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1983-04-14 第98回国会 参議院 農林水産委員会 7号 公式Web版

  1. 昭和五十八年四月十四日(木曜日)    午前十時十分開会     ─────────────    委員の異動  四月十三日     辞任         補欠選任      板垣  正君     藏内 修治君      福田 宏一君     桧垣徳太郎君      宮澤  弘君     秦野  章君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         下条進一郎君     理 事                 岡部 三郎君                 高木 正明君                 川村 清一君                 鶴岡  洋君     委 員                 大城 眞順君                 熊谷太三郎君                 古賀雷四郎君                 初村滝一郎君                 坂倉 藤吾君                 瀬谷 英行君                 中野  明君                 下田 京子君                 伊藤 郁男君    国務大臣        農林水産大臣   金子 岩三君    政府委員        農林水産大臣官        房長       角道 謙一君        農林水産大臣官        房総務審議官   関谷 俊作君        農林水産省経済        局長       佐野 宏哉君        農林水産省構造        改善局長     森実 孝郎君        農林水産省農蚕        園芸局長     小島 和義君        農林水産省畜産        局長       石川  弘君        食糧庁長官    渡邊 五郎君        林野庁長官    秋山 智英君        水産庁長官    松浦  昭君    事務局側        常任委員会専門        員        安達  正君    説明員        環境庁水質保全        局瀬戸内海環境        保全室長     島田 直幸君        労働省婦人少年        局婦人労働課長  佐藤ギン子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事の辞任及び補欠選任の件 ○農林水産政策に関する調査  (昭和五十八年度の農林水産関係の施策に関する件) ○水産業協同組合法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付) ○森林法及び分収造林特別措置法の一部を改正する法律案(内閣送付、予備審査)     ─────────────
  2. 下条進一郎

    ○委員長(下条進一郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨十三日板垣正君、宮澤弘君及び福田宏一君が委員を辞任され、その補欠として藏内修治君、秦野章君及び桧垣徳太郎君がそれぞれ選任されました。     ─────────────
  3. 下条進一郎

    ○委員長(下条進一郎君) 理事の辞任についてお諮りいたします。  瀬谷英行君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 下条進一郎

    ○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 下条進一郎

    ○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に川村清一君を指名いたします。     ─────────────
  6. 下条進一郎

    ○委員長(下条進一郎君) 農林水産政策に関する調査のうち、昭和五十八年度農林水産省関係の施策に関する件を議題とし質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 まず第一にお尋ねをしたいのは、農産物の市場開放問題、これの動向と対応方針ですが、大臣はこの自由化要求に応ずることなく慎重に対処する、こういうふうに所信を表明をされておるのですが、今日の状況から見てこの所信は貫けるというふうに確信をお持ちなのかどうなのか、その辺ちょっと聞かしていただけますか。
  8. 金子岩三

    ○国務大臣(金子岩三君) 米国との交渉の経過をかいつまんで申し上げますと、御承知のとおり一月の首相の訪米の折に、この問題については冷静に専門家で今後検討を続けていくということでお別れしておったので、その後相当日にちも経過しますし、佐野局長を四月の七日から一応、そうですね、交渉の瀬踏みということで向こうの腹を探るために差し向けたのでございますが、昨日帰ってきましていろいろ報告を受けました。その内容については局長に御説明申し上げさせます。  私は基本的な姿勢はどうかというお尋ね、これは変わっておりません。自由化はもちろんのこと、枠の拡大についても昨年五月のいわゆる国会の決議、委員会ですね。それから十二月の国会の要請、こういうものを踏まえて、わが国の農業にいささかでもマイナスがあってはならない、不利益を与えるようなことは絶対しないという考え方に立って、これが私の基本姿勢として今日まで貫いてきておるわけでありますが、この後も、交渉に入りましてもその私の姿勢には変わることはございません。
  9. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 基本姿勢は変わらぬけれども現状が大変むずかしいニュアンスに聞こえたのですが、基本姿勢は変わらぬけれども現実はどんどんと崩れてしまうというようなことでは、その所信なかなか貫けるというふうには判断ができません。だから、そこのところを所信を貫徹をするという立場を具体的にしなければならぬ。それと同時に、今日の状況から見まして、いずれにいたしましても、この市場開放問題というのは国際的に眺めて、それに対応するこちらの具体的な内容を充実をさしていく諸方針と兼ね合わせてやっていかなければならないわけですね。  問題は、やはりそれぞれの国策の問題もありますが、具体的に国際価格に競争のできる日本の農産物価格形成、こうしたものが求められていかなければならない。そうなりますと、今日価格的競争の立場からいけば、弱い立場にあるわけです。その対応策というものを一方では具体的に立てながら、今日それまでの間、大臣の基本姿勢というのはやはり貫徹をしてもらわなければ困るというふうに私は思うのです。  いまの大臣の答弁からいきまして、佐野局長が訪米をされたのはむしろ日本側の積極姿勢の中で相手側の対応を探る、こういう立場で訪米をされたと、こういうふうに説明を承ったわけですが、どうでしょうか、アメリカの今日まで主張をしております基本姿勢そのものは、これはやはり変化なしに依然として向こう側も対処されておるのかどうか、若干その状況等をお聞かせをいただきたい、こういうふうに思うんです。とりわけ通商代表部あるいは農務省、アメリカが一体となっておるのか、これらの通商代表部と農務省との関係について何らかの状況判断の食い違いはないのか、この辺のところも押さえてひとつ佐野局長に報告と意見をお聞かせいただきたい、こう思うのです。
  10. 金子岩三

    ○国務大臣(金子岩三君) 佐野局長に御報告させる前に、その基本姿勢が崩れるのではないかというような御心配ですが、これは私の姿勢は、あくまで農林大臣として日本の農業を守るために私はこの基本姿勢を貫いておると、こういうことを申し上げておるのです。ところが現実は、大体御承知のとおり、五十九年の三月でいまの協定が切れるわけですから、その先のことをどのように取り扱うかという協議はこれは国際儀礼上やらなければならないのでありまして、その協議をしていく上でいわゆるさしあたって六品目も懸念になっております。  これから佐野局長がいろいろ御説明申し上げると思いますが、アメリカは強い姿勢でいわゆる枠の拡大はもちろん、自由化も、当然日本はひとつ市場開放しろという強い姿勢を貫いておるわけですから、これからの交渉事ですから、私がここで強い姿勢を弱くしたとかということは大変国益にマイナスが起こりますので、私は終始一貫強い姿勢でおることがやはり外交交渉上国益である。やはり日本の中に、アメリカの言うことは簡単に何も聞かないぞというような、担当の大臣がそういう姿勢を持つことはやはり大事なことではないでしょうかと私は思います。  これは別に外交駆け引きじゃなくして、私の信念がそのような信念ですから、枠の問題等の話に入りますと、いろいろさて大臣の考え方は崩れたじゃないかというというような御批判があるかもしれませんけれども、それはそれなりにやはり外交ルートを通じていわゆる国際的ないろいろ国益を考えて、利害関係もありましょうし、日本の農業に迷惑かからない程度、農民の方々が理解できるものというようなことは、やはり事務的に交渉する場合はそこまで入り込んでいくのではないかということは、一応心構えとして持っていなければならないと、こういう考え方でおるわけですから、枠の拡大もいまのところは必要ないという私の姿勢は、終始一貫変わらないということを公式にひとつ皆さん方もお認めになっていただきたいと思うのでございます。
  11. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) ただいまお尋ねの、アメリカの態度がその後変化してきておるかどうかという点でございますが、実は昨年の十二月の日米貿易小委員会の際、ホノルル協議の時点との対比におきましては、米側は若干の弾力性を示したわけでございます。すなわち、ホノルルの協議の段階におきましては、一九八四年四月一日をもってIQを撤廃すべしというのがホノルル協議の段階でございましたが、昨年の十二月の日米貿易小委員会の段階におきましては、IQの撤廃問題につきましては、即刻ということが無理であれば、時期の明示とかスケジュールとか、そういうアプローチでもアメリカ側としては検討の対象たり得るということを昨年の十二月に示唆したことがございます。  それで、一月の段階に入りまして、総理が訪米なさいまして、めどとかスケジュールとかということも含めてIQの撤廃はできないということを総理の口からおっしゃったわけでございますが、それに対してアメリカ側としては、そのIQの撤廃について時期とかスケジュールとかという問題も含めて一切できないと言われちゃうと、アメリカとしては、そこのところについてIQ撤廃要求をさらに引き下げて、時期もスケジュールも一切忘れてIQ撤廃問題は言わないことにしますというわけにはこれはとうていいかない。その点はやはり断固としてがんばらざるを得ないという立場が現在までも維持されております。  しかし、今度私が話をしてみますと、アメリカ側の立場はそういう立場である。それから日本側は、総理からの話があったように、IQの撤廃については時期、スケジュールも含めて一切だめだと。そういう違いを認識した上で、しかも、なおかつやはり牛肉、柑橘の協議は前へ進めていきたいという意欲は現に持っておるようでございます。それでアメリカが、そういう中で協議を前へ進めていきたい、そういう意味では、中曽根総理がおっしゃった専門家レベルでの協議ということを早くやりたいというふうに思っておるのであるが、一応アメリカ側としては、当初の立場から見れば時期とかスケジュールとかということでも話に乗れるのですがいかがでしょうかということを申し上げて、それを日本側は、それはだめだと言って断っておられるのであるから、今度は日本側から、それじゃこういうことでどうでしょうかという日本案が提示されるべき順番であるというふうに思うと。そうでなければホノルルの二の舞になってしまって、また協議の実りある前進にならない。そこは日本側でよく考えてくれなければ困りますよというのがいまの段階でのアメリカの感触でございます。その点につきましては、農務省も通商代表部の方も認識のずれというのは全く見られないように思いました。  ただ、どちらかと申しますと通商代表部の方は、そういうアプローチをすることによってIQ撤廃の時期とかスケジュールとかという問題についてアメリカの関心が後退したのではないかという誤解を日本に与えるのではないかということを憂慮して、くれぐれも誤解のないようにということをくどくどと言っておったというのがやや違いといえば違いでございますけれども、その点については農務省も見解を同じゅうしておりますから、意見の対立があるというようなことはございません。
  12. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 状況はいま御説明を伺いましてわかります。  そこで、そうした状況の中で、わが国の対応の問題が次に懸案になるわけですが、牛肉、オレンジの関係は、何か今月末あたりまでに具体的な日本側としての提案をしないと大変先行きがむずかしくなるんじゃないか、こういう分析報道がなされておる向きがあるんですが、この辺はどうなんでしょうか。求めに応じるんでしょうか。
  13. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) その点はアメリカ側は、先ほど申し上げましたように、日本案がなければ困るということを言っておるわけでございますが、果たして日本案がっくり得るかどうかということは、これはさらによく関係方面と相談をしてみなければいけない問題でございますし、それからまた、日本案がつくれないという場合には、日本案がつくれないときに専門家レベルの協議というのは、それじゃ一体どういうことをやるのであるかということにもなりますので、そこはもう少しよく検討してみなければならないところでございます。  それで、現在の段階では、そういう事態でございますから、私どもとしてはアメリカ側にいつごろやろうというようなことを約束できる状態でもないわけでございまして、約束もしておりませんし、したがっていつまでにやらなければ話がおかしくなるという、そういう性質のものではないわけでございます。  ただ、この専門家レベルの協議というのは中曽根総理が言い出されたことでございますから、それをいつまでも――現在すでに、いままで日本側がそれにふさわしいイニシアチブをとっておらないということについてのアメリカ側の不満とか憂慮とかということは、相当蓄積してきておるようでございますから、そういう意味では、先生御指摘のように、放置しておけばさらに一層不満とか憂慮とかが蓄積をしていくという意味で、それは好ましくない事態であろうというふうに思っておりますから、私どももできるだけ急がなければいけないとは思っておりますが、一方事柄の性質は大変むずかしいものでございますから、いまの段階で軽々しく日程を云々できる段階ではない。もちろん早ければ早い方がいいという意味で、一般論としてはそうでございますけれども、そういうことでございます。
  14. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 もう少し詰めたいところですが、余りそこは詰めるとかえって問題がありそうですから、ぜひひとつ大臣のこの所信を貫徹をする立場と、そしてその困難を打開をしていくのにまともにぶつかるのがいいのか、あるいは側から十分に納得させ得るような方途がないのか、ここのところ等も含めてひとつ慎重に対応してもらいたいというふうに思います。  なお、六品目の関係は、これは日本側の新たな提起その他関係なしに何かガット提訴の方針を決めておるやに言われておるんですが、この辺はいかがですか。
  15. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) 現状では、アメリカ側はほぼ月内にはガットの紛争処理手続を進めざるを得ないものというふうに見解は傾きつつあるようでございますが、ただ、できれば、日本側がさらに追加的条項を用意してくださることによってそういうことが回避できれば、その方が望ましいと思っておるという、そういう感触でございました。
  16. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 そうなりますと、一つは、私が代表質問の際に大臣等にお尋ねをいたしましたように、ガット提訴の動きに対して、日本側がむしろそれをチャンスに積極的に世界各国に立場を理解をさせる場としてとらえて、受けとめていくのか、あるいはなるべくそれはもう避けた方がいいと思うのか、ここのところは大臣いかがなものでしょうか。
  17. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) ちょっとテクニカルな側面にわたりますので、私からお答えさせていただきます。  私どもの感じといたしましては、元来ガットの紛争処理手続というのは、二十三条一項でやっております限りはかみしもをつけずにやっておるのと実体的に大した違いがあるわけではございません。むしろ、実体的な違いが出てくるとすれば二十三条二項に移行する前段として位置づけられた場合に違いが出てくるというふうに思っております。そういう意味では、二十三条二項に移行して、パネルと申します前、言うなれば、おしらすのような前で日米が相争うという事態は本来回避した方が望ましいというふうに思っておりますので、そういう意味では二十三条一項の段階も含めてできるだけガットの紛争処理手続に訴えることは回避する方が望ましいというふうに思っております。
  18. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 それじゃ、次の問題に移ります。  これは構造改善局長、いま衆議院で高度技術工業集積地域開発促進法、いわゆるテクノポリス法案、これが審議をされているわけですが、この法案に対する大臣のいわゆる考え方といいますか、この法律案の中に、農林水産大臣はこの開発計画の達成に協力をする、こういうことが前提につくられているわけですね。したがって、そこのところから見て、このテクノポリス法のいわゆる計画実行に当たって大臣の協力というのは一体何を指すのか。したがって協力をさせられる、させられると言うと語弊があるんですが、協力する農林大臣の基本姿勢といいますかね、ここのところをひとつびしっとまず大臣からお聞きをしておきたいと思います。
  19. 森実孝郎

    ○政府委員(森実孝郎君) 立法の経過をちょっと御説明させていただきます。  私どもテクノポリス構想につきましては、立法化をするのか、立法化をしないでやるのかどうかというその二つの方法があったわけでございますが、いずれにせよやる方向で、やはり通産省だけではなくて、各県、地域社会も動いてきているという現実の上に立って問題に対処しているわけでございます。  そこで、いろいろお話を伺ってみますと、やはりテクノポリス構想というのは、一つは農山村における安定した兼業農家に対する雇用機会を創出するという側面を一つ持っているんじゃないか。それからもう一つは、やはりバイオテクノロジーの技術過程が非常に重視されておりまして、農水省としても農林漁業の技術革新あるいは関連産業の技術革新の視点からも重視していく必要がある。それからさらに、御案内のように、あの構想はいわゆる空港の近接地域を念頭に置いておりまして、いわば航空路とのリンケージを特に重視しておるわけでございまして、最近の農業等の動向から考えますと、特に単価の高い商品等の販売条件の改善なり流通条件の改善にも連なる点がある。いわば農村工業の導入促進というのがいま実はなかなかうまくいっていないと、ある程度壁にぶつかってきていると。むしろテクノポリスというような形で農林省、通産省が共同して過去進めてきた農村工業の導入というようなものが、同じようなものが一つ促進できるのではないだろうか。そういう意味で私ども、いずれにせよ、そういう客観的な動きがあるということを受けとめて、むしろこれに農政上持っている機能を積極的に評価しながら、農林大臣が主務大臣として参加して、土地情勢、土地問題、水問題の利用調整にやっぱり責任ある調整ができるようにした方がいいではないか、こういう経過で農林水産大臣も主管大臣として立法が行われたという経過があるわけでございます。
  20. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 結局、この法律案を見ていきますと、一つはいままでの臨海型じゃなくて内陸型だということですね。しかも今日まで既存工業の密集地域はむしろ避けて、しかも大都市を避けていわゆる中小都市ですね、しかもその中ではいわゆる高度技術にかかわる大学なりあるいは中心になる研究所を持っている企業、こういうところがある程度存在をしていると。しかも、いま話が出ましたように、空港あるいは道路整備、こうしたものの利用が非常に簡単だと、こういう、こう立地条件の一応の想定がなされているわけですね。  そういたしますと、その中にさらに何が農水大臣として一番求められるのかということになりますと、いわゆる農地法の特別の取り扱いですね、ここが農水大臣が協力をさせられる一番大きな課題じゃないかと、私はそう率直に言って思うんです。  しかも、いま森実局長からお話をいただきましたように、農山村の安定雇用の、何といいますか、創出ができるんだろうか。むしろいま農山村として日本の大半の中で占める位置づけから見ますと、テクノポリス構想によるところというのは、それはいま問題になっておる過疎地域、あるいは雇用をどうしても求めなきゃならぬ地域ではなくて、むしろ中間的な、都市型に近いようなところの方がこれ対象地域になる公算が多いんです。そういたしますと、いま言われました農水大臣として協力をし、賛成をし、積極的に中へ入り込んでいくという立場というのは、ちょっと私はやっぱり発想がおかしい、こういうふうに言わざるを得ない。むしろこれは、先ほども言いましたように、豊用地が内陸部ですから豊用地以外にないんです。しかも先ほど言いましたような中小の都市近郊で、そしてまあ言いますと、十万ヘクタールもの土地を必要とするような計画を立てようとすれば、当然そこは優良農地が対象になる、私はそういうふうに判断をせざるを得ないんです。したがって、そういう状況の中で農水大臣としてはこの法律案について一体どういう立場で考え方をお持ちなのか、これはやっぱりはっきりしておいてもらわなきゃ困るなということでお尋ねをしているんです。これはひとつ大臣に先お伺いします。
  21. 金子岩三

    ○国務大臣(金子岩三君) 御指摘の点、私も一応理解をいたします。かつて農村地帯に工業を導入していわゆる農村の農外収入によって農村所得を引き上げようといって盛んに力を入れた時代があります。その当時開発したいわゆる工業用地がほとんど遊休になっておるというのが全国に相当あります。そういうことからいろいろ考えますと、今度の場合、それの二の舞をするようなことがあってはならない。特にやはり農林省所管の耕地とか山林、こういうものを手がけて勝手に切りまくられて、そしてまたかつての農業開発、工業開発をやった当時のような轍を踏ましてはならない、そういういわゆる農地、森林を守るためにもやはり農水省が一応入り込んでおった方がいいだろうということが一つでございます。それともう一つは、やはりどちらかと言うと未開発地域にこれは指定しておるようでございますので、これから農林漁業が、農林漁業だけの所得ではとうてい一般の鉱工業給与所得者とのいわゆる所得水準の均衡をとるということは当然不可能ではないか、こういうことを考えますと、やはり農外収入――ほとんど八〇%は兼業農家になっていますので、努めて農外収入の職場を求めることが大事ではなかろうか。それからやはり農業の基盤整備をやって、開発するのにもこういう研究部門も入る、この計画は一応参加しておった方が農業の基盤整備をし、あるいは農作物の品種改良、開発をやる、あるいはできましたら農産物のいわゆる食品加工から流通まで一貫してここにくっつけておくということになると、やはり農林漁業にはマイナスはないのではないか、こういう考え方に立って主務大臣になっておるわけでございます。当然利害相反することと、それから利益になることとありますので、十分それは私どものいわゆる農業を守るという立場の基本姿勢を崩さないように取り組んでまいるならば、あえて私どもの農林漁業にマイナスの面はさほど懸念することはないのではないか、このように考えております。
  22. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 大臣、私もたとえば東北自動車道ができたことによって、岩手から、東北地方の農業に大変な好影響を及ぼしている。このことは百も承知なんです。したがって、この法律案がいいとか悪いとか言うそのことはまた別といたしまして、ただ問題にいたしますのは、一億一千万の日本人の食糧自給の観点からいきますと、これは前回にも指摘をしましたように、日本の農用地自体が、しかも耕地自体がやっぱり減少傾向なんですね、今日の段階として。それを確かに技術でもってカバーをしていこう、よく取っていこう、効率を上げていこう、こういう立場でカバーのできる分野はいいのですが、いずれにいたしましても土地ですから、そうなりますと農地がどんどんとそのことによって、しかもそこへ金をつぎ込んだ立場からいきまして、構造改善等でここでどんどんと金をつぎ込んできた、つぎ込んできたところが今度対象になって農地でなくなってしまう、ここが実は一番心配なわけなんですよ。しかもいままだこれから計画がどういうふうにまとまってくるか、これからの課題ではありますけれども、一応いま検討されておるのは十九地域というふうにお聞きをしているんですよ。これが具体的に動き出すのはどれぐらいの地域にしぼられてくるか、これはまたまだまだ十九地域が全部発足するという話にはならぬと思います。思いますが、少なくともこういう法律案に基づく開発促進ということになりますと、相当大型でなければ効果がない。したがって一カ所が何万ヘクタールになるか、いずれにしても相当広大な場所が提供されてこなければならない。その協力をさせられるのが私はやっぱり農林水産省であろう、だから先ほども言いましたように、農地法の許可については特別の配慮をする、こうなっているんですよね。ここが一番私は問題のところだと思うのです。そういたしますと、この計画なら計画に対して協力をしていく農水省の立場というのは、そのことによって今日でもそのままでも農地が減少していくような状況の中で、これでなおかつ法律でもって促進をし、農地の減少が伴うわけですから、それにかかわる農林水産省としての全体の対応というのは一体どうあるべきなのか、ここのところをきっちりしてもらわないと私は問題があるんじゃないのかというふうに言わざるを得ぬのです。そこのところはいまの答弁じゃちょっと私は納得できない。
  23. 森実孝郎

    ○政府委員(森実孝郎君) 御指摘のように、十九地域が立候補地域として浮かんでおります。実際はこの十九地域全部ということにはならないだろうと思います。十九地域のうちの工業用地の計画面積は実は全部で合計三千七百ヘクタールでございます。したがって大体一地域二百ヘクタール弱という計画になっております。それから住宅用地が周辺に生まれるだろうと思います。これはまだ計画ができておりませんが、仮に工業用地の一・五倍という推計をいたしますと五千五百へクタールで全体では九千ヘクタールぐらいではないかと思っております。これは実は御案内のように今回のテクノポリス、いわゆるテクノポリスの関係の工場というのは、従来の臨海工業地帯のような大規模な重化学工業ではなくて、知識技術集約型の中堅企業に着目した形のものが多いということにその特徴があるだろうと思っております。そこで実はこのうちある程度調整の動きが出てきておりますのは四地域だけでございまして、ほかの十五はわかっておりません。ただ、いま調整の動きがございます秋田、長岡、岡山、広島の四つの地域だけで見ますと、実は農振地域はございますけれども、農用地の面積、農地の面積はきわめてわずかでございまして、これは私は率直に言ってたとえば九州やなんかの地域を頭に置きますと、いま申し上げた四つの地域の率ではいかないと思いますけれども、すべてが農地でないということは言うまでもないわけでございます。しかし先生御指摘のように、私どもやはり優良農用地の確保というのは農政の基本課題だろうと思っております。わが国のように極端に国土資源が限られた国におきましては、経済成長の過程で、やはり工業需要とか住宅需要とかあるいはその他の公共需要が出てくる。それをある程度農業的利用に依拠してくるという動きはそれ自体あるわけでございますが、それをどうやって全体として抑制しながら土地や水利用の秩序をどうやって与えていくかということが非常に大事ではなかろうか、そういう意味で私ども今回の法案につきましては、先ほど大臣からも申し上げましたように、農振法の問題、農地法の問題あるいは関連土地改良事業の実施等の問題があるわけでございますが、やはり合理的な土地利用、水利用の調整ができるということが非常に大事ではないかという意味で、主務大臣として参加して、十分農林漁業者の立場なり農林漁業の立場が反映できるような現実的調整が行われるようにしたいということを考えているわけでございます。
  24. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 部分的には私はいまの局長の答弁である意味では納得するんですよ。ところが農林水産省としてはやっぱり全体的に眺めていただかぬと問題が提起をされない。しかも先ほど例に挙げられたいわゆる工業用地、それから住宅用地、これ以外に一番問題になりますのは道路整備なんですよ。道路整備にかかわる農地の関係なんですよ。これが一番大きいんです、正直申し上げて。ずっと長くね。団地までのやっぱり周辺整備が当然伴ってくるわけですから、そこのところにかかわって農地のいわゆる流動が大きく行われてくる、こういうことになるわけです。ですから、きょうは一応ジャブの程度ですから、この程度でやめますが、ぜひひとつ総体的な問題として、せっかくこれ大臣大田が省として、主管庁としても参画をしておるわけですから、ぜひ農林水産省としての省の性格、これを踏まえてこの法律案の行く手については検討を加えておいてもらわなければ、きょうの段階では一応これで終わりますけれども、ちょっと問題があり過ぎるというふうに指摘をしておかざるを得ぬと思います。  次に、三点目の問題に入りますが、農用地の土壌汚染防止対策です。これは五十六年度までに特定有害物質が決められた基準値を上回る地域、これが百二十四地域、六千六百十ヘクタール、こういうふうに細密調査の中で出されてきているわけです。このうちで五十七年の十一月一日までに対策地域として指定されたのはわずかに四十九地域、それから対策事業として完了している面積の比率からいきますと、県単事業含めて二千百二十ヘクタールですから三二・一%、大体三分の一という状況になっておるんです。そういたしますと、問題の土壌汚染農地、これが調べはついているけれども、その後の対策というのは時間がかかり過ぎているし、しかも対策の進捗率が、いま申し上げましたように完了率がわずかに三二・一%ということになりますと三分の一ですから、きわめて問題があるんじゃないのか、こういうふうに思うんですが、ここのところについて一体大臣、この現実をどういうふうにごらんになりますか。
  25. 小島和義

    ○政府委員(小島和義君) 全国の土壌汚染地域のうちで、いわゆる土染法に基づきまして農用地土壌汚染対策地域と指定されております地域は全国でこれ三月末現在で五十二地域ございます。農用地面積にいたしますと約四千七百六十ヘクタールほどあるわけでございます。農用地以外の全体面積になりますとそれよりは多少多い面積でございます。そのうち法律に基づきまして土壌汚染対策計画がすでに策定されております地域が、これは五十二地域のうち三地域は二単位に分割して計画をつくっておりますので、計画の単位といたしますと五十五地域になるわけでございますが、その五十五地域のうちにすでに計画を樹立いたしておる地域が四十五地域でございます。そのうちさらに十九地域につきましては五十七年度末までにすでに対策事業が完了いたしておりますが、面積的に完了した地域のカバー率ということになりますと御指摘のように余り高いものではないわけでございます。しかしながら、残りの二十六地域につきましてはおおむね順調に計画が実行に移されてきておりまして、期間といたしましては多少かかりますが、完了を見るものと思っております。で、問題は対策計画が策定されていない地域というのがまだ十地域ばかりあるわけでございます。そういうところにつきましては現在関係県におきまして工法、期日あるいは土地の利用問題に関しまして鋭意検討を進めておる段階でございまして、私どもといたしましても極力これを急がせてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  26. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 いま小島さん言われたこの数字の問題は、これは私が提起をしておりますのは昨年の十一月一日現在ですから、今日現在と個所数等について若干の相違があることはこれはまあやむを得ません。しかし、全般的に見てそれは手がついておってうまく進行しているんだという総体の答弁というのは私はちょっと納得できないんですよね。状況から眺めまして、たとえば指定地域の問題にいたしましても一番最初は四十七年三月二日、これは福島ですね、日曹金属にかかわる会津周辺のところですか、ということになっておると思うんですがね。これから始まりましてずっと指定は行われてはおるんですけれども、結局先ほど答弁のありましたいわゆる地域個所数だけじゃなくて面積的に言うと相当進んでいるという、これがいまのことになるんですよね、対応策が。そういたしますと、個所数と面積との比率からいきますとむしろ小規模のところが残っている。たとえば私の手持ちの関係からいきますと、指定地域は五千五十ヘクタールありますから、六千六百十へクタールに対して五千五十ヘクタールですからこれ何%になりますか、相当高い数字に指定地域としてはなっているんですよね。ところが残りの方はわずかこれ一千五百ヘクタールぐらいなんですから、個所数がたとえばこの地域が先ほど言いましたように四十九地域で五千五十ヘクタール、これが十一月現在ですよ、十一月現在ね。そうすると、総体が六千六百十ヘクタールですから、個所数から眺めていきますと百二十四に対する四十九ですから、これと面積は六千六百十に対する五千五十ですから、だから指定地域というのは指定されていない地域の方がむしろ小規模で個所数は多い、こういう結論になるわけですよね、状況から見ましてね。なぜ小規模でやりやすいようなところが残ってきておるんだろうか。ここのところは一体どう判断をされてどう対処をされようとしておるのか。これはやっぱり逆に言うと小規模のところほど早く処理ができるんじゃないのか、常識的に言えば。何らかのこれ事情があるんだろうと思うんですが、その辺はどう掌握をされておりますか。
  27. 小島和義

    ○政府委員(小島和義君) 基準値以上の特定汚染有害物質が検出されました地域につきましては、これは環境庁及び都道府県の手によりまして細密調査が実施されまして、その上で対象地域が特定されましてそれから対策に入っていく、したがいまして私どもの方で実施をいたしております計画づくり、さらにその実施というのはすべて地域指定が前提になるわけでございまして、さらにその前段といたしまして環境庁サイドで行われます細密調査の結果にまつと、こういう仕掛けになっておるわけでございます。  で、御指摘のように面積比率で見ますと地域指定になりましたものに比較いたしますれば残っておりますものは何となく規模の小さいものということでございますが、逆に申し上げますと、比較的広範に汚染物質が存在いたしまして社会的問題が大きいところについては先行しておるという見方もできるわけでございまして、決して小さなところが放置されておるということでございませんけれども、その検出地域の中においてもまだその細密調査が実施されていない、あるいはすでに実施中であるけれどもまだ地域指定に至っていないというところが含まれておる、こういう結果であろうと思います。
  28. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 手続の問題は農用地土壌汚染防止法、それからこれにかかわるのはいわゆる対策の事業費事業者負担法とあることは百も承知なんです。ところが、私が問題にしておりますのは、この土壌の汚染防止法から言えばなるほど知事が対象地域の指定をするということになっておりますから、指定をされたものについて重点的にやるというのはこれは当然の話なんですよ。ところが、現実に土壌汚染があるんじゃないかということで細密調査が行われておるわけでしょう。その結果、細密調査をやった個所数じゃなくて、現に有害物質が基準値を上回っている、こういうふうに指摘をされたのが先ほども言いますように百二十四地域あるんだ。そうしますと百二十四地域の中で指定をされていない地域の方が大半なんですよね、半数以上なんですよ。そうしますと、ここは土壌汚染がありますよというのに指定もされないで、指定されたところはやっているけれども指定されないところは一体どうなっているんですかと、土壌汚染で基準値を上回っているよと、しかも有害物質で、そこで物をつくったりいろんなことをしたり、あるいはそこの水が流れてきたりしたらこれは大変なことになりますよという地域が特定をされておるのに、それが地域指定がされてないからという話ではちょっと問題があるんじゃないのか。これは少なくとも、基準値を超えた地域については即刻これは問題を提起をし、対策をしていくというふうにならないといかぬのじゃないのか。土地の大小にかかわらず、問題が激しく燃えたところは対応を急ぎますよ、問題はあるけれども、そこのところ余り騒がなければこれは時間稼ぎしますよ、これじゃお話にならぬと思う。なおかつ、これはPPPの原則がありますから、いわゆる原因者負担の費用負担の問題がありますから、その辺の問題が整理がされないで、原因がはっきりしないで対策が講じられないというケースもあると思うんです、この種の課題については。しかしそれは言いわけでして、問題のある地域については何とか覆土をするとか、あるいはそれを取り除くとか、何らかの措置をしていくというのは、これは当然の話なんですね。そういう対応が全部手をつけられているんですが、指定地域はこうやってやっています、指定地域以外のところはこうやってやっていますという対応になるんなら、これは私は納得できないことはない。しかし、指定地域だけ農林省やりますよというのは余りに無責任じゃないですか。これはちょっと法律上の問題があると思いますが、この防止法の中で知事が対象地域の指定をするということに全部依拠しちゃっている。農水省サボっているんじゃないんですか。
  29. 小島和義

    ○政府委員(小島和義君) まず数字の問題でございますが、先ほど御指摘になりました百二十四地域、これはあえて十一月一日現在の数字で申し上げますが、そのうち指定地域が四十九、それから調査実施中の地域が三十七、ほかに県単で完了しました地区が四十二、こういうことになっておりますので、問題は調査実施中の三十七地域のことであろうかと存じます。これはいまの土染法の仕事の分担といたしましては、細密調査の実施及びその土壌汚染対策地域の指定というところまでは環境庁が担当をする。農林水産省といたしましては、その地域につきましての対策計画をつくり、その事業を実施する、こういう事務分担になっておりますので、その調査実施中の地域であって、いまだ地域指定に至らないというところの事情につきましては、当省としてはつまびらかにし得ないのでございますが、御指摘もございますので、極力、地域指定を急がせますように、私どもの方としても環境庁に意向を伝えておきたいと存じます。
  30. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 もう一つちょっとお聞きをしておきますが、これは構造改善局長になると思うんですが、いわゆる公害防除特別土地改良事業というのがあるんですね。これはいまやりとりをしましたように、指定地域以外は計画を立てられないということになるんでしょうか。
  31. 森実孝郎

    ○政府委員(森実孝郎君) 御指摘がございました公害防除特別土地改良事業につきましては、調査の結果、指定された地域を対象にして県営、団体営で実施しております。
  32. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 そうすると、当然指摘をされました地域について、これは指定地域じゃないんですよ。指定地域じゃないけれども、これは基準値を上回る地域ですよという地域、面積が確定をしたときに、そこのところはむしろ県知事に早く指定をさせるように働きかけをする。いわゆる構造改善局としては土地改良の援助をしますよという話をする、そういう連携はないんでしょうか。
  33. 森実孝郎

    ○政府委員(森実孝郎君) 具体的な調査とか指定は県、環境庁の主体性を尊重してやっておりますが、当然私どもも事業を実施する立場から年々予算を増額して計上しておる経緯もあるわけでございまして、具体的な問題につきましてはその都度様子を聞いております。少なくとも私ども、いわゆる計画が樹立され、土地改良法の手続が了されるかどうか、これがちょっと実はまだ地域によっては土地改良法上の手続がなかなかとれない場合もあるわけでございますが、この二つの条件があればすべて採択しておりまして、すでに十四地区が完成しておりますし、現在も二十三地区の事業を継続実施しております。
  34. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 これは森実局長も小島さんもそうですが、私は今日の法、制度の中で皆さんの答弁されていることはこれはそのとおりだと思うんですよ。ところが、現実に土地が汚染をされておりましたら、指定地域であろうとなかろうと、ともかくそこは取り除いていかなきゃならぬのが有害物質の特質なんです、対応しなけりゃいかぬのが有害物質の特質なんです。そうなりますと、もし法律的にそれに手がつけられないという不備があるとするならば、これは法律改正してでもそのことの取り扱いができるように整えていかなきゃならぬだろう、こう思うんですよ。だからそこのところを踏まえていただきまして、もう一遍いままでのやつを総括してくれませんか、この土壌汚染問題については。単にこれは土地が汚れておりますよということだけじゃありません。そのことによって、これはもともと土壌汚染というのは二次公害的な要素です。ところが、この二次公害を受けて三次公害、四次公害に発展をする要素を持っているわけですから、何としても早く取り除いていかなきゃならぬ、こういう性格のものですから、だから、ぜひその辺はもう一遍基本的に、土壌汚染防止対策というものについての本質的なところを検討を加えていってもらいたいと思うんです。もちろんこれは、環境庁はそれらについて基準値を定めたり、あるいはそれを調査をしたりやりますけれども、環境庁は御承知のように事業主体じゃないんです。指摘はできましても、それをどういうふうにやっていくのか、これはやっぱり事業主体のところが考えていかなきゃならぬ、こういう性格ですから、ぜひそこのところを踏まえておいてもらいたいと思うんですね。  それから、次に林業関係に移っていきます。  四点日目ですが、林業の労務改善促進事業というのがあるんで、これについてお尋ねをしますが、この事業は就労条件の向上及び雇用の安定を図ることを目的としている、こういうふうに理解をするんですが、具体的に就労条件の向上というのは、この事業における就労条件の向上とは具体的にたとえばこれこれと、こういうふうに大まかなところで結構ですから、ひとつ教えてほしいんです。
  35. 秋山智英

    ○政府委員(秋山智英君) 林業関係の仕事と申しますのは、御承知のように大変零細な事業体がやっておる関係もございますし、また、林業そのものの性格から季節的寒暖があるというようなこともございまして、この労務の確保の問題と申しますのは、今後の地域林業の振興にきわめて重要である、こういう認識に立ちまして、これを五十一年から始めておるわけでございますが、特に考えておりますのは、雇用関係を近代化するということが第一点ございます。それから第二点は、就労の安定、長期化の問題。三点としましては、社会保険制度の加入を促進するという問題。さらには、労働安全衛生の確保というふうな、こういう具体的な問題につきまして取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
  36. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 総理府の労働力調査からいきますと、林業の推定労働者数というのは大体二十万人程度、こういうふうに言われておるんですが、この人たちの実態から見まして、たとえば雇用の形態の問題がありますね、雇用業態といいますか、形の問題、いまちょっと話が出ましたが。それから賃金水準の問題がありますね。それから賃金の支払い方法、これは賃金に関連して含めていいんですが。それから、いわゆる雇用保険あるいは退職後の共済の関係あるいは健保の問題、いわゆる社会保険関係、こうした問題等については改善の具体的な方針として持って行われるんですか、その辺は。どうなんでしょうか。
  37. 秋山智英

    ○政府委員(秋山智英君) これは五十一年以降、全国三百地区を設けまして、そこで、これは数カ町村がまとまって一つの一地区をつくりまして、そこに指導員を任命しまして努力したわけでございますが、社会保険等につきましては漸次これは増加してまいってきておりまして、たとえば労災保険で申しますと、これは労働省の労働災害保険事業月報によりますと、五十五年度末には十九万一千百七十五人で、林業労働者ほとんどがカバーされております。雇用保険について見てまいりますと、これも労働省の雇用保険事業月報によりますと、五十六年八月末で、一般と短期と両方合わせまして、林業従事者の加入状況は六万三千七百六十一名でございまして、この林業従事者数十九万人に対比しますと約三三%の加入率まできております。  林業の従事者の状況でございますが、さっき触れましたように、これは雇用関係なり自営でやっている方もおりますし、農業と林業を兼ねてやっておる方もおりますし、それから国有林関係の職員等もございますので、私どもはさらにこれを伸ばすべく努力していますが、そういう関係もございまして、現在三三%となっております。  それから、年金、医療関係の保険でございますが、これは御承知のとおり国民のすべてがいずれかの制度でカバーされるということで設計されておるわけでございまして、もちろん林業関係の従事者もその中に入るわけでございまして、厚生年金あるいは国民年金、農林年金というふうなものにそれぞれが適用されておりますし、医療保険につきましても健康保険とか、あるいは国民健康保険等が適用されておりまして、私ども今後の林業をより振興するためには安定的に確保するということはきわめて重要でこぎいますので、さらにこれにつきましては努力をしてまいりたい、かように考えているところであります。
  38. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 私がそれをお尋ねしていますのは、労務改善促進事業というのと、それから細かく予算の中に出てまいりますと、いま長官言われているように、障害対策促進事業、いわゆる振動障害の関係、これは別になっている。それから、労働安全衛生管理改善事業、これも別項になっている。そうすると、振動病等含めて、いわゆる職業病の災害関係は外される。それから、労働安全衛生関係が外される。その中で、なおかつ労務改善促進と、こうあるものですから、これだとちょっとこれ整理をして、むしろ私は、一般の労働者のように山で働く人々、これは自営の方もあるでしょうし、いわゆる雇われの方もあるでしょう。森林組合の作業班の方もあるでしょうし、個人でその都度その都度雇われていく方もあるでしょう。そういう人たちの現実的な労働条件が具体的に向上をさせられるという形のものがいかなきゃいけませんね。そうなっていきますと、今日、特に自営の人にいたしましても、それから自営の人たちに雇われていく人たちにしても、最近の林家の林業経営その他からいきまして大変低いわけですから、この低いのが一番問題で、待遇が、労働条件が悪くなっている、こういうことに通じ得ると思うんですよね、長時間労働、それからあらゆる補償制度がなかなか進んでいかない。だから、なぜ進まないのか、なぜ労働条件がそこまで整わないのか、これらに対するきちっとした取り組みというものをむしろこの改善促進事業の中では項目を、目標を設定をして、具体的にやっぱり進めていくべきじゃないんだろうか、こういうふうに思うんです。ちょっといまの状況から見ますとそこまで具体的に行っていないような感じがいたします。その辺はいかがなんですかぬ。
  39. 秋山智英

    ○政府委員(秋山智英君) 私ども、この林業の労働力対策としていろいろと施策を打っていますが、やはり柱としましては三本柱があるだろうと思っております。  まず第一は、先生も御指摘ございましたが、就労の安定の問題がまず第一だろうと思っています。それから第二点としましては、やはり優秀労務を確保するということが第二点でございますし、第三点といたしましては、安全衛生の確保の問題と、こういう三点の柱を中心にしまして進めておるわけでございますが、先ほど先生お話しのございました林業労務改善促進事業と申しますのは、これは就労の安定化ということでこれは進めておるわけでございますが、やはりこれとうらはらの関係にございますのがこれは優秀労務の確保の問題がございますので、これにつきましては、私ども俗称グリーンマィスターと呼んでおりますが、若手の基幹林業技能者の育成というものがきわめて重要でございまして、これは五十六年から始めておりますが、各県でこれにつきましては積極的に現在取り組んで、若手の基幹になる技能者が逐次養成をされてきておりますが、こういう問題を同時並行的にやると同時に、林業の場合には先ほどもちょっと触れましたが、やはり作業形態がいろいろの形態をとっているわけでございますが、何と申しましてもまずはこの林業自身が魅力がある産業になり得るようなために、やはり基盤整備を積極的にやるとか、あるいは生活環境の整備をするとか、そういうものをまずさらに進めていくことがまた間接的に林業従事者の雇用の安定化につながりますし、さらには今度は農業と林業の複合経営をしながら雇用を安定化するという方向にこれからは進めてまいらにゃならぬということで、いろいろと施策を検討しているところでございます。
  40. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 それはそれなりにわかりますが、この改善促進の主眼点は、やっぱり何といいますか、作業を――二点目に言われました優秀労務の確保にはっきりしていますように、どうやっていい働き手を集めるか、そのことと就労安定とが結びつけられておりまして、そこで働いておる人たちの具体的な条件改善という形のものが実は柱になるわけですね、いまの立場から言いますと。ですから、私の手元にもこれ本年になって来ているんですが、「民間林業労働者の労働条件改善に関する陳情書」なんてのが出ていますね。これはもう届けられていると思うんです。この中にも指摘をされておりますように、民間林業で働く労働者というのは全国に約二十万人近くおると、しかし、その労働条件というのはどこの産業にも例を見ない劣悪なものである、こういうふうに指摘をされております。で、雇用は臨時的、細切れ的であると、長時間労働になっているのに賃金は低いと、それから雇用保険、健康保険等の適用からもほとんどが除外をされている、こういうふうに訴えておるわけですよ。したがって、こうこうしてほしいという課題があるんですがね。確かに私も、私の県内等歩いて、山で働く人たちと話しをしていますと、この訴えと全く同じようなことを言われるわけですよ、何とかならぬのか。だからその底上げをしていくと今度は山主がもう要らぬという話になってくる、働き場がなくなってしまう、だからそこを何とかならないのかと、こういう注文をたくさん受けるんですね。ぜひひとつその辺は林野庁の方で十分な検討をいただきまして、そういう組織をされてない、いままでの恩恵の対象の枠外におるような人たちをどうすくい上げていくのか、どう労働条件を引き上げていくのか、ここのところはぜひひとつ林野庁としても真剣に考えてもらいたい、手の打てる対策はないのかどうか検討をしておいてもらいたい、こういうふうに思うんです。  時間の関係がありますから次に移っていきますが、次に、森林の適正管理推進事業というのがありますね。この適正管理推進事業というのは、これは大臣の所信の中にも出てきておりますように、本年の新規事業としての、まあ言うてみると目玉ですね、目玉。それで、これは「適正管理を総合的に推進する」と、こうなってまして、きわめて抽象的なんです。だから、これで一体何をするのかなあと、こう調べてみますと、不在村者所有林、これがまあどんどんふえているというような傾向も含めて、したがって、そういう人たちに行き届くように、森林所有者のいわゆる適正な管理のあり方をまあ進めていこう、これが一つですね。それからもう一つは、都市住民と一般市民の資金導入によって、いわゆる緑資源確保の推進事業をやっていこう、この二つになっていると思うんですね。この中でも、わかりますように、森林所有者に対する適正管理と、こうありますし、森林の適正管理を総合的に推進するとありますし、この適正管理というのは一体どういうふうなことをお考えになっておるのか。今日の林家のいわゆる林業経営実態とあわせて考えましたときに、大変むずかしいものじゃないのかという気がするんですよ。どんどんもうかってくるときは適正管理、これはほうっておいたってやりますよね。ところが、林業所得が低下をして、林家経営というのがむずかしくなれば、そこに手をつけておったんじゃとても経済的に困ると、こうなりますから、損をしに行くような話になる。損をしに行くような話で適正管理と、こう言っておったって、これは適正管理できませんから、そこのところをどう対応されようとしておるのか。これをぜひひとつお聞きをしたいんです。  それから二つ目の問題は、緑資源確保のための一般市民の資金導入というのは、一体どういう方法で資金導入をされようとするのか、その資金というのは、一体集めた資金というものはどういう目的で使われて、その使われた後その資金というものは一体どうしていくんだろうか、ここのところを少し説明をいただきたい、こう思うんですが。
  41. 秋山智英

    ○政府委員(秋山智英君) 最近林業をめぐる情勢はきわめて厳しくなってきたわけでございますが、戦後人工造林を営々としてやってまいりまして、現在一千万ヘクタールに及ぶ人工林ができたわけでございますが、その約半数が現在間伐等をしなきゃならぬ山でございますが、なかなかこれが進め得ないということが今後将来に向けましての、森林の公益的な機能はもちろんでありますが、林業生産の基礎になる健全な森林をつくるために非常に問題がございます。  そこで、私どももやはり適正管理と申しますと、基本的にはやはり現在間伐並びに保育を適正にいたしまして、成長に従って森林の密度がちょうど陽光の入るぐらいの程度の明るさになるように、逐次手入れをすることによりまして森林が健全な状況になるわけでございますので、私どもは現在の適正管理ということで考えてまいりますものは、そういうふうな状態に持っていくということでございます。  そこで、今国会で御審議をいただくことになっております森林法と分収造林特別措置法の一部改正の法律案と申しますのは、これは間伐等を行い、森林を適正に維持するために、森林法の中に、市町村に森林整備計画をつくっていただきまして、それに基づいて、まず、森林所有者が間伐等をするようにこれは指定するわけでございますが、できない場合にはさらに、今度は造林公社、市町村等にその森林を委託するというような方法を考え、さらにできない場合には、今度はその費用負担者等をあっせんをして、分収育林という形で契約をして、森林の管理を適正化しながら伐期まで持っていこうということでございます。特に、最近の緑資源に対する要請というのは国民的な要請になってきておりますし、従来の山づくりと申しますと、これはどちらかと申しますと山村に住む方々だけでこれはつくられておるわけでございますが、これからの森林造成と申しますと、やはり国民が一緒になりまして協力し合ってやっていくということがきわめて重要でございますので、私どもはそういう基本的な考え方に立ちまして、まずこの森林の適正管理をしてまいりたいと、かように考えておるところであります。  そこで、具体的なこの事業といたしましては、まずは適正な管理を行う必要性とか、あるいは緑資源の確保の重要性ということを一般の国民の方々に御理解をいただくということがございますし、それからさらに、一般の方々から積極的にこの森林整備に御協力いただくための資金を導入するための啓蒙活動、あるいは森林基金を設置をすることにつきまして御理解をいただくというような方法、それからさらには、森林管理を適正に持っていくためには市町村が今後は中心になってやっていただくわけでございますが、市町村におきまして森林所有者にそういう御理解をいただくと同時に、今度は具体的に、この森林整備計画の一番のポイントになりますのはやはり林道網をさらに進めまして間伐が出しやすい方向を強めていかなきゃならぬと、そういう意味での作業道、林道等の整備、それからそれに関連する必要な施設の整備ということを、これは私どもこの適正管理事業の中身として考えておるところでございます。  なお次に、第二点としての御指摘でございますが、まあ都市の方々から森林整備に必要な資金を導入するどういう方途があるかということでございますが、先ほど触れましたこの森林法及び分収造林特別措置法の一部改正の中身におきまして、そういう資金を一般の方々から募集をいたしまして森林管理をするわけでございますが、その場合にはやはり育林分収というふうな考え方で、伐採時期におきまして収益を分取するという考え方が第一点であります。それから第二点は、最近各地域の重要水源地帯で、森林基金とかあるいはその他の方法で下流の受益される方々が奥地の森林造成に資金を提供しているというふうな形が全国各地で大分出てまいっております。したがいまして、そういう利水の受益の関係の方々から資金を出していただきまして、まあ分収育林形式あるいは分収造林形式、さらには費用を助成するという方式で、たとえば福岡県の水源地域の森林造成基金でございますが、ああいう形で出していただくというような方法によりまして適正に森林管理が進め得るようなことを考えていこうと思っております。  それからもう一点、私どもこういう事業を進めていくに当たりまして、現在各県にございます林業公社とかあるいは造林公社等は、非常に奥地の森林造成に大きな役割りを果たしているわけでございますので、私ども、今後は森林整備法人としてこれらのものを制度的に改正しながら、林業の担い手としてこれからも進めてまいりたいと、かように考えておるところでございますが、以上の考え方に立ちましてこれから森林の適正管理にさらに一層努力してまいりたいと考えておるところでございます。
  42. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 大体わかりましたが、まあこの森林資源をどう守っていくかということは、これは総体的な組み合わせですから、すべての問題が関連し合って効果を発揮をするということは、これはもう当然な話だと思いますね。したがって、いま言われましたようなかっこうでこれやっていくのも一つの方式だろうと思いますが、ただ、一般市民の方の資金を集めてやるということになりますと、これは相当慎重にその辺の取り扱いを整理をしておかないと問題が出てくる。寄附金を集めるんなら簡単ですが、集めた金をどうやりましたということだけで終わってしまうんですが、少なくとも資金を導入をしてそれを有効活用をしていこうという立場になりますと、それなりの私は慎重な一つの決まりを整理をしておかなきゃならぬ、そこのところをぜひひとつ十分に配慮をいただいて具体的に実るようにしてもらいたいというふうに思います。  大体質問時間来ましたのでこれで終わります。大臣、最後に、大変むずかしい仕事にことしから取り組もうと、こうしておるわけでして期待をするんですが、ぜひひとつ成功のできるようにいま申し上げましたような事柄等をきちっとやっていく、この決意などをいただいて終わりたいと思います。
  43. 金子岩三

    ○国務大臣(金子岩三君) 森林産業、大変むずかしい問題でございます。このゆえに山村の方々が希望を持って林業に取り組むような仕組みをつくり上げていかなければならないと思います。それがためにはいろんな生活環境もありますし、森林産業の基盤を整備する、その中にいわゆる山村の生活環境もあわせて考え、今後の林業の振興発展を図りたいと思います。
  44. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 終わります。
  45. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 五十八年度予算は決まりましたけれども、中身を見ると、農林水産予算、さらに文教予算、これは前年度よりマイナスに対して防衛予算であるとか海外協力予算が非常に突出しております。防衛予算は六・五%、経済協力予算が七・〇%増と、こういうふうになっております。  そこで、農林水産予算を見ますと三兆六千六十七億円、対前年比二・五%減と、こういう厳しい予算になっておるわけでございますけれども、五十八年度予算は三年連続の不作によるいわゆる買い入れ数量の減少、また逆ざやの縮小によって麦、米の食糧管理費が減少したこと、これに伴って辛うじて新規事業が組めたのではないかと、こういうふうに私は思うわけでございますけれども、その削減額、すなわち七百六十九億円はこの農林水産予算全体のいわゆる削減額九百四十三億円の八一%を占めているわけです。  そこで、考えられることは、五十九年度はまた事情が当然同じだとは言えないわけです。したがって、五十八年度と同じようにいくのかどうなのか。すなわち食糧管理費の今後はどうなるのか、その推移と見通しについてお伺いしたいのであります。五十九年度もし大豊作ということになった場合には、農家は米を安く売る、そうすると政府米は残る、次に来るものはいわゆる過剰米処理の財政負担増、結局は消費者米価をつり上げなければならない、そうすると消費者の米離れ、こういうことになるんではないかと私は心配するんですけれども、この食糧管理費の今後はどうなるか、その推移をお伺いしたい。
  46. 渡邊五郎

    ○政府委員(渡邊五郎君) 食糧管理費、五十八年度の全体では九千百三十四億円、前年の九千九百億円から約七百七十億円ばかり減額いたしたところでございます。それでもこの九千億の食糧管理費自体の一般会計繰り入れ等を必要といたします原因といたしまして、一つには、過剰米処理に伴う損失、あるいは御指摘の売買逆ざやなりあるいは管理経費の運営上の問題、第三番目に水田利用再編対策等の問題があるわけでございます。  それで、結論から申しますと、特に第三期対策を中心にしまして、五十九年度予算につきましてこれから検討をする段階でございます。特に第三期対策への取り組みいかんによって変動要因はございますが、前の過剰米の処理はおおよそ五十八年度、五十九年度あたりをピークにいたしまして、今後漸減することが予定される経費でございます。  それから、売買逆ざやにつきましては、これまでもできるだけ縮小するように努めてきたところでございまして、今後もそういう努力をいたしたいと思いますが、全体の価格設定の際の適正なこれまでのルールもございます。そうした上での判断をして扱いたいと思っております。  管理経費自体につきましては、過剰米の処理が五十八年度百五十万トン程度予定されておりますが、これが済みますとかなりそうした分の金利、倉敷等は当然減ってまいります。かつ、定員その他につきましても縮減に努めまして簡素合理化する。諸経費につきましては私どもかなり合理化できるかと思いますが、価格問題なり水田利用再編の対策というのはこれからの私ども検討課題でございまして、全体に五十八年度以降のこれからの方向としまして、価格政策よりも構造政策へというような全体の農政の方向もございます。こうした状況を踏まえて今後検討していくことになろうと思います。目下具体的にどうというところまでの段階に至っていませんが、方向としてはそういう方向で今後考えてまいらなければならないと思っております。
  47. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 いま申しましたように、五十八年度予算はいわゆる食糧管理費の縮小圧縮というんですか、そこで新規事業が講じられることになったわけでありますけれども、その施策の一つに、地域農業集団育成事業、これが認められておりますけれども、マイナスシーリングを余儀なくされている今日やることですから、それを縮小して新規事業をやるわけですが、非常に効果的なものだと私は判断をしておりますけれども、しかも三十七億六千八百万円、こういう予算が組まれております。この事業でどういうことを具体的に推進していこうと考えておられるのか、いかがでございますか。
  48. 森実孝郎

    ○政府委員(森実孝郎君) 御指摘がございました地域農業集団育成対策事業は、農地法が改正され農用地利用増進法が制定されて二年半の歳月がたち、各種の奨励措置等の効果もあって、どうにかいわゆる利用権の設定の実績が十万ヘクタールを超えるところまできた。またさらに、地域社会における権利移動や作業受委託についての話し合いもある程度定着してきた。そういう意味で、全国的な視点で、いわば第二種兼業農家の参加を確保しながら、地域ぐるみで話しを徹底して通じて農用地の利用調整を進めていく必要があるのではないか、また可能な情勢が成熟したのではないかという認識のもとに計上した予算でございます。  そこで、具体的には中核農家を中心に第二種兼業農家等も幅広く包摂しました地域社会の農業集団を育成しまして、その場所で話し合いを通じて農用地の利用調整をやって、利用権の設定等による規模拡大、特に水田地帯の平湯等においては、また中核農家を中心とする作業受委託を媒介とした高能率生産組織の育成ということを図ろうとするものでございます。  ことしの予算につきましては、全国の農振地域内の集落が約十二万集落あるわけでございますが、その約半分を対象にすることを念頭に置きまして、ことしの予算につきましてはそのまた半分の約三万集落の育成を図っております。一集落一団体よりは少し団体の数が減るだろうと思います、集落を越えた話し合いの場所もかなり実績としてありますから。そういう意味においては約一万七千団体を頭に置いているわけでございます。  なお、この事業につきましては、農用地の高度利用促進事業によろいわゆる賃貸奨励措置、さらに高能率農業生産組織育成対策事業によるいわゆる生産組織の育成対策助成措置を直結させまして、事業成果の上がるように努力すると同時に、新しく発足いたしました第三期の構造改善事業あるいは圃場整備事業の実施とできるだけリンケージさせながら、その事業効果が上がるように考えてまいりたいと思っております。
  49. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 局長の話だと、構造政策に重点を置くと、こういうことでこの新規事業が始まったと、こういうことでございますけれども、そうすると、先ほど言いましたように、マイナスシーリングの予算の余儀なくされているときですけれども、来年もこれは当然継続してそれを推進していくと、こういうことになりますか。
  50. 森実孝郎

    ○政府委員(森実孝郎君) やはりこの事業は息を長く、全国的な規模で実施できるように進めていかなければならないと思いますので、厳しい状況でございますが、私どもも最重点事項としてこれからも予算の確保に努めてまいりたいと思っております。
  51. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 もう一つ、米国から自由化要求のある肉用牛の生産力強化のために畜産総合対策が講じられております。これらの対策を通じて高生産性農業が確立されるのか、牛肉の自由化との関連で、農水省はどんな効果をこれで見込んでいるのか、この点をお伺いしたいわけです。  いままでの畜産対策のように大規模経営、そして生産コストを下げること、これは当然でございますけれども、それで借金がふえたり、それから経営不振になったりと、こういう例もあるわけです。こういったこと以上に、これによって構造的に何か非常に効果的なものが考えられているのか、この辺をお伺いしたいと思います。
  52. 石川弘

    ○政府委員(石川弘君) いま御指摘がございましたように、牛肉につきましては諸外国との関連もいろいろございますが、やはり何と申しましても国内で相当程度需要が伸びておる。まあ非常に重要な部門でございますし、また生産する立場からいたしましても、土地利用型の農業の中核でございますので、ぜひ国内の生産性を高めて、極力国内で供給力を安定させたいと考えているわけでございます。  今国会に御審議をいただきます酪振法の一部改正がございますが、この中におきましても、酪農と肉用牛生産を一体といたしまして計画的に、また安定的に生産を伸ばしていこうということを考えておりますが、いま御指摘の畜産総合対策はそれのいわば資金的な裏打ちとなろうかと思います。今度の畜産総合の中にも、先ほど申しました法律を実施いたしますために、国、都道府県、市町村におきまして計画を作成するための経費がございますが、そういうじみちな計画をもとにいたしまして、それを今度は生産の場につなぐわけでございますが、まず第一には、やはり安定的な生産を確保いたしますための飼料基盤の整備、特に今度の助成の中には小規模な飼料基盤の整備とか、あるいは飼料作物の生産の効率化のための経費等もございますが、新たに公共牧場の効率的利用のための再投資の経費も中に加えておるわけでございます。それから、やはり家畜の導入そのものが相当必要でございますので、繁殖経営の規模拡大のための家畜導入とか、あるいはそれを円滑にやりますためのソフトの経営対策というようなものも新しく入れておるわけでございます。  いずれにいたしましても、いま御指摘がございましたように、経営拡大がともすればたとえば借金の増とか、そういう形になりました過去のいろんな問題もございますので、私ども今度の基本方針に基づきまして、着実に生産が拡大できるようにこの種の事業を有効に活用していきたいと考えております。
  53. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 次に、佐野局長にお伺いしたいんですけれども、きのうお帰りになったばかりでお疲れのところ大変恐縮ですが、今回の訪米でどういう主な方とお会いになったのか、また経過を簡単に御説明いただきたいと思います。
  54. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) 今回訪米をいたしまして、金曜日の日に農務省のリン副長官、それから月曜日に通商代表部次席のスミス大使と会談をいたしました。  今回の訪米は、特段交渉をやるということではこざいませんでしたが、最近のアメリカの事情をよく確かめて、日米相互間で意見の交換を行い、来るべき専門家レベルの協議に備えるということを目的としていたわけでございます。  それで、先方といろいろ話をいたしてみましたところ、一つは、首脳会談の際、中曽根総理から専門家レベルの協議という問題が提起されたにもかかわらず、その後日本側がそれをフォローアップするようなイニシアチブをいままでとらなかったということについての不満が相当蓄積をしてきておるということが一つのポイントでございます。それで、そういう中で米政府としても日本側との実務レベルでの協議をできるだけ早く持ちたいというふうに考えておりますが、その中で、米側としてはIQの撤廃要求ということにつきましては、基本的にはIQの撤廃を要求するという立場は今日に至るも維持されております。したがいまして、アメリカ側が持ち得る弾力性の幅は、IQを撤廃する時期であるとかスケジュールであるとかという範囲に限られておるわけでありますが、そうかといって米側は、IQ撤廃の問題を議論して、そこから先、事態が全然転がっていかないということになるのも困る。そういう意味ではホノルルの二の舞にはしたくないということをアメリカ側も考えておるようでございまして、そういう意味では、一応アメリカ側が持っている弾力性の限界というのはそういうことなのであるが、日本側から、しからば日本側は一体どういうことを考えておるのかということを、日本案を用意してきてくれないと困るというのがもう一つのポイントでございます。  それから、牛肉、柑橘の話からは若干それますが、昨年来議論をしておりました例の六品目につきまして、米側といたしましては、日本側の追加的な状況がない場合にはガットの紛争処理手続に訴えるということにせざるを得ない、それでその時期としては今月中が限度であるということで乙ざいました。私どもとしては、現在の日米関係の大局から見て、日米がガットの場で相争うということが得策でないゆえんをいろいろ申していたわけでありますが、それだけで思いとどまるかどうかということはむずかしい事態のように見受けられました。  以上でございます。
  55. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 今回、交渉ということではないんでしょうけれども、話し合いの結果、結論として言えば二つ。一つは、牛肉、オレンジについては自由化の旗は全くおろす気配はない、局長もワシントンでこのように記者会見をなさったと記事で見ておりますけれども。それからもう一つは、いま言ったように今月中にわが国が六品目の輸入枠のいわゆる拡大の譲歩案を示さなければ、ガットに提訴すると、こういうことでありますけれども、そこでたしかわが国が昨年十二月二十五日でしたか、米側がガット提訴を当分見合わせることにこたえて、六品目の輸入枠の拡大を決めたわけです。それにもかかわらず、この決定した効果は、アメリカ側は何も理解を示していないように私は考えるんですけれども、この点はどう理解したらいいのか、この点いかがですか。
  56. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) 昨年、先生の御指摘のような経過があったことは事実でございます。  それで、その際米側は、昨年いまにもガットに提訴しかねまじき空気があったわけでございますが、一応それは思いとどまったわけであります。ただ、その際米側は、この際一応思いとどまることにいたしますが、日本側が現在やろうとしておられる六品目についての措置で米側は満足だということではありませんので、追加的な措置を検討してほしいという乙とは、その際米側は述べておったわけであります。その後、本年二月、ブロック通商代表が、安倍外務大臣に会われた際にも、同様の話がございました。それで、そういう話の延長線上として、かねて安倍外務大臣にお願いをしてあったあの話はどうなんでしょうか、前向きのお返事がいただけないのならやっぱり手続をとることにせざるを得ないのでありますがというのが現在のアメリカの内部の空気でございます。  それで、私どもといたしまして、六品目につきまして措置をとりましたのは、これはまあ実は一昨年の経済対策閣僚会議で、IQ物資についてやれることがあればやるということは、すでにその方針が決まっておりましたので、まさかガット提訴するといってなぐりかかられそうな形勢のもとでやるわけにはいかないというふうに思っておりましたが、一応それを引っ込めたのであれば既定方針どおりやることにすべきものと判断をいたしまして実施をしたということでございます。
  57. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 日本農業は大変厳しい状況にあるということはわれわれももう重々承知でおるわけですけれども、農民サイドから見ると、ガット提訴、ガット提訴と日本がおどかされているようですけれども、またそれに対して、政府が何となく恐れているような感じがしてならないわけです。米国との交渉に際しては、それは私が考えるのに、考え方の基準ももちろんアメリカとこちらは違いますし、それから判断の基準も私は違うと思うんです。そこで、私はわが国のこの農業事情をこれこれこういうわけで、自由化に対してはこれ以上はもうできないと、堂々と言うのが私は政府の立場ではないか。それでもなおかつガット提訴をすると言うんならば堂々と受けて立つべきだと、こんなふうに思いますけれども、日本の政府サイドの、この際ガット提訴をどう考えているのか、真正面から受けて立つのかどうなのか、その辺の御決意というか、考え方はどうですか。
  58. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) 私どもといたしましては、六品目につきまして、ガット提訴を回避するために忍びがたいような譲歩をするというつもりはございませんが、もう一遍研究はしてみたいという気持ちではおりますが、先生御指摘のようにガットと言いさえすれば何でも言うことを聞くのであるというふうにアメリカ側に思われるような対応をすることは得策でないという点は、まさに先生御指摘のとおり私どもも思っております。
  59. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 最後の方、わからなかったけれども。
  60. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) ガットに提訴すると言いさえすれば何でも日本は譲歩するのであるとアメリカに思われるような対応をするのはよろしくないという先生の御指摘には、私も同感でございますので、さよう対処したいと思っております。
  61. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 大臣に最後にお伺いしますけれども、佐野局長から、きのうお帰りになってお話は、報告は受けておられると思います。今後の対応として、この農産物の輸入解決、この問題について、事務レベルの専門家協議、四月下旬にという話が出ておりますけれども、これはそういうふうにするのかどうなのか、それが一点。  それから、大臣からこの場で何回もこの自由化の問題については基本的には変わらないと、こういう話を聞いておりますけれども、そのとおりなのか、もう一度確認の意味でお答えをいただきたいと思います。
  62. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) 前段のスケジュールの方だけ、私からお答えいたします。  先ほど私から御説明申し上げましたように、アメリカ側といたしましてはホノルルの二の舞は困るということでございますから、スケジュールからまず決めていくというふうになりますと、どうもホノルルの二の舞になる危険があるわけでございまして、むしろ私どもとしては今度の専門家レベルの協議に臨むに当たっての日本側の考え方を、いかなるものを持っていくかということを固めるのが先であって、それが固まればできるだけ早くというふうに思っておりますので、ちょっといまいきなりスケジュールの方から御質問いただいても、いまのところ確たるお返事がしがたいという状態であるというふうに思っております。
  63. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 いずれにしても近いうちに再開をされるんでしょうけれども、この再開の条件として六品目を含めた日本の譲歩案を考えているようですけれども、それはどんなものなのか、わかれば教えていただきたいと思います。
  64. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) 牛肉、柑橘の専門家レベルの協議と、それから六品目についての協議というのは、いろいろ協議のやり方の都合はございますけれども、事柄の性質として両者が一体になるべき内在的必然性がある関係では必ずしもないわけでございます。ですから、それぞれ経緯も違いますし、あれでございますが、牛肉、柑橘につきましては、これは専門家レベルの協議をするという問題は、中曽根大臣から提起された問題でございますので、これは何らかの日本案を用意して協議に臨むということは、当然やらざるを得ないことであるというふうに思っておりますが、いまの段階におきまして、案の内容については全く白紙でございます。  それから、六品目のことにつきましては牛肉、柑橘と異なりまして、元来もう一遍協議をするべき機会を持つという約束をかつてしたことはないわけでございますから、これは従来の経過から見て、日本側が当然何らかのことをやらなければいけないという事態ではございませんが、ただ先ほど来申し上げておりますように、私どもといたしましては、ガットの場で日米が争うということは好ましくないと思いますので、そこのところはもう一遍研究をしてみて、やれることがあればやれることがあるということを踏まえて対応したいというふうに思っておるということでございますから、これはもう少しオープンな気持ちで検討をするというふうにお考えいただいたらいいと思います。中身は、これはもうできなければ仕方がないことでございまして、やれることがあればということでございますから、いまのところこれまた大体こういうことになろうというふうに予告編を申し上げ得る段階ではないのでございます。
  65. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 じゃ、次に白書の問題ですけれども、大臣にお伺いしたいんですが、一昨日国会に白書が提出されたわけです。この内容は、五十六年から五十七年にかけての農業及び農業経済、この動向を中心に取りまとめてあるわけですけれども、大臣、この白書をごらんになって日本農業に、基本的な問題ですけれども、何を期待するのか、日本農業はどうあるべきか、また、どんな認識を持っているのかお聞かせ願いたいんですが。
  66. 金子岩三

    ○国務大臣(金子岩三君) かねて申し上げておりますとおり、日本農業の今後の進め方、大変問題がたくさん山積しておりますので容易ではないと思いますが、できることをひとつ実行していくということは、まず財源さえあればこれは基盤整備ができまして生産性を上げることもできるわけでございます。ただ、国土の狭い日本ですが、土地利用型の基盤整備をやって農業の生産性を高めるということについては、やはり農業技術の研究開発も非常に必要なことである、こういうこともあわせて今後やはり後継者が農業に希望を持って農村を守っていくような、いわゆる魅力のある日本農業をつくらなければならない、それがためにいろんな、財源だけでなくして問題がたくさんございます。しかし、これはそれぞれの部門でやはり適切にひとつ処理をしていくならば私はここ十年、二十年たちますと日本の農業の生産コストはEC並みに引き下げることもできるのではないかと、このように考えてやはり外国との農産物の価格の均衡をとる、これはアメリカとかあるいは牛肉のオーストラリアとか、ああいうところとは太刀打ちできませんけれども、少なくともEC並みの生産コストで日本がいわゆる自立農業、そして自給率をまあいまよりより以上に引き上げまして食糧による国の安全を確立することをひとつ目指して進みたい、このように考えてこの白書の中にはこういうことが織り込まれておるのでございます。
  67. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 国民生活の基盤は、工業でも農業でも同じこと、やはり経済になるわけです。いま農業は希望を持ってというお話しございましたけれども、この白書の冒頭に「農業経済の概観」ということで一番最初に出ております。「内外経済が停滞するなかで、農産物需給は全般的に緩和基調で推移しており、農産物生産者価格は低迷し、農業就業人口の減少テンポが鈍化している。また、米が連続して不作となったこともあって、農業所得は低迷しており、農家経済は厳しい状態が続いている。」と、これ一番冒頭に書かれているわけです。この一年間で農家の農業投資の減少傾向にあるということは、これは間違いないことでございまして、そうすると五十八年度の農家経済の動向には明るい見通しというものがないように思われるわけです。たしか、これは五十七年のいわゆる白書ですけれども、この前の白書のときもこれと同じようなことが書かれているわけです。何か明るい見通しはありますか。
  68. 関谷俊作

    ○政府委員(関谷俊作君) 農家経済の見通しでございますが、ただいま先生の御指摘にございましたように、五十六年度から五十七年度にかけましてはなかなか悪い材料が多うございまして、農産物需給の緩和また農産物価格が弱含みに推移した、そういうような状況で、農業所得がむしろ低迷しまして農家総所得の伸びも鈍化したと、こういう状況でございます。  五十八年度ということになりますと、率直に申しまして非常にもう見通しはむずかしいわけでございますが、なかなかいい要因ばかりはございません。強いて申しますと、若干農業生産の面で、転作の面で少し目標面積が軽減された等のこともありまして多少生産面は上回る可能性があるのではないかということでございますが、農産物価格の面ではまだ引き続き需給緩和基調が推移しますので、これもやはり低迷する見込みの方が強いように思っております。そのほか若干生産資材の面では、御承知のような原油価格の値下げ等が多少影響しますと少し資材価格面では安定するのではないか。こういうことで、農業面になりますと五十六年度、五十七年度よりは多少いい材料があるという感じはいたしますけれども、全体的にはそう著しく改善されるという状況ではないように感じております。ただ、若干農外所得の面では、多少雇用情勢の推移によりましては農家総所得全体としては少し伸びる期待もあるのではないか、かようなところで、非常に見通しがむずかしいと思っております。
  69. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 非常に厳しい状況ということですな。白書、もう一点ですけれども、至るところで規模拡大であるとか機械化の推進、生産性の向上、こういうことを課題として主張しておるわけですけれども、もちろんこうしたことは欧米の市場開放要求に対応しなければならないと、こういうことで、農業の体質強化、その面ではぜひこうしなければならないと、私もそういうように思います。しかし白書の中に、日本農業が抱えている耕作放棄地の増大ですか、手間省きによる経営の粗放化、これについては全然論じられていないように私は思うんですけれども、事実、生産性を考えて放棄もし、また経営も粗放化しているところがかなりあることはこれは事実であります。これについての分析について農水省としてどんな認識を持っておられますか。
  70. 関谷俊作

    ○政府委員(関谷俊作君) ただいま先生のお話しの耕作放棄とか経営の粗放化、そういう状況についてでございますが、これは実は白書の中にも何カ所かそういう要因について触れている、分析しているところがございます。たとえばそういう原因としましては、ただいまお話しもございましたが、農林業所得が低迷しておるとか、あるいは山村で過疎化が進んでおるとか、農林業の労働力も高齢化が進行する、そういうこと。これに伴いましてまた耕地利用率の低下、栽培管理の粗放化あるいは経営の単一化による土壌有機物の減少、地力の低下等、こういうような問題が生じておる関係で、若干やはり経営の粗放化なり耕作放棄地が少し割合が高まる、こういうようなことについては若干指摘はもちろんしておるわけでございます。これにつきましては、御承知のような、いま申し上げたような諸要因が絡み合っているわけでございまして、非常にむずかしい問題でございますけれども、先ほども予算面等で御説明申し上げました、たとえば地域的な農業の集団活動を強化する、あるいは農地の流動化による規模拡大を進める。そういうことを進めます一方で、次の水田利用再編対策等につきましてもさらに一層転作の定着化を図っていくという方向で、こういう土地の利用の効率化あるいは生産性の高い営農の確立と、こういう面にさらに一層努力をしなければいけない、かように考えております。
  71. 中野明

    ○中野明君 大臣の所信に対し一点だけお尋ねをしたいと思います。これは環境庁も来てくれておりますね。  閉鎖性水域における漁場の汚染、要するにことしはまた、嫌なことなんですが赤潮の季節をまた迎えようとしております。非常に、赤潮ということで私たちもこれ毎回議論をしているわけですが、まず環境庁の方から赤潮の発生状況と、それから発生のメカニズムの研究がどの程度まで進んでおるのか、その辺をちょっとお答えいただきたい。
  72. 島田直幸

    ○説明員(島田直幸君) 赤潮関係の調査研究につきましては、従来からいろいろ行われております。したがいまして、そういう調査研究を総合的に連絡調整行うために水産庁と環境庁が共同いたしまして赤潮問題研究会というのを設けまして、調査研究の効率的な推進を図るべく努めておるところでございます。そうした一環の中で、環境庁といたしましては幾つかの研究を行っております。その一つの柱といたしまして、赤潮発生機構の解明の調査を行っております。これは五十四年度から始めておる調査でございまして、瀬戸内海におきます既存の各種のデータを利用いたしまして、赤潮の発生と環境要因の解明、関係を解析する調査を行ってきたわけであります。これによりまして、プランクトンの種によりまして赤潮発生の環境要因が異なることがおおむねわかってまいりましたので、引き続きまして五十七年度からはさらにそれぞれの赤潮発生海域に即した発生機構の解明の調査を始めているところでございます。さらに、環境庁ではこのほかリモートセンシングを利用いたしました赤潮の予察技術の開発を進めておりますし、また国立公害研究所におきましてはより基礎的な研究、たとえば赤潮の単一種につきまして実験室的な研究を行っているというようなことでございまして、いろいろな研究を進めているところでございます。  こういう調査研究を通じまして、赤潮発生海域あるいは赤潮プランクトン種、そういうことに関する知見がふえてまいりまして、赤潮被害は最盛期に比べますと減少してきておると思います。しかしながら、赤潮発生条件は依然としてなくなっておりません。たとえば昨年度も瀬戸内海海域におきまして二百件前後の赤潮が発生しております。これはここ数年横ばい状態の状況にあるわけでありまして、そういう例からも見られますとおり、依然として発生の条件は存続しているわけでございます。したがいまして、今後もこういう調査研究を続けますとともに、海域の富栄養化の要因を取り除く努力が必要ではないかというふうに考えております。
  73. 中野明

    ○中野明君 いまのお話、毎回お尋ねしているんですが、なかなかこの赤潮の発生のメカニズムがはっきりしないものですから、結局解決ができないということで推移をしているわけです。瀬戸内海は、特にいまお話がありましたように、播磨灘方面は私どもも瀬戸内海の臨海工業地帯で工場排水というのは非常に大きな要因になっているという理解もしておったわけです。ところが、昨年私たちが宇和海というところへ――宇和島周辺の宇和海に現地調査に行ったわけですが、あの辺はもう工場は全然ないし、人口も少ない。そういう状況の中でこの赤潮が大発生して、まさかと私たちも安心しておったところに赤潮が大発生して大変な被害を受けた。その後もそういう状況であるわけです。ですから、いまのお話にもありましたように、その辺をどうとらえておられるんだろうかということなんですが、それは今後の研究を大いに進めていただいて、早く発生のメカニズムがわかれば対策も赤潮の終息に努力はできると思いますので、せっかくの御検討をお願いしたいと思います。  きょう長官も見えております。私お尋ねしたいことは、この宇和海に行きまして、そしていろいろ現地の人にも聞いてみましたところ、結局いままではどちらかといいますと工場排水とか家庭排水とか、あるいは合成洗剤とか、そういうところに原因があったように思いがちだったんですが、漁業者自身がみずから自家汚染といいますか、みずから自分たちも海を汚してるんだと、そして赤潮発生の一つの要因にもなってるんだということに非常に強い自覚が出てまいりました。そして、いわゆる養殖のハマチの登録制というものを進んで初めて踏み切ったということで、それが非常に私関心があったものですから、あわせて現地調査に行ってきたわけですけれども、自分たちで油をたいて一生懸命海の掃除はやったと。なるほど行ってみますと非常にきれいです、海はですね。上に何も浮いてません。ところが、幾ら表面だけ掃除をしてもだめだということがわかって、現在は合成洗剤の追放にまで、市民運動にまでなってるわけですが、私が一番思いますのは、こういうふうに特にこれは実際に養殖をしている主人公じゃなしに、家庭におる奥さんそれから息子さん、これから漁業を跡継いでいこうかと、こういう人たちが自主規制に、登録制に踏み切ったということ。実際に営業主としてやっている御主人の方はどっちかというと消極的だったんですね。ところが、このままでいったら海が死んでしまってもうどうしようもないと、長く子孫にりっぱな漁場を残さなきゃならぬということで、いままではどちらかというと消極的な立場におられた後継者、それから家庭の奥さん、ここらが立ち上がったというのが私は非常に心強いものを感じたわけです。ところが、その人たちが一生懸命努力をしてももう限界があると、えさも冷凍のままでやるようなね。いままでは解凍しておったのを、その汚水が流れてたので冷凍のままでやるように工夫をしたりいろいろしてるんですけれども、結局自分たちの努力では限界があるので、ここから先はやっぱり行政の応援が欲しいと。下のヘドロの除去等に沿岸漁場の保全事業というんですか、これがあるようですが、ぜひこういう空気が、向こうが後継者初め家庭の奥さん連中が立ち上がって、そして海をきれいにしなきゃならぬという、こういう意欲が出てきたというこの一つのタイミング、このときに行政がそれに対してこたえてやるという、そういう姿が出てくれば非常に私効果が上がってくるんじゃないか。それには一つか二つかどっか地域を指定して、モデル的に、重点的に一遍このヘドロをとってみて、赤潮がそれからなくなるとか、何とかそういう形が出てくるようなそういう努力も私必要じゃないかと思うんですが、どうも予算を見てますとね、大臣は水産のことは専門家でいらっしゃいますが、予算を見てみますと、そういう漁場を守るというんですか、大臣の所信にもありますように、漁場の保全開発、保全をするという、そして職場を守るという上で非常に予算が消極的なような気がして、もう前年対比で、まだこういう時節ですからわからぬことはありませんけれども、そういうところに力を入れて、この二百海里時代で、もう魚だってどんどん締め出されてくるようなときに、やはり生産の場を守っていくというところに力を入れると私は漁民の人たちも喜んでやるんじゃないか、そういう気がするんですが、その辺ひとつ水産庁長官、このいまの登録制の問題をどう評価されているかということと、それからその人たちの要請にどう行政としてこたえてやろうとしておるのか、この二点。
  74. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) ただいま先生御指摘になりました宇和海につきまして、私も遊子に行ってまいりました。現地の事情もいろいろと伺ってきたところでございます。特にあの海域につきましては下水道の問題とか、合成洗剤の問題等もございますが、やはり基本的には自家汚染の問題ということを深刻に考えなければならない地域じゃないかというふうに考えます。特にこの地域の方々が立ち上がられまして、愛媛県でハマチ養殖関係団体がハマチ養殖生けすの登録制ということを実施するということで、過密養殖対策ということを打ち出されたことは私も非常に高く評価をしているところでございます。このような漁業者みずからによる過密養殖の防止の動きということが動き出しましたことは今後とも非常にこのハマチ養殖等の養殖関係の発展に大きな貢献をするというふうに考えておりまして、このようなことを最も助長していきたいというふうに考えます。  そこで、このような過密養殖の防止対策につきましては、御案内のように五十三年にハマチ養殖に関する指導方針というのを決めておりまして、維持すべき漁場の水質基準あるいは地域の実情に応じた収容密度、これが非常に重要でございます。特にカキの収容密度は目安として一立方メーター当たり七キログラムということでわが方指示をいたしておりますし、また県による漁場診断といったようなことを行いまして、かなりこの養殖業者が過密な養殖をしないように指導しているところでございますが、それだけではなくてこのような宇和海の地域においてもやはりすでに底質が汚染しちゃっているということが非常に大きな問題だろうというふうに考えます。  そこで、私どもとしましてはいろいろな助成事業を持っておりまして、一つはいわゆる新沿構でやっておりますところの漁場のしゅんせつ、海水の交流の改善というような事業もございます。それから地域栽培養殖推進施設整備パイロット事業ということでしゅんせつ、覆砂――砂を二十センチほど海底にまいてヘドロを押さえるということでございます。それから粘土の散布あるいは、いわゆるモイストペレットと言われている非常に効率のいい、下に余り沈降しない間に魚がえさを食べてくれるというようなことについても助成事業を行っておりますし、あるいは沿整等の漁場の造成の事業の中にもこういう事業を入れてやっておるわけでございます。宇和海につきましては県の方とも十分に相談をいたしまして、これらの事業を活用いたしまして当該地域においてどのようにすればパイロット的な事業として海底の土質が改良されるかということをお示しして、そこでさらにこのような自家汚染と申しますか、ハマチによる養殖業者みずからの手で土質をきれいにし、海をきれいにしていくという方向を助長したいというふうに考えておる次第でございます。
  75. 中野明

    ○中野明君 いまのお答え理解できますが、この海を見ますと非常にきれいなんですがね、ところが、実際現場へ行って下のヘドロをはかってみますと多いところはやっぱり一メートルぐらいありますね。ですから下の方の海藻なんかも全然だめと、貝類もだめと、こういうようなことでその辺がこれきちんとしてあげないとどうしようもないんじゃないかということですので、大臣ひとつこういうところへやはり重点的にお金は使っていくべきだと思います、それは確かに財政の厳しいときでしょうけれども。やはりこの生産の場はきちっとしていくということがもうこれは基本だろうと思いますので、その辺、今後の予算の点について大臣の方のお考えをお聞きして終わりたいと思います。
  76. 金子岩三

    ○国務大臣(金子岩三君) 大変適切な御指摘をいただきました。いろいろ漁業を守るために、あるいは資源を保護するために、あるいは資源を増殖するためにいろんな面で予算をとっておりますけれども、いま中野先生が御指摘になったような点は少し水産庁の方でおろそかになっておる、私もこのように考えております。ひとつ来年度予算から適当な予算をぜひ組んでいきたいと思います。
  77. 下田京子

    ○下田京子君 最初に日米農産物交渉問題でお尋ねします。  局長はきのう帰ってきて早々本当に大変ですけれども、現地記者会見なされた際に、今回はアメリカの農務省リン副長官並びにUSTRスミス次席代表と会談されたと。今回は具体的に段取りについての意見交換を行ったんで交渉は行ってないということで、記者会見のその様子によりますと、双方で確認されていると思う向きは、第一番目にとにかく早く事態を動かさなければならないと言いつつIQ撤廃という米側の考え方は変わってない、他方、米側も日本側がIQ撤廃にこたえることはできないという事情はわかってきているように思うと、しかし、なおかつ昨年のホノルルの二の舞は困ると、こういうふうになっておりまして、日本側から何らかの具体的提案が必要と考えている、こうお述べになっているわけですが、ということは、そのアメリカの意図というものは残るは牛肉、オレンジの枠の拡大で何らか日本が対応を示せと、こういうふうに受け取れるわけですが、そういうことになりますか。
  78. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) アメリカ側としては枠の拡大だけで事態の決着をつけるというつもりは全く見受けられません。それで、ですから枠の拡大の問題で決着がつけられるというふうに思ってないわけでありますが、そうかといってその枠の撤廃ということをアメリカ側が言って、日本は撤廃はできないということを言って、それで終わり、さようならという、そういう協議にはしたくない。それでそういう協議にしないようなやり方というのはどういうことであるのかということについては日本案が欲しいなと、日本案が欲しいということを言っておるわけでありまして、その枠の拡大の提案を日本が提示してくれればそれで妥結できるということを言っているわけではないと思います。
  79. 下田京子

    ○下田京子君 ちょっとわかんないの。もう少し明確にしてほしいんだけど、米側は枠の拡大だけでいいというふうには言ってない、だけれども日本側のIQ撤廃が無理だよということも米側はわかってきているようだと、なおかつホノルルの二の舞にはなりたくないよということになれば、じゃ政府としても、さっきからのお話もありますけれども、何らかの具体的な提起しなきゃならないだろうと、こう言っているわけ。その中身は、当面とにかくそうすると枠の拡大で何とかというふうになるのか、米側の要求の中身はわかりましたけれども、それに対して日本が枠の拡大で何とか協議に応じようというふうに思っているのか。
  80. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) 先ほど来申し上げておりますように、この牛肉、柑橘問題の専門家レベルの協議というのは中曽根総理から提起されたことでございますので、私どもとしては日本側として専門家レベルの協議が進められるように誠意を持って検討をすべき筋合いのものであるというふうに認識をしております。  それで、アメリカ側がその専門家レベルの協議についてどういうふうに考えておるかということは先ほど来御説明申し上げておるところでございまして、そういう私が得てまいりました認識を踏まえてこれから関係各方面と御相談をして対処方針を固めていきたいというふうに思っておるところでございます。
  81. 下田京子

    ○下田京子君 アメリカのその要求はわかりました。しかし、それを受けて対応していく措置ということになれば、枠を撤廃せよということを米側は譲っていないけれども、一定の何らかのことを持っていかなかったらホノルルの二の舞になってしまうと、こういうわけですから、自由化はだめと、だけれども枠の拡大等では一定、考えなきゃならないよというふうに考えておるのかどうかということですよ。
  82. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) そこはいまの段階で、まだ全然相談も始めておりませんので、私から予断めいたことを申し上げにくい状況なんでございますが、何と申しますか、日本側としてももう一度ホノルルと同じことをやるということでは困るなという感じは持っておるわけです。持っておるわけですが、そうかといって、先方の考えておるとおぼしきことにぴったり合うようにやれるかどうかということもよくわからないわけでありまして、そこら辺はちょっと、いまの段階で所見を述べてみよとおっしゃられましても、ちょっとそこは、本当の話、まだ相談が進んでおりませんので……。
  83. 下田京子

    ○下田京子君 大臣、そこで、新聞報道によりますと、各紙が書いているんですが、いまのその局長の報告を受けまして、牛肉、オレンジの市場開放問題について、今後の対応として、具体的には米側が協議再開後すぐ決裂するような事態は避けたいという態度で、一定、牛肉、オレンジの輸入自由化には応じられないものの、枠拡大という点で日本案を携えていく必要があるんじゃないか、こう見ているというお話が報道されているんですが、大臣はその辺はどういうふうにお受けとめなんですか、お考えなんですか。
  84. 金子岩三

    ○国務大臣(金子岩三君) 佐野経済局長がいろいろ説明をされておりますが、私も余りその説明がよくわからないわけですよね。それで、私の報告もそういう余りわからない報告を聞いているわけです、私は。それで私の判断は、大変佐野局長は苦しい話を聞いて帰っておるなと、そして私どもに言いにくいんで、言いにくいことを言おうとするからわからないようなことを言いおる、こういうふうに私は考えておるわけですね。ただ、私が記者会見をしておるわけでもありませんけれども、局長の帰りましてからの記者団に、クラブに報告したその記事がけさ各紙にいろいろなニュアンスで出ています。私もそれを見まして、私は直ちにこれをどのようにしようということまでは、昨夜十分ぐらい話を受けただけで決めていないんですよ。ただ、かつてのハワイにおける会談みたように決裂して、物別れするようなことは本当はやってはいけないだろうということで、それがためにはやはりある程度実のある話を今度出かけるときには持っていかなければならないんじゃないか、それがためにはやはり国民、いわゆる農業団体皆さん方の御意見なりお気持ちも十分そんたくして一つのめどを立てなければいけないのではないか、このように考えております。  ただ私は、たてまえは依然として、自由化はもうもちろんですけれども、枠の拡大も、いまのところ日本はそんなに輸入しなければ牛肉でもオレンジでも足りなくて困っておるわけじゃないんですから、オレンジなんかはこれは生産過剰なんですから、枠の拡大さえも私はやるべきではない。そういうことをするとやはり日本の農家は困るということで、私の考え方は一つも変わっていない。これを一応貫いておるわけでございます。しかし、関係者の御意見がどのように出てまいりますか、やはり皆さん方の意見をひとつ聞いて対処しなきゃならない、こういうふうに考えております。
  85. 下田京子

    ○下田京子君 大臣の発言も微妙なんですよね。ただわかったことは、基本的に、牛肉、オレンジの自由化はもちろん、枠の拡大も応じる必要がないという、大臣の言葉で言えばそういうたてまえだそうですが、じゃあたてまえなら本音がどこなのかと逆になるわけですが、まあ言葉じりはいいとしても、しかし今度具体的に再開してワシントンで協議しようという、その中身については、ホノルルの二の舞を踏みたくない、こういうことになれば、一定譲歩をせざるを得ない、こういうことになるわけで、とすれば、一定の枠の拡大等々について農業団体や自民党やその他政府部内で検討はこれは始めなければならないだろう、こういうことに理解してよろしいですね。イエスかノーかだけ。
  86. 金子岩三

    ○国務大臣(金子岩三君) 答えが要るんですか。――大体そういう考え方で私はおるわけです。
  87. 下田京子

    ○下田京子君 それから六品目の問題なんですが、これは現地での報告によりますと、この六品目については、現在、特にUSTRの中で、進展がないならガットの提訴をするよと。で、われわれから種々反論したけれども、恐らく米側はそれに思いとどまるという事態でもないんで、四月中に何らかの進展がなければガット提訴に踏み切ってくるんじゃないか。したがって、牛肉、柑橘とあわせて対話の場をつくる必要がある、こういうふうに記者会見をなされているわけですが、さっき他の委員の質問に対しての御答弁だと、ややこの六品目についてはニュアンスが違って、もう一度検討をしてみたい、つまり、検討するというのは、これは八二年の三月でしたか、米下院の外交委員会報告の中で、日本政府は圧力をかければ譲歩する、だから常に圧力をかけ続けなきゃならないんだということになって、昨年十二月もガットに提訴するということでもって六品目の枠の拡大やった。しかも、いままでと違いまして、最低枠保証方式ということで、本来は国内で不足するものを輸入するんだ、こう言ってたのに、今度は考え方としてまず輸入が先であって、それでもってから国内の数量を決める、こういうことに考え方まで改めてきて、大変譲歩されているわけですが、それをさらにまた譲歩してこの牛肉、オレンジの場にも持ち込んでいくということで具体的に検討を始める、こういうことと理解してよろしいんですか。
  88. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) 六品目につきましては、牛肉、柑橘の場合の日米首脳会談の席上での総理の御発言のような、そういう経緯が別にあるわけではございませんから、ガットの紛争処理手続によって事を処理したいというのであれば、どうぞそうなさればいいではありませんかという考え方もあり得るわけであります。まあ、そういうことをやったからといって、そういう対応の仕方をしたからといって、過去の経緯から見て不義理であるということはないわけでございます。ないわけでありますが、日米間の農産物貿易をめぐる雰囲気ができるだけとげとげしいものでないということの方が、牛肉、柑橘の話を進めていくためにも望ましいのではないかというふうに私は思っておりますので、何か追加的にやれることがないか検討はしてみたいという気はいたしております。それからもう一つ、そういう検討の結果がどうであれ、ガットの紛争処理手続に訴えるということを思いとどまらせるという説得はさらに引き続いて行うことが望ましいというふうに思っていますから、そういう意味で対話の機会を持ちたいというふうに思っております。  ただ、先生御指摘のように、私どもといたしましても、ガットと言いさえすれば日本が譲歩するというふうにアメリカに思われることは、これは交渉上決して望ましいことではございませんので、そこら辺のところは十分気をつけて対処をしてまいりたいというふうに思っております。  それから、お話の中でございました最低保証云々の話は、これはどちらかと申しますと、枠の拡大という譲歩がしがたいものについて、枠の拡大の譲歩をするかわりにそういうアイデアを取り入れたものでございまして、私どもとしては、市場開放措置の程度においては、枠拡大という措置に比べればはるかに軽微な部分に属する方であるというふうに思っているわけです。
  89. 下田京子

    ○下田京子君 時間がなくなってきまして残念なんですが、とにかくいまの経過を聞きますと、大臣は四月四日の日にわが党の立木議員が参議院の予算委員会の際にいまの牛肉、オレンジ等問題で質問し、自由化の枠拡大も応じられないと、こういうことで述べられていたわけですが、同時にその同じ日にマンスフィールド米大使が外務大臣に対して再開の問題等要求しているということで、いまのような、局長がお帰りになってきてから、大臣の基本的な姿勢は変わらないと言いつつも、いよいよ具体的に枠の拡大に手をつけていくということになったということは事実でございまして、大変これはいろいろ問題であると思うんです。これはまた後で追って御質問したいと思います。  一、二あと聞きたいんですが、食糧庁長官、端的にお答えいただきたいんです。三月に米審懇に米穀の管理に関する基本計画というのをお出しになっていると思うんですけれども、この資料を見ますと、ことしの十月末の在庫量は十万トンと非常に低い数字を示しているんですが、昨年三月、やはり五十七、五十八米穀年度の需給見通しをお出しになっていると思うんですね。その時点ではことしの十月末の在庫量は何万トンというふうに見てましたか。急いで。
  90. 渡邊五郎

    ○政府委員(渡邊五郎君) いまちょっと手持ちございません。たしかあの当時は六十万トンぐらいの在庫量を持ち越すように計画はいたしておりまたけれども、十万トンという数字につきまして、先般基本計画を出しましたのは、昨年の五十七年産米の作況等から、持ち越し米等その他を考えましても、五十七年産米の持ち越しは十万トンになるということでありまして……
  91. 下田京子

    ○下田京子君 数字だけ聞いているんです。九十万トンのはずですよ。  もう一つ、数字を聞きますけれども、じゃ、実際には五十七年の際の数字、在庫量は、五十七年の十月の在庫量は幾らだったんでしょうか。それと、今回のやつが四十万トンとなっていますけれども、実際に計画ではどうだったんでしょうか。
  92. 渡邊五郎

    ○政府委員(渡邊五郎君) 失礼しました。昨年の基本計画の際には九十万トンの持ち越しを予定いたしましたが、昨年、実績の前年産の在庫量は四十万トンになったわけでございます。
  93. 下田京子

    ○下田京子君 いまのお話から見まして、一つは、昨年三月に立てた基本計画によれば、ことし十月の持ち越し量というか、在庫量は九十万トンと見たわけでしょう。ところが、実際には、今度の数字によれば十万トンしかない。だから八十万トンの差がここで出ていますね。それにもう一つ、五十七年、昨年の十月時点での在庫量はどうだったかというと、昨年三月に立てた計画では六十万トンと立てたものが、実際には四十万トンしか持ち越せなかったわけでしょう。そうですね。そうしますと二十万トンの差が出てくるわけですよ、わずか半年の間に。こういう事態で、過去の状況を見てみますと、大冷害があった五十五年、これは生産数量が計画に対して百四十万トン減収になっておりますね。五十六年、五十七年の場合には約五十万トンから減っておりますね。そういうことになりますと、需給計画を立てる際にわずか十万トン前後のあれでもって果たして安定していけるのかどうか。せめても、最低でも五十万トンやあるいは七、八十万トンの持ち越し量というものを考えるべきじゃないか、こう思うわけです。
  94. 渡邊五郎

    ○政府委員(渡邊五郎君) 御質問まことに、十万トン自体は、これまでの在庫の持ち越しとしては異例なくらい低いことは事実でございます。したがいまして、五十八年産米につきましては生産調整の緩和をいたしまして、翌年への持ち越しを五、六十万トンに復元する備蓄の積み増しをする、このように取り計らったわけでございます。
  95. 下条進一郎

    ○委員長(下条進一郎君) 下田君、もう時間が来ております。
  96. 下田京子

    ○下田京子君 そうですね。  最後に一点聞きますけれども、時間がない関係もありますけれども、長官は私の質問していることをわかるはずですよ。  で、いまのようなお話ですが、実際に五十九年になってどうなのかということはことしの出来秋の状況を見ないとわかりませんでしょう。計画を見るとここで五十万トンから六十万トンぐらいの持ち越しができると見ているわけですが、実際にことしの出来秋で足りなくなっちゃったらどうするのかということになるわけでしょう。そうしたら来年大幅に減反を緩和するか、何とか措置をしなかったらやっていけなくなるじゃないでしょうか。そういう危ないことをやめて、きちんとした計画を立てるべきじゃないか。当面は、ことしの状況がわからないんだから、昨年とことしの計画自体を比べたって狂っているんだから、だから大いに米つくらせなさいよ、こういうお話なんです。
  97. 渡邊五郎

    ○政府委員(渡邊五郎君) 現在、食管制度の運用につきましては、安定的供給ということは当然でございます。また、そのために御心配をかけないようにするということも同時に必要でございますが、不作に対する備えも当然しなくてはなりませんが、もう一つ、過剰という事態もこれまですでに二回も経験いたし、かつ、過剰米の処理に膨大な経費もかけてきている。要するに、過不足なく需給の調整を図るということで、私どもとしては一生懸命やっておるわけでございます。そうした状況を踏まえて、自然の条件等の変動はございますが、私どもできるだけ計画にのせて、需給上心配のないような操作をいたす所存でございます。
  98. 下田京子

    ○下田京子君 一言だけ。  心配のないようにしますと言いながら、この説明資料をもう一度よく見ていただきたいんですけれども、これでは心配になりますよということを私は言っているんです。そこのところをなおもう一度検討をいただきたいということを申し上げて質問を終わります。
  99. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 私も、例の日米農産物交渉で、いままでの議論をお聞きしておりまして大体のことはわかったわけでありますが、重ねて御質問を申し上げておきたいと思います。  中曽根さんが日米会談で約束されたことでもあり、誠意をもってこれは当たらなければならぬということで、佐野局長今度手がかりを求めて訪米されたわけでありますが、日米間では、いまの農産物交渉の行き詰まり状況を何とかして早期に膠着状態になっている状態を解消しなきゃならぬ、こういう点では一致をされたわけだと、こういうように新聞は報道されておりますが、その点はそのとおりでよろしゅうございましょうね。
  100. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) これは日米双方ともできるだけこの種の案件は早期に決着をつけたいと思っておる点については、先生御指摘のとおりでございます。
  101. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 そこで、先ほども御答弁がございましたけれども、再開というのは早ければ早い方がいいんだと、お互いのためにですね。これも一致をされているように思いますし、局長の向こうにおける新聞記者との記者会見ですか、の談話なども見ておりますと、この四月中にも第一回の専門家協議、どうしてもこれはやらなけりゃならぬのではないかと、こういうことも述べられておるわけですけれども、帰ってこられて大臣と相談されて、今月中に開くのはちょっとむずかしかろうなと、こういうように慎重になられているのかどうか、その点お伺いします。
  102. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) これ先ほど来申し上げておりますように、アメリカ側といたしましては、今度協議を再開するとすればホノルルの二の舞にはしたくない。ホノルルの二の舞にならないためには、日本案を携えた上で協議に臨んでくれるということでなければ困るということにアメリカ側の力点は一番あるわけでございまして、ですから日本案を十分に練らずに日程から先に決めてしまうというやり方はアメリカも欲しておるところではございません。私どもとしては案が間に合えば早い方がいいというふうには思っておりますが、案ができるかどうかということを飛ばして先に日程からというふうに決めていくべきものではないというふうに私どもも思っておりますので、いまの段階ではちょっと日程について予測することは差し控えさしていただきたいと思います。四月ということはワシントンで確かに話題になりましたが、それは記者団からの御質問で、選挙後がいいと思っているんじゃないかとか、総理のASEAN訪問が済んでからの方がいいと思っているのではないかということがございましたので、そういうことはないので、案ができさえすればもう四月でもいいんだよというふうに申したわけであります。
  103. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 これはいずれにしても、四月中になるのか五月になるのかわかりませんが、早期に再開と、これはまあ既定の路線として私どもも大体そうなるのではないかとわかるんですが、この専門家協議で例の六品目の問題もあわせて話し合うんだと、合われるだろうと、合わなきゃならぬだろうと、こう言われているんですが、その点はどうでしょうか。
  104. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) 牛肉、柑橘の交渉時期が、協議再開の時期がいつになるかということは、いまのところ予測が立てがたいわけでございますが、一方米側といたしましては、六品目について現在のところガットの紛争処理手続によるべしという意見の方向へ傾いておりますので、それを何とか断念させるための対話の機会は持ちたいというふうに思っていることは事実でございます。したがいまして、牛肉、柑橘の協議の時期にもよりますが、牛肉、柑橘の協議ということで日米相まみえる機会があれば、その機会に同時に六品目についてもガットの提訴ということを思いとどまってもらうための対話をする機会としても利用したいというふうには思っております。
  105. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 先ほどの御答弁を聞いておりまして、局長はやっぱりやれることがあれば、まあどういうものがいいかわかりませんが、やれることがあればやりたいという意味は、日本側のこの交渉に当たっての何らかの譲歩案というんですか、そういうものがあればそれを探って、できた段階でそれで交渉に臨んでいくんだと、こう言うんですが、結局六品目の輸入枠の拡大、これについての譲歩案というんですか、もう少し枠を広げていくことができれば、そういうことで臨んでいけば何らかの進展が見られていくのではないかと、こういうように考えられているように、私は先ほどのいろんなお話を聞いていてそういうように理解したんですが、その理解でよろしゅうございますか。
  106. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) これ六品目の方の関係は昨年来ずいぶん長い間断続的に議論を続けてきた問題でございまして、日本側でさらに何かしてやれることはないか検討してみて、それを持っていけばアメリカ側が当然ガットの紛争処理手続に訴えることを思いとどまってくれるに違いないというふうに思えるかどうかということになりますと、私はそれほど確信は持てないわけでございます。ただ、ガットの紛争処理手続に訴えるということを回避するために、もう一遍何かやれることはないか検討はしてみたい。それで、それを踏まえて紛争処理手続に訴えることを思いとどまるように引き続き説得をしてみたいというふうには思っておりますが、成否につきましてはいまの段階ではちょっと何とも申し上げにくいわけでございます。
  107. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 それでは次の問題に移らしていただきますが、大臣、これはもうどこでも言われているわけですけれども、日本の食糧政策、昨今の米不足云々の問題も含めまして、やっぱりこの食糧政策を大胆に見直す時期ではないか、こういうことが言われているわけでございます。いまアメリカは大変な在庫を抱えて大豊作ということなんですが、しかし三分の一大減反をことしはやると、これが決まったようであります。そして将来アメリカの、あの世界の穀倉の宝庫と言われているアメリカも必ずしも将来にわたっていまのような状況が持続できるかどうか不安も持たれているわけですね。土壌の流失だとかいろいろなことが言われておるわけでありますが、そういうような不安がある。それと同時に、世界的に見て考えてみますと、世界の人口が二〇〇〇年になればいまの五割もふえる。しかも、ふえる地域はアジアとかそういう発展途上国、これが大部分。そうすると人口が六十三億人にも上る。それに反して耕地面積はそんなにふえないということになると、いま世界で四億か五億人の人が飢餓線上にあると言われているんですが、これが十三億人にもなってくると、こういうような大変な世界的に見ますと食糧危機というものが予測をされるわけです。そこで、この際、わが国としてもそういうような状況もよくにらみながら、各界の有識者を集めて、人口動態あるいは食糧の今後の需給見通し、あるいは食糧生産の技術水準をどのように高めるかと、こういうようなもろもろの問題を総合的に勘案して、長期展望をわが国としてもつくると、こういう意味で、各界の有識者を集めたそのようなものをつくっていくおつもりがあるのかどうか。私は、この際必要ではないかと思っているんですけど、この点について大臣の御見解を伺いたいと思います。
  108. 金子岩三

    ○国務大臣(金子岩三君) 大変意義のある御指摘をいただきました。検討いたします。
  109. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 そこで、先ほども触れましたが、アメリカ側は膨大な食糧過剰、八億ドルの保管料を支出しなきゃならぬということで追い込まれているのですね。そういうことで、三分の一の大減反ということで踏み切ってきたわけですが、こういうような状況、先ほど私が申し上げました世界的な食糧危機というものが予測をされるという状況を考えてみますと、やっぱりこの際日本におけるそういうような専門家による研究と同時に、この際アメリカに対して世界的な食糧備蓄機構というものを日本側から提起するおつもりはないかと、こういうことをお聞きしたいわけですね。全世界的な食糧の備蓄機構というものができ上がれば、アメリカもいまのような今日の負担を軽減できるだろうし、わが国にとっても、アメリカにとっても、いまの日米の摩擦状況というものもそういうことによって解消できるんではないかと、私どもはこう思っておるんですが、そういうような世界的な食糧の備蓄機構というものを日本側からこの際アメリカに提起してみたらどうだろうかと、こう思っているんですけど、その点はどうでしょう。
  110. 佐野宏哉

    ○政府委員(佐野宏哉君) 実は、先生御指摘の、雄大なスケールで国際的な食糧備蓄をするという問題は、一九七四年のローマで開かれました世界食糧会議で、当時のアメリカの国務長官でございましたキッシンジャーが、例のキッシンジャー提案というので、国際備蓄六千万トンという非常に雄大な構想を提起したことがございます。ですから、ただいま先生御指摘のようなアイデアについては、アメリカ自体がかってそういうアイデアの言い出しっぺであった時期があるわけでございますが、ただ、これ実際世界食糧理事会などで実務家同士が集まって検討を始めますと、それじゃその備蓄の数量を全体でどれぐらいにして、各国の拠出分担はどういうふうにやって、どういうときに放出をしていくか、こういう話になると、なかなか関係名国の利害がいろいろ食い違うところが大きいもので、結局合意に至らずに今日に至っておるわけでございます。  その間に、当時と穀物の需給関係なども大きく変わってまいりまして、アメリカの財政事情もございますし、アメリカ自体が、キッシンジャーが元気を出してそういう提案をしたころと比べますと、この種の構想についてのアメリカ政府自体の考え方もずいぶん変わってきておるものでございますから、そう右から左へうまくいくかどうかというふうには思いにくいところがございますが、ただ、世界的に見た穀物の需給関係を、そういう多国間のマシナリーを使ってもう少し安定的なものに持っていくということは、基本的には十分考えてみるべきアプローチであると思いますので、いきなり大きな声でわっと言い出すかどうかということについては、ちょっと考えさしていただかなければいけませんが、それなりにひとつ工夫はしてみたいというふうに思っております。
  111. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 それと関連して、しばしば衆参両方における当委員会において議論はされておるようでございますけれども、発展途上国に対する食糧援助と、こういう意味からもわが国の食糧の備蓄体制というものを、国会決議二百万トンというようなこともあるようですが、それはいまのところは棚上げになっているという状況ですが、やっぱりそういうわが国の備蓄体制ということもこの時点で真剣に考えておく必要があるのではないかと、私はこう思っておるわけです。  大臣は、もうスイスだとか西ドイツだとかスウェーデンだとか、そういう各国の備蓄の状況というものは十分御承知だと思いますから、やはりわが国としても最低二百万トン、こういうものの備蓄体制というものをつくっていく必要があるのではないか。議論の中では、倉庫料がどうのこうのという、そこの財政的な問題がしばしば問題になりますが、しかし、この財政問題も、考えてみると、いまの転作に使っている資金もかなりあるわけですから、備蓄体制をとれば転作に回す部分を少なくすることもできるわけですからね、そういう意味で、二百万トンの備蓄体制というものを本当に真剣にいま考える時期ではないかと私は考えておるわけでありますが、大臣の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
  112. 金子岩三

    ○国務大臣(金子岩三君) いろいろ大変有意義な御提言をいただきまして、よく検討いたします。
  113. 下条進一郎

    ○委員長(下条進一郎君) 本件に対する本日の質疑はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。    午後一時七分休憩      ─────・─────    午後二時四分開会
  114. 下条進一郎

    ○委員長(下条進一郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  水産業協同組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  115. 川村清一

    ○川村清一君 水産業協同組合法、略称水協法の改正案の審議に当たりまして、若干質問を申し上げたいと思います。  まず、第一点お尋ねしたいことは、水協法の主要な改正は過去九回行われております。最も新しい改正は、昭和四十八年にこの法律の一部を改正しております。ですから、今回は実に十年ぶりの改正でございます。  そこで、長官はよく御存じのように、この十年間の日本の漁業の状態というものは全く一変してしまいました。つまり、昭和五十二年に二百海里の時代を迎えまして、これは沿岸漁業、沖合い漁業、遠洋漁業とも大変な打撃を受けて、日本の漁業生産というものはずっと落ちてしまった。かてて加えて、昭和四十八年ですか、第一次の石油ショック、五十三年の第二次のショック、こういったようなことで漁業用燃料油というものは価格が高騰いたしまして、それに対してまた魚価が低迷しておるというようなことで、大変な状態になってきておる、こういう状態の中で十年ぶりでこの水協法の改正を行うわけでありますから、これは相当の改正をしてしかるべきではないかと私は思うんでありますが、提案されている内容を見ますと大したことはないわけであります。  それで、十年ぶりで改正案を提案されまして、これはわが国の漁政上、一体どういう影響があるのか、漁業振興の上においてどのような影響があるのか、その点をどうお考えになってこういうような改正をされたのか、まずその点をお聞かせいただきたいんです。
  116. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 水協法は、先生御指摘のとおり、十年ぶりの改正でございまして、その間におきまして漁業をめぐる諸情勢が、おっしゃられますとおり、二百海里体制の定着化、あるいは水産物需要の停滞、あるいは燃油価格の高騰といったようなことで、非常に大きく変化していることは事実でございます。そしてまた、そのような大きな変化に伴いまして、漁業経営の不振の問題が生じておるということでございます。  このように漁業経営というものが不振の状態になりますれば、当然これを母体にいたしておりますところの漁協につきましても非常にその経営が苦しくなってきているというところもあるわけでありますし、また他面、信用事業等につきましては、これまた金融機関相互の競争が激化するという新たな現象もございまして、漁業以外の分野におきましても漁協の対応を迫られているということがあるわけでございます。  農林水産省といたしましては、基本的に、漁業の再編を図るために諸般の政策を展開いたしておるわけでございますけれども、この際、水産業の協同組合につきましても、やはりこの機能を拡充いたしまして健全な発達を図るというために、幾つかの当面なし得る改正というものをやっていきたいということで今回の法律案を御提案申し上げた次第でございます。  その内容は、御案内のとおり、まず第一は、水産業協同組合の機能の拡充強化という観点から、系統組織によって共済事業の発展を図る、このような組織的な共済事業の推進によってその基盤を整備していきたい、強化していきたいということでありますし、また内国為替取引に係る員外利用の制限を緩和して、信用事業に対応する体制を整えていきたい、さらにはその基盤強化を図るための何よりも重要なことは、やはり経営の体質を健全化するための監査事業というものが非常に重要であるというふうに考えまして、今回の法律案の三本の骨子ということで御提案を申し上げた次第でございます。  確かに漁業協同組合の制度そのものは、ある意味では漁業制度というものの骨格をなす組織法でございますので、さような面では、ただいま先生御指摘のように、抜本的な改正ではないんじゃないかというふうに仰せられるわけでございますが、私どもといたしましては、当面どうしてもなさなきゃならない重要な事項につきまして今回の法律案の形で御提案を申し上げたというつもりでございます。
  117. 川村清一

    ○川村清一君 後の方の、こういう点の改正を図ったと説明されましたことは提案理由の説明の中にちゃんとあるので、それはまあこっちが承知しておるわけです。  私の言いたいことは、言うまでもなく水協法は、漁業法とともにいわゆるわが国漁業の基本法なんですね、これ。したがって、漁業法とともに現在の漁業の実態の中から将来どうあるべきであるかといったようないわゆる根本問題、水協法制度の根本問題というものをやっぱりここで改正するなら話はわかるけれども、根本問題には全く触れていないわけですね。その点、いまお話によると、何か漁業の基本問題を見直し、改正する方向に向けて検討されておるといったようなことも言われたようでありますが、それならばそのスケジュールはどうなっているのか。私に言わせれば、今度のこの改正をやりましても予算上の制約は何にもないわけですね。予算の制約がなくてこの改正をやったと。そうすると、厳しい国家財政の折から、予算を伴わない漁業の基本法である水協法に手をつけた、こういうことは、やはり基本法に手をつけたということは、五十八年度の水産政策の目玉づくりではないかと私は思うんですよ。とにかく基本の法律ですから、この基本法に手をつけたということは、たとえば農業ならば食管法の改正に手をつけた、これは一番大きな目玉ですよ。そうすると、今次国会の水産政策の一番大きな目玉としてこれ出されたのか。何か勘ぐれば非常に何といいますか、一つの水産庁のこういうことをやったんだということを誇示する、やったけれども予算には何にも影響ない、関係ないと。そうすると宣伝用に使ったのではないかと。長官はこうやって首を振っていらっしゃるからそうではないと思いますが、そういうふうに勘ぐられてもしようがないんでないかと私はそう思うんです。いかがですか。
  118. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) ただいまも御答弁申し上げましたように、先生おっしゃいますように、水協法、漁業法といったような法律は、水産に関する制度的な骨格をなす法律であることはそのとおりでございまして、特に大きな漁業情勢の変化に伴いまして、こういった問題について検討しなきゃならぬとおっしゃられることは私もよく理解をするところでございます。ただ、漁協につきましては、やはり農協と同様に経済団体という性格も持っておりますけれども、一方におきまして漁協の制度というものは、やはり漁業権の管理という面におきまして非常に特色を持った団体であるわけでございます。したがいまして、もしもそのような骨格になる漁業法との関連も出てくるような問題に手をつけるということになりますれば、これは非常に慎重な検討とそれから長期間にわたるやはり各方面からの御意見も伺った検討結果というものが必要になってまいるというふうに考えておるわけでございまして、さような意味におきましては漁業制度全般にかかわる検討というものが行われなければならないというふうに考えるわけでございます。そのような準備がまだできていない段階において、その骨格になりますところのいろいろな諸点に触れてまいるということはやはり時期尚早ではないかというふうに考えまして、しかし一方におきましてこの経済活動を助長するための緊急の課題というものはどうしても片づけておかなきゃいかぬということで、今回のこの部分に限った改正をお願いいたしたわけでございまして、基本的な問題はいましばらく長期的な視点から検討さしていただきたいと思う次第でございます。決してそのような宣伝といったようなつもりでこれを出したわけではないわけでございます。
  119. 川村清一

    ○川村清一君 まあ、行政当局の立場から言えばなかなか早急にできないということをおっしゃるわけですが、しかしいわゆる漁業法そのものを根本的に見直すべきであるということは、私どもは昭和五十二年以来これを言い続けているわけです。五十二年にいわゆる二百海里暫定措置法ができるときに、私は鈴木農林大臣と――そのときはまだ農水になりませんでしたが、農林大臣とずいぶん議論をいたしました。とにかくもう漁業の状況というものが全く変わったんだから、いままでのような資源略奪的な漁業から資源を管理していくいわゆる資源管理型の漁業に転換しなければならないんだと、そのためには漁業制度そのものを根本的に変えなければいけないのではないかと、たとえば定置漁業権、許可漁業権、そういう問題から自由漁業の問題、そういうものを全部ひっくるめて、そしてそれとの関連したものとして水協法、こういうものの基本的な見直しが必要ではないかと。かつて昔に返れば、旧漁業法によって与えたところのいろんな漁業権というものを、戦後昭和二十四年に新しい現行のこの漁業法ができたときに、全部一応保障し、政府はこれを買い上げてそして現行の新しい漁業法をつくって、それによって定置漁業権あるいは許可漁業権、いろいろな漁業権を与えて、それによって現在の日本の漁業構造というものはできているわけだ。  それでやってきたけれども、この昭和五十二年を境にして二百海里時代に入って、やはり日本列島の周り二百海里の海を自分の海としてこの中で漁業をやっていくというこういう形に、すなわち管理型漁業に転換しなければならないのではないかということをやるべきだということを主張はしました。しかしそれはなかなか一遍にできないこともこれは承知している、いまの財政状態の中でできないことは重々こっちもわかっているけれども、やはりそういう観点に立ってやるべきでないかということを申し上げている。ですからこの問題、私が言うだけでなく長官御存じのように、たとえば北海道の指導連あるいは鹿児島の漁連あたりから漁業法の根本的な制度見直しを水協法も含めてしてほしいと、こういう提言がなされていると思うんですが、長官御存じですか。
  120. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 北海道漁連その他から漁業法あるいは水協法の改正の御要望があることは承知をいたしております。特に水協法の問題につきましては、たとえば組合員資格、これを新しい現在の沿岸漁業の実態に合わせてどういうふうに規定をしていったらいいかといったようなことについても御意見が出ているということは私も承知いたしているところであります。
  121. 川村清一

    ○川村清一君 大臣にお尋ねします。  大臣は漁業の専門家ですから百も承知のことだと思いますが、いわゆる日本の現在の漁業というものは、昔の観念ではとてもやっていけない。まあ五十二年前は日本は遠洋漁業というわけでどんどんどんどん世界の海へ発展していった。私が昭和四十年に参議院に来たときの日本全体の生産量というものは七百万トンぐらいしかなかったんですよ。それがもう十年たったら一千万トンを超えるようになった。それではその差の三百万トンというのはどこでとってきたか。それは世界じゅう、もう北洋はもちろん、アフリカから南米から地中海からインド洋から、とにかく世界の海に日本の船が発展していってそしてそれでとってきた。  ところが五十二年、二百海里に入りましてから、ぐんとそれが皆なくなってしまったんだから、大変な時代になってきた。そこでどうしても資源をとる場合に、略奪型の漁業というものから基本的に資源管理型の漁業に変わっていかなければ、日本のもう漁業は成り立たないという時代になってきている。その時代に合ったような漁業をつくるためには、いまの漁業法ではだめでしょう。どうですか大臣、やはり漁業法の基本的な見直しというものをやっていかなければ。現にいろんなことを具体的にはやっていっている、減船とかいろんなことをやっていっている。それを制度的にやはりやる必要があるんじゃないのか。そうして減船をするなら減船するようなことをきちっとやっぱりやる。どうしてもこれは減船しなければならない、いわゆる漁業構造というものを変えていかなければならないということで自主的に減船する。ところが国の補償はない。したがって、業界の中で残るものがその補償というかっこうで補償をしてあげるというようなことでは、これはいけないのであって、日本の漁業はこうあるべきだという一つの理想を持って、その理想を実現できるようなそういう体制をつくる。その体制をつくるためには漁業法を改正する。漁業法を改正すれば、必然的に今度は漁協の形態から、あるいは都道府県の漁連と一体の信用漁連とかといったようなすべての系統のあり方というものを変えていかなければならない。そこで、基本である漁業法、水協法というものの改正に向かっていろいろ検討し、努力すべきでないかということを私は申し上げているんです。大臣は専門家ですからあなたはどういう御見解を持たれるか、ひとつ説明していただきたいと思うんです。
  122. 金子岩三

    ○国務大臣(金子岩三君) 川村先生の御指摘はまことに適切だと思います。二十七、八年にできた法律でありまして、その後三十年でずいぶん日本の漁業は大きな変革を起こしております。時代にふさわしい、対応できる法律に改めていくことは当然だと思います。しかし、なかなか漁業には、水協法など手がけるという場合は、漁業権というのがそれぞれの漁業組合に全部所属されておりまして、その漁業権の問題一つとらえましても、これは農業協同組合の合併は思ったように促進しましたけれども、漁業組合の合併が促進しなかった今日までの経緯を考えてみましても、障害は漁業権がひっかかって促進しないわけでございます。したがって、漁業制度改革で漁業権が全部洗い直されまして、戦後新しい制度をつくって漁業権が設定されておるわけでございます。したがってこれに手を加えなければ、水協法から漁業法一切を手直しするという場合は最終的な目的には達しないと私は思います。したがって、やがてはやはり手を加えてでも検討をして、ひとつ根本的に改める時期が遠からず来るのではないかと、このように考えております。したがって、いまの川村先生の提案はやはり中長期にわたってひとつ検討課題として水産庁大いにこれに取り組んでまいりたいと、このように考えております。
  123. 川村清一

    ○川村清一君 それでは長官にお尋ねしますが、水産庁の中にこういう漁業法を見直す、検討するという検討委員会のようなものはつくられているのですか、ないのですか。
  124. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 現在の時点では個別の対応が非常にたくさんございまして、たとえば栽培漁業の問題ということであれば漁場管理制度研究会といったようなことで研究をしていただいておりますし、また金融の問題につきましては金融制度の研究会と、これは後ほど御質問があるかと思いますが、さような形で対応いたしておるわけでございます。ただ、抜本的な漁業制度の改変ということになりますると、なかなかこれはいろいろな方面の御意見も、ある程度まで見通しを持ちつつ処置をしていかなきゃならぬ問題であるということから、現在はないわけでございますが、私の記憶といたしましては、二百海里制度がちょうど引かれましたときに、久宗元長官を中心にいたしました委員会がございまして、ここでいろいろな御議論もなされたわけでございます。ただ、私もこの委員会に参画させていただいておったわけでございますが、余りにも問題が広範であり、またおのおのの漁業権がすでに制度として確立され、かつ現実に所有されているといったようなことからなかなか画一的な結論というものが出なかったという記憶を持っておる次第でございます。
  125. 川村清一

    ○川村清一君 とにかく、大事な問題ですから検討していただきたいと思うんです。これはむずかしいですよ。むずかしいことは重々知りながら言っているわけで、前の昭和二十四年の新しい漁業法ができたときのようなことは、あれはまだ日本が占領されておりまして、マッカーサーという巨大な権力者がおりましたからできたようなものを、いまこれをやれったって簡単にできるものでないことは重々承知しているんですよ。しかし、これをやらなければ日本の漁業は一体じり貧になってしまうんではないかということを考えて申し上げているんですから、十分検討していただきたいと思うんですね。  それから、先ほど大臣は漁業協同組合のいわゆる漁業権の問題を言われております、漁業協同組合が共同漁業権を管理しておるということ。それはそうですが、それがまた一つの問題を持っているということ、これはこれから議論していけば出てくることですが、そういう点も十分考えていただきたい。  次に、法律改正の内容について若干お尋ねしますが、まず第一は水協法共済の改正についてです。これは水協法共済の市場占有率です。いただいた資料を見てみますと、昭和五十六年度でわずか〇・一%にすぎない。それから農協法の共済、これは農業共済を含めて。この農協法の共済に比べると百分の一ですね、占有率は。この現実を政府はどういうふうに評価しているんですか。これを拡大していこうということでこの法律改正をなされたんだと思いますけれども、一体この市場占有率をどの程度まで上げようとしておるのか。  それから、私考えるに、水協法共済を伸ばすためには、何といってもこの元受け機関である漁業協同組合、この体制を整備する、これが前提でなければならないと私は考えておるんですが、この辺はどういう御見解をお持ちですか。
  126. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 確かに、現在漁業協同組合が中心になって実施をいたしております共済事業につきましては、占有率がきわめて低い〇・一%程度であるということは事実でございます。これはやはり現在の状況から申しまして、系統組織をフルに活用し、それによって事業を推進していくという体制が整っていないという点に大きな問題点があろうかというふうに考えておるわけでございます。その点に着目いたしまして、今回はまさに系統組織というものを共済事業についても完成をいたしまして、そこで共済事業を推進していきたいということから法律の改正をお願いしているということでございます。  さようなことから、将来どの程度までこれが伸びるかということが非常に大きな期待になるわけでございますけれども、私どもといたしましては、現在の農協の行っております共済事業との比率というものを考えてみましても、まだまだその占有率が低い、御指摘のとおりでございますので、これが系統組織をもって推進をされれば相当な事業の推進が図れるというふうに考えております。ただ、なかなかこれは数字をもってお示しすることはむずかしゅうございますので、今後の努力ということでこれを拡大してまいりたいというふうに考えるわけでございます。  それから、確かに先生がおっしゃいますように、この共済事業を漁協で推進していく際に、その末端の担い手でございますところの漁協が強化されていなければならないじゃないかという御指摘でございますけれども、この点につきましては、今回の法律改正の中身で御承知のように、元受け責任は漁協等に持たせるわけでございますが、共水連の再共済は一〇〇%つけさせることにいたしておりまして、保険責任というものは漁協等の末端の単位では持たないということで、その方針のもとに今度の法律を出しておるわけでございます。したがいまして、共済の引き受けあるいは共済掛金の収納といったような、そういう元受けの事務というものが適正かつ健全に行われるように漁協を指導していけばいいということであろうと思います。したがいまして、私どもとしましては、漁協の体制の整備ということは当然必要なことであり、それによって適正な事業が推進できると思うわけでございますが、保険責任という面におきましてはこれを持たせないことにいたしておりますので、さような面では、この制度が特に現在の漁協がこれを執行できないものがあるというふうには考えてない次第でございます。
  127. 川村清一

    ○川村清一君 今度の改正の一番の要点は、この共済事業の元受けを漁業協同組合ができるということなんでしょう。  それでは、その元受け機関である漁業協同組合というものがどんな体制にあるかということは御承知だと思う。あなたの方からいただいたこの資料をもって見れば、これを農協と比べてみますか、そうすると、一組合の平均の職員数、漁協の場合は十・四人ですよ。農協は六十三・八人ですね。それから、漁協も、一つの組合に職員が三人未満というのが二四・四%ある、三人から五人というのが二五・五%、六人から九人というのは一九・八%。そうすると、この三人未満、三人から五人、六人から九人、こういう小さな漁業協同組合が全体の六九・八%――七〇%を占めている。それで、こういう小さな組合ですからとにかく経営は大変厳しい、これは仕方ない。ですから、事務処理体制というものも非常に微弱である。  それで、このような情勢の中でどうやってこの仕事をさせていくのか、これはどのように指導し、援助していかれようとしているのか。常識では、ちょっと三人しかいない組合で、そのほか仕事はいっぱいあるんでしょう。それで、共済の元受け事務なんというのは、またわずかの職員に大変な苦労をかけるということになるんではないですか。どう指導し、また援助していこうとなさっているんですか。
  128. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 確かに、先生御指摘のように、漁業協同組合の現在の状況は、農協と比べましても非常にその基盤が脆弱であり、また、この共済事業に携わる職員の数も非常に少ない状況にあるということは事実でございまして、これが適正な漁業協同組合における共済事業の執行というものに支障を来すんじゃないかという御懸念があることはよくわかるわけでございます。  しかし、この問題は、ある意味では鶏と卵のような関係にあると思うわけでございまして、やはり漁協に元受け責任を持たせて、そしてまた、その事業というものの再共済事業というものを連合会につないでいく、それによって、系統組織が挙げてこの事業に取り組んでいけるという体制を仕組むことができますれば、当然事業の分量がまた増してくるわけでございまして、それによりまして今度はまた職員も設置できるということで、前向きの回転ができていくというふうに私は思うわけでございます。少なくとも、この事業を付与することによりまして前進ができるということでこの改正をお願いしているということでございます。もちろん、その指導に当たりましては、他の組合の事業も強化しながら、できるだけこの共済事業の方にも人員を割き、仕事の適正な執行ができるような体制にもっていくべく指導していくことは当然のことというふうに思ってはおります。
  129. 川村清一

    ○川村清一君 漁業協同組合の組合員数です。これも、あなたの方からいただいた資料によれば、一組合の平均組合員数は、正組合員で百九十一人、准組合員で七十七人、計二百六十八人。農協は、一組合平均が千七百五十七人です。これだけの違いがあるんです。  そこで、お聞きしたいんですが、現在、漁業協同組合合併促進法というのは生きて存在しているんですか、なくなったんですか。
  130. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 生きております。
  131. 川村清一

    ○川村清一君 これは何回も期間延長、期間延長でやってきて、それでなおまだこの漁業協同組合合併促進法というものが生きておる。そして、漁業協同組合の実際の状態は、農協に比べてこういう状態である。その合併促進法というものはどう機能しているんですか。それによって、どのぐらいずつ合併が進んでいるんですか、最近のでいいですから、ちょっと報告してください。そういう資料をこっちに出してくださいよ、こういう資料を出すならば。
  132. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 資料はいつでもお出しできる状態でございますが、これにつきましては、三回にわたる実は延長をいたしてまいっておるわけでございますけれども、この合併助成法による合併の実績を申す上げますと、合併件数が百六十一、そして合併された組合数が四百四十八という状況でございまして、当初の予定に比べまして決して進んでいると申すことができません。言葉をかえて申し上げますれば、水産庁が立法当時に見込んだ数が千二百七十九でございましたから、それに対しまして実績が三五%という状況でございます。
  133. 川村清一

    ○川村清一君 先ほど大臣が、漁業協同組合は漁業権を管理しているとおっしゃった。その漁業権管理というのが、合併促進を阻害しておる大きな要因ではありませんか。
  134. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 合併がなかなか進まないということの原因はいろいろございまして、合併予定組合間の漁業の形態、あるいは漁業生産力の相違というものがあったり、あるいは組合間の財務内容が余りにも相違し過ぎている、あるいは組合間の経営規模あるいは経営方針が違っている、また、組合間の地縁の弱さといったようなものが原因になっている場合がございますが、先ほど大臣御答弁のように、私も一番合併を阻害している大きな要因は漁業権行使の問題であるというふうに理解しております。
  135. 川村清一

    ○川村清一君 そこで、私は、いわゆる日本の漁業の一つの構造を変えるためには、漁業権の問題があり、この漁業権の問題は当然漁業法に基づくものであり、そしてその漁業権の管理というものが一つのこれは水協法のいわゆる漁業協同組合ということになるわけで、北海道あたりへ行ってみますというと、一つの町に漁業協同組合が五つも六つもあるわけだ。車に乗って五分も行くと組合があるわけだ、また五分行くと組合がある。何でこんな小さな組合がぼつぼつなければならないのか、合併したらいいんじゃないかと思うけれども、前浜のいわゆる漁業権というものをその組合が管理しているために、特に昆布浜なんというところはなかなか合併できない、この法律があってもできないということで、ですから漁業協同組合の実態というものは、先ほど私が申し上げたようなもので、農協に比べてはとてもとても問題にならないぐらい脆弱なんですな。そこへこういうものをやれと言ったってなかなかむずかしいんではないかと思うが、しかしこれをやることは悪いことでないから別に反対はしませんが、やるについては、これはやっぱり水協法共済の意義というものは重大な意義を持っているのであって、危険の多い、しかも収入の不安定な漁民、その家族、この生活を安定させることがこのねらいでありますから、その特徴を十分配慮した共済を設計して、もう可能な限り安い掛金でもってこの共済に入れるような措置をとってもらわなければならないと思うんですが、これはいかがですか。
  136. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) この共済事業を系統の事業としてさらに推進していただくということのためには、やはりその基礎が組合員間の相互扶助事業ということにあることは言うまでもないところでございまして、そのためには、組合員がいろいろな形で受けますところの不慮の災害というものをこの共済事業によってカバーをしていただくということでございますから、当然安定した形での共済事業の運営というものが必要でございまして、そのためには私ども十分に指導もいたしてまいりますし、また系統内でもこの事業につきまして十分な取り組みをしていただきたいというふうに思っておる次第でございます。
  137. 川村清一

    ○川村清一君 それじゃ各樋共済とのいろいろな競合、摩擦というものはどういうふうに避けられるつもりですか。これもいただいた表によれば、生命保険会社に五三・七%、損害保険会社に一六・一%、簡易保険に一九・二%、そして漁村であって農業共済に入っているのが一〇・三%、労働者共済が〇・五%、中小企業共済が〇・一%、全水共つまりこの共済、これの加盟が〇・一%、もう漁村にこういうものがみんな入り込んできている。この共済、他の機関にこれ全部取られてしまっている。これはどうしようというのですか。こんな状態ではどうにもならぬでしょう。経営も成り立たないでしょう。どうなさろうとしているんですか。
  138. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 確かに他種の共済事業との関係というものが問題になるわけでございますが、その際に当然私どもとしては、この新しい共済事業というものをさらに漁業の系統で伸ばしていっていただきたいと思いますと同時に、また他種の共済事業との間にできるだけ紛争というものは避けていきたいというふうに考えるわけでございます。現在の状況を考えますると、全水共による共済事業の規模は農協の場合と比べまして非常に小さなものでございますので、一部の臨海地区を除きましては、ほかのこういう共済あるいは保険の事業というものと直ちに競合して、非常に大変な事態を招くということはないというふうに考えておりますので、一部は存在するかもしれませんが、ほとんどそういう事件は起こらないと思うわけでございますが、やはり既契約の解除等の無理な推進活動とかあるいは事故が発生した場合の共済金の支払いの分担をめぐりまして紛争が生ずるといったようなことがありますると、決して適当なことではないというふうに思うわけでございます。やはり各組間あるいは他の保険事業との間で団体がそれぞれ節度と良識を待って事業を適正に推進し拡大していくということが必要であるというふうに考えておるわけでありまして、今後とも水産庁といたしましてはトラブルが発生しないように、また発生しましてもそれが早期解決のできるように指導してまいりたいというふうに考えている次第であります。
  139. 川村清一

    ○川村清一君 長官、そんな甘いものではないですよ。生命保険会社だとか火災保険会社だとか自動車損害補償会社だとかいろいろありまして、これは商売で入り込んできますから、後でまた内国為替の中でも申し上げますが、金融機関とかこういう機関というのは商売ですからね、よほど水協法の共済に入ることが漁民にとっては有利であるんだと、掛金も安いし有利なんだということが漁民の皆さんが実感をもってそれが認識されるような共済でなかったら入らないですよ、それは。それから組合員がいわゆる系統の一員であると、組合はわれわれの意思によってつくったものである、おれは系統の人間なんだと言って、系統の施設なりやっていることに対しては当然協力しなければならないというそういう系統人としての意識をきちっと漁民の一人一人の皆さん方に持っていただくようなそういう指導をしっかりなさらぬと、あなたがいまおっしゃっているようなそんな甘いものでないということだけ申し上げておきたいと思うわけです。  それから、私はかねがね主張しておるんですが、漁業における保険、これは漁船保険、漁業災害補償法による保険、共済、それからいま出てきた水協共済、これを一本にすべきである、一元化すべきであるというのが私の年来の主張なんですが、これにつきましては、昨年漁業災害補償法の改正審議の際に参考人として出席いただきました宮原九一全漁連会長に対しまして、私は、漁船保険と漁済の一本化についてどのようにお考えですかということを御質問申し上げたところ、宮原会長は、少なくともわれわれ全国の漁業協同組合系統においては、ぜひそうやってほしいという、そういう願いというものは現在も変わらない、機会あるごとに合併いたしたいことを熱意を持ってお願いしておるって答えられておる。したがって、少なくとも漁協系統はいまも合併を熱望しているわけです。熱心でないのは、これは水産庁か漁船保険組合か、あるいはその両方かと思う。最近はどうも合併に対する熱意が一ころよりは非常にない、こういうふうに感じておるんですが、これは水産庁としてはどうお考えですか、こういうだんだん熱意が減退されてきたということは、その原因は何なんですか。どう対処しようとしているのか、この辺ひとつ率直に長官の腹の中を打ち明けてください。
  140. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) この三保険と申しますか、漁船保険、漁業共済、全水共の任意共済、この三事業の統合一元化ということにつきましては、これは当委員会の御決議もあるということはよく存じておる次第でございまして、これに基づきまして昨年の漁災法の法律改正におきましても、御質問があったことも私、十分に記憶している次第でございます。そのときに御答弁申し上げましたように、このような統合一元化問題というものをどう処理すればいいかということで、昭和五十年度から漁業に関する保険共済制度検討会というものを開催しまして検討を行いましたが、結局、この一元化問題については必ずしも意見の一致が見られないという状況でございました。五十一年からは中間答申ということで、五十二年度と記憶しておりますが、事務運営面で共同化を実施するということで試験実施事業をうたったことは御承知のとおりでございます。五十四年でこの事業が終了したわけでございますが、結局、保険、共済団体から最終的に上がってまいりました意見は、現段階で事務の共同化を検討するのは時期尚早ということと、それぞれの事業における事務の合理化を優先せよと、それぞれの事業の問題点、たとえば加入促進等に努める方が急務だと、あるいは統合一元化については、さらに制度面を含めて中央段階で慎重に検討してほしいという御意見が出されたというふうに記憶をいたしているところでございます。このような必ずしも一致しない御意見でありますけれども、やはり私どもとしては、今後の問題として、三つの団体というものがそれぞれに事業を行っていることがいかがかというその御質問に対しましては、やはり今後とも検討を続けていくべきだというふうに考えているわけでございます。しかし、当面最も重要な課題は、私どもは、おのおののまずこの三共済事業と申しますか三団体というものの行っている事業をより充実したものに持っていくということが必要であるというふうに考えまして、去年からことしにかけまして、この三つの事業とも実は法律の改正をお願いいたし、また一部はやっていただいたということでございまして、御案内のように、漁船損害補償制度につきましては、先般、積み荷保険の改正をしていただきまして、ようやく制度の内容が整いましたし、五十七年度の制度改正を受けまして、漁済の災害補償制度につきましても事業収支の改善のめどが立ってまいりましたし、今回また全国水産業協同組合共済会の共済事業につきまして、今度の改正をお願いしているということで全力を挙げて各制度の充実に努めたということでございます。まずこの問題を片づけまして、これを軌道に乗せました上で、制度の一元化問題についての最終的な考えを取りまとめるということで今後の対処方針を設定してまいりたいというふうに考えている次第であります。
  141. 川村清一

    ○川村清一君 端的に聞きたいのは、三つの団体というか、三つの団体の中に、私の言うのは、漁船保険組合、これが一つ、それから漁済、いまの共済、これは系統ですから一 つ、それから行政庁は水産庁、この三つなんですよ。この三つのうち反対しているのは漁船組合、これははっきりしている。系統の方は賛成、やってくれと言っている。水産庁はどっちなんだということを聞いているんです。
  142. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 双方の御意見を十分伺いまして、また、各行っておられます事業を完全にまず体系を整備するということをやりまして、それからこの問題を考えたいということでございます。
  143. 川村清一

    ○川村清一君 先ほど長官がおっしゃったように、去年は漁災法の大改正をやってきちっと制度的に漁業災害補償法はできた、確立した。それから、漁船保険の方は先般積み荷保険、これを制度化しましたからこれもきちっとなったと。多年の懸案であった共済は今度は漁協が元受け機関になったと、いまのこの法律ができれば。これできちっと三つ体制が整ったわけですね。体制三つが整ったから、この機会に合併するのが一番のいい機会ではないかということを申し上げているのであって、どうも水産庁は賛成だか反対だかわからない。ここのいま決まった三つの体制をよく整えてから、よく整えてから――漁船保険なんてよく整っているでしょう、もう剰余金たくさん持っているんだから。整っているけれども、赤字をたくさん抱えてあっぷあっぷしているのが漁済の方なんだ。それからこれは今後どうなるか、私自身もずいぶん心配をしている。だから、赤字を抱え、また心配しているこういうものがこれと一緒になったならばそれこそまずくなるんではないかと。しかも、漁船保険であろうと漁済であろうと、共済であろうと、これは漁民、いわゆる漁協の組合員のため、漁業の安定、そうして漁業経営の安定、生活の安定、漁業の振興、組合経営の安定、健全化、ねらいは同じなんですよ、それを一つにするということは。そうして、系統の皆さんはそうしたいと、こう言っているんだ。反対しているのは漁船組合だ。それを一緒にさせるための仲人役というか、媒酌人役をこれは水産庁にやってもらわなければならないが、その水産庁が反対だか賛成だかわからないんではこれは困るね。これはもう一回意見を聞かしてください。
  144. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) ただいま申し上げましたように、私どもといたしましては、この三つの制度の体制を整備するということで、ここ一年間かけて一生懸命やってきたわけでございまして、たとえば漁業災害補償制度につきましては、五十七年の、昨年の制度改正でこの委員会でも案を通過させていただきまして、ようやく事業収支の改善についての方向が決まっただけでございます。これからまさにこれを軌道に乗せて、そして事業収支を改善し、安定させていきたいということでございますので、先ほど御答弁申しましたように、ここでやっと準備が整ったということでございますから、その準備のもとに、この問題につきましてこれを軌道に乗せていくと、そしてお互いが運用をうまくやってまいりまして、合併の基盤というものができてくるかできてこないか、そこをよく見きわめませんと、問題の処置が非常にむずかしいということを者えておりまして、まず当面三つの制度についての準備を整えたということが最大の眼目であるというふうに御了解をいただきたいと思うわけでございます。
  145. 川村清一

    ○川村清一君 では重ねてお尋ねをしますが、水産庁としては、いますぐというわけにはいかぬけれども、私の考えているようなそういう方向に向けて、その三つをきちっと指導してりっぱなものにし、やがてはそういう方向に持っていくつもりだと、こういうことですか。そう理解していいんですか。
  146. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) この統合問題につきましては当委員会の御決議もあるわけでございますから、これは当然尊重していかなきゃならない、これが行政当局の考えでございます。しかし、その過程におきましては、制度の統合一元化について最終的な考えを取りまとめるというのは、やはりいままでやってまいりました諸般の問題というものが軌道に乗りまして、落ちついた段階になって考えていかなくちゃいかぬというふうに思っているということでございます。
  147. 川村清一

    ○川村清一君 それでは、この問題はこれくらいにして、しかし当委員会の決議もあることを十分考えて善処していただきたいということを特に申し上げます。  次に、漁業協同組合貯金の増強についてお尋ねしますが、内国為替の員外利用の内容にも関連してくるわけですが、この漁協の信用事業を強化しなければならないと。その場合に前提になるのは何といっても貯金の増強であるということは言うまでもないことなんです。そこで、一体この貯金はどのくらいあるのかということを、これいただいた表で見ますというと、昭和五十五年で一組合平均というものが六億八千一百万です、六億八千万。ところが、農業協同組合を見ますというと、農協の一組合平均貯金高は、これは五十五年度におきまして五十六億六千七百万、約八倍です、八倍以上ですね。これが樵協の貯金と農協の貯金の違いであります。そこで、漁協系統では貯金の増強のための運動を行いましたね。現在やっておると思うんですが、五十三年度から始めて六カ年計画で二兆円、これを達成するという運動を起こしておったわけでありますが、最近になりますというと、とみにこの漁業経営が悪化してまいり、また他の金融機関の攻勢が強くなってきたということで、この計画を相当下回る実績しか上げておらないということを聞いておるわけでございますが、結局これは貯金をふやさなければいろいろな事業ができなくなるわけですね、一番大事なことですが。これに対して政府としてはどのような指導をし、これを広めるようなそういういろんなことをやっておられるのか、これを聞かせていただきたい。
  148. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 漁協の貯金の現状につきましては、ただいま先生おっしゃいましたとおりでございまして、五十七年度末現在で全体で一兆五千八十五億という状況でございます。また、これを漁家の側から見ましても、一戸当たりの預貯金の年間の伸び率がここ数年一〇%未満ということでございまして、やはり他金融機関に比しまして漁業の場合には低率になっているということでございます。特に心配をいたしておりますのは、漁協の利用率というものが漁協系統の貯蓄増強運動の効果もあって一時は上がったわけでございますが、最近また低迷しておりまして、五十五年は五三・六%ということでやや低下の兆しがあるということでございます。このようなことがどうして起こったかということを考えてみますると、やはり一つは魚価の低迷あるいは燃油価格の高水準での移行といったようなことによりまして、漁業所得が減ってきているということが一つの大きな原因であると思います。それからもう一つは、給与所得あるいは年金等の漁業外所得が多くなっているということで、漁家の中でこのような所得が占めている割合が多くなりますと、どうしても系統の取り組み体制が弱いということになろうと思います。それからいま一つは、銀行、農協等他の金融機関におきますオンラインの充実といったような金融機関の非常に激しい競争ということになかなか太刀打ちができないといったようなことだろうと思います。したがいまして、このようなことでなかなか貯蓄も先ほど申されましたように目標を達成しないということがあるわけでございます。そこで、私どもといたしましては、このような状況でこれを放置するということはとてもできないことでございますし、また、特に信用事業の健全な発展を図るということは貯蓄の増強にとっても非常に重要であるというふうに考えておるわけでございまして、このためにできるだけ事業の強化ということを図っていきたいということを考えまして、今回の御提案もそのようなことからお願いをいたしておるわけでございます。つまり貯金、これに密接な関係を持ちますところの為替、国庫金振り込み、その他の業務の推進体制の強化ということが非常に重要であるというふうに考えるわけでござます。そのためには、やはり為替を基礎とする決済機能の拡充強化あるいは機械化による計算事務等のシステム化の推進あるいは教育研修の強化といったようなことで漁協にも努力をいたしていただきたいということで指導を申し上げておるわけでございますが、このようなことに加えまして最近の時点におきましては、このような非常に激烈な競争のもとでどうやって漁協の信用事業を伸ばすかということで金融の制度の研究会といったようなことも開いておりまして、この御答申を待ちまして次の対策を打ってまいりたいというふうに考えております。しかしながら、まずその手始めといたしまして、内国為替につきまして今回のような法律の改正を行っていただきまして、この面でも事業の強化策というものをとってまいりたいというふうに考えた次第であります。
  149. 川村清一

    ○川村清一君 内国為替の問題はまた後でいたしますが、これだって問題があるんですよ。いまの問題ですね、長官がいまおっしゃいましたけれども、漁業者の貯金の系統利用率が五三・六%なんということはこれはちょっと大変なことだと思うんですね。ですから、この漁業者の貯金の半分は他の金融機関に流れていっているということですね。それにはやはり系統機関はもちろんのこと、行政庁としましてもやはり相当しっかり指導せんければね、指導の第一は、何といったって漁業協同組合というものは漁業者の自主的につくった団体であるということ、自分たちがつくった団体、上から強いられてつくった団体でなくして自分たちの任意によってつくった団体であるということ、これをはっきり組合員にまず認識してもらうことでなければならないと思うんですね。  それからもう一つは、漁業者の貯金が他の金融機関に流れるんじゃなくて、逆に漁村の地域の住民と結合をしっかり結んでその地方住民の貯金も漁協の信用事業の中に吸収していく、そして資金需要にまた適切にこたえていくという、こういう体制も必要ではないかと思うんですね。こういうような体制をつくるようにやはりしっかり指導を強化していくべきだと思うわけです。やはり組合は自分たちのものであるという、漁業者自身に、民主的ないわゆる組合でありそれを民主的に運営し活動を展開していくと、信用事業を強化するためには何といったって貯金がふえなければできないわけですから、この点はしっかり指導してもらわなければならないと思うわけですね。  それからもう一つ問題があるのは、この貯金はいわゆる漁民がすると――漁民というのは沿岸漁民のような方々が貯金をすると、ところがその貯金を一番利用する、借りる層はどこかと、これは沿岸漁民、二トンだ五トンだといったようなそういう経営者ではなくて中小漁業者ですね、こういう方々、いわゆる相当大きな船を経営しておるこういう方々が一番金融を受けておる、こういうことに対するやっぱり沿岸の漁民の方々のいろんな感情もあるらしいんですよ。いわゆる中小、一つかわからぬけれども、上の層の方々は借りる方だ、そしてまた貯金がなかなかできないということは中小漁業というのは非常にいま経営が厳しいわけです。みんな借金をしょっておる、どうにもならぬといったような状態ですから貯金はしない、そのかわり借りる方はうんと借りる。中金から借りてもこれは組合が転貸していますから、組合が保証して、こういう形で借りるというようなことで、そこでいわゆる小さな漁業者と言ってはこれは表現が悪いかもしれないけれども、そういう人々、層との間に乖離が出てくる、これがまたこれらの人が貯金をしないというようなことにもなっているんでないかと思うんですが、この点はどうですか。
  150. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 確かにさような傾向があることは、私もあちらこちら協同組合を回りまして、いろいろと聞いておるところでございまして、決してそのような傾向があることを否定するわけでは乙ごいません。しかしながら、決して農協との比較をいたしてどうこうと申すわけではございませんけれども、農協の場合でございますと、農家の方々の預金をしていただきまして、それが農業外に流出するということが非常に大きいわけでございますが、漁業の場合にはまさに同じ同質の漁業ではないわけでございますが、貯貸率等から見ましても、やはり漁業の中で資金が活用されているという点は、私は漁業というものが、漁業協同組合が持っている一つの特性であり、また一つの協同組合の原点にある、そういう協同組合の体制ではないかというふうに私は思っているわけでございます。ただ、その場合にどうしても資金需要の差というものがございまして、沿岸の方々よりも漁船漁業の方々の方がどうしても資金需要が旺盛であるというようなことから、私は非常に非民主的な貸し付けの状況にはなってないというふうに思っているわけでございますが、需要の多いところに貯金されたお金が流れていくということではないかというふうに考えておるわけでございますけれども、もしも公平な貸し付けということができていないというような状況がありますならば、これは是正していくべきであるというふうに考える次第であります。
  151. 川村清一

    ○川村清一君 そういうことですから、とにかく組合の強化のためにはこの信用事業の貯金増強ということにいろんな面でひとつ強力な指導をしていっていただきたい、こういうことです。  次に、内国為替業務の問題についてお尋ねしますが、為替はもちろんのこと、年金だとか給与だとか、こういうものの払い込み、それから電気料や電話料の口座振替、こういったような決済業務の取り扱いは、いまはこれは金融機関の一つの常識になっていますね。ほとんどの人が金融機関にこれは依頼してやっていただいておりますね。ところが、五十七年十月において為替を取り扱っている漁業協同組合は、貯金事業実施組合千七百四十九のうちわずかに三百七十九、すなわち二一・七%にすぎない、こうなっています。一方、農協の方は九三・三%にも達している。公共料金等の取り扱いをしている漁業協同組合の数も非常に少ないんです。このような状態では、これはさっき言った信用事業にも、貯金とは別な角度から申し上げるんですが、信用事業において他の金融機関におくれをとるのは私は当然だと思うのです。で、漁業協同組合――漁協と郵便局を除くと、いわゆるきょうの朝のテレビニュースかでも言っておりましたけれども、全国の民間の金融機関の協会というんですか、銀行協会というんですか、これに農協、信用組合、労働金庫、全部これに加盟すると、こういうことをきょうテレビでやっておりました。こういうような状態なんですね。これはみんな銀行が中心になってこれをつくって、そこにいま言ったような機関がみんな入っていっていると。もう漁信連は五十四年の二月に加盟しておる。残った漁協と郵便局、郵便局は、これはまた御案内のように独自のオンラインシステムをもって五十八年度じゅうに全部これを完成するという、こういうふうになっておる。そうなれば、漁協のみがそこに取り残されてしまうわけですね。こういう状態の中でこういうようなことをやっていくという乙とはなかなかむずかしい。ですから、やっぱり漁協というものも――信用事業を行っている漁協ですよ。これはすべて内国為替業務を取り扱う、こういうことが前提にならなきゃなりませんね。そして、一刻も早く漁協系統団体もこの中に入っていって、そして他と同じようにすべての為替業務が行われる、こういうかっこうにならなければならない、そう一日も早く持っていくように水産庁はしっかり指導していただかなければならないと思うんですが、いかがですか、それは。
  152. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 確かに、五十七年の十月末現在におきまして自己為替取扱漁協数というものが三百七十九、信用事業実施漁協の二一・七%にしかすぎないという非常に残念な状況にあるわけでございます。特に他の金融機関におきましてはどんどんオンライン化が進められておりまして、いわゆる全銀内国為替制度への加盟ということが進んでおるわけで、もうこのようなことで全国的なネットワークというものができ上がって利用者の利便に供しているという状況でございます。ただ、これに入りますには、先生御指摘のように業態一括加盟ということが条件になっておりますので、このような数字の状態では一括加盟はできない。したがって、漁協が取り残されていくというおそれがあることは十分私どもも心配をし、承知をしているところでございます。  そこで、五十五年の九月に全漁連と農林中金が一体になりまして、漁協の為替業務拡充強化方策というものをつくりまして、六十年までに全漁協の為替業務の取り扱い開始ということを実現しようということで、最終目標を掲げて一生懸命いま指導を行っているわけでございますが、なかなかこれも目標に達しないということが言われておるわけでございます。せっかくこのような御努力なさっておられるので、われわれとしては団体がより強力にこの指導をなさっていただいて、早期にこの業態一括加盟ということが実現できるようにしていただかないと時勢に取り残されてしまうということがあるわけでございますが、一面なかなかこれはやはり漁協が、一番最初に先生がおっしゃいましたように、非常に一つ一つの形態というものが弱い漁協がたくさんあるということからこのような状態になっているということでございまして、これはなかなか一朝一夕に直らないという面もあるわけでございます。  さようなことから、実は私どももこの点を取り上げまして、金融制度問題調査会というところで現在いろいろと御議論を願っておるわけでございまして、いろいろなこれに対する対応策というものが考えられるんじゃないか。たとえば、ちょうど町村の一部事務組合のような形で組合が一つの共同で信用事業をやっていくというようなこともありましょうし、あるいは信連が直轄と申しますか直接に末端で信用事業をやるというようないろいろな方策を包含的に各県で御努力をなさって試みられておられます。こういったことも取り上げまして、目下研究会で議論をしていただいていますので、その成果も踏まえながら私どもとして将来の方策を立てていきたいというふうに考える次第であります。
  153. 川村清一

    ○川村清一君 法律改正によって他の金融機関のように員外利用制限を今回は撤廃しようとしているわけですね。この法律改正によって員外利用制限を撤廃しても、いま申し上げたような問題が解決しなければ、その漁協が取り扱う為替業務というものが私はふえていかないと思うんです、不便だ。やっぱり便利な方を使うでしょう。ですから、せっかく員外利用制限を撤廃したんですから、員外利用者がふえるようにしなきゃならない。ふえるようにするために、いまのようなかっこうならふえないでしょうから――不便ですからね、他の金融機関の方がずっと便利ですから。ですから、法律だけ改正したってこれをやらなければ何にもならぬですから、いまいろいろ長官言われておりましたから、それをできるだけ早くそういうシステムができるように全力を挙げてひとつ努力していただきたいと思うんですね。  それで、時間もだんだんなくなりましたから、ちょっと先を急ぎますが、次は漁協の監査士制度の法制化でございますが、これは議論すると時間が非常に長くなるんで――ですが、やっぱりちょっと聞いておかなければならないんですが、五十四年に発覚した北海道漁連の事件ですね、大きな事件がありました。その後ないかというと、新聞などを見るというと、五十六年の末には千葉県の漁連でやっぱり不祥事件があった。五十七年の末には長崎県漁連に不祥事件が起きたというようなことが新聞に報道されているわけでありますが、これらはやっぱり問題ですね。それをやっていると――時間がありましたら、後からまたやりますけれども、この北海道漁連の問題につきましては、当委員会におきまして私がいろいろ質問したわけです。当時の武藤農林水産大臣は、こういう不祥事件が二度と再び起きないように行政検査体制を強化する、こういうことを申された。現在この行政検査を担当する検査人員が非常に少ないんだと、したがって、水協法には一年に一度農林水産大臣は都道府県漁連の検査を行う、こういうことになっているけれども、法律上はそうなっているけれども、一年に一回できないんだと、二年に一回ようやくやる程度である、こういうことです。したがって、その人員をふやしたり検査内容についても十分検討して、そして二度と再び絶対こういう事件が起きないように努力するということを当時の大臣が申されたわけです。そう申されておるにもかかわらず、北海道漁連の後に千葉県漁連の問題が起きたり長崎県漁連の問題が起きておる。一体この北海道漁連の問題の反省の上に立って、水産庁は水協法にちゃんと決められているこういう検査ができるように、人員をふやしたり内容を改善したり、そういうことをなさったのかなさっておらないのか、この点はっきりしていただきたい。
  154. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 非常に残念な幾つかの事件がございました。漁協の系統の歴史に汚点を残したことはまことに遺憾であるわけでございますが、このようなことを契機にいたしまして、特に昭和五十四年に発覚いたしました道漁連事件、これを契機に国の検査制度を充実するということで実は私ども努力をいたしてまいっております。特に先生の御指摘の点もございまして武藤大臣もそのように御答弁をいたされました。非常に財政事情厳しい折で、なかなか定員の増といったようなことができないわけでございますが、検査官の人員は八名から九名にふやしてございます。それから、検査の旅費につきましては約二割ふやしております。  また、検査の実施率でございますが、昭和五十三年当時は四〇%の実施率しかございませんでしたが、現在は約六〇%まで、検査官の方々が非常に努力をいたしましてここまで引き上げてきているという状況でございます。
  155. 川村清一

    ○川村清一君 先ほど来私はるる申し上げましたように、漁協のいろんな事業ですね。事業を発展させるもとになるものは何か。それは第一に、何といっても組合員一人一人が、この組合は自分たちのものである、自分たちがつくった組合であるという、その組合に対する愛着心、信頼性を持って、そうして組合の業務にあらゆる角度から協力していくことによって組合は円満に発展し、その組合が発展することによって組合員の漁民の方々がまた利益を受ける、そこに系統の存在価値があるわけですね。ところが、こういう不祥事件が起きれば、その組合に対する信頼性は一遍に飛んでしまうわけなんです。それがまた組合不信の最大の要因にもなってくるわけですね。ですから、まあ時間がないので、北海道漁連のその後はどうなったんだとか、千葉県の不祥事件は、内容がどういうことでどういうことになったんだとか、長崎県のは、内容がどういうことでどうなったんだといったようなことは、いまは時間がないので申し上げませんが、そこのところをやはりしっかりしてやってもらわなければこれは困るわけですね。  そこで、お尋ねしたいんですが、このいま提案なさっておる漁協の監査士、この監査士というのは、養成は全漁連がする。試験はする。これが都道府県に配置されるんですか、それとも漁連に配置されるんですか。それで、漁連から単協の依頼に応じて単協に派遣されて、単協の監査であるとかあるいは経営の指導であるとか、こういうことをなされるシステムになっているんですか。どうですか、それは。
  156. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 今回整備されようとしております監査士の制度は、末端の漁協を監査するための監査士、これは県段階の漁連に置かれます。また同時に、県の漁連を監査するという方々は、この監査士は全漁連の段階に置き得るという状態になります。
  157. 川村清一

    ○川村清一君 監査士が制度化されたんですから水協法の中に入るわけですね。  そこで、私お尋ねしたいのは、全漁連を監査する、あるいはまた、都道府県漁連を監査をするのは、いわゆる水協法にあるところの農林水産大臣以外にはないんですか。
  158. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) もとより各漁連のいわゆる行政監査という面につきましては、これは全国段階それから県段階の漁連につきましては、これは国が責任を持って監査をする。それから、末端の漁協段階につきましては、行政検査はこれは都道府県が行うというのが大筋のたてまえになっておるわけでございます。  今回の監査士の制度は、これは漁協の系統の中での自主的な監査ということになるわけでございますが、この場合、末端を指導し監査いたしますのは、主として県段階になると思いますが、漁連がこれをし、それから全漁連が県段階の漁連を監査する。そして全漁連は、これはその上はございませんから、これは国の行政監査で監査をしていくというたてまえでございます。
  159. 川村清一

    ○川村清一君 全漁連も、これは一つの経済団体ですね、事業団体ですね。それから、都道府県の漁連も、これは事業団体であり経済団体でありますね。その経済団体が監査するというのがちょっと私にはわからないんだけれども。全漁連が今度は都道府県の漁連を監査する、そうしたら、全漁連というものはこれは神様みたいなものかね。全漁連でもちょっと問題が起きているというようなことを聞いたこともあるんだけれども、そうすると、そういう問題を持った上の――これは上下関係にあるんだと思うが、全漁連が今度は都道府県の漁連を監査する、そうして、自分が不祥事件を起こしているような県漁連が、今度は単協を監査するなんというのは、ちょっとこれは監査を受ける方も素直に受けられないんじゃないですか、そういうことでは。私はそう思うんだけれども。どうして一体水協法には農業協同組合法と違って中央会というものがないんですか。中央会は、あれは事業団体でない、経済団体でないですから、その中央会が監査する。そうして、監査士というものが今度制度化された。これは漁運に置くんではなくて、むしろ中央会――北海道の指導漁業協同組合連合会、指導連というものは、あれは北海道以外にもあるんですか、あれは中央会的な性格を持っているんですよ、事業団体でないですからね。ああいうところに置いて、そこから派遣されて監査するならわかるけれども、どうも、全漁連が道漁連を監査する、監査する全漁連も何だか問題を起こしたとか何とかと、私は聞いたこともあるんだけれども、それは証拠がないからここで言わぬけれども、それで今度、問題を起こしている北海道漁連――北海道は指導連があるか、あるいは千葉県漁連、それから長崎県漁連なんていうのが、これは単協へ行って監査するといってもおまえのところは何をやっておるんだ、おまえのところは人のことを言う権利があるのかというようなことになったら、これは妙なことになるんですが、この辺どうお考えですか。
  160. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 監査士制度を充実するためには、確かに理想の形態としては中央会制度というものがあった方がいいということは当然でございますし、また同時に、現在の水協法のたてまえからも、当然指導連という団体が設立できることは御承知のとおりでございます。現在のところ、指導連は残念ながら北海道しかございません。なぜそうなったかということが最大の問題でございますが、やはり指導連は御案内のように賦課団体でございまして、どうしても賦課金をとってそれで事業をやっていくという団体でございますから、県の段階で各単協の漁連が相当な力を持ちませんと、このような賦課金を、県段階で賦課金だけで経営をやっていく、そういう指導連が設立できないという状況にあるわけでございます。さような実態に基づきまして、当然先生おっしゃいますように指導連をつくりながらやっていくということの方がいいことは間違いないわけでございますが、現実にそういうことがなかなかできませんので、そこで、県漁連も指導事業ということができることになっております。この指導事業というものをこの監査事業の基礎にいたしまして、今回の監査士の制度を仕組んでいこうというふうに考えておるわけでございます。  もちろん、ただいま先生おっしゃいますようないろいろな御疑問が出てくるということもありましょうけれども、私どもとしては、今度は監査規程もきちんと整備させますし、また、監査士の選任につきましても当然、これは資格試験といったようなものもきちんとやりながら、これを整備していくということでございますから、さような意味で経済事業等を行っております県段階の漁連が末端の漁協を指導し、あるいは全国段階の漁連が、県段階の漁連を指導するといったようなことにつきまして支障がないような方法をとってまいりたいというふうに考えたわけでございます。
  161. 川村清一

    ○川村清一君 冒頭に、水協法のいわゆる根本的な見直しをすべきではないかというようなことを発言したのも、こういうものも含めて私が言っているということをひとつ御理解いただきたいと思います。  最後にお尋ねすることは、やはり組合をよくするためにはその組合に働いておる職員の待遇をよくしてやらなければ、よい人も集まりませんし、そしてまた、仕事の能率も上がらないわけです。  そこで、これは水産庁長官がことしの三月三日、衆議院の農林水産委員会でわが党の日野議員の質問に答えているわけであります。漁業協同組合の職員は、農協に働く職員に比べて労働条件は低い、賃金においてもあるいはいろいろ労働時間であるとか、有給休暇であるとか、その他いろいろの労働条件が非常に悪いということは長官自身がおっしゃっているわけですね。これは調査の結果そういうことになったわけですね。  それでは、いまきょういろいろ審議したことは、要するに漁業協同組合をりっぱな組合にすると、それで組合員には本当に信頼されるような組合をつくるんだということが前提でこういうことをされておるわけです。そのためには、組合運動を支えておるのはこれはもともと人なんです。若い優秀な人材を漁協に集めて、そうしてこの人たちが一生懸命働いてくれることによって漁業協同組合はりっぱな組合に成長していく、発展していくと、私はそう思うんですね。ですから、職員の労働条件の改善という問題は漁協の経営基盤のやっぱり強化になると。また、しかし経営基盤が弱ければなかなかその待遇をよくされません。経営基盤がよくなれば労働条件もよくしてやると、よい人を雇う。しかしまた、そういうよい人が来なければその組合の経営基盤は強化されないわけですね。そこら辺にいろいろな問題があるわけでありますが、とにもかくにも漁業協同組合に若い優秀な人材が集まってくるように、そうして精いっぱい働いてそれで漁民のために奉仕すると、そのことによって漁業が発展すると、漁家の経営が楽になると、漁村の地域がまた本当に発展していくと、人であるというようなことで、そういうよい職員が集まるように待遇改善のために、これは水産庁としても十分指導してそういう人材が組合に集まっていただくように努力していただきたい。  まあ、きょういろいろお話ししましたが、大臣、大臣は本当にその水産に詳しいんですから、こういうものを含めて大臣の御見解をお尋ねしまして私の質問をこれで終わります。
  162. 金子岩三

    ○国務大臣(金子岩三君) 川村先生が最後に申されました職員のいわゆる労働条件のことでございますが、企業はすべて人材によって決まるわけでございますから、当然優秀な人材を育成するためにはやはりそれぞれの処遇をしなければなりません。当然のことだと思います。ずっと一時間半いろいろ御高説を拝聴いたしまして、大変、今後水産庁はいろいろと検討課題になるものも私はあると思います。十分ひとつ御意見を尊重いたします。
  163. 中野明

    ○中野明君 水産業協同組合法の一部改正の法律について質問をいたします。  先ほど来川村委員の方からいろいろ御質疑がございましたが、私もこの冒頭に、今国会にこの水産行政上の基本的な法律でございますこの漁業法とそれから水協法、これの改正を提出しておられるんですが、私たちもちょっとこう理解に苦しむところがございます。なぜこの時期に、重要な問題に触れることのないままに一部の手直し程度でこういう基本法を出してこられたかということでございます。  そこで、この水協法の改正に当たりまして、漁業と漁協等をめぐる諸情勢の変化――情勢の変化をどのように見ておられるか。本改正案を作成されるに当たって、まず最初にそのお考えを聞いておきたいと思います。
  164. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 今回の水協法の改正を御提案申し上げます際に私ども念頭にございましたことは、何と申しましても、最近の漁業をめぐりまする環境が二百海里体制の定着化あるいは燃油の高騰等非常に厳しい条件にあるわけでございまして、この経営の苦しさが反映いたしまして、漁協をめぐる環境の条件も非常に厳しくなっているということでございます。  それと、いま一つは、漁業外の要件といたしまして、先ほどから川村委員もお触れになりましたように、たとえば信用事業をとりましても金融機関相互間の競争が非常に激化している。その中で漁協の系統が取り残されそうな形勢にあるといったような中で、一体どのような対応策をこの際とるべきかということでこのような考え方をお出しいたしたわけでございまして、確かに先生おっしゃいますように、この水協法といったような水産業の骨格に関するような組織法を改正する際には、もっと抜本的な改正をするということが必要だったという御意見でございますけれども、これは先ほどから大臣もおっしゃっておられますように、やはり漁業権その他を考えまする基本的な漁業の枠組みというものと非常に関連がございまして、なかなかこれは検討の時間も要する。しかし、一方におきまして、このような非常に緊迫した情勢のもとで漁業を立て直すためには少なくともその事業の強化面ということを考えていかざるを得ない。とりあえずこの段階でこの三つの柱を中心にいたしまして水協法の改正をお願いしたいということで今回御提案を申し上げた次第でございます。
  165. 中野明

    ○中野明君 結局この改正だけでは、この大きく変化している漁業を取り巻く情勢に対して漁協の系統組織が十分対応できられるかどうかということを非常に私も心配をしております。とにかくいま御説明のようにとりあえず制度改正に踏み切ったと、そういうことでございますから一応その意味では了解はいたしますけれども、先ほど来の議論がありますように、やはりこの基本的な水協法の抜本的な改正というもの、これは早急に結論を出していただいて急がれなければならぬのじゃないかと、このように御意見を申し上げておきます。  それで、法律の中身に入りますが、この共済事業でございますが、この漁業協同組合に対して共済事業能力を付与しておられるその理由はいろいろ挙げられております、三点ほど挙がっておりますが、現在ですね、全水共が実施している共済事業の実態は、先ほどもお話がありましたように市場の占有率で見てみますとわずかに〇・一%、これは昭和五十六年度における掛金のベースの話ですが、生命保険会社が五〇・五%、損保の保険会社が二一、農協共済、農業共済が九・九、こういうことになっておるようです。  具体的にいまお聞きしたいんですが、今回の改正でどの程度事業が拡大して漁協の経営の改善に寄与するとお考えになっているのか、また、漁業や漁村の振興に資することができるのか、この制度改正の目的と波及効果、これをどう見ておられるか、お尋ねしておきたいと思います。
  166. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 今回の改正をいたしました目的は、やはり漁協等が共済事業に主体的に取り組むというために、どうしてもこのような系統組織による共済の組織というものを仕組むということが必要であると考えたわけでございまして、これがひいては漁協の経営基盤というものの強化にもつながってまいりますし、また同時に系統組織内で共済資金が確保されますれば、農協のようにまたこれが漁業、漁村に対策としてその資金を使い得るということでこのような改正を行っていただきたいということをお願い申し上げている次第でございます。  そこで、その効果でございますが、なかなかこれは計数的にどの程度まで上がるかということを測定することはむずかしいわけでございまして、少なくとも私どもとしましては、このような系統組織によって共済事業を推進できるという体制ができますれば、これがその促進に拍車をかけるということを期待できるというふうに確信しているわけでございますけれども、たとえば農協と比較いたしますと、先ほどちょっとお触れになりましたが、共済掛金収入が約一兆七千五百億、農家一戸当たりの共済掛金額が約三十八万円。これに対しまして水協共済の共済掛金は実に約二百億でございまして、一漁家当たり六万円ということで、八十九分の一あるいは六分の一というきわめて小さいものでございます。このように小さいものでありますれば、一生懸命この体制のもとで共済の事業を系統組織が推進していただけるということであれば、私は相当の成果が出てくるんじゃないかというふうに考えるわけでございます。先ほどお話がございましたように、まさにこれは自分たちの相互扶助の組織である。特に共済の事業というものが協同組合運動の一環であるということで全力を挙げて推進をしていただきたいというふうに考えているわけでございます。
  167. 中野明

    ○中野明君 この共済事業を担当する漁協等のこの信用事業の体制を、私の知る限りでは現在の漁協のすべてにその共済事業を円滑に推進するだけの事務処理機能というものは果たしてあるんだろうかと心配をするわけなんですが、その辺はどう指導していこうと思われるんですか。
  168. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 実は先ほどもお答え申し上げましたが、今回、系統組織によってこの共済事業を推進していただくという体制が整うわけでございますけれども、しかし、そうかと申しまして、決してこれは漁業協同組合の段階で元受け責任を持ちまして、その際にその責任を漁協段階に分担させるということはないわけでございます。これは全部一〇〇%再共済につけるわけでございますから、その意味では漁協の段階での経営基盤が脆弱でありましても、共済責任に耐え得ないということから、この事業を漁協にさせられないということではないわけでございます。むしろ先生御指摘のように、これから考えてもらわなければならぬことは、事務の執行体制が適正にいくかどうかということで御理解をいただきたいと思うわけでございますが、少なくとも現在の段階で漁協に事務の取り扱いをさしておるわけでございますけれども、これは適正に執行しておりますので、そのような漁協に対しましては今後ともこの元受け責任を持たしていくということを考えているわけでございます。しかし、もちろん今後とも漁協の段階で事務体制が整備されればされるだけまたこの共済事業も伸びてくるわけでございますから、先ほども鶏と卵の関係ということで申し上げましたが、この共済事業を各段階で拡充することによりまして事務体制も整備していきたいというふうに考えている次第であります。
  169. 中野明

    ○中野明君 農協では、単協から都道府県の共済連、全国共済連といま三段階制度をとっておるんですが、漁協の、今回の水協法のこれでは二段階制ということになるようですが、将来はどういうふうな方向に持っていかれようとしているんですか。
  170. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 今回の改正は、いわゆる漁協等の元受け、それから全国共水連再共済の二段階ということもやれます。それからまた漁協等の元受けをやりまして、その中間に県の共水連の再共済、そして全国段階で全国共水連の再々共済という三段階でもやり得るわけでございまして、そこはこの法律は弾力的に規定をいたしているわけでございます。このような二つの制度のいずれをとるかということにつきましては、基本的には関係団体間で十分にお話し合いをしていただきたいというふうに考えておるわけでございますけれども、私どもとしましては、当面は二段階で出発するということが、全国漁連、信漁連、指導連の会長さん方、それに漁業共済組合長を交えまして昨年十二月二十三日に行われました合同会議で、事業組織については当面単協元受け、全国共水連再共済の二段階制にするという確認がなされておりますので、これで出発していただくことで結構じゃないかというふうに考えておるわけでございます。特に、都道府県別に見ました場合に事業量の格差がかなり著しいという現状におきましては、三段階制をとった場合には都道府県によってはかえってコストの増高を来すということがあって漁民のためにならないということが考えられますので、現在関係団体で考えております二段階制を水産庁としては当面支持していきたいというふうに考えております。
  171. 中野明

    ○中野明君 この水協法の六十四条では、行政庁は組合の自主制を尊重してできるだけ行政介入を抑制するということがたてまえになっているようですが、いまお話にも出ておりましたように、当面二段階でいくとおっしゃっているんですが、都道府県段階の連合会の設立ですね、これについては基本的にやはりそういう動きが出てきたらこの法律で弾力的に認めていく御方針なんですか。
  172. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) この法律が当然二段階と三段階、双方を予定しておりますので、もしもそういう動きが出てまいりました場合に、これを頭からいけないというような立場をとるつもりはございませんが、そこはまず何と申しましても団体間において十分にお話し合いをしていただいて、果たしてそれが適当かどうかということを御判断願いたいと思っておりますし、またわれわれの立場からいたしますれば、そのような三段階制をとった場合におけるコストの増大等の問題はないかどうかということは十分チェックをして、その上で指導してまいりたいというふうに思っております。
  173. 中野明

    ○中野明君 それでは、先ほど川村先生もおっしゃっておりましたが、今回の改正で一応系統の三事業が、漁船保険と漁船損害補償、漁獲共済、漁業災害補償制度、今回の漁協の共済制度と、三制度が完成したわけです。国会でいろいろ附帯決議もたびたびつけておりますが、三制度の統合の問題はこういう制度充実の暁に討議しよう、そういう結論であったというふうに去年衆議院でも報告をなされているわけです。ですから、今回の改正で充実の暁を迎えたんではないかと、一応そういうふうに私たちも判断はできると思うんですが、三制度の一元化問題は先ほどの御答弁ではもう少し様子を見てみるというような御答弁だったんですが、どの程度時間をかけて見られるつもりなのか、早くこれ統合してほしいというのはやはり現場の声でしょうし、その辺の見通しはどうお持ちになっていますか。
  174. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) この問題につきましては先ほどから御答弁申し上げておりますように、やはり早急にこれを実施することはなお時期尚早ではないかという御意見も出ておるわけでございまして、私どもとしては、先ほど申しましたように、やはり三事業の基盤ができ上がることが前提であるというふうに考えておるわけでございます。これは決して今回、去年からことしにかけましていろいろな制度改正をお願いいたしまして、そこでこの一元化の基盤ができたというふうに考えておるわけではないわけでございまして、昨年お願いをいたしました漁業災害補償制度につきましても、これはようやくその健全化ができていく、事業収支の改善ができていく基盤を整えていただいたという状況でございまして、これからまさにいままでの赤字というものを徐々に解決していくというその一歩が踏み出されたというのが去年の制度改正であったと思うわけでございます。今回もようやく共済事業につきましてこのような改正をしていただけますれば、さらにこの共済事業というものは充実していく、そういった各制度の基盤ができ上がっていった暁において最終的に統合問題をどうするかということを考えていくということが正常な考え方ではないかというふうに考えておりまして、先ほど問題が一応軌道に乗りましたときに落ち着いてひとつ考えてみたいということを申し上げた次第でございます。
  175. 中野明

    ○中野明君 それじゃ、信用事業の問題について質問に入りたいと思いますが、この信用事業ですが、漁業経営の悪化と、それから類似金融機関との競合、これ非常に激しい中で、非常に漁協の信用事業というのは厳しい状況にあると思います。その中で貯金をふやしたり、組合員の多様化する資金需要への対応とか、おくれている為替等の決済機能の整備、システム化の促進等、緊急に図らなければならぬことがたくさんあるんですが、信用事業というものを漁業事業の中でどう位置づけておられるのか、その辺のお考えを聞きたいと思います。
  176. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 御案内のような最近の漁業を取り巻く情勢が非常に厳しい中にありまして、経営の悪化に伴う不良債券の累増といったような事態もございますし、また規模の零細性、あるいは人的、物的な推進体制の脆弱性ということから、預貯金の伸び悩みといったような困難な問題を漁協の信用事業は抱えているわけでございます。このまま放置いたしますと、これはますますむずかしい事態に追い込まれていくというふうに考えますし、また一方、先ほどから御指摘がございますように、銀行、信金、農協あるいは郵便局といったような他の金融機関との競争上も非常に立ちおくれがひどいという状況がございます。さような意味で、漁協の信用事業というものをこことで立て直さなくては非常に重要な、重大な危機を迎えるという気持ちがございまして、販購買事業と一体となってこの信用事業というものは非常に大きな柱でございますから、さような意味で漁協の重要な一つの事業として位置づけて、その伸展を図っていくということが必要であるというふうに考えておる次第であります。
  177. 中野明

    ○中野明君 それで、漁協の貯金の現状は非常にさみしいんですが、系統団体の貯蓄増強運動、これをどう指導して助成していこうとされているんですか。方針をちょっと。
  178. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 漁協系統団体の貯蓄増強運動は、昭和三十七年という昔から過去五次にわたって行われておりまして、いままではいずれの事業も非常に達成率もよくて、むしろ目標を上回るといったような状況でございましたが、昭和五十三年を初年度といたしました六カ年計画で、五十八年度二兆円達成という運動が行われたわけでございます。いわゆる第六次の貯蓄通勤でございます。ところが、残念なことにこれは目標を達成できませんで、五十八年一月に目標年度の六十一年度までの三カ年延長というものを決めたというふうに私ども伺っておるわけでございます。やはり、このような事態になりましたことは、水産業を取り巻く情勢というのが非常に厳しくて、漁協経営のもとになる漁業経営が非常に弱くなったということが大きな原因であろうというふうに考えるわけでございます。しかし、このような状況を放置しておいては、いろいろな金融政策ということのもとになりますところの貯蓄そのものがふえないということは大きな政策上の問題でもあるということでございますので、貯金と、これに密接な関連を持つ為替あるいは国庫金振り込みと、そういった業務の推進体制を強化して、そして貯金をふやしていくということが急務であるというふうに考えております。さような意味から、為替を基礎とした決済機能の拡充強化、あるいは機械化による計算事務等のシステムの推進、あるいは教育研修の強化というようなことに漁協系統で努力をしておられるところでありまして、私どももこのような方向で指導に努めてまいりたいと思うわけでございますが、確かに先ほど川村先生もおっしゃられるように、他の金融機関に流れる資金もかなりあるわけでございまして、やはり漁協というものが自分たちの組合なんだということで、系統内の大きな運動の展開によりまして、やはり漁家の資金というものが漁協に集まるように今後とも御努力願いたいということで指導もいたしてまいりたいというふうに思っておる次第であります。
  179. 中野明

    ○中野明君 長官はお聞きになったかどうかと思いますが、きのうあたりからきょうにかけて、いわゆる農協と信用組合、労働金庫の全銀の内為加盟ですね。この放送ですね、テレビやなんかの。それをどうお聞きになりましたか。  私の言いたいのは、これでもう一切の民間の金融機関が全部整備できたんだということで、結局、漁協の信用事業というのはまだ市民権を得られてないんじゃないか。もう報道機関が全国放送で、これで一切終わりましたと、そういうことを盛んに流しているんですね。その程度の認識しか持たれてないということ。ですから、これはこれから大変だと思いますが、その辺の御感想をちょっと。
  180. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 私もそのことを聞いておるわけでございますが、私どもとしましては、やはり現在のオンラインシステムがここまでできてまいりまして、そして業態別に一括加入をした組織というものがここまでふえてまいりますと、大体もうカバーしたんじゃないかというようなことから、ああいうことが巷間言われているんじゃないかというふうに思うわけでございます。これは非常に残念なことでございまして、われわれの漁協の方もぜひ、このような業態一括加盟という非常に大きなハンディはございますけれども、その中でやはり全国のネットワークの中に入っていかなければならぬというふうに思うわけでございます。  ただ、これには非常にたくさんのネックがございまして、特に先ほど御指摘がございましたように、信用事業をやっております中で実際に内国為替業務をやり得るというような資格を持っている、そういう漁協というのが非常に少ないといったような状況でもございますので、これからこれは非常に力を入れて、何とかこのネットワークの中に入っていかなければならぬというふうに考えておる次第でございます。特に昨今のわれわれのいろいろな振替、為替といったような日常茶飯事の事務を漁協系統ができないということになりますと、非常な立ちおくれになるということはわれわれの生活実感から受けるわけでございまして、さような点でも私どもは今回の金融制度研究会の結果などを十分に踏まえながら将来の対応策をとっていきたいというふうに考えておる次第であります。
  181. 中野明

    ○中野明君 ちょっとここで畑違いかもしれませんが、やはり漁協に関係があるからお尋ねをするんですが、長官ね、漁協が郵便局の窓口を引き受けている。御承知ですね。これからこういう体制になってくると、これについての御見解はどうでしょう。
  182. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 簡易郵便局法という法律がございまして、その三条三項の規定によりまして、漁協が郵政大臣の委託を受けて郵便局の窓口事務を行うことができるという規定があるわけでございます。これは五十七年度末で六十三の漁協が郵政窓口事務を行っているということでございまして、ちなみに、郵政窓口事務を取り扱う漁協数は四十五年度末では百三十あったわけでございますが、現在は当時から見ると半減しているという状況でございます。  これに対するわれわれの考えでございますが、漁協が郵政窓口事務を受託をするということは、やはり離島とかあるいは交通の便の悪い特別な地方の漁村というところで、どうしても漁協が地域の中核的なサービス機関にならざるを得ないということで受託をしているというようなことであろうと思いますし、このような特別の地域では、やはり漁協が半公共的な役割りを果たすということもやむを得ないんじゃないかというふうに考えております。漁民を中心とした地域住民の要請によって利便に資する必要があるケースがあるということで、それ以上のこれが発展をしていくといったような、またそれを奨励すべきであるといったようなものではないというふうに考えております。
  183. 中野明

    ○中野明君 いまの長官のお話にもありましたように、百三十あったのが半分になってしまった。何かこれはわけがあるんでしょうか。
  184. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 高知県で――実は第三条の第一項第五号という規定がございまして、これは新たに追加された規定なんでございますが、「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」というのが郵政の窓口業務を行うということになりましたので、このために一部の府県におきまして漁協から個人に受託事業が移ったというケースから、半分に減ったということでございます。
  185. 中野明

    ○中野明君 それで、この貯金を扱っているところもやっぱりあるんですね。扱ってないところもあるし扱っているところもある。その辺がこれから先問題になってくるんじゃないかなという気がするんですね。いわゆる郵便局の貯金を扱う、漁協――同じ小さな漁協で両方やっているというようなことになってくると、やっぱりいまのこの貯金の拡大ということについても問題が出てくるのじゃないかなという気がいたしまして、ちょっとお尋ねをしているわけなんですが、これは先ほどの議論にありましたように、三人とか四人とかいうような小さな漁協ということになりますと、これからこういうふうに共済とか、それから信用事業にも力を入れていこうということになってくると、果たして私はそれだけの能力は、その上郵便局の窓口もやらないかぬ、貯金も扱わないかぬ、そうなってくるとややこしくてしようがないというような気もしておるのですが、何かの機会に、これ本人たちの要望でもあるし、自主的にやっておられることなんですから、とやかく言う筋合いは私どももないんですが、現場で私は貯金なんか扱っておられたら困られるんじゃないかなという、余分な心配もするものですから、何かの機会に検討課題にしておいていただいたらと思いますが、どうでしょうか。
  186. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 確かに郵便窓口事務を引き受けている漁協の中に、郵便貯金の業務を行っている組合があることは事実でございます。やはり漁協が本来自分が貯金業務をできるわけでございますから、そういう面で当然受託に当たりましては、そういった貯金の業務まで受託をすることが必要なのかどうかということを十分慎重に検討して引き受けてもらいたいということで、水産庁としては指導していくことが適当であるというふうに考えております。
  187. 中野明

    ○中野明君 それでは、時間の関係で漁協の経営問題でちょっとお尋ねをしたいと思います。  先ほどお話が出ておりましたが、この経営が非常に実態調査で芳しくないというところが数多くあるんですが、この合併の助成法、これの促進を行っておられるんですが、大臣の御答弁にもありましたように、漁業権の問題があってなかなかいろいろ複雑な事情があるようですが、今後やはり合併は促進をしていく、でないと対応できないんじゃないかという気がするのですが、この指導方針、いままで余り効果が上がってなかったということなんですが、むずかしい点もありましょうけれども、新しい体制に対応していくためには、信用事業一つをとってみても、やはり漁協をできる限り合併をして、そして力をつけていくということが必要じゃないかと思いますが、その辺の指導方針について。
  188. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 先ほども御答弁申し上げましたが、合併件数百六十一件、合併参加組合数が四百四十八組合ということで、当初の見込みに対しまして三五%の進捗率という状況でございます。これは先ほど大臣の御答弁ございましたように、やはり漁業権の問題ということが非常に絡んでおりまして、そのほかにもいろいろ理由はございますが、やはりこれを解決しなければ合併の推進ということがなかなかできないというふうに思います。そこで私どもとしましては、やはり現在の脆弱な漁業の経営の基盤ということを考えますると、漁協の経営基盤を強化するためにはどうしても合併を今後とも推進していくということが必要でございまして、さような意味で、三たび延長されました漁業協同組合の合併助成法を活用するということも必要でございますし、また私ども漁業協同組合等特別指導事業のメニューというものの一つで、漁協合併指導事業というものをやっております。これについての助成措置も講じておりますので、このようなことを考えてみたい。あるいは漁業協同組合等整備強化指導事業という事業もやっておりまして、零細な漁協につきましての整備強化計画の策定といったようなことで、その中での合併の活用といったようなことも推進をしておるわけでございます。しかし私何と申しましてもこのようなことだけではなかなか進まないという感じはいたすわけでございまして、漁業権の基本に触れますような問題につきましては、先ほども御答弁いたしましたように、どれを大幅に制度を改変していくということはやはりある程度まで時間がかかりました討議の中、検討の中におきましてその結果を待たなけりゃならぬというふうに思うわけでございますが、この合併組合の漁業権の処理の問題という問題につきましては、もう少し何か工夫のしようがあるのではないかという気もいたすわけでございます。この問題につきましては、私ども今後鋭意ひとつ検討いたしまして、漁業権問題が合併のネックになっているという点を何らかの形で解決できないか、研究してみたいというふうに考えております。またなかなか信用事業の分野につきまして合併ということが困難であれば、先ほど申しましたような一部事務組合的な信用事業の共同化というようなことも考えられますし、いろいろな方策をとりながら、実質的に合併の効果と同じようなものを上げていくということも考えられるのじゃないかというふうに思っております。
  189. 中野明

    ○中野明君 いまもお話が出ておりますように、やっぱり合併ともう一つは漁業協同組合等の整備強化指導事業ですね。ところがこの特定不振漁協等の再建整備事業、この事業の指定がいままでの傾向を見ますと、北海道が大体中心で、ごく限られた数であるようですが、この適用条件の緩和等、一層の制度の弾力化を望む声が非常に大きいと聞いているんですが、これについて水産庁どう思っておられますか。
  190. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) この特定不振漁協等再建整備事業、これが非常に現在の漁業の経営が悪くて、そのために漁協が非常な不振に陥っているということを救済しますための非常に有効な手段であると考えられるわけでありますが、意外にこれがなかなか活用されないということは、確かに国際規制の強化ということがその条件になっているというところから、このようななかなかこれが進まないという事態が起こっているんだろうと思います。そこで昭和五十七年から実はこの条件若干拡充いたしまして、負債整理資金を活用しているような協同組合につきましてもこの特定不振漁協の再建整備に乗せていく、これによりまして漁協等の欠損金見合いの借入金の金利を軽減するという方策をとっておりますので、これが普及いたしますればかなり私は軌道に乗ってくるのじゃないかというふうに考えている次第であります。
  191. 中野明

    ○中野明君 それから漁業の経営負債整理資金ですね。これについて資金の融通に当たって漁業者の共補償による減船、自助努力というものを前提としておりますけれども、実際に漁業再建整備特別措置法に基づく中小企業の減船業種であっても、残存者の負担能力というのが非常に弱い、そういう関係からこの必要規模の減船を実施するにはとても補償能力が伴わない、自助努力は困難である、これではせっかくの再建整備はこの資金が生かしにくいんじゃないかという懸念をしているんですが、この点はどうお考えになりますか。
  192. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) この負債整理資金につきましては、今回のいわゆる生産構造の再編整備事業ということの大きな柱でございまして、やはり漁業者の方々の減船を含んだ自主努力ということによりまして、その計画を推進するために大きなネックになりますところの負債を整理していくということで、この資金を組んだわけでございますが、確かに現在のところマグロ漁業を中心にいたしまして二割減船ということが実施されまして、これによる資金が貸し出されるといったことが五十七年度の実績であったということは事実でございます。これをできるだけ融資を円滑にできるような方策をとってほしいという声は私ども聞いておるわけでございますが、その点につきましては、私どもも、実はこれずいぶん長い間かかりましてようやく通達も流し、貸し付けも行い得る状況までなったわけでございますけれども、たとえば減船ということだけではなくて、いろいろな施設の合理化といったようなことをやりまして、その合理化による効果というものが減船をやったと同様なメリットが出てくるというようなものにも貸し付け得るというようなふうに直しておりました。たとえば、将来イカ釣り漁業といったような漁業もこれに乗ってくるんじゃないかということが期待されているところでございます。私どもとしましては、やはり基本的には自主的な努力ということが前提になって、その努力をなさった業界に対してその努力の状態に応じてお貸しをしていくということがこれの本旨でございますので、さような筋は私どもとしては、最後まで貫かさしていただきたいというふうに考えておるわけでございますけれども、現在の貸し付けの状況につきましては、今日までいろいろな改善を加えながらここまでやってまいったという状況でございます。
  193. 中野明

    ○中野明君 現行の負債整理資金の制度では、協力漁協への融資限度額は、その漁協の資本金の額に限定をされておるようですが、これちょっと私、問題点じゃないかと思うんですが、これでは漁業経営の廃業によってやむを得ず多額の不良の債務を抱える漁協については整理資金によって十分対応できないんじゃないか。融資の限度額は現行が妥当であるというふうにお考えになっているのか、それとも引き上げるお考えがあるかどうか、御意見を……。
  194. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 漁協の協力資金につきましては、これはやはり出資金との関連で限度額を定めているわけでございますが、減船廃業者の負債整理のためにやむを得ず多額の協力を漁協が行わざるを得ないといった漁協につきましては、限度額の特認制を実は設けておるわけでございまして、これを活用していただければかなりの点で処置ができるというふうに考えております。
  195. 中野明

    ○中野明君 それじゃ時間の関係で、監査事業について最後にお尋ねをしたいと思いますが、従来は都道府県の連合会が自主的に行ってまいりました監査事業ですが、漁協の指導監査士というふうに名称が示しておりますとおりに、指導機能と監査機能を密着させて、漁協組織の運営の全般にわたって指導監査、これをやってきたということですが、今回、漁協監査士制度というのが法制化されるわけでございますが、そうなりますと、監査士の責任は非常に大きくなってくるわけでありますが、この最近の漁業をめぐる厳しい環境に対して適正な漁協経営を確保するためには、単に監査だけではなくして、合併とか、自己資金の充実あるいは各種事業の充実強化を図るなど、いろいろやらなきゃならぬことはたくさんあるわけなんです。経営指導というものもいままで以上にこれ必要になってきていると思うんですが、この法律が改正された後に、この漁協経営の指導というものをどうなさるのか、監査士が果たす役割りというもの、これについてちょっと御見解をお聞きしておきたいんです。
  196. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 連合会が行いますところの監査事業は、会員たる組合の組織、事業運営及び会計の全般にわたりましてその状況を監査するということになっておるわけでございますが、もちろんこの果たす役割りは、単に不正、誤謬といったようなものを発見するなり、あるいはその防止のためというだけではないということでございまして、むしろ積極的な見地から経営が合理的、効率的に行われるように、そういったただいま先生がおっしゃいますような、いわゆる経営指導の機能というものを持っていなけりゃならぬというふうに思うわけでございます。特に、現在のような非常に漁業経営が苦しくて、このために漁協というものの経営も非常に苦しいといったような状況のもとにおいては、監査士の体制といったものは経営の指導まで及ばなきゃいかぬというふうに思うわけでございます。  そこで私どもといたしましては、今回の監査事業の実施に当たりまして、一定の資格を有する者である役員あるいは職員を充実させて、監査の対象となる漁協等の事業が、事業量も拡大し、あるいは複雑化している、あるいは専門化しているということに対応できるような一定の専門的な知識、経験を持っている方でなければやっぱり監査をやっていただけないということを前提にいたしまして、かなり資格というようなことも厳しくしていくということで考えておるわけでございまして、さような面で経営の指導までできるような方を、そういったまた人材を選んで監査士にしていくということを考えている次第でございます。
  197. 中野明

    ○中野明君 先ほども少し触れておられましたが、北海道の道漁連の空売り事件ですか、それから千葉県の不正融資事件等系統組織における大型の不祥事件が相次いで起こって、こういう事件が起こったのをいろいろ聞いてみますと、ごく一部の人が組織の内部の牽制の組織の不備というんですか、そういうことで盲点なんかをついて引き起こしておりますが、非常に悪質だと私も思います。しかし、一たんこういう事件が起こってしまうと、多くの組合員や会員たちが営々として築き上げてきた財産なり信用に大損害を与えるということになりますし、協同組合運動のイメージダウン、これにもなるわけですが、非常に厄介な事件でございます。  資料をいただいたのを見せていただきましたが、道漁連は四十七年から五十二年にかけて三菱商事等と、釧路とか韓国、あるいは日綿実業とはタイ国ですか、合弁の会社をつくっておったということになっているんですが、この事件、問題になったときに、この合弁会社の設立というのは水協法違反の疑いがあるんじゃないかというようなことが議論されたようにも私も記憶しておりますが、この道漁連に対して出資除去の処置を講ずるように政府は指導されたというふうに伝えられているんです。このように五十五年当時にもうすでに漁連の出資会社が問題になっておったわけです。それにもかかわらず、先ほどもお話がありましたように、その後に五十七年ですか、長崎県漁連で出てきた問題、これも他のところへ出資をしているというような、そういうことで実態調査にこれから着手すると、五十七年になってそういうことをここでは書いているんですね。このおたくから出てきた資料では、五十七年に長崎県漁連の問題のところで漁連等の出資会社の実態調査取りまとめ中と、取りまとめた結果に基づいて必要に応じて所要の措置を検討すると。すでに五十四年の段階で問題になっておったのを、何らその後手を打たないで、長崎の件が出てきてそれからまあ調べましょうかと、こういうことをもっと早くやっておられれば未然に防げたんではないかというように気がするんですが、一たん起こった事件を、それを二度と再びそういうことが起こらぬようにという、それを教訓にするという――まあ起こってしまったことはこれしようがないんですがね、今後それをいかに同種の事件を防ぐかということが、これが一番大事なことだろうと思うんですが、その教訓が全然生かされてないような気がしてならぬのですが、この点はどうお考えになりますか。
  198. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 一連の不祥事件がございましたことはまことに残念でございまして、このようなことが二度と起こらないように対処することがわれわれの責任であるということは当然のことでございます。  ただいまお尋ねの点は、北海道漁連の教訓にかんがみて、その後直ちに、直ちに関連会社に対しての対応策をとらなかったじゃないかというお尋ねであるというふうに思うわけでございますが、この北海道漁連の事件を契機にいたしまして、昭和五十五年の七月に大臣認可の漁連等に対しましては、漁連等の事業運営等に関する留意事項ということで通達をいたしておりまして、その中で会社の株式の取得または団体への出資は組合等の本来事業を行うために必要がある場合において認められているものであるから、出資等に当たってはその必要性について慎重に検討の上で真にやむを得ないものに限定をしろということを通達をいたしたわけでございます。その後に千葉及び長崎の漁連のケースが出まして、はなはだ遺憾であるわけでございますが、私どもとしましては、農協に比しまして漁協の場合には比較的こういった出資会社のケースも少なかったので、現実には個別の検査によりまして対応できるというふうに考えておったわけでございます。現に千葉漁連の件につきましても、水産庁の検査が契機になりましてこれが発覚したものでございまして、私どもとしてはかなり厳正な検査をやってきているつもりでございます。しかしながら、このように出資会社が全国的に数も多くなってきていることでもあり、また千葉県漁連あるいは長崎漁連のケースといったような経験にかんがみますと、決してこのままで、出資会社の問題はそのままにしておくというわけにはいかないというふうに考えまして、実は実態調査をいたしまして、いろいろ出資会社の類型がございますので、その類型をいまいろんなケースごとに分けまして、それでそれに対応する対策をつくっていくと、で、必要に応じてこれにつきましての指導方針といったようなものも流していきたいというふうに考えておる次第であります。
  199. 中野明

    ○中野明君 これもまた先ほども問題になっておりましたが、水協法で、行政庁は「毎年一回を常例として、帳簿検査その他の検査をしなければならない」と。この常例検査毎年一回を実施しなければならないというふうに法律は命じておるわけです。ところが、実際は二年に一回ぐらいしかできてない。非常に、これ法律が命じていることなんですから、これは拘束力を持っていると私は思うんですが、それがまあいろいろ理由をつけられて、二年に一回しか検査が行われていないというのが実態のようですが、それじゃ困るわけです。で、どうなさるつもりですかね、法律にそう命じてるんですから、法律に命じたとおりにしなければいかぬと思うんですが、これどうですか。
  200. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 私どももできるだけ検査の内容は充実をしていかなきゃならぬと。特に、かかる不祥事件が起こっておる事態におきましては、よりこの常例検査を強化していかなきゃならぬということでございまして、先ほども申し上げましたように、検査官の人数も、このように非常に行財政改革の厳しい折ではございますけれども一名定員を増いたしまして、しかも旅費も二〇%ふやすということで、検査の実施率も五十三年の状態ではまだ四〇%ぐらいであったわけでございますが、現在ようやく六〇%まで充実をしてきているという状況でございます。  まあ、年一回常例としてこれを検査するという、「常例」という意味がどういう意味であるかということは、いろいろ法律の解釈で争われるところでございまして、その点についてここで申し上げる必要ないかと思いますが、私どもとしては、やはりその内容の充実ということを図ってまいらなければならぬことは先生の御指摘のとおりでございますので、予算面あるいは人員の面で今後ともさらに努力をしてまいりたいと思う次第であります。
  201. 中野明

    ○中野明君 じゃ、次の問題は、不祥事件が発生する防止策なんですが、これは外部からの検査や内部の専門監査機関の質的向上を図ることは当然なんですが、それ以前に、先ほどもちょっと申しましたように、おたくの組織の中の牽制体制ですか、牽制ができるような、牽制し合う機能というもの、これがまあ大事だろうと思うんですね。そうしないと、一部特定の人がこっそりやってしまって大事件になっているというようなことでは困るわけでして、内部の管理規程等が整備される必要があると思うんですが、この点はどうお考えになってますかね。
  202. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) まあ、一例を北海道漁連の例にとりましても、その原因をいろいろと考えてみますると、基本的にはやはりこういった漁連が非常に事業を拡大してまいりまして、特に投機的な行為に出て、商社化と申しますか、そういった実体を備えるようになったということが原因であると思いますけれども、しかし、実際に漁連を運営していくに当たりましてあのような不祥事件が発生したやっぱり基盤があったというふうに考えるわけでございます。それはやはり帳簿、それと金と物という、この三つがきちんと整合性を持ってチェックされていなかったという点に非常に大きな問題があったと思いますし、また、一部の職員に対して仕事を任せておりまして、あの場合にはたしか七年間だったと思いますが、任せっ放しになっていて、役員もよくこれをチェックしていなかったといったような事態があったやに聞いておるわけでございまして、これらのことは長崎の場合にも千葉の場合にも非常に似通った点があるわけでございます。  さような点から申しまして、私どもとしましてはあの事件が起こりました直後に通達をし、また個別にも指導しておりますが、そういった帳簿と、それから、本当にもうこれは会計の原則でございますけれども、そういったチェック機能というものを十分に今後ともやらなきゃいかぬと、それから役員というものが責任を持って指導体制、指導の責任をとっていくということが必要であるということで通達も流し、また個別の指導もやっているという状況でございます。
  203. 中野明

    ○中野明君 それで、今回の改正で監査士ができるわけですが、漁連がいままで任意で行ってきた指導監督事業も法制化されて、行政庁の認可を得た監査規程のもとで実施されることになるはずなんですが、この仕事に従事する監査士も法令に基づく一定の資格を持つことになります。  そこで、私お尋ねしたいことは、政府も監査規程の認可等を通して本事業への関与を深めると懸念する向きもありますけれども、行政の検査と、監事監査と、それからこの監査士の事業、これをどのように関連させて系統組織に対する合理的な検査、監査の体制を確立していこうと考えられているのか。非常に同じところへばっかり次々押しかけていってもしようがないということもありましょうし、その辺はどういうふうにお考えになってますか。
  204. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 確かにこの行政監査、それから部内での監事監査、それから今回のこういう系統組織を通じた監査事業と、この三つにつきましては、その機能というものは最終的には組合の事業の運営、会計の処理等が適正になされていくということがその目的にあるということはそのとおりでございます。しかしながら、おのおのの監査ないしは検査の機能というものはそれぞれ違った側面というものを持っているというふうに思います。つまり、行政庁の行う検査は、法律に基づきまして常例として一年一回ということで、行政上の指導指針というものを前提にしまして行う検査でございまして、いわゆる強制検査でございます。それから漁連の行う監査事業は、系統組織の団体が下部団体の会員たる漁協に対して行う指導事業というもので、いわゆる経営指導という側面を持っていると思います。それから漁協等の監事の行う監査は、漁協という組織体の中において執行部の運営に対する自己規制の見地ということから監査を行っていくということで、おのおのそのニュアンスが違っていると思います。しかしながら、これらの三つのものはお互いに相互に補完し合って初めて組合の健全な運営が図られるということでございまして、その三者とも相互にうまく関連させながらこれを充実させるということが今後必要であるというふうに考える次第であります。
  205. 中野明

    ○中野明君 それからもう一点は、監査士の現在まあ登録されてる人は三百六十七名ですか、この身分ですが、新制度になりますとこの身分がどうなるのか、この人たちの。心配してる向きもあるように聞いておりますが、この点はどう対応されるのか、お考えを聞いておきたいですね。
  206. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) ただいま現在の時点で全漁連登録の漁業協同組合指導監査士の資格でございますが、三百六十七名おられまして、これは全漁連が実施するいわゆる指導監査士試験に合格しているということと、それから漁連等の団体に現に勤務する役員または職員であるということ、それから経営指導の事務に従事した期間が通算三年以上であるということでございまして、五十七年八月現在で先ほど申しました三百六十七人が登録されているわけでございます。  今回御審議願っている水協法の改正案では、監査事業には「水産業協同組合の業務及び会計について専門的知識及び実務の経験を有する者で省令で定める資格」、これを有する者である。そして、そういった役員または職員を従事させなければならぬということが規定されておるわけでございまして、これとの整合性の問題であろうというふうに思います。  そこで、「省令で定める資格」とは何ぞやということになるわけでございますが、その内容といたしましては、全国を地区とする漁業協同組合連合会または水産加工業協同組合連合会が農林水産大臣の承認を受けて行う資格試験に合格した者ということで考えておるわけでございまして、現在の漁業協同組合指導監査士につきましては、上述の「省令に定める資格」について所要の経過規定を置くことによりまして、法改正によりまして従前の資格が無意味なようにならないように、十分に考えてまいります。
  207. 中野明

    ○中野明君 それで、改正後の具体的な事業の進め方ですが、監査士の人数とか規模、資格試験の実施機関、実施方法、監査組合の決定方法や協力義務ですね、事業に要する費用の負担、これらの問題点がありますが、この点についてはどういうようにお考えになっておりますか。
  208. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 監査士の人数規模につきましては、先ほど申しておりましたように、現在漁連に四百人弱の方々が登録されておるわけでこぎいますが、これを経過規定によりまして、改正法上の監査士ということで位置づけるということを予定しているとただいま申し上げた次第でございます。当面はこれで対処可能であると考えていますが、さらに改正法施行後、逐次新しい監査士の養成に努め、さらにこれを拡充していくということが必要だろうと思います。  それから、監査士の資格試験の実施機関でございますが、これは全国を地区とする漁業協同組合連合会または水産加工業協同組合連合会ということで、当該資格試験を適正に実施し得る能力があると認められるものということでございまして、具体的に端的に申しますれば、当面は全漁連ということでございます。  それから、試験科目、試験方法、受験資格等、試験の実施方法につきましては、資格試験の実施機関たる全漁連が農林水産大臣の御承認を受けて定めるということで、省令で定める予定でございます。  それから、監査組合の決定方法につきましては、漁連等の監査事業は、監査の要領及びその実施方法並びに監査事業に従事する者の服務に関する事項を監査規程で定めまして、それに基づいて事業実施が行われるということになります。監査組合の決定に関しましては、監査規程においては農協の場合に準じまして監査対象としようとする組合の意見を十分間いた上で決定すること、それから監査を受けたい旨の申し出があった場合については可能な限り対象とすることとするように各連合会に対して指導することを予定しております。  また、監査に対する協力義務でございますが、漁協等の行う監査は相手組合の意向を無視して、強制的に行うという性格のものではございません。相手組合の同意または申し出を前提として行われるものでございますから、特に協力義務を課するということがなくても事業の運営は円滑にできるというふうに考えております。  なお、この監査事業につきまして国が補助をいたしておるわけでございますが、この点につきましては、現在全漁連に対しまして漁協指導監査士の養成のための研修会の実施、あるいは漁協指導監査士資格試験の実施、さらには再教育研修の実施といったようなことの助成を行っております。そこで、この助成につきましては当然今後とも継続するということで考えてまいりたいと思っております。
  209. 中野明

    ○中野明君 じゃ最後に大臣、先ほど私もテレビで報道されておる話もしたわけですが、漁協の現在立っておる位置というのは、信用事業においてもまだ市民権は全然得られてないというような状況の中で、共済、信用と、この両方面から漁協を整備充実していこうとする大事業なんですが、とてもこれ立ち遅れがはなはだしいものですから容易なことではないと思いますが、そうかといって漁業というものは、もう連日のこの委員会でも問題になっておりますように、非常に大事な産業でございますので、ぜひこれは、この法律を提案されたことを磯に、漁業協同組合というものにどこまでてこ入れをして力をつけさし、そして他の共済、信用の仲間入りをして堂々とやっていけるようにするかという大きな課題がこの法律にも含まれていると私は思います。そういう点で、大臣の決意をお聞きして終わりたいと思います。
  210. 金子岩三

    ○国務大臣(金子岩三君) 農業と漁業とを比較した場合、漁業は大変脆弱な組織の団体でございまして、特に先ほど申し上げましたように人材がやはり農業団体と比較すると大変落ちるような状態で、結局、私は当然水産庁がこれから強力に一段と指導してこられると思いますけれども、やはりもっと漁業団体は自立心を強くして、そして人材を求め、みずからがやはり自分の団体の強化を図ることが何よりも先決ではなかろうかと思います。そういった面の指導を強力に農水省の方でいたしまして、今後農業と違った指導方針で漁業団体の強化を図ってまいりたいと思います。
  211. 下田京子

    ○下田京子君 今回の法改正で、共済事業が漁協でも元受けできるというふうになったわけですね。元受けするということは、つまり、いままで全水共なんかに頼んでいたそういう業務が一挙に来ると。ですから、共済の申し込みの審査もそうだけれども、いろんなまた勧誘だとかも含めて責任も重くなってくる。そういう点で、外務というか外勤といいますか、そういうことで勧誘事業なんかもふえてくるんではないか。  問題は、私がお尋ねしたいのは、そのことに絡んで漁協で働く職員の皆さんの労働強化というふうなことが心配されるわけです。そして、とりわけ労働条件が、後でも述べますけれども、現在でも非常に劣悪になっているわけですよね。これは農協がオンライン化システムで正式に昨日全銀加盟ということは御承知のとおりですが、三重県の、ある農協の場合なんですけれども、婦人労働者三名を共済事業に充てまして、労働時間も正午から夜の八時半までというふうな変則勤務で、しかも三人だけで当初の共済の目標額を八億円ノルマで与えた。これは大変問題になって、議論があって、たまたま労働組合もあってそれは撤回させたわけですけれども、漁協は組合もないというところも非常に多いわけですね。こういうことで、さっきからもお話ございましたけれども、漁協の場合には漁業権の管理ということも大きな仕事になっていますし、販売事業等ありますだけに、協同組合を労使が一体になって支えていくという使命もございますだけに、本当に本来あるべき姿から外れることがないように、きちんとした対応をすべきだ、こう思うんですが、基本的な考え方をお聞きします。
  212. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 今回、漁業の協同組合に対しまして共済事業に元受け責任を付与するという措置をとりたいということで御提案申し上げておるわけでございますが、これは、それによりまして労働強化が行われるといったようなことになりますと、その目的から申しまして決してそぐうものではないというふうに思うわけでございます。むしろ、事業が拡大することによりまして、またそれによって職員数もふやしていくなり、あるいは合理的な事務執行体制をとっていけるといったようなことを目標にして今後の運営をしていくと、それによって協同組合全体の経営がよくなっていくということを意図しているということが正しい方向であるというふうに思っております。
  213. 下田京子

    ○下田京子君 言葉を返すつもりもないんですが、ちょっといま事業の拡大に合わせて職員数もふやしていくと。私が心配しているのは、現在の職員の実態の中で事業拡大で推進だけをずっとやっていきますと大変ですよという意味で申し上げたわけなんで、具体的にお尋ねしますと、農協の場合には共済の担当職員が五十五年度で一万七千三百二十七名おるんです。漁協の場合にはどうかといいますと、現在共済の委嘱業務にタッチしている職員がどういう状態なのかわからないんです。長官、その辺御承知でしょうか。実態的には信用部門と兼務したり、あるいは指導部門の中に担当者を配置したりなんかして、これは漁協によってまちまちだと思うんですよ。御存じですか。
  214. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 現在の漁協の状態、特に人員が非常に農協に比べて少ないという状況から申しますと、確かにいろいろな形で兼務をしながら仕事をしているという状況であることは間違いないところだと思います。事務がそのために単に一つだけの事務で専念できるといったような状況にない、そこでまた漁協の方々も職員が非常に苦労しておられるという状況であろうというふうに思うわけでございまして、事務の執行体制というものを整備するにはやはり仕事を大きくし、それによってまた経営もよくなり、それによってまた条件もよくなると、こういう前向きの循環、いい循環関係というものができていくようにしなけりゃならないというふうに思うわけでございます。
  215. 下田京子

    ○下田京子君 職員の実態がどうなのかということでお尋ねしたわけなんですが、お答えがなかったと思うんです。ただ、私が指摘したように、信用部門なんかとの兼務もされているということについては御承知のようですが、その信用部門の担当職員が実態はどうかといいますと、五十七年三月末で一店舗当たり二・一人ときわめて弱体化している。これは他と比較するまでもなく御承知のことだと思うんですが、大変な弱体化なんですね。また、漁業の経営実態も見ますと損失組合が五十五年度で三百九十三組合、全体の中の一八%を占めているわけです。また、信用部門だけで見ましても、利益組合が六百八十に対しまして損失組合が七百五十一組合ということで、過半数を超えているような実態なんですね。したがって、このまま共済事業を推進していくということになりますと漁協職員の負担が非常に大きくなってくるというのは目に見えているわけなんですよ。こういう点で、この共済の元受け事業あるいはまたそれに関係するいろんな業務等も慎重に対応するよう指導していくべきではないかと、こういうことなんです。
  216. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 現在の漁協の実態というものが、その経営基盤が非常に脆弱なために先生御指摘のような、職員が非常に労働条件が悪い中で一生懸命働いておられるという状況であることは私もいろいろな報告書の中で読んでおるわけでございまして、その実態につきましては認識は十分にございます。  しかし、やはり労働条件をよくしていくということのためには漁協の経営をより充実していくということ以外にはないわけでございまして、そのために今回も共済事業というものを新たに元受け責任を持っていただいて、それで事業を拡大していこうということで今回の御提案を申し上げているわけでございますから、さような前向きの姿勢で事業を拡大し、経営基盤を拡充して、そして労働条件をよくしていくと、こういう方向で対応していきたいということを先ほどから申し上げているわけであります。
  217. 下田京子

    ○下田京子君 事業を拡大して経営をよくしていくことに問題だということを言っているわけじゃなくて、それが即労働強化ということにならぬようにということで何度も申し上げているんですが、状況を申しますと、これ長官お読みになっていると思うんですけれども、五十七年三月にこの「水産業協同組合職員の労働条件等に関する調査報告書」委託事業でやられて結果が出ておりますね。幾つか見てみますと、労働時間でどういう状況かといいますと、一カ月の時間外労働時間が漁協の職員の中で三十時間以上の残業をしたというのが、一八・五%、うち五十時間以上という方が七・四%、百時間以上という人が実に、これは人数なんですが、百二十九人にも及んでいる。百時間といいますと一日何時間なのか、大変なもんですよね。労働省の調査では、全産業の平均残業は、五十六年で見ますと十三・四時間ということなんですから、比較してみたら大変なことだということおわかりになると思うんです。  それから休日がどうなっているかということですけれども、これは定めによる休日ということでほとんどの職員がとれている、そういう組合は全体の中でどのくらいかといいますと、四三%で半分割っています。休めない職員が多いというのが一三・六%、さらに休日出勤の代替休暇があるというのは二六・六で、なしというのが逆に七三・四%ですよ。まさに休みなしの働きずめというのが実態なんです。だから私は何度も申し上げているが、経営の改善いいんです。しかしそのことが献身的な活動だといって済まされるような問題じゃなくて、これは本当にいい経営をしていく上でも、労働者のそういう健康管理という点から見ても、また能率という点から見たってこれは大事なことですから、就業規則なんかできちんと定められた休日なんかということを保障していく、そういう方向にも目を向けてほしいと、こういうことですけれども、どうですか。
  218. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 私もこの調査報告書を読んでおります。漁業の協同組合の職員、いろいろな労働条件が、たとえば農協に比べて、あるいは市町村職員に比べてかなり悪い条件のもとに働いておられるという実態がこの報告書の中で読みとられるわけでございまして、その認識は私持っております。  そこで、私申し上げたいわけでございますが、一つはやはりいまの漁業というものがほかの陸上の仕事と違った面があるということは、これは確かではないかと思います。たとえば漁船が着く時間というものは不定期でございまして、いつ水揚げがありましても鮮度をどうしても保持しなきゃならない。お魚をほうっておくわけにいかないということから、献身的な努力といま先生おっしゃいましたけれども、そういう努力を漁業の協同組合の職員の方々がやってくださっているということは、これはもう事実でございまして、そのために非常に時間外勤務であるとか、あるいは全体の労働時間が長くなるとか、そういった事情があるんじゃないかというふうに私は考えております。実際、私いろんな協同組合に伺いましたけれども、非常に献身的な組合の職員によりまして協同組合が支えられているという実態は私もつぶさに見ておるわけでございまして、非常に規律もしっかりしておりますし、非常にりっぱな組合がたくさんあるということも私承知しているわけでございます。さようなことで、ぜひこの方々のこういった非常な御労苦に報いられるような労働条件にしていくということが必要であるということは、私も率直にそのとおりであるというふうに思うわけでございます。ただ、そのためにはやはり経営基盤を拡充しなければ、組合長としても差し上げたい給料もなかなか差し上げられないというのが実態ではないかと思うわけでございまして、さような点で先ほどから私が申し上げたような御答弁の趣旨もあるということでございます。
  219. 下田京子

    ○下田京子君 答弁の趣旨は否定はしていないわけですが、さらにその条件の改善という点での必要性はお認めになっているわけで、法律的に見てもこれはすぐやらなきゃならないこと。長官、改善が必要だと言うけれども、じゃ必要なためにどうするかという点で、そのためにはまず経営改善だと言う。それじゃ何か鶏か卵かみたいな話ですから、すぐやらなきゃならない点はやってほしいということで申し上げますと、年次有給休暇の場合なんですけれども、半分以上消化している職員というのは四人に一人しかないんですね。それで三〇%以下の消化率というのは六〇%にも及んでおりますし、全国平均の消化率が五五%ですから、こういった点から見ましても漁協職員の労働者の権利が非常に低いと、保障されていないと、しかも就業規則のあれはどうなのかといいますと、調査団体が四百三十一、この四百三十一の中で定めてないというのが二十七漁協あるんですよ。しかもこの法律に基づいて、労基法の八十九条違反ではないかと明確に思われるのが四百三十一調査中で五漁協ございます。こういう点は実態を速やかに調査した上で早急に是正すべきだ、こう思うんです。これははっきりやってください。
  220. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 労働者の基本的な労働条件に関します法律がございますので、そのような法律に相反するような状態ということは決してよくないというふうに思います。さような点は至急に是正すべきであるというふうに思います。
  221. 下田京子

    ○下田京子君 直ちに是正をということであれなんですが、賃金の問題で特に男女格差是正ということなんかでお話をして、また改善を求めたいわけなんですが、その給与水準に見ましても、農林年金組合員の平均給与で見ますと、農協は三十五歳で十七万六千円なんですけれども、漁協の場合には年齢は三十八歳にもかかわらず十八万八千円と非常に農協に比べても低いわけで、しかもこの実態調査の中で具体的に見ますと、二十九歳以下の職員でもって平均給与月額が十万円以下の漁協というのは男子の場合に一三・八%、何と女子に至っては四九%と、約半分近いんですね。そういうことで半数が十万円以下の水準なんです。大臣もちょっと実態よく聞いておいてくださいね。それで、そういう状況にありますだけにそれは年齢構成とか、職種だとか、学歴だとかなんのいろいろ出せば用意はあると思うんですけれども、どうも労基法の第四条違反ではなかろうかというふうに思われる節もあるわけです。つまり男女同一賃金の原則から見てどうなのかと、こういうことでございますから、賃金の問題につきましてもやっぱり具体的に対応なされますようにこれも要望しておきたいと思うんです。
  222. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 当然のことでございますけれども、農協等と比較いたしまして年齢構成等の要素を考えてみますると、確かに先ほど申しましたように漁協の場合には賃金水準が低いということは私もそう思っております。ただ、女子との比較におきましてやはり年齢が若い方がたくさんおられるんじゃないかということやら、あるいは学歴その他から見ましてやはり女性の場合に平均的な賃金水準が低くなっているということはこれは否めない事実じゃないかというふうに思うわけです。私どもとしましてはやはり法律で定められている基準というものはこれは守らにゃいかぬ、これはそういうふうに思うわけでございまして、そうでない事例がもしもございました場合には、それに対しては当然法律上の要件を満たすようにということは指導すべきであるというふうに思っております。ただ、やはり先ほどから申し上げておりますように、優秀な職員を集めてうんと働いてもらいたいというふうに思ってもなかなかそれは経営が苦しいということがございますので、その点につきましてもやはり指導というものが非常に重要であるというふうに思っておるわけでございます。
  223. 下田京子

    ○下田京子君 それで男女間の賃金格差なんですが、男子を一〇〇とした場合に、漁協の場合に北海道は女子が七五%で、近畿地方の場合に七八・八、四国が七七・七というふうに大変低いんです。それから定年制の問題なんですけれども、これは五十七年の三月三十日に水産庁長官がお出しになっておりますね、例の退職年金の支給開始年齢の引き上げに相まって。ここには、「定年年令に男女格差を設けているものが見受けられるが、このような男女別定年制を定めた就業規則、労働協約は無効である旨の判決が出されていることもあり、雇用関係の適正を欠くものとして是正を図る必要があるので、都道府県婦人少年室等関係部局との密接な連携のもとに、その是正につき指導されたい。」、こういうふうにも言っているわけなんですが、これを出しました後、どういうふうに是正されているか実態をおつかみでしょうか。
  224. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 今回行いました調査によりまして前回の調査よりも定年の年齢が伸びている、これは男女ともに伸びているということは事実でございます。それからまた、定年につきましては実は農協よりも漁協の方がいい状態にあるということは事実でございまして、このような長官通達の効果というものがそういう点で出ているんじゃないかというふうに考えております。
  225. 下田京子

    ○下田京子君 農協に比べて漁協の方がいいということなんですが、長官ね、なぜそうなっているかということになりますと、お勤めになっている年齢構成とかなんかというのは違ってくるんですよ。十年以上の職員の割合が男子が四〇・二%なのに女子は二三・一%しかない。それから在職二年以下の職員というのが男子は一八・八%なのに女子は三六・六%。退職者、二十九歳以下で退職されている人が男子は三六・九%なのに女子は八三・一%なんですよ。だから定年決めるもへったくれもないんですよ。もうその中で八割以上が退職されちゃっている。しかも五十五年の中で退職者の理由が、見てみましたら、結婚によるものというのが、もちろん男子はゼロなんですが、女子は五二%なんです。  そこで労働省においでいただいておりますのでお尋ねしたいんですけれども、国連婦人の十年も残すところあと二年余りということで、ちょうど四月十日から十六日までが婦人週間でもございます。そしてまた労働省の婦人少年局でもあらゆる分野への男女の共同参加ということで、こういうことで冊子もお出しになって啓蒙活動もなされているわけなんですけれども、いまのようなことで、定年制の男女格差ということで前半期の重点項目でありましたが、後半期にあってもやっぱり変わらずやられていくと思うんですよね。いままでの話をお聞きになって御存じだと思うんですが、できましたら、なかなか都道府県の婦少室も人数が少なくて大変な企業を抱えて苦労されているのはよく承知しているわけなんですが、いまのような漁協等の実態なんかも踏まえた上で水産庁がお出しになっている、連携とってということですが、逆に責任省庁である水産庁なんかとも連携とりまして対処いただきたい、こういうふうに思うわけでありますが、そういう積極的な対応どうかという点でお聞きしたいと思います。
  226. 佐藤ギン子

    ○説明員(佐藤ギン子君) いま先生がおっしゃいましたように、婦人少年局では男女別の定年制等の解消につきまして五十二年から五カ年計画をつくってその解消に努めてきたところでございまして、当然漁業協同組合等もその対象に含めて改善を進めてきているところでございます。現在までに把握いたしました対象企業の七割におきまして差別的制度が廃止されておりますけれども、まだかなりの企業において残っておりますので婦人の十年の後半期におきましても積極的にこの改善を進めていこうということで行政指導をしているところでございます。したがいまして、御指摘の漁業協同組合につきましてもさらに実態の把握に努めまして、水産庁等の関係行政機関とも十分御連絡をとらせていただきまして必要な行政指導に力を入れてまいりたいと思います。
  227. 下田京子

    ○下田京子君 そういうことで長官が通達をお出しになって是正されたということなんですが、また出したから是正されたのかなというとどうもそうもないような気もいたしますので――いや、効果なしとは申し上げておりません。婦少室なんかとも連絡をとって具体的におやりになる上でお願いしたい点は、先ほどから言われておりますように、長官が心配されている漁協の経営改善を積極的にやる、あるいは組合員である漁業者の立場から立っても本当に労働条件を改善していくという点ではより有能な人材を確保するという意味で大事なことなんですよね。だからあれが先かこれが先かではなくて、かなりいま水産庁が委託されたこの調査報告でリアルになってきているわけですから、そういうことも踏まえた上で対応してほしいと。その点で最後に、労働条件の問題を単に労使間の問題としてやるんではなくて、毎年水産庁が実施されております水産業協同組合統計で調査されていますね、統計とっていますね、ああいったものにあわせて調査ができるようにしてくださればかなりまた実態がわかると思うんでぜひ検討してほしいんです。
  228. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) やはりリアルな実態をその時点時点で的確にとらえるということが必要でございますので、実はただいま先生御指摘の点はことしから実施しようと思っております。
  229. 下田京子

    ○下田京子君 労働省、ありがとうございました。どうぞ。  次に、これは他の委員からもいろいろ御指摘ございましたけれども、私も乱脈経理の問題といいますか、長崎漁連の不祥事問題、これ内部にわたっていまお聞きするつもりございません。別途時間が後でとれましたときに大臣なんかからも御報告いただきたいと思うんですけれども、水産庁としても北海道や千葉の漁連の不祥事問題にあわせて、先ほど長官からお話ございましたように、五十五年の七月三十日に執行体制のあり方、特に内部牽制組織の確立ということで指導されていること承知しております。しかし、その上で、その後に出たわけですよ。だから一体、やっていると、やってないとは言わないわけですが、その後にまた出ているわけで、こういうことにつきましてチェック機能を高めていきたい、そして個別に指導もしているし、実態調査を踏まえた上で類型別に具体的に対応したいんだということなんですが、その具体的中身はどのようにお考えになっていますでしょうか。
  230. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 先ほど御答弁申しましたように、一応私どもも五十五年に通達を出しておるわけでございますが、その後なお二つの大きな事件が出たということははなはだ遺憾でございまして、さような点から、さらに個別の常例検査その他を通じまして的確に、事件が起こらないように対応していきたいというように考えておるわけでございますが、先ほど申しました件は、実はこれらの問題が外部出資をいたしているそういう会社から起こっているということに着目をいたしておるわけでございまして、千葉県の場合もそうでございましたし、長崎の場合もそうでございます。そこで農協の場合には、こういう外部出資の会社に対しまして一般的な基準というものを設けまして、これに対しましての指導をやっているわけでございますが、残念ながらいままで漁協の場合には出資をしている先も少なかったために個別に対応していたというのが事実でございます。そこで、今回の事件を契機にいたしまして、類型別に出資会社の実態を調査して、これに基づいてこのような事件が発生しないように、要すれば所要の措置を通達していきたいというのが具体的な方策でございます。
  231. 下田京子

    ○下田京子君 いま農協のことが出されました。その農協で言われているような内容と具体的に同じような方向でやるというふうなことなのかどうかという点であえて御質問しますけれども、この農協の場合には、すでに、共同会社の設立に当たっては、ということで四十六年に通達を出しておりまして、一つは、あらかじめ行政官庁に対して共同会社の定款とか、事業計画とか、出資者の構成及び役員の構成まで届け出るとか、あるいは、組合の常勤理事の場合には共同会社の業務及び財産の状況を常時把握して、共同会社の経営が設立の趣旨に沿い、かつ健全に行われるように措置をするとか、あるいはまた共同会社の財務諸表を行政庁に届け出るものとするとか、あるいはまた農業協同組合監査士による共同会社の業務及び財産の状況の調査をするとか、さらに組合の役職員と共同会社役職員の兼務は制限するとか、こうなっているわけなんですが、こういうようなことをきちっとやっぱり指針にして出したいと、こういうことでよろしいですか。
  232. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) ただいまの農協の事例も十分に参考にして考えてまいりたいというふうに思いますが、われわれとしては、やはり漁業の場合にいろんな類型がございます、出資会社の。その類型に応じた形で適切な指導が行われるということが必要でありますので、さようないま実態調査をいたしております。ですから、農協のそのようなことをそのまま採用するということではなくて、漁業の場合にはそのような実態に即応した形でもう少し詰めた形で指導をしたいということで、いま検討しているということでございます。
  233. 下条進一郎

    ○委員長(下条進一郎君) 時間がわずかですから、質疑は答弁の時間を想定してお願いいたします。
  234. 下田京子

    ○下田京子君 大臣に一言。そういうことで、今回長崎漁連の場合には漁連の一〇〇%の出資会社で起きたという事件であります。共同会社の管理適正化のための基準を早急につくるためにいまいろいろ検討されているということでございますが、本当に今回の監査体制の整備ということで法改正の中にも入ってくるわけですから、二度と再びこういうことが起きないように具体的にそういう基準を早く出していただきたいということで、御答弁を求めたいと思います。
  235. 金子岩三

    ○国務大臣(金子岩三君) 長崎県、長崎県と長崎県の名前が出て私はまことに恥ずかしい次第と思うんですが、何も私は知らなくて、事件が起こって終わってしもうてから聞いたような次第で、私がまだ農水大臣になる前ですから、それで、その後、長官が一生懸命、後、監査体制を強化しようということで努力をされております。こういうことが、再び全国の漁連にこういう不祥事件が生じないようにひとつ全力を挙げて指導いたしたいと思っております。
  236. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 私からも、きょうの議論を聞きまして、この法改正の目指すところ、内容につきまして大分理解はしたわけでございますが、四、五点ちょっと御質問を申し上げておきたいと思います。  この水協法が改正されたのが四十八年、そして今回が十年ぶりということになるわけですが、この四十八年の改正時点とこの十年間というのは大分情勢が、大分というよりも、急激に情勢が変化している。二度にわたる石油ショック、さらに二百海里時代、こういうことで大きく変化をして、きわめて厳しい情勢下に漁業の環境が置かれている、こういうように――もちろん、まあ当然ですが。そしてこの状況の変化そのものが漁協系統組織の構成や運営にも大きなまた影響を与えている、こういうようなお話しでございますが、そこでまず、この漁業法と並ぶ基本的法律であるこの水協法の改正に当たりまして、漁業と漁協等をめぐる情勢の変化をどのように踏まえて本改正案を作成をしたのか、その辺の基本的なことをまずお伺いしたい。
  237. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 今回、十年ぶりの水協法の改正を行うということで御提案を申し上げた次第でございますけれども、これはやはり、先生ただいま申されましたように、非常に大きく漁業をめぐる情勢が変化しておりまして、二百海里体制の定着あるいは燃油価格の高騰といったような非常に重大な事態を迎えて、漁業経営が非常に苦しい状況でございます。漁業経営が苦しければやはり漁協の経営も苦しい、そういう状況になっておりまして、不振漁協と言われるものが非常に多く発生をしているわけでございます。また同時に、漁業の内部から起こった事態ではなくて、むしろ、たとえば信用事業のような場合には、先ほどからお話もございましたが、金融機関が相互に非常に競争を激化さしておりまして、その中で漁協が信用事業の分野において立ちおくれているといったような、そういう別の事態もございます。このような漁協をめぐる非常に厳しい情勢に対応いたしまして、今後どういうふうに対応していったらいいかということを考えてまいったわけでございますが、なかなか、これの抜本的な改正というところまで考えますると、やはり、漁業権の問題――これは農協と違いまして、漁協は漁業権の管理という特別な制度を持っておりますので、そこまで入り込んだ改正ということは、これはなかなか時間もかかるし、慎重な検討を要する。しかし、それを持っておっては当面の漁協の経営の改善ということに対応することができない、こう考えまして、先ほどから申し上げておりますように、系統による共済事業の推進ということによりまして漁協に一つの活力を与えるということが必要だろう。それから第二は、先ほど申し上げましたような金融業というものの全体の競合が激化している、その中において、やっぱり為替業務というものが円滑に推進できるような、そういう体制をとりあえずとっておかなけりゃいかぬ。それからもう一つは、漁協の経営の基盤の強化のためには、どうしても適正な業務執行ということが必要でございまして、そのための監査士制度の拡充ということが重要である、かように考えまして、当面直ちに実施しなきゃならぬ部分を取り上げまして今回の協同組合法の改正ということに踏み切って御提案を申し上げたという次第でございます。
  238. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 先ほど来議論になっております不祥事件その他ですね、監査士制度の、監査士のそういう意味では果たす役割りはきわめて重要だと、こういうように思うわけですが、そこでいままでの資料を見てみますと、監査実施率というのがありますね、これは非常にいまは低いわけですが、これを引き上げるために、これはもちろん当然引き上げていかなくちゃいかぬわけですが、これを引き上げるために政府の考え方、あるいはこれを引き上げるための何か助成するような考えがあるのかどうか、その点をお伺いしたいと思う。
  239. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 現在の全漁連登録によりますところの漁協指導監査士制度、これは法令に何ら根拠のない任意の制度で実施をしていただいておるわけでございますが、このように水協法上もルールが明定されていないというようなこともありまして、事業のスムーズな運営が必ずしもできないという状況にあると思います。このために、実施率とおっしゃられましたが、漁協系統では九・九%にしかならない。農協ではこれが一三・二%、森林組合系統では二一・二%まで上がっておるわけでございます。そこで、私どもとしましても、この実施率を上げていきたい、自主的な監査の充実を図りたいということから、今回改正をいたしまして、監査士制度に法律上の根拠が与えられたということによりましてこれを推進したいというふうに考えましたし、また、監査のルールに、監査に従事する者の服務に関し、監査規程の制定が義務づけられる。漁協等が安心して監査を受けられると、これによって実施率を伸ばしていくということで、この監査事業を大いに活用されるということを期待いたしておるわけでございます。  また、助成の面につきましては、従来からも漁協の指導監査士の養成のための研修会の実施、あるいは漁協指導監査士資格試験の実施、あるいは再研修の実施といったようなことに対しましていろいろな助成をやっておるわけでございまして、この助成は今後とも続けていくということで財政面の補強もしていきたいというふうに考えている次第であります。
  240. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 それから第三点目に、昨年、水産庁の中に水産金融問題研究会を設けられた。ここの検討課題の一つは、水産金融の中核的担い手である漁協系統信用事業の改善の方向と強化方策、こういうことにあったようでございますけれども、この水産金融問題研究会における検討の経過はどうなんだろうか、あるいはまた、いつころ検討の結果をまとめる考えがあるのかどうか、その辺を……。
  241. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 先ほどからいろいろ御議論がございますように、漁協系統組織を取り巻きますところの金融の情勢というものは非常に大きく環境が変化してきておるわけでございます。まず第一に、経済の安定成長期への移行に伴いまして金融機関相互間で非常な競争が激化をいたしておりまして、特に銀行、農協等他の金融機関におきましてはオンライン化といったようなことで、金融機能の拡充強化というのが図られておりますが、残念なことに、漁協系統においてはこれになかなか適合できないという問題がございまして、金融機能の強化が図られなきゃならないという実態がございます。  第二に、漁業を取り巻く環境が二百海里体制の定着、あるいは燃油価格の高水準での推移といったようなことから非常に漁業経営が悪化しておりまして、このために緊急の融資ということでいろいろな形での融資が行われました。御案内のように、実は一年間の水揚げに近い借金が漁家にたまっているといったような状況になりつつあるわけでございます。こういうような実は大きな問題がございまして、その点から水産金融のあり方を抜本的に見直さなきゃという機運が起こってまいりましたので、私どもの方も五十七年、去年の七月でございますが、水産庁長官のいわば私的な諮問機関ということでございますけれども、学識経験者の方にお集りいただきまして水産金融問題研究会というものをつくっていただきまして、特に漁協系統信用事業の方向と強化方策、それから第二に、緊急融資資金を中心とした制度金融のあり方、この二つを取りまとめていただきたいということでお願いをいたして、現在鋭意御検討を願っているところでございます。大体目標は五十八年の十二月末ということを目途に検討を進めていただいているところでございます。  現在の進行の状況でございますが、まず第一の漁協系統信用事業の改善の方向と強化方策ということにつきましては、専門委員会を設けまして、漁協系統信用事業の現状及び特徴、漁協系統信用事業の改善の方向、改善強化の具体的方策といったようなことで項目を設けて検討をしていただきまして、本年の六月ごろまでにはこの問題については研究会として一応取りまとめをお願いできるというふうに考えております。  それからもう一つのテーマでございます緊急融資資金を中心とする制度金融のあり方につきましては、まだ、五月から検討を開始するということで、まず第一段階の方を先にやっていただいたという状況でございます。
  242. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 これは先ほどからも議論が出ているんですが、例の郵便貯金ですね。これは二万二千局を結ぶ全国のオンラインシステムがいよいよ来年の三月にできる、これに対抗して民間の金融機関が、いよいよ問題になっておりました農協、信用組合、労働金庫、これの加入を決めて、いよいよ五十九年夏には全店舗四万店舗を結ぶ国内為替業務データ通信ネットワークが完成する、こういうことでございまして、要するに、そういうそれぞれの金融機関がオンラインを駆使して高度な金融サービスを展開する、こういうことで、いよいよ来年度は大変な体制ができ上がる。ひとり漁協系統だけが取り残される。先ほども長官の答弁のように、全国銀行内国為替制度、全銀内為制への加盟ということは、やはり業態一括加盟だから、その条件が整わなければだめなんだということで、とにかく当面は、漁協系統は完全に取り残されていく、こういうことですが、そうすれば、そういう状況の中でやっぱり組合員や住民サービスというものはなかなか十分にできない、これは明らかですね。そこで、一体、全銀内為制に加盟をするという方向はわかりますが、どのように条件を整備して、いつころをめどにしてこれに参加をしていきたいと考えておるのか、その辺をお伺いしたい。
  243. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 確かに、漁協の系統がこの大きな時流に乗りおくれかかっていることは事実でございまして、このような為替業務を行えるような資格を持っているような組合というものも、先ほどから御答弁申し上げているように、非常に少ないわけでございますし、また事務処理の機械化という点から見ましても、当座性の貯金専用の会計機というものを使用できるものは全漁協の四割程度という状況でございまして、はなはだおくれている状況にございます。この点は漁協の系統におきましても非常に重大視しておられまして、何とか、この漁協の基盤を強化しまして、信用事業につきましても強化をし、これに乗っていく、一括してこれに加盟できるといった体制に持っていきたいということで、実は、昭和六十年を目標にいたしまして、系統の組織としてこれを進めてまいりたいということで、漁協系統信用事業のシステム化の基本方向ということが言われておるわけでございます。ところが、なかなか、これは六十年目標と申しましても、必ずしも容易ではないという状況であると私どもも伺っているわけでございまして、さような点から、実は、先ほど御答弁申しました水産金融問題研究会というような場も持っていただきまして、一体どうしたら信用事業の面で強化ができるか、こういった点も実は研究をしていただいているわけでございます。その結果も私ども期待をいたしておるという状況でございます。
  244. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 最後に、漁協の合併の問題ですが、長官あるいは大臣の御答弁にもございますように、このネックとなっているのは漁業権の問題だ、こういうことで、現在までの進捗率は三五%程度ということですが、その漁業権が絡んで、これがネックとなっていままで合併がなかなかできなかったというところは、事が漁業権だけに、いままでできなかったんだから今後も恐らくできないだろうというように私どもは推測せざるを得ないんですが、この辺のところの現状と、この合併を促進するために一体どういう方法があるのか、どういう方法でやっていけば効果が上がるだろうか、先ほども、合併助成法を援用してとか、長官いろいろ言われておりますけれども、果たしてそれだけで合併が促進できるとも思えませんので、そこら辺のところのお考えをお聞きして終わりたいと思います。
  245. 松浦昭

    ○政府委員(松浦昭君) 先ほどから御答弁申し上げているように、予定どおり合併の促進が進んでおらないということは事実でございまして、そのネックが漁業権の問題にあると、それが大きな要因であるということも事実でございます。このために私どもといたしましては、さらに合併助成法によりますところの助成を活用すると、あるいはその後に行いましたいろいろな助成措置もございます。また、特別指導事業といったようなこともやっておりまして、これによってさらに合併を積極的に取り組んでいくということが一つございますが、さらに、私先ほどちょっと御答弁申し上げましたのは、やっぱり漁業権問題ということにある程度まで切り込んでまいりませんとこの問題はなかなかいかないと思います。ただしかしながら、これを根本的な点から問題を解きほぐすということではなかなか時間もかかってしまうということでございますので、現在合併がなかなか進まない原因の一つが漁業権の問題であると申し上げましたことは、合併をいたしました際に、漁業権というものは一定の期間はございますが、その一期間だけしかそのままの状態で存続できないという状況がございます。こういう問題につきまして一体どう考えていったらいいかということにつきまして、私ども検討いたしてみまして、あるいは一方においてこれはなかなかむずかしい問題で、一方で漁業権というものはきちんと昔の旧漁業権を持っている人に保証してあげなきゃならぬと、そういう問題でもありますし、一方で合併は推進していかなきゃならぬ。この二重の矛盾した状態を何らか中間で解決できるような方法はないものかどうか、合併に即しましてこの問題をどう考えていったらいいかといったようなことも実は検討してみたいというふうに思っておるわけでございます。  それからまた、合併がなかなか促進できない場合に信用事業だけでも進められないか、そういうことで現在の研究会で、これもメリット、デメリットいろいろあるわけでございますが、たとえば一部の府県でやっておられますように、協同組合が全体として合併しないけれども信用事業だけは事務を共同化していくといったようなことも考えられますので、そのような方策もあわせまして、実態に即した形でどういうふうにこの問題を考えていったらいいか、なお検討さしていただきたいというふうに思う次第でございます。
  246. 下条進一郎

    ○委員長(下条進一郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  247. 下条進一郎

    ○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認めます。     ─────────────
  248. 下条進一郎

    ○委員長(下条進一郎君) 森林法及び分収造林特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。金子農林水産大臣。
  249. 金子岩三

    ○国務大臣(金子岩三君) 森林法及び分収造林特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  戦後営々として行われてきた造林の結果、人工林面積はほぼ一千万ヘクタールに達し、わが国の森林造成の基礎は、おおむね確立されたところでありますが、その人工林の大部分はいまだ成育途上にあり、これを貴重な森林資源として守り育てていくことが重要な国民的課題となっております。  しかしながら、近年、木材需要の低迷、林業経営費の増高等に起因して林業生産活動が停滞し、間伐、保育等が適正に行われていない森林が増加しております。このまま推移するならば、国土の保全、木材の供給等森林の有する諸機能の発揮に重大な支障を来すことが懸念されております。  政府におきましては、このような森林及び林業をめぐる諸情勢にかんがみ、間伐、保育等の森林の整備を推進し、林業生産活動の活性化に資するため、市町村による森林整備計画の制度の導入、分収育林制度の創設等を図るほか、林業普及指導事業の運営の効率化を図るための措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。  まず、森林法の改正について御説明申し上げます。  第一に、森林整備市町村の指定と森林整備計画の樹立であります。  都道府県知事は、一体的かつ計画的に間伐または保育を推進する必要のある一定の市町村を、森林整備市町村として指定することができることとしております。  森林整備市町村は、一体的かつ計画的に間伐または保育を推進する必要のある一定の森林の区域について、森林整備計画を樹立しなければならないこととしております。その計画においては、間伐及び保育の基準、間伐または保育を早急に実施する必要のある特定の森林についての施業、作業路網等の整備等について定めることとしております。  第二に、森林整備市町村の長は、森林整備計画に定める特定の森林について、同計画に従った間伐または保育が実施されるよう、その森林の所有者等に対する間伐または保育について、勧告を行うことができることとしております。また、この勧告に従わない者に対しては、その森林または立木に関する権利の設定または移転等について協議すべき旨の勧告を行うことができることとしております。さらに、協議が調わない場合においては、都道府県知事が調停することとしております。  第三に、林業普及指導事業の運営の効率化を図るため、同事業に係る助成方式を定率補助金方式から交付金方式に変更することとしております。  次に、分収造林特別措置法の改正について御説明申し上げます。  第一に、従前の分収造林契約に関する制度を拡充して、広く分収方式による造林または育林を促進するという法改正の趣旨にかんがみ、法律の題名を分収林特別措置法に改めるとともに、その旨の目的規定を新設することとしております。  第二に、分収造林契約に加えて、成育途上の人工林に関し、その育林費用の負担、樹木の共有、伐採時における収益の分収等を約定する分収育林契約に関する規定の整備を図ることとしております。  第三に、国民の参加のもとに森林の整備の推進を図っていくため、分収方式による造林または育林の契約について、不特定かつ多数の者から費用負担者を募集する者は都道府県知事への届け出を要するものとする等、行政上の指導・監督を行い得る制度を設けることとしております。  なお、この法律案に対する衆議院における修正の趣旨につきまして、便宜政府側から御説明申し上げます。  修正の内容は、林業普及指導事業の助成に係る改正規定等の施行期日である昭和五十八年四月一日がすでに経過していることにかんがみ、その施行期日を公布の日に改めるほか、林業普及指導事業について交付金を交付する規定を昭和五十八年度の予算に係る交付金から適用することとする等、所要の規定の整備を行うものであります。  以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。
  250. 下条進一郎

    ○委員長(下条進一郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。秋山林野庁長官。
  251. 秋山智英

    ○政府委員(秋山智英君) 森林法及び分収造林特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき、若干補足させていただきます。  まず、森林法の改正について御説明申し上げます。  第一に、全国森林計画及び地域森林計画の計画事項の整備であります。  わが国の人工林の大部分が成育途上にあり、その間伐または保育が重要となっていることにかんがみ、全国森林計画及び地域森林計画の計画事項につき、間伐及び保育に関する事項を独立の計画事項とすることとしております。  第二に、市町村による森林整備計画の制度の創設であります。  都道府県知事は、地域森林計画の対象となっている民有林の面積またはその民有林における人工林率が一定の要件に該当し、一体的かつ計画的に間伐または保育を推進する必要のある市町村を、当該市町村と協議の上、森林整備市町村として指定することができることとしております。  森林整備市町村は、一体的かつ計画的に間伐または保育を推進する必要のある一定の森林の区域について、間伐、保育その他森林の整備に関し、五年ごとに、十年を一期とする森林整備計画を立てなければならないこととしております。  森林整備計画においては、間伐、保育その他森林の整備に関する基本的事項、間伐及び保育の基準、間伐または保育を早急に実施する必要のある特定の森林についての施業、作業路網その他施設の整備に関する事項等について定めることとしております。  第三に、森林整備市町村の長による勧告等の制度の導入であります。  森林整備市町村の長は、森林整備計画に定める特定の森林について、その所有者等に対し、森林整備計画に従った間伐または保育を実施すべき旨の勧告をすることができることとしております。また、この勧告に従わない者に対しては、当該市町村長の指定する者とその森林または立木についての権利の移転または設定につき協議すべき旨の勧告をすることができることとしております。  さらに、この協議が調わないときは、都道府県知事は、当該指定を受けた者の申請に基づき、調停を行うこととしております。  第四に、林業普及指導事業に係る助成方式の変更であります。  林業普及指導事業に係る助成方式につきましては、従来の定率補助金方式を交付金方式に変更するとともに、当該交付金の都道府県への交付については、農林水産大臣は、各都道府県の林業人口、民有林面積及び市町村数を基礎とし、各部道府県において同事業を緊急に行うことの必要性等を考慮して決定しなければならないこととしております。  以上のほか、森林整備計画に定める特定の森林の所有者等からの報告徴収、森林所有者の作成する森林施業計画と森林整備計画との調整等について所要の規定を設けることとしております。  次に、分収造林特別措置法の改正について御説明申し上げます。  第一に、法律の題名の変更と目的規定の新設であります。  すなわち、法律の題名を分収林特別措置法に改めるとともに、目的規定として、この法律は分収方式による造林及び育林を促進し、もって林業の発展と森林の有する諸機能の維持増進とに資することを目的とする旨の規定を設けることとしております。  第二に、分収育林契約に関する規定の整備であります。  従前から規定されていた分収造林契約に加え、分収育林契約として、一定の土地に植栽された樹木についての保育及び管理に関し、その土地の所有者、育林を行う者及び費用を負担する者の三者またはいずれか二者が当事者となり、樹木の共有、持ち分の対価の支払い、伐採時の収益の分収等を約定する契約を規定するとともに、その契約の安定性を確保するため、共有物の分割請求に関する民法の規定の適用を除外することとしております。  第三に、分収林契約の募集についての届け出制の導入であります。  分収造林契約、分収育林契約その他の分収林契約について、不特定かつ多数の者から費用負担者を募集する者は、その契約の対象とする土地または樹木の態様、契約の存続期間、造林または育林の内容等一定の事項を、その契約に係る土地を管轄する都道府県知事に届け出なければならないこととしております。  都道府県知事は、届け出事項から見て適正な造林もしくは育林が行われないおそれもしくは費用負担者の正当な利益を害するおそれがあると認めるとき、または届け出事項に従った造林もしくは育林が行われていないと認めるときは、届け出事項の変更または届け出事項の遵守を勧告することができ、勧告を受けた者がこれに従わないときは、その旨を公表することができることとしております。  なお、募集の届け出等の規定は、地方公共団体、分収方式による造林または育林の促進等を目的とする一定の公益法人である森林整備法人及びこれらの媒介により一定の要件を備えた分収林契約の募集を行う者については、その適用を除外することとしております。  以上のほか、分収林契約の締結についての都道府県知事のあっせん、届け出をした者等からの報告徴取、届け出に関する罰則等について所要の規定を設けることとしております。  以上をもちまして、森林法及び分収造林特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由の補足説明を終わります。
  252. 下条進一郎

    ○委員長(下条進一郎君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十五分散会