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1983-05-17 第98回国会 参議院 文教委員会 9号 公式Web版

  1. 昭和五十八年五月十七日(火曜日)    午後一時十分開会     ─────────────    委員の異動  五月十三日     辞任         補欠選任      田代由紀男君     内藤誉三郎君      高木 正明君     秦野  章君      赤桐  操君     小野  明君      瀬谷 英行君     藤田  進君      対馬 孝且君     宮之原貞光君  五月十六日     辞任         補欠選任      佐藤 昭夫君     神谷信之助君  五月十七日     辞任         補欠選任      秦野  章君     堀江 正夫君      藤田  進君     鈴木 和美君      宮之原貞光君     瀬谷 英行君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         堀内 俊夫君     理 事                 片山 正英君                 田沢 智治君                 粕谷 照美君     委 員                 井上  裕君                 杉山 令肇君                 内藤誉三郎君                 中西 一郎君                 仲川 幸男君                 堀江 正夫君                 小野  明君                 鈴木 和美君                 瀬谷 英行君                 柏原 ヤス君                 高木健太郎君                 神谷信之助君                 小西 博行君                 前島英三郎君    衆議院議員        文教委員長代理  石橋 一弥君    国務大臣        文 部 大 臣  瀬戸山三男君    政府委員        文部省大学局長  宮地 貫一君        農林水産省畜産        局長       石川  弘君    事務局側        常任委員会専門        員        瀧  嘉衛君    説明員        人事院事務総局        給与局次長    清水 秀雄君        環境庁自然保護        局鳥獣保護課長  長谷川 堯君        厚生省医務局医        事課長      横尾 和子君        農林水産省経済        局保険業務課長  原  昭夫君        水産庁研究部長 伊賀原弥一郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○学校教育法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付) ○医学及び歯学の教育のための献体に関する法律案(衆議院提出)     ─────────────
  2. 堀内俊夫

    ○委員長(堀内俊夫君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、藤田進君が委員を辞任され、その補欠として鈴木和美君が選任されました。     ─────────────
  3. 堀内俊夫

    ○委員長(堀内俊夫君) 学校教育法の一部を改正する法律案及び医学及び歯学の教育のための献体に関する法律案を便宜一括して議題といたします。  両案の趣旨説明はすでに聴取いたしておりますので、これより両案を一括して質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 初めに、学校教育法の一部を改正する法律案について質問をいたします。  昭和五十二年獣医師法改正によりまして、学部四年に修士課程二年を積み上げて六年の教育ということになっているわけでありますが、いま学校教育法を改正をいたしまして、獣医学教育百年の歴史を脱皮して学部六年教育とする積極的な意義というものは一体何でしょうか。どうも法律案、提案理由を拝見いたしましても、なかなかすとんと胸に落ちるものがないのでお伺いをいたします。
  5. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 今回、学部の修業年限を四年から六年に踏み切った理由というお尋ねでございますが、御案内のとおり、さきの改正で、学部の四年と大学院修士課程の二年とを積み上げて獣医学教育を実施するということが行われているわけでございます。しかしながら、かねて関係者から学部段階で六年間の一貫教育を行う方が望ましいということは強く言われていたわけでございまして、諸外国の獣医学教育の実施状況から見ましても、学部段階における修業年限を四年から六年に延長し、この獣医学教育の質的な充実を図るということが望ましいというようなところが今回の改正をお願いをしている点でございます。  この点は、基本的には獣医師という専門的な職業人養成という観点から見ますと、医学及び歯学の場合と同じように、学部段階での六年の教育が望ましいと考えられるわけでございます。現在は、御案内のとおり、学部四年と修士の二年の積み上げ方式でございますが、この点は、たとえば具体的な教育課程の中身について御説明しますと、学部で一般教育及び獣医学に関する基礎知識を与え、大学院においては獣医師としての必要な高度の専門知識と技術を与えるということになるわけでございますけれども、たとえば、基礎獣医学というような授業科目につきましても、修士課程で臨床獣医学なり応用獣医学が行われるということになるわけでございますが、これらの点についても、やはり学部段階で六年を一貫して教育課程を組んだ方が、獣医師養成という観点から見ますとより適切であるということが言えるわけでございます。  そのほか、やや形式にわたる面でございますけれども、大学院の進学に当たって全員を入学させるという観点から、入学定員は学部段階と同じだけの入学定員を確保してあるわけでございますけれども、そこで区切りが行われるとすれば、やはり一応入学者選抜が行われるというような問題点がございます。そのほか、大学院入学に当たって、受験料や入学金等の徴収が行われるというような点もあるわけでございます。それらの点が、このように学部六年制の一貫教育ということになれば、事実上は六年間の教育は確保されているわけでございますが、ただいま申し上げましたような点が改善されていくことになる、このことが獣医学教育の充実のためにも望ましいということが言えるかと思います。
  6. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 ことしの獣医師国家試験で、来年からは二年積み上げの試験になるわけですけれども、ことしで四年の卒業生の試験は終わりになるわけですね。その試験に受からなかった人、生徒と言うんですか、人たちが百二十五名います。こういう百二十五名に対して、何とか講習などで教育をやって、そして獣医師の資格をとらしてもらえないだろうかなどというような要望もないわけではありませんが、私がいまお伺いをいたしますのは、大学院に二年積み上げて入っていくというときに入学試験があります。そのときに、とうていこういう人たちは獣医師の試験に合格をしないのではないかと判定ができるような生徒もいるのではないか。そういう場合には、むしろ獣医師にならないで別の道を歩いていったらいいのではないかなどという意見もいろいろあるわけでありまして、この学部六年の一貫教育というものに対しての賛否両論も非常に大きいというふうに思っているわけであります。  しかし私自身は、医・歯学部と同様に六年間の教育をやるということについては賛成をしている者でありますが、外国の人たちと比べて日本の専門的教育が非常に短いということです。いただきました資料などを見ましても、各国それぞれ特色があるんですね。アメリカなどはカリフォルニアで四千六十五時間、アイオワでは四千八百四十八時間というふうに、同じ国の中でも大きな差がありますし、講義を重視している国、あるいは実習を重視している国、非常に差があると思いますが、わが日本においては講義と実習をどのように考えていて、諸外国の授業時間数に比してどの程度いままで落ちていたから延ばすんだということになるのでしょうか。
  7. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 現在の学部における獣医学教育でございますけれども、基本的には単位制で示されているわけでございますが、一般教育等が四十八単位、専門教育が七十六単位、合わせて百二十四単位というのが現在の学部段階での獣医学教育の内容でございまして、専門教育の授業時間数に換算いたしますれば約二千時間ということになろうかと思います。  今回の提案で、改正後の学部におけるその中身でございますけれども、一般教育等は現行どおり四十八単位でございますが、専門教育については獣医学の基礎分野、臨床、応用の分野、さらにそれぞれ必要な専門別または職域別の教育を行うということで、全体的に百三十四単位に増加をすることになるわけでございまして、合わせて百八十二単位が学部修了の単位数になるわけでございます。  専門教育の授業時間数として見てみますと、おおよそ四千時間を超えるということになろうかと思いますので、ただいま先生御指摘のように、外国の場合でも四千時間、多いので四千八百時間というような例もございますが、今回の改正によりまして、わが国の学部における獣医学教育としては、諸外国に比べても十分充実したものになるということが言えるかと思います。
  8. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 このような法律を改正するに当たりましてたくさんの要請があるわけですけれども、その中でも海外交流、留学などの拡大に伴って、どうしても日本の専門的な教育を充実していかなければならないという、それを取り上げられたものだというふうにして高く評価をするわけでありますが、それならば、なぜ五十二年の獣医師法改正のときにそれができなかったんだろうかという疑問が出てまいります。昭和三十八年の中教審の答申を見てみましても、「学部の修業年限に関しては、特定の専攻分野について、現在の修業年限の延長を希望する意見がある。しかし、現行制度のもとで教育内容、教育方法の改善等の措置を講ずれば、しいて修業年限を変えなくてもよいと思う。」と、こう書いてあるわけなんですね。わりと否定的ではないだろうかというふうに考えるんですが、その辺はどうでしょうか。  さらに、昭和四十六年には、日本学術会議が内閣総理大臣に修業年限延長を勧告をしておるわけです。学術会議の職務でありますこの勧告というものを、文部省としては一体どのように受けとめてその勧告に対してこたえようとしたのか、この辺のところもはっきりしないのでお伺いをいたしたい。
  9. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 獣医学教育の修業年限の問題については、御案内のとおり実は大変長い経緯があるわけでございまして、戦後昭和二十六年に教育刷新審議会でいろいろ議論をされまして、当分四カ年ということで、専門知識に欠けるおそれがあると認められるから、その点は専攻科等を置くなど適当な措置をとるということが当時言われたわけでございます。そしてただいま御指摘のように、三十八年に中央教育審議会で出されました意見では、必ずしも修業年限を変えなくてもよいが、「必要な専門能力を育成しえない専攻分野においては、」「延長もやむをえない。」というような趣旨の答申がなされております。  そういう経緯を経まして、御指摘の四十六年の日本学術会議の勧告があったわけでございます。従来獣医師の関係者からは、その間修業年限の延長問題については、常に議論といいますか要望がなされておりまして、私どももその学術会議の勧告も受けまして、文部省としても具体的に、たとえば文部省の視学委員あるいは調査会等を煩わしまして検討を進めまして、修業年限延長ということについて大方の合意が得られましたので、ただいま五十三年度から暫定的な措置としての修士課程活用による修業年限延長ということに踏み切ってきたわけでございます。  その審議の際にも、やはり基本的には学部六年制が望ましいということが言われておったわけでございまして、その後の経過としては、関係者等で議論をしていただきました結果をごくかいつまんで申し上げますと、農学関係学部の中の一学科として行われているものが多いわけでございますが、これらの学科を、国立大学について言えば十大学にあるわけでございますけれども、統合して獣医学部としてそれぞれブロックごとに置くというようなことが途中言われたわけでございますが、その点はやはり関係の国立大学の学長の懇談会においても、地域の要請なりそれぞれの大学の実情から見れば、なかなか現実問題としてはすぐ対応することはむずかしいというような点もございまして、さらにそういう関係の国立大学の農学部長の方々にもお入りいただいて、再度調査会で検討をいたしまして、現行の状況から見れば、農学関係学部の中の獣医学科という形で学部六年制の教育を実施するという現実的な対応をすることもやむを得ないというようなことで、関係大学の合意をいただきまして今回の改正に踏み切ったというのが経緯でございます。  したがって私どもとしても、学術会議の勧告が出まして、その点を具体的にどう進めるかということは、ただいま申しましたような経緯を経て今日に至っているわけでございまして、さらに将来の課題ということでは、獣医学部ということで独立した学部で教育が行われることが教育の組織としては望ましいことは調査会議でも言われているわけでございます。したがって将来の課題としては、国立の十大学における農学関係学部の中の獣医学科についても、関係者の合意が得られるところまでこぎつけられれば、それらの統合ということで、獣医学部ということで独立していくということも将来の課題として残されているところだと、かように理解をしております。
  10. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 十大学の統合なんですね。これ大学全部で十二あるというふうに思いますが、国立ですと。
  11. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 国立が十大学それから公立が一、私立が五大学ということになっております。
  12. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 ですから、十二あるうちの十だけは統合しなさいと、そして二つはそのままで結構ですよと、こういうことだと思うんですね。その差というのは一体どこなんですか。
  13. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 先ほど申しました国立は十大学ございますが、北海道大学は獣医学部ということになっているわけでございます。したがって国立の大学について言えば、残る九大学がそれぞれ農学部なりあるいは畜産学部の中に置かれているわけでございまして、これらの国立大学のそれぞれ、たとえば岩手大学でございますれば農学部の中に獣医学科ということで入学定員三十名という形で置かれているわけでございます。これらの国立の残る大学について、これはまあ具体的にどのように再編成するかということは関係大学の合意を得なければならないわけでございまして、その現実問題の処理が、やはりこれはもう少し時間をかけなければなかなか処理できる問題ではないということが言えるわけでございまして、さりとて学部段階での六年の一貫教育というのは、やはり関係者から大変強い要請がある。そういうことを受けて今回御提案申し上げておりますように、農学関係学部の中の獣医学科の修業年限を六年にするということに踏み切ったわけでございます。  私どもとしては、御指摘の国立大学について言えば、すでに獣医学部になっております北海道大学を除くほかの大学について、将来の課題としては、それをブロックごとにまとめるというようなことも考え方の一つにございますし、さらに言えば、あるいは獣医学について単科の大学を構想するというようなことも考え方としてはあり得る事柄でございます。まあ将来の獣医学教育の充実のために、私どもとしてはそういう点が将来の課題としてはあるということを申し上げたわけでございます。
  14. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 何度伺ってもはっきりしないんですけれども、北海道大学は確かに獣医学部で獣医学科ですね。そして東京大学は農学部の中の畜産獣医科ということになるのでしょうか。あと帯広畜産大学にしても畜産学部の中の獣医学科、岩手は農学部の中の獣医学科、こういうふうになっているんですが、北海道は結構ですよということになりますと、北海道はなるほど博士課程で入学定員六あるいは七というのがあるわけですけれども、しかし四十人で学部が編成をされているわけですね。ところが同じ四十人でいて、この帯広畜産は学科になっている。ですから四十人と三十五人がどれだけ違うかということもありますけれども、東京農工大は農学部の中の獣医学科三十五名、鳥取も農学部の中の獣医学科三十五名、こうなっているんで、こういう大学が北海道大学と同じような条件をとれないということがどうしてもよくわからないのですが、どうでしょうか。
  15. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) それぞれの大学に学部なり学科が置かれるに至った経緯というものはそれぞれそのときの背景なりいろんな要素が絡んでおりまして、北海道大学の地域的な特性といいますか、そういうようなことも踏まえて、北海道大学には、御指摘のように確かに四十人ということで入学定員の規模としては小さいわけでございますけれども、獣医学部が置かれてきた経緯があるわけでございます。ただ、一般的な学部の規模ということで考えました場合に、やはり三十人の入学定員のままでそれを学部にするということは、これは必ずしも適当ではないのではないか、一般論としてはそういうことが言えるかと思うわけでございます。  そういう意味で、将来の課題として、獣医学教育のためには獣医学部ということで独立した形ということが望ましいことが関係者からも言われておるわけでございまして、それは調査会議でも将来の課題ということで提言をされておるわけでございます。また、私どもとしては、一般論として、たとえば三十名の岩手大学の農学部の中の獣医学科をそのままの規模で学部とするということは必ずしも適切ではないというぐあいに考えられるわけでございます。もちろん考え方の中には、たとえばそういう場合に獣医学科とほかの獣医に関連する学科とで農学部ではない形での学部を構想するということも場合によってはあり得ることだと思います。  いずれにいたしましてもそれらの問題点は、当面、直ちに私どもとしてはなかなか実現することがむずかしい問題でございますので、現実的な事柄の処理として、こういう関係学部の中の学科で学部段階での六年の一貫教育を行うという形を今回御提案を申し上げているわけでございます。それらの点は、いずれも私どもとしては将来の検討課題というぐあいに受けとめているわけでございます。
  16. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 それぞれの大学に当たった結果が、文部省の苦悩のこの報告になるんだろうというふうに思いますが、総論的には学部六年は賛成だと。しかし、各論でいくとやっぱり歴史的な問題もあり非常に困難な状況だからこういう法律を出すというように私は理解をしたいと思います。  それでは、人事院に来ていただいておりますからお伺いいたしますけれども、いままでの獣医師の公務員採用に関して、一体待遇はどのようになっていたかということが一つ。さらに、来年から積み上げ二年を義務づけられた、そういう生徒が卒業し、国家試験を受けて就職をするわけであります。そういう場合には、今度はいままでと違って二年の義務づけなんでありますから、待遇改善は当然のことだというふうに思いますけれども、どういうようなことについて――検討をいま始めていらっしゃるんだろうと思います、していかなければならないと私は考えますが、していらっしゃるかということであります。  なお、それに関して農林水産省としてはどのようなことをお考えになっていらっしゃるか、お伺いします。
  17. 清水秀雄

    ○説明員(清水秀雄君) お答えいたします。  国家公務員の場合に獣医師の資格を有しております職員が在職しております例としては、先生御承知のとおり、動物検疫その他の行政的な業務に従事する者のほか、調査研究の業務に従事する者、あるいは教育の業務に従事する者というような者がおるわけでございますけれども、これらの職員にどのような俸給表を適用するとか、あるいはただいま御指摘の採用の際の取り扱いをどうするかとかというのは、それぞれ適用されております俸給表のいかん等によって異なってくるわけでございます。現実の問題といたしましては、行政職俸給表の適用を受けております者の場合には、原則として採用については試験ということになっております。したがいまして、仮に獣医師の資格を持っておられる方でございましても、いままではほかの職員の場合と同様に試験を原則として採用の手続をとるというような取り扱いになっております。  一方、教育の業務に従事しております教育職俸給表の適用者等の場合には、これは試験ではなくてそれぞれ大学管理機関その他のところが定めるところに従いましての選考の手続等によりまして採用をするというような仕組みになっておりまして、初任給等の取り扱いもまたそれに応じたような取り扱いになっておるというのが現状でございます。  ところで、今回の改正等によりまして、来年の三月以降は獣医師の免許を取得するための必要資格が御指摘のとおり原則として修士課程修了以上というようなことになるわけでございますが、これに伴いますそれぞれの俸給表におきます初任給の格づけ等につきましては、先生御指摘のような形で、いままでと違って、言うならば六年の課程が義務づけられるわけでございますから、それに応じました取り扱いというようなものを検討していく余地があるわけでございまして、さきの改正の際の国会の附帯決議なり、あるいは今回の改正法案の趣旨等を踏まえまして、関係省庁とも十分協議の上、これらのそれぞれの俸給表におきます修士課程修了者あるいは同じ六年課程でございます医大卒の卒業者の初任給の格づけ等との均衡をも考慮しながら十分検討していきたいというようなことで、現在必要な御相談を始めているところでございます。
  18. 石川弘

    ○政府委員(石川弘君) 御指摘の新卒の積み上げ六年の方が今度世に出られるわけでございますので、やはり二年間長い間勉強されましたということがそれだけ社会に出ましてからの処遇に反映されるべきものと考えておりまして、そういうことを内容にいたしまして、いま人事院からお話がありましたような観点に立ちまして、現在人事院ともお話し合いを進めているところでございます。
  19. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 基本的には医大卒と均衡を保つようにといういまの人事院の御説明を私は了解をいたします。  それで、去年の十月の朝日新聞になりますが、「獣医さんやーい」ということで、学制改革で不足が深刻化した、こういう記事が載っております。確かにことしの卒業生までで一つの区切りが出てくるわけですけれども、本当にこんなに不足になるのでしょうか。確かに、読んでみますと、五十二年の法律が改正になったときの後になりますけれども、獣医師問題検討会の出されたいろいろな報告書の中に、今度そういう状況が二年間、新たに社会に出る獣医師の数が極端に減少することになるから、それぞれの都道府県、国においてもできるだけ影響を少なくするように配慮する必要があるということを指摘しているわけですけれども、ことしあたりは一体どのような状態になっておりましたんでしょうか。
  20. 石川弘

    ○政府委員(石川弘君) 獣医師全体の数は約二万五千五百人でございまして、現在いろんな広範な分野に活動していらっしゃいますが、私ども全体とすれば必ずしも不足という状況にはなかろうと思います。  御指摘の新卒につきましては、御承知のように五十二年の前回の改正をいたします際に、五十七、五十八二カ年につきまして、新卒者が非常に少なくなるということは明白でございますので、実はその時点におきましても、五十二年五月でございますが、法改正に伴います事務次官通達の中で、そういう事態に対処してあらかじめ計画的な採用を行うようにというようなことを通達もいたしております。県あるいは国等におきましても若干前広に採用をしてこのつなぎ目の数が少なくなりますものを極力克服するというようなことも考えたわけでございます。  五十七年と五十八年では大体三百名から三百五十名の方が、これは新卒の者と、それからすでに前から卒業なさって大学院を出られて獣医師になられた方の両方でございますが、これだけの方がおられますので、極端な過不足というようなことは聞いてはおりませんけれども、むしろそういうことのほかに、地域によって、特に産業獣医師の方々の一部について、一部無獣医地区というようなところが問題があることはかねがね承知をいたしておりますので、これは別途そういう無獣医地区の解消のための対策をやっているところでございます。
  21. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 無獣医地区の問題は、いま歯科医にしても医師にしても非常に過剰時代だと、そういうことを言われていながらやっぱり僻地には行かないわけですから、どうしてもそういう状況が出てくると思いますので、それは条件をちゃんと整備するということが非常に大事なんだ、優先をしなければならないというふうに思っております。  この獣医師の養成なんですけれども、過剰であるというようなことはないのでしょうか。大体養成に見合うというような数字が出ているというふうに理解してよろしゅうございますか。
  22. 石川弘

    ○政府委員(石川弘君) 私ども長期にわたりまして、獣医師の方々のお仕事とそれから新たに獣医になられる方とのバランスがとれるかというようなことをいろいろと試算をいたしておりまして、今後約千百人台ぐらいの方々が毎年新規参入をなさるという計算をいたしております。これは全体のいまの二万五千五百というような数字自身若干ふえるような傾向もございますけれども、一方におきまして、獣医さんがなさいますお仕事が産業獣医のような診療部門だけではございませんで、公衆衛生だとか畜産関係あるいは生物関係の諸企業に就職されるというような方もございます。したがいまして、ある種の老齢化によるローテーション等を考えましたときに、私どもは全体といたしますればほぼバランスのとれた需給関係になろうかと思います。職種なりあるいは勤務の形態等について若干の先ほど御指摘のようなひずみも出ようかと思います。こういうことは別途の施策で極力調整をいたしたいと思っております。
  23. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 私はこの養成についてちょっと要望があるわけなんですけれども、六年の一貫教育ということは非常に大事であります。教育年限を延長することによって質を高めようということも一つの私は条件だというふうに思いますけれども、学校の中における教育条件をきちんと整備をしていくということは非常に大事なことだというふうに思うわけであります。  きのう文部省からいただきました「獣医学部学科の入学定員、入学志願者及び入学者数調」というのを拝見をいたしました。非常に希望が多いわけですね。私立においては十四倍もあるわけです。国立においては四倍ぐらいということで、大変人気のある学部学科ではないかというふうに思っておりますが、この数字を見ますと、入学定員というのと入学した人の人数、大幅な違いがありますね。水増し入学という言葉であらわしても構わないというふうに思いますけれども、この辺のところはきちんと指導をして、学校内においても、年限延長するばっかりじゃない、教育条件をきちんとしていくんだという、こういう姿勢が大事だと思いますけれども、いかがですか。
  24. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の点は、確かに獣医学科についての志願者は大変多い、一般の農学部のほかの学科に比べても獣医学科は大変高いということが言えるわけでございます。  それから御指摘の入学状況について、私立の場合に入学定員を上回るものの数が入っているというのもまた御指摘のような状況にございます。もちろんこれらの点については、私どもとしても、私立大学に対しまして入学定員を守るようにということについては、かねて、これは獣医に限らず一般的に指導をしているところでございます。これらの点は御指摘のようなことを踏まえまして私どもとしては今後とも十分指導をしてまいりたい、かように考えております。
  25. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 農林省に伺いますけれども、昨年、獣医師の試験中に非常に不謹慎な会食があった、こういうことが新聞に出ておりました。大体受験者百二十二人のうち八〇%がある大学に片寄っていた、九八人ですね。その九八人のうちの六十人が卒業試験の不合格者であった。そういう条件のもとに行われたのではないかと私自身も想像ができるわけですけれども、国家試験の前に大学側からごちそうになるなんていうようなこと、これ慣習化しているんですか。こんなことでは私は本当にいい意味の獣医学というものに対する信念を持った医者などというのはつくれないというふうに思いますけれども、どうでしょう。そして、こういうことはこれからないのでしょうか。
  26. 石川弘

    ○政府委員(石川弘君) 御指摘のような事柄がございまして、私どもも大変遺憾だと思っております関係者を呼びまして、そういう誤解のありますような行動は一切とらないようにということを関係の試験委員にきつく申し渡してございまして、今後かかることは絶対ないように指導してまいる所存でございます。
  27. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 最後に農林省にお伺いいたしますけれども、昨年の五月二十日に、これは朝日新聞ばかりじゃありませんけれども、たくさんなところで牛肉の自由化を慎重にしろという、日本の農業を守る、畜産を守るというそういう意味だけではなくて、アメリカで牛に食べさせる飼料に添加薬剤がついていた、こういう問題が指摘をされているわけであります。そのホルモンが原因でアメリカに急激にがん患者がふえてきている。そしてその後アメリカの、日本で言うとどういうことになるんですか、厚生省あたりになるんでしょうか、調査によってその肥育用ホルモンをもう飼料の中に入れてはいけないということが勧告をされているけれども、いままた新しい薬品が飼料の中に添加をされているんじゃないか、こういうことがありまして、私はやっぱり獣医学者の働く余地というのは非常に大きいものがあるというふうに思いますけれども、日本ではこういう心配がないのですか。
  28. 石川弘

    ○政府委員(石川弘君) 御指摘の点、ニューズウイーク等に発表されました、アメリカ等でいろいろ薬品添加物等が肉類に残留をしているというような情報がございまして、私どもアメリカ大使館等を通じましてそういう事実の有無等も詳しく調べておりますが、最近まで得ました情報では、必ずしもあの種の情報が正しいということだけではないようでございます。私どもの立場といたしましては、輸入します食肉類につきましては、厚生省の所管ではございますが、食品衛生法により牛肉その他の肉類についての薬物等の残留については検査をいたしておりまして、現在までに厚生省からそのようなものの残留を発見したという情報は受けてないわけでございます。  国内の肉の生産等につきましては、御承知のように飼料安全法とそれから薬事法の二つの法律をもちまして、たとえば抗菌性物質、そういうようなものを残留をさしてはならないという、これは食品衛生法上もそうなっておりますが、そういうことができるような体制を整備をいたしております。  飼料の安全問題につきまして、私どもとすれば、要するに薬物として使われるようなものにつきましては、いわば必要な治療のためのもの、それから家畜等の飼料に入れられるものにつきましては、使用しましても畜産物の中に残留しないものという大前提を置いてやっておりまして、比較的国内における食肉生産の中では御信用を得ているのではなかろうか。やはりそうは申しましても、牛肉の三分の一は外国からの輸入品でございますから、国内に入れます際の厚生省の検査等につきましてもいろいろお願いをいたしておりますし、それから向こうでいろいろと言われますような情報につきましては、逐一これをわが方としましてもそしゃくをして、大使館等を通じて向こうの報道の真否等については重大な関心をもってその種の情報をチェックするつもりでございます。
  29. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 文部大臣にお伺いをいたします。  最近、遺伝子組みかえなどということが非常に盛んになって、研究が進められているわけですが、つい先日もニュースの中に、男と女を産み分けるようなことができるようになったと。動物の社会におきますれば、乳牛をつくるためには男牛をとるよりは女牛がたくさん生まれた方がいいわけでありますから、確かに電気で何か雌牛だけを産むようにすることができるかもしれませんが、人間の社会におきましては、中国の例でもわかりますように、女の子は歓待をされないで、ニュースなどで、何か女の子殺しが行われたなどということを聞くたびに、女性である私たちは非常に胸の痛むものを覚えるわけであります。人間の尊厳というようなことについて、医の倫理というようなことについて、研究の自由はありながら、そういう問題も含めて学校教育の中で一体どういうことを考えていかなければならないか、私はそういう点にこそ学術会議の働く場所というのがあるのだろうというふうに思いますけれども、その辺のところも踏まえて大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
  30. 瀬戸山三男

    ○国務大臣(瀬戸山三男君) 人間がこの世界に生きていくためにいろんなことを知らなければならないと思うのでございますが、それがいわゆる学術、文化につながっていくものだと思います。それでどういうことを知るのかというと、私は自然のメカニズムといいましょうか、いまおっしゃったようなことはこれはまさに生物のメカニズムがどうなっているかということを学者は一生懸命研究されるものだと思います。  研究は結構でありますけれども、人間という生物の中で、その研究の結果をどう実施するかということになりますと、いまお話しのように、他の動物とはやはり違うわけでございますから、人倫といいましょうか、人間の道徳といいましょうか、そういう点を十分に考えて、余りに科学技術だけに偏しますと、私は自然のメカニズムの本当の行き方というものが破壊されてしまって、将来想像できないいろんな不幸に人間社会がぶつかるおそれがある。私は科学者じゃありませんけれども、現在の科学技術の進歩についてはそういう一面のおもんぱかりを持っていかなければ将来とんでもないことが起こる。  私は常に申し上げるのでございますけれども、現在、世界の四十五億の国民が戦々恐々としておる原子爆弾なんかその唯一のものだと、かように考えておりますが、そういう点を、いまお話しのように男女の産み分けとかあるいはこの前も国会で議論になりました試験管ベビーをどう社会に実施するかということについては、そういう点を大学あたりで十分に人類としての英知を結集した倫理といいましょうか、方針を決める必要がある、かように考えておるわけでございます。
  31. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 次に、医学及び歯学の教育のための献体に関する法律案について質問をいたします。  この法律案は、先日趣旨説明がありましたあの提案のように、きわめて重要な意義を持っているというふうに思いまして、社会党としても賛成をするものであります。そして、献体運動に取り組んでこられた大ぜいの方々の熱意が実って議員立法が成立するということは非常に喜ばしいことだと、こう考えているのであります。  しかしながら、振り返ってみると、学術会議が政府に対して法制化などを勧告したのが昭和五十四年ですね。そして当文教委員会におきまして、高木健太郎委員が五十五年、五十六年、五十七年と質問をされて、文部大臣の御答弁などもいただいているわけであります。そしてさらに、その高木委員の方から法律案要綱みたいなものが私どもに御提示ありまして、検討させていただいて、社会党としては全面的に協力をしていきたいと一生懸命に努力をしてきたということを御報告申し上げていたところで、できれば健太郎法案だねなんていうようなことも内々では話し合いをしていたわけですが、その間、文部省の対応というのは慎重過ぎたのではないかと思いますけれども、議員立法になって出てきたという経緯というのは一体どういうものですか。
  32. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように献体法制化の問題につきましては、特に参議院におきましても文教委員会で、ただいま先生御指摘のように国会の質疑等においてもいろいろと御議論をされ、私どももそれを受けて関係団体とも意見の交換をしながら検討を今日まで進めてきた経緯があるわけでございます。  問題点の一つは、この問題については、まず基本的にはやはり死体解剖保存法というこれは厚生省所管の法律でございますが、それらの関係法律と大変深くかかわる問題点がございます。したがって、具体的に立法するに当たって実際上それらの点の対応をどうするかという問題点の検討がまず必要であったわけでございます。  それから第二点といたしましては、関係者から御要望いただいている点についてどういう事柄を法律事項とするかというようなことについて検討をする必要もあったわけでございます。  私どもとしてはそういうような検討を鋭意進めてまいっておったわけでございますが、そういう時期にちょうど議員立法としての御検討が始められることになりまして、私どもとしては、こういう献体の意思の尊重というような事柄については、いわば政府が主導する形よりもやはり立法府において各党が合意をいただいて、そういう合意を受けて各党の合意を得た議員立法という形の方が事柄そのものに即しても大変適切な事柄ではないかというぐあいにも私ども考えたわけでございまして、そういうことで議員立法としての制定が検討を経て今回御提案になったわけでございまして、私どもとしてもこういう立法がなされることが医学教育なり歯学教育にとって大変有効であり望ましいことだと思っておりますので、その趣旨を踏まえて今後とも努力をしてまいりたい、かように考えているわけでございます。
  33. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 確かに医学教育の根底にある医の倫理を涵養するために人体解剖の実習というのが非常に貴重な教育の場所になっているということはわかります。私も新潟大学の方で組織をしている白菊会の資料だとか、あるいは解剖実習を終えた学生の手記の報告書なども拝見いたしまして、本当に趣旨説明、提案のとおりだというふうに思うわけであります。  それだけに、この法律ができることによって献体数がふえるということを望むものでありますけれども、私自身は、この法律ができたからといって献体の数はふえるというふうには思わないわけであります。やっぱり献体をしていただきたいということを真摯にじみちに運動される方々の数というものが、運動というものが大きく前進していくことでこの法律は生かされるというように思っているわけです。  それにしてもどうも死体収集の数が足りませんですね。資料をいただきましたが、非常に足りないというふうに思いますよ。しかも国立大学においてその足りなさというのがちょっと問題だと思いますのは、五〇%を割っているところがある。その一方で一〇〇%を上回っているところもある。これはやっぱり献体運動に取り組まれる方々の熱意のあらわれかなというふうに思いますけれども、国立大学で金沢などは三六・七%、四〇%台もずいぶんあります。そして医・歯学部、国立においては、北海道では二七・五%、東京医科歯科で三八・三%、鹿児島三〇%、徳島三八・七%と大変大きく割り込んでいるわけですね、まあ新設医大ということなどのハンディなんかもいろいろあると思いますけれども。公立においては大阪市立二七・五%、私立においても五〇%を割っている学校が非常にたくさんあるわけであります。こういう問題点を文部省は安易に許しては私いけないというふうに思うんです。  というのは、きのういただきました資料の中に、医学部は学生定員の二分の一、歯学部は学生定員の四分の一として算出したと、こう言いますけれども、私立大学なんというのは定員よりも学生の数の方がいっぱいなんですから、本当はここのところが割り込んでマイナス、もっともっと大きな不足になっているというふうに考えないわけにはいきません。そういう中で、模型なんかでやることができるんだから十分配慮されるならばさらに学生定員の医学部では四分の一以上、歯学部は学生定員の六分の一以上とすることができるなどといって、そういう状態を黙認するような私は姿勢というのは非常に間違いではないかというふうに思っているところでございます。しかしながら、いろいろとお伺いしたいんですが、私の時間も迫っておりますので、こういう問題点をこの法律が通ることによって解決できるという判断をしていらっしゃるかどうか、お伺いいたします。
  34. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 私ども、献体についての今回のこの法律は、国民に献体の意味を広く理解をしてもらう点で大変意義深いものがあるのではないかというぐあいに感じております。  具体的にたとえば法案の八条では、「国は、献体の意義について国民の理解を深めるため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」という規定もあるわけでございまして、私どもとしても献体に関する啓蒙運動をさらに円滑な伸展を図るというようなことで、必要な予算の増額を図るとか、あるいはまた献体者に対して文部大臣の感謝状を贈呈する制度もすでに発足させておるわけでございますけれども、そういう事柄についても引き続き充実を図っていき、具体的なたとえば法案成立を機会に政府の広報を通じてやはり国民全体の理解を深めていくような努力を私どもとしては十分やっていかなければならないことだと、かように考えております。したがいまして、この法案の成立を見ますれば、それを機会により一層そういう点で国民の理解を深めていく努力をいたしまして、結果として解剖用の死体の基準体数が従来にも増して各大学における基準体数が十分基準に達するような努力を私どもとしてはしなければならないと、かように考えております。
  35. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 いま法案第八条に触れまして、予算なども十分考慮をしていくという御答弁がありましたので、私はぜひこの予算活動をとらなければ本当に手弁当で歩いていらっしゃる方々もさらに十分な活動というものができないのではないかと思いますが、七条を見ますと、活動への指導、助言をするというふうに書いてあるわけでありますね。この指導、助言というのは一体どういうことを考えておられますか。
  36. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 具体的な事柄で申せば、たとえばそれぞれの団体が具体的に団体の活動をするための広報でございますとか、そういう関係者の理解を得るためのいろいろな資料を作成する。そういうような場合に、求めがございますればその求めに応じて私どもとしても対応いたしたいということでございまして、本来はこれボランティアの活動でございますので、余り国なり政府なりがみずから乗り出すということ自体についてはやはり差し控えた方がいいんではないか。しかし、その気持ちは決して消極な気持ちでいるというわけではございませんので、あくまでも団体側の自主的な活動なり意見を尊重するというたてまえで、したがって法案の規定としても「その求めに応じ、」という規定もあるわけでございますので、団体側からそういう広報でございますとかそういうような事柄について政府側に対応してほしいというようなことがお申し出があれば、私どもとしてもそれに積極的に答えていくというようなことを考えているわけでございます。
  37. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 提案者にお伺いをいたしますけれども、私もこのことについては、賛成をするからには自分自身も入らないでよそを見ているわけにもいかないと、こう思いましてね、そして息子などに話をしましたら、絶句をしてしまうわけですね、初めて聞くわけですから。これから長いことかかって口説かなければならないと、こう思っているわけですけれどもね。国民に対する理解というのは、テレビのコマーシャルなどで広告をするようなものではありませんけれども、じみちで尊厳ある活動というものがきちんと確保されるように努力をしていただきたいと思うのですが、その辺はいかがでございましょうか。
  38. 石橋一弥

    ○衆議院議員(石橋一弥君) まことに文教委員長提案ということは、つまり各党賛成の上であるということであるわけでありますが、特に御発言の中において賛成であるという御表明まことにありがたく感謝を申し上げます。  また、私自身もこうした問題について家族にも意見を聞いてみました。全く先生のおっしゃるとおりですね、なかなかお父さんいいですよという言葉は返ってきませんでした。大変だなと、こう思ったわけでありますが、まずみずからということを考えねばならない。しかも、崇高な精神であるという上に立ってこの法案を審議をいたしました衆参両院の各委員の方々には、まずひとつみずから範をたれていただきたいな、こう私も考えているわけでありますが、ちょうどきょうは献体で一生懸命になっていらっしゃる団体の代表の方もいらっしゃっておりますが、この方々と十分協議を進めながら、実際おやりになっている方々がどのようなことで悩み、どのようなことをやってほしいということ、これを十分これから話し合いをしながら進めていきたいなと、こう考えております。どうぞひとつ御協力のほどをお願い申し上げます。
  39. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 終わります。
  40. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 学校教育法の一部を改正する法律案について質問をいたします。  今回の修業年限の延長は、獣医学関係者にとっては昭和二十年代からの懸案であったわけですが、それが今日まで実現しなかった、そういう理由はどこにあったのでしょうか。
  41. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 関係者の長年の懸案であったわけでございますが、先ほどもお尋ねがございましたが、戦後の学制改革の非常に早い時期から関係者から御要請があったわけでございます。そして、教育刷新審議会での議論、中央教育審議会での議論などがいろいろございまして、さらに四十年代後半に改めて関係団体等からの御要望もあり、また先ほどの御指摘のような学術会議の勧告等もあったわけでございます。  そういう今日までには非常に長い経緯があったわけでございますが、私どもとしましてもそういう点を踏まえて、視学委員会あるいは調査会等を煩わして慎重に検討した結果、修業年限の延長ということについては関係者の大方の理解を得られてきたわけでございます。そこで、すでに五十二年でございますが、当面の措置として修士課程の積み上げによる六年間の教育ということが踏み切って行われてきたわけでございます。そして、ちょうど本年度でその修士課程の積み上げがいわば学年進行として完成をする時期にもなっておるわけでございますが、その改正の当時からやはり学部としての六年間の一貫教育ということが言われておったわけでございます。  そこで、先ほどその間の経緯については若干御説明もしたわけでございますが、獣医学教育の大部分が農学部関係の学科として行われている。そして、これらの学科を独立の学部として早期に実現するということについてはなお現実問題としていろいろむずかしい課題があるというようなこともありまして、関係の方々のお集まりの調査会議で十分慎重に検討いたしまして提案申し上げておりますのは、農学関係学部の中の獣医学科において学部六年教育が実施できるように今回改正をお願いをしたわけでございます。その間、私どもとしては関係者の方々の意見を十分慎重に聞きまして、また今回、こういう農学関係学部の中での獣医学科の六年制ということについては、関係の農学部長の御意見等も十分踏まえて、そういう対応を現実問題としてすることについて十分理解を得た上で踏み切っているものでございます。  以上が今日までの経緯を中心にした御説明でございます。
  42. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 次にお聞きしたいのは、先ほどもお話がございましたけれども、現在の修士積み上げ教育の教育課程は今回の改正によってどのように改善されたのか。修士課程の積み上げ教育、これは四年プラス二年で六年間だ、今回改正された修業年限も変わらない。一貫した六年間の修業年限になったということは形の上でそうなんですが、どこが改善されたのか、どこが充実され、また整理され、改善された点を納得するように御説明いただきたいと思います。
  43. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 具体的なケースで御説明を申し上げますと、現在は学部四年で行われているわけでございますが、たとえば基礎獣医学の授業科目をとりました場合に、学部では基礎獣医学は教えられておりまして、修士課程を中心として臨床獣医学、応用獣医学というようなものが行われているわけでございます。しかしながら、これが形の上では学部段階と修士課程とに分かれているわけでございますけれども、学部六年制ということで教育課程を組むことになれば、それぞれ基礎獣医学なり臨床獣医学のそれぞれの教育課程の内容をお互いに有機的に組み合わせるというようなことも可能になるわけでございまして、これは獣医学の関係者からはぜひとも、そういう教育課程の有機的な編成という観点から見ても、やはり学部段階での六年で一貫した教育課程を組むことが望ましいということが言われているわけでございます。  具体的には、教育内容の面で申せば、たとえばただいま御説明したような点が改善をされることになるわけでございまして、そのほかの点では、先ほども御説明したわけでございますけれども、やはり積み上げの六年の教育ということで、年限的には十分今日でも確保されているわけでございますが、やはり学部段階と大学院段階とでそこに区分があるということがどうしても有機的な一貫的な運営という点で、やはり教育の組織としては必ずしも十分適切に機能しないというような点が問題点として指摘されているということでございます。
  44. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 そこで、今回の改正でこの修士課程は学年進行によって廃止されると聞いておりますが、そうなれば今後獣医学の大学院の教育研究体制というものはどのようになるのでしょうか。
  45. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 今回の改正によりまして、大学院についてはこれまで五年の大学院、つまり修士課程二年と博士課程三年という形での大学院であったわけでございますが、そういう制度から、六年の学部教育が行われた後の大学院の制度としては、四年の博士課程が置かれるということになるわけでございます。そういう意味では、獣医学教育に関しては医学ないし歯学と同じような形での大学院の仕組みということになるわけでございまして、学部と四年制の博士課程の大学院と合わせれば、全体では修業年限は九年から十年ということで、修業年限の点でもその点は充実されてくることになるわけでございます。  ただ、問題はそれでは博士課程についてどのように考えるのかというような点が問題点として残るわけでございますが、現在国立の場合でございますと、北海道大学と東京大学に博士課程が置かれているという状況にございます。問題は博士課程につきましては、これは単に獣医学に限らず、わが国の博士課程全体の状況についてどのように充実整備をしていくかというのはやはり大きな課題でございまして、全体的な整備充実の方策についてはただいま調査会を設けて御検討もいただいているわけでございます。そして、博士課程全体の問題についてはいろいろ問題点もありますので、私どもとしても十分慎重に対応しなければいけない、かように考えております。  博士課程については、既設の博士課程の入学者の状況について見ましても、五十八年度は博士課程の入学者がほぼ定員を満たしているような状況でございますが、従来としても修了者の進路の状況その他から見まして、博士課程は入学定員を必ずしも満たさない状況で、従来から入学者がそういう状況で推移をしてきているということもございまして、その辺を十分慎重に検討をして、博士課程の整備というものをどのように考えていくかということについては慎重に対応いたしたいと思っております。
  46. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 それでは次に、農水省にお尋ねいたしますが、日本の畜産規模からして獣医師の全体数はかなり多いと思いますが、今後もそれぞれの分野での獣医師の需給関係、これは安定していくのかどうか、また見通しはいかがでしょうか。
  47. 石川弘

    ○政府委員(石川弘君) 獣医師全体で二万五千五百人程度の方々がいらっしゃるわけでございますが、職種で申しますと約一万人ちょっと超えます方々が国とか県、市町村の国家公務員あるいは地方公務員でございまして、この方々のお仕事も実は大体約半分が畜産関係でございまして、あとの半分の方々が公衆衛生、食品衛生だとか、そういう関係の方々でございます。それから、いわば農業団体なりあるいは畜産関係企業、これは医薬品等も含めまして、こういうところに勤めていらっしゃいます方が約五千二百人ばかりでございますが、そのほかに御承知のように獣医さんとして開業なさっています方が、産業動物関連で約二千三百人ばかり、それから愛玩動物のようなペットの獣医さんというような者が約四千人ばかりでございます。いま若干諸外国に比して高いのではないかという御指摘でございますが、いわば畜産ともろに関連をいたします産業動物関連は、県とか市町村あるいは団体、それからこの開業の方々も含めまして約五千五百人程度でございまして、畜産の規模とすれば、まあ場合によっては若干不足というような言い方もございますが、ほぼバランスがとれているんではなかろうかと思います。  今後の見通しでございますが、公務員の方々、先ほど申しましたように畜産関係とそれから公衆衛生関係でございますが、いわば動物検疫なりあるいは食品のいろんな衛生管理というふうな事柄、これからも非常に需要がふえてくるとは思いますが、私ども、この公務員としての獣医の方々は需要はふえるかもしれませんが、ほぼ現状程度の数で御活躍いただけるんではないか。産業動物関連が若干最近も伸びておりますし、それから医薬品等いろいろとその分野について若干の伸びを考えておりますけれども、あとの都市部のこういう愛玩動物用の方々はまあこの規模でほぼいいんではなかろうか、むしろ余りふやすという必要性はないのではないかと思っております。先ほどちょっと申しましたように、新卒が約千百人程度のオーダーで入ってまいりまして、いま申しましたような方々の分野で配分をされます場合に、やはり獣医さんあたり四十年ぐらいのサイクルでリタイアをなさるというふうな計算をいたしてみておりましても、ほぼバランスは全体としてはとれるのではなかろうか。地域によっているんな過不足があろうかと思いますが、それはまたいずれ別途の対策で修正をしていく必要があろうかと思います。
  48. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 今後は医師過剰時代になると、こう言われております。その中で無医地区の解消というのはまだ残っております。こういう問題は獣医師についても同じことが言われておりますが、この無獣医地区の解消、これについて現状はどうか、また解決策を講じてきたかどうかという点にお答えいただきたいと思います。
  49. 石川弘

    ○政府委員(石川弘君) 五十年代の初めのころ、実は産業動物関連の獣医師さんの数が五千人を割るような事態がございまして、その反面国内の畜産は大変伸びてまいっておりまして、五十年の初めのころに私どもが調査しました際に、二百四十三市町村が無獣医市町村であるというような調査がございました。そのころに同時並行的に、やはりこの無獣医地区の解消をねらいました幾つかの事業をいたしておりまして、まず、無獣医地区に獣医さんが定着してもらうようにというモデル事業を五十年代前半にいたしました。その後、やはり定着だけでは困難だということから、移動診療車とかたとえば留守番電話とかいろんな施設を設けましたパトロール事業というのを、五十三年以来現在も実施をいたしておりまして、そういう面での一種の、そこには住んではいただけませんけれども仕事はしていただくというふうなことを現在やっております。  もう一つ、畜産振興事業団の助成事業の中で、これはお医者さんの例にもありますように、学校の段階で産業獣医師さんになってもらうということを前提としました奨学金の制度をやっておりまして、これによりまして現在卒業なさった方が相当数この産業動物の獣医師になっていただいているというふうなことがございます。これらの施策を今後一層推進させまして、関係の畜産生産者の方々には御迷惑かからぬようにということでやっていきたいと思っております。
  50. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 時間が迫ってまいりましたので簡単にお答えいただいて結構なんですが、新聞にこれはちょっと出ていたので問題だと思っているんですが、東京を中心とした都市部で、過剰競争になった獣医師会を中心にしたペット専門の医師の問題なんですが、特に狂犬病予防注射の担当医の選定の問題が一部の会員を差別するというような実態がある。これに対して公正取引委員会が調査するといった事件が報道されているわけですが、これはお聞きだと思いますけれども、この実態はどのように把握されていらっしゃいますか。簡単で結構ですけれどもお答えいただきたいと思います。
  51. 石川弘

    ○政府委員(石川弘君) 数府県におきまして、御指摘のような狂犬病の予防注射につきまして特定の医師のみにこれを行わせているとか、あるいは獣医師会の入会につきまして相当金額の入会金を徴収するというようなことにつきまして、公正取引委員会から事情聴取がございました。私どもはそういうようなことにつきまして、獣医師会を呼びましてそのような事実をただしますと同時に、そのような公取、独禁法で問題になるような行為をしないようにということで指導いたしておりまして、獣医師会自身も傘下の会員にそのような指導をいたしております。私どもも都道府県の関係課を通じましてそのような事実が厳に行われることのないように指導いたしているところでございます。
  52. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 獣医学部学科の学生のうちで女性の占める割合が最近高まっている。二割程度はいると聞いておりますが、医師の場合は女性はほぼ十人に一人と言われておりますが、獣医師の中で女性の占める割合はどの程度になっているか。またどのような分野に従事しているか。おわかりでしたら御説明をお願いします。
  53. 石川弘

    ○政府委員(石川弘君) 五十七年度末での届け出獣医師、先ほど申しました総数二万五千五百でございますが、うち女性が約千名でございます。比率で申しますと四%ぐらいでございます。  お勤めなさっている先で申しますと、国、都道府県、市町村等、公務員という形でお勤めになっている獣医師さんが三百十名でございます。それから農協とか農業共済といった団体にお勤めの獣医師さんが百三十名、比率で一三%前後でございます。それから個人診療施設に勤務なさいます方が三百三十名ぐらいでございます。あと現在獣医師さんの免許をお持ちなんですが、実際おやりになっていない方が二百三十名ばかりではなかろうかと思います。最近は先生御指摘のように、新卒の中で女性の方々の比率がふえてまいっている傾向でございます。
  54. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 人事院の方にもお聞きしたかったんですけれども、先ほど粕谷委員からのお答えをお聞きして省略さしていただいて、ただ意見として、医師と同等にすべきだ、こういう基本的な考え方は人事院としてはどうでしょうか。一言。
  55. 清水秀雄

    ○政府委員(清水秀雄君) お答えいたします。先ほども申し上げましたとおり、国家公務員として在職いたします獣医師の資格を有しておられる方が従事している職務にはいろいろございますとともに、その職務のいかんによりまして適用する俸給表が異なり、あるいは初任給の格づけ等の取り扱いが異なっております。  しかし、この点はいわゆる医大卒のお医者さんの場合も全く同様でございまして、たとえて言えば、医師の資格を持ちまして教育に従事している方は、あくまでもほかの分野を専攻されておられます方と同じ基準に基づきまして、教育職としての取り扱いを受けているというような事情になっております。したがいまして先ほど申しましたとおり、来年三月以降原則として修士以上の資格を必要とする、あるいは今回の改正によりまして六年制となるというようなことに伴います検討を行うに当たりましては、ただいま申しましたような事柄を含めましてあわせ考えていく必要があるのではないかと、かように思っておるところでございます。
  56. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 最後に環境庁にお尋ねしたいのですが、国際保護鳥であり特別天然記念物のトキについて、先月十三日に人工増殖のために捕獲された雌のトキが産卵を控えて死んでしまった、人工増殖の見通しが非常に暗くなったというニュースが出ておりましたが、その経緯と今後の対策をお伺いしたいと思います。
  57. 長谷川堯

    ○説明員(長谷川堯君) 御説明を申し上げます。  御心配いただいておりますトキは、わが国で生息地が佐渡だけになってしまいまして、その佐渡のトキの数も減ってまいりましたので、野生の状態での増殖がほとんど期待できないと考えまして、五十六年一月、野生の五羽全部を捕獲しまして佐渡のトキ保護センターで人工増殖に着手をいたしました。  飼育の体制でございますが、センターの職員は主任以下四名でございまして、そのうち一名は獣医さんでございます。これに東京都の動物園関係者で構成いたしますトキ増殖技術検討会の検討員が技術指導を行う、こういう体制でいままで飼育を進めてまいりました。  増殖でございますが、雄が一羽だけでございますので、昨年三月からその雄と雌をつがいにいたしましたところ相性がよくいきまして、特にことしの三月からは親密度を増してまいりまして、四月上旬に産卵をしてくれるんじゃないかと期待をしていたわけでございますが、残念ながら四月二日から産卵に伴います障害があらわれまして、介護に努め手を尽くしたわけでございますが、十三日に残念ながら死亡いたしました。死因は輸卵管閉塞、いわゆる卵結まりと考えられております。なお、死んだ雌の体内から卵を取り出しましてふ卵器にかけておりましたけれども、ふ化いたしませんでした。  現在残ったトキは雄一羽と雌二羽でございます。今月いっぱいはなお繁殖期でございますので、雄と新しい雌のペアリングに努めているわけでございますが、現在までのところ成功いたしてございません。この雌が十五歳でございますので高齢ではないかと御心配の向きがございますが、私どもまだ十分繁殖能力を有していると考えておりますので、今後もペアリングによる増殖に努力してまいりたい、かように考えております。さらにもう一羽雌がございます。それを活用するために一年前から人工授精技術の開発に努めておりますが、今後も積極的に人工授精技術の確立に努めてまいりたい、このように努力をしているところでございますので、御理解をいただきたいと存じます。
  58. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 ありがとうございました。
  59. 高木健太郎

    ○高木健太郎君 先ほどの献体に関する法案について一言申し上げたいと思います。  先ほど粕谷委員からもお話ございましたように、五十四年でしたか、日本学術会議で日本解剖学会の方から、竹重教授から提案がございまして、これが政府に勧告され、非常に長くかかりましたけれども、今日ここに協議事項として提案されたことは提案者の一人として大変喜ばしいと存じております。なお、各党からのほぼ御賛成を得て今日御採決いただくということでございますが、これに関しても大変関係者の方々は喜んでおられることだと思います。  また、文部省におきましては、献体者の遺族に対しまして、私、委員会で申し上げましたところ、早速感謝状を文部大臣の名前で出していただくようにしていただきましたことは、私から深く文部大臣に感謝申し上げます。  ところで、一つだけお聞きしたいと思いますが、この法律は公布の日から起算して六カ月を経過した日から始めるということでございます。この法律案を見ますと、このままではなかなか動きがとれない部分もあろうと思って、いろいろ細則等が必要であろうかと思います。特に第七条の、「指導又は助言をする」という漠然とした書き方でございますが、こういうことで、今後この法律を生かしていくためにはかなりの文部省の、政府の補助、指導が私は必要であろうと思っておるわけでございます。この点に関しまして、政府の御見解をお伺いいたしたいと思います。
  60. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、この法律案の附則によりますと、「この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。」というぐあいに定められているわけでございます。私どもといたしましては、具体的には、その間に準備いたします事柄としては、一つには学校長が正常解剖の解剖体として死体を受領した場合に、当該死体に関する記録を作成し、保存するに当たっての必要な事柄についての文部省令を定めるということがまず第一点としてございます。  それから、法律の施行に関しまして必要な事柄について、関係者に周知徹底を図るためのいわゆる施行通知を出すということがまずあるわけでございます。施行通知に当たりましては、今回御提案されております献体のこの法律の趣旨が十分生かされるように、私どもとしても積極的な対応で臨みたいと、かように考えております。  そしてまた、これらの事柄につきまして、いずれも関係団体の意見も十分徴しまして、また、政府部内でも厚生省側とも十分協議をいたしまして誤りのないように対応いたしたいと、かように考えております。
  61. 高木健太郎

    ○高木健太郎君 ありがとうございました。
  62. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 まず献体法案についてわが党の見解を述べておきたいと思います。  今日、各会派が一致して本法案を成立させるための審議を行っているわけでありますが、長らくこの献体運動に貢献してこられました関係各位に心から敬意を表したいと思うのです。  この自主的に進められてきた献体運動が、医学教育のために果たしてきました役割りは非常に大きいものがあります。今回これを制度として確立する本法案の成立を見ますことは、わが国の文化、思想史の上の一つの発展、進歩の一里塚と考えます。欧米では献体は当然のことと考えられているとのことでありますが、わが国においては慣習等の違いもあって、篤志家による献体運動は一部の物好きと見られてきたことは否めななかったのであります。  本法案は、献体の行為を発意した人の思想及び良心の自由を擁護し、その死後もこれを尊重されるべきことを明確にしておりますが、まことに大きな前進でありまして、私はこの点でも本法案を高く評価したいと思います。今後、献体の運動を一層発展させなければなりませんし、同時にまた、大学医学部初め関係各位がより矜持を持ってわが国の医学教育の進歩ひいては医学の向上と国民の福祉の増大のために健闘されんことを希求すると同時に、文部省において、この法の効果ある積極的な運用を要望しておきたいというふうに思います。  以上意見を述べまして、学校教育法の改正案についての質問を行いたいと、こう思います。  獣医学教育の六年制課程の実現、これは日本学術会議の勧告を初め日本獣医師会など関係者の長年の要望であります。その点で今回の法改正は私も賛成をいたします。しかし、その中身が充実されなければなりません。昭和四十六年に学術会議がこの獣医学修業年限の延長について政府に勧告してから、十二年たっています。勧告の中身は「獣医学の研究を振興し、高い資質の獣医師を世に送るために、獣医学教育を六年制に改善することをすみやかに実現するよう政府に勧告する」とありますが、そこで、この十二年間に一体政府の方ではどういう努力をなさったのか、なぜ十二年間も必要だったのかという点について御説明をいただきたい。
  63. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 先ほど来お尋ねがありましてお答えをしてまいったわけでございますけれども、勧告を受けました後の措置としては、私どもとしては農林省からも御要望があったわけでございまして、それらを受けて、まず獣医学の視学委員会で検討をいたしまして、修学年限の延長について文部省に報告をいただいたわけでございます。  その後、獣医学教育の改善に関する調査研究会議を五十年に発足させまして、その会議の結論は五十一年三月にいただいたわけでございますが、当面、修士課程積み上げによる六年制教育を実施すべきであるという趣旨の報告をいただきまして、それを踏まえまして五十二年に獣医師法の一部を改正する法律が成立をしまして、いわば獣医師国家試験の受験資格が修士課程終了者に引き上げられるというような形で、獣医学の修士課程積み上げの六年制ということがそのときから行われることになったわけでございます。  そしてその際にも附帯決議等もいただいておりまして、その附帯決議の基本は、学部での六年制教育が望ましいという附帯決議があったわけでございます。それらを受けまして、五十三年一月に獣医学教育の改善に関する会議を発足させまして、獣医学の学部六年制教育実施について、先ほども御答弁したわけでございますが、やはり全体的に獣医学部として対応するとするならば、やはり適切な規模が必要であって、それらについてブロックごとに統合、再配置をするというような形が望ましいという報告をいただいたわけでございます。  現実問題として、その報告を五十四年六月にいただいたわけでございますが、私ども関係いたしております国立大学の学長の懇談会にその点をお諮りをして、私どもとしてもその趣旨で積極的に進めたいということでいろいろと御相談をいたしたわけでございますが、その結論といたしましては、やはりそれぞれの大学の実情なりあるいは地域の状況から見れば、いま直ちにそういう整理統合というようなことは実施が困難であるというのがその学長会議の懇談会の結論であったわけでございます。  それらを踏まえまして、それでは現実問題としての処理をどうするかということについて、関係の国立大学の農学部長等の関係者にも入っていただきまして、さらに五十六年十二月に、獣医学教育の改善に関する調査研究会議で、現実問題の処理としてどうするかということで御検討をいただき、本年の二月にそのあり方について報告をいただいたというような経緯があるわけでございます。  確かに四十六年以来要している年月があるわけでございますが、いずれにいたしましても、これは大学の関係者の合意を得て進めていかなければならない課題でありますし、そしてまた獣医師会等関係者の御要望を踏まえた現実的な解決策として、今回御提案申し上げておりますような形での改正に踏み切ったというのが今日までの経緯でございます。
  64. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 十二年間かかった経過をお聞きしましたが、結局会議が踊ったわけですよね。結果としては、結局学術会議が軽視をされたという、そういう結果を生んでいるわけです。会議が踊ったのはいいんですけれども、具体的に教育内容というか、教授陣、これは一体どれだけ重視されてきたのかという点ですよね。だからこの点、五十二年に獣医師法を改正なさって学部、修士をつなぐ一貫教育、これが検討されて、国立大学で多くの講座をふやす、そういう要求が出てきたと思うんです。それから六年たっているのですが、それがどれだけ実現をしたということになりますか。
  65. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 具体的にそれではどれだけ充実……
  66. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 時間がありませんから簡単に結論だけ。
  67. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 教員の充実につきましては、五十三年度以降、それぞれ教員全体については四百三十二人から五百四十九人ということで、国公私立合わせて百十七人の増を図ったということでございます。
  68. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 五十二年度には七十一講座要求されたけれども、実際実現は六講座ということですね。今年度、五十八年度は五講座要求なさったけれども、結局実現はゼロということになっています。だから、講座はふえないし教授陣の充実は進まない。したがって学部もなかなか簡単にはできない。そういう状況が十二年の経過をずっと見てもあるんじゃないかというように思うのです。そこで今回の改正後、学部、学科に最低どれだけの講座を文部省としては保証するのか、この点はいかがですか。
  69. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 講座数でございますが、五十八年度現在、国立大学の場合で申し上げますと、北海道大学は十三講座、帯広畜産大学、東京大学が十講座、その他の七大学が九講座ということになっております。
  70. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 あなたの方でなにしているのは、六年制の学科の場合は八講座、学部の場合は十四講座を保証するというように聞いているんですが、違うんですか。
  71. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 設置基準の考え方としてはそのようになっているわけでございますが、問題は他の学部の中における学科の場合については、隣接諸学科からの協力というようなこともございまして、    〔委員長退席、理事片山正英君着席〕 現実問題として十四講座でなくとも、私どもとしては十分教育上支障がないものというぐあいには考えているわけでございます。
  72. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 かつて視学委員会でも十四講座の必要性を指摘されたことがありますね。だから十三講座でもいいんだというように消極的に文部省自身が考えてしまうということでは、実際の学科を学部に拡充、充実をしていくという点もなかなか進まないということになってくると思うのですね。それはもう時間がありませんから、その点だけ申し上げておきます。  それから、獣医師にもより専門的なものが要求されてくるということですから、したがって大動物あるいは小動物――畜産、ペットですか、あるいは病理衛生などのこういったコース別の教育課程も置くべきだという意見も出てきていますが、この六年制への移行と同時に、こういった専門的な知識とか臨床技術、この習得が可能なような制度というものを考えるべきではないかと思いますが、いかがですか。
  73. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 学部六年制という形で、もちろん御指摘のように、専門教育の充実については私どもとしてもそういう対応で取り組んでいるわけでございます。特にいま御指摘の、大動物の扱いその他を踏まえての御指摘があったわけでございますが、私どもとしても実習について学外の実習等も活用するということで対応してきておりますし、またあるいは農林水産省の種畜牧場等を活用するというようなことについても積極的に検討して、御協力をお願いせねばならぬ点ではないかと、かように考えております。それらの点は、今回の学部六年制に踏み切りました趣旨を踏まえて、専門教育の充実には今後とも努力をしてまいりたいと、かように考えております。     ─────────────
  74. 片山正英

    ○理事(片山正英君) この際、委員の異動について御報告いまします。  本日、宮之原貞光君が委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君が選任されました。     ─────────────
  75. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 大臣、この問題で最後にちょっと御意見を聞いておきたいと思いますが、こうした専門的な教育、専門教育というのは講座数が少なくてはなかなか実現できないように思うのです。ですから、今回改正に踏み切ったからには、当然獣医学教育がより充実するようにしていただきたい。したがって必要な講座数とか、教官の確保、それから施設設備、あるいは臨床技術の習得、これを重視をして一層整備をしてもらいたいというように思うのです。将来、今回の法改正が歴史に残るようなそういうものになるように、大臣としても全力を挙げてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
  76. 瀬戸山三男

    ○国務大臣(瀬戸山三男君) せっかく長い間課題でありました獣医師に関する法律が改正になったわけでございますから、その趣旨を十分生かせるように、これは獣医の方も人間の医師も同じでございますから、そういう趣旨を十分生かすような考え方で今後努力をしたい、かように考えております。
  77. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 次は待遇問題についてお伺いしたいと思うのです。  家畜診療に当たっている人たちの意見も大分聞きました。そこで共通して出されたのは、輸入の自由化の圧力の中で大変な困難に陥っている畜産をつぶさないでもらいたい、もっと振興してもらいたいという声が大きかったわけですが、もう一つは、農業共済の家畜診療所の獣医師の待遇問題です。私京都で調べてみますと、農業共済の獣医師さんは行政職の給料表が適用される。診療手当が月一万円ほどつくだけなんですね。御承知のようにこの獣医師さんは応招義務があって、そして夜間でも休日でも出かけていかなきゃいかぬ。しかしこれには一円の超勤手当その他の手当はつかない。回数に応じて一カ月合わせて約一万円程度の診療手当がつくというだけの状況なんです。開業医さんの場合はこれは診療報酬がその都度つきます。だからその点で非常に大きな待遇の差が出てきているんですね。この点農水省の方、いかがですか。
  78. 原昭夫

    ○説明員(原昭夫君) 農林水産省といたしましては、農業共済団体の家畜診療所の獣医職員の給与につきましては、一般的に申し上げますと、獣医さんの勤務の特殊性、いま先生御指摘のような事情もございまして、一般職員とはまた別の違った特殊性がございます。したがって、それらを勘案いたしまして適正な給与額になるように従来からも指導してきているところでございます。現在のところ全国的にこれを見ますと、ほとんどの家畜診療所につきましては、獣医さんの給与は、一般職員等が適用されますところの俸給表と別の俸給表を適用しておるところとか、あるいは同じ俸給表を適用しております場合におきましても、格づけを上げたりあるいは手当をつけるというようなことでもって一般職員よりも優遇しておるのが実態でございます。また一般職員と別の俸給表を適用しておるという場合には、大体におきまして医療職等の俸給表を適用しておるのが全体的に申しますと一般的でございます。  それから、御指摘ございましたように、家畜診療所に勤めます獣医さんというのは職業柄どうしても時間外の勤務というのは避けられない状況でございます。したがって地方によって異なりますけれども、ほとんどの県では診療の実態に応じて診療手当なりあるいは超過勤務手当等は払っているのが一般的でございますが、ただ全体的にはそういうかっこうでもって待遇されておるわけでございますけれども、地方によりましてはやはりまだ低いというところもございます。    〔理事片山正英君退席、委員長着席〕 私どもといたしましては、こういった支給額が特に低いと思われるような団体につきましては、今後とも一層その適正化を指導してまいりたいというふうに考えております。
  79. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 これは農業共済自身の財政状況も苦しいですから、酪農地帯ですとまだわりあい融通きくんですね。だからそういうところでないところでは非常に条件が悪くなってしまう、こういう状況があります。そこへ今度は学部修士六年制の人が来年出てくるわけですから、この点ひとつ農林省の方の指導も十分やってもらいたいというように思うんですが、そこで、先ほど人事院の方に同僚委員から御質問がありました。医科大学と同じように二年修業年限が延びたわけですから、それを考慮するということ、バランスを失しないようにするというお話でしたが、国家公務員の場合は、先ほどからおっしゃるように研究職なり教育職なりそういうことになります。地方公務員の場合はほとんどがいま医療職の(二)表の適用ですね。そうしますと、バランスを失しないということになりますと、医師とか、歯科医師の適用になっている医療職の(一)表、これになると、言うならば別表の下の付記を変えると、改正を含むということになるわけでしょうね。
  80. 清水秀雄

    ○説明員(清水秀雄君) お答えいたします。  現在の国家公務員なりあるいは地方公務員の俸給表の適用関係は、原則的に言えばただいま先生が御指摘のような実情にあるだろうと思っております。地方公務員の関係、私ども直接所管しておりませんので詳しくは存じませんが、おおむねそうだろうと理解をいたしております。  ところで、御指摘の、今回の改正で六年制になり、あるいは来年三月以降修士課程修了というのが最低の必要資格となったからと申しまして、同じ年限だから直ちに医療職俸給表(一)というわけにはいかない話でございまして、これは先ほども申しましたとおり現在の公務員の給与の仕組みというのは、その者が持っております資格で給与を決めるというのではなくて、従事する職務の種類のいかんによって決めているという原則が一つございます。  それと、医療職俸給表(一)という俸給表を現在特別につくりまして医師に適用いたしておりますのは、民間におきます医師の給与との均衡その他のいろいろの問題がございましてそういう取り扱いをやっているわけでございますけれども、獣医師の関係がいま申しましたような医師とその辺の事情が全く同様であるのかどうなのかということにつきましては、今後十分にいろいろと勉強をしていく余地がある話でございまして、そんなような関係を踏まえながら、今後なおよく勉強をしていくべき課題だというように考えておるところでございます。
  81. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 ちょっと私はそれは納得できないですね。対象が人間であるか動物かによって違うというのか、あるいは需要と供給の関係で違うというのか、医療職の(一)表と(二)表の違いを。医療職(一)表は医師、歯科医師ですよ。(二)表は獣医師、薬剤師、検査技師ですね。こういうことでしょう。それは六年と四年という修業年限の差も一つの重要な条件になっておるわけですね。だからこの辺が一つあるでしょう。それから、実際にやっているのは動物対象だけれども、そのことが人間に及ぼす影響というのはきわめていま強まってきているわけでしょう。動物を扱っているんだからおまえのやっている仕事はお粗末なんだ、人間相手だから、ということにはならぬでしょう。  だから、やっている業務の内容をどうランクするのかという、その問題をそういう形で見ることができるのかどうか。客観性を持って科学的に判断できるのかどうか。修業年限の差というのは、これは客観的な事実です。だから一般行政職の(一)表でも、高校卒、大学卒、試験採用その他で色をつけますね。初任給の差をつける。医療職(二)表をそのままにして、二年ふえたんだから初任給を二号上げようということだけでは今度は済まない。というのは、それでいいのだったら医療職の(一)表も(二)表も要らぬわけです。ですからいまの人事院の答弁は私はちょっと納得できない。
  82. 清水秀雄

    ○説明員(清水秀雄君) 先ほど申し上げましたとおり、実は国家公務員と地方公務員の適用俸給表等の取り扱い、先生御指摘のとおりでございますけれども、さらにそれを詳しく申し上げますと、医療職俸給表の(二)の適用を受けております獣医師の資格を有している方というのは、国家公務員の場合には実は原則的にございません。それはそういう仕事に従事する職員がいないからでございます。
  83. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 職種じゃない。
  84. 清水秀雄

    ○説明員(清水秀雄君) はい。したがいまして言葉をかえて言えば、先生御指摘のような医療職俸給表の(二)の適用をしていることがいいのか悪いのかということは、実はもっぱら地方公務員の話にかかわる話でございます。しかし私ども広く公務員の給与をお預かりしている立場からいきまして、いろいろと勉強はさせていただいておるということが一つ。  それから先ほど申しましたのは、先生がいま申されましたような趣旨で申し上げているわけではございませんで、医療職俸給表の(一)の俸給表というのを特別につくっておりますのは、現在民間におきますお医者さんの給与がほかの職種に比べまして異常に高いということで、したがって非常に高い水準の俸給表にしなければいけないというような問題であるとか、あるいはそのほか病院、療養所等に勤務しますということとの関係で特別に考えていかなければならない事情があるためにそんなような取り扱いをやってきているという実態にございます。ですけれども、御指摘のような御意見もございますから、今後そういう点をどう考えていくのかということについては、先ほど申しましたとおり今後における一つの勉強課題というように心得ているという趣旨でございます。
  85. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 もう時間が来ましたから、最後に意見だけ言っておきますが、国家公務員には獣医の職種はないから、医療職(二)表には。だからいいんですけれども、しかし、人事院の出しているあの別表が地方公務員の待遇に大きい影響を与えるわけです。だから、(一)表にするのか(二)表にするのかで実際の自治体での対応は根本的に違ってくるんです。だから、この点は自治省も含めて関係間で十分ひとつ検討してもらいたいということだけを申し上げておきます。  終わります。
  86. 小西博行

    ○小西博行君 学校教育法の一部を改正する法律案の方から質問さしていただきます。  今回の改正案で、四年から六年制に変わるわけであります。私はこのことにつきましては賛成であります。と申しますのは、一般の大学におきましても、最近では工学系であるとか、あるいは理学部というのはもう四年制ではなくて六年制にしなければいけないんじゃないかというような意見も出るほどでありますから、ましてや獣医さんの場合は相当勉強していただかなきゃいかぬということですから、六年になることは私は賛成でありますが、諸外国の何か例がございましたら教えていただきたいんですが、外国では一体何年ぐらいの教育をやっていらっしゃるのか。それをまずお聞きしたいと思います。
  87. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 外国の獣医学教育についてのお尋ねでございますが、各国それぞれ教育制度が異なるので一概に比較はできないわけでございますけれども、大学レベルにおける主要国の教育年限について見ますと、西ドイツ、フランスが五年、英国が五年ないし六年半、ソ連、カナダが六年、米国が六年ないし七年ということになっておりまして、専門教育について見ますと大体四年以上というのが考え方の原則でございます。  また、アジアの諸国におきましては、韓国が四年であるほかはいずれも五年ないし六年になっているというぐあいに承知をしております。
  88. 小西博行

    ○小西博行君 農水省にお聞きしますが、先ほど同僚委員の方からも質問がちょっとございましたんですが、獣医の数ですね、これはどういうものを基準にして考えていったらいいのか。たとえば家畜の頭数といいますか、こういうものからいきますと諸外国に比べてかなり日本の場合は多いんじゃないか。二万五千人以上いるということでありますから多いんじゃないかと、このように考えるんですが、その点はいかがですか。  それともう一点は、資料を見せていただきますと、私は、ひょっとして個人開業といいますか、ペットショップといいますか、それを対象にしたいろんな医師が非常に多いんじゃないか、ふえてくるんじゃないかと、そういうふうに思ったんですが、余りこれはふえておりませんね。全体に安定している状態と言っても過言じゃないと思うんです。そういう意味で将来の見通しですね、これは一体どういうふうに考えていらっしゃるのか。その点をまずお尋ねいたします。
  89. 石川弘

    ○政府委員(石川弘君) 二万五千五百人の獣医師さんでございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、国家公務員ないし地方公務員の方が一万五百人ぐらいいらっしゃいます。この方を大きく分けまして、半分が畜産関係、半分が公衆衛生関係でございます。この数は将来とも、需要はある程度ふえるんですが、こういう数じゃなかろうかと。  それからもう一つ、団体関係、これは農協とか、あるいは農業共済とか、あるいは関連企業、このあたりの方が大体五千二百人ばかりございます。この方々の方は、特に生物化学とか、そういうところでは将来もやっぱり需要的にはふえると思っております。  それから、開業なさっている獣医師さんは、産業動物関係が二千三百人ぐらいでございますが、いま先生がおっしゃいましたペットは約四千人の方々がなさっています。これはここ十年間ぐらいにかなり急速にふえたんですが、現在はこの数でほぼ頭打ちと申しますか、この程度の数ではなかろうかと思います。  全体の需給で申しますと、先ほどもちょっと申し上げましたように、私ども、先ほど先生が御指摘になりました産業動物、家畜、畜産のわが国の規模から言いますと、産業関係のお医者さんというのは大体五千五百人ぐらいでございますので、その数で比較しますと、諸外国との比較をしても必ずしも多いという数字ではございません。全体の需給で申しますと、やはりいまぐらいの数が、若干ふえましたとしましても、先ほど申しましたいろいろな関連企業関係等もございますので、リタイア等も含めて将来的展望を需給計算しまして、ほぼバランスがとれるのではなかろうかなと思っております。
  90. 小西博行

    ○小西博行君 先ほど、卒業して就職した場合の公務員の問題がいろいろ出ておりましたけれども、今度の採用試験というのは、いわゆる大学院を出て受ける試験と六年制を出て受けるのとは当然違うわけですね。その辺の関連についてちょっとお聞かせ願いたいと思います。試験内容ですね。
  91. 石川弘

    ○政府委員(石川弘君) この次の国家試験からいわば修士課程を積み上げた方の試験をするわけでございます。当然そういうことで試験の内容も変える必要がございますので、五十三年の六月から実施方法について検討いたしておりました。最近結論が出ておりますけれども、この獣医師免許審議会の調査部会の結論によりますと、一つは、現在十二科目で試験をいたしておりますが、もっと広範な獣医学全般、十七科目全般について試験をするということでございます。もう一つは、教育内容が充実改善されましたことを踏まえまして、試験問題の出題範囲とかあるいは問題の難易度につきまして一定の水準を定めますためのいわば出題基準というのをつくって、それに基づいて出題をしていく。もう一点は、いわば出題のところで、記述式の普通の答案に書く方式をやっておりましたけれども、範囲が非常にふえてまいりますし、採点を客観的にやる必要がございますので、出題方式といたしましては多肢選択方式をとりますし、記述方式はマークシートでやる。この点が一応改善点ということになっております。
  92. 小西博行

    ○小西博行君 獣医師の先ほどの試験というのはよくわかりましたが、今度は実際に卒業して医者として仕事をするわけですが、社会へ出てからの教育といいますか、学校だけの教育というのでは当然足らないと思うので、その辺の対策についてはどのような研修をやっていこうというふうに考えていらっしゃるのか。あるいは、現在はどういうことをやっておられるのか。それをお聞きしたいと思います。
  93. 石川弘

    ○政府委員(石川弘君) 大変獣医師の方の技術の進歩も進んでおりますので、当然免許をもらった方々にも相当の資質向上をしていただく必要がございますので、まずわれわれの対応としましては、都道府県勤務の獣医師さんにつきましては、私どもの家畜衛生試験場におきまして研修を実施しておりまして、延べでございますが、すでに約一万人の方々がこの研修を受けておられます。  それから、家畜診療所あるいは民間といった現場の方々につきましては、この研修を受けました都道府県の獣医師さんが地域地域で、新技術なりあるいは新しい薬のことなり、そういうことを研修をするという形にいたしておりまして、そのほかに教育資材といたしまして視聴覚教育用のビデオだとかいろいろなものを実は予算措置をいたしておりまして、これを各地域に流しまして、極力新しい技術に対応できるようにということをやっておりますし、今後も充実するつもりでございます。
  94. 小西博行

    ○小西博行君 少し変わった質問をさしていただきたいのですが、栽培漁業というのが最近ははやっておりますね。はやっているというか、非常に魚の量が減っておりますので、ハマチあるいはブリ、こういうものの栽培漁業というのが非常に盛んだと思うのですが、魚の病気ですね、こういうものに対してはいまのところは獣医さんみたいのがいらっしゃらないわけでありますから、こういうものに対してやはり私は何か一定の資格を得たような専門家を養成しておく必要があるのではないかと、このように素朴な考えを持っておるわけですが、それに対する考え方はどうなんでしょうか。
  95. 伊賀原弥一郎

    ○説明員(伊賀原弥一郎君) 御説明を申し上げます。  先生のお話がございましたように、最近、まあ近年でございますけれども、漁業、魚類関係の養殖はきわめて急速に伸びてまいったわけでございますが、その反面、御承知のように非常に密度高く養殖をするとか、そういうようないろいろな関係もございまして、魚病の問題が非常に問題になってきております。  こうした魚病の対策をどうやっていくかということでございますけれども、これは基本的にはいわゆる防疫でございますね、病気が蔓延するのを防ぐ防疫だとか、魚病の診断あるいは治療、それから医薬品等について十分な知見を持っているという人、それから、かつ海の中でございまして、一緒に飼うわけでございますので、魚病を発生させないことというのが非常に重要になってまいります。こういう養殖、管理の技術をあわせてそなえた技術者というものの専門家を養成をいたしまして、養殖の現場において適切な指導をさせるということがきわめて重要になってまいります。  こうした観点から、水産庁といたしましては、昭和四十八年からでございますけれども、都道府県の増養殖技術者を対象とする魚病の研修をやってきております。そして、魚病の専門家の育成を続けてきているわけでございます。そして五十四年からは予算もふやしまして相当充実をしてやってきておるという経過になってきております。  魚病の研修はどういう内容をやっておるかと申しますと、魚病対策に必要な魚病学の一般、それから細菌学、ビールスの学、寄生虫学、化学療法、それから公衆衛生、こういうようなもの、一般的なものと実習をやってきております。これをあわせて三年間でやるという仕組みをいたしております。五十八年現在でこの研修を終了しました者が約二百名でございまして、これらの者が都道府県の魚病の指導の総合センター、それから水産試験場、水産業改良普及所、こういうところに配属されておりまして現地で指導をいたしております。さらに研修を終えました者につきましてもさらに高度な研修が必要なものでございますから、再教育とかそれからさらに高級な技術を教育するための教育もやっておるということでございます。  この研修をやりました者に対してどういう資格を与えているかという問題があるのでございますが、いまのところまだ一定の資格ということを与えておりません。今後とも魚病の対策というのは相当しっかりやっていく必要があると思いますので充実したいと思いますが、この中で資格の問題についても検討を含めてやっていきたいというぐあいに考えているわけでございます。
  96. 小西博行

    ○小西博行君 ぜひそれやっていただきたいと思います。私自身、実際に奄美大島あたりでダイビングしていろんな魚をとったことがあるんですけれども、実際に魚の皮膚を見まして、これは食べちゃだめですよというのがあるんですね。なぜですかと言いますと、いろいろ食べる物も全く違うと。たとえば毒のある貝を食べたものは皮膚に出るからこれは危ないとかということですから、いま瀬戸内海あたりではプランクトン異常発生、赤潮という問題、これで全滅という問題も実際ありますし、われわれがわからないような病気というのが当然そこで出てくるんじゃないか、たくさん魚を食べているものですから、そういう意味でぜひ家畜と同じように対策が私は必要じゃないかなと思うんです。ぜひお願いしたいと思います。  それでは時間がありませんから、献体の方へ入ってまいりたいと思います。資料をもうすでにいただいておりますので、一つ一つお聞きしませんけれども、いわゆる解剖学実習用の死体、この収集状態というのを見ますと非常に少ないわけですね。現実には平均しましたら五七%の充足率ということになっておりますね。二千体ほど足らないというこういう数字が出ておりますけれども、これ現実にはどういうところからそういう死体を収集していらっしゃるのか。その点からまずお聞きしたいと思います。
  97. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 収集状況について特にどういうところから収集しているかというお尋ねでございますが、収集状況は五十六年度の場合について申しますと、献体によりますものが三六%、遺族から提供されたものが四〇%、老人ホーム等の社会福祉施設を介して提供されたものが一一%、引き取り者のない死体で市区町村長から交付を受けたものが一三%、そういう状況になっております。
  98. 小西博行

    ○小西博行君 死体ができるだけ充足されれば医者も勉強ができるわけですね。先ほどございました医の倫理といいますか、そういう面で非常に大切だということは私高木先生から何回も伺っておりますからそのとおりだというふうに考えておるわけですが、この充足率が非常に悪い。死体が少ないという問題に対してはどのようにその原因分析をされていらっしゃるのか、あるいは死体確保のために文部省はどのような措置を講じていらっしゃるのか、この二点についてお伺いしたいと思います。
  99. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 不足の原因についてのお尋ねでございますが、基本的には要するに社会情勢の変化ということで行路死体等が非常に少なくなってきたというような点がまず第一点としてあるかと思います。それと第二点といたしましては、近年におきます医科大学、医学部、歯学部の新設に伴いまして入学定員がふえましたものですから必要体数がふえたと、いわばその二つが働いて現実問題として不足をしてきておるということが言えるかと思います。  それに対する確保のための対策としてどういうことをやっているかというお尋ねでございますが、私どもといたしましては、その確保のために市区町村長の御協力をいただきたいということを厚生省に御依頼して、厚生省からも各都道府県知事を通じて周知徹底を図っていただいて御協力をいただいているという点が一点ございます。  それから、先ほど比率で申し上げましたが、収集の中で献体によるものが三六%ということを申し上げましたけれども、特にこれは近年献体によりますものの比率が高まってきているわけでございます。私どもとしても献体に関する啓蒙運動をさらに積極的に進めるというようなことで、予算の増額を図り、また感謝状の贈呈をするというようなことも発足をさせまして、献体についてより積極的な対応で御協力をいただきたいということで今日まで対応してきたというのが現状でございます。
  100. 小西博行

    ○小西博行君 諸外国の立法例というのは三カ国ぐらいは何かつくっておられると聞いているんですが、その実態と今度の法案とは大幅に違うのかどうなのか、簡単で結構ですからそれをちょっと御説明願いたいと思います。
  101. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 諸外国の献体に関連する立法例についてのお尋ねでございますが、アメリカ、イギリス、カナダにおいて解剖体贈与法あるいは人体組織提供法といった法律が制定されているというぐあいに承知をしております。  内容でございますけれども、たとえば献体に関しては精神の健全な十八歳以上の者は何人も自己の身体の全部または一部を贈与することができ、その贈与の効力は本人の死亡により発生するというような規定がありまして、基本的な点で申し上げますと、遺体の贈与が法律上は遺族の反対があってもその効力を失わないというようなところが基本的な違いであろうかと思います。私ども、それらの点については社会慣習なりそういうようなものがそれぞれの国によって異なるわけでございまして、今回御提案されております献体に関する法律におきましても、遺族の意思というものを尊重するというのがわが国の場合には社会体制といいますか、基本的にはそういう事柄はどうしても欠かせないことの一つではないかというぐあいに考えております。
  102. 小西博行

    ○小西博行君 角膜と腎臓、この問題につきましてはすでに法律化されておりますね、五十四年ですか十二月に。私はどうかと思うんですが、恐らく角膜、腎臓の場合はかなり提供者も献体に比べたら多いんではないかなという感じがするんですがね、体全体を提供するという場合と何かイメージ的に違うのかなという感じもするんですが、その点はどうでしょうか。
  103. 横尾和子

    ○説明員(横尾和子君) 腎臓と角膜の提供の状況でございますが、提供してもよいとお考えの方はあらかじめ登録をしていただくわけでございまして、その登録者数を申し上げますと、角膜の場合ですと三万六千七百二十四人、腎臓はそれよりは少のうございまして一万一千二百六十五人という登録をいただいているところでございまして、現実の移植の実績は、マッチングの問題等もございますが、角膜は千三百二十七件、腎臓は三百五十六件が五十六年の実績でございます。
  104. 小西博行

    ○小西博行君 つまり私はその辺に、実際に提供にサインする場合でもやや不安があるんじゃないかなという感じがするんですね。先ほど高木先生にその登録も見せていただきましたけれども、もう少し何かこれはしっかりしたものがいいんじゃないか、余りこう薄っぺらくて免許証よりもはるかに薄いものですから、私はただ薄いとか厚いとか言っているのじゃなくて、やっぱり私はもっとPRを、私も提供したいと思っても、後どういうかっこうで返ってくるんだろうという非常に不安がありまして、その辺のPRも十分されるべきではないかなと、このように思いますので、その点を最後にしたいと思いますが、もし大臣御意見ございましたらお願いいたします。
  105. 瀬戸山三男

    ○国務大臣(瀬戸山三男君) 私はその方の専門家でございませんけれども、私事を言っては恐縮でありますが、裁判官をしているときに大分死体の解剖に犯罪関係で立ち会ったことがあります。それは人間の当然のこと、特に日本の場合はそうだと思うんですけれども、死体といえども非常に尊厳を問うんです、当然だと思います。それで、もう死んでしまえば痛くもかゆくもないわけなんです、本当は。切り刻まれることがたまらないというのは、まさに近親者ばかりじゃなくて、職業上やっておる者も大変な感情で、お医者さんもそうでございます。お医者さんは専門的でありますけれども、それでも決してにこにこしてやっておるわけじゃない。本当にしかめっ面をして、申しわけないという感じでやっている。そこが一部の提供と、全体の死体の解剖というのは非常に痛ましいという、死んでから切り刻まれるというのは非常に耐えられないというのが、これ偽らざる人間の気持ちだと思います。  それでもそういうことを研究しなければ自分たちの生命、健康の手当てが十分にいかないという、これ非常にまた別な意味の崇高な考え方で献体に協力される、またボランティアが拡大されておるということだと思いますが、いまの解剖は、切り刻んで手足を別にして遺体を渡すということでなしに、実際は包帯はしてありますけれども、ほとんど素人が見ると完全な姿で遺体を返されている。こういうことになっておりますことをやはり多くの国民の皆様に知っていただくということは非常に大事じゃないかと、かように考えておるわけでございます。  いずれにいたしましても、これは非常な崇高な考え方で扱うということが前提でなければならないと、かように考えております。
  106. 小西博行

    ○小西博行君 終わります。
  107. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 医学及び歯学の教育のための献体に関する法律案についてまずお尋ねしたいと思うんですが、私は、本法律案には基本的に賛同する立場でございますけれども、その上で二点ほどちょっとお伺いしておきたいことがございます。  第一は、この法律案の第一条「目的」でありますが、ここでは「教育の向上に資する」とだけ書いてございますけれども、しかし私はこの行間に医学の進歩、学術研究の促進に貢献するという趣旨が当然含まれていなければいけないと考えるわけなんです。医学の進歩、学術研究の前進というものは、これは医師、歯科医師を目指して学ぶ諸君が、その将来を担うわけでありますから、本法律案の文章をこのように広く読んでしかるべきだというふうにも思うんです。そうでないとすると、文字どおり、ここに書いてある文言のままであるとしますと、あたかも献体は単に教材として提供することに同意するかどうかといったふうに一般の方に誤解されかねないのではないか、こういう気がするんです。この辺の心配を大変するわけですが、提案者は法案の文言についての検討をするに当たり、さっき申し上げたような理念というものは当然あったと考えるんですが、いかがでございますか。この辺を伺いたいと思うんです
  108. 石橋一弥

    ○衆議院議員(石橋一弥君) お答えを申し上げますが、ただいま委員のお話のとおり、御意見のとおりを含めた考え方として「目的」の中に「医学及び歯学の教育の向上」ということのみであらわした経過があります。  以上です。
  109. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 いま、ちょっとわからないんですけれども、単に医学の向上のために献体するんだと。その行間にはもっと含まれている大きな心があるんだということではないんですか、いかがですか。
  110. 石橋一弥

    ○衆議院議員(石橋一弥君) 言葉足らずであったかもわかりませんが、そのとおりであります。
  111. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 次に、これは必ずしも提案者にお答えいただかなくてもいいんですけれども、先日予算委員会で質問したことにちょっと関係いたします、これ献体の問題も含めましてですが。  東京都下のある重症心身障害児施設で、園児として入園する際に施設側が親から入園の一つの条件として解剖承諾書をとっていたケースというのがあったんです。二、三年前にはそれは取りやめたんですけれども、十数年の長きにわたって続けられておりまして、園内で不幸にも死亡した園児、園生が百人以上ほとんど解剖に付されておったということなんですね。  この件に関しまして大変私は複雑な思いがしたんです。不幸にして自分の子供が入園中に死亡した場合、医学の進歩のために役立てば、あるいは障害を負って生まれてくる子供が一人でも少なくなることに役に立つならばと、そういう気持ちで解剖に同意された親御さんのお気持ちは大変美しいものでありますし、すばらしいと私は思うんです。しかし、入園時にそのような承諾書をとるということは、入園した子供たちのリハビリテーションの可能性を頭から信じていないに等しいと、そう言われても過言ではないと思うんです。法律的にも全く不適当なやり方であったと私は思いますし、児童家庭局からは、その辺はこれからよく指導すると、こういう答弁をいただいたんです。  さて、今回の法律案は、生前本人が希望するということになっておりますから、いま申し上げたような事例とはおのずから違ってくるのは当然だと私は思います。しかし、もしも本人の希望意思の書面による表示ということが、施設のようなところで入園の条件のような形でなされてしまうというようなことが今後あるとしたならば、それは大変ゆゆしきことであると思うんです。需要と供給のバランスが崩れますと、ともすればいろいろな問題点がそこに出てくるわけなんですね。実は、東京都下の一つの重症心身障害児施設もお医者さん不足である。お医者さん不足であるがためにある病院にお医者さんのいろいろな診断を依頼せざるを得ない。その病院側は、それならば奉仕をするからひとつ献体をせよというような、悪く言えば取引的な形の中でそういうようなことが行われるといたしますと、意思表示がはっきりできない重症児の場合には、やはり何となく問題が後に残るような気がしてならないわけであります。  そういう歯どめといいますか、法の正しい運用を保障するための手だてというようなものも私は考えておく必要があると思うんですが、お伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
  112. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の遺体の解剖に当たって本人の意思、遺族の意思が尊重されることはもとよりでございます。御指摘のように、たとえば大学の医師が患者に対する実際上の優越的な地位を利用して患者の意思決定に影響力を行使したり、献体を強要するがごときこと、はそのこと自体不適切であり、決してあってはならないことだというぐあいに考えております。  文部省といたしましても、そういう事態の生じることのないように、本法の施行に当たりましては十分その趣旨の徹底を図りますとともに、そのような事態が判明したときには献体登録の取り消しを指導するというようなことなど適切な対応に努めてまいりたいと、かように考えております。そしてまた、この法律案においては、本人の献体意思の尊重とともに、遺族の意思との調和について配慮をしているわけでございまして、仮に不適切な献体登録がなされましても、最終的には遺族の意思が尊重されるわけでございますので、そういうような事柄に基づいての解剖ということは阻止されるものと期待をしておりますが、御指摘のようなことのないように、それらの点については十分留意をしてまいりたいと、かように考えます。
  113. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 ぜひ正しい指導をお願いしたいと思います。  次に、医学教育という点で、いま議題となっております二つの法案の双方に関連いたしましてお尋ねしておきたいと思うんですが、私はかねてから医学教育におきましてリハビリテーション医学の教育をもっともっと充実、強化していただきたいということを申し上げてまいりました。  そこで、厚生省にまずお尋ねしておきますが、現在の医師国家試験におきましてリハビリテーション医学についてどのような形で出題されているのか。これまでの出題に当たって一つの考え方といったものでも結構ですから、お答えいただきたいと思います。
  114. 横尾和子

    ○説明員(横尾和子君) 医師国家試験は出題の範囲というものを、出題基準、一般的にガイドラインと呼ばれるものをそれぞれの科目ごとに作成しております。これは必須の五科目、それから選択七科目についておのおのガイドラインを設けております。  リハビリテーションという分野につきましては、一番ページを割いておりますのが整形外科のガイドラインにおきまして整形外科的リハビリテーションという事項を挙げておりますが、そのほかに外科、内科、小児科、精神科等のガイドラインにおいてもリハビリテーションに触れております。出題に当たりましては、各委員がこれらのガイドラインの中から問題全体のバランスを考えながら出題されるわけでございまして、必ずしも毎回リハビリテーションの問題が出題されるというルールは持っておりませんけれども、他の関連分野との関連の中で必要な場合に適宜出題される、こういう形になっております。
  115. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 必要な場合は適宜出題という形で、出題に対して非常に弱い現実があるんじゃないかというような気がするんですね、特にリハビリテーションの問題に関しては。私はもっと出題して、医師たる者はそのリハビリテーション医学についてだれでも基礎的事項をわきまえていなければいけないということを非常に感じているわけなんです。その辺はいかがでしょうか。
  116. 横尾和子

    ○説明員(横尾和子君) リハビリテーションの分野も非常に専門的な事項と基礎的な事項に分かれるかと思いますけれども、先生おっしゃるリハビリテーションの基本部分については、それぞれの科目の中でそれぞれ触れていくという形になっているように思われます。整形外科的なリハビリテーションを一つの選定科目として毎回毎回出題するという方針はとっておりませんけれども、社会的に必要なものについては必ず受験生が勉強をしていただくようなそういった方針で考えてまいりたいというふうに思っております。
  117. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 それは結局医師国家試験の出題についても現状の医学教育のあり方を変えていかなければ、試験だけを変えるわけにもいかないというところじゃないかと思うんです。  そこで文部省に伺いたいんですけれども、日本学術会議の五十二年の勧告は、リハビリテーション医学の教育、研究に関しまして、「大学医学部ないし医科大学の教育において、リハビリテーション医学を必須科目とすること。」と、こういうことを言っているわけですが、これまでこの点についてどのように努力をされてきたか、あるいは今後どのように取り組んでいくおつもりか伺いたいと思います。
  118. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 先般もたしかお尋ねがあったかと思いますけれども、医学部の教育課程については、従前は開設すべき授業科目について具体的に定めていたわけでございます。しかしながら、関係者で議論をしていただきまして、昭和五十年に改正を行いまして、各大学が開設すべき授業科目の個別具体的な列挙については廃止をいたしまして弾力化を図っていくという方向で対応してきたわけでございます。したがって、各大学のそれぞれの教育方針というようなものに基づきまして、新しい講座なり授業科目の開設等が比較的大学側の考え方に沿って容易に行われるようになったという利点があるわけでございます。これらの点について、従来からの経緯からいたしますと、ここで基準を改めて特定の科目について必須ということを決めることについては、やはり関係者の意見も十分聴しながら慎重に検討していく必要があるのではないかというぐあいに考えます。  もちろんリハビリテーションの教育の充実強化ということは私どもも十分念頭に置いているわけでございまして、具体的な授業科目を設けている大学もございますし、また専門の講座が設けられていない場合でも、先ほど厚生省の方からもお答えがあったわけでございますが、整形外科とか内科とかそういう科目においてもちろん基本的な部分は教育をいたしておるわけでございますが、さらにそれらを専門科目として充実をしていくという方向はもちろん私どもも必要なことだと考えております。そういう方向で指導はしてまいりたい、かように考えております。
  119. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 必要であるわけですけれども、国立大学での努力が非常に足りない、私立大学に比べておくれているということは事実ですね。現にリハビリテーション医学の講座を開設している大学は四つとも私立の方でございます。講座を開設することがすべてじゃないかもしれませんけれども、国立大学の中に幾つかの基幹的な大学を設定しまして、そこに講座を開設することはリハビリテーション医学教育を全体として大きく前進させることが十分期待できるのじゃないかというような気がするのですけれども、単に努力ということではなくて、やはり開設をする、すべてにというわけには当然まいりませんけれども、基幹的な大学、たとえば東大とか、そういう国を代表するような大学の中に、思い切ってそういうリハビリテーション医学の講座みたいなものをやはり緊急に開くような御努力が必要じゃないかというような気がするわけです。  ここで前向きの姿勢を期待しても無理かもしれませんが、最後にその辺を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
  120. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、独立の講座の設置の状況については先生ただいま御指摘のとおりでございます。国立の場合には、リハビリテーションに関する授業を独立した科目として、授業として取り上げております大学は、たとえば群馬大学で温泉治療学でございますとか、あるいは東京大学でもリハビリテーション医学ということで、独立した科目として取り扱っているところは幾つかあるわけでございます。  将来の充実の方向としては、先生の御指摘されたような方向を目指すべきものというぐあいに私どもも考えておるわけでございますが、現実問題として、そのための教員の配置その他になりますと、行財政状況を十分踏まえた上での対応をせねばならない現実問題もあるわけでございます。私どもとしても、御指摘の点は十分踏まえまして、今後の検討課題としてはそういう方向で努力をいたしたいと、かように考えております。
  121. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 大臣はどうですか。
  122. 瀬戸山三男

    ○国務大臣(瀬戸山三男君) それこそ私は専門家じゃありませんが、現代の医学はまず予防、治療が中心でございますが、治療の後にこのいまのリハビリテーション、整形にいたしましてもあるいは循環器にいたしましてもそれは非常に大事なことじゃないか。現にそういうことで現実に行われていろいろんな病院があるわけでございます。いま局長が言ったように、そういう点は努力をするべき問題である、かように考えております。
  123. 前島英三郎

    ○前島英三郎君 ありがとうございました。     ─────────────
  124. 堀内俊夫

    ○委員長(堀内俊夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、秦野章君が委員を辞任され、その補欠として堀江正夫君が選任されました。     ─────────────
  125. 堀内俊夫

    ○委員長(堀内俊夫君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより両案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに両案の採決に入ります。  まず、学校教育法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  126. 堀内俊夫

    ○委員長(堀内俊夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、医学及び歯学の教育のための献体に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  127. 堀内俊夫

    ○委員長(堀内俊夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  128. 堀内俊夫

    ○委員長(堀内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十九分散会