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1985-08-07 第102回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査特別委員会 閉1号 公式Web版

  1. 昭和六十年八月七日(水曜日)    午後一時開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         山田  譲君     理 事                 梶木 又三君                 水谷  力君                 糸久八重子君                 刈田 貞子君                 橋本  敦君     委 員                 岡部 三郎君                 亀長 友義君                 坂野 重信君                 杉山 令肇君                 関口 恵造君                 長谷川 信君                 松岡満寿男君                 最上  進君                 山内 一郎君                 高杉 廸忠君                 竹田 四郎君                 矢原 秀男君                 吉川 春子君                 抜山 映子君                 青木  茂君    国務大臣        国 務 大 臣        (経済企画庁長        官)       金子 一平君        国 務 大 臣  河本 敏夫君    事務局側        常任委員会専門        員        桐澤  猛君    説明員        内閣審議官    海野 恒男君        防衛庁装備局調        達補給課長    猿渡 聰一君        経済企画庁調整        局長       赤羽 隆夫君        外務省アジア局        中国課長     槙田 邦彦君        厚生省生活衛生        局食品保健課長  玉木  武君        厚生省薬務局審        査第二課長    小宮 宏宣君        通商産業省通商        政策局米州大洋        州課長      渡辺  修君        通商産業省産業        政策産業構造        課長       大塚 和彦君        郵政省電気通信        局電気通信事業        部業務課長    品川 萬里君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○国民生活・経済に関する調査  (市場開放のための行動計画に関する件)     ―――――――――――――
  2. 山田譲

    ○委員長(山田譲君) ただいまから国民生活・経済に関する調査特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る六月二十四日、対馬孝且君が委員を辞任され、その補欠として安永英雄君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 山田譲

    ○委員長(山田譲君) 国民生活・経済に関する調査のうち、市場開放のための行動計画に関する件を議題といたします。  市場開放のための行動計画について政府から説明を聴取いたします。金子経済企画庁長官
  4. 金子一平

    国務大臣金子一平君) 去る七月三十日、政府与党対外経済対策推進本部は、「市場アクセス改善のためのアクション・プログラムの骨格」を決定いたしました。本日は、その概要等につきまして御説明申し上げます。  まず、「総論 市場アクセス改善のためのアクション・プログラムの意義」について申し上げます。  この総論においては、本アクションプログラムは、自由貿易体制の恩恵を最大限享受してきた我が国が、この体制を維持強化し、貿易の拡大均衡を通じて調和ある対外経済関係の形成と世界経済の安定的発展を図るため積極的な努力を行うとの観点から自主的に決定したものであること、我々の目標が本アクションプログラムを実行することによって我が国の市場国際水準を上回る開放度を達成することにあること、本アクションプログラムの実施に当たっては、政府与党対外経済対策推進本部が継続的に強力なフォローアップを行うとともに、OTOの充実強化を通じて、苦情処理の責任体制を明確化する等により、実効を確保することなどを明らかにしています。  また、その策定に引き続き、内需中心の持続的成長、投資産業協力の拡大、開発途上国への対応等の対外経済問題諮問委員会報告の中期的政策提言を尊重しつつ、今後の政策運営に当たることを表明しています。  さらに、貿易相手国に対しては、我が国に対する輸出努力を期待するとともに、自由貿易体制の維持強化のための努力を希望しています。  続いて、各論について順に御説明いたします。  第一に、関税について申し上げます。  中期的観点からは、新ラウンドの推進を図るため、工業製品の関税について先進各国とともにゼロにまで引き下げるという目標を提示するほか、交渉目標に至る第一歩としてのコンピューター部品等のハイテク製品の関税撤廃交渉等を行うこととしています。  また、当面の関税上の措置としては、原則として昭和六十一年のできるだけ早い時期から税日数で千八百五十三の品目の関税の撤廃、引き下げを行うこととしております。具体的には、ASEAN各国の関心品目である骨なし鶏肉、バナナ、パーム油を初めとする七十二品目の個別品目の関税の撤廃、引き下げを行うとともに、そのほか千七百九十三品目にわたり、原則として二〇%の関税引き下げを行うこととしています。なお、合板等の関税引き下げについては、昭和六十二年四月から実施することとしました。  さらに、特恵関税制度についても改善に努めることとしており、特に、鉱工業品については、昭和六十二年四月実施を目指して、抜本的な改善を図ることとしています。  第二に、輸入制限について申し上げます。  まず、農水産品については、ガット及び関係国間の協議、交渉を踏まえ、我が国農水産業の実情に配慮しつつ、国際的動向に即した市場アクセスの改善に努めることとしています。  鉱工業品ですが、皮革及び革靴の輸入数量制限については、ガットの場において適切に対処することとしています。  第三に、基準・認証、輸入プロセスについて申し上げます。  基本方針としては、まず、我が国のすべての基準・認証、輸入プロセスに係る制度につき原則自由、例外制限等の視点に立って総点検し、八十八項目の改善措置を講ずることとしています。  なお、当然のことでありますが、人の生命、身体の安全の確保については、原則自由、例外制限のぎりぎりの例外として取り扱っています。  次に、この主要な内容について申し上げます。五つの大きなポイントに整理して検討結果を示しています。  このうち、一番目には、自己認証制度の導入と拡充につき検討を行った結果を示しています。例えば、炭酸飲料瓶詰等について自己認証制度を導入する等十四の項目について措置することとしています。  二番目は、外国で作成されたデータをできる限りそのまま認めることとすることであります。  三番目は、政策決定における透明性の確保であり、すべての審議会等について常に外国関係者が参加、出席し、意見を述べることができることとしました。  四番目は、認証に至る手続の簡素化、迅速化であり、すべての基準・認証制度に基づく許可等の事務処理に標準事務処理期間を定める等の措置をとることとしました。  五番目は、輸入手続の簡素化であり、食品等の一部につき、輸入届を不要とする等の措置を実施し、手続を大幅に簡素化することとしました。  第四に、政府調達について申し上げます。  まず、契約手続の改善の面では、透明性の確保のため、随意契約に関する情報及び落札情報を個別に閲覧等により公表することとしたほか、資格審査手続を抜本的に簡素、効率化し、各省庁内での資格審査を実質的に一回で済ませることができることといたしました。  また、外国製品調達の拡大の面では、外国供給者等に対する統一窓口を設けるなど政府として積極的に取り組んでいくこととしました。  これらの措置のほか、我が国としては、率先して日本道路公団、水資源開発公団等ガット政府調達協定対象外の十六の政府関係機関についても、同協定対象機関に準ずる措置を講ずることといたしました。  第五に、金融・資本市場について申し上げます。  金融・資本市場の自由化につきましては、これまでも日米円ドル委員会報告書等に沿い、前向きかつ主体的に進めてまいりました。また、この間、EC寺とも意思の疎通を図ってきたところであります。  今後とも、自由化、国際化のための措置を着実に実施していくこととしております。  具体的には、一つ、預金金利の自由化等、二つ、債券先物市場の創設、三つ、国内における債券発行市場の整備、四つ、証券会社による円建てBAの流通取り扱い、五つ、外銀の信託参入、六つ、東京証券取引所会員権、七つ、ユーロ円債等の発行の弾力化、八つ、金融自由化の環境整備一の八項目について措置を論ずることとしています。  最後に、サービス・輸入促進等について申し上げます。  まず、サービス分野ですが、外国弁護士問題については、日本弁護士連合会の自主性を尊重しつつ、次期通常国会における法律改正を目途に、国内的にも国際的にも妥当とされる解決を図ることとしています。その他、運輸業等の分野においても市場アクセスを容易にし、また、外国等からの要望にもこたえた内容となっております。  次に、輸入等の促進ですが、目に見える形での輸入の即効的拡大努力を図るため、民間企業に対する輸入拡大努力要請、製品輸入金融の拡充等を行うこととしています。  また、流通産業に対し輸入品販売促進のための施策を講ずるとともに、輸入品流通に係る実態を調査し、輸入品流通問題に関する検討を行うこととしています。  さらに、投資交流ですが、日本貿易振興会の産業協力推進機能の充実、日本開発銀行の対日投資促進融資制度の拡充等の措置を講じ、外国企業の対日直接投資及び我が国企業の海外直接投資を一層促進することとしています。  以上、「市場アクセスの改善のためのアクション・プログラムの骨格」の概要につき、御説明した次第であります。
  5. 山田譲

    ○委員長(山田譲君) 以上で説明聴取を終わります。  これより本件に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 今次のアクションプログラムをおつくりになりまして、政府各省庁が大変御努力を払ったことについては敬意を表しますけれども、このアクションプログラムがそのとおり実行されたとして、現下の条件というものを一応前提にいたしまして、果たして日本の経常収支の黒字あるいは日米の貿易不均衡というのはどの程度是正されるのか。  今度の海外の評を見ましても、数字を見なければ評価しないと、こういうアメリカあたりの意見が非常に多いわけでありまして、そうした点では、アメリカの議会では十数本の対日報復決議案が準備をされていると言われておりますし、そしてこの九月、アメリカの国会の休会明けにはそうしたものが恐らく出るだろうというようなことが言われておりますし、きのうはアメリカの下院議員団の一行九名が来て安倍外務大臣とお会いになっている。ここにおいてもかなりきつい警告等があったやに新聞は報じているわけでありますけれども、一体政府はどの程度これによって現在の状況を数字的に改善できる、こういうふうにお考えになっているのか、まずそれを伺いたいと思います。  恐らくアメリカが一番要求している農産物の制限品日、こうしたものにも手をつけられていないし、あるいは特にシュルツ長官やあるいはマンスフィールド大使等から言われていた関心品目等々につきましてもやはりぴたっと合っていない、こんな感じがするわけでありまして、アメリカの言い分が私は必ずしもそのとおり正しいとは思いませんけれども、今非常に緊急な事態に入っている中で、そうしたものも全然考慮しないでというわけにはいかぬと思うのです。具体的に数字を示すことがやはり誠意であろうと、こう思うんですけれども、その辺はどうでしょうか。
  7. 金子一平

    ○国務大臣(金子一平君) 大変難しい御質問なんでございまするけれども、この制度改正によって相当の輸入量がふえることは私は疑いないと思いまするけれども、やっぱり輸入の動向につきましては、そのときどきの為替レートの問題がございますし、また景気局面の両国の動きもございますので、的確な、これをやったからそれじゃ幾ら黒字が減るかということはなかなか言えないと思うんです。  ただ、胸を張って言えることは、当初、例えば大統領府が私どもに盛んに言ってきておりましたことは関税の引き下げ、特に関税以上に問題なのは非関税障壁ですね、これが非常にアンフェアになっている、これを思い切って除去することによってフェアな輸入の扱いがしてもらえるという印象をとにかくまず示してくれと、それによって輸入国の努力次第で日本の市場が魅力のあるものになるんだという印象を与えてくれれば、これは今までのいろんな議論が相当改善されるんだということを盛んに言っておりました。現に、今でもそういう考え方をとっておる人もあるわけでございます。  最近は、御承知のように、これやっただけじゃ納得できないよと、それじゃ黒字幾ら減るんだと、こういう議論になってきておりまするけれども、私はまずやることは、今の手続を国際並みあるいはそれ以上のものにして日本市場を開放すると、あとは輸出業者あるいは輸出国の輸出努力、あるいは日本市場の開拓努力をある程度しっかりやってもらう。日本もアメリカ、ヨーロッパの市場開拓をいたしましたのは、こちらの輸出業者が市場調査をしっかりやって、向こうの趣味、嗜好を調べて血みどろになって努力した結果であれだけの黒が出ておるわけでございまするので、私どもは国際会議で事あるごとに、その努力だけはひとつやってくださいよと、買うのは消費者なんですよと、日本国が買うわけじゃないんですということを言っておりますので、そういう意味で私は大きなこれは前進を見たものと考えておる次第でございます。
  8. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 確かに、今の長官のお言葉のように、初めは日本の市場を開放すればそれでいいんだということであったんですけれども、最近はそうでないことは事実そのとおりだと思うんですね。そういう点ではアメリカの主張自体にも私は我々が納得できない多くのことがある。言うならば、そのときどきの勝手な発言によって振り回されているということも私はこれはあると思うんですね。この点は私はもっと声を大にしておっしゃったらどうかなと思うんですね。ところが現実は、その数字を見なければ言えないよと、今これだけのアクションプログラムを出しても、それでようございます、あとは私どもの努力ですと言っているのは、そういう人もあります。ありますけれども、やっぱり政治権力の近くにいる人はそういうことを言ってない。善良な学者などはそのようなことをおっしゃっていて、私どももそうだと思うんですけれどもね。しかし、今、長官がおっしゃられたことを聞いていても、なかなかそうおっしゃられたような形で対応していって解決ができそうにもないと思うんですがね。  その辺を国民としては、一体どうなるんだろうか、報復決議がいろいろ出ているし、新通商法の三百二条ですか一条ですか、これなんかもどんどん使われてしまったら一体どうなるだろうかという心配というのは国民にうんとあると思うんですね。だからこそ政府も一生懸命やったんだろうし、また、きょうの委員会もそのために開かれたんだろうと、そういうふうに私は承知をしているわけでありますけれどもね。ただこのままで、今おっしゃられたようなことではやっぱりどうもリップサービスだけなんじゃないだろうかという気がしますが、どうなんでしょうか。
  9. 金子一平

    ○国務大臣(金子一平君) 竹田先生のおっしゃるとおりでございまして、やはり向こうの主張もそのときそのときの政治情勢、経済情勢によって左右されておりますから、それには私ども十分対応して措置していかなきゃならぬと思うんですが、基本的な考え方は先ほど申し上げましたようなことで、私どもは事あるごとにそういうことは言って反論しておる次第でございます。  ただ、先ほどもお話のございましたように、なお幾つかの問題について積み残しの問題もございます。例えば、合板の問題でございますとか関心品目が残されておる、そういった問題も片づけなきゃいけませんし、それから、とにかくアメリカ国内の選挙の問題も近づいておるというような状況もございまして、今ちょっと静まっておるような感じでございまするけれども、九月になると改めてまた火の手が上がるような危険性もございますので、我々といたしましてはできるだけの手段は講じてこの問題に対応しなきゃならぬという覚悟はいたしておる次第でございます。
  10. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 長官ね、デレギュレーションによって関税を下げたり基準・認証を緩めて自己認証などにする。今、長官もおっしゃっていたんですが、買うものは政府が買うよりも国民が買うものがはるかに多いと思うんですね。そうすると、国民が一体これによって買えるほど輸入品というものは買いやすくなるだろうかどうだろうか。これについて私は大変疑問を持ちます。  これは、ある新聞が発表しているところによりますと、例えば外国産の七千円で売るウイスキーが、今度の関税を下げたこと、あるいは酒税へのはね返り、そうしたことでわずかに百円程度しか下がらないというんですね。それで輸入価格は幾らかというと、CIFで八百五十円くらいだという。実に四千円の流通マージンがある、こういうことを言っているわけですね。それではやっぱり幾ら買え、買えと言っても私は買えないと思うんですね。ネクタイにしてもそのようでありますね。非常に高いものになって、しかもその高いのは、関税を安くして安くなる問題じゃない。関税が高いからそれを下げたら安くなる、あるいはその他のデレギュレーションをなくすればそれによって安くなるというものじゃない。こういう流通マージンとかというようなものは、これは前々から問題になっていたわけですね。十年前から問題になっていたわけです。こういうものをもっと低くしなければ、幾ら国民に買えと言ったってこれは買うことはできないと思いますね。これでは輸入がふえるということはないと思うんですね。そうなってまいりますと、やっぱりかなり強いことを外国からますます言われてくる。私は、そういう意味ではこれだけでは問題が、幾ら輸入業者六十社を今度は百二十社にするとか、あるいは大都市のデパートで幾ら輸入人バザールをやろうが、ただそれはやっていますよということで、実際上には数字的には何らはね返ってこないんじゃないか、こう思うんですが、どうでしょうか。  逆に私は、今度の基準・認証を緩和するということが国民にとっては非常な不安が一つはあると思うんですね。現実に最近、あしたからまた高校野球が甲子園で開かれるわけでありますが、ことしは例の金属バットが割れるという問題が非常に大きいようですね。金属バットの割れた理由というものを考えてみれば、やっぱり中曽根総理がアメリカへ行くときに、今までのSマークをSGマークにした、民間の基準にした。民間の基準にしたらバットが壊れないようになったということではなしに、球を遠くへ飛ばすことに企業の方は変えてきている。しかも日本で一番スポーツ用品の名門である美津濃のバットが割れるという、こういうようなことが現に起きているわけですね。これはほかにも私はたくさんあると思う。  こういうことでせっかく基準・認証を緩和して外国への市場開放を進めたといっても、国内の消費者保護においては非常に欠けるところがあるわけですね。かつての物価対策特別委員会――物持あたりでそういうバットの問題が随分議論になったわけです。そしてあの金属バットは危ないじゃないかということで、私もその当時の議論に参加をしておりますけれども、それでちゃんとこういう規格ができたのをまただめにしてバットがどんどん割れていくと。これは私は余りひどいと思うんですね、安全性の面から見ても。こういう点ではもっとひとつ消費者保護という立場を、これはアメリカですら安全性の問題については緩めなくていいと言っているはずです。徹底的にその辺は消費者保護をしていただきたいし、最後に買う、輸入をふやすのは消費者であるわけですから、流通マージン等についてはもう一回点検をしてもらう。今度も、その中にもそうした商業のあり方、商慣習ですか、これについてはメスを入れるということになっているわけですね。その辺は一体どうなんでしょうか。
  11. 金子一平

    ○国務大臣(金子一平君) 流通マージンの問題につきましては竹田先生おっしゃるとおりでございまして、私どもも東京サミットのときに、フランスのジスカールデスタン大統領がコニャックの関税の値段を下げろと言ってきたときからやかましく言っておるんですが、ソールエージェントの取っているマージンが六、七割なんですね、日本のはせいぜい二割がそこらなんですけれども。ああいう特別のものについてはうんと卸、小売のマージンが高いものですから、関税を引き下げてみたって、全廃してみたって千円前後にしかならないんですよ。そういう実情にあるから、向こうの売り主もマージンの保証をもう少し切り下げてくれなければ困るんだという話をした記憶があるんです。今やはり各商品について調べてもらっておりまするけれども、御指摘のような問題がたくさんございますので、これは関係省庁が手分けをしてひとつこの流通問題をもう少し洗い直そうじゃないかと、それをやらないと消費を拡大しようなんと言ってもなかなか思うようにいかぬぞということで努力をするつもりでおります。  それから、特に金属バットの問題につきまして御指摘がございましたけれども、これは国内の指導が悪かったわけでございまして、やはり今まで、例えばミネラルウオーターを国内に輸入する場合に一々殺菌をしろとか、口紅は一本一本成分を調べるとか、大変厄介なことをやらしておったわけです。同種の検査につきましては特にそれが目立っておったわけでございまするけれども、そういう点を今度は思い切って簡単にするとか、公の検分機関があるものについてはそれをそのまま認めようとかということによって輸入手続が非常に簡素化されることにいたしたわけでございますが、それはそれなりに私は大きな効果があると考えておる次第でございます。
  12. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 長官ね、今度は自己認証に移すというんですが、この間の輸入ワインを見てもそうなんですが、その他のことにしても、電気製品にしてもそうですが、一般の消費者は、いろいろな機械等が複雑になってくる中で、事前に承知をしろといったってなかなか承知できないと思うんですよ。実際は、後になってしまって体のぐあいが悪いとか、けがをするとか、そういうようなことが起きて、痛い口をしてから初めて、どっちに欠陥があったのか、扱い方が悪かったのか、機構そのものに間違いがあったのかということが問題になってくるわけです。必ず事後になるわけですね。ですから、そういうものについて一体どういうような被害者救済の制度があるのか。私は日本の場合にそうないと思うんですね。アメリカの場合なんかには、そうした消費者運動というのは日本と違った形で発展していった経過もあるわけでありますけれども、そうした意味では消費者保護の法体系もちゃんとできているわけですね。挙証責任なんかについても法律でできているわけでありますが、日本なんかではそういうものはできていないわけですね。それは国民も、こういう事態でありますから協力はしたいと思うんですが、自分が痛い口をして、そして後の補償も明らかでないというような形では、なかなか協力は私はできないと思うんですよ。この辺も今まで消費者運動の中で随分言われてきたことなんです。そっちの方はほったらかしにされて、ただ基準緩和だけやられた、これじゃ国民がいろいろなものを買えと言ったって買う気になりますかね。これについては消費者団体連絡会からも既に経企庁は申し入れを受けているようでありますけれども、この辺はこれからどうなさるんですか。  先ほども、恐らく流通マージンについてはこれから検討するというんですが、これは作業委員会がなんかではっきり検討していただいて、もちろん上げる方向じゃないと思うんですが、それは下げるという方向ではっきりやっていただけるんですね。  その二つをお伺いしておきたいと思うんです。
  13. 金子一平

    ○国務大臣(金子一平君) 今の御指摘の最後の点は、もちろん下げるために現在のマージンの出ぐあいを全部各商品について調べておるわけでございます。  それから、今のブドウ酒の問題は大変不幸な問題でございましたが、こういった食品衛生の関係で、特に発がんの問題等がございますので、厚生省はこういった問題については随分注意深くやって、これはもう簡単にそう手を広げて何でもおいでなさいというわけにはいかぬという体制をとってくれておると思うんでございます。  それから、ブドウ酒はこれは私専門ではないからよくわからないんでございますけれども、仮にあれを従来のままの制度をとっても、ああいうものが混入しておることはやっぱり何らかの形で公にできないとなかなかチェックできないんじゃないかと思うのでございまして、こういう問題につきましては今後も十分私どもとしては考慮していかなきゃいかぬと考えておる次第でございます。
  14. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 今度の場合に、次に政府調達の問題があるわけでありますけれども、政府がいろいろなものを国内外を問わず調達する場合には、競争入札が原則だと思うんですね。そして随意契約などというのはもう特別なものあるいは金額が非常に低いもの、あるいはどうしてもその特許を使わなければならないという、そこの技術を使わなければほかの技術は使えないというようなものについては恐らく随意契約をするということになっているんですが、一体今の日本の競争契約と随契との割合というのは、政府調達の全体の中でどのくらいの割合を占めていますか。
  15. 海野恒男

    ○説明員(海野恒男君) 最近の数字をちょっと申し上げたいと思いますが、昭和五十六年、これは金額でございますけれども、六七・三%が随意契約であったものが最近はだんだん落ちてきまして、五十八年には三七・三%となっております。件数で見ますと、八六・二%だったものが四三・一%ということで、随意契約大分減ってきておるというのが現状でございます。
  16. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 今度はこれを全体として、外国のものについてはもちろんそうでありますが、国全体としても私は今まで随意契約が多過ぎたと思うんですね。それで、もっと競争入札体制にしなきゃ私はいかぬと思うんですよ。これは一体どのくらいにこれからしようというんですか。
  17. 海野恒男

    ○説明員(海野恒男君) ガットの政府調達協定によりますと、大体十五万SDR以上の物品について一般競争入札にするという協定になっております。それが現在、現時点でどのくらいあるかということについてはまだ確たる数字をつかんでおりませんけれども、これまで比較的随意契約が多かった理由は、何回か入札をやりましても落ちないというケースがございまして、そのためにどうしても随意契約にならざるを得なかったというケースが非常に多いようでございますが、先ほど申し上げましたように、次第に随意契約の比率も下がってきておるということで、今回の政府調達に関するアクションプログラムの中では、さらにそれを一層徹底するということを決めたわけでございます。
  18. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 これは政府としてある程度目標をつくってやる必要はないんですか。これは私は行政改革の一環としてもやるべきだと思うんですね。随意契約については時々いろんな変な話がつきやすいものですね。ですから、なるべく競争入札でやっていくということでありますから、きょうの御返事でなくてもいいんですけれども、ある程度の目標というのはつくって、それへの努力というのをやらないと、今までのいろいろなくされ縁というと大変恐縮でありますが、恐らく経過があってなかなか競争入札にならないという例というのは多いわけでありますから、その辺は私は目標をつくってやってもらいたいと思うんですがね、これは政府の立場として。  それから、特に自衛隊の場合の政府調達というのはもうほとんど随契ですね。八五%ぐらいはもう随契ですね。それは自衛隊でありますから、いろんな兵器とか何かでそういうようなものも私は恐らくあり得ると思うんです。随契でやらなくちゃならぬという場合がかなり多いとは思うんです。しかし、被服だとか何とかかんとかという、どうしてもこれでなければならぬというものは、必ずしも全部が私はそういうものじゃないと思うんですね。だから自衛隊自身でも、この八五%というような随契の割合というのはもっと低める努力をやはり政府と同じように私はすべきだと思うんですが、ここら辺はどういうふうにお考えになっておりますか。双方から、政府の方と両方から。
  19. 猿渡聰一

    ○説明員(猿渡聰一君) ただいま先生が御指摘になりました数字につきましては、私ども全体の随意契約が高いということでございまして、この原因は、防衛庁の装備品につきましては航空機製造事業法武器等製造法法令をつけて、そのため製造業者が限定されておることでございますとか、あるいはライセンス生産をするものについて外国企業との技術提携契約をするものがございますとか、あるいは輸入品について外国企業との販売契約が結ばれておる等、非常に金額的には大型のものでありまして、高度の技術も要しますので随契が非常に多くなっておりまして、これは過去およそ八〇から八五の間でありまして、御指摘ではございますが、全体としてのこの問題につきましては非常に難しいんじゃなかろうかと考えます。  またさらに、今回の政府調達の問題につきましては、私ども実は国の安全保障というものは政府調達の協定によって除かれておりまして、一般的な競争体制になりますものが五十八年で約二十五億円、防衛庁全体の〇・二%ぐらいが今回対象になっておりますのを申し添えさせていただきたいと思います。
  20. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 政府の姿勢。
  21. 海野恒男

    ○説明員(海野恒男君) 目標を立ててというお言葉でございますけれども、私どもは、少なくともガットの政府調達協定上規定されております十五万SDR以上の物品についてはすべてのものを一般競争入札に持っていくというふうな目標で、今回の決定では再度入札を繰り返すというふうなことによって随意契約をなくし、一般競争入札に持っていくという基本方針を立てておりますので、その限りにおきましては、先生御指摘の点ではもう随意契約をなくす方向でやっておるわけでございますけれども、ただ一部、先生御指摘になりましたように、特許関係だとかいろんなことがございますので、全部が全部そうなるとは限りませんけれども、政府の方針としては、今回のアクションプログラムの決定によりまして、随意契約を再度入札の繰り返し等を通じて一般競争入札になるべく持っていくという方向で今決定をしたところでありますので、その方向で進めていきたいと思っておるわけです。
  22. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 確かに、そういうガット協定に基づいておやりになっているだろうとは思います。それで、さっきのお話で三七%ですか、そういう数字ですけれども、アメリカあたりの数字はもっと低い数字になっているわけですからね。そういう意味では、こういうこともアメリカ側から見ると、恐らくもっと低くしろというような意見が出てくる可能性は私はあると思うんですけれども、時間がありませんから、その点はこの程度にしておきたいと思うんです。  河本さん、どうなんですかね、河本さんも随分いろいろ貿易摩擦については御努力になっているわけですけれども、どうも空気は余り安心できない、しかも時間的には長く待てないというような私は空気だろうと思うんです。先ほどもちょっと述べましたアメリカ議会筋の空気、例えば、大統領が拒否しようとしても拒否できないような数字でやるんだと、こういうことすら言っているわけでありますから、この後は一体日本政府は、これを出して、よくわかってくれということでほったらかしておくんですか。これからのアメリカの、恐らく議会筋を中心としての対応というのは、政府はどんなふうに考えているんですか。
  23. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 今回作業をいたしました経過は、御案内のように、昨年の十二月に政府の方で対外経済摩擦を解消するためにどうすればよろしいかということで諮問委員会をつくりまして、諮問委員会から答申を求めました。四月にその答申ができまして、その答申では、今回の市場開放の手続改善のほかに、内需の拡大、産業協力技術協力、為替対策あるいはODA、こういう幾つかの問題を並行して進めなさい、貿易の手続の改善だけではこれは不十分ですと、このような指摘を受けております。  そこで、去る七月三十日、この行動計画決定の際に総理談話が発表されまして、引き続いて残された問題に精力的に対応しますが、とりあえず内需拡大の問題については作業委員会をつくってそこで答えを出す、対策を決める、そういうことにいたしましょうという談話が発表されましたが、本日、その設置が正式に決まったわけでございます。  今、アメリカなどでは、市場開放の手続の問題はもう理解できた、これだけでは大きな成果がもう期待できないと思うので、やはり内需の拡大、日本の経済政策全体を円高の方向に持っていけるような、そういう経済政策の転換がむしろ必要ではないか、こういうところに議論が葉申しておるように思います。したがいまして、今御指摘がございましたが、貿易の手続を改善するということが中心の今度の行動計画だけでは、さてどれだけの成果が出てまいりますか。少なくとも、これまで日本貿易の手続等についてアンフェアであったということについては随分改善されましたので、そういう非難はなくなると思います。しかし、何と川しましても、背景がドル高ということでもありますし、それから、相手方のこれまでは努力不足、こういうこともございましたので、これからの残された幾つかの対策と相手の出方を見ませんと、どれだけの効果があるか、今のところ具体的に申し上げかねる段階でございます。  ただしかし、今、日本のこれからの対応が世界全体に保護貿易的傾向を引き起こすのか、それとも日本の対応いかんでは自由貿易を守る、こういう方向に世界全体が進むのか、日本の置かれております国際的な立場というものは非常に大きい、このように思いますので、そういう観点からすべての問題を処理していく必要があろうか、このように考えております。
  24. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 私も内需拡大ということについては賛成でありますし、どう内需拡大をしていかなくちゃならぬかというところに私は問題点は多かろうと思います。――防衛庁の方いいです――河本さんがおっしゃられている内需拡大で大型減税というのは、私もその考え方には賛成であります。しかし、六兆円ということを河本さんもおっしゃられておりますし、河本さんのグループもおっしゃっておりますし、かなり大きな影響を与えているわけでありますけれども、今の財政再建の中で果たして六兆円の減税をどういうふうに、余り長いことのんびりやっているわけにもいかぬだろうと思いますし、そういう点では、どういうふうにおやりになって、その財源というのはどんなふうに考えたらいいのか。新しい増税をやれという人もありますし、あるいはマル優貯蓄に低率分離課税をやれという人もあるし、あるいは付加価値税をこの際やれという人もあるわけでありますが、付加価値税にしても、そう一朝一夕にすぐというわけにはいかぬと思いますけれども、その辺の財源というものを河本さんはどうお考えになっているのか、減税のやり方と財源、その辺の御説明をいただきたいと思います。
  25. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 先般の諮問委員会の答申の中での内需拡大問題につきましては、具体的な政策として四項目が例示をされております。その中でも一番大事な課題は、内需拡大ができるような方向での税制改革を急いでやれ、こういう趣旨の答申がなされておりまして、私はそれが一番大事だ、こう思っております。  そこで、私どもの仲間でつくっております新政策研究会でいろいろ検討いたしました結果、昭和四十八年に一兆八千億の所得税の減税をやったことがございますが、そのときのGNPは現在のGNPの三七%でございますので、現在のGNPに換算をいたしますと約五兆円の減税になります。そこでそれを一つの参考にしよう。それから同時に、現在は所得減税のほかにやはり企業減税並びに住宅減税が焦眉の急でもありますし、とりあえずこの分野でおよそ一兆円見当を見込む必要があるんではないかということで、六兆円という数字を一応はじき出したわけでございます。  ただし、財源の問題につきましては三つのことを提案しておりますが、その第一が行財政改革による歳出の削減、第二が高日の成長による税収の増加、それから第三が税制の抜本改正、直間比率の見直し。そこで、一部は増税が当然あると思いますが、増税したものは一応全部減税に回す、そういう三つの財源を一応考えております。そういう提案をしておりますが、詳細につきましては、これから政府の税調の作業も来月から始まりますし、自由民主党の中の税制調査会ももう現に作業が始まっておりまして、十月ごろには一応のアウトラインが出てくると、こういうことでもございますから、その部分における作業の推移を見まして、さらに具体的に詰めていこうと、こういう判断のもとに、以上申し上げましたような税制改革の提案をしたわけでございます。
  26. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 河本大臣、もしお忙しいようでしたら、あとはよろしゅうございますので。  そこで、今もお話がありましたし、そのほかでも最近の減税等につきましては企業減税、今も河本さんのお話の中にありましたし、最近通産省から出てくるいろいろなものには投資減税というような言葉が非常にたくさん出てくるわけでありまして、けさの新聞でも、耐用年数をもっと短くしろと、それが実質的には企業の拡大にプラスになるからそういうことをしろというような記事も出ていて、何か通産省は最近は投資減税に専ら絞り込んでいるという感じが私はせざるを得ないんです。  しかし、今の産業構造を見ますと、私はむしろ、GNPに対する民間設備投資の割合というものは、かつての高度成長当時の投資を現在は行っていると思いますね。ですから、決して少ない投資では私はないと思うんですよ。しかも、その大部分というのは輸出関連投資の方向に向いている。これが今日の私は産業構造であろうと思うんですね。そうしますと、これから投資減税をやる、あるいは民間設備投資を拡大していくという中で、恐らく政府がうんと金を出してそうやることじゃなくて、税制やあるいは金融によって誘導をしていくということになりますと、やっぱりもうかる業種には投資ができる、もうからないところには金は流れていかないというようなことが私は当然起こると思うんですね。  そうなってきますと、どうなんですか、日本産業構造というのはもっともっと輸出関連、それへ向けての、何がこれから輸出関連になるか、またこれはその辺の変遷はあるでしょうけれども、そういう輸出関連のところが現実的に経常利益率というのはその他に比べれば高いわけですね。そうすれば必然的にそっちが伸びていく、もうからない方は切られていく、こういう産業構造になってしまっていくんじゃないでしょうか。
  27. 大塚和彦

    ○説明員(大塚和彦君) 御説明申し上げます。  今、先生がおっしゃいました点は、非常に重要な二つの点を恐らく示唆されておられると思います。  一つは、将来の日本産業構造自体をどう考えるかという点でございまして、これはやはり将来日本の場合は高寿命化が進みまして、そしていわゆる従属人口というのが非常にふえてまいります。その意味で、やはり日本としてしっかりした産業構造というものを目指すということは私は当然だと思います。しかし同時に、国際的な環境を忘れるわけにはいかないわけでございまして、国際的に協調した産業構造あるいは国際分業といったもの、こういう点を将来の産業構造を考える上で大きな要素として私どもよく念頭に置いてやっていきたいと思っておるわけでございます。  そして、第二の先生がおっしゃいました点は、それと関係する政策的な手段である税制の点でございますが、私どもといたしましては、内需拡大に占める設備投資の役割、それからそれに関連する税制という促進手段、これは非常に重要なものだと認識しております。ただ、それがまさしく御指摘のように、直ちに輸出関連の生産に直結いたしまして、あるいはそれを目的とするようなものというのは、やはりこれは今の国際情勢を考えると問題かもしれません。そこで、これまで通産省としていろいろ投資減税を主張しておりますが、それは省エネルギーの観点とか、中小企業が高度化した機械を入れるためでございますとか、あるいは試験研究を促進すると、こういった点に実は重点を置いてやってきておりまして、現在、来年度の税制につきましても検討中でございますが、同じような考え方でやっていきたいと、かように考えておる次第でございます。
  28. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 将来において日本輸出なしで国民が養えるような国でないことは事実であります。そういう意味で輸出に重点を置いた産業構造であることはわかるわけでありますけれども、最近通産省が言っていることは、何か新聞で見る限りにおいては、省エネだとかあるいは省力とかそういうところに非常に、今までも確かにそこに重点があった。今も、今のお話ではちょっと変わりそうな感じもするんですが、まだまだその辺まで変わっていくかどうか、けさの新聞あたりを見ますと、やっぱり同じだなという感じがせざるを得ないわけであります。  同じ企業減税にいたしましてもあるいは投資にしても、もう少しきめの細かいやり方でここはやっていかないと、私は世界からの信用というものは得られないんじゃないだろうか、こう思います。税制にいたしましても、私は、どちらかというと住宅関係の減税というのは、ウサギ小屋の日本でありますから、その辺は余り輸出に関係ないわけでありますから、減税にしてもその辺を中心にやっていく。今、皆さんはどうか知りませんけれども、若い勤め人では自分で自分の家を建てるということはちょっとできないと思うんですね。金借りてもできないだろうと思うんですね。そうすると、おやじや祖父母から金を幾らか援助してもらうというようなこともあると思うんですけれども、その辺の税制なんかでもことしいっぱいぐらいで切れると思うんですね。こういうものこそもっと私は大々的にやってみたらどうだろうか。そうすれば、これこそ外へ向く内需拡大じゃなくて、本当に内へ向く内需拡大でありますから、この辺のことを私は、金子長官のもとでの作業委員会あたりでこういうものをじっくり――じっくりというよりも徹底的に洗って、外へ品物が出るんじゃなく、内向きの内需をここはやっぱり中心にやってもらいたいと思うんです。  作業委員会がきょう発足するということでありますけれども、一般論じゃなくて、そういう形での内需の拡大あるいはそういう形での企業投資、こういうことにきめ細かくひとつやっていっていただかなければ、これだけ大騒ぎしても、その結果は、何だやっぱり輸出関連に重点が向いちゃったじゃないかと。今度の場合は、デレギュレーションの時代でありますから、もう余りああだこうだと言えなくなってくる時代であるだけに、そういう点はきめ細かいやり方をひとつやっていただかなくちゃならぬと思うんですが、これは長官からひとつ御返事をいただきたいと思います。
  29. 金子一平

    国務大臣金子一平君) 今度の作業委員会で、五項目について取り上げる問題を整理しておりまするけれども、今、竹田先生から御指摘のございましたような問題につきましては、特に重点を置いてしっかり取り組んでまいりたい。  やっぱり、何といっても地に足の着いた内需の拡大をしっかり図っていくような方策を立てないことには、日本経済はこれから乗り切れませんから、私も先生の御意見と全く同感でございまして、しっかりやってまいりたいと思っております。
  30. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 これは通産省もひとつその点はお願いしたいと思います。産業構造のあり方というのをやっぱりもう一回見直していただく必要があろうと思います。  そこで、時間もありませんから、最後の結論じみたことを私考えているわけであります。  一応このアクションプログラム、必ずしも十分であるとは私は思いませんけれども、努力をされて、先ほどのお話の中でも、アメリカでは市場開放についてはまあまあというようなことであろうと思いますし、私としてもまだまだ基準認証についてもっと洗い直さなくちゃならない項目がたくさんあると思います。これからの作業もありますけれども、一応手をつけたことは事実であろうと思います。そういう意味では、今までの官僚制度の中へひとつ切り込んだという成果は私は十分あったと、こういうふうに思います。  そういう意味で、成果はある程度あったとは思いますけれども、しかしこの制度が諸外国を納得させるということになりますと、先ほど申し上げましたように、数字が出なければ恐らく納得できないだろうし、それは現実に、アメリカ失業者が少なくなるとか、アメリカから品物が日本にもっと入ってくるとか、これはアメリカだけではありませんけれども、世界の各国から日本にもっと品物が入ってくるとか、あるいは日本の品物が集中豪雨的に外国輸出をされないようにするとか、そういうようなことがやっぱり私は必要だと思うんです。まあこれだけ我々は努力をしたわけでありますから、市場開放、アンフェアという点ではかなり改善したというふうに私も見ていいと思うんです。  こうなった以上は、やっぱり個々のインバランス、これをどう直すかということになりますと、私はある程度自主規制していいんじゃないだろうか。特に、ずっとやるという意味じゃなくて、集中豪雨的な輸出商品に限るとかあるいは期間を限るとか、そういうような条件をつけての上での自主規制的なものを考えてもいいんじゃないだろうか。それが例えば輸出課徴金であったり、あるいはこの間加藤六月さんですか、おっしゃられたような物品税を含んだものの価格で輸出するとかということも一つの手段であろうと思うんです。いろんなやり方があろうと思うんですけれども、そういう限定した商品について限定した期間自主規制などをやってもインバランスを直す、そのことが保護貿易主義という方向に行くことを防ぐということであるならば、そういうことがあってもいいじゃないか。あるいは、基本的には為替相場を直していく、ドル高を直して円高にしていくというようなことのために、もし日本資本の流出が円安というようなことを招いているならば、私は、資本の移動についても利子平衡税などというような形で、この面でもある程度チェックをしたらどうだろうか。確かに今、外貨について自由にはなりましたけれども、これも一定の限界はあると思うんですね。当然非常に混乱を予測される場合には、ある程度これは規制をするということも法律で認めていることでありますから、その辺の手当てを私はしてもいいんではないだろうか。このアクションプログラムが出る前は、これはちょっとまずいと思いますけれども、これだけの努力をした後はそういう自主規制をしてもいいんじゃないだろうか、こう私は思っておりますけれども、長官どうですか。
  31. 金子一平

    国務大臣金子一平君) これは大変難しい問題でございまして、やっぱり日本貿易の立場から申しますると、あくまで保護貿易主義を巻き返すんだと、自由貿易主義を堅持するんだという主張を貫き通さなきゃいけませんから、日本側から相手の保護主義を助長するような措置はとるべきじゃないと考えるのでございます。今一部では、例えば輸出課徴金を課税したらどうだとか、あるいは物品税込みの輸出価格にしたらどうか、いろんな提案も出ておりますけれども、それはやるべきでないと考えております。  それから、利子平衡税の問題につきましても、これは為替自由化で大変難しくなっておりまして、平衡税自体がどれだけの効果があるかもわかりませんし、私はやっぱり、最初に竹田先生の御指摘もございましたような集中豪雨的な輸出が行われるようならば、それは自主的に規制をしてもらうというようなことは、それは時と場合によっては考えてもいいと思うのでございまするけれども、少なくとも相手に、日本もそこまでいくんならこっちもやるぞというようなきっかけを与えないことが通商関係としては一番大事なことである、こういうふうに考えておることを申し上げておきます。
  32. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 終わります。
  33. 松岡滿壽男

    ○松岡満寿男君 今回のアクションプログラム並びにこの骨格決定に際しての総理大臣談話でございますけれども、市場開放輸入拡大を求められております黒字国としての我が国としては、この内容、大変御苦心の成果であるわけでありまして、現時点では思い切った内容だというふうに評価をいたすものであります。  特に、関税の分野あるいは基準認証の分野につきましては、かねてからいろいろな要望にこたえて思い切った措置をとっておられる。政府調達の分野についてもしかりであります。さらに、内需拡大の問題、あるいは後ほど触れたいと思いますけれども、投資交流による先進国経済の活性化の問題、そして米国を初めとする諸外国の金利水準の一層の低下が図られることを望むというような、外国に対しても物をしっかりと言っておる。一貫したそういう姿勢につきましては、不徹底な部分があるという御意見もあるようでありますけれども、現在の国内事情から見ればまさにベストな措置であろうというふうに考えるわけであります。当然、各国それぞれ国益を守る立場からいろんな意見もあるようでありますけれども、やはり我が国としても守るべきところは守り、主張すべきところは主張する、譲るべきところは譲るという基本的な姿勢を貫かれたという点を特に評価いたしたいと思います。  特に、貿易摩擦問題は、我が国の寄って立つ経済力の大きな基盤になっておるわけですから、これの運営を一たび過つと大変な禍根を残していくわけでありますから、息の長い対応をこれから継続していく、しかも今回の措置につきましては、フォローアップ体制をしっかり持っておられるというところが大きな前進であろうというふうに考えております。  しかしながら、この問題は相手のあることでありますから、その後のいろいろな諸外国の反応を見ていますると、さまざまなものがマスコミ等を通じて報じられております。当然これにつきましての情報政府側としては十二分に把握しておられるというふうに思うわけでありますけれども、そういうものにつきましての御報告をひとついただきたい。  特に、アメリカは、政府側は判断を留保しておるということでありますが、議会側からはいろいろな声も聞かれておるわけでありまして、九月に入ればさまざまな問題が出てくるんではないかというふうに考えられるわけでありまして、アメリカ側の出方がどういう出方になってくるというふうに現状では推察されるか、まずその辺からひとつお伺いしてみたいと思います。
  34. 赤羽隆夫

    ○説明員(赤羽隆夫君) アクションプログラムにつきましては、四月九日の対外経済対策、これに基づいて作成が進められたわけでありますけれども、その作成の過程におきましても、それからまた、それぞれ骨格が発表されましたその直後におきましても、外国からのいろいろな評価が出ております。  例えば、関税の引き下げにつきましては千八百五十三品目、大変大きな数のものを、しかも日本が一方的に引き下げた、ニューラウンドに向けてそういう引き下げが行われたということを高く評価してくださった例えばアメリカのヘラルド・トリビューンというような新聞などもございます。そういうことで、ニューラウンドに向けましての日本の立場という観点からいい評価が得られたということがある一方で、先ほど大臣も他の御質問に対して答えておられましたけれども、特別の関心品目、これが余りはっきりしていない。例えば合板の引き下げの時期というものの明示がないとか、あるいはチョコレート、これなどはアメリカの関心品目でございます。それからヨーロッパの関心の強いナチュラルチーズなどにつきましても関税の引き下げの対象から除外されている。そういったようなところに着目をいたしまして評価ができないというような発言もあったことは事実でございます。  それから、この七月の三十日、ここで発表になりました大変広範な分野についての大量の措置でありますので、しかも、中には基準認証あるいは輸入手続といったような技術的なものが非常に多いものですから、したがいまして、これをなかなか素人がすぐに評価をするということが難しい。責任ある立場におきますアメリカ政府などは、しばらく時間をかけてこれを検討したい、こういうことで判断を留保しているといったようなことがございます。ただ他方、議会筋などでは皆さんそれぞれ個別の関心がございまして、その関心のところが果たしてどれだけ改善しているのか不明である、こういったような観点から必ずしも好意的でない評価ということも見られるということでございます。  先ほども大臣からお話がございましたけれども、最初は日本の複雑など考えられております規格基準あるいは認証の手続、あるいは煩瑣な輸入関係の手続、こういったようなものが外国製品に対する障壁になっている、これは決してフェアな仕組みではない、これをフェアな仕組みに直してもらう、こういったようなところを強く求めておりまして、そうした努力に対して、評価をするというよりは強く期待をする、こういう態度でありましたものが、最近になりましたら、むしろ目に見えた黒字減らし、日本に対する先方からいいますと輸出日本輸入というものが特に目に見えてふえる、こういう点がなければこの問題は解決されたとは評価しない、こういったような評価もまた強くなってきた、こういう状況ではないかと思います。
  35. 松岡滿壽男

    ○松岡満寿男君 日本としては一定の処方せんを出したわけですから、あとはその辺の摩擦をどのように上手に管理して抑え込んでいくかということがこれからの大きな課題だと思うんです。  先日、実はテレビを見ておりましたら、TBSですか、「汝の敵日本を知れ」という終戦前後のアメリカの宣伝映画がありまして、「日露戦争」から始まって「バターン死の行進」まで、ずっとそれが黒白の映画であるわけですね。そういうのを見ておりまして、いわゆるアンフェアであるとか、日露戦争は戦争を始めて三日後に宣戦布告をしたというような注釈がついておるわけですけれども、そういう一つのとらえ方というものがどこかにあるとすればこれは大変なことであります。  それぞれお互い近所づき合いをする中でも、家族同士のつき合いたって、言語、生活条件が同じ中でもいろいろ誤解とかそういうものが生じやすいわけでありますから、今回の日本政府としての一連の措置について、やっぱりもっときちっとしたPRを具体的に、しかも大々的にいろんな文化、芸術、経済のみならず、各層でのそういう日本を知ってもらう、日本の誠意を理解してもらうという一つのPRというものが私は非常に大事なことではないかなというふうに思うんですけれども、今回のアクションプログラムについてのそういうPR活動というものはどのような形で行われておるのか、ちょっと伺いたいと思います。
  36. 金子一平

    ○国務大臣(金子一平君) アメリカに対するPR活動は、日本の松永大使がもう早速関係方面と連絡をとりまして内容を十分に説明して了解を求める、あるいはまた私ども、外務省はもちろんでございますけれども、政府関係者は国際会議の場において必ずといっていいほど内容につきましては説明をいたしておりますし、また、党からも先般二階堂副総裁が参りましたり、宮澤総務会長が行っておりますが、率直に、日本の今度の基準・認証の改正のごときは政府発足以来の大きな、歴史を変えるような根本的な改革をやっておるのですよと、とにかく、成果はすぐに上がらぬかもしれないけれども、日本の努力だけは十分見てほしい、そうして成果を待ってほしいということを繰り返して言っておられるわけでございまして、今後もPR問題につきましては、松岡先生御指摘のとおり、これは非常に大事なことでございますので、私ども全力を挙げて政府としてやりたいと考えておる次第でございます。
  37. 松岡滿壽男

    ○松岡満寿男君 先ほどちょっと触れましたああいう映画なんかがどういう使われ方をしておるのか、彼ほどで結構ですから、外務省の方でもわかりましたらお知らせいただきたいと思うのです。  このアクションプログラムを実際に実施していくということになりますと、市場開放によります輸入の拡大という事態、これは当然そういうプログラムの段階で予測しながら努力をされたわけですけれども、これが実際にどの程度その促進につながるのか、実質的な効果というものがどの程度予測されるのか、非常に難しい問題ではあろうと思うんですけれども、お考えを伺いたいと思うんです。
  38. 赤羽隆夫

    ○説明員(赤羽隆夫君) アクションプログラムがねらいましたものは、日本のマーケットが国際的に見て最も開かれたマーケットということに直していこう、こういう点をねらいとしたわけでございます。先方、つまり外国製品からいいますと、日本の市場に対する障壁というものが非常に低くなる、あるいは取っ払われる、こういうことで入りやすくなるということであります。しかしながら、ただ入りやすいだけでは必ずしも物は売れない、商品が輸出できるとは限らない、こういうことでございまして、先方の輸出努力というものが大いに期待される、これが第一でございます。  第二番目の点は、現在多少円が高い方向に向かっておりまして、異常なドル高が是正される方向にはありますものの、なおドルの実力、アメリカの生産費、生産性といったようなものとの関係での実力という点から見ますと過大な評価を受けている、こういうことであればなかなか売り込むことが難しいだろうという点があろうと思います。  最近の国際収支の状況を見てみますと、日本からの輸出、これはだんだんと増勢が鈍化をしております。これに対しまして輸入につきましては、むしろ一年前に比べて減少している。こういう形で経常収支、あるいはその前にあります貿易収支の黒字がふえておる、こういう状況でありますので、実際に輸入がふえる、こういうことに結つくためには、やはり日本の国内需要、これがふえることが必要ではないか。経済の拡大均衡を通じてこそ初めて輸入拡大が実現し、経済摩擦も解消の方向に向かうものと、こういう理解をしております。  具体的な金額、マーケットに対する障壁を下げるあるいは撤廃することによってどれだけの金額の日本の輸入がふえるのか、これは数字の上でなかなか計算がしにくい、こういう状況でございます。
  39. 松岡滿壽男

    ○松岡満寿男君 その点はおっしゃるとおりだと思うんです。  先ほど来、我が国の産業構造の話が出ておりましたけれども、我が国の経済の特性は、御承知のように、非常に高い輸出弾力性、それから非常に低い輸入弾力性というものにあるわけです。これはやはり我々の先祖が営々として努力されてきた経済の特質だと思うんですね。それが今の貿易摩擦の根っこになっちゃっている。ですから、外国に比べて異常なほど低い輸入弾力性の中にあるわけですから、少々内需拡大をして国民の所得を上げたって、それが輸入にはね返るかというと、これは期待が非常に難しい問題である。内需拡大につきまして、大明石橋ですか、それから東京湾横断道路と、こういうものをいろいろやっていこうということになったって、セメントにしても鉄にいたしましても国内でほとんど賄ってしまう。なるほど全体の所得はふえるかもわからぬけれども、輸入につながるのは鉄鋼の原材料の鉄鉱石とか、石炭も国内で一都あるわけですけれども、そういうことでありますから、なかなかそういう黒字累積理の体質というものは、我々の経済にとってはこれは誇るべきことであるが、同時に外国とのつき合いの中で非常に難しい問題が出てきておる。しかし、これを弱くしてしまうとこれはとんでもない話になっちゃうという大きな矛盾の中で皆汗を流しておるわけです。  総理がアメリカから百ドルぐらい買ったらどうかということを提唱されたことがあります。非常にわかりやすい提唱かもわからぬけれども、国民の側から見るとなぜそうなるんだろうかという、そういう我が国の経済の持っている特異な体質というものに対する国民的な理解というものがどの程度あるんだろうか。また、国民に対してそういう我が国の経済の特質についてどのように説明し、認識させ、貿易摩擦についての協力を求めていくかということが、国内向けのPRとしてどうもちょっと欠落している部分があるんじゃないかなという感じがしないでもないわけなんです。  このままじりじりいきますと、六月も五十五億ドルですか、経常収支が一カ月では最高のものになってきておる。この三年間でもどんどん輸出輸入の格差が開いてきているという状況。だから諸外国は、このアクションプログラムの結果、どういう数字が出るかを見守っておる状態であるわけですけれども、こういう問題につきまして、もう少し国民に対する今度はPRですね、だからひとつこういう内需の振興なら内需の振興について協力してくれとか、外国の製品を、しかしその外国の製品も電話機がしょっちゅう故障したり、あるいは自動車がとまったりということじゃこれはどうにもならぬわけですけれども、そういう基本的な国民に対するPRというもの、これをもう少し私はすべきじゃないかと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
  40. 赤羽隆夫

    ○説明員(赤羽隆夫君) 日本の経済構造、これが先生御指摘のように、高い輸出弾力性と低い輸入弾力性と、こういったような特質を持っているということはそのとおりだと思います。  そもそも、我が国経済、大変に資源のない国でございます。無資源国でありますゆえに加工貿易を立国の国是として、それにまず第一の重点を置いて経済の発展を図ってきた、あるいは産業構造をそちらの方向で推進してきた、こういうことがあると思います。それからまた、日本の周り、今でこそ新興工業国家ということでASEAN諸国やあるいは韓国、台湾なども発展してまいりましたけれども、長い間日本のみが唯一の近代工業国と、こういったような状況がありましたので、どうしても日本の分業体制というのはいわゆる垂直分業、原材料を輸入して、資源を輸入して、それを加工して製品を輸出する、こういう状況のもとにあったと思います。  こういったような中で、やはり輸出が生命である、こういうことから輸出を絶対に伸ばす、輸出競争力を強める努力が実ってきたというのが現在のところだろうと思います。その過程におきまして、二十年前、三十年前の日本経済、日本の製品というものは今ほど競争力が強くない、こういうことでありますと、せっかく輸出で稼いだ外貨というものも製品輸入に向けられたのでは、経済の生産活動のために必要な資源が買えない、こういうことで、それではできるだけ国産の製品でもってという習慣ができ上がったと、こう思います。  今、日本経済は非常に強くなっているわけでございまして、むしろ輸出弾性値が高過ぎる、輸入弾性値が低いというような産業構造になって、それが問題を起こしているということでありますから、できるだけ製品輸入、こういうものをふやせるようなそういう条件を整備する、こういうことでアクションプログラムなどもまとめられたわけでございます。そうしたアクションプログラムの意義といったようなものも含めまして、国民に対するPRといいますか、御理解を願うような努力を経済企画庁としても、従来もしてきたと思いますけれども、今後もますますしていきたい、こう思います。  今月は経済白書が出る時期でございまして、経済白書の中におきましてもこういったようなことについて及ばずながら努力をしていこうと、こういうことでございます。
  41. 松岡滿壽男

    ○松岡満寿男君 この前、経団連フォーラムの中で、根底に技術摩擦があるんだという指摘が出ております。要するに、アメリカは二次産業の生産というものを国外に移転しちゃっている。日本は一次産業を国外に頼っているという部分があるわけですけれども、それぞれの産業の持っている特質、それが変形しちゃっている。しかし、それを外国によってカバーしてきておるわけですね。そういうものについて、特に軍需技術と民需技術とのコストの問題等、厳しい提言を石坂さんあたりはしておられるわけですけれども、これにはちょっと割く時間がないようであります。そういうふうに、それぞれの国の持っている産業の特質は、補完関係にあって伸びてきておるわけですから、弱いところだけつつかれてしまうとお互いに困る部分もある。そういうところはお互いがやはりじっくり腰を据えて理解し合うという議論も私はその問題では必要じゃないかという感じがするんです。  先ほどちょっと申し上げました国民に対する理解を求めるということでありますけれども、この際内需を拡大していくということ、これはもう当然必要だと、その場合におくれている社会資本を充実していこうとか、あるいは一次産業等について、特に林業、農業については非常に我が国の体質の中で弱い部分がある。そういうのをやはりこの際補完していこうというのは、私は健全な将来の我が国の発展を考える上では非常に必要な、重要なことだと思うんです。しかし、財源がない。ですからいろんな、先ほど河生長官もおっしゃったような問題が今出てきておるわけですけれども、思い切った民間活力の活用というものをやはり考えていく。例えば下水道とか圃場整備とか、そういうものも民間資金でやっていくということだって考えられないことは私はないだろうと思う。そういう国と地方とそして民間との役割分担というものをもう一回やはり詰めていくことが必要ではないかというふうに思うんです。  特に、これから四全総、二十一世紀の日本の構築に向けましていろいろな角度からそういうものが考えられる。おとといですか、通産省の方でシルバーポリス構想というものが出てきている。確かに老人福祉関係につきましては、民活の問題もこれはあるわけです。そういうことを幅広く衆知を集めてやっていくということが大切でありまして、貿易摩擦をどうやって切り抜けて自由貿易体制を維持していくか、そのために国民の理解と協力を求めていく、すべてやはり貿易摩擦に国内の問題も目を向けて集中していくということがここ当分必要なことではないかというふうに思うんです。  そういう中で、例えば米のコストを下げていくためには、我が国の場合は圃場整備を進めていく、いわゆる農地の区画整理事業を進めていく、これについては三十兆円という大きな金が要るじゃないか。あるいは林業の活性化につきまして、今回は千五百億ほど特別に予定しようじゃないかということが計画をされておるわけですけれども、こういう貿易摩擦に向けてのアクションプログラムを実行していく上に必要な事業というものについてやはり国民の理解と協力を得る。そのためにもアクションプログラム関係については、まあ途端に細かい話になって恐縮ですが、シーリングの別枠にする、あるいはマル営予算というものをつくっていく。それについては国民の税金をそういう形で使うわけですから、財源をどうするかは別にしまして、やはり国民のそういうものについての理解というものがなければできない、私は基本的にそういうふうに考えておるわけであります。  そして、アメリカの先ほどの二次産業の欠落部分等につきましては、やはりそういう手抜きを改善するということについては当然こちらからの輸出を規制するなり、あるいは経済協力とか開銀融資とかそういうものを持っていくということだって私はこれは考えられないことではないと思うんです。そういう総合的な対応というものがこれから要求されるというふうに思うんですけれども、そういう問題につきまして御意見があればちょっと承りたいと思います。
  42. 金子一平

    ○国務大臣(金子一平君) 大変財政の苦しいときでございまして、例えば内需拡大一つを取り上げてみましても、国の財政だけに頼っているわけにまいらない時期でございますので、従来から申し上げておりまするとおり、民間の活力を動員する、民間の資金は非常に潤沢でございますので、そういうものをもっと動員して、全体として日本経済の活性化を図っていくというようなことが一番大事なことであろうと思うのでございます。  今、一々、例えば圃場整備について、住宅その他の環境整備についてもお取り上げいただきましたけれども、今度のワーキンググループと申しますか、新しく対外経済対策委員会に設けられました委員会におきましても、そういった問題を含めて今後の対策を十分練ってまいりたいと考えておる次第でございます。
  43. 松岡滿壽男

    ○松岡満寿男君 最後に、この前日米財界人会議がアメリカのミネアポリス市であったようでありまして、そこで共同報告がなされておるわけです。その結論に至るまでいろいろな紆余曲折もあったようでありますけれども、産業界の人々が、両国政府間の貿易に関する打ち合わせにアドバイザーの資格で一段と積極的に参加することができるようにしなければならない点で、日米双方の代表合意に達したというようなことであります。経済摩擦の解消の上で業界同士の、業界別の対話でございますね、こういうものを積極的にやっていくことが必要じゃないか。しかしながら、アメリカの場合はやはり独禁法の問題とか、すくいろいろな問題が出てくる。話し合ったって一体何するんだというような話になると、どうももやもやとしてしまうというようなこともあるようですけれども、同じ仕事を日米と違う国でやっておる人たちとの話し合い、そういうものを広げていく、そういうことは私はやはり非常に必要なことではないかと思うんです。  そういう対話というものが現実には一体どの程度行われておるのか、あるいはそれを進めていく上でいろんな障害があるだろうと思うんですが、そういう障害はどういうものがあるんだろうか。そういうものにつきまして、今後、今私が申し上げましたような問題について、通産省あるいは企画庁はどのようにお考えになっておられるのか。独禁法の問題があれば、話し合いの場を積極的にづくっていく意味で、そういう障害を取り除く努力はむしろ私はしていいんじゃないかと思うんです。そういう点についてのお考えを伺いたいと思います。
  44. 渡辺修

    ○説明員(渡辺修君) お答え申し上げます。  今、先生の方から、特に日米のこういう摩擦解消に関連しまして、業界人同士の話し合いあるいはPRといったような問題が極めて重要ではないかという御指摘でございます。全く私ども同感でございまして、現在、先ほど先生の御指摘にありましたように、業界の横断的な日米の話し合いというのは、例を挙げられました日米財界人会議、七月にミネアポリスで行われまして、これは日本経団連アメリカ商業会議所との話し合いというのがそもそもの出発点でございますが、現在二十二回を数えておるというふうに聞いております。そのほかに、例えば日本アメリカの南部の州、六州の政財界人との間の日本・米国南都会とか、あるいは中西部八州の政財界人との間の日本・米国中西部会とか、これはもう過去十六回の経緯があるようでございますが、いろんな形で、地域的なつながりあるいは業種的なつながり、そういったようなところを利用いたしまして、各種の財界、業界相互間の話し合いが行われておるということでございます。  基本的には日米摩擦、特に、先ほど来アクションプログラムのお話でありましたように、非常に輸出入に関して手続的にあるいは障壁があるといったような不満を持っておるという接点がビジネスマンのところでございますから、そういうことを考えますと、今回のアクションプログラムの問題に関しましても、業界ベースでよく物事を相互に理解し合うということが極めて重要なことであろうと思っておりますし、現にそういうことが動いておるわけでございます。  それから、先ほどお話がございました横断的あるいは地域的な業界間の話し合いのほかに、例えば紙パルプにつきましてとか、あるいはエレクトロニクス関係につきましてとかいったような観点で、それぞれの見合う業界の話し合いというのも一、二の例がございます。もっとも、その話し合いの中身につきましては、全体的な相互の今後の見通しとかビジョンとか、あるいはそれぞれの抱えておる問題とかいったような話し合いというところが一番重要なところであろうかと思いまして、例えばそこで何らかの市場をどうするかといったような話とか、あるいは設備投資を相互にどうし合うとかといったような問題になってまいりますと、これは、アメリカにはアンチトラスト法がございますし、日本にももちろん独禁法がございますし、そういったような制約があることは事実でございますので、その辺は十分相互によく理解し合いながら大きな将来展望といったような話を行うというということかと思います。  それから、例えば一例を挙げますと、そういった独禁法の問題等々を気にして話が進まないということは非常にゆゆしい問題もあるかと思いますので、例えば紙パルプの問題等につきましては、相互の政府の関係者がオブザーバーとして出るといったような形も現にとっておるわけでございまして、いろんな工夫のしようがあろうかと思いますが、基本的には相互の財界人の間で情報交換を進めていくのは極めて重要なことであろうと考えておるわけでございます。
  45. 松岡滿壽男

    ○松岡満寿男君 時間ですから……、ありがとうございました。
  46. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 短い時間でございますので、極力重複を避けてみたいと思います。  まず、長官にお伺いをしたいわけでございますけれども、七月三十日に政府与党対外経済対策推進本部が発表しました「市場アクセス改善のためのアクション・プログラムの骨格」でございますけれども、経済摩擦を緩和する効果の観点からいろいろの厳しい評価が下されているわけでございます。そういう中で、この行動計画というものが八月八日、明日開催されますアクションプログラムを見ておりましても、実行推進委員長には藤波さんがなっていらっしゃるようで、十一の省庁というものが基準認証、また査察官、いろんな問題が含まれておりますけれども、肝心の長官や河本大臣が私はキャップにきちっと責任を持って座って初めてこの行動計画というものが対外的に生かされてくる、このようにまず思うんですけれども、ちょっと陣容としては、トップの委員長としては河本さんか長官ぐらいがきちっと座ってやるべきではないかなとまず思いますのが一点、これは長官から御説明をお願いしたいと思います。  それから、河本大臣にお願いしたいわけでございますが、きょうの新聞を見ておりましても、私がアメリカ議会を視察に参ったときもそうでございますけれども、アメリカ議会筋というのは非常にこれは力をやはり持っております。そういうメンバーが、きょうの報道によりますと、米下院貿易視察団というものが来ておりますけれども、やはり黒字の縮小というものを非常に厳しく迫っている。逆に言えば、この行動計画というものに対しても不信感を持っているんではないか、こういうふうに思うわけでございますけれども、この点は河本大臣、米議会筋をどのようにして説得をしていかなくちゃいけないか、そういう今後の対策ですね、それをお伺いしたいと思います。
  47. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 四月初めに政府の諮問委員会から対外経済対策を進める上についてのいろんな答申が出ました。それを受けまして政府の方では対外経済対策推進本部というものをつくりまして、内閣総理大臣が推進本部長に就任をせられ、そこに副本部長を四人置くことになりました、経済企画庁長官と私が政府から出まして、自由民主党の方から政調会長とそれから対外経済問題対策会長が出られることになりまして四人の副本部長、それから全閣僚並びにその他自由民主党の五役を中心とするメンバーで構成をしたわけでございますが、ただ、そのうちで基準・認証に関する問題は大変専門的な問題でもございますので、特別に基準・認証についての委員会をつくりまして、そこで専門家を集めていろいろ議論をいたしまして、その委員長に藤波官房長官が就任をされた。最終段階は、推進本部でその報告を受けましてそれを採択したと、こういう構成になっておるわけでございます。  それから第二点につきましては、今度の行動計画というものは非常に膨大な内容になっております。日本文に直しまして約五十ページ、そういうことで、それを英文につくり直しまして、アメリカ初め世界各国に配布いたしましてしかるべき方法で説明をしておるわけでございますが、中には専門的な事項が非常に多いものですから、ややアメリカの議会筋等での理解がおくれた、こういう面もあろうと思います。  ただ、実はこの問題についての誤解が一つございまして、それは、今回の行動計画が政府の行わんとする対外経済対策のすべてであると、したがって、これだけでは不十分だと、これで終わりだと、こういう誤解が一部にあったんではないかと思いますが、それは先ほどもお答えいたしましたけれども、なお残された内需の拡大、その他数項目が柱として残っておりますので、それらを並行して進めませんと解決できませんので、先般の行動計画は対外経済対策のその一部である、こういうことを十分説明をいたしまして、だんだん理解をしていただいておる、このように思います。
  48. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 ここで御意見を伺いたいと思うんですけれども、貿易立風を標榜する日本の国の将来、また市場開放策の将来というものを考えますときに、言い古された政策であり、言葉でございますけれども、国際分業化のやはり世界じゅうの話し合いというものが、今後これは非常に大事になってくるんではないかと思うわけですけれども、これは政府としてはどういうふうな考えを持っていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
  49. 金子一平

    ○国務大臣(金子一平君) 自由貿易主義を標榜する日本といたしましては、先般のOECDの閣僚会議並びにボンサミットにおきましても、新しいラウンド、東京ラウンドに続いて新ラウンドの開始を各国に呼びかけて、来年からもうこの問題に手をつけていこうじゃないかというようなことで、今進めておる際でございますが、とにかく今度のアクションプログラムでも明らかにしておりまするとおり、日本は、できれば鉱工業製品については関税率はゼロに引き下げる用意がありますよ、各国もひとつ協議に応じて極力お互いに関税を引き下げて自由に貿易を進めるようにしようじゃないですか、こういうところまで来ており、大方の了解を得ておる。一部にはまだ発展途上国がなかなかおいそれとついてこないところもございますけれども、そういう努力をこれからも強力に進めたいと私どもは考えておる次第でございます。
  50. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 よろしくお願いしたいと思います。  先ほど河本大臣に質問いたしましたけれども、米国の対日報復措置のあれは報道等にも、また会議の中でも日米間でいろいろと取りざたをされて、私も本当に、特に今申し上げた米国議会の厳しいものに対して、これは議会が九月の中旬ごろからまた対日報復の法案を含めて新たなものが出てくると非常に厳しく想定をしているわけでございます。河本大臣も経済には非常に詳しい、また生きた経済の闘いをされていらっしゃるんですけれども、米国の今後の動向に対して具体的にやはり説得をしていかなくちゃいけないという課題は、これはやはりきょうの段階でもきちっと私は残っていると思うんですけれども、この点重ねて河本大臣のお考え、対策等について伺いたいと思います。
  51. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 今、アメリカの議会は休会に入っておりますが、九月からは再開をされますので、再び対日批判がいろんな形で出てくるであろうと、こう思います。  ただ一方で、今回のアクションプログラムについての説明も十分行き渡ると思いますし、それからアメリカの関心の中心は、これから日本がやろうとする残された諸問題、特に内需の拡大問題に私は今集中しておるように思います。アメリカの政府も、ボルカー議長とかシュルツ長官等が中心になりまして、たびたび日本の内需拡大問題について非常に強い関心を持っておるという旨の発言がございますし、私は、最近は議会の方の関心は、先般の行動計画よりもむしろ内需拡大問題に移っておるのではないか、このように思います。  そこで本日、企画庁長官のもとに内需拡大の作業委員会が設置されることになりましたが、特に総理から指示がございまして、その内容の策定は十二月ではなくして十月にやろう、十月もできるだけ早い時期にその結論を出そうと、こういうことになりましたが、それも世界全体が、特にアメリカが我が国の内需拡大について非常に深い関心を持っている、それにこたえる、世界全体の注目にこたえる、そういうことで作業日程を総理から指示があったと、こういうことでなかろうかと思います。
  52. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 ちょっと別な観点になりますけれども、御質問したいと思います。  これに関連をしまして、日中関係の中で、きょうの新聞報道でも出ておりますし、また日中間の折衝にしましてもいろんな問題が出ているわけでございますけれども、日中閣僚会議が外務省を中心に七月三十日に行われております。その席上、中国側より対日貿易赤字に対する不満が表明をされております。大蔵省の通関統計によりますと、本年の上半期の日中貿易の総額が約九十一・五億米ドルでございます。対前年比五六・九%増と大幅な増加を示しております。輸入に比べまして輸出の増加が顕著になっており、貿易収支は我が方の出超で約二十八億米ドルの黒字となっております。こういうふうな中で非常に中国の方の貿易赤字がふえ続けておりますので、厳しい状況になっているわけでございます。  ここで質問したいわけでございますが、このたびの日中閣僚会議の席上、中国側より出された貿易不均衡の是正に関する要望の骨子、この点を外務省から御説明いただきたいと思います。
  53. 槙田邦彦

    ○説明員(槙田邦彦君) お答え申し上げます。  このたびの日中閣僚会議におきまして、中国側からは、確かに委員の御指摘のとおりの対日貿易のバランスの問題について指摘があったわけでございますけれども、その席におきましては、中国側の姿勢といたしまして、必ずしも毎年ごとにバランスを求めるということではないのでございますけれども、ただ、昨年それからことしの上半期の実績を見ますと、インバランスが増大傾向にあるということもございますので、これを縮小均衡ではなくて、やはり将来ともに拡大均衡を目指したいと、こういう希望が表明されたわけでございます。
  54. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 お話を伺うところでは、閣僚会議の席上では、日本側より、一つは貿易拡大のための合弁による総合商社設立構想、二番目には弁護士、会計士の専門技術の供与、三番員は輸入促進ミッションの派遣、四番目は大連港の穀物輸送システムの整備協力、こういう提案もされたようでございますけれども、即効性という点で非常に中国は不満を持っているやにも聞いているわけでございます。  ここで河本大臣にお尋ねをしたいわけでございますけれども、ここでも総額において米国に次いで、金額的には大きな差があると思いますけれども、第二位である中国に対して、今後こういうふうに急増している対日赤字解消のための緊急の措置として、具体的にはどういうことをお考えになっていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
  55. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) これはむしろ通産省の方からお答えになる課題だと思いますが、私の方から若干意見を申し上げますと、対中国の貿易は、国交回復以来ずっと毎年拡大をしてまいりましたが、昨年は御案内のように、向こうの赤字は約十二億ドルでございましたが、ことしはこのまま推移いたしますとざっと四倍、五十億ドル近い赤字になる、こういうことでございます。  その背景は、御案内のように、中国の経済政策が転換をいたしまして非常に高い経済成長をしておるという背景もございましょう。しかし、それにいたしましても向こうの経済で五十億ドルの赤字ということは、これはあるいは経済政策を変更せざるを得ないような大きな私は事態だと、このように思いますので、何といたしましてもこれを拡大均衡の方向で修正する、そういう方向での話し合いが必要でなかろうかと、こう思いますが、拡大均衡の方向といいましても、石油をそれじゃ将来幾ら買えるか、あるいは石炭を幾ら拡大することができるのか、農産物は一体どのような将来があるのか、こういうことが中心であろうと思いますが、この際、よく双方がさらに具体的に突っ込んだ話し合いをいたしまして、双方の経済が成り立つようなそういう方向でさらに私はきめ細かい前向きの話し合いが必要でなかろうかと、このように思います。  先般の会議でもこの問題が当然指摘をされたわけでございますが、十分な詰めが今後に残されておりますので、これからの大きな課題として取り上げる必要があろうかと、このように思います。
  56. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 中国の対外不均衡拡大で日中貿易摩擦が浮上してきたわけでございますけれども、中国の対外貿易は、昨年開放経済政策の伸展によって輸入が急増いたしまして、約十億九千万ドルの赤字に転落したとも伺っているわけでございますけれども、ことしの上半期でも、輸出が一・三%減の中で輸入が七〇・四%程度も増となって、赤字の幅が約三十一億六千百万ドルもの巨額に達したようにも聞いておるわけでございます。このうち対日赤字が二十二億九千万ドル程度、七割強も占めている。こういう中で、今、大臣がお話しされましたように、アメリカでも中国でも、世界の各国が今日本に求めているものは具体的に何と何をどうするのか、こういうことを明確にはっきりしてくださいと、そうでなければ信用しないというのが今起きている経済摩擦の大きな経過の中で彼らが言っていることだと思うわけでございます。ここでまた中国からも、そういう問題の中で日本側がやはり明確にしなければ非常に不満が将来高じてくると思います。  七月末の日中閣僚会議でも、中国側は対日の赤字の是正を訴えております。そういう中で、日中台弁件数も全合弁件数の五・七%にすぎない。また、日中貿易が中国の対外貿易全体の二五%を占めるのに比べて非箱に少な過ぎるとの不満も持っておりますし、こういう中で、中国の対外貿易部が対日輸出拡大策として十項目の提案をしております。今、大臣がおっしゃいましたように、石油や石炭の製品輸出の拡大にいたしましても、日本が全体輸入の約十六分の一程度を中国から輸入をしている、これが石油。石炭にしても二十六分の一程度と、こういうふうなことなんでございます。  今、私具体的な問題を尋ねるわけでございますが、石油は今年度の実績から何%ぐらい将来中国からの輸入というものをふやそうとしているのか。石炭にしてもです。まずこの二点を、今、大臣もちょっとお話をされまして、非常に懸念もされていらっしゃると思うんですけれども、私の考え方は、石油がだぶついている、そして安いとき、そういうときにやはり日本としてはある程度は無理をしても買うべきである、こういうふうにも考えております。そういう意味で石油、石炭のこの二項目については、せめて将来何年のうちには何%は中国からふやしていくと、こういう課題があったのかどうか、そういうことを含めて大臣に将来構想、具体的な面で伺いたいと思います。
  57. 槙田邦彦

    ○説明員(槙田邦彦君) 中国から石油あるいは石炭につきまして、将来何%を確保するあるいは輸入するというふうな、具体的な数字が従来政府といたしまして存在していたわけではございません。  ただ、これは民間の取り決めてございますけれども、日中間には長期取り決めが結ばれておるわけでございます。これによりまして一九七八年以降の契約が年次ごとに行われておりますし、今年度につきましても取り決めとして原料炭、一般炭それぞれ何万トンであるとか、あるいは石油についても幾らというふうな数字はあるわけでございます。  しかし、いずれにいたしましても、我が国にとりましてエネルギーの重要な安定的供給源として中国があるわけでございますから、日中経済関係の全体の姿として、安定的な運営を考えながらエネルギー資源供給を得るように政府としても努力をしていくべきであると考えております。
  58. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 そのほかにも、中国ではトウモロコシ、大豆、綿花、野菜などの農産物輸出の拡大、また、服装品と紡績品の品質及び付加価値の関係の技術をお願いしたいとか、いろんなことがあるようでございます。  この中で、私、国内のいろんなところを回りましても、例えば家畜飼料としても、非常にトウモロコシを中心とするいろんな飼料関係が高い。だから、国内の市場にそういう関連のものが回ってきても、今は国民生活がある程度安定しておりますけれども、やはり非常に物価上昇の大きな火種になっていく。こういうふうなことで、中国からもっとトウモロコシや大豆、こういうふうなもの、そして乾燥野菜とか、これは農業関係ともいろんな折衝があると思うんですけれども、トウモロコシや大豆というのは、日本のパーセンテージを見ても生産が非常に少ないわけです。だから、そんなに私は国内での摩擦はないと思うんですけれども、いろんな国民の生活に関連するそういう原点とも言うトウモロコシや大豆の中で、これも先ほど御質問申し上げましたけれども、具体的に中国の要請があれば、じゃ来年から日本の調整をしながら何%程度はさらにふやしてまいりましょうとか、そういう具体的なものが日米関係でも出ないからアメリカ議会がやはり日本に対して不信を持っているんではないかと思うわけです。中国ではこういう問題はやはり議題にはならなかったんでしょうか。
  59. 槙田邦彦

    ○説明員(槙田邦彦君) 今回の日中閣僚会議の席におきまして、委員御指摘のようなトウモロコシあるいは飼料の問題についての指摘あるいは要望が中国側から行われたということはございません。
  60. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 これは長官大臣に重ねてお伺いをしたいわけでございますが、前面でやはり日本が大きな影響を受ける巨大なアメリカを相手にして非常に不信を買っている。そういう中で、今度はお隣の中国からも、いよいよこれまた大きな不信感というものが出てきて、具体的に現実の数量的な取引というものでアメリカと同じようなものが浮き上がってくる。そうすると、資源の少ない日本の国が、将来やはりそういう諸国と友好の中でやっていかなくちゃいけないそういうときに、前からも後ろからも周辺からも、どんなに行動計画を発表しても、あれはもうゼスチャーだけと違うかというふうなことで、本当に具体的な数字が皆上がってきてそういう不満が諸国から出てくる。こういうことに対して、やはり本当に具体的な数字を取り上げながらこうしますという日本政府の決断というものが私は必要ではないか。その決断というものは、今、私中国だけ取り上げておりますけれども、中国の場合、具体的なそういう種目に対していつ出していくのか、それぞれ長官大臣にお伺いしたいと思います。
  61. 金子一平

    国務大臣金子一平君) 今お話しの、例えばトウモロコシ、大豆あるいは石炭石油をどうするかというような個別の問題について、それぞれの担当大臣との間の個別会談で取り上げられたかどうかは私存じませんけれども、やはり長く中国と友好関係を保っていくという点からいいましても、向こうの特産物について日本としてはそれ相応のやはり対応策を考えなきゃならぬことは当然でございますので、それは担当省においていろいろ考えてくれておると思います。  私の所管する関係では、今いろんな大きなプロジェクトを中国は持っております。そのプロジェクトの達成のためにどの程度のそれじゃ日本として応援ができるかどうか、協力体制がとれるかどうか、そういった問題を現実に今詰めている段階でございまして、何分にも急激に中国経済が伸び過ぎたものですから、輸入品に対する支払いの財源がなくなって今困っているというのが現実の姿であろうと思います。しかし、そういった点も話し合いながら、これからやっぱり大きく中国に伸びてもらって、日本と提携できるような協力体制を今後もしっかりととってまいりたいと考えておることを申し上げておきます。
  62. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 対米貿易も対中国貿易も、我が国の黒字が最近急増いたしましたが、皆それぞれ背景があるわけでございまして、例えばアメリカは、レーガン大統領の大減税によりまして一昨年から経済が急速に回復をいたしまして、そのために内需が拡大をいたしました。そこでアメリカの輸入が大幅にふえたのでございます。昨年と一昨年でアメリカの輸入はおよそ約四割ふえております。金額にいたしまして約一千億ドル弱ふえておるわけでございまして、それを背景に我が国の輸出が伸びだと、こういうことでございます。ことしもアメリカの内需は非常に強いですから、輸入はさらに拡大の方向にございまして、貿易の赤字幅は当然ふえると思います。その中で日本の黒字も現在ふえておるという実情でございまして、その背景にはアメリカ経済の大変な回復と、こういう背景があるということを私どもも理解をしなければなりませんし、相手も理解をしてもらわなければならぬと私は考えております。  また、中国との貿易で、特にここ最近日本の黒字がふえましたのは、今、企画庁の長官もお述べになりましたように、向こうの経済政策がここ二、三年変わりまして、その成果が大きくあらわれて経済成長の二けたがずっと続いておる、そこで輸入が拡大をした、こういう背景でございますので、アメリカ中国の経済の大きな飛躍、これが背景になっておるということを十分理解する必要があると思います。  ただ、両国とも非常に大切な国でございますから、もちろんそういうことだけを言っておったのでは問題の解決になりませんので、そういう背景を十分認識しながら、相手側の言い分もよく聞き、そして協力できることは積極的に協力していく、こういう姿勢が必要でなかろうかと、このように考えております。
  63. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 ひとつよろしくお願いいたします。  じゃ、最後に一点だけ質問いたします。  河本大臣も、市場開放だけでなく内需拡大、為替対策等の総合政策が必要であると、こういうふうにおっしゃっているわけでございますが、内需拡大の柱として、一つは個人消費の拡大、二番目には民間設備投資の拡大、三番は公共投資の拡大、四番には住宅投資の促進等々、まあ私も挙げているわけでございますが、河本大臣、簡単で結構でございますけれども、内需拡大政策の私の目玉はこういうことをやりたいということを一点だけ伺って終わりたいと思います。
  64. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 内需拡大の柱としては、今お述べになりましたようなことが考えられると思います。  ただ、必要なことは、内需拡大を進めることによりまして、私はある程度日本の現在の円安が是正される、そういう充実した内容のものが必要であろうと、このように思います。これまでは円安の背景はアメリカの財政赤字、高金利、それによる日本の資本の流出、これが中心であるように言われておりましたが、最近はそれだけではない。やはりアメリカの経済政策、日本の経済政策、それが大きく影響をしておると、このように最近は言われております。  例えば、ことしの上半期はアメリカの経済が若干落ち込んでおります。そういうことがございまして、ここ一、二カ月の間ドル安、円高が続いておるわけでございまして、金利が影響しておる部分は私は極めて少ないと、こう思うのでございます。と申しますのは、長期金利の差は依然として四%差がございますが、六月のごときは八十一億ドルの資本が海外に流出をしております。それだけから見ますと円安にならなければならぬのですが、逆に円高になっておるということは、アメリカの経済が一時成長が落ち込んだと、こういうアメリカの経済の評価が結局ドル安、円高につながっておると、このように思うのでございます。  そういうことでございますから、日本の経済が今のような外需依存、特にアメリカ経済に依存した経済成長であるという内容が改まりまして、内需中心の経済成長というようになりますと、当然私は日本経済の評価も違ってくると思うのでございます。そうすると円高ということも期待できますので、せっかく内需拡大の政策をやりましても、中身のないものを集めましても何ら効果がございませんし、現在の日本の置かれております国際的な立場というものは非常に重大である、むしろ国内的な従来の政策を若干変更してでも国際的な立場にこたえるべきである、そして円高の方向に日本経済を持っていくべきであると、こういうことを考えますと、今御指摘の、内需拡大の幾つかの柱をお示しになりましたが、円高を、為替に影響のあるような内容の充実した、そういう柱にするということが必要であるということが第一点と、それから、いつかそういう政策ができるということではこれは困るわけでございまして、問題は今起こっておるわけでございますから、今の時点にこたえていかなければならぬということでありますから、言葉をかえて言いますと時間との闘いである、そして内容の充実した為替に影響の出るようなものでなければならぬ、このように理解をしております。
  65. 吉川春子

    ○吉川春子君 河本因務大臣にお伺いいたします。  日本の基準・認証、そして輸入プロセスは、諸外国に比べて特に厳しい煩雑なものなのでしょうか。それが外国製品が日本に入る障壁になっているんでしょうか。今回のアクションプログラムに従って日本の基準・認証を緩和し、輸入プロセスを簡素にすれば、かなり輸入拡大が望めるのでしょうか。
  66. 海野恒男

    ○説明員(海野恒男君) 日本の市場がいわゆる不公平であるとか閉鎖的であるという批判は、主としてこの基準・認証制度から出てきたということがよく言われておるところでございますが、今回私どもは、日本の持っておりますすべての基準・認証制度につきまして諸外国と比較いたしまして、そして類似の制度、全く同じ制度を持っておる分野もございましたけれども、まあ類似している制度というものと比較しまして、少なくとも日本の基準・認証制度というものが諸外国に比べてより厳しいものでないようにしようということでいろいろ検討をした結果、先月の末に発表されましたアクションプログラムの骨格となってあらわれたわけでございます。  これが今後どのように評価されるか、これまでにおいてそれが日本の輸入拡大の障害になっていたかどうか、これはむしろ私どもとしては、これまでも随分と努力をしてまいりましたので、日本の市場は相当開かれておるというふうに考えておりましたけれども、諸外国の人たちはやはりまだ相当閉ざされているというふうな見方をしていたようでございますけれども、今回の措置によりまして、日本の基準・認証制度を中心にいたしました市場の開放度というものは相当進んだというふうに思いますので、今後は諸外国から少なくとも日本の市場は極めて閉鎖的であるとか、あるいは不公平な競争を強いられるといったような批判というものはほぼなくなるのではないかというふうな期待をいたしております。  ただし、これによって輸入が直ちにふえるかどうかということは、一つの条件、必要な条件を満たしただけでございまして、その他幾つかの条件が必要である。内需の拡大も必要でありましょうし、向こうからの輸出努力も必要でありますし、為替レートの是正、円安の是正といったようなことも必要でありますので、そういった面から総合的に判断しなければ、今回の措置そのものが直ちに輸入をふやす、あるいは国際的な不均衡を是正するという結論にはならない。一つの条件を満たしたというふうに私どもは考えております。
  67. 吉川春子

    ○吉川春子君 日本の基準・認証制度が、そして輸入手続が諸外国と比べて特に厳しいということではないし、緩和したからといって輸入が著しくふえるということにはならないわけですが、こうした基準緩和の結果、商品の安全性はどうなるのかという問題については大変国民は心配しております。全国消費者団体連絡会は政府に対して要望書を出しておりますし、主婦連、地婦連も反対しています。経企庁の国民生活審議会も、アクションプログラムの実施に当たっては消費者の利益を守るようにと、こういう意見書を出しております。基準・認証、輸入プロセスの見直しは、中前根首相が特に力を入れたこのアクションプログラムの目玉だということですけれども、この作成に当たって消費者あるいは消費者団体の意見はお聞きになったんですか。
  68. 海野恒男

    ○説明員(海野恒男君) いろいろな諸団体からの御意見も私ども直接伺っております。  私どもは、この案をつくる過程におきまして、第一番目には、対外経済問題諮問委員会からの勧告に基づきましてこのアクションプログラムの骨格を策定いたしたわけでございますけれども、その策定過程におきまして私どもの考えておりますのは、一方におきまして、対外経済問題の処理ないしは対外不均衡を是正するという政策目的と、それから国内における消費者保護ないしは消費者教育という一つの政策目標との調整をいかに図るかということで随分我々も議論をいたしました。  それで、今回、例えば政府認証から自己認証に移すというようなことをやりましたけれども、その過程で、ややもすれば消費者の保護を、あるいは消費者の利益を害するのではないかというふうな批判もあったわけでございますけれども、私どもの考え方は、むしろ従来の考え方は……
  69. 吉川春子

    ○吉川春子君 意見を聞いたか聞かないかでいいです。
  70. 海野恒男

    ○説明員(海野恒男君) 聞いております。いろいろ伺っておりますけれども、それをそのまま反映したかどうかということはまた別問題でございまして、我々自体の基本的な考え方もあるということを申し上げたいと思います。
  71. 吉川春子

    ○吉川春子君 今度のこのアクションプログラムを作成するに当たって消費者団体の意見を聞いたと、そういうふうに理解していいんですね。一言でお答えください。
  72. 海野恒男

    ○説明員(海野恒男君) 意見を聞く公式の場はありませんけれども、陳情はいろいろ受けました。
  73. 吉川春子

    ○吉川春子君 公式に聞いていないということですね。これは全くけしからぬことで、今まで消費者団体とか国民の運動、努力によってこういう制度がつくられてきたわけですから、公式に意見を聞かなかったということは重大だと思うんです。  それでその次に、国民生活センター危害情報室が毎年商品の消費者に及ぼす危害状況をまとめていますけれども、ここ数年のトップは化粧品です。昭和五十八年度の化粧品被害の届け出件数は、消費者センターと病院合わせて四百七件です。そのうち一月以上の重症は百十件あります。もちろんこれは実際の被害数ではなくて、氷山の一角です。ところが、今回の措置では、化粧品の種類別に配合成分等の基準を作成し、これに適合する化粧品については、個別の製品ごとの許可を不要として、届け出で足りるとしています。また、その範囲は三年間で十五種類とし、その後も許可不要の範囲を拡大するとしています。従来の許可制を廃止して、化粧品の種類別に新たな基準をつくるといっても、メーカーの届け出にゆだねるということでは安全の面からゆゆしい問題です。現在でも多発する化粧品の事故から国民安全を守る責任政府は放棄するんですか。
  74. 小宮宏宣

    ○説明員(小宮宏宣君) 今回のアクションプログラムに盛り込まれました化粧品に関する措置でございますが、今、先生の御指摘にございましたように、化粧品の種類ごとに配合し得る成分及びその規格に関する基準を作成しまして、その基準の範囲内にある製品につきましては、種類別の許可を受ければ、個々の製品の許可は不要として、届け出にするというような趣旨のものでございます。  この基準の作成に当たりましては、中央薬事審議会等専門家の意見を十分お聞きしまして、安全性の確保に十分配慮するつもりでございますし、また、この制度が円滑に実施されるよう関係業者に対しても監視指導に努めていくということで対処する方針でございまして、そういうような措置によりまして安全性の確保は十分に図れるものというふうに考えております。
  75. 吉川春子

    ○吉川春子君 今でも化粧品の問題についてはいろいろあるわけですが、きょうは時間の関係で触れませんけれども、それをさらに大幅に緩和するということはますますこういうものを多発させるということにつながるわけです。口紅とかファンデーションとか、こういう化粧品は季節ごとに新製品が発売されることから見ても、メーカーにとっては今回の措置は大変歓迎すべきものであろうと思います。  今回の政府の介入の縮小のための措置は、外国からの要請もさることながら、日本のメーカーからもかねてから強い要望があったんではありませんか。
  76. 小宮宏宣

    ○説明員(小宮宏宣君) 化粧品の許認可の手続等につきましては、先生御指摘のように、日本化粧品工業会等からも手続の簡素合理化という点で要望は来ております。  ただ、今回のアクションプログラムの作成過程あるいは作成内容について特に要望があったというものではございません。
  77. 吉川春子

    ○吉川春子君 貿易摩擦に対する措置という形をとりながら、実際には国内メーカーの要望にもこたえて、そしてそのしわ寄せは国民に、特に化粧品ですから女性に及ぶ、こういうことで全く許せないと思うんです。  もう一つの個別の問題について伺いたいんですけれども、アメリカのITT社製の小型電話交換機の故障の続出の問題について伺います。  電電公社は、一九八〇年までは日本製品しか取り扱わなかったんですけれども、一九八一年一月から外国メーカーのものも扱うようになったのはどういうわけですか。
  78. 品川萬里

    ○説明員(品川萬里君) お答え申し上げます。  昭和五十六年一月以降、ガット政府調達協定並びに日米の政府間取り決めによりまして、NTTにおきましても、旧電電公社でございますが、内外無差別の開放的な調達手続によりまして、電気通信機器を初めとする各種機材等を調達するということになったわけでございます。この調達手続に基づきまして旧電電公社、現NTTでございますが、公社、公社としての審査をいたしまして各種の機器を購入しておる次第でございます。
  79. 吉川春子

    ○吉川春子君 その結果、輸入したアメリカITT社の小型電話交換機は故障が続出して大変な被害を受けているそうですけれども、簡単にその状況を言っていただきたいと思います。
  80. 品川萬里

    ○説明員(品川萬里君) お答え申し上げます。  先生の御指摘の事実は、最近、七月三十日付の日刊紙に出た事実かと思いますが、これにつきましてはNTT側において調査いたしておりますが、大体この新聞の記事どおりでございます。  概要を申し上げますと、昨年十一月にNTTはアメリカのITT社との間で、大変細かいことでございますけれども、ディジタル式小容量構内交換設備、俗称PBXと申しておりますが、これの購入契約締結いたしまして、五十五台購入して十八合既に売っております。そのうちの十二台につきまして故障が発生したというふうに報告を受けております。
  81. 吉川春子

    ○吉川春子君 ITTがみずから基準を設けて厳しくチェックした結果が以上のとおりですけれども、新聞報道のとおりの大変な故障なんですけれども、アクションプログラムは、この小型電話交換機など電気通信端末機の技術基準項目を三十項員から二十一項目へ削減するとしています。これでは昭話交換機の欠陥品はさらにふえるのではないかと思います。  最後に、河本国務大臣に伺いますけれども、その他の製品については自己認証制度などをうたっています。そうすれば今以上に不良品が入ってくるおそれがあると思いますけれども、こういうような問題について政府は国民に対してどういう責任をとっていくのか、そのことをお伺いします。
  82. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) やはり基準・認証を今度大分変えましたので、一番の問題は国民の皆様の健康にどのような影響が出てくるか、あるいは生活の安全にどのような影響が出てくるか、ここが一番気がかりな点でございます。  そこで、自己認証ということでありますけれども、政府が随時抜き取り検査をいたしまして、そして安全と健康に対する影響を確かめていこう、こういうことにいたしております。
  83. 橋本敦

    ○橋本敦君 いずれにしても、今度のアクションプログラムで国民の安全が犠牲にされるという、そういう問題が解消できない、あるいは重大な問題になってきているということは、国民の利益と安全から見て大問題であります。それに加えて、私は、貿易摩擦の解消ということで、日本の大事な農業やあるいは中小零細企業などそういった産業、これに対して重大な打撃を与えることをなおざりにしてはならぬと、こう思うわけであります。  政府は、国内林業の活性化ということで、六十二年四月からの関税引き下げに対応して、総額千五百億円に上る国内の林業活性化対策を実施するというのを決めておりますけれども、今度のアクションプログラムの結果、林業だけではない、例えば骨なし鶏肉の関税低下によりまして、多くの養鶏農家が大変な打撃を受けるということが既に大きな問題になっております。さらには、ボトル関税の引き下げで、ワインメーカー、ブドウ農家、これがまた大変大きな打撃となるということも言われている。さらには、皮革の問題で革靴の産業が、これは零細企業が多いんですが、大変な打撃を受けるということも言われ始めている。  こういった国内産業の保護、こうしたアクションプログラムの結果起こってくる国内産業への打撃に対してどう対応されるのか、この点を河本大臣にお伺いしたいと思います。
  84. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 国内の産業に悪い影響が出るといけませんので、御指摘のように、特に合板の関税引き下げ問題に関連をいたしましては、林業の抜本的な振興ということで、五カ年間千五百億の資金を投入してその合理化を図っていく、こういうことにいたしておりますし、皮革の問題等につきましても、これは通産省がお答えになるべきことでございますが、便宜上私からお答えいたしますが、十分な国内対策を通産省の方で今考えておられるところでございます。国内産業に悪い影響が出ないように、国内対策だけは十分やっていかなければならぬ、こう思っております。
  85. 橋本敦

    橋本敦君 今の大臣の答弁は、もっともっと具体的に国民の前にはっきりさせるということを抜きにして、アクションプログラムだけが先行しているところはやっぱり私は依然として政治姿勢として問題だと思うのであります。  最後に私は、この問題で指摘をしたいのは、どうしても貿易摩擦問題の抜本的解決ということを抜きにして、アクションプログラムだけを幾ら言っても根本的解決にならない。もう既に指摘されておりますように、アメリカの莫大な財政赤字、金利が高い問題、それからドル高の問題、こういったことについて日本としてもやっぱり言うべきことは言わなくちゃならぬ。それと同時に、公平な国際経済競争力の確保という面から見れば、国内において低賃金、長時間労働で異常な国際競争力日本主要産業がつけているそのこと自体が問題ですから、このことにどういうように手をつけるかということを抜きにして進むわけにもいかない。この二つの根本問題が放置をされているということについてどうお考えかということ、これが一つです。  それからもう一つ、私は、最近のアメリカ日本に対する要求は異常だと思うんですが、例えばこの貿易摩擦と直接関係がないとはいえ、大きな意味では関連をしておりますけれども、日本に対して軍備増強を積極的にやれと、そしてこれを監視して毎年議会大統領はその進行状況を報告せよといったことまで義務づける。まさにある新聞が書いたように、日本アメリカの属国か属州かと言いたくなるほど大変不当内政干渉主権侵害と言われかねない重大な問題がある。こういうことについて政府としてもはっきり物を言って、日本としての立場を明確にして自主性を発揮しなくてはならない。日米安保体制のもとでここまで従属させられるのかという思いを私はせざるを得ないのですが、こういう問題にどう対応されるのか、両大臣の御意見を伺いたいのであります。  以上で質問を終わります。
  86. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 今度のアクションプログラム、輸入手続の改善の主たる部分は、これまで日本市場はアンフェアである、このように具体的な項目を指摘して言われておりました部分について抜本的に直していこう、こういうことが中心になっております。したがいまして、これだけでは貿易摩擦の解消にはなりません。相手方の努力も必要でございますし、御指摘の為替問題の背景にはアメリカ財政赤字、高金利という問題もございます。しかし同時に、日本側にも責任がございますので、日本側としては我が方の責任に属することだけはやはりきちんとやらなければならぬということで、引き続いて内需拡大も今やるスケジュールが決まったわけでございます。  しかし同時に、アメリカに対しては財政赤字の縮小、それに基づく高金利の是正、これも大きな影響になっておりますから、これに対しては当然強硬に引き続いて言わなければならぬ、このように考えております。
  87. 金子一平

    国務大臣金子一平君) ただいま河本大臣からお話のございましたとおりでございまして、特に今度の日本貿易黒字の直接の原因でございましたのは、大きなアメリカ側の財政赤字、それに基づく高金利でございますから、この是正の問題につきましては声を大にして事あるたびに国際会議等で主張してまいりましたし、また各国も同じような主張をアメリカに対してやりまして、それに対して最近レーガン大統領は、予算教書において歳出の削減を要請しておるような状況でございますから、だんだんとそういう日本の立場というものは、大統領府自体は理解をしてくれておるものと、こういうふうに考えておる次第でございます。  また、アクションプログラム自身は、いろいろ批判はございましても、有識者と見られる人は、よくそこまでやってくれたという気持ちを持っておると私どもは印象を受けておるんです、会っていろいろ話をしてみますと。ただ、大きな国のことでございますし、やはり産業がうまくいかない地域が多いものですから、結果的に黒字を減らしてくれよという主張があるということは事実でございます。我々といたしましても、できるだけそういった点は配慮しながら今後の対策を講じてまいりたいと考えておる次第でございます。
  88. 橋本敦

    橋本敦君 御答弁いただいておらない一点だけ最後にはっきりしてほしいのですが、今のアメリカ日本との関係で、先ほど私が言いました対日軍拡法案、これは明白な内政干渉だと言わざるを得ないのですが、こういう法案アメリカ議会議決をしたというようなこの現実に対してどう御見解をお持ちか、この点がちょっと答弁で抜けておりましたので、この点だけ伺わしていただきたい。
  89. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) アメリカ議会は毎年随分たくさんの法律案が出てまいります。私はここが日本議会と違う点ではなかろうかと、こう思うんです。もちろん、大統領がそれを採用しないというものもたくさんございますし、先般のアメリカ議会での防衛についての決議は、これはアメリカ政府と別個に行われた、こういうことでございますので、私どもは十分関心は持っておりますけれども、直ちにこのことに対してどうこう言うことよりも、まず日本のやらなければならぬことをしっかりやる、これが先決である、こういう立場で今御指摘の幾つかの貿易の問題について全力を傾けておるというのが現状でございます。
  90. 抜山映子

    ○抜山映子君 今年度貿易黒字は、昨年度の四百五十六億ドルを上回って五百億ドルを突破する見込みだと言われております。このたびの市場開放が行われた暁において、貿易黒字はどれくらい減る見通しであるのか。そして、もし市場開放がさらに進められて、仮に一〇〇%に限りなく近く開放された場合において、日本の貿易黒字はどれぐらいになると試算していらっしゃるか、その点についてお伺いいたします。
  91. 金子一平

    ○国務大臣(金子一平君) この問題が数字的になかなか簡単に申し上げられないんです。私どもの見通しといたしましては、市場がこれだけ開放されれば相当程度の輸入がふえるだろうと考えてしかるべきなんでございまするけれども、どなたかの御質問にお答えしましたとおり、相手国のやっぱり輸出努力が必要でございますし、日本自体の産業構造がなかなかそう簡単に外国品を必要としないような状況になっております。  私は、しょっちゅうアメリカの当局には言っておるんですが、アメリカの店に並べてあって売れるから日本が買うのは当たり前だというような顔をされちゃ大変なんだよと、日本人は、アメリカ語をしゃべって、アメリカの趣味、嗜好を調べて、それこそ血眼になって売り込んでいるから市場開拓ができておるんで、それだけの努力をやっぱりしてもらわなければいかぬし、日本で買うのもやっぱり消費者の選択なんだからと、こういうことは言っておるんですが、ただ、その前段としての、それじゃ努力をすれば売り込めるかというと、その努力すれば売り込めるという条件だけを日本がやっと今整えてきたというふうに御理解いただければありがたいと思います。
  92. 抜山映子

    ○抜山映子君 私は、正確な数字を出せと申し上げているのではなく、やはり一つの措置をとるについては、これぐらいのものではなかろうかというおおむねの試算というものをお考えになって政府としては措置をおとりになったんだろうと思うんです。ですから、別に当たっていなくても結構なんですけれども、大体概略としてこういうようなことでなかろうかということをお答えいただきたいとぜひお願いするものです。
  93. 赤羽隆夫

    ○説明員(赤羽隆夫君) この点につきましては、ただいま大臣からお答え申し上げましたように、たとえ概算でございましても数字を申し上げられるようなことはできないのではないか、こういうふうに理解しております。  もちろんこのたびの措置は、日本のマーケットに対する接近の度合いが容易になる、こういうことでありますから、先方の努力と相まちまして輸入がふえてくるだろう、特に製品の輸入がふえるだろう、こういうふうに期待をしておりますけれども、その金額がどうかと言われますと、私どもとして、たとえヤマカンということでもなかなか申し上げにくい、こういう事情にございますので御了解を賜りたいと思います。
  94. 抜山映子

    ○抜山映子君 お答えしていただけないのは大変ちょっと政府としては無責任ではないかと思います。  しかし、いずれにしましても、先ほど河本大臣が相当程度とぼかしておられるそのニュアンスから見ますと、余り大幅な黒字の減少というのは見込めないのではないかという予測を持って非常に慎重な答弁をされておられるものと思うのでございます。そうといたしますと、各国の反応が、効果を見なければ判断できないというようなことを言っているわけでございますから、どのような改善措置をとったか、制度を変えたかということよりも、同僚議員も質問いたしましたように、どれだけ貿易黒字が減ったか、その効果を示してもらわなければ諸外国は納得しないのではないか、このように憂慮されるわけでございます。  日本の貿易黒字は、単にアメリカだけにとどまらず、英国そして東南アジア、中国も含めてすべて日本が貿易黒字ということになっております。したがいまして、日本が世界の孤児にならないためにも、何らかのトラスチックな柔軟な飛躍的な方法をとらなくちゃいけないのではないかと思うのでございます。外圧に屈して一歩後退、一歩後退、日本は押せば押すほど少しずつ後退していくんだ、こういうような対応ではまずいのではないかと思うんですが、河本大臣にお伺いいたしますけれども、何かそういうことについて河本大臣の私案でも結構ですけれども、そういう飛躍的な方策を内需拡大のほかにお考えになっていないか、お伺いしたいと思います。
  95. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 今、日本の置かれておる立場というものは非常に私は大事だ、こう思っておるんです。と申しますのは、来年からは新ラウンドがスタートすることになっておりまして、この新ラウンドをスタートさせることによりまして世界全体での自由貿易体制を守っていこう、同時に、保護貿易の出てくるのを抑え込んでいこう、これが今の大きな目標になっております。そういう場合に、我が国が引き金になりまして、自由貿易体制が抑えられるようなそういう流れを誘発しては、これはもう世界全体に迷惑をかける、我が国自身も困りますが、世界全体に迷惑をかける、こういうことでございますから、私どもは、言いわけをするとか、あるいは外圧によってやるんだとか、そういうことではなく、今、日本が置かれておる立場というものが大変に大事な状態にある、こういうことの理解の上に立って積極的にこれから残された問題に対応していこう、こういうことでございます。  しかし、それじゃ何が一番大事かといいますと、やはり為替問題だ、このように思います。現在は、円安ということのために貿易の黒字が非常に大きな金額になっておるわけでございますから、どうしても円安が是正されるようなそういう政策に全力を挙げるということが大事だ、こう思います。日本の経済政策のあり方が、それに大きな影響があるということを私どもは理解をいたしまして、これから内需の拡大という日本経済の体質の改善と、こういう問題に取り組んでいってこの問題に対処しよう、こういう考え方でおります。
  96. 抜山映子

    ○抜山映子君 ただいま、事態の重大性は認識しておられる、こういう旨の回答を得るとともに、まあ競争を抑えるようなやり方ではやりたくない、それから為替問題で対処したい、こういう御回答であったと存じますけれども、そのほかに、いかがでしょうか、後でもお伺いいたしますが、輸入医薬品なんかについて安全基準の自己認証ということをお考えになるんでしたら、自動車の方も自己認証という方向では進むことはできないものでしょうか。
  97. 海野恒男

    ○説明員(海野恒男君) 御存じのように、日本の場合には自動車につきましては二項目政府認証になっております。つまり、安全性とそれから排気ガスについては政府が基準をつくり、そしてそれを政府が認証するという形をとっておりますが、アメリカでは、排気ガス、公害に関する基準だけをつくって、安全性については自己認証制になっております。巨大な会社でございますので、自分の製品を、安全性について政府が一々チェックしなくても、自分たちが責任を持ってやりますという形で、向こうは当初からそういう形で出てきておるわけですが、日本の場合には、逆に安全性とそれから排気ガスについての認証を政府がやるという形をとっております。  安全性について、先ほどもいろいろ議論になりましたけれども、今回は、向こうから安全性についてもアメリカと同じように自己認証制にしたらどうかという意見もございましたけれども、国内についてはまだその段階ではないという判断から、外国車に関しては輸入車特別取扱制度というのを新たに導入いたしまして、そして向こうから参ります車につきましては、安全性等については、向こうの検査データあるいは自分の会社でつくりました安全性に関するいわばデータの申請がありました場合には、それを認めるという形での新しい輸入車特別取扱制度というのを導入いたしまして、言ってみれば、一種の自己認証制度と同じようなものを導入したわけでございます。  御指摘のような方向をとっておるわけでございますけれども、やはり安全性というものが一つの大きな問題になりますので、時々抜き取り検査等もやる必要があるかと思いますけれども、一応御指摘の方向で今回は対処したということでございます。
  98. 抜山映子

    ○抜山映子君 恐らくこの問題も、さらにまた米国から追い打ちをかけられて、いずれはまた一歩後退、こういうことになるのではないかと憂慮されるわけです。押されて一歩後退、押されて一歩後退ということではなくて、日本から進んでやった方が同じ結果を生むにしてもいい印象を与えるという意味で、私は、やはり日本からイニシアチブをとるという方策が賢明なのではないか、こういう印象を持っておるわけでございます。  ところで、このたびの行動計画は当初計画されていたものよりかなり後退したような印象を受けております。そこで簡単に、どの部分が後退して、その理由はしかじかであった、こういうことをお答えいただきたいと思います。
  99. 金子一平

    国務大臣金子一平君) 当初考えられておったものよりもかなり後退したとおっしゃいますけれども、今まで、小出したとか何かいろんな批判があったことは事実でございますけれども、今度のアクションプログラムに取り上げたものにつきましては、私はOECDのパリの会議にも行って説明したんですけれども、日本はよくそこまで決心したな、各国が、それじゃひとつその結果を正式に発表する七月まで待ってみましょうというようなことで、OECDの会議でもボン・サミットでも日本貿易黒字が問題にならなかったような状況でございます。それほど進んでこちらでは思い切った対策を講じたつもりでおるんです。  ただ、先ほど来お話のございましたように、各国の関心品目である、例えばイギリスアメリカのチョコレートの関税の引き下げですとか、合板の引き下げですとか、あるいはナチュラルチーズ、革靴の引き下げがはっきりまだ出ていないじゃないか、これはいつどうするんだというような非難はございますけれども、これはそれぞれやはり日本の国内産業に深くかかわる問題でございますから、十分結果を見きわめながらやらなきゃいかぬので、今回はこの問題には触れませんでしたけれども、そういうことで、私は決して当初の案より後退したというような気持ちは持っておりません。特に基準認証については、先ほど来いろいろ御不満が出ておりますくらいに思い切った対策を講じたものだ、とにかく明治初年以来の役人の伝統を切りかえようというような制度ですから、それは全くの大きな改革だというふうにお考えいただいていいと思っております。
  100. 抜山映子

    ○抜山映子君 御回答ではございますけれども、農水産物二十二品目については聖域とするというようなことで、これはもう明らかに新聞報道によっても後退したというように報道をされておるわけです。農水産物の中には、毎年の輸入実績が割当枠に達しない品目もあるわけでございますから、こういうものについてはもうあっさりと日本から出した方が政策的に賢明ではなかったかと思うわけでございます。  ところで、基準認証の問題でございますが、私が一番心配するのは医薬品の問題なんでございます。医薬品については、三項目を除いてとか、それから外国臨床試験データを受け入れるというようなことになっておりますけれども、日本人の体質と外国人の体質の違い、それからばい菌に対する耐菌性の問題ですね、日本になくて外国にあるばい菌、外国になくて日本にあるばい菌とか、そういう耐菌性の問題、それから湿度とか温度等の環境の違いとか、そういうものがあるわけでございまして、そのデータを無条件に受け入れることは事人体に関するものだけに問題があるのではないか。これは自動車の自己基準認証よりもっともっと大きな問題があるんじゃないかということでちょっと心配なんですが、その点は厚生省いかがなもんでございましょうか。
  101. 小宮宏宣

    ○説明員(小宮宏宣君) 先生の御指摘がございました臨床試験データでございますけれども、臨床試験データにつきましては、医薬品承認審査におきまして非常に重要かつ貴重な資料であるというふうに考えておりまして、科学的に適切で信頼性があるものであれば、外国で実施されたものでも受け入れて活用していきたいという考えを持っております。  しかしながら、今、先生からちょっと御指摘がございましたように、人種差の問題とか、あるいは食生活のような生活環境、因習の違い等によりまして医薬品有効性あるいは安全性の審査に影響があり得ることもあるというようなことも心配されますので、私どもも専門家による研究班をつくりましていろいろ検討していただきまして、その結果に基づきまして、臨床試験データのうち、特にそういう人種差等のあらわれやすい吸収、分布、代謝、排せつに関する試験あるいは投与量設定に関する試験、それから比較臨床試験、そういうものについては原則として国内データ試験を求めるということで対処するというふうにしておるわけでございます。  そういうふうなことで、外国臨床データ試験資料として受け入れるとともに、そういうふうな国内データも十分精査いたしまして審査を行いますので、今回の措置によりましても、医薬品有効性、安全性の審査には問題はないというふうに考えておるわけでございます。
  102. 抜山映子

    ○抜山映子君 最近、健康食品輸入ロイヤルゼリー、朝鮮ニンジン等々大変にふえておると思います。ところが健康食品につきましては、御存じのように、薬事法の対象外になっておりますから、日本国内でも健康食品の管理の問題があるわけでございまして、ましてや外国からの健康食品輸入という問題になりますと、その成分等についていろいろ心配があるわけでございます。  それで、これは国内の問題ではありますけれども、関連いたしまして、何らかの健康食品に関する措置をとらなくちゃいけないのではないかと思いますが、この点について厚生省いかがでしょう。
  103. 玉木武

    ○説明員(玉木武君) 健康食品に関する公衆衛生上の問題としましては、今御指摘の安全衛生の問題がございます。さらに、栄養成分、用途等に関する医学的、栄養学的な問題、この二つに大別されると考えております。  安全衛生上の問題につきましては、国産品だけではございませんで、輸入品の区別なく、すべての食品食品衛生法に基づく規制がかかっておりまして、有害、有毒な物質を含むもの等人の健康を損なうおそれのある食品については、販売禁止等の規制が行われております。さらに、食品衛生上の問題の発生が予測されるものについては、安全衛生に関する実態調査を厚生省としましては行っておりまして、特に緊急度の高いものから順にその対策を現在行っております。昨年、昭和五十九年度におきましてはセレン含有食品とか、シアン含有食品等四種類につきまして全国調査を行いましたし、また昭和六十年度におきましても引き続き問題の生じそうな健康食品衛生対策を実施することにいたしております。  また、医学的、栄養学的な問題につきましては、業者から一方的に情報が提供されている現状でございますので、国民健康食品を適切に選択し、利用していく上での混乱が生じないように、昨年十月、健康食品対策室を設置いたしまして、健康食品栄養成分または用途に関し医学的、栄養学的観点からの調査研究情報収集を行いまして、国民健康食品を適切に選択して利用できますように、知識の普及啓発に努めることにいたしております。
  104. 青木茂

    青木茂君 今度のアクションプログラム、これは今までの審議でいろいろ質問は尽きだと思うんです。あとは実行あるのみということだと思います。  ただ、このアクションプログラムはいわばパートワンだと思うんですよ。パートツーがなければ、一つの車をつくっただけで、もう一つの車をつくらないと走り出さないと思うんですね。そのパートツーというのはやっぱり内需拡大アクションプログラムだと思うんですよ。これは先ほど河本大臣がおっしゃいました作業委員会、あれがアクションプログラム・パートツーにつながるものだというふうに理解してよろしゅうございますか。
  105. 金子一平

    国務大臣金子一平君) そう御理解いただいて結構でございます。  きょうの閣議並びに経済対策閣僚会議で、内需拡大に関する作業委員会というのを、私が委員長ということで、関係各省の事務次官全部を網羅いたしまして、経済対策閣僚会議のもとにこの委員会を置くことにいたしまして、常時いろんな作業を進める。その項目も大体決めたわけでございますけれども、来週くらいから早速作業に取りかかろうか、こういうことで今やっております。
  106. 青木茂

    青木茂君 これは名前だけだけれども、国民の受ける印象というものは違うと思うんですね。一方がアクションプログラムで非常に派手に喧伝をされた。これに対してもう一つのパートツーの方は何か作業委員会というような、まだまだこれから海のものとも山のものともわからぬようなネーミングである。むしろ僕は、はっきりアクションプログラム・パートツーで非常にいいものをつくるんだということを出していただいた方がいいんじゃないかと実は思っておりますけれども、これは名前だけのことですからとやかくは申しません。  今のアクションプログラム、これがどうもある意味においてはちょっと日本料理を食べているような感じで、非常にきれいだけれどもやや総花的で、果たして栄養になるかどうかという危惧があるんですよ。内需拡大、つまりAPのパートツーの方はちょっとメーンディッシュをはっきりさしていただきたいというのか、僕は、これからそれをお進めになるプロセスの中において、アクセントと申しますか、内需拡大の価値諭、それは企業活動を活性化しようというところに置かれて論議をお進めになるおつもりなのか、あるいは家計活動を活性化するというところにアクセントを置いてお進めになるおつもりなのか、これは大臣のつもりをひとつ伺いたいんです。
  107. 金子一平

    国務大臣金子一平君) 両方といった方がいいのかもしれませんが、我々の取り組む作業委員会の課題は、ことし四月に発表した諮問委員会で取り上げられたようないろんな問題、例えば民間部門の活力を発揮させるための国の役割等の諸般の施策をどうするかとか、あるいは公共事業分野への民間活力の導入をどうするか、規制の緩和の問題をどの程度取り上げるか、週休二日制の実施をどうするか、国公有地の活用についてどういう知恵を働かすか、先ほど来お話が出ておりましたような税制の問題も取り上げられます。大体この作業自体は総理の気持ちとしては、できれば十月までに間に合わしてほしいということでございますので、税制は御承知のとおりいつも十一月、十二月にずれ込みますから、しかし政府税調、党の税調と相談しながら今まで取り上げられてきたようないろんな問題の詰めを関係各省集まっていろいろやってもらおう、こういうような気持ちでおります。
  108. 青木茂

    青木茂君 今のお話を伺っておりましても、内需論というものがどうしても企業活力サイドと申しますか、どうもそちらへ寄りがちで、個人消費支出を膨らまして突き上げるという角度が私は何となくまだまだ足りないんじゃないか。だから、いかにして私の申し上げた家計行動の活力化、それを具体的にお図りいただけるかということを強くこれからの作業委員会進行の中でお願いをしたい。つまり、減税をしておいて、その減税がいかに貯蓄よりも消費の方に回るかという政策誘導というものが、この隣どうしても内需諭においては必要だと思うんですけれども、その点は大臣いかがでございますか。
  109. 金子一平

    国務大臣金子一平君) 端的な内需拡大というか、そういう意味において、やっぱり一番所得税の減税というような問題が大きく取り上げられてしかるべきなんですが、これは予算との絡みがありますし、ぎりぎりまで先ほど申しましたような委員会税制調査会の方の結論が出ませんし、それと話し合いながら作業を進めることになりますので、場合によると、ほかの方の項目について火の手を上げておいてから、最後にこの問題に取り組むというようなことになるかもしれません。
  110. 青木茂

    青木茂君 いや、私が申し上げましたのは、減税があったと、それをどうやって消費の拡大の方に回すかというプログラムなんですけれども、時間が私あれですから、一方的にしゃべって、あとお答えだけいただいて終わりにいたします。  国民が貯蓄に走るのは、住宅の問題と教育の問題と老後の問題に非常に不安があるものだから、どうしても貯蓄にいかざるを得ない。そうすると、住宅教育、老後の不安というものをなくしていくような政策誘導がとられるならば、私は、本当の意味の消費拡大、つまり本当の意味の内需拡大につながるんじゃないかと思うわけなんですね。  そうすると、住宅の問題は、私はこの前もちょっと申し上げたかもしれませんけれども、住宅ローンの利子、これは外国でやっていることですから、あるいは住宅ローンに限らず、一切のローンの利子を税額控除するとかあるいは所得控除するとか、そういうような対策も必要だと思います。あるいは老後問題で考えてみましても、今、自分が老後になって家族が少なくなってこんな大きな家要らぬと、土地を半分売って老後資金にしようとしたら税金がばか高いわけですよ。それができない。あるいはそこへ借家を建てようとしてもできない。あるいは売ってしまって高い家を買えば税金はかからないけれども、安い家を買って差額を老後資金にしようとしたら税金がかかるというようないろんな矛盾が住宅に絡んであるわけですね。そういうものを一つ一つつぶしていったならば、私は非常に国民住宅に対する安心感が出てくるだろう。今、消費は飽食であって、もう買う物がないというけれども、住宅が狭いので、置くところがないから買えないだけであって、住宅問題が非常に前進をして、置くスペースが出てくれば一般の消費も伸びる。つまり、住宅が一番消費のデモンストレーション効果を発揮するテーマだと思うわけなんですね。  私は、そういう意味において、これからのアクションプログラム・パートツーにおいて、そこら辺の角度というものをひとつ長官にまさに勇断を持って推進していただきたいと思うわけですけれども、もう与えられた時間が参りましたから、長官の御決意を伺って終わりにいたします。
  111. 金子一平

    国務大臣金子一平君) 青木先生から、この前の委員会の席でも、今の住宅減税の問題については御所見を拝聴いたしました。それで、私も全く同感なんで、財政事情は厳しくてなかなか大蔵省は楽なことを言っておりませんけれども、せめて住宅ローン減税の拡大、拡充ぐらいはやりたい。  何といっても、住宅産業を伸ばすことによって、産業のすそ野が広いですから、日本の景気刺激に一番大きな役割を果たすのが住宅産業じゃないか。また同時に、住んでいる御本人も、これ非常な今ローンの重圧に耐えかねておる際でございますので、やはり最重点の一つとしてこの問題を取り上げてまいりたいと考えております。
  112. 山田譲

    ○委員長(山田譲君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十二分散会