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1988-03-28 第112回国会 参議院 農林水産委員会 5号 公式Web版

  1. 昭和六十三年三月二十八日(月曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  三月二十六日     辞任         補欠選任      久保田真苗君     八百板 正君      本岡 昭次君     一井 淳治君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         岡部 三郎君     理 事                 高木 正明君                 水谷  力君                 宮島  滉君                 刈田 貞子君     委 員                 青木 幹雄君                 上杉 光弘君                 浦田  勝君                 北  修二君                 鈴木 貞敏君                 初村滝一郎君                 星  長治君                 本村 和喜君                 一井 淳治君                 菅野 久光君                 諫山  博君                 三治 重信君                 喜屋武眞榮君                 山田耕三郎君    国務大臣        農林水産大臣   佐藤  隆君    政府委員        農林水産大臣官        房長       浜口 義曠君        農林水産大臣官        房予算課長    上野 博史君        農林水産省経済        局長       眞木 秀郎君        農林水産省構造        改善局長     松山 光治君        農林水産省農蚕        園芸局長     吉國  隆君        農林水産省畜産        局長       京谷 昭夫君        農林水産省食品        流通局長     谷野  陽君        食糧庁長官    甕   滋君        林野庁長官    松田  堯君        水産庁長官    田中 宏尚君    事務局側        常任委員会専門        員        安達  正君    説明員        国土庁地方振興        局過疎対策室長  広瀬 経之君        法務省入国管理        局資格審査課長  柴田 博一君        外務省アジア局        地域政策課長   小林 秀明君        外務省中近東ア        フリカ局アフリ        カ第二課長    天木 直人君        厚生省生活衛生        局食品保健課長  大澤  進君        厚生省生活衛生        局乳肉衛生課長  難波  江君        海上保安庁警備        救難部警備第一        課長       中島 健三君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○昭和六十三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)、昭和六十三年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)、昭和六十三年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)について  (農林水産省所管及び農林漁業金融公庫)     ─────────────
  2. 岡部三郎

    ○委員長(岡部三郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る二十六日、久保田真苗君及び本岡昭次君が委員を辞任され、その補欠として八百板正君及び一井淳治君が選任されました。     ─────────────
  3. 岡部三郎

    ○委員長(岡部三郎君) この際、御報告いたします。  去る二十五日、予算委員会から、二十八日及び三十一日の二日間、昭和六十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管、農林漁業金融公庫について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  佐藤農林水産大臣から説明を求めます。佐藤農林水産大臣
  4. 佐藤隆

    国務大臣(佐藤隆君) 昭和六十三年度農林水産予算について、その概要を御説明申し上げます。  昭和六十三年度一般会計における農林水産予算の総額は、総理府など他省庁所管分を含めて、三兆千七百十九億円となっております。  予算の編成に当たりましては、厳しい財政事情のもとで、財政及び行政の改革の推進方向に即し、各種施策について、予算の重点的かつ効率的な配分により質的充実を図るとともに、NTT資金の活用による公共事業の拡充を図り、農林水産行政を着実かつ的確に展開するよう努めたところであります。  以下、予算の重点事項について御説明します。  第一は、土地利用型農業の体質強化を目指し構造政策等を積極的に推進することであります。  このため、農業の体質強化の基礎となる農業生産基盤整備につきまして、NTT資金の活用により大区画圃場の整備等を推進するとともに、生産性の向上、農業生産の再編成等に資する事業に重点を置いて推進することとし、一兆二十二億円を計上しております。  また、経営規模の拡大を図るため、構造政策の推進体制の整備、中核農家及び営農集団の育成を進めるほか、新農業構造改善事業等による生産条件の重点的整備等を推進してまいります。  さらに、新規就農者を含めた担い手対策についても、農地等取得資金等の貸付限度額の引き上げ、新規就農者や大規模担い手農家に対する農地等の一時貸付制度の創設等により施策の充実を図ることとしております。  第二は、需要の動向に応じた生産性の高い農業の展開を図ることであります。  需要の動向に応じた農業生産の再編成を行いつつ、生産性の高い農業生産体制を整備するため、引き続き水田農業確立対策を推進するとともに、農業生産体質強化総合推進対策において、生産性の高い水田農業を実証するモデル地区を育成する等、低コスト生産を志向した施策等の充実を図ることとしています。また、農業生産資材対策においても、生産コストの低減に資するため、農業機械の高度利用等を推進することとしています。  さらに、畜産総合対策について、肉用牛生産の低コスト化と肉用牛資源の拡大の重要性にかんがみ、肉用牛対策の充実等を図ることとしております。  第三は、農山漁村地域の活性化を図るため、NTT資金を活用しつつ、リゾート地域の整備、農村の集落整備等を推進するとともに、定住条件の 整備、農村工業導入事業の拡充による就業機会の確保等を図ることとしております。  第四に、技術開発の推進等により、農林水産業、食品産業等の生産性の飛躍的向上等を図ることであります。  このため、二十一世紀を目指したバイオテクノロジー等の基礎的・先導的研究を重点的に推進するほか、産・学・官の連携強化による研究の拡充を図るため、官民交流共同研究を実施するとともに、研究交流の拠点整備を図ることとしております。  また、最近の情報処理技術の目覚ましい発達に対応して、農林水産業に係る情報システムの開発・整備を推進することとしております。  第五に、国民に健康的で豊かな食生活を保障する観点から、食生活をめぐる消費者意識の変化等に的確に対応するため、各般の消費者対策を総合的に推進するとともに、農林水産物の需給と価格の安定に努めます。  また、食品産業のニーズに合致した国産原料農産物の供給体制の整備、食品産業の技術水準の向上等、食品産業対策を充実するとともに、食品流通の効率化を進めてまいります。  以上申し上げましたほか、国際協力、備蓄対策を推進するとともに、農林漁業金融の充実、農業者年金制度、農業災害補償制度等の適切な運営等に努めることとしております。  第六に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。  国土の保全と林業生産基盤の整備を図る観点から、NTT資金を活用しつつ、治山、造林及び林道の各事業を計画的に推進することとし、三千二百五十五億円を計上しております。  また、国産材の供給体制を整備するため、川上と川下の連携のもとに地域材の産地化を推進するとともに、森林・林業、木材産業活力回復緊急対策を引き続き実施することとしております。  さらに、モデル木造施設の建設、間伐材の商品化等により木材需要の拡大を図るとともに、林業担い手の育成確保、森林機能の維持増進等を図るほか、国有林野事業の経営改善を強力に推進することとしております。  第七に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。  二百海里時代の定着等に即応した水産業の振興を図るため、第八次漁港整備長期計画及び第三次沿岸漁場整備開発計画を策定し、NTT資金を活用しつつ、漁業生産基盤たる漁港、沿岸漁場整備の各事業を計画的に推進することとし、二千百億円を計上しております。  また、我が国二百海里内の漁業開発を進めるため、新沿岸漁業構造改善事業(後期対策)を発足させるとともに、沖合養殖システムの開発等新技術開発、養殖業対策、資源管理型漁業の推進等を図ります。  さらに、水産物の流通・加工の合理化を一層促進するため、中核的な流通・加工施設の整備、水産加工施設資金の期限の延長等を行うほか、水産業経営対策の充実等を推進することとしております。  次に、特別会計予算について御説明いたします。  まず、食糧管理特別会計につきましては、消費者米麦価の引き下げ、良質米奨励金の見直し等を実施するほか、管理経費の節減等、食糧管理制度の運営の改善合理化に努め、一般会計から調整勘定への繰入額を二千六百二十億円とすることとしております。  農業共済再保険国有林野事業特別会計等の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。  最後に、財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借り入れ、生物系特定産業技術研究推進機構への産業投資特別会計からの出融資等、総額九千二百五十四億円を予定しております。  これをもちまして、昭和六十三年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
  5. 岡部三郎

    ○委員長(岡部三郎君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 一井淳治

    ○一井淳治君 これまでテーブルの設定自体が大変困難でございました対米牛肉、オレンジ交渉でございますけれども、大臣以下大変御努力いただきましてテーブルに着くことができまして、いよいよ御出発ということでございますけれども、この牛肉、オレンジの対米交渉に当たっての基本姿勢というものについてまず御説明をお願いしたいと思います。
  7. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) 牛肉、かんきつの問題につきましては、期限切れの時日が迫っている中でようやく話し合いのテーブルが用意されました。私といたしましては、今まで繰り返し申し上げてまいりましたように、牛肉、かんきつの自由化は困難であるという立場から、その事情を十分米側に説明し、その理解を求め、友好的かつ現実的な解決を図るため最善を尽くしてまいりたい、こう思っております。
  8. 一井淳治

    ○一井淳治君 この問題の重要性につきましては十分に御認識と思いますので、なお一層の御努力をいただきたいというふうに思います。  次に、牛肉の国内生産の問題に関してお尋ねするわけでございますけれども、農産物、水産物加工品なべて国内の消費が伸び悩みという状況がございます。そういう中で、牛肉だけが年率四ないし五%の安定的な伸びが期待できるということで、唯一の消費拡大が期待できる品目として酪農民からは非常に頼りにされておるところでございます。  ところで、ことしの二月五日の畜産振興審議会の企画部会の答申を見ますと、大ざっぱな表現をしますと、今後牛肉については輸入依存型の供給方法を明確に出している、すなわち、国内生産では需要に追いつかないというふうに決めつけられまして、輸入に依存しよう、そういうふうな基本方向が出されているように読み取ることもできなくはないわけでございます。  ただ、これまでも大臣は自由化は困難であるということで御努力いただいておるということでございますけれども、形式は自由化していないけれども、実質的には自由化と同じだというふうになりますと意味がないんじゃないか。消費が非常に伸びておる品目というのは他にございませんで、酪農民としては将来牛肉に依存しようという気が非常に強いわけでございますので、安易に輸入依存の方向に進まれないように、国内の肉用牛対策に重点を置いて畜産総合対策をもっと急速に充実していただきたい。本日のただいま大臣から御説明がありました説明書の八ページにも「肉用牛対策の充実等を図る」ということが書いてあるわけでございますが、その点を急速に強力に進めていただきたいというふうに思うわけでございますけれども、その点はいかがでございましょうか。
  9. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) 先生からお話がございましたように、今年の二月に昭和七十年度を目標にいたしましたいわゆる酪肉基本方針を畜産振興審議会の審議、答申を得まして私ども策定、公表をしております。  この中におきまして、御指摘ございましたように、七十年度の輸入量について現在よりも相当量ふえるという需給見通しを私ども明らかにしておりますけれども、これはお話の中にも触れられたように需要が大変堅調に伸展をしていくであろうという見通しのもとで、国内生産が必ずしも十分に追いつかないということを率直に明らかにしたものでございます。御承知のとおり、牛の生産は牛の生理的な制約もございまして、そう急テンポで増加することは大変困難がございます。現在国内の牛肉生産七〇%を占めておりますいわゆる乳用種部門につきましては酪農部門から供給をされるわけでございますが、酪農部門につきましては、牛乳、乳製品の需給がやや軟調に推移してきたということもございまして、乳牛頭数の増加テンポが一定の制約を受けるわけであります。  それから、国内生産の三〇%を占めますいわゆる肉専用種、和牛が中心でございますが、これに つきましては五十七年から五十九年にかけまして子牛価格が大変低迷をしたということもございまして、増殖の母体になります雌牛が相当程度屠殺された経緯がございます。したがいまして、今後に向けて肉専用種の頭数をふやしていくことには、土台になります雌牛頭数が大変縮小したというスタートをもって今後の展望を考えざるを得ないという状況でございまして、国内生産について各種の制約要因はあるわけでございますけれども、例えばF1の増殖、生産奨励あるいは受精卵移植といったような新技術の積極的な開発、普及といったようなことを織り込みまして、今回の基本方針の策定に当たりましても相当意欲的な生産見通しを策定しておるつもりであります。にもかかわらず、堅調な需要に追いつけないということの結果として輸入量の増加という見通しを持たざるを得ない状況でございます。  いずれにしましても、現在いろいろ問題になっておりますいわゆる牛肉輸入問題につきまして、大臣から申し上げました方針に沿いまして国内農業の大変重要な部門としてこれを位置づけ、積極的な生産施策を講じながら需給の安定に努めてまいりたいと考えておるわけでございます。
  10. 一井淳治

    ○一井淳治君 農水省の農政に関するいろいろな方針というものは非常に影響力が大きいわけでございまして、農水省が一つの方向に動き出しますと農業全体がそちらの方に行く。ところが、うまくいかないとまた迷惑をこうむるのは農民というふうな一つの歴史的な事実があったというふうに思いますけれども、最近、素牛が非常に高いとかいうことで国内の肉用牛の増産が難しいというふうに聞いておりますけれども、最大限のいろんな施策を講じていただきまして、今まで乳牛を屠殺等したことが原因であるから将来急速な肉牛の回復は困難なんだということで決めつけないようにして弾力的に施策を進めていただきたいというふうに思うものでございます。  これは言えば切りがないわけですけれども、結局、過去に肉用になる牛をそれほど屠殺等しなければ現在のような需給のアンバランスが起こらなかったというふうに考えるわけでございまして、ある程度長期的な見通しを立てながら、急カーブ急カーブに農政が変わっていくということはできるだけ回避されて、いろいろと弾力的な方策をおとりいただきたいというふうに要望申し上げたいと思います。  それから次に、牛肉の流通の合理化に関連して質問さしていただきたいと思うんですが、農林水産大臣が二月の十六日に公表なさいましたいわゆる基本方針でございますけれども、この十五ページのイのところで、牛肉の流通の合理化に関連いたしまして、産地における大型の食肉処理施設の整備、消費地における部分肉の集荷、供給等の食肉流通拠点施設の整備ということが挙げられているわけでございますけれども、これは現在どういうふうな状況なんでございましょうか。
  11. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) お話のございました酪肉基本方針の中で、今後の重要な政策課題としまして牛肉の流通合理化という問題がございます。その中で考えられる施策方向といたしまして、御指摘ございましたように、各般の施策が方向づけられておるわけでございますけれども、従来からこれらの施策を私ども進めてきております。  一つには、食肉卸売市場が中央、地方を通じまして整備されておりますが、これの施設の整備等によって、卸売市場における取引の一層の合理化を図っていくということが一つでございます。  また、最近、牛肉に限らず豚肉もそうでありますけれども、部分肉の取引が大変伸展をしてきておりまして、そのために部内肉流通の拠点になる施設を整備するために、既に川崎に部分肉流通センターという施設を整備してございますが、現在これを拡充すべく仕事を進めると同時に、大阪、名古屋といった流通の大きな消費量を持つ地域にこの部分肉センターを整備をするというふうなことで、現在関係者と準備を進めておるわけでございます。また、御承知のとおり、流通食肉の取引の合理化という観点から、この四月一日を期しまして、従来の枝肉格付基準を改定いたしまして、市場の実情なり需要の動向により応じた新しい格付基準を実施してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  また、従来から小売段階におきまして部位別の表示をした販売を行うよう指導してきておりますけれども、これは公正競争規約とも関係をいたしますが、そういった面におきまして、今後さらに流通の合理化に役立つ各般の施策を強力に進めていきたいということでございまして、私どもとしても基本方針に示された方向に沿った施策を整備推進していきたいと考えておるわけでございます。
  12. 一井淳治

    ○一井淳治君 「産地における大型の食肉施設の整備」ということが挙がっておるわけでございますけれども、これは具体的に言うと、例えば現在の食肉処理施設では十分に賄えないんで、例えば各県に何カ所かずつぐらい産地に施設を持っていくというふうな、そういうようなお考えなんですか。それとも具体的に言えばどういうふうな構想をお持ちなんでございましょうか。
  13. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) 失礼をいたしました。  御指摘のございました流通合理化対策の大変大きな柱としまして、産地における食肉処理施設の整備という課題がございます。御承知のとおり、従来地方公共団体等の運営をします比較的小規模の屠畜場で屠殺をして、枝肉製造までの行程を実施しておりましたいわゆる屠畜場が一般的な食肉処理施設としてあったわけでございますが、さらに最近におきます屠殺頭数の増加に伴いまして、こういった従来の屠畜施設では十分ではない。さらにまた、単に枝肉にするだけではなくて、産地において部分肉にして、部分肉の形態で流通をさせるというふうな傾向が強まっております。  そうしますと、従来の屠畜場施設ではそういった状況になかなか対応しがたいということもございまして、先ほど来いろいろ話題になっております食肉センター、総合的な食肉処理施設というものを従来から産地に整備をしてきておりますが、現在順次その整備を行っておりまして、五十年には六十五カ所程度であったものが、六十一年時点では八十九カ所が整備された状況になっております。  地域によりましてはまだいろいろな問題はございますけれども、こういった施設に対する需要がございますので、各地域の実情、御要望に応じまして所要の施設整備が進みますよう私どもも可能な限りの御援助をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  14. 一井淳治

    ○一井淳治君 もう一つ、さらにその点についてお尋ねしたいんですが、いわゆる大型の食肉施設を産地につくるということは流通の合理化のために非常にすぐれている、生きている牛を市街地まで持っていって市街地近くで屠殺するというのは時代おくれだというふうに思うんですけれども、現実には産地の方へ施設をつくるということが困難ではないんだろうか。そういうふうな企画が持ち上がったといううわさは聞くけれども、いつの間にか消えてしまうというふうなことが多いように思うんでございますけれども、これは、例えば年間何頭ぐらい牛を殺しておるところにはこんなふうな施設をつくるというふうな具体的な何か計画がございますんでしょうか。
  15. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) 私ども、産地食肉センターについては、合理的に経営が行われるために屠畜頭数について一定の規模が必要であろうというふうに考えております。  一応の基準を持っておりますけれも、必ずしも機械的にこれを適用するのではなくて、その地域の集荷能力あるいは経営的に採算のとれる処理規模というふうなものを考えながら、比較的弾力的に運営をしておるつもりでございます。ただ、こういった施設をつくる場合におきまして、率直に申し上げまして、地域によりましては施設の設置についていろんな御意見がございまして、こういう仕事をやりたいという方々が必ずしも意のごとく立地しがたいというふうな実情もございます。私どももこういう構想を持っている事業主体から いろんなお話を聞いておりますけれども、どうも受け入れ条件が必ずしも整備されていないために実現を見ていないという事例を若干私どもも承知をしております。
  16. 一井淳治

    ○一井淳治君 食肉の流通機構の合理化ということは、消費者にとりましては値段が安くなる、それからまた、消費者の需要に見合った商品が確保できるという意味で非常に大切であるというふうに思いますけれども、農水省の目が十分に流通機構の方に及んでいないんじゃないかというふうな心配もしておるところでございます。  実は私は、決算委員会の方にも所属しておりまして、畜産振興事業団から全肉連へ、全肉連から県肉連へという食肉の流れについての資料の提供をお願いしたことがございます。これは、別にとかくの疑惑があるとかいうのではなくて、一般消費者に対して、通常のお店の、肉を売る通常の小売店から一般消費者に渡る、ルートにすればこのルートが一番太いというふうに思って、勉強したいというふうな意味もありまして、一つの流れについてどういうふうな具体的な流通をしておるのか、価格とか量とか等の資料をいただきたいということをお願いしたわけでございますけれども、ちょっと厚い壁に当たったということがございます。それからまた、農水委員会でもいろいろそういった点について質問したいという希望がありましてお願いをしたんですが、どういうふうな肉の流れをしているかという具体的な問題については畜産振興事業団からなかなか資料がいただけないということで、農水省の目が余り及ばないんじゃないかという非常な心配もしておるわけでございますけれども、その点はどうなんでしょうか。今後流通の合理化ということを強力に進めていただきたいというふうに思うんですが、指導が徹底していないとなると非常に残念なわけでございますけれども、そのあたりのことについてお尋ねしたいというふうに思います。
  17. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) ただいま畜産振興事業団を通じまして各実需者団体に販売をされますいわゆる輸入牛肉の流通についてのお尋ねであろうかと思います。  御承知のとおり、輸入されます牛肉の約八割程度を現在畜産振興事業団が一元的に管理をいたしまして、国内の全国的な流通業者の団体を介して個々の業者の方に配分され流通しているわけでございます。それで、事業団を通じる牛肉の流通につきましては、畜産振興事業団が適正な流通が確保されるように第一義的な責任を負っておるわけでございまして、私ども事業団に対する指導を通じてこの流通の適正化を確保すべく努力をしておるわけでございます。したがいまして、資料の御提出についてやや手間取ったという状況があることにつきましては、私どもそういった状態で間接的な監督をしておるということをひとつ御理解を賜りたいと思います。  また、事業団から全国的な団体へ渡されました輸入牛肉の団体内部における配分あるいは規制等につきましては、その全国団体の責任において処理をされていくべきものということでございまして、私ども民間団体の個別の配分の仕方について逐一介入をしていくということは、事の性質上いかがなものであろうかというふうに考えております。  確かに、末端での流通を含めまして輸入牛肉の流通問題についていろいろ御議論があること、私どもよく承知をしております。畜産振興事業団に対する監督をより厳正、適正に進めると同時に、事業団からの買い入れを行い末端での配分の任に当たっております全国団体に対する一般的な指導というものは当然強化をすべきであり、その努力をしてきておるつもりでございます。畜産振興事業団を通じました輸入牛肉の流通のあり方につきましてはいろんな御議論がございまするので、畜産振興事業団におきましてその売買方法なりあるいはその運営につきまして厳正化を図るために、事業団におきまして検討を進めさせてきております。  特に、この問題は現在話題になっております対外交渉におきましても一つの課題になる事柄でございますので、これまでの改善努力を踏まえ、またこれからの対外交渉を踏まえまして、さらに必要な改善措置がありますれば、私ども、事業団なり関係団体に対する指導を行っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  18. 一井淳治

    ○一井淳治君 生乳の問題につきましても、いわゆる契約の文書化というふうな問題がございまして、法律の規定では、生乳の継続的な取引については契約を文書化しなさいという法律の規定があるんですが、これすら実現できていない。やはり流通過程の基本部分については農水省の目が届くようにしていただくということが、何といいましても、今後の流通過程の合理化のためには必要であるというふうに思うわけでございます。  生乳の問題についての質問をするわけではございませんけれども、例として申し上げたわけでございまして、それと同じように、畜産振興事業団が肉の配分については事実上独占しておるという大前提があるわけでございまして、その肉が消費者に対してどのように渡っておるのか、各団体でマージンをどの程度取っておるのか、具体的な配分をどのようにしておるのか、果たして公正な配分や取引ができているのかどうかということは調べてみないとわからないわけでございまして、現在消費者の方から非常に強い声が起こっておる中で、調べたいというふうに思うのは、これは国会議員として当然だと思うわけでございます。  何か隠し立てしなくちゃいけないことがあれば、何といいますか、帳簿等を出したくないということがあるかもしれませんが、特に悪いことがなければ何も隠す必要はないわけで、いわゆる農水省の監督権の発動ということでやっていただかなくても、対等の立場で、そういったところでいろいろ資料の提出を仲介していただくというお立場でもいいと思うんですが、何とか畜産振興事業団から消費者へ、どういう取引条件、どういうふうな経過をたどって肉が渡っているかということがわかるような資料を提供いただけるように御配慮いただけないでしょうか。
  19. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) 先ほど申し上げましたように、畜産振興事業団を通じて流通をいたします輸入牛肉につきましては、流通業あるいはユーザーの組織します全国的な団体に競りあるいは入札等によりまして引き渡しをされておりますが、全国団体からその構成員へ配分されるものはある意味で非常に商業的、私的な取引になるわけでございまして、その具体的な内容につきまして私どもが深く立ち入ってその内容を明らかにするように強制することは大変難しい問題でございます。  また、団体によりましてはそういった内部資料につきましてはいろいろ取引上の問題でもございますので勘弁を願いたいというふうな意向を持っているものもございますし、ただ、この事業団を通じました輸入牛肉が不当な流通マージンを醸成、つくり出すというふうなことになってはいけないということで総体としてのチェックは私どもしておるつもりでございます。  例えば六十一年の四月から、御案内のとおり、円高差益還元等々の観点から畜産振興事業団からの売却価格を順次引き下げてきております。六十一年四月と昨年の十二月の状態を比較してみますと、事業団の売却価格は実績として約二一%引き下げられておるわけでございます。一方、こういった流通経路をたどって流通をしております輸入牛肉の末端小売価格の状況でございますけれども、総理府の行っております小売価格状況を見ますと、先ほど申し上げました六十一年四月と昨年十二月の対比をしますと約二三%低下をしております。  両者を比較してみますと、大体パラレルに価格が推移しておる。事業団からのいわゆる卸売価格と末端の小売価格、総理府の調査に出てきております小売価格はほぼパラレルの動き方をしておりまして、大勢としては適正な価格形成が行われておるというふうに私ども考えておるわけでございます。
  20. 一井淳治

    ○一井淳治君 適正な価格がつくられておるかど うかは、やはり内部資料を見ないとわからないんじゃないか。先ほど入札を実施しておるというふうな御説明でしたけれども、これも契約を公正にするための入札であるというふうに思いますが、取引の実態を公表できないということは非常に残念ではないだろうか。何も新聞広告をして大っぴらにするということではなくて、例えば国会とかあるいは農水省とか、そういうふうな公的な立場からの要望があれば中身が見られるというふうな状況でないと流通の合理化はできないんじゃないかというふうに思うわけです。乳価の問題では、法に規定された契約書が成文化さえされていなくて、守られていないというふうなことですし、野放しにはなっていないんでしょうけれども、そういう現実がある。  畜産関係の流通の合理化というのは、もう長年の国民の願望でありまして、中身が、見ようと思えば見られる、公正かどうか中身を見ないとわからないわけですから、この中身を見得るような状況がないと公正が担保されない、消費者の方もいつまでたっても不満が解消できないというふうに思うわけでございます。重ねて質問して悪いんですけれども、もう一遍だけ御回答をお願いしたいと思います。
  21. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) 先ほども申し上げましたとおり、畜産振興事業団からの輸入牛肉につきましては、実需者なりあるいは流通業者が組織をします全国団体に対してまず一次的に入札等の方法によって売り渡されるわけであります。この段階についての配分状況については事業団の資料として当然私ども掌握をしておりまするし、これを必要とあらば御提出申し上げることは私どもやぶさかでございません。  ただ、民間団体でございます全国団体へ渡されたものがさらに構成員にそれが配分されていくということは、その各団体、民間団体の私的な取引行為であるわけでございます。この内容に立ち入って私どもが強制的に資料を取るということは、率直に申し上げまして不可能でございます。相手方の同意を得ていくことが必要でございまして、その同意のとれるものについては私どもこれを掌握することはできますけれども、かつまた、それを公開することについてはそれぞれの当事者の意向に従わなければならないものであるというふうに考えておるわけでございます。  私どもとしては、その事業団からの売却を受けた各全国的な団体が民主的なルールに沿い、かつまた、適正なルールに従って公平な内部での配分なり適正な末端での流通を指導していく、そういう任務を負っている団体でありますから、そういう任務遂行について常時指導をしていくということは私どもとしても当然心がけていかなければいけないことであるというふうに考えておるわけでございます。
  22. 一井淳治

    ○一井淳治君 仰せのとおり、民間団体でございますから、農水省が余り強力な介入をする、強制的な介入をするということは確かに問題があるわけでございますけれども、果たしてこの肉の配分が全国的に妥当になされているかどうか、マージンが不当ではないかという点を調べるために全国団体に対して協力を求めた場合、どうなんでしょうか。これは仮定の話になるんですけれども、その全国団体が強くて、農水省から要望したら断られる状態なんですか。それとも農水省が要望したらそういった資料は出してくれるような状態なんでしょうか。
  23. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) 各全国団体からの配分状況は結局は個別の業者ごとの配分問題になるわけでございます。これは御承知のとおりそれぞれの業者の方々、自分の営業内容については一定の秘密保持というふうなこともございまして、私どもがそのような要請をした場合に結構だという返事は必ずしも返ってきておりません。  ただ、先ほど申し上げましたように、事業団の売却価格と末端の小売価格の動向が大勢としてはほぼパラレルに進んでいるというふうな事実を掌握しておりますので、全体としては適切な流通なり価格形成が行われておるという判断をしております。ただ、私ども特別の問題がある場合につきましては団体に対する監督権を行使しまして、それなりの調査をすることもあり得ると考えております。だからといってそれを公開することについては、やはり当事者の同意が必要であるというふうに理解をしておるところであります。
  24. 一井淳治

    ○一井淳治君 今後、この流通の合理化ということを大きく前進させていただきたいと思うわけでございますけれども、肉の配分などは秘密があるようなものではなくて、それくらいは消費者の要望があれば何のためらいもなく出せるというふうな方向に持っていっていただけるように要望して、次の質問に変わらせていただきたいと思います。  今回、加工原料乳の保証価格が下げられる方向が出ておると思いますけれども、保証価格が下がると飲用向け牛乳の価格も引き続いて下がるんじゃないか、誘導的な効果があるんじゃないかというふうに思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
  25. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) 先般、六十三年度の加工原料乳に関する保証価格を決定したところでございます。結果としては、生産費が非常に低下をしておるということを反映いたしましてキロ当たり七十九円八十三銭というレベル、前年度に比べて三・五%の引き下げを決定したところでございます。  これに伴いまして飲用牛乳の価格がどうなるかというお尋ねであろうかと思いますが、私ども、生乳、飲用牛乳の価格につきましては生産者とメーカーの自由な取引交渉によって決まるべきものというふうに考えておりまして、直接この保証価格のレベルに連動してどうこうするという筋合いのものではない、あくまで取引当事者の自由な取引交渉によって決まるべきものというふうに考えておりまして、先生御指摘のような点につきましては私どもとしては言及すべきものではないというふうに考えております。
  26. 一井淳治

    ○一井淳治君 ただいまの局長さんのお考えどおりに事が運ぶべきである、保証価格が下がっても飲用向け牛乳に対してそれをどうこうして下げるべきではないというふうに私も思うんですけれども、現実にはそれに連動して下がる可能性も非常に強いんじゃないか。そういうことがないことを私は強く期待しておるわけでございますけれども、そういうおそれもあるわけでございます。  そういうことで、もし仮に連動して飲用乳まで下がるとなれば酪農民の打撃は非常に大きくなるということが予想されるわけでございますけれども、何か対策でもございますでしょうか。
  27. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) これは加工原料乳、飲用乳ともにでありますけれども、いわゆる生乳取引につきましては、先生御承知のとおり、現在の加工原料乳の不足払い制度のもとで生産者側の方は指定生乳生産者団体という、概して申し上げますれば県単位の農業協同組合連合会に集約をしまして、そこが窓口になってメーカーとの取引交渉をするという建前になっております。そういう制度のもとで指定生乳生産者団体とメーカーとの間でこの取引交渉が行われていくわけでありますから、その両当事者の間での話し合いでこの価格が決まっていくべきものであるというふうに理解しておりまして、この不足払い制度のもとで決められております価格決定メカニズムというものが適正に使われていくように側面的に私どもは指導をしておるところでございます。
  28. 一井淳治

    ○一井淳治君 次に、飲用乳の消費の拡大について質問をさせていただきますが、六十二年度は飲用牛乳の消費の伸びが好調でございまして、これは関係者の消費拡大の努力が実を結んだものというふうに思いますけれども、これの原因についてどのようにお考えなのか。  それから、今後この酪農乳業の安定的な発展を図るために牛乳、乳製品の消費拡大、特に集団飲用促進事業を積極的に進めるべきではないかというふうに思いますけれども、そのあたりのことはいかがでございましょうか。
  29. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) お話がございましたよ うに、六十二年度の牛乳、乳製品の需給事情を振り返ってみますと、六十一年度以前に見られなかった非常に顕著な需要の増加が見られます。特にそれは飲用牛乳に顕著に見られるわけでございますが、これは先生からお話のございました関係者がこぞって各般の消費拡大努力をしてきたということもあずかって力あったかと思いますが、私は二つの要因があったのではなかろうかというふうに考えております。  その一つは、大変好天に恵まれたことであります。飲み物でございますから、比較的温度が高い、あるいは乾燥しておるというふうな状況がこの飲み物需要を一般的に伸ばす。その一環として飲用牛乳が相当の伸びる要因を形成したというのが一つでございます。  それから第二点目が、御承知のとおり六十二年度から牛乳の取引の基準になります乳脂肪率を三・二%から三・五%に引き上げをされたわけであります。それを受けまして飲用牛乳の乳脂肪率も引き上げられました。その結果、消費者側から味のいい飲用牛乳というふうな評価を受けまして、全体として進捗をした各種の飲み物の需要増加の中で牛乳のシェアがやや回復をしたというふうな感じが第二の要因として考えられるわけでございます。  ただ、この現象というのは、ただいま申し上げましたとおり、非常に天気がよかったということ、あるいはまたちょうど取引基準になります乳脂肪率が変わった最初の年であったということが寄与していた面がございまして、この条件というものが今後常に確保されていくということはなかなか難しいのではないか、率直に申しまして、飲用牛乳あるいは乳製品需要については大変飽和状態に近づいておるという見方を私ども基本的には持っておりまして、先ほど申し上げました七十年度を目標にしました酪肉基本方針におきます牛乳、乳製品の需給見通しにおきましても、私どもとしてはやはり抑制的な見方をしていかなければいけないであろうというふうに考えておるわけでございます。  また、飲用牛乳の需要拡大で集団飲用というふうなことがマーケット確保のために大変重要ではないかということでございますが、もちろん集団飲用自体が一つのマーケット確保の手段でございますけれども、そのことを通じまして牛乳の飲用慣習が拡大、定着をしていくということも含めまして、例えば学校給食による飲用牛乳の供給に力を入れるというふうなマーケットの確保、拡大策を講じているところであります。
  30. 一井淳治

    ○一井淳治君 最近、高齢者の方のいわゆる骨粗鬆症が問題視されてきており、この発症の原因の一つにカルシウム不足があるというふうに聞いております。この牛乳はカルシウムの補給食品として非常によい商品だというふうに思いますので、高齢者を対象とした消費拡大策をさらに進めていただきたいというふうに思うのでございますけれども、いかがでございましょうか。  現在の酪農対策事業助成実施要綱によりますと、老人福祉法に規定する老人ホームに限定しておるようでございますけれども、消費拡大のためにはそれに限定すべき理由もございませんし、老人ホームに入っていない老人にとりましては非常に不公平ではないかという気もいたしますので、その点いかがでありましょうか。もっと老人ホームの方以外にも拡大するようにしていただけないでしょうか。
  31. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) 牛乳がカルシウム分を含んだ食品として大変有益なものであるということは私どももそう認識をいたしております。そういった意味で、特に高齢者の骨粗鬆症といったような疾病の予防にカルシウムを多量に含んだ牛乳の飲用をしていくということは大変有効なことであると考えております。そういった意味も含めまして、御指摘のように現在飲用牛乳のマーケットの維持拡大の一環としまして老人ホームにつきまして一定の飲用助成を行っておることは事実でございます。  ただ、これは非常にシンボリックな意味でございまして、元来この種の食糧の消費につきましては基本的には通常の消費活動の一環として受益者負担において行われるということが原則ではなかろうかと考えておるわけであります。したがいまして、一般的な飲用牛乳の普及活動の中で老人の方々に牛乳飲用の有効性を十分御認識いただくようなPRは十分私どももやってきておるつもりでありますし、今後またその拡大、強化を図っていきたいと思っておりますが、現在老人ホームについて行っている助成を一般的に拡大するというのは、先ほど申し上げました大原則から私どもとしては非常に考えにくいと言わざるを得ないのであります。
  32. 一井淳治

    ○一井淳治君 もう時間がありませんのですが、この実施要綱を見ますと、「老人の健康の維持増進及び牛乳飲用の普及促進に資するため」と、二つの要件でこれを実施するというふうになっておるわけでございます。この二つの要件からすれば、老人福祉法に規定する老人ホームに何も限る理由はない。それに準じた、あるいはその周辺の人たちには拡大すべきであるというふうに思いますので、長期的にそういった点もお考えいただきたいことを要望いたしまして、時間ですので終わりたいと思います。
  33. 菅野久光

    ○菅野久光君 まず初めに、先ほど一井委員からもお話がありましたけれども、大臣はあすの昼に牛肉、オレンジの問題で渡米される、そういう日程になっておりまして、新聞報道等では、自由化は困難だということを十分説明したい、こういうように行かれるお気持ちを述べておられます。本当に大変な状況の中で御苦労さまだというふうに思いますが、ぜひ頑張ってきてほしいということはどうしても申し上げねばならないというふうに思っております。  この問題、十二品目の自由化の要求の問題やら今度の牛肉、オレンジの問題などでアメリカ側が非常に強硬に、しかも自分の国ではウエーバーということで自由化を拒否しているのに外国には自由化せいというような、一般的に考えれば身勝手な要求ということについて農民やあるいは農業団体が感情的になるということは、ある意味で言えば無理もないことだというふうに思いますし、また、私ども議員として農民、農業団体の方たちから話を聞けば、そういうことになればもう大変なことになるなという事情もわかりますから、我々も反対だということも、これもまた当然なことであります。  そういう国民の声に背を受けて、いかに日本の国益を守るか。しかも今の政府とすれば、アメリカとは友好国だということでなるべく話し合いでおさめたいという気持ちでおられるんだというふうに思いますが、何といっても今アメリカは大統領選挙の問題を含めてもう本当に農業問題だけではなくて、水産問題も含めて頭にきているわけですね。これはけんかとは私は言いたくないんですけれども、けんかのときには相手が怒れば怒るほど片方が冷静になれば冷静な方が有利な結果を得ることができるというふうに思うんです。  そこで、農民や農業団体は飼料穀物を今六百万トンぐらい輸入をしているんですが、そのうちの五十万トンぐらいを米国以外から買おうというようなことを決めておるようですし、将来的には安定供給という意味から、一国から食糧を輸入するということは危険を伴うということなどを含めて、やはり幾つかの国から輸入をするというようなことが安定的な供給という面では欠かせないことです。しかし、現実的にはアメリカからその大半を日本の国が輸入をしている。アメリカが感情的になればなるほど日本の国民はアメリカが輸出する農産物を拒否するというようなことがやはり感情的に出てくるわけですね。そうすれば結果的にはアメリカにとっても有利ではないということになるのではないかというふうに思うんです。  その辺、非常に難しい問題ではありますけれども、相手がぐっと今感情的になっている。しかし、テーブルをつくるということは少しおさまったかなとは思いますけれども、そういう段階で渡米される大臣本当に御苦労さまだと思いますけれど も、ちょっとその辺の心境なども含めてお話しいただければと、このように思います。
  34. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) もういろんな場で同じような見解を示してまいりました。その考え方にきょうただいま現在変わったようなことはございません。ただ、今おっしゃいますように相当ないら立ちが向こうにはある。中川農林水産大臣以来のずっと話の経緯がある。そのいら立ちに我が方のまたいら立ちもある。そういうときに、農林水産行政の責任者といたしまして私自身は冷静に構えていかなければ、私にも言いたいことがありますけれども、テーブルができないうちに、私がテーブルをいよいよできなくしてしまうというようなことがあったのでは日本の国益にも沿いませんし、両国の友好にも沿いませんし、ぶち壊す結果になる。そういう意味で、私は冷静に今日まで対応をいたしてまいりました。  しかし、テーブルが一応できて話し合おうということでございますから、甘く見るというところまでは私は至っておりません。しかし、随分いろんな方々が向こうへ行かれたり、いろんな方々の御努力によって、もちろん我が国の中での論議等も逐一報道されておるわけでしょうから、日本の国内世論というものもアメリカ側でどう受けとめられたか予測はできませんけれども、とにかくいろんな方々がいろんなアプローチをかけてこられた。その中でやっとテーブルができたわけでございますから、私としては我が国の事情を十分申し上げて、そして理解を仰ぐ、そして現実的な対応を求める、できるならば合意をしたい、こういう願望を持ってここまで我慢してきたんですから、冷静に話し合いを進めてまいりたい。  今も、勝ち負けとかけんかという話がございましたけれども、私がけんかをしたんではもう終わりだ。私は守る方は余り得意でないんで攻める方の体質でございますけれども、それでも一生懸命我慢してここまで来ましたので、さらに向こうへ参りましたら丁寧に説明をし、十二分にわかってもらう。そして円満な解決ができれば幸せだなと、両国のためにとってもいいことだなと、こう思っております。もちろん、自由化は困難であるということは一貫して申し上げてきたところでございますので、そのことは今この場でも重ねて表明をいたしておきたい、こう思っております。
  35. 菅野久光

    ○菅野久光君 大変冷静な答弁をいただきました。  最近の日米関係におけるいろいろな問題、国民の間ではアメリカの言いなりになっているんじゃないかという気持ちが非常に強いわけです。そういう中で、今までの中ではたった一つ調査捕鯨ですね。これはアメリカのあれを押し切って、当初の予定よりは大分頭数などを減らしたりしましたけれども、調査捕鯨はああいう中でよくやったなということがあります。それから今度はこの問題なんですが、やはり最後の線、守らなければならないものはきちっと守るという今の決意を聞いて大変心強く思っておりますし、大臣が言われるような形での決着がつくように、成功を心から祈りたいというふうに思っております。  先ほど、畜産振興事業団のことについて一井委員から話がありましたが、いずれにしましても畜産振興事業団の監督責任は農林水産省にあるんですね。そうですね。
  36. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) そのとおりでございます。
  37. 菅野久光

    ○菅野久光君 私は、きょうこの問題をやろうとは思ってはおりませんが、ああいう形で汚職が出、しかも、食肉の割り当ての問題でもいろいろな形で国民の間で疑惑といいますか不満といいますか、そういったものがあったわけですから、そういう意味では監督官庁としての責任というものをしっかり果たして、今後国民の間に不信を抱かせないような行政を進めてもらいたいということだけ要請をしておきます。  次は、食品の安全の問題についてお尋ねをいたしますが、農畜産物の輸入の増加に伴いまして、輸入食品の安全性の問題についてはもうとりわけ国民が強い不安を持っていることは御承知のとおりです。  そこで、外国におけるポストハーベストを含めた農薬の使用状況とか、あるいは輸送中や保管中に防腐剤や病虫害防止用として使用されている農薬等の使用状況をどのように把握しておられるのか、それを明らかにしていただきたいと思います。
  38. 吉國隆

    ○政府委員(吉國隆君) 我が国におきましては、農薬取締法に基づきまして、ポストハーベストという形で収穫後に使用される薫蒸剤等の農薬につきまして、収穫前、栽培期間中に使用されます農薬と同様の規制がなされているところでございますが、外国におきましてポストハーベスト農薬の使用状況については、先般報道もされておりましたけれども、アメリカにおいて五十八品目のポストハーベスト用としての農薬の登録があるというような状況は承知をいたしておりますが、具体的な使用状況につきましては必ずしも全貌を把握しておるわけではございません。事例的に承知をいたしておるものとしては、例えばリンゴの処理につきましてべノミルというような薬剤を一定の濃度で散布するといったような使用方法について事例的に把握をしておるものはございますが、必ずしも具体的に全貌の使用状況を把握しているという状況ではございません。
  39. 菅野久光

    ○菅野久光君 現在そういうような状況ですが、今後もやっぱりつかめないから仕方がないんだということになるのかどうなのか、その辺はいかがですか。
  40. 吉國隆

    ○政府委員(吉國隆君) 外国におきましてそれぞれ国内におきます安全性の問題もあるわけでございますので、それぞれの国で法制度に基づきまして一定の規制のもとにポストハーベスト農薬の使用がされているというふうに理解をいたしておりますが、先生御承知のとおり、我が国の農薬行政という観点から申しますと、我が国の農薬取締法におきましては、国内で生産されます農産物の薬剤はもちろんのこと、農林水産物そのものを対象とする薬剤もこれは当然に農薬取締法上の農薬として規制の対象になっているわけでございます。農薬取締法は国内での農薬使用に関します規制法でございまして、これを通じまして一定の安全な薬剤の使用ということを担保しようとしておるものでございますが、外国におきます薬剤使用またそれの結果としての輸入食品の安全性、こういう問題は基本的には食品衛生行政の分野に属する問題であるというふうに私ども考えている次第でございます。  ただ、食品の安全性というものは非常に大切な問題でございますので、私どもも厚生省と御相談を申し上げながら、農薬行政の観点から必要な協力等はもちろんのこと、可能な対応はしてまいらなきゃならぬというふうに考えている次第でございます。
  41. 菅野久光

    ○菅野久光君 国内の問題については農薬取締法でやられることはよくわかっておりますが、問題はこれだけ輸入食品、輸入食糧というものが多くなってくる段階で、ある程度そこの国でどういうような農薬を使用しているのかあるいはこれは厚生省の監督になるんでしょうが、食品添加物を使用しているのかどうか、それが我が国の農薬取締法の関係ではどうなのかですね。我が国の食品添加物の許可していることとのかかわりではどうなのか。そういうことについて特段の調査といったようなことは意識的にされているのかどうなのか、あるいはそういうことは特別にはしてないということなのか、その辺はいかがですか。
  42. 吉國隆

    ○政府委員(吉國隆君) 私どもの農薬行政の立場からいたしますと、先ほど申し上げたような守備範囲になるわけでございますが、アメリカにおきましてポストハーベストとして基準のございます薬剤は一九八六年時点の調査で五十八品目ございます。その中で、我が国におきましてポストハーベスト用の農薬として登録のあります農薬が七品目、それから我が国においては栽培期間中の使用としての農薬登録のあるものが十二品目、それから我が国におきましては食品添加物として規制が行われているものが十二品目、その他が二十七品 目、こういったような関係になっておるというような実情は把握いたしているわけでございますが、つぶさに外国での農薬の使用状況がどうなっているかということにつきましてはなかなか私ども、今後も心がけはしていかなくちゃならぬと思っておりますが、つぶさにそれを把握しているという状況ではございません。
  43. 菅野久光

    ○菅野久光君 今までも、例えば農薬でEDBなどは、アメリカでは相当早くに発ガン性があるということで禁止にしたんだけれども、我が国ではそれから相当時間がたってからやっとEDBについては使用禁止ということに踏み切る、相当な時間差があるわけですね。だから、外国で発ガン性があるからということで禁止したものは即我が国でも禁止をするというようなことが私は必要ではないかというふうに思うんですよ。その後検査をして本当にそれに値するのかどうかは別にしても、まず危険性のおそれがあるということで、やはり私はそういう行政をすべきだというふうに思うんですよ。  農林水産省で「六十二年度食料品消費モニター第一回定期調査」、これをやりましたですね。ここでも安全性の検査は八割の人たちが希望している。それは国内に来たものですが、言えば水際でということで、輸出をするその国の段階で既にこのことがある程度はっきりさせることができれば、国内における検査の関係では件数それから量も非常に多いわけですから、水際で相当防ぐことができるのではないかというふうに私は思っているんですよ。我が国の工業生産物がどんどんアメリカに洪水のように輸出していると言うけれども、我が国の食料品も外国から洪水のように輸入しているわけですね。それに農薬あるいは食品添加物等があり、これが発ガン性だけではなくて遺伝子を破壊するようなものも含まれているということで非常に消費者の人たちは心配をしている。その結果がこの安全性の検査を八割ということに出ているというふうに思うんですよ。  ですから、食品を大量に日本に輸出する国については事前に何らかの形でチェックできるようなことにならないのかどうか、国内検査の問題はまた別ですが、事前にそういうことにならないのかどうか、その辺はいかがでしょうか。
  44. 吉國隆

    ○政府委員(吉國隆君) 今後も、私どもの立場としましては、外国における使用規制なり使用状況がどうなっているかということについては、できる限りの情報収集には努めて輸入食品の安全性という見地から役立てていただくような努力はしていく必要があろうかというふうに思っておりますが、我が国の輸入食品のチェック体制の中でそういったものが活用されるということがやはり基本でございまして、最終的にはチェック体制の問題ということになるのではないかというふうに思っている次第でございます。
  45. 菅野久光

    ○菅野久光君 とにかく、国民が安全性ということについて大きな関心を持っているわけですから、それに政府はきちっとこたえる。しかし、件数、量が物すごく多いわけですから、きちっとこたえるといっても一〇〇%ということは無理なのかもしれませんが、可能な限りの政府としての努力ということをするべきだ、しなければいけないんじゃないか。  かつて、武器を輸出する、それを死の商人、こう言ったんですが、今や、武器ももちろんそうでありますけれども、間接的な面で、国民の健康を侵すということからいえば、食糧、食品を良心的に――大方のところは良心的にやっているんですが、一部そうでない部分があるわけですね。そういう意味では一部の人は死の商人の部類に入ってくるのではないかというふうに私は思わざるを得ないわけです。国の安全を守るという意味では、国民の健康を守るということが何よりも一番基本的なことでなければならない。そのために、食糧の安定的な供給、安全な食品を安定的に供給するということが農林水産省の最大の役割だというふうに私は思っております。  実は私は学校の教員をやっておりまして、私のある先輩から、おまえ学校の先生をやったんだから文教で教育の問題もいいけれども、人間生きていくためには食べ物がなかったら生きていけないんだ、だから食べ物の問題をしっかりやれ、こういうようなお話がありまして、それで私は実はこの農林水産委員会に所属をしておるわけで、日本の将来にとって、日本民族にとって安全な食品の問題というのは、それはもう本当に重要な問題だというふうに考えているものですから、人が足らなければ人もふやしていく。自衛隊をふやさなきゃならぬという考え方を持っておられる方もいらっしゃるわけですから、それはそれで、その主張があることは私もわかります。しかし一方の、国民の八割の人たちが食品の安全ということについてもっと国でやってくれという要望が強いわけですから、行革で人を減らすということもあるところは必要だというふうに思いますけれども、しかし、どうしてもふやさなきゃならない、それが国民の大きな要望だというところについてはふやしてきちっとしてもらわないと困るんですね。  私は、前にもこの委員会で、食品の安全のことについて大きな問題だということで政府としてぜひ取り組んでもらいたいということを大臣に要望いたしました。今度の十二品目の問題、それから牛肉、オレンジの問題なんかも、それとのかかわりを含めてどうでしょうか。私が今お話ししたようなことについて大臣の所感があればちょっとお聞きしたいと思います。
  46. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) 今お話しの趣旨は、私もついせんだってもお答えした経緯がございますが、安全でなければ何が食糧か、こういう認識で、しかしまた、これが一つの、二元行政というと言葉が適当かどうかわかりませんけれども、厚生省の所管するものもある、立場もある、我が農林水産省が当然のことながらやっていかなければならぬこともある、これを両省で、縦割り行政で安全な食糧供給について国民から不信感を持たれないように一生懸命にやらなければならぬということで、予算委員会だったか衆議院だったかここだったか、ちょっと私失念をいたしましたけれども、厚生省の担当官には、皆さんの前で、厚生大臣にその旨よろしく我々の真意を伝えておくようにお話をした経緯もございます。そういうことで、私から直接厚生大臣にもこの考え方をその後に申し上げた経緯もございます。そういうことで、真剣にさらに取り組んでまいりたい、こう思っております。  行革でも、いろいろ行革の立場での意見もございましょう。ございましょうけれども、やはり一律的、画一的な物の考え方ではなくて、やはり重点的な処方というものはあるはずでございますから、そういう面におきましては毅然として主張してまいりたい、こう思っております。
  47. 菅野久光

    ○菅野久光君 私は、この食物安全のことについて非常に関心持ちまして、かつて東京の検疫所に行ってみました。狭いところで、新しい機械があったらこれからも使わなきゃならない機械も横の方へちょっとずらしておかなきゃならぬというようなことで、これじゃとてもとても大量に入ってくる輸入食糧、輸入食品の検査というのは国民の期待するようなことにならぬなということを、当時の厚生大臣、今国対委員長やっている渡部大臣でありましたけれども、申し上げたことがあるんです。  それで、ちょっとそのことにかかわって聞きますが、その後東京検疫所の関係で人員の問題やら、あるいは機械の問題なんかで、たしか昭和五十九年ごろだと思いますが、特段の、何というんですか、拡充強化策というものをやったかどうか厚生省の方にお聞きしたいと思います。
  48. 大澤進

    ○説明員(大澤進君) 輸入食品の安全確保は、申し上げるまでもなく大変重要だと私ども認識しておりまして、御承知のように、水際で食品衛生監視員というものを配置しまして、監視あるいはチェックをしているわけでございます。五十九年の時点では全国の数で六十七名の監視員が配置されていたんですが、六十二年度の今日の時点では七十五名になっております。行財政が大変厳しい折ではございますが、輸入食品の監視体制というも のについては、関係の皆様方も御理解は賜っていると思いますが、私どももこの人数で十二分だとは考えておりません。というのは、年々輸入食品が増加しておりますので、やはり今後ともそういう推移を見て増員を図っていかなきゃならない、あるいは機器の整備をしていかなきゃならない、かように考えておりまして、六十三年度の予算においても人員の増員とか、あるいは機器の整備等の予算等、監視体制の強化のための諸施策の充実をお願いしているところでございます。  ただ、今東京港あるいは横浜港とか特定の港について何人ぐらいふえたかは具体的な数字は私ちょっと手元に持ち合わせないんですが、間違いなく東京港においても人員の増を五十九年以来図っております。  以上のような状況でございます。
  49. 菅野久光

    ○菅野久光君 五十九年当時六十七人が今七十五人になって、八人もふえたんですね。輸入件数、輸入数量等から見てすごいふえ方だなと思っておりますけれども、自衛隊だと何百人単位ぐらいでばっとふえるんだけれども、これもっとやっぱりきちっとすべきだと。まあしかし、あなたに言ってもしようがないんで、機会を見て厚生大臣にまたお話をしなきゃならぬなとは思っております。  若干、具体的なことでお聞きしますが、新聞の報ずるところでは、米国産の豚肉から発がん性の抗菌物質が発見された。これは大きな問題になったわけでありますが、政府としてどのように対応したのか、その経緯等をお聞きしたいと思います。
  50. 難波江

    ○説明員(難波江君) お答えいたします。  本年二月に米国において、自国産豚肉からスルファジミジンにかかわる違反が多いというような情報を私ども入手したわけでございます。したがいまして、直ちに在京米大使館を通じまして事実関係の調査を依頼するとともに、二月十九日から米国産豚肉について輸入時、検疫所におきまして全ロットを検査するように指示したところでございます。さらに、既に輸入されております在庫分につきましては、都道府県にその検査の実施を依頼したところでございます。  その結果、現在まで輸入時の検査におきまして三ロットからスルファジミジンが検出されたために、当該貨物につきまして廃棄または積み戻しの処置を講じたところでございます。
  51. 菅野久光

    ○菅野久光君 その米国産の豚肉というのは、アメリカから証明書はつけてこなかったものですか。
  52. 難波江

    ○説明員(難波江君) 肉に関する衛生証明につきましては、先生御承知のように国内においてと畜場法という法律に基づきまして、疾病の排除ということで検査をしているわけでございます。それと同じように、輸出国におきまして、へい死したものとかあるいは病気にかかった獣畜の肉ではないという、検査をしたという証明はついてございますが、証明事項の中にこれら残留物質については特に規定がございませんので、証明書はついておりますけれども、スルファジミジンについての記載はございません。
  53. 菅野久光

    ○菅野久光君 それでは、へい死だとか病気だとかそういうことのあれはあるけれども、そういう抗菌性物質ですね、あるいは食品添加物だとかそういうものの証明というのはその証明の中には一切記載してないものなんですか。
  54. 難波江

    ○説明員(難波江君) 法律に基づく正式の証明書にはそういうものはございません。
  55. 菅野久光

    ○菅野久光君 それは大変なことですね。厚生省、米国農務省との話し合いで米国側が証明書をつけたものや、これまで違反事例のない処理場から出荷されたものは日本側検査を省略することを合意しているということですね。ですから、それらの証明については一切日本側では検査をしないでそのまま市場に出している、輸入を承認するということですね。
  56. 難波江

    ○説明員(難波江君) 先ほど御説明しましたのは法律に基づく正式な証明書でございますが、今回の問題につきましてアメリカの農務省から打ち合わせをしたい旨の申し入れがございまして、私ども担当官と打ち合わせをしたわけでございますが、米国の農務省が米国におきまして豚肉のスルファジミジンの検査を行って日本の基準に合っているというようなことを確認の上、それについて政府が責任を持って証明した場合に輸入時の検査を省略してもらえるかどうかという申し入れがございました。それらにつきましては純然たる食品衛生上の見地、純科学的な判断に基づくべきものであるという判断から受け入れることにしたわけでございます。現在、具体的な証明方法等について事務的に打ち合わせをしているところでございます。  なお、輸入食品全般についてでございますが、輸出国の公的機関が発給する証明書が添付されている貨物につきましては、そこにおいて証明されている事項については輸入時の検査の省略を従来からいたしているところでございます。
  57. 菅野久光

    ○菅野久光君 記載してある事項は検査を省略する、記載していない事項については検査をするということですね。
  58. 難波江

    ○説明員(難波江君) 一般論ということでお答えしてよろしゅうございましょうか。  証明書がついてきておりまして、記載してある事項について向こう側で正式にちゃんと検査してあれば、それはその事項は省略をするということでございますし、書いてない事項については必要に応じて、残留の疑い等があれば検査をするという体制で進めているところでございます。
  59. 菅野久光

    ○菅野久光君 向こうから証明をしてきたもので、こちらの方で相当数の検査というのはしているんですか、いないんですか。全くしないでそのまま承認をするというような形になっているんですか。
  60. 難波江

    ○説明員(難波江君) 御承知のように、輸入食品全般の検査の体制については食品保健課長の方からいろんなところで御説明されているところでございますが、一般論としては全部をやるということではなくて、細かい数字を私今持っておりませんが、検査率は五%前後ではないかというふうに承知をしております。
  61. 菅野久光

    ○菅野久光君 相手の国を疑うわけではないんですが、たくさん輸入されてくる中から幾つかのものの例えば抜き取り検査だとかなんとかということは、記載されてあることについては相手国を信用して一切やらない。そういうことになっているのですか。
  62. 大澤進

    ○説明員(大澤進君) 相手国、輸出国側の政府が認めた、いわば保証した検査機関において検査されたものにつきまして、もちろん、具体的にどういう項目についてどういう検査結果であったと、こういう証明書をつけてくることになっているわけでございますが、それにつきましては、私どもも対外的にそれを信用していこう、基本的にそういう考えで、輸出国の検査証明書を添付する方策というか、輸入時でのチェック、監視体制の一環としてそういうものを求めているわけでございます。しかし、それは原則でございまして、私どもも一般的に輸入食品に関して、特に衛生、安全上、国際機関とかいろいろな関係国その他のところから不断に情報を収集し、監視の際に資しているわけでございますが、そういう中でその輸出国でいろいろな問題が起きているとか出ているとか、こういう情報があるとすれば、やはりそれらの証明がついている場合であっても食品衛生上必要であれば念のためもちろん検査をしていく、あるいはさらに調査をする、こういうことは原則として堅持してやっております。
  63. 菅野久光

    ○菅野久光君 本当に恐ろしいんですよね、毎日食べるものですから、特に食品の問題は口から体の中に入っていくので。  私は、聞いたことがあるんです。それが真実かどうかはちょっとわかりませんが、アメリカの法律で、アメリカでは禁止をしていても輸入国が禁止をしていない農薬なり食品添加物は使ってもいいという法律があるということを聞いたことがあるんですが、それはそのとおりですか。
  64. 大澤進

    ○説明員(大澤進君) 先生御承知かと思いますが、それぞれの国がそれぞれの食品の安全なり衛 生について、当該国の食品の生産状況なり消費状況あるいは食生活の実態を踏まえて必要な規格基準なり規制をしているわけでございます。日本であれば日本独特の食生活、発酵を主とした例えばみそとかしょうゆ、こういうものは最近では諸外国でも使われつつありますが、めったに諸外国で使われていない食品もございます。逆に、日本ではめったに食さないで他の外国で食する、こういう食品もございます。そういうことで、それぞれの国で食品衛生、安全上必要であればそれぞれ基準なり規格基準を設定している。それは日本のみならずヨーロッパにしろアメリカにしろ、その他の国においても基本的にそういう考えでそれぞれ基準を設定されている。これが一つの基本原則になっているかと思います。  そういうことで以前から来ておったわけでございますが、一方、一九六〇年前後になりまして、各国が余りにもばらばらな規格基準を設定しているということは監視体制でのチェックの際あるいは貿易上の交流の点でもいろいろ支障を来す場合が多い、こういうことから、FAO、WHOは食品規格について国際的にできるだけ整合性を持たしていこうじゃないか、こういう考えで一九六二年以来そういう国際機関において各国が参加して、特に専門的な科学的なサイドから検討、議論をしてきている、日本ももちろんその後間もなく参加して、長年その機関において参加しいろいろな議論に参加し、しかも必要な情報をとっている、こんな状況で来ております。  そんなことで、先ほど御指摘の点でございますが、ある特定の品目につきまして、仮にアメリカならアメリカが規制してそれに対して日本は規制していない、あるいはその他の国が規制していなければ、それはあくまでも当該国の問題になるわけです。逆に、日本が規制しておりましてアメリカが規制していなければ、日本基準を必ずしも満たさなくてもそれは輸出できる、こういうことになります。ですから、例えば添加物なんかも、御承知のようにアメリカ日本では数にしろ種類にしろ必ずしも一致していないわけです。日本基準がある、アメリカ基準がない場合には、輸出する場合についてはそれはもう全くフリーに入っていける。逆に、日本基準がなくてアメリカ基準がある場合は、当然輸出する際はアメリカ基準を満たさないとアメリカ輸出できない、こんな状況になるわけでございます。一般論でございますが、そういうことになると思います。
  65. 菅野久光

    ○菅野久光君 たくさん輸出する国の方で規制をするものについては、我が国の方でもすぐそれに対応するような形をとってもらいたいということを、特にこの問題については要望しておきたいというふうに思います。  私、忘れないですから、何回もこういうことを尋ねますから、いいですね。  それでは、大臣の時間もありますので、農家の負債整理の問題についてちょっとお尋ねをしておきたいというふうに思います。  今度の畜産物の価格決定で、全面的な価格引き下げという残念な事態になったわけでありますが、この畜産の関連対策で、すでに終わった酪農負債整理資金などにかわる大家畜経営体質強化資金あるいは養豚経営合理化資金などの新設を目玉に生産経営と消費流通関係の二本立てを何か考えられるようでありますが、この経営強化、合理化へ向けての考え方、今の段階でお答えいただければそのことをぜひお聞かせいただいて、何か次の日程があるようですから、大臣にもひとつ体に気をつけて頑張ってきていただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。
  66. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) 概略申し上げまして、あと畜産局長から補足をさせますので、よろしくお願いをいたします。  酪農経営全体から見れば資産が負債を大幅に上回っておるということからして、おおむね順調な推移を見せておるということは言えると思います。しかし、急に規模拡大をしたところ、そういうところが非常に大きな負債を抱えていることも事実でございます。そういうような経営者に対して各種金融措置、個別指導などによって経営の改善に努めてきたわけでございますけれども、このたび酪農を含む大家畜経営を対象に、体質の強化にはやっぱり負債の問題、これをどうするかということが絡んでまいりますから、これを一層推進することといたしまして新たな資金措置を講ずることにした、こういうわけでございますので、その新たな資金措置、これにつきましては畜産局長から補足をさせますので、よろしくお願いをいたします。
  67. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたとおり、酪農及び肉用牛経営の体質強化を図る上で既往の貸付金の処理が大変大きな課題になっておるわけでございます。そこで、今般の六十三年度の畜産物価格決定に際しまして、六十三年度から五カ年計画でそのための新しい融資措置を講ずることにいたしまして、六十三年度から五カ年の融資枠といたしまして約一千百億円の融資枠を予定いたしまして、これを運営していくために必要な利子補給ファンドを造成することにした次第でございます。具体的内容についてはまた折を見て御報告をしたいと思いますが、償還期限が原則十五年、特認二十年、それから貸付利率については末端で四・〇五%、特認の場合には三・五%というふうな考え方でまとめてあるものでございます。
  68. 菅野久光

    ○菅野久光君 農家の負債の問題については、かつては酪農が、これは肉用牛も含めてですね、そこのところが大変大きな位置を占めていたわけですが、最近は稲作も畑作もということで、私はこの農家負債の問題を役所の人に聞きますと、いやいや、先生そんなこと言ったって借入金よりも貯金の方が多いんだと、だからそんなことになってませんよと、こう言うんですね。全く私は実態が本当にわかっているのかなという感じ、それと同時に一体、特に酪農肉用牛の問題については政府としての責任というのは、負債についての政府としての責任はないというふうにお考えになっているのかどうなのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
  69. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) 先ほど大臣からお答え申し上げましたとおり、酪農なり肉用牛経営につきまして一部負債問題が大変深刻になっている事態は私どもも承知をしております。こういった事態が生じていることについて行政側としての責任はそれなりに私どもも感じておるわけであります。したがいまして、従来からいろいろな金融措置あるいは個別指導措置をとっておるわけでございますが、基本は実際の経営に携わる方々の各般の自助努力が必要ではなかろうかと考えておりますが、私どももこういった事態を招いた経緯を踏まえまして必要な対策を適宜とっていくことにしたいと考えておるわけでございます。
  70. 菅野久光

    ○菅野久光君 政府にも責任があるというふうにお認めになりましたから、それはそういうことで、認めないなんということになったらこれはえらいことだなと思っておったんですが、そういう意識があるので、今度の畜産関連対策のこともいろいろお考えになっているんだろうというふうに思うわけです。特に畜産は、最初の段階からの資本投下に非常に無理があった。しかし、その後生乳の計画生産、これが始まる。そして価格は引き下げられる。これではもう償還の計画なんというものは全く崩れてしまうというような状況の中で、サラ金みたいにどんどんかさんでいく。しかし政府の制度資金だけは間違いなく返さなければならない、しかし返すだけの粗収入が上がらないから、結局プロパー資金を、利子の高いプロパー資金を借りるということで、全くサラ金のような状況になっていっているわけです。  時間もございませんからあとたった一つだけ。この負債の問題について、農業基盤整備事業、このことが大変な問題で、もう当初の計画からずっと長くなって、そして償還金も大変な負担になっている。北海道あたりも幾つかのところではそれをお返しをするというようなところまで出ているわけですが、これについて、予算があるんだから事業をやらなきゃならぬということで押しつける ようなことがないのかどうか。やれと言われて受けなかったら次のときにまた政府から意地悪されるということがあってはこれは大変だというふうに思うんですが、これも農家負債の大きな一因になっているんですが、その辺の認識はいかがでしょうか。
  71. 浜口義曠

    ○政府委員(浜口義曠君) 先生御指摘の公共事業の実施に関連する問題でございますが、農業の生産性の向上におきまして基盤整備は一番重要な点でございます。また全体の政府の施策として推進を図っていくということを各地域でいろいろの方々と御相談しながら行っておりますが、なおこの点につきましてはあくまでも農家の方々の自主的な発意といったようなものに依拠するわけでございまして、決して御指摘のような押しつけ、そういったようなものはないというふうに我々考えております。  なお、そういったような点につきましては十分運営等において配慮をしながら、注意をしながらやらしていただきたいというふうに考えておりますが、今回の予算におきましても大きな点、公共事業の推進ということに置いておるわけでございますので、農業の各般の施策の中でも重点を置きつつこの点の推進を図ってまいりたいと考えております。
  72. 菅野久光

    ○菅野久光君 終わります。
  73. 岡部三郎

    ○委員長(岡部三郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十七分休憩      ─────・─────    午後一時三分開会
  74. 岡部三郎

    ○委員長(岡部三郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和六十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管、農林漁業金融公庫を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  75. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 午前中に引き続き、質疑をさせていただきます。  明日から大臣は大変重要なお仕事でアメリカに渡られるわけでございますが、その御激励は質問の一番最後にさせていただくといたしまして、私は、本日は配偶者確保の問題と、それから二番目が捕鯨の問題、そして三番目が開発援助問題について、三本の柱で質問をさせていただく予定にしております。  まず、最近の実情よく御存じのところでございますけれども、農家のお嫁さんの不足なこと、これは大変深刻な問題になっておりまして、我が党でも東北にこのための調査に出かけたというようなことで、先般衆議院の武田議員の方からも御質問があったはずでございますが、農村における配偶者確保の問題について、まず大臣の御見解を伺いたいと思います。
  76. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) 農家の嫁不足ということにつきましては、地域によって問題の度合いが異なっておると思っております。また、農業に積極的に取り組み立派な家庭を築いている農業青年も相当いるということも承知をいたしております。しかし、基本的には、農業という産業が魅力があるかどうかということにかかわってくると思います。そういう意味において、私どもは無関心ではおられないというよりも重大な関心を持たなければならぬ、かように心得ております。
  77. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 そうした配偶者不足ということで、最近フィリピンなど東南アジアからのいわゆるアジアの花嫁さんを迎えて各市町村にというような話が出ておりまして、これに自治体が仲介に入るとか、あるいはその自治体の仲介のための業者の仲介というようなことが出ておるように伺っておりますし、また福島県等では、六十四年度から花嫁確保のためにブラジルから日系女性を招いて農村交流を行うというような、そういう話も読みました。したがいまして、私どもも実情をよく存じておりますけれども、農村青年にとっては花嫁を確保するという問題は大変大切な問題でございますけれども、一方でこういう国際的課題がかかわってまいりますとかなり意味もまたいろいろ出てくるんじゃないか、こういうことで農水省はその状況をどのように掌握しておられるのかお伺いします。
  78. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) 基本的なことだけちょっと私から先に答えさせていただきまして、今お尋ねの具体的な点は、その状況等については局長から答弁をさせたいと思っております。  国際化が進む中で国際結婚というものが随分ふえてきたのではないか、農村にも外国からの花嫁さんが云々ということでございますが、国際結婚でもうまくいっている場合もあるでしょうし、残念ながらうまくいかなくなった場合もあるでしょうし、これは一つの家庭をつくる、ファミリーをつくる上において、日本人同士であってもまたうまくいく場合とうまくいかない場合もあるようでございますし、いずれにしてもプライバシーの問題でございまして、それがいいとか悪いとかということを私自身はそう決めつけるわけにはいかない問題であると。しかし、先ほど申し上げましたように、嫁不足の点に大きな関心を持っておるということを重ねて申し上げさせていただきたい、こう思っております。
  79. 吉國隆

    ○政府委員(吉國隆君) 農村におきます外国人花嫁の実態についてどのように把握しているかというお尋ねの点でございますが、私どもの立場で全国的な調査をしているということはございませんけれども、新聞報道あるいは事例的な問題として若干の点を承知しているというのが現状でございます。
  80. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 先般、所信のときに、農村における女性の地位の問題についてお尋ねをいたしましたけれども、いろいろかかわっておるというふうに思うんですね。これは名城大学の光岡先生がなさった調査でございますが、農村の青年と若い女子に対してアンケートをとられた調査があります。これは一々にわたって申し上げられませんけれども、なぜ結婚難が起きるのかというようなことに対しての項目別の条件を挙げてみると、男子、女子ともに、農業労働が厳しいとか、農業労働時間が長時間にわたるというようなことが大変大きな比重を占めております。それからまた農業収入が不安定、あるいは農業の収入が少ない、これをあわせてもう一つ大きな山ができております。それともう一つ、これは女性の方に大きなグラフの山が出てくるわけでございますが、農山村の因襲の問題、それからまた農家の因襲の問題、あるいはまた農村地域における女性の地位の低さ、あるいはまた未確立状態にある女性の権利の問題、これが一つの女性の側からすると大きな山になっている。  一々の数字を申し上げている時間がございませんので、これが三つの柱になる顕著な理由であろうというふうに思うわけでございます。これを全部総合いたしますと、さっき大臣が言われたように、つまり日本の農村には若者にとって魅力がない、こういうことに尽きるわけでございます。  一方で、魅力のない農村に対して、だから海外の女性を引っ張ってくる、こういうことになりますと、グローバルな視点から見ても女性の権利の問題あるいはまた地位そのものの問題にもかかわって、これは大変ゆゆしいことではないかなというふうに思い、私自身も海外からの、特にアジアの花嫁さんの問題については大変関心を持っておりましたところでございますが、先般こうした農村における国際結婚の問題についてシンポジウムが開かれたことも承知をいたしております。その席で、フィリピンの女性の一等書記官がこれは日本の国としても非常に問題の行為だということで発言をしておられるわけですね。そのことの中身は、行政が仲介をするということはいかなるものであろうか、あるいはまたそこにさらに業者が絡んでくるということはいかなるものであろうかというようなことで、質の悪い業者になりますと仲介料を取って、結婚のあっせんを金もうけの対象にしているというようなことに対して大変遺憾の意を示しておるわけでございます。  一方で、日本のそうした実情に対して、フィリピンの女性が結納金だけをもらって逃げてしまったとかいうような問題も逆にまた起きておりまして、扱い方の問題いかんによっては国際問題にも発展しかねない状況の中身があるのではないかというふうに私は思いますが、外務省はこういう問題に対してどのような見解をお持ちかお伺いいたします。
  81. 小林秀明

    ○説明員(小林秀明君) ただいま先生御指摘の、最近の我が国でのいわゆる外国人花嫁問題につきまして外国での取り扱いぶり、注目のされ方の点でございますが、これまで一部のアジアの国で新聞報道等が行われたことはございます。他方、外国の政府から直接日本の政府に対しまして特段の申し入れといったようなことが行われた事実はないわけでございます。  しかしながら、今後例えば外国人花嫁のあっせんに関連して非常に多額のお金の受け渡しがなされるといったような事実が明らかにされるような場合には、諸外国の人々よりの批判を招いて、また我が国のイメージを損なうといったような問題を生ずるおそれもなしとしないというふうに考えておりまして、外務省といたしましても今後ともこの問題に関連する内外の動きに十分の注意を払っていくというふうな考えでおります。
  82. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 私、フィリピン大使館のアンガーラさんは知っておりますけれども、大変物をはっきりおっしゃる方でございますが、しかし良識人なんですね。あの方がこういう発言をなさるということは、やはり母国、つまりフィリピンにとっても非常に屈辱的というか、衝撃的な事態になってきているということの認識のもとにそんな発言をされておるのではないかというふうに思います。その後このシンポジウムのほかに各種マスコミにも登場して同じような発言を続けてきておられますので、私は大変に心配をしておる者の一人でございます。  今、外務省に対してはフィリピンから直接国対国の間での申し入れ等いろいろあったわけではないというようなことが御答弁ございました。  法務省にお伺いいたしますけれども、こうした国際問題、つまり国際結婚の難しさをいろいろと問われている中で、日本人の農村男性と結婚をした女性が、これは既に秋田県のある町の問題があらわれておるようでございますけれども、離婚をした。そしたらば離婚をしたその直後からこの女性は日本にいる理由がないわけですね。それで直ちに帰国であると。しかし、子供がいるというような場合にこの女性はどんな扱いを受けるのかというようなことも含めまして、法務省にいろいろフィリピン国から申し入れがあった、要請があったと聞いておりますが、これはいかがでしょうか。
  83. 柴田博一

    ○説明員(柴田博一君) フィリピンの方からそういう申し入れがあったというふうには聞いておりません。
  84. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 それでは、法務省の見解としてはただいまのような事態をどのようにお考えでございますか。
  85. 柴田博一

    ○説明員(柴田博一君) 外国人が日本人と結婚しました場合には、日本人の配偶者ということで日本に在留しています。これを在留資格と申しますが、この在留資格がなければ日本に在留することができないわけでございます。したがいまして、離婚しました場合には、この在留資格がそのままでは日本におられなくなる。日本人の配偶者でなくなりますのでおられなくなる、こういうことになります。  離婚した後も日本に在留したいという場合には、在留資格の変更の手続を受けなければならない。変更の申請がありました場合には、法務省といたしましては、その外国人の日本人との婚姻歴、婚姻の期間ですね、それから日本における在日の経歴、あるいは家族状況、そういったものを個別に審査しまして在留を許可するかどうかを決めております。
  86. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 朝日新聞の二月二十一日の記事では、フィリピン大使館は、日本人男性と結婚したフィリピン女性が離婚した場合、日本滞在は許されないと子供を置いて帰国をせざるを得ないケースがふえてきているので、法務省に善処方を要望しておるということが載っておりますので、これはまた後に調べていただきたいと思います。  それから、国土庁にお伺いをいたしますけれども、結局こうしたお嫁さんがなかなか農村青年のところへ来ないということの問題で、その仲介に地方自治体が入っておるということから自治省にお伺いをしようかと、トラブルが起きたときの責任なんかについては、仲介に地方自治体が入った場合にはどういうことになるのかという質問を私はしようと思っていたらば、この仕事は自治省というよりは国土庁さんの所管に入るんだそうですね。  それでお伺いいたしますけれども、農業の発展とか、地方の振興を図っていくためにも、こうした問題というのは何かいい手を講じて解決されていかなければならない、対策が講じられなければならないということなんですが、国土庁はこういう問題について何をしていただけるわけですか。
  87. 広瀬経之

    ○説明員(広瀬経之君) 国土庁の過疎対策室長でございます。  先生御質問の前段でございますが、地方公共団体、まあ市町村でございますけれども、市町村が仲介をいたしましたそのアフターケアということにつきましては国土庁として直接ちょっとお答えする立場にないと思いますので、御勘弁願います。  後段でございますけれども、配偶者不足の問題は大変深刻であるということで、私どもも心を痛めておるわけでございますが、究極の解決ということで私ども常々考えておりますのは、やはり過疎地域の振興、過疎地域の活性化ということでもって地域の若い女性にとって魅力のある地域にぜひともすることである、こういうふうに思っておるわけでございます。昭和四十五年以来、過疎法に基づきまして私ども過疎地域の振興をしてまいりましたけれども、今後とも関係省庁あるいは地方公共団体等と各般の振興施策について積極的にこれを講じてまいりたい、このように考えておるところでございます。
  88. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 大臣、今国土庁さんが答えられたように、過疎地域市町村対策というものの一環にやはり配偶者確保対策が入っておるのでございます。結婚された方のお祝い金を地方自治体が贈呈するとか、あるいはまた仲人の役を果たした人に謝礼金を出すとか、あるいはまた結婚奨励のためのさまざまな施策ですね、出会いの場をつくるためのいろんな施策というようなことが国土庁の政策の中に入っているんです。したがいまして、そちらの方ともいろいろと御連絡等をおとりになりながら、しかし、私は結婚の問題というのは、さっき大臣が一番最初言われたように、人間一人対一人の課題なんですね。それに私がごとき者が大きな声を出しましたり、それから大臣が御発言をされたりという中身のものでないことは確かなんです。確かなんだけれども、やはりそういう問題を提起しなければならない課題が露呈していることは確かだと思います。もう一度御答弁をお願いいたします。
  89. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) 結婚の問題は男女それぞれの固有の権利というか、お二人で決められるべき問題である、それ以上のことはプライバシーの問題もこれあり、なかなか触れにくい問題でございます、触れられない問題でございますと、これを繰り返し申し上げておきます。  しかし、そうは言いながらも、国際化の中で国と国との間の不信感の一つになったのでは、日本の国益を考え、日本の今日の立場を考えればほっておいていい問題ではない。大きな関心を持たなければならない。我が農林水産省として考えまするならば、せっかく結婚された方がうまくいかれるように念じながらも、それはそれとしてお二人の責任においてなされるべきことであるとしても、やはり農村環境を取り巻く情勢、農業それ自体の魅力、こういうものがもう少しわかりやすくなっておればあるいは問題が起きない場合もあ る。その一つの要素にはなるのではないか、考えれば。いよいよ関心を持たなければならぬ、こう思っております。
  90. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 特に、結婚に至るプロセスの問題を社会的問題として取り扱われているようでございまして、本来一対一の合意で進められていかなければならない、今おっしゃられた大事な結婚という問題が、いろいろな要因が入ってきて、しかも、例えばお会いもしないで結婚が成立していたとか、一週間で決まったとか、そういうのがいっぱいあるんです。私も聞いてきました。それでやはりこれは問題だと思うので、今大臣がおっしゃるように、重大な関心を持っていていただきたいことをお願いいたします。  次に、捕鯨の問題についてお伺いをいたしますが、先般所信のときにも捕鯨の問題が少し出ましたので、私も現在行われております調査捕鯨の問題についてはいろいろ認識をさせていただいたわけでございますけれども、確認をさせていただくということで、六十二年十二月二十三日出港した調査捕鯨団が、一月十五日から三月二十日まで作業して三百頭を捕獲し、四月中旬には横浜に帰港の予定と、こういうことになっておるわけでございますが、この間にアメリカはPM法、つまりパックウッド・マグナソン法を発動したということ、これは約束違反じゃないかなと私思うんですけれども、これいかがなものか。  それからさらに、アメリカはペリー修正法、これを発動することを検討しているということでございますけれども、その見通しはいかなる形になっていますか。  以上でございます。
  91. 田中宏尚

    ○政府委員(田中宏尚君) 調査捕鯨につきましては、計画どおり行いまして去る二十三日に捕獲調査を終えて現在日本に向かって帰国中でございます。この調査につきましていろんな経緯がございましたけれども、我々といたしましては国際捕鯨取締条約、この規定で当然加盟国の権能として調査ということは認められておるということで対応してきているわけでございますけれども、アメリカとの関係では昨年二度にわたりまして協議を行いまして、我が国の調査の実施に対しますアメリカの理解というものもかなり実質的には進んだという受け取り方をしておりましたし、それからアメリカ政府の示唆に応じまして、IWCの科学委員会特別会議というものもわざわざ開催していただきまして、そこでの科学者による議論というものも行ってきたわけでございます。  したがいまして、こういう経緯にありながら、その後、今お話がありましたように、PM法を発動したということにつきましては我々といたしましては非常に遺憾なことであるというふうに受けとめているわけでございます。過去二回、いろんな会談を重ねてまいりましたにもかかわらず、こういうPM法の発動に至ったというアメリカの国内のいろんな動きにつきましてはアメリカ国内法の適用の問題でもございますので、我々から云々することはできませんけれども、いずれにしても、こういう二回の会談とそれから国際捕鯨条約上も調査捕鯨ということが是認されているということからいいまして、我々といたしましてはPM法の発動そのものについて善処方をいろんな形でアメリカ側に求めておるわけでございます。  それからさらに、ペリー修正法の適用がここのところ云々されているわけでございますけれども、これもアメリカ国内法の運用の話でございますので、我々といたしましてはアメリカ政府部内がどういう方向に動いておるか、いろんな形で接触はしておりますけれども、正確な情報は承知しておりません。
  92. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 六十二年の秋でございましたか、当時の水産庁長官でいらした佐竹長官が渡米なさって、そしてアメリカ側と折衝して、そしてそこのところは非常に話し合いがうまくいったやに私どもは聞いておりましたし、日本の立場は十分理解されたんじゃないかというふうに私思っていたんですけれども、こうした制裁措置が出されるということになれば、これは当時の話し合い、十分理解されていなかったのではないかというふうにも思えるんですけれども、この辺いかがでしょうか。
  93. 田中宏尚

    ○政府委員(田中宏尚君) 当時の折衝の経緯といたしまして、日本の立場について相当程度の理解が深まったことは事実でございますけれども、ただ会談なりいろんな接触の中でPM法なりペリー修正法の証明をしないという約束は残念ながら当時の経緯においても具体的にはなかったわけでございます。しかし、アメリカ側から科学特別委員会でもう少し多くの科学者の意見を客観的に聴取したらどうかというような示唆もあり、それに基づいて先ほど申し上げましたように特別委員会まで開催したということの流れから言いまして、当然アメリカ側も我が方の考え方につきまして相当の理解があるということで我々も進んできたわけでございますけれども、アメリカ政府内部なりあるいはアメリカ政府を取り巻きます環境団体の動き、それから国会との関係等々常に動いておりまして、そういうものの集結といたしまして残念ながらPM法の証明ということが二月に行われたという経緯に相なっておる次第でございます。
  94. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 ペリー法が発動された場合には、七万一千トン、七百六十六億円、八六年ペースでの我が国の水産物の輸出、これが全部ストップしてしまうのか。そうすると大変な打撃を受けるということで、我が国はガット違反としてそれを提訴する方針のようなものも新聞で読みましたけれども、このペリー法が万々が一発動する場合の可能性を見ながらどう対応していくんですか。
  95. 田中宏尚

    ○政府委員(田中宏尚君) ペリー修正法は、相手国といいますか、具体的には日本国からの水産物の輸入の禁止なり制限、こういう権能を大統領に付与しているという形でございますので、こういう非常に幅の広い権能でございますので、仮に発動する際に具体的にどういう中身で発動するかということは、これは皆目我々としても推測がつかないわけでございます。しかし行き着くところまで行きますと、ただいま先生からもお話しありましたように、日本からの輸入の総体を禁止するということも可能な規定になっておるわけでございます。しかし、これにつきましては明らかにガットの条約上問題があるということは我々としては従前からアメリカに対しましても注意を喚起しているところでございまして、仮にこういうものの発動という事態になりますれば、我々としてもガット提訴を検討せざるを得ないという立場に相なろうかと思っております。
  96. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 場合によってはガット提訴もやむを得ないということになりますと、大変泥沼の事態になるわけですね。私どもは、できればそうしたことのないよう、このペリー修正法の発動が何とか未然に防止されるということが一番ベターではないかというふうに思うのですけれども、この御見解をひとつ伺うこと。  もう一つは、我が国が現在行っております調査捕鯨に対して、例のIWCの緊急郵便投票による是非の投票をさせました。この問題の考え方について日本は大変疑義を申し込んでおるようでございますけれども、この見解をお伺いしたいと思います。
  97. 田中宏尚

    ○政府委員(田中宏尚君) これだけの国際社会の中で、しかも先ほど来お話しありましたように、日本からの輸出額というものは相当額になっておりますので、泥沼になることを防ぎたいという気持ちは我々としても先生と全く同じでございます。  そういう立場に立ちまして、先般来いろんなチャンネルを通じましてアメリカ方に冷静な対応というものを再三申し入れているわけでございます。これがたしか四月十日ごろが期限のはずでございますけれども、あと二週間ほどを残す現段階になりましてまだ具体的にアメリカ側から適用についての具体的な動きが出ていないということでございますけれども、楽観せずにこれから粘り強くアメリカ側に問題点を指摘し、善処方なりあるいは冷静な対応というものを強く働きかけてまいりたいと思っております。  それから二点目のIWCの郵便投票でございますけれども、これにつきましては手続的にもいろいろ問題がないわけじゃございませんけれども、先ほども申し上げましたように、調査捕鯨につきましては条約締結国の権利として留保されているということが明らかでございます。それから我が方も科学委員会なりあるいは特別委員会、ここで調査計画なり予備調査、こういうものの具体的中身につきまして相当詳細に説明してまいり、残念ながらもちろん全部とはまいりませんでしたけれども、相当多数の科学者の賛同も得てきたという経緯がございます。それに加えまして郵便投票によります今回の勧告というのも、これも勧告でございまして、法的といいますか条約的には拘束される性格ではございませんので、計画どおり今回の調査捕鯨は粛々と取り進め、先ほど御報告いたしましたように、二十三日に捕獲調査は終えたという経緯に相なっている次第でございます。
  98. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 そこで、これも先般お話が出たわけでございますけれども、これまで国際社会の中で我が国の調査捕鯨について、そのあり方ないしは正統性を主張してきておる調査捕鯨の経費の問題でございますが、調査捕鯨の費用が足りないので、寄附金の募集を行うということで二十二日に閣議を通った、こういうことでございます。先般大臣は、これに対して既に民間から続々と寄附が集まっておるので、これはいいとも悪いとも何とも言えないので、そのまま進めるのだというようなことでしたけれども、これは答弁要りません。要りませんけれども、私どもの党といたしましては、ここまで国際社会の中で調査捕鯨の正統性を主張してきた我が国が、その調査捕鯨に対して補助金わずか三億五千五百万円しか予算をつけないというこの姿勢は、国際社会の中で理解されるであろうかどうだろうかという問題が私どもの方の党で一つ課題になりました。あと十三億余りを民間の寄附に頼ってこの調査捕鯨の経費を集める、捻出する、そろえるというこのことについて果たして国際社会から理解が得られるかどうかという問題を一つ疑問に思いましたので。これはいいです。――答えますか。
  99. 田中宏尚

    ○政府委員(田中宏尚君) 今回の調査は、公益目的といいますか、調査捕鯨の条約の商業捕鯨禁止のモラトリアムを九〇年に見直すということのためのいろいろな調査を積み上げておるわけでございます。そういう点からいいまして、非常に公益的あるいは国益的な調査であることは事実でございますけれども、こういう資源調査、こういうものにつきましては、本来ある意味では民間ベースでしてもしかるべき仕事かとは思っておりますけれども、しかし、この調査の公益性なりあるいは国益ということにかんがみまして、三億五千五百万、これが多いか少ないかという議論はございますけれども、こういう財政状況の中で調査について三億五千五百万の新規予算ということは、それなりに国の取り組みの姿勢というものは相当我々としては示したつもりでございます。  それから、一方寄附金につきましては、これはもう既に従来捕鯨関係を商業捕鯨としてやってきた会社等もあるわけでございます。当面商業捕鯨というものは禁止になっているという中で、共同捕鯨という今までの商業捕鯨の主体が解散した、そういうことに関連いたしまして、残余財産等の寄附というものも見込まれておりますし、それからこういうことを言うと何でございますけれども、調査捕鯨に相対峙してまいりました環境団体というものは全部寄附で金を集めまして、世の中の世論を醸成することに努めてきているわけでございますので、我々といたしましても、単に今回の調査捕鯨の足らず前を一般からお集めするというだけじゃなくて、この機会に調査捕鯨というものの意義なり必要性、こういうことも世の中にPRするという副次効果も実は相ねらっておるわけでございまして、そういう前提で先般閣議で寄附金についての方向づけなりお願いというものをやっていただいた次第でございます。
  100. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 了解です。  次に、国際協力の推進の問題でございますが、六十三年度の予算の国際協力の推進方見せていただきました。我が国は経済力の増大あるいは国際社会における地位の高まりを背景にして大変に開発途上国に対する経済協力といいますか、こういうものが我が国の大事な責務として問われる時代になってきているというふうに思いますけれども、大変な財政事情の中で、予算を見せていただきますと、年々この政府開発援助(ODA)等が予算を伸ばしているという、これは大変に評価されてしかるべきであろうというふうに思います。  まず、大臣に伺うわけですが、こうした中で農林業分野における途上国の自立発展に極めて大事な意味を持つであろうこのODA事業、これに対してはどういう御見解をお持ちでいらっしゃいますか。
  101. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) 我が国は、開発途上国の経済発展と民生の安定向上、このことを支援するために政府開発援助(ODA)の拡充に努力をしてきたのでございますが、農林水産業協力はその重点分野の一つに位置づけてありまして、積極的な推進をこれからもまた図っていきたいというふうに考えております。  農林水産業協力は、食糧不足に悩む開発途上国での食糧問題の解決に資すること、また、農業分野が開発途上国の国民所得や就業人口に大きなウエートを占め、経済社会の安定基盤となっておりまして、また、国内資源の有効利用等を通じる自立的発展にとって重要な役割を有していることなどから、農林水産省といたしましては、食糧増産、農業・農村の総合的開発、農産物の流通加工、市場開発、食糧援助等の協力の拡充に努めることといたしております。このような考え方のもとに、今後とも開発途上国の農業・農村事情、政策の方向等を十分見きわめながら、農林水産業の発展段階に応じた真のニーズに即応する多角的な多面的な協力を推進してまいらなければならぬ。  加えて、一つだけどうしても常に頭の中に置かなけりゃいかぬのは、開発途上国に対しては丁寧な運びが必要だと考えておりまして、いささかでもこの援助が感謝をされるということにつながるように心得ておかなければならぬ、かように思っているところでございます。
  102. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 余り時間がありませんので、これは後藤次官が経済局長をしていらしたときにもこのODA問題について農林サイドからの質問をさせていただいておりますが、今回、六十三年度予算の中でいろいろと事業が組まれております。私はこれの中で、特にことし六十三年度、農水省が胸を張って海外発展途上国のためにこれが目玉商品としての政策なんだというものがもしあれば御説明いただいて、一つ一つの項目について御説明をいただければ一番いいわけでありますが、とても時間がございませんので、あえてその目玉商品について御説明いただければ一番ありがたいと思います。
  103. 眞木秀郎

    ○政府委員(眞木秀郎君) ただいま大臣の方からお答え申し上げましたように、この農林水産業協力を積極的に推進を図るということにしております。こういうような観点からODA予算の拡充にも努めておるところでございまして、六十三年度ODA予算案につきましては、為替レートの変更の中で対前年比五・五%増の六十八億二千八百万円を計上しているところでございます。  特にこの中の事業といたしまして六十三年度におきましては、新たに農林水産業開発におきます円借款等、資金協力をもう少し円滑に広げていきたいということでの検討調査を実施するというようなこと。あるいはまた、援助の対象地域が従来の東南アジアからアフリカ等へ大きく広がっていっておるわけでございます。新たに砂漠の南の方、いわゆるサブサハラアフリカ諸国の食糧増産のために開発計画調査をやるといったようなこと。さらにはまた、南太平洋諸国等の零細な地元の漁民の漁業振興のための漁業協力事業等を実施することにしておるわけでございます。  さらにまた、今後こういう協力を進めていくには、やはり技術的な蓄積といったものが非常に大事でございます。そういうことで、熱帯の地域に おきます農林業に関する試験研究の重要性に着目をいたしまして、新たに、農林業生産が非常に不安定で困難な、限界的な、マージナルな条件を持っておるような地域におきます環境資源研究といったようなことも実施したいと考えてございます。  また、そのほかに国際機関等を通ずる協力といったものがございますけれども、これにつきましては、国連食糧農業機関(FAO)が進めております森林開発保全のための国別の行動計画に対する拠出を行いたいと考えております。また、初めて国際機関として日本に本拠を置かれました国際熱帯木材機関につきましても、この拠出を拡充をしたいと考えているわけでございます。  それぞれ各国のニーズが細かくなっておりますし、目玉といいましても大きな目玉が一つ二つどんとあるということではございませんが、それぞれの目玉を細かく気遣いをしながら進めてまいりたい、こう考えております。
  104. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 どうも御丁寧にありがとうございました。  開発援助といいますと、今お話がありましたように資金援助とそれから技術協力ですかがあるわけでございますね。  まず、その資金援助の方でちょっと私、お伺いをしたいんでございますけれども、ただいま円借款のお話が出ました。これは、本来我が国のODAというのは質が悪いということが言われる中で、円借款の比率が多くて無償資金協力の方のウエートが非常に低い、こういうことで言われてきておるわけでございます。私、先ほどもちょっとお伺いをしておいたんでございますけれども、農林水産業協力についてはむしろ円借款の方が少なくて、無償供与の方が多いと考えてもよろしいんですね。
  105. 眞木秀郎

    ○政府委員(眞木秀郎君) そのとおりでございます。
  106. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 それは大変好ましいことでございまして、我が国のODAが問われる場合に、必ず円借款の比率が非常に高いということの批判があるわけでございますね。  それからもう一つ。全部確認事項になってしまうんですが、農林水産業の協力実績の中で専門家派遣の人数のデータをいただいてございますが、二千二百九十一人、六十一年度の実績。これはずっと年々ふえておりまして、これも大変結構だと思うんでございますけれども、この二千二百九十一名の中に国際機関への派遣数も同時に入っておるんでしょうか。
  107. 眞木秀郎

    ○政府委員(眞木秀郎君) その数は少ないわけでございますけれども、入っております。
  108. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 まさに今御答弁なさったとおりでございまして、我が国は技術協力、経済協力合わせて二国間協力と多国間協力がございますね。その中で国際機関に関するその技術者、専門家の派遣数が非常に少ないという部分が質が問われるところのまた一つの中身にもなっておるわけでございまして、私、この辺の問題についてもこれから農林水産省が努力をしていかなければならない部分ではないかというふうに思います。  なお、外務省予算の方から恐らく出ているんだろうと思うんですが、海外青年協力隊派遣事業がありますね。この協力隊の派遣事業の中で、私も海外に出ましてこの青年協力隊の方々とお会いをしてきたチャンスが何回かあります。実は、海外青年協力隊のメンバーが、農林水産業なんかは一番民間に密着して草の根の実績を上げているという点ではこの海外協力隊の実績が私は非常に高く評価されていいのではないかというふうに思っておる者の一人でございますので、農林水産省が人員の派遣とかあるいはまた技術協力の面で数字を出すときには、海外協力隊のメンバーの人数なんかもあわせて出したらいいと思うんです。これは外務省の所管の分だからというふうに言わないで、むしろ、私がいただいたデータにないものですから、この協力隊の派遣数、こういうようなものも出すべきだと。立派な仕事をしています。バングラディシュ、それからタイ、フィリピン、アフリカ、農業のこの青年協力隊のメンバーの仕事は大変なものです。特に民間に密着しているわけです。  日本のODAの事業の問題点は、やはり民間のそうした細かい事業になかなか援助の手が伸びなくて、政府開発のような大型プロジェクトにとかくその資金が行くということが問題なんです。したがいまして、私はこの協力隊のような活動というものは大きく評価されていいものと思っておる者の一人ですので、ぜひこういうことも数字の中に農水省としてもうたうべきだと思うんです。どうでしょうか。
  109. 眞木秀郎

    ○政府委員(眞木秀郎君) 青年海外協力隊、六十一年度で総勢が二千四百九名出ておるわけでございますが、そのうち農林水産関係五百七十九人が活躍しているわけでございます。今後、先生の御意見を取り入れさせていただきまして、大いにPRに努めたいと考えます。
  110. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 農水省はつつましくてPRが下手なんですよ。もっと余計なものまで書いていいと思います。  それから、時間がないので私一人でしゃべってしまいますけれども、今後の課題の分で私が感じておることを申し上げますので、その後そちらの方から御意見があればおっしゃっていただきたいというふうに思います。  今申し上げた特定プロジェクトにしかお金が行かないというのは一つの大きな問題だろうと思うんです。それから先ほど無償、有償にしても資金援助をしていくための厳密な調査を行っていくための調査プロジェクトというふうなお話がございました。これは非常に大切な事業だというふうに思っておりますのは、この前ODAの問題で後藤局長と一問一答をやりましたときに、事前調査が非常に不足なために協力事業が成功してない事例がたくさん出てきている。したがって、この事前調査を厳密にやるべきであるという主張を私はさせていただいたんです。したがいまして、この事前調査、つまり今後有償、無償で援助をつけていこうとする事業に対する調査のようなものは非常に大切ではなかろうかというふうに思います。  ただ、我が国の場合、無償にしても有償にしても供与を受けていくに当たって大変に規則、基準が難しいという声が海外から出ておるということを聞いております。こういうものについても、やはり国際社会の中で我が国が果たしていく役割をさらに進めていくのであればそういうものも見直しが必要かなということ。  それからもう一つは、私はバングラディシュでは食糧倉庫を視察してまいりましたけれども、この米倉は日本の無償供与でできているんです。だけれども、米倉だけしかつくってないために、そこに穀物を運んでくる輸送ルートとか、あるいはまたその輸送のためのネットワークあるいは道路というふうな種類のもの、いわゆる関連機能は援助の対象になっていないためにその倉庫が十分に機能していないという事例を見てきた。したがいまして、こうした関連機能に対する対象をどのように考えていくのかというようなのも今後の課題ではないかなというふうに思いますので、これは私の考え方でございますが、お話をしてみたいというふうに思っておりました。  きょう、私がこのODAの問題を取り上げました理由は、大臣があしたから大変な交渉にお出かけになるわけでございます。それで実は我が国に対して貿易インバランスのようなことをアメリカが行うというようなこと、その背景にはやはり我が国の貿易黒字というような問題が下敷きにあるわけでございます。私どもの努力といたしましては、こうした黒字還流と申しますか、こういう事業が非常に大きな意味を持ってくるわけです。そして、途上国がこうした援助によって経済力を高める、あるいは国の活性化が進む、それが迂回してアメリカの経済に関与していくということになれば、この黒字還流事業の援助協力というものも、対アメリカとの交渉をしていく場合には大きな一つの材料としてこれをしっかりぶつけるべきだと私は思うんです。  我が国は、黒字黒字と言われるが、そのためにこういう事業も大きにやっておるということを主張しながら、国際舞台で我が国の立場を胸を張ってぜひ説明していただきたい、こういう思いもありまして、きょうはこのODAないしはこの資金協力援助という事業の問題を取り上げたわけでございます。あしたから大臣に頑張っていただかなければいけないわけでございますが、ただ単に対アメリカの二国間の交渉ではなく、我が国はそういう多角的な視野を持って国際外交をしているんだということをぜひ主張していただきたいと思います。
  111. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) いろいろ御見識を承りまして、貴重な御意見を拝聴いたしまして、特にまたODAに関しまして、その世界に貢献する日本という立場からのお話もございました。二国間はもとより、国連に対する拠出金、こういうものもほとんどまた発展途上国へ向けたものが多うございますし、そういう点では随時予算を伸ばしておるところでございまして、その中にあって農林水産省といたしましては先ほど局長から申し上げますように、目玉と言うほどの目玉はないけれども、いろいろ目玉でございますと、こういうちょっとわかりにくい表現をいたしましたが、先生おっしゃるようにちょっと大きな、特定のプロジェクトのような大きな目玉はないけれども、非常に地道に努力を重ねてきておるところでございますので、お励ましと心得、さらに努力をしてまいりたい、こう思っております。
  112. 本村和喜

    ○本村和喜君 私は、大臣に三点ほど質問がございますが、大臣が席を外されるようでございますので、お帰りになってから大臣に対する質問は続けさせていただきたいと思います。  最近の我が国の農林水産業をめぐる内外の情勢は極めて厳しいわけでございまして、解決を迫られている問題点が山積をいたしているわけでございます。そこで、農業を初めとしまして、林業、水産業につきまして質問を続けてまいりたいと思います。  まず農業についてでありますが、もう言うまでもなく、農業は人間の生存にとって最も重要な物資である不可欠な食糧を国民に安定的に供給する産業としての役割を持っておりますと同時に、自然環境の維持あるいは保全の公益的機能をも果たしているわけでございます。我が国の経済が今日目覚ましい発展を遂げております裏には、やはり農村、農業の下支えが非常に大きな力であったということは自明のことでありまして、私どももよく理解をしているところでありますが、今日農業にとって最も深刻な問題となっておりますのは、やはり農産物の市場開放問題であります。この問題につきましてはもう当委員会におきましても同僚の委員から幾多の質疑がなされておりますけれども、問題の重要性から重複することをお許しを願いたいと思うわけであります。  さきのガットの理事会において、我が国は農産物十二品目について乳製品とでん粉を除いて自由化することを受け入れることを表明したところでありますが、勧告を受け入れるに当たりまして、乳製品及びでん粉の二品目のパネル解釈への疑義と国家貿易品目への解釈の不当性を指摘したところであります。今回のパネルの解釈に対する各国の対応を見ても、それぞれの抱えている農業問題の複雑さを示す発言も見られたところでありまして、これに対する考え方、あるいは今後の対策についてお伺いをしたいのであります。また、勧告を受け入れました以上、自由化する農産物の国境調整措置をどうするのか、あるいは該当する農産物の国際競争力をどのように高めてまいるのか。今後の最重要課題となると思いますが、これに対する対応をお聞かせ願いたいと思うわけであります。  次に、第二点でございますが、このような農産物の市場開放の動きに対しまして、農業の生産性の向上や規模の拡大等の構造政策を推進することが今日ほど求められているときはないと思うわけでございまして、一昨年の十一月に農政審から出ました「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」について答申がなされたところであります。これに従ってどのような具体的な農業の構造改善策が準備をされているのかお伺いをいたしたいのであります。特に、これに関連をして、農業基盤整備事業関係予算は、近年の財政再建の途上にありました関係で伸び悩んでいるのでありまして、極めて残念なことであります。基盤整備事業の一層の促進と必要な財源の確保について、今後の決意と対策をお伺いをしておきたいと思います。これが第二点でございます。  また、農産物の価格政策についてお尋ねをしておきたいと思います。  今後とも農業の生産性の向上とあわせて内外格差の縮小を目標とすべきであることはこれは当然のことでありますが、農業の生産性の向上というのは、国土条件の違いや構造改善の進め方の違い等によって一朝一夕に解決するものではないと思います。また、米国やEC等の先進工業国を見てもわかるようにそれぞれ農業保護政策をとっていない国はないのであります。そこで、我が国としては長期目標を定めて一歩一歩前進する必要があると思います。私は、消費者たる国民各層に農産物の価格政策について十分な理解をしてもらうことが極めて重要な事項であると考えておりますが、それはやはりこうした努力によってのみ可能と考えるものであります。農産物の内外格差の縮小のスケジュールについても、行政と農業者が一体となって取り組むべきであろうと思います。  本年の二月、「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」が決定されたところでありますが、畜産振興審議会はその答申をするに当たり、国際化にも対応し得る酪農及び肉用牛生産の確立を早期に達成するため、生産者の積極的な取り組みを基礎に関係機関、団体が連携し、経営体質の強化、生産性の一層の向上を促進すること、また、生産性向上の成果を的確に消費者価格に反映させるため、流通の合理化とあわせ価格政策及び輸入政策の適切な運用に努めること等の建議を行ったところでありますが、この基本方針と建議をどのように今後具体化していくのか。その方針についてお尋ねをいたしたいのであります。  また、最近の食生活の多様化や健康に対する国民の関心の高まりというものは非常に強いものでありまして、食品に対する消費者の要請はますます多様化、高度化してまいっております。今後とも農業者の工夫と創意が大いに求められているところであります。このような要請に対応するためには生産、構造、流通対策が総合的に講じられなければならないのは言うまでもないところでありますが、日進月歩している情報化時代への対応が急がれるところであります。情報化の進展が産業全体に大きなインパクトを与えているのは今さら私が言うまでもないところでありますが、農業にとりましても極めて重要であります。そこで市場情報あるいは消費者情報をネットワークをして、特色ある地方の農産物を全国の消費者が即座に知り得るような、あるいは市場の動向に生産者が即座に対応できるようなシステムの整備が確立される必要があると存じます。また食料品の鮮度を保つための設備の充実、あるいは運輸体系の整備等は常に論じられているところでありますので、一層強くこの際求めておきたいと思います。これに対する施策を伺いたいと存じます。  以上が農業についての三点の質問でございますが、御答弁をお願いいたします。
  113. 眞木秀郎

    ○政府委員(眞木秀郎君) 十二品目問題のいわゆるガット裁定の受け入れと今後の対策ということでございます。  ただいま委員御指摘のとおり、二月の理事会におきましてはこのパネル報告中乳製品とでん粉の解釈については我が方は同意ができない。またその結論に基づく措置を実施することは極めて難しい、そういう立場を明確にした上、また国家貿易についての解釈についても同意できないといった点を明確に述べた上で最終的には一括採択に応じたところでございます。これはガットの締約国といたしまして、その紛争処理手続、これを尊重しなければならないという立場に立ちながら、実質 的に我が国の利益を確保していく上でぎりぎりの選択であったと考えているわけでございます。今後本件の処理につきましては、国内農業に不測の悪影響を与えるといったことのないように、これを基本といたしまして、乳製品、でん粉については自由化を行わないという方針で関係国の理解を求める努力を進めてまいりたい、万一、いろいろな状況が生じた場合も現実的、実質的に解決ができるように衝に当たっていきたいと考えているわけでございます。  また、これ以外の品目、いわゆる八品目といわれているものにつきましてはガットに適合する整合性のある措置に移行することになるわけでございますが、これがそれぞれ各地域の農業の将来に禍根を残すようなことがないように関係方面の意見を十分伺い、手順を踏みながら必要な国内措置、国境措置を講じていかなければならないと考えているわけでございます。このために理事会の前日に省内にプロジェクトチームを設置をいたしまして、目下その内容につきましてあらゆる角度から鋭意検討を進めておるところでございます。
  114. 松山光治

    ○政府委員(松山光治君) 構造政策の進め方と土地基盤整備の問題についてのお尋ねがあったわけでございますが、構造政策の問題はいわば古くて新しい問題でありまして、これまでも例えば昭和五十五年の農用地利用増進法の制定を初めとして各般の施策の展開を図っておるところでございます。その結果、各地に規模の大きな農家あるいは活発な活動を行っております営製集団等々それなりの動きが見られるというふうに考えておりますけれども、期待との関係から言えばなお一段の努力を必要とする状況にあるのではないか、このように考えております。特に昨今の厳しい農業情勢を考えますと、やはり足腰の強い日本農業の建設、こういう観点から構造政策の推進が必要になっておるというわけでございまして、こういうことで農地の売買なりあるいは貸し借りなり農作業の受委託といったような各地域の実情に応じた施策の展開を図ることによりまして中核農家の規模拡大、あるいは生産組織の育成を図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。  具体的な進め方の問題になりますれば、これは地域によってそれぞれの課題が違ってこようかと思いますけれども、そういった各地域の実情に応じながら、地域農業なりあるいはその担い手のあり方につきましても各地域におけるコンセンサスづくりというものがまず必要であろうかと思いますし、そういったことを進めながら、関係団体なり機関なりがお互いに連携をとりながら農地流動化のための掘り起こし活動を一層強化していただくということも必要かと思います。また、新規参入の問題も含めまして、担い手たるべき者の育成確保の問題もあろうかと思います。また、お触れになりました土地基盤の整備も農地の流動化を進めていく上での非常に重要な前提条件になるというふうに考えております。さらには、農村における安定的な就業機会の確保、これがまたもう一つの面からの重要な課題であろう、このように考えるわけでございます。  本年度予算におきましても、従来からの施策に加えまして、構造政策の推進体制の整備なり中核農家なり営農集団の育成といったような観点からいたします新しい予算の芽というものを盛り込んでおります。また、別途農村工業導入促進法の改正その他必要な法律措置につきましても改めて御審議をお願いしたい、このように考えておる次第でございます。基盤整備の問題につきましては、まさにそういった構造政策を進めていく上で非常に重要な前提条件を整備するものだというふうに認識いたしております。  昨今の厳しい財政状況の中で、御指摘のように予算の伸び悩みということがあったわけでございますが、幸い六十三年度予算につきましては、いわゆるNTT資金を含めまして、農業基盤整備費総額一兆ちょっとを超えた水準で、対前年二七・八%というような予算の確保を得ることができております。私どもとしては、予算の的確な使用ということで、新規地区の計画的な採択あるいは継続諸事実の着実な推進ということに努めまして、基盤整備の問題にさらに積極的に取り組んでいきたい、このように考えておる次第でございます。
  115. 浜口義曠

    政府委員(浜口義曠君) 第三の問題といたしまして先生から御提起になりました価格問題及び情報化の問題につきまして、私の方から一括御答弁申し上げたいと思います。  先生御指摘のとおり、我が国におきましては諸外国と比べまして、国土条件あるいは農業構造の違いによりまして我が国の農産物の価格が国際水準に比べましてある程度割高になることはやむを得ない面もあるわけでございます。ただ、国際化の進展等の中で国民各層の納得のいく価格で食糧を安定的に供給していくことが重要であるというふうに考えておるところでございます。先生御指摘の一昨年の農政審報告に基づきまして、こういった重要な点につきまして、価格政策に対応していかなけりゃいけないというふうに考えております。農政審議会の報告におきましても、この点について触れられております点は、我が国の農業の生産性の向上を図りまして、その成果の価格への的確な反映を通じ、農産物の内外価格差の縮小に努める必要があると指摘されているところでございます。価格政策につきましては、さらに今後育成すべき担い手にも焦点を合わせつつ、需要実勢を反映した運営を図ることが何よりも必要だという考えでございます。  こういった点に留意をいたしまして、先ほどこれも先生御指摘の畜産物価格等につきましては、畜産議会の御答申をいただいたわけでございます。今後、各般の御意見を賜りながら畜産物価格の運営に留意してまいりたいというふうに考えるところでございます。  次に、情報の問題でございます。  これも先生御案内のとおりでございまして、我が国におきますバイオテクノロジーの発展、来るべき二十一世紀あるいは二十一世紀以後いろいろと飛躍的な発展が予想されるところでございますが、現在これと相並びまして情報システムの開発というのが農村地域におきましても期待されておるところでございます。先駆的、モデル的な情報システム化の構想といたしまして、私どもグリーントピア構想というふうなことを申しておりますが、この普及を行うということでございまして、統計情報部の方でこれまでもいろいろと勉強させていただいております。  グリーントピア構想の具体化を図るために予算等のことにつきまして申し上げましたとおり、新たにNTTの株式売り払い収入によります無利子貸付金、いわゆる民活型を活用いたしまして、情報センターの施設機具の整備あるいは伝送路の整備あるいは共同利用末端施設の整備等を実施する予定としております。  以上、私の方から概略お答えさせていただきました。
  116. 本村和喜

    ○本村和喜君 三点についての御答弁いただきました。各分野で皆さん方が御努力をいただいていることは十二分にわかるわけでございますが、今後ともひとつ私が要望いたしました点につきまして、最善の御努力をいただきたいと思います。  次に、水産問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  一口に言いまして、十二品目や牛肉、オレンジほどのニュースバリューはないのでありますけれども、それより一足早く、より深刻な問題を抱えるに至っているのが漁業外交の問題ではないかと思います。  本年の米国水域での漁獲割り当てがついにゼロになりましたし、またスケソウダラの洋上買い付けも先細りが免れないようであります。また、日ソサケ・マス交渉では、ソ連が我が国に対して九二年まで沖取りを全面禁止することを迫ったことなど、両国の激しい対立のまま中断をいたしているところであります。そのような観点からまいりまして、我が国北洋の最後の漁場として確保しておきたいべーリング公海からも我が国や韓国を追い出すための協議が米ソ間でなされているという ような報道も流れているところでございます。  また一方、近海におきましては韓国漁船が大挙に我が国周辺に進出し、領海内にまで入り込んで操業するなどして我が国の漁民に多大の被害を与えているところは御承知のとおりでございまして、一昨年、当委員会では外国人漁業規制法を委員長提案で改正をし、罰金額を大幅に引き上げる措置を講じたところであります。  先ほど、冒頭申し上げましたように、いろんな漁業を取り巻きます厳しい環境は、まさに農産物十二品目や、牛肉、オレンジに値するほどの大きな問題であるかと思いますが、どうも牛肉、オレンジ交渉ほどのニュースバリューがないということで隠れているような感がいたすわけでございますが、より深刻な問題でありますこの漁業外交を今後どのように展開していかれるお考えなのか、その基本的な方針を明らかにしていただきたいと同時に、二百海里問題の今後の見通しと遠洋漁業及びその中核となっている中小漁業経営の再編整備対策についての御説明を願いたいと思います。漁業問題、その点に絞ってだけで結構でございますので御答弁をいただきたいと思います。
  117. 田中宏尚

    政府委員(田中宏尚君) ただいま先生から水産関係で幅広い御提示があったわけでございますけれども、その中で特に北洋漁業の問題でございますが、米ソ両国はいずれも北洋漁場におきます二大沿岸国でございますし、それから両国ともサケ・マスの母川国という点におきまして共通の立場に立っておるわけでございます。こういう共通の立場から、今いろいろとお話ありましたように我が国に対しまして非常に厳しい姿勢で臨んできておりまして、従来、伝統的に確保し、安定的に行ってきておりました北洋漁業が非常に危機的な状況に立ち至っているわけでございます。  そのためには、何といいましてもただいまも先生から話がありましたように、粘り強い外交なり漁業交渉ということの積み上げ、この一点にかかわるわけでございまして、我々といたしましてはいろんなチャンネル、いろんな段階を活用いたしまして常日ごろも対米、対ソ交渉を行っておりますし、それからそれぞれの国での二百海里あるいは今回不幸にして中断しておりますけれども日ソ間のサケ・マスというようなルールに基づく交渉の場では強く我々の立場、それから長い歴史の背景というものも説明してきているわけでございます。今後とも何とかこういう努力を積み上げまして、長い間の経緯もございます問題ではございますけれども、日本にとって大切な漁場であり、歴史的な産物でもあるわけでございますので、何とかその確保に全力を注ぎたいと思っております。  こういう中で、中小漁業者が経営的にも非常に困難な面に立ち至っているわけでございますけれども、そのためには何といいましてもただいまお話ししましたような粘り強い漁業交渉で外国漁場を確保する。それからさらに、これだけ広い海でございますので、まだ開発されていないあるいは利用されていない資源というのもございますので、資源の開発という対外的な面で努めることが一つございます。  それからもう一つは、外国もそれぞれの二百海里内で泳いでいる魚につきましては、自分でとって自分で加工し自分で輸出するということにどうしても傾斜してまいりますので、せっかく持っている広い日本自身の二百海里、これを漁場としてどう再構築していくかという沿岸漁場の整備なり、あるいは構造改善ということに力を用いていく必要がございます。  それから第三点としては、流通、消費、加工というものも変わってきておりますので、そういう新しい動きに対応した漁業なり加工なり流通なり、こういうもの全体の再編成が必要かと思っております。  それから、当面の問題といたしましては、負債を抱えている方々も非常に多うございますので、こういうものにつきましてはせっかくいろんな制度融資なりあるいは政策融資というものができておりますので、こういうものの十全な活用というものを図りまして、何とか中小漁業者の経営の改善なり向上を目指したいと思っている次第でございます。
  118. 本村和喜

    ○本村和喜君 水産につきましてはまた後日の委員会で質問を続けさせていただきたいと思います。  大臣がお忙しいようでございますので、大臣に対する質問を先にやらしていただきたいと思います。  最近、各方面から農業、農政に対する種々の提言や批判等がなされております。まさに百家争鳴の感があるわけでございます。それらを見てみますと、中にはなるほどとうなずけるものもありますけれども、事実誤認に基づくもの、論理の筋道を欠いた思いつき的なものが少なからず見受けられます。  例えば、我が国の農業は諸外国に比べ補助金国境措置等により保護され過ぎているとか、我が国の食料品の価格が割高なのは、もっぱら過保護であるためであるとか、さらには地価が高いのは都市近郊に農地が温存されているからなどなどの諸論であります。もちろん、私も決して現在の農業、農政には批判されるべき点はないとは言わないわけでありまして、むしろ正すべき点は正しながら、かといってこのようないわれなき批判を農業に浴びせることは日本農業の将来のために百害あって一利なしであると考えるものであります。ただ、国際化が進む中で国家存立の基盤としての農業の健全な発展を図っていくためには国民から真の理解と支援を得ていくことが不可欠であることからすれば、政府においても積極的にいわれなき批判を正し、実りある農業論議というものを引き出すべく努力をすべきではないかと考えるものであります。  そこで、巷間渦巻く農業批判を一体どのように受けとめておられるのか。またそのような批判のもとでどのように今後農政を展開していこうとされているのか。今日まで、本委員会の委員長また現在農政の最高の責任者としての大臣の御所見を承りたいと思います。
  119. 佐藤隆

    国務大臣(佐藤隆君) 農政批判についてのお尋ねでございますけれども、特に最近は農業はだめだ、農政はなっておらぬという言葉がしきりでございます。先般も予算委員会で申し上げましたが、だめだだめだと言われるんではだめになるということで私どもも真剣であるべきだ、こう申し上げたところでございます。  農業は、他産業と異なって生産そのものが気象条件など自然条件に大きく左右をされる。言わずもがなのことでございます。また農産物の商品特性も貯蔵に不向きな上に日々安定的に供給されなければならぬという問題がございます。また農産物国際市場の規模は小さく、輸出国は特定の少数国に集中している結果、量的、価格的に不安定であるということがございます。さらにまた、農業は国土自然環境の保全等の機能を有しておる。これも毎々申し上げているところでございまして、いわば経済合理主義だけで批判されるとするならばそれは当たらない、こう思っておりますが、こういう特質を十分念頭に置く必要がありまして、所要の保護助成措置は必要と考えております。現に各国におきましてもそれぞれの実情に応じた相当の保護措置を講じておる現状は御案内のとおりでございます。  今後、農政を展開するに当たりましては、農業の持つそうした特殊性、これを踏まえながら各種の助成措置は適切な範囲にいたしまして、そして農業経営者みずからの創意と工夫により、現状でいいということにはなりません。やはり工夫を凝らしながら、国民の必要とする農産物国民の納得を得られる条件で供給をされるように生産性の向上に努めていくことが必要だ、不可欠である、かように考えております。
  120. 本村和喜

    ○本村和喜君 もう一点大臣にお尋ねをしたい問題は食糧の自給に関する問題でございますが、最近のマスコミ等の論調を見ますと、我が国の食糧品は非常に割高である、農産物市場をどんどん開放して安い農産物輸入をふやすべきであるという意見が一見強くなっているように見えるわけでご ざいますが、本当に国民がそう考えているのかどうか。朝日新聞の世論調査等を見ましても「自由化論四割に「コメの制限」は過半数」という大きなタイトルでその世論調査の結果が出ているわけでございます。  御承知のように、世界一の食糧の純輸入国となっており、その結果食糧の自給率もカロリーベースで約五割、穀物自給率に至っては三割と主要先進国中最低となっており、最近の米の国際価格の急上昇に見られるように不安定であります。こうした点を国民が見逃しているのでしょうか、答えは否であります。大多数の国民は一部のマスコミの論調に惑わされることなく正しい健全な判断を行っておると思います。  先日の、総理府のアンケート調査の結果もそれを如実に物語っていると思うわけでございまして、ここでは七割を超える国民が、多少割高でも基本的な食糧はできるだけ国内で生産すべきであると答えております。安ければ輸入する方がよいと答えたのはわずかに二割程度であったのでございます。朝日の世論調査とは多少パーセントが違っておりますが、また後で触れるわけでございますが、米の自由化については、国民意識というものはまさに自由化に絶対反対であるという国民意思表示であろうかと思うわけでございます。  私は、コストを無視して何が何でも食糧全部を自給せよと申しているわけではありませんが、食糧のように国民の生活、生存に重要かつ不可欠なものは生産性の向上とコストダウンを図りつつ、可能な限り国内で安定的に供給する努力をしていくことが肝要であることは自明のことだと思います。国民の声を正しく聞きながら、それを国政に反映させるのが真の政治であろうという立場から、食糧の自給に関する農水大臣の信念と御決意のほどをお伺いしておきたいと思います。
  121. 佐藤隆

    国務大臣(佐藤隆君) いろいろ食糧の自給、それ自体について広範な意見を述べられたわけでございますけれども、我が国が今までもとってまいりましたし、これからもとっていかなければならない食糧の安定供給体制は、基幹作目は十分自給力をつけて自給率を適当な数字に維持をしていくということでございますし、足らざるところは安定的な輸入体制、あわせて国民に安定した形での供給を図っていくのが我々の責任である、こう考えております。  世界の食糧の動向、自給動向を見れば、中長期的にはやはり不安定であるという答えも大方の意見の一致を見ておりますので、一部においては過剰である、一部においては不足である、全体的に見れば不安定である。こういう中にあって内外価格差等につきましてもいろんなそろばんのはじき方がございますけれども、先ほども申し上げるように世界の食糧の流通量というものは限定的でございますし、そういう中にあって基幹的な作目は、農産物はこれを自給していかなければならない。特にその中で、今米のことについても触れられましたが、これはもう昨年の臨時国会以降、竹下内閣発足以来総理も答弁をいたしておりますし、私も答弁をいたしておりますように、米の完全自給は図らねばならない、自由化はしない、こういうことを言っておるわけでございます。さはさりながら、需要と供給のバランスをとることは当然のこととして、また生産農家にも大変な汗を流していただいておる現状にございます。そういうことで、私どもが意図しております国民に対する安定的な食糧の供給体制というものを何としても維持していかなければならない、かように考えております。
  122. 本村和喜

    ○本村和喜君 時間がございませんので、最後に大臣に質問をして、私の質問を終わらしていただきたいと思います。  いよいよあす訪米の御決断をいただいたわけでございまして、日本の農民ひとしく農水大臣のあすからの交渉に大いなる期待をかけているところであろうと思います。  しかしながら、昨日のテレビで、全中の堀内会長が帰ってみえられました記者会見を見ておりましても、予想以上に大変に厳しかったというコメントでございまして、私どもも今回の米国の牛肉、かんきつ問題に対するかたくなな態度に非常に理解に苦しむ点も多いわけでありますが、これから先の自由化の明示を条件としたものでなければ協議に入れないという立場であったにもかかわりませず、大臣が訪米することによって一応のテーブルはできたわけでございます。それが不調に終わった場合には四月早々にも本件をガットに提訴したいということでございますし、また通商法三〇一条の発動も考えているというような話も出ております。  大臣の答弁は、私どもも本会議あるいは委員会でたびたび聞いているわけでございまして、まことに自由化は困難であるという御答弁を繰り返されているわけでございますが、たびたび事務レベルでの話し合いが持たれたにもかかわりませず、いまだに日米間の認識の隔たりが非常にあるような感じがいたすわけでございます。しかしながら、もう物理的には三月末の期限切れが目前に迫っているわけでございまして、あとは大臣の訪米によって現在の膠着状態をぜひ打開していただきたいということを心からこいねがうものでありますが、あすいよいよ本問題の責任者としてみずから訪米をされるわけでございまして、昨日は総理とも長時間にわたってこの問題についての御協議をなさったようでございますし、また各方面のこの問題についての協議も終わられたと思いますが、出発を前にしての大臣の並み並みならぬ御決意をお聞かせをいただきたいと思う次第であります。
  123. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) 最初に一つだけお断りしておきますが、昨日の総理との話し合いは中身に触れた話し合いではございませんで、総理が私を激励してくださったということでございます。  多くの方々にいろんなアプローチをかけていただきまして、そのかいがあってテーブルづくりがようやくできた、こういうことでございます。そして早速話し合いに入るということでございます。今、委員御指摘のように日米間の物の考え方には大きなずれが、いまだに隔たりがあることはそのとおりでございます。しかし、一方において私どもは自由化は困難であるということを昨年来申し上げてまいりました。長きにわたる議論ではあったけれども、十年前からの議論ではあったけれども、私どもは今日の段階で今なおかつ自由化は困難である、この考え方でございまして、テーブルができたわけでございますから、そこで十二分我が方の事情を説明いたしまして理解を得る、そして現実的な解決を、友好国として平和的に解決できればいいがなという願望を持ってあした出発をいたすわけでございます。異常な決意もいたしておるところでございます。それは何かと言えば、シナリオはないということでございます。率直な話し合いをいたしまして全力を尽くしてまいりたい、かように思っております。
  124. 本村和喜

    ○本村和喜君 終わります。
  125. 諫山博

    ○諫山博君 牛肉、オレンジの自由化問題については、しばしば私たちの意見を述べてきましたからもうここでは繰り返しません。  きょうは、アパルトヘイトで有名な南アフリカとの農産物の貿易問題についてまず質問します。  南アフリカの黒人の数は八割強だそうです。ところが、この黒人にはあらゆる民主的な権利が認められていません。居住地を選択する自由さえありません。そして、政治的な弾圧が公然と行われています。この事態というのはまさに人類の汚辱だと見なければなりません。ところが、南アフリカとの貿易が昨年日本が世界一だったということが問題になっています。これは南ア白人独裁政権に対する支援ではないのかということが国際的な批判の的になっておりますけれども、南アフリカとの輸出、輸入、当面は工業生産品が焦点になっているようでありますけれども、農産物も例外ではないと承っております。  そこで、外務省にお伺いしますけれども、この数年間の我が国と南アフリカとの農産物の輸出入はどういう状況になっていましょうか。
  126. 天木直人

    ○説明員(天木直人君) お答えいたします。  我が国は、南アフリカのアパルトヘイト政策に断固反対するとの立場で、従来より経済分野を含めて幅広い規制措置をとっております。このような観点から、外務省といたしましても貿易を注視してきておるわけでございますけれども、昨年、一昨年は主として急激な円高等もございまして、ドルベースではふえておるわけですが、円ベースで見ますとここ数年着実に減少傾向にございます。  御指摘の農産品につきましては、主として一部のトウモロコシ、さらには砂糖といった品目で金額ベースではふえているものもございますけれども、先ほど申し上げましたように、日本と南アとの貿易関係は着実に減少傾向にある、こう理解しております。
  127. 諫山博

    ○諫山博君 南アからの農産物の輸入で量的に一番多いのはトウモロコシと粗糖だと聞いております。この二つの最近の輸入状況はどうなっていますか。
  128. 天木直人

    ○説明員(天木直人君) 私どもが通関統計等、政府の数字で確認しましたところによりますと、南アフリカの農産品の輸入の金額の一番大きなものはトウモロコシ、次いで砂糖と先生の御指摘のとおりでございますが、これらの貿易額につきましては前年比ふえております。
  129. 諫山博

    ○諫山博君 資料を見ますと、一九八四年はトウモロコシも粗糖も南アからの輸入が割合少ない。それ以後急激に輸入の量がふえて、とりわけ一昨年、昨年、トウモロコシがウナギ登りに輸入量がふえているようですけれども、そういう事実は間違いありませんか。
  130. 天木直人

    ○説明員(天木直人君) 技術的なこと等の詳しいことは必ずしもすべて把握してはおりませんけれども、御指摘のとおり昨年期の貿易額はふえておりまして、私どもが推測しますに、農産物、特にトウモロコシその他は季節的な収穫、不収穫等もございますので、例えば南アのトウモロコシは不作の年があったわけでございまして、そういった事実関係等から比較すれば、ここ一、二年伸び率が高いという点はあると思います。
  131. 諫山博

    ○諫山博君 農水省に質問します。  この二つの品目が相当の量南アから輸入されている。これに対して農水省としては何らかの政策を持ち、何らかの対策を講じておられるのかどうか説明してください。
  132. 眞木秀郎

    ○政府委員(眞木秀郎君) まず、輸入傾向についてでございますけれども、補足させていただきますと、八一年、八二年水準から八四年、八五年、例えばトウモロコシにつきましては非常に豊凶の差が大きかったということで動きがあったというふうに我々見ておるわけでございます。  全体のこの扱いにつきましては、六十一年九月の閣議了解等の趣旨を踏まえまして、関係省庁とも相談をしながら、従来から関係業界に対して輸入の自粛方要請を行ってきておるところでございます。今後とも引き続きその方向に沿って要請等の必要な指導を行ってまいりたいと考えております。
  133. 諫山博

    ○諫山博君 トウモロコシについて言いますと、一九八六年は前年度に比べて十六・四倍、八七年は八六年に比べて一三・六%プラス、こういう数字が出ていますけれども、これはどういう事情によるものでしょうか。
  134. 眞木秀郎

    ○政府委員(眞木秀郎君) トウモロコシにつきましては、世界全体の需給事情等によりまして、その輸出先国についてはやはりかなり変動がございます。例えば中国が豊作であったときには中国からかなり入ったのが、それが減った結果、どうしても必要な量がこういう地域に振りかわるというようなことがあるわけでございます。八二年度では約二百四十万トン輸入をしたわけでございますが、それが八四年には一万トンまで減っておりまして、それからまた八七年には百六十八万トンというような水準になっておるわけでございまして、各地におきます豊凶の差でもって、非常に安定的に買っております米国等は一応別にいたしますれば、そういう差が非常に出てくるということであろうかと考えております。特別に、何と申しますか、政治的な状況というものはなかったというふうに考えております。
  135. 諫山博

    ○諫山博君 南アとの貿易は経済主義だけで処理してはならないというのが今世界の流れだと思います。南アとの貿易をふやすことは南アのアパルトヘイトを側面から援助することだというような認識が国際的に共通になっています。  新聞報道を見ますと、農水省としてはトウモロコシの輸入を自制するようにコーンスターチ業界に要請したと報道されていますけれども、その経過を御説明ください。    〔委員長退席、理事高木正明君着席〕
  136. 眞木秀郎

    ○政府委員(眞木秀郎君) トウモロコシにつきましては、本年二月に関係省庁とも相談をしながら、業界団体に対して輸入の自粛方要請を行ったところでございます。全体として今御指摘のあった八七年、六十二年水準が対前年比ふえておりますので、それを六十一年度輸入水準程度に落ちつくことを期待しながら、そういう要請を行いました。
  137. 諫山博

    ○諫山博君 新聞にも六十一年水準以下に戻すようにという要請がされたと報道されています。しかし、六十一年水準というのはまだ非常に高いわけですよ。六十年あるいは五十九年などに比べて飛躍的に増加した数字になっています。六十一年水準以下に戻せといっても輸入を規制せよということにならないように思いますけれども、アパルトヘイトに反対するというのが日本政府の方針であれば、もっと毅然とした態度で輸入規制を指導すべきだと思いますけれども、大臣いかがでしょうか。
  138. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) 農林水産省といたしましては、関係各省庁と緊密に連絡をとりながら、慎重な対応を進めてまいりたいと存じております。
  139. 諫山博

    ○諫山博君 私の質問は、もっと具体的でした。六十一年水準に戻してもらいたいというのでは甘過ぎる。六十一年水準というのは前年、前々年に比べて飛躍的に伸びた水準になっている。もっとアパルトヘイトに徹底的に反対するのであれば、輸入を減らすべきだという指導ができないだろうかということです。
  140. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) 残余は事務方から答えさせます。
  141. 眞木秀郎

    ○政府委員(眞木秀郎君) 六十一年水準にまで下げてほしいという要請を行ったことに関連いたしまして、非常に高い数字であるということでございますけれども、少しさかのぼって、例えばトウモロコシの輸入数量を見てまいりますと、八一年が百四十三万トン、八二年が二百四十万トン、八三年が百三万トンでございまして、八四年が一万トンと、干ばつのためにほとんどなくなったわけでございます。それから八五年が八万トンぐらいでございます。それから八六年、通常といいますか過去のトレンドから見れば、百二十八万トンでございまして、その前の二年間は特別異常な年でございますので、これといきなり比較をされても、なかなかちょっと比較の問題としてはいかがかという点もあろうかと存じます。  我々といたしましては、とりあえずまず実態にかんがみまして、八六年水準以下に自粛してもらうように要請をして、その結果を見ながらまた次にどういう措置が適当かということも考えたい、このように考えております。
  142. 諫山博

    ○諫山博君 外務省に最後に質問します。  南アからの農産物の輸入、今お聞きのとおりですけれども、政府全体としてはこの種の輸入問題について今どういう対策をとっておられますか。
  143. 天木直人

    ○説明員(天木直人君) お答えいたします。  八七年の我が国と南アフリカの貿易問題が、先ほど申し上げましたように主として急激な円高のために一位になってしまったという問題は私どもといたしまして十分に認識しておりまして、このために我が国の毅然としたアパルトヘイト政策にかんがみまして、どのように日本と南アとの貿易関係があり得べきかということを関係省庁との間で協議してまいっておる次第でございます。官民の問題意識の深まりに伴って、結果として数字が減るということを我々は期待しておるわけでござ いますけれども、この問題につきましては日本国内の関心等も深まっておりまして、私どもとしましてはその状況を注意深く見ながら、引き続き当面の貿易の動向を見守っていきたい、こう考えております。
  144. 諫山博

    ○諫山博君 外務省ありがとうございました。  次に、農林水産業における地域改善対策について質問します。    〔理事高木正明君退席、委員長着席〕  昭和六十一年の十二月十一日に地域改善対策協議会、いわゆる地対協から意見具申が出されました。そこでは「地域改善対策の現状に関する基本的認識」として、「これまでの行政機関の姿勢や民間運動団体の行動形態等に起因する新しい諸問題は、同和問題に対する根強い批判を生み、同和問題の解決を困難にし、複雑にしている。」としています。その要因の第一として挙げられているのは、国及び地方公共団体の主体性の欠如です。そして、今日的課題を達成するために「民間運動団体と身近に接触する機会の多い地方公共団体においては、その対応に腐心している状況もみられるので、そのような地方公共団体の主体性の確立については、国は、積極的な助言、指導を行うべきである。」と指摘しています。  こういう立場から農水省の地域改善対策について若干質問しますが、意見具申では地域改善対策について「基本的な見直しを行い、真に必要な事業に限定して、特別対策を実施すべきである。」、こう言っています。さらに「物的事業については、昭和六十二年度以降具体的な事業計画等が明らかでない事業等については、一般対策へ移行して、所要の事業を実施するか、廃止すること。」、こう述べています。この意見具申が出たのは昭和六十一年の十二月ですけれども、農水省ではこの意見具申に従って何らかの是正措置が講じられたのでしょうか。御説明ください。
  145. 松山光治

    ○政府委員(松山光治君) 今先生から御指摘のございました地域改善対策協議会の意見を踏まえまして、ちょうど六十一年の十二月の二十七日でございますが、関係省庁相談をいたしまして、今後の地域改善対策のあり方につきましての合意の整理をいたしております。その中で現行の地域改善対策事業のあり方につきましても、協議会の意見を踏まえた所要の見直しをこれからやっていくんだ、こういうことを明らかにしておるところでございまして、その線に沿いまして私どもとしてもこれからいろいろと見直しをしていく、こういう状況になっておるわけでございます。
  146. 諫山博

    ○諫山博君 意見具申が出て一年以上たちましたけれども、これからやっていくという立場ですか。それとも既にやったことがあったら御説明ください。
  147. 松山光治

    ○政府委員(松山光治君) 失礼いたしました。  協議会の意見の具申を踏まえまして、例えば物的事業のうちで公共事業につきましては、できるだけ一般対策に移行する、こういう考え方のもとに、農業基盤整備について申し上げますと、団体営草地開発でありますとか、農用地の集団化、交換分合附帯農道、農地保全といったようなものにつきましては、一般対策に移行することにいたしております。あるいは公共事業につきましても、ニーズに乏しい事業は原則として廃止していくというふうな方向が出されておりますけれども、そういうものの一環といたしまして、例えば食肉流通施設等緊急整備事業につきましては、六十三年度からこれを廃止する、そういったような措置をいろいろと講じておるところでございます。
  148. 諫山博

    ○諫山博君 いずれにしても地域改善事業の見直しを迫られているわけですけれども、見直しを正確に行うためには今までの地域改善対策事業がどのような役割を果たしてきたのか、そのプラスマイナスを正確に掌握することが必要だと思います。  そこで、水産庁関係の事業で内水面養殖事業というのがありました。これは過去五年間どのように行われてきたのか、地域改善対策事業について事業費、事業目的、採択件数などを簡単に御説明ください。
  149. 田中宏尚

    ○政府委員(田中宏尚君) 地域改善対策事業で整備してまいりました内水面施設でございますけれども、これは昭和五十一年から始まっておりまして、全体で五十五件の施設の整備というものを行ってきております。非常に県別にもばらつきがございまして、五十五件のうちその約半数を占めます二十七件が福岡県という形に相なっております。  それから、事業内容といたしましては、いろんな魚種を対象としておりますけれども、大口から申し上げますと、一番多いのがウナギ、これが十八件、それからスッポンが十二件で、両方で三十件ということで大半を占めている次第でございます。そのほかにあとニシキコイでございますとか、それからアユでございますとか、ドジョウでございますとか、さらにはマス、ヤマメ、テラピアというものがそれぞれの地域の要望に応じまして内水面養殖施設というものを五十一年以来つくってきている次第でございます。
  150. 諫山博

    ○諫山博君 私が福岡県で調査したら二十件という報告を受けました。それをもとに少し質問します。  この二十件の内訳は、ウナギ七件、ヤマメ二件、スッポン七件、テナガエビ一件、ニシキゴイ三件、こうなっています。この中で九件は既にもう事業そのものが休止になっている、池に水もない、こういう状況だそうですけれども、今の長官の説明と幾らか数字は違いますが、地域改善事業が大体こういう状況になっていることは御承知でしょうか。つまり、半分ぐらいはもう養殖そのものがやめられているという実態です。
  151. 田中宏尚

    ○政府委員(田中宏尚君) 数字につきましては今先生からもお話がありましたように少しあれがございますけれども、総体的な話で申し上げますと、先ほども申し上げましたようにウナギとスッポンがその対象として多いわけでございますけれども、特にウナギ、スッポンを対象といたしました養殖施設につきましては、その種苗の供給がその後非常に不安定性があった、あるいは地域によっては魚病が発生した、それから技術なりあるいはコストがかなり増高したということで、残念ながら経営が悪化いたしまして一部施設について遊休化しているということは否定のできない事実かと思っております。
  152. 諫山博

    ○諫山博君 地域改善対策事業が失敗をすれば、地対協の意見具申によると、「同和問題に対する根強い批判を生み、同和問題の解決を困難にし、複雑にしている。」こういう性質のものです。ところが、莫大な金をつぎ込んだ同和事業の半分が完全に失敗したというのは、やはり重大だと思います。  共産党県会議員団が福岡県内の五カ所の内水面養殖について現地調査を行いました。これは福岡県の田川市と川崎町についてです。A、事業費三千九百十一万円、ウナギ、休止。B、二千二百万円、稼働、ニシキゴイ。C、六千百二十九万円、一部休止、スッポンはやっていますがモズクガニは休止。以上は田川市です。川崎町。D、六千八百万円、スッポン、休止。E、七千五百万円、スッポン、一部休止です。七千万円、六千万円、三千万円、二千万円、莫大な金がつぎ込まれているわけですけれども、これが今完全に休止しているところが多い。これはどこに問題があったのか、この原因をえぐり出さない限り、地域改善事業の根本的な見直しは難しいと思います。水産庁としては原因はどこにあったと思いますか。
  153. 田中宏尚

    ○政府委員(田中宏尚君) ただまお話がありましたように、田川市それから川崎町、ここで五件のうち二件が不幸にして休止しているという報告を我々も受けているわけでございます。休止しておりますのは、一つはウナギでそれから一つはスッポンでございますけれども、特にウナギなりスッポンにつきましては先ほども申し上げましたけれども、種苗の供給というものが非常に不安定性が強うございまして、この地域改善対策事業以外で手をつけたところにつきましてもその後の種苗の供給状況というもので経営が厳しくなっているところが全国的にも散見されるわけでございます。 それから、その後、魚病の発生でございますとか、こういうことも地域によってはあったわけでございまして、こういうことが相重なって、不幸にしてそれぞれの市と町で一カ所ずつ全面休止というような形に相なったのじゃないかと考えているわけでございます。  それと同時に、これからの対応も含めまして、我々といたしましてはもう少し府県に対しまして現地の実態を調査の上報告を求めまして、特に計画樹立の段階でもいろいろと目を配っていかなければならない問題も内在しているんじゃないかという感じがいたしておりますので、今後ともそういう点につきましては意を用いてまいりたいと思っております。
  154. 諫山博

    ○諫山博君 田川市と川崎町の例を質問しましたけれども、とにかく三千万円とか、六千万円とか、七千万円とかいうような金がつぎ込まれています。この金はどこから出たんでしょうか。
  155. 田中宏尚

    ○政府委員(田中宏尚君) 地域改善対策一般のあれといたしまして、国からの助成というものを行っている次第でございます。
  156. 諫山博

    ○諫山博君 本人の負担がありましたか。
  157. 田中宏尚

    ○政府委員(田中宏尚君) 補助率はかかっておりますけれども、補助残につきましては、それぞれの地域についてつまびらかにはいたしておりませんけれども、地方公共団体が持っている場合が多いのではないかというふうに感じております。
  158. 諫山博

    ○諫山博君 これはやはり失政ですよ。本人は負担しないけれども、国が莫大な金をつぎ込んで養魚場をつくってやる。これは部落対策事業ですね。ところがその半数がつぶれてしまっている。つぶれていないところもつぶれる寸前だ。こういうことをやっていたら、部落差別がなくなるどころか部落差別がかえって助長されるではないかというのが地対協の意見具申だと思いますけれども、その点はそのとおりですか。
  159. 田中宏尚

    ○政府委員(田中宏尚君) これらの事業はいずれもそれぞれの地域からの積み上げで、それから各県の計画の審査、採択というものを経まして我々としては助成してきているわけでございますけれども、残念ながら不幸にして事業休止に追い込まれたということにつきましては、予算を執行している者といたしましてまことに遺憾に感じております。
  160. 諫山博

    ○諫山博君 地対協の意見具申は、「真に必要な事業に限定して、特別対策を実施すべきである。」と指摘しております。これは地対協の意見具申が初めて指摘したことではなくて、私たちは前からそういう主張をしておりました。同和対策事業だから何でもかんでも金をつぎ込んでいいというものではない。下手をしたら逆差別になる、下手をしたら新しい差別をつくり出す、もっと慎重にやるべきだということを主張していましたけれども、これは出発点において「真に必要な事業に限定」するという立場が欠けていたのではないでしょうか。この種の問題で必ず出てくるのが特定の同和団体です。特定の同和団体が要求すれば、断ろうにも断ることができないというようなことが同和対策事業が失敗した背景に横たわっています。そういう問題が必ずあったに違いないと思いますけれども、この点の反省はいかがでしょうか。
  161. 田中宏尚

    ○政府委員(田中宏尚君) 我々といたしましては、貴重な国民の財産を財源としての助成でございますので、ただいま先生からもお話がありましたように、真に必要な事業というものに限定して従来とも運用してきたつもりでございますけれども、結果的にその後の種苗の供給状況でございますとか、いろいろなことが重なりまして、こういう休止に追い込まれた箇所が何カ所かあるということにつきましては、やはり補助金を運用する立場といたしまして反省はいたしておるところでございます。
  162. 諫山博

    ○諫山博君 今、地域改善対策事業というのは根本的に見直しを求められています。そして読み上げた意見具申も、「具体的な事業計画等が明らかでない事業等については、一般対策へ移行して、所要の事業を実施するか、廃止すること。」という指摘がされています。少なくともウナギとかスッポンというのはもう大体事業が失敗したということは明白です。貴重な我々の財産をどぶに投げ捨てたような結果になっている。そして少しでも部落差別がなくなれば別ですけれども、地対協の指摘によれば、こんなことをやっておれば部落問題の解決はますます難しくなるばかりだという結果になっているわけですけれども、これからもこの事業は続けられるんですか。
  163. 田中宏尚

    ○政府委員(田中宏尚君) それぞれの地域の置かれております本事業に対する要望なり必要性というものもございますし、それからウナギ、スッポンにつきましては、確かに今までやってきた箇所において失敗例というものが散見されるわけでございますけれども、全国的な問題といたしましては、例えば特にスッポンにつきましてはこのところ新しい需要なり消費動向というものもございまして、スッポンの養殖熱というものは地域によっては高まってきているというような問題もあるわけでございます。  これはあくまでも一般論でございまして、地域改善対策事業をこれから運営するに当たりまして、何といいましても事業の採択に当たりましては、府県なりから提出されます事業計画、こういうものの審査というものを今まで以上に徹底させる。それと同時に、補助金を執行いたしまして施設ができてからの管理運営状況、こういうものにつきましても常日ごろ的確な把握を行いまして、何とか効率的な執行に努めてまいりたいと思っております。
  164. 諫山博

    ○諫山博君 内水面の養殖漁業では全国で五十五件、半数以上が福岡県で、これは私の出身県です。今、事業の見直しが求められているんですけれども、五十五件というのはそれほど大きな数ではありませんから、それぞれについて事業費が幾らだったのか、何を養殖してきたのか、現在に至る経過はどうなっているのかを調査していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  165. 田中宏尚

    ○政府委員(田中宏尚君) 窓口でございます県にも照会いたしまして、できるだけ調査は行いたいと思っております。
  166. 諫山博

    ○諫山博君 次に、高知県における沿岸漁業の違法操業問題について聞きます。  土佐湾における小型底びき網漁船の違法操業というのが高知県ではしばしば問題になっています。この間NHKの「ぐるっと海道三万キロ」というのに愛媛県の違法操業が取り上げられていました。私は、話は聞いていましたけれども、NHKのテレビを見まして違法操業のすさまじさに驚きました。この問題は高知県議会などでもしばしば取り上げられたし水産庁にも何回となく申し入れが行われたそうですけれども、まず海上保安庁にお聞きしたい。高知県における違法操業の実態は今どうなっているんでしょうか。
  167. 中島健三

    ○説明員(中島健三君) お答えいたします。  高知県の地先海域におきましては、小型機船底びき網漁業とか巻き網漁業等につきまして違法操業が見受けられているところでございまして、海上保安庁といたしましては航空機とか巡視船艇を効果的に配備しまして取り締まりを行っておるところでございますけれども、昭和六十二年には十件の漁業関係法令違反を検挙しておるところでございます。
  168. 諫山博

    ○諫山博君 取り締まり規定にはどういうものがあり、それには罰則があるのかどうか、御説明ください。
  169. 中島健三

    ○説明員(中島健三君) 先生の御指摘の小型底びき網漁業の関連につきましては、高知県漁業調整規則で網口開口板の規制の規定があるというふうに聞いておりまして、それは六カ月以下もしくは十万円以下の罰金ということになっておるようでございます。
  170. 諫山博

    ○諫山博君 さっき検挙したという例が説明されましたけれども、検挙した人たちは何らかの刑事上あるいは行政上の処分がされていますか。
  171. 中島健三

    ○説明員(中島健三君) すべて罰金が科せられるというふうに聞いております。  行政上の件につきましては、私ども承知してお りません。
  172. 諫山博

    ○諫山博君 検挙したのはいつでしたかね。
  173. 中島健三

    ○説明員(中島健三君) 六十二年の年間で十件ということでございます。
  174. 諫山博

    ○諫山博君 罰則が科せられるのであればもう刑罰が科せられたと思いますけれども、結局、処罰しないんじゃないですか。送検していますか。
  175. 中島健三

    ○説明員(中島健三君) 今お答え申し上げておりますのは、送検した件数でございます。
  176. 諫山博

    ○諫山博君 違法操業がどういうやり方で行われているかというのはつかんでおられますか。
  177. 中島健三

    ○説明員(中島健三君) つまびらかに我々承知しているわけではございませんけれども、小型底びき網漁業の件につきましては網口開口板というものを使用してやっている違反があるというふうに聞いております。
  178. 諫山博

    ○諫山博君 NHKの「ぐるっと海道三万キロ」を見ますと、開口板を使った漁法というのは物すごい威力があるんだそうですね。一網打尽に魚をとってしまって、後で釣りに行っても合法的な漁をしようと思えば全然魚がとれないというので問題になっている。ただ犯罪行為があったから取り締まれとか違法操業をやめさせなさいというだけではなくて、これを取り締まらなければ正当な方法で漁業をやっている漁民の生計は成り立たないということで問題になっている。  NHKのテレビを見られましたか。
  179. 中島健三

    ○説明員(中島健三君) 残念ながら、見ておりません。
  180. 諫山博

    ○諫山博君 これはビデオでも見るべきですよ。現地では海賊船だと言っています。  そして、NHKテレビでも言われておりましたけれども、ほうっておいたら血の雨が降るという状況ですよ。そして、これはもう昔から問題になっていますけれども、いわばモデル船というのがあるそうです。このモデル船というのがさっき問題になりました地域改善対策事業で購入された船です。つまり、国の金でモデル船を買い入れて、このモデル船で海賊のような漁業のやり方をやっている。まじめな漁民というのはもろにその被害を受けながら、泣き寝入りはしていないようですけれども、とにかく甚大な被害を受けている。  そこで、水産庁にお伺いしますけれども、過去五年間に全国で百二十八隻の船を地域改善対策事業で購入したと。その中の百十隻が高知県だと聞いていますけれども、そうですか。
  181. 田中宏尚

    政府委員(田中宏尚君) 地域改善対策事業でつくってまいりました小型漁船の全国の隻数なりそれから高知県の隻数は、ただいま先生からお話があったとおりでございます。
  182. 諫山博

    ○諫山博君 全国百二十八隻で高知県百十隻というのは、随分高知県に偏っていると思うのですけれども、どうしてこういう結果になったんですか。
  183. 田中宏尚

    政府委員(田中宏尚君) 地域改善対策事業、御承知のとおり総合的なメニュー事業でございまして、そういう総体のメニューの中で、地元が真に必要としているものは何かということで、箇所数につきましてはそれぞれの事業ごとに大きなばらつきが存在するわけでございます。それでこの小型漁船につきましても、漁業経営の安定なりあるいはその漁家の生活水準の向上を図るということの一環としての共同利用の沿岸小型漁船ということで、昭和六十一年度まで補助対象としてきたところでございます。
  184. 諫山博

    ○諫山博君 高知県の百十隻というのは、一隻当たりどのくらいの金で、その経費はだれが負担しているんですか。
  185. 田中宏尚

    政府委員(田中宏尚君) こういう小型船ですから、十トン未満で通常は四トンないし九トンぐらいだと思っております。  個々の積算に使いました数字はただいま持ち合わせておりませんけれども、一トン当たりレーダーでございますとかいろいろな附帯施設をつけますと大体二百五十万ということでございますので、仮に七、八トンといいましても、二千万近い金額がそれぞれの建造費としてかかっているかと思っております。  それから、先ほどお話ししましたように、国で補助金を出しまして、その補助残につきましては、多くは地方公共団体が負担しているという例が多かろうかと思っております。
  186. 諫山博

    ○諫山博君 とにかく、国のお金で漁船を購入して、これが海賊船のような違法操業を繰り返す。まじめな漁民が重大な損害を受けている。これでは部落解放のため、部落差別をなくするためという目的でつくられたはずの船が、逆に部落差別を助長するという結果になるわけです。地対協の意見具申がそのことを指摘しております。  海上保安庁にお聞きしますけれども、現地の漁民の話を聞くと、海上保安庁の取り締まりが非常に手ぬるい。それは海賊船を牛耳っているのは部落解放同盟だからだ。そこで海上保安庁は手が出ないんだ、こういう声が広がっていますけれども、御存じですか。
  187. 中島健三

    ○説明員(中島健三君) 私どもといたしましては、どういう人でありましても、法律違反という事実がありましたら、それに厳正に対処するというのが我々の務めでございまして、そういう事実は決して聞いておりません。
  188. 諫山博

    ○諫山博君 大臣にお聞きします。  私たちは、同和行政というのは公正、民主的に行わなければならないと思っております。特定の団体利権あさりなどの対象になってはなりません。まして、同和事業が部落差別の解消に役に立つのではなくて、かえって新しい差別をつくり出したり、未解放部落の人とそうでない人との間を離間するというような役割を果たしてはならないと思っています。ところが、実際の同和行政がなかなかそのように行われていないから地対協の意見具申が出され、総務庁の啓発指針が出されています。  私は、農水省関係で福岡県におけるウナギやスッポンの養殖、高知県における小型船の購入について質問しましたけれども、これは農水省で長い間行われてきた事業ですけれども、農水大臣、この事実をどうお考えですか。
  189. 松山光治

    政府委員(松山光治君) 地域改善対策事業のこれからの扱いにつきましては、地対協議会の意見具申の趣旨をも踏まえ、関係省庁ともよく相談いたしながら、施策の趣旨が十分に生かされるように、私どもも県その他必要なところの指導も十分いたしてまいる、こういうことで事業効果を上げるように努力してまいりたい、このように考えております。
  190. 諫山博

    ○諫山博君 海上保安庁の方にもう一遍聞きます。  高知県の漁業調整規則の四十条には、「漁具の積載禁止」という項目がありまして、開口板は、「底びき網漁業に使用する目的をもって船舶に積み込んではならない。」と書かれております。つまり、違法の漁具を使って操業するだけではなくて、使用する目的で違法な漁具を船に積み込んでもならないというわけですね。NHKのテレビを見ると、違法な漁具を公然と積み込んでいる場面が出てくるんですよ。アナウンサーが説明します。これはぜひ見てください。そしてNHKのテレビだけではなくて、例えば高知県の佐賀町にある魚市場、ここでは開口板を積んだ船が堂々と岸壁に着けられてそこで水揚げをしているそうです。これは違法操業をしたわけです。魚市場の理事長以下が抗議したところが部落解放同盟からつるし上げられたというようなことも言われております。これはやはり犯罪行為ですから、もっと厳しく取り締まれというのが漁民の要求になっていますけれども、そういう声を聞いたことがあるでしょう。取り締まりについてどういうふうにお考えですか。
  191. 中島健三

    ○説明員(中島健三君) お答えいたします。  その小型底びきの関係の網口開口板をつけた漁法につきまして違反漁業が行われているということについて、現地の保安部がどこどこの漁業関係者から直接陳情を受けたことはないということで報告を受けておるところでございますが、いずれにいたしましても、法律違反の事実がありましたらこれに対して厳正に対処するということは当然 のことでございますので、我々としましても今後一層強力に取り締まりを行っていきたい、こういうふうに考えております。
  192. 諫山博

    ○諫山博君 NHKのビデオは私のところにありますから、必要ならお貸しします。  そこで、最後に農水大臣に質問しますけれども、同和事業がこういうゆがんだ形で農水省管轄のもとで行われてきたと。そして今地対協の意見具申でその見直しを求めているという問題について、農水大臣の感想なり決意をお聞きしたいと思います。
  193. 佐藤隆

    国務大臣(佐藤隆君) 先ほど来、やりとりを聞いておりまして、事実関係の認識がどうも多少すれ違っておるように承りました。委員がおっしゃるとおりなのかどうなのか、私も勉強してみたいと思っております。
  194. 諫山博

    ○諫山博君 基本的な事実は違っていないわけですよ。例えば高知県のさまざまな違法操業をやっている船が同和事業として購入された船だと、これはもう動かないわけです。さらに、ウナギとかスッポンが失敗している。この事業に同和対策事業として莫大な国費が投入された、この事実は動かないわけですよ。そういう前提で御検討いただきたいと思います。
  195. 佐藤隆

    国務大臣(佐藤隆君) 先ほど申し上げますように、その事実関係が私にはどうも受けとめにくい感想を今お受けいたしましたので、勉強してみたいと思っております、こう申し上げているのです。
  196. 三治重信

    ○三治重信君 大臣、あしたから日米貿易交渉で出かけられるんですが、先日、畜産物価格の当委員会での審査のときに、私、予算委員会の関係で失礼いたしましたので、きょうは畜産物の関係で質問をしたいと思うわけです。  それで、まずこの畜産物の自由化、今これは日米で、あした大臣が行かれるのは牛肉と、こういうぐあいに承っておるんですが。畜産物の自由化は牛だけではなくて、豚や鶏、羊その他あるわけなんですが、こういうような全体の畜産物の自由化はどの程度進んでいますか。
  197. 京谷昭夫

    政府委員(京谷昭夫君) ただいま御指摘のございました畜産物の輸入につきましては、食肉では牛肉が輸入割り当て制のもとに置かれております。その他の食肉につきましては自由化されております。また、乳製品につきましては、御承知のように、一部自由化されておるものがございますけれども、脱脂粉乳等々主たるものにつきましては輸入割り当て制のもとに置かれておる状況と相なっております。
  198. 三治重信

    ○三治重信君 そうすると、牛に関する――牛の肉と、それから牛から出る乳と乳牛の関係が今残っている、こういうふうに理解していいわけですね。
  199. 京谷昭夫

    政府委員(京谷昭夫君) おおむねそのとおりでございます。
  200. 三治重信

    ○三治重信君 そこで、我々聞くと、和牛の肉は輸入牛肉やなんかとほとんど競争関係はないんじゃないかと。これは日本で高くても十分需要があって、生産が間に合わぬぐらいじゃないか、こういうふうなうわさも聞くわけですが、和牛の肉について、そんなに輸入の牛肉と競争関係にあるとお考えですか。
  201. 京谷昭夫

    政府委員(京谷昭夫君) お話しございました国産の牛肉のうち、その約三〇%程度は日本の伝統的な品種でございます各種の肉専用種、すなわち、いわゆる和牛から生産をされております。この中の一部は、お話しございますように、相当程度牛肉マーケットの中で高級化、差別化されておるという性質を持った部分があることを私も否定いたしませんけれども、品質的に相当大きなばらつきがございまして、比較的品質の低位の物ないしは国産の牛肉の七割を占める乳牛からの牛肉につきましては、やはり輸入物との相当の競合関係があるのではないかというふうに考えております。
  202. 三治重信

    ○三治重信君 大体意見が一致しているみたいで、確かに乳牛の牛の牛肉については競争関係にあるが、この和牛の、肉牛の専門の方のやつは品質格差があるからそれほど影響はない、こういうふうなことでございますが、そうしますと、今、時々新聞なんかで生の牛ですね、生きた牛を飛行機で連れてくる、こういうのがあると、これはもう自由化されているんですか。
  203. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) 生きた牛につきましては、制度上輸入割り当て制はとっておりません。自由化されております。  ただ、現実問題といたしまして、生きた牛、これは肉の場合でも一部そうなんでありますが、国内の畜産業を各種の疾病から防御するために、御承知のとおり、家畜伝染病予防法という制度によりまして一定の保護をいたしております。外国からの、何といいますか、家畜に対する疾病侵入を防止するために大変厳正な衛生検査を行っておりますが、この衛生検査上の能力の制約がございまして、事実上、何といいますか、貿易制度上は自由化しておりますけれども、そういった検疫上の制約のために事実上の制限が働いておるという実情にあるというふうに考えております。
  204. 三治重信

    ○三治重信君 一種の、何と言うのですか、貿易障害の方なんでしょうか、障壁の方なんでしょうか、一体どこからどれぐらいずつ輸入されているんですか。そして、それは主に、何と言うのですか、自由市場になるんですか、生で入れた生きた牛の肉は畜産事業団がやはり大部分買い上げているんですか。
  205. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) 輸入されますいわゆる生きた牛の流通につきましては、全く民間の自由な取引にゆだねられております。牛そのものが自由であると同時に、そこから生産をされた肉についても同じであります。  この生きた牛の輸入形態というのは、事実上大体大まかに二つに分かれておりまして、日本国内で輸入をした後に、相当期間肥育をして肉を生産する、こういう形態のもの、つまり子牛で輸入をするという形態のものと、それから輸入された後に比較的短時日のうちに屠殺される、比較的ダイレクトに国内で肉に転化するという二つの形態に分かれるわけでございます。  特に、この中の肥育素牛いわゆる子牛につきましては、私ども国内の牛肉生産のためのプロセスとして肥育経営という段階がございまして、この肥育経営のいわば生産原料になるわけでございますが、これを検疫施設の能力等に合わして合理的に対応しますために、この子牛については関税割り当て制度をしいております。従来六十一年度まで一万頭程度の規模で実施をしておったわけでございますが、国内におきまして肥育経営の意欲が非常に強くなってきたという背景もございまして、六十二年度から関税割り当て、実質的には無税にしておりますが、肥育用の素牛である子牛の輸入について行われている関税割り当て量は昨年二万五千頭にし、六十三年度につきましても同様の規模を予定をしておるわけでございます。  全体といたしまして、ちょっと私手元に具体的な数字ございませんが、子牛の輸入量といたしましては大体少しずつ拡大をしておりますけれども、有税のものあるいは今申し上げました関税割り当てによるものを含めまして大体三万頭前後で推移をしておる、こういう状況でございます。  主要な子牛等の対日輸出国はオーストラリア及び一部アメリカでございます。
  206. 三治重信

    ○三治重信君 そうすると、子牛を入れて肥育というのは日本の農家の経営には非常に役立っている、こういうふうに考えて、だんだんこれは拡大していくことになりますか。そうして、予算を見ると、肉用子牛価格安定基金というのが十五億四千五百万円ほど入っているんですが、こういうものの買い入れ資金なんかは借り入れの対象になるわけですか。
  207. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) 外国からの肥育素牛の輸入問題については、私ども必ずしも手放しでこれを、先々考えていくことについてはちょっと問題があるのではないかという意識を持っております。  その一つは、御承知のとおり、国内におきましても相当量の子牛の生産が行われておるわけでご ざいます。その国内で生産される子牛との競合関係をいかに考えるかという問題が一つでございます。  それから、二つ目は輸出国側の問題でございます。御承知のとおり、子牛は最終的には肉に仕上げる過程で多くの付加価値を生むわけでございまして、その付加価値を子牛の生産地でとるか、あるいは子牛の輸入側でとるかというふうな問題がございまして、ある種の資源輸出というふうな問題がございまして、外国側の見方が状況によって非常に変わり得るというふうに考えております。  それから、ただいま御指摘のございました肉用子牛価格安定基金というものでございますけれども、これはただいま申し上げました国内で生産される子牛の価格が安定的な水準で推移していくことをねらいといたしまして、価格変動に伴って、国内で生産された子牛が一定の価格水準を下回った場合に必要な補てんを行って、国内における子牛生産の意欲を維持していくということをねらいとしたものでございまして、輸入をするいわゆる肥育素牛についてこの基金を使って特別に財政的な援助をするということは考えておりません。  ただ、先ほど申し上げました関税割り当ての子牛の管理につきましては、全体の子牛の需給関係を総体的ににらみながら管理をしていくという上で割り当ての窓口を肉用子牛価格安定基金に行っておる、こういう実情でございます。
  208. 三治重信

    ○三治重信君 国内の子牛の生産奨励のために、子牛生産集団に対する補助金を出すようなことに予算書はなっていますね。こういう子牛生産集団というのはどういう機能があり、また実効性がどれぐらいあるのか、全国で何カ所ぐらいこういうような子牛生産集団というものを指定しておるんですか。
  209. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) 国内におきます肉用子牛の生産の振興のために、御指摘のように子牛生産集団の育成という対策を私ども講じております。この全体としての数量がどうなっているかというのは、ちょっと手元に資料ございませんが、御承知のとおり、国内におきます子牛の生産を担当しますいわゆる肉用牛の繁殖経営というのは非常に規模が零細でございます。その零細な規模のままでは生産コストの低下がなかなか図れないということがございまして、地域、農協の単位あるいは市町村の単位ないしは部落の単位ということで、繁殖農家がいろいろな協同体制をつくり上げて実質的に規模拡大、拡大された規模のもとにおいて生産性の高い子牛の生産をする構造を何とか育成していきたいということで、この子牛生産集団の育成ということを私ども推進しておるわけでございます。  具体的には、集団が単位となりまして繁殖のもとになります雌牛の共同購入でありますとか、あるいはこれを効率的に維持していくための飼育施設の整備でありますとか、また、そのほかにそういった集団を対象にして各種の技術指導を集中的に行っていくというふうな体制づくりを進めておるところでございます。
  210. 三治重信

    ○三治重信君 こういうような生産の合理化はもとから改善をしていくということが非常に必要なことだと思いますから、ひとつ上手にやってもらいたいと思うんです。  その次に、先ほどお話があった乳を搾った乳牛肉ですね、乳牛肉と一般の輸入牛肉との価格差というのはどれぐらいと常識的に考えたらいいですか。
  211. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) ただいま先生からお話のございましたいわゆる乳牛サイドからとれる肉でございますが、これも実は大変広範多岐にわたる品質がございます。最も典型的なものとして考えておりますのは、乳牛とは申しますけれども、御承知のとおり、酪農部門で搾乳をするためには必ず子供を産ませる必要があるわけでございます。その中で産まれてくる子牛の約半数は雄牛でございます。酪農部門から見ますと、雄牛は一部種牛に残存するものを除けば酪農サイドとしての経済的価値はないわけでございまして、これを肉資源ととらえまして、これを肥育素牛として肉生産用に専ら飼育をしていく、こういう形態が最も一般的なものでございます。  それから、搾乳に回ったいわゆる雌牛の方も一つは乳を生む能力によって一定の淘汰をしていく必要があるわけでございますけれども、その淘汰の過程で比較的搾乳に入って短時日のうちに肉用に回されるもの、それからやはり酪農部門として本来的な機能であります搾乳に相当長期間使われて、いわば搾乳を終了したような牛を最終的に肥育して肉用に回す、そういう三つの形態に分かれるわけでございます。これらを全部引っくるめまして大体国内における牛肉生産の七割程度を占めておる、こういう状況でございます。  この中で最も典型的な乳用雄牛ですね、雄牛の肥育をして生産された牛肉と現在私どもが輸入をしております輸入牛肉との比較をしますと、アメリカ産のものと比較をして大体倍程度、これはアメリカ産の場合には主として穀物を給与して生産されたものが多うございますけれども、アメリカ産のもので大体半分程度、それから豪州産のものでございますね、これは主として牧草で飼育されたものが多うございますけれども、この価格が大体国産の三割から四割というふうな価格比になっておるというふうに認識をしております。
  212. 三治重信

    ○三治重信君 非常によくわかったんですが、そうするとある程度の、何というんですか、乳の出る牛の肥育頭数をふやしたり規模の合理化をやれば半分程度ということになってくると相当競争力がついてきているんじゃないかと思うんです。そうすればもうある程度、今言っちゃ悪いかもしれないけれども、いざというときには農家保護のための価格差補給制度、いわゆる生産費不足払いというものを確保すれば必ずしもこういうような畜産農家が壊滅的な打撃を受けるということは防げるんじゃないかと思うんですが、いわゆる生産費不足払い制度についてどういうふうにお考えですか。
  213. 京谷昭夫

    ○政府委員(京谷昭夫君) お話のございましたいわゆる牛肉についての不足払いの論議、実はこの十年来、牛肉の輸入制度をめぐっての論議が起こるたびに関係の学者の先生からもいろんな御提言があることは私ども承知をしております。ただ、先ほど来申し上げておりますように、国内におきます牛肉の生産の実態、あるいは牛肉の流通の実態を考えますと、机上で考える不足払い制度にはなかなかなじみにくい問題が多々あるのではないかということを私ども認識をしております。  その考えられる問題点として私どもの頭にありますのは、一つは不足払いの前提としまして、国内の生産者に保証すべき価格水準というものをどういうふうに考えるかという問題があるわけでございますが、実は、国内で生産される牛肉というものは先ほど来お話ししておりますように非常に多段階の品質差がございます。広範多岐にわたりまして、一口に牛肉といいましてもまあまあピンからキリまでということになるわけでありますけれども、非常に多段階にわたっておりまして、どれを対象にすることが適当であるかということについてなかなかコンセンサスを得ることが難しいということが第一であります。  それから、第二の問題点として考えますのは、牛肉が生産される過程というのは、子牛の生産、育成、それからさらに肥育、それから肥育されたものが屠場に出て屠殺をされる、屠殺をされてから枝肉、部分肉、さらに小売段階で最終的な処理、加工が行われて消費に回る、こういう生産過程が大変複雑になっておりますし、またその担い手が他の農産物のように例えば農協系統に相当統一されて担われておるというふうな実情にございませんで、流通の担い手が大変多岐に分かれております。そういったどの段階の牛肉あるいは牛をとらえて、それからまた多岐に分かれております流通の担い手をどういうふうにまとめて不足払いを考えるかというふうな技術的な問題について、私どもとして統一された議論がなかなかできていないというふうに考えております。  それから、最後の問題として、お話しございますような不足払いということになりますれば、一 定の保証価格と現実の市況との差額を財政的に補てんをしていくという制度になるわけでありますから、その財源問題をどうしていくかというふうな問題がございまして、私どもとしては現実的な課題にはなかなかなり得ないものではないかという認識を持っております。
  214. 三治重信

    ○三治重信君 この問題はもっと議論したいんですが、大臣の折衝の問題もあろうから余り深くは入りません。  そこで大臣、今度行かれる場合に、牛肉の自由化をやれば、日本は今一生懸命になって畜産振興をやっていて、アメリカから主として、肥育の飼料はほとんどおまえのところから輸入しているんだよ。自由化して日本の畜産農家がだめになるとおまえらは牛だけは輸出がふえるかもしれぬが、穀物を生産する農家はぺしゃんこになるがいいかというようなことは言うつもりなんですか、どうですか。穀物との関係をどういうふうに、これは私はある程度言ってもらいたいと思うんですが、いかがですか。
  215. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) 十年前、私が中川農林水産大臣に同行をいたしまして、中川・ストラウス会談、このときも既にその議論がございました。えさも買え、肉も買えと言われてもいかがなものか、こういう議論は従来とも繰り返し繰り返し出ておるのでございまして、私が今度言う言わないという中身にはここでは触れるわけにはまいりませんけれども、その議論は私も随分前から心得ておるところでございます。
  216. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 時間の関係で私も質問の問題をはしょってございますので、せっかく御答弁を準備してこられた方にあるいは漏れるかもしれませんので、御容赦をお願いいたしたいと思います。  四面楚歌とか八方ふさがりという言葉がございます。日本の農業、水産業を取り巻く内外の諸情勢を考えました場合に、まさに厳しいという一語をよくおっしゃるんですが、私は日本の農業、水産業を取り巻く情勢が四面楚歌、そして八方ふさがり、こう表現してもいいのではないか、こう思います。例えば、対外的、対内的二面から申し上げますと、農産物の自由化のいわゆる十二品目をめぐってアメリカからの自由化の要求がある。それから、木材関税の撤廃はカナダや東南アジアから迫られておる。それから、漁業の操業規制についてはアメリカ、ソビエトから迫られておる。かてて加えて国内的には円高による農産物の内外価格差の増大に対して是正を要請しておる、あれこれを考えますときに、まさに四面楚歌、八方ふさがり、こう言いたいのであります。  そこで大臣、政府はこのような厳しい状況をどう認識し、今後対応していこうとお考えであるのか、伺わしてください。
  217. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) 今、委員おっしゃるとおりの状況にございます。これをどうやっていくのか、それだけ話していればもう三、四十分かかってしまいますが、端的に一言で申し上げまするならば、我が国には我が国の農政があり、食糧政策がございます。いろんな国々からいろいろな注文をつけられております。それを一つ一つ丁寧にほぐしていかなければならぬ、その努力は簡単なものではございません。それが、言葉で言えば厳しいという言葉になりますし、委員おっしゃるように四面楚歌と言われればそうかもしれません。  そういう中にありまして、やはりそれぞれの国々がおっしゃるのも御自由でございますけれども、我が方も我が方の食糧政策を曲げてまで応ずるわけにはいかぬという問題もあるわけでございまして、特に地域農政、このことを考えれば地域ごとに丁寧にまた私どもは議論をし、再構築をしていかなければなりませんし、対外的にはやはり我が国の事情というものを説明をしながらこの厳しい困難な時代を克服していく、それはアメリカだけではなくて、日ソ漁業交渉におきましてもそうだ、これまた表現を変えれば、粘り強くやらねばならぬ、こういう状況にあるわけでございます。
  218. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 そうした国際情勢の中で、農産物自由化問題が現在の日本の農政の焦点になっておるわけです。  政府は、アメリカの自由化要求に対して自由化は困難である、ただいまも大臣はそういった含みを述べられたわけですが、自由化が我が国農業に悪影響を及ぼさないよう慎重に運んでいきたい、そのため省内にプロジェクトチームをつくって種々検討している、詳しいことは相手に手のうちを明かすことになるので差し控えたい、こう今日まで述べておられることを私はよく存じております。なお、自由化に対する大臣の決意も先日の当委員会でも伺っておりますので、ここでまた改めてその御決意をただす気持ちはございません。  そこで、経済局長に、現在わかっている範囲で今後の交渉のスケジュールはどのようになっているのか、またなっていくのかという点について伺いたいんです。
  219. 眞木秀郎

    ○政府委員(眞木秀郎君) 日米間の懸案でございます牛肉、かんきつ問題につきましては、御案内のとおり現行協定の期限が切れる日が迫っておるわけでございますが、このほど協議の機会が設定されましたので、あす大臣に訪米をしていただき、恐らく三十、三十一日にUSTRほかアメリカ側代表と話し合いをするというスケジュールと申しますか、そういうことになっておるわけでございます。  また、先ほどプロジェクトチーム等のお話がございましたけれども、これは前回ガットの二月の理事会におきまして一応決着を見ました十二品目問題につきまして、そのうちのいわゆる八品目につきまして今後の対応、国内措置あるいは国境措置等につきまして、省内においてあらゆる角度から検討を進めておるというその文脈での話でございます。これらにつきましてはある程度の成案ができる、その状況を見きわめながら関係国、特にアメリカとまた話し合いまして、その理解を求めていくということが必要であろうかと考えております。  さらにまた、でん粉及び乳製品の二品目、これは今後も輸入数量制限撤廃はできないという態度で臨んでおりますので、今後やはりその点につきましても米国その他の関係国に理解を求めていく。特に、米国との関係につきましては、ある程度の一定の理解を得られつつあるというような感触を持っているわけでございます。そういうものを含めまして、今後米国側と具体的にどのような日程で話し合うかにつきましては、今のところまずは省内におきます検討が先立つものでございますので、その状況を見ながらまたアメリカと話し合いをして、適切な日程なり話し合いの場を設定してまいりたい、このように考えております。
  220. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 あえて私が経済局長に求めましたのも、重大な問題に対決するやっぱり主役というのがある。そしてまた、この問題については何といっても農水大臣が主役、先頭である。ところで私はこういうことを申し上げたい。事が成功するためには一人一役みんなが主役、一人一役みんなが主役という体制で進んで支援体制をスムーズに、緊密に整えていくならば必ず予想以上の力を発揮することができるんだと、こういう気持ちを差し上げたいためにこのことを申し上げた次第であります。  次に、六十三年度の農林水産予算は、三兆一千七百十九億となっておりますね。ところが、農林水産省が昨年の夏でしたか、いわゆる概算要求で示された額は二兆五千五百六十一億円、すなわち四・六%の減額要求となっておりますね。そこで、この減額要求した理由と背景を明らかにしてもらいたい。
  221. 浜口義曠

    ○政府委員(浜口義曠君) ただいまお話しの点につきましては、私ども申し上げております、大臣が先ほど御説明申し上げました関係予算という意味におきまして、三兆一千七百十九億ということでございます。その点につきまして、いわゆる所管予算という形でこれを見てみますと、二兆五千五百六十一億円という数字でございます。先生、その間の事情の問題を御指摘になっているんではないかというふうに私ども考えているわけでございます。  ところで、農林水産予算は六年ぶりにプラスになっているわけでございますが、その点につきまして簡単に触れさしていただきますと、非公共の予算につきましては引き続き厳しい財政事情のもとで予算の効率化、重点化ということが行われておりまして、六・七%の減額という形になっておりますが、一方、公共予算につきましては、地域の活性化につながる一体的緊急整備を要する公共事業にNTTの資金の活用が図られたこと、それが一番大きいと思いますが、そういったようなことを中心にいたしまして、二千五百六十億、一九・一%というような大幅な増額になっておるところでございます。したがいまして、昨年に比べまして、先ほど全体の関係予算ということで三兆一千七百十九億、プラスで四・七%の増ということに相なったわけでございます。
  222. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 今の問題につきましては、これにてとめたいと思います。  次にお尋ねしたいことは、今沖縄で生産農家の死活問題だと、百二十万県民にかかわる大きな経済問題だと、こういう観点から島ぐるみで立ち上がっておりますあの自由化につながるパイナップルの問題であります。亜熱帯地方は農産物の生育が早く農業に適しております。政府も沖縄を食糧基地として位置づけておられる。中でもパイナップルについて、予算説明の中で、「生産体制の強化、優良種苗の供給及び果汁製造施設の緊急整備を実施する。」と、こう述べておられますね。  そこで、その概要、それらの事業の実現年度についてさらに詳しくお聞きしたいわけであります。といいますのは、一応自由化の線ではもうやむを得ないという政府の態度でございますので、それならば、農水大臣を初め、たび重なる県民の要求に対して、守ってやるんだ、守るんだということ。ところが、手の内を打ち明けると、惻隠論につながるかもしれませんが、その守るという具体的な柱が今ちらちらしておるわけでありますが、守るということは具体的に一体どういうことなのか、この機会にお聞きしたい。
  223. 吉國隆

    ○政府委員(吉國隆君) 沖縄のパイナップル農業は、先生からお話しございましたように、沖縄の亜熱帯性の気象条件のもとでの地域におきまして非常に重要な作目になっている状況でございますので、私ども先般来プロジェクトチームにおきまして、関連の対策につきまして万全を期すべく準備をいたしておる段階でございます。  体質強化事業の予算についても、これはもちろん自由化ということで始めた事業ではないわけでございますが、沖縄のパイナップル産地の体質強化を図っていっておることはいずれにいたしましても重要な課題であったわけでございまして、私どもとしましては、生産コストの引き下げ、それから従来の加工原料主体の生産というものから、沖縄のパイナップルの風味を生かした生果の出荷ということを加えました多面的な生産体制への転換といったことも必要であるというような認識に立ちまして、必要な予算を計上いたしてきているところでございます。  六十三年度予算の項目に即しまして若干具体的に申し上げてみますと、一つは生産体制の整備という課題でございまして、農道作業道等の基盤整備でございますとか、あるいは糖度の高い生食用の完熟パイナップルの生産のための施設の整備でございますとか、あるいは機械化による省力化というようなことで多目的作業機械というようなものを含めて事業を進めているというようなグループでございます。二番目には、種苗対策といたしまして、従来の品種よりも安定的でかつ多収であるという品種として、先生御案内のとおり、N67―10というような品種の普及をできるだけ早くするという趣旨から、優良種苗の増殖配布事業というものを進めているわけでございます。さらにパイナップルの加工施設の整備等につきましても、地元の実情に即した適切な内容で進めてまいりたいというようなことで予算を計上いたしておるところでございまして、今後ともその体質強化に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  224. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 繰り返すようでありますが、パイン等を含めてサトウキビ、この二つが沖縄の基幹作目ですが、基幹作目ということについての意見はきょうは時間の都合で述べませんが、結論だけ。  サトウキビというのは元来甘いものです。ところが現実的には沖縄県民の生活に結びつくサトウキビは、甘くあるべきサトウキビは苦い味を毎年のように味わわされておる。パインも本当のパインは、質のいい熟したパインというのは甘い。とこがこれも酸っぱいパインという形で毎年のように苦虫を繰り返してきたというのが沖縄県民の率直なこの問題に対する経過であります。  それで、大臣が守るとおっしゃったことを沖縄県民は信頼しておりますよ。この場でもう一遍沖縄のパイナップルは守るんだと、そしてどうやって守るという今までおっしゃったのをさらに深めた、あるいは具体化と申しますか、そういう点からおっしゃっていただければなおありがたいんですが、大臣、パイナップルを守るということに対する御所見をもう一遍伺いたいと思います。
  225. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) さらに具体的にということで、農蚕園芸局長が守る中身をとりあえず六十三年度予算等で御説明を申し上げましたのを、私が実務者以上にさらに細かく言うほどの知恵は実は持っておりませんので、その点はあしからず。  なお、先ほど中身は言えないと言ったがというようなお話がございましたが、それは牛肉、かんきつの対米交渉についてそういう言い方をしたことがあろうかと思いますが、八品目、とりもなおさずパイナップルを含めてのそのことはプロジェクトチームで検討をいたしておりますと、こう申し上げておるので、全部一緒に中身は言えないとおまえは言ったがと言われると、私が覚えておることとちょっと違うのでございます。その点あしからず御理解を賜りたいと思います。  なお、沖縄のパインにつきましては、私はどうしても守らねばならぬ、こう現地でも申し上げておるわけでございます。私自身が現地に参りまして皆さんの感触を一、二承ると、四月一日からもう数量制限の撤廃が行われるのではないか、こういうような感触でございましたので、そうではないんだと、時間は十分とらなければなりません、かけなければなりません、一カ月や二カ月、三カ月、半年で数量制限の撤廃ができるかどうか、そう簡単にはいきませんと。しかしスケジュールとしても、またプロジェクトチームの検討としても十分な対応をなるべく早目に結論を出して、そのことは早目に発表しなければならぬと思いますけれども、実施の時期はそんなに簡単にいくものじゃございませんと、守るということと関連してそうしたこともつけ加えておる次第でございます。
  226. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 繰り返すようでありますが、お気持ちはよく理解できます。とにかく結論的には基幹作目である亜熱帯農業の唯一のパインを守る責任は国にあるんだ、こう私は理解いたします。  最後になりますが、六十三年度において農道離着陸場の整備事業、つまりフライト農業を新たに確立することが計画されております。ところが、初年度は全国六地区で調査設計し、来年度以降一年ないし二年で整備を完了させるという事業でありますが、このフライト農業の対象となる品目を考えてみますと、値段が高いもの、例えばイセエビ、ウニ、マスクメロン等を産地から消費地へ運賃の高い航空機を使用して輸送し、販売しようという計画だと思われます。ただ、これらのものを高い航空賃を使って農家が採算のとれるようにするには、消費地の市況を的確に把握し出荷する必要があると思います。しかし、産地では個々の農家なり農協が迅速な市況の情報を入手するのに大変困難な面があるのではないかと思われます。私が気になるところであります。  そこで、こうした点に政府はどのように対処するのか、このことをお聞きいたしまして、私の質問を終わります。
  227. 谷野陽

    ○政府委員(谷野陽君) ただいま御指摘のように、食料品等が量的な充足の段階を過ぎまして質の時期に入っておるわけでございますが、そのよ うな中で生鮮食料品あるいは花類を中心といたしまして航空機で輸送しての流通というものが進んでいることは御指摘のとおりでございます。このような航空機で輸送しての流通をより有効に利用いたしますためには、ただいま御指摘がございましたように、消費地におけるいろいろな情報というものを産地に迅速に伝えるということもこれまた大変重要なことであるというふうに考えておるわけでございます。  このため、農林水産省といたしましては従来から、市況情報を産地に的確に、早急に伝えるという考え方のもとに、生鮮食料品の流通情報サービス事業を実施しておるわけでございます。このシステムに載っておりますものにつきましては、市場におきまして私どもの出張所のデータをインプットいたしますとそれを生産者がファクシミリで直接受信していただける、こういう仕掛けになっておるわけでございまして、このような載っております品目につきましては、現地におきましてそのようなサービスをより有効に活用していただきたいというふうに考えておるわけでございます。  また、出荷をいたしました品物がどのような値段でどのように売れたかといういわゆる売り立て、仕切りの情報につきましても、DRESSシステムという電算機を利用いたしまして情報処理をいたしましたシステムを普及いたしておりまして、これはお売りになった、出荷をされた出荷者にいわばフィードバックをされるという情報でございまして、出荷をされていない方にはこれは届かないということでございますが、出荷をされた方に自分が出荷をした物がどのような価格でどのように売られたかということが即日情報としてほぼ戻っていく、こういう仕組みをやりまして、これがことしでほぼ全国に普及し、利用をしていただける状態になってきておるというふうに考えておるわけでございます。  私どもといたしましては、これらの情報の内容につきまして、それぞれの時期、内容等につきましてさらに検討を加えまして、より利用していただきやすい情報を提供するように努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  228. 岡部三郎

    ○委員長(岡部三郎君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は本日はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十五分散会