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1980-10-29 第93回国会 参議院 公害及び交通安全対策特別委員会 2号 公式Web版

  1. 昭和五十五年十月二十九日(水曜日)    午後一時三分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         山崎  昇君     理 事                 山東 昭子君                 増岡 康治君                 坂倉 藤吾君                 馬場  富君                 沓脱タケ子君                 中村 鋭一君     委 員                 加藤 武徳君                 金井 元彦君                 坂野 重信君                 関口 恵造君                 内藤  健君                 山崎 竜男君                 田中寿美子君                 戸叶  武君                 小平 芳平君                 中野 鉄造君                 江田 五月君    国務大臣        国 務 大 臣        (環境庁長官)  鯨岡 兵輔君    政府委員        環境庁長官官房        長        北村 和男君        環境庁企画調整        局長       藤森 昭一君        環境庁企画調整        局環境保健部長  七野  護君        環境庁自然保護        局長       正田 泰央君        環境庁大気保全        局長       三浦 大助君        環境庁水質保全        局長       馬場 道夫君    事務局側        常任委員会専門        員        今藤 省三君    説明員        公害等調整委員        会事務局総務課        長        石川 雅嗣君        科学技術庁原子        力安全局防災環        境対策室長    穂波  穣君        厚生省薬務局安        全課長      有本  亨君        通商産業大臣官        房参事官     弓削田英一君        運輸省港湾局倉        庫課長      橋本 信明君        消防庁消防課長  野沢 達夫君        消防庁危険物規        制課長      椎名  泰君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関  する調査  (公害及び環境保全対策に関する件)     ―――――――――――――
  2. 山崎昇

    ○委員長(山崎昇君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を開会いたします。  公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、公害及び環境保全対策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 きょうは前の委員会のときに御報告をいたしましたように去る九月十八日から二十日までの三日間、岩手県、それから青森県、これを視察してまいりました。その間に幾つかの問題が提起されておりますので、それを中心にしてまいりたいというふうに考えるわけであります。それから昨年の場合は三重県、それから滋賀等、いわゆる伊勢湾、琵琶湖等の関係を視察いたしましたが、この関係はいままでの委員会で少し触れながら突っ込んでおりますから割愛をしたいと思いますが、一昨年に北海道視察の際の問題が残されたままになっておりますので、これもできれば取り上げてまいりたい、こう考えておるところです。今日的な課題でもございますので、公害防止、財特法の関係だとか、あるいは湖沼法の関係等につきましても時間が許されれば触れてまいりたい、こう思っておりますので、それでまず岩手県の葛根田地熱発電所の関係でありますが、昨年の十二月自然環境保全審議会から出されております国立国定公園内における地熱開発に関する意見、これは五十四年の十二月の十二日の日付で出ているわけでありますが、結局なし崩しの開発を認めるのではないかというような懸念が出されておるわけであります。また一方、歯どめをかけて一定の成果を上げておるのだというふうなそういう評価をしておる方もあるわけでありますが、事の当否の問題はそれといたしまして、今後環境庁がこの出されてまいりました意見書をどのように生かしていくのかということが質的に問題であろう、こういうふうに思うのですね。そこで環境庁としては今日まで試験的に行ってまいったいわゆる地熱発電、その開発等についてどのように今日段階としての評価が行われておるのか、少し突っ込んで説明をいただきたいと思います。
  4. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 細かい件につきましては局長が来ておりますので、局長からお答えさせたいと思いますが、御心配の地熱発電は私が大臣に就任してからまだ日も浅いので、目下勉強中といえば勉強中ですが、意地の悪いことに国立公園の一番いいところがやはり地熱発電に一番いいと、こういうんで、それはわれわれをしてしばしば当惑させることなんですが、私どもの方としては自然環境保全の審議会、いま先生の言われたその意見書にもありますとおり、できるだけそういうところは避けていきたい。そしていまお話しの中にもありましたが、いろいろ条件をつけてアセスもやり、そしてやりながらもだんだんとなし崩しにむやみと大きくなっていくんではないかというようなことはできるだけ避けて、できるだけというよりは絶対に避けていきたい、こういうふうに考えておりまして、いま御指摘の地名におきましてもその例外ではないわけであります。  細かい点については局長からお答えさせます。
  5. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) お答え申し上げます。  基本方針はただいま大臣が御説明申し上げたとおりでございます。具体的な案件といたしましては、ただいま先生お話の点は葛根田の地熱発電所の第二期増設計画かと存じますが、基本的には先ほどの方針に従っておりますが、葛根田を初めといたしまする六カ所の地熱発電所はかつて自然環境保全に関する諸法制整備以前のいわば過渡的な段階で、先生御案内のようにいろいろ設置されたものが多うございますが、今後の新しいエネルギーの需給計画に基づいて環境保全の見地からどうやっていくかということは御指摘のように基本的に考えなければいけない、こう思っております。そこで葛根田の件につきましては、かつて経過的な設置という経過もございますので、現在地元において関係者が第二期の増設計画を考えているようでございまするが、この中身につきまして確たる話をまだ私どもいただいておりません。しかしながら、概略についていろいろな接触がございますので、特に技術的な事項についていろいろ考えていることを申し述べ、あわせて環境保全について、それは景観に至るまで数十項目にわたる地熱発電所に必要なチェックポイントについてきちっとやった上で対処してまいりたい、こういうふうに存じておるわけであります。
  6. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 長官の方からは、なし崩し的に徐々に広げていくということは絶対にしない、こういう答弁がありましたが、現に今度は二期の発電計画が具体化をされようとしておるわけですね。地元の大変心配をされておるところでは、第一の問題は、そうした将来計画が全く明らかにされていない。したがって、次々と、という心配がきわめて大きいわけですね。したがって、今日二期計画まで含めてそれ以上はない、こういうふうに確認をしていいでしょうか。
  7. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) お答え申し上げます。  私どもの方は、二期計画についての具体的な話があります場合には、もしあるとすれば将来計画も決めなければなりませんが、私どもの方の考え方としては、地域の現状、それから可採能力、もちろん自然保護上の重要な観点からいたしまして二期計画という問題意識以後のことは、さっき大臣が申し上げましたとおり、現在一切考えておりません。
  8. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 現在考えていないというのではこれはどうも困るのですね。将来にわたってもうそれ以上はやらないという形なら、これは地元の方はすっきりするのですよ。あるいは将来まで考えてみたときに、二期計画をやって、さらに問題があるとするなら、拡大をするということであるとするならば、そのことも見通しなら見通しできっちりしてもらいたい、そうでないと判断がつかない、こういうことなのですから、現在考えていないのは将来考えるという話に逆に言うとなりますから、その辺は明確にしてもらいたい、こういうふうに思います。
  9. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) ただいま申し上げましたように、具体的な話はまだ全然参っておりませんので、二期計画についても話を聞いてみないとわからないわけでございまして、二期計画についてイエス、ノーという問題自体がまずあるわけでございます。したがいまして、その後の問題については現在考えてないと申し上げましたのはそういう意味合いでございまして、ただ、現在考えてないということは、将来にわたってあの現地の事情から見て非常にむずかしい、こういうことを申し上げたわけでございます。
  10. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 ちょっと困るのですがね。現地からの計画が上がってない、こう言われるわけですね。前回、当委員会が視察をし、そのことはもうすでに具体的に報告をしているのであります。そうしますと、現地の状況から判断をして、環境庁の方からすでに現地で説明しているのですから、われわれも聞いてきたのですから、そうなりますと、そのことをどうなっているのだという照会ぐらいはしまして、環境庁としてその辺を掌握をするというのが筋じゃないでしょうか。私は従来から気にしているのですが、視察報告をする、その報告の中には現地でのいろいろ問題点を含めて報告をしているはずなのです。ただ、そのことがいいかどうかというのは、超党派で行っているこの委員会のことですから結論づけるような報告にはしてないはずですね。私は私なりにいろいろの見解がある、しかし、それは一つの見解でありまして、したがって、委員会の中で具体化をしていく必要があるのです。しかし、問題は委員会報告という形で問題が提起されれば、当然それは受けとめて諸官庁で具体的に提起された問題の調査をして一定の見解を出していく、そのことは当然じゃないかと私は思うのですがね、いかがなんでしょうか。
  11. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) いま局長がお答えいたしましたように、現在の段階では第二期工事、引き続いての工事その他の計画は、公式的にも非公式的にもわれわれの方には届いておらないわけであります。しかし、先生方が御出張の際にそういうようなことを聞いてこられて、しかもそれが御報告書の中にありとするならば、われわれの方としても先方に問い合わせて聞くだけのことはしなければならないと思います。  そこでそういうことに対してどういう考えでおるかと言えば、先ほども申し上げましたように、われわれは大事にしておる自然公園の中にそういうものができることは、本質的にはお断りしたいという考えでおるわけであります。それはずっと変わらないんです。しかしながら、油の問題等もありますから、出てまいりましたらば、それはいろいろ議論になりましょう。議論になりましょうが、私の立場としてはお断りしたいという考えでいることは従前から申し上げているとおり、そして、私の役所としての立場から当然のことだろう、こう考えておるわけです。
  12. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 葛根田のいわゆる開発そのものに対する基本的な考え方は、いま長官が言われたことで私も一応の筋道としては話はわかるのです。しかし、一般的に取り上げますと、先ほども申し上げたのは、当委員会で視察をしてそれで問題を提起する、報告をする。報告をすれば当然受けとめまして庁としてそれらの問題があるとするならば解明に努力する、一般的にですよ、そのことはぜひ踏まえてもらいたい、こう思うのです。それで、長官の忙しいのはよくわかりますが、具体的に前回の委員会で報告をしているのですから、その報告書は当然役所の方へも行っているはずでありまして、それはひとつぜひとも目を通していただいて、具体的にこの問題はどうなんだという詰めを私は長官としてはやられるべきだろう、こういうふうに思いますが、どうですか。
  13. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) おっしゃるとおりでございまして、多少不勉強のきらいがあります。申しわけありません。早速目を通して対処すべきところは対処いたしたい、こう考えます。
  14. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 そこで葛根田の発電所でありますが、当事者といいますか、関係者は相当公害対策という点については気を配っている、かなり配慮をしている。そういうことは私どもも現地を見せていただいて評価ができると思うのですね。ただ、実際的に環境に対する悪影響が出ていないのかどうなのか、具体的に実際的にどうなのか、こういうふうに見ていきますと、やはりかなり問題があるというふうに言わざるを得ない。配慮はしているし、なるべく影響を出さないようにしていこうという関係者の努力は評価ができるけれども、現実にはやはりいろいろと問題がある、こういうふうに言わざるを得ないのです。その影響の出ている形につきましては、いわゆる地熱でそれを吸い上げるわけですから、蒸気その他の影響があって、それが樹木に影響をしているということもございますし、あるいはまた、開発をされております地熱発電の技術自体はこれでいいのだろうかどうだろうか、将来にわたってこうした問題点もあるわけなのですが、私は現地でも余り深く論議はしなかったわけですが、たとえば、地震あるいは大きな雨により山が抜けるといいますかね、そうした問題等における危険な状況というのはどうなのだろうかというふうに見ていきますと、安定性といいますか、そうした観点から見て災害に対するいわゆる防災対策その他が果たしていいのだろうか、この辺の心配をせざるを得ないのが事実なのですね。  それからまた、具体的に直接的な技術の関係なのですが、いわゆる地下からくみ上げてくる熱水の中には、当初考えていなかったけれども、試験をしてみたら砒素が大量に含まれている、こういう形になってきていわゆる還元井で、熱量はとるけれども、くみ上げた地下水はもう一遍また戻してしまう、こういうことになっているわけですね。その還元井のいわゆる導いてくる、くみ上げてそして帰っていく管ですが、これにシリカが付着をして、早ければ大体まあ二年ぐらいでだめになるような例が指摘をされておるようですし、平均しても大体七年ぐらいで目詰まりが起こって、掘りかえをしなければ役に立たなくなる、こういうことが今日段階で言われていますね。そうしますと、たとえば今日使われておる還元井そのものが目詰まりを起こしてくるわけですから、次のところへ移らざるを得ない。今日段階の規模であってもその辺は一体将来的にどうなるのだろうか、きわめて心配なところですね。この辺の評価は一体どういうふうにされておるのだろうか、今日段階、ちょっと御説明をいただきたい、こう思うんです。
  15. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) ただいま先生が御指摘になられた点はまことにそのとおりだと思っております。私ども地熱発電の環境インパクトについての諸問題についてはいろいろチェックしているつもりでございますが、大別いたしまして、調査する段階、それから蒸気を生産する段階、それから蒸気を移送する段階、それから運転する段階、まあ四つの段階があろうかと思います。それから、場面といたしましては、自然環境の中で特に植物その他の生物に与える問題と、それからさっき先生が御指摘になられました地震その他の地球に与える影響の問題とか、そんなように分かれるのだろうと思うのですが、まず調査の段階ですと、やはり調査段階におきます樹木、それから騒音、河川の汚染。さらに生産段階に入りますると、そのほかに植生への影響あるいは河川への汚染、さらに熱水を地下に戻すためのそれに伴いますところのいわゆる地下水の汚染、それから生産井と蒸気との関係におきます一連の地熱の流体による影響の問題等がございます。それから地球に与える影響では、温泉の影響、それから先ほど先生がおっしゃった地震の問題、それから地盤沈下、水位の低下、それから温泉源の枯渇、こういったような問題が起きております。それから、三番目の液体の移送の段階になりますると、当然のことながらパイプラインが敷設されますので、樹木の生育状況の変化が考えられます。さらに、一番大事な問題といたしましては、自然景観への影響もございます。それから、発電所の建設の段階も同じでございます。それから、運転に入りまして、一番問題になっておりました砒素の問題が起こってまいるだろうと思いますが、それらを通じまして、大体蒸気の生産段階が一番問題が多く、さらに運転の段階で問題がある、こういうふうに考えております。  そこで、それに対する対応でございまするが、現在六地点における地熱発電の問題について、それぞれ若干ずつ問題はあろうかと思います。ただ、世界各国から見まして、たとえばガイザーズの地熱発電その他から見まして、決定的な大きなまあ致命的と申しますか、そういう問題はいまのところ回避されていると思います。ただし、砒素の問題にいたしましても砒素の脱砒素装置、そういったものがきちんとできていなければなりませんし、それから私はただ問題だと思いますのは、パイプラインの景観上の影響の問題、それから例の冷却塔からの放熱に伴う付近の樹木の冬期の枯損の問題、こういった問題は非常に大きく、これは何か手当てを講じなくちゃいけないし、またできるであろう。それから将来の問題は別といたしまして、これらの問題について関係当事者には景観その他を含めて、逐一点検をして、すべてについて改善を図るように、それから方法論についてわれわれに提示するように、こういうふうに直接、間接に指示をいたしているところでございまするが、今後ともこれらの問題は幾つかありますので、十分当事者との議論が必要かと思っている次第です。
  16. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 そうしますと、環境庁の立場からもいわゆる現行動いておりますものについて、幾つか問題あり、こうなるわけですね、結論的に言えば。そうしますと、この二期計画を現在立てて五万キロのが十万キロになる、いわゆる倍の規模の発電所ができ上がる、図面的にも地域が少し拡大をすることになってきますね。そういう状況が現地の中で取り組まれておることに対して、現行であっても環境庁の立場からはいろいろ問題ありとするならば、その計画自体をやはりそれはもうむちゃですよということで、現地に勧告なり何なりすべきじゃないでしょうか。私はそういうふうに当然の帰結として言えると思うのですが、その辺はどうですかね。
  17. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) 先ほど先生の御質問に私がお答え申した中にもございますが、具体的な詳細な計画は存じておりませんので、ただそこでちょっと触れましたように、大まかな構想みたいなものは私どももいただいておるといいますか、間接的に手に入れております。これにつきまして、いまの現地の状況、それからいろいろな客観状況を見まして、たとえば先生御案内のように、現在五万キロワットでございますが、さらに五万キロ、こういうような内訳で増設する、それから敷地面積が六ヘクタール、これは新しい工作物だけのようでございますが、それから発電所それから冷却塔、パイプライン、通路その他が現状の施設よりも若干上回るようなことを敷地上の関係かもしれませんが考えているという話を聞いておりますので、非常にむずかしい、そのままでは非常にむずかしいという話は事務当局の段階で、関係者との接触の中で十分に伝えておる、向こうでも意識していると思います。われわれの段階ではそういうふうに十分考えているつもりでございます。
  18. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 直接的には通産省になるのですかね。しかし現状の発電所の構造自体に問題があり、しかもさらにその構造が及ぼす自然環境への影響、自然破壊、こうしたものについても景観上からも幾つかの問題がある、こうしますと、二期計画自体が全然公共の資金も何もかからずに勝手に計画をし、調査をしているというのならそれはそれで私、見過ごしてもある意味ではいいかと思っておるのですよ。しかし現に将来可能性のないのに相当の資金をつぎ込みまして二期計画が具体的に現在計画としては進められている。こうなりますと、まさに私はむだ遣いだろうと思うのですよ、経費的に。したがってこの問題は私は環境庁の立場でそこまで言い切られるとするならば、通産省ともエネ庁ともきちっと話をしまして、見通しのないものにむだ遣いをしない、こういう原則でやはり現地ともきちっと貫くべきではないでしょうか、その辺はいかがですか。
  19. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) 先ほど地元の当事者というふうに申し上げましたが、先生御指摘のように、当然事業官庁であります通産省が入っておりますので、通産省と私どもの役所で事務的、技術的にそういうものの意見交換は現在やっております。その段階でもって何かしらの改善策とか結論とか、ある程度めどがつくのではないかと私は思っております。おっしゃるとおりでございます。
  20. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 私が指摘していることについてはもっともだと言われながらどうも現実にはもし環境庁の主張がこう行くとすれば、幾ら現地でやりましてもこれは認めるわけにはいかない、こうなるわけですから、そうなりますと、私は、それこそむだな計画なのですから、これは即座にもうそんなことはやめなさいよと言うことがずばっとやはり出されていかないと生きた行政にならぬのじゃないかと思うのですがね。あなたのところを責めても無理ですか。これは長官、その辺、政治的な立場で整理をしてくれませんか。
  21. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) よくお話はわかります。要するに、それなりにアセスもやって第一期工事はやった、ずいぶん努力していることも認める、しかるにかかわらずそれでもいろんな問題がある、これは困ったものだ、そこへもってきてまた第二期工事というものの準備をしている、調査などをしている。環境庁としては国立公園の中などの景観のいいところは子孫に残していきたいのだから、そこへ地熱発電所をつくることは本来お断りしたいのだが、こういう時代だからまあまあ第一期工事はわかったのだけれども、そこに問題がある以上は第二期工事の準備をするなどはむだではないか、おやめになっておきなさいというくらいのことを通産省にいまから言っておく必要があるではないか、こういうお話でございます。話の筋としてよくわかります。現在の状況が、当初考えていたアセスと比べてどうであるかというようなこともよく調べ、それから二期工事の意図等についてどんな準備をしているのか、そういうことも調べて、先生のおっしゃるような線で交渉をしてみたい。ただ、いままでのところわれわれの役所の方に何らのコメントがないんだということだけはひとつ申し上げておきますが、せっかくの御注意でございますからその線で考えてみたい、こう思います。
  22. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 くどいようですけれども、考えてみたいじゃなくて、現に調査費が予算化されまして、県も含めてここに金がつぎ込まれておるわけですから、だからそれは、私はやはり、それこそその予算をもっと有効に使えるようにすべきだ、こういうふうに言わざるを得ません。それが整理できなきゃこれまた次の予算委員会なんかの問題にも相なることでございますから、ぜひひとつ早く整理をしていただくようにきょうのところは要望だけ申し上げておきたいと思います。  次に、これは通産の方になりますか、鉱山の関係なのですけれども、いわゆる廃止鉱山ですね、これは水質汚濁防止法の関係だとか、幾つか関連の規定があるわけなのですが、この鉱山が、特に鉱山保安法の中で休廃止鉱山の処理の問題が整理をされておるわけでありまして、これは鉱毒水、とりわけ廃止になった場合のいわゆる鉱滓、鉱毒水、こうしたものの処理は通産省が責任をもってやっていくということは、私は当然だろうと思いますね。しかし、通産省が現在休廃止鉱山の鉱毒水の処理についてどのように具体的にやっているのだろうかということになると、幾つか問題を指摘せざるを得ない、こういうことに相なるはずであります。これは前にもこの委員会で、私どもの方の鉱山が倒産によって廃山になりまして、その後処理の問題をめぐって論議をしたことがあるわけですが、通産としてのいわゆる処理の対処の仕方、これをひとつ具体的に説明いただけないでしょうか。
  23. 弓削田英一

    ○説明員(弓削田英一君) 休廃止鉱山の坑廃水の問題でございますけれども、通産省といたしましては坑廃水処理の鉱害防止事業につきまして、地域の実情等を踏まえまして、地方公共団体が実施するのが適当じゃないか、こういうふうに実は考えておりまして、こういう観点から、休廃止鉱山でございまして鉱害防止義務者が不存在または資力がないケースにつきまして、地方公共団体が鉱害防止事業を実施する場合に、国として補助金を交付するいわゆる休廃止鉱山鉱害防止工事費補助金制度を昭和四十六年度に創設をいたしまして、現在この制度のもとに事業の円滑な推進を図っているわけでございます。その間、昭和四十九年度におきましては、補助対象を坑廃水の処理事業等にまで拡大いたしますと同時に、昭和五十年度におきましては補助率を三分の二から四分の三にまで引き上げますと同時に、金属鉱業事業団におきまして、坑廃水処理等の技術開発を実施させるということと同時に、地方公共団体が実施をいたします鉱害防止事業を円滑に推進するために工事の設計でございますとか、あるいは工事の施行管理でございますとか、こういった技術的な側面につきまして、自治体を指導すると同時に支援をしていく、こういうことでいま坑廃水対策事業の積極的な推進を図っているところでございます。
  24. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 結局何でしょう、鉱害行政といいますか、そういう――これは鉱山の鉱ですが、立場からいえば、その責任というのは国にあるのでしょうね。国であるから補助金を出している、こういう関係になると思うのですが、しかし具体的には地方自治体に任せっきりということになりますね、いまの御説明からいきましても。しかも、まあ補助を出しているのだから、地方自治体がめんどうを見てくれていいだろう、こういう考え方に、言うならば逃げと言わざるを得ないですね、そもそもの基本が。これではちょっと問題ありというふうに言わざるを得ないと思うのですがね。しかも、その補助そのものは法律補助じゃなくて、いわゆるさじかげんひとつで決まっていく補助ですね。こういうことのままでいいのでしょうか。もう少しきちっとした、責任を持った政治をしていかなければならぬ、こういう態度が出ないのでしょうか。特に松尾鉱山ですね、見てまいりましたが、いわゆる鉱毒の中和剤を流しまして、大変な色になっている。中和をしていくのですから一時的にそういう状況になると思うのですが、ただ具体的にずっと流れ込んでいっていろいろ問題を発生をさしているわけでありますからその辺の原因もわかっている、何がどうなっているかということははっきりしている。それに対して、ただ補助金を出しているからそれは地方に任してあるのだ、これだけじゃ私は担当省としての責任が余りにもなさ過ぎるんではないのか、こういうふうに思うのですが、いかがでしょう。
  25. 弓削田英一

    ○説明員(弓削田英一君) ただいま御答弁申し上げましたように、ただ単に補助金を交付するだけじゃございませんで、鉱業事業団を通じまして技術的な側面等につきましても私どもとしては十分指導をしているつもりでございます。  ただいま御指摘のございました松尾鉱山でございますけれども、御案内のとおり、松尾鉱山の廃水問題につきましては、御案内のとおり、北上川の水質汚濁対策各省連絡会議というのがございまして、ここで関係各省庁の意見を調整しながら、松尾鉱山の坑廃水対策、特にその維持管理問題をどうするかということを検討しているわけでございまして、現在同連絡会議のもとに、岩手県も含めまして検討会が設置されておりまして、本年十一月を目途として問題点の詰めをいたす、こういうことに相なっておるわけでございます。通産省といたしましては、岩手県からの要望もございます、こういう要望を考慮し、かつ現行の補助金制度を前提としながら、新中和処理施設の維持管理に関しまして、技術的に非常に困難な側面について国の立場から何らかの支援ができないかどうか、こういうこともわが省として検討しているところでございまして、今後、先ほど申しました連絡会議の場におきまして十分検討を行いまして結論を得てまいりたい、かように思っておるわけでございます。
  26. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 いまお答えがありました新中和処理施設ですが、どこが管理するのですか。どこが管理するかというのは、なわ張りの問題は一番簡単に決まることじゃありませんか。いまお話がありましたように、関係各省庁連絡会議、岩手県も含めてやっている、そのことはいいのですよ。しかし、どこが具体的に新中和処理施設の維持管理をやるのか、この責任省庁の問題の合意は一体どうなっていますか。
  27. 弓削田英一

    ○説明員(弓削田英一君) ただいまお答え申し上げましたとおり、まさに先生御指摘の点が焦点でございまして、ただいま連絡会議において検討中、こういうことでございます。
  28. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 みんなこういう休廃止鉱山等になってまいりますと引き取り手がなくて、もうかるうちはおれのところだおれのところだと取り合いをしながら、休廃止になって生産が停止をされますと邪魔者扱いにして、おれのところはなるべくもうそんなややこしいものは要らぬ、こうなるわけで、喜んで取るところならもう取り合いになるわけでしょう、具体的に。私はそれこそ今日までやってきた経過を踏まえて、責任官庁は明らかに話し合いの中で簡単につけられなければいかぬのじゃないか。現地はそのために押しつけられて困っているわけです。とすれば、当然それに一番早いところからきちっとすべきだ、こういうふうに思いますがね。いまそれが焦点で、そんなりっぱな会議がありながら、どこが所管をするのか、そんなことから論議をしておって、何が技術的によくなっていく会議になるのですか。皮肉な聞き方をいたしますが、もう一遍ひとつ、その会議に臨む所管庁としての態度表明をしてくれませんか。
  29. 弓削田英一

    ○説明員(弓削田英一君) 先ほど来申し上げておりますように、この連絡会議においてこの問題をできるだけ通産省としても早急に解決したい、こういうふうに思っているわけでございますが、その検討に際しましては、先ほど来御答弁申し上げておりますように、岩手県の要望もございますので、十分この辺も踏まえながら検討してまいりたい、こういうことでございます。
  30. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 どうも、決まってないことを決めるように話をしろという私の注文ですから、答えにくいのはわかるのですがね。私が言っている趣旨は十分に御理解いただけると思うので、次の会議のときにはまずそこからきちっと決めてくれませんか。それだけ約束してくださいよ。
  31. 弓削田英一

    ○説明員(弓削田英一君) 通産省といたしまして御指摘のような方向で努力してまいりたい、かように考えます。
  32. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 どうもそれ以上出そうもありませんがこれは大事なことですからね、本当に。管理責任を明らかにしないで私は行政はないと思いますよ、正直に言いまして。だから、ぜひこれは環境庁もこのことによって現実にまだいろいろな影響が現にあるわけですからね。砒素の問題もありますし、それからやはり硫酸水ですか、そうした問題もありますし、幾つか具体的に言いますと問題がある水が流れるわけでありまして、ぜひひとつ……。これは環境庁はいまの会議の中へ入っているのですか。
  33. 馬場道夫

    ○政府委員(馬場道夫君) それじゃ私の方から若干申し上げたいと思いますけれども、現在の五省庁会議は通産、建設、自治、農林水産、これは林野庁でございますが、それと環境庁ということでございます。そこで、ただいま通産省の方からいろいろお話がございましたけれども、この北上川の松尾鉱山の新中和処理施設は、休廃止鉱山の鉱害防止施設といたしましては他に類例を見ないというような大きな規模でございますし、また非常に特殊な施設でございますので、実は建設工事に着手する前に国あるいは岩手県等との責務なり、あるいは分担なり、いろいろ議論があったわけでございますが、そこがなかなか調整がつかずに、それは当面施設ができるまでに決着をつけるということで、事業を補助金制度によって開始をしたという経緯のものでございます。したがいまして、私どもも早急にこの問題の維持管理の主体につきましては解決をしなければならぬというふうに考えておりまして、岩手県なりただいま先生から御指摘のありましたような点も踏まえまして早急に解決してまいりたいと思うわけでございます。
  34. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 これは見込みありますかね、くどいようですけれども。すっきりと国の立場で管理責任を、よろしい、私のところで引き受けますと、すっきりした結論が出る見込み……。
  35. 馬場道夫

    ○政府委員(馬場道夫君) 何とか関係省庁の間で合意を見るように努力してまいりたいと思うわけでございます。
  36. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 通産省、どうですか。もう一遍聞きますわ。これは通産省でやはり最後まで見るべきじゃないのでしょうか、一般的にながめてみまして。その辺ひとつ十分に省内で意思統一できませんか。ともかく引き受けるという姿勢をあなたのところで打ち出さない限り、まとまらないのじゃありませんか。環境庁はこれは余り力のある省じゃありませんですしな、正直に申し上げて。アセスメントをまとめるのにも何年か、かかるわけですから、これ何年か、かかっていたのじゃ、たまったものじゃありません、現地の方は。ひとつ通産省で腹をくくるようにしてくれませんか。
  37. 弓削田英一

    ○説明員(弓削田英一君) ただいま御指摘の点等も踏まえまして、極力早急に解決するように努力をしたい、かように考えます。
  38. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 次に、むつ小川原の関係について質問をいたしていきたいというふうに思いますが、このむつ小川原開発の建設地の真下に活断層がある可能性が高いという問題提起がございまして、その後いろいろ調査をしたら、その危険性はないというのもあったやに聞いておるのですが、その辺はいま省の立場はどうなっておるのか、これが第一の質問であります。  それから大型タンカー用のいわゆる一点係留ブイの関係なのですが、これは一度私も取り上げて質問をいたしたことがあるわけですが、これの安全性、波高の問題だとか、風の問題だとか幾つかのことが想定されるわけですが、そうした問題。  さらに、石油貯蔵タンクの何といいますか、それを創設したときに雇用に与える影響、こうしたものは一体どうなっておるのでしょうか、この辺が一つの根本的な問題としてまず承っておきたいと思います。
  39. 藤森昭一

    ○政府委員(藤森昭一君) ただいま先生御指摘の三点につきまして、第一点の活断層の問題につきましては、当時、御承知のように私どもが青森県に指針を示して実施いたしました環境アセスメントは、自然環境と公害防止というところに重点がございまして、いまのような活断層の問題になりますと、これは防災及び安全という面からの議論になってまいりますので、ただいま私どもとしましてはこれに直接の関連を持っておらない状況でございます。  それから港湾の問題につきまして、係留ブイの問題につきましても、これは港湾施設ということでございますので、私どもの実施いたしましたアセスメントの自然環境及び公害の発生防止という点からの直接の関係にはなってこないわけでございます。  それから雇用問題につきましていまお尋ねがございましたけれども、これも私どもとしまして雇用だとか、その開発が与える経済的な利益の面について分析し評価をするという立場にございませんので、大変恐縮でございますけれども、ただいまの三点につきましては環境庁の立場から適切なお答えができない次第でございます。
  40. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 アセスメントと関係ないからそんなことは質問しても無理ですよ、こういうことですか。どこが当事者になりますかね。
  41. 藤森昭一

    ○政府委員(藤森昭一君) アセスと関係がないからそういうことは意味がないということを私は申しておるわけではございませんで、環境庁の立場としまして、大変遺憾ではございますけれどもただいまの点について適切なお答ができない、こういうことでございます。
  42. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 そうしますと、この問題が指摘されて、たとえばタンカーの一点係留ブイ、ここでの防災体制が十分でなくて、具体的に油漏れ等が発生をしたときに、それは港湾の問題だから環境庁は知りませんよ、こういうふうに受けとめていいのですか。
  43. 藤森昭一

    ○政府委員(藤森昭一君) 係留されたタンカーから油が漏れるというふうな事態になれば、これは当然水質の汚濁の問題として環境行政の立場からも重大な関心を持たざるを得ないわけでございますけれども、先生御指摘の港湾施設の安全性の問題、あるいはこれらの貯蔵施設の安全性の問題等につきましては、所管の面からいきまして、私の方としましてはそのもの自体についてはただいまここで適切なお答えができないわけでございます。これらの問題はあるいは運輸省、あるいは自治省、消防庁等の所管に直接関係するものであるというふうに考えております。
  44. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 そうしますと、私、大変なことになると思うのですが、海が汚れないといわゆる水質汚濁防止法の関係が出てこないから、それまではよその問題ですよと、そうなりますと一体環境庁はどういう仕事をするのですか、私、さっぱりわからぬようになってきたのですがね。たとえば一点係留ブイ、これは一番身近な話でありまして、港湾施設には間違いない。しかし、いいですか、港湾施設としてそこに設置をすることが、環境上あるいは公害防止上いいのかどうかという判断は一体どこがするのですか。
  45. 藤森昭一

    ○政府委員(藤森昭一君) この青森県におけるむつ小川原総合開発計画の第二次基本計画というものは、国土庁主宰のもとに十三省庁が集まって検討をいたして承認をしたものでございます。先生御指摘の点につきまして、私どもも重大な関心は持っておりますけれども、やはりそれぞれの、たとえば港湾あるいは安全、それぞれについて責任を持つ省庁があるわけでございますので、私どもの行います、あるいは関係します方向からは私どもは十分処置をいたしますし、またその面から意見があれば十分申し上げるという措置をとって、青森県がこれを実施したわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘の点、私どもは無関心でいるわけではもちろんございませんし、関係省庁協議の場があるわけでございますので、そういうような場を生かして、御指摘のような問題が起こらないように措置を講じていく、配慮をしていく、これはもう当然のことでございます。
  46. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 いま局長答弁を長官はうなずいて、わが意を得たりというふうな御表情ですが、それでいいのでしょうかね。たとえば下水道の問題は建設省ですよ。道路の問題は建設省ですよ。発電所の問題はエネ庁ですよ。環境庁独自の仕事というのはそれじゃ一体どこにあるのですか。何のために環境庁が各法律で相談に乗って、何を基準にして仕事をしているのですか。もう一遍はっきり答えてくださいよ。これは長官。
  47. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) お話を承っていて、これまたよくわかります。ただ、私どもの局長が言うたことは、環境庁も交えていま先生のおっしゃるような各省庁との間で話し合いを決めて、そして開発に入ったわけです。私どもの方としてはアセスの問題を非常に重要視しているんですが、お話の御主張の結果、こういう心配があるということになりますれば、私どもの方としてはその御心配を受けて、各省庁が集まった会議の場で積極的にそのお話を持ち出してやっていきたい。そして、そういうことをやらないでいると、いま言ったように海の水が汚れたり、油が漏れて汚れたりというようなことになりますから、それはもちろんやっていかなければならない、こういうことでございます。
  48. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 私はね、ちょっと納得できないのは、さきにも申し上げたように、たとえばむつ小川原開発の問題はこの委員会の中でも取り上げているのです。いま申し上げたように、この一点係留ブイ、ここに貯蔵をすることがいいのかどうか、こうした問題を含めて提起をしているはずです。そうしますと、これは当然直接的に建設の責任を持っている省庁は当然ありますよ。しかし、私どもがここで論議をするのは当然環境庁の立場を踏まえて問題を提起しているわけでして、そうしますといま長官の御答弁なんですが、この一点係留ブイの問題だけ取り上げてみましても、果たしてその場所がそこでよろしいかという評価というのは問題がありますよ、こう指摘しているのですが、環境庁は相談にあずかって、その辺はどういうふうに意見表明し、そして意見表明したけれども、環境庁と違っていても絶対これでいいのじゃないか、結局同意をさせられたと仮にしましても、同意をするのならしたで、当然環境庁としての見解があるはずじゃありませんか。その見解はなぜここで態度として表明できないのですか。これはよその所管の問題でございましてアセスにかかわりませんからという、なんでそういう答弁になるのですか。
  49. 藤森昭一

    ○政府委員(藤森昭一君) 私の説明が余り適切でないので御理解をいただけないのは大変残念でございますけれども、先ほど先生の御指摘のございました、たとえば下水道とかあるいは発電所というようなものはここで例が出されたわけでございますけれども、私どもとしましては水質の保全を図る、あるいは大気の汚染を防ぐ、あるいは景観の破壊を防ぐというふうな面からいきまして、下水道の設置についても当然意見を言い、そのサイドから修正を求めるということは十分ございます。発電所についても同様でございます。いま係留ブイのお話が出ましたわけでございますけれども、これは余り適切でないかもわかりませんけれども、そうしたものを設置することによりまして海流とかあるいは海産の生物に対する影響はどうであるとか、そういうことにつきましては当然私の方の所管でもございますし、その面の意見は述べますし、アセスメントを実施する、こういうことでございます。ただ、先ほど来お話の出ております安全性の問題ということになりますと、これはまた自然環境あるいは公害の発生という見地から私どもがチェックをいたしますその側面とは若干異なっておるわけでございますので、私どもが直接これについて取り上げて意見を言うという立場には残念ながらないということを申し上げておるわけでございます。
  50. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 そうしますと、大変風が強くて、波が荒くて、だれが考えても公害を発生させるおそれがあるというふうな判断がありましてもあなたの方の所管でない、こういうことになるのですか。
  51. 藤森昭一

    ○政府委員(藤森昭一君) 公害を発生させるおそれありとなれば、当然私の方でこれに対して意見を言い、修正を求める、こういうことでございます。
  52. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 そうしますと、一点係留ブイはどうなるのですかというんですよ。これは、いわゆる季節風の問題、波高の問題、位置の問題その他からいって、当然危険じゃないか、こういう指摘をしているのですよ。
  53. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 政府は一体でございますからね、先生、私の方の関係ではありませんとかいうようなことは言うつもりは毛頭ありません。特に、私は役人出身でありませんから、民間出身ですからね、そういうことを言うつもりはありませんし、局長だって、私は大臣ですからそういうことを言わせません。ただ、私、知識がないからよくわかりませんが、海の中に一つのブイがある。そのブイはそこにあったのでは船とブイとが衝突して、そうすると船にとんだことが起きて油が漏れるというようなことになれば、それはおまえの方の関係になるではないか。それはそのとおりなんです。そこで、御承知のとおり、私の方はいろいろの関係各省庁全部集まって、それで一応これでよろしいということになって、アセスもできて、それでやっていることなんです。しかしながら、そういう御注意がありますれば、次の会議に、そういうブイを置いたりなんかするような役所がありますから、そういう役所に、こういう御注意をいただきましたよ、危なくないですかというようなことを言うことは当然のことであって、責任を回避しようなんでいうつもりは毛頭ありません。ただ、そういうことをやる役所ではないのだということだけは、みんなでやっている仕事ですから、これは御理解をいただきたい、こういうことを申し上げているわけであります。
  54. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 私はその答弁じゃ納得できないのですよ、いまの答弁じゃ。これはもう用途がはっきりしているのですから、このブイの役割りというのは。大型タンカーとの仕事なんですよ。いいですか。そのことがはっきりしておって、波の高いところで作業をするのに、果たして適地なのかどうなのかということが一つあるのです。そこには防災計画その他でそういうような心配を起こさないように対処をいたしますというのは当然出てきてあたりまえの話なのですが、したがってそういう意味からいきますと、環境庁の仕事というのは、そこで仕事をするような場所に特定をしてしまうことが、将来のいわゆる公害発生の一番要因になりはしないのか、こういう観点でいろいろな気象条件だとかその他も調べて、環境庁なりの一つの態度があって、そして関係の省庁と打ち合わせをしていくべきではないのか。したがって、そのことについて相談にあずかっておって、しかもそれでよろしいという話になれば、よろしいと判断をした環境庁の基準があるでしょう。そのことの説明がなぜできませんかと私は聞いている。
  55. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) ここにブイを置いて大丈夫でございますと、関係省、たとえば運輸省が言うたですから、私の方はそうですが、間違いありませんか、それならいいでしょうということでやっているんです。ここまでは私の方の責任です。もしそれでもって事が起きてとんでもないことになれば、だれの責任もかれの責任もありません、これは政府の責任として一体の責任を負わなきゃならぬことは言うまでもない。それで、先生からいま御指摘をいただきましたから、大丈夫かと思ったのだけれどもそういうことかなといま思いますから、そこで私どもの方としては運輸省に対して、君、大丈夫だと言ったからおれたち承知したけれども、こういう御注意をいただきましたよ、大丈夫なんですかということを言わなきゃならぬことは当然のことでありまして、よく御注意を関係方面に伝えて、それでも大丈夫なのかどうかやはり検討して、この次のときにはお答えをいたしたい、こう思います。
  56. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 物事に対して同意をしたり、しかも心配があるじゃないですかと言う限りは、その心配の種は、私が言ったから環境庁もそのとおりですよと、こういう話じゃないはずでしょう。私がどれだけ意見を言っても、あなたの意見はそういうふうに言われるけれども間違いじゃありませんか。私どもの省では、環境庁の立場から言えばこういう見解を持っていますよ。したがって、こういう見解を基準にして関係省庁との会議の中では話をしましたよ、こういうことになるはずでしょう。それでなかったらあなた、主体性が何にもないじゃありませんか。私がここで問題点を提起した。聞いておられてなるほどというふうに判断をした。それはそれで、世間話ならそれでいいですよ。少なくとも環境行政というものはそんなものじゃなかろうと私は思いますよ。幾つか問題が提起されれば、その問題が私が言っていることは果たしてそのとおりなのかどうなのかということを、科学的にあなたの方で分析をする必要があるでしょう。その上に立って関係省庁の会議の中で整理をして物を言う。これがなかったら環境庁の役割りはないじゃありませんか。
  57. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) まことに失礼ですが、先生の御質問の要旨は、その場所にブイを置くということは危険だとお考えになってこられた先生が、いま環境庁に対して、おれは危険だと思うが、おまえがそれでいいと思った理由は何か、こういうことをお尋ねになっておられるわけですか。――これは先生、私はこう思いますがね。  実際言うて運輸省が専門家の立場からここへブイを置いても大丈夫だと言うので、環境庁としてはそれを信用した。まあ政府は一体ですから、それは信用した。こちらに十分の知識が、そこのところに船の航行や何かについてえらい知識があるわけじゃありませんから、そういうことに知識を有する運輸省がこれで大丈夫と、こういうことだから信用してそれでいいことになったというふうに解釈しますがね。しかし、御指摘がありましたから、そこで、大丈夫だと思ったけれども、こういう重要な御指摘がありましたよということを言うて、検討してこの次のときにお答えをいたします、こういうことです。
  58. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 むつ小川原は、これはアセスをやっているわけですよね現に。この開発に伴ってどういう影響が行われるかというようなアセスをやっているのです。そのやったアセスの内容、結論は当然環境庁として総体的に意見をお持ちのはずです、これは。なるほどこういうふうなデータが出ているのかと、当然そのアセス全体について評価をしまして、それで環境庁としては異議ありません、こうならなきゃおかしいでしょう。その中の一つにこれ入っているじゃありませんか。入ってないですか。さっきの局長の答弁からいくと、それは港湾の問題でありましてアセスの問題ではありません、こう言うのですね。大型タンカーの問題、それから建設地の活断層の問題、これも防災の問題でありましてアセスの問題じゃありません、こういう答弁だったわけでしょう。そうすると、地震地帯でいろいろ問題のあるところに高層ビルでも建てますか。建設省は大丈夫と言った、建設省が大丈夫と言えば環境庁はそれでいいのですか。環境庁は環境庁としての判断があるはずじゃないですか。国は一体だというのですが、それぞれの省の役割りがあるわけでしょう。その役割りが持ち寄られて関係各省が話をして結論を得る、それが国の仕事じゃありませんか。そうしますと、いままでの討論の中でこれは逃げをしているのか無責任なのかよくわかりませんけれども、全くそういう観点では環境庁というのは何の仕事もする必要はないのだという結論になりますから、そんな省ならつぶしてしまえというのですよ、極端な話をすれば。
  59. 藤森昭一

    ○政府委員(藤森昭一君) これはもう一度申し上げますけれども、むつ小川原の総合開発計画の第二次基本計画という現在策定されている計画は、関係十三省庁が寄ってそれぞれの分野に応じて審査をし、そして承認をしたものでございます。ところで環境庁は、この開発行為が環境、すなわち公害問題及び自然環境の保全ということにかかわる部分について責任を持って審査をし、青森県にこれを実施さした、こういうことでございます。したがいまして、港湾施設の一つであります係留ブイにつきましては、その構造、位置等につきましては当然運輸省の判断で実施をしてもらわなければ、環境庁がその位置、構造、間隔その他につきまして適切な所見を持っておるわけではございませんので、それは運輸行政の中でやってもらう。ただしかし、そういったものをそこに設置することによって環境上あるいは公害の発生ということに問題があるならば、それは当然私の方としましても十分チェックをする、こういう仕組みでございまして、そうしたもの、私の方で言いますと、環境及び公害の防止という側面からしてこの計画はおおむね妥当であるというふうな意見を持つに至ったわけでございまして、それだけでこの計画が承認されたわけではなく、建設省も農水省もあるいは運輸省もそれぞれの分野で見てこの計画は妥当である、こういうふうな十三省庁の間の結論に到達したものでございますので、私どもも先生の御指摘の点は十分わかりますけれども、共同作業の中の一分野といいますか、環境面について責任を持って私どもが意見を言った、こういうことでございます。
  60. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 これはきょう新たに問題を取り上げただけの話じゃないのですよね。たびたび言いますように、前に私自身が取り上げているし、それからこのシーバースといいますか、そういう立場からいきますと、たとえば現に私どもの四日市のコンビナートを結ぶいわゆるシーバースの問題で、タンカーが引き続き油濁事故を起こしている。したがって、そのことがたとえば比較的静かなところでも、これは人為的であろうと、いろいろ原因は幾つかあるでしょう、ありますが、一たん油濁事故が発生したときに、波の非常に動きの速い、高い、こういうところで油濁が発生をするのと、平穏なところで発生をするのとでは大変な違いがあるわけですね。そうした問題等から言えば当然これは、直接的に環境庁が物を言うかどうかは別といたしまして、少なくとも環境庁の立場から言えば、これが防災になると言って、防災になるから環境庁は知りません、こういう論議じゃこれは私は納得できないのでありまして、少なくともそのことによっていわゆる油濁あるいは汚濁、こうした問題が広がって、一体どういうふうな防除対策等もとられるべきなのかというところまで含めて見ていくべき筋合いのものじゃないでしょうか。もしそこまではないというなら、その限界を明確にしておいてもらいたいと思うのです。  私は、環境庁の設置法をながめてみましても、あるいはいま環境庁が基本に取り上げておる基本七公害のこの法律に基づいてながめてみましても、そういう限界というのはちょっとおかしいと思う、きょうの論議を聞いていましてね。いままでそういう論議は私はなかったと思いますよ。ちょっとこれはね、局長自体の認識の中に、だんだんだんだんと閉じこもって、自分のところのなわ張りを狭くしているような感じがしてならぬのです。私はそれでは環境行政の具体的な後戻り、それしかないと思いますよ。もっと積極的に環境庁の分野というものについて、やはり押し出していくべき筋合いじゃないでしょうか。環境の問題というのは、人間のこの住んでいる条件の中で、どれ一つ取り上げてみても関係のないものはない、率直に言って。そういう広い分野で私は物を見ながら自分の所管についてきちっとしていく筋合いがある、こういうふうに思うのですよ。ちょっと具体性に欠けますがね、私が言っていることがわかりますか。
  61. 藤森昭一

    ○政府委員(藤森昭一君) 御指摘の御趣旨はよく理解をいたしておるわけでございます。私どもも、私どもの方の所掌の範囲に狭く閉じこもって他に目を覆うという消極な態度をとるものでないことは私が先ほど来申し上げておることでございますけれども、防災そのもの、あるいは港湾施設そのものについて、私の方の権限として物を言うことはできないわけでございまして、そうしたものに対して、環境保全及び公害防止というサイドから物を言うことはできるわけでございますので、そのサイドから私どもとしましては積極的に発言をし、先生の御心配になっているようなことがないように、関係省庁の協議の場等もございますので、私どもの立場からも十分そういうものを反映させることができるというわけでございますし、今後ともそういう方向でものをやる点においては、いささかも私どもは消極的な態度をとるつもりはございません。
  62. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 余り精神的やりとりばかりしておったのではお話になりませんので、次に移っていきますがね。  たとえばこのむつ小川原のアセスの関係ですね。これは一体どこがやっているのですか。大体事業法でいきますと、当然これは開発業者そのものがアセスをやることになっていますね。実際には、これは青森県がやっているのでしょう。この辺は一体どうなっているのですか。
  63. 藤森昭一

    ○政府委員(藤森昭一君) 御指摘のとおり、この計画は青森県が策定したものでございまして、その策定実施に当たる青森県がアセスの実施者でございます。
  64. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 その辺は他と違うわけですが、そのことについては一体どう考えていますか。
  65. 藤森昭一

    ○政府委員(藤森昭一君) よく御承知のように、この計画そのものは、まだ具体的な業者が決まるとか事業の実施者が決まっているわけではございません。広範囲にわたる大規模な地域振興計画の段階でございます。したがいまして、そうした事態における環境影響評価につきましては、やはりその策定の責任を持つ青森県が実施をする、こういう考え方でございまして、私どもの政府の取りまとめました原案におきましても、そうした事業の実施に当たるもの、あるいは計画に当たるものが、その環境影響評価の実施の責任に当たるという立場を貫いておるわけでございます。
  66. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 じゃあ、いま答弁された方針ですべてやっていますか。
  67. 藤森昭一

    ○政府委員(藤森昭一君) ただいま申し上げましたような立場に立ちまして、実施の指針につきましては五十一年にこれを青森県に対して示し、青森県は五十二年にそのアセスメントを実施いたしております。
  68. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 質問をよく聞いてくださいよ。ここだけの問題じゃなくて、このアセスをやるに当たってはいま言われたような方針でほとんどがやられておられるかどうか、こう聞いておるのですよ。
  69. 藤森昭一

    ○政府委員(藤森昭一君) 青森県の策定しましたこのむつ小川原総合開発計画の第二次基本計画と類似の、たとえば苫小牧の地域の大規模な地域開発計画等につきましても同様の措置を講じてアセスメントを実施いたしております。
  70. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 じゃその問題はもう一回また私論議しましょう。  ただ、誤解があると困りますので申し上げておきますが、一点係留ブイが中心になって論議になってしまいましたが、実はむつ小川原全体の計画からいきますと、地理的に見ましても、たとえば鳥獣保護の関係で大切な湖沼が大きな影響を受けまして、いままで来ておった渡り鳥その他に具体的影響が出るんじゃないのだろうかというような心配等も含めて問題が提起されているはずですね。そうした問題に対していままで余り明確な答えがありません。申し上げますように、またこのことだけで一遍論議をしてみたいというふうに私は思っていますが、ぜひひとつ環境庁も総体的にアセスメントそのものから含めてきちっと具体的に答弁のできるように準備だけしておいてください。きょうはどうもすきっとしたこの問題に対する姿勢が出ていないようであります。  それから、これは北海道の関係にいきますが、知床の国立公園内の斜里町ですね。ここで開拓地の離農跡地、これを戦後の乱開発から防止をするために、ナショナル・トラストの運動にヒントを得て全国の自然保護に理解のある人から一口百平方メーター分、八千円の拠出を求めておる、こういうことでございます。そして、知床国立公園内百平方メートル運動というのが行われて、三年ぐらいで第一次の目標を達した、こういう報道が行われているところです。そこで、私どもは二年前にこの現地を当委員会の視察ということで行ったわけですが、そのときにはまだ達成率は二五%程度、こういうふうに報告を受けておったわけですが、その後二年間で具体的にこの運動が前進をした、こういう結果に相なろうと思うのです。そこで、第一期の目標というのは百二十ヘクタール。不動産業者それから観光業者に買われてしまっております残りの約二百八十八ヘクタール、これも今後買い戻して植林等していかなければ、いわゆる秘境の名がすたれてしまう。それにふさわしい、秘境にふさわしい知床の生態系の保全ができなくなってしまうというような問題と合致をしていくわけであります。  そこで、環境庁はこの運動の精神というものについてこれは支持をする立場だろうと私は思うのでありますが、具体的に二期に入っていくに当って財政的にたとえば事務費を補助するとか、あるいは買い上げ成功をした土地の植樹のいわゆる補助をしていくとか、そういうような自然保護の立場からこの経費を幾分かでも分担をしていく、こういう考え方はあるのかどうか、私はそういうふうに展開をしていってもらいたいなという希望を含めて質問をいたします。
  71. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) この知床百平米運動につきましては、ただいま先生御指摘の時点で五十五年十月十八日現在で第一期目標分九千六百万円、百二十ヘクタール以上の募金が集まっているというふうに聞いております。そこで、この事業に対しての財政的なアプローチという御質問でございますが、現在の自然公園法の体系でまいりますると、先生御案内と思いますが、地種区分がございまして、特別保護地区及び特別地域の中の第一種特別地域について民有地の土地買い上げ制度がございます。その趣旨とするところは、いわば私権が自然公園法に制限されている、たとえばその地域においての家屋の新築ができないとか、あるいはその他の工作物の造成ができない、そういうようなことに対する私権に対する制限、これをまあ賠償するというような意味合いで、現在の、ただいま申し上げた土地買い上げ制度ができておるわけでございます。そこで、第二種地域及び第三種地域につきましてはそういうような制限が緩やかで、特に第三種地域になりますと、許可制度によりましていろいろな土地の売却あるいは土地の造成等ができますので、そういった適用がされておりません。したがいまして、そういうところに対する財政的なアプローチは奨励制度、奨励補助制度といったようなものが考え方としては成り立つのだろうと思います。  そこで、現在各県におきまして――各県というのはちょっと言い過ぎでございますが、県によりましては管轄内のそういった市町村の――このトラスト運動は知床しかございませんが、若干似たようなものは地域によってございます。そういうところでは、各県によっては県の段階で奨励補助をしているというところもございます。そこで、国から見た場合でございますが、先ほど申し上げました私権の制限に伴いますところのいわば賠償措置としての土地買い上げ制度を始めましてこの充実を期しているわけでございまして、さらに二種、三種につきましては、先ほど申し上げたような理由及び二種、三種地域及び普通地域あるいは都道府県自然公園地域と申しますのは全国で膨大な土地でございますので、それだけの経費及びそういった労力等から見まして、そういったところの地域についていろいろな国費の援助をするというようなことは現在考えておりません。  ただ、自然保護についての費用負担の問題と申しますのは、いま先生がおっしゃった問題以外に、まあより複雑なむずかしい問題もございまするが、たとえばそういった地域でいろいろな管理をする、あるいは清掃をする、あるいは保護をするといったようなものに対しての別途の補助金でございますとか、そういったようなアプローチがございます。さらに、この知床運動はイギリスのナショナル・トラスト運動が恐らく原型だろうと思うのでございますが、それと大分変わった姿で知床で行われております。そこで、私どもの方では先ほどの民有地買い上げ制度は別といたしまして、何らかしら、いわばその貴重な自然を保護する、あるいはそれをいろいろな住民あるいは団体の手で守っていこうという、非常な貴重な精神がございますので、そういったものが日本で育たないかという問題がございます。そこで、かつて自然保護審議会におきましてもこういったものの問題提起がございますので、そういった面から私どもの方では研究したい、または先般から研究の着手をしてみたというところでございます。
  72. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 私は、きわめてこれは自然保護という観点では大切な動きだと思うのですね。したがってやはり助長するという、こういう立場を明確にして、そして具体的に検討も進めて、育成ができるようにぜひひとつ心がけてもらいたいなというふうに思っているのです。特にこれは全般的に言えるわけなのですが、いま全国的にいわゆる山村とそれから個人で持っている近くの里山がありますね。これが一体になって自然景観を形づくっていくという、こういう状況があるのですが、御承知のように木材関係の市価問題等をめぐりまして、非常に山がいま採算的にむずかしいというようなことで、里山のいわゆる後退という現象が各所に起きているわけであります。そういう状況から判断をしていきますとこの里山の後退が、いま話のありましたように第一種地域にきわめて大きな影響を及ぼしてくる、こういうことが当然将来方向として考えられるわけでございまして、この辺に対する一つの見解をつくり出していかないといけない時期じゃないだろうかという感じがするのですが、その辺の、環境庁として将来を見通しての自然保護の立場からの考え方をひとつ出しておいてください。
  73. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) 最近の社会経済の状況から言いまして、私どもの方は、先生がおっしゃったような里山地域の開発、それに伴う森林の伐採、あるいは森林のみならず、いろいろな開発に伴いますところの自然への影響、そういったものはある程度湖沼及び海岸線と並んでつかんでおるところでございますが、基本的に申し上げまして私どもの方の自然環境保全の問題、それから自然公園の問題につきまして、従来山地と申しますか、そういったものが中心になっていろいろやっておりましたけれど、都市と山地の接点、里山及び都市近郊、そういったところが私どもの方の将来の自然保護の関係、あるいは自然の維持、育成といったところの焦点の一つだろうというふうに認識しております。そういったところで、われわれが何ができるかということを、率直に申し上げまして模索の段階でございまするが、ちょうど来年が自然公園の五十周年というような時期でもございますので、若干時期をかけて焦点を合わせてそういった問題にも取り組むべくプロジェクトチームをつくって現在進行中でございます。
  74. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 もう一つの問題は――これはいまのやつは知床の問題も含めてですからね。基本の流れをしておいて、それからそういう具体的な動き等に合わせつつやはり自然保護をどう守っていくかというのは大変な課題なものですから、さらに追い詰めて私は検討をいただいておかなければいかぬ、再度そのことだけ申し上げておきたいと思います。  それで、次は北海道の特に生態系、非常に壊れやすい、壊れやすいと同時に一たん壊れたものの再生が相当長期間かかってしまう、こういう一つの内地側と違った特性があると思うのですね。そういう意味からいきますと、何と言いますか、これは新聞等でも出されたわけでありますが、七〇年に開かれた札幌オリンピックの滑降コース、これをやられたときに、それがもとに戻っていくのには百年かかるだろうと――これはまあ一つの例ですね。一たん壊されたものがもとに復元するというのはそれほどかかっていくという証明だろうと思うのですが、そういう点からいきますと、これは環境庁が先ほど申し上げましたような幾つかの観点というものについてひとつきちっとした方針で具体的対処を迫っていかなければならぬ、こういうふうに基本的にわれわれとしては考えておるわけでありまして、これは答弁を必要としませんが、ぜひひとつその要望にこたえていただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。  それから、岩手から出されておりました要望の中に、早池峰県立の自然公園、これを国定化してもらいたいという強い昇格要望が出されているのですが、これに対する環境庁としての見解はいかがなものでしょうか。
  75. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) 岩手県から早池峰地域の、すぐれた自然環境を有する地域だから国定公園として指定してほしいということについての希望と申しますか、それは大分前に役所として承っております。しかしながら、自然公園法に基づきまするところの、具体的な法律に基づく申し出と申しますか、指定に対する申し出、これは知事が行うことになっておりますが、これのいろいろな公園の計画、あるいはそれに伴いますところの公園事業の計画、つまり、保護及び利用についての諸計画、それから特別保護地区でございますとかあるいは特別地域でございますとか、あるいは普通地域でございますとか、そういった地種区分、そういった国定公園に必要な属性と申しますか、要素がございます。これは国定公園としてふさわしい内容であることが必要だと思いますが、これについてのまだいろいろな作業が県でできておりませんので、私ども県とも接触をいたしまして、従来からもそういったものを早く詰めてはしい、こういうことを言っております。さらに面積的なこともありまして、面積的と申しますのはいろいろございますけれど、岩手県のこの地域についての国定公園昇格につきましての面積がこの数年の間にいろいろ数字が変わっておりますので、この辺をどういうふうに岩手県がこなしているかがちょっとわかりませんので、そういうことも含めて指導してまいりたい、それにふさわしい内容を備えて申し出てほしいということで指導しようと思っております。  以上でございます。
  76. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 いまの問題は実はこの委員会としていわゆる請願採択をやっているわけですね。これは八十回国会ですね。そういう前提がありまして、それを具体化していくという課題が任務になっているわけですね。で、いまこの面積的な問題が提起されましたが、国定公園の場合、一万ヘクタールという一つの基準ですね、これに対してこの早池峰の場合は五千八百ヘクタールですから面積的には足らない、こういう問題だろうと思うのですね。しかし、この現在の早池峰県立自然公園の隣接するいわゆる自然環境保全地域があるとして指定があるわけですから、実質的には私はいま面積はどんどん変わっていくと、こういうふうなお話がありましたが、私は、これは昇格をさしていいのではないだろうかというふうに考えるわけでありまして、ぜひひとつ早く県の方と問題をつき合わせしていただいてやってもらいたい、こういうふうに思います。  県との調整というのは何が問題になっているのかよくわかりませんが、県は私どもに対してぜひ実現をしてもらいたい、こう言っているわけですから、そうするとその阻んでいる問題というのは県の方じゃなくて、むしろ国の方にあるのじゃないか。環境庁の自然保護の方に問題があるのじゃないかな、こういうふうに受け取らざるを得ないのです。問題を明確にして県と整理をしてもらわないといけませんので、もし環境庁の方で阻んでいるとすれば何が問題なのか、ひとつ説明をいただきたい、こう思います。
  77. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) 以前の委員会でこれが採択されたということも承知いたしておりますが、その時点では、先ほど申し上げたように、いわば非公式と申しますか、法定の申し出じゃないものですから、その後の県の正式の申し出を待つべく、その間に先ほど申し上げたふさわしい内容についていろいろ詰めさせたり指導してまいったわけです。そこで、いま私どもが阻んでいるものは一つもございません。ただ、先ほどちょっと先生がお触れになった面積の基準と申しますか、いわば国定公園にふさわしいスケールと申しますか、そういったものについて、それは絶対的なものではございませんけれども、そういったことについての、いろいろな面積についての調整がありますので、それを県がやっておるというふうな段階でございますので、御理解いただきたいと思っております。
  78. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 もう一つは、ふさわしい内容について一体何を求めているのか、そこまでいきませんと具体化をしないのですが、もうきょうはいいです。だから早くひとつやってください。
  79. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) ふさわしい内容は、先ほど申し上げたように、やはり国定公園にふさわしい、特別保護地区が大体何割ございますとか、そういったものをいろいろ地種区分をするという仕事などが中心になろうかと思っております。  以上です。
  80. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 少し前に、公害防止計画区域の全都道府県が公害防止計画推進のための協議会を設けて、公害防止財政特別措置法、これの延長を働きかけをしていくことを決めた、こういうふうに聞いているわけでありますが、各地域でそれぞれ公害防止施策を総合的、計画的に推進をしていくために、公害防止計画を地域住民の立場で作成をする。そうしてその着実な実行が必要だということになるわけですが、環境庁は、これまでの公害防止計画の役割り、これについてどう現時点での評価をしておるのか、これがまず第一でありますし、さらに今後の見通し、余り長々述べてもらう必要はありませんので、要領よくひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  81. 藤森昭一

    ○政府委員(藤森昭一君) お尋ねの公害防止計画でございますが、いまから十年前に四日市、水島、千葉市原という地域を対象にいたしました第一次の策定をいたしましてからちょうど十年たっておりますが、この間、公害対策の見地から全国の主要な地域を網羅いたしまして、現在では四十七地域をカバーいたしております。それぞれの地域におきます公害の特徴に対応いたしまして、公害防止のための施策の総合計画といたしまして、地方行政の中にしっかりと定着をしておるというふうに見ておりまして、特に、四十六年に制定されました公害防止計画の事業に伴う財政の特別法というものがございまして、こういった財政的な裏づけもございまして、公害防止施策の推進に非常に大きな成果を上げているというふうに考えております。  第二点のお尋ねでございますが、これからどうであるかということでございますけれども、ここ十年の経過を見ましてもなお改善したり維持をしていかなければならない問題が幾つかございます。それから、最近よく指摘されておりますように、交通公害であるとか、あるいは廃棄物の問題であるとか、それから都市生活に関連する閉鎖性水域の汚濁の問題等々、まあいわゆる都市生活型公害その他に見られますように、公害の態様がこの十年で相当変わってまいりました。そこで、これからの公害防止計画はさらに内容の一層の改善に努めなければならないという必要性に迫られておりますし、私どもとしましては、今後とも引き続いて公害防止計画を策定し、強力に推進していかなければならないというふうに考えておるわけでございまして、そういうことに資するためにも、昨年の十月から公害防止計画のこれまで果たしてきた役割りとか、あるいはいま問題になっている問題点、これからどうしたらいいかというふうな問題を解析するための検討会をつくりまして、それを進めつつ今後に対処をいたしたい、かように考えている次第でございます。
  82. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 検討会をつくってやっていくということですから、それからじゃないと具体的評価は出てこないわけですね。まあ、検討していくというのですから、それはそれでやむを得ないと思いますが、公害防止財政特別措置法は、これは五十五年度末、来年の三月末で効力がなくなるわけですね。それで延長と、こういう動きになっているわけでありますが、この延長法案というのは、これは自治省が主管官庁で出てくることになるのですかね。まあ、いまの答弁の中に少し環境庁としてこの法案の評価が出ておるようでありますから、あえて重ねて聞く必要はないとは思うのですが、自治省が主管庁と、こういうことになれば、先ほどの論議の続きじゃありませんが、一体この法案に環境庁としてどう態度を表明をしていくのか。
  83. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) おっしゃるとおり自治省が所管官庁ではありますが、これは計画もありますし、半ばで終わってもしようがないですから、全力を尽くして延長するように努力をいたしたいと思います。
  84. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 わが党はこの公害防止財政特別措置法の成立の際に、きわめてまだ内容が不十分である、こういうふうにチェックをかけているわけなのですよ。したがって、不十分なところをやはり補強をしていかなきゃならぬ。だからあえて態度を聞きましたのは、そのときに提起しておりますような問題点を環境庁として一体どういうふうに主管官庁の方に取り上げていくのか、あるいは提起をした問題は不十分だけれども現行やむを得ないとするのか、ここをひとつ明確にしていただきませんとお答えにならぬのですが……。
  85. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 先生御承知のように、来年度はどうやって予算を組んだらいいかわからないというほど窮屈だということは、まあ大蔵省の話ですが、盛んにやっているわけで、わからないわけじゃない。そこで私どもの方は内容についても十分もっときめの細かいものにしたい。これはいろいろ各党からの御要望もあるやに聞いておりますが、しかしながら、それよりもまず何よりも延長ができるかできないかという瀬戸際みたいな感じがいたしますので、もっぱら延長に向けて大努力を払っていきたい、こう考えているわけであります。
  86. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 まあ、長官かわられておりますから、具体的に少し出しておきたいと思うのですがね、まず第一は、やはりこの公害防止という観点は国が総括的には責任がある、このことを明らかにしなければならぬと思うのです。で、そういう観点からいきますと、今日その責任の度合いと具体的に行われているいわゆる補助率の問題からいきますと補助率がきわめて低いのじゃないか、何とかこれは大蔵省とそれこそ四つに組んでいただいて補助率をぜひとも高めてもらう、これは法改正のときに、ひとつ渡り合ってもらわなければならぬ第一点なのです。  第二の問題は、補助対象の事業の問題点の中に、たとえば下水道の幹線管道、これらは除外をされてしまっている。こうなりますと、現実の公害防止計画の、きわめていま国の方針として、下水道を何とかと、押しまくっている建設省の姿勢からいきますと、これは建設予算の柱になっているわけですから、それほど重要な課題のものが実は除外をされているということになりますと、公害防止のいわゆる設備に対するところの取り組みについていかがなものだろうかと言わざるを得ない。したがって、大規模のいわゆる公害防止計画上の重要な事業については、もう一回きちっと点検をしてもらって、そしてそういう重大なものが漏れないように、ぜひひとつ努力をしてもらわなければならぬだろうと。  第三の課題は、公害債の元利償還、この問題があるわけですね。いわゆる交付税の不交付団体のメリットというものが考えられていないではないか。  まだほかにもずっとあるのですが、大まかに言ってそういうようなところが問題として提起されてきたところでありまして、今回の改正に当たってその辺のところはぜひとも充実をしてもらう、こういうことで再度決意表明を。
  87. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) よく承りました。  補助率等の問題については、先生、私は一人の政治家としてはいろいろ考える向きもありますが、いまの制度としては、おっしゃるとおり重要な問題についてはもっと補助率を上げなければならない、こう考えますし、あと二点の問題についてもよく理解をいたします。  ただこれ、せっかく貴重な時間を拝借して委員会をやっているわけですから、むしろ私の方から先生方にお願いをいたしたいのは、新しいことを積み上げるよりは、いまのものも本当に危なくなってしまうというような状態でございますので、全力を挙げていまの延長を力強くやっていきたい、こう思っております。おっしゃることはよくわかります。
  88. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 そのためにも環境庁が肩を張って、環境庁らしさを私はきちっと取り戻してもらわなきゃならぬのでありまして、これは委員会のときにたびたび提起してきた課題なのです。しかも、いま、環境庁が独立をしましてからやっと生え抜きの人たちが中間幹部になって、本当に色合いを出していける時期に来ているのです。ところが、現実問題としては環境庁がまま子いじめのようなかっこうになって、どんどんどんどんと狭められてきている。しかも、国民に対しても後ろ向きの形が何回か指摘をされてきた。ぜひこれは取り戻してもらわなければならぬ。そういう肩ひじを張れる、そして他の各省庁に対して環境庁の長官が物を言えば、ああうるさいけれどもえらいとこ突いてくるわいという価値観をぜひとも出していただきたい。そうしないと私は予算はとれないと思いますから、ぜひひとつがんばってもらいたい。激励をしておきます。
  89. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) ありがとうございました。
  90. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 次に、湖沼の水質保全特別措置法の問題なのですが、いままでも湖沼の水質保全の問題につきまして、何回か論議もしてまいりました。また、閉鎖性水域のいわゆる総量規制の問題等についても関連をして、たとえば琵琶湖等については早く入れるべきだろうというふうな具体的な討論も展開をしてきたはずなのです。まあ、やっと、聞くところによれば環境庁は次期の通常国会に提出をするのだということで準備をされておるというふうにお聞きをしているのですが、湖沼水質保全特別措置法の、これまあ名前はどういうふうにおつけになるかわかりませんが、これを中公審に諮問されたというふうにお聞きをしているのですが、それは事実なのか、あるいは諮問をされておるとすれば、どういう考え方で諮問が行われておるのだろうか、これを少しお聞きをしたいし、それからあわせて、この問題についての諮問の内容等について、できれば資料としてお出しをいただきたいということをちょっとつけ加えておきたいと思うのですが、出していただけるかどうか。
  91. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 湖沼の問題については、詳細は後で水局長が来ておりますから答えさせますが、先生御指摘のように海とか川とかは御支援をいただいて、まだ万全じゃありませんが、ずいぶんきれいになりました。けれども閉鎖性のために、湖沼の方はこれと比べてなかなか成果が上がらない。この間私は二つの、霞ケ浦と琵琶湖と両方見てまいりましたが、これもなかなか容易でない。このままにしておきますれば重大な事態に立ち至るだろう、こういう心配があります。一方、湖沼はそれぞれ場所によってその利用目的が大分違います。そういうところから、私どもの方は中公審の方に諮問をして、いま御答申をいただくように待っているんですが、特別に従来のように何か案を立てて、これでいかがでしょうかといってお伺いしているわけではないのです。ただ、それぞれの土地にこうありますから、これは県知事さんにひとつ計画を立ててもらうというような、使用目的がそれぞれ違いますから、県知事というものをここにずっと浮き出してきたらどんなものだろうかなというような考えを持って、その程度のことを申し上げて、そしていま御答申を待っている。来年の通常国会にはぜひまとめて出してみたい、こう考えているわけで、名前なども、先生よく知らないがというお話でしたが、私も実はよくわかりません。どういう名前にするか、だれもわかってはおりません。これはまだ決めてもいない。内容もその程度のことでありますが、なお詳細は水局長の方からお話をさせます。
  92. 馬場道夫

    ○政府委員(馬場道夫君) あらまし長官のおっしゃったとおりで、特別ないわけでございますけれども、まあ湖沼の実態を見てまいりますと、大変環境基準の達成率が悪い、あるいは富栄養化が進行している、その他の海域に見られないいろいろの特徴がございます。また、湖沼自体も非常に社会的な条件も違いますし、あるいは自然的な条件も違っておる。そういう中で湖沼対策といたしましては、従来のような水質汚濁防止法等の個別対策だけではやはり限界があるであろう。そこで、やはり湖沼のそれぞれの実態に着目いたしました、あるいは特性に着目をいたしました対策を、また国ももちろん方針をつくりますけれども、知事さんにつくってもらって、各種施策を総合的にやっていただく、あるいはこれを計画的に目標を決めてやっていただくというようなことが必要ではなかろうか、また、そのために現行制度に不備があるとすれば、それの特例法的なものもこの中に盛り込んでまいりたいというように考えておるわけでございまして、具体的な点につきましてはただいま中公審の方に諮問いたしまして御議論をいただいているという段階でございます。私ども、できれば十二月中ぐらいまでに答申をいただいて、具体的な詰めの作業に入りたいというように考えておるわけでございます。
  93. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 それで、白書、それから、この前、湖沼の今日の透明度とか、資料をいただいておりますので、その程度になりますね、論議の基準になりますのはね。しかし、それをながめてみましても、最近は、たとえば環境基準の達成状況というのは非常に湖沼の場合落ちてきている、悪くなっているのですね。こういう状況なので、早くこれは取り戻さなければならぬ、こういう課題に立ったわけですから、精神的にはぴしゃっとしているというふうに判断をするわけであります。  そこで、具体的には、これもたびたび論議をしてまいりましたが、滋賀県条例――琵琶湖条例で、いわゆる一つには合成洗剤の使用禁止、それから販売禁止、こういう形が柱になってでき上がっているのですが、余り時間がありませんですが、国としての評価、これは一度お聞きをしたことはあると思うのですが、長官がかわられておりますので、ぜひひとつ、知事をトップに上げながらやっていこうという考え方のようでありますから、まず琵琶湖条例をどういうふうに国が評価をしておるのか。そのことと湖沼法との関係は一体どうなのだろうか。これをちょっと聞かしてもらいたい、こう思うのです。
  94. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 先ほど申し上げましたとおり、先日琵琶湖へ行ってまいりました。知事さんには会ってまいりました。条例のことでございますから、とやかくここで私の口からいろいろ言うことは差し控えたいと思いますが、私はその熱意に対しては非常に評価いたしております。ぜひひとつあの熱意が住民の理解するところとなって効果を上げてもらいたいものだなと思っているわけであります。
  95. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 最後になりますが、もう一つだけやはり重ねて聞いておきたいのですけれども、これは瀬戸内法を論議したとき私の方からも提起いたしましたが、埋め立てですね。自然海浜がどんどんどんどんともう埋め立てられまして残り少なくなってきている、こういう状況は当然湖沼の場合にも一番心配をされるところなのですね。したがって、これを法案の中にそうした趣旨合いを盛り込む、ぜひ盛り込んでもらいたい、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
  96. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 先ほど申し上げましたように、私どもの方としては細かいものを書いて従来のようにこれでいかがでございましょうかと問うているわけではございませんので、どういうお答えをいただけるのかよくわかりませんけれども、いまの御指摘の湖沼の岸がセメントで埋められていくということについてはわれわれ無関心でいるわけではないので、もうほどほどにしなきゃいかぬ、こう考えておりますから、どういう御答申がいただけるにせよ、環境庁としてはその問題については重大な関心を払っていきたい、こう思っております。
  97. 馬場富

    ○馬場富君 最初にアセスメント法案について質問いたします。  政府は、二十七日の首脳会議で、政調会長にお預けになっておりますアセスメント法案を党内の部会に差し戻して、来春の通常国会提出を目指しての党内調整を決めたいということが載っておりますが、これは事実かどうかという点と、また長官は、会議の内容についてどのように理解されているか、この二点を最初にお尋ねいたします。
  98. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 第一点については新聞に書いてある程度のことしかわかりませんが、多分いま馬場委員おっしゃるとおりのことであろうと思っております。  第二番目は何ですか、政府の考えですか。
  99. 馬場富

    ○馬場富君 そうです。
  100. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 政府の考えは、この前の大平内閣のときに閣議了解をいたしております。そして、その前に当然のことながら各省庁十分の連絡をとりまして政府案ができております。この政府案を後退するつもりはない、こういうことでございます。
  101. 馬場富

    ○馬場富君 それにつきましてもう一点は、報道等によりますとアセスメント法案の法制化については経済四団体のやはり非常に反対があった。その理由は、電源開発等に支障を来す、あるいは地方ごとに県条例で規制を講じているので十分であるという、こういう立場から反対の声が出ておる、このように聞いておるわけでございますが、この点を長官はどのように受けとめてみえるか。また、報道等によれば、党三役がこれら反対の経済四団体の首脳と環境庁長官の会談を要請するというそういう記事も出ておりますが、長官はこれに対してどのように対処されるのかお尋ねいたします。
  102. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 電源開発について、アセスメント法ができると支障になる、その話は私のよく理解するところではありません。もちろん現下の経済情勢を見れば、油にかわるエネルギーを求めているわけですから、そして、それはある意味ではわが国の国民生活の死命を制するような問題にもなりかねませんから、私も政治家としては電源開発という問題については重大な関心を持ちます。けれども、そのために国民の健康を犠牲にするということはできない。それからまた子孫に譲り渡さなければならない自然というものを犠牲にすることもできない。それがわれわれの立場であります。ですから、これは当然のこと電源開発をやろうとしている人だってわかっていることなんでありますから、その上に立って考えた場合に、アセスメントをつくることが電源開発に支障になるというようには私は考えておらないわけであります。  それから条例ができれば十分であるというお話は、これも私は理解ができません。なぜかなれば、条例というのはいろいろ地区地区に分かれているんですから、そしてまた条例の中身について私がいろいろコメントすることは差し控えたいと思いますが、たくさんあるのですから、分かれていくのは当然のことであろうと思います。そうやって電源開発ということのためにばらばらの条例でやっていくというのは、私はむしろ困ることではないかなと思います。特に国が関与してやるような大きな事業については、国で国会の先生方の御審議をいただいた権威あるルールをつくっておいていただいた方がむしろいいのであって、条例があるからいいのだという考えは私の理解もできませんし、同意もできないところであります。  それから三番目は、自民党の幹部の方が経済四団体に環境庁長官である私が会うようにと、こういう話だったというのですが、この問題は経済四団体ばかりじゃありません。御理解いただかなけりゃなりませんから、だれとでも会いたいと思っております。むしろ私の方から求めてお目にかかりたいと思っているくらいでございますが、向こう様の方からこの問題について意見を聞きたい、あるいは意見を申したいということがあれば、私は喜んでお目にかかる用意があります。
  103. 馬場富

    ○馬場富君 非常に頼もしいお言葉を聞きましたが、そうしますと、長官は経済四団体の幹部と懇談される場合に、逆に国がいま出そうとしておるアセスメント法案を理解をしてもらえるようなそういうやはりひとつ論議をしよう、こういうように受け取ってよろしゅうございますか。
  104. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 私理解をしてもらうために経済四団体の方々にお目にかかることは少しもいやじゃありません。お目にかかってお話を申し上げたいと、いま思っているのじゃないんで、前から思っております。
  105. 馬場富

    ○馬場富君 じゃ次に、今度提出されようとしておるアセスメントの政府案については、閣議決定がなされておるから長官は変えないと、こういうことで非常に頼りにしておりますが、一つは、先ほど長官もお認めになっておりますが、これは党首脳が預りのものを部会に差し戻すということは、再審議するという形になるわけでございますが、その論議の立場からしますと、これは法案の内容の変更を前提とする以外こういう手続をする方法は私はないのじゃないか。自然から考えますと、やはりこれは法案の内容を再検討するというために差し戻すということに理解をするわけでございますが、この点、長官どうでしょうか。
  106. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 私ごとを申し上げてまことに恐縮でございますが、私は自由民主党所属の代議士でございます。いまの問題は党内の問題でございますが、御心配をいただいてまことに恐縮に存じます。けれど、政党政治ですから、やはり与党の中に異論があれば――そうでなくても全力を挙げて御理解をいただかなきゃならぬのですが、政党政治である以上、与党の中に異論があればそれに対して熱意を込めて御理解をいただくという努力をするのはわれわれの立場としては当然のことかと思うわけであります。ですから私は、もし与党である自由民主党の中に多少の異論でもあれば、汗を流して御理解をいただくために努力をいたしていきたいと考えております。しかしながら、最後の御質問でそれは中身を変えようということではないか――私わかりません。どういうことかわかりませんが、中身は各省庁が長い努力を重ねて合意したものでございますから、いまわれわれはそれを変えようなどという考えは持っておりません。
  107. 馬場富

    ○馬場富君 再度長官に念を押すようですが、重大な場面に来ておりますから、だから非常に長官の言葉を信頼いたしますが、やはり報道等ではわれわれが聞く範囲では自民党内部の中に一部ではあるがかなり強い反対がある。そのために政府原案を一部手直しして法制化をするという考え方の動きがかなりあるという点が指摘されておるわけですが、再度でございますが、この点は間違いございませんか。
  108. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) われわれは、政府の立場として原案を持っているわけです。それも、きのうきょう、いいかげんな短い期間につくったものではありません。十分に各省庁間で合意を得てつくったものでございます。それをこれから国会の衆参両院の先生方に御審議をいただくわけであります。だから何が何でも、これをどうしても突っ張っていくということではない。御審議をいただく過程においては、あるいはわれわれもなるほどその方がいいかなと思うこともあるかもしれませんが、私はいまのところこれが万全のものであると思っていることは、何回も申し上げますが、間違いのないところでありますし、これは私ばかりじゃありません。官房長官もそういうふうに言っているわけであります。これを直すなどというようなことは毛頭いまのところは考えておりません。
  109. 馬場富

    ○馬場富君 じゃ、その決意のようにひとつお願いしたいと思います。  私どもも、この法案についてはもう五年越しでございますし、それからさきの九十一国会の二月十五日の衆議院予算委員会におきまして、亡くなりました大平総理が、今国会中に提出するということを約束をされました。そして、三月四日には関係閣僚協議会というのが設置されましてこれがスタートしておりますし、それから五月二日には政府としての法案がまとまったということを閣議で了承されております。そのときの模様も反対がなかった、このように私たちは聞いておりますし、いままで総理が国会で約束して、そして政府原案ができたものが、このように提出が困難だったという例は余りないのじゃないか。そういう点で非常に、この法案こそ本当に政府の生命線の問題ではないか。こういう点で、これがもういまの論議として変えるとか手直しするという問題よりも、いつ出すかどうかということにかかっておるのじゃないか。私はそういう点で、もう何が何でもこれはひとつ、この法案をいま長官の決意のとおり、ぜひ国民の環境を守るためにもがんばってもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
  110. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 御指摘のように、大平前総理大臣御存命のころから、まとまりましたから近くこの法案は国会に出して御審議をいただきますということを言うてきた経過もあります。それから、先般知事会議などがありましたときには、現総理、鈴木善幸総理もそれを受けてそういう意思も伝えておるわけであります。したがいまして、内閣としてはその考えには少しの変わりもございません。ただ、先ほどの御質疑の中でもお答えをいたしましたが、現下、経済もなかなか曲がり角に来てむずかしゅうございますから、またその方面で心配なさる方もおります。ですから、私どもの方としては十分それらの方々にも御理解をいただいて、これを至急に国会に出したい、こういうふうに思っておるわけでございます。どうぞひとつ御理解の上、御協力をいただきたいと思います。
  111. 馬場富

    ○馬場富君 それにつきまして、政府の環境アセスメント法案が五年連続して流産という中に、最近では各地方自治体が相次いで条例をつくり、あるいはその準備を進めておるところがたくさん出てきておるわけでございますが、環境行政を守る最高責任者としてこういうことについて長官どのようにお考えですか。
  112. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 条例は、おっしゃるとおり北海道それから神奈川、そして最近東京等、要綱でやっているところ、その他細かいいまの情勢については藤森局長からもお答えさせますが、その条例の内容その他について私コメントする立場にありません。まことに結構なことだ、そう考えているわけであります。しかしながら、国が責任を持ってやるような大きな仕事については国がルールをつくるということがわれわれの仕事をやっていく上においてきわめて重要なことである、こう考えて今日までやってまいりました。その考えには何の変わりもないわけであります。
  113. 藤森昭一

    ○政府委員(藤森昭一君) 地方における条例、要綱の制定状況等について申し上げます。  地方における環境影響評価の制度化につきましては、この十月初旬に東京都及び神奈川県が相次いで条例を制定いたしました。そのような状況のほかに、なお首都圏における制度化というものが次第に本格化しようとしておりますわけでございますが、全国的に見ましても制度化の動きが非常に高まっておるという状況でございます。  私どものこの夏の調査によりましても、現在都道府県及び政令指定市、これは全部で五十七ございますけれども、そのうち条例を制定している団体は、ただいま大臣がお話しになりましたように四団体でございます。それから要綱等を制定している団体が十三団体となっておりまして、これを合計しますと十七ということになりまして、三分の一に当たります。また、新たに制度化を検討しております団体は三十団体に上っております。したがいまして、条例または要綱等をすでに制度化しているかあるいは制度化を検討している団体の合計は五十七中四十七に当たりまして、これは全体の八割を超えている状態でございます。  以上でございます。
  114. 馬場富

    ○馬場富君 アセスメントはこれで打ち切りまして、次は化学薬品倉庫の火災について何点か質問いたします。  十月一日に愛知県の大府市で化学薬品等を保管する運輸会社の倉庫で火災が発生いたし、倉庫内にあった化学薬品が燃えて塩素ガスが発生したために目やのどの痛みを訴える住民が多く出た。その上さらに、水をかけると猛毒ガスを出す青酸ソーダが多量であったために放水による消火が思うようにできなかったために、十九時間も燃え続け、現場の風下に当たる住民は二千世帯の八千人に避難命令が出されるという、いままでにかつてない災害へと発展したわけです。これはやはり特殊な化学薬品倉庫の火災という点で、倉庫内の劇毒物の保管のあり方やこれに対する防火体制にも新たな問題を提起されておるわけでございます。特に有毒ガス、猛毒ガスの発生による人体への影響、あるいは劇毒物の河川、井戸水への浸透による二次汚染の問題と、公害行政の立場からも種々の検討が必要とされておる問題でございますので、これに対して順を追って質問していきたいと思うわけでございます。  最初に、厚生省の薬務局の方にお尋ねいたしますが、この火災倉庫に保管されていた化学薬品の品名と数量と、あわせて特に劇毒物の火災発生により、消化または放水等により空気並びに水質等に与える化学作用による人体への影響についてひとつ詳細に説明してもらいたいと思います。
  115. 有本亨

    ○説明員(有本亨君) お答えいたします。  その倉庫に保管されておりました毒劇物につきましては、青化ソーダが四・三トン、それから硅ふっ化ソーダが三十七・七トン、クロルピクリン関連の製剤が四種類ございましたけれども、これが合わせて三十七・二トン、それからジロペンが三・八トン、モノクロール酢酸が三・三トン、フェノール――石炭酸でございますが、これが一・八トン、パラミンが二十キロ、アニリンソルト百四十キロ、以上約九十トンの毒劇物がこの倉庫の中に保管されておりました。  これらの毒劇物によりまして消火活動の際にいろいろ危険性が考えられるということでございますが、特にこの中で青化ソーダにつきましては、先ほど先生御指摘のございましたように、ある特殊な状況のもとでは水をかけたりしたことによって酸その他が生成して、青化ソーダからシアンガスが発生する、こういう危険が当然考えられるわけでございます。また、クロルピクリンなどにつきましても、熱によりまして気散いたしまして、クロルピクリンの刺激等が当然考えられるわけでございます。  また、これらの毒劇物の中には、水によりまして溶け出して付近の河川等に流れ出し、また、量が非常に多ければ、それによりまして河川の魚等に害を与えるということも当然考えられるわけでございます。また、先生御指摘のような井戸水等にも、多量に流れ出した場合には、恐らくそういう井戸水の中にも流れ出すこともあり得るかもわかりません。今回の場合は特にそういうことはなかったようでございますが、量的な問題それから距離的な問題によりましては、そういうことも起こり得るかもわかりません。  以上でございます。
  116. 馬場富

    ○馬場富君 このような劇毒物の製造所とかあるいは販売関係のそういう業者については全国的にどのくらいございますか。
  117. 有本亨

    ○説明員(有本亨君) 毒物劇物取締法によりまして厚生大臣に登録されております毒劇物の製造業者は昨年の十二月末現在で二千二百四十六でございます。それから同じく輸入業者は七百九十三ございます。また、都道府県知事に登録されております毒劇物の賑売業者が昨年十二月末現在で八万三千五百十八になっております。また、都道府県に届け出をされております業務上の取り扱い業者が四千七百三十三でございます。
  118. 馬場富

    ○馬場富君 次に消防庁にお尋ねいたしますが、この火災は発生から十九時間も燃え続けて手のつけようがなかったという状況に終わったわけでございますが、こういう特殊な火災がいままでの一般の火災とどのように問題点があったのかを説明してもらいたいと思います。
  119. 野沢達夫

    ○説明員(野沢達夫君) お答えします。  一般的に倉庫火災の場合は、規模が大きいということで鎮圧までに長時間かかる例が多いわけでございますが、今回の大府の倉庫火災におきましては、特に先ほど先生から御指摘ありましたように毒物劇物があるというようなことが消火活動を困難にいたしております。  当初、十二時十分ごろ発生しまして直ちに通報を受けて消防隊が現地に到着したわけでございますが、わりあい早い時期に関係者から毒物劇物があるというような情報を得ておりました。それを何であるかということを確認する必要があったわけでございますが、その確認の過程において、たまたま荷主側の会社が休業日であったというようなことで、三時間後あたりでようやく内容がわかってきたというような問題点がございました。それで、実際に、先ほど厚生省からも報告がありましたが、そういったたぐいの各種の多量の毒物劇物があったわけでございますが、その中で特に青化ソーダにつきましては、酸と結合した場合に青酸ガスという有毒ガスが発生するということで、通常、水による消火ということがこれはできないということで、泡を多量に投入するような消火方法を必要とするというようなことで現地で関係者の協議を行って消火活動を行う。あるいはわれわれ消防庁にも実際に照会がございましたが、こういった消火方法について照会して、現地で十分慎重に第二次災害が起きないような方向で消火活動をするという消火活動を行っております。  そういった点が今回の事件ではかなり先生御指摘のような長時間かかった大きな理由になるのじゃなかろうかというふうに考えております。
  120. 馬場富

    ○馬場富君 消防庁は特に火災によってわかったわけですけれども、この倉庫にこういう劇毒物が多量に保管されておるということは結局事前にもわからなかったわけでしょうか、この点についての消防庁としての問題点をひとつ説明してもらいたいと思います。
  121. 椎名泰

    ○説明員(椎名泰君) お答えいたします。  この大府市の火災において倉庫内に保管されていた毒物劇物に該当する物質の所在が把握されていなかったために長時間を要したということでございますけれども、こういう貯蔵の把握ができていないために消火活動に重大な支障を来すということを教訓にいたしまして、この毒劇物等の消火活動に重大な支障を生ずるおそれのある物質を貯蔵している倉庫の実態を、ただいま厚生省の協力を得ながら調査をしているところでございまして、したがいまして、この調査の結果を待ちまして毒物劇物の届け出の義務を火災予防条例あるいは消防法施行令いずれかで対処してまいりたい、検討していく所存でございます。
  122. 馬場富

    ○馬場富君 この点倉庫を倉庫業法で監督をしてみえる運輸省の方の関係で、ひとつ今回の火災についての倉庫のチェック機関としてどのような意見を持っておりますか。
  123. 橋本信明

    ○説明員(橋本信明君) ただいま御指摘の毒物劇物が多数営業倉庫に入っておったという点でございますが、私ども営業倉庫を監督しております立場から申し上げますれば、営業倉庫の中に何が入っておるか、何が幾らぐらい入っておるかということはこれは各事業者から毎月報告を出させまして、それによって把握しておるつもりでございます。しかしながら、これは私ども四十品目分類ということで報告をとってございまして、その四十品目の中には毒物あるいは劇物というものを取り出してカウントしておらないということで、常時の把握は毒物あるいは劇物についてできてはおりません。しかしながら、今回事故がございましたので、今後のことにつきましては、毒物及び劇物取締法を所管しておられます厚生省、それから実際に今回の消火に当たられました消防庁あたりとよく御連絡をとりつつ、対応を考えてまいりたいと存じております。
  124. 馬場富

    ○馬場富君 だから、この劇毒物については結局届け出の方法がないということでしょう。それでもう一点は、この原因が実は劇毒物やそういう危険物が保管されておったにもかかわらず、そこで溶接による火花によって引火したという倉庫の管理問題についても私は問題があると思います。  それからもう一点、倉庫の保管関係のチェックにいたしましても、東海海運局が毎月の倉庫の保管物資等の報告を見るわけですけれども、こういう点で、一般倉庫と危険物の倉庫と別々に報告をなされなければならないわけですけれども、この問題についてはこれは全然区別もされずに報告をされておった、こういう点等はこれをチェックする機関として非常に私は重大な責任だと思うのです。そういう点で、この点についてはどのような責任を感じているか、ひとつ説明願いたいと思います。
  125. 橋本信明

    ○説明員(橋本信明君) まず最初の点でございますが、確かに溶接の火花から引火してこのような事故を起こした、営業倉庫においてそういうことが起こったということについては、監督する立場にあります者としてまことに申しわけなく感じております。今後は、特に火気を取り扱います作業等につきまして、これまでも注意はしておりましたところでございますが、なお一層厳重に指導するように努力いたすつもりでございます。  それから、二番目に御指摘ございました、毎月の報告書が東海海運局におきましてチェックが十分になされていなかった。これも先生御指摘のとおり、一般倉庫と危険物倉庫とあります場合には、それぞれ別様の報告書に記入したものを提出することになっておりますが、提出者の方のミスと当方のチェックミスが重なりましたこと、これもまことに不手際でございまして、大変申しわけなく思っております。今後こういう点につきましては、各海運局に十分注意するよう指導してまいるつもりでございます。
  126. 馬場富

    ○馬場富君 もう一点、消防庁の方も非常に劇毒物という問題で問題はあったわけですけれども、やはりいろんな日ごろからの問題点もあったのじゃないか。今回の倉庫の防火施設についても、実はこのチェック等について、倉庫の完成された五十一年八月の使用開始直前に点検がなされておっただけだということもはっきりしておりますし、三年に一度は必ず防火施設の点検結果の報告を、消防署に倉庫側がなされなければならないということなんですけれども、これも全然やってなかったということが事実なんですけれども、この責任はどうでしょうか。
  127. 椎名泰

    ○説明員(椎名泰君) ただいま先生の御指摘どおり、関係者が三年に一度点検の結果を報告することになっておりますけれども、これもなされていなかった。それから消防用の設備でございますけれども、これは消火器あるいは自動火災報知機あるいは屋外消火栓等でございますけれども、あるいは誘導灯もこの倉庫には該当してまいりますけれども、この設備は設置されていたわけでございます。ただその点検が十二分になされていなかったことは事実でございまして、また地元の消防本部でもこの立入検査を五十一年以降してなかったのは事実でございます。したがいまして、今回のこの火災にかんがみまして立入検査を十二分に行いまして、二度とこのような同じような火災が起こらないように十分指導してまいりたい、かように思っております。
  128. 馬場富

    ○馬場富君 いま薬務局の方からの説明もございましたが、倉庫の中にはもちろん塩化ビニールのように塩素ガスを発生するものも入っておりましたが、劇毒物の青化ソーダ、これは水によって猛毒を発生して毒ガスとなるわけですね。だから、これだけの多量のものが全部ガス化したら、あの辺は窒息する人が相当出たのじゃないかという点なんです。それからまたクロルピクリンというのは、これは毒ガスの原料ですね。こんなようなものが多量に保管されておったというようなことで、これに対して全然消防法においてもまた倉庫業法におきましてもこれを届け出するという義務はなかったという点で放置されておった。そしてたまたま火災が発生したために消防署もみんな手をつけられなかったというのが実は現場の実情で、十五時間燃え続けたのはそのためと――ここで火災発生当時の状況は、時間的に見てみますと、十月一日の十二時七分に出火しております。消防署は二十分に消防出動しておりますけれども、それについて三時に至って有毒ガスの発生のおそれがあるということを感知しながら、倉庫内から一時関係者を退去させておりますし、それから十八時五十五分に至って初めて劇毒物の専門家と消防署がここで五時間もたってから対策協議をしておる。そしてわざわざ千葉県の習志野の工場から専門家と劇毒物の中和剤を取り寄せるという相談をここでまたやっておる。そして翌日の二日の午前六時に初めてその中和剤が到着して、そういうものによって中和を始めた、こういうような状況が現地の消火に当たった実情なんですね。このようなことが、これは先ほど説明もされましたけれど、全国的に数知れずこういう倉庫がある、そしてこれが地震等によって広範囲に引火の原因が起こった場合にどう対処していくかということになった場合に、これは手もつけられない大惨事になる一つは前兆であるということを私たちは認めなければいかぬ問題じゃないかと思います。そういう点について、これは一大府市の倉庫が火災を起こしたということでほうっておくわけに私はいかない問題であると思います。そういう点について、やはりこれも事前に届け出がなされ、そして消防等においてもこういう化学物質について対応の訓練がなされておったならば、これも短時間で処理することができたのではないか、こういうことをみんな実は言っておるわけだし、どうしてもこれはなさなければならぬ問題じゃないか、こう思うわけですが、これに対しまして、これからのこういうような問題、劇毒物を保管する倉庫等に対する対策について消防庁あるいは厚生省、運輸省、環境庁とおのおのの立場でひとつ今後の対策について御説明いただきたいと思います。
  129. 椎名泰

    ○説明員(椎名泰君) 先ほどもお答えいたしましたように、届け出の義務化、これを火災予防条例あるいは消防法施行令等いずれかにはっきり決めておくならば、さらにこれに対しましての対策は十二分に立てられると思いますので、そういう方法で今後いろいろの面で検討してまいりたいと思います。
  130. 有本亨

    ○説明員(有本亨君) 厚生省の私どもの方といたしましても、今回営業倉庫におきまして多くの毒劇物を扱っていた、こういうことから消火活動にいろいろ支障を生ずることが起きたということでもございますので、まあ毒劇物の取り扱いをしておられますこういう営業倉庫について、今後どのような形でその実態を把握していけばよいいかという問題について関係省庁と検討していきたいというふうに思っております。
  131. 橋本信明

    ○説明員(橋本信明君) 私どもで所管しております営業倉庫で事故が起きたわけでございますが、まあ営業倉庫につきましては、倉庫業法による監督を従来にも増してしっかりやることはもちろんでございますが、消防法あるいは毒物及び劇物取締法それぞれ所管しておられます官庁と御連絡をとりつつ対処の方法を考えてまいりたいと思います。
  132. 三浦大助

    ○政府委員(三浦大助君) この問題につきましては、火災事故の直後にたしか先生から御照会を私どもの方にいただいたと記憶しておりますが、環境庁といたしましては、直接大気汚染防止法の適用になるケースではございませんでしたけれども、大気汚染防止法でいう特定物質であるアンモニアとか塩素あるいはシアン化水素ですか、こういったものの発生のおそれがあるということを聞きましたので、直ちに担当官を派遣して事故の発生状況、対応状況について県から説明を受けて実態把握に努めたということでございますが、ただ、ことしに入りましてこういう有害ガスの発生を伴うような爆発事故とか火災事故が発生していることを踏まえまして、今月中旬、十月の十五日でざございますが、大都市の大気担当部課長会議、さらに先週十月二十四日の全国の大気汚染防止連絡協議会の席上におきまして、うちの方の担当官から自治体の公害担当者に対しまして今後同様な事故の発生に際しては、関連部局とも緊密な連絡をとりながら必要な情報の提供あるいは協力を行うようにという指示を出してございます。
  133. 馬場富

    ○馬場富君 最後に消防庁の方に、この対策の中でもう少し具体的に、現行法でも県、もしくは市条例等でそういう危険物に該当するような劇毒物については届け出をさせることが私は可能だと思うのですね。そういう点でこれは一刻も許すことができない問題ですね。やはり各市でこういう劇毒物を保管する倉庫等がある地域については、こういう条例化等も一つは担当官庁である消防庁あたりが中心となって早急に進めなければならぬ問題だと思いますが、この点はどのように進めますか。
  134. 椎名泰

    ○説明員(椎名泰君) 火災予防条例の中に、各市町村によっては届け出の義務づけられている条例もございます。したがいまして、先ほど御説明申し上げましたように、倉庫の実態調査を現在行っておりますので、この倉庫の実態調査の結果、火災予防条例に準則としてこれが全国的に、準則ですから全国的に統一されると思いますけれども、この火災予防条例の準則か、あるいは消防法施行令、そういういずれかに届け出の義務づけをやりたい。いま検討中でございます。
  135. 小平芳平

    ○小平芳平君 鯨岡環境庁長官の環境問題に対する積極的な取り組みについてのお話がありました。そういう積極的な取り組みを国民は期待していると思います。  で、きょう最初にお尋ねしたいことは、この放射性廃棄物の海洋投棄で、これは諸外国もくるめての問題になっておりますし、また新聞や雑誌にも大きく報道されております。初めに、総括的に環境庁長官としてどう受けとめておられるか、放射性廃棄物の海洋投棄についてのお考えを伺いたいと思います。
  136. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 小平委員から積極的に取り組んでいるという御評価をいただいてまことにありがたく思いますが、特に片意地張って積極的に取り組んでいるわけでないので、御理解をいただきたいのは、戦後三十五年という短い間にだれも想像しなかったようなこれだけの経済発展を遂げた、そのことは非常に国民はそれを享受しているわけでありますが、考えてみると、そのためにあるいは大気が汚れ、水が汚れ、子孫に伝えなければならない自然は壊される。これはこのままやっていたらば、経済成長五%くらいでやっていると、十五年かそこらで倍になりますからどういうことになっちゃうだろう。三十七万平方キロで約三割ぐらいしか使えるところがないんですからこれは大変なことになる。日本だけのことを考えても頭が痛くなりますが、地球全体としても二十一世紀は、何か人類は知恵がありますから考えるでしょうけれども、もし考えないでやっていったとすれば、人口はふえるし、炭酸ガスはふえるし、もうえらいことになるという心配は、これはどなたでもなさることであって、われわれ一代だけのことでないですから、孫子の代までこの自然の大事なものを伝えてやらなければならないんですから、そこでそれを心配する役所ということになれば、委員の先生方のお力をかりて特段とその面に焦点を当てて心配するのは当然のことである。そしてまたそのことは、大ぜいの方の御理解をいただかなければならないことでありますので、どなたでもお目にかかり、そしてわれわれの考えておることが違っていましょうか、どうぞひとつ御指摘いただいて、そして進めていきたい。考えなければならないのは、われわれ一代だけのことならいかようにでも思案がありますが、一代だけでないですから、長いですから、どうするかということで努力していかなければならないと思っておりますので、どうぞひとつお気づきのことは御指摘いただきたいと、お願いを申し上げるわけであります。  さて、放射性物質の問題についても、このくらいこわいものはない、われわれは原子爆弾でやられたですから。しかし、またこれを一発一遍に爆発させないで少しずつこうやっていくと、これがまたいろいろ人類の生活の上に大きく役立つであろうということは、もうだれでもわかっていることなんです。ただそのときに、いろいろ廃棄物、要らなくなったものが出てくる。これをどこへ捨てるといっても捨てるところがないというようなことになってまいりまして、これはけだし人類的な大きな課題である、こう思っているんですが、決してなわ張りで私が必配することじゃないなんて言うつもりは毛頭ありませんけれども、この問題は先生方御審議をいただいて、わが国でこの問題を心配するときに、廃棄物も含めて科学技術庁が心配するということに決めてございます。いま科学技術庁はせっかく大臣以下この問題に取り組んで心配をしていることでございますので、それは先生御承知のとおり私としてこれはもう大変な問題だ、何とかして自分だけよければ人はどうでもいいと言って、人のところへ持っていって捨てていいというものでもない。これは地球的に、世界的に心配していかなきゃならない問題だと考えておりますという程度で、それ以上のことは私はいまの立場として申し上げないでおきたい、こう思っているわけでございます。
  137. 小平芳平

    ○小平芳平君 前半の御答弁はそのとおりだと思いますが、後半の放射性廃棄物に対する御答弁はそういうことでは私は満足できないわけです。それは三木武夫さんが環境庁長官のときに、環境庁も設置法第三条によって総合的に考えなければいけないんだから、十分放射能の問題についてもやります、人員その他事務当局に命じて立案をさせ、かつ先生の方へ報告に行かせますと、ぼくのところへ。しかし、そう言ったのは昭和四十九年ですが、そういう報告はさっぱり来たことはありませんし、それからいま鯨岡長官もそれは科学技術庁というりっぱな役所があるのだからとおっしゃっておりますが、それだけでは済まされないものがあります。で、これはまた後から質問しますから。  それで最初に科学技術庁にお尋ねしますが、科学技術庁はまず第一に、私がこの問題を質問するつもりで九月中旬に資料を取り寄せた。その資料、読売新聞等に「放射性廃棄物やはり海底汚染」、相模、駿河湾でも二十五年前投棄という報道があった。報道があったらば今度はそれをすりかえまして別の資料を持ってきて、実は前の資料は間違っておりました、これが正確です、こういうふうに言っているわけです。いま鯨岡長官が言うように、この放射能の問題は敏感でありますから、そういうことをやられるとまたうそを言われるのじゃないかと思ってしまうんですね。で、九月中旬に持ってきた資料と十月一日に持ってきた資料とどこが違うかと言えば、九月中旬の資料は廃棄場所が千葉県だったんです。ところが、十月一日は相模湾と駿河湾が入っているんです。それが違うだけです。これはどういうわけですか。
  138. 穂波穣

    ○説明員(穂波穣君) 先生御指摘のとおり、    〔委員長退席、理事坂倉藤吾君着席〕 私ども九月三十日に読売新聞で報道された件につきまして先生に御提出した資料を訂正すべくお伺いいたしました。内容は先生がおっしゃいましたとおり、私どものかつてから事務的にこの件につきまして用意しておりました資料が投棄物の位置を明確にしておりませんでした。それで、かねてから国会でも御報告しておりますように、この放射性同位元素協会の海洋投棄につきましては、昭和三十年から昭和四十四年の間に計十五回、放射能量で約四百六・八キュリーを房総沖で行っていた旨を報告したわけでございます。この十五回の投棄の中には、昭和三十年に相模湾及び三十二年に駿河湾で捨てました一回ずつの回数及び放射能量は、その総量の中には入っていたわけでございますが、残りの十三回が房総沖にやられたところから、主に房総沖という意味で、これまでいわゆる房総沖あるいは館山沖と一般に報告されていたものと思います。  そういうことがございましたので、先生方に提出した資料は至急訂正しなければいけないということで、先生方にお届けしました資料は従来一回ごとの位置は明確にしておりませんでしたが、そこを加え、かつ投棄場所としましても千葉県白浜灯台南方四十キロメーター、水深約二千六百メーターの海域と一般的に言っておりましたのを、一回目は相模湾、二回目は駿河湾、以下は白浜灯台南方海域において投棄したということの訂正をさせていただきました。また、投棄海域の選定理由といたしまして、従来先生に御提出しました資料は、放射線障害防止法施行規則の基準に従いという記載がございました。実は放射線障害防止法施行規則は昭和三十年及び昭和三十二年には施行されておりませんでした。この辺も間違いでございましたので、訂正してお届けした次第でございます。
  139. 小平芳平

    ○小平芳平君 ずいぶん長く説明してくれたんですが、要は、投棄場所がわからなくてこの問題の決着がつくと思いますか。あるいは太平洋のどこかへ捨てますよ、太平洋のどこかに捨てますよというようなことでこの問題のけりはつきませんよ。ですから、最初の資料は投棄場所がはっきりしていなかった――はっきりしていないわけじゃない。千葉とちゃんと書いてあるのですがね。第二回目は相模湾、駿河湾と入っているんですが、それは新聞で出されたからやむを得ず訂正したというふうに言われても仕方がないでしょう。
  140. 穂波穣

    ○説明員(穂波穣君) その辺は従来からいろいろないきさつがございまして、そういう資料を提出したのは私どもの遺憾とするところでございます。しかし世の中にそういうものが出た以上、私どもとしては先生に提出した資料は至急訂正しなければいけないということでお届けした次第でございます。
  141. 小平芳平

    ○小平芳平君 まあどういういきさつがあったか私にはわからないわね、持ってこられた資料を見て判断する以外にないですから。  それから、第一回の投棄という、この第一回のところに「石油缶等」となっております。「石油缶等」というのは何ですか。「石油缶等二十七個」となっておりますね。
  142. 穂波穣

    ○説明員(穂波穣君) 当時の記録によりますと、この投棄されたものは石油かん及び石油箱等となっております。この石油かんは通常申しております石油かんと思われますが、関係者の話によりますと、石油箱と言いますのは十八リッターの石油かんを二つまとめて木箱に収納したものである、こういうことだそうでございます。
  143. 小平芳平

    ○小平芳平君 そうしますと、コンクリートで固めてドラムかんに入れて投棄するから大丈夫ですよという説明をしておられるでしょう、いまは。しかし、この当時のものはそういう状態になっていなかったわけですか。
  144. 穂波穣

    ○説明員(穂波穣君) 御説明申し上げます。  先ほどちょっと触れましたように、この当時にはそういった規制といった規則がなかったわけでございます。いま先生がちょっとおっしゃいましたこれから試験的海洋投棄をやろうかというものにつきましては、原子炉等規制法に基づきます詳細な基準があるわけでございます。
  145. 小平芳平

    ○小平芳平君 それから、じゃあこの当時の相模湾、駿河湾等に捨てたものは厳しい規制によっていなかった。捨てた途端に出てくるかもしれない、あるいは腐敗等によってすぐ壊れるかもしれない、そういう容器だったわけですか。その点が一点と、それからもう一つは衣類などがそのまま入っておりましたかどうか。
  146. 穂波穣

    ○説明員(穂波穣君) 御説明申し上げます。  当時の関係者は、この海洋投棄をするに当たって日本の国内法がないため米国の基準等によったと言っております。それで、実際に作成しましたのは、石油かんの中にモルタルすなわちセメントで固化して入れたということでございます。  それから二点目の先生のおっしゃいました衣類等につきましてでございますが、この投棄物は当時の日本放射性同位元素協会がコバルト60を輸入しましてそれを分配するときに汚染しましたガラス、ピンセットあるいは手袋等でございまして、記録上は、手袋は衣類に分類されるかもしれませんが、大きな衣類といったものは記録されておりません。
  147. 小平芳平

    ○小平芳平君 衣類だったら簡単に壊れますね、圧力で。衣類をそのまま入れて、石油箱に入れて海底に沈めたら圧力で簡単に壊れる、そういう簡単に壊れるようなものはなかったということですか。
  148. 穂波穣

    ○説明員(穂波穣君) 私どもはそのように了承しております。
  149. 小平芳平

    ○小平芳平君 それからコバルト60のほかにセシウム137もあるかどうか。
  150. 穂波穣

    ○説明員(穂波穣君) 私どもの資料によりますと、この相模湾及び駿河湾に海洋投棄された核種はコバルト60の分配に伴って生じた汚染物ということになっております。記録上はセシウム137は入っておりません。
  151. 小平芳平

    ○小平芳平君 いずれにしましても追跡調査をしなければなりませんね、すぐやりますか。
  152. 穂波穣

    ○説明員(穂波穣君) 御説明申し上げます。  相模湾及び駿河湾に投棄しましたコバルト60は、当時〇・二キュリー及び〇・八キュリーという少量でございました。先生御案内のように、放射性物質は自然に減衰していくという性質がございます。現在のところ相模湾に入っておりますコバルト60は約七ミリキュリー、駿河湾におきましては三十九ミリキュリー程度に減衰しております。このようなことから、私どもは、特に投棄物につきまして追跡調査をやる必要はないと考えている次第でございます。  また、私どもが実際の追跡調査あるいは放射能調査を目的としてはやっておりませんが、いわゆる核爆発によるフォールアウトの影響を見るために、昭和三十六年から内閣にできました放射能対策本部におきまして種々の沿岸の生物、海底土等の放射能調査をやっております。この近海におきましても当然やっているわけでございますが、特に異常な値は認められていないことから、相模湾駿河湾におきましては特に追跡調査をやる意図はございません。ただ、主な核種、つまり約四百六・八キュリーのうち四百五・八キュリーが投棄されました房総沖につきましては、現在のところ海上保安庁と協力いたしまして海水及び海底土のサンプルをとり放射能分析をやる計画で行っております。
  153. 小平芳平

    ○小平芳平君 それじゃ過去の分の追跡調査はやらないといういまお話ですね、過去の分の追跡調査はやらないで、新しくドラムかんで捨てる分だけ捨てますよ、捨てますよと言っているんですか。
  154. 穂波穣

    ○説明員(穂波穣君) ただいまのところ私どもが海洋投棄しようとしているものは、先ほど申し上げましたように規則等によりまして細かくその仕様が決まっているものでございます。これらのものにつきましては、従来から研究室あるいは実地の海域、六千メーターの海域で安全に下までつくこと等の確認は行っているわけでございます。したがいまして、当時の古い基準にも合致していないと思われる投棄物を現在のところ追跡しても、これから行う海洋投棄については、特別な資料は、データは得られないという観点から、私どもこれから海洋投棄するものについては十分行いますが、これから海洋投棄する観点において過去の投棄物を追跡調査する意図はないということでございます。
  155. 小平芳平

    ○小平芳平君 私も素人ですから、そういうことを言われてもわかりませんけれども、それで通りますかね。過去の捨てた分は追跡しません、調査しません、これからは新しくドラムかんで捨てますから、しかも大量に捨てましょうと言うんですが、そこでアメリカ等の諸外国では依然として海洋投棄を続けているかどうか。  それからアメリカでは追跡調査をしていることが日本の新聞等でも報道されておりますね、写真入りで報道されておりますが、どういう汚染ができているか、その二点についてお尋ねします。
  156. 穂波穣

    ○説明員(穂波穣君) 第一の先生の御質問に対して御説明申し上げますと、まず外国の海洋投棄の現状でございますが、いま先生おっしゃいましたようにアメリカにおきましては一九四六年から一九六九年まで大西洋及び太平洋におきまして約九万五千キュリーの放射能を海洋投棄した次第でございます。ヨーロッパにおきましては一九六七年から本年までずっと継続しておりますが、主に英国、ベルギー、スイス、オランダ等の非常に国土の狭い国が海洋投棄を継続して行っております。年にしまして約八万キュリー平均を大西洋に投棄しているわけでございます。  二番目の先生の御質問のアメリカにおきまして問題になっている件でございますが、これは現在のところ米国は一九六九年以来海洋投棄を実施しておりません。これは陸地処分に切りかえたわけでございます。しかしながら、近年陸地処分もむずかしくなってきたという観点もございまして、アメリカの環境保護庁の方が、海洋投棄を行うに当たってこれからどういう基準をつくっていくかという観点から、過去投棄されたものについての調査を行っているわけでございます。
  157. 小平芳平

    ○小平芳平君 そのアメリカの過去の調査は汚染はどういうふうになっていますか。
  158. 穂波穣

    ○説明員(穂波穣君) いままでのところ一九七四年からアメリカの環境保護庁が大西洋及び太平洋につきまして三回の調査を行っております。調査の内容は大きな点は一つは投棄しましたドラムかんがどんなような状態になっているかという調査が一点。もう一点は、その海底付近の土がどの程度汚染されているかという点でございます。また、それと関連しまして海産生物をとりましてその放射能汚染が広がっていないかということを調査しているわけでございます。十月七日にサンフランシスコで開かれました公聴会におきまして、環境保護庁としての公式見解は海産生物への影響は出ていないということを言っております。なお、四分の三程度の容器はまだ健全であるということも公式に表明しております。
  159. 小平芳平

    ○小平芳平君 じゃあ四分の一は壊れているということですか。ですから、ただ安全ですというだけじゃなくてどこに問題があるかをもっとはっきりしてもらいたいんです。私が先ほどの――三木環境庁長官の当時のこの委員会で質問したときは、もっぱら放射性廃棄物はドラムかんに入れて積んでおります、それは発電所には敷地に余裕がございますので、当分の間十分それをためておけるのです、それから海洋投棄その他の措置もできることになっておりまして、現在その技術基準について国際原子力機関において検討中でございますというふうに、もう繰り返し繰り返しドラムかんに入れて積んでおります、そのドラムかんは保管能力は二十年とか相当の保管能力があるわけでございますというふうに答弁しているのですよ、これは四十九年あるいは五十一年の段階で。それがいまとなってこんなアメリカで海洋投棄をやめるころ日本ではまだ海洋投棄の道がございますからなんて答弁していたんでしょう、どうですか。
  160. 穂波穣

    ○説明員(穂波穣君) 当時三木長官のおっしゃった言葉、私ははっきり確認しておりませんので私どもの立場から言わせていただきますと、先生がおっしゃいましたとおり現在のところこの放射性廃棄物は、原子力施設の中の保管施設にドラムかんの形で保管しております。ドラムかんもしくは高いものはタンクの中に入れた状態で保管しているわけでございます。私どもが言っておりますのは海洋処分あるいは陸地処分と言っておるわけでございまして、現在の形はあくまでもまだ貯蔵保管である。いずれ、いずれかの形で処分しなければいけないということで努力している次第でございます。もちろん私どもは陸地処分及び海洋処分と二つの道を考えておりまして、海洋処分におきましても、今度行おうと計画しております試験的海洋処分、これまで含めて次の本格的処分への道を探るという観点でやっている次第でございます。
  161. 小平芳平

    ○小平芳平君 ですから、アメリカで海洋投棄をやめたころ、日本では海洋投棄の道もありますから大丈夫ですと答弁していたんでしょう。それでそういう状態にあって当時も廃棄物を投棄することが大変環境問題として問題になった。そこで、環境庁長官に尋ねましたところ、環境庁では環境庁の任務は総合的な調査という任務があると言って当時の三木長官から先ほど説明したような答弁があったんですが、ですから科学技術庁はいまのような答弁を繰り返すでしょう。この答弁は六年前と変わってないわけです。ところが環境庁は環境問題として環境汚染を子孫のために防いでいかなくちゃならないという立場でどう取り組んでおられますか。
  162. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 三木長官が環境庁としても十分の関心を持ってやっていくという話があった後に、内閣総理大臣になられてから五十一年の七月でございますが、原子力行政懇談会でこれらの問題については科学技術庁で一元的に所掌すべきものである、こういうことも言っておるんですが、どういうふうに言ったは別として公害対策基本法の中で原子力に関する一切のことは科学技術庁でやると、行政の仕組みとしてはなっているわけであります。誤解をされては困るのですが、われわれはこれは科学技術庁がやることだから環境庁としては一切知らないというようなことを申し上げようとは思いません。またそれでいいとも思いませんから、そんなことは申し上げようとは思いませんが、いかにも原子力問題というのはこれは開発しなければ国民が困る。またそれは各国から見ればおくれているか進んでいるかといえば決して進んでいる部類ではない、そういうところですから。しかしながらわが国にはわが国の事情があるというようなことで、もっぱら科学技術庁がいま一生懸命やっておられますので、全然われわれ口出ししないというのじゃありませんよ。同じ内閣におりますから口出ししないというのじゃありませんが、科学技術庁のやっていることを息を詰めて見守っているというところでございます。
  163. 小平芳平

    ○小平芳平君 黙って見ているだけですか。黙って見ているだけでなくて意見を言ったらどうですか。たとえば追跡調査しません、それからドラムかんで大量に海洋投棄しょうという計画なんですね。いま反対されて困っているんですね。そのことに対して環境を守るべき環境庁としてはこう考えますよという意見は言わないですか。
  164. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 正式の場で記録に残るような発言は私になってからはしたことはありません。けれども、科学技術庁長官の中川大臣と私との間ではどうするつもりなんだ、これは。よその国へ持っていって捨てると言ったってなかなか大変だろう、これは条約があるけれどもよその国はどうしてやっている、あなたはこれからどうやってこれをやっていくつもりだというようなことはもちろんやっているんですよ、先生。
  165. 小平芳平

    ○小平芳平君 じゃ、ただ黙って見ているだけじゃなくですね、意見を言ってもらいたい。  もう一つ、追跡調査はどうですか、科学技術庁はやりませんと言っているのですが。
  166. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) これは私の知識の範囲でお答えをすることのできないことですが、私もこういう立場にありますから、やはりいままで捨てた物がたとえば陸上で処分したにせよ海上で処分したにせよ貯蔵の保管ということは限度がありますからね、これは。ですからいずれは陸で処分するか海で処分するか、あるいはまた第三の方法があるかどうかわかりませんが、いままで捨てた物がどういう影響を及ぼしているだろうか、安心だろうか。安心と思って捨てたのだが本当に安心だろうか、どうだろうか。それは私は見るのがしかるべきものだと考えますから、われわれの方から科学技術庁の方にもまた意見を言ってみたいと思います。
  167. 小平芳平

    ○小平芳平君 じゃ、結構です。最後に鯨岡長官が言われたことは聞きましたね、追跡調査のことは。  それから、時間がありませんので別の問題ですが、低周波公害ですね。低周波の問題を前にこの委員会で質問したことがあったんですが、今度、慰謝料請求の訴訟が提起されたということがあったんですが、環境庁はどう取り組んでおられますか。
  168. 三浦大助

    ○政府委員(三浦大助君) 低周波の空気振動問題につきましては、もう数カ所でいろんな問題が起こっておることは私どももわかっておるわけでございますが、ただ、その発生源が非常に多種多様でございます。それから個人差が非常に多いというようなこともございまして、何とか環境基準をつくるべきではないかというような御意見もございますが、五十一年から私どもいろんな研究を行っております。行っておりますけれども、その健康影響というものに対する原因究明といいますか、因果関係といいますか、こういうものがまだほとんどわかっておらないのが実情でございまして、環境基準をつくりたくてもまだかなりな時間がかかるのじゃないだろうかということでございます。そこで、それじゃそれまでほっておくかという話になりますが、そうではございませんで、私どもとしてはこの原因究明は極力急いでやるつもりでおりますし、現在やっております。しかし、五十三年度からはこういう低周波を出すような施設がございますので、こういうものに対する実態とかその防止方法とか、こういうものはできるものからひとつ検討していって、そのわかったものは防止装置を講ずるようにという指導を始めるべきではないか、こういうことも考えまして、いま鋭意作業を続けておるという段階でございます。
  169. 小平芳平

    ○小平芳平君 むずかしい問題ではありますし、因果関係についても困難な問題があるということは、かねがねそういうふうに答弁しておられますから承知しておるんですが、五十七年を目標として何か立てようというふうなことがありましたか。
  170. 三浦大助

    ○政府委員(三浦大助君) 五十七年を目標にということは、現在の私どもの調査研究が、その辺をめどにひとつ何か目鼻をつけようということで現在調査研究を進めております。
  171. 小平芳平

    ○小平芳平君 五十七年ころまでを目標としまして、現在やっておる研究が一応の結論が出るということなんですか。これで終わりますが時間がないから答弁は要りませんが、こういう被害を訴えているわけですから、また被害がないとは言えないわけですから、いや、全然そういう被害は考えられませんと言うならまた話は別になりますが、しかし環境庁としても研究をしようということで取り組んでおられるわけですから、早くその結論が出るように要望しておきます。  以上です。
  172. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) よくわかりました。一応の目安はいま立てて、局長が言ったようにやっているんですが、何せ、これはえらいむずかしい問題らしくてね、先生。なかなかよくわからないんですよ。私もさっぱりわかりませんから、そういうことについて一生懸命いま勉強したんですが、たとえば太鼓なんかをドンとたたいたときに、ぐーんと響く人と余り響かない人とがある、低い音の場合。ネコがガラスをひっかくと、キーと音がしているはずなのに音が聞こえないという場合がある。そこまでいくと私も何だか見当がつかない。けれどもこれによって、いらいらしてどうも気持ちが悪くなるとか何とかという人がいるんですから、いる以上は何らかの影響があるのでしょうから、これは調べなければならない。鋭意調べております。
  173. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それでは、鯨岡長官に初めての御質疑なのでいろいろなことを考えてきたんですが、大変限られた時間になっておりますので、きょうは公害健康被害補償法の運用に限ってお伺いしたいと思います。  御承知のように、高度成長以来、相当長期にわたってたれ流された有毒ガスとも思えるような大気汚染で長い間苦しんでまいりました公害患者が、やっと一九七三年に法制定がなされ、翌年の九月から施行されて救済をされることになりました。今日、全国では認定患者が七万七千を超すという段階になっておりますし、その中で亡くなられた方がすでに二千百人を超しておるという状況でございます。ところがこの数年来、政府といたしましてもいわゆるNO2、二酸化窒素の環境基準の緩和を初め、指定地域の解除に対する動き、あるいは六歳以上のぜんそく性気管支炎の切り捨ての方向などなどが出てまいっておりまして、いわゆる公害巻き返しの影響の動向というのが非常に顕著に出てきております。一方、環境庁が御提案になると何回も国会で表明をされました環境アセスメント法案、次々と中身は骨抜きにされながらも五回にわたって流産をした。そうしてついに日の目を見ないということに象徴されておりますように、産業優先の公害行政というのが強化をされてきていると言って過言ではありません。  ところで、公害によって健康を破壊されて苦しんでいる患者の中では最近どういう状態が起こってきているかといいますと、認定患者の打ち切り、ランクの切り下げ、これがどんどん続出をいたしておりまして、健康被害で悩む患者さんの不安が非常に大きくなってきております。ちなみに、健康が回復をされて認定患者を打ち切るということになっているならばこれはきわめて喜ばしいことでございますけれども、これら打ち切り等の法的処分の結果が、患者さんは依然として病状を持続している、疾病に悩まされて不安におののいている、こういう状態があるわけでございますので、こういう状態があるということは立法の趣旨に反することであり、きわめて憂慮さるべきだと思いますので、その運用についてきょうはお聞きしたいと思っているわけでございます。  まず、専門的なことになりますので、時間を短縮する意味でちょっと説明を省きまして具体的なことをお聞きしたいと思うのですが、まず全国の認定患者の中で、等級外の認定患者の実数と、全患者数の中に占める構成割合はどうなっておりますか。
  174. 七野護

    ○政府委員(七野護君) 第一種地域におきます患者さんのうち、障害等級は特級から一級、二級、三級その他とありますが、その他というランクですね、いわゆる一級、二級、三級に該当しないという方の総数は二万一千二百五十一名、いま申し上げました数は五十五年三月末現在です。それで、パーセントで申し上げますと、これは五十四年三月末、ちょうど一年前のパーセントで申し上げますが、その数、その構成比は二四・八%になります。以上です。
  175. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それはちょっと違うので、あなたの方でもらった数字で一番最近のでは、いわゆる特級、一級、二級、三級という等級ランク以外で、いわゆる等級外という認定、しかも認定患者ですよ。それが割合は二七・四%というのは一番新しくあなたの方からいただいた数字です。ちょっと数字でごちゃごちゃ言うていると時間がかかるので私が申し上げていきますが、それでは全国平均が二七・四%、川崎、尼崎、四日市、大阪、名古屋、倉敷の各地域、ここでは等級ランク外の認定患者というのがどうなっているかということですが、これすぐわかりますか、わからぬかったら私が言うた方が早いんだ。
  176. 七野護

    ○政府委員(七野護君) 失礼いたしました。先ほどパーセントを前年度分の数を申し上げましたが、五十五年三月末の数をパーセントでいきますと二七・四%、先生御指摘のとおりでございます。  そこで、いま先生から御指摘のありました川崎市、大阪市、尼崎市、倉敷市、これのパーセントを申し上げますと、川崎市が一七・〇%、名古屋市が一四・七%、大阪市が一六・四%、尼崎市が一五・四%、倉敷市が二・一%、そういうパーセントになっております。
  177. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そこでちょっとお聞きをしたいんですが、数字を聞いていると時間がかかるので、いまお伺いした中に大牟田市という指定地域はお聞きをしなかったのですが、大牟田市における等級外、いわゆる認定患者のランク外の患者さんのパーセントを見てみますと、これは五十五年の三月末では四八・九%ですね。これはおたくでもろうた数字だから間違いないでしょう。それが五十五年の八月末になりますと、わずか半年足らずですが五〇・三%というふうに過半数を超しています。先ほどお伺いいたしましたように、全国平均で二七・四%でございますから、大牟田市を見ますと約二倍ですね。先ほど御報告をいただきました尼崎や川崎、大阪、名古屋、倉敷などの地域に比べますと、実に大牟田の場合にはランク外の患者さん、いわゆる等級外というのは三ないし四倍高くなっている。これはたまたま現在の認定患者の実態を客観的に見た数字なんですが、大牟田では全国平均の二倍、それから濃厚地域だといって有名な大阪や四日市、尼崎というようなところと比べても三倍、四倍というふうなことになっているわけですが、ずば抜けて等級外の患者さんが多いというふうに思うのですが、御見解どうですか。
  178. 七野護

    ○政府委員(七野護君) 各地域におきます、この障害等級の患者さんの分布とでもいいましょうか、特級、一級、二級、三級、それから等級外、その他という体系にしておりますが、それの患者さんの分布状況は、これは必ずしも一様ではない、これは御指摘のとおりでございます。その理由といたしまして私たち考えておりますのは、各地域の汚染の態様に差異がある、そのほかこの地域指定以後の経過した期間に長短がある。この各地域指定というのが制度発足以来順次指定されたといういきさつがございますので、そういう期間の長短などいろいろの要素が考えられると私たち考えておりまして、ある一時点におきますその認定状況を見た場合に、ある程度のばらつきというものは当然予想されてしかるべきであろう、かように考えておるわけでございます。
  179. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いや、ある程度のばらつきなら私異常だと思わない。全く統計的に見て非常に多い、ずば抜けて多いと思うわけですがね。これは長官によく御理解をいただきたいと思いますのは、いま私が数字としてお聞きをしたり申し上げたこの等級ランク外という――特級、一級、二級、三級までは補償体系の中にあるんですよ。等級外なんというものは補償法の体系の中にないんですね。管理区分その他にも定義はないのです。補償法の制度当時の審議やあるいは被害者団体との話し合いの中でも、論議の中でも当時の橋本保健部長は、これは例外的なもので、なくす方向で検討すべきものだというふうに言われていた。ところが、それがどんどんふえてきていて、いまでは全国平均で二七%余りということになっているわけですが、そういう補償法の体系の中にない等級外の患者が大牟田では半分以上の状態になっている。これはまあ異常と思うかと言うても、いろいろばらつきがありますというていたらしまいなんで、私は作為なく、いまの患者さんたちがどういう状態で補償法が適用されているかということで見たら、確かに大牟田では非常にずば抜けて等級ランク外という患者が多い、二人に一人というふうに非常に多いですね。そういうことが一つの事実なんですね。  これをさらに細かく見てみますと、たとえば尼崎、川崎、大阪、名古屋、倉敷というようなところの、あるいは全国平均の各ケースについて見てみますと、障害等級の二級と三級の認定患者の構成比というのは、大体これは二級、三級の構成比が尼崎では八二プロですね。これはおたくでもらった五十五年三月末現在の数字を足したらそうなります。川崎がプラスしたら七九・六、四日市が八六・二、大阪は八〇・七、名古屋は八一・四、倉敷はちょっと高くて九二・七。ところが大牟田では二級、三級の合計が五〇・七ということになっているわけですね。これは五十五年三月末の大牟田の集計ですね。これも各地域は八〇%内外あるいは八〇%から九〇%に近い。ところが大牟田では等級外が二人に一人だということの反映でもありましょうが、二級、三級の障害ランクの人が五〇%ということになっているわけです。これも非常にやはりずば抜けて大きな差異があるなと――私はこの数字を見まして、大牟田の患者さんが他の地域に比べて障害等級が低いというのは、大牟田の患者さんの症状が軽い、軽い患者さんたちが救済をされているんだということであるならば、これは大変結構だ。統計的に見ればそういうふうに読み取れるので。しかし、ちょっと不思議だなと思うので実は調べてみたんです。そうではなさそうなので、私は補償法の運用について長官の御意見をただしたいと思っているわけです。  といいますのは、その大牟田の問題は明らかにこれ余り不思議だからね、地域指定をなさるときには環境庁は全国的に同じような状況で地域指定をしておるわけですから、その中におる障害認定患者あるいは被害者というのはそんなに大きなでこぼこがあるはずがなかろうと思って、これはどうなっているのだろうかと思って調べてみたんです。大牟田における医師の協力を得て、データを分析してみますと、これはまた大分ひどいことになっているなというのがわかった。すなわち、これは私が調べた内容をちょっと言いますね。主治医が提出をいたしました診断報告書の控え、主治医がこれは法律と施行令によって定められている管理区分というのをちゃんとランクを書くんですね。この主治医が書きます管理区分と大牟田市が発表しました処分の障害等級と比べてみますと、大体主治医の障害等級でこの患者さんは二級ぐらいだという障害等級の患者さんが、大体三級か等級外ということで一ランク半から二ランクどうもほとんど下へ下がっているというのがたまたまわかった。これ、一つぐらいの医療機関やったらそれは特別やとおっしゃると思いまして、実は念のために医療機関三つのところを調べてみたのです、御協力をいただいたんです。合計その三つの医療機関で扱っている患者数が二百三十六人です。この二百三十六人というのは、大牟田市の認定患者のほぼ二〇%です。ここで得られた傾向というのは、この三つの医療機関だけの傾向かと思って、他の医療機関の傾向も調べてみましたけれども、大牟田市内の全体の医療機関とほぼ変わらないということがわかりましたから、これは大牟田市におけるいわゆる一般的傾向を示したと思うわけです。これは、三つの医療機関の御協力を得た上に、さらに調べてみたんですね。この三医療機関の扱い患者二百三十人のうち、有効データのきちんと整備されている百八十八人分のデータを調べてみますと、主治医の管理区分と比べて認定審査会の等級ランク、これを調べてみますとどのようになっているかというと、百八十八人のうちに主治医の管理区分と市の認定審査会の等級ランクと一致した人はわずかに九人です。主治医がせめてこの人はということで、この人は二級やなと思って出したというのは、三階級のずれができている人が五人出てきている、これは百八十八人のうちですよ。二階級のずれの人が八十五人、一階級のずれの人が八十九人。ですから、百八十八人のデータを全部調べてみると九五・二%が大体主治医の意見よりも下回った障害ランクで処分をされている。それならよその都市はどうなんだということで、大牟田市のこんなにひどく違うのはどこでも違うのかと思って、これは尼崎の例で調べたんです。尼崎の例で調べますと、主治医の管理区分のとおりに認定審査会が処分をしたもの八二%ですよ、尼崎では。主治医の管理区分よりも認定審査会がこれは低過ぎると言ってランクを上げたのが一%。下がったのがわずかに一七%ですよ。これはやはり大牟田の処分の状態というのは異常だということを示していると思うわけでございます。時間の関係がありますので一つずつ聞きたいのですが、最後にまとめて聞くのでちょっと申し上げておきますが、こういうことが起こっているんですけれども、環境庁はそれぞれの自治体にそういう認定処分の仕事は任しておるということでそんなことを検討されたことはなかろうと思うのですけれども、こういうことになっているのだけれども、御承知ですか。
  180. 七野護

    ○政府委員(七野護君) 等級にばらつきがあるということは先ほど御説明したとおりでございます。ただ、その具体的な事例、たとえば大牟田市の事例をいま先生るる御説明いただきましたが、大牟田市のそういう細かい事例、たとえば大牟田市の障害等級の審査の状況であるとか尼崎の障害等級の審査の状況であるとか、その細かい点については私たちは承知はしてございません。
  181. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 長官には最後に御見解を伺いますので、ちょっと実情をしさいに御了承いただきたいと思うのですね。で、恐らくそんなことになっているということは御承知なかろうと思います、私も調べてみて驚いたのだから。  そこで、障害度の判定に当たって、これは政令の十条及び二十条の指定疾病ごとに環境庁長官の定める基準ですね、昭和四十九年八月三十一日にお出しになった四十七号告示ですが、それと四十九年の九月の二十八日に保健部長百十号通達ですね、これに基づいて処分はやられていると思うのですが、そのとおりですか。
  182. 七野護

    ○政府委員(七野護君) 私たちは、この告示それからいま先生から御指摘のありました部長通知、これに障害認定のやり方、考え方を細かく示してございます。私たちはこのとおり厳正に公正に審査が行われている、さように考えております。
  183. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうすると、それは生きているんですね。
  184. 七野護

    ○政府委員(七野護君) 通知は生きております。
  185. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、時間があまりないので、私読んでもらおうかと思ったけど私が言いますがね。いわゆる百十号通達、これによりますと、「「管理区分」は、主治医の意見を十分きいたうえで判断されたいこと。」それから「障害度の評価基準は、」というところでは「また、その具体的な評価に当たっては、主治医の意見が十分尊重されるように配慮して定められたものであること。」というふうな文言が書かれていますね。それで、もう一つついでに言いますと、主治医の管理区分と認定審査会が決めた障害等級とがどういう関係にあるか、つまりこの二つが大牟田のように食い違って大きく差が出てきたときには、両方の観点から納得のいく適正な障害度の評価を行うために配慮がなされるべきであるという保健部長通達が出ておるのですね、それは生きていると言うのだから。ついでに読みますと、これは通達の四ページの「エ」です。「障害等級の決定は、症状及び検査所見等に基づく障害度と主治医による管理区分に基づいて総合的に行われたいこと。」それからその下の「オ」ですね、「症状及び検査所見等に基づく等級と管理区分に基づく等級はほぼ等しくなるものとして定められたものであること。なお、症状及び検査所見に基づく等級と主治医の管理区分による等級に差があれば、公害健康被害認定審査会が主治医に意見を求める等両方の観点から納得のいく適正な障害度の評価を行うよう配慮されたいこと。」というふうに述べられているわけでございます。  そうなると、先ほど御指摘申し上げた大牟田の状況というのは、この指導通達が全然守られていないということなんですね、こんなさっき申し上げたようなことになっておるということになると。これはどうですか。
  186. 七野護

    ○政府委員(七野護君) いま先生からるる御説明がございましたが、障害等級の決定は、症状それから検査所見、これに基づきます障害度と主治医によります管理区分に基づいて総合的に行うことにいたしております。それで、症状及び検査所見などに基づく等級と主治医の管理区分による等級に差があった場合に、認定審査会が主治医に意見を求めるということにしておりまして、両方の観点から納得のいく適正な障害度の評価を行うように私たちといたしましては指導をしているところでございます。  以上でございます。
  187. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いやいや、ちょっとそんな話じゃあかぬのや。百八十八件をしさいに調べてみたら、主治医の意見と障害認定審査会の意見とが合致したのはわずかに九件だとさっき言ったでしょう。あとは全部違うんやと。違う違い方というのは全部障害等級が認定審査会では一ランク、二ランク、三ランク、ひどいのは三ランクも下がっている。そういう状態というのは明らかに食い違っておる状態なので、そんなことが起こらぬようにということで保健部長通達まで出しておる。それを守ってないわけですから、これは主治医の判断はことごとく間違っておりますというに等しいじゃないですか、結果は。しかもこれは、もう時間がないから言いますけれども、両方がこんなに食い違っているのに主治医の意見というのは一切聞いてない。もう処分を文書で主治医に通知してくるだけなんです。主治医が言っているランクと二階級も三階級も下がった、何で下がったんやという説明もない。全く主治医を無視した問答無用のやり方になっておるからこういうことになっておる。だから、こんなことになると患者さんは一体どういうことになるかということなんですよ。  これは百八十八件の詳しい資料を全部実は障害等級ランクと病状と検査の結果と主治医の管理区分と全部並べて一覧表に整理をしてもらって私調べてみましたよ。全部違うんです。で、細かく私質問しようと思ったけれども時間がないから、代表的なのを言いますと、一年三カ月間入院して寝た切りの患者、ところがこれが等級外なんですよ。特級、一級、二級、三級以外なんですよ。男の人で七十四歳の患者ですが、疾病は気管支ぜんそく、肺気腫です。それで、五十四年の六月から五十五年の三月まで米の山病院へ入院して、五十五年の三月から今月まで国立療養所大牟田病院へ入院中なんです。さすがに主治医の管理区分は特級だったのですよ、診断報告書は。ところが、等級外として処分をされてきたのでこの国立療養所大牟田病院の院長がこれを聞いて、さあこの人がなあと言って驚いたというふうな事例まで出ている。これは被害補償法が正常に運営されていないから、当然救済されるべき患者さんが救済されていないことになっているわけだ。大変なことです。細かいことをたくさん言いたいと思いましたけれども、この点は私せっかく通達も出しておることだし、長官の基準の告示もあるわけですから、それに基づいて運営の適正化をやらして、当然救済されるべき患者を法によって十分に救済するべきだと思うのです。その点長官どうですか。
  188. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 環境庁の仕事の一番、まあ一番と言っては何ですが、重要な問題はその公害によって亡くなられた人あるいは病気をしておられる方、特に病気をしておられる方に対する救済、それからかもしれない人の認定、これは重要な問題であることは言うまでもないわけです。ただ、その認定に当たっては公平でなければならぬ、そのために病気になった人を見落とすようなことがあってはならぬ、そういう考えでやっているわけですが、その方法としては、いま沓脱委員御指摘のように、環境庁で一つの指針をつくって、これはもう科学的に専門家につくっていただいて、そうしてそれを現地に送って、現地ではその物差しによって調べているわけです。そこで上がってきたものは全部数字として並べて、先ほど沓脱委員が一番最初に御指摘になったように、統計表でもってパーセンテージが出てくるわけです。なぜそういうことをやるかといえば、この前のときと今度とどのくらい違うだろうかということが重要な問題。それから、現在調べているのでも地域によって違うということは部長言われたようにあるわけですが、どうしてそういうふうに違うんだろうかということは重要な問題。そういうふうに後先の問題、横の問題を考えるために統計をつくるのであって、ただ数字を並べてそれで事足れりとしているわけではないわけでございます。  そこで、私はこの役目についてから、大阪からずっと、こっちから西の方はわりあいに高い数字が出るのだけれども、こっちの方は低い数字が出るのはどういうわけかな、同じような状態だと思うのにどういうわけだろうか、まだ私わかりません。また、向こうの方に行ってもでこぼこがあるのはどういうわけだろう。もちろん、でこぼこがあってうんと高いといいますか、そういうところはなぜ高いか、それから低いところはなぜ低いか、それは当然検査をしていかなきゃならぬ、そういうことによって公平を期したい、こういうふうに考えておるわけでございますので、十分に参考にしながら、いま御指摘のようなところについては調べてみたい、こう思っております。
  189. 坂倉藤吾

    ○理事(坂倉藤吾君) 沓脱君、時間が来ましたのであと一問だけ……。
  190. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いま長官のお話を伺っていると、さっき生きているとおっしゃった長官の四十七号告示、それから保健部長の百十号通達、これとは別の基準をつくってやるというのですか。
  191. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) ノーノー、違うんです。それは同じことです。その基準を言っているんです。
  192. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 だから、私は生きている以上はその通達なり告示なりを運用に当たって正しく運用させるように指導を強化するべきだということを申し上げたのです。というのは、何でそんなことを申し上げるかというと、大牟田もそうですけれども、たとえば大阪の西淀川でも今度の手帳の更新のときに、千五百三十七人の手帳の更新の中で四百三十八人が打ち切られたんです。これは大分多いでしょう、三割近いのだから。それで、よく調べてみたら、そのうちの百人余りはよくなったということで主治医の方は認定を出さなかった。だから、それは残りが三百人余りですわ。三百二、三十人。この人が全部打ち切られてどういう状態になっているかと思ったら、私は長官に非常にここは考えてほしいと思うのですが、事務的にあるいは法律によって処分をしたら病人が治るのと違うのですね。打ち切られた患者さん、特に子供なんかはどうかいうたら、吸入でもせなぬだら晩に寝られへぬ。もう打ち切られて認定患者でなくなったから病院に行ったらお金が要るわけですよ。そうしたらいま健康保険の家族で三割自己負担です。だから、吸入だけするんやったら三割の自己負担で百九十八円なんです。二百円もらって病院へ、打ち切られた子供の患者が依然として一カ月に十五回も二十回も行ってる。そういう患者が、机の上の事務処理では打ち切り処分されているんですよ。私はこういうことのないように、やはり被害者は一人残らず救済しなければならないという立法の趣旨、立法のときに確認をされた、附帯決議にも明確にされておりますが、その趣旨に基づいて救済措置をとるということを私は新しい長官を迎えるに当たって特にその点はっきりしてほしいと思うんです。  と言いますのは、片方では経団連では、これはもう金が八百億もかかるのがいややからどんどん患者は打ち切れ、この法律はやめてしまおう、認定地域はやめてしまおうというようなことを公然と相談をしておられるということは、これはもうすでに本委員会でも明らかにされているんです。だから、本当に公害患者というのが――笑い事じゃないんですよ、時間もないから言わぬだけです。原文持ってますよ。そういう状況の中で、現に二百円持って、しようがないから一カ月に十五回も二十回も病院へ走り込んでいる患者さんが打ち切られるというようなことをそのままにしておいたら、やはり産業優先の公害対策だと言わざるを得ない、言われても仕方がないと思うので、この際にそういう患者は一人でも救済していけるように、やはり通達なり告示なり、そういうものの立場で適正な運営をやらせるように指導を強化していただけるかどうか、その点を伺って終わりたいと思います。
  193. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) いままで認定患者であったためにお医者へ行っても無料でやれた、これは当然のことです。ところが、審査の結果認定患者から外されたために――外されたからといってお医者に行かないわけにいかない、苦しいから。そこで、二百円のお金を持って一カ月に何回も今度は行かなきゃならぬというようなことが許されるか――許されません、それは。許されません。そういう人があってはならない。人間のやることですから目こぼしがあって、そういう気の毒なことになる場合もあるかもしれませんが、そういう人があってはならないという考えでこれからもやっていきたい、こう思っているわけであります。  それから、経済団体がこの法律を打ち切ったり何とかという沓脱委員の御心配でございますが、こういう制度をつくったり法律をつくったりするのは、経済団体がつくるんじゃないですから、われわれが委員の先生方の御協力をいただいてつくるわけですから、そういう心配は私は御無用かと思います。
  194. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 初めての質問でございますので舌足らずな点もあるかと思いますけれどもお許し願います。本委員会で先ほどから質疑を伺っておりまして、鯨岡長官がたてまえではなく本音で答弁をしておられるということを、午後一時以来私実感として受けとめております。そのことをまず評価させていただきたいと思います。  二、三質問させていただきます。環境庁、十月二十日に湖沼水質保全特別措置法を、仮称でございますが、制定する意向で中公審に諮問をされたということでございますけれども、その趣旨をごく簡略にお話し願います。
  195. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 先ほども申し上げましたように、海と川と湖沼に分けて水質を見ますと、なるべく水をきれいにしようきれいにしようと努力した結果、十分ではもちろんありませんが、海もずいぶんよくなってきた、川もずいぶんよくなってきた、しかし湖沼はなかなかよくならない。それは理由のないことではないんで、あれは特別に閉鎖性ですから、そこでこれ以上汚れるようなことになりますと困る。ところで、一方湖沼というのはそれぞれ利用が違うんですね。お魚を養うところもあれば、飲み水にするところもあれば、あるいは観光というようなところもあれば、いろいろ違いますので、いままでのような水質の基準だけを言っているのでは不十分ではないだろうか。どうやらこれはそこの知事さんのお考えで、それで知事さんにひとつそれぞれの利用方法に応じた計画を立てていただくことにして、そしていままでのとあわせてやっていくということの方が必要ではないだろうかと考えまして、その程度のことでひとつお考えをいただきたい。何かしなきゃならないんで、われわれはそんなふうに考えておりますがいかがでございましょうと、いま諮問をしているわけでございまして、これに対して、普通、諮問は細かく書いてこういうことをやりたいと思いますがいかがでございましょうかとやるんですが、今度の場合には違うやり方でいま問うているわけであります。お答えをいただいたら、今度の通常国会にはいま中村委員言われたような名前になるかもしれませんが、それで御審議をいただきたい、こう思っているわけです。
  196. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 滋賀県は琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例、関西では普通、洗剤条例、こう言っておりますけれども、先ほど坂倉委員も御質問になりましたけれども、坂倉委員の質問に対する長官のお答えの中で、滋賀県の武村知事の情熱に対して非常な敬意を払っている、こうおっしゃいましたけれども、私は武村知事にお会いしましたときに、私自身の情熱というよりもこれは滋賀県民自身、住民自身が一番愛している琵琶湖をこれ以上汚すに忍びない、県民のその盛り上がる気持ちがこの条例に結びついているのであって、私は県民に支えられてこの条例を県議会に提出したのだということをおっしゃっておいでになりましたけれども、こういった地域における条例は、やはり長官、まずその地域の住民の公害というものに対する、これは絶対なくさなければいけない、その気持ちでございますね、それから自然を守らなければいけない、その気持ちの盛り上がりが大切だと思いますけれども、いかがでございましょうか。
  197. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) おっしゃるとおりでございまして、私の申し上げたことも、あるいはそのことが口から出なかったかもしれませんが、当然県民の琵琶湖というものに対する意識が知事をしてそういうふうにさせたのだということは言うまでもないと思います。
  198. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 これまでに府県段階で制定されましたのはこの滋賀県だけだと思いますけれども、いま諮問をしておられます答申が出まして、長官、次の通常国会にできれば提出したいとおっしゃいましたけれども、これが制定された場合、地域でつくられております条例の不備はすべてフォローできると考えてよろしゅうございましょうか。
  199. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 十分それをコメントするまで詰めているわけではないんですが、もちろんそういうものは包含されるものだというふうに私は期待をいたしておるわけです。
  200. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 どうしても府県段階で条例等でやる場合には、いろいろ不都合も出てくると思います。カバーできることにも限界がございます。で、たとえば閉鎖性水域における富栄養化の問題、国民に理解されておりますのは、工場とかそういうところよりも一般家庭で中性洗剤を使わない、特に窒素、燐等を含む中性洗剤でございますね、というふうに理解されていると思うんですけれども、今回諮問されましたその答申をお待ちでございましょうけれども、その中に大胆に全国的に完璧に窒素、燐等を含む中性洗剤の使用並びに販売を禁止する、そういうものを盛り込む気持ちはございますか。
  201. 馬場道夫

    ○政府委員(馬場道夫君) ただいま長官申し上げましたように、内容につきましては中公審の方で審議をいただいているわけでございまして、具体的にどうするかは今後の問題でございますが、ただ私ども要するに全国一律にいろいろな対策をとるということよりも、やはりその地域の実態に合致した対策を都道府県知事がおとりになる、むしろそういうものがやりやすくなるような形の方がより現実的ではなかろうかというように考えているわけでございます。
  202. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 たとえば、いま一例として申し上げました窒素、燐等を含む中性洗剤の販売を禁止するあるいは譲渡も禁止する、もちろん使用を禁止するというようなことになりますと、当然これは通産省との関係も出てくる、こう思うんですけれども、こういった法律について、他省庁でございますね、たとえば通産省等とどのように調整していくのか、それについて環境庁のお考えをお知らせ願います。
  203. 馬場道夫

    ○政府委員(馬場道夫君) 先ほど申し上げましたように、中公審に諮問をしている段階でございますので、そちらの方からどういう内容のものが答申されるか予測のつかない段階でございますが、答申をいただきましたら私ども法律の原案をつくる作業に入るわけでございます。当然、法律を国会に提出するからには関係各省と完全に調整のとれたものでないとできないわけでございます。そういう御答申をいただいた上で各省と十分詰めてまいりたいと思っております。
  204. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 非常に何と言うんですか、私が答えていただきたいような御答弁をいただけないわけでございます。冒頭に指摘したように、私は鯨岡長官がたてまえではなく、本音で本日の委員会においてお答えをいただいて、それを評価申し上げている、こう言ったんでございますから、鯨岡長官以下皆さんも本音で、できればお答えをいただきたい、こう思います。環境庁の行政は、他省庁のように物をつくり出すとか、国民に金銭的な対価があるとかいうものではございませんね。直接的な利益というものはないかもわかりません。しかし、長官も先ほどおっしゃったように、これはわれわれの子や孫たちが生きていく日本列島、そしてさらにそこに住んでいる日本民族の将来にかかわる問題でございますから、考えようによりましては環境庁の行政というのはあらゆる省庁に優先して最も大切なものである、こう考えていることを私、指摘しておきたいと思います。  空きかん条例を京都市がいま進めているようでございますね。「京都市飲料容器等の散乱防止及び再資源化促進に関する条例」案、長いのですけれども、環境庁承知していらっしゃいますか。
  205. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 十分承知しております。
  206. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 空きかん公害、言われて久しいですね。たとえばテレビ局、ラジオ局等がクリーンキャンペーン等をして、いわばそういったボランティアで現在は空きかん集めをしている。たとえば、富士山に夏の間に空きかんがたまりますとボランティアで皆さんが山に登って集めていらっしゃる、こういうことなんでございますけれども、たとえばこの京都市の条例の中でも、条例の素案を見てみますと、第三項に「事業者は京都市域内で販売する指定容器は、一定の預り金を通常販売価格に上乗せし、空容器が返却された場合は預かり金を払い戻す、」こういう案が出ておりますけれども、こういうのを現実にやるにはいろいろな困難がありますし、さっきも言いましたように他省庁との関連も出てまいりますけれども、こういったことについて、たとえば環境庁だけではなく他省庁と十分相談して、地方自治体だけではなく国の法律として、たとえば空きかん条例を具体化するというようなお考えはございませんか。
  207. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 京都がいまやろうとして世間的にも話題になっている問題については、われわれはその熱意に対して非常な敬意を表して見ているわけです。ただそれが実際上できるかできないかということになれば、京都自体としても非常に考えておられるように、もう御承知でしょうが、なかなかむずかしい面もあるなというふうに考えているわけでございます。  そこで、われわれとしてどういうふうにこれを考えたらいいんだろうかというような問題について、私はまず奉仕活動でもって片づけてもらうというのは、これはもう今後ぜひひとつやっていただきたいことでありますからやっていただきたいんですが、それでいいというふうには全然考えておりません。奉仕をやってくださる方の善意だけに頼って、私汚す人、あなた片づける人といって平気で汚す人がいて、それを後から後から片づけているというようなことは許されるものではない、私はそう思いますので、実はよけいなことですが、きょうはこれからこれが終わりましたらテレビ局へ行って、そういう問題について国民の皆様の御理解をいただきたいと思ってやるんですが、この空かん問題とか騒音の問題とか話をするんですが、もし自分がされていやなことは人にしない、私は汚す人であなたは片づける人だなどという考えを持たないようなことになれば、私はこの問題はずいぶん解決するんじゃないか、それにはどうしたらば国民の皆様にそういうふうな考えになっていただけるだろうか、いま悩んでいるところであります。これが第一点。  それから第二点は、とはいうものの、この空かんというものはこれは資源ですからとうとい。われわれの代に全部使ってしまっていいというものじゃないですから、これは。ですから、これをもう少しうまいことにやれる、これは環境庁の仕事じゃないかもしれませんが、通産省なんかとも相談して、ごみとして考えるんじゃなしに資源として考えるという方法はないんだろうかというようなことなどを、いま模索しているところです。非常に悩んでいる。いい知恵があったらひとつ教えていただきたい、こう思っているわけです。
  208. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 きょうはこれからテレビ局でお話しになるということでございますので、長官お話しになるんでしたら非常に視聴率も高いことでございましょうから、ぜひひとつ周知徹底をして、直接にひとつ国民の皆さんに訴えていただきたいと思います。  いまお話の中にもありましたが、深夜騒音ですね、これはもう非常に多種多様な深夜騒音が出ておりますし、それからそれによって迷惑のこうむり方も、先ほどの低周波公害じゃございませんけれどもいろいろあるんですが、これは十月十七日、都道府県担当者会議で、「地方公共団体における深夜営業騒音等の規制に関する配意事項」について説明を行われたということでございますけれども、これは指針、ガイドというふうに理解してよろしゅうございますか。地方団体に対する一つの深夜騒音等における指針、ガイドであるというふうに理解してよろしゅうございますか。
  209. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 結論から申し上げますとそのとおりでございますが、この問題は殺人事件なんかも起きた問題でございますから、われわれも見逃すことのできないことでありますから、方々でもって条例みたいなものをつくっているところもあれば、つくらないで困ってどうしようかと思っているところもある。そこで、いろいろのところを全部調べました。調べた結果、どうか条例みたいなものをつくってひとつやってみてもらいたい、もし条例をおつくりになるということであれば、こういうようなことに考えますというガイドをお示しした、こういうことでございます。
  210. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 大いに結構なことでございますので、それもさらに推進、徹底をお願いしておきます。  しかし、その深夜騒音以外にも、たとえばペットの鳴き声がうるさいとか、ピアノをたたくとか、ステレオだとかいろいろあるわけで、地域においてその苦情を処理するための公害苦情相談員という制度があるとお聞きしておりますけれども、現在公害苦情相談員は全国に何人ぐらいいらっしゃるんでございますか。
  211. 石川雅嗣

    ○説明員(石川雅嗣君) お答え申し上げます。  公害苦情相談員は、これは昭和五十四年の三月三十一日現在の数でございますけれども、四十七都道府県に千六百四名、それから政令で定める市、これは人口十万以上の市でございまして、百七十四市ございますが、ここに千二百七名、その他の市町村に四百七十八名、それから特別区に七十六名、合計三千三百六十五名置かれております。このほか、都道府県それから市町村におきます公害担当課の職員も実際上は公害苦情相談の事務に従事いたしておりまして、これを合わせますと、公害苦情相談業務に従事している職員は一万三千百二十二名、こういう数字になっております。
  212. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 一例で結構でございますから、どういう苦情の相談があったか教えていただけますか。
  213. 石川雅嗣

    ○説明員(石川雅嗣君) 公害苦情の中で最も多いものは騒音、振動に関するものでございますけれども、たとえばいまお話がございましたようなカラオケ等についても苦情がございます。こういった苦情が出てまいりますと、公害苦情相談員が事実関係、実情をすぐ調査いたしまして、それと同時に関係の行政機関等とも相談をした上でそれを防除するための適切な指導あるいは措置等をとらせる、こういうような形でもって処理をいたしております。
  214. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 いま何人とおっしゃいましたか。三千名――とにかく四千人足らずでございますね、全国で。
  215. 石川雅嗣

    ○説明員(石川雅嗣君) はい。
  216. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 長官、どうもこの数ちょっと少な過ぎると思うんですよね。ですから、苦情相談員をもう少しふやして、さらに何というのですかね、きめの細かい地域住民との接触をこの公害オンブズマンとでもいいますか、図っていただいた方がいいと思うんですが、この数をふやすという点についてはいかがでございましょうか。
  217. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) これは何といいますか、苦情を言うてくる人の数がどんどんふえてくれば対応できなくなるというようなことになりますからね、まだその相談員がいるということを知らない人もいるでしょうが。私はテレビやラジオであるいはポスターでそういうことを知らせようと思っているんですが、さてそこで数をどのくらいふやしたらいいかというような問題になりますと、これは総理府の方の管轄でございますが、よく相談をしてみたい、こう思っております。
  218. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 よろしくお願い申し上げます。いわゆる特に近隣公害でございますね、ピアノがやかましい、カラオケがやかましい、犬が鳴くというようなことは、長官、私は行政で解決するよりももっと前の、長官もおっしゃったように隣の人に迷惑をかけない、自分がしてほしくないことは人にはしないという、むしろ行政というよりもモラルといいますか、公衆道徳といいますか、子供のときのしつけといいますか、そういうことにより多く関係してくるように思いますけれど、それについての長官のお考えをお聞かせ願います。
  219. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) 全く同感でございます。したがいまして、私は今日まで文部大臣あるいは総理府総務長官等と、私が主宰をしてもっぱらそのことについて紙面の対談をしたことがあります。それから、前に国立教育研究所の所長さんだった平塚益徳先生とも、まさに環境問題というのは環境教育問題であろう、特に幼児に対する母親の教育というようなことに重点を置いてやったこともあります。先ほどもちょっと申し上げましたが、ポスターやあるいはいろいろな機関を通じてそういういま言われたようなことを国民に理解をしてもらう運動を続けていきたい、こう思っています。
  220. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 愛される環境庁と言うと語弊がありますけれども、いろいろとせっかくそういった制度があっても、本当におっしゃるように知らなければ何にもならないわけですから、環境庁というのは公害を摘発してやっつけようとしている役所じゃなくて、みんな国民と一緒に考えて、われわれのこの美しい日本列島を後に残していくんだ、一緒にやりましょうと、そういう姿勢で今後ともひとつ皆さんに大いにPRしていただきたいと思います。  次に、鳥とそれから動物の問題についてちょっとお伺いをさしていただきますけれども、現在環境庁あるいは都道府県知事が設定をしております鳥獣保護区、それから休猟区でございますね、こういったものについて鳥や動物を保護するという立場から、全面的積極的に区域を拡大するという御意思はございませんか。
  221. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) 現在、先生がおっしゃった禁猟区、休猟区、保護区合わせまして全部で七千カ所ございます。面積にしておよそ八百万ヘクタールでございますが、これは十年間で四〇%ぐらいふえました。あと五カ年ずつ計画を立てておりますので、この次の五十七年からの計画にもこれをふやすように特に都道府県知事に話をして、県が設定するのが多うございますので、そういうふうにやってまいりたいと思います。
  222. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 大石先生が実質初代の環境庁長官に就任をされましたときに、私、ラジオで三十分ばかり対談をさせていただいたことがございます。そのときに、大石長官は個人的意見ではあるけれどもと前置きをなさいまして、まあとにかく日本全国で遊びのために鉄砲を撃つ、これは私はもうなくしたいのだということをおっしゃいました。非常に私はいいことをおっしゃるなと、こうお伺いしたんですけれども、長官はこういったことをどのようにお考えになりますか、要するに遊猟としての銃猟、鉄砲でございますね。鳥や動物を撃つということについて、全面的に大石長官は私は禁止したい、こうおっしゃったんですけれども。
  223. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) まあ私はそれをやりませんからよくわかりませんが、古来から伝わる一つのスポーツでもありますから、直ちに禁止してしまっていいかどうか、これは考えなければならないところですが、私がこの環境庁を預かってつくづく思いますことは、先ほどもちょっと申し上げましたが、三十七万平方キロしかない、しかもその七割は山地、それでいて世界で二番目だの三番目だのという経済、かせぎをしているわけですから、まあ国じゅう工場みたいなものですからね。その中ではややもすればちょっと油断すると自然と人間とのバランスが崩れて、だから鳥がいなくなるとか、植物がなくなるというそのこと一つを私はそんなに問題にしないです、実際を言えば。ただ、鳥がいなくなるということ、植物がなくなるということは、自然がそれの生存を許さなくなるわけですから、それはいずれはここへ来るのじゃないか、人間に。そういう意味で重大関心事で見ておりますので、自然というものを何とか大事にし、われわれは自然を征服したり、自然を利用したりしてきたような気がしていたけれども、その考えは大きに間違いじゃないか、自然の中でどう生かしていただくかということを考える、それは環境庁だけでなしに国民みんながそんな気持ちになっていただくということでやっていきたい、こう思いますので、御質問に対して端的な答えではありませんが、もう少し鳥も含めて自然も大事にしていきたい、こう考えているわけです。
  224. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 ただいま長官のお答えをいただきまして、もう少し私、たとえば有害鳥獣等について伺いたかったんですけれども、根本的な精神を言っていただきましたのでその質問は省略させていただきます。  ワシントン条約はいつ承認され、いつ批准されましたですか。
  225. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) 五十五年四月二十五日に承認されまして、八月二十三日に公布されました。それから明十一月四日に発効の予定でございます。
  226. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 この条約の趣旨、それから加盟国の数でございますね。
  227. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) 条約の趣旨は、野生動植物の国際取引の規制に協力をいたします。それによって野生動植物の絶滅を防止いたします。あわせて野生動植物が芸術上、科学上、文化上、レクリエーション、さらに経済上有する価値を将来にわたって維持することに貢献するというのがこの条約の基本的な精神、趣旨、目的でございまして、現在六十カ国が加盟しております。
  228. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 数日前ですけれども、私ちょっと雑誌か新聞か忘れたんですけれども、大きな広告が出ておりまして、その広告の文言を見ますと、たしかキンケイ鳥とかいう鳥だったと思います。中国の奥地で絶滅の危機に瀕している非常に貴重な鳥だ。この鳥を限定輸入をしたから――写真がありまして、きれいなガラスの箱に入っているんですよ、何かオナガドリみたいな鳥ですけれども。これを特に皆さんにお分けしたいので、何ですか、一羽二、三十万円していたと思いますよ。お申し込みくださいというのがあったわけですね。われわれはやはり特に絶滅の危機に瀕する動物をこれは何としても残していかなければいけないと思います。日本だけでいいとは思いません。やはり中国だってもうパンダ見たってわかるようにこれは大切にしなければいかぬ。ところが現実には中国でそういう貴重な鳥をつかまえて剥製にして日本に輸入しているわけでございますね。  中国はワシントン条約には加盟しておりますか。
  229. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) 加盟しておりません。
  230. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 長官、日本の大切な友人としての中国に――それはまあ経済交流も大事です。鉄鋼プラントを輸出するのも大事でしょうけれども、何よりもいずれ中国だってこの公害先進国の日本と同じように自然が破壊されて国民の皆さんが、ああこんなはずじゃなかったと思うときがくるかもしれないのですから、そのために、率直に長官がそういった環境問題について華国鋒主席以下当該担当者の皆さんに会って、ワシントン条約に入りなさいよとお勧めになる御意思はございませんか。
  231. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) いま日本と中国との間に渡り鳥条約を締結しよう、こういうことで一生懸命やっているわけであります。幸いにして私には中国に古く親しい友人がたくさんおります。いまおっしゃられたようなことも非公式には、個人的にはずっとやってきておることでございますので、まず段階ですから、渡り鳥条約はもういいところまでいっていますから、これを終わらしてその方に進んでいきたい、こう考えております。
  232. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 いま渡り鳥条約のお話が出ましたけれども、局長にお尋ねいたしますが、渡り鳥条約の眼目になる条文を一つだけ教えていただけますか。
  233. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) 渡り鳥条約の眼目になりますのは、すでに日米、日ソ、日豪の条約がございますが、それに共通な条文で、渡り鳥について保護しその捕獲を禁止する、その一連の保護規定でございます。
  234. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 ワシントン条約に現在中国は加わっておりませんが、中国以外に、この国は当然入っていなければいかぬと思うのにまだ入っていない国もあるんじゃないかと思いますが、たとえばどういう国がございますか。
  235. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) 私が知っている範囲内では、タンザニアとかニュージーランドとか、そういうところだと思います。
  236. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 タンザニアとかケニアとか、こんな国は野生動物の宝庫ですよね。そういう国がこのワシントン条約に加盟していないというのは本当に残念なことだと思います。幸いに渡り鳥条約の方は、中国といま非常にいいところまでいっている、こうおっしゃいましたですね。ですから、これは大いに中国との間に渡り鳥条約は一刻も早く締結をしていただきたいと思います。  ワシントン条約の方は、発効はいつでございますか。
  237. 正田泰央

    ○政府委員(正田泰央君) 十一月の四日でございます。
  238. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 十一月の四日に待望のワシントン条約が発効するということで、動物を友達にしている国民の皆さん、本当によかったなと心から思っていらっしゃると思います。ついては、最後に長官、先ほど私中国とお願い申し上げましたけれども、中国のみならず、いまおっしゃったように、たとえばニュージーランド、たとえばタンザニア、こういった世界の国々で野生動物の宝庫と目されているようなところ、ニュージーランドはキウイなんという鳥もおりますね、そういうところをひとつぜひ歴訪をしていただいて、公害先進国の環境庁長官として、世界じゅうの国の人々がたとえばワシントン条約、渡り鳥条約、こういったものでしっかりと手をつなぎ合うことができるように努力をしていただきたいと思います。
  239. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) いまのところその予定はありません。けれども、おっしゃられたことはきわめて重要な、将来の地球というか世界に関係する問題ですから御趣旨はよく理解しておきます。
  240. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 最後に、きょうは本当に真摯な御答弁をいただいてありがとうございました。先日もこの公害の委員会の方で視察に寄せていただいたのですが、そのとき帰り道の話の中で、どうも最近公害問題が余り話題にならぬな、国民の皆さんも以前のようにPCBだとか何だとか公害のことは余り言わなくなったなというような話も出ていたのですけれども、私、こういう話が余り出ないということは、一面環境庁の行政がその努力が実を結んでうまくいっているからという面もあるのじゃないかと思うのですよ。しかし、それでうまくいっているからみんなが余り問題にしないんだということじゃなくて、再三長官もおっしゃっておいでのように将来の問題でございます、二十一世紀にどういう日本が残っていくかという問題でございますから、ひとつ勇気を持って国民のために今後もがんばってくださいますようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  241. 鯨岡兵輔

    ○国務大臣(鯨岡兵輔君) せっかくの御激励ありがとうございました。まあ、あるいはいろんな問題が起こってきているから公害なんか考えている暇はないよというような考えがあるのかもしれません。もしそうだとすればこれほど恐しい問題はありませんから、これでいいなどというふうに考えませんで、御趣旨を体して一生懸命やります。どうぞよろしくお願いいたします。
  242. 坂倉藤吾

    ○理事(坂倉藤吾君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時三十五分散会