連合総会、安保理もしくは経済社会理事会の決議または、これ別表に掲げてございます主として国連機関でございますけれども、人道的な救援活動に従事している国際機関、そういう国際機関の要請に基づくものであるということ。  次に、紛争に起因いたします被災民の救援または被害の復旧のための人道的な精神に基づく活動であるということ。  三番目に、受け入れ国の同意がございまして、さらにそういった活動が行われます地域の属する国が紛争当事者である場合には、紛争当事者間に停戦の合意があるということでございます。  さらに最後に、国連のPKOとして実施されるものではないこと。  以上、四つの点でございます。
  100. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 野村さん、ちょっとお伺いしますが、例えば湾岸戦争のような多国籍軍、湾岸戦争じゃなくてもいいですよ、ああいう多国籍軍的活動、それは軍事活動もやっているけれども、同時に付随的に人道的活動も、難民救済とかいろいろあるでしょう。そういう場合に、もし国連の決議があれば国際平和協力隊、つまり自衛隊はこの国際的救援活動、人道的活動ができるんですか。
  101. 野村一成

    ○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  私、今いわゆるPKO法案に書いてございます人道的な国際救援活動の定義の内容について申し述べさせていただきました。御指摘の湾岸危機の際のいわゆる多国籍軍の活動につきましては、私先ほど申し述べました法案に定義された人道的な国際救援活動には該当いたさないというふうに考えております。したがいまして、我が国としまして、この法案の枠組みの中におきまして、今先生、後方支援とおっしゃられたと記憶しておりますけれども、そういったような活動はできないものというふうに考えております。
  102. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 三条二号には「その他の国際機関又は国際連合加盟国その他の国」となっているんです。だから、湾岸戦争のときのようなあのような場合に、要件があればやれるかということを聞いているんです。
  103. 野村一成

    ○政府委員(野村一成君) 私、今答弁申し上げましたが、いわゆる多国籍軍につきましてのそのものの活動、あるいは後方支援についてはできないということを申し上げたつもりでございまして、この法案に定めてございます要件に合致しますれば、例えば湾岸戦争の際の難民の救済、そういった活動についてはできる側面があるというふうに考えております。
  104. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 明白なんですね。十一月二十日、衆議院でも特別委員会で社会党の伊東委員の質問に対して、こういう湾岸戦争のような場合でも、そういった点での要件、要請があればできるわけでございます。そう言っているんですよ。ですから、アメリカ中心の多国籍軍の活動でも、国連の決議があって、難民救済、医療あるいは通信とかいっぱい書いてありますよ。そういう場合には国連が決議すればできるんですよ。今アメリカの言いなりじゃありませんか、国連は。  ですから、この法案でも、人道的救援活動という口実で自衛隊が多国籍軍の後方支援に、国連で決議さえすればどんどん出ることができる、こういう驚くべき法案になっている。私は、到底こういうものは許すことはできない。憲法違反は明白ですよ。しかも、集団自衛権にも踏み込むというようなことになっている。海外派兵を禁止した参議院の決議に違反じゃありませんか。当然これは廃案にすべきだ。首相、どう考えますか。
  105. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) そこは、今大変正確に政府委員が答弁を申し上げておるところを、上田委員は何かずく湾岸戦争という現実に起こった事態へ話をお引き戻しになるわけです。そうですね。湾岸戦争という現実に起こった事態において、本当に後方支援とおっしゃるようなことをした場合に、それはやはりいわゆる一体論というものがあって、武力行使に当たりはしないかという危険も相当ございます。ですから、具体的にあの場合についてこういうことをするのがいいか悪いか、私はやはりそれは問題であろうと思っております。  政府委員の申しましたことは、純粋に法律上のケースを申し上げましたので、上田委員のおっしゃいますように湾岸戦争という具体的なケースになれば、私はそういうふうに、今申しましたように感じます。
  106. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 私は、法的な仕組みの危険性を問題にしているんで、その仕組みについては首相も反論できなかった、そう受け取っておきます。  では次に、宮澤さんお待ちかねの三点セット問題についてお伺いします。渡辺さんもお待ちかねでしょう。  総理、この三点セット、それぞれ総理が手元に入手した時期についてお話しいただきたい。
  107. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 三点セットを入手した時期というお尋ねでございますけれども、株式売買約定書につきましては、はっきり日時を記憶しておりませんけれども、昭和六十三年十二月に大蔵大臣をやめました後に入手をいたしました。これは先ほども申し上げましたが、検察が押収している物件でございまして、先方の写しを入手いたしました。  それから振込依頼書でございますが、これも当時なかったものでございますが、それから後、平成元年のいつごろでございましたか詳細にいたしませんが、銀行側の協力を得まして入手することができたのでございます。  次に、株式の売買代金の入金を示す資料、証券会社の売買報告書、これは当時から存在をいたしておりました。
  108. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 先ほど、約定書に押している宮澤の判は、私も見ましたが、服部が事務所で使っていた判、そう答弁されました。そうすると、売買約定書を書いた場所はTBRビルにある宮澤事務所ということになりますね。
  109. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) それはちょっと私確認をいたしておりませんが、服部氏が事務的にしょっちゅう使っていたものだと思うと申します意味は、持っておって使っておったという意味でございます。場所のことはちょっと詳細わかりません。
  110. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 次に、振込依頼書、平成元年に御存じになった、三菱銀行か倉庫を捜したら出てきたという。松本秘書が三千万町振り込んだんだということをあなたが知ったのはそのときですか、依頼書を見たときですか。
  111. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) これは、昭和六十三年十二月一日にお答えをいたしましたときに、この金は服部氏の負担において先方に払われておるということをお答えいたしておるわけでございますけれども、どのような手続でそれが払われたかということは、そのときは私詳細に存じておりませんでした。
  112. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 だから、松本秘書が振り込んだというのを知ったのはいつですか。
  113. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) それが書類によって確認できましたのは、この振込依頼書の写しか出てきたときでございます。
  114. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 あなたは六十三年十二月に、負担は服部だと答えた、しかしだれが振り込んだかばそのときは御存じなかったと。松本秘書が振り込んだのを知ったのは、平成元年、三菱銀行か倉庫を捜して依頼書が出てきて、それを見たとき、松本秘書がやったということを知ったんですね。そうすると、松本秘書には事情をいつお聞きになりましたか。
  115. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 私にとりまして大切であったのは、この金が宮澤事務所の金というようなことでは困る。そうではない、服部氏が自分の負担でやったということであればそれで十分でございますから、それがどのような手続で行われたかということに私は余り関心を持っていなかったわけでございます。事実としては、銀行としょっちゅう接触をしております松本秘書に服部氏が金を渡して支払いを依頼したということを後に知ったわけでございます。
  116. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 だから、松本秘書にいつ事情を聞いたんですか。
  117. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) その点については、私はどのような支払いの仕方であれ、負担がだれであったかということに重点を置いておりましたので、現実にこのような形であったということはこの振込依頼書によって確認をいたしたわけでございます。
  118. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 だから、松本秘書に事情を聞いたかと聞いているんです。いつ聞いたんですか。
  119. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) この振込依頼書というものが出てまいりましたときに詳細な事情を聞いております。確認をいたしております。
  120. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 松本秘書はどう言いましたか。十月十五日に三千万円現金で、一万円で三十センチですよ、三千万円の現金というのは。それをファーストファイナンスに振り込んだのだが、それはリクルートコスモスの株の代金だということは、松本さんはあなたが事情を聞いたときに、知っていたと、そう答えましたか。
  121. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 松本秘書の説明によりますと、自分の個人的なことで悪いが、ひとつこれをこういうところへ払っておいてくれという服部氏の話がありまして、そのとおりいたしましたということを言っております。そう詳しい事情を松本氏は知っておったようではございません。
  122. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 供述調書ですと、服部さんがナンバーワンだ、私はナンバーツーだということを松本さんはおっしゃっておる。今はナンバーワンで公設第一秘書なんです、宮澤さんのね。その方が服部さんに頼まれて三千万円、三十センチの一万円をファーストファイナンスに振り込んでくれと言われて、個人のことだ、何も聞かない、何も知らぬというのは私はあり得ないと思うけれども、宮澤さんの言うとおりだと仮にしましょう、何もわからなかったと。  けれども、六十三年七月六日に朝日新聞がこの問題を報道してから大問題になってきたでしょう。国会で何度も取り上げられて、十月上旬からは頻繁に式場、加藤、多賀谷氏らの問題でファーストファイナンスの名が新聞でどんどん報道されるんですよ。そうすると松本秘書は、あのときの三千万円、相手はファーストファイナンス、あれはリクルートコスモスの株の代金だったなと気づかなければおかしいんです。御自分のところの大蔵大臣があれだけ国会でやられているんですから、宮澤事務所は大問題でしょう。  宮澤さん、十月上旬にファーストファイナンス問題が新聞紙上であれだけ騒がれたとき、十月段階、十一月段階に松本秘書から、実はと言って報告はありませんでしたか。
  123. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 当時、私にとって必要でございましたのは、これが服部氏の負担において払い込まれたということを本院の税制特別委員会において何度も申し上げましたのでございますけれども、それならばそういうことを示す書類を提示せよということであったのでございます。書類を提示しなければそれは証明できないではないかと言われました。ところが、この振り込みの写しかないものでございますから、その書類を御提示できなかった、この点が一番大事であったところでございます。
  124. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 宮澤さん、三年前の議事録をもう一度よく読んでごらんなさい。私が今聞いているは、十二月一日以後のことじゃないですよ。十月、十一月、あなたが河合がやった河合がやったと言っていた時期ですよ。この時期に松本秘書から実は三千万円ファーストファイナンスに払い込んだという報告があなたになかったかと聞いているんです。
  125. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) そういうことを聞いた記憶はございません。
  126. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 これは重大問題なんですね。松本秘書は、六十一年に払ったときは知らなかったとしても、六十三年の十月、十一月段階では、あの三千万円は服部さんに頼まれて払った、ファーストファイナンス、リクルートコスモスだなと知ったわけですよ。気づくわ。それを首相に一つも言わない。  宮澤さん、そうすると服部さんだけじゃないんだ、松本秘書もあなたに真実を言わなかった、あなたをだまし続けていたということになりませんか。松本秘書に対して何かその責任を問うことをされなかったですか。
  127. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 私がそう考えておりませんのは、本来これが終止、服部恒雄氏の取引であったわけでございます。そして、その金の払い込みを松本秘書は依頼されたわけでございますので、普通でございましたら、仮にこれが宮澤事務所のことでございましたら、まずこういう払い込みというのは、現金で払い込まれるということはございません。口座間の移動が普通でございます。その次に、もしそうであれば、そのための証憑書類というのは、経理の責任者はやはり残しておくのが普通でございます。それがございませんでしたのも、これが現金で払われ、宮澤事務所に関係のないことである、こういうことで松本秘書は服部氏の代理をいたした、かわりに払い込んだ、こういうことが事実でございますので、それについてそういう記憶がございませんでも、それがまた何であるかというようなことについて理解がありませんでも、別に無理なことだとは私は考えておらないわけです。
  128. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 これは二つに一つしかないんですよ。あなたが服部秘書、松本秘書、お二人にずっとだまされ続けて、四ヵ月間、河合さんに名前貸した名前貸したと言い続けていたかですよ。こんなに四ヵ月もナンバーワン、ナンバーツーの秘書にだまされ続けている人は首相の資格はまずないですよ。  もう一つあり得るのは、あなたは知っていたのに、報告を受けて四カ月間、河合さんだ河合さんだと言って国会、国民をだまし続けていたということです。この場合も首相の資格はないです。私は、どうも後者の可能性が多い、あなたは真相を聞いて知っていたのに、甘く見て何とかなると思ってだまし続けていたと思うのです。証拠があります。  十二月八日、社会党の安恒良一議員の質問です。十月十五日に三千万円払い込んだ。だれの名義で払い込んだか。国務大臣宮澤喜一、ちょっと私わかりかねます、負担したのは服部だと。安直、そんなことを聞いているんじゃない、だれの名義がと。宮澤喜一、私の名前が使われていないんだ、服部の負担だと。安恒は頑張って、いや宮澤の名前か、服部の名前かと聞いている。宮澤、私の名前でないことは確かだと、何度も何度もそう答えているんですよ。  つまり、あなたはそのときから、まだ依頼書が発見されていないときから、十月十五日だということ、宮澤の依頼じゃないということ、宮澤の名前じゃないということ、服部の名前でもないということ、だれかわからぬということ、金は服部が負担したということを知っていたんですよ、あなたは。どうして知ったんですか。松本秘書、服部に聞かなきゃわからぬでしょう。  あなたはさっき、平成元年に初めて知ったというけれども、松本の名前で服部が金を出してファーストファイナンスに振り込んだということを十二月八日のこの時点でもう既に知っているんですよ、議事録がそうなっているんだから。いつ知ったんですか。
  129. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 安恒委員にそういうお答えを申し上げた記憶がございます。宮澤の金ではないか、おまえがしたんではないかということでございますから、いや、それは服部が私に報告をいたしましたとおり、自分の負担でいたしましたと、こう申しております、こういうふうに安恒委員にはお答えをいたしました。それをどういうふうにして払ったのか、こういう点について私としては当時お答えができなかったし、それを証する書類がなかったということで、その当時からこれは服部の負担でございますということを申し上げでございます。おっしゃるとおりでございます。
  130. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 答えていないよ。上手の手からも水が漏れるんで、あなたのつくったシナリオ、これは破綻しているんですよ。十月十五日に、あなたの名前ではなく、わからぬ、服部の負担だけれども服部の名前でもないと、振り込み名義人は。どうして、だれから聞いて知ったんですか。ちゃんと答えてください。
  131. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 大事なことは、これが服部氏の負担においてなされたということが大切なのでございまして、それがどういう手続で振り込まれたかということは大事でございますけれども、その書類は当時なかった。それを今御閲覧願っておりますから、おわかりいただいたと思うのでございます。
  132. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 だれから聞いたかと聞いているんです。もし松本、服部から聞いているんだとしたら、それまで国民をだましていたということが明らかになる。だれから、いつ聞いたか、答えてください、はっきり。
  133. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 昭和六十三年十二月一日の本院の税制特別委員会におきまして私が御報告を申し上げましたことは、従来申し上げておりましたことが間違っておりまして、大変申しわけございませんでしたとおわびをいたしました。そのことについては、私は責めを負って後に大蔵大臣をやめさせていただいたわけですが、それで最終的に服部恒雄氏から聞きました報告をもとに御説明を以下申し上げます、こういうふうに十二月一日の会議録に載っておりますが、これは服部恒雄氏の説明に基づいて申し上げたことでございます。
  134. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 答えになっていない。ちゃんと答えてください。
  135. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) お答えを申し上げたと思いますが、服部恒雄氏の報告をもとに十二月一日に御説明を申し上げたのでございます。
  136. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 じゃ、そのとき、松本の名前で振り込んだということを服部は言ったんですね。あなたは何で国会で答えなかったんですか。
  137. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 申し上げましたとおり、そういうことをお答えしておりません。それはわからなかった部分でございます。
  138. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 もう時間がございませんけれども、こういう矛盾が出てくるのも、大体江副さんのところから宮澤事務所、宮澤あてにお金が来ているんですよ。江副さんは十二月六日の証言で、宮澤の名前でも服部の名前でも不都合がなかった、どっちでもいいと言っているんですから。宮澤大蔵大臣向けのそういう政治献金が明らかに来ているのに、それをあくまで服部個人の取引だと。松本さんというのは経理の全責任者ですから、宮澤事務所がやっているのに、そういう宮澤向けの政治献金を服部個人の取引だというふうに言いくるめようとしているところに、この問題の宮澤さんの非常に大きなフィクションがあるんですよ。このフィクションの一端が私はこの問題で明らかになったと思います。私は、宮澤さんが本当に真相を国民の前に明らかにすること、これが必要だということを重ねて主張いたします。  最後に、あなたは今度は首相なんだから、大蔵大臣ではありませんから、いよいよ責任は大きい。私どもは真相解明のため、服部恒雄元秘書松本雅雄現秘書、SE総合設計社長の河合康文氏、ファーストファイナンス元社長小林宏氏、四氏の証人喚問と、服部氏名義の三菱銀行有楽町支店の総合口座通帳全文のコピーの提出を要求いたします。  委員長、よろしくお取り計らいをお願いいたします。
  139. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) ただいまの件につきましては、後刻、理事会において協議検討いたします。  以上で上田君の質疑は終了いたしました。(拍手)  午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十二分休憩      ―――――・―――――    午後一時一分開会
  140. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成三年度一般会計補正予算、平成三年度特別会計補正予算、平成三年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。高井和伸君。
  141. 高井和伸

    ○高井和伸君 まず、総務庁長官と総理にお尋ねしたいと思います。  昨日、第三次行革審が第二次答申を出されたというふうに伺っておりますが、その内容の概略、そして、私はこれまで行政手続法の制定ということにつきましていろいろの場面で発言してまいりました。その行政手続法に絞った今後の対応などをお聞かせ願いたいと思います。
  142. 岩崎純三

    ○国務大臣(岩崎純三君) ただいま先生のお話にございましたとおり、昨日、総理に対しまして行革審から第二次答申が提出をされました。内容の概要につきましては、その一つが「国際化対応・国民生活重視の行政改革に関する第二次答申」でございます。もう一点は「公正・透明な行政手続法制の整備に関する答申」でございまして、いずれも時宜を得た大変貴重な御提言であろう、このよう受けとめております。  特に行政手続の問題等につきましては、法の整備が求められておるところでございまするし、またその内容も大変広範にわたり、関係する法律約五百を超えるであろう、このようにも言われております。  その答申の二点を含めまして、これから引き続きまして行政改革の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
  143. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御指摘の行政手続に関します部分は、承りますと、角田最高裁前判事、元の法制局長官でいらっしゃいますが、が部会長になられまして大変労作をしていただいたと伺っております。私どもにはなかなかちょっとやそっとではわかり切れない膨大な各法律に関係する部分だそうでございますけれども、したがいまして、これを実行いたしますときに法制局は大変な仕事になるのだというふうに聞いておりますけれども、こういう答申をいただくということはめったにございませんので、その御答申の趣旨をぜひ尊重、実現いたしたいと考えております。
  144. 高井和伸

    ○高井和伸君 総理の力強いお話を聞きまして、ひとまずここでその早からん実現を希望いたします。きょうは全大臣がおそろいでございます。五百もある法律ということが関係する行政手続法の整備でございますので、ぜひとも今の総理のお言葉に従ってやっていただきたいと思います。  それでは次に、労働大臣にお尋ねいたします。  バブルがはじけて各企業が倒産する、倒産すると会社の従業員が困るわけでございますけれども、社内預金が保全されずに使われてしまうというような事件が過去にもありまして、ほかの委員会でも当委員会でもやってきました。そのときにお約束いただいた社内預金の保全状況あるいは社内預金の現状、そういった実情が現在どのようなことになっているのか、確認させていただきたいと思います。
  145. 佐藤勝美

    ○政府委員(佐藤勝美君) 御指摘ございました社内預金の保全に関しましては、御承知のように、金融保護関係法令に基づきましていろんな手続が定められておりますが、ただ御指摘の具体的なケースのように、保全措置が適正に行われているかどうか問題があるということに私どもは非常に重大な関心を持ちました。それで、この七月以降、全国的な監督指導をこの問題について行いまして、その際あわせて調査をいたしております。  その際、預金管理状況報告、これは法令によって義務づけられておるわけでございますが、そういったものが適正に提出されているのかどうか、それから預金保全委員会の構成、開催状況等が適切であるのかどうかというようなこと、それから貯蓄金管理勘定として経理を行うことなど、預金保全委員会の設置にあわせ義務づけられている措置が適切に講じられているかどうかというところに主眼を置いて実施をしたところでございますが、その対象事業所が約六百でございました。現在その結果を取りまとめ中でございまして、最終的にその結果を御報告する段階にございませんが、そういう状況になっておるわけでございます。
  146. 高井和伸

    ○高井和伸君 今の御答弁を伺いまして、労働大臣にちょっと要望しておきたいと思うんですが、保全委員会方式ということで預金が保全されている場合、非常にしり抜けになっております。このしり抜けにつきまして、前の労働大臣も検討する方向にあるというようなことをおっしゃっておられましたけれども、ぜひともそのしり抜け制度を改善していただきたいということを希望いたしまして、次の質問に移ります。  宮澤総理にお尋ねいたします。  共和という会社がいろいろ詐欺事件を引き起こしまして、それに絡みましていろんな話が出てきました。その中に、特に自民党所属の代議士、もっと細かく言うと宏池会所属の阿部文男代議士のお名前も出てきたり、また古くは有力な幹部の方々の名前も出てきているという、こういった状況を見るときに、私が総理に伺いたいのは、企業からいろんな政治家が支援を受けるというとき、献金以外に事務所の提供を受けたり秘書の提供を受けたりいろんな形があるわけでございます。献金、お金のことが今まで大分問題になってきましたけれども、政治家へのそういう人的、物的サービス提供というような観点がどうもルーズになり、それが国民の疑惑を生み、政治改革の必要性を求められているというふうに思うわけでございます。  そこで、私が端的に質問を絞って申し上げますと、新聞報道によれば、阿部文男代議士が宏池会の事務総長をおやめになったという話がゆうべの夕刊に載っていました。そして、当委員会でもそれなりの御答弁がございました。その後について、総理の所感がございますれば一言お聞しておきたいと思います。
  147. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 昨日もお尋ねがございまして、私から、たしか佐藤委員でいらしたと思いますけれども、阿部代議士は非常に良心的な人でありますので、事務総長ということについてはやめたいというふうに言ってこられるのではないかと考えておりますがという趣旨のことを申し上げましたが、たまたま昨日は定例の総会のような日でございまして、そういうお話があったそうでございます。これを会としても了承したという報告を聞いております。  事柄の真相は、これは私どもがかれこれなまはんかに聞くべきでもない、また申すべきでもないと思っておりますので、友人の一人といたしましては、法に触れるようなことがなかったことを心から信じ、また祈っておるのでございますけれども、御本人としてはそういう心境から事務総長の職を辞されたというふうに聞いております。  それで、一般に企業と代議士との関係ということでございますけれども、企業も社会的な存在でございますから、個人と個人との間に友好関係があるように、そういう特定の企業との間に友好関係があること自身は私はそう問題にすべきだと思いませんけれども、ただ企業は個人と違いまして利益を追求する団体がほとんどでございますので、友好的な関係がその政治家自身の公正な立場に悪い影響を与えるようなものであってはならないし、また逆に申せば、その企業に対して常識を超えた形でのフェーバーを与える、特典を与えると申しますか、そういうことになりますとやはり政治家としての本来の職務の遂行に影響がありやすいと考えますので、その点は注意をすべき問題と考えております。
  148. 高井和伸

    ○高井和伸君 加藤国務大臣にお尋ねします。  三点セットというのを見せていただきました。その中で、加藤国務大臣の場合は株式売買約定書というのが出ておりません。まず、これがあったのかどうかが一つ。それはいつつくられたのか。そして、それをだれとおやりになったのか。株券はそのときはどうなっていたのか。この四点についてお尋ねします。
  149. 加藤紘一

    ○国務大臣(加藤紘一君) お答えいたします。  株式の約定書というのは、本当に申しわけないんですけれども、ファイルの体制がしっかりしていないものですから見当たりませんでした。ただ、当時の経緯を担当した者といろいろ相談して思い出してみますと、九月の中下旬がなんかにそういう契約をしたはずでございます。当時の流れからいえばそういうことになると思います。
  150. 高井和伸

    ○高井和伸君 株券は。
  151. 加藤紘一

    ○国務大臣(加藤紘一君) 株券はこちらに来ておりませんので、当然ファーストファイナンスか、その株の現実の手続をした証券会社の方にあったのだろうと思います。
  152. 高井和伸

    ○高井和伸君 もう一つ、株を買った相手。
  153. 加藤紘一

    ○国務大臣(加藤紘一君) 株を買った相手。ちょっとお待ちください。  現実的には、リクルートの本社の方の指示に従ってそういう払い込みやなんかしたわけですけれども、どういう人との株の売買の形になっているかということですが、新聞等でドゥ・ベストとかいろいろな会社がありますけれども、私の場合は個人の人から買ったという形になっております。
  154. 高井和伸

    ○高井和伸君 何度も行き来して申しわけないんですが、それではもう一点、現実的な株の売買はどなたが担当なされたんでしょうか。端的に質問すれば、金銭消費貸借契約書の加藤紘一という署名捺印、住所も記入してありますが、これはどなたがやられたんでしょうか。
  155. 加藤紘一

    ○国務大臣(加藤紘一君) その署名は私の字ではございません。うちの秘書の署名でございます。
  156. 高井和伸

    ○高井和伸君 秘書のどなたですか。
  157. 加藤紘一

    ○国務大臣(加藤紘一君) 秘書の名前ですか。ちょっとお待ちください。――斎藤大作でございます。
  158. 高井和伸

    ○高井和伸君 続きまして、渡辺郵政大臣に同じような質問をいたします。  売買約定書は存在したんでしょうか。もしそれができたというならば、いつだったでしょうか。そして同じように、株券はどうなっていたんでしょうか。それから、どなたがこれをおやりになったんでしょうか。それからもう一点、どこと売り買いをしたのか。この五点、お願いします。
  159. 渡辺秀央

    ○国務大臣(渡辺秀央君) 株の行為をやりましたのは小杉という秘書でございます。それから、株券はどこにあるかわかりません。
  160. 高井和伸

    ○高井和伸君 いつであったか。
  161. 渡辺秀央

    ○国務大臣(渡辺秀央君) これはたしか九月のころだったと聞いております。それから契約のお話があったと思うんですが、契約書というのは私は実は聞いておりません。私も自分でした覚えはありません。それから、だれとということですが、私の聞いております範囲では、ビッグウェイですか、からの還流の株だというふうに今まで報告は受けておりました。  以上であります。
  162. 高井和伸

    ○高井和伸君 三点セットのコピーの中で、渡辺郵政大臣の分の中でちょっと一点だけ事実問題として、振り込みを三千万したという証明書の口座名義、相手の名義が株式会社ファーストファイナンスということで、ファーストファイナンス株式会社じゃない会社の名前が出ておりますが、これはファーストファイナンス株式会社の誤りなんでしょうか、それとも別の会社なんでしょうか。
  163. 渡辺秀央

    ○国務大臣(渡辺秀央君) まことに申しわけありませんが、誤りでございました。
  164. 高井和伸

    ○高井和伸君 それでは、渡辺外務大臣にお尋ねしますが、同じような趣旨でございまして、売買約定書があったのかどうか。これは御子息の話でございますが、あったのかどうかお聞きになっているかどうか。そして、相手方はどなたであったかという二点、お尋ねしたいと思います。
  165. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 私の聞いたところでは、リクルートの秘書室の友人から話があって、それで五千株買うことにした。そこで、それから何日か過ぎてからでしょう、書類を持ってきた。中身なんか見ない、要するに五千株買えばいいんだから。だから、ほこほこ名前を書いて判こを押して渡した。当然リクルートの江副さんの持っている株を売ってくれるとしか本人は思っていなかった、よく見てないから。  要するに問題は、株を売ってくれるというから判こを押して申し込んだだけで、後になってから、何日か過ぎてからでしょう、支払いをしてくれと言われたときに、どこへ払うんですかと言ったらファーストファイナンスヘ払えばいいと。おかしいなと思ったけれども、向こうがそう言うんだから、だから銀行送金するので、そこへ送っておいた。信頼関係があるからもう別に心配はしていなかった。その後で電話があって、上場してから幾ら幾らですけれどもどうしますかという話があった。それじゃ売ってくれと頼んだ。ところが、後で大和証券から結局お金を、大和証券ですかな、振り込んでこられた。  それだけのことなので、要するに江副さんの持っている株を上場するわけですから、新規公開株ですからね。だれかのものが公開されるわけだから、別に不審も何も感じていない。金は払ったし、もらうものはもらったからほかに必要は何もないので、だからそんなものは一切持っておらぬ。ただ、通帳等があるのでそこからは金の出入りだけははっきりわかる。  前に、やはりファイナンスはどうですかという話があったそうです、一番最初に、聞いてみたら。その必要はないし、そのような金は持っているから、だから要りません、そう言ったということがありのままの話であります。
  166. 高井和伸

    ○高井和伸君 今度は、総理の三点セットについてお尋ねします。  まず、株式売買約定書、これをお尋ねしますけれども、この作成のドゥ・ベストとの関係では、服部恒雄氏からはどのように伺っておられるんでしょうか。
  167. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) ドゥ・ベストとの関係については、服部氏にはかねて説明はなかったそうでございます。説明がございましたのは、昭和六十一年の九月の中旬と思いますが、リクルートコスモス社の株を引き受けてくれないかということがあり、九月三十日に株式売買約定書で申し込みまして、十月十五日にファーストファイナンスに三千万円を服部氏が払い込みました。  ところで、私が昭和六十三年十二月にこのことを当院の委員会に御報告申し上げましたときには、売買約定書がございませんでしたので、それによって相手がだれであるかということは申し上げることができなかったのでございますけれども、御閲覧いただきました約定書のとおり、その譲り渡し人はドゥ・ベスト社であるということが約定書が発見されまして確認された次第でございます。――約定書が発見されましてと申しましたのは不正確でございました。約定書の写しか検察に押収されておりましたものからコピーせられましたので、その際にわかりました。はっきりいたしました。
  168. 高井和伸

    ○高井和伸君 約定書は、これはドゥ・ベスト社は関係なしに作成されたというお話でございます。そうしますと、今までの御答弁を参酌しますと、リクルート社のどなたかとこの契約書を服部恒雄氏がつくったというふうに伺ってよろしいんでしょうか。
  169. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) この約定書は、ごらんのとおり、譲り渡し人がドゥ・ベスト社代表取締役となっておりますしいたしますので、そことの契約、約定であることは明らかでございますけれども、九月の終わりのころに署名をいたしました際、この約定書を持ってこられた人がどなたでありましたかは明確でございません。リクルートコスモスのその前に見えた方であったのではないかと思いますけれども、法律上の契約はドゥ・ベスト社取締役菅原何がし氏でございます。
  170. 高井和伸

    ○高井和伸君 この売買約定書、皆さん方の目には触れられておりませんけれども、私、連合参議院を代表しまして肉眼で見てきました。少なくとも三名の手によって書かれている、あるいは二名によって書かれているというような筆跡、書体、そういったものが見受けられました。どなたとどなたがこれに関与されたのか、宮澤総理が服部恒雄氏から聞かれている部分ほどの部分を服部氏が書かれたのか、お聞きになっているでしょうか。
  171. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 譲り受け人は、私の名前を番地とともに服部恒雄氏が書いたのでございますが、譲り渡し人の方は、これは何と申しますのでしょうか、スタンプと申しますか、それに代表取締役の印というものが押されております。
  172. 高井和伸

    ○高井和伸君 そして、閲覧したときに、この約定書に関しまして服部恒雄氏のある種の弁明書というのが書いてありました。私の筆跡はこのとおりでございまして勝手に使わさせていただきましたというような弁明書でございましたけれども、これを書かれた経緯はどんな経緯だったんでしょうか。
  173. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) これは私、非常に正確ではございませんが、多分間違いなく申し上げられると思います。  三点セットを衆参の委員会に御提出いたします際に、この名前を書きましたのは服部恒雄氏でございますということを御説明したわけでございますけれども、その際に、筆跡を照合される必要があるかもしれないということを私の事務の者たちが考えまして、服部氏に依頼をいたしまして、そして同じようなことをひとつ書いてほしいということで、本人の同意を得まして同じようなことを書きまして、それを添付いたして両方の署名を御比較いただくための御便宜にした、こういう経緯であったと承知しております。
  174. 高井和伸

    ○高井和伸君 続きまして、払込依頼書についてお尋ねしますけれども、この中で、今までの答弁などを踏まえますと、松本雅雄という名前を三菱銀行の方が書かれたということですが、名前だけなんでしょうか。そのほかの部分で三菱銀行の方がどこか書かれたというようなことが総理の方に報告があったでしょうか。
  175. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 御閲覧をいただきました振込依頼書でございますが、ここに書かれておりますものは、たしか全部銀行の人が事務の処理で松本雅雄様というところまでを含めまして書いていかれたようでございます。書かれたようでございます。
  176. 高井和伸

    ○高井和伸君 そこで、私は閲覧をした者として、これは見方の差かもしれませんけれども、少なくとも三名の手にかかっております。今のようにすべて銀行の方が書かれたということを訂正されるのかどうか別としまして、肉眼では三名ででき上がっております。  そういったことからいって、松本雅雄さんが書かれた字がどれなのか、まず松本雅雄という漢字の名前、平仮名の振り仮名のまつもとまさお、そしてお受取人欄にありますファーストファイナンス株式会社というのも大体同じ筆跡、そして先方銀行というので三和銀行新橋支店、これも筆跡が同じで、この四つは大体同じなんです。ところが、御依頼日という六一・一〇・一五というのはまた違う字で、それと同じ種類の字として口座番号、当座番号の三二九七五六というのはまた同じ人からできております。ところで、今度金額の三千万円と振り込み手数料の八百という字はまた違う人が書かれております。  これは皆さん方には手元にありませんので、見た人しかわかりませんけれども、少なくともこの三つで構成されている要素、これはやはり問題であるというふうに私は指摘しまして、次へ移ります。  そして、三点セットの振込依頼書の説明というので、これは宮澤事務所サイドでつくられたものだと思いますけれども、その中に、銀行の担当者の名前はわかっている、必要があれば予算委員長に報告することが可能であるということになっておりますが、ぜひその方を私は知りたく、その人にお話を聞きたいわけでございますけれども、この方の名前の特定は委員長に報告していただけるでしょうか。
  177. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 前段のお尋ねでございますけれども、確かにこの書類には検閲というところと実施というところと幾つか印鑑が押してございますし、私が申し上げましたのは、これは正確には銀行側の作成されたものであると言うにとどまるわけでございまして、何人の銀行側の方が関与されたがは確かにはっきりは申し上げられない、何人かの方が関与しておられるのかもしれません、書類の処理でございますので。  それから、幸いにしてこの取引銀行の担当者は現在でも特定ができます。お入り用でございましたら、その氏名は御本人の了解を得まして委員長まで申し上げます。
  178. 高井和伸

    ○高井和伸君 まだ細かい問題がいろいろございますけれども、以上の細かい質問をさせていただきました私の結論を申し上げますと、実は宮澤喜一名義の株式売買一万株があった、そして服部恒雄名義でも別に一万株の売買があった、そしてまた別に松本雅雄名義でも一万株の売買があった、このような推理が一応、今までの宮澤総理のお話は別にして、客観的に書類を見た場合見られるわけでございます。  この点につきましては、これまで御質問なさいましたそれぞれの方々は宮澤事務所ぐるみではないかというお話でございましたけれども、論理上、これは三つの売買があって、三つのそれからお金が振り込まれて、三つの銀行の通帳へ振り込まれたということはあり得るという論理構成で、そのうちの売買名義は宮澤喜一名義、そして次の段階で金の振り込みは松本雅雄名義、株式の売却代金は服部恒雄名義、こういう三つばらばらを一つのものにしたという推理が成り立つわけでございます。  ところで、裏側でそういったことをやりやすい雰囲気、こういったことを国民の皆さんに明らかに違いますよという、そういう宮澤総理の弁明が欲しいわけでございますけれども、今までのお話の中ではとても理解、納得できない。今個々に申し上げましたように、この一番初めの売買約定書の作成の経緯がよくわかりません。どなたとどなたがつくったかわかりません。次の段階で銀行振り込みの書体、いろいろ言って、松本雅雄という名前が銀行員によって書かれたかどうかもはっきりしません。少なくとも三人の手によってでき上がっております。そういったものを見て、さらに参議院の方では三人、先ほどお話を伺いました加藤紘一名義、渡辺喜美名義、渡辺秀央名義、この三つと比べますと一致しているところがたくさんございます。  すなわち、まず一番はっきりしているのは銀行く振り込まれた売却代金、これは昭和六十一年十一月五日で全部一致しております。そして、その振り込み元も全部大和証券株式会社でございます。これが一致しておりまして、さらに、まず初めに買った株式代金の振り込み方法も、松本雅雄氏の場合は三千万円をファーストァァイナンスヘ送った。そして、渡辺喜美名義では一千五百万円を十月二十二日にファーストファイナンスに送った。渡辺秀央名義では九月三十日にファーストファイナンスに送った。そして、加藤紘一名義もお金を借りて九月三十日にファーストファイナンスに送った。要するに、宮澤喜一名義の振込依頼書もございませんし、服部恒雄名義でもございませんけれども、少なくともこの前後での振り込みはみんながなさっている可能性がある、こう推理するわけです。  そしてさらに、同じように銀行に振り込みも、ここに出てきているのは服部恒雄名義だけでございますけれども、松本雅雄名義でも宮澤喜一名義でもあり得る。ないことの証明をしろというのは大変難しい話でございますけれども、一応それぞれの空白、売買契約書は宮澤喜一、お金の振り込みは松本雅雄名義、売却代金の受け入れは服部恒雄名義、ばらばらであるという推理が十分成り立つ、それが非常に客観的である。  私の理解では、それを明らかにするためには証人喚問がぜひ必要である。今までの中身で明らかになったように、どなたかわからないという部分がたくさんございます。すべてある意味では服部氏から聞きましたという伝聞ばかりでございます。そして、先ほどの弁明書に至っては、宮澤喜一というサインを私がいたしましたという弁明書につきましても、作成期日がついせんだっての話でございます。もし証拠として出すならば、その前に書いた字を出さないと意味ないんですね。まねすればいいわけです。しかも、服部氏、松本氏というのは、全部ある意味では宮澤さんの子飼いというか身内の方でございます。第三者のお話が全然入っていない。これはやっぱりどうしても納得できないという立場にございます。  従前の方々は宮澤事務所ぐるみ説でございましたけれども、私は三人別個説という説を唱えているわけでございます。これに対しての御弁明はあるでしょうか。
  179. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 服部恒雄氏の筆跡を添付いたしましたのは、確かにこのときから申しますと五年経過をしておりますので、そうおっしゃればそういうことでございますけれども、しかし、何もございませんよりは同一人の筆跡を添付いたしました方が御審議の便に役立つかと、そう考えた程度のものでございます。  るる昨日来申し上げておりますとおり、これは服部恒雄氏が当初の売買約定から最終的に売買代金を受領いたすまで自分の行為としてやったものでございまして、それを証明いたしますためにお求めの三点セットを提出申し上げ、御閲覧願い、私も最善を尽くして御説明を申し上げた。私としてはベストを尽くしまして委員会の御審議に対応させていただいたというつもりでございます。
  180. 高井和伸

    ○高井和伸君 今、総理のお話を聞きました。それなりに御趣旨は了解しますけれども、なお先ほど言ったようなことが客観的に考えられる以上、以下の方々の証人喚問を要求いたしまして、私の質問を終わります。  まず服部恒雄氏、二人目松本雅雄氏、そして三人目、当時の三菱銀行有楽町支店の先ほどから出ている行員の方、そしてドゥ・ベスト社の菅原茂世さん、そして五人目はファーストファイナンスの小林宏さん、以上五名を証人喚問要求いたしまして、私の質問を終わります。よろしくお取り計らいをお願いします。
  181. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) 以上で高井君の質疑は終了いたしました。(拍手)  ただいまの御要求に対しましては理事会で検討します。     ―――――――――――――
  182. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) 次に、寺崎昭久君の質疑を行います。寺崎君。
  183. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 まず、総理に伺います。  宮澤総理が就任されてちょうど一カ月過ぎたところであります。本格内閣の誕生が待望されるというような状況の中で誕生された内閣なので、私も総理がどのような政治理念、哲学を示されるか、リーダーシップを発揮されるか注目もし、関心も払ってまいりました。  しかし、残念ながらいまだ望洋としているわけでございまして、失礼を顧みずに申し上げるならば、総理の言動については、衆議院PKO委員会採決直後に、政府に関係ないと言われたとか、政治改革については、最高裁の見解もあり、いつまでも延ばすわけにいかないから一年をめどに結論を得たいんだとか、湾岸臨時増税の継続の可否については党税調で審議中だから今は何も言えないというようなことで、これを聞いている限り、熱意だとかリーダーシップだとかお考えというのが伝わってこないわけです。いわゆる生の声が伝わってこないものですから、ついついだれかが決めたことを追認するというような印象しか残っていないわけであります。  そこで、総理にぜひ、これまでの内閣とどう違うのか、あわせて通俗的な質問になりますけれども、政治信条とか好きな言葉とか、そういうことで宮澤内閣はこれだというのをお示しいただけないでしょうか。
  184. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) ふなれなことで、就任以来一月になりまして、十分思ったようなことができておりません。御批判は甘んじて受けなければならないと思いますが、少しなれましたら一生懸命やっていかなければならないと思っております。  所信表明でも申し上げたところでございますけれども、私は、今、世界が新しい平和秩序を構築する時代に入った、そういう認識を持って我が国としてそれにいかに貢献すべきかということをやはり国民とともに考え、またその道を進んでいかなければならない。また、内政におきましては、政治改革を初め、いわば国民の一人一人が豊かな生活を実感できるような生活大国、公正な社会を築いてまいりたいというようなことを念願いたしておるわけでございます。  リーダーシップということでございますけれども、幸いにして我が国は非常にすぐれた行政機構、公務員を持っております。したがいまして、行政の面におきましては、この人たちに最大の効率を発揮してもらうということが大事なことでございますが、政治の面におきましては、これは我が党ばかりではございません、むしろ各党と申し上げるべきでございましょうけれども、すぐれた方々がおのおの政治の面に立っておられるわけでございますから、そういう方々の御意見を聞き、お知恵をかりながら、今申し上げましたような変動する世界の中で我が国の進路を誤らないように、私としてのかじ取りという言葉は僭越かもしれませんけれども、そういう役割に当たるものを果してまいりたいと考えております。
  185. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 わかりやすい政治信条などをお伺いできればありがたかったんですが、所信表明演説で、行政は消費者や生活重視へと姿勢を変えなければいけないということもおっしゃられておりますが、裏を返しますと、これまでは国民生活重視でなかった、あるいは殖産興業、富国強兵型の延長線にある行政だったというようにも聞こえるわけなので、どのような認識を現状お持ちなのか、それをどう変えようとされておるのか、わかりやすく御説明いただけませんか。
  186. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 明治の建国と申しましょうか、王政復古と申しますでしょうか、以来いわば富国強兵、列強に何とか追いつこう、不平等を解消しよう、あるいは時代時代によりまして、戦争中は「欲しかりません勝つまでは」と申しましたし、戦後は「ドルは血の一滴だ」という、これらがすべて我が国の生産側、生産体制というものを強くじょう、そういうところに行政の視点が置かれてまいりました。それは実は非常に立派な成果を上げたわけでございますので、私はそれが基本的に悪かったと考える理由はないと思っております。  ただ、今の日本になりまして、むしろ外国に輸出をし過ぎていろいろに文句を言われておるというような実情、またこれだけ所得の水準が高いのに生活の周辺が豊かさを感じさせないという社会資本の不足、そして最近経験いたしましたバブルと言われる現象などを考えますと、やはり行政がもっともっと消費者あるいは一般投資家、そういう人々のために姿勢をむけなければならないだろう。今までしてきたことは決して悪かったとは言わない、その効果を上げたんだけれども、日本に今求められているものはそういうものではないかということを行政をやっている人たちにも理解をしてほしい。そしてこれは何十年余りの習慣でございますから、時には政治がリードしてそういう姿勢をつくっていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。
  187. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 時代の要請や国民のニーズに合わせた行政にぜひ御尽力いただきますようお願いしたいと思います。  総理は、また行財政改革の推進にも所信表明で触れられております。総理には彼ほど見解を伺いたいと思いますが、具体的な例で一つ、総務庁に国の関与の数はこのところふえているのか減っているのかお尋ねします。
  188. 鈴木昭雄

    ○政府委員(鈴木昭雄君) 国の行政機関が法令に基づきまして地方公共団体の行政に関与している総数でございますが、昭和六十三年十二月末、第一回目の把握が行われたわけでございます。この時点での総数は三千七十五事項、それから平成二年三月末現在で三千八十三事項、それから平成三年三月末現在、三回目でございますが、三千百二十二事項となっております。  なお、この一回目から三回目の間に増加五十三事項、減大事項、差し引き四十七事項の増加がございますが、これらの増加の理由を見てみますと、社会経済情勢の変化に対応した行政体制整備、その一環として、特に全国的な統一性の確保とか、あるいは広域調整を図る、こういうような理由がある場合に関与が設けられていくというふうに、そういうような事情が見られます。
  189. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 この五日に臨時行革審豊かなくらし部会が第二次報告をまとめまして、そのときにこの委員の一人に聞いたんですけれども、この程度のことさえ書けないくらいなら委員をやめたいということを言った人がいると聞いております。この背景にあったのは、今、総務庁がお話しのようにいろんな理由を挙げます、国の統一性だとか何かと。それは結局のところ権限を渡したくない、あるいは補助金等は握っていたいという中央省庁の都合、抵抗によって書くことも書けないというようなことを言っている人がいるわけです。  総理は、こういう事態を認識されているのかどうか、もし御存じでしたら今後どうしたらいいと考えておられるか、伺います。
  190. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 大変具体的に知っておるわけではございませんけれども、行革審の委員の方、現状について改めなければならないという強い意見をお持ちになられますので、そういうことを当然なことながら御議論になり、また政府に御答申をいただくということになりますと、それは多かれ少なかれ今各省庁でやっておりますことについての批判になるわけでございます。  そうでございますから、そういう非常に革新的な御意見に対して、少なくとも各省庁において実情は実はこういうことでございます。よく御理解をお願いいたしたいというようなことは、これはしばしばあることでございますので、そういう御説明に伺いますことが、批判をなさるお立場からいえばちょっと陳情としてはしつっこ過ぎる、こんなにやかましいことを言われるのかなというふうにおとりになる方がおありになるということは私も時々伺っております。これはしかし、そのような説明を申し上げる立場の者も説明申し上げましたら、それ以上にしつっこく、注文がましくあれこれ本当は申し上げるべきでないのでございますけれども、そこが時々行き過ぎることがあるようなことは間々耳にいたします。
  191. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 総理は所信表明の中で、行革審の答申を最大限に尊重するということもおっしゃっております。規制緩和を図るとか、予算編成については徹底的な見直しをするというようなことをおっしゃっております。ただ、この文言というのは歴代の総理が皆さんおっしゃってきたことで、なおかつ実効がそれほど上がっていないということであろうと思います。  総理のお人柄についていろいろ書物を読んでみますと、合理主義者であるとか頑固者であると言う人もおいでのようであります。今私たちが期待しているのは、作文を見せてもらうことではなくて、実効を上げるということだと思うんです。昔、西郷隆盛でしたか、名誉も要らず地位も要らず金もいらないと言う人は困った人だ。でも、こういう人だけが天下の大事に、国家の大事に当たれるんだというようなことを言ったように記憶しておりますけれども、宮澤総理の頑固さをぜひ発揮していただいて行財政改革に一層お力を入れていただきたいと思いますが、どんなものでしょうか。
  192. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 世の中のニーズが非常に変わっておりますから、長年やってきた行政のやり方、仕組みというものは当然変わらなければならない。しかし、その変化はなかなか内からは出にくいということでございますので、こういう行革審のような御意見をちょうだいしているわけでございます。御答申をできるだけ尊重して実現してまいりたいと考えております。
  193. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 景気対策について経企庁長官にお尋ねいたします。  きのうの本委員会で日銀総裁から経済の現状について、今はバブル経済から次の持続的経済への過渡期であるとか是正期であるという認識が示されました。しかし、私が周囲から聞いている声をお伝えしますと、例えばタクシーのドライバーだとか美容院だとか生鮮食品を扱っている経営者だとかあるいは飲食店、そういう人から聞こえてくる声というのは一様に客が減っているということでございまして、それからいいますと、日銀総裁がお述べになっているような認識よりも経済の冷え込みというのは一段と進んでいるんではないかという気が私はしております。  そこで、景気の現状、先行きについてどうごらんになっているのか。これは供給サイドだけではなくて、国民生活のサイドも含めてお答えいただきたいと思います。
  194. 野田毅

    国務大臣野田毅君) ただいま御指摘ございましたように、いわゆる経済の指標の側面でとらえた感覚と、それから実際に経済を担っております消費者あるいは企業の経営者の景気に対する実感としての受けとめ方の中にかなり落差があるように実は感じております。  そういった中で、昨日も申し上げたんですけれども、そういう客観的に見てみますと、一つの側面は住宅建設の減少などに見られますようにかなり多くの分野で減速を示しておりますが、一方では、雇用の情勢などを見ましても、あるいは失業率あるいは雇用者数の増加などを見ましても、あるいは有効求人倍率を見ましてもかなり底がたい状況にある。そしてもう一つは、それだけではありませんで、例えば乗用車の登録台数であったり、あるいは生産を示す鉱工業生産の指数にしましてもかなり減速を示しておりますが、一方で稼働率の方を見るとかなり高い水準を維持しておるとか、あるいは企業の業況判断といいますか、収益の状況についてどう考えておるかということについてもかなり大幅な減益を指摘する傾向がございます。しかし一方で、売上高利益率という側面でとらえてみると、かなり過去の好景気に近いような高い水準にある。つまり減速の感覚と、それから一方では水準で見てみると必ずしも後退というような角度でとらえるのはいかがなものかなと。  そういった意味で、そういう目で見ますと、今の状況というのは一口で言えばやはり過去のかなり加熱ぎみのスピードから、むしろ落ちついた堅実な消費行動あるいは財テクに走らない、いわゆる本業で勝負しようといいますか、そういう健全な経営、健全な企業活動、こういったものによって支えられるインフレのない着実な経済活動の方向に今ランディングしていく過程にある。だから、その過程の中では多少その減速感が強く当たるところもあれば比較的緩やかなところもある。そういったばらつきがあるということも実態だと思っております。  そこで、なぜそのような指標の上と心理の上とで落差があるんだろうかということを自分なりに考えてみるんですけれども、一つは、やはり過去の成長率が五・八%とかピークにおける非常な高さ、それから比べると今日は成長はいたしてはおりますものの、落差感がかなりあるんじゃないかなということが一つあると思っています。それからいま一つは、先行きに対するある種の不透明感といいますか、そういったものがなかなかはっきりしないから、何となくこのままずるずる行くんじゃないかなというある種の慎重な見方があるんじゃないかなと。  そこで大事なことは、じゃこの先一体どうなるんだということをもう少ししっかりと冷静に見ておく必要があるんではないか。そういった意味で、今御指摘のありました、これから先、消費者のサイドから見たら一体どうなるんだ、あるいは生産側、いわば企業側から見た場合にはどうなるんだということは一つの大事な視点だろうと思っております。  消費のサイドから見ますと、これはやはり先ほどお答え申し上げましたように着実に雇用者の数はふえている。着実にふえております。そして、百貨店の売り上げが二・五というような数値に対して、一方で生活に密着したスーパーの売り上げの方が四・五である、そういった数値。それから、なおさら将来、今もそうですが、足元もそうですが、先行きに対しても、企業の人手不足感というものは非常に根強いものが厳然としてあるということであります。  それから、今度は企業の側面でいきますと、大事な一つの指標は設備投資だと思います。この設備投資の先行きについても、確かに過去三年二けたのハイペースの設備投資が行われてきました。今設備投資意欲が一けた台、しかも前半のところになっておる時期もございます。しかし、先行きを見てみますと、これ日銀の短観でも、これは総裁からもお話があったと思いますが、十一月の調査ではむしろ設備投資については上方修正をしておる。中小企業全体の設備投資も、むしろ今年度は八月調査に比べて上方修正、プラスに変わっていっておる。  それからいま一つ、それにも大きな影響を与えます金利の動向も九月以降着実に低下をしてきておる。そして先般の一段の公定歩合の引き下げもあり、その利下げ効果がさらに浸透していくであろう。そしてまた今回、御審議をお願い申し上げております補正予算に関連をして、財投の追加なり弾力条項の適用なりで大幅ないわば金融手当てを行っておる。そういう政策努力の着実な浸透ということが十分に期待ができるのではないかな、私どもはそのように実は見ておりまして、今後景気の先行きについてはやはり着実に内需中心型の、しかもインフレのない安定成長路線に今は進んでおる過程だと、私どもはそのように認識をしております。
  195. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 なお突っ込んで論議をしたいんですが、時間の関係で先へ行きます。  減速感が強まっている中で、最近株価の低迷あるいは薄商いといった状態が続いております。そのあおりを受けて、投資信託等に投資している小口投資家などから、償還期が来るのに額面割れが心配でおちおちしていられないというような声も聞こえる昨今であるわけです。  そういうような状況を考えてみますと、そろそろ金融財政上のてこ入れが必要な時期に来ているんではないかというように思われるわけでありますけれども、株価低迷、薄商いの原因も含めて大蔵大臣に見解を伺いたいと思います。国務大臣(羽田孜君) ただいま御指摘がございましたように、このところ割合と長い期間、株式、これが低迷しておるということでございまして、この原因としましてはやっぱりニューヨークの株式市場、これが下落しているということがあろうと思いますし、また今、野田長官の方からもお話がありましたように、先行きの不透明感、これ我が国の経済の先行きの不透明感というようなものがやはり軟調に推移している一番の大きな原因であろうというふうに思っております。  しからば、こういったものを刺激するためにというお話であったわけでありますけれども、やはりこれも長官の方からお答えを申し上げましたとおりでございまして、今ここで変に景気刺激的なことをやりますと、むしろ物価ですとか、あるいは労働事情というものをさらに圧迫してしまうであろうということで、決してこれはいいことじゃないのじゃないのかというふうに思っております。  ただ、問題は、やはりこれも今お話しになったわけでありますけれども、公定歩合をさらに引き下げたということがございますし、また今度の補正で、今御審議をいただいておるわけでありますけれども、財投等いわゆる追加的な需要に対してこたえようということで相当大きなものを実は組んでおるということでございまして、そういう中で私たちはこれからの動向というものを見守って、また適切に対応していきたいというふうに思っております。
  196. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 株価低迷の中で、株価の形成だとか、あるいは金融市場をゆがめている一つの要因として先物取引、オプション取引の導入を理由に挙げる人が最近おります。先物取引というのは、言うまでもなく小口投資家が参入できるような市場じゃありませんから、それによってもし株価が変動したとしても、小口投資家は現物市場でその結果だけを受ける、あるいは弊害だけを受けるというような結果になりやすいわけであります。  これはどう考えても公正とは言えないわけで、もしオプション取引等の先物が問題であるのであればそれを是正するべきだと思いますし、そういう実態も踏まえて小口投資家の保護育成のためにどのような施策を考えられるのか。ちょうどこの夏から証券問題についてはいろいろ論議したところでもありますので、大蔵省の御見解を承りたいと思います。
  197. 松野允彦

    ○政府委員(松野允彦君) 御指摘のように、現在この先物市場、これは株価指数で先物取引が行われているわけでございますが、これが急速に拡大をしております。現物の株式市場の規模の四倍から五倍ぐらいの大きさになっているわけでございまして、そういたしますと、先物市場における動きが現物市場に影響を与えるというようなこともございますし、あるいは現物市場と先物市場両方を利用して行いますさや取り商いといいますか、いわゆる裁定取引が必要以上に現物市場に圧迫を及ぼすというような問題があるわけでございます。  その辺を私どもも従来から非常に問題視しておりまして、先物取引に対しましてこれを行うのに必要な証拠金の率を逐次引き上げてまいっております。あるいは、今申し上げました裁定取引について、その状況を一般の投資家によくわかるように、いわゆるディスクロージャーを強化するというような措置をとってまいっております。しかし、依然として現物市場と先物市場の規模の差というのはかなり大きいわけでございまして、引き続きこのバランスを回復するように証拠金の引き上げ等も含めて検討をしているところでございます。  それから、個人投資家の問題でございます。これはやはり株式市場が健全に発展する、あるいはその基盤が強化されるというためには個人投資家の参加が必要でございます。私どもも、そのためには、やはりまず証券市場を公正で透明な市場にするということで個人投資家の信頼を回復するということが必要でございますし、あわせて個人が株を持っている場合の保有魅力を引き上げるということがどうしても必要になろうかと。そのためには、やはり配当を今まで以上にふやしていただきたい、配当性向を上げるというようなことを株の発行企業の方に要請しているわけでございます。  いずれにいたしましても、私どもは、個人投資家の育成という問題は証券市場を健全に発展させるために非常に重要な問題だというふうに受けとあておりまして、いろいろな面で公正性あるいは透明性を確保する、あるいは配当を引き上げるというようなことをぜひ今後も続けて要請してまいりたいというふうに思っております。
  198. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 予算編成について伺います。  ただいま平成四年度の税収不足問題が連日のように話題になっておりますけれども、しかし過去を振り返ってみますと、八六年以降の予算というのは、四十一兆八千億から九〇年の六十兆円という四年間で十八兆円もふえた税収を基礎にして、さらに上乗せじょうという議論が行われているように思えるわけです。これは物すごい伸びなんですね。こうした経過を見ますと、この数年というのはむしろ伸びが異常だった、税収が異常に伸びたという前提に立って歳出を思い切って見直すとかむだをそぎ落とす、そして健全な状態の税収をもとにした予算編成に切りかえていく絶好のチャンスだというようにとらえるべきではなかろうかと思うんです。  そういう中では、もちろん安易な増税というのは避けるべき、絶対やってはいけないと思いますし、増税なき再建というのは断固として守らなければいけないと思うんですが、総理はどのようにお考えになっておりますか。
  199. 羽田孜

    ○国務大臣(羽田孜君) 今の御質問にございましたが、御指摘は全くそのとおりであろうというふうに思っております。  ただし、私ども今予算を編成するに当たりましても、このところ出費も相当かさんできております。これを縮減しようということでいろんな努力をしておるわけでありますけれども、当然増のものが相当大きいというようなこともございまして、建設国債を中心としてまだ発行しております。しかし、これはやっぱり財政そのものを相当圧迫しておるということがございますから、こういったものについても万やむを得ざるものについては極力抑えて、今委員から御指摘の体質というものをつくり上げるために私どもは努力をしていかなければならないであろうというふうに考えております。
  200. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 四年間で十八兆円も税収が伸びるというのは、今後も期待しているんでしょうか。
  201. 羽田孜

    ○国務大臣(羽田孜君) これは、まだこれからの経済見通しというものを私たち分析していかなければいけないわけでありますけれども、もうこんなような大きな伸びというものはなかなか見込めないであろうというふうに思っております。
  202. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 むしろ下がるという覚悟で予算編成をしていただきたいと思うんですが、この伸びの問題について先日、国税庁が九〇年分民間給与実態調査というのを発表しておりますけれども、それによりますと、民間のサラリーマンが昨年一年間に得た平均の給与所得の伸びというのが五・七で、払った税金というのが一一・二、倍も払っている。その結果、可処分所得というのは一・五%しか伸びてないというんですね。  そういうことを考えますと、今は増税よりもむしろ減税を考えなければいけない、そんな時期じゃないかと思うんですが、大蔵大臣、いかがでしょうか。
  203. 羽田孜

    ○国務大臣(羽田孜君) 大幅な減税につきましては、さきの消費税導入のときにやはり直間の比率を見直そうということで相当なことをやったところでございまして、確かに私は先ほど歳出を縮減するということを申し上げたわけでありますけれども、これにもおのずと限度があるということを考えたときに、今所得減税について考えるときではないというふうに考えております。
  204. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 行財政改革を断行してぜひ小さい政府をつくっていただきたいと思います。  ところで、税収対策のことがいろいろ話題になっておりますので、幾つか取り上げてお伺いします。  まず、赤字法人課税の話題が政府・自民党の中で持ち上がっているようでありますけれども、なぜ赤字法人課税なのか、大蔵大臣、伺います。
  205. 石坂匡身

    ○政府委員(石坂匡身君) 赤字法人課税についてのお尋ねでございますけれども、最近の法人の申告状況を見ますと、若干縮小傾向はございますけれども、やはり半数近くの法人が赤字申告をしております。このような実態を背景といたしまして、赤字法人といえども租税によって賄われる公共サービスを享受しているというふうなことを理由に何らかの応益的な負担を求めるべきではないか、そのような意見もございます。政府税制調査会におきましても、この負担の公平の確保という観点から、赤字法人問題につきましてこれまでも議論をしておりますし、また議論を重ねているところでございます。  来年度税制改正につきましては、ただいま議論が行われている段階でございまして、具体的に何かが決まったというわけではございません。また、与党の税制調査会におきましても検討が行われているというふうに聞いております。
  206. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 今のお話ですと、応益負担だというお話ですけれども、先日大蔵省は課税方式として四つ示されたというんですが、その中を見ますと、一つは均等割制度、あるいは外形標準課税というようなことが書かれているわけですね。応益負担の原則ということで言えば、既に地方税として法人税がもうかかっているわけですね、法人住民税が。これを国が地方から取り上げようという、そういうことなんですか。それとも、赤字法人課税というのは何が何でも増収に結びつけばいいという程度の考えなんでしょうか。
  207. 石坂匡身

    ○政府委員(石坂匡身君) 赤字法人の課税につきましては、さまざまな考え方があると存じます。  基本的には、所得課税として考えますと、法人税の枠組みを超えるというふうな問題になってまいりますし、また、ただいま御指摘ございましたように、均等割というのが確かにこれは地方税にございます。そうしたことからいきますと、地方税との関連というものが当然問題になってまいります。また、赤字法人というものが意図的に赤字申告をしているという問題、そういう角度から考えますれば、これは税務調査の充実というふうなことによりまして対応していくべきであるというふうな問題もあろうかと思います。  いろいろな問題をはらんでおりますし、それからいわゆる課税ということを検討するにいたしましても、ただいまおっしゃいました均等割あるいは外形標準、あるいは経費の中でどう考えていくか等々いろんな角度がございまして、またそうした点につきましてどれがどうというふうに一つの決まった方向があるわけではございません。
  208. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 民社党は、かねてから赤字法人課税を検討すべしという意見を出しておりますけれども、これは税のゆがみを正せという意味であって、税収を何でもいいからふやせという、最初に増税ありきという考え方で言っているわけでは決してないんです。今の外形標準課税なんというのは、まさに税収をふやすという以外の何物でもな、いと思います。本来であれば、記帳義務を強化するとか徴税体制を拡充するとか会計制度を見直すということによって、本来は黒字なのに赤字を装っているところには適切な課税を行えるようにするというのが筋だ、税収対策のためにこの課税を行うというのは反対だということを申し上げておきたいと思います。  それから、自動車の消費税についてお伺いします。  今年度限りの約束で法律にも記載されている乗用車に対する暫定税率の問題でありますけれども、政府・自民党の中では継続しようというような検討も進んでいるように見えます。これにつきましては欧州ビジネス協会というのがありまして、そこからも、大蔵省と話ししたら公約を守ろうという確約は得られなかった、このままでは日本・EC間の貿易にとっても大事な問題で見過ごせないというような抗議声明を外務大臣に届けたということのようであります。それについて通産大臣、御答弁いただきたい。
  209. 渡部恒三

    ○国務大臣(渡部恒三君) 欧州メーカーが我が国の市場に強い関心を持って、今委員御指摘のような抗議声明が参っておることを承知しております。
  210. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 承知しているだけで、税収対策のためにはやむを得ないと、そういうことですか、無視してもいいということですか。
  211. 渡部恒三

    ○国務大臣(渡部恒三君) 委員御指摘のものは暫定税率についてだろうと思いますが、これは現時点においては既定方針どおりになるものと思っております。
  212. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 思っているだけじゃなくて、消費税を入れたときに竹下総理や政府委員も、三%の税率というのは複数税率をつくらないという、国民の理解を得るために入れたものだ、自動車については極めて例外的に経過措置としてお願いしたものだということを言っておりますので、ぜひこの線に沿って実現されるようにお願いしたいと思います。  総理に伺いたいわけですが、もしこの公約をほごにすれば国民は、これから先何を言ってもまたどうせ変えるに決まっているというような受けとめ方をしかねないと思うんです。また、この六%を継続すれば、政府は消費税をなし崩し的に上げたいと思っているのか、複数税率を導入したいと思っているのかと思っても不思議じゃないと思うんですが、もし継続した場合にはそういう責めを総理は一身に負われるわけですね。
  213. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 今、来年度の税制につきまして、政府の税制調査会、党の方もさようでございますけれども、検討を始められたばかりでございまして、どういうふうにしてこの難しい財政を賄っていくかというお答えはまだまだ時間がかかると思いますので、何とも今申し上げることができません。経緯といたしましては、確かに御指摘のような経緯であったことは私も承知をいたしております。
  214. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 私は、税収対策をどうするかを聞いているんじゃなくて、公約を守られるおつもりかどうかと伺っているんです。
  215. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 経緯としては、御指摘のような経緯があったことはそのとおりでございます。もし政府において新しい措置を考えますときには、それはやはりそういうものとして改めて国民に御説明を申し上げなければならないわけでございますけれども、ただいま税制調査会の審議はそこまではまだ行っておらないと聞いております。
  216. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 その辺がぜひ総理にリーダーシップを発揮していただきたいとお願いしているゆえんでございますが、湾岸臨時増税について石油と法人税を継続しようか、あるいはそれに見合う新しい税制を入れようかという検討のあるやに聞いておりますが、この石油については先日サウジアラビアからも抗議が外務省に来ていると伺っておりますけれども、外務大臣。
  217. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 抗議と言うほどのことでもありませんが、そういうことは何分避けてもらいたいという趣旨でありました。
  218. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 これも約束でございますので、法人税とあわせてぜひ今年度限りということにしていただきたいと思いますし、法人税については、消費税を入れるときに、外国に比べて日本の法人税は高いんだ、だから下げるために消費税を入れるんだと言われたことを忘れないでいただきたいと思います。  以上で終わります。
  219. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) 以上で寺崎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
  220. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) 次に、下村泰君の質疑を行います。下村君。
  221. 下村泰

    ○下村泰君 まず、総理、おめでとうございます。  大蔵大臣のときにはいろいろとお話も伺ったんですけれども、総理になってからは初めてでございますので、まず総理の演説の内容を拝見いたしますと、社会福祉ということに関しては余りお触れにならなかった。だから、こういう福祉行政に対してはどういう御認識を持っていらっしゃるのかなというふうに非常に私は不安になってきました。  そこで、まず、殊に障害児者ですね、こういう方々に対する施策をどういうふうにお考えになっているのか。障害があるから不幸ではないんだと、日本人に生まれたから不幸なんだということのないようにひとつお願いをしたいと思うんです。お気持ちを聞かせてください。
  222. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) この問題につきましては、下村委員がいつも御指摘になり、また御尽瘁になっておられることをよく存じ上げておりまして、私もそういう気持ちでは人後に落ちるものではございません。  先般は、ちょうど所信表明でございましたので国政全般について述べる機会がございませんで、その点につきましており申し上げる機会が確かになかったわけでございますけれども、お気持ちは私はよく体しておるつもりでございます。
  223. 下村泰

    ○下村泰君 それじゃ、ひとつ厚生省に伺いますが、骨髄バンク事業の現況についてちょっとお知らせください。
  224. 寺松尚

    ○政府委員(寺松尚君) お答え申します。  下村先生には、骨髄移植の推進の問題につきましていつも御熱心な御質問をいただいておりましてありがたく思っております。  それでは、現況につきまして御報告を申し上げます。  白血病や重症再生不良性貧血というふうな病気の有効な治療法が骨髄移植であるということでございまして、その骨髄バンク事業を推進するということが必要なわけでございますが、平成三年度中には、骨髄提供者の白血球の形の検査あるいは登録を行います骨髄データバンク事業を日本赤十字社と相協力いたしまして実施することといたしております。  さらに、現在、財団法人骨髄移植推進財団の設立準備を進められておりまして、私どもそれを指導いたしておるところでございます。この財団の事業でございますけれども、四つばかりございまして、その一つをちょっと挙げてみますと、骨髄移植に関します国民への普及啓発、それから骨髄提供者の募集、骨髄提供者及び移植希望患者に対しますコーディネート、いわゆる連絡調整等の事業、あるいは骨髄提供者に事故があった場合の補償というふうなことについての事業を実施させることにいたしておるわけでございます。  そこで、この財団の設立の準備でございますが、今申請が大臣あてに出ておりまして、それを指導しながら年内にでも発足させたい、このように考えて指導いたしておるところでございます。
  225. 下村泰

    ○下村泰君 私がこの問題にかかわったときは、厚生省に窓口もなかったんですね。そして、かかわりました大臣が、新しい山下大臣を含めて――まだ一度も質問しておりませんけれども、五人目なんですね。なかなか進まない。今やっとスタートしたばかりなんですが、残念なことにこの五年の間に数知れない方々が亡くなっているんです。私はいつも申し上げているんですが、私がこうしてしゃべっている間にも亡くなっている方々がいるわけなんですよ。  この骨髄提供者の確保、これからいよいよ本番になるわけなんですけれども、何といっても財政、マンパワー、これが大変です。これがきちんと機能しませんと意味がなくなります。しかし、厚生省はよくやってくれました、今まで。本当によくやってくれました。これはお礼言います。  厚生大臣はこの骨髄バンクというものをどの程度おわかりでございましょうか。ちょっと伺いたい。
  226. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) まずもって、この問題について先生がかねがね非常に御熱心であるということは私もある程度は承知いたしておりましたが、現在の職につきまして、こうしてここでまた御質問をいただいて私が答える立場になったのでございますけれども、私もこのことについてこれはとにかく早く解決をしなきゃならぬ。白血病に苦しんでいらっしゃる方々が何を希望しているかといいますとやっぱり骨髄の移植でありますから、そうすると、その機会を十分確保する、そのためには提供者、この方々を広く国民から募るという意味においてバンクをまずつくる。同時に、今局長が答弁しましたように、今年度中にはこれをつくると言っていますから、これをつくって魂入らずじゃいけませんから、直ちに事業に対して着手できるような予算の確保を同時にやっていくと、こういうふうに理解いたしております。
  227. 下村泰

    ○下村泰君 ありがとうございます。  実は、元巨人監督の王貞治君も大変これに賛同してくれまして、今事業団の方でドナーを募集するための援助を申し出てくれております。こういった方々がたくさんいらっしゃるんです。  総理と大蔵大臣にお願いしたいんですが、この事業がうまく機能するために全面的にバックアップするということをお約束願いたいんです。何しろ毎年新たに二千人ずつの発病者がおるんですよ。ところが、二千人の発病者が必ずしも生き延びられるかというと、これは何にも保証がないわけですよ。下手すればもうそのまま黄土に旅立つという結果になるわけなんです。したがいまして、直接生命にかかわるんですね、この骨髄移植の問題は。それだけにいろいろとあれなんですけど、ひとつ大蔵大臣、いかがでございましょう、財政的にバックアップしていただけますか。
  228. 羽田孜

    ○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては、私どもの方にも実はボランティアの皆さん方からお話なんかがあったことがございまして、大変。であるということをよく承知いたしております。  いずれにいたしましても、財政事情なんかもございますけれども、私ども厚生省ともお話をいたしながら、骨髄バンク事業、これが円滑に推進されるように適切に対応していきたいというふうに考えております。
  229. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 厚生、大蔵大臣、両当局ともよく相談をしてもらいまして推進するようにいたしたいと思います。
  230. 下村泰

    ○下村泰君 ありがとうございます。  恐らく、これをお聞きになったこういう方々、患者を抱えていらっしゃるお母さん方とかお父さん方、物すごく喜ばれると思いますよ、今の皆様方のお答えは。  文部大臣、がらっと変わりますが、この間、盲・聾・養護学校、特殊学級の皆さんの展覧会がなんかをごらんになりました御感想をどうぞ。
  231. 鳩山邦夫

    ○国務大臣(鳩山邦夫君) そのお話、この間先生、ちょっとさせていただきましたが、文部省の隣の国立教育会館の一階のホールでそうした方々の、小学生、中学生、高校生年齢の方がおられますが、絵画とか、あるいは全く目が見えない方の粘土の造形とか、大変すばらしい作品を見て感動いたしました。
  232. 下村泰

    ○下村泰君 そういった感動した文部大臣に伺いますが、これは文部省のお役人さんで結構ですけれども、病院内学級というのがございますね。この病院内学級についての実態を説明してください。設置数、どういう機能の、形態の学級で、どういう子供たちがどんなふうに学んでいるかをちょっと答えていただけますか。
  233. 坂元弘直

    ○政府委員(坂元弘直君) 数字についてお答え申し上げます。  平成三年現在、病弱、身体虚弱特殊学級は、小中学校合わせまして五百二十六学級でございまして、千七百八十九名の児童生徒を収容いたしております。このうち四二%程度が病院内に設置されておる学級であるというふうに私ども考えておりまして、数字としましては二百三十学級程度でございます。  それで、どのような児童がということでございすが、私どもとしましては、病弱等で病院に収容される期間が六カ月以上の児童生徒につきましては、近所に養護学校等を設置いたしまして、養護学校で教育を行うという方がベターなんではないかということで指導をしてきているわけでごさいますが、そうではなくて六カ月未満の短期間の児童生徒につきましては、例えば病気としましてぜんそく、筋ジストロフィー、それから軽い脳性麻痺、あるいは腎臓疾患等の軽い疾患で、かつまた六カ月未満病院に入っている児童生徒につきまして、年間を通じましてある程度その病院に恒常的に生徒がいる場合等につきましては、学校のあるいは教育委員会の申し出に協力をしていただきまして、病院で学級のスペースを提供していただけるというようなところには積極的に院内に特殊学級を設置して教育に当たるようにという指導を今日までしてきているところでございます。
  234. 下村泰

    ○下村泰君 障害児、難病の子供、慢性疾患児といってもその様子はいろいろ違います。何年も入院している子、入退院を繰り返す子、勉強どころではない子、少し落ちついた子、重度の子、軽い子、それはもうさまざま。しかし、大臣、病気や障害を克服しようと必死に頑張っているという子供たちにとって教育は希望なんですね、活力なんです。教育されることが非常に子供たちにとっては病気を克服する一つの手段だともお医者さんはおっしゃっている。  ところが、すべての子にその教育の場が保障されてはいないんです。あるがんの女の子は、退院までの八カ月、学習の場を離れて学校から遠ざかっていました。そのために学校へ復帰することにおびえるんですね。学校へなかなか行きたがらない。ある子は、わざわざ院内学級のある病院に転院したという子もいるんです。ですから、院内学級の設置というものは自治体の責任――文部省は指導しているとおっしゃいますけれども、県にとっては学級数が減っているところさえあるんです。こうした子供たちに希望や夢をあるいは活力を与えてやるというのは、これは大人の責任、殊に為政者の責任だと思います。大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
  235. 鳩山邦夫

    ○国務大臣(鳩山邦夫君) それはもう先生のおっしゃるとおりでございまして、先生がそういうハンディキャッブを負ったお子さんたちのために大変熱意あふれる活躍をしておられることには日ごろから敬服をいたしておるわけです。  先生御指摘のとおり、自治体によって相当ばらつきが激しいわけでございまして、この数字を見まして私もやや愕然とする面があります。いわゆる病弱・身体虚弱特殊学級というものを全く設けていない都道府県すら、都はやっておりますが、府県すらあるということで、そうしたところにきちんと指導をしていかなければならない。特に教育というのは機会が均等である、そして平等であるということがとても大切だと思っておりますので、先生の御趣旨をよく重く受けとめさせていただきます。
  236. 下村泰

    ○下村泰君 これは総理もちょっと聞いていただきたいんですけれども、たとえ院内学級があっても学籍というのがあるんですよ。つまり、千葉県の方が東京のがんセンターへ入院したとしますね。そうすると、その千葉県で養護学校へ通っているわけですよ。ところが、東京へ来ますとこの千葉県の先生が来てくれないんですよ。学校の籍を変えなくちゃいけない、東京に。そうすると、東京の養護学校の先生が病院へ行って教える。こういうふうに学籍が違うと勉強ができないんです。こんなようなことがあって、手続をしているどうのこうののうちに勉強ができなくなるということがあってはいけないんですよ。  文部大臣、再度お尋ねします。在任中に何とかしてください。
  237. 鳩山邦夫

    ○国務大臣(鳩山邦夫君) そうしたばらつきについてはこれは絶対あってはいけないことと思っておりますし、そうしたお子さんの教育の機会が保障されないということは文部行政の基本に反することでございますので、全力を尽くしていきたいと思います。
  238. 下村泰

    ○下村泰君 次は郵政省に伺います。  郵政大臣、この間、点字内容証明のことでえらいありがとうございました。一緒に行きましたあの主婦の方が大変喜んで、手の舞足の踏むところを知らずという状態。本当にありがとうございました。リクルートのことさえなきゃ本当によかったですがね。  それで、郵政省に伺いますが、日本における文字・字幕放送、現状についてちょっと説明してください。
  239. 小野沢知之

    ○政府委員(小野沢知之君) お答え申し上げます。  字幕放送は、文字放送のうち、同時に放送されるテレビジョン放送番組の内容と直接に関係のある文字を表示するものでございますが、現在NHKと民間放送の十三社が実施しております。字幕放送の時間についてでございますが、例えば関東地域では、現在一週当たりNHKが八時間十分、民間放送は五社で四時間十五分の計十二時間二十五分を実施しております。
  240. 下村泰

    ○下村泰君 この間これを質問させていただいたときとちっとも変わっていませんな、これは。もっとふえなくちゃいけない。アメリカはすごいですよ。アメリカは二百五十時間でしたかな、そのくらい放送していますよ、毎週。二百十五時間。五十時間じゃない、二百十五時間、日本とはけた違いなんです。日本の方は私この前質問したときと同じなんですよ。だから、ちっとも文字放送はふえていないということなんですね。やる気があるのかないのかさっぱりわからぬ。  そこで、大臣に伺いたいんですが、こうした字幕放送をするのは聴覚障害者の方々への情報保障ということが基本だと思います。ところが、これは既に予算委員会とか災害特別委員会でも念を押してお尋ねしたんですけれども、雲仙であるとか先日の台風、ああいうものについての情報はきちんと字幕に入れたかというとこれは入っていないんですよね。そのためにこの情報が保障されないんです。そうすると、耳の不自由な方はどうしようもないです。ですから、こういうことをきちんとしていただきませんと、こういう方々に情報というのは何にも提供されないわけなんです。大臣はこれをどういうふうに認識なさっているのか、今後のお考え方を教えていただきたいと思います。
  241. 渡辺秀央

    ○国務大臣(渡辺秀央君) 先日はありがとうございました。御指導いただきました。来年の四月を待たずして先日の件はお約束を実行してまいりたいと思います。  それから、今ほどのお話ですが、今局長から答弁いたしましたのは、まさに関東地方のことを挙げてNHKと五社で十二時間二十五分というふうに申し上げたわけです。全国的には平均しますとかなりのことになっていると思います。  ただ、先生御案内のとおり、非常に日本語というのはすぐに字幕に写しにくいんだそうです。私、なぜかと実は聞いてみました。英語は、英語で会話をしているものを日本語に直すのは比較的うまくいくんだそうです。ところが、ビデオで撮って、そしてそれを今度は台本と一緒にしまして、そしてそれを字幕の専門の方にさらに精査させまして、そしており長いやつは圧縮したり、あるいはまた言葉と口と合わなかったりすると間違いが起こってはいかぬというので直したりということで、現実はかなり時間とコストがかかるというのが実態のようです。  しかし、私は、基本的には先生がおっしゃいましたように、現状は極めて不十分だと認識をいたしております。せっかくの先生のお話でございますということだけでなく、今おっしゃいましたように、これから高度情報社会に入っていくのに、本当に情報というものをいかに聴覚障害者の皆さんにその不自由を味わわさないように政治として考えていくかということは非常に大切な問題だと思いますから、これは心して技術の開発、あるいはまた、それぞれ字幕放送番組をできる限り多く設けなさいと放送法にもあるわけですから、御期待に沿うように多角的に研究をさせまして、そしてこれは郵政省には実は放送局に命令権がないのでありますが、しかし強く要請をいたしまして御期待に沿いたい、こう思っております。
  242. 下村泰

    ○下村泰君 私も今度は逓信委員会で民放だとかNHKの方を呼んでえらい攻めまくってみようと思っていますけれども、よろしくお願いします。  それで、前の郵政大臣も、「確かにこういうようなことも当然進めていくべきであろうと思っておるわけでございます」と。これは、アメリカで一九九〇年テレビジョンデコーダー回路法というのができて、一九九三年から実施されるんだそうですが、通産大臣は御存じですか、こういうのを。
  243. 牧野力

    ○政府委員(牧野力君) 御指摘のとおり、一九九〇年にアメリカで成立したものでございまして、九三年の七月以降、米国で販売される十三インチ以上のすべてのテレビに字幕用の受信装置を内蔵することを義務づける法律というふうに承知しております。
  244. 下村泰

    ○下村泰君 というわけなんです。ですから、これは通産省の方の管轄だろうと思うんですが、そういうのを内蔵したテレビジョン、十三インチ以上は全部セットしなきゃいけない、そうしますと字幕放送が出るわけなんです。確かに日本語と英語の難しさはあるだろうと思います、技術的な。だけれども、日本人というのは意外とすばらしい頭脳を持っている人が多いんですから、そのくらいのことは簡単に、私は簡単と言いますけれども、当事者は大変でしょうけれども、できると思うんですがどうですか、通産大臣としてそういうことを進めていただくという方法を考えていただきたい。
  245. 渡部恒三

    ○国務大臣(渡部恒三君) せっかくの下村先生の御質問ですから、何か褒めていただくような答弁をしたいと今考えておつたんですが、一つは、今お話しのようなことを制度的に、あるいは政策誘導で皆にこれを持ってもらえばいいわけですけれども、そうするとその必要のない方々にも三万円程度のコストアップということになりますから、これは聴覚障害者の皆さん方には大事でありますが、そのためにそうでない方も全部三万円からのコストアップ、こういうことになるのもなかなか大変かなと。そうすれば、もう一つの考え方は、身体障害者の他の方と同じように、そういう場合にかかるお金を助成するという方法はありますが、これは厚生大臣の分野でありますので、下村先生と同じような気持ちで厚生大臣にお願いしてみたいと思っております。
  246. 下村泰

    ○下村泰君 ありがとうございました。
  247. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) 以上で下村君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。     ―――――――――――――
  248. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) それでは、これより平成三年度補正予算三案に対する討論に入ります。  討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。吉岡吉典君。
  249. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、一九九一年度補正予算三案に対する反対討論を行います。  今回の補正予算は、国家公務員の給与改善費、全国的な台風や雲仙・普賢岳噴火による災害対策費など必要な予算も計上されていますが、全体としては福祉、教育を初め国民生活関連予算切り捨ての九一年度当初予算の方向を一層強化したものとなっており、到底賛成することはできません。  我が党が反対する主な理由は、第一に、二兆七千八百二十億円の法人税などの税収不足を国民の犠牲で切り抜けようとしていることであります。  税収不足の最大の要因はバブル経済の破綻でありますが、自民党政府は一九八五年のプラザ合意以降、異常円高と超低金利政策を推進する一方、民活路線の強行、政府資金の証券投資の拡大等々バブル経済形成をあおってきたのであり、その責任は自民党政府自身にあります。  しかるに、税収不足の穴埋めを国民にツケを回す建設国債の増発や剰余金の国債整理基金繰り入れの停止、国民生活関連予算の軒並みカットなどによって行おうとしていることは許せないのであります。  第二は、一方で湾岸戦争協力、軍事予算の増、額、ODA拡大に伴う海外経済協力基金への追加出資、貿易保険特別会計への追加繰り入れなどを進めながら、他方では福祉、教育予算などを容赦なく削減していることであります。  湾岸戦費の為替差損分の予備費からの支出、思いやり予算三十六億円の増額を含む防衛庁・防衛施設庁予算の五百三十九億円もの増額等が国民生活関連予算に厳しいしわ寄せを与えることになったことは明らかであります。  生活保護費は国庫負担金等約五百七十三億円を木用とし、児童扶養手当給付費負担金は十二億円も不用とする、私立大学等経常費補助金は二十一億円も節約を理由にカットする、文部省所管の科学研究費補助金は二十九億円も節約、削減する、体育振興費も四億円節約、削減しています。これらは、八五年度来の政府の補助金等のカットを事実上さらに拡大するものであり、福祉、教育の切り捨ては絶対容認できません。  さらに、災害対策の不十分さも指摘しないわけにはいきません。  ことし九月に相次いで発生した台風は、死者八十名近く、農林水産業関係だけでも七千億円を超える被害をもたらし、災害史上かつてない規模に達しています。また、雲仙・普賢岳が噴火してから一年余、火砕流発生からも半年が経過、さらに大きな火砕流発生の危機が強まっており、二千百世帯、八千人以上の住民が長期間避難生活を余儀なくされ、安全確保からも日常生活の上からも深刻な問題になっています。  しかるに、政府の災害対策は非常におくれたばかりか、被災者個々人に対する被害補償や直接的な援助は微々たるものであり、政府には被災者完全救済の観点がないと言わざるを得ません。  最後に、宮澤内閣に対して、対米公約を優先させた軍拡や財界、大企業奉仕の財政政策を国民本位の財政に転換するよう強く要求して、反対討論を終わります。(拍手)
  250. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) 次に、吉田達男君。
  251. 吉田達男

    ○吉田達男君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、議題となりました平成三年度補正予算三案に対し、賛成の立場から討論を行うものであります。  本補正予算は、当初予算の作成後の事由に基づいて、特に緊要となったものについての予算措置であり、財政法二十九条を尊重した補正予算を組むようにとの我々の長年の主張を政府もほぼ認めたものであり、国民生活に必要不可欠な補正としてこれを評価するものであります。  しかしながら、本国会で論議のありました宮澤内閣の政治改革やPKO法案及びその審議のやり方には断じて認められないものがあります。この点については、明確にここで申し述べておきます。  また、予算については、税収見積もりが大きく違い、二兆八千億もの減額修正をしていることや、今後の財政再建についてその対応を明らかにしていないことなどは大いに批判さるべきものであります。今後、適正な税収見積もりがなされることを強く求めるとともに、平成四年度予算については、不要不急経費の徹底した歳出削減と、めり張りのきいた予算編成を行うことを求め、さらに現在進めている財政再建の方策を示されることを強く要望して、以下、補正予算に賛成する理由を申し述べます。  第一は、合計約六千億円の災害関係経費を追加していることであります。  一向に鎮静化の兆しの見えない雲仙岳の噴火活動による災害を初め、例年にない大型台風のたび重なる来襲などによって、ことしは各地に大きな被害がもたらされました。我々は、機会あるごとに、政府に迅速かつ十分な被災地への対策を求めてまいりました。これにこたえての今回の措置は十分とは言えないものの、一刻も早い予算の執行が、被災地の復旧、農林業などの被害や被災中小企業者の救済、住民の生活安定に不可欠であると考えるものであります。  第二は、人事院勧告を完全実施するための給与改善費三千二百六十七億円が計上されていることであります。  公務員労働者の労働基本権制約の代償である人事院勧告は、完全実施されることが当然であります。私たちは、我々の主張で実現した給与改善予備費を使って、その早期完全実施を行うことを求めてまいりました。政府の対応は大変に遅く、その点については遺憾であります。来年度以降は、この種の義務的な経費の計上と速やかな執行を求めておきます。  最後に、政府は減速が目立つ経済動向を踏まえ、適切な財政金融政策の実施により景気の悪化を防止すべきであり、これにこたえる努力が認められます。  以上の点から、本補正予算はおおむね妥当なものと評価するものであります。今後とも、補正予算については、財政法第二十九条の規定に沿った編成が行われることを政府に要求し、私の賛成討論を終わります。(拍手)
  252. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) 以上で討論通告者の発言はすべて終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  平成三年度一般会計補正予算、平成三年度特別会計補正予算、平成三年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して採決いたします。  三案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  253. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) 多数と認めます。よって、平成三年度補正予算三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  254. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十三分散会