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1989-12-08 第116回国会 参議院 税制問題等に関する特別委員会 16号 公式Web版

  1. 平成元年十二月八日(金曜日)    午前十時五十二分開会     ─────────────    委員の異動  十二月七日     辞任         補欠選任      永田 良雄君     伊江 朝雄君      下村  泰君     今泉 隆雄君  十二月八日     辞任         補欠選任      篠崎 年子君     粕谷 照美君      三上 隆雄君     山口 哲夫君      山中 郁子君     吉岡 吉典君      橋本孝一郎君     三治 重信君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中村 太郎君     理 事                 井上 吉夫君                 沓掛 哲男君                 宮澤  弘君                 村上 正邦君                 稲村 稔夫君                 及川 一夫君                 本岡 昭次君                 矢原 秀男君                 近藤 忠孝君                 古川太三郎君                 寺崎 昭久君     委 員                 伊江 朝雄君                 小野 清子君                 大木  浩君                 梶原  清君                 鎌田 要人君                 北  修二君                 久世 公堯君                 佐々木 満君                 谷川 寛三君                 前島英三郎君                 松浦  功君                 松浦 孝治君                 山岡 賢次君                 吉川 芳男君                 穐山  篤君                 上野 雄文君                 大渕 絹子君                 粕谷 照美君                 渕上 貞雄君                 細谷 昭雄君                 前畑 幸子君                 村田 誠醇君                 安恒 良一君                 山口 哲夫君                 刈田 貞子君                 常松 克安君                 和田 教美君                 吉岡 吉典君                 高井 和伸君                 三治 重信君                 今泉 隆雄君                 野末 陳平君    委員以外の議員        発  議  者  久保  亘君        発  議  者  佐藤 三吾君        発  議  者  梶原 敬義君        発  議  者  小川 仁一君        発  議  者  峯山 昭範君        発  議  者  太田 淳夫君        発  議  者  笹野 貞子君        発  議  者  勝木 健司君    国務大臣        大 蔵 大 臣  橋本龍太郎君    政府委員        大蔵大臣官房審        議官       石坂 匡身君        大蔵省主税局長  尾崎  護君    事務局側        常任委員会専門        員        竹村  晟君        常任委員会専門        員        保家 茂彰君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○消費税法を廃止する法律案(久保亘君外七名発議) ○消費譲与税法を廃止する法律案(久保亘君外七名発議) ○地方交付税法の一部を改正する法律案(久保亘君外七名発議) ○税制再改革基本法案(久保亘君外七名発議) ○法人税法等の一部を改正する法律案(久保亘君外七名発議) ○通行税法案(久保亘君外七名発議) ○物品税法案(久保亘君外七名発議) ○入場税法案(久保亘君外七名発議) ○地方税法の一部を改正する法律案(久保亘君外七名発議)     ─────────────
  2. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) ただいまから税制問題等に関する特別委員会を開会いたします。  消費税法を廃止する法律案、消費譲与税法を廃止する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案、税制再改革基本法案、法人税法等の一部を改正する法律案、通行税法案、物品税法案、入場税法案及び地方税法の一部を改正する法律案の九案を一括して議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 連日御苦労さまでございます。昨日、物品税法の一部につきまして御質問を申し上げたわけでございますが、お答えは修正をされない、こういうことでございますので、原案どおり提出、こういうふうに承っております。いずれお変えになるならないの問題ではなくて、このままで出される、こういう解釈でよろしいのではないかと思いますが、それではそれにつきまして私の所感を述べさせていただきたいと思います。  私は、昨日野党の物品税法案につきまして、次のような重大な欠陥があることを指摘いたしました。例えば、ユネスコ等から寄贈された教育用のビデオテープ等は関税とともに物品税も免除すべきものであるのに、免税とする手当てがされていないのみならず、従来から免税となっている一万円以下の少額の輸入物品一般についても免税とする手当てがされていないのであります。さらに、海外旅行者が持ち帰る物品に対して適用されます簡易税率についても、野党みずから廃止を提案している消費税に基づいた現行の簡易税率を放置しているのであります。  これらはいずれも法案の重大な欠陥であり、殊に簡易税率は毎年八百万人を超える海外旅行者に関連する事項であるだけに、これまで発見された野党の法案の欠陥中最大のものと言えるのであります。このような野党の法案の重大な欠陥の取り扱いにつきまして今回修正を見送ることとされたことは、私としては野党の政権担当能力、国民に対する責任の欠如をあらわしているものと思います。  そもそも国会に提出する法律案は提案の時点で欠陥を含まないものである必要があるが、遅くと も法案が可決される時点で欠陥が除去されていなければ国民に多大な迷惑をかけることになるのであります。このような国民に対する厳粛な責任感を持たなければ法案を提案する資格もないし、政権を担当する能力もないと言わざるを得ないのであります。野党は関係法律の年度改正において政府が必要な手当てをすればよいと言っておられますが、これはどんな誤った法律もともかく可決して施行日までに改正を行えばよいと言うに等しいことであります。それなら、今後野党から見てどんなに問題のある法律案を政府が提出しても野党は文句を言わず、ともかく成立するのを認めざるを得ないことになるのであります。要するに施行日までに改正すればよいと言うのでありますから。しかも野党は自分の提案した法律案の欠陥を政府が直せばよいと言っておられますが、これは無責任きわまりないものであります。  そもそも政府として反対している時代錯誤の物品税の復活に応じて政府が野党の法案の誤りを正してくれる保証はないのであります。政府が関係法律を改正する理由がないときは、全く過去の野党の法案の誤りを是正するためだけの法案を提出することになるが、このような法案を政府が提出することは考えられないのであります。そのとき野党は一体どのような責任をとるのでありましょうか。私は何も野党の法案のあら探しをしているわけではないのであります。税金はすべての国民に関係のある重大な事柄でありますだけに、過ちは許されないものと考えており、そうした観点から法案の欠陥を野党みずから正すように指摘したところであります。  しかるに、残念ながら野党の皆様は憲法に定められた租税法律主義の意義を余り理解しておられず、また欠陥を含む税法によって受ける国民の打撃をおわかりいただいていないようであり、メンツだけを気にして国民に対して責任を果たされなかったのであります。これは良識の府としての参議院の歴史に大きな汚点を残すことになるだけでなく、今後野党は税制に対して発言する資格を放棄したと私は考えるのであります。  以上、所感を述べさせていただきまして、次の質問に入らせていただきます。  国会法の問題でございますが、日本憲法には予算編成権を内閣固有かつ専属の権能と位置づけているわけでございますが、予算を伴う法律案の議員による発議、今回のようなケースにつきましては、内閣の予算編成権と衝突することがあるわけでございまして、国会法において発議要件を一般の法律より加重する、重くしている、こういうものがあり、内閣意見の制度を設けて、内閣に意見を述べる機会を与えなければならないと、こういうふうになっているわけでございます。  ちなみに、国会法の第五十六条、「議員が議案を発議するには、衆議院においては議員二十人以上、参議院においては議員十人以上の賛成を要する。」、これが普通でございますが、ただし加重すると申し上げたのは、予算を伴う法律案を発議するには、衆議院においては議員五十人、倍でなきゃならない、参議院においても議員二十人、倍の賛成を要する、これが五十六条であり、五十七条に「各議院又は各議院の委員会は、予算総額の増額修正、委員会の提出若しくは議員の発議にかかる予算を伴う法律案又は法律案に対する修正で、予算の増額を伴うもの若しくは予算を伴うこととなるものについては、内閣に対して、意見を述べる機会を与えなければならない。」、これが五十七条でございます。  さらに、参議院規則の第二十四条に「予算を伴う法律案については、なお、その法律施行に要する経費を明らかにした文書を添えなければならない。」、こういうふうに定めているわけでございまして、このような内閣の意見の制度は、三権分立、こういう理念のもとに内閣の予算編成権と議員の法律案発議権を調整しようとしているものであるわけでございまして、野党の消費税廃止関連九法案は歳入歳出に極めて大きな変動をもたらすものでありまして、予算編成権を持つ内閣にとっては重大な問題であると思うわけでございます。  内閣意見は国会の立法権政府の財政権限との間の調整を図ろうというものでありますから、一番最後の地方税法改正案、これを除く八法案、残りの八法案についてはすべて内閣意見を求めなければならない、こういうふうに考えるわけでございますが、しかし今回野党の提出した法案には、一番目の消費税法を廃止する法律案及び税制再改革基本法案、この二本にしか経費を示す文書が添付されていないのであります。そのほかの法案は内閣意見を求めないような形になっているということは、野党法案に重大な欠陥があるわけでございまして、ちなみに、一つの法案については出されているわけで、五兆九千四百億余のお金がなくなるよ、また、税制再改革基本法案では八千万円の国民税制改革協議会設置の経費がかかります、こういう添付はされているわけでございますが、そのほかについてはされていないということは、これは法案として重大な欠陥を持つという指摘をしたいわけでございますが、いかがでございましょうか。
  4. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) ただいま山岡さん御指摘になりました問題につきましては、私どもは憲法並びに国会法その他参議院規則等に基づいて正式に法案を提出し、これが院において受理され、ただいま御審議をいただいておるのでございます。この法案にかかわる扱いにつきましては、委員会においてお取り扱いいただくものと考えております。
  5. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 委員会において取り扱うのは事実でございますが、私が申し上げているのは、この法案がこういう国会法、国会法というのはまあ我が国会の憲法でございますから、参議院規則、それにのっとった手続をとられていないのではないですか、こういうことを申し上げているわけでございます。
  6. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) 私どもはこの九法案につきましては、参議院議長に提出し、議長の方においてこれを受理され、議院運営委員会を経て本会議からこの委員会に付託をされたのでございまして、法案の提出に当たって私どもは何ら問題を持っているものではないと考えております。  この法案の取り扱いは、先ほど申し上げましたとおり、委員会において御審議いただくものでございます。
  7. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 今、受理されて審議しているんだから問題はないんだと、こういうお言葉でございますが、提案をされて審議されることは別に結構なんです。しかし、これが予算法案であるのかどうなのかということが意味をなすわけでございまして、審議をしていても、これはどのことだって提案されれば受け付けるし審議はするんです。それは当然です。しかし、このことを予算法案としての手続がされてないということは、これは予算としては国会法上あるいは参議院規則上、この三権分立の重大な問題を生ずる、こういうことを私は申し上げているんです。  私がお伺いしているのは、まずもってお届けしたんですかしないんですか、どこに届けたんですかと、こういうことを聞いているわけでございます。
  8. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) 廃止法並びに基本法に関しましては必要な経費等についてお示しもいたしております。この法案全体につきましては、私ども正式にこれを院に提出し、そして今御審議を願っているわけでありまして、法案の不備はないものと考えております。
  9. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 今、不備はないとこうおっしゃるわけでございますが、これはもし予算法として採決をし向こうに出したということになりますと、大変な不備になるわけでございます。院としての重大な問題になるわけでございまして、これは私はきょうは極めて丁重にお伺いを申し上げているわけでございますが、内容は極めて重大な問題でございます。この見解の相違等々については、見解ではありません、事実の相違については大きな問題でございますので、委員長においてお取り計らいをいただきたくお願いをいたします。
  10. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) 法に瑕疵があれば 院においてこれを受理されたその責任にかかわる問題にもなろうかと思っておりまして、私どもはその法案に今御指摘のような不備があるとは考えておりません。
  11. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 考えていないということですと、これ以上は話がまた堂々めぐりになるわけでございまして、受理されて審議はしたと、だから問題なかろうと、これはこの中の問題でございますが、三権分立の問題からいったら、これは次は内閣の問題になるわけでございまして、添付されていない法律案を審議して可決したとしても、これは予算案ではないということにして渡すわけにはいかないわけでございまして、その辺を――私は何もあれしようと思っているんじゃないんですよ。非常に重大な問題ですからきちっとやった方がよろしいんじゃないでしょうかと、こういうことを申し上げているんです。  委員長、これは堂々めぐりですから、これについては寄って御検討いただきたいと思います。
  12. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) ただいまの案件につきましては、理事会において協議いたしますので、質問を続行してください。
  13. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 次の質問ですね。別な質問ですね。はい、わかりました。  それでは、法人税の問題についてお聞きを申し上げます。  まず、連合参議院の笹野さんにお尋ねを申し上げますが、十一月八日の本会議における代表質問で、連合参議院の古川太三郎議員は、法人間配当を我が国において二〇%しか課税していないのは問題である、こういうふうに指摘をされました。この法人の受取配当益金不算入制度は法人税制上どのような趣旨で設けられているという御認識をお持ちになっているのか、そしてその認識に基づいてなぜ二〇%は問題であるのか。これは代表質問で党の代表として言われたことでございますので、党の代表として発議者になっていらっしゃいます笹野議員にお聞きを申し上げたいと思います。
  14. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 私の方ではいけませんか。
  15. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 連合参議院がやった話を聞いているんです。おたくのやった話を聞いているんじゃないんです。どうして連合参議院の代表質問を社会党さんがお答えになるんですか。
  16. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) それは質問者が言ったことに対してですか。法人税は私が発議者の中で担当いたしておりますので、私の方でいかがでございましょうか。
  17. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 どうぞ。
  18. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 山岡委員は大蔵委員をしておられますのでそのことはもう十分おわかりになっておりますと思いますが、簡単に申し上げます。  受取配当益金不算入制度でございますが、法人間配当の負担調整の意味があって設けたというふうに私たちは考えております。
  19. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 それはともかくとして、それはそれでも一応お答えの一つとして承ります。  それでは、今度の法律では二〇%、こういうふうに今定めてあるのが問題である、連合参議院さんの代表質問で問題である、こういうふうに言われておりますので、連合参議院としてはこれはどういうふうに問題なのか、その党の御意見をお伺いしたい、こう申し上げているんです。
  20. 笹野貞子

    ○委員以外の議員(笹野貞子君) お答えいたします。  私たち四党間においては、この問題は二〇%というふうに今度提案をしております。代表質問した古川議員はここにいられますので、本来であるならば古川議員にお答えいただくと一番わかりやすいのですけれども、いずれにいたしましても、私どもは新しくできた会派でもあり、その点は私ども四党ということではなく、古川議員の個人的見解というふうに受けとめていただければ幸いだと思います。
  21. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 世が世であればまたここでとまる話なんですが、今笹野さんのおっしゃっている私たちが提案した二〇%はというのは間違いでございます。これは今まで政府がやっているものに対する批判でございますから、私たちは違うものを提案されているわけでございまして、私たちが提案したこの二〇%がいいというなら政府の二〇%がいい、こういう話になるんで、全く話が食い違うわけですから、私はきょうはこの後あら探しをするつもりはありませんが、いいですか、政府は今二〇%なんです。皆さんは四〇%と言ったんです。政府の二〇%はけしからぬから四〇%だと古川さんは言われたんです。そうですよね。当たり前のことです。だから、何でけしからなくて何で四〇%にしたのか、こういう話です。国民の素朴な疑問をお伺い申し上げているんです。
  22. 笹野貞子

    ○委員以外の議員(笹野貞子君) 私の今言った答弁が御理解いただけなかったと思うんですが、つまり今度段階的に私どもの提案では四〇%にしていくということをお話ししたつもりです。
  23. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 私は大変理解をしているつもりでございまして、勉強もしているつもりでございます。言い方がわからなかったんだろうと、こう言われますと、親切に申し上げていることも申し上げにくくなってくる。あなたは、今私どもが提案している二〇%はと言うから、違いますよと、こう申し上げているだけのことで、わからなかったのかなんて言われたら、わかっているから申し上げている話であってね。
  24. 笹野貞子

    ○委員以外の議員(笹野貞子君) 申しわけありません。意識錯誤で、私は我が党の提案はと言ったところに入っていると思いましたけれども、二○%というふうに私が言いましたのは私の方の間違いですので、どうぞよろしく。
  25. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 間違いとか、わからないとか、もうさっと言っていただければ次に行きますから、そんなことをほじくろうと思っておりませんから。私も人柄はいい方ですから、早く進めたいと、こう思っているんですけれども、どうも進めにくくなるんで、中身でいきましょう、中身で。  それでは、いま一度お聞きします。これは聞いておかなきゃならないわけで、同じく十一月八日の本会議の代表質問ですから、これは大事な質問なんです。個人の意見というわけにはいかないんです。党を代表した代表質問でございます。それはおわかりですね。笹野議員も党を代表して発議者でここにいらっしゃるわけですから、これはお伺いをしないわけにはいかない。  そこで、古川太三郎議員は、米国ではもちろん法人間配当についても一〇〇%課税対象であり、何かと米国を見習う政府がなぜこの点を見習わないのか、こういうふうに詰問をしていらっしゃるわけでございます。これは古川議員の事実認識は連合参議院の事実認識、そういうことでよろしいのでございますか。
  26. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) 山岡さん、大変失礼でございますが、ここに発議者としております者は四会派の共同提案の発議者として四会派を代表しておりますので、答弁は私どもの方で選ばせていただきたいと思います。
  27. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 連合さんにかわって答弁するわけですな。
  28. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) いや、そうじゃない。
  29. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 いや、だって連合さんの意見を聞いているんです、これは。四党派が言ったことじゃないんですよ。連合さんの言ったことですから、連合さんにかわって答えるんですか。
  30. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) おわかりの上で御質問と思いますが、アメリカもやっぱり八〇%、こういうふうになっておりますということも申し上げます。ですから、連合さんの方でお話しになった部分に先生の御質問との食い違いの面で言えば、そのとおりでございます、こう申し上げる以外にない。
  31. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 今八〇%と言われましたが、それも若干間違っているわけでございます。事実は、米国においても法人間の受取配当は、配当を受け取る法人が配当を行う法人の持ち株をどれぐらいの比率で所有しているか、こういう比率に応じて七 〇%から一〇〇%、割合に応じて益金不算入となっているわけでございまして、八〇%と限定されているんではないのでございます。言いかえれば、多くても三〇%だけ課税されて、これは、ここのところなんです、持ち株比率が八〇%以上の親会社の受け取る配当については全く課税されていない、あえて八〇というと、この数字しか出てこないわけでございます。  そういうことで連合参議院さんが代表質問で、今の二〇%、政府がけしからぬ、アメリカでも一〇〇%やっているじゃないかと、そういうふうに詰問をされたわけでございますが、これは事実と違うわけでございまして全くの事実誤認でございます。私が申し上げたいのは、事実誤認をしたままこういう発議をされて、だからこっちがいいんだ、こう言われても、そうですかとは最初からは言いにくい問題である、こういうことを申し上げているわけでございます。  それでは、どなたでも結構ですが、受取配当益に対して、一年目が二五%、それから四〇%に直すんですか、不算入が七五から六〇ですから。こういうふうにしようという、これはそういう事実誤認がないという前提の話でございますが、その誤認を、ほかの派の方が代表で答えることは、そちらも事実誤認しているのかと心配になるんで、皆さんは誤認していないんじゃないかと。どうもしていたみたいな節もありますが、八〇%と言われるようじゃ。この出されたとおりと、こうすると、その意味はどういう根拠なのか、お伺いをしたいと思います。
  32. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) お答えを申し上げます。  法人間の株式持ち合いにより法人の株式保有割合が増加する傾向が続いており、それも株式を投資対象とするケースがふえていることを考慮すれば、投資対象の配当にまで受取配当益金不算入制度を認めなくてもよいと考えるのは当然のことであると考えます。政府もさきの改正で八割まで圧縮しています。私どもは、二年でさらに二割、益金不算入割合を圧縮することを提案しておりますが、親子会社間の配当のように企業支配的な関係に基づくいわば同一企業の内部取引と考えられる配当について仮に課税すると、事業を子会社形態で営むよりも事業部門の拡張や支店の設置などによる方が有利になり、法人間の垂直的結合を促すおそれがあります。したがって、親子会社間のような特定株式に係る配当、株式保有割合二五%以上の株式に係るものについては今までどおり益金不算入制度を認めております。
  33. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 当然でございますとこういうふうに言われ、なおかつ政府も一部やっておるじゃないか、こういうことでございまして、いかにも法人間配当が政策減税的であるからいただくんだ、こういう御趣旨でございますが、これは税理論からいくと全く違うのでございます。  答えを先に申し上げますと、取るべきところじゃないんだがお金が欲しいから取るんだ、これならわかるんです。政府もいるから言いにくいが、政府も半ばそういうところはあるわけでございまして、きょうは私の個人の立場として申し上げるわけでございますが、法人間配当というのは、法人が株を持ったときにその配当に課税するかどうか、こういう話でございまして、最初のところで法人税をちゃんと払って、その差額の配当を別なB会社に渡しておるわけでございますから、これから取るというのは二重課税になるわけでございます。何ら優遇でも何でもない、完全な二重課税であって、本来これは取るべきものではないんです。  金があるから取るんだ、金が欲しいから取るんだ、これなら話はわからぬでもないんですが、しかし、取るべきなんだ、政府もやっておるから当然なんだ、そういう理論はおかしいのではありませんか。
  34. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 確かに二重課税という理論もあることも聞いておりますが、現在法人間の株式保有率が非常にふえております。そういう形の中で私たちは考えたわけでございます。
  35. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 それもおかしいんです。正しいものは幾らふえたって正しいんです。正しいのがふえたからやっつけてやろう、これは法理論上そういう論理は成り立たないんです。しかし、そういうお金があるから、政府も取っておるからいただいておきましょう、これなら理屈としてはそれなりに成り立つんです。しかしふえているからと。正しいものがふえちゃどこが悪いんですかと、こういうふうにお聞きしなきゃならなくなるわけでございまして、私の言ったようにお答えいただいたらいいんじゃないですか。――結構でございます。  受取配当益金不算入制度、これは今おっしゃるように企業優遇税制と混同しておられるような議論がよく見られますけれども、英国、西独、フランス、いずれの国を見ても法人間配当は全額非課税であります。現在部分的にでも課税しているのは日本、米国。この二つは言うなれば厳しい取り扱い、取り上げているわけでございまして、もともと法人部門の中で所得が回っているだけであって、何度も重ねて課税しないというのが税の本来のあり方であります。要は、この受取配当益金不算入制度は企業優遇税制とか免税税制とかそういった範疇に含まれるものではないのでありまして、あくまでも純粋に法人税理論に基づいて措置しなければならないものなんです。野党はこのような法人間配当に対する重複課税の調整の問題についてそういう哲学を持っておやりいただきたかったと、こういうふうに思うわけでございます。次に進みます。  それでは次に、基本税率の問題を取り上げさせていただきたいと思います。  十一月十四日の同僚の伊江議員の質問に対しまして久保発議者は、日本の法人税は表面税率は高いかもしれないがいろいろな特例優遇措置により実質負担税率において非常に低いものであり、〇%への凍結もやむを得ない、こういうふうな趣旨のことをお答えになっていらっしゃると思います。私が質問を申し上げる内容でも、久保先生のお考えは、我が国の法人税の世界的な水準、こういう観点で論議をしていることであると思うわけでございます。勝木さんからも同じ文章を大体二、三度聞かせていただきましたからそういう見解だろうと思うんですが、具体的に、日本の法人税の特例とか優遇措置が大きいと言えるのは何を根拠に言っておられるのか。我が国の実質税負担水準が低い、こう言っておられるわけでございますが、それは具体的に何を指して言っておられるのか、お示しをいただきたいと思います。
  36. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) 税率を国際的に対比いたします場合には、表面税率が一つございます。それから実効税率、つまり地方税等を合算いたしました税率の比較がございます。それからもう一つ、私どもはこれが大事だと思うのでありますが、実質負担税率といいますか、額ですね。残念ながら大蔵省は一切この法人の税額の実質負担額を公表いたしません。そのことについて私どもは、課税ベースの問題とも関連をしながら、大変問題を感じておるのであります。  先般私が当院の予算委員会で大蔵省に資料の説明を求めたことがございます。それは、今大蔵省が法人に関しては申告課税所得の上位五十社に限って公示をいたしております。この申告課税所得に対して実際にどれだけの税金が納められたのかということについては大蔵省は公表いたしません。しかし、少なくともこの申告課税所得に対して何%の税金が負担されたのかということについては説明してもらいたいと、こう申しましたところ、四〇%を超えているのは一社、二〇%台が半数を超える数で大蔵省は説明をされたと記憶をいたしております。そうなってまいりますと、実質負担額でもって国際的に対比をしなければ日本の法人税が国際的に比べて非常に高いという結論は出しにくいのではないか、こう思うのでございます。
  37. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 私が今お聞き申し上げたのは、特例優遇措置によりと、こういうふうに言っておら れるので、どういう特例とかどういう優遇措置があるのか、こういうふうにお聞きを申し上げたんです。そのお答えではないんですが、それでは今のお答えは、その実質の負担税率をあらわすこれがメジャーとなる数字である、四〇%が一社、二〇%が半数以上、こういうふうに言っておられたわけですね。そういう御説明をされました。したがって四〇%というのはたった一社しかないじゃないか、二〇%が半分あるじゃないか、だから大部分はもっと数字が、水準が低いんだ、こういう御説明と解釈してよろしいわけですね。
  38. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) もう少し申し上げますと、私どもが持ち合わせております資料では、日本の法人百八十万程度ございますが、そのうち赤字法人として法人税を負担しないものが九十数万社と聞いております。そういうことから申しましても、だから私は法人税が高いとか低いとか申し上げるよりも、これらの内容について大蔵省、政府は明確に示していただくことがまず必要なのではないか、こう思っております。
  39. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 話が次々とつけ足されて飛ばれると、一個ずつやらなければならないのにどんどん進んでいっちゃって困るのでございまして、大蔵省がけしからぬ話は私に言っていただいても仕方ありませんから、それはそういう御見解で結構でございますが、今私が申し上げたのは赤字法人の話じゃなくて、これはしてもいいですけれども、その前に、四〇%が一社で、二〇%が半分以上だ、こういう結果からしても水準は低いんだ、こういうことですね。そういうふうに解釈してよろしいと。そうしますと、それは結論から言うと間違いであります。もういろいろひっかけるようなことは申しませんから。  どうして間違いかと申し上げますと、久保先生の今言われました申告所得、これに対して四〇%を課税するわけでございまして、それは算出法人税額、こういうことになるわけでございます。当然そうなんですね。ところが、この算出法人税額というものはどういうものが含まれているかといいますと、利子や配当の源泉所得税、これは先に払っているわけですから、当然払った額に入る、こうなるわけですね。そこまで一々税の細かいことをお聞きすると申しわけないので、それはどっちなのかと言っているとまたあれですから、これは当然入るんです。これはもうだれが何と言おうと入るんです。私が決めているわけじゃありませんから。それから外国税額控除額、これも外国で払っていることで、どこで払っていようと入るんです。その両方を含めて算出法人税額になるんですね。  ところが、久保先生のおっしゃっている数字というのはそれを除いた、差し引きの納付の法人税、つまり払った額に対するパーセントを言っておられるんです。払った、それが四〇%以上払った、そのときですよ、そっちを除いた額だからといってもそれは数字にはならないのでございまして、負担した額が幾らか、こういうことじゃないと金を払ったその一部分だけをというわけにはいかないわけでございまして、いろんな箇所で払っている、それを合計した負担額、こういうことになると思いますので、久保先生の御指摘は間違いだと思うんですが、いかがでございましょうか。
  40. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) 今お話しになりましたような税額の控除、それらの点に優遇特例措置というものが含まれておるのでありまして、私どもとしてはこれらの問題について検討することが非常に今税制改正で重要な課題となっておると思っているのであります。  また、今山岡さんが実際はそうなっていないんだというお話でございましたけれども、私は大蔵省がけしからぬとかそういうことを言っているのじゃありませんで、ぜひこれらの問題、法人税の実態というものを、今後国際化の中で私どももいかにあるべきかということを検討するために必要な資料を、今制度上非常に難しいと言って大蔵省はお出しにならないわけでありますけれども、ぜひ何らかの形でお示しいただいて、もし山岡さんが実際に払っている税額はこれだけなんだよというのをお知りなら私はお聞かせいただきたいと思うんです。あなたのところにだけそういう数字があって、我々がそれを知ることができないというところに、今の国民の側からいたしますと、非常に不可解な問題があると私は思っております。
  41. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 何かお説教を受けているような感じですが、大蔵省がけしからぬのだから私は知らないで当然だとか、そういう論理を私に言ってもらっても困るので、朗々と、胸を張ってけしからぬと大演説を今までずっとお聞き申し上げてきたわけでございますから、それはそれなりの根拠、中身があって言っておられることだろう。しかし、中身がそれは違うじゃないか、それは大蔵省が教えていなかったからあいつが悪いんだ、こういうような言い方をされても私は非常に困るのでございます。  また、大蔵省から先生に教えないことを私だけが教わった、こういうことでございますが、そんなことじゃないので、これは先生がここで言われたとおり、私はこの席上で予算委員会のときに大蔵省に聞いたんだ、こういうふうに言われましたですね。したがって、私も議事録を見て言ったんです。そうしましたら、久保先生は、これは重大な勘違いをしているな、勘違いをしているからあれだけ胸を張って言われるんだな、こういうふうに思ったわけで、久保さんともあろう者が知っていたらとても(「知っていたら教えろ」と呼ぶ者あり)今言いますよ、知っていたらとてもそんなことは言えない。  それじゃ、もうこんなことを言うつもりはなかったんですが、ちなみに、私だけがと言われちゃ困りますから申し上げておきます。  予算委員会で久保先生が大蔵大臣に聞いて政府委員が答弁した記録ですが、昭和六十三年度において課税所得金額が上位五十社の中で法定の法人税、四〇%で支払っているもの、三〇%台しか支払っていないもの、二〇%台しか支払っていないもの、一〇%台しか支払っていないもの、一けた台、全く支払っていないものがそれぞれ何社あるか、こういう御質問でした。大蔵省の答えは、「昭和六十三年度中に決算期が到来した資本金十億円以上の普通法人及び保険業を営む相互会社」いずれも一年決済のもの、「申告所得上位五十社の中で、申告所得金額に対する申告税額の割合を」、言ったとおり言いますよ、見ると、おっしゃるとおり「四〇%台のもの一社、三〇%台のもの四十三社、」、このことはあえて言われませんでしたが、久保先生、「二〇%台のものが六社」、半分じゃないんですよ、答弁はですね、その議事録ですから。「このうち三五%以上のものが二十九社」、約七割となっております。ただ、これは法人が利子配当等についてあらかじめ納付した源泉所得税や外国で納付した法人税を控除した後の税額、すなわち法人税として納付された金額、お金だけからとらえたものであり、これらの控除はいわゆる特別措置といったものではなく、いずれも二重課税を排除するためのものであるから、控除後の法人税額は我が国の法人税の負担水準をあらわすものではない、こう答えているんですね。「そこで、これら五十社の源泉所得税及び外国税額控除前の法人税額の申告所得に対する割合を見てみますと、その割合は四〇・六%」となっていると久保先生にお答えしているんです。お聞きになっているはずなんです。  だから、私にだけ教えて、先生にだけ教えないで、知らないでけしからぬ、そういう話は成り立たないので、現にこう言っているんですから、これはお間違いだと思います。間違ったと言っていただいた方が早いんじゃないかと思います。いかがですか。
  42. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) 今のパーセントの区分については、私もここで急な御質問でしたから少し私の記憶が違っている点があったかもしれませんが、要するに四〇%一社というものを私は大変鮮明に記憶をいたしておりましたものですから、あとの数字については幾つかに分類して言われたので、私の少し間違って記憶していた点があったかもしれません。しかし、いわゆる六十三 年度といいますと当時は法人税率四二%でございます。四二%の法人税率に対して、申告課税所得に対して四〇%台のものは一社しかなかったということは間違いないのでございまして、なぜそうなったかということについていろいろ今述べられたことを私はお聞きいたしております。しかし、そこのところに、私たちは分析し、不公平な税制として是正をすべき問題があるのではないか、こういうことを申し上げているのであります。
  43. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 わざわざそこまで言われないでもいいんじゃないかと思いますが、大蔵省が言ったのは途中経過の数字で、そういう数字だけれどもそれはこの控除額を除いているよ、控除額を足せばこうなりますよとわざわざ言っているのを、途中経過を言ったのは確かだ、そしてそれが結論だと。それでは論理にならないわけでございます。  途中経過というような話は、いろんなことを言います。久保先生は厳しそうに見えるが非常に優しい方だ。これは厳しいと言ったんじゃないんです。優しいと言ったんですね。だからその途中経過を、大蔵省はこう言ったじゃないか、だからおれは言っているんだと。それでは論理にならないわけでございまして、要するに、もう余りミスをつくつもりはありませんから、お間違いでございます。そういう御認識で日本は高いんだと胸を張って堂々と述べられ、国民にそういう誤解を与えていただいては非常に困る、こういふうに思うわけでございます。  次の質問に参ります。  アメリカのレーガン大統領による税制改革ですが、これで法人税率も下げたのでありますが、課税ベースも大幅に広げたのに対しまして、我が国の先般の税制改革では法人税率を下げただけで課税ベースの拡大が不十分であったと、こういうふうにしばしば、今も言われたわけでございますが、この点についての御認識をいま一度お伺いしたいと思います。米国が広くて日本は狭いと、この理由、実態。
  44. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 委員御承知のとおり、日本においては各種の特例がいっぱいございます。こういう特例、例えば各種の引当金、準備金、特別償却の租税特別措置、外国税額控除制度などが挙げられます。その詳しいことはもう御承知と思いますから一々申し上げませんが、こういった形が存在する、この課税ベースの拡大を私たちは考えているわけでございますが、現在の各種の租税特別措置によって全体的に法人税が高いと、こういう印象を持っているわけでございます。
  45. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 法人税が高い。
  46. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 失礼しました、法人税が適切ではないと、こういうことになります。
  47. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 どういうふうに適切でないんですか。余り立派なお答えになっていないんですね。法人税率が高いということじゃないと思うんですが、私がお聞きしているのはもう抽象論じゃないんです。きょうは私はもう大詰め、二巡の大詰めでございますから、最後のところでございまして、もう総論、考え方は十分お聞きいたしました。だから、具体的に何なんだと言っているんです。高い、けしからぬなんと言っていますが、それじゃ直しようも何しようもない。何のどの部分がどうなんだということを伺っているんですが、最初から今日まで一貫してそういう抽象論のお返事はありますが、具体論のお答えはない。  ちなみに、それじゃ日米の問題を申し上げておきますと、米国の企業優遇税制の方が実際はけた外れに大きいのではないかと思うわけでございます。特に米国の改正前の法人税制においては、これはもう三〇%を超えていたわけでございますが、野党さんの称賛するレーガン税制改革後においても、ほとんどの生産設備の減価償却期間を五年ないし七年とする、非常に一般的な加速減価償却制度などは残っているわけでございます、大部分残っているわけでございまして、したがって我が国の企業関係租税特別措置等は、これはほとんど限定された設備投資に対するものであるのに対して二割程度に達しているのが、これが専門家の計算でございます。  我が国はいろいろあるがと、先ほども久保先生からそういうものがあるがと言ったが、私は何ですかと聞きましたら数字の話になったものですから、数字の話をしちゃったんですが、それをしようと思ったら今度は赤字法人と言うから、それを一個ずつやったらどんどん延びちゃいますから、私は何ですかとこう言っているわけであって、そういう意味で我が国に対してはこれは割り増し償却、特別償却、もうつましいものでございまして、これも限定された設備に対するものであります。減収額も全体でわずか三%に満たない、しかもその内容は中小企業や資源エネルギーが中心である、こういう実態であるということを具体的によく理解しておいて言っていただきたいと思うんです。  私は、きょうはほかのことがたくさんあるものですから、こういうことを一つ一つこれはこうなっているんだよということはこの際は申し上げませんが、具体的に言われるならそれについて一つ一つお答えを申し上げていきますが、それじゃ少しそういうものを、じゃひっくるめた、こうお考えになってもいいでしょう。そういうふうにひっくるめたと。一つのメジャー、先ほど久保先生が数字を言われましたが、企業の実質の税負担状況、これをはかる一つのメジャーとして国税収入、これは全体の収入ですね、その占める法人税の比率がどのぐらいかと、これによってもはかられると思うんです。取る方が何だということ、免除されているのが何だということが不明確なら幾ら払っているんだということは一つのメジャーになると思うわけでございまして、日本と米国ではそれぞれどうなっているか、いかがでございましょうか。これは質問通告をしてあるはずだけれども。
  48. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) その対比を申し上げます前に、法人のあり方、これがまた一つ考えられなければならない問題で、日本の場合には非常に法人化が進んでいるという点についても私ども考慮に入れて今の対比も考えていかなきゃならぬだろうな、こういうことも考えております。
  49. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 平成元年度の当初予算では三四・五%、アメリカは一五・八%とこう記憶しております。
  50. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 そうですね。そういふうにお調べいただくように申し上げたわけでございまして、そうなりますと、これは国税収入の三五%、日本では法人税で賄っているんです。そして今お答えのとおり米国の場合にはわずか一六%、こういうことになる、こういうふうに今お答えでございます。そうなりますと、一番最初に言ったとおり、アメリカの税制改革や税制は課税ベースが広くてたくさん取っているけれども、日本は課税ベースが狭くて不十分だ、こう言っていることとは結果的には矛盾する数字じゃありませんか。
  51. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 諸外国と比較して高いことは、税率引き上げ以前まで国税収入に占める割合が高くなってきていたことは承知しております。しかし、実際に我が国の法人の税負担が諸外国に比較して重いのかといえば一概に断定できることではないと考えております。それは、間接税、資産課税など法人税以外の法人負担の実態、国民所得に占める法人所得の比率などを考慮する必要があるからであります。より根本的なことは、法人税の負担を考える場合、その基礎となる課税ベースの検討が不可欠と考えます。特に、課税ベースは会計基準、各種引当金、租税特別措置などによって大きく異なり、この点を踏まえて税負担を比較する必要があります。また、国税収入に占める法人税の割合が高まってきたのは、この間の好景気で企業利益が伸びてきていることも反映していると考えられます。我が国法人の競争力に応じた税負担は当然求めるべきものと考えております。
  52. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 だからそれは前に聞きましたし、おっしゃるとおりだと、こう言っているんです。そのとおりです、課税ベースや何かを広げる必要がある、こう言っているわけですから、それじゃ もうここまで来たら具体的に課税ベースというのはどういうものなんだ、何を言っているんだと、こういうことを申し上げているので、その次の話を聞いているのに最初の話に戻って何度も繰り返していただいても、これは進まない。したがって、もう結構です。同じことを言っていただいても、もう結構。次の問題に進みます。  私がここで申し上げたいのは、そういうふうにいろいろ言っておられるが、具体的な数字を見ていくと、先ほどの久保先生のお話も、またこの数字、いろんな基準があると思います。しかし、わかりやすいものの一つ一つを見てみると、一つには誤解により、一つにはこういう事実があり、そういう状況からすると、どうも言っておられることと違って日本の課税水準はこの数字で見る限り非常に高い、こういう結論であると言わざるを得ない、こういうことに私の意見として申し上げておきます。  続きまして、税制再改革基本法案の五条でございますが、「企業に対する課税における各種の特例等の租税特別措置等の抜本的な整理」合理化を行う、こういうふうに高々とうたわれておるわけでございますが、野党さんのおっしゃっている税制再改革で整理合理化すべき租税特別措置、こういったものは一体何のことを言っておられるのか、中身を少し言っていただけませんでしょうか。総論はわかりました。
  53. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 申し上げますが、各種の引当金、準備金、特別償却の租税特別措置、外国税額控除制度などを挙げておりますが、具体的に今回は賞与引当金と貸倒引当金の圧縮と外国税額控除制度における国外所得の限度割合の引き下げを提案しております。租税特別措置の利用実態、その費用効果などは明らかでないわけで、今後も産業構造の変化に対応した整理合理化などが行われていかなければならないと問題を指摘しておりますが、いずれもそういう課題は税制協議会で再度協議をしていただきたいと思っております。
  54. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 今回提案しておりますというのはわかっているんです、提案して出ているんですから。それははっきりしています。これからやります。  しかし、提案しているのにもかかわらず、そのことがあるのにもかかわらず、こういう協議会においてそういう整理合理化をいたします、こううたわれているんです。もう必要だというものは今出しておるわけでしょう。それで、整理合理化するというのだからあとは勝手に考えてくれと言ったって、これは久保先生が言ったように白紙委任するのではない、我々の基本的な考えに沿ってやるのだ、こう言われましたですよね。そういうことですから、もう既に出ちゃっている。残っているものというのはどんなことなんですかと、こう言っているんです。考えろと言ったって考えられませんよ、私はかなり税は詳しいつもりですが、メンバーになったって。何ですか、例えば何です
  55. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 今回申し上げているのははっきりしているわけでございます。今後における法人税関係における特別措置法による措置は法人税関係で二十一、準備金で二十三、税額控除及び所得控除で七項目等がございますし、それから五つの法人税法における問題がございますけれども、企業に直接的な大きな影響を与えるということを考えますと、直ちにそれを全部一つ一つ実施していこうというのではなくて、検討をさしていただきたい、こう考えておるわけであります。
  56. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 今出ているものとかそういうのはいいんですけれども、ここにわざわざ今もうお出しになったんだ。問題があるということでお出しになった。これはよくわかります。しかし、わざわざ項目を立て整理合理化しようと言っているんですから、あとが問題で、例えば、例えばでいいですよ、全部とは言っていない、具体的に言うと何と何と何を次は検討するのだと、こういうお話なんですかと。  まあいいです。要するにないんですよ、そんなものは。だから幾らお考えになったって、それは大変なことですから、その先に進めます。要するに、企業への優遇措置の整理合理化という抽象論とかきれいごとを弄してはいますが、具体的に中身というのは余りないわけであります。  それでは、ここで久保先生の高尚な御意見をお伺いしたいわけでございますが、野党案では普通法人の基本税率四〇%のままに据え置く、こういうことにより一兆円の増収を見込んでいらっしゃるわけでございますが、我が国の法人税率は、今申し上げたように、米国の三四%、英国の三五%に比べて高いわけでございまして、経済の国際化が進む中で諸外国は既に大幅な法人税の引き下げを図っているわけでございます。我が国がひとり高率の法人税負担を求める、こういうことはこれはいいことじゃありませんけれども、経済というものは生き物ですから、結局は企業の税逃れを助長したり、企業が節税策ばかりを考えるようになったり、こういう方に走って企業行動をゆがめることにつながるのではないか。私はビジネスマンの出ですからそう思うのでございます、経験からして。  長期的には企業の海外逃避を招いて、結局は国内の雇用に悪影響を及ぼすと。外国企業の日本への進出の障害になって、今日本は特殊構造なんだ、いろんなものを高くしているんだ、日本だけがそれに耐え得るようにうまくやっているんだと、こういう批判も高まっているわけでございまして、こういう事実認識は今までずっと論じられてきたことですから、いま一度その御意見をお伺いしたいというわけではないわけでございます。私は、我が国経済におけるこの企業という存在、その役割、こういうものをどのようにお考えになっておられるのか、こういうことをお聞き申し上げたいと思うわけでございます。
  57. 峯山昭範

    ○委員以外の議員(峯山昭範君) 私は、我が国における企業の役割というのは大変重大だと思っておりますし、戦後四十年間、現在の日本経済を世界有数の経済大国にしたということにつきましては、それこそ自由主義経済の中で企業活動が活発に行われまして国民経済に大きく寄与してきた、そういうふうな意味では企業のいわゆる果たしてきた役割というのは十分それなりに評価をしなければいけない、こういうふうに思っております。  しかしながら、これは逆の面も多少はありまして、委員も御存じのとおり、経済大国でありながら例えば生活小国だとかいろんなことも言われているわけでございまして、そういう点ではやはり国民がもう少し何とかしてもらいたいという点もたくさんあるわけでございます。したがいまして、そういうような意味で企業が果たす役割というのは、やはり国民経済の安定に寄与することはこれは当然のことでございますけれども、今後の我々の考えといたしましては、これからは国民生活のいわゆる質的な向上といいましょうか、そういうふうな面でやはり企業の役割というのもそういうところにこれからはかかってくるんではないかな、こういうふうに私は考えております。
  58. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 私はとお答えになりましたが、そちらでお答えいただくときは四野党さん全部だ、こういう解釈で受けとめております。  そういうことで企業の役割ということを評価されていらっしゃるわけでございますが、その点は同意見でございます。  ただ、やっぱり若干誤解がおありになるんじゃないかと思いますが、何か企業が国民生活を生活小国にしているんだ、あるいはその原因があるんだ、こういうようなニュアンスであったとしたら、これは企業のせいではないわけでございまして、全然別な次元の話で、企業がしているわけではないわけでございます。したがって、企業とそのことを直結されたお話をされるとちょっと困るのでございます。私は、企業から税金を取ったらというふうに聞こえるわけでございますが、特に大企業に過大な税負担を求めるということは結局はその下請にも波及することでございまして、また企業と国民生活が別であるようなちょっとニュアン スも今ありましたが、結局は従業員や雇用者と全部つながっているわけでございます。当然その給与においてもつながってくるわけでございまして、あるいは商品の価格というものにも転嫁される、こういうことで国民生活にもつながってきている。  こういう国民生活全体に悪影響を及ぼすことがあってはならない。そういうことから何となく企業は悪なんだ、企業いじめというような誤解というようなものでやっていったら、我が国の自由経済の将来を危うくするのではないだろうか、こういう見解を持っているわけでございます。国民生活についてはむしろ我々政治の責任であるんじゃないかと思うわけでございまして、企業が悪いからという論理を言っているのではないと思いますが、そういう誤解は起こり得ないんじゃないかと思うんですが、勝木先生いかがでございますか。
  59. 勝木健司

    ○委員以外の議員(勝木健司君) 御指名がありましたので。  私ども民社党は、結党以来我が国の進むべき方向としては西側自由主義社会の一員として世界と共存していくということを基本といたしまして、政治活動を行ってきたわけでございます。さきに発表いたしました永末ビジョンにおいても、三つの自由を守ろうというタイトルで、議会制民主主義における政治的な自由、また西側の一員として平和を守ることに加えまして、自由主義経済を守るということを強く訴えておるわけでございます。今日の日本経済と国民の豊かさを支えている自由主義経済を守っていこう、その上で公正な福祉社会を築くのが私ども民社党の基本政策であります。  そこで、企業の役割について今ありましたけれども、やはり我が国の法人数は百七十万社、事業所数で二百三十七万事業所で全体の三五%を占めておる。また、従業員数でも三千七百万人で全体の六八%、資産総額においても約二千四百兆円ということで全体の五二%を占めておりまして、今日の我が国の経済活動においては企業の存在は極めて重要な役割を占めておるというふうに思います。  第二次世界大戦後を振り返ってみましても、戦争により壊滅的な打撃を受けた我が国でありますが、国民の英知と努力により、また国際環境にも恵まれまして復興から高度成長を達成していった。そして、石油危機円高、これも克服をしたということで、今や自由世界第二位の経済力を実現することができたわけでございます。そういう高度成長の原動力になったものの一つに、自由主義経済の競争原理に基づいた企業の役割というものが大きかったのじゃないかというふうに思います。  その自由主義体制のもとでの良好な労使関係を築き、また労使一体となったそういう企業発展のための努力というのが日本全体の経済成長を促進して、今日の我が国の繁栄を築いたと言っても過言ではないんじゃないかというふうに思うわけでございます。特にオイルショック後の企業の柔軟な対応によりまして、いち早く合理化あるいは効率化、省エネ化等産業構造の転換を進め、インフレを克服していった。そして国際協力を強め、持続的な成長の基礎を再び築いていった。また、昭和五十年代後半からは貿易収支の黒字基調が定着をしていった。そして、金持ち日本と言われるようなところまでになった。また、最近の情報化あるいはハイテク化あるいはエレクトロニクス化等、世界の先端技術の分野においても日本の企業は大いに貢献しているのじゃないかというふうに思うわけでございます。  ただ、一方ではやはり企業の無制限な活動というのが社会全体にとりましてマイナス面になっていることも間々見られるということで、是正していかなければならない課題だというふうに思っております。例えば企業の過度の輸出志向が貿易摩擦問題を拡大してきた経緯を考えてみますと、節度ある輸出体制が今後求められているんじゃないかということ。また、一部法人の余剰資金を背景とした土地あるいは株式などに対する投機活動が地価を上昇させ、また加えて国民生活を圧迫しているということ。また第三点目には、ことしの物価レポートが指摘しておりますように、法人が使用する多額の交際費、四兆二千億円とも言われておりますが、この交際費が物価上昇の一因となっているということ、そういう問題もあるというふうに思います。  いずれにいたしましても、企業がこれまで日本経済に果たしてきた役割は高く私どもも評価をいたしておるわけでございますが、一部企業の行き過ぎた行為ということもありますので、やはり企業の社会性という観点から、社会におきます構成員の一員として適切な対応ということをとられるように私どもも望むものでございます。
  60. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 極めて御懇切な説明をいただいたわけでございまして、しかし私は全面的にこれほど私と意見を同じにする正しい認識を伺ったのは初めてでございまして、私は、これが民社党さんだけではなく、私がと言われた四野党さん全体であることを心から望むものでございますが、四野党案は残念ながら、そういう実態であるにもかかわらずこの法人税制の確立の流れに逆行いたしまして、企業活力をむしばむような法案であるわけでございます。  四野党の消費税廃止代替財源案は、普通法人の基本税率の経過措置四〇%の延長のほかに、この後出てまいりますが、貸倒引当金、賞与引当金の圧縮、受取配当益金不算入制度の圧縮、今やりました、外国税額控除制度の圧縮を予定しているわけでございまして、企業に対する大きな増税でございます。しかし、こうした措置は国際的な法人税制の確立を目指す今日の税制改革の流れに逆行すると今申し上げましたが、野党が言う企業税制といえば、ともすれば何か企業優遇とか企業エゴイズム、こういうものだけに結びつけられるようなことも多かったわけでございます。しかし、我が国経済の牽引車である日本の代表企業の多くが、実はその企業自体も大きな不安をそういう野党さんの考え、連合政権には今抱いているわけでございます。  利益の半分を納税する、こういう重税はじわじわと企業の活力や体力にダメージを与えることになるわけでございまして、このまま税が企業をむしばむわけです。二十一世紀は日本の時代と。今までは日本は企業で伸びてきたと。今おっしゃったとおりでございます。これが日本の時代どころではなくなるわけでございまして、企業が国際競争力を失い活力をなくしていけば、先ほど申し上げたように、個人の生活にも支障が生じるのでございます。企業税制のあり方は決して企業のエゴイズムというとらえ方ではなくて、国民全体の問題としてとらえる必要があると思うわけであります。  今日の日本経済の繁栄を支えたのは企業の活力であり、経済、雇用の支えはやはり企業の活力であることは厳然たる事実でございます。企業活力を維持することこそが自由主義経済の発展につながるものでありまして、野党の言うような法人税制では企業の成長は望めないわけでございまして、ひいては日本経済全体の停滞につながりかねない。今日求められているのはむしろ法人税の減税でありまして、もはやいかなる企業の増税の余地もないのであります。野党の財源案は過去のゆがんだ税制への逆戻りでありまして、国際的整合性を無視して財源を取りやすいところからとりあえず求める、こういうことで、日本の発展のエンジンを食いつぶすものになると言わざるを得ないのであります。  企業の国民税制二年間じゃないか、こういうお答えが多分返ってくるので聞きませんが、企業にとって二年間は昔の二十年間です。この二年間のブランクによって一歩行き違えば国際競争力を大きく失い、下降線に入ったときにはこれはもう一方的にいくというのが、これがビジネスの世界のメカニズムでございます。このことは私は勝木先生が一番よく御理解じゃないかと思うわけでございまして、日本国民の大部分はそういう生活の中にいるわけでございますから、そういう皆様に不 安を与えないような法案にしていただきたい。  午前中はこれで休ませていただきます。
  61. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十分まで休憩いたします。    午後零時八分休憩      ─────・─────    午後三時二十一分開会
  62. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) ただいまから税制問題等に関する特別委員会を再開いたします。  この際、御報告いたします。  昨日の委員会におきまして松浦君から提起されました問題につきましては、理事会において協議の結果、修正するということで合意いたしましたので御承知おきください。     ─────────────
  63. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) それでは、休憩前に引き続き、消費税法を廃止する法律案、消費譲与税法を廃止する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案、税制再改革基本法案、法人税法等の一部を改正する法律案、通行税法案、物品税法案、入場税法案及び地方税法の一部を改正する法律案の九案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  64. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 午前中に引き続きまして、質問を続けさせていただきます。  今まで御発言をいただいたところ、あるいは各党を代表して御発言をされたところで、質疑の中で御質問を申し上げたいところがまだまだたくさんあるのでございますが、論議の十分厚みのないところというのもたくさんございますので、そちらの方をピッチを上げて進めさせていただきたいと思います。  先ほど課税ベースを広げる、こういうお話をしたわけでございますが、具体的には法人税の中では課税ベースとして、わかりやすい方で賞与引当金に対する案ということで、賞与引当金は廃止を前提として当面二年間で二〇%圧縮する、こういうふうに提案をされているわけでございますが、その内容あるいは根拠というものを御説明いただきたいと思います。
  65. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) お答えいたします。  賞与引当金につきましては、課税ベースを拡大する観点から将来的にはその廃止を目指しておりますが、今回は二年で二割圧縮する、つまり一年につき一割ずつ圧縮する措置を提案いたしております。賞与引当金などの負債性引当金は、諸外国では会計上は計上されても税制上は認められていないものもあります。引当金は将来の支出に備え、その出費が企業経営に重大な悪影響を及ぼすことのないよう設けられている制度でございますが、人件費の増加は高度成長期に比べれば穏やかでございます。しかも賞与は継続的に支出され、比較的短期間に支出されるものであることを考慮すれば、賞与引当金を圧縮しても企業経営に及ぼす影響は少ないと感じてこのように提案をした次第でございます。
  66. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 今、外国ではやっていないところもあると言われたのでいいといたしますが、具体的にはといきたいところですが、今最後に企業経営に悪影響をもたらさない、こういうふうにおっしゃったわけでございますが、私はこの賞与引当金というものの考え方は、企業経営という考え方よりもこれをもらう従業員、こっちの方の考え方に立つべきではないかと思うわけでございます。  といいますのは、今発議者御自身が御指摘のように、負債性引当金である、こう言われましたね。そのとおりでございまして、もともとは社員、従業員がもらう権利があるものをそれを払わないでためておいているわけでございますから、それには暦年基準でやるとか、あるいは支給対象期間基準でやるとか、やり方はいろいろあるかもしれませんけれども、わかりやすい言い方で言えば、来年の三月が決算になる、その決算内に、来年の六月にもらうべき自分のものを引き当てて置いておくわけですから、言うなればこれはもう従業員にとっての保証をしているような話でございます。  だから企業に影響を及ぼさないとか、そういう考えでもし課税を強化するということでしたら、それは趣旨がちょっと違うのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  67. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 確かにお説のように、働く者にとっての考え方として一つのその考え方もあると思いますけれども、現在のような短期間で賞与が支出されていく、こういう形になりますし、それを支出すれば当然損金に入るわけでございますし、政府もこの前の売上税のときには四年間で廃止するというふうな方向もつくっておられました。こういうことを考えながら圧縮する。しかし、これを全廃する方向にはまだまだ時間もかけながら討議をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  68. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 そうなんです。今、全廃を前提としておっしゃっているんですね、いずれにしても。すぐであるかはともかく、廃止を前提としている。そういうお考えが、むしろ今まで野党さんの御主張されていた従業員のお立場を守る、こういう考えに逆行するんじゃないか、考え方が私は正反対ではないかと思うわけでございます。  そして、政府もしたからとまたおっしゃいましたが、私はここは複雑な立場で立っているんですが、純粋な理論からして、政府がしたからいいということにはならないわけでございまして、私もビジネスマンの一人でございましたから、会社にとっては義務でございますから、こういう負債性のそれを確保しておくということは当然のことであって、短い、すぐもらえるんだからよかろうと。これは現実はそうかもしれない。しかし、理論上からいったら、私は野党さんがこういう案を出してこられるこの意味が非常に解せないのでございます。  民社党さん、いかがですか。
  69. 勝木健司

    ○委員以外の議員(勝木健司君) 山岡先生おっしゃいましたように、私どももそういう考え方を持っておりました。しかし、いろんな不公平税制をなくす中で、そういう聖域をやっぱり設けるべきじゃないということで、そういうことで決断をしたわけでございまして、また、それ以外に退職金の問題とかいろいろありますけれども、とりあえず今回は四党で圧縮をするということで合意に達した次第でございます。
  70. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 そういうお考えであったのはよく理解しているわけでございますが、今不公平税制と言いましたが、それはお考え方はいろいろなのかもしれませんが、これは私は不公平税制ではないと思うわけでございまして、これは従業員の権利、幾ら三カ月先の話であろうと、もうそれは自分の所有権と同じなんですから、これをきちっと守ってあげる、私は何もこんなことで全廃をして切り詰める、こういうようなことはしなくてもいいんじゃないかと思うわけでございます。  さらに、この引当金というものの本来の性格が、大体引き当てたものを前倒しで先取りするだけでございますから、これは先に取るかこっちに取るかだけの話なんです。だから権利として確保されたものを、もうこれは上げるものだから負債にしておくんだよと、こういうふうにしておくのを先に取るという話ですから、別段財源がふえるわけでも何でもない。わざわざこのような一回限りの目先の税収のために従業員の引当金まで廃止、圧縮しようと。私は、野党さんのためにも、こんな法案はおやめになった方がいいんじゃないか。これは私の見解だけ申し上げておきます。  次に、貸倒引当金でございます。貸倒引当金につきましては、その繰り入れ率を実態に合わせて三年間で段階的に各業種おおむね三分の一圧縮をすると、こういうふうに提案をされているわけでございますが、その内容と根拠を御説明いただきたいと思います。
  71. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) お答えいたします。  貸倒引当金に対する考え方として、将来の貸し倒れに備えて引き当てたものを損金算入する貸倒引当金制度は必要であると考えております。アメリカのように原則的に廃止する考えは今のところ 持っておりません。  しかし、貸し倒れの実態に即した見直しをしていかなければならないと考え、貸倒引当金につきましては、その法定繰り入れ率を次のように圧縮いたしました。例えば、千分比で申し上げますが、卸小売業種では現行一〇、実績率五でございます。それを九、八、七として九二年度以降を七にして考えていきたい、こういうふうに実績を見ながら圧縮したわけであります。段階的に圧縮したのは、激変緩和を考えており、圧縮の数字は実績率を勘案しております。それも余裕をある程度持たせており、混乱は生じないと考えております。  なお、貸倒引当金の率につきましては政令で定めるものでございますので、私どもの提案を踏まえて政府においても適切に措置されますよう要請をしておる次第でございます。
  72. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 貸倒引当金は必要である、こういう御認識は持っていただいているわけでございますが、どうも貸倒引当金というと、何となく政策税制的なものではないんだろうか、こういうニュアンスがあるので、これに課税を強化していこう、こういうお考えがあるんじゃないかと思うわけでございます。今御説明にもありましたが、貸倒引当金というのは企業会計上認められている制度であるわけでございまして、ちなみに企業には受取手形、売掛金、前渡金、貸付金、立てかえ金、営業上これはいろいろな金銭の債権があるわけでございまして、この貸し付けの貸し倒れ見積もりを考えて積んでいく、こういう制度であるわけでございまして、損金算入を認めている。現在これを否定するという税法的な根拠はないんです。  また、政府がやったからとおっしゃるんだったら、それはこの際言わない方がいいわけでございまして、要するに金が取れるからというならわかるんですが、今この税理論をやっていきますと、これは合法的に必要であるということで認められてあるわけでございまして、したがって、企業を助けたり育成しようとするというような政策減税的にとらえて、だから課税なんだ、課税ベースを広げるんだ、妥当であるんだと、こういう考えに立脚すると基本的な間違いを犯すのではないかと思うわけでございますが、この点いかがでございますか。
  73. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) お答えをいたします。  私たちもこれを全廃しようなどという考え方はないんです。ただ、実績との乖離があります。そういう立場でそれをできるだけ狭めよう、こういう考え方が一つあるわけでございます。御承知だと思いますが、貸し倒れ金総額が三兆二千億のうち金融、保険関係が一兆五千億ぐらいあるわけでございます。そういったような非常に金融関係で苦労しておられるところも実績率が一でございますから、三でありますものを二までにしたいと、こういう考え方であって、実績の乖離を縮めるというのが考え方の主でございます。
  74. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 それはこれからよく聞いてまいります。まだ金融の問題は出していないのでございます、お答えにならなくて結構でございます。そういうものだということをぜひ御理解いただきたいわけでございます。  また、この貸倒引当金は、中小企業に対しまして、中小企業の認定ですが、期末資本金が一億以下の法人、あるいは相互会社以下の法人においては、不測の事態に備えて貸倒引当金を一六%増して積み立てを認められているわけでございまして、このように中小企業に対する手当てもしてあるんだと、こういうことを御認識いただいておりますでしょうか。
  75. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) お答えいたします。  中小企業の金融機関や累積債務問題には適切に配慮をしていきたいと考えております。そういう配慮の仕方を考えれば大きな問題は生じないのではないかと、こう考えております。
  76. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 考え方はわかりました。そうなっているということを申し上げているのでございます。  今、繰り入れ率を実態に合わせてと、また貸し倒れ実績はこういう実態だ、こういうことを一部御説明いただいたわけでございますが、私はその数字はそのとおりだと思うわけでございます。しかし、その貸し倒れの引当金というものが果たしてどういう数字で出したら妥当であるか、こういうことになりますと、これはかなり実態を、つまりビジネスを見ながら詰めていかなければ一概に判定できない、決めかねる、こういう問題ではないかと思うわけでございます。  といいますのは、貸倒引当金を過去の実績、経験値、こういうもので決定するということも確かに一つの方法であるとは思います。どうやって出すのかといったら、いろいろあるわけですから、それも一つの方法ですが、しかし、貸倒引当金繰り入れ率を議論する際には、過去の貸し倒れの率であって、しかもそれは企業全体の平均値だということをお忘れいただいては困るわけでございます。倒れるところは平均値でいくんじゃなくて、平均値以下は全部足りなくなるんだと、こういうことで、貸し倒れの趣旨というのは、万一貸し倒れたときにそこで企業が倒産したりそういう事態が起これば、先ほど御質問申し上げましたが、そこには従業員もあるいは商品の問題も絡んでくるし、国民も絡んでくるし、いろいろな問題が絡んでくるので、そういうことのないようにやっているわけでございますから、平均がそうだからいいんだ、だから縮めるんだ、こういうことでは私は貸倒引当金の趣旨には沿っていないと。それを言うなら、繰り入れ率は過去の最大の実績率というものを見て引き当てにさせるのがよりよいのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
  77. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 過去の最大と申しましても、一つ一つについて大変な作業が要るわけでありますが、私たちは五年間の実績を持ちました。そして、先ほど数字を申し上げて、まだ聞いていないと言われましたが、例えばその五年間の実績率に対して余裕を持たせている、こういう考え方でございます。千分比で卸小売が九二年度以降は七、五年間の実績率は五、こういったような形で用意をいたしておりますから、十分これは配慮をし、また対応できるものと考えております。
  78. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 私が申し上げているのは、余裕があるとおっしゃっているのは平均同士で余裕があるということですね。それはそうです、平均同士なら余裕があるんですが、果たして貸倒引当金の趣旨が平均同士でよろしいのかな、むしろ平均より悪いところが貸し倒れ率が高いのであって、平均より高いところはないんです、そういうことは。ですから、平均で余裕があるからというのは、平均で給料でも払おうというならまだいいですけれども、ひっくり返ったときという話ですから、そういうものの趣旨からいったら、平均ならいいというお考えは余りよくないんじゃないですか。しかも余裕があるというけれども、私は平均でとらえるのじゃなくて、悪い方でとらえたらと、こういう観点で申し上げているわけでございます。お答えは結構です。  それでは、各業種おおむね三分の一圧縮と今お答えになりました。そしてお聞きする前にお答えいただきましたが、私が申し上げたいのは貸倒引当金と一概に言ってもいろんな業種があるわけでございます。業種によっても中身もかなり違うわけでございますが、おっしゃるとおり金融・保険業がその中で最大でございます。今の数字のとおり、四六・何%と言われましたですね、約五割近いものが金融、保険でございますから、この際せっかく言っていただいたわけでございますから、一つずつの業界をやっていったらこれは大変ですから、きょうは金融、保険だけ取り上げて、じゃその実態というものを考えていただこう、こういうことでございます。  私もそういう関係には詳しくない方ではない、つまり詳しいということでございますが、様子が大変変わってきているわけでございます。そして、金融機関をめぐるリスクというのが非常に多様化し、拡大してきている。抽象的な表現で言えばそういうことでございまして、これまでのような貸 し倒れ実績率、すなわち、百歩譲って先生のおっしゃる平均なんだということで考えてみても、今までの実績でそれでよいのかな、こういう疑問を持つわけでございます。  金融機関の貸し出しというのは、今までは先生御案内のとおり製造業が中心だったんです。そうですね、だれが考えてもそうなんです。製造業が中心、そして担保つきなんです。みんな怒ってもおりました。いろいろ理由があるんですが、製造業で担保がなきゃ借りられないじゃないか、そういう御指摘も私は大蔵委員会で聞いたような覚えがあります。そういうものが主流であったんですが、最近は産業構造が大変変わってきております。経済のサービス化に伴って、流通・サービス業、これが非常に広がってきた。今度の消費税の問題もまさにそうなんです。形態が変わってきた、それに合わせる税制を考えなきゃいけないというのがこれからの税制であるわけでございます。ということはまた、サービス業だけじゃなくて個人向けの無担保貸し出しという割合も非常に増大してきたんです。  もちろん金融自体が緩んで貸し場がなくなってきたということもあるのかもしれません。しかし、おれが貸した金をなぜ貸さない、こういう批判も非常に強くあるわけでございまして、そういう個人への貸し出しも非常に強くなってきた。つまり、中小企業、個人分野の資金需要が非常に高まってきて、その貸出量も多くなってきた、こういうふうに世の中が変わってきている。数字で申し上げますと、業種別貸出残高の推移は、昭和四十年ごろは製造業が四八・七%、大体製造業が半分だったんです。しかし今は製造業は一七・四%です。これにかわってサービス業や個人向けがその分増大して、それだけでももう三割になって、製造業向けの大体倍近くにまで今なってきているという実態なんです。  また、全国の銀行の規模別の貸出残高の推移を見てみますと、大企業は貸し出しは年々減少、中小企業はふえている、また個人もふえている。そこも先ほど申し上げたように入れかわって、これらに対する貸し出しのウエートは今や八割近くにも達している。このような実態の変化をとらまえて税制というのは定めなければならないと思うわけでございまして、そういう意味からしますと、こういうことは別に悪いことじゃないんですよ、大変結構なことなんです。しかしそれに備えるような貸倒引当金というのはむしろそれに対して厚みを増しておくこういう時勢に、これを圧縮していく。反対ではない、なくそうとは思っていないが圧縮しようと。それはまさに時代の要望に反すると思うわけでございますが、太田先生いかがですか。どうぞどなたでもいいですよ。
  79. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 貸倒準備金は今の法律に基づいた考え方で、現行法に基づいた形で実績率を計算してやったわけでございます。アメリカの場合を申し上げてみましても、アメリカでは貸倒引当金は総資産五億ドル以下の小銀行のみでございまして、他の国でも貸倒引当金というものは余り日本のような形での実施はありませんけれども、私たちは今の業界の実績を考えまして、やはりこれは残しておかなきゃならないという考え方だけははっきりいたしているつもりでございます。
  80. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 残しておくということは結構なんです。それはよくわかりましたと今も申し上げているんですが、残しておくかどうかという論議ではなくて、むしろ貸倒引当金というのはもっと緩めてやるような時代になっているのにどうして圧縮をするんですかと、こういうことを私はお聞きをしているのでございますが、それではまたそのほかにこの貸倒引当金の問題を申し上げますと、今申し上げた中小企業やサービスや個人、これはすべて危険率が高いんだ、こういうことは断定はできないわけで個々の差はあります。しかしだれが考えても平均で考えれば高くなるということは当然わかるわけでございまして、数字がこれほど入れかわったら危険も増大をしている。すなわち貸し倒れリスクというのが非常に顕在化しているわけでございます。  そして特に貸倒引当金の趣旨というのは将来の不測の事態に備える、こういうものであるんですね。将来の不測の事態に備えるのが貸倒引当金であるわけでございますから、このように各種のリスクが小さかったときの過去の貸倒引当金、その数字の実績と金融機関をめぐるリスク、金融機関だけをとってみてもこのように多様化、拡大してきている貸倒引当金とは全く趣を異にすると思うわけでございまして、そういう意味ではこの税制というものは経済の実態、そういうものから見ると非常に逆行していると思うわけでございます。どうかということはもうお聞きしません。  そのほかに実績ということで申し上げますと、金融・保険業における貸し倒れ実績率と貸倒引当金の繰り入れ率との乖乖離と先ほど言われました。特に高いとしばしばこれは一般的に言われていることでございます。現在のように金融緩和下における実績率と比較することは私は余り意味がないんだと、こういうふうに申し上げているとおりでございます。といいますのは、一たび金利が上昇して金融引き締めという事態になったときには貸し倒れリスクが一挙に顕在してくるわけでございまして、これは危険が増してくるとみんな締めちゃう、連鎖反応で締めていっちゃうわけでございますから平均的にはいかないんです。  ビジネスをやっていてわかることだと思いますが、これはもう一挙にいき出すとみんな締めちゃう。例えば石油がなくなるといったらみんなトイレットペーパーを買っちゃう、こういうことで実際は日本国じゅうそんな必要はなくてもそういう動きになっていっちゃうわけでございますから、こういう急激な生き物の変化というものに備えて用意をしておかなければならない性格のものである、こう私は申し上げたいわけでございます。  例えば昭和五十二年に、五十二年ですから十年ちょっと前ですが、都市銀行の貸し倒れ実績率は平均で千分の四・二だったんです、現に。それはその年だけじゃないかといったって、これはもうその年はそう実績がいっているという現実もあるわけでございまして、現在の繰り入れ率の千分の三をはるかに上回っている。それをなおさらもっと今度危険が増していったのに縮めていこう、こういうことは大きな問題ではないかと思うわけでございます。  また、きょうは名前は申し上げませんが、個別銀行ベースで見てまいりましても、大手銀行と言われているところでも、今までに大型倒産の影響によって、現行の繰り入れ率を大幅に上回る千分の十六、千分の十一、こういう実績もあるわけでございます。こういう現実というのをよくお知りになっていてこういう税制をおつくりになろうとしているのでございましょうか。
  81. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 私たちがこれを考えますときには、やはり過去の平均した実績率をもとにして考えざるを得なかったわけでございます。  先ほど申し上げましたように、個々具体を一つ一つ取り上げてという形ではなく、五年間の実績で申し上げたわけでございます。そしてまた、御承知のように、今回の提案も段階的に考えてまいりたい、こういうふうに考えておりますから、決して直接的に影響があるとは考えられないと思っておるところでございます。
  82. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 過去の実績といいますと、いろいろな中身があるんです。例えば、どういうことを言っておられるのかといえば、金融機関は過去の実績が非常に少ない、こういう意味のことを言っておられるのだと思いますが、しかもボリュームがたくさんある、だからその分が余裕があるんじゃないか、こういうことだと多分受けとめるわけでございますが、金融機関というのは貸し出しを本業としているんですね、ほかとは違うんです。ほかにもいろんなものが、売掛金、前渡金等がありますが、しかし金融機関というのは貸し出しを本業としている。いわゆる与信管理面ではプロなんですね。プロがやっていることなんです。当然その幅があってしかるべきことなんですね、まず 第一点は。  したがって、他業種と単純に比較して実態に余裕があると言うのはおかしいんであって、どうしておかしいかとさらに申し上げれば、それは金融機関の公共的性格というのが非常に強いわけでございまして、ここに万一の事態があったときには経済社会に与える影響は極めて高いわけでございます。実態に合わせてということをそのままそろばんで入れていきますと、半分以上あるのが金融機関なんですね。しかも、その金融機関の倒れた実績が一番低いんです。だから、もろに大部分は金融機関に行く影響になるものなんですね、全体は、実態といったって、余裕があるように見えますから。  しかし、それはこの公共的な性格、プロが一生懸命やっているところですから、そういうところに偏ってしまうということは、非常に問題が残るわけでございます。いずれにしても、この貸倒引当金というのは、下の方を見て、万一のことがあったとき、最大とも言いませんが、最大と言ったら切りがありませんから、例外がありますから。しかし下の方を見て基準にするのがやっぱり正当な考え方だと思います。平均で考えるよりも危ない方を見て考える、それが貸倒引当金なんです。そういう考えでやっていけば、私は今よりも緩和こそすれ、圧縮をしていく、締めていく、こういうことは逆行であると思うわけでございます。  さらに、次の問題を申し上げますが、今金融は自由化、国際化、金融だけじゃありませんけれども、自由化、国際化ということが非常に進んでいるわけでございまして、こういう中にあって、増大する内外のリスクに対応していかなきゃならない、さらに信用秩序の維持をしていかなきゃいけない、これが金融機関の重大な責務であるわけでございますが、そのためには何よりも自己資本を充実しておく。日本の資本というのは平均的にみんな低いんですね。これを充実しておくことが国際的になった場合には非常に必要になってくる、こういうことを考え、万一金融機関が倒産したときに国民に与える影響ははかり知れない、こういうことからそのことを考えていかなきゃ国際面からもいけない。  しかし、今おっしゃるとおり、金融機関の倒産というのは日本の場合は皆無なんです。しかし金融自由化が進展する中では、これは今までの例はやっぱり当てはまらないということなんですね。国際的には、こっちで幾ら一生懸命やったって相手が大きな問題を起こすこともあるわけですから、今までと情勢が非常に変わっている。アメリカの例も言われましたが、アメリカでは貯蓄銀行の倒産が現に相次いでいるわけでございます。この原因は金融自由化の問題だけだというのでは無理でございますが、やはり企業体力がないというところに倒産の原因があるわけでございまして、そういう意味でも、将来の貸し倒れ損失に備える金融機関の自己資本を補完する、こういう意味でも貸倒引当金は重要な問題になっているわけでございます。  今まで日本経済は順調に伸びてきた、こういう中にありましたが、経済成長もそろそろ世界の中で日本だけがと、こういうわけにはいかなくなってきたんじゃないか、限界だと認識されているわけでありまして、経営環境も非常に厳しい状況になってきているわけでございます。自己資本を体力をつける、そういう意味で貸倒引当金の果たす役割は非常に大きなものとなってきていると私は認識しているわけでございますが、いかがでございましょうか、そういう点については。
  83. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 自己資本と引当金は私たちは直接関係がない、こう考えております。
  84. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 直接関係がないと。名前は違うわけでございますが、中身の体力と私が申し上げたわけでございまして、分類をどっちなのかと、こういう話で申し上げていくならそういう論理の仕方もあるわけでございますが、揚げ足取りみたいになるから私はやめているのでございまして、考え方の問題を伺っているんです。これとこれは名前が違うし関係ない、そう言われるとそれじゃと、こういうふうにも言いたくなるのでございますが、それはやめておきます。  さらに、今国際的な問題というのが大きな問題になっているわけでございますが、我が国の金融機関は累積債務国に多額の債権を有する、ある意味じゃ有さなきゃならない、こういう実際の貸し倒れのリスクも非常に顕在化をしてきているわけでございます。  例えば、本年四月のブレイディ提案によって、メキシコ向けの債権については三十数%、三五%ぐらいですかね、多額の債務削減に応ずる、つまり放棄する、こういうことが合意されているわけでございます。先進国として、世界のリーダーとしてそうせざるを得ない、会社の商売だけというわけにいかないと。このような国際環境の中で、貸倒引当金の役割はますます重要となってきていると思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
  85. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 金融、保険関係は、実績一、千分比ですよ。現行が三でございます。それを二にして、私たちのこの数字でも一番倍率を大きく実績に比べては見ております。  また累積債務の問題は、これはやはり適切に配慮していくという方式を考えてまいりたい、こう思っております。
  86. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 配慮しようというお考えはあるということを承りましたが、今配慮していると言われましたが、大体全部率が同じで、結果的には、金融のボリュームが高いから、ボリュームで言えばそうかもしれませんが、特別に配慮しているということじゃないと思います。今までのものを踏襲して移している、こういうだけだと思うわけでございます。  今配慮していると伺ったんですが、それじゃお伺いしますが、開発途上国向けの融資を減らさなければならならない、こういうことにもしなったら、つまり貸倒引当金が十分に確保できない、こういうことになりますと危ないわけでございます。補てんできない。そういうことになりますと、金融大国である我が国の責任をこれは十分果たさない、こういうことになると思うんですが、その点はいかがでございますか。
  87. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 今回の引当金の減少、圧縮、これでそんなに大きな問題が出るとは考えておりませんし、累積債務問題にも適切な配慮を加えていくということを考えてまいりますと、大きな問題にはならないのではないかと再三申し上げているところでございますが。
  88. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 配慮を加えているとお口で言われても、それじゃどう配慮を加えているんですか。貸倒引当金を現に圧縮しているわけでございますから、配慮を加えていると言っても、これはそういういろいろな問題が起こりますよ、こういうことを申し上げているんです。いいですか、私は、これで金が幾ら確保できる、これはこういうものだということではなくて、貸倒引当金に対して課税をしよう、こういう場合には貸倒引当金というのはどういう性格を持って、今どういう実態で、どういういろいろなものとの関連があるかと、今関連の話をしているんです。性格が違うとにべもなく言われると困るんですが、そういうことをよく踏まえた上でやるべきだ、こういうことを申し上げているんです。配慮をする、こう言っても、今の段階で聞きたいのは、それじゃ少なくともここに関して減らしておいて配慮したということは成り立たないわけでございまして、減れば配慮も減りますよと、これについてですよ。別な法案をつくれば別ですよ、こういうことを申し上げているわけでございまして――いいんですか、お手を挙げておられますけれども、何かありますか。
  89. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) 現在配慮しているわけでございます、配慮をしていくべきであるという考え方を申し上げているのでございます。
  90. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 考え方は先ほども伺いましてよくわかりましたと申し上げているんです。配慮してやっているとおっしゃるから、どういうふうに配慮しているかと、こういうふうにお伺いを申し上 げたわけでございます。  まとめて申し上げますと、金融機関の場合は、累積債務問題への対応、国際的な統一自己資本比率の達成、維持など、実はこういう問題もまた今抱えている問題でございます。銀行経営の質的な充実を図るという観点から、昨年七月に、先進各国政策当局の参加により自己資本比率規制の国際統一基準、こういうものが設定されたわけでございまして、我が国でも昨年の三月にさかのぼってこれが実施されているのであります。国際金融機関は、将来にわたって一定の自己資本比率を達成、維持していくことが我が国に求められているわけでございまして、現在都市銀行の自己資本比率というのは経過基準で平均九・一%、確かに八%の最低基準はクリアしているわけでございますが、最終ベースで最も低い銀行で今七・一%、こういう数字でございまして、最も高い銀行で八・六%、銀行によってはまだ相当なばらつきがあるわけでございまして、十三行中七行が最終基準をクリアしていない、こういう現実もあるわけでございます。  国際統一基準の自己資本比率、これは単なる努力目標で定められているわけではないのでありまして、国際金融業を営む銀行の最低基準としてG10諸国間で合意されているものなのであります。したがって、この最低基準をクリアできなかった銀行は国際金融分野から締め出されかねない、こういう新しい問題もあるということをぜひ御念頭に入れておいていただきたいと思うわけでございます。  また、仮にこの所定の自己資本比率を達成したとしても、分子である自己資本の充実が図られなければ、一定の自己資本比率を維持していくためには分母である貸し出し等を圧縮しなければならないんです。貸し出しができないんです。このことは銀行の経営のみならず、国民経済に重大な影響を及ぼすことになるわけでございます。  そのような観点から、貸倒引当金の圧縮ということは、国民生活の安心、安定という上においても、また個人、中小企業にとりましても、国際的責任を果たす上においても大変大きな問題であって、今は金融・保険業一つを例にとってみてこれだけいろいろな多様性があるわけでございますから、この点を十分考えてやらなければならないと思うわけでございます。  金融はやめまして、もう時間がありませんから、引当金全体について申し上げますと、引当金と留保金といった種類の積立金あるいは準備金と間違った議論がよくなされるんです、この何とかベースをいろいろと言いながら。しかし、この引当金というのは、一般的、偶発的、不確定な損失に備えるものであるわけでございまして、これは非常に保険と似ているんです。そして、一方においては利益がある場合に限って積み立てができる、これが積立金、準備金になるわけでございまして、性格がおのずと異なって、前者は特定の目的のために正確な期間損益計算上必須のものとして、利益があろうがなかろうが引き当てを求められている、こういうものであるんですね。  したがって、利益があろうがなかろうが、これは安全のために引き当てなきゃならぬ、こうなっているもので、経営の当然必要な経費なんでございます。そういう内容や変化、こういうものをよくとらまえて、時勢に合わせて課税していくのがこれからの税制であるんではないかと思うわけでございます。政府のことは言いたくありませんが、金があるから政府が取っておるから、何となくそこからいただいてもよろしいんじゃないかと、それだけではどうも論理に乏しい、こういうことを申し上げたいわけでございます。  時間がなくなってきて、外国税額控除あるいは不公平税制についていろいろそれぞれお聞きしたいんですが、これは時間があれば後からお聞きすることにいたしまして、次に、キャピタルゲインについてお尋ねを申し上げます。  野党の代替財源案には個人の株式売却益に対する源泉分離課税制度に関して、一取引当たりの株式売却益を七%とみなす、これに二〇%の税率を掛けて売り上げの一・四%と、こういう案でございますが、これは現行一%の四〇%にもわたる増税であります。有取税の〇・三%から〇・四%、この引き上げと相まって、証券市場に重大な影響を与えるおそれがある。これは今まで前の方が指摘したところでございます。  そこで、野党は税制再改革法案の中で「総合課税を一層推進する」、総合課税については時間があったら後でお聞きしたいんですが、「所得税体系の再構築を図る」、こういうふうに言っておられるわけでございます。基本的な方向を言っておられる。しかし結局今回具体的に出ているこの代替財源措置としては、源泉分離課税のみの強化が目立っているわけでございますが、その点について何ゆえこのところに課税をするのかお聞かせをいただきたいと思います。
  91. 勝木健司

    ○委員以外の議員(勝木健司君) 不公平税制の是正を私どもは最優先事項ということで、特に資産課税の強化ということについて考えておるわけでありまして、近年顕著になっております資産格差の拡大というのは資産所得あるいは資産保有に対する課税の手ぬるさにも大きな原因があったんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。資産課税の強化を速やかに実施をしなければ、今日見られるような個人の努力あるいはオ能とは無関係に拡大をいたしております資産格差を解消することはできないというふうに思うわけでございます。昭和六十三年度の国民生活白書でも、経済企画庁は、地価とか株価の高騰が引き起こした持てる者と持たざる者との資産格差の深刻さを物語っておるように思います。  そこで、この資産課税は、資産の保有そのものへの課税、また資産運用により得られた所得への課税、資産の相続、贈与に対する課税、この三本の柱から成り立っておるわけでございますが、私どもは、総合的な資産課税体系の構築を目指しておるわけでありますが、とりわけ株式のキャピタルゲイン課税については、その適正化、総合課税体系の整備に重点を置いて取り組んでおるわけでございます。  そこで、さきの税制改革によりまして株式のキャピタルゲイン課税が実現を見たわけでございますが、しかし、この改正はみなし源泉分離課税の選択を認めるなど、改革はまだ道半ばだというふうに思います。そこで、株式の譲渡益課税などを初めとする資産への適正な課税のためにはやはり納税者番号制度というのが必要不可欠なものであることは共通の認識になりつつあるというふうに思います。そこで、そういった意味から今回はそのキャピタルゲインの課税が実現したわけでありますから、その延長として私どもは、将来的には総合課税制度を目指すわけでありますが、今回は政府の改正に上積みをさせていただいたというふうに考えております。
  92. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 将来目指している割には何ゆえに源泉分離をこうやって強化していくのか、将来目指しているものと逆行するじゃありませんかということを言っているんです。いずれやることと正反対のことを一生懸命強化していくというのもおかしいじゃないですか、私の申し上げたいのはそういうところでございます。  今、資産課税を強化して不公平を是正すると、こう言いましたが、それは別な方法論の話であって、これをやっている人たちがみんな金をためて、不公平だ、ずるだ、だからやるんだ、強化したんだと、私はそういう課税の仕方は適切ではないと思うわけでございます。  そこで、この内容について申し上げるわけでございますが、今もお話しのとおり、株というと金持ちとかあるいは大企業とか、こういうふうにイメージが行くわけでございますが、それじゃ企業の方を先に今出てきましたから申し上げますと、法人が稼得する株の売却利益、法人が得た売却利益、これには何税が課されるようになっておられますでしょうか。
  93. 勝木健司

    ○委員以外の議員(勝木健司君) 法人税が課されます。
  94. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 おっしゃるとおりですね、わざわ ざ言わせて申しわけなかったんですが。要するに、法人が株を売って得たものは法人税なんです。ちゃんとそれは払うわけですから、このキャピタルゲイン課税というのは別に法人が売った株のもうけに課税しているんじゃないんです。これはそもそも違うんです。そういう誤解がありますので、先生はよくおわかりですが、お聞きしたわけでございまして、したがって、企業が株を売ってもうけている、これはもう全然別体系。  この法律はどういうことを意味しているかといいますと、つまり、法人じゃないところに課税になるわけでございまして、実際にはこの野党の改正案でこの対象となるのは零細な投資家が多い。みんな零細じゃありませんが、個人投資家のみを直撃するような法案に結果的にはなるわけでございます。それについてはどのようにお考えでございましょうか。
  95. 勝木健司

    ○委員以外の議員(勝木健司君) 法人と個人株主ということで、私どもも個人株主数は一体どの程度なのかということを調べさせていただいたわけでありますが、全国証券取引所協議会の株式分布状況調査によりますと、昭和六十三年度の場合は、所有者ベース持ち株比率を見ますと、個人所有が二二・四%となっておりまして、その他の所有が法人等で七七・六%となっておるわけでございます。同じく全上場会社の所有者別の単位株主数では、昭和六十三年度の場合、個人が九五・四%、法人等が四・六%となっております。人数で見てみますと、総数二千二百六十九万四千九百十八名のうち個人は二千百六十四万四千二百一人となっております。
  96. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 このように、世の中で株に対する大変な誤解があるわけでございまして、まず法人は別な税制なんだ、そして、個人も今おっしゃったように大変な数になっているわけでございます。むしろ、これからの我が国株式市場のあり方ということを考えますと、個人投資家の存在というものがあらゆる面でキーポイントになっていくのではないか、きょうはそのテーマでお話を申し上げたいわけでございます。  今回提案をされておりますキャピタルゲイン課税、また有価証券取引税の引き上げ、これは今申し上げたとおり、結局は個人投資家を直撃するものになるわけでございまして、このことは我が国の株式市場、ひいては我が国経済そのもの、あるいは世界経済にも重大な影響を及ぼすんだ、こういうことを今申し上げたいわけでございます。  ついでにその前に聞いておきますが、それじゃ、その個人投資家というのは、大部分の方は、この税の払い方には二種類あるわけでございますが、申告分離をするのか源泉分離をするのか、どっちだと。数字はおわかりだと思いますから、源泉分離課税する率はどのくらいでございましょうか。
  97. 勝木健司

    ○委員以外の議員(勝木健司君) 有価証券譲渡益の課税の源泉分離課税の選択については本年四月一日から実施されておるわけでございまして、山岡先生の質問の趣旨に十分答えられるかどうかわかりませんが、手持ちの資料の範囲内で、国税庁の調査で昭和六十三年の源泉所得税の課税実績について見てみますと、平成元年度の四月一日から六月三十日までで千三百六十一億となっております。また、日銀が今年の四月に証券会社からヒアリングをした結果では、全体の八、九割の投資家が源泉分離課税を選択する可能性が強いことを述べております。
  98. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 今、全体の八、九割と言っていましたが、九三%、九割の方が源泉分離を選ぶんですね。だから、もう大体みんなそうしているんだ、一般の方というのは申告してやりゃいいじゃないかと言ったってそうはいかないんだ、こういう前提を持ってお考えいただきたいと思うわけでございます、ああいう方法もあるじゃないか、こういうことは言わないことにしていただいて。  そこで、この今度の法案によっては、売り上げの売買コストが無条件に〇・四%引き上げられることになる。さらに、この有取税の〇・一%を合わせますと〇・五%のコストアップになる。これは計算上そうなるわけでございます。  そこでお尋ねいたしますが、個人投資家、こういうものは株式に投資をする際にどういうことを一番考えるか。これは答えを先に言いますと、税コストはどんなものだろうか、こういうふうに考えると思うのでございますが、その点笹野さん、いかがでございますか。コストを考えて株式投資をされるんじゃありませんか。そう思われますか。
  99. 笹野貞子

    ○委員以外の議員(笹野貞子君) そのとおりだというふうに思います。
  100. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 笹野先生もそう思う、こう言っておられるわけでございまして、そういう意味で、このコストアップということは個人投資家にとっては非常に大きな問題になるわけでございます。個人投資家の株式投資において税コストというものが非常に重要な判断基準になると今お答えをいただきましたが、キャピタルゲイン課税や有価証券取引税は、もうかった場合でなくて損をして売らなきゃならない場合にもかかる税金なんでございます。ここがまた大きな特徴ですね。もうかってなくたって売るときには全部かかる、こういうわけでございますから。本当の金持ちであれば、値下がりした銘柄はそのまま持っておけばいいわけでございまして、別な資金で別な投資機会を求めることができる。  ところが、今勝木先生の言われたとおり、これだけたくさんの勤労世帯において株を持っているわけでございまして、そういう人たちはそうはいかないんです。なけなしのお金であって、おばあさんにとっても何にとってもなけなしの金なんです。別の資金繰りの必要があるから損を出して売却しなければならない、こういう場合もまた一般庶民には出てくるわけでございます。さらには、利息がつかないこういうお金をいつまでもほうっておく余裕もないんで、これを売らなきゃならない。それならば、損した場合に申告すればよいじゃないか、こうおっしゃらないように、今九三%はそうしないんだから現実に、わからないんだから。このことを考えると、銀行預金よりも大きな利益を得ることができるかもしれない、しかも税金の支払いも簡単に済ませることができるといったことから、個人投資家が株式投資に向かっている大きな動機であり、その原動力、こういう状況であるんです、今。もう先生方はおわかりだと思いますが。  このような増税案を提案するということは、そういう庶民の生活が直撃される、そういうことを目指した法律をわざわざおつくりになったんだろうかと。私は野党の国会議員さんのおっしゃっていることもそれぞれにもっともなこともある、こう思っているわけでございますが、私は庶民の味方、庶民のため、こういうふうに言っておられるということを認識しているんですが、実際おやりになっている法案というのは、まさに発想からしても意外と貴族的でブルジョア的な発想からこういうものが出てきているんじゃないだろうか、こういうふうな気がしてならないのでございますが、その点いかがでございましょうか。
  101. 勝木健司

    ○委員以外の議員(勝木健司君) 確かに個人株主さんが多いということでございます。その意味で証券投資の大衆化が進んでいるということは事実でございますが、ただ、やはり一口に個人投資家といっても、家庭財テク程度の庶民投資家と大口個人投資家がおられまして、その二極化が進んでおるんじゃないかというふうに思います。そこで、後者の大口投資家は、その多くが企業経営者や土地の高騰で余裕資金のできた資産家であろう。そして、個人投資家が得たキャピタルゲインのほとんどがこの層に集まっているんじゃないかというふうに考えられるわけであります。日本の名目所得格差が縮まったということでありますが、土地と株式による資産を持つか持たないかということで新しい階層の格差が生じてきているんじゃないかということでございます。  そういう立場から、最終的には総合課税へ移行することが望ましいということでございますが、とりあえずみなし売却益を現行五%から七%に引き上げて、そしてこれに二〇%の税率を課す分離課税を行うこととしたわけでございまして、将来 は山岡先生おっしゃるように、総合課税化を進める際には、やはり庶民のささやかなそういう取引に配慮することを十分考えていかなければいけないというふうに思います。例えば、一定の範囲内での小口取引については非課税とするなどの措置を講じていかなければいけないんじゃないかというふうに私も思います。
  102. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 ありがとうございます。  私は大体勝木先生と認識が合うんですが、その点は認識というよりも実態がちょっと違うんじゃないか。今個人の中でも一部の金持ちだと、こう決めつけられましたが、実際に投資したり、もう何とか商事にまで投資する、あんな危ないところにまでやるような風が隅々に今行き渡っているので、ごく一部の人がやるという認識は、これは同じ世代ですが随分お古いお考えじゃないかと私は思うわけでございまして、今は一億二千万の国民が押しなべて中流意識を持っているんです。また一世帯当たりの貯金が一千万円を突破しているのが今日であるわけでございまして、勤労者の生活実感から見て、まだまだ持てる人と持たざる人に厳然とした格差感がある、これもまた事実です。これも否定していないわけです。しかし勤労者であっても毎月の給料やボーナスからこつこつとためたお金でこの気持ちの格差を幾らかでも埋めようと、そういう意味では株式投資にみんなささやかな夢をかけているわけでございます。  そんなことを言っちゃ申しわけないが、日本人が住む家はマッチ箱と言われながら、やっぱりいい車に乗ったり、いい服を着ているというのも、そういうところで満足していこうという気持ちがあって、今の実態というのは、株式投資は庶民の夢になっている。土地や家はこれは別な意味ですが、確かに今厳しい、無理がある。少しでもいい車に乗りたい、夏休みには家族そろって海外に行きたい、こういうささやかな夢を実現する手段として株式投資を行っている。こういう実情を我々はよく知っておかなきゃいけないと思うわけでございまして、ややもすると株式市場イコール金持ちがさらに金持ちになるための市場、確かにそういう時代もあったのかもしれません。  また、プロが活躍する市場、こういった固定したイメージが先行しがちでございますが、例えばNTTの株を売り出したときにあれほどのフィーバーぶりを示した、主婦やサラリーマンがNTT株に夢をかけた、こういう一例も記憶に新しいところであって、私なんかそれに乗りおくれたぐらいでございました。株式市場というのは今や国民生活に完全に根づいた市場となっている、これが現代の実態であり、持たなきゃならない感覚であるわけでございます。  しかし、こういう実態であるにもかかわらず、改正案はこの市場から投資家を排除してしまう、こういう危険性があるのではないだろうか、そういうことを心配しているわけでございまして、最近の新聞にも次のような投書がございました。読ましていただきます。十一月三十日の読売。    有価証券譲渡益課税強化に反対 自営・志村光一 四十五歳 甲府市   野党の消費税廃止に伴う当面の代替財源案の中に、有価証券譲渡益(キャピタルゲイン)課税の強化と、有価証券取引税の税率引き上げが盛り込まれていますが、この課税強化には絶対反対します。   株式投資は、今や一般大衆の大切な貯蓄手段の一つです。株式投資は一部の資産家だけが行っているものではなく、多数の個人投資家も株主となっています。株式取引に対する課税強化は、一種の大衆課税と言えます。   欧米諸国では、株式取引に対する課税を軽減する動きが潮流だと聞いています。こうした現状を踏まえずに、単に財源確保のために、株式取引への課税強化を行うと、一般個人投資家が株式市場から離散してしまい、ひいては日本の経済成長に大きなマイナスになると思います。 これは確かに一投資家の言葉でございますが、私はまことに的確な気持ちをあらわしているのではないかと思うわけでございます。  そこで、いま一度お伺いを申し上げます。提案されている課税強化は、端的に言えば、個人投資家は株式投資をするな、こんなような思いを受けるような法律でございます。私にはどうもそう言っているようにしか思えないのでござまして、これは単に税金を取りやすいから取る、あるいは偏見を持って取るということではなくて、庶民のささやかな夢を奪わないように、こういうふうに税制を考えるべきだと思うわけでございますが、この点いかがでございますか。
  103. 勝木健司

    ○委員以外の議員(勝木健司君) 山岡先生同様、私もそのバスに乗りおくれた一人でありますけれども、しかし、個人株主数は確かに多いわけでありまして、その意味で証券投資の大衆化が進んでおるということでありますが、実際調べてみますと、中身でございますが、千株から四千株の所有者が人数構成比で八一%を占めておるわけでありますが、全体の株式数では七・八%を占めているにすぎないということがございまして、一方、百万株以上の所有者というのは確かに人数比で〇・二%にすぎないわけでありますが、株式数ではもう六五・二七%を占めておる厳然たる事実もございます。  また、アメリカ等々では有価証券の譲渡益課税については総合課税が実施されておるということで、個人の株取引が捕捉されている状況でありますので、そういった海外の状況から比べては決してそう必ずしも厳しいものとは言えないというふうに思いますが、おっしゃるとおり、そういう小口のささやかな株の投資家の夢をつぶさないようにということであります。それについてはやはり一定の範囲内での小口取引は非課税とするなどの検討が必要じゃないかというふうに思いますが、持てる者と持たざる者とのそういう資産格差の補正をしていくということはこれから大事なことじゃないかというふうに思っておるわけであります。
  104. 山岡賢次

    ○山岡賢次君 今の法律でそういう持てない者の分というのはないわけですから、考えていただくだけというのじゃ絵にかいたもちでございまして、私はもう時間がありませんからこれで終わらしていただきますが、申し上げたかったことは、個人投資家を直撃する、また、私はさらにここで申し上げたかったのは、この個人投資家こそ一番安定した株式市場を維持する者なんです。日本は高度経済成長を遂げてきて、まさにガラス細工の、これは私が言うのもおかしいかもしれないが、そういう一面は否めない。しかし、一番強いのが個人なんです。その個人がずっと根づいていただきたい、こう思っているときに、これに追い打ちをかけるような税制をするということは、私は日本の将来にとって大変厳しいことではないか。  私も先生と同じように、ごらんのとおりの若輩で申しわけございませんが、しかし、日本国の将来ということをその分だけだれよりも考えるわけでございます。皆さんもお考えいただいていることでございますから、そういう点でこういうことについては十分御検討をいただきたいと思うわけでございます。  時間でございますから終わらしていただきます。いろいろとありがとうございました。(拍手)
  105. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、近藤、山中両議員に次いで質問を行います。  これまで二人の同僚議員の質問を通じて、我々と提案者との間に非常に重要な一致点があることが明らかになりました。同時に大きな不一致点があることも明らかになりました。重要な一致点というのは何かといえば、消費税は廃止しなければならないということ、消費税廃止法案は可決しなければならないということです。消費税、これはもうこれまでの論議で明らかになりましたように、公約違反、国会決議違反、相次ぐ強行採決、参議院選挙での国民のノーの審判が出たのに、さらに導入後八カ月間の国民生活への深刻な影響、これらどれを見ても廃止しなければならないものだということが明らかになっていると思います。  さらに、自民党が言い続けてきたいわゆる見直し案、これは海部首相が言ったような思い切った 大幅な見直しなどというものではなく、小細工を弄しながら消費税を、その仕組みを残していく、それをねらったものであるということが非常にはっきりし、国民の怒りが強まっております。この国民の怒りにこたえて消費税を廃止するということは、我々の非常に重要な責任であると思います。    〔委員長退席、理事井上吉夫君着席〕 この消費税を廃止しなければならないという点での一致、これは参議院選挙後の国会の勢力分野から見て、この消費税廃止法案を確実に可決する力にもなるという点で私は極めて重要な意義がある一致点だ、そういうふうに考えております。提案者はどのようにお考えになるか、これは久保さんからお答えいただいた方がいいかもしれませんので。
  106. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) 今吉岡さんがお話しになりましたように、消費税はその成立の手続、そして消費税の内容、なお四月に強行実施されましてからの国民の消費税の体験を通じての反発、そして七月二十三日における参議院選挙の結果、これらを考えてまいりますと、消費税法は廃止すべきものである、こう考えておりまして、私どもは廃止法に関する九法案を提案申し上げたのでございました。その点においては、本会議以来日本共産党の皆さんが御主張になっておりますことと消費税の廃止ということについては一致している点だと考えております。
  107. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 同時に、近藤、山中議員も述べてきた点でありますが、私は今の消費税廃止という点での一致を重視すれば重視するほどこの一致点をさらに広げる、そしてまた国民世論の中でも消費税廃止というものが一層広まり強まっていく方向で努力することが我々に課せられた責任である、こう考えております。  そういう点からいって、国民世論が消費税反対で一層広がるのを妨げるような問題をここへ持ち込まない、不一致点を持ち込まないことが大事である、こういうふうに考えてきました。日本共産党がこれまで一致点で皆さんと協力し、そして廃止法案、これを切り離して可決する必要があるということを申し上げたのもそういう観点からであります。消費税をなくすためには、これは国会の中の議席の数で可決するということはできますが、それだけでなく、この可決のあり方をめぐって国民世論が一層広がるような方向で可決されることが大事だと、こういう点が我々が言い続けてきた点です。  私はそういう点で、今日いよいよこの臨時国会も終盤を迎えたこの時点で、私どもがそういうふうに言い続けてきたこの問題についてどう考えるか。私どもは、我々が指摘してきたように、この二つの法案というのは、後から述べますが(自民党の集中的な攻撃によって、国民世論を一層広げるということでなく、国民に一定の不安あるいは混乱を与えるというような面も生まれたと、そういうふうに考えているわけであります。今日の時点に立って、消費税廃止法案だけでなく、税制再改革基本法、代替財源法案、こういうものもあわせて提出したことがよかったというふうにお考えになっているかどうか、お伺いします。
  108. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) 私どもといたしましては、消費税法を廃止する以上、制税改革をどのように行うのか、そして消費税の廃止に伴う必要な財源をどのようにするのかということを明確にお示しすることは責任であると考えて提案をいたしたところでございます。これらの点についてもこの委員会におきまして各党の皆様方から徹底した御論議をいただきました。この論議の上に立って参議院において結論をお出しいただき、衆議院においても御議論をいただけるものと考えております。
  109. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 今答弁がありましたように、我々の消費税廃止一本でいこうという提案が受け入れられなかった結果不一致が生まれました。この不一致点も非常に重要な内容を持ったものであります。  不一致点の第一の点は、我々が言っているところのいわゆる財源セット論という問題であります。これまでの論議の答弁でも繰り返し述べられておりますが、政策責任能力を示すため等々の理由で提起されたいわゆる代替財源法、こういうふうなものは来年度予算編成の際政府が処理すればよいものであるということはあなた方自身もお認めになった。にもかかわらず、政策責任能力、こういうふうなものを示すためと称して代替財源法案や税制再改革基本法案等を提出し、今日も全部一括して可決してくれということを申されております。  しかしもともと、これまでの論議の中でも明らかになりましたが、四党間でも幾つかの点ではいろいろな意見があり、かんかんがくがくの論議もあったと、そういうふうな内容のものを取りまとめて提出し、その法案で国民世論の一致を広げること、これができるというふうにお考えになっているのか。やはりそういうものでは国民の世論を広げるのに障害になるというふうにはお考えにならないのかどうなのか。この二つの法案は非常に国民世論を広げるのに役立ったとお考えになっているのかどうなのか、お伺いします。
  110. 峯山昭範

    ○委員以外の議員(峯山昭範君) 先ほど久保さんからも答弁がございました。今回私ども、消費税の廃止法案関係三法案とそれから基本法、そして財源法等合わせまして九本を提出させていただいたわけでございます。  これは、参議院選挙の結果を厳粛に受けとめまして、私どもといたしましてはとにかくこの消費税を廃止する、そして、廃止法と財源法とは別にという意見も確かに初めのうちにはそういう御意見もあったのも事実であります。しかしながら、国民世論の中にも、ただ消費税を廃止するだけというのは無責任じゃないかという御意見もございまして、そういうようなことを踏まえまして私どもはこの法案を出させていただいたわけでございます。だから自民党さんからさんざん攻撃を受けているではないかと、こうおっしゃっているわけでございますが、しかしながら、私どもは今回のこの財源法を出したメリットというのはもう非常にたくさんございまして、国会の中でこれだけ参議院が活性化をし、かつ同僚議員の皆さん方から非常に熱心に御討議をいただいているということは国会史上始まってのことでございまして、私どもは本当に大変なことではないかなと思っているわけでございます。  また、政策能力の問題、政権担当能力の問題とか、そういう問題もいろいろありますが、例えば四党それぞれの党の政権担当能力あるいは政策能力だけのことを言う場合には、何も財源法でなくてもそのほかの示し方もあったわけでございまして、そういう点では、私どもといたしましては、ただそれだけにこだわったわけではないということでございます。したがいまして、私どもがここでこの財源法を出しまして、本当にそれこそ法律の端々にわたるまで御指摘を受け、またミスもたくさんございました。そういう点では、私どもはそれなりに反省するところは反省をし、また国民の皆さん方にそういうところも厳密に見ていただきまして、これからの議員立法のあり方等の参考になるとも思いますし、また廃止、国民世論の一致にプラスになったかという点は、これは見方によってはプラス、マイナスと両方あるとは思いますけれども、私は、時がたつに従ってだんだん国民の皆様方にも御理解をいただけるのではないかなと、こういうふうに感じているわけでございます。
  111. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 今国会が活性化したというメリットもあったというお話でありましたけれど、私はそこが違うところだと思います。  この間の論議を見ておりまして、私はこれは単純に活性化というふうなことで言えることじゃなくて、もし我々が提起したように消費税廃止法案だけを提出しておれば、もうとっくに参議院は可決して衆議院でももうけりがつき、自民党はこれにどう対応するかというところで窮地に追い込むところへもうとっくの昔に持っていくことができた。それが今日まで引き延ばされて、まだ可決と いうに至らない状況というのを活性化という言葉で表現するのは、私はいかがかというふうに考えます。  それは別としまして、今国民から無責任という言葉があったということですが、この無責任という言葉は、実は国民の中からひとりでに出た言葉ではなくて、自民党側からの野党への牽制、攻撃として出てきた言葉であったというのが私は実態だと思います。消費税廃止というならばその廃止分六兆円の財源を示さなければ無責任だと、こういうのが自民党の言い分でありました。私は重要だと思いますのは、それではその財源が示されれば消費税を廃止する気があってそう言っていたのか、それならまだ話がわかりますけれども、国民の世論がどうあれ選挙結果がどうあれ、絶対にこれは廃止しないということを一方で言いながら財源を出せと言っているわけですから、これはねらいがあっての野党に対する自民党側からの攻撃であったと言わざるを得ません。  そのねらいというのは何か、これは結局財源案のいろいろな欠陥、弱点、あら探しをやることによりこれを国会論議の標的に据える、そうすることによって、国民の審判が下った消費税廃止という肝心の問題を横っちょにそらしてしまう。この財源でいいのか悪いのかというところへそらしてしまう。そういうことによって消費税の温存を図ろうとする、そういうねらいのもとでのものだったというふうに私は思います。そして、この間の審議はまさにそのねらいに沿って行われたと見ております。皆さんは辛抱強くそこの席で質問を受けながら、その質問を受けた到達点として、今日そういうふうにお考えにならないのかどうかお伺いします。
  112. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) 吉岡さんとそこが少し、少しといいますか見解が分かれるところだと私思っております。  私は、政権与党であります自由民主党が代替財源を出せとこう言われたから私どもはそれに応じて出したということではございません。私は、自由民主党も、消費税を廃止するなら代替財源を出せ、こういう御主張になりますのは、消費税が国民の意思を受けて廃止と決まれば政権を放棄するという決意のもとにおっしゃっているのだと考えております。その場合には、私どもとしては議会制民主主義のそれこそ活性化とも言うべき政権交代に責任を負わなければならない立場にございます。平成二年の予算編成についても、場合によっては、政権交代の可能性が現実となりますならば、その編成の責任を負うものと考えております。その場合、私たちはこの消費税の廃止に伴う財源について一定の責任ある立場を明らかにすることが国民の皆さんに対する責任でもあろう、こう考えてこの法案を提出しておるのでございます。  これは、私どももただ単にこの代替財源案を提案して自民党の皆さんの攻撃にさらされたとかそういう気持ちは持っておりません。私は、国会において徹底的に御議論をいただく中で、この問題は総選挙を含めて政権交代の可能性を持つ中でぎりぎりのところで論議が尽くされているものだと、真剣に考えております。
  113. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私は、自民党が政権放棄の意思を含めて出しているという認識は非常に甘い認識であり、自民党は政権を維持するためにありとあらゆる手を尽くしているのが現状だと思います。これはあなたと意見が違うところのようですけれども、それはそういうことにいたしまして、総選挙で勝つ、我々は総選挙で自民党を衆議院でも過半数以下に追い込む。それによって消費税を確実に廃止する道が開かれます。  そのためには、先ほど言いましたように、国民世論を一層統一する方向での対応が必要だということを繰り返し申すわけであります。もちろん、私がこう言うからといって、自民党が財源を出せと言おうと言うまいと、それを示す必要がないということは私は言うわけではありません。しかし、これまでの論議で答弁者が提案理由説明のとき以来最も強調された点は、私の記憶では政策責任能力ということが一番力点が置かれたことだと思います。それは別として、我々が政策責任能力、また国民に安心してくれ、大丈夫だ、財源は幾らでもあるんだということを示す方法は、何もこれを法案にしなくても幾らでもあると私は考えます。  私どもは財源は幾らでもあるんだということをあなた方と違った方法で繰り返し繰り返し展開してきております。それを法案にし、法律化しなければ国民が安心しない、あるいは政策責任能力を示すことができないというものではないと私は思いますが、やはり法律化しなければ政策責任能力は証明できないと、こうお考えになるんですか。
  114. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) これはそれぞれお考えによって、どういう方法で論議を尽くすかということはあるだろうと思っております。しかし、私どもがこれを財源等についてもお示しをする以上は、論議の中で申し上げるというよりは、明確に法案化できるものは法律案としてお示しすることが国会の論議を尽くす上でより重要である、そしてまた私どもが国民に対して責任ある立場を貫くことになるだろう、私どもはそう考えたのでございます。
  115. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 それが単純な意見の相違にとどまれば特別問題ではありませんが、そういう見地からお出しになった法案、それが内容上も我々と重大な意見の不一致、また世論調査によれば国民の中でも半々ぐらいに分かれたり、あるいは反対が多いというふうなものがある状況があらわれたので、私は総選挙を展望した中でそれを非常に心配しているからこういう意見も述べましたし、我が党はこれまでもそういう点で述べてきたわけです。  そういう点で、私は今度の法案というふうなものを考える場合に重要な点は、ともかく選挙の審判が下った消費税を廃止するということに直接必要な法案、これは消費税廃止法案だったと思います。消費税廃止法案が通れば、これは消費税はなくなるわけであって、消費税廃止に直接かかわるその必須の条件である法案でない二つの法案が提出されたことをめぐって、さまざまの意見の不一致やら国民の中での世論の分裂というふうなものも生まれたことを私どもは非常に遺憾なことだと思い、また批判も申し上げてきたところであります。そのことは私は、選挙結果というものを尊重するならばなおさら強調できる。  新聞の投書、投書というよりは、ある高校教師の毎日新聞に載った投稿には、国民はとにかく消費税廃止という気持ちで投票したのである、財源論議に投票したのではない、こういう投稿が載っておりました。お読みになっているだろうと思います。私ども、今も毎日国会請願の用紙を持った代表団の要請を受けております。私が見る限りでは、この国会請願も消費税廃止を求めており、代替財源法案等の成立を求める請願というのは私に関する限り目にしておりません。私は、そういう状況から見て、今国民が求めているのは消費税廃止法案、これをとにかく通すことだ、そしてそれ以外の問題、これは次の段階で国民の合意を図りながら進めていけばいいものだというふうに考えているところであります。  私どもの今の問題の結論をもう一度申し上げますと、皆さんの二つの法案に我々は批判を続けてきましたけれども、これは何とかして消費税廃止法案をつぶし、消費税の温存を図ろうとする立場からの自民党の立場と違い、消費税廃止を速やかにより多くの国民の支持を広げる方向で通したいという立場からの主張であったということを繰り返し申し上げまして、再度、今なお、やはり一本法案を出すのはまずくて、九本の法案を出したことが非常によかったとお考えになっているかどうか。しつこいようですが、もう一度お伺いして次の方へ進みたいと思います。
  116. 峯山昭範

    ○委員以外の議員(峯山昭範君) この点につきましては、請願の問題等もあわせてお話がございました。消費税を廃止するということにつきましては、先般の参議院選における国民の厳粛な審判であると。これはもう大体考え方は一緒だと思います。  しかしながら、その後の問題でございますけれ ども、いずれにしましても、私どもといたしましては先ほどからお話しございましたように、廃止法関係三本、それから基本法、そして財源法五本を一括いたしましてこの委員会で御審議を続けていただいたわけでございます。そういうふうな意味では、いずれにしましても私どもはこの九つの法案を一括してこういうふうに御審議をいただいているということが、すなわち消費税を廃止するということにつながり、かつまた国民の信頼も得ることができるのではないかというふうに今考えているわけでございまして、この点はまことに恐縮でございますが何とぞ御協力をいただきまして、九本一括成立していただきますように私どもといたしましては心からお願いを申し上げる次第でございます。
  117. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 内容上の不一致点の重要な問題の第二の点は、大型間接税はいかなる名称、名目、仕組みであろうとも今後とも復活の余地がない、そういう措置をこの際きちっとしておく必要があるという問題をめぐってであります。  私どもは、そのためには消費税廃止法案の中にそのことを明記するのが最も好ましいことだということを、我々の発表した消費税廃止法案の中では述べておりました。ところが、あなた方が提案なさっている一連の法案、これは廃止法案を含めてもどの法案にもそういうことを明記されたものはありません。私はその問題は、ここで論議になったのに対する提案者の答弁を聞いておりますと、これは心配は要らないんだ、もう消費税を廃止した上でこういうものを通すんだ、こういう法案を出しているんだからそれは大丈夫だという答弁がいろいろな角度から繰り返されました。そして、条文の第四条には直接税を主とし間接税を従とすることを原則としているから大型間接税が導入されるものではない、こういう答弁もありました。  しかし、私思いますのに、やはり法律そのもの、法案に明記することと答弁とは重要な違いがあると思います。法律というものは答弁を離れて客観的な存在として残るわけです。我々は今、どのような政府ができようとも、それに消費税廃止ということで悪用されるような余地の全くない法律をつくっておかなくちゃならないというふうに考えております。  答弁というのが非常にどうにでもできるものだということで、私自身大蔵委員会であるいは予算委員会で質問したときに当時の宮澤大蔵大臣はこういうふうに私に答えました。戦後税制の民主的原則であるところの総合性、累進性、生計費非課税という考え方は今後も有効であると思っていますと、こう答弁されました。その宮澤さんが、売上税から消費税をとうとうと出されるわけですね。ですから、私は皆さんの答弁を信用しないということをここで言おうとするものではありませんけれど、やはり客観的な存在となる法律というものに明記することこそ最も効果的な確実な方法だと、そういうふうに思います。  皆さん方はそういう将来への明記を全くしなくても大丈夫なんだという見地に今も立っておられるかどうか、お答え願います。
  118. 笹野貞子

    ○委員以外の議員(笹野貞子君) 吉岡議員の本当に熱心な御心配に心から感謝をいたしております。しかし、大平内閣の一般消費税、中曽根内閣の売上税そして今日の消費税と、大型間接税のいずれにも国民は明確にノーという意思表示を示しております。また、基本法におきましても、その第二条「税制再改革の趣旨」というところで、ちょっと読ませていただきますが、「税制再改革は、消費税の創設を中心とする先の税制改革が広く国民の理解と信頼を得た上で行われたものとはいい難い状況にかんがみ、かつ、消費税が廃止されることを踏まえ、国民の合意に基づき、改めて我が国の現在及び将来の経済社会に対応する税制を確立するために行うものとする。」というふうに明確に規定をしております。大型間接税につきましては、こうした趣旨に基づき設置される国民税制改革協議会の検討に際しては、こうした国民の意思と基本法の趣旨が踏まえられるべきであることは当然であります。  そういう意味で、私たち提案者は大型間接税の検討というのを決して想定しないということを申し添えておきます。
  119. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私が今の点を強調しましたのは、将来ともということが条文で明記されていないということにとどまらず、今おっしゃった条文があることは私はよくよく承知しておりますけれども、しかしその将来とも根を断ち切ることがうたわれていないだけでなく、将来大型間接税復活に利用されかねない、大いに利用される危険性のある表現が幾つかあるからであります。  これは近藤、山中議員も指摘してきた点ですが、「サービス、流通等に対する適正な課税の在り方について検討を加え」るという規定、あるいは竹下元首相が消費税導入の口実としたのと同じ文言である「所得、資産、消費等に対する課税についての均衡ある税体系の構築を図る」、こういうふうな規定がある。これは、大型間接税を復活させるという上で大いに利用し得る規定だということを私はこの間の論議を通じて非常に心配しております。また、我々は、明確な規定なしにこういう条文が織り込まれているということは、やはり間接税を復活させるのに利用されるというふうに思わざるを得ません。  間接税が直接税を補完するということを含めて、提案者はこれまでの論議の中でも、間接税というものの位置づけはともあれ、念頭に置いておられる。そこで私は、あなた方が考えておられるところの補完する、あるいは従とするというものでありますが、間接税というのは何を考えておられるのか。間接税といえばそれは二つしかない。一つは個々の商品、サービスを取り出して課税する個別間接税、もう一つはすべての商品、サービスに課税し、例外的に幾つかのものを非課税にするということはありますが、そういう大型間接税、この二つしか間接税にはないと私は思います。あなた方が念頭に置いておられる間接税というのはこのどちらであるのか、検討の対象にしようとするのは、双方とも対象になるのか、そのどちらかであるか、これをはっきりと答えていただきたいと思います。
  120. 梶原敬義

    ○委員以外の議員(梶原敬義君) 結論から先に申しますと、大型間接税ではない、直接税を主とし間接税を従とする。したがいまして、これは税制改革協議会の中でこれから検討をしてもらう事項でもありますが、やはり個別間接税が中心になるんではないか、そのように私は考えております。  吉岡委員、先ほどるる質問の中で意見を申しておられましたが、よく理解ができます。そのように吉岡委員の心配のようにならないように、大型間接税に結びつかないようにこの基本法等で非常に苦心をしたところでございます。
  121. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 今個別間接税は念頭にある、検討対象にあるということでした。そうだとすると、やはり条文にそのことが明記されていない限りはそうでないものに悪用される、そうでない方へ使う、根拠法律として使われる可能性が出てくると私は思わざるを得ません。  これは追ってそういう点についても触れていきたいと思いますが、その前に、これはさんざん自民党の側からも質問があった問題ですが、サービス・流通課税という場合のサービスへの課税というのは具体的に何を念頭に置いておられるか。これはこれまでの論議の中で、散髪、パーマ、タクシー、ハイヤー、電話、ファックス、弁護士税理士公認会計士、レンタルなどと、そういうふうなものを挙げての自民党の質問に対して、みんなだと、こういう答弁がありました。そういうことになると、これは今の消費税と変わらない答弁だということにならざるを得ませんが、このとおりの答弁であるのか。これはもうちょっと、改めてきちっとしておく心要があるとお考えになっているのかどうなのか、お答え願います。
  122. 梶原敬義

    ○委員以外の議員(梶原敬義君) サービス・流通課税の問題、消費税約五兆九千億、平年度ベースでこれを廃止いたしました。個別間接税をいろいろ考えていく場合に、一体サービスや流通という ものを全く無視できるのかどうなのか、そういう議論があると思います。  今いろいろ具体的なことも言われましたが、そういうものをいろいろとひっくるめましてこれから検討の課題に入る。ただ、これは単段階の課税を考えておるわけですから、しかも間接税を従と、こういう考え方ですから、そのように受けとめていただきたいと思います。
  123. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 今のようなものも含めて検討するということですと、やはり私は、消費税の根拠法律として今後使われる危険を感じざるを得ないというふうに申し上げざるを得ません。  もう一つの問題、流通への課税というのは具体的にどういうことを念頭に置いておられるか。これは私と違った立場からの自民党の論議の中での答弁でも、さっぱりわからないということが連発されておりました。私もその速記録を読んで、この答弁ではわからないなと正直申し上げて思いました。いろいろありますけれども、私どもが常識的に流通へのサービスというふうに言う場合には、やはり物やサービスが各段階へ流れていくときに課税する。言いかえればメーカーから卸、卸から小売、小売から消費者へと流れていく、それに課税する、そういうふうなものが流通への課税ということの常識的な受けとめ方じゃないかというふうに思います。  それで、もしそうだとすれば、それはやはり今の消費税と同じことにならざるを得ないわけでありまして、したがって、流通への課税ということで具体的にどういうことを念頭に置いて検討しようとお考えになっているのか、お伺いします。
  124. 梶原敬義

    ○委員以外の議員(梶原敬義君) なかなかわかりにくいと思うんですが、現在、流通税の中には取引所取引税、有価証券取引税、とん税、特別とん税、日本銀行券発行税のようなこういうものがあります。通信の関係なんかも一体流通と言うのか言わないのか。そういうこれから変化する社会におけるいろんなものをひっくるめて総合的に、一応流通そのものの範囲、そういうものはやっぱりこれから国民税制改革協議会の中で検討していく課題だろうと考えております。
  125. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 そうすると、私が先ほど言いました、常識的に考えれば、メーカーから卸、卸から小売、小売から消費者へという流れに課税するという意味での流通ということではないという意味ですか。
  126. 梶原敬義

    ○委員以外の議員(梶原敬義君) 今の消費税というのは製造段階、卸、小売、そういう段階的にずっと消費税を取る。そういう消費税は国民の審判を受けて廃止するということですから、私は、どの段階でどうするかという問題もひっくるめて、ただし消費税のような大型間接税の体系はとらないということを前提に、国民税制改革協議会の中でこれは検討する課題であるだろうと考えております。
  127. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 各段階で課税するのではない、先ほどは単段階という言葉もございましたけれども、そうすると、単段階の消費税あるいは間接税、こういうふうなものをお考えになっている、お考えというよりは検討対象だということになると思います。社会党の伊藤政審会長は、新しい間接税、それは中型の間接税だということを日経新聞にお書きになっておりますが、これについては後でもう一度お伺いするとしまして、それはもしかしたら大体単段階の間接税だから中型だというふうにおっしゃっているのかなという気がしながら、今の答弁を私は聞きました。  いずれにせよ、サービス、流通、これへの課税というものは、私は今の答弁によりましても、やはり将来どのような政権によってもこれが大型間接税復活の根拠にならないという保証はない、そういう内容を持ったものだと思います。ですから、この間の論議で自民党側から、サービスを対象にするのだといったら、まさに、現在の消費税ではないかというような質問、あるいはサービス、流通への課税と見直しとどう違うか、こういうふうな質問が出た。それには一定の根拠があると私は思います。それが消費税を一生懸命でやろうとしている、やってきた自民党の質問だから私はなおさら大事だと思います。私は消費税をやる気はありませんから、私がそう言うだけなら心配ございませんけれども、何とか機をうかがっている自民党から、これなら利用できるなという立場の質問なんですね。  だから、私はそういう点で、そうでないならやはり条文でもきちっと明記しておかなければならないにもかかわらず、きょう最終的に出された修正案でも、そういう心配は決して解消していない。それだけでなく、さっきの答弁でも、そういうふうに利用される危険を持ったものだということになるというふうに私は言わざるを得ないと思います。ですから、この間、六日に行われた参考人が意見を述べられた中でも、河野光雄参考人はこの箇所を、サービス・流通課税について、日本語としてあの法案を読めば、まともに素直に読めば、あれは明らかに消費税と名前は違うかもしれませんが、多段階の間接税の導入ということもあの枠の中に入っていると考えるのが素直な読み方ですと、こういうふうに述べておられる。  ですから、私らがこのサービス・流通課税の問題等々についてこれまでいろいろ申し上げましたのは、そういうことになると、これは将来消費税をねらう政権ができれば、仮に一たん消費税が廃止されても、またこの法律を根拠にして消費税の再導入を図る、そういう余地を持った法律にならざるを得ない、そういうふうに考えるからです。そういう心配は条文そのものによって全くないというふうに言い切れるのかどうなのか、どなたかお答え願います。
  128. 梶原敬義

    ○委員以外の議員(梶原敬義君) 吉岡委員、自民党の方がその流通、サービス、これは全く消費税と同じだと、このように言われたというのは、私は理解が不足をしていると。また、河野光雄参考人は、私も聞いておりましたが、あの人がどうしてこれを読んで、多段階の消費税という読み方をするのか、私はここで聞いておりまして、本当に不可解に思った次第でございます。  条文につきましては、第一条からずっと流れる精神は、大平内閣の消費税、そして中曽根内閣の売上税、竹下内閣の消費税、そういうものに対する反省を込めた思想というのがずっと流れておると思うんです。今度の参議院選挙を平成の政変、こういうように言う人もおりますが、じゃ、ここに流れている精神をどこかへひっくり返して今のような消費税をまた導入する、それは国民が認めない。そのように私はこの条文をずっと全体を読んでいただければ理解できるし、そういう変な方向にたどりつくような内容になっていない。そのことはまた私どもも本当に苦心をしたところでございます。
  129. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私は、今度の総選挙でも自民党を過半数割れに追い込み、将来とも消費税などを考える政権ができないことを願うものであります。しかし、消費税をやろうとする政権が将来絶対に出ないという保証は我々は持ち合わせていないわけでありまして、そういう政権ができたときに、なぜそうとるのか疑問だというだけではなくて、そういうふうに現にとっているわけでして、とれないような明確な条文にしておかなければ、やっぱりこれが法的根拠にされる。そういう法案では、我々は消費税廃止ということを一方で一生懸命にやりながら、そういう法案をつくったのではだめだということが私どもの言ってきた点なんです。  同時に、やはりこの法案自身の中に、どういう位置づけであるにせよ、新しい間接税ということが織り込まれている。その新しい間接税というものがどういうものになるかという点で、先ほど単段階ということに関連して私は申し上げましたけれども、九月四日付の日経新聞で社会党の伊藤政審会長が「新しい間接税の規模は大型か、中型か、小型かと言われれば、中型だ。」と、こういうふうに述べて、中型間接税を念頭に置いていることを述べておられるわけですね。私は、さっきも言いましたように、こういうこととあわせてみると、やはりこの法案の根底に多段階でない単段階の中型間接税ということが考えられているんじゃない かという疑問も生まれてくるわけです。  そういう点は、そうでないのだということなら、明確にそうでないということをはっきりする、しかもそれはやはり法律ではっきりさせなくちゃならないというのが、しつこく繰り返すようですけれども私の申し上げたい点ですけれども、ここでは、これは社会党の政審会長の発言ですから、どなたか社会党の方に、伊藤政審会長の言ったところの中型間接税というのはどういうふうなことが想定されているのか、こういう問題はやはりはっきりしておいた方がいいと思いますのでお答えをお願いしておきたいと思います。
  130. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) 社会党の伊藤政審会長、この委員会でたびたびお取り上げいただきまして大変恐縮に存じております。私も、ただいまの御指摘になりました九月四日の日経新聞でありましたか、取り上げられました伊藤政審会長の発言を読ませていただきました。今吉岡さんがおっしゃいましたくだりは、間接税は大型か中型か小型かと言われれば中型だと彼は答えているようでございますが、その前に、国民の否定した売上税とか消費税が息を吹き返すようなことは毛頭考えていないということを申し上げて、大中小と言われれば中だと言っているようであります。そしてその後に、投網をかけるようなものではない、こう申しておりますから、規模の問題で間接税がどうかと問われれば中かな、こう言ったのだと思って、大型間接税を否定する立場で申したのであろう。そして投網をかけるようなものではないということは、個別課税を彼は主張しているものだと考えております。  詳しくは、きのう御指摘でございましたものですから本人と直接会う機会がありませんで、私、その記事を読ませていただいて、そのように考えております。
  131. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 何回も取り上げてきましたけれども、新しい間接税という問題提起になっているわけですね。大型間接税はなくすけれども新しい間接税を提起しておられるわけですから、私は、それじゃその新しい間接税とはどういう内容のものなのかということは、はっきりする責任があると思いました。まあ時間的に、今の答弁でありますから、それはそれとして進ませていただきたいと思います。  この問題に関連してもう一つお伺いしたいのは、直間比率見直しの問題であります。  これまでいろいろ行われた論議の中で、私は幾つか疑問が生まれてまいりました。あの議長あっせん案の直間比率の見直しというものを受け入れたのは、これは売上税を廃止するための手段として受け入れたんだという趣旨にとれる答弁もありました。また同時に、直間比率見直しをできるだけ速やかに検討するということを受けたんだという答弁もございます。私は、直間比率の見直しなどをやる気は全くなかったんだ、あれは売上税を廃止するために当時の力関係のもとでのまざるを得なかったんだということなのか、直間比率の見直しというものは必要だというのが提案者の考え方なのかどうなのか。これが、社会党の中にも直間比率は七、三がいいという意見、あるいは民社党さんの場合には七、四というような、これは党議ではないかもしれませんけれども、いろいろ発表されたものもありますので、ここらははっきりしておいていただきたいと思います。
  132. 佐藤三吾

    ○委員以外の議員(佐藤三吾君) いろいろの御意見がこの問題、議長裁定をめぐってあるということで、答弁、私はまだ議事録を点検しておりませんからよくわからぬのですが、そういう言い方をしたのは大体自民党さんの方が多かったわけでございますけれども、私どもは、誤解を受けるといけませんので、この際ひとつそこら辺がもしあるとすればすっきりしておかなければならぬと思います。  衆議院議長のあっせんは、予算案の強行採決による国会の混乱を収拾してそして売上税法案を廃案とするために示された案だと、そういう趣旨で野党四党は受け入れたわけでございます。それが一つ。  その際、直間比率の是正という言葉については、野党が主張する不公平税制の是正についてまず議論し、そしてその後の前提を置かず白紙の状態で直間比率の問題について議論をしようということにあったと思います。その白紙の状態とは大型間接税というものを念頭に置かないという趣旨であるというふうに理解をしておったわけであります。したがって、与野党税制改革協議会が議長あっせんによってつくられました。そこで不公平税制の是正だけについては確かに議論をしてまいりました。しかし自民党さんの方は、この不公平税制の是正の議論をやっているさなかに、これを一方的に打ち切って中間報告を議長に勝手に出したものであって、私どもの野党の方がそのことによって関知できるものではございませんでした。その点が議長あっせんをめぐる一連の経緯でございます。  そこで私どもとしては、直間比率はあくまでも、再三回答申し上げておりますように、結果であって、直接税の不公平、間接税の改善などこういったものを行った結果として出る数字であって、あらかじめ七対三とかそういう類のものではないということだけはっきりしておきたいと思います。
  133. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私は経緯をお伺いしたわけじゃありません。直間比率の見直しの検討を必要と考えているかどうかということでした。  先ほど私は七対三と六対四と言うべきところを七対四と間違えて言ったそうですので、訂正しておきます。  私がこの問題を再度取り上げましたのは、これはもし答弁がそのままかそのままでないかということによって大変重要な意味を持つのでお伺いしたいんですが、直間比率は少し縮まった方がいいという答弁も行われておりますね。直間比率は消費税導入でそれまでの七三・三対二六・七から七二・一対二七・九というふうに一・二ふえています、間接税の比率が。つまり、消費税を導入することによって直間比率は縮まった。それで消費税を廃止しようというときにもうちょっと縮まった方がいいということになると、これはどういうことかなと。消費税よりも大規模な間接税を導入しなければ直間比率は縮まらないわけですから、これはこのとおりの答弁なのかどうなのか、はっきりしておいていただきたいと思います。
  134. 佐藤三吾

    ○委員以外の議員(佐藤三吾君) 先ほどから数字の問題が出ておりますが、これは恐らく、例えば四十年代は何ぼとか五十年代は何ぼであるとか現行六十三年度でどうだとか、こういった意味で数字を申し上げたんじゃないかと思うんです。そういう意味で私どもは、あくまで数字というのは結果であって先にあるものじゃないという態度は、一貫して御答弁を申し上げてきたつもりです。  それからもう一つの問題は、つづめた方がいいんじゃないかと、こういう議論は、いわゆる直接税、間接税の関係として結果として出てくる中でそういう気持ちがあったゆえに少しはそういう表現を使ったかもしれません。しかし、今申し上げましたように、結論から申し上げますと、絶えず一貫して私どもが申し上げてきた内容は、結果ということだけひとつ御認識をしていただきたいと思います。  それは何かといいますと、今回の税制再改革法案は税の公平の確保、これを最大の理念の一つに掲げておりまして、その実現のためには、基本法の中にもございますように、総合累進課税を大原則として置いておるわけです。この総合累進課税が可能なのはこれはもう直接税だけでありまして、間接税では能力に応じた応能負担は実現することはできません。したがって、公平な税制を目指すためには直接税があくまで中心であって、そして間接税がこれを補完する、こういう税体系を堅持するんだということは一貫して明らかにしてきておるわけでございます。そういう意味で、望ましい直間比率とか、当初から想定できるものじゃございません。直接税を主に間接税を従とした公平な税制度の実現の結果出てくる数値、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
  135. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 今間接税は従だとかいろいろあり ましたけれど、ともかく直間比率は少し縮まった方がいいという答弁、皆さんもいろいろな状況下での答弁ですから言い間違い等もあってのことかなと私は実は思ったわけなんですけれど。というのは、消費税を導入して縮まったのに、もっと縮めた方がいいということになると、これは消費税廃止論と矛盾するわけでして、だから私は訂正なさるなら訂正なさった方がいいと思って言ったんですけれども、そこらは明確にならないで非常に残念であります。  しかし、このことばかりやっているわけにはいきませんから、次の問題に進まざるを得ませんけれども、こういうことを含めて私は、やはり大型間接税への根を完全に断ち切る法案になっていない弱点というものには一定の根拠があるんじゃないかなという疑念を抱かざるを得ないということも、この際指摘しておかなくちゃならないということをつけ加えておきたいと思います。  次の問題は、税制改革基本法と国民税制改革協議会、特に国民税制改革協議会の問題です。  私どもは、消費税を廃止した後の不公平税制の是正、国民の合意のもとで国民本位の税制を確立していく大事業、これは国会が中心になってやっていくのが本筋で、このような協議会をつくるということには反対だということを言ってきました。一方、自民党側からこの問題については憲法違反だというようなことまで含めてのいろいろな批判と言うべきか攻撃と言うべきかがありまして、きょう私も手にしましたけれども、修正が行われました。私は、この修正によって、新しい重大な問題が出てきたという感じを持たざるを得ません。  その点でお答えを願いたいと思いますが、新しい問題というのは、修正によってこの国民税制改革協議会なるものが内閣、国会の上にある、内閣が国会を拘束するよというような疑惑というものはこれはもうもちろんなくなったわけですが、今度は国会との関係というものが本当に弱いもの、弱いものというかほとんど関係のないものになってしまった。きょう私見せていただいたこの修正案によれば、従来の法案にあった報告事項、この中で、内閣総理大臣と、それを経由して国会に対して報告するとなっていた、その国会への報告というのも削除された。そして、「内閣及び国会は、」この報告を、もとの文章では、論議になりましたけれども、「速やかに所要の措置を講ずるものとする。」となっていましたけれども、その「国会」も取られてしまった。  こういうふうなことになると、新しくできる国民税制改革協議会というものと国会というのは、もう全く単に委員を任命するということ、委員の任命に同意を与えるということだけの関係になってしまう、こういうことになるわけですね。これは全く中曽根内閣の臨調方式と同じだということになります。中曽根内閣時代の方式とは全然、全く違うんだという答弁がございますけれども、臨調設置法と今度のを比べてみますと、これはもう法律で設置するという点、委員に国会の同意が必要な点、こういうふうな点、全く同じなんですね。  むしろ、重要な点は、臨調設置法の場合にはこういう規定があるんですね。調査会はその結論を「内閣総理大臣から国会に報告するように、内閣総理大臣に申し出ることができる。」、こういうふうにまだ臨調設置法ではあったわけですけれども、そういう規定さえも今度の国民税制会議の問題にはないわけで、臨調方式よりももっと後退した、そういう国会との関係になっていると思います。  これでいいんですか。なぜこういうふうになったのか。これはもう自民党の審議中断を含む猛烈な攻勢の前に、やむを得ずこうせざるを得なかったのか、これでいいとお考えになっているのかどうなのか、お伺いします。
  136. 峯山昭範

    ○委員以外の議員(峯山昭範君) 吉岡委員御指摘のとおり、この問題につきましては、委員長に修正を申し入れておりますことはもう御存じのとおりでございますし、ただいま理事会の方でそれぞれ御検討いただいているところでございます。  そこで、初め私どもは、もうこれは申し上げることはないわけでございますが、今回の参議院選挙の結果を受けましてこの問題を議論いたしましたときに、今回の私どもが考えております国民税制改革協議会というのを、初めは国会の方に設置したらどうかという御意見があったのも事実でございます。しかしながら、いろいろと調べてみましたら、そういうふうな機関を国会に設置されたことはただの一回もないということになりまして、これはやっぱり過去の先例もないということであればこれはやむを得ないということで総理府の方に設置をするということになったわけでございまして、初めの原案ができ上がったわけでございます。  しかしながら、当委員会におきまして先般より種々御議論をいただきまして、私どもといたしましては委員長にその修正のところを申し入れたわけでございます。  そこで、中曽根内閣の臨教審の問題等、審議会政治のやり方と一緒ではないかという御意見がございましたが、私どもといたしましては、一つ大きく違うのは、この税制再改革基本法というものは、いわゆる再改革の基本方針とか考え方というものがきちっとその中にうたい込まれているという点がやはり大きく違うところではないかなと思っております。  それからもう一つは、これは委員の国会承認人事というのはそれぞれたくさんの、幾つかの審議会が国会の承認人事になっている部分がございますが、私の記憶がちょっと確かでないかもしれませんが、一番多い国会承認人事の委員会というのは二十五人がたしか最高だったと思うんですが、五十人も国会承認人事になっている審議会というのは今回これが初めてではないかなと考えております。そういう点では、国会の方といたしましても初めてのことでもあり、大変大事な委員会になる、こう考えております。ただし、委員が御心配の答申あるいは報告等の中身につきましては、それぞれ総理に御報告がされるわけでございますので、内閣におきまして適正な処理が行われるのではないかなと、こういうふうに考えております。
  137. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 どういう内閣かによりけりで、安心できる場合もあれば全く安心できない場合もあるわけでございまして、私はやはり国会が中心になる問題がこのような形で後退してしまったということで、修正によって別の新しい問題が出てきたんだということをもう一度申し上げておきたいと思います。  同時に、税制再改革基本法で縛りがかかっているから大丈夫だという点について言えば、その内容については、私たちがこれまで繰り返し申し上げましたように、その内容をめぐって全く賛成するわけにはいかないさまざまの問題がある。さっき申しましたサービス、流通への課税の問題だとか納税者番号の問題等々がありますし、これは国民の中でもいろいろ意見が分かれている。国民合意を二年かけて図ると言いながらあらかじめゴールを決めたような形になっている点も、これも一つの大きな問題ではないかというふうに思っております。  その点はいかがですか。あらかじめゴールを決めた上で国民の合意を図るということには、これはならないんですか。
  138. 峯山昭範

    ○委員以外の議員(峯山昭範君) これは非常に大事な問題でございますが、やはり一つの目的を達成するためにはある程度の目標が必要であろうと思います。そういうふうな意味で、私どもは今回は基本法の中で二年という一つの目標を定めさしていただいたわけでございますが、確かにこの二年が長い短いという議論はあると思いますが、やはり目標はあった方がいいんじゃないか。しかも、税制改革という大変大事なことでございますので、できるだけ早く結論を出していただきたいという私どもの考えもございまして、二年という目標を定めさしていただいたわけでございます。
  139. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私さっきから言いましたように、この国民協議会で大型間接税が出ようと何が出ようと構わないというふうなことであってはならな い、そういう意味では法律に明記した方がいいということを言いましたけれども、しかしここで掲げられている目標というのは、国民の中にまだ合意のない目標もあるわけなんですね。ですから、それは今度の国会にそういうものを出すのではなく、やはりまず消費税を廃止して、国民の合意を図りながら税制改革の方向も打ち出していくというのが本来のあり方ではないかと私は考えます。これは答弁は求めません。  次の問題に移りますが、不公平税制に関する問題です。これはこの間山中議員が中心的なテーマの一つとして取り上げた問題です。私は、あの討論を聞いていましたけれども、率直に申し上げまして答えがよくわからなかった。山中議員は、クロヨン是正を中心に考えているのか大企業優遇税制の是正を中心に考えているのか、それともこれらを並列に取り扱っているのか、端的に不公平税制の中心問題は何だというふうに考えているのかということを求めました。しかし私は、そこで一生懸命に聞いておりましたけれども、はっきりしなかった。  私は、もう一度、そういうわけでお伺いします。もしそこまで詰めていないんだというのならそれで結構ですけれども、いろいろの不公平税制があるけれどもこのうち一番中心はこれなんだという形で詰めた法案ではないというのならそれで結構ですけれども、それを含めて不公平税制の中心は何か。  我が党の立場は、この間繰り返し述べましたように、大企業優遇税制こそ今日の不公平税制の中心問題だというふうに言っている。これは非常に我々明確ですけれども、各党の意見ということじゃなくて、提起されている法案ではそこはどうなっているかということをもう一度説明していただきたいと思います。
  140. 勝木健司

    ○委員以外の議員(勝木健司君) 私どもが税制再改革基本法案の中で取り上げている項目は、国民から不公平税制の象徴としてみなされているものでございまして、社会保険診療報酬課税の特例、みなし法人課税、公益法人課税の特例、企業に対する課税における各種の特例等の租税特別措置等の抜本的な整理及び合理化、そして納税環境の整備という項目でございます。  さて、この中で何が不公平税制の最大のものかというお尋ねでございますが、さまざまな角度から論議をすべきじゃないかというふうに私どもは思っておりまして、議論を進めていく中で、それぞれの項目についてどのような措置を講じるべきか、またどれを最優先事項とするか、どういう順序でメスを入れていくべきか、そういうことについておのずから明らかになるのではないかというふうに考えておるわけでございます。  この中にはやはり法人税の問題もありますし、所得税の問題もあるわけでございます。また国税だけではなく、地方税に関する問題もございます。あるいはまた、税目ごとに論議するのではなく、税体系全体から論議する必要も生じてくるでございましょうし、さらには制度面だけじゃなしに執行面の課題もあろうかと思います。  このように不公平税制の論議を本格的に進めていくさまざまな視点から詰めの作業を行っていくことが必要となるというふうに考えておりまして、最初から項目ごとに優先順位をつけてしまいますと、必ずしも包括的で体系立った論議ができなくなるという懸念が生じてくるわけでございます。  いずれにいたしましても、不公平税制の問題については極めて重要な問題であるだけに、最優先課題がどれかということも含めまして、幅広く国民の皆さん方また専門家からの議論を進めて深めていくべきであるというふうに考えております。
  141. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私どもの意見は、不公平税制はどんなものであれ正さなくちゃならない、不合理は合理化しなくちゃならないというふうに思いますけれども、しかしその中で本当に一番今の日本の税制の中にあるゆがみは何か、これは明確にしなくちゃならないという見地です。それこそ、繰り返すようですが、大企業優遇税制だというふうに考えているわけですが、この提起されている法案の見地はそういうふうに考ていないのだという今の答弁は、賛成ではありませんが、それとしてはよくわかりました。並列的に取り上げているということだと思います。  私は、それはわかりましたので、もう一つこの間論議になって非常に気になった問題として、外国税額控除の問題についてお伺いしておかなくちゃなりません。  これは、我々はもちろん、二重課税の排除は全く必要がないなどというふうなことを言おうとするものではありません。しかし、少なくとも日本の外国税額控除というのは世界で最も甘いもので、これは何らかの形で根本的な検討が必要だということは多くのところで論議になっている問題、とりわけ間接控除、みなし控除の問題、これはもう日本以外にほとんどない。特に、みなし控除などというものは日本だけだとさえ言われている。せめてそういうもの、つまり直接に税金を納めていないものだけでももっと抜本的にメスを入れる必要があるじゃないかという山中議員の質問に対する答弁で、それに対しては、そうではないのだ、いろいろな状況があって、ちょっと答弁に沿って言いますと、間接控除制度やみなし控除制度を全部否定してしまうのではなく、諸外国との関係を考慮すれば、難しいことでございますけれども、制度を悪用した租税回避、こういった面における防止対策をやっぱり検討していかなければならない。むしろ、このみなしとか間接控除ということにメスを入れるよりも、これの悪用防止が先決だという答弁だったと私は思います。  私は大蔵委員会にいたときにこの問題は何回も取り上げてきた経過がありますので、これは率直に申し上げますけれども、あの答弁を聞きましたときに、これは宮澤さんが言った言葉と全く同趣旨だなという気がしました。帰って速記録をひっくり返してみまして、宮澤さんが答弁なさっているのとやっぱり似通っているなという感じがせざるを得ませんので、こういうことは率直に申し上げておいた方がいいと思いますので申し上げますけれども、本当にあなた方はそれでいいとお考えになっているのか。  各党それぞれはあるけれども共同提案ではこうなっているということ、そういう事情もあるかもしれません。しかし、その各党ごとの見解は私ここで聞こうとは思いませんけれども、間接控除、みなし控除の問題を私なぜここでもう一度取り上げるかといいますと、これは私が大蔵委員会にいたころにも取り上げた問題なんですけれども、外国税額控除の中で直接納付したものよりも間接納付、みなし税額という部分が半分以上を占めているものがあるんです。これが今の日本の外国税額控除の現状なんですね。これは私が大蔵委員会で質問したときに国税庁が答弁しましたけれども、例えば三菱商事、日商岩井、丸紅、伊藤忠、トーメン、ニチメン、兼松江商の七大商社の六十二年三月期の外国税額控除、計は四百四十三億円です。そのうち直接納付法人税額は百七十四億円ですよ。百七十四億円直接納めて四百四十三億円の外国税額控除を受けている。これでいいのかというのが私どもの言いたい点なんですね。  また、資本金三百億円以上の法人についての大蔵省の集計資料によると、製造業は八百二十億円の外国税額控除を受けている。しかし、その八百二十億円の外国税額控除のうち直接納付は二百四十億、これが現状なんですよね。  私は、こういう状況は、少なくとも二重課税は解決しなくちゃならない問題だということで済まされない問題だと思います。そういう点で、再度こういうことを含めて、外国税額控除の問題について、単に悪用阻止だけでいいということなのかどうなのか、お答えを願いたいと思います。
  142. 佐藤三吾

    ○委員以外の議員(佐藤三吾君) 今おっしゃったように、この問題についてはたしか私も四、五年前に三菱商事をこの予算委員会で取り上げて、そしてその結果かどうか知りませんが、その後で五十億追徴したことを覚えておりますが、その際にも、随分この問題についてやり合ったことを今思 い出しているわけですが、宮澤元蔵相の答弁と同じようだというお話ですが、私は宮澤答弁を存じておりませんのでどういう答弁をなさったかわかりませんが、その際に、今申し上げましたように、二重課税の中で、特にそれ以後いろいろ研究してみますと、外国の国際課税ですね、これらを検討しているときに、全く無視するわけにはいかぬのじゃないかというのが私はそのときの勉強の結果だったと思います。  したがって、おっしゃるとおりに、日本の場合にはこういう課税控除方式と損金算入方式、二つとも法定されております。ただ、今企業の場合にはほとんど課税控除方式を採用しておりますから吉岡さんのおっしゃったようなことが出ていることも事実でございまして、ここら辺については、だからといって課税控除方式をなくして、例えば損金算入方式一本にせよと、そういう主張でもないようでございまして、吉岡さんのさっきのお話を聞くと、全部無視せよとは言っていないんだということの意味はそういうことだと私は思うんですが、私どももそこら辺については、今申し上げましたように、やはり国際課税としてそれを全然無視するわけにはいかないんじゃないかという観点に立っていることは事実です。  みなしの方は、特に、御承知のことと思いますけれども、発展途上国の企業誘致のための一つの政策だという部分もある、こう大蔵省もおっしゃるわけでございますが、そういった点を考えると、これも途上国の政策目的を阻害しないように国内でも課税していかなきゃならぬのじゃないか、こういう考え方も持たざるを得ません。そういうことで私は先日の回答の中ではちょっと吹っ切れぬ御答弁になったのではないかと思いますが、事実そういう二つの問題でぴしっと一方的に決めつけることができないのは事実でございますから、先ほど申し上げましたように、制度を悪用しての租税回避防止対策というものについてもっと強化していかなきゃならぬ、こういうことを申し上げたかもしれません。  いずれにしましても、この問題はやはり検討していく課題であることだけは間違いございません。けれども、今申し上げましたように、そこら辺のひとつ事情もお察しいただきたい、こういうふうに思います。
  143. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 かつて追及なさった方がそこへ座ると立場が変わるものかなという気もしましたので、勝手なことを申し上げました。検討課題であるということですから、これは本当に、国際的に二重課税はまずいけれども、しかし今のあり方、外国税額控除のあり方というのは国際的にも何とかもっと合理的に検討しなくちゃいかぬということになっている問題ですから、私はあえて言いました。  この不公平税制の問題の最後に一点お伺いしたいのは、課税ベースは広げる、そして法人税率は下げていくというのがこれまでの答弁を貫くものだと思います。その場合に、全体としてそのことによって法人税の実質税負担はアメリカのようにふやしていこうという方向なのか、やはり企業の実質税負担はもうちょっと軽減してやろうということなのか、これははっきりしておいていただいた方がいいと思いますので、お答え願います。
  144. 小川仁一

    ○委員以外の議員(小川仁一君) お答えをいたします。  私どもは、税率の引き下げだけでなく、法人課税の適正化を目指して、今後も課税ベースについては税負担の公平を重視しそれを拡大する方向で考えております。引当金、租税特別措置、その他役割を失った過度の優遇措置については、実態に即して適宜見直す考え方でございます。  今回は、実態に即して、貸倒引当金や賞与引当金を圧縮し、配当課税を適正化するなど、課税ベースの拡大を重視した改正を行っております。法人税負担を考える場合、社会経済の変化という条件を勘案しなければならず、それにどのように対応していくかで負担のあり方も決まる側面もありますし、財政運営や税制改革全体の中で負担水準を決定していきたいと考えております。  したがいまして、実質的に軽減されるか負担増になるかは、現在の段階で断定的にとらえて申し上げる状況にはございません。
  145. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 私は今の答弁で、これまで論議してきた大企業優遇税制をどういう位置づけで考えるかということについて、明確な答弁がなかなかできなかった事情がよくわかったという気がいたします。それはそこでその立場がわかりました。ですからそこにとどめて、次にこの間も山中委員も取り上げた納税者番号制の問題ですね。  山中委員が申し上げましたように、納税者番号というものが一たび導入されたらどんな深刻な事態になるかということを、山中委員はこのNHKの本で詳しく述べました。私はこの問題をいろいろ読みまして、これは文藝春秋から出ている馬場恭子さんというニューヨーク在住のジャーナリストの書いた「プライバシーが筒抜け」という本ですけれども、これを読んで納税者番号とか社会保障番号そのほかさまざまのクレジットカード等によって人権侵害がいかに行われているか、プライバシーの侵害がどんな深刻な事態を引き起こすかということを読んでびっくりしました。  そして、この本には日本についての警告もあります。日本はまだおくれているけれども、日本の技術力と金力に物を言わせてやればすぐアメリカにこういう点でも追いつくだろうということを警告して、今大事なこととして、プライバシーの権利を自分の宝物として何としても必死で守らなければならないと呼びかけております。  私はそういう点で、二年間かけて納税者番号での国民の合意を図ろうというのは逆さまであって、納税者番号が導入されればどんな危険な事態になるかということを国民に知らせることが野党のやるべき今の仕事ではないかという気が、幾つかの本を読んでしました。そうすると、あなた方とまるで違う立場ということになるかもしれませんけれども、これはどうお考えになりますか。
  146. 勝木健司

    ○委員以外の議員(勝木健司君) 租税の不公平を一掃していこうということで徹底した総合課税中心の税体系、所得税を再構築するためには、やはり私どもは納税者番号制度の導入というのは不可欠じゃないかというふうに考えておりまして、昨年の政府税制調査会の納税者番号小委員会の報告にも、結びとして「その効果には一定の限界はあるものの、納税者の所得等を把握し適正・公平な課税を実現するためには有効な制度である」というふうに述べられておるわけでありますので、その必要性を認めております。  今吉岡先生おっしゃいましたように、この納税者番号については、国民のプライバシーを侵す懸念があるとの声は確かに私どもも承知をしておるわけでありますが、一方では国民の公平な税を求める要求も大変強いわけでございますので、そういう意味からも私どもとしては、やはり国民の信頼に基づく税制を確立することが税制再改革の原点でもございますから、国民の合意を得るよう十分な時間をかけつつ納税者番号制度の導入を行う所存でありまして、もちろん国民の合意が導入の大前提でございます。
  147. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 この納税者番号の対象、これは納税者あるいは国民全部を念頭に置かれているのかそれとも特定の部分なのか、そしてまた納税者番号の導入で捕捉しようとするものは事業所得も含む所得すべてなのか、所得のうちの特定の部分なのか、簡潔で結構ですからお答え願います。
  148. 勝木健司

    ○委員以外の議員(勝木健司君) 納税者番号制度の導入については、やはり国民のプライバシー保護と合意形成が大前提でありますので、したがってだれを対象とするのか、どのような所得階層を対象とするのか、また捕捉をどうするのかということについても今後の検討課題ということで、重要な検討課題だというふうに思っております。
  149. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 次に、この納税者番号に関連してですけれども、納税者番号を導入しなければ所得の把握はできないというふうに本当にお考えになっているかどうかという点です。  これは皆さんのところへも来ているはずですけれども、全国青年税理士連盟というところから 「納税者番号制」というリーフレットが来て、恐らく各部屋とも全部配られたものだろうと思います。この中に書かれていることは、納税者番号がないから把握できないのではないんだということを述べ、いわゆる捕捉率が低いというのは把握がしづらいということが原因なのではなく税務行政の怠慢が原因である、納税者番号の範囲ならば現行制度のもとでも余り変わらず、それなら現在の法定資料の活用を図ることの方が重要だというようなことを書いているんですね。要するにやる気があるかないかということによって把握は決まるんだと書いております。  私も、今何を捕捉しようとするのかという点については今後検討するという答えでしたけれども、例えば社会党のお出しになったこの本によりましても、国民の全所得を今すぐ納税者番号で押さえようというふうには書いておいでにならない。利子課税とかキャピタルゲイン等々だというふうに思います。そういうものなら、納税者番号制なんというふうなものは採用しなくても証券会社そして金融機関が全部つかんでいるわけで、それを集計すればその把握はできる。私は朝霞にある国税庁の事務管理センターに調査に行ったことがありますけれども、あそこのコンピューターシステムを使えば住所氏名がわかればそんなことなど簡単に、簡単にとは言いませんけれども、理論的可能性ではなく実際的な可能性があるんだということをそこで言っておりました。あなた方はあくまで納税者番号制がなければそういう把握はできないという見地なのかどうなのか、お伺いします。
  150. 井上吉夫

    ○理事(井上吉夫君) 時間が参りましたので簡単に願います。
  151. 勝木健司

    ○委員以外の議員(勝木健司君) 吉岡先生の御意見は御意見として承っておきたいと思いますが、朝霞のコンピューターセンターですね、そういうことも含めましてやはり検討していかなければいけないというふうに思っておりまして、いずれにしても国民の合意とプライバシーの保護というのが大前提でございますから、検討させていただきたいというふうに思います。
  152. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 それじゃ時間が来ましたので終わります。(拍手)
  153. 野末陳平

    ○野末陳平君 とうとうこの時間になってしまいましたが、もうしばらくの御辛抱をお願いします。  きょうは二時間いただきましたので、一時間は大蔵大臣に自民党の見直し案についていろいろな御見解をお聞きすると同時に、こちらの意見も言いたいんですが。それから四党の皆さんの方には、もうおさらいというか繰り返しになってもいけませんので、いよいよ総選挙が近い、その結果いかんによっては御提案中のこれが国民の税金を縛ることになりますので、よりよいもののために自分の意見ないし要望を聞いていただきたい、こういうふうに思っております。  まず大蔵大臣、自民党の見直し案が出ましたですが、どうでしょう、大蔵大臣はどのような評価をなさっているか。
  154. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうど自民党の考え方が示されました翌日、本委員会でお答え申し上げましたが、私どもはこの御意見をちょうだいし、今後政府税制調査会の論議を見ながら、最終的に政府の責任において来年度税制改革の内容を固めようといたしております。我々として、政党内閣として十分これを尊重する姿勢に変わりはございません。
  155. 野末陳平

    ○野末陳平君 建前はそうなんですけれども、僕など見まして六十点すれすれかなと思っているんですが、肉づけの点でもっとはっきりすればいろいろな評価が出てくる。  例えば身体障害者用の物品ですね、これ「非課税」とあるだけで具体的なことはわかりませんね。で、私知り合いなどにやはり言われますね、どうしても。電動車を含めた車いすとかあるいは補聴器、点字器とか、そういうものはもう当然非課税にすべきだったんだけれどもやっとやってくれるのか、でも本当にこれやってくれるのかとこういうことなんですが、これはどうですか。
  156. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 自民党の消費税の見直しに関する基本方針におきまして新たに非課税とすることとされております「一定の身体障害者用物品」の範囲というものにつきましてまだ政府として具体的な検討を行っておる状況ではございませんけれども、仮に今後検討いたします場合には、身体障害者福祉法に基づく国の施策の対象となるものなどが一つの参考として考えられるのではなかろうかと考えております。  今委員は、電動車いすでありますとか幾つかの物品の例示を挙げられたわけでありますが、電動車いすばかりではなく通常の車いすあるいは補聴器、点字器など、身体障害者福祉法に基づく公費による給付制度の対象としての補装具に含まれておるわけでございます。私は、たまたま自分の父親が肢体不自由でありましたために他の方よりも多少こうした分野に対して必要なものについての知識はあるかもしれませんが、個人的な見解を申し述べる段階にはありませんので、身体障害者福祉法に基づくものなどが参考として考えられるのではなかろうか、今の時点ではこの範囲で御了承をいただきたいと存じます。
  157. 野末陳平

    ○野末陳平君 福祉法に基づくものというとほとんどのものですよ、もうそれは十数品もありますから。ですからほとんどが非課税になる、そういうふうに受け取らざるを得ないし、またそうしてもらわなきゃ困りますが。  改造自動車がありますね。あれは低利の融資がついているわけですが、それらを含めてこれも非課税になるんでしょうか。
  158. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 現時点で確たることをこれは本当に申し上げる立場にございませんけれども、少なくとも検討の対象とされる可能性はあろうかと思います。
  159. 野末陳平

    ○野末陳平君 それから住宅の家賃ですね、これも自民党案では非課税になっているわけで、当初から非常にこれも問題があって批判を浴びていたところですが、果たして自民党はこう言っているけれども大蔵省サイドでこれができるかどうか、家賃の非課税が。ちょっと疑問もあるんですが、これについてはどうお考えですか。
  160. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 自民党の見直し案におきましては、消費税の所得に対する逆進性の緩和の要請と我が国の住環境の現状を踏まえ住宅家賃を非課税とすることとされておりますが、こうした観点に立った配慮として一つの政策判断であろう、こう思います。  住宅の貸し付けというものが、転々流通する物品とは異なるわけでありますから、税の累積など経済取引の攪乱要因となる場合も少ないということは確かに考えられます。ただ、消費税の見直しにつきましては今後政府税制調査会の答申をも踏まえまして政府の具体案をまとめていく手順となりますので、現段階におきまして見直し案の具体的な内容について申し上げることはお許しをいただきたいと思います。
  161. 野末陳平

    ○野末陳平君 まだこの段階でやれるやれないという答えを期待しているわけじゃないですけれども、少なくも前向きの感じをもらわないと困るんだが、公団とか公営住宅、これはもうかねてから非常にいろんな陳情などもありまして、これは外税が主だろうと思うしそれから地方自治体もかかわりがあったりするので、少なくもこの非課税は表に見える形でできるであろうと思いますが、いかがでしょうか。
  162. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 仮に家賃が非課税となりました場合公団住宅あるいは公営住宅の家賃がどうなるかという点になりますと、これは実は私にとりましては所管外のことでありまして、本来私からお答えを申し上げること自体がどうかと思います。ただ、消費税の間接税としての性格を踏まえて考えますと、税負担の減少に見合って価格が適切に引き下げられることが望ましいということは言うまでもありません。
  163. 野末陳平

    ○野末陳平君 問題はやはり民間、家賃にこだわれば民間の問題だろうと思うんですね。これはいずれは当事者同士ということになろうかとは思うんですけれども、しかし一部便乗値上げしたと言 われている家賃、これも当然あるのは御存じのとおりで、こういうものはこのままいってしまうじゃないか、こういう気もするんで、これは随分問題があろうと思いますよ。それからまた、オフィスは当然課税、管理費も課税、こういうことでよかろうが、少なくも住宅という問題について政府がきちっとした形で非課税を実現してもらわなきゃ困ると思うんです。  四党の皆さんにもちょっと気になるところをお聞きしたいと思うんですけれども、廃止法案が成立したとして四月以後、例えば今便乗値上げと言いましたけれども、やはりおそば屋さんとかクリーニングとかレストランとか床屋さん、美容院、いろいろありますが、確かに一部で明らかなる便乗値上げがありましたですね。そうすると、消費税廃止となりますとこれは導入前の三月の末というところに価格の状態が戻らなきゃいけない、つまり値下げにならないと筋が通らないと思うんですが、こういう点についてはどういうふうにお考えになっておりましたか。
  164. 笹野貞子

    ○委員以外の議員(笹野貞子君) お答えいたします。  これは導入したときと同じように、行政指導その他監視制度とかを使いまして下げるようにいたしたいと思います。
  165. 野末陳平

    ○野末陳平君 公共性の強いものだったらまだ今のお答えでよかろうかとも思うんですけれども、じゃ例えばJRとか地下鉄、あるいはバス、私鉄、これは消費税をきっかけに内税という形で大部分が値上げに踏み切った。そういう場合、じゃこれは間違いなくもとへ戻るだろうか、こういう不安を当然持ちますね。もし値段が戻らなければこれは廃止がうそになって国民に迷惑をかけるし、そういう責任もやはり負わなきゃいけないと思いますんですが、今の公共性のあるような運賃など、これは値下げになるという保証のようなものはありますでしょうか。
  166. 勝木健司

    ○委員以外の議員(勝木健司君) JRや私鉄などの鉄道事業につきましては、その運賃及び料金は鉄道事業法第十六条によりまして運輸大臣の認可を受けなければならないことになっておるわけでございまして、なお、この運輸大臣の認可に当たりましては運輸審議会に諮問することが運輸省設置法第六条に定められておるわけでございます。  今回の私どもの消費税廃止関連法案では、三%の消費税を廃止する一方で確かに通行税を五%で復活することにしております。したがいまして単純に言えば、普通乗車料金につきましては値下げとなりますが、グリーン料金などは差し引き値上げという計算になります。そのため、消費税導入の際と同様に、各事業者において運賃及び料金の改定認可を運輸大臣に申請してもらう必要があるというふうに考えておるわけでございます。  したがいまして、この運賃及び料金の改定につきましては今回の消費税廃止関連では規定していないところでありますが、これにつきましては、第一に、鉄道事業の公共性から特段に規定するまでもなく各事業者において自主的に認可の申請をすることが期待できること、また第二点といたしましては、仮に自主的に認可の申請をしてこない場合には鉄道事業法第二十三条に基づきまして運輸大臣が運賃、料金の変更を命ずることができること、また第三点に、その料金体系につきましては運輸大臣の認可事項とはいえ第一義的には各事業者において考えられるものでございまして、現行の料金体系におきましてどのように消費税が転嫁されているかは各事業者において異なっておるわけでございまして、一律にどうこうしろとは言いがたい側面があることなども考慮したわけでございます。  消費税導入の際も、本年の二月八日でしたか、一斉に運賃及び料金の改定を申請しておりますが、その認可申請書にも鉄道事業法施行規則第三十二条第一項第四号に基づきまして消費税の転嫁を理由としているものと思われますので、その意味からも、消費税が廃止されることになりますれば各事業者におきまして当然に運賃及び料金の改定の認可申請が行われることになるというのは言うまでもないことだというふうに私どもは考えておりまして、消費税が廃止されても運賃や料金の改定が直ちに行われるだろうかという御心配が確かにあるわけでございますが、私どもといたしましては鉄道事業の公共性から判断いたしまして各事業者を信頼してよいのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  167. 野末陳平

    ○野末陳平君 お答えのとおりであってほしいと思いますね。ちょっとこれを不安に思っているのは、九法案のどこを探してもこういうようなことに触れた部分がなかったので、何しろこの廃止後の後始末というのが人任せになっちゃちょっとまずいなと思ったし、同時に行政指導という言葉をいろいろ常に使うんですけれども、それがうまくいっていれば便乗値上げだってなかったと、こういうことになりますからね。その辺はさきの大蔵大臣の家賃の問題も含めてなかなか難しかろうと思いますが、いい形を望んでいます。  それから大蔵大臣に、この見直し案の中ですけれども、やっぱり食料品の非課税というのが一番これは問題ですね。大体僕はかねてから見直しをせざるを得ないという方で、もともと消費税廃止でありませんので、ひとつそれはもう理解してくださいよ。見直すべきは簡易課税、免税、その他の仕組みの問題であって、食料品は僕個人は今のままの三%の課税でいいんだ、まして全段階非課税とかいろいろ言うが好ましくない、むしろやるべきは政府が食料品の値段を下げる努力を本格的にすべきだとこう考えているわけで、一割、二割下がれば消費税の三%というよりももっと国民に喜ばれるんですから、ちょっとどこか違っていると思っていたんですね。食料品非課税のことをあれこれおっしゃるから、苦々しく思っていた。妥協の産物でああいう形になりましたですけれども、今回の自民党案の食料品に関する見直しを大臣、あれはどうですかね、不満というか困るというか、複雑だと思うんですがね。どうです、率直に。
  168. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 消費税のように消費に広く薄く負担をお願いするということから取引の各段階で課税をいたします税におきまして例外品目が拡大されることにつきましては、政府税制調査会の中間報告では「消費税のもつ基本的性格を忘れてはならず、経済取引に大きなかく乱要因をもたらすものであってはならない、」という御指摘を受けておるわけであります。「また、経済取引において転々流通する物品について非課税を設定することは、」ということで「税の累積を発生させ」るとともに、「事業者の事務負担を増加させる等経済取引のかく乱要因となる度合いが極めて大きいことに留意する必要がある。」という御指摘もありました。  今回、自由民主党において取りまとめられました食料品の特例措置というものは、事業者間の取引について極力経済取引を攪乱させないように特別低税率を設定されております。そして、最終小売段階のみ非課税とする方式をとっておられるわけでありまして、経済取引への攪乱要因を極力排除しながら国民心理に十分こたえたものとなっておられる、そのように受けとめております。  政府としては、自由民主党の基本方針の内容を十分勉強させていただくと同時に、政府税制調査会の今後の御審議なども踏まえまして、平成二年度税制改正において政府としての見直し案を得るように最大限の努力を傾注してまいります。委員が今御指摘になりましたように、価格そのものの引き下げという問題になりますと何といいましてもやはり内外価格差の問題を脳裏に浮かべるわけでございますが、これは確かに消費者重視の観点からできる限りこれを是正しあるいは縮小する必要があると私どもも考えております。    〔理事井上吉夫君退席、委員長着席〕 先般、政府・与党内外価格差対策推進本部を設置いたしまして、総理自身が本部長として内外価格差是正の問題につきまして一層積極的に取り組もうとしておるところでございます。
  169. 野末陳平

    ○野末陳平君 抽象的にはいろいろ言えるけれども、具体的になると、食べ物の非課税、ましてや途中は一・五で小売で非課税という、これは難しい と思うんです。何が食料品かというまず根本的な定義から引っかかるところがあって、自民党は人の飲食の用に供するとこういうふうに定義しているけれども、動物のえさはどうだ、これは人じゃないから全部食べ物じゃないと単純に割り切れるか、こういうことがありますね。例えば家畜なんかはトウモロコシ、穀類、例えばイワシなんかも食べる。それから養殖の高級魚、これはお魚を食べる。これはえさかというと人間だって食べられるかもしれないし、難しいですね、はっきり言って。じゃこういう家畜のえさ、これは食料品から外しますか、それとも入れちゃうんですか。どっちにしても難しいなと思うんですけどね。
  170. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 今私どもまさに勉強中でありますから確たることは大変申し上げにくいわけでありますけれども、今委員が大変お答えしづらい例示を幾つか挙げられました。しかし、基本的に私はこの自民党の基本方針を読んでみますと、高級な食料品と言われるようなものも含めて食料品全体が非課税の対象になっている。しかし、ペットフードでありますとか家畜のえさでありますとか、人が通常食用に供しないと思われるものは外されておると思います。  そうなりますと、今委員が例示に挙げられましたような例えばトウモロコシといったようなものをとりましたときに、私どももそれこそ秋のお祭りでトウモロコシをよくがりがりかじりますけれども、完全に飼料用にするために干してかちかちにしてしまいますね、ああいう状態になりますと通常これは人間が食べるという状態からは外れておるわけであります。敗戦直後私どもそれを食べた時期がありますけれども、通常完全に飼料に加工する状態と言えるものになれば、これはやはり外れるんじゃないでしょうか。例えばイワシその他をお挙げになりましたけれども、フィッシュミールにする状態までいって果たしてそれが人間が常用的に食物として採取するものかといえば、これはもうそうではなくなっておると思うのであります。そういう意味では、これはやはり常識の範囲で線を引いていくということになるんじゃないでしょうか。
  171. 野末陳平

    ○野末陳平君 いや、これは本当に難しい、業者にとっては死活問題かもしれないぐらいに。だって家畜のえさといったって、今みたいに分けられてくると非常にどんなえさをやっていいかわからない。馬なんかわらを食べるんだから、そうするとわらは当然人間は食べないからこれはわかりますよ。しかし、今おっしゃったように、トウモロコシをかちかちにしたのはだめでやわらかければいいのかとか、それで今ペットフードと言いましたけれども、ペットフードなんか人間は食わないと言うけれども、あれは人間が食べてもうまいんだよ、割と。いや、冗談みたいだけれども、こういうふうにへ理屈をつけ出すと食べ物というのはすごく難しい。  それから、いやもうお答えしにくいのはわかっていますけれども、健康食品だって、お薬の方は三%の消費税が残って健康食品と称したらもう薬じゃないとはいうものの、あれが食べ物かといって食べ物になったらばこれは小売り段階非課税とか矛盾も出てくるし、これは難しいな。人間の飲食と簡単に言っても、相当な何といいますか細かい規定を少々無理でもつくらざるを得ないところに落ち込んで、何か食料品非課税を言った余り自分の首を締めているんじゃないかと。あなたじゃありませんよ、総理初め自民党は首を締めているんじゃないかと思って心配でしょうがないですよ、果たしてこれが国民の理解を得られるかというと。これは廃止の方はその点まだ気は楽なんですよ、本当に、廃止と言うのは。それは僕だって廃止って言ってみたいですよ。しかし、廃止した後のことも考え、かといって見直しか。実にこれは難しい、どちらも。  そこで、別の角度で今度はもっと大事なことを聞きますよ。笑い話みたいになっちゃうと残念ですけれども、見直し案の疑問点、大蔵大臣、これは自民党がどういうふうにしてくれるかよりも大臣の考え方ですよ。小売段階非課税というけれども、どのような方式でこの小売業者を特定するかという、消費税のときにもこの問題があるんだね、小売と卸の売上比率。さて、小売の基準は何だというふうにこれから特定していくことになるんでしょうかね。
  172. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) これは二つの面の問題点があるいはあろうかと思います。一つは、今委員が小売の定義と言われましたが、これは言いかえれば卸とどう区分をするのかというその基準の問題と同時に、一般消費者がどう見分けるのかという問題もありましょう。ただ、これから先私どもはまさに党の基本方針をちょうだいし、今後政府税制調査会の答申を踏まえて政府の具体案を詰めていくこととなるわけでありまして、現段階におきまして、政府の一員として見直し案の具体的な内容についてお答えを申し上げることはお許しをいただきたいと思うんです。  ただ一般論として申し上げますと、仮に全食料品の小売段階非課税というものを制度化するという場合には、やはり何らかの形で小売業者なりあるいは小売販売所といったものを特定するための制度上の仕組みが必要になるであろうということは考えられます。そしてまた、非課税となる小売業者あるいは小売販売所なりをどう一般市民に見分けていただくかということも考えなければならないと思います。
  173. 野末陳平

    ○野末陳平君 やはり小売か卸かというようなこれがなかなか決めにくいとなれば、なおのこと一般の消費者には小売段階で非課税というこの見直しの事実がわかりませんから、大臣のお答えにあった外見表示というか、公取法との問題もありますから、だけども少なくも何かここは小売店であるよというその表示だけは必要だと思いますよ。だから、これは当然の検討課題だと思いますね。  しかも、消費者はどうやら値段の下がることを非常に期待している。となると、さっき言った内外価格差の方がむしろ大事だと、これはもうアメリカからも言われているというこの大きな問題にむしろ全力を挙げて取り組んでもらい、その小売と卸の基準がと。それよりもやっぱり大蔵大臣はここらで、いずれまあ総理大臣にもなろうかという立場ですからね、物価の値下げ、これを絶対にやるというこちらの方でひとつ公約をするぐらいの気持ちを持った方がいいと思うよ。いや、本当に。細かい仕組みをがたがた言っても僕は意味がないと思うんだけれども、どうです。もう一つ内外価格差、いろんなかけ声は出ております。しかし、来年のしかるべき時期には形で見えてくる、こういうようなところまで努力目標を持っていますか。
  174. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) これはスタートをさせまして、これから本気でもう一度それぞれの視点からチェックをし直していき、問題のあるところについての是正措置を講じてまいるわけでありますから、今の時点で確たることを申し上げるということも、また私自身の所管を超える部分もたくさん持っておりますから、申し上げ切れない部分があります。しかし、今現実の問題としてこれだけ内外価格差というものが日本の国内における声だけではなく逆に海外からも問題視されるような状況の中で、私どもはなぜそれだけの内外価格差が生じているかという原因を本当に掘り下げていかなければならない責任は政府に本当にあると思っております。政府の一員として努力をいたしてまいりたい、そのように考えております。
  175. 野末陳平

    ○野末陳平君 さっき言いましたやっぱり一番の問題点の仕組みですけれども、これはもう予算委員会を通じて毎回僕は言っているんですけれども、事業者の免税点三千万円以下とか限界控除とか五億円以下は簡易課税方式を選択できるとか、もろもろのこれこそ最重点に見直すべきポイントであったにもかかわらず、自民党の案では非常に物足りない。それは僕は納税一巡後にきちっとやるのが正しいと思っていますから、すぐに途中経過でもって結論を出すというのは危険ですよ。しかし、自民党の案を読むと非常にその辺がもっと踏み込んだ文章が欲しいと思いましたよ。大臣も そう思ったでしょう。
  176. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどから答弁に窮するような御質問をたくさんいただきますけれども、これはもう委員御自身よく御承知でありますし、むしろ耳にたこができるほど何遍も私どもも繰り返して申し上げてまいりましたけれども、この免税点制度あるいは簡易課税制度などのいわゆる中小零細事業者に対する特例措置と申しますものは、制度の公平性と簡素性という二つの要請の中でどういうふうにバランスをとっていくかという観点から、この種の税になじみのない我が国の現状を考え、ぎりぎりの政策的判断の結果として設けられたものでございます。しかし、これらの制度については消費者を中心にいろいろ御論議があることを私自身も承知いたしております。また、今回の自民党の見直し案におきましても、その「制度等のあり方については、中小零細事業者の消費税の申告・納付等の事務負担に関連する問題であり、申告・納付が一巡する来年五月までの間は、これらの事業者の値決めや事務負担の実態等の把握に努めるべきであり、これらの制度をどう見直すかは、そのような実態把握を十分行ったうえで、検討のうえ提示することとする。」と指摘をされております。  委員からも完全に一巡を終わってからというお言葉をいただいたわけでありますが、いずれにいたしましても消費税の見直しにつきまして私どもは自民党の基本方針見直し案の内容というものを十分勉強させていただきますと同時に、政府税制調査会の今後の御論議なども踏まえまして、政府としての適切な結論を出してまいりたいと考えております。
  177. 野末陳平

    ○野末陳平君 僕がこの自民党の見直し案の中でおやおやと思ったところを一つ指摘しておきますね。  これは帳簿方式を使う事業者においてですけれども、消費税の仕入れ税額控除の中で、交際費等の支出と、それから一定の乗用自動車の購入費などですね、これを否認することにしていますね。この辺の意図をちょっと説明してくれますか。
  178. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) これは政府の私が自民党の意図を御説明申し上げるというのもちょっと困難でありますし、またこれはお答えをする立場にはないと思います。
  179. 野末陳平

    ○野末陳平君 これは僕に言わせりゃ、事業者からかなり反発が来るであろうと思いますが、やはり消費者のために考えればほんの少しでも公平という方向へ踏み出しているから、これはやった方がいい。事実、外国でもやっているところがあるんですね。ですから、交際費あるいは一定乗用自動車の購入費について仕入れ税額控除否認、これは絶対にやるべきだと思うんですね。  それからもう一つ、これもちょっとおやおやと思っているんだけれども、簡易課税制度のみなし仕入れ率、これがまた問題だったわけですよ、今まで。これはもう久保先生、これについては当然御質問もあったしまずいわけなんですが、このみなし仕入れ率を自民党案では、今度は、「政令委任事項とする。」、こういうふうにしましたね。これはどういう意味でしょうね。これだったらわかるでしょう、大臣。ちょっと僕はよくわからないから聞くんだけれども、みなし仕入れ率。
  180. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回、自民党の見直し案の中に委員がお触れになりましたような内容がございます。もともと簡易課税制度というものは中小事業者の事務負担に考慮し、平均的な付加価値率に基づいて定めたみなし仕入れ率により仕入れ税額控除の計算を簡便にするという趣旨で設けられた制度でありますけれども、これに対して、業種業態により付加価値率は異なるものであり、これを一律に定めることは一部の事業者に不当な利益を与えるばかりではなく、事業者間においても不公平を生じているのではないかという御批判を受けていることも承知をいたしております。その意味では今回の自民党の見直し案というものは、これらの御批判にこたえるべく、みなし仕入れ率について実態に合わせて速やかな対応が可能となるよう政令事項とするという御趣旨ではなかろうかと私は思っております。  いずれにいたしましても、私ども、先ほど来申し上げましたような手順を踏まえまして適切な結論を出す責任があるわけでありますが、今の委員の御質問にお答えをいたすとすれば、これらの批判にこたえるべく、実態に合わせた速やかな対応が可能になるよう政令事項に移された、そのように理解をいたしております。
  181. 野末陳平

    ○野末陳平君 そうしますと、問題のみなし仕入れ率、原則小売八〇%、卸九〇%、これを業種業態によって変えるべきだと、当然また現実に合っていないわけですから、仕入れ率の低いところから丸もうけみたいな話になっていますから結果的には複数化していこう、これを政令でやる、こういうことなんだと思いますね。  そうすると、お客様から預かった消費税が仕入れ率の変更によっては今までのようにはたくさんに残らない、こういうことなのかな。そこをねらったという、それが公平に近づいた、こういう判断でこれが出てきたんでしょうか。その点の解釈はどうですか。
  182. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、恐らく自由民主党の基本方針は実態に合わせた対応を行うように我々に求めておられる御趣旨と、そう理解をいたします。
  183. 野末陳平

    ○野末陳平君 なるほど。そうするとここがまた問題が起きてきそうな気がするし、とにかくここをきちっとやれるかやれないかというのも非常に関心もあるし、また難問で、やり方をやり損なうとまた別の不公平が出てくるという、いずれにしてもこれは大変な作業ですね、見直しも。とにかくしかし自民党の案が出たわけですが、大蔵省も慎重に重ねてきちっとした見直しをやってもらわなきゃ困る、こう思いますから、これはこれで大蔵大臣には要望しておきます。  あとはもう細かいことをやっても、まだ自民党の見直し案なんだから、政府の案でないから、これはもうやめまして――やめましてということはないけれども、この辺はまたの機会に譲ることにしましょう。わかりました。こちらにもいろいろお聞きしたいことがありますから。  じゃ、大蔵大臣、六十点がいいところじゃないかなと思いますけれども、ひとつ頑張ってもらいましょう。ありがとうございました。じゃ、次の予定へ、結構ですから。  先生方お聞きのとおり、これ、見直しも難しいですよね。しかし同時に、廃止した後の税制というのもこれまた全然別の異質の難しさがあるんですね。それで、僕は前回も申しましたように、結局初めに廃止ありきで次の税制のあり方を求めていくのはもうとてもこれも大変だというので、いわばギブアップで見直しということになっているわけですが、ひとつおさらいを含めて、今までまだ触れなかった点も二、三お聞きしようと思います。あくまで僕の意図は、これが今後とも生き続けることも当然あるわけですから、そのためには大事なところはもう全部できるだけ速やかに直してほしいという意味で、皆さんがお気づきにならないことがあれば二、三というようなことですから、お答えいただきますね。  まず、入場税の方を見てくださいね。入場税の復活の方ですけれども、なぜ今さら入場税の復活をするのかというその趣旨からいきましょう。お願いします。
  184. 佐藤三吾

    ○委員以外の議員(佐藤三吾君) 橋本大臣のうめき声を聞きながら、これまたこの次は我が身かと思って出てまいりました。  実は、入場税の復活について、一番何と言うんですか我々の今までの対応等を見ていろいろ言われる点でございますけれども、端的に言って消費税廃止という前提に立ってそして二年の暫定と、そこで今まで国民の皆さんがなじんでおった税を基本に置いて復活してその財源をひとつ確保しよう、こういう趣旨でこの復活というものが考えられたわけでございますが、ただ先般も御答弁申し上げましたように、それではやみくもに完全復元ということではなくて、今御指摘のように、文化行事関係も含むこういった入場税の問題について はやはり国民の皆さんの、何というんですか、受け入れられるそういったところをひとつ検討しなきゃならぬ、こういうことで御案内のとおりに一〇%を五%にしたわけです。  一〇%の場合も、御案内のとおりに、映画の場合については二千円、それから演劇、音楽、スポーツ、こういったものについては五千円、競馬場、競輪場については三千円という免税点があるわけですね。私どもが調べてみますと、映画の場合には人員、料金ともに旧税の場合には九九%が非課税になっておる。それから演劇等は人員が大体九五%、料金が八〇%の範囲で非課税という実態である。これは先日山中先生のお話では、いやそうではないんだ、逆に免税点以下に抑えて料金を設定するからそうなるんだ、こういうお話もございましたが、実態を調べてみると今申し上げましたように免税点の範囲内で映画は九九%あり、演劇その他については人員で九五、それから料金で八〇%、こういう実態等もございますから、それから見るとこれが廃止になって消費税になったときには逆に言えば増税になっておるわけですね。それが今度はまた五%で復元するわけで、しかも免税点はそのまま残しましたからそうすれば多分に減税になった部分が出てくるんじゃないか、こういう考えもいたしております。  いずれにしましても、先日久保発議者も答弁しておりましたように、税改協の中で十分ひとつ御意見をいただいた上でそれらを参考にしながらひとつ議論していきたい、こういうことの立場は変わっておりません。
  185. 野末陳平

    ○野末陳平君 ただし、六十三年度の政府予算案に対する修正共同要求というのがありまして、その場合にそこでは入場税の撤廃を主張なさっておったから。となると、一〇%を五%と佐藤先生おっしゃるけれども、撤廃と言うんだからこれは復活しなきゃいいのにというのが僕の率直な感想なんですね。財源確保とはいえそれほどの税収もないし、これはやはり復活はまずかったなとそう思っているんです。どうです、久保先生。
  186. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) これは前に今おっしゃったような考え方を出したこともございまして、そのような考え方というものは今も私どもとしては文化、芸術という問題を考えますときに深く配慮をしていかなければならぬ問題だと思っております。  今回は一応これらの消費税を廃止するという立場で、旧税制を一応復元して税率を調整していくという考え方に立ちましたために、入場税も税収としては四十億を見込むものでありますけれども、復元することにいたしました。しかし、今のお考え等については、私は異議があるわけではございません。これから再改革をやっていきます中では、そのような方向でこれは結論を出せたらいいなと私も思っております。
  187. 野末陳平

    ○野末陳平君 当然これは二年間の暫定ということもありますから、二年後は撤廃で入場税ゼロ、消費税もなしということであろうと、皆さんのお考えは。そういうふうに僕は受け取ってはいるんですよ。受け取っているんですけれども、わずか四十億のために復活したということで、せっかくこの文化を尊重するというか野党らしさというものを損ねたかなと思って、それで気になっているわけですね。  さて、提案の入場税法案、この復活の法案を見ますと以前の入場税法と違う点が一つありますね。それはもちろん非課税のところですね。第九条の非課税範囲のこれは三号のところですね。この三号のところを今回新規にそちらで文言を加えておりますけれども、そこのところのちょっと説明、またその理由、これをよろしくお願いします。
  188. 佐藤三吾

    ○委員以外の議員(佐藤三吾君) 国立劇場の現代舞台芸術の公演を行う場所への入場を新たに非課税にした問題だと思いますが、この点については、ことしの三月に国立劇場法が改正されまして、国立劇場の設置目的及び業務内容にオペラ、バレエ等の現代舞台芸術の公演が追加されたわけでございます。したがいまして、入場税法案の第九条第一項第三号におきましても、旧入場税法が非課税としていた国立劇場が伝統芸能の公開を行う場所への入場と区別する理由はないのじゃないか、こういう判断から非課税としたわけでございまして、まだ劇場そのものはできておりませんけれども、一応そういう国立劇場法が改正になったという時点でもございますので、こういう措置をつけ加えたわけです。
  189. 野末陳平

    ○野末陳平君 これは要するに今先生のお答えのとおりでして、第二国立劇場がもうすぐできますからね。そうすると、今までは第一国立劇場といいますか、現在の国立劇場でやっておる伝統芸能というのはこれはその場所が非課税である、入場税は。そうすると、第二国立劇場でやられるオペラとかバレエのような現代舞台芸術も当然区別する必要がないから、そこで公演される以上これは非課税であると合わせた、こういうことですね、区別する必要がないと。  そこで、お聞きしますとちょっと疑問があるんですね。オペラとかミュージカルとかバレエとかいう現代舞台芸術と称するものが第二国立劇場で公演される場合は非課税、そうですね。非課税、いいですね。同じものが今度は民間の劇場で公演される、全く同じものあるいは質がとてもいいオペラ、ミュージカル。なぜかというと、このごろは狭いところではとてもやれませんので、物すごい大きい会場を借りますから、自然と本当にいいオペラでもミュージカルでも違う場所でやる、民間の場所でやる。  そこで僕の疑問は、第二国立劇場で公演される場合は非課税でいいんですけれども、同質、全く同じものあるいは質の高いいいもの、いい芸術、これが国立以外のほかの民間の場所で公演された場合はこれは課税となってしまうんでしょうか。これでいくとどうもそうなると読めるんですが、どうでしょうか。
  190. 佐藤三吾

    ○委員以外の議員(佐藤三吾君) そういうことになります。
  191. 野末陳平

    ○野末陳平君 ですから、そうなるといわゆる不公平というか、国で建てた劇場を使えれば非課税、全く同じものがもっと高い入場料になってしまうであろうが民間に持ってくればこれは課税と、こういうことになるといわゆる箱によって課税、非課税があって不公平であり、一種の、嫌な言い方だが官民の差みたいなそういう気がするので、ここが実は気になっているわけなんですよ。これをおつくりになるとき、そこは全然考えませんでしたか。それとも、それはやむを得ないということでパスなさったんでしょうか。
  192. 佐藤三吾

    ○委員以外の議員(佐藤三吾君) この国立劇場法という法律は、国立劇場法の一部を改正する法律の中でそういう所要の措置がとられておりますから、したがってそこに新しい劇場ができたと。国立劇場、第二劇場ができたということでそれを加えた、こういうことで、新たにそこで検討して云々ということにはなっておりません。
  193. 野末陳平

    ○野末陳平君 それはちょっと誤解なんですね。  国立劇場法では、今の現代舞台芸術について所要の措置はとられていないんですね。ちょっとこれはややこしいから余り、別に責めているわけじゃありませんからね。御存じなくて当たり前なんですから。伝統芸能についてはきちっとしてあるんです。これは、伝統芸能については入場税法案の方で、先生方の方にも第九条に、この二号があって、三号がそれを受けているという、こういう整合性があるんですね。  そこで、ちょっとこれは言いかけてしまったから、じゃ僕の考えとして聞いていただきますとね、伝統芸能というのは何かといいますと、これ簡単には言えないんです。結局絞られているんですよ。伝統歌舞伎、文楽、能とか雅楽とかそういうものがあるんですけれども、我が国古来の伝統的な芸能ということなんですが、この入場税法案の九条の二号で「文化財保護法の規定により助成の措置を講ぜられた文化財のみ」とこういうふうになっておりましてね、実はここに絞り込んでいるので、歌舞伎は何でも古典だから伝統芸能かというと実は違うんですね。非常にここはややこしいんです。このややこしい縛りがあるがゆえに、伝統芸能と いう規定に入るものは国立でやっても国立以外でやってもこれは非課税なんですね。その縛りをきちっとしておくと問題はないんですけれども、今回の現代舞台芸術に関してはその縛りが実はこれだけではまだあいまいというか不足なんですね。ですから、ここを入れることはいいんですが非常に面倒な問題が起きる、こういう指摘なんです。いいですか。もうお答えはいいですよね。  そこで、私ちょっと専門家ぶっていろんなことをお話ししましたですけれども、これはむしろ別の点で実はちょっと失敗じゃないかと思うんですよ、この一行を入れたことが。いいですか。入場税法案をおつくりになりました。それで提案なさいましたね。そのときに今までの入場税法、旧入場税法にはない一行、それは国立劇場法第一条に規定する現代舞台芸術のみを公演する場所、こういうふうにつけ加えた。そしてこれは国立劇場法の方で所要の措置が講ぜられている、こういうふうにおっしゃったんですが、実は非課税にするかしないか、まさにさっき言った第二国立でやれば非課税だがよその入れ物になっちゃうと全く同じものが課税になるという矛盾は、ここの縛りがあるかないかというところなんです。いかがですか。  これはもう置いておきまして、そこで大事なことをちょっとお聞きしたいのは、この第二国立劇場というのはいつ完成していつから開業するか、これは御存じですね。
  194. 佐藤三吾

    ○委員以外の議員(佐藤三吾君) 平成五年ごろと聞いております。
  195. 野末陳平

    ○野末陳平君 そうしますと、平成五年からの話をここに盛り込まれましたが、この法律そのものはいつまで続くことを前提としたのかということを考えてみますと、二年間の暫定ということを今までお話しになっておりましたね。となると、平成二年、三年はこれで縛るが、その暫定税法の中になぜ平成五年以後の問題をわざわざ入れたのだろうか、ここがよくわからないんですけれどもね。なぜこれを入れなければならなかったか、その必然性いずこにありや、こういうことでいかがでしょうか。
  196. 佐藤三吾

    ○委員以外の議員(佐藤三吾君) なかなか勉強なさっておるものですから……。  本年三月に国立劇場法が改正された中で今申し上げましたようにこういう改正措置をとったわけでございますが、そのとった理由は、法律上は特殊法人としての国立劇場が現在建物としての国立劇場や他の場所においても現代の舞台芸術を公演することが可能でありますので、このような場合に非課税とするのがこの規定の趣旨だと思います。よろしいですか。こういうことです。言うなら、法律上は特殊法人としての国立劇場、これが現在の建物としての国立劇場や他の場所においても現代舞台芸術を公演することもあると思うんですね。そういうことの場合を考えて非課税措置をとった、こういうことです。
  197. 野末陳平

    ○野末陳平君 ちょっとそれにこだわると、それもまたちょっと問題が出てくるんですよ。  ですから、僕が今先生にお聞きしたのは、二年の暫定でその後多分入場税などは撤廃なさるんじゃないかな、こう思って読みますと、平成五年完成という、そしてその後にしばらくしてから開業なんですね、第二国立劇場は。それが何でそこで公演される催し物の非課税をここに入れなきゃならなかったのかなと思って、不思議でしようがない。それをお聞きしたわけですよ。――先にお答えになりますか、今の。  それで、ひょっとして僕はこれは暫定二年というものの、協議会の問題その他いろいろありの、もっと続くことを想定しているのかな、平成五年ぐらいまで続いちゃってもしようがないということも含みにあるのかなとか、いろいろ考えちゃったわけですよ。そこで、それについて明快なお答えをいただきたいと思います。
  198. 佐藤三吾

    ○委員以外の議員(佐藤三吾君) ちょっとわかりにくいことで、野末さんのようにこの問題を私は余り勉強していないものですから、説明が不十分だったと思います。  ここで規定しましたのは、その建物は確かに平成五年がめどらしいんですが、その建物でなくて、建物はもちろんですけれども、それまでの間も第二国立劇場が法文で設置されましたそれに基づいて、その建物でなくて別のところで演劇ですか、そういうものを公演する場合も非課税措置をとる、こういう意味がこの中にある、こういうふうにとっていいんじゃないかと思います。
  199. 野末陳平

    ○野末陳平君 先ほどは第二国立劇場のものは非課税、同じものを別の民間のでかいところでやったら課税、こういうふうにおっしゃったように聞いたんですが、それはどうでしょう。これはあくまでも中身の規定じゃなくて場所なんですよ、先生。だから、これはほかの場所じゃなくてあくまでも第二国立劇場という場所を明示して非課税にしているので、ちょっと違うような気がするんですが。
  200. 佐藤三吾

    ○委員以外の議員(佐藤三吾君) 確かにさっきそういう回答をしたと思いますが、それはちょっと間違いでございますから取り消していただいて、あくまで法人としての人的措置として劇場公演に対して、今申し上げましたように、この国立劇場が現代舞台芸術以外のものもあわせて公演する場合もあると思うんですね。そういう場合についても、いわゆる場所を第二国立劇場以外のところでやっても、法人としてのあれですからこれについては非課税措置をとるという意味なんです。
  201. 野末陳平

    ○野末陳平君 いやいや、じゃもうこれは先生このぐらいにしておきましょう。じゃ先生ちょっと待ってくださいね。それは弱りましたね。後ろの方が間違った知恵をつけるからそうなるんじゃないですか。  ちょっとこれはじゃ先生にお願いして、もうこの辺で切り上げましょう。
  202. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) 国立劇場法によりますこの国立劇場の芸術の公演で指定されておりますものは、これは場所ではなくて特殊法人の人的な課税をいいますので、場所を問うてはいないわけでございます。したがって、この国立劇場という特殊法人が公演するものについて非課税となるものでありますから、そういう意味で申し上げているのでございます。
  203. 野末陳平

    ○野末陳平君 それは違うんですね、残念ながら。これは先生、先生方の提案にも書いておられますが、公開する場所なんです。場所に入場する税なんですね。ですから、人的な問題じゃなくて場所なんですよ。その辺は基本的にちょっと、国立劇場法にいろんなことが書いてありますが、非課税規定は場所ですので、そこはちょっと解釈の違いでは済まないという気がしますですが、どういたしましょうか。
  204. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) 私どもの理解しておりますところでは、国立劇場という特殊法人が公演をいたします場合には、場所の問題ではなくて人的な関係で課税非課税の問題が決まるようになる、こう思っております。
  205. 野末陳平

    ○野末陳平君 じゃ、そういうふうにひとつ思っておいてください。  これは国立劇場はそこで主催してほかでいろんなものをやってとかというような話じゃなくて、あくまでも場所で、そして先ほどちょっと御説明しました伝統芸能しか一応やらない建前になっておりますが、国立劇場で踊りのおさらいの会もやるし新派もやることもあるんですね。それは課税だとか、結構面倒くさいんですよ。ですから、僕は結論だけ言いますね。これ面倒くさいんですけれども、皆さん方のここにはこの一項目を入れる必要は何らなかったんです。全く何もなくてよかったんで、もとのままでおけばよかった。恐らくちょっと勉強なさった方が国立劇場法が変わったりなんかしましたので、そこできっとつけ加えたんだろうと思うんですが、簡単に言うとこの追加事項は余りに唐突で、ない方がすっきりしている。むしろ暫定税法の後は入場税などは撤廃だと、こうおっしゃっていただければ一番よかったと思うんですけれども、もうこれでやめましょうか。まだありますか、もういいですか、どうします。
  206. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) 先生の御指摘になっております問題も、私どもの理解が間違っておる のかもしれません。ただ私どもといたしましては、入場税法の問題でこの国立劇場の非課税ということで入場税法基本通達四十八条の三で、国立劇場が自己の興行場等以外の場所で公開する場合であっても適用するという条文がございますものですから、そういう理解をしておるわけでございます。
  207. 野末陳平

    ○野末陳平君 はい、わかりました。  それでしたら、やはりこれは入場税法案では「場所」としないで公演、こういうふうになされば問題はなかった。ところが、前の方が「伝統芸能のみを公開する場所」として国立劇場をそこではっきり文言にはしていないけれども指定しているものでね、恐らくその延長でおやりになったと思うんですね。  これはもうだからこの辺にして、いろいろ難しいなと思って、廃止税法案も御苦労が多かったと思いますから。いや僕がそちらの立場だったらもうとてもだめですよ、この時間になったら疲れてしまいますので。もうちょっとひとつ御協力をお願いします。もう余り長くやりませんから。時間いっぱいやらないで途中で切り上げるつもりですから。いやもう、皆さんにも御迷惑をかけちゃってね。  生活必需品を非課税にしろというのは大衆の声として当然あるわけですが、その生活必需品というのはプロが考えればこれはまた難しい。何が生活必需品かわかりませんですね。  そこで、今度は笹野さんに女性の立場でお伺いしますけれども、女性のお化粧品は生活必需品と言えるかどうかというのは一般的にいかがでしょうかね。
  208. 笹野貞子

    ○委員以外の議員(笹野貞子君) お答えをいたします。  先ほどベテランの大蔵大臣もここで困ったな困ったなと言っているのを聞いて、私もそういうふうに、私がそういうことを言うのは当然なので今非常に困っております。しかし、今の御質問に対して率直な私の気持ちから言いますと、私には生活必需品です。
  209. 野末陳平

    ○野末陳平君 いやいや、それは大部分の女性にとってお化粧品は生活必需品だろうと思いますよ、お値段の高い安いはありますけれども。  そこでこれから前回も指摘した物品税の問題について、これが一番国民生活と密着するであろうと思うので、もう一度別の角度から取り上げさしていただきますね。今笹野さんおっしゃいました化粧品ですけれども、物品税復活のフレームの中で四%グループに入っておりますがね、なぜ課税になっちゃったのかなと思いますね。僕は率直に言って課税しない方がよかったと思うんですよ。でも、なぜなっちゃったんでしょうね。
  210. 笹野貞子

    ○委員以外の議員(笹野貞子君) 今野未議員の化粧品は生活必需品かという御質問に私にはとわざわざつけましたのは、化粧品を使わなくてもきれいな方がいっぱい世の中にいるということを言いたかったので、決してこれは一般的に化粧品という意味ではなかったので、どうぞその点御理解いただきたいというふうに思います。  さてこの問題につきましては、物品税は高価な便益品とか娯楽品等に示される担税力に着目してされてきたものであるということで、物品税を復活したとしてもその考え方は私どもは変えないつもりでおります。その場合は課税対象品目をどうするかの問題はありますが、これから税制の再改革を二年かけて行うこととしておりますので、課税対象品目の見直しによる混乱は避けたい、とりあえず従来の物品税課税対象品目はそのままに復元させるという意味にとっていただきたいというふうに思います。  物品税の課税格差の設定に当たっては、尺度を定量的に示すことは非常に困難だというふうに思います。例えば物品税の第一種品目とされている貴金属製品や毛皮などは最上位の税率を適用するのが望ましいですし、第二種物品のうちの比較的高価な物品については、課税品目に示される担税力に対応した課税を行うということからも、それなりの税率を適用するということで御理解いただきたいと思います。
  211. 野末陳平

    ○野末陳平君 お答えは物品税に対する基本的な考え方なんですけれども、そこでもしそのお答えにこだわるとすれば、担税力で言うならば実は皆さんの提案の中では香水、マニキュアと口紅、クリームなどは同じく四%になって差をつけておりませんですね。もちろん消費税三%が製造段階で四%、これは少し安くなっておりますからこれ自体については異議はないんですけれども、今の担税力ということをおっしゃるならば、香水はもとは高価だからという理由で一〇%のグループに入っていたんですよ。そして、口紅やクリームは五%でそれなりに担税力の差などを区別していたわけですね。だから、生活必需品とかどうとか全然言っておりませんで、この化粧品の中でもそれなりの今おっしゃった趣旨が生かされていたんですね、物品税では。今回それがなくなってしまって同率になってしまったから、この辺はなぜこういうことになったのかなとこうお聞きしたわけですよ。無理にこんなことをしなくてもいいのにと、女性の立場を考えますとね、と思ったんですけれども、どうですか。
  212. 梶原敬義

    ○委員以外の議員(梶原敬義君) 先生、よろしくお願いします。  今回の物品税の復活は、もう先生御承知のように、今まであった八十五品目をそのまま暫定的に復活した、そこでそういう今指摘されるような矛盾も出てきているんだろうと思いますが、そういうことでございます。
  213. 野末陳平

    ○野末陳平君 これは無理もない理由もあるような気がするんですよ。これはもう先生方にお聞きするわけじゃないんですが、僕が勝手に想像したんですが、要するに化粧品は担税力からいったら個々の場合は非常に低いんですが、高いものといったってせいぜい一万とか二万、そんな大した担税力はないんですけどね、税収としてはかなりのものなんですね。だから、税収を考えると外せなかったんだろうと思うんだけれども、しかしもう女性のほとんどが今お化粧品をお買いになりますし、特に昔に比べればやや高目のものがたくさん出ております現状を考えると、むしろこの辺は非課税にした方が女性に喜ばれるんじゃないかと、変な反発を買うんじゃないかなと思ってこれを気にしたわけです。  そこで、四%グループには化粧品のほかに清涼飲料水などもありますから、これもかなりの税収を上げていますが、こういう形の物品税の復活というのはやはり大衆課税になりまして、せっかく逆進性緩和というために消費税をやめたんだが実はやっぱり大衆課税の面が残っちゃっている、こういうことになってしまうんですね、このグループでは。そういうふうに思いますので、これは疑問だなと。どうでしょうか。
  214. 笹野貞子

    ○委員以外の議員(笹野貞子君) 本当に女性のためを思っていただいてありがたいというふうに思っております。  しかしこの問題は、皆さんに御論議いただくということを前提に機械的に旧物品税のかかったものを復活したということで、これからそういう面も交えて討議させていただきますので、そういう意味におとりいただきたいと思います。
  215. 野末陳平

    ○野末陳平君 この問題は前回勝木先生に対しても車の問題でやりまして、発想の基盤が同じなんですね。ですから、余り細かく言うよりも僕は、物品税を復活するのは結構ですが、品物の入れかえを、時代に合わせ消費態様に応じて変えるべき工夫が必要だったのだと、そんなに大変な手間じゃないというようなことを言いましたですが、少なくも機械的に税率を決めたり二年間だからまあこれはあきらめてほしいみたいなことになりますと大変なんですよ、もう言うまでもありませんが。  そこで、これは久保先生、僕は前から言いますでしょう。要するにほかに野党案から漏れている高級品がもううじゃうじゃある。この間もデパートに行きました。デパートもきれいになりましたね、リニューアル作戦とか言って。高級品がいっぱいありますが、帯でも呉服でもなまじの値段じゃありませんね。それから皮のコートとかジャ ケット、それからブランド物がすごいですね、輸入ブランド。あれは笹野さんも御存じのとおりです。そしてそのほかにインテリアに関する陶器とか置物とか花瓶とか、これまた輸入物。こういうものが全部デパートの売り上げを伸ばしているという。俗に言う高級志向ですよ。一般の人はそうそう買っていません。買っていませんが、どんどん売れている。となると、もし担税力を言うならば、ここに着目しないでここは穴をあけちゃって化粧品から担税力とこう言われると、これは僕はやはりちょっと違う、こういうふうに言わざるを得ないわけです。  ですから、何十万、何百万という高級品は消費税がなくなるとお値段が高いから消費税額も落ち方が激しいですよね。百万で三万おっこちちゃうみたいな。そっちがただになって税金がゼロで、たかだか何千円という化粧品が低率といいながら課税というこのアンバランス、不公平というか、これはやはり整理して品物の入れかえをしないとこの税法は、物品税の復活は国民の特に女性の理解は得られないと思いますが、どうですか。
  216. 久保亘

    ○委員以外の議員(久保亘君) 今御指摘をいただきました点は私どもも大変理解のよくできることでございます。ただ、今回は、先ほどから提案者が御答弁を申し上げておりますように、消費税を廃止して、そして間接税としての物品税をことしの三月三十一日まで適用されていた物品で消費税にかわりましたものを復元するという立場に立っての税率の調整を行う、こういうことで予盾をはらみながらもとへ起こして、そしてこれを今先生が御指摘になっておりますような点をよく検討した上で、できるだけ早い機会に物品税のありようというものをきっちりしていかなければいかぬのじゃないか、こういうことでございましたので、今御批判や御意見をいただいております点につきましては、私どもとしてはそのとおり受けとめさせていただきたいと思っております。
  217. 野末陳平

    ○野末陳平君 二年間の暫定であり、またできるだけ早い機会にきちっとしたものになさるという、これはもう本当に前向きで結構だと思いますが、しかし何といったって国民が一つ一つ買うものに税がかかるかかからないかというのは、暫定とか二年じゃ済まないんですね。これは消費行動にも影響して、買い控えだの買い急ぎだのとかいろいろなことも個人的にはあるでしょうけれども、日本全体の経済活動にすごい影響がありますからね。ですから、僕は、二年だから我慢してくれ、矛盾をはらみながらというよりも、何で一週間ぐらいの手間をかけてもらえなかったかなと思ったりしているもので、あえて二回にわたって御質問したわけです。  ひとつできるだけ早くこの復活案を練り直すという、物品の入れかえというものが恐らく急務でしょう。もちろん税率のことも大事だと思います。それから、やはり免税点もこれから考えてほしいですね。ダイヤの話がよく出ますけれども、貴石、貴金属などがありますが、これが三万七千五百円の物品税の免税点というのはもうとっくに時代おくれになっていますね。ですから、こんなのも今回直してほしいということで、再度この練り直しを本格的にやっていい物品税の形をもって、消費税廃止後もしこれが成立するのであれば急務である、やってほしいことだと、こういうことを要望しておきます。  あとまだ通告したのも随分あります。まだまだ言いたいことはあるんですけれども、僕だけがいい気持ちになりまして何か皆さんはおなかがすいてもうそこにお座りになっているのもなかなか心苦しい限りでして、また、僕は自分の言いたいことは二回の質問で言わしていただきましたのでまた繰り返しになると思いますので、土地税制その他いろいろ用意はしましたけれども、この辺で終わりということにしたいと思います。  本当に長い間御苦労さまでしたが、あと一日ですのでよろしく。どうもありがとうございました。(拍手)
  218. 中村太郎

    ○委員長(中村太郎君) 九案に対する本日の質疑はこの程度といたします。  次回の委員会は来る十一日午前十時十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後七時二十九分散会