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1983-04-13 第98回国会 参議院 科学技術振興対策特別委員会 5号 公式Web版

  1. 昭和五十八年四月十三日(水曜日)    午前十時九分開会     ─────────────    委員の異動  三月三十一日     辞任         補欠選任      山田  勇君     青島 幸男君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中野  明君     理 事                 後藤 正夫君                 林  寛子君                 太田 淳夫君     委 員                 江島  淳君                 長田 裕二君                 片山 正英君                 杉山 令肇君                 高平 公友君                 成相 善十君                 八百板 正君                 吉田 正雄君                 佐藤 昭夫君                 小西 博行君                 青島 幸男君    国務大臣        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       安田 隆明君    政府委員        科学技術庁長官        官房長      安田 佳三君        科学技術庁計画        局長       下邨 昭三君        科学技術庁研究        調整局長     加藤 泰丸君        科学技術庁振興        局長       原田  稔君        科学技術庁原子        力局長      高岡 敬展君        科学技術庁原子        力安全局長    赤羽 信久君    事務局側        常任委員会専門        員        町田 正利君    説明員        原子力安全委員        会委員長     御園生圭輔君        資源エネルギー        庁公益事業部原        子力発電課長   高沢 信行君        資源エネルギー        庁公益事業部原        子力発電安全審        査課長      末廣 恵雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○科学技術振興対策樹立に関する調査  (科学技術振興のための基本施策に関する件) ○技術士法案(内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 中野明

    ○委員長(中野明君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る三月三十一日、山田勇君が委員を辞任され、その補欠として青島幸男君が選任されました。     ─────────────
  3. 中野明

    ○委員長(中野明君) 科学技術振興対策樹立に関する調査のうち、科学技術振興のための基本施策に関する件を議題といたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 先回の委員会審議までに何回かにわたりました、今度筑波学園都市の中の谷田部町に設置を予定されておりますP4施設についてお尋ねをいたします。  いままでの論議の中で科学技術庁当局から明らかにされたP4の目的、とりわけ、この取り扱ういろいろな微生物の内容等について、理研当局の見解や、それから厚生省の担当者との間に、必ずしも明確な見解の統一がなかったのではないかと思うんです。もうちょっと申し上げますと、P3で扱える範囲のものを扱うんだけれども、より安全性という観点からP4という施設でやりますと、こういうことを理研当局も当初言っておったわけですし、それからここの委員会でもそれらしき発言もあったと思うんです。ところが次第に変わってまいりまして、厚生省の一部では、いやP3で扱えない危険なものについて新設されるP4で扱ってもらうんだと、こういうことも相当な責任者が言っているわけです。それから理研の地元に対する発言等でも、どうも首尾一貫していないということがあります。もう過去のことはくどくど申しません。  そこで、P4施設設置の目的、それから研究レベルの内容ですね。地元住民が一番心配しておりますのは、危険な微生物が何らかの条件のもとに外部に出るというふうなことになっては困る、こういう心配が一番強いわけです。反対もまたそれが最大の理由であるわけですから、そういう点で、いま申し上げました施設建設の目的と、それから研究レベルの内容というものについて、今回は明確な御回答をいただきたいと思うのです。
  5. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 従来のP4の説明につきましてあるいは若干の混乱があったかなという感じを私も持っておりますが、やや長くなりますが、少し詳細に御説明申し上げたいと思います。  P4建設の目的は、一言にして言いますと、遺伝子組みかえ研究につきまして、やや専門的になりますが、新しい宿主―ベクター系を開発していく、これはまた後で申し上げますが、これが非常に遺伝子組みかえ研究にとって大事な基礎的な研究でございますが、それの安全性をそこでしっかり確かめるというのが一つの目的でございます。それからもう一つは、日本全体としての遺伝子組みかえについての基礎的な研究を行う。あるいは、産学官とよく申しておりますけれども、そういう関係の共同利用施設的な色彩を持つ。こんなところに目的があるわけでございます。  御案内のように、遺伝子組みかえについての研究というものは、各国でいま盛んに行われております。ヨーロッパ各国、先進国その他で競って行われておりまして、それはやはり今後の科学技術の一つの非常に将来性のある分野である。しかもそれはがんの撲滅ですとか、あるいは食糧の増産ですとか、あるいは食糧の改良ですとか、そういった面で将来非常に有力な手段を提供する、こういう期待が大きいからでございまして、特にアメリカではかなり進んでいるという状況のようでございます。そういった世界的な状況に対応するというのもこの施設の一つの目的であるわけでございます。  御案内のとおり、この遺伝子組みかえ作業を大ざっぱに分けますと、二つの部分に分かれるわけでございます。  一つは、DNAというものを、これは遺伝子でございますが、それを供与する、それを与える、そういう部分と、それからもう一つの部分は、それを受け入れます、たとえば大腸菌ですとか、あるいはたとえば枯草菌ですとか、現在遺伝子組みかえ指針の中で認められておりますそういったごく一般的な菌あるいは微生物、それが受け入れて、そこで遺伝子の働きによってインシュリンをつくるとか、あるいは将来にわたってはがんに対する有劾な薬、そういったものをつくる、こういったような二つの部分に分かれるわけでございます。  DNAを供与する供与体といたしましては、御案内のとおりいろいろな細菌があるわけでございますが、その中にはもちろん人間のDNAというようなものも含まれておりますし、あるいはDNA自身は化学物質でございますから、それを人工的に化学的に合成するということも考えられております。理研が取り扱う施設、このP4施設におきまして、DNAを供与するその細菌と申しますか、微生物はどの段階のものかと申し上げますと、これは現在、厚生省のたしか国立予防衛生研究所でございますか、いろいろな細菌、微生物を危険性の度合いに従って分類いたしております。分類はおおむね四つの段階に分かれておりますが、その中がまたさらに細かく分かれているわけでございます。その中での2bクラスと申しますから非常に弱い細菌、ごく一般的なこういった微生物関係の研究所で取り扱われているような、そういうクラスの微生物からDNAを取り出す、そういうものはDNA供与体として直接に扱いましょう。それから3aクラスのもの、これはたとえば私は結核菌などが3aクラスではないかと思いますが、結核菌からのDNAを出すというわけじゃないわけでございますけれども、このクラスのものはDNAとして取り扱いましょうと。これは化学物質でございますから、危険性のあるなしというのは問題外でございます。それ以上の危険分類のものは、そもそもこの施設で研究をする必要がないものでございますから、これは取り扱いませんと、こういうことになっております。  それから第二の、宿主、そのDNAを受け入れて、それを自分の体内に入れましてインシュリンなどを生産するような宿主―ベクター系でございますが、現在は御案内のとおり大腸菌とか枯草菌とか、動植物の培養細胞とか、四つのものがDNAの遺伝子組みかえ指針の中で認められております。大体はそれを使うわけでございますが、新しい宿主―ベクター系を開発する、より能率のいいインシュリンを生産するようなものはないか、あるいはがんを制圧するような、そういう有効な成分を出すような組み合わせはないか、そういうものを研究するために、たとえば発酵工業で使われているような微生物等々が対象になる場合があり得るわけでございます。これらはもちろん、一般のそういういろいろな工業なり研究所等で取り扱われているものでございますから、別段の危険はないわけでございます。  そこで私考えてみまして、従来どうして混乱があったのかなと、こういう感じがいたしますが、まず第一は、DNA供与体としての微生物、細菌、先ほど申し上げました2bクラス、これは通常の微生物を取り扱う研究室ですと、P2クラスで扱い得るわけでございます。そのP2クラスで扱い得るようなものをわざわざP4で扱おうという点がおかしいではないかと、こういう点が一つの誤解の源泉であったかなという感じがいたします。  それでは、なぜP4でやらなくちゃいけないか、こういうことでございますが、それは、先ほど申し上げましたDNA供与体あるいはDNAそのもの、あるいはそれを受け入れる宿主―ベクター系、この組み合わせが現在の遺伝子の組みかえ指針の中では、こういうものはこういうクラスで扱っていいよということで一応の基準ができておりますが、新しい組み合わせにつきましてはその基準外であるわけでございます。新しい組み合わせにつきましては、あるいはこれは個別にどういうクラスで扱うかというのをこれは科学技術庁の方で審査するわけでございますが、新しい組み合わせということになりますと、恐らく多くの場合にP4クラスで扱わなければならないようなことになるのではないかと思います。  それはなぜかと言いますと、別にそこで取り扱われる菌自身が危険であるということではなくて、たとえば通常の発酵工業などで使われているような微生物を新しい宿主―ベクター系として選んだ場合に、そこで入れられたそういう微生物というものがたとえば動物の体内に入った場合にどういうような作用を営むのであろうか。大体のところは提供されるDNAの性格というのはわかっております。それから受け入れる宿主―ベクター系の性格もわかっておりますから、大体の見当はつくわけでございますけれども、しかし、動物の体内に入った場合にどういうような影響を与えるか。場合によると発がん性があるかもしれない、あるいは動物の体内にすみついてしまうかもしれない。それがあるのかないのか。なければもちろんいいし、あるとすれば一体どの程度のものなのかということを試験して確かめないといけないわけでございます。試験して確かめる場合にはやはりP4でないといけない。  なぜいけないか。それは、そういうテストをするためにはたとえばマウスなどを用いますが、無菌動物を使わないとわからないわけでございます。普通の動物ですと動物の体内に、腸内等にばい菌がいるわけでございますから、その作用と新しく入れられたそういった微生物の作用とが区別できない、そういった問題。あるいは万々が一何かあるかもしれない。それはもう万々が一のことであるわけでございますが、そういった安全性も考慮いたしましてP4という厳重な施設で取り扱う、こういうことになっているわけでございます。  恐らく従来の厚生省を含めての説明の混乱が仮にあったとすれば、先ほど申し上げたように、DNA供与体における問題、あるいは宿主―ベクター系、受け入れた場合のそういった実験のやり方につきまして、やや説明が余り専門的であり過ぎたために一般に御理解が十分でなかった点があるのかな、こういう感じがいたすわけでございます。  それから、最後の先生の御質問の、外部に出るか出ないかという問題でございますが、これはP4の建設に当たりまして、御案内のとおり計画局長の私的な諮問機関といたしまして、この設計に当たりまして何遍か相当厳重な審査をいたしてきたつもりでございます。また、先生もすでに御案内のとおり、P4と申しますのは、外部にこれを出さない。  たとえばその実験室に入る場合に、入る人は、まず裸になりましてシャワーを浴びて洗って、特別の作業服に着がえて室内に入る。その室内は、陰圧と申しまして、外部の圧力に比べてやや低い気圧になっております。したがって空気が外へ漏れるということはあり得ない。それから外部の換気につきましても、非常に性能の高いフィルターでその空気をこして出すことになっております。それからそこで使われた作業衣等につきましては、あるいは熱湯でこれを消毒する、熱湯で滅菌する、あるいは熱湯を使えないようなものは、ガス、特殊な、ホルマリンでございますか、そういったガスを使って滅菌する、こういうことで処理をいたしまして、万々が一にも出ないように措置を講じております。それから廃水につきましても、これは常時外に流すのではなくて、ある程度ためておいて下水に流す。下水に流す段階では、これを試験してちゃんとチェックする。全体の管理の状況は、これはどの施設でも行われておりますが、中央の管理室でしさいにこれを監視できるようなシステムになっておるということで、私どもといたしましては万々が一にも出ない、こういうような形で施設を設計、建設いたしております。  ただ、これは万々が一ということで、あるいは非常に少ない確率で、出る可能性が絶対ないかと言われるとそれはある場合もあるかもしれませんが、しかしその場合であっても、まずこれはないことでございますけれども、ここで扱われる細菌の種類からいきまして、通常の自然状態の中では生息し得ないわけでございます。大体もう死んでしまうわけでございますから、そういった意味におきましても私どもといたしましては、万々が一にもそういった困った事態、住民の方々に不測の不安を与えるような事態は起こらない、かように確信をいたしているわけでございます。
  6. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 いまの説明は一応わかるんですけれども、理研の現地住民に対する説明というのは、むずかしい科学的な内容のことを言ってもわかりませんからそれはやむを得ない面もあると思うんですけれども、とにかく安全だの一点張りできたわけですね。  特に住民が不安に感じたのは、昨年の十月ごろ、それまでの実験指針に示されたもの以外に新たにいまおっしゃった新しい宿主―ベクターを使うということを言ったということが、これはどういうことだ、いままでの話と食い違っているではないかということで一層不安をかき立てたということなんです。具体的にどういうものを言ったのか私もそこでは立ち会っておりませんのでわかりませんけれども、もう一つだけ確認をしておきたいと思いますのは、この実験指針以外のものについてはこれは当然扱ってはいけないわけですし、それから住民がもっと心配しておりますのは、実験が進んでいくうちに将来より危険なものへと拡大をしていくおそれはないのかという点なんですね。その点をもう少し明確にしていただきたいと思うんです。
  7. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) このP4施設の中で行われる研究の基本的な目的は、先ほど申し上げたとおりでございます。ではしからばこの研究をやる場合にどういう手順でやるのかということが、恐らく先生の御質問と関連があると思います。  新しい宿主―ベクター系をやる場合、あるいはそうでない実験でありましても、理研の中に設けられます安全委員会というのがございます。これは先生御案内のとおり、理研と地元の町との間で覚書を交換いたしまして、その安全につきまして、あるいはこの施設の運営につきまして、基本的なことが合意されております。特にこの安全委員会の構成メンバーにつきましては、町の推薦する人を複数入れろと、こういうことになっております。恐らく町の方からりっぱな方が御推薦されてくると思いますが、理研で行いますこのP4を使う一切の実験は、まずこの安全委員会の審査をパスしないといけません。ここでは、そういった意味での詳細なチェックが行われます。  それからさらに、その実験の内容が、先ほど申し上げました政府で決めました遺伝子組みかえ指針の中で個別審査を要するというような内容につきましては、これは科学技術庁に参りまして、科学技術会議の中に設けられておりますライフサイエンス部会、この中の専門家の方々の厳重な審査が要ります。そういう審査を得まして初めて実験に着手できるわけでございます。  私どもは、この研究所の設置の目的が申し上げたような目的でございますから、そもそも危険なものを取り扱う必要は全くないわけでございますけれども、いま申し上げたようなチェックの手続がありますので、地元の方々が御心配になるようなそういうような、まあどういうようなことを御心配されているか必ずしもつまびらかではない点がございますけれども、危険な研究、地元の方々を不安に陥れるような危険な研究はそもそもできないような仕組みになっている、こういうことを申し上げていいのではないかと思います。
  8. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 町当局と理研の確認書ですけれども、いまおっしゃったように、町当局の推薦する複数の研究者と言ったらいいんですか、学者を委嘱もできるということがあるんですけれども、私は、この問題に限らず、学問研究の場合には、賛成派だけの論議では真の意味での安全性の確認とか科学技術の発展というのはないんじゃないかと思う。  これは原発でもずいぶんやってまいりましたけれども、反対派がいろいろな意見を述べることによって、推進派あるいは賛成派の気がつかなかった問題点あるいは痛い点というのがやはり出てくるわけですから、そういう点では、何が何でもという意味での反対ということでなくて、いろんな問題提起をしてより安全性を確認するという意味でそういう問題意識を持っておる、あるいは指摘できる人の意見というものも十分取り入れていく。そういうものでないと、私は本当の意味での学問の発展というのはあり得ないんじゃないかと思っております。その辺は、今度科学技術庁としても十分ひとつ、大きな度量といいますか、気持ちでもって対処をしていただきたいということをつけ加えておきます。  そこで次に、P4施設が共同利用されるということになっておりますので、この共同利用のあり方についてもいろいろ心配する方があるわけです。というのは、従来の物理とか化学、こういうものをやってきた方と、病理学的な医学的な立場とか、生物学的な立場の研究学者というものがごっちゃになって研究するという場合も考えられるわけですね。各省庁から、あるいは民間等からもいろいろこの施設を利用されるということですから、必ずしも細菌的な取り扱いになれておる人とは限らないわけでして、そういう点で、共同研究のあり方というものについても十分検討を加えていかないと、思わぬところから思わぬ事故が起きるというふうなこともありますので、その点どういうふうに考えておいでになるのか、お聞かせ願いたいと思います。
  9. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 先生の御指摘のとおり、この施設は共同利用施設としての性格も持っておるわけでございます。  まず、この施設の利用対象者といたしましては、微生物なり細菌の取り扱いに習熟した者だけに限定をすることにいたしております。その人の御専門が、あるいは物理ですとか、違う分野の人が入ってくるかどうかはよくわかりませんが、ともかく微生物なり細菌の取り扱いに習熟した方々だけに限定いたしております。それから、外部の方が利用する場合には、理研との間で厳重な安全に関する契約を結ばせることにいたしております。その契約の中味などは現在理研等で検討中でございますけれども、万々が一事故が起きないように、理研の熟練した職員がP4施設で研究をする、その場合と全く同じレベルのいろいろな規制をそこで要求しようと思っております。そういうことで、安全につきましては十分な措置を講じたいと思っております。  それから、先生の御指摘がありました他の分野の学者との共同研究。私は、恐らく他の分野の学者の方々がP4施設に入っていろいろ操作をするということは余りないんじゃないか、恐らくP4施設で得られた研究成果というものを他の分野の、物理ですとか、そういった研究の方々が活用してそれで新しいアイデアを出していくとかいうようなことではないかなと、こういう感じを持っております。
  10. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 共同利用の一つの形態として企業がこの研究施設を利用するという場合が当然考えられますし、そのまた門戸を開放しているというふうに思いますけれども、その場合に、企業研究が優先をするとかいうことで、それが企業の利益だけにつながっていくというおそれがあるんじゃないかという点で、企業研究優位の体制が、たとえば研究費を出しますというふうなことから次第に強まっていくんじゃないかというおそれもあるわけですけれども、この点についてはどのようにお考えになっておりますか。
  11. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 先生のいまの御指摘のとおり、企業も、P4のみならず、この施設はP1からP4まであるわけでございますが、施設を利用するということがあり得ると思います。ただ、あくまでもここの研究の目的が、冒頭申し上げましたとおり、新しい宿主―ベクター系についての安全性確認、それから遺伝子組みかえに関する基礎的な研究などが主目的でございますから、私どもは外部の方々の利用というのは恐らく大学関係者の方々の利用がほとんどではないかと思います。かつまた、そういう施設の目的からいたしまして、仮に企業の方々の研究というものがあったにいたしましても、そういった基本的な目的に照らして、基本的な目的の研究が阻害される、それが邪魔になるというようなそういう研究であれば、それはお断りをするということになると思います。
  12. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 その点きちっとひとつやっていただきたいと思いますのは、この前の昭和大の問題が大きく出ておりまして、大学の研究機関までが企業によって、これはどちらにどれだけの責任があるのかというのはまだ調査段階であるわけですから最終結論は出ていないと思いますけれども、いずれにしてもうっかりするとついそういう結果を招きやすいということになりますので、この点はひとつ厳に指導官庁としてはそういう過ちが起こらないようにやっていただきたいと思います。  次に、この研究内容の公開の問題ですけれども、かつて微生物研究というものがいつの間にか細菌兵器の製造というふうな恐ろしい方向につながっていったということもありますので、そういう点で私は、ここで研究された成果というものは当然に公開されなきゃいけないだろう。場合によってはパテント等の問題もいろいろ出てくると思うんですが、そういう点で、研究成果の公開、さらには仮に企業との共同研究等の場合、企業機密、秘密の名のもとにそれが公開をされないというふうなことでは非常にまた問題が起きてくるんじゃないかと思いますので、その辺どのようにお考えになっているのか、お尋ねいたします。
  13. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 先ほど申し上げましたとおり、このP4施設でやる研究につきましては、一つ一つ理研内部で、これは外部の方々が複数入っておられるわけでございますが、安全委員会で審査されます。したがいまして、そこでどういう研究をどういう目的でやるのかというのがすべて審査されます。かつまた、それが、組みかえ指針で個別審査を要するというものにつきましては、科学技術会議まで上がってくるわけでございます。そういうシステムになっておりますから、その研究の中身がともかく当事者だけしかわからないというような仕組みにはそもそもなっておりません。  しからば、公開の問題でございますが、私どもは、この研究の内容なり成果につきましては、公開を原則にしたいと思っております。ただ、先生の御指摘がありましたように、でき上がった研究の成果、それにつきましてパテント等の問題が生ずる場合があります。そういう場合につきましては、その関係の問題がある部分につきましては、あるいはすぐに公開ということにならない場合があるかもしれません。ただし、安全という点につきましては、これは安全性に必要な限りにおきましては、私どもはそういう研究を含むような研究につきましてもできるだけひとつ適当なタイミングを見て公開をしていきたいと思っております。  それから、施設の見学でございますが、これもなるべくひとつ多くの人に見ていただきたいと思っております。ただ、御案内のとおり、こういう微生物を取り扱う研究所は、外から雑菌等が入る可能性がありますから、遺伝子組みかえ指針などにおきましても原則として中にははいれないことになっております。そういう指針で決められた原則はもちろん守っていくわけでございますが、そういう原則の中で、なるべくこの施設につきましても多くの方々に見学していただいて、もし、理由のないと言うと失礼でございますが、そういうような御不安があるとすればなるべくそういうような不安を解消していただくように努力していきたいと思っております。
  14. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 いまのお話の中で、一つの研究グループが秘密にやることはないだろうということなんですけれども、人間世界ですから、たとえばこの前の昭和大の問題を見ましても、管理体制がきちっと行き渡っているところほど、教授であるとか主任研究員の意向というものが非常に徹底をするわけです。そういたしますと、その人の考え方がちょっとおかしくなった場合には、いま言ったことが守られないという場合も率直に言って出てくると思うんです。だから、チェック体制をどうするのか事前の会議で幾ら決めても、常に研究が終わるまでそういうチェック体制というのは、変な意味での管理体制でなくて、そういう心配が出ないようなチェック体制というものをきちっとやっていく必要があるんじゃないかというふうに思いますし、それから、同じくいまのお話の中で、最もすばらしい成果というものでパテントを取るということになれば、これは逆に言えば公開をされる、逆に悪用はされないということになるわけですけれども、パテントを取らないでの非常に高度な成果というものがあった場合には、これは場合によっては秘密になるのかなといういまちょっとそんな感じの部分があったんですが、この点はどうなんですか。
  15. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 私もちょっとよくわかりませんが、まず、パテントを取るものにつきましては、パテントの申請をするまでの間は秘密にしませんと、これは公開になってしまいますから、新規性を失いますから、パテントをとることができませんから、その間はやっぱり秘密にしなくちゃいけないと思います。  それから、もう一つの、パテントまでいただかなくてノーハウとして秘密にする部分があるいは出てくるのかどうかよくわかりませんが、そういうものが出てきた場合には、私どもといたしましては、一応観念的には、その中でも安全性に関するもの、地元の方々なり一般の方々が不安に思わないように、安全性に関する部分についてはなるべくこれを公開していきたいと思っています。  ただ、よくわかりませんが、インシュリンを生産する場合に、大体のところはこういう菌を使ってこういうベクター系というのは、恐らくいろいろな学者の方がやっておられると思います。ただ、そのやり方で能率がかなりよくなったり悪くなったりするようなことも恐らくあると思います。そういった能率がよくなったり悪くなったりするその微妙なやり方のところまでを全部公開するということになりますと、これまた研究者の意欲をそぐことになりますから、その辺はやはり研究者の意欲をそがないで、なるべくどんどん研究をしてもらうということと、それから、先ほど申し上げました、観念的には安全性にかかわる部分についてはこれは公開をしていく、こういう原則は堅持していきたいと思っております。
  16. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 いまそこが一番心配されるところなんです。研究者のノーハウという名のもとに、研究者の意欲をそがないために、場合によってはということがあるんですけれども、それは、研究者の公開の論文によって、その人の業績として当然広く認められることになるんです。だから、パテントを取るまでの一定の間秘密にしておくというのはわかりますけれども、そうでないものについて、ノーハウがどうとかこうとかという理由で、あるいは研究者の意欲をそぐんだからということで秘密にするというこのあいまいさが残りますと、そこから逆におかしな問題が出てくるんじゃないか。逆に言えば、そこを秘密にしたものが仮にたまたま企業との共同研究であったりということになりますと、それは企業の名によって今度は全く秘密にされていくとか、いろんな事態が出てくると思いますので、私はそういう点では、理研、国が関与したこういう施設であるわけですから、重要なものについてはこれはパテントを取るということは当然出てくると思いますが、その他については、堂々と研究者の氏名を付して公開をして、成果を世の中に広げていくという基本的な考え方というものはあくまでも厳守をしていただきたい。私はあいまいさが残ったら非常に危険だと思いますので、その辺どうですか。
  17. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) ちょっと私もいまその辺になるとややわからない点もありまして、自信もないわけでございます。  ややちょっと国粋主義的なことを言うようで申しわけありませんが、せっかくアメリカよりリードしたというのに、その競争相手国にそういうようなことをやるのもどうかなという感じもいたしますし、ただ先生、研究者の方は逆に、自分はこれだけの成果を上げたぞ、それを公にしたいという意欲もあるわけでございます。その辺は私は、この施設を取り扱っている理研全体の、一つは研究者が主体でございますから、研究者としての一つの良識みたいなもの、常識のようなものがあるんじゃないかと思います。  それから、何遍も申し上げているとおり、観念的には、安全性にかかわる、安全についてのそういうような問題については、これは公開するわけでございますから。いまの段階で、大変申しわけありませんが、私はそういうことではないかなという感じを実は持っているわけでございます。
  18. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 念を押しますけれども、それが共同研究であって、いま言ったような非常に、公開か非公開かという部分が絡んでくる。ところが、共同研究ですから、企業との共同研究の場合、これはその成果というのは企業も分かち合っているわけですよね。それが今度は企業内部では企業秘密ということで、結局はこの研究施設を利用して、企業が企業秘密の名のもとにそれを抑え込んでしまうということになって、まさに企業に利用された、こういう結果になっていくわけです。それは公開できないんですから、あくまでも都内秘でもってどこにも出ていかないという点がありますので、私も、では具体的にどの程度までのどの点ということになりますとよくわかりませんので、私の方でももう少しその辺は調べてみたり聞いてみたりして、この点だけはひとつ次回までにもうちょっとはっきりさせてもらいませんと、非常に問題が残る部分だと思いますから、灰色部分としてこの問題はそこのところだけ保留しておきます。  次に、研究施設の建設をめぐって地元住民との問題、トラブルがいろいろ起きてきたわけですね。昨年の二月、ちょうど一年ちょっと前になりますけれども、当時、局長も参議院の会議室か何かに出られたと思うんですけれども、前の別の局長だったですか、理研側の代表理事、それから松田審議官ですか、等もおいでになりまして、現地住民との間には、住民の合意がない限りはくい一本打ちません、こういうことをそのとき明確に約束されたんですよ。そのときに、地元の同意というのは何だと、町が賛成と言ったらそれでいいのかと言ったら、いや、それはあくまでも住民の皆さんが当然含まれます、町当局だけがうんと言えばいいということじゃない、そういうことまで発言をされておったんです。それで住民は安心して帰ったということなんですけれども、その後の状況というのはそれとは別の方向に行ってしまったということなんです。  そこで大臣、P4の問題に限らず、原発に限らず、要するに環境に一定の影響を及ぼす施設あるいは研究機関等というものが設置される場合には、これはやはり地元住民の同意を得るということは私は憲法上も当然のことだと思うんです。  日本の現憲法では、あくまでも基本的人権、生命あるいは生活、幸福、職業、あらゆる面での基本的人権というものを非常に手厚く保障しているわけです。保護じゃないんですよ、保障しているんです。そういう点から考えますと、最後に問題になるのが、公共の利益とか公共の福祉という問題と、それから個人の基本的人権、そういう個人の利益とのかかわり合いの問題になってくると思うんです。そこで特に私は、単なる利益的なものでなくて、住民の生命とか健康とかに影響を及ぼす環境、公害の問題に関連するわけですが、そういう問題について厳しく憲法の基本精神というものとのかかわり合いで検討する必要があるのじゃないか。  後ほど放射線被曝の問題でもお聞きしますが、分野は違っても本質的には同じだと思うんですが、御承知のように国際放射線防護委員会の七七年の勧告の中でどういうことを言っているかというと、十一項目のところで「人間の諸活動に関するたいていの決断の基礎をなしているのは、費用と利益とを暗々裏にはかりにかけた結果、ある選ばれた行為は行う価値があると結論される、という形式である。それほど一般的ではないが、選ばれた行為の遂行は個人あるいは社会に対する利益を最大にするように調整されるべきであるということも認識されている。」ということなんですね。ただ公共の利益とか国家政策の名のもとに個人の基本的人権が一切無視されるということになれば、これはまさに国家による暴力行為になるわけでして、これは憲法が厳に禁止しているところです。  そういう点で、個人の許容し得る範囲内の忍耐といったらいいんですか、権利放棄といったらいいんですか、そういうものでなければいけないと思うんですけれども、今回の建設に当たっては地元住民との安全性の論議というのが必ずしも十分でなかった。説明がその都度変わっていった。それから関係諸官庁の意見も、私は国土庁にも当たったり、厚生省にも当たったり、もちろん科学技術庁、それから理研の考え方、これをいろいろ聞いたわけですけれども、微妙に少しずつみんな食い違ったりしておるわけです。これはいままで何回も論議をやっておるからはっきりしておるんです。地元住民の一番心配したのが安全性の問題ですから、その都度答弁が変わっていくというふうなことではこれは納得するわけがないんです。そういう点で、約束がほごにされたということは、私も立ち会っておりますので、非常に遺憾に思っているんです。しかし現に建設が強行されております。  そこで、この前実は現地に行って、これは科技庁当局からも担当者が参りましたし、理研側からも出てまいりましたし、それから周辺の町村の皆さんも後で見えたんですけれども、その論議の中で私が一番驚きましたのは、地域住民というのは一体何なんだ、住民の範囲というのは何か、こう言ったら、それは行政区域を指すんだという答弁が返ってきたわけです。これはもう全く官僚的発想でしてね、地元住民というのはその施設が建つことによって影響を受ける人たちなんですよ。だから、地図の上で線を引いて、ある町の外れにあったとします。そこには住民はいない。ところが、地図の上の線一本の向こうに隣村の人がおって、この人たちがその施設の影響を一番受けるというときに、影響のない行政区域の町当局の賛成を得たからそれでいいんだということにはならぬわけですね。そういう点で、全く何を考えておるのか、じゃ地元住民という地元という意味はどういうふうに判断をするんだ。こういうことで、これは改めて委員会でお尋ねをいたしますと言ってそのとき別れたんですけれども、これは重大な問題ですので、局長の答弁になりますか、大臣の答弁になりますか、地元というものは一体何なのかということを明確にさせていただきたいと思います。
  19. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 先生が最初に御指摘の御会合のときには、恐らく私ではなかったと思います。それは別に関係がないわけでございますが、私ども、地元というものの範囲を考える場合に問題を二つに分ける必要があるんじゃないかという感じがいたします。  一つは、これは問題を分けるという点で、ある程度はっきり申し上げるわけでございますが、当該施設を着工するというか当該施設の建設に着手するというような、そういう時点での判断の問題、それからもう一つは、実態的になるべく広い範囲にわたっての地元の方々に理解を求めるように努力をするという問題、この二つあると思います。  第一の、建設をするとかしないとかいう問題につきましては、もちろんなるべく広範な地元の方々に御理解をいただくといういろいろな努力を積み重ねての上でございますけれども、基本的には当該施設が建つ当該町、そこの御承認あるいは町議会の御承認、こういうものではないかと思っております。そうでないと実際上仕事が進まないわけでございますから、そこで、特別に例外的な場合は何かあるかもしれませんけれども、原則的にはやはり当該地域団体の立地している当該町の同意、町議会の同意、それを得て着工するというのが私どもの基本的な考え方であるわけでございます。  ただ、第二点の、なるべく広い範囲にわたりましてこういった施設についての御理解をいただく、こういう点につきましては、私どもは当該行政区画だけで十分であるとは思っておりません。したがいまして、隣接の茎崎ですとかそういうところにも理研の幹部等が説明に行っておりますし、それから、地元におけるいろいろな説明会におきましても、周辺の自治体に住む方々、そういった住民の方々も入ってきて、いろいろな御説明を聞いているのではないかと思います。  私どもの物事の整理の仕方としては、以上のような考え方でおるわけでございます。
  20. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 それは逆じゃないかと思うんですよね。最終的に着工する場合に、たとえば建設道路が必要だとかということで、その行政区域の自治体の町とか議会の同意を得てやるというのは、これは最終的な、具体的な工事へ入るという場合に必要なことなんです。しかし、最も影響を受けるのが、そうでなくて他の行政区域内の住民であるという場合には、まずそこの同意が絶対必要です。  これは、たとえばごみの焼却炉とか、東京都でもずいぶん問題がありましたよ。焼却炉を建てるのはAという区である、しかしそこへごみを運ぶために隣接の区を必ず通らなきゃならない、ごみを運んでいく場合。そういう場合に、建てるところがAという区であるからそこの同意さえ得ればいいといったって、そこの住民というのはほとんど影響がない。むしろ隣接の方から道路があって、最も影響を受けるのはそこの他の区域の住民だというときに、そんなのは後でいいんだ、まずこっちの方さえ許可をとってしまえばそれでいい、あとは皆さん御理解くださいと言っておけばそれでいいというのは、これは僕は全く発想が逆だと思うのです。  そうでなくて、最も影響を受ける住民の理解と同意を得て、その上で具体的に、施設というものが隣の行政区域にあるから、そこで具体的な着工あるいは建設道路等をつくるにはそこの許可、たとえば建物ですと市町村の建築課の許可を得るとか、道路に当たってはあるいは土地の取得等に当たっては、県知事等の許認可事項に属するものについては県知事の許認可を得ていく。これは最終的な段階の手続的な問題ですよね。  最も基本的な、影響を受ける住民の同意、合意というものがなくして、それを非常に軽く見ちゃってそっちを二の次にするというのは、私は主客転倒した発想だと思うんです。これは僕は、官庁的なそういう手続的な面に重点を置いた発想では、今後のあらゆるこういう施設の建設に当たって常にトラブルが起きていくと思うんです。これは大臣いかがですか。
  21. 安田隆明

    ○国務大臣(安田隆明君) いろいろいま吉田先生の議論を拝聴いたしておりました。私たちが行政を執行する場合、憲法論がいま出たわけであります。いわゆる個人的人権、あるいは許容する、許容の云々という問題がございました。われわれが行政を執行する場合には両側面を持っておりまして、いわゆる憲法上に基づく基本的なそういう問題と、もう一つは自治法がこれをとらえている一側面があるわけであります。これはもう釈迦に説法でございますから吉田先生十分御承知でございますが、今度のこの問題は、やはり自治法に示すいわゆる行政の執行についての取り扱いを一体どう運ぶか、こういう問題になるわけであります。だから、住民投票によらなければならないというあの自治法が示している精神、これは今度の場合はこの許容の中には入らないでしょう。しかし、考えてみれば考えてみるほど、吉田先生のおっしゃいますように、地元住民の了解を何としてもいただかなければこれは事々はうまく運ばない。こういうことでございますから、地元の協力を要請する。そのいわゆる手順の問題でどうであったかということになると、先ほど原田局長が申しましたように、いささか反省する面があったろうかなと、こういうことをさっき申し上げておるわけであります。  ところが、考えてみると、地元の御了解を得るにつきましては、非常にいろんな本を読みました、地元から出ている。これは余りにも技術的で、先ほど吉田先生がおっしゃいましたように、本当にこれはいわゆる知見を持たなければちょっとわからないようなむずかしい技術的な、私もわからぬわけでありますが、そういう問題であるだけに、地元の住民の御了解を得る手法としてはなかなかむずかしい案件であった、こういうことであります。  しかし、やはりこれは、先ほど来お話がありましたように、何といいましても日本の今後の科学技術政策を推進するためには必須のものでありますから、何としてもこれはやらしてほしいということで、最終的に地元の合意を得なくちゃならないということでの自治法上の精神にのっとっての議会の御同意、町の御同意を得たと、こういうことでございます。ただし、周辺はと、こうなりますると、確かにおっしゃるとおりであります。周辺を無視してこれを強行するという手法は、これはわれわれは本当に好ましくありません。  だからして、これからどうするか、こうなりますると、吉田先生がおっしゃいますように、周辺の地元の御了解を得るその努力はいまやっておる最中でありますから、これはたゆまない努力をわれわれは今後とも続けていきますと、こういうことで御了解願いたいと思います。非常に残念なことには、本当にこれをむずかしく取り上げまするというと、こわいもの、恐ろしいもの、こういうところ一点張りでいきまして、技術的に余りにもこれがむずかしい案件でありますために遺憾ながら御了解を得るのに時間をとっちゃった、こういうことでございますので、おっしゃるとおり、今後とも周辺の御了解を得るための努力はたゆまない努力を今後とも行っていきますから御了解願いたい、御理解願いたい、こういうことでございます。
  22. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 いまの大臣のお答えでは了解できるわけです。したがって私としては、強行した後その周辺の了解を得るということでなくて、やはり事前に、若干その前の部分で時間がかかっても、周辺を含めた直接最も影響を受ける地元、これは行政とそこに住んでいる住民を含めまして、真の意味での地元の同意を得ることの方が、その後の建設それから建設後の運営上、これは反対がありまして、たとえば隣の村ではまだ本当に賛成をしていないというふうな状況がありますと、今後の運営上にもいろんな意味で支障が出てくると思うんです。だから、長い目で見ますと、決して先を急ぐことはよくない、かえって障害を後に残し、延ばし、より大きくしていくというふうな運営上非常に好ましからざる結果が出てまいりますから、これは特に長官として今後その点は十分にひとつ配慮をしていただきたい。いまのお言葉でわかりましたけれども、そういうことで御配慮を願いたいと思うんです。  それからもう一つ、そういう大きな問題から比べればあるいは小さな問題かもしれません、実は大した額でないといえば額でないんですけれども、この建設をめぐりまして、住民の理解を得るということで、いろいろ新聞等を使ってPRということをやられる。これはいい意味で、正しい知識といいますか、そういうものを住民の皆さんに与える、理解をしてもらうという点では私は否定はしないんです。ただ、反対派の意見を抑えるとか、強引に賛成の方向に世論というものを持っていくということで、少なくとも客観的に見た場合に、特定新聞とか雑誌というものを俗に言う買収と思われるようなやり方までやってやることが果たして妥当なのかどうなのか、非常に疑問に思うんです。  地元紙、もうはっきりしておりますから名前を挙げてもいいと思うんですけれども、地元の常陽新聞に二十回にわたりましてこのP4をめぐる記事が出たんです。これは私どもが調査に行く前にもうすでに出たんです。この常陽新聞ですね。ところが、同じ常陽新聞に、一方でそういうものを掲載しながら、一方では今度、八二年の回顧ということで「明と暗 年を越す課題」「汚い理研の裏工作」「P4建設、拭えぬ不信感」というタイトルで、科技庁それから理研当局が関係町議会の議員を買収したとか、あるいは新聞に金を払って記事を買収した、こういうふうなことが書かれておるわけなんです。  私どもこの前行ったときに、これは科技庁当局の担当者も行っていますから、そのときにもいろいろ聞いたんです。ところが、どういう結果が出てまいりましたかというと、常陽新聞に記事として出ているんですけれども、広告なら広告でよろしいんです。理研とか科学技術庁が広告と。よくある総理府広告とか総理府何とかというふうな形で書かれるんなら、ああこれは総理府の立場で言っているんだなということがわかるんですけれども、そうでなくて一般記事として二十回書かせておるんです。それで、一般記事であれば当然金を払う必要はないわけです。記者の取材活動としてやるわけですから、金を払うなんということはどんな新聞だって考えられないわけです。仮に各記者に金をやれば、これはもう個人的な買収ということにもなるでしょうし、記者の倫理綱領からしてもそれは許されることじゃない。  ところが新聞社に三百万円を渡してやる、こういうことが一体いいのか、一体その金はどこから出てくるのかという点が問題になるわけです。とにかく二十人の人からの意見発表という形で二十回にわたってやった、これに三百万円払った、ほかに広告掲載ということで四ページで八十万円を払っているということになっているんですが、大臣はこういう事実については御承知でしょうか。
  23. 安田隆明

    ○国務大臣(安田隆明君) 私もその話が耳に入りまして、御報告を受けました。その内容は吉田先生御指摘のとおりでございます。地元の新聞と協力をして公正な立場においてひとつこのP4問題についての理解を深めたい、こういうことでのいわゆる財政支出を行っている、こういう事実は私も報告を受けました。いまはその報告を受けましたということだけ御返事申しておきますが、受けました。
  24. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 補足して御説明申し上げますが、先生の御指摘のとおり、地元で必ずしも何と申しますか説明が十分であったかどうかという点につきましては、従来の経過から、なかなか一部の住民の方々に御理解いただけないという点もあったわけでございまして、そこで理研当局といたしましては、この地元の新聞に地元住民の理解と協力を得るために一体どういう方法があるかということで率直に御相談申し上げて、それで先生のいまのお話のとおり地元の新聞社と契約を結びまして、しかるべく経費も提供いたしまして、むしろ公平中立の立場から、私どものあれによりますと、全体が二十名でございますが、十二名がそのうち賛成派でございまして、六名が反対の立場でございます。残りの二名が中立の立場でございますが、そういったことで特集記事をつくっていただいたわけでございます。  私どもといたしましては、こういうような措置も講じまして、なるべく地元の方々に、こういった公正中立な記事というものも参考にしながらひとつ御理解を深めていただきたいと、こういうことでやったものと聞いております。
  25. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 もっともらしい説明でなくて、この記事は、いま言ったように、たとえば理研当局とかあるいは科学技術庁というものが公的に理解を得るという立場で出された記事というふうに受けとめますか、これは一般記事というふうに受けとめますか、どちらなんですか。
  26. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 私どもは、理研が新聞社とお話をしてしっかり契約を結んで、それで公正中立の立場から新聞社が特集記事を営んだ、編成をしたと、かように聞いております。
  27. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 長官、そういう説明をされると、これはとてもうんと言うわけにいかぬですよ。  これは一般記事の形で出ているんですよ。読んでいる人は、これは理研とそれから常陽新聞が契約をしてこの記事を載せましたなんて思っている住民は一人もいないですよ。また、これはそういう形態をとっていないですね。各新聞社が、たとえば原子力特集記事を書いていくとか、あるいは続き物でエネルギー危機の連載物をするとか、あれは一々通産省が新聞社と契約をしてああいう記事を書かせますか。いままで、そんな例がありますか。ないでしょう、そんなことは。そうでなければ、各広告で、いろんな広告が出ますが、広告を出す場合に広告の主催主が不明だなんていう広告なんてあり得ませんね。  これはまた、新聞綱領からしてもそんなことは考えられない。だから、地元の各社の記者は、えらい記事が出たものだという、わかってからですよ、批判ですよね。他の新聞社もそれまでは、そういう事実があるかどうか、本当に契約があるならば大変だということだったんですが、その事実がわからないうちに書くということは問題だろうということで各社も遠慮をしておったんです。私どもが行って、間違いなく三百万円の契約でやったということで、東京の大新聞も、こういうことが行われたということで今度は堂々と記事にして出したわけです。  これは、新聞社の立場、新聞記者の立場からしても、契約なら契約に基づいてこれを連載しますということが一言あれば、それで何にも問題がないですよ。だけど、一般記事、そういう新聞社の判断でもって出されている普通の記事、連載物というふうにだれだって受けとめているんです。それを、何か正当化するようなそういう発言は、全然問題にならない。契約したなら、契約に基づいてこういう記事をこれから連載しますとか、何か一言あればそれでいいんです。そういうのを買収と言うんですよ。あたりまえじゃないですか。そんなことが可能ですか。たとえば科学技術庁が、このP4でもって理解を得ますということで、朝日、読売、毎日等の全国紙に連載で、P4とは何ぞやということで書くというときに、契約を結んで、そこに科学技術庁と。これに基づいて理解のために何とかと、何にも書かないで一般記事として出すために契約なんかしてやりましたか、いままで。政府機関やそういうところでありますか。これは民間だってないでしょう。広告は広告ですよ、明らかに。新聞綱領上からしたってこれは問題なんです。それを、契約したからって。契約すら隠しておったんですよ。ばれたから、実は契約して三百万円払ったんだと。これは後になってわかったんです。これを大臣、どういうふうにお考えになりますか。
  28. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 本件につきましていろいろな御意見があると思います……
  29. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 意見じゃないですよ、倫理の問題ですよ、これは。
  30. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) ただ、理研の地元の方々に協力を得るためのやり方、それを率直に地元の新聞にも御相談申し上げ、両方の間でこういうことでやろうということで契約をして、この意見の内容も先ほど申し上げたようなことでやっていたわけでございまして、私どもといたしましては、地元の理解を得るために理研としていろいろ相談をしてやった必要な行為ではないかと、かように思っております。
  31. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 目的がよければどういうやり方をやってもいいということになりますか。こんなことが許されますか、大臣。これは金はどこから出ているんです。理研というのは公的な機関ですよ。国の補助金だっていろんな意味でいっているんですよ。こんなことが許されますか。目的がよければ何をやったっていい。金を出して契約して幾らでも書かせるなんて、こんなことができますか。広告ならいいですよ、広告なら。広告として金を払ってやるというのは、それは当然承知の上だ。見る側も、これは広告ですねということで見ていくわけでしょう。これは一般記事として扱っているんですよ、一般記事として。一般記事なら何で金を出さなきゃならないんですか。
  32. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) もうたびたび申し上げておりますとおり、地元の理解と協力を得るために、ひとつ公正中立の立場から特集記事を連載するということで、理研と地元の新聞との間で正式な契約を結んでやった行為でありまして、私どもは、地元の方々の理解と協力を得るために理研としてとった必要な措置ではないか、かように考えております。
  33. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 そうやって言い張っておいでになりますけれども、それでいいんですか。理解と協力を得るために金を出して一般記事でもってやるということが許されることですか。それは、新聞綱領の観点からしたって。また、公的な機関が、広告としてでなくて、そんなものを金を出してやらせるということができるんですか。政府の場合どうですか。総理府がいろんなものを出す場合どうなんですか、一般記事として出していますか。裏でもって契約して金を出して一般記事で出しますか。各省庁のはどうですか。民間だって、一般記事でもって、金を出して記事を買収して書かせるなんということはありません。そんなのは新聞綱領上許されないことですよ。それをいまあなたは堂々と認めて、いいんだという言い方をして言い張っている。本当にいいんですか、それで。あなたの判断じゃだめですよ。大臣、どういうふうにお考えになっていますか。
  34. 安田隆明

    ○国務大臣(安田隆明君) 私も地方行政をやっておりましたけれども、各地域においていろいろまた事情もおありかもわかりません、違うかもわかりませんけれども、ある行政目的を持って一つのキャンペーンをお願いしたい、こういう行政目的があった場合に、地元の各紙の皆様方から御協力を願おう、じゃ、ともに一緒にやろう、こういうわけでお互いにいわゆる費用を分かち合いながらキャンペーンを今度やっていただこう、こういう行為はわれわれ地方自治の中においても行われる例がある。そして、これはあくまでも公正な立場でやってもらおう、本当に理解してもらおうじゃないか。しかし、どういうところにどういう反響を住民が持っているのだろうか、これをみんなに知ってもらおうじゃないか。こういうことで行う行為というものは、これはあり得る。いままでやった例もある。ただし、いま吉田さん御指摘のように、これが誤解を招くとか、それから本当に支出行為としてこれは広告料としていけないのかどうかということになりまするというと、これは私たちの行った行為は、皆さんにいわゆるP4というものの御理解を願いたい、広くそういうキャンペーン活動をお願いしたい、計画取材として御協力願いたい、こういうことになればこれはひとつ御理解をいただけるものであろう、こういう視点に立っておるわけであります。  しかし、いろいろ誤解を招くようなそういう行為をいま御指摘いただく、こういうことになりますれば、今後、こういうことをも含めまして、私たちはやはり反省を込めてさらに別の手法を使う、こういうこともあり得るだろう、こう思っておるわけであります。そういうところでひとつ御理解願いたいと思います。
  35. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 大臣ね、大臣はよくおわかりなんです。地方自治体等がいろんな、たとえばこれから新しくテクノポリスだとかいうものの建設をやっていく。テクノポリスとは何ぞやということで自治体が直接に記事を書きたいという場合には、そこに当然自治体の名前が出ますよね。それで協力してやってもらうという場合には、自治体の名前を書く場合には、当然これは広告料の形になりますから金を出しますよ。そうでなくて、一般記事で自治体が金を出したなんという例がありますか、その記事として書かれているものに。例があったら言ってもらいたいですよ、局長はさっきから言っているけれども。そんな例がありますか。あったら言ってくださいというんですよ、あなたは正当化しよう、正当化しようとしているけれども。理解はいいですよ、それは。  あれだけ石油危機で騒いだ。石油危機の問題についてはこうでしたよ、石油の状況はどうなっている、需給状況はどうだと、連載物も出ましたよ。政府はそれに金を出しましたか。それを聞いているんです。そんな例がありましたかというんですよ。目的がよければ手段は何をやってもいいのかということを言っているんです。  大臣だって、もう長い経験で自治体の状況はおわかりです。そんな一般記事の形で金を出したことがありましたかと聞いているんです。それはまた新聞綱領上からも許されることですかというんです。だから新聞記者は、こんなものが出て、記事そのものはどうということはないですが、契約して金を出したということでもってみんなびっくり仰天したわけでしょう。そのことを言っているんで、私は、理解と協力を得るための記事の中身がいいとか悪いとか言っているんじゃないんです。それを正当化しようとする、そんなあいまいな、そのことがいけない。そういう考え方でもってすべて建設を強行するというから、ますます住民は反対するんですよ。新聞社を買収してまで一般記事を装って、公正さを装ってやっている。許されることじゃないです。  それで、その契約書というのはごらんになりましたか、局長。
  36. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 契約書は私も、一般に公表になった段階で拝見いたしました。まあ、こういうことが一般に行われているかどうかという点について私どもはつまびらかでありません、率直に申し上げて。ただ、何遍も申し上げておりますとおり、地元の住民の方々の理解を得るための方法として地元の新聞社ともよく相談をいたしまして、その結果を拝見しますと、推進派、反対派、中立派の状況が先ほど申し上げたとおりでございます。この記事の中身等については、もちろんこれは新聞社の方で自主的に判断されて掲載されたわけでございまして、私どもといたしましては、先生の御指摘の問題もよく踏まえて今後の対応を、今後いろいろなことをやる場合につきましては一つの参考としてよく検討させていただきますが、この件につきましては、やはり理研といたしまして地元の方々の理解と協力を得るために必要な措置ではなかったかと、かように考えております。
  37. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 そんなことを聞いているんじゃない。大臣、これだけ論議をやったらおわかりですよね。私は、書かれた記事がどうとか、目的とか考え方、理解を得るために、そのことを否定しているんじゃないんですよ。ただ、三百万円も金を出して記事を買収という形になっているわけでしょう、はっきり言って。だから、そういう例があったら言ってくださいというんです。いままでそういう目的で理解と協力を得るために一般記事でもって書かせて政府が金を出したことがありますかというんですよ。そのことを聞いている。あったら言ってくださいというんです。  しかも、その契約書については、私どもの方で科技庁にも、契約書の内容を下さい、何も秘密でないんでしょうと言ったら、そんなのは出せませんと言って断ってきたんですよ。何か断る理由があるんですか。あなたはいま、公開されたから契約書は見ておりますと言うが、その契約書を私が調査の必要上下さい、また金がどこから出ているのか、金の出所、項目も聞きたい、予算費目のどこから出しているのかも聞きたいと言っても、これだって明確にしなかったじゃないですか。いままで何回聞いたってはっきりしていないんです。そんなばかなやり方がありますか。そんなに公正でちっとも悪いことでなかったなら、私が資料として下さいと言ったら堂々と契約書を出せばいいだろう。予算も、どの費目から出したのかと幾ら聞いたって、ちっとも明確にならない。やっていることが間違いなんですよ。許されることじゃないんですよ、その三百万円の契約というのは。広告ならいいですよ。それを答えてください。その契約書の写しが何でわれわれによこせなかったのか、何か理由があるんですか。
  38. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 当時先生と私どもの担当との間にどういうやりとりがあったかは私余りつまびらかに存じてはいないわけでございますが、恐らく、新聞社と理研との間の個別の契約でございますから、したがいまして、こういった契約につきまして一つ一つこれを公にするのもどうかなと、こういう感じがあってお断りをしたのではないかと思っております。
  39. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 これ一つ聞いても大臣おわかりでしょう。地元の住民の理解と協力を得るために新聞に堂々と掲載をしてやっていくということなのに、契約が表へ出せないなんて、そんなばかな話がありますか。両者で悪いと思っているんですよ。これは常識なんというものじゃないでしょう。新聞社の立場からしたって、こんなことが許されるわけはない。何で発表できないんですか。秘密にしておったんですよ。買収して契約したなんということは秘密にしておったわけだ。それがばれた。内部告発でばれたんですよ。あなたたちのいま言う理由、目的からするなら、秘密にする必要はないでしょう。それを秘密にしておった。ばれたら今度は、その契約書は出せません。  これはこれ以上言ってもしようがないでしょうけれども、大臣、そういうやり方でやってきたということなんですよ。ほかに例があるかといったって、聞けないでしょう。契約書がありますよ、私のところに、ちゃんと。そういうでたらめなことをやっておる。  それから、どこの予算費目から出したんです。これぐらいわかるでしょう、実際金を出したんですからね。
  40. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) こういう建設工事をやる場合には、一般的に認められていることでございますが、附帯事務費という項目がございます。これは、原則として全体の工事費の一%程度が認められているものではないかと思っておりますが、これは工事に関するいわば庁費のようなものでごさいまして、地元の理解と協力を得るために必要な経費もその中から支出できるわけでございますが、その附帯事務費から支出していると私どもは聞いております。
  41. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 通常、そういうものを附帯事務費の中に含めている例がございますか。工事附帯事務費の中にそんなものが入っている例がありますか。官庁でございますか、大臣、おわかりでしょうから。広告費だとか教宣費とかなんとかというんなら話はわかりますよ。通常だったら、敦宣費とか広告料とか、そういう中に入れるべきでしょうけれども、工事の附帯費なんていうそんなところから出すなんていうのはね。  大体、こんなものはなかったんです。もともと予定されていなかった。ところが、反対運動もあるし、とにかく何とかしてつくりたいということで、どこかから金を出そう。とにかく金だけ出して、後でどこから出すか頭をひねればいいということだった。私たちが行って聞いた段階では、どこから出ているかわからない。後になって適当に、その辺をつつかれないように適当な費目から出せということだった。  どこから出ているかというのは、実は最初から私どもはわかっておった。言わなかっただけですよ。だけれども、聞いたときには、どこから出ているか調査中でわかりませんと言っている。現地へ行って聞いて、出ていることは間違いない。どこからだ、それじゃよく調べます。翌日のお昼まで。こんなものは調べればすぐわかる。ところが、翌日になったってなかなか、いまどこだかわかりませんと、一向わからぬ。結局最後は、どうもまだはっきりしませんということで、一週間たったって十日たったってね。きょう初めてだ、附帯費と。どこから出ているかというのはわかっているんですよ。秘密にすべきものではないです、これは公的な予算なんですからね。また、公的な予算を秘密にして教えないなんていうこと自体が大問題です。公費でしょう。一企業じゃないですよ。  大臣、これ以上は言っても仕方がありませんからやめますが、実態はかくのとおりでございまして、科学技術庁の監督下にある理研の問題、あるいは裏ではこれは科学技術庁当局が指導してやったんだろうという話もありますし、その辺は両者合作だったろうと思いますけれども、そういう点で大臣、そういうところで知らぬ間にどんどんこういうことが行われておりますので、経験の豊かな大臣でありますから、今後こういうことのないように、ひとつ注文だけ申し上げまして、このP4の問題は終わります。  次にそれでは、まだあと二つ大きな項目が残っておりますが、一応予定では廃棄物問題でお尋ねをするという順序になっておったと思いますから、廃棄物問題についてお尋ねいたします。  現在、これは原子力施設に限りますが、現在までに発生した低レベル廃棄物の量と、それから高レベル廃棄物の量はどんなになっておりますか。
  42. 高岡敬展

    ○政府委員(高岡敬展君) お答え申し上げます。  まず、低レベルの廃棄物の量でございますが、五十七年の九月の末ということで、二百リッターのドラム缶にいたしまして四十三万本ございます。このうち原子力発電所の関係で出ておりますのが三十二万本だと承知しております。あとの十二万本程度は原子力発電所以外の、動燃でありますとか原研でありますとか、あるいは核燃料の加工施設その他で出ておるものでございます。  それから、高レベルの廃棄物につきましては、これは先生御承知のとおり再処理の運転に関連して出てまいるものでございますが、ことしの一月の末ということで、百五十二立方メートルというものが発生いたしております。  今後の発生の見通しでございますけれども、低レベルの廃棄物につきましては、ここ数年ということで御理解いただきたいのでございますが、年間大体六万本あるいは七万本毎年増加をするということではないかと予測いたしております。ちなみに、こういった廃棄物は発電所のサイトに保管をされておるわけでございますが、その保管能力は現在のところ六十九万本でございまして、多少の余裕を持っておりますし、原子力発電所のサイトには土地の余裕もございますので、必要に応じて保管能力をさらに拡大するということが可能でございます。  それから高レベルの方につきましては、先ほど申し上げましたように、わりあいコンパクトといいますか量が少のうございますので、この処理につきましての試験研究はいろいろやっておりますけれども、当面貯蔵能力の増加をして対応するということを考えておるわけでございます。
  43. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 いまの数字、大体私の方でいただいた資料でもほぼ同じ数量なんですが、しかし、いままで発表された数字が二、三カ月ごとぐらいにずいぶん変動をしたということがありまして、これは処理との関係で減容されたからということになるのだろうと思うんですが、そこで、処理の方法については低高ともどのように考えておいでになりますか。どんどんふえていくわけですね。去年の十月の段階での各原子力サイトにおける貯蔵施設としては、二十九棟で五十万四千六百本のものしかないということであったわけですね。だから、もうそろそろパンクするという状況ですから、さらに毎年六、七万本ずつ出てくるということになると、現在の貯蔵施設ではこれはもう追っつかなくなるということですので、どういうぐあいにこれからこの貯蔵を考えておいでになりますか。
  44. 高岡敬展

    ○政府委員(高岡敬展君) 先ほど数字を挙げて申し上げましたように、量的にも多くて問題の主体になっておりますのが、原子力発電所で出てまいります放射性廃棄物、低レベルの廃棄物でございますが、これは内容にわたっていろいろ申し上げる必要はないかと思いますが、紙でありますとかあるいは布でありますとか、そういう可燃物の雑固体と称しておるものがございます。それからゴムその他、ガラス、コンクリート、金属、難燃性の雑固体というようなものがございます。それから、循環水の浄化のために使います樹脂が廃樹脂のかっこうで廃棄物になるということもございます。それから、廃スラッジでありますとかあるいは濃縮廃液といういろいろな雑多なものが名前のとおりあるわけでございますが、さきに申し上げましたいわゆる雑固体につきましては、現在のところ一般的に言いまして、ドラム缶に詰めてその施設内に貯蔵しておるというのが一般的な状況でございます。  一部の発電所につきましては、こういうやり方ではどんどん廃棄物がたまっていく一方だということで、少なくとも可燃性のものにつきましては、燃焼させて減容した上でためておくということをやりたいということで、すでに実施をしておるところもありますし、今後こういった施設の整備を図っていこうということを予定しておるところもかなり出ておるわけでございます。  それから、難燃性の雑固体につきましても、圧縮をいたしまして減容化を図っていきたいということで対応を考えております。そういうことで、雑固体につきまして申し上げますと、できるだけ可能な範囲で減容化を図って貯蔵負担というものの軽減を図りたいということで処理しておるわけでございます。  それから、先ほど申し上げました廃樹脂、廃スラッジといったものにつきましては、これは当面貯蔵タンクに保管をする以外に手がないということで、その安全保管ということに留意しておるわけでございます。最後に申し上げました濃縮廃液につきましては、これは洗濯廃液の終末産物でございますが、セメントあるいはアスファルトで固化をして施設内に貯蔵しておるということが現状でございます。  この減容化につきましては、先ほど申し上げましたように、焼却処理でありますとかあるいはアスファルト固化でありますとか圧縮処理というようなことはすでに一部でも発電所に導入をされて利用されておりますが、たとえば廃樹脂などの処理につきましても、プラスチック固化をして将来陸地処分に向けるということで、いろいろな研究でありますとか各種の準備が行われている。それからマイクロ波溶融でありますとか、酸消化処理でありますとか、そういった新しい廃棄物の処理技術の開発も並行して行われておるというのが現状でございます。
  45. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 それで、その低レベル廃棄物の処分の方法と費用としてはどういうぐあいにお考えになっておりますか。
  46. 高岡敬展

    ○政府委員(高岡敬展君) 廃棄物の問題につきましては、処理につきましては一応の実績がありますから費用の推定がかなり正確にできておるわけでございますけれども、処分につきましては、海洋処分の面でも試験的な海洋処分ということをまず予定しておるわけでございますけれども、御承知のような事情でいますぐ実施に至れないということでございますから、必ずしもコストの推定というのが正確にできる状況ではございません。それから陸地処分につきましても、正確な推定ということは必ずしもできておらぬわけでございまして、これがどちらが経済的な負担が少なくてできるかどうかということがわれわれの関心事でもありますけれども、必ずしも的確に判断し得ないという状況でございます。  恐らく、われわれ考えておりますのは、フランスなどでは海洋処分をするよりも陸地で処分をした方がコスト的に非常に安いということを主張いたしておりますが、フランスという国情、自然的な条件あるいは社会的な条件下ではそういうことが可能なんではなかろうかと思いますが、日本で果たしてどういう関係になるかということはよほど実績を踏まえて判断しないと、フランスと必ずしも同じではないというふうに考えます。  それで、処分について、たとえば低レベルの処分の費用がどの程度になるかということにつきましては、いろいろ検討がされております。先ほど、正確には数字がはじけないということを申し上げましたけれども、大体この範囲のものであろうという程度の推定はされておりまして、これは民間で試算された結果でございますが、現在のところ原子力発電所のコストがキロワットアワー当たり十二円というような数字が一般的に言われておりますが、その中で、この試算によりますと低レベルの廃棄物の処分ということのための費用というのは十銭程度であろう、その前後の数字になるのではなかろうかという一つの試算がございます。この十銭というのが非常に正確なものであるかどうかということは疑問がなしとしませんけれども、大体その程度のものであろうということで考えておるわけでございます。
  47. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 施設貯蔵の場合の計画としてはどういうぐあいにお考えになっているんですか。施設規模あるいはそれに要する建設費、これはどういうぐあいに考えておいでになりますか。
  48. 高岡敬展

    ○政府委員(高岡敬展君) 先ほど申し上げましたように、海洋処分というのが試験的処分というのもいますぐには実施できないということでございますので、本格的な処分となりますとかなり時間を要するということがございます。  それから、日本の国内の状況を考えましても、陸地で処分をする、つまり人間の管理を離れて環境に、言葉は悪うございますけれども放出をするということが処分の考え方だと思いますので、そういうことが日本の社会的な環境、自然的な環境ですぐといいますか、容易にできるということが必ずしも考えにくいという事情がございます。そういった観点で、いま御指摘がございました発電所の施設外に三十年あるいは五十年程度監視をしながら貯蔵するということが、実際的な処分、対応の方策として浮かび上がっておるわけでございまして、私どもでもこのための検討をいろいろと進めておるわけでございます。  ちなみにこの考え方は、昨年の六月に設定されました原子力の開発利用の長期計画でも、できるだけ早くといいますか、早期に開始をするということで準備を進めるという方針が示されておるわけでございます。現在、去年の秋ぐらいから専門家の参加を得ましていろいろ検討を進めておりますけれども、たとえば……
  49. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 だから、施設規模が幾らで、どれぐらいの計画で、どれぐらいの費用がかかるか、それを端的に答えてもらえばいいんですよ。
  50. 高岡敬展

    ○政府委員(高岡敬展君) はい。そういう規模につきましては、現在のところ必ずしも具体的にこうだという数字が検討の結果明確には浮かび上がっておりませんけれども、われわれの念頭にありますのは、たとえば一つのサイトで五十万本あるいは百万本のドラム缶が貯蔵できるというものを一応の念頭に置いて検討しておるわけでございます。こういったものにつきましては、安全管理のあり方とかその他事業形態あるいは法令の整備その他の必要な事項について検討を進めておるという状況でございます。
  51. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 いまおっしゃった原子力委員会の開発利用長期計画というものに基づいていまいろいろ検討されていっているんでしょう。だから、どれぐらいの施設というのが将来必要だろう、賀用というのはどれぐらいかかるだろうというのは、どっちが主体になってそういうのを計画していくんです、通産ですか、科技庁ですか、原子力委員会ですか、どっちですか。
  52. 高岡敬展

    ○政府委員(高岡敬展君) この低レベルの廃棄物の処理処分、特に御指摘の点が処分に関しての問題かと思いますが、責任を持っておりますのは、発電所といいますか、原子炉設置者、電力事業者でございます。でございますけれども、行政の立場でそういう問題になりますと、地域住民との関係その他行政のレベルでの……
  53. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 いや、計画があってその試算が出ているのかどうかいま聞いているんですよ。計画としてはこれぐらいのもの、いまおっしゃった五十万なり百万本でそういう施設を計画するとすれば幾らぐらいの費用がかかるだろうと。だから、いま施設規模を大体どれぐらいに想定されて、どれぐらい費用がかかるかということは計算されておりますかというんですよ、試算ですけれどね。
  54. 高岡敬展

    ○政府委員(高岡敬展君) 長期的なおおよその計算というのは原子力委員会の専門部会も設けまして検討がされておりますが、非常に将来にわたって正確に、たとえば低レベルの廃棄物で年度ごとにどれだけの量が出てきて、それの処分として交代をするということが決まっておるかと言われますと、必ずしもそういう状況にはございませんということでございます。
  55. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 非常に心もとないですね。私が通産省の方に、どういうふうに考えているんだということで、低レベル廃棄物の処分の方法と費用についてはどうなんだと言ったら、一応持ってきましたよ。これは原子力委員会が基本になっているんですから、そんなものがわからないんじゃ困るんですよ。通産省もちゃんとはじき出しているわけです。百万本施設をつくるとすると大体千六百億円ぐらいかかりますと、ちゃんと書いてきています。それから海洋処分の場合も、二〇〇〇年までには百万本という想定のもとに深海底への投棄ということで処分専用船は三隻くらい要るだろうということになると、船の建造費だけで百億円くらいはかかるだろう、その他人件費だとか管理費は別ですと、こういうぐあいにきちっと言ってきているんです。これは原子力委員会のあれですから、当然、どういう方法でやればどれくらいの施設設備が要ってどれぐらいの費用がかかるだろうという概算くらいは、原子力委員会、科学技術庁としても試算をやっていかなきゃ、どうもまだわかりませんじゃ、通産省に何かお株を奪われたような感じじゃないですか。どうも、これは、そこまで聞いてもちょっとわからないようですね。  それじゃ廃炉について聞きますが、廃炉の処理それから処分については、どのようないま計画でどのような研究段階にありますか。簡単に答えてください。
  56. 高岡敬展

    ○政府委員(高岡敬展君) 廃炉の考え方を申し上げますと、まず廃炉の必要性が出てくるのは十五年ぐらい先であろうという想定でいろいろな準備を進めておるわけでございます。その一つの具体的な例で申し上げますと、原子力研究所にありますJPDRという試験的な発電炉がございますが、これが使命を終わりまして休止の状態にございますので、これの解体ということを前提にしまして、そのための技術開発ということを具体的に昭和五十六年度から進めておるわけでございます。こういった経験をもとにしまして、現在のところ海外でも発電所の場合で建設費の数%あるいは二〇%程度の費用が廃炉にかかるのではないかという、そういう非常に幅の広い想定がされておりますが、的確な廃炉経費の想定ができるようになる、こいうふうに考えております。
  57. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 処分はどういうふうに考えているか。処分と、それから管理というものはどの程度の年数を必要というふうに考えておいでになりますか。
  58. 高岡敬展

    ○政府委員(高岡敬展君) 廃炉に関連していろんな廃棄物が出てまいりますけれども、その処分につきましては、先ほど申し上げましたような一般的な廃棄物の処理処分と大体同じ対応をすべきものだというふうに考えております。
  59. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 各国ともいま一番頭の痛いのが、大量に出る低レベルの最終的な処分、それから高レベルの処分、そしていま言った廃炉ですよね。これはいまのところ全然その技術も確立をされていないし、それから最終的な処分というのは一体どうするのかと。いま科学技術庁でやっているのは解体技術ですね。廃炉の解体技術をどうするかということでその実験炉を用いてやろうということなんですけれども、実験炉の解体技術、あの小さな実験炉と百十七万キロワットといういまの一番大きな商業用原子炉では、もう中に入っておる使用済み燃料とか原子炉本体の汚染の度合いというのは全然違っているわけです。そういう点で試験用の実験炉のものが直ちに適用できるということにはならぬと思うんですが、それはさておいても、最終処分をどうやるのかというのが最大の問題なんですね。これはどういうふうに考えておいでになるんですか。
  60. 高岡敬展

    ○政府委員(高岡敬展君) 廃炉の関連で申し上げますと、低レベルの廃棄物も出てまいりますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように一般的な廃棄物の処理処分の体系で処理処分をするということだと考えております。それから高レベルの廃棄物の問題、これは再処理の関連で出てまいりますけれども、これにつきましては現在、ガラス固化ということで処理をして、地中処分を念頭においていろいろな準備をしておるという状況でございます。これにつきましてはまだ時間的余裕がかなりございますので、その準備は十分対応ができるといふうに考えております。  廃炉に関連しての、大量に出てまいりますレベルの低い廃棄物の処分をどういうふうに考えるかということについては、今後検討する課題が多々あろうかと思いますけれども、先ほど申し上げましたような、JPDRをモデルにしましての試験研究というものを経まして問題の所在が非常に明確になり、コストとしてどのぐらいかかるかということがはっきりしてこようかと思っております。現在のところ、それほど重大な経済的な負担にはならぬであろうという想定で対応を考えておるわけでございます。
  61. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 いまの答弁じゃさっぱりわからぬのです。廃炉が現実の問題となってきて解体に取りかかる。処分方法を三つ挙げてありますけれども、最終処分というのは一体いつぐらいまでに行わなきゃならぬというふうに考えておられるんですか。まだ時間があります、まだ時間がありますとおっしゃっているんですけれども。通産省も最近は、耐用年数は十六年と今度はっきり言ってきていますね、言い出している。そうすると、もうそろそろ十年以上たっている炉が出てきているわけですよ。そんなに先の、十年、二十年先の話じゃないですよ。あれだけの一体廃炉というものを最終的にどう処分されるんですか。いつごろをめどにされているんですか。
  62. 高岡敬展

    ○政府委員(高岡敬展君) 問題がいろいろございますけれども、低レベルの廃棄物につきましては……
  63. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 いや、いま廃炉のこと。
  64. 高岡敬展

    ○政府委員(高岡敬展君) 廃炉に関連しますのは、先ほど申し上げましたように、いまから十五年先でございますが……。
  65. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 現に出ている。そろそろ出てくるんですよ、耐用年数が十六年だから。もう十何年たっているでしょう。
  66. 高岡敬展

    ○政府委員(高岡敬展君) 法定の耐用年数は十五年ということでございますが、私どもは物理的に稼働可能なのは三十年、あるいは長い場合には四十年の稼働が可能であろうということを前提にして考えております。
  67. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 可能であろうでなくて、現にアメリカでは十年から十五年で使い物にならなくて、どんどん廃炉が出てきているじゃないですか。三十年、四十年なんかもてっこないですよ、いままでの経過から見たって。原発ができてから大体何年たっていると思います。三十年や四十年もった原子炉なんてないですよ。アメリカのように国土の大きいところは、がぼっと持っていって砂漠へ埋めればいいなんという非常にラフな考え方をしていますけれども、日本の場合はそんなものじゃないでしょう。もう現にそろそろ廃炉が出てきつつある状況でしょう。福島の第一の一なんて典型的じゃないですか。二回も内臓の大取りかえをやっているんでしてね、一番被曝線量も多い。いまもう無理して使っているという状況です。そんな十五年、二十年先の話じゃないんですよ。非常にのんびりした考え方ですね。
  68. 高岡敬展

    ○政府委員(高岡敬展君) 発電炉ごとにいろいろ事情があろうかと思いますが、一般的には三十年程度は可能なものであるということで考えております。  それから、先ほどの、発電炉が停止といいますか、稼働をとめたら直ちに解体を要するということでは必ずしもないわけでございまして、できるだけ早く解体をしてその跡地を再利用するということが一番望ましいわけでございますけれども、過渡的にはその発電所を遮蔽といいますか、隔離をして管理をするという期間が一定期間あってもいいという対応の仕方も可能だと考えておりますので、そういうことを含めて対応を考えたいというのがわれわれの考え方でございます。
  69. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 それじゃ一言だけ。  そうすると、最終処分については、どういう方法でどういうふうにやるということはまだ全然めどがついていない、今後の研究課題だと、こういうことですね。
  70. 高岡敬展

    ○政府委員(高岡敬展君) この分野では海外ではいろいろな知見が得られつつありますし、それをもとにしましてわれわれ判断の材料にはしております。でございますが、解体作業自体の安全確保でありますとか、それにどういった負担がかかるかということにつきましては、先ほど申し上げましたような原研の試験炉を対象にしての試験研究の結果を待って判断するというのが一番的確であり、正確な対応の仕方であるというふうに考えております。
  71. 中野明

    ○委員長(中野明君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時五分休憩      ─────・─────    午後一時四分開会
  72. 中野明

    ○委員長(中野明君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、科学技術振興対策樹立に関する調査のうち、科学技術振興のための基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  73. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 午前中の終わりの方で廃棄物の問題でいろいろお尋ねをいたしましたが、私が一番聞きたいと思っておりました廃炉の問題ではなかなか方針が確立をしていないというようなことでありますし、これ以上聞いてもお答えは出てこないのじゃないかと思いますので、そこのところはそれで一応やめまして、次に、使用済み核燃料の、あるいは使用前のいわゆる核燃料でもいいんですが、これらの輸送についてお尋ねをいたします。現在輸送体制はどのようになっておりますか。
  74. 赤羽信久

    ○政府委員(赤羽信久君) 核燃料物質の輸送につきましては、大きく分けまして、核燃料物質の原料になるものがございます、それからでき上がりました集合体、いわゆる新燃料でございます、それから使用済み燃料、大きく分けますとこの三つに大別されるかと思われます。  原料につきましては、多くは輸入品でございますので、港で揚げられ、転換あるいは加工の工場、陸地にございます工場まで陸上輸送が行われます。新燃料につきましては、現在東海あるいは横須賀にあります燃料メーカーから原子炉のサイトまで、これも多くは陸上輸送がされております。それから使用済み燃料につきましては、ほんの一部の例外を除きまして、全部サイトの港から船積みで東海再処理工場あるいはイギリス、フランスへ海上輸送で運び出しております。  陸上輸送につきましては、輸送物の安全性につきまして科学技術庁が確認を行いますし、以降、経路の安全性につきまして公安委員会がめんどうを見ているということでございます。船舶、それからまれに航空機がございますが、これは運輸省の方が一貫して所管して規制しております。
  75. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 事前に届け出が必要なわけですね。たとえば核燃料物質等運搬届け出ということで、これは保安上と言ったらいいんでしょうか、あるいは防災上からも、警察あるいは自治体、消防庁等に対して事前の連絡をしなきゃならないんじゃないかと思っておるんですけれども、その辺はどのようになっておりますか。
  76. 赤羽信久

    ○政府委員(赤羽信久君) 核燃料物質を輸送しようとしますときは、事業者は発送地、出発地の都道府県の公安委員会に届け出ることに義務づけられております。その都道府県の公安委員会は、災害防止あるいは公共安全を図るために必要があると認めたときは指示ができます。それから、他の都道府県を通りますときは、その、他の都道府県の公安委員会に公安委員会同士連絡を図りまして、経路、輸送の日時等につきまして必要があれば指導を行うという体系になっております。
  77. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 必要があればということですけれども、ずいぶん前に国会でもこれは論議をやったんですけれども、交通事故というのは思わぬところから思わぬ災害を引き起こすということですから、そういう点で、いざという際に、自治体に通知をしておかないと防災上も非常に問題が起きるんじゃないかというふうに思っているわけです。  いまおっしゃったように、公安委員会に届け出るということですが、要するに警察庁関係では、運搬経路及び通過予定時刻ということで、一例ですが、たとえば大井埠頭に揚げて、それから芝浦あるいは佃大橋を通ってそして水戸まで運んでいくという詳細な経路というものをこれは届け出様式の中に書き込むことになっているわけです。所要時間も書いてあるわけなんです。したがって、当然自治体に通知をしておかないと大変困ることになるんじゃないかと思うんです。非常に厳格に、自動車の登録番号、最大積載量から積載重量及び輸送物個数、運転者氏名というところまで、きわめて詳細に届け出をするようになっておるわけなんです。ところが、肝心な自治体に対しては、公安委員会が必要と認めればというのですけれども、あらかじめ事故を想定しているなんということもないでしょうけれども、事故というのは要するに思わぬときに思わぬところで起こるということでありますから、私は前にも申し上げたんですが、自治体にはやっぱり通知をして、これは何も住民に一々知らせる必要はないかと思いますけれども、当然そういういざという際の手段というんですか、体制というのは、自治体なりにこれは消防庁、消防署関係も含めてとっておく必要があるんじゃないかと思うんですが、その点はどうなんですか。必要に応じてなんていう抽象的な表現ではわからぬわけです。じゃ必要に応じてというのは事故が起きてからということなのか、一体どういうことなのかですね。
  78. 赤羽信久

    ○政府委員(赤羽信久君) 最初に申し上げましたとおり、陸上輸送いたしますものは使用済み燃料ではございませんので、持っておる放射能は非常に低いわけでございます。それに応じました輸送体系がとられるわけでありますが、輸送事業者としましては、物のいかんによりますけれども、輸送方法、これは容器、車、それから前後の伴走車、そういうものを含めて十分安全を見込める、それから事故のチャンスをできるだけ減らすという計画を立てるわけでございます。それに対しまして公安委員会は、さらに専門的見地から、経路及び日時等できるだけ問題の少ない時間を選ぶように指導することがある、そういう意味で必要に応じと申し上げたわけでございます。現在、道路の交通安全を総合的に監督しておられますのは公安委員会系統でございますのでこちらで所要の措置を全部とっていただけると考えておりまして、またそういう規制体系になっておりますので、それ以外のところへあらかじめ御連絡申し上げる必要というのは特にないのではないか、これは公安委員会とも連絡をとりましたけれども、責任を持ってやっていけるという御返事でございました。この体系でやっていけるものと考えております。
  79. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 核燃料で大したことはないというふうにおっしゃっていますけれども、これはプルトニウム燃料だってあるでしょうし、高濃縮ウランの場合だってあるでしょうし、そういう点でいまの答弁は、そんなずさんなことでいいのか。大体、警察庁といったって、各県の県警段階でそれほど詳細な知識を持ったりしておる人というのは余りいないと思うんです。非常に心もとない状況じゃないかと思うんです。  それから、これは予算の分科会の審議でもやったんですけれども、じゃいざという場合に警察庁で防災体制という観点から防護服等についてどれだけのものを持っているのかということについては、若干あるけれどもまだ不十分だと。それから消防庁関係はどうかと言ったら、これはきわめて不十分ですという話もあったんです。そういう、護送と言ったらいいんですか、警備と言ったらいいんですか、そういうものも含めて、現状ではいまのままでよろしいというふうにそれじゃお考えになっているんですか。
  80. 赤羽信久

    ○政府委員(赤羽信久君) 過去の実績を見ましても、十分慎重に安全な輸送が行われてきたと思っております。しかしながら、御指摘のように、さらに交通が錯綜してくる場面におきましてはより手厚い用意をしておくということも重要でございます。その点では、今後とも国家公安委員会、それから消防庁の方と連絡を密にしてやっていきたいと思います。  それから専門的知識につきましては、事業者が事前に説明に伺う、それから輸送の隊列の中に必ず十分な知識と指導力を持った者を入れるという配備をしておりまして、これで所要の措置はできるものと考えております。
  81. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 そんな程度ではどうも問題だろうと思うんです。  先ほど使用済み燃料については一部を除いて海上輸送だとおっしゃったんですが、その一部というのはどこです。
  82. 赤羽信久

    ○政府委員(赤羽信久君) 浜岡の発電所の場合、特に積み出し港がサイトにございませんで御前崎港を利用しております。ここで一般道路を一部使用するということがございます。
  83. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 それはどれぐらいの距離があって、周囲の状況はどうなっていますか。
  84. 赤羽信久

    ○政府委員(赤羽信久君) 距離にしまして約十キロでございますけれども、交通のほとんどないときに、交通を遮断するような状態で非常にゆっくりした慎重な輸送をしております。
  85. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 慎重な輸送をしたといっても、そこの場所に交通量が少ないとしても、仮に何らかの原因によって事故が発生したという場合には、これは大変な問題ですね。その場合に、大丈夫だろうということで事前に自治体にそういう連絡もないということになれば、乗っておる方が専門家だといったってそれは問題外です、そういう事故の場合。あってはならないんですけれども、しかし、常に申し上げておりますように、安全性に一〇〇%絶対ということはないということなんです。その辺、いまのそういう、自治体にも連絡しない、公安委員会の判断程度だということでよろしいのかどうかということなんです。これは非常に問題だと思うんですよ。
  86. 赤羽信久

    ○政府委員(赤羽信久君) 使用済み燃料につきましては独自の容器を用意しているわけでございます。たとえば九メートルからの落下試験、それから八百度C、三十分での加熱試験というような、要するに交通事故が起きた場合どうなるかという試験もした上で合格したものを使っております。起きていいわけでございませんが、最悪の場合を考えまして、かなりの交通事故が起きても大丈夫のような入れ物に入れてあるということが第一でございます。  それから御前崎の場合には、朝方早くが普通のようでございますけれども、二車線の道路でございますので、交通を遮断しまして隊列を組んできちっと輸送をしておる。地形からいきましても、そうひどい、少なくともこの容器の安全試験を超すような悪い状況の事故が起きるとは考えられないような場所で、慎重な輸送をしておるところでございます。
  87. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 いまの答弁では必ずしも十分でないと思いますが、その程度にとどめておきます。  次に、放射線被曝の問題についてお尋ねをいたします。  この前の質問でも若干福島の状況等について触れておきましたけれども、昭和五十四年の十二月七日のこの参議院の科技特でこの問題については論議をやったんです。そのとき、これは通産省ですけれども、放射線従事者の被曝線量の規制値については、一日当たり百ミリレムというふうに申し上げましたのは目安被曝線量であり、通常の作業はこの値以下において実施されておりますと。ただし、特殊作業をする場合においては、作業計画の都度、作業内容に応じて被曝線量の上限を想定し、作業を進めております。この場合、計画被曝線量はたとえば一日千ミリレムの被曝線量ということもありますと。その国会の論議のときには、千ミリということは絶対あり得ないという答弁を終始繰り返しやっておったんです。三百ミリレムという答弁があったんですが、そうじゃないでしょう、千ミリレムというのがあるんじゃないですかということで、実は東電の方からも通産に対してはそういうことは余り言っていなかったらしいんですね。したがってエネ庁としては三百ミリが上限だというふうに考えておったらしいんです。だから、千ミリレムはあり得ないということで、もう非常に強く否定をされておったんです。  そのやりとりを読んでおりますと時間がありませんからやめますけれども、とにかく、たとえば児玉政府委員が「私はまだ聞いたことも、また私自身も考えたことはございません。」と言って、ではあったらどうするんだと言ったら、絶対ございませんと言って、否定しておったんですね。ところが千ミリレムはございますということになって、いま言ったように、この点を申し上げなかったことは私の手落ちであり、おわびいたしますと。なお、被曝線量については、それを引き下げることが世界の趨勢であり、健康管理上も望ましいことでありますので、事業者に対して強力な指導をいたす所存でありますと、こうきちっと言っているわけなんです。  ところが、その後の実情というものを見ますと、実態はそうなっていない。これはつい三、四カ月前ですか、福島へ私ども行って、その点も聞いてきたんです。この前申し上げましたように、黒人の皆さんは千ミリレム以上にしてくれとこう言っている、黒人の方からそういう要求が出ていますなんと言って、あたかもそれを容認しているかのごとき答弁があったんです。そこでびっくりいたしまして、私どもとしては、いま申し上げたこの前の国会の論議もあって、政府としては強力な指導をするというのに相も変わらず千ミリレムというものが設定をされており、場合によってはそれを超えるような作業が行われておるということについては問題だということで、再度改めて、作業管理状況で作業従事者の線量管理がどうなっておるか、それから作業者の計画線量がどうなっておるかということで資料を提出していただきたいということで、資料提出をいただいたわけです。それによりますと、相も変わらず少しも改善をされておらないということです。  こういう考え方なんですね。従事者の被曝線量管理においては、ICRPはその一九六五年勧告で三カ月につき三レムとし、これを一回の被曝で受けてもよいとしているという、こういう考え方なんですね。これはもう基本的にICRPの考え方というものを間違えて理解しておる典型的な例だろうというふうに思うわけです。  そこで、きょうも時間が余りありませんから、まず基本的な考え方として、一体被曝線量について、ICRPが三カ月三レムだとか年五レムと定めておるからそこまで浴びていいんだ、一回で浴びてもよろしいんだといういまのこういう答弁のような考え方は、これはよろしいというふうにお考えになっておるんですか、どうなんですか。
  88. 赤羽信久

    ○政府委員(赤羽信久君) 御承知のとおり、わが国の規制体系は、ICRPの精神を基本的に取り入れて生かしたものになっているわけでございます。したがいまして、三カ月三レムというのは限度という扱いでありまして、ICRPには、実行可能な限りできるだけ低くしなければいけないという一方の制限もあるわけでございます。そういうことによりまして、実際上、限度より一けたぐらい低い平均被曝になって、その影響というのは無視できるであろうというのが、大ざっぱな言い方でございますけれども、全体の体系になっていると思われます。  したがいまして、三カ月三レムまで当たっていいという考え方を仮にいたしたとしますと、これは、どんな人にでもそういう考え方をしていきますと平均値は上がってしまうわけでございます。全体の平均を下げる、あるいは全体の集積線量を下げるという意味では、一人一人綿密に被曝が少ないような管理をしていかなければならない、これが基本的な考え方でございます。われわれとしましても、その方向で常に指導しているわけでございます。一回で当たる、あるいは数回に分けていいか、これはICRPでは同じと扱っておりますので、分けなければいかぬということはないと思いますが、三レム当たっていいという考え方じゃなくて、いかにやむを得ない場合でも三レムを限度に考えるという数字という意味で、この解釈が線量の低減化に対する姿勢に非常に重要な意味を持っておると思われますので、御指摘のように、この精神を今後も普及するように努力してまいりたいと思います。
  89. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 ICRPの七七年のパブリケーション二十六、これはずいぶん項目がありますけれども、実はその中で重要な点を幾つか一つづつ聞いていきたいと思っておったんですけれども、時間がありませんから次回に延ばしますけれども、一つだけ聞いておきたいと思いますのは、基本的な考え方として非常に誤って受けとめておると思いますのは、たとえば、これはもう三カ月三レムでも一年間五レムでもいいですけれども、この九十九項におきましては、そこに手持ち資料があるでしょうからそこで読んでいてもらえばいいと思うんですけれども、年五レムの線量当量、これの限度で管理されていると、実際には職業上の平均年線量当量は五百ミリレム以下になっていて、この値は、危険度が十のマイナス四乗から十のマイナス五乗の間にあると。これはシーベルトの計算でやっている場合ですからね。こういうふうに書いてあるわけなんですよ。  つまり、五レムという制限、この年線量当量でやると実際には五百ミリレム以下に抑えられておるということを言っているんでして、それを五レムまで浴びていいというのと、全然意味が違ってくるんですよ。そこの受けとめ方がもう根本的に間違っているんです。  線量当量というのがあるんです。線量当量というのがありまして、それにさらに年間の制限を付した場合にどうかというと、年間の制限としては五レムということになっているけれども、ICRPとして調べた場合、そういうことで制限することによって五百ミリレム以下に抑えることができるんだ、こう言っているんですよ。これを、みんな五レムまで浴びていいなんていうそういう考え方だったら、これは基本的な誤りなんです。どうもいろいろ考えてみると、これは誤解がある。だから、いまのように、もう三レムでも五レムでも、極端に言えば五レムまで一遍に浴びていいぐらいの考え方だって出てきかねないということで、私はその点を非常に心配して言っているわけなんです。この点についてはどうお考えになりますか、私のいま言っていることについて。
  90. 赤羽信久

    ○政府委員(赤羽信久君) 先ほどお答え申し上げましたのは簡単で恐縮でございましたけれども、やっぱり先生御指摘と全く同じ趣旨でお答え申し上げたわけでございまして、五レムというのは、あるいは三レムというのは、いかにやむを得ないときでもこれでとめろという性質である。それに従って全体を下げるような努力をしてまいりますと一けた下になる。それなら容認できるであろうという趣旨であると思われます。したがいまして、五レムを浴びていいという解釈は絶対とるべきでなくて、それ以下に抑える。それから、仮にもっとずっと低い場合でありましても、さらに下げる努力をする。これがICRPの精神でございます。  ただし、過去の答弁でございますので、ちょっと私もはっきり覚えておりませんが、限度についての議論でちょっと言葉足らずにあんな答弁をしたのかなという記憶がございます。実際の通産省の指導、私どもの指導、あるいは発電所での運用は、不十分のおしかりはあるかもしれませんが、できるだけ低くと。それで、そのための放射線管理のチェック体制も年々充実させておるという現状でございます。そして実績から言いますと、多分三百ミリレム程度の平均になっているかと思われます。さらに指導よろしきを得てその精神を間違わないように運用努力をしていきたいと思っております。
  91. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 何かもぐもぐした答弁のようですけれども、私は皆さんに要望しておきたいのは、浴びていいんだ、許されるんだという考え方でなくて、何かのことで仮に浴びることがあったとしてもこれはもうそこが最大限なんであって、それはもう許される最大限ぎりぎりの許容量だと。そこまでは浴びて仕事をさせていいんだという考え方は基本的に間違っておるということです。これから各電力会社に対してもその点を明確に指導していくべきではないか。  この点は通産でも言っているんですよ、千ミリは知らなかったと。しかし、これは今後も引き下げる最大限の努力をしなきゃいかぬし、読み上げたとおりですよ。強力な指導をしますと言っているんです。  これはICRPの方からしても基本的なんですね。  そういう点で、たとえば十二項目のところでは、線量制限体系の勧告ということで、ここでは具体的な数字は出ていないんですが三つ挙げてあるわけですよ。(a)として、いかなる行為も正味でプラスの利益でなければそういうものは採用しちゃならぬ、こういうことを言っておりますし、(b)としては、すべての被曝というのはできる限り低く保たれなければならない。それから(c)として、個人に対する線量当量というのは勧告限度を超えてはならないと。これは、超えなきゃいいんだという意味じゃないんですよ。その他のいろんな項目を見ますとそういうことが当然言われておるわけですから、そこのところは誤ってもらっては困るということなんです。  そこでもう少し。私はこの前遺伝的な問題でちょっと申し上げたんですが、遺伝的効果については四十三項に述べてありますね。これは砕いて言いますと、片親が一レム被曝したときの当初の二世代、子供、孫ですね。二世代にあらわれる重篤な遺伝的不健康のリスクというのは、十のマイナス二乗シーベルトだ、つまり一レム当たり十のマイナス四乗というオーダーになる。また、それより後世代にあらわれる追加損傷も同じ値とすると。こういうふうになっておりますね。その頃の一番最後の方に書いてある。すなわち、一レム当たりの危険というのは二掛ける十のマイナス四乗のオーダーになるわけですよね、これ計算すると。そうでしょう。間違いないわけですね。  そういたしますと、一万人レム被曝した集団が被曝しない集団と結婚した場合の重い遺伝的障害の危険というのは、二人ということになってくるわけですね。これは数字がはっきりしているんだから間違いないでしょう。そうすると子、孫の代だけ考えれば一人、こういうことになってくるわけですね。つまり、子孫の代に放射線による遺伝的障害を一人も発生させないという目的のためには、逆に、一万人レムというものが基準になってくるわけです。そういうことになるでしょう。わかりますね。後ろの方でうなずいておりますから、局長、そういうことなんですよ。  そこでまた問題になりますのが、同じ一万人レムといっても、今度はその集団の若い人の割合がどうかということと、それからその人たちが子供をどれだけ生むかということに非常に大きくかかわってくるわけです。つまり生殖可能年齢数とそれから生む子供の数、これによって変わってくるわけです。  さらに問題は、遺伝が累積効果を持っておるわけですから、将来にわたってこれは非常に影響を及ぼしていくということなんで、特にこれは、職業的に従事している人たちについては、非常に低い線量であっても大変な問題が出てくるということなんですね。  いまここで言われておる中身について御理解できますか。もうちょっと具体的な数字を細かく挙げてもいいですよ。何万人がどれだけ浴びたらどれぐらいの遺伝的障害者が出てくるか、何千人くらい出てくるかという例を挙げてもいいんですがね。いま私の言ったことを、局長、中身を一々理解してもらおうと思ったら大変だから、後ろの方でいろいろ補助員の皆さんおいでだから、私の言っていることが間違いですかどうですか、それだけ答えてもらえばいい。
  92. 赤羽信久

    ○政府委員(赤羽信久君) 全く先生の御指摘のとおりのことがICRPで指摘されていると思われます。ただし、全体を見ますときに、また別の項目で、確率的影響の中に含めて扱っていけばよろしい、ちょっと大ざっぱな言い方で恐縮でございますけれども、という事項もありますので、現在、遺伝的影響だけを取り出して議論するという段階ではなくなっているかと思われます。
  93. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 その答弁は全然、遺伝的効果だけを取り出して論ずるのはおかしいという言い方はおかしいのであって、遺伝的な問題についてはこういう指摘をしておりますよということを私は言っているんです。何を勘違いされているんですか。それを認めたらさあえらいことになるなんて、何か変なことを考えておいでになるんじゃないですか。遺伝的効果だけを取り上げているんじゃありませんよ。私は、遺伝的効果についてはこういうふうに指摘されているんですよということを言っているんですよ。言っている意味がわかりませんか。これは困りましたね。安全局長しっかりしてくださいよ。それじゃ困るんです。  もうちょっと言いますと、いまあなたは遺伝的なことだけとおっしゃったんですが、九項のところで、放射線防護の目的は何かということで、「非確率的な有害な影響を防止し、また確率的影響の確率を容認できると思われるレベルにまで制限することにおくべきである。」と、こう言っているんです。そこで、では確率的とか非確率的というのは何なのかということですけれども、七項で「確率的影響とは、その重篤度ではなくその影響の起こる確率がしきい値のない線量の関数とみなされる影響である。」と、こう述べておるわけです。だから、遺伝ということになるというと、これはいま言った確率的だということで取り扱うということになってくるんですけれども、その場合にはその重篤度でなくて、影響の起こる確率というのは閾値のない線量の関数だと言っているんです。だから、どれだけ浴びたら完全に起こるとか起きないとかという定量的なものはまだ、現状の放射線医学の中ではそこまで、それじゃ何レム浴びたら直ちに遺伝的影響が起きるとかという、そんな個人個人のそういうことではないのです。これはあくまでも確率的なものですけれども、そういうことを述べておるわけです。  私は安全局長に最も要望しておきたいと思いますのは、原子炉そのものの安全性もさることながら、要するに放射能、放射線被曝による損傷、被害、そういうものが一番問題だということを言っておるわけで、幾ら事故を起こしたってそれがなければ何も驚くことはないんです。そういう点で私は、この被曝問題については行政当局は一番関心を持たなきゃならない重大な問題だと思っているんですけれども、どうも事故といっても、あそこのバルブがどうだった、細管から水が漏れた、そういうところばっかり言っているんですけれども、大臣、そうじゃないんですよ。幾ら水が漏れたっていいんですよ、それがわれわれの被曝に関係がなければ。ところが被曝という問題が起きてくるわけですから大変だ。つまり、放射能というのは完全に生活環境から隔離をしなきゃならぬわけなんです。そのことを申し上げておるんです。したがって電力会社に対しては、できるだけ被曝線量というのは低下をさせるように指導すべきだというんです。何か、出た数字を、そこまで浴びさせていいなんという考え方は基本的に間違っているということを、私は繰り返し申し上げているんです。  そういう点で今後の指導について大臣の御答弁をいただいて、きょうの質問は終わります。
  94. 安田隆明

    ○国務大臣(安田隆明君) いろいろ知見をいただいたわけであります。本当にこれ、法律による明定、こういう管理の中において、まず設備はどうだ、管理運営はどうだ、非常にこれを細かく注意しながらも、やはり安全に安全と、こういうことでございますから、だれが責任を持ってこれに対応するのかというやはり行政組織の確立も大変だと私は思っているんです。だからして、幸いなことに今度安全局にもこの安全に関する職員の増を認めていただきまして、安全管理につきましては、本当に先生よくお話はわかりました、もう御忠告どおりにしかとわれわれはやりたい、こういうことで御了解願いたいと思います。
  95. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 それでは最初に、いわゆる先端技術の国際協力につきまして質問します。  昨年のベルサイユ・サミットで先進七カ国の科学技術部会が設けられたわけですけれども、その報告書が三月二十五日に各国で同時に発表されたわけです。これによりまして主要先進七カ国が先端技術の国際協力を推進しつつ世界経済の活性化を目指すその枠組みができたと思うんですけれども、この報告書が公表されるに至るまでの各国間の討議の経過について概要を説明していただきたいと思います。
  96. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 御案内のとおり、各国の代表が集まりまして、日本からも山野科学技術庁次官を先頭にいたしまして、通産省、外務省からも御参加いただき、前後八回にわたる検討が行われたわけでございます。  検討の中身は二つに分かれておりまして、一つは、今後どういう研究テーマについてお互いに共同研究をしていくかというその分野の問題でございます。それにつきましては、御案内のとおり二十二テーマが取り上げられたわけでございます。それから第二の分野は、今後の国際的な科学技術協力あるいは科学技術の振興、研究という点を基本的にどう考えたらいいかという問題でございます。  この第二の問題につきましては活発な論議が展開されまして、一つの基本的な認識といたしまして、現在世界経済が若干停滞ぎみでございますけれども、これに活力を与える、あるいは雇用の機会を与える、長期的に世界経済の成長を図っていくためにはどうしても科学技術が必要だ、こういう認識が一つあります。それからもう一つは、その場合に政府間の協力も非常に大事である。特に危険度の高い、リスキーな、あるいは長期にわたる、あるいは相当大規模な資金を必要とするようなそういうテーマについては政府間の協力が必要である。それからさらに第三点といたしましては、民間の活力がこれは非常に大事だ。特に、その民間の活力の活用と申しますか、それを十分発揮させるためには、競争秩序の維持、貿易関係のみならず、全般的にわたっての世界的な経済秩序として競争秩序、これを維持することが大事であると、こういったような議論が展開されたわけでございます。
  97. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 そこで日本は、軽水炉の安全性、あるいは太陽光発電ですか、光合成、先端ロボットの四プロジェクトを提案して、その四プロジェクトの幹事国となったわけですけれども、わが国がこれらのテーマを選定して提案した理由は何であったか。また、この幹事国ということの任務はどのようなものがあるのでしょうか。
  98. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) それぞれ各国で得意のテーマ、あるいは各国が国際協力にふさわしいと思うようなテーマを選定し合ったわけでございます。四つのテーマにつきましては、日本の研究体制、研究実績もかなりあるわけでございまして、そういった意味でこの四つのテーマを選んだわけでございます。  それから、リード国、幹事国の役割りは、これは共同研究でございますから、参加する各国の関係を調整する、コーディネートする、今後どういうスケジュールでどういうタイミングでどういう分担でどういった共同研究を行うかと、そういう取りまとめ役を務める、こういう意味を持っておるわけであります。
  99. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 先ほども二十二のテーマということでそれが決定されたということですけれども、これらのプロジェクトは相当広い範囲にわたっておりますし、すでに国際協力が二国間あるいは多国間で行われておりますけれども、このようなプロジェクトが当時提案されたということは画期的なことだと思いますけれども、日本としてはこれらのプロジェクトにどのように取り組んでいかれる方針でしょうか。
  100. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 日本といたしましては、日本がリードカントリー、幹事役になっているテーマにつきましては、もうすでに関係各国と今後の手順なりそういったものにつきまして話し合いが行われているものもあります。これは一生懸命、誠実にその役割りを果たすということでございます。  それから、日本が参加を表明しているテーマが相当多数ございますが、そういうテーマにつきましても、日本として世界の科学技術の振興のために日本が応分の寄与をする、まあ大きなことを言えばそういうような立場でひとつ積極的に参加してまいりたい、かように思っております。
  101. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 この中で国際協力を提唱しましたフランスは、当初産業技術の協力、これを希望していましたけれども、今回の国際協力は政府レベルにしぼって、民間の産業技術につきましては報告書から除外されているということでございますけれども、政府間の協力に限定されたのはどのような理由でしょうか。
  102. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 政府間協力でどういう分野をやるかということでいろいろ議論がありまして、政府間協力の対象とする分野というのはやはり政府が関与できる分野でなくてはならないと。しかも、政府が関与できる分野であるとともに、先ほど申し上げましたように非常にリスキーだ、あるいは資金が相当かかる、あるいは相当長期にわたる、こういったようなものが政府間協力にふさわしい分野ではないかと、こういう合意が成立したわけでございます。  それから、民間の分野につきましては、これは先ほどちょっと申し上げましたように、基本的にやはり民間の活力、これにゆだねるべきではないかと。政府が余り干渉がましいことはすべきではないのではないか。競争秩序の中で、民間が自由な発想によって、競争すべきものは競争し、あるいは協力すべきものは協力する、こういうかっこうでやるべきではないか、こういう考え方で整理をしたわけでございます。
  103. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 その点のこともわかるんですけれども、特に日本のように、技術力というものもあるいは研究投資額も、いま民間に集中している状況ですね。ですから、そういうところで民間の活力ということを十分に引き出していく。いま、民間の競争原理に任せるということでございますけれども、やはり何か政府としてリードしていくことを考えなければ、十分な効果は期待できないんじゃないかと思いますが、その点どうでしょうか。
  104. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) その点は、すでに産業協力というような形におきましては、通産省が中心になりまして、産業協力についての、何と申しますか、座席と申しますか、場が設けられておりまして、フランスやイギリスあるいは米国と、こういったようなところで、産業協力をいかに円滑に進めるべきかという点で、政府が音頭をとっていろいろと努力をいたしております。  それから、一般的な考え方といたしましては、そういう民間の協力につきましては、やはりそこに民間の自由な協力を妨げる要因があるのかないのか、仮に民間の自由な協力を妨げる要因があるとすれば、それをなるべく除去していく、これが政府の任務ではないか。例がいいかどうかわかりませんが、たとえば、いろいろなスタンダード、いろいろな標準あるいは基準、こういったものが各国全くばらばらだ。あるいはいろいろな法的な規制について、無用な規制を行っているということであるとすれば、これは民間の活力を阻害するわけでございますから、そういうものは除外していく、こういうことは必要ではないかと、こういう認識に立ったわけであります。
  105. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 この先進国間の科学技術協力が進められることによりまして、先進国と発展途上国、この間の技術格差、これがますます拡大していくのじゃないかということが心配もされているわけですけれども、南北技術格差の解消につきましては、先進国間ではどのような討議がされたでしょうか。あるいは、南北問題でなくて、東西関係でもやはり今後大きな差がついていくのじゃないか。その点、世界全体のことを考えた場合、どのような討議がされてきたのでしょうか。
  106. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 南北間の科学技術の協力問題につきましては、いろいろ討議がなされましたが、主たる討議は、やはりサミット参加八カ国、ECを含めて八カ国でございますが、その間の科学技術協力に議論が集中したわけでございます。  開発途上国との関係につきましては、私、率直に申し上げまして、今後ここで選ばれた二十幾つかのテーマについて、開発途上国の参加をどうするかというのは今後の課題であると思います。今後、各テーマごとにリード国が中心になって参加国と相談をし、開発途上国が参加をしたいと、こういうようなお申し入れがあった場合にどう対応するのか。私どもとしては、なるべく積極的にこれに対応すべきだと思っておりますが、そういう開発途上国の参加につきましては、今後の課題ということになってくるように思われます。
  107. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 この科学技術部会の報告というのは、今後先進国間でどういうような扱いを受けていくのかということですけれども、次のサミットでもいろいろ討議をされようと思いますけれども、日本としても、科学技術先進国としまして、やはりこのサミットにおきましてはこの問題につきましてもいろいろと提案もし、いろいろと協議の中心になっていかなきゃならない立場じゃないかと思いますが、その点どのようにお考えでしょうか。
  108. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 一応次の、五月下旬でございますか、アメリカで開かれるサミットにおきまして、この報告書が議題になることははっきりいたしております。ただ、その際どういう検討が行われるかという点につきましては、現在いろいろと検討中でございまして、りっぱな報告書でございますから、私はこの報告書が承認されることは間違いないと思いますが、これに関連してどういう議論が展開されるのか、現在、各国寄り寄り検討中だと、こういう状況になっているわけでございます。
  109. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 日本は、先ほど申しましたように技術先進国でございますので、責任ある立場で臨まなきゃならないと思います。今回のこの討議につきましても、参加しているところはほとんど先進諸国でございますし、また、いま世界の科学技術の研究開発を進めているところのトップを切っているのはやはりこの国々だと思いますけれども、しかし、その中でも軍事研究開発、これが何といっても多くを占めているのじゃないかと思うのです。また、先ほどお話がありましたように、先端技術と南北問題とか、そういった問題もまだまだございますし、日本としてこのサミットに臨むに当たりましては、やはり責任ある立場を確立して臨んでいただきたい、このことを申し上げておきたいと思うんです。  次に入ります。十八日に中曽根総理が筑波に視察に行かれるそうですけれども、最近何か科学技術づいているのじゃないかという感じもするのですが、やはりたくさんの国費と長年の歳月を投じてこれをつくり上げてきたわけでございますから、今後は、都市施設の整備はもとよりのこと、研究機関相互の研究の連携強化、これも図っていただきたいと思うんです。いろいろな研究を図ったその集積効果を十分に出すことが今後必要であると思いますが、その点についてどのような構想を考えておられますか。
  110. 下邨昭三

    ○政府委員(下邨昭三君) 筑波の研究学園都市は、三十八年に閣議で決定されまして、十七年の歳月と一兆円の投資をされまして、五十五年の三月に概成したわけでございます。  その中には、国の関係機関が四十五機関すでに業務を開始しておりますし、さらに一つの機関が建設中でございます。国立の試験研究機関の約三〇%が筑波に集中しているということでございまして、人員と予算にいたしますと、国立研究機関の四〇%が集中しております。その中で集積効果をできるだけ発揮しなければいけないわけでございまして、そのために私どもといたしましては、筑波に所在いたします研究機関の長で構成されております連絡協議会をつくりまして、システムとしてどういうふうな協力ができるかというようなことを常々検討しておるところでございますし、また、研究交流センターというのを私どもで持っておりますが、そこでお世話を申し上げまして、いろいろと共通的な課題もございますので、二十二の研究グループをつくりまして研究交流が進められておるというのが現状でございます。  これからも、なお一層この協力を進めてまいりたいと思っております。
  111. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 研究学園都市は、日本が創造的研究を育てて、世界の発展に積極的に貢献するために重要な役割りを果たすことが期待されているわけですけれども、筑波と諸外国の研究交流、これを積極的に推進すべきじゃないかと思いますが、その点はどのように進めていますか。
  112. 下邨昭三

    ○政府委員(下邨昭三君) 最近、諸外国からの首脳が来日されますと、筑波研究学園都市を訪問されます。内外の評価が高いのではないかと思いますが、そういうときにいつも、筑波研究学園都市と諸外国との交流関係を深めようではないかという話が出ます。私どもも当然そういうふうに進めるべきだと考えておりまして、具体的な例といたしましては、フランスからの要望もございまして、具体的に申しますとパリの南にございます南イル・ド・フランス研究学園都市というのがございますけれども、そこと筑波の研究学園都市との間で姉妹関係を結ばないかというような話がございます。  姉妹関係と申しましてもいろいろな形態がございます。たとえば自治体同士の姉妹都市というようなものもございますし、大学同士の協力関係というのもございます。それから研究機関のグループとしての協力関係というのもございます。どういう形が実際的に可能かどうか、できるものからやっていこうというような考え方で、まず大学同士の交流関係をつくることになりまして、先日筑波大学とパリ第十一大学と申しますか、パリ南大学とも称しておりますが、そういうところとの交流協定が締結されたところでございます。  私ども、それだけではなくて、もう少しそれを広げたいということで、いろいろとフランスとの間で検討を進めているところでございます。そのほかにつきましても、できるだけ国際交流を深めるように、これからも努力してまいりたいと考えておるところでございます。
  113. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 次に、万博につきましてちょっと触れておきます。  せんだってもちょっと御質問をさせていただいたわけでございますけれども、いよいよ迫ってはきましたのですが、外国の出展、これがやはり一つの大きな、成功するかどうかのかぎを握っているのではないかと思うんですが、外国の出展の招請の活動状況及び現在までの参加表明国については、どのような状態になっておりますか。
  114. 下邨昭三

    ○政府委員(下邨昭三君) 国際科学技術博覧会は国を挙げての国際的事業でございまして、できるだけ多くの外国からの出展が望まれるわけでございます。私どもも積極的な参加招請活動を続けているところでございます。  具体的には、五十六年の十一月に閣議決定をいただきまして、百六十一カ国、五十四国際機関に対しまして出展の招請状を出しました。また、五十七年の十月には、対外活動の中心となります科学万博の政府代表というものを設けまして、井川前駐仏大使がこれに就任いたしまして体制を強化したところでございまして、これまでに北アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパ、東南アジア、中国、韓国等に招請団を派遣いたしました。また、外国からも要人が見えるわけでございますし、こちらからもいろいろな方が外国に行かれますが、あらゆる機会をとらえて招請に努めておるところでございます。  これまでにすでにアメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、チリ、タイ等の九カ国、それから四国際機関から参加の意思表明を受けております。また現在、相当数の外国、国際機関におきまして参加についての検討が進められているところでございます。  今後とも、万博の政府代表、それから博覧会協会、私ども、外務省全体を挙げまして、積極的な招請活動に努めてまいりたいというふうに考えております。
  115. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 あと、問題点は、アクセスの問題があろうかと思うのです。  約二千万人の観客を予定しているということでございますので、万博会場へのアクセス、この対策はどのようになっておりますか、また問題点は何か、どんなところにありますか。
  116. 下邨昭三

    ○政府委員(下邨昭三君) 科学万博におきましては、先ほどお話にございましたように、予想入場者数といたしまして約二千万人を想定いたしております。そのうち一千万人は自動車で行かれる、それから一千万人は鉄道を利用されるというふうに想定しております。いずれの道をとるにいたしましても、筑波という地理的条件を考えますと、輸送問題というのはなかなか大変でございまして、これを円滑に行いますための所要の対策をとっていくことが必要だと考えております。この件につきましては、博覧会協会、茨城県等の協力を得まして関係省庁といろいろと検討をいたしまして、一昨年の十一月に国際科学技術博覧会関係閣僚会議というのを開催していただきまして、特に緊急を要する道路とか鉄道等につきましての事業計画を決定していただきました。  道路につきましては、既設の道路を十分に活用しなければならぬということでございますけれども、そのほかにメーンの道路といたしまして常磐自動車道等の高速道路等がございます。それから、そこから東京までのつなぎの首都高速道路もございます。そういうものを整備していくことにいたしております。その他の広域道路も考えますし、それから会場周辺の道路につきましても重点的に整備をするということにいたしております。  次に鉄道でございますけれども、国鉄の常磐線につきましては、取手より北の方に参りますのが輸送力が非常に小さいということで問題になっておりますが、国鉄が現在進めております通勤輸送対策、東京への通勤が主でございますけれども、その通勤輸送対策の改善計画を活用いたしまして、中距離電車の十五両化を図るとか、編成をふやすというようなことで輸送力の増強を図っていくことといたしております。  常磐線を利用するお客様に対しましては、常磐線の牛久駅と荒川沖駅の間に臨時駅を設置いたしまして、そこから会場までバス輸送をするという計画にいたしております。そのバス輸送について運転要員の確保等いろいろ問題がございます。したがいまして、できるだけ一台でたくさん運べるような連接バスというのをいま考えておりますが、そういうものを導入していこうということで関係方面といろいろと話し合いを続けているところでございます。連接バスを走らせておりますいろいろな国がございますので、近くその国に調査員を派遣して具体的に煮詰めていきたいというふうに考えております。  また、ことしの一月に開かれました関係閣僚会議におきまして、交通安全施設の整備、交通標識とか信号の自動化とかいろいろなものがございますが、そういう整備計画についても御決定をいただきまして、これらを万博に間に合うように進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  117. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 あとは、観客とかあるいは従業員の方々の宿泊の施設ということがやはり問題になってこようと思うんですが、現在あの周辺の収容能力では十分でないと思いますが、その点はどのように対策をとられますか。
  118. 下邨昭三

    ○政府委員(下邨昭三君) 宿泊につきましては先生御指摘のとおりでございまして、会場地周辺の宿泊能力というのは非常に小そうございます。茨城県内の主要都市の宿泊能力も限られております。したがいまして、観客に対します宿泊施設の大宗は、会場から約五十キロ離れておりますが、東京に依存せざるを得ないというふうに考えております。しかしながら、観客の利便とか交通対策等の観点から見ますと、できるだけ会場地付近に宿泊能力を向上させるということが必要でございますので、博覧会協会とか地元の茨城県におきまして種々対策が検討されております。しかし、博覧会の終了後の利用状況を考えますと、恒久的な宿泊施設をつくりましたときには数多くの問題がまた出てまいります。したがいまして、現実的な対応策といたしましては民宿とか民泊とか、そういうようなものを整備していくことが必要なのではないか、また現実的なのではないかということでございまして、茨城県におきまして現在民宿の態勢強化とか、民泊提供者の組織化とか、そんなようなことにつきましていろいろと検討されております。具体的には試験民宿と申しますか、そういうようなものもやってみるというようなことで、組織化に努めておられるところでございます。  それから、従業員とか関係者の宿舎も問題でございますが、これにつきましては住宅・都市整備公団とか雇用促進事業団とか、そういうようなところの公的住宅の利用とか、あるいは民間住宅の借り上げ、仮設住宅の建設というようなものを進めまして、何とか確保してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  119. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 次に、航空宇宙技術研究所で開発を進めてみえますSTOLですね。これは短い滑走路で離着陸できる、あるいは騒音も小さいという特徴があるということでございますけれども、この研究開発に関する考え方とその計画について伺いたいと思います。
  120. 加藤泰丸

    ○政府委員(加藤泰丸君) STOL機の研究開発の考え方並びに計画でございますが、戦後、航空機の研究開発につきましては、わが国の場合かなり長い間のブランクがあったわけでございます。その間世界の航空機は従来のプロペラからジェット化というぐあいに時代が移っていったわけでございますが、そういった非常に重要な時期に、わが国においては航空機の研究が一定期間断絶をしたために、わが国の航空機技術は世界の先進国に対しまして非常に大きく立ちおくれたわけでございます。  そこで、わが国もともかく航空機の技術研究につきまして早く先進国に追いつく、追い抜くということの必要性があったわけでございますが、まず民間用の航空機を自主技術で開発をするということの必要性から、われわれはいろいろな検討をしてまいりました。特にわが国の場合、先ほど先生も御指摘のように、離島が多く非常に国土も狭い。また飛行場の場所も市街地に近く設置されているといったような場合が多うございますので、短距離の離着陸性を持たした飛行機であり、なおかつ低騒音性にすぐれた飛行機を開発する必要があるという考え方が基本にあったわけでございます。同時に、わが国におきましても自主的にジェットエンジンを開発するというような計画が一方では先行いたしまして、通商産業省工業技術院の大型工業技術開発制度によりまして、科学技術庁航空宇宙技術研究所の協力のもとに開発をして、FJRというエンジンの研究をしてまいったわけでございますが、その推力が大体一基当たり五トンの推力を持ったもので、これは中型の飛行機には非常に役に立つエンジンと考えたものが、これが成功したわけでございます。そのようなエンジンをひとつ実用化に結びつけるといった意味も兼ねまして、ここでSTOL機の研究開発にかかるというふうにしたのが、STOL機の研究開発の基本的な考え方でございます。  このSTOL機につきましては、昭和五十二年から基礎的な設計研究に入りまして、現段階においてはその実機の組み立てに邁進しているというところでございます。
  121. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 いま第一号機というんですか、試作機がされていますけれども、今後はどのような予定で進められますか。
  122. 加藤泰丸

    ○政府委員(加藤泰丸君) STOLの実験機につきましては、現在機体の全体組み立てが行われております。その作業が順調に進んでおりまして、五十九年度の初めには初飛行ができるというところまでこぎつけてまいりました。そして、この実験機の製作と並行いたしまして、各種新技術の開発のための、たとえば飛行シミュレーション試験であるとかエンジンの地上試験といったような関連試験も、精力的に現在進められております。  なお、この実験機が完成した後、すなわち昭和五十九年からでございますが、昭和五十九年度からは三カ年間にわたりまして、この実験機を用いて飛行実験をするというような計画も持っているわけでございます。この実験機を用いましての飛行実験では、アッパー・サーフェス・ブローイングによる動力式高揚力システム、これはもとよりでございますが、そのほかに電気信号によって飛行制御を行うフライ・バイ・ワイヤの方式、あるいはディジタルコンピューターによって操縦の自動化ないし安定化の増大を図るSCAS方式、そういったような各種の新しい技術につきまして多角的に試験を行って、その実用性を実証していくということを考えているわけでございます。
  123. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 次に、原発公開ヒヤリングについてお尋ねします。  せんだって、五月に予定されています中国電力の島根原子力発電所二号機ですか、この増設に伴います原子力安全委員会主催の第二次公開ヒヤリングに、島根県評などの皆さん方が参加することが決まったということが報道されているわけですが、これはどのような経緯があって実現したんでしょうか。
  124. 御園生圭輔

    ○説明員(御園生圭輔君) 原子力安全委員会は、発足いたしましたときから、昭和五十一年の原子力行政懇談会の御意見に従いまして、ダブルチェックをするときに地元の方々の御意見を反映させようということで、第二次公開ヒヤリングを行ってまいりました。現在まで七回行っておりますが、毎回、前回行いましたことから経験を得まして、何らかの改善を施しつつ現在までに七回いたしたところでございます。  今回予定されております五月十三日、十四日に行います中国電力島根原子力発電所二号炉の公開ヒヤリングにつきましては、島根県知事からの強い御要請もございまして、もともと公開ヒヤリングを行いますのには地元の方々の御意見を伺いまして御協力を得ないとできませんのですが、島根県知事の強い御要望がございましたので、従来一日やっておりました日にちを二日にする。それから、いわゆる反対派に属する方々に対しても十分な時間を差し上げる。まあほぼ半分ぐらいの時間は割り当てる。あるいは、従来はお一人に対して質問時間十分ということにしておりましたけれども、このたびは、適当であると委員会が考えました場合には一人四十分を限度として時間を延ばすというふうな、幾つかの改善点を取り上げまして、従来にも増して多様方式を取り入れたヒヤリングをやろうということを考えておる次第でございます。  本来、原子力安全委員会の行います公開ヒヤリングは、反対であるとか賛成であるというふうなそういう立場の区別がなく、十分な討議が行われる、自由に討議が行われるということが私たちの念願でございました。今回行われますヒヤリングにおきましては、われわれが念願にしておりました自由で濶達な意見交換ができることを私たちは大いに期待しております。ただ、初めての試みでございますので、われわれも運営に十分注意をいたしまして、地元の方々の御意見が十分われわれに酌み取ることができますように、また、その結果をダブルチェックに反映させることができるように努力してやっていきたいと考えておるところでございます。
  125. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 いまお話のあったとおりだと思いますが、いわゆる島根方式というのが定着して今後同じようなヒヤリングが開かれるか否かは、今回行われるいわゆる島根方式が成功するかどうかにかかっているんじゃないかと思うのです。  そこで、いまお話のありましたように、反原発派の皆さん方、そういう反対の皆さん方の意見陳述とか、あるいは主催者側の説明がうまくそこでかみ合うかどうか、あるいは陳述意見が原子力安全行政に反映できるかどうか、そういうことにもかかっていると思いますけれども、科学技術庁としてはこの方式についてどのようなお考えをお持ちですか。
  126. 赤羽信久

    ○政府委員(赤羽信久君) 第二次公開ヒヤリングは原子力安全委員会の主催する会でございますので、ただいま委員長からお答え申し上げましたように、できるだけ地元の意見を広く伺い、かつ忌憚ない意見を伺うにはどうしたらいいかということを従来もいろいろ工夫してきたわけでございます。今度はかなり立ち入った県知事さんのごあっせんがありまして、大幅の改善といいますか、前進ができたのじゃないか。ただ、先生の御指摘のように、実際に行われます議論がどうなるかということはまだ未知数ではございます。しかしながら、必ずしもきちんとかみ合わなくても、それぞれの立場、それぞれの意見の人が忌憚なく意見を言っていただくということによりまして、答弁側もそれぞれ対応した答弁をいたすべきでございますし、特にその意見を参酌する立場にあります安全委員会及びわれわれ事務局としましては、それなりの生の意見を十分酌み入れて審査に参考にしていきたい。当面はそう考えていくのじゃないかなと考えておるところでございます。
  127. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 前回行われました東京電力の柏崎原発の第二次公開ヒヤリングは、これはいわゆる文書方式が採用されましたんですが、今後第二次公開ヒヤリングが予定されています東北電力の巻発電所一号あるいは北海道電力の泊発電所一号及び二号などについては、文書方式にかわって島根方式を採用する考えはあるのでしょうか。
  128. 御園生圭輔

    ○説明員(御園生圭輔君) 公開ヒヤリングを実施するに当たりましては、どうしても地元の方の御理解と御協力が必要でございます。これがございませんとできませんので、それぞれ地元の個別事情というものがあるかと思いますので、そのときそのときにその御意向を参酌して行わざるを得ないと考えております。  ただいまお話がありました東北電力の巻原子力発電所、それから北海道の共和・泊原子力発電所につきましては、通産がいま審議をしておる段階でございまして、まだ私たちの方に諮問が来ておりません。したがいまして、いますぐこういうふうにするつもりだと申し上げることはむずかしゅうございますが、先生のおっしゃいますように、自由な場で討論ができるということが一番望ましいことでもございますし、この二つの発電所につきましては、ともにまだ安全委員会が一回も二次公開ヒヤリングを行っていない場所でございます。したがって、できることならば、委員会といたしましては、対話方式を主としたものでやりたいと考えておりますけれども、これは地元の御事情にもよると思いますので、地元の方々の御意見を聞いてからどういうふうにするかを決めていきたいと考えております。  安全委員会といたしましては、地元の方々と意思の疎通を図りながら、それを行政に反映させるようにダブルチェックをするということが最も重要だとわれわれは考えておりますので、そういう意味で今後とも努力をしていく所存でございます。
  129. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 第一次公開ヒヤリングにつきましては通産省が主催しているわけですけれども、通産省はこのいわゆる島根方式につきましてはどのような見解をお持ちですか。
  130. 高沢信行

    ○説明員(高沢信行君) 第一次公開ヒヤリング制度は、先生御承知のとおり、原子力発電の円滑な立地の促進のために地元の方々の理解と御協力を得ることが非常に大事ということで、電調審上程前に地元において開催をしてきたわけでございます。五十四年以来これまで六回開催をしてきているわけでございます。  今回の島根方式につきましては、私ども、この島根の動きが地域の特殊事情なのか、あるいはこれが今後全国的な趨勢になるのか、それからまた、今回の公開ヒヤリングが非常に成功裏に実りある対話が実現できるかどうか、大きな関心を有して眺めているところでございます。したがいまして、今後、第一次公開ヒヤリングに当たりましては、島根の実績も踏まえまして、それからまた、各地域地域でいろいろな御要望もあるかと思いますので、そういった御要望も踏まえまして、私ども、対話の精神が生かされますよう最善の努力をしていきたいと考えているわけでございます。
  131. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 終わります。
  132. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 本日は、静岡県浜岡町にある中部電力の浜岡原発の安全性問題について、幾つか質問をいたしたいと思います。  まず、浜岡原発は、予知と安全対策強化が強調されています東海大地震の想定震源域、この真上にあるというふうに言われているわけでありますけれども、事実そうですね。
  133. 末廣恵雄

    ○説明員(末廣恵雄君) 中部電力の浜岡発電所は、先生いま御指摘のとおり、東海地震の想定地域にございます。
  134. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 地震予知連の力武常次教授が、その著書「総点検地震列島」という本の中の百三十ページから百三十一ページ、ここにおいて、東海大地震が発生したら浜岡の原発は壊滅的打撃を受けかねないという危惧を表明されているわけであります。このようなところに原子力発電所をつくるというのは全く無謀だというふうに私は思うわけでありますが、三号炉の建設工事、これは現在どういう状況にありますか。
  135. 末廣恵雄

    ○説明員(末廣恵雄君) 三号機でございますが、昨年十一月に現地工事を開始いたしまして、基礎の掘削を始め、現在原子炉建屋の基礎コンクリートの打設を開始しておるところでございます。
  136. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 この三号炉の敷地の地盤には、中部電力の増設申請書でも、H断層という大きな断層が存在をしておるというふうに書いておるわけであります。この原子力発電所の安全性をめぐって大いに問題になっておるところであります。  いまもありましたように、現在掘削中ということでありますが、したがって土をはがして削り上げておるということで、問題の断層がどういう姿になっているのか、それが非常にわかりやすく目に映るという状況にあると思うんです。したがって、いろいろ言われておる心配、不安、これを解消するためにも、そういう不安を表明しておる住民や学者、専門家、そういう方々から一遍この現場を公開してもらいたい、こういう声が強く出されているわけでありますけれども、ぜひ実際の現在の工事の姿、その掘削のそこにあらわれておる姿、こういうものを見せるにはちょうどいまいい時期、上に全部建屋が建ってしまいますと見ようと思ってもなかなかむずかしいので、チャンスとも言うべき時期でありますから、一遍、それを希望される人たちに、公開の希望があればひとつ見せるということをぜひやってもらったらどうかというふうに私は思うんですけれども、どうでしょう。
  137. 末廣恵雄

    ○説明員(末廣恵雄君) 浜岡三号機のサイトでございますが、ここにはいわゆるH断層、H断層系と私ども申しておりますが、海岸線にほぼ平行に走っております三本の断層が存在しております。それは当初、ボーリング調査とかあるいは試掘坑調査を行いまして、その結果そういった断層があるということは認められているわけでございますが、この断層につきましては、私どもも安全審査の段階で十分評価いたしまして、安全上支障となるものでないというふうに判断しているわけでございます。  ただいま先生から、こういったサイトの状況について一般の方に見る機会をつくってはということでございますが、この断層につきましては、試掘坑調査をやっております段階で、試掘坑の中でいろいろ見えるわけでございますが、この試掘坑につきましては、一般的な見学と申しますか、発電所にいろいろ見学に来られた方々に対しまして従来から、希望があれば、現場のいろいろ制約条件がございますが、差し支えない限りお見せしているわけです。それで、こういったH断層系につきましては外部の方もこれまで見ておられるわけでございますが、ただいま現状を申し上げますと、すでに工事を始めておりまして、実際には基礎の掘削工事をやりましてあそこはほとんど掘削しておりますし、それから、あと、コンクリートの充てんを一部やっておりますので、現実問題としてはいま見学できる場所というのは非常に少なくなっております。したがいまして、従来いろいろお見せしていたわけですが、現時点で申し上げますと、非常に困難な状況でございます。
  138. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 希望される方々に見せないわけではない。試掘坑については見せる。こういうような言い方をされているわけですけれども、私がなおちょっと確かめなくちゃいかぬと思いますのは、通産省なり、電力会社、中電の方なりが、そちらの判断でセレクトをして、これについては見せますということじゃなく、不安を持っておる住民の代表、あるいは学者、専門家、これがここここの部分については一遍しかと目で見たいということを希望する部分については、極力見せる、こういうふうに対応をする気持ちだというふうに理解していいんですか。
  139. 末廣恵雄

    ○説明員(末廣恵雄君) 発電所の見学自体は支障ないかと思いますが、サイトの場所によりましては現場工事をやっておりますので、工事の制約上どうしても制限があろうかと思います。ですから、必ずしも御希望に沿いかねる場合もあるかと思います。
  140. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 何も物すごい大人数が押しかけて、この工事の進行がそのことによって妨害をされるとか、中断をされるとか、こういう極端なことを私は申し上げているわけじゃない。  住民の代表、学者、専門家、そういう代表の人たちがぜひここの部分については不安があるから見たい、こういうことで表明があった場合、その部分については見せる、基本的に見せる、こういうことですね。
  141. 末廣恵雄

    ○説明員(末廣恵雄君) 具体的に電力会社の方に申し入れがございました時点で御相談させていただきたいと思います。先ほど申し上げましたように、いま現場工事を実施しておりますので、いまここでお約束しかねるところでございますので、電力会社の方にはそういった方向で私ども指導したいと思います。
  142. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 具体的に指導したいと。私、大変念を押すようですけれども、ここの席上では、できるだけ見せるようにしたい、こう言いながら、しかし実際には折衝の窓口は電力会社側と、こうなるわけですね。その段階で何だかんだという理由をつけて実際は見せないということが起こるんじゃないかという危惧をして、くどいように念を押すような聞き方をするわけですけれども、特別の理由がない限り基本的に見せる、こういう方向で通産省としては電力会社の側を指導しましょうと、こういうことですね。
  143. 末廣恵雄

    ○説明員(末廣恵雄君) 先ほど申し上げましたように、現場工事をやっておりますので、その状況に応じて御相談させていただきたいと思います。
  144. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 安全委員会からおいでを願っておりますので、この機会に安全委員会の見解もひとつあわせてお伺いしておきたいと思います。  一号炉、二号炉はもちろんですけれども、この三号炉についても安全審査を、安全委員会としてダブル審査をなさってやってきておる、こういう問題でありますし、本来の安全委員会の任務、理念、この理念に照らして、国民が納得をするような形で原子力開発行政を進めていくという基本的見地、そういう点からいって、住民や学者、専門家の方々から、ぜひこういう点については一遍目でしかと確かめたいという希望が出ているという問題については、ひとつ極力それに応ずる方向で対応をしていくという立場で必要な指導をしていく、これも安全委員会の精神だ、基本精神だというふうに理解をしてよろしいですね。
  145. 御園生圭輔

    ○説明員(御園生圭輔君) 原子力安全委員会が負わされております使命というのは、必ずしもいま先生御指摘のようなことではございませんで、これは実際には設置法で細かく規制されておりますので、全般的なことについて、よろしいとかどうとかというようなお返事はちょっとむずかしいと思います。  ただ、原子炉のダブルチェックをいたします場合について申しますというと、具体的には、通産大臣の方から、通産省が行いました安全審査書をつけて、安全と技術的基準についての諮問をわれわれは受けるわけでございます。それで、その安全審査書につきましては、電力会社から提出されました申請書などとあわせて私たちは審査をいたします。この申請書そのものも公表されておるものでございますし、それから審査書そのものも公表されているものでございます。私たちは、それに基づきまして、原子炉安全審査会などに指示をいたしまして詳しい審査をいたさせております。専門家たちは現地調査を行いましたりいろいろなことをして、最後に答申書を出すわけでございますが、この答申書も公表されておりますし、それから、審査を進めていく段階においては、先ほど申しました公開ヒヤリングを行いまして、十分に地元の方々の御意見は伺える計らいをしております。その結果につきましては、答申書を出しましたときに参酌状況書を出しましてこれも公表されております。  そういう意味で、原子力安全委員会が関していることに関しましては、いわゆる公開の原則は担保されていると私は考えております。
  146. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 公開の原則というのは原子力行政の基本精神だということをいまも言われておるわけですけれども、直接この問題とどうこうということはですね、そういう基本精神について私もお尋ねをしたわけですけれども。  それで、大臣、ちょっとあわせてお尋ねをしておきたい。  いま問題にしておりますその断層の姿についていろいろ不安を持っておる住民や学者、専門家の方たちが、一遍ひとつしかと目で確かめてみたいということに対して、極力そういう希望に対して対応していくというのは、電力会社を直接指導するのは通産省かしれませんけれども、当委員会、科学技術特別委員会として長官が本日ここの総責任者として出ておられますので、長官としてもそういう基本精神でひとつ必要な指導をやっていただきたい、当然そういうことでしかるべきじゃないかというふうに思いますので、その点の見解を求めておきます。
  147. 安田隆明

    ○国務大臣(安田隆明君) 先ほど来、佐藤先生のお話をお聞きしておりました。吉田先生からもこの原子力政策の推進について、安全性の問題につきましてずいぶんいろいろと御質問、問答があったわけであります。私はこういうふうに思っております。  いわゆる電源立地、いわゆる原子力発電所を設置する事業者もしくは設置する者、これは一体何を先行的に、優先的に考えるであろうか。われわれは、これはもう行政は、あくまでも安全というものを第一義的に考える、これはもう当然中の当然だと思います。こういう側面の中において、次に一体経済性をどう持つかと、こういうことになるわけであります。だから、設置者、事業者というものが、いわゆる経済性を優先しちゃって、そして安全性を二義的に考えるということは、これはおよそわれわれは許しませんし、また事業者もそれは考えられないことなんであります。ただ私たちは、やはりこれ科学技術庁として、あるいは試験研究機関として、経済性について、いかにすれば経済性を維持することができるかという研究は、これはやりますわ。  だから、私いろいろ御質問を聞いておりまして、安全性はこれは絶対第一義的、先行的、優先的なものであると。じゃそれは担保できているの、こういうことになりますれば、これはもう佐藤先生御存じのとおり、第三条機関と同じような性格を持った安全委員会という公正中立な、しかもすばらしい見識とそういう経験を持ったこういう人たちで構成される、こういう人たちによって審査を受ける、審査をする、こういうことになっておるわけでありますから、政府はこの意見を尊重しなければならないという義務を課せられている安全委員会の答申でございますれば、いま委員長のおっしゃいましたとおり、そのとおり私たちはこれを尊重し、これを履行すると、こういう義務を負っておるわけであります。  いま安全委員長からいろいろ御答弁がございましたが、私はそのとおりでございまして、そうしてそれを見せるのか見せないのか、こうなりますれば、これはいま委員長もいろいろお話がございましたが、これはもうケース・バイ・ケース、事情によって、あるいは見せることもあるでしょう。あるいは、これはちょっと都合が悪いからということもあるかもわかりませんけれども、私にいまどう考えるのか、どういう行政指導をするのかとこうなりまするというと、私は、安全委員長がいま御答弁になりましたそのいわゆる考え方、その精神の延長の中において行政指導を行っていくと、こういうことで御了解願いたいと思います。
  148. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 いろいろ長い答弁をなさったわけでありますけれども、長官も原子力発電については安全性の担保、これが前提だと言われるわけですし、それから安全委員長の方も安全性を確保するためにも公開の原則、これが原子力行政の基本精神だと言われた、それと同じ立場でございますということでありますので、ひとついろいろ表明をされておる不安に対しては極力公開をして、見たいという部分は見てもらう、こういうことで対応してもらいたいというふうに思うのであります。  私が冒頭からなぜこのことをしつこいようにきょう申し上げておるかということでありますが、実は、御承知のことと思いますが、この浜岡原発付近の白羽というところで先日、日本科学者会議の藤井陽一郎茨城大学教授を初めとする調査団、この研究者の皆さん方が調査の結果、第四紀層を切る断層の露頭が発見をされたということが発表されているわけであります。これは、この浜岡原発三号炉の安全審査に重大なミス、重大な見過ごし、見逃し、これがあったことを浮き彫りにする問題でありますので、実は私は特にこのことをきょうは取り上げておるわけであります。  三号炉の増設についての本来の中部電力の申請書では、原発敷地に東西方向に平行して走る断層いわゆるH断層が存在すると。この断層は、基盤になる百七十万年以前の古い地層である相良層、これを切っている。そして、このH断層を第四紀層との関係を調査して、断層の活動性を検討するために付近の十数カ所の露頭を観測しまして、いずれも上位の第四紀層に変位を与えていないということで、敷地のH断層も第四紀後期以降動いていない、つまり安全だと、こういう結論を出してこの申請書に記載をしているわけであります。これを受けて、通産省も安全委員会もそれをそのまま認めて、建設オーケーというゴーサインを出した。  ところが今回、この藤井教授を初めとする調査団の調査、これによって、御前崎町の白羽断層の露頭で第四紀層の御前崎礫層に変位を与えているということが明確になったと発表になっているわけであります。  この事実は、中部電力の、H断層は安全という評価、いわばこのポイントを覆すような重大な指摘になるわけです。こうした点でこの三号炉の安全審査には重大な問題があったというふうに私は思うんですが、その点について安全委員会の御見解はどうですか。
  149. 御園生圭輔

    ○説明員(御園生圭輔君) この点は通産が直接答えた方が私はいいと思うんですが、これは栗田議員から質問書が出ていると私は聞いておりますので、それについて通産の方が現在準備をしているのだと思いますが。  私たちがダブルチェックの申請を受けましたのは五十五年の十二月でございます。それで、通産の審査書並びに中部電力の変更申請書に基づいて専門家が十分検討しておりまして、その敷地ばかりでなしに敷地周辺の地質、地盤も十分に検討をしており、その結果H断層は問題がないものという判断を下しております。現在のところは私たちは、われわれの専門家が十分によく調査した上で加えた判断は正しいと考えております。
  150. 末廣恵雄

    ○説明員(末廣恵雄君) 先生御指摘の白羽の露頭でございますが、私ども、浜岡原子力発電所の三号炉の安全審査に当たりまして、この露頭も含めまして十分検討を行っております。この露頭につきましては、いわゆる地層といたしまして上の方が比較的新しい地層、いわゆる第四紀層でございますが、これは御前崎礫層と言っているわけですが、その御前崎礫層を切る断層と、それから下の方のいわゆる古い相良層を切る断層とはつながっているものじゃないというふうな判断を下しております。
  151. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 通産省、そうするといまのあなたの言い方は、藤井教授を初めとする調査、これのこの問題の指摘、これは一顧だにするに値しない。そういう指摘があったからもう一遍調べていこうという気持ちもない、黙殺というようなそういう態度ですか。
  152. 末廣恵雄

    ○説明員(末廣恵雄君) 当該露頭につきましては、私ども審査の段階で十分検討しておりますので、いま現時点で再度検討するということは考えておりません。
  153. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 この機会に安全委員会にお尋ねをしておきますけれども、先ほど来私が申し上げておるような、藤井教授を初めとするそういう指摘が出されてきているわけですけれども、本来、この三号炉の安全審査をなさった場合に、安全委員会としては独自の実地調査はしたんですか。それとも、通産省の方から出されてきた審査報告書、これの書面審査だけですか、どうですか、ちょっとついでに聞いておきます。
  154. 御園生圭輔

    ○説明員(御園生圭輔君) ダブルチェックというたてまえから申しますと、通産が持ってきました安全審査書に基づいてこれを審査するということでございます。が、何と申しましても地質、地盤ということは重要でございますので、原子炉安全審査会の中にそのような専門家がございまして、実地調査はいたしております。
  155. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 実地調査をした。
  156. 御園生圭輔

    ○説明員(御園生圭輔君) いたしております。
  157. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 安全委員会の責任で。
  158. 御園生圭輔

    ○説明員(御園生圭輔君) もちろん安全委員会の責任でございます。ただ、どこまでも審査書に基づいて。審査書と申しますのは、通産省が審査を申請してまいりました安全審査書に基づいて、こちらの専門家が実地踏査も加えまして審査をしたということでございます。
  159. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 私が念を押すような形で質問をしたのに対してそういう言い方をされているのですけれども、私は、本当に安全委員会が独自の立場で実地調査をなさったのか大変疑問なんです。あくまで基本は書面審査にとどまっておるんじゃないかというふうに思うんですけれども、この調査団がどういう指摘をしているか、もう少し具体的な話に入って、一つ一つはっきりしていきましょう。  そこでまず、中部電力が、いずれもこの上位の第四紀層に変位を与えていない、安全だ、大丈夫だ、こういうふうにしておるところの、十数カ所で観察をしたという露顕ですね、この観察を行った十数カ所の露頭の明確な場所、それから露顕のスケッチ、これは公開できますね、公表できますね。
  160. 末廣恵雄

    ○説明員(末廣恵雄君) 申請書にあります十数カ所の露頭と申しますのは、申請書の中の資料に、地図の中にその場所が明示されてございます。
  161. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 スケッチは。露頭スケッチ。
  162. 末廣恵雄

    ○説明員(末廣恵雄君) 露頭スケッチにつきましては、この十数カ所の露頭を検討いたしました目的は、サイトの中のH断層系の評価を行うためにやったわけでございますが、そのH断層系の評価、判断に必要な露頭につきましては、スケッチ図も添付書類の中に入っております。
  163. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 安全委員長なり、あるいは当時は長官ではなかったんですけれども現在の安田長官、念頭にとどまっているんでしょうか。申請書に添付をされております、観測を行ったという露頭のスケッチ、これは、この問題になっておる、不安の集まっておる決定的な地点、これについては一枚しかないんですよ、申請書に添付をされておるスケッチ図は。そして、ほかにもたくさんスケッチが載っているけれども、それは言うなら問題の地域から遠く離れたような、島田だとか、天竜だとか、富士川だとか、焼津だとか、こういうところの図は確かに幾つか載っている。しかし問題の地域、そこの地域のスケッチは、これは御前崎、白羽の三十六H〇一という、これ一枚ですね。  こんな一枚だけ載せて、スケッチをごらんいただければこういうことだ、安全性は全く心配ございません、こういう説明になり得るか。そういうことになっておるということを安全委員長御存じでしょうか。
  164. 御園生圭輔

    ○説明員(御園生圭輔君) 申請書に出ております断層のスケッチは、御指摘のとおり、番号の名前は忘れましたが、それは出ております。実際に専門家が踏査しておりますのは、今回栗田議員が御指摘なさっていると思われるところも踏査はしておるようでございます。ただ、これは申請書にそのスケッチは載っていないことは間違いないかと思いますが、実際に踏査はしております。
  165. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 申請書に添付をしているスケッチ図は、私の言うとおりだと。片や、衆議院の栗田議員が提出をしておるこの疑問点、全部で十数カ所、これのスケッチ図はあるというわけですね。だからそれは、見せてくれと言ったら公開できますね、見せられますね。当然あるでしょうね、スケッチ図。なかったとしたら、ぐあいが悪いからないというふうにわざと言い張っておるのかというふうに言わざるを得なくなるわけで、だからそれを見せてくれと言ったら見せられますね。
  166. 末廣恵雄

    ○説明員(末廣恵雄君) 公開資料といたしまして申請書をどういう形で整理するかという問題になるかと思いますが、本件の場合につきまして申し上げますと、申請書の説明といいますか、体系といたしまして、こういった十数カ所の露頭を調査検討したということで、その十数カ所の場所が申請書の中に明示されておりまして、その結果、敷地の内部のH断層系を評価する上に必要な、必要なといいますか、有益な露頭、それがこの申請書の中に代表的に載っているわけでございます。その他につきましては、私どもも現地調査等で直接このサイトの中の断層系を評価するに当たり、直接関係ないということも確認しております。したがいまして、申請書の中ではその必要な部分だけが載っているということでございます。
  167. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 安全委員長、いまのような論法で、不安を持っている人たちの不安が解消できると思いますか。全部で十数カ所の露頭の観測をした。しかし、三号炉増設の申請書につけた添付資料にはどれを載せるかということについては、これは電力会社なり通産省の方の判断でセレクトしたんです、こう言われたって、それは都合の悪いのは隠したんと違うかというふうに思う人が出てきますね。それがいま不安を呼んでおるわけです。しかし、とにかく観測したという以上は全部スケッチはあるはずなんですね。あるはずなんだから一遍全部見せてくれと、こう言うてもあなたは答えない、見せるとも見せないとも。これで一体不安が解消できると思いますか、安全委員長。
  168. 御園生圭輔

    ○説明員(御園生圭輔君) これは議論の仕方によるんだと思うんですけれども、恐らく申請書にはこれだけで十分だと思うものを載せてきているんだと思います。  それから、通産が一次審査をします場合も、これは専門家がおりますからそれ以外の場所も十分見ているんだと思います。その場合に、一々それを新しく載せる必要はない、それほどのことはないと考えればそのままで済んできている、現在のような形で済んでいるんだと思います。私たちはそういう書類をもとにして現地踏査を加えながら審査をいたすわけでございますが、専門家が見まして、これでわかるということになれば、専門家の意見というものは貴重でございますので、私たちは、専門家の十分見た書類も見、現地も探査した上で、大丈夫であるという答申が出てまいりますと、その筋が納得できればそれは間違いないものと、こういうふうに判断するわけでございます。
  169. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 私はいまの論理、依然として説得力がないと思いますね。じゃ逆に聞きましょう。ほかのものは見せたらぐあいが悪いんですか、何か都合が悪いことが起こりますか。起こりませんね。
  170. 御園生圭輔

    ○説明員(御園生圭輔君) 私は見せてぐあいが悪いとかいいとかいう問題ではないと思うんです。なぜそれを載せていなかったかというお話で、その審査に十分であると考えてつけなかったんだろうということで、われわれはそれ以外のところも含めて調べて結果を出しましたと、こういうふうにお答え申している次第でございまして、出ていないものはぐあいが悪いだろうというふうな論理を展開しているわけではございません。
  171. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 その言い方は、依然として説得力がありませんね。  この写真をちょっと参考に政府側に見せます。これが申請書の地図で言う三十六K〇三ですね、この露頭。すなわち御前崎町広沢、そこに見られる断層の露頭の写真です。この写真にはっきり出てきています。これは言うまでもなく、先ほどから言っている十数カ所で観察をしたというその中の一つ、三十六K〇三でありますけれども、その上部に礫が入っていることは明瞭ですね。こういう上に乗っている礫層に変化を与えている。そういう点で、今回の調査を行った専門家、専門家と言われるんですけれども、私の言っている茨城大学の藤井陽一郎教授、これもこの道の専門家ですけれども、これらの人たちが、断層が礫を引きずり込んで礫層に変位を与えた可能性がある、とても変位は全くないというふうに断定できるものではないというふうに調査の結果を発表しておられるわけです。その写真が雄弁にそのことを語っているわけです。  こうした点で私は、中部電力の当初の申請書、これには重大な作為があるんじゃないかというふうに思えてしようがないわけです。  当初の二号炉の申請書、そこではボーリングで地質調査をしているが、その申請書の中にはこういうふうに書いているわけです。この地域には原子力発電所の基礎として問題になるような規模の断層または破砕帯は見当たらないと。こういう断定、これが基礎になって一号炉、二号炉の建設がどんどん進められた。しかも、その点に十分な点検のメスが入れられないまま三号炉へ進んでいくという、こういう形になってきている。これでも安全委員長、あなたがおっしゃるように、私が思うのでは非常に恣意的なセレクトをしたそういうスケッチ図だけで、もうこれで安全大丈夫というふうに言い切れるのかどうか。  住民や学者、専門家の方々が、この申請書に添付されていない露頭地点のスケッチ図を、当然あるはずだから一遍全部見せてもらいたい、それを見せて何かぐあいが悪いことがあるんですかと、こう聞くと、いやぐあいが悪いわけじゃない、見せる必要がないんだと。こういう言い方ではこれは説得力がない。ですから、本当に納得ずくで原子力行政を進める、あなたも言われる公開の原則というのが鉄則だというふうに言われるんだったら、見たいという人たちには全部スケッチ図を見せるということにしてしかるべきじゃありませんか。
  172. 御園生圭輔

    ○説明員(御園生圭輔君) ちょっと議論がかみ合わなくて恐縮に存じますけれども、安全委員会といたしましては、つけられてきた書類とそれから実際に専門家が現地で見たことから事を判断しているということを申し上げておるので、あるとかないとかいうことはちょっと私には御返事できかねる問題なのでございます。
  173. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 私がこれだけ何回も繰り返し提起しているこの問題について、それならば、そういう不安を表明しておる住民の代表や学者、専門家の人たちに、それ以外のところを見たいというのであれば、それ以外のところの露頭のスケッチ図について見せるという問題について、一遍安全委員会として検討をする、そういう意思もありませんか。
  174. 御園生圭輔

    ○説明員(御園生圭輔君) そういう図があるとかないとかいうことではないと私は思っておりまして、現実に専門家が見て、そういうものは問題はないという判断を下したことを私たちは信用しているということでございます。それから、しかも、公開ヒヤリングその他におきまして、いつでも地元の方の御意見は伺えるように私たちはこれはやってきておりますので、そういう機会をお使いになればよかったというふうに感じる次第でございます。
  175. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 地元の人たちの意見は伺うようにしていると。いま意見が出ているわけですね、見たい、一遍見てみたいという。冒頭、最初の方で言っておったのは、一つは掘削の実際の現場を見たいという、これについてはできるだけそれに対応していくようにしたいということでありますけれども、問題は、申請書に添付されてない露頭地点のスケッチ図、これが意図的に隠されているんではないかという不安を持っているというので、こういう疑問、不安を解消するためにも、なぜ見せられないのですか。くどいようですけれども、何かぐあいの悪いことがあるんですか。こんなにかたくなに拒否されるということは、何かこれは意図的に隠しているんじゃないかというふうに思わざるを得なくなりますよ。見せて何かぐあいの悪いことがあるんですか、もう一遍聞きますけれども。
  176. 末廣恵雄

    ○説明員(末廣恵雄君) 御指摘の露頭でございますが、先ほど御説明申し上げましたように、今回御指摘がありましたように、いわゆる上の第四紀層とそれから下の第三紀層の断層がつながっているというふうな徴候は全くございません。したがいまして、私どもといたしましては、それは設置者の調査結果に基づきまして現地でも確認したわけでございますが、スケッチ図につきましては、そういった意味で安全評価上必要ないということで申請書に載っていないわけでございます。ただ、関心をお持ちの方が非常に多いということをお伺いしましたので、検討させていただきたいと思います。
  177. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 結論が、検討したいということでありますが、ずいぶんこのことだけで時間をとって繰り返し繰り返しただしてきたわけですけれども、この段階で、委員長に二つのことについてひとつ御検討をお願いしておきたいと思うのです。  一つは、私がいろいろ申し上げておきました、住民や学者、専門家のそういう不安、これを解消するためにも、原子力行政の公開の原則から言って、一遍この目で見たい、現場なり資料なり、これを見たいというものについては、極力見せて、言うならば公明正大に原子力行政を進めていくというこの基本精神を貫くということが必要じゃないかということで、いま私は、申請書、そこに添付されていない露頭地点のスケッチ図、これを見たいという者には全部見せる、こういうふうにすべきではないかという問題が一つ。  それから、いままでやってきた専門家の検討を信頼しておるという言い方をされておるのですけれども、私は、この間の専門家の科学者会議の結果、これはこれで耳を傾けるべき重要な問題が指摘されておるということで、本来は、本日この委員会へ、私の質問に何遍も出しました茨城大学の藤井教授をお招きして、ここで必要な発言をしていただこうというふうなつもりをしておったんですけれども、自民党の理事さんの御承諾が得られないので本日実現をしなかったということですけれども、てきるだけ近い機会に藤井教授などを当委員会として招致して、一遍正確にこの藤井教授などの御意見を委員会としてお聞きする。そして、政府側が言っているのと、あるいは安全委員会側がおっしゃっているのと、どっちが科学的に的を射た考えなのかということを委員会として見きわめるということで、この二つの問題を委員長としてしかるべく理事会等での御協議をお願いしておきたい。  二つのことを提起しておきます。
  178. 中野明

    ○委員長(中野明君) 理事会で検討いたします。
  179. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 それでは最後に、もう一つの問題をお尋ねしておきます。  五十六年二月の衆議院予算委員会でわが党の不破議員が質問で取り上げた問題でありまして、いわゆる浜岡原発敷地地盤の液状化問題というのを取り上げてきました。これを受けて、安全委員会としても一定の検討をされてきたわけでありますけれども、その後の安全委員会の報告書を見ますと、地質、地盤の評価について六つの論点、これを整理しつつ、その中の一つに液状化問題というのを検討の課題に上せてきたということになっているわけです。そこの結論が、地震時における敷地前面砂丘の液状化については、最近の知見等に基づいて検討した結果、液状化が発生する可能性のある範囲は一部だ、したがってこれによる原子炉施設への影響はないという結論を下しておられるわけですけれども、一体、安全委員会がどういう根拠とすべき資料に基づいてこういう判断をされたのか。  その判断をした資料、これがまた公開されていないわけであります。明らかにされていない。  あの報告書にはごく二、三行、結論だけが書いてございます。こういう最近の知見等によってということですけれども、どういう知見を引用したのかということなんかは何ら明記されていないということであります。この六つの論点の他の五つ、これについては、本来の中部電力の申請書にもそれなりの、こうこうこういう検討の結果こういう判断だ、こういうことが記載されている。ところがこの液状化問題については、いま言いました結論だけが書いてあるという状況で、この点についても私どもの疑問というのは氷解をしない。  したがって、この液状化問題についていま引用しましたようなそういう判断を下された根拠資料、この根拠資料を公開してもらいたい。この点、まずどうでしょう。
  180. 赤羽信久

    ○政府委員(赤羽信久君) 地質、地盤につきましては、原子炉安全審議会でかなり多くのそれぞれの専門にわたる審査委員に御参加を願って審査しているわけでございます。したがいまして、たとえば最近の知見、これは具体的な数字をちょっと思い出しませんけれども、液状化をする条件というのは最近かなりわかってきております。そのことは主になっているわけでございますが、これは各専門家の方々が専門的に各自、身につけておられる、それに基づいて判断をされるということでございます。もちろん、そのもとをさかのぼっていけば個別の資料というのはあるのでございましょうけれども、その個別の資料を直接対象にして審査をするというのでは、本当の専門的な掘り下げた審査はできないわけでございます。大ぜいの専門家が協議されることによって最新の知見が適用されるという意味でございます。  それで、この場合どうなったかと申しますと、相良層そのものは御承知のとおり、砂岩、泥岩でございまして、これは明らかに液状化の条件を持っていない。砂丘がございまして、それについての状況を調べた結果、砂の部分も全部液状化の対象にならない、一部だけが液状化の対象になるという判断を下したわけでございます。したがいまして、砂丘が崩壊してそれが発電所に影響を与えるというような大きい液状化は起きない。したがって施設への影響はないものと判断するという総合結論になって出たものと記憶しております。
  181. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 依然として抽象的な説明ですね、局長。何月何日実際にこういう調査、観測をやってこうこうこういうデータが得られたのでしたがってこうだ、こういうのの説明もない。あるいは、どれどれという研究プロジェクト、それは単数であれ複数であれ、こういう研究の結果こういう結論に到達をしておるというそういう説明もない。こういう状況では、この液状化問題というようなものを、いわば、別に不安材料にはならない、考慮の対象にならぬという説明をしたことにはならぬでしょう、あなたのいまのような説明では。いろいろ学者がございまして、研究の結果まあまあ大丈夫ということの話になっていますという程度のことです。  これは、それならば、私が正式に請求をすれば、たとえばいま私が言ったような、何月何日どういう調査によって、あるいはだれだれという学者、単数ないし複数、その研究の結果こういうことになっておって、これをもとに安全委員会としては大丈夫という結論を出したんですという、その根拠資料は全部出せますか。
  182. 赤羽信久

    ○政府委員(赤羽信久君) この審査会におきまして、さらに部会あるいは専門の小委員会において議論されるわけでございますが、そこでの議論の仕方と申しますのは、きちんとした印刷物になった資料がある場合もございますし、メモで済ます場合もありますし、あるいはその場で専門家の方々がメモをつくって御議論になる場合もありますし、それから専門家同士でございますから口頭だけでも相当深い議論ができる、いろいろな形があるわけでございます。それを逐一録音あるいは速記をしているわけでもございませんので、すぐ一つのまとまった資料にして提出せよということにつきましては、いかなる話題につきましてもなかなか困難でございまして、お答えしにくいと思います。ただし、その議論の経過をかいつまんで説明せよということでございましたら、現在私詳細な手持ちがございませんけれども、別途御説明に参上することはできるんじゃないかと思っております。
  183. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 とてもいまのような言い方では納得できませんね。もう本日は時間がございませんのであれですけれども、大臣、お聞きになっていて、いまのような説明をしておって、質問者が納得すると思いますか。納得できるはずがない。  さっき引用しましたような、安全委員会としての結論に到達をした、これこれの理由によりこういう結論を出したという、それを正式に文書で出してください、私あてに。要求します。どうですか。
  184. 赤羽信久

    ○政府委員(赤羽信久君) 文書の意味でございますが、先ほど申し上げましたように当日のメモ、口頭のやりとりを全部筆記したものという形では、現在そのものが存在していないわけでございます。しかし、その議論をたどりまして概要を御説明するということでしたら可能でございますので、あるいはそれをメモとして御説明に参上するということはできると思います。
  185. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 とにかくそれを提出してもらって、またこの委員会で議論をしましょう。  本日はこれで終わりましょう。
  186. 小西博行

    ○小西博行君 きょうは長官の所信に対する質問ということでございますので、比較的マクロ的な問題から質問に入らせていただきたいと思います。    〔委員長退席、理事後藤正夫君着席〕  経済もそうでありますが、いま世界全体から見ますと、技術におきましても大変な転換期にきているというふうに私は思います。そういった意味で、大臣が世界の科学技術の動き、これをどのようにとらえていらっしゃるのか、そこ辺からお聞きしたいと思います。    〔理事後藤正夫君退席、委員長着席〕
  187. 安田隆明

    ○国務大臣(安田隆明君) 私も着任いたしまして、科学技術庁の、即わが国の科学技術政策の全体像というものをよく勉強させていただきました。行政体系はこれでいいんだろうかな、その重点はどこにあるんだろうかな、いろいろとらえてみまするというと、先進国はいろいろな態様でもってこの行政の組織、行政の取り組み方をやっておりますけれども、私は先輩の英知によってわが国の行政組織、行政体系はすばらしいものがあるなと。  さてそこで、いま小西先生御指摘のとおり、その中においてわが国はどうなんだろうか、こう考えてみると、そこにはやはり世界はこうであるから今後かくあるべしというものが幾つか出てまいります。  その一つを具体的に申しますると、それはもう先ほど来、遺伝子のようなああいう問題があったでしょう。ああいう問題につきましては、もう少し体制を急速に整えて、そうしてやらなければならないなと。それから、まだいまだしと、こういうことでもう一つ具体的に述べますと、先ほどSTOLの話がございましたけれども、本当に私たちは航空機技術につきましてはすばらしい国でありました。しかし、材質が伴わない。大体もう排気タービンにしましても、それからロケットにしましても、私たち日本の国の方が着想、発想は早かったわけであります。ところがついにそれが実用に供し得なかったというのは、材質にあったわけであります。だからその材質部門につきましてのいわゆる先端的な基礎的な研究というものも、もう一歩世界に追いつくためにやらなければならぬ、こういうふうな具体的な感じを持っておるわけであります。しかし、総じて私は、宇宙科学につきましては、これは後発でありますけれどもよくもここまでいったな、すばらしいものになったなと、こういう感じを持っております。全体をとらえてみますと、先進国の中では私は本当にすばらしい地位、知見というものを備蓄しているところまできているなと、こういうふうに評価いたしております。
  188. 小西博行

    ○小西博行君 この所信の中に大体九項目ぐらいそれぞれ書かれているわけですね、主なものだと思いますけれども。そういった意味で、こういうものも具体的に、たとえば日本の中で展開していく場合のビジョンが要るんじゃないか、中期あるいは長期ですね。こういうものが比較的明確にされていない面がいつも私気になるのですけれども、そのことに対してはどういうお考えでしょうか。
  189. 安田隆明

    ○国務大臣(安田隆明君) これも御指摘のとおりでありまして、ちょうど科学技術会議に先般、三月十四日でございますか、本会議を開催していただきまして、いわゆる将来の展望に立っていまいかにあるべきかという科学技術長期ビジョンというものの全体像を早く出してくださいと、こういう諮問をいたしました。こういうことで、これをいま見守っております。この政策路線というもの、戦術というものを早く欲しいと、こういう段階でございます。私たちはその路線に従ってやりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
  190. 小西博行

    ○小西博行君 予算から見ますと、圧倒的に原子力関係、これが大きいわけですね。だけれども私自身は、原子力はもちろんやらなきゃいかぬのですけれども、それ以外の、いまおっしゃった科学技術会議、ここに何か政府として一つのテーマといいますか、重点的な方向も一緒にあわせてやらないと、どうやら、余りにもやることがたくさんあるものですから、予算配分が中心になってしまってなかなかそれが進まないという感じが前からしておるんですが、その辺に関してどうなんでしょうか。科学技術会議の使い方といいますか、いまおっしゃったようなことだと思いますけれども、もっとそこに目的意識を持っていただけるような何か方向はないものだろうか、こういうふうに思います。
  191. 安田隆明

    ○国務大臣(安田隆明君) 先ほど申しましたけれども、具体的にいわゆるとらえるべき目標というものは、本当に先端的ないわゆるサイエンスの、あるいはまた人体、生命工学の、こういうふうなところが一つの大きな私はとらえどころになるんじゃないか。科学技術庁、何か即原子力、こういうふうな印象を持っていただくのは非常に私も遺憾でありまして、われわれはすばらしい圧縮されたあるものをとらえておるわけでありますが、そういう意味から申しますると、いま本当に、小西先生のおっしゃいますように、ある目標を一つとらえて、その目標のとらえ方はもちろん調整された姿でなくちゃなりませんけれども、いま申しましたそういう分野というものは、科学技術会議の中で私は恐らく答申として出てくるのじゃなかろうかと、こういうふうに思っております。
  192. 小西博行

    ○小西博行君 先ほど太田議員の方からも少しありましたのですけれども、先進国の技術国際協力、こういうことでかなりサミットでもやられまして、そしてそれぞれの分担においてやっていこうというような方向が定まっていると聞いておるんですけれども、その問題についてもう少し詳しく教えていただきたいと思います。
  193. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 先般のサミットの作業部会におきまして、一応全体で二十二のテーマにつきまして共同研究していこうではないかということになりました。そのうち四つのテーマ、光合成、それから原子力関係では軽水炉の安全性の問題、それから先端ロボットの問題、それから太陽電池の問題、この四つのテーマにつきましては、日本が幹事国になって推進しようということになったわけでございます。日本が幹事国となって推進するこのテーマにつきましては、日本がこれ中心でございますけれども、こういうテーマに参加しようという国が各テーマごとに大体数カ国ずつあるわけでございます。そういう数カ国の専門家の方々とすでに会合を持ちまして、今後の進め方、段取りなどの打ち合わせを開始いたしております。たとえば光合成でございますが、これは日本におきましては理研が中心になる予定でございます。先般、理研が中心となりまして参加各国、アメリカ、ヨーロッパ各国などの専門家が日本に参りまして、一種のシンポジウムのような会合を開きましてそれぞれ意見を述べ合った。これを理研の方で取りまとめて、また今後の段取りの案などをつくり各国と相談をしていく、こういうことになるわけでございます。  それから、日本が参加をする予定の十六のテーマがございます。これは核融合ですとかいろんなテーマがございますが、そういうテーマにつきましてはそれぞれリード国が決まっておりますから、その決められたリード国の号令に従ってこれから共同作業を進めていく。それぞれの各テーマにつきまして、日本のようにそういう会合を持ったテーマもありますし、これから持とうというテーマもありまして、目下のところは完全に足並みがそろっているというわけではありませんけれども、お互いに一生懸命やろう、こういうような感じでおりますので、私といたしましては、今後長い期間にわたると思いますけれども、順調に進んでいくのではないかと思っております。
  194. 小西博行

    ○小西博行君 そこででき上がった結果ですね、すばらしい技術が開発される。これはどういうことになっているんでしょうか、でき上がったものに対しては。いろいろな国が参加しているわけでしょうから。それをちょっとお聞きしたい。
  195. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) でき上がった成果の取り扱いについてどうするかということは、まだ統一的な考え方ができていないというのがはっきり申し上げて現在の段階でございます。現在取り上げられているテーマはいずれも相当ロングランのテーマでございますから、すぐにその成果の取り扱いが問題になるといったような事態にはならないものがかなり多いのじゃないかと思っております。したがいまして、関係の専門家の方々もまだそういう問題意識が比較的少ないように思われますが、私は、これから研究が進んでいって、幸いにしてそういうような成果の取り扱いが問題になるような成果が出てきそうだということになるとすれば、恐らく各テーマごとにそれぞれ事情も違ってまいりますので、テーマごとに各国が集まりまして、どうするかということを相談することになるのじゃないかと思います。
  196. 小西博行

    ○小西博行君 リード国になるということはそれだけ日本が進んでいる分野についてもちろんリーダーシップをとるということですから、当然日本の方がかなり有利に一つの研究というものが展開されていくだろうと思うんです。そうしますと、当然、でき上がったものに対して、こうだという非常に強い主張が出てくるんじゃないか。うっかりしますとそこにまた一つの大きな摩擦が出てくるんじゃないか、従来ともそういう経験も何度かありますから、その辺のところが私非常に心配なんです。いいのが出てきたらそのとき話し合うというんだけれども、現実にはそれは非常にむずかしいことじゃないですか。
  197. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) それが出てきそうな段階でやることになるか、あるいはもっと手前の段階で成果の取り扱いをどうするかというのを議論するのか、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたとおり相当ロングランのテーマでございますから、決してそれでのんきであるわけではございませんけれども、先生の御議論もひとつ踏まえて、日本がリード国となっている四つのテーマにつきまして、どういう対応でするのか、寄り寄り検討していきたいと思います。
  198. 小西博行

    ○小西博行君 私は、そこが非常にポイントになるのじゃないかと思うんです。そうしないと、どこの国も思い切って予算をかけてやるというところまでいかないと思いますし、同時に、一流の人間をなかなかよこさないという問題にもなるんじゃないでしょうか。それは、従来日本がわりあいそういう方法でやってきたわけですね。実は本当にできる人というのは別のところにいて、情報を吸収するためにそこへ参加してやるというような、ギブ・アンド・テークの精神からいきますと非常にひきょうな方法というのも、過去産業の関係でもやってきたという事実がありますから、特に私はその辺のところを明確にしておかないと、せっかく協力してやりましょうと言ったものがかえって摩擦の起爆剤になってしまう、そういう感じがするものですから、ぜひともそこを大臣よく考えていただきたい、そのように考えます。  さて、私は、これにちょっと関係しておるわけなんですが、科学技術の情報、これを少し、これはひょっとしたら通告していないんじゃないかと思うんですが、というのは、さっき太田議員の方からかなり質問がありましたものですから。科学技術の情報の方をちょっとお聞きしたいと思うのです。  御承知だと思いますが、科学技術の情報というのは、いま世界じゅうで大体四百万件とかあるいは五百万件と、物すごい膨大な情報が出ていると。しかもそのサイクルというのが非常に短期間で終わってしまう。つまり、いい技術も一年もすれば古いんだという、そういう状態です。陳腐化してしまう。そのように、情報というのは非常に大切じゃないか。だから、ハードの面も非常に大事なんですけれども、むしろそういうソフトの、情報のシステムを一体どうするのだ、こういう問題が私は非常に大切な時期にきているんじゃないかと思います。  いままではほとんど海外からもらってきたんですけれども、どうもその辺がわが国の場合は整備を十分していないのじゃないか。情報のギブ・アンド・テークというのが非常に弱いのじゃないか、もらうばっかりじゃないか、そういう感じがするものですから、特にこの科学技術の分野は非常に大切だと思いますので、その辺に対するお考えをお聞かせ願いたい。
  199. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、科学技術の情報をいかに上手に集め、かつこれをいかに利用者が使いやすいような形で提供するかというのは、科学技術の研究のベースと申しますか、一種のインフラストラクチュアみたいなものでございます。わが国はその点で、アメリカに比べてはもう相当おくれていますし、ヨーロッパに比べても必ずしも進んでいるとは言えないような状態だと思います。御案内のとおり、JICSTと申しまして日本科学技術情報センターという特殊法人がありまして、そこで科学技術情報の収集、それの提供といった仕事をやっております。また最近は、民間でもこういうような仕事をやるようなところも出てきております。  当面私どもは、このJICST、日本科学技術情報センターの業務の充実、強化、特に先生のおっしゃった独自のデータベースをなるべく集めていくという、そういうような方面での業務の強化、充実というものを中心に集めていきたいと思っております。
  200. 小西博行

    ○小西博行君 そこで、科学技術情報活動推進懇談会というのがあるそうでありますが、ここで「科学技術情報活動推進の目標と施策について」というこういうものの中で指摘されておるんですが、当面の課題七項目。これのそれぞれ具体的な施策というんですか、それがどこまで進んでいるんだろうか。それをひとつお聞きしたいんです。この七項目はもうよく御存じだと思います。これ、それぞれについてちょっと簡単に説明していただけませんか。
  201. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) それは数年前に、科学技術情報活動推進懇談会ということで、会長に加藤辨三郎さんになっていただきまして、科学技術庁長官のたしか私的な諮問機関という形で持った会合であると思います。  そこで先生御指摘のとおり七つの点につきまして御意見が出たわけでございますが、まず第一点は「データベースの拡充」でございます。これは一番ベースになるわけでございますが、たとえば、五十三年度におきましては、JICSTの科学技術文献ファイルの年間蓄積件数は三十九万件増でございましたが、五十八年度は四十六万件増、増分がこれだけふえているわけでございます。かなり充実されつつあります。  それから第二点は、同じ項目の中でございますが、いろいろな化合物の関係のデータベースをひとつ開発しようということで、現在科学技術振興調整費をちょうだいいたしまして、そのシステムの開発に着手いたしております。  第二番目の項目が「オンラインサービスの拡充」でございまして、これは先生御案内のとおり、五十六年の四月からJICSTの本格的なオンラインサービス、JOISIIというのを開始いたしております。これは漢字の端末を利用いたしております。これは非常に便利なものでございます。それから、いろいろな情報を提供する科学技術情報提供関係の機関がございますが、そういった機関との共通のネットワークをつくるための技術開発、これも振興調整費をちょうだいして現在開発中でございます。  第三番目が「一次情報サービスと各種案内サービスの強化」という御指摘がなされておりますが、この関係につきましては、たとえばJICSTの情報資料館を五十五年の七月に開設いたしております。  四番目が「国内諸機構の育成」でございますが、これは御案内のとおり、特許情報センターですとか、化学情報協会ですとか、あるいは日本医薬情報センターですとか、こういったところが、ある面ではJICSTと競争しつつ、またある面ではJICSTと補助連携しつつ、それぞれ活発な活動を行っております。それからJICSTの支所、支部も充実いたしておりまして、現在は御案内のとおり、七支所一支部が設置されております。  五番目が「国際協力活動の推進」でございますが、これにつきましては実は本年度から、フランスの一種の政府関係機関でございますが、科学技術ドクメンテーションセンターというのがございますが、こことJICSTとの間で情報収集等でお互いに協力しよう、お互いに人を派遣しようということで予算をちょうだいいたしております。それから同時に、JICSTのファイルのうち農業関係あるいは資源エネルギー関係につきまして、英文の抄録をアジアの諸国に提供いたしております。  六番目は「科学技術情報活動の円滑化」ということでございますが、特に現在は、科学技術情報の様式の標準化の指針などをつくりまして、能率的に情報提供ができるようなそういう検討をいたしております。  それから最後に「筑波地区におけるモデル活動の推進」でございますが、御案内のとおり、筑波支部におきまして各種の案内業務を実施いたしておりますが、筑波地区の三機関、工技院、農林関係あるいは公害研を含めた各種データバンクを共通のネットワークで利用するための技術開発に、これも着手いたしております。  大体、概略以上のとおりでございます。
  202. 小西博行

    ○小西博行君 私の資料によりますと、日立とか、松下、東芝、三菱、それから日本電気、こういう民間の会社でいま均七千億円以上の金を投資して、そういう一つの情報のシステムをつくろうという動きがあるというふうに聞いておるわけですが、これと、実際に国のそういう情報機関との関係、これはどういうかっこうになるんでしょうか。
  203. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 結論的に申し上げますと、そういうところで実際に実用化されるようなそういう成果を、このJICSTの方でちょうだいしていく、これを利用していく。いいシステムであれば、いいシステムをJICSTの方でちょうだいして、そのシステムにのせてひとつ円滑に科学技術情報が提供されるような体系をつくる、こういうことになると思います。  先ほど申し上げましたいろいろな情報機関、公益法人が中心でございますが、そういったところとの情報の連携業務につきまして、現在科学技術振興調整費をちょうだいしてその技術開発を進めているわけでございますが、その中にも専門家の方々に入っていただいて検討しておるわけでございまして、そういった民間で開発されるような成果も踏まえて当然そこで検討がなされていると、こういう状態であるわけでございます。
  204. 小西博行

    ○小西博行君 特に、日本の民間の場合は、米国からたくさんの情報を買っているといいますか、そういうことを聞くんですが、その辺の実態はどうなんでしょうか。米国の情報機関を日本がどんどん利用しているということを聞くんですね。こっちから売るものは余りなくて向こうから買うものは非常に多いと、こういうふうに聞いているんですが、どうなんでしょうか。
  205. 原田稔

    ○政府委員(原田稔君) 現在、米国のこういう科学技術情報の提供機関としては、ロッキードというのがございます。ロッキードが数年前に日本に出てきまして仕事を開始しておるわけでございますが、そのほか化学関係の情報につきましても、アメリカの情報が日本に来まして、それが提供されていると。正確な件数はちょっといま手元にございませんが、かなり利用度が大きいようでございます。それに比べて、日本の方から提供する情報の量というのは、私やはり非常に少ないと思います。これは、一つは日本語の障害という点もあります。やっぱり英文に直して提供しないとなかなか利用しにくいという点もございます。現在実は、科学技術情報につきまして簡単な機械翻訳をやろうということで、科学技術情報の機械翻訳で英文化しよう、こういう仕事も研究に着手したばかりでございまして、科学技術情報は御案内のとおり非常に定型化された文章が多いわけでございますから、一々人間でやると非常に手間がかかりますから、これができ上がりますと、かなり日本からの提供、したがって相互の交流も相当に活発になるのではないか、かように考えております。
  206. 小西博行

    ○小西博行君 いまCADというのがありますね。CADは、向こうから非常にすばらしいものが入っております。たとえば一つの設計をする場合、これはもう何百というデータがそこに入っておりまして、自分で大体決めてやればそれの的確な形が設計段階ですぐできる。これは日本の場合はずいぶんおくれておりまして、何か一つやってやろうと思いますと、自分が一々デザインしなきゃいけない。米国の場合は、たくさんの情報を全部収集しておるものですから、自分の好きなものがそこで即座に展開できる。しかもそれは、立体的な形にもコンピューターですぐやれる。こういうように非常に、特に米国というのはそういう情報はすばらしく整備されている。  特に私、研究者の立場で考えてみますと、どうしてもそういう過去のいろいろの実績がある。それを集中的に一つのものにまとめて見る。この辺が非常に私、研究システムにとって大切じゃないか。ところがなかなか、自分の研究は見せたくないというような、国民性かもしれませんけれども、その辺のところから、実は世界に仲間入りする場合に、お互いに協力しようといっても、どうも日本の学者はおかしいじゃないかという感じが出てくるのではないか。それを一番心配しているわけです。  ですから、私はそういった意味で、せっかくこれから新しいシステムでやられようとしている幾つかのプロジェクトに対しては、できるだけそういうふうにオープンにできるようなことをやっていかないとギブ・アンド・テークができないと思う。いつもいただくばつかりだけれども、しまいにくれなくなる。そこに大きな摩擦が出てしまう。こういうことを一番心配するものですから、特に研究というか科学技術、先端技術の開発にしても、私はそういうシステムの整備ということを、特に科学技術庁が責任を持ってやるべきじゃないかなと。民間の場合もそうですけれども、リーダーシップをとって一つのシステムを、お手本をつくるべきじゃないか、そのように思うのですが、これは大臣の方からちょっとお聞きしたいと思います。
  207. 安田隆明

    ○国務大臣(安田隆明君) よく話はわかります。われわれもここまで、非常に世界の注目を受けるようなところまでまいりました。したがって私たちは、先導的なあるいは主体性を持った科学技術を国際的にどうするか、こういうことになりますると、私、先生のおっしゃったとおりだと思います。そういう心構えでやりたいと思っております。
  208. 小西博行

    ○小西博行君 もうこれで終わりとしたいんですが、さっき一番最初に申し上げましたように、こういう趣旨説明ですね、これはどこの委員会でもそうだと思うのですけれども、大臣になられたわけですから、総花的な文章の集約みたいにならざるを得ない部分がどうしてもあるとは思うのですけれども、こういうものの中に何か具体的な、長官でないとできないというようなカラーを私はぜひ出していただきたい。そして同時に、おれはこれをやりたいんだということをおっしゃっていただきますと、われわれもそれについては十分勉強して対応していく、こういう形が私は理想的じゃないかと前々から思っております。ですから、余りにもやる分野が科学技術の場合は広いものですから、ここの質疑の場合でも大体決まってしまうわけですね、やっぱり原子力関係がもうほとんどじゃないかと思いますけれども。そういった意味で、ありとあらゆる分野で長官の姿勢を明確に出していただきたい。そのことを申し上げて、何かございましたら。
  209. 安田隆明

    ○国務大臣(安田隆明君) 非常にありがたい御提言をいただきました。私も勉強させていただきます。考えてみるというと、いろいろな分野でもってこれから世界の先端を走らなきゃならないという中では、やっぱり私は、私個人の考え方でございますけれども、ライフサイエンスの問題は今後これは本格的にやってみたいな、そのために行政組織の中でどうするかいなと。臨調が強いことを言っております。そういう中でもやはり私は、自分としてはこういう方向へ将来科学技術庁の政策展開というものはやってみたいなと、こういうものは幾つかあるわけであります。そういうことをよく心がけてこれからやらせていただきたいと思います。
  210. 小西博行

    ○小西博行君 もう一つだけ。  そういう意味では、私も理化学研究所へ二回ほど行かせていただきましたが、そこにいらっしゃるいろいろな研究者の方というのは、われわれが行くことによってまた発奮するという部分があるんですね。ここで審議されるとやっぱりそれだけ発奮する。PRしていただいたということにもなると思うので、長官、しょっちゅうというわけにはいかないでしょうけれども、研究者の刺激をぜひやっていただく。長官の顔を見るとえらく研究の成果が上がると思いますので、ぜひともそういうことも含めてお願いしたいと思います。  終わります。
  211. 中野明

    ○委員長(中野明君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  212. 中野明

    ○委員長(中野明君) 次に、技術士法案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。安田科学技術庁長官。
  213. 安田隆明

    ○国務大臣(安田隆明君) 技術士法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  技術士制度は、昭和三十二年に、高度な専門的応用能力を有する技術コンサルタント人材の育成をねらいとして創設されて以来、着実に発展を遂げ、現在では技術士の数も一万六千人を超えており、社会的に高い評価を得ているところであります。  一方、わが国における近年の技術進歩はきわめて著しく、また、社会経済の状況も大幅に変化してきております。  このような状況に対応するため、科学技術庁長官の諮問機関である技術士審議会においては技術士制度のあり方について議論を重ねてまいりましたが、昨年その結論が出ましたので、政府といたしましては、これに沿って今般技術士法の改正を行うこととした次第であります。  次に、この法律案の要旨を述べさせていただきます。  第一は、技術士制度の活性化を図る観点からの改正であります。  すなわち、新技術への進取性、探究性に富む優秀な若手人材の参入を積極的に図るため、技術士の指導のもとでその業務を補助し、将来技術士となるのに必要な技能を修得する新たな道を開くこととし、これに技術士補の名称を与えることとするものであります。  技術士の資格を得るために必要な第二次試験を受験するためには七年以上の業務経験が必要でありますが、技術士補は、技術士のもとで四年以上の業務経験があれば、この試験を受験できることになるのであります。  第二に、行政の簡素化の観点からの改正であります。  その第一点は、定型化されつつある制度運用面の合理化を図るため、試験の実施に関する事務並びに登録の実施に関する事務を科学技術庁長官の指定する者に行わせることができることとするものであります。  その第二点は、受験者がきわめて少ない予備試験を廃止し、学歴を問わず技術士試験を受験できるように改めることとするものであります。  なお、制度運用面の簡素化につきましては、臨時行政調査会の部会報告の指摘にも沿うものであります。  これらの改正点以外は、従来どおりであります。  以上、この法律案の提案理由及びその要旨を御説明申し上げました。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  214. 中野明

    ○委員長(中野明君) 以上で本案の趣旨説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十八分散会