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1981-05-26 第94回国会 参議院 地方行政委員会 10号 公式Web版

  1. 昭和五十六年五月二十六日(火曜日)    午前十時三十分開会     ―――――――――――――    委員の異動  五月十四日     辞任         補欠選任      神谷信之助君     小笠原貞子君  五月十五日     辞任         補欠選任      小笠原貞子君     神谷信之助君  五月二十二日     辞任         補欠選任      岩上 二郎君     熊谷太三郎君  五月二十三日     辞任         補欠選任      熊谷太三郎君     岩上 二郎君  五月二十五日     辞任         補欠選任      佐藤 三吾君     広田 幸一君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         亀長 友義君     理 事                 金井 元彦君                 熊谷  弘君                 志苫  裕君                 伊藤 郁男君     委 員                 岩上 二郎君                 後藤 正夫君                 名尾 良孝君                 原 文兵衛君                 福田 宏一君                 小谷  守君                 小山 一平君                 和泉 照雄君                 大川 清幸君                 神谷信之助君                 美濃部亮吉君    国務大臣        自 治 大 臣        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    安孫子藤吉君    政府委員        内閣総理大臣官        房同和対策室長  小島 弘仲君        総理府北方対策        本部審議官    藤江 弘一君        警察庁長官官房        長        金澤 昭雄君        警察庁刑事局長  中平 和水君        自治大臣官房審        議官       大嶋  孝君        自治大臣官房審        議官       矢野浩一郎君        自治大臣官房審        議官       川俣 芳郎君        自治省行政局長  砂子田 隆君        自治省行政局公        務員部長     宮尾  盤君        自治省財政局長  土屋 佳照君        自治省税務局長  石原 信雄君        消防庁長官    石見 隆三君    事務局側        常任委員会専門        員        高池 忠和君    説明員        外務省欧亜局ソ        ヴィエト連邦課        長        兵藤 長雄君        大蔵省主税局税        制第三課長    源氏田重義君        大蔵省銀行局総        務課長      北村 恭二君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣  提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 亀長友義

    ○委員長(亀長友義君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨二十五日、佐藤三吾君が委員を辞任され、その補欠として広田幸一君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 亀長友義

    ○委員長(亀長友義君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  地方交付税法等の一部を改正する法律案審査のため、次回の委員会に、参考人として二本松市長石川信義君、立教大学教授和田八束君、関西学院大学講師高寄昇三君、自治体問題研究所主任研究員中西啓之君及び関西学院大学教授橋本徹君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 亀長友義

    ○委員長(亀長友義君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 亀長友義

    ○委員長(亀長友義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  6. 亀長友義

    ○委員長(亀長友義君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより、前回に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 志苫裕

    ○志苫裕君 ここしばらく、地方財政の財源不足を見積もって、さまざまな対策を講じておるのですが、前々から主張しておるのですけれども、ことしは一兆何がし足らぬのですが、その不足額が果たして相当であるかどうかという判断は一般の者にはわからない。いろいろ自治省なりに計算をして、そして最終的には大蔵大臣と自治大臣が話をしてこれだけ足らぬのだという決め方をする。それでわれわれは前から、暫定的にいまのような財源対策をしているんですが、それはそれで仮に認めるとしても、財源はしかじかかくかくで足りません、足りないものを埋め合わせる方法はこういうルールでいたしたいと。毎年風のおもむくままに折衝だか話し合いだかわかりませんが、足して二で割るような決め方じゃ困るということを、いわばルール化とでもいいますか、そういうことを主張しておったんですが、その点はどうなっておりますか。
  8. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 御承知かと存じますが、三十年度において、当時の自治省と大蔵省の間で地方財政対策についていろいろ議論をしたわけでございますが合意を見なかったということで、自治省が独自の地方財政計画案を公表したケースが見られるわけでございますが、これは、ただいま申し上げましたようなきわめて特殊なケースでございまして、これを除いては、地方財政対策についての両者の合意を踏まえまして、地方交付税法の七条の規定に基づいて内閣が地方財政計画を策定をして、そして国会に提出した上で一般に公表するという形をとってきたわけでございます。  財源不足見込み額についても、御指摘のございましたように、こういうことでこういう不足が出るのだということを一般に十分知らせるということはもう必要でございますが、私どもとしては、前年の暮れの段階ではなかなか細かいところまで詰めができないこともございます。そういうこともございますので詳細なものは出しておりませんが、一応不足分については公表もしておるわけでございますが、財源不足見込額の前提となりました地方財政の歳入歳出の積算基礎につきましては、交付税法七条に基づいて作成された地方団体の歳入歳出総額の見込額に関する書類ということで国会に提出をしておるわけでございまして、これによって、細かい積算の中身というものは全部出ております。そういうものの収支を比べた中で財源不足額も出たのだということはごらんいただけるような仕組みになっておると考えておるわけでございます。そういうことをやっておりますが、なおそういった点でこういった改善を加えるべきだということがございますれば、私どもとしても今後いろいろとそういう点について検討をする点についてはやぶさかでないつもりでございます。  なお、財源不足の補てんについては、一定のルールを定めてきちっとこういうことでやるんだということを考えられれば、それも一つの方法であろうかと存じます。ただ、現在のように、きわめて経済情勢なり国、地方の財政状況もいろいろでございまして、それぞれの年度の状況に応じて最も適切な方法を考えていくということが適当であると思っておるわけでございまして、こういった中で一定のルールを決めるというのは実際上なかなか容易じゃないし、また、現実的でもないのではなかろうかと存じております問題は、やはりこういった、毎年継続的な財源不足というものが出るような、こういった不安定な状況というものをどうして早く直していくかということが基本であろうかと考えております。  御指摘を受けましたが、いろいろ問題もあることは私どもも承知しておりますが、私どもとしてはただいま申し上げたような考え方をいたしております。
  9. 志苫裕

    ○志苫裕君 いまもちょっと答弁にあったけれども、昭和三十年のが私の手元にあるんですけれども、これは「昭和三十年度地方財政収支過不足額に関する調」というもののようです。経常的経費と臨時的経費に分けまして、それぞれ各項目ごとにどれだけの経費が見込まれてどれだけ不足になるかという内容になっておるわけでして、なるほど概算のようなもので、交付税の収入はこれぐらいで、税収はこれぐらい見込まれて、制度の改正でこれぐらいのことをやって、なお幾ら足らぬというようなことはあらまし示しますけれども、しかし、われわれにとっては、地方行財政に携わる者はもちろんですし、一般国民から見れば何のことだかわからないということになっておるわけで、後段の、財源不足を臨時に振り向ける分、借入金に回す分、あるいは財対債に振り分ける分、大体この三つで賄っておるわけですけれども、振り分け荷物の基準があるわけじゃないですね。ある年にはこいつはこっち側へ行ったり、その翌年はこっち側へ来たりというので、全く便宜的に扱われておって、それに伴う若干のいろんな問題点も出てくるわけです。  ですからことしのように、財源不足を借入金と財対債のウエートを見ますと、従来は大体折半にやっておったのに今度は財源対策債の方が、起債の方がウエートがもう七割ぐらいにいっちゃっている。従来五分五分ですよね。こういうふうになってくると、何のことはない、結局借金の方に、起債の方にしわを持っていったのじゃないか。まあ全体が減っているものだから、依存率は少ないとかなんとかと説明をしますけれども、財源対策という分野について見るならば、そっちの方にウエートががたっと傾いている。五十一年からずっとやってきているんですが、今度ほどこのウエートが財源対策債に傾いたことはないということになっておるわけです。  従来、その都度皆さんも説明変えるわけね。公共事業オンパレードのころには、公共事業の裏負担分のそういうものから財源不足も生ずるわけだから、それにかかわる分はまずは対策債、長期に返せばいいというそっちの方に振り向けて、残りの分は臨時やあるいは借入金やそういうもので始末をする。それで貫いているのかというとそうでもないということになっておるので、これは計画的にガラス張りでやらなきゃならぬのが、全く政府当局の恣意で、そのときの気持ちの持ちようで決まっちゃうということになるのが、われわれとしては、正当であるかどうかという場合には、やっぱりオーソライズされた物差しがありましてね、その物差しがら見て、これはちょっと対策まずいよ、あるいはこれはうまくいったよということになるべきでありまして、物差しを自分で勝手に持っておって、ことしはばかにうまくいったなんというようなことを言うのはどうも納得ができない。まあ今日の地方財政の状況はなお異常な事態でありますから、しばらくこういうものが続くとしますと、その辺はやっぱりある程度客観的にもっともだという物差しを明示をする必要があるというように思うんですが、どうですか。
  10. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) いろいろ御指摘がございましたように、各年度ごとに財源対策というものは若干ニュアンスが変わっておる点は、これはもう事実でございまして、また、そのような客観的な情勢があったと私どもは思っておるわけでございます。  当局における考え方で自由にやっておるのじゃないかという御指摘ではございますが、私どもとしては、客観的にそのときの経済情勢なり国の財政状況、地方の財政状況等を見まして、どういう形で補てんをしていくのが一番いいかという道をいろいろと選択をするわけでございまして、その点について私どもがもうこれしかないというほど万全な措置がとれるかどうか、それはいろいろ御批判はあろうかと存じますけれども、やはり実態に応じまして、そしてまた将来の地方団体の財政負担なり何なりということも考えながらやっておるわけでございまして、できるだけそういうことは、考え方は外に出しながらやっておるつもりでございますけれども、おっしゃいますように、財源不足が出れば交付税と財源対策債がもうきちっと半々だとかといったような形でルールを決めるということはなかなかやりにくいのではないか。  財源対策債でも――これは本題からやや外れますが、御質問の趣旨に関連して申し上げますと、財源対策債も九五%充当から七五%充当へ落としたというようなときに、これは一方では、財源対策債を早く全部なくせという議論もございましたが、一方では激変緩和をしろという議論もあり、いろんな意見等が錯綜をしておる中で、私どもとしては、どういう方法がいいだろうかと選んでおるわけでございます。もちろん私どものやっていることが最高だと言うつもりではございませんけれども、私どもとしては最善の道を選ぶつもりでございます。  ルールを、基本的な線は何か決めておかなきゃならぬような気がいたしますが、選択の幅はやっぱり実態に応じて現実的に選ばざるを得ないのではないかと思っておりますが、御指摘の点については私どももよく玩味をいたしまして今後研究をいたします。
  11. 志苫裕

    ○志苫裕君 それから、私はできるだけこのやり方がみんなにわかるようにと。特にもう地方財政はややこしいですからね。たとえば都道府県と市町村が一本になって出ますね。都道府県はどんなあんばいになるんだろう、市町村はどういうことになるんだろうということはわかりにくい。それから、財源の不足団体もあれば、少しよけりゃなんて超過団体もあるわけですね。これもあわせて丸めて一本と、それで過不足調整は五千五百億だと、こうなってくるわけですね。ですから、わかりやすいことを言えば、やはりその辺区分けをして明示される方が判断がしやすいわけであります。そういう点が、どうもこの辺もおまえたちはわからぬでよろしい、結果だけ金がありゃよろしいということではだめだと。  それから、たとえば地方財政計画の歳入歳出の区分の仕方一つを見ましても、決算総計の区分の仕方、あるいは地方交付税の基準財政需要、収入の区分の仕方というものがみんなばらばらなんですね。ですから、一つの紙にずっと並べて比較検討するといいますか、そういう検証をするときに非常に作業が困るんです。これはもうちょっと工夫がなりませんかな。
  12. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 地方財政計画を県分と市町村分とに区分をするといったようなことは、御承知のように、昭和三十年度までは歳入、歳出の総括表について分けたこともございます。しかし、現在ではやっていないわけでございますが、それは一つには、地方財政計画はもう申し上げるまでもなく標準的な水準における地方団体の歳入、歳出の均衡状況を把握することによって地方財源を保障するということを本来目的としておるわけでございますから、都道府県と市町村に分別しないいまの方法でもそれはそれなりで十分目的は果たし得ると考えておりますが、同時に、計画策定時において地方財政計画の歳出面における公共事業等の補助事業とか、あるいは歳入面の国庫支出金、地方債といったようなものを都道府県なり市町村に的確に分別するということは、最近非常に複雑になってきております関係上、実際問題として非常に困難であるわけでございます。こういった事情がございますので、現実的には、一本化しておる現在の策定方式によって対処をせざるを得ないと私どもは考えておるわけでございます。  また、財源不足団体と財源超過団体分を区分するということについても、県分、市町村分に区分すると同じように、策定段階においては事情が判明しないいろいろな不明確な部分がございまして、なかなかでき得ない、税収の見込み等もまた的確にできないといったようなこともございまして、なかなかおっしゃるような形にはやりにくいという点があることをひとつ御了解賜りたいと思うのでございます。  それからまた、いろいろな計画の区分につきまして、計画と決算と財政需要額の区分といったようなものがいろいろと項目的に分け方がばらばらである、それじゃ比較がしにくいということでございます。  なるほどおっしゃるような点があるわけで、私どもも御指摘の意味はわかるのでございますが、地方財政計画は御承知のように単年度の、そしてまた当初ベースにおきます標準的な水準での地方財政の歳入、歳出の見込額を算定をいたしまして、その均衡状況をはかることによって地方団体の全体としての財源を保障していく、そういった目的を持っておるわけでございますから、そのために必要な範囲で歳入、歳出の区分を設けて積算を行っておるわけでございますが、いろいろと積み上げはしておりますけれども、大体そういう形でまとめてやっております。したがって、ある意味では必ずしも詳細な形では示されていないと言っていいかと思うのでございます。しかし、それで目的は達し得るのじゃないかということでそういう形をとっております。  一方決算は、これもまた申し上げるまでもないことでございますが、地方団体の実際の財政運営の結果でございまして、各地方団体が決算の分析を通じましてみずからの財政状況等を把握し得るように、さらにまたほかの類似団体との比較とか、あるいは全国的な財政運営状況との比較、検討を行うことによって財政体質の良否なり運営の適否等の判定に資し得るようなものであるべきだということで、詳細な区分を設けて決算数値を把握すをというようなことをしております。  また、基準財政需要額算定のための行政項目は、それぞれの行政目的別の客観的なあるべき財政需要額を合理的に算定し得るために設けられているわけでございますから、いま申し上げたように、もうやっぱりそれぞれの歳入、歳出の区分がそれぞれの目的に応じて適切であろうというものを設けておるわけでございます。  そこで、こういった区分の仕方を統一してもっとわかりやすくということはよくわかるわけでございますが、いま言ったようなこと等から直ちにこれを統一的に見るというのはむずかしい問題があると考えております。しかし、こういった区分をつけますのは、全く同じ地方財政についてでございますから、無関係に存在するわけのものではございません。計画と決算なり交付税の関係ができる限りわかりやすくなるように私どもとしてもよく研究を進めてみたいと思っております。
  13. 志苫裕

    ○志苫裕君 ずいぶん苦しい答弁だね、いまのは。大体苦しい答弁というのは長くなるんだな。もう少し簡潔でもいいですけれども。――結局、いまあなた言うように、地方財政計画は標準的な経費、標準団体における妥当な水準を見積もって、それで財政の収支を見積もって不足類、地方財源を保障するという仕掛けなのだから、それはその目的にかなっておればいいじゃないかということを言っておるのでしょうけれども、それがそうなっておるかどうかをわれわれが検証する場合には、そういうだんごの数字じゃさっぱりわからぬということを言っているわけ。ですから、そんなことはおまえたちはわからぬでよろしいので、結果的にうまいこと勘定したんだからということではだめだということを私は言っておるので、これらはひとつ工夫をしてください。  それから、いま言うように、それなら歳出は標準団体における妥当な水準の経費の総計だということになるわけですが、個々の項目についてそれが示されておるかということになるとそうではないわけです。私らから言えば、これを審査する者から見ると、個々の項目について決算総計の区分と対比をさせまして、標準団体の積算というふうなものが明らかになっておると一番わかりやすいですね。ところが、あるものは決算ベースを使ったり、あるものは仮定の標準経費というものを使ったりというので、その数字の持ってき方も全く便宜主義なんだな、これ。これはこの間佐藤君もちょっとやりましたけれどもね。その辺の点は、やっぱりこれからもいまのような形でやっていくんですか。ただ標準団体というのはこういうものだというので、それなりに積算の標準経費なり算出根拠なりというようなものをあらわしていくんですか、それはどうなんですか。
  14. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 財政計画においては、御承知のように、交付税法の七条の規定に基づいて歳入歳出総額の見込額を公表しておるわけでございまして、この中には国庫補助事業その他いろいろ分けて積算根拠ははっきりしておるわけでございます。ただ、決算とうまく合うということができるかどうかということになりますと、もうよく御承知のとおりでございますが、標準的な経費を単年度ベースでやります財政計画と、それから、決算ベースの場合は具体的な結果でございますから、超過課税も入ってくる、寄付金も入ってくる、いろんな歳入面でも違ったものが入ってまいりますし、現実問題として、出た結果というものはかなり乖離があるのが当然でございます。そういったこと等から、項目は別といたしまして、結果的にはなかなか対比して比較しにくい面もそれはあろうかと思うのでございます。  ただ、いろいろな積算根拠に使う場合は、その事柄によりまして、決算の数字を使うことが適切な場合もあれば、全般的に、マクロ的に計画の数のトレンドを使うのがいいとか、いろいろな場合があろうかと思います、それは、それぞれ適当にやっておるのではないかと御指摘でございますが、私どもとしては、なるべく最も合理的であるというものをつかんでやろうとしておるわけでございます。いずれにいたしましても、やっぱり全体として何か非常に複雑な計数が、比べてみてもわかりにくいという御指摘は私どもとしても受けとめまして、どういった方法をとっていくのがいいか、なお勉強をしてみたいと思います。
  15. 志苫裕

    ○志苫裕君 次に入りますけれども、昭和五十年度以降地方財政が大変になりまして、さまざまな財源対策を講じてきました。それはまた結果としてこれから償還という形で残っていくわけですが、大まかでいいですが、昭和五十年度以降の財源対策、あるいはこれからの償還額、二通りに分かれますけれども、これを交付税でカバーするとしたら交付税率にすると一体何%相当になるという計算をしていますか。
  16. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) いまのお尋ねは、毎年毎年の財源不足額を埋めるとした場合と、今後返す場合と、まあざっとした試算でございますが、五十年度以降の財源不足額の国税三税に対する割合を機械的に算出をいたしますと、これ、順を追って申し上げます。  五十年度が一五・八%でございます。五十一年度が二一・七%、五十二年度が一四・六%、五十三年度が一八・二%、五十四年度が二五・一%、五十五年度一〇・一%、五十六年度が四・一%でございます。  それから、仮に財源対策債と交付税特別会計の償還額を基礎にいたしまして、その分が地方交付税率とすればどれだけになるかということをこれまた機械的にはじいてみますと、国税三税に対しまして、五十一年度が〇・六%、五十二年度が一・三%、五十三年度が二・五%、五十四年度が四・四%、五十五年度が五・一%、五十六年度は四%ということになるわけでございます。
  17. 志苫裕

    ○志苫裕君 これからどれだけ借りるかにもよりますが、いま五十六年が四%でしたね。これ、もうちょっと先へ延ばして推計できませんか。
  18. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 現在までにわかっておる点を申し上げたわけでございますが、今後どうなるかということは、まず第一に国税三税がどうなっていくかということがこれはわかりませんので申し上げにくいわけでございます。私どもとしては、いまの状況でいけば交付税特会負担と地方債等の償還額はわかるわけでございますが、国税三税をどう見るかはちょっとその点で申し上げかねるわけでございます。  仮に、例の中期展望に基づいて――大蔵省で試算しておるものを借りてでございますから、これはもう非常に変動があると受け取っていただきたいと存じますが、それでまいりますと、五十六年度が四%、五十七年度が四・一%、五十八年度が三・七%、五十九年度三・五%、六十年度が三・三%。これは私どもが直接つくった数字でないものをもとにしておりますので、その点はやや、責任を持って申し上げる数字ではございません。御了解を賜りたいと思います。
  19. 志苫裕

    ○志苫裕君 そこで、ことしの地方財政対策に当たって、自治省としても交付税率五%アップを要求した。その前提は、当然のことながら、地方財政は依然として、幾らかこう財源不足額が減ってきているとはいっても、基本的には法六条の三の二の事態という認識の上に立っての要求だと思うんですが、五%アップの根拠は何ですか、要求の根拠は。
  20. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 五十六年度の地方財政対策におきましても、たびたび御説明申し上げましたように、一兆円を超える財源不足が見込まれたわけでございます。したがいまして、交付税法六条の三第二項の規定の趣旨にもかんがみまして、それに何とか対応したいということが第一点と、それから、私どもとしては、本年度のみならず今後の動向を考えてみましても、将来におきます特別会計借入金なり財源対策債の償還に備えて所要財源を確保する必要がございまして、そういった観点に立って今後の五年間にわたる平均的な償還額に相当する額、それを交付税率で見ればどれくらいであろうかといったことなどを勘案いたしまして五%の引き上げを要求したということでございます。
  21. 志苫裕

    ○志苫裕君 長期の財政の見通しは、国家財政の場合もそうですけれども、地方財政はなかなか見通しにくい、計算もしにくい。したがって、国の中期財政見通しに相当するものを自治体でやろうとしてもなかなかこれは大変だという話が、しばしば答弁があります。私も、大事なことではあるけれども、なかなか大変だろうと。いままでのように毎年変えていくような長期計画というのもこれおかしな話ですからね。長期計画立てては毎年変えているんだから、ちっとも長期計画にならないわけですが、いまの五%の要求がそういう長期見通しをどうなっておるのかは明らかにしませんでしたが、いずれこれはやらなきゃならぬ作業だと思っていますので、要望だけをしておきます。  少し細かい問題に入りますが、交付税の道路橋梁費の算定に当たって、幅員二・五メートル未満の、言うならわれわれが言う生活道路というやつなんですが、これは御存じのように自治体にとっては主要な役割りを果たしておるのですけれども、そのくせ経費もかかる。現道舗装といったって結構経費がかかるわけでありまして、ところが、そういうものの種別補正では、大きい道路よりは一〇%落としになっているわけですね。その上に、自動車関係諸税の対象にもされておらない。自治体の感じからいいますとまるっきり合わないんですけれども、これはどういう理由でこうやっているのですか。
  22. 矢野浩一郎

    ○政府委員(矢野浩一郎君) 市町村分の道路橋梁費におきまして、幅員二・五メーター未満の道路につきまして、これはおっしゃるとおり、種別補正で割り落としをしておるわけでございます。道路橋梁費における種別補正は、道路橋梁の維持管理に必要な経費を算定するわけでございますけれども、その差を見るわけでございますが、維持管理に要する経費につきましては、御承知のように交通量によって左右されるということでございます。交通量が多ければ路面の損傷が多うございますので維持修繕費も高くなると、こういうことで幅員ごとにその差があると、こういうことで基準財政需要額上そのような算定方法を用いておるわけでございます。  ただ、市町村道につきましては、率直に申しますと、実は、市村町道の幅員ごとの交通量統計というのはございません。これは統計があればもっと的確な計算ができると思うのでございますが。そこで、やむを得ませんので、建設省で調べております一般都道府県道の交通量統計、これはそういった数字が出ておりますので、これをもとにして市町村道の幅員ごとの交通量を推定をしておるわけでございます。そういう計算から、二・五メーター未満の道路につきましては御承知のようにほとんどの自動車が通行ができないということから、そういった自動車の通行量、大型あるいは小型の大部分、ごく一部の自動車しか恐らく通れないということでこれを差し引いて種別補正係数を算定をしておるわけでございますので、そういう意味では維持管理費の実態とそうかけ離れているとは私どもは考えていないわけでございますので、御了解賜りたいと存じます。
  23. 志苫裕

    ○志苫裕君 質問だけ最初にしますね。  次に、下水道行政費の算出で、人口集中地区とそうでない地区を分けます。そして、人口集中の方は、事業があろうとなかろうと普通交付税で組み込んでいく、集中していない地域は、普通交付税から外して事業があった場合だけ特交の対象にするといういま差をつけているわけですね。これはどういう理由ですか。
  24. 矢野浩一郎

    ○政府委員(矢野浩一郎君) 下水道費の測定単位につきましては、人口集中地区人口を用いておるわけでございますけれども、これは人口集中地区人口とそれから下水道費の相関度がどれだけ高いかということになるわけでございます。もちろん下水道費との相関度という意味では人口集中地区人口よりもさらに高いものもあろうかと思います。たとえば排水面積であるとか排水人口、こういったものでございますともっと相関度は高いということになるのかもしれませんが、御承知のように、測定単位の数値につきましてはできるだけ公信力の高いものということで、指定統計であるとかあるいは法律に根拠を置いて定める各種の数値、あるいは標準、基準となるような数、こういったものを用いておるところでございまして、下水道費につきましても、そういう意味から四十二年度以降、国勢調査によってこれは明確に把握をできるところの人口集中地区人口を測定単位として用いておるわけでございますが、排水面積とかあるいは排水人口などにつきましては、御承知のように現在は下水道台帳の整備が十分でございません。そういう意味からこれを測定単位としてはとらない。ただ、現実には集中地区人口だけでございますとやはり実態との差も出てくると思いますので、密度補正によりまして、公共施設状況調べ、これは指定統計とかそういった必ずしも公信力としては高いというわけではございませんけれども、そういった要因を補正によって算入して、できるだけ実態に適合するような方法をとっておるわけでございます。
  25. 志苫裕

    ○志苫裕君 項目だけ最初にずっと聞いていきますね。  その次に、教育費の算定方法で、学校給食調理員、学校用務員、警備員、図書館等々ですが、こういうものの配置基準というのは実態と合っているんですか、これは。
  26. 矢野浩一郎

    ○政府委員(矢野浩一郎君) 教育費の関係で、給食調理員、用務員等の人件費でございますが、これは御承知のように標準施設ということで算入をいたしております。この標準施設において算入したものを全国ベースに引き伸ばしてみまして、その結果を実態と比較をいたしておりますが、私どもが実態と比較したところによりますと、文部省の実態調査等から見ましてもほぼ妥当な数字になっているだろう、こう考えております。
  27. 志苫裕

    ○志苫裕君 以上、私は道路橋梁費を下水道行政費、それから教育費の三つを取り出して若干の実態を尋ねたんですが、道路橋梁費の二・五メートル上下差をつけているというのは私は不合理だと思うんですよ。車優先で、車が通れば道が壊れる、道が壊れるから費用がかかる、したがってその分めんどう見てやる、自動車関係税もしたがって返すといって、二重のものが行くわけですが、実態からいくと、まあそのせいでもないんでしょうが、大きい道は直すが小さい道はさっぱり直さぬ、したがって人間は苦しむということになるのもこの辺に原因があるんだと思うんです。これはひとつ見直してもらいたい。  それから、下水道も、いま答弁にありましたように若干の矛盾がある。だから測定数値を排水人口なり面積に置きかえたらさらにどういう矛盾が出るのか、その辺私自身も詰めてはおりませんけれども、やはりこれも検討の要がある、特にこれは標準経費の算出というのが決算統計によっておることも私は問題だと思います。  それから教育費の、幾つか上げた学校給食、用務、警備、図書館等々の配置基準はおおむね妥当だと言いますけれども、ちっともおおむね妥当じゃないわけですね。全く実態に合っておらない。また、現実にこの配置基準で人を置いているわけでもないわけですよね。たとえば図書館の例一つにしましても、いま人口十万に一カ所という基準じゃないかと思うんですが、実際の数値だって一・七カ所ぐらいはあるでしょう。そういうのを見ましても、これも配置基準の見直しが相当であるというふうに思います。  ここではそういう問題点の指摘をして検討を願うとして、そこで大臣、私、少し論旨が矛盾をするようですが、もっともらしく細かい差をつけるけれども、差をつけたことにまた矛盾もあるわけですね、人口集中地区と集中でない地区をやってみるとか、いろんなことをやりますとね。概して、交付税の算定に当たって、高等数学のようなものをもって、やたらとたくさんのファクターを持ってきましていろいろとこの計算をします。細かい数字にしたようだが、結果はどうなるかというと、ヤマカンで分けたのと似たような数字になるわけですね。そこに交付税の仕組みというのは、精緻をきわめているようでいて、煩瑣なようでいて、もう少し大まかに、大まかな物差しで分けた方がいい。細かくはじいてはしの上げおろしまで指図をするような交付税の計算の仕方よりも、逆に、人口だとか面積だとか、そういう大まかな基準で分けて、その中でやれるかやれぬかは、それは自治体が自主的な財源調達の能力を持つわけでありますから、そういうものでやった方がいいという意見もあるわけで、私はどちらかというとそういう意見なんですけれども、大臣、どうですか。
  28. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 大臣からお答えいただきますが、先ほどから審議官から御説明申し上げたこととも関連いたしまして一言だけ申し上げたいと思います。  私ども、いま御指摘のございましたような、算定に当たっていろんな問題があるだろうと思っております。しかし、できるだけこれを合理的なものにしようということで、毎年関係地方団体の意見も聞きましてかなり詳しく聞く機会を持っておるわけでございます。そういったことで、どういったやり方をとっていったらいいか検討をしてまいりますと、いろいろな注文が参ります。農業団体あるいは都市的な形態のところ、それぞれに理由がございます。いろんな意見がございまして、そういったものをできるだけ合理化しようということが率直に申しまして御指摘のございましたように複雑化していくという面もあるだろうと思っております、ただ、それぞれの団体の意見等をなるべく取り入れるということできておりますが、全般的に見て余りまた複雑化するということも問題があることは御指摘のとおりだと思っております。そういったことで私どもやっております。結果としてはできるだけ標準的な水準の経費はみんな見てやりたいと思うので、結果としてなるべく合理的なものがいくようにということでございますので、そういった点についてはひとつ御理解を賜りたいと思っております。
  29. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) いま財政局長から申し上げたとおりでありますが、人口とか面積とか、非常に大枠でもって決めたらいいじゃないかと、これは一つの考え方だと思います。しかし、今度はまた、それではおさまらぬという問題もありますね。いろいろ地方の実情、業界の実情――業界と申しますか、公共事業を多くやっているところ、少なくやっておるところ、それから山地帯のところとか平野地帯の多いところとか、産業構造も違う、そうすると交付税についてそれぞれの要望が出てくるわけですね、自治省としては本当にまじめに取り組んで、それにこたえるために非常な努力をしてきておる、その結果が非常に複雑化した、複雑化したから今度は大局を見失っているんじゃないかと、こういう議論も出てくるわけでございます。それじゃここで人口とか面積ですっぱり割り切ってしまえば、これで全体がおさまるかというと、これもなかなかむずかしいことです。しかしこれ、極限までいきますといろいろ問題があると思います。どこかでやっぱり線を引いて割り切らにゃいかぬ面はあるだろうと思います。その点をどの程度で割り切るかということはこれからの研究問題ではなかろうかと、こう思っております。
  30. 志苫裕

    ○志苫裕君 これはわれわれも真剣に考えていかなきゃならぬ問題ですが、いずれにしましても、交付税制度そのものが金を配ることだけ機能して、もう一方の大事な面がずいぶんおろそかになっておる。一体交付税制度そのものについても、少しまじめに見直そうやという議論もないわけじゃないのでありますから、私はそういう機会に、何か細かい、精緻をきわめて分けるようでいてさっぱり、結果的には特定の官僚のドグマのようなものですな。まあやっている諸君は高等数学だとか何だか使ってやっているんだと思うんですよ、これ。しかし、われわれから見ると、何かわけのわからぬことに頭をひねっているような感じがするんでしてね。むしろそんなことよりは、それはそういう面からくるメリットもあるのでしょうが、私はもう少し国民全体が、住民が、財政を見てすぐわかる、意見も言える、そういうシステムが実は自治にとっては非常に大事なんでありまして、逆にそういう面を減殺をしているのではないかということを心配をしているわけです。おまえたちは心配要らぬ、もう偉い学者の数字を使ってやっているんだからということでは説得にならないという意味で、この機会に問題を提起をしておきたいと思うんです。これはひとつ大臣もせっかく検討をしてください。役人さんはいままでやったことが一番いいと思いがちな人種ですからね。これはやっぱり大臣あたりがある程度新しい発想を入れなければだめですよ。そういう意味で問題を提起したいと思います。  次に、特交ですけれども、特交というのはそこへいくとなおさらわかりにくいのかもしれませんが、大した額じゃないので余り問題にもしないんですけれども、これ、算定項目ごとの算出額というのは、当該自治体には明らかにされておるのでしょうか。特に、最近物議を醸す減額項目ですね。プラスアルファを少しやったから削るぞなんて言って切っているそうでありますが、この減額項目の取り扱いで、減額部分はこれだけ、各項目分の算定はこれだけと、したがって差し引きおまえのところは幾らというふうに、受け取った団体はわかるようになっているんですか。それとも、がらがらぽんで幾らと、こうなっているんですかね。
  31. 矢野浩一郎

    ○政府委員(矢野浩一郎君) 特別交付税につきましては、最終的な財政調整の手段としてさまざまな項目を対象といたしておるわけでございますが、これらの項目のほとんどは地方団体からの報告に基づく数値、それから、たとえば災害であるとか干冷害であるとか、各省から入手いたします一般的にわかっておる数値がほとんどでございます。それらをもとにいたしまして一定の計算をいたしまして積み上げるわけでございますが、積み上げた結果の中身の細かいことを一々各団体にこれとこれとこれを足して幾ら、それから逆に減額項目についてはこれだけ差し引きというようなことは一々通知はしておりません。ただ、各団体の方からこういった項目の中身どれだけ算定されておるのだろうかということの問い合わせがございますれば、これは各団体ごとには、私どもの方としては、こういうことだということでその団体には数字を知らせ、説明をいたしておるわけでございます。  内容につきましては、ただいま申し上げましたように、特別交付税はできるだけ具体的妥当性を重んずるものではございますけれども、それにいたしましても、現実の支出額そのものを全部使ってやるというわけではございませんので、できるだけルール的に算定をするということを重視しながらやっておるわけでございます。
  32. 志苫裕

    ○志苫裕君 がらがらぽんだが聞かれれば言うという話ですね。  そこで、ちょっと意地が悪いような質問で恐縮ですけれども、あれですか、一号項目、二号項目、三号、四号と、こうずっとありますな。いずれにしても、地方自治体から出てくるのは相当膨大なものが来ますよね。しかし、枠が決まっているんだから、したがって査定しなければならぬですね。ですから、プラスの方は、いわばその一号、二号、三号、この辺までは査定をしていくと。マイナスの方は一〇〇%ということはないんでしょうね。十欲しいというのは八に査定した。三引くのはまるまる引くということになると、総体的に、引かれる方だけ一〇〇%引かれる。この辺はどうなっているんですか。それで差し引きゼロというのじゃこれはどうにもならない。
  33. 矢野浩一郎

    ○政府委員(矢野浩一郎君) 減額項目につきましては、すべて一〇〇%引くというわけでもございません。たとえばギャンブル収入――公営競技収入でございますが、公営競技収入につきましては、全体の収益金の中から基準財政需要額の一定割合を引いて、それにさらにまた一定の割合を掛けて、これを差し引くというような方法をとっておるわけでございます。  なお、お示しのように、一号項目、二号項目、三号項目と、減額項目はいろいろあるわけでございますが、すべての項目を減額の対象にするわけではございませんので、たとえば災害であるとか干冷害であるとか、こういった項目につきましては差し引きの対象にしない。したがって、計算の過程におきましては、減額項目が引き切れずに、ただいま申し上げましたような災害であるとか干冷害とか、こういったようなものはそのまままるまる需要として残ると、こういうような結果になる団体も数多くあるわけでございます。
  34. 志苫裕

    ○志苫裕君 もうちょっと明確に答えてください。では、もっとずばり聞きましょう。第四号項目(3)期末勤勉手当、これはまるまる引くんですか。
  35. 矢野浩一郎

    ○政府委員(矢野浩一郎君) プラスアルファにつきましては、昭和五十四年度の特別交付税から一〇〇%を差し引くということにいたしております。ただ、この差し引きの対象にいたしますところのプラス項目、つまり財政需要の方は、すべての項目を対象として差し引くわけではございません。
  36. 志苫裕

    ○志苫裕君 何かわかったようなわからぬような話だが、一応きょうはお聞きするだけにしておきましょう。  千葉県が去年の九月に、プラスアルファを支給した団体に地方債の制裁措置を行おうとしたんですね。それで問題になりまして、結局は撤回されたんですが、これは自治省はどう関与したんですか。
  37. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 御承知のように、地方債の許可をいたします場合は、事業の緊急性とかその団体の財政状況あるいは将来の公債負担等を総合的に勘案して行っておるわけでございますが、千葉県においてもこういった考えのもとに地方債の許可を行っておるわけであって、プラスアルファ支給団体に対するいわば制裁措置として地方債の許可を制限したというようなことは聞いていないわけでございます。  千葉県においては、五十五年度の一部の地方債でございますが、その第一次配分に当たって、配分枠の関係もございまして、団体の財政状況を勘案する上で、プラスアルファを支給できる市町村については財政的に余裕があるという判断で、支給していない市町村に優先的に地方債を配分したということを聞いておりますが、これはやはり、プラスアルファの支給の有無というものはあくまでも財政状況を判断する際の一つの要素としたものだというふうに聞いておるわけでございます。したがいまして、一次配分にさらに追加配分がありました際は、大体要望どおり充当されておるというようなことでございますので、まあ事柄としても、そういったものが制裁措置としてとられるべきものでもないし、千葉県の考え方も、私どもに対する説明では、そういうことではなくて、いま申し上げたような趣旨だということを言っておるわけでございます。
  38. 志苫裕

    ○志苫裕君 結果はそうならなかったわけですし、いまの財政局長の答弁は了といたしますけれども、これはもってのほかですよ。もってのほかです。これは、美濃部委員もいらっしゃいますが、大体地方債について国がつべこべ言うことについても根本的に議論があるところへもってきて、これは国じゃなくて千葉県――どうも千葉県というのは余りいい県じゃないね、これ。ですが、これは自治省の一般的な指導助言の範囲でこういう間違いは正すようにしてもらいたい。  特に、これを読んでみますと、「五十五年六月支給の期末勤勉手当に超過支給を行った団体については、別紙計算のとおり減額配分とする。」と、こうぬけぬけと書いてあるわけですよ。地方債を何と心得るかという気持ちなんでしてね。恐らく県地方課あたりが考えたんでしょうが、まあ地方課は自治省の意向をそんたくしたんだと思うんだけれどもね。これは、明らかにこういう考え方は間違っておるのでありますから、今後そのような事態が出ないように、これは要望をしておきます。  財政関係で最後の一項目ですが、公共事業の内訳を見ますと、「その他公共(1)文教施設」というところが大幅に落ち込んで、その大幅に落ち込んでおるさらに内訳を見ると、国の方ががばっと減っている、それで地方財源がうんと持ち出しが多くなるという、地方財源の充当がうんと多いという内訳になって、全体としては落ち込んでおるわけですけれども、ここだけどうして特別に目をみはるような数字になっておるんですか、ことしのは。
  39. 矢野浩一郎

    ○政府委員(矢野浩一郎君) 御疑念はごもっともだと思います。いま御指摘になりました地財計画上の文教施設について、おっしゃいましたような形になっておりますのは、文教施設の中で、社会教育施設とかあるいは地方文化施設、体育館とか公民館とか、こういったものがあるわけでございますが、こういった国庫補助事業につきましては、もちろん補助率が設定をされておるわけでございます。従来は、その補助率に見合う額、たとえば三分の一の補助率であれば三分の二が地方負担であるという計算をして地方財政計画に計上をしておったわけでございますが、ただ、こういった社会教育施設や地方文化施設に係る国庫補助事業の補助率につきましては大変名目的でございまして、金額そのものが十億もかかるものに対して補助金が実際としては数千万といったようなものが多いわけでございます。したがって、結果的には一種の定額補助という形になっておるわけでございまして、これをもとにして、その補助率で計算をいたしますと、実際に要する地方負担よりも少なく計画上算定されるということになるわけでございます。そういう意味で、五十六年度の地方財政計画の策定に当たりましては、現実に即した地方負担額を推計をする、実際にこの程度標準的にはかかるであろうという経費を算定をいたしまして地方負担額を計算する、こういう方法をとったわけでございます。  国庫補助金そのものは前年より国の予算ではこれは減少しておるわけでございますが、ただいま申し上げましたように、名目的な補助率でなくて、実際にこれだけ地方負担がかかるだろう、標準的にやればこれだけの地方負担がかかるだろうというものを計算してこれを地方負担に含めたために、地方負担の方だけが、補助金が減ったにもかかわらず、ふえると、実はこういう結果になったわけでございますので、御了承を賜りたいと存じます。
  40. 志苫裕

    ○志苫裕君 それが御了承できぬから聞いておるわけですけれども、やっぱりこれは異常ですよ。一説によるというと、教科書の無償配付でずいぶんいろんなことがあって無理をしたものだから、そっちの方でがばっといっちゃったから、まあ江戸のかたきを長崎でとるというので、こっちの方をたたき切ったという説があるんですが、これはどうですか。それをあなた、つじつまの合うように合理的に説明してもだめですよ。その点はどうなんですか。
  41. 矢野浩一郎

    ○政府委員(矢野浩一郎君) 文教施設に関する補助金の額がどういう理由でそういった姿になったのか、去年よりも低くなっておるということにつきましては、私どもも詳しい点は承知しておりません。全般的な歳出抑制の基調の中でそういった姿が出てきたものかと思いますが、ただ、私が申し上げておりますのは、そういった補助の減少とは直接関係なく、やはり必要な地方負担というものを入れてまいりませんと、全体として地方財政計画の歳出額というものが正しい姿にならない。実態とかけ離れた姿になっていく。したがいまして、財源不足額なりあるいはこれに対する措置としても不十分な結果に終わってはいけないということから、ただいま申し上げましたように、単に名目的な補助率によって地方負担をはじくのではなくて、そういった定額補助的なものについては標準的に必要な金額というものを計算して含めたわけでございますので、そういう点では地方財政計画上としては、その目的に近づけるよう、われわれとしては努力をしたものと考えております。もちろん、これにつきましてはそれに必要な、地方負担に必要な財源措置、これはあわせて行うわけでございますので、地方財政運営上も支障は生じないものと考えておるところでございます。
  42. 志苫裕

    ○志苫裕君 いや、それは支障ないように全体合わしておるからそうなっておるのでしてね、国の方ががばっと減って、地方負担がうんとふえているということは数字で明らかですから、これは非常に異常だということだけは指摘をしておきたいと思います。  時間があれですから、財政問題はこれぐらいにはしょりまして、次に行革問題に入りますけれども、自治大臣はどうして国家公安委員長を兼任しているんですか。
  43. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) これは総理の任命でございますから、私にはわかりません。
  44. 志苫裕

    ○志苫裕君 それはそうだよ、あなた。総理が任命しなければなれるわけないので……。  私が、どうして自治大臣が国家公安委員長と兼任しておるのかと言うことは、どうして自治省と、まあ自治大臣とくっつけておるという何かその淵源みたいなものについて、皆さん考えたことはありませんか。どういう理由であなたは兼任をさせられておるのだろうかということを考えたことはありませんかと聞いている。やれと言ったからはいとモーニングを着て行ったことは間違いないだろうけれども、そうじゃなくて、そのことを考えたことはありませんかと聞いておるのです。
  45. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) 私、考えたことはありません。
  46. 志苫裕

    ○志苫裕君 これは後で警察の問題のときにちょっと関連をして提起しますが、私は、やっぱり内務省の名残じゃないかと思うのですね。内務省の名残だと思うんですよ。行政改革というのは、減らすふやすもさることながら、やっぱり旧来のそういう組織のあり方について考え方を変えるものは変えなきゃならぬということから行われるべきだと思うんですが、そういう点では若干問題のある仕掛けだということはこの機会に指摘をしておきたいんです。  そこで、この間自治法改正――事実上だめになりましたが、自治法改正の賛否はともかく、自治法改正の中には、機関委任事務に対して監査権を及ぼす、住民のコントロールができるようにするという内容がありました。そうなりますと、そもそも機関委任事務というものに対してどう考えておるのかということをこの機会に尋ねておきたいと思うんです。私はしばしば予算委員会、本委員会等で、自治法改正はやるのかと、行革が試されるときで、やるんだったらそれくらいなこと政治生命かけてでもやったらどうかというふうなことを言っておりました。けしかけているんだからさしずめ自治法改正には賛成なんだろうという理解だったと思うんですが、まあ賛否はともかく、問題点はあったと思うんです。それは、機関委任事務に対してどう考えるかということですね。監査権を及ぼそうということは、機関委任事務を前提としておることであります。前提としておるということは、いまあるからそうやるということなのか、あるいは、本来これは機関委任事務という仕掛けは積極的に評価すべきものであるというふうに考えたのかのどっちかだと思うのでありますけれども、この機関委任事務に対する評価、あわせて伝統的な事務配分論について、いわゆる神戸勧告の行政責任明確化論から今日は機能分担論に、これはただ名前が変わっているだけじゃなくて、内容的な状況の変化も含めての表現だろうと思うんですが、この機関委任事務に対する評価も含めて、いま私がお尋ねした点について、ちょっと見解を述べてくれませんかね。
  47. 砂子田隆

    ○政府委員(砂子田隆君) お話がございました機関委任事務に関しましては、一般に住民に密着する行政というのは、できる限り住民の身近なところで住民の意向を反映しながら執行するというのが、これが必要なことだと思っております、こういう観点に立ちまして、国の事務の中でも地域の実情に応じて行われる必要のある事務、こういう問題につきましては、国の事務でありましても、機関委任事務として、住民の身近な公共団体の長、特に公選をされた長の指揮監督の中において事務の執行が行われるというのが必要であろうと思っております。  もともと機関委任事務に関しましては、御案内のとおり地方制度調査会におきましても、あるいは第一次の臨調におきましても、いろいろな角度からこの機関委任事務が論ぜられてきておりますことは、私からいまさら申し上げることもないかと存じます。いずれにいたしましても、この機関委任事務というのは、むしろ地方の実態に合うように国の事務から地方の事務の方に移譲していくということがこれからの趨勢であろうと思っております。ただ、そういう趨勢にかかわらず機関委任事務の数というのは年々ふえてきていることも実態でございまして、国、地方公共団体がそれぞれ深い関心を有する事務がふえているということにもこれが起因をしているのではなかろうかという感じもいたします。  ただ、先ほど申し上げましたように、いろいろな形での法律の制定がございますが、今後ともやはり事務の性質等から見まして、公共団体の事務とすることが適切であるというものにつきましては、地方制度調査会等の検討などを待ちながら、あとうる限り地方の事務にするような方向でまいりたいというふうに考えております。
  48. 志苫裕

    ○志苫裕君 それは、この間もその種の答弁があったんですが、いまもう一度整理しますが、そうすると行政責任明確化論から機能分担論に表現の上では移行しておるんですね、自治省のさまざまな表現を見ますと。これは具体的にどこが違うんですか。
  49. 砂子田隆

    ○政府委員(砂子田隆君) もともと神戸勧告の責任明確化の議論と申しますのは、国の事務、市町村の事務、府県の事務、それぞれをそれぞれの立場において明確に事務を定めて、それに従って仕事をしていく。特に、第一義的には住民の身近なものは当然市町村でおやりなさい、それよりも広域的なものはそれは府県でやりなさい、残りの国の立場からどうしても画一的に、あるいは全国的に統一を要するという問題については、国の事務としてやりなさいという、そういう明確化の線に立ってやってきたわけであります。  そういう線にのっとってやってきましたが、なかなかこの事務の分類というのが、画一的に判断ができるということでもありませんでした。その中で、国と地方というのが、それではどういうふうに機能というものを分担をするか。事務というものを分けろと、事務を明確にしろといいましても、その仕事自体を明確にするというのが大変むずかしい。そこで、それぞれの国、地方における機能というものをどういうふうに考えるべきかというところから実は機能分担論というのが出てきたように考えております。  したがいまして、国というものがどういうふうな機能を持つべきものなのか。外交であるとか防衛であるとか運輸であるとか、そういう機能というのを国が持つべきである。それから、住民に身近ないろいろな行政を行う、細々としたものはむしろ公共団体がみずからやるという、そういう機能に変えるべきだという形からこの機能分担論が出てきているようにも思います。  ただ、どちらに機能を完全に分けましても、どうしても両方にまたがる機能というのはやはりあり得るものだとも考えておりまして、そういうところをこれから詰めていって、両方の機能がうまく分化できるようにしていくというのがこれからの行政の事務配分の必要な点だと思っております。
  50. 志苫裕

    ○志苫裕君 大臣、いまここで哲学論争をやっておってもしようがないんですが、この間、自治法改正をしようとして皆さん一生懸命に政府部内の調整に当たられた、結果的には不調だったようですが。その法律改正をしようとしたときの機関委任事務に対する考え方はどういう考え方だったんですか。――大臣。
  51. 砂子田隆

    ○政府委員(砂子田隆君) この間の地方自治法の改正に当たりましての機関委任事務に対する物の考え方というのは、一つは、御案内のとおり十七次なり十八次の地方制度調査会におきましていろいろ御議論がございました。先ほど申し上げましたように、少なくとも地方における住民の身近で行われている問題についてはやはり住民の身近なところで監視をするということが必要だということで、機関委任事務について監査をするということがまず必要だろう。それから、住民の代表である議会というのが存在する以上は、長だけが行っているというわけではなくて、やはりそういうものについて議会が住民を代表して監視をすべきだという観点に立ちまして、機関委任事務についての監視権なりあるいは監査権というものを強化をしよう、言うならば整備拡充をしようという前提に立って実は法改正の案を出したわけでございます。
  52. 志苫裕

    ○志苫裕君 いや、そのことはわかっているんですよ。私が聞いているのはちょっと違うんだな。機関委任事務がそこにある、これは現実ですね。だから、そこを踏まえて、いま行政局長答弁のような、いろいろ住民監視なりコントロールを効かせようという答弁、それはそれでいいんですが、そこにある機関委任事務そのものについては、何か考えがあったんですか。
  53. 砂子田隆

    ○政府委員(砂子田隆君) 一般的に機関委任事務、いま御案内のとおり地方自治法の別表の第三なり第四に相当多くの機関委任事務が掲載をされてございます。この機関委任事務の中で、少なくともやはり地方にもう移譲してもいいというものも相当あるはずだという考えはまず基本的にございます。それが何であるかというのは、これは五百二十二もこの項目がございますから、一々申し上げるのを差し控えたいと思いますが、そういう機関委任事務の中で、やはり本質的にはもう公共団体の事務として一向差し支えない、だから、議会なり監査委員が監査をするのは当然だという考え方がまず一つあろうと思います。  それから、先ほど申し上げましたように、そうでなくても、やはり知事が行っている、あるいは市町村長が行っているという事務に対して、住民が何らかの意味でそれを監視をしていくというのは、行政を執行するという意味の立場からいえば、何らかのそういう監査なり監視をしていくということは大変重要なことでもありますから、そういう観点から機関委任事務についての問題を提起いたしたわけでもございます。
  54. 志苫裕

    ○志苫裕君 これはいずれ行革で本格的な議論がなされるでしょう。  ところで大臣、自治省は、一つは自治省という国の機関です。と同時に、地方自治団体、地方公共団体のさまざまなことについて、自治権をできるだけ拡張できるようなことをやっておるわけですが、自治省という国の機関そのものにおける行政改革について、見直し項目は何ですか。
  55. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) 自治省それ自体に対する行政改革の構想は何かと、こういうお尋ねでございますが、私はそこはまだ詰めておりません。
  56. 志苫裕

    ○志苫裕君 そうすると、いまのところ国の機関の行政改革という分野で、自治省という国の機関の見直しには何ら着手しておらないということですか。
  57. 大嶋孝

    ○政府委員(大嶋孝君) 自治省として、特に最近いろいろ行政改革に関連をして問題になっておるといいますか、一般的に問題にされておりますいわゆる補助金の整理でありますとか、あるいは許認可事務の見直しというのがあろうかと思います。政府の方針が決まりますれば、自治省自身が持っております。そういう補助金なり、あるいは許認可事務の整理といったものにつきまして、その方針にのっとっていかなければならないということは当然であろうと思います。  補助金について申し上げますと、自治省で所管をしております補助金の大部分というものは地方公共団体に対するものでございます。そこで、その補助金の整理に当たりましては、その性格なり、あるいは補助効果なり、あるいは地方財政への影響といったものを十分考慮して対応する必要があろうと、こういうふうに考えておるところでございます。  許認可事務の整理につきましては、御案内のとおり昨年の十二月末に閣議決定を見ました「今後における行政改革の推進について」という中で、全省庁で今後二年間約一千件、これは許認可の事項数の約一割に当たるわけでございますが、これを整理するということを目途とされておるわけでございます。自治省といたしましてもこの閣議決定にのっとりまして、許認可等を設定をした当時の社会的な、あるいは経済的な背景、事情が変化をいたしまして現状では規定の必要は乏しい、あるいは許認可等が事実上空文化しておるといったものにつきましては廃止の方向で検討をしよう、さらに手続の簡素化等をあわせて検討をするということで現在各課で点検作業を実施中でございます。この作業が終了をしました時点で、関係省庁とも協議しながら検討を進めてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
  58. 志苫裕

    ○志苫裕君 大臣、これはいま検討中で、自治省が持っておる許認可とか、あるいは自治省自身が持っておる補助金とか、その他いま検討中だということですが、私は前の大臣にも言ったことがあるんですが、地方の時代、地方分権、地方財政の強化、そういう地方を強化をしていこうということは、国の機関である自治省を強化をしていこうということではない、勘違いせぬでくれということを意見を申し上げたんですが、ここでもやはりその意見は申し上げて、とかく地方自治体にとっては迷惑だと、重荷だと考えておる自治省の権限が私は多いと思うんです。きょうは個々には指摘をいたしませんけれども。そういう点について、ひとつこの機会でありますから、大いに見直し、検討をしてもらいたいということを要望を申し上げておきます。この点いかがですか。
  59. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) お尋ねの点が、自治省自体をどうするかというお尋ねだと思いましたので、私は先ほどその点については、私自身はまだ構想を固めているわけでもありませんし、問題として取り組んでいるわけでもないということをお答えしたわけです。いまのお話は、地方の時代であるから自治省というものをさらに強化すべきではないかというような話もいま承りましたが……。
  60. 志苫裕

    ○志苫裕君 いや、それはあべこべだ。
  61. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) また一面、地方の時代だからと、その逆のような話も聞いたわけですね。どちらが本当でございますか、はっきりいたしませんけれども、やはり自治省自体の将来のあり方というものについてどうするかということは、率直に言いまして、私、構想を固めておるわけでもありませんし、取り組んでおるわけでもありませんから、この際御答弁はいたしかねるわけです。
  62. 志苫裕

    ○志苫裕君 あなた、都合のいいように解釈するからだめなんでね。自治省を強化せいと言っているのじゃないんでね。自治省が重荷だと地方が考えている分野がたくさんあるんですね。よけいなことくちばしを入れたり、よけいなことを監督したり、よけいな許認可を持ったりしている部分だってないわけじゃないんだから、そういう部分について、大いに自分自身も見直してくださいよということを要望したんだ。自治省をこんなにでかくせいなんてだれも要望しやせぬ。その点いいですね。
  63. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) 私は、その点については若干異論がありますね。やっぱり自治省がいま本気に取り組んでおりまするのは、地方自治体の強化、地方自治体の権限の拡充、そういうことに全力を挙げているわけです。自治省が地方団体にとってはなはだ迷惑な存在であるなどということは私はないとこう考えておるわけでございます。したがって、権限縮小その他について考えることは私はいたさないつもりです。
  64. 志苫裕

    ○志苫裕君 それだと、長々とそれをやらなきゃいかぬけれどもね。いや、迷惑なところだっていっぱいあるんですよ。きょうこれをやっておる時間はないですから、それは要望しておきます。あなた、自治省にはもうこれっぽちも、許認可にしろ何にしろ見直すところはないなんと言ったら、これは鈴木総理は泣くと思うけれどもね。
  65. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) ちょっと誤解があるようでございますから。  先ほど大嶋君から申し上げたように、許認可の事柄とかあるいはその他の問題について、やはりもっと簡素化にしていい面は確かにあります。そういう点は私は是正すべきだろうと思います。ただ、自治省自体の機能の問題に触れますと、弱化の方向に持っていくなどということには私は賛成いたしかねると、こういうことでございます。
  66. 志苫裕

    ○志苫裕君 まあ、いずれやりましょう。  地方公務員がふえたふえた、多い多いというのが行革フィーバーの中でずいぶん言われておるんですが、ふえていることは事実でありまして、必要な部分がふえて詰めるべきところは詰めるということがあるのは至極健全なのでありましてね、何でもかんでも詰めておればよろしいというものでもないわけですが、いろいろと資料もいただきました。ちょっと記録のあれもありますので、改めて、地方公務員の増加状況、増減事由について、ごく簡潔に数字を述べてください。
  67. 宮尾盤

    ○政府委員(宮尾盤君) 地方公務員の数でございますが、沖繩分を除きまして、昭和五十五年四月一日現在で三百十三万一千人でございます。四十二年と比較をいたしますと、十三年間で八十万七千人増加をいたしております。  部門別にこれを見てみますと、教育、警察、消防という、われわれ特別行政部門と呼んでおりますが、そういう部門、それから福祉部門におきまして相当数増加をしておりまして、このトータルで六十四万二千人となっておりまして、全体の約八割を占めております。さらに、住民の生活に非常に密接な関係がございます公営企業関係の増加が六万九千人ほどでございまして、これは全体の約九%を占めております。したがいまして、いわゆる一般管理部門におきます増加というのは約一一%余というふうになっておるわけでございます。  それから、増加事由でございますが、増減の状況を、これは四十九年から五十五年――内容分析をする際に四十二年では少し明確な点がございませんので、四十九年から五十五年までの間においてそれを見てみますと、この間の増員は五十二万五千人でございますが、片方で減員をしておりますので、その減員分が二十一万五千人ございまして、差し引き三十一万人の増という状況になっております。  そこで、この五十二万五千の増の状況でございますが、法令等の制定によるものが十七万七千人、約三三・七%、施設の新増設によるものが約十二万人、二二・七%、業務増によるものが十八万一千人、約三四・五%、こういう状況になっております。  他方、先ほど申し上げましたように、減員の努力をしておるわけでございまして、二十一万五千人他方で減員を立てておるわけでございますが、その主なものは、事務の合理化等が十万三千人、約四七・七%、欠員不補充六万三千人、二九・三%といった状況になっております。
  68. 志苫裕

    ○志苫裕君 いまお話しのように、昭和四十二年から約八十万人、それの増減事由は、四十二年からの分はありませんが、四十九年からのやつをとってみますと、約三四%が法令等の制定だと、二三%が施設の新増設ということになっております。そこで、これは機関委任事務の推移を時間があればお伺いをしておきたかったのでありますけれども、いわゆる事務の増というものにかかわる一分野を示すと思うのでありますが、機関委任事務が制定当時の昭和二十七年から今日まで大変ふえておるということはもうすでに、ここでは数字を明らかにする時間はありませんが、そこで、法令等が変わればそれに基づいてそれを遵守をするために自治体は当然増員をしなきゃならぬ。施設がふえていけばそれに伴う人員等の配置基準というものがあるわけでありますから、これも自然にやっていかなきゃならぬ。業務の増一つ考えてみましても、最近における、たとえば土地問題、環境問題、その他さまざまな公共事業等の分野で膨大もなくふえていることも言うまでもないんですが、それぞれ説明がつくと言えば説明がつく。それを削るには、施設を減らすか、法令を削るか、配置基準を変えるか、仕事をやめるかというようなことでなければこれは処置のつかない問題です。  警察庁おいでですのでお伺いしますが、私がわかりませんのは、たとえば先ほど、ふえましたのが教育、警察、消防、福祉だと。教育は定員配置基準が変わるとか、あるいは学校に用務員を何人置くとか、あるいは何校につき給食婦を置くとかというようなことでそれぞれ説明はつきます。しかし、警察の職員の増というのは、ここで言う法令制定等の中には入るんですが、確かに地方自治体から見た場合に、警察法施行令のその数が変わってきますので、自治体から見ると、それは法令等の制定になるわけです。なるわけですが、その法令等はどういう根拠で決まったのかということになると、まるっきり自治体は関与もできないしわからないということになるわけですね。この点ひとつ、警察職員の増加事由と政令定数の決め方というのは、どんな手続で決めていくのかを御説明願いたい。
  69. 金澤昭雄

    ○政府委員(金澤昭雄君) 警察官の政令定員の決め方でございますが、警察法によりまして、各都道府県の人口、面積、犯罪発生件数、交通事故、その他特殊事情を勘案して政令で基準を定めまして、その基準に従って各都道府県で条例で定めると、こういうふうになっておるわけでございます。  その政令基準の定め方でございますが、いま言いました人口、犯罪、その他を中心といたしまして、各都道府県ごとの治安のバランスというものを見てみるわけでございます。具体的に人口が何%の数字になってあらわれるか、また、犯罪発生の件数がどのくらいの数字になって警察官の数にはね返るかという具体的な数字の出し方につきましては、これは数字的に申し上げるのは非常にむずかしいわけでございます。そもそも昔からの警察官の配置という根っこの数に、その上に情勢の変化というものを勘案して決めるというのが定め方でございますので、数字的にあらわしますのは非常にむずかしいわけでございますが、そのときそのときの情勢、人口の伸び、犯罪の状況、そういったものを勘案して決めておると、こういうことでございます。
  70. 志苫裕

    ○志苫裕君 ですから、たとえば警察官の増員、これが絶対数が多いのか少ないのか、私には判断基準ないんですよ。だから私は聞いているんですけどね。たとえば昭和四十年から五十五年まで都道府県職員は伸び率一二六です。ところが警察官は一四四ですね。非常に伸びは大きいわけ。それだけ交通がふくそうをしてきたとか、事故が多いとか、犯罪が出てきたとか、爆弾が飛ぶとか、いろんなことがあったのかしれませんけれども、いま官房長の説明のように、たとえば病院が一つできたからベッドが幾ら、したがって四対一で看護婦幾らと、こうはなっていないですね、警察の方だけは。ですから、結果は法令で示されるから、法令制度の改廃と、こう言うけれども、それはそれではどうやって決めるのかということになると、依然として、あなたの説明を聞いてもわからない。
  71. 金澤昭雄

    ○政府委員(金澤昭雄君) いままでふえてまいりました内容の大部分は、たとえば外勤警察官でございます。四十年からの分で一番ふえておりますのは外勤ですが、たとえば四十一年から四十三年までの外勤警察官三ヵ年増員計画というものが実施されました。この際行われましたのは、当時外勤警察官が二交代制の勤務体制でございました。それを三交代制にするということで、全国的に一万八千人の外勤警察官をふやそうと、こういうことで、これはそういった一つの方針のもとに数を策定して増員をしたということでございます。また、最近行われております、特に一番最近行われております五十六年度の増員では、外勤警察官が中心でございますが、これは最近の人口の移動の状況、特に団地の対策、これが外勤警察官の増員の主な理由でございます。  たとえて申しますと、外勤警察官を増員する場合の一つの対象として、千世帯以上の団地、これが誕生しました場合にそこが増員の対象になる。その場合に、警察官一人当たりの負担が五百世帯以上と、こういったことで計算をしまして策定をすると、こういうことになってございます。
  72. 志苫裕

    ○志苫裕君 そうすると、いま言う団地なら、一人当たりに五百とかなんとかということで、一応の客観的な基準というものはあるんですね。定数をはじいていく客観的な基準というのですか、それ、あったらお示し願えませんかな。
  73. 金澤昭雄

    ○政府委員(金澤昭雄君) 新しく増員を積み上げる場合には、そういった客観的な基準に基づいて策定をしておりますが、警察官全体の数になりますと、いままでにずっと積み上げてまいりました根っこの数字がございます。そういった根っこの数字は、これは人口の過疎過密というような問題で、ふえた分は増員で対処いたしますけれども、減った分については削減ということになかなかまいらない、これが治安の一つの特徴であろうかと思います。そういった意味で、全般的に見ますとなかなか客観的な基準でずばり申し上げにくいというのが実情でございます。
  74. 志苫裕

    ○志苫裕君 まあこれ、便宜皆さんから分けてもらったんだが、警察の仕事を刑事、防犯・保安、交通、警備、外勤、管区機動隊、新東京国際空港警備と、こういう分け方していますが、いままるっきりわからぬのは、たとえばそれぞれの都道府県に配当をした警察官、警察職員から管区へ何名ずつ供出せいとか、あるいは機動隊に何名編成せいとか、機動隊というのは、機動隊設置運用基準要綱で見ますと、一朝事あるときに要るんだが、日ごろは外勤でもなし、防犯でもなし、もっぱら演習をしておるわけでしょう。だからそれは事がなければ用事がないという人ですがね、率直に言いまして。そういうことを考えると、たとえばそういうものにどれだけ割くかとかというような基準はどこが持っておるのですか、これは。
  75. 金澤昭雄

    ○政府委員(金澤昭雄君) いまお話が出ました機動隊でございますが、機動隊は、お話しがありましたように、各県の定員の基準というものを私の方から示しまして、それで各都道府県の警察本部長が定員を定めると、こういうことでやっておるわけでございます。  また、ちょっと敷衍いたしますが、機動隊、これは最近表立った警備実施というようなものは余りございませんが、その分内面的な警備、警戒、特にゲリラに対する警戒、警備というものは非常に神経を使ってやっておるわけでございます。それと同時に、機動隊は警察万般にわたりまして多角的に使用しておるという状況でございます。特に、最近の暴走族の取り締まりあたりにつきましては、もう機動隊の取り締まり体制がなければとても執行ができない、こういう状況になっておりますので、非常に多角的に使用しておるということをひとつ御理解をいただきたいと存じます。  それと、部門別の警察官の振り分けの問題でございますが、これは都道府県の警察本部長が各部門の警察官の数を決めて訓令で配置をすると、こういうことにしておりますが、もちろんその部門の数というものは私の方でも把握しておりますので、それをもとにして増員の策定というものを行っておると、こういう状況でございます。
  76. 志苫裕

    ○志苫裕君 機動隊を例にとりますが、私、皆さんの方から「都道府県警察官部門別増員推移」というのをいただきまして、三十五年に刑事が七百五十名、以下ずっとこうあります。防犯・保安、交通、警備、外勤、こうなっていますが、たとえば機動隊設置運用基準要綱で言うところの機動隊というのは、このうちのどこに入るんですか。刑事から二名とか、防犯・保安から五名とかというふうにして抜くんですか、これは。散らばっておるんですか。
  77. 金澤昭雄

    ○政府委員(金澤昭雄君) 差し上げました資料では、四十五年のところに四千二百十名、これが管区機動隊でございます。たまたま機動隊の増員が差し上げました表のときにはございませんで、管区機動隊が四十五年に増員が行われておると、こういうことでございます。
  78. 志苫裕

    ○志苫裕君 そうすると、三十五年以降機動隊というものは増員がないと……。
  79. 金澤昭雄

    ○政府委員(金澤昭雄君) お答えいたします。  この表では、四十年から四十五年に飛んでおりますので、その四十五年の前は五年刻みの表になっております。したがいまして、詳しく申し上げますと、四十三年に機動隊千五百の増員がありました。その後四十四年に機動隊二千五百の増員がございました。その後はその表にありますように、四十五年に管区機動隊の四千二百十名と、こういう状況でございます。
  80. 志苫裕

    ○志苫裕君 時間がなくなりまして、通産とILO関係でおいで願った方、済みません、また次の機会に。まことに恐縮です。  そうすると、たとえば機動隊設置運用基準要綱によりますと、機動隊の都道府県警察ごとの予算、人員の基準は別に定めるとなっていますね。これはお示しいただけるんですか、われわれに。
  81. 金澤昭雄

    ○政府委員(金澤昭雄君) これは次長通達で、国が基準を定めるということにしてありまして、その後局長の通達で、各県ごとの機動隊の定員の基準を定めて内部的にやっております。それを受けまして、各県では警察本部長が訓令で定めるということにしてございます。
  82. 志苫裕

    ○志苫裕君 そうすると、たとえば部内の、警視庁なら警視庁にかかわる東京都公安委員会規則を見ますと、課とか部とか隊とか署とか、こういうところのは総監が決めると。ですから、都道府県の場合は都道府県の本部長が決めるということなんでしょうね。それは絶えず動くわけですね。あるときには署にいた分が隊に回るとか、隊にいた分が課に行くとかということで、そのときの状況に応じて、これはもう知能犯が出たからそっちの方を強化しようとか、いろいろなことをやるんだろうと思うんですね。そうしますと、一番最初に私が提起しましたように、ことしは交通で五百名ふやしたい、知能犯が出てきたからそっちのほうで三十名ふやしたいというふうに、増減事由はそのときには説明になるが、翌年事情は変わっておる、三年後には事情が変わっておるということがあるわけですね。これはどうなんです。
  83. 金澤昭雄

    ○政府委員(金澤昭雄君) 部門別の警察官の配置の状況は、いまお話がありましたように、そのときそのときの情勢によって弾力的に運用がされておるわけでございます。たとえば警察署の定員というものは、これは署長に各係別の定員の運用というのは任せてございます。また、小さな警察署になりますと、一人で防犯とか少年とか捜査とかというような、そういったものを兼務しておる場合もございます。そういったことで、全国的に見ますと、なかなか部門別が一体その時点その時点どうであるかというのをとらえることは非常にむずかしいわけでございますが、先ほど申しましたように、ある一つの時点をとらえて私どもの方は把握をしております。その把握をもとにして増員の策定をすると、こういうことでございます。
  84. 志苫裕

    ○志苫裕君 ちょっと私の時間配分が下手で、この問題はずいぶんたくさん残ってしまいましたが、いずれの機会にこれはやらしてもらいます。  最後に、刑事局長もおいでのようですから、項目だけ申し上げて御答弁をいただきますが、一つは例の早稲田、去年は入試のことで騒ぎになりました。あれは学校の入り口のところに問題があったわけね。年を越してことしになったら、出口のところで問題になったわけですね。ところが入り口と出口はつながっておったと、結果的に言いますとね。人脈も大体似たようなのがかかわっていたわけです。素人流に考えますと、入り口に手をつけた去年、あの段階でもう少ししっかりやっておれば、一年後の出口のことも全部道がついていたのじゃないかということがどうしても不思議でならないですね。私、世界に冠たる日本の警察にしては何をやっておるんだという感じがするんです。そこへさまざまな思惑が入りましてね、うわさは飛んでいます。いや、KDDが出て来たのでみんなそっちへ行ってこっちを空にしたとか、あるいは、奇妙な政治家がくちばしを入れたのでやめたとかね。まあこれは週刊誌ものですから質問のテーマじゃありませんが。なぜ入り口を――入り口というのは入試ですね。それの事件のときに、いわば成績改ざん等の出口の問題までたどりつけなかったのかというのが疑問だということが一つです。  もう一点、通告しなかったかもしれませんが、敦賀原電の事故に対しまして、これは捜査当局はどう対応していますか。――済みません、これ、通告していなかったので悪いが、告発をするかしないかというので通産省はすったもんだの結果が、結局まあ告発はやめたということを言っているんですが、しかしそれとは別に、捜査当局は、これが事件として、法違反として立件できるものであれば当然手をうけなけりゃなりません、一方では告発もあるようだけれども。この二つの問題をきょうは答えていただけませんか。
  85. 中平和水

    ○政府委員(中平和水君) まず、早稲田大学の問題でございますが、先生御案内のように、私どもはこれは犯罪捜査機関でございますから、事実はやっぱり証拠によって立証してまいると、こういうことで、おのずから捜査にはこれは限界があるわけでございます。昨年の問題につきましても、非常に社会的な反響の大きい事件であっただけに、私どもとしては、一方において厳正な対処の仕方をする。もう一つは、これは事柄が教育の場の問題でございますので、やっぱり当該大学の自浄能力といいますか、そういうものに一面において期待しつつ、したがって、捜査の過程で犯罪事実以外の事実についても早稲田大学当局とできるだけ連絡をとりながら事案の真相の解明に当たると、こういう対処方針でまいりまして、昨年は、要するに先ほど先生が入り口とおっしゃったわけでありますが、入試の不正の問題について四名の者を逮捕し、現在すでに起訴になり第一審の判決もおりていると、こういう状況になっております。  確かにあのときに、事件はこれは窃盗事件でございますが、社会的な関心を呼んだのは、むしろもっと組織ぐるみのものがあったのじゃないか、あるいは金がたくさん動いているのじゃないかと、こういうようなことがあったわけですが、現実には、あの場合も四千数百万の金が動いておりますが、これは私立大学でございますから犯罪にはなりません。したがって、犯罪の背景の部分として私どもは東京地方検察庁に送検をし、そういうことを踏まえた、窃盗罪としてはかなり重い第一審の判決も出ていると、こういう状況でございます。  さて、では、去年しっかりやっておったのであればことしは出ないはずではないかと、こういう問題でございますが、昨年の捜査の過程では、なるほど四名の立件した以外の者について、相当多数の者の事情を聞いたわけでございます。しかしながら、これはやはりことし出てまいりましたような、さらに原簿の偽造のようなものがある、こういう事実につきましては、これは関係者の供述あるいは押収した証拠資料あるいは大学当局からの話、そういうものからは一切出てまいっていなかったと、こういうことでございます。しかし、いろいろと問題があるということは十分わかったわけでございますから、大学におきましては一年間かかって、昭和四十六年から昭和五十三年までの入試の答案を一切調べているわけでございます。調べた結果、どうも中に筆跡の符合する者がある、しかも上位の点数の合格者の中にどうもそういう者がある、これはおかしいということで、さらにその者の入学後の成績を調べる、そういうことで、大学で原簿にまた一つ一つ当たってまいる。そうやってまいりますと、やっぱりそこにまた同じ筆跡のものが出てまいって、どうも職員が関与していると、こういうことで今回の事件がわかってまいったわけでございまして、したがいまして、むしろ去年の捜査の反省を踏まえて、大学当局が一年間かかって相当広範に長期に調べてその結果出てまいった、それを私どもに連絡があり、今回さらにまた九名の者につきまして原簿の偽造の問題で刑事責任の追及をしてまいりますし、大学当局ではさらにすでに時効等にかかっております卒業生等につきましてはそれなりの厳正な処分をしたと、こういうことでございます。  したがいまして、私ども、繰り返しになりますが、そういう過程を経て昨年、ことしに事件が解明されたわけでございまして、ただいま御疑念のございましたような、捜査の途中でいろいろと圧力が加わったとかそういう問題は一切ございません。私どもは厳正に処理をいたしたと、こういうつもりでございます。  それから、敦賀原電の問題でございますが、実は、これは私どもの刑事局で処理をいたしておりませんので、保安部長の所管のもとでやっておりますので、私の方からただいま責任のある御答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
  86. 亀長友義

    ○委員長(亀長友義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時十三分休憩      ―――――・―――――    午後一時六分開会
  87. 亀長友義

    ○委員長(亀長友義君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  88. 大川清幸

    ○大川清幸君 初めに、五十五年度の地方交付税関係の財政計画の中で、特に特徴的な問題としては、歳入の規模が総額で前年比で一六・五%伸びていますね。それで歳出の方は七・三でほぼ前年と同じ程度なんで、これは前にも一般質問のときにちょっと論議をしたことがあるんですが、大変歳入の伸びの規模が大きいことが特徴的だろうと思うんです、歳出の方に比べると約二倍ですから。これは、このように高く見積もった根拠はどういうことですか。
  89. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 五十五年度の税収見込みにつきましては、この実際の見積もり作業をいたしましたのは五十四年の十二月時点でございますが、その時点におきます五十四年度、すなわち前年度である五十四年度の地方税収の実績見込額、その時点までに把握できました実績見込額をベースに置きまして、五十五年度における所得、個人所得あるいは法人所得の伸び等については、これは国税の方の所得税や法人税の収入見込みのデータを用いまして推計をする、さらに、五十五年度の政府の経済見通しを用いまして消費の伸びあるいは取引件数の伸び等を推計するというふうなこと、それからまた、現在積算基礎に用いております建築統計月報、その他各種の統計でその時点における最新のものを用いまして税収の見積もりを行った結果、前年度対比で一六・五%程度の伸びが期待できると、このように見込んだところでございます。
  90. 大川清幸

    ○大川清幸君 トータルというか、マクロ的に言うと一六・五ということになったんだと思うんですけれども、特に、自然増収その他、要素としては何が大きかったんですか。
  91. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 税目別に見まして、前年対比で特に伸びを大きく見込んだものについて申しますと、法人税割あるいは法人事業税――これは道府県、市町村を通じまして法人税割、それから法人事業税、そのほかでは事業所税あるいは都市計画税、こういったものが比較的伸び率としては高くなっております。
  92. 大川清幸

    ○大川清幸君 そこで、この間も五十五年度補正で五十六年度へ繰り越しをたしか二千五百数十億やったりしているので、税収の実績からいうとほぼバランスがとれる形になるのかなと私は思っておったんですけれども、実は五十五年度の税収見込み、これが二月の実績等を踏まえて見ますと、何か四千億程度予算より税収が下回るということになって、これは実績上そうなるわけで、さらに五月八日ごろの各新聞の報道等にも明らかでございますが、三月も引き続き不振で、税収不足がどうも四千五百億を大きく上回って七千億円前後になるのではなかろうかと、こういうようなことになっておりますが、これは、大蔵省さんきょう見えていると思うんですが、この税収の実績についてはこの見通しのとおりでしょうか、いかがでしょう。
  93. 源氏田重義

    ○説明員(源氏田重義君) 昭和五十五年度の税収がどうなるかという御質問でございますけれども、税収の推移を見てみますと、これまでのところ判明しております三月末の収入状況は、進捗割合では八一・三%、それから前年対比の伸び率では一一・四%となっております。補正後の予算の伸び率は一四・四%というふうになっておりますので、確かに若干の差があるわけでございますけれども、これは今後どういうふうになるかということにつきましては、実は法人税がまだ三月末では六五%しか入っておりません。先生御承知のとおり、三月決算法人というのは非常に多うございまして、これがこれから四月、五月と入ってまいりますので、このウエートが相当高いものでございますから、これを見ませんとどういうふうになるかということをいま確たることを申し上げるわけにはいかないという状況でございます。
  94. 大川清幸

    ○大川清幸君 確かに納税の期限で言うと、五月末にならないと実際入ってくる金額というか、キャッシュそのものについては判断できないということ、事務上そういうことが言えるんだと思うんですが、ただ三月決算、これは年度終わりということになりますね。そこでやっぱり課税金額等は明確になっているので、税収そのもののやっぱりトータルの見込みというのははっきり出るのじゃないですか、どうですか。
  95. 源氏田重義

    ○説明員(源氏田重義君) 三月決算法人の申告がまだ出てきておりませんものですから、実は課税金額が幾らになるかということもよくわかりません。それで、ことしは五月三十一日が日曜日なものですから、六月一日までは入ることになっております。
  96. 大川清幸

    ○大川清幸君 わかりました。  そこで、最終的には納付期限等の問題もございますので明確な数字の見通しがつかないことはわかりますけれども、ただいま質問をした趣旨にのっとって考えてみると、とにかく七千億の税収不足になるかどうかはとにかくとして、とにかく四千億円ぐらいのところはどうも落ち込んできそうな気がするわけですわ。これは交付税関連の国税三税の落ち込みについてもこれがどの程度になるか御説明がいただけますか。これ、わかりませんかな。
  97. 源氏田重義

    ○説明員(源氏田重義君) ただいま、税収全体について進捗率が八一%とか、全体の伸び率を一一・四%というふうに申し上げましたけれども、三税につきましても、確かに前年度と比べて伸び率が若干低めのものもあるわけでございますが、三税となりますと、ますます法人税のウエートが高いものでございますから、これが最終的にどれぐらいになるかという見通しをただいま述べるような段階ではないのじゃないかというふうに思いますので、ひとつ御勘弁いただきたいと思います。
  98. 大川清幸

    ○大川清幸君 それではこの方も、今度は自治省の方ではこれも明確な答弁はいただけないことになるだろうと思うんですが、先ほど御説明のあった、やはり伸び率を見たときの大きなものというと御説明があったとおりだと思うんですが、とりわけ、やはり道府県、それから市町村、いずれも普通税の中の法人所得割、これ一二九・三、道府県ですね、それから市町村の方は同じく一二八・八、こういうような伸びで見込んでおりますね。これは実績的に言うとほぼこの程度になるんですか。いまの落ち込みを推測した場合には、これはどの程度になりますか。
  99. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 国税の場合と地方税の場合では、法人関係税の三月期決算の所属年度が違いますので、言うなれば地方税の方が早く勝負がつくというか、早く見通しがつくわけでございます。  そこで、この三月末の道府県税の収納実績から推定いたしますとかなり正確な年度間の推計ができると思うのでございますが、それによって各税目ごとの最終収入見込みを推定いたしてみますと、法人関係税と自動車関係税につきましては、地方財政計画の収入見込みを若干下回ることになるのではないかと見ております。しかし一方、個人住民税と電気税などを中心に一部の税目では地方財政計画の収入見込みをかなり上回ることはもう実績上ほぼ明らかになってきております。そうして、税収全体として見ますというと、地方財政計画上見込んだ額は十分確保し得ると、このように考えております。まあ若干の増収になるのではないかと、このように見込んでおります。
  100. 大川清幸

    ○大川清幸君 そこで、交付税の運用面についてちょっとお伺いをいたしておきたいんですが、先般の質疑でも、美濃部委員とのやりとりで、東京都等、不交付団体でも決して富裕団体ではないというようなお話がありましたから、この辺については論議はしないことにいたしますけれども、実際に地方交付税の状況を見ますと、前にも一回お伺いしたことがあるかもしれませんが、都道府県レベルで言うと不交付団体は東京都のみ、それから市町村は三千数百団体ある中でほぼ毎年五十団体前後が不交付団体、こういうような実情になっておりまして、それは交付税の割り振りの技術から言えば、交付税率の問題がどうかということだけで、そういう枠内の論議になるんですが、そうではなくて、地方財政計画そのものの中で論ずる場合には、やはり税源配分や交付税の額の問題等を配慮して判断をしてみなきゃならないということになりますので、いまのような状態で不交付団体が少ないということは、いわゆる国の考えている標準的な行政、これができない状態であるというふうな解釈もできるわけですね。要するに、地方税とか税源配分その他を含めて考えるとですよ。交付税の不交付団体が少ないということは、やっぱり標準的な事業を主に自主財源等に頼ってやるような態勢になっていないということだから、この点についてはやはり何らかその事務配分、前からずっと論議されていますけれども、税源配分等も含めて考え直してみる必要がある問題であろう、こう思っておるわけですが、いかがですか。
  101. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 地方団体が標準的な水準において行うべき行政については、私どもとしてはそれなりに財源措置はできておると思っておるわけでございますが、そういった財源措置の中で、交付税というものが財源調整と財源の保障という意味で的確な働きをしておると思っておりますけれども、全般的にそういう中で不交付団体が少ないということは、標準的に行います行政経費に比べまして、総じて地方税収入が少ないということに起因しているんだということは言えると思うのでございます。したがいまして、余りにも税目で地域的な偏在を助長するようなことは、これはなかなか問題があると思いますけれども、おっしゃいますように、全体として私どもは地方税がもう少しやはり充実強化をされるという方向であるべきであるし、そういう中で交付税は交付税としての役割りを果たすということが必要だと思っております。  そういう意味で、おっしゃいますように国と地方との機能分担に応じてそれぞれの事務配分というものを的確に行って、それに対応する地方税なり、あるいはまた補完的な交付税なりの制度というものをはっきりさすべきであろうというふうに考えます。
  102. 大川清幸

    ○大川清幸君 そこで、この交付税制度の中で一番問題なのは、午前中もちょっと論議があって、大変巧みな御答弁があったようでございますけれども、この財源不足の補充の方法ですね、これは特定されたものが全くなくて、場当たり的という言葉は余りよくないかもしれませんが、不足分についての補充の方法、これは後の方で少し触れますけれども、そのときそのときとにかくバランスをとるようなかっこうでやっておるので、いわゆる不足額の補充分についてはノンルール的なところがあるわけですな。大蔵省との折衝その他もいろいろあるものだから、現実的な財源を踏まえるとこういうことにならざるを得ないんでしょうけれども、何かもう少しルール的なものを確定をした上で技術的にこうした方法をとることができないんだろうか。ということは、御承知のとおりこれ昭和五十年から五十六年度までずっと見ますと、やはり、毎年度分の交付すべき普通交付税の総額と財源不足額との割合見ると、これ、いつも論議されるんですが、交付税法第六条の三の二、これにはパーセンテージで完全にひっかかっているわけですわ、毎年。しかも手直しはされない。まあ五十六年度についても大蔵大臣とさんざんパーセンテージのアップについては論議をなさったそうで、御努力をなさっていることは伺っていますから、それなりに自治省側の努力は私は評価はいたしますけれども、こういう何か決め手がないものだから、大蔵省とせっかく折衝してもいつも結論が出ないでだらだらいくというようなことになっているんじゃなかろうか。その辺で一工夫できないものだろうかと思うんですが、いかがですか。名案はないかな、やっぱり。
  103. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 御指摘のとおり、五十年度以降地方財政は大変大幅な収支の不均衡の状態にあるわけでございまして、そういった点についてちゃんとしたルールを見つけていくべきだという点につきましては、むしろ、交付税法六条の三第二項の規定があるわけでございますから、根本的な基本的な解決策というのがやはり求められるべきものだし、その意味で私どもも努力をしてまいったわけでございます。  しかしながら、これまた御承知のとおりのことでございますが、国、地方を通じて非常に大幅な財政収支の不均衡、極度に財政が悪化しているという状況でございます。そういった中で、しかもまだ将来の経済情勢等もなかなか不透明である中で、国と地方との財源配分の基本的な法則、方法であります交付税率を一挙に変えるということはなかなかできにくい。そういった状況でございましたために、何らかの手段でそれぞれの年度の財源補てんをするといったような形にならざるを得なかった。そういった形の中でも何かきちんとしたルールがあってしかるべきではないかということでございますけれども、やはり毎年毎年与件が違う。経済情勢も違うし、あるいはまた国、地方の財政の状況も違うし、そのときどきに国なり地方の財政に求められる役割りというのもいろいろな変動があるわけでございますので、やはり具体的にそういった事情を背景にして、どういう形で補てんをしたらいいかということは、その場でやっぱり考えざるを得なかった。それはやっぱりある意味ではそれぞれの年が暫定的だったからだとこう言わざるを得ないわけではございますが、そういう中で一定のルールをつくるというのは、これはやっぱりなかなかむずかしい、また現実的でもないということでございますので、実態上御承知のような形で補てんをやってまいりました。  まず財源対策債と交付税の特別会計における借り入れという似たようなパターンできておることも事実でございますが、そのルールは必ずしも一定の比率でなきゃならぬということはございません。やはり財源不足の状況なり全体の仕事の進め方等を考えてやっておるわけでございまして、私どもとしては、まあ最もこれが現実的で適切であろうという、与えられた条件の中でのことでございますけれども、そういうものを見出してきておるわけでございます。  ただ、そういったいわば場当たり的なやり方ではないかという御指摘については、私どもはそうでないようにしたいわけでございますが、やっぱり暫定的な状況で今日推移しておることは認めざるを得ないわけでございまして、しかし、こういった形でいつまでも続くということがいいと思っておりませんし、その意味で国、地方を通じていま行政改革等を含めて財政の再建に取り組んできておるところでございます。そういった中で、補助金その他いろいろなものも見直しがされると思います。そういった中で国と地方との機能分担に応じた仕事、役割りというものが決まって、それに対応する財源措置がきちんとできて、まあこういった形でその場その場暫定的に処理をしていくような形態というのが早く解決されるということを期待もするし、また私どもも努力をしなきゃならぬというふうに考えております。
  104. 大川清幸

    ○大川清幸君 そこで、いまは運用面で国の側のことについてお伺いをしたんですが、この交付税を受ける地方公共団体側の方ですけれども、いま御説明があったように、臨時特例交付金とかあるいは資金運用部資金からの借り入れ等、こういうようなものでバランスをとってきて財政措置をしているわけですけれども、五十六年度も、ずっと御説明がありましたように、借入金の返還分の一千九百十億円、これの償還繰り延べですとか、そのほか利差臨特の関係の千百三十億、これ五十一年から五十五年までですか、それから六億が五十六年度、こういうようなものを取りやめて借り入れの肩がわりをさせるというようなことですね。まあこういうようなことで五十六年度の財政計画は不足分を補てんをしたことになっておって、大臣の御説明でも巨額の財源不足についてはこれを完全に補てんすることにした云々と言っていますが、この補てんの仕方から言うといろいろ問題が残っていまして、完全に補てんしたという御説明ではちょっと実情からいうと不十分ではなかろうかと思うんです。  それはそれとして、やはりこの地方交付税をめぐる問題としては、やり方はとにかくとして、どうも自治省側の方でバランスをとって不足額を補てんしてしまうということだから、地方公共団体あるいは地方六団体等からいつも交付税率のアップだ、その他の税源配分の充実だというようなことをいろいろ言ってはきていますけれども、実際には、財政運営土地方公共団体側で健全財政の努力をするような、何といいますか、機能、それが習慣でなれてしまったというか、地方交付税の仕組みの中で自覚が持てないような運営というか、そんなことになっているのじゃなかろうかと、こんなように思うんですけれどもね。  これは、この制度そのものをどうするかという問題になると大変技術的にはむずかしい問題なんですが、やはり地方の自主権の確立とか財政の健全化とか、そういう点から考えますと、何か、これで行政指導なんかを加味するわけにはいかないんですけれども、地方公共団体が自主的に財政のことについてもう少し自覚を持っていただけるような仕組みというようにはならないんだろうか。一面から言えば、大蔵省と自治省の方の折衝でも、六条の絡みについてもだらだら慣習で来ちゃったということもあるが、今度は国と地方公共団体側を考えると、まあどうせ埋めてくれるんだからいいだろうというようなことになっておって、何かそういう惰性みたいな財政運営に地方公共団体の方もどっぷりつかっちゃって、目が覚めないというような感じがするんですけれども、何か方法はないんですかな、これは。
  105. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 従来から、地方財政の収支見通しを毎年立てます過程で見込まれた財源不足に対しましては、その年度の対策としては完全な補てんの措置を講じてきておるわけでございます。そういうことで、総体としての地方財政の運営に支障が生じないように、地方財政計画の策定を通じまして、私どもとして配意をしてきておるわけでございます。その結果、表面上は財源不足とはなっていない状況になっておるわけでございますけれども、御指摘のございましたように、補てん措置の中心となっておりますのは地方債の増発、いわゆる財源対策債と、それから地方団体の、まあいわば共同の借金とも言うべき交付税特別会計の借入金ということでございますから、内幕は容易ではないわけでございます。したがいまして、地方団体に対してもこれらの累積した地方債なり、あるいは借入金の膨大な償還が見込まれる厳しい財政状況下にあるということを深く認識をしていただいて、健全な財政運営に努めるように、たびたび機会を見て注意を促してきたところでございます。  全般的に見て、地方団体の方でもそれなりに行政改革にも取り組んでおりますし、経費の節減なり合理化ということにもかなり努力をしてきております。いろんな面で、それは指標としてもあらわれてきておると私どもは考えておるわけでございまして、自主的な健全化の努力が不足しておるとは私は考えていません。しかしながら、おっしゃいますように、表面的にそういった措置で全部済んでおるということでまあ何とかなっていくんだというやや軽い気持ちになるような団体があるとすればそれはまことに遺憾なことでございまして、そういうところは今後十分な自覚を持って財政の健全化に取り組んでいただきたいと思っておるわけでございます。  私どもとしては、先ほどからるる申し上げましたように、基本的に財政構造の仕組みそのものを健全化していくという努力を厳しい中でも進めていかなければなりませんが、やはり私どもが講ずる手段というものを何でもかんでも強制的に地方に押しつけるということではなくて、やはりそういった自主財源の強化ということを通じて、その中で地方団体自身が自覚を持って取り組んでいただく、そういうことによって体質を改善し、財政の再建をされると、これが基本だと思っておりますし、やはり自主性の高い財政運営を行っていくようにしなきゃならぬと思っています。その意味で、私どもとしては、むずかしいことではございますが、地方一般財源の充実を何としてでも図っていかなきゃならぬというふうに考えておるわけでございまして、地方団体と一緒になって改善を進めるべく努力をしなければならぬと思っております。
  106. 大川清幸

    ○大川清幸君 次に、先ほど税収等の状況はお伺いをしたわけですが、たとえば東京都なんかでは、御承知のとおり財政再建を一生懸命やっておりまして、人員削減等も、いろいろ論議があるところですが、それなりに努力をして財政再建のめどがついてきたようです。それでも試算によると、五十四年度で一般会計で約六百億円程度の赤字、それから五十五年度で東京都の財源超過、いわゆるロス額、これがどうも五百七十六億ぐらいふえて千四百二十七億ぐらいになるそうです、聞いてみると。  これは不交付団体だからロス額だの何だの試算をして、いろいろ取れば取れるものはこれだけあるのにえらい損害だというような論議ができるんですが、交付団体の方はいろいろ国との関係もあるのでそういう試算をして文句を言ってくるようなことはないんでしょうけれども、先ほどの税収実績の方で落ち込みが考えられるということになりますと、財政力がそれなりにある地方公共団体だから、次に申し上げるような状況になっていると思うんですが、先般も当委員会で論議をしたかと思いますが、愛知県の交付税の総額ですね、あれがたしか九一%ぐらい減ですよね。それから、やはり目立つところは大阪の五九・九%とか、それから神奈川県の五二%減、こういうことになっています。だから愛知県は前年二百八十九億、約三百億近い交付税があって、この年度になるとたしか二十六億ぐらいでしたかな、二十九億か六億かどっちかだと思うんですけれども、もらう金額の方が約一割になっちゃいますよね。これは大変な変化なんですけれども、これは愛知県なんかの財政事情、県下のいろいろな産業の財政力なんかがあってこういう積算になったんだろうと思うんですが、年度末の税収減、落ち込み、先ほど明確な推測ができないという御答弁だったのでここで論議を詰めるわけにはいかないと思うのですけれども、これは愛知県なんかは、最終的には税収が全体であれだけ落ち込んでいると、交付税関係の国税三税の落ち込みはどの程度か、そうはっきり判断はいまの時点でできないとしても、これ、五十七年度の精算なんかを見通した場合にはゼロぐらいになっちゃいますか、どうなんですか、そんなことはないんですか。どうでしょう。愛知県だとか大阪。それは各地方公共団体の財政事情等によって明確なところは出ないかもしれませんが、推測はつきますか。
  107. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 御指摘の三府県、たとえば愛知県等につきましては、基準財政収入額の伸びが非常に大きいのは、主として収入額の中で大きなウエートを占めております法人税割あるいは法人事業税、いわゆる法人関係税の伸びを大きく見込んだということによるわけでございまして、その数値については当該県も十分御承知のことであるわけでございますが、これが今後どういうふうになるかということになりますと、私どもの方でもそれぞれの地域についての実績はよく承知をいたしておりません。    〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕 仮にこの法人関係税に係る基準財政収入額と実績との間に乖離が生じた場合は、翌年度以降において当然精算を行ってそれは是正をいたしますので、全体としては別に、それは埋められるという仕組みになっておるわけでございます。
  108. 大川清幸

    ○大川清幸君 ですからね、この交付税そのものは、商取引で言うと帳合い取引みたいなことで、金の出入りが、何と言うんでしょうかな、確かに最終的には地方公共団体に入ったり減ったりということになるんですけれども、運営上からいうと、先ほど言ったように、余り自覚を持たなくても最終的には精算したりなんかすることでつじつまが合っちゃうから、余り地方公共団体との間でも論議がないで今日まで来てしまったんだろうと思うんです。  先ほどもちょっと触れたんですが、概要説明の中で、大臣のお言葉で、「完全に補てんする等地方財源の確保を図る一方、」云々と、こういう御発言があるわけで、御答弁の中でも、行政改革その他を含めてまた考えることがあればということだったんですが、横浜大学の井手教授なんかの意見でも出ておりますが、交付税率を引き上げる議論、これはいままでさんざんありました。なかなかそれは現実問題としてむずかしい。ある意味で――これは誤解のないようと井手先生は断っておりますが、むしろ地方税を通じて改正をして財政の健全化を図るような方向でなきゃいかぬだろうというふうに言っています。  そこで、いままでの習慣的なやり方で確かにバランスが合ったから、完全に補てんをすると、こういう表現になったんだろうと思うんですけれども、これからの地方財政の展望、仕組みを考えますと、これは行政改革その他を含めて何かお考えがおありになりますか。いまちょっとそれらも含めて地方財政運営のことは考えたいというような御答弁があったんですが。何かお考えがありますか。
  109. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 当面、明確な形でこういう方向でいたしますというものはないわけでございますが、何といたしましても非常に収支のアンバランスの中で、一方では景気を浮揚していかなければならないということで、借り入れをしてでも財政規模をふくらましたという時代の名残が今日ここへ来て影響しておるということもございます。そういった状況のもとで、今後とも大きな税収の伸びというのは期待できないわけでございますから、私どもとしてはどうしても財政再建をするためには、まず基本的に行政の刷新と申しますか、改革ということに真剣に取り組まなければならないと思っておりますし、そういった中でかねがね主張しておりますように、住民の身近な行政はそれぞれの地方団体が行うのが最も適切だという前提のもとに地方団体の機能というのを強化していく。やっぱりそういう中で事務の見直しをして、それに対応する税制なり、交付税制度というものを考えていくべきだと思っております。  その中で、方向としては地方交付税の機能というものは十分生かしていかなければなりませんが、基本的に先ほども申し上げましたように、地方税というものがどうもやっぱりウエートが毎年三一%ぐらいしかないということは、やっぱりややさびしい感じがいたします。やはり受益と負担という関連においては、みずから納めたものが自分たちの行政に使われるという関係が明確になる方が私はよろしいと思っておりますので、せっかくいまそういった国、地方を通じての見直しの機会が来ております。そういう中でどういうふうに落ちつくかはわかりませんが、そういう中で私どもとしては地方の自主財源、特に地方税が何とか増強できればと思っております。それといまの財源保障、財源調整機能を持った交付税とのバランスというものを考えながら収支が相償うような形に持っていきたいと思っております。  私どもだけではなくて、当然のことながらいま臨調あたりでもいろいろ議論しておられますが、地方制度調査会等でもいろいろ検討を願うことにいたしておりますので、そういったことを通じて、なかなか簡単に結論が出るものではないと存じます。国と地方との財源の分け合いの問題にも絡むわけでございますから。そういう点はございますが、私どもが年来主張している線に沿って努力をしてまいりたいと思っております。
  110. 大川清幸

    ○大川清幸君 それでは次に、五十六年度の政府予算の税収の見積もりに関連をして、実はこれは四月二十一日に、「五十六年度政府予算は税収見積もりが甘く、一兆四千億円程度の歳入欠陥になる可能性がある」と、これは三和銀行さんが発表したものを報道した記事のようでございますが、なかなか表現がきつくって、「トリックまがいの会計操作」というふうなことで報道をされておりまして、五十五年度についても四千億程度税収が下回るということ、それから経済成長見通し、それから税収の弾性値、こういうような設定の仕方が甘いこと、それから、ここでもさんざん論議されましたが、公務員ベアの予算計上の上昇率、これが昨年二%で実際は四・六%だった、ことしも、五十六年度は一%しか見込んでいないから大変非現実的で、財政需要からいったらこれは当然欠陥になる。それやこれやを総合しますと、この三和銀行の指摘している問題は、一兆四千億円程度、こういうことになるようです。    〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕  それで、先般前川日銀総裁も都内のホテルで講演なさった中で、これは、物価等は鎮静しているけれども、在庫調整はやっぱり昨年あたりから、日銀でもちょっと見通しを間違えたらしいんですが、それが後を引いておって現在でも大分おくれているようですね。一般国民の所得の方も実質マイナスというようなことで、内需なんかも余り拡大できる要素、幾らか見通しが明るくなってきたような報道もありますが、率直に言って、余り期待できないのじゃなかろうか。  それから貿易関係で言うと、いまOPECの会議が開幕されたばかりですから、結論がどうかとなるとわかりませんが、やっぱりどうも減産は一致した各国間の意向のようですね。減産しようかということ。それから、一番柔軟な考え方を持っているサウジアラビアあたりでも、二%ぐらいの値上げなら対応してもいいんだというようなことが出ています。安くはならない。そういうようないろんな状況を考えますと、貿易条件なんかだって、これは自動車の輸出規制等もあるので、どうもECあたりも同じ方向で攻めてくるらしい。  そういう点から考えると、経済見通しがなかなか政府の考えておられるような方向に、五十六年度行かないような心配があるし、三和銀行のこの指摘もかなり信憑性を持って評価してよいのではなかろうかと思うんです。  きょうは経済企画庁を呼んでおりませんので、税収の見通しに限ってちょっと大蔵省さんのこれに関連した見解を伺っておきたいと思うんですが、どうでしょうか。
  111. 源氏田重義

    ○説明員(源氏田重義君) 昭和五十六年度の税収見通しは大丈夫かという御質問でございますけれども、確かに某都市銀行の見積もりというものにつきまして、私も新聞でちょっと拝見したことがございますけれども、その中身について詳しく存じておりませんので、その見通しの各項目についてこれがどうとか、あれがどうとかと申し上げるわけにはいきませんが、われわれといたしましては、五十六年度の税収見通しは、政府の経済見通し、これは公的なものでございますので、その政府の経済見通しに基づきまして見積っております。それで、これが大丈夫かと聞かれますと、いまは始まったばかりの段階でございますので、これはやはりわれわれとしてはその見通しどおりにいくものというふうに確信しております。
  112. 大川清幸

    ○大川清幸君 それでは、これは余り論議してもしようがないと思いますので、ちょっと問題を変えまして、大蔵省さんにお伺いをしておきますが、日銀さんの国庫納付金の状況ですね、余り前からじゃなくても結構ですが、これはここ三、四年のところはどうなっていますか、状況は。
  113. 北村恭二

    ○説明員(北村恭二君) 日本銀行の国庫納付金の状況でございますが、先般、五十五年下期の日本銀行の財務諸表、大蔵大臣として承認いたしまして、五十五年上期と合わせまして、五十五年度の日銀の納付金はほぼ予算額どおりの六千百六十六億三千七百万というのが五十五年度の数字でございます。  少しさかのぼって申し上げますと――五十二年度当時からでよろしゅうございましょうか。
  114. 大川清幸

    ○大川清幸君 結構です。
  115. 北村恭二

    ○説明員(北村恭二君) 五十二年度が六千六百二十九億、五十三年度が六千六百九十一億、五十四年度が五千八百五十六億、五十五年度が六千百六十六億という数字でございます。
  116. 大川清幸

    ○大川清幸君 そこで、もう少し前の方を見ると、日本銀行に対する地方税の課税状況、これ、資料をいただいたんですが、四十八年の下期から五十二年の上期までそれぞれ事業税、住民税納められておりますよね、そのころの実績で見ると。いま御報告のあったように、五十二年、五十三年、五十四年、五十五年と、国庫納付金がいま金額をお示し願ったとおりあるわけですが、五十二年下期から地方税は入っていませんね。これ、間違いないですか。
  117. 北村恭二

    ○説明員(北村恭二君) 五十二年度上期で百八十二億の法人事業税を納めまして、五十二年度下期から五十四年度の下期まで地方に対する法人事業税はゼロになっております。
  118. 大川清幸

    ○大川清幸君 日銀法第三十九条の五項で国庫納付金は非課税となっていると、こういうことですが、これ、性格はどうなんですかね。国庫納付金、法律上はこう規定しちゃったんだけど、利益金であることは間違いないでしょう、中身は、どうなんですか。国庫納付金について性格はどうですか。
  119. 北村恭二

    ○説明員(北村恭二君) 日本銀行の利益が何であるかということ、これは大変むずかしい問題でございまして、現在の日本銀行法の規定では、先生いま御指摘のとおり、所得の計算上これを損金に算入するというふうに規定しているわけでございますが、やはり日本銀行の利益と申しますのは一般の法人の利益とちょっと違っている面がございまして、この利益は、主として銀行券の独占的な発行権に由来するという面があるわけでございます。したがいまして、内部留保の充実あるいは配当ということで充てるもの以外はすべて国庫に納付するということで日本銀行法は考えているわけでございまして、諸外国でも同様やはり中央銀行は納付金制度を持っているということのようでございます。
  120. 大川清幸

    ○大川清幸君 確かに御説明のとおりで私も理解はするんです。計算の方法は、収入があって経費を引いてこれは純利益が出ることになるんですが、それから純利益から引当金、準備金、これを引いて剰余金が出てくる。この剰余金から今度は定期積立金とか別途積立金あるいは配当金等、これを引いて残った分が国庫納付金、こういう形ですよね。一般企業の利益金と性格が違うことについては私もよくわかるんですが、日本銀行並びに出先の地方における支店等がございますが、これらの施設等もやはりその地域地域の地方公共団体等の行政サービス、公共のサービスは受けておるのであって、法律の性格的に言えば、納付金がなくても現行法から言うと違法行為でも脱法行為でも何でもないので、正当な処理をしていることは私は理解するのですけれども、国庫納付金がこれだけあることを考えますと、日本銀行法の三十九条の五項ですけれども、電電公社からいろいろ金を吸い上げたりしている中で、財政厳しいんだけれども、これは何かちょっと考えてみる必要があるんじゃないかと思うんですが、どうですか。――これ、きわめて政治的な性格の問題で、いま、ここではなかなか答弁むずかしいかもしれぬが、お考え聞かしてください。
  121. 北村恭二

    ○説明員(北村恭二君) いま申し上げたような日銀国庫納付金の考え方から申しますと、いま言ったような結果になるわけでございます。やはり中央銀行といたしましては、いろいろと必要に応じて内部留保を取っているということでございますが、やはり過般ございましたように、円の対ドル相場が急に下落するとか、あるいは保有国債の相場が非常に低迷するとか、そういうことで、日銀の手持ち資産に多額の評価損が発生するとか、そういうような事態がございまして、結果的にはいま言ったような問題が生じたわけでございます。幸い、先ほど申し上げましたように、五十五年度は収益が好転いたしまして、地方税としてはかなり多い額の税額が見込まれるといったような現状になっております。やはり日本銀行といたしましても、そういった収益の変動要因というものがどうしても税収に反映せざるを得ないという面が現状ではあるというふうに認識しているわけでございます。
  122. 大川清幸

    ○大川清幸君 これは、法律にかかわることでもあるのでなかなかむずかしいし、ただいまも御答弁があったんですけれども、大臣、国庫納付金がこれだけあって、やっぱり計算上はあの規定でやると入ってこないというようなことになっちゃうんですけれどね、これ、何か検討してみる必要があるように思いますが、いかがでしょう、大臣の御見解は。
  123. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 先生御指摘のように、五十二年の下期から五十四年度まで、日銀の各期ごとの純益と国庫納付金との対比で、結果的に国庫納付金の方が上回ってしまった。その結果として、地方税の課税所得がゼロになってしまいまして、課税ができないと、こういう事態が続いたわけであります。  国庫納付金につきましては、私ども正確な計上の仕方がよくわからないのでありますけれども、日銀の経営状態、経理状態などを見通した上で計上されているようでありますが、毎期毎期国庫納付金の方が当期の純利益を上回るというような事態は、これは地方団体側からすると納得しかねるという面があります。  そこで、そういった事態が引き続き起こるようなことがないように、いずれにしても見込みでございますから、年度途中の経済情勢の変動等によって結果的に欠損を生ずるということは当然いままでもあったわけですし、今後もこれは避けられないと思いますけれども、毎期毎期引き続いてそういった事態が起こるというのは、これはやはり問題があるのじゃないかということで、私どもはこういった事態の改善方を従来から関係当局に要請してきております。この点については、幸い五十五年度はそういった事態が解消されましてかなり巨額の地方税の課税が行われることになったわけでありますけれども、今後におきましても、こういった正常な姿で国庫納付金が予算計上されることを私どもは期待しているところでございます。
  124. 大川清幸

    ○大川清幸君 それではちょっと問題を別に移しますが、不交付団体関係で財源調整をするのにいろいろな規定の仕方があるわけですが、たとえば義務教育の職員給与国庫負担金ですね、これは、不交付団体に対する調整の一部緩和、これは五十五年度からやったはずですな。――五十四年か、五十四年からですと、それは五十六年度まで引き続き同じ方法でやっていますね、どうですか。
  125. 矢野浩一郎

    ○政府委員(矢野浩一郎君) 不交付団体に対する義務教育費国庫負担金の調整措置でございますが、従来からいろいろ議論ございましたけれども、特に不交付団体側からは要望が強かったわけでございますが、先ほど五十四年と申し上げましたが五十五年でございまして、五十五年に退職手当――退職手当も義務教育負担金の対象になるわけでございます。不交付団体につきましては従来はたしかこれを百分の二十に抑えておったのでございますけれども、これを百分の五十に引き上げ、さらに五十六年度におきましては百分の八十にまで引き上げる、こういう措置をとっておりますので、引き続き調整措置の緩和が進んでおるということでございます。
  126. 大川清幸

    ○大川清幸君 それは大変歓迎すべきことで結構だと思います。  次に、道路譲与税についてちょっとお伺いをしておきますが、第二次抑制は五十五年度から同じように撤廃されましたよね。それも引き続き継続しておやりになっておりますか。
  127. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 昨年度の法律改正によりまして、いわゆる第二次抑制と申しましょうか、それは撤廃いたしておりますから、これは今後ともずっとそういう状態でまいると思います。
  128. 大川清幸

    ○大川清幸君 それで、第一次抑制の扱いについてもいろいろ意見があるんですよ、地方公共団体側から言うと。一次抑制の方についても、先々は何か検討をしていただける余裕はありますか、どうですか。
  129. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) この道路譲与税の譲与制限の規定が挿入された背景には、各団体の財政状況と、それからもう一つは道路目的財源と、それから道路投資、道路に対する一般財源の投入状況と、こういったものをにらみながら譲与制限が導入されたというように承知しております。したがいまして、今後、不交付団体等において道路の投資額がどのような状況になるのか、こういったことを見きわめながらこの譲与制限のあり方は検討していくべきものではないかと、このように考えております。
  130. 大川清幸

    ○大川清幸君 もう一つ、事のついでで伺っておきますが、例の国有提供施設等所在市町村助成交付金というのがございますが、これも、不交付団体については交付団体方式で算定した額の十分の七を控除するというふうなことになっておりますが、これは変化ないですね。依然としてこの方法でやっておりますか。
  131. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) その方法は現在も継続しております。
  132. 大川清幸

    ○大川清幸君 これは、やっぱり施設があって、いろいろな地元に対する、まあ迷惑ということはないけれども、存在している施設についてはやっぱり地方公共団体の恩恵をこうむっているのだから、余り不交付団体だかっといって差を設ける必要はないじゃないかと思っているのですが、一回これは検討してもらいたいと思いますが、どうでしょうか。
  133. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) いわゆる基地交付金は、基地所在の市町村がその基地の資産について固定資産税が課税できないためにいろいろの直接間接の影響を受けておりますので、これにこたえる趣旨で、いわば固定資産税がわりという意味合いも込めて交付されております。それと同時に、また、基地が所在することによって起こってまいりますもろもろの財政需要にも対応すると、こういった性格もあわせ持たしているところでございますが、そこで、この基地交付金の額が、関係団体の財政需要等との関連で、十分な額が確保し得れば、不交付団体の交付制限というようなことは必ずしも望ましくないという御意見、私どももよくわかるのでございますが、現状は、関係団体の希望からしますとかなり制約された状態で総額が決定されている、こういうこともありまして、できるだけ各関係団体の財政需要に公平に交付金を配分したいというふうな見地から、不交付団体については不交付団体の財政需要も考慮に入れまして譲与制限を実施しているところでございます。したがいまして、この点につきましては、制度として絶対これが正しいとか望ましいというふうに考えているわけではありませんけれども、やはり限られた財源をより公平に配分するという見地に立ってこの制度を現在行っているところでありまして、今後、これは総額等の兼ね合いで研究していくべきものではないかと、このように思います。
  134. 大川清幸

    ○大川清幸君 それでは、時間がなくなってきましたから……。  消防庁さん来ていますね。――これ、第二臨調の中の論議でも出たので表向きの報道になったのだろうと思うんですが、最近の救急車の出動、救急需要ですね、大変ふえておるのですが、余り細かいところまでは結構ですけれども、その救急需要ですね、状況としては年間どんな実績になっておりましょうか。
  135. 石見隆三

    ○政府委員(石見隆三君) 一番新しい資料といたしまして昭和五十四年中の実績が出ておるわけでございますが、五十四年中に救急車が出動いたしました件数は、年間で約百八十六万九千回ということになっております。と同時に、搬送いたしました人の数は百七十八万七千人という状況でございます。
  136. 大川清幸

    ○大川清幸君 そこで、私も東京都の状況なんかをよく現場で承知はしておるのですけれども、確かに救急患者あるいは交通事故者の搬送、いろいろ大変大事な仕事をやっていただいておるわけですけれども、中にはなかなか市民の方でも巧妙な利用をする方は確かにいるわけです。そのために出動回数がふえて職員も大変苦労をしておるようですが、これは中身の方が――回数はおわかりになりますが、要するにそういう、何というのでしょうな、なかなか入院もベッド数が十分じゃないから入れないから、救急車を呼んで入っちゃえば入院できるとか、お産で、まあ産気づいて緊急の場合はしようがないと思うんですが、承知して病院へ搬送してもらうというのや、極端に言えばもっと悪質なのもあるわけです。そういう中身についての状況はある程度おわかりになっていますか。
  137. 石見隆三

    ○政府委員(石見隆三君) ただいま申し上げましたように、百数十万という出動回数を持っておるわけでございますが、その中身といたしまして、医療機関に運び込みまして最終的にそこで医師の診断を受けた、結果の数値のお話だろうと思うのでございます。昭和五十四年中の実績を見てまいりますと、約百七十八万人搬送いたしまして、その中で最終的に死亡された方が二万三千四百人程度でありまして、一・三%であります。それから、重症という判断をされた方が二十八万二千人でありまして、一五・八%。重症と申しますのは入院加療を三週間以上必要とするという方であります。その次は、中等症と申しますか、中でありますが、六十三万人ぐらいでありまして、三五%程度であります。中等と申しますのは三週間未満の入院ということであります。残りました八十四万七千人余り、割合にしまして四八%程度の方がいわゆる軽症でありまして、軽症と申しますのは入院を要しなくてその日のうちに帰られたという方が約半数近く占めておるという状況でございます。
  138. 大川清幸

    ○大川清幸君 これ、つらいところは、一一九番がかかると、内容どうですかとチェックをして、それじゃ行きませんというようなことにならないんでね。やっぱり電話が入ってくれば対応して出動するということで、現場は大変なんですけれども、財政事情も絡んでいるものですからこういう論議が出てきたのだろうと思うんですが、ニューヨークやジュネーブ等では有料制でやっておると。国内でも一部地方でもありますかな、一部有料のところが。これはやっぱり一般市民の中に救急業務がなじんできましてね、中には不心得な利用をする方があっても、それだけ定着をしているという一つの証左でもあろうと思うんですよ。ですから、財政問題に絡んでいきなり有料化の検討をするというのはちょっとやはりこれは極端過ぎるので、その前に、これは都道府県ないしは市町村の業務ですからね、消防業務は。その中に入っている一事業ということになるんですが、ちょっとこれ自治省の方でもお考え願う、あるいは消防庁の方でもお考え願って、一般住民に良識的な利用をしていただくような啓蒙なり何なり、各市町村もお知らせ版を毎月出しておるところもあるようですし、何かの対応措置をやって、その上でどうしても財政的に先々とてもこれはしょい切れないということであれば、一般住民、市民の方の御理解を得て、一部有料なんという方法も考えざるを得ないときが来るかもしれませんけれども、当面河かその辺の努力、啓蒙、市民の方々の御協力、理解を得るような努力をしていただいた方がよろしいのじゃなかろうか、こう思っているんですが、どうでしょうか。
  139. 石見隆三

    ○政府委員(石見隆三君) ただいま御指摘がございましたように、最近救急車が、言葉は悪うございますが、いわゆるタクシーがわりに安直に使われ過ぎておるのではないか、また、それに大変な財源を必要としているのじゃないかという御批判がございます。  そこで、不急不要のと申しますか、そういう安直な利用をなさらないように、そういう不急不要の救急要請をしていただかないために、諸外国にもございますように、有料制にしてはどうかという御意見も一部にあることは事実でございます。私どもといたしましては、このような御意見なりあるいは批判が出てきますゆえんのものは、先ほど数字をもってお答え申し上げましたようなところから来ておるのだろうと思っております。  加えまして、各全国の消防機関が年間に使っております救急に要しまする経費をこの件数で単純に割りかえますと、一件当たりの出動に大体五万円近いものがかかるというふうなことにも相なっておるわけであります。こういうところからいま申しましたような意見があろうかと思っておりますが、私どもといたしましては、有料制の導入を前提として検討をしておるというものではさらさらございません。このような御意見、御批判があることは事実でございますので、一つの考え方といたしまして、その利害得失と申しますか、あるいは諸外国のやっております方法とかいろんなものを救急業務全体の中で検討、研究をしておるという段階でありまして、直ちに導入するというふうなことをいま決定したものでも、結論を出したものでもございません。  と同時に、ただいま先生お示しございましたように、救急需要のこういう形での増加に対応する一つの対策といたしまして、住民の方々の理解と協力を得まして、いわゆる不急不要の救急要請を減らしていくということは大変重要なことだと存じております。私どもといたしましては、従来からこのようなことを各消防機関でいろいろ実態に応じて徹底していただきますように御指導を申し上げてきたわけでございますが、現に全国の消防機関におきましては救急車の正しい利用の仕方、あるいはまた応急手当ての知識とかその実技とかいうようなものの講習会を盛んにやっておられまして、たとえば東京消防庁では五十四年中に約五千回のこういう講習会、研修会等もやっておられます。全国的に私どもこういう方向への力を入れていただきたいということで、今後ともこの方向への指導をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  140. 大川清幸

    ○大川清幸君 最後に、大臣にちょっと御所見を伺って質問を終わりたいと思いますが、いま救急業務についてはいろいろ説明のあったとおりでございます。確かに有料化を前提にして検討していないことも私もよく承知しておるのですが、ただ財政再建、行政改革というのがだっと表へ出ていますから――いいことなんですけれどもね、臨調あたりの委員の中で、実情を余り御理解願わないで、ただ金を減らすためにこういう有料化のものがぱっと出てくるようなことはきわめて危険なんですよ。しかも地方の財政負担がかなり大変だということはわかりますが、この救急業務についてはやはり市民の健康と生命にかかわる問題でして、軽いと思ったって命にかかわる病状だってあるかもしれないから、やはり一一九番がかかれば出ていくという原則は、これはそれで対応してきているし、当然そうでなきゃならぬと思うんです。しかも、有料化は私は原則的にはよっぽどのことがなきゃ反対なんでね、これほどなじんだことですから、こういう論議が臨調の中で出てきていることについてはちょっと心配な要素なんでしてね。自治省側としても、この辺のけじめをきちんとしておいてもらって、何か財政再建で押しまくられて、何でもかんでも有料化なんかでやられてしまうのは私は非常に困るので、大臣としてもこの辺は明確にしておいていただきたいと思っておるのですが、いかがでしょうか。
  141. 石見隆三

    ○政府委員(石見隆三君) ちょっと大臣の御答弁の前に事務的にお答えさせていただきます。  この問題につきましては、先生おっしゃいましたように、財政再建イコール有料化と、このような単純な考え方というのは、私ども、救急業務自身が住民の生命、身体を預かるというきわめて重要な仕事でございますので、そう簡単な結論を出されることは私どもも大変迷惑だと思っております。その点につきましては、この実態とかあるいは問題点というものを事務的には現在第二臨調の事務当局には十分御説明を申し上げ、理解をいただくように努力をいたしておる最中であるということでございます。
  142. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) ごもっともでございますので、そういう点について十分気を配って処置してまいります。
  143. 大川清幸

    ○大川清幸君 終わります。
  144. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 きょうは大体二つのテーマでお尋ねしたいというように思います。  最初の問題は、地方税の同和減免の問題です。  まずお伺いをいたしますが、災害の場合とかあるいは例の宅地並み課税の場合とか、いろんな必要に応じて地方団体の方で地方税の減免措置をとる。それに対して特別交付税で一定の措置を今日までとってきておられますが、この措置をとる理由といいますか、根拠といいますか、この点についてまずお伺いしたいと思います。
  145. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 租税というものは、一定の制度に基づいて徴収しておるわけでございますが、社会的に見て、公益上とかいろいろな理由によってそれを減免するのが必要であるということで、政策的な見地でそういう制度をとるということになりますと、それは国なり地方団体のそういった政策的な見地から行われるものでございますから、そのために生じた収入の減収というものについては何らかの措置をとる必要があるということから、そういう特別な対応の仕方としては特別交付税が対応できる方法でございますので、そういう形で補てんをしておるといいますか、特別交付税措置の対象としておるということでございます。
  146. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 したがって、これはたとえば災害ですと災害基本法あるいはその他関係法、あるいは宅地並み課税の場合でもそれなりの法律、あるいはそれに基づく――政策的な全国的措置としてやられますからそれに基づく通達なりそういったもので行われるもの、いわゆる地方団体が任意に恣意的に行うものということではなしに、全国的にあるいは政策的に必要であるというように認められるものというように理解をしていいですか。
  147. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 原則的にはそういった方向でございまして、基本的には法令が根拠になっておるということでございます。
  148. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 問題の、この地方税の同和減免の問題ですが、これに対しても特交による一定の措置をなさっておられます。これでまず一つお伺いしたいのは、五十四年度が一番新しいのじゃないかと思いますからお伺いしますが、同和減免を行った地方団体、府県、市町村に分けて、その団体数と総額、それに対する特交措置、府県、市町村に分けてどの程度にやられたのかという点をまずお伺いいたします。
  149. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 全国的に、減税全体についての悉皆調査を実施したことはございませんので、実態について私どもとしては把握はいたしておりません。ただ、固定資産税については継続的に調査をしてまいっておりますのでその点については数字がございますが、昭和五十四年度において固定資産税の減免措置を行っておる市町村数は四百八十七市町村でございまして、減免に係る税額は十四億七千七百万でございまして、それについて特別交付税措置を五億五千四百万円行っております。
  150. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 同和減免は固定資産税に関してだけですか。そのほか住民税やあるいは自動車税その他いろいろ――府県税ですと自動車税なんかを減免措置をやっているところもあります。いかがですか。
  151. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 特別交付税によって減収額について措置しておりますのは、固定資産税だけでございます。
  152. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 固定資産税だけをこうして特交措置を行っている理由、その他の税については措置を行っていないのはなぜか。この点はいかがですか。
  153. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) いわゆる同和減免というのはいろいろあるわけでございますが、私どもとしては、いろいろな過去の経緯もございますが、固定資産税は市町村にとって基幹的な税目でございますし、その性格等から見まして、減免に伴う影響というものを勘案いたしまして特別交付税措置の対象としておるということでございます。
  154. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 そうすると、基幹的税源であるということで言えば、住民税もそういう意味では非常に基幹的税目であろうと思うんですよ。そうすると、そういうものをやめて固定資産税だけを該当しているというのは、これは金額的に影響が大きいという意味ですか。
  155. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 確かに金額的な面も大きいのは固定資産税でございますが、固定資産税は、比較的に財政力の弱い市町村のまさに基幹的な税目でございます。財政力の弱い市町村ではむしろ住民税等よりも固定資産税というのが非常に中心になっておるという点もございまして、そういった団体におきます財政上の影響というものを配慮し、こういった措置をとるということにしたわけでございます。
  156. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 これは、そういう固定資産税について同和減免をした場合特交措置を行うと、そういう措置を行うについての法令的根拠というのはあるのでしょうか。
  157. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 直接的にそういう根拠はないわけでございますが、税法に従って必要な減免ができるという根拠がございます。それに基づいて市町村がいろいろなことをやっておるわけでございますが、そういったものの中でも、ただいま申し上げましたような固定資産税の性格あるいは固定資産税が税の主力になっておるような団体の財政力、そういったこと等を勘案して、必要があると見て対象にしておるわけでございます。
  158. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 実態を少しお話しをいたしますが、たとえば埼玉県下の市町村で、十市三町の減免の状況をちょっと調べてみたんですが、固定資産税で一律七〇%の減免の措置を行っているのが四団体、一律五〇%が六団体、それから五〇から七〇%にかけて、課税標準額に応じて分けているところが一団体、一律四〇%が一団体、それから三〇から六〇に刻んでいるところが一団体、計十三団体です。それに対して、まず都市計画税の減免措置をやっているのが七〇%のところで三団体、これも一律ですね。一律五〇%という減免措置が四団体、五〇から七〇が一団体、一律四〇が一団体、それから三〇から六〇というのが一団体、計十団体です。それから、住民税の減免措置をやっているところで、七〇%一律が四団体、五〇%一律が三団体、五ないし七〇%に刻んでいるのが一団体、一〇から七〇に刻んでいるのが一団体、三〇から七〇に刻んでいるのが一団体、それから一〇から一〇〇%に刻んでいるのが二団体、合計十三団体と、こういう状況なんですね。  それで、大阪府下の場合は、これは固定資産税の方ですが、大阪の市長会で協議をして、たとえば昭和五十五年度固定資産税同和対策要綱というのを申し合わせをして、大阪府下の市町村では一律に固定資産税の減免措置をする、減免率は、地区内に所在をする固定資産年税額の三分の二の額とする。それから、七十平米以下の土地及び家屋については免税。それから、地区外に所在をする固定資産であっても、年税額の区分に応じて減免率を十分の六から十分の二ということで――これは税額五十万以下の場合。そういう三段階の減免措置を行う。それから、地区内で、同和対策事業の実施に伴って買収もしくは収用された者、あるいはその土地の上に建築されていた家屋についての移転補償金、それを受けた者が、同日以後においてこれらにかわるものとして取得したもの、いわゆる代替地をもらったところは、その代替地に係るものについては、五十万円以下の場合三分の二、百万円以下の場合三分の一という減免率を決めて、市長会の申し合わせでやっています。  こういうように、二つほど例を挙げたんですけれども、こういうのが相当全国的に、いまおっしゃられたようにあるわけですね。団体数で四百何団体からあるわけです。この実態については、自治省としてはつかんでおられますか。
  159. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 固定資産税につきましては、先ほど御答弁申し上げたような状況を把握しております。  固定資産税以外の税目につきましては、その実態をつまびらかにいたしておりません。
  160. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 実態をつかんでおられないということですが、これはその問題は後でまた触れていきたいというように思います。  それで、法律上の根拠についてはいろいろあるわけですけれども、地方税法に確かに減免の規定があります。三百二十二条が住民税だし、三百六十七条には固定資産税の減免規定があります。そこで、この減免規定について、三百二十三条でもいいんですが、「その他特別の事情」という問題がありますね。この「その他特別の事情」についての解釈をまずお伺いしたいというふうに思います。
  161. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 地方税法第三百二十三条その他の規定で、いわゆる減免について定めた規定の中で、いわゆる減免事由を幾つか例示しておりますが、その最後に「その他特別の事情」という包括規定が置かれております。この「特別の事情」の解釈といたしましては、その典型的なケースは、いわゆる担税力喪失と言いましょうか、いろんな事情で税負担能力がなくなった、あるいは著しく低下したというようなケースを典型的な例として考えておるわけですが、文理的にその担税力喪失だけではなくて、もっと広い概念ではないかと、このように解釈いたしております。いわゆる公益上の必要性等から各課税団体が減免の必要性を認定し得ると、このように解釈をいたしております。
  162. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 いま石原さんはそういうふうに御答弁になっているんだけれども、私、ずうっと記録を調べてみたんですよね。そうしたら、この間、三月二日の本院決算委員会でわが党の安武議員が指摘をしたと思いますが、四十三年に発行されております「市町村民税逐条解説」ですね。石見さんの執筆に成るものですが、それには、「客観的にみて担税力を喪失した者」、「「天災」あるいは「公私の扶助」に類するような特別の事情」にある者というように解説されている。五十年の二月の二十六日の衆議院の地方行政委員会で三谷さんが質問をしましたが、それに対する答弁は、担税力等に特別の事情がある場合に限り、減免措置をする、たまたまそれが同和地区に集中したのではないかという趣旨の答弁があるわけです。だから、三谷質問までのところでは、いま石原さん言われたいわゆる広い意味のところまでは見ないで、担税力喪失というところに文書なり答弁なりが集中しています。ところが、五十年の十二月に出ました自治省税務局編の「住民税逐条解説」、これを見ますと、いま言いました特別の事情がある場合に限り云々というところが、「「天災」あるいは「公私の扶助」に類するような特別の事情と解すべきであろう。」という部分が削除をされて、かわって、公益上必要と認められる者もここで言う「その他特別の事情がある者」に含まれると。ずうっと調べてみますと、新しく「公益上の必要」という文言が出てくるのは大体この辺なんですね。それまでは出てこないんだわ、ずうっと調べてみると。だから、大体この辺から広義に解釈をされるようになったのではないか、と文言から見ると。そう考えるんですね。こういうようにお変えになった事情というのは、一体どういうところにあるんでしょう。
  163. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) もともと「その他特別の事情」という表現自身が大変抽象的であり概括的な規定でございます。ですから、文理的にはかなり広く解釈できる表現であろうと思うんです。  ただ、地方税法が制定された昭和二十五年以降、この制度の運用の典型的な姿としては、客観的に担税力を喪失したケースというのがこれに当てはまるという考え方を伝統的に自治省はとってまいったのですが、その後各地方団体における減免の適用状況をずっと見てまいりまして、非常に狭い意味の担税力喪失だけでは実態に合わない、より広くその地域地域の実情に応じまして、その地域にとって非常に必要性の高い事象が起こった場合にこれについて減免を適用するという必要性が出てまいりますので、そういったことも勘案して、先ほど引用されました五十年当時の解釈では幅広い解釈をとるようになったわけですが、いつの時点でどう変えたということではございませんけれども、もともとこの規定自身がかなり概括的、抽象的な表現でありましたので、課税の実態の推移に応じて私どもの解釈も、当初、典型的な非常に狭いケースについて私ども考えておったものが、若干それが広がってきた、こういう経緯でございます。
  164. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 私は、解釈ですからね、社会的な、あるいは経済的ないろんな事情の変化で解釈がいろいろ変動をするということはあり得ると思います。それで、一定の解釈だけでは法解釈の面からも無理があるということになれば、法文そのものも直さなければならぬと、こういう事態が起こるでしょう。あると思うんですよ。だから、五十年の段階では、そういう意味では、変えざるを得なかった客観的なあるいは具体的なそういう事実というのは何もなかったわけですか。具体的に一般的にもう少し広くしなければいけないだろうということでこういう広い解釈をするということじゃないと。具体的な事例があって、それでそういう点も加味をして解釈というものを広くせざるを得ない、また広くするのが適当だというようにお考えになったんじゃないかと思うんですが、その点はいかがですか。
  165. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 私どもが、この解釈をやや広げるといいましょうか、広い解釈をとるようになりました背景といたしましては、たとえば昭和四十一年の三月二十八日付の通達で、自動車税及び軽自動車税につきまして、身体障害者の方々に対する減免を行うことが適当であると、このような指導をいたしております。それから、昭和四十九年の四月一日付の固定資産税課長の通達によりまして、公衆浴場に係る固定資産税について軽減措置を講ずることが適当であるという指導をいたしております。いずれも、これらは減免を適当とするという考え方で、その他特別の事情の範囲内でこういった運用をしていただくことが適当だと、こういう通達を出しております。  こういった背景がありまして、五十年当時の解説でもその解釈を広げた解説がなされたのではないかと、このように理解いたしております。
  166. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 大分苦しいですがね、まあいいとして……。  同対室、見えていただいておりますか。――同特法では、この同和地区住民に対する税の減免措置の必要性、あるいはそれに類するような規定はありますか。
  167. 小島弘仲

    ○政府委員(小島弘仲君) 特別措置法上は、地方税等の減免に関する明示の規定はございません。
  168. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 まあ地方税の減免については、法令に根拠があるということが一つあるんですね。ところが、同和減免の問題では同特法には特別の規定はない。それでは自治省としては、たとえば固定資産税について同和減免をやりなさいと、そういう趣旨の指導通達は出されたわけですか。
  169. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 出しておりません。
  170. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 そうすると、いまあなたがおっしゃった障害者の自動車税あるいは軽自動車税の減免措置あるいは公衆浴場に対する減免措置、これはそれぞれ通達もあり、その根拠法、あるいは必要な客観的な経済的な条件、こういうようなものもあるということは容易に考えられますね。では、この特交措置をなさっている固定資産税に関する同和減免については、通達も何もなしで自治体がやっているのを特交措置にすると、こういう点については、どういう根拠に基づくんですか。
  171. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 特別交付税の措置の考え方につきましては、財政局長の方から御答弁が先ほどありましたが、私どもの理解としては、固定資産税の減免につきましてはその影響するところがきわめて大きい。私ども、特に通達を出してはおりませんし、また、特別の法律上の根拠があるわけではありませんけれども、各地方団体におきまして減免の扱いがなされておる中で、この国定資産税関係の減免については、税の性格あるいはその各団体の財政に与える影響、こういったものを勘案して特別交付税の措置がなされているのではないかと、このように理解をいたしております。
  172. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 この固定資産税の減免措置についての特交措置を行ったのは、いつからになりますか。
  173. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 昭和四十八年度からでございます。
  174. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 だから、したがって、いまちょっと石原局長が言っていましたけれども、各自治体で固定資産税の減免措置を行う、あるいはその他の地方税の減免措置も行っている、そういう自治体がある程度出てきて、しかもそれは、その自治体の財政収入に相当の影響を与えるという実態が生まれてきているんですね。そういう実態を見た上で、地方財政の財源保障をやるためにも行わざるを得ないと、あるいは行うのが適当であるという判断に基づいて、四十八年以降そういう措置をおとりになったというように理解していいわけですか。
  175. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) まあ地方税法上減免措置の規定がございますし、いろいろ各種の税目についてそれがございますが、そういった減免規定に基づいて地方団体がいろいろ判断をされまして実態に応じて措置をとられたと、そういった措置をとられたものを受けて、私どもがその減免に伴っての財政的な影響というのをどう判断するかということでございますが、それについて、先ほども申し上げましたように、非常に財政力の貧困なところは所得の高い人もいないし、まさに固定資産税等が根幹になっておるということもございまして、財政運営上影響を与えるので、それはやはり私どもとしては円滑な財政の運営を図る意味で必要であろうというふうに判断をいたしたわけでございます。
  176. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 結局、そういう実態を追認せざるを得なかったということだというように思うんです。ですから、条例準則で、地方税法のこの三百二十三条ですか、これに該当する部分は五十一条ですが、その五十一条の三項には、左記に該当するもので実際地方団体の長がその必要あるというように認めたものということで、一号から四号挙げていますね。一号は生活保護世帯、二号はいわゆる所得の少ない者といいますか、そういう者、それから三号が学生、四号が民法三十四条の法人ということですか、そういう規定になっていますね。だから、ここでもいま言ったような、そういう同和減免が入る余地のある具体的な規定というのはないように私は思うんですが、この点は、これとの整合性といいますか、関係はどういうことになっていますか。
  177. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 条例準則は全国共通のケースを想定してつくられておりますので、いわゆる同和減免条項というようなものは条例準則では想定いたしておりません。
  178. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 ですから、これは準則ではないし、それから自治省のそういう指導的な通達、それもない。それで、起こった実態は、見ると、そうならざるを得なかった実態がまずあって、そしてやむを得ないということだと思うんですけれども、それに対して特交措置を行わざるを得ないという事態、経過を踏んでいるように思うんです。  もう一つお聞きしておきますが、地方税法の六条一項、不均一課税のところに「公益」という問題が出てきますね。この六条一項の「公益」はどういう意味であり、いまおっしゃっている「特別の事情」の中の公益と同じなのか違うのか、この辺いかがでしょうか。
  179. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 地方税法第六条に規定する「公益上」云々のこの公益概念と、それから各税目にあります減免条項の一つとしての「その他特別の事情」の中で引用される公益上の必要性というのは、基本的な概念としては変わりがないと思います。  ただ、御承知のように、六条の規定と各税目ごとの減免条項とでは、実際の課税上の扱いは異なってまいります。第六条の規定による公益上の課税免除あるいは不均一の課税の方は、言うなれば条例上の非課税規定とでも申しましょうか、ここに課税しないという規定があるものは初めから賦課処分しないのであります。課税しないのであります。ところが、住民税、固定資産税等の規定による減免条項の場合には、課税処分はいたしまして、課税した上で最終的にこれを免除するかあるいは軽減するかという決定を下すということで、いわゆる課税の事務手続としては六条の方が、何というか、初めから非課税扱いというのか、やや優先度が高いといいますか、そういうふうな手続的な差はございますけれども、内容的な面での「公益上」云々のこの公益概念は、実質的な差はないと、このように思います。
  180. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 その次は、そういう減免措置をする場合は、これは、その基準を条例で決めなきゃならぬものだというように思うんですがね。課税法定主義というのですか、そういう立場から言うと、条例で少なくとも基準は決めなきゃならぬというように思いますが、この点はいかがですか。
  181. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 地方税法第三条の規定によりまして、「地方団体は、」課税すべき「その地方税の税目、課税客体、課税標準、税率その他賦課徴収について定をするには、当該地方団体の条例によらなければならない。」と、このように規定されております。したがいまして、課税免除、不均一課税あるいは減免、いずれもその根拠は条例に定められていなきゃならないというのは、これは地方税法の規定上明らかであります。ただ、具体の各団体の条例の制定状況を見ますというと、きわめて具体的に、きわめて細かいところまで条例で定めているものもありますし、かなり包括的に長にその賦課徴収についての権限を委任しているような定め方をしているものもありまして、精粗まちまちでありますが、基本的に最終的なところは、やはり条例に根拠がなきゃならないということは、地方税法第三条の規定からこれは明らかであろうと思います。
  182. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 包括的規定をやって、後は規則にゆだねるという形の条例と、そういう形で減免措置を行うというのは適当なわけですか。
  183. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) まあ徴税条例につきまして、課税の権限を議会が定め、それに基づいて長が実際の賦課徴収を行うわけでありますから、課税要件といいましょうか、課税手続といいましょうか、そういったものはできるだけ具体的に、詳細に条例で定めるというのが条例主義の立場からすると理想かもしれません。しかし実際には、たとえばこの減免条項等につきましては、いろいろな事態が想定されるために、かなり包括的に長にその判断をゆだねているというケースが見受けられます。したがいまして、その辺は程度の問題で、どこまでがよくてどこまでがいけないということはなかなか言いにくいと思います。  そこで、包括的に長に判断をゆだねている場合に、実際に課税事務に従事する職員の判断基準として一定の内規といいましょうか、基準といいましょうか、そういったものを要綱その他の形で定めているケースは多々見受けられます。この場合も、要綱その他によって減免を行っているのではなくて、やはり減免そのものは条例に根拠があり、その条例の規定の具体的な適用基準として、内部的な一つの基準を持っているという形になるのではないかと私どもはそのように理解をいたしております、
  184. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 だから、結局どの程度なんですか、課税客体の減免の対象といいますか、減免対象の客体、その減免率、ここまでは条例で決めなきゃならぬということになるのですか。それとも、それらを含めて全部規則に回してもいいと、減免することができるということにしてやればいいということになるんですか。
  185. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 地方税法第三条で要求しておりますのは、どういう税目を課税するかしないかとか、その課税客体は何にするか、課税標準をどうするか、それから税率をどうするか、少なくともこういったことはもう条例ではっきり書かなきゃいけないわけですが、そのほかの賦課徴収に関する事項につきましては、各税目により、また団体の状況によってバラエティーが出てくるのはやむを得ないと、このように考えているところであろうと思います。  減免につきましても、減免ができるという権限そのものは条例に根拠が必要でありますが、具体的にどういうケースについてどの程度の減免をするか、減免率とかあるいは減免の基準とか、こういったものまですべて条例でなきゃならないということは言えないのじゃないか。その具体の基準につきましては長にゆだねるというケースがあってもこれは法律上どうこうということはないのじゃないかと、このように思います。
  186. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 これも非常にあいまいですね。まあ実態については調査されていないようですから、具体的には全体を指摘するわけにいかぬわけですけれども、非常に多いのは、減免することができるということにして、規則に基づいて、規則によるということで減免することができる、あるいは要綱によって減免することができるという一項だけが条例にある、そうしてあとは一律、たとえば先ほど言いましたように七〇%減免するやつまでを要綱なり規則でやってしまう。だから課税の方は、いまおっしゃった地方税法の三条で、ちゃんと課税客体それから率も含めて規定をしているわけですね。減免の方は野放しです。それでもいいんだということについては私はちょっと承服しかねる。しかも、先ほどちょっと紹介をしましたように、一率七〇%で、これはたとえば固定資産税の場合ですと、その年税額が幾らであろうと構わない。こうなりますと、これは社会常識から言ってもおかしいものです、一つは担税力に着目せないかぬわけでしょう。そういう点が私は一つあるというふうに思うんです。  たとえば、先ほど指摘をしました五十年十二月の税務局編の「住民税逐条解説」で、先ほど言いましたように解釈が変わりましたけれども、その後に、「この場合には、租税負担の公平の見地からみても減免を相当とする程度の強い公益性があるものに限って減免をおこなうことができるものであり、他の納税者との負担の均衡を失することがないよう慎重に取り扱う必要がある。」と、こういうように自治省の方はおっしゃっているんですよね。ただ青天井で――住民税の場合でもそうです、どれだけ所得があろうと青天井で三割減免と。あるいは固定資産税の場合もそうだ。固定資産税が決まればそれに対する都市計画税も決まる、市町村税が決まればそれに対する府県民税も決まるわけです。こういうようなことが野放しされていって、それで負担の均衡が保たれているということになるのか。公益上の必要があれば負担の均衡は失ってもよろしいとは書いていない、自治省の解説には。この点はさすがやと思う。ところが、実際に指導されているといいますか、指導助言されている内容では、その点については野放しになっているというのが実態ではないかという点、いかがでしょうか。
  187. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 減免そのものが、一般的に課税される意味の中で一定の要件を満たすものについて税負担を免除し、あるいは軽減するということですから、それ自身は特に必要性が客観的にも認められるようなものでなきゃならないということは当然でございます。その点をその解説書も述べているのであろうと思います。  公益上の必要性に基づいて減免を行うということは、その公益性の認定というのは、地域社会にとって非常に必要度が高いというか、十分なコンセンサスが得られているということが前提になっていると、このように考えるわけであります。私どもは、したがいまして、その減免の条項の適用に当たりまして、決して安易に、また野放していいというふうに考えているわけではございません。ただ、具体的なこの減免措置の適用につきましては、やはり公益上の必要性に基づいていろいろなケースについて減免が行われるわけでありますから、その一つ一つについてそれが妥当であるか否かということは、最終的にはやはり課税団体自身あるいは課税団体の議会で御判断いただくしかないのじゃないか。  私ども、地方税制度の指導に当たる立場で、一々個々具体のところについてまで、これがいい、これが悪いという判定はなかなかいたしかねるわけです。基本的な税法の精神、税法の理念に沿ってこの点は実施していただく、そして、その実施した結果妥当なものであるかどうかの判定は最終的にはやはり課税団体が御判断いただくということにならざるを得ないのじゃないかと、こういうふうに考えております。
  188. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 まあ大分苦しいお答えですからあえてなにしませんが、しかし、ずっと私はこれらの減免問題についての行政実例を全部調べてみましたよ。やっぱり相当具体的なケースについてもいろんなサゼスチョンというか解釈というか判断というか、示している。団体なりあるいは納税者自身からの問い合わせもありますから、それらに対して回答をされています。まだぼくの見た範囲ではこの種の問題の行政実例がないものですから、だから何ですけれども、しかし、いままで出されているそういう行政実例に起っている解釈からいっても、この点は非常に矛盾をしている、実態は。私はそう思うんです。  もう一つ、しかもこの減免措置を受けることができる人は、たとえ同和地区に住んでいる人であっても解放同盟の、あるいは解放同盟の連合会、あるいはその地域の組織、これらの承認なしには受けられないという規定なんですね。それで、これは一体どういうことになるでしょうか。特定団体の承認なしには減免の措置を受けられない。いわゆるわれわれ言っている窓口一本化ですね、これは地方自治法の十条でしたか、あの便宜の均てんですか、何かありましたね。そういう項目からいっても、あるいは少なくとも税の平等という点からいいましても、同じ同和地域の住民に対してそういう措置をとるならば、これはなべてそうしなきゃいかぬわけでしょう。ところが、特定の団体の承認なしにはこれは適用されないということになれば、果たして公平の原則に合致すると言うことができるのかどうか。もしそれを許すとすれば、公益上の必要というのは、その特定の団体の利益のためということと同じということにならないのか、この点はいかがですか。
  189. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 一般に、行政は住民に対して公平に行われなきゃならないということ、当然でございます。そして特に税務行政につきましては、税負担の公平確保という意味が特に重要でありますので、その点の必要性が高いわけであります。  ところで、この同和行政の公平な執行確保につきましては、御案内のように、昭和四十八年五月十七日付の関係各省庁の事務次官通達によって基本的な考え方が明らかにされておるところであります。この考え方に沿って各自治体におかれましても行政を進めていただくように御指導申し上げているところでありまして、各団体ではこの趣旨に沿ってそれぞれ公平な同和行政の推進に努力していただいているものと私どもは考えております。そして、この税の課税免除あるいは減免、こういったものの取り扱いにつきましては、各地域地域によりまして内容が千差万別でありますので、一義的に私どもがこれがいい、これが悪いということはなかなか言いにくいのでありますが、基本的な考え方としてはこの通達の精神にのっとって行政を進めていただいておるものと私どもは承知いたしております。
  190. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 それでは同対室にお伺いしますけれども、いま話が出ました関係省庁の通達の中で、特定の団体を窓口としてそういう措置をとりなさいという、そういうことになっているんですか。
  191. 小島弘仲

    ○政府委員(小島弘仲君) そのような通達は出しておりません。
  192. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 それじゃ石原さん違うんじゃないですか。窓口はここですと、それ以外はだめですよと、そんな通達じゃないんでしょう。――まあそれはいいですよ。やっぱり問題があるんだ。  その次、特定の団体に限って税の減免の措置を行うということは許されるものですか。
  193. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 税の減免は、やはりその団体の条例あるいはその条例に基づいて実際の適用基準等を定めておられると思いますけれども、そういった一定の要件に該当するものについて適用されるものであろうと、このように思います。
  194. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 五十四年の五月九日の衆議院の決算委員会で会計検査院の説明員は、「一部の団体についてのみ適用するのはおかしいではないかという御質問でございますが、」「適当でない」、それに対する回答は、「というふうに考えております」、それから米山政府委員は、「会計検査院からの御答弁がありましたように、特別の団体について特別の取り扱い、特に課税上の特別の取り扱いというようなことは一切すべきでないと考えております」と、明確に答えられていますね、政府委員が。ところが、よそにもあるのじゃないかと思いますが、千葉県とか、茨城県に、私も資料があったわけですけれども、自動車税の特別措置ですね。対象自動車は、「同和問題の解決を推進する団体が所有し、その活動のため直接専用する自動車。」、これは千葉県です。茨城県になりますと、「同和問題の解決を推進する団体又はその団体の代表者等が所有する自動車を、その団体の活動のため直接専用する自動車に対し課された自動車税は、全額を減免する。」と、こういうふうになっているんですね。これ、要綱です。これは直接条例に規定はありません。通達でそういう指導を行っています。千葉県の場合は、団体所有の自動車、ところが茨城県になりますと、団体所有の自動車だけじゃなしに代表者等が、いわゆる個人ですね、代表者等が所有する自動車、これも全額減免と、こうなっているんですね。こういうのが実態なんですよ。  もう時間がありませんから、最後にこの問題の締めくくりをしておきたいと思うんですけれども、いまずっと指摘をいたしましたように、当時私どもも、私自身も地方行政委員会で大分問題にしたことがありますし、衆参両院の関係委員会でわが党はずっと指摘をしてきたわけですけれども、税の減免を初めいろんな問題が、暴力的に、威嚇的に、たとえば大分県のような四百万というような金をふんだくっていくような事件とか、最近検挙されたあの問題でありますが、大分の職安の事件もありますし、そういったいろんな問題が起こって、実態としてはそういうものを認めざるを得ないような状況が生まれてきている。それを市町村が後から追認をすると。しかも自治省自身は、その実態について、地方税の同和の減免措置がどういうようにやられてるのか、その問題について調査もなされない、幾ら指摘をしても。こういう状態で今日まで続いてきているんですね。しかも、それは、必要であれば私はちゃんと条例にもぴちっと明記をし、それからその地域住民の理解も得て初めて不当な部落差別をなくす、そういう力もできてくると思うんですけれども、そういうことをやっていることさえ一般の人にはわからない形であり、しかも道理に合わない青天井のような状況もあるという実態がずっと続いているんですね。しかも、いまの自動車税なんかはひどいと私は思う。これは政府の答弁でも、あってはならないというように答弁されているような事態も起こっているという状況なんです。  そこで、この同特法自身も、十年たってさらに三年延長をされて、来年の三月末には期限が来る、それで、再延長するかどうかという問題も起こっているわけですけれども、私は、この十二年間の同和対策事業を一遍総点検をして、そして行き過ぎているものはやっぱり行き過ぎているとして明らかにし、必要な措置はちゃんと必要な措置としてとるという意味で、そして公正で民主的な、部落差別をなくす、それにふさわしい法律をつくるということが必要だというふうに思うんです。その点では、直接総括責任を持っておられるところは同対室ですから、あと一年足らずになりましたが、この同特法の延長問題をめぐってどういうようにお考えであり、どういう作業をなさりつつあるのか、この辺についてお答えいただきたい。
  195. 小島弘仲

    ○政府委員(小島弘仲君) 御指摘のように、同和対策特別措置法は五十三年の秋の臨時国会で三年間の延長になりまして、来年の三月末をもって失効する形になっております。政府は毎々、総理も国会でも御答弁になっておりますように、現在、同和問題の実態の把握に努めながら、現在抱えておる同和問題の解決に必要な施策の方向、内容についての検討を進めているところでございます。  五十三年の延長の際の衆参両院の内閣委員会におきます附帯決議におきましても、法の総合的改正及び運営の改善について検討せよという御決議もいただいておりますので、当然、現時点における同和問題を検討していく場合には、いままで行われた施策についての見直しも当然行っていくことだと考えておりますが、現在、法律の延長問題あるいは今後実施すべき施策の内容、方向等については、最終的な結論を得ていない段階でございます。
  196. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 そこで、いま同対室長の方からも御答弁がありましたが、いずれにしても総括といいますか、見直しをして、そうして判断をしなきゃならぬ段階にきています。  そこで、自治省としてどうでしょうか、同和減免の、まあ税務局であれば税ですね、少なくとも同和減免の実態について、条例や規則、要綱、どういう手続をやっているか、どういう減免の措置をやっているのか、こういったものをひとつまず調査をしてもらいたいというように思うんですが、いかがですか。
  197. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 以前からも、その実態の把握をすべきであるという御指摘をいただいて、私どもも、その後その面の検討をしておるのでございますが、この各税の減免につきましては、いろんな事情で減免している要素について、まあ率直に申しまして各税務当局ではこれを一括してデータ等もまとめているという団体が多いものですから、個々の減免事由ごとにどういう状況になっているかというのがなかなか把握しにくいのであります。統計上、全部ほかの要因も含めて課税免除、あるいは不均一課税、減免、こういったものをまあ言うなればぶち込みで統計上処理しているという団体が多いのであります。そこで、これについては、この事由ごとにうまく仕分けがつくか、また、作業的にその点がどの程度になるのか、こういった点につきまして、御指摘の趣旨も踏まえて検討をしてみたいと思います。
  198. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 いや、むずかしそうにおっしゃるけどね、同和減免をやっている市町村は、何にもなしでやっているわけはないですからね。少なくとも規則なり要綱なりに基づいてやっているわけでしょう。それはそれだけでも、一律でやっているところやら、あるいは段階に分けてやっているところ、その課税減免対象を一定の――先ほど固定資産税の場合で言いましたが、大阪の市長会の申し合わせのように、一定の地域ごとに区分をしている場合とかね、いろいろそれぞれにあるわけですよね。それで、そういう要綱を決めるに当たって、審議会をつくってやっているところもあれば、いろいろありますよ。でも、それはすぐできるわけでしょう。そうすると、条例に基づいて、条例自身にどこまで決めているところ、あるいは条例で包括的に規定してあとは全部要綱でやっている、規則でやっているところ、あるいはどういう減免の仕方をしてるかというのはわかるわけです。それが正しく適用されているかどうかは別にして、制度としてはどうなっているかというのは、調べる気になったらわかるわけですね。そこからまたいろいろな問題点というやつが出てくるわけでしょう、それ自身の中から。私がいま出したのはそれ自身の問題ですね、制度、そういう仕組みについて申し上げた。個別の問題についてはそれはいろいろ千差万別、それはたくさんあるでしょう。しかし、それを見れば、住民税の減免でも、所得が三百万円以上はもう野放しで二割減免とかなっていると、私はこれで適当かどうか――五百万円以上をもう野放しになっているとか、固定資産税で三千万円以上でも二割の減免をしているところもありますね。そんなのが適当かどうかとかというのがいろいろ出てくるわけでしょう。だからそういう点を含めてぼくはひとつ調査をして当委員会に報告をしてもらいたいというふうに思うんです。いずれにしても、われわれはこの同特法をこれ以後どうするかという問題を検討しなければならない。その資料というのは一番握れるのはあなた方のところですからね。だから、それをひとつ調査をして、その結果を報告してもらうということを約束をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
  199. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 実は、いわゆる同和減免の扱いにつきまして、私ども、その全体の状況を把握しておりませんので的確なお答えができないのでありますが、団体というか、県によりまして、地方課段階である程度状況を把握しているところもありますし、全く把握していないところもあります。そうしてまた、その適用状況につきましても、非常に詳しい基準等を明らかにしているところもあるし、基準もよくわからないというふうなものも、精粗まちまちの状況でございます。したがって、私ども実際にこの状況を把握するということになりますと、現実的には各都道府県の地方課の御協力を得て状況の把握をせざるを得ないわけでありますから、その点がどの程度の状況把握ができるのか、内容的にどの程度資料が得られるのか、その点を含めて検討をしてみたいと思います。
  200. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 これは大臣、お聞きのように、減免措置、特に固定資産税の減免措置については特交措置をやっておるわけですよ、特別交付税のね。それが、出てきたやつに対してもううのみにしているわけです。その固定資産税の減免措置がどうなっているのか、具体的にそれぞれの団体でどういう措置でやっておるのか、これはもう関係ないわけです。というのは、実態がわからないんだから。片一方、政府としては、同特法の延長をそのままするのか、もうやめるのか、あるいはまた、法自身を改正する必要があるのかどうかと、そういう政策の選択をいま迫られている。政策の選択をしようとすれば実態について調査をするのはあたりまえでしょう。だから、同対室の方はそういう点では総括をするという作業にかかろうとされている、あるいはかかっておられる。自治省としては、とにかく少なくとも税の問題では特交措置をしておるわけですから、同和減免がどういう実態になっているのか、その点についてよく調べなければ、従前どおりの特交措置を続けていっていいのか、あるいはそういう同和減免をする必要があるのかないのかということも含めて判断する材料というのはないということになるでしょう。だから、これは私はそうむずかしい調査でない、地方課の諸君には市町村から取り寄せたらいいんですからね、そういう規則なり要綱なりを。そういうことをひとつ検討をしてやらなければ、また延長するかどうかさえ決まらぬわけでしょう。いかがですか。
  201. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) いま税務局長から申し上げたとおりであります。
  202. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 しようがないね、大臣は。私が言っているのは――それじゃもう一遍聞きましょう。税務局長の方は、何でそれがむずかしいんです、恐いんですか、そういう調査をすることが。実態を調査して国会に報告をすることができないんですか。
  203. 石原信雄

    ○政府委員(石原信雄君) 固定資産税につきましては、特別交付税による措置をしておりますから、計数その他はずっと長い間調査しておりまして、かなりそれは正確なデータを把握しているわけでございますが、すべての税目につきましてどういう適用状況になっているかということについては、先ほど申しましたようにいろんなほかの減免条項による減免と一緒になって処理されている面もありまして、必ずしも正確な把握がなされていない、県によって非常にその差があるという実情を申し上げたわけでございます。したがいまして、私どもも状況把握について努力いたしてみたいと思いますが、どの程度正確なものが御報告ができるか、どうも確信が持てませんので、先ほど来状況を少し検討さしていただくようにお願い申し上げたところでございます。
  204. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 それではひとつ努力をして、実態をつかんで報告してもらいたいと思います。少なくとも固定資産税だけはわかるんですからね。それならそれについての要綱やら規則を含めて、どういう実態かということをまず報告してもらう、その他については、大体何でしょう、住民税、市町村民税、それに対応しておるのは府県民税ですが、これはもうイコールで出てきますね。それから固定資産税が出れば片一方都市計画税も出てきますし、大体大きい中心の税目というのはそれが中心ですよね。その辺のところを中心にしながらその他の税についてはどうかということを調べてもらえば、そう私はむずかしい問題ではないというように思います。これは、やらぬことはない、やるということですから、ひとつお願いしておきたいと思います。  その次の問題に移りますが、これは三公社の納付金問題です。――ちょっと時間がもう足らなくなりましたので、あと十五分ぐらいですね、納付金問題をやるにはちょっと無理ですね。だから納付金問題はやめます、次回に移します。国鉄の方、せっかく来てもらいましたが、すみませんでした。同対室も結構です。  それでは、あと十五分ですから、先般知事会の方が行革問題で総理に意見具申といいますか、提言をしたというように報道をされております。大臣もそれには同席されたようですが、その特徴的な見解は報道もされておりますけれども、それについてひとつ大臣から御報告していただき、また見解をお聞かせいただきたいと思います。
  205. 砂子田隆

    ○政府委員(砂子田隆君) 去る五月二十三日に全国知事会が政府招集で行われました。その中で、各公共団体からいろいろな意見が出されましたが、その中で、総括的に申し上げますと、行政改革というのはやはり国と地方公共団体の機能分担の適正化を図るということが大変大事であります。そういうことについて国と地方の間で行政の簡素効率化を進め、地方分権化を進めていくということが基本であろうと思います。そういう形が第一点であろうと思います。  そして、行政事務の再配分を行うという必要の中では、いま申し上げました国と地方の機能分担の適正化でありますとか、あるいは国庫補助金の整理合理化でありますとか、あるいは許認可事務の整理合理化でありますとか、そういうものを推し進めるべきである。しかも、こういう問題について、すでにもう各論が出ているものもある、そういうものについてはやれるところからやるべきではないか。  それからもう一つは、この行政改革というのが財政再建という点にだけ重点を置くのではなくて、やはり一つの行政改革の哲学を持って進めるべきである。  まあ大体こういうことが全体を通じての意見であったように思っております。
  206. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 それについての大臣の所見。
  207. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) 今回の政府招集の知事会に、いま行政局長が述べました以外にも、いろいろ各県知事といたしまして、その県の行政改革の実績を上げておる県もあるわけです。その決意並びに手法、哲学等を述べた知事も若干ありました。これはそれぞれ自分の体験をした事柄でございますから、相当迫力のある発言であったと私は思っております。また、ある県におきましては、やはり日本の均衡ある発展という立場から、大型プロジェクト等は全部打ち切るなんということも困るのではないかという、地域格差の解消についての政治的手法についての意見の開陳もありました。いろいろ十数名の発言がありましたので一々のことは申し上げかねます。  私の総体的な感じといたしましては、各県知事がそれぞれの見識におきまして、また、それぞれの体験におきまして、行政改革に真剣に、まじめに本質的に取り組んでいこうと、こういう気魄を持った発言が総体的に行われたものだという認識をいたしております。
  208. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 また、報道によると、大体いま大臣なり行政局長なりがおっしゃったような状況ですが、それに対して総理の受けとめ方というのがきわめて抽象的で、何といいますか、すれ違いのような、そういう印象を受けたような報道が非常に多いんですけれども、そういう知事の意見に対して、総理自身はどういうように決意をされているのか、その点はいかがですか。
  209. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) 総理も大変この会議をやってよかったと、そういう印象でございました。非常にまじめに真剣に会議が進行いたしました。総理といたしましても、それなりに大変しっかりした印象を持ってこの会が終了したと、こういうふうに思っております。すれ違いというような問題は余り会議の面におきましては出ませんでした。これは一つの憶測じゃなかろうかとこう思っております。
  210. 神谷信之助

    ○神谷信之助君 鈴木内閣の閣僚としてはそう言わざるを得ぬだろうと思うんだけれども、客観的にはそういうように報道されていますがね。  この問題については、私どもの基本的考え方は、さきの当委員会で私自身も述べたわけですけれども、きょうも、もうあと時間がありませんからそう細かく具体的には言いませんが、いずれにしても、基本はやっぱり知事会の方からも出ておりましたように、財政主導といいますか財政本位の行政改革であってはならない。国民に役立つ国あるいは自治体の仕組みをどうするか、その点で、国民に役立つといいますか、その視点をはっきりさせて、そしてこの問題を検討をする必要があるだろう。具体的な提案は、すでにわが党としては出しておりますのであえて言いませんけれども、その点を最後にちょっと申し上げて私の質問を終わります。
  211. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 最初に、私は北方領土の隣接地域の問題につきまして御質問を申し上げたいと思います。  質問に入る前にお伺いをするんですが、根室市の予算の伸び率、過去五年くらいの年次別の伸び率、おわかりになりましたらお示しをいただきたいと思います。
  212. 矢野浩一郎

    ○政府委員(矢野浩一郎君) 北海道の根室市における財政規模、これは普通会計の決算歳出規模で最近の数字をとらえてみますと、四十九年度を一〇〇といたしますと、五十年度これが一〇〇、ほとんど変わっておりません。五十一年度が一〇二、五十二年度が一三二、五十三年度が一六七、五十四年度が一九三でございます。したがいまして、四十九年度と五十四年度を比べますと約一・九倍ぐらいの決算規模の伸びというような状況でございます。
  213. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 そうすると、この根室市の伸び率というのは、北海道内でも結構ですが、他の市町村と比較してどうなのか。あるいは全国の平均と比べてどういう実態なのか。おわかりになりましたらお示しをいただきたいと思います。
  214. 矢野浩一郎

    ○政府委員(矢野浩一郎君) 他と比較した場合でございますが、北海道内の都市の平均と比較いたしますと、北海道の場合には、四十九年度を一〇〇といたしますと――中間は省略いたしますが、五十四年度におきましては二〇一でございます。根室市よりも若干伸びが高うございます。また、全国の都市の伸びと比較いたしますと、全国の都市の場合には、四十九年度を同じく一〇〇といたしますと五十四年度は一九二でございますから、根室市とほぼ同じ、一だけ根室市の方が高いと、こういう状況でございます。
  215. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 総理府おられますか。――私は、戦後三十六年目にしてようやく北方領土の日が設けられまして、北方領土の返還運動に一つの区切りができたわけですが、この北方領土の日が設けられたことによって北方領土返還運動そのものが一体前進したのか後退したのか、その辺の判断をまずお伺いしたいと思います。
  216. 藤江弘一

    ○政府委員(藤江弘一君) 御承知のとおり、北方領土の日の設定につきまして、これに関する行事といたしまして全国各地で多彩な行事が行われたことは御承知のとおりでございます。とりわけ東京での中央集会におきましては、衆参両院の議長を初め各議員の方々、地方公共団体の代表、民間団体等を包括いたしました非常に大規模な集会になったわけでございまして、特に注目されますのは、各党代表の方々の御出席をいただいたということでございます。したがいまして、いろいろ立場の違いはあっても、基本的には国民的な合意が形成されているということを内外に示したものとして評価できると思うわけでございます。  ただ、私どもとしましては、そうかと申しまして全国的にこの問題についての理解あるいは共感が浸透しているかということになりますと、必ずしも地域的にはそう申せない点もあるわけでございまして、その意味で私どもはさらに全国の津々浦々にあるいは国民一人一人に浸透するためのいろいろな努力を続けてまいりたいというふうに考えているわけでございます。そのため、私どもとしては、地方における基盤整備と申しますか、端的に申しますと、県段階におきまして民間団体等のエネルギーを結集いたしました県民会議の結成を、いまだ未結成のところがございますので、できるだけ全国で結成いたしますように目下最大限の努力を行っているところでございます。申すまでもなく、北方領土の日の設定、あるいはこの日の行事をもって事終われりとするわけではございません。この日を年間を通じての運動の集約あるいはある意味での運動の出発点として、年間あるいはさらにもっと長い期間での運動の一つの接点といたしたいというふうに考えているものでございます。
  217. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 私は、北方領土の日ができたことは大変に結構なことだと思っておりますが、しかし、北方領土の日ができたからといいまして、返還運動が大きく盛り上がってくるんだというような認識に立つと将来私は禍根を残すのではないかと、こう判断をしているわけです。いまおっしゃいましたように、各党各会派、国会決議もございますので、それが一つの目標に向かって前進をしていく体制ができた、東京の集会も持たれた、人もたくさん集まった、それは結構なことですが、私は、いま北方領土返還運動にとって大変な転機にあるのではないかと、こう考えているわけです。  一つは、逆に私は、北方領土の日が盛り上がるのではなくて、何かこう消えていくような感じすらしているわけです。一つは、例の羅臼におけるいわゆる御朱印船問題に見られるように、ソ連の北方領土返還運動つぶし、これが目に見えて露骨になってきたのではないかと私は考えております。やっぱり北海道の北方領土返還運動の一つの運動の拠点たるべき根室市の運動をつぶすために、周りからいま返還運動の芽をつぶそうとしているのではないかとさえ思われるわけでございまして、その辺のところは大変重要な問題ではないかというように考えているわけです。  それからもう一つは、もう根室市は、五十二年から例の二百海里時代に入りまして、水産業、漁業で繁栄をしてきた根室ですけれども、水産業が大変厳しい時代を迎えまして、根室そのものに、全体に与える、地域経済に与える影響は大変大きなものがありまして、そこでいま、これはもう保守党議員も発言をしているようですが、根室の市議会において、もう北方領土返還運動に余り目くじら立てて一生懸命やるよりは生活が先だから、返還運動より魚だと、こういうことで、市長に対して姿勢の転換を求めるという運動も、そういう発言もなされているようでありまして、そういうことになりますと、さらにもう一つは、財界筋からも政経分離論もぼつぼつ出てきている。  こんなようなことをいろいろ考えますと、やはり返還運動の将来というものは大変大きな障害というのですか、そういうものにぶち当たってくるのではないかというように私は判断をしておりますが、運動の元締めともいうべき総理府の御見解をお伺いをします。
  218. 藤江弘一

    ○政府委員(藤江弘一君) ただいま御指摘の会員証問題がいわゆる免罪符としての効力を持っているかどうかということについての事実関係の確認は、率直に申し上げましていまだ明確ではございません。ただ、道あるいは地元漁協の対応といたしましては、そのようなことにはしないというふうなことでやっているようでございます。また、このことが返還連動にどのような影響があるのか。端的に申しまして、水を差すことになるのかどうかということにつきましての判断できる材料は、これも率直に申し上げて現在ないわけでございますが、もし仮にそのようなものであるとすれば、これはもう御指摘のように大変に重要な問題であるというふうに考えておりまして、今後ともその点につきましては十分に注意してまいりたいと、かように考えているわけでございます。  また、御指摘のように、地元根室等で、一部ではございますけれども、領土よりも魚というふうな意見であるとか、あるいは二島返還論等の意見があることも、私ども承知いたしているわけでございまして、この根室地域がこれまでの運動の原点あるいは拠点としての性格を持っていたということからいたしまして、そのこと自体は大変に遺憾なことであると存ずるわけでございます。ただ、この運動につきましては、あくまでも私どもとしては粘り強い基本姿勢を貫くということでこれからもまいりたいと存じますし、特に昨年の総理の強い指示によりまして、根室地域の振興につきまして関係省庁が目下鋭意積極的に取り組んでいる段階でございます。もとよりこれで十分だというふうには私ども考えておりませんけれども、あくまでも地元の返還運動に対する熱意に対しまして、あらゆる手段を講じまして活力を注いでまいりたいというふうに考えているわけでございます。
  219. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 関連をしまして、外務省おられますか。――北方領土返還の道はこれは二つしかないと思うんです。これは実力で奪還するか、あるいは、粘り強く国際世論を高めまして、そしてもうソ連をして返還をせざるを得ない、そういう状況に追い込んでいくという外交戦略が重要だと思いますし、私は第二の道をとるべきだという考え方に立って、もちろんそれしか道はないと思いますが、そこで外務省の役割りきわめて大きいものがあると思うわけでございます。  ところが、最近の衆議院の内閣委員会に資料として提出をされました、サンフランシスコ条約に参加をしました各国の地図、パナマ一国を除けば日本の要求がほとんど、主張というのですか、主張がほとんど入れられていない、米国もその例外ではない、こういうように報告をされているわけでありますが、その実態はどんなものでしょうか。
  220. 兵藤長雄

    ○説明員(兵藤長雄君) お答え申し上げます。  世界各国で使用されております地図その他教科書等々の出版物におきます北方領土の取り扱いにつきましては、いま先生御指摘のとおり、大変遺憾ながら、現実にソビエト連邦がこれら北方四島に施政を及ぼしておるという事実を踏まえまして、その事実を反映した記述となっておるという例が圧倒的に多いということは、遺憾ながら今日までなお事実でございます。外務省といたしましては、従来より世界各国のそういう出版物の調査をいたし、間違った記述のところに対してはその都度是正を申し入れているわけでございます。最近では、昭和五十四年の十二月にまた一斉にそういう訓令を出している次第でございます。しかしながら実情は、ソ連が実際に施政を及ぼしているという事実を踏まえました記述が多いということは、御指摘のとおりでございます。  ただ、先生ただいまパナマ一国だという御指摘がございましたけれども、数としては少ないわけでございますけれども、パナマのほかに明らかに北方四島を日本領土と帰属した地図も、パナマのみならずたとえば西独ですとか、あるいは近いところでは、中国、韓国といったところの教科書、地図にもございますし、また、四島ともに係争中だということで取り扱っているそういう地図はアメリカの地図等にもあるわけでございますし、また、国後、択捉と歯舞、色丹ですね、これを違った取り扱いにしておるところ、それは英国、豪州その他の国にもそういう例はあるわけでございまして、ささやかながら、私どもが少しずつ努力していったことが多少ずつ実りつつあるというふうにも思っておりますけれども、御指摘のとおり、まだまだ現実は不十分ということで、外務省といたしましても引き続きこの努力を重ねてまいりたいと思っている次第でございます。
  221. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 戦後三十六年たって、国民的悲願である北方領土返還の問題につきましてそのような状況では、それは徐々に成果は上がってきたといいましても、私どもから言わせれば、まさに何もやってこなかったと言った方がいいような結果ではないかと思いますし、この問題はひとつもっと積極的な外交を展開をしていただきたいと思うわけでございます。  そこで、根室、羅臼、あの辺の北方領土周辺の地域は、やっぱり北方領土返還の拠点として、そしてもう乏しい財政の中から北方領土返還運動に要するさまざまな費用を出し、あるいは拿捕された漁船の家族のめんどうを見たり、生活保護費を出したり、さまざまな努力をしてきているわけですね。本来国が目標として、それらの負担は国がやるべきものを市町村が肩がわりしてやってきた、私はそういうように言ってもいいと思うんですね。したがって、いままで総理府あるいは外務省からお話がございましたように、いま北方領土返還連動が緒についたような状況、そしてまたさまざまな問題が沸き起こってきているというこういう段階において、もっと具体的にかつ強力な諸施策が展開をされなきゃならぬと思うんですが、これについて大臣の御見解をお伺いをします。
  222. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) 北方領土の問題は、外交的な進め方と、国内においてそれを促進するような体制をつくること、この二つによってやってまいらなければならぬと考えております。これはきわめて重要な問題であると同時に、また、きわめて困難な問題であることも事実でございます。特に最近におきまして、あの辺の地帯が、漁業をえさにしましてその運動が軟化をする傾向もなきにしもあらずというような状況もあるのでございまして、この運動の促進につきましてもいろいろ問題がありまして工夫を要する点だろうと思っております。  本来は総理府におきまして、運動の促進方についてどういう手法をもちまして、どういう見通しを持ちましてやるかということを基本的にひとつ確立をしてもらわなけりゃならぬ。そのためには、関係閣僚と申しますか、関係各省庁に関連する問題でございまするので、そのための連絡協議会もできておるわけでございまして、そこで一応国内体制の確立のためにはひとつもう一段と努力をしてもらわにゃならぬ。それで、自治省といたしましてもそれに参画をいたしておりますから、自治省の立場においてその問題に取り組んでいこうと、こういう考え方をしておるところであります。
  223. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 連絡会議の問題も私承知をしておるわけですが、昨年の十二月の八日にその連絡会議ができまして、会合もやったようでありますが、もうそれから六カ月近くたちますが、その連絡会議においてどのような方針が検討をされ、具体的にどのような対策が一体なされたのか、わかりましたらお答えをいただきたいと思うんです。どなたでも結構ですが。――まあ恐らく答えはないんでしょう。ないんですね。これは連絡会議を一回やっただけで、後はもう何にもやっていないというのが実情じゃないですか。
  224. 藤江弘一

    ○政府委員(藤江弘一君) 連絡会議につきましては、関係省庁、これまでに三回の会議をやっているところでございまして、主として五十六年度予算につきましての重点配分等につきまして審議を進めてきたところでございます。その結果、聞くところによりますと、道庁、地元等の要望に対しまして、ほぼ一〇〇%の充足率をもって措置した形になっているようでございます。
  225. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 それはどういう意味ですか、その一〇〇%の充足率とかなんとかいうのは。ちょっとわかりません。
  226. 藤江弘一

    ○政府委員(藤江弘一君) 私が申し上げましたのは、道からの要望を取りまとめた数字と、それと五十六年度予算、国の予算におきまして措置された数値との対比が一〇〇%、ほぼ一〇〇%ということを申し上げたわけでございます。
  227. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 ちょっとわかりませんが……。  そこで大臣、もう一度お伺いをしておきますが、昨年の十一月の閣議で鈴木総理大臣から特に発言があって、根室地域に対する国の支援の姿勢を明確にしていかなきゃならぬ、そのことはきわめて緊急な課題であるという提起がなされたと、こういうように新聞で承知をしているわけですが、自治大臣として、この総理大臣の発言が何ゆえになされて、その意味するところは一体どんなものなのか、どのように受け取られておられますか。大臣の受けとめ方をお伺いをしたい。
  228. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) 総理からそういうお話のありましたことは実は前の大臣のときでございまして、私は、石破大臣も病気でありましたから、その詳細についての引き継ぎはやっておりませんけれども、私といたしましては、これはきわめて重要な問題だという認識を持っておるものでございます。恐らく総理が、やはり北方領土の日を設定をするとか、あるいは北方四島の返還の問題に本気で取り組んでいくという方針をとる以上、各省庁がその線に沿って協力一致してやってもらわにゃならぬと、そういう点において関係省庁に対しまして指示をしたものだろうと考えるものであります。その結果、一つの母体として生まれたのがいまの連絡会議だと思うのであります。したがいまして、各省庁それぞれ努力をする必要あると同時に、また、その指示に基づいて生まれたこの連絡会議がさらに活発に活動して省庁を引きずっていくということがきわめて重要な方向じゃなかろうかと、こう思っております。
  229. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 大臣、この「関係各省庁事務次官会議申し合せ」がありますが、やっぱり「返還運動の拠点であるこの地域の活力の維持発展、地域の安定等に関する所要の施策を推進する必要がある。」という前提のもとに、「北方領土隣接地域安定振興対策等」ということですか、この北方領土隣接地域の安定のためにその地域をもっと産業的にも経済的にも発展さしていく諸施策を講じなければならぬという目的だということになっているわけですね。それでは、この目的のもとに発足をし、その隣接地域の振興のために具体的にどのような、六カ月たっておるのですが、一体どのような具体的な指針なり方向が出たのか。私、その辺のところを聞いておりませんので、もしそういうものが具体的にありましたらお示しをいただきたいと思います。
  230. 大嶋孝

    ○政府委員(大嶋孝君) 御指摘のように、北方領土の隣接地域の安定振興対策、重要なことでございます。このねらいとするところは、究極的に申し上げますと、地域に居住いたします住民の物心両面にわたる安定性を確保する、そうして望ましい地域社会の発展を期するところにあるということでございます。具体的に申し上げますと、水産業を初めといたします基幹産業の振興なりあるいは基幹的な道路といった基幹交通施設の整備なりあるいは教育、文化、生活環境施設といったものの整備、さらには北方領土返還啓発関係施設の整備といったものが中心的な課題になると、こういうふうに考えられるところでございます。具体的には、北海道開発庁がこの連絡会議を所管しておりますので、その手元で十分検討がなされておると思います。自治省といたしましても必要に応じて協力をしてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
  231. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 まあいまの段階では、恐らくそういう言葉だけ、方向が出ているだけだと思うんですよね。私はそれだけではだめだと思うんです。だから、先ほどからも言っておりますように、北方領土返還運動、むしろ逆にいろいろな面で問題を生じつつあるということですから、もっと真剣に、実際にやれることをやっていただかなけりゃならぬと思うんですね。それが一向に進んでいない。まことに残念であります。  そこで、具体的な問題でこれはお伺いをするんですが、北方領土四島のうち歯舞諸島につきましては、その諸島分の面積分が計算をされて交付税として交付をされていることになっているわけですね。これは、歯舞村が根室市に三十四年に合併をされた。そこで根室市分としてこの歯舞諸島の面積分が計算をされて、その交付税が根室市に交付をされている。  そこで、三十四年から交付をされている歯舞分の算定基礎、それから交付額、これはどのくらいになっておりましょうか。
  232. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 根室市の旧歯舞村につきましては、その区域が御承知のように本道部分と島嶼部分から成っておりまして、三十四年の四月に、実体として当時存在しておりました旧歯舞村が地方自治法の定めるところに従って根室市に合併いたしましたのを機会に、歯舞諸島についても面積を根室市に加えるということにいたしたわけでございまして、その分として面積に加えておる、対象になっておるものが歯舞諸島百二平方キロメートルでございまして、対応する額は千三百万円ということでございます。
  233. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 これは五十五年度ですか。
  234. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 失礼しました。五十五年度の算定でございます。
  235. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 これは後で結構でございますが、三十四年から五十五年までの年次別の交付税額、これは後で出していただけますか。――お願いします。
  236. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) いまお話のございましたいわゆる普通交付税分として面積に加えて算定しておる部分は、まあ各年度そういうものだと存じますが、それは資料としてお出しをいたします。  なお、この機会につけ加えて申し上げますと、従来――従来と申しますか、旧歯舞村自体が存在しておったことに伴って面積を加えておりますが、これは普通交付税でございまして、それ以外に、根室市等がいろいろと北方領土に関連して活動をしておられる、そういうものに対する別途特別交付税というものが出ておるということもつけ加えておきます。
  237. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 面積分だけとして千三百万円ですね。歯舞諸島そのものには、実際はソ連に占拠されているわけですから行政権が及ばない。具体的には行政需要はない。けれども根室市に普通交付税としてそれが交付されている、こういうことですね。間違いありませんね。  そうすると、そのほかの三島六カ村の分につきましては、これはたしか昭和四十四年に国会の審議の経過なども通じてそういう措置がとられたと思うんですが、三島六カ村分も含まれまして北海道分として、道分として三島六カ村の分も面積が計算されて北海道に交付税が四十四年から交付されている、その額、北海道分として交付されている額はどのくらいになりますか。
  238. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 北方四島が従来からこれは北海道に属しておりましたために、面積がはっきりした段階から当該北海道に対して普通交付税を交付しておるわけでございます。その額が昭和五十五年度で約九億四千万でございます。
  239. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 そうすると、歯舞諸島もそうですが、この北海道分として面積が計算されている三島六カ村分を含めた四島の問題ですが、これもいまソ連に占拠されておりまして実際には行政需要はないですね。北海道分として九億四千万を交付をしているけれども、市町村分としては交付をされないというその理由はどういうところにありますか。それをまずお伺いします。
  240. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 北方領土、北方四島というのは本来わが国の領土であるということで、現在、その返還運動をいたしておるわけでございますが、この北方四島というものは北海道分として見ればもともと北海道のものであり、領域に入っておるわけでございまして、したがいまして、それが実態上占領されておるといっても、北海道という実体が現にあり、それがなくなったためにいろいろと潜在的にもまた顕在的にもございますいろいろな需要に対応しておるということでございますので、面積分としてはそれは入れておる。それ以外の具体的な道路費とか維持管理費とか、そういうものは出てこないわけでございますが、本来、そういうものが北海道のものであり、現に北海道として交付すべき対象があるわけでございますので、そういうものは従来からの領土だということで入れておるわけでございます。  また一方、ついでで恐縮でございますが、先ほども申し上げましたけれども、旧歯舞村というのは根室市と隣接しておって、その隣接をしておる村の島嶼部分というのが合わせて一緒に合併した。したがいまして、根室市という実体のあるところのものとして存在するということになりますので、交付すべきものがあったわけでございます。ただ、その他の歯舞以外の三島については、北海道に係っている分は北海道そのものがありますから、北海道として交付し得る対象があるわけでございます。三島にございました旧六カ村、これについては、その分として交付すべき対象も何もないわけでございまして、だから、これは実体上としてもそれは交付し得ないということでございまして、やむを得ないことだと思っておるわけでございます。
  241. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 結局、歯舞諸島の分は受け皿があるから現実に出せる、そのほかの三島六カ村の分については受け皿がないから、北海道は受け皿として存在をするから出せるけれども、受け皿がないから出せないんだと、こういう理解でよろしょうございますか。
  242. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 受け皿があるかないかという論よりも、本来のそれを所有しておった村なり市なり、道なりというものがあるわけでございます、前の三島の六カ村というものは、これは受け皿がどこでもあったらいいというものじゃなくて、本来存在しておると見るべきそのものがないわけでございますから、受け皿を適当につくればいいというものじゃない。本来のものがない、やるべきものがないわけでございますから、そこは違うと思うのでございます。
  243. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 そうすると、根室周辺の市町村にそれが、いま残っている三島六カ村が合併をした場合はどうなんですか。合併をした場合も、そのものが存在をしないということになりますか。
  244. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) いま申し上げましたように、歯舞諸島と違いますのは、歯舞諸島そのものは本道にございました歯舞村と一緒になって一村を形成しておって、現実に村そのものもあった。そういう中で、地方自治法の手続で根室市と合併しましたから、やはり離島であったと申しますか、そういうものは一緒に入っておるという、当然それは根室市のものとして考え得るものでございます。ところが、三島の村というものは、道とは関係がございますが、その他の市町村とは関係なしに独立しておったわけで、そのものがないわけでございますから、それがどこへどういうふうに合併するとかどうとかという、これはまあ判定するもの自体もいまや意思決定する存在でもないわけでございますから、なかなかそこのところは、歯舞のような考え方はできないと思うわけでございます。かつて独立の六つの地方公共団体であったが、ソ連に占領されて、わが国の施政権は当然でございますし、もちろん地方行政も全く行われる余地のない状況にあるわけでございます。そういった意味で、直ちにこれを交付税の対象にするとかどうとかいうことは、ちょっと論議としてはどうであろうかと思うわけでございます。
  245. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 この問題は、もう長い国会の議論を経てきているわけですね。昨年もこの委員会におきまして社会党の丸谷さんですか、質問をされております。それから昭和四十四年、あるいはもっとさかのぼれば三十年代から議論をしているところですね。それでそのときどきの大臣は、この問題については積極的な発言もなされている記録があるわけです。いままでは、この問題については議論がなされているだけで、一歩も前進がなされていない、こういうのが実態だと思うわけですね。先ほど来のお話のように、いま北方領土返還運動がかなり行き詰まって問題を抱えている、根室周辺の地域の経済状態も大変深刻な状況にある。そうなりますと、領土より魚だと、こういうことで、運動の拠点がだんだんとしぼんでいってしまう、このことを大変私は憂えているわけでありまして、恐らくそういう意味で鈴木さんも地域振興にもっと力を入れようと、こういうことで積極的な発言をされたと思うんですね。積極的な発言をされて、それを受けて連絡会議もできたけれども、連絡会議はただ言葉だけの方向が決まっただけで、具体的に何らのことも進んでいない。そういうことを政治的意味合いで考えますと、北方領土返還運動、国民の非願であるこの火を消さないためにも、もっと具体的な、本当に真剣な対策がとられていいと思うのですが、大臣の見解をお伺いしてこの問題を一応終わります。
  246. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) きわめて重要な問題でありますから、われわれはこれに真剣に取り組んでいかなければならぬと思っております。その方向につきましては、この連絡会議の責任者でございまする総務長官もおられまするので、この辺とも十分連携をとりまして、今後の方向を形成するように努めてまいります。
  247. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 ひとついい方向が出るように積極的にお願いを申し上げます。  次に、別の問題に移ります。  消防庁の方おられますか。――日本の消防力、消防機器、かなり充実をされ、整備をされてきまして、特に化学火災に対する消防能力というのは飛躍的に向上をしている。きわめて私は結構なことだと思うわけですが、そこで具体的にお尋ねをしますが、消防ポンプ車などの消防機材、これはいま全体としてどのくらい配置されておりますか。
  248. 石見隆三

    ○政府委員(石見隆三君) 消防資機材と申しましても大変範囲が広いわけでございますが、先生ただいま御指摘のございましたように、その主力をなしております自動車関係について申し上げますと、五十四年四月一日現在の調査で見ました場合、消防ポンプ自動車が二万二百五十台。それからはしごつきの消防ポンプ自動車が八百五十八台。それから、化学消防自動車が八百二十四台。救急車が三千六百六十一台ということに相なっております。
  249. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 これらの各種の消防車の更新状況についてお伺いするんですが、年間どのくらい更新されていますか。車種別にでも結構です。
  250. 石見隆三

    ○政府委員(石見隆三君) 消防庁といたしましては、毎年金国の消防機関が保有しております消防自動車の現有車両台数につきましては調査をいたしておりますが、更新の状況につきまして実は詳細に調査をいたしていないわけでございます。ただいままでの過去の実績等から推計をいたしまして、年によっては違いがあろうかと存じますが、大体年間一千台程度のものが更新されているであろうというふうに推計いたしております。
  251. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 それはポンプ車が約一千台、はしご車五十台というように私は資料で見ているんですが……。  そこで、消防車を廃棄処分にする場合の基準についてお伺いをするんですが、一体何キロ走ったら、あるいは何年使ったら廃棄処分にするのか。その基準はありますか。
  252. 石見隆三

    ○政府委員(石見隆三君) 消防車を廃車いたします場合の基準ということでございますが、各市町村によりまして保有しております自動車の車種が大変違っております。あるいはまた、使用の実態等も非常に区々でございますので、国におきまして統一的に消防車の廃車基準と申しますか、何年使えば、あるいは何キロ走ればというような、いわゆる廃車基準というようなものはいまのところ設定をいたしておりません。ただ、各地方団体の消防機関におきましては、主としてポンプあるいはエンジン等を定期的に性能検査をいたしまして修理して使っておるわけでございますけれども、修理してもいざのときに、緊急の場合にもう使えなくなるというふうな状況に至りますればおおむね廃車するというような、個々具体の車について判断をして廃車をしておるというのが実態でございます。
  253. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 廃車する場合ですね、まあそれぞれの車種によって違うでしょうが、平均十二年間ぐらいではないかと、こういうように言われているわけですが、そういうように理解してよろしゅうございますか。
  254. 石見隆三

    ○政府委員(石見隆三君) いま申しましたように、十二年程度という一つの目安と申しますか、そういう実態もあろうかと存じております。  ちなみに、私ども東京消防庁の場合を調査したわけでございますが、東京消防庁におきましては、いまのところ、若干車種によっても異なりますが、購入後大体十三年ないし十四年は使っておるということであります。なおその後も修理を加えまして、いわゆる予備車として配備をいたしまして、たとえば正規の車が修繕中のとき等には使えるという予備車という形でなお保有をいたしておりまして、予備車の期間も含めますれば、東京消防庁の場合平均して十七、八年使っておるという状況でございます。
  255. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 東京消防庁の場合は大体十三、四年のようですが、それを廃車して新しい消防車を購入する場合に、車種別に見て、一体どのくらいのお金がかかるものか、わかりましたらお教えいただきたい。ポンプ車。
  256. 石見隆三

    ○政府委員(石見隆三君) 消防自動車の購入価格でございますが、これもメーカーにより、性能により、いろいろ非常に区々なのでございますが、自動車を購入いたします場合には一応私の方から補助金を出しておりますが、その補助の基準額になっております額を申し上げますと、五十六年度で消防ポンプ自動車――これもいろいろ種類はあるわけでございますが、一般的に非常にたくさん使われておりますBDIという車につきましてはおおむね六百三十万円余りであります、それから、はしごつきの消防ポンプ車につきましては、これもはしごの長さによりましていろいろ価格は違うわけでございますが、平均して使われておりますのは大体一台五千万ないし六千万円程度であります。なお、化学消防ポンプ車につきましては、これも種類がございますが、よく使われておりますI型ないしII型程度のもので大体一台千五百万円程度という単価になっております。  この補助基準額の算定に当たりましては、大体地方団体の契約実績でございますとか、あるいは実価格等を勘案して定めておりますので、おおむね実態に見合っておるというふうに理解をいたしております。
  257. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 それだけのお金がかかるものですけれども、廃車したものは大体廃品業者に引き取ってもらう、こういうことのようでございますが、廃品業者に引き取ってもらうときの価格は大体どのくらいになるものでしょうか。たとえば、いまおっしゃいましたはしご車、五千万から六千万かかるものですが、これが、十四、五年たっていよいよ廃車しなきゃならぬといったときに、これを廃品業者に引き取ってもらうときに、その引き取り額はどのくらいになるものですか。
  258. 石見隆三

    ○政府委員(石見隆三君) 大変実態的にはむずかしい御質問でございますが、車を廃車してそっくりそのまま売却する場合、あるいは使えそうな部品を外して売る場合、いろいろあるわけでございますが、私ども東京消防庁の実績を見てまいりました場合、安いので大体一台五、六万円、高いところで三十万円程度の額でほぼ廃車しておるということでございます。
  259. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 そこでお伺いをするんですが、結局五千万円から六千万円かけたものが、十三、四年間使って、先ほども東京消防庁の例のお話がありましたが、さらに予備車として使えば十七、八年もつというもの、こういうものが結局はくず鉄屋に五、六万円から三十万円で引き取られてしまう。そこで、消防自動車というものはもっと使えるものではないか、こういうように思うわけでございまして、こんなむだをしていてはならぬということで、たとえば東京消防庁で一度廃棄処分にした化学車二台を、廃品業者に売られたものを引き取ってきて、そして改修を加えてその企業の自衛消防車に使っているという例がある、そういう例を、東京消防庁がその事実を知りまして、その企業のこの車を整備してもとに使えるようにした、そういう関係者から実情を聞いた結果、廃棄処分になってくず屋に行っているものなんだけれども、実際それの実情を聞いてみると、その車はタイヤを交換しさえすれば十分使えるんだ、あるいはエンジンをオーバーホールさえすれば大丈夫だということがわかったというんですが、これは事実でしょうか。
  260. 石見隆三

    ○政府委員(石見隆三君) 自動車に限りませず、消防資機材につきましては、御指摘ございましたように、私どもといたしましても、厳しい財政状況の中で修繕できるものはできるだけ修繕をして使っていくということはこれはもとより大切なことだと存じております。ただ、御案内のとおり、消防自動車は大変過酷な条件のもとで使うものでございます。と同時に、緊急のときに若干でも機能上問題がありましたときには重大な事故につながりかねないわけでございますので、その辺は非常に兼ね合いとしてむずかしい問題だろうと存じております。  いま御指摘のございました、東京消防庁が化学車を廃品業者に売ったという問題でありますが、これ、私ども東京消防庁に照会をいたしました結果、東京消防庁から得ました回答では、東京消防庁におきましては、廃品業者に売って廃品業者から企業が買い取ったという事実はないと申しておりました。東京消防庁が直接民間の企業――倉庫会社でありますが、倉庫会社に二台払い下げた事実はございます。この車は化学消防車でありまして、昭和三十六年に製作をいたしました車両を十八年間使いまして、昭和五十四年に二台倉庫会社に売却したわけであります。売却価格は二台で八十万円程度であったようでありますが、これは、いまちょっとお話にもございましたように、一般の消火に使うわけではございませんので、公道を走るわけではございません。もっぱらいわば企業の自衛用として企業内部で使うという目的を持っておりましたものでございますので、若干一般の消防車よりもその点性能的にも問題があろうかと思いますけれども、こういう形で買ったようであります。結局買いました会社は、二台で約二百万円余りの経費をかけまして修理をいたしまして、現在、どう言うんですか、いわば試験的と申しますか、そういう形で企業が配備をしておるという事実はございます。
  261. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 この事実を知りました東京消防庁は、廃棄処分に当たるようなそういう消防自動車の性能について、徹底的な分解調査を行っているわけですね。その結果こういうような、これは結果についてはまたいろいろなものがありますけれども、たとえばエンジン部分についてシリンダーライナー――私は車のことよく知りませんが、シリンダーライナー、ピストン、エンジンバルブ等の交換部分の入手が可能ならば、他の構成部分が完全な状態に維持されているので、比較的簡単に再生エンジンとなし得ることということがわかった。そしてさらに、いままで廃車にしてきた車両は防災用としてリサイクルすることができるし、防災以外の目的にも使用できる、そのような残存価値がもう十分にあるんだ、無造作と思える廃棄処分を行うことは非常によいことではないんだと、こういう結論を出しているわけですね、これについて、どう思いますか。
  262. 石見隆三

    ○政府委員(石見隆三君) この問題につきましては、私ども東京消防庁の方からいろいろ事情等も聴取したわけでございますが、何分にも化学消防車でございまして、化学消防車は一般の消防車と違いまして技術の進歩が非常に早いと申しますか、新しい技術の新しい装備をした化学消防車でなければ、予想されますような最近の化学的な物質によります火災には対応し切れないというふうな問題点もあったようであります。と同時に、もう一点は、このような化学消防車といいますのは、そうたくさん製造するものではございませんし、特定の消防機関で購入するわけでございますから、維持補修のための部品というのがどの程度まで業者として保存しておくことができるのかというふうな問題点もいろいろあったようであります。そういう点を総合的に勘案をいたしまして、東京都といたしましては、いま申しましたように、昭和三十六年の製造車両であり、十八年間使ってまいりまして、一般的にこれを道路を走行させ、そして一般の化学消防に用いるということにはもう限界ではないかという判断をいたしたというふうに承知をいたしておる次第でございます。
  263. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 それはちょっと、判断が全く逆でありましてね、結局、いま使えるもの、残存価値があるもの、部分品を整備して修理すれば十分使えるもの、こういう六千万円もかけて買ったものが、最終的には四十万円くらいでくず鉄屋に無造作に行ってしまう。これは何が原因かというと、やはり補助金の問題なんですね。結局補助金が、たとえばポンプならちょっと修理して直せば使えるものが、その修理した部分あるいはそのほかのいろいろな機器がくっついているんですが、その機器をちょっと修理すれば使えるもの、そういう再生部分には補助金がつかないから、結局無理して修理してまた使うというのじゃなくて、補助金がつかないから、それを廃車にしちゃって、そして新しい補助金をもらって新品を買う、こういうむだが行われている。この補助金は年間百億くらいあるわけなんですけれども、この百億円というのがほとんどむだに使われているのではないか。それにはやはり補助金の制度に問題がある。だから、再生活用できる部分についても、それも補助金の対象になる、そういうような柔軟な方法をとっていけばこのむだは省けるのではないか。こういうことが東京消防庁の見解として出ているわけですからね。そこで東京消防庁は、いわゆる消防機器の再生活用を推進するために、昭和五十二年十月の全国消防長会の技術委員会において、消防機器リサイクルセンター構想を提案しているわけです。だから、十分に使えるものがもうスクラップ同然に捨てられていくというこのことをやっぱり十分に考えていただきたい。大臣、どうですか。もうこういう消防車なんというものは、地方の自治体にとっては本当に何台もほしいものなんですよ。たとえば消防団というのもありますから、それを消防団に安い金で払い下げるとか、そういうことも考えられますし、あるいは消防自動車じゃなくて、ポンプがしっかりしていればこれを農作物に水をかけるためのポンプとして活用するとか、このリサイクルというのは大変活用範囲が広いわけです。あるいは企業でも、大きな企業ではそういうものを払い下げてもらって自衛消防のための機器として使う。非常に範囲が広いわけなんです。  そういうことで補助金の制度についても柔軟に考えていけば、こういう財政難の折、しかも大変日本は資源がないわけですから、資源を新しく再生をして使う。そういうむだを省く努力ですね、それが補助金制度にあるとすれば、制度を変えていく、こういうことを考えるべきではないか、こういうふうに思うわけでありますが、大臣の所見をお伺いします。
  264. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) 確かに研究してみる価値のある問題だと思います。十分検討いたします。
  265. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 よろしくお願いを申し上げておきたいと思います。  次の問題でお伺いをします。ことしから初めて新しい制度として電源開発促進交付金制度、これが発足をいたしました。ところが、実際の交付手続について、通産省と自治省との見解がまちまちであって不統一だと、こういう報道がなされておりますが、この意見対立の原因、そしてその原因が除去されたのか、調整がついたのか。十月にこれをもう開始しなければならぬという、あと四カ月後に迫った問題ですが、自治省と通産省の見解が一致したのかどうか、一致したとするならば、それはどのような方向で一致したのか、お伺いします。
  266. 砂子田隆

    ○政府委員(砂子田隆君) 御指摘の、原子力発電の施設等周辺地域の交付金の問題でございますが、この交付金につきましては、都道府県が行う原子力発電施設の周辺地域住民のための雇用確保事業のほかに、原子力発電施設等所在市町村や隣接町村などに住所を有する住民、企業等に対し給付金を交付するという事務が入っておるようであります。この住民なり企業に対する交付金というものを、給付事務のコストを圧縮するという見地から、支出事務を電力会社に委託させようということからこの問題が起きたと聞いております。しかしながら、この問題は、地方自治法上は、法律またはこれに基づく政令によらなければ、地方公共団体の交付金の支出の権限というものを私人に委任をしましたり、あるいは私人をして行わしめるということができないことになっておるわけであります。  そこで自治省といたしましても、電源開発に関する重要な問題でもございますから、この支出事務が円滑にいくように、いま通産省の方に、適法に支出されるような方向の検討を求めているところであります。
  267. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 そうすると、まだ見解が一致していないわけですね。やっぱりこれは自治体がその使用については判断すべきことだと思うんですね。私としては、やっぱり市町村に交付して、というような見解を持っておるのですが、まあ電源立地の問題もあり、その地域の住民に直接料金の割引その他恩典がいくことですから、せっかく御努力をいただきたいと思います。  それから、最後にお伺いをしておきます。  民間委託問題ですが、この委員会におきましても民間委託問題についていろいろな質疑がありました。そこで、最近自治省の外郭団体、地方自治研究資料センターが実態を調査してまとめておられることはもう承知のことだと思うんですが、大臣はこの調査結果、民間委託の方が十分に安いんだということがもう出ているわけなんですが、この調査結果をどう受けとめて、これに基づいてどのような指導を今後地方自治体に対して行っていくお考えか、これをお伺いをして質問を終わります。
  268. 砂子田隆

    ○政府委員(砂子田隆君) いまお話がございました、地方自治研究資料センターからお話のようなごみの収集事業外六種類につきまして、直営に比べて委託の方がコストが大変安い、しかも効率的であるという指摘がなされた報告書が出されたことを承知いたしております。  もともと、この委託の問題につきましては、その効率性の観点だけではなくて、住民サービスという点の維持向上を確保しなければいかぬのでありますが、いずれにいたしましても、この委託の問題につきましては、やはり直接実施する必要のないものも公共団体にあるわけでありますから、公共団体のそういう点を考えながらの自主的な判断に基づいて民間委託を進めていくということが望ましいことだと思っております。
  269. 伊藤郁男

    ○伊藤郁男君 大臣の見解を最後に。
  270. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) 常識的に言いましても、やっぱり民間委託の方が私は安いんじゃないかということはこの前の委員会でも申し述べたところであります。もちろんこの委員会でもそうじゃないんだという論調もありましたけれども、私はそういうふうに思っておるのですが、今回の調査結果がそういうことを明らかにしておると、こういうふうに思うわけです。  今後、自治体の運営につきまして、決して財政が楽になるような状態じゃありませんから、やはりこの点を、住民サービスの点をひとつ十分注意をして、そして民間委託にして機能を発揮するということがやはり仕事の能率、住民サービスの向上の面にもつながるものだと私は思っておりますので、そういう方向でひとつ各自治体が、それぞれの判断はあると思いますけれども、決して直営だけがいいんじゃないということだけはやっぱり認識してもらった方がいいんじゃないかと思っております。
  271. 美濃部亮吉

    ○美濃部亮吉君 私の最初の質問は、大臣にぜひとも御答弁願いたいので、聞いていていただきたいと思います。  私、四月の二十八日のこの委員会で、総体的な結論といたしまして、東京都において都民一人当たりの租税収入が鹿児島以下でございますと、そう申しました。これは、私はここで申し述べるつもりはなかったので、資料を持っておりませんでした。そういたしましたらば、廊下で財政局長に呼びとめられまして、いまおっしゃった数字は違うんじゃないですかと、それで、そこを聞き漏らしたんですけれども、都の額は図抜けて多いんですということをおっしゃったので、私は資料を持っておりませんですから、私が間違ったのかなと思って、それには的確な返事をいたさないで帰ったわけでございます。そして、早速調べてみましたら、それは「都財政の現状と課題」という都の財務局主計部財政課の調査をしたものでございまして、昭和五十四年の四月に発行をされたもので、その後は鈴木都知事になりまして私のところに資料が参りませんので、ちょっと数字は古いんですけれども、この昭和五十一年度の数字を調べてみましたところ、私の言うことは間違っておりませんでした。  それは、地方税、地方譲与税、地方交付税、国庫支出金、それの合計額を住民といいますか、人口数で割った額でございまして、東京は十八万八千八百円ですか、そうして全国平均が十九万千七百円で、鹿児島の数字が二十四万七千五百円、それから一番高いのが高知で三十三万五千五百円、それから東京を初めといたしまして大都市、大府県、つまり大阪府が十六万二千二百円、それから愛知が十六万千七百円、神奈川が十四万七千円、京都が十七万八千円というふうに、大都市を持っておる府県、それからそういうものがなくても大府県と言われるのは軒並み全国の平均以下でございます。  それからさらに、私は自治省の数字について調べてみました。これは皆さん持っておられます「地方税に関する参考計数資料」というので、五十六年二月発行でございます。これによりますと、道府県税収入等の都道府県別所在状況というので、つまり国庫支出金が入っておりませんけれども、地方交付税と地方譲与税とを合計して、それを人口で割った一人当たりの額が出ております。それで、国庫支出金はいま申しました大都市及び大府県が非常に少ない。ですから、それを合わせますとほぼ私の数字に合うと思うんですけれども、この中でも国庫支出金を入れない額が全国平均で九万四千三百九十九円でございまして、東京都はそれよりちょっと高くて十万八百七十五円、しかしながら東京は全国では二十七位でございまして、鹿児島は十一万七百六十一円で、確かに私が申しましたように鹿児島以下でございます。それから神奈川は六万八千九百三十二円、愛知は八万三千九百七十一円、京都は八万六千九百三十七円、大阪が七万九千三百四十五円というふうに、いずれも全国平均よりも下でございます。  それでありますから、東京都を初めといたしまして、大都市及び大きい県の人口一人当たりの租税の還元額――私は租税収入額と申しまして舌足らずの言葉でございましたが、租税還元額、つまり租税の受取額が水準よりも非常に低い。鹿児島は東京よりもずっと上だという事実は、私の数字においても、また自治省の数字においても正しかったということはいかがでございましょうか。大臣、御返事願います。
  272. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 私が最後に御説明申し上げたことでもございますので、数字のことでもございますので、ちょっと私からお答え申し上げますが、私は、先日いろいろとお示しになった趣旨はよくわかっておったわけでございますが、最後に、東京都における一人当たりの租税の収入額と言われたものでございますから、それは多分一般財源のことで言われたのでございましょうと念押しと同時に、それならばおっしゃるような形じゃございますがということを申し上げたわけでございまして、同時に、私どもが比較いたします場合は、まさに租税全体での東京都の一人当たり負担額、これはもう全国最高でございます。しかしながら、いまおっしゃいましたように、一般財源で見る場合、地方税とそれから交付税、譲与税で見る場合と、それからもう一つの還元額という意味でおっしゃいました国庫支出金を加えて見る場合、しかし国庫支出金を見るときは、還元額というときは、私どもはやっぱり国の直轄投資分を計算しなきゃいかぬと思います。それを入れますと、先ほど申されました国庫支出金と一般財源よりももっと東京都はよくなりますが、いずれにしても、それは一人当たりで割れば東京都は小さな貧乏県よりは、まあ貧乏県と言うと語弊がございますが、低くなるということは事実でございます。  それはもう申し上げるまでもなく、わが国においては全国的にいわばナショナルミニマムという形で一定水準の仕事を維持するという必要がございますので、どうしても財源調整がある。吸い上げたものをそのまま返すということではございませんし、そういう財源調整があるということと、また、たとえば東京都の場合は、それなりの水準に対応するものを需要として見ておるわけでございますけれども、都の実態から見まして、非常に狭いところへ非常に大きな投資が行われ、また人間もたくさんおるということで、人口一人当たりで見れば、たとえば経費も非常に割り安になるといういわゆるスケールメリットというものもあるわけでございますから、一人当たりで見ていけば、おっしゃるように低いわけでございます。いまおっしゃったとおり正しいわけでございまして、私が申し上げたのは、一人当たりの租税の収入と言われたので、ちょっと私勘違いをして、それじゃございませんと申し上げただけでございます。
  273. 美濃部亮吉

    ○美濃部亮吉君 いまおっしゃった、国の直轄的な事業というものを合計するというのはぼくは少し変だと思うんです。確かに直轄事業で都民のためになる、都のためになるという事業もございますでしょう。しかしながら、直轄事業で超過負担になって、実際に委任された額よりも多くのものを都で出している、その他の府県で出しているというものもあるので、それを差っ引いて計算しなきゃならないので、しかしながら、それはいずれにしてもそれほど大きいものではございませんで、一円、二円を争う数字じゃないんです。ただ、私が申したいことは、都や府や大きい県で人口が集中して資本が集積している県は、その資本が集積し、人口が集中しているということ自体から発生するほかの府県にはない需要、つまり、大都市、大府県であるがゆえに出てくる財政需要というものが相当多いと思うんです。それにもかかわらず、一人当たりの租税の還元額、租税の受取額というのが少ないというのは非常に変ではないだろうかということが申したかったんです。  それから、さらに租税の還元率、つまりそれぞれの県なり府なり都なりそれの租税の受取額、すなわち、租税の負担額に対するいま言った受取額、それを還元率と言いますと、人口一人当たりの還元率は全国平均八七%――これは都の資料の数字ですけれども、八七%、それから東京都が三七%、大阪が五〇%、愛知が五六%、神奈川が五六%、京都が七四%というふうに還元率も非常に低い。それは一体どういうことであるかというと、そうはにわかには、直接法には申せませんでしょうけれども、都、府、それから大きい県、それらの住民が払っている租税、それが還元されるのは半分以下であって平均よりもずっと低い。それですから、大げさに言えば、つまりこういう都、府及び大きい県の住民が、国の財政及びそのほかのわりあいに貧しい県の犠牲になっている、その負担をしているんだ、そのために還元率が非常に小さくなっているんじゃないだろうか、そういうふうに思うんです。それですから、東京都その他大きい府県、そういう自治体をもう少しかわいがっていただいてもいいんじゃないか。そういうふうにほかの県を、自分たちの犠牲でもって国を、そうして中小の県を見てあげていると言うと少し大げさですけれども、その足りない分を負担をしている。それなのに、つまり東京都なら東京都の資本が集積し、人口が集中する、そういうことから出てくる財政需要、それが基本財政需要額の中に正確に含まれていない結果として、そういう大都市を初め大府県が非常に財政が苦しくて非常に困っている、これは非常に不公平ではないであろうかと、そういうことが申し上げたいのですが、いかがでございましょう、大臣。
  274. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) いろいろおっしゃいました意味はよくわかるわけでございますが、都民一人当たりの税が高い、しかし還元されるのは低いというのは、それはもう事実そのとおりでございまして、また、そういう仕組みになっていると言ってもいいと思うのでございますが、都民一人当たりの租税負担額が高いのは、もう申し上げるまでもなく、主として東京都に所在しております法人企業と、特に中枢管理機能を持ったところがたくさんあるわけでございます。そのために法人関係税が他府県に比べて非常に多いということで、やはりその意味では富裕であるということは他府県から見ればそういうことになるわけでございます。  また、実質的な配分額が相対的に低くなっているのは、これはもうさっき申し上げましたように、スケールメリットという意味において、それはやはりどうしても都の実態から見て、一人当たりで割ってまいりますと経費が割り安になるということもございますし、また、そういうところから出てきたもので、おっしゃるように他の府県に、財政力の弱いところへ回しておるということも事実でございます。おっしゃいました一人当たりの負担という場合は、国税も負担しておるわけでございますから、その国税のうちの三税部分の三二%は交付税で配っておるから、それはもう当然東京都へいくよりはほかへ回るのが多いわけでございますから、そういういわば財源調整が行われておるということでございますから、そこは自分のところで出したものは全部自分のところへ返るんだという原則だけを主張するわけにもいかないし、都が国をしょっていると申しますか、確かに国の首都ではございますが、都もやっぱり国の一部でございますから、国税として上がったものを全体としてどう使うかという場合に、その三二%分が財源調整に使われており、都京都は不交付団体ということでございますからそれは行かない。そこへ差が出てくるのはこれはもうやむを得ないと思います。    〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕  ただ、おっしゃいますように、そういう東京都で集積の利益があるかわりにまたデメリットもいっぱいあるんだと、だから東京都のいろいろな特殊財政需要、まあ東京都だけじゃなくて大都市のそういう特殊事情は十分反映するべきだという点については、私はおっしゃるとおりだと存じております。それで、そのつもりで私どもとしてもできるだけいろいろな補正係数、最高の補正係数等を使ってやっておるわけでございますが、現在の制度では東京都は不交付団体になっていると、こういうことでございます。
  275. 美濃部亮吉

    ○美濃部亮吉君 あなたのおっしゃることはぼくは間違っていると思うんだ。法人税がたくさんあるといっても、法人税は東京都に非常に不利に分割されているんですよ。    〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕 それは、東京都に本社がありましょう。そうしてそこで働いている人数を基準にして分割されているんだ。それは本社に働いている人は工場に働いている人よりも少ないことは当然ですよ。これはぼくがいる間にそうなったんだ。そうして法人税が非常に減ったんですよ。これはまたおれをいじめているなというふうに思いましたけれどもね。それは当たっているか当っていないかわかりません。  それから、富裕だといっても――ぼくは全額、一〇〇%返してくれとは申さないんですよ。ただ、五〇%前後しか返さないというのはあんまりだろう、もう少し、六〇%なり六五%くらい返してくれても罰が当たるまい、また、それが当然なんじゃないだろうか、外国なんかはそうなっている。つまり、大都市、大府県が非常に不公平にいじめられている。そうして東京都においては不交付団体であって地方交付税が一つも来ない。こんな不合理はないというふうに思っているわけです。  それで、その話はそれだけにいたしまして、それから後は、つまり地方交付税というものの性格でございますが、地方交付税というのは、元来は、豊かな県もあり貧しい県もある、それを調整する、豊かな県からある程度において貧しい県へ移してやる、そういうふうに、何といいますか、財政の水準を平衡化するということがぼくは元来の目標であったのであろうと、そういうふうに思うんです。ところが、現在においては、府県で言いますならば、先ほどもお話に出ましたけれども、ほとんど全部が、東京都を除きまして全部が地方交付税をもらっているということは、地方交付税がなければ財政は赤字になるということなんです。ということは、府県で言うならば、財政が不均衡である、赤字が出るということが日本の構造的な結果である。それは地方交付税なんかで完全に平衡化することはできないんで、構造的な点に欠陥があるんで、構造それ自体を変えなければそういう問題は解決はしない、そういうふうに思うんです。ところが、自治省はそういう構造的な改革、構造的に是正をする、つまり、構造的な改革によって東京都を除くあらゆる府県が赤字を出すということを是正する、そういう努力をぼくは全然やられていないと思うんです。そのやられていないという証明は、今度の交付税法の改正において、その構造的な変革をやろうとする試みが全然見られない。それはどういう点であるかと言うと、つまり、地方財政は赤字になることが宿命的な状況にあるので、その点においては、もしそれを是正しようということになるならば、それは地方交付税――これはぼくは地方交付税をよけいにするというのは好ましいことじゃないと思うんです。それは自治省の中央集権的な権力をより強くすることになるのでかえっておもしろくないとは思いますけれども、しかしながら、地方交付税の率をもう少し上げるとか、あるいはもっといいことは地方税の税率を上げるとか、そういうことをして、そうして地方の財政を少しは豊かにするということを考えるべきであるにもかかわらず、今回の地方交付税の改善ではない、是正においては、そういう試みが一つもなされていない。それは、つまり、国の資金が補助に、援助といいますか、補助に回される額は千三百億円にすぎないので、あとは全部小手先の、つまり恐らくは債務を少しよけいに先に延ばすと。それで、たとえば借入金の将来の償還状況というので見ると、いままでの条件のもとにおいては、六十年度において純地方負担分は、これは四兆三千八百七十一億円、これが昭和六十年にピークに達する。それが今度の改正によってピークが六十五年に五年延びただけである。そうしてしかも、地方の負担は五千七十五億円です、国と両方合わせて九千七百九億円です。だから五年間延びただけであって、借金の堆積はよりふえている。それはつまり私はこの地方交付税法の改正が何ら根本的な解決策になっていない。まあ少し頭をなでたようなもので、私は何とかして構造的な改革を――それはいまはこんな財政状態でむずかしいことはよくわかります。よくわかりますけれども、この前も申しましたけれども、財調というふうなものが幸いあって、そしてまた、もう少し言いたいことは、地方交付税の計算の基礎になる基準財政需要額――これ、私は七千円を投じて二冊買いました。(図書を示す)しかしながらとてもわからない、何としても。大臣、わかりますか、これ。これは担当官以外にわかりっこないと思うんだ。だから、担当官以外にわからないことを基礎にして配分をするというのは密室政治ですよ。もっとオープンにしなきゃいけない。つまり情報の公開ということがいま盛んに言われているんですけれども、それと正反対な密室政治のもとにおいて、地方の財政の基本になる財政需要額というのが決定される。それじゃどうしたらいいのかということを、一人で一生懸命になって考えましたけれども、名案はありません。それはあなた方みたいな有能な公務員が集まっている自治省ですからね。そのつもりになれば名案が浮かぶと思うんだ。だから、もう少しだれにでもわかる方法を考えてほしい。そういうことをお願いをいたしまして私の質問を終わります。
  276. 土屋佳照

    ○政府委員(土屋佳照君) 先に私から御答弁を申し上げます。  今回の財源対策等に関連いたしまして、交付税の性格等について御意見があったわけでございますが、申し上げるまでもなく、現実の行政というものは、その七割を地方団体が実施しておる、これはもう事実でございます。したがいまして、本来ならそれを賄えるだけの地方税という独立財源があれば最もいい方法だと思うのでございますけれども、そういった税目を地方に与え、それぞれの団体がそれによって財政を処理していけるような方法というのはなかなか見つかりません。どうしても税源の偏在がございますから、国税三税の三二%分を交付税という形でいま財源調整をやりながら、かつ、財政力の弱いところにも一定水準の行政はさせなければならない、こういうことで財源保障もやっておるということでございますから、どうしてもやっぱり交付税制度というものは必要でございます。  ただ、午前中も質問がございましたけれども、不交付団体がもう非常に少なくなっておるということはどういうことだということでございまして、私どもも、それは本来地方税というものが、地方税だけではなかなかいかないけれども、地方税がもう少し充実されるということが必要なんだろうというふうに思っております。そういうことで、そういった地方税の改正も含め、充実も含めて、交付税制度等で地方の一般財源の充実を図りたいと、こう思っておるわけでございますが、残念ながら国の方も七十一兆にのぼる借金を抱えておりまして、非常に大きな赤字公債を含む公債依存度が高くなっておる、こういった状況のもとにおきまして、地方ももちろん足らないわけでございますから大いに主張したいわけでございますし、また主張しておりますが、そっちの方は無関係に、こっちさえやればいいというわけにもいかない。そこはいろいろと相談をしながらやってきておるわけでございますので、私どもとしてもなかなかもどかしいのでございますけれども、構造的に改善ができるほどの思い切った改正というものができないという状況でございます  しかし、私どもはそれなりで赤字を解消しようということでできるだけ努力もしてまいりましたし、財源不足というのもだんだん縮まってきております。しかし、根本的な解決にはなっていないということは私ども反省しながら、たびたびこの地方行政委員会の場でも申し上げておるとおりでございまして、五十六年度の対策においても、確かにいわゆる財政特例としての臨時特例交付金が千三百億あっただけで、あとはいろいろとやりくりではないかとおっしゃればそのとおりでございます。やりくりをしたわけでございます。国もなかなか厳しい財政の状況のもとでございましたので、不本意ながら、結果としてそうなってしまったということでございます。  そういうことでございますので、私どもとしてもできるだけ今後、おっしゃいましたような意味で、もう少し地方税を中心に、地方交付税も充実させて、一般財源で赤字が出ないような収支の均衡を回復し、同時にいままでの借金を返していけるだけの体力を養いたい、そういうものに持っていきたいと思っておるわけでございますが、一遍にはなかなかいかない。その意味で、いま国、地方を通じてのまさに行政そのものの見直しを通じながら再建をしようということになっておりますので、そういう中で、多年私どもが主張しておりますような国と地方のいまの仕事ぶりから見て、地方がやれるものはなるべく地方に権限も、あわせて金も移譲をして、そこでうまくいくような方式というものを考えてもらいたい、こう言っておるわけでございます。今後ともそういった点で努力をしたいと思っておるわけでございます。  基準財政需要額等の算定については、私どもできるだけ大都市なりあるいはまた地方においても、それぞれの実態に応じた算定をしようと思っておりまして、お示しのようにあれこれ注文を聞いておりますと、その公正さと精緻さを求められれば求められるほど、だんだんむずかしい状況になってきまして、率直に申しまして、私自身がそれを全部通して読むだけの余力もないぐらいでございますから、なかなかそういう点はみんながわかり得るというわけにはそれはまいらないと思います。  しかし、行政はやはり必要なものに対応する必要がございますから、だれでも見てわかるというものではございません。大変複雑な行政でございますから、やはりそこには専門的な立場から技術的にやっていくということも必要でございますから、おっしゃるようにだれでも見てすぐわかるものですべてのものに対応し得るようなものはこれはなかなかできないだろうと思っておりますが、要は、もっと的確に、そういう需要を反映できるような方法というものをよりやさしい方法でつくるべきだろうという御趣旨だろうと思います。そういった点については私ども今後努力をしてまいりたいと思います。  それからなお、最初の方で、ちょっと恐縮でございますが、事業の分割等について、あれは事業税の分割でございまして、法人税そのものは国税で全部いってしまって三二%が配られるわけでございますから、おっしゃいましたように配分基準の公正があれではもう少し配分上公正を図ってもらいたいという意味での御趣旨なら、事業税についてなら私理解できますが、そういうことだろうと思っております。
  277. 美濃部亮吉

    ○美濃部亮吉君 お話、よくわかりました。しかしながら、少しでもいい方に向かいつつあるということがあるのならば、私はもう少し傍観して、だんだん少しずつでもよくなると。しかし、ぼくの見るところ、悪くなるばっかりだ。ちっともよくならないで悪くなるばっかりで、そういう傾向が続いたらば地方自治も破壊されるし、また日本の民主主義も損なわれる。何とかしていい方に向かわせるように努力をしていただきたいということをお願いしておきます。
  278. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) 先輩の美濃部さんからの御意見の開陳でございますから、私もお答えしないと大変失礼だと思いますので……。  財政局長からいま申し上げたとおりでございますが、若干私考えております点を申し上げますと、東京都なんというのは、私どもから言うと大変うらやましい風だったわけですね……
  279. 美濃部亮吉

    ○美濃部亮吉君 うらやましくないですよ。全然うらやましくないですよ。
  280. 安孫子藤吉

    ○国務大臣(安孫子藤吉君) それは、かつてはですよ。――でありますから、高度成長時代における問題と、この低成長時代に入った場合とでよほど問題は違ってくるんじゃないかという認識を一つ持っております。  それから、交付税でもって一人当たりの関係が相当大きく動いておるのじゃないかと私も思っておりますが、この点はひとつ全国が一つのミニマムの姿においてそれぞれ充実していくのだという方向については御理解を願っておきたいと、こう思っておるわけでございます。  それから、交付税の算定基準が非常に詳細にわたっておる、これは担当者以外はなかなかわかりにくいというのは、それは事実でございます。しかし、これも担当者だけを責めるわけにはいきませんので、やはり各県あるいは各市町村とも、ひとつ自分の方に分のいいような交付税の算定基準を何とかしてくれというのが、もう長年の間、自治省に対する要望が出ておるわけです。初めは低開発と申しますか、後進地域でありますところから、その次には今度は中進県から要望が出る、今度は大都市の方から要望が出ると、それから農業地帯の問題でまた出る、それからまた産業がいんしんをきわめている地帯から出る。そういうものが常に錯綜をいたしまして、それぞれの交付税の配分基準についての要望を、もう長年の間出てきておって、それを自治省としては十分その辺をも考慮して配分をしなくちゃいかぬという、そういう考え方で今日に至っているわけでございまするから、だれにもわかりにくいようなものを好んでつくっておるというわけじゃありませんで、そうした利害関係、地域の問題、そういうあらゆる問題をこの交付税の中に持ち込まれております関係上、それを公正に処理をせにゃならぬということでどうしても惰緻にならざるを得ないと、こういう経過をたどっておるわけでございますから、この点はひとつ御理解を、まあ同情もしていただきたいわけであります。  それは私なんかも、もっと簡単に、だれでも見てわかるような基準をつくるべきだと思いますけれども、さて、いま美濃部さんもおっしゃったように、それならばどういう対案があるかというと、これはなかなかないわけでございますね。そして、そういうトラスチックなものを出したとすれば、これは各地方団体から不平続出ですねCまた、いままでの経過を繰り返すようなことにもなるのじゃないかと、こういうふうに思うんです。それで、これでいいと私は思っておりません。でき得る限り多くの人々が簡単に理解できるような、そういうものをつくることには、自治省といたしましても努力をしなきゃならぬと、こういうふうには思っております。  それから、非常に構造的な問題だと、こういうお話がございましたが、確かにその点はあると思います。これは税制の問題に関係してくるわけでございまして、やはりいまの税制というものがどうしたって農業地帯なんかではそういう税収が上がりにくい、工業が発展しているところは税収が上がるというような問題もあるわけでございまして、日本全体の産業構造の問題にも関連していくわけでございまするし、また、税制の問題にもこれは大きな問題点があるだろうと、こう思いまするので、その辺を総合的に勘案をいたしましてやるということにこれから進めにゃならぬだろうと、こう思っておるわけでございます。  いろいろ御所見に対しまして、お答えにならないと思いますけれども、若干のことを私、申し上げまして、お答えにしたいと思います。
  281. 亀長友義

    ○委員長(亀長友義君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時十七分散会      ―――――・―――――