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1981-06-06 第94回国会 参議院 内閣委員会 14号 公式Web版

  1. 昭和五十六年六月六日(土曜日)    午後三時十八分開会     ―――――――――――――    委員の異動  六月六日     辞任         補欠選任      桧垣徳太郎君     梶原  清君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         林  ゆう君     理 事                 藏内 修治君                 竹内  潔君                 矢田部 理君                 柄谷 道一君     委 員                 板垣  正君                 岡田  広君                 梶原  清君                 源田  実君                 関口 恵造君                 中西 一郎君                 林  寛子君                 堀江 正夫君                 片岡 勝治君                 野田  哲君                 山崎  昇君                 中尾 辰義君                 峯山 昭範君                 安武 洋子君                 秦   豊君    国務大臣        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)       中山 太郎君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  大村 襄治君    政府委員        人事院総裁    藤井 貞夫君        人事院事務総局        任用局長     斧 誠之助君        人事院事務総局        給与局長     長橋  進君        人事院事務総局        職員局長     金井 八郎君        内閣総理大臣官        房総務審議官   和田 善一君        総理府人事局長  山地  進君        防衛庁参事官   岡崎 久彦君        防衛庁参事官   石崎  昭君        防衛庁長官官房        長        夏目 晴雄君        防衛庁防衛局長  塩田  章君        防衛庁経理局長  吉野  実君        防衛施設庁総務        部長       森山  武君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木 源三君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○国家公務員法の一部を改正する法律案(第九十  三回国会内閣提出、第九十四回国会衆議院送  付) ○自衛隊法の一部を改正する法律案(第九十三回  国会内閣提出、第九十四回国会衆議院送付) ○戦後ソ連強制抑留者の恩給法上の加算改定に関  する請願(第一七六号外六六件) ○ソ連抑留中の強制労働に対する特別給付金の支 給に関する請願(第一九一号外六七件) ○同和対策事業特別措置法の総合的改正に関する  請願(第二三一号) ○靖国神社公式参拝に関する請願(第二三二号) ○旧勲章叙賜者の名誉回復に関する請願(第二八  一号外一五四件) ○国際障害者年と障害者施策の充実に関する請願  (第二八三号) ○旧中華航空株式会社従業員を恩給法令にいう外  国特殊機関職員指定に関する請願(第三五〇号  外九件) ○外地派遣旧軍属の処遇改善に関する請願(第三  八〇号外一六件) ○厚木基地への対潜しよう戒機P3Cオライオン  配備計画反対に関する請願(第四八二号) ○旧国際電気通信株式会社等の業務の政府引継ぎ  前に退職した社員に対する国家公務員等退職手  当法改正に関する請願(第五〇八号外三一件) ○戦後ソ連強制抑留者実態調査費予算計上に関す  る請願(第五二八号外二〇件) ○旧満州棉花協会等を恩給法による外国特殊機関  指定に関する請願(第六四一号外七件) ○靖国神社国家護持に関する請願(第七〇七号) ○行財政改革に関する請願(第八二一号外一件) ○同和対策協議会の即時再開による国会附帯決議  具体化等に関する請願(第八八七号) ○情報公開法(仮称)の制定に関する請願(第一  〇九三号) ○視覚障害者の国家公務員採用試験の点字受験制  度化等に関する請願(第一一四五号外五件) ○共済年金改善に関する請願(第一三一七号外一  二五件) ○国家公務員の諸制度改悪反対等に関する請願  (第一四三六号) ○旧軍人恩給制度の抜本的改善に関する請願(第  一五一五号) ○国家公務員の退職金削減・定年制導入反対に関  する請願(第一九二一号外五三一件) ○同和対策の充実強化に関する請願(第二六五八  号外一件) ○重度重複戦傷病者に対する恩給不均衡是正に関  する請願(第二八一一号外一二件) ○防衛力の増強及び靖国神社の国家護持法制化反  対等に関する請願(第三四九八号外三〇件) ○公務員の定年制・退職手当法改正反対等に関す  る請願(第三五六五号外一一九件) ○傷病恩給等の改善に関する請願(第三五八二号  外三六件) ○徴兵制制定反対等に関する請願(第四三二三号  外二件) ○公務員の定年制・退職手当法改正反対及び共済  制度改善等に関する請願(第四六六九号外四〇  件) ○公務員の定年制及び退職手当法改正反対等に関  する請願(第四七七一号外三件) ○非核三原則法制化等に関する請願(第四九五八  号外一一件) ○国家公務員の賃金水準大幅引上げ等に関する請  願(第五〇八四号) ○継続審査要求に関する件 ○継続調査要求に関する件 ○閉会中の委員派遣に関する件     ―――――――――――――
  2. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、桧垣徳太郎君が委員を辞任され、その補欠として梶原清君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 国家公務員法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行います。  前回、定年制についての人事院の見解の表明が、昭和五十三年二月三日の総理府総務長官から依頼の書簡に答える形で、昭和五十四年八月九日に人事院総裁から行われたことについて、委員会において山崎委員から意見が表明されましたが、このことは、国家公務員法第二十三条の規定もあることであり、今後はかかることのないよう人事院において十分配慮するよう要望いたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 矢田部理

    ○矢田部理君 私は、前回の理事会で合意をされた時間がまだ残っておりますので、その時間についてとりあえず質問を続けていきたいと思います。  いま、内閣委員長から人事院に向けて指摘がありましたように、今回の定年制に当たって人事院は総理府総務長官から見解の表明を求められた。書簡で来たので書簡で答えたということになっているようでありますが、この二十三条の規定を読んでみますと幾つかの要件が規定をされています。つまり、「法令の制定又は改廃に関し意見があるときは、その意見を国会及び内閣に同時に申し出なければならない。」という規定になっているわけでありますが、少なくとも定年制というのは国家公務員法の規定にとってきわめて重要な改定でありますから、当然のことながらこの法律にありますように、「法律の目的達成上、法令の制定又は改廃に関し意見があるとき」、これに該当する、この要件に当たるというふうに私は考えますが、いかがでしょうか。  同時に、第二点といたしまして、その際は少なくとも国会と内閣と両方に意見の申し出をしなきゃならぬということになっているわけです。ところが、今回の場合には内閣にも出していない、もちろん国会にも出していない、総務長官に出している。ここにもう一つ問題があります、二番目。  そしてまた、「国会及び内閣に同時に申し出なければならない。」、義務規定にすらこれはなっているのであります。  三つの点で、人事院のとった態度はきわめて遺憾、この法の趣旨にのっとっていないというふうに考えるのですが、人事院総裁の再度の見解を求めておきたいし、それから当内閣委員会でも理事会でその点が論議になりました。山崎委員からの疑義を十分生かす形でいま委員長から申し入れがあったわけであります。今後どういうふうにこれを改めていくのか、考えていくのかということも含めてお答えをいただきたいと思います。
  5. 藤井貞夫

    ○政府委員(藤井貞夫君) 矢田部委員の御質疑がございました。この点につきましては、従来の委員会でもいろいろ御質問があったとおりでございまして、これに対しましては、その都度私たちの見解は申し述べたのでございますが、ただいま再度この点についてお尋ねの点がございました。また御注意もございました。冒頭、委員長からも御発言がございました。  これにつきましては、委員長の御発言の趣旨を体しまして今後とも十分注意をして善処をしてまいりたい、かように考えております。
  6. 矢田部理

    ○矢田部理君 特に希望しておきたいと思いますのは、人事院の弁解の中に、今度の定年制問題は国家公務員だけではなくていわば五現の関係がある、一般職だけではなくてということを弁解とされているわけでありますが、五現の関係はこれはこれとしてあるにしましても、少なくとも国家公務員全体を仕切る法律として重要な改廃、改定がなされるわけでありますから、その点は今後こういうやっぱり便宜的な方法で行ってはならない。その点では、やっぱり人事院の役割り放棄、むしろ私は二十三条違反だとすら考えているわけでありますので、十分に留意をいただきたいということを重ねてつけ加えておきたいと思います。  そこで、次の質問に入りますが、これは古くて新しい問題でありますが、定年制、とりわけ定年というのはその法律的な性格、位置づけをどう見るのかということについてかなりの論議があります。象徴的に言えば分限なのか勤務条件なのかというような議論でありますが、まずこの点について、すでに答弁もあることではありますので、簡単で結構ですから、人事院ないしは総理府としての考え方を簡略に述べていただきたいと思います。
  7. 山地進

    ○政府委員(山地進君) 分限と申しますのは、身分保障を前提といたしましてその身分の変動にかかわることの総称でございます。したがいまして、国家公務員法の七十四条以下に分限が書いてございますが、その中には降任、休職あるいは免職というようなことを中心にして書いてあるわけでございます。今回の定年制というのは、自動的に退職することになる、つまり身分の喪失に関することでございますので、これは分限として新たに目を設けて今回の国家公務員法の中に設定したわけでございますが、ただ、こういったことが公務員の労働条件の一つになるということもまた事実でございます。また労働条件というのは、自分の労働を提供するに当たって考慮されるべき一般的な事項ということでございますので、勤務条件たる側面も持っている、かように考えているわけでございます。
  8. 矢田部理

    ○矢田部理君 そこで、問題点が幾つかあるわけでありますが、今度の国公法の改正では、もともと分限というのは公務員の身分保障ということに本質があります。したがってまた、意に反して公務員はやめさせられないということで、さまざまな裏づけ規定を置いているわけであります。そういうものの一連の法制度として、いわば国家公務員法は御承知の第六節で分限等の規定を置いているわけであります。ところが、この分限規定ときわめて異質だと私は思っているわけですね。それは六十歳までやめさせられないという保障をするんだなどという説明をしている向きもないわけではありませんけれども、意に反してやめさせないということを根幹とする分限条項の中に、意に反してやめさせるという定年制をそのパートに置くということは、いかにも異質の規定を分限上この中に持ち込んでくる、それは単に立法技術や体裁が悪いという性質の問題ではなくて、そこに人事院なりあるいは総理府としての――まあ総理府が中心でありますが、この定年制に対する考え方が端的にあらわれているんじゃないかとすら思えるわけでありますが、その辺はいかがお考えか伺っておきたいと思います。
  9. 山地進

    ○政府委員(山地進君) いま御指摘の点は、身分保障という七十五条の規定でございますが、「職員は、法律又は人事院規則に定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、休職され、又は免職されることはない。」、これが身分保障の規定でございます。これは、文字を読みますと、先生のおっしゃるように意に反して免職されることはない。ただしその前に、法律に定める事由による場合はと書いてあるわけでございます。で、法律に定めれば何でもいいかということになるわけでございますが、私どもとしては、法律に定める――立法府のお決めいただくことでございますから、合理的な理由がある場合というふうな意味だろうと思うわけでございますが、合理的な理由がある場合に、そういった事由があれば法律で定めてその身分保障というものを恣意的に運用しない。そこで、定年制というのは合理的な理由があるということをかねがねいろいろとるる御説明をし、今回、その法律に定める事由の一つとして定年制度を導入するという意味でございまして、私どもとしては分限の条項に入れるのがきわめて適切である、かように考えております。
  10. 矢田部理

    ○矢田部理君 そういう答弁があるだろうと思っていたわけですが、そういう物の考え方を私どもの世界では三百代言というふうに言います。意に反して免職されたり不利益な処分を受けないということに、言うならばこの規定の根幹があるわけであります。法律そのものが意に反してやめさせるということとこの分限条項の基本規定はやっぱり矛盾するわけでありまして、法律さえあれば何でもできるんだ、その枠内ではやめさせないんだという議論とはちょっと違うんでありまして、そこにやっぱり根本的に問題の間違いが存在するというふうに私は言わざるを得ないんでありますが、続きまして、これはずいぶん議論もされてきたところでありますから、次の質問に入ります。  そこで、分限条項であるというふうに仮に見ましても、同時に労働条件、勤務条件としての性質を持っていることは総理府としても否定しないし、繰り返しこれは認めているところであります。  特にここで問題になりますのは、労働条件、勤務条件だということになりますと、当然これは労働者に、労働基本権とのかかわりで、団体交渉権があると。特に国公はもちろんでありますが、五現については団体交渉権――それは単に交渉するだけではなくて協約締結権も含めた内容を持っておるわけでありますから、この点は基本的に保障されなければならないというふうに考えているのでありますが、その点どうお考えでしょうか。
  11. 山地進

    ○政府委員(山地進君) おっしゃるように、五現につきましては、労働交渉権のみならず労働協約締結権というものが保障されておりまして、これは公労法の適用を受けるわけでございます。したがいまして、同じ国家公務員法の適用を受ける一般の公務員と五現の職員ということでございますけれども、五現の場合には幅広い交渉権といいますか労働協約締結権があるということでございまして、この労働条件たる定年の整備につきまして公労法の適用があるということでございます。  そこで、一体どこまであるのかということでございますけれども、この先ほど読みました七十五条の、法律による事由以外には保障されているわけでございますので、この定年制度というものそのものを労働協約の対象にするということでは定年制度は導入できないわけでございますので、私どもとしてはこの五現の定年制度については、その大枠の枠組みを法律の方に規定いたしまして、その主務大臣が決めること、つまり労働協約で決める範囲というものを八十一条の二以降でそれぞれ規定しているところでございます。
  12. 矢田部理

    ○矢田部理君 若干具体的に総理府と人事院の双方に伺っておきたいと思いますが、今度の法改正の中で、法律だけでは賄い切れませんから、細則等々については、国家公務員については人事院規則、そして五現の関係で言いますと主務大臣の定めということになっている部分が非常に多いわけであります。  そこで、人事院が人事院規則をつくるに当たって十分に職員団体等の意見を聞く、その意見を反映して人事院規則をまとめていくというふうな立場に立っておられるかどうか。  つくられた後は、今度は総理府など、場合によっては関係省庁がこれに基づいて運用をしていくわけでありますから、関係省庁はその規則の運用に当たって当然のことながら職員団体等の意見を十分に聞き、かつ反映させながらこの運用をしていくのかどうかという点が二点目。  さらに、主務大臣の定めを五現の関係でつくるに当たってもあるいはその後の運用に当たっても、主務大臣に対して労働組合との団体交渉なり関係職員団体からの意見の聴取なりを十分に行うように総理府として今後徹底をさせてほしいというふうにも考えているわけでありますが、総理府及び人事院の双方から見解を求めたいと思います。
  13. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) 法律が施行されますと人事院規則制定の作業に入るわけですが、その過程では職員団体の意見は十分にお聞きすることとしております。
  14. 山地進

    ○政府委員(山地進君) 五現につきましては主務大臣が定めるというふうに書いてございまして、一見主務大臣が勝手に決められるような感じがございますけれども、これは給与の特別法――給特法と呼んでいる規定で読みかえ規定を置いているわけでございまして、従来、給特法の中でもいままでの勤務時間というようなものについては「勤務時間等」という規定がございまして、主務大臣が定めるというふうに書いてございます。実体的には、公労法の中の八条で勤務時間等は団体交渉の対象になるというふうになって、その使い分けしてございます。従来からもそういう労働協約の対象になり、かつ現実に協約を締結している点につきましても、法文上は主務大臣というふうに書いてあるわけでございまして、今回の主務大臣と書いてございますのは、従来のその法律的な規定の仕方とあるいは実際のやり方というものを踏まえて私どもとしましては主務大臣と書いてございますので、これらについては十分に協議を行って決めていく、その協議が決まらない場合は、当然のことながら調停あるいは仲裁というような判断も仰ぎながら決めていくことになる。したがって、それらの運用に当たりましても、当然のことながら勤務条件でございますから、それぞれ時々お話し合いを重ねて決めていくと、こういうふうになると考えております。
  15. 矢田部理

    ○矢田部理君 人事院も、もう一度確認的に伺っておきますが、規則をつくるに当たってもその後の運用に当たっても、総理府がいま述べられたような趣旨で職員団体等の意向を聞き、場合によっては交渉し、意見を十分反映させる形で行っていきたいということには異存ございませんね。
  16. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) 規則制定までの間におきましては、人事院としては関係職員団体の意見は十分に拝聴したいと思っておりますが、これができますと、勤務延長でありますとか再任用の関係は、それぞれの任命権者が実際に運用するということになります。この場合、公正に行われなければならぬということは当然でございまして、その公正を確保するために職員団体の意見を聞く必要がある場合は当然に意見を聞くことになろうかと思います。
  17. 矢田部理

    ○矢田部理君 意見を聞く必要がある場合には聞くことになる、それはあたりまえの話なんです。人事院が必要がある場合と考えただけではなくて、職員団体の申し出があった場合も含めて意見を聞くということにしていただかないといかぬというふうに思うわけです。
  18. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) この点は、衆議院で法律が通過します場合の附帯決議に、職員団体の意見を反映して公正に運用することということでございますので、十分尊重してまいりたいと思っております。
  19. 矢田部理

    ○矢田部理君 そこで、さらに伺っておきたいのは、人事院規則にゆだねられている部分が各条項でかなりあるわけですが、この規則の概要といいますか、きちっと規則案みたいなものができていればなお結構なんでありますが、それはできているのでしょう。
  20. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) まだできておりません。といいますのは、特例定年の官職につきましては、これから各省、職員団体それぞれ御意見があると思いますので、そういう点も伺いながらしさいに調査して官職を決めなくちゃならぬ、そういう作業もございますので、一部はこの委員会でも宮内庁の一部官職でありますとか、海難審判庁の審判官でありますとかということは申し上げておりますが、それ以外のものもこれからいろいろ要望、要求あろうかと思いますので、そういうことを検討いたす期間が必要であろうと思っております。
  21. 矢田部理

    ○矢田部理君 地方公務員の定年制の問題が地行で審議をされておるわけですが、これは条例で最終的には仕切られることになるわけですね。この条例制定に当たってどんなことを考えているのかということで、「条例準則に関する参考メモ」というのを自治省はあらかじめ委員会の要求に従って出した上で、それも論議に供しつつ審議を深めているという経過があるわけです。もとより、われわれとしても職員団体の意向などを聞かずに勝手に人事院が策定することは好ましいとは思っておりませんが、少なくともそのたたき台的なものは恐らく人事院がつくるということになると思います。まさにそれと一体のものとして法が運用されていくことになるわけでありますが、たとえばこんなことを考えているという例示列挙方式ではなしに、本来は少なくともその骨格やアウトラインは当委員会の審議に当たっては提出してしかるべきだと思うんですが、ほとんど準備がないのでしょうか。
  22. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) 大体の原理原則は考えておりまして、それは当委員会でも御質問の都度、特例定年、勤務延長、再任用の基準ということでお答えしてきております。再度繰り返しますと……
  23. 矢田部理

    ○矢田部理君 内容はまた後で聞きますから。
  24. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) 大体の原則的な基準は考えております。
  25. 矢田部理

    ○矢田部理君 私もあなたの答弁などを議事録で見ないわけではないのですが、やはり文書にしたものを今後の運用の、これはもちろん固めた、コンクリートされたものではないにしても、出す必要はあると思うんです。だから当委員会に対して、人事院規則の中身について人事院として考えているたたき台、これをやっぱり資料として提出することを求めておきたいと思いますが、委員長としてよろしく……。
  26. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 理事会において諮って処置いたします。
  27. 矢田部理

    ○矢田部理君 委員長からの処置も期待をいたしているわけでありますが、人事院としてはそういうものをできるだけ早目に当委員会あてに出すということを約束できますか。
  28. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) 御提出いたします。
  29. 矢田部理

    ○矢田部理君 これは少し質問の順序が未整理だったのですが、従来、自治省とか藤井人事院総裁などもかつてその役割り、そういう見解を持っておられたのですが、公務員制度について能力実証主義というんですか、という立場をとっておられた。あるいは現在もそうなのかもしれませんけれども、私どもはこの立場に必ずしも賛成するわけではありませんが、その議論を具体的に発展させていきますと、公務にたえるかたえぬかはいわば個々人で判定するべきだ、年齢で画一的に仕切るべきではないという見解を、藤井さん、あなたは従前から持っておったのではないでしょうか。その点まず人事院総裁に伺っておきたいと思います。
  30. 藤井貞夫

    ○政府委員(藤井貞夫君) 一般的、基本的にはそういう考え方というものが公務員制度の基本にはあってしかるべきであるという考え方があると思います。私自身もそういう基本的な立場に立っておったことがございます。その基本自体は別に根本的に変えるつもりはございませんですけれども、その点はやっぱりあくまで、この間も申し上げたかと思いますが、現行法制定当初の状況、そういうようなものを前提として私自身の考え方というものも確立されていったという経緯もあろうかと思います。当時は、事実上定年というものを制度として設けなければならぬというような情勢はまだ状況としてなかったと思います。むろん地方団体等の一部ではそういう必要性は考えられておったところもあるかと思いますが、一般的に言ってそういう切実なものはなかったと思えます。といたしますと、やはり平等取り扱いの原則その他から言いまして、やはりでき得べくんば能力実証というものを貫いていくというたてまえが公務員制度としては非常になじみやすい原理ではないかという立場から、いままでそういう方針でやってきたと自分でもそう考えております。  ただ、情勢がいろいろ変わってまいりました。これは累次いままでも繰り返し申し上げておりますように、高年齢化の現象というものが非常に顕著に進んでまいるというような情勢もございますし、そういうものを受けて、各省庁における人事管理の問題点としてそういう点が具体的に指摘せられるというような情勢もどんどんどんどん生まれてまいりました。また他面、これも御承知のように、民間ではこの制度自体がすでに定着をしておるというようなこともございます。  そういうような情勢から見て、将来にわたり長期的な人事計画というものを樹立し、これを推進をしていくためには、やはりこの際、年齢によってある時期に達すればおやめをいただかなければならない。そういうような制度をしくことは、これはやはり能力実証主義というものと並行した一つの人事管理の基本方針として取り入れても、全体として整合性を欠くものではないという判断に立ったわけでございます。
  31. 矢田部理

    ○矢田部理君 前段の話と後段の説明がきわめて苦しいように思われる。つながりが悪いわけです。総裁、これは変節じゃないんですか。公務員制度そのものに対してあなたはずいぶんいろいろな提言もし、見解も示してきた。従来の見解は正しいとしながら、別のファクターで今度は定年制の導入に賛成をする立場をとられる。これはやっぱりあなたの変節としか言いようがない。  あわせて従来の経過、これも同僚委員などからすでに指摘があるわけでありますが、かつて地方自治体は、条例で相当数の自治体が定年制を持っておったところが、これが問題にされて、自治省から何回にもわたって地方公務員法の趣旨から見て条例で定年を決めるのはよろしくないと、地方公務員法違反だという通達あるいは回答みたいなものを何回かにわたって出しています。それで、地方自治体は一斉に条例の定年制を廃止をするという措置をとってきたわけでありますけれども、その基本にすわっていた思想というのは、言うならばあなたがかねがね主張し、今日でもその見解を持っておられるわけでありますが、公務に適するかどうかは画一的に決めるべきではなく、個々人の資質や能力、職務との関係における力量等々を含めて個別的に判断すべきだ、一律に切るべきでないという思想によっていたとも思うのです。その点はいかがでしょうか。
  32. 藤井貞夫

    ○政府委員(藤井貞夫君) 変節というお言葉がございましたが、私は別に変節という考え方はいたしておらないのであります。  実は、この公務員法の制定に関与いたしましたのは、地方公務員法につきましてもすでに三十年以前のことでございます。その当時は、まさしく私もそういうようなつもりで大変公務員制度の新しい理念の確立ということに情熱を燃やして仕事をさしていただいたということでございます。ただ、その後の情勢の変化というものはいろいろあるわけでありまして、情勢適応の原則というものは、公務員法の別の条項でもはっきりと決められておるという点がございます。  それから、これは若干私ごとになってはなはだ恐縮でございますが、地方公務員法の制定にタッチさしていただきまして、その後私はしばらく地方におって、それからまた中央に勤務を命ぜられまして、その際にもちょうどまた公務員法のことを手がけさしていただいたわけでありますが、地方自治庁なり自治省におったときでございました。その際には御承知の、別の必要性もございましたが、例の地方公務員については、特に国家公務員よりも定年制をしがなければならぬ現実的な理由が多いというようなことがございまして、地方公務員法の立案と国会提案というものが何回もございました。審議未了になったりあるいは継続審議ということもあったかと思います。詳細なことは正確には覚えておりませんが、そういうことがございまして、そのときにも私はタッチをさしていただきました。それは三十年代のことでございます。  したがいまして、やはり基本原則というものはあくまで貫いていくということも必要であります。それは大変大事なことでありますが、それから、それと同時に、情勢の変化に従ってそれに対応した、即応したいろいろの諸制度というものを考えていくということもやはり一つの行き方ではあるまいかという感じがいたしておるわけであります。その点は再度申し上げております社会のいろいろな変化、特に高年齢化社会、職員の場における年齢構成の実態、その他いろんな面から見ましてこういうことが導入の時期に来たのではないかという結論に達しましてお願いをしたということが実情でございます。
  33. 矢田部理

    ○矢田部理君 あなたは情勢の変化ということを盛んに強調されるわけでありますが、あなたの頭の中に、情勢の変化の一つにと言ってもよいと思うんですが、たとえば高齢者問題に対するILOの勧告とか、前回も指摘をしましたアメリカで先年連邦政府職員の定年制を廃止して終身雇用制にした、年齢による差別禁止法を通過させた、国際的なこの大きな流れがあるわけですね。日本においてもこれは例外ではありません。特に今後高齢者の雇用問題ということが非常に重視をされている時節柄、総裁の頭の中に雇用という要素は全然ないものでしょうか。それから年齢による差別禁止、雇用における差別禁止ということについてはどんなふうに考えておられるのか、所見を承っておきたいと思います。
  34. 藤井貞夫

    ○政府委員(藤井貞夫君) われわれ長い間公務にかかわるお仕事、人事行政に関連のある仕事をさしていただいておるわけでございまして、これは職員の身分の問題のみならず、国民全般にも大変大きな影響を持っておる基本的な問題の分野でございます。そういうことで、一般の国民の大変な関心も深いし、また批判も多い分野であることは申し上げるまでもございません。それだけに、やはり人事という、あるいは公務員というその立場だけに跼蹐をして分野が非常に狭くなってくるということはこれは許されません。公務の性質から申しましても、また公務員自体が税金でもって賄われておるという点から申しましても、これは許されません。そういう意味で私自身も心がけておりますが、常日ごろわれわれ人事院の職員の皆さんには、やはり大局的な見地に立って情勢の変動、諸情勢の展開というものには十分な心配りをしながら慎重に対処をしていかなきゃならぬということを繰り返し申し上げておるのもそのところにあるというふうに思っております。  この態度は今後とも十分貫いてまいりたいと思っておりますが、そういうような場合に、当然われわれといたしましては、雇用の問題なりあるいは外国における諸制度の移り変わりなり、そういうものはそれなりに十分検討はいたしております。その物事によって精粗の別はございます、入手する資料の難易の問題もございまして、いろいろ問題点はございますが、しかしでき得る限り全力を尽くしてそれらの資料も集め、問題点も掘り下げて調査検討して、それとわが国における実情とはどうかということを突き合わせるような配慮も十分にやっておるつもりでございます。それらの総合的な判断からかくかくの結論がいいのだというやり方をやっておるつもりでございまして、偏った考え方というものはとらないという趣旨で仕事を常にやっておるということはひとつ御了解を賜りたいと思います。
  35. 矢田部理

    ○矢田部理君 そうしますと、日本における民間の実情なども当然要素の中に入ってくると思いますが、同時に、雇用の観点とか国際的な潮流とか、そういうことも考えあわせて、いずれまたこの問題は六十年がいいのかどうかということも含めて検討をされるということになるわけですね。  特にやっぱり私が指摘をしておきたいのは、先進諸国と言われる国々はほとんど全部六十五あるいはそれ以上なんです。開発途上国ほどだんだん下がっていくという状況も前回申し上げたとおりであります。そういう状況も考慮してやっぱり再検討も求めたいというふうにも考えているわけですが、その点、今後の取り組み等々についてもう簡単で結構ですから、おっしゃっていただきたい。
  36. 藤井貞夫

    ○政府委員(藤井貞夫君) この点は衆議院でも論議がございました。そういうようなことで、やはりいま定年六十というふうに仮に決められる制度ができたとしても、その後における民間の情勢その他の諸変化というものについては十分ひとつ関心を払って、急激な変化等があればその時点においてやはりしかるべきことを考えてもらいたいというお話がございましたし、われわれの方といたしましても、そういうふうにいたしたいということをお答えを申し上げております。したがいまして、社会情勢の推移というものは今後とも十分に配慮をしながら、その情勢についてよく見守りながら何らかの措置を講じなければならないというときには、やはりちゅうちょすることなく、それに対応する措置を講ずるということについてはやぶさかではございません。
  37. 矢田部理

    ○矢田部理君 少しく各論に入りたいと思いますが、今度の法改正で八十一条の二の第二項になりますか、二号ところに、「庁舎の監視その他の庁務及びこれに準ずる業務に従事する職員で人事院規則で定めるもの年齢六十三年」となっております。「これに準ずる業務」というのはどんなことを考えておられるのか、その点をまず伺いたいと思います。
  38. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) 「庁舎の監視その他の庁務」、つまり庁務ということでは、職務分類としまして守衛、用務員、衛視でございます。これに準ずるものとしまして、消毒婦、清掃婦、炊事婦、労務作業員、こういうものが職務分類されておりますので、そういうものが入る予定でございます。
  39. 矢田部理

    ○矢田部理君 一般に言われている行(二)の職員のうち、労務職員を考えておられるのでしょうか。
  40. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) 労務職の職員でございます。
  41. 矢田部理

    ○矢田部理君 技能職員と言われるグループはどんなふうに位置づけておられますか。
  42. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) 原則定年の六十歳が適用されることになると思います。
  43. 矢田部理

    ○矢田部理君 そこで、問題点を指摘しておきたいと思うのですが、人事院規則が職員団体等の意向も聞いて最終的に確定をされることになりますと、国家公務員はそれで律せられますが、同時にまた、波及効果としましては五現の関係、それから国の関係に準じて取り扱うことになる地方公務員の関係等々にもいろんな波及効果が出てくるわけですね。とりわけ問題にしておきたいのは、地方公務員の場合には労務職、技能職などは地公労法の適用になる。当然のことながら団体交渉権、協約締結権がそこで出てくる。五現の場合も同様だと思います。そうなりますと、人事院規則を一つお手本にしてそれが仕切られ過ぎると、ここでやっぱり問題が出てきますので、人事院規則を制定するに当たっても十分その点のところを配慮をし、かつこれは労務はこの「準ずる業務」に入るが技能は入らない、しかし地方公務員の現場とかあるいは五現の関係で言えばこれは協約事項になるわけでございますが、その点、どういうふうに考えておられるか、総理府及び人事院にお聞きをしておきたいと思います。
  44. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) 特例定年は、職務の性質として特殊性があることというのがそもそもの理由でございますので、私たちは給与適用職員について実態を調査した上で、そして技能職員と労務職員では採用形態に非常に違いがある。そういう実態が非常に明らかになっておりますので、一般の事務職員と技能職員というのは採用の形態、採用年齢等が非常に類似している。で、なるべく公平を期す意味で技能と労務というのを仕分けしたわけでございますけれども、地方公務員とか五現業職員につきましては私たちが調べた実態と同じかどうか、そこは私たちわかりませんので、それはそういう実態に対応してやっていただければよろしいんではないかと考えます。
  45. 矢田部理

    ○矢田部理君 そうしますと、確認的に伺いますが、人事院は人事院の立場で職員団体等の意向やそれを反映させる形でつくっていくが、同時に五現とか地方自治体は、それぞれの自主性等々を尊重して決めてもらうことが望ましいという立場に立つわけですね、これは当然のことでありますが。
  46. 山地進

    ○政府委員(山地進君) 五現のことでございますので、こちらからお答えさせていただきます。  いま人事院の方からお答えございましたように、この法律の規定というのは「職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより」と書いてございますので、この規定というのは一般的に適用されるものだと考えております。しかし、先ほど御説明いたしましたように、この規定については主務大臣が定める、つまり協定で定めるわけでございますから、企業の自主性とそれから企業の中の特殊な御事情もいろいろあると思いますので、主務大臣がお定めになるについてはそれの特殊性を、企業の特殊性といいますか、そういうものを十分配慮されて協定を決められていくことになる。つまり、この一般的なものについての例外的な規定の定め方というものの余地がある、かように考えております。
  47. 矢田部理

    ○矢田部理君 そこは、非常に私たちは注視をしておきたいのは、人事院規則で何か決めてしまうと、それがひな形になって、地方の実情なり五現としての企業の自主性に影響が及ばないように、そこは十分やっぱり尊重して今後の運用をやってほしいという点が一つ。  それからもう一つは、国公の関係でありますが、労務職員はおおむね「準ずる業務」の中で賄っていく、技能職員についてはその次の項ですか、職務等の特殊性と欠員補充困難の場合という項がございますが、そちらの方で処理がなされるといいますか対応したいというふうにも聞いておるんですが、そういうことでしょうか。
  48. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) いま現在そういうことを考えておるわけではありませんが、行(二)の職種につきましては九-二の俸給表の適用範囲、それから九-八の行(二)の職種分類を見ていただきますと、非常に多岐にわたっておりまして、一概に把握するのが非常に問題があるんじゃないかというふうに考えておりますので、これから検討したいと思っております。
  49. 矢田部理

    ○矢田部理君 これから検討というのも余り感心しないですなあ。それぞれの職員の人たちにとっては身分上の重要な問題ですよ。少なくとも法律を出すときには、こういう範囲の人はどの範疇で扱うとか考えるとかということは、かなり固まったものを出していただかないと、さっき申しましたように人事院規則や主務大臣の定めというところが多いわけでありますから。私に対する説明では、特に地方なんかの場合には技能職員が多いわけですね。もちろんこれは地公労法等の関係もこれありで、団体交渉、協約というレールに乗るわけでありますけれども、法の体裁、考え方の基本には、職務の特殊性論で技能職員等は賄っていきたいという説明もすでに私のもとにはなされているわけでありますが、おおむね、大体そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  50. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) そういう職務の特殊性に入るような職種につきましては、特例定年の中へ入れていくつもりでございます。
  51. 矢田部理

    ○矢田部理君 私の質問に述べた見解どおりというふうに理解していい、こういうことですね。
  52. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) そういう考え方で考えていきたいと思っております。
  53. 矢田部理

    ○矢田部理君 次に、再任用の問題について伺います。  再任用の要件あるいは手続等についても人事院規則で定めることになっていますが、これはどんな内容のことを予定しておられるのでしょうか。
  54. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) 「能力及び経験を考慮し、公務の能率的運営を確保するため特に必要があると認めるとき」、こういうことでございますので、その能力につきまして技術、技能、それを公務に活用すれば公務に対して能率的に寄与をするということの証明が得られることが第一点。  それから第二点としまして、在職中の勤務実績が良好であった者。  それから第三点としまして、退職前の官職より同等以下の官職に任命すること。  その三つの基準で現在のところ考えております。  手続につきましては、これは採用するということでございますので、通常の採用の手続と同様でございます。
  55. 矢田部理

    ○矢田部理君 あなたが示された基準があるわけでありますが、同時に、再任用に当たっても人事の公正を期さなきゃならぬ。言うならば、恣意的な人事とか情実的な人事を排除しなきゃならぬということを考えてみますと、当然のことながら、この要件なり手続を決めていくに当たっても職員団体の意向を聞く、できるだけ反映させるということは先ほど一般論で述べられておりますので、その点を確認をしておきたい点が一点。  それからもう一点は、五現の場合についても、他の条項では主務大臣の定めになっておるんですが、ここの規定に限って五現についても人事院規則によるということになっておるわけです。したがって、職員団体だけではなくて、五現の関係の労働組合からもその制定ないしは運用にあたっては十分にやっぱり意見を聞き、かつ反映をさせるというふうにしなければならぬというふうに思っているんですが、その点の見解をいただきたいと思います。
  56. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) 再任用の人事院規則を定めます経過の中では、五現も含めて職員団体の意見は十分承りたいと思っております。
  57. 矢田部理

    ○矢田部理君 それから、再任用者の勤務条件についてまとめて伺います。  これはどういう言葉が適切なのか知りませんが、新規中途採用方式といいますか、のようなもので行っていきたいという考え方が従前述べられておりますが、そのとおりでしょうか。その場合の給与はどんなふうになるのか。諸手当についてはどんなふうに考えておられるのか。それから最後に、再任用者の退職手当、これはどんなふうに位置づけようとしておられるのか。以上、三、四点まとめて伺っておきたいと思います。
  58. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) 再任用者の勤務条件につきましては、すべて一般の常勤の職員と同じでございます。  給与につきましては、実は給与局ともこれから十分に相談して、単に初任給、中途採用者の基準だけでいいのかどうか、そこら辺若干検討したいと思っている点がございますので、給与局とよく連絡をとって検討したいと思っております。
  59. 山地進

    ○政府委員(山地進君) 退職手当について御説明いたしますと、再任用の場合には、翌日に任用されますと継続した勤務になりますので、退職手当の計算は、基礎になります月額報酬は、今度は再任用された後やめられたときの月額報酬、ただし、それに対する支給率の基礎になる勤続年数は、再任用以前の年数と合算した年数で計算するということになります。  それから、一日あけた場合には、これは前の、前職と申しますか前職の期間に対応する退職手当は、その前職をやめたときの月額報酬で計算し、それから次の再任用期間についてはその期間だけ、つまり三年以内でございますけれども、三年以内の期間について支給率で計算して、その計算の基礎となる月額報酬は再任用後の月額報酬になるということになるわけでございます。
  60. 矢田部理

    ○矢田部理君 確認ですが、諸手当は一般の公務員と同じように全部払うということになりますか。それと、退職金等については退職手当法の適用が当然あるというふうに考えていいわけでしょうか。
  61. 山地進

    ○政府委員(山地進君) 退職手当につきましては、退職手当法の適用があるということでございます。
  62. 斧誠之助

    ○政府委員(斧誠之助君) 諸手当については同じでございます。御心配の点が、もし期末・勤勉手当で、一遍中断しているので、その期間計算が不利になるのではないかということでございましたら、全部通算するということでございます。
  63. 矢田部理

    ○矢田部理君 これは山崎委員からも指摘があったところでありますが、公務災害等の取り扱いについて確認的に伺っておきたいと思います。  御承知のように、定年直前に公務災害に遭うと、療養期間中に定年に至ると、定年後の療養はきわめて不安定になるわけです。補償の裏づけも従前よりも落ち込むということにもなるわけでありまして、この辺の扱いをどうしていくのかというのは、法制度上も非常にやっぱり問題点の残るところであります。たとえば労働基準法は労災中、公務災害中の労働者は解雇してはならないという規定を置いています。あるいは従来の公務員関係における運用も、公務災害で療養中の人たちは勧奨退職の対象にしないというような運用もなされてきました。そういう労働基準法の趣旨にかんがみて、実際の運用に徴してもこれは一度検討をしてもらわなきゃならぬと、それに類する問題は幾つかあるわけでありますが、その点についてどういう理解を持っておられるか、今後どういう取り組みをしようとされておるか、二点について伺っておきたいと思います。
  64. 金井八郎

    ○政府委員(金井八郎君) 職員が公務災害また通勤災害によりまして病気あるいは負傷ということで療養中定年退職を迎えたという場合の件でございますけれども、在職中は俸給月額及び基本的な手当を含めた給与の全額が支給されるわけでございますが、離職をいたしますと補償を受ける権利については在職中と変わらないわけでございますので、療養関係あるいは傷害関係、遺族手当、そういうようなものについては何ら変わりがなく支給が安定しているわけでございます。ただ、休業補償につきまして、在職している場合は一〇〇%の給与が出ますけれども、離職した場合になりますと、これは療養のために勤務ができず給与を受けないときは休業補償が出るという規定がございますので、休業補償が出ることに相なるわけです。休業補償は俸給月額及び基本的給与の六〇%、それから別に休業援護金といたしまして二〇%、計八〇%の給与が補償されるわけでございます。この八〇%と申しますのは、他の種類の補償あるいは国際的水準等から見まして、在職中のものとの均衡を著しく失しているということは言えないと思うんですけれども、在職中に病気療養で長く在職いたしまして、定年を迎えると、もし定年制がなければそのまま在職ということになりますと、御指摘のように若干補償の点が薄くなるという点があると思います。  この点につきましては、私ども法定外給付を中心にいたしまして手厚い補償ということを常に心がけておりますことで、毎年調査をしております。そういうことで、今後、御指摘の点はよくわかりますので十分に調査研究さしていただきたいと思っております。
  65. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 関連質問を許します。山崎君。
  66. 山崎昇

    ○山崎昇君 いま公務災害の問題が出ていますが、この間私は、休職の場合の問題もこれやっぱり重要なんですね。たとえば結核療養で休職は二年間になります。その間、百分の八十の給与が支払われる。しかしこれが定年制が施行になると、  はい、あなたはきょうからおやめくださいというようになると、せっかく休職処分で、まあ仮に八割でも給与が支給になったものがゼロになっちゃう。これは私、やっぱり考えてみなければならぬ点だと思うんです。  この前も指摘しましたように、そのほかに休職の場合には刑事事件の場合もございます。これは給与の六割でありますけれども。だから他の規定で処分をされて、その処分の取り消しがないのに定年制が施行になって、その規定で身分がなくなったからあなたおさらばですというやり方は、これは私はやっぱり規定間の調整の問題として重要だからこの間も指摘したのであって、これは人事院としてもあるいは総理府としても十分検討しませんというと大変なことになるんではないだろうか。これは経過規定等でそういう者についてはその処分がなくなるんですよというような経過があればまた別でありますけれども、そういうものがないわけでありますから、当然その点は引き続いて、これから四年後の施行にはなりますけれども、検討願っておきたい。この点だけ指摘をしておきます。
  67. 矢田部理

    ○矢田部理君 十分に検討するという答弁ではあったわけでありますが、特に五現等ではかなりこの問題を深刻に受けとめております。十分労働組合側の意向も聞いて検討してほしいというふうに思いますが、よろしゅうございますか。
  68. 金井八郎

    ○政府委員(金井八郎君) 先ほど申し上げましたように、問題点の所在はよくわかっておりますので、十分に調査研究さしていただきます。
  69. 矢田部理

    ○矢田部理君 組合の意向も聞いて。  時間が迫ってきましたので、総務長官に数点確認的に承っておきたいと思います。  その第一点は、これは衆議院で総理大臣も答弁しているわけでありますが、今後定年制が法定されたということになりますと、当然のことではありますが、従前のような退職勧奨は行われない。特に組織的あるいは集団的に強制的なやり方で退職勧奨をすることなどはあり得ないというふうに考えるわけでありますが、その点いかがでしょう。
  70. 中山太郎

    ○国務大臣(中山太郎君) これまでもたびたび御答弁申し上げましたように、政府といたしましては、定年制度導入の趣旨にかんがみまして、人事管理の必要上幹部職員についての個別的な退職勧奨をする場合を除きまして、組織的、集団的退職勧奨はなくなっていくものと考えております。
  71. 矢田部理

    ○矢田部理君 第二点目でありますが、公労法あるいは地公労法の適用職員等につきましては、改めて指摘するまでもなく、憲法二十八条の労働基本権の保障がある。現行法のもとでは、退職にかかわる事項を含め賃金、労働条件に関しては団体交渉をする、そのまとめとして労働協約を締結する、そういう権利が保障されているわけであります。  そこで、伺いたいのですが、本法の施行が憲法に保障されている基本的な権利であるところの団体交渉権、協約締結権を否認したり制限する趣旨のものではない、従来と同様に、定年にかかわる事項が団体交渉の対象としてあるということを明確にここでしておいていただきたい、これは先ほどの質問にも関連するわけでありますが。
  72. 中山太郎

    ○国務大臣(中山太郎君) 公共企業体等労働関係法、地方公営企業労働関係法によって保障される団体交渉権、労働協約締結権は最大限に尊重しなければならないと考えております。  五現業の職員の定年制度につきましては、人事院総裁の書簡の趣旨を尊重いたしまして、いわゆる非現業職員と扱いを一部異にし、給与特例法にその特例を定めることとしたわけでございます。給与特例法によりまして主務大臣等が定めるということにいたしておりますのは、公労法第八条第四号に基づき当然に団体交渉事項であるとの理解によるものでございます。なお、地公労法の適用と準用職員につきましても、五現業職員について団体交渉の対象となる事項については、地公労法第七条第四号に基づき当然団体交渉の対象となるものでございます。
  73. 矢田部理

    ○矢田部理君 三点目でありますが、この法案では雇用延長等につきまして、その範囲基準が必ずしも明確になっておりません。このままですと恣意的な人事、情実的な人事が行われることとなり、公正な人事管理が危ぶまれる危険なしとしないわけであります。そこで、これらの問題点を排除するためには、しかも円満にして円滑な人事管理を行っていくためには、現業職員はもとよりでありますが、非現の方々につきましても、職員団体等の意向を十分に反映して運営することが必要である。これも確認の問題でありますが、そう考えますが、いかがでしょうか。
  74. 中山太郎

    ○国務大臣(中山太郎君) 公正にして円満円滑な人事運営は人事行政の基本であると考えておりますので、そのために関係職員団体の意見を十分尊重してまいる所存でございます。
  75. 矢田部理

    ○矢田部理君 それから、無年金者の扱いについて指摘をしておきたいと思います。これは同僚議員からも出ているところでありますが、定年制が導入されることによって、定年年齢に達しても共済年金の受給資格がないまま退職せざるを得ない公務員が出てきます。このような無年金者に対して共済法上救済措置をとる必要があるというふうに考えますが、この点はどう理解し、どういう措置をおとりになろうと考えておられるか。
  76. 中山太郎

    ○国務大臣(中山太郎君) 定年制度が施行される際、通算退職年金も含めての年金の受給資格のない職員が生じるという問題につきましては、民間における任意継続組合員等の特例措置を参酌して、共済法上特例措置を設けることにより対処することが適当であると考えており、今後とも関係省庁間で協議を行わせ、定年法が施行されるまでの間に具体化し得るよう、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。
  77. 矢田部理

    ○矢田部理君 最後でありますが、定年制の導入によって定年退職者の退職手当法の適用につきましては、従来の定年による退職者と同様、四十八年改正法附則を含めまして、国家公務員等退職手当法第五条の規定が当然に適用になるというふうに考えますが、総務長官、いかがでしょうか。
  78. 中山太郎

    ○国務大臣(中山太郎君) 今回の定年制の施行に伴います定年による退職者の場合におきましても、従来と同様の扱いとなり、二十五年以上勤続の場合には国家公務員等退職手当法第五条の適用を受けるものと考えております。
  79. 矢田部理

    ○矢田部理君 そろそろ時間が参りましたので、さしあたり私の最後の質問にしたいとは思いますが、同僚議員も幾つか指摘をしてきましたように、どうも今度の定年制法制化問題については問題が多過ぎる。本質的な問題があるのはもちろんでありますが、各論の部分につきましても十分説得性のある納得できる説明がなされたというふうには私は考えておりません。特に主務大臣や人事院規則等にゆだねられている部分も多いわけであります。これについてもいまだに、例示列挙的な説明はされておりますが、口頭による話はなされておりますが、しかとしたものはでき上がっていないという点から見ても、これはもう一回出直してくるのが筋だというのが私の考え方です。余りにも不十分だし、問題点が多過ぎると思いますので、ひとつ強くこの撤回を要求して、一応私のさしあたり与えられた時間についての質問を終わります。
  80. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 暫時休憩をいたします。    午後四時二十八分休憩      ―――――・―――――    午後四時三十五分開会
  81. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国家公務員法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案、両案を議題といたします。  両案に対する質疑は、先ほどの矢田部君の質疑をもって終局することに賛成の方の挙手を願います。(発言する者あり)    〔賛成者挙手〕
  82. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 多数と認めます。よって、質疑は終局いたしました。  それでは、これより両案を一括して討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  83. 野田哲

    ○野田哲君 私は、日本社会党を代表して、国家公務員法の一部を改正する法律案、いわゆる定年制法案に反対する立場から討論を行います。  定年制法案は、その基本において、六十歳をもって公務員の定年とすることを法定するものであります。しかし、この定年制法制化は、以下の主要な点において大きな問題を生み出すことになります。  第一に、目前に迫った高齢化社会の到来と、それへの対応の必要性は政府自身も認めているところでありますが、そのために必要なことは、高齢者の雇用創出と生活安定策を長期的に確立することであります。労働省は民間企業に対して五十五歳以上の高齢者を六%雇用するよう指導しているはずであります。しかし、減量合理化に利益を見出す民間企業の姿勢から、その実現は決して保障されたものではありません。  このとき、公共サービス部門において高齢者の経験と能力を生かすために雇用創出を行うことが唯一最善の道であることは、何人も否定し得ぬ事実であります。定年制法案は、この時代の要請に逆行するものであります。  第二に、政府は、人事の新陳代謝の促進による活性化ということを理由としております。しかし、これまでそれぞれの職場で慣行として、あるいは労使交渉等を通じて、事実上定着してきた退職勧奨によってこの機能はほぼ果たされてきたのが実態であります。このことは政府も否定できないはずであります。  しかも退職勧奨は、職場の実情、仕事の性質、個々人の生活事情等に応じて弾力的運用が可能であり、事実、そのような配慮がなされ、個々人及び労使間の十分な協議、交渉が保障されるならば、より実態に即した弾力性を発揮できるものであります。  にもかかわらず、幾つかの例外や特例だけを挙げて画一的に定年を法制化することは、職場の実態を無視し、無用の混乱を持ち込み、不当な犠牲を強要することになるのは火を見るよりも明らかであります。  第三に、民間企業においては、退職時における年齢、手当、年金等の退職条件は、団体交渉において決定され、労働協約で保障されるのが原則であります。  しかし公務員においては、国家公務員法、地方公務員法によって、ストライキ権初め労働基本権が剥奪、制限されており、このために特に身分保護を規定することによって、不十分ではありますが代償措置がとられてきたわけであります。この公務員の身分制度の原則と精神は、政府自身が歴代、定年制は法の趣旨に抵触し、画一的年齢による退職は妥当性を欠くとして認めてきたはずであります。  もし、この現行制度の根本に手をつけるのならば、政府は同時に、公務員労働者に対する労働基本権の回復をこそ考慮すべき責任があります。それをせずして、一方的に重大な労働条件である退職条件を法制化しようとする政府の態度は、労働者の基本的権利を無視し、その不十分な反映である現行制度さえも否定する暴挙と言わざるを得ません。  以上のように矛盾と不合理に満ち、かえって現状を悪化させるこの定年制法案は撤回されるべきであります。日本社会党は、本法案に強く反対であることを再度明らかにし、私の討論を終わります。
  84. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました国家公務員法及び自衛隊法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行います。  わが国は先進諸国にも例を見ない速度で高齢化社会を迎えますが、それは雇用、労働条件、社会保障、福祉の問題のみにとどまらず、組織の機構、運営や人事、退職管理制度、さらに地域社会や家庭のあり方など社会全体について変革をもたらすものであり、抜本的な対応が求められていることを意味するものと認識いたします。  こうした視点に立てば、戦後三十年以上を経過した公務員諸制度については、退職管理制度はもちろん、給与制度と昇進、昇任の管理、退職手当、共済年金、行政能力の維持向上対策や業務管理等々、その全般にわたる見直しと改革が必要であることは論をまちません。まして、行財政の改革による増税なき財政再建が当面する緊急の政策課題となっている今日、いたずらに既得権意識にとらわれ、現行諸制度を聖域化するという姿勢では、とうてい国民多数の理解が得られるものではないと信じます。  今日まで公務員の退職管理制度は、民間における定年制にかわるものとして退職勧奨が存在してきましたが、給与法適用職員の平均年齢が年々高まりつつあり、今後高齢者の労働市場が狭まり、勧奨が十分機能しにくくなる中で、適正な新陳代謝を促進し、あわせて長期的展望に立った計画的人事管理の展開を図る必要が生じてくること。また、民間において定年制が定着し、かつ政府が民受に対し昭和六十年度六十歳定年を一般化し、雇用保障と公的年金の連結を図る施策を推進している現状や国民世論の動向を踏まえるならば、本法の改正は適当と考えるべきであると思考します。  さらに、定年制度は、定年年齢に達すれば自動的に退職しなければならないという自動的な退職要件であると同時に、その年齢に達するまでは退職を強要されることがないという雇用保障制度であり、制度の導入により退職後の生活設計が立てやすいという面や、現在の平均勧奨退職年齢と対比して雇用年齢が現実に延長されるという点にも留意しなければなりません。  こうした視点に立ち、本案に賛成するものでありますが、この際政府に対し、特に次の諸点を求めておきます。  第一は、民間において六十歳定年到達後、定年の延長や多様な形の制度的継続雇用方式が今後拡大する傾向にあり、また労働省も八〇年代後半の重要施策としてそれを奨励する政策を展開している事実に照らし、民間の動向を常に掌握し、その対応策を積極的に検討し、高齢化社会に対する施策を確立すべきであります。  第二に、定年制実施後も残る個別的勧奨退職の運用については、厳正を期し、いやしくも個人の意思に反して退職を実質的に強要されることがないよう保障されるべきであります。  第三に、定年退職後の再就職を促進するため、定年前の職業訓練や講習制度、職業相談とあっせん体制、六十歳までの就労が困難と考えられる特定の現業職種に対する配置転換や特例措置など、きめ細かな施策を定年制の実施までに確立すべきであります。  第四に、今回公務員に定年制を導入することは、そのこと自体に意義があるばかりでなく、それを契機として公務員の労働条件全般を見直すきっかけになるという面で重要であると考えますが、政府は、労働条件の変更に通ずる問題の法制化に当たっては、人事院や団体交渉の機能を十分に生かし、職員の意見を十分聴取し、これを公正に尊重するよう運営すべきであります。  最後に、本法と重要な関連を持つ国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案が、絶対多数の院の意思にもかかわらず、審議にも入れないまま継続審議となったことに対し強く遺憾の意を表しますとともに、このような事態では国民の期待する行財政改革を達成する道は遠いことを警告して、討論を終わります。
  85. 安武洋子

    ○安武洋子君 私は、日本共産党を代表して、国家公務員法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案に反対する立場から討論を行います。  まず初めに、本日の委員会は、会期末でもあり、請願など会期末処理だけを行うべきであります。しかも、本法案の審議は議了に至らず、当然廃案とすべきものであります。これに加うるに、私自身についても要求質疑時間が残されたままになっており、質疑終局は国民に負託された議員の審議権への不当な侵害であります。さらに、衆議院内閣委員会の経緯によっても明らかなように、本法案と退職手当は一括付託されたものであり、双方の質疑終了を待って採決されるべきものであります。にもかかわらず、本法案の採決を強行することは議会制民主主義を破壊するものであり、断固これに抗議するものであります。  以下、本法案に対する反対の理由を申し述べます。  その第一の理由は、本法案は国家公務員に六十歳定年制を法制化しようとするものでありますが、定年制導入は公務員労働者の重要な労働条件であり、当然、法の趣旨に基づき、使用者たる政府と当該労働組合との合憲が前提となるべきであります。それにもかかわらず、政府は一方的に法案の提出を強行したのであります。公務員労働者は、憲法に保障された労働三権を不法にも剥奪され、本法案提出強行は、わずかに残された団体交渉権をも侵害するものであり、容認することはできません。  第二に、定年制を法制化することは、憲法第二十七条で保障された労働権及び第十四条の法のもとの平等の権利を侵害し、基本的人権を侵すものであります。すでにアメリカでは、これまで七十歳定年年齢であった連邦政府職員の定年制を雇用における年齢差別であるとして一昨年撤廃したように、定年制の撤廃は国際的な趨勢でもあります。このように、定年解雇の法制化は、明らかに憲法の民主的条項をじゅうりんするだけでなく、国際的趨勢にも逆行する愚行であります。  第三に、急速に進行する人口の高齢化現象に対応する高齢者雇用保障の確立は、いまや国民的な要望であり、六十歳定年制導入はこれに真っ向から逆行するものであります。政府は定年制導入の一つの理由として、高齢化社会を迎え高齢者職員の就業希望が高まり、公務の能率が低下するとの一方的な推測を挙げております。現在の高齢者職員は、戦後混乱期から長年にわたって公務に努めてきた職員であり、その職員に対し政府の仕打ちは余りにもむごいというほかはありません。しかも、老後の社会保障制度が貧困なもとでの六十歳定年解雇の法制化は、憲法の生存権保障にも逆行するものであります。公務員の退職問題は、今日まで労使合意による退職勧奨で十分機能しており、定年解雇の法制化など全く不要であります。  私は、本法案を撤回し、高齢化社会に対応する総合的対策の重要な一環として国民的な検討を行うとともに、関係職員団体と十分に交渉を尽くすよう重ねて要求し、日本共産党を代表しての討論を終わります。
  86. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、国家公務員法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  88. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、自衛隊法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  89. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、矢田部君から発言を求められておりますので、これを許します。矢田部君。
  90. 矢田部理

    ○矢田部理君 私は、ただいま可決されました国家公務員法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新政クラブの共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。  国家公務員法の一部を改正す石法律案に対する附帯決議(案)  一、第八十一条の二に定める定年年齢については、民間の動向に顕著な変化を来した場合には、政府・人事院において、改めて検討するものとする。  一、定年制が制定されるに至つた趣旨にかんがみ、改正法の施行後においては、第八十一条の二に定める定年年齢(同条により人事院規則に委ねられたものについては、人事院規則で定める定年年齢)以下の年齢における組織朗・集団的な退職勧奨は、なくしていくものとする。  一、人事院規則の制定および「主務大臣の定め」並びにその運用に当たつては、関係職員団体の意向を十分聴取するものとする。  一、第八十一条の三(定年による退職の特例)および第八十一条の四(定年退職者の再任用)の運用に当たつては、勤務実績および関係職員団体の意見を反映する等、運用の公正を確保するものとする。  一、本法の運用に当たつては、本法の施行時に在職するものについて通算退職年金を含む年金の受給資格の有無につき、配慮するものとする。  右決議する。  以上でございます。  委員各位の御賛同をお願いいたします。
  91. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) ただいま矢田部君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  92. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 全会一致と認めます。よって、矢田部君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、中山総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。中山総理府総務長官。
  93. 中山太郎

    ○国務大臣(中山太郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を踏まえつつ、制度の運用に万全を期してまいる所存でございます。
  94. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  96. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) これより請願の審査を行います。  第一七六号戦後ソ連強制抑留者の恩給法上の加算改定に関する請願外千三百二十五件を議題といたします。  請願の願意につきましては、お手元の資料で御承知を願いたいと存じます。  これらの請願につきましては、理事会におきまして協議いたしました結果、第一七六号戦後ソ連強制抑留者の恩給法上の加算改定に関する請願外二百四十七件はいずれも議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第二三一号同和対策事業特別措置法の総合的改正に関する請願外千七十七件は保留とすることに意見が一致いたしました。  以上のとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  99. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 次に、継続審査要求に関する件についてお諮りいたします。(「委員長、おかしいですよ。議事進行に異議ありますよ」と呼ぶ者あり)  国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、本案の継続審査要求書を議長に提出することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  100. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 多数と認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  102. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、両件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  105. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  106. 林ゆう

    ○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十五分散会      ―――――・―――――