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1988-04-28 第112回国会 参議院 地方行政委員会 8号 公式Web版

  1. 昭和六十三年四月二十八日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  四月二十五日     辞任         補欠選任      山口 哲夫君     渡辺 四郎君  四月二十六日     辞任         補欠選任      渡辺 四郎君     山口 哲夫君  四月二十七日     辞任         補欠選任      田辺 哲夫君     岩上 二郎君  四月二十八日     辞任         補欠選任      沢田 一精君     林 健太郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         谷川 寛三君     理 事                 出口 廣光君                 松浦  功君                 佐藤 三吾君                 抜山 映子君     委 員                 岩上 二郎君                 加藤 武徳君                 海江田鶴造君                 金丸 三郎君                 久世 公堯君                 佐藤謙一郎君                 坂野 重信君                 沢田 一精君                 林 健太郎君                 増岡 康治君                 吉川  博君                 糸久八重子君                 山口 哲夫君                 片上 公人君                 神谷信之助君                 秋山  肇君    国務大臣        自 治 大 臣        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    梶山 静六君    政府委員        自治大臣官房長  持永 堯民君        自治大臣官房総        務審議官     小林  実君        自治大臣官房審        議官       湯浅 利夫君        自治省行政局長  木村  仁君        自治省行政局公        務員部長     芦尾 長司君        自治省財政局長  津田  正君        自治省税務局長  渡辺  功君    事務局側        常任委員会専門        員        竹村  晟君    説明員        国土庁大都市圏        整備局計画課長  中野 和義君        厚生省社会局庶        務課長      菊池 貞夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送付) ○地方行政の改革に関する調査  (地方財政消防行政警察行政等の基本施策に関する件)     ─────────────
  2. 谷川寛三

    ○委員長(谷川寛三君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、田辺哲夫君が委員を辞任され、その補欠として岩上二郎君が選任されました。     ─────────────
  3. 谷川寛三

    ○委員長(谷川寛三君) 公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。梶山自治大臣
  4. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) ただいま議題となりました公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と要旨を御説明申し上げます。  最近の地方公共団体等における土地需要に即応し地域秩序ある整備を推進するため、土地開発公社の業務範囲を拡大する等所要の措置を講ずる必要があります。これがこの法律案を提出いたしました理由であります。  次に、この法律案の内容についてその概要を御説明申し上げます。  まず、土地開発公社の業務範囲の拡大についてでありますが、新たに地方公共団体の要請を受けて実施する市街地開発事業等の用に供する土地の取得、管理及び処分を行うことができることといたしております。  また、業務上の余裕金について主務大臣の指定する有価証券の取得の方法により運用することができることといたしております。  その他、監督規定の整備をする等所要の改正を行うことといたしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  5. 谷川寛三

    ○委員長(谷川寛三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。     ─────────────
  6. 谷川寛三

    ○委員長(谷川寛三君) この際、地方行政の改革に関する調査のうち、地方財政消防行政警察行政等の基本施策に関する件を便宜議題に追加して質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 まず、ただいま御説明がございました公拡法の一部改正について御質問いたします。  今の説明だけではちょっとわからないのですけれども、例えば今度の改正案の中で、観光リゾート地なんかを開発していく場合に土地公社がそういうものに対しても土地の買収ができるというところまで業務を拡大する、そんな内容も含まれているんですが、その場合に対象となる土地公社というのはどの範囲までなのか。都道府県だけなのか、あるいは市町村も全部含めるのか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  8. 小林実

    政府委員(小林実君) 昭和四十七年に法律ができまして、全国の地方団体で従来の地域公社にかわりまして土地開発公社ができてまいったわけでございますが、今まで公有地の先行取得を主体といたしまして、それから公営企業に相当する事業につきましても行ってきたわけでございます。ただいま御質問がございましたように、今回の改正におきましては地域振興、まちづくりの観点から、法律では市街地開発事業を例示してございますけれども、さらに観光施設事業等も積極的に進めたいということで改正をお願いしておるわけでございます。  これにつきましての土地開発公社の範囲でございますが、附則におきまして、当面都道府県の土 地開発公社と政令指定都市土地開発公社に限りましてこの仕事をできるようにお願いしたいというふうに思っております。
  9. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 市街地開発関係についてもそうなんですか。
  10. 小林実

    政府委員(小林実君) さようでございます。
  11. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 都道府県とそれから政令指定都市土地開発公社だけを対象にする、市町村は対象にしない。その理由は何でしょう。
  12. 小林実

    政府委員(小林実君) 今回の改正でお願いしておりますのは、例えば市街地開発事業で言いますと、民間の方々がつくりました組合が事業主体になるもの等、いわば民間が事業主体のものにつきまして種地を確保しておく必要がある。それから観光施設の場合で言いますと、観光開発の場合に枢要なポイントとなる場所があると思いますが、その土地を確保しておった方が望ましい開発ができるということが考えられるわけでございます。今回土地開発公社でできることにしております範囲のこれらの事業につきましては、地方公共団体そのものは現行の地方財政法におきましては起債を財源にして事業を行うことができない分野のものでございます。また、地域によりましては相当程度の土地を一括買収することも予測されるわけでございます。  そこで、この新規の業務につきまして土地開発公社のすべてに行わせるということにつきましては、例えば市町村の土地開発公社によってはその業務能力範囲を超えるという場合も考えられるわけでございますので、当分の間都道府県それから政令指定都市に限ることといたしたわけでございます。今後、土地開発公社の経理とか人的基盤の整備の状況等を勘案いたしまして、場合によっては指定拡大もあり得るということにいたしておるわけでございます。
  13. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 市町村の土地公社では能力に欠けているのだということなんですけれども、例えば観光リゾート地開発の規模にもよりまして市町村の中でも十二分にでき得るところだってあると思うんですね。しかも現にそういう計画を立てている市町村も中にはあると思うんです。ですから市町村だけはカットして政令都市以上でなければだめなんだという言い方はちょっと理解に苦しむわけですけれども、どうして能力に欠けるんでしょうか。
  14. 小林実

    政府委員(小林実君) この改正に先立ちまして、土地開発公社の活性化を図るために委員会を昨年の四月につくっていただきまして今後の取り扱いをどうするかを研究していただいたわけでございます。その中で今回提案をしておりますような業務拡大を提言いただいておるわけでございますが、この中におきましても、今度の新しい業務につきましては土地開発公社千五百のすべてについて行わせるということでなくて、組織上、財政上これらの業務を実施させる能力を有している公社に実施させるというふうに書いてございまして、限るようなことのお話をいただいておりますので、当面都道府県と政令指定都市に限っておるわけでございます。それ以下の市町村につきましては今後の課題とさせていただきたい、こう思っておるわけでございます。
  15. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 千五百すべての公社に適用させろということではないんですよ。そこまで全部やれるわけでもないし、また計画も持っているわけでもないわけですね。ただ千五百の中の例えば市なら市、特別の町なら町がそういう計画を持ってどうしてもやりたいんだというような場合に直接それが市町村でできなくなるというのは、これはやはり市町村の自主性というかそういうものをちょっと制限し過ぎるのでないだろうかと思うんですね。どうして都道府県でなければいけないんでしょうか。
  16. 梶山静六

    ○国務大臣(梶山静六君) 御懸念はわかるわけでございますけれども、この計画の段階、これは都道府県及び市町村が関連をするわけですから、そのもとになる開発の計画は県も市町村もいわば一体のものでございます。それから通常考えられるのは、一市町村という狭い、まあ大きい市町村もございますけれども、狭い地域でのリゾート開発ということでは私はなかろうという気がいたします。そういうことでございますので、計画が関連の市町村と県の間で合い議が調って行われる場合には一義的に都道府県の土地開発公社が行うことが利便でございます。  現実には、その関係市町村のいわば持っている機能を全く無視をするということでなくて、都道府県の開発公社は市町村の開発公社の助言や相当な御協力をちょうだいしながらそういうものを行っていくということになるので、排除をするということにはならないと思いますし、それからむしろ市町村にお任せをして能力を超える仕事を過分にさせることはいかがなものか、そういうことから今回はこのような手配がとられたわけでございまして、長い将来に向かってはむしろそれぞれの能力とその範囲内でできる分野については将来追加をすることを含みに考えながら今回の取り決めをいたしたわけであります。
  17. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 そういう大計画を立てる場合県の方も一枚かんでいることは事実ですが、それじゃその県なら県の土地公社でもって用地を買う、そして計画を進めていく段階で仮に失敗した場合、最終的に全部県も負担を負うのかといえばこれはまた別個な話なわけで、その保証は何もないわけですね。  それと同時に、小さい市町村で計画を立てて実行するのは大変だという大臣のお話ですけれども、北海道のような場合には一つの市町村だって県の単位くらいの広さを持っているところがあるわけで、そういうところでそれなりの計画を立てて実行しようとしているところだってあるわけです。一々それを道の土地公社に介入していただかなくたってやろうと思えばできるわけですね。  しかも市町村だってばかじゃないですから自分の能力以上のことをやろうなんて考えないですよ。大体自分たちの規模からいけばこの程度だったら差し支えないだろうということで例えば観光開発をやろうとしたときに、一々道とか県の方に話を持っていってそちらの方で手当てをしてもらわなければ仕事が進まないというやり方というのは、私はやっぱり行政のスピーディーという面からいっても問題があるのじゃないかなと思うんですね。だから全国一律にそういうふうに考えるというのは私はちょっとまずいだろう。市町村でも能力があってやろうとしているところについては当然今度の法案の対象にしてもいいのじゃないだろうか。  当面当面と言うんですけれども、そう言っちゃ悪いですけれども自治省の当面というのは当てになりませんのでね。私どもは当面というのは数年間というのが当面だと思うんですけれども、三十年以上を当面というふうに考えていらっしゃるようですから、それじゃいつまでたったって市町村は浮かばれないと思うんですね。余り差をつける必要はないのじゃないでしょうか。どうですか。
  18. 梶山静六

    ○国務大臣(梶山静六君) そういう御懸念もあろうかと思いますが、まず心配をされることは、各市町村の独自の計画があってもよろしいではないか。確かに独自の計画を持ち得るほどいろんな能力を持った市町村であればいいんですが、こういうことを今さら言うのはどうかと思いますけれども、例えば工業団地の造成でも、一時期、工業団地工業団地と草木もなびく時代があって、各市町村は我が町こそ我が村こそと言って工業団地の造成をいたしましたけれども、残念ながらいまだにペンペン草の生えているところがまあ表現は悪いかもしれませんがございます。  そういうことでございますので、今回の相当規模の、というのはいわばリゾート地域でございますから相当な面的ないろんなつながりを有機的に関連づけてやることが一番望ましい。またそういうものでなければ成功しない。そういうもろもろの今までの過去の反省をひっくるめてみますと、県が一義的にこの計画に参画をして各市町村の意向を吸い上げる、そしてそれにどうしてもはみ出すと言うと言葉が悪いけれども独自でできるようなところがあれば、まさに三十年も四十年も先に 延ばさないで検討を加えてそういうものができるようにしてまいりたいというふうに考えております。
  19. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 たまたま今工業団地の話が出ましたけれども、市町村がたくさん工業団地をつくってペンペン草が生えているのも事実でしょうけれども、北海道や県でもそうなんですよ。ですから規模が小さいからそうなんじゃなくて、規模が大きくたって、やっぱり日本経済全体をきちっと見通せなかった中でのやり方をしたためにこういう状態が生まれてきているわけですから、それは県と市町村を区別して考えるべき問題とは違うということですね。  それで大臣も今、三十年とかそんなことを言わないでなるべく早い機会にひとつ検討する課題にしていきたいというふうにおっしゃっておりますので私は強く要望しておきたいんですけれども、なるべく早く、そういう市町村でも独自で計画を持って進めたい、その内容をよく検討するとそれは十二分にやっていけるだろう、そういうようなことを感じた場合においてはひとつその対象に入れるように検討していただきたいなと、そういうふうに思います。  特に土地公社の関係からいきますと極めてスピーディーにやっていかなければ何も意味がありません。時間をかけて計画が大っぴらになってしまって、都道府県に頼んで買ってもらったときにはもう地価の値上がりなんかが始まっているというようなこともよくありますから、その点はできるだけ規模の小さい中でスピーディーに必要な土地を買収していくということが地域住民にとって大事なことだと私は思いますので、ぜひひとつその点を大きな課題として検討していただきたい、そう思います。  それでは次に国土庁に国の機関の地方移転についてちょっとお聞きしておきたいと思うんですけれども、これは大変結構な計画だと思うんです。ただ私の心配するのは、行き先は都道府県に任せるんでしょうけれども、どうも都道府県に任せるだけでは、今度は都道府県の県庁所在地を中心として出ていくということが心配されるわけですね。  そうなりますと、今都道府県の中で問題になっているのは過密過疎の問題です。それでなくても都道府県単位で過密過疎が非常に進んで過疎地域が困っているところに、今度は国の機関の移転が都道府県の県庁所在地に行くということになりますとますます地方の過密過疎を高めることにつながっていきはしないだろうか、そういう心配があるんですけれども、その点はいかがでしょう。
  20. 中野和義

    ○説明員(中野和義君) お答えいたします。  委員御質問の国の機関等の移転の件でございますが、現在の作業状況をちょっと申し上げますと、現在関係各省と協議いたしつつ移転候補機関等の選定について検討しているところでございます。移転先地の問題につきましては、この移転候補機関等あるいは移転条件の概要等が明らかになる過程において今後個々の機関ごとに明らかにされていくものでございます。  御質問のございました移転先地が県を主体で行われるのかあるいは県庁所在地中心になるか等については、個々の機関の業務の性格あるいは移転の趣旨の中でそれぞれ個々具体的に決まってくるものでございます。現在現実に県市からいろいろ具体的な要望等も来ているのも事実でございますが、やはり基本的に移転を進めます関係省庁の意向等もございますので、そういったものを含めまして適正な適地が決まってくるというものでございます。  県の中におきます過疎過密の問題につきましては、これは移転機関がその地域の活性化につながることであれば移転の効果そのものが非常にあるというふうにも考えているわけでございまして、そうした中での県土内の均衡ある発展等につきましては、過密過疎問題についても十分検討しながら各県、国等の施策等が講じられていくものと思っているところでございます。
  21. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 出ていかれる機関の希望といたしましては、やはりそこに働く職員のこととかそれから子弟の教育だとかいろんなことを考えますから、そうするとどうしてもやはり文化的な生活を営めるような県庁所在地というものを希望されると思うんですね。ですから出かけていく方の意見というものが中心になりますと地方ではどうしても過密過疎につながってくるだろう。受け入れる方の県といたしましても、そういう出ていく方の希望というものを取り入れなければ今度うちの方に来てもらえないのじゃないか、ほかの方に行ってしまうのじゃないかという心配も出てくる。  ですからその辺は国土庁といたしまして、国土庁は別に東京都のことだけ考えているのじゃなく日本全国のことを考えてやっておられると思うので、やはり出ていく先の都道府県の過密過疎の問題にまで注意を払って十分各都道府県と話し合っていく必要を私は感じるわけです。その辺の指導性というものを国土庁でしっかり踏まえていただきたいものだなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
  22. 中野和義

    ○説明員(中野和義君) 現在いろいろと検討されております機関の中には、いわゆる地方支分部局などのように、関東を管轄するという業務の性格上どうしても東京周辺というおのずから地域的な限定がなされざるを得ないものもございますが、その他の機関につきましては可能な限り地域の振興につながるという視点からの検討も必要というふうに考えているところでございます。
  23. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 よく答弁が理解できないんですけれども、東京周辺というのは確かに出ていく方としては便利だと思うんですね。しかし東京周辺でなくたって、例えば北海道であっても九州であっても何も支障のない機関もあるのじゃないでしょうか。ですからそういうようなところはできるだけ国土庁みずからが指導性を持つべき問題だと思うんです。そして今私が前段申し上げたように、それぞれ出ていく先の都道府県の過密過疎の問題まで注意を払って、そういう全体的な中で国土庁の指導性というものを発揮してほしいという気持ちを持っているんですけれども、もうちょっとわかるように説明していただけないでしょうか。
  24. 中野和義

    ○説明員(中野和義君) 今度の移転対象となります機関がどのような業務の性格のものでありどういったところが適当かということにつきましては、移転を進めます関係省庁の御意向を踏まえ、また御指摘がございましたような地元各県、国等にいろいろな移転条件等がどのように受け入れられるかという点もございますので、それらを総合的に考える必要があると思っているわけでございます。  移転先地の問題につきましては、先ほどお答えしましたとおり、ある機関につきましては基本的に東京周辺にならざるを得ない性格のものもあるわけでございますが、その他のものにつきましては可能な限りそういった地域の振興にできるだけつながるよう、必ずしも東京周辺ばかりではなくて各地方にもできるものについてはそのような検討をお願いしたいという視点でもって進めていきたいと思っております。
  25. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 今申し上げたような私の考え方を何とかひとつこれからの計画の中で生かしていただけるようにお考えいただきたいものだなというふうに要望しておきたいと思います。  ちょっと時間配分の関係から問題を入れかえまして、福祉灯油の問題を先にやらせていただきたいと思います。  北海道を中心といたします寒冷地帯では、国家公務員とか地方公務員は寒冷地手当が出ておりまして、その中で、昔の石炭手当と言われたのが今暖房料ということになっているんでしょうけれども、それも含まれている。それから民間の企業に働くサラリーマンの方々はやはり公務員に準じましてそれぞれの企業が暖房手当というかそのたぐいのものを出しておる。それから生活保護世帯というのは保護費の中に冬季加算というものが加わっておりますから、暖房料というものはその中からある程度生み出すことができるわけです。  そういうふうに見ますと、寒冷地帯に住んでお りながら暖房料と称するものが全然手に入らないというのは、年金生活者、それから低所得者、身体障害者等々ですね。ですから社会の中で一番恵まれない方々が寒冷地帯に住んでいるときは、暖房料と称するものが一銭も手に入らないために非常に苦しい生活を強いられているわけなんです。御存じのとおり、例えば北海道に住んでいる者は食事を一食抜いても暖房だけはたかなければ生きていけないということがあるわけですね。そういうことから考えますと、これは私は何とかこういう方々に対して暖房料に見合うものを国の政策として考えるべきでないだろうか。私どもはそれを称して福祉灯油というふうに呼んでいるんですけれども、この考え方に対する厚生省のお答えをまずお願いしたいと思います。
  26. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) 今先生のお尋ねの件につきましては、私どもの方でも問題であるということで、地方自治あるいは財政、社会保障に関係する五人の先生に社会福祉制度における地域的特性の問題に関する研究会というものを開いていただいたわけでございます。  ここで六回ほど検討し、また北海道の現地等も視察をしてまいったものでございますが、基本的に地域特性に関する国と地方の役割分担については、国民生活の分野におきましては、最低生活の保障というようなナショナルミニマムは国の責任で行い、それを超える地域的特性に基づく需要に関する施策は地方公共団体の責任において実施されるのが原則である。一方北海道におけるいわゆる福祉灯油の問題につきましては、研究会報告にもございますが、極めて地域特性の強い事柄であるということで、基本的には地方自治体の責任において実施していただくのが適当ではないかということでございます。なおこれには多少留意する部分がございまして、経済情勢が特段に問題となるような事態になったりしたような場合はまた別であるということが書かれているわけでございます。  そのようなことを踏まえまして、国として新たな施策を講ずるということについては極めて難しいと考えているわけでございます。
  27. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 今あなたが読まれた研究会の報告書は御都合のいいところだけ読まれていらっしゃるんですね。「ナショナル・ミニマムは、国の責任で行ない、それを超える地域的特性に基づく需要に関する施策は、各地方公共団体の責任のもとに実施されることが原則であると考える。」それは前段の話で、その次に「このような国と地方公共団体の役割分担という観点から、最低生活の保障を行なう生活保護あるいは社会福祉施設の運営など、基本的に国の事務とされてきたものにおいて、特別の給付を行なわなければ、実質的なナショナル・ミニマムを確保できなくなる場合、」今あなたがおっしゃったようにナショナルミニマムの問題は国なんだとおっしゃっておるけれども、しかし実際には特別の給付をしなければそういうナショナルミニマムが確保できなくなる場合においては「国の施策において地域的特性を配慮すべきものとされてきた」こう言っているんですね。  だから、地域特性のものについては全然国としては考えなくてもいいのだというふうに言っているけれども、それは原則であって、しかしそれだけではナショナルミニマムを確保できなくなる場合においては国としても地域特性を配慮しなければだめなんだというふうに書いているのじゃないですか。
  28. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) もちろんナショナルミニマムに関する部分については地域の特性も十分配慮したものが確保されているわけでございます。御指摘の生活保護だとか社会福祉施設の措置費の関係はそういうことになっておるわけでございます。
  29. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 地域の特性ということからとらえても当然国の方の施策として考えなければならないんだ、これは生活保護の中でも当然冬季加算ということで特殊な事情というものを国の施策の中で考えているわけです。それじゃ生活保護世帯に考えているならば、低所得世帯と言われる例えば年金生活者の中でも非常に低い年金生活者とか身体障害者とかそういう方々に対しても、やはり国として特殊な地域に生活する人たちへの施策として当然考えなければならないということになりはしないでしょうか。
  30. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) 生活保護につきましては国がその最低の生活を保障するという立場に立っているわけでございますので、そういう地域の事情があればそういったものも加味したものとして最低生活をすべての国民に保障しているわけでございます。しかしながら年金等につきましてはこれはそこまでの強いものではございません。また年金については一つの制度として組み立てられておるわけでございますので、その個別事情には必ずしも対応できないというような部分があるわけでございます。  私どもの方といたしましてはそういういわゆる一般的な低所得対策といたしましては、世帯更生資金といったような三%ぐらいの低利で融資をするというような道は一般的に開いているところでございます。
  31. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 世帯更生資金というのはこれはあくまでもお金を貸してあげるんですよね。貸してあげるから灯油を買いなさいというんです。返さなければならない金ですよ。こんなものを対象にしたって話にならないんです、福祉灯油の場合は。国民の最低生活を保障する、それは生活保護世帯だけではないと思うんですよ。生活保護世帯とほとんど変わらないくらいの非常に低い年金でもって生活している低所得者、そういう方々に対しては当然国の方としてそこまで配慮する必要があると私は思うんですね。この研究会の報告からいきましても、そういう地域特性ということもやはり国の政策としても考えざるを得ないだろうと言っているんですから。  と同時に、地域地域といって何か北海道だけのように感じられるんですけれども、日本の総人口一億二千百六十七万のうち、北海道、東北六県、北信越、大体冬に灯油をたくところですが、これは人口からいきますと一九%ですね、約二割近い国民が冬は灯油をたいて生活しているわけです。ですから、こういうような多くの方々の中で非常に冬の間生活が苦しくなって困る家庭というのがたくさんあるということを考えた場合にもう少しやはり国の方として面倒を見てもしかるべきでないかなというように思うんですけれども、その点申し上げておきます。  もう一つ別な問題で、さっきあなたがおっしゃった二番目の「このような実態や地域特性に係る国と地方自治体の役割分担を考えると、福祉灯油問題について、国が新たに具体的な施策を講じることを理論づけることは、必ずしも容易なことではない。」いわゆる国としてやるべきものと地方としてやるべきものとはおのずから違ってくるという考え方、そのことが研究会の報告の中に出ていると言うのですけれども、その中でもこういうふうに書いているんです。  「しかしながら、北海道及び北海道の各市町村においては、老人世帯や身体障害者世帯などに対して、灯油購入による他の消費支出への影響など、その生活実態を勘案して、冬期生活資金の貸付けや灯油の給付が行なわれている実態についても、考慮しなければならないものがあると思料する。」そして「国においても北海道に対して、必要な施策の実施と指導援助を行なうべきである。」こんなふうに書いていますね。  ですから、そういう地域的な問題についてはそれは自治体がやればいいので国が関与することではないのだというふうにあなたはとっているでしょうけれども、その中でも、しかしながらそういう北海道なんかの生活実態を考えた場合においてはやっぱり国としても何らかの考慮をしなければならないのでないか、そういう報告書なんですね。だから前段の都合のいいところばかり言わないで、後段の「しかしながら、」以下のそういうところもきちっと解釈してやっぱり福祉灯油というものを国の制度として上げるべき時期に来ているのでないかと私は思いますけれども、どうでしょ うか。
  32. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) 今の御指摘につきましては、私どもの方としては基本的な結論は変わらないわけでございますので、経済情勢なりあるいは灯油の価格が非常に上がってくるというような事態があればもちろん先生の言われるようなことも配慮する必要性があるかどうか検討をしなければならないと思っておりますが、現在の時点においてはそのような事態ではないのではないか。  なお、先生の御指摘の文章の中で「国においても北海道に対して、必要な施策の実施と指導援助を行なうべきである。」ということで、北海道に対してそういったいろいろなことを応援してあげなさいということで、実施主体はむしろ北海道、道庁というふうなことで書かれてあるのではないかと私は理解しております。
  33. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 それは違うのじゃないですか。この報告書の六ページの中で「国においても北海道に対して、必要な施策の実施と指導援助を行なうべきである。」と書いてあるんですから、北海道がやれというのじゃないですよ。国が北海道に対して援助しなさいと書いてあるのじゃないですか。どうですか、そこは。
  34. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) これはいわゆる低所得者対策といたしまして、世帯更生資金、これは国の制度を受けて地方で実際に貸し出しをしているわけでございますが、それの積極的な利用の促進とそれから年末助け合い運動における配慮、これはいわば民間の社会福祉事業でございますが、そういった面で国においても指導をしなさいということではないかと思います。
  35. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 世帯更生資金を貸し付けるからいいのだと言うんですけれども、私はこれはそれほど役には立たないと思うんです。私も実際に世帯更生資金の仕事をやったことがありますが、非常に苦しいから借りにいらっしゃるんですけれども、借りるとなおさら大変なことになる方だっていらっしゃるんですよね、返さなきゃならないんですから。ですから何でも世帯更生資金でもって逃げようとするんですけれども、私はこれは非常に危険だと思うんです。もちろん世帯更生資金の必要性も認めます。しかしそれでは解決できないようなこういう灯油の問題というのは貸し付けに頼るべきではないと思うんですね。これは私は間違いだと思うんです、貸し付けに頼るという考え方は。  歳末助け合い運動というのはこれは全くボランティアで、そのときによって金額が全然違ってくるんです。そんなボランティアを国の政策として当てにするというのは私はやっぱりちょっと考え方が違うんでないかなと思うんですね。どうでしょうか。
  36. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) これは研究会報告の指摘でございますので私どもあれこれ言うあれではないのですが、ただ、歳末助け合い運動は民間の事業ではあるけれどもその中でも何か特別な配慮があればそれはそれで好ましいということではないかというふうに考えております。
  37. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 それはボランティアによっていろいろ援助していただくというのは好ましいことで大変ありがたいことです。だからといって、それはボランティアですから金額はどういうふうに変わっていくかわからないものですよね。そういう国民の善意だけに頼ってこういう制度を片づけてしまうというのはどうなんですかね。社会福祉の責任主体というのは政府でしょう。政府がみずから責任を負ってやらなければならないことをボランティアの方に全部任せてしまうというやり方は、私は社会福祉の基本的な方針としても間違いでないかと思うんですね。そういう考え方でいらっしゃるんですか、厚生省は。
  38. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) 基本的な国と地方の行政の分担関係ということについて、研究会報告では先ほど私が申し上げましたような原則を踏まえて御意見が出ている。そういった建前からして、さらにまた経済情勢なりあるいは灯油の価格等が異常に上がるというような事態でない今のような落ちついた時期に、国として特別な施策を打ち出すということは困難であるということを私は申し上げた次第でございます。
  39. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 灯油の値上がりの問題が今出ていましたけれども、値上がりが激しいから見るとかというものではないと私は思うんですね。灯油の値段というのは上下ありますよ。しかし下がるときには北海道だけでなくて全国全部下がるわけですね。灯油をたいているのは今申し上げた北海道、東北六県、北信越だけじゃなくて、関東の方だって少しはたきますでしょう。ですから灯油の価格だけで論じるべきではないと思うんですね。  例えばこの報告書の中にも出ておりますけれども、暖房費の支出というのは昭和六十年で計算すると全国平均が二・二万円である。北海道はその三・六倍の七・九万円と全国平均よりも著しく高い。したがって支出全体に占める割合は高いものになっている。  だから灯油の値段が下がったってほかに比べて高い倍率というのは変わらないわけです。そういうことを考えると、灯油の値段が上がったときには考えるし上がらないときには考えなくてもいいんだということではないと思うんですね。どうしたって絶対量はたかなきゃならないんですから幾ら灯油が安くなったって相当の支出は伴ってくるわけです。だから私は当然これは価格とは別に考えるべき問題でないかなと思うんですけれども、その点はどうですか。
  40. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) 先ほど私が申し上げましたことに若干の誤解があったのではないかと思いますが、私の言い方がまずかったのかもしれませんが、私どもとしては、基本的には先ほどの国と地方の役割分担において、地域特性に基づくものは地方の役割である、地方の財源によって地方の施策を講ずるというのが原則であるということで申し上げてあるわけですが、特別に例えばオイルショックみたいな事態、ああいうふうに経済の情勢が非常に激変して日本全体としても何か対応しなければいけないというような事態、というようなことはここに書いてありませんけれども、そういうような事態があるとか、国がどうしても出なければならないそういう特段の事情がない限りはその原則論でいかざるを得ないということになるのではないかということを申し上げたつもりでございます。
  41. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 そうしますと、あなたのお考えからいくと、オイルショックのようなことがあって価格が急激に上がったときには福祉灯油も考えるということですね。
  42. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) 福祉灯油に必ずしも限らないかもしれませんけれども、そういうような事態も考えられるのではないかということでございます。
  43. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 いや、私は今福祉灯油の話をしているんですから、福祉灯油に限らずということでなくて福祉灯油も当然考えなければいけないでしょうというんです、今のあなたの論法からいけば。
  44. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) そういう事態が考えられる場合もあり得ると思います。
  45. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 それはそれとしてお答えはしっかり受けとめておきたいと思うんです。  それで、前にお亡くなりになった園田厚生大臣が昭和五十七年三月二十六日全国高齢者退職者連絡協議会の代表とお会いしたとき、そのとき参議院の方からは対馬孝且先生、それから衆議院の池端清一先生が立ち会いでいらっしゃっているわけですが、この問題はその後対馬先生もこの間の社会労働委員会で取り上げて厚生省それから大臣とも話し合いされているわけで、その議事録の中にも出ておりますが、そのとき園田厚生大臣はその方々の事情を聞いてこれは本当に大変だなということで、政府としてこれは何とかしよう、福祉灯油というのは考えなきやならないと言って約束をされているんですね。この約束をどう受けとめていますか。
  46. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) そういったことを踏まえまして歴代の大臣が国会答弁等もされて、その結果学者によるそういった研究会が開かれたものと 考えております。
  47. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 それは違うのじゃないですか。そこを結びつけるというのは非常に危険ですよ。少なくとも大臣が福祉灯油を認めてこれは何とかしなきゃなりませんと言い切っているんです。出すか出さないか研究してみましょうというんじゃないんですよ、これは。先に福祉灯油を出さなければならないということをはっきり言っているんですよ。そしてポジションがかわられてたしか外務大臣になられて新しい大臣になった。そういう中でこの問題をどうしようかということで研究会みたいなものをつくったわけですね。  だからそれは違うのじゃないですかね、やり方が。大臣が出さなければならないという約束をしているんですから、出すためにどういうふうな形をとるべきかという研究会ならいいけれども、まるっきり福祉灯油をどう考えますかという研究会をつくってその結論に基づいて動くんですということは、私は当時の厚生大臣の責任ある発言というものを一体厚生省はどうとらえているのか非常に不思議なんですね。大臣が一たん約束したことをどうしてまず先に実行しないんですか。そのための手だてをしないんですか。
  48. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) 私どもといたしましては、これはかなり前のお話でございますが、園田大臣がそういった趣旨の御発言をされたということは聞き伺っておりますけれども、それを受けて次の大臣以下でいろいろと対応を考えて、その結果こういった研究会でそもそも国と地方の役割分担というようなものについて先生方に検討していただくということで推移してきたものと考えているわけでございます。
  49. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 どうもあなたと話をしてもさっぱり先に進みません。残念ながら厚生大臣と直接お会いしてやる機会がないのでその問題については一応その辺にしておいて、いずれかの機会に私はやろうと思っております。  それで、あなたがさっき地方の役割は地方の役割としてやってもらえばいいんだ、だから国は関与すべきじゃないんだ、こうおっしゃるんですけれども、例えば厚生省で持っていらっしゃるいろんな厚生施設がありますでしょう。厚生施設の中で寒冷地帯にある施設もありますね。その寒冷地帯にある施設の維持運営費というものは当然国として配慮しているのじゃないですか。だから寒冷地帯にある特殊な地域のものはその地域で何とかしなさいとおっしゃるけれども、しかし寒冷地帯にある国の施設のそういう問題に対しては当然国としても配慮しなければならないということでちゃんとやっていませんか。
  50. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) これは先ほどの国の事務とされているような生活保護あるいは社会福祉施設の運営に関する費用でございますので、こういったものについては国が責任を持つという観点からそういった対応をしているものでございます。
  51. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 例えば地方交付税の中で寒冷地補正というのがあるわけでしょう。そしてそういう特殊な地域にある国の施設の運営に対してはその地域の特性というものがあるからそれは当然面倒を見なければならないということで交付税で面倒を見ているわけです。ですから国の方でもちゃんと地域の特性のものは地域だけに任せるのではなくして国で面倒を見ている。これだけは事実でしょう。
  52. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) そのように理解しております。
  53. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 それが事実であるとすれば、国民全体の福祉を考える場合に、国の施設だけ面倒を見ればいいんでそこに住んでいるそのほかの者は面倒を見なくてもいい、そういう区別はできないのじゃないですか。
  54. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) これは交付税の計算の基礎みたいなものをどういうふうなところへ求めるかというようなことになると思いますし、それは非常に難しい話になるのではないか、私ども厚生省があれこれ言う問題ではないのではないか。地方交付税の積算の問題ということだといたしますと、これは自治省の問題というふうに考えてよろしいのじゃないかと思います。
  55. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 それは違うのじゃないですか。例えば国の機関でなくてもいい、自治体の機関で例えば保育所の運営等について、国の方としてはこれを維持していくためにはこの程度のものが必要ですといって厚生省の方でちゃんとした計算を出して、そして自治省の方に交付税で考えてください、こういうふうに出すわけでしょう。そうすると寒冷地に住んでいる住民の福祉を考えた場合に、これは何とかしていかなければならないという考え方に立ったら、その分については自治省に対してこういうことをぜひひとつ考えてもらえないかということを厚生省の方から言っていかなかったら、自治省が勝手に組むわけにいかないのじゃないですが。どうなんですか。
  56. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) 先ほどから申し上げておりますように、施設の運営については措置費等について国の責任がございますので、その関係でその積算等については国が責任を持って対応するということで今のような対応になっているものと考えているわけでございます。
  57. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 そうすると、厚生省というのは御自分の施設のことだけ考えればいいので、それ以外の国民福祉のことは考えなくてもいいということですか。
  58. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) もちろん全般的な国の施策として厚生行政で問題となるような事柄があれば、それへの対応というものは考えるわけでございますが、直接国が対応する場合と地方公共団体等がやっていただくのがふさわしいものといろいろとあるのではないかというふうに考えております。
  59. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 国がやるべきこと、それから自治体がやるべきこと、国がやってふさわしいことといろいろあるでしょうね。しかしさっきから申し上げているように、この福祉灯油の報告書を読んでも国が援助しなさいと書いているんですよ、援助することを考えなさい。確かに原則は原則として自治体でやるべきことは自治体でやりなさい。しかしこの状況を考えた場合にやはり国としてもこれは少しは援助していかなければならないだろう、地域的な特性ではあるけれどもそういうことは国としても考えるべきものだなというように書いているんですよ。だからどうしてそういうことを素直に受け入れてそれじゃ国の方としても何とか考えようということにならないんでしょうか。どうですか。
  60. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) 山口先生の御趣旨はわかりますが、先ほどのように、私どもとしては仕事をする場合に役割分担というようなものも含めて国全体としてどうしていくかということについてはもちろん考えるわけでございます。そういう意味でいろいろと分担関係等もあれば、必ずしもすべてを厚生省がやらなければならないというふうには考えていないわけでございます。
  61. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 恐らく厚生大臣のところにも自治大臣のところにも、寒冷積雪地居住の各種年金受給者等に対する福祉灯油支給の制度に関する陳情書、こういうのを持って、北海道東北ロック六県、北信越ブロック五県の代表が陳情に行ったと思うんです。きょうも厚生大臣に対する陳情もあるわけです。この人たちにしてみたら本当に切実な問題ですよ。年金はさっぱり上がらないわけでしょう。そして国民健康保険はものすごく上がっていくわけでしょう。生活というのは年金生活に入ったときよりもだんだん苦しくなってきているんです。  そういう中で、年金生活に入った途端に今までいただいていた灯油に該当するようなものは一切もらえないんです。だから彼らの生活をごらんなさい。さっき言ったように北海道なんか飯を一食くらいやめても暖房だけはたかなきゃならないんですから、なるべく早く寝てなるべく遅く起きようというんですよ。昔は早く起きて一生懸命稼ごうと言っていたんだけれども、こういう人たちはなるべく早く寝て遅く起きよう、そういう生活をしなければ灯油代を浮かすことができないと言っ て大変深刻な生活を強いられているんです。しかもそれが人口比からいけば国民の大体二〇%が住んでいる地域にそういう方々がいらっしゃるわけですね。  そういう切実な国民の苦しい生活を考えた場合に、この報告書の趣旨からいきましても、細かなところを一々こう言っているからこれでいいのじゃないかということでなくして、全体の趣旨としては、そういう特殊地域の問題ではあるけれども国としてもある程度のことは考えざるを得ないだろうなと、そういう基本的な報告書の精神というものをやはりきちっと受けとめて、しかも園田厚生大臣が、これは大変だ、やらなければなりませんねと約束しているんですから、そういう今までの歴史的な問題もきちっととらえてこれは考え直してくださいよ。どうですか。
  62. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) 先生の御意見は十分承りました。私どももできるだけ、そういった御意見があったということを念頭に置いてまた行政を進めていきたいと思います。
  63. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 ちょっと後ろの方が全然聞こえないんですけれども、はっきり答えてください。
  64. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) 御趣旨は十分承りましたということでございます。
  65. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 趣旨を承るのはいいんですけれども、承ってどういうふうに考えますかというんです。
  66. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) 国としてやるべきことあるいは地方公共団体としてやるべきこと、いろいろあろうかと思います。そういう中で国がどういう面までやれるか、そういったことについて私どもとしても今後とも十分研究していきたいということでございます。
  67. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 ということは、研究会の報告書の細かなところだけにとらわれずにこの精神というものをきちっと踏まえて福祉灯油の問題については検討してみたい、こういうふうに受けとめてよろしいですね。
  68. 菊池貞夫

    ○説明員(菊池貞夫君) どうもその辺が必ずしも先生と同じ見解に立つとは思われないのですが、いずれにしても、国としてどこまでできるか、できる分野についてはできるだけの対応をぜひ考えたいというふうなことで御理解いただきたいと思います。
  69. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 できるだけどこまでできるかその対応を考えたいと言うんですから、ぜひひとつ考えてください。またいずれかの機会にやらせていただきますし、できれば厚生大臣にも機会があれば質疑してみたいと思っています。  そこで自治省にお尋ねいたしますけれども、先ほど厚生省の方がこういうふうに言っていましたですね。地方の役割というものがあるんだ、地方の役割は地方で何とか解決してもらわなければならないんだ、しかし国の機関についてはそういう特殊な地域のものについてはやはり国としてもそれなりに交付税なんかで考えていく、こんなようなお話があったんですけれども、今のやりとりを聞いておって、これはやっぱり地方の特殊な事情ではあるけれどもある程度国も関与していかなければやむを得ないなというように恐らくお考えになっていらっしゃると思うんです。そういう観点に立ったとするならば、どうですか、交付税の中でこれを考えることはできませんか。
  70. 津田正

    ○政府委員(津田正君) 先ほど来御議論がございます寒冷地に住みます低所得者等のいわゆる冬季暖房費等の家計負担をどうするか、これに対して福祉措置というものを行うかどうかという問題でございますが、今の御議論を聞いていましても、私どもとしましては、基本的には国の福祉施策としてどのように位置づけるか、それに対応して地方団体はどのような役割を果たすべきものか、こういうふうに考える次第でございます。  福祉問題でございますので私どもが第一義的に責任ある答弁をできる性格のものではないわけでございますが、この福祉灯油の問題というのは、いろいろな福祉施策がございますが、やはり一種の所得保障なり所得扶助というような観点の問題ではないか。それでそれの基本というのが御承知のとおり生活保護法でございまして、生活保護基準にも「前項の基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて」考慮するというように、地域別という事情も生活保障の基準でございます生活保護費には考えられておるわけでございます。  そういう意味におきまして、例えばこの生活保護費の基準でも地区別冬季加算というのが設けられておりまして、通常の場合でございますと、生活保護基準が一〇で所得が二あれば八の保護費を受ける。ところが北海道等そういうような冬季暖房等がかかるところには冬季加算が行われて一〇ではなくて一二という保護基準があって、所得が例えば二しかなければ今度は一〇受ける。それでさらに所得が一一ある人ですと、暖房費のかからないところは保護費は受けられないわけですが、北海道等冬季加算が加わって一二という保護基準であれば一一の方も保護費は受けられる、こういうようなシステムになっておるのではないだろうか。  ですから、この冬季加算というものの保護費上の扱いが手厚いのか薄いのか、そこらの問題から議論をしなければならぬものではないか。私どもはもちろん生活保護は責任ある答弁ができるわけではございませんが、そういうような考え方に立ってこの問題は検討を進めていくべきものではないか。その上で、もちろん生活保護費におきましても地方団体がケースワーカーなどを持ってやっておるわけですが、国と地方との負担割合等をきちっと決めてやっておるわけでございますので、そういうような基本的な観点からこの問題は解決していかなければならないのではないか、かように考えます。
  71. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 今おっしゃった例えば生活保護費の場合、私は厚生省に聞いてみたんですけれども、当然冬季加算をしている。冬季加算をしているということは、冬の間はやはり暖房も必要だろうし衣服だって厚く着るだろうし、だから暖かいところから見ると特殊な生活を強いられるからそういうもの全体を考えて冬季加算というものをしているんだ、こういう話です。そうすると当然生活保護費の中には暖房に関係するものも、精密ではないけれども幾らかは入っていることだけは事実なんですね。  それと余り変わらないような非常に低額の年金生活者、低所得者の方々はそういうものは全然ゼロなんです。だからそういうことを考えた場合に、やはりそういう方々に対して地域のそういう特性ということを加味しながら交付税の中で考える余地はあるのじゃないでしょうか。
  72. 津田正

    ○政府委員(津田正君) 先ほど若干数字的なことで申し上げましたが、例えば一般的な土地で一〇の保護基準のところが冬季加算でそれに二加算になって一二になる。そういたしますと、一一の人が北海道におればこれは低所得者というよりむしろ生活保護の対象になって、足らない部分は保護費を受けるはずでございます。ですからやはり生活保護基準の立て方がまず基本的に問題なのではないか、かように考えるわけでございます。
  73. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 理屈からいけばそうですよ。暖房費を考えた場合に冬季だけは生活保護の基準よりも低くなったという場合には生活保護の対象になるというのはそれは理屈ですが、しかし現実は、だからといってそれじゃすぐ生活保護を申請すればいいじゃないかと言うけれどもそうはいかないですよね。それは全然生活できなければ生活保護の申請もするでしょうけれども、しかし何とか生活保護を受けないで頑張っていこうとして努力しているわけでしょう。  そういう人たちを生活保護に転落させないためにも、ある程度政策をそこに加えてできるだけ生活保護を受けないでその人たちの生活というものを維持していくような配慮というのは、これはやはり社会福祉の精神からいけば温かい政策として考えるべきことでないかなと思うんです。そのくらいのことはある程度交付税の中で、例えば特交でも結構ですしあるいは寒冷地補正係数でも結構ですし、そういう一つの政策を頭に置いた交付税 の算定の仕方というものは考えられないものでしょうか。
  74. 津田正

    ○政府委員(津田正君) 生活保護基準を下回る所得の方で生活保護を受けていない方もおられるのは事実かと存じますが、しかし基本的に生活保護法というものがあり、最低生活というものがこれで保障され、その保護の対象になったものについて国また地方も負担して施策をしておるわけでございます。ですからそういうものに乗ればもちろん国の負担金も出るわけですし、地方負担そして交付税という措置もできるわけでございますが、そういうのにかかわらずそういう制度に乗らないということになりますと、これはなかなか制度的には解決が困難な問題だと思います。
  75. 山口哲夫

    ○山口哲夫君 もう時間ですので残念ながらこれ以上議論できないんですけれども、今局長がおっしゃったのは理屈としてはそうかもしれませんよ、政府の理屈としては。しかしそういうものではないんじゃないですか。やはり人間の感情とかいろんなことを考えてかかってもらわなければ政治に温かみなんか一つもないですよ。ちょっとでも下がったら申請すればいいじゃないか、生活保護を受ければいいじゃないかという考え方でしょう。そういうふうに聞こえますよ。  だってそうでしょう。北海道の人たちは冬一一になったら当然保護基準に該当するんだからそういう場合は生活保護の中で考えればいいんだというんですから、そういうふうにとられますよ。そういう状態の中でも何とか保護を受けないで頑張っていこうという国民の感情というか、そういうものをやはりきちっととらえてかかってもらわなければ、基準どおりでもって何でも世の中を切ってしまうというような、そういう血も涙もないようなやり方というのは私はどうかなと思うんですね。  ですからそういうことを少しは頭に入れて、こういう福祉灯油の問題についてはぜひ交付税の中で、これは国だけで考えろというわけじゃなく当然市町村も県も全部一緒になって考えるべきことですから、もう少しやっぱり温かみを持った考え方で配慮していただきたい、このことを強くお願いをいたしまして、時間になりましたので終わります。
  76. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 話をもとに戻しますが、この改正案については我が党は賛成の立場ですから、先ほど山口委員から御指摘の部分もございますが、同時にまたそのほかの部分で二、三だけお伺いしておきたいというふうに思うんです。  一つは、今度の改正案では区画整理、都市開発、観光リゾート用地の先行取得、そのための業務拡大が一つのねらいで、あと資金の運用先の拡大、監督規定の整備、こういうふうになっておるわけですけれども、これは本当のねらいというんですかね。さっきからのやりとりを聞いておって建前はわかりますが、一体業務拡大の本意というのは何だろうかなということがちょっと私聞きながらわからなかったんですが、そこら辺が一つ。  それからもう一つの問題として、自治体の分身として公社の場合には優遇措置を受けておるわけですけれども、それが営利を追求する民間や第三セクターとの取引をやることが果たしてどうだろうかなという疑問も残っておるわけです。またその要件として十七条の三項で自治体の要請があればとあるわけでございますが、それでもって果たして十分だろうかという感じもします。したがって、十七条の四項で、公共目的で取得した土地を民活の事業体に売却する場合自治体と協議となっておるんですけれども、処分後の利用形態、住民、旧地権者の意向、税法上の問題、こういった意味でもっと厳格に行う必要があるのじゃないかなと、こういう感じもしておるんですが、こういった点についてひとつ説明をいただきたいと思うんです。
  77. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 土地開発公社は公有地の先行取得を中心として重要な役割を果たしてきたわけでございますが、法ができまして以来十数年たちまして、土地開発公社に対する期待それからこれをめぐる諸情勢も変わってまいりました。御承知のようにリゾート法ができまして地方の開発を進めなければいけないという要請も出てまいりました。昨年来の土地問題等に絡みまして宅地とか住宅の供給あるいは既成市街地の再開発を進めるべきである、こういうお話も出てまいりました。リゾート法につきましては法律が既にできておりますし、再開発あるいは区画整理につきましては国会におきまして要件緩和の法律も出ておるわけでございます。  このような中で、こういった地域振興、まちづくりの観点から地方団体が民間活力を活用いたしまして面的事業を行う場合に開発公社を利用して事業の円滑化を図ったらどうかという要請が強く出てまいりまして、そのために改正をお願いいたしておるわけでございます。この点は先ほどの御質問もございましたように現行地方財政法ではできない分野にまで地方団体の要請によりまして仕事ができるということになりますものですから、地方団体の要請を要件といたしておるわけであります。  この要請に当たりまして、土地開発公社が土地購入に入ります事業につきましてはその地域の整備計画に照らしまして計画されております市街地開発事業とかリゾート開発が実際に当該地域の秩序ある整備に資するかどうか、これを十分に検討していただくことが必要であるというふうに考えております。また、民間だけでできるのであれば何も土地開発公社が入る必要もございません。しかし、市街地開発事業につきましてはやはりある程度種地がありますと仕事が非常にしやすくなる、またよい市街地開発もできるわけでございます。リゾート地域につきましてもポイントになるような地域につきまして用地を先行取得することが大いに役立つわけでございます。  業務を拡大しております点につきましては運用上の問題で御指摘がございましたような懸念も十分あろうかと思います。実際に要請をする場合それからそれを処分する場合につきましては、御指摘の点につきましては問題が生じないように十分指導をしてまいりたいというふうに思っておるわけであります。民間に処分する場合にも、契約上懸念される事項につきましては条件つきで売るとかいう手法もあるというふうに考えておるわけでございます。
  78. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 私はなぜこういうことを言うかといいますと、横浜の土地公社が実勢価格の半値以下で一等地をラジオ日本に売却して、これが議会で今追及されておりますね。これは十七条違反ではないかというような感じもするんですけれども、この監督官庁は自治省ですから、どういう御指導をなさっておるのか。それから東大阪市では、公社が三年以内の転売禁止を条件に二十一億円で売却した不動産会社が、三年どころじゃなくて六カ月後に五十億で転売しておる。これも百条委員会が設置されて市長が問責決議をされておるという事態が起こっておるわけです。こういったことについてどういう認識をしておりますか。
  79. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 土地の売買に絡みましてはいろいろな問題が出てくるかと思います。御指摘がございました横浜市の土地開発公社につきましては、前身が横浜市開発公社でございまして、これが土地開発公社になる前に買った土地の問題のようでございますが、その取得した土地を最近売ったということでございます。私どもが聞いておりますところではこの売却価格は鑑定による価格で売っておる。それから市議会等では利用目的が不明確であるということから、市の方といたしましては契約履行の監視を約束しておるというふうに聞いております。それから東大阪市の問題は、これはたしか土地開発公社の問題ではなくて民法三十四条によるいわゆる地方公社による問題であろうかと思います。  土地開発公社に関する監督規定につきましては、今回の改正でもお願いしておりますが、従来法令違反とか定款違反とかいうことが明確な場合にのみ設立団体につきまして私ども要請ができるような規定になっておりまして、それ以上の手段はないわけでございます。事実関係がそれほど詳 しくございませんので明確なことは申し上げられないわけでございますが、自治省といたしましては土地開発に絡みましていささかも不正があってはならないという姿勢はもちろん持っておるところでございます。
  80. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 今の十九条の改正の趣旨ですが、これはどういう意味を持っておるんでしょうか。言いかえれば、こういう問題のあったところに対する指導監督権限の強化ということになるのか、それとも先ほど山口さんの質問のやりとりの中にありました市町村の小さな公社の統廃合を進めるという意味を持つのか、これはどうなんでしょう。
  81. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 十九条の改正でございますが、改正前におきましては、法令または定款に違反している場合に主務大臣、知事が必要な措置を講ずべきことを求めることができるという規定でございまして、土地開発公社の監督そのものは公拡法上は基本的には設立団体、土地開発公社を仕組みました市町村あるいは都道府県が行うこととされておるわけでございます。  今回の改正はその設立団体につきましての監督規定のところを一部改正いたしておるわけでございまして、新しい業務も拡大されましていろいろ御心配をされる方もおりますので、従来は法令または定款に違反している場合だけでありましたものにつきましてこれを改正いたしまして、業務の健全な運営を確保するため必要があるときには設立団体に対しまして命令その他必要な措置を講ずべきことを求めることができる、こういうことにいたしたわけでございまして、業務拡大によります部分も含めまして土地開発公社の健全性を確保するための規定を置きましたものですから、これに基づきまして問題がありました場合には設立団体に所要のことをする、こういうことになろうかと思います。
  82. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 あなたがもごもご言った後半の部分を聞きたい、こう言っているわけです。
  83. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 土地開発公社に対する監督権限を直接行使いたしますのは設立団体でございまして、私どもの監督権というのは命令を発する等のことを直接にやることは考えておらないわけでございます。
  84. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 まあいいでしょう。いずれにしても、今大分の別府でも公社に対する問題から監査請求が起こっていろいろ今問題になっておりますが、千五百ある公社の中にはいろいろな内容のものも、実体を伴わないものもあるのじゃないかと思うので、そういった点のいわゆる適正な指導というか不正の起こらないような監督というか、こういった点はひとつぜひ留意しておいてほしいと思います。  いろいろ聞きたかったんですが、きょうは一般質問ということでせっかく大臣がいらっしゃるので一つ聞いておきたいと思うんです。  けさの新聞のことで大変申しわけないんですが、検察審査会が共産党の電話盗聴事件で不起訴は不当である、こういう決定を行ったということが報じられておるわけです。それで議決書を見ると、検察審査会としては断定していますね。盗聴工作は神奈川県警の警察官らが組織的に行ったと推測される。犯罪の取り締まり、国民の権利の保護に当たるべき警察官らがあえて法律を破って国民の通信の秘密を侵す犯罪を組織的に行った。社会に与えたショックは大きい。警察に対する国民の信頼を裏切った。ここまで断定しているわけです。  さらに、林巡査、久保巡査部長は警察組織の末端に近いが重要な役割を果たしたと見られ、反省もしていない。こう決めつけている。また田北警部補についても、アジト名義人は父親である田北警部補の依頼で借りたと見るのが自然、共犯関係についてさらに捜査を尽くすべきだ。こういうふうに検察の不十分な捜査を突いておるわけですが、これに対する国家公安委員長としての御認識なり見解があったらいただきたいと思います。
  85. 梶山静六

    ○国務大臣(梶山静六君) 検察審査会の議決につきましてはけさの新聞で拝見をいたしております。  東京地検の処分に対する検察審査会の判断であり、コメントする立場にはございません。しかし、もとより警察活動は適法妥当に行わなければならないものであって、今後とも引き続き適正な情報活動を推進していくよう警察を管理してまいりたいというふうに考えております。
  86. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 けさの新聞のことでいきなり無通告で大変恐縮でしたけれども、ひとつこういう事態、検察審査会も指摘しておるようなこういうことについては私はあってはならないことですから、ぜひ国家公安委員長としても毅然として対処してほしいということをお願いしておきたいと思います。  そこでもう一つお願いしたいと思うんですが、四月二十三日の新聞ではなかったかと思うんですけれども、金丸前副総理が大阪の新首都論シンポジウムに御出席なさって講演されておる。そこでさっき山口委員からも質問がありました一省庁一機関の地方移転問題について全くこれはごまかしだと、こう講演なさっているというんです。竹下君、一省庁一機関の地方移転なんてごまかしだよということを本人にも言ったと。そうしたら首相は、いややらないよりやった方がいいと言った。そうしたら金丸さんは、そりゃごまかしだ、そんなことで解決するぐらいならだれも苦労しない、こう言ったというんですね。  これは、何というんですか、恐らく国民の皆さんから見ると、今やっておる一省庁一機関の地方移転というのはあれはごまかしかな、こういう印象を与えたのじゃないかと思うんです。あなたは単なる自治大臣と違って六奉行の一人ですからまさにそういう意味では大変なお力を持っておるわけですけれども、この一省庁一機関の地方移転問題について国務大臣としてどういう決意と御認識を持っているのか、これをお聞きして私の質問を終わりたいと思うんです。いかがでしょうか。
  87. 梶山静六

    ○国務大臣(梶山静六君) 国務大臣としてより梶山代議士個人の見解の方が強いかもしれませんけれども、ただいまお引き合いに出されました金丸代議士の発言、真意を承知をしておりませんけれども、総理の言われるいわゆる一省庁一機関という抽象的な文言でございますけれどもこれを受けて、国土庁が中心になりまして今いわば四つのカテゴリーに属するものを東京の二十三区以外にとにもかくにも早く出そう、これが一つは先鞭になるであろう。  まさに、やらないよりはやった方がいい、たったそれだけで終わってしまうとするならばそれはあるいはごまかしであろうというそれは金丸さん一流の竹下総理に対する叱咜激励の意味があるかと思いますけれども、私も一極集中の弊害を知る一人でございますから、やはりこの一省庁一機関に象徴されるように、まず東京になくていいというそういう機関を地方に移転をさせる。その後さらに引き続き長期にわたって、いわゆる分都論なりあるいは遷都論なりそういうものをどう考えていくかという問題があろうかと思います。  それからもう一つは、そういう形式的な、形式と言うとしかられますが箱物的な発想から、むしろやはり地方分権的なもの、あるいは地方分権を行うに当たって今の都道府県制度でいいのかどうなのか、そういう道州制までひっくるめた一つの受け皿をどうするかというような中長期的に考えなければならない問題があろうかと思います。  ですから私は、私の個人的な意見でございますけれども、確かに東京が一極集中をするに値する場所であることを否認するわけではございません。東京に一極集中をしても、なおかつ東京の都政は懸命な努力を払うことによって住民や都民やあるいは事業所の快適な生活や事業活動を保障するかもしれません。しかし考えてみますと、それによって起きる弊害、いわゆる東京を形の上での実質上の中央と考えるならば、いわゆる地方と言われる東京以外の土地がこれによっていわば多極分散というか活力を失ってしまっては国土の均衡ある発展ができないわけでありますから、東京に集中することが私は悪とは申しませんが東京に集 中をすることによって起きる影響、これは大変ないわば政治の欠陥でございます。そういうものを、これは政治や経済、社会の欠陥でございますからこれを是正するために勇気を持って行わなければなりません。  ただ私は、民間の経済を中心とした活動は集中のメリットの方が強いと思います。ですからこれに対してもう一つ公的な力がこの集中の力を分散をさせるというか地方に移転をさせる物すごい強いエネルギーを持たないと、これは言うべくして不可能なことが多いかと思います。ですから、恐らくその意味で金丸先生は、単純に考えてできるものではないよ、いわゆる民間の経済、社会の流れというのは集中のメリットを求めてくるんだから、これに配慮をして、これと対抗しながら地方分散ができるためにはなまはんかなことではできませんという私は叱咤激励であったのではないかと思いますし、これから私も国務大臣として竹下内閣を支える上で、そういうものを念頭に置きながら献策をし、あるいは自治省も督励をしながら奮闘してまいりたいという決意でおります。
  88. 片上公人

    ○片上公人君 初めに、今回の法改正によります土地開発公社の業務範囲の拡大の目的を伺いたいと思います。
  89. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 最近の土地需要に即応いたしまして、地方団体におきまして地域の秩序ある整備を推進し計画的な土地利用と秩序あるまちづくりを積極的に進める必要がございます。その観点から見てみますと、土地開発公社は従来は公用地の先行取得あるいは公営企業に相当する事業を行ってまいりましたけれども、民間が主体となっております市街地開発事業等につきまして活用をしていただくことも必要であろうということになってきたわけであります。地方団体が判断いたしまして、そういった面的整備事業を積極的に進めるために必要な土地は土地開発公社で買ってもらった方がいいという道を開こう、それで大いに公社を活用していただこうという趣旨から改正をお願いしているわけでございます。
  90. 片上公人

    ○片上公人君 重ねて聞くわけですが、地方公共団体におきましてもお話がありましたように公共用の事業のために土地を先行取得できるわけでございます。これとは別の制度としてわざわざ土地開発公社を設置し、今回業務拡大する理由を明確に言っていただきたいと思います。
  91. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 地方団体が毎年度予算を組んでおりますが、その中で歳出の面におきましては用地費の占める割合というのは大きいわけでございます。六十一年度の決算におきまして、投資的経費におきまして約十七兆五千億の決算になっておりますけれども、そのうちの用地費は約二兆八千億、一六%ということになっております。  地方団体が用地を取得する場合には、学校等をつくる場合に当該年度に直ちに起債を起こして対応する場合がございます。それから昭和四十年代に交付税措置をいたしまして各地方団体に土地開発基金というのがございますが、現在九千五百億ほどございまして、それでまず買うということもあるわけであります。また別途公共用地の先行取得債というのがございまして、五年以内ぐらいに需要ができるというものにつきましては地方団体がそれの起債を起こして仕事もできるわけでございます。そのほかにこの土地開発公社があるわけでございます。  土地開発公社のメリットというのは、土地取得の手続の機動性といいますかあるいは弾力性に富んでおる、それから資金調達も容易である、長期にわたりまして先行取得等も可能である、こういうメリットがあるわけでございまして、御指摘がございました地方団体による土地取得と、またこれと並行いたしまして土地開発公社も意義があるというふうに考えております。各地方団体におきましては自分自身の土地取得とそれから土地開発公社のメリットを活用しての先行取得、これを両方相まちまして必要な公有地の確保が進むことを期待しておるわけでございます。
  92. 片上公人

    ○片上公人君 法案では「市街地開発事業その他政令で定める事業」となっておるわけでございますが、「その他」というのは何を考えていらっしゃるんでしょうか。
  93. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 法案では市街地開発事業を例示ということで書いてございます。私どもといたしましては、これは政令の段階でまた各省と折衝をしなければいけないわけでございますが、でき得れば観光施設事業を規定をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  94. 片上公人

    ○片上公人君 「その他」が当面観光リゾートだけでしたら観光リゾートと明文化するのがいいのではないかと思うんですね。私はこういう法律の用語はよくわかりませんけれども、わざわざそれを抜かして「その他政令で定める事業」と書きますと、何のことかいなと。そうした方が今後の作業がいろいろしやすいという意味があると思いますけれども、これは悪く考えればどのような形になるのかわからぬと、そういう心配もあるんですが、これは明文化すべきじゃないですか。
  95. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 現在の公拡法におきましては、土地開発公社が行う事業といたしまして公用地の先行取得とそれから公営企業に相当する事業につきましての規定がございます。特に公営企業に相当する事業につきましては宅地の造成事業を例示してございまして、後で政令で埋立事業とかあるいは流通業務団地の造成事業、工業用地の造成事業等が書いてあるわけでございますが、ややそれに倣ったような形で市街地開発事業を書いておるわけでございます。  御指摘のような御意見もあるかと思いますが、私どもといたしましては、現時点ではっきり調整がつきましたというか、市街地開発事業は話がついておりますので書かせていただきまして、観光施設事業につきましては政令の段階でさらに各省と詰めてでき得る限り地方団体の要請に応じるような規定にさせていただきたい、こういうことで提案のような規定になっておるわけでございまして、御理解をいただきたいと思います。
  96. 片上公人

    ○片上公人君 それはこの資料の「改正の目的」を読むと二点だけであるというふうに書いておって、法案の方を見ると「その他政令で定める事業」というふうになっておるもので、変な解釈をすると随分おかしくなるんじゃないかなという心配をしておったんですが、おっしゃるようないい方向に向かうような形でやっていただくなら大いに結構だと思っております。  次に、この民間事業のための用地の先行取得が行える土地開発公社は、当面附則によりまして都道府県が設立する公社と主務大臣が指定する地方公共団体が設立する公社となっておりますけれども、この「主務大臣が指定する地方公共団体」というのは何ですか。
  97. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 当面政令指定都市を指定する予定でございます。
  98. 片上公人

    ○片上公人君 第一段階としては政令指定都市ということであるようですが、土地開発公社と類似の特別法人でございます地方住宅供給公社におきましても、都道府県と人口五十万以上の政令で指定する市という似たような縛り方をやっておるわけでございまして、そして実際に指定されているのは政令指定都市だけじゃなくして堺市なども設立が認められておる。だから土地開発公社につきましても、例えば堺市の職員数は百七十六名、政令指定都市の平均職員数は三十七名と、同じレべルか政令市の小さいところより充実しているかもしれないところは幾つもあるわけです。一方、都道府県でも東京都、茨城、鹿児島の三都県におきましては公社がないというように実態はまちまちでございますが、どのような基準で政令市までに限定したのか。  また、新たな業務というのは当分の間都道府県及び政令市に限定するとしておりますけれども、今後必要と認めるときはどんどん市町村にまで拡大する考えなのかどうかを伺いたいと思います。
  99. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 土地開発公社が今回の改正によりましてできます仕事は、現行地方財政法上では地方団体みずからが行おうとする場合には起債を財源にして行うことのできない分野の仕事 でございまして、やや突出したような形のものでございます。この業務拡大につきましては、その運用いかんによりましては設立地方団体との関係におきまして、それに対する影響の面では非常に大きな影響を及ぼすことも懸念される点もあるわけでございます。  そこで、当面は組織的にもあるいは財政的にもまず大丈夫だなと思われる都道府県、政令指定都市に限ることにいたしておるわけでございまして、今後の運用の状況等あるいは地方団体の御要望等も十分承りながら、指定拡大につきましては今後第二段における問題というふうにさせていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
  100. 片上公人

    ○片上公人君 実感として、市町村の公社でできるところもそれはあるかもわかりませんが、民活の土地先行取得業務を市町村の公社にまで及ぼすというのは現時点ではほとんどが荷が重い点もあるのではないか。例えば首都圏の市の場合には人的、経理的には公社は十分にしっかりしたものだと評価できますけれどもデベロッパー的な体制が整っているわけでもないし、しかも現実には新しく大きな土地の取得は大変難しい。仕事としては主なものには道路用地の先行取得などがございますが、空地もありませんし、既に利用している地権者に立ち退いてもらいたいと言いましてもそれもお金で買えるわけではなく、代替地は要求してくるし代替施設もほとんどの場合要求してくる。  大都市圏の市町村の土地開発公社は今そういう状況に置かれているわけでございますから、将来の指定の追加に当たりましては地域の秩序ある整備を図る方向で検討していただきたいし、これら公社の実情に対して十分な配慮、適切な見直しがなされるように要望したい、こう思いますが、この点についてはどうでしょうか。
  101. 小林実

    ○政府委員(小林実君) ただいま重要な点につきまして御指摘をいただきまして感謝申し上げている次第でございます。  今回の改正によりまして土地開発公社が業務拡大されますが、その運用よろしきを得ますと非常に地域開発にとりましては有効な手段であるわけでございます。しかし市町村によりましてはそれだけのことができるかどうかという問題もあろうかと思うわけでありまして、当面は都道府県、政令指定市の土地開発公社ということにさせていただきまして、その運用の状況を見てまいりたいというふうに考えております。今後の問題につきましては、御指摘のありました点を十分踏まえまして我々も対応してまいりたいと思っております。
  102. 片上公人

    ○片上公人君 新たに認める業務につきましては地方公共団体の要請を要件としている点でございますが、従来から土地開発公社が行っておる公共・公用施設用地、住宅用地等の先行取得業務とこれは異なっているわけです。要請を要件とした理由を伺いたいと思います。
  103. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 土地開発公社は地方団体の全額出資の法人でございまして、言ってみれば地方団体の分身とも言えるものでございます。したがいましてその業務も、基本的には地域の秩序ある整備を図る観点から公共性、公益性の高い事業の用地の先行取得をする、あるいは公営企業に相当する事業を行う、こういうことになっておるわけでございます。これに対しまして新規業務につきましては、基本的には民間事業者が主体となって行うものでございまして、民間事業者が整然とした市街地開発事業あるいはリゾート開発をしていただければ何も土地開発公社が入ってくる必要はないわけでございます。  そこで、民間が事業主体となっている事業につきまして地方団体の分身たる土地開発公社が用地を取得するということでございますので、やはり設立元でございます地方団体におきまして個々の事業ごとに実際に土地開発公社に先行取得させるのがいいのかどうか判断をしてもらう必要があるというふうに考えておりまして、そういう観点から地方団体の要請というのを条件としたわけでございます。
  104. 片上公人

    ○片上公人君 新たな業務につきましては趣旨はいいのでございますが、民間事業者のための用地の取得等を行うものでございますから民業の不当な圧迫にならないかという心配もございますし、その辺を十分考慮して土地開発公社に行わせるようにすべきであると思いますが、この点はいかがですか。
  105. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 新規事業の実施に当たりまして留意すべき点は大きく分けまして二つあると思います。一つは、その事業が県なりあるいは市町村の地域の整備計画等から見まして本当に当該地域の秩序ある整備に資するかどうか、それを十分検討する必要があると思います。  それから二つ目には、お話がございましたように民間でできる分野まで何も土地開発公社がやる必要もないわけでございまして、民業圧迫を避ける上でも、その事業の円滑な遂行のために土地開発公社による用地取得が本当に必要であるかどうか十分検討をしていただく必要があると考えております。地方団体が土地開発公社に対しまして要請を行う段階で、御指摘のようなところは十分検討をしていただく必要があるというふうに考えております。私どもといたしましても、民業の不当な圧迫ということになるようなことのないよう指導してまいりたいと思っております。
  106. 片上公人

    ○片上公人君 民業の圧迫は、公社が民業を圧迫しても民業が公社を圧迫しても困るわけでございますけれども、その辺の勘案もお願いしておきたいと思います。  民間の市街地開発また観光リゾート事業などのために土地開発公社が民間の個人、法人に土地を売却するときに、その土地の処分価格につきまして自治省はどのように指導していくつもりなのか伺いたいと思います。その際、これは当然のことでございますが、地価の上昇に加担することのないよう適切な価格で処分できるように特に油断なく指導されたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
  107. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 土地開発公社が行っております従来の事業のうち公用地の先行取得につきましては、先行取得いたしまして地方団体に処分をいたします場合には取得原価で処分するわけでございます。今回の制度によりまして先行取得した土地につきましても、原則としては取得原価で処分することになるわけでございます。ケースケースによって変わってくることもあるかと思いますが、適正な価格で処分が行われるように指導していくつもりでございます。  今回の制度は、市街地開発事業あるいは観光開発等の話が出てまいりましてその土地が騰貴することがないように事前に先行取得をしよう、こういう仕組みでございまして、地価騰貴の抑制に資するようなことをねらいといたしておりますから、御指摘のありましたようなことで指導してまいるつもりでございます。
  108. 片上公人

    ○片上公人君 十七条の四項ですが、土地開発公社がその保有土地を関係の地方自治体と協議した上で民間の観光レジャー、市街地開発を行う者に処分できることにしておりますけれども、この目的は。
  109. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 従来この法律の十七条によりまして取得しました土地につきましてはそれぞれ目的がございまして、先行取得した土地につきましてはその目的に従って処分をする、安易にこの目的を勝手に変えるということはできないという仕組みになっておるわけでございます。  今回新たに市街地開発事業とかあるいは政令でリゾート関係、そういうものができますればそういう方面にもこの用地を処分することができるわけでありますけれども、原則は最初に取得したときの目的で利用するというのが基本でございまして、それを変える場合、特に今度新しく加わりました市街地開発事業とかリゾートにつきましては、それを先行取得するときにはもともとは地方団体からの要請を要件にいたしておるものですから、従来持っておる土地とかあるいは一たん買ったものを目的を変えて市街地開発事業とか観光開発の方に使う場合にはやはりもとの団体と協議すべきである、要請と裏腹で協議も必要と、こうい うことにいたしておるわけでございます。
  110. 片上公人

    ○片上公人君 第四項によります保有土地の民間等への処分につきましては、地域の秩序ある整備に資する方向で有効に活用されることが期待されるわけでございますが、同時に特定の法人に対する単なる利便供与にならないようにすることが大事だと思います。  特にこの規定が、当初の目的に使用する必要がなくなった土地にとどまらず一般に公社の有するどんな土地についても民活事業の目的に使った方がより好ましいと判断された場合は広く民間への売却ができるということになっておるようでございますので、その運用におきましては、関係自治体と公社が十分に協議することはもちろんでございますけれども、自治省におきましても極めて慎重な配慮と指導がなされるように、ここは強く要請しておきたいと思います。この点の心配につきまして大臣の所見を伺いたいと思います。
  111. 梶山静六

    ○国務大臣(梶山静六君) 土地の先行取得を行うに際しては、その取得の段階で当該土地の用途を十分踏まえて行われるべきものでございますし、取得後安易に他の用途に転用することは厳に慎むべきことであるというふうに考えております。  ただし、用地の取得後設立団体の利用計画の変更等やむを得ない事情により当初の目的に利用することが不可能になった場合には、設立団体と関係地方公共団体と十分協議の上観光レジャー用地に活用することも可能とするものとしたところであり、本項に基づく保有土地の処分に際しては関係自治体と土地開発公社が十分協議をして行うことが必要であるというふうに考えております。自治省としても御指摘の趣旨を踏まえて適切な運用が行われるようにこれからも指導をしてまいりたいと考えております。
  112. 片上公人

    ○片上公人君 今回の改正による業務余裕金の運用先拡大の理由を伺いたいと思います。
  113. 小林実

    政府委員(小林実君) 土地開発公社地方団体全額出資の公共法人でございまして、本来営利を目的とした事業活動を行うことは考えていないわけでございます。しかし現実には、業務上短期的に運転資金を保有するということが出てまいることがあるわけでございます。それから公営企業に相当する事業を行っておりますので、住宅団地あるいは工業団地等の造成事業におきまして経営努力等によりまして利益が発生する場合もあるわけでございます。  従来はこれらの資金の運用方法といたしましては国債とか地方債の取得、郵貯、銀行等への貯金に限定されてきたところでございますけれども、土地開発公社の方からの要望といたしましては、そのほかの有価証券、例えば政府保証債等の取得を認めてほしいとその運用の弾力化を求める要望が強かったわけでございまして、このような事情から今回新たに主務大臣の指定する有価証券の取得を行えるように改正をお願いしておるところでございます。
  114. 片上公人

    ○片上公人君 主務大臣の指定する有価証券としてどのようなものを指定されるのかということと、この土地開発公社の性格を考えますと株券とかそういうリスクの伴うものはこれは指定すべきではない、こう考えますが、いかがですか。
  115. 小林実

    政府委員(小林実君) 現時点におきましては、主務大臣の指定するものといたしましては政府保証債等を考えておるわけでございます。土地開発公社の業務上の余裕金の運用先といたしましては、公社の性格にかんがみますと、御指摘がございましたように株式等の投機的な債券に投資するというようなことは厳に慎むべきであるというふうに考えておりまして、もっぱら投資リスクの大きいキャピタルゲインを追求するようなものの取得は今回の改正でも指定することは考えておらないところでございます。
  116. 片上公人

    ○片上公人君 監督権限の強化について伺いたいんですが、従来、公社の業務運営が法令の規定または定款に違反していると認めるときに設立団体または長に対して公社に必要な命令等を行うべきことを求められる、こういうふうにしていたのを、今回「業務の健全な運営を確保するため必要があると認めるとき」とこのように改正強化しようとしているわけですが、その趣旨、目的は。
  117. 小林実

    政府委員(小林実君) 現行法では、主務大臣または都道府県知事が設立団体またはその長に対しまして命令その他の必要な措置を講ずべきことを要請することができますのは土地開発公社の業務が法令または定款に違反する場合に限られておるわけでございます。今回は新たな分野での業務拡大もお願いしておりまして、その運用につきましてはいろいろ御指摘され心配される面もあるわけでございます。従来からも土地開発公社の中には、法令または定款に違反する場合以外にも不適切な経理運営等を行っているところもなきにしもあらずということでございまして、今回の改正で業務拡大もあるものですから監督規定の整備をお願いいたしております。  そういった業務の健全な運営といった面から適当でない事例がありましても、現行法におきましては監督官庁である主務大臣または知事につきましてはなすべき手段がない、監督庁としての責任を果たせないという仕組みになっておるわけでございます。このような状態を是正いたしますために、業務の健全化を図る観点から必要な場合にはできるということにいたしておるわけでございます。ただし、これはあくまでも直接の監督はもとの土地開発公社をつくっていただきました地方団体にやっていただく話でございまして、私どもは非常に悪いといいますかそのまま放置できないというような事例が出てきました場合に要請できるという道を開くために改正をお願いしておるわけでございます。
  118. 片上公人

    ○片上公人君 おっしゃるような方向でやっていただきたいと思うわけですが、この強化というのはへたにやると公社の活動をとめる場合もあるし、民活の邪魔になる場合もあるし、非常にやりにくくなる場合がある。しかしながらほうっておくと先ほどおっしゃったように大変なことをやる人もおるかもわからぬ。その両面があるわけでございますから、これは非常に慎重に見守っていっていただきたいと思います。  次に、この改正案と関係の深い通達が昨年の十月二十二日に出されたわけで、これにつきまして伺いたいわけですが、その前に、法案と通達、活性化委員会の報告書、それらの関係につきまして、なぜ活性化委員会が設けられたのかその経緯を含めまして伺いたいと思います。
  119. 小林実

    政府委員(小林実君) 法律が四十七年にできまして以来十数年たちまして土地開発公社を取り巻く環境が大きく変化してまいりまして、土地開発公社の活性化あるいは活用を図ることを少し研究したらどうかという話が出てまいりました。そこで東京女子大学の伊藤先生を座長にいたしまして活性化委員会をつくっていただきまして、新たな目で土地開発公社の今日的意義を検討していただいたわけでございます。  昨年四月に設置されまして半年間にわたりまして熱心な検討をしていただいたわけでありますが、その間土地開発公社の役割とか業務内容その運用等につきましていろいろ御意見の交換がございまして最終的に報告書をいただいたわけであります。これをもとに、運用でできるものにつきましては早速通達で地方に運用の改正方を流しまして、法律的に措置すべき点につきまして今回の法案改正でお願いをいたしておるわけでございます。
  120. 片上公人

    ○片上公人君 この通達の中で土地開発公社の保有土地の有効利用について述べられておりますが、公社の保有地につきましては自治体の施設等の用地として目的に従った処分がなされるまでの間積極的な利用を図るべきだとして、昭和四十七年の通達よりさらに利用の仕方を広げて、土地を外部へ管理委託、賃貸または信託してもよい、このようにしております。従来は公社みずからが簡易な施設を建設し管理することまでしか認めていなかったものをこれほどまでに拡大されなくてはならないというこの目的について伺いたいと思います。
  121. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 土地開発公社の保有地に つきましては、従来、保有コストの低減を図る上でもその本来の用途に供するまでの間有効利用を図るよう指導してきておるところでございますが、この趣旨をさらに一歩進めまして、外部への管理委託、賃貸あるいは信託することも差し支えないということにいたしたわけでございます。ただしこの場合におきましても、そういうことをやりまして土地の最終的な利用の妨げになるということがあっては大変でございますので、その点につきましての配慮が必要である。また目的がいたずらに社会的批判を招くようなものになってはいけないわけでございまして、そういう点に留意をしていただくように通達の中でも十分指導いたしておるわけでございますが、本来の目的の妨げにならない範囲で有効利用をしていただく、それによりまして保有コストを下げていただく、こういうことをお願いしておるわけでございます。
  122. 片上公人

    ○片上公人君 保有資産についてですが、明確な処分見通しのないままに保有している土地の実態について報告を願いたいと思います。これらの土地は有効利用を図るべきと思いますが、有効利用としてどのようなことをやっておるのかもあわせてお聞きしたいと思います。
  123. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 自治省の調査によりますと、ちょっと資料は古くなりますけれども昭和六十二年四月一日現在の調査で、全国の土地開発公社におきましてその時点で処分見通しのない保有地というのが約五百ヘクタールございます。この土地につきましては早期に処分を図る必要があるわけでございますし、また保有機関におきましては積極的に有効利用していただく必要があるわけでございます。有効利用の状況につきましては、全部につきましての調査を行ったことはございませんが、運動場あるいは公園として利用される、あるいは駐車場、事務所としての貸し付け等が行われております。  今回目的を広げていただきますと、もとの団体と協議をしていただきまして土地開発事業とかあるいはリゾート開発等にも転用できるわけでございまして、地方団体におきまして今申し上げましたような当面処分見通しのないものにつきましては、しっかりした計画をつくり早期に処分をするように指導してまいりたいというように思っております。
  124. 片上公人

    ○片上公人君 今回の業務拡大の改正点の一つは観光リゾートの整備でございますが、自治省としても今後このリゾート整備を地域振興の柱としてどのようにとらえていくのか。  また、この法改正による業務を行っていく場合当然農林漁業を初めとして各省庁の施策との調整が随分必要になってくるのじゃないかと思いますが、この点自治省はどう考えていらっしゃるのか、大臣の御所見を伺いたいと思います。
  125. 梶山静六

    ○国務大臣(梶山静六君) リゾート地域の整備は今後地域の振興整備を図る上で重要な施策の一つであるというふうに考えております。こうした観点から、自治省としても総合保養地域整備法の主務省庁としての一員ともなっており、またふるさとづくり特別対策事業でも主要な柱の一つとして位置づけているところでございますが、今後ともリゾート地域の円滑な整備が推進されるように積極的に対応してまいりたいと考えております。
  126. 片上公人

    ○片上公人君 改正案は、地域開発やまちづくりに向けまして民間の活力を使って市街地開発や観光リゾート開発を行うために民間の土地を先行取得してやるということでございますけれども、そうしますとそのことが土地開発公社の業務拡大として住民の疑惑を招かないものにせぬとこれはいかぬと思います。  市街地再開発などを積極的に推進すること自体は地域の発展に基本的には好ましい方向であると思いますけれども、一方そのための種地などを民間の業者のために公共的な機関である土地開発公社、それに公社に要請する地方自治体が先行取得をしてやり民間に売り渡すということは、現実問題としてはこれは莫大な利益が民間に入ることでもございます。このようなことが市民の側から見て果たして理解が得られるかどうか、これも十分に考慮すべきことだと思いますし、土地開発公社にとりましてもとかくそのような処分は疑惑の種として市民に不信の眼で見られるおそれがないとは言えず、懸念を抱く向きもございます。  したがって拡大されました事業はそのようなおそれのないように運用に当たりましては本当に慎重にやっていただきたいし、制度的にもしっかりした歯どめがかけられなければならない。円滑公正に運営されて地域の秩序ある発展に貢献できるよう、大臣の所見を伺いたいと思います。
  127. 梶山静六

    ○国務大臣(梶山静六君) 御指摘のように、いやしくも疑惑を受けるような行為があっては絶対ならないことでございますし、こういう事業を通じて地方が活力を増しそれぞれの地域に大きな希望が生ずる一つの手段でもございますので、公共の志を高く堅持をしながらこの推進ができるように指導監督をしてまいりたいと考えております。
  128. 片上公人

    ○片上公人君 以上です。
  129. 谷川寛三

    ○委員長(谷川寛三君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。    午後零時四分休憩      ─────・─────    午後二時二分開会
  130. 谷川寛三

    ○委員長(谷川寛三君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、地方行政の改革に関する調査のうち、地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策に関する件及び公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  131. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 土地開発公社が公拡法に基づいて用地を先行取得するのは、生活道路とか公園緑地、あるいは福祉施設とか集会施設、文化スポーツ施設などいわゆる住民生活にかかわりの深い施設用地を確保するためであることは明らかだと思います。そこで最初に自治省に聞きますが、最近の公社による公有地の取得状況、五十九年、六十年、六十一年について土地造成を除いてどういう状況になっているかをまず報告してもらいたいと思います。
  132. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 土地開発公社の公有地取得の実績につきましてお答えいたします。  五十九年度におきましては七千五百六十二ヘクタール、六十年度におきましては七千三百九十六ヘクタール、六十一年度におきましては五千七百三十七ヘクタールでございます。これらの土地は地方公共団体のものが主でございますが、中に一部、国、公団等のための用地取得も含まれております。
  133. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 こうして先行取得をやってきているんですけれども、最近は御承知のような地価高騰でありまして、そのために東京を初め幾つかの大都市圏では住民に必要な施設用地が確保できなかった例が非常にふえてきている、枚挙にいとまがないという状況になっております。公有地確保という公拡法の趣旨からいって、こういう現状を自治大臣としてどういうように見ておられるか、見解をまずお聞きしておきたいと思います。
  134. 梶山静六

    ○国務大臣(梶山静六君) 都市の健全な発展と秩序ある整備を促進するためには公有地を計画的に取得することが重要でございます。地価の高騰は用地の取得が困難となることから、公共事業等地方公共団体の事業の推進を初め、まちづくりなど地方公共団体の施策に影響を及ぼすなどさまざまな影響を及ぼすものと考えております。  自治省としては公共施設用地を計画的に取得するため今後とも公拡法の適切な運用を図るとともに、地方公共団体に対する財政措置等必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
  135. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 具体的に二、三の例を申し上げてみたいと思うんですけれども、例えば東京の品川区で公園用地として二十億円それから防災空き地として六億円の予算を組んだが、結局これは地主と値が合わないということでだめになった。あるいは東京の小金井市では、現在市役所の隣の国分寺消防署小金井出張所を小金井消防署に昇格さ せるための用地二千三百平米の買収交渉をやりましたがそれが調わずに断念をしています。あるいは東京葛飾の旧国鉄用地、これは特別養護老人ホームをつくる計画でしたが、清算事業団の方は時価三十五億円を主張した。その地域の基準地価は十九億円、余りにも値が合わぬということでこれも断念せざるを得ないという状況があります。  それで少し性格は違いますが、いわゆる私有地を借りて児童公園その他公園をたくさんつくっているのが地価高騰の影響を受けてこの契約が破棄される、公園がどんどん消えていくという状況も報道されています。東京市長会の調査ですが、六十年度からの三年間で多摩地域二十一市で計九十六カ所十三万九百六十六平米の公園、これは民間から今言いました無償で借りていたものが地主から返還を求められてなくなったという状況が明らかになっています。  このような事態は地価の高騰が原因であることは明らかなんですが、この狂乱地価の原因について自治大臣はどういう見解をお持ちでしょうか。
  136. 梶山静六

    ○国務大臣(梶山静六君) 最近の異常な地価高騰は、一つには国際化あるいは情報化による事務所需要の増大、それから住宅地における買いかえ需要の増大、それから投機的な取引等が金融の緩和状況にも支えられるなど幾つかの要因がございますし、それにかてて加えまして日本の構造的な貿易黒字、そういうことで貿易収支のインバランスの解消をしなければならないということになりますとどうしても内需の振興が中心になります。そしてその内需の振興というものが、いわば公的財政力の出動がどちらかというとこれは大変緊縮財政のもとで不可能であった、そういう中でいわば民間活力による規制緩和やその他民活の投資によってその内需振興を支えそして貿易のインバランスの解消に努めてきて日本の国内の景気を高めてきたことは御承知のとおりであります。  そういうもろもろの利点がございますけれども、結果として、民活のみに頼りますとどうしても民活の需要地というのは資金やあるいはいろいろな需要のある大都市に集中しがちでございますので、これもかてて加えて異常な地価騰貴に結びついたというふうに考えておりますし、政府としては昨年十月十六日緊急土地対策要綱を決定をして総合的な対策を講じており、今国会でも多極分散型国土形成促進法を初め各種の法案の審議をお願いしながらその対策に努めているところでございます。
  137. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 今大臣がおっしゃったような原因が根本にあり、そして今いみじくもおっしゃったように、民間活力の活用ということでそれをさらに助長していった点もお述べになりました。これはさきに宮澤大蔵大臣も一つの理由として仮需要をあふった点もお挙げになっていましたけれども、こういう自民党政府の責任は私はあいまいにするわけにはいかぬ、こういうように思います。財テクや土地、不動産の投機に走る、そういう大資本グループの活動を野放しにしてきたという問題が非常に大きいし、とりわけ私は、中曽根内閣時代の五年間の中で規制緩和等民間活力の活用だと言ってやってきた方向というのが今日非常に大きな影響を否定的な面で与えているというように思います。  昭和五十八年の三月、当時の中曽根総理は東京山手線の内側を五階建て以上建設できるようにということで規制緩和を指示されました。建設省はこれに基づいて同年七月、都市計画、建築規制緩和等による都市再開発の促進、それから規制の緩和等による宅地開発の促進、それから国有地、公有地等の活用による都市開発の推進という方向を出して、そして宅地開発指導要綱が行き過ぎだといって規制緩和を要請する、それから市街化調整区域の線引きの見直し、あるいは市街地再開発事業における容積率の割り増し等、まさに民間デベロッパーの都市開発を促進する手だてを次々とやられてまいりました。  それからさらに六十一年の四月、今大臣もおっしゃったようないわゆる日米貿易摩擦、あの円高ドル安の異常な状態の中で内需拡大の目玉として公共事業に対する民間の資金の導入、こういうことで、今進められております東京湾横断道路とか関西新空港の建設とか、そういう大型プロジェクトの早期着工が進んできています。さらに東京臨海部の再開発とか東京駅周辺の再開発とかあるいは汐留貨物駅敷地の活用とか、こういう民間の大プロジェクトの計画を援助していく方向が出てきている。そして東京への一極集中というのが、国際都市東京とか金融都市東京とかあるいは情報都市東京ということで宣伝をされて仮需要が先ほど言いましたようにどんどんあふられている。そういう状況で狂乱的な地価の高騰を導き出したということが言えると思うんです。  とりわけこの中で決め手になったのは国有地、公有地の払い下げ問題があると思います。これは私もかつて参議院の予算委員会で取り上げた問題ですけれども、中曽根前首相の指示のもとに国有地活用推進本部というのが生まれ、今後四年間に二百七十七件百五十八万五千平米を民活で払い下げる計画というのが発表されました。  そしてそれ以後、主なものを挙げますと、例えば五十九年三月には品川駅の貨物跡地四万六千平米が一千十一億円で興和不動産に売却された。それから六十年八月には紀尾井町の旧司法研修所跡地六千七百八十六平米が五百七十五億で大京観光に払い下げられた。これは周辺の公示地価の三ないし五倍であります。それから六十一年十二月には六本木の林野庁宿舎跡地一万一千六百平米が八百八十二億円で森ビルなど六社の共同体に払い下げになっていますが、これも公示地価の二倍です。それから六十二年二月には江東区越中島駅構内用地六千二百三十七平米が二百三億円で日東土地建物に売却されていますが、これは公示地価の十倍。それから六十二年三月には蒲田駅の貨物跡地四千八百二十二平米が六百五十六億で桃源社に、これは公示地価の三・五倍で落札ということになっています。  最近の五十九年から六十二年にかけての状況を申し上げたんですが、この最後に言いました蒲田駅の貨物跡地の場合は、地元の大田区が四八%出資した第三セクターによる再開発プランでこれを買収しようとしたけれども到底手も足も出なくて桃源社に買収されてしまった。だから先行投資しようにもしようがない、地価の三・五倍からで売られていくんですから。そんな値段で、自治体が出資をして第三セクターで住民の期待にこたえる再開発をやろうとしてもできないような事態になってしまった、それが現状だと思います。  だからこうした経過は、中曽根内閣のもとでの民活、東京一極集中の政策、それからそういう不動産大手業者など大企業中心の土地政策というものが、今日の土地問題あるいは国民に必要な公共施設とか住宅用地を手に入れることができないという問題の元凶であることを示していると私は思うんです。この点については大臣はどのようにお考えでしょうか。
  138. 梶山静六

    ○国務大臣(梶山静六君) 先ほど東京の地価高騰の問題について私は幾つかの要因を挙げて、特にその中で民活というのも大きい原因の一つであるということを申し上げたわけでございますが、申し上げた一つの大きなそのねらいというのは、日本がここ十数年来貿易立国と申しますか構造的な輸出超過国、そういうことになっておりまして世界各国と貿易摩擦を惹起をしたわけでございます。ですからこの貿易のバランスの回復はいわば国際社会における最高の至上命題でもあったわけでございますから、これを解消するためにはどうしても内需の振興をしなければならない。内需を振興することによって外国から輸入をふやし、あるいは外国に輸出ドライブをかけない、そういう政策を展開しなければならないし、国内の景気も浮揚していかなければならない。  そういう観点からいいますと、日本の財政再建、厳しい財政再建でございますが、将来に赤字体質をたれ流すこともできない。そういう財政再建という大きな命題の中で細い道を探して到達したのが民活でございます。ですから、民活というものはやはり民間の資金や活力を利用するわけで ございますから、どうしても今の時点でいいますとその需要のある、ノーハウのある、あるいは資金のある大都市に集中をしたということでございますけれども、大きな意味では、国家の経済を支え貿易のバランスを回復をしいわば日本のこれ以上の財政悪化をしなかったという点において私は民活の活用は極めて大きな成功をした。そのたった一つの弊害があったとすると一極集中を助長したことである。  ですから、私どもは今一極集中を是認をしているわけではございません。この一極集中の弊害があったとするならばいかにしてこれから国土の均衡ある発展ないしは一極集中の弊害を除くかということで多極分散型国土形成促進法なども実は出しているわけでございまして、今まで前半やってきたこと、昨年、一昨年までやってきたことが、例えがいいかどうかわかりませんが昔の数学で言うと一次方程式で、何とか貿易摩擦を解消しよう、それから財政構造をこれ以上悪くすまい、国内の景気をよくしようという一次方程式のものでございましたけれども、その一次方程式の欠陥が一極集中ということになれば、これを今度多極分散という連立方程式というのか二次方程式というのか、そういう大変難しい手法ではございますがそういう方向に誘導をしてそれを成果あるものにさせなければならない。  そういうことでございますから、委員御指摘のように民活、東京一極集中、大企業本位と言われるけれども、物事の値段というのは原則として需要と供給で定まってまいるわけでございまして、皆さん方のような統制経済を中心とする発想とは異なるわけでございますので、私は東京に一極集中をしたそのエネルギーというのが、例えば東京都知事さんも言われるように、東京にいる住民や東京にある企業がこれ以上苦しむことは相まかりならぬ、ですから追い出すことはしませんよ、ぜひ東京で快適な集中のメリットを生かしてやってもらいたいといういわば地方自治の思いもあるわけでございますが、大きなマクロの意味で考えますと、それでは東京に一極集中して東京を快適な住む場所にすれば他方が滅びていいかということになりますとそうはいかない。  国政の観点からするならばまさに日本の均衡ある発展を図らなければならないということで、今そういう政策の展開中でございますので、お言葉を返すようでございますが、必ずしも大企業本位とか大企業奉仕とかというものではなくて、やはり東京都がいかにあるべきか、これから地方がどうあるべきか、こういうものを求めながらやっていかなければならない問題だというふうに理解をいたしております。
  139. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 経済学の論争をしようとは思わぬのですが、資本の自由な発達をそのまま放任をするとこれは利潤追求の法則に従ってどんどん出てきますよ。しかしそういう資本主義社会における経済の法則を野放しにするのではなしに、そこに政治があるのは、それをそのままにしていたら所得格差が広がり貧富の差が広がりますから、そういう意味で国民の生活をその中でどのように確保しその向上を図るかというところに政治の根本がなきゃならぬ。  だから貿易の黒字も結局そういう資本の集中豪雨的な輸出によって問題が起こったことは当時よく言われた話ですね、政府の答弁でも。したがってそういうものを抑えながら、しかし同時に貿易そのものが拡大をしなきゃいかぬ、だから拡大均衡政策をとるんだとおっしゃってきたんです。それを内需に転換をさせるというときに資本をそのまま移動させようとしてもそれはやはり利潤追求の法則が働きますから、その場合の一定の規制なり何なりがなかったら今おっしゃったように一極集中にならざるを得ない。これも法則的な現象として出てくる。結果としてあらわれてきているわけですからね。  だから問題は、そういう状況の中で自治体が、国の政治全体もそうであると同時にとりわけ住民生活に密着をし責任を持っている自治体が、それでなくても国際的におくれている社会資本の充実を進めていくために、そういう中で何とか公有地を先行取得して地価の上昇によるコスト高を抑えそして計画的な住みよい土地をつくっていく、そういう計画的な施策を進めようというところにこの公拡法の本来存在する意義があるんです。ところがそれがそっちの方に重点を置いて進められるのじゃなしに、ほっておいてももうかるところには資本は動くやつを、逆にそれに火に油をかけるようなそういう政策をとってこられたところに根本問題があるというように私は思うんです。  だからこの辺が西ヨーロッパ諸国、きのうの本会議の質疑の中でもありましたけれども、例えば西ドイツなんかの場合ですと百万以上の都市では市の四六%の土地が市有地になっているところが多いわけですね。国の土地それから自治体の土地を拡大していくそのための努力というのが系統的に進められ、その中で公園緑地やら学校やら集会施設やら文化施設やらスポーツセンターやら、そういうのをどんどんつくって快適な状況をつくっていく、そういうことがずっと重視され先行されてやってきているんです。日本はその点が立ちおくれているから社会資本の充実というものがおくれている、生活環境の整備というものがおくれているという状況が生まれてきていると私は思うんですよ。  そこで私は、せっかく持っている国の土地なり公有地、これをまたわざわざそうやって民間資本に売却するという方針はそういう点から言うと逆行しているのじゃないか。だから今の旧国鉄用地を初め国公有地の民間への売却は中止して自治体に低い価格で提供し、そしてそれを生かして社会資本の充実を図っていくという方向を、こういう法律を変えようとするんだったら今こそその点を強調すべきだと思うんですが、その点はどういうようにお考えですか。
  140. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 国有地に関する御質問でございまして私から答弁するのはいかがかとも思うのですけれども、国有地につきましてはやはり国民共有の貴重な財産でございますから、国庫当局におきましても公的部門におきまして拡充を図ることを基本としておると思います。通達にも出ておるわけでございますが、国におきまして将来とも利用する見込みのない国有地の処分に当たりましては公用・公共用優先の原則のもとに行われているというふうに承知をいたしておるところでございます。ただ、御承知のように地価が異常に高騰をしておりまして、その地域内の売却につきましては鎮静化するまでこれを見合わせるというような方針になっているわけでございます。  それから地方団体との関係におきましては国有財産法第三条がございまして、普通財産である国有地につきましては地方団体が社会福祉施設とかあるいは学校施設等の用に供するというようなときには減額譲渡も認められておるわけでございまして、私どもといたしましては地方団体が公共用に使う場合には今言った精神で対応をしていただきたいというふうに思っておるわけでございます。
  141. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 今、後の方に言われた国有財産の処分の問題ですね、自治体の公共用地に使う場合の価格の引き下げの条項は確かにあるんだけれども、実際私が京都市で経験しているのではなかなかそれが大蔵省と話がつかぬのです。結局そんな値では買えぬということで投げ出さざるを得ぬという状況があっちこっちで起こっていますよ。だからなかなかそうはいかぬ。  だから大臣、これは今地価高騰で批判がきついものですから旧国鉄用地の跡地の売却はとりあえず凍結状況にあります。先ほど幾つか例を挙げましたように、これがいわゆる国鉄の赤字を解消するための財源としてやられていましたから公示価格の三倍、五倍あるいは十倍というような物すごい高い価格で売却するという状況があって批判が起こってストップしている状況ですけれども、これから凍結解除してどうするかという処分の場合に、国鉄の赤字の問題は我々から言わせると政府の責任なんだから、国民の共有財産をそんなところに使うのじゃなしに別のことを考えなさい、そ してその辺はもっと国民の財産なら国民の財産らしく使いなさいと言いたいんですがね。  そういった点で、これから将来になりますけれどもそういう問題が起こってきたとき、旧国鉄用地などの売却については公開入札というようなあんな方法じゃなしに随意契約で自治体に優先的に払い下げをする。それで価格についても、先ほどありましたが国有財産の処分についての法律もありますからそれらも使って、できるだけ低い自治体が購入できるようなものにする方法をとるべきだというように思うんですが、そういうことでひとつ大臣も頑張っていってもらうというお気持ちがおありかどうか、この辺をちょっと伺っておきたい。
  142. 梶山静六

    ○国務大臣(梶山静六君) 一つ委員に御理解をいただきたいのは、ひとり公有地のみではなくて日本の社会資本と言われるあるいは公園緑地、港湾、上下水道、この三十年来アバウトの数字でございますが世界各国と比較をいたしますと、日本は約二倍ないし三倍の投資をいたしております。しかしそれぞれの国家の長い生い立ちというものもございまして、日本のそういういわば社会資本のストックは極めて薄かったというかなかったにも等しい国家であったことは御承知のとおりであります。  ですから今懸命な努力を払って、この三十年諸外国の二ないし三倍の投資をしながらようやく今、これもアバウト半分ぐらいまで、しかも国土の狭い国でございますから、公園とか公有地の拡大という意味ではなかなかそれは時間を経れば諸外国と同等にできるかどうかという問題は含んでおりますが、そういう状況下で今懸命なそういう社会資本のストックを充実させているという現実を御認識願いたいと思います。  それから旧国鉄を中心とする、特に国鉄と限定をしてでしょうけれども、この処分に当たっては慎重であるべきだ。今確かに凍結をいたしております。将来の方向に向かってどうあるべきか、これは今後の検討にまつべきものでございますけれども、少なくとも旧国鉄の用地は国民の財産でもございます。ですから、国民の財産を処分するに当たってなるたけ地元地方自治団体に安くという御要望もあるし、それからこの国鉄の抱える膨大な債務というのを考えますとこれはいずれの日か国民がしょわなければならない。国の負債というが国の責任ということは結果として国民の負担になるわけでございますから、均等な国民の負担に合うかどうか、あるいは特定の利益につながるのかどうなのか、その辺のやはり両面を眺めながら決定をしていかなければならない問題でございます。  私は、大都会において公有地の少ない、緑地の少ないという現実は何よりも恐ろしいことだと思います。特に、東京再開発は幾らでもできると思いますけれども、私が一つ懸念をするのは災害に耐えられる都市であるかどうかというのを考えますと、これはもう理屈抜きに公有地の拡大はしなければならない。それ以外にいろんな施設をつくるとかなんとかというのは二の次にして、いわば災害に強い東京というのは当然これは政治の責任で考えなければならないことだと思いますので、その観点に力点を置いてこれからも検討してまいりたいというふうに考えております。
  143. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 総務庁の世論調査を見ますと、東京二十三区の住民の希望として第一に挙げているのは、今大臣もおっしゃったようにやはり防災施設ですね、災害に対する対策。そのほか住宅、バス、市内電車、あるいはスポーツレクリエーション施設とか生活道路等々がありますが、そういう充実を求めているというのが総務庁の世論調査で出ていますから、この辺はひとつそういう角度で十分考えてもらいたいということを要望しておきます。  それで今度の改正で、先ほども話がありましたように、一つは土地区画整理事業とか都市再開発事業とかそれから観光リゾート施設等に必要な用地を先行取得するという業務の範囲の拡大があります。私はこれを、この法案だけでその当否を議論するわけにはいかぬ、こういうように思うんです。この国会に出しております土地区画整理法とか都市再開発法の改正案、この一連の再開発制度の改革とあわせて考える必要があるだろうというように思うので、そう考えてみますと、結局先ほど細い道をとおっしゃった民間活力の活用というそのかけ声のもとに引き続いてそういう再開発の方向にやはり手を伸ばすというように考えざるを得ないと思うんです。  そこで具体的にちょっと聞きたいと思うんですが、土地区画整理法案では第三者の施行制度が入ってきますね。デベロッパーも区画整理組合に参加ができることになる、一定部分の土地を先に買収して地権者になれば大きな顔をして組合に参加をすることができる、こういう状況になります。あるいはその中で施行者になる、そういうことも保証されようとしています。したがって土地開発公社で先行取得をした土地がそういう民間デベロッパーに渡されることになる危険というのは多分にあるわけです。これは午前中に同僚議員からも懸念が述べられておりましたが、結局そういうことを許していくということができる制度になっています。  そうすると公社が民間デベロッパー主導の区画整理とか都市再開発に手をかすということになるように思うんだけれども、この辺はどういうようにお考えですか。
  144. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 今回の改正は、民間が事業主体となります市街地開発事業、いわゆる区画整理事業とか再開発事業、リゾート開発につきまして土地開発公社を活用していただく道を開くというものでございますが、どんなものでも入り込むということは予定をしていないわけでございまして、土地開発公社をつくりました地方団体の要請を条件にいたしておるわけでございます。その要請をする際には、当該事業につきましてその事業そのものが地方団体にとりまして望ましい開発事業であるかどうか、それからその事業そのものに土地開発公社が先行取得の形で入っていくことが本当に必要かどうかということを判断した上で要請が決められるわけでございまして、地方団体の正しい判断を待って行われることを前提にいたしておるわけでございます。  そういう意味で、特定のあるいは民間事業者に手をかすとかそういう観点からのものであることを期待しているわけではございません。あくまでも秩序あるまちづくり、秩序ある土地利用を期するためにその道を開くということでございまして、その運用の適正を確保するように指導をしてまいりたいというふうに考えております。
  145. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 地方団体の要請に基づくというチェックがあるというようにおっしゃるんだけれども、例えば東京の森ビルによる赤坂、六本木の都市再開発事業、これは組合施行で六十一年の四月に完成して、インテリジェントシティーアークヒルズというんですか、そういうものができたわけでしょう。これは東京都も補助金を出しています。ところが実際できたけれどもそれは住民にとって一体どういうことになったのか。再開発の前には五百人余り権利者がいたわけです。ところができ上がってみると残ったのは五十人ぐらい、結局権利者棟に入居できた住民はわずかに三十世帯で残りは全部追い出されている。  だから自治体が要請をするといっても、先ほどおっしゃったように民間活力の活用だ、再開発だと言ってそういう大手のデベロッパーの計画を自治体自身が支持をしてそしてやっていったらこれはどういうことになるか。そこにはビルができそういう町ができて、そこに今まで住んでおった人たちはみんな追い出されてしまう、こういう状況になるわけです。そこに住んでいた住民がそのまま住みやすい環境がつくられていくという状況じゃない。土地開発公社が先行取得する土地は、それを利用することによってその地域に住んでいる人たちの環境がよりよくなり住みよくなっていくということで初めて先行取得をして、そして公園ができ道路ができ、あるいはいろんな施設ができる、それをこの法律自身も期待をしねらってい るわけでしょう。ところが、今までこの法律がなくてもそれができた、森ビルの六本木の再開発のように。今度これを改正したらもっと大きな顔をしてどんどんやられるという事態になるでしょう。  全国で事業の完了した都市再開発の借家人転出率というのは、組合施行の五十五地区で五七・八%、公共団体施行の四十二地区で六六・二%という数字もあります。だから結局そこに住んでいた人たちが追い出され、歴史ある町が破壊をされていく。どこへ行っても同じような町がつくられていく。地方の比較的大きな都市ではそういう状況にしかならない。そして後に残っているのは、それに参画し入り込んだ森ビルを初め大きなデベロッパーが大もうけをすることだけ、こういう状態になる。まさにそういう道をこれがさらに促進をし誘発をするそういう今度の改正になっているんじゃないのかという点が一つです。  もう一つは、先ほども話がありましたが、運営に対する主務大臣の監督権限の拡大の問題です。今度、運営の健全さの確保ということで業務是正の命令を出すことを設立団体に対して求めることができるということになっています。先ほどの答弁を聞いていますと、大臣がそういうことを直接やるよりも都道府県知事がまず第一にやるので、よっぽどのことでなければ大臣はというお話でした。  知事さんがやるにしても、保有地が長期にわたって残っている、そしてそれをできるだけ効果的にやりなさいと言って、先ほどの答弁では駐車場とか運動場とかあるいは貸し事務所ですか、そういう形でやっているというお話でしたけれども、これができますとだんだん今度、そんなむだなことはするなということでその土地をもう売りなさい、処分しなさいという問題がどんどん出てくる、健全な運営ですからね。その地域に住んでいる住民の意思いかんにかかわらず、知事さんが全県的あるいは全国的な角度からの必要な開発計画に基づいて、その自治体の持っている、あるいは自治体が設立団体である土地開発公社の持っている土地を提供させるということが可能になるわけでしょう。  私はこの点では、先ほども言いましたように国民生活に必要な施設用地の取得がますます困難になっているときに、そういう遊休地の効果的な利用という名目を口実にして逆に大資本の土地利用に貢献をする、そういうことに使われるということになるに違いないというように思うんですが、そうならないという保障はどこにあるのか、歯どめはどこにあるのか、この点はいかがですか。
  146. 梶山静六

    ○国務大臣(梶山静六君) まず冒頭のあそこの再開発の問題でございますが、再開発をされてビルやマンションが建つことが極端に言うと悪だという決めつけかもしれませんけれども、私も実はあのアークヒルズにもこの間行ってまいりまして、すばらしい文化の集積というか、音楽の殿堂もできましたし、まさに都市文化の大きな集積ができたというふうに考えております。ただ先生御指摘のように、私もあそこに何世帯の方々が住んでいたかつまびらかに知りません、五十世帯の方が三十しか残らない、二十しか残らないということがございましたけれども、やはりそこに住む住民が選択の自由、ここに住むより別の場所に住みたいという選択もあるわけでございますから、私はそこを追い立てられていったという理解はいたしておりません。  ですから私は、やはり民間の力と公の力と相まってそこに快適な居住環境や文化環境をつくり上げることが再開発の大きなねらいでございますので、必ずしも大企業が行えば悪である、小さい人がそこに住みつけば善であるというような感じはお持ちになっていただきたくないという気がいたしますので、御理解を願いたいと思います。  残余は審議官に。
  147. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 いや、もういいです、時間がありませんから。  大臣、今の森ビルのところは五十世帯が三十世帯になったのじゃないんです。五百人の権利者が三十世帯しか残らんかった。それは庶民や国民の側と大資本を持っている側とどっちが力が強いかと言うたら、大資本の方が力が強いんです。札束を張られて出て行けと言って嫌がらせをやられたら、地上げ屋の脅迫や暴力はありませんが出て行かざるを得ないんです。これが今の現状でしょう。私はそういう点に対して自治体がやるべきことはあるというように思うんです。  それでもう時間がありませんので最後に一問お聞きしますが、今京都市の二条駅の周辺の再開発事業がいろいろ議論されています。地域の住民の方はこれに対して反対していますが、二条駅の貨物の跡地七・七ヘクタールの利用をめぐってあの地域の再開発をやろうというわけです。予定地には百四十五世帯の住民が居住あるいは営業しているんですけれども、そのうちの百十三世帯、七八%が緊急の意見書を出して反対をしています。そういう状況なんですが、私は、まちづくりをどうするかというのはそこに住んでいる人たちの意見を十分に聞いてやらなきゃいかぬと思うんです。  区画整理事業とか都市再開発事業の場合は地権者の三分の二以上の同意ということになっていますね。しかし自治体側がやる場合には法的な規定はありません。ただ、建設省にせっかくきょう来てもらっているんですがちょっともう時間がないので僕の方から言いますが、建設省に聞くと、自治体がやる場合でも少なくとも三分の二以上を超えるたくさんの人の賛成がなければ申請が出ても認可はしないというお話でした。この点については自治省の方も十分にそこの地域に住んでいる人たちの意見をちゃんと聞いてやるということで、これについて適切な指導をやってもらいたいということを最後に確認しておきたいと思うんですが、よろしいですか。
  148. 谷川寛三

    ○委員長(谷川寛三君) 簡潔に。
  149. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 区画整理事業とか再開発事業につきましては、法的には三分の二以上の同意が得られればできるとかそういう規定になっておりますが、現実の事業の執行は皆さんの御理解を得ないと動き出せないというのが現状でございまして、地方団体におきましては当然に関係住民と十分意見調整をして事業を進めておるわけでございます。そういう点は手抜かりがないというふうに考えております。
  150. 抜山映子

    ○抜山映子君 地方公共団体が公共事業のため土地を先行取得することは可能なわけでして、この土地開発公社を特に設けて業務を拡大する理由、先ほど同僚議員の同じような質問に対して、機動性に欠けるからだと、このようなことを言われたのですけれども、その機動性を欠くという具体的な意味は何ですか。
  151. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 土地の売買というのは話がついたときに直ちに手続を済ませお金を払うということが必要でございます。地方団体が直接当事者である場合には、前もって予算が計上してあり議会の議決を得ておれば非常にやりやすいわけでございますが、必ずしもそういかない面がございます。現実にも、土地開発公社は法律が四十七年にできましたけれども、それ以前に既に、地方団体が直接やることにつきましては機動性の面とかという点で弾力的にいけないということでいわゆる地方公社という形で土地を先行取得する公社ができておったわけでございまして、四十七年の改正のときに法律をつくりまして、用地取得につきましては開発公社をつくりましてこの方式で先行取得するような仕組みをとったわけでございます。話がついたときに直ちにお金を支払えてその手続ができるというところに一番のメリットがあるわけでございます。
  152. 抜山映子

    ○抜山映子君 この土地開発公社の抱える役職員の数ですね、都道府県、市町村に分けて平均どれぐらいなんでしょうか。
  153. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 全国で約千五百の土地開発公社がございますが、このうち常勤の役職員というのは約五千人おりまして、一公社当たりの役職員数は都道府県で約四十七名、指定都市で約三十七名、それから市町村で二名、こういうことに なっております。
  154. 抜山映子

    ○抜山映子君 この役員の派遣元と言ってはおかしいですけれども、地方公共団体出身者が非常に多いのではありませんか。
  155. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 土地開発公社の役員につきましては設立団体の長が任命するということになっておりまして、長の判断に基づきまして役員にふさわしい方が選ばれておるというふうに考えております。御指摘のように、現実には地方団体の退職者等、あるいは地方団体の職員がそのまま行っておるという比率が高いわけでございますが、公社制度創設以来まだ十数年でございまして、そういう関係もございまして役員には地方団体関係者が多く入っておるというのが現状であります。
  156. 抜山映子

    ○抜山映子君 その役員の出身についてパーセンテージをちょっと挙げていただけませんか。
  157. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 役員の出身でございますが、退職して役員になっている方々は、土地開発公社で言いますと全国平均では五〇%、これは県、指定都市、市町村合わせてでございます。それから地方団体の関係者といたしまして身分を持ったまま行っている方々が四六・一%ということで、大半が地方団体の関係者ということになっておるわけでございます。
  158. 抜山映子

    ○抜山映子君 地方公共団体の出身者が五〇%、それから地方公共団体の出向者が四六・一%、両方合わせますと九六・一%が広い意味での地方公共団体の出身者、こういうことになるわけですね。そうしますとこれは地方公共団体の天下り先である、そういうことが言えると思うのですけれども、そのあたりについてどのように考えておられますか。
  159. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 土地開発公社は全額が地方団体の出資でできておる団体でございます。また仕事も地方団体の公有地を先行取得するものでございますから、緊密にその開発公社をつくりました団体との連携連絡をよくする必要があるわけでございまして、そういうことからつくりました親元の団体関係者が多い、こういうことになっておるわけでございます。土地開発公社の本来の目的達成のためという観点から見ますと、ある程度やむを得ないのではないかというふうに考えておるところでございます。
  160. 抜山映子

    ○抜山映子君 こうパーセンテージが多いと、地方公共団体自体が土地を先行取得することが可能なのに何でまたこういうのを設けたのかな、こういう疑問が当然出てくるわけなんですね。  ところで、土地開発公社は六十二年七月一日現在で千四百六十七あるわけですが、土地を先行取得して公共団体に売却するという事業をやるわけですから、当然頻度の非常に高い年度と案外そういうことをしなかった年度といろいろ出てくると思うのです。これらの中には経営が安定していない、言うなれば実体のない公社が多いのではありませんか。
  161. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 事実上業務を停止している土地開発公社がどのくらいあるかにつきましては、必ずしも統計的に十分把握しておるわけではございません。六十一年度の実績で見てみますと、土地取得面積がゼロヘクタールの公社が全国で約三百公社、それから処分面積がやはりゼロであるという公社が約二百五十公社となっております。  これは特に市町村に多いかと思うんですが、市町村の場合は先ほど言いましたように職員が二人というようなことでございまして、これは恐らくは市役所の中で市の職員の方と机を並べて仕事をしているというようなことであろうかと思います。先行取得の必要性が出てきましたときに開発公社で取得をしていただく、その仕事が終われば取得もないし処分もないということもあるかと思うわけでございます。  それから取得・処分面積がゼロということで先ほど数字を申し上げたわけでございますが、現に土地を保有しておるような場合には管理等経過的に行っているものもあるわけでございまして、実際に休眠状態にあるという公社は先ほど申し上げた数字よりは少ないというふうに考えられるわけでございます。
  162. 抜山映子

    ○抜山映子君 今伺いますと、土地開発公社の経営については土地取得面積がゼロヘクタールの公社が約三百公社もある。全体が千四百六十七ですから五分の一以上。こうなってきますと当然経営状態も安定していない公社があると思うのですが、こういう状態であるにもかかわらず今までつぶれた公社がない、こういうのは一体どういうわけですか。
  163. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 土地開発公社は地方団体から依頼されまして公共用地の先行取得をするものが多いわけでございます。事業内容の中心は親元の地方団体からの依頼で土地を買うという場合が多いわけでございまして、買ったものはまた地方団体に処分するというようなことで、一般的には経営は安定しておるものが多いわけでございます。  実際に経営上大変なことになって地方団体から助成を行われているものがあるのではないかというようなことかもしれませんけれども、その点につきましては具体的にどの程度あるかということは把握をしておりません。原則、依頼を受けて取得をし、かかった経費で地方団体に買っていただくということをいたしておりまして、そういうことで多くの場合がほかの開発公社よりも経営面ではむしろ安心できる面があるというふうに私は考えております。
  164. 抜山映子

    ○抜山映子君 何か今の答弁はすっぱり釈然としなかったのですけれども、土地取得面積がゼロヘクタールの公社が三百公社ある、処分面積がゼロヘクタールの公社が約二百五十公社ある、そうなると実際には経営が安定していない公社がなくてはいけないわけです。ところが今お話を伺うと、実際には経営が安定している公社が多いんですということでしょう。そうすると何かそこには理由がなくてはいけない。これは当然地方公共団体が何らかの形で公社を助成している事実がなければ経営は安定していないと思うわけです。ですからどうしてそのような実体のない公社が経営が安定しているのか、その理由を明らかにしてください。
  165. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 先ほど申し上げましたのは、恐らく市町村の場合におきましては先行取得の必要性が生じたときに仕事が出てくるわけでございまして、そういうことから常勤というのは平均的に見まして二人というようなことになっておるわけでございます。市町村の場合はその辺の運営は非常に弾力的にできるものと思います。仕事のないときには非常勤にしてもいいわけでございますし、その辺は地方団体もそう甘い経営といいますか、土地開発公社につきまして甘い対応はしていないというふうに確信をいたしておるところでございます。
  166. 抜山映子

    ○抜山映子君 土地の購入を高目にしているとか事務費を補助しているとか、そういうような事実がおありになるのではありませんか。
  167. 小林実

    政府委員(小林実君) 数字的に把握はしておりませんので断定はできませんが、全くないというわけにはいかぬかと思いますけれども、原則、土地取得に要した経費は地方団体にまた売り払う場合には払っていただく、そういう仕組みになっておるわけでございます。
  168. 抜山映子

    ○抜山映子君 今そういう土地を高目に購入したり事務費を補助したりという事実がないとは言えない、こういうように言われました。そのようにしてまで実体のない公社を維持しているということは住民の税金のむだ遣いということになると思いますが、いかがですか。
  169. 小林実

    政府委員(小林実君) 高目に売りつけるとかそういうことではございませんで、適正な価格で購入をいたしまして、かかったものにつきましては地方団体に所要経費として払っていただくという仕組みになっておるということでございます。土地開発公社の県とか指定都市がやっているものにつきましてはこれはもう毎年仕事があるわけでございまして、また適宜適切に用地を先行取得しておりますので、割安といいますか先行取得するこ とによるメリットといいますか、そういうものを大きく受けておるわけでございまして、全体といたしまして地方団体にとりましてはプラスに働いておるというふうに私は思っております。
  170. 抜山映子

    ○抜山映子君 ただいま都道府県では毎年仕事がある、このように言われましたが、市町村ではないと、こういうことですね。そうしますと各市町村が一つずつ公社を持つというのは非効率きわまりないと思うんですね。各市町村が共同で公社を設置するなど公社の整理合理化が必要ではないのでしょうか。
  171. 小林実

    政府委員(小林実君) 御指摘のとおり、公社の共同設立というのは重複投資を回避するとかあるいは業務の効率性の観点からいたしますと極めて有効な手段でございまして、積極的に推進することが望ましいというふうに考えております。数は少ないのでございますけれども土地開発公社の共同設立は若干ながら毎年ふえておりまして、そういうことから自治省といたしましても昨年の十月に出しました通達におきましては、新しく公社をつくる場合にはなるべく共同設立に努めるように、それから既にでき上がっている公社につきましても共同化を推進するように通知をいたしておるところでございます。
  172. 抜山映子

    ○抜山映子君 ひとつその共同設立を積極的に推進していただきたいと思います。  それで昨年六月公布されましたリゾート法、いわゆる総合保養地域整備法ができて以来、民間企業も含めてこぞってリゾート地を開発しよう、こういうわけなんですけれども、乱開発を防ぐためにも総合的な調整が必要でしょうし、隣り合った市町村で似たり寄ったりの性格のリゾートができて過激な競争になるということも望ましくない、そういう意味からも総合調整が必要である。そのためにはやはり先ほどの公社の整理合理化というものが必要になってくると思うのですが、この点の御見解はいかがでしょうか。
  173. 小林実

    政府委員(小林実君) リゾート地域におきましての市町村の区域をまたがる調整につきましては、土地開発公社というよりも当該関係団体あるいは県における計画のレベルでの調整が大切かと思います。それに従いまして必要であれば土地開発公社による先行取得も行われる、こういうことであろうかと思います。  いずれにいたしましても、小さな市町村がそれぞれ持っておって休眠状態に置くというよりは御指摘のように共同設置をして効率的に運営した方がいいことは事実でございまして、そのような方向に進むように私どもも今後とも指導してまいりたいと思います。
  174. 抜山映子

    ○抜山映子君 今までも民間企業が産業構造の転換ということもございましてリゾート地の開発に血道を上げている、そこへ新たに土地開発公社の業務として観光リゾート施設整備のための土地の先行取得が加わった、こういうことになりますので、民間事業とまた非常に競争していくということもあると思うのですが、土地開発公社が民間事業を圧迫するというようなおそれはないでしょうか。
  175. 小林実

    政府委員(小林実君) 今度の新しい業務を土地開発公社に行わせる場合におきましては地方団体の要請を条件にいたしておりまして、そのときに十分検討をしていただくように指導をしてまいりたいと思います。  民間事業者によりまして整然とリゾート開発等が行われれば何も土地開発公社は入っていく必要はないわけでございます。民間業者が投機的目的で乱入をしたりあるいは乱開発をするというようなおそれが出てくるというような場合に、恐らく地方団体がこのリゾート開発の上で最も必要な土地につきまして土地開発公社に買っていただくことを要請するというようなことになるのではないかというふうに考えております。今回の改正によりまして新しい仕事ができましたからそれでどんどんやれということではございません。実際に仕事をする場合にも民業圧迫にならないように十分注意してまいりたいと思います。
  176. 抜山映子

    ○抜山映子君 乱開発のおそれがあるときには土地開発公社に要請して土地の先行取得をさせる、そのようにおっしゃって、理想どおりにいけばいいのですけれども、今度の土地開発公社の新たな業務は都道府県と政令指定都市に限定されているわけですね。そうしますとこれらの地域は恐らく民間活力のエネルギーが十分に利用できる地域であろう。そうなってくるとやはり非常に民間業者を圧迫するのではないかという感じがしてならないのですけれども、恐縮ですがこの点もう一度お伺いいたします。
  177. 小林実

    政府委員(小林実君) リゾート開発につきましては各地方団体とも非常に熱心になっておりまして、むしろ理想的なリゾート開発をするためにはある程度地方団体がイニシアチブをとらなければいかぬというところも多いというふうに判断をいたしております。ほとんどのところは民間にお願いして開発が進むということであろうかと思いますけれども、リゾート地域を考えましても土地開発公社による先行取得という仕組みが有効に活用されれば非常に有効な手段になるのではないかというふうに思うわけでございます。  市街地開発事業につきましても、民間に任せておってできる場合もこれはほとんどでございますけれども、その中でやはり種地となります土地とかあるいは代替地等につきまして地方団体の分身ともいえる開発公社が土地を持っているということは、事業をスムーズに実施する、あるいは望ましい開発、市街地再開発、新市街地の開発に資するという場合が多いのではないかというふうに考えるわけでございまして、そういうことで県にやらしても非常に意味があることでございますし、政令市の場合につきましては、これは土地が非常に高いところ、あるいは公共的立場から再開発を進めなければいけないような場所の多いところでございますので、これに限りましてといいますか、当面はそういうことで対応したいというふうに考えておるわけでございます。
  178. 抜山映子

    ○抜山映子君 土地開発公社を含めた地方公社の数は現在幾つあるんですか。
  179. 小林実

    政府委員(小林実君) これは三年ごとに調査を実施いたしておりますが、六十二年一月一日現在で調べました時点では、全国のいわゆる地方公社、これは地方団体が二五%以上出資している法人土地開発公社、住宅供給公社、道路公社でございますけれども、四千七百二十公社ございます。
  180. 抜山映子

    ○抜山映子君 相当な数だと思うのですけれども、これは前年に比べて五百四十六ふえているのじゃないでしょうか。地方においてどうして公社がこんなにふえていくのでしょうか、その原因について。
  181. 小林実

    政府委員(小林実君) 三年ごとの調査でございますので前回調査に比較いたしまして五百四十六ということでございますが、最近の傾向といたしましては平均的には毎年百から二百公社ができておる、こういうことでございまして、地域開発、都市開発関係のものが最も多いわけでございます。最近では観光レジャー関係の増加が目立っておるわけでございます。
  182. 抜山映子

    ○抜山映子君 前年に比べて毎年毎年百ぐらいふえてきている、このようにふえていく原因は何なのか、もう少しはっきりお答えいただきたいのですが。
  183. 小林実

    政府委員(小林実君) これは地方におきます行政需要が非常に多岐にわたっておりまして、特に先ほど申し上げましたように観光レジャー関係等につきましてはそういう観点からふえておるわけでございます。多種多様な要求に機動的、弾力的に対応するということから、また民間のノーハウを活用したいということからその一つの手法として地方公社ができておるというふうに思っております。
  184. 抜山映子

    ○抜山映子君 土地開発公社の業務の拡大、そういう必要性があることは一応わかるのですけれども、地方公社がどんどんそうやってふえてきている、そして中にはほとんど実体のない幽霊的な土地開発公社もあるわけですね。そうすると何か税金のむだ遣いをしているのではないかなというよ うな懸念がどうしても出てくるわけです。地方団体が二五%以上出資している地方公社、この中に既に市街地開発とか観光レジャー関係のことをやる公社が現に幾つかあるのではないですか。
  185. 小林実

    政府委員(小林実君) 市街地の開発事業とか観光施設事業を任務としております地方公社も多いと思います。これの関係につきましては、既にそういう公社がありまして活動しているものにつきましては既存の公社でやっていただければ結構でございますし、土地の取得という面では土地開発公社の方がなれておりますので、土地取得につきまして両者間におきまして開発公社の方でやってくれという話になれば、両者の間で調整がなされましてその地方地方による対応がなされると思います。
  186. 抜山映子

    ○抜山映子君 両者の間で調整するというように伺ったわけですけれども、そうすると何となく同じようなことをやるのが二つもあって、それぞれにスタッフを抱えてそしていざ取得のときに調整する、これはもうどう考えても税金のむだ遣いではないかという気がするのですけれども、これを整理するお気持ちはありませんか。
  187. 小林実

    政府委員(小林実君) 土地開発公社はこの法律に基づく法人でございますし、そのほかのいわゆる地方公社というのは民法上の財団法人等であるわけでございまして、時によりましては株式会社もあるわけでございます。行革の時代でございますので、私どもといたしましては似たものがある場合には統合をしていただくようお願いいたしておりますし、余り仕事もないのにどんどんつくるなんというようなことはあってはならないわけでございまして、常に地方団体におきまして地方行革の観点から見直しを行ってもらいたい、そのように指導もいたしておるところでございます。
  188. 抜山映子

    ○抜山映子君 地方団体がこれらの地方公社を乱設してこれを職員天下りの場として利用しているということになるとやはり地方行革の隠れみのだということになると思います。先ほど似たもの同士については統合をお願いしているというお話がございましたが、お願いではなくてちゃんと指導して整理して、国民の税金のむだ遣いはぜひやめていただきたいということをここに強く要請しておきます。  ところで地方公務員汚職事件ですけれども、昭和六十一年度中に発生した地方公共団体等における汚職事件の部門別件数の中で土木・建築関係が三七・二%と圧倒的に多いわけです。このような現実を大臣はどのように受けとめておられますか。
  189. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) 土木・建築部門においては他の部門と比較をいたしまして公共事業の発注、許認可など業者等の利害に大きな影響を生ずる仕事が多いこと、それから関係業界において厳しい競争が行われていること、また人事管理面では専門職の職員が多く人事交流が少ないことや監督及び業務のチェックが十分でない場合があるなど、さまざまな原因があると考えられております。  自治省としてはかねてから、公共事業の発注、許認可等の権限が公共団体内部において適正に配分されているかどうかの見直しを初め、管理監督体制の整備や人事配置の改善など防止対策について周知徹底を図ってきているところでありますが、今後ともいやしくも住民の批判を受けるようなことのないように指導をしてまいりたいと考えております。
  190. 抜山映子

    ○抜山映子君 今汚職事件が多発する原因の一つとして人事管理面で人事交流が少ない、このように言われました。すなわち許認可を握っている部門の人と建築業者との間に癒着が生じているということを言われたのだと思います。それではその人事の異動は大体どれぐらいの頻度で行われているのでしょうか。
  191. 芦尾長司

    ○政府委員(芦尾長司君) 各地方団体によりましてそれぞれ工夫を凝らしながらやっておると思うわけでございます。例えば許認可を握っておるところにつきましては同一ポストに三年以上は置かないとか、そういったような工夫を凝らしながらやっておるというふうに私ども見ておるわけでございます。
  192. 抜山映子

    ○抜山映子君 各公社でそれぞれ工夫を凝らしておるというようなことでございましたが、その三年というのは自治省の指導として全部に流れているのですかいないのですか。
  193. 芦尾長司

    ○政府委員(芦尾長司君) ただいま申し上げましたのは例えばの話でございまして、その地方団体の職員の状況とかいうことによりましてそれぞれ人事当局が一つの方針を立ててやっておるものと存じております。
  194. 抜山映子

    ○抜山映子君 大臣、今それぞれのところで工夫を凝らして人事交流を行っているということなのですけれども、ひとつこれを自治大臣として指導を統一的に通達か何かの形で流す、そして人事が腐っていかないようにする、こういう配慮をする必要があると思うのですけれども、そうなさるお考えはございませんか。
  195. 梶山静六

    ○国務大臣(梶山静六君) 人事の停滞は厳に戒めるようにという通達は何遍か出しているわけでございますが、今も御指摘がありましたように、やはりそれぞれの仕事が専門職でございますので、能率を高めるためには専門家が必要であるし、またこういう汚職の防止その他については交流が大切であるという極めて相反する問題があるわけでございます。  公務に従事をする職員とみなされている趣旨にかんがみまして、こういう防止のためにモラルの向上やあるいは相互チェック制度、そしてまた人事の交流等を含めてこれから検討をし、本来地方自治団体の自主的な判断によるところが多いわけでございますけれども、自治省としても一つの基準づくりをしながら指導をしてまいりたいというふうに考えております。
  196. 抜山映子

    ○抜山映子君 今回の改正で土地開発公社の業務が大幅に拡大されるわけですから、言うなれば汚職事件の発生の種となることがますます多くなる、こういうことが言えると思うんですね。ですから大臣、先ほど基準づくりというようなことを言われましたが、ひとつこの基準をはっきり自治省として打ち出して汚職事件が出ないように考慮していただきたいということを切に要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。     ─────────────
  197. 谷川寛三

    ○委員長(谷川寛三君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、沢田一精君が委員を辞任され、その補欠として林健太郎君が選任されました。     ─────────────
  198. 秋山肇

    ○秋山肇君 公有地の拡大の推進に関する法律の一部改正については賛成の立場で質問をしたいと思うんですが、この公拡法が施行をされたのは昭和四十七年ですか。
  199. 小林実

    ○政府委員(小林実君) そのとおりでございます。
  200. 秋山肇

    ○秋山肇君 四十七年というのは列島改造ブームで土地が値上がりをしてきたころだと思うんですが、東京近郊における公有地の拡大の実績はどの程度上がっているか、また上がっている具体的な事例があればちょっと説明していただきたいと思います。
  201. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 私どもの方で毎年度公有財産、土地の状況を調べておるわけでございますが、それを見ますと、全国平均では全面積に対しまして公有地の占める割合は、行政財産、普通財産含めまして五・六になっておるわけでございます。東京都につきまして御質問もございましたものですから例として調べたみたわけでございますが、六十一年度末でございますが、東京都の二十三区市町村合わせまして全面積に対する公有地の割合は九・四になっております。  それから公有財産の前年に対する伸び率、毎年取得してまいりますので伸びておるわけでございますが、最近の状況を見ますと、全国平均では前年に比べて五十八年度〇・四、五十九年度〇・七、六十年度〇・四、六十一年度〇・三となっておりますが、東京都におきましては五十八年度約〇・七、五十九年度一・一、六十年度〇・八、六十一 年度一・五ということで、いずれも全国平均より上回る数字が出ております。
  202. 秋山肇

    ○秋山肇君 公拡法というのは国土法上の届け出が出されてそれに対して公有地を拡大するために指導するわけですけれども、六十一年度が東京で一・五%、全国平均で〇・三、この数字というのは実際に期待していた実績が上がっておるという数字なんですか。
  203. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 全体としてこうあるべきであるということで決めておるものはございませんが、平均的には、五十五年以降のところを見てみますと全地方団体で毎年公有地、土地につきましては約八千ヘクタールぐらいふえておりますが、その前の五十年から五十五年では年平均一万三千ヘクタールぐらいふえておるわけでございます。公共事業が五十五年度以降抑制されておりましたものですから、その結果がこれらに出ておると思います。  基本といたしましては公有地が多ければ多いほどいいということになるんでしょうけれども、財政状況もございまして、どんどん買えばいいというものでもございませんしまたそれに対応できる財政力もありませんから、必要な土地につきまして不都合の生じないような財政措置をしてとにかく社会資本の整備におくれがないようにしてまいりたい、こういうふうに思っております。
  204. 秋山肇

    ○秋山肇君 それは確かに財政の限度もあるわけですが、実際には、東京の土地の値上がりという中で公共用地を取得するということは何物にもかえがたい、早く先行取得していかなければいけないわけですけれども、先ほども同僚委員の質問にありましたように、民間との競り合いに負けてしまって買い切れなかった、そして都民、国民の要求する行政需要を満たしていないというのが現実だろうと思うんです。その原因というのは今お話しの財政措置が足りないということだけでしょうかどうでしょうか。
  205. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 公有地の取得につきましては公有地の先行取得制度がございますし、それから土地開発基金の積み立ても地方団体で九千五百億程度やっておるわけでございます。そのほかに土地開発公社があるわけでございまして、公有地が必要になりました場合にはその中で最もふさわしい方式で買っていただきたいというふうに考えておるわけでございます。  全部の要請に対応できるような状態になっておらないことは事実でございます。これは特に東京の場合にはここ二、三年の異常な地価の騰貴がございまして、それから一面では地方団体の方で財政的になかなか対応できないという事情があると思います。ごく最近ではございますが、従来特別区におきましては土地開発公社をつくるとか土地開発基金を積み立てるということはございませんでしたけれども、このような地価騰貴の状況が出てまいりまして、開発公社とか開発基金をつくりまして先行取得ができるような体制に進みつつあるところもあるわけでございます。
  206. 秋山肇

    ○秋山肇君 今のお話にありました区なんかも開発公社をつくって先行取得をしてきているんですけれども、やはり土地の高騰ということでなかなか買えなかった、また買えない状況があるわけです。これに対して、これは土地問題にも関連するんですが、公有地拡大に対する一つの方法として私の私案というとおかしいんですが前から考えているのは、容積率をアップしたりいろいろしたものは一部は公的な所有であるというふうな考え方というのはどうかなというふうに思うんです。その点についてのお考えがあればお答えをいただきたいと思います。
  207. 小林実

    ○政府委員(小林実君) ちょっと私もその方は余り詳しくございませんので的確なお答えはできないと思うわけでございますが、建設省の方でもいろいろ市街地の再開発事業とかいうものにつきまして、法律によるものもございますし任意の方式でやるものもございますしそのほかいろいろな方式がございますが、公共空間につきまして協力をした場合には容積率のボーナスを与えるとかいうことが行われているわけでございます。そういう措置によりまして従来に見られなかった緑地とか空間というものが東京でも大分ふえてきているように私は思います。
  208. 秋山肇

    ○秋山肇君 先ほど用途、容積を変えていくと民間の業者に利益がいくというようなお話もありましたけれども、そうじゃなくてやはりお互いに土地は公的なものだという観点からすれば、協力していただいた方に対してのプラスアルファ、それ以上のものについては公的な利用をするというような何か接点を考えていく必要がある。先行取得をしていくために皆の働いた税金をただかけていっても、今のこういう高い値段のときに果たしてこの東京近郊でどれだけの土地が買えるのかという問題があると思うんですね。ですからこの点について大臣、個人的なお考えでも結構なんですが、そういう私の提案に対して何か感じられましたらお答えをいただきたいと思います。
  209. 梶山静六

    ○国務大臣(梶山静六君) 大変おもしろいというと表現が悪いんですが貴重な御提案でございますから、検討させてまいりたいと思います。なかなか私権というものとそういうものの接点をどうするかというのが技術的には難しい問題もあるなという感じもいたしますが、大変貴重な御提案でございますから検討させていただきたいと思います。
  210. 秋山肇

    ○秋山肇君 今まで私が言ってきたのはなかなか実効が上がらないという面ですけれども、ここに一つの例として、福岡市の東隣に久山町というところがありますが、ここは十数年土地が値上がりをしていないと言われています。久山町は昭和四十五年都市計画法による線引きで面積の九六%を市街化調整区域に指定し、周辺の市町村が乱開発されていく中で行政が厳しく開発を規制し地価の上昇を抑えてきたところです。ここの小早川町長は一貫して土地は公共財と訴えてきました。そしてこの町では土地開発公社をつくり、十五年にわたり町民が手放そうとする土地を率先して買い上げてきています。買い上げ価格は周辺町村の半分以下で、取得した用地を工場団地やゴルフ場として計画的に開発してきました。町有地は年々ふえ百七十万坪に達しており、開発業者が手を出したくてうずうずしているにもかかわらず手が出せない状況になっております。  このように住民の意見を取り入れ町長のリーダーシップのもと計画的にまちづくりを進めている実績によって土地が値上がりをしていないというのですが、この例を御存じでしょうか、そしてどのようにお考えになりますか。
  211. 小林実

    ○政府委員(小林実君) 久山町のお話は私どももお聞きをいたしております。これは町長初め町当局の御努力もさることながら、町民の皆さんの御理解また同意を得ませんとできないことでございまして、私どもその御努力に対し敬意を表しておる次第でございます。
  212. 秋山肇

    ○秋山肇君 さっき私が言ったことですね、大臣はなかなか私権とのあれで難しいということですが、これは参考になることだというふうに思うので、ぜひひとつお考えをいただきたいなと思ったわけでございます。  またもう一つ神戸の宮崎市長、この方は大変なアイデアマンでありますけれども、海上を埋め立てて六甲アイランドというまちづくりをしております。とりあえず七百四十戸のマンションが建設中で、現在まで八割五分の埋め立てが完了し、できた部分から既に入居も始まっており、将来八千世帯三万人が暮らすまちづくりを目指しております。この造成は神戸市のまちづくりの段階で民間の業者に売り渡されることになっているわけです。ただし売り渡しする際神戸市は業者に対して二つの条件、一つは土地でもうけてはいけない、二つ目は建物から得られる利益幅は二〇%以内という条件をつけております。この分譲マンションの価格は間取りが三LDKで千八百万円と、東京に住んでいる者から見ると考えられないくらいの破格な安さと言えます。開発業者にしても、ぼろもうけはできないが分譲利益はある程度あり適正ではないかと言い切っております。  また、この埋立事業と同時に内陸部でも宅地開 発が進められており、鉄道、道路等の社会資本も整えながら計画的なまちづくりが進められてきたわけです。このような形での宅地は全宅地面積の七〇%にも達するとのことで、安くて良質の住宅の供給は民間の宅地にも影響を与え地価抑制の効果を上げているようです。その上、将来神戸市は二十万人の人口増加を見込んでおり、その宅地についても既に確保されているとのことであります。  さらに特徴的な点は、その埋立事業に使われた土はもちろん山を削ったりして運び込まれたわけですが、その削り取った跡地の土地も今言ったような利用をされているわけであります。跡地の一つに須磨ニュータウンという八百ヘクタールの住宅団地が既に完成しており人口十万人のベッドタウンとして利用が図られるということですし、別の跡地では西神ニュータウンという千九百ヘクタールの職住近接型のニュータウンがつくられておりました。最終的には住宅団地三つ、工業団地二つ、流通業務団地一つ、総合運動場等がつくられ、さらにその住宅団地には研究教育的な配慮から四つの大学と一つの高校を誘致する計画も進んでいるということであります。  これは神戸市の開発局に電話で確認もしておりますけれども、こういうように先行取得はただ土地開発公社をつくってやるからいいということでもない、やはりそれぞれの考え方によって効力も上がるし、また先ほど来の質問に対する答弁にもありましたけれども全然機能していないというようなこともあるわけです。こういうことで、開発公社にリゾート用地を先行取得させるということで逆に土地の値上がりをあおってしまうということがあってはならないと思いますし、今私が意見的に申し上げました点について大臣のお考えをお聞きして、私の質問を終わります。
  213. 梶山静六

    ○国務大臣(梶山静六君) 神戸市における住宅用地の取得事例、地方自治体のいわば模範にすべきことだというふうに考えております。当事者の御努力に心から敬意を表する次第でございますし、それぞれ特殊な市町村の事情はあろうかと思いますが、こういうものが広く自治体間に喧伝をされてそれぞれが創意工夫をされることが望ましいわけでございますので、そういうことについてなお自治省としても、事例の紹介等何らかの方法でこういうものがもっと周知徹底ができますように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  214. 谷川寛三

    ○委員長(谷川寛三君) ただいま議題となっております案件のうち、地方行政の改革に関する調査につきましては、本日はこの程度にとどめます。     ─────────────
  215. 谷川寛三

    ○委員長(谷川寛三君) 公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  216. 谷川寛三

    ○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  217. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、公有地の拡大の推進に関する法律の改正案に対する反対討論を行うものであります。  まず初めに、今日のように公有地の確保を困難にしてきた問題点を明らかにしておきたいと思います。  公有地の確保を困難にしている最大の原因が狂乱地価にあることは明白であり、そしてこの狂乱地価を招いたものが、金余りと言われるほどの潤沢な資金で財テクに加えて土地、不動産を買いあさった大資本グループであり、これを誘発し助長したのが自民党政府の大資本本位の土地政策、国土政策であることはこの委員会の論議の中でも私は指摘してまいりました。とりわけ中曽根前首相の指示による都市開発をめぐる規制の緩和、内需拡大を至上命令とする民活導入、国際金融情報都市東京の都心で膨大な事務所の仮需要を誘発する東京一極集中型の国土政策、そして狂乱地価の決め手となった旧国鉄用地を含む国公有地の高値払い下げ等、こうした政策が今日の深刻な土地問題、国民に必要な公共施設の用地や住宅への期待を奪うものとなってきたことは明らかであります。  私はこの際、こうした大資本中心の土地政策、国土政策を改め、国公有地は旧国鉄用地も含めて売却を中止し地方自治体へ低い価格で引き渡すこと、民活型大再開発計画の凍結など国民本位の土地政策に転換することを強調するものであります。  この改正案に対する反対理由の第一は、住民の公共施設用地を先行取得するための土地開発公社を民間デベロッパーなど企業の利潤追求に動員しようとするものだからであります。  この改正案は、土地開発公社の業務に土地区画整理事業や都市再開発事業、観光リゾート施設整備事業等に必要な土地の先行取得を追加するものですが、しかしこれは、今国会に提案されている土地区画整理法改正や都市再開発法の規定とも相まって、民活型都市再開発を進める民間デベロッパー等に土地を提供することになりかねないのであります。  こうしたものに土地開発公社を動員することは、生活道路や公園緑地、福祉施設、集会施設、学校、文化スポーツ施設など住民にかかわりの深い施設の用地を確保するという公社本来の役割を弱め、おくれている社会資本充実により内需拡大に貢献すべき公社や自治体の責務遂行を困難にすることにもなるのであります。  反対理由の第二は、国による監督権限の拡大であります。  これは現行法では、土地開発公社の運営が法令の規定または定款に違反している場合にのみ主務大臣、都道府県知事が設立団体である地方自治体に対して公社に対する業務是正命令を出すことを求めることができるとしてきたものを、運営の健全化の確保にまで拡大するものであります。  しかし、民活促進、用地の活用優先の立場に立てば、金利負担の増大などを伴う長期保有に対し、経営基盤を悪化させるものとして運営の健全化を口実に民間デベロッパーなどへの土地提供を急がせるということになる可能性もあります。このような権限の拡大は認めることができないのであります。  以上をもって反対討論を終わります。
  218. 谷川寛三

    ○委員長(谷川寛三君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  219. 谷川寛三

    ○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  220. 谷川寛三

    ○委員長(谷川寛三君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  221. 谷川寛三

    ○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十六分散会