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1989-10-23 第116回国会 参議院 予算委員会 2号 公式Web版

  1. 平成元年十月二十三日(月曜日)    午後四時四分開会     ─────────────    委員の異動  十月二十日     辞任         補欠選任      粟森  喬君     中村 鋭一君      小西 博行君     井上  計君  十月二十一日     辞任         補欠選任      栗村 和夫君     田  英夫君      野末 陳平君     秋山  肇君  十月二十三日     辞任         補欠選任      中曽根弘文君     田村 秀昭君      國弘 正雄君     細谷 昭雄君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         林田悠紀夫君     理 事                 伊江 朝雄君                 下稲葉耕吉君                 平井 卓志君                 穐山  篤君                 矢田部 理君                 安恒 良一君                 太田 淳夫君                 吉岡 吉典君     委 員                 青木 幹雄君                 井上 章平君                 遠藤  要君                 合馬  敬君                 片山虎之助君                 北  修二君                 久世 公堯君                 清水嘉与子君                 田中 正巳君                 田村 秀昭君                 谷川 寛三君                 永野 茂門君                 二木 秀夫君                 前島英三郎君                 山岡 賢次君                 稲村 稔夫君                 梶原 敬義君                 久保  亘君                 竹村 泰子君                 田  英夫君                 堂本 暁子君                 細谷 昭雄君                 村沢  牧君                 本岡 昭次君                 山本 正和君                 猪熊 重二君                 白浜 一良君                 和田 教美君                 上田耕一郎君                 池田  治君                 中村 鋭一君                 足立 良平君                 井上  計君                 西川  潔君                 秋山  肇君    国務大臣        内閣総理大臣   海部 俊樹君        法 務 大 臣  後藤 正夫君        外 務 大 臣  中山 太郎君        大 蔵 大 臣  橋本龍太郎君        文 部 大 臣  石橋 一弥君        厚 生 大 臣  戸井田三郎君        農林水産大臣   鹿野 道彦君        通商産業大臣   松永  光君        運 輸 大 臣  江藤 隆美君        郵 政 大 臣  大石 千八君        労 働 大 臣  福島 譲二君        建 設 大 臣  原田昇左右君        自 治 大 臣        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    渡部 恒三君        国 務 大 臣        (内閣官房長官) 森山 眞弓君        国 務 大 臣        (総務庁長官)  水野  清君        国 務 大 臣        (北海道開発庁        長官)        (沖縄開発庁長        官)       阿部 文男君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  松本 十郎君        国 務 大 臣        (経済企画庁長        官)       高原須美子君        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       斎藤栄三郎君        国 務 大 臣        (環境庁長官)  志賀  節君        国 務 大 臣        (国土庁長官)  石井  一君    政府委員        内閣法制局長官  工藤 敦夫君        内閣法制局第一        部長       大森 政輔君        内閣総理大臣官        房審議官     文田 久雄君        総務庁長官官房        長        山田 馨司君        防衛庁参事官   玉木  武君        防衛庁長官官房        長        児玉 良雄君        防衛施設庁労務        部長       竹下  昭君        国土庁長官官房        長        北村廣太郎君        国土庁都市圏        整備局長     三木 克彦君        公安調査庁次長  古賀 宏之君        外務省条約局長  福田  博君        外務省国際連合        局長       遠藤  實君        大蔵省主計局長  小粥 正巳君        大蔵省主税局長  尾崎  護君        大蔵省関税局長  瀧島 義光君        国税庁次長    岡本 吉司君        文部大臣官房長  國分 正明君        厚生大臣官房総        務審議官     加藤 栄一君        厚生大臣官房老        人保健福祉部長  岡光 序治君        厚生省保健医療        局長       長谷川慧重君        厚生省社会局長  長尾 立子君        厚生省児童家庭        局長       古川貞二郎君        厚生省年金局長  水田  努君        農林水産大臣官        房長       鶴岡 俊彦君        農林水産省農蚕        園芸局長     松山 光治君        運輸大臣官房長  松尾 道彦君        運輸省航空局長  丹羽  晟君        郵政省郵務局長  小野沢知之君        労働大臣官房長  若林 之矩君        自治省行政局選        挙部長      浅野大三郎君        自治省税務局長  湯浅 利夫君    事務局側        常任委員会専門        員        宮下 忠安君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○予算の執行状況に関する調査     ─────────────
  2. 林田悠紀夫

    ○委員長(林田悠紀夫君) 予算委員会を開会いたします。  予算の執行状況に関する調査を議題といたします。     ─────────────
  3. 林田悠紀夫

    ○委員長(林田悠紀夫君) この際、委員長から申し上げます。  去る二十日の本委員会における山岡賢次君の発言につきましては、理事会において引き続き協議することといたします。  なお、その結果につきましては、委員長から本委員会に御報告することといたします。     ─────────────
  4. 林田悠紀夫

    ○委員長(林田悠紀夫君) これより前島英三郎君の残余の質疑を行います。前島君。
  5. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 あと十分少々でありますけれども、これから幾つか質問させていただきますが、冒頭私、どうしても申し上げたいことは、私の審議時間中に一方的に質疑を打ち切られたこと、このようなことが二度と起こってはならない、このように思います。二度とこのようなことがないよう私は委員長に申し入れておきたいと思います。委員長いかがでございますか。
  6. 林田悠紀夫

    ○委員長(林田悠紀夫君) 委員長といたしましては、そういうことが二度とないように努力をいたします。
  7. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 パチンコ疑惑、また朝鮮総連の問題、まだ幾つか私たちも質問したいことがございますが、これは同僚議員とともに後日に留保させていただくといたしまして、私のこれからの質問は、特に障害者福祉の問題につきまして総理並びに関係大臣に伺っておきたいと思うのであります。  政府の障害者対策の基本方針、基本姿勢につきましては十分私ども承知はいたしておるわけでございますが、海部総理が新たに就任されたこともありまして、国際障害者年十年、あと残るは三年でございます、海部総理は推進本部長という立場でございますから、その取り組みの決意をまず伺っておきたいと思います。
  8. 海部俊樹

    ○国務大臣(海部俊樹君) 我が国の障害者福祉対策につきましては、昭和五十六年の国際障害者年の成果を踏まえ、昭和五十七年度に政府が策定しました「障害者対策に関する長期計画」や、その五年後に策定をしました後期重点施策に基づいて、政府全体として各種施策を推進しておるところであります。  障害者対策推進本部の本部長である私としては、今後とも国際障害者年のテーマとされた「完全参加と平等」ということが社会のあらゆる局面で実現されますことを目指し、総合的な対策を推進してまいりたい、このように考えております。
  9. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 ぜひ推進方をよろしくお願い申し上げます。  政府の障害者対策推進本部の副本部長に初めて女性が就任されたわけでございますが、森山官房長官は国際婦人年でも大変活躍をされまして国際年の意義というのはもう十分御承知だと思いますので、二重に喜ばしいところでありますが、ひとつ御決意のほどをしっかりと承っておきたいと思います。
  10. 森山眞弓

    ○国務大臣(森山眞弓君) 私は、一議員といたしましても、障害者福祉の問題にかねて強い関心を持っていろいろと勉強させていただいてまいったところでございます。今総理からもお話し申し上げました長期計画、そしてその目標であります「完全参加と平等」の実現を図りますために、福祉、教育、雇用など広範多岐にわたる各種施策を総合的に推進する必要があると考えております。  私といたしましても、特に女性だからというわけではございませんけれども、かねて深い関心を持ってまいりました障害者対策、その対策本部の副本部長というお役目をいただきました機会に、ぜひ障害者の自立と社会参加の一層の促進を図りますために、後期重点施策を踏まえ、関係省庁との連絡のもとに障害者対策の積極的な推進を進めてまいりたいと考えております。
  11. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 障害者対策を進める上でノーマライゼーションという、これは北欧から入ってきた言葉でありますけれども、その理念が大変ポピュラーになりまして、つまり世の中には歩ける人もいれば歩けない人もいる、目の見える人もいれば目の見えない人もいる、いろんな人がいて初めて人間社会というのは正常なんだ、こういう理念でありますけれども、社会参加を進めていく上にノーマライゼーションの理念はこれからますます重要になっていくと思うのであります。  特に、この部分は、高齢化時代を迎えれば迎えるほどお年を召した方々はハンディキャップをいろんな社会の中で持つわけでありますので、これはいわば障害者のための一つの言葉というのではなくて、社会的にハンディキャップを持ったすべての人々の言葉というとらえ方をしたいと思うのでありますけれども、このノーマライゼーションに対する取り組みを政府からも伺っておきたいと思います。
  12. 戸井田三郎

    ○国務大臣(戸井田三郎君) 委員御指摘のとおり、障害者あるいはお年をとって体が不自由になった方々が社会に参加するということはやはり非常に大事なことでありまして、社会に参加するときにどうしても入りにくいというような環境を取り除くことだと思うんです。そのためには参加しやすいような環境づくりをしていくことも大切だと思います。特に、若い人で私どものところへよく相談に来る人がおりますけれども、確かに政府からいろいろ魚を与えられる、すなわち福祉としていろんなサービスを与えられることも非常に大事なんだけれども、やはり魚をとるとり方を教えてくれ、社会に参加する方法を教えてくれ、それが大事であるということを聞きます。そういうことを考えますと、やはり障害者の立場というものをよく理解していくということが大切だろうと思います。  そういう意味で、私どもは社会参加のために例えば福祉工場をつくるとか、あるいは盲導犬なんかの場合でもそうですし、そうなってくるというと、周りの人たちがそういった人に対する配慮をする思いやりの気持ち、こういったものが当然社会の中でつくり上げられていかなければなりません。そういう意味での教育面も私どもは非常に大事だろうと、かように思います。
  13. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 健康な人を中心とした社会が今までつくられてきたと思うのですが、健康な人はともすれば障害を持つこともある。私なんかまさにそうです。そしてまた、すべての人が年老いていく。そういうことを考えますと、トータルにはもっと世の中にはいろんな人たちがいる。そういう人たちも、人間としてこの国に生まれ、この国に育ち、この国に骨を埋めても悔いはないという、やっぱりトータル的なノーマライゼーションの方向というのをぜひこれから推進していただきたいとも思うわけであります。  見える障害を持った人たちの対策というものは大変充実はしてきておるんですけれども、例えば精神薄弱児者あるいは精神障害者、こういう人々の対策というのはまだまだ、谷間とはいかなくても、いろいろやっぱりおくれている部分があるように思うわけであります。積極的に厚生省も取り組んでいただいて、例えばグループホーム、この子よりも先に死ねない、親御さんのそういう御意見も非常に多い。グループホームというようなものをつくって、平成元年度は百カ所既に実施されているんですけれども、こういう人たちの対策につきましてのこれからの積極性は大変重要だと思うわけであります。  自分の不満の声が述べられない人々の問題、その辺の推進の心構えをぜひひとつ伺っておきたいと思います。
  14. 古川貞二郎

    ○政府委員(古川貞二郎君) お答えいたします。  精神薄弱者の方々につきましても、先生御指摘のように、家族とか、あるいは地域の人々とともに暮らしたい、こういう声が非常に高まっておりまして、私ども、これに対応した地域福祉施策の推進が必要であろうと、かように考えております。このため御案内のとおり、従来から通所による授産施設あるいは更生施設の整備あるいは家庭奉仕員の派遣事業あるいは緊急一時保護事業、これは保護者が御病気になられて家庭での介護が難しい、こういった場合の介護、一時保護ということでございますが、こういったことの拡充に努めているところでございます。特に、授産につきましては非常に最近ふえているという状況でございます。  なお、今先生からお話がございましたように、本年度は新たな施策といたしまして、精神薄弱の方々の地域での自立生活を助長する、こういうことでグループホーム事業というものを新たに設けた、こういうことで今後とも精神薄弱者の社会的な自立促進のため、その多様なニーズに対応しまして私ども各種の施策の充実を図ってまいりたい、かように考えております。
  15. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 いろんな授産施設も、大きなものではなくて、なるべく小さなものを点在していく、こういう方向が昭和五十二年あたりから非常に取り組みが進んでまいりまして、当時小規模作業所というようなものは、無認可のものはいろいろありましたが、政府が助成するというものは十五カ所程度しかなかったのが、平成元年の数字を見ますと六百十五カ所になっている。これはもう大変な伸びだと思うんです。また、来年はさらに八百四十カ所ぐらいに伸ばそう、こういう取り組みを厚生省はやっているわけでありますけれども、まさしく政治の心というものはその部分に光を与えることだ、私はこのように思います。  そして精神障害者ですけれども、精神障害者の問題もこれまたいろいろな差別の歴史もありましょうし、またいろいろと取り組みも難しい部分があろうかと思いますけれども、しかし精神衛生法が精神保健法に変わって、新たに福祉施策として取り組みを始めたわけであります。十万人ぐらいの受け皿は何とかつくろう、こういう目標に立っているわけでありますが、なかなかその達成には時間も要すと思うわけであります。やっぱりここにも、援護寮とか福祉ホームとか通所授産施設というものを主体的にして、病院から家庭というよりも、その前の社会的ないろいろなリハビリテーションをするための中間施設というものがこれから重要だと思うんですが、精神障害者の取り組みも伺っておきたいと思います。
  16. 戸井田三郎

    ○国務大臣(戸井田三郎君) 昭和六十二年に精神衛生法の大改正が行われたのは御承知のとおりであります。そして六十三年から施行されておるわけでありますが、その改正の中でうたわれていることは今申し上げました社会復帰の問題が非常に大きな問題の一つにされております。そしてそういう精神障害者を抱えておられる家庭にとっては非常に大切なことで、特に強い御要望も同時にありました。そのあれは精神障害者社会復帰施設を法文上位置づけて行ったことでありますので、私どもはその後も引き続き今御提言のありましたような具体的な問題等も含めて積極的に進めていくようにいたしております。  なお、その具体的な方法については政府委員から御答弁させていただきます。
  17. 長谷川慧重

    ○政府委員(長谷川慧重君) お答え申し上げます。  先生お尋ねの精神障害者の社会復帰施設といたしましては、お話しございましたように、まず援護寮とそれから福祉ホームそれから通所授産施設という三つのタイプがあるわけでございますが、現在の施設の数字を申し上げますと、援護寮につきましては運営が十一カ所、現在整備中が二十カ所でございます。それから精神障害者福祉ホームにつきましては運営が十七カ所、現在整備中のところが十五カ所ございます。それから精神障害者通所授産施設につきましては運営が九カ所、現在整備中が十六カ所ということでございまして、それ以外にも、先ほどのお尋ねにも関連するわけでございますが、精神障害者小規模作業所運営助成事業ということで百四十二カ所につきましての助成をいたしております。  なお、今後とも、それぞれの要望にこたえまして充実してまいりたいというぐあいに考えております。
  18. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 確かに精神保健法の改正によりまして一応社会復帰対策というのは導入されたんですけれども、しかし全体的には医療面が主体でございますから、これからやっぱり生活とか福祉面での充実を心から期待したいと思います。いわば抜本的に精神障害者の生活保障ということもこれから議論をしなければならないと思いますし、それから精神障害者のための福祉法ということもこれから議論をすべきだと思いますので、これは後日またいろいろと私たちも問題提起をしていきたいと思っております。  さて、一九九二年には国連障害者の十年がひとまず終了いたします。ということは、我が国の長期計画も一つの区切りを迎えるわけでありますけれども、この締めくくり方、すなわち残る期間の計画の一層の実現と評価、さらに記念事業、先般も記念事業につきまして厚生大臣から伺ったところでありますけれども、これはもう中央心身障害者対策協議会等でそろそろ検討を始めていただきたい。もう三年後のことでありますからそのように思うんですが、厚生大臣いかがでございましょう。
  19. 戸井田三郎

    ○国務大臣(戸井田三郎君) 御指摘のとおり中央心身障害者対策協議会等の御意見を伺いながら進めてまいりたいと思いますが、特に記念事業の問題につきましては、先般総理に対する御質問の中でもこの問題に触れられましたが、私どもといたしましては記念事業を実施するに当たって、やはり厚生省の中に懇談会のようなものをつくりまして、これは近々にやりたいと思っております、つくって、どういうような記念事業をやっていくかというようないろんな構想を検討していただく。しかもあと三年で障害者年が終わるわけでありますし、来年は御即位の式典も行われるわけだし、そういったことをにらんで私どもといたしましてはこの記念事業の促進を積極的に図っていきたい、かように思います。
  20. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 お願いします。  国連基金への拠出とか、リハビリテーション及び関係分野での各種研修の実施、JICAの協力をいただきましていろいろ私たちも取り組みをいたしておりますが、私はこれを福祉外交と、こう言いたいわけでありますけれども、一層これは拡大すべきだ、こう思うんですが、国連障害者の十年も踏まえて、外務大臣いかがでしょう。
  21. 中山太郎

    ○国務大臣(中山太郎君) 福祉分野におきます国際協力というものは極めて重要な課題であると外務省としては認識をいたしておりまして、完全参加と平等という国連の大きなテーマに今日まで協力をいたしてまいりました。また障害者十年の基金、これにつきましては一九八〇年、八一年、また八八年、各十万ドルずつ日本は拠出をいたしておりますし、本年もそのようなことをいたしたいというふうに考えております。今後とも一層努力をしてまいる所存でございます。
  22. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 福祉外交を展開するにつけましても、成田空港を利用する機会が非常に多くなっております。しかし全体として成田空港、当初は大きいなと思いましたが、今や手狭で、何か荷物の方はどこかへ移さなきゃならぬじゃないかとか、いろいろ言われておりますが、二期工事には私たちは大変期待をしているんですけれども、整備の状況を、今後車いすの利用とか、障害を持った人たちのいわば国際交流ということを含めて、ひとつ大臣の方からお願いをしたいと思うんです。
  23. 江藤隆美

    ○国務大臣(江藤隆美君) 御指摘のように、成田空港の整備はちょうど二十年になろうとしております。当初、千三百万人の人々が利用できるという施設が現在の成田空港の施設でありますが、御 案内のように、実際からいいますと千八百万の人が今利用をしておる。それから、貨物においては想像をはるかに超えまして、もう三年前にシカゴ空港を追い越して世界一になってきた、こういうことでありまして、それはもう手狭になって大混雑をしておる。しかも今三十七カ国、四十八社が乗り入れておるわけですが、これが全部もっと便をふやせ、こう言っておりますし、それから運輸省を訪れます各外務大臣あるいは運輸大臣が外国から見えますが、全部新しくもっと乗り入れさせろと。三十九カ国今来ておるわけです。ですから、第二期工事が完成するとなれば、もう二倍以上にすぐたちまちなる。それぐらいやっぱり経済大国日本としてこの成田空港というものの整備が急がれるようになってきた。  したがって、御指摘のように、ああいう空港でありますから、大混雑をいたしますと、体の不自由な人ですとか、年寄りですとか、子供さんですとか、そういうところに非常にしわが寄ってきます。一通りの例えばエレベーターですとか、エスカレーターですとか、あるいは盲人用のいろんな施設ですとか、身障者のトイレですとか、あるいはバスですとか、準備はしておりますが、何せ狭い。しかも短時間のうちにお互いが行動するということになりますと、非常なそこに何といいますか混雑を招くわけであります。したがいまして、私どもは第二期工事を来年度、平成二年度には概成させる、第五次空港整備五カ年計画のうちに第二期の工事は概成させようということで今鋭意努力をしておるところであります。  ただ、関係農家が八戸残っておりまして、まだ未買収の土地が二十一・三ヘクタール残っております。全力を挙げましてこの用地買収に取り組んで、そして立派な空港をつくりたい。鉄道もきちっと乗り入れする、今離れておりますから真下に乗り入れる。それから、あんな駐車場じゃなくて、みんなが荷物を引きずって道路を歩くようなことはみっともない、だから立体的な駐車場をきちっとつくって、そしておっしゃるような障害者用にも面倒のないようなことをちゃんとせいと。そういうことで世界に誇るような万全の成田空港をつくりたいと思っておりますので、よろしくまた御協力のほどをお願い申し上げたいと思います。
  24. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 ぜひひとつ期待をいたしております。  ところで、現在点字郵便物の無料制度などがありますが、聴覚障害者につきましてもこれに準じた扱いをしてほしいという請願が幾つか寄せられておりまして、このたび十一月六日から字幕スーパー入りのビデオテープの郵送料が割引制度になる、長年の念願が一歩前進ということでありますが、これはもう心から感謝をするとともに、郵政大臣からひとつその意義を説明してもらいたいと思うんです。
  25. 大石千八

    ○国務大臣(大石千八君) 郵政省としても障害者の福祉のための制度を郵務関係でこれまでもやっておりまして、例えば盲人用点字、盲人用録音物、点字用紙を内容とするものを第四種郵便物として無料で郵送できる制度、それから重度身体障害者と図書館との間で書簡を内容とするものを小包として安い料金で郵送できる制度、こういった障害者の福祉のための制度がこれまでもあるわけでございますが、最近はビデオテープなどが非常に普及をしておりまして、聴覚障害者団体の方からも、ぜひ我々の方でもそういったものを考慮してほしいと、こういう要請が前島委員御指摘のとおりございます。  郵政省といたしましても、そういった関係のことを研究してまいりましたところ、このたび、聴覚障害者の福祉の増進に役立たせるため、聴覚障害者のためのビデオテープを内容とする小包郵便物で聴覚障害者と聴覚障害者福祉施設との間で送り受けされるものにつきましては特に低廉な料金で郵送することができることとしたものでございまして、十月の二十日に審議会の方に諮問し答申をいただいておりますので、十一月の六日からこの制度を新たに発足させるという段取りになっているところでございます。
  26. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 障害者福祉というのもかように総理、多岐にわたっております。高齢化時代、ここにもいろいろと取り組みの問題が多々あろうと思うわけでありますけれども、やっぱりこれからこういう世の中というものは、私たち一人一人が、選択をしてそういう障害を持ったり、そしてまた寝たきり、あるいはまた痴呆性という道を決して選ぶわけではありませんので、みんなでやっぱり、一人一人が選択したライフサイクルとして、しっかりそれに政策がバックアップしていくような体制というものを次の時代に残していかなければならないと思います。  今、消費税をめぐって論議が交わされておりますけれども、どうかここのところを忘れずにぜひ考えていただきたいと思います。  事柄は、それによっていろんな財政負担がふえていく。しかしそれは、次の世代の人たちがどうそれを受け持ってくれるかどうかという私たちは親としてのまた責任もあるようにも思います。人という字は、このように、支える棒と支えられる棒があって人の世があるわけでありますから、支える皆さん方が今いろいろ負担で不満を述べておられる。その述べておられる姿もわかるけれども、しかし、やっぱり支えられる皆さんの気持ちを考えると、ぜひともその辺は皆さんで理解をし合っていい税制というものをつくり、そしてその税制の必要性を積極的にやっていただくことを最後にお願いし、残りは私保留をさせていただきまして、総理の決意を伺って私の質問を終わらせていただきます。
  27. 海部俊樹

    ○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、いろいろな立場、いろいろな障害をお持ちの皆さんに対する我々の心構え、態度、政策的努力というものはまさに御指摘のようにしていかなきゃならぬと思います。お互いに支える者とか支えられる者とかいう垣根も実は取っ払って、みんなで一緒に完全参加をしていただく、平等にやっていこう、そういう世の中づくりをしていこうという理想を持って頑張ってまいりたいと思います。
  28. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 どうもありがとうございました。(拍手)     ─────────────
  29. 林田悠紀夫

    ○委員長(林田悠紀夫君) 次に、久保亘君の質疑を行います。久保君。
  30. 久保亘

    ○久保亘君 七十二時間待たしていただきました。この原因となりました山岡質問、そして渡部国家公安委員長を初め政府の答弁等について、真実に照らして委員長として公正かつ厳正な措置をされますよう強く要請をいたします。
  31. 林田悠紀夫

    ○委員長(林田悠紀夫君) 委員長といたしましては、さらに理事会におきまして審議を続けます。
  32. 久保亘

    ○久保亘君 実は、レディーファーストで官房長官の森山さんにお尋ねしたかったのでありますが、姿が見えませんので総理に最初に少し、認識を統一しておいた方がこれからの論議がしやすいと思いますので、消費税は大型間接税であるかどうか、このことについて総理の御見解を承っておきたいと思います。
  33. 海部俊樹

    ○国務大臣(海部俊樹君) 消費税というのは今度の税制改革の中でも一本の柱でありますけれども、大型か小型かということになりますと、どこで線を引いて、どこに基準を置いたらどうかという、そういった詳しい専門的なことを私は存じませんので、国民の皆さんにとにかく御理解と御納得をいただいて、将来を支えるための間接税である、このように受けとめております。
  34. 久保亘

    久保亘君 中曽根さんは、売上税のときに大型間接税の定義をされております。竹下さんは、消費税の審議に当たって、大型間接税の六つの懸念、後には九つの懸念になっておりますが、大型間接税の懸念ということで消費税の懸念を説明されておりますが、これでも消費税は大型間接税と言えないのですか。
  35. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 今総理からもお答えを申し上げましたように、まさに何と比較してということになろうかと思うのでありますが、例えば売上税と対比して考えますと、課税ベースが広 いという意味では確かに大型になっているということは言えます。しかし、税率は売上税に比べて消費税は低いわけでありまして、これはまた金額的にもそれだけ少ないわけでありますから、これは大型とは言えません。ですから、売上税と対比をして考えました場合でも、どの部分をとらえて比べるかによりまして議論はさまざまではなかろうか。  ただ、いずれにしても、私どもは政府として、税制改革の柱の一つとして将来に対して必要な税制と考えて、これを今進めておるところであります。
  36. 久保亘

    久保亘君 今のような言い方で、国民消費税に対する不信はますます大きくなるわけです。これはやっぱり正直に言うべきことだと思うんです。  それでは、もう一つ確認をしておきたいことがございます。  選挙における政党の公約というのは、任期中、国民に対して守られなければならないものであると思いますが、いかがですか。
  37. 海部俊樹

    国務大臣海部俊樹君) 選挙審判を受けるときにいろいろ申し上げますこと、それは政党として大切にしていかなければならないことである、それはそう心得ております。
  38. 久保亘

    久保亘君 任期中ということ。
  39. 海部俊樹

    国務大臣海部俊樹君) いや、それはいろいろなその後の事情、経緯等もありまして、選挙の前のときに掲げておったいろいろな物の考え方や問題点がその後政党同士の合意なんかで変わることだってあろうかと思いますから。しかも、議長が出てきて、いろいろな経緯があって、こうしなさいと裁定が出ますときなんかは、それは直接民主主義じゃないわけでございますので、代表民主主義で選ばれてきておるわけでありますから、私は選挙の公約というものはそれは重いものであって尊重しなきゃならぬものだと思いますけれども、毎日毎日世の中というものはいろいろな変化もあるわけでございますから、いろいろとその事情を勘案しながら適切に対応していかなきゃならぬ状況が生まれてくることもある、こう思っております。
  40. 久保亘

    久保亘君 重大な公約を変更するというときには選挙をもって国民の信を問うということが憲政の常道だと思うのですが、いかがですか。
  41. 海部俊樹

    国務大臣海部俊樹君) 議会制民主主義でございますから、昔の時代と違って、御議論を通じて国民の皆さんの前でどちらの考え方がいいのかということを十分徹底して、そしてその次の選挙のときに国民の皆さんの投票行動で審判を受け、それによっていろいろ変化が起こるということはこれは私もそうだと思いますけれども、国会の途中で何か特定の一つのことで意見が対立をした、そのたびに選挙をしなければならぬというものではないと思います。
  42. 久保亘

    久保亘君 私は、重大な公約についてと申し上げているわけです。
  43. 海部俊樹

    国務大臣海部俊樹君) 税制改革というのは、御承知のように消費税の問題だけを言っておるわけではないわけでありまして、中堅サラリーマンの方の負担を軽くする所得税の減税の問題も、その他のいろいろ御批判のあった物品税の個別をやめていこうという問題等も全部含めて税制改革というものが論争点に出たわけでありますが、それが不幸にしてあのような結果になったということで、今まさにここで御議論をいただき、野党の方からも再改革法案が出る、それから財源処置等も出されるとおっしゃる、政府の方もいろいろ見直しをいたします、こう言っておる。そういうときにはまさに国民の皆さんにそれを十分に聞いていただいて、余り選挙選挙で、いつでもすぐ選挙ということはいたずらに空白をつくるだけでよくない。その御審判選挙のときに受けますけれども、それはやはり必要なことだと思います。
  44. 久保亘

    久保亘君 どうも議会の子の子の発言としては非常に私はわかりにくい。もっと率直に議会制民主主義というものの重みについて考えてもらいたいと思うんです。議会制民主主義というのは、選挙の結果にあらわれた国民意思を重視するということが基本だと思いますが、その点はよろしいね。
  45. 海部俊樹

    国務大臣海部俊樹君) 国民意思を大切にし、国民の意向を反映して議会制民主主義は行われていくべきである、そう思っております。
  46. 久保亘

    久保亘君 今この税制改革を考える上でも我々にとって重要なことは、民意の尊重と公約の履行であると思っています。私が今言いました言葉はアメリカの有名な上院議員がお使いになっている言葉であります。私はそういう立場に立って考えなければいけない、こう思っております。  そういう意味で、今度の参議院選挙というのは、見直しによる存続と廃止による再改革とが税制改革について争われたのではなかったでしょうか。それはあなたもそうお考えになりますか。
  47. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 今委員御指摘になりました本年夏の参議院選、自由民主党責任者として戦いました立場から、私からお答えをさせていただきたいと存じます。  委員が御指摘になりましたように、確かに中曽根内閣当時の公約というものがあり、これに縛られてその範囲内で我々は最大限の努力をして売上税というものを考えたわけであります。しかし、これは大変な御批判を浴び、御承知のように衆議院議長裁定という形でその幕を閉じることになりました。そしてその「直間比率の見直し等」という議長裁定の中から私どもは新たな税制改革を組み立て、その中において消費税も一つの柱としてスタートをさせたわけであります。  しかし、今年夏の参議院選あるいはその前の東京都議選、私どもにとりましては残念ながら、税制改革の中身を国民に聞いていただく以前に、リクルート事件というものから発した国民政治不信の声が非常に厳しいものとなってのしかかってまいりました。私自身、国民の前に立ち一生懸命にリクルート事件についてのおわびを申し上げ、そしてその反省の上に立って政治改革に取り組むということを納得していただかない限り、残念ながらいかなる政策にも耳を傾けていただけなかったというのが今年の参議院選を戦い抜いた私の実感であります。リクルート事件というそこから出てきた政治不信の中で我々は戦いに敗れてまいりました。それだけに、もちろんその中に税制改革について国民の御理解が得られなかったことも大きなその一つの要因であるということを私は否定するものではありません、しかしそれ以前の問題があった。これは私自身の実感であります。
  48. 久保亘

    ○久保亘君 質問したことに答えてもらわぬとだめですよ。
  49. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、税制改革について私どもは消費税の見直しはお約束をもちろんいたしております。しかし、それだけが参議院選の我々が敗れた原因ではなかったと私は思っております。
  50. 久保亘

    ○久保亘君 私が聞いているのは、参議院選挙の税制改革に関する争点は何であったかと聞いておるんです。だから、自由民主党は見直しによる存続、野党は廃止による再改革、こういう主張が争われたんだということは間違いないかと聞いている。
  51. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 参議院選の中における税制の論議の部分だけに限定いたしますなら、委員の御指摘のとおりであります。
  52. 久保亘

    ○久保亘君 これはある意味では、税制改革に関する国民投票的な性格も私は今度の参議院選挙の場合にはあった、こう思うのです。その結果について、税制改革についてはどういうふうに受けとめられたんでしょうか。これは総理にお答えいただきたい。
  53. 海部俊樹

    ○国務大臣(海部俊樹君) 国民投票的性格とは私はちょっと違うと思います。選挙のときに争われたいろいろの問題点の一つだったことはそれは事実でありますし、それからそれによって、税制改革について私たちは今将来に向かって安定的な税収確保をしなきゃならぬ、こう思っておりますから、国民の皆さんの御理解とこの間接税の定着をお願いするために見直しをしていかなければなら ぬ、こう受けとめております。
  54. 久保亘

    ○久保亘君 その税制改革の結果によって見直しを考えられるんですか。消費税を四月から実施して執行段階に入れてしまった。その段階から見直しを考えて、公約していたから見直しをやろうと言われるんですか。参議院選挙に負けたから見直ししようと言うのか、どちらですか。
  55. 海部俊樹

    ○国務大臣(海部俊樹君) 参議院選挙に臨むときの我が党の公約の文章があります。いろいろなことが書いてありますけれども、その中に、税制を定着させるための見直しということは出ておりますが、私はその後選挙の結果を一番厳しく受けとめて、それなれば耳を傾け、どこをどうしたら御理解と定着ができるか、これで見直しをしていかなければならない、こう受けとめて今作業をしておるところであります。
  56. 久保亘

    ○久保亘君 参議院選挙、それは税制改革だけが争点ではありませんでした。しかし、少なくとも消費税が今度の参議院選挙における重要な争点であったことはだれも異論のないところだと思うのです。その結果、比例代表における自由民主党の支持率は二七・一%であります。廃止を主張した野党は、今回廃止法案を提案いたしております社公民の三党だけでも五一%に達しているのであります。  この結果をどういうふうにお受けとめになりますか。
  57. 海部俊樹

    ○国務大臣(海部俊樹君) 選挙の結果というのはお示しのとおりでありまして、それは厳しく受けとめております。
  58. 久保亘

    ○久保亘君 じゃ具体的に、あなたの党の大幹部である方から、この選挙の結果消費税はリコールされた、こういう御発言がございましたが、これはどういうふうにあなたはお思いになりますか。
  59. 海部俊樹

    ○国務大臣(海部俊樹君) 先輩の御意見として私は承りました。自由民主党にはいろいろな意見がございます。
  60. 久保亘

    ○久保亘君 いや、このことについてあなたは、そうではないと思われるのか、金丸さんが言われることにやっぱり今度の参議院選挙の結果というのは一つの理屈があると思われるのか、そのことを聞いておるんです。
  61. 海部俊樹

    ○国務大臣(海部俊樹君) 何度も申し上げますが、消費税是か非かだけの選挙とか国民投票でなかったわけでございます。そのことも重要な争点の一つだったことは事実でありますが、ほかにも、非常に残念ながらリクルート事件に端を発した政治不信とか、あるいはその地域に独特の問題とかが重なり合って党全体の政治というものが批判を受けた結果である、こう厳しく受けとめておるわけでございます。
  62. 久保亘

    ○久保亘君 リクルート事件を税制改革と全く切り離すことができるだろうか。私はそうは思わない。税制というのは、政治がやる最も正義を要求されるものです。社会正義を要求される税制改革を、リクルート事件のような不正義の始末をつけていない者が何でやれるかという国民の怒りがあったことをあなたはお考えになりませんか。
  63. 海部俊樹

    ○国務大臣(海部俊樹君) それも政治不信の問題としてあったということを率直に私は反省しております。
  64. 久保亘

    ○久保亘君 ここで、せっかく官房長官がお見えになったので、森山さんにちょっとお聞きしたいんだが、先日枚方市であなたは講演をなさって、消費税を廃止すればひどい目に遭うのは国民だとおっしゃったそうですが、私は消費税で国民がひどい目に遭っていると思っているものだから、これはどういう意味だったんだろうか。  それから、野党の消費税廃止の法案を進めれば結局増税になるとおっしゃったそうですが、その根拠はどこにあったんでしょうか。
  65. 森山眞弓

    ○国務大臣(森山眞弓君) あれは一時間にわたる講演の中の一部を大変簡単に要約されましたので、私も記事を拝見して驚きましたのですが、私が申し上げたかったのは、消費税というものを大変御批判いただいていることはよく承知しておりまして、それで見直しの努力をしているわけでございますが、見直しはよろしいんですけれども、それをやめまして、また二年間野党のおっしゃいますようにもとへ戻し、そしてまた二年後には別の税制を新しく設けるということであるとすれば、国民としては、税金を負担する国民のサイドから申せば大変な混乱を生じて迷惑するのではないかと、そういう趣旨を申し上げたのでございます。
  66. 久保亘

    ○久保亘君 まあ、いいでしょう。選挙の候補者の応援にいらしたときには身びいきでいろいろおっしゃるんでしょうから、それを一々取り上げなくてもよいと思うんですが、私、あなたに聞きたいことがあるんです。  ある主婦の方が、現時点において今回のような強引なやり方での消費税の導入は一人の主婦として強く反対の意を表したい、現実には一度たりとも国民の信を問うたことのない内閣がこのような重大な政策を暴力的強行採決によつて決めてしまったところに問題のルーツがある、こういうことを主張されていますが、あなたも一人の主婦としてこの御意見をどう受けとめられますか。
  67. 森山眞弓

    国務大臣(森山眞弓君) 私も主婦の一人には違いございませんが、自民党の議員でもございまして、あの審議の仕方をずっと見守ってまいった者でございます。そのいきさつを承知している立場から申せば、その方がおっしゃいますのはいささか違っているのではないかと考えます。
  68. 久保亘

    久保亘君 それでは総理に伺いますが、私が今引用いたしましたある主婦の書かれたものは、この主婦の方は夫も父も現職の自由民主党の代議士であります。父親は元内閣総理大臣であります。こういう方が主婦の立場でそのような発言をされていることをどう受けとめられますか。
  69. 海部俊樹

    国務大臣海部俊樹君) いろいろ御意見があるということを知りました。
  70. 久保亘

    久保亘君 いや、いろいろ意見があるということじゃなくて、こういう見方、政治の重要な立場におられる方と生活をともにしてこられた方が主婦としてそうお考えになっているということなんですよ。そのことをあなたはどういうふうに受けとめられるかということを私聞いておるわけです。
  71. 海部俊樹

    国務大臣海部俊樹君) 承れば、我が党の大先輩の御家族の御一員のようでございますけれども、そういう立場に立ってそのような御批判があるということ、確かにあのような騒然たる雰囲気の中で採決を行ったということに関しては大変残念なことだったと思いますし、私自身も決していいことであったとは思っておりませんので、でき得る限り今後はお話し合いを続けて、あのようなことのない議会制民主主義を運営しながら中身についての御理解を十分賜るように努力をいたしたい、こう思います。
  72. 久保亘

    久保亘君 特にあのとき、選挙消費税リコールされたと言われた金丸信氏からあなたは委員会指揮を任されて、そして採決をおやりになった。そのあなたのおやりになった強行採決について、そういう自由民主党に関係の深いお方が、暴力的強行採決、これが今度の消費税の問題のルーツだと、こうおっしゃっておるのでありまして、これはやはりあなたとしても少し強く受けとめてもらってよい問題ではないかと私は思うんですが、いかがですか。
  73. 海部俊樹

    国務大臣海部俊樹君) あのときのことについては、ただいま率直に申し上げましたように、私も決していいことではなかったと強く受けとめております。
  74. 久保亘

    久保亘君 消費税については、参議院選挙の結果を見ても、一つの国民意思が明らかになっている。また、最も新しい新聞報道機関世論調査を見ても、廃止すべきだという意見が五六%に達している。こういう消費税の廃止を要求する国民の心にあるもの、国民参議院選挙でああいう結果を示したということはどんな理由だとあなたはお考えになりますか。
  75. 海部俊樹

    国務大臣海部俊樹君) 反対投票をされた方の御意見がどんな気持ちだったかとおっしゃいますが、いろいろな理由があったと思います。例えば先ほどお示しになったように、内容とか中身とか じゃなくて、採決のやり方がけしからなかったという立場で御反対なさった方も事実あるようでございますし、また消費税はいいか悪いかということだけで議論いたしますと、ほかのことを一切抜きにして議論すれば、あれはなかった方がいいという結論が出てくる場合だって多かろうと思います。  私たちは、そうじゃなくて、税制改革全体の中からやるんですからどうぞ御理解くださいといろいろ言ったんです。けれども、そういったことについて国民の皆さんに十分な御説明をする時間も努力も足りなかったということも今謙虚に反省をいたしておるわけです。いろいろな状況が含まれてあのような結果が出てきたものと受けとめさせていただいております。
  76. 久保亘

    久保亘君 私もいろいろな職業の方、いろいろなお立場の方と消費税について話をいたしております。国民消費税に対して無知だとおっしゃった閣僚もどこかその辺にいらっしゃると思うんだけれども、そういう認識が非常に間違いでないかと思う。  国民の皆さんは、消費税成立の過程は議会制民主主義に反するまさに悪法であるという認識があります。それから、消費税の中身についても、逆進性の高い、そして弱者いじめの、しかも大蔵省の試算でさえも四千八百億円、八%も国庫に入らないという大変不思議なこんな税制というものが租税民主主義にかなうのであろうか、これはまさに悪税である、こういう認識があります。執行段階に入ってからは、自分の生活を通じて、いかにこれが悪法に基づく悪税であるかということを国民は理解しているから反対しているのです。これを無知などというような言葉で片づけるところに今のあなた方の根本的な国民に対する認識の誤りがある、私はそう思うんですよ。その点についてどう思われますか。
  77. 海部俊樹

    国務大臣海部俊樹君) 私申し上げておりますように、国民の皆さんが無知だと言ったのではありません。私の受けとめ方は、国民の皆さんと会っていろいろお話をして、おたくの御主人の所得も税は安くなっておるはずですからというようなことを言うと、そうか、そんなことがあるのというような言葉がよく返ってまいりました。いろいろ説明をすると、そういったことをもっときちっと説明されたらどうか、もっとそういう努力をしたらどうかという声を私は随分聞いておりますので、よかれと思ってやったこと、いろいろきょうまでの批判にこたえて出しておる全体の税制改革のあるべき姿というものや必要性ももっと御理解いただくように、これは必要なんだということをなるほどとわかっていただくような努力を我々はもっとしなければならぬということを謙虚に反省しておると申し上げたわけでして、これはやっぱりやろうとしておる方がこれをお知らせする、徹底する、その必要があろうかと、こう思っております。
  78. 久保亘

    久保亘君 今総理がおっしゃったことに関連して、これから自民党の見直しなるものについて、選挙公約であり、選挙後総理が八月十一日、選挙に敗北した以上見直すのが正しい判断、こう言われたことがございますね。物の記録によればそうなっております。  それで、そういう立場に立って、見直しについて聞きたいんだが、その前にお尋ねしておきたいのは、おたくの政調会長もよくいろいろなところでおっしゃっておりますが、売上税も消費税も業者の意見はよく聞いた、それで業者の意見を中心に組み立てられた税制であった、消費者や台所の主婦の意見を聞くことが非常に少なかった、だから今度の見直しに当たっては消費者、台所の主婦の意見を聞いてやりたい、こういうことを言われておりますが、あなたも同じお考えかしら。
  79. 海部俊樹

    国務大臣海部俊樹君) 率直に申し上げますと、きょうまでいろいろな方の御意見を聞いてきたんですが、私は選挙の結果というものを顧みますときに、何かそういう立場の消費者としての、そしてお台所の主婦の皆さんの感覚というものから反発を受けたんではないか、そんなことも随分報道されたようにも私は思います。そういったことを大切にしなければ、定着するとか、御理解をいただくといってもなかなか難しいのではないだろうか、これは反省に立っての考えでございます。
  80. 久保亘

    久保亘君 政調会長の御意見にしても、今総理がおっしゃったことにしても、お聞きいたしますと、消費税にはその成立の前提に致命的な欠陥がある。消費税を実際に負担する人たちの意見を聞かずに、納税する側の業者の意見を大事に聞いてやったという、そこにもう出発点の大きな誤りがある。これは一遍直さなきゃいかぬ。  それを、きのうも聞いておると、本建築論なんという意見があったけれども、中に住む人の意見も聞かずに勝手にぶっ建てて、これが本建築だと言っているのはまさに悪徳地上げ屋的発想だ。私は、それはおかしいと思うんです。やっぱり消費者、そして特にその中でも台所の主婦ということをおたくの幹部の方々はしょっちゅう言っておられるが、それをどう大事にするかということならば、一遍やり直すのが本筋だと、こういうことを思うんです。  なお、見直しの御意見を承るに当たって、最初に私は、昭和三十六年十二月、政府税調答申の中で間接税に関して重要な部分を指摘いたしております、その点について大蔵省からその部分を御説明いただきたいと思います。
  81. 尾崎護

    政府委員(尾崎護君) 昭和三十六年十二月の税制調査会の答申、あらかじめ御指摘をいただきましたところを読み上げさせていただきます。  売上税は低税率で広く課税することにより、多額の税収を確保しうることがその特色であろう。しかし、このことはとりもなおさず、売上税が逆進的性格の強いことを示すものであり、この逆進的性格は、課税対象の選定、免税点の設定等技術的配慮によってかなり緩和されるであろうが、その程度にもおのずから限度があり、本質的性格を変えることはできないと思われる。個別消費税においても、売上税と同様に、間接税であることからくる逆進的性格を多かれ少なかれ持つていることは事実であるが、売上税と決定的に異なる点は、個別消費税の課税対象はきわめて限定されており、また、担税力との照応関係の観点から、税率、免税点等について、きめの細かい配慮がなされていることであり、一般的に言って、個別消費税の逆進的性格は売上税よりはかなり弱いものとなつていると思われる。したがつて、租税理論上、負担の公平という見地からみると、個別消費税のほうが売上税よりもすぐれていると言える。 このように書いてございます。  なお、売上税となっておりますが、この前の売上税とは全然別な、この当時は取引高税の時代でございます。
  82. 久保亘

    久保亘君 今その三十六年十二月の政府税調の答申によっても明らかなように、消費税、つまり、こういう消費税的な大型間接税の持つ基本的な欠陥といいますか逆進性、こういうものは完全に克服されることはない。負担の公平というような立場からするならば、個別物品税の方がより望ましいという立場をとられておったのであります。しかし、中曽根、竹下両内閣によってこのことは変えられていきました。  しかし、実際にこれを実施段階といいますか、執行段階に入れてみるといろいろ問題があることがすぐに明らかになった。だから、四月一日執行段階に入って、この七月に行われた選挙の段階で、既に自由民主党政府はこの見直しを主張し、着手せざるを得なくなったのであります。そして選挙が終わってから、見直しを進めるためにいろいろな努力をされた。党税調、政府税調、大蔵省のいろんな努力がございますが、その中で、党税調の会長を人身御供と言わせて更迭された。これは、私は自民党の内部に介入する気持ちはございません。しかし、消費税の見直しという問題と絡めてなぜ山中税調会長がかえられなければならなかったのか、彼は人身御供に何のためになったのか、それを聞かしていただきたいのであります。
  83. 海部俊樹

    国務大臣海部俊樹君) 自由民主党役員人事を一新いたしました。そのとき、内閣も非常に短期間であって、引き続き努力をしていただきたいと思う方もあったわけでありますけれども、この際はきちっと、自民党全体が結党以来のこの厳しい時期だから、一新をしてすべて心を新たにして出直そうということが総合的な判断の結果決まりましたから、内閣も党役員も全部一新をいたしました。高い次元に立って、そのとき山中税調会長もそれに御同意をいただいたということでございます。
  84. 久保亘

    久保亘君 いや、人身御供というのはどういう意味でしょう。
  85. 海部俊樹

    国務大臣海部俊樹君) 私はそのような考え方を持っておりませんし、そのようなことで言ったわけでもございません。本人がいかなる立場でおっしゃったのか、寡聞にして承っておりませんので、ちょっとここでお答えするわけにはまいりません。
  86. 久保亘

    ○久保亘君 山中さんは私は同県でございますが、その山中さんが今度の参議院選挙のときに、自由民主党の公認候補者の方の出発集会でもおっしゃったことは、リクルートにかかわったのは全部自民党から追放する、既に二人は追放した、あと残った十三人は必ず私がやる、こういうことをおっしゃっておられたんですが、実際には自分の方が税調会長を追われることになられたんじゃないかと思って、私は非常に不思議な感じを持ったんです。  しかし、これは人事の問題でありますからこれ以上お尋ねしても仕方がないのかなと思いますが、見直しのポイントというのについて、私さっき申し上げました政府税調、党税調、それから自民党の各都道府県運を通じての国民の意見聴取、大蔵大臣への手紙、こういうものによって得られておりますが、それぞれ既にそのポイントというものはクローズアップされてきているんじゃありませんか。これは大蔵大臣の方が詳しいでしょう。
  87. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 今お尋ねの点の前に、先ほどの総理の答弁に一点補足をさせていただきたいと存じます。  先ほど委員が御提示になりました三十六年の税調答申、確かに御指摘のような内容であります。しかしその当時は、例えば名神高速道路や新幹線の建設のために日本は世銀から金を借りなければならない時代でありました。今とは状況が全く異なっております。そしてその後、例えば昭和四十三年あるいは昭和四十六年、そして五十二年の中期答申というように、税調自身が意見を変えてきている経緯も委員御承知のとおりでありますので、この点だけは申し述べさせていただきたいと思います。  また、ちょうど参議院選敗北の直後に、党の幹事長として私は全国の各地方組織から八月いっぱいにそれぞれの都道府県内における消費税見直しについての意見をまとめてくるようにというお願いをした責任者でありますが、それが党の方に届けられ、今党税調の見直しのベースにもなっておると承知をいたしております。また、政府税調におきましても見直しの検討を今していただいておるわけでありますが、消費者団体あるいは福祉団体あるいは地方自治体等それぞれの分野の方々から御意見を伺いながら、その場その場に提起をされたものは皆見直しの対象とするという姿勢で臨んでいただいておりまして、現時点、特定項目に絞り込んで検討をしておるという状況は私は報告を受けておりません。  また、昨日までに全国から一万三千通を超えるお手紙をちょうだいし、まだ五千通台までしか目を通し切れておりませんけれども、それだけの方々が消費税について意見を述べようということで手紙を書いていただき、しかもその一通ずつが非常に真剣な手紙をいただいておることを私は大変幸せに感じておりますけれども、この中も完全に現状のまま固定しろという御意見から完全な廃止論に至るまで非常に差異がありまして、まだ全体の傾向をつかんでどうこうと言う状況にはございません。
  88. 久保亘

    ○久保亘君 そんなことはないでしょう。三塚政調会長ももう一月ぐらい前に、大体各都道府県連から上がった見直し点というのは四つぐらい。それから、あなたに来た手紙は大体こういう比率になっているというのを、大蔵省、まとめておられるでしょう。だから、そういうものの中で大体見直しのポイントというのは、どれを見直すかという問題とは別ですよ、見直しのポイントというものもまだ決められない、そんな状況なんでしょうか。
  89. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 決められないと申しますよりも、国民から見直しを求められましたものは、皆それぞれ検討の俎上にのせるということであります。ですから、それをどうこう絞り込むとか絞り込まないとかという状況ではございません。先ほど申し上げましたとおりであります。
  90. 久保亘

    ○久保亘君 では、聞き方を変えましょう。その主なる意見ですね、非常に多くの人から寄せられている見直しのポイントというのは何ですか。
  91. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 共通してありますことは、税率を動かしてほしくないということであります。また、そのほかには非課税品目の拡大を求められる方、あるいは免税点を問題にされる方、あるいはむしろ税額表示の方式について意見を述べてこられる方、強いて申し上げますならば非課税範囲の問題についての御論議と税額表示についての御意見が他に比べて多いという感じはいたしております。
  92. 久保亘

    ○久保亘君 福祉目的税に関する意見は余りございませんか。
  93. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) いろいろな御意見がございます。
  94. 久保亘

    ○久保亘君 大体私が、これは大変僣越なことでございますが、自民党都道府県連の意見の集約されたもの、それから大蔵大臣への手紙に要約される見直しのポイント、こういうものをちょっと調べさせていただきました。おおむね今あなたがおっしゃったようなことに集約されてきておりますね。そうすると、それらの見直しについて自民党の幹部の方がそれぞれ御発言になっておられるようでありますが、大蔵大臣、何をやれるかね、見直しは。
  95. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、私自身が税制調査会に見直しをお願い申し上げております責任者でありますから、そしてまた国民から声として出てくるものはすべて見直しの検討対象としていただきたいとお願いを申し上げております立場上、それについての意見は控えさせていただきたいと存じます。  ただ、一点申し添えさせていただきたいと思いますのは、私自身も福祉関係の皆様方にじかにお目にかかりお話を伺いましたが、その方々からも、福祉のために使ってほしいということと福祉目的税という特定財源をつくることとは別だという考え方が、私が予想したよりも強く出たという事実は御披露をいたしたいと思います。
  96. 久保亘

    ○久保亘君 これは言わないとおっしゃれば聞きようがないんだけれども、今政府税調に対していろいろお願いをしていると言われたんだが、政府税調の実施状況フォローアップ小委員会の加藤小委員長は、消費税には大きな矛盾はない、もし自民党が、党税調が見直しを出してくるなら、そのときに政府税調としては意見をまとめたい、こういうことで、政府税調自身としては見直しを行うことには非常に消極的な見解を述べられておりますが、このことについては海部さんどう思われますか。
  97. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員が御指摘になりましたような要約のされ方で報道をされたことは事実であります。しかし、私も心配をいたしましてその会見の記録をチェックしてみました。  そういたしますと、大切なところが一つ落ちております。それは、見直しのためにもっと時間が欲しいという一言と、十一月の半ばぐらいにと自民党は言っているがという記者クラブ側からの質問に対して、だからその作業がそのころにはまだできていないという十一月の、もっと時間が欲し いと言っておられるわけですから、自民党の方から早く出てくればそれに対しての意見は別に言わなければなるまいと、そういうトーンでありまして、政府税制調査会として見直しの答えを出さないというようなトーンとは違うと、私はその速記を読んで感じております。
  98. 久保亘

    ○久保亘君 そうすると、政府がお考えになっておる見直し、官房長官も枚方でおっしゃったそうです、十二月の半ばごろまでに見直しのポイントは決まるだろうと。そういうことには政府税調の中の論議というのは今度は間に合わないんですね。
  99. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 毎年暮れに予算編成をいたします場合、税制調査会は、次年度の歳入を確定いたしますために予算編成の直前までには税制調査会としての意見をまとめられます。そのタイムスケジュールに間に合わないということは、加藤小委員長は会見のときに述べておられないと思います。
  100. 久保亘

    久保亘君 もう一つ伺っておきたいのは、納税特例制度の見直しについては今回は見直しをしないということを自民党政調会長が御発言になっておりますし、また自民党の税調会長も難しいということを言っておられますが、これは今度のあなた方の見直しの対象とはならないんですね。
  101. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 党税調は党税調として今検討をしていただいておるわけでありまして、私自身その作業の内容を熟知しているわけではありません。しかし、そういう結論が出たとは私は伺っておりません。
  102. 久保亘

    久保亘君 まだあなた、見直し点が決まっていないのに結論が出るわけがないでしょう。  で、野党の考え方に対しては、先日もここで野党の密室協議などという不穏当な御発言がありましたけれども、野党は今度の提案については、四党の協議を行うたびにこれを明らかにして意見を求めているわけであります。これを密室協議と言われるならば、それは密室の中から見ている人が言っているのではないか、私はそんな気持ちがしてなりません。むしろあなた方の方が見直しのポイントすら明らかにせず、全く密室の中で見直しだ見直しだというかけ声だけやっているんじゃありませんか。本気でおやりになるんですか。
  103. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 少なくとも私の立場は、明年度の予算編成をいたしますためには、十二月の中旬か下旬にかかるぐらいまでには次年度の税制改正の内容は確定をいたさなければなりません。それまでに見直しの内容の固まりましたものは、当然次年度改正の項目の中に加えていかなければならない責任がございます。
  104. 久保亘

    久保亘君 時間が大変短くなりましたので、私の方からひとつ政府の考え方を野党の提案にかかわってお聞きしておきたいことがございます。  まず第一は、本来立法府の果たすべき使命は法律の改廃、制定であります。この立法府立法行為を受けて、政府はその法律に基づいて予算を編成し国会に提出することが憲法七十三条で定められております。したがって、代替財源論をあなた方が言われるというのは、これは憲法の規定からいってもおかしいのではないか。これ、総理、意見、いかがですか。
  105. 海部俊樹

    国務大臣海部俊樹君) 立法府でいろいろと現行の制度、仕組みを変えるときには、やっぱりそれに伴って必要になる財源はこうするんだということをお出しになるのが責任ある提案者の態度ではないだろうかと私どもは受けとめさせていただいております。
  106. 久保亘

    久保亘君 私は、あなた方から立法府にそれを要求する立場かということを聞いているんです。我々はそのことについて、政権を担当するという立場を踏まえながら国民の皆さんに対しては十分納得のいくものを示さなければならぬと思っている。別に我々が政府にかわってやるべきことではない。そのことをまず明らかにしておきたいのであります。  それから、消費税というのは財政の一部である、それは消費税だけで見てほしくないとおっしゃる気持ちは私はよくわかる。財政の一部であって、消費税の廃止にかかわる財源をそのまま消費税だけに限定して論議をしようという立場は、先ほど総理が言われたことと矛盾することになると私は思うんです。そういう立場に立ってお伺いしたいのは、自然増収の財政の中における位置づけについてであります。  これは大蔵省に、昭和三十一年十二月の政府税調答申の間接税にかかわる部分において自然増収の扱いが明示をされておりますので、そこをひとつ示していただきたい。
  107. 尾崎護

    政府委員(尾崎護君) 三十一年十二月二十五日の臨時税制調査会の答申でございますが、「売上税」という項目の中でございますけれども、前置きが若干ございまして、「財政需要の急激な膨張が考えられず、また、相当の租税の自然増収が期待される現状では、さしあたりその創設を見送るべきであるとの結論に達した。」、これは三十一年当時の財政事情を述べているわけでございます。
  108. 久保亘

    久保亘君 自然増収というのはいろいろな財政上の見方がございますけれども、しかしこの自然増収が従来減税等を行う場合にその調整財源として財政全体の中で検討されてきたことは、これは各年の大蔵省予算編成に当たってもそうなさってきたんじゃありませんか。
  109. 尾崎護

    政府委員(尾崎護君) 先ほど来大臣からお話がございますように、予算編成をいたしますときに、税制改正案を受けまして歳入の見積もりをいたします。それと歳出サイドの需要等を考えまして予算編成をしていくわけでございますが、その税制改正をいたしますときに自然増収を財源として考えるという感覚は実は余りないわけでございまして、税制改正をすると、その改正をした税制をもとにして来年度の税収収入がどのぐらいになるんだろうかという、そういう歳入見通しを立てるということでございます。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)
  110. 久保亘

    久保亘君 そのとおりというのは大変財政をお知りにならない立場だと思うんですが、これは、例えば去年あなた方は減税九兆三千億、増税六兆六千億、消費税を含めて。差し引き二兆六千億の減税になりますよということを国民に向かって宣伝をされた。そして、その二兆六千億というのは結果的には税収の増加によって調整されたんじゃありませんか。
  111. 尾崎護

    政府委員(尾崎護君) 税制改正が完全に平年度化した場合に六十三年度のベースにおきまして二兆六千億の減税効果を持つということを御説明しているわけでございます。そういう税制改正の影響が年々三年間にわたって及んでいくわけでございますが、その三年度の間の予算編成は、特例公債の脱却等の重要な問題も控えておりますので、そういう情勢の中で毎年度の予算編成に厳しく対応する、そういう意味でございます。
  112. 久保亘

    久保亘君 結局、我が国の税収の伸び率というのは、昭和三十一年度まで私さかのぼって調べてみましたが、昭和三十一年からこの方三十年余にわたって、前年の決算よりも翌年の決算が減少になったのは五十年の第一次オイルショックのとき一回だけであります。あとは全部税収は伸びております。この十数年は兆単位で決算実績は伸びてきているのであります。それをあたかも自然増収というのは非常に不安定財源要因のように言われるのはおかしいんじゃないですか。
  113. 尾崎護

    政府委員(尾崎護君) 我が国の経済が成長しているわけでございますから、決算ベースで比較いたしますと税収がふえるというのはむしろ当然のことであろうかと思います。  五十年度は、御承知のように、第一次石油危機の後の景気の落ち込みによりまして、たしか経済成長自体がマイナス成長になったときであるというように考えております。
  114. 久保亘

    久保亘君 その中で、例えば当初収入見込みとの対比で非常に落ち込んだ年がある。それは確かにこの二十年ばかりの間に六回ございます。中でも五十六、五十七年というのは急激な落ち込みがあります。しかし、それはなぜかというのには、元大蔵官僚でありました当院の議員として亡くなられた福田幸弘氏が「一大蔵官僚の眼」という本 をお書きになっておりますが、その中に、やっぱり一番原因の中で重視すべきは「財政当局の姿勢」と書かれております、「財政当局の姿勢」。  だからこれは、そのときにどなたが大蔵大臣だったか知りませんが、こういう方々が特別な、目いっぱいの上限ぎりぎりの組み方をしたために起こったのであって、しかし、その五十六年、五十七年といえども、決算ベースでいけばそれぞれ一兆円を超える税収の伸びとなっているのであります。だから、そういう中で自然増収というのはいつの場合でも次年度における財政全体の組み立ての中で財源といえば財源であり、その歳入歳出全体の中で税収の伸びというのはその中に組み込まれていくものだと私は思うんです。いかがですか。
  115. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は今、委員の御議論を全く否定をするつもりはございません。ただ、例えば六十一年度、御承知のように景気の落ち込みが心配をされ、当初予算を減額いたしましたとき、衆議院におきましても本院におきましても、その減額が甘過ぎると、もっと厳しく落ち込むのではないかということで、政府は委員各位からも大変厳しい追及を受けました。しかし、結果的にはこの年は逆に経済の立ち直りが早く、結果としてはむしろ大きく増益と言ってもいいような状況になったわけであります。それだけ不安定なものだということをまず申し上げなければなりません。  そして現在、御承知のように株と土地、そして円高、この三高と言われるもの、また原油及び金利安というものが今の日本のいわゆる自然増収と言われる計算見積もりの誤りというものを出しておると言われておるわけでありますけれども、例えば本年に入りまして、市場の実勢金利の動向に合わせて公定歩合は一・二五%既に引き上げられ、金利安という要因には変化を生じました。為替あるいは株につきましても、従来非課税でありました取引に原則課税という変化が生じた等々、この要因そのものに変化を生じております。  そして、何よりも申し上げたいことは、消費税という制度の廃止でありますから、その制度の廃止に伴う代替財源としては制度を持つもので充てるべきであるという考え方を基本的に私どもは申し上げておるということでありまして、逆に自然増収でそれを埋めるということになりますと、これは先ほど委員もちょっとほかの部分で御指摘になりましたような減税ということになりますね。しかし、それは代替財源とはまたおのずから異質の議論をさせていただくべきものになるのではないでしょうか。
  116. 久保亘

    ○久保亘君 この問題についてはまたいずれあなたと議論をさしていただく機会もあると思いますが、事実だけを私は今申し上げました。  物品税の問題について、消費税の創設によって物品税が廃止され、物品税は形の上では消費税の中に吸収されることになった。しかし、消費税を廃止すればまた物品税が残ってくるわけであります。  この物品税にいろいろ問題があると言われているが、物品税の矛盾とか問題点とかいうのは、歴代政府の物品税に対する対応が生み出したものも多かったのではないか。いかがですか。
  117. 尾崎護

    ○政府委員(尾崎護君) 消費税の中に吸収されたというお話でございますけれども、御承知のように物品税は生産者段階の個別の課税でございまして、消費税とは基本的に異なるところがございます。やはり、物品税は廃止して全く新しい考えの消費税というものができたというように私ども考えております。  それから物品税につきましては、御指摘がございましたように、物品税時代に見直しは行われてきているわけでございます。昭和十二年に臨時の特例、一年間限りの税として、十品目でございますが、対象としてできたのでございますけれども、それがそのまま恒久的な税となり、戦時中には百品目を超えるような、そういう税になったわけでございますが、それをシャウプ税制のときに整理いたしまして、いわば奢侈品課税という考え方をはっきり出しまして、そこで整理をする。その後も見直しを続けてまいりまして、小さいもので整理されたものもございますし、また新たに追加されたものもございますけれども、結局最終段階、消費税の導入により廃止されたときには八十五品目が対象として残っていたということでございます。
  118. 久保亘

    ○久保亘君 物品税の矛盾、不合理の象徴みたいに言われているコーヒー、紅茶の問題。コーヒー、紅茶は同時に昭和十四年に物品税を課せられたのであります。ところが、昭和二十四年、紅茶だけが政府によって外されたんです。だから、もともと紅茶は課税されていなかったのではありません。この矛盾はそのとき生まれたのでありまして、これを矛盾と見るかどうか。矛盾と見るならば政府がやったこと、私はこう思うんですが、いかがですか。
  119. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変申しわけありません。昭和二十四年といいますと、まだ私小学生でありまして、そのころまでさかのぼっての知識を持っておりません。
  120. 尾崎護

    ○政府委員(尾崎護君) 先ほど申しましたように、シャウプ税制以降やはり奢侈品を中心とするということで見直しが行われておりますから、そのときコーヒーは奢侈品、紅茶の方は外すような段階ではないかという判断が行われたのだと思います。
  121. 久保亘

    ○久保亘君 今私が昭和二十四年と申し上げたが、二十六年ですね。二十六年に非課税となっております。  それから緑茶も、昭和十六年に物品税が課せられたものが、昭和二十五年に非課税となっております。だから、こういう問題を、自分たちがやったことを矛盾の象徴のように言うことはおかしい。むしろそういうものは理由があってやったのなら矛盾ではない、そう言わなければならぬのであります。  時間が参りましたので、もう一つ聞いておきたいことは、法人税の問題について、一体日本の全法人は幾らか、そして法人税を実際に国税庁に納めている法人は幾つありますか。
  122. 岡本吉司

    ○政府委員(岡本吉司君) 六十二年分の法人企業統計、会社標本調査の結果でございますが、それによりますと、六十二年分の法人数が百七十八万三千四百三十四社ございまして、このうち欠損法人が九十三万五千四百三十二社ございますので、その割合が五二・五%でございます。逆数の四七・五%が有所得法人と、こういうことでございます。
  123. 久保亘

    ○久保亘君 申告課税所得上位五十社が公示されておりますが、この五十社の中で納められた法人税の率は幾らになりますか。
  124. 尾崎護

    ○政府委員(尾崎護君) お答え申し上げます。  昭和六十三年度中に決算期が到来した資本金十億円以上の普通法人及び保険業を営む相互会社の申告所得上位五十社の中で、申告所得金額に対する申告税額の割合を見てまいりますと、四〇%台のもの一社、三〇%台のもの四十三社、このうち三五%以上のものが二十九社ございます。それから二〇%台のものが六社というようになっております。  ただ、これは法人が利子とか配当とかにつきましてあらかじめ納付いたしました源泉所得税でございますとか、あるいは外国で納付した法人税を控除した後の税額、つまり法人税として納付された金額という面からとらえたものでありまして、これらの控除はいわゆる特別措置といったものではございません。いずれも所得税と法人税の二重課税あるいは外国と日本の二重課税を排除するためのものでございますので、控除後の法人税額は我が国の法人税の負担水準をあらわすものではございません。  そこで、これら五十社の源泉所得税及び外国税額控除前の法人税額の申告所得に対する割合を見てみますと、その割合は四〇・六%ということになっております。
  125. 久保亘

    ○久保亘君 申告所得の上位五十社の中で四〇%以上納めたのは一社しかないと。こういうこと が、従来宣伝されてきたこととは大変実情が違うということを私は指摘しておきたい。  最後に、総理にお尋ねいたします。  参議院における消費税廃止の審議の経過やその結果、今後それは進んでまいるわけでありますが、それをどのようにお受けとめになりますでしょうか。
  126. 海部俊樹

    ○国務大臣(海部俊樹君) 今後の進みぐあいを、私は参議院の皆様方の各党間の適切な結論が見出されるように、そしてまた将来に向かっての税のあるべき姿というものの御議論が繰り返していかれますように、見詰めさせていただきます。
  127. 久保亘

    ○久保亘君 最終的な決着は総選挙によってつける、こういうお考えをお持ちになりますか。
  128. 海部俊樹

    ○国務大臣(海部俊樹君) 途中の経緯その他は時間の関係で省かせていただきますけれども、民主主義政治というものがよって成り立っておるのは国民の皆さんの総意でありますから、選挙というものがこの前も厳しい事実をつくったように、選挙のときに我々は御理解をいただきたいと思っていろいろ努力をしておるわけでございますから、結論については、いろいろな前提を抜きにすればそのとおりだと思います。
  129. 久保亘

    ○久保亘君 どうもありがとうございました。
  130. 林田悠紀夫

    ○委員長(林田悠紀夫君) 以上で久保亘君の質疑は終了いたしました。(拍手)  明二十四日は午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十二分散会