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1985-04-12 第102回国会 参議院 本会議 12号 公式Web版

  1. 昭和六十年四月十二日(金曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第十二号   昭和六十年四月十二日    午前十時開議  第一 特許法等の一部を改正する法律案内閣提出)  第二 中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送付)  第三 日本自動車ターミナル株式会社法を廃止する法律案内閣提出、衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、請暇の件  一、緊急質問の件  以下 議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 木村睦男

    議長(木村睦男君) これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  関嘉彦君から海外旅行のため明十三日から九日間、山田勇君から海外旅行のため来る十五日から十二日間、それぞれ請暇の申し出がございました。  いずれも許可することに御異議ございません    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 木村睦男

    議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。  よって、いずれも許可することに決しました。      ─────・─────
  4. 木村睦男

    議長(木村睦男君) この際、緊急質問の件についてお諮りいたします。  鳩山威一郎君、竹田四郎君、田代富士男君、市川正一君、井上計君から、それぞれ対外経済問題に関する緊急質問が提出されております。  これらの緊急質問を行うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 木村睦男

    議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。順次発言を許します。鳩山威一郎君。    〔鳩山威一郎君登壇、拍手〕
  6. 鳩山威一郎

    鳩山威一郎君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、政府の対外経済対策について、総理並びに関係大臣に若干の質問を行いたいと存じます。  去る四月九日、全世界の注目を浴びる中で政府は対外経済対策を発表されました。その発表に当たって、中曽根総理御自身パネルをお使いになってテレビを通じ国民に理解と協力を求められたことは、長くこの問題に取り組んできた者の一人として深く感銘した次第であります。  昭和五十六年十二月以来、今回の対外経済対策は七回目になります。日本政府としては、対策を講ずるたびごとに多大の努力を払ってまいりましたが、残念ながら諸外国に感銘を与えるほどの評価を獲得できずに終わったとも言えましょう。過去三年間に六回にわたる対外経済対策がいわば小出しの措置であったこと、日本の関連産業に痛みの伴うものでなかったこと、措置の実現に時間がかかったこと等々の批判がありますが、昨今における日本側の貿易収支の史上空前の黒字、逆に言えば米国側の赤字の増大、その幅が縮小せず、拡大に向かっていることに不満の根源があるものと考えられます。  既に米上院では全会一致で対日報復決議を採択しており、対日報復法案が上院財政委員会で十二対四で可決されている環境のもとで行われた今回の措置が効果あるものであるためには、大変な苦心と英断を要することはもちろんでありますが、一国の指導者である総理の確固たる姿勢が何より重要であります。  今回の中曽根総理の姿勢に対し、早速、米国政府から、高く評価するとの意思表示が行われたことは喜ばしいことであります。しかし、問題はむしろこれからであり、この七月までに取りまとめる予定のアクションプログラムの内容いかんにかかっていると思われますが、総理のこの問題に取り組まれる決意のほどを承りたく存じます。  私は、本年三月初旬、社会党、公明党民社党新自由クラブ、社民連の同僚議員とともにワシントンを訪問し、米政府筋及び米議会議員と懇談する機会を得ましたが、既に対日批判の火の手は燃え上がっており、当方の主張には聞く耳を持たぬという空気でありました。一様に日本の市場開放を強く要望しておりました。私たち一行は、日米間のいわゆるパーセプション・ギャップ、認識の相違を強く感じたのであります。  アメリカ側は、日本の市場はアメリカ市場に比べ閉鎖的である。日本の対米製品輸出は大幅に増加しているけれども、アメリカの対日製品輸出の増加は微々たるものである、これはアンフェアではないかと主張するのであります。日本側は、我々の市場は十分に開放されているのだ。農産物についてはある程度の自給を確保しなければならないから保護が必要であるが、工業製品についてはほとんどの品目が自由化されており、関税率も低い。貿易黒字の増大はドルの異常高にあると主張して、話がかみ合わないのであります。このパーセプション・ギャップの存在は日米間の友好関係から見てまことに残念なことでありますが、お互いに相手方の立場を考える度量が必要だと考えます。  このギャップ解消のため、日米双方から代表を出して、いわゆる賢人会議が持たれ、二度にわたって報告書が提出されました。その内容には、農業関係等難しい課題を含んでおりますけれども、歴代政府は余りこの報告書を重視したとは思われません。政府間のみならず、議員間あるいは民間の意見の活発な交換が必要だと考えます。総理におかれてもこのギャップ解消に御尽力をお願いいたします。  次に、従来の対策が、えてしてアメリカに向いたものだとして欧州では冷たく受けとめているほか、ASEAN諸国も、骨なし鶏肉の関税引き下げなど具体策に乏しく、アメリカとの差別を訴えております。政府としてはこれら関係国への理解を得るための方策をどう考えておられるのか、総理のお考えを承りたいと存じます。  さて、対策の内容に入って伺いたいと存じます。  我が国が今後とも世界の中の日本として生存し続けていくためには、世界各国との友好的な経済関係を維持し、世界貿易を発展拡大していくことが必要であります。このため、各国との間に経済摩擦が生ずることもある面においてはやむを得ない必然的なものもあると存じます。いわば我が国の生存に終生つきまとうものであるからには、ある程度の将来を見通した中長期の対応が必要と考えます。  その観点から、対外経済問題諮問委員会の報告は評価できるものと考えます。同報告には今後の我が国の政策運営を考えるに当たって重要な指摘を多く含んでおります。特に、原則自由、例外制限の視点に立った市場アクセス改善のためのアクションプログラムについては、我が国が自主的、積極的に国際的に開かれた日本を形成していく上で極めて重要であると考えますが、政府はこれをどのように策定し、実行していくお考えでありましょうか。  また、政府の対外経済問題への対応を一層実効あるものとするためには、この諮問委員会を今後とも継続して開催し、具体策を審議願うことが妥当と考えますが、政府の方針はいかがでありましょうか。  そこで、今回の対外経済対策の内容は、日米首脳会談で合意した電気通信機器、医薬品医療機器、エレクトロニクス、木材製品のいわゆる四分野を初めとして、関税の引き下げ、基準・認証、輸入検査手続の改善、製品輸入の促進、金融資本市場の自由化等について幅広い対策が盛られております。  御案内のように、我が国の五十九年の貿易収支は四百四十二億ドルの黒字、一方、米国の一九八四年の対日貿易赤字は、米国側の数字で三百六十八億ドル、前年比七〇%の大幅増であり、今年も対日貿易赤字の拡大傾向は変わらない、このままのペースでいけば四百八十億ドルになるとも言われております。このような拡大傾向のもとでは、日米の貿易アンバランスの是正の観点からは今回の市場開放対策の効果は余り大きなものにはならないと考えられます。日米貿易のアンバランスの拡大は、むしろアメリカの高金利とドル高にあると言われております。金融の自由化に伴い、日本の長期資金の流出は昨年十二月には一カ月で八十数億ドルを超え、極端なドル高をもたらしました。政府としてはアメリカの高金利是正を粘り強く主張すべきでありますが、いかがでありますか。  次に、アンバランス是正のためには内需を拡大することが必要であります。  特に、昭和六十年度の公共事業については、厳しい財政事情のもとで、社会資本の着実な整備のため工夫を凝らして対処してきたところであります。日本の国内経済としては理解できますけれども、国際的な観点からは問題があろうと思います。政府としては、民間活力の導入に努力されておりますが、住宅下水道等生活関連の公共投資の拡大を図るべきではないでしょうか。  次は、木材関税の問題でありますが、この問題は、川下の合板工業から川上の林業に至るまでその体質改善を伴うことになり、大きな政治問題となりました。  申すまでもなく、我が国の経済社会において森林と山林の果たした役割は、国土保全、水資源の涵養等まことに大きいものがあります。しかるに、近時、森林・林業及び木材産業は不振に陥っております。今まさにその活力を回復しなければならない時期にあります。かかる事態の中で、今回、おおむね三年目から針葉樹及び広葉樹を通ずる合板等の関税の引き下げを行うべく前向きに取り組むことが決定されましたが、これに対しまして、政府は森林・林業及び木材産業対策をどう講ずるのか、財源問題を含めて政府の方針をお伺いしたいのであります。  続いて、農産物市場開放問題について伺います。  農林水産物については、我が国はこれまで誠意を持って輸入の拡大に努めてきております。例えば食料農産物の自給率は七一%、穀物自給率は三〇%と極めて低い水準にあり、木材の自給率も三五%にすぎません。それにもかかわらず、農林水産物について際限のない要求が次々に出され、関係者は非常な不安に陥っております。今後とも農林水産物に関する要求も強まると思われます。我が国としては、食糧自給を確保する上から、できないことはできないと明らかにすることが大切であると考えますが、総理の御決意のほどを伺いたいと存じます。  次に、製品輸入の問題についてであります。  輸入品に対する国民の理解のため、総理の記者会見でも国民への協力を訴えられたところであります。私は、この点について、昭和四十六年に実施されたコンピューターの自由化が、当時恐れられていたIBMによる支配をもたらすことなく、我が国のコンピューター産業の発展をもたらす原動力になったことを指摘したいと思います。  対米自動車の輸出自主規制の延長については、貿易アンバランスの拡大を防ぐ観点から、議論はいろいろありますが、日本が自主的に決めた点を特に評価いたしたいと思います。  電気通信分野については、三カ月に及ぶ日米交渉により決着を見たことは歓迎すべきものであります。特に、民間企業による外国の通信衛星の購入に関し日本輸出入銀行の輸入金融を認めることとしており、評価するものであります。  今回の日米貿易交渉のあおりで、早くまとまる予定であった日本航空貨物のアメリカ乗り入れの日米航空交渉中断しております。日米航空協定で互恵平等をうたいながら、いつまでもこの問題を放置し、最近では市場開放問題と絡めてきておるように思いますが、かかる米側の態度はアンフェアと考えますが、政府としてはどう考えられておるのか、承りたいのであります。  最後に、日ソサケ・マス漁業交渉が難航していると報道されておりますが、漁期が切迫しておりますので、政府は全力を挙げて解決に努力していただきたいのであります。  終わりに、我が民族は、単一民族として、島国の中で人種的な対立や宗教的な争いもなく、日米安保条約のもと、戦後ひたすら経済復興に専念し、世界の自由貿易体制のもとでその恩恵を受け、貿易立国、国際国家日本を築いてまいりました。今回、世界的な経済摩擦が生じておりますけれども、この際、我が国に対する正当な批判には率直に耳を傾け、改めるべきところは改め、主張すべきところは主張して、長期的展望に立った互恵的な交流関係を増進して、貿易立国としての安定した進路を真剣に見出すべきであります。  その観点から、私がこの際特に主張したいことは、対外交渉は政府の専権事項としても、議会、特に長い任期を保障された我が参議院こそ、本件のごとき根強い、不可避的な国際問題を真剣に検討し、国際協調の中で果たすべき責務と守るべき国益を展望して、政府に示唆すべき役割があると存じます。これが国民の期待にこたえる道であり、新しい参議院の使命であることを申し述べまして、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
  7. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 鳩山議員にお答えをいたします。  第一問は、経済摩擦に関する基本的認識の問題でございます。  このようなことが起きましたのは、やはり貿易収支の不均衡、あるいは我が国の市場が閉鎖的である、あるいは特に最近におきまして日本の輸出入のアンバランスということが顕著に出てきた、こういう問題があるように思います。我々は、あくまで自由貿易を堅持することが国益基本であるという考えに立ちまして、この際、調和ある対外経済政策を打ち出してこれを打開しようと思ったのでございます。やはり我々日本民族といたしましても、日本が不公正である、アンフェアであると言われることは非常に残念であります。このような誤解や批判は、どんなことがあっても我が民族の名誉にかけて払拭しなければならないし、また、我が国の国益を踏まえて、みずからの決意においてこれらの政策は推進すべきものなのであります。  それは、一面におきましては、ニューラウンドを今米国そのほかとともに協力して推進しておりまして、保護主義と徹底的に闘おうとしている我が国の現状から見ましても、このような貿易政策を展開することは非常に必要である、そのように考えまして実行したものなのでございます。  次は、日米間のパーセプション・ギャップの解消の問題でございます。  いろいろの原因もございますけれども、一つの大きなものの中に、私は確かにパーセプション・ギャップというものがあるように思いますし、その中の一つとして、日米両国の国情の相違というものもあるように思うのでございます。  つまり、日本の場合は二千年の歴史を有するいわば千年近くというものは律令国家体制でありまして、政府国民保護する、言いかえれば護民官的立場にあったのが我々の今までの行き方です。しかし、アメリカの場合は個人主義で、契約国家でありますから、個人が中心になって、個人の責任において物は処せられるという国柄でございます。そういう面から、日本の政治の体系といたしましては、洪水の問題でも公害の問題でもそのほかの問題でも、ともかく政府国民保護して守っていくという形でできておりますから、ややもすれば規制、統制が強いのであって、個人の選択や責任やイニシアチブというものが後退しているという要素がある。アメリカの場合は、個人の責任やイニシアチブが強いものでございますから、もし損害が起これば会社に訴訟を起こして損害賠償を取って、政府に訴訟を起こすというケースは余りない。すべては訴訟で解決するという考えですから、アメリカ弁護士が五十五万人もいますが、日本は一万五千人という状況で、こういう基本的な問題も一つにはあるのであります。  しかし、これだけ日本経済大国になりますと、国際水準に合わしてやらなければ世界に通用しないという段階にもなってきました。したがいまして、最小限に公共性を維持するという点は確保しつつ、一面においては、やはり原則自由、そして例外的に制限をするという方向に強く出て、国際水準並みの国家になっていく必要がこれから二十一世紀にかけて日本に不可欠であります。そういう意味において今回の措置もいたしたのでございます。  次に、貿易摩擦の問題、これに対する政府政策の反響でございますが、一言で言えば、一応は歓迎すると、しかし期待と失望感が織りまざって、今後の日本の努力を見守るというのがその態度であると思います。  目下、OECDの閣僚理事会がございまして、日本からは安倍外務大臣あるいは企画庁長官が出席して、日本の立場を今懸命に説明しておるところでございますし、また、本年六月には日本・ASEAN経済閣僚会議も東京で開催の予定でございます。個別品目の関税引き下げに係る決定は、そういう意味におきましても本年前半に行うと今度の決定に書いてあるところであり、ASEANの要望も十分念頭に置きつつ、国内政策との調和のもとに、理解が十分得られるような努力をしてまいるつもりであります。  次に、アクションプログラムをどういうふうに推進するかという御質問でございますが、政府といたしましては内閣に推進機構をつくろうと思っております。これは党と一体となってつくってまいりたいと思いますし、各省庁におきましても次官官房長を中心にする作業グループをつくりまして、各省庁の仕事全般について点検を行って、先般の声明あるいは政策に合うような見直しを行うようにしていきたいと思っております。  次に、市場開放政策効果でございますが、私は、事態は一層改善されると信じまして、米国及び諸外国からの輸入の増加も期待され、そしてある程度の評価が得られるものと思いますが、これも我々の努力に一面かかっております。しかし、一面において、内外の為替相場の問題あるいは景気動向の問題、あるいは先方の日本に対する輸入努力の問題、こういう問題もあることは明らかでありまして、それらの情勢もにらみつつ、弾力的な政策で所期の目的を達するようにいたしたいと考えておるところであります。  米国に対するドル高是正の御質問でございますが、この点はまさにそういう面も強くあると思っております。したがいまして、高金利ドル高の是正、それから議会内保護主義の抑止、それから米国側における輸出努力の要請あるいはユニタリータックスの撤廃等、主張すべきものはあくまでも主張してまいる所存であります。  次に、農林水産関係、木材産業への対策の御質問がございましたが、森林林業及び木材産業の活力を回復させるために、木材需要の拡大、木材産業の体質の強化、間伐、保育森林林業の活発化等を中心に、財政、金融その他所要の措置を当面五カ年にわたり特に講ずることとして、具体的内容を検討しておるところでございます。予算上の扱いにつきましては、財政当局と農林水産省との間で今後協議してまいるつもりであり、私といたしましても積極的に特別な考慮を持って推進してまいりたいと考えておるところでございます。  農林水産物市場開放の問題でございますが、食糧、木材国民生活にとって最も基礎的な物資供給を初め、国土、自然環境の保全等極めて重要な役割を農林水産業は果たしております。さらに、地域社会における就業機会の提供あるいは地域経済社会の健全な発展の上にも不可欠の仕事をおやりになっていただいています。したがって、農林水産業の対外経済問題の対応に当たりましては、一面において関係国との友好関係に留意しつつ、国内農林水産物の需給動向等を踏まえ、我が国農林水産業の健全な発展と調和のとれた形で行われることが基本原則であると考えます。  最後に、日ソ漁業交渉でございますが、政府としても漁期が間近に迫っていることを十分認識いたします。今次協定の帰趨いかんは我が国のサケ・マス操業に重大な影響を及ぼすものであり、安定操業の確保を目指しつつ、早期妥結に向けて全力を尽くす所存でございます。  残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手)    〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
  8. 竹下登

    ○国務大臣(竹下登君) 私に対する御質問は内需拡大の問題でございます。  我が国経済は設備投資など国内民間需要を中心とする自律的拡大局面にありまして、他方で、我が国財政は御案内のように巨額の公債累積を抱えております。そういう厳しい環境にあることを考えますと、いわば景気拡大に財政が積極的な役割を果たすという状況には今日残念ながらございません。また、従来から、行財政改革を進めながら景気にはできる限り配慮した財政運営を行ってまいっておりまして、先般成立さしていただきました六十年度予算におきましても、一般公共事業の事業費に御指摘のとおりいろいろな工夫を行うことによりまして、前年度を上回る水準を確保しておるという状態であります。今まさに予算が通ったばかりでございます。したがって、今日の時点で、これ以上公共投資をさらに拡大するということをお答えする環境には今日ございません。(拍手)    〔国務大臣佐藤守良君登壇、拍手〕
  9. 佐藤守良

    ○国務大臣(佐藤守良君) 鳩山議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、木材製品の関税問題と林業、林産業の振興対策についてでございます。  現在の森林・林業が置かれた厳しい現状を見ると、単に合板業界の体質改善のみならず、中長期の視点に立って木材産業及び林業を通じた対策を進める必要があると考えております。このため、森林・林業及び木材産業の活力を回復させる観点から、木材需要の拡大、木材産業の体質強化、間伐、保育等森林・林業の活性化等を中心に、財政、金融その他所要の措置を当面五カ年にわたり特に講ずることとしており、現在鋭意検討中でございます。  また、今回の対策のほか、二十一世紀に到来が予想される国産材時代に備え、まず第一に、木材のよさの普及啓発を図り、木材の需要を拡大することとし、さらには造林、林道等の林業生産基盤の整備と林業地域の活性化等各般の施策を積極的に推進してまいる所存でございます。  次に、農林水産物の市場開放問題につきましては、関係国との友好関係にも留意しつつ、我が国農林水産業の健全な発展との調和を図って対応していくことが重要であります。したがいまして、我が国農林水産業の体質強化を図りつつ、諸外国に対してはこれまでの市場開放措置や我が国農林水産業の厳しい実情等について十分説明し、その理解を得ながら慎重に対処してまいる考えでございます。  次に、日ソ漁業協力協定交渉についてでございますが、本交渉につきましては、その第六回目が現在モスクワで行われておりますが、サケ・マスの公海漁獲に関しまして、海洋法条約を基礎として初めて二国間で協定をつくろうという交渉であり、法律的に種々難しい問題があって交渉は難航しております。本交渉につきましては、本年のサケ・マスの漁期に間に合うかどうか微妙な段階にございますが、できる限り早期に解決が図られるよう最大限の努力を傾注してまいる考えでございます。(拍手)     ─────────────
  10. 木村睦男

    ○議長(木村睦男君) 竹田四郎君。    〔竹田四郎君登壇、拍手〕
  11. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 私は、日本社会党を代表して、去る九日に発表された対外経済政策について、中曽根総理初め関係各大臣にただしたいと思います。  一九七〇年代以降、日米間には繊維、鉄鋼、カラーテレビ、自動車等々の貿易摩擦が起きましたけれども、今回はそれが尖鋭化いたしまして、貿易戦争とまで言われ、対日報復決議が米両院で可決されるまでに至ったことは極めて遺憾なことであります。米国国会が大国の矜持を持って今後冷静に対処されていくことを強く望んでやまない次第であります。日米友好を基本としてきた国民にとっても、まさに驚天動地のことであり、今後の両国関係について不安を禁じ得ないのであります。  まず第一に、日米貿易摩擦の真因について国民に明らかにしてほしいのであります。  その一は、日米の経済、貿易関係において自由世界第一位と第二位のシェアを持つ両国がお互いに競争関係に立っているのでありますから、ロン・ヤスの個人的な友人関係とは別個なものでありまして、峻別をすべきであると思います。今回の米国議会の感情的な議論の横行は、本年一月、総理とレーガン大統領の間で何か約束され、それが日本の国内情勢の関係で果たされない結果が感情的な結果になったのではないか。総理は昔から大変格好よさを求める癖があったように思います。木材関連関税のことなど約束しなかった方がよかったのではないか。こうしたことについては今後も日米の交渉の中にあり得るわけでありますので、安易な約束は避けてほしいと思うのであります。  その二は、米国の対日貿易は主として米国経済の構造的な要因によるものであって、日本が故意に市場を閉鎖し、不公正な競争をして無理やりに商品を米国市場に押し込んでいるのではないと確信をいたします。米国がパックス・アメリカーナの夢に酔って安逸をむさぼっている限り、輸入国や債務国に落ち込んでしまうはずであります。今回の対策によっても日米貿易のバランスが急激に回復することはあり得ない。米国政府の高官たちが、市場開放の実績が数字であらわれることが重要だ、規制がなくなれば日本の輸入は百億ドルはふえるなどと放言しておりますが、そんなものではなくて、アメリカ自体が冷静に足元を見詰め、貿易赤字の改善に努力するように自覚してもらうことが必要と考えますけれども、総理はどう考えますか。  その三は、日本市場は閉鎖的であるという米国の言い分、閉鎖性の内容は一体何なのか明確に分析をして、即時に解決すべき点、時間をかけても解決すべき点、日米の生活慣習の相違によって評価が異なるもの、相手側の誤解によるものかどうかを明確に国民に示して、国民の協力を得るように努力すべきであると考えますけれども、どうでしょうか。  私は、この封鎖性のかなりの部分は、関税障壁というよりも手続や基準・認証の煩雑さや縄張り争いによって、手続や決定の遅延あるいは判断の相違等に基づくものが大部分を占めていると思うのであります。こうした官僚制のセクショナリズムは、米国国民のみならず、日本の我々も全く迷惑をしていることであり、行政改革の中でその改善を求めていくべきものであります。とりあえず、この貿易事項については、総理の直轄のもとに各省庁間の連絡調整、統括が早急かつ適切にとることのできるような組織を設置して改善すべきであると考えますけれども、総理はどう考えますか。  第二に、政府の今次の対応によって貿易摩擦の戦争は鎮静に向かう見通しを持っているかどうか、お伺いをしたいのであります。  ボン・サミットやASEANの経済関係閣僚会議における対日批判を一時逃れするようなびほう策では万々ないことを明言すべきであります。今次の対策も基本的な方針を欠き、今まで同様な小出しのものであり、合板関税対策にしても、行動計画の実施内容やその目標にしても極めてあいまいであり、言葉の羅列だけに終わってしまう危険を感ずるのであります。  まず、河本特命相にお伺いをいたしますけれども、この対策だけで日米貿易赤字の解消の効果はどのくらいあるのか。高官などは二、三十億ドルとしか言っておりませんけれども、もし実効が上がらないということであれば、アメリカは約束違反として一層対日報復の挙に出てくることが予想され、事態は一層悪化する心配もあるわけでありますが、どう評価されるか、御答弁ください。  その二は、今回の行動計画を対象期間三年以内、策定は本年七月末としておりますけれども、行動計画が実施に移された結果、市場開放の姿が一体どうなるのか、日米の貿易収支の姿や数字はどうなるか、今明らかにして、その線に向けて進んでいくべきであると思いますけれども、そうした面について御答弁をいただきたいのであります。  その三として、ただいまの行動計画の実施につきましても、木材関連製品の関税の引き下げにしましても、実施の内容、時期が不透明な上に、期間的にも長過ぎるのではないかと思うのであります。アメリカの議員はむしろ即効性を求めているのではないでしょうか。最近の米国経済は成長率をダウンさせており、双子の赤字によって急速に債権国から純債務国に転化をし始めているのであります。景気が停滞し、失業率が高まったりインフレになるような兆候が強まれば、たとえ一時的に日本の対策を理解し忍耐したとしても、いつまでも持続することは不可能でありまして、この分がまた対日反感となってはね返ってくることは明らかであると思うのであります。それとも、三年を待たずして今度の対策は顕著な実効を生むと考えてよいかどうか、この点についても御答弁をいただきたいのであります。  第三番目には、貿易摩擦の解消策として内需中心の持続的成長、投資、経済協力の拡充等を中心に私の意見を申し述べ、政府のこれに対する対応をお聞きいたしたいと思います。  総理は、五月初旬ボン・サミットに出席をして自由主義諸国の最高首脳と話し合われる予定であるようでありますが、アメリカは今日衰えつつあるとはいえ、自由世界に絶対的な影響力を持った経済大国であります。その運営を誤れば世界の経済は恐らくひっくり返っていってしまうであろうと思います。レーガン大統領に対して、経済運営について、防衛費の増加による赤字の増加とか高金利だとかあるいはドル高を解消するように、経済政策についてしっかりと節度を守るように提言するのがロン・ヤスの関係ではなかろうかと思うのでありますが、一体どうでありましょうか。  また、あなたは、テレビで格好よく外国製品のキャンペーンをしておりますけれども、私は、一人が百ドル買えば百二十億ドル輸入がふえるなどということは、どうも小学校の教室の算数の勉強のような気がしてしようがないのであります。このことは、百ドルで買った輸入品が小売店で私どもドルに換算して一体百ドルで買えるというのでありましょうか。港に着いてから小売店へ行くまでの流通経費というものは政府がその分ひとつ出していただいて、大値引きの外国製品のバーゲンをやるというおつもりであるのかどうか、この辺も明確にお答えをいただきたいと思うのであります。それでないと数字が合いませんので、この辺は明確にしていただきたいと思います。  国の内外の識者が一致して言っていることは、日本政府は内需の拡大をやれということであります。しかし、政府はもっぱら緊縮財政にのみ固執しております。民間設備投資の伸びによって日本経済の景気の持続の可能性があると政府は楽観をしておりますけれども、確かに民間設備投資は伸びております。しかし、その内容を見ますと、六割から七割は輸出関連であります。ここに幾ら力を入れてもやはり貿易摩擦の悪循環が来るだけであります。また、政府はいろいろ年金や健康保険で国民の財布のひもを締めさせるようなことをしておりますけれども、これでは私は内需の拡大はなかろうと思います。国民に財布のひもを締めさせないような施策を要求するものであります。  また、景気に関連して一番大きいことは、国民消費支出を大幅にふやすことであります。そのことは中小企業の繁栄につながっていくものでありますから、国民消費支出を大幅にふやす対策をとるべきであります。  また、今日の大企業を見ますと、営業利益を大変上げております。アメリカに投資して金融利益も大変上げているわけでありますから、このことによって貿易摩擦が起きているとしたならば、今まさに春闘の真っ最中であります。その点では、総理は泥をかぶって、もっとひとつ大企業に大幅な賃上げをやれというような意思を表示すべきではないでしょうか。そのことによって初めて総理のおっしゃる外国製品をたくさん買うことができるわけでありますから、そうした点を財界にも申し述べるべきであると思いますが、総理、労働大臣の御意見を承りたいと思います。  それから時間がありませんから簡略に申し上げますけれども、地域別最低賃金の問題というのは、経営者団体の意見に阻まれてなかなかこれが上がっておりません。この地域別最賃を中心として中小企業の賃金ができているわけでありますから、当然これは引き上げるべきであると私は思います。また、同時に週休二日制などの労働時間の短縮も図るようにすべきであろうと思いますが、労働大臣の御意見を承りたいと思います。  それから大蔵大臣にひとつ、私ども今まで要求しておりますところの一兆円の所得減税、住民税あるいは政策減税を年度内にやられるように要求をいたします。同時に、公共事業につきましても長い間ストップがかかっているわけでありますから、特に生活関連の公共事業に力を入れるべきであろうと思います。  以上、輸出依存から内需拡大への転回は緊急中の緊急の対策でありますが、政府はどうなさろうとしているか、御意見を承りたいと思います。  他方、新しい輸出市場の開拓ということに私どもは努めていかなければならないと思います。  その一つは東西貿易。私は、日本の商品を望んでいるところの特に東欧、ソ連との貿易体制というものを早急につくっていくべきであろうと思います。  次の点は、ODAの援助をふやして、LDCのようなまだおくれている国々の経済力を高めて日本の将来の取引の対象に大きくしていく、このことを考えるべきであります。  第三番目に、ココムの体制というのは、本当にココムができた当時の体制になっていないと私は思います。共産圏への商品や技術輸出を阻止するというのではなしに、むしろ自由圏の中で商売がたきの商売を妨害する、こういうためにココムが使われている事実は大変たくさんあります。また、日本の国内で国民一般に使われているようなもの、これはICが入っているからだめだという形で貿易が妨げられている例が極めて多いのであります。こうしたココムというものから脱却して、そして自由な市場を拡大していくようなことをしていくべきであると思いますけれども、総理、通産大臣の御見解を承りたいと思います。  最後にひとつ消費者の立場から伺っておきたいと思いますが、先ほども原則自由、例外制限、そういうような基本的な視点でこれから基準・認証をやっていく、こうおっしゃっておりますけれども、私どもは、今までJISとかJASとかそういうようなマークを見ながら商品を買って、しかも安全だとか品質を保証されているということで安心して買ったわけでありますけれども、今度は一体こうした点はどうなるのか。この点は消費者として非常に心配でありますけれども、電話機等を初めとしてそうした基準というものを別におつくりになるのかどうなのか。この点も明確にお尋ねいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。失礼いたしました。(拍手)    〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
  12. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 竹田議員にお答えをいたします。  首脳会談における約束が今ここで手形を落とさなければならなくなったのではないかという御質問でございますが、私は、十二月の時点におきまして、このような事態が起こることを非常に実は憂えておったのであります。  昨年、アメリカ大統領選挙の最中は、共和党側は、日本とはうまくいっているということでこれは余り出さない。民主党側も、初めモンデールさんが出そうとしましたが、それではAFL・CIOのひもつきになる、そっちの労働組合の影響で言っているのだろうと言われる、それを恐れて民主党も出さなかった。したがって、選挙が終わればこれは一挙に出る、そういうふうに心配しておりましたら、果たせるかな十二月ごろからそういう心配が出ました。そこで、私はレーガン大統領と直接会って、これをどういうふうに処理するか、先に先見性を持ってこれを処理する方法を相談する必要がある、そういう点もありまして、アメリカ大統領正月早々会ったわけです。  それで、向こうからは四つの大きな問題点を指摘され、それらにつきましては、それでは事務次官等のハイレベルでこれを交渉して消化しましょう、そういう方法の設定を行ったのであります。中身をどうするかということは交渉によって決まることであって、そういう方法でやろうと。これは実は円・ドル問題、資本金融自由化について竹下・リーガン会談あるいは大場・スプリンケル会談、こういうことを設定しまして、これがかなりの成功を見て、アメリカ側も満足したのであります。その先例を追って、そういう方式でやるうということを言いまして、向こうも賛成をしてそういう場が設定されたのであります。  そういうような考えから、三カ月にわたって事務ベル交渉が行われましたが、その後議会がかなり感情的にあのような決議もいたしましたが、結局は事務ベルで消化して、これは一応の妥結を見たということで、言いかえれば、アメリカ国民のフラストレーションや議会側の感情的なフラストレーションというものを、エネルギーを処理する場所をこういうふうに設定したと、そう考えるのであります。  こういうことをもしやらなかったらどうなるかといえば、これは議会議会がぶつかるというような形になります。ホワイトハウスも議会との間で非常に苦労しておる、我々の方だって、やはり議会の皆さんの御意向を尊重してやらなければなりません。そういう意味において、あのようなハイレベルの場所をつくったということは必ずしも失敗ではない、そういうふうに自分では考えております。今後はこれをいかにして政策に実現していくかということでございまして、それについて全力を注いでまいりたいと思っております。  こういう原因が起きたことについて、アメリカ側の責任はどうかという御質問でございますが、私は、今度の貿易摩擦については四つのポイントがあると前から申しておりました。  一つは、景気の成長のギャップであります。アメリカが先にばっと景気が拡大いたしまして、日本がおくれてついていきました。したがって、日本の商品がアメリカへどっと入るということは経済学上当然のことでございます。景気のずれが一つあります。  第二番目は、日本製品の非常な高生産性、高品質性というものがあります。アメリカ側におきましては、高金利と高いドルという問題がございます。これが第二の原因ではないかと思います。  第三番目は、やはり残念ながら日本における市場の封鎖性というものもなさにしもあらずである。同時に、アメリカ側においては売り込み努力の不足というものも明らかにある。これはこの間テレビで申し上げたとおりでございます。例えば医療器具等において、今まではアメリカから高性能の器具等で高い器具が、一億とか二億というのが参りますが、二つか三つぐらい同じ品物を持ってこいと言う。さもなければ検査しないというようなことがあったとか、あるいはさらに、それは合格してもその場で売れない、一たん持って帰らなければならない。そういうような面があったとか、考えてみれば極めて非常識と思われるような日本の狭量、封鎖性というものもなきにしもあらずであったのであります。  また、一方においては、アメリカにおいては売り込み努力の不足で、これは前から申し上げましたように、日本商人アメリカへ行ってみんな英語をしゃべるけれども、アメリカ企業日本語をしゃべって売りに来る人がいますかと、向こうにも私は言いました。ことほどさように、そういうものもあるわけであります。一方的に日本の努力や日本責任だけに押しつけらるべきものではないと思うのです。アメリカにおいては、ワシントン・ポストとかニューヨーク・タイムズというような新聞は、今回は極めて冷静で、アメリカ責任に帰すべき点が非常に多いと指摘しておる。議会筋は、いや日本が悪いのだというふうに非常にフラストレーションが沸いておる。こういう現象がありました。我々がここで懸命な努力をすれば、アメリカ国民には冷静に我々の努力を考えてもらえるものと考えております。  第四が、先ほど申し上げました個人国家との関係のいわゆる考え方の相違であります。国の役割、そういう問題が先ほど申し上げたとおりある。日本の場合は、公害がひどくなったり、放射能問題があったりしましたから、政府保護する、責任を持つという領域はかなり多い。これは昔からそういうものがあった上に、そういう要素があったわけでございます。政府も、洪水が起これば堤防が崩れる、それはすぐ訴訟をやられる、そういう面もありますから、やはりいろいろな規格基準をつくっておった面もあるのです。しかし、こういう状況になりますと、公共性というものの確保は最小限にとどめて、許す範囲内においては、これはできるだけ国民の選択と責任に任す方向に移行すべきである。そういう国際的な基準日本は今や移行すべき段階になった、そういう考えに立って今回の政策をしたのでございます。  特にまた、ニューラウンドを推進しているのは日本でありまして、自由貿易のこの成果を、最も恩恵を受けたのは日本でございます。今後もそういう意味において自由貿易を推進するのは日本としての最大の国益の一つでありますから、現在アメリカと提携して、新しいガットの貿易交渉をやろうとやっておるところでございます。そういうやさきでもございますから、日本国際水準並みにやるべきことは今やらなければならぬ、そういうふうに考えておりました。もし万一課徴金のようなものがかけられれば、これは日本産業では相当打撃を受けてつぶれるものも出ますし、不況や失業が一挙に出てまいります。そういうことを考えてみますと、多少苦しみがあっても、長い将来を見まして自由貿易を継続していくという国益から考えてみましても、この若干の混乱や苦しみは耐えていかなければならない、そのように考えたところでございます。  今後の推進体制につきましては、内閣を中心にしまして、これをフォローアップする作戦本部と申しますか、推進中枢機関をつくり、各省庁には次官官房長を中心にした作業グループをつくりまして、党と一緒になって推進していくつもりでございます。  次に、ボン・サミットでアメリカに対して言うべきことは言えということでございますが、もとより当然でございまして、言うべきことは言うつもりでございます。ただしかし、サミットというのは各国がみんな今問題を抱えております。アメリカは大きな財政赤字あるいは高いドルや高金利、ヨーロッパ産業調整が十分にいかないで非常に硬直性を持って労働ストライキ問題等もまだある。日本の場合は輸出入の膨大なアンバランス、みんな問題を抱えておるわけであります。したがって、一国を批判するということだけではなくして、みんなで協調してインフレのない拡大的発展にどうして持っていくかという話を協調的に話し合うのがサミットの精神である、そのように思っております。  次に、福祉政策の後退につながるのではないかという御質問でございますが、来るべき高齢化社会の時代に備えまして、社会保障国民生活の基盤として長期に安定して、有効に機能していくことは政策基本でございます。特に、長期的安定、それから世代間の公平を維持するというこの大命題政府は果たしていかなければなりません。そういう考えに立ちまして着実な政策を推進してまいります。  一人百ドルの発言でございますが、これはわかりやすく象徴的に、視聴覚時代に合うように私は申し上げたのでございます。しかし、あの言葉によりまして、最近、自分も何か買いたいという機運がかなり国民にございます。日本国民というのは実にありがたいものだ、ともかくそういうふうに我々がお願いをいたしましたら、みんなやはり自分も何かしようというお気持ちをお持ちの方々が非常に多いということは、政府といたしましても感激のきわみでありまして、今後とも努力してまいるつもりであります。  賃金問題につきましては、これは労使が自主的に決定するものでありまして、本年におきましても、労使が国民経済的視野に立ちまして、諸般の情勢を踏まえて自主的な話が行われておりますし、今後もそれが行われるように期待しております。ただ、政府といたしましては、景気の持続的拡大あるいは雇用の安定、物価の安定及び時間短縮等の問題につきましては、できる限り協力もしてまいりたい、そう思っております。  次に、貿易分野を拡大せよというお話でございますが、西側主要国は東側との経済関係については安全保障上の観点も踏まえつつこれを進めていくべきであるとの認識を有しており、我々はこのような考えで推進してまいります。  最近、ソ連中国からの引き合いがかなりふえてきております。我々はこれを大いに歓迎するものでございます。ソ連、東欧諸国との経済関係につきましても、このような考えに立ち、互恵平等の原則にのっとりまして具体的案件につきケース・バイ・ケースで対処してまいりたいと思います。特に、東西の融和状況を勘案しつつ、弾力的に対処してまいりたいと思う次第でございます。  次に、ODAの問題でございますが、これはやはり国際国家日本として重点政策として取り上ぐべき問題でございます。六十一年度以降も新たな中期目標を設定して、引き続きODAの着実な拡充に努力してまいるつもりでおります。  次に、市場アクセス、基準認証制と国民生活の安全性の確保の問題でございます。  原則自由例外制限基本的立場に立ちまして、例外の内容も必要最小限のものに限定するというのが先般の我が国の決定の態度でございます。消費者の選択と責任にゆだねるという方針のもとに、できるだけ早期にアクションプログラムを策定して遅滞なく実施いたしたいと思いますが、しかし基準認証制につきましては、やはりあくまで必要な公共性というものは政府として確保しておかなければならない。がしかし、今までの例から見ますと、個人の選択、責任の範囲をさらに拡大して自主性を持っていただく、そういう方向に積極的に進めていくべきである、そのように考えております。  残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手)    〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕
  13. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 今回の対策は、緊急の市場開放、それから諮問委員会から答申を受けました中期的な抜本対策から成っております。  そこで、第一の御質問は、この緊急の市場開放によってどれだけアメリカの赤字が縮小するのか、こういう御質問でございますが、先ほど総理から御答弁のように、貿易には幾つかの要素がございますので、数字でこれを言うことはなかなか難しいと思います。特に経済の激動期でございまして、昨年と一昨年を見ましてもアメリカの輸入が約一千億ドルもふえております。ことしはどれだけふえるかわかりませんが、先方は、赤字そのものは約三百億ドルぐらいはふえる、こう言っておりますから、多分輸入にして考えますと数百億ドルふえるのではないか、こういう感じがいたします。要するに、アメリカ経済が急速に回復拡大をした、そういう背景のもとでの我が国からの輸入がふえたということでございますので、日本の国内の景気動向、アメリカの国内の景気動向等も関係をいたしますので、数字で言うことは難しいと思いますが、ただ、アメリカ側が特に希望いたしました四分野での市場開放はおおむね完了した、十分こたえておる、私はこのように理解をいたしております。  第二の御質問は、行動計画、アクションプログラムは何を目指すか、こういうことでございますが、これも先ほど総理の御答弁のように、原則自由である。原則自由という意味は、日本の工業製品などは競争力が非常に強くなっておるから、むしろ関税は全部ゼロにしたらどうだ、こういう趣旨だと思いますが、制限することが例外である、こういう趣旨に立ってアクションプログラムの作成をいたしますが、なお、そのほかに諮問委員会からは、内需の拡大の問題、為替に対する対策、それから外国との産業協力、技術協力、あるいはODA、すべての対外問題について具体的な答申をいただいておりますので、これらにつきましても三年をめどに問題点を軌道に乗せる、こういう方向で作業を進めてまいりたいと思いますが、おおよその骨格は、このアクションプログラムも七月を目指して作成をいたしますが、他の分野につきましてもおよそ七月を目指して作業をしたい、このように考えております。  それから第三の御質問は木材製品の関係でございますが、これは農林大臣から御答弁されるべき課題だと思いますが、便宜上私からお答えをいたしますが、なかなか難しい問題でございましたが、思い切った国内対策を今後進めることにいたしまして、現在目指しておりますのはおおむね三年後というわけでありますから、六十二年度を目指しております。六十二年の四月から関税の引き下げが実現するように、そういう方向で今作業を行っておりますが、そのためには、来年の十二月の関税率審議会にかけましてこれを具体化いたしまして、そして四月からの施行、こういう今順序を考えておるところでございます。(拍手)    〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
  14. 竹下登

    ○国務大臣(竹下登君) 私に対する御質問の中のまず減税問題であります。  厳しい財政状況のもとで、所得税減税が後世代の負担となります赤字公債の増発によって賄われるものであってはならぬ、これは基本的にそう思っております。この問題は、今後の直接税、間接税を通じた税制全般の見直しの中で、我が国の所得税制をどうするかという観点から、広範な検討課題として取り上げられるべき問題であると考えます。  なお、個人消費につきましては、賃金の着実な伸び、また物価の安定等から緩やかな増加を続けております。今後においても、物価の安定、企業収益の好調を反映した所得の増加などから増加基調で推移するものと見られます。  なお、所得税、政策税制問題につきましては、各党各会派の話し合いが行われることになっておりますので、これの結論を尊重するということはもとよりのことでございます。  次の問題は、いわゆる生活関連公共事業の問題であります。  六十年度公共事業予算は先般成立さしていただいたわけでございますが、事業量の確保ということからしていろいろな工夫をしたところでございます。なかんずく、国民生活充実の基盤となります社会資本の整備につきましては、従来からも配慮しておりますが、特に六十年度予算の執行に当たりましては配慮すべき課題であるということはもとよりのことでございます。ただ、御案内のように予算は今通過したばかりでございますので、言ってみれば、さらに今日の時点で拡充をするということを申し上げる環境にはございません。(拍手)    〔国務大臣山口敏夫君登壇、拍手〕
  15. 山口敏夫

    ○国務大臣(山口敏夫君) 本年の春闘の賃金交渉は、一昨日、鉄鋼、造船、電機、自動車、私鉄等民間主要企業の多くにおきまして昨年を上回る賃上げ率で解決を見ておるわけでございまして、政府といたしましても、今後とも景気の持続的拡大、雇用の確保、物価の安定等周辺条件の整備に努めてまいると同時に、今春闘も、国民経済的な視野に立ちまして、特に私たちといたしましては、政府見通しに近い線での労使の話し合い決着を期待しておるところでもございます。  また、地域別最低賃金の問題でございますが、大都市と地方、あるいは大企業と中小零細企業等の経済格差あるいは賃金格差がさらに広がることは、単なる経済問題だけでなく、大きな社会問題にもなるわけでございまして、国会等々の論議も踏まえ、労働省といたしましても真剣に研究すべき問題として受けとめております。しかし、この地域別最低賃金は御承知のとおり、公労使三者構成によります各地方最低賃金審議会において、中央最低賃金審議会から示される引き上げ額の目安を参考にいたしまして、各地域の賃金実態、物価の動向等を勘案し、慎重に審議の上決定されておるわけでございます。  また、労働時間の短縮につきましては、技術革新の急速な進展、高齢化の本格化、こういう中で五百万労働人口の増加が予測されるわけでございまして、労働者の生活の充実、国際化への対応と同時に、長期的に見た雇用の維持確保の観点からも非常に大事でございますし、特に竹田先生御指摘のように、労働時間短縮が生活余裕時間の拡大、これは消費機会を増大させ、内需を拡大するという側面も十分あるわけでございまして、ぜひこうした問題にも真剣に取り組みたいと考えております。  労働省といたしましては、週休二日制の普及促進、ゴールデンウィークにおける連続休暇の普及等による年次有給休暇の消化促進等を重点に、労使の自主的な努力を援助、促進することを基本に労働時間の短縮に努めたいと考えております。特に、労働時間の短縮及び休日の増加の問題につきましては、国会におきましても各党各会派の責任者により今現在協議をされておる、その成果を期待しておるところでもございます。(拍手)    〔国務大臣村田敬次郎君登壇、拍手〕
  16. 村田敬次郎

    ○国務大臣(村田敬次郎君) ココム規制についての竹田議員の御質問にお答えをしたいと思います。  我が国は、自由主義諸国の一員といたしまして、自由主義諸国の安全保障を確保するという観点から、国際協調の立場でココム規制を実施いたしております。ココム規制は、各参加国同一の基準によって行われているものでございまして、その制限が国によって厳しいとか緩いとかいうことはございません。必要に応じいろいろ規制範囲の縮小等も行っておるところでございまして、一例を申し上げますと、コンピューターにつきましては、ココムのリストレビューにおける申し合わせを受けて、我が国におきましても本年一月の輸出貿易管理令改正において規制範囲の縮小を行ったところでございますが、今後もココム規制に対しましては今申し上げた方針で対応をしてまいりたいと思っております。(拍手)     ─────────────
  17. 木村睦男

    議長(木村睦男君) 田代富士男君。    〔田代富士男君登壇、拍手〕
  18. 田代富士男

    ○田代富士男君 私は、公明党国民会議を代表して、当面する対外経済問題に関して緊急質問を行います。  言うまでもなく、貿易立国としての我が国の立場は極めて明確であります。貿易によって蓄えた経済力をもって広く国際社会に貢献し、その責任を果たしていくべきが我が国の立場であり、同時に、国民がひとしく貿易の恩恵を受けることが求められており、私は、いずれの経済政策であれ、この二つの側面を忘れてはならないものと考えております。  去る九日、政府は、現下における海外との深刻な経済摩擦に対応するために、総合的な対外経済対策を決定するとともに、総理の談話が発表され、みずから記者会見に臨まれました。  今日の経済摩擦の大きな原因に、日米の経済運営における基本的考え方の違いがあるのではないかと思われます。ともに大幅な赤字財政を抱えながら、米国は供給面重視の立場に立ち、輸入増、高金利、海外資本の流入からドル高という形をとり、日本は内需の不足が一方で貯蓄の増大、他方輸出の拡大につながり、外需の伸長と資本の海外流出を招来し、円安という形をとっており、この経済運営のパターンの違いが、共存共栄となるべきところが逆に、共存異栄とでも言うべぎ経済、金融の摩擦を生じさせていると言えるのであります。  さて、今回の対策において盛り込まれた内容は、いずれも国内関連業界を初め、国内経済に大きな影響があることは避けられず、しかしその割には通商摩擦の解消への具体性と実効性に乏しいのではないかとの指摘すらあります。加えて、その実施が先送りになったものさえあり、従来の対策と何ら変わりがないとして、特に東南アジアからは大きな不満が出されております。  そこで、まず冒頭に、今回の措置についての総合的な効果について伺いたい。  今回の措置は、一言でいえば、米国の通信機器等の市場開放の要求を相当盛り込んだ市場開放策と言ってよい。総理は、市場開放に努め、保護主義と闘うのが日本国是だと言い切られましたが、これによって保護主義の台頭を抑止できるのか。また、特に米議会あるいはEC、東南アジアからの対日批判を根本から払拭することが可能だと考えているのか、あわせて総理の御所見を伺いたい。  河本特命事項担当大臣の指摘にもある、貿易不均衡の最大要因たる米国の高金利やドル高円安傾向が、この対策によって是正されるわけではもちろんない。この際、この根本問題について、政府はもっと強く是正を求めるべきと思うが、総理の対米要求の方針を伺っておきたい。  次に、アクションプログラムについてであります。  政府は、市場開放は原則自由、例外制限基本的視点に立ちながら、政府の介入を避け、消費者の選択と責任にゆだねるとの方針のもとにアクションプログラムを策定することにしています。対日批判の高まりの中、このアクションプログラムこそもっと早期に策定し終えておくべきではなかったのか。また、三年としている対象期間を総理の在任期間と合わせるのが総理としての責任のあり方ではないのか、あわせて明確にしていただきたい。  次に、製品輸入の拡大策について伺いたい。  総理は、記者会見の席において、どうぞ国民の皆さん、外国製品を買ってくださいと訴えられました。一人当たり百ドル、二万五千円ずつ買ってもらえば、輸入は百二十億ドルもふえると言われました。これこそまさに机上の空論の最たるものではないでしょうか。もちろん総理の例え話であることは十二分に承知しております。また、ただいまは、同僚議員の質問に対して、国民の皆さんも反応してくださって感激のきわみであると、今この席で申されたのでございます。しかし、現在の平均的な親子四人の家計で、外国製品を毎年十万円も買い入れる余裕が一体どこにあるでしょう。総理、いかがですか。  しかも、総理も認められておるように、ちまたの声は、輸入品は高価であり、しかも日本製に比べて品質の点で心配だと言います。輸入関連業者、総合商社は、総理の話を歓迎しつつも、かつての日本人が持っていた舶来崇拝がすっかりさめてしまっている現状において通用するのか疑問視しております。  外国企業の製品の品質向上と、適正な安い価格が実現されなければ、製品輸入の拡大は容易に進めることができないのではないか。また、そうだとすれば、品質の向上について、我が国としてどのように要求し、実現を図ることができるのかと考えざるを得ません。通産大臣は、どのような製品について、いかなる輸入促進策を講じ、日本国内にいかなる需要と販路があると考えているのか、お伺いしたい。  次に、内需振興対策の欠如について伺いたい。  今回の対策には、我が党がかねてから主張する外需依存から内需拡大への政策転換が盛り込まれていないが、通商摩擦の緩和、鎮静化のためには不可欠なのではないかと強く訴えたい。大来佐武郎氏を座長とする対外経済問題諮問委員会の報告書においても、内需の喚起についてその必要性を述べています。個人消費、住宅投資、設備投資の拡大のほか、大幅な所得税減税を実施する等の内需拡大策について、総理並びに大蔵大臣の御所見を伺いたい。  次に、合板の関税率の引き下げに関して伺いたい。  合板については、その大半が中小企業であり、かつ住宅建設の不振から恒常的な不況下にあり、数年前までのその割合が少なかった輸入品もここにきて急増してきており、そうした中での今回の措置は、この業界にとってまさに弱り目にたたり目とも言うべきであります。今回の措置によって合板業界にどの程度の打撃があると考えておられるのか。また、政府はこれらの打撃に対して、金融、税制、転廃業を含む業界再編についていかなる対策を講じんとするのか、農水大臣に伺いたい。  特に、総理は、財源の問題について大蔵大臣、農水大臣、経企庁長官等が相談していくと言われているが、報道によれば、大蔵省はこれについて、六十一年度予算の概算要求基準をつくる際に、例外項目として財政的、金融的措置を認めたものではなく、森林林業木材産業対策に前向きに取り組む姿勢を単に示したものとして、別枠扱いが認められたものではないと早くもトーンダウンさせていますし、農水省としては本年度予算の補正を念頭に置いたものと受け取っており、両者の食い違いは際立っています。財源に関する総理の発言の真意は那辺にあるのか伺いたい。あわせて大蔵大臣からも所信を伺っておきたい。  また、関連して、合板の関税率の引き下げに歩調を合わせて行われようとする国内林業対策については、補助金のあり方、赤字問題の解消策のあり方等について批判もないわけではない。農水大臣の御所見を伺いたい。  最後に、来る五月二日から始まるボン・サミット参加について、総理の基本方針と決意を伺いたい。  先進国の一員として、また大幅黒字を抱える我が国の総理として、サミットに臨むに当たっては、そのテーマの一つと考えられる保護主義の台頭に対して自由主義社会の発展のためにいかに対処するかという真掌な討議が期待されるところであるが、これに関連して、当然我が国の大幅黒字が俎上に上るものと思うが、いかなる基本方針と決意で臨むのか。また、そうした経済の発展も、つまるところ、いかにして国際社会を平和にしていくかということに尽きるのであり、サミットこ臨むに当たり、反核、軍縮と世界平和について総理はいかに訴えられるのかあわせてお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
  19. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) 田代議員にお答えをいたします。  まず、対外経済対策と保護主義の抑止の問題でございます。  我々はあくまでもインフレなき世界経済の持続的拡大、これを考えて努力してまいりたいと思います。貿易は拡大均衡が望ましい、そういう方向で努力していくつもりなのでございます。特に、保護主義の抑止につきましては全力を注ぎ、ニューラウンドの推進につきましては、関係各国と協調いたしまして目的達成に向かって努力するつもりでおります。  対日批判の払拭の問題でございますが、先ほど来申し上げましたように、一応歓迎する、しかし期待と失望が入りまじって、今後の努力を見守ると、そういう点でございます。アメリカ側における先般のフラストレーションの増大、特に議会におけるそのような現象を誘発した一つの原因は、実は自動車の対米輸出規制の問題があったと思われます。日本側といたしましては、レーガン大統領が六十年におきましてはこれはもう自由にすると声明したのを見まして、いかなる対策を講ずべきであるか、非常に苦慮し、情報もとり、政策を練ったのでございます。  しかし、あのときの時点におきまして、日本側の各社からどの程度の輸出が行われるかという数値をとりましたところ、二百七十何万台を突破する数字が出てぎたのでございます。これではもう物すごい、百万台近くの自動車の増大につながる。特に、ほうっておけば四月、五月は集中的に駆け込みをやるであろうと、そういうおそれがあり、そのことになれば、アメリカの議会において今審議している最中、四月、五月という重大なときにそのような輸出の急増が行われたならばいかなることが起こるであろうかということを実は考えたのでございます。  もう一つは、いわゆるキャプティブ・インポートと称せられるアメリカのGMとかクライスラーと提携している日本側の会社のジョイントベンチャーがございます。これらは量の増大を強く求めておったわけでございます。対米関係も考慮してそれらに対する増大も多少考えてあげなければならぬという情勢もこれあり、そういうようないろいろな面を考慮いたしまして二百三十万台目標という数字を決めたのでございますが、これがアメリカ側におきましては、こういうことをやることによって日本の市場、マーケットを開くことを回避しようとしたのではないか、そういう誤解を与えたということはございます。これは非常に残念な誤解であります。  もう一つは、昨年に比べて二四%の増大というのは余りにも数量が大き過ぎるではないか、そういう批判もございました。これらは我々の観測違いと言えば観測違いでありますけれども、どうしても輸出量を来年、ことしに比べてそれほど増大させないようにしたいという、いわゆる秩序ある輸出、集中豪雨的輸出を避けるという念願から実はやったのが裏返しに出たという面がありまして、我々のミステークと言えばミステークでありますが、甚だ残念であり、その点の誤解は解くように今懸命なる努力をしておるところなのでございます。  ドル高是正そのほかアメリカに対する要求につきましては、先ほど来申し上げましたとおり、言うべきことは堂々と言ってまいるつもりでございます。  さらに、いわゆるアクションプログラムの策定時期の問題で、私の任期と合わせてやるべきではないかという話でございますが、これは今回総合的政策を決定する、そういう意味におきまして、それと同時に原則を確立するということを行いまして、そして具体的政策は三年以内という目標を立てました。これは政府・与党一体になって行うのでありまして、自由民主党政権が続く限りは私の任期にかかわりなく行われるものでございますから、御心配なきようにお願いをいたします。  次に、一人当たり二万五千円というのは高過ぎはしないかという御質問でございます。  先ほど来申し上げましたように、象徴的に申し上げたのでございまして、一人当たり百ドルといたしますと確かに四人家族で約十万円になります。これは五十九年の可処分所得で見ますと約二・二%に当たります。まあ日本品にかえて外国品を買ってくれというのですから、消費支出は別に増大するわけではない、代替が行われる、そういうふうにも考えたところでございますが、別に強制するものではなくして、できるだけ御協力をお願いいたしますと、そういう意味なのでございます。  次に、内需振興策につきましては、着実な拡大がさらに行われるように今後とも弾力的な政策を実行してまいるつもりでございます。  さらに、合板企業あるいは林業政策の問題でございます。  関税の引き下げを行いますと、深刻な不況下にある合板業界に影響を与えることは十分考えられるところであります。これらに対する対策はある程度期間をかけて行い、関税問題もそういう意味におきまして若干時間的余裕をいただいて行いたいと考えております。  森林・林業政策、木材産業政策のためには、木材需要の拡大あるいは木材産業の体質強化、間伐、保育等森林・林業の活性化等を中心に、財政、金融その他所要の措置を当面五カ年にわたってとることといたしております。これにつきましては、特にいわゆる別枠という表現はしてございませんけれども、所要の対策を特に講ずると、そういうふうに重点的、前向きにこれは表現しておるところなのでございます。  次に、サミットにおきまするテーマ、方針でございますが、拡大均衡を目指し、自由貿易を推進し、保護主義と闘う、ニューラウンドを着実に前進させる、途上国や環境問題についても十分配意する、こういう考えで臨みたいと思います。  サミットにおきましては、軍縮、平和の促進、そういうこともまた大事なテーマであると思います。ちょうど戦後四十年たちまして、過去の大戦に対する反省と、それから将来に向かっての希望を我々は分かち合いたい、そして自由と民主主義の価値を大事に護持しつつ、平和と軍縮に向かって邁進する、そういう決意を表明したいというのが我々の考え方でございます。  残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手)    〔国務大臣村田敬次郎君登壇、拍手〕
  20. 村田敬次郎

    ○国務大臣(村田敬次郎君) 田代議員の製品輸入の拡大についての御質問にお答えを申し上げたいと思います。  製品輸入の促進につきましては、非常にこれは重大な問題、今総理からもお話がございましたように、輸出輸入の貿易のインバランスは、輸出を縮小するという方向でなく、輸入を拡大することによって拡大均衡を図っていくというのが日本の方針でございますので、そういった意味で、製品輸入の重要性というものから、例えば既に輸入金融を四月九日から実施をいたしておりますが、日本輸出入銀行の製品輸入金融の貸し付け金利の引き下げなどを行っておりますし、その他産業界に対する製品等の輸入促進の努力要請でございますとか、インポートフェアなどの開催支援でございますとか、各般にわたって広く国民の皆様に輸入製品に対する理解についての呼びかけを実施しておるところでございます。  特に、商品別に考えますと、各種専門家によるミッションの派遣、受け入れ、あるいはセミナー及び展示会の開催等を通じて輸入の促進に努力をしております。例えば、オーストラリアに派遣いたしましたミッションのいわゆる答申に基づいて、製品輸入、特定外国製品輸入促進計画は、オーストラリアのワイン、家具などを今非常に宣伝をしておるところでございますが、こうした販路拡大についていろいろ努力をいたしまして、総合的な製品輸入の促進に努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。(拍手)    〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
  21. 竹下登

    ○国務大臣(竹下登君) お答えいたします。  まず、対外経済問題諮問委の報告には、内需拡大、貯蓄、投資、消費のあり方等々の意見が載せられておるところであります。今日の財政状況のもとで、所得税減税がいわば後代の負担となります赤字公債の増発によって賄われるということ、これはどうしても避けなければならぬことであります。この問題は、今後の直接税、間接税を通じます税制全般の見直しの中で、我が国の所得税制をどうするかという観点から、広範な検討課題の一つとして取り上げられるべき問題であろうかと思います。  それから個人消費の問題、これは賃金の着実な伸び、物価の安定等からいたしまして緩やかな増加を続けております。今後においても物価の安定、企業収益の好調を反映した所得の増加が見込まれる、こういうふうに私は考えておるところであります。  もとより減税問題につきましては、各党各会派の話し合いの結論を尊重するということは、これは言うまでもないことであります。  それから合板業界に対する財政、金融措置の問題についてでございますが、先ほど総理からもお答えがございましたように、木材需要の拡大、木材産業の体質強化、間伐、保育等森林・林業の活性化等を中心に、財政、金融その他所要の措置を当面五カ年にわたり特に講ずるとされたところであります。したがって、具体的にどういう国内対策をやるか、これはやはり所管省において研究されるところとなるわけでありますが、財政当局といたしましても、厳しい財政事情のもとではございますが、どのような施策が具体的に可能か、今後とも農林水産省からの協議を待って真剣に検討すべき課題であるという問題意識を持っております。(拍手)    〔国務大臣佐藤守良君登壇、拍手〕
  22. 佐藤守良

    国務大臣(佐藤守良君) 田代議員の御質問にお答え申し上げます。  まず、合板等の関税引き下げによる影響と合板業界等に対する対策についてであります。  関税の引き下げを行えば、深刻な不況下にある合板業界等に影響を与えることが考えられます。現在の森林林業が置かれた厳しい現状を見ると、単に合板業界の体質改善のみならず、中長期の視点に立って木材産業及び林業を通じた対策を進める必要があると考えております。このため、森林林業及び木材産業の活力を回復させる観点から、木材需要の拡大、木材産業の体質強化、間伐、保育森林林業の活性化等を中心に、財政金融その他所要の措置を当面五カ年にわたり特に講ずることとしており、現在鋭意検討中でございます。  次に、国内林業対策についてであります。  今回特に講ずることとしております国内対策につきましては、ただいま申し述べたとおりでありますが、このほか、二十一世紀に到来が予想される国産材時代に備え、まず第一に、木材のよさの普及啓発を図り、木材の需要を拡大することとし、さらには造林、林道等の林業生産基盤の整備と林業地域の活性化等各般の施策を積極的に推進してまいる所存でございます。(拍手)     ─────────────
  23. 木村睦男

    議長(木村睦男君) 市川正一君。    〔市川正一君登壇、拍手〕
  24. 市川正一

    ○市川正一君 私は、日本共産党代表し、政府の対外経済対策について総理並びに関係大臣に質問いたします。  今回の政府決定は、日本が自主的に日本の利益を考えて決めたという総理の言葉とは全く裏腹の卑屈きわまりないものであることをまず指摘しなければなりません。総理は、アメリカの議会で対日報復決議が次々と出されていることを取り上げ、これにこたえなければ日本の死命を制する重大な事態になると強調いたしました。日本の国会が全会一致で行った武器輸出の禁止、宇宙の平和利用などの決議は踏みにじり、また一般消費税導入禁止決議も空文化させようとしているその日本の総理は、アメリカの議会に対してはまことに忠実そのものであります。これでは一体どこの首相なのかという声が出てくるのも当然と言わなければなりません。アメリカの圧力の言いなりになることがどうして自主的なのか、国民にわかりやすくお答え願いたいのであります。  こうした卑屈な姿勢ではなく、真に自主的な態度をとるということは、貿易不均衡の原因に対してまともに効果のあるメスを入れる上でも決定的に重要であります。アメリカの貿易赤字の元凶が異常なドル高にあること、それがレーガン政権の途方もない大軍拡によって生み出された巨額の財政赤字に起因することはもはや国際的常識であります。現に、ことし二月に発表されたアメリカ大統領経済報告でも、貿易赤字はドル高が主たる原因であるとはっきり認めているところであります。  総理自身も九日の記者会見で、日本側にも言い分がある、ドル高で日本の輸出が伸びていると述べているではありませんか。アメリカは既に債務国に転落し、債務額は本年度一千億ドルに達するとさえ予測されています。アメリカに対して、ドル高と高金利、大軍拡是正のための具体的なアクションプログラムを当然要求すべきであり、それこそが問題解決に必要な対応であります。にもかかわらず、一月の日米首脳会談における総理、あなたの新聞発表は、こうした問題に全く一言の言及もなく、その後繰り返された日米協議の中でも、アメリカに対してただの一回もはっきりした主張を行っていないではありませんか。なぜアメリカにまともに物を言っていないのですか。あなた自身がアメリカの大軍拡を支持しているので、要求しない方がいいとでも考えているからなのですか。以上について明確な答弁を求めるものであります。  アメリカへの屈従的な姿勢と対照的に究明しなければならないのは、国民生活と日本経済に対する無責任さ、冷酷さであります。総理は会見で、アメリカ商品を国民一人当たりあと二万五千円ずつ買ってもらいたいと国民に訴えましたが、一体いつから日本の首相がアメリカのセールスマンになったのですか。総理、このことは、国民に日本の製品を買うのをやめてアメリカの品物に切りかえろというのですか。もしそうであるならば、今でさえ深刻な不況にあえぐ日本の中小企業は致命的な打撃を受けるでありましょう。それとも、もし今までより一人当たり二万五千円、四人家族で十万円の支出をふやしアメリカ製品を買えというのであるならば、一体国民の家計のどこにそんな余裕があるとおっしゃるのですか。テレビの視聴覚論ではなしに、政治論、政策論としてまじめにお答えを願いたいのであります。  総理、この国民生活の厳しい現実こそが、実は貿易不均衡の国内的要因、すなわち自民党政府の輸出主導型景気対策と結びついた日本の大企業の異常とも言うべき国際競争力の源泉なのであります。  通産省の調査によれば、今焦点になっている自動車産業の場合、売上高に占める人件費の割合は、米フォード社が二四・五%であるのに対して、日本のトヨタはその四分の一、六・五%にしかすぎません。同じく電機産業の場合、GE社の三七・五%に対して、日立は半分の一八・九%であります。その上、我が国の年間実労働時間は、アメリカに比べて二百五十時間、西ドイツに比べて五百時間も長いのであります。我が国大企業の輸出競争力、総理は先ほど高生産性と言われましたが、それがいかに低賃金と長時間の過密労働、そして下請中小企業に対する過酷な収奪に食っているか、それがいわゆる輸出ドライブをかける大もとであることは歴然としているではありませんか。こうした大企業による国民への犠牲押しつけと、臨調路線による国民生活圧迫とが内需を極端に落ち込ませているのであります。  貿易摩擦の正しい解決のためにやるべきことは、大企業擁護の輸出主導型政策から、国民生活擁護の内需拡大型政策への根本的転換であります。現に、九日の対外経済問題諮問委員会のいわゆる大来レポートでさえ、内需中心の持続的成長のために週休二日制の一層の普及、労働時間の短縮を強調しておりますが、今こそこうした措置をとるべきときではないのでしょうか。さらにまた、大幅な賃金の引き上げ、下請中小企業の保護の強化を図るべきではないのですか。総理の答弁を求めるとともに、内需拡大を抜きにして貿易摩擦の解消はあり得ないと常に主張されている河本国務大臣政治家としての率直な所信をこの機会にぜひお伺いいたしたいのであります。  今回の政府決定のもう一つの重大問題は、アメリカの特定大企業の利益に密着し、与党幹部からさえも、このままではロッキード、グラマン事件の再現になりかねないという懸念も伝えられていることであります。  例えば、可能な限り早期に対処するとされた通信衛星への周波数の割り当て変更であります。なぜ衛星のために地上通信用のKuバンドを明け渡さなければならないのか。Kuバンドを要求しているのは、アメリカ三社のうちのヒューズ社一社だけであります。郵政大臣、ヒューズ社が日本に売り込みたいならば、Kaバンドを中心とした日本の構想に合わせるべぎではありませんか。明確な答弁を願います。  日本の制度を変えてまでヒューズ社の利益を図ることは、国民的疑惑を生み出さずにはおきません。総理、本年一月の首脳会談でレーガン大統領からその話が持ち出されたのではありませんか。この際、一月会談の全貌を明らかにしていただきたいのであります。  最後に、我が国は日米安保条約のもとで、軍事的にはレーガン核戦略のくびきに深く組み込まれ、一方、経済的にも今回の決定によってアメリカへの新たな従属を一層強めたのであります。民族主権を放棄し、アメリカとの従属的な軍事、経済ブロック強化の道を突き進む中曽根内閣の方針は、日本国民の利益とは絶対に相入れないものであることを重ねて強調し、質問を終わるものであります。(拍手)    〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
  25. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) 市川議員にお答えをいたします。  まず第一は、対策の決定経過でございます。  これは、あくまで国益を踏まえ、貿易国家としての日本の建前と今後の日本の世界的位置というものも考えて自主的に決定したのであって、米国の圧力で決定したということは全然ございません。  第二に、ドル高是正の問題でございます。  一月二日のロサンゼルスにおける会議におきましても、私はアメリカに対しまして、例えばアメリカの売り込み努力が不足しておる、日本の会社はアメリカへ行って物を売るときにはみんな英語をしゃべる、カタログも英語にしてある、しかしアメリカの会社は日本へ来て売る場合に日本語をしゃべる社員が何人いますか、また日本語のカタログを持って売ってきていますか、そういう話も実はしてきておるのであります。また、ドル高につきましても、我々は資本、金融の自由化をやって、外国に対して日本のお金が外へ出ることを抑えるということはやめた。したがって、金利差がこれだけあれば日本のお金がそちらへ流れるのは当たり前である。したがって、この金利の差、ドル高及びこれらの高金利というものをぜひ是正してもらいたい、そういうことも拡大会議の席で私ははっきり言っておるのであります。  なお、外国製品の購入につきましては、先ほど申し上げたとおり比喩的に申し上げたのであります。  さらに、国際競争力と内需拡大の問題でございますが、今度の決定の中にも内需拡大について言及しておるところはありますので、今後も着実に内需を拡大し、機動的な経済運営を行っていくつもりであります。  なお、最後に、首脳会談における約束でございますが、年初の首脳会談において米国とヒューズ社の日本進出といったようなことは全く話し合っておりません。なお、アメリカの軍事戦略に巻き込まれたのではないかということも全くございません。みんなそちらの調査不足でございます。  残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手)    〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕
  26. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 今度、貿易摩擦解消のために一連の対策を行いましたが、市場開放だけではやはり問題の解決にはならない、こう思います。貿易摩擦の背景にある最大の問題は、やはりドル高円安という問題でございます。この問題にもう少し目鼻をつけませんと問題は前進しない、大変難しい、このように思いますし、さらにまた今御指摘がございましたように、内需拡大の問題につきましては諮問委員会からも指摘を受けております。  ただ、財政事情がこういう状態でありますし、金融政策はなかなか動きにくい、こういうことでございますので、どういう方法で一体内需拡大をやるか、これからが大きな課題でございますが、諮問委員会から指摘されております方法といたしましては、内需拡大ができるような税制の抜本改正をやりなさい、それから経済上の規制の緩和を進めなさい、それから同時に、ただいま御指摘のように週休二日制とか労働時間の短縮とか、こういう問題についても真剣に取り組みなさい、こういう御指摘を受けておりますので、そういう問題を含めまして、これから内需拡大について内閣と与党である自由民主党と相談をしながら進めてまいりたいと思います。(拍手)   〔国務大臣左藤恵君登壇、拍手〕
  27. 左藤恵

    国務大臣(左藤恵君) 市川議員通信衛星用の周波数に関する御質問にお答えを申し上げます。  Kuバンドの周波数の一部については、一九七九年の世界無線通信主管庁会議で通信衛星にも使用できることとなったものでありまして、これを受けて、我が国においても通信衛星用としても利用できるようにしたものであります。今回、米国の特定企業のために特別に措置したものではございません。(拍手)     ─────────────
  28. 木村睦男

    議長(木村睦男君) 井上計君。    〔井上計君登壇、拍手〕
  29. 井上計

    ○井上計君 私は、民社党国民連合を代表して、現在、我が国政の最大課題となっております対外経済摩擦問題について質問を行います。  質問に先立ち、この数十日の間、中曽根総理を初め関係各大臣及び関係各位の多大の御苦労と御努力に対し、深い敬意を表するものであります。  特に、去る九日、総理は、テレビを通じて広く国民に対し、現状の説明と協力の要請を率直になされました。私は、この総理の決断と勇気を高く評価するとともに、総理のこの訴えが必ずや内外各方面の理解を深め、成果の上がることと期待をいたしております。しかし、この問題の早期の改善は、我が国だけが幾ら努力しても大きな成果は期待できないと思います。そのためには、総理が国内に対し率直に訴えられたと同じように、アメリカ政府及び国民並びにアメリカ議会に対しても、率直に改善への努力と反省を求め、主張すべき点は堂々と主張されるべきだと考えるものであります。  さて、対米不均衡の原因の半分は現在のドル高円安にあること、さらに加えてアメリカの高金利政策にあることは明らかであります。ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズが社説の中で、「原因の大半はドル高にあり、高金利にある。このような状態では、完全自由化したところで期待するほど輸出の伸びはなく、日本を袋だたきにすることは誤りである」と論じております。また、シュルツ元大統領経済諮問委員長も同様な点を指摘し、さらに全米自動車労働組合のビーバー会長は、「私は日本を非難しない、むしろ我々自身の政府を責める」と言明し、対日赤字が生じている責任の半分はアメリカにあると断言しているではありませんか。このように、アメリカにおいても、冷静な有識者の間ではこのように論じられておるわけでありますから、アメリカ政府はこの改善にさらに一層の努力をすることは当然でありましょう。  さらに、アメリカ製品は、一部特定のものを除いては、我が国にとって余り欲しいものはないと言われております。また、アメリカ世論調査でま、日本製品は品質がすぐれ、性能がよいから買うという人が七九%もおり、日本の自動車の輸入規制については、アメリカ消費者の間でも最初から強い不満が上がっていることは周知の事実であります。総理はこれらの点をどのように認識しておられますか、お伺いをいたします。  次に、内需拡大政策について伺います。  内需拡大の最も効果的な手段は、民間個人住宅建設、さらに増改築の促進であります。昭和五十二、三年ごろの住宅建設は年間百六十万戸程度でありましたが、五十五年以降は百十万戸程度と低迷をしております。この原因の大半は、適正価格の宅地の不足であります。この際、したがって抜本的な土地改革の確立により、国有地あるいは公有地の宅地開発を行い、勤労者が容易に土地購入ができるよう新しい宅地供給政策の実施、同時に、建築関係の許認可の簡素化、一定期間内における不動産取得税及び固定資産税の減免等々、この際、我が党を初め四党が強く実現を申し入れている所得税等の大幅減税とともに、あわせて早急に実施することが内需の拡大と輸入の促進に必ず効果が上がるものと考えます。同時に、今回の経済対策によって大きな被害を受けるおそれのある木材、合板業界の救済にも効果があるものと確信いたしますが、いかがでありましょうか。  次に、大蔵大臣に伺います。  私が、従来、本院において再々にわたって要望している投資減税の拡大と機械等の法定耐用年数の短縮により、設備投資促進の方策であります。耐用年数の短縮については、大臣は、政策減税として考えることは不適当としばしば述べておられますけれども、今こそそのような固定観念を改めて、国際競争力の保持と輸入促進のために必ず効果があることを認識すべきであります。また、輸入機器等に対する融資の拡大、さらに利子補給もあわせて考えることはこの際いかがでありましょうか、御見解をお伺いいたしたいと思います。  さらに、アメリカの高金利のために海外へ続出している多額の資金を国内投資に振り向けること、それによって内需の拡大策に活用することを検討すべきであります。その方法の一つとして、低利長期の無税国債を発行して、その財源を公共投資及び減税の財源に充てること、また、資本流出を規制するために、一時的ではありますが、緊急避難のために為替管理法の発動を考えたらいかがかと思いますが、大蔵大臣並びに河本国務大臣の御所見を伺います。  次に、総理は、今回の対外政策の中で輸入拡大の方策を多く発表しておられますが、次のような方策を加えることを私は提案いたします。  御承知のとおり、国民海外旅行は年々増加し、五十八年度は約六百二十万人に達しております。これらの人たちが仮に一人平均十万円の買い物をして帰ってくるといたしますと、その合計は約六千二百億円に達するのであります。すなわち、二十五億ドルの巨額となっておるのであります。もちろんこの数字は我が国の輸入額には含まれておりません。そこで、私の提案は、成田空港を初め国際線の到着空港で、帰国の際、免税店で海外商品が買えるようにすることであります。先ほどの一人十万円というのは最低の推定であり孝すから、この方法で直ちに輸入拡大の効果が上がり、輸入数字にあらわれてくることになりますが、いかがでありましょうか。検討に値するものと思いますが、総理、大蔵大臣の御所見を承りたいと思います。  次に、通産大臣に伺います。  大臣は、既に輸入拡大の具体的対策について検討しておられるようでありますが、去る三月十一日より三日間、名古屋で開催された日本貿易振興会主催のUSAフェア、これは大変好評で盛況でありました。特に、アメリカ中小企業の出品業者の啓蒙に大いに役立ったと聞いております。従来、これらアメリカの業者は日本市場への認識がほとんどなく、また販売促進の努力も全くしていなかったようであります。今後、これらのフェアを全国主要都市で広く開催することが、アメリカ側の認識を深めると同時に、我が国の中小企業者の直接輸入の拡大に相当な効果があるものと考えます。さらに、東京、大阪、名古屋の三大都市に海外商品の紹介と取引あっせんの常設展示場を設けることも輸入促進、拡大のために効果があると考えますが、いかがでありましょうか。  次に、通産大臣は先日、輸出によって収益を上げている企業に対し、商品輸入の協力を求めることを発言しておられましたが、その趣旨と具体的な方法をどのようにお考えでありますか、お伺いをいたします。  さらにまた、アメリカからの輸入拡大の有力な方法としてアラスカ石油の輸入があります。アメリカが、アラスカ石油の輸出禁止法を改めて、我が国への輸出を認めるならば、対日赤字は直ちにかなり改善されることは明白であります。この点についてどのような御見解をお持ちでありますか、以上三点をお伺いいたします。  最後に、総理にいま一つお伺いをいたします。  総理が唱えておられる、我が国がその経済力にふさわしい役割と責任を果たすという方針を貫くためには、自由貿易体制を維持し、発展させる努力をより一層強力に行わなくてはなりません。そこで、今回の対外経済対策の発表と実施によってアメリカとの関係は改善されるものと期待できますが、EC諸国及び東南アジア諸国等の不満が果たして解消されるでありましょうか。むしろ、アメリカ一辺倒という新しい不満が生じるおそれさえあります。総理は、特に近隣アジア諸国の不満の解消と不均衡是正に対し、どのような方針で臨まれますか。また、そのために新しい貿易ルールを確立するニューラウンドを積極的に推進していくべきと考えますが、いかがでありましょうか。  以上をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
  30. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) 井上議員にお答えをいたします。  いろいろ積極的な御提案をしていただきまして、感謝と敬意を表する次第でございます。  まず、対外経済対策への反応でございますが、先ほど申し上げましたように一応は皆さん歓迎してくださいますが、期待と失望がこもごもまじっている、そして今後の努力を見守ると、こういう大勢でございますので、我々も積極的に大いに努力してまいりたいと思っております。  次に、アメリカに対する要請でございますが、米国に対しても、高金利ドル高の是正、議会内保護主義の抑止、輸出努力の拡大、ユニタリータックスの撤廃等、主張すべき点は主張をしてまいりましたし、今後も積極的に努力してまいります。  次に、民間個人住宅等の内需の促進につきましては全く同感でございます。そのため、宅地供給を促進するための施策のほか、各般の金融税制上の措置等により、民間による住宅建設の促進に努めておるところであり、今後も積極的に努力してまいります。  投資減税の問題でございますが、六十年度におきまして、試験研究促進のための基盤技術研究開発促進税制及び中小企業技術基盤強化税制を創設いたしました。これは現下の厳しい財政事情のもとの精いっぱいの配慮でございますが、将来につきましては、経済の動向等も見、政府及び党の税調において検討していただくようにいたしたいと思います。  通関手続の問題でございますが、我が国は、数年来、この通関手続についてはかなりの迅速な改革を行っております。さきの米国上院外交委員会報告書の中におきましても、通関手続そのものは米国の輸出業者にとってさしたる市場障壁とはなっていない、こう述べられてきておる状態であります。五十七年以来、医薬品、食品及びエアゾール製品などの一部についても改善を実施してまいりました。また、基準・認証制度の改善も進展しております。しかし、さきの対外経済問題諮問委員会の報告書を受けまして、今後とも通関前手続の簡素化あるいは迅速化に努力してまいります。  アジア諸国等に対する配慮については全く同感でございまして、アメリカばかりに目を向けてはいけない、こういう配慮もありまして、EC及びアジア諸国に対する措置も十分考慮してきておるところでございます。  新ラウンドにつきましては、本年央のころに正式準備を開始し、準備を急ぎ、明年春にも交渉を開始すべく各国に働きかける所存でございます。  ASEAN諸国につきましては、でき得べくんば、この連休のときに藤尾政調会長を派遣いたしまして、関係各国の実情をつぶさに調査し、要求もお聞きいたしまして、できるだけ早期に期待にこたえたいと思っています。本年六月には日本・ASEAN経済閣僚会議も開催予定でありまして、個別品目の関税引き下げに係る決定は本年前半中に行う所存でございます。  海外旅行のお土産の問題で、飛行場で売ることはどうかということでございますが、このようなさまざまなアイデアは大いに歓迎いたしまして検討さしていただきたいと思います。  残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手)    〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕
  31. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 貿易摩擦問題に関連をいたしまして、為替問題と内需の問題の御指摘がございました。  これまでは、ドル高円安はアメリカの高金利によると、そういう意見が非常に多かったのでありますが、最近は、アメリカの高金利もさることながら、アメリカ経済の基礎的な条件がだんだんとよくなって、日本がおくれをとっているのではないか、相対的に日本経済が弱くなっておるのではないか、こういう議論が出てまいっております。最近の動きを見ましても、アメリカのGNPの仲びが少しスローダウンしますと、たちまちのうちにして約十円ほど円高になる、こういうこともございまして、この点は私は見逃すことができない最近の動きだと、このように思います。そういう意味からも内需の拡大が必要である、内需の拡大をして日本の経済の体質を強化すれば為替にもいい影響が出るのではないか、こういう御意見も含まれておるのではないかと思います。  さて、内需の拡大につきましては、先般の諮問委員会の報告にもございまして、私どももこれから取り組んでいくべき最大の課題だと考えております。  そこで、我が国経済の現状を見ますと、経済成長を非常に力強く促進しておりますのが外需でございまして、ただ、この個人消費部門の伸びが大変弱い。伸びるには伸びておりますけれども、思うように伸びていない。ところが、個人消費部門と個人の住宅部門を合わせますと約二百兆、GNPのおよそ六割近くになりまして、この分野が強化されませんとなかなか内需の拡大につながりません。  そこで、諮問委員会も、これに関連する方策といたしまして、先ほども御答弁いたしましたが、内需の拡大につながるような税制の抜本改正を急ぎなさい、こういうことを中心に数項目の具体的な方策をお示しいただいております。そういうことでございますから、これから取り組むべき最大の課題である、このように理解をいたしております。  無税国債を発行して内需の拡大に使ったらどうか、こういう御意見でございますが、これは大蔵大臣から詳細御答弁になると思いますが、無税国債を発行すれば、これは条件いかんにもかかわりますけれども、これは私は非常によく売れると思います。ただ、ほかに影響するところがまた相当出てまいりますので、これまでも何回か議論になりましたけれども、なかなか実行に移せない、こういう経過もございますので、今後とも十分検討すべき課題ではあると、このように理解をいたしております。(拍手)    〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
  32. 竹下登

    国務大臣竹下登君) お答えいたします。  まず、内需拡大のために、民間個人住宅の問題についてはそれぞれお答えがございましたが、いわゆる国有地をそれに活用する場合の点についてお答えをいたします。  国有地は、国民共有財産でありますとともに、貴重な国土としての側面を有しておりますことから、これを公共目的使用することが基本でございますが、同時に、昨今の都市問題土地事情等にかんがみまして、国有地をできるだけ有効に活用しようと。その際、公用公共用優先の原則は維持しつつも、民間によります都市再開発住宅建設の促進等の見地から、国有地の利用につき、可能なものについては極力民間活力を活用していくということが要請されておるわけであります。したがって、大蔵省といたしましても、大都市を中心に民活対象財産を選定して、処分可能なものから速やかに処分する、こういう方針で対応をいたしておるところであります。  それから設備投資の問題であります。  投資減税の問題につきましては総理からお答えがございました。いつも井上さんと私とがよく議論をいたしますいわゆる耐用年数の問題でございます。私が申しておりますのは、いわゆる減価償却資産の法定耐用年数は、資産の物理的寿命に経済的陳腐化を加味して客観的に定められておるものである。これまでも、技術的進歩による陳腐化の状況に配慮しつつ、資産の使用実態に応じた見直しを行ってきたところであるわけでありますから、言ってみれば、政策的観点からその短縮を行うという考え方は法定耐用年数の考え方にはなじまない。これは税制上の議論としてそのようなことをいつも申し上げておるわけでございます。しかしながら、これら全般につきましては、やはり国会の議論等を正確に報告しまして、税制調査会等の議論の対象になるべきものであるという認識は決して変わっておりません。  それから輸入機器に対する融資の問題についての御意見を交えた御質疑でありました。  輸入機器に対する政策的な融資につきましては、五十八年十月の総合経済対策に基づいて創設されました輸銀の製品輸入金融制度によって従来から対応してきたところでありますが、今回の対策においては、本制度の適用金利の引き下げによって機器類を含む製品の輸入について一層の促進を図ることとしておるわけであります。貿易摩擦関連品目、これに指定されます特定の品目については、一層の優遇金利を適用することとしておるところであります。利子補給については、輸銀に利子補給をして超低利融資を行うべしとの御意見であるとすれば、これは厳しい財政事情及び今回の経済対策によって引き下げられた後の輸銀の製品輸入金融制度の金利水準は、十分な政策的インセンティブを有しておると今日は考えておるところでございます。  それから資本流出に対する問題でありますが、最近の我が国の長期資本の流出は、経常収支の黒字を背景に、好調な米国経済に裏づけられたドルに対する信認の増大、内外金利差等いわば市場原理に沿って生じておるということでございますので、やはりこの問題は、先ほど来の議論にもございますように、米国自身において節度ある財政金融政策によって一層ドルの独歩高、高金利の是正を図っていく、これが必要であると考えますので、今後ともこの問題は機会あるごとに指摘していくつもりでございます。  したがって、今日いわゆるこの問題につきましての為替管理法の問題ということになりますと、これは資本移動の大部分が市場原理であるということでございますだけに、人為的に抑制するというのはこれは困難でもございましょうし、また確かに種々の弊害をもたらすと言われております。いわゆる資本流出規制は、取引を仲介しております内外の金融機関、それから資金を必要としております諸外国政府企業などから反発を受けるでありましょうし、また、米国政府当局者は従来からあらゆる資本規制に反対という立場をとっておりますので、気をつけませんと新たな対外摩擦の種になりかねない、こういうことでございます。また、米国の利子平衡税の経験も結局効果を上げなかったということになっておりますし、何としても東京の金融資市場の健全なる発展ということも考えてみますと、この措置はとりにくい措置であると言わざるを得ません。  それから御提案がございました入国旅客を対象とした売店の問題でございます。  旅行者携帯品免税というものは、これは我が国は十万円、他の国よりも大体金額枠は多いわけであります。今の入国旅客一人当たりの利用した額は二万五千円程度でございますので、まだ十万円といえばかなりの余裕があるというふうに思われます。  それで、この問題についての先ほどの御提案でございますけれども、そもそもが、海外旅行者の携帯品について一定の範囲で免税措置を講じておるのは、その旅行中に必要な物品の税負担を軽減し、国際交流をより便ならしめようという趣旨からできたものでありますので、国際機関でこの検討をしますと、おおむね否定的な答えが出てくるわけでございます。確かに、考えてみますと、欧米諸国においてもこの種の免税売店の類例はございませんし、そして海外の免税売店の売り上げがそれだけ減少するということから、この問題については、御提案でございますが、検討の課題でありますけれども、国際機関の中では、この問題について今、井上さんが御指摘なさった方向の答えが今日まではなかなか出にくい問題でございます。  それからいま一つございましたいわゆる無税国債でございますが、これは例えば相続税とかいろいろなことを考えますと、いろいろな問題がございましょう。そしてまた無利子、無税で仮にあったとしても借金であることには間違いない。そして、本当にこれがいわゆる商品となった場合どのようなニーズがあるか、勉強してみれば勉強してみるほどいろいろな課題が出てなかなか難しい問題でございますが、勉強さしていただくことは否定するものではございません。(拍手)    〔国務大臣村田敬次郎君登壇、拍手〕
  33. 村田敬次郎

    ○国務大臣(村田敬次郎君) 井上議員の輸入促進対策三点について、簡単にお答えを申し上げたいと思います。  実は、この輸入促進対策につきましては、去る九日の総理の決定を受けましていろいろ検討してまいったところでございまして、現在、「手を結べ輸入で世界の国々と」というキャッチフレーズで五本の柱を立てて輸入促進を図るということで、きょうの閣議におきましてもお願いを申し上げ、御報告を申し上げたところでございます。  まず第一に、インポートフェア等の開催の問題でございますが、名古屋におきますインポートフェアあるいはUSAフェア等が非常に盛況であったこと等にかんがみまして、ことしは少なくとも全国三カ所で、例えば東京、北九州等で欧州製品を対象とした大規模輸入見本市の開催などを積極的に実施する考えであります。また、輸入品の展示につきましては、展示施設の強化拡充を含め、積極的な活用を図ってまいる所存でございます。  次に、第二点の輸出企業に対する輸入促進の働きかけでございますが、これも今既にいろいろと準備をしておりまして、まず私の通産大臣名で文書によって産業界全般にお願いを申し上げる。それと同時に、近く、例えば乗用車、鉄鋼、電機、電子、機械の各メーカー、あるいは商社、百貨店、スーパー、さらに関係業界の団体の代表者の方々とお話し合いをいたしまして、最大限の製品輸入の拡大に努力をしてほしい、社内体制の確立をしてほしい、また製品輸入のための実行計画の策定等を報告してほしいというようなお願いを申し上げることといたしております。  それから最後に、貿易摩擦解消についてのアラスカ原油の輸入の問題でございます。  これは既に中曽根総理とレーガン大統領のお話し合いでも出ておることでございまして、私も先般来ブロック通商代表等にお願いをしておるわけでございますが、アラスカから原油を輸入することができれば、今ホルムズ海峡依存度の極めて高い日本の原油の輸入についていわばその多角化を図ることができますし、また貿易インバランスの解消にもなるということで、非常に積極的に話しかけておるわけでございます。去る三月、アラスカ原油のうちで、アラスカパイプラインを通過していないクックインレット原油につきまして、対日輸出実現のため連邦政府の許可取りつけに努力したいというアラスカ州知事から中曽根総理への書簡が参りました。非常にこれはアラスカ原油輸出解禁への第一歩として期待をしておりまして、今後ともアラスカ石油の輸入について努力をしてまいりたい。  以上三点、お答えを申し上げた次第でございます。(拍手)      ─────・─────
  34. 木村睦男

    ○議長(木村睦男君) 日程第一 特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出)  日程第二 中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。商工委員長降矢敬義君。    〔降矢敬義君登壇、拍手〕
  35. 降矢敬義

    ○降矢敬義君 ただいま議題となりました二法案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、特許法等の一部を改正する法律案は、特許協力条約に基づく国際出願制度の利用の促進及び工業所有権制度の充実を図るため、国際出願制度を利用した外国からの出願について出願手続の改善を行い、また国内の特許出願等に関して優先権制度の導入、国際出願について欧州特許庁による国際調査を受けられる制度の採用等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、国際出願の現状、優先権制度の導入に関する問題点、出願件数の増大等に対処する事務処理体制の機械化及び審査官等の人員確保等の諸点について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、「わが国工業所有権制度全般にわたって検討を加えること」等五項目にわたる附帯決議が行われました。  次に、中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案は、本年が少なくも五年ごとに制度を見直すこととされる法律上の期限に当たること及び近年における倒産の動向等を踏まえ、掛金月額の最高限度額、掛金積立限度額及び共済金貸付限度額の引き上げ、契約者に対する一時貸付金制度の創設等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、最近の倒産の動向、倒産関連中小企業の救済策、共済金貸し付けに係る諸手続の迅速化等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、「中小企業事業団は倒産防止共済制度の普及に努めること」等二項目の附帯決議が行われました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  36. 木村睦男

    ○議長(木村睦男君) これより両案を一括して採決いたします。  両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  37. 木村睦男

    議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。  よって、両案は全会一致をもって可決されました。      ─────・─────
  38. 木村睦男

    議長(木村睦男君) 日程第三 日本自動車ターミナル株式会社法を廃止する法律案内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長鶴岡洋君。    〔鶴岡洋君登壇、拍手〕
  39. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 ただいま議題となりました日本自動車ターミナル株式会社法を廃止する法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本法律案は、特殊法人の整理合理化の一環として、日本自動車ターミナル株式会社法を廃止するとともに、政府所有株式を処分することにより、日本自動車ターミナル株式会社民営化し、これに伴う措置として政府の出資金相当額を同社に対する無利子貸付金としようとするものであります。  委員会における質疑の詳細は会議録により御承知願います。  質疑を終了いたしましたところ、日本共産党小笠原委員より修正案が提出され、討論なく、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  40. 木村睦男

    議長(木村睦男君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  41. 木村睦男

    議長(木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十三分散会