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1989-12-08 第116回国会 参議院 土地問題等に関する特別委員会 8号 公式Web版

  1. 平成元年十二月八日(金曜日)    午前十時三十九分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         福間 知之君     理 事                 井上  孝君                 斎藤 文夫君                 吉川  博君                 村沢  牧君                 山本 正和君                 片上 公人君     委 員                 石井 一二君                 石渡 清元君                 岡野  裕君                 岡部 三郎君                 川原新次郎君                 坂野 重信君                 西田 吉宏君                 野村 五男君                 藤田 雄山君                 二木 秀夫君                 小林  正君                 谷畑  孝君                 種田  誠君                 西野 康雄君                 野別 隆俊君                 白浜 一良君                 広中和歌子君                 立木  洋君                 市川 正一君                 新坂 一雄君                 山田  勇君                 喜屋武眞榮君    国務大臣        建 設 大 臣  原田昇左右君        国 務 大 臣  石井  一君    政府委員        国土庁長官官房        長        北村廣太郎君        国土庁計画・調        整局長      長瀬 要石君        国土庁土地局長  藤原 良一君        国土庁都市圏        整備局長     三木 克彦君        大蔵大臣官房審        議官       石坂 匡身君        大蔵省銀行局長  土田 正顕君        農林水産省構造        改善局長     片桐 久雄君        建設大臣官房総        務審議官     木内 啓介君        建設大臣官房審        議官        兼内閣審議官   白兼 保彦君        建設省建設経済        局長       望月 薫雄君        建設省都市局長  真嶋 一男君        建設省住宅局長  伊藤 茂史君        自治大臣官房総        務審議官     芦尾 長司君        自治大臣官房審        議官        兼内閣審議官   遠藤 安彦君        自治省税務局長  湯浅 利夫君    事務局側        常任委員会専門        員        荒木 正治君    説明員        防衛施設施設        部連絡調整官   佐藤  晃君        環境庁自然保護        局自然環境調査        室長       鹿野 久男君        沖縄開発庁振興        局振興第一課長  由良 範泰君        外務省北米局地        位協定課長    森  敏光君        大蔵大臣官房企        画官       潮  明夫君        大蔵省銀行局中        小金融課長    武藤 敏郎君        水産庁研究部漁        場保全課長    吉崎  清君        建設大臣官房審        議官       河原崎守彦君        建設大臣官房審        議官       立石  真君    参考人        全国農業協同組        合中央会常務理        事        田久保一政君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○土地基本法案(第百十四回国会内閣提出、第百十六回国会衆議院送付) ○国土利用計画法の一部を改正する法律案(第百十四回国会内閣提出、第百十六回国会衆議院送付)     ─────────────
  2. 福間知之

    ○委員長(福間知之君) 土地問題等に関する特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨七日、今泉隆雄君及び猪熊重二君が委員を辞任され、その補欠として喜屋武眞榮君及び広中和歌子君が選任されました。     ─────────────
  3. 福間知之

    ○委員長(福間知之君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  土地基本法案及び国土利用計画法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、参考人として全国農業協同組合中央会常務理事田久保一政君の出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 福間知之

    ○委員長(福間知之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 福間知之

    ○委員長(福間知之君) 土地基本法案及び国土利用計画法の一部を改正する法律案を便宜一括議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 小林正

    ○小林正君 まず最初に、きょうは十二月八日という日でございます。太平洋戦争が始まった日ということでございまして、以後の経過からいたしますと国破れて山河ありという思いを抱かれている人も多いのではないかというふうに思うわけでございます。花綵に例えられます日本列島、緑濃い山や川という美しい国土でありますけれども、最近言われておりますのは、国破れてではなくて、国栄えて山河滅ぶという、山河なし、こういうような言い方もされているわけであります。  また、この間の経過で考えてみますと、古人がよく申した人間至るところ青山ありという言葉も使われました。骨を埋める場所はどこにでもあるということなんですけれども、今お墓を求めることは大変なことでございます。トルストイは、人は世きるのにどれだけの土地が必要であるかということについて寓話的な作品も物されているわけでございます。この間の論議の経過の中で、アメリカの国土の二十五分の一の三十七万に満たない日本の国土がアメリカの四倍の価格である。結果として百倍の地価だということが指摘をされました。まことに異常な事態であります。この異常な事態というもの、地価の狂乱ということが結局高どまりになってしまうということからいたしますと、やがて常態化していくということで、これは大変恐ろしいことだというふうに思うわけでございます。  そういう意味で、政治の力を発揮する場所は異常を正常化するという努力に尽きるのではないか。こういうふうに考えまして、以下御質問を申し上げたいと思うわけであります。  私は、本案に対するこの間の論議の経過及び昨日の参考人の皆さんの御意見などを踏まえ、御質問いたします。  まず、昨年六月、総理府広報室が行った土地問題に関する国民の意識調査、「月刊世論調査」六十三年十一月号でありますが、これに発表されている内容から入ってまいりたいと思います。  これは土地対策の総合的、抜本的な見直しについての検討を進める前提として土地保有、処分、利用に対する負担や制限についての国民の意識を調査し、今後の施策の参考とすることを目的に実施されたものであります。私は、この調査結果が示す特徴に今日の土地問題が端的に示されていると思います。  まず、五三・七%の人が通勤時間が長くなっても一戸建てを望んでおります。私は神奈川ですが、今までの職場の仲間には茨城から通勤している人も珍しくないわけであります。利根川、荒川、多摩川と渡って毎日通勤しており、行きは多摩川の鉄橋で目を覚まし、帰りは荒川の鉄橋で目を覚ます、そういう習慣が身についたと言っておりました。次に、こうまでして購入可能な土地、住宅を所有したいとする傾向は六九・一%と極めて高くなっております。その理由として、借地、借家は生活や権利が不安定だからということを挙げているわけであります。  こうした意識がつくり上げられた背景には、日本の土地法制が明治の地租改正以来土地所有権中心主義の法体系となっていることが挙げられるわけであります。江戸時代における永久小作、入会権などは基本的に利用権中心であり、島崎藤村の夜明け前は明治政府のいわゆる官没、官が没収するということですが、官没に対する厳しい批判の書となっていることはよく知られているところでございます。  次に、土地に対する意識の中で地価に対する見通しとして、将来にわたって値上がりするという人が七四・九%、土地は有利な資産と考えている人が六四・一%というぐあいであります。土地神話が意識面に色濃く出ていると思います。しかし、同時に土地でもうけるべきではないという人も五六・八%、地価上昇は抑えるべきだという人が五三・四%と出ております。そして地価対策の重点として、土地を持っていない人がよい住宅に住めるようにすることを六〇・九%の人が挙げております。土地高騰時の特定地域の取引許可制についても三分の二の人が賛成をしているわけであります。そして、最後に政府に対する要望として一番目に多いのは、土地転がしに対する重課税、これが六二・一%、固定資産税の引き下げを求めているのが四二%、不動産業者に対する融資規制を求めているのが三七・一%、取引の規制が三六・二%となっております。  この調査はあくまで意識調査であって、この間の地価暴騰がもたらした生活や生産活動に対する深刻な実態というものを調査したものではありません。時間の関係ではしょって申し上げましたが、この調査結果についてどう受けるめられておられるか、大臣の御所見を伺いたいと思います。
  7. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) お答え申し上げます。  ただいま小林委員が御指摘になりました六十三年六月に実施した「土地問題に関する世論調査」、私はこれは大変貴重な御指摘であり、また我が国の国民の土地所有権に対する考え方と、今日土地基本法で国民に新たに植えつけようといたしております理念との間にこれだけ大きな開きがあるのかということを実は改めて認識をいたしたような次第でございます。  ただいまいろいろの観点で要約をされましたが、例えば土地に対する公的な制限を受けてもよいと言っておりますのはたった三七・八%であり、どちらとも言えない、そうは思わない、わからない、これらをネガティブと考えますと、大体六対四ぐらいの割合で制限は受けたくない、こういう感覚が基本的にあるわけでございます。  それからまた土地、住宅ともに所有をしたいという願望がただいま御指摘になりましたように大体全体の七割ございます。大都市圏と地方圏では多少格差がございまして、大都市圏では六〇・六%が土地、住宅ともに所有しなければ嫌だと。しかしながら、地方へいきますとこれが七五%になっております。また年齢的に所有をしたいという願望が年が若いほど低いのでございますが、二十代から三十代までが六〇%、三十ー三十九になりますと六六・四%、四十代になりますと七〇%というふうに上がってまいりまして、六十、七十の老齢の方々になりますと七五%。どうしても土地と住宅は自分のものでなければいかぬという、こういう感覚が存在しておりますときに、この土地基本法という理念を国民に広く植えつける、公的制約というものに対しての義務をひとつ理解してもらうというふうなこと。土地が社会的なものであるということに対するコンセンサスを得るということが大変難しい問題だということを、実は改めて認識をいたしたようなことでございます。  しかしながらこうした中で土地については公共の福祉が優先されるべきものであるという認識を、やはり本法の審議を踏まえて、またこれまでのような国民の意識では土地問題としての解決ができない。土地所有者はおおむね七割というふうに言われておりますが、七割を生かすために三割が殺せるのかということを考えますと、これは許してはならないことだと思います。  公正な社会を築くためには、そこに何らかの形で平等と申しますか、不公平というふうなものを克服するということが必要であろうかと思います。例えば六条二項にも広報活動の重要性というものも法の中にもうたっておるようなことでもございます。  また、本法の審議を通じまして、各委員の皆様方からも、今後どのように政府は国民に対する周知徹底に努力するのかというような質問もしばしばお受けしてきたところでございますが、今の御指摘を踏まえて、さらに問題の厳しさを感じつつも国民的課題を解決するために、ひとつ最大の努力を惜しまない、そういう気持ちであることを申し述べたいと思います。
  8. 小林正

    ○小林正君 国民の理解を得るということについては、意思決定にかかわるプロセスがどうこの問題についてかかわってくるのかという問題がございますので、その時点で御質問をさせていただきたいと思います。  二点目として、狂乱地価がもたらした国民生活や経済に対する影響の実態を、今後どのように把握をされるのか。また、これについて計量的な把握というものがあるのかどうか。今後の政策目標を設定する立場からもこうした資料も必要ではないかというふうに思うわけでありますけれども、これはどなたにお伺いしたらいいのかちょっとわかりませんが、よろしくお願いします。
  9. 藤原良一

    ○政府委員(藤原良一君) 今回の地価高騰がもたらす影響といたしましては、一般的には住宅取得難が非常に深刻化しておる、あるいは都市における社会資本の整備、都市整備が非常に困難化しておるとか、あるいは資産格差が拡大しておるといったいろいろな問題が定性的には指摘できるかと思うのです。  ただ、これを今後さらに詳細にあるいは定量的に解析していく必要はあるのですが、我々の方では今後の課題としてそういう部分についても勉強していきたいと思っております。  例えば、これが今後の経済活動にどういうふうな影響を与えていくかとか、さらには持てる人に対してもいろいろな形で負担の増大が伴っていくのじゃないか。そういう面で国民生活に与える影響ももっともっと広い部分があるのじゃないか。そういうふうな気持ちでおりまして、そういう部分も含めて我々の方でも調査検討をしていきたいというふうに考えております。
  10. 小林正

    ○小林正君 今の問題については今後政策立案するに当たって、この問題の与えた影響、インパクトについてはやっぱり構造的に明らかにしていくということが求められているというふうに思います。  次に、先ほど申し上げました問題ですけれども、都市計画や国土利用計画について、その策定、意思決定のプロセスについてお伺いしたいと思うわけであります。  ヨーロッパでは、計画をつくる場合には、まず地域社会の下からの計画が出て、それを国土全体の中で国と自治体の間でキャッチボール、やりとりがあって、そして全体としての整合性を持たせていくような調整が行われ、そして総合的な計画がつくられていくというプロセスをたどっているというふうに思います。  これに対して日本の場合はそれとは逆で、上からの計画ができて下へおろされていくと指摘をされております。最上位の計画である全国総合開発計画も、八七年に四全総が出てきましたが、いろいろ論議を呼びました。六二年の一全総以来、いわゆる二全総、列島改造、地価狂乱という事態もございました。国民生活や経済に重大な影響をもたらしてきたこの計画が、国会審議を経ないで、閣議決定のみで済まされてしまうというのはどういうものかということであります。議会制民主主義の立場からも問題だと言わざるを得ません。土地問題を全国民的な課題と位置づける以上、従来の意思決定は改められるべきだと思いますが、大臣のお答えをいただきたいと思います。
  11. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 四全総は、御承知のごとく、内閣総理大臣が関係行政機関の長の意見を聞き、さらに国土審議会の議を経て策定をいたしておるものでございます。  四全総の策定に当たりましては、国土審議会において調査、審議に加え、地方公共団体、各種団体、有識者等各方面の意見交換の場を設けるなど、国民各層からの意見も得た後に決定をいたしておるところでございます。  なお、国土審議会のメンバーといたしましては衆議院議員九名、参議院議員六名、計十五名でございます。そしてさらに学識経験者三十名、これだけのメンバーで議論を経た後に決定をいたしておる、こういう手続をとっておるわけでございます。半分というのはどうかという議論もあろうかと思いますが、衆参両院議員が十五名、各党の代表が出ておられるというふうな状況にありますことは委員も御承知のところでございます。  私なりに所見を申し述べさしていただきますと、やはり利害にとらわれず、一つの政党の政策等にとらわれず、あらゆる専門的な分野から意見を集め、公平に、中立に意見を提示する。その中に半数の国会の代表も入っておるというような形の中から、ある意味におきましては、別の意味での正しい国民の世論を反映する制度になっておるのではなかろうか。また、その途中で住民の意見なり地方自治体の意見等をも踏まえて最終の決定もいたしておる、こういうふうなことでございます。  国会の議論を軽視するわけではございませんが、国会の議論はやや政治的過ぎるというような面もございましたり、また政党の主張がぶつかり合い過ぎまして極端にいくというふうなこともございましょう。基本的な四全総のような国家的政策は、今のような冷静な中に策定をし、そして具体的な方向を展開する立法の過程におきまして、四全総の精神を踏まえつつ、国会の場で深く議論をし、そして具体的な法律をつくり上げ、現実的な計画を推進する。これもやはり長年の我が国の行政の知恵かなと、私は最初この質問を拝聴しましたときに、まことに貴重な指摘だという直観を持ったわけでございます。今いろいろと述べましたようなことを考えますと、そういう硬軟相まってひとつの適正な国土政策というものができてくるということもあり得るのかな、そういう感じを持っておる次第でございます。
  12. 小林正

    ○小林正君 冷静な論議、そして国会へ持ち込むと極めて政治主義的になってしまうというお話でございますけれども、それぞれ各選挙区を代表し、それぞれの選挙区の問題にかかわっての理解というものを大変深く認識をされている皆さんでございますから、いやしくも国土に関する問題、国土概念というのは基本的には公的な概念で私的な概念じゃないというふうに思いますので、ぜひ国会にも、開かれた論議の場として今後運用面で御検討いただきたいなというふうに思うわけでございます。  次に、さきの世論調査でも、土地売買に関する倫理の中で、土地を売買してもうけるべきではないと思う人が五六・八%と過半数を占めているわけでございます。そこで、土地の投機的取引に対する金融機関のかかわっている実態について大蔵省に伺いたいと思います。  まず、現状認識の問題もございますが、いわゆる過剰流動性、金余りということについて、昭和四十七、八年当時とそして今日昭和六十年から六十三年、すなわち戦後の第二次地価高騰期と第三次の地価高騰期の金融環境の共通点と相違点についてどのように認識をされておられるかお伺いをしたいと思います。  次に、特定の業種、日銀の業務分類によると六十二業種ございますが、このうちわずか三業種、不動産業、物品賃貸業、その他金融業に対する融資が集中していることについてどうとらえておられるか。集中している実態についてはわずか三業種で全体の二三%、四分の一というような実態になっていることについてどうとらえておられるかということであります。  過去の歴史で、昭和二十年代後半、三十年代の経済復興期と昭和四十七、八年、第二次地価高騰期、そして今回の地価高騰期の経験を踏まえて、とりわけ国民生活全般に与えた影響についてどうお考えか伺いたいと思うわけでございます。  なお、残高としては、六十一年の三月時点が五十四兆、そして平成元年九月時点で百一兆円といったような状況にもなっているわけでありまして、こうした実態を踏まえてお答えをいただきたい、こういうふうに思います。
  13. 武藤敏郎

    ○説明員(武藤敏郎君) まず、昭和四十七、八年当時と昭和六十年から現在までの金融環境をどのように理解しているかというお尋ねでございます。  こういう金融環境を一概に比較するということはなかなか難しいわけでありますけれども、あえて申し上げさせていただきますと、両時期とも地価の上昇ということが見られるわけでありますけれども、昭和四十七、八年当時は卸売物価、消費者物価ともに大変上昇率の高かったときでございます。四十八年の卸売物価は二三%程度。消費者物価におきましては一五、六%程度の上昇が見られたわけでございますが、現時点におきましては、卸売物価につきましてはむしろやや減少。消費者物価につきましては微増にとどまっておるというような状況であります。  そこで、昭和四十八年当時におきましては、物価及び地価の鎮静化を図るために金融面でも財政面でも大変強力な総需要抑制策がとられる状況にございました。昭和六十三年度におきましては、物価の安定が今申し上げましたとおりでございますので、金融の緩和基調が維持されまして、その結果、内需を中心といたしました景気の持続的拡大が現在続いているという状況にあるわけでございます。  それから第二のお尋ねでございますが、最近の全国銀行の総貸し出しに占める不動産業、物品賃貸業、その他金融業のシェアが非常に高くなっておるという御指摘はこれは事実でございます。  しかし、金融機関の業種別の貸し出し動向というものを一般論として申し上げますと、その業種別のウエートというものはいろいろな諸情勢によりまして影響を受けるものではないかというふうに考えております。例えば産業構造の変化、いわゆる産業のソフト化と言われるような事実。あるいは企業の資金調達構造の変化、例えば資本市場、いわゆる株式による資金調達という、大企業におきましては株式の資金調達が通常の状態になってきておるというようなこと。そのときどきの金融経済情勢によりましていろいろな影響を受けるものと考えております。したがいまして、ある特定業種への貸し出しシェアについて一定の評価を下すことは難しいのではないかというふうに思っております。  また、御指摘の物品賃貸業とかその他金融業ということになりますと、例えば物品賃貸業にはコンピューター等の産業機器などのリース事業とか、あるいはその他金融業には消費者信用といったようなものも相当額含まれておるわけでございまして、そのすべてが不動産取引に向けられているわけではないという点にも留意する必要があろうかと思います。  それから、不動産関連融資というふうに絞って考えてみた場合にも、投機的な土地取引に係ります不適正な融資というものが含まれていたということもあったにせよ、基本的にはやはり住宅供給であるとか地域開発等、国民経済にとりまして必要な融資がやはり大宗を占めているというのもまた確かと考えられるわけでございます。  そういうことで、御指摘のように三業種の融資シェアが高いことを直ちに問題視するのはいかがかというふうに考える次第でございます。
  14. 小林正

    ○小林正君 最後にお尋ねをしておいた部分で、国民生活全般に与えた影響という視点に立って、こういう実態をどうとらえるのかというお答えを実はお聞きしたいわけであります。  経済復興期に産業界への金融的な支援をするということは、国民生活全般にとって大変重要な課題であったし、それは国民生活にプラスに機能しているわけですが、今日の金余り状況の中でこうした実態が出てくることが、国民生活にどういう影響を与えるのかという視点を持っていただきたいという意味で御指摘をしているわけなんですが、その点について再度お答えをいただきたいと思います。
  15. 武藤敏郎

    ○説明員(武藤敏郎君) 金融機関の社会的な役割、公共的な役割ということを考えますと、当然国民生活というものに役立つような形で金融が行われていくべきであるというのは御指摘のとおりでございます。  金融といいましても実体経済の陰のようなところがございますので、その実体面の構造によりましていろいろ影響を受けるわけでございます。金融だけでどこまでできるかということにつきましてはいろいろな問題があろうかと思います。いずれにいたしましても、金融の側面におきましても公共性ある行動が求められるというふうに考えております。
  16. 小林正

    ○小林正君 次に、融資の実態と対策について。  私は融資の現場の声を数名の方から聞いておりますので、概括をして最前線の声というものをお聞きをいただきたい、こういうふうに思います。その上でさらに幾つかの御質問をさせていただきたいというわけであります。  一つは、土地融資が華やかだったころの融資現場の実態なんですけれども、土地融資は次の理由で大変に効率のよい貸し出しであったということが言われております。一つは、手順が簡単である。二つ目に、資金回収が早くて資金効率がよい。そして三つ目に、担保も値上がりが確実で不安が少ない。これは土地神話の基盤だというふうに思います。四つ目に、うまく交渉すれば売買契約にかんで手数料を稼げる。五点目として、融資対象となった物件に買い主をつければ、その買い主に対し交渉次第でより多くの融資をつけられるといったようなことが理由として挙げられておるわけであります。当時、不動産部の人間とよい人間関係をつくることが成績を上げる一つのポイントだったというようなことも言われております。  最近の様子ですけれども、言いにくいという感じもありましたけれども、一つは土地転がし自体が減っている。その理由として監視区域制度が創設をされたこと。さらに超短期重課税制度、いわゆるスーパー重課の創設によるものではないかというような現場の指摘があります。そして二つ目として、貸し出し当初は転がしかどうか、つまり投機的目的かどうかの判別がなかなかできないこともあるというような指摘もございました。  また、市街化区域内の農地の宅地並み課税の実施についてこんな感想が聞かれたわけであります。大規模な農地、例えば三千坪とかの単位で持っている人は、相続税の負担にたえられず結局売ることになる。ただし、買い主は法人となるわけで、一体いつになったらエンドユーザーに回ってくるのか。本音を言うとこんなことでいいのかなというかなり批判的な見方があるわけでございます。さらに、小規模なもの、例えば三百坪見当のものは、宅地並み課税が実施されたとしても固定資産税負担は小さいので、賃貸マンションなど有効利用に使い、結局は開放されないのである。ユーザーの立場として悲観的な感想が聞かれたわけであります。  この宅地並み課税問題については、首都圏のさまざまな農業団体の皆さんからも私もいろんな陳情、御要請を受けてまいりましたけれども、実態的に宅地供給に効果的な措置なのかどうか。  昨日の参考人の、三鷹市長でしたか、御意見等も拝聴しておりますと、順位性からいってもまずほかにやるべきことがあるのではないかという指摘もされておりました。私も全くこれについては同感であるという感想をまず述べておきまして、幾つかの融資の実態と対策について大蔵省にお伺いをしたいと思います。  昭和四十七、八年の地価高騰期における大蔵省の指導というのはかなり効果を上げた、こういうふうにお聞きをしているわけでありますが、その指導内容と効果についての評価はどのようにされておられるでしょうか。  また二点目として、今回の地価高騰における大蔵省の指導は前回の施策を下敷きにしてつくられていると思うわけでございますが、その内容と有効性について現時点での評価はどうなっているかということであります。平成元年九月現在での土地関連融資の状況と、同九月末現在での市街地地価指数を踏まえてお答えをいただきたいと思います。  さらに三つ目として、これは金融機関が不動産媒介業務を兼業しているということの問題でございますが、顧客側から見た場合のメリット、デメリットというものと、兼業することの是非について、以下三点を踏まえてお答えをいただきたいと思うわけであります。  前回までの経験及び指導という立場からどのようにお考えかということ。それから社内牽制体制、媒介業務に係る融資が安易に流れることがないのかどうか。幾つか新聞報道されているような事例もあるわけでありまして、それらとの関係でどうか。さらに三つ目として、ケース・バイ・ケースではあるけれども、銀行が経済的強者の立場を利する取引もあり得るのではないか。例えば人材派遣業のようなことは行っていないのは、その強者の論理という指摘に対する対応だというふうに思うわけでありますが、そういう点から不動産媒介業務を兼業することの問題点についてお尋ねをしておきたいというふうに思います。  それから四点目としては、こんなことはあってはならないと思うわけでありますけれども、大蔵省の通達、事務連絡等の指導に対する金融諸団体、金融機関本部、支店等の現場の三者間にその受けとめ方、認識にそごはないのかどうかという点であります。  平成元年十二月一日付の読売新聞ですけれども、「土地融資地銀二〇%超す伸び」という見出しで、地方の高騰が促進をされている。九月末現在の残高も合わせまして、こうした実態が改まっていないことについて報道がされているわけでございまして、この問題についてどういうふうにお考えかということでございます。  そして五点目として、いわゆるノンバンクを含めて以下の業種に対して今後どのように指導していくのか。守られないケースが認められる場合どうするのか、端的に言うとそういうことであります。  柔道のルールで言いますと、指導、注意、有効、わざあり、一本と、こういうことでされていますけれども、本院で十一月二十九日に山本理事がお尋ねした件について国土庁長官の答弁が新聞に載っておりました。「投機への融資 厳重な罰則科す」と。内容的にはそれほどのことは言っていなかったと思うのですが、かなり強い見出しで出ているわけでございます。この問題と絡み、さらには大蔵省の答弁で人事に介入することもあり得るといったようなことも出ているわけですが、新聞に公表するというのが有効だとすれば、わざありというのは人事介入ぐらいを指すのか。さらには一本というのは法令違反までいくのか。こういったようなことが果たして今後の対応として行われるのかどうか。手順も含めてどんな段取りを想定されているのか。ここのところが勘どころだと思いますのでお聞きをしておきたいと思うわけでございます。  以上、お願いします。
  17. 武藤敏郎

    ○説明員(武藤敏郎君) いろいろなお尋ねがございましたけれども、まず第一点の昭和四十七、八年当時に大蔵省がどのような指導をしてどのような効果を上げたかということでございます。  昭和四十七年それから四十八年。四十八年には一月と十二月の二度にわたりまして合計三回、土地取得関連融資について大蔵省から通達を出しております。過当な融資の是正を図っていくという観点から強力に指導が行われております。また同時に、先ほどもお話し申し上げましたとおり、当時は石油危機とも相まった物価高騰期、いわゆる狂乱物価の時期でございまして、金融、これは公定歩合の引き上げでありますとか預金準備率の引き上げでありますとか日銀の窓口指導でありますとかいう金融政策、それから公共投資の抑制等、財政政策の両面からいわゆる総需要抑制策が実施されたわけでございます。その結果、四十九年ごろから地価を含めまして諸物価の鎮静化が図られたというふうに考えております。  それから第二点の、今回の地価高騰期において大蔵省は前回の経験を踏まえてどのように指導をしておるのかというお尋ねでございますけれども、今回の地価高騰期におきましては、先ほど申し述べましたようにいわゆる総需要抑制策をとるような環境ではございませんで、むしろ内需拡大というものを図らなければならないという時期にあるわけでございます。そういう経済情勢を踏まえまして、住宅あるいは民活関連等の内需拡大には積極的に対応するということで、そういう資金につきましてはこれを確保しつつ、投機的な取引に係る融資を排除していこう、こういう基本的な考え方に立っておるわけでございます。  今回も六十一年以来何度かにわたりまして通達を発出いたしましたり、特別ヒアリングを実施して、指導の趣旨の徹底を図っておるわけでございます。  既に御承知のことでございますけれども、特に申し上げますと、去る十月二十七日の通達におきましては、一連の対策、ノンバンクの融資の実態についてのヒアリングでありますとか、金融検査を通じます検査でありますとか、あるいはノンバンク関係業界団体に対する自主規制の要請といったようなことまで一連の対策を講じたわけでございます。  そういうことでございますので、このような指導を通じまして全国銀行の不動産業向け貸出残高の最近の情勢は、基調といたしましては大幅に減少してきておるというふうに考えております。順次着実に指導の趣旨が浸透してきているものというふうに考えておるわけでございます。  それから第三の、金融機関が不動産媒介業務を兼業することについてどのように考えるかということでございます。お尋ねの趣旨があるいは二点にわたろうかと思います。  一つは、金融機関みずからが不動産媒介業務を兼業するということは信託銀行以外は認められておりません。これは御承知のとおりでございます。そこで、信託銀行につきまして申し上げさしていただきますと、長年にわたりまして不動産の売買、媒介業務を行ってきておるわけでございますが、そういう経験、専門知識というものを生かしまして、財産の効率的な管理、運営という国民のニーズへ対応していくということは、これは不動産業の健全な発展という面からも意義のあることではなかろうかと考えております。例えば社内の牽制がうまくいかないのではないかとか、銀行が経済的強者の立場を利用してゆがめるのではないかというような御心配でございますけれども、信託銀行につきましては、やはり今回の特別ヒアリング等を通じまして趣旨の徹底を図っているところでございます。今後ともそういうことのないように厳しく指導してまいりたいというふうに考えております。  それから次に、銀行の関連会社が不動産媒介業務を行っているのではないかという問題もあるいは含まれておるかと思いますが、昭和五十年までは銀行も関連会社におきまして不動産業務を行っておりました。しかしながら、四十七、八年当時に土地問題が社会問題になったことにかんがみまして、昭和五十年以降、銀行が関連会社で不動産業務を行うことを禁止するという措置をとっております。したがいまして、一部一〇〇%出資子会社で銀行の店舗、営業用の不動産、それを管理しているというような、そういう会社はありますけれども、一般的な不動産業務を行うという事実は現在においてはないということでございます。  それから、大蔵省の指導が例えば支店等の場合には十分に認識が行き渡っていないのではないかという御質問でございますけれども、この点につきましては、私どももそういうことのないように通達を発出するに当たりまして特段の注意をしたところでございます。また、特別ヒアリングの際にもそういうことのないように指導しております。例えば六十二年十月の通達では、厳正な融資態度を各営業店へ徹底するように、あるいは本部によります集中管理体制を確立するようにといったようなことを特に通達の中に規定いたしまして指導しております。それから、ことしの二月以降実施しております重点的特別ヒアリングにおきましては、そういう事柄につきまして金融機関の取り組み姿勢につきまして特別のチェックをしておりまして、私どもそのヒアリングの中で特にそういうことを指摘した上で趣旨の徹底が図られているというふうに受けとめております。  それから、今後不動産融資を適正なものにするためにどのように指導していくのか。特に、例えばその指導が守られない場合にどのような手順で指導の徹底を図っていくのかという趣旨のお尋ねがございました。  これは大変難しい問題でございますけれども、まず通達違反の事実でありますとか、指導に当たりましていろいろな問題が発見された場合には速やかな是正を求めております。これは当然金融機関の側におきまして直ちに適切に対応していただいておるわけであります。ごくまれな例ではございますけれども、責任の明確化といったようなことが必要になる場合には、あわせてその点におきましても指導を行っておるわけであります。  ただ、お話の中に新聞公表とかさらに人事介入といったようなこともございましたけれども、そういうことになりますと、果たしてそれが適切であるかどうかというふうに私どもは慎重に考えております。まず当局が厳重に指導し注意していく。本当に責任が問題であれば関係者についての処分を求めるということは事実上やっておるわけでございますけれども、例えば違反した金融機関の名称を公表するということになりますと、個々の金融機関の信用に甚大な影響を及ぼすことになります。ひいては信用秩序にも悪影響が及ぶ可能性があるわけでございまして、そういうことについては慎重に対応しなければならないだろうというふうに考えておるわけでございます。
  18. 小林正

    ○小林正君 いろいろ今の御答弁についても感想があるのですけれども、一つだけ。  土地基本法の今回の問題について、これは聖人君子を前提にしてつくるというような批判もあるわけです。つまり、性善説でいくのか、性悪説でいくのかと言えば、やっぱり性悪説でいかなければこの禍根は絶てないというふうに思うわけです。そういう意味で、今の例えばノンバンクの問題についても、融資残高が五十兆を超えるというような新聞記事も出ておりましたし、そういう点を考えますと、実態把握の中で建前の部分と実態というものの関係をやっぱりもっと厳密にとらえていかなければならないのじゃないか、こういうふうに考えているところでございます。  まだ幾つか聞きたいこともあるのですが、時間が大分迫ってまいりましたので、次に今後の政策展開に当たって、住宅政策というのが、従来建設省が主務官庁であったわけですけれども、これから二十一世紀を迎え、高福祉の社会ということを想定して住宅環境、都市環境についてもアメニティーというようなことが概念として言われる時代を迎えているわけでありまして、同時にまた、勤労者そして低所得層、さらには老人、高齢化社会というようなことになってまいりますと、住宅問題というのが、建設省ということだけではなくて、やはりこれからは福祉政策の一還としての位置づけが、これはもうヨーロッパではそういうことで進められてきているわけですけれども、極めて重要な課題ではないかと思うわけであります。今後、労働省、そして厚生省、そして建設省と三位一体となった対応が求められていくというふうに思うわけですけれども、こうしたことについて長官の御所見を伺えればというふうに思います。
  19. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 土地基本法は、とりわけ国土政策、土地対策、住宅供給、こういうような観点から立法の審議をいただいておるものでございまして、そういう意味からは、公共の福祉とかそういう言葉で間接的に福祉にまたがる指摘はあるにいたしましても、ここが欠落いたしておるということは事実でございます。また、当委員会の審議を経ましてこれらの問題に対しまして貴重な御指摘をちょうだいいたしたこと、今後国土庁といたしましてはこれを十分体して政策の展開を図っていきたい、そのように考えるわけでございます。  とりわけ福祉という観点から申しますと、ただいま御指摘もございましたように、老齢化の時代それから高福祉の時代等々を想定いたしますと、まずやはり基本的に重要なのは、安い家賃であるいは低額なコストで住宅を提供する。そういうことによって基本的な問題が解決するということは確かでございますけれども、家賃に対します福祉的視点を踏まえた特別措置あるいは控除。取得等に関連をいたします措置というふうなことも、今後建設省あるいは厚生省等が緊密に連絡をとって、法律を変えても検討していかなければいかぬ課題ではないかという認識をいたします。  また、大きな造成を行いますとか宅地を開発いたしましたときには、現時点におきまして病院でありますとか学校でありますということに関します附置義務は存在いたしておりましても、それでは老人ホームでありますとか施設でありますというふうなことについては、恐らく現行の法律の中には含まれておらないと思うのでございます。こういう問題に関しましても今後新しい角度から検討をしていくべき課題ではないか。本基本法の枠外の問題ではございますが、貴重な意見として時代に即応した適切な施策を展開していくべきだと、そう認識いたしております。
  20. 小林正

    ○小林正君 それでは、時間がなくなりましたので、まだ幾つかございましたけれども、最後にこうした基本法が制定をされる、それも与野党合意の中でというような状況を迎えているわけでありますが、これを契機としてやはり経済優先から生きがい優先への国土、町づくりへ発想の転換をさせていく必要があるのではないかと思います。宣言法を実効あらしめることを政治への信頼回復への課題とすべきことを申し上げまして私の質疑を終わります。ありがとうございました。
  21. 村沢牧

    ○村沢牧君 土地基本法案が本院に送付されましてから、本会議それから参考人調査あるいは審議を延べ六日間やってまいりました。日本社会党の同僚議員も私も含めて八人質問してまいったところであります。本日は、そういう点を踏まえまして国土庁長官並びに関係省庁に対して、我が党の質問を総括する意味で御質問申し上げたいというふうに思います。質問したいことはたくさんございますから、簡潔に明解に御答弁をいただきますように最初に要請しておきます。  石井長官は、この基本法が通ればスタートラインに立った気持ちで実行性のある対策を進めていくと、これまで何回も答弁しているところでありますが、今までなぜ地価の高騰を抑制し、宅地供給を促進することができなかったのか、この総括、反省がなければだめなわけです。東京一極集中の開発構想あるいは規制緩和、中曽根民活、そして国有地の高値払い下げなど、自民党政府は地価高騰を助長してきたと言っても私は過言ではないと思う。そこへ巨大金融の無差別融資と悪徳不動産、地上げ屋の地価つり上げ行為、これに対して大蔵省の後手後手のなまぬるい対応。長官は今までの経緯を見てメリットもあったと言うのですけれども、私が今申し上げたことについては、こうした事実は否定することができないと思うのです。  長官、今日のような異常な状態になった原因や政府の取り組みを厳しく総括して、その上に立ってスタートラインにつかなくては、基本法を制定しても国民の期待にこたえることはできないというふうに思うのです。長官の反省と決意を伺います。
  22. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) およそ政治家が、自民党であれ社会党であれ、極力地価に対して無責任で、土地値上げを目的にし、そして今日の結果を招いたというふうなことではございません。それはそれなりにそのときそのときの社会経済情勢もあり、客観的な情勢もあったものではございますが、しかしながら当委員会におきます議論を伺っておりましても、あのときになぜもう少しこういうようなことができなかったのであろうかというような反省点はたくさんございます。  今日の一極集中もまさに極度の状況になっております。しかしながら、それはそれだけ東京が国際化し、またすべての意味で中心になる理由もほかにあったように思います。民活の問題に関しましても、ただいま大蔵省が述べておりましたように、すべてを冷やして仮需要を抑えるというよりも、やはり財政再建下の厳しい経済情勢の中での内需を拡大する、そういう状況もあったはずでございます。規制緩和の問題等につきましてもようやく制度が定着してきたところであり、そういう形から先行的に指定するというところにおくれにおくれをとったということも反省の一点でございます。  国鉄が赤字であったから国有地の払い下げを急いだために地価高騰を招いたという御指摘も正しい面がございますが、二十六兆円の赤字を考えた場合に多少やむを得なかったという一点もまたあろうかと思います。  その他もろもろ、不動産の融資に関しましても、これらはすべて確かに我々としては厳しい反省の中に土地基本法制定後の政策を展開していかなければいけない。すべてが間違っておったということを認めるわけにはまいりませんけれども、人間のすることでもございますし、複雑な機構の中で政策を展開していくわけでございますから、もろもろの御指摘に関しましては謙虚に受けとめ、それを反省の材料として前進をする、こういうことで御了承をいただきたいと思うわけでございます。
  23. 村沢牧

    ○村沢牧君 社会、公明、民社、社民連の野党四党は、土地基本法をつくる必要性を強調して、政府案に先行をして法案を衆議院に提出した。野党案と政府案とが、その主張、見解あるいは文章の使い方等の相違があることは当然といたしましても、野党案よりも後に立案された政府案は、野党の案もある程度取り入れており、さらに衆議院の一定の修正によって野党も組み入れた。本院に本法が送付されるまでのこうした経緯あるいは野党案について長官はどのように評価されておりますか。
  24. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 消費税法案に関しましては、野党の御提案に対する不備もかなり指摘されておるようでございますが、土地基本法問題につきましては、私はまことにうんちくを傾けられた御提案であったというふうに評価いたしております。これは何も消費税の法案にけちをつけているわけでも何でもございません。  いろいろございますけれども、土地基本法案の土地に関する政策の目標というのが第一条に掲げてあるわけでございますが、これはもう長いので読み上げませんですけれども……。
  25. 村沢牧

    ○村沢牧君 いいですよ。わかっていますから、そんなことは。
  26. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) これはもう本当にすべてのこの法案を網羅した一つの目標を定めた政策目標だというふうに認識をいたしております。  それからまた、衆議院及び参議院の過程で出てまいりましたいろいろの問題、公共の福祉優先、金融上の措置、住民の意見の反映、高度利用、宅地の供給、公的土地評価の適正化の問題等々、もちろん政府案にもそういう思想は入っておるわけでございますけれども、そういう形での問題の提起という面で十分評価をするべきところもあり、またこれらを柔軟に我々としても取り入れていく。そういう非常に貴重な資料である、そう考えておる次第でございます。
  27. 村沢牧

    ○村沢牧君 野党の案も長官大変に評価をされる、結構なことだと思います。衆議院でも修正されましたが、私はこの修正された法案でもって十分だという気持ちはまだ持っておりません。衆議院で修正をされたということは、また修正を与党が受け入れたということは、逆転の成った参議院を見越してやったものであろうというふうに私も思いますが、我が参議院におきましても、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合は、この法案の今までの審議を通じて協議して、幾つかの修正事項を本日理事会に提案いたしました。このことは国会で決めることでありまして、長官に一々見解を聞く必要はありませんけれども、これを謙虚に受けとめるべきだ、受けとめてもらいたいと思いますが、どうですか。簡単でいいですから。
  28. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 謙虚に柔軟にひとつ対応させていただきたいと思います。
  29. 村沢牧

    ○村沢牧君 ありがとうございます。  長官いい答弁していただきましたので、与党の皆さんもよくお聞きのとおりだというふうに思います。  基本法は、土地についての基本理念は定めておるけれども、土地政策の具体的政策目標があいまいである。政府原案の「適正な需給関係の下での地価の形成に資する」という規定は、需給関係という市場原理だけに任せる限り地価の値下げは不可能であり、結果的には土地の暴騰や高値安定を容認することになります。衆議院において「正常な需給関係と適正な地価の形成を図る」、このように野党案を受け入れて修正されたことは評価をするものでありますが、国土庁はこの修正を受けて政策目標をどのように考えますか。
  30. 藤原良一

    ○政府委員(藤原良一君) 政府原案では、御指摘のとおり、第一条の目的で適正な需給関係のもとで形成される地価形成というのを一つの地価対策の目標にしておったわけでございますが、確かに適正な需給関係のもとで形成される地価、これがすなわち適正な地価であろうというふうに我々理解するわけですが、非常にそういった状態の需給関係を形成していくというのはこれはまた非常に難しい課題でございます。  そういう意味で、衆議院の方で「正常な需給関係」とあわせて「適正な地価の形成」も一つの大きな基本法の目的にされた、そういう趣旨に理解しておりまして、適正な需給関係形成とあわせて適正な地価水準の形成を目指した対策がますます重要というふうに受けとめております。  ただ、適正な地価を形成するためには、しかしこういう市場経済のもとで経済が運営されているわけでございますから、やはり需給対策をしっかりと講じていく必要があるのじゃないかと思います。これまでも、取引の規制、これは投機取引や仮需要抑制のための規制でございますが、そのほかに超短期重課等の土地税制あるいは不動産業界や金融機関を通じての取引の適正化、そういったことを通じまして、当面の需要を抑制していくという対策をますます講じていく必要があろうかと思います。  また、供給対策につきましても、やはり大都市地域の需給が逼迫している地域についてはできるだけ速やかに大量の供給を行っていく、そういうスタンスが大切じゃないか。そういうことによりまして適正な地価の形成を総合的な対策によって講じていく、そういうふうなことが必要だと思います。
  31. 村沢牧

    ○村沢牧君 政府の皆さんに申し上げておきますが、先ほど申しましたように、私も理事としてここへずっと座っていましたから、皆さんに申し上げたようにくどくどくどくど言うことはもう十分聞き飽きたのですから、私の質問に率直にひとつ答えてください。  日本社会党が土地住宅政策の目標として、憲法が保障する健康で文化的な生活を営み得る住宅を勤労者の年収の五年分で取得、または月収の一五%以内の家賃で入居できることが可能なまで地価を引き下げる。このことを実は土地基本法においても住宅においても目標としておるのであります。  昨日も参考人の調査もやりましたが、日本労働組合総連合会の柿沼参考人もぜひそうしてください、こういう陳述もあったわけです。地価を下げるのだと、こういう政策目標がなくては基本法に期待するのはないのですよ。国土庁長官の決意だけひとつ聞かしてください。
  32. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 地価を適正にする。下げるという問題は大変難問ではあろうかと思いますが、私はそういうことがなければ基本法をつくった意味がない。したがって、基本法ができました後にいかなる実行法、あるいはまた政府が不退転の決意でやるか。これまでのようなマンネリの行政の中で後追いではどうにもならない、こういうことを強く認識をいたしておるところでございます。  需給の関係なんという言葉は微妙な言葉でございますが、要は一定の期間に大量の住宅宅地を供給した場合には、当然地価の安定なり適正な価格というのが出るでありましょう。何か後追い的に投機を抑えるとか、あるいは監視区域をつくるというよりも、これは抜本的な施策であると私は思っておりますけれども、これはやっぱり時間のかかることでございます。そういうような究極の目的を達成するために、今後関係閣僚会議等をも招集をいたしまして、各省に対しましてもこの審議を踏まえて厳しく督促をし、できればタイムリミットを決めて具体的な法案を国会に上程し、そういう中から国民的な課題に挑戦をしていきたい、そういう決意でございます。
  33. 村沢牧

    ○村沢牧君 基本法には「土地は、投機的取引の対象とされてはならない。」、投機的取引の抑制を規定しています。  今日まで異常な土地騰貴をもたらした元凶は投機的取引にあったことは国民だれしも知っておることです。投機的取引の背景には金融機関の不動産関連融資がある。銀行が地価の高騰を助長してきた面もある。日銀の澄田総裁は、かりそめにも金融機関の融資活動で土地の騰貴をもたらし、インフレ心理をあおったり、国民生活を不安定にさせてはならないと金融機関に警告を連発しておったのです。私も同感であります。大蔵省銀行局長の見解を求めます。
  34. 土田正顕

    ○政府委員(土田正顕君) 金融機関の土地関連融資につきましては、かねてから通達の発出、特別ヒアリングの実施等を通じまして、投機的土地取引等に係る融資を排除するように厳正に指導してまいったところでございます。  その結果、金融機関の不動産向け融資の残高の伸び率は、特別ヒアリング実施後の六十二年度上半期以降基調として大幅に減少してきていると考えております。  ただ近時、地方都市を中心に地価上昇が続いている状況にかんがみまして、国土庁のとられます措置と平仄を合わせ、大蔵省としても投機的土地取引等に係る融資を厳に排除するという従来の通達の趣旨をさらに徹底させるとともに、これは簡略にいたしますが、諸般のいろいろな措置を講じておるわけでございます。  ただ、ここで一つ申し添えたいと存じますのは、不動産業向けの融資の数字などを私どもは参考にしているわけではございますけれども、土地関連融資のすべてが問題であるということではございませんので、住宅、民活関連、その他の内需に必要な資金、それの円滑な供給はこれは確保してまいる必要があるわけでございます。しかし他方、投機的な土地取引等に係る不適切な融資は、これは厳しく排除するという必要があるわけでございます。  そこで、このようなところから見まして、なかなか特定の統計の数量のみをもって成績を評価するということは難しいわけでございまして、そこのところは私どもが従来からやっておりますようなきめの細かい特別ヒアリングとか金融検査とか、そういう個別のチェックが必要となるというふうに考えております。  このような点に十分留意いたしまして、今後とも私ども一連の措置を通じまして、投機的土地取引等に係る融資が厳に排除されるように強力に指導してまいる所存でございます。
  35. 村沢牧

    ○村沢牧君 金融機関に対する大蔵省の指導については、もう何回もここでお聞きをいたしました。今局長からまた改めてお聞きをしたところでありますけれども、しかし大蔵省の担当課長は、本委員会で、銀行行政として考えられるあらゆる手段を尽くしているというふうに答弁をしておるのであります。局長、今までやってきた手段が、大蔵省としてはもうこれが最高のものだというふうにお考えになっていらっしゃるのかどうか。基本法が制定されることを契機にいたしまして、過剰な土地関連融資を抑制する政策を大蔵省ももっと強化すべきではないかと思いますが、どうですか。
  36. 土田正顕

    ○政府委員(土田正顕君) ただいま申し述べましたように、土地関連融資のすべてが問題であるということではございませんので、私どもは投機的な土地取引等に係る不適切な融資を厳しく排除するということを目標にいたしております。  そこで、その点につきまして私どもは特別ヒアリングを充実する、その他個別の施策を最大限度に実施しておるわけでございます。そのほか従来の経験に顧みまして、ノンバンクに対するいろいろなフォローといいますかチェックも必要であるというふうに考えまして、現在の法制ではいろいろ私どもの持っております権限に限界はございますものの、今度新たに金融機関のノンバンクに対する融資の実態を把握するため、金融機関から報告を求めるとか金融機関のノンバンク融資の実態についてのヒアリングを行うというような新たな思い切った措置を私どもはとっているつもりでございます。  そのような措置の前進を図っていきますのが現在のところでは最善の対応と考えております。
  37. 村沢牧

    ○村沢牧君 石井国土庁長官は、本委員会で我が党の山本理事の質問に対して、地価高騰の要因とされている金融機関の土地関連融資の拡大について、土地基本法の成立を前提に土地関連融資残高の多いところから銀行名を公表することが必要である。また、不適当な融資には罰則を含めた規定をつくってもよいではないか。こういう決意を込めた答弁をしておるのであります。  私は、国土庁長官のこの見解に賛意を表するものでありますが、土地問題を総括する国土庁長官の国会答弁を大蔵省も尊重をいたして、長官の答弁のように必要があったら対処すべきだと思いますが、どうですか。
  38. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 私は弁解をしたり弁護をしたりするつもりはございません。ただ、村沢先生、私は前回の答弁で、土地がこれ以上暴騰を続け、また不動産関連の融資がこれ以上額をどんどんとふやすというようなことになれば、公表もするべきであり罰則も加えるべきである、こういう趣旨の答弁をいたしたわけでございます。前段は一つあったということは事実でございますが、ところが新聞にも報道されました。大蔵省の方からもおたくの長官はあんまり元気よくやるなと言うて後ろからやってきたのも、私は直接聞いておりませんが、私のところへ来ておりませんけれども、事実でございます。  しかし私は、なぜこの公表ができないのかという問題をも追及いたしたわけでございます。ただいま局長の答弁にもございましたが、中には適正な融資もある、不適正な融資もある。この区別も非常に難しい。また、額だけで順番を決めても、それを専門的にやっておる、そこに重点を置いておるバンクもあれば、そうでないものもある。そしてさらに、大手とか地方ぐらいまでは手が届くのですが、銀行局自体の届かぬところで一番反社会的行為が行われておる。このようないろいろ立場上の問題もあるようでございます。  しかし私は、あの発言一言で、銀行に対しましても相当なアナウンス効果は出ておると思います。それに甘んじてはおりません。今後必要であれば大蔵大臣と直接直談判をいたしまして、銀行局長はこのように申しておりますが、さらに状態が悪くなれば当然やるべきであるし、銀行というのはやっぱり社会的信用ということを最も重視しておりますだけに、我々から見れば公表一回ぐらいですよ……
  39. 村沢牧

    ○村沢牧君 長官に聞いているんじゃないから、もう簡単にしてください。
  40. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) だから、私のポイントにつきましても、これは政府一体でございますので、ひとつ御了解いただきたいと思うわけでございます。
  41. 村沢牧

    ○村沢牧君 長官、先日私が言ったことは会議録にも載っておるし、間違いないことなんですよ。ここで大蔵省のような立場に立ってべらべら弁解することはないです。  私が銀行局長を呼んだのは、課長ではこういう答弁はできないんだから、局長が来て、せっかく国土庁長官の答弁があるんだからはっきりしてもらいたいと思って呼んだんですよ。
  42. 土田正顕

    ○政府委員(土田正顕君) 国土庁長官の御説明の趣旨につきましては、ただいま詳細国土庁長官から内容の御披露があったところでございます。  私どもが再三申し上げておりますのは、土地融資そのものを計数的に把握するということはなかなか困難でございます。不動産業向けの融資の数字などが通常例に引かれるようでございますが、土地関連融資は不動産業向けの融資の数字のみであらわされるものではなく、その他のもろもろの融資、さらには近ごろでは銀行と関係のないようなところの一般の事業法人が土地の取得その他で積極的な活動をしているということも仄聞をいたすわけでございますので、土地融資の全貌を把握し、それを順序よく並べるということは技術的に非常に困難である、こういうようなことを申し上げております。  それで、むしろ私どもは、現在鋭意やっておりますような個別のヒアリングとか金融検査というようなチェックが最善であると考えておるものでございまして、かつ従来の、六十一年、六十二年ごろからの経緯に顧みましても、この施策は総合的に実施されれば必ず効果を上げると確信しておるわけでございます。
  43. 村沢牧

    ○村沢牧君 銀行局長、皆さんがやっていることはよく承知をしているんです。しかし、それでも投機的取引による融資等がなかなか絶えない、ふえてくる。そういう場合にはやはりそういうことをやっている金融機関ぐらい公表したっていいと思う。公表して悪いという何か都合があるんですか。
  44. 土田正顕

    ○政府委員(土田正顕君) 私どもの特別ヒアリングをやってまいりました趣旨は現在重ねて申し上げたとおりでございますが、そして私どもはその効果に期待をしておるわけでございます。しかしこれは、何分にも個別の融資案件にまで踏み込んだものでございますので、個々のケースの具体的な内容などについては、これはなかなか信用秩序の問題もありますので、従来から公表は差し控えさせていただいておるわけでございます。  ただ、従来からこの特別ヒアリングの結果の概要につきましては、これまでもある程度まとまった段階で必要に応じて明らかにしておりましたところでございますので、今度またいろいろな工夫をもって特別ヒアリングを続行いたすわけでございますが、必要があればやがて適宜の段階でその概要を明らかにすることは考えてみたいと思っております。
  45. 村沢牧

    ○村沢牧君 そういう結果について国会で要求すれば、資料をいただけますね。
  46. 土田正顕

    ○政府委員(土田正顕君) 従来特別ヒアリングの結果の概要につきまして公表をいたしておりますわけでございまして、それは当然お求めにありますれば御説明をいたします。
  47. 村沢牧

    ○村沢牧君 国土庁長官、さっきいろいろと弁解じみたことを言っておったんだけれども、あれだけあなた決意を持っているのですから、大蔵大臣とも話をして、今後このようなことが続くような場合には、あなたは権限を持っているのですから、しっかりひとつやってください。もう弁解は要らないですよ。  そこで、私の質問は昼食の時間までかかるようでございますから、参考人も来ておりますので、順序を変更して質問したいというふうに思うのです。  建設省は、大都市における住宅宅地供給の促進に関する特別措置の大綱を発表いたしましたが、この法案によって確保しようとする宅地、住宅の目標量を示してください。  また、こうした措置を講ずることによって、宅地及び家賃の価格水準をどの程度に考えるんですか。
  48. 木内啓介

    ○政府委員(木内啓介君) 建設省は、このほど住宅宅地供給につきましての税制の改正の建設省としての要望を出すにつきまして、御質問のように住宅供給の大綱というふうな形のものを提出いたしました。これはいろいろな内容を含んでおるわけでございますけれども、その内容につきましては省略さしていただきまして、いろいろの内容が実現可能であるというふうなことになりました場合には、東京圏でおおむね三百万戸程度の住宅あるいは四万ヘクタール程度の宅地の供給が可能であるというふうに試算しております。可能であるということは、政策目標、政策手段をきちっとやればできるということでございますので、政策的な努力目標というふうな形にも解していただいても結構かと思います。
  49. 伊藤茂史

    ○政府委員(伊藤茂史君) お尋ねの後半部分の住宅の価格水準の問題でございますが、今回の総合土地対策要綱のもとになっております臨時行政改革推進審議会の地価対策の答申の中では、通常のサラリーマンが通常の所得の範囲内で良質な住宅を確保し得るよう、こういうことが重要であるというふうに言われております。また現行の住宅政策も、住宅宅地審議会が決めております家賃負担限度率あるいは持ち家償還限度率、これは限度いっぱいというその上限でございますが、その範囲内において住居費を負担し、適正な質の住宅が供給できるようにということで努力をしております。したがいまして、今般建設省として考えております総合的な住宅対策におきましても、例えば持ち家につきましては、中期的には勤労者が取得可能な水準、例えば年収の五、六倍。先ほどの償還期間の限度率で計算しますと現行そういうふうになりますが、これを目安に価格の安定に努めたいということを目標にいたしております。
  50. 村沢牧

    村沢牧君 審議官、今宅地供給四万ヘクタールを目標としておるのですが、どこからこの供給をするのか。未利用地、工場跡地、農地とあるのですが、どのくらい面積があって、そこからどれだけ供給するのか。数字だけで結構です。
  51. 木内啓介

    政府委員(木内啓介君) 先ほども東京圏の数字で申しましたので、東京圏で御説明させていただきますと、東京圏でいろいろな供給可能の土地はあろうかと思いますけれども、大きなまとまりとして存在しますのは、一つは工場跡地等の低・未利用地でございます。この工場跡地等の低・未利用地につきましては、国土地理院が調査した宅地利用動向調査というのがございます。それに基づいて推計いたしますと、東京圏で低・未利用地が二万九千ヘクタールぐらい存在いたします。それから、もう一つ大きな固まりとしてございますのは、東京圏の市街化区域内の農地がございます。これは三万六千ヘクタールほどございます。  この大きな二つの土地につきまして、長くなりますから省略しますけれども、もろもろの施策を行うことによりまして、市街化区域内農地につきましては約一万ヘクタール程度、それから低・未利用地につきましては、これもまた一万へクタール程度がもし宅地化できますれば、それぞれ百万戸程度の住宅が可能だというふうに考えているわけでございます。先ほど申しました三百万戸の残りの方は、低層住宅密集市街地の再開発みたいな形、それから新規の市街地の開発許可区画整理等で合わせて三百万というふうに考えております。
  52. 村沢牧

    村沢牧君 この法案をつくるとしますと幾つかの省庁地方団体の所管事項にも関係してくるのです。また関係機関が連絡協調しなければ法の目的を達成することができないと思うのです。  建設省がこの大綱を決定する前に各省庁はどのようにかかわってきたのか。まず国土庁
  53. 藤原良一

    政府委員(藤原良一君) 大綱案は、住宅宅地あるいは都市整備の所管省であります建設省としての考えを取りまとめられたものでございまして、国土庁との間でまだ協議が了しておるわけではございません。
  54. 村沢牧

    村沢牧君 大蔵省どうですか。
  55. 潮明夫

    ○説明員(潮明夫君) 税制改革要綱につきましては、十一月三十日に提出をされておりまして、現在精力的に検討しているということでございます。
  56. 村沢牧

    村沢牧君 大蔵省はそういう提示を受けて今検討討しておる。  農林水産省構造改善局長、あなたは最近構造改善局長になったんだけれども、その前は国土庁土地局長だったですね。よくわかっているというふうに思うのですが、これは農業にも関係してくるのですけれども、あなたは建設省の大綱に対してどういう関係を持ったのか。この法律ができれば農林水産省の所管する事項にも大変関係してくると思いますが、どうですか。
  57. 片桐久雄

    政府委員(片桐久雄君) 今回の建設省の大綱案につきましては、農林水産省に対しては協議等は全然なされていないわけでございます。ただ、この大綱は基本的には町づくりの問題というふうに私ども考えておりまして、今後建設省から御相談があれば、それに応じていきたいというふうに考えている次第でございます。
  58. 村沢牧

    村沢牧君 自治省もこれは大きく関連を持ってくるわけです。  昨日、参考人として招致した三鷹の坂本市長は、大変なことだ、賛成しかねるというような陳述があったし、東京都知事も、新聞報道には若干違うところもあるけれども、このようなことについては批判的な立場だ。特に自治省は長期営農継続農地制度をつくるときにも大変苦労したのですけれども、この大綱に関係をしてきたのか、相談を受けてきたのか、あるいはどう思うのか。
  59. 芦尾長司

    政府委員(芦尾長司君) この大綱案につきまして当省といたしましては、策定段階で事前に御相談を受けるといったようなことはいたしておりません。制度全体、まだ私も中身を十分見ておるわけではございませんが、内容的には関係地方公共団体にかかわる部分も非常に多いというふうに思っております。これから正式に御協議がありますならば、地方公共団体の役割をどういうふうに位置づけていくか、これはまた非常に重要な問題であろうと思います。十分お話を伺っていきたいと思います。
  60. 村沢牧

    村沢牧君 建設大臣、この大綱は、新聞報道によれば自民党建設部会の承認を得ているということでありますけれども、これに関係する省庁がたくさんある。これらの省庁協力がなくちゃできないんですよ。しかし各省庁は御相談を受けてませんと。大蔵省は税金の関係だから幾らか相談を受けておるかもしれぬけれども、わしにはかかわりありませんというようなこと言っているわけですね。こんなことで法案はできるんですか。
  61. 原田昇左右

    国務大臣原田昇左右君) 私も御答弁申し上げますが、その前に審議官の説明をちょっと聞いていただきたいと思います。
  62. 木内啓介

    政府委員(木内啓介君) 先生に御了解いただきたいのは、私どもが毎年予算なり税制の建設省としての要求というのを出します。税金の場合当然大蔵省自治省に対しまして要望を出すわけでございます。予算の要求とこれはほとんど同じだと思います。その要求を現在出したわけでございますけれども、お出しするに当たりまして、税制の裏側にあります全体の案というのをまとめておかないと税制改正の要望もできませんので、全体の大綱を建設省としてはこう考えるというのをまとめたのが大綱でございます。したがいまして、これが政府法律になり、あるいは国会で御審議いただくという段階には、当然のこととして各省庁とお話しし、また御協議してまいるところでございます。まだ前段階で、建設省として要求するに当たって建設省態度を決めたということでございますので、各省とも正式の御協議はしておりません。これは通常のやり方だと私の方は理解しているわけでございます。
  63. 村沢牧

    村沢牧君 大綱を決めるということは、法案をつくろうという前提のもとに決めたというふうに思いますね。同時にまた、これに基づいて明年度の税制改革をどうしようということの検討に入るわけです。もう既に入っていると思いますね。しかし、法案をつくったら関係省庁と相談する。最初からこういうのは相談しなかったら、もし関係省庁がこれはどうも納得できませんということになったら、これをまた変えるんですか。私は、これだけ重要な問題の大綱をつくるのだったら関係省庁と十分連絡をとってやるべきだと思うのです。どうですか。
  64. 木内啓介

    ○政府委員(木内啓介君) 大綱という名前がちょっとあれかもしれませんけれども、これは法案大綱というふうには言っておりませんで、いわゆる建設省の考え方をまとめた基本的な考え方、建設省の基本的な考え方として大綱というふうに名づけたつもりでございまして、また、法案の要綱なり法案についてはこれから十分協議をしていかなきゃならないことだと思っているわけでございます。  先生の御指摘のように、各省庁とのいろいろなお話し合いがありまして、直す必要があるところは当然ながら直さなきゃならないと考えている次第でございます。
  65. 村沢牧

    ○村沢牧君 国土庁に伺いますけれども、建設省の大綱は見ていると思いますけれども、これで法案をつくる場合には基本法第十一条の土地利用計画等の作成とも関連をしてくるというふうに思いますが、どうでしょうか。簡単に答弁してください。
  66. 藤原良一

    ○政府委員(藤原良一君) 結論だけ述べさせていただきますが、今の段階では基本法第十一条の土地利用計画に該当するかどうか、直ちに判断できないというふうに思っております。法制化されていく中でその位置づけが明らかになるというふうに考えております。
  67. 村沢牧

    ○村沢牧君 基本法はすべての法律の基本になるでしょう。ですから、こういう土地利用計画をつくるときは当然基本法第十一条に沿って、この趣旨を体してつくらなければならないと私は思いますけれども、どうですか。
  68. 藤原良一

    ○政府委員(藤原良一君) 十一条の土地利用計画は、特定の区域を限って、その区域内の土地について一定の利用を促進したり、あるいは禁止等を行っていく計画、あるいはそういった計画の上位計画、あるいは基本計画として望ましい土地利用のあり方を示すマスタープラン的なもの、そういうものが該当すると思うのです。法制化の段階でそういった性格の内容が備えられたものかどうか、そういうことで判断されていくのだろう、そういうふうに解釈しております。
  69. 村沢牧

    ○村沢牧君 この大綱を見れば、特定の地域、例えば首都圏だとか近畿圏、中部圏、各圏域ごとにいろいろつくっていくのだ。また都府県計画もつくるし、市区町村計画もつくるのだとなっていますね。これは当然基本法と関係を持ってくると思うのですよ。  そこで、建設省に申し上げますけれども、基本法第十一条はその三項で、「国及び地方公共団体は、住民その他の関係者の意見を反映させるもの」と、これ修正されてここで審議されておることは御承知のとおりですね。ところが、この大綱を見ると、協議会をつくって、あるいはまた方針をつくる、都府県の計画をつくる、市区町村計画、その他から見て関係住民の意見を聞くなんということは一言もないわけですね。みんなこういうふうにしなさいと押しつけなんですよ。大綱にしたって、基本法がこれから成立することを承知しておったら、もっと関係者の意見を聞くようなことを大綱の中でもうたうべきじゃないですか。
  70. 木内啓介

    ○政府委員(木内啓介君) これはまだ大綱の段階でございますということと、もう一つは、今先生の御指摘の点につきましては、いわゆる東京圏とか大阪圏とか申しますのは、都府県が圏域の中にたくさんございまして、圏域間の広域的な調整を要することが多いと考えられるわけでございます。そういうふうな圏域間の広域調整を図っていこうというふうな意味で国が基本方針を考えたらどうかなというふうに考えているわけでございまして、上からの押しつけということよりはむしろ調整をさせていただいたらどうかというふうなところに重点があるというふうに御理解願いたいと思います。
  71. 村沢牧

    ○村沢牧君 法案でないからと言えばそれまでですけれども、これを見た限りにおいては、基本法ができるということを念頭に置いてあんたたちがやっているのじゃないと思うのですね。法案をつくるときには、基本法を制定したら、それにのっとってしっかりやるべきだ。よろしいですね。
  72. 木内啓介

    ○政府委員(木内啓介君) 法案の精神にいろいろなところでのっとってやっているつもりでございますけれども、なお法案をつくる段階におきましては、さらにさらによく基本法を読み直しまして、決して矛盾するようなことがないような形でつくり上げたいと考えております。
  73. 村沢牧

    ○村沢牧君 いずれにしても、建設省は法案をつくろうという準備をしていることは、これは否定することはできないと思うのですよ。それで、こういう大綱を出したことによって各地でいろいろな問題を起こしているわけですね。特に市街化区域の農地に対するいろいろな問題が出て、いろいろ要請も起こっている。  そこで、きょうは特に私は全国農協中央会の田久保常務を参考人として招致してありますので、参考人にお伺いいたしますけれども、都市農業の果たしている役割あるいは建設省のこの大綱に対する見解、あるいは都市整備はどうあるべきか、これらの点について参考人の意見を聞きたいと思うのです。
  74. 田久保一政

    ○参考人(田久保一政君) お尋ねのありました三点に対して考え方を申し上げさせていただきます。  都市農業の果たしている役割でありますけれども、私どもといたしましては、都市における農業の役割は、もう当然でありますけれども、新鮮で安全、安価な農産物の供給であるわけであります。このことを需給の面から見てみますと、極めて都市農業は重要な供給源になっているということが言えると思います。この事実は意外に世間には知れていないわけでありますけれども、統計から見てまいりますと、例えば東京都の野菜を例に引いてみますと、都民の年間消費量の一三%が東京都の農地から供給されているということがわかってくるわけであります。中でも葉物、葉菜類でありますけれども、コマツナ等そうした葉物の大物につきましては六〇%から九〇%近くまでが都市の農業、東京の中の農地から満たされているということがうかがえるわけであります。  言うまでもないことでありますけれども、農業は農産物を生産し、販売することを目的とする作業でありますけれども、そういう面では、今申し上げましたように、十分都市の農業は供給の役割を果たしていると思いますけれども、同時にそれ以外でも結果として地域の良好な環境保全に大きく貢献しているということがあると思いまして、都市の農家はこれに大きな誇りを抱いているところでございます。  御承知のとおりに、日本の場合、欧米諸国に比べて極端に緑地やオープンスペースが不足しているわけでございますけれども、我が国の大都市におきましては、農地がこうした役割をかわって果たしているというふうに考えられるわけであります。したがって、農地が受け持っているところの大気の浄化効果とか、あるいは緑地としてのアメニティー効果とか、あるいはいざ一たん緩急があった場合の緊急時の避難地としてとか、さらにまた市民の農園あるいは学童農園、福祉農園等、それぞれの形において市民に愛される形で活用をされているわけであります。  都市住民の暮らしに潤いと安全性の確保など、申し上げましたように多面的に数多くの役割を果たしているということが言えると思うところでございます。  こうした市街化区域内の農地の果たしている役割は、私は今後一層強まりこそすれ弱くなるということはないというふうに信じているところでございますけれども、しかし現状におきましては、残念ながら市街化区域内の農地は年々減少を強めてきているところでございます。私どもはこうしたことから、農業という立場からばかりでなくて、都市住民の立場から見ましても早急にその保全措置を講ずるということが急務であるだろう、そんなふうに考えているところでございます。  さらにお尋ねのありました建設省から出されましたお考えに対してであります。  私どもは特別措置大綱案と、それから税制改正追加要望ということを拝見したわけでありますけれども、率直に申し上げまして、今まで申し上げました都市における農地の果たす役割ということを余り評価しておられないように受け取られるわけであります。市街化区域内の農地は宅地化することが望ましい土地であるというふうにお考えのようにもうかがえるわけでありまして、非常に残念に思っているところでございます。  また、宅地化を促すために課税を強化するというお考えが述べられておりますけれども、この方法は決して有効ではないというふうに考えておりまして、我々といたしましても到底納得できないところのものでございます。  それから三点目の、都市整備方策について我々の考え方をということで申し述べさしていただきたいと思いますけれども、第一点としては経済政策の見直しを前提といたしまして、産業の地方分散を進めていただきたい。これは農業が地域において発展していくということを考えた場合には、どうしても産業が地方に分散してその成果を上げていただくことが必要なのでありますけれども、そういう観点からいたしましても分散を進めていただく。そして大都市圏への集中ということは防いでいただこうということを考えております。  それから第二点といたしましては、二十一世紀を迎えるわけでありますので、二十一世紀に向けて都市ビジョンということをまず明らかにしていただく必要があるだろうというふうに考えます。  それから第三点といたしましては、土地供給対策は総合的な土地対策、政策によってお進めいただければというふうに願うところでございます。この場合、低・未利用地の有効活用あるいは都市の再開発ということが優先されてしかるべきであろうというふうに思っております。  そこで第四点として、地価高騰の真の原因ということは、とかく農地の開放を渋っていることによって生じているという疑いを受けるわけでありますけれども、誤解でございまして、この真の原因を的確に把握していただいてその防止策を講じていただきたいというふうに思いますし、農業側から見ましても、とりわけ投機的な土地取引に対してはこれを排除していただく必要があるだろうというふうに思っております。  さらに五点として、緑地、オープンスペースを確保するために既存農地、林地の保全措置を講ずるべきであろうというふうに考えておりまして、これらを総合いたしまして、既に欧米の先進都市では、都市の中に農地、農業を巧みに組み込んで、いわゆる生活の潤いと安らぎということを生み出しているわけでありますけれども、ぜひ我が国におきましても市街化区域内の農地を十分に活用して、真に潤いと安らぎのある美しい都市づくりを推進していただければというふうに日ごろ念願しているところでございます。
  75. 村沢牧

    ○村沢牧君 参考人どうも御苦労さまでした。ありがとうございました。  建設大臣にお聞きをしますが、また御意見も承りたいというふうに思うのですけれども、私はこの問題を参考人に来てもらって審議をしたということは、長期営農制度を装って宅地並み課税を免れているような偽装農地まで手配しようなんて言っているわけじゃないのですね。今まで市街化区域の農地を見てもかなり流動化しているのですよ。流動化したのが一体本当に宅地になっているのかどうか。今農業を取り巻く情勢の中で後継者がなくなってくる。どんどんどんどん農地は減っていくと思うのですよ、無理して税金で追い出されなくたって。あなたも建設大臣であるけれども、国務大臣であるから日本の農業の将来だって少しは考えているように思うのです。  ですから、そういう中でありますから、ただ建設省のような形でやったとするならば虫食い開発になったりあるいは投機の対象になったり、地価の上昇を招く結果になるおそれがあるのですね。ですから、余りそんなに慌てるのじゃなくて、本当に都市づくりをどういうふうにしていくのか。その前提があるのですよ、仕組みがあると思う。そこから私は建設省も真剣に考えるべきだと思いますが、大臣どうですか。
  76. 原田昇左右

    ○国務大臣(原田昇左右君) 私も市街化区域内の農地について、何も農業を都市農業として本当に位置づけのできるような農地まで宅地にしてくれなんということを申し上げたことは一遍もないわけでありまして、今回の我々の住宅宅地の供給大綱におきましても、都市で本当に農業をやりたいという方々の農地と、そして宅地化できるものとの区別をまずしよう。  これは何も我々の大綱ではなくて、既に昨年の六月、政府が閣議決定いたしました総合土地対策要綱、これにはっきり書いてあるわけです。それを私たちは忠実にその線に沿ってこの宅地供給の大綱に組み込んだということでありまして、保全すべき農地を何も無理に宅地化するために課税をするとかそんなこと何にも考えておりません。その点をはっきり申し上げておきたいと思います。しかも、これは三大都市圏のみに限るということでありまして、一般的に市街化区域の農地を云々ということでもありません。東京圏を初め大都市圏のみであります。  それから、なお私どもとしては生産緑地制度とか、さらに実はこれもまだこれから国会に提出する予定で作業をいたしておるところでございますが、市民農園制度、こういうものをぜひつくりまして、市街化区域内の農地についてはぜひそういうことで活用さしていただきたい。こういうように考えておるわけですから、本当に真剣に農業をやっていただくことは大いにやっていただきたい。こういうように考えております。  そこで、建設省としては宅地化すべき農地についてはこれから都市計画とか、農地をできるだけ勝手に切り売りされないように都市計画をそこへつくりまして、道路とか下水道とかのインフラの整備とあわせて、なお細かくやれば地区計画まで入れまして、そして農地を売りたくないという方方はそこへ賃貸住宅を建てていただけばいい。二階建てのしか建てられないのを中高層の住宅が建てられるようなインセンティブゾーンを指定するとか、そういう方法でサラリーマンが借りられるような賃貸住宅をお建ていただくということも一つの方法ではないか。あるいはそういう市街地形成をうまくやっていただいた上で処置をしていただくというような考え方で、選択が十分できるように若干の余裕期間を持って判断をしていただけるようにしたらどうかなと、こういうように考えておるわけであります。  それから、先ほど参考人のおっしゃった低・未利用地とか再開発の問題、これもぜひあわせて総合的な対策としてやりたい。さらに、新しい市街地の開発、こういったものもあわせてやりたい。こういうことで総合的な対策として考え方をお示しして、その上に立って制度的な税制の問題とか都市計画の問題とかいろんなところで法律化しなきゃならぬものを法律化していこう、こういうことで今御提案を申し上げておるところでありまして、これから各省協議が始まるという段階になっておることを申し上げたいと思います。
  77. 村沢牧

    ○村沢牧君 この問題で最後に国土庁長官の意見だけちょっと聞いておきたいのです。  大分問題を起こしておりまして、先月も首都圏の農協だとか農業委員の代表が二千数百人も東京へ集まりまして、反対の総決起大会をやっている。自民党の皆さん方も都市圏の皆さん方も大変問題だということで、小委員会などをつくりましていろいろと検討いたしているところであります。特に、小委員長には大塚雄司衆議院議員が選ばれておる。この人は衆議院の土地問題特別委員長ですね。選挙を前にしていろいろやりますけれども、これはこれ以上混乱が起きてくると大変ですから、国土庁長官も、あなた調整役なんですから、この問題についてひとつ調整役というか、余り慌ててやらないように長官としての権限でもって指導してもらいたいと思いますが、いかがでしょう。簡単でいいです。
  78. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 調整役として十分責任を果たしたいと、そういう気持ちでおります。  余り長く申してもどうかと思うのでありますが、建設省の大綱案は建設省としての意欲を示したものであり、それなりに評価をすべきであると思うのであります。ただ、これを調整していきますときに、大蔵省の税制の問題とか自治省の地方を代表する立場というようなところで大変な調整が要ります。それから農地の問題につきましては、農林省と申しますよりもこの段階では、きょうの参考人のような実際の地権者との調整というものが大変重要であるというように考えております。  したがいまして、私の立場としましては今後、時間もございませんけれども、十分意見を集約し、どこかで焦点を合わせながら関係閣僚会議におきましては、未調整の部分がない方向で対案をまとめたい。また、調整できない部分についてはある程度のタイムリミットを決めて指示をしたい、そう思っておるわけでございます。ただ農地の宅地化問題に関しましては、ただいまるる参考人の意見も了といたしますが、同時にまた日本の農業の将来をも考えておりますけれども、またこの過酷な異常な状態を解決するために、せめて偽装農地というふうなものがあってはならない。この問題を避けて通ることはできない、そういう認識をいたしておるところでございます。
  79. 村沢牧

    ○村沢牧君 この問題終わります。  そこで本論に戻りますけれども、まあ今申し上げたのも本論でありますけれども、基本法の第六条は基本理念にのっとって、土地に関する施策を策定する場合には云々と書いてありますが、これは各省庁が連絡、協調して総合的にやっぱり取り組む必要があるというふうに思います。簡潔にひとつ見解をお聞きしたいと思うのです。ばらばらであってはいけないと思います。
  80. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 理想的には行政を一元化するということも必要でありましょうけれども、現実にはなかなかそうはいかないということは専門家の委員としてもよく御理解をされておるところでございます。  したがいまして、今後土地関係閣僚会議をフルに活用するとともに、今度この基本法からできてまいります土地政策審議会、これは国土利用計画審議会をスクラップ・アンド・ビルドしてつくると言っておりますが、ここらの意見も聴取し、土地白書の活用等をも考えながら、各省と緊密に連絡をとってその調整機能を国土庁として発揮してまいる決意でございます。
  81. 村沢牧

    ○村沢牧君 国土庁の行政的な責務はそうでありますけれども、いろいろ施策をつくる場合においてもばらばらであってはいけない。だから総合的に検討していかなきゃいけないというふうに私は思いますが、いいですか。
  82. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) いや、それはもうただいまの答弁に含めておるつもりでございます。各省との連絡調整を十分にやるということがそれに含まれておるわけであり、この施策にのっとりましてそれを着実に実行してまいりたいと思っております。
  83. 村沢牧

    ○村沢牧君 本委員会の調査でも公有地の拡大をぜひ主張してもらいたい、必要だという意見が参考人からも出されましたし、本委員会の同僚議員からも強く指摘をされたところであります。公有地の拡大について、私は基本法にもやはりそのことをうたっておく必要があるというふうに思います。どうでしょうか。
  84. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 社会資本整備の観点からも大変重要な指摘であると認識いたしております。
  85. 村沢牧

    ○村沢牧君 今の長官の答弁を踏まえて、私は野党としてもまた検討さしてもらいたいというふうに思います。  それから、土地政策を積極的に推進していくためには、先ほど申しましたように整合性を持って国、地方公共団体も一体となって取り組まなきゃいけない。したがって、今後の土地行政の施策は総合性を図っていく。それからまた土地に関係をする行政組織の整備あるいは運営、こうしたことについても努力をすべきだというふうに思いますが、どうですか。
  86. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) これも簡単に答えますとちょっと誤解が生まれ、またくどくどとやりますと非常に後ろ向きになる問題でございますが、当然意見としては行政組織の見直しが行われる際に、土地政策の総合的推進という観点に立って行われることが最も望ましい、私はそういう認識を持っております。
  87. 村沢牧

    ○村沢牧君 土地評価、公示価格の一元化の問題であります。  これも何回も論議いたしました。私も本会議で質問したところでありますが、国土庁長官は、非常に説得力のある御意見でございますと、閣議決定された総合土地対策要綱においても一物四価についてその均衡化、適正化を推進することを指摘をしている。今後とも関係省庁においても鋭意この方向に沿って推進が図られるよう努力をしますと、こういう答弁をされています。大蔵大臣も、直ちにこの一元化をすることは容易でないけれども、今後とも均衡と適正化を図るように検討してまいりたいと、こういう答弁をしています。基本法についても衆議院の修正でそのようにすべきのような字句も挿入されました。また衆議院の決議にもそのことをうたっておるのであります。  ところが、自治省の方の見解と答弁はどうか。私の本会議の質問に対して渡部自治大臣は、これを一元化することはできませんと、木で鼻をくくったような答弁をしていますね。その後自治省は我々のところへ回って、こういうことで一元化はできませんというような資料を持って回って歩いているのです。こういうふうにいろいろ大臣も答弁をしており、基本法もできたのですが、自治省は今日まであくまでこういう自説を曲げないでいくつもりなんですか、どうですか。
  88. 湯浅利夫

    ○政府委員(湯浅利夫君) 公的土地評価の一元化の問題につきましては、かねてからいろいろと御論議がございます。ただ固定資産税の評価というものは……
  89. 村沢牧

    ○村沢牧君 結論だけ聞かしてください、時間がありませんからね。そんな中身は知っていますから。
  90. 湯浅利夫

    ○政府委員(湯浅利夫君) 公的評価の考え方というものが固定資産税の評価とその他の評価の間には考え方がやっぱり違うという問題が一つございます。あるいは土地の評価の量が固定資産税の場合一億六千万筆というような非常に膨大な量だということで、三年に一回という評価がえでございますし、その他の公示とはやや量的にもあるいは地域的にも違うという点もございますので、これを一元化するということはできないというふうに私どもは考えておるところでございます。ただ衆議院におきまして、修正によりまして、土地の公的評価につきましては相互の均衡と適正化を図られるよう努めよという御指摘がこの法文に挿入されましたので、この趣旨を踏まえまして、また固定資産税の性格というものを十分考慮しながらこの問題につきましては対応してまいらなければならないと思っておるわけでございます。
  91. 村沢牧

    ○村沢牧君 自治省としても直ちに一元化をするということは困難だと。私もよく知っていますよ。知っていますけれども、検討していく、国土庁を中心にして自治省も今後均衡化、適正化を図るために検討しますと、それはやりますね。初めからだめだだめだとあなたいつも言っているんだから。そのぐらいはやるでしょう。
  92. 湯浅利夫

    ○政府委員(湯浅利夫君) 評価を一元化するということにつきましては、これはなかなか難しい問題でございますので、現段階ではできないと思います。しかしながら、相互間の評価の均衡でございますとかあるいは適正化を図っていくという点につきましては、今後大いに努力をしていかなければならないのではないかというふうに考えております。
  93. 村沢牧

    ○村沢牧君 ひとつそういう気持ちでやってください。だめですだめですと資料を持ってそこらを回って歩いたって、そんなこそくなことをやらなくたっていいですね。  そこで、国土利用計画について一点だけお伺いいたしますが、規制区域は今まで一回も抜かれたことのない、宝刀だというふうに言われて、今までこれを使ったことはありませんが、長官は本委員会の答弁で先日、準規制区域、すなわち規制区域と監視区域の中間的な制度を設けたらどうかという、こういう発言をしておるわけですね。また、土地局長も長官の指示によっていろいろ検討していくと。準規制区域というのは本気になってやるつもりなんですか。検討しているのですか。まず土地局長から。
  94. 藤原良一

    ○政府委員(藤原良一君) 長官の御答弁にそういう答弁がございましたが、規制区域が今まで一度も運用されていないというのは、指定要件が厳し過ぎるというよりも、むしろ、やはりこの規制内容が非常に厳しいものですから、社会経済活動に与える影響が大きい、自治体にとっても慎重にならざるを得ないということだったと思います。また、監視区域の効果がまだそれほど上がっていないじゃないかという御批判もあるわけですが、監視区域はまだスタートして間もない制度でございますので、これの運用をしっかりやらしていただきまして、これの実をまず上げさせていただきたいと我々は思っております。
  95. 村沢牧

    ○村沢牧君 土地局長はどうもそんなことは検討しておらないようですが、長官はいかがですか。
  96. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 実は先日の答弁は官僚資料になかったものでございますが、土地局長は今ああいうことを言っておりますが、確かに考えないけませんなと私に後で申しておりました。こういうことを答弁するのはどうか、いささか脱線ぎみですが。  私は、政治家として考えたのですが、片一方の方の制度には六百町村が指定され、片一方の方はゼロだと。その中間がないというのはおかしいじゃないかと、こういうことでございますが、例えば規制区域の第十六条一項二号に、規制区域を含む地域の健全な発展を図るために必要であり、土地利用上適切である事業の用に供する場合と。私はこういうような条件で規制区域というのがもっともっと出てきてもいいのじゃないかと思うのでございます。しかし、そうでない場合は、どこがこの中で難しいか。恐らく地価が凍結して全くとまってしまうという憂いがあるのか。それなら今の監視区域よりもより有効な手段をその中間で考えるべきではないか。これが政治の知恵ではないか。そういうふうに思っておりますし、我が土地局長も、答弁はかたいですが心の中では相当リベラルな考え方を持っておるということを補足しておきたいと思います。
  97. 村沢牧

    ○村沢牧君 最後にお伺いしますが、長官の決意はよくわかりました。難しいこともあるけれどもそのくらいの決意を持ってやらなければ、幾ら監視区域を強化しても、拡大しても、やはりそれだけではいけないところもあるのではないか。そうかといって指定区域にはなかなか難しくて適用できない。ですから、長官のそのような構想、決意を国土庁全体として指示を受けて、そういうふうなことをひとつできるような取り組みをすべきだと。土地局長どうですか。
  98. 藤原良一

    政府委員(藤原良一君) 長官のもと一体となって仕事に励んでおりますので、長官の御答弁をよく解して勉強さしていただきたいと思っております。
  99. 村沢牧

    村沢牧君 勉強ぐらいやったら私もかねてより勉強していますがね、勉強だけじゃだめなんですね。勉強なんていう答弁は役人の答弁で一番だめだという答弁なんですよ、これ。そんなことはだめですよ。ですからよくやってください。  最後にお伺いいたします。  長官、この委員会でも首都機能の移転について何回も論議をされました。また長官からも非常に前向きな発言もあって、国会でもひとつ決意をしてもらいたいような気持ちだというようなお話もあったところでありますが、改めて長官の決意と政府としての対応、そのことについて見解を聞きたいと思います。
  100. 石井一

    国務大臣石井一君) 私は、土地の議論をいろいろいたしておりまして、実は首都機能移転という問題は別の問題だと思っておりましたが、これほど重要な土地政策に資する提案というものはないなあというような実は個人的な感じを、審議を通じてもそういうことをひしひしと感じた次第でございます。  国土政策上はそうであっても、国民世論全体の中でどうなるかという問題がまだ十分議論されておらないようでございますので、今後委員会の御意思、また決議を体しまして、何か具体的な提案をすることにより、一歩も二歩も私の任期中に前進させたい、そう思っておる次第でございます。
  101. 村沢牧

    村沢牧君 かたい決意を伺いましたので、私の時間も参りましたのでこれで質問を終わります。ありがとうございました。
  102. 福間知之

    ○委員長(福間知之君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十五分まで休憩いたします。    午後零時四十七分休憩      ─────・─────    午後一時四十七分開会
  103. 福間知之

    ○委員長(福間知之君) 休憩前に引き続き、土地基本法案及び国土利用計画法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  104. 白浜一良

    ○白浜一良君 午前中も質疑をされておりましたけれども、先日建設省でお示しになりました「大都市地域における住宅・宅地供給の促進に関する特別措置(大綱案)」、また「平成二年度建設省税制改正追加要望概要(案)」。  午前中も質疑されていたわけでございますが、当然本審議中の土地基本法案、衆議院で修正をされまして宅地の供給ということが大きなテーマであるという、そういうふうになっております。ですから、今後この両案がいろいろ政府で検討されていくと思うわけでございますが、長官といたしましては土地基本法案成立をもって臨まれるわけでございますので、まず冒頭にこの両案についての長官の御所見を伺いたいと思います。
  105. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 私は、基本法が成立する前に建設省が非常に意欲的な案を提示された、このことをそれなりに評価いたしております。  先ほども議論がございましたように、各省との十分な連絡調整がとれていない一面もございますし、特に地方公共団体の利用計画とかあるいはさらに住民のコンセンサスというふうな問題につきまして当然手続を踏まなければいかぬところもたくさんございます。同時にだれかが一歩踏み出して一つのビジョンを示し、そこから批判やら意見が出てきて、その中でまた修正するべきものは修正をしていく、こういう手法も必要ではないか。そういう意味ではあれが一つの目標であり、あの中から欠落するものも出てくるかもわかりませんけれども、それはやむを得ぬことであり、要はこの際土地を安定さすにも、また庶民の手にマイホームを取り戻すにも、やはりかなり大量の宅地住宅を、できれば時期を固めて供給する、こういうことも原則的に重要な問題だ、そのように認識をいたしておるわけでございます。  なお、国土庁といたしましては、総合調整機能を発揮いたしますために、土地基本法ができました暁に関係閣僚会議を招集する予定でございます。年内に必ずやりたいと私は思っておるわけで、今、日程の調整をいたしております。そこへ出すものは何かということになってまいりますと、建設省の案も踏まえて、また他の省庁との協議もある程度して、また税制関連に関します大蔵省等の意見も踏まえて、将来できるものを打ち出していきませんと権威がございませんので、その辺のことにつきましてはもろもろの事務的な調整を加えた上で、緊急の当面する土地対策というふうなことを閣議で決定をし、基本法にのっとって直ちに実現に向けて前進したい、そう考えておる次第でございます。
  106. 白浜一良

    ○白浜一良君 そこで、建設省にお伺いしたいわけでございますが、けさも午前中の審議、答弁を聞いておりましたら、この十年間で四万ヘクタール、午前中は三百万戸とおっしゃいましたけれども、新聞報道によりましたら三百七十万戸、このようになっておりました。それはどちらでも結構なんですが、もう少し詳しく新聞に書いてありました。大体規模といたしましては一戸当たり四千万程度、年収で大体五・七倍の基準、そういう報道がされていたわけでございます。  それで、少しお伺いしたいわけでございますが、四千万円程度で取得できる一戸建て住宅。こういうものが供給できる地域というのはこの東京圏でどのあたりになるのかお伺いをしたいと思います。
  107. 伊藤茂史

    ○政府委員(伊藤茂史君) 今お尋ねは、戸建てでどのくらいどこの地域で供給できるかというお話でございますが、仮に四千万円ということで、戸建てにつきまして土地百五十平米、床面積百二十三平米の住宅を考えますと、平米当たり土地の値段としましては十六万円ということで計算されます。この土地の値段をどう拾っていくかというのは大問題でございますが、一応私ども平成元年の地価公示価格でとりまして、平米当たり十六万円の土地がどこにあるかということを探してみましたところ、東京圏では南部、西部では五十五キロ以上、したがいまして六十キロ圏近くなると思います。それから北部、東部では三十五キロから四十キロぐらいになろうかと思います。  お尋ねではございませんでしたが、マンションにつきましては一時間圏内でもまだまだ相当供給できるところがあろうかと思っております。
  108. 白浜一良

    ○白浜一良君 当然マンションでもいいわけでございますが、四千万円程度と。実際それだけ土地がこの十年間にわたって供給できるかどうか非常に心配であるわけでございますが、午前中も未利用地とか市街化農地それぞれ候補として挙げられていたわけでございます。  既に建設省で示されている第二次宅地需給の長期見通し、そういうものが示されておりますが、それによりましたら、いわゆる宅地原単位というのが首都圏では百二十七平米、近畿圏で百三十一平米、中部圏で二百一平米、このように記載されております。先ほど土地の広さの見込みをおっしゃいましたけれども、重ねてお伺いをしたいと思います。
  109. 伊藤茂史

    ○政府委員(伊藤茂史君) 今のお話は、担当局が来ておりませんので詳しいことは申し上げられませんが、現行の第五期住宅建設五カ年計画と並行いたしまして、宅地の需給を見込む際に、それぞれ大都市圏別にどれくらいの規模の宅地を供給してどのくらいの開発をすればよろしいかという宅地需給見通しというのをつくっておりますが、その中の数字で、ちょっと手元に持っておりませんけれども、そういうものであれば間違いないと思います。
  110. 白浜一良

    ○白浜一良君 そこで、重ねてお伺いいたしますが、単純に四万ヘクタール、三百七十万戸。大体割りましたら、一戸建てというベースで申し上げましたら約三十坪程度になるわけでございます。首都圏において、先ほど少しお話ございましたが、取得できる実勢を調べてみましたら、三十坪、四千万円で入手できる物件というのは市街地には考えられない。また市街地を離れたところに、先ほどおっしゃった地域なんかだと思いますが、非常に駅からも遠隔地、そういう地域しか実際見当たらないわけでございまして、そういった面で、この構想そのものが結局住宅を求めている人よりも開発事業者や土地の供給者だけが優遇されるものになるのじゃないか。そのように危惧をしているわけでございますが、御所見をお伺いしたいと思います。
  111. 伊藤茂史

    ○政府委員(伊藤茂史君) 私どもの試算として発表いたしました三百七十万戸というのは、既成市街地の中でありますとか、それから市街化区域の中の農地でございますとか、その他もろもろ低・未利用地等を拾い上げまして布存供給可能量ということではじいたものでございます。  したがいまして、その中で住宅を供給していくわけでございますが、住宅の価格というものは全体の需要と供給との関係で決まってまいりますので、需要を超えるような高い供給が行われて住宅価格が安定をするということが住宅政策上は非常に効果が高いと思っているわけでございます。  したがいまして、供給サイドにインセンティブを与えるということで、私ども考えておりますのは、公共施設を整備させながら、容積率のおまけをいたしまして、それによって供給サイドのインセンティブとする、あるいは低利融資をする、あるいは減税をするというような多様なインセンティブ措置を講じて、供給サイドから大量供給の誘因を与えまして引き出すということで住宅価格の安定をしていきたい、こう考えております。  そうしますと、今現在、戸建てで見ますと先ほど言いましたような六十キロというような距離圏も出てくるわけでございますが、マンションで見ますと現在でも都心から、方面別でちょっと違いますけれども、三十キロないし四十キロぐらいのところにございます。したがいまして、そういう地域でできるだけ大量供給をするということが一点。  それから、賃貸住宅でございますが、これにつきましては相当都心部、十キロ圏から二十キロ圏にかけましても、今現在、五十五平米で十一万五千円程度の家賃の市場価格になっております。したがいまして、持ち家と比べますと相当近距離、三十分圏内等々で相当な量が供給できると思います。したがいまして、賃貸は土地所有者を中心にいたしまして大量供給の誘因を与える。誘因につきましては、先ほど申し上げたような同じようなものになろうと思いますが、そういうことをして、できるだけ住宅価格を安定をし、その中で中堅勤労者の住宅を確保したいというこういう構想でございます。  その際に当然、公団でございますとか公社でございますとか、そういった公的な主体に中心的な役割を果たさせたいということも考えておるところでございます。
  112. 白浜一良

    ○白浜一良君 四千万というのが普通のサラリーマンでしたらこれが上限だと私は思うわけでございます。そういった面で、平成元年の地価をべースにされているわけでございまして、この十年間の展望でまいりましたら、それほど地価が上がらないということを前提にしなければ成り立たないわけでございます。そのためにも本基本法案を審議しているわけでございますが、適切な、地価が上がらないようにどうか御対応をお願い申し上げたいと思います。  そこで、長官にお伺いしたいのですけれども、本委員会で長官の御答弁の中で、今後も新たな土地供給は土地を持っていない者に優先的に供給する。このようにおっしゃったと記録されておりますが、ここに建設省の示された特別措置案があるわけでございます。その長官の御意見を具体的にどのように盛り込みたい、このようにお考えでいらっしゃるのか。またその場合に、実際、一般のサラリーマンの取得可能な価格でなければならないわけでございまして、その点も含めて長官の御所見をお伺いしたいと思います。
  113. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 現在の異常な土地騰貴から資産の格差が増大し、そして持てる者と持たざる者との格差が著しいものになり、不公平な社会になっておる。こういうことになりますと、これはもう大変重要な問題で単なる住宅問題ではない、こう考えるわけでございます。  また、最近、公的主体による住宅でも、賃貸に限らず分譲にしましてもいいものが出ますと何十倍とか何百倍とか、こういうような競争があるということを聞いておりましたときに、私はその方方がどういう中身の方なのか。恐らくその資格というものは、もう単にその人の資産保有というふうなことには関係なく、給料が幾らであるとかそういうふうな条件のみに限られておるのではなかろうか。そういうことになりますと、住宅に対します公平の原則は貫くことができたといたしましても、資産の格差に対する公平の原則というものは貫かれておらないではないか、こういうことを考えるわけでございます。  だから、いささか政治的な配慮ではございますけれども、できれば買いかえであるとかあるいはほかに故郷に資産を持っておるというような方よりも、いわゆる資産の一次取得者に対して当然優先をするというような制度がとれないだろうか、これは憲法に反するのだろうか。こういうことを実は政治家として考えまして、土地局長を初め、関係のそれぞれの専門の部署におる者にもひとつ検討をしてもらいたい、こういうことを言っておるわけでございます。また、当局も、私がそういう考えを持っておりまして、まだ十分な時間も持っておりませんが、確かに今後の課題として検討すべきものだなと、こういうようなことを言っておりますので、今後基本的な政治問題を解決するためにはこういう思想も、当委員会では福祉についてどうかという議論もございましたが、資産の格差についてどうかという問題についても今後の中期的検討課題として取り上げさせていただきたい、こう思っておる次第であります。
  114. 白浜一良

    ○白浜一良君 申しわけございませんが、長官のこの発言に対しまして、建設大臣の御所見を伺いたいのです。
  115. 原田昇左右

    ○国務大臣(原田昇左右君) 長官の今の御発言、大変貴重な御意見だと拝聴しておりましたけれども、私ども具体的に施策をやる上に、例えば住宅に入る方々に対する配慮ということをいろいろ考えておるわけであります。例えば住宅公庫融資にはできるだけ無抽せんでとにかく貸し付けよう。こういうことで貸付限度額も引き上げるとか、そういうことで誘導するとか、あるいは住宅促進税制の適用期限を延長する。つまり借入金に対して一%五年というのを二%七年という要求を今出しておるわけですが、同時に居住用財産譲渡の場合に譲渡所得を控除するとか、あるいは住宅の取得に係る贈与税の特例措置とか、こういうような措置を通じましてできるだけ住宅用の資産を取得しやすいような環境をつくり出すということも非常に大事じゃないかなと、こういうように考えております。
  116. 白浜一良

    ○白浜一良君 いずれにいたしましても、安定した宅地供給、住宅供給が非常に大事な問題でございますので、賢明な処置をよろしくお願い申し上げたいと思います。  そこで、地価対策につきまして具体的に質問を申し上げたいわけでございます。  先日、当委員会で同僚の片上委員から質問がございまして、土地高騰の原因がいわゆる金融またノンバンクによる不動産融資が原因であるという指摘があったわけでございまして、その際に大蔵省から来られた方がこのような答弁をされておりました。それを監視しようとしても現行の監視区域を見ましたら届け出対象面積が非常に現段階では大きいし捕捉率が非常に低いから十分に行えない、こういう答弁をたしかされたと記憶しております。実際問題そういうことが大蔵省の見解であるといたしましたら、土地対策という面で非常に国土庁と大蔵省のそごを感じるわけでございますが、地価対策に政府の中で一貫した政策をとっていただくという、こういった意味から長官はどのようにお考えになっているのか、お伺いをいたしたいと思います。
  117. 藤原良一

    ○政府委員(藤原良一君) 国土庁といたしましては、先般、監視区域の運用につきまして、これはたびたび公共団体にお願いしておることでありますが、できるだけ前向きに監視区域を指定するとともに、指定後も地価の上昇が衰えない、そういう場合には区域の引き下げを的確に行っていただきたいとお願いしておるところでございます。確かにまだこの区域は発足いたしましてから二年程度でございますので、タイムリーな指定という面から見ますと不十分な点があろうかと思います。今後、ただいまの通達の趣旨に基づきまして地価の厳重な監視にも努め、また公共団体に対しても指導してまいる所存であります。  なお、これとあわせまして、土地関連融資の適正化についても大蔵省の方から引き続き厳しく指導していただきたい、そういうふうに考えておる次第であります。
  118. 白浜一良

    ○白浜一良君 そういうことではなくして、片上委員の質問に対しまして大蔵省の方からそういうふうに答弁されたわけですね。現行では不十分だ、捕捉率が低い、だから十分な効果を得てない、そういう大蔵省の答弁があったわけです。その答弁に対する御意見を伺っているわけです。
  119. 藤原良一

    ○政府委員(藤原良一君) 地価高騰が著しい場合には、公共団体と我々相談しながら適時届け出対象面積の引き下げ努力はしておるわけです。確かに先生おっしゃいますように、大体三百平米のところですと捕捉率が二割いくかいかない程度。そういうことですから地価を抑制する効果もそれだけ弱い。取引に対する指導も八割方対象外になってしまうわけですから、そういう不十分な点はあろうかと思います。したがいまして、やはり地価の騰勢等を見ながら公共団体と相談し、捕捉率を高めるような届け出対象面積の設定が必要だと思っております。そういう点については十分我々も積極的に取り組み、それと関連させながら銀行融資の方もしっかりやっていただこう、そういうふうに考えております。
  120. 白浜一良

    ○白浜一良君 ちょっと違うんですけれどもいいですわ。  地価対策ということでもう一点お伺いいたしますが、先日も私質問させていただいたときに言ったわけでございます。中曽根民活のときに、いわゆる旧国鉄用地を含めて国公有地の払い下げが非常に地価高騰の原因になったという、そういう具体的な事実があったわけでございます。実際私心配しておりますのは、資料を取り寄せましたら、五億円以上の払い下げ状況、一般競争入札分を見ましたら、なぜか不動産業者が多いのですね。非常に不動産業者に一般競争入札の場合は払い下げをされている。そういうことも土地高騰につながった原因であるというふうに思うわけでございます。具体的に一つの利用例を申し上げましたら、本委員会でも話があった問題でございますが、紀尾井町にあった旧司法研修所跡地、これは先日新聞報道されておりました。マンション、これは行政指導されたらしいんですけれども、できたけれども落成式できても入居できないという、若干そういう手違いがあって隣地が買収できない、土地交換できないということで、実際そこが、これもまあ新聞による報道でございますが、一カ月家賃が二百数十万。本当に考えられないような値段であるわけです。しかも、その土地はもともと国有地である。いわば国民の財産であるわけです。そういうところに、庶民ではほんま考えられないような非常に高いマンションが建ったという事実。  本基本法案の中にも、土地というのは「所在する地域の自然的、社会的、経済的及び文化的諸条件に応じて適正に利用されるものとする」、このように法文で書かれておりますが、この一連の事実に関しまして、申しわけございませんが、建設大臣は住宅行政という観点から。長官には土地利用という立場から、どのようにお考えになっているのかお伺いをしたい、このように思います。
  121. 伊藤茂史

    ○政府委員(伊藤茂史君) 大臣の御答弁の前に、私の方から一応紀尾井町のビルディングがどういうことで建ったのかということを、事実だけ御説明申し上げますと、住宅政策上のいろんな融資でございますとか、減税でありますとか、その他公的なコントロールが入る形であれを建てたのではございません。あそこに住宅がありますのは、東京都の都心四区で行われておりますいわゆる住宅附置義務という観点。つまり人口を減らしたくないという東京都、都心の区の方針に基づきまして、総合設計で容積率を割り増しする際に、これこれだけの住宅を乗せてくださいということで建てたものというふうに聞いております。したがいまして、その際に区として所得層はどのくらいのものよとかいうようなことを、制限はなかなかつけられませんのでついてないということから、現実には大東京でございますので、いろんな方がおられまして、そういう都心の高級な賃貸住宅に住む需要というのも相当高うございまして、ああいう住宅の供給になったものというふうに理解をしております。
  122. 藤原良一

    ○政府委員(藤原良一君) 御指摘のとおり、基本法案の第三条一項には、土地の利用は権利者の全くの自由にゆだねられるべきではなく、その所在する地域の諸条件に応じて最もふさわしい利用のあり方が実現されるように適切に利用されるべきだという趣旨の規定が置かれております。  したがって、ある土地が適正に利用されているかどうか、その辺の判断はいろいろな要素が加味されるのだと思います。例えば用途とかあるいは容積率、高さあるいは建物の形状、そういった要素が関係してくるのだろうと思います。したがって、家賃水準だけで直ちに判断することは困難だろうと思っております。  また、十七条では適正な地価の形成を目指すものとして規定が置かれておりますが、この規定に従って施策を総合的に推進し、住宅適地に適正な水準の住宅供給を図っていく、そういうふうな施策の目標も規定されておりますので、そういうことも相まって、土地利用の適正な推進というものを図っていく必要があるのだろう、こういうふうに考えております。
  123. 白浜一良

    ○白浜一良君 重ねて伺いますけれども、私は二つの問題があると思うのです。  一つは、この土地が公示価格の二・七倍で売却されたという事実です。もう一つは、要するに不動産業者に売却された。そして、こういう本当に高額なマンションが建った。これは要するに適正な土地利用なのかということを私は伺いたいわけです。
  124. 原田昇左右

    ○国務大臣(原田昇左右君) 委員御指摘のとおり、国有地が競売に付されて、公開入札で落ちたわけですね。そこで、ああいう非常に法外な価格が生じたというところ、これは我々深く反省しなきゃならないと思うのです。国有財産法で公開入札が原則ですから、これで処分せざるを得なかったわけでありまして、その問題が一つせっかくの国有地をもう少しうまく利用できなかったかというのは確かにあると思うのです。しかし一たん公開入札ということで入札されてしまえば、これはその土地を、商業地域ですから有効に利用して、一不動産会社が周辺も買い取ってビルを建てて、住宅用のところも確かに高いには違いないわけですが、コマーシャルベースで需要者に供給することになってしまうことは大変残念でございますけれども、そうせざるを得ない。そこで、都心部に今までよりは住まう人がそれだけ職住接近でふえるという結果にはなっておるわけですね。そういうところで民間が相当高い値段を出して買ってしまえば、そういう形で再開発をしたということであって、これについては初めの段階で国有地を公開入札したというところが残念だったわけでございますが、後はそれはそれなりに再開発をやってもらったという点は、民間としては一つの利用の形態ではないかな、こういうふうに思っておる次第でございます。
  125. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 土地対策上の貴重な体験であり、これを今後こういうことがないように生かしていきたい、そういうふうな感じを受けるわけであります。これは東京の超一等地と申しますか、そういう意味ではある意味で例外で、こういうふうなことが常に起こるとは思わないわけでございます。  まず第一点目は、それぞれの処分権者ができるだけ高い値段で売却をしたい、またそれが国の財産を守る道であり、またこれが会計法上にものっとったものである。こういう観点でその処分を行ったのでありましょう。  土地担当大臣といたしましては、こういうことが起こって公示価格で売買するということを指導し、また反対に政府が買う場合には、その価格を民間にも押しつけるということがあるのにかかわらず、それを今度二・七倍で売買されたということはこれは放置できません。したがいまして、そういう観点から国鉄清算事業団等の処分に対しまして凍結を打ち出し、現に内閣はその方針を一応守っておるわけでございます。  今後の対応といたしまして、これらの価格の問題、そして売却の対象者でございますが、私は、今後土地利用ということを十分に点検した上で、公共の優先というふうなことをも考えた上で、価格との見合いの上で候補地を十分活用していくという必要があると思います。大分前に済んだことでございますので、政府も過ちを二度と起こさないように努力をいたしたい、そういう決意を申し述べておきたいと存じます。
  126. 白浜一良

    ○白浜一良君 よろしくお願い申し上げたいと思います。放置できないという長官の一言を非常に深く私脳裏に刻んでおりますから、またいずれ聞きたいと思います。  それでは、実際具体的に住宅取得ということを考えましたら、ほとんどの方がいわゆるローンを組んでいらっしゃるわけでございます。私、最高裁でちょっと資料を手に入れまして、競売物件の推移というのが出ております。これで見ましたら、土地及び建物の競売物件、五十四年度はゼロです。昭和五十五年度に五十件。そこからずっとふえまして、昭和六十三年が一万四千七百六十二件、これだけ膨大な数になっております。それから担保権の実行としての競売件数を挙げましたら、これは五十五年度比で九百倍に六十三年度はなっているわけです。いろんな理由があると思いますが、国民が住宅取得するということが大変厳しい状況であるということを物語っている一つの証左だと思うわけであります。  また、競売に至らないで、もうローンを払えないから家を手放した。こういうケースを入れたらもっと膨大な、住宅は欲しいけれども途中で放粟せざるを得なかったという物件があるわけでございますが、今後こういう不幸な例にならないようなさまざまな配慮が必要だと思うのですけれども、この事実に関しまして御所見を伺いたいと思います。
  127. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) もう当委員会が衆議院を入れて十回目の審議でございますが、この問題を取り上げられましたのは白浜委員初めてでございます。  実は私、このデータを調べまして、なるほど五十八年、五十九年、六十年ごろに一万数千件あったものが、六十一年一万八千件、六十二年二万一千件、六十三年二万三千件、こう年を追うて数が増加しておる。これはやはり深刻な問題として十分その中身を建設省とも協議をいたしまして調べる必要がある、そういうふうに思っておるわけでございます。恐らく大部分はそういう形の中にローン地獄に苦しみ、手放さざるを得なかったという事例ではなかろうかと思うのであります。  しかしそのほかにも、例えば住宅が担保されておるわけでありますから、それがこういう形で競売に付されるということがどうして起こるのかという問題とか、あるいはまたうまくPR等で行って買ってみたら遠いから不便だ。それならもうひとつ手放せ、ほっとけというようなことで、それを取得された方がみずからそういうふうな方向で権利を放棄されたというような、もろもろのケースがこの中にはあるのではないか。しかし、御指摘のとおり件数はこれだけふえておるわけでございますから、この問題についての原因の追求をひとつやらなければいかぬ、しかる後に対策があれば立てていくべきだ、そう認識いたしております。
  128. 伊藤茂史

    ○政府委員(伊藤茂史君) 今の先生の競売件数のお話でございますが、私ども若干調べたことがございますので補足させていただきます。  御指摘のとおり、競売件数は六十一年、六十二年、六十三年度、ごく最近にわたりまして急激にふえておるところでございます。ところが、私どもが調べました住宅金融公庫融資に係ります長期延滞の件数の各年度の推移。それから公庫融資を個人にお貸しする場合には保証協会に入っていた・だくことになっておりますが、そこで結果的に返済ができずに代位弁済をした、こういう件数の推移を双方調べてみますと、六十一年、六十二年、六十三年と具体的な数字を申し上げますと、先ほどの延滞件数でまいりますと、六十二年は一万二千五百九十七件が六十三年は八千九百八十件、代位弁済件数は八千五百四十八件が八千八十二件と、去年から見ましてもそれからその前から見ましてもそんなに急激にふえていない。むしろ、減っているということでございますので、多分競売件数の場合には、個人の住宅ということのほかの要因、これは想像でございますけれども、いろんな不動産業者でございますとか企業関係が絡んでいるのではないかというふうに想像がつくと思います。  私ども、住宅金融公庫融資その他住宅融資を指導している立場から申し上げますと、融資を受ける際にきちっと返済計画を十分チェックするということがまず第一歩大事でございますので、そういう住宅ローン事故の防止ということを十分図っていきたい。  しかし、返済の過程で、これは二十年とか三十年とかかかるわけでございますから、その間に病気をすることもあればあるいは一家の柱を失う場合もございましょうし、いろんなことがあるわけでございますので、その際にはどういうふうにして保険をするかと、こういう保険の制度をきちっと整備した上でその後の問題だろう。こう思いますので、今申しましたようないろんな対策を今後とも講じていきたいというふうに考えております。  それから、先ほど大臣が答弁しました紀尾井町のビルでちょっと事実が間違ったところがございましたので、私の補佐が悪かったのでございますが、ちょっと御報告申し上げますと、先ほど商業地域と申し上げたかと思いますが、都市計画としましては住居地域で、容積率四〇〇%のところでございます。住宅は四十八戸入っておるということでございます。訂正いたします。
  129. 白浜一良

    ○白浜一良君 時間がございませんので、最後にお伺いしたいと思います。  建設省も平成二年度、明年以降、住宅促進という観点から、関係税制改正要望の概要、または住宅取得促進税制の拡充という、それをうたっていらっしゃるわけでございますが、それは当然大事なことであるわけですけれども、住宅というのはこの裁判所の件数でもわかりますように、供給する側のサイドだけではなしに、実際国民ほどのぐらいまで負担できるのかという観点も非常に私は大事である。それを踏まえた上でのさまざまな施策をしていかなければならないと思うわけでございまして、先日、私ども公明党も住宅基本法案を策定したわけでございますが、それも今申し上げましたように、住宅というのは負担できる限度があるから、そういう負担基準というものをまず決めて、そういうものをベースにして統合的な住宅政策を策定していくべきである。そういうこともうたっているわけでございます。  最後に、総合的な観点から長官と建設大臣の御所見を伺いたいと思います。
  130. 原田昇左右

    ○国務大臣(原田昇左右君) まさに委員のおっしゃるとおり、住宅に対する負担の何というのでしょうか、限度といいますか、基準といいますか、そういった考え方をもう少し前面に出して検討していかなきゃならぬという御指摘は私は全く同感でございます。  近年の急激な地価高騰によって一般の勤労者が良質な住宅を手に入れることは非常に困難になってきている。したがって、ある程度の距離にいきませんと、先ほど住宅局長から御答弁申し上げましたように、持ち家が持てないということになるわけでございます。そして、近距離のところは賃貸ということで賄わざるを得ないということになってくるのではないかと思います。  そこで、住居費負担の取り扱い等についてもう少し何か私どもとしても考え方をまとめる必要があろうかと思いますが、現在のところ国民及び各政党間のコンセンサスがいまだに十分に形成されていない状況でございまして、我々としては国民の居住水準を向上させるために、住宅建設計画法に基づいて住宅建設五カ年計画を策定いたしまして、その達成に努力をしてまいっておる次第でございます。  なお、住宅を取得する側、供給側だけでなくて取得する側についての税制上あるいは金融上の優遇策、今日本の状況は各国と比べましても十分とは言えません。もう少し手厚くする必要があるということで、今回強く税制改正で要望しようということで対処しておる次第でございます。
  131. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 御指摘になっている問題は、供給のコストと取得の能力のアンバランスからくる庶民の取得能力がもう既に現在の土地の価格あるいは住宅の建設、その所在ということを考えた場合にはそこにギャップができてしまっておる、こういう御指摘でございます。したがって、土地基本法を制定し適正な土地の価格を安定することに努めるとともに、やはり大量な住宅を発想を変えて供給する。例えば公的主体による直接の供給というものに対しては、委員が御指摘になっておるような価格で市場に出していく。これが標準価格だ、これにそろえてもらいたいという、そういう形をまず示していく。それから、優良賃貸住宅というものをふやしまして、先ほど小林委員からも国民の意識は自分の家を持ちたいのだということでございますが、若い時代は一時安い賃貸住宅にでも入っていただいて働いていただく。そういうふうなことをも奨励し、そのかわりに近接の場所に、遊休地とか工場の跡地等にこういうふうなものをつくっていき、またそれが一五%ぐらいの給料の間の中へ入っていく。こういうものをやはり住宅供給公社であるとか、住宅・都市整備公団というふうなものが強力に進めていく。  それから、今度は持ち家取得に関しましては、税制上住宅取得促進税制、これは今回建設省が要求しております。これは評価すべき、財政当局は考慮すべき問題だと思います。  結局、持ち家を買いますときに、これまでよりもはるかに買いやすいという、こういう税制を導入していく。また、時々共産党からおしかりを受けるのですが、低層密集市街地、老朽地に対しましてはそれなりの手を打っていく。こういうような形の中から、今の取得能力と今の土地供給だけでは、委員の御指摘のとおりですけれども、今私が申しましたようなもろもろの総合的な政策をやっていくことによりまして取得をしやすくし、また供給をふやしていき、そして価格を下げていく。こういう中から必ず、政府は国土庁、建設省ともにスクラムを組みまして、確実に庶民の手にマイホームが戻るような努力をひとつ懸命にしていきたい、そう考えておる次第でございます。
  132. 市川正一

    ○市川正一君 理事会で御承認を得ました資料配付をよろしくお願いいたします。    〔資料配付〕
  133. 市川正一

    ○市川正一君 前回私は木造住宅地をターゲットにした大規模再開発や、あるいは木賃住宅の建てかえに伴う実例を示して、土地利用の高度化の名のもとに、老人世帯などの弱者が町から追い出されている実態を明らかにいたしました。長官がおっしゃるように、決して低層住宅に適切な措置をとることをおしかりを申し上げているような覚えはさらさらございません。その積極的な対策をただしたわけです。  同時に、本当に国民の住宅の確保、住環境改善のために土地利用を改善しようというならば、長らくそこに住んでいた住民の意思を尊重し、その営業、生活を守るものでなければならないということを主張いたしました。長官も一般的、抽象的にはこれに同意なさいました。ところが実態はどうなのか、そうはなっていないということを私は前回も実例をもって示すとともに、公共の福祉優先ということで高度利用を押しつけるのじゃなくて、住民が安心して賛成できる町づくりへの転換。そのための低家賃住宅の確保、あるいは意見反映の保障。生活、営業を継続できる計画。こういう具体的な対策と改善案を提起いたしました。しかし、私のこの提起を建設省はにべなくすべて拒否いたしました。きょうは来ていませんか。言うならば関西弁で言うと愛想もなしに拒否しはりました。私は、これでは幾ら長官が民主的にやると言われても現状は変わらぬと思うのです。それどころか、公共の福祉優先という名においてさらに事態に拍車がかけられることは目に見えております。  現に、私が言いたいのは、土地基本法の理念なるものが悪質な地上げ屋によって先取り的に逆用されている、悪用されている、そういう状況が各所にあらわれている。その姿を私はこの一年間に三七%という地価高騰を引き起こした大阪圏の実態に即して、以下ただしたいと思う次第であります。  最近大阪では悪質な地上げが急増しております。そして、重大な社会的、政治的問題になっておりますが、例えば私の調査によれば、今配付さしていただきました資料のように、大阪駅を抱える北区。これには、大阪の方は御存じだと思いますが、旧大淀区も含んでおります。地図もここに添付いたしておりますが、一昨年の夏からことしの秋までに十四カ所で約一万数千平米にわたって地上げが行われており、六百十六戸の住宅の立ち退きの強要、悪質な嫌がらせが続けられております。この資料で申しますとナンバー十。JR大阪駅の北側に北区芝田二丁目というのがありますが、その住宅地で借地の立ち退きを迫っている不動産業者、地上げ屋「誉」というのがあります。これが追い出した跡地に鳥小屋をつくって八十数羽の鶏を飼って、そして残っている借家の中には食品関係の方や寝たきり九十二歳のお年寄りがいらっしゃるおうちもあるんですが、そこへの嫌がらせをやって、これは大阪の方は御存じだと思いますが、地元の朝日新聞にも写真入りで出まして、そして大問題になりました。この現物のカラー写真もございます。  また、ことしの七月十九日から開始されました北区長柄中の二の六の一、資料のナンバー十三のところであります。ここは四十六軒が地上げに遭っており、放火まで引き起こされております。  私はまた経歴を御紹介するようでありますが、国鉄に長年勤務しておりました。それで、この大鉄局の周辺あるいはまたこの地の利というものをよく承知しております。したがって、この一帯は多くの住民が戦前から住み続けている木造住宅地で、まさに政府が高度利用の対象としている典型的な地域なんです。したがって、条件に応じた適正な土地利用をうたい、公共の福祉優先を掲げる土地基本法の立場は、一体こういう地上げを土地利用の高度化につながるものとして容認なさるお立場なのか、まずその点からお伺いしたいと思います。
  134. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 確かにこれ、私も関西の男でございますので、大変大阪としては超一等地と申しますか、重要な商業地域と申してもいい場所でございます。自然的、社会的環境を考えますと、平家建てがありますよりも、そこがもう少し商業化されますとか、高層化されますとか、高度利用をされた方がいい地域であるということは間違いございません。ただ、その手法におきまして、時間をかけ、納得ある話し合いを積み重ね、住民の意見を聞かずして、単なる地上げ屋が鶏か放火か何か知りませんが、そういう状況でこれを追い出したというと、これはまことに遺憾なことでありまして、こういうようなことが今後土地基本法ができてさらに繰り返されるというふうなことは、絶対に放置してはいかぬということでございます。同時に前段に申し上げましたこともまた考慮の対象にしながら慎重に、少なくとも今後こういうことが起こるべきでない、そういう考え方でございます。
  135. 市川正一

    ○市川正一君 そういう点では一致していると思うのですが。そこで、今触れました北区芝田二丁目の不動産業者誉でありますが、これは十一月十七日の衆議院土地特委員会で、我が党の中島議員の質問に対して海部総理が、「悪質な地上げも公共の福祉に明らかに反する問題」である、こう答弁なさいました。長官もそのときいらっしゃったと思いますが、政府はこの業者に対してどういう措置をとられたのでしょうか。
  136. 白兼保彦

    ○政府委員(白兼保彦君) 建設省では宅地建物取引業につきましての業を所管をいたしておりますが、今先生御指摘の誉につきましては宅地建物取引業の免許を得てはいない、こういう形で承知をいたしております。
  137. 市川正一

    ○市川正一君 ならば余計問題ですよ、あなた。いわゆる無免許業者なんですね。そうすると明白に宅建業法違反じゃないですか。業者じゃないから手がつけられぬ、それならばあなた野放しですか。逆にきっちりこういうものは、何も警察権力をどうこうという意味じゃなしに建設行政の上から取り締まるべきじゃないですか。
  138. 白兼保彦

    ○政府委員(白兼保彦君) 業の運営につきましての必要な監督処分をしていく。これにつきましては関係都道府県、関係します行政機関との連携を強化しながら、無免許業者につきましての告発等必要な措置をとるよう指導を強めているところでございます。  今御指摘の点につきましては、事実関係がよくわかりませんが、大阪府ともよく連携を密にしまして適切な対応を図っていきたいと思っております。
  139. 市川正一

    ○市川正一君 潜りやったら何ぼでも野放しやて、そんなあほなことないですよ。これだったら建設大臣残すべきやったと思うですが、しかし長官がいらっしゃるから私信用しますけれども。海部総理もちゃんとこれは捨ておけぬと言っておられるので、私はきちっとしかるべき取り締まり措置を、実効を上げていただきたい。  今審議官の答弁を踏まえて次の問題に移ります。  こういう連中は具体的な利用計画何にも示しておらぬのです。そして、再開発を見込んで、言うならば長官の言われたようにこのあたりが超一等地やということでの先買い的なことをやっておるのです。ところが、その際に土地基本法の理念なるものが彼らの後押しの役割を果たしているのです。私ここに持ってきましたのは、資料で申しますとナンバーの二、北区茶屋町の四十八戸の地上げ地域でありますが、ことし一月十九日付で内容証明を送ってきよった。その内容証明の中身は借家明け渡し協力要請書というんです。その中に何と書いてあるかといったら、立地条件が社会的、経済的にも高度かつ有効利用を図るべきことが要請される地域やと、まるで土地基本法の該当地域みたいなものですよ。しかも、その利用が焦眉の急になっている、だからひとつ言うとおりにせいと。全く政府の言い分そっくり引き写しで使っておるんです。私は第一回の質問で、国土利用計画法の改正案ではこういう地上げに無力ではないかということを、あの手この手の手口を引用しながら指摘し、そして藤原局長もそうだとおっしゃいました。こういうものを野放しにしておくのでは土地基本法にいう計画的な土地利用というものは全く空疎、空虚なものにならざるを得ぬと思うのです。こういうものに対してやっぱり厳しく規制するというのが政府の責任だと思いますが、いかがでございましょう。
  140. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 非常に理論的にお話を構成されておるわけですが、政府は何もその地上げ屋に対してこの法案の文面を提示し、地上げ屋がそれに従ったわけでも何でもないでしょう。  それから、もう一つごちゃごちゃになっておりますところは、まず第一にその場所は、自然的、社会的、経済的環境から見ても、やはり整然とした町に変え、高度利用をするということはまず必要だと思うのであります。問題はその第二段階に、だから、法の精神はいいし、基本法は当然尊重されるべきものだと思うのであります。それを今度地上げ屋とごちゃごちゃにしてもらうから話がややこしくなるので、地上げ屋は地上げ屋の問題として、今後反社会的行為に対しては、場合によっては警察当局とも連絡をしながら、ただいま御指摘のような無免許業者ならなおさら、一体誉という無免許業者がなぜ地上げができるんですか、できるはずがないでしょう。
  141. 市川正一

    ○市川正一君 それを聞きたいんです。
  142. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) だから、土地の基本法とごちゃごちゃの地上げ屋と一緒にしてもらう必要はない。それは別の問題として処理するべき問題で、基本法があるから地上げ屋がやるなんというのは、これはちょっとやっぱり論理の飛躍も甚だしい、私はそのように承りました。
  143. 市川正一

    ○市川正一君 私は、現実から出発しているんですよ。こういうような連中を野放しにしておいて、何ぼいいことを言うてもそれはあきませんよということを言うておるんです。いいですか。  資料のナンバー十三を見てください。何ぼでもここにあるんですから。北区長柄中二の六の一の例なんです。ここは登記簿上の所有者はここにありますように七月十九日丸善、八月三十日にはリバーサイドに移されたということになっておるのです。しかし実際は、七月十九日には忠建実業が購入して借家人のところには家賃納入先変更の通知を送っておるんです。ここにあるんです。それは資料にはないです。私ここに持っておるやつですが、「標記の件、平成一年七月十九日をもって」「忠建実業株式会社に」「売却されました。」今後家賃はここへ送れというのが来てます。そこには書いてないです。それだけかと思うたら、八月三十日には忠建実業から今度は有限会社の松福に売却しておるんです。これもまた借家人に家賃納入先を変更したと言うて、ここに控えがありますが、言うてきてます。ということは土地転がしです。わずかに一月足らずの間に転々と動かして、しかも中間登記省略です。したがって、国土法の届け出もしないでそれが行われる。差益稼ぎ、地価のつり上げが公然とやられておる。これが実態です。こういうものをほったらかして、そして何ぼ基本法やといいことを言わはっても、長官が大きい声出してもそれはあきませんよということを僕は実態に即して言うてます。  そこで問題になるのは、じゃこういうことが何でできるのかと。やっぱり金融の問題です。私、伺いたいのですが、土地基本法では実需を伴わない地上げや土地転がしに対する融資について明確な定めがないのですが、これは一体どうなるんですか。
  144. 藤原良一

    ○政府委員(藤原良一君) 基本法では投機的な取引の対象として土地を扱ってはいけない、また投機取引を規制するための措置その他必要な措置を講ずることになっておりまして、現に基本法を待つまでもなく金融機関等への指導に対しましては、著しく高値の取引あるいは投機的な取引は厳に慎むよう指導していただいているところであります。また、我々、国土利用計画法の運用に当たりましても、不動産業界に対する指導を建設省とともに行いながら、こういうふうな著しい高値取引あるいは土地転がし、そういうものに対しては現に厳しい指導をしておるところであります。
  145. 市川正一

    ○市川正一君 こういう土地転がしやその他は資金なしに、銭なしにできぬのですよ。御承知のとおりです。厳しい取り締まりやっているとおっしゃるけれども、じゃ一体どこからこの彼らの資金は出るんですか。私どもの調査の結果は、すべて銀行及びファイナンスなどのノンバンクからであります。  大蔵省は来ていますか。昭和六十二年の十月十九日付以来ことしの十月二十七日付通達まで四回にわたって土地関連融資の適正化について通達を出されました。そして、投機的な土地取引等に係る融資はこれを厳に慎むようにと指導されました。そして、特別ヒアリングを行って、投機につながるような融資はなかったと、こう発表しておりますが、私は全く事実に反する、こう言いたいのでありますが、あくまでそういう認識は変わりないんですか。
  146. 武藤敏郎

    ○説明員(武藤敏郎君) 御承知のとおり、本年の二月からは特別ヒアリングを行っておりますし、去る十月に新たに通達を発しまして、ノンバンク等に対しましても金融機関を通じまして実態把握に努めるということにいたしております。かねてから、六十一年以来土地関連融資に係る指導を行っておるわけでございますけれども、今までの指導におきましては、もし御指摘のような投機的な土地取引というものがある場合には、現に厳しい指導をしておるところでございまして、また今般、国土庁におきまして最近の動向にかんがみた監視区域制度に係る指導の強化ということに平仄を合わせて、大蔵省でも一層の強化を図るということにしておるわけでございます。
  147. 市川正一

    ○市川正一君 私が聞いたのは、大蔵省は投機につながるような融資はなかったというふうに言っておられるんだけれども、そういう認識は今も変わっておらぬのかということを聞いたんですが、あなたの答えはさっぱりわからぬので、時間がないので具体的に聞きますよ。  配付資料のナンバー六を見てほしいんですが、北区与力町二の四の一、ここ三十六軒に対する地上げがことしの九月十八日から忠建実業によって始まりました。この件に対する融資は一体どうなっているか調べました。住友銀行の難波支店からこれが行われている。しかも、事もあろうに、私ここに法務局登記簿の謄本の写しを持ってきました。これによりますと、大蔵省が四回目の指導通達を出したのが十月二十七日です。事もあろうにその四日後に二十五億円だった融資限度、極度額とここにも書いてありますが、それを三十八億円に引き上げておるんです。全く大蔵省なめられているんですよ。指導通達出したその四日後にこの忠建の案件に対して三十八億に引き上げている。こういう地上げ屋に対する融資は明らかに指導通達に反していると思うんですが、いかがです
  148. 武藤敏郎

    ○説明員(武藤敏郎君) このお示しの表は、恐らく今お話がありましたとおり、担保権設定の極度額に係るものだというふうに理解しております。したがいまして、この表からはこれがどのような資金使途に使われているかということはちょっとわからないわけでございます。  私どもは、投機的な土地取引ということにつきまして三つの対応があるかと思っておりますけれども、著しく適正を欠く価額による土地取引。あるいは短期間に転売を行うというような投機的な土地取引。それからもう一つは値上がり後の転売を期待して有効適切に利用することなく保有を続けるといったようなこと。こういうことに対して投機的な土地取引を規制するという観点から指導をしているところでございます。  個々の問題につきましては、私ども、具体的にお話をさせていただくことは従来から控えさせていただいておりますけれども、一般論として申し上げますと、そういったものについて指導を行うということになっておるわけでございます。
  149. 市川正一

    ○市川正一君 個々の案件は手をつけないというのやったら、結局やり得です。そうでしょう。だから、私は言いたいんですよ。この忠建実業というのは、八四年の底地買いで暴行あるいは傷害等の事件を引き起こしている関西では悪名高い地上げ業者じゃないですか。れっきとしたそういう業者です。だから、まともな開発のための土地取得というようなものでは到底ないですよ。こういうところに大銀行が巨額の地上げ資金融資をしているということは重大問題です。私は、大蔵省としても調査してその実態をつかんでほしい。そのことを要求しますが、どうですか。
  150. 武藤敏郎

    ○説明員(武藤敏郎君) 個別問題についてお話しすることを差し控えさせていただきたいと申し上げましたのは、決してその実態を把握しないということではございませんで、こういう場でお話をするのは従来から差し控えさせていただいておるということでございます。現在、特別ヒアリング等を行っておりますが、このような御指摘の点につきましては十分念頭に置きまして行ってまいりたいというふうに考えております。
  151. 市川正一

    ○市川正一君 念頭だけやなしに手も出す足も出す、ちゃんと調べて後でまた聞かしてほしいんですが、いいですね。
  152. 武藤敏郎

    ○説明員(武藤敏郎君) 個々の個別の取引につきましては、何度も申し上げるようで大変恐縮でございますが、従来からコメントをするのは差し控えさせていただいておりますので、御了解をいただきたいと思います。
  153. 市川正一

    ○市川正一君 ここで今すぐ言え、そういうことを言うているわけやないんですよ。ちゃんと調べてこいと。じゃ、調べますぐらいは当たり前やないか。どうですか。
  154. 武藤敏郎

    ○説明員(武藤敏郎君) 現在行っております特別ヒアリングの中で、この問題を十分に念頭に置きましてやらせていただきます。  ただ、具体的な問題について御報告しろという御趣旨でありますれば、従来からお話し申し上げておりますとおり、個別の問題についてはコメントを差し控えさせていただいておる、こういうことでございます。
  155. 市川正一

    ○市川正一君 それは後の話や。とにかく調べてくれ。それはその後や。  そこで、今私は住友銀行を取り上げたのですが、これは住友銀行だけやないんです。大銀行が皆そうなんです。先ほど紹介いたしました鶏事件ですね、誉レジャー開発、そういうところは信用組合の大阪興銀が。それから資料のナンバー十一を見ていただきたいのですが、北区本庄西一の三の十四のここは百十七軒が地上げに今襲われておりますが、富士銀行、三和銀行がそれぞれ融資しておる。銀行がこういう地上げに加担している実態というのは歴然としております。大蔵省は、その指導通達の趣旨から見ても直ちに改めさせるべきだと思いますが、いかがですか。
  156. 武藤敏郎

    ○説明員(武藤敏郎君) 先ほども申し上げましたとおり、土地関連融資に対します私どもの規制といいますのは、投機的な土地取引ということでございます。それが実需に基づく土地取引あるいは新たな住宅、マンションの供給というようなことでありますならば、これは必要な資金としてむしろ確保することがいろいろな観点からも必要であろうかというふうに考えております。  したがいまして、これが具体的にまさに投機的な取引に該当するのかどうか。そういうことになりますと、個々の取引について相当突っ込んだ調査をしないと一概にはこれが地上げであるというような断定を行うことはできないのではないかというふうに考えます。いずれにいたしましても、現在私どものやっております指導の中で、御指摘のような点は十分念頭に置きながらやらしていただきたい、かように考えます。
  157. 市川正一

    ○市川正一君 突っ込んだ調査をせぬといかぬと言うけれども、やったことないじゃないですか。だから私が突っ込んで調査したんです。だからもう一遍またこの話を繰り返したら時間足らぬから、よくこれを突っ込んで研究してほしい。  最近問題なのは、ノンバンクを経由した通達逃れの融資の横行です。全国銀行協会の宮崎会長は十一月二十一日の記者会見で、全国銀行のノンバンク向け融資が八七年三月で対前年比二四・六%増、八八年三月末で同じく前年比二二・四%増と急増を続けている。本年三月末には五十兆九千三百八十一億円、前年比一二・七%と引き続いて急増しているということを明らかにいたしました。  大蔵省でも九月末現在のノンバンク向け融資の実態報告を金融機関に求めていらっしゃる。その結果どうなったのですか。その結果の発表を私は要求いたします。その際に、銀行の土地投機向けの融資をやめさせ、社会的な責任を果たさせるためにも各銀行別に公表すべきであると考えますが、どうですか。
  158. 武藤敏郎

    ○説明員(武藤敏郎君) 金融機関のノンバンクに対します融資状況につきましては、去る十月二十七日付事務連絡を発出いたしまして、貸出実績について報告を求めるということと同時に、その融資実態についてヒアリングを実施しているところでございます。ヒアリングの進捗状況も見ながら、今後公表について検討してまいりたいというふうに考えております。  また、個別金融機関ごとの計数について明らかにせよということでございますけれども、この点につきましては従来から個別金融機関ごとの計数というものは公表を差し控えさせていただいておりますので、具体的な公表の仕方等につきまして十分に検討したい、このように考えております。
  159. 市川正一

    ○市川正一君 長官お聞きのように、これではどないにもなりません。これはもう野放しです、地上げ屋や土地転がし。  それで、大蔵省はこのノンバンクへの土地関連融資の実態を公表せぬ。ひた隠しに隠しているので、お手元に配りました資料の三枚目が、私なりに有価証券報告書に基づいて調べた一覧表であります。  これから見ても大手銀行が軒並みにノンバンクへ融資をふやしている。もちろんそのすべてが土地投機に回されているとは、それは言いません。しかし、明らかにこういう形で、例えば十の都市銀行が百億以上の融資をしている。伸び率も二・五倍から四・五倍になっております。こういうことを野放しにしておいたのでは結局土地の値上がり、そして住民が追い立てられる。こういう事態は私は解消せぬどころか、ますます拍車がかかるというのは先ほど来実態に即して指摘したとおりです。  今後の融資の抑制だけでなしに、こういう地上げ資金として貸している金額に相当する額は銀行に引き揚げさせるくらいの措置が必要じゃないか私は思うのですが、大蔵省に聞いてもあかんので長官の勇断を仰ぎたいと思いますが、いかがでしょうか。
  160. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) まず、融資の問題に関しましては、本法によりまして、新たに第四条におきまして投機的取引の対象としてはこれは処罰の対象になるということを明記しておるわけであります。今もろもろ申されましたときにはこの法律はなかったわけでございますから、これだけでも新しい法制度のもとに土地に対する規制を加えようといたしておるわけでございます。今後はそういう態度で対処をしていきたいと思います。  それから、私はこういう地上げに大手の銀行まで入っておるということ、これはゆゆしい問題だと思います。ノンバンクは、ノンバンク、ノンバンクと言いましても、本当に銀行がその先まで、金の動きまでチェックできるのかどうか。恐らくかなりの資金を与えて自由に運営をしたりいろいろの制度をやっておるのじゃないかなと思うわけでございまして、その辺で本当にコントロールができるのか。ここにおるのも気の毒だと思うのですよ。先の先の先のことをやれやれと言われても、権限のないものまでやりにくいという面もあろうかと思いますが、私はきょうお話を聞いておりまして、その宅建の業者でない地上げ屋が横行し、一つならずに二つ、三つ、また次へまた次へ、こういうものは放置できない。こういうものに対しましては厳しくひとつ取り締まっていきたいと思います。
  161. 市川正一

    ○市川正一君 時間が参りましたので、一問だけお伺いして結びたいと思います。  固定資産税の評価がえが一九九一年の平成三年に行われます。長官の所信を承りたいのですが、前回の評価がえには、これは六十三年でございましたが、昭和六十一年から六十四年にかけての異常な地価騰貴は反映されておりません。この間の異常な高騰は次の評価がえ、すなわち平成三年の評価がえに反映するわけでありますが、このままでいきますと庶民の生活用地の固定資産税が恐るべき上昇となることは必至であります。従来のように評価の変動をそのままにすると、三年間の負担調整措置を講じたとしても、都市部を中心に負担は超過重となり、積極的対応策が必要と考えるのでありますが、長官の所信のほどをお伺いして終わりたいと思います。
  162. 遠藤安彦

    ○政府委員(遠藤安彦君) 技術的な問題もありますので、その点について先に申し上げます。  固定資産税、特に大都市を中心に平成三年度に評価がえをする時期になっております。ただいま御指摘のように、今回は昭和六十一年度と平成元年度の地価の動向等を勘案して固定資産税の評価額を決定していくという具体的な作業にこれから入るということになります。  御指摘もありましたように、この間、大都市地域における地価の上昇というのは非常に激しいものがあったわけでございまして、そういった点からこの評価がえをどうするかというのは非常に大きな問題になろうかと思います。現在、具体的な評価方針その他について決まっているわけではございませんので、確たることを申し上げる段階ではないわけであります。いずれにしましても、一つは固定資産税の評価としては均衡化、適正化という問題を抱えておりますから、これはやはり追求しなければならない。しかし、その中で固定資産税はやはり地価の高騰などに伴います、土地の売買価格に含まれております期待価格でありますとか、私ども不正常要素と呼んでおりますけれども、そういったものを除去していかなければならない。そういう作業をこれからしていくわけでございます。  それからもう一つは、評価の問題とは別に、個個の方々が負担していただく税負担の問題がございます。これは従来から負担調整措置と申しまして、地価が上がっても一挙に税額を上げないというような方法をとっております。こういった点についてもこれから十分に検討をしていきたいという段階でございますので、とりあえず私から御答弁をさせていただきたいと思います。
  163. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 固定資産税の評価は、ただいま専門的な立場から申しましたが、一言で申しますと、地価の高い東京などでは低く見積もられて、地価の余り上がってない地方では高く見積もられておる。ところがそこがもっと著しい状況になってきておるということで、本当は評価の一元化などをやりますと、ますますもって固定資産税だけ独立に歩まにゃいかぬ。こういう問題が出てきまして、ここのところが私も常に難しい問題だと思っておるわけです。市川委員はそれをもっと難しくせいという話で、現実の問題としてはそういうことが出てくるのでございますが、私としましては住んでおられる方が固定資産税が上がることによって追い出されるというふうなことのない措置もしなければいかぬと思いますし、経過措置で三年間に一回やりますのを段階的にやったり、いろいろこれまで措置をしておりますが、そういうふうなことをも含めて、福祉といいますか生活といいますか民生といいますか、そういう視点にも立った形で配慮しなければいかぬと思う次第でございます。
  164. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 本委員会で土地基本法ということでかなりの時間を費やして論議をしているわけでございますけれども、きょうは、土地についての公共の福祉優先という観点から、土地の所有者についての権利をかなり制限した法案であるということでございますけれども、基本的に土地基本法が成立することによって、前回御討議いたしました、町が活気を失っていわゆるコミュニティーの保護の観点から見ると非常にゴーストタウン化してきてしまったら何にもならないということが一つあると思います。  したがって、ここでどうしても気がかりなのは、せっかく土地基本法が成立しても住民のための、あるいは市民のための町づくりということが基本にならなくちゃいけないと思います。そういう意味からして、基本法にもうたってありますように、「土地に関する基本的施策」ということをしっかりつくって、そこで住民の町づくりということに寄与していかなければならないというのが本来の趣旨であろうかと思います。  こういう観点から、土地の利用計画についても、住民の人たちの意見を反映させるものとするというような項目もつけ加わりまして、かなりの前進を見ているわけでございます。住民の意見を反映するというシステムでございますけれども、これまでの都市計画決定についても住民の意見反映というシステムはいろいろあります。きのうの池田先生の御指摘にもありましたように、ともするといわゆるセレモニー化といいますか形骸化といいますか、一応やったというような結果に終わって、結局つくってみたけれども何となく住民の意見が入ったような入らないようなというような欲求不満といいますか、そういうものになりがちでございます。  伺いたいのは、こういう住民の声を反映するシステムというのが都市計画の上でどういうような形で今なっているのかという実態を伺いたい、これが第一点でございます。
  165. 河原崎守彦

    ○説明員(河原崎守彦君) 都市計画の決定に当たりましては、御案内のように公聴会の開催あるいは説明会の開催ということもございます。それから都市計画の案を公告、二週間公衆への縦覧をいたします。それから、これに対する意見書を提出していただくということがございます。また、都市計画地方審議会へ付議をいたすというような手続がございまして、いろんな角度から住民の方々の意見を反映するように措置されているところでございます。
  166. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 公聴会があるということでございますが、例えば一般の住民あるいはサラリーマンとしますと、普通の月曜日―金曜日はいわゆる本業といいますか、社会へ行って仕事しなくちゃいけないということでございます。公聴会の日程というのは一体どういうときに設定されているのですか。例えば日曜日なんかやっているのですか。
  167. 河原崎守彦

    ○説明員(河原崎守彦君) 私もその具体の問題を今、日曜に必ずやっているとかいうことをお答えできませんが、いずれにいたしましても、公聴会を開きますし、それからさらにパンフレットでありますとかチラシでありますとか、そういうようなものを配布いたしまして、住民の皆様に御理解いただけるような手段もあわせてとりながら進めておるということでございます。
  168. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 私の質問は、実態はどうなっているかという質問でございまして、例えば日曜日とかあるいは土曜日の午後とかみんなが集まりやすい時間帯を設定して公聴会を開くというのが、いわゆる開かれた公聴会でございまして、月曜日の午後一時から三時までとかあるいは火曜日の一時から三時までとか、一般の人が本来の生業に携わっている時間帯を選んで、もし参加するならその時間を休んで参加しろと、どちらかというと行政体の事務を自分たちの立場から円滑化するために特定の日を選んでやるというようなことは、開かれた住民参加にはならないと思うのですが、その辺はいかがですか。
  169. 河原崎守彦

    ○説明員(河原崎守彦君) 御指摘のように、開かれたと申しますか、広く住民の方々の御意見が聞けるような方法で公聴会、説明会等が開かれますように指導してまいりたいと思っております。
  170. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 そうすると開かれていないということですね、今までは。これから指導するというのは。
  171. 河原崎守彦

    ○説明員(河原崎守彦君) 今もやっておると思いますが、今後ともそういう方向でやってまいりたいと思います。
  172. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 論理的にはそういうお答えになると思います。  今の公聴会でもそうなんですけれども、行政の方から発意したといいますか、行政が指導するような形の都市計画というのは、今までそうだったと思うのですけれども、これから住民参加という開かれた形の中で町づくりというのがどんどん進んでいかなきゃいけないような時代になってきていると思います。  そういう観点から、建設省ではHOPE計画という、いわゆる地域住宅計画の作成を地域住民の発意に基づいてお金の援助を出しながら町づくりをやっていく計画があるというふうに聞いておりますが、どういう計画でございましょうか。
  173. 立石真

    ○説明員(立石真君) 建設省におきましては、地域住宅計画と言っておりますが、名づけてHOPE、希望のホープでございます。HOPE計画の推進事業は、地域の特性を踏まえまして、質の高い町づくりを推進して良好な地域社会の形成を図る。そういうことから、市町村が主体になりまして、先生今御指摘がございましたように、できるだけの住民参加を得ながら地域の発意と総意に基づいた計画を作成する。そしてまた総合的な住宅政策を展開するための具体的な事業の推進の方策をつくる。そういうようなことを事業として行っております。
  174. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 今までこのHOPE計画によって市町村の計画、町づくり計画、これについて実績はどんなものでございますか。
  175. 立石真

    ○説明員(立石真君) 建設省におきましては、この計画に対しまして、計画の策定に対する補助金、補助、あるいはまた住民に対する啓蒙普及活動等に対する補助等を行っているところでございますが、これまで五十八年度から平成元年度までに百四市町村を指定して、計画策定及び計画に基づく諸種の事業を実施してきているところでございます。
  176. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 私の選挙区は奈良ですから奈良のことを言うということではございませんで、そういう趣旨でお話しするのですけれども、奈良市でもHOPE計画という計画をつくりまして、六十年度には五百万円の事業の援助を受けたというふうに伺っております。  奈良市の場合のHOPE計画といいますのは、平城京の町でございますので、そういう平城京の特性を生かした町づくりということが基本になって計画作成したというふうに聞いております。主体になっているのが奈良市じゃなくて、いわゆる社団法人という公益法人が町づくりプロデュース機構を引き受けているというふうに聞いております。したがって、行政体が音頭を取って町づくりをするんじゃなくて、いわゆる住民が主体となった公益法人のつくったものを行政体が積極的に取り上げていくというふうな形のものが、これから地域の住民が一番納得しやすい形の町づくりになっていくのじゃないかという気がいたします。こういうところから、HOPE計画が出ることによって、これへの援助資金といいますか補助金といいますか、こういうのを利用した町づくりというのが一番これからの町づくりの一つの規範になっていくのじゃないかなという気がいたしますので、これからもこういう形のものをどんどん育成していっていただきたいなというのが私の考えでございますが、見通しについていかがですか。
  177. 立石真

    ○説明員(立石真君) 先生御指摘のとおり、六十年度に奈良市についてHOPE計画が策定されているところでございます。今先生からお励ましの言葉をいただいておるわけでございますが、今後ともこういうような地域住宅計画、非常に重要な事業だと思いますので推進していきたいと考えておるところでございます。
  178. 山田勇

    ○山田勇君 市街地農地の宅地並み課税についてお尋ねをします。  三大都市圏における地価高騰による住宅宅地の取得は一般サラリーマンにとっては高ねの花になってしまいました。  そこで、大都市圏内の市街化区域内の農地を宅地化して供給をふやすということですが、東京圏、いわゆる東京都、神奈川、千葉、埼玉各県と茨城県南部だけで二万八千ヘクタールの宅地並み課税の対象区域があるようです。しかしながらその八割が長期営農継続農地の認定を受けておるのが現状のようであります。市街化区域内の農地の宅地並み課税は十八年前の一九七一年度の税制改正で実施されることが決定され、現在に至っているわけでございますが、農地の宅地化という面で一向に進んでいないということでざる法などとも言われております。これまでの施策で欠陥があったのでしょうか。建設省の御見解をお聞かせください。
  179. 白兼保彦

    ○政府委員(白兼保彦君) 現在の大都市での住宅宅地問題は、非常に国民の夢を遠のかせているということで深刻な問題でございます。  こういう中で、建設省といたしましては、市街化区域内の低・未利用地の活用とともに、先生御指摘のような三大都市圏の市街化区域農地は住宅宅地対策を進める上で重要な空間ということで考えているわけでございます。  現在、大都市地域の市街化区域農地の転用率というのは年間三%程度ということになっておりますが、なかなか宅地化が円滑に進まないという理由といたしましては、農地所有者の土地保有意欲が非常に強いということ。また、宅地化への意欲が必ずしも十分ではない、こういうようなことが挙げられるのではないかと思います。  今回建設省といたしましては、保全する農地と宅地化する農地を区分を明確化していこう。宅地化する農地につきましては、農地所有者が保有したままで宅地化するためのいろんな手法、または支援体制の整備、こういうものを図りながら計画的な宅地化を推進していく、こういうことが必要ではないだろうかと考えておる次第でございます。
  180. 山田勇

    ○山田勇君 宅地難を解消するための抜本的な対策の一つとして検討してきた土地税制の改正案が一応新聞紙上などで明らかにされておりますが、それによりますと三大都市圏の市街化区域内の農地については長期営農継続農地制度を一九九一年末に廃止する。農地の相続税猶予制度も九二年以降は適用しないなど、宅地並み課税の実施をうたっております。当然該当農地保有者などから反対が出ておりますが、この両制度は都市農業の存続にとって必要不可欠であり、自然や緑の保全、オープンスペースの確保など、都市計画の側面においても重要な機能を果たしており、また地球的規模で環境問題が深刻化しておりますが、国土、自然の保全機能、環境浄化機能が見直される中で、農業の果たす役割の重要性などを主張しているわけです。こういったことに対してはどのようなお考えをお持ちでしょうか、お尋ねをいたします。
  181. 白兼保彦

    ○政府委員(白兼保彦君) 先生御指摘のように、市街化区域内の農地が緑地または防災等で一定の役割を果たしていることは十分私たちも認識しております。また、先ほどお話も申し上げましたが、大都市地域におきます住宅宅地対策を進める上でも極めて重要な空間でございます。  こういう中で、今御審議なされております土地基本法案等の審議経過等も踏まえまして、先般私たちの方では総合的な住宅宅地供給の促進策というものをまとめ、発表さしていただいたわけでございます。この中で低・未利用地の宅地化の問題とともに市街化区域農地につきましてまず保全するものと宅地化するものを区分しよう。その中で保全する農地につきましては、一つには営農が確実で市街地の整備の見込みがない、そして市街化区域の一体的かつ計画的整備を図る上で支障のない農家、これが一つの考え方。  それから二番目が、先生御指摘のように、公害とか災害の防止。こういうような環境機能とか公共施設等の予定地としての機能に着目して保全する農地。こういうようなものにつきましては、市街化調整区域への逆線引き、あるいは生産緑地制度を積極的に活用してまいる。そして宅地化するものにつきましては計画的な宅地化をやっていただこうということから、一つには容積率の割り増し等によります中高層の住宅市街化を進めるための新たなる地区計画制度を創設していく。または農地所有者自身によります賃貸住宅等の建設を促進していくためのいろんな助成策の充実の問題、それから農協とか公団、公共団体等によりますいろんな支援体制。こういうものの各般の施策の充実、こういうものが必要であろうと考えております。  それとあわせまして、今三大都市圏の特定市の市街化区域農地に係ります税制についての見直しということも提案をいたしたわけでございます。  いずれにいたしましても、先ほど来から申し上げましたいろんな各種施策、今後各方面のいろいろな御意見を十分賜りながら検討を進めていきたい、このように考えている次第でございます。
  182. 山田勇

    ○山田勇君 おっしゃるとおり、線引きは大変重要なポイントになってくると思うのです。営農農地として農地を継続しようと思っても、いわゆる住宅開発等々が進みますと日照権の問題が出てきまして、野菜に日が当たらない、当たらないから野菜ができない、だから農地を開放しなければならない、手放さなければならないというような問題も出てくると思います。  大阪の証券街の真っただ中でネギを栽培している農地があったのですが、どんどんもうビルが建ってきて日が当たらないからネギが育たない。それで結果的には手放さざるを得ないというような方もおります。これは極端なんですが、そういうことでこれから農業を営みたいという人と開発とのその辺が非常に大きなポイントになってくると思います。  最後に長官、この法案が通りますといつごろに法律として施行なされるのか、大体の日にちで結構ですが、お知らせをいただきたいのと、なるべく法律が通ってから施行日まで早い方がいいのではないか。金融上の駆け込み金融等々ありましたら困りますものですから、短い期間で法律を施行する方がより効果が上がるのではないかというふうに思いますので、その点を御返事いただいて質問終わります。
  183. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 重要な基本法でございますので、できれば即日にでも発効するように措置をとりたいと考えております。
  184. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 私は、時間の関係で沖縄の土地問題に絞りたいと思います。  沖縄の土地問題は土地高騰とそれに付随する赤土汚染とさらに軍事基地の返還、こういう流れになるわけであります。  まずお尋ねしたいことは、沖縄の土地高騰についてどのように認識しておられるのか。そしてそれに対する対策はどのように考えておられるか、まずそのことをお聞きしたい。
  185. 石井一

    ○国務大臣(石井一君) 沖縄は南国で、日本の国土の中でも非常に特異なところでございまして、ただいま御指摘になりました三つの基本問題があるでしょう。特に本土からの金余り現象による先行買い等々によります悪影響。それが県民の生活に及ぶというようなことにならないように、国土庁としては今後も十分配慮をしていきたいと思っております。  喜屋武議員も御案内のとおり、既に六十三年十月一日から那覇市の中心部及び恩納村を監視区域に指定しているところでございまして、遠い南国でも県知事初め当局は地価に対します配慮をかなり早い時期からやっていただいたというふうに私たちは評価をいたしております。十月二十七日に地価上昇の未然防止の観点から監視区域の先行的指定及び指定後の地価上昇がなお引き続き著しい場合における届け出面積の引き下げ等、これらのことにつきましても、さらにそういう場所がないかということを知事に通達をしたところでございまして、今後厳重な監視を続けていきたい、そう思っておるような次第でございます。
  186. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 今御答弁願った那覇市と恩納の問題、御指摘のとおりでありまして、那覇市の場合には六・八倍高騰しておりますね。そして恩納の場合、特にリゾート地区の立場から約十倍、一・五から十・六倍にアップしておりますね。こういう状況から住宅用地の確保がまさに困難である、これが一つ。  それからリゾート基地による用地の増大、それから不動産業者による土地の買い占め。こういうことがこれまでも問題があったわけですが、これからも問題があるわけでありますので、そのようにひとつ今後の推移についても十分配慮していただかなければいけない、このことを申し上げます。  次に、沖縄県の赤土汚染の問題につきまして申し上げます。赤土の汚染、いわゆる赤土の微生物が海底に沈殿している、そして海産物の生物を死滅させる、サンゴや海草やもろもろの海産物が窒息する、こういうことでありますので、これから私は環境庁、水産庁、それから防衛施設庁、沖縄開発庁の関係に次のことをそれぞれの立場から、まず現状については環境庁、それから原因については防衛施設庁と水産庁に、それからそれに対する防止対策としては開発庁。こういったつながりでひとつ明確に答えてもらいたい。
  187. 鹿野久男

    ○説明員(鹿野久男君) 沖縄県を初めとしますいわゆる南西諸島の沿岸海域におきまして、内陸部から流出した赤土がサンゴ礁などの自然環境に影響を及ぼしておるということは、ただいま先生の御指摘にありましたように私どもも十分認識しているところでございます。  環境庁といたしましては、各種の開発等に当たりまして事前に十分な環境配慮を行うということが必要であると考えております。特に沖縄県を初めといたします南西諸島地域におきましては赤土の流出を防止するような、事前に十分そういった環境配慮が必要である、かように認識しております。
  188. 由良範泰

    ○説明員(由良範泰君) 沖縄の本島中北部を中心といたしました地域の主要な土壌でございます赤土は、微粒な粒子を多量に含んでおりまして、これが工事で大量かつ一気に短い河川を流下いたしまして、沿岸の海は赤茶色に染まっております。このような沖縄の赤土の流出は、水産業への影響とか自然環境保全等の面からも無視できないものと思われます。  したがいまして、現在赤土砂発生の実態把握、それから流出防止対策等について調査検討いたしておるところでございます。具体的には、沖縄総合事務局におきまして総合赤土砂流出対策検討委員会というものを設けて、その調査検討を行っておるところでございます。なお、ダム等の公共事業を行う際にも沈砂池をつくる等の措置を講じまして、赤土砂が公共事業の施工に伴って流出しないよう現在配慮しておるところでございます。
  189. 佐藤晃

    ○説明員(佐藤晃君) 本年九月十九日、恩納村の海岸に流出した赤土は米軍の訓練施設の工事が原因かとの報道がありまして、那覇局の職員五名が現地に赴き調査をいたしました。  その結果、米軍の工事も原因の一つであるということでございましたので、米軍にその旨を説明し、防止策をとるよう要請し、さらに村及び県の立ち入りの調査のために便宜を図ってきたところであります。
  190. 吉崎清

    ○説明員(吉崎清君) 沖縄県の赤土流出問題につきましては、漁業資源の再生産への影響あるいは漁具、漁網の汚染について懸念があることから、昭和五十二年度、五十三年度の両年度にわたり、沖縄県に所要の委託調査を依頼し、所要の対策の確立、実施を指導してきたところであります。沖縄県はその調査結果を踏まえ、昭和五十四年に土砂流出防止対策方針を策定し、赤土の流出の防止に努めてきたと承知しております。  また、沖縄県はその後も引き続き実態調査を実施し、その結果を踏まえて、本年十一月に同方針を見直して、新たに土砂流出防止対策基本方針を定め、この問題の発生源である各種の開発行為に対する適切な指導を進めることとしたところであります。  いずれにしましても、赤土流出問題の発生源である各種の開発行為について適切な指導が行われ、漁業に対する影響が過大なものとならないよう、沖縄県を通じて各般の努力を払っていく所存でございます。
  191. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 今の件に特に私から申し上げたい点は、農業開発やあるいは地元の開発による流出もありますが、特に重視したいのは、いわゆる垂れ流しみたいなような状態で、治外法権的なわがままな振る舞いをしておる基地内における開発、いろんな施設がそのまま垂れ流しとなって海洋汚染につながっておるという、このことを私は特に重視したい。それで沖縄側のあるいは地域側の開発から流れるものに対しては、この歯どめ、土どめの事前施設対応が不十分であるということが指摘されておるわけであります。  それで防衛施設庁とされまして、特に重ねて申し上げますのは、宜野座村やあるいは恩納村における米軍の戦闘訓練施設に関連した最近の事例があったわけですが、それについては一応対応策を持っておられることを今聞いたわけですが、これはひとつ厳重に監視してもらいたい、こういうこと。  次にもう一つ、沖縄の米軍基地の返還について、これは重大な関連を持つわけです。国土の百分の一に足らない沖縄の県土、それに対して県土の一一%が軍用基地になっておる、これは県土の一一%。さらに基地の集中している沖縄本島の二二%、さらに市町村単位にしますというと七〇%、八五%も一村であるわけであります。基地の中の沖縄と言われておる沖縄が、どうしても一遍に基地は撤去ということが私を含めて県民の要望でありますが、それにしても、一応比較的遊休地は開放してもいいのではないかと思われる点と、それからその地域住民の熱烈な要望がある。それをかみ合わして、この基地返還の具体策を急いでもらわないといけないのだ。こういう点から今まで話題となっております泡瀬ゴルフ場あるいは恩納通信施設あるいは宜野湾飛行場、そして奥間ビーチ、那覇軍港、嘉手納マリーナ、読谷補助飛行場跡、キャンプ桑江、嘉手納弾薬庫、こういった地域を早く返還してもらいたいという強い要望があることは十分理解しておられると私は思います。その線に沿うていつ、どこをどのようにして返還するプランを持っておられるか。そのことについてひとつ明確に答えていただきたい。これは外務省あるいは防衛施設庁のお立場から。
  192. 森敏光

    ○説明員(森敏光君) 政府といたしましても、沖縄におきまして米軍の施設区域の密度が高く、その整理統合について強い地元からの要望があることにつきましては十分承知しております。現在、米軍施設区域の整理統合につきましては、一層の促進を図るという観点から、合同委員会の場におきまして鋭意努力を払ってきているところでございます。  委員御質問の具体的な内容及び今後の見通しにつきましては、ただいま申し上げましたとおり、現在日米間で鋭意検討をしているところでございまして、現時点でこの具体的な内容につき申し上げる段階にはないということで御了解いただきたいと思います。
  193. 福間知之

    ○委員長(福間知之君) 両案に対する本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後三時四十七分散会