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1981-06-01 第94回国会 参議院 外務委員会、内閣委員会、安全保障特別委員会連合審査会 1号 公式Web版

  1. 昭和五十六年六月一日(月曜日)    午前十時開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。    外務委員会     委員長         秦野  章君     理 事                 稲嶺 一郎君                 大鷹 淑子君                 松前 達郎君                 渋谷 邦彦君     委 員                 中村 啓一君                 夏目 忠雄君                 鳩山威一郎君                 町村 金五君                 田中寿美子君                 戸叶  武岩                 立木  洋君                 木島 則夫君                 喜屋武眞榮君    内閣委員会     委員長         林  ゆう君     理 事                 藏内 修治君                 竹内  潔君                 矢田部 理君     委 員                 板垣  正君                 岡田  広君                 源田  実君                 中西 一郎君                 林  寛子君                 桧垣徳太郎君                 堀江 正夫君                 片岡 勝治君                 野田  哲君                 山崎  昇君                 中尾 辰義君                 峯山 昭範君                 安武 洋子君                 柄谷 道一君                 秦   豊君    安全保障特別委員会     委員長         原 文兵衛君     理 事                 衛藤征士郎君                 堀江 正夫君                 桑名 義治君                 上田耕一郎君                 柳澤 錬造君     委 員                 板垣  正君                 江島  淳君                 大島 友治君                 梶原  清君                 源田  実君                 高木 正明君                 戸塚 進也君                 夏目 忠雄君                 成相 善十君                 村上 正邦君                 志苫  裕君                 瀬谷 英行君                 寺田 熊雄君                 野田  哲君                 矢田部 理君                 黒柳  明君                 渋谷 邦彦君                 秦   豊君    国務大臣        内閣総理大臣   鈴木 善幸君        外 務 大 臣  園田  直君        労 働 大 臣  藤尾 正行君        国 務 大 臣        (内閣官房長        官)       宮澤 喜一君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  大村 襄治君        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       中川 一郎君    政府委員        内閣法制局長官  角田禮次郎君        内閣法制局第一        部長       味村  治君        内閣総理大臣官        房広報室長        兼内閣官房内閣        広報室長     小野佐千夫君        防衛庁参事官   岡崎 久彦君        防衛庁参事官   石崎  昭君        防衛庁参事官   上野 隆史君        防衛庁参事官   番匠 敦彦君        防衛庁長官官房        長        夏目 晴雄君        防衛庁長官官房        防衛審議官    西廣 整輝君        防衛庁防衛局長  塩田  章君        防衛庁経理局長  吉野  実君        防衛施設庁総務        部長       森山  武君        外務省アジア局        長        木内 昭胤君        外務省北米局長  淺尾新一郎君        外務省欧亜局長  武藤 利昭君        外務省条約局長  伊達 宗起君        外務省国際連合        局長       賀陽 治憲君        農林水産大臣官        房長       渡邊 五郎君        水産庁長官    今村 宣夫君        通商産業省基礎        産業局長     小松 国男君    事務局側        常任委員会専門        員        山木 義彰君        常任委員会専門        員        鈴木 源三君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件 ○外交及び安全保障に関する件     ―――――――――――――    〔外務委員長秦野章君委員長席に着く〕
  2. 秦野章

    ○委員長(秦野章君) ただいまから外務委員会、内閣委員会、安全保障特別委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。  外交及び安全保障に関する件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 中西一郎

    ○中西一郎君 本論に入ります前に、トピックスにかかわるのですけれども、一つは、バングラデシュにおきましてジアウル・ラーマン大統領の暗殺事件という突発事故がございました。まず、心から弔意を表したいのでございます。  それに関係しまして、今後の向こうの政情といいますか、あるいは治安、親日的な国でございますし、外交政策上いろんな配慮がこれからなされなければならないのではないかというようなことが問題になろうかと思います。また、初代のムジブル・ラーマン大統領の娘さんですか、ハシナ・ワセド女史が逮捕された。政治関係は非常に複雑な様相を呈しておるようでございますが、その辺について大使館から何か通報があったかどうか、外務大臣の現在の御所見、さらに在留邦人の安否も気遣われるのでにないかと思いますので、そういった点について外務大臣からお考えを伺いたいと思います。
  4. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 大体は新聞報道がございます。それ以外のものをお答えをいたします。  大体今度の反乱の原因というのは、いろいろ言われておりますが、チッタゴンの軍司令官が参謀総長からチッタゴン地方軍司令官に左遷をされた。この後ますます自分の地位が下げられていくのじゃないかということも一つの大きな原因のようであります。そこで、全般的に申しますと、各国の論評、わが方も、反乱軍の万有利ならず、大体追い込められたかっこうではありますものの、すでに最後通牒の時間が来ておりますが、政府軍はそれと同時に実力行使に出るということも避けつつ慎重にこれを収拾しようといたしております。  なおまた、インド初め近隣諸国は、これに対してはきわめて中立的な態度をとっております。というのは、一つはやはりいまの政府軍が大体反乱軍を抑えるのではなかろうかという見通しもあるかと存じます。  かつまた、前大統領のお嬢さんがインド人と結婚しておりましたが、これが呼び返されて一つの野党の代表者となっていろいろ現政権に対する攻撃をやっておったわけでありますが、今度の騒動、反乱については特別の動きはないようでございます。  それから、邦人でございますが、邦人のうち海外青年協力隊七名はちょうど都会の方に出張しておりましてこれは無事でおりますが、いまのチッタゴンの方に残った二十数名がおられますので、これは特別に現政府に留意されるよう、特に実力行為の場合にはこれを念頭に置かれてやられるよう、かつまた、NHKの放送を通じて邦人その他に呼びかけをやって万全を期しておるところでございます。
  5. 中西一郎

    ○中西一郎君 次は、これもトピックスに類することでございますが、日昇丸の当て逃げ事件、ポラリス型原潜ジョージ・ワシントンですか、あの事件についてアメリカの方で、これはアメリカ自身の対応、自分自身の問題だとは思いますが、原潜艦長の資格を剥脱したというようなニュースが伝わっております。そういったことについていろいろ世間を騒がし、日本の中でいろいろと対米関係が悪くなるのじゃないかというような心配の向きもあった。アメリカの方で同時にそういう解決をしたということを評価するのでございますが、外務大臣としてどういうふうに思われますか、簡単で結構でございますが。あるいは北米局長でも結構です。
  6. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) ジョージ・ワシントン号の艦長及び当直士官についての懲戒処分については、三十日に在京アメリカ大使館から外務省に通報がございました。内容は、ジョージ・ワシントン号艦長及び当直士官が懲戒処分に付された。第二点は、この処分は第七艦隊司令官による措置であり、この処分で十分なのか、あるいは今後さらに軍法会議に付されるかどうか、そういう判断については上部機関の判断による。さらに第三点として、こういう処分が行われたわけでございますけれども、それでは最終事故調査がいつ行われ、いつ公表されるかということについては、現在の時点では不明である。以上の点について在京アメリカ大使館からわが方に通報がございました。  アメリカ側としてはすでに本件についてアメリカ側の責任を認めておりまして、今回もその点で艦長あるいは当直士官についての処分を行ったということは、アメリカ側が本件について非常に厳正な態度で臨んでいるということで、私たちとしてはこれを評価しているわけでございます。
  7. 中西一郎

    ○中西一郎君 さて、きょうの本論に入っていくわけでございますが、前提といいますか、基本的な物の考え方から入っていきたいと思うのです。英語で言うとイントロダクションになるのですけれども、ライシャワーの言った意味のイントロダクションという意味ではなしに、序論といいますか、総論といったそういう意味で、まずこれは総理に伺いたい。少し前置きが長くなりますが聞いていただきたいと思うのです。  実は、最近日本には数多くの政治課題がございます。いっぱいあります。そういった諸問題の根底にひそんでおるものといいますか、潜在的な最も根底にある中心的な課題、一体それは何なんだろうか。そのことを解決しないままで、いろいろ出てくる現象面をとらえて議論をするのも意味はあるのですけれども、しかしそれ以上に大事な問題が横に置かれておるのではないかという気がいたすのです。これからワインバーガーと大村長官、あるいは欧州へ総理もお立ちになる、南北サミットもある、カナダもあるというようなこともその一環とかかわりがあるのではないか。基本的な問題とかかわりがあるのではないか。また国内的にはいまシーリングが、きょうの新聞に出ていますが、財政、来年の予算の問題、福祉だとか文教だとか農林水産関係、防衛あるいは技術振興、いろんな問題がたくさんありますが、その根底の問題の認識をきちっとしておかないと余り変わりばえのない政治、行政が惰性のようにこれからは続いていく。そして、ある時期大きな壁に当たってしまうのじゃないかというような感じもいたします。それは何かといいますと、日本の国論が見えないところ、あるいは聞こえないところで二分しておるのじゃないか。断層がある。その断層について日本人一般といいますか、与党も含めて言っていいんでしょう。与党の一部と言っておいた方がいいのかもしれません。野党と言うと失礼かもわかりませんが、各政党、評論家、そういった方々もその見えないところ、あるいは気づかないところ、気づいておるのかもしれませんが、あえて気づかないふりもするかもしれない。  何かと、端的に申し上げますが、一つは二分する場合に保守と革新というふうに分けられます。これは通常の分け方、そして何党が保守で何党が革新だと、こう言う。で、また右だ、左だと、こう分ける。それがさらにタカ派だとかハト派だとかというふうに分ける。これは目に見えるところのいわば断層ではないか。  ところで、私が申し上げたいことは、プロアメリカといいますか、親米あるいは反米、そういった点での物の分け方がどうもあいまいになっているような感じがする。それからそれを言葉変えて言いますと、少し極端な言い方かもしれませんが、アメリカ依存型の幼児的心情、子供あるいは幼児の母親に対する何といいますか、何を言ってもいい、どんなに甘えてもいいんだといったような心情のグループ。それとこれは数が少ないような感じがするのですけれども、乳離れをしたい、アメリカの手のひらからは離れたい。日本人なりに、日本民族としてそれ相当の自主性といいますか、主体性といいますか、要するに、はっきりした意味での自立、そういうものを目指すべきではないか。その二つがどうもあいまいになっておるような感じがいたすのでございます。  その幼児的心情というのがどうでしょう、こう言うと失礼かもわかりませんが、与党の中にも相当根強く残っている。同時に、野党さんのことを言わない方がいいかもわかりませんが、あえて言わしていただければ、やはり三十年間のなれといいますか、本当に空気か水かのようにそういうものがしみ込んでおって、その上でアメリカに対して言いたいほうだいを言って、何といいますか、けさのテレビもやっていましたが、少年から青年期にかけての若い人、母親に対して木刀を持って打ちかかっていく。お母さんがびっくりして街頭へ飛び出して逃げ回るというような光景をけさやっていましたが、何か似たようなところがあるのじゃないかという感じがする。  ところで、アメリカが一体そういった事態に対してどう感じておるかということになると、相当じれったがっておるのじゃないか、いらいらしている点もあるのじゃないかというふうに思います。そのことはちょっと長くなるのですけれども、十分時間をいただいておりますのであえて申し上げますが、占領憲法、アメリカがつくったと言われている、そのとおりだと思う。そのせいだとも言える。占領憲法がずっと続いていますし、改憲なんというのはなかなかむずかしい。そのことにどっぷりつかっている。しかも、駐留米軍がいてくれる。何にも自衛隊を強化しなくたってアメリカが守ってくれるのじゃないですかというのが、おおむね日本人の多くの常識じゃないかという感じがする。安保条約がその背景にあると。  ところが、いま申し上げたように改憲はむずかしいし、安保条約はいまのままでいきますと皆さんがおっしゃるし、アメリカも行政府はそう言う。米軍の数は少し十年前から見ると大分減ってきておるようです。最近はまた少し減ったというニュースもございます。が、米軍は相当な勢力をもって日本並びに周辺に送ってくれておるんだという安心感といいますか、日本が何も自分でごそごそしなくたっていいじゃないか。そういうことを考えますと、これはちょっと説明がしにくいのですけれども、防衛力の整備というのと防衛力の無用論というのがある。で、両方とも何かこうその前提に平和といいますか、アメリカがおってくれるというような前提があると議論が本筋にのってこないのじゃないかというふうに私は思います。  そこで、それはもう前置きで、聞いておっていただくだけで結構です。総理に伺いたいのは、その甘えの心情、精神構造、おんぶにだっこの幼児的心理といいますか、それをそのままにしておいて、日本の将来はいいのだろうかということが一点。  それからもう一つは、アメリカの空気といいますか、レーガンが大勝して、そしてその後の予算編成あるいは防衛予算、国防予算ですか、なんかにあらわれておりますが、総じて、きざなようですが、向こうの言っておる言葉そのとおり言いますと、ノット・イン・ピース、平和な状態ではないという認識がアメリカにはある。ところが、日本の方はそうでなくてイン・ピース、平和なんだと、こういう前提が浸透している。そこで私思うのですけれども、戦前いろいろな経験をした方もたくさんおられる。われわれもそうでございますが、これからの危機というものは、そう長い時間かかってじわじわと押し寄せてくるというようなものでなしに、相当短い期間に何かの前提条件が具備されたときに突然来る。そういうのがこれからの危機の実体ではないかという気がいたすんです。で、そういうことを考えますと、ノット・イン・ピースかイン・ピースかというようなことをあえて申し上げた理由もここにあるのですけれども、備えの気持ち、何か起こったときに対応はできているんだ。諸外国、スイスの例やスウェーデンの例、あるいはソ連、アメリカ、それぞれいろいろな意味で備えをやっておりますが、日本ではその備えというのがほとんどない。後でいろいろな点について触れたいと思います。それが第二点。  それから第三点は、みずからはみずから守るという防衛意識です。これが国民の間に定着しておると、世論調査はそうだという説もあるのですけれども、大村長官、大変御苦労なさってまするが、何といいますか、心配をしておる多くの人たちの期待に沿えるような予算編成というのはなかなか困難である。その理由も国民の意識構造の中にあるのかもしれないということは、その危機が世界的ないろいろな情勢把握、そういったものが十分でないからそうなっているのじゃないかと。あるいはPRが足りないのかもしれない。その辺です。  総理、大変回答はむずかしいと思うのですけれども、重要な問題だと思いますので、総理から、まず冒頭、御所見をお聞きしたいと思うのでございます。
  8. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) まず国際情勢、これをどのように認識をし、それに対してわが国としてどのように対応をしていかなければならないか、こういう点からお話を申し上げたいと思うのでありますが、国際政治情勢等を見てまいります場合に、私は、相当国際社会は多事多端である、厳しいと、このように端的に受けとめておるわけでございます。  ソ連が近年軍事力を逐次増強をしてまいりまして、アフガニスタンに対する軍事介入に見られるように、その力を背景として第三世界等にも浸透をしておる。また、極東、アジアに対しましても、極東軍の増強でありますとか、あるいはインドシナ半島におけるダナン、カムラン湾に対する基地の使用であるとか、あるいは北方四島に対する軍事施設の構築であるとか、そういう客観的な事態、私どもはこれを慎重に見ておるわけでございますが、そういうような状況の中において今後の世界の平和と安定を確保してまいりますためには、西側民主主義諸国が連帯と協調を強めて、そして世界の平和のために国力、国情に応じてこれに協力し対応していくということがまず必要であろう、これが第一点でございます。  それから第二の点は、第一次、第二次の石油危機以来世界経済は大変困難な状況下にあるわけでございます。失業、そしてインフレーション、国際収支の不均衡、悪化、そういうような非常にむずかしい問題を抱えております。特に自由陣営の中におきましても、それ自体の中におきましても経済が苦しくなる、失業者をたくさん抱えるようになるということになりますと、とかく保護貿易主義的な方向に移ろうとする。ガット体制が危機に瀕する。自由貿易体制というものが今日非常なむずかしい局面になってきておるわけでございます。これでは縮小均衡の方向に相なるわけでございまして、失業問題あるいは世界経済の発展というようなことも解決できないのではないか。特に非産油発展途上国のこの経済的な苦境、そしてそれから来るところの社会不安、こういう問題を抱えておるわけであります。こういう中におきまして、先進工業諸国、自由陣営の国々としてどのようにこの世界経済の中で貢献をし寄与していくかという問題が一つあると思います。  それから、そういう中におきまして日本がどのようにこれに対応するかという問題でありますが、私は、日本はみずからの国はみずから守る、専守防衛、日本の防衛ということはこれは基本的な防衛政策がございます。憲法の枠内において、これをみずからの役割りとして、使命として達成をしなければならない。防衛計画の大綱の水準にできるだけ早く防衛努力を進めていくということでありますが、しかし、日本は憲法また基本的防衛政策によりまして、個別自衛権は持っておりますが、集団自衛権、集団的自衛権というようなことは憲法上許されない。でありますから、厳しい国際情勢の中におきましても、日本は軍事的にみずからを守る以外に国際のために力を日本に求められてもそれはできないことでございます。そこで、日本としては、政治的あるいはその持てる経済力をもって世界の平和と繁栄に貢献をしていく、平和へのコストを、日本としても国力、国情にふさわしい役割りを果たしていく必要がある、私はこのように考えるわけでございます。  私どもは鈴木内閣が発足いたしましてから総合安全保障政策というものを提唱いたしまして、そして自衛のための防衛力の整備だけでは日本の平和と安全は確保できないということで、その他のエネルギーの問題でありますとか、食糧の問題でありますとか、そういう政策を整合性をもってこれを進めていく、総合安全保障政策を私は進めておるわけであります。  また、さらに日米首脳会談におきましても、これはさらに国際的にもそういうことでなければいけない、日本のような軍事的には他に向かってどうこうできない国、こういう国は、やはり経済的あるいは技術的あるいは学術文化の面、そういうような面で国際平和に貢献をする、こういうことをやっていかなければいけないと、こういうことを私はレーガン大統領にも率直に話をしてまいったような次第でございます。  中西さんの御質問に対し、非常に広範な御質問でございましたが、そのように分析をいたしまして、私、御答弁を申し上げた次第でございます。
  9. 中西一郎

    ○中西一郎君 次の問題に移りますが、その前に、日本人全体の気構えについて申し上げ総理の御答弁をいただきました。何か勘違いをして、自分だけがいい子であるような気持ちになって、いい子であり続けたいと思ってそれをずっと続けておると、ある時期になって世界じゅうから袋だたきになる。小学生、中学生でも、いい子でいたいと、いい子ばかりで勉強もよくできるというようなことで仲間外れになっているとやられちゃう、そんなようなことが日本に対してあっては大変困るということを申し上げて、次の問題に移ります。  これは北米局長さんですが、ジョン・フォスター・ダレスですか、三十年前の安保ができたときもうすでに、アメリカの下院の聴聞会か何か秘密会議だったらしいですが、日本が力がついたならば日本は自分で守るべきであり、また憲法も改正すべきなんだ、ただ乗りは許さないんだということを言っておると。これはことしの何月ごろだったですか新聞に出ました。ダレスで言ったのは五一年の七月十一日ということになっております。それ以来ただ乗り論というのが一体どのくらい出ておるのか、いつだれがいかなる機会にどういうことを言ったかというようなことを、これは日本人は余り知らないので、そのことを項目的羅列で結構なんですけれども、北米局長さんでなくて結構です。どなたか担当課長さんおられましたらひとつちょっと早口でやっていただきたい。九十分というのは長いかと思ったらもう三十分たちましたので、ひとつできれば速記に妨げのない程度で早口にやっていただきたい。注文むずかしいかもわかりませんが、よろしくお願いします。
  10. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 早口という御注文でございますけれども、ただ乗り論という点について、いわゆるただ乗り論でございますけれども、これはアメリカ側が言っているのは議会関係者、報道関係者、労働組合関係者から折に触れて出てきているわけでございまして、まあ時代の趨勢によってその意味合いというのは差はございます。ただ、基本的にはアメリカの経済力、国力の相対的低下、その中でわが国の経済力の復興成長を背景として日本の防衛努力の強化を求めている。特に昨今はアメリカの国内において西側全体の安全保障のために米国自身がその防衛努力を強化する一方で、他の西側諸国の防衛努力の増大に対する期待が高まっていると、こういうのが概括でございます。  これから若干その典型的な例を幾つか申し上げます。  まず第一にダニエル・イノウエ議員、これが三月十日のアメリカ下院軍事委員会聴聞会においてワインバーガー長官との一問一答で出ておりますけれども、ダニエル議員はその中で、日本に関する限り制約について貴官がちょっと前に言われたことを考慮に入れて、ただいま現在の日本の計画は、核のかさの陰に座してその能力を強化するために彼らの資源を使って、われわれの経済にとって死活的に大切な自動車市場やその他一都市場からわれわれを追い出すことであると私は思っていると、これが最近の一例でございます。  それから本年の二月二十三日にドナルド・ビーズ下院議員が下院の本会議に共同決議案ということを出しまして、件名は、北大西洋条約機構関係加盟諸国及び日本が一九八一年における防衛支出の増額のためにその公約を満たすよう各国に要求することを大統領に要請するための共同決議案ということでございまして、その中でいろいろ言っておりますけれども、日本に触れているのは、日本は第二次世界大戦後世界第三位の経済大国として出現し、そのGNPは一九八〇年には九千八百億ドルに達している。他方、合衆国は一九八〇年に国民一人当たり日本の八倍以上の防衛支出を行っている。日本の政府関係者は、日本は一九八一年の防衛支出を少なくとも九・七%増大するということを言ってきている、云々ということがございまして、合衆国の予算の緊縮は多くの米国人に対し多大の財政困難をもたらしている。西側の団結の強化、われわれの共同防衛責任の公平な分担及び国際の安定を増進するために、一九八一年に国防支出の少なくとも実質三%増の誓約を満たし、または超えるよう大統領が北大西洋条約加盟国諸国及び日本に対して要求すべきであるということが議会の意向である、という共同決議案を出しております。それから二月二十六日のワシントン・スターの記事の中で、日本のただ乗り論の終えん化というバートレットという記者が書いておりますが、日本の石油の九九%が運ばれる海上輸送路を守っている米国の納税者にまでこの思いやりが及ばないことは明らかである、云々ということがございまして、最後に、米国の指導者が日本は米国の納税者に自国の防衛を背負わして繁栄をむさぼっていると声高に主張し始めれば、米国民の対日好感情に依存する日本人の安心感は急速に消え去ろうということでございまして、いろんな言い方はございますけれども、やはりアメリカの経済力の低下というのが他面にあり、他方、日本が経済的に力をつけてきている、したがって、公平な防衛の負担をしてほしいというのが最近の論調でございます。
  11. 中西一郎

    ○中西一郎君 まだまだ実はあると思うのですが、一応それで結構です。  次に、いまのお話に関係しまして、これは防衛庁長官でなくて結構でございます。アメリカの世論で、世論といいますか、いまも北米局長からお話がありました。アメリカの対日防衛協力というのは日本に対する形を変えた経済援助であると、こういう言い方がある。そう言っている。そこでこれを聞きっ放しにしておくのはいかにもおかしい、日本としては、日本人としては。いま第七艦隊のミッドウェーの話もありますが、そういう個別の問題を離れまして、四万数千人在日米軍もいる。施設費などある程度日本が負担しておる、だんだんふやしてきたと、こう言っておるのですけれども、全体としてアメリカが安保条約のもとで日本におってくれておる、そのことを金額に換算したら一体どうなんだということについてだれも聞いた人がいない。まあこれ計算しろと言うからには自分である程度計算の方法を編み出してみたいと実は思った。しかしこれは大変むずかしい。耐用年数の話もあるし、老朽化の問題もございますし、いますぐ何兆円になるんだと聞いても返事はないだろうと思う。そこで、日本が負っておるいわばアメリカのサービスですね、を金額に計算してみるおつもりはあるかないか。政府でやるのか民間機関でやるのか知りませんが、これはぜひやってもらいたいと思うのですが、防衛局長首振ってるから、あなた答弁してください。
  12. 塩田章

    ○政府委員(塩田章君) いまもお話ございましたように、実際いま米軍がおります四万五千人の持っております装備といったようなものを、もし日本が負担するとしたらどれだけになるかということは、私ども実は計算したことはございません。御指摘のように、計算するとしてもいろいろのむずかしい条件がございますので大変困難ではないかと思いますが、ただ、どういう飛行機が何機おるとか、どういう船がおるとかいうことはわかっておりますから、それを掛ける単価でやってみたらできるじゃないかということの程度であれば、それはあるいは不可能ではないかもしれませんが、少なくともいままでやったことはございません。  ただ、もう一点の方の、そういった装備品でなくて、四万五千人が駐留することに伴う人件費、物件費、要するに維持費でございますが、そういったものにつきましてはある程度わかっておりまして、アメリカの一九七七会計年度で十一億七千万ドル、七八会計年度で十三億四千万ドル、七九会計年度で約十四億ドルということがアメリカ側の予算の中で発表されておりますし、それからそれ以外にいま先生も御指摘がございました日本側が負担しておるものがございます。これもいろんな計算がございまして一概に言えませんけれども、約十億ドルというふうに言われておりますが、そういったようなことはいままである程度明らかでございますが、駐留しております装備についての計算は、非常に大ざっぱなものを何か研究してみろということであれば考えられると思いますが、いまのところそういう計算をしたことはございません。
  13. 中西一郎

    ○中西一郎君 次の問題ですが、アイザック・シャピロという前のニューヨークの日本協会の会長ですかが去年の暮れごろに、日本はそろそろ一人立ちして日米安保条約を改定して、そして米軍は、一遍にということじゃないと思いますが、だんだん撤兵していく、防衛力は日本が自前で少しずつ強化していくというような提案をしておりまして、その後日本へ来たらしい。政府要路の人にも何人か会っておるはずです。そのアイザック・シャピロが最近また五月二十八日、これは日本の新聞に出てましたが、二十七日のウォール・ストリート・ジャーナルで日米両国は一九八〇年代末までに安保条約を解消し、これは野党が喜ぶんじゃないですかね。NATOのような――ここからは喜ばないかもわからぬ。NATOのような、西太平洋条約機構、WEPTOというんですか、ウエスト・イースト・パシフィック・トリーティ・オーガナイゼーションだろうと思いますが、――を設立すべきである、こう提唱している。私は、これがアメリカ政府とか議会の意向を代弁しておるとまでは、自分は何もわかりませんから申しません。が、アイザック・シャピロが半年の間に二回同じようなことを言っておるということは、これは相当大きな意味を持って日本は受け取らなければいけないのではないか。一番初めに申し上げましたが、おんぶにだっこでいつまでいけるのかということを国民全体は、この時期、総理はヨーロッパヘ行かれる、大村さんはハワイヘ行かれる、その後国際的な行事がたくさんある、そういう時期ですから特にこれを取り上げるわけでございます。その辺について、これは北米局長さんがいいんでしょうか、外務大臣がいいんでしょうか、どちらでも結構ですけれども、そういったアメリカの動きに対してどういう御所見をお持ちかということを伺いたい。
  14. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 日本の外交は日米関係が土台であり、安全保障は日米安全保障条約が基軸であることは明確でございます。その目的というものは、世界の平和を追求する、抑止力を発揮するというのが目的でありまして、わが政府は、どの方面から考えても、安保条約の改定、撤廃等は考えておりません。一々言うことを気にしておっては今日の世の中乗り切れません。ただ申し上げたいことは、赤か白か、右か左か、タカかハトか、親ソか親米か、こういうふうに割り切ることはきわめて危険でありまして、日本というものはあくまで、親米でもなければ親ソでもない、日本の生きる道を考えていくことがわれわれの仕事である、こう考えますると、一面的な方向でこれを決めることは危険である。ただし、アメリカで安保改定、撤廃というのが、いまのことではなまぬるいからもっともっと日本は自由に分担できるようにやれということならば、私は異議がございます。先ほど片務か双務かというお言葉がありましたが……
  15. 中西一郎

    ○中西一郎君 いや、まだ聞いてない。
  16. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) ああそうですか。それはこの次にお聞きになるかどうかわかりませんけれども、アメリカはよくそういうことを言うのですが、私は、防衛分担金でもよくドイツと日本を比べて日本が少ない、こう言いますが、計算すれば日本は決して少なくございません。かつまた、軍事的には片務的であるかもわかりませんが、経済的その他を考えると、私は、双務的であって、日米安保条約も単に日本を守るためだけではなくて、アメリカが世界の平和を、自由世界の平和を願うためにやっている、そのアメリカの世界戦略に日本も一部貢献しているわけでありますから、これは互角の責任と互角の権利を考えていいと考えております。
  17. 中西一郎

    ○中西一郎君 予定に入っておったものですからお答えを先にいただきました。  その片務か双務かということなんですけれども、お話はよくわかるんです。安保条約はかねては片務的条約だというのが常識的な評論でございました。最近外務省の方で、経済的になりあるいは在日米軍の駐留費を負担しておるとか、いろんな意味合いで双務的だと、こういうふうに、あれは最近じゃないでしょうか、おっしゃっている。しかし、これは考えようですから、何とも言えませんが、日本はそう思うのはそれでいいんですけれども、果たしてそれがヨーロッパとかアメリカ全体とかの常識に通じるのかどうかということを私は疑問にして質問をしようと思っておったんですが、お答えがございましたから、もうこれ以上は言いませんが、私の考えを聞いておいていただきたい。  以上のやりとりに関連しまして、これは予算の分科会で聞いたことがあるんですが、アメリカの、一口で戦争権限法と、こう言われておる共同決議がございます。これは、アメリカの議会は行政府の結んだ条約に縛られないようにという修正案が過去何回か出ている。その経過を調べてみますと、条約優先条項をなくしろという賛成の数が、私よく調べて言っておるわけじゃございませんが、そういうふうに教えられておるのですが、ふえてきている、こういうふうに聞く。で、日米安保条約というのはどっちかが一年前に予告すれば破棄できるというふうに現状はなっておりますが、行政府が動かなくても戦争権限法のその条約優先条項が通過すれば、これはまた複雑なこと御承知のとおりですが、大統領は拒否権を持っている。大統領が拒否権を発動したら今度は議会が三分の二以上でまた拒否ができる、こういう仕組みになっておるようでございます。そこで、戦争権限法の動きといいますか、修正の動きを考えますと、行政府は、大統領は日米安保条約を続けたい、こう思っておっても議会の方でひっくり返してしまうということがなくはないのではないか、仕組みとしてですよ。そういうことを考えますと、いますぐそうなるということを私申し上げておるのじゃございませんけれども、しかし、そういう向こうの法体系になっておるということを踏まえて、議員間の交流とか、あるいは経済の問題にいたしましても、それをうまく阻止するような方に常々考えて行動をする必要がわれわれにあるのではなかろうか。われわれの同僚議員の中でも何人がこのことを大変憂えておりますので、そういった点についてどういう情報をお持ちか、これも外務大臣、北米局長どちらでも結構ですが、お答えをいただきたい。
  18. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 戦争権限法そのものは。中西議員御承知のとおり、これは大統領の権限と議会の権限をどういうふうに調和するかということで、ベトナム戦争のときから議論のございました問題でございまして、それでできたのが戦争権限法でございます。戦争権限法は、いま言われましたように議会の権限を強化していく上で、兵力の投入の方はいいわけでございますが、戦争の宣言なくして兵力を投入した場合には六十日以内、延期しても九十日以内にアメリカは兵力を引かなけりゃならないという条項がございます。しかし、同時にそういう条項は既存の条約、協定を侵すものではないということもございます。政府としてはこの安保条約というものは、アメリカの行政府のみならず議会が承認した条約でございます。したがって、あくまでもアメリカは、この安保条約に基づく日本に対する防衛の義務というものを今後とも遂行していくというふうに信じておりますが、いまお尋ねの、その後どういう動きがあったかということでございますが、一つは、戦争の宣言なくして軍隊を投入する場合に限定する――現在は戦争の宣言がなくても六十日ないし九十日軍隊投入ができるわけでございますが、それを戦争の宣言なくて軍隊を投入する場合に限定する。それから、いかなる予算の使用も議会が授権しない場合は禁止する、あるいは軍隊を投入する権限に、先ほど申し上げましたように、それを引き揚げる場合には法律及び条約は別に侵さないのだということがございますけれども、その法律、条約条項を削除するというような動きが、一九七七年ぐらいからでございますか、議会でたびたび提案が行われてきたわけで、修正案も出されてきたわけでございますが、今日に至るまで修正案は可決されるに至っていないというのが従来の経緯でございます。
  19. 中西一郎

    ○中西一郎君 次は防衛庁長官にこれはお願いしたい。  総理がアメリカの大統領に会われた前後でございましょうか、日本は軍事大国にはもちろんならない、ハリネズミでいくんだ、こういうお話があったと聞きました。そこで、そのハリネズミですけれども、英和辞典を引きますとヘッジホッグと書いてあるんですが、ところがアメリカではこれヤマアラシのことを言う、こう書いてある。実はきのう読んだんですけれどもね。そこで私も、また相当大ぜいの人も日本はハリネズミでいくべきだという議論がたくさんある、もっともな意見だとぼくは思う。攻めていくのでなしに守るのですから。しかも痛い針を持っている。そういう意味でミサイルとか短SAMのことも後で時間があったら聞きますが、そういった針をたくさん用意する。しかし、これは外国へ行ってお使いになるときにどういうふうにお使いになるのがいいのか、通ずるように話をする必要がありますので、御検討おき願いたいと思うのですが。ぼくは場合によってこれは四島針の島だ。針箱の針でなしに針が上を向きまして植えてある、そういう針の島だというようなことで、要するによく言われるこっちの手を挙げた方の方がタカだとかハトだとか、先ほども触れましたが、そういう概念規定でなしに、何か新しい日本の防衛の姿勢についての一言で世界じゅうなり日本人にもわかってもらえるような言葉を考えてもらいたい。懸賞をとったっていいんじゃないですか、全国民から、懸賞で公募する。私はいまここで針の島ということを提言いたしておきます。  そこで、五一大綱、防衛計画の大綱、いろんな機会にいろんな御答弁がございますが、最近猪木正道さんが対前年二〇%アップを何年か続けていけ、こう言っておられる。というのは、ここ数年間〇・九%台だった、GNPの〇・九%台の防衛費であった。一%と〇・何%の差額の四年分を合計しますと一兆円近くになるらしい、猪木さんはそれが大変残念だった、こう言っておる。それを取り戻したい、こういうことを言っていますけれども、そこで防衛庁長官にお聞きするのは、お答えわかっておるのですけれども、しかしハワイヘ行かれる前だからもう一遍聞いておく。防衛計画の大綱の達成年次をいかがお考えでございましょうか。
  20. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 先ほど質問されたバングラデシュのことで、ただいま電報が入りましたから御報告をいたします。  在日本のバングラデシュの大使からの電報によりますと、本日午前、バングラデシュ国営テレビ放送によるとマンズール・アハメド少将以下反乱分子は脱出をした。その後の状況はまだ詳細わからない、こういう電報でございます。
  21. 中西一郎

    ○中西一郎君 脱出したというのはどういうことです。チッタゴンからでございましょうか。
  22. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) そのとおりでございます。あれは国境ずっと接しておりますから、チッタゴンから脱出をした、上の方に。国内で動いたという意味じゃございません。
  23. 大村襄治

    ○国務大臣(大村襄治君) 防衛庁といたしましては、防衛計画の大綱の水準を可及的速やかに達成いたしたいと考えまして五十八年度から六十二年度までを期間とする次の中期業務見積もり、いわゆる五六中業についていま申し上げましたことを基本的な考え方として作業を進めることについて、先般の国防会議において了承を得たところでございます。ただ、これから作業を開始しますと約一年かかるわけでございますので、現在の時点でいつ達成できるかということにつきましては、具体的な御説明を申し上げるわけにはいかないという状況でございます。
  24. 中西一郎

    ○中西一郎君 次に、これも北米局長たびたび恐縮ですが、ANZUS――オーストラリア、ニュージーランド、それからユナイテッドステーツ、カナダも入るんですか、ANZUS、これを日本を入れてJANZUSということ、さらにそれをNATOと結びつけましてソ連をずっと包囲していくというような、同盟という言葉はむずかしい解釈が最近出ておるのですけれども、そういった形の同盟を将来の目標として持つべきではないか、アメリカにどうもそういう意向があるらしい。アメリカというのは大国だから、さっき言いましたように日米安保条約を破棄しろなんと言うのと、さらにまたいま申し上げたようなNATO、ANZUSも含めて日本もその中に組み込んでやっていくんだというような説と、これ言っておる人たちも違うということは当然わかるのですけれども、そういう動きがあると聞くのですが、何か情報は入っていましょうか。
  25. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 正確に日時を覚えておりませんが、あるアメリカの議員さんだと思いますけれども、ANZUSを拡大して日本を加えるJANZUSという提案といいますか、そういうことを言ったことがございます。しかし、それは言っただけであって、その後列に、その後の進展というものはないというふうに承知しております。
  26. 中西一郎

    ○中西一郎君 これは防衛局長になりますね、大変初歩的なことを聞きます。自分なりにデータもあるのですが、やはり速記録には皆さん方からお話をいただいたものを記録しておいた方がいいと思うのです。陸海空三自衛隊で飛行機は何機あるか。それからそれに対してシェルター、掩体こうは何機分あるか、まずお答えいただきたい。
  27. 塩田章

    ○政府委員(塩田章君) 現在三自衛隊が保有します飛行機は、昭和五十五年度末で固定翼機で千九十、回転翼機で約五百、計約千五百九十でございます。各自衛隊別では陸上自衛隊が四百三十機、海上自衛隊が約三百十機、航空自衛隊が約八百五十機でございます。これに対しまして掩体は現在二基建設中でございまして、五十六年度で四基お認めいただいております。
  28. 中西一郎

    ○中西一郎君 艦載機など除きまして、あと掩体こうに入れる必要があるというのでしょうか。陸上の全機を掩体こうに入れるとしますと、何機分といいますか、あるいはわかれば金額、どのくらい要るのか。
  29. 塩田章

    ○政府委員(塩田章君) 実際掩体に入れるとしますと、やはり航空自衛隊の戦闘機でありますとか、あるいは偵察機、あるいは早期警戒機、こういったようなものが掩体に入れる対象として考えられますが、そうしますと、約三百五十機ぐらいは掩体に入れた方がいいというように考えられるわけであります。で、掩体一基当たり約三億五、六千万円でございますから、三百五十機を仮に全部入れるとしますと千三百億円ぐらい払うと、こういう計算になります。
  30. 中西一郎

    ○中西一郎君 あわせてお伺いするのですけれども、対空監視、防空監視といいますか、レーダーサイトが二十八ヵ所ですかいま、どうも何といいますか、装置も旧式化しておって、換装、新しいのにかえる計画もおありのようですが、そのことはそのことといたしまして、移動式レーダーにするとか、半自動式もかえたい、いろんな話がありますが、またさらにいまお話しの早期警戒機の導入のこともある。いずれにしましても、このレーダーサイトの抗堪力というのですか、これシェルターがいいのかどうか、その辺も含めて抗堪力整備の基本方針を伺いたい。
  31. 塩田章

    ○政府委員(塩田章君) レーダーサイトは、御指摘のように、二十八ヵ所でございますが、その抗堪性を考えます場合にレーダー自体を、アンテナ自体を掩体に入れてしまうことは、これは技術的にできません。したがいまして、アンテナ部分はやむを得ないとしましても、それ以外の部分をなるべく地下ないしは半地下ということは今後逐次考えていかなければいけないと思いますが、現在の時点ではまだ地上に裸のままのもの、あるいは半地下に入っているもの等ございますけれども、決して十分な状況ではないという状況でございます。  それから抗堪性の別の面からレーダーサイトの基地におきます対空火器の整備といったような観点から申し上げてみますと、現状は旧式の高射機関銃が何丁かそれぞれあるといった程度でございまして、こういったところにやはり短SAMでありますとか、携帯SAMでありますとか、あるいは新式の高射機関砲、こういったものを将来はやはり整備をしていきたいというふうに考えます。  それからもう一点は移動警戒隊でございまして、これは現在三個隊の一応の目標を達成した段階であります。
  32. 中西一郎

    ○中西一郎君 何かのときにです、相手国から飛行場とか、飛行機とか、いまのレーダーサイト、これは一発でぱっとやられてしまうということを心配しておる向きがある。そういう意味で、五一大綱の整備をなさる場合に、そういう素人でももうどきっとするような話ね、こういうのは相当優先順位を上にしてやっていただかないと安心感を持てないという感じがする。そういう意味であえて質問を申し上げました。  そのほか、これは要望ですが、飛行場の急速凝固剤ですか、何かそういう特殊セメントがあるらしい。そういうものの整備とか、いまお話しの短SAM、これはちょっとここで中断しますが、短SAMの性能について大分前衆議院の予算委員会で何か答弁がもたもたしたことがある。後で聞くと、短SAMというのは大変優秀だと私聞いておるのですけどね、防衛局長、ここでひとつあのときの答弁を明解にして国民の前に明らかにしてくれませんか、余り長くなしにね。
  33. 塩田章

    ○政府委員(塩田章君) 衆議院の予算委員会で議論になりましたのは、主としてもう一つの候補機種でありましたローランドとの比較において優劣が論ぜられたということでございます。これは私ども率直に申し上げて両機種長所短所ございますので、どちらが一〇〇%でどちらが零点だというようなものではございません。国産の短SAMの指摘されました一番の欠点といいますのは、全天候性に弱い。つまり赤外線で追求するものですから、天気の悪い日には片一方のローランドのようにレーダーで追跡するのに比べて性能が落ちるのではないかといったところが一番大きな点であったわけです。しかし、一方ローランドにない長所もございます。たとえば多目標に対して逐次発射ができるといったようなことというようなこともございますし、またいろいろ指摘された欠陥といいますものも双方にもちろんございますわけですが、それぞれ今後の改良を重ねていくということによりまして克服もできるというようなこと、それから国産であることによるところの維持、教育訓練体制が格段に有利であるといったようないろいろなことを考えまして私ども国産の短SAMをお願いをしたわけであります。
  34. 中西一郎

    ○中西一郎君 これは検討するか何かの御答弁で結構なんですけれども、情報を提供しておきたい。というのは、これは総理にお願いしたいのですが、わが国では非武装中立とか、それから非同盟中立を言う政党がございます。ところが、武装中立ということはここから先どこにも出てこない。でございますが、これは豪州のグリフィス大学のJ・ウエルフィールドという人が、三月十四日のこれは日刊紙でございますが、何ヵ年計画かで日本は、いろいろな事情を挙げております、時間がないから触れませんが、お読みいただければいろいろなことを言っていまして、スウェーデンと日本は地政学的に大変似ておる。周辺の国の了解はもちろん要ると思います。スイスの五ヵ国条約ですか、スイスが永世中立になったときの周辺五ヵ国条約というのがございます。要するに永世中立を尊重するという、そういうものが要る。したがって、米ソの合意がなければいけません。得られないと言って頭から否定する人もございます。それはそれとして、その両国、これは想定されるかされないかわかりませんが、あえていえば米ソがお互いに壊滅的な状態になったというようなときに、日本がしっかり無傷で残っておってくれれば、世界の再建に対して大変役に立つというようなことまで触れて、日本は気概を持って武装中立の道を歩めと、こう言っておるのですけれどもね。これは日本の中でも余りそういうことを言う人はいませんことですけれども、しかし一番初めに申し上げた幼児的心情から離れるというような意味から言うと、その一つの分野を占める考え方でもあろうかと思うのですけれども、そう突っ込んだ御返事でなくていいのですが、私申し上げたので、一言でも御答弁をいただければと思います。
  35. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 武装中立論というお話をいま御披露いただいたわけでありますが、いまの厳しい国際軍事情勢等の中で一国で自分の国を守り得る国、防衛できる国というのは、恐らくそうないのではないか。まあ、米ソができると言えばできるかもしれませんが、しかし私は一国でその防衛力だけでもってその国を守るということは大変困難だと、こう思っておるわけでございます。そういうような観点から、わが国は日米安保条約、これを防衛の一つの大きな柱といたしまして、日米の揺るぎない信頼関係の上に立って、わが国自身の自衛力の整備と相まって日本の平和と安全を確保していこうと、こういう基本的な方針をとっておるわけでございまして、政府といたしましては、今後ともこれを堅持してまいるということに変わりがございません。
  36. 中西一郎

    ○中西一郎君 専守防衛ということについてどうもわからぬ点があるのでお聞きするのですけれども、このごろどの国でも防衛ということを言っております。攻めていくというようなことは余り言わない。第二次大戦あるいは第一次大戦で勝った国でいい目をみた国というのはないらしい。だから攻めていく、紛争の解決手段として兵力を使うというようなことは世界の常識ではなくなってきたかのようであります、少なくとも自由主義諸国においては。  そこで、NATO軍が侵略はしないと言いながら前方防衛ということを言っています。だから、国境の向こう側で守るんだと、こういう意味でしょうね。ところが、日本の場合、専守防衛ならば国内戦は避けられない。これは竹田統幕議長が初めて言ったんじゃなしに、五十三年の防衛白書、福田内閣のときですが、そのときの民間防衛の章の中に民間防衛をしっかりやらにゃいかぬというようなことが何か書いてありまして、国内戦は避けられないからだと、こう書いてある。そこで、国内戦は避けられないからそれでいいんだと。これどういうふうに理解すればいいんでしょうか、防衛局長かどなたか。  それで、さらに言いますと、攻めてはいかないというのではなしに、侵略はしない、占領はしない、しかし先制攻撃はすることはあるというのが通常の考え方じゃないかと、まずその辺からどうお考えか。
  37. 塩田章

    ○政府委員(塩田章君) まず、NATOで言っております前方防衛といいますのは、先生、国境の向こう側で防ぐとおっしゃいましたが、私どもの理解しているのはそうでなくて、やっぱり国境の中ではあるのですが、できる限り、NATOの場合は東西ドイツの国境線の近くで防衛するんだという趣旨に私どもは理解いたしております。  それから、竹田統幕議長が国内戦は避けられないと言ったことは、そのとおり言っておられるわけでございますが、これは、私どもが国内戦をできるだけ避けて、もし侵略をしてくる軍隊があればできる限り洋上でこれを撃退するということを考えておることと矛盾をするわけではございませんで、恐らく竹田議長がおっしゃったのは、専守防衛という日本の、これは日本の基本的な体制でございますから、そういう場合のリスクをおっしゃったんだろうと思います。それは考えられるリスクでございますけれども、私どもとして、防衛庁・自衛隊としましてはできるだけ国土戦を避けるような努力は当然すべきであろうというふうに考えます。  なお、先制攻撃は当然ではないかというお話があったように思いますけれども、私どもは、専守防衛でございますから、先制攻撃ということは、これはそういう意味で考えるわけにはいかないというふうに思っております。
  38. 中西一郎

    ○中西一郎君 そうですか。先制攻撃はしないというのはわかりました。ただ、日本の領域というのは日米共同で守るわけですよね。日本の自衛隊、日本政府は先制攻撃しませんと、こう言ったわけね、ところが、アメリカの方は、共同防衛の片方の柱ですね、先制攻撃しないでしょうか。やられそうになったら行ってしまうのじゃないのかな。そうなると、日本の自衛隊だけが先制攻撃しませんと言っておるのは、一体これはだれに対して言っておるのかということがよくわからない。ちょっと立ち入り過ぎた質問ですか。しかし、そこのところははっきりしてもらいたい。
  39. 塩田章

    ○政府委員(塩田章君) 国連の憲章上、自衛権の発動が認められますのは武力攻撃が発生をした場合ということでありますが、日米安保条約に基づきまして日本の防衛のために米軍が行動しますのも、日本の施政下にある領域における日米いずれか一方に対する武力攻撃が発生した場合というふうに解されておりまして、その限りでは国連憲章の場合と同じ解釈でございますが、在日米軍が武力攻撃のおそれのある段階で先制攻撃をするということは私どもとしては考えられないというふうに思っております。
  40. 中西一郎

    ○中西一郎君 ともかくはっきりした答弁をいただきましたが、なお頭の中には若干の割り切れないものが残っておるということを申し上げて次に移ります。  これは外務大臣に予告してなかったのではなはだ悪いのですけれども、ライシャワーさんがまた五月三十一日の新聞に投稿をされた。それが全紙面に出ているということもございまして、通告した後の出来事でございますのでお許しいただきたいのですが、衆議院の連合審査で、何といいますか、両様にとれる、何回かお答えになっておりますけれども、非核三原則の第三原則、持ち込まない、領海通過は認めない、あるいは寄港も認めないというようなことをこれからさらにさらに厳しくしていくんだというふうな報道、と言うと報道陣営に悪いんだけれども、何かそういうことが書いてあるのがある。  それから他方、これは伝聞なんですけれども、聞くところによると、うまくやるから心配しなさんなということをにっこり笑ってお答えになったというようなことも実は伝わっているのです。そこで、あいまいなままではいけませんので、ひとつ非核三原則の三番目についての見解をはっきりしていただきたいと思うのです。
  41. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 新聞にいろいろ書いてあったそうでありますが、私の顔は悲劇的表情に乏しい顔でありまして、真剣に答えておってもにっこり笑ってなどと書かれるわけであります。  はっきりいたしますが、非核三原則はどのような経緯、どのような状態にありましょうとも、総理がおっしゃいますとおり将来ともこれは堅持すると、こういうことでありまして、これをなし崩しにされることは要注意と、こういうことであります。
  42. 中西一郎

    ○中西一郎君 これ以上立ち入りたくはないのですけれども、国民として日本のそういった方針はわかったと、わかった上で、ドック入りというようなことが必要になるわけですね、航空母艦でも潜水艦でも巡洋艦でも、核を持っておった場合ですよ。それは横須賀のドックに入れない、呉にも佐世保にも入れない。そうすると、ハワイか本国へ帰らなきゃいかぬ。往復日数とか、ドック期間中ね、そういうことを考えますと、インド洋にも行くんでしょうが、日本周辺にプレゼンスしてくれるのが一年のうちで何ヵ月か空白ができる。いまでもそうだと思います。それが、さらに空白の方が長くなるというようなことが心配されるのですけれども、そんな心配要らないのだと言うのならもうそれでいいのですけれども、防衛局長どうでしょう。
  43. 塩田章

    ○政府委員(塩田章君) 核を搭載しておるアメリカの艦艇は、わが国には入れないということになっておりますために、いまの御指摘は、しからばその間プレゼンスが減るではないかという御趣旨のお尋ねだと思いますが、それは、事実そういうことはあり得るわけでございますが、問題は、そのことによってアメリカの日本に提供しておる核のかさというようなことに影響があるのかどうかということでございます。この点につきましては、すでに大分前に国会でお答えもございますが、そういった制約が全然ないわけではない。しかし、日本に対するアメリカの核のかさ、日本に対するそういったアメリカのコミットメントに重大な影響があるようなそういうものとは考えられないというふうなお答えをしたことがございますが、そういった制約が絶無ではございませんけれども、日本に対する核抑止の機能といいますか、効果といいますか、そういうことについての特に重大な支障とは考えていないということでございます。
  44. 中西一郎

    ○中西一郎君 ちょっとここで、外交、防衛の関係の本筋というと悪いかもしれませんが、それをちょっと外れまして、はえなわ事件のその後の処理をどういうふうにしていくのか、だんだん漁船も帰ってきつつあると思うのですけれども、漁船が帰ってくると、被害額が大体わかってくるのじゃないかと思いますが、その被害額がわかった上で、おおむねの金額も聞きたいですけれども、米艦が何隻あるいはソ連艦が一隻だったと思いますが、あの辺におったらしい。そこで、むずかしいのですね、漁民なり漁民団体とアメリカ海軍と直接当事者間なんだから折衝しろと言われたって、これはなかなかできるはずがない。ソ連はなおさらそうかもしれない。そういう意味で、日本政府として、これはめんどうを見てあげることがないと、どうにも動かないのではないかという気がするのです。その辺、どういうふうに対応しておられるか、防衛庁長官、お願いします。
  45. 大村襄治

    ○国務大臣(大村襄治君) 日本海における日米共同訓練に関連するはえなわ等の漁業被害の問題につきましては、被害の状況につきまして、現在水産庁を中心に調査を進めておりまして、被害額等につきましては、だんだん固まってきているところでございます。  その原因につきましては、先生御指摘のとおり、北海道の西海岸で共同訓練に参加途上の米国の艦艇が通過の際、この被害と関連を持った可能性もございますし、また同じような海面を行動しておりましたソ連艦艇による可能性もあり得ることでございます。そういった点につきましても調査を進めているわけでございますが、いずれにいたしましても、漁業の被害が明確にされました以上は、関係省庁と緊密な連絡を図りながら、適切な被害に対する措置を講じたいと考えておりまして、いま関係省庁と鋭意その協議を進めているところでございます。
  46. 中西一郎

    ○中西一郎君 恐らく外交ルートを通ずる必要も出てくるのではないかと思いますが、防衛庁、あるいはきょうは農林大臣お留守ですが、水産庁長官が来ておりますから、よく聞いておいていただいて、補償については万遺憾なきを期していただきたい。総理も大変気にしておられるのではないでしょうか。  それから、予防の問題なんです。これからそういったことを日本海でやらぬというなら簡単ですけれども、またやるかもしれない。そのときに、訓練区域内では事故は起こってないのですから、訓練区域に来るまでの間の話だと思いますが、まあ米側からここを通りますと言ってくるのか、こっち側から、漁場はこういうところで、漁船はこうなっていますと、こう言うのか、あるいは両方なのか、その辺よく詰めておきませんと、また再発するのじゃないかという気がする。そういう意味で、これからの共同訓練だけでなしに、共同訓練も含めて、単独訓練の場合でもその辺をはっきりしておくということが必要ではないでしょうか。いかがでしょう。
  47. 大村襄治

    ○国務大臣(大村襄治君) 共同訓練を含めて、海洋における訓練のやり方につきましては、一層慎重に検討を加えてまいりたいと思うわけでございます。私といたしましては、海洋国日本でございますので、周辺海域の状況に応じて訓練を実施する必要があると考えておるわけでございます。太平洋におきましても日本海におきましても、あるいは東支那海におきましても、必要な訓練は、わが国自身行う必要があると考えております。場合によりましては共同訓練も行う必要があると考えておるわけでございます。その場合におきます海面、時期をどういうふうに決めるかということにつきましては、漁業等関連産業等に十分配意しながら適切な計画を立てたいと考えております。  また、その計画を実施する場合に当たりましても、訓練に入りましてから後の連絡を密にすることは当然でございますが、それに参加する途上の米側艦艇にも主要な情報を提供して、今後事故が起こらないように対処してまいりたい、さように考えておる次第でございます。
  48. 中西一郎

    ○中西一郎君 だんだん時間がなくなってきまして、九十分というのは長いかと思ったら案外短い。  そこで、同僚議員から言われていることを簡単に申し上げますから、これを防衛庁長官から簡単に答えていただきたい。  白米共同声明の第八項で、わが領域と周辺海・空域について努力をせなければいかぬ、こうなっておる。第七艦隊がスイングされた場合に、抜けますね、と言って、それを日本の海上自衛隊が全部カバーする力はない。とすれば、本土が防衛の対象として重要になってくるのじゃないか。脆弱になるのじゃないか。そこで第八項というのは、海・空域のことはもちろんなんですけれども、本土の陸上の防衛についても防衛努力をするのだという意味が入っておるのだと、こう解したいのですけれども、いかがでしょう。簡単にひとつお願いします。
  49. 大村襄治

    ○国務大臣(大村襄治君) 共同声明第八項におきまして、日本の領域並びに周辺の海・空域の防衛力の一層の充実に努めるという趣旨のあれはあるわけでございますが、これはもとよりわが国を守るための努力でございますが、先生御指摘のような事柄もございますので、わが国みずからによる防衛力の充実が、結果として米側の防衛力に影響があるという点はあり得ると考えている次第でございます。
  50. 中西一郎

    ○中西一郎君 これで大体、少しは抜けたんですけれども、いろいろと触れてまいりました。  最後に、これは総理ですが、日本の世界に対する役割り、これからヨーロッパにもいらっしゃるいろいろ計画があるわけです。で、戦前は日本の軍隊が大東亜共栄圏などと称して、私も行ったのですけれども、アジアの各地に侵入、侵攻いたした。いま日本の商品が世界じゅうすみずみまで行っています。これは武器を持っていません、商品なんですけれども、しかしそういった商品のはんらんを受けとめる方から言いますと、やはり何かこう日本の、平和的とこちらは思っているのだけれども、向こうも武力とは思っていないのだけれども、しかし日本というのはどうも暴れ回ってどうだと、自動車問題なんかに端的にそのことがあらわれておりますが、そういう意味で日本の世界に対する寄与といいますか、世界に対してどういう役割りを果たしたいのかということについて、総理から一言でも結構でございますから。
  51. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 日本の地位また経済力を中心とする国力、ここまで発展をしてまいりました。それだけに世界の平和に対する日本の役割りまた使命というものも高まってきておるわけでございます。日本としてはできることとできないことがございますが、国力、国情にふさわしい世界の平和への寄与、貢献をしていかなければならない。  なお、国際経済の面につきましては、やはり基本は自由貿易体制の堅持、ガット体制のこれをあくまで守っていくということにございますけれども、やはり各国と協調しながら将来に向かって自由貿易体制というものが守られていくように、発展していくように努力していかなければいけない。さらに、第三世界、非常に脆弱な面を持っておりますが、そういう面に対する経済その他の協力をやる必要があると、このように考えております。
  52. 中西一郎

    ○中西一郎君 ありがとうございました。
  53. 松前達郎

    ○松前達郎君 社会党に割り当てられている時間は百六十一分でございますが、午前中の部分として私の方から質問さしていただきたいと思います。  いわゆる核持ち込み問題、いろいろと論議が行われておるわけなんですが、その中で特にイントロダクションという言葉ですね。この解釈等についてもいろいろとこれも外務委員会で私議論きしていただいたわけなんですが、どうも最終的に見ますと食い違いというのがますますはっきりしてきつつある、そういうふうに感じておるわけです。全般的な問題として日米会談あるいは安保条約、それに関連する問題として質問をさしていただきますが、ここでの質問は導入部でありますから、先ほどの話じゃありませんが、まさにイントロダクションであります。  まず最初に、幾つかの点について質問さしていただきますが、日米首脳会談の共同声明、この中に初めて同盟という言葉が使われたわけであります。同盟関係と、関係というので少しちょっと鈍らしてはあるかもしれませんが、同盟という言葉、アライアンスですね、これが使われておるわけであります。アライアンスという言葉については、これもうさんざん議論したわけですが、同盟条約ということを意味するということは明らかである。常識的には、これは字引きなど引いてみましても、二つまたはそれ以上の国家が相互援助と防衛のために形成する連合と、これが常識的な同盟という言葉の解釈だというふうに私は思っております。恐らく世界じゅうどこでもこういうふうに解釈しているはずだと私は思いますから、総理がこれらについて新たな軍事関係はないのだということをたびたびおっしゃっておりますけれども、先ほど申し上げましたような表現からすれば、当然軍事的な防衛のための協力というものが含まれている。そう言いますと当然それは安保条約だとおっしゃるかもしれません。しかし、この解釈についての言い逃れというのは私はできないのじゃないかと、かように思っておるわけであります。また、特に共同声明の中にあります役割り分担、これは先ほども話が出ましたけれども、アメリカ第七艦隊の展開がインド洋やペルシャ湾、その地域まで拡大をされてきておりますが、それを前提としての日本の防衛分担水域の拡大である、これもまさに明らかなことであろう、かように思っております。これに対して反論もなきにしもあらずで、たとえばロバート・L・ロングという提督がいますが、この人が言ってることは、スイング作戦、スイング戦略には長期的には利益がないと言う人もアメリカの中にはいるようであります。その理由というのは、最近ソビエトの戦域核兵器の配置というもの、これに対して対処することを考えますと、アメリカの太平洋軍も戦域核兵器の採用配備を検討しなきゃいけない、こういうふうなことも言っておられるわけです。しかし、わが国の場合、先ほどのお話のように、非核三原則を国是としている。これは将来とも非核三原則は守っていくんだということを外務大臣も申されたわけですが、一方ではアメリカの核の抑止力に期待をする、そして核のかさの下に入っていると、こういうふうに言われております。この辺が非常に大きな矛盾を出してくる、矛盾が出てくる大きな原因であろうと私は考えておるわけなんです。  こういうことをこれから詰めていきたいと思うのですが、その前にまず最初に、これもさっきもお話出ましたから繰り返しになるかもしれませんが、総理にお尋ねいたしたいのですが、ニューズウイークの五月十八日号を見ておりましたら、この中に今度の日米共同声明、これについて書いてあったわけです。日本は日本周辺の防衛の改善に一層努力すると、こういう誓約を行っていると、この文章によればそういうふうに書いてある。このような特別な約束はないということを日本の高官筋は言ってる、これも書いてあります。このようなコメントについては、来月ハワイで会議が行われるわけですが、またさらにその後ワシントンでの防衛当局の会議、防衛庁長官が出て行かれてのワインバーガーとの会議、これがあるわけですが、そこでさらに厳しく追及されるであろうと、こういうふうな文章になっておるわけなんです。この辺ちょっと読んでみますと、ニュアンスとしてアメリカの要望と日本ができることの間には基本的に差があるのだと、それはそのまま残るのじゃなかろうかということもこの中に記載をされているわけなんですが、さてその次に、これ大した問題じゃないかもしれないけれども、実は大変な問題ですから申し上げるのですが、鈴木総理自身、日本の基本的態度として、ほえるライオンよりも賢いネズミになることを好むということが言われているということが括弧して大きく出ているわけですね。これ恐らく訳が違ったんだというふうなことじゃないかと、先ほどもそういうことだということでございますが、私はこれは訂正しておきませんと、ニューズウイークというのは世界じゅうにばらまかれる雑誌でありますから、恐らく世界じゅうが、日本は賢いネズミならまだいいけれども、悪がついて悪賢いネズミでうまく立ち回るんだというふうに解釈されたのではこれ非常に大変なことになるのじゃないかと、かように思いますが、この点まず総理から御答弁いただきたいと思います。
  54. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 日米関係でございますが、これは民主主義と自由という基本的価値観の上に立ちまして、戦後三十数年にわたって築き上げてまいりましたところの揺るぎない私は友好協力関係、まさに成熟した関係にあると、こう思っております。また、このことは、私訪米いたしまして確認もできたわけでございます。そういう、日本がアメリカとともにこの厳しい国際情勢、多難な国際社会の中で、平和と安全を確保するために両国が一層協力し、連帯をし、世界の平和に貢献をするという責任が私はあると、こう思うわけでございます。  そういうような日米関係、これを総括的に日米同盟関係、こういうことに端的に表現をしたということでございます。もとより日米安保条約を締結をいたしておりますから、そういう意味合いにおきまして日米関係の中には軍事的側面はあるわけでございます。しかし、今回同盟関係とうたったからといって、日米の間で新たに従来の個別自衛権から集団自衛権に安保条約を改正をするとか、あるいはまた攻守同盟的な、いわゆる軍事同盟的な意味合いを持つというようなことは断じてございません。私は、そういう意味で国民の皆さんがその点を非常に注目をされておる、同盟関係ということを共同声明にうたいましたからそういう点を大変注目をしておると思いましたので、記者会見におきまして特別な軍事的な関係はない、つまり日米の現在の枠組みを変えるような新たな軍事的な変化はないということを申し上げておるわけでございます。  それから、言葉というのが一人歩きをするのでありますが、私は国内においてもしばしば使っておりましたし、ナショナル・プレスクラブでも記者団の質問に答えて申し上げたのでありますが、それは専守防衛ということに徹するという意味合いを含めましてハリネズミということを言いました。日本はハリネズミにはなるけれどもライオンやトラにはならない、こういうことを申し上げたのでありますが、それが誤訳でもって、いま松前さんおっしゃったように伝えられた。これは駐米大使館で後でそれは誤訳であるということを明確にしたようでございます。  そういうことで、私どもはあくまで憲法そして基本的防衛政策、つまり経済大国であるが軍事大国にはならない、近隣諸国に脅威を与えるような軍事方は持たない、専守防衛に徹する、非核三原則を堅持してまいる、そしてシビリアンコントロールでこの運用ははっきりとやっていくのだと、こういう基本的防衛政策、これに基づいて日本は、みずからの国はみずからで守るというこの防衛努力、これはやっていくのだということを申し上げておるわけでございます。
  55. 松前達郎

    ○松前達郎君 誤訳であるということ、これはもう、こういうこともあり得ることですけれども、誤訳にしては余りにもいまの最近の状況にぴったりの誤訳じゃないかと思うので、その辺がどうも外国からそういうふうに見られたのでは大変だ、これは総理の側に立ってこういうことの考え方、これはもうはっきりしておいた方がいいというふうに感じたものですから、まず最初にお尋ねをしたわけでございます。  それからもう一つお伺いしておきたいのですが、これは念のためですが、共同声明の中の極東の平和及び安全確保のための適切な役割りというところがございますけれども、その「極東」は一体具体的にどの地域を指すのかということ。さらに、日米安保の中にも、これ四条と六条にありますけれども、「極東」というふうにやはり出ておるわけですが、これもやはり具体的にどの地域を指すのか、この点をひとつ最初にお伺いしておきたいと思います。
  56. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 途中でありますが、バングラデシュの事件は終えんをした模様であります。ただいま入った電報によりますと、少将以下協力者五名が脱出をした、少将については、生死にかかわらず五十万タカの賞金を出すという特別放送があった、チッタゴンは平静に戻ったと。  なお、在留邦人は、前後のいきさつから無事だと思いますが、大使館が確認してない旅行者の方方もありますので、急いで確認するようにいたしております。  ただいまの問題、事務当局からお答えをいたします。
  57. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 共同声明の中で用いられている「極東」、これは基本的に安保条約上の「極東」と同じ概念でございます。ただ、共同声明で言っている、その平和と安定のために日本の政治的役割りという考え方からとらえれば、そのような政治的な役割り、平和と安定のために日本が果たしていく外交的な努力、これは何も安保条約上の「極東」の範囲という範囲でとらえる必要がございませんけれども、もし、軍事的な意味ということであれば、これは明らかに安保条約上の「極東」の範囲と同じことであります。
  58. 松前達郎

    ○松前達郎君 その範囲というのがわからないのでお伺いしたのですけれども。
  59. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) これは昭和三十五年の二月二十六日に、衆議院の安保特別委員会で政府の統一見解というのがございます。それを読み上げますが、   新条約の条約区域は、「日本国の施政下にある領域」と明確に定められている。他方、同条約は、「極東における国際の平和及び安全」ということもいっている。  一般的用語としてつかわれる「極東」は、別に地理学上正確に画定されたものではない。しかし、日米両国が、条約にいうとおり、共通の関心をもっているのは、極東における国際の平和及び安全の維持ということである。この意味で実際問題として両国共通の関心の的となる極東の区域は、この条約に関する限り、在日米軍が日本の施設及び区域を使用して武力攻撃に対する防衛に、寄与しうる区域である。かかる区域は、大体において、フィリッピン以北並びに日本及びその周辺の区域であって、韓国及び台湾の支配下にある地域もこれに含まれている。  こういうことでございます。
  60. 松前達郎

    ○松前達郎君 はい、わかりました。  そこで、いままではちょっと直接の関連じゃなかったのですが、日米同盟、この同盟のことなんですが、これやはりアライアンスという言葉の持つ意味の解釈がどうもアメリカと日本で多少食い違っているのじゃないか。  さらに、先ほどちょっと総理からも言われました「賢いネズミ」の誤った訳ですね。これもやはり伝わり方によっては解釈の仕方が非常に大きなギャップをつくる原因にもなる。  また同時に、安保条約の第六条に関して、合衆国軍隊の日本国への「配置における重要な変更」、さらに「装備における重要な変更」、「基地としての日本国内の施設・区域の使用」に対する事前協議について、これについてもどうも日米間で解釈のずれがある。これはライシャワーさんの発言からずっといろいろと問題が出てきております。これはイントロダクションということだと思う。  こういうふうなこと、さらにまた最近ではミッドウェーの母港化の問題ですね。これについても母港でないと言ったり、母港であるということになったり、また同時に、そのミッドウェーというのが一つの機動部隊あるいは一隻の空母であるというから、これは事前協議の対象にするような重大な変更じゃないという発言があったり、これはもうかつてそういう発言を私読みました。  こういったような解釈の相違ですね。これが恐らくこの一連の問題を提起してきているのじゃないか。どれをとっても、余りにも日米間で解釈が食い違っていて、それぞれの国に都合のよい解釈をしてきたというのは明らかだと私思うのですけれども、その点について、総理、どういうふうにお考えですか。
  61. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) ただいま御提起になりました、たとえば同盟関係について、これは各委員会で政府側が繰り返し答弁しておりますように、日米の相互的な関係をとらえているわけでございまして、もちろん、その中には安保条約が存在しているというのは現実でございます。で、その点について、アメリカ側との間に相違があるかというお尋ねでございますが、これは、アメリカ側がその共同声明が出た後の高官の背景説明の中でも、日本と同じ理解の上に立ってこの同盟関係ということをとらえております。  それから、あるいはいまのイントロダクションの問題でございますが、この問題についても、各委員会で御答弁しておりますように、イントロダクションということは、たとえば物を導入するということでございまして、そこに恒久的な意味がないということでございまして、その点についても、これは各種の辞典等に当たっても同じような解釈をしておりますし、また安保条約上、たとえば事前協議に関する交換公文あるいは口頭了解のことから、その二つの点から読みましても、このイントロダクションと核の持ち込みというものは、何も日本に核を持ってきて、それを貯蔵するという意味にとどまらないということは明白でございまして、この点についても、アメリカ側と解釈の差がないというふうに考えているわけでございます。
  62. 松前達郎

    ○松前達郎君 解釈の差はないということですが、差があるものですから問題になったわけなんですね。その辺ないとかあるとか言っても、これはしようがないのですが、核持ち込みに関しては事前協議の対象になる、今度は事前協議の対象として取り上げた場合ですね、これについては、かねがね私も委員会で質問しましたけれども、合意をしているのだと、こういうふうにおっしゃっておるわけなんですが、どうも、その合意というのは、相手の心の中を察して合意しているだけであって、イントロダクションという言葉の内容を具体的に説明して、そうだというふうにお互いに確認したわけではない、そういうことですね。ですから、そこのところが一番問題なんだと思うのです。たとえば、アメリカの方では、イントロダクションというのは導入あるいは採用というような意味にとっているんだと。ですから、寄港とか領海通航は事前協議対象外であると、こういうふうに頭から考えておるわけですね。また同時に、核の存在については一切明らかにしないという原則がある。核を積んでいるとも積んでいないとも言わない、こういうふうなこと、これがアメリカ側の言い分である。日本の方では、アメリカ側から事前協議の通告がないから核を積んでないと信じている。何かこの辺がどうも堂々めぐりみたいなかっこうになるのですが、そういうふうに言いながらも、もし核を積んでいればノーと言うのだと、こういうことを言明しておるわけです。  結論として言いますと、アメリカが核を積んでいるときだけ事前協議の対象となるけれども、協議しても結果はノーである、だめだと、こういうことになるわけですね。ですから、これをまとめてみますと、おかしなことが出てくるのですが、アメリカは、さっき申し上げたようなことで解釈をしている。すなわち事前協議は行わないということなんだと、あり得ないということですね。それから、日本側にとって見ますと、事前協議は行ってもむだであると、こういうことになる。実際事前協議を行われていないと思います。いままではこういう問題では。こういうことになるのだと私は思うのですが、そういうふうになれば、事前協議というのは非核三原則に対するカムフラージュにすぎないじゃないか、都合のよい架空の緩衝地帯といいますか、そういう役割りを果たしているだけであると、こういうふうに私は解釈せざるを得ないのですけれども、その点いかがでしょうか。
  63. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 事前協議と申しますか、非核三原則について、アメリカは十分承知していないのじゃないかということもいまのお尋ねの中にあるかと思いますけれども、この非核三原則は、日本の基本政策として繰り返し内外に表明しているわけでございまして、そういう点からアメリカも十分承知していると考えております。さらに、四月の十六日にロング太平洋軍司令官が総理と原潜の問題で会われた際に、ロング司令官から、わが国の非核三原則についてアメリカは従来から尊重してきたし、今後とも尊重するというふうに述べております。また、先般の共同声明においてもその八項の中で、わが方が、総理大臣が、日本の防衛政策というのはわが国の憲法及び基本的防衛政策に従ってやるのだと、こういうふうに言われたのに対して大統領が理解を示されている。もちろんこの基本的防衛政策という中には非核三原則も含まれるわけでございます。  それから、アメリカは核の存否を明らかにしないのであるから、事前協議にかけてくるわけがないだろうと、こういうことでございます。確かにアメリカの政策として、核の存否については否定も肯定もしないということでございまして、また法的にはマクマホン法というのがございます。しかし同時に、アメリカは事前協議を実行する場合に、アメリカの権限ある当局の人が、この核に関する事前協議についての日本に対する誓約を実行するのは何ら妨げてないということを言っておりますので、存否を明らかにしないということで非核三原則ないしは事前協議がむだだというふうには私は考えておりません。
  64. 松前達郎

    ○松前達郎君 アメリカが非核三原則を認めてないということは私言ってないのですね。これはもうアメリカとしてはそれは十分承知している。これは何回もアメリカも言っている。これはわかっているのです。  ただ、問題は寄港の問題ですね。この寄港するという問題についての考え方、その考え方が違うのだということです。ですから、核は持っていても寄港はしていいのだと、導入とか設置に当たらないから、ちょっと寄るぐらいは構わないのだというふうにアメリカは考えているのだから、ですからそれは事前協議の対象にしてないわけですね。当然だから事前協議は行わない。もしかそれを一歩譲って、核を持っていて、それに相当するとしても、該当するとしても、事前協議は核を持っているかどうかを言明できない以上行えないということになるのですから、私はそういうことをいま申し上げたわけです。これは恐らく今後も、このままで進みますと、事前協議は一切行われないだろうと私は確信をしておるので、空文じゃないかというふうに思っておるわけなんですが、アメリカの要請がいろいろとあったと思います。アメリカは日本に核のかさを提供する権利があるということを、この前の報道でもその発言が伝えられてきておるわけですが、核のかさを提供する権利という言葉はちょっと私よくわからないのです。どういう意味でそういう発言があったかわかりませんが、アメリカの戦略上の要請、この要請といまの核持ち込み問題というのは、非常に大きな問題としてのギャップを生み出してくるのじゃなかろうか、こういうふうに私は考えております。  そういう意味で、これを今後とも暗黙のうちに処理していくつもりなのかどうかですね、非核政策と日米安保体制、これを一体どう共存させようと政府は考えているのか、この辺の問題が大きな問題じゃなかろうかと私は思っておるわけなんですが、これについての政府の対応ですね、これなかなか言いにくいかもしれませんが、対応をひとつお聞かせいただければと思います。
  65. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 日米安保条約の堅持、安保体制を今後も日本としてはわが国の防衛の重要な柱として堅持してまいるわけでございますが、それと非核三原則、これが矛盾をしたり衝突をしたりするのではないかということでございますけれども、さようなことはないと私どもは確信をいたしておるところでございます。  非核三原則におきまして、核を日本に持ち込む、あるいは積載艦が寄港するというようなことでなければ、このアメリカの核の抑止力というものが機能しない、あるいは働かないというものではないと私どもは考えておるわけでございまして、そういう意味におきまして、私はこの非核三原則のもとにおけるところのアメリカの核の抑止力というものと安保条約どこれは決して矛盾するものでもない、このように考えております。
  66. 松前達郎

    ○松前達郎君 核の抑止力とそれからいまの非核三原則、それと安保条約の関係、たとえばアメリカの核の導入がないからといって抑止力が十分働くかどうか、これはいろいろ専門的な見方があると思いますから、いまここでは置いておきまして、さらに、ワインバーガー長官が発言されている内容なんですが、これはアメリカの国務省が公式見解として出しているものですが、これをよく読んでみますと、いろんな意味がこの中に含まれているのですね。核戦略に関して、米国の戦略目的や日本を守るという必要性もまた、われわれ自身の利益と同様に考慮されなければならず、この二つの問題の間で、日本国民がみずからにとって重要と認めるある種の調整がなされ得ると確信している、こういうふうに発表されてあるわけです。この中で「ある種の調整」という言葉が使われているのですが、これは一体どういうことを意味するのか。いま申し上げたようなことのギャップをどう調整するかという意味を含んでいるのかどうか、その辺どういうふうにとっておられるか、お聞かせいただきます。
  67. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) いまの問題は、衆議院の委員会でも質問が出まして、総理がこれに対しては正式に照会すると、こういう答弁でありまして、正式に照会しましたところ、アメリカの方から正式の回答が参りましたから、それについてそのまま事務当局からお答えをいたさせます。
  68. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 在京アメリカ大使館を通じまして照会した結果を御報告いたします。  「ワインバーガー長官がミッドウェーに触れたことは事実であるが、これは新聞記者に質問されて答えたものである。」  ちょっと経過を申し上げますと、二十八日のコロラドスプリングスの空軍士官学校の卒業式に出席した国防長官が、新聞記者の質問に答えたということでございます。  「その中で、核のかさということを述べているが、これはアメリカは戦後、日本に核のかさを提供してきたので、このため日本は経済的に繁栄してきた、そういう趣旨を述べたものであり、ミッドウェーが核を搭載して日本に寄港しているというごときことを指すものではない。核の存否について米国政府は否定も肯定もしないし、また米国の安保条約関連取り決めのもとにおける日本に対する誓約を誠実に遵守してきていることは、去る二十日マンスフィールド大使が園田外務大臣に述べているとおりである。」  それから、いま御質問の日米両国間で何らかの調整というふうに言われましたけれども、何らかの措置というふうにも訳せるかと思いますが、これは日米安保体制を今後とも円滑に運用していくために日米双方が協力していきたいという、そういう一般的なことを言おうとしているわけでございまして、それ以上にわたって具体的な措置あるいは調整ということを指しているわけではないと、こういうことでございます。
  69. 松前達郎

    ○松前達郎君 調整というのはいろんな意味があると思いますが、どうも日米の調整ももちろんでありますが、国内の調整も十分必要なような感じもするのですけれども、最近の一連のアメリカからいろいろと吹いてくる風、これは見方によっては意識的にこういった発表が行われているというふうな見方もあります。これは日米首脳会談でいろいろ合意をされてきた、これは共同声明の中に出ております。中で一部総理の、本当のことかどうかわからないものもあるかもしれませんが、いずれにしても共同声明が出ている。政府は国内ではいろいろなことを言われているのですが、どうもアメリカ側に立ってみると、いろいろ話し合って共同声明は出したけれども、どうもそれと違うような趣旨のことが進んでいるのじゃなかろうか、こういうふうにアメリカが思っているのじゃないかという論評もあるわけですね。核のかさに依存をする、シーレーンあるいは中東の平和のための努力、防衛努力、これはアメリカに任せっ放しである。しかも、経済的には高度の発展をした、いまちょっとおっしゃったように。しかも、その上日米の安保では、日本への攻撃はアメリカが防衛するという取り決めになっている、こういうことはずっとアメリカ側に立ってみると恐らくそういうふうに言うのじゃないかと思うのです。ずる賢いネズミというふうな感じをどうも持っているのじゃなかろうか。冒頭に私申し上げたのは、そういうことにつながると困るのですから申し上げたのですが、この際煮え切らない日本に強力な刺激を与えてもっとはっきりさせる必要があるというふうに考えているのじゃなかろうか。これはブラウン前国防長官がある対談の中で、日本とアメリカの二つの政府の間には、戦略、世界情勢の認識、協力の考え方、思想、意思の疎通、合意の実施の面でギャップがある、こういうふうに述べられているわけです。また同時に、日米間のギャップは当然あるけれども、それだけではなくて、日本の政策決定とコンセンサスづくりの中に大きなギャップがある、そのギャップが一番問題なのだ、ということをブラウン前国防長官がある雑誌の対談で言われているわけなんです。どうもその辺がやはり本音じゃなかろうか。このギャップを明るみに出していこうというそういう意図があると私はとっておるわけなんですが、恐らくこれは後ハワイでの事務レベルの協議がありますし、また同時に防衛庁長官とワインバーガー会談、これはワシントンですか、ここで行われるわけだ。そういうふうな一連の会談に対す布石をいまアメリカは打っているのじゃなかろうか、こういうふうに考えておるわけなんです。そういう背景に立ってみますと、やはりわが国としてとっていく、先ほど来非核三原則、これは将来とも堅持をしていくというこの大原則があるわけですね。これを堅持しながら、果たしてどういうふうにわが国のかじ取りをしていくべきかという、そういう大きな問題がここ数ヵ月の間に起こってきているのだということをわれわれ認識していかなきゃならない、かように思っておるわけであります。  そういう意味できょうはいろいろ質問さしていただいたわけですが、ミッドウェーの問題、これも五日に入ってくるのですからもうすぐなんですが、このミッドウェーの横須賀母港問題等についても、これからまたいろいろ、以前から母港なのかそうじゃないのか、あるいは、では一体第七艦隊のミッドウェーがこの横須賀をどういうふうに評価して繰り入れているのか、こういうふうないろんな問題、これでも非常に大きな問題があるのですけれども、しかしその中でやはり問題となってくるのは、先ほど来申し上げたような配置における重要な変更というのに当たるのじゃなかろうかという問題ですね。何回も繰り返し出たり入ったりしているとそれに当たらないということも恐らくおっしゃるのじゃないかと思うのですが、しかし最初そういうふうに航空母艦が一隻入るというのは相当大きな戦力なんですね。ではこれを一体どういうふうにわれわれとしては解釈していくべきなのか、安保条約上ですね。それについてひとつお伺いいたしたいのと、それからもう一つは、ミッドウェーそのものが核を搭載している、積載しているということ、これもいろいろと確認はされていないけれども、積載している可能性は非常に大きいということですね。これについてもいろいろな証言等もあります。それを一々つぶしてそうじゃないという反論ができないと私思うのですが、とにかく事前協議をしないから積んでいないのだという一点張りじゃこれは話にならないと思いますが、その辺、この二つについてひとつ御回答いただきたい。
  70. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) ミッドウェーについては、マンスフィールド氏が私に向こうから発言をして、言わないから積んでないというわけではなくて、いままでどおりにアメリカは約束を守ると、こういうことを向こうから発言しているわけでありますから、日米の信頼関係からわれわれはそう思っているわけでございます。  なお、母港という言葉は、御承知のとおりに条約または覚書等において提示された言葉ではございません。しょっちゅう帰っている港だとかあるいは家族がおって待っている港、そういう意味で母港という抽象的な言葉を総理は使われたわけで、これは法的な意味はございません。
  71. 松前達郎

    ○松前達郎君 この問題はまたお昼から同僚の委員からも質問があるのじゃないかと思いますのでこのぐらいにしますが、ミッドウェーが今度入ってくるについて、ミッドウェーそのものがどういう活動をしているかということですね。これも非常に大きな、かつて安保条約締結時代と全然変わった状況というのが出てきているわけです。たとえばミッドウェーは三ヵ月半にわたって海上にあったということですね。どこにいたかというと、中東への自由世界の海上交通路防衛、支援のためインド洋に展開してきたと、こういうことを発表しておるわけです。ですから、過去二十ヵ月の間ほとんど洋上にあって配備についていたと、こういうことになるわけです。これは十年間にわたって横須賀を基地として行動をしている、これは司令官がそう言っているわけですからそのとおりだと思いますが、今後のスケジュールを見ましても、六月末に一たん出港して七月中旬に帰港する、さらに一週間してから再びインド洋へ向かって出港する、行動すると、こういうことになるわけなんですね。こういうことと、それから先ほど来ずっと議論されている中の問題、わが国、日本が今後シーレーン防衛をするというふうな考え方、こういうものと一連のものを含めてみますと、どうもミッドウェーの作戦の中の日本からフィリピンまで、あるいはそれに該当する海域ですね、これについての防衛をわが国が肩がわりするのだと、こういうふうにどうしても受けとめられるわけです。フィリピン以北の航路帯、そういうことになろうと思いますが、この辺、フィリピンにはスビック海軍基地があるわけですね。ですから、恐らくこれがある程度実行されてくるとミッドウェーはフィリピンの方に移転するのじゃないか、移動するのじゃないかということも考えられるわけですが、こういったミッドウェーの入港問題ですね、これはやはりいろいろと疑義がいま出ているわけです。その内容、核の搭載ももちろん含めて、その辺はやはり先ほど来申し上げたような解釈の相違といいますか、ギャップの中でやはりこれは大きな問題として今後提起されてくるのじゃないか、かように思っておるわけなんで、その辺を一体今後いままでどおりの解釈で、悪い言葉で言うと、とぼけてしまうのか、その辺ちょっとお伺いをいたしまして、時間が来たようですから午前中の質問を終わります。
  72. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 先ほどの答弁で落としましたが、ライシャワー発言、これに関連する発言については、われわれの方から考えてどういう意味でやられたかわかりません。しかし、アメリカの政府は終始、アメリカの政府の方からこれに対しては一民間人の発言であるからノーコメントだと、こう言っておられますから、アメリカの政府が何かを意図して計画的にやっておられるものとは想像してはおりません。  なおまた、ハワイの会談、これはおっしゃるとおりに総理も私も非常に注意をいたしております。このハワイの会談は、御承知のとおりに、結論を出す会談ではなくて自由議題でありまして、事務当局者が円満にいくように連絡をする会議でございますから、ここで結論が出ることはないとは思いますけれども、十分これには注意をして、この会議には防衛庁と外務省から出す所存でございます。  かつまた、首脳者会談で、総理が、しばしば言われますとおり、フィリピンの北云々の地域に日本が肩がわりをするということは総理は一言も言っておられません。そういう具体的な話が出た事実もございません。
  73. 秦野章

    ○委員長(秦野章君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十四分休憩      ―――――・―――――    午後一時十八分開会    〔外務委員長秦野章君委員長席に着く〕
  74. 秦野章

    ○委員長(秦野章君) ただいまから外務委員会、内閣委員会、安全保障特別委員会連合審査会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  75. 野田哲

    ○野田哲君 まず、外務大臣にお伺いをいたしたいと思います。  外務大臣二度目のお務めということになるわけですが、前回の外務大臣当時、一九七八年の五月の国連の軍縮総会、ここに日本の代表として出席をされて演説をされております。たしかあのときは大変忙しい日程の中で、JALのカーゴーを利用して帰ってこられたと思うのですが、国連の総会、一国を代表して出席をされる外務大臣がカーゴーに乗られるというのは、これは古今東西初めてのケースだと思うのですが、その演説の内容も非常に高い評価を受けております。国家間の相互不信を除去し、全面完全軍縮に向けての国際的な努力を結集すべきである、こういうふうに訴えておられるわけであります。これを聞いたノーベル平和賞受賞者のノエルベーカー氏が、この演説はその知的な透徹さのゆえにきわめてユニークな堂堂の弁であった、いまや園田外相は世界的な問題や対応策についての思想的なリーダーの一人として国際的な存在になった、こういうふうな称賛をしたということ、これを昨日ある大新聞に、これまた日本の思想的なリーダーの一人である都留重人先生が紹介をされているわけであります。園田外務大臣の一九七八年の五月の国連総会、軍縮問題について述べられたこの演説の思想、これは、今日日本における外交のリーダーシップをとる外務大臣としていまもお変わりはない、こういうふうに理解してよろしいか。
  76. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 国際情勢は、御承知のごとく時々刻々変化をいたします。困難やあるいは障害が出てくると思いますけれども、当時と今日と私はいささかも変わっておりません。
  77. 野田哲

    ○野田哲君 総理にお伺いしたいと思うのですが、先ほどの五月の日米首脳会談の結果発表された共同声明、その共同声明の中にあらわれている思想とか、あるいは世界観、これは総理も帰って何回も各所で説明をされておりますが、自由主義陣営の共通の価値の上に立った同盟、こういう意味、アライアンスという言葉を使われておりますが、いままではこれはパートナー、あるいはイコールパートナー、こういうふうな言葉を使われていた。きょうもある新聞にこのことについてのライシャワー氏の寄稿が載っておりますが、やはり、このパートナーという言葉をいままでずっと使ってきた。大平元総理は一回スピーチの中で使われたということがありますが、文書にした同盟、アライアンスという言葉を初めて使われたわけです。これは、やはりどうしても私たちの受ける印象としては、総理がどのように釈明されようとも、レーガンの強いアメリカ、これを回復していく力の政策をむき出しにしたレーガン大統領の対ソ戦略、こういうものに同意をし、組み込まれていって、その結果があのような共同声明の表現になっている、こういう受けとめ方をぬぐい去ることはできないし、特に太平洋地域での役割りを分担する、こういうことが大きくいま課題になってきているわけであります。  私どもは、そういう点からして、一九七八年に園田外務大臣が国連軍縮総会で述べた演説、いまも考え方は変わりはないと言われた。あるいはまた、いままでとってきた政府の全方位外交、これと今度の日米共同声明の中に盛り込まれている世界観やあるいは具体的な表現というものは、かなり大きく転換をしている、こういうふうに受けとめざるを得ないわけでありますが、その点、いかがですか。
  78. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のように、日米共同声明の中に初めて日米同盟関係ということをうたいとげたわけでございます。私は、こうして参議院並びに衆議院の集中審議でその内容を明らかにし、いまのような疑問がもし国民の間にありとすれば、これによく御説明申し上げ、御理解を願うといういい機会であると思いまして、少しお話しを申し上げるわけでございます。  現在の日米関係、これはお話にもございましたように、自由と民主主義、市場経済体制、そういう共通の価値の上に戦後三十数年にわたって築き上げてきたところの揺るぎのない日米の友好協力関係、これをわれわれは重視もいたしますし、レーガン大統領との間にそのことを確認し合ったのでございます。さらに、そういう日米両国は、この厳しい国際情勢、多難な国際社会にありまして、平和と安定、そして人類の繁栄のために貢献していかなければいけないという、そういう使命を担っておる、責任を分かち合っておる、こういうことも確認し合ったわけでございます。  そういうような日米が世界の平和と繁栄に、国力、国情に応じて貢献していこうということを私どもは同盟関係、そういう責任を分かち合うということを同盟関係ということでうたいとげた。もとより、この中には古くから定着いたしておりますところの日米安保体制ということが存在いたしておるわけでございますから、そういう意味合いにおいて軍事的な側面というものはございます。しかし、今回、共同声明の中で日米同盟関係ということをうたいとげたからといって、現在の日米関係の枠組みを変えるような新たな軍事的意味合いを持つものではないということでございます。ということは、レーガン大統領と私との間におきましては、現在のいわゆる片務的な日米安保条約、安保体制というものを双務的なものにしよう、つまり、個別自衛権から集団的自衛権に移らなければいかぬとか、そういう話し合いは一つもございませんし、また、そういうことは日本憲法からいたしましてそれはできない相談であるわけでございます。  それから、さらにまた、日米の間におきましていわゆる攻守同盟というような意味合いにおける軍事同盟というようなものは、これも許されないことでございまして、そういう意味合いから、私は、この機会に明確に同盟関係と初めてうたいとげましたけれども、いま申し上げたようなことであるということをはっきりと申し上げておきたい、こう思うわけでございます。
  79. 野田哲

    ○野田哲君 核問題がいま大きな問題になっております。そこで、この間防衛庁長官と私は何回かやりとりをしたのですが、すれ違いになりましたが、外務大臣に伺いたいと思うのです。  防衛庁が昭和五十五年度の事業として委託をして、平和安全保障研究所、先ほど中西委員の質問の中でもちょっと出ておりましたが、猪木正道さんが代表をやっておられる研究所ですが、そこからの防衛庁の委託によってつくったレポートが出ているのです。その中で、「ラロック証言をめぐる日米の反応」という項がありまして、特にアメリカ側でとってきた措置等についてかなり詳しく記述をされているのです。これは私どもがいま核問題を審議をしている立場から見ると、大変な問題がここに提起をされているのです。    〔委員長退席、外務委員会理事稲嶺一郎君着席〕  内容をちょっと要点だけ読み上げてみますと、一九七四年の「ラロック証言をめぐる日米の反応」、こういうことでラロック証言があって、これは日本にも大変な衝撃を与えたわけでありますが、私も何回か当時内閣委員会で質問に立ったわけですが、このことについてその対応策として、当時の安川駐米大使とインガソル国務次官補が会談をした、そして「ラロック発言は、一私人の発言であって、アメリカ政府の見解を反映するものではない」、こういう新聞発表を行った。当時木村外務大臣がこれを鬼の首でも取ったような形で発表して、国会審議を鎮静化させよう、打ちとめよう、こういうふうに使われたわけなんです。ところが、これについてこういうふうに書いてあるのです。   このペーパーは、最初「了解」というタイトルがつけられていたが、後にマジック・インキで「了解」を消し、発表された。これは、この「了解」が、日本国内向けだけのものであり、アメリカ側には文書で記録を残さないためのものであった。  日本政府はこのペーパーをもって国会対策を行ない、事前協議がない以上、核持込みはないと確信する、という従来の路線を踏襲した。  こういうふうになっているわけです。つまり、この問題の最後の日米間の処理の交渉に当たった安川駐米大使とインガソル国務次官補の会談というのは、日本に向けて国会対策に使うためのペーパーとしてつくられたものであって、アメリカではそういうものは残さないようにされたのだと、こういう経過が記述をされているわけです。   さらに、事前協議の具体的内容を定めた「藤山・マッカーサー口頭了解」のアメリカ側文書が存在しない可能性が十分ある――という事実がある。  日本側では、政府側から安保国会に提出された「藤山・マッカーサー口頭了解」の内容が存存するが、筆者の知る限り、アメリカ側には存在せず、恐らく、前記の「安川・インガソル了解」と同じく、日本側にだけ文書として残されたものかもしれない。  こういうふうになっているわけです。これは一私人の発言とかレポートではなくて、防衛庁が防衛庁にきわめて近い研究所に委託をして研究をしたレポートから、防衛庁レポートとして防衛庁に提出をされた、この中に安川・インガソル会談の経過が述べてあるわけです。これはもう大変なことだと思うのですよ。事あるごとにこういう形ででっち上げが行われて、日本に向けてだけ何かのペーパー、コメントが発せられて、それによって国会対策を鎮静化していく、こういう繰り返しがあったのでは、何のためにわれわれが非核三原則を審議しているのか、意味をなさない。私はこのようなレポートがある限りは、この衝に当たった安川元駐米大使に対して事の真相を明らかにしてもらいたい。同時にまた、安川さんを国会に証人として出席を求めて事実の真相を確かめたい、こういうふうに考えるわけで、外務大臣のお答えと、それから委員長としての適切な措置をお願いをしたい、こういうふうに思うのです。
  80. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 防衛庁が委託をされてつくられた研究文書、これがどのような権威を持つか、私には判断はつきませんが、少なくとも事件が起こった以後、安川・インガソル、それから藤山・マッカーサー会談等によって確認したところでございます。したがいまして、外務省がしばしばこの件について答弁しているとおりでございまして、いまの研究文書にはわれわれは関係はいたしません。かつまた、安川君に真相を聞くことは、われわれの方でもいたしますが、国会の方は国会の方で別個の問題でございます。
  81. 野田哲

    ○野田哲君 これは公職にある安川駐米大使なんですよ。それとインガソル国務次官補が、あのラロック証言、国会で、アメリカの連邦議会で行われた発言が日本に対して大変な衝撃を与えた、国会で大問題になった。これに対して政府の指示によって安川駐米大使とインガソル国務次官補が会談をして一つのコメントをつくったわけです。しかし、それは日本向けだけのものであって、アメリカには何ら残さない形でつくられたのだ、それを使って国会で答弁し、国会対策をやってきたのだ、こういう事実がこれは防衛庁が委嘱した研究レポートの中に含まれているわけですから、当然これは防衛庁でも問題にしなければならないはずのものだし、外務省としても、これは大変なことがここにレポートとして出されているわけですから、事の真相を明らかにしてもらわなければ、私は了解するわけにいかないと思うのです。
  82. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) ただいまラロック発言と、安川・インガソル会談、あるいはインガソル国務長官代理の発言についてのお尋ねでございます。  ラロック発言についてはここで細かく申すまでもないことでございますが、四十九年の九月の十日、アメリカの議会の上下両院原子力合同委員会軍事利用小委員会においてラロック退役アメリカ海軍少将が日本を一例に挙げながら行って、核兵器を搭載する能力のある艦艇は核兵器を搭載していると、それらの艦艇は最新型云々ということがございまして、それが国会で問題になりましたので、当時の政府としては、事前協議制度のもとでアメリカ側が事前協議にかけなくて核を持ち込んでいるということはないと確信しながらも、そういうことがございましたので、アメリカ側に念のために照会したわけでございます。その照会に対してアメリカ政府は、四十九年の十月十二日にいわゆるインガソル国務長官代理という者の見解を示してきているわけでございまして、これがいま言われるように、日本向けのみであってアメリカ向けではないというふうにはわれわれとしては考えておりません。
  83. 野田哲

    ○野田哲君 それがそうではない、日本向けだけにつくられて、アメリカには残らないような形でこのコメント、ペーパーがつくられた、こういうふうなレポートが防衛庁へ提出されているから私が問題にしているのです。大村長官、その経緯を明らかにしてください。
  84. 大村襄治

    ○国務大臣(大村襄治君) 前回内閣委員会で先生のお尋ねに対しましてすでに御報告申し上げましたとおり、ただいま引用されました報告書は防衛庁が部外に対して行っております調査研究委託の報告書でございまして、その内容は民間研究機関としての立場から書かれたものでありまして、防衛庁あるいは政府とは関係のないものであります。報告書の中で引用されております米国の元国務次官補の発言につきましても、「新聞記者としてしゃべるのだが」と本人が断っているとおり、米国の政府とは関係のない一私人としての発言にすぎませんし、またセイヤー教授についても同様でございます。民間の機関が自由な立場で取りまとめました報告でございますので、それはそれなりとしての価値はあると思うのでございますが、いま申し上げましたように米国政府の意見そのものを掲げているわけではないので、防衛庁といたしましては、報告書を受け取ってはおりますけれども、それについて特に問い合わせをするとかそういうことはいたさない考えであるということを前回申し上げた次第でございます。
  85. 野田哲

    ○野田哲君 政府とは関係ないとは私は言えないと思うのですよ。防衛庁が昭和五十五年度の予算の中から委託費を出してそして研究を委託したわけでしょう。しかもその相手方というのは、たったこの間まで防衛大学校長をやっていた猪木さんが代表をやっている平和安全保障研究所なんです。    〔委員長代理稲嶺一郎君退席、委員長着席〕 そこから出たレポートの中に、ラロック発言の処理をめぐっての安川大使とインガソルの会談のいきさつが政府に提出したレポートの中に書かれているわけです。それが日本の国会対策に使うために日本向けにだけの文書としてつくられた。こういうことが載っているとすれば、事の真相を明らかにしてもらう、これは当然のことじゃないでしょうか。外務大臣、これは調査していただけますか。
  86. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 研究を委任された防衛庁の方でこれは政府の意見とは別個であると言われておりますが、私はその文章も後で承ったわけでありますが、それを研究を、文章を書かれた方の考え方もあると思いますが、私の見るところでは、日本は日米安全保障条約、米国のかさの下に、かさの抑止力に依存している、だからもっと核の出入りは自由にというような考え方を持ったような方の研究のような気がいたします。しかしいずれにしても、そういうことがありますれば私の方ではそれぞれ関係者に問いただします。
  87. 野田哲

    ○野田哲君 政府が委嘱した研究のレポートに、こういう一国を代表する大使が、相手国の国務省のやはり外交を担当する高級幹部との間で、ただ日本の国会対策のために片側だけに向けてのこういうレポートというか、コメントをつくった。こんなことが記載されているとすれば、これはゆゆしい問題だと思うのです。これは外務省、安川さんの名誉のためにも私は事の経過を詳細に調査をした上でしかるべき場所へ報告を願いたいと思います。いかがでしょうか、外務大臣。
  88. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 正式にアメリカの政府を代表する国務省の次官と正式に日本を代表する大使との間の会談が一方的につくられたものであるとは想像することはできませんけれども、しかしそういう記事が載ることはおっしゃるとおりこれは大変なことでありますから、事実を調べます。
  89. 野田哲

    ○野田哲君 これはできるだけ早い機会に、しかるべき外務委員会なり内閣委員会なりに報告をひとつお願いしたいと思います。  岩国の問題について外務省それから防衛庁にお伺いをしたいと思うのです。これは外務大臣、岩国の航空写真なんです。一九六四年の四月二日のもの、それから一九六四年の六月のもの、岩国の基地周辺を飛行機から写真に撮っているわけなんです。ちょうどエルズバーグ博士の発言がいま問題になっているわけです。これは三年前にエルズバーグ博士が日本に来まして、私も広島、岩国、名古屋と同道したわけなんですけれども、彼の発言また最近非常に大きく衝撃を与えているわけですけれども、彼の話っているところは、岩国沖のLSTに積んだ核があったと、こういうふうに発言をしております。内容は岩国沖に長期間停泊していたとされる核弾頭積載のLSTについて、六一年のマクナマラ国防長官による撤去命令があったけれども、結局は実施されなかった、海軍の反対によって実施されなかった。そして第二番目には、少なくとも六七年段階で停泊が確認されている。こういうふうに言っています。しかも第三番目には、岩国基地の兵器担当官は、六二年から六四年の調査段階でLSTから核弾頭が陸揚げされ、基地内の地下ごうに貯蔵されたことがあると証言を得た。四番目には、核の積載のLSTの存在は日本側に極秘とされていたが、陸揚げの事実は日本の自衛隊幹部制服数人に確実に伝えられた。こういうふうに言っているわけです。  この六四年の航空写真、私も現地に行ってあの周辺に住んでいる人からも事情を聞きました。これをちょっと――(資料を示す)  四月のところは防波堤の沖に二ヵ所並んで停泊をしています。それから六月のところではちょうどエルズバーグが語っていると同じように、一隻は元の位置であとの一隻は防波堤の内側に入って荷揚げを行っている形になっているわけです。私は、それは小さい写真ですけれども、現地の人から間違いなく一九六四年当時こういう形でLSTが停泊していた、こういう証言を得ておりますし、現地の新聞にも現地の人の談話が報道されているわけなんです。ぜひこれは、これだけ何回もLSTが停泊をしていたということ、あるいは基地内の弾薬庫の問題等が何回も問題になっているわけでありますから、しかもそのことを防衛庁の制服の幹部数名は知っていたということでありますから、その経緯をそれぞれアメリカ側、防衛庁内それぞれ確かめて具体的な事実を調査をしてもらいたい、こういうふうに考えるのですが、いかがでしょうか。
  90. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) エルズバーグ発言、あるいはいまお示しになりました三十九年四月二日でございますか、LSTが岩国の沖にいたということでございますが、まずエルズバーグ発言それ自身がどういう脈絡のもとで発言されているかということは必ずしも明らかでございませんし、また御本人がその後発言を一部訂正されている点もございます。  それから、いましSTの写真をお示しになりましたけれども、そのLSTが岩国の沖にいるということだけでは、それはそれに核が搭載されているか否かということそれ自身そのものから証拠にはならないということでございまして、政府としてはいわゆる記録とか伝聞に基づくものについては、これはアメリカ側に照会しないということでございますし、仮に核の持ち込みがあるという――私たちはそういう核の持ち込みはないということに立っておりますが、もし核の持ち込みがあれば当然それは事前協議の対象になるということでございますので、いま御指摘になりました写真だけではこれを調査するという考えはございません。
  91. 野田哲

    ○野田哲君 いまの説明ですけれども、アメリカ側は核の存在については言わないという立場をずっとアメリカの最高機密の政策として取り続けている。これについて午前中の質問でマクマホン法ということを出されている。きのう見たNHKの討論会でも、宮澤官房長官はマクマホン法によってアメリカは言えないという事情があると、しかし、これは昭和四十九年十月、木村外務大臣がマクマホン法によって言えないということではないと、こういうふうにこれは取り消されていると思うのですよ。そのことはともかくとして、アメリカ側は核の所在については言わない、存在については言わないという立場を取り続けているのと、日本はこの非核三原則、その中には通過も含まれる、寄港も含まれる、こういう立場での事前協議、これはどうやってかみ合うのですか。相手は言わないという。これとこの事前協議、核の存在についての事前協議、持ち込みについての事前協議、どういうふうにかみ合うのですか。私はこれは絶対にかみ合わないと思うのですが、いかがですか。
  92. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 合衆国政府が核兵器の所在を高度の機密性を有する国防情報とみなして、そうして核兵器の所在を確認することも、否定することもできないという立場をとっているのは、野田委員御指摘のとおりでございます。しかし同時に、昭和四十九年の十一月七日にわが方から照会いたしまして、それに対してアメリカの国務省から回答が来ておりますが、その中で、「この原子力法あるいはその他いかなる国内法も正当に権限を与えられた合衆国の官吏が事前協議に関する約束を履行することを禁止しまたはこれを妨げるものではない」ということを言っておりますので、もしアメリカが日本に核を持ち込みたいということであれば、そういう政策あるいは法律にもかかわらず、事前協議をアメリカ側は実行してくることはできるわけです。その点はアメリカ側から四十九年にすでに回答を得ているわけでございます。
  93. 野田哲

    ○野田哲君 外務大臣、日本は核の持ち込み、領海通過、寄港については事前協議という制度があって、アメリカ側から協議があればノーと言うのだと、こういうふうに言っておる。ところが、アメリカ側は核の所在については言わない。最高機密として言わない。これは事前協議がかみ合うはずはないでしょう。どうやってこれをかみ合わせるのですか。お聞かせいただきたいと思うのです。
  94. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 米国がソ連と同様、核の配備、運搬、その他について戦略上の機密として発表しない、ノーコメント、これはわかります。しかしながら、一方、日本との条約、規定等によって核の持ち込みに対する事前協議があるわけでありますから、その事前協議について日本が聞くことにノーコメントということはできないと、こう私は解釈しますので、これはかみ合わないはずはない。したがって、わが方は証拠や写真等があれば、これは照会をする、また聞きであるとか、記憶であるとか、そういうものは照会をしないと、こういうふうに方針をとっておるわけでございます。
  95. 野田哲

    ○野田哲君 写真とか証言とか、しかも国会の証言、これらで私どもが質問をしても、これに対しては伝聞だの、こういう形で解明をそらされているわけですよ。結局、いままでの政府の態度からすれば、どこかわが国の国内、領海などで爆発でも起きるか、目の前に赤い色を塗った核弾頭でも突きつけられない限りは、あなた方も認めようとなさらないわけです。アメリカは最高機密だということでイエスともノーとも答えない。こういう態度をずっと取り続けている。それが何回もいま繰り返されているわけです。  角度を変えて伺いますが、大村長官、あなたはミッドウェーの入港について延期しろという主張に対して、ミッドウェーの入港ができないと安保の有効な運営が阻害される、こういうふうなことを言っているわけですが、ミッドウェーを初めとして、日米の安保条約によってアメリカが提供してくれる核のかさの中に日本は入ってくるのだと、こういう政策を取り続けているわけですが、この核のかさというのは、具体的に日本周辺に配備されているアメリカの軍事力の中ではどこかこの核のかさを実際には持っているのですか。――大臣に聞いているのだから、大臣から答えてくださいよ。
  96. 大村襄治

    ○国務大臣(大村襄治君) ただいま日本の核のかさについて、日本の周辺で具体的にどう配備されておるかという趣旨のお尋ねでございましたが、わが国は核の脅威に対しまして全面的にアメリカの抑止力に依存しているわけでございます。その場合の抑止力につきましては、いろいろ内容はございましょうが、総合的な核抑止力に依存しているわけでございます。また、わが方が非核三原則を堅持しているということも米側はよく承知しておるところでございますので、具体的に明らかにせよと言われましても、その点は申し上げるわけにはいかない。総合的な抑止力に依存しているということを申し上げざるを得ないのであります。
  97. 野田哲

    ○野田哲君 私はかさはアメリカのどの部隊が日本に差しかけているのか、こういうふうに聞いているわけです。日本の国内にいるのは岩国とアメリカの海兵隊、それから航空、これは国内にいるわけですから、あなた方の説からいくと核を持っていないということになるわけですね。そうすると、あなた方が期待している核のかさというのは第七艦隊しかないでしょう。第七艦隊。そうじゃないですか。
  98. 大村襄治

    ○国務大臣(大村襄治君) 第七艦隊もあろうかもしれないし、そのほかのものもあろうかもしれません。総合的な核抑止力に依存しているわけでございます。
  99. 野田哲

    ○野田哲君 第七艦隊もあろう、そのほかのものもあろう。そのほかというのはどこなんですか。私は、日本並びに日本周辺に配備されているアメリカの部隊の中で核のかさはどこが持っているのか、こういうふうに聞いているのです。
  100. 大村襄治

    ○国務大臣(大村襄治君) ただいまのお尋ねにつきまして、政府委員をして答えさせます。
  101. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) 日本がアメリカに依存しております核のかさでございますけれども、これはまさに長官から申し上げましたとおり総合的なものでございます。  まず、一番大きなかさから申しますと、これは戦略核でございまして、これはアメリカの持っております三本柱、すなわち地上のICBM、それから潜水艦によるSLBM及び戦略爆撃機、この三つからなりまして、ソ連による戦略核の月本に対する攻撃を抑止してもらっている。その次にまいりますのは戦域核でございますけれども、戦域核につきましても、従来ともシベリア地方にIRBMが各種ございますけれども、これに対して抑止力としての機能を主として果たしておりますのは、主としてグアム島におりますポラリス潜水艦のSLBMでございます。これは戦略兵器と数えられておりますけれども、射程等から考えまして、これはむしろ戦域核的使用ということになっておりまして、わが国に対する戦域核に対してはポラリス潜水艦が抑止の効果をしております。特に、しかし問題は、最近ソ連のSS2〇、バックファイア等の配備によりまして戦域核が非常にソ連は強くなりました。それからまた、最近ソ連の海軍艦艇の配備が非常に急増しておりまして、いずれもこれはかなり相当高度の戦術核を搭載する能力を持っている。この点につきましてアメリカはかなり真剣に検討しておりまして、日本に対する核を万全たらしめるためにいま再検討の段階にある、かように承知しております。
  102. 野田哲

    ○野田哲君 防衛庁長官ね、戦略核とか戦域核とかそれはわかっているのですよ。日本周辺で戦術核として配備されているのはこれは第七艦隊以外はないでしょう。そうでしょう。――長官だよ、これは。
  103. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) アメリカは核配備、いずれの地域に配備されているかされていないかにつきましては、公式にはイギリスにおきますホーリーロッホ以外には確認もあるいは否定もしておりません。ただ、韓国につきましてはこれは核の使用をし得ると。ということは、ある場合には核をそこに持ち込むこともあり得るということも言っておりまして、それで日本周辺におきまして韓国の場合は可能性があるということは十分申し上げられると思います。それから、クラークもこれは事前協議制度がございませんので、これまた可能性もあるともないとも言えると、そういうことでございます。
  104. 野田哲

    ○野田哲君 私は、第七艦隊が核装備をしているのかどうか、このことを聞いているんですよ。長官から答えてください。
  105. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) 第七艦隊を含めまして、米国の空母、巡洋艦、駆逐艦、駆逐艦は大部分でございます、駆逐艦及び攻撃型潜水艦、これはいずれも核装備可能でございます。ただ、現に第七艦隊が核装備しているかどうかはこれは確認するすべはございません。
  106. 野田哲

    ○野田哲君 核のかさを提供していると、こうアメリカが言っているのですから、日本に対して核のかさを提供している、こういうふうに言っているとすれば、戦略核、戦域核を除いた戦術核については、これは第七艦隊、こういうふうに理解するしかないわけでしょう。空軍やあるいはマリーンが持っているとすれば、これは沖繩、岩国にあるということですから、なおさら人ごとになるのですよ。そこで私は、その第七艦隊の日本における、総理は母港という言葉を、これは初めてですよ、二十九日に、横須賀はミッドウェーの母港だというふうに答えられたのは国会では初めてですがね。この配置という問題について、母港という問題について伺いたいと思うんですが、いままでのずっとこの種の問題の議事録などを読んでみますと、配置ということ、交換公文にあるこの配置、この配置の概念からすると、身分的に在日米軍に所属をするか、そして在日米軍司令部の指揮下に入る、そしてそこに定着をする、これが配置だと、こういうふうに言われています。それで、第七艦隊の艦艇、たとえばミッドウェーのように二、三ヵ月太平洋、インド洋で任務について、その後しばらくして横須賀に帰ってくる、こういう状態は配置とはならない、こういうふうに解釈されるわけですが、そういう理解なんですか。
  107. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) まず母港、これは法律用語ではございません。一般に艦船の在籍港あるいは登録港、家族居住地または活動上の根拠地というようないろいろな意味合いで用いられております。で、日米安保条約における配置とは、いま野田委員が言われましたように、アメリカ軍がわが国の施設、区域を本拠地あるいは根拠地として駐留する場合を言うと、これは四十八年の十二月の五日、文書をもって参議院の決算委員会に提出されているわけでございます。  それから、母港という言葉を従来国会審議で使ってないじゃないかというお尋ねでございますが、四十八年の二月二日、衆議院予算委員会において、当時のアメリカ局長が、「米空母ミッドウェーが横須賀をいわゆる母港として使いますことは、ミッドウェーの乗り組み員の家族の横須賀周辺における居住を認めるということでございまして、ミッドウェーそのものが日本の防衛に」云々ということでございまして、ですから、ここで言っている母港というのは、まさにその乗組員の居住地として横須賀が提供されている、こういうことでございます。
  108. 野田哲

    ○野田哲君 結局総理ね、総理は母港と言われたけれども、日米間の取り決めからいくと、これは日米間のこの交換公文に基づく口頭了解、この中で言われている「「配置における重要な変更」の場合」、いわゆる事前協議ですね、第七艦隊は配置ではないわけですから、そうすると、重要な変更、配置における重要な変更というこれに該当しないわけですから、第七艦隊というのは日本に、横須賀、佐世保にどれだけのものが寄港したりあるいは一定期間滞在しても一切これはこの口頭了解の第一項の配置における重要な変更の場合、これに該当しないと、こういうことになる。ましてこの第二点の「「装備における重要な変更」の場合」、つまり「核弾頭及び中・長距離ミサイルの持込み並びにそれらの基地の建設」、これについてもアメリカはその存在を言わないのだから、これは事前協議の対象にならない。第三番目は、作戦行動でありますから、これも現在のところでは対象にならない。こうなってくると、第七艦隊というのは横須賀や佐世保をあれだけ使っておりながら一切事前協議の対象にならない、こういう不思議な扱いを受けているわけです。結局これは総理、第七艦隊の存在というものの根拠地、母港として正式に認めていこうとすれば、それなりの事前協議の対象になる。事前協議の対象にしようとすれば、核積載可能な艦艇でありますから当然そこにはイエスかノーかという決断を迫られる。そこで、私どもの受けとめ方としては、第七艦隊というものがあれだけ母港、実質的な母港でありながら事前協議の対象外に置かれているというのは、つまり核の存在について、その有無についてアメリカ側も日本側もさわりたくない。こういう事前協議の実質的なこれはしり抜けの措置としか思えないのですが、外務大臣いかがでしょうか。これは大臣に答えてもらわなければ、こんなものは政治的な問題ですよ。これは局長の答えることじゃないですよ。
  109. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) ただいま御指摘のありました配置における重要な変更というのは、先ほど申し上げましたように、日本を本拠地あるいは根拠地として使う場合でございます。  しかし、第二段の、装備における重要な変更、これは交換公文を読んでいただきますと、まず第一に、合衆国軍隊の日本国への「配置における重要な変更」、第二段は、同軍隊の「装備における重要な変更」ということでございまして、ここで言っているのは、日本に配置されなくても日本の施設、区域を一時的に利用するとか、あるいは領海、領空その他を使うというものが含まれているわけでございまして、われわれはミッドウェーが核装備をしているというふうには思っておりませんけれども、仮に核装備をして日本に入ってくるということであれば、この「装備における重要な変更」ということに該当するということになるので、事前協議の制度がこれによって七艦隊を全くしり抜けにしていると、対象外にしているということは言えないと思います。
  110. 野田哲

    ○野田哲君 それは全然違うのじゃないですか。アメリカは核の存在について言わないわけでしょう。だから事前協議の口頭了解事項の第二項、第七艦隊が核弾頭を持ってこれから横須賀へ入りますよということは言うはずはないのですよ。だから、いまの淺尾局長の言うのは理屈としては成り立つかもわからないけれども、実態としてはそういう事前協議が提起されることはあり得ないということなんですよ。そうすると、第七艦隊、あれだけの軍事力が日本の港を使っているのが、一項にも該当しない、二項からの提起はない、こういうことであれば、全くこれはしり抜けということになるわけですから、この事前協議条項の口頭了解のこの三つの項、これは現状に照らして、もう一回これは改めてもらわなきゃ、実際に機能するようにやり直してもらわなきゃならないと思うのですが、どうでしょうか。――こんなことは外交の政策の問題だから、これは外務大臣に答えてもらわなきゃ審議が進まないですよ。
  111. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) まず私から答えます。  先ほど申し上げましたように、装備における重要な変更は日本に配置された米軍のみに限らない、しかしアメリカは核の存否を言わないという政策があるから事前協議は空文化しているではないかというお尋ねでございますが、同時に、すでに日本政府がアメリカに確認したところによれば、アメリカの権限を与えられた役人は、そういう核の存否を否定も肯定もしないという政策にもかかわらず事前協議を履行するための権限を与えられ、その約束を履行していくことを妨げるものではない、こういうことでございます。
  112. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) いま政府委員が答弁したとおりでありまして、問題は核の運搬その他、存在について公表しないという点は、事前協議を受けた場合のその事項を日本政府が極秘に守るかどうかということであって、全然逆行しない。したがって、今回もライシャワー発言を背景にして米政府から自発的に、いままでどおりこの約束は守る、こういうことを言っておるわけでありますから、私はこれでしり抜けではない、こう考えます。
  113. 野田哲

    ○野田哲君 大村長官、あなたは防衛の責任者として、ミッドウェーは日本に入港してもらわなきゃ困ると言っているのだけれども、ミッドウェーやその他の第七艦隊で日本の横須賀、佐世保を使っている艦艇、核装備可能な艦艇が日本へ入港するときに、どこかに立ち寄って、グアムに立ち寄るかフィリピンに立ち寄るかあるいは核弾頭を輸送する艦艇とどこかで待ち合わせをするか、日本に入港する前に核弾頭をどこかでおろしているというようなことを確認していますか。どこでおろすのですか。
  114. 大村襄治

    ○国務大臣(大村襄治君) 約束は守られていると信じております。
  115. 野田哲

    ○野田哲君 大村長官、これだけラロック発言、エルズバーグ発言、ジョンソン発言、こういう形で日本の国民が不安を感じているのですよ。そして、日本とアメリカの外交関係、防衛関係についての不信感を持っているのですよ、核問題について。それに対して信じますだけじゃこれは国民は了解しませんよ。日本に入ってくる艦艇には核がないということを立証する措置をとらなければ国民は納得できないじゃないですか。横須賀の市長以下市民をどうやって納得させるのですか。あなたは、ないということをどこで保証するのですか。
  116. 大村襄治

    ○国務大臣(大村襄治君) ただいま外務大臣がお述べになりましたような日米間の経緯もこれあり、私は日米間の信頼関係に基づき、非核三原則に基づく日本側の意見を尊重して米側は核の持ち込みについて約束を履行しているものとかたく信じているものであります。
  117. 野田哲

    ○野田哲君 時間が参りましたので総理に最後に伺いますが、日米安保体制、これはアメリカの核のかさ、これが一つの大きなウエートを占めているわけですが、現にまたワインバーガー長官もミッドウェーも核のかさの一環という意味の発言をしているわけですが、日本がアメリカの核の抑止力に依存をするということと、日本の国是としている非核三原則、これを厳重に守ることとはどうしても私は理論的にも実態的にも相入れないのじゃないかと思うのですが、相入れると総理はお考えになりますか。
  118. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) アメリカの核の抑止力、これは日米安保条約によって提供をされておるわけでございます。日本の防衛の上からいたしまして、この核の抑止力を含むアメリカの安保体制、日米安保体制というのは日本の防衛政策の大きな柱である、このように考えます。  そこで、問題はこの核の抑止力ということと非核三原則、つまりわが国の領土、領海、領空等に対して核が持ち込まれておるかどうかという問題に係るわけでありますが、私は持ち込まれなくとも、アメリカの核の抑止力ということは十分機能している、もし核攻撃を受けるような場合には、このアメリカの核の抑止力というものが働くというそれ自体が私は大きな抑止力に相なっておる、こう思うわけでございます。したがいまして、日本の中に持ち込まれると否とにかかわらず、私はアメリカの核の抑止力というものは十分機能している、相矛盾するものではない、このように考えています。
  119. 野田哲

    ○野田哲君 総理ね、何かの事情によって核の持ち込み、この事前協議が行われたという場合と、日本の非核三原則、どっちを優先してとられますか。一言で答えていただきたいと思います。
  120. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 非核三原則は、これは国是とも言うべき重要な政策でございます。それから日米安保体制、これは日本の防衛上、大きな重要な柱であるということでございまして、相矛盾するものではない、このように考えます。  それから、野田さんの先ほど来の外務大臣、その他に質問されておることを私よく傾聴しておったわけでありますが、一方において事前協議制というものがある、しかしアメリカの核に対する政策としてどこに存在しておるかどうか存否を明らかにしない、こういうアメリカの政策、こういう立場においてかみ合わないのではないかということを先ほど来おっしゃっている。私はアメリカの核の存否を明らかにしないというアメリカの政策、これに日本側があれこれ注文をつけるわけにはまいりません。しかし、一方において、わが国がアメリカとの間に結んでおりますところの日米安保条約、それに基づくところの事前協議制、これは私は非常に大事な問題であろう、こう思いますから、事前協議制を私は安保条約から外してはいけない、このように思います。
  121. 野田哲

    ○野田哲君 最後に一言。総理ね、昭和三十五年五月二日、安保条約の審議の一番クライマックスのときですね、安保条約の審議の特別委員会の中でこういうやりとりがあります。受田新吉委員一もう亡き人ですけれども、受田さんの質問、「第五条の外部から武力攻撃があった場合に、在日米軍が核装備をしよう、核兵器を持ち込もう、こういう場合も事前協議に入ると午前中御答弁があった。従って、日本が外部から武力攻撃を受けておる最中であっても、米軍に核装備をすることを断じて許さない、その場合もちゃんと断わる、かように了解してよろしゅうございますか。」これは受田新吉さんの質問です。これに対して岸総理は「その通りです。」と明快に当時答えておられるわけです。この精神はいまも変わりませんか。
  122. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) これはわが党の歴代内閣が一貫してとってきている政策でございまして、私もこれを堅持してまいる考えであります。
  123. 矢田部理

    ○矢田部理君 序論を抜きにして、当面最大の課題となっております核問題について政府の見解をただしていきたいと思います。  最初に、確認的に伺いたいのでありますが、野田委員の後段の議論でもあるわけでありますけれども、非核三原則は従来どおり堅持をされる、しかも、それは国是として堅持をする、当面だけではなしに、将来にわたって堅持をする、子々孫々までこの原則を堅持するということになるのかどうか、まず伺っておきたいと思います。
  124. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 国是という言葉は私は国民から広範に支持されておる重要な基本的な政策、これを国是というぐあいに認識をいたしておりますが、この非核三原則はそういう意味におきましては私はまさに国是であると、このように考えますし、政府としては今後とも堅持してまいります。
  125. 矢田部理

    ○矢田部理君 そこで、総理が将来にわたっても堅持するという三原則の中身をさらに確かめておきたいと思うのでありますが、とりわけ現在持ち込まずの原則をめぐって日米間にいろんな議論が出てきておることは御承知のとおりであります。そこで、日本政府の持ち込ますという立場は単に陸揚げ以降のことだけをいうのではなくて、寄港、通過も含めて持ち込ませない、持ち込むことは認めないと、そういう立場であるかどうかをまず確認しておきたいと思います。
  126. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) そのとおりでございます。
  127. 矢田部理

    ○矢田部理君 その通過の中にも、かつての議論の中で公海から公海にわたるに当たって、ちょっとだけ通る、かすめるというような通過も含むとされてきたわけでありますが、そのとおりでしょうか。いや、ちょっと大臣の見解を聞いている、重要な内容ですからちょっと待ってください。重要なこの原則の中身を詰めているのですから、大臣、言ってください。
  128. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 同じことでございますから、事務当局に征したわけであります。そのとおりでございます。
  129. 矢田部理

    ○矢田部理君 もう一点同じような質問をしたいと思うのでありますが、それはたとえば、台風のときの避難とか、戦時、戦争中も、仮に戦争になったとしても同様の態度をとるというふうに確認をしてよろしいでしょうか。
  130. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 緊急避難の場合のことだと思いますが、そのとおりでございます。
  131. 矢田部理

    ○矢田部理君 ということでありますから、まずその点を明確に確認をした上、次の質問に入りたいと思いますが、そういう日本の態度はいつごろから確定をしたことになるのでしょうか、いま園田外務大臣が確認をした中身です。
  132. 伊達宗起

    政府委員(伊達宗起君) お答え申し上げます。  いつごろからかと申されましても、特にはっきりとした時点というものを申し上げるわけにはいかないと思います。と申しますのは、非核三原則ということが日本政策として採用されるに至りました時点というのは、何月何日ということではなくて、大体、恐らく佐藤総理の時代であったということが言えると思うわけでございます。  そこで、いま矢田部委員からいろいろと細かく非核三原則のわが国の政策の内容をお聞きになりました個々の項目について、それがいつからかということを私から申し上げるのは、非常にむずかしくてできないことでございます。  ただ、一番最後におっしゃいました領海を通っていくものも含むのかということでございますれば、これは衆議院段階におきましても私がお答えいたしましたように、領海をただ単に単純に通っていくものは無害通航である、したがってこれはいわゆる持ち込みということには該当しないのだという考え方をとっていた時代がございます。これは昭和四十三年に至りまして、これをしも無害通航とは認めないというふうに無害通航の考え方を変えたものでございますので、そのとき以来、領海を通るものも非核三原則の対象となるという考え方になっているわけでございます。
  133. 矢田部理

    ○矢田部理君 本格的に非核三原則が政治の場に上ったのは四十三年の一月、当時の佐藤総理が施政方針で述べられた、大平さんが代表質問でその内容をさらに詰めるといいますか、展開をするということから始まるわけでありますが、いま外務省からお話がありましたように、通過について先ほど大臣が言われたような内容に固まった、決めたのは四十三年の四月というふうに聞いておるのですが、そのとおりでしょうか。
  134. 伊達宗起

    政府委員(伊達宗起君) そのとおりでございます。
  135. 矢田部理

    ○矢田部理君 そうだといたしますと、そのときまでは少なくとも日本政府の考え方、これは通過、とりわけ一時通過については無害通航として通航してよろしいという対応をとっていたわけですね。
  136. 伊達宗起

    政府委員(伊達宗起君) お答え申し上げます。  ちょっと細かくなりますが、ただいま矢田部委員のおっしゃいましたのは、通過は無害通航としてよろしいという立場をとっていたのかということでございますが、厳密に申しますと、そういうことではなくて、通過であっても無害通航に当たる場合はよろしいという立場をとっていたわけでございます。
  137. 矢田部理

    ○矢田部理君 具体的に伺いますと、核積載艦であってもこれを無害通航として一時的に通過することは否定しないということになるのではないでしょうか。
  138. 伊達宗起

    政府委員(伊達宗起君) 核を搭載しております外国軍艦が領海を通過する場合、それが無害通航に該当するものであればそれはよろしいということでございます。
  139. 矢田部理

    ○矢田部理君 言い回しの問題かも知らぬけれどもね。核を積んでおっても無害通航であればよろしいという言い方ですが、つまり核を積んでおっても、したがって通航を認める、通過を認めたということになるのではありませんかと、こう言うのです。
  140. 伊達宗起

    政府委員(伊達宗起君) 無害通航権というものが国際法上存在するわけでございますので、無害通航として観念しております限り、それをその通過は日本政府として妨げることはできないという立場であったわけでございます。
  141. 矢田部理

    ○矢田部理君 いずれにしても、四十三年四月以降その種のものも無害通航ではないという見解をとるに至って、通過は認めない、しかもそれは非核三原則の持ち込まずの原則の中身だと、こういうふうに日本政府態度は固まったというか、決めたということになるわけですね。
  142. 伊達宗起

    政府委員(伊達宗起君) そういうことであると思います。
  143. 矢田部理

    ○矢田部理君 その時期が昭和四十三年だとしますと、本件の今回の核の問題でしばしば出てきます交換公文とか藤山・マッカーサー口頭了解というのは、三十五年段階のことなのですね。三十五年一月十九日となっております。そうしますと、従来三十五年一月から四十三年までとってきた日本政府態度が無害通航問題をめぐって変更されたわけですから、口頭了解があるから心配ないのだという議論は成り立たない。少なくとも通過についても一時通過についても核の気のあるやつは認めない、そのことをアメリカに通告をし、かつアメリカ側から了解を得ているという明白な裏打ちがなければあなた方の論議は通じないと思うのですが、そういう作業はやっているのでしょうか。
  144. 淺尾新一郎

    政府委員(淺尾新一郎君) いま条約局長から御答弁しましたように、四十三年で無害通航についての日本政府の見解は変わったわけでございます。その点について四十三年の段階で国会等で議論されている点についてはアメリカ政府もこれを十分フォローしていたわけでございます。  越えて四十九年十二月に再度無害通航を核常備艦、常時核を装備している軍艦については無害通航と認めないという点を再確認したわけでございますが、その際に、日を置かずして当時のアメリカ局長から在京アメリカ大使館に対してこの政府の統一見解を伝え、アメリカ側もこの統一見解について異存がないということを言っておるわけでございまして、その点からすれば四十三年からとってきて四十九年で確認した。それについてアメリカ側は四十三年以来十分日本側の事情をフォローし、四十九年で日本政府の立場を再確認したと、こういうことになると思います。
  145. 矢田部理

    ○矢田部理君 どうも少しくあいまいなのですね。国会でそういう論議が行われた。それをアメリカ政府もフォローしていたというあいまいな説明なのですが、国会で論議が行われ、政府の見解が明確にされ、その見解に基づいてアメリカに連絡をし、アメリカとの関係で明確になったのかどうか。なったとすれば、いつ、だれが、どこで、どういう方法でやったのかを明らかにしてほしいと思います。
  146. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 先ほど私が、アメリカ側は四十三年の統一見解について十分フォローしたというふうに申し上げましたが、そのとおりでございまして、現在の国会審議もアメリカ大使館は逐一フォローをしておりまして、国会審議の内容を常時本国政府に報告しているわけでございます。  その四十三年の統一見解、これを対米接触についてどういうふうにアメリカ側に伝えたかというお尋ねでございますが、この点については、先ほど申し上げましたような点を除きまして、明確な記録はございません。したがって、繰返しになりますが、国会の答弁についてアメリカ側はフォローしていたということと、それから、私の領分を若干離れますけれども、無害航行についての判断、これは沿岸国の主権的な判断でございます。関係国の了解を得なければ相手国に対抗できないというものではございません。  それから、先ほど申し上げました四十九年の問題については、四十九年、その統一見解が十一月の二十五日でございますか、出て、日を置かずして日本側からアメリカ側に統一見解を伝え、アメリカ側はその日本側の統一見解に異存がないというふうに答えたわけでございます。
  147. 矢田部理

    ○矢田部理君 どうも外務省の答弁はね、アメリカ側がフォローしていた、国会答弁を聞いておった、政府の見解を聞いておったというだけの話でありまして、だからアメリカは了解したとか、外交関係でからっと詰まったとかという話にはなってないじゃありませんか。そこに政府のごまかしがあるのですよ。いつ、だれが、どこで、どういう方法でやったのかと言うと、記録がない、ただアメリカがフォローしていただけだということでこの論議はかわせますか。だめですよ、そんな答弁。それが真相なんじゃありませんか。  そこで、宮澤官房長官に伺いたいと思うのですが、この問題に関する宮澤官房長官の記者会見などをずっと見ておりますと、寄港も通過ももうすでに最初から持ち込まずの原則の中に入っておったのだと、そのことは安保国会、六〇年の安保国会当時から明らかになっておったのだという趣旨のことを述べておられるのですが、そのとおりでしょうか。
  148. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) それは正確ではございません。私が申しましたのは、昭和三十五年の四月であったと思いますが、赤城防衛庁長官が寄港については事前協議の対象になる、こういう答えをしておられると私は終始そう申しておりました。
  149. 矢田部理

    ○矢田部理君 寄港、通過を含めて言っておられるから、どうも政府の見解に混乱があるのではないかというふうに思われるわけです。  同時にまた、赤城防衛庁長官が答えを国会でしましたのも、実は三十五年の三月段階なんですね。藤山・マッカーサー口頭了解は一月です。後になっていろんな国会論議の末に、寄港については持ち込まずの原則に入るからだめだということが明確になったのであって、藤山・マッカーサー口頭了解でそこが詰まっていたというふうには当然考えられない。その間のつなぎはどうなっているのか。この点も外務省に説明を求めておきたいと思います。
  150. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) これは衆議院で御答弁しておりますように、藤山・マッカーサー口頭了解が成立したのは、いま言われましたように、一月十九日でございます。そのもとにございます岸・ハーター交換公文、これも一月の十九日でございます。岸・ハーター交換公文に言う「同軍隊の装備」、そのアメリカ軍隊の装備というのは、従来から申し上げてございますように、日本の施設、区域を使う軍隊のみに限らず、日本の施設、区域を一時的に使う、あるいは領空、領域を使う、こういうことでございまして、この二つの交換公文と口頭了解、その成立ができたときから日本側の考え方というものははっきりしておりまして、それに対してアメリカ側の考えとも差異がないと考えるというふうに従来から答弁しておるわけでございます。
  151. 矢田部理

    ○矢田部理君 そんなことはないでしょうよ。国会でいろいろ追及されて、寄港についてようやく日本政府は持ち込まずの原則に抵触するということになったのが三月。通過に至っては、いまあなたが述べられたように、四十三年。八年も後になってからのことですよ。ここでようやく今日の非核三原則の持ち込まずの中身がかなり明確に固まってくる。日本政府自身の考え方にずっと変遷があったわけです。アメリカと最初からかっちり固まっておったというような性質のものじゃないのじゃありませんか。少なくとも藤山・マッカーサー口頭了解の段階では、それはきわめてあいまい不明確であった、少なくともそう指摘できるのじゃありませんか。
  152. 伊達宗起

    ○政府委員(伊達宗起君) ちょっと議論の整理のために申し上げます。  三十五年の安保国会のときに、寄港は事前協議の対象になるのだということを申し上げているわけで、これは一貫しております。それからまた、さらに、先ほどの通過との関連でございますけれども、通過であっても無害通航に該当しないもの、これは当然のことながら事前協議の対象になる。これは三十五年以来からの一貫した立場でございまして、四十三年まではよろしいと、つまり事前協議の対象にならないと考えられておりましたのは無害通航に関してのものでございます。
  153. 矢田部理

    ○矢田部理君 外務大臣ね、藤山・マッカーサー口頭了解というのがあるわけですけれども、口頭了解をするに当たっては、当然のことながら事前の話し合いが行われる。場合によっては議事録、メモ等もあろうかと思うのですが、そういう資料はあるのでしょうか。あるとすれば、そこで、たとえばこのいま問題になっております寄港、通過と貯蔵、配置、明確に議論の中に出て確認されているのでしょうか。さらには、通過の中にも単なる一時通過と停船や遊よく、回旋などというまた議論も出てくるわけでありますけれども、そんな議論まで詰めに詰めて、藤山・マッカーサー口頭了解というのはでき上がったのでしょうか。後の日本政府の見解の変化から見たって、そんなばかなことはないと見るのが常識だと思うのですが、外務大臣いかがですか、この辺。
  154. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) これは再三申し上げておりますけれども、岸・ハーター交換公文及び藤山・マッカーサー口頭了解ということの中から読んでいただければ、いままで答弁しているように無害通航に当たらない一時通航、あるいは寄港を含めてすべて事前協議の対象になるということは明白でございまして、それから、いま議事録を提出しろということでございますけれども、議事録については、あるいは交渉の過程については、これは国際慣例上お出しできない、こういうことでございます。
  155. 矢田部理

    ○矢田部理君 あるかないか言いなさいよ。
  156. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 寄港、あるいは一時通航のみを取り出した合意議事録というのはございません。
  157. 矢田部理

    ○矢田部理君 ないのじゃありませんか。  藤山・マッカーサー口頭了解というのは文書上は四十三年になってから明らかにしたものですね。ここのどこに通過、無害通航等について書いてあるのですか。
  158. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 四十三年には国会の御審議がございまして、その藤山・マッカーサー口頭了解というものをもし紙に書けばということでお出ししたわけでございまして、そこにあるのは、事前協議の対象になるものは何かということが書いてあるわけでございます。しかし、その日頭了解の根っこにある岸・ハーター交換公文というものを読んでいただければ、先ほど来申し上げておりますように米軍における重要な装備の変更ということでございまして、そこに言う米軍というのは、何も日本に配置された米軍に限らない、日本の領域、領海を通過する、あるいは利用する軍隊も含んでいるということは明白でございます。
  159. 矢田部理

    ○矢田部理君 利用する、日本に駐留する米軍だけでなく、日本にやってくる米軍も含むということは明白だったとしても、通過、寄港ということまで明白になっているかどうかを聞いているのです。その議事録は明白になっているのですか。
  160. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) それは繰り返しになって恐縮でございますけれども、領域、領海を使う米軍ということでございますから、そこでは寄港あるいは一時通過、無害航行に当たらない一時通過もこれは当然入るというのがわが方の了解でございます。
  161. 矢田部理

    ○矢田部理君 アメリカとの間できっちり詰まっていないのじゃありませんか。明白だと言うのならその議事録を出すべきだと思います。これだけ国民が大変な不信を持っている。あなた方も説明に窮している。アメリカに問い合わせるわけにもいかないという態度をとっている。すでに明白なんだと言うのならば、国民の前にその議事録を明らかにすべきじゃありませんか。――これは外務大臣です。あなたの問題じゃない。
  162. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) まず私からお答えいたします。  交換公文及び口頭了解から日本側の見解、さらにアメリカ側もこれに対して同じような見解を持っているということは明白でございます。そういう二つの文書からこれは明らかであると、こういうことであります。
  163. 矢田部理

    ○矢田部理君 この文書からは全然明白にならないのですよ、あなた方が発表したやつでは。明白にならないだけでなくて、日本側だってその後四十三年、三木外相の時代に至ってから初めて通過について明確にしたのじゃありませんか。三木さんのときに明確にしたやつをそれから八年も前に明確になっていたなどというはずはないのです。これだけだって明らかに論理矛盾だ。ごまかしですよ。そんな話を黙って聞いているわけにはいきませんよ。大臣、それは明確にしてくださいよ。
  164. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) いま三木大臣に言及されましたが、それはまさに無害通航に当たる通過でございまして、無害通航に当たらない通過については、安保改定のときから事前協議の対象になると、こういうことでございます。
  165. 矢田部理

    ○矢田部理君 無害通航に当たる通過は、核搭載艦でも認めてきた時期があるわけでしょう、四十三年までは。それをもう領海条約の実施に伴って認めないという立場を明らかにした。少なくともその点に関する限りは当初はアメリカとの間に明確になっていなかった、むしろ通すことになっておったということじゃないのですか。それを、当然のことながら日本の態度が変わったということであるなら、アメリカに通告をする――沿岸国の解釈の権利という問題も後でまた議論しますけれども、その了解を得なければ、単にアメリカがフォローしておった、様子を聞いておったというだけで話は外交的には詰まらないということになるのじゃありませんか。そんなおかしな答弁はありませんよ。
  166. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 何が無害通航に当たるかということを判断するのは主権国の行為でございます。それについて、相手国に了解を求めるということは必要でございます。
  167. 矢田部理

    ○矢田部理君 全然答弁だめです。  大臣、これは明確にしてほしいと思いますよ。明確になっていたと言うのならば、藤山・マッカーサー口頭了解の際の議事録なりメモなりを出すべきだと思うのですよ。
  168. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 事実及びその経過は政治判断や信念で申し上げることではなくて、事実を知った事務当局の答弁が正確でありますが、いまお答えしましたとおり、これはずっとその前後の経緯からことさらに寄港と領海通過を抜いて約束したことはないけれども、全般的な相談、その後の会談、その後の了承、今回の事件が起きてからアメリカの方からいままでどおりこの約束は守ると、こういう意思表明があったわけでありますから、これで確実になっておると思います。
  169. 矢田部理

    ○矢田部理君 大臣ね、中身が詰まらないまま従来の取り決めを守るとか、従来どおりやりますということを言ったって、その前提がいま揺れているわけでしょう、前提が。前提問題をやっぱりきっちりしなきゃ、この議論は発展しないのですよ。大臣、その議事録は見ているのですか、通過と寄港はどうなっていますか。通過についても一時寄港と回遊と遊よくと回旋、停船などということまできっちりそれは議事録で詰まっているのですか。
  170. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 土台が揺れているという疑惑を持たれるのは皆さん方の御意見で、われわれは土台はちゃんとしている、その議事録については、領海通過及び寄港について、それだけを抜いて約束し米議事録はありません。
  171. 矢田部理

    ○矢田部理君 ないのならさっきのような答弁にはならないのじゃありませんか。あなた方の勝手な受けとめ方ではないのですか。ないと言ってるのだ、大臣は。
  172. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 私も一時通過あるいは寄港だけを特定した文書はないというふうに答弁しているわけでございます。しかし、交渉の過程においての議論というものを踏まえましてできたのが岸・ハーター交換公文及び藤山・マッカーサー口頭了解と、こういうことでございます。
  173. 矢田部理

    ○矢田部理君 そういう議事録や中身がなくて、踏まえてつくったとかいうことだけでは説明にならないじゃありませんか、これだけ疑惑と問題点が出ておりますのに。これは全然なかったのですよ。単なる持ち込みを禁止する、あるいは持ち込みについて事前協議にするというだけであって、持ち込みの内容は詰まっていなかった。そこで日本側的解釈とアメリカ側的解釈が出てきた。日本側の解釈も、その後、たとえば一時通過等については、無害通航として認めていた時期と、四十三年以降認めない、方針変更があるというならば、日本側の態度だけだって変化をしているわけですから、そんなかっちりしたものではなかったと、そのことはお認めになるんでしょう。
  174. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 無害航行について日本側の立場は変わったということは先ほど来申し上げておるわけでございまして、それ以外の立場は終始一貫しておりまして、その点については岸・ハーターあるいは藤山・マッカーサー口頭了解のときから明白でございます。
  175. 矢田部理

    ○矢田部理君 それについての議論がないと言っている。それを抜き出した議事録もないと言っている。日本側の態度が変更したことは、あなた自身が認めているのじゃありませんか。それも四十九年の問題がもう一つありますが、四十三年以降ただアメリカがフォローしておっただけだという説明にしかならないじゃありませんか。これじゃ食い違いが出るのはあたりまえですよ。日本側がそういう態度をとってきたというだけのことで、アメリカとの間にきちっと合意ができたとか内容が詰まったとかいうことには全然なっていないじゃありませんか、答弁自身も。だめです。
  176. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) どうも誤解がおありになるようですが、無害航行に当たらない一時通航については、当時からそういう了解でございまして、無害航行についての考えだけが変わったわけでございます。
  177. 矢田部理

    ○矢田部理君 無害通航についての考え方が変わった、それは領海条約の実施の問題です、もう一つこれは別の議論があるわけですが。しかし、当時の宮澤さんの答弁によれば、同時にそれは事前協議の対象事項にもなる、従前はならなかったものがその段階から事前協議の中身にも入ってくるわけでしょう。重要な変更になるわけですよ。にもかかわらずそのことについて、ただアメリカがフォローしておった、日本には記録がありません、では説明にならぬでしょう。
  178. 伊達宗起

    ○政府委員(伊達宗起君) 安保国会のときに、わが国の立場といたしまして、核の持ち込みはすべて事前協議の対象であるという立場を申し上げてきたわけでございます。その立場は一貫しているわけでございます。ただその場合に、無害通航という一般国際法上の海洋利用国側の権利、海洋を利用する船の権利というものがあるわけでございまして、それに該当するような通過、つまりそれに該当しない通過というのはどういうものかと申しますと、これは平穏無事に何と申しますか、すっと通るということではなくて、たとえば領海を通過中であるにしても、そこで停泊をしたとかあるいは蛇行をしたとかあるいは遊よくをすると、そういうようなものはすでに一般国際法上無害通航ではなくなってしまうわけでございますので、そういうような通過は当然のことながら事前協議の対象であるという考え方であったわけでございます。したがって四十三年に変わりましたのは、無害通航というものに関しての日本側の立場というものは一般国際法上の見解を変えたわけでございまして、これは四十三年まではそういう無害通航というものはたとえ核を持ってくるものであっても米国艦船に限らずその他の国の艦船も無害通航として認めていたということになるわけでございまして、無害通航を、沿岸国として第一次的な判断として、これを核はやはり物理的に持ち込んでも無害通航ではないのだという見解を変えたのが四十三年であると、そういうことでございます。
  179. 矢田部理

    ○矢田部理君 無害通航であれば、核を搭載しておっても領海内通過を四十三年前は認めておった、それが領海条約の実施に伴って無害通航ではないという判断に立って認めないことになった、沿岸国としての権利をそういうふうに確定をしたと。そうなりますと、領海条約上の権利として核の一時通過を認めないことになったのであって、事前協議とは関係がないということになりますか。
  180. 伊達宗起

    ○政府委員(伊達宗起君) 領海条約と申しますのは、一般国際法を法典化したものでございますから、一般国際法と言い直してもよろしいのだと思います。ただ、一般国際法上、つまり領海条約上沿岸国として何が無害通航に該当するか、沿岸国の平和及び安全その他秩序等を乱すものと考えられるものは沿岸国として判断を下せるという第一次的な判断が沿岸国にあるということで、四十三年の際の領海条約の御審議の際に、政府の統一見解として、核の持ち込みというものは無害通航とは認めないということになったわけでございまして、無害通航の制度と事前協議の制度というのは別でございます。ただ、日米の安全保障条約がございますので、アメリカの船に関しては無害通航でなくなったということから、やはり核の持ち込みに該当するということになったわけでございます。
  181. 矢田部理

    ○矢田部理君 したがって、事前協議の対象になるという意味では、従来、藤山・マッカーサー口頭了解のときから比べれば、その点に関しては重大な変更、基本的な見解の違いになったのじゃありませんか。
  182. 伊達宗起

    ○政府委員(伊達宗起君) 無害通航に関します日本国政府の立場というものが変わったわけでございますから、その限りにおきまして、無害でないもの、つまり核の持ち込みが事前協議の対象になったわけでございます。
  183. 矢田部理

    ○矢田部理君 とするならば、単に沿岸国の権利だ、沿岸国の解釈だということで、向こうと連絡をしなくてもいいのだということでは対米関係は済まなくなった、当然のことながら事前協議の対象が広がったわけでありますから、それについて四十三年、日本政府が態度を明確にした段階で、アメリカと折衝してしかるべきじゃありませんか。そこの確認なしにアメリカ政府はフォローしていたはずだ、わかっていたはずだでは、あなた説明にならないのじゃありませんか。そのことをさっきから問題にしているのです。
  184. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 四十三年の点についてお尋ねでございますが、その対米折衝の経緯については非常に古いことでございまして、明確な記録はございません。しかし先ほど申し上げているように、日本国の見解が変わったという国会の論議については、これは内外に明らかにしていることでございまして、アメリカ側もその点については十分そのとおりフォローしていたと、こういうことでございます。
  185. 矢田部理

    ○矢田部理君 条約上の義務の基本的な履行にかかわる問題について、アメリカに通告も話し合いもしないで、アメリカがフォローしていたであろうというだけの推定で問題を処理するなんという外交案件の処理ありますか。こんなやり方は絶対認められません。これだめです。外務大臣、外務大臣は……。
  186. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 大事なときに、おわびをいたします。  政府委員から答弁いたしましたとおり、四十三年当時は米国政府が日本の言い分に対してフォローしましたので、そのままでございましたが、四十九年の場合にはいろいろ御意見もございましたから、米国政府に問い合わしたところでございます。その間、四十三年になぜやらなかったかということは、私はわかりません。
  187. 矢田部理

    ○矢田部理君 それじゃ答弁にならないのでしてね。中身はもう決まったんですよ。四十三年までとってきた無害航行に関する日本の方針を変更した。それは沿岸国の権利としてそうした。当然のことながら日米関係からこれを見れば、事前協議の対象幅が一時通航にも広がることになった。そういうことになるならば、それを放置することなく、これからは事前協議の対象にしてほしい、わかりました、という合意を取りつけるのがあたりまえの話じゃありませんか。それをせずして、アメリカはフォローしていたはずだといって四十九年まで何もやらなかった。これは外交上の責任じゃありませんか。この一事をもってしても、やっぱり持ち込みの議論が非常に問題が多いということがわかるわけでして、その点はやっぱりいまの外交上の責任の問題だ、フォローしておったというだけでは説明にならぬと、こう言っているのです。
  188. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) おっしゃることもよくわかりますが、この問題については、その前、後のことで、大体わが外務省というものはこのことをアメリカが了解していると思ったから、そこで照会しなかったわけでありまして、その後議論がやかましくなってきたから四十九年に改めて確認をしたわけであります。
  189. 矢田部理

    ○矢田部理君 大臣、条約上の義務の履行にかかわる重要な問題でしょう。とりわけ六〇年安保条約の審議に当たっては事前協議問題が中心的な課題の一つだった。その範囲、対象はどうなるかということは日米関係にとってきわめて重要ですよ。後で形骸化の問題も話をしますけれども、それを数年間も、少なくとも外務省の説明によっても放置しておった。これは外交上大変な失態じゃありませんか。責任じゃありませんか。記録もない、フォローしたであろうという推定だけで外交を進められたんじゃたまったものじゃありません。それが今日の問題にずっと尾を引いているのじゃありませんか。
  190. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 四十三年まで無害通航と認めていたのを、四十三年で有害通航というふうに変えたわけでございまして、有害通航になれば、それは事前協議の対象になるというのは明白でございまして、その際に私どもがアメリカに対してその経過を明白に説明したという記録は、いま私たちは持っておりませんけれども、先ほど来申し上げているような国会の審議を通じて日本政府の態度の変更というのは明らかでございまして、さらに四十九年に念のためにアメリカに確認したところ、日本政府の了解、アメリカ政府は異議はないということを再確認してきているわけでございます。
  191. 矢田部理

    ○矢田部理君 同じことの繰り返しはしたくありませんがね。国際法上の解釈の違いについては、それはそれで沿岸国の解釈の権利でいいわけですよ。ただ、それを対米関係では事前協議の対象になるかどうかというのはまた別の問題だとあなた方自身が言っているわけだ。今度は事前協議の対象にするかどうかは少なくともアメリカが知っておったはずだという、あるいはフォローしておったはずだというだけでは済まない。このことを言っている。間違いのないように。
  192. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 国際法上では、その通報する必要がないということで、沿岸国の権利でございますが、そういう国際法上の権限を日本が持って従来の無害通航を有害通航に変えたという、その反射的なことでございまして、それによって事前協議の対象にこれは反射的なものとしてなっていく、こういうことでございます。
  193. 矢田部理

    ○矢田部理君 あなた、そういう説明をされると少しふざけ過ぎているのじゃありませんか。事前協議の対象が反射的なものとしておのずと広がるなんという議論はないでしょう。反射的効力じゃないですよ。直接、そこで確認をしなきゃ、外交はいいかげんなものになりますよ。そんな解釈や反射的効力の問題じゃないはずだ。
  194. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 要するにその無害通航に核常備艦の無害通航は認めないということになった結果、当然にそれは事前協議の対象になっていく、こういうことでございます。
  195. 矢田部理

    ○矢田部理君 当然に、どうしてなるのですか。国際法上の権利、これはアメリカだけでなくて、各国に及ぶことは事実ですが、同時に事前協議の対象になるかどうかは対米関係で確認をしなきゃ、当然にはなりませんよ。たてまえ、考え方は別だとさっきから言っておったでしょう。だからこそ対米確認、対米通告、それをもとにする確認が必要なんじゃないかと。それをあなた方は、それに対してはフォローしておったからわかったはずだという説明。記録はありません、四十九年になってようやくやりました、と。これだって大分怪しいものなんですが、その責任、全く感じませんか。
  196. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 無害通航も有害通航と認定した結果、それは核の持ち込みになるわけでございまして、その結果、事前協議の対象になるということを先ほど来申し上げているわけでございます。
  197. 矢田部理

    ○矢田部理君 これは大変的を射ない答弁を続けておりますから、私はいずれにしてもこの質問を留保しておきます。それで時間の関係がありますからこの質問は留保したまま別のテーマに入りたいと思います。  宮澤さん、あなたは一連のライシャワー氏以下アメリカからの次々の衝撃的な発言に対して非常に難くせをつけているというのか、それが信憑性がないかのようなことをいろんな根拠を挙げて言っているわけです。一つは、アメリカ政府の公式的な見解でない、一市民、私人の見解だから。私人の見解だから信憑性がないという議論はないですよ。伝聞だからまただめだという、伝聞だからそれは当然に証言の信憑性がないなんという議論もないですよ。伝聞ならば直接証人喚問して反対尋問をやろうじゃないかということはあるかもしれませんけれども、伝聞即証拠価値がないなんという議論はない。加えて大変私はライシャワー氏に失礼だと思います。大病を思った、年をとった、物忘れが云々、一言で言えばもうろくしているという話なんです。こんな失礼な話は私は率直に言ってないだろうと思うのですよ。そんなことでこの大きな問題をすりかえちゃいかぬというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
  198. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) この安保条約をめぐりますいろいろな問題は少なくともいまの条約になりましてからでも二十年余りになりますので、その間、この解釈等々について長い間の積み重ねが行われてまいりました。しかもそれは相当細かいところにまで及んでおるものでございますから、直接これに携わった者以外の人々が二十何年間のことを正確に記憶をしておるとは限らない、それほど非常に細かに入り組んでおる種類のことだと私は考えておるわけであります。それですからライシャワーさんに限りません。日本側でも当時の関係者でいろいろ今日になって言っておられる方がおありになって、その方々についてもそういう細かいところまできちっと記憶しておられるかどうかということは、日月の経緯と、それから場合によって事の非常に高度に技術的なことから必ずしもそれは期待できないことで、決して覚えていない人の何といいますか過失ではないというふうな種類の私は積み重ねがあると思うのであります。そういう意味で申したのでございますが、私人であるから信用ができないと申したのではなくて、私人の見解と政府の見解とが分かれているときはおのずから政府の見解をとるべきであろう、こう申したにすぎないのであります。
  199. 矢田部理

    ○矢田部理君 鈴木総理、私はそこで一つ提案したいのですよ。これは総理というよりも自民党総裁として考えるべきではないか。宮澤さんが言われたように、一私人の見解あるいは伝聞だと、場合によっては記憶違いもあるかもしれない。しかし瑣末なことについての多少の食い違いはあり得ましょう。その方がむしろ記憶としては自然だと思いますよ。ただ日本に寄港するアメリカの艦船は核を搭載しておったなんということは瑣末なことじゃないですよ。日米関係にとっては決定的に重要なことですよ。こんなことが記憶だから違っているかもしらぬということで切れるものじゃない。そのことは明確に認識してほしいし、単に一私人がだれかからまた聞きで小耳にはさんだという性質の話でないことも明らかですよ。かつて米政府の高官、日米関係を非常に心配もし、いろんな提案もしてきた大使ですよ。これをやっぱりもうろくしたかのような物の言い方をするのは大変けしからぬ。最近の新聞にいろんな寄稿をしておりますが、りっぱな文章でしょう。  いずれにしたって、だからこそわれわれはもう一つの提案としては関係者を証人としてここの国会に喚問して事実を直接確かめるべきだと。エルズバーグ博士などは国会から要請があれば応じてもいい、こういうことまで言っているんです。総裁として、こういうことで真相を明らかにする努力をされる気持ちになりませんか。
  200. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) この国会にそういう方方を証人または参考人として招致される問題は、最終的には国会がお決めになることでございます。私は、政府からも先日来、本会議あるいは当委員会、さらに衆議院の連合委員会等々でアメリカ政府の公式の見解、先日も二十日の日にマンスフィールド駐日大使が園田外務大臣に対して、本国政府の意を体して従来の安保条約の事前協議に関する約束、取り決め、これは誠意を持って米側としてはこれに対処している、こういうことも公式に言っていらっしゃるわけでございますから、そういうこと等からいたしまして私はその必要はないのではないか、しかし、最終的には国会においてお決めになることであろう、こう思います。
  201. 矢田部理

    ○矢田部理君 その国会で決めるに当たって自民党が反対をしているから問題なんです。その自民党をあなたが率いておられるから、総裁として、ただ国会任せというのではなくて、伝聞だ、私人だと言うのならば真相解明のためにやっぱり積極的に努力をするというのが政治の姿勢じゃありませんか。そのことを強く要請しておきたいと思います。  それからミッドウェー寄港に関連して若干の質問をしておきたいと思います。  さっきも野田委員から出ましたが、アメリカの太平洋艦隊、これは第七艦隊と第三艦隊から構成をされておりますが、これはアメリカの核のかさの一翼でしょうか。外務省でも防衛庁でも結構です。大臣。
  202. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) 第七艦隊に所属しております航空母艦、巡洋艦一駆逐艦及び潜水艦は核搭載可能でございます。場合によってはわが国周辺あるいは西太平洋の戦闘における核の抑止力として作動することは可能でございます。ただし、現在それがかさであるかどうかはこれは確認するすべはございません。
  203. 矢田部理

    ○矢田部理君 核を積んでいるか積んでいないかじゃなくて、まず全体としてアメリカの極東における戦略あるいは核のかさの一翼を担っているということになるかどうかという、その点を伺っているわけです。長官でいい。
  204. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) お答え申し上げます。  アメリカの西太平洋における核の抑止力は、従来まで主としまして戦略核及び戦域核でございました。戦術核の問題は最近になってややソ連艦隊の急速な増強、これに伴います新たな兵器の導入等が注目されておるようでございますけれども、これはいま再検討の段階に入っておると承知しております。主たる核抑止力はグアム島のポラリス潜水艦によったものである、さように考えております。これは第七艦隊所属でございません。
  205. 矢田部理

    ○矢田部理君 主たるかどうかは別として、全体としてアメリカの核のかさの一翼だと。そうしますと、太平洋艦隊がそうであれば第七艦隊も同様と。したがって入港するミッドウェーも同趣旨の一翼を担う空母というふうに考えていいわけですね。簡単でいい。
  206. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) 元来アメリカのノンコンファーム・ノンディナイ・ポリシーというのは、核の所在を明らかにしない、しないこと自体が抑止力を構成するという意味で、核があるかないかわからない状況にある、それ自体抑止力であると申すならば、現在あるかないかわからない第七艦隊というものは抑止力の一部を構成しております。
  207. 矢田部理

    ○矢田部理君 日本に入港するときは、またいろんな議論がありますから除きますけれども、軍事常識的に見て、いつ積んだかおろしたかということは別にして、一般的には核を搭載していると見るのが常識だと思いますが、いかがですか。
  208. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) 一般的にという御質問でございますと、一般的に確認不可能でございます。
  209. 矢田部理

    ○矢田部理君 おかしいじゃありませんか。個々的に言っているのじゃなくて、一般的に言えば核のかさの一翼だ、一環だということであるならば、核搭載能力があるだけではなくて、核を積んでいると見るのが軍事常識じゃありませんかと、こう言っている。
  210. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) 積んでいるかいないかわからないということが、核抑止力の一部を構成しております。
  211. 矢田部理

    ○矢田部理君 個々的にはわからないかもしれませんが、核の抑止力と言う以上は、一般的には積んでいるという認識が常識じゃありませんか。
  212. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) それは申せないと存じます。これはアメリカの核戦略の基本でございまして、いかなる場所においても積んでいるかもしれない、積んでいないかもしれない、そのいずれだとも確認できないということ自身が核の抑止力の中心でございます。
  213. 矢田部理

    ○矢田部理君 ミッドウェーに搭載されている航空機はA7とかA6、S3とかというふうに言われておりますが、これは当然のことながら核搭載可能ですね。
  214. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) 御指摘のA6、A7、S3は核搭載可能であろうと存じております。
  215. 矢田部理

    ○矢田部理君 そこで、全体として第七艦隊は核のかさの一翼を担っており、したがって、ミッドウェーもその傘下にあると、しかも核搭載可能な艦載機等を搭載しているということはもう明らかになってきているわけでありますから、それ以上の質問はまた別にしますけれども、そこで、母港論ですが、ミッドウェーは横須賀以外のどこかに母港がありますか。
  216. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) 母港ということはわれわれ専門的には使っていない言葉でございまして、強いて言えば、アメリカの太平洋における艦艇は、これはサンジエゴを最終的な基地としております。  ただ、母港が家族が住んでいる地域とか、そういう意味でございましたらば、それは横須賀だけでございます。
  217. 矢田部理

    ○矢田部理君 四十八年以来毎年寄港して、年五ヵ月から六ヵ月ぐらいここで休養とか修理とか補給をやる、家族ももちろんいるということになれば、もう言うところの母港というふうに、総理大臣の判断もこれは当然だと思うのです。  それが母港だということになりますと、事前協議事項のうち「一機動部隊程度の配置」という配置に当たるのじゃないかというふうに考えられますが、その点は外務大臣いかがでしょうか。
  218. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 母港と申しますのは法律用語でございません。したがって、艦船の在籍港であるとか、登録港であるとか、家族の居住地と、そういうようないろんな意味が込められております。  安保条約六条の実施に関する交換公文、それの事前協議の主題とされている「合衆国軍隊の日本国への配置における重要な変更、」、そこに言う「配置」とは、米軍がわが国の施設、区域を本拠あるいは根拠地として駐留する場合をいうものである、こういうことでございまして、従来から政府はこのミッドウェーがその配置における重要な変更の対象ではないというふうに国会で答弁してきているわけでございます。
  219. 矢田部理

    ○矢田部理君 母港論を総理の口から衆議院段階で明確にした。この段階からは少なくとも配置に該当するというふうに考えるのがきわめて常識です。  もう一点申し上げておかなければなりませんのは、時間が来ましたからまとめますが、かつて、事前協議の対象になる一機動部隊程度というのは、陸で言えば一個師団程度、第七艦隊で言えば、第七艦隊百二十隻以上持っているようでありますが、五機動隊ぐらいの体制にあるというふうに説明をしてきたんです。そこで、一機動隊というのは空母一、二隻を中心とし、航空機百機から百三十機ぐらいを内容とするものが一機動部隊だと言ってきた。ところが、佐世保にエンプラが入港するようになってきますと、その態度を全部変えてしまった。空母五隻ぐらいを中心に入ってこなければ一機動部隊とは言えないということで、ここでも事前協議の対象から外してしまった。配置でもなければ、一機動部隊でもない。もうこれでは事前協議そのものがナンセンスなんです。意味がなくなってしまった。  核の問題もさっきから出ておりました。アメリカは核の政策を明らかにしない。しかし、事前協議の際はそれを変更して、一応仮に明らかにするとしましても、どうして日本であらゆる場合にノーということがわかっているのに、核の存在だけ明らかにする事前協議の申し込みがあるんでしょうか。ここでも事前協議制度は全く形骸化、空文化している。これで日本は核を持ち込まれ、危険な戦争にさらされる、こういう状況をやっぱりつくり出すこと、これはまあ政府やわれわれにとってきわめて重大な責任があると、私は思うのです。その点で、私は改めて、外務大臣は留守しておりましたから、この事前協議制度をもう一度活性化する意味でも根本的に検討をし直す必要がある。少なくとも持ち込みについての議論は日米間で、さっきの答弁でも明らかになったように、きわめて不明確になっている。当然でありますが、対米折衝を改めてやり直して国民の疑惑にこたえるべきが政府の責任だと思います。  また、非核三原則についてもとかくの議論があるわけでありますから、先ほど総理が確認した持ち込みについての内容を固めて、改めて国会で再決議をする必要があるだろうと思います。  さらに、まあ真相をより明らかにするためには、すでにわが党が要求をしている証人喚問等も含めて核や日米安保体制、軍事同盟問題について本格的にわれわれは国民に対して真実を明らかにしてその不信や疑惑を解く責任があるというふうに考えますが、最後に、総理、場合によっては外務大臣に答弁を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
  220. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 私は三十五年前の下級士官でございますから、私の軍事的な判断というのは的確じゃありませんけれども、配置転換とは編成、装備から基づく配置転換であって、航空母艦が移動したからと言って配置転換だとは心得ておりません。かつまた日米関係はこの問題に限らず機会あるごとに密接に相談をし、協力をし、そして固めるものは固めていく必要があると思いますので、その点はそういう方向で努力をいたします。
  221. 黒柳明

    ○黒柳明君 ライシャワー発言以来二週間余になりますですか、国会での政府の答弁、あるいはマスコミを通じての総理初め閣僚の発言、非常に失礼な言葉ですが、ごまかしが多くて、矛盾だらけだと思うんです。まあいまはいいと思いますよ。けさの新聞あたり見ますと、政府としてはあと時間待ちだ、時間が過ぎることを神に祈るばかりだと、こんなことが書いてありました。ところがまだこれから日米関係はますます友好発展しなきゃならない。ところが、いまここで、まあ私に言わせれば半歩後退して二歩前進という何らかの政策もとれる可能性があったのに、どうもあの総理の同盟発言と同じように変な発言が先に来まして、にっちもさっちもいかなくなっちゃった、後退するわけにいかなくなっちゃったと、こういう私なりの感じがいたします。何も私のところで後退しろなんたって、しょせん無理でありますから、ひとつそういう意味で、非常に私は将来の日米問題あるいは日本の核戦略政策について、非核保有国の日本の核戦略について、非常にやっぱり将来ここの国会で汚点を残すのじゃないかという感じがいたします。  そこで、まず先ほどライシャワーさんの問題出ましたので、私どこから入ろうかなと思いますが、まずライシャワーさん、いろいろ書簡いただきました。けさも朝日新聞に長文が出ておりますが、時間が限られておりますので、これはもう全文読めったって大変でありますので、まず冒頭にライシャワーさんはこう書いております。日本政府は日本の国民に対してうそを言っている。フォールスフッドという、丸括弧してUSO、アンダーライン、うそとわざわざ書いているんですね。日本政府は――日本政府を代表する総理でしょうね、自民党総裁、日本国民にうそを言ってますと。これはもう断定的に私は言えますと、こういうふうに冒頭です、これ。どうですか。まあいろいろ先ほどから宮澤官房長官のお話もありました。しかしながら、非常にやっぱり強烈なライシャワーさんの発言だと思います。そうなりますと、総理は逆に、おまえこそうそをついているんだと、こう言えますか。ライシャワーさん、おまえがうそなんだと、この場で言えますか。いかがですか、総理。
  222. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) この非核三原則、安保条約に基づく事前協議制、これは岸内閣以来、歴代の内閣が一貫してとってまいった政策であり、見解でございます。私のときに変わった見解を出したものではないわけでございます。  そこで、私は先般もライシャワーさんの発言、それが日本国内でいろいろ論議の焦点になっておるという背景の中で、園田外務大臣がマンスフィールドさんにお会いした際に、マンスフィールドさんは米政府の公式の見解としてはっきりと、米政府としては安保条約に基づく、またそれに伴う諸取り決め等については誠意を持ってこれを実行していくということを明確におっしゃっておりますから、私はこのアメリカ政府の公式の見解というものを信用し、信頼をしておると、こういうことでございます。
  223. 黒柳明

    ○黒柳明君 たびたびお聞きしております。ですから、向こうも非常に強烈な、まだまだ日本語ができる大使ですから、うそと、こうフォールスフッドの後に丸括弧して書いた。向こうは、おまえはうそだと言われたんですから、まあ売り言葉に買い言葉ではありませんが、いやおまえの方がうそなんだと、こうはっきりやっぱり率直にやりませんと、向こうは合理主義ですから、私が言うまでもなく。東洋人みたいに腹芸なんかできませんからね。うそと言ったら、おまえうそなんだと、これではっきりするじゃないですか。どうですか、総理。向こうがうそと言ってきたんです。うそ、言ってやりなさいよ、おまえこそうそだと。言ってやりなさいって、私、強制するつもりじゃないですよ。ただ、そういうふうな非常に厳しい言葉で冒頭から始めた。だから、それに対して総理、うそならうそだとやった方がいいじゃないですかと、こう私はサジェスチョンしているわけであるので、うそと言えと強制はできる立場じゃありませんが、いかがでございましょう。うそだと言っている。おまえの方がうそなんだと。
  224. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 私も日本国を代表する総理でございますから、ライシャワーさんを相手にしてうそだとか本当だとか、そういうことを言うことはいかがか、だから、アメリカ政府の公式の見解、それを表明されたマンスフィールド大使の御意見、お話というものを、その方を信用しておるということを申し上げたわけであります。
  225. 黒柳明

    ○黒柳明君 わかりました。  後段はもう明快であります。後段は明快です。これは私がそういう立場になっても、やっぱり現政権の話を信用するでしょう。ですけれども、前半の問題ですよ。それはうそとも本当とも言えないと、そこに問題があるわけです。  官房長官がこの問題でいろいろ発言した。何かお時間が、四時から記者会見ということなんですが、先にお伺いしたいと思うのですが、非常に配慮がある、丁寧な、思慮深い、ごりっぱな言い回しをしていらっしゃるわけでありますが。ところが、日本政府を向こうに回して、ライシャワーさんは厳しく、お前うそをついている。日本政府は日本国民にうそついている。日本政府の代表ですから、ナンバーツーですからね。スリーかフォーかわかりませんけど、どうですか、官房長官。それに対して持って回ったような言い方はいいんです、私は。単純明快にした方がいいですよ。その複雑なことから、先ほども官房長官おっしゃったでしょう。いろいろ複雑だから御記憶もない方があるでしょうと、こんなこといまおっしゃったばっかり。単純明快にいきましょう。向こうはうそと言ってきたんですから、お前の方がうそだと、お前の方こそうそなんだと。総理はうそとも本当とも言えないというんですけれどもね、どうですか、この問題は。
  226. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 基本的に先ほど申し上げましたように、二十年間非常な積み重ねでできております体制でございますので、当時のことを人々が正確に記憶しているとはなかなか言えない種類の問題だと私は思っておりまして、先ほども昭和四十九年の十二月の云々というお話が出ておりました。当時私外務大臣であったはずでございますが、その経緯も自分で速記録をいま読んでみませんと、はっきり思い出せないようなことが幾つかございますので、したがってこの件も、私は最初から、ライシャワーさん尊敬すべき方なので、どこか思い違いをしておられる点はありませんかと言っておるのでございます。向こうのおっしゃることも私はそういう意味のことではなかろうか。うそとか本当とかいうことではなくて、こういう経緯というのは、とかく時間がたつとやはり思い違いというものはありやすいものだと、私はそんなふうに思っております。
  227. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、うそとか本当とか断定できない。思い違いの中には思い違いじゃないような部分も含めてあるという思慮深い発言かと思いますけれどもね。総理はうそとも本当とも言えない。今度は官房長官は思い違いというようなことを、まあ従来からお聞きしておりますけれども。そうすると思い違いじゃない部分も含めて思い違いもあると、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
  228. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 思い違いもあるんじゃございませんかというのは、比較的丁寧な言い方でございます。
  229. 黒柳明

    ○黒柳明君 官房長官の言いたいことは非常に私よくわかりますので、これ以上深く質問しませんが。  そこで、私こういう質問をしたんです。官房長官特によく聞いてくださいよ。済みません。外務大臣、この次やりますから、お待たせいたしますが。私の質問。これはライシャワーさんに手紙で質問したわけですよ、いいですね。ライシャワー大使就任時に、日米両政府間での口頭了解事項について前任大使、これはマッカーサーさんですね、前任大使からどのような引き継ぎがあったか具体的に説明してください、こう質問しました。それに対する答えです。私、これはライシャワーです、私が駐日大使になったとき、核兵器に関しての日本への核持ち込み、これはイントロダクション・インツー・ジャパンという言葉は日本本土への核兵器の設置もしくは貯蔵を意味すると、その次なんです、理解するよう言い渡されております。したがって、日本領海内へ入ってくる海軍船の核装備にはその言葉は適用されません、と。これは当然この後に英文をより正確に、もう寸分の違いがないように訳したつもりであります。受け身になっておりまして、前任大使からどのような引き継ぎがあったのか。それに対しては、こう理解するようにと言い渡されておりますと。このことぐらいについては、盛んに長官のおっしゃっている細かいこと、昔のこと、それについての思い違いと。これはそうじゃない範疇に入れていいのじゃないでしょうか。前大臣から受け継ぎがあったかどうかということについては、細かいことである、思い違いであるという範疇に入れる必要がないのじゃないでしょうか。どうでしょう、これ。
  230. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) これは私がお答えすべきことかどうかと存じますが、お尋ねでございますので申し上げます。  藤山・マッカーサー口頭了解というものをライシャワー大使が恐らく受け継がれたということは、私はそうであろうと思います。そのときに、しばしば申しますような了解の内容について受け継がれただろうと思いますが、ただいまになっていわゆるトランジットというようなものは、これは許されているのだというふうに、特に特定してそういう引き継ぎを受けたというように言っていらっしゃるとすれば、さあそれは当時そういうことであったんだろうか、どうだろうか。ひょっとすると、そこは、そこまでのことがあったんでしょうかというのが、私が当初から実は申しておることであります。
  231. 黒柳明

    ○黒柳明君 官房長官の意見はわかりました。  そうすると、外務大臣、これ引き継きがあったというのも、これもうそだと、お前の言っていることはうそだと、こうなるわけですな、外務大臣。
  232. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 私はライシャワー氏に会ったこともありませんし、言葉を聞いたこともありません。しかし、今度のことで、私外務大臣として考えることは、要らぬおせっかいをなさる方だと思います。第一に非常に不愉快なのは、あの人のその発言された原因というのは、日本の国民は核に対するアレルギー性がひど過ぎる、このじんま疹を治してやろうという考え方のようでありますが、それこそ大国主義を持った米国国民が日本国民に対して要らぬおせっかい。こういうことは、そういうことをなさるべきでなくて、もしそういう御好意があるならば、幸い今度は懇意な方もおるわけでありますから、アフリカの現政府に対して、日本の政府と堂々とやりなさいと、こうおっしゃるなら、ああ御好意と思いますけれども、勝手に自分でおっしゃることは、私は要らぬおせっかい。しかも、日本の国民の核に対する考え方は、御承知のとおりアレルギー性などという、じんま疹に似たものじゃございません。本当に核というものの悲惨さを深刻に知っているわけでありますから、それを一個人の発言で治してやろうなどとお考えになることは、私は外務大臣としては。無作法千万なる方だと言わざるを得ません。  さて、いまのことでありますけれども、いまのそのお手紙、これは私は官房長官がおっしゃったとおりだと、そのように解釈をいたします。
  233. 黒柳明

    ○黒柳明君 一番最後の意味がちょっとわからない。まあいいですよ。  非常に率直な御意見で、私はもう非常に、そういうことが日米関係に積み重なってこなかったところに誤解が、誤解じゃないかもわかりませんよ、生じているんだと思うんです。  そうすると、いまの外務大臣の率直な発言から言えば、これは何もその答弁を引っ張り出すとこじゃないですが、もうライシャワーの言うことはうそなんだと、これはもうこういう発言がうらはらにあることは間違いありませんな。
  234. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 少なくとも米国の政府が向こうから発言をして、この発言は一私人の発言であるからわが方もノーコメントだ、君の方も気にする必要はない、わが方は約束を守ると、こういうことでありますから、私はそれから判断せざるを得ません。
  235. 黒柳明

    ○黒柳明君 やってみますと時間がどんどんたちますので、今度は具体的な事実を一つ指摘したいと思います。  岩国の核の問題につきましては、ジョンソン元大使、元国務次官、それからエルズバーグ博士、沖合いのLSTにあったと。これについても、まず国民の大多数がそちらの発言の方を信頼しているんではないかと。新聞の世論調査でも、某紙がやったのはもう五〇%以上。信頼しないのが一一%ですからね。これはもう間違いなく信頼性が高いと思いますし、MK1〇1の核魚雷も通過していたという、米軍の公文書で指摘もされました。あるいは核を取り扱うMWWU1という部隊もいると。まあ現存しているわけであります。  岩国に対しては核のいろいろ疑問が指摘されたわけでありますが、もう一つ私が指摘したいのは、七四年に出されましたアメリカ国防省の指令、核兵器に関する、核兵器のプロテクティング、防護についての保護管理基準といいますか、二十四ページ、これ、この中にありますけれどもね、(資料を示す)それにはもうしさいに、核兵器の取り扱いについていろいろな項目が出ているんですが、防衛庁はこういう文書は、まあたびたびいろいろな角度から野党が国会においてこういう文書や何か出しておりますが、これについてはお持ちでしょうか。七四年の七月に出された、それですね、長官がお持ちの。
  236. 塩田章

    ○政府委員(塩田章君) 御指摘の文書、持っておりません。
  237. 黒柳明

    ○黒柳明君 あ、持ってない。それじゃ、なぜそれを持ってきたんですか。そうですか。それかと思った。  結構であります。政府はアメリカを信頼しているわけでありますから、別にそんなものを入手して、それで分析してアメリカを疑うなんというのは、これはもうとんでもない話でありますので、お持ちにならない方がこれはさっぱりしていて結構なことかと思いますが、でも、まあ何と言いますかね、前提として疑ってかかるということじゃないにしても、そのくらいのことは、たびたび指摘されておりますので、マスコミでも指摘もされているものですから、ほんとは持っているのではなかろうか。持っていると言うと、何か後続で質問が来て、うまくなくなるんじゃなかろうか。そんな私は最近は意地悪くなくなりました。ですから、持っていると私は判断したいと思います。持ってなくても結構。  その中に、英文ですから、もう累々と書いてあります。いわゆる核兵器に対してはどういうふうにこれを防御すべきか。管理すべきか。守るべきか。この中に。これはいままでも国会では指摘されました。そのときは、もうにっちもさっちもいかないで、それでぽんと政府に寄り返されちゃったわけですけれども、フェンスを二重にしなさいとか監視所をつくりなさいとか、あるいは夜間の照明灯を照らしなさいとか、いろいろなことが書いてあります。フェンスの間にどのくらいのメートルで、そこには何を置くだとか、いざここに敵が浸入したらどうするか。もう、しさいに書いてあります。まあこれは秘密でも何でもないと思いますね。  世界、まあ日本ぐらいのものでしょう。アレルギーが過度であるかどうかは別にしましても、世界あらゆるところで核時代の中にあって、そういう文書。ましてアメリカがこういう文書でいろいろな手を打っていることはあたりまえであります。ただ、これが日本の国内にどう適用されるか、どう当てはまるか。また、どういうふうにこれを私はこれから質問するかという問題なんですが、期せずして、この問題だ、問題だと言われた岩国の、これは書かなくていいですけれども、ハウスナンバー一八一一。ともすると一八七〇という指摘があったんですが、ここはありません。ありませんというのは、核があるかどうかということじゃないですよ。疑惑があるという一八七〇のハウスナンバー、これはそうじゃありません。一八一一、このハウスナンバーのところに、全くいまの基準に合った外見の構造がそろっております。外見構造です、外見構造。中にあるかどうかわかりません。  しかもそこには、共産党さんがミッドウェーの中ということに指摘した、これはもう二番せんじになって、私ちょっとやりたくないんですが、コーション、ハイ・ラジェーションー・エリア、ステイ・アウト、これが張ってあったんです。いまこれ取られています。共産党さんの場合にはラジエーションですね。こっちはハイ・ラジエーションですから、公明党の方がちょっと高くなりますです、ハイでございますので。高度放射能。すいません。高度の放射能、こういうふうな看板がありました、一つね。  これは、外からはどんな角度からも振れません。御案内のように海岸線でありますからね、あの全部米軍基地なんというのは、真っ暗な中にあってだれも見れない、だれも入れないということはない。日本人の従業員がいっぱいいらっしゃいますから、だから見れるんです。入れるんです。ただ、外部から見してくれと言ってやりゃ、オフリミットと、こういうふうになっているのでありまして、もうこんなのコロンブスの卵で、幾らも入って見られるのです。しかしここだけは、外見言ったってしようがないと思いますけれども、二重電子ロックのドアがありまして、当然ここに監視がありまして、それで若干通路を通って、そこに一八一〇と一八一二のハウスがあって、その中に一八一一のハウス。外見上はこの安全管理基準と全く同じ外見の状態になっております。そして、しかもハイ・ラジエーション。私は、ミッドウェーのあのラジエーションというのは、確かに政府がアメリカから得た回答、エックス線医療室あるいは高電源、そんなのがあるのじゃなかろうかと、これは船の中ですから。ところが、これは全くそういう形態じゃありません。だから私は、その中に核があるとはここで言いませんよ、言いませんけれども、この核基準の概要から言うと、外形はそっくり。しかも、麗々しくそういう札が張ってあった。これは山田弾薬庫でも、社民連さんが指摘しましたね、張ってあったのが残っていたんだと、こういうこと。私のは、現在疑惑になっているその中にそういう態様があり、そういうものが張ってあったんだと、ひとつこれお調べいただけますか。
  238. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) いま御指摘の建物でございますけれども、一八一一というふうに言われたと思いますけれども、これは五十三年のときにも実は一八一一という点について問題が提起されました。その際に政府が調べたのはすでに国会で回答しておりますけれども、これらの建物、実はそのときには一八一一以外に別の建物もございましたけれども、海兵航空第一武器隊の執務室及び同武器隊による弾薬取り扱い訓練を実施する場所として利用されていると、いずれの場所にも兵器は貯蔵されていないということでございます。しかし、いませっかくの御提示でございますので、その写真をいただきまして、私たち部内で検討したいと思います。
  239. 黒柳明

    ○黒柳明君 いま五十三年じゃありませんで、ずっと時間は経過しておりまして、その態様は同じだ。さらに、中のことを言ってもこれしようがないんです。中はこうだああだと言ったところで、皆さん方お調べいただくよりほかないんですから。現時点においてのことを私言っているわけであります。しかも、五十三年にはこういうものはなかったんです。私それも知らないで言ったなんて思って発言されたら、もうそれはそんなことはない。国会での審議については、もう全部私は、当然知っての上です。  ただ問題は、この中のことを若干知っているんですが、これ言っても始まりません。それで問題は、ただアメリカ政府に照会するだけじゃなくて、こちらから現地に査察に出してもらいたいのですよ。あの沖繩の返還後、メースBの存否につきまして、たしか三木一佐という方が派遣されまして、その国会で問題になったんです、メースBが撤去されているかどうか。それ派遣した例がありますね。ですから、いま、もう非常ないろんな角度から問題が起こっているんです。そういうこともやっぱり国民に対する疑いを晴らす大きな政府の姿勢だと思いますので、ただ単に問い合わせして、あるいは五十三年の問題をいまさら引っ張り出してということじゃありませんで、今日的問題として私は取り上げているわけであります。しかも、そのときにはこういう看板なんか一緒になって入っていません。そこで、要するに、問い合わせじゃなくて、ぜひとも基地の中の査察という、政府のこの時期を踏まえての前向きな姿勢というものをしていただければ、これは全部が解消するかどうかわかりません。ある部分においての、八割を超えているんですから、自衛隊是認、安保だって七割を超えているんですから、これがまたこの時点で逆転ですよ。また揺らいできちゃった。果たしてこれが日本のためにいいかどうか、私は疑問であります。ですけれども、この積み重ねを一つ一つこれからもっとやっぱり努力してやらなきゃならないのじゃないのか。外務大臣、一回、アメリカがどう言うかこれはわかりません、だけれども、われわれ野党だと言って調査申し込めばオーケーと言うんですから、それはもう一番苦境に立たされている政府が、ひとつ中を見さしてもらいたいと、こうなれば、沖繩で例があったわけでありますから、決してノーとは言わないのじゃないかと、こういうことですが、外務大臣いかがでしょう。外務大臣にちょっと、これは政治的判断だから。
  240. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 私から先に御答弁いたします。  先ほど御答弁いたしまして、五十三年の例を引っ張って、それは古いということでございます。私も御答弁で申し上げたように、五十三年にそういう答弁をしたこともあるけれども、いま資料を御提示いただいたので、さらに検討さしていただきたい、こういうことが第一点でございます。  第二点、立ち入り調査の件でございますが、核があるということを前提にしてこれを立ち入り調査ということはできないわけでございますし、それから黒柳委員十分御承知のとおり、アメリカは管理権を持っているということでございますので、まずとりあえず、いま御提示いただいた資料に基づいて私たちの中で十分検討さしていただいて、それでどういう方策をとるのがいいのかどうか検討さしていただきます。
  241. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 御意見承っておりまして、もっともだと思います。その方針で検討をいたさせます。
  242. 黒柳明

    ○黒柳明君 外務大臣、私も今回のあれで、基地の査察じゃだめだと言われたんです、外務省から、訪問という言葉を使ってくれと。何かあることを前提に行くと、向こうはやっぱり受け付けないと。それはそうだと思います。ですけれども、目的というのはやっぱり、いま疑惑になっている、問題になっている核の問題で訪問、話し合うと。これはもう非常にやっぱり初めの時点からアメリカに対して、配慮すること自体が悪いと私思いません、目的達成すればいいんですから。だから、こういうことで私どもも、視察という言葉は使わないで、訪問にしてくれ、ああ、これは結構です、そんなもの、訪問で。それをいま局長がおっしゃったわけであります。ですから、訪問であろうが何でもいい。野党だからそうであって、政府はやっぱり視察でいいのか訪問でいいのか、そこのところはわかりません、私たち野党のリクエストですから。ですから、ひとつ現地調査、視察、過去にあった例を含めて、いま局長は資料を見て検討と、結構ですよ。ひとつ、だけど同時並行ぐらいにやっていただけませんか、外務大臣、同時並行ぐらいに。資料見てったって何にもない、資料なんか、何にもないですよ。二重フェンスの地図があるだけです。態様は、後見ていただくほかないんです、態様は。そういうことでございますので、ひとつ資料は当然見ていただきます。持ち合わせは私うんとあって、中に核があるんだなんて断言しません。疑惑があると、こういうことを言っているわけであります。ですから、資料はお渡しする。資料を見たところで、もう局長が知っていることばかりしかわかりません。だから、同時並行で要するに日本政府がそこに現地視察するということも、あわせていまは大切なわけです。むしろ私はそれの方を指摘したいと、こう思うんですが、やっていただけますか。
  243. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) この問題とは違いますが、十何年前厚生大臣をやったときに、伝染病がはやって困りました。どうもベトナムから帰ってくる立川基地がこの根源地のような気がいたしましたので、向こうの軍医総監と相談をして、この中を見せてもらって効果を上げたことがあります。そういう趣旨で、よく話し合います。
  244. 黒柳明

    ○黒柳明君 済みません、中川長官と労働大臣、申しわけありません。簡単な質問でお忙しい時間をお縛りして申しわけないんですけれども、まあ読売新聞、指摘するまでもありませんが、もう通告しておりましたので。  私は、非核三原則の日本の国是とアメリカの軍事機密と、日本の政府が日本の利益を守るという立場においてどちらが大切なのかと、こういうことを非常に疑問なんです。非核三原則というようなものは国是です。日本を守らなきゃならない最大の政策であるわけです。確かに、アメリカも軍事機密です。ところが、これをてんびんにかけざるを得ないような時点に、いま、ある意味ではなっているんです。これはどっちが大切なのかなと、私も頭が悪いものですからなかなか判断ができないんですが、具体的なことで読売新聞さんがアンケートをしまして、いわゆる核搭載の艦船の寄港・通過を認めるべきだと考えるかと、こういう質問に対して、これが正確であるかどうか、往々にして意を尽くさない活字になっている場合もありますので、中川長官のお答えは「今後、研究、議論の必要がある。一切、耳を傾けないというつもりはない。」という御答弁でございます。これは正確な御発言を活字にしたものでしょうか。
  245. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 大体、私の考え方をまとめて短くしたらそういうことになったんだと存じます。
  246. 黒柳明

    ○黒柳明君 それから労働大臣も、前段若干違うんですが、「長い歴史の中で現実性もだんだん考慮に入れる必要があるのではないか。」と、こういう御答弁、その前は「閣僚として政府方針を認めざるを得ない。」、これはもう前段にありますね。その後、後段に、現実性を考慮に入れる必要があるんじゃないか、これはこのとおりの御発言でしょうか。
  247. 藤尾正行

    ○国務大臣(藤尾正行君) 私の考えどおりでございます。
  248. 黒柳明

    ○黒柳明君 そこで私は、自民党議員に対してアンケートをとったマスコミさんもいらっしゃる。当然相当いろいろ意見が分かれております。分かれる中で、やっぱりいまのこの非核三原則あるいは一時通過、寄港についてはおかしいという答弁の方が、いまの政府はおかしいというじゃないんですよ、ある意味においてもう現状はおかしいぞと、こういう答弁の方が多いということはもうマスコミを通じて知っているわけでありますが、その長官が、今後一切耳を傾けないつもりはない、議論の、研究の必要があるという趣旨は那辺にあるのか、もうちょっと具体的にお聞かせいただけませんでしょうか。
  249. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 国内外を通じて安保問題、防衛問題が議論されている段階に来ております。野党の皆さんにもいろいろ意見があるように、国民の中にもいろいろ議論がある。すべて防衛の問題とか憲法の問題というと議論もしないで全部だめだと、こういう風潮があることに対して、これはまずいのじゃないか、やはり率直にこういった問題については議論し、研究すべきであると、こう申したのでございます。
  250. 黒柳明

    ○黒柳明君 そのお言葉の中には、現状が全くこれいいということじゃないから、議論も研究もすべきだという意図が含まれているんでしょうか。
  251. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) そういった意見を持った人もたくさんいるようだから議論をすべきであるということでございます。
  252. 黒柳明

    ○黒柳明君 わかりました。  そうすると、長官自身はそういう意見をお持ちなんでしょうか。
  253. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 私は現在千々に乱れております。(笑声)
  254. 黒柳明

    ○黒柳明君 労働大臣は、「千々」の方はどうでしょうか。
  255. 藤尾正行

    ○国務大臣(藤尾正行君) まあ私はその前段でも申し上げておりますように、いま閣僚でございますから、私が、政府の言っておられることと私は意見が違うということを申し上げれば、私が閣僚たることをやめるということがこれは先決でなければならぬわけでございます。  しかし、長い間の歴史といいますものはこれは流れてまいりますし、環境も変わってまいります。そういう中で、黒柳さん先ほど御指摘になられましたけれども、私が一政治家として考えてみます場合に、私どもの安全保障政策といいまするものは、日本の国の安全を守ることがこれが目的でございますから、その安全を守るためにこれがよろしいというようなこれは結論が出ますならば、そのような方向に私どもは変わっていくだけのフレキシビリティーを持ってなきゃならぬ、こういうことだと思います。  そこで、私どもはいま冷静に考えてみまして、アメリカに対しまして日本の安全を守ってくれるようにと言ってお願いをしておるわけでございます。私の方から、日本の国の方からお願いをしておる。それをよろしいと言って、いま安全保障条約のもとに私どもを守ってくだすっておられる。そのアメリカの国内でいろんな議論が、双方のいろんなやりとりあるいは歴史の流れの中で出てまいりまして、もっともっと日本は、もっと自分の安全保障上の責任を守ってぐれなければ困るじゃないかという議論がどんどんどんどんアメリカで強まってまいりまして、それではいままではよかったけれどもこれからはいかぬのだというようなことが起こらぬということは、これはだれにも言えないわけでございますから、そういった事態になりましたときには、当然そういった新たな事態のもとにどうあるべきかということについてこれは検討すると、そういう考え方をさらにいろいろな意味で考察を加えていくという政策上のフレキシビリティーは持って私は当然であろう、かように考えておるわけで、そのことを申し上げただけでございます。
  256. 黒柳明

    ○黒柳明君 閣僚としてのお立場も明快になっております、政府の方針に貫くと。ただし、その後半は、当然、自民党の議員でもあると。こういう立場から、政策上日米のこの関係というものの中において、向こうがこういう反発をして、また将来これがもっとエスカレートしたら大変だと、政策的な研究をすべきだということの中には、少なくともこの一時寄港やなんかについての、政府の姿勢がいいとか悪いとか別ですよ、アメリカのラィシャワーがうそだとかなんとかは別ですけれども、ともかく現状においてやっぱり改善すべき点があるんだと、こういうことはお認めになるわけですか。
  257. 藤尾正行

    ○国務大臣(藤尾正行君) 冒頭申し上げましたとおり、いまのところではさようなことはないと思いますね。もっともっとこの論議が深まっていって、もっともっと幅が広くなっていって、いろいろなことが起こってまいりましたその暁、それが三年後でありますか、五年後でありますか、十年後であるか、それは知りませんけれども、そういう事態になれば、私どもは当然私どもの国を守るということのために役立つべきことは何でもやっていかなければならぬ、さようなことだと思います。
  258. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、まあいまのこの問題がどういうふうになるかわかりません。総理の一週間ぐらい前の判断ですと、遅かれ早かれこれは鎮静するよと、こういう総理の判断ですから、私も将来どうなるかわかりません。もっとエスカレートするのか、アメリカからさらにこういう問題に対して次々発言が起こってくるのか、あるいは事実関係が提起されるのか。こちらからまたそれに対して将来何らか出るのかわかりません。だけれども、いま労働大臣のお考えですと、将来あったときには、ということは、将来はいまのままじゃないかもわからないと、こういうふうに私は認識させていただきます。本当にお忙しいところ申しわけありません。ありがとうございました。  そこで、私もう一つ問題にしたいのは、先ほども社会党の委員から問題提起がありましたけれども、事前協議の問題、マクマホンの問題ですけれども、これは外務省ですね、事前協議というのがアメリカから提起されたとき、だれとだれ、これはだれからだれに来るのですか。
  259. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) これは外交経路を通じて来るということ以外は、まだ決まっておりません。
  260. 黒柳明

    ○黒柳明君 外交経路、これは外交というのですから、国務省、大使館、外務省、まあこういう範疇と。その前に防衛庁ということはまずないでしょうね。それから内閣官房ということもないでしょうね、まずその範囲でしょうか、常識的には。
  261. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 外交経路と申し上げている以上、いま黒柳委員が言われたその外務省、大使館、国務省、そういうのが主たるものであろうと思います。
  262. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、まず特定人物、人物というよりも役職ですな、大使とか外務大臣とか、そういう特定の指摘はないと、外交経路を通じて来るであろう。ここらあたりもはっきり詰めてはないわけですね。要するに外交経路を通じてお互いによこそうという合意がこの十数年なされてきたと、こういうことでいいわけですか。
  263. 淺尾新一郎

    政府委員(淺尾新一郎君) そのとおりでございます。
  264. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、そこで外交ルートを通じて事前協議が持ちかけられた、日本はそれに対してイエスとかノーとか、こう言うわけでありますが、今度は日本側です、日本側はそれをどこでイエス、ノーという協議なり、最終判断はだれがやられるのですか。
  265. 淺尾新一郎

    政府委員(淺尾新一郎君) これは行政権の範囲内でございますので、行政権の最高責任者の判断を仰いでやると、こういうことでございます。
  266. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、まあもっと平たく言うと、閣議にかけて、総理の最終結論をいただくと、こういうことでいいわけですか。
  267. 淺尾新一郎

    政府委員(淺尾新一郎君) まあ事案の緊急性その他にもよるかと思いますけれども、すでに四十七年に答弁しておりますけれども、事前協議を受ける最終の責任者が常に総理大臣だと、そういう意味で当時の外務大臣は答弁しておりますけれども、閣議にかけるかどうかということは、そのときの事態に応じて決まっていくだろうと思います。
  268. 黒柳明

    ○黒柳明君 それは国会への報告はどうなりますか。
  269. 淺尾新一郎

    政府委員(淺尾新一郎君) これは行政権の責任においていたします。ただし、その後であるいは国会に報告するということも十分考えられます。
  270. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、事前協議が提起され、外交ルートを通して、そうして最終結論は当然総理、その間において閣議でこれが論議されるかどうかはケース・バイ・ケース、そしてそれが国会に報告されることもケース・バイ・ケースと、こういうことでしょうか。
  271. 淺尾新一郎

    政府委員(淺尾新一郎君) 御承知のとおり、事前協議というものは安保条約の交換公文に決まっておりますので、これは行政権の専決事項というか専権事項でございます。ただ、先ほど申し上げましたのは、そのときの状況によって国会にも御報告することもあり得ると、こういうことでございます。ただ、決定は行政権でございます。
  272. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、外交ルートというところから、非常に範晴はある程度、カテゴリーは決まっていると思いますよ。ですけども、どこのポジションにいる人がということも明記されておりませんな。それから、どういう種類のものを閣議にかけて、さっきおっしゃったのは緊急性と、ただ一言ですね。どういうものを閣議にかけるのか、どういうものをかけないで総理、最高責任者の判断に任すのか。さらに国会にはどういう種類のものを報告するのか、しないのかということは何にも決まってないわけですか。
  273. 淺尾新一郎

    政府委員(淺尾新一郎君) そのとおりでございます。
  274. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、いままで長い間事前協議はなかったわけであります。しかし先ほども言われましたように、事前協議になるような可能性のものも、あるいはむしろ日本の方から、あるいは日米間の話し合いによってでしょうか、排除してきたわけなんですが、そうすると、逆に言うと事前協議なんかもうないんだと、こういう前提で何にも考える必要がなかったとも言えるのでしょうか。
  275. 淺尾新一郎

    政府委員(淺尾新一郎君) まだ事前協議がなかったというのは事実でございます。先ほど申し上げましたのは、そのときの情勢に応じて柔軟的にかっ緊急的に対処するかどうかということによって、その対処ぶりがおのずから変わってくるということでございます。
  276. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、事前協議が提起された場合に、その最終決断を下す総理がそれを閣議にかけるか、国会に報告するかは全部総理の意見にまつと、こういうことでいいですね。
  277. 淺尾新一郎

    政府委員(淺尾新一郎君) 私の了解はそのとおりでございます。
  278. 黒柳明

    ○黒柳明君 総理大臣、総理はどういう見解をお持ちですか。どういうものを閣議にかけ、どういうものを国会に報告する、全部総理任せだというんです。そうすると仕分けはどうなりますか。
  279. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 政府は、この核の持ち込みにつきましては、事前……
  280. 黒柳明

    ○黒柳明君 核じゃない、事前協議。核と言ってませんよ。だからちょっとお眠りしていらっしゃったから。事前協議ですよ。核だけ言っているんじゃない。
  281. 鈴木善幸

    ○国務大里(鈴木善幸君) 核の問題が中心で論議をされておったものですから……
  282. 黒柳明

    ○黒柳明君 いやいや、わかります。核のことはよくわかります。事前協議。ちょっと広くなって申しわけありません。
  283. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) そうですか。わかりました。  事前協議、これは事前協議の内容によりまして閣議にかけて、そして私が最終判断をするという場合、それから国会に御報告するかどうかという問題がありますが、これも私は重要な問題は国会に御報告をすべきだと、こう考えております。
  284. 黒柳明

    ○黒柳明君 結構でございます。そう局長は答弁されましたから、それじゃ総理はそういう基準を、細かくしなくたっていいですよ、また事務当局と相談ということもありますからね。ですけど、事前協議というのは、過去可能性だけはあったわけでありますから、決していままでないんだ、これからもないんだ、こういうことじゃありません。これからも可能性、もっと緊迫した事態になっているかもわかりませんよ、事前協議制の提起ということを、アメリカから。そういうときに、いま外務省の事務局の最高責任者の局長は、要するに最終決断は総理だと、どれを国会に報告し、報告しないか、閣議にか、けるか、かけないか。だからいま現在総理はどういう仕分けの基準をお持ちでしょうかと。ただ一言、重要なものはかける、重要でないものはかけない、こういうことですか。そうするとまた質問続きますよ、重要さは何で判断するんですか。
  285. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 事前協議にかける問題は三つのカテゴリーになっておりますね、御承知のように。部隊の相当大きな規模の編成であるとか配置であるとかいう問題がございます。それから核の問題がございます。三つの問題がございますから、その重要性によって私は判断せざるを得ない。どういうことを事前協議として言ってまいりますか、これは三つのケースがございますから、核の問題につきましては、いずれの場合でもノーということです。
  286. 黒柳明

    ○黒柳明君 それじゃ、第一項目はどういうことですか。――いやいや、総理の最終決断だ。
  287. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) そんな細かい、ちょっと中身は……。
  288. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 第一は配備における重要な変更でございます。これも先ほど来御答弁しているように、まさにそのときの事態によって対処の方針を決定するということで、あらかじめこういう場合はどういうふうに、こういう場合は閣議にかけないというようなことを決定すべき事柄でないというふうに考えております。第三項の戦闘作戦行動も同じでございます。
  289. 黒柳明

    ○黒柳明君 だってさ、あんたいまから二分前に総理が決めることだと言ったじゃないですか。それをいま事務当局がぺらぺらぺらぺらやったら、全然さっきの答弁とは違いますよ。その仕分けは総理が決めることだとおっしゃったでしょう。それをいま局長がぺらぺらぺらぺら言ったら、総理が決めるんじゃない、局長が決めることになっちゃうじゃない。おかしいよ、ちょっと。
  290. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 私がさっき申し上げたのは、最終判断は総理に仰ぐということでございます。
  291. 黒柳明

    ○黒柳明君 そこで、総理大臣、細かくて済みませんね。一項目、二項目、三項目、一つだったらはっきりしますが、三つありますので、細かくなりまして済みませんです。そこで、この事前協議あるいは核の問題、今度は核にしぼりますから、総理の御期待にこたえて、核。この二項目目ですね、この核について一九七四年十一月七日、アメリカから来ていますですね、マクマホン法、必ずしも何というのですか、これも正確じゃないのでね。正当な権利を有する官吏が事前協議制度の約束を履行することを妨げる法律はマクマホン法含めてない。概略こういうことでしょう。これもう一回ちょっとお教えいただけますか、一九七四年の十一月七日、アメリカから来た、正確なの。
  292. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 昭和四十九年十一月七日、アメリカから回答した公式見解を次のとおり読ましていただきます。  合衆国政府は核兵器の所在を高度の機密性を有する国防情報とみなしている。合衆国政府は核兵器の所在を確認することも否定することもできないとの立場を種々の機会に明らかにしてきた。かかる合衆国政府の立場は原子力法の規定を含め上記の条項を保護するための米国の国家安全上の要件と合致するものである。しかし、一九六四年十月に合衆国政府が明らかにしたとおり、合衆国の原子力法またはその他のいかなる国内法も正当に権限を付与された合衆国政府の官吏が事前協議に関する約束を履行することを禁止しまたはこれを妨げるものではない。  以上でございます。
  293. 黒柳明

    ○黒柳明君 要するに、その正当な権限を付与された合衆国の官吏と、これは国内法ではこれの裏づけがあるんでしょうか、だれなのか、どういう位置にいる人かとか。
  294. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) これはアメリカ政府が訓令に基づいてだれに権限を付与するかということは決定するんだろうと思います。
  295. 黒柳明

    ○黒柳明君 ですから、国内法ではありませんね、これは。アメリカの国内法では。
  296. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 私の理解するところではアメリカの行政権の権限内で行うということでございます。
  297. 黒柳明

    ○黒柳明君 国内法はないということです。これを決めた国内法ないんです。ところが、原子力法やなんかにはこの最高機密を漏らせば罰則規定はどう出ておりますか。まあどう出ているかって、御存じでしょう。罰則はどういうことがありますか、これを漏らしますと。アメリカの最高機密ですから、漏らすと。
  298. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) お尋ねのマクマホン法それ自身は……
  299. 黒柳明

    ○黒柳明君 原子力法でいいです。
  300. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 原子力法でございます。そこで、マクマホンの罰則いかんということでございますけれども、マクマホン法、原子力法と申し上げてもいいのかもしれませんけれども、米軍人またはかって米軍人であった者などが秘密資料を漏洩した場合には二千五百ドル以下の罰金を科せられる、そういう罰則規定がございます。
  301. 黒柳明

    ○黒柳明君 さらに、いろんなアメリカでは国内法がありまして、最高機密をあれして死刑も出ているわけです。それは原子力法だけのことですからね。いろんな法律がミックスされてこれはがんじがらめに、なっているわけであります。ところが、そういう非常にアメリカ国内においては、これはどこでも同じですよ、軍の最高に属する機密を漏らせば極刑であります、極刑です。これはもうあたりまえ。この問題だけじゃありません、アメリカだけじゃありません。世界各国どこだって同じであります。ところが、そういう厳しい罰則規定を踏まえたものでありながら、いまこの事前協議について、核ですよ、総理大臣、核ですよ、核についての一時通過とか、持ち込みとか、この事前協議について、あるいは存否について言えないんだと、権限を付与された官吏以外は。そういう者が、その権限を付与された官吏は何であるかということが全く不明なんですな、全く不明。だれであるかとか、なぜかというと、これは国内法で明記されたものじゃないからですよ、アメリカの国内で。これは世界全体が、あるいは日米当然法治国家です。こんなに厳罰規定があるものについて、日本としては最重大課題である事前協議の対象になる装備の変更、核のストックないしは一時通過等に含めてこれを日本政府に通告していい人、これは国内法では何にも明確な権限はない、規定はないんです。何となくアメリカが、先ほどの一時遭遇ではありませんけれども、日本の国会審議にフォローしてきたと、ある時点において日米間でこれを合意したと、これと同じように、アメリカ国内においてはものすごい厳しい処罰、罰則規定がある、それがより国際的には厳しくなきゃなりませんな。官房長官きのうテレビで言ってました。それが全く事前協議について日本に核の通告をしていい、存否について通告、事前協議の申し入れをしていい、その権限を付与された人が法的には何にも明確じゃないんです。アメリカが、思いつきという言葉は失礼かと思いますが、そういうふわっとしたものですな、これは。どうですかね外務大臣。
  302. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) これは法律に決まっているとか、言わないとかという問題でございませんで、やはり行政権の権限の中でできるものでございまして、法律にないからふわっとしているというわけでございませんで、そういう例はほかにも幾つもあるかと思います。
  303. 黒柳明

    ○黒柳明君 だから言うんですよ、だから行政がかわるたび、時代がたつとともに何か記憶が薄れたんじゃないですかと、行政権の権限でできるというならば、そのときの行政の担当者が明白に権限を持ってたんじゃないですか、その当時の人たちは。その当時の人たちが明確に、明確じゃないとおっしゃるけれども、こうだった、ああだった、勝手なときには行政権になんて言いながら、これは今度は自分の都合のいい方にはいやもう行政権の人じゃないから――みんな、皆さん方だって同じ立場になるわけですからね、これはちょっと勝手な御発言じゃないでしょうか。だからこそ法的な裏づけというものがあるのじゃないでしょうか。いつの時代になったってそういう誤解を与えないため、まして国際間の日本にとっては死活問題でしょう。それが行政権の中で法的な裏づけが何もない、そういうところにこの事前協議制が非常に不明確だと、日本の国内においても全く何も考えてない、最たるものがこの向こうの権利を与えられた人ですよ。それじゃそのときそのときによって、行政によって態度が変わりますか。局長、向こうの行政によってこれ変わりますか、くるくるこの規定が変換しますか。
  304. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) これはいやしくも、三十九年にも同じ、正当に権限を付与された米国官吏が、日米安保条約に基づく事前協議に関する米国の約束を履行することを禁止しまたは妨げるような国内法はないと言っており、さらに続いて四十九年に確認しているわけでございまして、アメリカ側が日本側に対して再度明確に言っていることでございますので、いま御指摘のような御心配というものは行政権限の中でできるということで、行政府が変わったからそういうことはあり得ないのじゃないかということは当たらないのじゃないか……。
  305. 黒柳明

    ○黒柳明君 三十九年からですから、じゃこの人物はだれかと、どういう位置にある人かと問い合わせたことありますか。
  306. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) これはアメリカ政府の中の問題でございますので、われわれとしては、だれでもあれアメリカ政府の当局からそういう権限が与えられていればそれで差し支えないわけでございます。
  307. 黒柳明

    ○黒柳明君 だから、要するに日本側においても事前協議について可能性はある、アメリカから提起される。だけれども、その後は何も検討されていない。さらに、アメリカの方に言わせると、いつの時代でも明確であるはずの国内的な法の裏づけがなくしてそのときの、そのときの行政という言葉否定されましたけれども、行政の考えの範囲で、変わるとも言いません、決められていく、そんなあいまいなものですと、この事前協議制度そのものについてさらにそのシビアであるべきそういう取り決めについてまでも何だという疑惑が出るわけでありますが、ひとつこういう問題いまいろんな問題が提起されているわけであります、外務大臣ね。何も私は権限ありません、あれやるべきだ、こうすべきだなんという資格もありません。ですけれども、これ一つとりましても、事前協議制度を取り巻く……。  さらに、根性の悪い人がもしいるとすると、事前協議制いままで来たんだ、あったんだ、だけれどもそれは国会に報告しないでうやむやにしちゃったんだということだって考えられますよ。私はそんな考えはしませんけれども。だって、政府間政府ですから、言うならば秘密ですよ、事前協議なんというのは。だれか通告して、だれか受けて、これはノーと言っておこう、イエスと言っておこうと、こんなものじゃやっぱりうまくないんじゃないですか。少なくとも国会で非核決議をやったわけだ、国民監視のもとでこの日米の関係というものはよりいい方向に向かっていかなきゃならない、もうちょっとでもやっぱり疑惑があっちゃならない、そういう面が多いのじゃないでしょうかな。ところが、一から十まで非常にあいまいですな。あいまいもことしておりますな。法治国家でしかも国際的に友好関係にあった、これからもあろうという両国にしては余りにもそのときの行政の判断、いいですよ、それで。三十九年から続いている、構いませんよ。それについてもうちょっと詰めるそういう必要もあるんじゃないでしょうか。いかがでしょう外務大臣、もうこれでおしまいだから。
  308. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 事前協議というのは安全保障条約また関連交換公文ということで規定されております。したがいまして、これはアメリカの厳粛なる日本に対する約束でございます。その約束の履行についてアメリカに国内法があるかどうか、あるいは行政権の範囲内でできるか、これはアメリカ内部の問題でございまして、法律がないからうやむやだと、こういうふうには言えないかと思います。
  309. 黒柳明

    ○黒柳明君 だけれども、現状はどうですか。日米間でこんなに疑惑が提起されているんじゃないですか、現状は。結構ですよ、相互信頼関係にあって何もそんな法律なんかなくたって信頼関係、がっちり手を握ろうと、そういう関係にあるべきなんだけれども、そうじゃないですか、現実は。だから私は憂えるわけであります。もっと明確にした方がいいんじゃないでしょうかと、何も局長と私とね、もうけんかしたってだめなの、いまのこれからお互いにやっぱり理解し合うための答弁しなきゃ。そうなるとやっぱり外務大臣なんです。非常に理解があるし、本当のことを言っていただく。局長はただ単にごまかそうなんて、済みませんな、そういう意図がある。もっと明確に法的裏づけをした方がいいものはしたり、そういうことをして、この事前協議なり何か手直し、手直しせよというのか、検討しなさいよ。
  310. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 場合によっては非常に重要な場面もあるわけであります。そういう場合のつなぎをどうやるか、どう詰めるか、こういうことが事務連絡協議会の目的でございますから、そういう場面とどの場面が適当かよく勉強しまして検討いたします。
  311. 黒柳明

    ○黒柳明君 終わります。
  312. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 黒柳委員と事前協議をよくやっていなかったために私の持ち時間が若干ふえました。ちょっとこれからやりとりの中で私なりに整理をして若干お伺いをしたいと思うのであります。  今回の核の持ち込みの問題を通じまして、長い長い一つの歴史的な経過がございます。その中でいろんな変遷も政府答弁としてあったことも知っております。先般また、五月二十九日の衆議院の連合審査の際も私そのやりとりを伺っておりました。きょうも大変時間も経過したわけでありますが、いずれにしても強烈な印象として残るのは、やはり疑惑が晴れないままに平行線をたどる以外にはない、ともあれ何らかの接点がありますと解決への一つの糸口というものが見出せるのじゃないか、その期待を私ども若干込めながらきょうのこうした連合審査に臨んだわけでございます。  もう繰り返し繰り返しのやりとりの中で、なおかつそうした問題が国民的な関心を呼んでいるということも否定できませんし、したがって安心感を持っていただくためにもこの辺を今後あらゆる機会を通じて明快にしていかなければならんのではないだろうか。ただ、その明快にすべき糸口が見つからないというところに大変な障壁にぶつかったような印象を受けるわけであります。  私も、あえて繰り返すまでもありませんけれども、何もライシャワー発言が偶然に今回の核持ち込み問題の引き金になったわけではないわけでありまして、エルズバーグといい、あるいはラロック発言といい、あるいはクレーター元海軍長官の発言といい、あるいはハロウェー元海軍作戦部長の発言といい、ジョンソン国務次官の発言といい、ともあれ軌を一にしたような、若干その話の中身は、ニュアンスの違いはあるにいたしましても、くしくも大体共通性のある問題提起をしているということもまた否定できないのではないだろうか。しかし、残念ながら、米国政府を信頼する以外にないということで今日まで政府は大変ガードをかたくしてそれを貫かれてまいりました。なるほどそうでなければならないかもしれません。もしそうでなかったとするならば、これはもう大変なできごとになってしまうでしょう。衆議院の解散なんというようなことにもなりかねない、そういう波及すべき中身を含んでいる問題でございます。  そこで、そうしたことを一応頭の中に入れつつ繰り返しのことはもう避けたいと思いますが、私としても若干再確認をさしていただきたい問題もございますので伺うわけでございますが、最初、防衛庁、クイーンフィッシュ号、一九六八年二月、横須賀に入港いたしております。このクイーンフィッシュ号についてその性能、まずそれから確かめてまいりたいと思いますので御答弁をいただきたいと思います。
  313. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) 突然の御質問でちょっと時間がかかりますと思いますけれども、クイーンフィッシュ号は、これはスタージョンクラスであると考えます。で、スタージョンクラスは排水量三千六百四十トン、水中速力三十ノット以上、装備は二十一インチ魚雷発射管四、サブロック及び対潜魚雷を装備可能でございます。ハープーンも装備可能でございます。
  314. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 いま言われたとおりだと思いますね。攻撃型原潜ということで、これはこちらの調べによりますと、一九六六年六月に完成をいたしておりまして、その後この同型の原潜がたくさんできている。その同じ型の原潜がいわゆる横須賀のみならず、佐世保であるとかホワイトビーチにも寄港していることが挙げられております。  ところが、確かに一面においては抑止力を持つ原潜でもございましょう。海軍省の当時の発表によりますと、これは一九六五年二月、今後つくられるであろう原潜については全艦ロケット核魚雷、サブロックを積載する、こう表明されているのですね。この点については防衛庁として確認されておりますか。
  315. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) 現在、文書そのものを持っておりませんけれども、積載可能のようにしてあるというふうに表明されたと承知しております。
  316. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 その辺が非常に微妙な答弁でございまして、岡崎さん、なかなかそれはうまい。  全部、全艦積載しているというふうになった場合に、それでは過去においてホワイトビーチであるとかあるいは佐世保であるとか横須賀に入出港したいわゆるクイーンフィッシュ号と同型の潜水艦は全部核を持ち込まれたということになるわけです。  しかし、先ほど来の答弁から考えてみますと、それは米国の政策上その存否については明らかにされないということで、あなた方はそれは確認のしようもない、当然でございましょう。しかし、こうした問題が、何もライシャワー発言に限らずに、過去においてそういう形跡があったことがそのまま今日まで持続されてきたというところにぬぐい切れない疑問というものがやはり定着しちゃったということが今回の発言がさらに増幅したような形で疑惑の輪を広げたということになりはしまいか、こういうふうに受けとめざるを得ないわけであります。  ところで、実際問題として先ほども戦略核であるとか、戦域核であるとか、戦術核という話が出た。それは何回も国会において議論の往復がございました。もうほとんどの方みんな了解していらっしゃるわけです、当該委員会の方でなくても。しかし、現実問題として、たとえばそれは戦略核や戦域核についてはこれは別問題といたしまして、戦術核についてたとえば原潜の場合一々それを取り外して、これはしかしわれわれ軍事専門家ではなくても、常識的に考えて、先ほど来からもちょっと議論があったようでございますが、これは考えられる問題だろうか。それはやっぱりむしろ防衛庁が御専門のお立場から、これも言いにくい問題かもしれませんけれども、どんなふうに思われるのか。また蒸し返しのことをしたくないのです、はっきり申し上げて。これは現実対応ということを考えますと、やっぱり積んでいるというふうに受けとめるのが素直な受けとめ方であろう、これが一点。  ついでにもう一つ、この間ジョージ・ワシントン号が日昇丸にぶつけて痛ましい事故が起こった。領海通過しているか、あるいは公海上であるからどうしようもないというように議論が分かれたけれども、原潜の場合、確認のしようがありますか、領海通過しているかどうかということについては。  これもわずかに知り得る範囲で考えてみますと、大体ソナーでもって探知できる範囲というのは五キロ前後、こういうふうに言われているそうです。領海十二海里、大体二十五、六キロでしょう。そんな、フェンスを張っているわけではありませんよ。そんなところをちょろっともしかすめて通るような場合、領海を通る場合、これも確認できない。それらもしかし領海通過になる、こういう私自身の判断でよろしいかどうかですね、領海通過ということになれば。当然それも領海通過に入るだろうというぼくは判断を持っているわけです。残念ながらその確認の方法がない。じゃ、確認の方法がないままでいつまでもこういうことがどこまでいっても平行線をたどって常に議論が分かれながらいかざるを得ないのか、その辺をちょっと確認をしておきたいわけですよ。
  317. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) 攻撃型潜水艦が常時核を搭載しているかどうか、特に日本に寄港する場合搭載しているかどうか、常識としていかに考えるか、そういうお話でございますけれども、もちろん攻撃型潜水艦にとって核装備というものは非常に有効な武器である、これはもう議論をまたないところでございます。ただ、アメリカの大きな戦略から申しまして、これは一つの戦術的効力でございまして、また日本とは信頼関係というものも、これは戦略の一部でございまして、これはむしろ私どもからコメントする問題よりもやはりこれは外務省から日米の信頼関係の問題としてお答えすべき性質のものだと思います。  それから潜水艦を発見することでございますけれども、これも原子力潜水艦の探知、発見というものは、これはもう各国海軍におきまして最大の課題の一つでございますけれども、これは一〇〇%探知するということはなかなか困難でございます。
  318. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 従来からの答えが一歩も外へ出てないようでございます。当然でしょう、一切が軍事機密ということになれば。一々それを照会してどうのこうのと言うべき筋合いのものでもないかもしれない。けれども、やはりこうした問題は常に国民的な重大関心を持たなければならないという背景を考えてみた場合に、その辺はやっぱり明確にしておく必要があるのではないか。特にでかいミッドウェーだとか、エンタープライズみたいなやつはすぐ目につきますから、これはもう確認のしようがありますわ、肉眼でも確認できるのですから。原潜になるとこれはどうしようもない。それで、いまいみじくも岡崎さん言われたように、それはもう戦術核を搭載しているのは常識だと、それはそのとおりだと。けれども、それは確認の方法がない。ですから、いままでの繰り返しの日米の信頼関係に頼る以外にはない。だけど、これだけで果たしていかがなものであろうか。  もう一つ。こうした問題に関連して、つい二、三日前ですか、米国政府の発表ということで新聞掲載がありました事故ですね、原潜の事故。原潜だけじゃないでしょう、恐らく。毎年一回ぐらいの割合で起こっているのですね。これが事実かどうか知りませんよ。だけど、米国政府の発表ということになれば相当信憑性の高いものであろう。しかも太平洋で二回起きている。その中には太平洋基地というやつがあるのですね。これはそれ以上のことは向こうでも明かすわけがないでしょう、どこの地域の国民であろうと大変なショックを与えるわけでございますから。しかし起こっていることは事実。この辺の問題については防衛庁としてどのように確認されてますか、事故の問題について。
  319. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) そのような米政府筋による発表と申しますか、公表された数字があることは存じております。  ただ、事故の詳しい内容については、私どもは全く存じません。ただ、私どもの存じております範囲では、原子力潜水艦の事故と申しますのは、原子力潜水艦が当初使われましたころの一九五〇年代、六〇年代に最も多く、それから七〇年代に至りまして非常に減っておりまして、八〇年代におきましてさらに数が減っております。これはやはり安全管理というものがだんだん徹底してきているのだろうというふうに想像しております。
  320. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 まあ当然でしょう。安全管理も厳重をきわめるでしょう。岡崎さんはそういう点では大変詳しい御専門家でございますから、私のまた次に挙げる問題点についてもよどみなく答弁していただけるであろうというふうに期待をしているわけでありますが、これはもうちょっと詳しい年代忘れました。米国内において起こったB29の墜落によってちょうど核爆弾を搭載してそれが落っこっちゃった。で、何かその当時の発表によりますと、ピンが八つ外れると爆発する、起爆すると、これは七つまで外れていたという、そういう結果が報告されたことがございますね。これはかって外務委員会でもこれを取り上げました。そうすると、果たしてその安全管理と言いましても、われわれその詳しいことはわかりませんからね。ちょっとたたいたぐらいで爆発したらこれはえらいことになるわけですから、そういう問題はなかろう。しかし、その反面に事実事故が起こっていることは間違いないだろう。いま遠慮しいしい岡崎さんもその答弁をされた。そうすると起きないという保証があるかどうか、逆にそれを聞きましょう。絶対に起きないという保証があるか。    〔委員長退席、外務委員会理事稲嶺一郎君着席〕
  321. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) そのB29の墜落事故につきまして、ピン八つのうち七つという数字はわれわれ確認しておりません。いずれにしても八つものセーフガードがあるということは確率をきわめて少なくするものでございまして、もちろんゼロというよりもゼロにきわめて近い、確率はもう極小限になっているぐらいの安全措置が講ぜられていると、さように考えております。
  322. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 もうそれ以上のことはなかなか求めてもむずかしいのでございましょうね。  防衛庁長官、いかがでございましょうか、いまやりとりを聞いておりましてね。
  323. 大村襄治

    ○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。  機密にわたる事項でもございますし専門的な事項でございますが、政府委員がお答えしたとおりではないかと私拝聴しております。
  324. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 その程度でございましょう。しかしね、問題が問題だけに、防衛庁としてもそれは専門官の方いらっしゃるわけですから、どういう場合に事故の起きる可能性というものがあるのか。私は、さっき絶対起きないという保証があるかということに対してまともな答弁が返ってきてないのですよ。まともな答弁が返ってこないということを裏返してみた場合に起こる可能性があるということを言っているわけです。  そこで先ほどの原潜という問題にもう一遍返らざるを得ないわけです。領海通過なんかでもってやられた場合に、至近距離でございますからね、何かの事故でもってこれはばあんといっちゃった場合に大変な惨事を引き起こすことを恐れるがゆえに、そういった点についてもただ信頼すればいいのだということで済まされるのであろうかというやはり疑点というものが晴れない。それは晴れないはずです、政府としてはそれ以上のことを言えないという立場を堅持する以上は。また、米国政府としてもそれを明らかにするということは政策上これはできないことでございましょう、先ほど来からマクマホンの問題等もこれあり。そうすると、一たんこういうふうに平行線になっちゃってぶつかるところ何もない、そこで今度事前協議にまた問題が返ってくるわけです。これも私がかつて外務委員会でこれを取り上げた、事前協議なんというのは永久にできないだろう。発議は大体米国からするわけでしょう。日本からこの発議というものはするわけじゃないのでしょう。これは確認しておきましょう。
  325. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 発議はアメリカ側でございます。
  326. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 お聞きのとおりです、総理。ですから、まず、まず核についてだけはこれは永久にない。だから先ほどのやりとりの中でもこれは空洞化しているのじゃないかという印象を受けるのは論理的に言って当然だろうと思うんです。だから論理と実態というものがどこまでいってもかみ合わないわけです。  そこで先ほども黒柳委員が事前協議について話をしました。ちょっと私なりに補足的にですね、調べたところを申し上げたいわけです。大分これは事態は、先ほど淺尾さんがいろいろと御答弁なさった。恐らくそれは政府の最終的な統一見解であろうというふうに私は思うのです。何回あったか御存じですか、今日まで、昭和三十五年以来。いや、それは意地悪して申しわけないですからこっちで調べたやつ申し上げます。少なくとも私が調べた範囲では、ここに衆議院日米安全保障条約等特別委員会議録があるのですよ。この中でも岸総理は、いみじくもはっきり申されているのです。これは十九ページです。ページ数まで覚えました。このときは、責任者は総理と大統領になっているのです。明確に言われているのです。総理と大統領と。ところが、その後、昭和四十年になりますと、これは八月六日、衆議院の予算委員会、当時の安川政府委員は、事前協議のための連絡系統は別に取り決めはないと、こうなっています。これは大体さっきの答弁に符節を合わせるような答弁であったろうと思うのです。  さて、そこで、昭和四十三年三月六日、衆議院の外務委員会で、当時の三木外務大臣は、外交機関でやる場合と、安保協議委員会でやる場合と、二つあると答弁されています。これはさっきの中川さんの答弁をもじるわけではないけれども、本当に千々に乱れているような印象を与えるのではないか。これ自体から、どうせ将来において事前協議なんということは考えられないから、余りこれを重要視しないということに、傾斜的に考えますと、そういう受けとめ方ができるのではないだろうかということに結びつくおそれがぼくはあるのではないか。なぜ、そんなふうにくらくらくらくら、こう変わってきちゃったのか。事前協議の持つその意味というものを、果たして歴代の内閣はどれほど重要視されたのか。いままで議論されてきた経過の中で、やはり事前協議ということはあり得るはずはないと、発議権が米国にある以上は。特に核に限定した場合にはこれはもう言いっこないわけです。疑わしいと思っても、それはこちらが疑わしいと思うだけであって、米国が仮に持っていたとしても、調べようがないわけですから、確認のしようがないわけです。  ですから、今回の六月の五日に入港するであろうミッドウェーにいたしましても、問題が表面化しちゃった。それは積んでいるとも積んでいないとも言わないでしょう。けれども、総理大臣がちょうど官房長官のときに答弁があるのですよ。サブロックを積んでいるときは途中の船に積みかえてくるというふうに信じております、と。実際問題としてこういうことがあるか。その発想はずうっと今日まで、やっぱりくしくも政府統一見解ということでつながっていると理解せざるを得ない。しかし、やっぱりこうつくのですよね、しかし、と。そんなおとぎ話みたいなことが一体通用するのだろうかということですね。これはもう何回言っても水かけ論なんです。こういうふうになっちゃっていまうからね、議論がかみ合いませんからね。だから、一体、解決の方法、どうすればいいのだというふうに思わざるを得ないのです。恐らく、きょうここにいらっしゃる総理を初め皆さん方、お気持ちの中には、言いたいのだけれども、言ったら最後だ、と。これは日米友好関係に大きな傷をつけることになりますし、それは言えないでしょう。けれども、国民の疑惑というものは晴らすことができる何か手段があるだろうか。ミッドウェーの今度の入港に対しても、外務大臣は、何とか説得力をもって予測されるいろんな行動に対して、理解をしてもらうその手だてを講じますということを、外務委員会でもおっしゃった。けれども、もうあと幾日もございません。果たして、いまいろいろと報道されておりますような、デモや何かに対して、あるいはそれがエスカレートしちゃって、不測の事態が起きないというふうなことが考えられない場合もあります。そういうことを未然に防ぐ上からも、何か次善の策を持って、おっしゃるとおり、納得のいく、説得力のある、そういう方々に対して話をする準備ができているかどうか。事前協議の問題といい、ずうっとこういま私がいろんな過去の例を引き合いに出しまして、原潜の問題を初めとして、ずうっと申し上げているどれ一つを見ても、やっぱり霧が晴れない。  総理、どうでしょうか、この問題。政府としても相当深刻に受けとめておられて、まず当面の課題としては、ミッドウェーの入港に対して、もうすでに入港を認めていらっしゃるわけですから、問題は、横須賀市民を中心とした、そうした人たちの抵抗運動と申しますか、事前にそれをきちっと解消できるような御方針はお持ちになっていらっしゃいましょうか。
  327. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 空母ミッドウェーの横須賀入港の問題でございますが、これは、いままでミッドウェーはしばしば入出港をしており、また、その家族は市民とともに生活をともにいたしておるわけでございます。そういうミッドウェーが、その後において、改造、その他等があったということを私ども情報を持っておりません。いつもの入出港の姿でミッドウェーは横須賀に帰ってくる、こういうことでございまして、ただ問題は、ライシャワーさんの発言等に、端を発しまして、市民の皆さんや何が非常に心配をしておる、動揺しておるというようなことは、私どもこれを非常に重視をいたしておりまして、いままでと変わらないこの状況、ライシャワーさんの発言等に余り惑わされてはいけない、よくこの関係を市民の皆さんや市当局にも御理解を願いまして、そしてミッドウェーが横須賀に帰ることを受け入れてもらいたい、このように考えておりますし、米側に対して、したがいまして、延期等を政府として申し入れる考えを持っておりません。
  328. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 総理にそれ以上のことをさらに追い詰めたようなことをお聞きするのはいかがなものかと思います。果たして、いまおっしゃったようなことで事前に解消する、また、多くの方々が納得、あるいは多少の不満が残ってもやむを得ぬ、こういう事態になればまことに私は結構だと思うのです。けれども、果たしてそうであろうか。すでに、神奈川県知事、あるいは川崎市長まで、政府及び米海軍当局に対して、要請をしておるわけですね。こうした背景を考えてみますと、あるいは神奈川県、県民挙げての一つの行動であるということにもなりかねない。まさか、こうした問題に対して、知事が先頭に立って、あるいは横須賀市長が先頭に立って、あるいは川崎市長が先頭に立って、ひとつ、皆さん方気を静めてくれ、かくかくしかじかであると言う立場ではございません。やはり、取り組まなければならないのは政府でございますから、しかし、時間がない、物理的に私は不可能じゃないかというふうに思わざるを得ない。私はなぜそのことを申し上げるかと言いますと、そこにいろんな混乱が起きる、混乱が起きたその姿を通してせっかく築き上げてきた今日までの日米関係というものにまたひびを入らせるようなことを私は心配するから申し上げているんです。もし絶対に確信があるならば確信があるように、具体的なその方途をここにお示し願いたいわけです。事前協議のこれ以上のことはもう聞けない。これも並行線。原潜の問題、あるいはその他の艦艇についても、それ以上のことを私どもが防衛庁にそれを確認しようと思っても、それ以上のことは聞けない。聞く必要もないと思うんです、この段階で。残りは、現実にいま迫った問題をどう解消するか、これは外務大臣、どちらでもいいです。何か腹案があったら、ここで明確に、地元の方々に安心を願うきょうは絶好の機会でございますから、おっしゃっていただいた方がよろしいのじゃないでしょうか。
  329. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) ミッドウェー入港と関係あるかのごとき米国国防長官の発言がありましたので、これに照会しましたところ、米国国防長官は、これはそういう趣旨ではないと明瞭に否定され、かつまた、ミッドウェーに核がないことはいままでどおりである、こういうことでありますので、現地の方々にもいろいろ御説明申し上げ、かつまた米国側にも最後の努力をするつもりでございます。
  330. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 たまたま、いまワインバーガー発言を引き合いに出されました。しかし、いまはそれを議論している時間がありません。確かに米政府から回答が来ました、私どもそれを知っております。しかし、その文言、文脈を考えてみた場合に、では全面的に否定しているかというと必ずしもそうではない、こういう印象を強烈に受けるわけです。しかし、ワインバーガーとしても、米国政府の高官として、ついこの間日米首脳会談が行われ、共同声明を発表した、現時点においてこれ以上の摩擦を生ずることはいかがなものかというそれは米国内としてのそういう配慮があったことは事実であろうと、これは憶測にすぎませんけれども、そう受けとめることが常識でございましょう。けれども、ワインバーガーがそう言ったからといって、果たして横須賀市を中心とするそういった方々が納得するでしょうか。私はそう思わざるを得ない。論理的に言ってもいま具体策というものは何もないわけです。ただ、この人がこう言ったから、あるいはライシャワーの発言はこうだからということで、これは納得しませんね。  いま、総理や外務大臣や防衛庁長官とこうしてやり合いをしている限りにおいては、政府としての気持ちというものもわれわれはわれわれなりに受けとめます。けれども、そういう細かいやりとりを知らない、あるいは報道等でもごく限られた一部分しか報道されていない場合だってあります。となった場合、これはいかがなものかと、くといようですけれども、やはり私も、不測の事態を一国民として恐れるがゆえに、事前にやはりやらなければならぬだろうということを重ねて私は申し上げるわけです。何もいまお聞きする限りは、残念ですが、大変失礼でございますけれども、具体的な対策は何もお立ちになっていません。ただ何とか静まるであろう、事の成り行きが、時間的な経過とともに何とかなるであろうというお気持ちがあるいはあったならば、これはもうえらいことになるだろうと思います。よしんば、今回のミッドウェーの問題で片が一応ついたといたしましょうか、将来、佐世保、まだ岩国の疑惑もそのままである、横田の基地もそのままである、そういういろんな問題の中で、どこでまた火がつくかわからない。核の問題をはっきりしろという国民的な世論が起こるかもしれない。そのためにも、連動させない意味からも今回のミッドウェーの帰港に対する明確な、なるほどという言明をされることが、政府声明でも結構でしょう、もういまからじゃなかなか現地へ赴いてどうのこうのといってもできることじゃございませんでしょうから、そのくらいのことをやっぱり、私は特に、答弁を求めても、それ以上さすがの外務大臣の園田さんからも、もっと具体的な御答弁を期待したわけでありますけれども、もうこれ以上のことは私はお聞きしようとは思いません。しかし、私の要望だけはひとつ心得ていただきたい、こう思います。  最後に、あと二分しかありませんので、私は別な角度から見た場合に、今回のライシャワー発言によってもたらされたさまざまな核の持ち込みに対する疑惑、言うならば一つのぼくはチャンスであろうと思うのです。なぜチャンスか、確かに先ほど要らぬことをやってくれた、核被爆国である、それはもう痛いほどわれわれはわかります。したがって、また国連でも外務大臣が名演説をされたことも知っております。一つの機会です。核軍縮あるいは核廃絶まで、ひとつこのことをとうとい教訓として何とか具体的に核軍縮なり核廃絶へ向けてのアプローチを世界に向けてやるべきじゃないか。これをいい方向へ私は展開すべきであろう。恐らくその考え方は全然煮詰まってないと思うんです、現実のライシャワー発言に全部集中されていますから。そうではない、もっと将来展望を考えてそこまでこれをもうむしろいい方向へ変えることも一つの手段ではなかろうか。そうした点についての総理の見解をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
  331. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 渋谷さんは常日ごろ核軍縮、核の廃絶、これは日本こそ先頭に立ってやるべきだという非常な御熱意を持って取り組んでおられる。私はいつも感銘をしておるわけでありますが、先般の日米首脳会談におきましても、私は世界の恒久的な平和を確保するためには、どうしても軍備管理、また核軍縮を含むところの軍縮、この問題に取り組まなければいけないということを米側にもるる申し上げまして、そして共同声明の中にもこれを明記したと、こういうことでございます。今後私どもはあらゆる機会におきましてこの核の廃絶と核軍縮を含む軍備管理、軍縮のために日本として最善を尽くしていきたいと、こう思っております。
  332. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 終わります。
  333. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 まず総理にお伺いします。  非核三原則というのは、唯一の被爆国としての日本国民が核廃絶を目指してまずこの日本を非核武装地帯にやっぱりしたいという要望を表現したものと受け取っていいのではないかと思いますけども、どうお考えになりますか。
  334. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 世界における唯一の被爆国民としてあのような悲惨な状態を繰り返してはいけない。これを日本国民の悲願として日本から核を廃絶すると、そういう決意をしておるというのが非核三原則でございます。
  335. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 日本から核を廃絶する、まあ私の言う非核武装地帯の願いと同じだと思うのですけれども、そうなるとアメリカの核のかさに入るという政府の方針と矛盾は感じませんか。
  336. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど来しばしば申し上げておりますように、私は日本の領域内に核兵器を持ち込ませない、そういたしましてもアメリカの核の抑止力というものは十分機能できる、このように考えておりますから、相矛盾するものではないと、こう思っています。
  337. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 しかし、実はこのいま大きな問題になっております核持ち込みというのは、非核三原則という国是とそれからアメリカの核のかさに入るという政府の方針との根本的な矛盾が生み出した事態だと、そう思うのです。いま首相は核抑止力と言われましたが、去年の九月に国連のワルトハイム事務総長が核兵器に関する包括的研究というのを去年の三十五回国連総会に提出しました。これには日本からも今井隆吉氏が参加しておりますけれども、この結びには「恐怖の均衡による相互抑止という行為は放棄されなければならない。抑止の過程を通じての世界の平和、安定、均衡の維持という概念は、おそらく、存在するもっとも危険な集団的誤謬である。」と、そう述べている。だから、核抑止力という概念、これは集団的誤謬だとまで国連事務総長の報告は言っているのです。それで、私はここで論争してももう時間がありませんけれども、唯一の被爆国としての日本国民の非核三原則完全実施という願いを実現するためには、アメリカの核のかさを外すこと、核のかさから出ること、つまり日米軍事同盟をなくして、非核三原則も立法化する、安保条約も廃棄して中立に進む、この道しかない。だから、私どもの主張する非同盟中立が国民の願いを実現する唯一の国民的な道だということを指摘しておきたいと思います。このことを私は、私の立場の前提として、次に具体的な問題に入りたいと思います。  朝からのやりとりの中で、政府はもう一貫して、一九六〇年一月十九日の岸・ハーター交換公文、藤山・マッカーサー口頭了解のときから、通過並びに寄港、これは事前協議の対象だということはもうすでに明確だと何回も繰り返して述べておられるけれども、当事者の岸首相その人がこう述べている。あの交換公文で、「「装備の変更」とは「核装備」であり、この「核の持ち込み」は事前協議の対象としたのだが、核を積んだ船が(領海内に)入ったからといって、それは装備の変更ではない。」、「日本に寄港するためにいちいち核をおろすなどのことはしていない」、「当然のことで、寄港、領海通過もいけないというのは、つまらん議論だ。」ということまで読売新聞の五月十九日、その他その他で述べておられるわけです。  それから、毎日新聞の連載では、もうはっきりと、当時は陸上に装備されることを言うのだったと岸元首相は最近のインタビューで述べておられる。それからまた、当事者の藤山外務大臣も、東京新聞の五月十九日のインタビューその他で、「領海通過、寄港はそれに当たらないのではないか、」、「私もそう思う。」、「領海通過ぐらいはいいんじゃないかと思う。」ということを改めて述べられておりますし、これは毎日の十九日のインタビュー、また毎日の連載、これはライシャワー発言の公表される前ですけれども、船に積んで領海を通るということまで当時日本側も交渉者として意識していなかったということをはっきり述べておられる。こういう元首相、元外相、当事者ですよ、この交換公文並びに口頭了解をつくった当事者のこういう今度の事件が起きる前、並びに後の明確な発言も、一私人の記憶あるいは伝聞に基づくものということで無視してよいということを政府は考えているのですか。これは外務大臣にお伺いしたい。
  338. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) いま御発言の報道は私も拝見をいたしました。その後逐次非核三原則ができ、領海通過、寄港について政府の解釈を統一してきたことはいままで逐次述べたとおりでございます。
  339. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 その後ですか。  では、一九六〇年一月十九日の交換公文、口頭了解のときから明確だったという淺尾さんの答弁、違うじゃないですか。
  340. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) いま大臣の言われましたことは、無害通航に当たる領海通過、これは四十三年に変わったという御趣旨であろうと思います。それは無害通航以外の領海通過あるいは寄港、これはすでに安保条約が改定されたときから事前協議の対象というふうに考えております。
  341. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 それはまことに恐るべき厚顔ぶりです。もう論理がどう狂おうと勝手にそれを押し通そうということの態度で……。  どうですか、外務大臣、もう一度、岸元首相、藤山外相、当時の当事者としてこう言っていること、違うじゃないですか。
  342. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) いま事務当局が申し上げましたことは、衆参通じて同じことを申し上げてきておると存じます。
  343. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 だから、衆参通じてうそを言っているということを私は指摘している。  さて、この藤山・マッカーサー口頭了解というのは、大体もともと文章としては存在していなかった、口頭だというので。何とこれが国会に提出されたのはそれから八年後です、昭和四十三年、四月二十五日。口頭了解が結ばれたという日にちから八年後にようやく国会に出された。それで、アメリカに見せたというのは何とそれから七年後です。これは宮澤外務大臣が昭和五十年三月二十八日の衆議院内閣委員会で答弁されている。英訳をしてアメリカに見せたと。五十年三月二十六日にアメリカから、それで異存がないといって返ってきた、十五年後ですよ。十五年後にアメリカは初めて英訳を見せられて、それで結構だという答えをしたというんですね。十五年前にこういう文書があったと考えられない。これは毎日の詳しい連載などでも明らかになっている。ずうっと一貫して見事なうそをおつきになりますので詳しくひとつ聞きたいのですが、この宮澤外相がアメリカ側に英訳して渡したというこの英文ですね、これは私どももいただいております。核のところではイントロダクション・インツー・ジャパンと、イントロダクションということを持ち込みという訳に使われている。ところがライシャワー元大使が明らかにしたところによると、一九六三年一月九日原潜寄港問題の申し入れで大平外相と会ったとき、イントロダクションとトランジットは違うのだ、政府の国会答弁はおかしいということを言ったら、大平さんがはいと答えたと。米側の文書には、ライシャワー大使の報告には、ヒー・セッド・ハーイーと書かれたということが報道されておりますけれども、なぜそういう経過を知っているのに、この持ち込みでイントロダクションという言葉を英訳で使ったのですか。
  344. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) これは随時御説明しているとおりでございますが、いま上田委員が、あたかも昭和五十年にイントロダクションという意味について日米間に確認があったというふうに言われましたけれども、イントロダクションあるいは事前協議の対象になる問題については、安保改定当時からすでに日米間の間で了解の差異はなかったわけでございます。ただ、ラロック証言という事態がございまして、その際に、寄港について国民の間で疑惑があるということがありまして、四十九年にインガソル書簡、書簡といいますか、インガソル副長官から日本に対する説明が出、さらにその当時、いわゆる口頭了解の主題として核の問題について日本側の見解を念のため英訳文を付してアメリカ側に照会したところ、日本側の了解と違いないと、こういう返事が返ってきておりますので、その際に、初めて持ち込みについて寄港その他を含むという了解ができたということではございます。
  345. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 それなら明確にイントロダクション・アンド・トランジットという英訳をあなた方すべきだった。トランジットを入れなかった。そうすれば、アメリカはイントロダクションなんだなということになる。  淺尾さんは、先ほどからトランジットだけを禁止と、事前協議の対象、持ち込みという文書はないと言われていたけれども、明文でアメリカ側の英文でトランジットを含むものが事前協議の対象だということ、その取り決めは何かありますか。
  346. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 先ほど来申し上げているのは、寄港及びトランジットを特記した文書はないと、こういうふうに申し上げておるわけです。  それでは、なぜその持ち込みの中にそういうものは含むかというお尋ねだろうと思います。そのお尋ねに対する答えは岸・ハーター交換公文及び藤山・マッカーサー口頭了解と、こういうことでございます。
  347. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 だから、この二つの交換公文並びに口頭了解にはトランジットを含むというのは明文でないのですよ。だから、それじゃ、アメリカ側がトランジットは条約違反じゃないと思って、核積載艦、核積載機が日本にトランジットした場合、それは条約違反だということが言える国際法上の根拠が何かありますか、明文の国際法上の根拠は。
  348. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) これは、お尋ねの件は六条に基づく交換公文でございます。
  349. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 完全な核隠し答弁。新聞には、見ざる、言わざる、聞かざるの非核三猿則、猿というのはサルだそうですな、そういう言葉がある。私は、非核三原則を守らず、アメリカは言わず、日本側は確かめず、核隠しの三原則、こういう状況になっていると思うのですね。  このことでミッドウェーが六月五日にそういう解釈で入港しても条約違反じゃないというアメリカ側の解釈で灰色の領域のもとで入ってくる。ミッドウェーについては、トランジットだけじゃなくて、もうイントロダクションなんですよ。あなたは、母港という言葉を首相は初めて使われた。七三年以来ミッドウェーは七年間に六十三回寄港、延べ千百八十二日横須賀にいるのだ、三年三ヵ月横須賀に居座ってきたわけなので、これはもうイントロダクションですね。で、私どもはこういう点で、空母ミッドウエーの寄港だけじゃなくて、完全な核持ち込みなので、寄港を中止すること、これを強く政府に要望したいと思います。    〔委員長代理稲嶺一郎君退席、委員長着席〕  次に、岩国基地問題に移りたいと思います。私どもは、今国会で、この岩国基地の問題をずっと追及してまいりました。MWWU1という、核専門部隊の問題。三月から四月にかけて訪米調査団を派遣いたしまして、そこでアメリカの現用の核戦争の教範、これを入手してまいりました。この入手によって、いよいよ岩国が核攻撃基地になっているということを、米海兵隊の、海軍の文書そのものによって明らかにすることができました。  まず最初にお伺いしますが、岩国の米第一海兵航空団第十二海兵飛行群に常時、A4スカイホーク、A6イントルーダー、これが配備されておりますけれども、この二つの機種は核積載可能機ですか。
  350. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) 可能な機種でございます。
  351. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 この海兵隊教範の二百七十八ページにはこうあります。  この海兵隊の核投下航空機について、二種類の主要な核投下航空機がある、それは、A4スカイホークとA6イントルーダーだ、ということを明確に書いてある。だから、アメリカの海兵隊の核投下の主要な航空機二機種が一個中隊ずつ岩国にまずいるんです。これが第一の問題。  さて、このMWWU1、これはアメリカではムーと発言するんだそうで、簡単にするためにこれからムーワンと呼びますけれども、このMWWU1というのは、この文書によりますと、空中投下用核兵器の整備、組み立て、試験の任務と職務を果たすのがMWWUであると、こう三百四ページに書かれております。  二月に淺尾さんが、衆議院の予算委員会で明らかにした、米側のこの部隊についての回答では、「化学ないし核兵器を整備する能力を有しているもの」だというのが米側の回答だった。ところが、この核戦争教範によりますと、能力じゃなくて、核兵器の整備、組み立て、試験の任務を持つということが明確に書いてある。それから、アメリカ側の回答には、この部隊は「貯蔵、搭載の責任を有しない」と、そうあった。ところが、この三百五ページには、通常MWWUは三十日以内の核兵器貯蔵、これを行う。三十日以内は核兵器を持つのです。そう書いてある。淺尾さんはアメリカ政府を信頼する、信頼するといつも言っているけれども、どっちを信頼しますか。
  352. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 先ほど来、私の答弁は厚顔であり、うそつきであるということで、ここで御答弁するとあるいは信頼されないかもしれませんけれども、このMWWUにつきましては、先般の予算委員会で御答弁したとおり、整備する能力を有するということでございます。  そこで、今回、五月二十一日の外務委員会においても御指摘がございました、いまも御指摘がございましたこの資料を検討した結果、まず貯蔵の点でございます。貯蔵の点については、確かにいま御引用のありましたように、同資料の第三百五ページには本件部隊の貯蔵についての言及がございます。ただ、そこの中には、本件部隊は一般に貯蔵することになるという旨述べていることでございます。それから、任務及び職務の言及、これはミッション・アンド・クスクスでございますが、これは要するに私たちが言っております、能力を有するという説明と、そこに別に矛盾するものがあるというふうにわれわれは考えておりません。
  353. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 ちょっと、資料をお渡しします。(資料配付)  いまお渡しした資料がこの核戦争教範の問題の三百四ページ、三百五ページですが、この三百四ページに、先ほど黒柳議員も政府に指摘いたしました、岩国基地のハウス番号一八一一についての図があります。この図にあるものは、見取り図、核兵器組み立て作業所、核兵器を組み立てる作業所だということがこの三百四ページにはっきり書かれてる。一辺二百五十フィート、つまり七十六メートル、二重の金網に囲まれなきゃならぬということですが、この岩国基地については、朝日新聞の五月二十八日の夕刊、それから毎日新聞の五月二十四日に、航空写真が載っています。その航空写真で明らかなように、岩国基地のハウス番号一八一一の建物を囲む二重の金網フェンスで囲まれた地域は、ここに書かれております核兵器組み立て作業所そのものずばりだということをこの資料が、米文献が明らかにしてる。五キロワットの照明装置もつけなきゃならぬ、監視塔が必要だ、特別の警備、建物状況、すべて明らかであります。恐らくこの写真のかまぼこ形の建物がありますが、これがこの核兵器を組み立てる場所です。隔離室が1と2とあって、真ん中にAフレームといって、そういうのがありますが、恐らくここではないかと思うのですが、この岩国の二重金網フェンスで囲まれた建物、外務省は何だと承知しておりますか。
  354. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) まずこの建物でございますけれども、先般当委員会あるいは他の委員会で私が御答弁いたしましたように、アメリカ側からの回答は、このMWWUは貯蔵、搭載の責任を有しないということを回答を得ているわけでございます。いまお示しになりました建物については、先ほど申し上げましたように、五十年当時において確認したところ、それは兵器を貯蔵する建物ではないという回答をその当時は得ております。しかし、先ほど黒柳委員に対して私及び外務大臣から御答弁しておりますので、この、いまお示しになった図をさらに私たちの方で十分検討さしていただきたいと思います。
  355. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 外務大臣、十分検討するというだけでなくて、園田さん、いいですか、ちゃんと文書を、私どもはわざわざアメリカに行って米軍のこういうものまでちゃんと取ってきたのだから、淺尾さん、いいですか、五十年にあなた方が聞いたっていうのじゃない、その後、米側は――これは現用の核戦争の教範ですよ、現用の、いま使っているのです、海兵隊が。これを取ってきている。それに明確に書いてあるのだから、核兵器組み立て作業所だと。で、われわれは文書に基づいて提起したので、果たしてここに書かれているとおり、岩国にあるものは大きさから場所から、すべてこれにぴったりなんだが、核兵器組み立て作業所なのかどうかということをアメリカ側にきっちりと照会していただきたい。いかがですか、外務大臣。
  356. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 先ほども申し上げましたが、公明党、共産党の御資料も拝借をして、それに伴ってよく調査をいたします。
  357. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 さて、私は以上、この岩国基地についてですが、まず第一に、A4、A6核攻撃機が入っている、これは一九五八年以来。二番目に、すでにかつて明らかにしたように、ここには核兵器要員がいるんだ、岩国に百八十二名いるんだ。三番目に、この核兵器整備の専門部隊、通常兵器は一切取り扱わない、この専門部隊のMWWU1がいるのだ。これが三番目、四十五名。四番目に、核兵器組み立て作業所がある、これは一九七二年に建設された。つまり、四拍子そろった核攻撃基地なんですよ。わが調査団にラロック氏は、このことは、すぐ近くに核兵器があるのか、そうでなければ核兵器を持ち込む計画があるか、どちらかだ、というふうに言ったのです。いいですか、もし、たとえいま核弾頭がないとしても、日本政府がずうっとノーと言うことが明らかだったら、こんなものはつくらぬでしょう。将来イエスということがあり得るということを彼らが確信しているからこそ、こんなに何百名も飛行機も核兵器組立て作業所までつくっているのじゃないでしょうか、外務大臣。
  358. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) MWWUについては先ほど御答弁いたしました。  それから、そういう部隊を核がないのになぜ置いているのかという御質問でございます。これはアメリカの部隊の編成上、海兵航空団についてはそういう部隊がございます。しかし、そういう部隊があるということと、核がそこにあるということはまた別個の問題でございます。
  359. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 そういう全く虚構の答弁はもう通用しなくなっているのです。ラロック氏は、わが国はそういうむだなことは絶対しないと、あたりまえでしょう、むだなことはしないということを言ったんですよ。あなたの答弁は、アメリカ政府はむだなことを幾らでもやると。そんならもう例の役割り分担なんかやらぬ方がいいですな。  それで、次の問題は、私はこれは核弾頭が持ち込まれていると思う。エルズバーグ証言、ジョンソン元国務次官証言なりいっぱいありますわな。しかし、万が一核弾頭はまだ持ち込まれていないとしてももう核基地であることは明らかですよ。それ以外の任務はMWWUその他持ってないのだから。そうしますと、口頭了解、「核弾頭及び中・長距離ミサイルの持込み並びにそれらの基地の建設」、最後の「それらの基地の建設」、これに当たると思うんです。ところが、いままで事前協議が一切なかったわけだから、藤山・マッカーサー口頭了解のこの核の「それらの基地の建設」、これを事前協議なしにアメリカ政府が勝手に岩国につくっていると、そうわれわれは考えますが、政府どうですか。
  360. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) そこで言っておりますのは、「中・長距離ミサイルの持込み」及びその「基地の建設」ということでございます。で、私たちは、岩国にいまいろいろ提示されましたものがそういう基地であるというふうには考えておりません。
  361. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 全くの詭弁ですよ。これはあなた方が訳した英文を見ますと、最後に「ザ・コンストラクション・オブ・べーシズ・フォア・サッチ・ウエポンズ」となっている。だから、核弾頭並びに中・長距離ミサイル、「サッチ・ウエポンズ」ですよ。核弾頭も入っているんですよ。どうですか。
  362. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) それは従来から御答弁しておりますように、文脈から読んでいただくとまさに中・長距離ミサイルの持ち込みとその発射基地の建設ということでございます。
  363. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 それは核弾頭、中・長距離ミサイル――ここは米海兵航空隊の飛行基地ですからね。しかし、ここには核専門部隊しかいないのだから、MWWUというのは。明白に核の基地ですよ。こういうものはじゃあれですか、あなた中・長距離ミサイル以外の核攻撃基地はいいと言うんですか、淺尾さん。事前協議なしと言うのですか。
  364. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 事前協議の対象になっておりますのは、再三申し上げておりますように、核弾頭それから中・長距離ミサイルの持ち込みとその中・長距離ミサイルの基地の建設と、こういうことでございます。
  365. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 再度確認します。では、海兵隊の核攻撃機の基地、核弾頭を持ち込まれていなくても、核攻撃機の基地は事前協議の対象でないと、そう言うのですか。
  366. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) いま言われました航空機は核搭載可能ということでございまして、非核両用でございます。
  367. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 そうではない。先ほど言いましたように、海兵隊の主要な核攻撃機はA4とA6だということは明確に書いてある。私は四つの、四拍子そろった基地だとさっき言ったけれども、政府は核弾頭さえなければこういう明確な海兵隊の航空機の核基地、これは事前協議なしていいんだという立場になりますけれども、外務大臣いかがですか、いまのやりとりの中で、あなたじゃなくて外務大臣どうですか、外務大臣、もうだめだめ、それは。
  368. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 恐縮でございますが、繰り返しになりますけれども、そこで言っているのは中・長距離ミサイルの基地の建設ということで、核搭載可能の航空機の基地の建設というものは、そこでは入っておりません。
  369. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 なるほどね。これでだんだんからくりが明らかになってきました。核搭載可能の攻撃機は入っていないと、藤山・マッカーサー口頭了解の「装備における重要な変更」には入っていないということが明らかになった。  それでは、もう一つ聞いておきますけれども、私はこれまで核弾頭のコンポーネント問題というのを何回か聞いてきました。淺尾さんがこの前の私の質問に対して、核分裂物質並びに核融合物質のコンポーネント、これは事前協議の対象になると明確に答えられた。これまでわれわれの調査並びにアル・ハバード軍曹の七二年の証言などで、核爆弾そのものを持ち込む場合と分裂物質をバードケドジという鳥かごみたいなやつにちょっと入れて運んで持ち込む場合と二種類あるということが明確になっている。それでは、この岩国基地にB43等三種類あるのですけれども、その核爆弾の本体、弾体、これは入っていると、しかし核分裂分質は入っていないというような場合、これはいいのですか。
  370. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 先般私が申し上げたのは、ニュークリア・コンポーネント、それは何かという御質問でございまして、基本的には核兵器の構成部分のうち、その核爆発を起こす核分裂物資または核融合物質が含まれているということでございます。そういうようなニュークリア・コンポーネントは核兵器としての核爆発を起こす部分そのものでございますから、その持ち込みは事前協議の対象となるということでございまして、いま御指摘の点についてちょっと私わからなかったわけでございますが、それがニュークリア・コンポーネントに当たるのであれば、当然核兵器として核爆発を起こすということで核弾頭ということでございます。ただ、その弾頭を運ぶ物体それ自身が弾頭とセパレートできるということであれば、事前協議の対象というのは明らかに中・長距離ミサイルのように経済的にも弾頭とそれを運ぶ部分とセパレートできない、そういうものを対象にしているわけです。
  371. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 これも新解釈ですね。昭和三十九年九月十七日、衆議院外務委員会で麻生防衛庁参事官は、ICBMとかIRBMのように本来的に核弾頭が装着されるものは核兵器であるという答弁があります。すると、岩国基地で使う核爆弾、B43、B57、B61と三種類あります。これにちゃんと明記されてありますけれども、この三種類の弾体は入っている、しかし核弾頭は入ってないと。これは持ち込むと、わずか二、三時間で組み立てられるのですね。この組み立てをやるのですよ、さっきのここは、二、三時間でね。だからニルスバーグのああいう証言もあるのですけれども。では、核分裂物質、これが抜き去ってある弾体、このB43、B57、B61が入っていても、ICBMなどとは違うので核持ち込みではないと、事前協議の対象でないという解釈ですか、淺尾さん。
  372. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) そこはまさに弾頭で押さえているわけでございまして、弾頭が入っているかあるいはそのもの自身を組み立てれば弾頭になる場合は、これは事前協議の対象になるわけでございます。
  373. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 なるほどね。やっぱりわれわれがずっと追及してきて、恐らくそういうものであろうという実相が浮かび上がってきたと思うのですね。つまり岩国の基地には、核攻撃の飛行機もある、核兵器要員もいる、それから組み立ての部隊もいる、組み立て作業所もある、分裂物質以外の弾体も入っている。あと分裂物質をバードケージでぶら下げて、これはヘリコプターに十六基積めるのですよ、ほんのちょっとした軽いものです。それを持ってきてはめ込む。二、三時間で組み立てられる。核分裂物質、弾頭だけない。この核基地はいいんだということですね。首相、外務大臣、それでいいんですか、そういうことでいいんですか。ちょっと待って、これはもう本当に最後の問題だから。
  374. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) いま事務当局が答えておりますのは、核の基地はいいとは言っておりません。
  375. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 しかし否定されないので、政府はそういう解釈だと。これは驚くべきからくりです。なぜこういうからくりが可能になってきたのかという問題が次の問題ですけれども、これは私は一九六九年の佐藤・ニクソン首脳会談、このときの日米共同声明、その第八項沖繩返還についての核の取り扱いに関する第八項、ここに国際法上の根拠があると確信しています。私はこの問題をこれまで二回予算委員会で詰めました。おととし、おととしの前に詰めたときには、園田さんやっぱり外務大臣で、若泉恵という人が佐藤首相の密使だと、キッシンジャーと詰めたのじゃないかと私が事実を挙げて迫ったら、俗に言う根回しということがああのだというふうにあなたが答えられたんですね。その後キッシンジャーの回顧録第二巻で、ここにありますけれども、キッシンジャーがかなりその経過を明らかにしている。これも私、去年の参議院予算委員会で質問をしました。  さて、この第八項は、事前協議制度に関するアメリカ政府の立場を害することなく、と書いてある。これが問題の一句なんですよね、問題の一句。つまり、沖繩に核の再持ち込みができるようにというアメリカ国防総省の強い要望で、当時のジョンソン国務次官とキッシンジャー補佐官が二人で考えてつくって、最後の会談ですよ、最後の首脳会談でやり取りがあって、これが入った。原案にはなかった。これはどういう意味ですか。事前協議制度に関する米政府の立場を害することなく、と。日本政府の立場と書いてない。アメリカ政府の立場と書いてある。どういう意味ですか。
  376. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) それは御承知のとおり、沖繩の返還になりまして、沖繩にも安保条約が本土並みに適用されるということでございまして、前段で佐藤総理が核についての日本の立場を述べております。  アメリカ側がそこで言っているのは、返還後の沖繩への核兵器の持ち込みは日本の他の地域の場合と同じく、安保条約に基づき事前協議の対象となる問題であるということをアメリカ政府の立場として確認したものでございます。
  377. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 さて、この日米共同声明については、当時のジョンソン国務次官の背景説明があります。この背景説明は、七〇年一月のいわゆるサイミントン委員会、アメリカ上院外交委員会の「日本及び沖繩」のサイミントン委員会に、重要な資料として提出されました。この三十四ページ。これは外務省の翻訳ですよ。一巻の三十四ページ、「この問題を理解して戴く最もよい方法は、共同声明が発出された際に私がホワイト・ハウスの記者団に行なった「背景説明」のテキストを本委員会に提出することである」というので、サイミントン委員会に背景説明の全文並びにその後の質疑応答、全部、テキストとして出された、それだけの重みがあるものです。この中でジョンソン国務次官は、サイミントン委員会のサイミントン委員長の質問に答えて、非常に重大なことを幾つも言っています。  「協議の意味するところは、日本側は「イエス」または「ノー」のどちらにも決定できるということである。この件については、佐藤総理と愛知外務大臣が何回か説明しているところである。」と。  いいですか、核兵器の沖繩への再持ち込みに関して、イエスもあり、ノーもありだと、佐藤首相、愛知外務大臣が何回も説明していると。イエスもノーもあるというのがアメリカ政府の議会における公式の解釈なんです。これでいいのですか。
  378. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) それは事前協議制度として言っているわけでございまして、核についてイエスもノーもあるというのが日本の了解であるということは言っているわけでございません。
  379. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 そうじゃないのです。サイミントン氏はこの九十五ページ、皆さんお持ちでしょう。沖繩の核兵器問題について聞いているのですよ。そういうことを言っている。あと三分しかありませんので飛ばしますけれども、この本には、アメリカの沖繩に核兵器を貯蔵する権利という言葉が四ヵ所書かれています。九十二ページ、百九ページ、百三十三ページ、百三十四ページ。沖繩に核兵器を貯蔵するアメリカの権利の重要性は戦略核兵器よりも戦術核兵器により大きな問題を持っているのだと。対応に要する時間は若干多くなるかもしれない、事前協議が要りますからね。これは百三十三ページですがね。対応に要する時間は若干異なるかもしれぬけれども、この地域におけるアメリカの戦備に関する限り、新たな配備、配置を行うことにより、抑止力に関する問題点を最小限にすることができる。ただ、七二年には沖繩に核兵器を配備する権利を行使しなかったのだと。いいですか、沖繩に核を配備する権利を彼らは持っているのです。返るときにだけ行使しなかった、今後全部持つのだ、こういう態度で一貫しているのですよ。  それで私は淺尾北米局長に聞きたい。こういうこと一つ聞いても、あなたちゃんとした返事をしないでしょうけれども、あなたは二十九日の衆議院の連合審査でも、またきょうのこの参議院の連合審査でも、たとえば寄港、通過の問題について日本の国会での答弁、討議をアメリカ政府もちゃんとフォローしているということを何回も何回も言われた。伊達条約局長も言った。アメリカ政府は何ら異議を出してないんだと、だから日本政府の解釈どおりなんだと言われた。ではこのジョンソン国務次官の一九六九年の日米共同声明についての七〇年一月のサイミントン委員会での責任ある説明、アメリカ議会についての責任ある説明、これについて何らかの異議を十一年たっておりますけれども、申し述べたことがありますか。
  380. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) これは私ワシントンにおりまして、よく承知しております。  そこで言っていることは、事前協議制度についてアメリカ側はこれを提起する権利を有するのだ、それに対して日本にはイエスもノーも言う権利はあるということを言っているわけであります。日本の答えはノーでございます。
  381. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 とんでもありません。もうあなたワシントンにいたのなら詳しいんでしょう。これ、こう言っているんですよ。九十八ページ、九十九ページ「共同声明の文脈全体からみて日本側が事前協議とは、これらの特定の状況に際して日本側の態度が否定的であるということを必ずしも意味するものではないと言っているのであることは明白であると思う。」、こう言っているんですよね。これは核兵器の問題で、全体についてもうこういう態度で言っているわけなんで、アメリカの国会におけるこういうジョンソン次官の明白な沖繩に核兵器を持ち込む権利があると、こういう国会答弁について十一年間何らの文句も言わなかったのです。アメリカのライシャワー大使は、一九六三年にアメリカから訓令を受けて、寄港も通過も事前協議の対象だということを国会で答弁するのでおかしいというので、一月九日に大平さんにおかしいというのを伝えたんでしょう。アメリカはそれだけやっているのです。日本側はジョンソンのこういう共同声明について、こういう解釈について何らのあれもやってないのですか。アメリカ政府がこういうことを言う根拠もありますよ。一つ出しましょうか。  昭和四十四年二月四日、衆議院予算委員会、愛知国務大臣、核兵器の持ち込みですね、「緊急やむを得ないということであるならば、これはイエスということもあり得る、私はそう申し上げております。」というのを楢崎委員の質問に対して昭和四十四年に答えているのです。だから愛知外務大臣も佐藤首相もそういうことを言っているということをジョンソンが言って、イエスもありノーもある、しかも否定しないと。アメリカ政府が重大な事態だと思ったら日本政府もアメリカ政府と同じように重大な事態だと考えるでしょうということまでジョンソンはここで言っているのです。私は、こういう点で日本政府がこれについて何らの異議申し立てをしていないということは、実際にはイエスもありノーもあるんだと、沖繩に持ち込むんだと。沖繩に関するこの変化は、沖繩の施政権返還で本土にもかかってきた。このジョンソン国務次官は、これで理論的に本土における米軍基地の米軍の行動は拡大したんだということまで言っているのです。だから六九年の共同声明以来核持ち込みになっているのです。  私はいま三つのイントロデュースがあると思う。一つは横須賀ですよ。七三年でしょう、七三年以来のミッドウェーの母港化ですよ。七二年、岩風に核兵器組み立て作業所がつくられた。今度われわれが明らかにしたのに沖繩の嘉手納基地、七五年にB61が、少なくとも五日間B61の核爆弾があったんだと。七〇年代以来核基地がこの核隠し三原則の灰色の領域で日本に三つの恒常的な核基地が事前協議なしに生まれておる。私は明白な安保条約にさえ違反した重大な事態だと思います。  もう時間が過ぎましたので、私は最後に、安保特の理事会でも要求しておりましたけれども、岸元首相、藤山元外相、木村俊夫元外相、それからライシャワー元大使、ジョンソン元国務次官、エルズバーグ博士、この六名の証人喚問、これを国会が行うべきだと、当委員会も先頭に立って行うべきだということを要望します。委員長、ぜひお願いします。
  382. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど来上田さんの御発言を聞いておりましたが、私が納得できないのは、一つはミッドウェーが核装備をしておると、こういうことを断言された、これは容認できません。  なお、非核三原則の事前協議につきましてイエスもあればノーもある、しかし、日本は核についてはノーであるということを明確に申し上げておきます。
  383. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 委員長、証人喚問をお願いします。
  384. 秦野章

    ○委員長(秦野章君) 理事会において取り扱いを協議いたします。  速記を中止してください。    〔午後五時五十一分速記中止〕    〔午後六時一分速記開始〕
  385. 秦野章

    ○委員長(秦野章君) 速記を起こしてください。
  386. 木島則夫

    ○木島則夫君 まず総理からお伺いをしたいと思います。  重大な装備の変更の際は事前協議をするんだと言っている限りにおきまして、もし最初から必ず答えはノーであるならば、私は事前協議をする必要はないというふうに思うわけでございます。イエスがあってノーがあって、初めて協議をする意味がある、こういうふうに私は考えます。そうでなければ、本気で日本を守ろうと思えば思うほど、いざという場合にアメリカ自身だって被害をこうむる可能性が大きいわけでありますから、だてにかさは差しかけてこないはずであります。そうでなくて果たして同盟国としての信頼が保てるのかどうか。  私どもの立場をこの際明確にしておきたいと思います。われわれは非核三原則を堅持しながら、有事や緊急避難の際などには事前協議の申し入れに対してイエスもありノーもあり得るということを将来にわたって留保をし、選択の余地を残す、こういう態度を明確にしたわけでございます。  そこで、総理にお伺いをいたします。  初めからノーと言うのであるならば、先ほど私が申し上げた事前協議というものの意味がないのではないか。いつもノーなら、アメリカは相談をしてこないだろう。それをもう少し強く言うならば、かえってアメリカは自分勝手な行動をして、日本の安全を危うくすることにつながりはしないだろうか。こういう危惧を私は抱くわけでございます。総理の率直な御見解を聞かしていただきたい。
  387. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 核の問題につきましての事前協議、この問題は、私は先ほど来、午前中の御議論その他を通じまして、一方においてはアメリカの核の存否を明らかにしないという核兵器に対する政策がある。これは非常に重要な機密であると。一方におきまして、日本には非核三原則と。これは国是とも称すべき重大な政策である。したがって、この非核三原則をあくまで堅持するという日本の立場から言いますと、事前協議がありましてもノーと言う立場を堅持してまいることになります。そうすると、これはかみ合わないから、事前協議ということはもう意味のないことになると、まあこういう論理がそこから出てくるわけでございますが、私は、日米安保条約、それに基づくところの事前協議制、これは条約としてはっきりと明記しておることでございますから、これを私は削除する、なくするということはすべきではないと、このように考えます。  アメリカの核兵器に対するところのこの最高の機密としての政策、日本の非核三原則の堅持と、こういう立場からいたしまして、私は、現在の運用等におきましても、十分日米の間でこれが両立をするというぐあいに考えております。
  388. 木島則夫

    ○木島則夫君 私どもは、削除をするなどということは一言も言っておりません。三原則を堅持するのだと言っている。そして、第三項目の持ち込ませずというものを形骸化させないためにも、イエスがありノーがあった方がこれが有効的に働く、そこで初めて三原則が成り立つのだという、こういう見解をとっている。どうもいまのお答えは私納得できないので、削除なんということはこれっぽっちも言ってないです。もう一度聞かしていただきたい。
  389. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 日本の立場からいたしまして、この事前協議制と、事前協議を米側から持ち込まれた、そういう場合でも非核三原則はあくまで堅持する。私は、例外を設けては、これがさらになし崩しに非核政策というものが崩れていくのではないかという国民の心配、私はこれはまだまだ相当強いものがあると、こう考えておりますから、例外なしに私どもは、事前協議がありましても、これをノーという態度を堅持してまいります。しかし、そのことは、私はアメリカの核兵器の存否を明らかにしないという政策と両方にらみ合わせまして、現在の状態というものが私は日米両国が納得できる接点であると、このようなぐあいに考えております。
  390. 木島則夫

    ○木島則夫君 防衛庁長官に、通告はしておりませんでしたのであるいは失礼かと思いますけれど、お答えをしていただきたいことがあります。  侵略相手国が核兵器で日本を直接侵略した場合のことを想定して研究をしたことがありますかどうですか。
  391. 塩田章

    ○政府委員(塩田章君) 自衛隊が核攻撃を受けた場合の訓練、そういうものをしたことはございません。
  392. 木島則夫

    ○木島則夫君 そうしますと、もし受けた場合に、アメリカに依頼をすることになると思います。その場合に、先ほどから総理がおっしゃっております事前協議によってあくまで、いついかなる場合でもノーということであるならば、自衛隊もまる裸、そしてアメリカもまる裸という論理にならないかどうか。そういうことがあってほしくないということを私は大前提としながらも、しかしあらゆるケースを考えるのが政治であり、安全保障の問題だという意味で伺ったわけであります。いかがですか。
  393. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) きょうの審査会におきまして、前の御質問のあった方々にも申し上げたわけでありますが、国内に、あるいは寄港等、日本の領域内に核兵器を持ち込まなくとも、私はアメリカの核の抑止力というものは十分機能しておる、いざという場合にはこのアメリカの核戦力というものが働くという、それ自体が私は大変な抑止力に相なっておる、こう思うわけでございまして、必ずしも日本の領域内に核兵器を持ち込む必要はない、このように考えています。
  394. 木島則夫

    ○木島則夫君 これは恐らく同僚の柳澤委員が後を引き継いで質問をしてくれると思いますので……。私は戦略核だけで核の抑止力が働いて日本の安全が大丈夫だというのはこれは二十年、十五年前の論理じゃないだろうか。あってはならないことなんです。好ましいことではないのだけれど、現実的には核が細分化する、そしてそれが戦域、戦術核、戦場核というものに連なってきている。つまり核の敷居が非常に低くなっているという、こういう現実であります。お答えは結構であります。  さて、園田外務大臣に、せんだって私が外務委員会でお尋ねをした際に、非核三原則も憲法もすべて国の発展のためにつくられたものであり、その目的を忘れず、現実を直視しつつやっていかなければならない、理想と現実の調和が行政の主眼だと一度は語られたわけでございます。私、大変注目をしたわけでありますけれど、再度このことに関連してお答えをいただきたい。
  395. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) いまおっしゃいました前に、大前提として理想を見失わないようにという言葉がついております。おっしゃいました憲法や非核三原則が残っても国がつぶれたら大変じゃないかと、その一般原則に同意をしただけでございます。
  396. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 最初に、鈴木総理にお聞きをしてまいりたいのですが、総理は施政方針演説のときに、政治倫理の確立という大変よいことを言っていただいたのです。政治倫理と言えば、私はうそのない真実の政治、本音の政治をやるんだということだと思うのです。そこでお聞きをしたいことは、日米安保条約を結んでいるということは、私はこの間も本会議で申し上げたのですが、同盟国だと思うのです。ところが総理は、あの日米共同声明の後、同盟関係に軍事的意味合いはないとか、役割り分担に軍事的側面はないということをことさらに強調されているのです。だから、それはどういうことなんですかとお聞きをしたいのです。  その総理が言われていることの裏を返せば、万が一のときに、日米安保条約を結んでおっても、アメリカの軍隊が日本の防衛に来てくれるかどうかわかりませんよ、ということに私は通じるのじゃないだろうか。その辺のところをどういう理解でそういうことを言われているかということをお聞きをしたいのです。
  397. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 御承知のように、日米関係は自由と民主主義、自由貿易体制、そういう共通の価値の上に長年にわたって戦後日米両国民の努力によって今日のような真の友好親善関係というものが確立をされました。これはまさに成熟した関係でございます。この日米両国がこの多難な国際社会の中におきまして、世界の平和と安定、そして繁栄のために力を合わせて貢献していかなければならない、そういう私は責任がある、このように思うわけでありまして、この点はレーガン大統領と完全に意見の一致を見たところでございます。  私は、そういう日米関係、日米が協力して世界の平和と繁栄に貢献していこう、こういう責任を明らかにして協力していくということ、これは私は非常に大事なことであると、こう思います。そういう総合的な関係の日米関係というものを「同盟関係」と、こううたったわけでございます。もとより柳澤さんがいまおっしゃったように、日米安保条約というのは、もうずうっと前から存在をいたします。その限りにおきましては、私は軍事的側面はないとは申さないわけでございます。ただ、今回共同声明の中に「同盟関係」とうたったからといって、現在の日米の枠組みを変えるような新たな軍事的な変化はないということを私は強調したかった。国民の皆さんは、初めて「同盟関係」とうたったというようなことで、何か片務的な日米の防衛協力関係から双務的なものに移るのではないか、あるいは個別自衛権から集団的自衛権に安保条約を変えるのではないか、あるいは世に言うところの攻守同盟的な軍事同盟というようなものを目指しておるのではないか、こういうことを国民の皆さんは心配をしておるのではないかと、こういうことからいまの点を明確にしたいということで申し上げたことでございます。
  398. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 私がお聞きをした一番肝心な点はいまの御答弁の中にはないのですが、総理の政治姿勢という意味でいま私はお聞きをしたのですから、そういう点で私も受けとめておきたいと思うのです。  次には、先ほども同僚木島議員の方から言われておりました、いわゆる非核三原則、これは私も堅持をしなくてはいけないということははっきりしているわけなんです。ただ、持たず、つくらずというのは、日本意思だけでこれは決まるのです。実現もできるわけなんです。ただ、持ち込ませずというのは、これは相手があることなんですから、その相手のあることがアメリカとの間でどこまで話をして、ちゃんと合意をしているのかということが、きょうも朝からいろいろ議員の方からも問われておりますけれども、明確な解明がなされていないのです。私も簡潔にこの点をお聞きをしておきたいのだけれども、昭和三十五年の藤山・マッカーサーの口頭了解のときには、艦艇及び航空機の一時寄港及び着陸は事前協議の対象外なんだということをお約束をなさっていたはずなんです。それが先ほども四十三年という年号も出てくるのですけれども、いつごろからすべてが事前協議の対象というふうにしたのかということです。大事な問題は、私が聞きたいのは、日本側の態度を変えるときに、国内的にどういう手続をとられてそれを変えたのかどうか。それで、日本側のだれとアメリカ側のだれとの間でもってその辺の話しをして合意がなされたんですかという、そこのところをきちんとしていただきたい。
  399. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) まず第一点のお尋ねの寄港あるいは通過、ただし通過の場合は無害航行を除きますけれども、それは安保条約改定当初から、いわゆる岸・ハーター交換公文及び藤山・マッカーサー口頭了解によって明確になっていたわけでございます。ただ、いわゆる無害通航に当たる、この点については四十三年に従来の政府の態度を変えまして、核装備を有する外国軍隊のわが国の領海通過は無害通航とは認めない、そういう考えを四十三年の四月十七日の政府統一見解をもってお示ししたものでございまして、それ以降は核装備を有する米軍艦によるわが国の領海の通過も無害通航に該当せず、核の持ち込みという観点から事前協議の対象となるというのが政府の見解でございまして、その点を重ねて四十九年の十二月二十五日の政府統一見解ということで確認したわけでございます。  さらに、アメリカ側といかなる折衝をしたかということでございますけれども、四十九年の統一見解については、先ほどもお答えいたしましたように、その統一見解が出た直後に外務省から在京大使館に対して、国会論議を紹介した上で統一見解の内容を説明しました。アメリカ側はそれに対して異論を示さなかったということでございます。その前の四十三年のときはそれじゃ対外的にはどうしたのかと、こういうことでございますが、この点については先ほど来お答えしているとおりでございまして、対米折衝について明確な記録は現在のところ持ち合わせておりません。しかし、アメリカ側は現在もそうであるように、……
  400. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 時間がないからいいです。
  401. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 当時もわが国の国会審議云々をフォローしたと、こういうことでございます。
  402. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 先ほどの答えた点、私聞いておるのですから、私が質問をする大事なポイントのところを中心にお答えをいただきたいと思うのです、時間がないのですから。  それで、いまの点もう少しお聞きもしたいのですけれども時間がございませんので、次に聞きたいのは、いわゆる事前協議は一回もしてないと、これはもうはっきりしている。それから何だというと、核の持ち込みがなかったということの最大のポイントは、政府が言っていることは、アメリカ政府を信用しておりますということだけなんです。毎度のように国会でかなりの論議がなされてきているのですけれども、なぜ日本の国家として核の持ち込みがないということを確認する手段、方法をお持ちにならないのですか。先ほど総理は、私は日本の内閣総理大臣としてと、そこでもって大変大みえを切りましたけれども、少なくとも日本の内閣総理大臣としてならば独立国家日本の権威のためにも核の持ち込みはないのですということをはっきりと確認をする手段、方法を持っていただきたいと思うのですけれども、その点について総理の御見解をお聞きしたいのです。
  403. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど日本の総理大臣としてというのは、ライシャワーさんの発言を云云という批判をする立場にないということで申し上げただけでございます。  いまの御質問に対しましては、政府としては皆さん方の方から具体的な資料等を提示されまして、こういう点に疑問がある、こういう点に疑惑があるという場合におきましては、日本政府としても米側と連絡をし、できるだけの解明調査をやっておるということでございます。
  404. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 私がお聞きしたいのは、独立国家日本として、少なくともアメリカから核を持ち込んでいないのだといって、そのことを国民に向かってこの国会の場で何回も言い続けてきたのですから、このとおり間違いございませんということを日本の国家として、政府としてそれを確認する手段、方法をなぜ持たないのですかと聞いているのです、アメリカへ照会ではなくて。
  405. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) アメリカの責任ある当局が日本に対しては、安保条約及びそれに基づく諸取り決め、そして交換公文、口頭了解、それを誠実に守っておるということを繰り返し言明をされております。そして、私どもは持ち込んでおるという具体的なことを把握してないということでございます。でありますから、日米信頼関係の上に立って私どもはこの問題を処理しておると、こういうことです。
  406. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 総理ね、いみじくもいま総理言われたのですけれども、持ち込んでおるという事実を把握してない、そこなんですよ。アメリカへ照会したらアメリカはいや行ってませんと言っているからという、そのことだけなんでしょうというのです。何で日本の政府としてそれをちゃんと確認することやらないのですかということを聞いているのです。いまいみじくも総理が言われたように、持ち込んでいるという事実を把握をしてない。把握をするようなことをいままでしなかったわけでしょう。だから、この点もいまのような御答弁では私は納得がいかないのです。  それから次に、時間もございませんので先に進むのですが、いま同僚木島議員の御質問の関連でさらに突っ込んでお聞きをしたいのですが、五月二十五日本会議のときもこれはわが党栗林議員の質問にも総理は答えたのですが、非核三原則は今後も堅持する、有事たると否とを区別せずいかなる場合も認めない、緊急避難の場合も非核三原則は堅持する、先ほどと同じような御答弁をなさっている。いかなる場合もすべてがノーだということならば、それは事前協議制の否定に通じると思うのですけれども、その辺を総理はどうお考えなんでしょうか。
  407. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、わが党内閣、佐藤内閣以来、いまお話しになったようにあらゆる場合、有事の際、そういう緊急避難というような場合におきましても核に対する持ち込みはこれをお断りをする、こういう方針を今日まで堅持しておりますし、今後も私は堅持していく考えでございます。  そこで、事前協議制は無意味ではないか、こういう御意見のようでございますが、私は、これは安保条約に基づくところの事前協議制というものはこれはあくまで存続し、これを大事にしていくべきだと、こう考えておるわけでございます。
  408. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 総理、大分もうお疲れだから無理ないと思うけれども、よく聞いていてほしいのです。一切ノーだというわけでしょう。一切ノーだというならば、事前協議制としてそういうテーブルがもうできないわけなんですよ、何を持ってきたってもう聞きませんというのだから。だったらそれは事前協議制、事前協議制と一生懸命おっしゃるけれども、わが日本は、事、核についてはもう事前協議制は認めませんと言っていることなんですよね。  それからもう一つは、いまもいみじくも言われた、さっきも言われているのだけれども、有事の際も認めないとはっきり言った、さっき木島委員からも言われたのですけれども、では有事の際も認めないということになるならばどうなんでしょう。日米安保条約に基づいて有事のときに、アメリカへ応援頼むというときに、応援に来ようと思っても来れないじゃないですか。ということは日米安保条約の精神に反することになると思うし、われわれ日本はアメリカ軍のそういう援助は有事の際も必要としないのですということを裏返しになると言っていると同じことになるのだけれども、その辺は総理はどうお考えでしょうか。
  409. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) これも木島さんにお答えいたしましたように、日本の領域内に核兵器を持ち込まなくともアメリカの核の抑止力というものは十分働いていく、機能していくということでございます。私は日米の信頼関係を基調としまして、日本の非核三原則を堅持しつつやってまいる考えでございます。
  410. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 アメリカの応援をしてもらうということはアメリカの軍艦なり陸上部隊なりが日本の国にやってくることなんです。そのアメリカ軍が核を持っていることは明らかなことなんで、抑止力があるからそれだけで十分だというならば、アメリカが日本の国に上がってくることも港にアメリカの軍艦が入ることも認めないこと、そんなことだったら何も日米安保条約を結んでおく必要はないことなんですよ。総理、もう少し少なくとも内閣総理大臣として、その辺もう少し突っ込んであと聞きますからあれですけれども、私は確信を持っていただきたいと思うのです。  それで、次にお聞きしたいことは、あのラロック将軍がアメリカの艦船の七割は核装備をしているということを発言をされたわけです。それでも鈴木総理はアメリカの艦船が日本の港に入港するときは核を積んでいないということをお信じになるのですか。
  411. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) もしそういう場合におきましては事前協議、これは当然事前協議をしてくるものと思います。その際は核に関しましてはお断りするほかはない、これは非核三原則を堅持をしていく、国是を守っていくということでございます。
  412. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 私がお聞きしているのは、アメリカからいろいろな艦船が日本の港に入ってきているのですが、その船に核を積んでないということを総理はお信じになるのですかと聞いているんです。――総理に聞いているのです。
  413. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 艦船による核の持ち込みであれすべての核の持ち込みは事前協議の対象ということでございます。したがって事前協議の対象にアメリカがかけてこない以上これは持ち込みでない、したがってわれわれとしては核が持ち込まれてないというふうに確信しているということでございます。
  414. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 総理ね、そういう手続的なことではなくて、日本の内閣総理大臣として、日本にいろいろなアメリカの艦船が入ってくるんだけれども、あの艦船は核を積んでないで入っているというふうにお信じになりますかと聞いているのです。
  415. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) ですから、事前協議がない以上積んでいないと、こう思っております。
  416. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 核を積んで入ってないということを総理大臣が自分の良心に誓っても信じていますかと聞きましょう、もう一回、それじゃ。
  417. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 良心に誓ってそのように信じております。
  418. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 次にこれも総理、本会議で私の質問に対して、わが国は非核三原則を天下に公表しているので、当然これは尊重され、いかなる国も核を持ち込むことはない、という答弁されました。いまでも本当にそう思っておられるのですか。もしそういうことで持ち込まれないということになるならば、私は世界に戦争は起きないと思うのです。わが日本の国が戦後三十年間にわたって北方領土は日本固有の領土であるということを天下に公表して何回も国会でも決議をしてきたわけなんです。いまだに北方領土は戻ってこないのです。その点は総理はどうお考えになりますか。
  419. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) これは私は国際世論にも訴え、日本の固有の領土であるというこの北方四島をあくまで返還を求めるという民族の悲願、これを粘り強く今後もやってまいるということでございまして、軍備を増強したとか、非核三原則を弾力性を持たしたからといって北方領土は帰ってくるとは私は思っておりません。
  420. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 総理、私の聞いていることに答えてください。  角度を変えてお聞きしますが、昨年の八月の二十三日沖繩でソ連の攻撃型原子力潜水艦エコ-I型がわが国の領海を侵犯いたしました。総理はそれをいつごろその報告を受けられたのか、それを受けてどういう御判断をしどういう指示をなさったのかということです。
  421. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 昨年の、私の記憶に間違いがなければ八月の二十三日であったと思います。総理番の記者諸君と懇談をしておったときでございますからおおむね午後三時ごろ第一報が入りました。それから二時間ぐらいしまして、海峡を通過をして北上をしておる、そういう情報が入りまして、直ちに宮澤官房長官、これは軽井沢に途中行くところでございましたが、急速官邸に戻ってもらいまして、外務省その他と連絡をとらして、そして外務省からソ連側にも、大使館にも厳重な申し入れをしたわけでありますが、午後七時ころになりまして、放射能漏れはなかった、それから核兵器も搭載していない、こういうソ連大使館を通じて連絡があったと、こういうことを承知しております。
  422. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 宮澤官房長官から総理に報告するときに、官房長官は、別に大したことはないから、総理、お帰りにならないで結構ですということを言ったことも、私は聞いているのです、ただ、私がいまなぜ聞いているかというと、少なくてもソ連の軍艦がわが領海を二時間三十五分ですか、にわたって侵したことは事実なんです。後になってそれが無害通航に該当するものであったということ、これはよろしいのです。現実に、外国の軍艦が日本の領海を侵犯をしていく、そのことについて、防衛庁長官も何らの手も打たなかった。内閣総理大臣もそのことについて何らの指示もなされなかった。それでわが国の安全保障が大丈夫なんですかということを聞きたいのです。それで、防衛庁長官に聞きますと、そういうことをやるのは保安庁の仕事ですと、防衛庁が動くのは有事のときでなきゃ動きませんというのが防衛庁長官の答弁なんです。しかも、総理は、この間の五月の二十日のときも、記者団に、私もあれば後で新聞で読んだのですが、びっくりしたんです。総理は、「有事なんか考えられない。」、「有事なんて非現実的なことは想定しない。」というような発言をされたという新聞記事を読んだんですが、これは、総理、事実ですか。
  423. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) まず、ソ連の原子力を推進力とする船が領海を通った。後で通報したことは、大変私は遺憾なことである。照会したらすぐに、やはり核を搭載しておるのか、あるいは故障を起こしておるというのでありますから、原子力を推進力に使っておっても、放射能漏れはあったかなかったかということを真っ先に通報すべきものが、夕方の七時になって通報された、こういうことであります。その間において、官房長官が中心になりまして、外務省等に、あるいは海上保安庁等に連絡をとりながら措置を進めたわけでございます。大村長官が言いますように、外国の艦船が領海を通過する、核兵器を搭載しておりますればこれは非核三原則に抵触をすることになりますけれども、そうでない限りは無害航行である、海上保安庁のこれは警察取り締まりというような行政の範疇に入る、このように考えておるわけでございます。  それから、私が有事ということにつきましては、普通の有事ではない。核戦争に及ぶようなことは、これは、そういうことを軽々に、発言を求められても、それを前提にして日本がどうするこうするというようなことを言うようなことであってはいけない、どういう意味で申し上げておるということであります。
  424. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 軽々と言ってはならない言葉ですけれども、私は、少なくても一国の内閣総理大臣として、有事ということが非現実的だという、そういう判断をなさるというそのことの方がよほど私は非現実的だと思うのです。ここ数年間の世界の情勢をながめても、どこで戦争が起きて、どこでどういうことかということは、私が言わなくても、これはおわかりのとおりだと思うのです。いまも総理言われておりますけれども、スイスが、あれだけの永世中立国スイスが、今度戦争になったら核戦争だと言って、その核戦争になったときに国民をそれから防ぐための防空ごうというものをつくられているのは御存じのとおりだと思うのです。二十年前からもうやっておりまして、少なくても国民の九〇%を収容するだけの防空ごうをつくったと言っているじゃないですか。そういうふうなことから考えて、あれだけ平和を守るというスイスですらもそれだけの努力をなさっている。私は鈴木総理のいろいろのことを聞いておりますと、平和というものは、何か、お坊さんがお念仏でも唱えているように、平和、平和と言っていれば実現できるような感じもするのですけれども、私はそういうことでは総理の適格性を疑いたくなるのですけれども、その点についてはいかがですか。
  425. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) まず、有事の発言についてでありますが、核戦争になるような有事は、そう軽々に前提として物事を進めるべきではないということを申しました。片言隻句だけをとらえて言われても困るということを明確に申し上げておきます。  それからスイスの核爆撃等に対するシェルターその他の国内の装備ということをおやりになっているということは、これは大変私どもも参考になる問題でございますが、今後におきまして、そういう民防と申しますか、国内のそういう核等に対する防衛というような問題につきましても、日本としても研究をしていかなければならない課題であろうと、こう思っております。  それから私も、国の安全と平和を確保するためには、まず自分の国は自分で守るんだという気概で日本の防衛力を防衛計画の大綱の水準にできるだけ早く近づけるように努力をするということが第一点でございます。  それから第二の点は、アメリカと安保条約を締結をしておるわけでございますから、日米安保条約の円滑かつ有効な運営、これができるように日本としても努力をしなければいけない。  第三点は、そういう防衛だけの問題で国の安全と平和が確保できるものではない。政治的、経済的、特に平和外交、これを強力に展開をして、そして世界の平和と安全の中に日本の平和を確保すると、こういう基本的な考えでございまして、念仏を唱えておるわけではございません。
  426. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 時間ですけども、あともう一つだけ。  総理、私が言葉じりとらえてもしも言っておったとするならば、それは私も訂正といいますか、謝りたいと思うのです。ただいまも日米安保条約が出てきたりいろいろ言われるのですけれども、端的に言って、こう言えばああ言う、ああ言えばこう言うということでなしに、私は国の安全保障ほど内閣にとって重要なものはないと思うのです。ですから、そういう点でもって、これは総理だけでない、その前からの内閣も言っているのですけれども、非核三原則は国是だと言われるのです。しかし、私は国是というのは、この日本の国、民主主義国家日本を守るということが国是だと思うのです。その中の一つの政策としていま当面非核三原則というものがとられているのであって、いまも日米安保条約をおっしゃられるのだけれども、どうかアメリカとも対等にやっぱり物が言えるような、それで核を持ってきているかきていないかということについてきちんとして、日本の国としても政府としてそれをチェックするようにしていただきたいと思うのです。それで、いまこの核の問題について国民がこれだけ疑問を持っているのですから、少なくても政府としてそれを解明するようにしていただきたいと思うのです。いまの一連の政府の動きというものは私はいささか国民を愚弄しているのじゃないだろうか。国民の政治不信というのはこのままにしておったらますますエスカレートをするばかりであって、国民にそっぽを向かれたら民主主義政治は私は成り立たないと思うのです。どうかそこのところを、大事な点を御理解をいただいて、鈴木内閣のメンツよりかも私は日本の国家の安全保障を守ることがよっぽど大事だと思うのです。ですから、そういう点でもってもし総理が責任を感じるならば、真実は一つしかないのですよ、だからそのことを国民の前に解明して真相を明らかにしていただきたい。それができないならばやはり内閣は総辞職をしていただくしかないと思うのですけれども、その辺について国民に真相を明らかにしていただけるのかどうか最後にお聞きをしたいと思うのです。
  427. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 政府としては誠心誠意そういう方向で努力してまいります。
  428. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 終わります。
  429. 秦豊

    ○秦豊君 鈴木総理は外交音痴であって、魚のこと以外には感度ゼロであるというふうな、まことに失礼な論評が横行する中で、私は、決してそういう認識は持っていない一人です。むしろ訪欧とサミットを控え、長期政権に向かって堂々と胸を張って歩いていらっしゃる、いまや国際政治家の一人というイメージであなたに聞きますがね、これは午前中の確認です。  あなたは、終始一貫、平時、有事を問わず非核三原則を堅持すると、剣で鍛えた胸を張っていらっしゃる。しかし、日米同盟路線、日米共同作戦、そして、日米を基軸とする国の方向という方向は、まさに非核三原則等との絶対矛盾ではないのか。その点はあなたの俊敏な頭脳ではどのように整理されているのか、その辺をまず伺わしていただきます。    〔委員長退席、外務委員会理事稲嶺一郎君    着席〕
  430. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) わが国の国是とも言うべき非核三原則の堅持ということと、日米安保条約に基づくアメリカの核の抑止力、これとは相矛盾しないということをるる午前中から申し上げておるところでございます。
  431. 秦豊

    ○秦豊君 これは突っ込むと切りがないから、具体論に入らねばならぬからやめますが、園田外務大臣、外相としてのあなたとは久しぶりだけれども、これも確認の意味でひとつ伺っておきます。  あなたはたしか、私の聞き違いでなければ、日米安保はアメリカ世界戦略の一環という認識を述べられた、これは正しい。それから安保の双務性を、経済を含めれば双務性であると肯定された、それも認識としては常識でしょう。しかし、そのことはその途端からあなたの持論たる全方位外交とはまさに絶対矛盾になるというふうにはお考えになりませんか。
  432. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 日米安全保障条約は日本安全保障の基軸であって、外交の基軸であります。これは単に日本が守ってもらうという一方的な考え方ではなくて、日本は日本としてアメリカの戦略というものに力をかしているのだと、こういう意味のことを言ったわけであります。  なお、私が年来言っておりまする全方位外交と、鈴木総理のおっしゃっております平和外交とは全く同じものであると考えております。たとえば鈴木総理は就任直後から対ソ外交のことも言っておられます。私の全方位外交とは等距離外交ではございません。やはり日米外交を基軸として、そしてその日米協力というものは事ある場合に備えるための協力ではなくて、事を起こしてはならぬための協力、いわゆるアジアの平和と世界の平和を願う意味の協力でありますから、総理のおっしゃる平和外交、なお、その後国際情勢の変化があって困難にはなってまいりましたが、いささかも変わっていないと存じます。
  433. 秦豊

    ○秦豊君 外務省、先ほどからテーマになっておりますアメリカ国防総省指令、一九七四年七月三十日文書番号五二一〇・四一、こういう文書の存在と、内容については当然御存じでしょうね。――防衛庁には伺わない。
  434. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) いま御指摘のございました国防総省文書については、一九七八年九月十二日付の文書を入手しております。
  435. 秦豊

    ○秦豊君 どういう内容が、簡潔に淺尾さん、何を決めたのか、何を網羅しているのか。
  436. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 米国の保有する核兵器を安全に管理するためその保安上の措置につき一般的な指針、基準を定めたものでございます。このような基準は、核兵器の保安にかかわる要員の人選方法、核兵器防護の任務を有する部隊の運用方法、核兵器保護地区への立ち入りの管理方法等を規定しております。
  437. 秦豊

    ○秦豊君 大体粗筋としてはそれでいいでしょう。確かに、核貯蔵庫付近のフェンスの張り方、形、障害物、照明のあり方、侵入探知赤外線装置、通信施設、さらに五種類にわたる保安部隊の任務と訓練の方法、核弾頭移動の際の特殊車両の編成方法等も特定してあります。  もしも、この国防総省、ペンタゴンのマニュアルに全く忠実な施設が新たに発見された場合、政府側はどう対応しますか。
  438. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) ただいま御質問のうちの、マニュアルに全く合致したものがあるかどうかということでございますが、実は、七八年の九月付の文書にはそういうような物的な基準はございませんけれども、その前の文書にはございます。しかし、そういうものがあるということと、それから現実に核兵器があるということとはまた別個の問題でございます。
  439. 秦豊

    ○秦豊君 それは答えなれた、マンネリ化した、干からびた、うその答弁です。  いまから私が政府側にお見せしようとするのは、われわれの友人が長い労苦の末に、ついに沖繩の嘉手納あるいは辺野古地区で発見をした、いままでで初めて発見をされた弾薬庫です。核貯蔵の疑いはきわめて濃い。この状態について、内容について、皆さんにこれからお見せをし、伺っていきたいと思う。  この沖繩の嘉手納と辺野古の弾薬庫の一部に、まさにこのマニュアルと寸分たがわない施設が発見をされた。今月の中旬に、私の友人たちが、スタッフが、あるときはセスナ機を超低空で飛ばし、あるときはピストルの威嚇を受けながら、ジープを駆って発見をし、たどり着いた対象物であります。この特殊な形をしたのは、これは初めて発見された辺野古弾薬庫、ビルナンバー一〇九七の構造物です。そうしてもう一つは、これは嘉手納地区に発見されたビルナンバー四〇〇九、この構造物です。いずれもマニュアルどおり、ごらんのように二重フェンス。そうしてNBC兵器――生物・核兵器を貯蔵している弾薬庫の特徴、ヤギその他の生物をこのようにつないで、放牧してある、放してある。そうしてさらにマニュアルどおり、厳重なこの二重フェンスであり、二十四時間、ノクトビジョンの警戒体制、もちろん軍用犬を連れたパトロール体制がとられております。  委員長、これを政府側に見せたいと思うが、よろしいですか。私の質問を聞きながら、総理、篤とごらんを願いたい。回覧をしてください。(資料を示す)  そうしますと、淺尾さんはあのように答えたけれども、これはいずれも六〇年代や七〇年代ではない、まさにライシャワー発言下の沖繩の現状を特定するこれは物証なんだ。かつての話ではない。だから、そういう場合に、たとえば嘉手納の四〇〇九の場合には、対潜哨戒機P3用の核爆雷ルル、あるいはF4Dファントム用の空対地核ミサイル・ブルパップ等の貯蔵の疑いは在来つとに指摘をされていた。また辺野古の弾薬庫は先ほど申し上げたように初めて発見をされた対象物であるけれども、これは建物上部の標識は、そこで総理がいまごらんのように、ひし形の中にカテゴリー4という数字がはっきりと読み取れます。あなたの鋭い目では恐らく読み取れるでしょう。これはかつては八角形であったんだけれども、最近はカテゴリー4、ひし形になっている、変わっています。そして、これは国防総省資料では最大限度危険な弾薬物、爆発物を貯蔵している建物についてのみ掲示されるカテゴリーであります、4であります、したがって、いまお見せしている資料の中には、十四ヵ所の入り口に実に六ヵ所にわたってひし形4のマークが識別できるはずです。これはきょうも傍聴席に見えているけれども、われわれの楢崎弥之助代議士がつとに指摘をした山田弾薬庫、私もともに立入調査をしたけれども、これは旧弾薬庫である――朝鮮戦争、ベトナム戦争。いま総理、外務大臣、防衛庁長官に見ていただいているのは、まさに八一年、今日的状況のもとにおける物証である以上、政府側はこれに対してどのように対応をするのかを篤と伺っておきたい。外務大臣。
  440. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) ただいま御提示になったばかりでございますので、私たちとしては、その証拠を十分に見せていただきまして、対米照会を含めて十分検討さしていただきたいと思います。
  441. 秦豊

    ○秦豊君 総理と外務大臣はどうしていただけますか。
  442. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 御資料等も拝借をして、そしてこの事実について調査、照会をいたします。
  443. 秦豊

    ○秦豊君 総理、いかがです。
  444. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) いま外務大臣から申し上げたとおりです。
  445. 秦豊

    ○秦豊君 これは、私どもの調査によりますと、横田でも全く同じカテゴリーの弾薬庫がきのう発見されております。したがって、同僚、先輩議員が次々に繰り出している追及の新たな一つが同時に横田にも発見されておる。したがって、このことについての提案は後ほどいたします。  もう一つ外務省側に調査をしてもらいたいことがある。  その前に、塩田さん、いま対潜機P3C、これが可能な核装備は何です。
  446. 塩田章

    ○政府委員(塩田章君) P3Cの搭載可能と考えられます核装備は核爆雷であります。
  447. 秦豊

    ○秦豊君 もうちょっと詳しく言ってもらいたいな。  そこで、外務省に今度は調べていただきたい、淺尾さん。  いま日本に配備されているP3Cのほかに、いわゆるペンデュラムと称して振り子のように二つの基地を往復しているローテーションの対潜哨戒機があります。たとえばグアムから三沢、フィリピンのスービックから嘉手納というローテーションでありますが、それを振り子のようにやるからペンデュラムと申しております。  この場合には米軍の常識では、あるいは海軍、空軍規則によれば、対潜機として備えるべき核兵器は常時搭載をし、完全装備で飛来をするというのがこれがルールであり、常識である点はラロック証言とまさに軌を一にします。そして飛来をした機から、搭乗機から乗組員、クルーが離れて宿泊ないし休養をする場合には、アメリカ海軍規則によってそれをリメイン・オーバーナイト、RON――日中でもなぜかオーバーナイトのナイトを使っていますけれども、それは慣例でしょう。つまりクルーが搭乗機から離れている場合には爆発物を機内に置いてはならない、こういう海軍規則があります。この点も調べてもらいたい。  その場合に、アメリカ空軍とかアメリカ海軍の軍人たちはどういうことを考えているかというと、それは、それに従って、海軍規則に従って危険な核弾頭を含めた爆発物を弾薬庫、ないししばしば指摘されている、たとえば沖繩にいる四〇〇MMとか、弾薬整備中隊の整備所にそれを移し終えて宿泊施設に移行する、こういうことを日常的にやっていて、これはトランジットとしてきわめて常識的に、ルーチンワークとして処理され、反復されているという有力な心証がある。これは防衛庁は御存じかな。
  448. 岡崎久彦

    ○政府委員(岡崎久彦君) これは通過の航空機等が一時停止する場合に爆発物は弾薬庫か整備所に置かなければいけない、これはむしろいかなる軍隊におきましても常識でございまして、こういう規則があることは想像にかたくないのでございますけれども、その規則そのものは別にわれわれ持っておりません。
  449. 秦豊

    ○秦豊君 外務大臣ね、さっきのは沖繩の状態です。これは三沢とか嘉手納とかに飛来するローテーションの対潜哨戒機のありようについての調査依頼です。これも含めてこのようなことをトランジットの枠内で日常茶飯に繰り返しているアメリカ軍部の常識と、あらゆる場合に非核三原則を堅持すると言って胸を張っている日本側のむなしい常識と隔たりは無限なんだと、これはぜひ調査をしていただきたい、問い合わせをしていただきたいと思うが、外務大臣いかがです。――いやいや、局長の前に、あなたはしょっちゅう出るんじゃないの。
  450. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 申しわけありません。  まず第一に、P3Cに先生はもう常に核を装備してあるという前提で御質問されているわけでございますけれども、その哨戒機の兵装というものは与えられた任務に応じて決められていくということでございますし、それから仮に、そういう核兵器を持っている部隊がリメイン・オーバーナイトということで日本に保管されているということであれば、これはまさに核の持ち込みということに当たるわけでございまして、われわれとしてはそういうようなことをアメリカ側が事前協議もしないでやっているということは考えられないわけでございます。
  451. 秦豊

    ○秦豊君 絵そらごと、淺尾式絵そらごとなんだ。うそで塗り固めている。何万回となく答えている。  いいですか。核弾頭、核兵器を持ち込む場合には事前協議が提起される。しかし翻って、この二十一年間、アメリカ側からは一度たりとも事前協議は提起されたことはない。したがって結論、わが国には一度たりとも核弾頭は持ち込まれていない。これを悪の三段論法と言うんだ。それは淺尾さんの見解であって、このようなことについても、それを含めてアメリカ側に調査、照会を私要求しているんだ。どうなんですか、外務大臣。
  452. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 事務当局が答えましたとおり、そのような無謀をしておることは想像できません。確信を持ちます。しかしながら、遺漏な点があればこれはよく検討して、照会をいたします。
  453. 秦豊

    ○秦豊君 外務大臣、私ずっと、楢崎代議士の質問もあるから、衆議院に出張って九時間半聞いたんだが、まことに絵そらごとがこう連なった中で、たった一つどきっとする鮮烈な日本語にたまたま接した。それはあなたの発言だ、土井議員に対する。ヤブからヘビと、あのくだりは一番生々しかった。ところで傍聴席に声あり。出てきて困るのはヘビじゃないと、やまたのおろちだろうなんという声もあったけれども、いずれにせよ出てきて困るヘビとは、あなたの中ではどう理解されているんですか。何ですか。
  454. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 私が言いましたのは、日本と米国の関係は相互理解と安全保障条約によって結ばれておるわけであります。したがいまして、非核三原則の三番目の問題をもう少しきちんとする必要があるとするならば、それは日米両国が理解と話し合いをもってやるべきことであって、いまこのような事態にやることはかえっていけないと、こういう意味で、隠していることが出てくるという意味ではございません。
  455. 秦豊

    ○秦豊君 そうじゃないでしょう、園田さん。つまり、核持ち込みをめぐるワシントン-東京の隔たり、イントロダクションとトランジットの隔たりなんだ、これは。いまはグレーゾーンで、灰色にしておいた方がしのぎやすいからという意味の、つまり出てきてまずいのは、まさにその灰色の虚構の部分、これが明るみに出ることは毛を吹いてきずを求むる、つまりやってはならぬこと、これがあなたの本当の理解でしょう。
  456. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 秦さん、なかなか明晰に推理をされますが、言っている本人が言っているのでございますから、間違いはございません。
  457. 秦豊

    ○秦豊君 それが一番当てにならない。これまでの論議で、宮澤さんにも後で伺いたいと思うが、少なくとも衆参両院のここまでの論議を通じて、昭和四十三年までは、少なくとも核積載艦船の日本領海通過というのは、これは事前協議の対象ではなかったということが明らかになっているんですよ。すぐ淺尾さん立とうとするけれども。つまり、ライシャワー発言は正しかったという裏づけが次第に濃厚ににじみ出ているんだ、いままでの論議で。そうは外務省お考えになりませんか、大臣も。どうです、フランクに答えていただきたい。
  458. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 私は、米国政府の正式な発言を信頼をいたします。
  459. 秦豊

    ○秦豊君 四十三年の四月十七日は三木武夫統一見解。これはうちの楢崎代議士あたりが執拗についてぽろっと出てきたんだけれども、これは領海条約との関係で三木さん、こう言ってますな。お手元に議事録あるでしょう。事前通告制の実施を考慮し、無害航行とは認めず、許可しない権利を留保するというにとどまっているんだ、この統一見解ですらもが。つまり、このことを言いかえれば、これは事前協議の問題としてはとらえていないということになる。この点の解釈は違いますか、外務省。
  460. 伊達宗起

    ○政府委員(伊達宗起君) お答え申し上げます。  四十三年の統一見解でございますが、それは領海条約の審議の際に出てきた御質問に対して答えているわけでございまして、御質問には事前協議との関連ということは全然なかったわけでございます。ただ、領海条約の無害通航ということに関して核の積載艦は無害通航でないという見解を政府としてお示ししたわけでございます。
  461. 秦豊

    ○秦豊君 宮澤さん、歴史の証人がそこにいらっしゃるからね。この核積載艦船の領海通過を安保条約に言う事前協議の対象として明確にとらえたのは宮澤さん、あなたの統一見解じゃなかったのかなと私は思う。つまり、四十九年十二月二十五日のあなたのいわゆる宮澤見解、これじゃなかったかと思う。このことを言いかえれば、あなたのその見解にたどりつくまでは、つまり昭和四十九年までは核積載艦船の領海通過には事前協議の網は少なくともかぶさってなかった、こう理解するのが当然だと思うが、外務大臣の答弁が不満なら宮澤さんに答弁を求めるがどうです。
  462. 伊達宗起

    ○政府委員(伊達宗起君) お答え申し上げます。  四十三年の統一見解についてはただいま御説明申したとおりでございますが、四十九年の統一見解を発表するに至りました経緯と申しますのは、まさに無害通航とそれから事前協議との関係が問題になって御質問があったので四十九年の統一見解を出したわけでございまして、これはあの四十三年の統一見解を出した当初におきまして、その論理的な帰結といたしまして、これが無害通航ではないということになりました以上は直ちにそれは核の持ち込みに該当するということでございまして、四十九年に至って初めて事前協議の対象と認識されるに至ったということではございません。これは国会の御答弁でも、その四十九年の十二月二十五日の以前におきまして核の搭載艦はやはり事前協議の対象となるという御答弁を申し上げている例もございます。
  463. 秦豊

    ○秦豊君 宮澤長官にあえて答弁を求めておきたい、この問題について、この質問に対して。
  464. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 私の記憶しております限りでは、ただいま条約局長がお答えいたしたとおりでございます。すなわち、四十九年十二月の統一見解は、新しく何かを創設したのではございませんで、四十三年の四月以来言われていたことを国会のお求めによりまして明確にした、これだけのことであったと考えております。
  465. 秦豊

    ○秦豊君 これはこれ以上はのれんに腕押しというカテゴリーに入ると思うのだが、外務省ね、伊達さん、この領海等に関する条約というのは戦時には適用されるのですか。    〔委員長代理稲嶺一郎君退席、委員長着席〕
  466. 伊達宗起

    ○政府委員(伊達宗起君) 領海条約そのものには戦時に適用されないということは書いてございませんが、領海条約案をつくりました国際法委員会のコメンタリーには、これは戦時には適用されるものではないということが書いてございます。
  467. 秦豊

    ○秦豊君 そうしますとね、条約局長、おかしいじゃないの。そうすると、戦時、平時を問わず最高の国是たる非核三原則は守り抜いてみせますと言っているこれまでの鈴木総理の答弁や政府側の答弁と、その点でたちまち破綻が起こるじゃないですか。穴があいているじゃないですか、あなたの答弁じゃ。違いますか、あなた。何言っているんだ、あなた。
  468. 伊達宗起

    ○政府委員(伊達宗起君) どういう点で穴があくかお教え願いたいと思います。
  469. 秦豊

    ○秦豊君 だって、戦時に適用されないじゃないですか。冗談じゃない、そういう不遜な答弁をしてはいかぬ。戦時に適用されない条約が何で穴と言えませんか。冗談じゃない、まともに答えなさいよ。
  470. 伊達宗起

    ○政府委員(伊達宗起君) 領海条約と申しますのは、一般国際法の法典化でございます。ただ、無害通航等に関しまして、これが戦時に適用されないからといって無害通航の権利が直ちに消滅するようなわけではございません。そしてまた、沿岸国が戦時に――平時には他国の軍艦ないしは船舶の無害通航を認めるという義務があるわけでございましょうけれども、戦時に至りました場合に、交戦国の軍艦が自分の領海を自由に通るというようなことを拒否する義務はございませんけれども、またそれを拒否する権利は持っているということでございます。
  471. 秦豊

    ○秦豊君 これは伊達さんの守備範囲かなあ、三本当時外相が答弁した、私が引用した事前通告制度の考慮についてなんだが、その後外務省はどういう積み重ねをやったんですか。どういう検討をやったんですか。考慮を払ったのか。また海洋法会議はそれは経たのか経ないのか。
  472. 伊達宗起

    ○政府委員(伊達宗起君) 事前通告制と申しますのは事前協議の制度とは違うことは、これは秦先生よく御承知のことだと思います。事前通告制と申しますのは、一般国際法上外国軍艦が他国の領海を通る際に、通るよという通告をするかしないかでございまして、無害通航権を行使するわけでございますから、沿岸国はただそれを拒否する権利はございません。  そこで、事前通告制がどうなっておるかということでございますが、私どもいろいろと検討をいたしました。たしか一九五八年の、領海条約を審議いたしました一九五八年の第二次海洋法会議におきまして事前通告制について表決がなされたと思います。わが国もそれには賛成いたしたのでございますが、それは否決されて、結局事前通告制というものは一般国際法として確立したものではないという考え方に立っております。その後、いろいろとわが国の海運国としての、海洋利用国としての立場を考えまして、事前通告制というのはまだ世界的に確立した国際法上の制度ではないであろうということで一応事前通告制の採用は見合わせているということでございます。  ただ、現在の第三次海洋法会議におきましてもそのことは検討の対象となっているわけでございますので、なおこの第三次海洋法会議での論議を踏まえましてわが国としてもさらに検討を続けていきたいと、こう考えております。
  473. 秦豊

    ○秦豊君 よんどころなく先へ論点を進めますが、口頭了解と地位協定の関連を、これは宮澤さんを含めて伺っておきたいのだけれども、事前協議条項で、外務省ね、寄港と領海通過を核持ち込みに含むと、こういう政府見解の根拠というのは言うまでもなく藤山・マッカーサー口頭了解ですね。
  474. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 岸・ハーター交換公文と、藤山・マッカーサー口頭了解、その二つでございます。
  475. 秦豊

    ○秦豊君 地位協定の第五条と事前協議はクロスファイアーだと、次元が違うというのがあなた方のこれまでの答弁のあらかただ、方向だ。で、私が一番解せないのは、この口頭了解と、口頭了解が条約に準ずるシチュエーションを占めるとして、国会の承認を経た地位協定を拘束するということは論理的にどうもぼくは成り立たないのではないかと思えてならない。外務省、どうですか。
  476. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) この点につきましては、すでに昭和三十五年の五月十一日の衆議院の安保特において当時の法制局長官から答弁されております。「この協定と交換公文に、どちらに効力の上下があるという問題はございません。この協定も交換公文も、どちらも国会の御承認を」政府としては、このときはお願いしているわけです。その後得たわけでございます。  いまの五条は、いわゆる米国の、平たく言えば米国の船舶の出入りあるいは飛行機の出入りということについて決めているわけでございますけれども、他方、事前協議の方は装備に着目して書いていることでございまして、次元の違うことでございます。  それから、先ほど申し上げましたように、上下の関係にないというのは先ほど申し上げたとおりでございます。
  477. 秦豊

    ○秦豊君 この辺がやっぱりグレーゾーンだ、淺尾さん。この辺がやっぱりライシャワー氏が指摘する一つの対象だ、これは。  では淺尾さん、聞きますが、あなた伊達さんにバトンタッチするのかな、そのあなた方の見解と解釈と認識はアメリカ国務省は共有していますか。あるいは国防総省、そうしている。そんなことないじゃない。
  478. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) これは従来から国会の答弁……
  479. 秦豊

    ○秦豊君 国会じゃない、向こう。
  480. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 先方も私たちの考えと差異がないというふうに考えているわけでございます。
  481. 秦豊

    ○秦豊君 考えていることを裏づけるものがないというのが、もう反復質問があるけれども、イワシの頭じゃあるまいし、ただ信じている、友好、これにすぐ逃げ込む。納得できない。もう一回答弁。
  482. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) もう少し御説明いたしますれば、交換公文に書いている同軍隊というのは、日本国に配備されている軍隊のみならず、日本国の施設を一時的に使う軍隊並びに領域、領海を通る軍隊と、こういうことから、そこで言っている軍隊ということ及び口頭了解を考え合わせれば、当然に先ほどの結論になるわけでございます。
  483. 秦豊

    ○秦豊君 宮澤官房長官、この英語の例のやつですな、遅うございましたって出てきたやつ。これはあれですか、確認ですけれども、昭和五十年の二月に当時外相の宮澤さんと山崎アメリカ局長が作成をされたのか、この口頭了解。それから、それをアメリカ大使館のホッドソン駐日大使に照会したのは同年、つまり五十年二月二十二日であったのか。さらにアメリカ大使館シュースミス代理大使がそれを確認したというか回答したというか、これは五十年三月二十六日であったのか。念のために。
  484. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 突然のお尋ねでちょっときちんとした記憶がございません。そういうことがありましたことを覚えておりますが、外務省の方からお答えさせていただきます。
  485. 淺尾新一郎

    ○政府委員(淺尾新一郎君) 事前協議に関する口頭了解については安保条約当時からございます。その日頭了解を整理したものとして外務省が四十三年の四月二十五日付で国会に御提出しているわけでございます。それからその後ラロック証言その他がございまして、昭和五十年に、その日頭了解の整理した和文を英訳文とともに米側に照会して米側の確認を得ているのが五十年三月でございまして、その点については昭和五十年三月二十八日の衆議院内閣委員会において報告しているとおりでございます。
  486. 秦豊

    ○秦豊君 宮澤官房長官ね、こういうものをおつくりになり、あれは日にちはいいです、記憶は薄れます、それは納得します。ただね、筋道はあなたのことだからぴしゃりとシャープにこの辺にインプットしていらっしゃると思うがね、アメリカ側はそのときに内容のすべてについて理解と同意を示したのか、それとも単に御苦労でした、拝見しましたという程度の反応にすぎなかったのか。  もう一つ、そのときの英文をつくられたころの、つまり外相当時の宮澤さんの脳裏には、認識の中にはトランジットとイントロダクションはどう整理されていたのか。あるいはトランジットの概念はあなたの脳裏にはちらついていなかったのか、この辺を確認させてください。
  487. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 国会でいろいろ御議論があり、お求めがございましたので、いわゆる口頭了解を文書にして提示せよと、しかもその間アメリカ側の確認も取ってこいと、こういうような平たい言葉で申しますと経緯であったと思います。したがいまして、御提示いたしましたものは米側と当然に合意の上で御提示をしておりまして、米国側はこれについて了解をいたしております。その了解者がたしか先刻お話のありましたシュースミス公使が直接の関係をしたんだというふうに記憶しておりますが、当然アメリカ政府としての正式の合意でございます。当時いわゆる通過、寄港等々の問題はおまえの頭にはっきりあったかというお尋ねでございます。はっきりございました。
  488. 秦豊

    ○秦豊君 問題は、あなたの頭だけにとどまっていて、ワシントンに通じてなかった点がまさに今日の問題と結びつくんです。  園田外務大臣ね、あなたは民社党のたしか吉田委員だと思ったが、緊急避難問題で、寄港したい、緊急に寄港したいと言ってもノーと言う、非核三原則の中で緊急のところだけを別にするとなし崩しになるからという答弁をたしか記憶されているでしょう、五月二十九日だから。ところが、これはうちの楢崎代議士の質問に対して四十四年二月の四日、衆議院予算委員会、愛知さんですね、当時の外相は。ポラリス原潜の場合、もしも緊急事態、避難のために日本に寄港する場合は事前協議の対象となるし、またその必要上やむを得ざるという認識があればイエスと言うこともあり得るとちゃんと議事録に明記されていますよ。あなたの答弁は、それを否定し、それを乗り越え、消し去ったものだと、方針の変更というふうに理解していいですかな。
  489. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) これは言葉があるいは足りなかったかもわかりませんが、飛行機、艦船等の核積載のものの緊急避難は、単にアメリカの場合だけではなくて、その他の国々の場合も考えられるわけであります。しかし問題は、現在の状況では日本の上空または領海を核積載の艦船や飛行機が飛んでいることは想像できないわけでありまして、その場合にいまのようなことを仮想して、その場合には許しますなどということは非常に危険でありますから、私はあのように答えたわけであります。
  490. 秦豊

    ○秦豊君 ミッドウェーの母港化とかワン・タスクフォース論をやっていると、これは逃げやすいからね、あなた方。塩田さん、先月の日米共同訓練でアメリカの第七十五機動部隊と共同訓練をした。アメリカ側の文書によると、タスクフォース75と、こうなっている。それは確認できますか。どんな編成であったかもあわせて答えてください。
  491. 塩田章

    ○政府委員(塩田章君) 御指摘の米海軍のタスクフォース75は、第七艦隊の中の一部のグループでございまして、巡洋艦部隊、駆逐艦部隊から成っておるということでございます。ただ、その艦艇の中から、今度の日本海の日米共同訓練に参りました艦艇がそのグループに属しておるものかどうかの確認はできておりません。御指摘のタスクフォース75というのはそういうものであります。
  492. 秦豊

    ○秦豊君 古典的なワン・タスクフォースとかワン・タスクグループなんていうのはいま存在しないんだ、いま。いま稼働率が悪くて、空母三隻、四隻、四杯以上のタスクフォースなんていうのはアメリカ海軍持ってないんだ。つまり、六〇年当時の古典的な基準では現実をフォローできない、チェックできない、ざるなんだ。だからこの七五機動部隊のようなコンパクトな編成でも、アメリカ海軍はタスクフォースと言っている。塩田さん確認しなさいよ、それ。
  493. 塩田章

    ○政府委員(塩田章君) いま私どもがわかっておりますのは、一九七四年の七月一日の編成で言いますと、通常の場合、第七艦隊の七五タスクフォースに三つの部隊がございます。そういうことはわかっておりますが、それ以上、いま申し上げましたように今回の合同演習に参加したものがそれに属する艦艇であるかどうかについては確認できておりません。
  494. 秦豊

    ○秦豊君 総理ね、総理よろしいですか、衆参両院の連合審査はよんどころなくやがて終わらなきゃいけない、喜屋武先生の質問で。ところが、一国の総理、宰相としてあなたにどうしても考えていただきたいことは、本当にあなたが絶えず胸を張っておっしゃっているように、非核三原則を堅持してみせると、平時と有事は問わないんだと、貫くんだとおっしゃるのならば、イントロダクションという古典的な解釈、カビのはえた解釈、それも拡大解釈、一方的な解釈、これをしゃにむに押し通すことじゃなくて、まさに宮澤さんも触れたけれども、トランジットの概念と範囲をいまこそ日米間で確定をすべきじゃないか、新たな外交交渉を持つべきじゃないか。藤山・マッカーサーではない、園田・ヘイグ、こういうランクでそれを確定する時期と段階にいま参っているのではないかと思う。つまりあなたの、まるで確信のようにおっしゃる非核三原則を守り抜いてみせるとおっしゃるのであれば、アメリカは何事の不思議なしとして運用しているトランジットにまで事前協議の網をかぶせなければ非核三原則が堅持されたことになりませんよ。いいですか、その点は理解していただけるでしょう。だから私は、提案ですが、新たに、藤山・マッカーサーじゃない、こんな解釈何万回聞いてもだめだ。だから、園田外務大臣の今後の外交日程もあわせ伺う中で、単に大村さんがワインバーガーに会うんじゃない、やっぱり園田さんがヘイグ長官と会って、外交交渉の中で改めて余りにも古典的になった事前協議、非核三原則の問題で民意を代弁して新たな覚書、了解、これを作成すべきときではないかと私は思うが、これについてはまず総理から、次いで外相から伺っておきたいと思います。
  495. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 先ほど申し上げましたのと関係がありますが、おっしゃることよくわかります。そこで、そういう時期はいまは適当でないというのが私の意見であります。
  496. 秦豊

    ○秦豊君 何で適当でないのですか。
  497. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) ライシャワーの発言で大揺れに揺れて、ややもすると日米間に誤解が生ずるような時期にやるべきじゃなくて、これは相互理解のもとに、日米信頼のもとに締めるところは締め、確かめるところは確かめると、こういうことであるから、いまの時期ではない適当な時期だと、こういう発言であります。
  498. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 私は非核三原則をあくまで堅持するという立場を持ちながら、秦さんの御意見は参考として十分承りました。
  499. 秦豊

    ○秦豊君 外務大臣ね、いまは火が燃え盛っている、適当とは判断できない。ならば、やや鎮静化された平静な状態の中にあなたは外交日程を差し繰ってヘイグ長官と相対して私の提案したようなことを処理するというお気持ちは含まれますか。
  500. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 適当な時期によく総理とも相談をして何か考えてみたいと思います。
  501. 秦豊

    ○秦豊君 総理ね、ミッドウェーはやや低速で北上しています。しかしこの段階でも一国の総理としてなすべきことはまだ幾つか選択は残っている。たとえばレーガン大統領とせっかく開かれたホットライン、いつでも電話をしてください、官邸の電話活用してください、そうしてもう一度せめてこれは安保体制の根幹にかかわらないでしょう。入港延期というふうなことがなぜ日米安保の根幹を揺るがしますか。これほど燃え盛っている問題、まさにこれは党人政治家としてのあなたにしかできないことなんだ。国際政治家鈴木善幸という私の認識にもこたえてもらいたい。やはりホットラインを活用するとか何かもう一度二度帰港の延期というのは勘案していただけませんか。これが一つです。  それから時間が過ぎておりますので、最後に伺いますけれども、この非核三原則だけじゃないんです、いま問題、吹きだまっているのは。たとえば日米共同作戦、ガイドライン、有事法制、役割り分担、庭先論、あなたの。これから戦後の安全保障の枠組み、フレームを大きくはみ出して、憲法は解釈改憲という土俵、土俵をどんどん広げる路線になっている。つまり、国民の皆さんの合意というのは日米共同作戦とか世界戦略とか対ソ共同防衛ではなくて、四つの島の専守防衛、GNPの一%、現状程度の装備編成、これが合意の最大公約数なんですよ。だから八十数%が自衛隊を支持している。あなた方が選び取ろうとする道はそれを大きくはみ出すととろを目指している。だから私は総理に最後にこの部分、ミッドウェーと含めて伺いたいのだけれども、これらは全体としてまさに国民の信を問うべき大きな民族的、国民的な命題であるとお考えになっていないのかどうか。ならば、なるべく早い時期にむしろ国民の方を振り向いて信を問うべき政治家としての義務をあなたはだれよりも厳しく負っていらっしゃるというのが私の提案。  最後に、幾ら行政府に物を頼んでもこのていたらくであって、事態は一インチも前進しない。わずかに園田外相から総理と相談をして、ヘイグ氏と、これはわずかに救いである、かすかに。こうなったら私どもの楢崎書記長が衆議院議長に本日先ほど提案をしましたが、国会、立法府がアメリカの上下両院と向かい合って、これほどまでに隔たりのあるこの核持ち込みの疑惑と解釈の食い違いを国会と国会において解決をする方法を、何らかの方法を見出すために、これは総理、外相の答弁じゃなくて、連合審査の委員長たる秦野章委員長を通じて参議院議長にあるいは参議院の各会派に提案をしていただきたいと思いますが、以上いろいろと申し上げて失礼しましたけれども、まとめて答弁を願いたい。
  502. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、わが国の防衛の問題につきましては、憲法並びに基本的防衛政策の枠内で国民のコンセンサスを得ながらこれをやってまいる考えでございまして、秦さんがおっしゃるようなそういう方向ではございません。明確に申し上げておきます。  なお、ミッドウェーの問題につきましては、確かにライシャワー発言で皆さんが非常に心配をされておりますが、これはライシャワー発言がそういう原因をなしておることであって、私どもは十分アメリカ政府のマンスフィールド大使が公式にアメリカ政府の指示によって園田外務大臣に話されたこと、なおまた、ワインバーガー発言に対して公式にアメリカ政府が言ったこと、そういう点を信頼をして、そして横須賀の市民の皆さんに十分理解をしていただくようにお願いをしたいと、こう考えております。
  503. 秦豊

    ○秦豊君 信はいかがですか、信を問う問題、総理いかがですか。
  504. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 信を問うというような物騒なことは考えておりません。
  505. 秦豊

    ○秦豊君 委員長、最後の提案をおくみ取りいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  506. 秦野章

    ○委員長(秦野章君) 委員長に対する提案は検討させてもらいます。
  507. 秦豊

    ○秦豊君 終わります。
  508. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 私は、持ち時間の関係がございますので、これまで非核三原則あるいは事前協議がどうだったかという立場を超えて、これから今後どうしてほしいか、こういう姿勢で申し上げたい、お尋ねしたいと思います。  その前に、実は皆さんから核の問題をめぐって、沖繩の辺野古あるいは嘉手納の基地の問題に触れてくださったわけですが、そのことはこれは私が取り上げるべきだったかもしれませんが、幸いに皆さんが取り上げていただいたことに心から敬意を表します。  そこで、ライシャワー発言を引き金として、事前協議の問題、非核三原則の問題をめぐって衆議院、参議院において今日まで論議をされてまいったのでありますが、かみ合わない。平行線である。このことを私は非常に遺憾に思うわけでありますが、ところが、国民世論は日々毎日この核に対する疑惑と不安が高まりつつある、広がりつつあるというこのことは、鈴木総理を初め十分知り尽くしておられることと私は信じます。  そこで、お尋ねする前提に次のことを、私、姿勢としてまとめて申し上げたいと思うのでありますが、今日までの国会質疑を通して鈴木総理を初め関係大臣の答弁を聞きますというと、聞けば聞くほど矛盾を感じてならないということが余りにも多いということが私の実感であります。なるほど総理は核をつくらず、持たず、持ち込まずの非核三原則はわが国の国是であり、特に問題となっておる持ち込ませずについても、寄港、通過も含めて、また有事と否とを問わず、この原則を堅持していくとの決意を繰り返し繰り返し述べておられます。ところが、核をめぐる幾多の証言や事実の証拠が指摘されておるのにもかかわりませず、アメリカ政府の方針としてこれを盾にして事前協議がない以上核兵器持ち込みはあり得ない、この問題でアメリカ政府に照会することはしない、アメリカ政府を信じている、この一点張りで、国民の抱く不安を取り除くための具体的な行動をとろうとしておられない。このことに私は非常なる不満を持つものであります。  このような政府の態度は、国民に幾ら信ぜよ信ぜよと、こう言ってみたところでますます不安と疑惑は増大するばかりであります。とりわけ嘉手納、横須賀、岩国、これらの基地周辺住民に大きな不安を与え、政府不信の声は日増しに高まりつつあることもいまさら私が申し上げるまでもありません。  そこで、総理、総理は常に和の政治をモットーと、こういうことを強調しておられるわけでありますが、これ以上はおかぶりなさらずに国民の立場に立って、非核三原則はこのようにして守るんだと、具体的に明らかにするように真剣に対処してもらいたいと強く要望を前置きにいたしまして、次の質問をいたします。  まず第一点、簡潔に答えていただきたい、非核三原則を堅持するという、その意義は一体何なのか、これをお尋ねします。
  509. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、平和憲法のもとにおきまして、日本国民はこの非核三原則ということを重要な基本政策と考えております。また、世界における唯一の被爆国民でございます。そういうような観点からも強くこのことを求めておるわけでございます。  私は、今後わが国において非核三原則を堅持いたしますと同時に、また世界に向かっても核の廃絶、核軍縮等を通じまして、世界がこの核の脅威からだんだん解放されるように、そういう方向で努力をしていきたいと、こう思っています。
  510. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 おっしゃることもそのとおりだと思います。私は、国民がいま抱いておる不安の一つに米ソの核戦略に巻き込まれて大変なことになりはせぬかという、こういった不安と疑惑が大きいと思っておりますが、いかがでしょうか。
  511. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) いま現実は、核戦力を含めまして力のバランスの上に平和が確保されておると、こういうことでございますけれども、しかしこれは真の恒久平和を願う人類全体から考えました場合には、どうしても軍縮、特に核軍縮という方向でだんだんこれを均衡をとりながら、これを削減をし、そして将来は核のない平和な世界へ持っていくと、そういう方向でわれわれは努力しなければいけないと、このように思っております。
  512. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 よくいまの点理解いたします。  次に、非核三原則、特にその中の持ち込ませず、この持ち込ませずということと、アメリカの核のかさに日本の安全保障を求めるというこの政府の政策とは、明らかに矛盾すると私は思うのですが、いかがでしょう。
  513. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) これは再三再四申し上げておりますように、日本の国是とも言うべき非核三原則と、そして日米安保条約に基づくアメリカの核の抑止力に依存をすると、私はこれは決して相矛盾するものではない。ということは、日本の領域内に核を持ち込まなくとも十分アメリカの核の抑止力は働いておると、このように考えるがらでございます。
  514. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 次にお尋ねしたいことは、先ほど私は一問で念を押しましたのは、わが国が米ソの核戦争に巻き込まれないためにも、現在の非核三原則、すなわちつくらず、持たず、持ち込ませずにさらに一歩進めて、核戦略に手伝わないという、手をかさないという、これを加えて非核四原則にしていくことが、わが国の平和を一段と徹底して守るということにつながると思うのですが、いかがでしょうか。
  515. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) わが国は平和国家であり、非核三原則を堅持しておる立場からいたしまして、米ソの核戦略に加担をするとか、それに同調するとか、そういうことはございません。私どもは先ほど来申し上げるように、あくまで平和国家の立場から、核の廃絶、軍縮に向かってあらゆる機会に努力をしていく、このような考えでございます。
  516. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 私が気になりますことは、核二原則だとかあるいは二・五原則とか、こういった声も時に聞かれる。こういったことを気にしながら、私は非核四原則をさらに前進するべきであると、こういう見解を持っております。  次に総理、非核三原則の堅持はもとより、核兵器の廃絶、核軍縮に向けてのあらゆる機会を通じて努力していかねばならないと総理は五月二十二日の衆議院答弁で答弁しておられますが、その具体的な行動として私が特に申し上げたいことは、国連の場において、先ほどおっしゃった唯一の被爆国、そして平和憲法、国民の平和を求める核アレルギーのこういったすべてをキャッチして先頭に立ってもらうべき総理であります。そこで、核を保有しない国に対してはいかなる国も爆撃をしないという、こういう取り決めを国連の場で胸を張って提唱していかれる、この姿勢がありますかどうですか。
  517. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 核の廃絶、核軍縮、これはやはり日本が一番その先頭に立って世界に提唱する適格条件を持っておると、私もそのように考えております。したがいまして国連の場におきましても、特に明年の国連の特別総会におきましては、前回の園田外務大臣の演説、その精神をさらに高揚いたしまして、これを世界に向かって一層鮮明にしていきたい。また、ジュネーブの軍縮委員会等におきましても、これを積極的に推進してまいりたい。特に、包括的な核実験の禁止という、こういう問題は日本がかねてから熱心に提唱しておるところでございます。そういうあらゆる機会にこの核の廃絶、核軍縮に向かって全力を尽くしてまいりたい、こう思っております。  なお、非核武装の国々に対して核保有国が攻撃をするなということは、これは当然そういう国連等における主張の中で私どもは明らかにしていきたい、こう考えます。
  518. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 先ほど園田外務大臣の臨時ニュースではございませんが、沖繩からの臨時ニュースが入っておりますのでここで訴えたいと思います。  沖繩では――なぜ私、沖繩、沖繩と申すかといいますと、日本における基地の問題、あるいは核の問題は、すべて、五三%を占める沖繩に集約されてくるという、こういう危険と不安がいっぱい過去にもあったし、これからも予想されるからであります。  そこで、本日午前十時、沖繩県におきましては臨時議会を開きまして、超党派全会一致で次のことを決議いたしております。  一、核兵器とう載の艦船、航空機の寄港及び領海領空通過を含む非核三原則を厳正に堅持すること。  二、核兵器持ち込みの疑惑を究明し、その実態を国民に公表すること。  以上の二点を超党派全会一致で決議して、超党派代表が本日、総理に要請に参ります。そして、相呼応して、一緒ではないと思いますが、沖繩県知事も総理、関係大臣に要請に見えることをすでに声明しておられます。  以上、沖繩からの臨時ニュースを申し上げまして、総理それから外務大臣のコメントをいただきたいと思います。
  519. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) いまの沖繩県議会の決議は篤と拝聴いたしました。おいでになりましたらお会いをして、御意見を承ります。
  520. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 代表のおいでになることをお待ちしております。
  521. 秦野章

    ○委員長(秦野章君) 以上をもちまして本連合審査会は終了することとし、これにて散会いたします。    午後七時四十八分散会。