運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1981-03-30 第94回国会 参議院 予算委員会第二分科会 2号 公式Web版

  1. 昭和五十六年三月三十日(月曜日)    午前十時開会     ―――――――――――――    分科担当委員の異動  三月二十七日     辞任         補欠選任      中西 一郎君     岩動 道行君      下条進一郎君     福田 宏一君      対馬 孝且君     竹田 四郎君      中尾 辰義君     馬場  富君      伊藤 郁男君     柳澤 錬造君  三月二十八日     辞任         補欠選任      福田 宏一君     下条進一郎君      安恒 良一君     寺田 熊雄君      竹田 四郎君     山田  譲君      柳澤 錬造君     井上  計君  三月三十日     辞任         補欠選任      山田  譲君     片山 甚市君      寺田 熊雄君     丸谷 金保君      馬場  富君     大川 清幸君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     主 査         和田 静夫君     副主査         田代由紀男君     分科担当委員                 岩動 道行君                 板垣  正君                 源田  実君                 下条進一郎君                 堀江 正夫君                 丸谷 金保君                 山田  譲君                 大川 清幸君                 馬場  富君                 井上  計君    国務大臣        国 務 大 臣        (経済企画庁長        官)       河本 敏夫君    政府委員        経済企画政務次        官        中島源太郎君        経済企画庁長官        官房長      禿河 徹映君        経済企画庁長官        官房会計課長   横溝 雅夫君        経済企画庁調整        局長       井川  博君        経済企画庁国民        生活局長     小金 芳弘君        経済企画庁物価        局長       廣江 運弘君        経済企画庁総合        計画局長     白井 和徳君        経済企画庁調査        局長       田中誠一郎君        国税庁間税部長  小泉 忠之君    説明員        公正取引委員会        経済部調整課長  厚谷 襄児君        公正取引委員会        取引部景品表示        指導課長     波光  巖君        公正取引委員会        審査部審査統括        官        相場 照美君        通商産業省生活        産業局紙業課長  佐藤 剛男君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○昭和五十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議  院送付) ○昭和五十六年度特別会計予算(内閣提出、衆議  院送付) ○昭和五十六年度政府関係機関予算(内閣提出、  衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 和田静夫

    ○主査(和田静夫君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。  分科担当委員の異動について御報告をいたします。  去る二十七日、中西一郎君、対馬孝且君、中尾辰義君及び伊藤郁男君が分科担当委員を辞任され、その補欠として岩動道行君、竹田四郎君、馬場富君及び柳澤錬造君が選任されました。  また、一昨日、竹田四郎君、安恒良一君、及び柳澤錬造君が分科担当委員を辞任され、その補欠として山田譲君、寺田熊雄君及び井上計君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 和田静夫

    ○主査(和田静夫君) 昭和五十六年度総予算中、経済企画庁所管を議題といたします。  それではこれより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 山田譲

    ○山田譲君 私はきょう、特に五十五年度の物価につきまして政府の公約の六・四%が実際問題として守れなかったということについての御質疑と、それから政府が考えております五十六年度の経済見通しについての問題、それから最後に三月十七日ですか、おつくりになりました景気対策、この三つの問題についてお尋ねをしていきたいというふうに思います。  まず最初に、これは私が物価の特別委員会で先月、二月の下旬であったと思いますけれども長官にお尋ねしたわけでありますが、また同じようなことを一月たって一応お聞きしておきたいというふうに思います。まず最初にお伺いしたいのは、この前の二月の段階で五十五年度平均の上昇率が何%になるかということをお尋ねしたわけでありますけれども、そのとき企画庁の方は七・七%というふうな予想を大体おっしゃったわけでございますけれども、大体それから一月たった今日、その点が変わりがあるかないか、まず最初にお尋ねしておきたいと思います。
  5. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 五十五年度の消費者物価が平均どのくらいになるかというお尋ねでございますが、去る二十七日に二月の全国の確報が発表され、かつ東京都区部の速報が発表されました。それによりますと、全国は二月で対前年度同月比六・五%ということになります。この水準で三月も推移するといたしますと、全国平均では七・七%程度ということになります。また、東京都区部の速報が三月は発表されておるわけであります。これは〇・六%上昇いたしましてやはり六・五%ということになっていますが、このままの水準で推移するといたしますと、これはいろいろの要素がございまして、そのとおりいくかどうかわかりませんし、また三月の下旬あたりは季節商品あたり緩んでおるというような徴候も見られますので、そういうことも考え合わせなければいけないわけでございますが、仮にそのままで推移するといたしますと、七・八%程度というのが五十五年度の全国の平均になろうかと思います。これは一つの計算でございます。
  6. 山田譲

    ○山田譲君 きょうまだ三月三十日でありますから全部の確実な数字はわからないと思いますけれども、いずれにいたしましても七・七%あるいは七・八%と、六・四%の公約を大きく上回ったということは間違いないことだと思います。  そこで、この前私が長官にお尋ねしたときに、その原因を一体どこに考えておられるかということをお尋ねしたわけでありますけれども、そのときに長官は、いろいろもちろんあるわけですが、特に石油値上げと、それから野菜の高騰といったようなことがその原因であろうと思われるというふうなことを言っておられました。しかし、私はやはりこの前も申し上げましたけれども、異常に物価が値上がりした原因はやはり公共料金の値上げ、去年の春ごろに軒並みに大幅な公共料金の値上げがあったわけでありますけれども、それがやはり大きく影響をしているんじゃないかというふうに思われてなりません。  最初政府の方としては、大体公共料金の値上げは物価の上昇に対して〇・八くらいしか影響がないんじゃないかというふうなことを言っておられたわけでありますけれども、実際に数字を見ますと二・二%くらいに上がっているわけでありまして、とても〇・八というふうなところではおさまっておりません。そしてしかも、問題にしたいのは、いわゆる公共料金のうちで一番大きなものが何といっても電力あるいはガス料金というものだったと思うんですけれども、これが相当大幅に引き上げられている。しかもその引き上げられた査定はこれは三月段階でやられているわけでありまして、イラン・イラク戦争というふうなものはその後に起きてきたことでございます。ですから、電力あるいはガス料金の値上げはイラン・イラク戦争なんかの始まる前にすでに査定が終わって大幅にアップしたわけでありますけれども、ところが実際にその値上げの結果を見ますと、特に電力、ガス会社が大きく収益を上げているということが明らかになっております。これはこの前も私質問したとおりでありますし、最近の新聞見でもほぼ一兆円に近いような数字が、電力空前の好決算というふうな記事がすでに三月に載っているということで、電力九社で一兆円に迫るような好決算になっている。そうしますと、物価の値上げに非常に大きく寄与した電力なりガスの会社が自分たちはものすごく大きな収益を上げているということについては、私どもとしてはどうしてもこれは納得できないわけです。  そこで、これは長官にぜひお伺いしたいんですが、見通しを大きく誤ったといいますか、公約どおりになれなかったということのその原因をもう一遍はっきりしていただきたいということと、いまの電力料金あるいはガス料金を大幅に値上げして、しかも値上げしたその会社がそれぞれ史上空則と言われるような収益を計上しているということについてどういうふうに考えていらっしゃるか。そしてまたもう一つ、そういった見通しを誤った、そして労働省統計始まって以来初めて実質賃金が目減りしたというふうな、こういう事態に汚して、長官どういう責任をおとりになろうとしていらっしゃるか、そこをお伺いしたいと思うわけです。
  7. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 五十五年度の消費者物価見通し、当初六・四%が達成できなかったことは大変遺憾に存じ、また申しわけなく思っております。  そこで、ただいまお尋ねの第一点は公共料金が大幅に消費者物価を押し上げておるではないかと、こういうお話でございますが、昭和五十三年、五十四年度は公共料金は消費者物価を〇・八%見当ずつ押し上げております。五十五年度はいま御指摘もございましたが二・二%押し上げておりますから、公共料金が非常に大きく影響しておるということは事実でございます。そのうち電力、ガスの昨年の四月の値上げが一・一%ぐらい影響しております。これは値上げが甘いのではないかと、こういう第二点のお話でございますが、昨年の春電力を査定いたしますときはちょうど円レートが二百四十円前後でございましたので、時期によって若干の違いはありましたけれども、ほぼ二百四十円前後で査定をしております。その後円高になりましたので、その分だけ差益が電力会社に出てきたわけでございますが、しかしながら油の値上がりは政府見通しを大きく上回っておりまして、その分はある程度四月以降に出てきております。しかしながら、電力業界の利益を見ますと、非常に大きな数字が出ておりますが、これはその後電力会社のいろいろな企業努力等もあったようであります。たとえば、原子力発電所の稼動率が非常に上がったとか、あるいはまた気象条件、たとえば水力が相当豊富であったとか、そういうこともあったようでございますが、いずれにいたしましても、相当な利益が出ておるということは事実でございます。
  8. 山田譲

    ○山田譲君 御質問の最後の、見通しを誤ったことについてのどういう責任を、どういう形でもってとろうとしていらっしゃるか、そこのところをお伺いしたいと思います。
  9. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) ただいま全力を挙げまして消費者物価の鎮静のために努力をしておるのでございますが、何分にも昨年は一時九%近い上昇が続いておった時期もございますので、現在はここ三、四カ月六%台で推移しておりますけれども、年平均いたしますと、先ほど政府委員が答弁いたしましたような数字にほぼ近くなるのではないかと、こう思っております。そこで、さらに一層物価安定のために努力をいたしまして、来月四月には、よほどのことがない限り、たとえば突発事情等がない限り、五%台にはなるのではないかと、このように考えておりますが、さらに引き続きまして物価安定のために全力を尽くしたいと考えております。
  10. 山田譲

    ○山田譲君 もちろん、これから物価安定のために最大限の努力をしていただかなければならない。これは当然だと思うんですけれども、私が申し上げておるのは、少なくとも実質賃金が一%目減りをしているというふうな五十五年度の状態に対して、これはどう考えても政府の六・四%の公約を信じて去年の春闘あたりでも六%台の低い賃金アップでもって、涙をのんで矛をおさめたという経緯からしましても、実際にはそのとおりいかなくて、すでに一%も目減りがしているというこの状態については、やはり何としても責任を一応とってもらわなければ困ると、こういうのが私の考えでありますけれども、その点について長官のお考えを伺いたいと、こういうことでございます。
  11. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 昨年の春、ベースアップのときに政府が六・四%の消費者物価目標を実現をいたしますと、こういう公約をいたしておりますので、それを背景にベースアップが妥結したことは事実であります。しかしながら、その後、いまお話しのように条件が変わりまして、実質賃金が一%前後も目減りすると、こういう事態になりましたことは本当に私も遺憾に思い、かつ申しわけなく思っておるわけでありますが、ただ、何分にも昨年は異常気象が夏から冬にかけて続いておりましたし、それからまた九月にイラン・イラク戦争が勃発をいたしまして、それによる予想外の油の急上昇と、こういうこともありまして、予定の目標をオーバーしたわけでありますが、まあしかし、この傾向は世界的な傾向でございまして、油の値段が二年前には十二ドル五十であったものが三倍に引き上げられた、これが背景にあるわけでございます。そのことが背景になりまして、国民経済の至るところに大きなしわが寄っておる、ひずみができておる、こういうことでございます。先ほどの実質賃金も一%ダウンをいたしておりますが、同時に中小企業などもここ数カ月間はかつてない倒産が多発をいたしております。また、企業の利潤も最近になりまして相当減りつつあると、こういう状態でございまして、国民経済の至るところにこの悪い影響が出ておる。これは日本だけではございませんで、世界的な規模でその影響が出ておるわけであります。現在の世界経済の混乱は一にこの油の予想外の大きな値上げというところが背景にあるわけでございます。まあしかしながら、政府といたしましては、その中におきまして、なお引き続いて最善を期していきたい。消費者物価を先ほど申し上げましたように全力を挙げて安定する方向に持っていきたい、このように考えております。
  12. 山田譲

    ○山田譲君 先日、いわゆる議長裁定というので、戻し減税というんですか、というふうなこと、まだ金額についてはもちろん確定してないわけでありますけれども、を一応考えられているようでありますけれども、これは必ずしも企画庁長官にお伺いしていいかどうかわかりませんけれども、そのことについてお伺いしておきたいのは、五十五年度の剰余金、予備費なり不用額、あるいは今後の見通しとしての税収、それぞれどのくらいになるかというふうなことを、まあいまはっきりわからないとは思いますけれども、大体見通し程度で結構でありますから、それをお聞かせいただきたいということと、もう一つは、例の物価の問題で五百億をこの物価安定のために使うというふうなことで準備しておられたわけでありますけれども、現実に使ったのはこのうち四十四億しかございません。そうすると、その残り四百数十億というものは、この予備費の中の残った経費として、いわゆる所得減税の中に繰り込まれるのかどうかというふうなことについても、これは大蔵省あたりの方が適当かもしれませんけれども、企画庁も当然そのことについては関与しておられるわけでありますから、わかる範囲でひとつ伺わせていただきたいというふうに思います。
  13. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 予備費でございますが、大蔵省から聞きましたところによりますと、三月二十七日現在で残額が九百七十九億円というふうに聞いております。三月二十七日でございますからあと五日あるわけでございますが、その間、義務的経費の不足等で使っていくということになりますと、これが最終的に幾ら残るか、実は不明であるということでございます。  それからもう一つ、税収はどうかという問題がございますが、この税収につきましても現段階、一月末の累計しかわかっていない、しかも、一月末の累計で、前年同月比が一三・三%、どうも見込みを下回ってるという状況のようでございまして、補正後の予算額の前年度決算額に対する伸び率一四・四と考えておりましたのが一三・三であると。ただ、これもどうも、五十五年度税収の最終的な帰趨というのは、所得税の確定申告の状況がどうなるか、あるいは三月期の決算法人の申告状況がどうなるかというふうなのが決まってこないとわからないということで、結局、最終的な五十五年度税収も、いまの段階では明確に申し上げられないというのが現状のようでございます。
  14. 山田譲

    ○山田譲君 いわゆる不用額というのはどうですか。
  15. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 恐らく不用額云々という問題も、これは締めてみないとわからないという状況かと思われます。詳しくはそこまで大蔵省からは聞いておりませんけれども、三月の末でもって締めてみないとその点はわからないという状況かと思います。
  16. 山田譲

    ○山田譲君 先ほどちょっとお尋ねしました、例の五百億の残りの問題はどうでしょうか。先ほどお話のありました九百七十何億という、この中にこれは入ってるんですか、入ってないんですか。
  17. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 予算上の問題で、詳しくは存じませんが、予備費の中でイヤマークされたものということで、残っておるとすれば九百七十九億円に含まれているのではないかと想像されます。
  18. 山田譲

    ○山田譲君 これはいまの段階ですから、お答えのあったようなことで、それ以上確定的なことはお聞きすることが無理だと思いますけれども、しかし、いずれにしましても非常にこれは国民が期待しているところですから、これは長官、特にお願いしたいんですけれども、ふたをあけてみたら何にもなかったから減税はしません、というふうなことのないように、特に強くお願いをしておきたいというふうに思います。  そこで、この五十六年度のいわゆる経済見通しというふうなものができているわけでありますけれども、これについてお尋ねをしていきたいというふうに思います。  そのお尋ねの前に、まず前提となります五十五年度の実質成長率四・八%ということに去年の見通しとしてはなっていたわけでありますが、これが実際達成できるかどうかということをまずひとつお伺いしたいと思います。それを内需と外需に分けた場合にどうなるかということ、それからそれぞれの内需、外需が当初の見通しとどのように変わっているか、これについてお伺いしたいと思います。
  19. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 五十五年度につきましては、当初見通しが四・八%という経済成長を見通しとして述べていたわけでございますが、最近の実績見込みでも大体四・八%は実現できるのではないかという状況でございます。ただ、中身が変更がございまして、内需、外需というのを寄与度で申し上げますと、当初の見通しでは四・八%のうち内需の寄与度は三%、それから外需の寄与度が一・八%、合わせて四・八%というふうに見込みを立てておったわけでございますが、実績見込みにおきましては四・八%のうち内需は一・五%、外需は三・三%、すなわち当初は内需中心の成長を期待しておったわけでございますが、御案内のような内需の冷え込みというふうなことがございました。他面、輸出が堅調に推移し、なお輸入が、石油の輸入減というふうなこともあって輸入が減り、輸出輸入のそれぞれの相乗効果によって外需が非常に大きく寄与度として寄与をしたというふうなことで、不本意ながら外需依存の成長にならざるを得ないというのが最近の実績見通しでございます。
  20. 山田譲

    ○山田譲君 全体として四・八%の見通しで、実績からすれば大体それと同じような数字になりそうですということだと思いますが、しかし内訳を見ますと、いまおっしゃられたようにやはり圧倒的に外需がそれを支えた、内需はむしろ予想を大きく下回ったということがやはり問題ではないかというように思っております。  そこで次にお伺いしたいのは、そのように内需が当初の見込みよりも大きく落ち込んだその原因でございますが、これはどんなところにあるかということでございます。私としては、やはり何といっても個人消費の不振とか、それから住宅建築が非常に不振であった、そういうようなことが大きな原因であろうと思います。そこら辺、どんなものでしょうか。
  21. 井川博

    ○政府委員(井川博君) おっしゃるとおりでございまして、結局内需が全体的に当初の見込みよりは沈滞をしてまいっておるということでございます。ただ、内需のうちでも民間企業設備につきましては大企業中心に大体非常に強い趨勢で推移をした、中小企業の最近の落ち込みはございますけれども、大企業の非常に強い設備投資対応ということで、当初見通しよりもむしろ見通しとしては上回るような状況でございます。仮に伸び率で申し上げますと、民間企業設備については当初実質四%を考えていたわけでございますが、実績見通しては大体五%程度になるという状況でございます。しかし、いまおっしゃいましたように民間最終消費支出につきましては当初実質で三・七と考えておりましたのが、最近の実績見通しては二%程度、それから民間住宅の落ち込みが大変人きゅうございまして、当初はこれはわずかではございますけれども一・七、すなわち一%少々プラスするであろうかという見込みを立てておりましたのが、最終的には実質でマイナス九・七、これは建設資材の値上がりとそれから新設住宅着工の停滞、両方の原因によりまして、非常に大幅な落ち込みをした、結局この民間最終消費支出が思うように進まなかったということと、それから民間住宅が大幅に落ち込んだということによって内需が当初のような伸びを示さなかった、したがって寄与度で低い寄与度になったということになるわけでございます。
  22. 山田譲

    ○山田譲君 民間最終消費と住宅の方が非常に不振であった、これが内需が当初見込みよりも大きく落ち込んだ原因であろうというふうにおっしゃいました。確かにそのとおりだと思いますけれども、それでは民間最終消費支出あるいは住宅建設が非常に不振であったということの原因は一体那辺にあるかという問題についてどうお考えでしょうか。
  23. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 民間最終消費支出が当初見込みほど伸びなかった理由というのは、やはりこれは物価が石油の高騰という第二次石油ショックの影響で大きくふくれ上がったということに原因があろうかと思います。そのことのためにやはり個人消費が非常に伸びを縮めてきた、これが最大の原因であろうと思いますし、それから住宅につきましても、一方において住宅のローン等が大変引き締め政策で高くなった、他面、住宅建設の費用が、建設資材が非常に高くなったというふうなことと、もちろん住宅の問題には構造的ないろいろな問題もあろうかと思いますが、そういうことと、それからもう一つは、先ほどもお話がございましたように、物価高騰のために所得の伸びがない、むしろ実質減である、一方、住宅というのは高く上がっていく、所得に比べてやはり住宅が手の届かないところに行ってしまうというふうなこと、そういうことが重なって住宅建設が非常に停滞ぎみになる、要するに物価が上がったというふうなことからこうした消費ないし個人の住宅投資の停滞というのがもたらされたのではないかと考えておるわけでございます。
  24. 山田譲

    ○山田譲君 私もいまおっしゃられたようなことが内需が大きく落ち込んだ原因じゃないかと思うんですけれども、特に住宅につきましては、いまおっしゃいませんでしたけれども、地価の高騰というふうなものもかなり影響しているんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
  25. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 当然その理由として地価の高騰が考えられるわけでございます。
  26. 山田譲

    ○山田譲君 そこで、五十六年度の見通しに入っていきたいと思うんですけれども、五十六年度の見通しでは民間最終消費支出が四・九%というふうなことになっているようでございます。これは間違いないですね。
  27. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 実質で四・九%というふうな見通しになっております。
  28. 山田譲

    ○山田譲君 そこで、結論から言いますと、この四・九%もの伸びる可能性が一体あるのかないのかという問題でございます。五十五年度にいまおっしゃったような大きく落ち込んだ消費、この原因はいろいろいま言われたとおりでありますけれども、そしてまたもう一つ、消費者物価についての見通しは五・五%ということになっていますね、これは間違いないですな。そうしますと、これについてはたとえば五十六年度における所得の向上、それから為替レート、あるいは原油価格がどういうふうに、もう恐らく下がることはなくて上がっていくだろうと思われますけれども、どの程度というふうに推定をしておられるか、この五・五%を計算したその計算の根拠、これをまずお伺いしたいと思います。
  29. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 来年度、五十六年度五・五%と消費者物価の上昇率を見込んでおるわけでございますが、この見込みをいたしますときは年一本で見まして、また個別的に商品を積み上げるというようなやり方ではなくて、全体としましてマクロ的に経済の姿全体と整合するようにしてつくってあります。そういう意味では経済見通しの一環というわけになるわけでございますが、もう少し具体的に申し上げますと、コストの要因あるいは需給要因というのが物価に大きく影響するものですから生産をどう見るかあるいは雇用をどう見るか、雇用者所得はどうなるか、それからまた輸入物価をどう見るかとか、消費の動向をどう見るか、在庫の状況をどう見るかというようなことを総合してやるわけでございます。  そこで、お尋ねの石油をどう見ているかと、こういうお話でございます。石油につきまして具体的に言えば、先ほど申し上げましたように、個別商品ごとの積み上げはいたさないわけでございますが、非常に大きな要因でありますからこれには大きな関心を持ちましていろいろ考えております。ただ石油市場というデリケートなものがございまして、具体的にこれこれ見ておりますということは発表を差し控えさしていただいておりますが、先進国の輸入物価の水準ぐらいは当然考えなければいけないということを頭に置いて考えております。そういう見方でやりましたときに、最近のOPECの総会等で言われております状況といったようなものはこれを吸収し得るんではないかと考えております。  翻って、そういう点からまた五・五%というものの実現の可能性はどうかというような点をもう少し大きな意味で考えてみますと、最近の卸売物価は御承知のように三月上旬では前年同月比一・八%にまで落ちついております。年率で見ましてもこのところずっとマイナスを続けるあるいは横ばいというような状況でございまして、落ちついているということはもう申し上げるまでもないことでございまして、これはいずれ消費者物価に影響を及ぼしてくるということはもう申すまでもないことかと思います。さらに、消費者物価自体も先ほど長官からも申し上げましたようにこのところ落ちついてきているということは事実だと思います。来月になりますと、異常なことがない限り五%台というのは期待できるんじゃないかということでございます。先ほど申し上げました三月の全国が仮に東京都区部速報並みだというふうなことにいたしまして、それと同じだということにいたしましても六・二、三%程度の前年同月比の水準に落ちてきているわけでございますので、かなり落ちついてきているということは事実だと思います。  それからもう一つは、先ほど先生からも御指摘のありました公共料金でございますが、五十五年度の場合、二・二%の寄与度で物価を搾り上げているわけでございますが、五十六年度にはそれほど大きな公共料金の引き上げというのはいまのところ想定できない、電気、ガスといったような大きなものは考えられていないというようなことから、公共料金が物価を押し上げる力も五十五年度のようなことはないと、こう考えておるわけでございます。  それから、先ほどおっしゃいました石油につきましても五十四年度対五十五年度で上がりましたような石油の上昇というのは、いろいろ流動的な要素はございますけれども、当面需給も緩和いたしておりますし、それぞれ備蓄もかなり先進国では積まれておりますし、消費の節約も進んでおりますし、考えられないというようなこと、これらの点を総合勘案いたしまして五・五%は実現可能であるし、また実現しなければいけないと、こういうふうに思っています。
  30. 山田譲

    ○山田譲君 いまお話の中に所得の向上をどの程度見込んであるかという最初の私の質問に対してお返事がなかったわけですが、所得についてはどういうふうに考えておられますか。
  31. 井川博

    ○政府委員(井川博君) われわれがGNPの見通しをいたしま丈場合に、国民所得の見通しを出すわけでございますが、御承知のように国民所得は雇用者所得、財産所得、企業所得、三所得から成っておりますものでございます。それで、恐らく先生いま所得という場合は雇用者所得の伸びだと思いますが、これは五十六年度九・二%という伸びになっておりますけれども、しかし雇用者の伸びが一・六%あるわけでございますので、その雇用者の伸びを勘案した一人当たり雇用者所得の伸びは七・五%の伸びを考えておるということでございます。
  32. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 先ほど石油の五十六年度の見方のところで先進国の輸入物価と申しましたのですが、これは先進国におきます輸出物価の平均程度のものを当然想定しなければいけないということで、訂正さしていただきます。
  33. 山田譲

    ○山田譲君 いまの七・五%とおっしゃったのは、これはもっとはっきり言えば、平均賃上げ率の話ですか。
  34. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 雇用者の全所得でございます。したがって春闘が対象といたします賃上げは所定内給与ということになりますが、このほかに所定外であるとかあるいはボーナスであるとかあるいはまた雇用者負担のいろいろな社会保険の負担等がございます。そういうのが加わって全体の雇用者の所得ということになりまして、所定内給与、すなわち春闘が対象とします所定内賃金というものは、大体その中の五〇%少々、半分少々を占めるということでございまして、必ずしも、いわゆる春闘対象の賃金とは対象が違うわけでございまして、ここの雇用者所得は非常に幅広い範囲をカバーしているということでございます。
  35. 山田譲

    ○山田譲君 そうしますと、教えていただきたいんですけれども、五十五年度の当初見込みのときには所得、いまおっしゃった七・五%に相当するものは何%に考えておられたのですか。
  36. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 当初見通しといたして大体七・三%という見込みをいたしてございました。
  37. 山田譲

    ○山田譲君 先ほどちょっと私御質問してまだお返事いただいていないんですけれども、為替レートについてはどのくらいと考えておられますか。
  38. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 物価局長から石油の価格について申し上げましたが、実はわれわれ、為替レートにつきましても先行きの政府としての見通しは出していないわけでございます。と申しますのは、変動相場制のもとでどこかの国の政府、しかも世界経済に大きい影響のある国の政府が為替レートを幾らと織り込むということになりますと、大変いろいろな問題を起こします。しかしながら為替レートを一定にしないと作業ができないものでございますから、これは従来作業上の約束として、作業をやります前一カ月の平均をとるということになっておりまして、五十六年度につきましてはこの見通しの前提としては二百十三円というふうなことで見通しを立てているわけでございます。ただし、これは五十六年度の平均の為替が二百十三円になるという見込みであるということではございませんで、作業前一カ月の平均を前提に置いたということにすぎません。
  39. 山田譲

    ○山田譲君 いずれにしましても非常に流動的な世界の経済情勢あるいは石油情勢というものがあるわけですから、あくまでも見通してあって、見通しどおりになかなかいかないということはもうしようがないことだと思いますけれども、どうして私がこんなことをしつこく言いますかといいますと、やはりことしくらい物価の値上げで実質賃金が目減りしたということで大きく問題になったことはない。しかもそれが六・四%というふうな政府公約を信じてやったにもかかわらずそれが実際にはそのとおりいかなくて、実質賃金が目減りしてしまったというふうな実態があるだけに、私はやはり二度と同じようなことを繰り返していただきたくない、こういうのが切実な私どもの気持ちなんです。ですから、それは見通しであるから狂うことがあるとはいっても、その狂いが国民生活に非常に大きな影響を及ぼすような狂いであるとすると、これはやっぱり非常に困るわけでして、そういう意味でひとつぜひできるだけ正確な見通しを立てていただきたい、こういうふうに思うわけです。一応責任ある政府が見通しを立てられれば、われわれはそれによって行動していかざるを得ないし、それからいろいろな予算を見ましても当然そういうものが前提となってつくられておるはずありますから、そういう点特に見通しについては、後になって見通しを誤ったのはあれが悪かった、これが悪かったというふうな、できるだけそういうことのないようにひとつお願いをしておきたいというふうに思うわけです。  そして私が考えますのは、先ほど来お話がありましたように、非常に内需が落ち込んでしまっている。その原因は実質賃金の目減りというふうな問題が大きな原因になっていると思いますけれども、そこで、実質賃金の目減りの結果、労働者の人たちの購買意欲が非常に萎縮してしまっているんじゃないかというふうに思います。  それからまたもう一つは、特に耐久消費財につきましてはかなり行き渡っているんじゃないか。もうこれ以上余りそう皆さんがいろいろ買う必要はなくなってきているんじゃないか。ただ、その買いかえのサイクルがございますから、このサイクルはやっぱり当然買いかえていかなければなりませんから、それは当然買わざるを得ない、こういうふうになると思います。  それからもう一つ問題にしたいのは、住宅が非常に減少した。その影響として当然家具というふうなものの需要が減ってくるんじゃないか、そういうことについて一体これらが皆回復するだろうという兆しが現在あるのかないのか。  それからまた、労働者についての一%目減りが非常に問題にされますけれども、それと比較して農業所得の面から見ましても、これは農林水産統計から見たわけですが、農業所得はむしろ対前年比八五・四%というふうに大きく減っているわけです。しかも、それに対して農村における消費者物価指数というふうなものは一〇八・九%、八・九%もふえている。ですから、農業所得の目減りたるや、これはもう普通の労働者の目減りの比ではない、もっと大きく農業所得が減っているというふうに考えざるを得ないのでございます。  それからさらに、物品税が改正されまして、そして、この影響を全然考えておられないのかどうか。特に自動車であるとかあるいは大型冷蔵庫、ビデオテープレコーダーというふうなものがやっぱり相当物品税の影響を受けてくるんじゃないかというふうなもろもろの要因を考えますときに、やはり五十五年度に比較して、そんなに急激に内需が大きく上がっていくであろう、向上されるだろうというふうには思われないわけですけれども、その点はひとつ自信のほどをお聞かせいただきたいと思うんです。
  40. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 事消費に関しましては、やはり現状新しい兆しが出ておるかと言われますと、まだそういう兆しを見出すところまでいっていないと申し上げるほかないと思います。ただ、五十六年全体を考えました場合には、やはり先ほど話もございましたように、物価が落ちついてくるというふうなことになりますと、当然実質の所得もふえ、消費マインドも回復をしていく。それからまあ、天候のことでよくわかりませんが、昨年のような冷夏等というふうなことから農村の所得も減るということも考えなくていいんではないか、正常に返るということを考えていいんじゃないかというふうなことを考えますと、五十六年度を通じての個人消費としては、五十五年度よりは相当伸びると考えてよかろうとわれわれは判断をいたしたわけでございます。  御案内のように、実は実質で先ほど個人消費支出が五十五年度実績見通し二%、五十六年度は四・九%ということを申し上げたわけでございますが、名目で申しますと、五十五年度が八・三%、五十六年度九・九%、要するに物価が落ちつくために実質が伸びていく。で、実はこの四・九%というのが昨年度――もうあと二日すると五十六年度になるわけでございますが、まあ、きょうはまだ五十五年度でございますけれども、五十四年度は実質五%でございました。それから五十三年度が実質六・二%でございました。したがいまして、われわれの見通しとしては五十四年度の五・〇、五十三年度の六・二までにはいかぬがまあ近いところまで考えていいんじゃないか、それはやはり物価が落ちつくというふうなこと、それからまたことし五十五年度で出ました冷夏等の要因が正常化するというふうに考えていいんじゃないかということでございます。  それから耐久消費財サイクルの問題がいろいろ議論をされております。これは明確にはわかりませんけれども、われわれの考え方として、そう明確な耐久消費財サイクルというのが現段階あると考えなくともいいんではないか、かつて高度成長の時期にわれわれの国民生活自体がまだまだ大いに伸びておった、いろいろな家庭内の器具も取りそろえなくちゃいかぬものがいろいろあるというときには、冷蔵庫が出てくるとそれが一つのサイクルでどっと出ていくというふうなことはございましたけれども、もうここ数年来われわれの生活の内容は十分そういうふうな耐久消費財としては持っておる、たんすの中もいっぱいになっているというふうな状況だとすると、そういうことに関しては一つの品目がサイクルを持っていると、買いかえ需要はございますが、これはおのおの何といいますか、別のいろいろな機種によるサイクルがございますので、そうした耐久消費財サイクルが特に五十六年度は底になるあるいはダウンする年であると考えなくてもいいんではないかというように考えているわけでございます。よく言われる代表的なものとして、自動車の話が出てまいっておりますが、自動車につきましても五十五年度対前年のたとえば登録台数あたりは相当減っておりまして、十数%のマイナスを示しております。しかし五十六年度につきましては、昨年の伸びが低かったこともあってやはり若干プラスを考えていいんじゃないか、これはあくまで業界段階の見通しでございますけれども、そういう見通しもございます。したがいまして、耐久消費財についてサイクルが五十六年度マイナスないしダウン傾向の年に当たると考えなくてもよかろう。  ただ、先生おっしゃいましたように、住宅というのは家具その地やはり関連産業に非常に大きい影響を及ぼしているわけでございます。したがって、現段階の住宅の停滞をそのままほっておくというわけにはいかぬということで、去る十七日の総合対策にもなったわけでございまして、いろいろな要因がございますが、全体なべて申し上げますれば、五十五年度の停滞から脱して五十六年度はまあ通常の伸びというぐらいなものを考えていいという考え方がこの民間最終消費支出四・九%という中にあらわれているわけでございます。
  41. 山田譲

    ○山田譲君 五十五年度が非常に低かったわけですから、当然それ以上低かったら困るわけでありますし、それとまた低い翌年ですから、率から言うとそれ以上になるであろうということは私ども考えられますけれども、それにしてもそう急激に、これほどひどく落ち込んだ内需が、五十六年度になって急激に上昇するであろうということについて私どもとしては非常に心配を持っているわけでありますけれども、いまいろいろおっしゃったようなことで責任を持ってやっていただければ、われわれとしても助かる、こういうことでございます。  その中でひとついまちょっとお話に出ましたけれども、住宅投資の問題でありますが、これは見通しについては四・三%というふうに考えていらっしゃるようですけれども、これは間違いございませんね。
  42. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 実質四・三%でございます。
  43. 山田譲

    ○山田譲君 そこで、先ほどもちょっと話しましたけれども、五十五年度の住宅不振の原因を考えてみますと、これは言うまでもなく地価が非常に上がっている、非常な高水準で上がっているということはもう皆さん御承知のとおりでありますけれども、それとさらに建築費がこれまた非常に値上がりしている。そして住宅ローン金利の水準が高い。さらにまた賃金の伸び悩みがあったというふうな、こういった幾つかの要素で住宅がなかなか思うように建設されなかったということだと思います。しかし、さらに考えなければなりませんのは、世帯数の増加率そのものも最近の統計を見ていると非常に減っている、そしてまた社会的な人口移動の率も減少を見ていると、こういうふうな構造的要因も考えられるわけでございます。そして五十五年度の実績について見ますと、これはマイナス九・七%と、これは最初の見通しは一・七であったようでありますけれども、これがむしろマイナスで九・七%というふうに物すごく大きく落ち込んでいるわけであります。これが、いま申し上げましたようないろいろな要因があるんですけれども、これらが一気によくなって、そして五十六年度の見通し四・三%というふうなところまでいくかどうか、この点非常に問題があると思うんですけれども、この辺いかがなものでしょうか。
  44. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 実は実質で先ほど申し上げましたような四・三%増ということになっておりますが、われわれ建築着工戸数では百二十万戸前後を頭に置いているわけでございます。御承知のように実は五十四年が百四十八万戸、五十三年が百四十九万戸、五十二年は百五十三万戸、このところずっと百五十万戸前後を続けてまいっておりましたのが五十五年になりましてぐっと落ちまして、現段階では百二十万戸の下の方、百二十五万戸いけばいい方だと、それよりももっと減ろうかと、こういうような感じでございます。  それでは来年度の百二十万戸実現できるのかというふうな問題があるわけでございまして、いまのままをほうっておいてなるというものではないと考えます。しかしながら、地価につきましては、これはもう先生御承知のようにすぐ手を打ってすぐ効果があるということではなくて、非常にじみちなしかし強力ないろいろな施策が必要でございますけれども、現在の停滞の短期的な要因としては、やはり一つは建築資材の値上がり、建築費の値上がりが大きかったということがあろうかと思います。この点に関しましては、日銀の卸売物価の中で調べてみますと、このところへ来て鎮静化の傾向がございまして、たとえば一昨年の十-十二月ぐらいから大分、十数%と大きかったわけでございますが、一-三月、四-六月、昨年の半ばぐらいまで対前年一七・二%あるいは四-六月一八・一%、七-九月になって八・三、十-十二月になって四%というふうに建築資材価格も卸売物価全般と同様非常に鎮静化の傾向がある。今後とも全般的にそうした建築資材がそう大きく値上げをしないという状況が続いていく。それからもう一つは、去る十七日に出しました総合対策の一環として公定歩合一%の引き下げ。当然今後長期金利がそれぞれの段階で、そのときの情勢によって下げていくというふうなことで、金融当局で鋭意検討をしていただいておるわけでございますが、これによって当然住宅ローンも下げていってもらわないといけない、できるだけ大幅に下げていってもらう。現段階が八・五二ということで、一時八・八八と非常に昨年最高の住宅ローン金利を示したわけでございますが、現段階八・五二になっておりますけれども、これも下げていっていただく。そうした住宅ローンを下げることによって、住宅ローンの金利先安感、どうせ先で下がるぞということで控えているそういうふうな需要者がここで建築を始めてくれるというふうなこともあるだろう。それやこれや考え合わせますと、大体百三十万戸程度はいくであろうし、またいってもらわないと困る。  それからもう一つは、指数の問題がございまして、四・三というふうな中は、先ほど申し上げましたように建築関係のそうしたデフレーターが五十五年度よりは低くなるという面と、それからさらに毎年質的改善というのがございます。一つの年で三%程度何といいますか建てる面積が広がる等々という問題がございまして、そういう質的改善もあるということを考慮に入れた上見通しをしましたものが実質として四・三%ということでございまして、われわれといたしましては今後政府の施策よろしきを得れば達成できる水準であるというふうに考えておるわけでございます。
  45. 山田譲

    ○山田譲君 まあ住宅関係の落ち込みが五十五年度特に際立って多かったわけで、その原因は先ほど申し上げたいろいろなことがあるだろうと思うんです。そういうことについて、まあ五十六年度は五十五年度に比較すればかなりの好転をしていくんじゃないかということで、見通しとして四・三%は大体いけるんじゃないかと、こういうふうな話でございました。まあいろいろ見通しの問題になりますから、こうなると思いますということになりますから、どうしても一種の水かけ論みたいにならざるを得ないんですけれども、ぜひ見通しどおりになるように御努力をいただきたいというふうに思います。  その次に、民間企業設備投資の問題でありますけれども、これについては五十五年度の実績を見るというと、これは当初見通しを大きく上回ってむしろ五・一%というふうに非常に伸びていると、こういうことになっております。それで、さらに五十六年度につきましては、見通しが七・三%というようなことになっていますけれども、この実績ですね、五・一%というのはこれは間違いないかどうか。これは私の見た数字でございますけれども、このとおりかどうか。そして七・三%の見通しということも、このとおりかどうかということをまずお伺いした上で、五・一%と大きく伸びたことの原因は一体どこら辺にあるかということについてお伺いをしたいと思います。
  46. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 伸び率の数値は実質でいって五十五年度が五・一%、五十六年度が七・三%、しかも今年度の五・一%は当初見通しより上回ったということはいま先生のおっしゃったとおりでございます。  その理由でございますが、やはり基本的には大企業の設備投資意欲がきわめて強かったし、現段階でも強いということが申し上げられると思います。で、実はGNP統計の数字はこれは相当時間がかかるわけでございますけれども、たとえば各銀行なりあるいは日本銀行なりの調査が出ておりまして、その調査の数字を申し上げますと、日本開発銀行が二月に調査をいたしました数字がございまして、五十五年度については二三・九%対前年比増加をする、そのうち上期が一二・九%だけれども、下期が三四・一%、これはもちろん二月でございますから多少五十五年度についても実績見通し的な面がございますけれども、もうしかしこの段階になるとほとんど実績とお考えいただいてもいいわけでございまして、上期よりもむしろ下期で強くそういうふうな対前年高い伸びを示している、こういう状況でございます。それから一方、日本銀行の主要企業につきましても、五十五年度全体で二五%だが、上期一二%、下期が三七%、こういうふうなかっこうで、下期にきわめて高い対前年伸びを示しているという状況でございます。  こうした大企業が非常に根強い設備投資意欲を持っている。その理由は、先生御承知のように合理化投資、省エネルギー投資、国際競争力を維持するために投資をしているという態度でございますが、しかし他面中小企業は実はその反対に昨年の下期になりまして、先行き見通し難、金利高というふうなことからマイナスになっておるわけでございまして、同じく日銀の中小企業製造業で言いますと、五十五年全体では三・一、上期は二一%対前年アップでございましたのが、下期が一一・九、約マイナス一二%、これはマイナスでございます。マイナスに落ちている。したがって、中小企業については下期対前年マイナスになったけれども、大企業が根強い設備投資意欲で投資をやったために先ほど申し上げましたような、当初見通しよりもより高い実績見通しを民間企業設備で実現した、これが五十五年度の姿だと思います。
  47. 山田譲

    ○山田譲君 原因よくわかりました。  私がこれから申し上げようと思ったのは、実は後の方でお話がありました中小企業の問題なんですけれども、日銀の短観の予測を見ましても設備投資の半分を占めております中小企業、これの設備投資計画が三〇%も下回るんじゃないかというふうな予想が出ております。そうしますと、大企業は片方はいまおっしゃられたようなことが原因で物すごく設備投資がふえているにしても、中小企業の方はむしろ逆に設備投資が非常な勢いで減っていくんじゃないか。そこで、大企業あるいは中小企業の格差の問題が非常に大きな問題になろうかと思いますけれども、大企業の問題にしましても、いわゆる設備投資の理二家と言われているような鉄鋼、化学、電力というふうなものにつきましてもそれぞれ問題があって、五十六年度においてそう簡単にいままでのようなことで設備投資をしていくかどうか、これは必ずしも楽観できないんじゃないかという気持ちがいたします。  それからまた、自動車につきましても外需、内需の問題がありますし、いろいろとまた問題が出ているものでございますから、そういうことを考えますと、中小企業までも含めて七・三%というふうな、五十五年を上回るような設備投資が果たして実現できるかどうかということが心配になるわけですが、この七・三%という数字をおつくりになったその根拠を明らかにしていただきたいというふうに思います。
  48. 井川博

    ○政府委員(井川博君) その民間企業設備につきましても五十六年度実質七・三というふうに置いておりますが、実は名目でごらんいただきますと、五十六年度一〇・七、五十五年度一〇・一ということで大体同じ程度の伸びになっておるわけでございます。同じ程度の伸びだけれども、デフレーター、すなわち物価の関係で実質が高まっているという面がございます。それでは五十六年度が同じ程度の伸びを示す根拠は幾らか、こういうような話になるわけでございますけれども、いまおっしゃいましたように大企業について五十五年度にこれだけ高い水準でいっておりますものですから、五十五年度と同じような伸びを示すことはちょっとむずかしかろう。われわれといたしましても、実は五十五年度につきましては大企業で二〇%を超える伸び率を考えておったわけでございますが、五十六年につきましてはそんな大きい伸びは考えない、やっぱり一〇%少々の伸びというふうな程度にとどまるんじゃないか、そういたしますと五十五年度で下期マイナスになりました中小企業の設備投資が五十六年度で通常ベースに返る、こういう前提に立っておるわけでございます。  実は二月に通産省が中小企業でアンケート調査をしたのがございまして、設備投資が非常に低迷をしている、あるいはまた中小企業の景況その他非常に悪いというふうなことから、各種の調査表があるわけでございますけれども、それらの中で設備投資について現在は見合わせておる、要するに投資意欲はあるけれども、いまの段階では見合わせているというのが四七%、約半分ございます。  そして、その理由としては景気見通し難等々がございますが、二月の段階で金利高であるというのがやはり五〇%あるわけでございます。こういうアンケート調査でございますからこのまま直に解釈するのはどうかと思いますけれども、中小企業についても潜在的な投資意欲は強いものを持っているが、現段階金利は高いし、先々金利が安くなるという見込みがあるときには、どうせ非常に変わり身が早うございますので、いますぐやる必要はないというふうなことから昨年の秋ぐらいから手控えているという状況があるのではなかろうか。この点今回の公定歩合引き下げないし設備資金等々について金利引き下げということになれば、中小企業の設備投資意欲というのは元へ復するであろうし、かつまた物価が安定して景気が明るくなってくれば中小企業設備投資も復してくるということを考えますと、中小企業、大企業含めまして五十五年度と同程度一〇%程度の対前年の伸びが考えられる。これをデフレーター、物価の関係で調整いたしますと、実質としては先ほど申し上げたように七・三の設備投資が期待できる、こういう考え方に立っておるわけでございます。
  49. 山田譲

    ○山田譲君 それでは次に、輸出の問題に入りたいと思います。  五十五年度につきましては政府の当初見込みをこれが大きく上回りまして、そして実績の見込みとしては一八・四%というふうな伸びを示しているようでございます。こういう大幅な伸びがその結果どうなったかということは、現在非常に問題になっております日米の自動車問題に象徴されているんじゃないかということも言えると思います。またECへの輸出も対米以上に伸びているというふうなことがございますから、これも間もなく調整の必要に迫られるであろうということも考えられる。そうなりますと、実績見込み一八・四%という、これは物すごい伸びだと思いますけれども、これが五十五年度に比較してさらに見通しが八・二%になっておりますけれども、そういう大幅な伸びがさらに期待できるであろうかということをまずお聞きしたいと思います。
  50. 井川博

    ○政府委員(井川博君) いま先生の挙げられた数値はGNPベースの輸出と海外からの所得という数字の実質を挙げられたわけでございます。したがいまして、先ほどお話もございましたような円レートの関係、その他ドルベースということになるとまた数値が違うわけでございますが、しかし、趨勢としては大体同じような趨勢と考えていいかと思います。その場合に、先ほどもお話がございましたように、われわれといたしましては五十六年度が、大きい立場から言いますと五十五年度のような輸出を中心とする外需依存成長であってはいけない。自由世界二位の経済的に非常に大きい国になった国が余りよその国のことを構わずにどんどん輸出をするというかっこうはやはり慎まなくてはならない。そういう点は国際経済の中での十分立場を考えてやらなくちゃならない。そういたしますと、一番最初にお答え申し上げたように、やはり内需中心の妥当な経済成長の姿を描くということになるわけでございます。  したがいまして、いま先生もお挙げになりましたけれども、一八・四%アップから八・二%アップということでダウンをさせております。他面、ではこれだけ出るのかという問題につきましては、これは実は日本の輸出品の国際競争力、いまもう新聞でもいろいろ議論になっておりますけれども、あらゆる商品についてきわめて強いものを持っておるわけでございます。したがって、貿易摩擦を回避しながらということで十分配慮しながらやるにいたしましても、この程度の輸出を伸ばすことは当然可能と考えてよかろうという考え方に立っているわけでございまして、われわれといたしましても外需中心から内需中心へと切りかえた上、大体輸出についてこの程度は可能だというラインがいま申し上げたような線でございます。
  51. 山田譲

    ○山田譲君 時間がもう余りないものですから、最後に近くなったので、大体見通しの問題についても各論的な話が終わったわけですから、最後的にぜひ長官からお考えなり決意をお伺いしたいと思うんですが、もうお聞きになっておられて、私の話あるいは企画庁からのお答えを聞いていて、やはり大体おわかりになったと思いますけれども、私どもとしては、やはりかなりこの見通しなるものは、それは一部非常に自信のあるところもあるようでありますけれども、私どもから見まして、なかなかこのとおりにいかないんじゃないか、このような伸びが期待できないんじゃないかということを考えるわけであります。もちろん私も、不況になればいいというふうに望んでいるわけじゃございませんで、できるだけ政府の言うような方向で行っていただいて、一般勤労者の人たちが生活が楽になるように、あるいは中小企業の見通しもぐっと明るくなっていくというふうなことが望ましいわけでございます。  そこで最後に残るのは、いわゆる政府支出といった問題であろうと思いますけれども、鈴木総理はかねてから財政再建というふうなことを最大の目標にしておられるようでございます。それに対して長官は、どっちかと言うと国民生活の向上につながる経済発展それから財政再建とどちらが優先すべきであるかと、こういうことについて私は特にこの際お聞きしておきたいと思うわけです。  それは長官が日ごろ自然増収によって財政再建をしなきゃならないというふうなことを主張しておられる。そして、そのためには何といっても健全な経済成長が前提であるということを言っておられると思うんですけれども、その辺どんなものであろうかということと、それから今度の財政の問題で、赤字債を五十九年度までにゼロにするというふうな再建計画があるようでありますが、これはどうしてもそれに拘束をされなきゃならないのかどうかというふうな問題についてもお伺いをしておきたい。  そして、国民総生産のほぼ半分を占めると言われております個人消費、民間最終消費支出と言ってもいいと思いますが、これを政府見通し程度に伸ばす政策として、まずもって物価を安定させる、そして同時に可処分所得を増加させるということが必要であると思いますけれども、この辺について長官のお考え方はどうでしょうか。つまり、これはどうしても所得税減税というふうな問題につながらざるを得ないと思うんですけれども、この辺についての長官の見通し、あるいは意見、考え方を最後にお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
  52. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 経済成長につきましては、先ほど来質疑応答があったわけでありますが、一昨年の八月にスタートいたしました新七カ年計画で平均五・五%成長を持続すると、こういうことを決めておりますのは、このことによりまして雇用問題を解決する、失業者をできるだけ減していって日本の経済の国際競争力を維持拡大をするということ、あわせて国民生活の充実向上を図っていく、これを目標にしておりますので、この程度の成長はぜひ必要である、また同時にこの程度の成長は十分可能であると、こういう想定のもとにいま七カ年計画を進めておるところでございます。  で、第二次石油危機の悪い影響がいま一番この世界を覆っておりますので、これからはだんだんと吸収をされまして、経済は発展の方向にいくと考えております。たとえばアメリカとの自動車の交渉なども、いまアメリカの経済が非常に悪いわけでありますから、自動車の需要が九百万台を割っておる、八百万台になっておる、こういう状態であります。しかし、アメリカの経済が景気を回復いたしますと、一千万台を超える、あるいは千二、三百万台にもなろう、こういう可能性もありますので、世界の経済がよくなりますと、自動車の例に見られるとおり、いまの自動車摩擦のごときは私は一挙に解消するであろう、こう思っておりまして、世界の経済が第二次石油危機の悪い影響から立ち直るということが何よりもその前提だと考えております。OECDの昨年の見通しなども、ことしの後半から来年にかけて十分立ち直ると、こういう見通しを立てておりますので、そういうことも想定をして経済運営をしていきたいと考えております。  それから、財政再建ということでございますけれども、これは赤字解消、赤字国債をなくする、こういう意味だと思います。五十九年までに赤字国債をなくする、六十年から償還が始まりますので、それまでになくしたい、こういうことが財政再建の中身だと考えておりますが、御案内のように五十五年度はざっと五兆を超える税の自然増収を想定しておりますし、五十六年度は五兆弱の自然増収を想定をしております。したがいまして、年間五兆前後の自然増収があるということが私は財政再建の決め手だと、こう思っておるんです。先般大蔵省から出しました試算を見ましても、やはり大体年間五兆、最終年度は六兆近い税の自然増収を期待しております。しかし、この五兆前後の税の自然増収を期待するためには経済が活力を持続をしなければいけませんので、やはり先ほど申し上げました七カ年計画の目指す安定成長路線に日本経済を定着させるということがこれは何よりもその前提条件だと考えております。  また、行財政に相当ロスも多いということが指摘されておりますので、当然これも改革をしていかなければならぬと考えておりますが、さてそれをやってどうしても足りない場合には増税と、実はこれまではそういう考え方で来たのでありますけれども、増税という逃げ道がありますとなかなかこの行財政の改革はできない。五十六年度の財政がそれを示しておると思うのであります。でありますから、私はこの際は、行財政の改革をやろうとすればやはり退路を断ち切って、増税はしないというそういう前提条件に立たないと行財政の改革はできないと思うのであります。まあしかしながら、重ねて申し上げますが、目指す金額は税の自然増収の方がはるかに大きな金額でありますから、やはりこの経済の活力を持続するということがその最大の前提条件であろう。これを持続しませんと、これはもうとても予算などは組めるものではございませんので、その点を総合的に考えながら経済運営をしていかなければならぬと考えております。  それから個人消費の問題についてお話がございました。個人所得の問題についてお話がございましたが、これはやはり何といたしましても物価の安定だと思います。それと、国民経済に悪い影響の出ない範囲内でのやはり私は所得の増加ということが当然考えられてしかるべきだと。たとえば生産性の向上ということも一つの前提条件になろうと思いますが、とにかく所得の増加ということを当然考えていかなければなりませんし、また財政事情が許すようになりますと、私は当然所得減税というようなことも、これはまあ当然これからの大きな課題だと思いますが、当然考えていかなければならぬと考えております。国民の所得が伸びて生活が安定向上するということがやはり経済活力を持続するその前提条件でございますので、そういう点も十分考えながら経済運営をしていきたいと考えております。
  53. 山田譲

    ○山田譲君 どうもありがとうございました。  これで終わります。
  54. 馬場富

    ○馬場富君 五十六年度の経済見通し等について質問いたします。  最初に長官に、五十六年度の経済見通しの実情についてどのように考えているのか説明願いたいと思います。
  55. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 五十六年度の経済見通しにつきましては、実質成長を五・三%、その前提となります消費者物価につきましては五・五%、この見当を想定いたしまして経済運営をしていきたいと思いますが、五十五年度が外需依存型の経済になりましたので、五十六年度は内需中心の経済運営をしていきたい、このように考えております。
  56. 馬場富

    ○馬場富君 そこで、経企庁のどなたかに五十六年度の経済見通しの数字をひとつ寄与度で示してもらいたいと思います。
  57. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 五十六年度の成長五・三%という見通しを立てているわけでございますが、その中身の寄与度ということでございます。まず、民間需要のうち最大のものである民間最終消費支出については五・三%のうち二・五%という寄与度になります。それから、その次に大きい項目であります民間の企業設備投資、これが一・三%。それから民間住宅が〇・二というふうなことになりまして、この大きい項目を合わせますと四%。したがって、国内需要四%ということでございます。もう一つ政府支出というのがございますが、財政はこういう状況でございまして、現在御審議いただいている予算の内容等々、対前年に比べてGNPの実質としては寄与度でマイナス〇・一ということになりまして、財政がほぼ中立的、マイナスといっても〇・一でございますので中立的な立場にある。それから一方におきまして、輸出が一・五、輸入がマイナス〇・五というふうな状況でございますから、これがコンマ以下の四捨五入の関係はございますけれども一・三。したがって、内需として四・〇、外需としては一・三というのが五十六年度の経済見通しの寄与度でございます。
  58. 馬場富

    ○馬場富君 いま五十六年度の経済見通しの寄与度について数字的に御説明いただきましたが、長官、その数字のもとに私の方が算出したものをちょっと見ていただきたいと思います。一資料を示す思いま政府委員の方の説明の寄与度の中で、この数字の中の特色というのはどんな点に特色があるんですか。
  59. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 五十六年度について五・三%というふうに言った場合、先ほども大臣からも申し上げましたけれども、五十六年度の数字の特色としては内需中心の成長の見通しをしているということでございます。実は先ほど申し上げませんでしたが、五十五年の四・八は外需が三・三、内需が一・五、したがって外需中心の成長にならざるを得なかったということがございますので、五十六年はそうであってはいけない、内需を振興すると同時に外需の寄与度を狭めていくということで内需中心の成長見通しを立てているのが特色でございます。
  60. 馬場富

    ○馬場富君 御説明のとおりだと思いますが、そこで、この五十六年度の成長見通しの寄与度が示す数字からいけば、結局、全体の成長率の中の八〇%に当たるものが実は内需になってくるわけですね、四%ですから。これが大きい伸びを支えておるということにこの寄与度からいくとなるわけです。それからもう一つの特徴は、非常に個人消費と民間設備投資が大きい柱になっておるということがこの内需の中でも特に言えるわけです。それからもう一点は、外需の伸びが期待できない、こういうことをやはり寄与度は示しておると、こういうように私は理解するわけです。  そこで、五十五年度の実質成長率はどのようないま経過をたどっておるかちょっと説明していただきたいと思います。
  61. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 五十五年度の成長率につきましては、経過的に申し上げますと、発表されております統計が十―十二月までしかございません。それで四―六月、七―九月、十―十二月という三期が発表されておりますが、その実質経済成長率、GNPは四―六月が〇・八、対前期比でございます。七―九月が一・五、十―十二月が〇・六でございます。これは対前期比でございますので、年率に直した対前期比すなわち瞬間の風速とよく言われておりますが、四―六月が三・三、七―九月が六・〇、十―十二月が二・三ということでございまして、最近の十―十二月は対前期比〇・六、年率に直しても二・三、非常に落ち込んでおります。その落ち込んでいる中に二つ問題があるわけでございまして、〇・六という対前期比でございますけれども、これを民間内需、民間需要というかっこうから先ほどからお話がございます寄与度で言いますと、これがゼロになっておるわけでございます。公的需要、すなわち政府支出は〇・一で、これは昨年の十月から公共事業の促進的執行等々もございましてわずかにプラスを示しておりますけれども、要するにその程度のものであり、海外需要が〇・四、すなわち輸出が大いに伸び、輸入が減っているという相乗効果で〇・四を占めている。したがって、〇・六という対前期比のうち内需の伸びが伸び悩んでおる、横ばいである、他面海外需要が〇・六のうち〇・四を占めている。やはり先ほど五十五年全体について申し上げたと同じ傾向が十―十二月にあらわれているというのが現在の推移でございます。
  62. 馬場富

    ○馬場富君 それで、実質成長率が四・八%が相乗効果で達成されたとしても、私はその中身が問題ではないかということをここで言いたいわけです。それで、先ほどお聞きしましたように、五十六年度に並行しまして五十五年度のやはり寄与度の当初見通しと実績見込みについてちょっと説明してもらいたいと思うんです。
  63. 井川博

    ○政府委員(井川博君) ただいま先生からいただいた数値、いまいただきましたので厳密にはちょっとまだ見ておりませんが、これで多分間違いはないと思います。個人消費と書いていらっしゃいますが、これは正式に申し上げますと民間最終消費支出でございますが、大部分が個人消費でございますので、当初見通しては寄与度で二%でございましたのが、大体実績見通しては一%程度。それから、民間住宅当初〇・一というふうな寄与度で考えておりましたのが停滞をいたしておりまして、むしろマイナスになってマイナス〇・六。それから、民間企業設備については当初は〇・七という見込みを立てておりました。しかし、この点については、大企業の設備投資意欲が強いというふうなことから寄与度におきましても大きく上方修正になりますが、〇・九という実績になっておる。それから、政府支出については当初の〇・二に対して〇・三。それから輸出内需につきましては、輸出が当初の見通しが一・六でございましたのが三・四、輸入が当初が〇・二でございましたのがマイナス〇・〇、まあほとんど横ばいでございますので、外需としては一・八から三・三ということでございまして、最終的に申し上げますれば、当初の四・八は内需が寄与度三%、外需が寄与度一・八%ということでございましたのが、最終的に四・八は変わらないけれども、内需一・五、外需三・三というふうな結果になりそうであるということでございます。
  64. 馬場富

    ○馬場富君 そこで、長官にも、いま一覧表を示しましたが、いま五十六年度の見通しとそれから五十五年度の実績見込みとを対比して見まして、ここに私は私の方なりの一覧をつくったわけです。ここで相対的に考えられるのは、五十五年度の実質成長率は達成が可能だとしても、中身は逆転してきたのではないか、特に五十五年度の内需は大幅な見込み違いではなかったかと、三%のものが内需は一・五%しか見込みは保たれてないというふうな現況にいま来つつあるということ、それからもう一つは、個人消費もやはり最初二を目標にしたのが一の見込みしかあなたの方の数字から、このいただいたものでもこれは見込むことができないと、こういうことでございますし、それからいわゆる内需が半減して外需依存であるという形に五十五年度も、五十一年、五十二年、五十三年あたりに示したようなやはりパターンを示して、結果的には来ておると、こういうのが五十五年度のあなた方が示された寄与度の数字の中からもうかがわれるんじゃないか。こういう状況からいたしまして、私がここで心配になってくるのは、やはり五十六年度の内需依存型のこの見込みというのが果たしてこれで達成できるかどうかという点について非常に大きい……、よしんば中の入れかえはあったとしても大きい項目である内需中心の体制が、やはり内需がふるわずに、外需にまた依存をしてきたと、こういう結果にもなりかねないと、こう思うんですが、長官、この点どうでしょうか。
  65. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 五十五年度が外需依存型の経済でありましたが、それを内需中心の経済に変えていくということのためにはやはりいろいろな工夫と努力が必要だと思います。まず、個人消費がもう少し活発にならなければなりませんし、住宅投資もいまのような落ち込みの状態では、これはもういけませんので、何らかの対策が必要だと、こう思っております。民間設備投資の方は、大企業は比較的順調にいっておりますが、中小企業の方が計画どおりいっておりませんので、今回金利も相当下がろうかと思いますので、それを機会に計画どおりの中小企業の計画が実ることを私どもは期待しております。いま何しろいろいろな技術が日進月歩の勢いで進んでおりますから、一年、二年おくれますとすぐに競争力をなくしてしまう、こういう状態でありますから、経営者は大きなところも小さなところも、機会があれば技術革新投資あるいはまた省エネルギー投資をやりたいと、これは一生懸命に考えておるわけでありまして、その条件さえ熟せば、計画どおり私は投資は出てくると、こう思っておりますが、経済は何分にも激動期でございますから、経済の動きをよく見ながら内需中心の経済運営をしていくということのためには、絶えずその都度その都度いろいろな対策が必要だろうと、こう思っております。
  66. 馬場富

    ○馬場富君 ここで長官にもう一言、確かにおっしゃることはわかりますけれども、やはり貿易摩擦等の非常に問題点が多くなってきておると、これはわかりますが、専門家たちに言わしてみても、日本の経済成長率がかなり今年あたりまで諸外国に比例して高度に保ってこれたというのは、やはり外需での大きい刺激があったればこそ内需が刺激されてきたんだということが専門家あたりの共通の考え方なんですね。で、数字的に幾らそれは貿易摩擦が起こるから内需依存にいこうとしたって、ここらあたりのところで相乗効果というのはやはりこの外需の方が衰えてきたら内需の刺激というのは絶対に起こらないと、こう考える向きが非常に多いんですけれども、この点はどうでしょうか。
  67. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) それは全くそのとおりでありまして、したがいまして貿易もある程度は伸びると考えております。特にいまヨーロッパ、アメリカ等で貿易摩擦が起こっておりますのは、第二次石油危機の悪い影響によりましてヨーロッパ、アメリカの経済が非常にいま弱っておる、ここに原因があるわけでありまして、ヨーロッパ、アメリカの経済が力を回復をいたしますと消費購買力も目に見えて拡大をするわけでありますから、私はいまの貿易摩擦を解消させる一番大きな背景づくりは、何としても世界経済全体を早く軌道に乗せるということが一番肝心だと、こう思っております。そういたしますと、日本の貿易が少々伸びてもそう文句は言われなくて済むであろうと、このように思いますが、いまの段階はまだ経済の状態が悪い状態ですから、そのときに貿易が大きく伸びるということを想定するというのは、これは現実離れがいたしておりますので、いま調整局長が申し上げたとおりの見通しを立てておるわけでございます。
  68. 馬場富

    ○馬場富君 私は、長官の経済面についての見通しやそういうことについては非常に高く買っておるわけですけれども、そういう点からいきまして五十六年度の経済見通しの寄与度の数字から見ますと、ぼくはそういう点でかなり海外への影響を非常に心配された上での数字の配慮じゃないかというように考えるんですが、これは実質とちょっと離れておるんじゃないかと、こう思いますが、この点どうでしょうか。
  69. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたように、世界経済が第二次石油危機の悪い影響から立ち直って力を回復するということになりますと、貿易拡大の背景ができるわけでありますから、だから私はそういう場合には予想外に貿易も伸びるであろうと、こう思っておりますけれども、いまの段階ではまあ政府見通しがほぼ妥当な線でなかろうかと、こう思います。
  70. 馬場富

    ○馬場富君 じゃ、そこでこの中身の問題に行きますが、やはり五十六年度の中で一番大きい数字を示しておりますのが、先ほどそちらの言葉でいきますと民間最終消費支出、私の方のこれでいけば個人消費でございますが、ここに非常にウエートがかかっておるのが五十六年度の予算の見通しの実情だと、こう見ていいと思うんです。この点非常に最近経済のかげりが目立ってきておると、こういう中でこの数字は長官どうでしょうか、非常に自信ありますか。
  71. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 何しろいろいろな予想外のことが次から次へ起こりましてなかなか計画どおり経済運営も進めにくいのでございますが、その都度機敏に適切な対策を立てていくということはこの前提条件であろうと、こう思っております。この見当のやはり成長をしませんと雇用問題が重大な結果になりますし、また国際競争力もなくなると、こういうことにもなりますので、この程度のことは工夫いかんによっては十分可能であろうと、こう思っております。
  72. 馬場富

    ○馬場富君 ここでさらに個人消費の問題で、五十五年度消費者物価上昇率は、当初は六・四%、これが十二月に修正されまして七%と。だが一昨日あたりの新聞報道等を見ましても、七・八%前後の公算が強い、七%の実現というのは絶望的になってきておると、こういうことが報道されておりますが、この点はどうでしょうか。
  73. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 五十五年度の消費者物価の平均の見込みについてでございますが、その前に、最近の消費者物価の動向自体は、せんだっての二月の全国確報では、一月に季節商品が大幅に上がりまして、一・二%上がりまして、前年同月比七・四になった後〇・一%の上昇にとどまりまして、前年同月比で六・五%ということになっております。そこで、そういうふうに落ちついてきているわけでございますが、三月はまだ東京都区部の速報が出ておるだけでございますので、仮にこの二月の全国の水準のままで推移するといたしますと、五十五年度全体では七・七%程度というのが平均の数値になるわけでございます。仮に三月を、東京都区部、これは季節商品並びに季節的要因等もありまして、〇・六%というのが前月比上昇をして、前年同月比でも六・五%というのが速報の数字でございますが、こういうふうに推移する、すなわち二月の全国から〇・六%上がると仮に想定をいたしますと、全国ではこれは前年同月比では六・一とか六・三というくらいの数字になるわけでございますが、七・八%程度というのが五十五年度全体の数字になると思います。これは一つのそういう計算でやった場合の数字でございまして、まだ最終的な数字はもう少したたないとわからないというのが現状でございます。
  74. 馬場富

    ○馬場富君 そういうことで、いまあなたの御説明を聞いておっても、やはり七%の実現というのは、まず不可能だということがもうはっきりしてきたわけです。  労働省来ていらっしゃいますか。――ここで労働省にお尋ねしようと思っていますが、そういうわけで五十五年度の実質賃金は前年に比して大きく後退をいたしました。そして戦後初めてのマイナスという、こういうような大変な状況にもなってきておりますし、国民春闘を迎えて、やはりこれは一つの大きい問題点にもなってまいります。そういうような点もあわせ、そして特に個人消費にウエートのあるこの五十六年度予算が、ずっと先ほど来質問しました五十五年度の個人消費の動きあるいは総理府の家計調査等によっても、四月以降十月までのあれはマイナスになってきておるというような点やら、その上にあわせまして公共料金等も非常に値上がりを示してきておる、こういうような状況から言って、ここでもう一遍、公定歩合が一%引き下げられた、そして景気対策は、一つは行われた、多少減税もなされるといっても、やはりここらあたり私は、今年の五十六年度の当初見通し、いわゆる経済見通しの二・五という数字はかなり、五十五年度いま進みつつある経済状況から言って、まずこの数字はむずかしいんじゃないか、この点もう一遍、再度ひとつ長官に、個人消費、これ大丈夫かとお尋ねします。
  75. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 最近物価の情勢は目に見えて鎮静化をしております。ここ二、三カ月は六%台が続いておりますが、来月には五%台になろうかと、このように考えております。卸売物価等も予想外に鎮静化をしておりまして、三月前半は一・八%という数字でございます。若干時間がたちますと、これなどの影響もよくなってくるのではないかと思っておりますので、五十六年度の消費者物価五・五%というのは、私は相当やりやすいのではないか、こういう感じがいたします。やはり個人消費が伸びるということのためには、物価はもう大丈夫だと、こういうことにならないとなかなか伸びませんので、まず物価情勢が第一点。  それから第二点は、やはり私は、政治の目標というものは国民生活の安定と向上にあるわけでありますから、国民経済の許す限度におきまして、また個々の企業の許す限度において、私は所得が伸びるような方向に行く方が望ましいと、このように考えております。もちろんそれにはいろいろ制約もございましょう。経済がそれぞれどの程度の活力を維持しているのか、あるいはまた、それぞれの分野でどの程度の生産性の向上が進んでおるのか、こういうことも当然に考えの中に入らなければならぬと思いますが、やはり所得がある程度伸びるということは、これは国力が伸びるということがその背景でありますから、やはり大きな課題だと考えております。  いろいろそういうことを総合的に判断をいたしますと、個人消費が伸びるといいましても、五十四年度とか五十二年度とか、そこまで伸びるというわけではありませんので、その見当にある程度近づくであろう、この程度でありますから、政府見通しの点は大丈夫達成できる、こう思っております。
  76. 馬場富

    ○馬場富君 じゃここで、続いて質問を続けますが、やはり消費者物価上昇の一因は先ほどもお話ししました公共料金等が大きい影響を与えております。そこで、私どもが調べた結果では、消費者物価指数は石油製品を除いては五十年度から五十五年度の十月までに四〇・二%上昇しております。ところが公共料金の方は約八〇%、こういう大きな伸びが出てきておるわけです。そこで、この公共料金をある程度抑制しなければ、この消費者物価の上昇に大きい影響があるんではないか、こう思いますが、この点どうでしょうか。
  77. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 五十五年度の消費者物価は先ほど言ったような状況で推移してきておるわけでございますが、そのうち公共料金の寄与度が大体二・二%程度と考えられているわけでございまして、その前の年あるいはそのもう一つ前の年あたりは〇・八%程度の寄与度で推移しておったわけでございますから、先生の御指摘のように五十五年度消費者物価を押し上げた要因の大きなものに公共料金が考えられるわけでございます。  公共料金はそれではなぜ上がったかということでございますが、そのうち一番大きなものがやっぱり電気、ガスだと思います。これで一・一%程度押し上げておりますが、これはやはり原価が上がった。なんで原価が上がったかと申しますと、やはり石油が大幅に上がったといったようなことが一番大きな要因かと思います。もちろん、公共料金につきましては、第一の前提といたしまして経営を徹底的に厳格にやっていただくというのが前提でございます。そして、かつどうしてもやむを得ず上げる場合におきましても、その時期とか幅等につきましては極力調整をしていくというのが政府のスタンスでございます。  しかし、考えてみますと、五十五年度はそうした石油の異常な値上げがあったといったようなことを反映いたしまして、先ほど申し上げましたような寄与度になったわけでございますが、五十六年度はさてどうかということを考えますと、五十六年度には予算関連だけではいまのところ〇・三%と考えております。そのほか予算関連以外の公共料金が全然ないというわけではございませんで、いろいろ考えられると思いますけれども、先ほど申し上げましたようなスタンスでこれに対処していくとしました場合に、五十五年度のような大幅な上昇は想定できないのではないかと思います。電気、ガスといったようなものは考えられませんし、そのほかのものを考えましても、五十五年度のような寄与度を示すことはない、かなりそこは五十五年度に比べますと五十六年度の公共料金は落ちついたものになるだろうと考えております。こういうものも先ほど申し上げました五十六年度五・五%の消費者物価の上昇見込みの中の一つの大きな要因だとも思っております。
  78. 馬場富

    ○馬場富君 石油等の影響力ももちろん私は否定いたしませんが、たとえば消費者米価の問題の食管会計にいたしましても、冷害等で米の買い入れ数量が予定よりも二割程度減少しておるわけでございますが、そのために収支はむしろ好転しているのに値上げをしておるとか、こういうような問題で、公共料金の値上げに非常に根拠のないような値上げというのがずいぶん出てきているわけです。こういう点の抑制策はどのように考えていらっしゃいますか。
  79. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 米価のお話がございましたわけでございますが、これは食管会計の赤字という大きな構造的な問題を考え合わせました配慮でございます。ただ、それにいたしましても、米価につきましてはことしの場合は古米を据え置く、五十四年産米を据え置くということ、かつ実施の時期も当初の予定よりも繰り延べをいたしまして五十六年度に入りましてから上げるというような調整をいたしているわけでございます。  そこで、公共料金一般につきまして申し上げますと、公共料金は先ほど申し上げましたような方針に基づいてやっておるわけでございますが、公共料金とてこれを完全に抑えてしまうといったようなことをいたしますと、それはいろいろのところへひずみをもたらすわけでございます。サービスの低下を来しますし、あるいは資源配分に不公平を来すといったようなこともございます。第一、一度抑えますと、その後に大きな、何といいますか、公共料金の値上げというふうな形で国民生活にはね返ってこざるを得ないという事情もあるわけでございますので、公共料金につきましても、やはりその経営の健全さを保てるような水準に公共料金を最終的には落ちつかさせなければいけないという要請もあるわけでございますので、その辺を考え合わせまして厳正に取り扱うという点には変わりないわけでございます。
  80. 馬場富

    ○馬場富君 重ねて、それは諸般の状況等で値上げせざるを得ぬものもあるでしょうけれども、やはり非常に、先ほど説明しております個人消費の中で大きい影響力を持ってきておるのが公共料金ですから、これの抑制策というのはしっかり私は考えていかなきゃならぬ。これは当然だからやむを得ないという考え方では私は納得できぬと思いますが、長官、どうでしょうか。
  81. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) そのとおりでありまして、公共料金の取り扱いはあくまで厳格にやっていきたいと、こう思っております。やはり徹底した合理化をまず求める。どうしても万やむを得ないという場合には、国民生活に非常に大きな影響がございますので、値上げの時期を一体どうするか、値上げの幅は最小限どこまで抑えていくか、こういうことを十分調査をいたしまして判断をしたいと考えております。
  82. 馬場富

    ○馬場富君 次に、先ほども いろんな消費者物価の問題の中でやはり原油値上がりが非常に大きい影響力だとおっしゃいましたが、これはだれしもが認めることでございます。ここで私は、それについて非常に問題なのは円高問題でございますけれども、最近は昨年三、四月ごろより約二割ほど上がってきておるわけです。そういう点で、やはり一般の常識としては円高基調です。こういうような中で、輸入原油はもちろんでございますけれども、そういう輸入物資に対する消費者価格というのが一向に下がってきていない。結局円高差益の還元というのが国民生活に生かされていない。ここに私は個人消費の問題の中に大きい問題点があると、こう思いますが、この点どうでしょうか。
  83. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 円の対ドル相場は昨年四月中旬以降本年一月末ごろまで円高基調で推移してきました。このところやや円安ぎみに推移しておる傾向も見られます。けさの寄りつきはたしか二百十一円強であったと思いますが、いずれにいたしましても、今後の円の対ドル相場の動向につきましては先行き不透明な面もあるわけでございますが、その動きを慎重に見守っていかなければいけないと思っております。  これまでの円相場の上昇は物価面には直接間接にいろいろの意味で好影響を及ぼしてきているところだと思いますが、三月十七日に決定いたしました総合経済対策におきましても、このことを御指摘のように重要な柱と考えまして、一項を起こし、「為替相場の物価への影響については、今後ともその状況の把握に努める。また、市場メカニズムを通じて価格の安定に資するよう、必要に応じ適切な措置を講じていくこととする。」という態度を打ち出しておるわけでございます。
  84. 馬場富

    ○馬場富君 これは私どもも、やはり国会でずいぶんかつての円高基調のときにやかましく言いました。そして、五十三年、五十四年には、そういう点では、消費者物価がそういう影響力からもやはり少々ではあるが下降の動きをしたわけです。だから、やはりこれはしっかりと、そういう円高によって輸入関係の原料ないし製品が非常に安く入るようになってくるわけですから、これは消費者に還元しなければ消費というのは伸びてこないというのが当然だと、こう思います。そういう点で、かつて私どもがここで論議したためにそういうことが大きく経企庁や関係当局も努力されてそういう傾向をたどった過去も実はあるわけです。だから、原油等が一般的にこの円高を含めて上昇の気運にあるときに、やはりこれは消費向上のために大きい力であると、こういうふうに考えておるわけです。こういう点について、どうですか、経企庁等はこういう問題等についての追跡調査等はおやりになる考えはないでしょうか。
  85. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 円の対ドル相場及びそれの消費者物価への影響につきましての一般的なことは先ほど申し上げましたとおりでございまして、これは重視しておりまして、去る十七日の総合経済対策の中でもうたっておるわけでございます。  具体的に円高の問題が一番大きく響きますのは、たとえば電力、ガスといったようなものでございます。これにつきましてはまた総合経済対策の中で円高差益等を踏まえた上で、現在の料金をできるだけ長く据え置いて安定させるのだということをうたっております。また一つには石油価格といったようなものもあろうと思います。この辺につきましては、よくそうした差益等も踏まえながら元売り仕切り価格の監視を続けていかなければならないと思っております。  具体的にそのほかの個別物資の調査をどうするかということでございますが、この辺につきましては、先ほど申し上げましたように、市場メカニズムを通じまして価格の安定に資するよう、今後円高がさらに進むといったような場合、必要に応じまして関係省庁相諮って適切な措置を講じていくこととしたいと思っております。
  86. 馬場富

    ○馬場富君 いや、電力やそういうことだけに焦点を置いていますけれども、輸入物資はそればかりじゃございません。そういう点で、やはりこういう輸入物資の円高差益というのが消費者に大きく影響してくれば、これは私、大きい力にもなってくると思うんですね。こういう点で、ひとつ経企庁あたりは追跡調査その他を強硬にやられてこの対策を考えられたらどうかと、こう思いますが、長官、どうでしょうか。
  87. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 先ほどお答えいたしましたわけでございます。  具体的にはこれからの状況を見ながら適切な措置を検討するということでございますが、過去に五十二年から五十三年まで先生のお示しのような調査をいたしたわけでございます。この調査にはいろいろ問題もございまして、たとえば輸入価格以外の物流コストが非常に大きなウエートを占めているにもかかわらず、その物流コストの把握をどうするのかといったような問題もございましたし、さらに、市況性の高い商品におきましては、基準時点の価格水準いかんによりましてその後の評価が大きく左右されるため、一律に基準時点を設けるといったようなことはいかがかといったような問題、あるいは自由市場経済のもとにおきまして、価格というのはもともとは必ずしもコスト面からだけの要因で決まるものではございませんで、需給要因で決まるものでございますが、わけても消費者の嗜好性の強い商品、高級品のイメージの強いようなものはそうだと思いますが、にはいろいろ問題があるといったような事情がございました。  したがいまして、私どもといたしますと、基本的には市場メカニズムを通じまして価格の安定に資するよう、今後円の対ドル相場の推移等も注視しながら、必要に応じて関係省庁とも協議して適切な措置を講じていきたいと、こういうふうに考えております。
  88. 馬場富

    ○馬場富君 この点については、ひとつぜひ今年の経済成長見通し、そういう中でのいわゆる政府が言われる民間最終消費支出の二・五の見通しというのはやはり大きい力にもなりますし、経済成長にもこれは欠かすことのできない要素です。だからそういう点で、円高差益も一つの大きい要素ですから、本腰を入れてひとつお願いしたいと思います。  続きまして、この石油の、原油値上がりの問題でございますが、バリ島で原油が一〇%値上がりをするということの発表以後、やはり石油製品の値上がりという動きがちょっといま出ておるわけでございますけれども、この点についてどうですか。円高等も合わせまして、そういう理由はいまの場合やはりちょっと相殺されるべきじゃないかと、こう考えますが、ここらあたりの見通しはどうでしょうか、石油製品。
  89. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 先ほど来申し上げておりますが、円相場は昨年四月中旬以降円高基調で推移してきておるわけでございますが、このところ多少円安の動きも出ておりますし、今後の動きにつきましては、これは相当慎重に見守っていく必要があるわけでございます。また原油価格につきましては昨年末以降、産油国における値上げが相続いておりまして、かなりのコストアップ要因となっているということも事実でございます。したがいまして、これらにつきましてもその動向を注視していく必要があろうと思います。  当庁といたしますと、以上のような要素を考慮しながら、石油業界の上期の為替差益等も踏まえた上で、極力石油製品価格の安定が図られますよう石油元売り仕切り価格の動向を監視してまいりたいと思っております。
  90. 馬場富

    ○馬場富君 ここで、公取来ていらっしゃいますか。――いまの石油製品の値上がりとあわせまして、やはり大企業の製品が同調的に値上がり傾向が強くなってきております。特に寡占製品が実は値下がりもせずに上昇のみであります。そういう点で、やはり活力ある経済を維持するためには、企業間で品質、価格の公正、自由な競争が行われなければならないと、私はこう思うわけです。そういう点で最近の状況を見てみますと、かなりそういう点についてガソリンとかそういう石油製品にしてもかなり同調的な値上がりやらあるいは一律的な価格保持というのが行われておる傾向が各所で見られます。こういう点について、最近公取委員会がこういう問題についての摘発がほとんどなされていないというように私たち見ておるわけですが、この点、もう安心し切っていらっしゃるわけですか、どうでしょうか。
  91. 相場照美

    ○説明員(相場照美君) お答えいたします。  同調値上げということでもって、いわゆる私ども報告をとっております件数は昨年十八件だったと思いますが、同調値上げという形で寡占企業の場合に斉一な値上げが行われているということでございます。ただ、私ども先ほど先生の御質問に関連いたしまして、安心しているのかということでございますが、安心という意味もよくわかりませんけれども、私どもといたしましては、この同調値上げが斉一な価格の引き上げが行われました場合に、これがカルテル、いわば共同の意思が形成された上でいわば値上げカルテルという形で行われております場合には、私どもとしては強い立場で臨み実態を解明するわけでございますし、現にそのような態勢をとっておるわけでございます。安心という御趣旨がよくわかりませんけれども、いわば同調値上げが行われました場合に、ただ報告をとるだけで安心しているのかという御趣旨でございますならば、そのようなことではございませんで、私どもとしては十分にここにカルテルがあるかどうか監視を続けているところでございます。  以上でございます。
  92. 馬場富

    ○馬場富君 この点につきまして、物価上昇の中でこれも大きい一つの要素です。どうかそういう点で、私も具体的な例を示せと言えば示しますが、時間の関係で、もうございませんので、どうかそういう点で、事実私が先ほど質問した何点かの疑問点はちまたにあるわけです。どうかそういう点で、物価上昇の、やっぱり国民生活を守るという立場からも、また先ほども申し上げました公正で自由な競争をさせるという意味からも、あなた方の立場、目的があるわけですから、この点厳正にひとつ行っていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  93. 相場照美

    ○説明員(相場照美君) お答えいたします。  先生の御趣旨よく理解できますし、全くそのとおりだと思っております。私どもとしましては、今後とも十分に違法行為の行われることのないように監視してまいりたいと、かように思っております。
  94. 馬場富

    ○馬場富君 最後に長官に、先ほどもお尋ねいたしましたが、五十六年度の経済見通しですね。成長率の五・三、あわせましてその内容の内需主導型のやはり個人消費に焦点を置いたこの計画、私はこれが実現できればこれは結構なことだと、こう思います。だが、これには先ほど来質問いたしましたように大変困難な、不可能なような要素が非常に多いということなんです。どうかそういう点で、ひとつやはりこれを達成するために、私はいまのような経済対策やあるいは公定歩合の引き下げやあるいは減税、これだけでは多くの識者の中にもとうてい無理だという声が圧倒的です。私もその一人です。どうかそういう点で、ひとつこの数字を達成するために真剣にもう一遍検討し、この実現のために対策なり見直しなりを考えていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  95. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 国民生活を安定させるためにもまた財政再建という立場から考えましても、日本の経済を安定成長路線に定着させるということは、これはもう前提条件だと考えておりますので、いまいろいろ御注意をいただきましたが、よく留意をいたしまして、ことしの経済成長目標が十分達成できるように機動的な経済運営をしていきたいと考えております。
  96. 和田静夫

    ○主査(和田静夫君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十五分まで休憩いたします。    午後零時五分休憩      ―――――・―――――    午後一時十五分開会
  97. 田代由紀男

    ○副主査(田代由紀男君) ただいまから予算委員会第二分科会を再開いたします。  分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、山田譲君、寺田熊雄君及び馬場富君が分科担当委員を辞任され、その補欠として片山甚市君、丸谷金保君及び大川清幸君が選任されました。     ―――――――――――――
  98. 田代由紀男

    ○副主査(田代由紀男君) 午前に引き続き、昭和五十六年度総予算中、経済企画庁所管を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言をお願いします。
  99. 井上計

    ○井上計君 質疑を行う前に、委員長にお願いがあります。提案でありますけれども、分科会会場が大変狭いのと、立ってしゃべりますと商売柄、つい演説口調になりますので、むしろ着席のまま質疑応答ということでやわらかくいきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
  100. 田代由紀男

    ○副主査(田代由紀男君) 結構です。
  101. 井上計

    ○井上計君 それでは座ったままで。  最初に長官にお伺いいたしますけれども、物価と景気の両にらみというふうなむずかしい政策を必要とする現在であろうと思いますが、経企庁そういうふうな状態の中で大変御苦労願っていることを十分承知をいたしておりますが、長官は常々財政再建の方策としては民間の活力を拡大をしていく、それによって景気の回復、したがってまあ税の自然増収増と、こういうふうな方式をたしかおっしゃっておられたことがあると、こう考えておりますけれども、これについてひとつ御見解をお聞かせいただきたいと思いますが。
  102. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 私は、この財政再建にいたしましてもあるいは国民生活の充実にいたしましても、日本の経済が一刻も早く第二次石油危機の悪い影響から立ち直りまして、安定成長路線に定着するということがその前提条件だと考えております。まあいま財政再建が非常にやかましく言われておりますが、この財政再建が私は可能になる前提条件、それは昭和五十五年、五十六年、ほぼ一年、それぞれおよそ五兆前後の税の自然増収が期待できるという、そういう経済になりつつあるということ、それが財政再建の一番の原動力だと考えております。したがいまして、今後も、五十七年以降も五兆とか六兆とかいう税の自然増収が期待できる、そういう経済運営をしていくということが何よりも大切である、こう思います。先般発表されました大蔵省の五カ年間の財政試案を見ましても、大体五兆から六兆見当の税の自然増収を期待した試案になっておりまして、私も何よりもこの景気の回復ということが財政再建のすべての前提条件であると、このように考えております。
  103. 井上計

    ○井上計君 御見解よくわかりました。ただ、五十五年、五十六年五兆円前後、さらに五十七年以降は七兆円ぐらいの自然増が期待できると、こういうことでありますけれども、ただ現実には非常に不況の度合いがますます進行しておると、こういうふうなことが感じられます。特に素材産業においては非常に不況の度合いが深刻であると、こういうふうに感じております。  実は先日、去る二十四日でありましたが、参議院の商工委員会が静岡県の製紙業界を視察に参りました。そのときに、特に製紙業は――もう御承知かと思います――大変不況でありますが、いろいろな陳情を実は受けたわけであります。したがってきょうは素材産業の中で特に製紙業の不況についてお伺いをいたしたいと思いますが、いま経企長官より御所見を伺いましたけれども、もう紙に限らないで素材産業が全部といっていいほど景気のかげりをもろに受けておる、深刻な不況にあえいでおると、こういうことだと思いますが、これについての対策はどうお考えでしょうか。
  104. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 第一次オイルショックの直後には、いわゆる構造不況業種というのがございまして、業種ごとの倒産寸前と、こういう状態になりまして、それを救済するために構造不況業種というものを指定をいたしまして特別の対策を進めたのであります。幸いに昭和五十三年の後半から五十四年にかけまして経済が回復したものですから、そのころから構造不況業種というものはほとんどなくなったのでございます。ところが最近に至りましてまた構造的に非常に不況状態になっておるという業種が三つ、四つ見かけられるようになりました。その一つがいま御指摘のございました紙・パルプ、製紙業界でございますが、これはやはり経済全体の活力がある程度弱っておるというところに原因がありまして、それはなぜ弱っているかといいますと、やはり第二次石油危機の影響がなお残っておる、こういうことだと思いますので、こういう状態が続きますと、先ほど申し上げましたような経済の安定成長路線も定着しませんし、また税の自然増収も期待できない。何とか早くこういう状態を打開しなきゃいかぬというので、去る三月十七日にも一連の対策を進めたのでございますが、今後とも情勢を見ながら適当な対策を機敏に進めていくことが必要であろう、このように考えておりまして、現実は景気にばらつきがある、二、三の業種は相当厳しい状態になっておるということにつきましては十分認識をいたしております。
  105. 井上計

    ○井上計君 ぜひそれらについての対策を至急御検討をいただきたいと思います。  そこで、公正取引委員会お見えいただいておりますのでお伺いしたいと思いますが、製紙業界の現況というのはもう御承知かと思いますけれども、実は、一般外部に伝えられている以上に深刻だということ、先ほど申し上げましたように、委員会の調査の中でいろいろと陳情を受けて伺いました。そこで、いま製紙業界は不況カルテルの申請をするために準備をしておる、こう聞いておるんですけれども、公正取引委員会はどのように把握をしておられますか、お伺いをいたします。
  106. 厚谷襄児

    ○説明員(厚谷襄児君) お答えいたします。  現在、公正取引委員会の事務局の方に、独占禁止法の不況カルテルを行いたいという意向が示されておりますもので製紙業関係の商品としましては、両更クラフト紙、上級紙及びコーテッド紙がございます用意向が伝えられておりますけれども、このカルテルの具体的内容というものについてはまだ私の方には正式には説明がございません。それで、恐らく設備の稼働の制限を行うということになろうというふうに思っております。
  107. 井上計

    ○井上計君 そうすると公取では何ですか、具体的な内容等によって正式に申請があれば直ちに審査を行うと、こういうことですか。
  108. 厚谷襄児

    ○説明員(厚谷襄児君) 手続的な点で申しますと、正式の申請というのは非常に遅いわけでございまして、業界の側からカルテルを行いたいという意向が伝えられ、さらに事前に資料が提供されまして、それに基づいて公正取引委員会といたしましては慎重かつ迅速に審査を進めたい、こういうふうに考えております。
  109. 井上計

    ○井上計君 慎重かつ迅速というふうなお答えがありましたけれども、従来、不況カルテルの申請について公正取引委員会のまことに慎重過ぎるような慎重な審査ということによってタイミングを失しておる、せっかく実は認可になったときにはもうどうにもならぬのだ、遅いのだというふうなことが過去においてしばしばあったというふうに私実は聞いておりますし、感じておるんですが、先ほど経企庁長官お話しになりましたように、こういう状態の中で不況カルテルを申請をしよう、不況カルテルによって業界の安定を図りたいというふうな企業の切なる声、状態というものをやはり的確に把握をしていただいて、そのような具体的なものが示されて申請が行われたら、ひとつ迅速に、さらに迅速にやっていただく必要があると思うんですが、どうでしょう。
  110. 厚谷襄児

    ○説明員(厚谷襄児君) ただいま先生が申されたような御批判というのがあったということは私たちも承っております。ただ、ここでひとつ誤解されておるのじゃなかろうかと思いますのは、一つは、ただいま具体的に私の方に進んでおりませんのは話がまとまらないというような御事情がある、業界の方に事情があるのじゃないかと私どもの方は察しておりますので、そういうことですと私どもも作業が進められない。それからそのほか、私ども作業を進めますときにユーザーの方の意向を聞くというようなこともいたしますので、その辺にも若干時間がかかるというようなことでございます。    〔副主査退席、主査着席〕  しかし、私どもは決して作業を遅めるとか、そういうことがないようにいたしますので、もう早く資料を整えて提出していただければできる限り早く処理いたしますということは業界の方にも伝えております。私の方もそのようなことがあるだろうということで、事務の処理を迅速に進めるように整えておるというところでございます。
  111. 井上計

    ○井上計君 通産省に来ていただいていますけれども、いま私が質疑を行っておる製紙業界の状況ですが、最近大型倒産が出てきておる、あるいは経営危機に陥っている企業もかなり多い、こう聞いておりますけれども、実態はどういう状況ですか。
  112. 佐藤剛男

    ○説明員(佐藤剛男君) お答えします。  先生御指摘のように、非常に製紙業界は現在経営状況といいますか、その礎となる企業基盤が揺らいでいるわけでございます。昨年来、広島にあります大竹紙業という中堅会社でございますが、これは上級紙、それからクラフト紙――純白ロールという包装の用紙でございますが、これが倒産をいたしまして現在会社更生法の申請中、それからまた子会社である鶴崎製紙というのが同様でございます。それから、本年に入りまして、出水製紙という市販パルプの上から数えて四番目の企業でございますが、これが会社更生法の申請をしております。  それからその他、チップという原料が非常に上がりましたもので、その結果、チップの購入費用が相当かかる、また金利負担がかかっておるということでなかなか減産という状況に進みにくいことで、また決算期もたまたまぶつかると。ところが、景気のかげりでなかなか需要が出ない、したがっていわゆるコスト割れの販売を行う、こういうふうな状況で、たとえばいま新聞紙上をにぎわしておりますが、クラフト紙あるいは上級紙の東洋パルプ、これが現在会社更生法にならない段階で再建の道を歩むべく努力いたしている状況でございます。
  113. 井上計

    ○井上計君 いまちょっとお話がありましたけれども、原料チップが非常に高騰しておる、あるいは引き続き、石油の値上がりによって燃料費が大変高騰しておる、あるいは電気料金等の高騰等からそういうふうな不況というか、大変な事態に落ち込んでおるんだというふうなことを理解しているわけですけれども、さらにそのほか、紙の代替品といいますか、紙にかわるべきもの、そのようなものがいわば石油化学業界の不況のために逆に製紙の業界を圧迫しておる、こういう問題もあろうかというふうに思うのですけれども、そこで通産省としての考え方としては、先ほどから私、公取にも伺っておりますけれども、製紙業界の不況カルテルについてはどのようにお考えなんですか。
  114. 佐藤剛男

    ○説明員(佐藤剛男君) 現在、先ほど公取委員から説明がありましたように、クラフト紙につきましては説明を開始いたしております。  それから、上級紙、コート紙につきまして、不況カルテルの申請を行うべく業界で、社長会で決定したというふうに承知いたしております。  まず、そういう不況カルテルの過程を経ましていわば需要に合った形で生産をする、そして在庫も調整していくということが必要不可欠だろうと思っております。それから長期的といいますか、それだけでは済むわけではございませんので、先生がいま御指摘になったたとえばクラフト紙でいきますと、中低圧ポリエチレンというのが、スーパー等の袋でございますが、出てまいりまして、非常に技術車新が進んだ形でございます。そういうことで侵食されておるという事実もございます。そういうことで、設備能力が現状の需要に合致してないという面もございますので、その点につきましても需給のギャップがないような方向で検討いたしているわけでございます。
  115. 井上計

    ○井上計君 ちょうど十年前ですね、産構審の紙パルプ部会で、八〇年の紙の需給見通し等を立てられたと思いますけれども、製紙業界に言わすと、あの需給見通しに立って設備の増設等を行ってきたと、こう言う。ところが、現在は大変設備過剰になっておると、このような状況のようですけれども、これはどうなんですかね。
  116. 佐藤剛男

    ○説明員(佐藤剛男君) ちょうど十年前に一九八〇年の見通しを立てたわけでございます。そのときの日本の紙、板紙の需要が一九八〇年にどのぐらいになるかということで立てました。十年前はちょうど千二百万トンベースでございますが、これで年率六・九%という伸びを想定いたしました。その当時のGNPが二けた、一〇・六というようなのを前提にいたしまして総観しまして約二千三百万トンということの見通しを八〇年に出しております。しかし、実態は、御承知のように、石油ショックという思わぬ出来事もあったことでございまして、国民総生産全体が従来の状況とは根本的に変わったわけでございます。昨年の一九八〇年では千八百万トンという多量な乖離の減少になっております。
  117. 井上計

    ○井上計君 長官ね、いま通産省の説明等にもありましたが、産構審の需給見通しが、これはやむを得ないことだと思いますけれども、石油ショック等によって大幅に実は狂ったと、これはだれが責任でどうとかということじゃないと思います。予測せざる事態からそうなったわけですが、そこで、業界としては、産構審のそのような見通し等に従ってといいますか、指導に従ってやはりかなりの設備増設をした。というのは、供給力不足を起こさないようにいろいろ対応策を講じてきた、それなりの努力をしてきたと思うんですね。ところが、結果においてこういうふうないわば状況の変化等によってこういう問題が起きてきたということですが、これをやはり立て直しをするためには、唯一の方法とは言いませんけれども、現在で考えられるやはりベターな方法としては不況カルテルによって調整をしていくということ、これは今後将来のために必要だと思うのですけれども、どうお考えでしょうか。
  118. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 不況カルテルをどんな場合にやるかということにつきましては、それは公取の方でお決めになることでありますが、私はやはり不況カルテルをやる必要がある業界に対しては機敏にやっぱり対応することが必要だと思います。これはやめるときもそうだと思うんですね。かつて不況カルテルを長引かせたためにインフレを引き起こしたと、こういうこともあります。したがいまして、やるときも機敏にやる、やめるときも機敏にやる、これが必要だと思いますが、そのやり方につきましては、これは公取がお決めになることだと思います。
  119. 井上計

    ○井上計君 では公取に伺いますけれども、どうでしょうね、まあいまここで的確なお答えというようなことについてはむずかしいかと思いますけれども、製紙業の、その中でいま上質紙あるいはコート紙、クラフト紙というふうなもののようですけれども、申請がなされれば、先ほど伺いましたけれども、機敏にそれに対応していく、迅速に審査を行うということであり、もちろんユーザーの意向も聴取をしなくちゃいかぬでしょうけれども、現状としては不況カルテルの認可をする方向にあるのかどうか、どうです、お差し支えない範囲でお聞かせいただけませんか。
  120. 厚谷襄児

    ○説明員(厚谷襄児君) 先ほどお答え申しましたように、私どもの方はまだ紙の関係につきましての不況カルテルにつきましての判断についての資料というものは、若干概括的なことは聞いておりますけれども、十分なる資料をいただいておらないわけでございます。その上、私どもの委員会は委員会で決することでございまして、事務局としてその判断についてお答え申し上げるということは、これはちょっとできかねるところでございますので、御了承いただきたいと思うわけでございます。
  121. 井上計

    ○井上計君 通産省、さっきのお話からいって、また私が伺った産構審の見通し等とのギャップといいますか、かなり相違をしておる、したがって相当な設備過剰になっておると、こう思うんですが、この不況カルテル計画を策定中だと思いますけれども、過剰設備をどうするか、凍結あるいは封印、廃棄というようなことについては、現況どういうようなふうに業界考えているんですか。
  122. 佐藤剛男

    ○説明員(佐藤剛男君) お答えします。  現在、需給ギャップが非常に多うございます。先ほどの両更クラフト紙に至りましては操業度が五〇%の水準でございます。それから上級紙が、上級紙といいますと印刷用紙に使われるわけでございますが、これが六二%、ピークの時点の約二割減でございます。それからコートにいたしましても七二%の水準になりまして、これも二〇%ダウンというような水準でございます。つまり、需要というのがもちろんこれからそのかげりが解消して、需要いかんでございますけれども、相当のこれらの品目におきましてそれぞれ差はございますけれども、設備の過剰問題という問題はございまして、これは常に紙パルプ業界につきまとう問題でございますが、生活安定ということで常に先行的に投資をすると、そうするとどうしても非常に金のかかる設備投資をいたしまして、金利の負担も高い、自己資本比率も一〇%を割っている業種が多々でございます。  そこで私どもとしましては、クラフト紙につきまして、非常に先ほどの構造的な変化もございますので、中低圧ポリエチレン等の圧迫もございますので、どのような形に持っていったらいいのか、廃棄、封印、そういうものを含めまして、そこで私のいわばユーザーも入れた諮問委員会というようなものをつくっていただきまして検討に着手したところでございます。
  123. 井上計

    ○井上計君 公取に伺いますけれども、いま通産省紙業課長の説明等の中にありますけれども、私は、製紙業の不況カルテルについては、ただ単に稼働日数の制限というふうなものではこの構造的な不況はなかなか脱却できないのではなかろうかと、こういう感じがするんですがね、その場合設備の封印、凍結あるいは廃棄というふうな計画がつくられ、申請がなされた場合には、独禁法上どうお考えですか。
  124. 厚谷襄児

    ○説明員(厚谷襄児君) ただいま紙の不況カルテルでどのようなものが出るかは私ども具体的にはわかりませんけれど、一般論としてお答え申し上げますと、独占禁止法の不況カルテルの共同行為の一つのタイプといたしまして設備の制限に係る共同行為が可能になっております。その内容といたしまして設備の封印または廃棄も含まれるものというふうに解しております。ただし、これにつきましてはそれぞれ認可の要件がございますので、そのような認可要件に適合いたしますならばただいま申したようなカルテルも可能であるというふうに考えております。
  125. 井上計

    ○井上計君 わかりました。  そこで、もう一つ公取に伺いますけれども、いまお答えいただきましたような、もちろんそれは要件にかなっておれば認可をすると、こういうことであります。ところが、最初からなかなか設備の問題で、設備の制限というものを計画にということになるとなかなか時間的にかなり無理があると思うんですね。そこで、まず第一段階としては稼働日数の制限というようなことで申請をする、仮にそれで認可を受ける、そこで、稼働日数の制限から進めていく過程の中で、二段構えとして設備制限の認可申請を行うと、こういうふうなことの場合、どうですか。
  126. 厚谷襄児

    ○説明員(厚谷襄児君) それは、それぞれの内容につきましての認可の要件が整っておるかどうかということで個別に判断することになります。
  127. 井上計

    ○井上計君 では、要件が整っておればそれは可能だと、こう理解してよろしいんですか。
  128. 厚谷襄児

    ○説明員(厚谷襄児君) そのように考えております。
  129. 井上計

    ○井上計君 そこで、もう一つ伺いますけれども、不況カルテルを実施中――いま設備制限等が認可をされた場合ですが、その実施中に、省エネだとかあるいは省力化等の設備投資、スクラップ・アンド・ビルドでやることについても現在では禁止されておりますね、どうですか。
  130. 厚谷襄児

    ○説明員(厚谷襄児君) 現在の設備の制限に関しましては、設備の更新または改良を妨げるものは、これは不況カルテルの対象にはなりません。
  131. 井上計

    ○井上計君 ただ、実際問題として、不況カルテルを実施しておる業界の意向をいろいろと聞いてみますと、スクラップ・アンド・ビルドによって更新をするということについても非常にやはり厳しくて、事実上できないと、こういうふうなことを聞くことがあるんですが、そんなことはありませんか。
  132. 厚谷襄児

    ○説明員(厚谷襄児君) 不況カルテルでそのようなことをでございますか。
  133. 井上計

    ○井上計君 いや、設備制限を行っておる場合。これは独禁法というよりも、特に例の特定不況産業安定臨時措置法等によって設備制限をやっておりますね。ところが、その場合、そういうふうな業種が、やはり技術革新に対応したような、特に省エネの設備更新をいたしたい、ところが、実際にはそれが事実上禁じられておると、こういうふうなことはありませんか。あるいは手続が非常にやっかいだから、事実上はできないんだということかもしれません。
  134. 厚谷襄児

    ○説明員(厚谷襄児君) 私どもの方の不況カルテルで、現在までのところ設備の廃棄とか、そういうような内容のものは現在はございませんものですから、先生おっしゃる点はちょっと私、理解できないところがあるんですが。
  135. 井上計

    ○井上計君 そうですか。新聞記事なんですけれども、コンピューターの導入や省エネ、省力化投資が国際競争力の維持に何としても必要であると、企業存続のためには省エネ投資だけは最低必要であるけれども、しかし、こういう投資意欲は強いけれども、事実上「増設」――まあこれは「増設」という新聞記事になっておりますけれども、特安法の指定を受けて、過剰設備の休廃止や凍結をしておる業種についてはできないと、こういうふうな新聞記事なんですね。これはだから、独禁法ではなくて、特安法なんですけどね。大体しかし、独禁法によっての設備制限、設備廃棄等をやる場合には同じようなことになるでしょう、そいつを伺ったわけですけれども。  ではもう一つ、現在はそういうふうにやっておる業種はないけれども、仮にこの製紙業界が設備制限を伴う不況カルテルを実施をした場合、その場合にどうかということでお聞きいたします。
  136. 厚谷襄児

    ○説明員(厚谷襄児君) 先ほどお答え申し上げましたとおりに、独占禁止法によります不況カルテルの設備の制限につきましては、設備の更新または改良を妨げるものを除くということでございますので、そのようなものには、設備の更新または改良を妨げるようなものはこれは共同行為の対象にはならないというようなことでございます。
  137. 井上計

    ○井上計君 はい、わかりました。  紙業課長、私は特に紙の問題についてお伺いをしたいと思いますけれども、この素材産業の原料確保の問題なんですがね。実は、昨年九月、国会から派遣されまして、ブラジルにアルコール事情の調査に行ってまいりましたときに、特に私希望をして、奥地にありますところのセニブラという紙・パルプの日伯合弁企業を視察をしてきたわけですけれども、ところが、その実態、非常に、その企業そのものはややうまくいきつつあるというふうな認識を得てまいりました。それの調査をして考えたんですが、わが国の今後の製紙業、現在非常に不況ではありますけれども、しかし、このままでいくと、放置しておけば数年後には供給力が全く不足をしてくる。特に紙というのは、もう古くから言われておりますけれども、紙の消費量はいわば文化発展のバロメーターである、こう言われておりますが、それらを考えますときに、紙の素材――チップ、パルプの確保というものは、これはゆるがせにできないと、こう考えるんですが、わが国の現状はそれらのことについてはほとんど対策がなされていない、わずかにいま申し上げたブラジルのセニブラ程度のものしか海外での調達ということについては考えられていないと思うんですけれども、これらについて長期的な原料供給、原料確保ということについてはどういうふうな対策をお考えですか。
  138. 佐藤剛男

    ○説明員(佐藤剛男君) お答えします。  私ども、いま、一九九〇年の時点における紙の需要というものがどういうふうになるか、で、そのときにどれだけの原料を必要とするかということで、産業構造審議会に紙・パルプ部会を設けまして、実は本日、これから最後の答申をやるわけでございますが、その案の中には、もちろん需要いかんでございますけれども、大体年率需要が三二%の伸びていった場合に、原料面で、まあパルプに換算しまして、ちょうど繊維素のかたまりでございますが、百五十万トンの不足を来す。チップに換算しますと、約三・三倍にしますと、五百万から六百万立方メーターになるということでございます。今日三千三百万立方メーターのチップ、これを使っておりますので、現状の約二割が不足するのではないだろうかと。で、そのためにどういうことを行うか。  現在、紙、板紙の原料の四割が故紙でございます。六割がいわゆる木の――現在アメリカ北西部にあります木材から住宅用材を取りました廃材で行ってるわけでございます。このチップの確保というものも、向こうにおきましてやはり国内においての製紙メーカーが拡張いたしております。つまりチップを食っていくわけでございます。そういう現象でございますので、やはり今後は故紙の利用技術というものを非常に上げていく。それで、故紙の利用というものはいまの四割を五〇%ぐらいにしまして、バージンパルプという、木からのやつを減らしていく。それと同時に、海外からのいわば造林というものも必要不可欠だろうと考えております。先生御指摘のブラジルにおきましては、現在そういう海外造林という形でのものに着手いたしております。それを進めていく方向で鋭意検討いたしているわけでございます。
  139. 井上計

    ○井上計君 海外造林を進めていく方向で検討ということですが、私が昨年ブラジルで聞いてきた範囲では、資金的なネック等があって、ほとんどというか、余り進んでいない、余り期待ができないというふうな、そういうふうにも実は認識をしてきたんですが、どうなんですか。
  140. 佐藤剛男

    ○説明員(佐藤剛男君) まあ紙パルプというのは、非常に一年間の間にでも乱高下が激しゅうございまして、個々の企業基盤というのは非常に弱うございます。経常利益にしましても製造業の平均の半分でございまして、どうしてもこれからはやはり個々の企業の経営基盤を強くしまして、いわば中長期に立って、時間もかかる話でございますが、海外造林というものをいわばグループであるいはまとまって行っていく時期に来ておると思っております。そういう面で、発展途上国につきましては、海外経済協力基金の活用とかあるいは輸銀の活用とか、そういう面で実施をしていくわけでございますが、現状、ちょっと、たとえば経営の、販売価格が乱売で赤字が出るとなりますと、どうしても中長期の先に思いを寄せなくなると、これまた非常に残念ながら事実でございまして、そのようなことがないように、いわば十年先、二十年先をながめて私どもとしましては指導してまいりたいと、かように考えております。
  141. 井上計

    ○井上計君 ぜひそのようにひとつ指導願いたいと思いますが、長官、紙の問題いま通産省紙業課長からもいろいろと答弁がありましたけれども、海外経済協力基金を海外への造林事業に積極的に活用すると、取り上げるというふうなことについては長官どうお考えでしょうか。
  142. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 先ほども先生がおっしゃいましたブラジルで視察をしたセニブラ等につきましても、海外経済協力基金からの出資ということでやっておられるわけでございます。で、いろいろ問題はあるけれども、それらの中でとにかく所期の目標に従って事業を進めておると聞いておるわけでございまして、われわれといたしましても、海外、特に現段階ではブラジルにおける造林ないしチップ製造ということについては、海外経済協力基金の金を出し、それによって事業が進められているということを承知しておりまして、今後ともそういう方向で進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
  143. 井上計

    ○井上計君 まあいずれにしても、現在が不況であるから、将来ともその業種については需要がふえないんだということとは全く違うと思うんですね。逆に、現在はこういう状況であるけれども、将来はやはり需要がふえる、また需要がふえなければ困るんだというふうな素材産業がたくさんあると思うんです。それらのものについての対策を十分ひとつ経企庁としても指導をお願いをいたしたいと、こう考えます。  最後に、これは要望でありますけれども、きょう私、紙のことだけで質問をいたしましたけれども、ほかにも石油化学あるいはアルミ製品等々、石油価格の高騰あるいは原料高、輸入増というふうなことで深刻な不況に陥っている素材メーカー、業種がかなりふえておると思うんですね。したがって、いま申し上げた中長期的な見地からそれらの業種についての対応策をぜひひとつ至急お考えをいただきたい。これはひとつ長官に要望を申し上げておきます。特にお答えいただければ結構ですが。
  144. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 大分深刻な業界もあるようでございますから、通産省ともよく打ち合わせをいたしまして善処をいたします。
  145. 井上計

    ○井上計君 では終わります。
  146. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 最初に長官にお伺いいたしますが、日本経済の今後の見通しについて、大体短期的に安定成長ということで不安はないと、しかし、長期的に見るといろいろ問題があるというように言われておりますが、どうなんでしょう。常に短期的で大丈夫だ大丈夫だという話がいつも出るんですけれども、たとえば貿易摩擦の問題、石油、特に国の財政と、これらを見て、多少長期的な展望として長官どのように日本経済の前途に対する見解をお持ちでございましょうか。
  147. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) わが国は貿易立国でありますから、やはり産業が国際的な競争力を持つということが一番のキーポイントだと思います。幸いにただいままでのところは相当強い競争力を持っておりますので、これからもやはりヨーロッパ、アメリカの動向も見ながら、そういう国々におくれをとらないような競争力を維持、拡大するという、そういう路線がこのキーポイントではないかと、こう思っております。そのためにはやはり科学技術の開発に特に力を入れる、技術開発を他の国に先駆けて進めていくということが肝心だと思いますし、またそれを産業にできるだけ早く取り入れるということも必要な課題だと、こう思っております。  ヨーロッパの一部の国が非常に強い競争力を持っておりましたが、一、二年少し投資をゆるめたと、こういうことのために競争力を著しく失墜したと、こういう例もございますから、そういうことのないように、何しろ日進月歩の勢いで技術が進んでおりますので、それにおくれをとらないようなそういう対応が必要だと、こう思っております。むずかしい条件は幾つかありますけれども、しかし、これからのやり方いかんでは、私は、日本経済はいま政府の目指しております安定成長路線に定着させることが十分可能であると、このように考えております。
  148. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 一番長期的に見て財政再建の問題というのが非常に心配されるわけです。長官はむしろ積極財政論者ですか、と言われておりますが、いまの増税路線ですね。総理はあのような強い発言をしておりますが、経済の現実のベテランの長官としてはいかがですか。下手をすると大不況に陥る危険性もあるんですけれども、どのように把握いたしますか。
  149. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 私は現在の状態は、第二次石油危機の悪い影響がいま全面的に広がっておるときだと、こう思っておるんです。したがいまして、世界全体が悪い状態になっておる。先進工業国もそれから油の出ない発展途上国もすべてが非常に困難な状態にありまして、そういうことを考えますと、ほうっておけば大不況になる危険性がないわけではないと私は思います。しかし前と違いまして、いまは国際的な機関も幾つかできておりますし、国際的な協調、あるいは協議をする機会も幾つかございますので、やはりいろいろ必要な対応をしていくということは肝心でございますが、それさえやれば、私は昭和の初期のようなああいう大不況になるということは避けられるであろうと、こう思っております。
  150. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それで、技術開発、こういう面でも、たとえば昔はドイツからカメラだろうが何だろうがみんな輸入しましたね。ほとんどそういう点でもう日本が先頭を走っておりまして、そういうものの輸入ということが非常になくなってきた。一方輸出はどんどん進めていかなければ石油が買えない、こういうところからくる貿易摩擦、そしてそれを財政的ないろんな形で、日本株式会社と言われるようないろんな巧みな調整をしてここまで来たわけですが、これからどうなんでしょう。財政再建一つとってみても非常にむずかしい状態だと思うんですが、やはりそういう点では財政の仕組みの中で、増税路線というふうなものはチェックして、大丈夫やっていけるというようにお考えでございますか。
  151. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) やはり私はこの財政再建、これはどうしてもやらなきゃならぬ課題だと思いますが、そのためのやはり一番大きな柱は、日本経済を安定成長路線に定着させまして、そこから毎年一定規模の税の自然増収が期待できるようなそういう経済運営をするということが一番のキーポイントだと、こう思っております。昭和五十五年は五兆強の自然増収が出るようでありますし、五十六年は五兆弱と想定をしておりますが、先般の大蔵省の財政再建試案等を見ましても大体五兆から六兆見当今後も期待しておるようであります。それだけの税の自然増収が出ますと、これはあとは非常にやりやすくなるのではないか、こう思っております。  もっとも、行政改革と財政改革は当然ある程度やらなければならぬと思いますが、実は、私もこれまでは財政再建の考え方といたしましては、第一に税の自然増収が期待できるような経済運営、第二に行財政の改革、第三に、それでも足りない場合には、ある程度の負担を国民の皆さんにお願いすると、そういう三つの段階で考えていったらどうだろうかということを言ってきたのでありますが、しかし、五十五年度の予算編成等を見ますと、やはり、増税ということを考えてある程度の財源を確保しますと、どうしても財政と行政の改革というのがおろそかになる、やりにくいと、こういうことで痛感をいなしましたので、やはりもう退路を断ち切って、もう増税はしないんだ、税の自然増収と行財政の改革と二つでやるんだと、こういうことでやらないとなかなか私は行財政の改革というものはやれないんじゃないか、このように考えておりますが、最近そういう方向に進みつつあるということは、これは私は評価していいのではないかと、こう思っております。
  152. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そうするとことしは最後の増税ですね、当分の間で。これの物価に及ぼす関連、大蔵大臣は再三の御答弁で大したことないんだと、たとえばもっきり、酒一杯で十円くらいのものですよとかという、こう巧みな表現で言っておりましたけれども、ただ、これはそのものずばりで割り算しますとそういうことになるんですが、商品が転がっていきますわね。転がっていった中で、原価は五円であっても切り上げをすると十円値上げすることになるんです、税金は五円だという計算をしましても。それを、今度は、また、一杯飲み屋さんへ行くとまた上がってきます。こういう全体の波及効果を含めた増税の影響ということについての経企庁としての現況での御判断はいかがなものでしょうか。
  153. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 増税の物価に及ぼします影響につきましてはいろいろ考えられると思うんですが、一つはコストアップによる要因、これは上昇要因になるわけですが、また一方、増税をしますと、それがデフレ効果を持つものですから、そういう面から考えますと、これはある意味では低下要因になっていくわけでございます。全体としての影響は、従いましてそのときどきの経済、物価情勢と需給の状況によって変わってくると、一概に論ずることはできないわけでございます。  そういうものの典型に一応法人税等が考えられるわけでございますが、いまお尋ねの酒税でございますが、これは仮に増税額がすべて転嫁されるとした場合には、酒税だけでは〇・一二%程度と、こういうふうに計算をいたしております。このほかに外食がございます。先生の言われました間接の影響なんか外食に出てくると思いますが、外食の影響等ございまして、これを〇・〇四%程度と、こう見ているわけでございまして、酒税関係ではそういたしますと〇・一六%程度、こういうことになります。  そのほかに物品税があるわけでございます。物品税の影響は考えなければいけないわけですが、これは、小売価格は特に需給状況等によって異なるわけでございますので、仮に増税額がすべて転嫁されるとした場合に〇・〇二%程度、こういうことになります。合わせますと〇・一八%程度ということで、私どもといたしますと、切り上げまして〇・二%程度が影響じゃないか、こう考えているわけでございます。
  154. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それで、今度の増税法案軒並み全部成立したとして、全体としてどれくらいの影響力を持っていますか。
  155. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 全体といたしまして、先ほど申し上げたように〇・二%程度と考えているわけでございまして、法人税、租税特別措置法、酒税、物品税、印紙税、有価証券取引税等それぞれございますが、その中で物価に関係がある、CPIの対象品目となっているものから推計をいたしまして先ほどのようなことを申し上げたのでございますが、それでは、たとえば酒税が値上がりをされたときに、それが外食にいってどうなるかということにつきましてはすでに外食で申し上げたわけでございますが、いろいろの影響がございまして、それが完全に幾らになるかということまではその中で申し上げたわけじゃございませんが、直接の影響として考えられるのは先ほど申し上げたような形でございます。
  156. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 結局、今度の増税によって物価に及ぼす影響はきわめて少ないというふうに御答弁を理解してよろしゅうございますか。
  157. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 〇・二%程度だと私どもは考えております。
  158. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 物価に及ぼす増税の影響というのは〇・二%、現実の物価はきわめて大きく上昇しております。  で、長官は、いつもその点については石油の影響、石油の影響ということを盛んに言っておられますが、石油の影響というのは、これはもう外的な要因で不可抗力に近いということ、とても私たちの責任じゃないということをおっしゃっているのかと思いますが、一体、税の増税その他人したことないと。確かに増税よりも先ほど長官の言われたような自然増収の方が税としてのウエートは大きいんですね。自然増収の見込める、増税をしないで見込める背景というのは何でしょう。
  159. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 詳しくは、自然増収というのは非常に精緻な計算をされて出しているようでございます。したがいまして、大蔵省の専門の方に伺わざるを得ないと思います。しかしながら、大臣が申し上げました自然増が相当出るような経済運営と申しますのは、やはり明るい、先へ伸びていく経済、そのことによって法人にしても個人にしても所得が伸びていく、そうした、法人の所得なり個人の所得が伸びていくことによって当然税収がふえていく。従来そういうことでやってきたし、今後も可能ならばそういう方向でいかなくちゃならないということを申し上げたわけでございます。具体的に、それぞれの数値は、単純なそういう理屈だけの問題ではなくて、個々にはじいていくわけですけれども、その裏にはやっぱり経済が安定的に、しかも相当程度伸びていくという前提があろうかと思います。
  160. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 これね、実は主税局長を呼んだんだけれども、きょう大蔵委員会があるということでわかる人ということだったんですよね。だから、それは主税局長でなければ次長ならわかるんじゃないかと。それは大臣の答弁が出たら大蔵の方にしますよという話だったんです、長官からきっとそういう答弁が出るだろうと思ったものですからね。わからないんじゃ、その問題はしようがないね。  それでは、時間もあれですから前へ進ませてもらいますけれども、自然増収、私は、これは裏返せばインフレを見越しての税の計算ということになるだろうと思うんです。長官、景気がよくなれば、自然増収ということは、おおむね物価上昇インフレというふうなものと表裏の関係にあるというふうに理解しておりますが、どうですか。
  161. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 私は必ずしもそうは思いませんですけれども、インフレになりますとむしろやはり経済政策は非常にやりにくい、こういう感じがいたします。だから、やはり経済がある程度活力を持ちまして安定成長路線に定着をしていくと、そういう姿がずっと継続するということのためには、インフレはおさまっておるということでないとなかなか私は力が持ちにくいのではないかと、こう思います。税の自然増収が出る経済はインフレ経済だと、そう私は思わないんですけれども。
  162. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 自然増収を大幅に見込むということは、それだけ実質所得が上がっての自然増収であればこれは問題ないと思いますよ。しかし、いまの状況の中で実際の実質的な所得がふえてないけれども、名目上の賃金が上がって自然増収がふえていくというふうな状況というのはどうもちょっといびつな形での自然増収をいつも考えているんじゃないか、言うなれば増税と同じ結果が生ずるんではないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
  163. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) それはやはりそのとおりでございまして、その分だけ税負担がふえるわけでございますから、たとえば所得税に例をとって申し上げますと、五十三年、五十四年、五十五年、五十六年と、この四カ年における所得税の増徴は約六兆円と、だから五十三年度より五十六年度は六兆円よけい所得税を払っておると、税率はそのままである、こういうことでありますから、これは所得がふえたからそれだけふえるわけでございますけれども、しかしながらある意味においてそれはその分だけ所得税がよけいに徴収されたと、そういうことになりますから、これはどのようにこれを評価するかはまたおのずから立場が違うと思います。
  164. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 所得がふえたから所得税の自然増収があったと、確かに表から見るとそういうことですが、実質的な所得がふえないでインフレが移行することによってあるいは物価高が進むことによってベースアップをせざるを得ないと、いつも後追いですわね、後退いでふえていく分について、所得がふえたから自然増収がふえるんだということは逆でないでしょうか。どうもそこら辺がうまくトリックでいつも勤労者がだまされるような気がするんですがね。
  165. 井川博

    ○政府委員(井川博君) ある程度短期的に一つの年で見るのか、あるいは中期的あるいは長い目で見るのかによって違うかと思います。大臣が申し上げましたように、短期をとりますとインフレによって名目上の所得がふえる、そのために税収が伸びるというふうなことになりますが、そのインフレによって今度はその次の段階では個人の消費も伸びない、それから住宅投資も伸びない、あるいはインフレによって企業の設備投資も出てこないというふうなことになると不況になるわけでございまして、不況になりますと今度は実際上そうした税収が伸びない、現に第一次石油ショック、御承知のように、昭和四十九年度、五十年度大きくインフレになったわけでございますが、私の手元にあります税収の弾性値で見ますと、そのときは一を切っております。というのは、これは名目のGNPの伸びとそれから税収の伸びを比べるものでございますが、四十九年が〇・九一、五十年はマイナス〇・三五、これが物価が落ちつくことによってだんだん一という復活をし、そして現段階では一・幾ら、平均一・二ではじくとか一・五という実績になったとか議論されますけれども、いずれにいたしましても一を超えるというふうなことでございまして、先ほどからのお話のような長い目で見ます場合には、インフレを続けていくということになりますと、税収自体も落ちていくということじゃないか、やはりそこは物価を安定して成長も安定成長に置くということが必要じゃないかと考えておるわけでございます。
  166. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そうするとあれですか、七・八%と言われている現行の物価上昇というのは落ちついている方に入るんですか。
  167. 井川博

    ○政府委員(井川博君) 来年度、五十六年度につきましては、物価は御承知のように五・五%というふうに見通しているわけでございます。われわれといたしましては五十六年度の運営よろしきを得て五・五%という物価の上昇見通しの中で経済成長五・三%、それから名目の成長率九・一%というのを見通しているわけでございまして、そういうかっこうでやはり物価が安定してくるということが経済運営の一つの前提でもあるし、それから自然増収を期待をするという場合にもやはり物価の安定ということが前提になろうかと思います。
  168. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 公取来ておりますね。
  169. 和田静夫

    ○主査(和田静夫君) 来ています。
  170. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 実は先日の委員会でちょっと質問して調査を依頼した酒類用アルコールの関係の問題ですが、その後調査はいたしておりますか。
  171. 相場照美

    ○説明員(相場照美君) お答えいたします。  先般三月十九日でございましたか、大蔵委員会で御質問ございました。したがいまして、私どもといたしまして現在事実関係の把握に努めているところでございます。  以上でございます。
  172. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そうすると国税庁の関係の方、次長さん、実はこの前質問したときに酒類用アルコールの価格の問題について国税庁は関知していないということでございましたけれども、どうもあれは酒団法のあれでしょう、あのとき時間がなくて言いませんでしたが、そうするとおたくの方はそれを監督しているんでしょう、酒類用アルコールの蒸留酒組合ですか、あの組合、どうなんですか。
  173. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 先般お答えしたとおりなんでございますが、少しお時間をちょうだいして御説明申し上げますと、現在アルコールは三十万円を切っております。円高差益の問題もございまして、この二月に十月にさかのぼりましてキロリットル七千円程度値下げをいたしました。ですから先日のお答え申し上げました三十万円の線が二十九万ほぼ六千円程度、業界の慣習がございまして、いま御指摘ございましたように、蒸留酒の事業年度、酒づくりの年度に合わせておるわけでございますが、十月から一年間ということで大体契約は十月から幾らという値決めをして各企業が酒屋さんと契約をする、こういう段取りになっております。実際の価格の決め方が事実上は十月から十一月、十二月というふうにだんだんと段階を追いましてコストの問題とか、そういったものを詰めまして決めているというのが慣行になっておりまして、それはさかのぼって十月以降幾らという値決めをいたすわけでございます。その過程におきまして私どもとしましては企業同士の取引の慣行に従って値段を決めていっていただくということで私どもが先般もお答え申し上げましたように、値段はどうすべきかというような行政指導は一切いたしておりませんが、ただ業界の中でトップリーダーと申しますか、値決めにつきましてやはり影響力のある企業というのがございまして、そこからは単一の企業でございますけれども、どういう事情でどういう環境になっておるという報告は私どもいただいておるわけでございます。ですから、御心配のような関係で、何と申しますか、値決めについて私ども行政サイドから指示をするとか、そういったことは一切いたしておらない状況でございます。それは、先ほど申しましたように、二月の値下げに関しましても報告をちょうだいして、その値決め環境はこうなっておるんだということについて理解をいたしておる、こういう現状でございます。
  174. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 長官、実は国営のアルコール専売、これの方は二十一万七千円くらいで出しているんです、国営が。それで民間の方は三十万三千円、いまちょっと、七千円くらい下がったといっても二十九万何ぼです。これは明らかに国営の方も原価計算をやって、きょうは通産省はこれもう間違いないので、この前事実関係を認めましたのできょうは呼んでないんですが、これだけ差があるということになりますと、これはやっぱり物価の面からいっても問題だと思うのです。物価局では、そうしたアルコール専売、酒団法によって認められている組合の価格の形成等については全然研究はしておらないんですか。
  175. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) ちょっと現状を御説明申し上げますが、アルコールの値段は私どもが所管いたしておりますお酒に使います醸造用アルコールですね、これは先ほどお答えしたとおりでございますが、そのほか医療、工業用等のアルコールの需要がございまして、これはアルコール専売にかけ、通産省の御所管で値段をお決めいただいておるという現状でございますが、御指摘のような値段の格差でございますけれども、これは用途によりましてかなり値段が散らばっておりまして、通産大臣のお決めになります値段も、下はキロリットル当たり二十二万円程度から二十五万円程度までございまして、これはもう先生御存じのとおりでございます。
  176. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 四万一千円の差はあるんです。
  177. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) それで、その格差いかんと、こういう問題になるわけでございますが、発酵用アルコールにつきまして特級、一級とかいろいろ程度がございまして、ですからお決め願いますと、それほど私どもは問題になるような差はないのではないかというふうに考えておりますが、これは通産省の方の御所管でございますので、私どもから直接お答え申し上げる問題ではないと思いますけれども、そういう環境にございます。
  178. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) アルコールにつきましては、通産省御所管の専売分につきましては、公共料金としての協議を受けております。そのほか一般のものにつきましては、これは経済の実情に沿って価格形成が行われるというふうに了解いたしております。
  179. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 物価局長、そういう価格形成の中にメスを入れたことはございませんかと聞いているんです。
  180. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 私の承知いたしておりますところでは、先ほどお答えいたしましたようなものにつきましての協議は受けておりますが、それ以外のものについての協議を受けた記憶はございません。
  181. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 国税庁にお伺いしますけれど、アルコールの甲類、乙類、それぞれの建て値があると思うのですが、それらの原価計算の報告というのは、おたくはちゃんとこういういろんな細かく報告を受けていますわね、報告は受けているんでしょう。
  182. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 先ほどお答え申し上げましたように、トップリーダーといいますか、影響力のあるところの値段に大体、先生も御存じのとおりアルコールは単品といいますか、商品の性格上お酒と違いまして、値段がそろう可能性がございます。合成アルコールとか発酵アルコールとかいろいろ種類はございますけれども、同じ種類のアルコールの場合には値段が、やはりばらばらに決めますけれども、大体の建て値というものは決まるわけでございますが、実際の取引を拝見しておりますと、これはまだかなり値引きとかリベートがございまして、かなり実情の価格というのは差があるわけでございます。私どもとしましては値段の環境、これはやはり国際貿易の影響も大変ございますので、それについては私どもとして業界を指導する立場から報告はいただくと、事実上ですね、ということで、トップ企業からその状況については報告は、レポートはいただいておるという現状でございますけれども、それについてさらに、何と申しますか、先生御心配のような行政指導とか、値段についての直接的ななにはいたしておらないということでございます。
  183. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そうしますとね、実際の、何というか、取引価格は多少違いますけれども……
  184. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) かなり違っております。
  185. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 業界がこういう建て値を毎年決めできますわね、これは一体どういうシステムでやられているんですか。その建て値決めるの、おたく全く知らないということないんですからね。
  186. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 業界としての建て値と申しますか、それは各企業のキロリットル当たりの値段が決まるということでございます。それは各社が決める時期というのはやはり散らばっております。ただし、先ほども御説明申し上げましたように、酒造年度といいますか、蒸留酒年度に合わせて、さかのぼって十月一日以降の取引の値段を決めるということでございますから、結果としてごらんになりますと、十月一日以降はこういう形になるということに出てくるわけでございます。
  187. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 結果として十月一日にそろうと、それはそろったときに、おたくの方はどういう報告を受けていますか。こういうふうになりましたということですか。
  188. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) そのとおりでございます。したがいまして、先ほど御報告いたしましたように、この二月にトップ企業が値下げをいたしました。これは十月一日にさかのぼって値下げをした、昨年の十月一日以降のものについて値下げをした、こういうような状況でございます。私どもは報告をいただくと、実情について理解を深めるということでいたしております。
  189. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 すでにもうお金もらっているのもあるんですよね。これは現金で払うことになりますね。
  190. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 具体的な取引は各社各社の取引で決まると思いますが、決済の方法等につきましてはいろいろな形があろうと思います。
  191. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そして、それは毎月報告をおたくはメーカーからとっていますわね。
  192. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 市場価格を毎月報告を規則的に入手するというようなシステムにはなってない……
  193. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 市場価格でないの……。
  194. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 建て値は大体十月一日の値段で一年間固定されるというのが原則でございまして、それを変更した場合には、その変更のレポートをいただくということでございます。
  195. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 毎月、販売数量等の報告書というのをおたくは酒類全部にとっているんですよ。蒸留酒類、アルコール類だけとってないというはずないんですよ。
  196. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 念査をいたしますけれども、これは課税上必要なこととして、免許業者が販売をする、あるいは製造免許業者が課税移出をするという場合は、これは報告をいただいておりますが、アルコールの場合は一これは未納税移出になるわけでございます。したがって、それが酒になって、そこから出るところで課税になるわけでございまして、その段階では報告を受けるということになっております。
  197. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そうすると未納税についての報告はとってないんですか。
  198. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 未納税についても承認の制度がございまして、その都度税務署段階では数量等についてはチェックをいたすというシステムにはなっております。
  199. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 価格はどうなんです。
  200. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 価格については各税務署の判断が先行すると思いますが、国税庁として各地の税務署からレポートを集計するというような作業はいたしておらないわけでございます。
  201. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そうすると、いいですか、蒸留酒メーカーが未納税で支出したものについては幾らで売られているかということは、国税庁としては知り得ないというんですか。いいですか、未納税は受ける方があるんですよ。受ける方はこれを酒にした場合の詰め口まで含めた克明な原価の報告を国税庁にするわけですよね。どうしてわからないですか、それで。
  202. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 受ける方がつくりまして出すわけでございますから、その課税移出の原価、御指摘のように原価構成とか仕入れの価格というものは確実に把握いたしますが、それをさらにさかのぼって反面的に未納税で出した価格というところまでは必要に応じて確認をするという、何といいますかシステムになっておるわけでございまして、すべて一括して期日を定めて報告をとるというようなことはいたしておらない。
  203. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 これは一括してやらなくたってわかるでしょう。
  204. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 御質問は、したがいまして事実上の問題かと存じますが、事実上はわかる場合もありますしわからない場合もあり得るということでございまして、実態の把握については、これは私ども国税庁の立場として十分留意をして、そういった数量面、価格面については検討はいたすだけの材料を常に確保するという心構えでおりますわけでございます。
  205. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 あのね、わかる場合もある、わからない場合もあるとおっしゃいますけれども、わからない場合というのはちょっと想像できないんですよ。これだけきちっと組み立てた酒税確保のための報告義務をそれぞれの業界にしょわせておいて、大もとの国税庁がわからない場合というのはどういう場合がありますか。
  206. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 先ほどもお答え申し上げましたけれども、法律関係非常に複雑でございまして、建て値がわかれば実際の値段がわかるという関係にはなってないわけでございまして、リベート、値引き等の実態はかなり複雑な面がございます。したがいまして、くどいようでございますが、わかるたてまえで心得ております、ということが限界かと存じます。
  207. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そこで、酒の価格の問題なんですが、いま間税部長さん言われたように、リベート、値引き、だから税金が上がったからこれだけ酒の価格が上がりますよということが、物価局長ね、これから出てくる問題です、出てきますわね。しかし実態は、いま部長さんが話したように、税金が上がったから値段が上がるなんということに直結しないんですよ。リベート、値引きやっているんですから、そうでしょう。  そこで、物価局長にお願いしたいのは、短絡的に税が上がったから、酒だけでないと思いますけれども、とりあえずここでは酒の問題を中心にして言いますと、即価格上昇につながらないということをきちっとひとつ踏まえておいていただきたいと思います。そうでないと経済企画庁さんの方ではきわめて計数的にはじき出して、これだけ上がったからこれだけ上がりますというふうな物の言い方をよくおっしゃるんですが、事実はそんなふうになってないんですよ、おわかりになりますか。
  208. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 先ほど御答弁申し上げたのは原料としてのアルコールの値段についての御質問でございましたからその環境についてお答えを申し上げたわけで、最終製品になりまして消費者に供給される酒類といたしましては、国税庁としましてはいまのようなアルコール原料の御答弁とは違った考えを持っております。と申しますのは、原料面でございますので、いろいろ原価上の調整の問題、各企業可能でございますが、最終製品になりまして担税商品として消費者に提供されるという段階については、やはりある程度のリベート等の問題がございますけれども、これは他方におきましては私ども取引の正常化と申しますか、市場の安定という意味で公正取引委員会の方とも御協議を申し上げまして、公正競争規約というものを業界自体でつくり上げましたものを御認定いただきまして、なるべくそういった環境にならないようにという配慮を業界自体も自主的にいたしていると、こういうことでございます。
  209. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 先ほどお答えをいたしましたときにも申し上げたわけでございますが、まあ増税の物価に及ぼす影響につきましては、一義的に論ずるわけにはいかない、全体としての影響はそのときどきの経済・物価情勢等によってかなり異なりますということをお断りをさせていただいたわけでございますが、酒税につきましても、仮に増税額がすべて転嫁されるとした場合云々と、こういうふうにお答えをさせていただいておるわけでございまして、いろいろそのときの経済・物価情勢等にもよりましょうから、その辺を経済といいますか物価は正直に反映をしたカーブでできると思いますが、仮にこれだけ全額転嫁されるというふうにした場合にはこうだというふうにお答えさせていただいたわけでございます。
  210. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 物価局長ね、だから計数でこれだけだときわめて大したことないということなんですが、心理的な効果としての非常に引き金には、まあ酒の場合は私はなると思っているんです。しかし、実態はそれじゃこれくらいの税が上がったことであわてて上げなければならないような実態かというと、必ずしもそうでない。いまの酒類用の原料としてのアルコールの価格一つとってみましても、もういまあわててリベート出しているんです。六千円と聞きましたけれども、七千円ですか。取り過ぎたということで。これ、物価局はやっぱしそういう問題はチェックできないんですか。十月に決めてね、決めたやつが少し取り過ぎたっていま急いで返しているんですよ。
  211. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 御質問の途中で大変恐縮でございますが、原料としてのアルコールの問題でございます。したがいまして、消費者の面からいきますとかなり距離がある、製造業の原料事情として御理解いただきたいというのが第一点でございます。  それから、第二点は昨年の、これも先生が御存じのとおりでございますが、海外の原料事情等が重なりまして、昨年のアルコールの値決めと申しますか、その状況下では私ども体験いたしておりますけれども、粗留アルコールあるいは糖みつ等の値上げ、あるいはエネルギー事情でブラジル等の原料の供給難、海外よりの供給難というような事情が重なりまして、かなり大幅な上げ方があったわけでございます。したがいまして、これは一方で申しますと酒類の製造業者にとっては大変なコスト高になるという問題になっておりまして、それを吸収するのがなかなかむずかしい事情があるというのが一方にございまして、最近になりまして為替事情の状況が織り込まれて、いま先生から御指摘がございましたように、キロリットル当たり六千円の調整がされることになるという状況になっておるわけでございます。
  212. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 いまの事情でどうしてもわからないのは、たとえばアルコール専売が国営でやっております。工場の立地から言いますと、この方が悪いんですよ。昔の芋の産地とか、そういうところの農業振興のためにということで、交通の余りよくないようなところへもアルコール専売の工場は残ってますから。そして、地域振興と結びつけてやっているんです。本来コスト高になるはずなんです。しかし、大体外国から原料入れているのの海外依存度というのは、民間もそれからアルコール専売も九五%で余り違わないんです。そうすればね、同じくらいの価格のものができてしかるべきじゃないかと。むしろ調整用の変性アルコールに直すだけ一つ手間かけでいるんですから、アルコール専売の方がね。それにこれだけの開きがあって、どうしてそこが大蔵省の方はそんなにかかるというふうにして認めているのか。
  213. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) くどいようでございますが、私どもは値段の承認とかそういった行政監督はしてないわけでございます。これは通産省の万の御所管になろうと思いますが、専売アルコールの値段との格差は、これはいろいろな事情がございますけれども、たとえば原価の配分等につきまして、やはり企業体自体で負担する原価と、そうでない部分で計算することが可能である原価というものが、あるいはこの専売事業といいますか特別会計事業ではあり得るのではないか、そういった面がやはり値段の差に反映している面も若干はあろうと思います。
  214. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 長官、いまお聞きのとおり国営でやることが何でもコスト高になるような一般的な印象は間違いだと、やはりちゃんと企業努力をしながら民間よりも安く、同じようなものなんですよ、出している国営企業があるということについてひとつ、何でも民営だからいいということでないという認識を持っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。物価の面からこれだけ、現在専売用のアルコールは建て値二十一万七千円です。それからいま六千円リベート出したと言いますけれども、民間でつくっている酒類用のアルコール、同じアルコールです、三十万三千三百円、これだけ開きがあるんですよ。しかもこの専売はこれで黒字決算しているんです。ちょっとぼり過ぎだと思いませんか。
  215. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) せっかくのお尋ねでございますが、私どもは先ほど申し上げましたように、アルコール専売事業につきましては、通産省から協議を受けまして価格形成にいろいろの考え方を申し述べさしていただいておるわけでございますが、その余のものにつきましては市場メカニズムに基づいて決められるという考え方でおります。一般的に先ほど先生からの税の持つ物価への影響その他につきましての御見解にも絡みまして申し上げますが、私どもといたしますと、価格といいますか、物価はきわめて公正な市場で競争場裏で決められるというのが原則であるという考え方を持っておりまして、今回の経済総合対策におきましても独禁法に言及するという一項目を挙げておりますが、そういう中ですべての価格が形成されてくるというふうに考え、またそういう環境がつくられなければいけないというふうに思っておるわけでございます。
  216. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 たとえば今度の増税によって一律各社が一カ月なら一カ月ぐらい違えてそれぞれ税が上がったからといってずらずらずらっと価格を上げてくると、こういうのは独禁法には抵触しないですか。これは具体的な問題じゃないので、概念としてそういう可能性はないですか。ちょっとそれじゃおわかりにならぬければ、たとえば実際の原価は税が上がったぐらいなことは問題なく内部で整理できる程度のことであるにもかかわらず、それを理由に業界が一斉値上げをしたというふうな場合はどうですか。
  217. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 酒類の価格でございますので私どもの方からお答えさしていただきますが、増税法案は成立はいたしましたが、公布、施行はまだの段階でございます。したがいまして個々の酒類の価格につきましては、先ほど物価局長からお答えございましたように、各企業が検討して市場の状況等を判定してそうしてそれを決めるというのがたてまえでございます。したがいまして、各企業から具体的な報告は私どもまだ受けていないわけでございますが、増税後の酒類の価格が不当な値上げとならないように実はこの三月二十七日付の文書で私ども酒類業関係団体に対しまして文書で要請をいたしたところでございます。今後そういったことにならないように、国税局、税務署を通じましてやってまいりたいというふうに心得ておるわけでございますが、いずれにしても増税によります価格の上昇、これは酒税法上の間接税でございますので、価格の転嫁というものは一応予定いたしておるということがございます。  それから増税に伴う価格の改定は物価値上げではないというようなことも、あるいは強弁かもしれませんが、そういった御判断も一部にあろうか、と申しますのは、これは一回限りの価格の上昇でありまして、波及効果等につきましては、私どもの考え方からいたしますと税の上昇であって値段の上昇ではないと申しますか、同じ性格のものでは少なくともないのではないかというような考えを持っておりますが、いずれにいたしましても価格改定役私どもといたしましては具体的に速やかにこれを把握するという体制は十分整えてまいる所存でございます。
  218. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 先ほどの御答弁少し補足をさせていただきますが、今回酒税の増税が行われるわけでございますが、私どもといたしますと、この増税に便乗して値上げがあるというのを一番やはり恐れております。そういう便乗値上げはいろいろの意味で悪い影響を及ぼしますし、また波及効果も及ぼしますので、先ほど国税庁の御答弁の中にもございましたですが、国税庁の方にもお願いをいたしまして、その辺の増税に便乗をして値上げをするというようなことの万ないようによろしく御指導方をお願いするというふうにお願いをしておる次第でございます。
  219. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 聞いておりますと、物価局、経済企画庁としては、酒の問題についてはもうあれですか、聖域で口は出せないということですか、いまの何か答弁聞いていますとね。
  220. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 酒に限りませず、先ほど申し上げましたように、公正な競争の行われます市場で適正に価格が形成されるということを期待しておるところでございまして、酒の税金が上がりますと、税だけで言いますと小売価格が増税相当額だけ上昇するということは酒税の性格から見てやむを得ないことだとは思っておりますけれども、便乗値上げというのがあっては困るということで、そこはまた特にお願いをしておるというわけでございまして、一般的には最初からお答えいたしておりますとおり市場原理で決定されるのを期待しておるわけでございます。
  221. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 公取に独禁法の関係でちょっとお伺いしたいんですが、税金が上がったと、だからこれはその分上げるのだということで業界が一斉に値上げをするというふうな場合には、独禁法に抵触するようなおそれないですか。
  222. 相場照美

    ○説明員(相場照美君) お答えいたします。  税金が上がりまして個々の事業者がみずからの判断で値上げなさるということについては、一向に独禁法の関知するところではないわけでございますが、ただそういったことを契機にいたされまして事業者間で共同謀議とでも申しますか談合とでも申しますか、お互いに話し合って上げられるということになりますと、一般論としては独禁法に抵触するおそれもあろうかというふうに考えております。
  223. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 特に酒類のメーカーの中には数社で寡占体制の業界がございますね。これらが風聞するところこういう話があるので実は私心配しているんです。突如として増税に反対していた人たちがみんな賛成に踏み切ったんです。実は唖然としたんです。その裏で、六十四円の税だったら、その四円は端数切り上げで十円上げてもいい、一円でも十円上げてもいい、八円でも十円上げてもいいと端数切り上げということの話がついたので、そうすればまあまあ税が上がることによって酒の値段も税プラス何がしかを上げられるという形で賛成に回ったという風聞があるんです。そういうことになると、これは非常に物価に及ぼす影響が心理的に大きいんです。それで実はそういうあれは公取の方では聞いたことございませんか、どうなんです。
  224. 相場照美

    ○説明員(相場照美君) いままでそういった事実を聞いたことございません。
  225. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 これはもちろん聞いてないでしょうね。
  226. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) くどいようでございますが、たとえばビールで申しますと、現在小売価格が天びん一本当たり二百四十円でございますが、税金額はそのうち百一円九十七銭ということでございまして、今回成立いただきましたこの酒税法では二十四円何ぼという増税額になるわけでございます。したがいまして、これを合計いたしますと二百六十四円七十八銭ということになるわけですが、市場の慣行、酒類業界のあるいは消費者への流通界の慣行といたしましては、たとえばビールの値段は五円刻みということになるわけでございまして、したがいまして値決めは恐らく私ども現在予想しておりますのは二百四十円から二百六十五円というところ以外にないと思います。そうしますと、御指摘の端数は三十一銭ということでございますが、これはやはり値決めをいたします関係上二百六十五円が二百六十四円になってもこれが決まりませんし、ということでございます。これ二百六十六円になるということはあり得ないと私どもは考えております。そういたしますと、やはり端数が出るというのは、これは商品でございますので値決めをする際にはやむを得ない面がございます。  それに加えまして御理解をいただきたいと思いますのは、最近の酒類の状況はかなり需要が伸び悩む状況が続いておりまして、消費の状況等もやはりことしの後半あたりには物価が安定すればこの個人消費の伸びに伴って明るい面もあろうかと思いますが、現状で判断する限りはかなり流通面も苦しい状況にございます。したがいましてたとえばビールで申しますと、二十四円数十銭という増税額が決まりますと、これに伴う金利負担等流通界に直接負担が出てくるわけでございまして、これはやはりそれにつきましてある程度の配慮をしながらこの端数というのをごらんいただいて、全体的にこの酒税の転嫁を図っていくということが必要なのではないか。そういう面につきましてはやはり消費者の皆さん方には御理解をいただきたいということで私ども今後も十分努力してまいるつもりでございますが、そういったような環境に実はございますわけですので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
  227. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 ビールその他につきましては、すでにそのことを予測して、昨年値上げするときから話があったということを聞いているんですがね、どうなんです。だから去年もさきに上げといた、去年上がりましたね。どうなんですか、その辺は。
  228. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 昨年の春に値上げがございましたが、その際にはやはり物価当局とも十分御相談を申し上げまして全体の物価情勢からアクセプダブルな線ということで私どももこの業界を指導する一助といたしたわけでございますが、反面やはり原因となりますのでコスト事情、人件費の上昇あるいはびん代その他の輸送費のアップとかガソリン代のアップ、そういったものが重なりましてかなりコスト状況が厳しい時代が続いておったわけでございます。それを背景にいたしまして昨年は価格の改定があったと、こういうことでございまして、御指摘のような税制改正についての要素を勘案したというようなことは当然ございません。
  229. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 物価局長ね、去年上げたときから来年は今度は税金上がるんだと、ずっと業界に流れたんです。その段階から実はぼくは物価局というのはやはり大蔵省には弱いのかな、全然そういうことに対するチェック機能はないのかなというふうに考えてたんですが、このIQとかなんとか品目の中には入っていませんわね。入ってなくても酒なんというのは大きな問題だから、酒の値段が上がったというのは心理的に非常に大きな影響を国民に及ぼすんです。これらはやっぱり十分物価局として監視をしてもらわなきゃならぬと思うんですが、いかがなものなんでしょうね。
  230. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 酒税が上がるあるいは酒の値段が上がるということが物価に大きな影響を及ぼすということは御説のとおりでございます。私どもはそういう点は十分に心得てやらなければいけないと思っております。また酒税が上がるというときに、先ほどもお答えをいたしましたですが、これに便乗していろいろ上がってくるということじゃこれは困るわけでございますので、そういうこともないようにしなければいけないということで国税庁の方にもお願いいたしておるわけでございますし、さらに私どもの物価全体の監視機構といたしますとすればいろいろ関係の省庁の中央及び地方の組織あるいは地方公共団体でのモニターの組織といったものもございますし、企画庁から委嘱いたしておりますモニターといったようなものがございまして、そういう組織を通じましてやっぱり便乗であるとかいろいろ不当な値上げが行われないような監視体制は十分とっていかなければいけないし、とっていくように努力しているところでございます。
  231. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 物価局長ね、いまビールの値段の話が出ましたが、おたくは〇・一二%とか〇・一八%とか言っていますでしょう。しかし、国民の受ける感じは、四十円が六十五円になったら、ビール二百四十円ですか、それが二百六十五円になったと、これは〇・一八%の影響力だというふうに感じますか。どうです。
  232. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 先ほど申し上げましたのは、税額がそのまま転嫁されるとした場合に全体で〇・一八%の寄与度がある、こういうことで申し上げたわけでございまして、その受けとめ方というものはやはりそれぞれ日常の家庭生活を賄う上ではこれだけの値段が上がった、値段が上がったというふうな受けとめ方をいたしますと、やはりそれがそれなりの影響といいますか、物価が上がったということを感ずるわけでございまして、われわれはそこを、ほかのものに及ばないような、あるいは全体の市場の中で物価が余り上がらないような努力をしなければいけない、こう考えているわけでございます。
  233. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 問題はここのところなんですがね。国会の答弁で〇・一八%でコップ一杯で何ぼだなんて話をされましても、二百四十円のビールが二百六十五円になれば一杯飲み屋さんの値段だってぐっと上がっていくんですよ。二百四十円が二百六十五円に、またこれは確定したものでないですが、おおよそそういうことになるんでしょう、いまの間税部長さんの話を聞いていてもね。行政指導でその程度やむを得ないということになると思うんです。いや、これは〇・一八%しか影響ないですよということになりますか、国民に対して。そこに増税のもたらす物価への波及的な影響力というものは非常に大変なものがあるということをひとつしっかり認識していただかないと物価問題困るんですよ。
  234. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 先ほど申し上げました〇・二%程度といいますのは、数字の上ではじいてこうなっていると申し上げたのは御案内のとおりでございます。  それからまた先生が御指摘になりますように、実際の物でこれがこれだけ上がったということの影響は、それはそれで大きな意味があるわけでございますから、その辺は十分に踏まえて物価行政というのをやらなければいけないと思っております。
  235. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 長官、増税の物価に及ぼす影響、冒頭の〇・一八%という、何といいますか、理論的な数字で言われても、ああそんなものかなと思うかもしらぬですが、ビールが二百四十円から二百六十五円に税金で上がりましたと、国民的な認識としては〇・一八%でございますという答弁で納得できませんでしょう。もっと大きな影響力があるということをひとつ長官も十分認識していただかないと困るんです。
  236. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 主食であるとか酒であるとか、こういうものの値上げをいたします場合には、やはり一番心配なのは便乗値上げであります。そこで先ほどから物価局長が、便乗値上げが起こらないようによほど気をつけてやる必要があるということを言っておりますが、この点はしっかり気をつけていきたいと思います。
  237. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 便乗値上げではないんですよ。いまの御説明がありましたように、一本二百四十円のビールが二百六十五円までは便乗値上げではないという判断を大蔵は持っているんです。そうすると、二百六十五円になった、〇・一八%というような値上げの感情を国民は持ちますか。そこのところの乖離、要するに数字上で大したことない、大したことないというのと、国民生活の実感として受けとめる増税の物価に及ぼす影響というのを、受けとめ方の違いをひとつ認識していただきたいと思う。
  238. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 約〇・二%の上昇ということですが、これは私は非常に大きな問題だと思います。そんなに小さな数字ではないと思います。これはもう非常に大きな数字だと思っております。さらに、その上に便乗値上げが加わると、これは大変なことになると、こういうことでございます。
  239. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 セールが約一〇%値上がりしても便乗値上げでないんですよ。〇・二というふうな数字とは大分違っただけ今度の増税によって上がるんです、便乗値上げでなく。そうすると、国民生活に一番密着しているような物資が〇・二なんというものとはもうけた違いな形で、便乗値上げでなく上がっていく。これを何というか、トータルの中で〇・二だから大したことないというふうな国会の御答弁がずっと大蔵からもいろいろと続いておりますけれどもね、そんなことじゃないんだという、増税の及ぼす影響は物価に及ぼす心理的な影響だけでなく、現実にこれなんかそうなんですから、これに対する認識を持っていただかないとちょっと……。
  240. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 計算上はやはり〇・二になるんだと思いますね。これは一応全部このまま値上げが行われたとしても。しかし、私の言っておるのは、〇・二でもこれは非常に大きな数字で、物価政策上これはもう大変なことだと、こう思っておるわけです。しかも、そこへそれ以外の便乗値上げがあるということになりますと、これはもう大変困りますので、そういうことのないようにやっていきたいと、こういうことでございます。
  241. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 ですからビールは便乗値上げでなく、二百四十円が二百六十五円になると言っているんですよ。
  242. 廣江運弘

    ○政府委員(廣江運弘君) 先生の御質問は、酒税の値上げに際しまして流通経費等が若干端数処理というような形で見られる、そういうことは酒税が上がることに伴う物価の押し上げ要因以外であるんだから、その辺を十分認識しろと、こういう御質問だと思います。  私どもは、酒税その他税の引き上げが物価に及ぼします影響は、先ほど長官もお答えいたしましたように、それぞれ重大であると考えております。またそれに付随をして、ある意味での価格の引き上げというのが起こるということも重大だと思っております。ただしかし、実態から見ますと、やはりいろいろの価格形成の中には――価格形成自体は自由市場で形成されるわけでございますけれども、流通経費が税の引き上げによってどうしてもかさ上げせざるを得ないといったようなものがあるということ、あるいは端数の関係で、現在の経済取引の段階で円刻みでどうかといったような問題もあるということも全然理解できないわけではないわけでございますので、まあその辺も踏まえて、いろいろ増税の持ちます影響というものは十分に認識して、これからも気を引き締めてやっていかなけりゃいけないと、こういうふうに思っております。
  243. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 その点ひとつ、〇・二でも大変だと大臣言っておられますけどね、〇・二なんだというふうな認識と大分国民の増税によるところの物価押し上げの認識とには開きがあるので、そこのところ十分気をつけていただきたいと思うのです。やっぱり物価問題を論議する場合には、私は原価、コストだと思うのです。ところが、それがどうもいまの物価の論点から外れているのです。たとえば酒の段階だけ言いましても、ビールの業界はビールばっかり税金をしようというんです。じゃあコストどうなんだと。ずいぶん安いコストのものを出しているからできるんです。コストの高い方、たとえば清酒なんかの場合、いい酒つくろうと思えばコストが高くなる、こういう表現なんです。ですから、やはり物価の問題はコストから、それでないと三十万のアルコールが高いか安いかということにもならないんです。  コストの面から物価問題というものを掘り下げなきゃならないと思うのですが、その点については非常に最近のことであれなんですが、お酒に税金の額を入れている酒が出てきたんです。これは公取の表示の関係――これは表示法違反にはなりませんね、どうですか。
  244. 波光巖

    ○説明員(波光巖君) 景表法違反にはなりません。
  245. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 大変これで不合理なことは、原価がないことなんです。税金だけしか出てないんですよ。そうすると、安い原価の原料でつくっている酒類については、これはうんとこういう形で宣伝したいことになるのです。こんなに税金払っているのです。しかし、わりと原価の高い原料を使っている酒類のメーカーにしてみれば、やはりそれは原価が高いんだということで税が安い、これが今度は打ち出せないということになるのです。この点については国税庁当局、何らかのここら辺についての行政指導をきちっとやってもらわぬと、わり食うところはわり食うことになるのですよ。
  246. 小泉忠之

    ○政府委員(小泉忠之君) 御指摘の点につきましては、酒類に表示すべき事項一般にかかわる問題でございまして、それにつきましては現在酒団法という、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律というものがございまして、それの八十六条の五で表示義務事項というものを実は定めております。七項目くらいございますが、たとえば製造者の氏名、住所あるいは製造場所在地名、それから紋別あるいはアルコール度数その他の事項等がございますが、これは表示義務事項になっておりまして、違反すれば十万円の罰金ということでこれは決まっておるわけでございますが、先ほど公正取引委員会からお答えございました景表法の表示規約の問題、これはやはり業界で自主的に行う問題でございますが、公正取引委員会で景表法に基づきまして御認定を受けました範囲で、必要な表示事項というのもあわせて定めております。その両者が現在その表示について表示すべき必要あるいは義務的事項でございまして、それ以外の事項を表示するかどうかということは各製造者の自主的な判断というものが基本になるわけでございます。  そこで、御指摘の生産者価格あるいは製造原価の表示につきましては、これは酒類の価格につきましては非常に御指摘ございましたように、取引内容によって異なるわけでございまして、そこでたとえば正確に計算できない企業も、実は大変企業の数が多いということで、そういった事情もございます。それから、消費者の方々に無用な誤解を与えるというようなことのないように、というようなことも配慮する必要があろうかと思いますが、いずれにいたしましても表示する限りは、それが正確である場合には、これは何ら差し支えないということになるわけでございまして、これがやはり義務的事項あるいは必要表示事項で行うというようなことはいかがかというような考えでございます。
  247. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 時間がありませんので、いまのは多少問題がありますけれども、きょうはこれでやめておきます。
  248. 和田静夫

    ○主査(和田静夫君) 以上をもちまして経済企画庁所管に対する質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時九分散会      ―――――・―――――