運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1982-08-10 第96回国会 参議院 文教委員会 15号 公式Web版

  1. 昭和五十七年八月十日(火曜日)    午前十時六分開会     ―――――――――――――    委員の異動  八月六日     辞任         補欠選任      伊藤 郁男君     小西 博行君  八月九日     辞任         補欠選任      吉田  実君     秦野  章君  八月十日     辞任         補欠選任      粕谷 照美君     鈴木 和美君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         片山 正英君     理 事                 大島 友治君                 田沢 智治君                 小野  明君                 佐藤 昭夫君     委 員                 山東 昭子君                 杉山 令肇君                 内藤誉三郎君                 中西 一郎君                 仲川 幸男君                 秦野  章君                 降矢 敬義君                 松浦  功君                 鈴木 和美君                 藤田  進君                 宮之原貞光君                 柏原 ヤス君                 高木健太郎君                 小西 博行君    衆議院議員        発  議  者  西岡 武夫君        発  議  者  狩野 明男君        発  議  者  石橋 一弥君    国務大臣        文 部 大 臣  小川 平二君    政府委員        文部省初等中等        教育局長     鈴木  勲君        文部省大学局長  宮地 貫一君        文部省管理局長  阿部 充夫君    事務局側        常任委員会専門        員        瀧  嘉衛君    衆議院法制局側        第 二 部 長  松下 正美君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○私立学校振興助成法の一部を改正する法律案  (衆議院提出) ○国立又は公立の大学における外国人教員の任用  等に関する特別措置法案(衆議院提出) ○小委員会設置に関する件     ―――――――――――――
  2. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  私立学校振興助成法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、前回の委員会で質疑を終局いたしております。  本案の修正について宮之原君から発言を求められておりますので、これを許します。宮之原君。
  3. 宮之原貞光

    ○宮之原貞光君 私は、日本社会党を代表して、私立学校振興助成法の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。  その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。  これよりその趣旨について御説明申し上げます。  御存じのように、わが国の幼稚園の約四分の一は個人立、宗教法人立など学校法人立以外の幼稚園であります。このように学校法人立以外の幼稚園がわが国の幼児教育に果たしているところの役割りの重要性と父母の教育費負担軽減の必要性にかんがみ、これらの幼稚園に対しても経常費助成の道が開かれたのであります。  しかし、他方におきましては、教育基本法、学校教育法、私立学校法等では学校教育に必要な公共性と安定性、継続性を保持するため、私立学校は学校法人によって設立することになっておりますので、当然にその学校法人化は推進をされなければならないものであります。  このような観点から、昭和五十年に私立学校振興助成法が制定された際、その附則第二条第五項で、助成を受けた学校法人立以外の幼稚園に学校法人化を義務づけたのであります。  しかしながら、本年三月に学校法人化の期限が到来したもののうち、なお約半数が学校法人化に至っておりません。  また、質疑の中でも明らかにされましたように、現状では必ずしもこれらの幼稚園のすべてが学校法人化できるという環境条件にないことと、文部省においてもこれに対する適切な施策を持ち合わせていないことが指摘できるものであります。  こうした状況下において、無条件でさらに三年間公費助成を延長するという本改正案は、幼稚園制度を乱すことにもつながりかねないばかりか、学校法人化への確実な見通しがないため、正直に補助を辞退した幼稚園や、法を遵守するため幾多の困難を克服して誠実に学校法人化に努力した幼稚園との間に均衡を失し、いわば正直者がばかをみることになり、ひいては国の施策に対する国民の信頼を失わすことになるのであります。したがいまして、無条件での助成というやり方は、とうてい容認しがたいものであると言わなければなりません。  補助金の交付を受けた学校法人志向園が法人化を果たすための義務を履行することは、この政策的意図と法の公正なる遵守ということから当然のことであります。もちろん、先ほども申し上げましたように、中には最大限の努力を払いながらも諸般のやむを得ざる事情で学校法人化し得なかった私立幼稚園の設置者も存在することはよく理解できるものの、きわめて遺憾なことには、学校法人化は義務規定ではあっても法人化しないからといって罰則も交付金の返還も求められないとして、補助金の交付を受けながら、その努力を払わなかった設置者も多々あるということは事実であります。このことを不問に付しながら、さらに学校法人化する期間を何らの歯どめもなく三年間延長するという特例を設けることは、学校法人以外の私学に対する助成を行い、同時に学校法人化を促進し、そのことによって幼児教育を振興するという国民の期待と遵法の精神を裏切るものであって、決して許されるべきことではありません。  以上の理由から、本修正案は、本延長措置によって補助金の交付を受けた者が昭和六十年三月末日までに学校法人化を行わなかった場合は、原則として延長された期間に係る補助金の返還を求めることとし、学校法人化を担保しようというものであります。  最後に、本修正案による措置とともに、公立、私立の適正配置や補助の拡充など私立幼稚園の一層の振興策が不可欠であり、さらには幼保の一元化に取り組む必要性のあることを申し添えたいと存じます。  以上が本修正案を提出いたしました理由及び内容の概要であります。何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げるものであります。
  4. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は順次御発言願います。――別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより私立学校振興助成法の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、宮之原君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  5. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) 少数と認めます。よって、宮之原君提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  6. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  小野君から発言を求められておりますので、これを許します。小野君。
  7. 小野明

    ○小野明君 私は、ただいま可決されました私立学校興振助成法の一部を改正する法律案に対し、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。     私立学校振興助成法の一部を改正する法     律案に対する附帯決議(案)  一、私立学校振興助成法附則第二条第五項の   期限の延長は今回限りの措置とし、再延長は   行わないこと。  二、政府は、次の事項について指導の徹底を図   ること。   (一) 所轄庁は、補助金の交付を受けた学校法    人以外の私立の学校の設置者で学校法人化    をなし得なかった者について、なし得なか    つた理由及び経過についての報告書を提出    させること。   (二) 所轄庁は、学校法人以外の私立の学校の    設置者で今回の期限延長に伴い、引き続き    補助金の交付を受けようとする者について    補助金の交付に先だち、学校法人化への計    画及び学校法人化への努力を誠実に行う旨    の文書を提出させること。  三、政府は、法令を誠実に執行する立場から、   三年以内に附則第二条第五項の条件が満たさ   れるよう所要の措置を講ずること。  四、政府は、幼児教育全体の拡充整備に努め、   特にその財政措置について配意し、また、今   後とも幼稚園の教職員の待遇改善について引   き続き努力すること。  五、政府は、第三項の進捗状況について、国会   に適時報告すること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ御賛同くださいますようお願いいたします。
  8. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) ただいま小野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  9. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) 全会一致と認めます。よって、小野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、小川文部大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小川文部大臣。
  10. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、今後その内容を慎重に検討して適切に対処してまいりたいと存じております。
  11. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  13. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) 次に、国立又は公立の大学における外国人教員の任用等に関する特別措置法案を議題といたします。  本案の趣旨説明はすでに聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  14. 小野明

    ○小野明君 この法案の質問に入ります前に、教科書の検定問題につきまして、若干の情勢の変化もあるようでございますから、二、三文部大臣に御質問を申し上げたいと思います。  その一つは、鈴木総理が長崎に行かれまして、この教科書問題につきましては少なくとも総理が訪中をされる前に解決をいたしたいと、こういう記者会見がなされたところであります。官房長官はこれを、総理の決意表明、このように発表をされておるようであります。なお、引き続いて昨日は、衆議院の外務委員会におきまして櫻内外務大臣がこの教科書問題について、いわゆる日中戦争についてはこれは侵略と認める、さらに朝鮮における三・一独立運動については、これは暴動ではない、独立運動である、こういった説明をなさっているわけであります。明らかに日中共同声明前文に沿った行為を日本政府はとるべきである、さらに櫻内外務大臣は再改訂を示唆したと、このようにけさの報道には出ているわけであります。この鈴木総理の言明あるいは櫻内外務大臣の国会における答弁、これらがございますが、これらを受けて松野国土庁長官は名古屋でさらに発言をなさって、内政干渉だと言わんばかりの御発言があっておるわけであります。これを聞いて、私ども国民は、まさにこれは閣内不統一、全く閣内不統一ではないかという印象を受けるわけであります。  そこで、主務大臣である小川文部大臣は、これら一連の事象についてどのような御見解をお持ちであるのか、まず伺いたいと思います。
  15. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 私も総理の仰せられましたのと全く同様に、訪中前にこの問題を円満に解決しなければならない、さような認識のもとに、当方の立場、当方の真意を誠意をもって説明することによって問題を解決したい、かように考えておるわけでございます。  昨日の外務大臣の御発言でございますが、私は具体的なことはよく承っておりませんからよく承知いたしておりませんが、日中友好の精神を損なわないで誠意を持って解決すべきことを述べられたものである、このように理解をいたしております。具体的な改訂の問題についてお触れになったものではない、このように理解をいたしておるわけでございます。  それから、松野国務大臣の発言でございますが、私がかねて申し上げておりまするように、中国の申し入れあるいは韓国の申し入れにつきましては謙虚にこれを受けとめなければならないというのが私の考え方でございます。内政干渉云々というきわめて高飛車な対応をすることは問題を解決する上においてきわめて好ましくない、かように考えております。
  16. 小野明

    ○小野明君 まさに文部大臣、松野国務大臣等御発言があるということは、国民に閣内不統一という印象を与えたことは否めないこれは事実ですね。そのことについてひとつ大臣の御見解を承りたいわけです。
  17. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 素直に申し上げざるを得ませんが、あのような御発言は、問題を円満に余すところなく解決しなければならない、全力を傾注しておりまする私どもの立場から申しましてきわめて遺憾な御発言であったと考えております。
  18. 小野明

    ○小野明君 さらに大臣、衆議院の八月六日の文教委員会で大臣は、教科書検定規則の正誤訂正という項がありますが、これにのっとって発行者から正誤訂正の改訂申請が出た場合には、これを十分検討する、いわば再改訂に含みを持たせた御答弁があっているわけでございます。これは、検定規則というものがありまして、発行者からこの規則にのっとって正誤訂正要求が出た場合には、これは従来の改訂の実績も事実もあるわけですから、当然それには私は応ずべきである、再改訂に応じなければ、私はこれはむしろ法に違反することになるのではないか、このように思いますが、いかがでしょう。
  19. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 私は、かねてから繰り返し申し上げておりまするように、誠意を持って当方の立場、当方の真意を理解してもらう努力をすることによって問題を解決したい、かように考えておりまするので、改訂のことについては考えておらないわけでございます。この考え方にただいまも変わりはないわけでございまして、湯山委員の御質疑に対しましても、まずこのことを申し上げまして、さらにまた、私はさような考え方でおりまするから、いわゆる正誤訂正に関連する規則等についても十分研究をいたしておりません、研究をする必要ありという判断に到達いたしましたならば、その時点で事務当局との間で詰めてみたいと思っております、かような答弁を申し上げまして、主として初中局長をして答弁に当たらしめておったわけでございます。湯山委員の御質疑に対しまして私が答弁を申し上げましたのは一般論を申し上げたわけでございまして、一般的に正誤訂正の申請があれば、それが形式的に整っている限り、これを受理した上、要件に該当をするか否かを検討することになりますということを申し上げたわけでございます。一たん改善意見を受け入れて訂正をしたものを、再びもとへ戻したいという趣旨の申請をいたします場合に、これが正誤訂正になじむかなじまないか、これはなじまないと解すべきであると、私の答弁に先立ちまして初中局長がお耳に入れていることでございまして、私も、恐らくそういうことだろうと考えているわけでございます。
  20. 小野明

    ○小野明君 これは初中局長、初中局長の衆議院文教委員会における答弁は、これはきのうの外務委員会で若干変わったような感じもいたしますが、正誤訂正申請があっても受け付けないと、こう申し上げたのではない、申請を受理した後に、正誤訂正に該当するかどうか十分に検討し、形式的要件になじまなくても訂正することはあり得ると、こういう初中局長は答弁をなさっておると思いますが、これは間違いないと思うんですが、いかがですか。
  21. 鈴木勲

    ○政府委員(鈴木勲君) ただいま小野先生お読みになりました前半はそのとおりでございまして、正誤訂正の申請がございました場合に一般論として当然受理しなければならないわけでございますが、本件につきましてこれが正誤訂正になじむかどうかということになりますと、それはなじまないということをるる申し上げておりますので、形式的要件に該当すれば正誤訂正することあるべしというような発言は、私は衆参両院の委員会を通じまして、また外務委員会を通じましてそういう発言はしていないのでございます。
  22. 小野明

    ○小野明君 一般的要件とこの本件と、こういうふうに区別をして言われるようですが、一般的要件の方がこれは優先をして考えるべきことではないですか。発行者から法律に基づいてこの正誤訂正要求が出される、そうすればこれを検訂をしないということは言われない。これは政府委員段階の私は判断ではいかぬと思うんですが、文部大臣も、これは正誤訂正要求が出されれば再改訂に該当するか否かはなお十分に検討の要ありと、こう答弁をされておられるわけです。ですから私は、これは再改訂に含みを持たしたものだと。また、それがなければ深刻な外交問題に発展をしたこの教科書問題を解決するかぎにならないと。幾ら政府高官を中国に派遣をしましてもこれは解決しないと、こう私は見ておりますが、再度文部大臣の御見解を承りたい。
  23. 鈴木勲

    ○政府委員(鈴木勲君) 事務的な点もございますので申し上げさしていただきたいと思いますが、先生御承知のように、検定にはもう申し上げるまでもなく、新規改訂と改訂検定とございまして、これは正式に教科用図書検定調査審議会に諮りまして、その答申に基づいてやるというものでございます。これが検定でございます。また、この改訂検定等は三年後に行われるわけでございますので、その間における客観的情勢の問題とか、正誤の問題とか、あるいは統計資料とか、そういうものにつきまして簡便な救済措置を設けているというのが正誤訂正の趣旨でございますから、そういう意味で、それが三年以内に何らかの形で出てまいりますれば、それは正誤訂正という形で出されたもの、そういう意味で受理しないというわけではないということを申し上げたわけでございますが、ただ、ただいま問題になっておる案件について申し上げますならば、これは改訂検定におきましても同様に扱われるべき案件でございまして、一度改善意見を受け入れて直したものをまたもとに戻すというふうなことは改訂検定の趣旨にもなじまないわけでございますし、また正誤訂正の趣旨にもなじまないということを申し上げたわけでございます。
  24. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 一昨日、外務、文部両省の局長を北京へ派遣いたしまして話し合いがようやく緒につこうとしているただいま段階でございます。したがいまして私は、改訂する以外に問題解決の道はあり得ないというような判断にはまだ到達いたしておらないわけで、私のこの問題に対処する基本姿勢につきましては、繰り返し申し述べましたところといささかも変わっておらないのでございます。
  25. 小野明

    ○小野明君 くどいようですが、衆議院の文教委員会では、大臣は日中十五年戦争は侵略戦争であると、こういう認識を表明されておるわけであります。さらに湯山委員の再改訂に該当するかどうか、本件について、私はあくまでも一般的原則が優先すると思いますが、なお十分に検討をいたしますと、こういう答弁をなさっておられるわけですよ。だから院が違ったらまた答弁が変わるというようなことは、これは大臣おかしいことじゃないですか。これは政府委員レベルでなくて主務大臣、これだけの国際問題になっておる教科書検定問題、大臣の自主的な、ひとつ主体的な判断、再度伺いたい。
  26. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 繰り返しになりますが、私は湯山委員の御質疑に対しまして私がこの問題に対処する基本的な姿勢をまずお耳に入れたのでございます。次いで御質疑に対しましては、一般論として正誤訂正の申請があれば形式的に整っている限りこれを受理した上で正誤訂正の要件に該当するかいなかを検討することになっておると申し上げたまででございまして、一端改善意見を受け入れて訂正したものを正誤訂正の形で申請するということがこの正誤訂正という制度になじむかなじまないかという点については、私自身は何事も申し上げておらないのでございます。この点につきましては、私の発言に先立って初中局長から繰り返して制度になじまないという意見をお耳に入れているとおりでございます。私といたしましては、格別含みのある答弁を申し上げたつもりはないのでございます。この問題をどのようにして解決するべきかということについては、繰り返しお耳に入れたところといささかも変わっておらないわけでございます。
  27. 小野明

    ○小野明君 再改訂するともしないとも私はまだ申し上げておりませんと、そのとおりですね。
  28. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) そのことについて考えておらないということを従来も申し上げてまいったわけでございます。
  29. 小野明

    ○小野明君 最後に、けさの朝日には「文部省教科書修正要求に見解」ということで発表をされております。重大な問題ですね。この資料は当然この文教委員会に提示をしてしかるべきだとこのように思いますが、いかがですか。
  30. 鈴木勲

    ○政府委員(鈴木勲君) ただいまお挙げになりました件につきましては、問題とされております個別事例の検定の内容について文部省といたしましてまとめたものはございません。いろいろ指摘されております事例については、これは個別にこれまでも国会におきます質疑等を通じましてその概要を外部に説明しておりますけれども、これを文部省見解という形で統一的にまとめたというふうなものは作成していないのでございます。具体的内容につきましては、必要に応じまして国会等におきましての御質疑によって説明をさしていただくという態度でいるわけでございます。
  31. 小野明

    ○小野明君 それはおかしいですね。きょうの理事会でも、資料はいままでのものは満場一致で要求する、こういう決定をしたところですから、早急に出してもらいたい。  大臣ねもうこれは本当、くどいようですが、いまのような主務大臣の御見解ですと、閣内は分裂をしておるわ、外務大臣はああいう発言をなさっておる、総理は早く解決すると、文部大臣は再改訂に応じない、正誤訂正にも応じない、法に決められた手続に従っても応じない、こういうことでは、重大な国際問題に発展をしたこの教科書問題というのは膠着状態でいつまでたってもこれは解決できない。どう解決するおつもりであるか、政治家文部大臣としての、主務大臣としての見通しを私は伺いたいと思います。
  32. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 繰り返し何度も申し上げましたとおり、文部省は軍国主義を復活しようとか、あるいは歴史を改ざんしようという意図のもとに検定を行ったわけではございません。指摘されている事項につきましてはそれぞれ理由があって検定をしておるのでございまして、同時にまた教科書におきましては、ことごとくの教科書がいわゆる平和主義につきましても、あるいはまた日中共同声明の趣旨につきましてもきわめて正確に記述をいたしておるのでございますから、全体を通読してもらえば当方の真意は必ず理解してもらえるに違いないと、このように信じておるわけでございます。したがって、改訂ということはただいま私の念頭に全くないわけでございます。
  33. 小野明

    ○小野明君 そういう態度ではこの問題は何ら解決しない。中国や韓国あるいは台湾、東南アジア全体に広がった深刻な外交問題に発展したこの問題について、私は文部大臣は主務大臣として重大な責任を負わなきゃならぬことになると思う。また、鈴木総理の長崎発言ともこれはそごをする御見解と私は指摘せざるを得ない、それだけ申し上げまして法案の質問に入りたいと思います。  まずこの法律案でありますが、この法律案を提案されました基本的な態度、これは提案者にお尋ねをいたしたいと思うんですが、これは外国人を国公立大学の教授にしない、非常に日本が閉鎖的である、だからそういう国際的な非難を免れるために一時的なこととしてこれを提出されたものであるのか、あるいは今後わが国が総合的な国際化政策、これを推進、拡大をしていくという積極的な立場、その第一歩であるのか、消極、積極、二つの面があると思うんですが、これは提案者はどのようにお考えでしょうか。
  34. 狩野明男

    ○衆議院議員(狩野明男君) お答えいたします。  急激に進展している国際化時代において、わが国が国際社会の一員として学問研究、学術、文化等において国際的に開かれていく大学を目指して、そして一層活発化していくために特にこの法案は必要である、特に大学の研究、教育において国際化の必要性が重要であるということを考えまして、積極的に推進していく考えでございます。
  35. 小野明

    ○小野明君 提案者はそういう御趣旨、これから積極的に国際化、開かれた大学に持っていこうというお気持ちであります。文部大臣、教科書問題に見られるような偏狭な御態度がございますが、本案について大臣はどのような基本的な認識をお持ちでしょうか。
  36. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 大学の国際化を図ろうという観点から外国人を国公立大学の教授等に任用する道を文部省としても今日まで探ってきたところでございます。外国人を一般職の公務員に任用することにつきましてのいわゆる当然の法理との関連で関係省庁との間に種々検討、調整を重ねてきたわけでございますが、成案を得るに至らざるうちに、今回、議員提案の形でこの法案が提出されたわけでございます。文部省といたしましては、これを歓迎いたしまして、速やかな成立を期待いたしておるところでございます。
  37. 小野明

    ○小野明君 提案者のお気持ちといま大臣が答弁されましたお気持ちとは若干ニュアンスの差があるようでございますが、この法案の成立を機に大学の国際化に向けて日本の閉鎖社会的な認識を改めていく、こういった積極的なお気持ちがあるものかどうか、再度ひとつお聞きをいたしたい。
  38. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 教育、学術の国際交流を活発ならしめるということは文教政策の途上に横たわっておりまする非常に大切な喫緊の課題だと存じておりますから、この法案が幸いにして成立いたしますれば、これを契機としてその方向で一層積極的に努力をしてまいるつもりでございます。
  39. 小野明

    ○小野明君 次に、提案者にお尋ねをいたしたいと思いますが、これだけ重大な法律案が内閣提出でなくて自民党の石橋君外四名の議員立法、普通であれば大体委員長提案というような形で議員立法がなされるのが普通でありましょうが、ちょっとこういう形で提案をされた経緯についてひとつ御説明をいただきたいと思います。
  40. 狩野明男

    ○衆議院議員(狩野明男君) お答えいたします。  先ほど先生からの御指摘のとおり、教育、学術、文化の国際交流はわが国にとって非常に大切なことであり、特に大学における研究、教育においてはこの国際化の必要性はまさに大切なことだと思います。さらに、欧米先進国においては、すでに大学における国際化が図られ、外国人を正規の教授として任用されていることは御承知のとおりでございます。  この法律案につきましては、本院の秦野章先生からも五十三年三月の予算委員会以来、本問題を取り上げておられ、また各種の審議会や大学関係者などからの指摘もあり、文部省においてもこれを取り上げるべく特別立法などを行うような措置をとって検討を続けて関係各省との間の調整をしておりましたけれども成案には至らなかったわけでございます。  そこで、自由民主党といたしましては、大学の国際化を図るために、国公立大学の教授等に外国人教授を任用し得る道を開くことはわが国が国際社会の一員として国際社会に貢献する道であり、さらにまたわが国内における学問、研究のレベルアップのためにも非常に大切である、そしてこの法案を成立させることは急務の課題であるというふうに考えまして本法案を提出した次第でございます。
  41. 小野明

    ○小野明君 積極的な提案者の意図には私も賛意を表しますが、それにいたしましても文部省の学問、研究、教育に対して非常に閉鎖的な態度というのは私は遺憾に思います。なぜこれが内閣提出になり得なかったのか、ひとつ御説明をいただきたいと思います、大学局長。
  42. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 先ほど提案者からも御説明があったわけでございますけれども、従来とも、私どもも、あるいはいろんな審議会等でこういう趣旨の提案がございまして、積極的な姿勢で対応すべくいろいろ検討を続けてまいってきたわけでございます。  政府提案でなぜこのことを処理できなかったのかというお尋ねでございますが、具体的に若干その間の事情を御説明申し上げますと、たとえば国や地方公共団体の機関にはそれに属する公務員の職種というのはきわめて多種多様なものがあるわけでございます。問題は、大学の教授等についてのみこのような制度の創設を提案するに当たりましては、そういう公務員全体についての考え方を整理する必要があるわけでございまして、たとえば国立大学にもいろいろ附属の研究所というようなものがございます。さらに、研究所という観点から申し上げますと、国立大学の所管の研究所以外に、たとえば農林水産省の研究所でございますとか、あるいは通産省所属の研究所というようなものもございまして、それらの他省所管の研究所についてもやはりそれらの研究のために外国人を正規の公務員として任用すべきかどうかということなどについてはそれぞれの研究所の設置目的等に照らして検討をされなければならないわけでございますが、そういう各省所管のいろいろな研究所全体を通じてこういう外国人を任用でき得る道を開く立法措置を開くかどうかというようなことについては、大変関係する省庁も多いわけでございまして、それらの点について種々具体的な協議も、私ども、秦野先生の御提案、質疑を契機にいろいろ省庁間の調整も進めてまいったわけでございますが、それら全体を通じてその必要性について合意に達して、全体的なそういう研究機関全般についての特別立法というところについては調整が今日までつかなかったという点が一点ございます。  それからもう一つは、この立法に際しまして、従来言われておりますいわゆる当然の法理という形で、公権力の行使、公の意思の形成に参画する公務員には外国人が就任できないというのが当然の法理ということで言われてきたわけでございます。  そこで、当面国立大学の教官並びに大学の附属の研究所等についてはこれは文部省所管のものになるわけでございまして、それらについて先ほど提案者からもお話がございましたように、緊急にやはりそういう道を開くべきだということで進めてまいったわけでございますが、その考え方の際に当然の法理との関係で問題は法理に抵触しない範囲での立法に限るかどうかというような点がやはり一つの大きな問題点になったわけでございます。秦野先生が五十三年三月に参議院の予算委員会におきまして御質疑がありました際に、内閣の法制局長官からは、特別の立法を行って法理に触れない職務内容を規定すれば可能であるというような答弁が行われたわけでございます。したがって、それでは特別の立法をして外国人を国立大学の正規の教授に任用するといたしまして、たとえば教授会に参画して人事等に関する案件の処理に具体的に加わることについてどうかというような具体的な問題点の検討が出てまいったわけでございます。検討の過程においてはいろいろとそれらの点について私どもも十分検討を進めてまいったわけでございますが、今回の議員立法ではその法理について教授会に参画して議決に加わるというところまで踏み込んだ特例を設けるような形で今回の提案は立法されているわけでございますが、そういう法律上の構成についてなお政府部内では議論がございまして、そういう積極的な立法措置で対応すべきだというぐあいに私どもも考えてまいったわけでございますが、それらの点についてはなお先ほど来申し上げましたような当然の法理との関係でなお調整を要するというような点があった。以上のような点が政府部内で検討が今日まで行われてきた経過の点でございます。私どもといたしましても、こういう立法措置が行われれば、それに沿いまして積極的に大学の国際化等について種々施策を講じてまいる考えでございます。
  43. 小野明

    ○小野明君 あなたの御答弁を聞いておりますと、矛盾をやっぱり感じますね。公権力の行使あるいは公の国家意思の形成といってもいいんでしょうが、携わる者は日本国籍を有する者に限る、こういう当然の法理に、しからばこれは法制局見解ですよね、法律ではない。法律に根拠があるわけじゃない。法制局の見解にすぎない。しかし、この法案はあなたの言う当然の法理――私は当然とは思わないが、この法制局見解にこの法律案は反する、しかし仕方がないんだ、こういう御説明のように承りましたが、そのように受け取ってよろしいですか。
  44. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 公務員にも多種多様の公務員があるわけでございます。したがって、現に現行の法制でも、たとえば国立大学の助手についてはそういう意味では現在の法理には抵触することがないということで、助手等については任用されているというのが現実の実態でございます。  問題は教授等についてでございますけれども、御指摘の点は、今回の立法措置で外国人を教授に任用する場合に、それでは教授会の構成員として加わってその議決に参画することがやはり法理に触れるという解釈もあるんではないか、そのことと矛盾するんではないかというお尋ねではないかと思いますが、その点はあるいは立法者の方の法制局の方の御見解の方がよろしいかと思いますが、私どもといたしましては、こういう積極的な対応で立法することがやはり今回の立法の一つのメリットとしてそれが意味があると。と申しますのは、やはり教授会というのは大学の運営についての基本的な事項を審議する重要な機関でございますが、やはり大学という構成体については基本的には学問の自由なりそういううことに立脚をいたしまして教授会が管理運営について重要事項を審議するというような機関が規定をされておりますが、やはり教育、研究に携わっている教官みずからがそのことを決するということが基本的な原則であろうかと思うわけでございます。もちろん教授会の議決の中には人事案件等いわゆる公権力の行使にかかわる部分がもちろん出てくるわけでございますけれども、合議体の教授会というものの構成員に加わって議決に加わるということが公権力の行使なり公の意思形成に与える影響度というものを判断する際に、そこは特別の立法をすることによって一つのいわば従来の法理を、創設的な規定を設けることによりまして、こういう特別の立法をすればその点は私どもは可能ではないかというぐあいに理解をいたしまして、今回のこの提案されております法案で処理をすることが適切ではないかというぐあいに考えたわけでございます。と申しますのは、仮に従来の解釈に沿いまして教授会へ参画し、議決に加わることは除くといたしますれば、現行の外国人教師ないし講師の制度が現在あるわけでございますが、その制度と今回新たに正規の教員として任用しようとすることの制度との間に実質的な意味の差というものが、特別の立法をする必要性がどういう点にあるかということについてなかなか具体的な説明が必ずしも十分にできないというような点もございまして、その点が従来政府部内ではいろいろ議論が主として行われておりました点はまさにそのような点が議論の焦点としてあったということは経過的に申せばそういうことになるわけでございます。したがって、今回の立法措置はその点にメリットを見出し、そしてその点がそういう教授会の構成員となり議決に加わることを妨げないというようなことで積極的な立法の趣旨を生かそうというのが立法のねらいであろうかと思います。
  45. 小野明

    ○小野明君 いろいろぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃあなたおっしゃるが、私がお尋ねをしておるのは、やはりこの法制部長見解、あなたに言えば当然の法理と言う。私は当然の法理とは思わない。この一つの法制局見解に対してこの法律案はやはり抵触するところありとお考えになっているのかどうか、それを一つお伺いをしておるんですよ。
  46. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 私どもとしては、教授会の構成員となり議決に加わるということは、特別の立法をすればそのこと自体は可能であるというぐあいに私どもは理解しております。
  47. 小野明

    ○小野明君 だから、この法制局見解に対してはこれはこういう立法措置であればこれを超えることができるといいますかね、そのようにお考えなんですね。じゃ、その問題はもう少し先にいって再度お尋ねをいたしたいと思います。  ところで、提案者にお尋ねをいたしますが、提案者の石橋議員は衆議院でこのように答弁をされております。「漏れ承りますと、与党自民党だけでなく各政党の中にもこの論議があったということを承っているものであります。」こういう御答弁が議事録に残っております。しかりとするならば、従来の慣例から考えてみましても、こういう自民党だけではなくて各党各会派に呼びかけて、せめて委員長提案という形でこの法案を提案さるべきではなかったかと、このように思いますが、どこにその障害があったんでしょうか。
  48. 石橋一弥

    ○衆議院議員(石橋一弥君) お答えします。  ただいまの御質問に入る前に、当然の法理とこの特別措置法との問題でありますが、大学局長からその間のことがるる説明はあったわけであります。そこで、秦野先生の御提案以来、例年この問題が党内においては議せられておりました。ところが、残念ながら各省間の話し合いがなかなかつかないわけであります。しかし一方、先ほど申し上げましたとおり、いわゆる研究、教育でありますとか、国際化の必要性ということを考えてみますと、もうこれ以上は待てないという政治判断、その上に立って本法案を今国会へ議員提案として提出をさせていただいたわけであります。  ただいまのお尋ねの件でありますが、提案者、党内においていろんなことを議しておったわけでありますが、特にこの法案の中の第二条と、その中の一項と二項、そして三項、この点についていろんな議論がやはり闘わされたわけであります。そうしたことで、そのような党内の中のいろんな問題があったことということが一つ。  それから、率直に申し上げますが、ただいまの小野委員のおっしゃる形を、このような問題についてはこれからもとるべきであるなと、こう私自身は反省をいたしているものであります。  いずれにいたしましても、われわれまだ国会内のいろんなことがよくわからない中においての立法の手続、そしてだんだんだんだん詰めていっておおよその法案大綱ができてから、まあまあ衆議院におきますところの理事懇等で全くの大綱をお話し申し上げましたところ、この点ならばという各党の皆さん方のお話もあったというのが偽らざる内容でありますので、ただいまの小野委員の御意見、ありがたくちょうだいし、また反省をいたすものであります。  以上です。
  49. 小野明

    ○小野明君 それでは提案者の石橋議員にお尋ねいたしますが、やはりこの法律案を拝見をいたしましても、いま大学局長は立法によって当然の法理を超えたということを言われたわけですが、やはりいわゆる法理からまだこの法案は脱却し得ていませんですね。この当然の法理と言われるものから完全に脱却をしているわけではない。ただ、その立場に立ちながら特例を設けたと、ちょっと風穴をあけたという程度にすぎない、こういうふうに思います。立法の御努力はこれは私も評価するにやぶさかではありませんが、法律でもない何でもないこの法理なるものに、法制局見解に対して、そこに立場を置きながら、これを特例をもってちょっと風穴をあけたという印象を受けますが、この点について提案者はどのようにお考えでしょうか。
  50. 石橋一弥

    ○衆議院議員(石橋一弥君) お答えいたします。  そこの限界の問題でありますが、題名に示しますとおり特別措置法でございます。結局当然の法理と言われる公権力の行使でありますとか国家意思の形成、そうした当然の法理、その上に立って、一方いま学問というものの求められている強い要請、そうしたものを考えあわせまして、ここで毎年のように具体的なことにならないままでいるよりは少なくとも前進をすべきであるという考え方、その上に立っておりますので、とにかく法制局長見解等も十分頭の中に入れながらこの法案の作成をいたしたわけであります。  ただ、ほんのちょっとという御発言でありますが、第二条第一項の中に、さて学部長、学長を入れるべきかという問題点、これは入れませんでした。二項で、「合議制の機関の構成員となり、その議決に加わることを妨げられるものではない。」というのは、これは大変なやはり議論がありましたですが、どうしてもここまではすべきであるということで入れたわけであります。  続いて、第三項の教員の任期についても、これもいろんな問題点があったですが、「大学管理機関の定めるところによる。」ということで、大学の自治に任せたという考え方、いずれにいたしましても、当然の法理に穴をあけるという考え方とその手段、私どもといたしますと、限界ぎりぎりのところまでやったなという考え方を持っております。  以上です。
  51. 小野明

    ○小野明君 そこで、これは若干もとに戻りますが、大学局長、国公立大学の教員というのは、私立大学の教員と職務内容は、これは大体同じですよね。大学においては学問、研究あるいは教育、これには憲法上、思想、信条の自由、あるいは学問の自由という規定がございます。これと一般の行政職員ですね。指揮、監督を受けて、それこそ公の権力の行使あるいは公の意思の形成に当たる一般行政職の職員の場合と、学問の自由を保障された大学の教員の場合と、これは当然異なる立場で考えるべきではないのか。それをしも、大学の教員も公権力の行使あるいは公の意思の形成に当たる者として、身分はそれでも仕方がないと思いますけれども、これで当然の法理という理屈で縛るということは、それこそ学問の研究、教育の自由を拘束することになるのではないでしょうか。局長いかがですか。
  52. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 先生御指摘のように、大学の教授としての職務は、国立大学の教官であれ、私立大学の教官であれ、はたまた公立大学の教官であれ、そのこと自身は教育基本法なり学校教育法上、行う職務については変わりがないわけでございます。これは設置形態はそれぞれ異なるわけでございますけれども、大学が果たすべき使命としては、国公私立大学いずれもその点に関していえば同じであろうかと思っております。問題は、設置形態の面でやはり国立大学、公立大学、私立大学それぞれ設置形態が異なるわけでございまして、国立大学はその限りで申せば、国家行政組織法第八条第一項にいいます国の行政機関に置かれる文教施設ということで、たとえば国立大学の場合でございますと、その設置廃止は国立学校設置法という法律によってその設置廃止が行われるというような形になっているわけでございます。この点は先生十分御存じのとおりのことでございますが、それに対しまして私立大学というのは私立学校法に基づきまして学校法人が設置主体でございまして、この設置については文部大臣の認可があれば大学が設置されるというわけでございまして、設置形態が異なるというところから、たとえば大学の教官についても教育公務員特例法の適用というようなことで、先ほどご指摘のような一般の行政職員とは異なる取り扱いが、それぞれ教育公務員として必要な取り扱いというのは教育公務員特例法で規定があるわけでございますけれども、しかしながら、国立大学なりあるいは公立大学というのが国なり地方公共団体の設置するものでございまして、それぞれ御案内のとおりそれは行財政財産として管理されておるというような点が私立大学の場合とはやはり異なる取り扱いになるわけでございます。国家公務員という形で置かれている以上は、やはり国家公務員全体に通じて言われております法理が、その限りにおいてはやはり法理に従って規制が行われるというのは、それが国立大学の教官でございますれば、やはり同様に及ぶというぐあいに理解をするわけでございます。  先生御指摘のように、大学の教官は国家公務員であっても、それは一般の行政事務を処理している者とは違うんではないかという点は、私どももその点は御指摘のとおりだと思います。そして、その点がまさに必要な法的な措置としては教育公務員特例法ということで、いろいろ任用についても特別の任用の規定というものを設けているというのが、その辺が教育公務員ということに着目した点であろうかと理解しております。
  53. 小野明

    ○小野明君 設置形態が違うということは、これは私も知らぬことはありません。改めてあなたから言われることはないわけですが、私が申し上げたいのは、おわかりのように一般行政職の職員、これにはいわゆる当然の法理というものがかかるかもしれない。しかし大学の教員、これは学問研究の自由はあくまでも求めていかなければならぬ、あるいは本法案に言われるように、学問研究には旗国、国境はない、開かれた国際性というものを持たなければならないというたてまえ、また憲法上も学問研究の自由というものを保障されているということから考えました場合に、いわゆる当然の法理といわれるものによってこれを拘束するということは当を得ていないんではないかということが質問の焦点なんですよ。これはひとつ提案者にもお答えをいただきたいと思っております。再度ひとつ。
  54. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 御質問の趣旨は、私もよく先生おっしゃる点は理解をいたすものでございまして、一般行政職員に対しての法理というものと、大学の教官というような職務を遂行する者に対する法理の、いわば同じ公務員といってもそこは法理の考え方としておのずと異なる点があるんではないかという御趣旨であろうかと思います。その点は私どもも十分理解するものでございますが、ただやはり私もその点は御説明があるいは十分でないかもしれませんが、法理というものを公務員のいわゆる習慣、能力として外国人を認めるか認めないかという基本論でございますけれども、やはり基本的には国家の主権を尊重、維持をし、また他国の国家主権を尊重するというような基本的な理念があるわけであろうかと思いますけれども、その点は従来からの法理が、たとえば助手の場合には認め得たけれども、教授の場合には先ほど来の公権力の行使に当たる部分が出てくるから、それはやはり何らかの特別立法措置がなければできないと理解をして解釈されてきたわけでございまして、その点については、こういう特別な立法措置を要せずして、やはり教授等を任用することもあり得るというお考えの方も確かにいらっしゃるわけでございますけれども、私どもといたしましては、こういう立法措置によって、まさに大学の教官等について従来の法理と異なる適用の仕方を新たに起こすということは大変意味のあることではないかというぐあいに理解をするものでございます。
  55. 石橋一弥

    ○衆議院議員(石橋一弥君) お答えをします。  一般行政職と大学の教授と研究者との問題については局長、答弁したとおりであります。そしてまた小野委員のおっしゃる意味も私にはよくわかります。まさに小野委員の御指摘する大学の教授等、研究者であるから、であるからそのことを解決するためにと申しますか、研究者であるから当然の法理というものに穴を――穴をあけるということはいかがかと思いますが、特別措置法をつくってもいいだろうという考え方で取り組んだわけであります。  以上です。
  56. 小野明

    ○小野明君 大学局長、国家公務員法の三十八条、地方公務員法の十六条は、公務員となるための資格、これも一つの法理だと思いますよ。これも法理だと思いますが、これは日本国籍を有することを要求していないわけですね。要求していない。これはこれで一つの法理。しかしながら、あなたがどうもこの提案者と違いまして、やはり内閣法制局見解というものにどうしてもこだわってくる。これにひかれて、どうしてもこの法律案にいまだしの感をぬぐえないというのはいかがなものかと私は思うんですが、もう一つ。
  57. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の国家公務員法の規定についての、まあここには日本国籍ということが欠格条項として挙がっていないという御指摘があったわけでございますけれども、公務員についてのいわゆる当然の法理というのは、そういう明文の規定が仮にないといたしましても、公務員に関する一般的ないわばそういう規定が、たとえば特別の法律、たとえば外務公務員法でございますとかあるいは公職選挙法等にはそういうことを規定しております法律もあるわけでございますけれども、そういうことを仮に、国家公務員法には規定を現にしていないわけでございますけれども、それは公務員たる要件としては当然のことであると。いわばその前提の上に立った立法でございますので明文の規定がないというぐあいに理解をいたしております。御指摘の点で、国立大学の教官について積極的に正規の教員として外国人を任用すべしということについては、すでに先ほどもちょっと申し上げましたけれども、従来中央教育審議会の議論でございますとか、あるいはそれぞれいろいろ政府関係の審議会でございますとか、また国会の論議等でもすでに長く取り上げられてきた点でございまして、大学を積極的に開かれた大学とするという立場から、外国人の教員を正規に任用する道を開くということについては私どもとしても積極的な気持ちで対応しておるつもりでございます。
  58. 小野明

    ○小野明君 これは具体的に申し上げた方がいいと思いますが、この法案では、外国人教員を教授会には参加させるが、学長、学部長等には任用しない、こういうたてまえをとっておりますね。これは教授、助教授、講師と、こういうふうに書くことによってそれを裏づけていると思いますね。そこが私は問題だと思う。せっかく外国人を教授に任用し議決機関として参加をさせると、そこまで踏み込んだのであれば、学長、学部長にしても――これは諸外国にはたくさん例があります。私立大学にももちろん例があるわけですが、むしろ外国人教授を差別する、そういう結果を招くのではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。そうですね、提案者のお考えをまず聞きましょうか。
  59. 石橋一弥

    ○衆議院議員(石橋一弥君) お答えいたします。  そこのところがまさに当然の法理というのと特別措置法としてこの法案を作成をいたしました際の限界と申しますか、限界を学部長、学長等まで二条一項に入れなかったところでございます。しかし、教授とし、助教授となった人がその学内においての教授会にも出られない、その議決にも加わることができないということでは果たしていかがかということで第二項を入れさせていただいたわけでございます。  いずれにいたしましても、その限界をどこに置くかということで、当然われわれといたしましても特別措置法というものの中における限界、当然法制局の意見も聞きながら、ここが限界だなと、こう考えていたしたわけでございます。  以上です。
  60. 小野明

    ○小野明君 それでは提案者ですね、これはそこまでこられたと。しかし、将来外国人教授で管理職あるいは管理職に適任者が得られると、こういう状況になった場合、これは仮定になりますが、将来特例法の限界を踏み越えるおつもりがあるのかどうか、お尋ねいたしておきたいと思います。
  61. 石橋一弥

    ○衆議院議員(石橋一弥君) お答えいたします。  ただいまの小野委員の御質問でありますが、私ども提案者といたしますと、まず、これはわが国において明治以来初めてのことであります。もう一つは当然の法理というものもあると。そして限界というものがここであろうということでしたわけでありますが、将来このような制度にわが国そのものがなじんでまいったり、あるいはまたそれぞれの学部の中、各学の中において強い要望、要請ができるようなことが醸成をされてまいりましたときには、これはケース・バイ・ケースの中においても考えねばならないことでありますが、また法律の修正等も行うことがあり得るであろう、このように考えております。
  62. 小野明

    ○小野明君 さらに、この法律案では任期制をとっておりますよね。これに任期制を導入をされたと。ほかの日本国籍を有する教授には任期制というものはない。しかし、この特例法は任期制を導入いたしていると、このように思われるわけですが、この点も私は問題になるのではないかと、こう思いますが、いかがでしょうか。
  63. 狩野明男

    ○衆議院議員(狩野明男君) お答えいたします。  先生も御承知のように、大学等における国際交流は、一定の研究目標というのを定めたり、それから、研究計画が期間をもって定められたりしているのが一般的であります。これに対応するためにはやはり年限を切って人材を招聘することが予想されるということが一つと。それから、大学側より積極的に外国人の任用を行うためには、任期を設けるということによってローテーションシステムをとることができると、そのことによってかえって受け入れを円滑化できるんではなかろうかと。それからもう一点は、任用される外国人そのもの、本人及びその所属する機関の承認を得るためには任期があった方が有利であるような場合も想定されるというようなことを考えて任期制というのをとったわけでございます。
  64. 小野明

    ○小野明君 その点はまあ利便さというよりも、やっぱりさらに原則的なことから考えまして他の日本人教授と同じような扱いにするということの方がより私は公平、公正ではないかと、こういう意見を持っております。また、この任期制について文部省が任期の標準を示すのではないか、それを行政指導するのではないかというような見方もあるようですが、その点について大学局長いかがですか。
  65. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の任期についての規定は、「大学管理機関の定めるところによる。」ということで規定をしているわけでございまして、ただいま提案者の方からも御説明がございましたように、国際交流推進というような観点から任期をつけることを原則としているわけでございますが、私どもといたしましては、具体的なその定めは「大学管理機関の定めるところによる。」ということで、大学管理機関にゆだねているわけでございます。したがって、個々の大学の対応はそれぞれの大学において行われることになろうかと思いますので、私どもが何らかの標準を定めて指導云々ということはただいまのところ考えておりません。
  66. 小野明

    ○小野明君 これは大学の管理機関が定めるということになっておりますが、やはりこれは任期制が導入されるといま提案者もありましたように、これは明らかな事実であります。そこで、教授、助教授、講師と、こういうことになりますと、日本の公務員制度では任期制を導入することによって制度の一部に手直しをしなければならぬ点が出てくるのではないか。たとえば共済関係の法律がございますが、これは原則として終身雇用、これを前提としております。だから、現行法を機械的に適用するということになりますと、長期給付の場合等において任期制の公務員には著しく不利が生じてくるわけですよね。でありますから、不公平にならないような制度を工夫する必要がありはしないか。――これは文部省において、あるいは大蔵とももちろん関係がありましょうが。さらに旅費等の問題。外務公務員の場合の帰住旅費との関係がございますが、これらも手直しをする必要があるのではないか、このように思われますが、文部省はどのようにお考えですか。
  67. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の第一点の共済組合関係の法律の適用の関係でございますが、外国人が国公立学校の教官に任用された場合には、国家公務員共済組合法または地方公務員共済組合法の適用を受けることになるわけでございます。そして、この共済組合法を適用するに当たりまして、年金の受給権発生の要件は、御案内のとおり、二十年以上の加入ということになっているわけでございまして、それに関連しての手直しが必要ではないかというような御指摘の点でございますが、問題は任期制がとられることによりまして受給権が生じないことも事実出てくるわけでございます。それで、現行制度上加入期間の不足によりまして年金の受給権が発生しない場合があり得ることを予想しまして、現行制度では脱退一時金の制度が設けられているわけでございます。この制度は、「組合員期間が一年以上二十年未満である者が、退職した後に六十歳に達した場合又は六十歳に達した後に退職した場合」で、年金の受給権がないときにその者からの請求に基づいて一時金を支給するという仕組みでございまして、御案内のとおり俸給日額に組合員期間に応じた所定の日数を乗じて得た額と六十歳に達するまでの間の利子相当額を合算して支給をするというような規定がございまして、もちろんこのことによって、したがって掛金の掛け捨てというようなことが出て、共済組合加入による不利益というものは生じないものと考えるわけでございます。ただ、外国人にこの制度を適用するに当たりまして、もちろん制度の趣旨等を十分周知徹底して、不利益の出てこないような対応ということは十分考えなければならないことではないかと思っております。  お尋ねの第二点の旅費の扱いの問題でございまして、特に帰住旅費の扱いの点についてのお尋ねであろうかと思いますが、国家公務員の旅費については国家公務員等の旅費に関する法律によりまして支給されるわけでございまして、外国人が正規の国立大学の教官等になれば、もちろん旅費の支給はこの法律の規定によるわけでございます。そこで、赴任旅費につきましては任地から居所または居所から勤務地に旅行する場合には法律の規定によって支給をされますので、外国人が外国から赴任する場合ももちろんその規定が適用されて、航空運賃、移転料、扶養親族移転料等が支払われるという仕組みになるわけでございます。  一つは、外国への帰住旅費の点でございまして、現行の法律はわが国の人間が外国へ行きまして退職をした際に日本に帰ってくる場合の旅費を支給する旨の規定があるわけでございますけれども、外国人がわが国において退職しまして外国に帰住する場合については規定がないわけでございます。したがって、この場合には外国への帰住旅費は法律上は支給されないわけでございますが、同法第三条第五項には、「国費を支弁して旅行させる必要がある場合には、旅費を支給する。」という規定がございまして、現在いわゆる勤務の契約によって雇用する外国人教師等に対してはこの規定を適用して、帰国にかかる旅費を予算措置して支給しているわけでございます。本件についてはもちろん大蔵大臣と協議することが必要でございますが、今後この法律が制定されまして正規の教授に任用された場合に、外国人が帰国に必要な旅費はもちろんこの規定によりまして支払われるようになろうかと思いますが、そういうことについて十分遺漏のないように私どもとしても手当その他について十分な対応をする必要があろうかと、かように考えております。
  68. 小野明

    ○小野明君 後の点はそれでよろしいと思います。  最初の共済の長期給付の場合ですが、私がお尋ねをしたのは退職一時金がありますとか、二十年でございますとか、そういう制度の説明を私は求めたのではないんです。任期制が導入されることによって長期給付等において法制度を改正をいたしませんと外国人教員が不利になる場合が出てくるんではないか。だから、その点は法改正を考えておりますかと、考えなければならぬことではないのかということをお尋ねしておるんです。
  69. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 先ほど現行制度の対応を処理として申し上げたわけでございますが、御指摘の点は確かに現行制度がいわゆる任期制を前提とした規定でない点から、なお検討する点があるのではないかという御指摘でございます。  私どもはただいまのところ現行制度でその点は対応できるものと理解をしておるわけでございますが、なお、それらの点について検討を要する点があれば十分研究をさしていただきたいと、かように考えております。
  70. 小野明

    ○小野明君 検討をする点があればということではなくて、不利にならないようにひとつ研究、検討をしてもらいたい、こういうことですが、よろしいですか。
  71. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の趣旨を体しまして研究さしていただきたいと思います。
  72. 小野明

    ○小野明君 次に、現行の外国人の教師、講師にも国公立の大学の教師、講師に任用する道が開かれておるわけですね。これは国家公務員法の二条七項ですね。これの制度もかなり内容としては私はいいものがあるように思っております。ですから、この制度もやはり縮小をされることがないように努力をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
  73. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、国家公務員法第二条第七項の勤務の契約によりまして、現在外国人教師、講師という制度があるわけでございまして、今回のこの特別措置法の制定によりまして、この現行の外国人教師、講師の制度について後退することのないようにという御指摘でございましたが、私どもといたしましても、この現行の外国人教師、講師の制度についてはやはり十分利点のある点でございまして、本法が成立した場合でございましても現行制度をさらに充実するように努力してまいりたいと、かように考えております。
  74. 小野明

    ○小野明君 この特別措置法によりまして任用される大学の外国人教授、これはやはりその総定員法の中で縛られてくると思いますが、これを定員の特別枠を私は設けるべきではないかと思いますが、この点の御所見を伺います。
  75. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 御案内のとおり、この法律では国公立大学の一般職の公務員である教授等として外国人を任用する道を開くわけでございまして、したがって、たとえば具体的に申せば、ある国立大学の特定の講座にたとえば教授が欠員になった場合に、適任者を得るために広く外国人の中からも適任者を探して、その外国人を、適任者があればその人を任用し得る道を開いたわけでございまして、したがって御指摘の点は、このために特別枠の定員を措置を講ずべきではないかという御指摘でございますけれども、本来の法律の趣旨からすればただいま私が申し上げたような形で、既存の国立大学のある講座に欠員が生じた場合の任用に当たりまして、適任者を広く国の内外から求めるという道が開かれるという形でございますので、したがってそういう意味から申せば、特別の定員措置は講ずることが必要でないんではないかというぐあいに理解をしております。
  76. 小野明

    ○小野明君 提案者にお尋ねをいたしますが、これは大学の外国人教員に対する特別措置法ですが、この趣旨を高等学校以下といいますか、小中高、これらの教員にも押し及ぼすべきではないのか、日本在住の外国人も非常に多いことですから、この際に、やはり語学等の問題もこれあり、小中高の教員にも押し及ぼすべきではないのか、このように思いますが、提案者はどのようにお考えでしょうか。
  77. 狩野明男

    ○衆議院議員(狩野明男君) お答えいたします。  高校以下にはどうかというお尋ねだと思いますが、御承知のように高校以下は義務教育の延長線上にあり、そしてこれはわが国の次代を担う国民の育成を基本目的とした国民的教育でありますので、本法案のこの国際的性格を有する学術の研究、教育を目的としている大学とおのずから異なるものでございますので、特別の立法を行う考えはないわけでございます。
  78. 小野明

    ○小野明君 これはたしか衆議院で石橋さんも、進めるという立場で御答弁があったように記録を読んでおりますが、法務省入国管理局の外国人登録国籍別人員調査によりますと、韓国及び朝鮮国籍を有する者六十六万七千三百二十五名、中国国籍を有する者五万五千六百十六名、これだけの多数の外国人が在住をしておるわけですね。そういたしますと、当然これは小中高にも押し及ぼしてしかるべきではないか。文部省は、ことしの六月か、全国の教育長を集めて、そういうことをすべきでないというような通達をしたというような話も報道されておりますが、現にそれをやっている大阪、東京、愛知、神奈川などがあるわけですよね。それさえもやめろと、こういうことはきわめて私はこれから国際化を目指す教育ということを考えますならば遺憾なことだと、こう思いますが、文部省いかがですか。
  79. 鈴木勲

    ○政府委員(鈴木勲君) ただいま提案されております法案の趣旨は、国際的性格を有する学術の研究、教育を目的とする大学に限りまして、特別立法をもって、従来この国家公務員に外国人を任用することにつきまして、公権力の行使ないし公の意思形成にかかわることについては外国人を任用することができないという当然の法理から考えられていたものにつきまして、特別立法によってこの部分についての任用できる道を開くというものでございまして、国公立の小中高等学校につきましては、従来どおりの公務員に関する当然の法理に基づきまして正規の教諭として外国人を任用することができないものということになるわけでございますが、この大学と小中高等学校とはいま申し上げましたように本質的にその目的が違いますので、そういう意味で大学に開かれております道を小中学校まで及ぼすということは、ただいま提案者も述べられましたように必要ないのではないか。したがって、当然の法理に基づきまして、従来同様正規の教諭として任用することはできないというようなことになるわけでございまして、現在実績でそういう二十八名、三都府県でございますけれども、この点は、従来からその是正方につきましては都道府県と相談をしているわけでございます。そういう対応方針でまいりたいというふうに考えております。
  80. 小野明

    ○小野明君 最後に文部大臣にお尋ねいたしますが、この法案は、当然の法理というようなことに足を縛られて肝心なところまでいっていないという感じが否めない。しかし、これは提案者の御努力もあったと思いますが、特に任期制を設けるという問題、あるいは学部長、学長への登用を禁止しているという問題でどうも画竜点睛を欠く感じがしてなりません。こういった点を早急に克服しなければならない、そうしなければ開かれた教育、研究、国際化された大学ということにはならないのではないかと、こういうふうに私は思います。この点に関して大臣に最後に御見解を承りたいと思います。
  81. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) この法案が、いわゆる当然の法理なるものに妨げられて、はなはだ徹底を欠いておるという御批判でございます。さような御批判につきましては提案者の方から先ほど来るる御説明を申し上げたところでございますが、御指摘は、御趣旨は十分理解いたしておりますので、これは今後の研究課題として文部省といたしましても研究をしてまいりたいと思います。
  82. 小野明

    ○小野明君 終わります。
  83. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十一分休憩      ―――――・―――――    午後一時四分開会
  84. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国立又は公立の大学における外国人教員の任用等に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  85. 杉山令肇

    ○杉山令肇君 質疑に入ります前に、教科書問題につきましてお尋ねをいたしたいと思います。  昼休みにテレビを眺めておりますと、文部大臣が「侵略」、「進出」の訂正をいたさない、そのような結論的な報道をされているわけであります。  私なりに大東亜戦争にも参戦をした一人でありますが、かつて日本軍が中国におきまして数々のよくない行為をしたということは当時十分国民が知っているところでもあります。また、韓国の立場を考えてみますと、去年の日韓議員連盟の総会で韓国側の提言がございましたが、あの戦争のさなかに、日本政府は白紙、赤紙という制度で徴兵、徴用をいたしました。赤紙というのは軍人に徴されるわけでありますが、白紙は技術、労務等に強制徴用をされるということであります。そういう立場から、朝鮮半島から四万三千人の若い人たちがサハリンの厳寒の地に日本政府の指示によって重労働者として従事をした。ところが、戦後ソ連との国交が正常でないという理由によりまして、いまだにその問題が未解決であるという現況が発表になりました。しかも、この問題を考えてみますときに、日本政府の大きな責任ではないかという強い指摘もございました。そして、いまだに朝鮮半島が両国に分断をされまして、国内的な統一の悲願を持っている国民でもあります。中国、韓国両方から眺めてみましたときに、「進出」、「侵略」という字句につきましては、いまさら私が申し上げるまでもなく、「進出」では納得でき得ないということは十分理解をしてあげなければいけないのではないか。  それとあわせまして、実は文部大臣にお願いをいたしたいことは、国際的な立場もありましょう、国内的な諸問題も抱えていらっしゃると思いますけれども、どうかひとつ事務的な答弁にとどまらず、誠実、迅速に――この問題につきましては東南アジア諸国の国際間の親善にも大きなかかわり合いもございましょう。また、日本の過去の歴史的事実経過も踏まえまして、ひとつ幅の広い観点に立って今後御努力をしていただくという御意思がないのか、一言お尋ねをいたしまして教科書の質問にいたしたいと思います。文部大臣の御答弁をお願いいたします。
  86. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 中国に対しまして日本がかつて行ったことの厳しい反省に立脚して、日中両国の友好親善関係を促進していくべきことにつきましては、ことごとくの教科書が書いておるところでございます。また、韓国につきましても、きわめて長い間の朝鮮統治のうちには、今日にあって謙虚に反省をしなければならない事実、あるいはそのことに対して責任を感じなければならない事実が多々ございます。文部省がいま御指摘の侵略という字句について改訂意見を出しましたのは、かような立場を放棄しようとしておるわけではないのでございまして、別に理由があっていたしたことでございます。私といたしましては、先ごろ来繰り返して申しておりまするように、当方の立場、当方の真意を誠意を持って説明することによって問題を解決したい、問題は解決できる、このように信じて、及ばずながら努力をいたしておるのでございまして、したがいまして当面教科書の改訂を行おうという気持を持っておらないわけでございます。これからもかような姿勢で努力を続けてまいりたいと思っております。
  87. 杉山令肇

    ○杉山令肇君 それでは質疑に入らさしていただきます。  今回のこの法案は、わが国の国公立大学に外国人の教授等を迎え入れ、大学等の研究、教育の進展を図り、学術の国際交流を推進しようとするものであり、まことに当を得たものと考えております。その意味からこの法案の速やかな成立を希望するものでありますが、私も岐阜教育大学、また聖徳学園女子短期大学と二つの大学の理事長の立場にもありますが、いろいろと外国人の教員の任用もいたしたこともあります。また、国内の他の私立大学では外国人が学長になっている例もあるようですが、現在の状況をお聞かせください。また学部長についてはどうでしょうか。また教授等になっている数はどのようになっているのか、その状況をお尋ねいたしたいと思います。
  88. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) お尋ねは、現在私立大学の学長あるいは私立の短期大学の学長に外国人が何人ぐらいいるかというお尋ねでございますが、五十七年四月一日現在で、私立大学の学長に就任しております外国人は二名、私立短期大学の学長に就任しております外国人は十一名でございます。  学部長については現在は――現在と申しますのは四月一日時点でございますけれども、現在は存在しておりません。ただことしの三月三十一日までは学部長についても何名かおられたわけでございます。  また、私立大学において教授等になっております数でございますが、五十六年五月一日現在の数字でございますが、教授が三百六十三名、助教授二百名、講師四百五十九名という状況になっております。  以上でございます。
  89. 杉山令肇

    ○杉山令肇君 この法案は国公立の大学に外国人の教授等を迎え入れる道を開くものでありますが、きょう午前中の質疑の中でもございましたように、国公立の大学においてもすでに外国人が教員になっていると思うのでありますが、現在の状況をお聞かせいただきたいと思います。
  90. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 現在は、国立大学におきましては、いわゆる個人の契約に基づきまして外国人教師、講師という制度がございます。  その数についてのお尋ねでございますが、五十七年一月一日現在の調査で、わが国の国立大学には主として英語、ドイツ語、フランス語等の外国語科目の担当者といたしまして外国人教師が二百九十三名、外国人講師が三百六十四名おるわけでございます。しかしながら、これらの外国人は一般職の正規の公務員としてではございませんので、先ほども申し上げましたように、国家公務員法等二条第七項の規定に基づく個人的な勤務の契約によって雇用されている者でございます。
  91. 杉山令肇

    ○杉山令肇君 ただいまの御説明の中で、国公立大学の外国人教師と講師という御説明がありましたが、その違い及び外国人教師、講師の国籍別や担当分野別の状況をお聞かせいただきたいと思います。
  92. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) お尋ねの点でございますが、外国人教師は勤務の形態がいわゆる常勤の形になっているわけでございます。したがって、月額で本俸が支給されますほか、一般職の常勤職員に準じまして期末勤勉手当、退職手当、年金等が支給されることになっております。  一方、これに対しまして、外国人講師は勤務の形態が非常勤の形でございまして、具体的には担当授業について時間給が支給をされるというような仕組みになっておるわけでございます。  お尋ねの第二点の国籍別及び担当分野別の任用状況についてのお尋ねでございますが、五十七年一月一日現在で、わが国の国立大学におります二百九十三人の外国人教師の内訳でございますが、国籍別で申しますとアメリカが七十五名、イギリスが四十九名、西ドイツが四十七名、フランス三十六名等というような状況になっております。また、担当分野別でございますが、英米語が百三十二名、ドイツ語五十二名、フランス語三十五名、中国語十四名等ということになっておりまして、主として外国語科目を担当しているわけでございますが、中にはそれ以外に、たとえば芸術の分野でございますとか、そういう分野ももちろんあるわけでございます。  また、外国人講師でございますが、三百六十四名おりますうちで、国籍別で申し上げますとアメリカが百二十五名、イギリス三十四名、西ドイツ四十一名、フランス二十六名等となっておりまして、担当分野別の内訳では英米語が百七十一名、ドイツ語四十九名、フランス語二十九名、中国語二十一名等というような状況になっておりますのが、最初申し上げましたような外国人教師、講師として任用されております者の現状でございます。
  93. 杉山令肇

    ○杉山令肇君 ただいまの御説明によりますと、現在国立大学に勤務している外国人教師、講師は個人的な契約に基づいて雇用されているとのことでありますが、それでは一般職の公務員である教授はいないということになろうかと思います。これは、わが国では従来より公務員に関しては「公権力の行使又は公の意思の形成への参画にたずさわる公務員となるためには日本国籍を必要とするものと解すべき」といういわゆる公務員に関する当然の法理があるからでありまして、この法理により外国人を国公立の大学に採用する門戸が閉ざされていた。それをこの立法によって大学の教員採用の門戸を世界に開く、このように理解すべきかと考えますが、いかがでしょうか。
  94. 石橋一弥

    ○衆議院議員(石橋一弥君) お答えいたします。  先生御指摘のとおりです。
  95. 杉山令肇

    ○杉山令肇君 以上の御説明で今回の立法の趣旨につきまして承知をしたのでありますが、私立大学で現に外国人が教授として就任しているのと比べますと、政府としてはもっと早く対応すべきだったのではないでしょうか。提案者及び政府より本法提案までの経緯を伺いたいと思います。
  96. 石橋一弥

    ○衆議院議員(石橋一弥君) 午前中もこの間の経緯について御説明いたしたわけでありますが、結局具体的に申し上げますと、当然の法理という考え方の中で、各省の中にも研究部門を持つところがあるわけであります。そこで、そのような各省との話が一切相済めば閣法として提案をするのが当然なことだろうと、こう考えておったわけでありますが、なかなかその間の話し合いがつかないままここまで参ったわけでございます。そこで、われわれといたしますと、大学における研究、教育に関する国際化の必要性、あるいは教育、学術、文化の国際交流を一層活発にすべきであるという観点に立ちまして、政治的な決断として、もう待てないという考え方で今回提案を申し上げたわけです。  以上です。
  97. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 政府側の対応はどういうことであったかというお尋ねでございますので、午前中もその間のことについてお尋ねがあって御答弁申し上げたわけでございますが、若干今日までの検討の経過について御説明を申し上げたいと思うわけでございます。  午前中にも御答弁申し上げたわけでございますが、大学教育の国際化というような問題で外国人を国公立大学の教員に選任するということについては、かねて中央教育審議会なり、そういう審議会での議論もいろいろございまして、それらを受けて政府としても検討を行っておったわけでございます。そしてその後、国会でもその点が取り上げられまして、五十三年の一月には衆議院の本会議においての質疑があり、さらに引き続き、五十三年の三月には参議院の予算委員会におきまして自民党の秦野先生から法的に可能かどうかという点についてのお尋ねがございまして、午前中も御答弁申し上げましたような法制局の長官から特別の立法を行って法理に触れない職務内容を規定すれば可能であるという趣旨の答弁があったわけでございます。それを受けまして、たとえば外国のノーベル賞級の学者を積極的に日本の大学の教授として招き、教育、研究の振興を図るということから、それらの点についてはあるいは議員立法で積極的に対応したらどうかというようなことで、文教部会に秦野先生から諮られたわけでございます。その後、文教部会でもいろいろと議論をしながら今日まで進んできたわけでございますが、私ども政府側といたしましても、その秦野先生のお話がありましたことを契機といたしまして、積極的な対応を政府部内でも種々対応を検討してまいったわけでございます。関係省庁といたしましては大蔵省、人事院、総理府人事局、あるいは自治省、法務省というようなところがございまして、中には特別の立法の必要性があるかどうか疑問があるというような対応のところもございましたが、特に各省にも大きな反対というようなことはなかったわけでございます。  そういうようなことがございまして、五十三年後半から具体的な法案の形での予備審査というような形で内閣の法制局ともいろいろ検討を進めてまいったわけでございます。実際問題として、具体的に、会期の関係その他がございまして国会の提案ということには至らなかったわけでございますが、そういうことで、私どもといたしましても政府部内でそれらの点についてはいろいろ検討を続けてまいってきたわけでございます。  簡単に政府部内で検討が行われました審議のポイントについて申し上げますと、一つは、いわゆる法理と立法との考え方をどうまとめるかということ。それから、午前中も御説明したわけでございますが、公務員制度全体の中でこの特別立法をどういう形で立法していくかという問題、そして、その立法の整合性の問題について、そしてこういう特別立法することについての具体的なメリットというものがどういうようなところにあるかというようなところあたりがいろいろと議論をされた点でございまして、午前中も説明したような形で、なおそこについては関係省庁間について国立大学以外の研究所まで含めての対応というようなことにはなかなか至らなかったというのが今日までの審議の経過を踏まえました検討の経過でございます。
  98. 杉山令肇

    ○杉山令肇君 法案の内容につきまして少しお伺いをいたしたいと思います。  第二条ですが、この規定の趣旨につきましてひとつ御説明をいただきたいと思います。
  99. 石橋一弥

    ○衆議院議員(石橋一弥君) お答えいたします。  第二条の関係でございますが、第一項は、教授、助教授または講師に任用する、学部長、学長は含まれない、こういう解釈でございます。  第二項は、任用された教員につきまして、外国人であることを理由として教授会あるいは運営に関与する合議制の機関の構成員となったり、その議決に加わることを妨げないという考え方です。  第三項は、教員の任期につきましては、大学の管理機関、いわゆる大学の自治でありますが、その定めるところによる、いわばお任せをする、こういう考え方です。
  100. 杉山令肇

    ○杉山令肇君 第二条第一項では「外国人を教授、助教授又は講師に任用することができる。」という規定になっていますが、この規定から考えますと、学長、学部長等への任用は差し控えるという御趣旨に考えられます。これは、学長や学部長等の管理職になりますと、これらの職が公の機関である大学の管理運営の責任者であり、人事上、会計上も一般行政機関の管理職と同様の職務権限を有するものと考えられるところから、外国人をこれらの職につき得るとすることについては適当ではないのではないかとの御判断によるものと考えられます。  また、今回の立法は、大学における教育、研究の進展や学術の国際交流の推進のために外国人を国公立大学の教授等に任用する道を開こうとするものであり、学長等の管理職に任用することはこの趣旨からも特別の必要性がないとも思われます。提案者もそのようにお考えだと理解してよろしいでしょうか。
  101. 石橋一弥

    ○衆議院議員(石橋一弥君) 杉山委員おっしゃるとおりでございます。  ただ、一言付言を申し上げますと、法理の問題、そうして特別措置法の問題から申し上げまして委員御指摘のとおりでありますが、さらに、実態論といたしましても、頼む側の各大学、あるいは受けてまいりますところの外国人教員、いずれもが、研究者として頼み、そしてまた来る方々も研究者として実態は来るものである、こう理解しております。したがって、学部長、学長等の管理職として迎え入れ、あるいは来るというようなところが果たしていかがかなという考え方もあるわけであります。  以上です。
  102. 杉山令肇

    ○杉山令肇君 次に、任期制について少しお尋ねをいたしたいと思いますが、第二条第三項についてはどのような解釈になるのか、若干御説明をお願いいたします。
  103. 狩野明男

    ○衆議院議員(狩野明男君) 現行の教育公務員特例法によりますと、学長等の管理職の任期については大学管理機関が定めると規定してありますけれども、本法案においては「大学の管理機関の定めるところによる。」として、若干そのニュアンスの違いを表現しているわけであります。  この趣旨は、新しい制度により外国人を受け入れる場合において、国際交流推進等の観点から任期制を採用することを前提としつつも、任期をあくまでも大学の自治に任せているわけでございますので、大学が任期を定めない場合もあり得ると考えて、これが直ちに法律違反ということには必ずしもならないということを意味しているわけでございます。
  104. 杉山令肇

    ○杉山令肇君 このような任期制についての規定を設けたのはどのようなお考え方によるものでしょうか、大変恐縮でございますけれども。
  105. 狩野明男

    ○衆議院議員(狩野明男君) ただいまお答え申し上げたことに関連するわけでありますけれども、この第二条第三項の任期制の規定は、「第一項の規定により任用される教員の任期については、大学管理機関の定めるところによる。」として、大学の自治に任せているわけでありますけれども、このような規定を設けたのは、一つはローテーションシステムによって大学がより積極的に外国人を任用することができると、そのような可能性があるということ。二番目には、共同研究テーマの完成や専門分野の後継者等の育成の見通しなどを受け入れ、大学側の事情から任期制を付した方が適切な場合が少なくないということ。それから、三番目に、外国人及びその外国人の所属する機関の事情などにより、任期制を定めた方が適切な場合があるというようなことなどによって、外国人について、わが国の国公立大学への受け入れを円滑化することを考慮したわけでございます。
  106. 杉山令肇

    ○杉山令肇君 任期制の問題につきましては御説明を賜りましたが、老婆心でありますけれども、たとえば大学の新設、定員増、学部増等々のそのような問題の場合に、任期制の問題におきまして、外国人教官と日本の教官との身分保障の相違があるわけでありますが、そのような大学の新設、学部増、定員増等々の場合に教員の資格審査がございます。当然のことでありますが、研究業績あるいは経歴等のその先生のいろんな資料を参考にされるわけでありますが、果たしてその場合に、外国人に対しての何か、極端に申しますと差がつけられるのかどうか、公平であるのかどうか。老婆心の質問でありますが、お尋ねをいたしたいと思います。
  107. 狩野明男

    ○衆議院議員(狩野明男君) 特に差をつけて考えることはございません。
  108. 杉山令肇

    ○杉山令肇君 次に、第三条の規定の趣旨について御説明をお願いいたしたいと思います。
  109. 狩野明男

    ○衆議院議員(狩野明男君) 第三条の第一項の規定は、外国人を教授等にして任用し得る機関として、国立大学共同利用機関というのがございます。これは国立学校設置法第三章の三に定められたものでございまして、たとえば高エネルギー物理学研究所とか、それから宇宙科学研究所とか、国立民族博物館等でございます。さらに、国立学校設置法第三章の四に規定されております大学入試センターにおいても、これは一般の国公立大学と同様に外国人を任用し得るということでございます。
  110. 杉山令肇

    ○杉山令肇君 法案の各条項の規定の意味につきましては、御説明を伺い、理解をいたしました。  ところで、この法律が成立いたしますと、実際にはどのように活用されることになるのでしょうか。
  111. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 従来から国公立大学においては、外国語を中心に外国人教師、講師の制度、これは先ほどお尋ねがあって、現行制度について御説明をしたわけでございますけれども、そういう仕組みによりまして、すぐれた外国人の受け入れということについては従来とも私ども努めてきておるわけでございます。しかしながら、御指摘のように、正規の公務員としての任用の道は教授等については従来、法理からしてできないということになっておったわけでございまして、単に外国語の分野ということではなくて、大学の学問全体について適任者を広く求めるという観点からいたしますれば、この法律が成立することによりまして、学問分野全体の発展のために広く目を世界にまで広げまして、それぞれの大学の講座の主任の教授として、そういう方々が任用されるようになることを私どもとしても期待をしておるわけでございます。具体的に本法が制定されますれば、その具体的な運用については、もちろん大学が自主的に判断していくことになるわけでございますけれども、すでに幾つかの国立大学等からも、あるいは共同利用機関におきましても、こういういろんな分野において外国人を任用したいというような希望があるやに私ども聞いておるわけでございまして、この制度が幸い成立いたしますれば、そういう形で広く人材が求められて、わが国の大学教育、学問研究の発展のために大いに寄与することになるんではないかというぐあいに理解をいたしておるところでございます。
  112. 杉山令肇

    ○杉山令肇君 それでは最後に、この法案についての文部省の考え方を伺いたいと思います。  御承知のように、欧米諸国の諸外国も、ほとんどが、すでに外国人教員の任用を開放している現状であります。どちらかといいますと、わが国がいままで国公立大学に外国人専任教員に対しまして閉鎖性のような立場で、とかくの論議があったと思っております。しかし、今回のこの措置によりまして大きな光が出てきたんだと思っております。特に留学生の問題をとらえてみましても、そういう人たちも将来への大きな光を見出すでありましょう。また、わが国にとりましても教育、学術、文化等に外国のすぐれた頭脳を吸収するということは、大学教育の振興につながる重要な意義を持つものと思います。このことにつきまして、本法の運用について文部大臣からの御決意を承りたいと思います。
  113. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 文部省といたしましても、かねてから開かれた大学をつくりまするために、国公立大学に外国人の教授を任用するための方途を模索し続けてきておったわけでございます。したがいまして、この法案を歓迎いたしまして、成立の暁は法律の趣旨を大学関係者等に十分徹底させまして実効を期してまいりたいと考えております。
  114. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) ちょっと速記をとめていただきます。    〔速記中止〕
  115. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) 速記を開始してください。
  116. 秦野章

    ○秦野章君 最初に教科書問題、いろいろ論議が出ていますから、私の考えというか、ひとつ論点を交通整理するような意味で申し述べますので、それに対して適当な御感想なり何なりお答えを願いたいと、こう思うのです。  一体、そもそも歴史教育というものはどういう目的で文部省はやるのか。まずこれ一つ当局から――大臣じゃなくて結構です。歴史教育は何の目的でやるのか、やわらかく答弁してください、わかるように。
  117. 鈴木勲

    ○政府委員(鈴木勲君) 歴史教育における歴史の意味がまずあると思いますけれども……
  118. 秦野章

    ○秦野章君 目的。
  119. 鈴木勲

    ○政府委員(鈴木勲君) 目的ですね。結局歴史というものをどうとらえるかということは別にいたしまして、歴史における文化、人間の生活、そういうような過程を広い視野に立って考察させまして、歴史に関する思考力と申しますか、判断力と申しますか、そういうものを養わせるのが歴史教育の目的だと考えております。
  120. 秦野章

    ○秦野章君 それは決して間違っていると私は言いませんけれども、歴史教育をしていくということの一つの大きな意味は、私は歴史に何を学ぶか、そして後代にどういう文化なり、われわれの国家なり、民族なりの遺産を継承していくかという、言うならば歴史に何を学ぶかということが一番大きいと思うんですよ。これを子供にどう教えるか、そういう意味において、教育は百年の計と昔から言われますけれども、文部省の大きな意義があるんで、過去のことを調べ回ることの意味の一つはまさにそこなんだということを僕ははっきりせにゃいかぬと思うんです。そういうことじゃないですか。
  121. 鈴木勲

    ○政府委員(鈴木勲君) 教育というものが、一つは文化遺産をいかにして後代に伝えるかということが目的でございますから、その中で歴史というものを学習するという意義は、先人の形成した文化遺産というものを正しく学んで自分の生活に生かし、かつそれを後代に伝えていく、そういう意義が歴史教育にはあるというふうに思います。
  122. 秦野章

    ○秦野章君 まあわれわれの、何といいますか、生涯は、何ぼ長生きしたって百年生きる者はまれなんですから、やはり延々として続く歴史の中で、そこに深い洞察力をもって過去の長い長い歴史を学び、そしてそれをわれわれ自身が消化をして、そしてこれからも長く長く続くであろうわれわれの後代に間違わないように伝えていくということが、私は大きな歴史の意義だと思うんですよ。  そこで、それなら歴史とは何だと言うたら、やっぱり歴史は、マルキシズムなんかは絶対観、唯物史観はやや特異だけれども、普通の歴史というのはやはり社会科学ですから、社会科学である限りこれは歴史の見方みたいなものがいろいろ出てくるということがあるわけですね。つまり歴史の評価、事実の羅列じゃなくて、その事実に対してどう評価していくかという問題になってくると、人により、国によって違ってくる。これはもう認めなきゃならぬ社会科学の本来的、宿命的性格だと思うんです。釈迦に説法で申しわけないんだけれども、問題の基本を整理するという意味で私は申し上げるんだけれども、そもそも歴史とはそういうものなんだというふうに思うんです。しかし、中にはイデオロギーでもって歴史観を編み出せば、それはそれなりの考え方が出てくる。イデオロギーを絡ませないで、しかしそうかといって、絡ませなくてもそこに全然評価はないかといったら、私は評価というものがあるだろうと思うんです。たとえば何人死んだという物理的な現象みたいな事実は、それはそれで歴史的事実として事実だけれども、その事実がいろいろどういう目的で、あるいはどういう影響波及があって効果があったということになれば、やっぱりどうしてもこれは自然科学じゃなくて社会科学だということの意味合いがそこで私ははっきりしてくると思うんです。  そこで、私どもは今度この教科書問題で問題が起こったということに関連して、歴史とは何か、歴史から何を学ぶかということと、いま一つは、もっと基本的な問題では検定制度というものは一体どういうものだろうか。検定制度はやっぱり行政技術だと思う。行政技術であって、まさに行政技術なるがゆえに、原則は専門的でもあるし、またニュートラなものだというふうに考えていいと思うんですが、その検定技術もやっぱり政治のもとにあるわけです。政治を離れておるわけではない。日本政治のもとにおける検定制度である。政治とは無関係だということではあり得ない。むしろ政治に奉仕するというか、政治の支配下にあると言っても私はいいと思うんです。この点どうですか、考え方だ。
  123. 鈴木勲

    ○政府委員(鈴木勲君) 検定行政も教育行政の一環でございますし、行政そのものはやはり立法府の定立した法律ないし立法府の意思の形成としての予算とか、そういうものに従って現在の法治主義においては執行されるというたてまえになっておりますから。ただ、いま御指摘ににりました検定行政がどういうシステムになっているかということから申しますと、先生御指摘のようにきわめて専門的、技術的かつ中立的な要素を持っておるということは御指摘のとおりだと思います。
  124. 秦野章

    ○秦野章君 ちょっと答えにならぬような話になるけれども、そうであることは当然なんだけれども、それであっても、いかにニュートラルであり、技術的であったとしても、それは政活のもとにあるんだということだけは間違いない。そこのところは、今度の問題で検定内容を変えるとか変えないとかいうことを私は言うのじゃなくて、論理の整理として言うならばそういうものだと思うんですよ。政治というものはすごいものなんだ。ハイジャックがあったときには憲法、法律も無視して、やっぱり超法規という名においてやるくらいのそういう力を持っているんです。政治とは力なりということは、やっぱりその辺に私はあると思うんです。  そこで、検定は行政技術だと、したがってニュートラルで専門的だと言うけれども、何せこれは社会科学を扱うという、歴史を扱うという立場であるから、私は検定の個々の問題はここで言いませんけれども、相当、社会科学の領域においてはイデオロギーによってやっちゃいかぬ。しかし同時に柔軟な対応としいうことが非常に社会科学の領域では大事だと思うのです。あらゆる意見はやっぱり耳に入れてやらなくちゃいけない。森羅万象ことごとく参考にするというような、そういう姿勢が社会科学の態度だと思うんですよ。これは学問的な態度だと思うんですよ。これは異議ないでしょう、そういう一般論は。
  125. 鈴木勲

    ○政府委員(鈴木勲君) 一般論としては御指摘のとおりで、特に科学という以上は、できるだけ客観的な史実、あるいは事実、検証されました史科とか、そういうものに基づいてできるだけ客観的な記述をしていくということが、歴史の教科書あるいは歴史の学習においては望ましいということは御指摘のとおりだと思います。
  126. 秦野章

    ○秦野章君 どんなに事実を収集し、どんなに専門的に努力をしても、また別の、専門的に営々と非常に勉強した人が別の歴史をつくる、百人の歴史家が百の歴史書をつくるというのが社会科学の宿命なんですよ。それをここがいいとか悪いとかと言う立場というものは、これが検定の立場なんだが、いかにむずかしいかということを私はひとつ言いたいことと、しかし、いかにむずかしいかというと同時に、絶対いわおのごとく動かないものではないんだと、やっぱり柔軟な対応も必要なんだということを私は言いたいんです。仕組みそのものが――仕組みそのものというか、仕組みの性格が、行政技術というものがそんな不動な不変なものじゃないと。だから簡単に動かせと言っているのじゃないんですよ。動かせと言っているんじゃないんだけれど、どうも大体頭がかたいんだよな。私も役人やっておったけれども、そういうところが役人というものはあるもんだから、みずからの反省を含めて申し上げるんだけれども、そういうものだということを私は申し上げておけばいいんですがね。  そこで、教科書問題で一つの問題は、アジアにおける日本の、特に最近における事態、最近の戦争というものから言うと、通俗的に言うと、「侵略」か「侵攻」かなんていろいろ議論があるんだけれども、それはさておいて、通俗的に言うと、ぶん殴った方が日本で、ぶん殴られた方が韓国や中国なんですよ。ところが、人間というものは――国家も人間の集まりだけれども、ぶん殴った方は意外と忘れるけれども、ぶん殴られた方は忘れないんですよ。そういうものなんです、物事というものは。そこにやっぱり心を砕かなきゃならぬという問題があると私はそう思う。具体的なことは私言いませんよ、物の考え方の問題だから。これ非常に大事なことである。  たとえば安重根の問題言いましょうか。安重根の問題なんかでも、この間何かごちゃごちゃ言った人があるけれども、私は昨年の六月かな、韓国というところへ開闢以来初めて行った。行きましてね大臣、私は最初に安重根の墓はないかと聞いた。そうしたら大使も知らないというわけだ。いろいろ調べて、安重根は記念館があるというから記念館へ行ったんです。なぜ私が行ったかというと、私は、自分の考えなんだけれども、安重根というのは何といったって韓国民族の独立のために命を捨てたんだ、韓国にとっては最高の烈士なんですよ、英雄なんですよ、韓国にとっては。私が歴史は社会科学だと言ったのは、国によって国の政治があり、歴史家によって歴史家の歴史書がある。それと同じようにかなり相対的なものなんですよね、相対的なもの。だから韓国にとって英雄だということは私は当然だと思うんですよ。日本の伊藤博文は日本では非常にすぐれた総理大臣であったし、日本の近代化にはなくちゃならぬ人であったけれども、伊藤博文は偉いんだ、しかし同時に、それを殺した安重根もみごとなる人物だと、こう評価しませんとね。これは矛盾でも何でもない。これが社会科学のやっぱり学び方というのか、受けとめ方だと私は思う。そういう意味で、彼が幼少のころから儒学を学び、キリスト教徒であったけれども、とにかく三十二歳で命を捨てたんだが、ハルビンであの伊藤博文を三発の挙銃で殺して従容として縛について、あの死ぬまでの間、日本の裁判長が彼の姿勢なり人となりを激賞し、刑務所の看守が激賞し、それから伊藤博文のそばにおって同時に撃たれた満鉄の理事をやっておった田中さんという人が語っていることには、りっぱな態度だった、実にりっぱな態度だったと言っているんですよね。それで死刑の判決を受けたときには――こんなことはここで言っていいのかどうか私はわかりません。私はこの問題が意外と日本の一つの反省の問題として考えなきゃいかぬと思うからあえて言いますけれども、母親は家門の誉れを汚すなよと言って、一審判決で死刊の判決がおりたときに家族の者を旅順に派遣して、そして控訴なんかしちゃいけない、かねがね死ぬことが自分の心得だったんだと言うんだから控訴なんかしないで死刑に服せ、この際、母より先に死ぬことは不孝ではないとして、安重根はそれは当然だということで、言えば話は長くなりますけれども、これは青森大学の市川教授が、日韓問題についてかなり専門的な人が書いております。日本の歴史の中で、日本側の歴史は非常に詳しく書くけれども、被害者の方の歴史は書かない、これはどこの国でもそうなんですよ、そんなものなんです。だけれども、こういう世の中になってアジアというものを見たときに、そしてアジアの日本を考えたときに、やはりわれわれの歴史観なりなんなりというものの浅さを考えなきゃいかぬという意味で私は申し上げている。だから、伊藤博文が偉いということと、それを殺した安重根がすばらしい男だということとは矛盾しないんだ、そこまで踏み込まないと国と国との友好というものが魂に触れない、心に触れない。経済援助をする、行き来をする、それは結構ですよ。しかし、それだけでは私は友好というものにはならないだろう、こう思うのでございます。  そういう意味において、三・一運動の問題なんかでも、朝鮮総督府の発表では千九百何名の死傷者が出たと。その後の歴史家はほとんど七千ぐらいの死者になってますね。当時は総督府が軍人でございますから、特に武断派と言われた長谷川総督なんかだから、結構荒っぽいことをやったんだろうと思うんだけれども、私は、自分の体験からいっても、とにかく取り締まり――弾圧弾圧というけれども、まあ弾圧でいいでしょう、あのぐらいやれば。要するに、あれだけの死者というものはもう大変なことなんですよね。だから、長い歴史をほじくっていったんでは国家と国家の大人のつき合いはできませんから、お互いにほじくり合いみたいなことはやめにゃいけませんけれども、われわれの反省として、ほとんどが韓国においては加害者の立場であって、その中には大変なむちゃなこともあったということだけは間違いない。これは古い歴史をたずねれば切りがないわけですよ。  そういうことで、やはり日韓の問題なんかというものは、日本の歴史、つまり戦争までの歴史では、伊藤博文は韓国青年のテロに倒れた、殺人犯・安重根という考え方だった。しかし、それだけでは時間も場所も近くであるだけに、耐えられるものではない。そこまでやっぱり心を通わせるということが私は大事だと思うんですよ。  これはアメリカですけれども、たとえば鈴木総理大臣がアメリカへ行くときには、アーリントンの墓地に献花をします。花を掲げます。あの墓地には日本と戦った兵隊もいるわけですよ、日本人を殺した。それでもあそこへ花を掲げるということは、それぞれの国家や民族がその国のために戦った者には敬意を表するということが相手国を尊敬することになる。これが国際間の一つの礼譲といってもいいものだと思うんですね。そういう考え方はやっぱり特にアジアについては持たなきゃならぬ。アジアの場合には、私は、どっちかというたら、日本は欧米に学んで急速な近代化を、ピッチを上げて近代化を図った。最後は戦争に突入して残念でございましたけれども、そういうような歴史の中で、列強と伍するためにやや近くのアジアを足場にしたという気配がないではない、私はそういう歴史観も持つわけですよ。だから、どうかひとつ文部大臣、やっぱりわれわれはアジア人なんだ、この足場はやっぱり忘れられない。それで、韓国、中国――中国もまあ昔の共産党と違うようだから、これはやっぱり大変考えなきゃならぬことだと思うんですね。そのことを私は申し上げたいためにきょうちょっとこの席をおかりしたんですけれども、後でまた感想をお聞かせ願えればいいと思いますが。  ついでに、いま一つだけ。この、歴史から学ぶということは、一つは、中国なんかで、侵略だとか――「しんりゃく」の「しん」が進むか侵すかみたいなことで争いになってますけれども、これはやっぱり「侵す」の方ですね、どう考えたって。こんなことはあたりまえの常識ですよ。中国を侵したようなことは、日本は再びそういうことはしないと、この誓いを立てることは、同時に、よその国が日本に侵略の「侵」で、進出の「進」じゃなくて入ってきた場合にはこれを許さないという、そういう教訓が出てくるんだろうと思うんですよ。だから安全保障は大事なんだ、日本の安全保障は大事だということのやっぱり結論が、そこに私は教訓として学び得ると思うんですね。まあ、自衛隊なんか要らないという説もあるけれども、安全保障というものにはやはり自衛隊を含んで、日本を守るということはそんななまやさしいことではない。日本も結構、善人かと思ったら、まあそうでもないことをやらかした。憲法では平和愛好国なんて――よその国はみんな平和愛好国と書いてあるけれども、平和愛好国が結構戦争をやる。この間もやった。国連加盟国は全部平和愛好国になっているけれども、やったわけでしょう、どっちの国がいいか悪いかしらぬが。いずれにしても、ジャングルのおきてが支配するような部面もあるんだということを考えると、私は、この大東亜戦争のわれわれの行き過ぎた行動に対して学ぶべきは、よその国を侵しちゃいけないということと同時に、今後われわれは侵されてはならぬ、侵されたことにはそれに当然反発するんだ――反発というのか、防衛をするんだ、専守防衛をするんだ、よそを侵すんじゃないんだ、この教訓こそ後代に伝えなければ、私は、文部省の立場としても、そういうことが実は歴史教育をやる大きな意味があるんではないのかというふうに思うんですけれども。まあこの辺にしますから、大臣からちょっと感想だけ述べていただきたい。
  127. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) いろいろ御高教をいただきまして、大変蒙を開いていただいたこと、御礼申し上げます。仰せはことごとく御同感でございます。同じ客観的な事実にいたしましても、人により、あるいは国によって評価を異にする、これが歴史というものでございましょうから、森羅万象ことごとく参考にするような柔軟な態度で歴史を見ろという仰せでございます。これも御同感でございます。反省すべきは十分に反省をいたしまして将来に生かしていく、こういう態度で臨んでまいりたいと思います。  ありがとうございます。
  128. 秦野章

    ○秦野章君 どうもありがとうございました。  あと少し外国人を大学に入れる問題についてちょっと。  大学の国際化ということが言われて、皆さんも政府委員もそうしきりにおっしゃるんだけれども、日本の大学の国際化も、実は客員教授もずいぶんおるし、日本の大学の先生はずいぶん海外に勉強しているんですよね。だから、国際化ということだけという観念でとらえると日本は結構国際化しているんだ。アメリカの大学でも出なければ一人前の大学の先生にもなれないというような雰囲気さえあるくらいで、国際化は結構しているんですよ。この立法を国際化のためぐらいのことで片づけられたんでは私は中核を握っていないと思う。本当の核は何だろうかということを考えますと、国公立大学、国立大学です、よくないのは一部。どういうところがよくないかというと、要するに停滞をしているんですよ、停滞を。まあこれは東京大学は、百年たったからしようがないかもしらぬが、私は学生紛争というものを体験したときに思ったことは、学園の中が、研究者の中が意外と定年までのんびりとやっていこうというふうに近来なってきているんですよ。最近か、まあいまちょっと前かもわからぬが、そういうふうになってきているということにいら立ちを感じている部分がある。学生騒動のときには、おれたちだけが悪いんじゃない、大学も悪いんだという学生がおったのは事実だし、私はそれは本当だろうと思うんです。あれを学生だけが悪いと言っていたんじゃ本当の大学改革にならない。これ文部省に資料があるかもしれませんが、定年まで一回も論文を書かない、本も書かないという先生がいるんだ。そういう統計があるでしょう。どうかね、大学局長、あるでしょう。
  129. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 昭和五十五年でございますが、わが国における学術研究活動の状況ということで学術研究活動に関する調査をいたしたものがございます。その中で触れられている点で申し上げますと、発表論文の状況ということで、たとえば五年間に一度も論文を発表していない研究者が全体の四分の一に近い数がおる。これを設置者別に見ますと、国立で一五・二%、公立で二二・六%、私立で三四・八%というような数字になっているというような、いわばこれは発表論文の形での学術研究活動についての調査でございますけれども、そういう資料が五十五年三月でございますが、まとめられたものでございます。
  130. 秦野章

    ○秦野章君 広島大学の新堀教授という人が「日本の学界」という本を書いているんですけれども、きのうちょっと見たから申し上げるんだけれども、広島大学は御承知のとおり昔の文理科大学で、教育というものを非常にやったところだから、これも、しかも統計的なことだから私は大体間違いないだろうと思うんだけれども、この新堀教授の研究発表によりますというと、教育学関係の教師ですね、これは国公私立を含めるんですけれども、これは過去十年間論文の発表なしというのは五割あると。本を書いてないのは八割。学会に所属していない者が三分の一と、そういうような現状ですね。これは私立も全部含んでいるから、私は国公立大学だけを言うわけじゃないけれども、私の知っている国立大学の先生方でもしきりにそのことを言う人があるわけです。つまり定年まであぐらかいちまうというようなのが一部あることは事実なんですよ。そういうことに目を覚まさせるには名だたる外国人教授を引っ張り込んで、そして学問の国際競争にまで持っていくということにすることが実はこの立法の大きなかなめでなければいかぬ。いま日本で経済摩擦その他でもって日本の科学技術の問題について問われていますけれども、創造的な部分が弱いというのはこれは定評があるわけですよ。創造的な部分、これは基礎科学といいますか、基礎科学でなくてもあるんだろうと思うけれども、創造的な部分というのは学問研究の一番真髄のところなんです。真髄のところなんだよね。これが弱いというのは定評でしょう。それには外国人教授を大学に正式に入れたからすぐできるものじゃない。どういう人を入れるかということでは、よほどこれは各大学が考えなければいかぬ問題だと思いますが、私の接した国公立大学の学長さんなんかはかなり気がついておって、もしこの法案が通ったら外国からあれを採ろうなどといってすでにねらっている大学がかなりあるんですけれども、ぜひひとつこの法案ができたときに、文部省は、議員立法だし、いろいろごてごてしてやっとこさとできたんだ、できたからいいわじゃなくて、この法案ができてこれが通ったときに、沈滞した学問研究の世界の活力を呼び起こさすために優秀なる教授を呼ぶような、そういう呼ばなきゃならないような通達でも――通達一本書くにしてもそういう哲学が欲しいんだよな。よんどころなくできた議員立法だと、そんなことじゃとてもじゃないけれども理想は出てこないわけだ。ぜひひとつ大臣お願いしますわ。これは本当に私は学園闘争を横目から見ておったからよくわかるのですけれども、これは東京だけの問題ですけれども、意外と大学がもう古くなった。古くなったらおのずからそういうことになっちゃう。定年まではこれはやめることはないよ。定年までやめることはないというのは悪いことじゃないんだけれども、勉強しなくてやめないというのは一番困っちゃう。しかもこの制度を発足させても定員というものがふえないわけだ。いま定員をふやすというわけにいかないものだから、本当はどうしようもないのがやめたらそこへすごい外国人教授を持ってくればいいけれども、それがなかなかできない。しかし、大体横文字を縦に直しているような教授もいるらしい、正直言って。そうすると、横文字書いた方が今度は来るからおしりに火がついたようになって、これはじっとしておれぬというふうに持っていかなければいかぬ。これがこの立法の私は本当のねらいだと思うんです。そして学問研究がふるわなければ最後は民族はやっぱり衰弱するんですよね。これはもう歴史の示すところだから、これは非常に私はそういう意味において国際化国際化という世の中のはやり言葉、流行歌みたいになったけれども、一番の国際化の真髄はその質の問題だと思う。質の問題なんです。そして東京大学なんてそもそも名門なんだから、文字どおり名門にするようなそういうやっぱり施策をこれによってスタートさしてほしい。私はこの議論、この問題を提起して、大体この問題を私が国会で数年前にやった動機は、東大の西義之教授がドイツから帰ってきての経験からか、私はこの話を伺って、そこから始まったわけです。そしたら京都なら田中美知太郎教授とか、会田雄次教授とか、そうそうたる連中、東大でも佐藤誠三郎教授にしても、その他京極教授にしても、優秀な先生は、ぜひやれとこう言う。しかしぼけた先生は言わない。ぼけた先生は自分がちよって何というかかっこう悪くなるわけです。そういう実情があります。だから、文部省がやる気になってやらないと実りのある法律にならぬというふうに思いますので、この点はひとつ、まあ議員立法ででき上がったんだ、まあしょうがないからやるみたいなことにならないようにぜひひとつこれ希望を申し上げ、これは日本の国益というか、経済摩擦なんかでもその根底にはやはり物まねでやっているということだけで日本は得しているみたいな感覚でよそから見ているところがある。日本が創造的な学問研究が先行して、それによって高度成長を達成しているというふうには見ていないんです。そういうふうに見てもらうようになればしゃっぽを脱ぐんです。人間というものは本当に負けたときはしゃっぽを脱ぐんです。しゃっぽを脱がない、そこに問題があるわけなんです。私はそういうようなやっぱり高い理念に燃えてこの法律が生きていくならばそれはいいけれども、そうじゃなくて、ただ外国人を入れればそれでいいということになっちゃったら、そんなことしなくたっていま客員教授はあるということになっちゃうんですよ。この点は私は強くひとつ要望をして、あとでひとつ大臣からも御決意を承りたいと思いますが、さらに時間もありませんから、いま一つだけ。  大学の国際化の問題に――国際化というか、この立法に関連しまして、実は大学以外の下の方の問題、下の方の若者の問題、高校程度の問題で、御承知のように、いま文部省では英国から四十人の英語の先生を英語を教えるために呼んでいますね、予算をとって。英国から四十人、それは悪くないんですけれども、英国からたった四十人じゃうまくないんで、これは高校ですがね。しかも英国だけにとらわれる必要は私はないと思う。キングズイングリッシュでもって英国が英語の本元のように言うけれども、日本ではアメリカ英語の方が実用が多い。社会人を養成するにはアメリカ英語の方がいいんですよ。本格的な英語を勉強したけりゃ、そこから先やればいいんだ。とば口はそういうことだから、予算が厳しい折ですけれども、アメリカあたりは失業者がいて困っているようだから、日本が飯が食えないときは助けてくれたこともあるので、どうかひとつアメリカからもできたら千人ぐらい高校の先生を採ってやる。一人五百万として勘定するとたった五十億ですよ。これで一遍に摩擦も直りますよ。経済摩擦なんていうのは、あれ実は一面においては文化摩擦なんですよ。私はそう見ているんだ、経済だけじゃないんだと。そういうことを考えると、やっぱり高校の先生なんかで英語の先生――英語を覚えることはいいことでしょうから、ホームステイなんかでもって民間に泊まらせてやるなんていう人はいっぱいいますから、できれば千人でも五千人でも構わないんだ、本当は。アメリカからがばっと英語の先生呼んで、一年間日本語を勉強して二年教えて帰ると、こうやると異文化を理解し、摩擦が直っちゃうでしょう。意外と経済摩擦は文部省の所管かもしれぬという感じさえせぬでもない。  以上で終わりますから、最後に所感を伺って、大臣、どうもありがとうございました。
  131. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 私はたまたまノーベル賞の福井謙一教授と江崎玲於奈博士の対談をなさった本をちょうだいいたしまして、これを拝読しますと、日本の国には技術を育てる力はあるけれども創造的な技術を生み出す力はないんだ、そういう認識でトップレベルのお二人の意見が完全に合致をしている。これを読みまして大変心細い思いをしたわけです。先ほど来、この法律が成立した暁には、この法律をてことして沈滞した学界の現状に刺激を与え活性化していけというお言葉、まことに御同感でございますので、そのような効果が上がるように法律を運用してまいりたいと思います。  また、貿易摩擦を解消するのは文部省の仕事であるという、きわめてユニークな御意見もあったわけでございまして、先ほど来のお言葉、拳拳服膺して、この法律に実効あらしめてまいりたい、こう考えております。ありがとうございます。
  132. 秦野章

    ○秦野章君 時間ありますけれども、この辺で終わらしてもらいます。     ―――――――――――――
  133. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、粕谷照美君が委員を辞任され、その補欠として鈴木和美君が選任されました。     ―――――――――――――
  134. 高木健太郎

    ○高木健太郎君 初めに、それでは教科書問題のことについて一つお伺いをしておきます。  最近の新聞では大変何か憂慮すべきような段階にきておりますし、韓国ではかなりエスカレートしているような感じを受けるわけでございまして、しかもここまできますと、初めに一般の人が考えておったような「侵出」を「侵略」に変えるぐらいいいじゃないか、変えたらどうだというような意見も大分多かったわけです。そういうことをするということも非常にできにくいような状態になったように思います。また、「侵出」と「侵略」ということについては、一般の人の中にも議論が分かれておりますし、政府部内でも意見が分かれているように思います。文部省はもちろん教科書の編さんにつきまして公正な立場からやっておられると思いますし、この本の著者あるいは執筆者というのは、自分の信ずるところに従ってその真実をお書きになったに違いない。これは社会科学だからいま秦野委員のおっしゃったようにいろいろの見方があるんだろうと思います。資料を集めれば集めるほどたくさんでございますから、自然科学とは違ってまことに真偽というものがむずかしいところもあるとは思いますけれども、大ぜいの執筆者が、あるいは調査官あるいは検定の委員等がお集まりになって、大体これでよいということでお書きになったので、まずまずりっぱなものをお書きになったんだというふうに私は思うわけです。  しかし、不幸なことには隣国である中国や韓国からいろいろな批判が出ているわけでございますが、ここでそれではそのとおりに書き直すとこれでおさまるのかというと、韓国、中国ではおさまるかもしれませんけれども、またほかの国からいろいろのことを注文があるのじゃないかと思うわけです。そうすると、またその国の言うことを聞くのかということになりますと、まあこれは教育の自主性、自由性というものもなくなりますし、また国家としての自主性もなくなる。しかも、これが字句の訂正ということではなくて、実際はその下に流れる一つの精神というようなものがあるんでございましょうから、単なる正誤の訂正というようなことではこれはできないことではないかと私は思うわけです。  そういう意味でいろいろ御苦心になっていると思います。具体的にも私もいろいろ考えてみました。小手先じゃなかなかこれはいきにくいんじゃないかなと、こういうふうに思うわけです。それでも私なりにいろいろ考えてみましたが、きょうはこれの問題ではございませんのでその詳細は申し上げませんけれども、一つだけ意見として申し上げて、文部大臣がお考えになるときの参考にしていただきたいと思います。  いま批判がありますが、その他の国ではどのように考えているかということはお当たりになったことがおありかどうか。また、国際紛争の場合には国連というものが介入していろいろと調停をするわけでございますが、この歴史という問題につきましても、第一次大戦後はフランスで、また第二次大戦後もフランスやその他ユネスコの属する会議等でこういうものをいろいろ考えているようでございますが、こういう国際機関の意見というものは聞く価値がないものかどうか、こういうことも一度お考えいただければ参考になるんじゃないかなというふうに思ったわけです。  これで私の教科書問題についてはとどめておきたいと思いますが、大臣いかがお考えでございますか。
  135. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) わが国における教科書の検定は、教育的な配慮に基づきましてその記述が客観的であり、同時にかつ公正であることを旨として行っているところでございます。外国からの批判に対しましては謙虚に耳を傾けまして、必要に応じて説明を行うなど誠意をもって対処してまいりたいと、こう考えておる次第でございます。
  136. 高木健太郎

    ○高木健太郎君 それでは、本題の外国人の任用の法律案について私の御意見を申し上げます。  これは午前中から午後にかけまして皆さんのおっしゃいましたように、日本の大学を広く世界に開くという意味では非常に私はいいことだと、遅きに失したのではないかという気がするわけです。  元来、大学における研究や教育というものは国際性を持つものでございまして、それは国籍や民族や人種のいかんを問わず、広くすぐれた研究者を教官として迎えるということは非常に有意義なことであるし、また学問というものにとりましては非常に自然なことでございまして、私立、国公立大学も例外ではないと思います。そういう意味では、なぜいままでそういうことができなかったかということが不思議でございまして、私が大学に在学中も、日本にりっぱな人がなくて外国にりっぱな人がいるときには、それをも候補の中に入れてはどうだという話も何回も出たわけでございますが、それは果たし得なかったわけでございます。  先ほど秦野議員がおっしゃいました、ぼけてくるとみんながぼけてしまうというのは私もそうだと思うわけでして、昔聞いた話では、三人のできる教授がおったんですが、お互いに友達だから、ぼけたらぼけたと二人が言えば、そのぼけた教授はやめることにしようと約束をしたと。一人がだんだんぼけてきたので、おまえ少しぼけたからやめたらどうだと言ったら、おまえたち二人の方がよっぽどぼけていると、こういう話をして――というようなことで、これが教授会というものに一切の人事が現在は任されているようになっておりますが、その中の一人、二人がぼけますとちょうどいまのような状態で、全体がぼけなければどうにもならないような大学になってしまうということで、学生から言葉も出ておりましたし、大学は新しい血を入れなければいけないというようなことでございましたが、なかなかそれが入らないで、御存じのように文部省が悪いというよりも大学自体が非常に閉鎖的であると私は思うわけです。こういう意味では、文部省が力を入れてもこれは私は無理じゃないかと、大学自身が目覚めなければいけないと、その大学の目覚めが働くように大学に非常に大きな自治が与えられているのに、それが作動していないというところに問題があるので、これをどうやって作動させるかというどころに、今度の外国人任用というような法律といいますか、ができたということは、これは私非常に時宜を得ているが、そういう大学の外人の教師がお見えになると、恐らく競争原理がその中に働いてきて、ぼんやりしておれぬというような競争原理が働くのではないかと思います。現在のように、勉強しなくともじっとしておればところてん的に教授になるというような、そういう安易な気持ちを打破することができますし、またそれによってとかく顔を出しがちな学閥というものの打破にもなるのではないか。学閥と言えば、東京大学と京都大学が一番学閥が強いという話も聞いております。日本の最高の大学がそういうふうでは、これはとても将来思いやられるということでございます。  こういう意味で、私は後でこの附帯決議の中に、いや任用期間だとか、学長にはしないとかいろいろの注文がついておりますが、できれば、やるならやるで積極的にすぱっとおやりになる方がいいと、ああいうものがついているということは、結局やっぱり学長じゃいけないんだろうとか、ここまでの権限にとどめておこうなんということになると、本当の意味のこれは開放にならない。やるならもうすっかりおやりになる。何かそういうことをやると、何か妙なことが起こってくるんじゃないかという御心配があるようですけれども、そのようなことはあるかもしれないけれども、私はそういうものも克服していける力を持つのではないかと思いますので、私は完全開放説、完全開放の型をとっていただきたいというふうにまず注文をするわけでございまして、そういう意味ではこの外国人任用は完全開放型で積極的にやるというようなお気持ちでぜひひとつやっていただきたいと思いますが、この点いかがお考えでございますか。
  137. 石橋一弥

    ○衆議院議員(石橋一弥君) お答えいたします。  私どもも午前中からの答弁の中で、それはもうできるならば日本の大学の先生方と何ら差別のないようなことまで到達できればそれにこしたことはないという考え方があることはあったわけであります。しかし、何度も御答弁申し上げているとおり、いわゆる当然の法理というものも厳然としてあることは間違いない。そしてこの問題は、研究者であるという特別の立場の人である、そういうことで特別措置法としての考え方をとったわけであるわけでございます。  先ほど杉山委員の御質問のときにも答弁申し上げたわけでありますが、さて実態論といたしましても、果たして招聘をする大学側、そして参ります外人教員の中においても、いわゆる管理職として――もう高木委員御承知のとおり、学長、学部長の立場になりますと、全く管理職そのものの仕事にどっちかといいますと実態は没頭しているような形が多うございます。そのような実態論の中から言っても果たしてすべてを十全するところまでいかがなものかなと、こう考えてこのような案で提案をいたしたわけです。
  138. 高木健太郎

    ○高木健太郎君 おっしゃるようなことはあろうかと思うんです。せっかく研究あるいは教育の面においてりっぱな方をお呼びして、それを学長、学部長というような管理職にすればその効果が失われるということはあろうと思いますが、現在の日本の教授の中にもそれは言えることでございまして、せっかくよく研究している人を人格もりっぱだからというので学長とか学部長に推し上げると、その人たちは何にもできぬ。専任であるから勉強しちゃいかぬというので、学長なんか何もやることができぬ。そうすると、せっかくりっぱな人を五十五ぐらいでくさらしてしまうということがあるわけでして、本当を言えば文部省のどなたかが学長になっておいでになった方が私はうまくいくんじゃないかと、こう思うぐらいでございます。だから、それはそうでしょうが、実際は学長というのには御心配になるようなそんな権限はないわけでございまして、判こを押しているだけじゃないかと思うわけですね。それは評議会で決まり、その下の教授会で決めてきたことを学長が議長となって決めていくということだけでございまして、そんなに大きな権限というものは私は持たないのではないかと思うわけです。助手級の人事になれば、大学が講座制である場合にはその任免というのはほとんどその教授の権限にかかっておりまして、これはもう学長なんかはただ判をつくということになっているわけでございますから、そう学長、学部長にするということを御心配にならなくとも十分やっていけるのではないか。また副学長とかあるいは副学部長というようなものをおつくりになれば、それで研究者の暇もできるというように考えられますので、この附帯決議につけてあるようなことは御心配なさらないでひとつ前向きに御検討願えたらありがたいと、こういうふうに私は思うわけです。  それから、先ほど秦野議員の御発言の中で、東大でしたかの西さんとおっしゃいましたか、そういう方からぜひ国際化を図れという意味のことを言われてこの法案を考えるようになったということでございましたが、一面では韓国の人たちが私立大学の教授をしておられる方もございますが、そういう人方が非常に強く要望しておられたというふうにも聞いております。公立大学協会の会長をしておりますときにそういう話が、五十四年でしたか五十三年ごろからそういうものが起こりましてわれわれとしても考えさせられたわけでございまして、公立大学の基本問題委員会というところでこれを検討して文部省の方へその意見を出したことがございますが、その際、国立大学はどのような態度をおとりになっただろうかというそういう質問をしますのは、私は文部省なりこういう委員会で国会がこの案をつくってどうだということよりも、私は本当にしてほしいことは公立大学、国立大学を挙げてこうしてもらいたいという要求が下から上がってくるということを非常に望むわけです。ところが、それがどうも今度の議員立法ではその吸い上げというかあるいは意見調整というか、それをエンカレッジするといいますか、そういう面が薄いんじゃなかっただろうか、それをちょっと心配――心配というかそれは残念でございますので、その点を今後この法案が通りましても、どのようにして大学自体の閉鎖性を、あるいは大学自体の革新をみずからやれるように持っていくかということがこの際重要ではないか、こう思うんですが、その点いままでの経過からお考えになりましてどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。
  139. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、五十年当時、在日韓国・朝鮮人大学教員懇談会というようなところから、特にアジア人専任教員採用等に関する要請書というようなものが文部省にも出されたというような経緯はあるわけでございます。そして、いま御指摘の点は、公立大学協会においても、五十四年当時でございますが、外国人教員問題についていろいろ御議論がされているわけでございます。国立大学協会においてもそれらの点については議論は行われてきておりますし、また特にこの問題を積極的に検討すべしというようなことが特に国会の論議等で出てまいりましてからは、国立大学協会のいろいろな会議の際に、私どもとしてもこういう問題点が出されておるということで国立大学協会にも情勢をその都度お伝えをしてきておるわけでございます。  ただ、先生御指摘のように、それではこういう法案の制定について、国立大学協会とかそういうところからぜひこれを推進してほしいというような積極的な姿勢というものが必ずしも十分見られていないんではないかという点は、確かに御指摘のような点があろうかと思います。私どもはこの法案が成立を見ますれば、先ほど秦野先生からも御指摘のありましたようなこの法案の考え方については、国会の審議経過等も添えまして十分徹底を図るような形で理解を深めていくようにしたいと、かように考えます。
  140. 高木健太郎

    ○高木健太郎君 ぜひそのようにお願いしたいと思います。自分自身が大学に籍を置いておりましたし、あるいは管理責任者でもございましたので、このようなことをお話しするということはまことに心苦しいわけでございますが、せっかくのチャンスでございまして、例の大学紛争のときには果たし得なかったことがあるいはこれで非常に素直に平和裏に大学の勇気づけということになれば私はこれにまさる喜びはないと、こう思ってあえて申し上げたわけでございます。  もう一つちょっと私気がかりでございますのは、現在国立大学には教授、助教授あるいは学長等の方はおられないと思います、そして国立大学におられる教官といいますか、助手は現在どういうふうになっておりましょうか。またその国籍はどうなっているでしょうか。
  141. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 五十七年七月一日現在の数字でございますけれども、国立大学においては全体で五十八名の者、そして公立大学におきましては、これは若干日付がずれますが、五十七年四月二十六日現在という調査になっておりますが、六名、計六十四名の外国人が助手として任用をされております。  国籍でございますけれども、九カ国にわたっておりまして、韓国及び朝鮮が三十八名、中国が十九名、それ以外が七名というような状況になっております。  なお、専門分野別の状況でございますが、医歯薬学系が四十六名、うち医学系が三十八名ということでございまして、医学系が全体の数から申せば多い状況がございます。ほかに工学系が十名、理学系及び文学系がそれぞれ三名、その他教育学系及び法学系がそれぞれ一名というような状況になっております。
  142. 高木健太郎

    ○高木健太郎君 外国からいきなり教授を持ってくるということは余りいまのところはないわけでございますが、このままの状態であれば現在助手となっている人が何年かたっていくとその人たちが教授になっていくというようなケースが多いのではないかと思うわけです。そうなりますと、アジアの韓国、中国その他の方がなられることの方が多い。また日本でそのような高い位置につくということはその方々にとっても日本にとっても非常にいいことでございますが、中にはやはり欧米各国から呼びたいという希望も多いのじゃないか。この「大学世界」というところに書いてありますけれども、これは中嶋嶺雄という人が五十四年の暮れに書かれたものですけれども、「外国人教師の問題は、主として在日朝鮮人の教官を採用するかしないかというところで問題になっている」、こういう文句があるわけなんです。恐らく、このままで教授になるということによって欧米の人は自分たちにもそれが非常によいという利点がなければ、いま申し上げたような方が教授になるケースがふえてきて、何かそのときに国籍というようなものを問題にするというようなことが大学内で起こると非常にこれ私はいやなことだなと思うわけですね。  そこで、私から提案したいことなんですけれども、ノーベル賞級の人を呼びたいというお話でございますけれども、恐らく給与もいまのところアメリカにおる方がいいのじゃないか。特にこのごろ円安になりましたから、なおさらそういうことがありはせぬか。百八十円ぐらいのときは非常によかったんですけれども、もう二百六十円を超しますとなかなかこちらには来たくないという方が多い。それを引っ張ってくるというようにするためには日本の教授と同じような待遇では恐らく無理じゃないかというふうに思うわけです。何か外国人、特に欧米の人を日本の教授にするという場合には、あらゆる意味で研究費、あるいは旅費とかその他の待遇を十分私は考えてやらなければいけないと。ところが、またその待遇を考えるとなると、日本の教授と外国の教授との間に何か差ができてくる。待遇の違いで問題を起こしてくるというようなことが起こりはしないか。待遇の違いを、差をつけなければ来ない。こういうところで、このせっかくの法律が生き生きとして動かないというようなことが起こらないかと、こういう心配をしておるわけです。これについては何かお考えになったことはございますでしょうか。
  143. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の点は、なかなか具体的には解決のむずかしい問題点を御指摘になられたのではないかと思います。  考え方といたしまして、まず一つは、先ほどちょっと助手の数について御報告申し上げたわけでございますが、医学系が大変数が多いということを申し上げましたが、これは医学系の場合には、そこの中ですぐ助教授とか教授とかへ上がっていくということよりも、むしろ、助手でおりましてまた適宜病院等へ出ていく場合が、ローテーションしていく場合が比較的多いのではないかと思います。高木先生はそういう方面は御専門でございますので、恐らくそういうケースが多いのではなかろうかと思っております。したがって、現在おります助手の方々がそのままただ講師なり助教授なりに上がっていく道を開くということだけになるようなことでは本来の法律の精神が生かされないのではないかということは御指摘のとおりでございまして、やっぱり先ほど秦野先生の御指摘にもございましたような、その講座にとって目を広く諸外国にも適任者を求めるという精神でこの法律が運用されることが望ましいし、そしてまた、それがいままでの大学の閉鎖性の打破ということにつながって活力を持っていくようになるということが望ましいわけでございます。  ただ、お話しのように、待遇の面になりますと、この点はまさに日本人と同じような形で正規の教授に任用する仕組みとしてこの制度を開いたものでございますので、その点については、基本的には給与その他の処遇について申せば日本人と変わらないことになるわけでございます。もちろん研究環境を整えるというようなことなどについては、これは大学の研究全体のレベルを上げていくためにも必要なことではございます。したがって、御指摘の点は確かに本来ねらいとするところと、実際それを実現するためにはなおいろいろ考えていかなければならぬ幾つかの課題があるということで御指摘があったかと思うわけでございますが、それらの点につきましても、まずは大学自体が本来この法律の趣旨を生かされるように、そしてまた、大学が生き生きとした力を取り戻すための一つのよすがになる道としてこういう制度が開かれたわけでございまして、大学自体の、そういう意味でこの法律の本来のねらいが生かされるような形で運用されることを望むわけでございます。  研究費その他の点について考えるべき点があるのではないかということは、実際の運用に当たりまして、将来の課題といたしまして私どもも研究させていただきたいと、かように思います。
  144. 高木健太郎

    ○高木健太郎君 この点十分考えなければ私はりっぱな人は来ないだろうと。というのは、特に私、米国のことですが、先般ノーベル賞をもらったシャリーという人がおりますが、ごくわずかなたん白質を抽出するために、豚でしたか牛だったかの脳下垂体を非常にたくさん集めて、その中から何ミリグラムというようなものを抽出した。それにかかった研究費は、アポロを打ち上げるぐらいの費用がかかったということを聞いております。ところが、日本の教授では科学研究費はございますけれども、通常の講座の研究費というものはいろんな経費を抜かれますと百万とか五百万という程度でございまして、そういうものでは本当の意味の研究者はなかなか来にくいのではないか。これは、研究費――家だとか、そういうものの待遇は別としましても、今後思い切った措置を打たなければ本当に刺激になるような教授にはなかなか来てもらえないのではないかと思うので、特段の配慮というか、今後十分お考えをいただきたいと思います。  もう一つ、これに関して、現在特別招聘の教授を呼んでおられますが、この方々は、どういう待遇で、年間どれぐらいこちらにお見えになっておられますか、その点をお聞きします。
  145. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 外国人の特別招聘教授の制度でございますけれども、これは、著名な外国人を国立大学に短期間、三カ月ないし一年ということでございますが、招聘する制度でございまして、昭和五十四年度に招聘いたしました特別招聘教授は、国籍別に申し上げますと、米国六人、カナダ三人、西ドイツ、中国各一人。専門分野別では、芸術二人、文学二人、医学二人、工学二人、農学、理学、社会学各一人の計十一名ということになっているわけでございます。  昭和五十五年度は、米国六人、カナダ、ギリシャ、インド各一人で、理学五人、農学、芸術、保健体育、医学各一人の計九名ということになっております。  昭和五十六年度でございますが、米国七人、英国、フランス、イタリア、オランダ、オーストリア、中国、インド各一人で、理学の分野で四人、医学三人、工学二人、芸術、農学、文学、経済学、教育学各一人、計十四人というようなことになっております。  なお処遇でございますが、五十七年度、本年度におきます特別招聘教授の処遇でございますが、給与は月額六十一万四千円、ほかに招聘及び帰国の旅費としてはファーストクラスの利用ということができるわけでございます。  国内での研究費でございますが、月額二十万弱でございまして、研究旅費が約十一万四千円。全体的には国立大学の修士講座制の実験系の教授相当額というような金額になっております。  そのほか年次休暇、病気休暇等は日本人教員に準じて認められておりますし、宿舎その他についても手当てをするというような待遇でございます。  以上でございます。
  146. 高木健太郎

    ○高木健太郎君 私、もっと多いと思っておりまして、ちょっと勘違いしておりましたが、なかなか呼べないということになれば、オーストラリアでやっているように、特別招聘教授というもので日本からオーストラリアに行くと、そういう場合には、三カ月たつと教授会の中に入れちゃうわけです。それでいろいろの計画あるいは人事その他にもいわゆる教授の一員として正式にそこに入って発言することができるというふうになっているわけです。まず一つの移行期の措置として、こういう特別招聘教授の三カ月以上たった場合には、ちょうどオーストラリアと全く同じようにそれを教授会の中に入れて発言を聞いてみると、こういうことも一つの刺激になるんじゃないか、こういうふうに思うんですが、そういうことは法律上はできないものでしょうか。あるいは教授会に入れるというのは、その大学自体の評議会かなり何なりで決めればそういう運営ができるのかどうか、それに対して御意見が聞きたいんですが、どういうものでしょうか。特別招聘教授として呼んでおいて、その人が三カ月以上たったらば自動的に教授会の中に入れて、そして発言をすることができると。もちろん、人事とかいろいろなものは、何か当然の法理ですかで、それじゃいけませんということになるのかもしれないが、教授会に入れる入れないはそこの大学で自主的にやれるのじゃないかと思いますが、どうでございましょうか。
  147. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 制度の基本的なたてまえからすれば御指摘のような点はややむずかしいんではないかと思いますが、しかしやはり、教育、研究にかかわるような問題について議論をする際に、その担当しております客員教授の方の意見を聞くということは、実際問題としては十分起こり得ることではないかと感ずるわけでございます。それはそれぞれの大学の内部で具体的な取り扱いが定めらるべき事柄であろうかと思いますが、御指摘のようなたとえば人事その他の案件について教授会で議決をするというようなことについてはむずかしかろうと思いますけれども、教育、研究の具体的なテーマについて、その客員教授の方が担当しておりますような事柄についていろいろ議論するということは、当然にあり得ることではないかというぐあいに理解いたします。
  148. 高木健太郎

    ○高木健太郎君 私の言うのは、そのぐらいのことから始めないとこの法律ができても実際はこれが動かないと、有効に作動しないということが起こるのじゃないかというふうなことを心配しますので、このようなことを各大学にひとつ文部省からお知らせ願って、そういうことはこういう点を除いては別に差し支えないならないというようなことをやられると教授会もまた活気づくと。たとえば論文審査のときでも、その教授から指導を直接受けなくともその教授はいろいろ意見を言うと、英語で言うのかドイツ語で言うのか知りませんけれども。そうすると、これは少し勉強しておかなきゃあの教授の言うたことは何にもわからないというようなことになりますから、学界に入られる先生も少しは勉強するようになる。こういう刺激剤をここで与えてあげるというようなことをすると私非常にいいのじゃないかと思いましたので、お気づきだったかと思いますけれども、ぜひそんなこともお考え願いたいと思ったわけです。  それから、先ほどもございました任期制の問題でございますけれども、任期制があることがいいのかないことがいいのか。私は両方あるんじゃないかと思うんですけれども、少なくとも日本の大学で任期制をとろうとしたことはございます。しかし、大学でとろうというときにはいつでもそれはつぶれたわけです。それから、研究所で任期制というものをやろうとしたこともございますが、これも実行に至らなかったと。かなり何回も議論をしてこの任期制の問題は論じた。けれどもうまくいかないということです。  で、今度新しく任用された外人については、だから任期制にしようと。すれば今度は穴埋めに使われるんじゃないかなというような気もするわけですね。たとえばいま適当な教授がないと、しかし教授があいていると、だからちょっと一年ぐらいはそこのところへ入れておこうと。そして、何か助教授かどっかへいい人が来たらそこで日本人とぽっとかえると。そういう穴埋めに使われる危険性が非常に多いので、任期制といったところで、私はできればかなり長い任期を持たせることの方がいいと。  で、こういうものをすべて大学の管理機関に任せると書いてあるようですけれども、ある程度文部省で現在の大学をお考えいただいて、その大学の発展のためにこういうふうにした方がいいと思われれば、ある程度文部省としても意見をお出しになっておいた方がいいんじゃないかと。それを出すことには、大学の自治を侵すというふうにあるいは御心配になる向きもあるかもしれませんけれども、せっかく外人をお呼びになって、まあ三年と決めたからもう三年たったら帰ってくれというのもどうも失礼に当たるのじゃないか。それからまた、そういう方がおやめになって自分の出生地に帰ったときに、果たして何かもとのポストに戻ることができるのかと。また、日本ではそのポストは恐らく出ないんじゃないか。そういう意味でもやはり、かなり任期制があるとしても長い任期制を考えておく方が私はいいのではないかと思うんです。この任期制についてはどのようにお考えでございますか。
  149. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) ほかの御質疑の際にも申し上げたわけでございますけれども、任期制についてこの特別立法では大学管理機関が定めるものとするということになっておりまして、基本的にはこれは大学管理機関の自主的な判断にゆだねているわけでございます。やはり大学の運営の基本にかかわる問題でございまして、それは大学自体が最善の判断をなさった上で結論を出していただけるものと考えております。  ただ、欠員の間の穴埋め的な運用が行われはしないかという御心配をたとえばいま御指摘があったわけでございますが、本来、この制度としては、先ほど来御質疑がありますように、制度の本来の趣旨を生かされるような形で大学の閉鎖性を打破し、そうしてまた活力を与えるというような趣旨で生かされることが望ましいことはもとよりでございまして、そういうような御心配のあるような運用がなされないように、その点は私どもも十分留意をしてまいらなければならぬことではないかと、かように理解をいたします。
  150. 高木健太郎

    ○高木健太郎君 この点ひとつよろしくお願いをいたします。  最後に、これは全く杞憂なことでございまして申し上げにくいことかも存じませんが、御存じのようにことしの一月二十五日のニューズウイークに、軍事機密に関するような研究を外国人がしているということで、レーガン政策でそういう機密が国外に漏れないように、ワインバーガー長官とかあるいは商務長官とかそういうものが、お互いに西側の国家はそういうものを余り漏らさないようにしてくれないかというようなことを言っておるわけです。これは非常に長い文章でございますから一々申し上げられませんが、たとえばある研究室に入った者がメモリーチップを盗むとか、あるいはマイクロボールベアリング、小さなボールベアリングですが、これはミサイルにそういうものを使うと。これがある大学でやられておりまして、そしてハンガリーでしたか、チェコでしたか、そこの学者がそこで研究しておって、自分の国へそういう秘密を漏らしておった。こういうことがだんだん明るみに出てきまして、そのうちの一人は追放されたということです。しかも、それは軍機というものではなくて、実際は大学機関の中で行われている研究なものですけれども、先端技術というものは大学の中でよく行われるわけです。国籍を問わず広く受け入れるという場合に、こういう問題が起こってくる可能性もゼロではないと、こういうふうに思うわけです。アメリカでは追放したり、あるいは研究の公開というものを求めたり、チェック機関を設けたりして大学や研究機関との間にある程度の摩擦を現在起こしているようでございます。日本ではそれは全然通用しない状態でございますが、日本と米国とは技術提携をしておりまして、今度はそのように日本から筒抜けになるということになれば、日米との技術協力はうまくいかなくなるとか、こういうようにいわゆる学問に本来国籍はないもの、国境のないものがそういう関係で国境ができてくるというようなことは非常に不幸なことですけれどもあり得ることでございますので、そのようなことはいまから少し研究をしておいていただきたい。私がこれどうすればいいというような考え方はないんでございますが、アメリカでいまそういうことが現実に起こりつつありますので、恐らくそれは日本の大学、研究機関にも及んでくることではないかと思いますので、一応それをお伝えしておきまして、今後御研究いただくようにお願いしたいと思うわけです。何かこれに御感想ございましたらおっしゃっていただきたいと思います。
  151. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) もちろん国立大学の教官の場合でございましても、大学で非公開とされております情報なり個人のプライバシーにかかわるような情報でございますとか、公表されれば公益ないし個人の利益を損なうようになる秘密に関与した場合に、守秘義務があるということはもとよりでございますけれども、基本的には大学は教育、研究の場でございまして、しかも研究成果の発表については研究者の自主性にゆだねられているということが基本であろうかと思います。  御指摘のような点については今後の課題として私どもも十分心にとめておかなければならぬことではございますが、基本的には大学の研究なり大学の自治というような観点に立ちました従来からの対応というものを、私どもとしても確立された慣行につきましては尊重していくようにしてまいりたいと、かように考えております。
  152. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 私も初めに教科書問題で少し質問をいたします。  今回の教科書検定問題が国際問題にまで発展してきたわけでありますが、その根本として日本政府の日中戦争、第二次世界大戦に対する認識の姿勢が問われているわけであります。今日、侵略戦争は侵略戦争と素直に認めよというのが文部省への内外の厳しい批判であり、今回の問題は七月二十九日の参議院文教委員会以来、両院で何回か議論をされてきているわけでありますが、その七月二十九日の当委員会での私の質問に対し、文部大臣は渋々ながら最終的に、侵略戦争ではないなどということは毛頭申しておりませんというふうに、事実上侵略戦争であったことを認められる答弁を行い、八月の六日、衆議院での委員会で侵略戦争であったと明言をされたわけであります。しかし、中国、韓国両政府が修正を要求している戦争記述に対する文部省見解の要旨なるものが報道されていますが、文部省が侵略戦争であるという認識と反省の上に立ったそういう立場が依然示されていないと言わざるを得ません。外国の批判に謙虚に耳を傾けると何回も言われておりますが、一体これで理解が得られるのか。  で、お尋ねをしますが、これからいろいろ話をやっていくというわけでありますけれども、前提として日中戦争を侵略戦争であったというふうにはっきり明言をし、反省をするというその立場でこれからの話をやっていくという、そういう姿勢があるのか、文部大臣、お尋ねします。
  153. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 日中戦争が侵略的な性格を持つ戦争であったことは、私は率直に認めておるわけでございます。そのゆえにこそ、現行の教科書は日中共同宣言について記述いたしまする際に、かつての戦争はわれわれが深く責任を感じなければならない戦争であり、同時に厳しく反省しなければならない戦争だと、こう書いておる、かように考えております。
  154. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 文部大臣の答弁が国会向けの答弁だけじゃなくて、本当に心底から侵略戦争であったという、そういう反省があるならば、私は、あの教科書記述についての訂正は可能だと思うんです。この問題も、七月の二十九日以来、私としても指摘し続けてきた問題ではありますが、この制度のもとで、いわば絶対条件と言われております修正意見、この修正意見でさえも、この規則第十条では、意見の申し立てがあれば文部大臣は修正意見を取り消すことができるという、修正意見絶対条件、これについてもこういう定めを第十条でやっているわけですね。  今日、外交の責任者さえ日本の侵略行為への批判を踏まえた行動の必要を強調する新たな状況、そして、そういうもとで「進出」と用語を訂正させられた著者がこの正誤訂正の規則をもとにしてこの再訂正をやりたいというこの申請が出される動きになってきているということも新聞に報道されている。しかし、文部省は、著者が改善意見に従いまして一たん記述を改めたものはもとに戻すということは教科書の改善とはならないから、だから正誤訂正の申請が行われましても、検定制度の趣旨に照らしましてこれを認めることはできないという、いわば三百代言的なそういう形式的な答弁をきょうも繰り返しているわけであります。  重ねて私は二点お聞きをしますが、改善意見で訂正をされたものでも、再訂正の申し入れがあって文部大臣が必要と認めれば再訂正をするということは、検定規則第十六条、これによって一般論といいますか、理論上といいますか、これは可能なことだと。絶対に不可能だという、そういう問題ではないということが一つ。  それから二つ目には、文部大臣みずからが、先ほど来お尋ねをしていますように、日中戦争を侵略戦争であったとこういうふうに答え、外務大臣としてもそうした答弁を行っておられる。そして、国内外の批判は日とともに高まる一方。こういう状況のもとで、著者がもともとみずからの主張であった「侵略」という言葉をもともとは使いたかった、しかし文部省からの指導というか、意見があってその用語を変えたわけですけれども、もう一遍やっぱりもとの用語、「侵略」という用語に戻したいという申請を著者が出してくるということは当然予想されることですね。こういう場合に、文部大臣としては、規則第十六条に照らしてみても、本当に侵略戦争だという、こういう認識があるならば、これを承認をすべきじゃないかというこの二点、重ねてお尋ねをいたします。
  155. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) かつての戦争が厳しく反省すべき戦争であり、われわれが深く責任を感じなければならない戦争である、こういう認識についてはことごとくの教科書が明確に書いておるのでございます。このような認識の裏づけになる歴史的な事実、客観的な事実を教科書は記載すればよいのであって、教科書において「侵略」という言葉を使う必要はない、むしろ教科書の用語としては「侵入」とか「進出」とか、そのような客観的な言葉を使う方が適当である、かような判断のもとに検定をいたしておるわけでございますから、これは説明をすれば理解してもらえることだと私は信じております。したがって、改訂ということについて考えておりませんことは、けさほど来申し上げておるとおりでございます。  なお、検定規則と、一たん改善意見を受け入れて改訂したものをもとへ戻そうとする、そういう申請との関連につきましては、政府委員からお耳に入れさせます。
  156. 鈴木勲

    ○政府委員(鈴木勲君) 今回問題となっております件は、検定におきまして一たん改善意見に従い著者が修正を施し記述の改善が図られたものを再びもとに戻すことが認められるかどうかということでございますが、検定におきましては、先生御承知のように新規検定と改訂検定とございまして、検定規則四条三項では「改訂検定とは、検定を経た図書の改善を図るために加えられた個々の改訂筒所について行う検定をいう。」と定義をしてございまして、改善を条件とすることが明らかにされているわけでございます。今回問題とされておりますような記述の再修正は、その経緯から見まして改善には当たらないということは明らかでございますので、改訂検定の規定を適用することはできないわけでございます。  また、正誤訂正につきましては、これは改訂検定とは違いまして、教科用図書検定調査審議会の審議を経ることなく、より簡易な手続とされているものでございまして、こうした簡易な手続によりましても修正可能な程度の修正を認めるということでございまして、改訂検定においてすら認められないというような修正をこの簡易な手続によって認めることは、検定制度の趣旨から申しましてなじまないということを申し上げているわけでございます。
  157. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 全く詭弁とも言うべき形式答弁をいまも繰り返しておるということでありますが、本日も同僚委員が指摘をされたように、長崎における総理の発言あるいは外務委員会などにおける外務大臣の答弁と比較をしても、文部省と文部大臣の答弁がまことにかたくなであり、一たん決めたことは一歩も変えない、こういういわば思い上がった態度とも言うべきそういう答弁に終始をしている。これは、何も私がこういう言い方をしているだけじゃありません。大臣も新聞ごらんになっていると思うけれども、マスコミの論調もほとんどといっていい、そういう批判をいま文部省に向けているじゃありませんか。また、本日の議論でも自民党の二人の委員がそれぞれこの教科書問題にも触れられましたけれども、自民党の委員も用語としては「侵略」という用語を使うべきじゃないかという意見が本日も出されておったじゃありませんか。これだけ問題が指摘をされながらも、文部大臣としてはとるべき態度の再検討の気持ちはない、用語の再改訂はこんりんざいしない、こういうことを今後も言い続けるつもりかどうか、文部大臣に篤とお尋ねしたいんです。
  158. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 同じことを繰り返して申し上げることは控えますが、私は誠意をもって話せばわかる問題だと考えておりますので、当面改訂をしなければ解決しない問題だという判断はいたしておらないわけでございます。
  159. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 もうまことに話にならぬ答弁でありますが、きょうは教科書問題の質問点を制限をしてという、こういうことでの約束になっておりますので、この委員会終了後、理事会として、引き続きこの今国会の会期中、外務委員会との連合審査あるいはもう一回教科書問題についての当文教委員会としての集中審議、この問題を協議をすることになっておりますので、そういった場で引き続き一層ひとつ広い角度からさらに文部省の態度の追及をしてまいりたいと思っております。  そういうことで、時間の関係上法案の質問に移りたいと思いますが、すでに同僚委員がいろいろ質問をなさっておりますのでもう繰り返しはできるだけ避けたいというふうに思いますが、法制局にせっかくおいでをお願いをしておきましたのでまず法制局に一点お尋ねをしておきます。  この法案によって外国人を国公立大学における講師以上の教員に任用する道が開けるというわけですけれども、衆議院における附帯決議を引用するまでもなく、そういった道とともに学長、学部長などへの管理職への任用の道、こういったことについても当然検討が求められてくるわけであります。本来大学の教員人事に関する教授会自治、これは憲法二十三条の学問の自由に含まれる大学自治の保障を具体化したものでありますけれども、これはいわゆる政治一般、行政や主権の確保にかかわる公権力の行使、これとは本質的に分離独立したものだと考えるべきでありましょう。こうした点で学長や学部長等への任用の道、これは今後立法化すれば何の支障もなくやれることと、こういうふうに私は思うんですけれども、法制局の見解はどうでしょうか。
  160. 松下正美

    ○衆議院法制局参事(松下正美君) お答え申し上げます。  外国人を学長、部局長等に任用することについては、それほどの問題はないのではないかという御趣旨のお尋ねでございますが、従来からの公務員の就任能力に関する法理というものがございまして、外国人は公権力の行使または公の意思の形成への参画に携わることはできないという法理が存在をしておるわけでございます。  外国人の学長、部局長への任用の可否という問題につきましても、いま申し上げました公務員の就任能力に関する法理に照らして検討しなければならないわけでございますが、これにつきましては、消極面におきましては主権の維持への影響の度合い、それから積極面におきましてはこれらの役職に外国人を就任させる必要性の度合い、こういうことが問題となるわけでございまして、その総合判断はもとより非常にむずかしいわけでございます。  ただ、学長、部局長等に外国人を任用をいたしますことは、法理との抵触が教授、助教授、講師といった教員の場合に比べまして相当強いものになると判断されるわけなんでございますが、外国人を学長、部局長等に任用するという立法を行うことは理論上可能であるという余地はあり得るというふうに考えておるところでございます。
  161. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 理論上はそういう余地はあり得るということで、その点を確認をしておきたいと思います。  発議者にお尋ねをいたしますが、この任期制の問題でありますけれども、法案では「大学管理機関の定めるところによる。」、こうなっておりますけれども、これは大学の自主的な判断にゆだねられる問題であるというふうに解釈をするのが至当かと思いますけれども、そういうことでよいのか。大学が仮に任期を必要上定めなかった場合といえども、それは別に法律違反というとがは受けないということと思いますけれども、この点ちょっと確めておきたい。
  162. 狩野明男

    ○衆議院議員(狩野明男君) お答えいたします。  現行の教育公務員特例法によりますと、学長等の任期については、「大学管理機関が定める。」となっておりますが、本法案におきましては、外国人の教授の任期については、「大学管理機関の定めるところによる。」ということで、若干ニュアンスが違っております。しかし、この制度によって外国人を受け入れる場合において、国際交流推進等の観点からして、任期制を採用することを前提としつつも、諸般の事情から大学が任期を定めないこともあり得ると考え、これが直ちに法律違反ということには必ずしもならないことを意味するものであります。
  163. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 文部省にお尋ねをしますが、この国公立大学に続いて、次の問題として、高校以下の公立学校における外国人教員の採用問題というのが登場をしてくることは当然だろうと思うんですけれども、現在都道府県並びに政令指定都市、ここにおける公立学校の外国人教員採用の実態、数字的にはどういう状況でしょうか。
  164. 鈴木勲

    ○政府委員(鈴木勲君) 昭和五十六年度末現在でございますが、三都府県一市、すなわち、東京都、大阪府、三重県、大阪市でございまして、二十八人が任用されております。学校種別に申しますと、小学校十二、中学校八、高等学校七、養護学校一と、合計二十八人でございます。
  165. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 いまの数字に加えて、私が聞いたところでは京都市にも養護教諭が一人いるというふうに把握をしておるわけです。  そこで、これらの外国人教員、その多くが韓国人十九人、朝鮮民主主義人民共和国三人、中華民国三人、その他米国など三人という内訳だと思うんですけれども、そのほとんどが長く日本に在住をし、日本の国立の教員養成大学等で教員の資格を取った。で、採用試験を受けて教員になっているというのでありますが、二点聞きますが、この国立の教員養成大学では国籍によって入学資格を、何といいますか、区分をするというか、入学資格の差をつけると、そういうことはしていないのではないか。それから教員免許法では外国人は免許を与えることを禁止すると、こういうふうにもなっていないと思うんですけれども、この点どうでしょうか。
  166. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の二点はそのとおりでございます。
  167. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 そうしますと、一つは実態として高校以下の公立学校にもすでに現に外国人教員が採用をされておると、仕事をしているという実態がある。それから、制度上、この教員の養成大学への入学資格、それから教員免許法の免許取得資格、こういった点で外国人が排除をされているというわけではないと、こういうことであれば、当然公立学校についても外国人教員採用の道を具体的に検討すべき段階を迎えるというふうに思うんでありますが、ところが、文部省は今回の法律案成立を逆手にとって、高校以下の外国人教員任用を認めない指導を強化しているということを耳にするわけですけれども、これは事実ですか。
  168. 鈴木勲

    ○政府委員(鈴木勲君) これは別に指導を強化したわけではございませんで、実は外国人を公立の学校に任用することにつきましては、従来から言われておりますところの公務員に関する当然の法理に照らしまして任用することはできないという指導を行っていたわけでございますけれども、ただいま御提案の法案が衆議院等に提案されましてから、各都道府県におきまして関連いたしまして、従来の方針についてどう変更があるのかとかいろいろ問い合わせがございますので、都道府県の人事主管課長会議等におきまして従来行っておりました指導をさらに丁寧にしたわけでございまして、強化したとかそういうことではことさらしたわけではないのでございます。
  169. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 従来とってきたこの指導態度の継続であって、今度の法律との関係での新しい指導が出てきておるというわけではないというわけですけれども、発議者にお尋ねをしますけれども、聞くまでもないと思いますが、今回の法律案が成立をすれば、現に実態的に公立学校に採用されておる外国人教員、この採用を取り消すとかやめさせるとか、こういう新しい問題が発生するという、こういう法解釈ではもちろんありませんね。
  170. 石橋一弥

    ○衆議院議員(石橋一弥君) そのとおりです。
  171. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 そこで、最後に文部大臣にお尋ねをしますけれども、私、申し上げましたように、小中高の公立学校に外国人教員が実態として採用されている。それから、制度上も、教員養成大学への入学資格、それから教員免許の資格、こういった点で外国人はだめだという、そういう排除規定が別にあるわけじゃない。こういう状況のもとで、しかし、今日まで文部省の指導によって小中高大を含めて外国人教員の採用はだめだという指導がやられてきた。こういうこととの関係で、今回の法律は大学に限っての法律だから、公立の小中高校はだめですと、こういう言い方をいまも局長がやっているわけでありますけれども、文部大臣、これこそ――これこそというか、教科書問題と同様に文部省はかたくなな態度ではなくて、やっぱり実態と制度の現実の上に立って大学へのこういう道が開かれたということであれば、当然次は公立学校へのどういう道を考えるかということを文部省、文部大臣として積極的に検討をしてもらいたい。いますぐここで答えを言えという――とにかく積極的な検討課題に上せるというふうにしてもらう必要があると思いますけれども、文部大臣どうでしょうか。
  172. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 現に任用されております者の身分を直ちに左右するということは、学校運営の面から申しましても、その者の生活の営みという点から考えましても、実際問題として困難でございますから、さようなことをするつもりはございません。文部省としては、この問題にかかわる法的な取り扱いの趣旨を踏まえまして、各任命権者において慎重に、かつ適切な取り扱いが行われることを期待しているところでございますが、最終的には任命権者の判断にこのことはゆだねたいと、こう考えております。
  173. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 そうしますと、それはもう任命権者の自由な判断に任せる、文部省はとやかく言いません、口出しはしませんということですか。
  174. 鈴木勲

    ○政府委員(鈴木勲君) ただいま大臣が申し上げましたのは、現に任用されております二十八名に達する外国人教師の取り扱いにつきましてお尋ねがございましたので、その取り扱いについては、ただいますぐに身分の変更を及ぼすような指導をするつもりはないという趣旨を申し上げたわけでございまして、これからの一般的に公立学校に外国人を任用することについて地方公共団体に、あるいは任命権者に任せるという趣旨を申し上げたわけではございませんで、私どもが指導しております趣旨は、公立の小中高等学校の教諭につきましては、職務等が全国的に一律でございますので、そういう趣旨から私どもは公の意思の決定の参加を、公の意思の形成とか公権力の行使に当たる公務員として、従来からの解釈として、公立学校に外国人を任用することができないという当然の法理から大学におきましてはその部分が特別立法において許容されたわけでございますけれども、高等学校以下については従来どおりの考え方が維持されるわけでございますから、そういう方針で指導してまいる、その際に現に任用されている者につきまして大臣がお答えさしていただいたということでございます。
  175. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 現に任用をしておる公立学校における外国人教員、これを今度の法律を盾にとってこれをやめさせるとか身分変更を強制をするような、そういうことはしませんと、これはもう都道府県教育委員会の判断に任せるんだと、これはこれでいいですよ。これからの問題です、私が念を押して聞いているのは。というので、いま直ちに答えを求めるわけではないけれども、少なくとも公立学校における外国人教員の問題をどうするのかということを積極的な検討の課題に上せるということがいよいよ必要になってきたんじゃありませんかと。で、それをいやそれはできませんという、そういうかたくなな態度はとりなさんなということを言っているわけなんで、これからの問題についてそれを検討課題に上せるという、これぐらいは当然のことでしょう。検討の結果がやっぱりむずかしいということになるのか、こういう方策を、道をつければ、あるいはこういう立法措置をつければやれるという問題だという結論に達するかもわからぬ。それは検討の結果ですよ。しかし、検討の課題に上せるということぐらいやらなんで一体どうなるんです。
  176. 鈴木勲

    ○政府委員(鈴木勲君) この外国人任用法案の趣旨につきましては、提案者からるる御説明がございますように、大学における学術研究の特殊性に基づきまして、その必要性があるということで一般的に適用されておりますところの公務員に関する当然の法理の特別の立法といたしましてこれができているものでございます。したがって、それを直ちに公立の高等学校以下の教員に及ぼすかどうかということはおのずから別問題でございまして、公立の高等学校以下につきましては、現在の財政事情等もございまして、教員を確保する、採用するという見地から非常に採用等にも苦労しておるわけでございまして、そういうこともございますし、これは技術的な点でございますけれども、いま直ちに検討するかしないかということではございませんで、高等学校以下につきましては、高校学校以下の特性がございますし、要件がございますし、直ちに大学における適用を踏まえてそれを及ぼすかどうかを検討すると、そういうことには実態としてなっていないと。また考え方としてもそこまで直ちに検討してどうかというところまでなっていないと。また、公立高等学校等におきます英語とか外国語教員等の問題につきましては、別途、アメリカ、イギリス等からいろいろな道でそれを招聘いたしまして外国語教育に役立っているということでございますので、そういう面の要請は満たしながら、公立の高等学校以下に、まずわが国の希望する教員採用者を確保するということがまず考えられなければならないという実態でございますので、そういう点を申し上げたわけでございます。
  177. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 本当に文部省というのははたはたあきれ返るほど頑迷固陋ですね。発議者にも最後に聞いておきましょう。  発議者がこういう法案の提案をされておる立場から、私の言っている公立学校の問題、検討課題に上せた方がいいと思っているのか上せない方がいいと思っているのか、最後に発議者の意思を聞いて、それで終わりたいと思います。
  178. 石橋一弥

    ○衆議院議員(石橋一弥君) おっしゃることはよく私もわかります。  ただ、提案者といたしますと、どこまでも本法律案は国公立の大学における外国人教員の任用等に関する特別措置法、当然、この法律を考えました際に、高等学校、中学校のことも考えなかったわけではありません。しかし、本来的に、小中高はわが国の次代を担う全く基礎的な教育である、果たして外人の教員を雇い上げてまでの必要があるかどうか、そうしたことを考慮をいたしまして、この法律案の中に当然のこととして、小中高のことを入れなかったわけであります。そしてまた、基礎的な教育ということを考えた場合に、おっしゃる点はよくわかりますが、提案者といたしますと、考慮をしなくてもいいだろうという考え方をとっております。
  179. 小西博行

    ○小西博行君 外国人教員のこの法案の前に、教科書問題を一、二点御質問申し上げたいと思います。  ちょうど昨年の十二月だったと思いますが、民社党では、佐々木委員長以下二十名ほどの訪韓団を結成いたしまして、そうして韓国へ参りまして、主に政治家あるいはトップの経営者の皆さん方と懇談を交わしたわけです。ちょうどその際、日本からも学者が三人ほど同行いたしまして、韓国の中心的な学者の先生方十二、三名いたと思いますが、その方々とざっくばらんに日本と韓国との関係につきましてディスカッションをしたことがございます。その席で私は大変驚いたわけですが、韓国人の世論調査をいろいろやってみますと、やはり日本人が嫌いだ、日本の国が嫌いだというような結果が出ておりまして、一番は北朝鮮、それに接近するぐらいの値で日本が嫌いだ、こういうような世論調査が出ておりました。同時に、それはなぜだろうというような議論もしたわけですが、韓国では日本と韓国の過去の歴史の問題をかなり詳しく小学・中学生に教えているんだという、そういうお話がございました。同時に、日本の場合でも、じゃ、韓国人に対してどういうような心情を持っておられるかというようないろいろなディスカッションがございまして、これも、日本の事情は御説明申し上げたわけですが、必ずしも、韓国人が好きだとか、あるいは韓国という国が好きなんだというような答えは少なくて、わりあい嫌いなといいますか、そういう結果が出ている。  私は、その際に思ったのですが、学者ですからわりあい思い切った御意見をざっくばらんに言っていただく、政治家同士になりますとなかなかそれほどはっきりは物を言わないという感じがしたわけです。たまたま、今回は教科書問題ということで、その教科書を一つの起爆剤にして韓国、あるいは中国、あるいは北朝鮮、それぞれの国から日本に対する非難というかっこうで出ているというように私は思うんです。外務省の御意見あるいは文部省の御意見、それぞれ新聞でしか拝聴しておりませんが、ニュアンスがかなり違う。外務省は、当然現場で実際に韓国、中国あたりと折衝する立場でありますから、恐らく、私は、外務省の方が、認識といいますか、事実の認識というのは非常に正確さがあるんではないかな。一般の企業でいきますと、営業と生産という関係と非常によく似ておりまして、いい品物であればどんどん売れる、しかし現場の方はなかなか品質が悪いなんていうことは認めない、こういう関係が私はあるんではないだろうかな。いずれにいたしましても、私は思いますのに、早急な対応をして解決の方向に持っていかないと、どうも、メンツとか、あるいはお家の事情ということだけでは今回の問題は片づかないじゃないか、非常にその根は深いんじゃないか、そのように私は実感としていま感じているわけなんです。  実は、私も、昨日でしたか、韓国の政治家の方から電話をいただきまして、ホテル・ニューオー夕ニに泊まっておられるというものですから、電話をいたしますと、韓国の方がきのうで約三十名ぐらい日本に来て泊まっておられるわけですね。大ぜいの韓国の方が日本に来ておられる。日本人もまた当然韓国にたくさん行っている。非常に近い国でありながら、現実、このような問題が出てしまった。起こるべくして起こったと言ったら語弊があるかもしれませんが、内部的にはかなり厳しい問題があるというふうに私は考えます。そういった意味で、文部省がこれからの対応について、ここでは具体的に答弁がすぐさま出るわけではないと思いますけれども、そういう国の内部の事情というのをよく外務省とコミュニケーションを図っていただいて、そうして日本の国のためにどうすべきかという、いま非常に大切な時期に来ていると思いますので、その辺に対する決意あるいは考え方、できれば将来の方向性、解決のための方向性があれば教えていただきたい。
  180. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 今度の問題は教科書だけの問題というよりは教科書が起爆剤となって出てきた問題だという仰せでございます。私も先生と認識を同じくしておるわけです。それだけに、たびたび申しておりまするように、先方の言い分には謙虚に耳を傾けなければならない、そして同時にきわめて慎重にかつ誠意をもって対処していかないとなかなかこの問題は片づかない、こう考えております。
  181. 小西博行

    ○小西博行君 とにかく早急にいい方向に持っていってもらいたいと願うばかりなんです。これは単に教科書だけの問題じゃないと思いますので、その辺の真相をよく究明されて対応していくというその謙虚な姿勢こそが実は解決の糸口になるんじゃないかというふうに私は考えます。どうかひとつよろしくお願いしたいと思います。  さて、次のテーマでございますが、外国人教員の問題、午前中同僚議員の方からかなり詳しくいろんな角度で質疑がございまして、私も全くこの法案を提出されたということに対しては、むしろ遅いんではないかというような感じが実はしております。と申しますのは、もうすでに私学の方ではかなり前から外国人の優秀な先生方を任用されまして、そして日本の教育のためにいい方向で進んでいるというのは事実でありますから、何でも国がタッチしますと、ややおくれるといいますか、そういう感じもなきにしもあらずという感じがしておりますので、むしろどんどんこれは積極的にやっていただきたいという感じがしているわけです。ところが、先ほどちょっと高木議員の方からもお話がありましたように、こういう法案ができたから、通過したからすばらしい先生方が果たして日本へ来てくれるんだろうか、実はその辺が私は大変心配であります。  と申しますのは、いま日本ではやはりオーバードクターという問題も関係いたしまして、たくさんの学者の卵が卒業されて、そして就職がないままに今日まで来ております。そういった意味で、ノーベル賞が取れるほどの優秀な教員を採用したいという理想はよくわかるんですけれども、現実問題は、研究費その他から考えますと、とてもじゃないけれども、たとえばアメリカあたりから呼ぶことはなかなかむずかしいんではないかな、そういうような感じがしておりまして、もしこの法案が通過して、その結果、大体どういう計画で何名ぐらい日本にそういう先生を呼べる可能性があるか。これはむしろ発議者の方にお聞きしたいのですが、そういう予測を立てておられるのか。あるいはもっと言うなら、各専門の分野がそれぞれありますから、これは大学でもちろん任用していくわけですけれども、どういう方を特に入れたい、あるいは欲しいと、このように考えてこの法案を提出なさったのか、もしあれば、これは文部省と両方からお聞きしたいと思います。
  182. 狩野明男

    ○衆議院議員(狩野明男君) お答えいたします。  国公立大学においては外国人の教師を国家公務員法二条七項の個人的基礎に基づいての契約が従来からなされておりましたけれども、この法案ができることによりまして、より広く正規の教授として、外国人に限らず身分的保証がなされるわけでございますから、広い立場から優秀な外国人を迎えることができるであろうと考え、期待されるわけでございます。そして、特にこの法案が制定された場合には、いろいろその具体的な運営については、各大学の自主的管理に任されているわけでございますけれども、実は先般、衆議院の文教委員会で京都大学に参りましていろいろ意見の聴取を行ったわけでございますが、京都大学では、もしこの法案が成立した場合には、人文科学系統、それから自然科学系統、それから附属の研究所等に、アメリカとかフランスとかというふうにはっきり国名を言って、五、六人の先生方を迎えたいというはっきりした意思表示がございます。さらに今年当初、文部省の調べたことによりますと、広島大学の文学部、大阪大学の言語文化部において、制度上任用が可能であればぜひとも採用したい、そういった具体的な意見があるようでございます。まあそのほかの国立大学等においても、いままで任用したかったんだけれどもそれができないために私立大学の教員になった例も少なくないと聞いております。
  183. 宮地貫一

    ○政府委員(宮地貫一君) ただいま発議者の方から御説明があったとおりでございますが、先生御指摘のようにこういう制度をつくったことによってそれでは直ちにそれが非常に十分効率よく直ちに動くかというぐあいに申されますと、その点は私はなかなか――それでは幾つかただいまお話しのように問い合わせば確かにございますけれども、私どもとしてもこの制度を十分各大学にも周知徹底をいたしまして、制度の運用が本来望ましい姿で動いていくように努力をしていかなければならぬと思っております。  御指摘のようにオーバードクター問題というようなことも確かにございますし、そしてまた、実際に特定の講座の教官のポストが欠員があるからといってそれでは目を広く外にまで広げて本当に適任者を求めるという姿勢に各大学がなっていただければそれこそまさに理想に近い状態でございますが、現実はなかなかそこまですぐには追いつかないという点も確かに御指摘のとおりだと思います。私どもも努力をしてまいりたい、かように考えております。
  184. 小西博行

    ○小西博行君 私も大学人だったからよくわかるんですが、非常にガードがかたいんですね。ですから各大学で、たとえばドクターコースをとりますとその大学に残るとか、これは非常に多いんですけれども、同じ国内でも、たとえば京大から東大へ教員で行くなんていうのはなかなかむずかしいんじゃないかなと。先ほど活力という話がありまして、もしそうなれば最高だなと、自分もそう思いますけれども、相当文部省の方が指導をうまくやってもらわないとますます何かガードを固めるんじゃないかなと。先ほど高木先生が語学でいろいろやるのでむしろ先生方も勉強するんじゃないか。まあいい方向に行けばそうなんですが、むしろそういう人は入れたくないというか、そっちの方がむしろ結論としては早くすぐ出してしまうと。私はその辺を実は心配しておるわけです。  それからもう一点は、非常に著名な先生方をぜひ呼びたいというお話でございますけれども、そうなりますと、昔のように――今日までやっているわけですが、たとえば特別招聘制度ですね。こういう場合には兼職ができるわけですね、兼務が。アメリカの大学でいてさらにこちらへ来られると、こういうことができるんですが、今度の場合は専任ということですからそれはできないんでしょう。できないということでありますから、よけいに待遇の面――これは給与その他の待遇の面もありますし、研究費の問題ですね。これは、恐らく特に先進国のアメリカあたりから来る先生方というのはずいぶんやはり恵まれた中で研究されておりますので、その辺が非常に私は心配なので、その辺のバックをどういうかっこうで満足さしてあげるような体制をとられるのかなと。その辺の御意見があったらひとつ文部大臣の方からでもお聞きしたいと思います。
  185. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) 恐らくただいま仰せのようなことが現状ではなかろうかという感じが私もいたしておりますので、ただいま御指摘もいただきましたので、今後改善の努力をしなければならないと思っております。
  186. 小西博行

    ○小西博行君 先ほど他の委員からも御質問がございましたが、大学はそういうかっこうで優秀な先生をお呼びして、そして大学の中へ活力を与えていく。私がもっと心配しているのは、もっとやらなきゃいかぬと思うのは、むしろ中学、高等学校あたりですね、この語学教育というのがこの委員会でもいつでも私は問題になっていると思うんです。同時に、現実に大学を卒業しても日常のあいさつもできないという人が非常に多いその環境から見ましても、この語学教育をもう少し外人の先生方に来ていただいてやれるような方法はないのかなと。人数が最近は少しふえているようですけれども、とてもじゃないけれども、田舎の学校へ行きますともう全く先生はいませんから、まあ私は、会話ができないような英語教育というものを今日までずっとまだ続けておるわけでして、その辺が一番むしろ心配です。  それから、いつも申し上げますように、もう一点は、やはり外国人先生が入ることによって何か子供さんの動機づけといいますか、語学に対する恐怖心といいますか、そういうことが取り除かれるんだったら、もっとそっちの方が効果的じゃないかなと、そういう感じがしているわけでして、その辺に対する、具体的なものがないにしても、一つのビジョンとしてお考えがあったらぜひ聞かせてもらいたいと思います。
  187. 鈴木勲

    ○政府委員(鈴木勲君) これは、先ほど申し上げましたが、その必要性という観点から申しますと、大学等と違いまして、特別立法ということではなくて、現在の状態で国民教育は、高等学校以下の国民教育につきましては、日本の国籍を持つ教員をもって充てるということになっておるわけでございまして、諸外国の法令を見ましても、初等中等学校教員の外国人の就任につきましては、大学教員とは区別をいたしまして、その国籍を持つ者というふうに限定しているわけでございまして、その趣旨は、やはり初等中等教育につきましては、国民教育という観点からその国籍を持つ教員が当たるという趣旨でございまして、先生の御指摘になりました語学教育につきましては、まさにわが国の場合にはそういうネィティブスピーカーをよく招致いたしまして、生の英語に触れさせるとか、外国語に触れさせるという必要はございます。そういう観点から、正規の身分を持つ教員ということではございませんで、指導主事の助手といたしましてアメリカから呼んだり、あるいは英国人を呼んだりいたしまして、そういう形で刺激を与え、英語教育に役立つような施策は講じているわけでございまして、この点につきましては今後とも配慮をしなければならぬと思いますが、それを正規の身分を持つ教員としてやるかどうかという点につきましては、ただいま諸外国の立法例等も申し上げましたように、大学とは区別をして、また語学教育につきましてはそういう面も配慮してやってまいりたいというふうに考えております。
  188. 小西博行

    ○小西博行君 語学教育の問題は、もうここで論ずるまでもなく、大変私は問題があると。何も外国の先生を入れたらすぐよくなると私も思いません。したがって、これはむしろ外国人の先生に来ていただくというのが一点でありますけれども、語学教育というのはもう少し抜本的に考え直さなければいけないんじゃないか、そういう感じがしておるものですから、特にいまのように御質問申し上げたわけなんです。  最後にぜひともお願いしたいんですが、今度のこの法案は自民党の先生方の方から出された非常に私はいい提案ではないか、法案ではないかと、このように考えておりますので、できればもう最終までこれをやることによってすばらしいものができたんだというところまでフォローをぜひしていただきたい。法案というのは、これは放送大学もありましたが、形としてはなかなかかっこいいんですよね。ところが、現実にこれが実際に実行して成果を上げていくために実はもっともっと大きな努力が要るし、あるいは決断も要ると。これは文部省の方でも相当決断してやってもらわないと、つくったんだけれどもいままでと変わらないというような――これ文部大臣、すぐ結果が出ますので、私はその辺もう少し責任を持って本当はやっていただきたいなと。これは各党全部賛成の法案だというようにも聞いておりますので、そういった意味では本当に全力でいい方向に進んでいただけるような、われわれもそれに対して全面的に協力すると、そういう体制でもってやっていただきたいと、そのことを申し上げて、決意がございましたらお聞かせ願いたいと思います。
  189. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) この法案が成立いたしました暁には、その趣旨を大学関係者に十分徹底させまして実効の上がるような運用をいたしてまいるつもりでございます。
  190. 小西博行

    ○小西博行君 終わります。
  191. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  国立又は公立の大学における外国人教員の任用等に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  192. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  193. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  194. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) 次に、小委員会の設置に関する件を議題といたします。  義務教育諸学校等における育児休業をめぐる諸問題について調査検討するため、小委員九名から成る義務教育諸学校等における育児休業に関する小委員会を設置することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  195. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) 御異議ないと認めます。  つきましては、小委員及び小委員長の選任は、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  196. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) 御異議ないと認めます。  それでは、小委員に大島友治君、田沢智治君、仲川幸男君、降矢敬義君、小野明君、粕谷照美君、柏原ヤス君、佐藤昭夫君及び小西博行君を指名いたします。  また、小委員長に大島友治君を指名いたします。  なお、小委員及び小委員長の辞任の許可及びその補欠選任、並びに小委員から参考人の出席要求がありました場合の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  197. 片山正英

    ○委員長(片山正英君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十七分散会      ―――――・―――――