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1980-03-31 第91回国会 参議院 予算委員会第二分科会 2号 公式Web版

  1. 昭和五十五年三月三十一日(月曜日)    午後一時一分開会     ―――――――――――――    分科担当委員の異動  三月二十九日     辞任         補欠選任      大木 正吾君     高杉 廸忠君      中尾 辰義君     渋谷 邦彦君      渡辺  武君     下田 京子君  三月三十一日     辞任         補欠選任      高杉 廸忠君     穐山  篤君      穐山  篤君     浜本 万三君      佐藤 三吾君     丸谷 金保君      丸谷 金保君     松前 達郎君      渋谷 邦彦君     塩出 啓典君      塩出 啓典君     黒柳  明君      中村 利次君     藤井 恒男君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     主 査         栗原 俊夫君     副主査         成相 善十君     分科担当委員                 浅野  拡君                 金丸 三郎君                 町村 金五君                 安田 隆明君                 高杉 廸忠君                 松前 達郎君                 丸谷 金保君                 塩出 啓典君                 下田 京子君                 藤井 恒男君    国務大臣        通商産業大臣   佐々木義武君    政府委員        通商産業大臣官        房会計課長    石井 賢吾君        通商産業省通商        政策局長     藤原 一郎君        通商産業省機械        情報産業局長   栗原 昭平君        通商産業省生活        産業局長     児玉 清隆君        工業技術院長   石坂 誠一君        資源エネルギー        庁長官官房審議        官        児玉 勝臣君        資源エネルギー        庁公益事業部長  安田 佳三君    説明員        科学技術庁原子        力安全局原子力        安全課長     辻  榮一君        大蔵省主税局税        制第二課長    大山 綱明君        通商産業省通商        政策局経済協力        部長       田口健次郎君        工業技術院標準        部長       松村 克之君        郵政大臣官房資        材部需給課長   斎藤 春雄君        労働省労働基準        局補償課長    原  敏治君        労働省労働基準        局安全衛生部労        働衛生課長    林部  弘君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○昭和五十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院  送付) ○昭和五十五年度特別会計予算(内閣提出、衆議院  送付) ○昭和五十五年度政府関係機関予算(内閣提出、衆  議院送付)     ―――――――――――――
  2. 栗原俊夫

    ○主査(栗原俊夫君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。  分科担当委員の異動について御報告いたします。  一昨日、大木正吾君、中尾辰義君及び渡辺武君が分科担当委員を辞任され、その補欠として高杉廸忠君、渋谷邦彦君及び下田京子君が分科担当委員に選任されました。  また本日、佐藤三吾君及び渋谷邦彦君が分科担当委員を辞任され、その補欠として丸谷金保君及び塩出啓典君が分科担当委員に選任されました。     ―――――――――――――
  3. 栗原俊夫

    ○主査(栗原俊夫君) 昭和五十五年度総予算中、通商産業省所管を議題といたします。  それではこれより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。丸谷金保君。
  4. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 前回決算委員会でも御質問申し上げました拘束契約の問題について、具体的な事例で御所見を伺いたいと思います。  東芝マレーシアという東京の東芝の現地法人がございますが、これがこちらの海外技術者研修協会に参っておりました使用人オンさんという方ですが、この方がやめたことに対して訴訟を提起して、契約違反ということで、現在、クアラルンプールですが、マレーシアの方で争われております。その件についてなんですが、実はその契約書と訴状を拝見いたしますと、大変どうもこういうことがいいのかなということでございます。  詳しく説明いたしますと、被告のオンさんというのは、一九七七年五月十六日の文書によると、要するに日本における研修の完了した日から東芝マレーシアに三年間勤務をするということで同意をしておるわけです。ところが被告は、研修コースを予定どおり終了して一九七七年十一月十七日に帰国、原告の会社に雇用された。一九七八年八月九日に契約に違反したとして退職をしております。これに対して東芝マレーシアから、マレーシアドルで四千四百八十七ドルの金額及びそれに対する金利、訴訟費用を支払えと、こういう訴状でございます。訴状は英文ですので、いま概略したためたものを。  それで、この訴状による契約を見ますと、研修期間の途中でもし研修生自身が会社あるいは国の信用を失墜させるような不行跡をしたり、また勉学に対し怠慢であったり無関心であると会社が判断した場合には、会社の絶対的な自由裁量によって研修を打ち切り、研修生はこの協定に盛られた特典を請求することができない、こういう条文がございます。さらに、同じく本人が勤続を同意した三年の間に不行跡、怠慢、無関心の理由で会社から解雇されたときにも、かかった費用を返さなきゃならない、こういうふうなことになっております。これは要するに会社が一方的に解雇することもできますし、それから本人がやめた場合もできると。その怠慢であるとか無関心であるとかというふうな理由というのは会社側が決めるわけです、すべて。日本と違って労働法規が非常にいろいろまだ完備されておりませんので、ほとんど会社側の意向で決められる、労働条件、給料。一番の問題は、私は東南アジア各地で日本の企業に対するいろんな批判の声を聞くのは、一つには待遇の問題でございます。それからもう一つは、非常に現地に出向く日本人が現地となじまないと。いろいろな理由もありますが、そういう中でこういういわゆる拘束契約をつけることは、せっかく国が七五%も出した研修協会の意義がなくなってしまうのではないか。これについては、前回も申し上げましたように、いろいろ通産省及び研修協会の方でもこれは好ましくないのだ、外務大臣もそういう点では好ましくないという、少なくとも日本の国内法としてはこういう拘束契約というのは好ましくないということはそれぞれ御確認をいただいているのです。ただしかし、これは日本の国内でございませんから、直接的に日本の国内で好ましくないからどこの国も好ましくないと、いきなり持っていけることではないと思います。しかし、そうは言っても、少なくとも日本の現地法人、しかも、それから送られてきて国の予算でめんどうを見る研修生、これについてこういう不当な拘束契約をつけるということは大変日本の国益の全体からいっても決してプラスになることでないんじゃないか、かように思いますが、いかがでございましょうか。
  5. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) この問題に関しましては、しばしば丸谷先生から御指導をちょうだいいたしておりまして、私の聞き及んでおるところでは、第三十八回のこの研修協会の理事会で、不当に拘束的な義務を伴うものであってはならないとの考え方を受け入れ企業及び日系派遣企業に示して理解と協力を得るように努めるということになったそうでございまして、当省といたしまして、もちろんこの決定に異議があるわけではございません。今後ともこの決定の線に沿いまして受け入れ企業等に指導してまいりたいと思います。
  6. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 受け入れ企業側に対する行政指導、これは従来も行われておりますし、裁判が起こった場合に、これに対する通産省として、そこまで持っていくのは国家的立場からいっても得策でないという立場で、日本電気だったと思いますが、取り下げさしている、こういう例がございます。今回もいろいろとお骨折りをいただいているというふうには承っておるんですが、何としても東芝のガードが固くてなかなか解決しないと。四月に入りますと、これは公判が始まるんです。そうしますと、これは一罰百戒といいますか、公判に呼び出されたというだけで波及する効果は非常に多いと思うんです、ほかの研修生に対して。うっかりやめたら、とにかく大変なことになると、そういうねらいもあるんじゃないかと思ったので実はきょう緊急にこの問題を取り上げた次第です。東芝マレーシアの問題についてはそちらもお調べいただいていると思いますが、研修申込書、この研修申込書によりますと明らかに東芝本社がこのお金を出している。恐らくこれは間違いだったと、丸のつけ違いだというふうな御答弁が事務当局からあるのじゃないかと思いますけれども、これはそれだけで済まされない要素も含んでいると思います。これはどうですか、その後そちらでお調べになった状況。
  7. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) 御説明申し上げます。  本件につきましては、昭和五十二年四月十四日、研修協会の審査委員会におきまして受け入れが妥当であるというふうに判断されたものでございますが、そのときの申込書には、本人の研修のための負担というのは東芝本社が持つと、こういうように記載されておったというふうに承知しております。その後、本年の二月一日に東芝本社から、申込事項のうち、いま申し上げました負担欄が間違いであるということで、実際の会費負担者は東芝マレーシアであったということで訂正がございました。研修協会で審査基準に照らしまして検討いたしました結果、これは特に問題がないのではないかという判断が出されたというふうに聞いております。  なお、背景といたしまして、実は東芝本社と東芝マレーシアとの間で五十二年の五月の六日付で東芝から東芝マレーシアに対する送金の請求書が出ておりまして、その後送金が行われたということで、五十二年現在でもうすでに本社の方と東芝マレーシアとの間で費用の負担の請求並びに支払いが行われたというふうに承知しております。
  8. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それで内部操作はできたと思うんですが、これは申込会社が日本の企業であるか現地の法人であるかによって研修協会の受け入れの態様が違ってくるわけなんです。国内であればそのまま検討するけれど、現地法人がお金を出した場合には十分審査をまずしてから受け入れると、こういうことになっております。そうですね。ですから、本社ということにばっぱっぱと簡単に丸をつけたのは、私はそういう点があったんではないか。なぜかというと、この契約、これは相当きついものです。非常にきついものなんで、これだけきつい契約を事前にわかっておればやはり相当問題になったんではないか、こういうふうに思います。なぜなら、同じような契約で、これはフィリピンからの報告ですと、向こうに入った人がやはり同じような三年間の拘束期間を受けたその実情が一つ参っております。それによりますと、フィリピンでは、わずか六カ月くらいで三年という拘束契約をつけることは大変これは不当な拘束契約だということで、これは原告側が負けております。こういう実例がもう出てきているんです。それに一体この東芝マレーシアのこの契約がそれほど不当でないと――不当でも不当でなくても拘束契約そのものは問題なんですけれども、いまとりあえず裁判の問題として申し上げると、こういうことが審査基準の中で許されたんですか、そうすると。通産省もそれには出ておるんでしょう、必ずあの審査会には通産省は出ておりますわね。外国でこういうふうに明らかに敗訴になることがわかっているような事案を……。
  9. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) 御説明申し上げます。  本件につきましては先ほど申しましたが、五十二年四月十四日の研修協会の審査委員会において審議されました結果受け入れが妥当ということで処理されたというふうに承知しておりますけれども、当時におきまして、この審査基準の中で処理されたというふうに了解しております。
  10. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 その審査委員会には通産省は出ておりますね。
  11. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) 委員の一人として出席しております。
  12. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そうすると、そこら辺に私は問題があると思うんです。通産省は出ておるんです。それでこういう契約を追加して不当でないとすると、これは不当でない契約なんというのはなくなりますね、どうなんですか。
  13. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) 審査委員会におきましては、細かい契約書そのものは審議されないというふうに聞いております。
  14. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 ますますおかしくなるんだけれども、だって、これはもうその前にすでにあなたたちの方にもお見せして、こういう契約が結ばれて訴訟が行われている、訴状についてこういう契約の内容もついているというのはお渡ししましたわね、前に。だから、おたくはわかっているはずでしょう。わかっていて、どうしてこの中身を見ないで何を審査するんです。そういう契約が行われているかどうかを審査するわけでしょう。
  15. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) 御承知かと思いますので審査基準の内容を一々は説明いたしませんけれども、その対象の国、地域あるいは研修期間その他、その条件に適合しているかどうか審査委員会において審査いたしております。
  16. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 この審査基準というのがあるんです。審査基準ありますわね、その中で、おたくもお持ちになっているのでしたら、「審査基準改訂案」、この中に「適用除外」というのがあります。「適用除外」がありますね。「研修生が、次のいずれかに該当するときは、対象としない。」と。「研修生が当協会以外の他の政府機関」云々が一つ。その二項、「研修生の受入れに伴う諸経費(以下諸経費という)を、当該研修生の所属機関等(以下相手方という)が負担する場合。」所属機関ですわね、これ、東芝マレーシアというのは、この研修生のですね。この場合には原則として、いいですか、原則としては適用しないんですよ、これね。だめなんです。「ただし、」そこにただし書きがありますわね。「ただし、相手方が諸経費の一部のみを負担する場合は、別に定めるところにより対象とすることがある。」ということであって、いいですか、こういうことですわね。だからあくまでこれは例外ですよ、例外で全部認めているんです、いまね。そうでしょう。そして、その検査の基準のときにはこういう問題というのは当然審査しなきゃならぬでしょう。どうなんですか。
  17. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) 先生御指摘のとおり、審査基準の「3 適用除外」の(2)におきまして、一応本件東芝マレーシアのいま御指摘の案件につきましては、ただし書きの適用で認められておるという点は御指摘のとおりでございます。
  18. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そして、ただし書きで認める場合には、ですから十分な審査をするということになっているわけですわね。オープンでなくて、この場合は。その審査が、訴訟が現に起きているんですよ。起きていることをおたくたちが知って、知ってから審査したんでしょう、これは。知ったのはあれでしょう、一月ですよ。
  19. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) 御説明を申し上げます。  研修協会におきましてこのオン氏を受け入れるかどうかを審査いたしましたのは昭和五十二年の四月十四日の審査委員会でございまして、本件の起こる前、訴訟事件になる前でございます。
  20. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そのとき審査したのは、この研修申込書によって審査したんでしょう。研修申込書によって、そうでしょう。
  21. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) さようでございます。
  22. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 この研修の申込書では東芝本社が、いいですか、本社がお金を出しているということになっているんですよ。それに基づいて審査して、審査したからいいということになりますか、問題は。
  23. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) 先生御指摘のとおり、審査委員会の席上では、東芝本社がその研修費の費用を負担するということで審査されたわけでございます。  それから、その後は、先ほど御説明申しましたように、ことしになりましてからそれが過ちであったので訂正してほしいという申し入れがあって、それでその訂正やむを得ないということで研修協会の方で判断したというふうに聞いております。
  24. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 訂正するということはわかりますわ、間違いはどこにもありますからね。そうすると、前の審査は違うわけですわね、間違った書類でやったんですから。そして、しかも適用除外ですよ、東芝マレーシアが全額持ったなんという場合には。一部負担ですよ、それもね。しかし、この訴状によると全額持っているというのです、全額。出している分のですよ、補助金は違いますよ。補助金以外は向こうで会社が持っているという契約書なんです、これ。そっちへお渡ししましょうか。訴状によるところの契約によりますと、契約書、全額持つという契約書なんです。違いますか。どうなんですか。
  25. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) 具体的な契約書の内容は存じませんが、いわゆる本費用、研修にかかりました費用関係では、実は国の補助金が研修協会に交付されておりますが、これで百十八万七千五百二十円が支出されております。その他民間関係の負担につきましては、約五十四万円が、当初は実は本社負担ということでございましたが、先ほど御説明申し上げましたように、東芝マレーシア負担ということで現在訂正されておりますが、約五十四万円を支出したというふうに承知しております。
  26. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 その内容は、東芝マレーシアが負担する分としてこういうふうに契約書にあるんですが、訴状についているのです。日本における宿舎は会社が手配する。次の手当を支給する。支度金、マレーシアドルで四百五十ドル。誓約書3の(b)に基づく海外における滞在費。これ、3の(b)というのは2の(b)、ちょっとこの字の間違いのようですが、要するに日本の国内における経費は全部持つということ。それから、自宅から空港までのタクシー代、空港税、帰国後空港から自宅までのタクシー代、東京-クアラルンプール間の荷物超過料金、全部持っているんです。いいですか、そういう契約なんです。私がいまここで確かめたいのは、そうでないということであれば向こうの裁判に非常に影響するんです。おたくはこれ、全額クアラルンプールの東芝マレーシアが持っているんでないというふうに認識しているんですね。大事なとこなんで、向こうが全部おれのところで出したんだからこれだけ請求すると、これが訴状の中身なんです。
  27. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) 東芝マレーシアとオン・キアン・コク氏との間の具体的な研修契約の詳細、契約書そのものについては承知しておりませんけれども、私ども東芝本社から聴取する、あるいは研修協会から聴取するという過程で一応承知しておりますところでは、研修協会、つまりこれ、補助金がもとになって研修協会から先ほど申しましたように約四分の三の補助を出しておる。残りの五十四万円が東芝側の負担になっておるというふうに承知しております。なお、細目の細かい項目別の負担関係については承知しておりません。
  28. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 これは前回も私はその点は十分調査して善処してほしいと言ったはずです。しかし、いまだに至るまでまだその訴訟――争いになっている契約書の内容もおたくの方は調べてないんですね。そうして、問題になったから急いで申込書訂正して、まあ間違いだから公文書偽造にもならぬですが、これを見る限りでは文書偽造ですよね。自分が出していないのに東芝本社、自分出していると書いているんですから。いやこれ間違っていたと言って直させたのは二月だというのでしょう。そうすると、私が問題にしてからですわね、問題にしてなかったら直さないんですよ。しかも、それについて通産省は、そこへ行って直したからそれで了解したと、それはちょっとおかしいんじゃないですか。それじゃいかにも企業べったりの通産省という感じがするんです。
  29. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) これは事務は研修協会において処理しておりますけれども、確かにことしの二月になりまして、その費用の負担した社が東芝本社ではなく東芝マレーシアであったという訂正の申し入れがあったことは事実でございますが、背景といたしましては、すでに五十二年の五月に、東芝本社から東芝マレーシアあてに必要な負担金額につきまして請求書を出しておりまして、その五十二年の九月一日付で東芝マレーシアの方から東芝本社に送金が行われておるということでございましたので、ことしになってから初めて、何と申しますか、訂正を申し込んできたということよりは、事実関係においてはすでに五十二年において東芝マレーシアによる負担が行われておったということかと思いますが、そういった経緯を踏まえまして一応研修協会におきまして訂正の申し入れを受理したと、こういうふうに承知しております。
  30. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そこら辺非常に問題なんですが、あわせて、今度は東芝本社と本人が結んでいる誓約書があるんです、東芝本社と。この中で、私は月額五万四千円を小遣いとして受け取る。食事は無料で提供されることに同意する。国内の旅費は研修の目的ならば東芝が負担する。そうすると、これは明らかに東芝本社と契約しているんですよ、こういう契約書が一本あるんです。これが正しいとすれば、東芝マレーシアの言い分が間違っているし、東芝マレーシアが全額出しているといえば、東芝本社の結んだ契約は何なのだということになります。これはおかしいと、どっちかおかしいですよ、後からつくったものというのは。いいですか、あわてていろいろなことをやっているけれども、調べていくとこういうことが出てくるんです。なぜならば、それは先ほど申し上げた審査基準に合わせるためには東芝本社でさっと入れちゃった方がいいということが一つと。それからきょうは、まだこれ今後の問題もありますんで、こういう問題点として、これ資料おたくの方に上げますから調べてください。そして何とかこの気の毒な研修生を訴訟を取り下げるように、もう一踏ん張り東芝にやってもらいたいというのが実はきょう質問しているねらいなんです。  それは、たとえば行管、五十四年六月二十日にこれは大阪府の日本ペイントであれしたときの報告に、この前、出す出さないで結局出しましたね、私に資料を、行管が。研修によって研修員の身分を不当に拘束することになり、不当なものとなっていると、こういうことを当時行管の人は指摘しているんです。これ行管からいただいたんです、指摘している。これ何かうやむやにしようとしたけれども、ぼくがこの書類持っていると言ったら出した。最初は出せないと言ったけれども、出せない書類ぼくは持っているんだよと言ったら同じものを出してきたんです。そうすると行管も、大臣、これはいかぬと指摘しているんです。そして通産省もその点でもっとしっかりしていただかないと、どうも企業べったりだと言われるようなことになりかねない。せっかく国がいい仕事に補助金を出して、帰ってから恨まれるようなばかなことを、そういう――そしてしかも、田口文書というのがあり、前に申し上げましたように拘束契約はいけないと原則決まっているんです。しかし、一遍に外していくわけにいかないから、特に不当なものから外していこうと。これ、裁判起こっていて、実際に私向こうに行ってみてわかったんですが、四十何万円とか五十万円というのも日本の感覚では大したことないけれども、向こうのもらっている給料から言うと、二年くらいただ働かなきゃ返せない金額なんです。ですから、よっぽどの勇気がなければ、そういう拘束つけられるとなかなか大変なんです。ですから私たちは、これはいま通産省の方考えていただいているけれども、勤続が六カ月――こっちで研修したら、六カ月くらいはいいけれども、これはフィリピンではそういう判決です、いいけれども、それ以上はちょっと損害賠償の対象にするのはおかしいと。  これは、今度はまたインドネシアから来た報告なんです。こういうことになるから困るんです。これは一九七六年四月三日から十月一日……。  その前に一つ。衆議院の土井さんに対する答弁では、おたくはこの東芝マレーシアの事案は拘束契約が問題になる以前に入ってきているから、だからこれに該当しなかったという答弁していますね。していますよ。ちょっと時間なくなるから、そのことをもう一回確認しておいてください。ああいういいかげんな答弁しちゃいけないですよ。これは契約から見たら一九七六年に田口文書が出て、これは廃止すべきだと、しかし一遍にいかないから、具体的なことはその後理事会で決めようと、七八年。これは七七年に入ってきているでしょう。そうすると、この問題になって五十一年の七月にもうすでに協会からも文書が出ているのです。その後ですからね、ああいう答弁は。ああいうごまかしの答弁しちゃいけないですよ、後で調べてごらんなさい。  それで大臣、なぜ私たちこの問題繰り返し問題にするかというと、こういうことなんです。一九七六年四月三日から十月一日まで研修におった、六カ月ですわね。まる六カ月ちょっとです。これが「私はこの報告書において、私の身に起こったこと、現場について知っていること、およびインドネシア人と日本人との間の関係について明らかにしたい。私は一九七六年四月三日に研修のため日本へ来ました。研修に来る前に五年間の契約にサインしました。日本から帰ってから、バリ島で二年間働きました。」第一年目、「私は仕事を拡げることができ、日本で学んだことを実行することができました。この時期は給料については気にかけませんでした。」第二年目、七八年、「この時期は大変忙しくなりました。多くの従業員がやとわれました。そのため、私たちの身の上に大きな変化が起りました。たとえば私の月給は三万五千ルピア(百ルピアが四十円)でしたが、私の助手として入った新入社員の月給は私の二倍で六万ルピアでした。物価がどのくらいかお話した方がよいでしょう。」と、それでいろいろあります。ビールが一びん五百ルピアだとか、中級レストランの食事が五百ルピアとか。「もし私が見苦しくない生活をしようと思えば、この月給では十分ではありません。」「もし助手の方が主任より給料が高かったらあなたはどう思われますか?」「もし(日本へ)研修に行ったものより行かなかったものの方がよい待遇を得ているとすれば、研修生になるということの意味は何ですか。私たち研修生は、研修をしなかった人たちに対して恥しい思いをしています。」と、ここで私は給料の基準について、組の名前隠します、書いてありますけれどもその会社の名前は。責任だけ負わされて昇給しないというのはおかしいということで要求しました。「会社は拒否します。会社はいつもこう言います。「君は契約によってしばられている」と。」こう言うのです。契約の意味するもの「例――誰かが五年間の契約にサインしたとする。その五年の間にもし会社を辞めれば、彼は日本で研修のために使われた全費用を返済しなければならない。」この場合は費用の七五%は日本で負担しているのに、なぜそういうことを全額と言われるのかと。しかし、実際の裁判になればさすがに全額でなくて自分の方で出した二五%だけれども、言っているときには日本の国が出した補助金の分も加えておまえはこんなに払わなきゃならないぞと口では言っているのです。それから「なぜ日本の会社は依然として勝手に(自分の都合のよいように)契約を作って研修生に押しつけるのですか?」「待遇がおさえられているなら、研修生はどうして力を発揮できるのですか?」「日本政府は良い目的のために、また日本と開発途上国の間によい関係を築くためにAOTSをつくったはずです。私たちは依然として契約によって抑えられ、そのため支配されているという感じを受けています。研修生の中にはたった四ケ月だけの研修なのに、契約によって五年間もしばられている者もいます。」そのほかこう……。
  31. 栗原俊夫

    ○主査(栗原俊夫君) 時間がありませんから、結論を。
  32. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 はい。最後に要望だけ。  「契約を廃止しよう」「私たちのコミュニケーションをもっと円滑にしよう」こういうことで結ばれております。  こういうふうに、日本の現地に出た企業が、いい契約も悪い契約もない、こういう使い方をするわけです。かえっていい待遇をすれば問題起きないんです。やめたくなるのは、いろんなことありますけれども、こういう場合なんです。しかも、とても何年もただ働きしなきゃ、働かなきゃならないようなペナルティー、往復の交通費だけでも普通の向こうの生活の人では来れないんですから、来るときにはうれしさいっぱいでサインする。  そこで私は、この研修協会の問題というのは、現地の法人が出した場合には厳重に審査する。原則としてはそれは受け入れないんだということをちゃんと基準で決めて、おたくの方でそういうふうなあれをしているわけなんです、通産省の方で。なのに、オープンでこういうの何にもこういう審査をしない。問題になってもいまだに審査していない。しかし、前のときには、日本電気ですか、のときには、きわめて強硬に通産省から行政指導しております。その書類もありますけれども、時間ありませんから譲りますけれども、どうして今回できないのかということについて大臣の認識も深めていただきたい。日本の国益にならないことをやっぱりしちやいけないという立場で、ひとつ最後の御答弁をお願いしたいと思います。
  33. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) 時間がございませんので、実は、海外研修者の受け入れということは非常に経済協力を進める上で重要なことだと承知しておりますけれども。したがいまして、その四分の三の補助もまたお願いしているわけでございますが、こういった研修に伴いまして、個別個別に外国との間で問題が生ずる、あるいは誤解を受けやすいという点は非常に残念でございます。こういう点は改善してまいりたいということで、研修協会を通じまして国ごとの事情等を十分配慮しながら、経済協力、技術協力を推進していく上で問題が生じないような方途を見出すべく、現在鋭意行政指導を行いつつある段階でございます。  なお、個別の訴訟案件につきましては、私ども実は行政官庁でございますものですから、正式にはなかなか見解を申し上げることは慎まざるを得ないと思います。ただ、希望としては、こういったようなトラブルが早期に解決することを期待しておるわけでございます。
  34. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 大臣、ひとつ認識を深めて……。
  35. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 御趣旨よくわかりますので、よく検討さしたいと思います。
  36. 栗原俊夫

    ○主査(栗原俊夫君) 丸谷君の質疑は終わりました。  次に高杉君。
  37. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 私は、溶接工の技能検定制度並びにその統一化に向けて、通産大臣並びに工業技術院に伺いたいと存じます。  私は、八十四国会、昭和五十三年四月二十七日の本院社会労働委員会において、通産省、運輸省、建設省及び労働省の各省が協議をし、検討努力を約束いたしました溶接技能検定の統一化問題について、その後どういうような措置がとられてきたか、その内容について聞きたいと存じます。  特にお願いをいたしたいのは、具体的かつ詳細にその協議の内容についてまず御説明をいただきたい、このように存じます。
  38. 安田佳三

    ○政府委員(安田佳三君) 五十三年四月二十七日に先生からいろいろ御質問をいただきました。  私どもといたしましては、御指摘の趣旨に基づいて行動をとらなければならないというふうに考えたわけでございます。労働省からの呼びかけによりまして五十三年の六月に労働省、運輸省、通産省の三者連絡会議を開いたわけでございます。その席上で、先生御指摘の点につきましてどのように考慮をすべきであるか等につきまして意見を交換したわけでございますが、当日の席上におきましては、それぞれの溶接士の法律上の位置づけ、考え方の相違等について実情の意見を交換したというのが実情でございます。
  39. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 いまのお話のように、労働省基準局の安全課が仲介となって協議をされたというんですが、私の聞いているところでは、五十三年六月におやりになったという、一回だけだというふうに聞いておりますが、そういうことでしょうか、どうでしょうか。
  40. 安田佳三

    ○政府委員(安田佳三君) 私ども出席いたしましたのは五十三年六月だけでございます。
  41. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 だけ……。私は再三にわたって統一化の基本ベースをこの際に、各省間でばらばらでやっているのを、共通問題については統一をしてほしいという切なる願いを二年前に行ったわけでありますから、もう二年間にただの一回だけというのはちょっと少ないように考えますが、五十三年の六月以降は開いていない。そうしますと、いま検討されているんですか。それともその大体打ち合わせで終わっているんですか。その点はどうなんですか。
  42. 安田佳三

    ○政府委員(安田佳三君) 私どもで行っております溶接に関する問題につきましては、発電用の工作物に関する溶接でございまして、発電用の工作物に関しましては、高温高圧の厳しい条件下で使用されるものでございまして、また、その重要度から言いまして、非常に高度な溶接が要求されるという実情にございます。そういった点から、電気工作物に関します溶接につきましては非常に特別な考慮が必要であろうかと思います。したがいまして、私どもの立場といたしましては、溶接一般と申しますよりも、電気工作物特有の諸条件というものがいかに満たされるかということが重要な問題になってくるわけでございますが、そういう面につきまして電気工作物の溶接の面から見て取り入れ得る問題がございましたら、これはできるだけ取り入れたいというような考え方を持っておりまして、従来から鋼船構造関係の溶接、あるいは一般のボイラー等に関する溶接、あるいはJISに基づいて行います、日本溶接協会が行います検定試験等の結果等は取り入れてきたわけでございます。これ以上の問題につきましては個別の具体的な内容が示されまして、それが取り入れられるかどうかということが示されるならば、その点については検討を進めてまいりたいと思いますが、現状におきましては先般打ち合わせをしたところでとどまっておりまして、さらに新たなる要望というものがございませんので、私どもとしては現在それを取り入れるかどうかにつきましては、まだ具体的な検討に入っていないというのが実情でございます。
  43. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 溶接技能検定制度については昭和三十三年の職訓法制定時において、また昭和三十九年の臨時行政調査会において問題となっていることは御存じだろうと思うのです。しかるに、今日に至るもなお合理的な統一試験体系の整備が行われていないという、私が二年前に提起をいたしましても、ただの一回だけで、協議が整っていない、こういうようなことの経過がありますから、それならばその統一試験体系、いろいろありますから、それができない要因というのは一体、部長、どういうように考えますか。統一ができない要因。
  44. 安田佳三

    ○政府委員(安田佳三君) 溶接が行われますに当たりましての要求される諸元というものは、その溶接の種類ごとにいろいろ異なるんではなかろうかというふうに考えます。  そこで、各法規はそれぞれの要求に従いまして規定を置き、かつその試験もしくは確認の方法を定めているところと存じます。そこで、統一と申しましても、やはりそれぞれの分野における特殊性がございます。そこで、一般的な技能等につきましては、電気事業法上は特にこれを定めておりませんが、電気事業法上定めておりますものは、やはり電気事業法固有の特殊事情をもとにした要件を定めていると思います。したがいまして、電気事業法の資格といたしましては、それぞれの一般の資格の中で取り入れるものは取り入れるということになりますので、電気事業法上でそういう一般の資格について取り上げるということは、非常に個別の問題から一般の問題を取り上げるということになりまして、非常にやりにくい面があるという点は御了承いただきたいと存じます。
  45. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 それでは、現在工業技術院なり通産省でいろんな溶接の資格、いま各省にわたってある話ですから、どのくらい把握をされておりますか、具体的にちょっと列挙をしていただきたい。各省にわたってあると思うんですが。
  46. 石坂誠一

    ○政府委員(石坂誠一君) ただいま溶接の資格に関しましては、電気事業法によります発電用機器の溶接等、合わせましていま七つあるというように……
  47. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 七つ。
  48. 石坂誠一

    ○政府委員(石坂誠一君) 七つございます。
  49. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 ちょっと確認をいたしますが、私が承知しているところでは、まず通産省の方でJIS-Z三八〇一がありますね。それからJPI、これはまあ石油学会の方、これも御存じですね。それからSUS、これはまあステンレス関係。それからアルミの関係がありますね。それから運輸省で海事協会に委託をしているNK、船舶関係。それからこれは建設省だろうと思うんですけれども、すみ肉の充てん溶接。それから、半自動におけるWESですね、これは通産省。それから、いまお話がありました電気事業法等における、これは原子力発電用ボイラー溶接、その他冷凍溶接、普通ボイラー溶接、特級ボイラー溶接、こう挙げてみますと、私の知っている範囲でも十一にわたる資格になっているわけでありますが、この点は確認いただけますか。
  50. 松村克之

    ○説明員(松村克之君) ただいま院長から御答弁いたしましたように、私の方で現在把握しておりますのは七つだけでございまして、それ以外については把握をいたしておりません。
  51. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 じゃ、その七つというものを列挙してください。
  52. 松村克之

    ○説明員(松村克之君) お話のございましたJISが一つございます。それから、石油学会でやっているものがございます。それから、電気事業法に基づいて公益事業部でやっているものがございます。それから、他省庁の話になりますけれども、それ以外のものになりますと、軽金属溶接構造協会で行っているものがございます。それから、日本海事協会で行っているものがございます。それから、船舶安全法に基づいて地方海運局でやっているものがあるというふうに伺っております。それから、労働省が労働安全衛生法に基づいて行っているものがあるというふうに伺っています。  以上、七つでございます。
  53. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 そうしますと、いま七つだと言われて列挙されました中に、JISの関係があることが確認をされましたが、それでは、ここで私はあえてJISというものはどういうことでひとつ進めておられるのかという、この定義をやっぱり確認をする必要があるだろうと思ってあえて伺うわけでありますが、JISは工業標準化法によって定義づけられております。第二条であります。これはわかっております。それは、あくまでも適正な製品を保証するための規格であると思いますけれども、この点まず確認したいと思いますが、そのことでしょうか、どうでしょうか。
  54. 松村克之

    ○説明員(松村克之君) 御指摘のように、JISの基本になりますのは工業標準化法でございますが、この工業標準化法におきますと、法律の目的といたしまして第一条に、「この法律は、適正且つ合理的な工業標準の制定及び普及により工業標準化を促進することによって、鉱工業品の品質の改善、生産能率の増進その他生産の合理化、取引の単純公正化及び使用又は消費の合理化を図り、あわせて公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」となっているわけでございます。
  55. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 そうしますと、いま目的の中で読み上げていただいて確認をいただいたように、JISは製品保証規格であるから、私は製作者及びその資格の有無というのは関係がないんだろうと思いますけれども、この点どうでしょう。
  56. 松村克之

    ○説明員(松村克之君) JIS規格の作成につきましては、ただいま申し上げました工業標準化法の第二条に、工業標準とは次のようなものを言うという定義がございまして、その中で「鉱工業品の生産に関する作業方法若しくは安全条件」という第二号があるわけでございますが、これに基づいて本件に関するJIS規格をつくっていると思っております。  それで、先ほど私御説明いたしますときに、七件の中でJIS関係のものがあるというふうに申し上げました。これ若干言葉が不足しておりましたけれども、これは私が申し上げますのはJISによって、日本溶接協会という社団法人がJISの規格によってそういう資格認定をしているという意味で申し上げたわけでございます。
  57. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 いま確認をされましたように、通産省がJISを定めて、製品もしくは製造工場にJIS表示を許可することは、私はここで明記されていると思うんですね。二条できちっとしておりますし、定義がありますから。これは確認をいたしましたが、JISに基づく溶接技能検定の試験方法というものを定めている。これはその辺が少し私に納得がいかない点なんです。  それで、いま補足的にJISの中に日本溶接協会にこの検定というものを委託している。そうしますと、溶接協会はさらに検定委員会に委託をして、検定委員会が実際はやるわけですね。その点確認をしたいと思いますが、私が申し上げたことで間違いありませんか、どうですか。
  58. 松村克之

    ○説明員(松村克之君) 社団法人の日本溶接協会がJISのZ三八〇一等によりまして溶接工の資格検定を行っておりますのは、これは通産省あるいは工業技術院の委託によるということではございませんで、この協会が自主的に行っているわけでございます。
  59. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 自主的に行っているその溶接協会は、検定委員会が行っているわけですね。その関係は確認をいたします。  そこで、いま確認をいただいたように、JISについては、製品もしくは製造工場にJISの表示をするんですね。これは確認いただいたわけですね。  で、百歩私は譲って、試験方法と個人に資格を与えるということは、これは別問題じゃないんですか、その点は。まして、いまのお話のように、溶接協会に自主的に検定をやっていただいているという、これは個人に対してJISのZ三八〇一の資格を表示させるということは、これはおかしいんじゃないんですか。製品もしくは工場でしょう。そういう点できちんと物にやはり表示されるもので、製品もしくは工場でありますから、それに溶接の検定委員会が個人に対してZ三八〇一というものの資格を与える、これはちょっと別の問題じゃないかというふうにどうしてもなるんですが、その点確認いただきましたから、その点についてどうですか。
  60. 松村克之

    ○説明員(松村克之君) お答えいたします。  工業標準化法には二つの大きな柱がございまして、一つは規格の作成でございます。もう一つは規格に合格しているかどうかについて認定と申しますか、表示許可をするという制度がございます。この二つで成り立っているわけでございます。  先生のお話ございました表示という問題につきましては、工業標準化法の第十九条に書いてございまして、「主務大臣が特に必要があると認めて調査会の議決を経て鉱工業品の品目を指定したときは、その製造業者は、工場又は事業場ごとに」云々とありまして、「当該鉱工業品が日本工業規格に該当するものであることを示す特別な表示を附することができる。」と、こういうふうになっております。  したがいまして、ここでこの工業標準化法によります表示というものは、先生の御指摘のように当該鉱工業品についてマーク表示を許可されるものでございまして、こういった溶接工の資格認定、これにJISマーク制度を適用しているということではないわけでございます。
  61. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 そうでしょう。確認をいたしますけれども、この製品にJISの表示がありますね、これはわかります。いまのように溶接協会が自主的に検定委員会でおやりになったZ三八〇一という資格づけの検定委員会で検定をする資格ですね、それはここに本来個人で溶接をした者が技量を持っていますという表示が出なければおかしいじゃないですか、それなら。私はそういうものじゃないでしょうと言っているんです。JISというのは、製品もしくは工場のJISの表示がある、これをだれがつくったか、これは別でしょう。つくる人は、言うなら資格があろうがなかろうが製品、品質が保証されればJISは表示できるんじゃないんですか。  いいですか、もう一度繰り返しますが、この製品をどういう従業員がつくろうが関係がなくて、できた製品でJISの表示をしてある物は、これは個人の資格じゃないんだから、この品質、製品の保証された物はJISの表示があるんであって、だれがつくろうとも関係ないわけでしょう、その点どうですか。混乱があるから整理してください。
  62. 石坂誠一

    ○政府委員(石坂誠一君) 先ほどから御質問伺っておりまして、JIS三八〇一の性格というものをまず明らかにする必要があるかと思います。この適用範囲というのがございまして、ちょっと読み上げますと、「この規格は、アーク及びガス溶接の技術検定における誠験方法とその判定基準について規定する。」と、ただし書きがございますが、そういうことになっておりまして、これはあくまでも試験方法と判定基準を定めるものでございます。
  63. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 時間がありませんから進めていきますが、いずれにしてもこの基本的な論争についてはいずれまた別個に私は機会を持っていまの点も含めて、何回も繰り返しますように、JISの表示、これを製作する者については、要するに、どういう人が製作をしても製品の保証というものがあればJISは表示できるんでしょうと、こう言っているんですよ。この点どうですか、院長。その辺だけの確認をしておきます。
  64. 石坂誠一

    ○政府委員(石坂誠一君) ただいま工場側からの申請がございまして、JISマークをつけさしてくれという場合には、これを検査いたしまして、この工場の製品であれば間違いなくJIS規格に適合するという場合にはこれを許可するということになっております。
  65. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 だから、確認したように、どういう人がつくっても、その工場でつくられた物は品質や製品が保証されるというのがJIS表示でしょう。だから、その資格があるかないかということよりはできた品質なり製品が保証されるということによってJISの表示というのは許可があるんでしょう。それを確認しているんですよ。私の言うことで間違いなければそのとおりだと言ってください、結構なんです。
  66. 石坂誠一

    ○政府委員(石坂誠一君) さようでございます。
  67. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 これは通産省直接の問題ではないんですけれども、私は社会労働委員会でありますから、労働省の設置法において審議をした際に、労働省の権限として「職業訓練法に基いて、技能検定を行う」ということをこの法律で明記をしたわけなんです。現に労働省は九十の職種に及ぶ技能検定というのを実施をしているわけなんです。また八十四国会の職業訓練法の改正において私は特に問題を提起をいたしまして、そして雇用の創造とか、雇用の安定とかあるいは社会的な秩序というようなことから見て中央及び地方に職業能力開発協会を設立することになった。この業務というものを明確にしながら、そして労働省の技能検定制度に溶接科も含めて資格を与えるようにすべきではないか、こういうように私は提起をしてきたわけなんです。  そこで、さっきも列記をいたしていただきましたが、七つ、あるいは私が知る範囲ではもっとあると思うんです。そういうようにそれぞれがいまの溶接については溶接士の資格というものを検定しているわけなんです。私は非常にその点がむだがあるのではないだろうか。したがって、さっきも公益事業部長の方から電気事業法におけるいろんな高度な技術についてはお話がありましたが、基本のベースですね、溶接という技術、基本的なもの、これは私は共通する基本ベースだろうと思うんです。  そこで、さっきの七つのうちの一つに挙げられました海事協会のNK、これは船舶の溶接技術であります。これは現実に溶接の技術としては大変高度な技術を要するんです。しかし、その溶接をしている技術者はNK以外には通用しないわけです。たとえば通産省でやっていますJISのZ三八〇一には、これは溶接の資格がないということで溶接自体ができないんです。そういうことでしょう。その点をちょっと確認いたします。
  68. 石坂誠一

    ○政府委員(石坂誠一君) Z三八〇一は先ほど申しましたように、試験方法と判断基準を定めておるわけでございまして、JISそのもので検定等を実施するわけではございません。そういうJIS三八〇一の試験方法及び判断基準に沿ってどなたかにお願いして、たとえば国等が行う技能等の検定の基準として活用していただくというのが私どもの立場でございます。また事実そういうようにしていただいておるというように考えておるわけでございます。
  69. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 私はもう時間が十分ございませんからお願いをしておきますけれども、先ほど日本溶接協会が自主的におやりになっているという御答弁をいただいたわけですが、自主的におやりになっている検定の中身は、私は検定委員会にそれぞれがその検定、具体的なものを委託されていると思うんです。私はこの際資料として検定委員会のおやりになっている、まず資産、どういう資産がおありになるんだろうか、それから財政状況、これは後日で結構でありますから、資料としていただきたい。収支のこういう、やっぱりこれは溶接協会検定委員会にかかわる、検定にかかわる問題でありますから、資料としてひとつ御提出をいただきたいとお願いをしておきます。  それから、いままで私も五十三年の社会労働委員会で提起をしまして、統一的に制度というものを各省でおやりになっていただきたいということの要請をして、少なくとも二年が経過をしているわけなんです。大臣ね、指摘していましたように、各省がそれぞればらばらの検定というものをやっているわけなんです。非常に私にすればむだが多いんです。たとえば、いまのように産業の不況で、構造的不況といわれる船舶で働いておられる溶接の方々は、かなり高度な溶接技術を持っておられるんです。ところが、船舶以外には溶接として通用しないんですよ。ですから、そのせっかく高度の技術を持っている溶接工の人たちは、船以外の仕事という溶接はできないんです。できるというのは、いま工業技術院の方から御説明があったように、新たに溶接の検定を受けなきゃならぬわけですよ。現に溶接をやって高度の技術を持っている人が、改めて船以外の溶接をやろうとすれば、その都度その検定委員会に行って、そして溶接の実技からやらなきゃならない、こんなばかなことがあるわけですよね。実態はそうなっているわけです。ですから、七つがある、あるいはもっとあるという幾つかの各省にまたがって、それぞれ独立して、JISならJISだけに限ってほかのところで溶接技術を持っても、JISにもし該当する仕事に従事するならば、JISの検定を受けなさいということですから、ほかの技術、溶接をやっている人たちが改めてそこへ来て検定を受けて、検定に合格して作業に従事するというような、非常にばらばらな資格が、ばらばらな各確立されたところでおやりになっているというのが現実の問題なんです。だから、統一的にどこへ行っても、溶接の検定、技能検定を持っている溶接の人はどこへ行っても、どういう部門へ行っても、基本的な溶接技術の基本は私は同じだと思っているんです。ですから、その基本ベースについてはこれを統一して、そしてNK――船のをおやりになるときには船にさらにプラスをして、知識と技術というものはプラスされていいだろう。あるいはボイラーとか原子力の発電用の溶接とかいろいろ高度な技術を要するものについては、基本からさらにプラスアルファの技術や知識やそういうものがされていいんですが、基本は統一的に私はしていくべきではないか、そのことを、検定制度の統一化への私は具体的な提言をしたわけなんです。そういうことによって一元的に、いま労働省は溶接技能検定というのをやっているわけですから、ここに全部一緒に統一して、それでなおかつ高度に、私が申し上げました船とかあるいは原子力の発電用の溶接とかあるいはボイラーとか、そういうものの高度なさらに知識と技術を要するものは、その基本ベースの上にさらに教育されても結構だろうと、こういうふうに思うんですけれども、通産大臣、いままでお聞きになって、ばらばらにやってむだなことをやっているんですが、それについての、私が提起している統一検定制度について申し上げましたこの提言について、所見をひとつ伺いたいと思います。
  70. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 私は、まことにどうも聞いておりますと、素人のせいかそのとおりだと思います。ですから、やはり各省で協力いたしましてそういうふうにつくり上げていくのが本当じゃなかろうかと思います。
  71. 高杉廸忠

    ○高杉廸忠君 いま通産大臣から前向きな姿勢でお取り組みになり、さらに統一化について御指導いただくという御発言でありますから、これを了として、最後に私は、これまた、いままで御協議をいただいているそれぞれの方々にぜひひとつ推進をしていただきたいという意味で申し上げますけれども、本来、工業技術院の方も御承知だろうと思うんですが、溶接作業というのは危険、有害な作業であるというのが前提なんですね。ですから、労働省ではこの溶接の検定制度の中には労働安全衛生法に基づく五十九条の特別教育ですね。たとえばアークあるいは粉じんですね。職場環境の粉じん、いろんな問題があるでしょう。そういうような職場環境を含めた問題、あるいは付帯的な業務として御承知のようにクレーンでつる場合の玉掛けですね、こういうようなもの。あるいはまた溶接をやったときの削るグラインダー、こういうような付帯的な業務がありますが、これまた危険、有害な作業なわけですね。ですから、そういうようなことで、技能講習あるいはガスの溶接等も含めて溶接作業というのは、そういう知識やそういう技術を含めて技能というものの検定を労働省が行っているわけでありますね。ですから、それを基本ベースにしてそこに統一をしていただいて、それぞれの各省がおやりになっていることも私は早急に協議をいただいて、いままでのように一つのものだったらほかに通用しないと、こういうような形は私は国益からいってもむだだと思うんです。ですから、そういう意味で、くどいようですけれども、統一についていま申し上げました一元化の基本を踏まえて早急に御協議をいただいて、従来時間がもうかかり過ぎるほどかかっておるわけですから、結論を早く出して一元化の方向へぜひとっていただきたい。これは最後に要請をして、それぞれ公益事業部長ですか、それから工業技術院ですか、それぞれその御所見を伺って終わりたいと思うんです。
  72. 安田佳三

    ○政府委員(安田佳三君) 発電用の工作物に関します溶接につきましては、まだ先生御指摘のようなNKを直接取り入れているというわけではございませんが、鋼船構造規程あるいは労働省によりますボイラー溶接試験に合格した人たちにつきましては、その確認試験に当たりまして全部または一部を免除するような措置を講じているところでございます。ただいま先生御指摘のような点につきましては、これは私どもといたしましては、その技能検定の溶接科の修了者がどの程度の技量であるかどうかという点につきまして判明いたさない点もございますから、労働省からそういう申し出がございましたら、どういう内容であるかどうかにつきましてさらに研究いたしまして、電気事業法に基づきます確認にどのように取り入れられるかどうか研究させていただきたいと存じます。
  73. 石坂誠一

    ○政府委員(石坂誠一君) 私どもの立場といたしましては、国民の皆様方に有益なJIS規格をつくるということが主眼でございます。と同時に、できましたJISができるだけ――これは強制法規ではございませんので、できるだけこれを使っていただきたいというのが私どもの基本でございます。ただいまの溶接の関連にいたしましても、このJISを決めますときには海事協会の方とかあるいは労働省の方とか皆さん委員になって参画していただいてこれをつくっておるわけでございまして、また見直しの期間が来ますとこれを見直して現実に合わしていくということをやっておりますので、今後皆様方の気持ちが反映するようにできるだけいいJISをつくるように努力していきたいと思っております。
  74. 栗原俊夫

    ○主査(栗原俊夫君) じゃ、締めくくりに佐々木通産大臣。
  75. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 仰せのとおりやってみたいと思います。
  76. 栗原俊夫

    ○主査(栗原俊夫君) 以上で高杉君の質疑は終わりました。     ―――――――――――――
  77. 栗原俊夫

    ○主査(栗原俊夫君) この際、分科担当委員の異動について、御報告いたします。  本日、丸谷金保君、高杉廸忠君及び中村利次君が分科担当委員を辞任され、その補欠として松前達郎君、穐山篤君及び藤井恒男君が分科担当委員に選任されました。     ―――――――――――――
  78. 栗原俊夫

    ○主査(栗原俊夫君) 塩出啓典君。
  79. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 まず最初に、電気自動車の問題でお尋ねしたいと思います。  これは、私が昨年の十二月十一日に電気自動車についての質問主意書を政府に出し、十二月二十一日に答弁をいただいております。さらに、今年三月二十一日の予算委員会におきましても、余り時間はございませんでしたけれども、電気自動車の問題にも触れたわけでありますが、そういう点を踏まえて質問したいと思いますが、やはりエネルギー危機というときに備えて、電気自動車は省エネルギーにもなると。またエネルギーの多様化、普通のガソリン車だとガソリンしか使えないわけですが、電気自動車の場合は水力発電あるいは原子力発電、そういうものが使える。また石油で発電した場合よりも効率が非常にいいと、さらには振動とか排気ガスという、そういう公害の面からも非常にいいと。そういう点からやはり電気自動車というのは大いにこれから力を入れていくべきものであると、こういう認識でおるわけでありますが、政府はそういう必要を認めるかどうか、これをまず最初に伺っておきます。
  80. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) お説のとおりの利点がございまして、今後ぜひともいままで以上に電気自動車を進めるべきものだというふうに考えております。
  81. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それで、石油で発電をしてその電力で電気自動車を動かすと、こういう場合と、石油からガソリンをとって、それでガソリン自動車を動かすと、こういう場合のエネルギー効率は、まあ資料によりますと、ガソリン車の約半分近い燃料で済むと、こう言われている資料もあるんですが、そのあたりはどうなんでしょうか。省エネルギーの観点から政府としてはどの程度の差があると見ているのかどうか。
  82. 栗原昭平

    ○政府委員(栗原昭平君) ある資料によりますと、やはりいま先生お話しのように、普通の内燃機関の自動車と電気自動車の省エネルギー性という点を対比いたしますと、若干電気自動車の方が省エネルギー性が高いというような数字も出ております。
  83. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 若干程度なんでしょうか。私の認識では、高速道路を非常に長時間走る場合は差は少ないにしても、たとえば市内でとまったり動いたり、そういうような場合はむしろ半分近いほどの石油で済むと、そういうデータはございませんですか。
  84. 栗原昭平

    ○政府委員(栗原昭平君) これいろいろ前提がございますので、数字がさまざまかと思いますけれども、都市内の交通におきますいろいろ頻繁な発進、停止等、そういった特殊な条件なども考えまして、内燃機関が必ずしも十分にそういった意味では効率がよくないという条件、それから一方電気自動車の方は、そういったアイドリングによりますエネルギー消費がないというようなことを考えますと、先生のお話しのような半分近くというような数字も出てくるかと存じます。
  85. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 問題はやはり非常にコストが高いという、自動車をつくるコストがですね。それは非常に台数が少ないわけで、これを量産をすれば、ある程度の量以上になれば大体普通のガソリン車とそうコスト的には違いのない状況までいけると、こういうように日本電動車両協会等の資料にはそう書いているんですが、そういう点は通産省としてはどういう感覚を持っていますか。
  86. 栗原昭平

    ○政府委員(栗原昭平君) お話しのように、電気自動車の最大の問題点はやはりコストが高いということにあるかと存じます。ただ、そのコストの高い原因というのは、御指摘のように量産体制との見合いの問題が一番大きいわけでございまして、現時点ではほとんど手づくりに近い形でございますので、普通のガソリン車の三倍近いような値段ということにならざるを得ないわけでございますけれども、試算によりますと、たとえば千台程度の量産体制というようなものになりますれば、いま三倍のものが一・五倍程度という程度にまで価格が下がるのではないかというような計算もございます。
  87. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それからもう一つは、一充電当たりどれだけの走行距離かということが非常に問題の一つじゃないかと思うんですが、これもこの資料によりますと、大体一充電当たり小型乗用電気自動車の場合は四百五十五キロメートルぐらい走れると、これは四十キロメートル・パー・アワーの定速で走った場合ですね。また最近アメリカ等でもスーパーバッテリーというか、そういうできるだけ軽いバッテリーで非常にたくさんの電力が充電できる、そういうような技術も非常に開発されて、いままでのいわゆる鉛・酸の電池も脅威を受けていると、こういうような話もちょっと聞くわけでありますが、一充電当たりの走行距離数というものについては、かなり四百、五百というようなものの技術は確立される方向にあると、試験的には確立されておるという認識で私はおるわけなんですが、その点はどうなんですか。
  88. 栗原昭平

    ○政府委員(栗原昭平君) 通産省工業技術院におきまして、大型プロジェクトの対象といたしましてこの電気自動車の開発をいたしたわけでございますが、その開発結果に基づきます実験車の性能といたしまして、たとえば小型の乗用の電気自動車におきましては、いま先生御指摘の四百五十五キロというような数字もこの実験結果としては出ておるわけでございます。ただ、現在ございます現実に走っております電気自動車の現実の性能から申しますと、いま私の手元にございますものといたしましては、六、七十キロから百キロ程度というような性能になっておるということでございます。
  89. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 じゃ、大体技術的には四百五十五という、そういうものも開発されておると、そういうことでございますが、そこで、私の質問に対する答弁の中で、政府としても五十二年に「電気自動車普及基本計画」及びそれに基づいた各年度の「電気自動車普及実施計画」に基づいて推進をしてきておるという、こういう答弁をいただいたわけでありますが、これは政府の計画であるのか。私の理解するところではこれは政府の計画ではなしに、電気自動車協議会がそういう計画をつくっておるわけで、もちろんエネルギーにしてもエネルギー調査会の長期計画が政府の計画になっているように、電気自動車協議会がつくった計画であっても、政府として、通産省として責任を持って推進していくという計画であるのか。そのあたり答弁ではいかにも政府の計画のように受け取ったわけですが、それでいいのかどうか、その点どうですか。
  90. 栗原昭平

    ○政府委員(栗原昭平君) お話のように、この電気自動車協議会というところで基本計画、実施計画というものを御議論いただいたわけでございますが、この協議会の性格は正式の政府の審議会といったようなものでは実はございません。これは機械情報産業局長の私的な諮問機関という意味でお集まりいただいた方々の御意見ということでございますので、政府としてあるいは審議会として正式の意見というものではございませんけれども、こういった関係の有識者の方々の御意見を聞きながら私どもとしても今後の行政の参考にしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  91. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 通産大臣、これは私の質問主意書に対する答弁では内閣の名において出されておるわけで、いまのように電気自動車協議会のつくった計画をいかにも政府の計画のようにこれは読めるんですよ。これは非常に、文書偽造とまではいかないにしても余り好ましくないということを私は申し上げておきます、これはここでそのことを論議することは主題ではございませんので。  これはそうすると、政府はこれをぜひ推進していこう、この「電気自動車普及基本計画」によりますと、昭和六十一年度までに一般車の保有二十万台、構内車の保有五万台、合計二十五万台を六十一年に目標にしておるわけですが、それは政府としてぜひその方向に協力しようという積極的気持ちがあるのかどうか。私の認識では余り熱意もないんじゃないかなという感じするんですけれども、その点どうなんですか。
  92. 栗原昭平

    ○政府委員(栗原昭平君) この数字は、現在の電気自動車の開発普及状況から見ますとかなり実際問題としてむずかしい目標であろうかというふうに思っております。達成の見通しにつきましては、私自身としても必ずしも楽観を許さないというふうに考えておりますけれども、通産省といたしましてはこの電気自動車の普及に当たりまして、たとえば財団法人日本電動車両協会という協会におきまして、この広報あるいは普及につきましていろいろな事業をやっていただくことにいたしておりまして、それに対する助成もいたしておりますし、あるいはまた開発研究の面でも研究組合の研究開発活動につきまして助成をするといったようなことを通じまして、現在の電気自動車の普及に当たって問題となります特に普及問題、それから標準的な車の開発といったものに対します開発の助成の問題につきましてそれぞれ支援を行っておるという状況にございます。
  93. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 たとえばいま審議している新年度予算ですね、そういう電気自動車関係のはどういうのが出されますか。それは五十四年度と比較してどういう金額になりますか。大体、もしわかれば。
  94. 栗原昭平

    ○政府委員(栗原昭平君) まず一般会計の関係でございますが、五十五年度は調査関係の予算が中心で千六百四万円ということになっております。五十四年度は千九百六十七万四千円という数字でございます。  それから研究開発のための重要技術研究開発補助金でございますが、五十四年度は二千三百九十一万一千円でございます。五十五年度はこれから交付決定が行われるわけでございますので、まだ金額が決まっておりませんが、私どもとしては同様の金額をお願いをしようというふうに考えております。
  95. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 一般会計の方は昨年より後退をしておるわけですね。今年度は特にエネルギー関係は政府全体としてもいわゆる特別会計もできて、通産省、科学技術庁、かなりほかの省に比べれば予算が増額されている中で、研究開発も一般会計は後退をしておる、研究開発費にしても全然前進をしていないということは、やはり通産省として余り熱意がないんじゃないかなあ、こう言われても仕方がないと思うんですけれどもね。やっぱり私はある程度誘導的にやっていかないと、やっぱりある程度どんどん電気自動車の試用が普及すればコストが安くなる、さらにまた普及されていくというそういう相乗効果があるわけで、やっぱり迎え水的にそこに誘導税制、いわゆる助成策をやっていくということは、長い将来を見通した上に非常に大事じゃないかと思うんですが、そういう点で通産大臣、もうちょっと姿勢を改めていくというそういう決意はございませんでしょうか。
  96. 栗原昭平

    ○政府委員(栗原昭平君) 大臣のお答えになる前にちょっと事務的に補足をさせていただきますが、先ほど申し上げましたのは、一般会計での予算の点でございますが、通産省といたしましては一般会計予算のほかに、日本小型自動車振興会というところを通じまして、特にこの普及の面につきまして振興資金から助成をいたしておるところでございます。こういった助成制度によりましてモデル地区の電気自動車の普及事業、これは試用といいますか、リースを行うための助成を行っておりまして、五十四年度におきましては八十台につきまして、五十五年度につきましてはさらに加えまして百台についてそれぞれ試用普及を図ろうというような事業を行うようにいたしておるところでございます。  そのほか税制等の面におきましても、それぞれ軽減等の措置がとられておることは御承知のとおりでございます。
  97. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 私、さっきから話を聞いておりまして、たとえば太陽光線によるアモルファス・シリコンで蓄電するわけですけれども、これは余り長い将来で実用化するんじゃなくて、わりあいに早い時期に実用化するんじゃないかと思います。そういう蓄電などできますと、全然油とかそういうものなしで自動車走らせるわけですから、大変結構なことだと思いまして、そういうものとやっぱりあわしてこれは考えるべきもんじゃなかろうかというような感じを私受けているんですけれども、いずれにいたしましても、進める必要のあることは明瞭でありまして、できるだけひとつ進めるようにしたいと思います。
  98. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 工業技術院のムーンライト計画の中に大容量電池の研究やるというのがあったんですが、あれはやはり電気自動車の電池とは関係ないんですか。
  99. 栗原昭平

    ○政府委員(栗原昭平君) これは特に電気自動車の電池とは関係がないテーマであるというふうに考えております。
  100. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 これも私は日本電動車両協会の資料をちょっと勉強したんですが、アメリカでは電気自動車研究開発普及法という法律が制定されて、それから五年間で一億六千万ドルを予算計画している。しかも約一万台の電気自動車の製作、デモンストレーションをやっておる。そういうことで、わが国はいま何か八十台とか百台とかちょっとこれは力の入れ方が、わが国の場合は原子力とか石炭とかそういうようなことももちろん大事なんですけれども、そういう方面に力を入れるわりには非常に冷たい、こう言わざるを得ないと思うんですけれどもね。そういう点どうなんですかね。やっぱり具体的にデモンストレーション、あるいは試用にいたしましても、もうちょっとやっぱり力の入れ方が私あるんじゃないかと思うんですけれどもね。いろいろ、たとえばそういう電気自動車が普及しやすいようなそういう環境で、現在も重量税が、これがたしか免除になっておるようでありますが、ほかの税金を電気自動車については免除するとか、それから車検にいたしましても、耐用年数が非常に長い、また一日の走行距離がガソリン車のように大阪から東京とかそういうような長距離がないというような点から、そういう車検の期間というものを延長するとか、そういうような点も細かく私はやるべきじゃないかな。それから、たとえば郵便車などは町の中をとっとこ走るわけですから、そういうところにある程度官公庁が積極的に使っていくとか、こういうような点について政府の見解はどうなのか。これは大蔵省と郵政省と、それから車検の問題はこれは運輸省来てないと思うんですけれども、通産省として電気自動車を普及する上においてそういうような点を要望する気持ちはないのかどうか。
  101. 栗原昭平

    ○政府委員(栗原昭平君) 電気自動車の特に官公需関連の普及につきましては、先ほど申し上げました日本電動車両協会を通じましていろいろな広報活動を行っておるところでございます。特に昨年におきましては、公害対策車につきましていろいろ各方面にお願いをしたところでございます。  それから運輸省の関係の車検のことでございますが、どういった形での優遇措置があるのか、私どもとしてもよく研究さしていただきまして、もしお願いできるような方法があれば運輸省にお願いをしたいというふうに考えております。
  102. 斎藤春雄

    ○説明員(斎藤春雄君) 郵政省でございますが、郵政省におきましては、すでに鉄道の駅構内等におきまして、これは余り目立つところではございませんので御存じない方も多いかと思いますが、蓄電池式の運搬車を使っておりまして、これによって郵袋等を運搬しております。これは電気自動車式であるわけでございますが、全部で約九十両使用してございます。それから、先生お話しありました町中の郵便の配達という点でございますが、これは郵便の取り集めあるいは小包の配達、このようなものを、軽四輪で公道上を走行いたしておるわけでございますけれども、このような公道上を走行する作業、これにつきましては電気自動車の導入に当たりまして、やはり先ほど来いろいろとお話出ておりますところのその性能とかあるいは保守面、あるいは経済性、これらの点についてなお私どもとして慎重に検討しなければならない、そういうふうな点が少なくないのではないかというふうに考えております。
  103. 大山綱明

    ○説明員(大山綱明君) 現在、電気自動車に対しましては物品税の課税標準を半分にいたすという軽減措置を講じているところでございます。これは期限が来年の三月末まででございますが、それにつきましてその後の取り扱いなどにつきましては、通産省からまた御要望がございますれば、その段階で検討をしていくということに相なろうかと思いますが、ただ、物品税あるいは先ほどお話が出ました自動車重量税、それにはそれぞれそれなりの課税の理由を持っておるものでございます。具体的には、物品税の場合には高価な便益品に対して課税をいたしますとか、奢侈品に対して課税をいたしますとか、そういったそれぞれの理由を持っているわけでございまして、単に排ガスが少ないとかいうことだけでこれを全部免除にするということは、他の物品との権衡等もございますので、慎重に検討を要する点かと考えております。
  104. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 通産大臣に最後にお願いしたいことは、電気自動車の普及ということについて、やはり国としていろいろな内外の情勢を検討して一つの計画をちゃんとつくって、もちろんいまさっき言った電気自動車協議会の計画を政府の計画としていくならばそれでもいいと思うんですけれども、やはり一つの方向に向けて各省の協力を求めて推進をしていくと、成り行きに任せるんではなしにね。そういう意味で政府としてはそういう長期計画をつくり、それに向かって積極的に努力をしていくと、こういうやっぱり姿勢を電気自動車の場合もとるべきじゃないか。そういう点をひとつ早急に検討してもらいたいと思うんですけれども、その点どうでしょうか。
  105. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) まことに塩出さんのような熱心な方が何遍となくお勧めくださいましてありがたいことだと思います。どうも私も素人ですけれども、重油の生だきや何かで、火力発電で出した電気を蓄電してそれに使うというのであれば余り意味ないとは思いますけれども、そうじゃなくてほかの電源と申しますか、ものでつくった蓄電でこれを動かすのであれば、省エネルギーとして脱石油時代に大変重要なものだと思いますので、もう少し腰を据えて進めるように省内でひとつ検討してみたいと思います。
  106. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 あと時間がわずかになりましたが、一つは家具業界の問題につきまして、現在家具業界の物品税というのは二〇%であると。これは私の調査では、家具の物品税は昭和十二年以来課税をされ、昭和二十六年以来ずっと二〇%の税率できておるわけでありますが、ほかの政府からいただいた資料を見ますと、それぞれ三〇%、二〇%、一五%という税率があるわけで、たとえばモーターボートなどはどんどん年とともに下がっているように思うんですけれどもね。しかも、やはり家具なんていうのは非常に生活必需品じゃないかと思うんですが、そういうものの物品税が二〇%というのはほかに比べてちょっと高いんじゃないか、歴史的に見て。そういう感じがするんですが、その点はどうなんですか。
  107. 大山綱明

    ○説明員(大山綱明君) 家具の物品税率が二〇%でございますことは、御指摘のとおりでございます。ただいま例示に出ましたモーターボートでございますが、大型、中型、小型と分かれておりまして、大型は三〇%、中型は一五%、小型は一〇%というようになっております。  この物品税の体系は、免税点とそれから税率の組み合わせで一つの整合性のある関係ができておりまして、ただ税率だけを取り上げてこれが高いとか低いとかいうのは、なかなかそう言えない面もございまして、特に家具の場合には、いま先生御指摘の、かなり日常品的な性格もありますものですから、そういった性格を持ちますものは免税点ということで非課税の措置をとっておるわけでございます。免税点を超えますようなかなりハイクラスのものにつきましては、二〇%の税率で課税をいたしましてもそれ相応の理由があるのではないかと私ども考えておりまして、免税点、税率をあわせ考えて、家具につきましてはかような税率が適当ではないかと考えているところでございます。
  108. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 この免税点につきまして、四十九年以来免税点は全然変更していないようでありますが、四十九年から今年までやっぱり五、六割、特にラワン材などは七、八割もアップして、非常に家具業界――私の地元の広島は家具が多いものですから、免税点を上げろと、そういう要望が出ているわけですが、一方は非常に高級品で全然非課税のやつもあるわけですね。そういう意味で、もちろん私は、いまこのような国家財政の中で、大蔵省としてもできるだけこれは、税金の安くなるようなことは余りしたくないでしょうけれども、しかしやはり税のバランスということは大事じゃないかと思うんですね。  そういう点で、家具のそういう免税点を引き上げるという、そういう考えはないのかどうか、そういう検討はされてないのかどうか、その点はどうですか。
  109. 大山綱明

    ○説明員(大山綱明君) 家具の免税点は、ただいま先生御指摘のように四十八年と四十九年に引き上げておりまして、現在九万一千円というかなり高水準になっておるところでございます。九万一千円と申しますと、これは製造課税でございますので、これを小売値に引き直しますと十数万円から二十万円という金額に相なります。こういったような水準を超えます家具につきまして、まあ私どもは消費税、物品税を負担していただくそれ相応の理由があると考えているところでございます。  ただ、先生おっしゃいますように、確かに諸物価は高騰をいたしておりまして、そういった面についての配慮はないのかという御指摘、ごもっともの点もあるわけでございますが、物品税、先ほど申しましたようにいろいろな物品のバランスがございます。ただ一つ特定の物品だけを取り上げまして、その免税点を引き上げるとか税率を引き下げるとかいうわけにはまいらない。したがいまして、もし一つのものを取り上げるということになりますと、ほかにももろもろの物品について同じような検討をしなくちゃならない。そうしますと、物品税につきまして大幅な減収を生じるような措置になることは目に見えるところでございまして、現在の財政事情、あるいはこれからまた私ども検討していかなければならない間接税の課税のあり方といったような観点から、いま直ちにこの免税点をいじることは、ただいま申し上げました理由からなかなかむずかしいということでございます。
  110. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それからもう一つ、鯖江市を中心とするめがね業界の問題ですね。私は、非常に油の値段が高くなって、わが国が購入しなければならない原油のドルも、まあ五十四年、五十五年と倍増するんじゃないか、そういう中で輸出産業も非常に大事じゃないかと思います。しかし、余り自動車ばかり輸出産業で外貨をかせぐんではまた対外摩擦もございますし、そういう意味からめがね業界の育成をしていかなきゃいかぬと思うんですが、通産省の資料をいただきますと、材料、販売、卸、部品メーカー、中間加工、完成品製造など、大体企業数は千三百一で、九人以下の小企業、零細企業数が八三%と、こういう非常に弱い企業が多いわけであります。昨今円安により多少環境はよくなってはきているわけでありますが、やはり全体的には輸出は非常に減っておるようなんですが、このあたりどういうところに原因があるのか。  それから、やはりアメリカ等においては、特に西ドイツの製品と非常に競争しているようでありますが、西ドイツはやっぱり従業員が五千人とか七千人という、こういう大企業ですね、そういうところからどんどん出している。日本はどうしても鯖江の組合というような形で、そういう意味で私は、まあカメラにしても自動車にしても日本の技術は非常に優秀なわけですから、そのあたり鯖江の人たちが言うには、技術は非常に負けちゃいないんだと、PRにおいて非常に負けているんだと、そういうことを言っているんですけれども、確かにほかのいろんな技術に比べてめがねが特に日本にも不適当な業種とも思わないし、われわれは政策次第ではやはり国際競争力の強い業界にさらに仕立てることができるんじゃないかと思うんですが、そういう点通産省としてはどう認識しているのか。
  111. 児玉清隆

    ○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。  いま先生御指摘のように、福井県の鯖江が大体八割ぐらいのシェアを持っておりまして、全体としては千三百事業主ということで、それもきわめて零細な中小企業を中核として生産、販売を展開いたしておりまして、最近の動向としては、いま御指摘こざいましたように、輸出面におきまして減少傾向をたどっておりまして、減少率が、五十一年と比べますと約三割も落ちているというような状況でございます。もっとも昨今大分内需の方が好況といいますか、まあまあそう悪くないという面もございまして、内需転換を図ってきたということで、それによって企業収支としては輸出の減全体をカバーしてきたということでございます。ところが、最近におきまして、まあ円高のときに相当問題になりまして、一時輸出減少に拍車をかけたわけでございますが、最近は円安基調ということでもございますもので、輸出向け受注も若干ずつ回復しつつございます。したがいまして、この勢いを若干でも定着させるような方向で私どもも指導してまいりたいと思っておりますし、何といいましても、内需中心とはいいましても、やはり輸出で相当量を堅持していくということもこういった中小企業においては非常に重要でございますので、努力を続けてまいりたい、このように考えておる次第でございます。  それから、いまお話ございましたように、どの辺に輸出減の理由があるかということでございますが、大きな流れとしましては、やはり為替の変動ということもございますけれども、どうしても御指摘のように、西独あるいはフランスの枠あるいはイタリーと、そういった先進諸国の物に若干押されぎみであるということでございまして、わが国の、いわゆる日本から出ております物全体としてのイメージがそれほど高くないというところに問題があると思います。もちろん個別にはある程度のしているものもございますけれども、全体としてはそう思ったとおりに高級化していないという面がございます。しかも、実質的には技術面でも相当何と申しましょうか、非常に優れたものを持っておりまして、企業家としても自負心を持っているわけでございますけれども、中小企業という点で若干PRの点で御指摘のように欠ける面もございます。一時、御存じのように、統一ブランドというチャレンジもやったわけでございますが、これは必ずしも成功しているというわけにもまいりません。したがいまして、今後は全体としてのイメージアップを図るにはどうしたらいいかというところを、個別のPR努力のほかにそういった面にも政策的な私どもお手伝いを十分していきたいというように考えております。
  112. 栗原俊夫

    ○主査(栗原俊夫君) 時間がありませんから簡潔  に。
  113. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 もう一問。  あと税制の問題等はまた個別にいろいろ……。  最後には、通産大臣にめがねの業界もやっぱり国際競争力をつけていくという、いろんな分野で幅広い輸出をしていく面からも、こういう産地の産業、資材の高騰、電気代の値上がり等で非常に厳しい状況にもあるわけで、そういう点にもひとつ細かい点を配慮をして、鯖江のめがねもやはり世界の国際競争に勝っていけるように今後とも手を打っていただきたい、そのことを要望しておきます。
  114. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) できるだけのことをいたしたいと思います。
  115. 栗原俊夫

    ○主査(栗原俊夫君) 以上で塩出君の質疑は終わりました。  次に下田京子君。
  116. 下田京子

    ○下田京子君 昨年の三月十八日にスリーマイル島で史上最大の事故と言われる原発事故がありまして、ちょうど一年になりました。  いま大臣も御承知のようだと思うんですけれども、原子力行政のあり方をめぐってあらゆる角度から、あらゆる面からの見直し等もいろいろ出ていることも御承知のことと思うんですけれども、そういう中で私の住んでおります福島県の場合には、東京電力の第一原発、そしていま第二原発と建設も進めて、福井県の若狭湾に次いで原発銀座などというふうな言葉で言われているような状態、これまた御承知のことと思うんです。  そこで、私最初にお尋ねしたいことは、この福島原発に働いていらっしゃる労働者の実態がどうなのかという点であります。  最初にお尋ねしたいのは、資料いただきましたところによれば、従事者総数が五十三年現在では社員従事者総数というかっこうで一万一千三百十三人いらっしゃる。ところがその中で社員は八百十七人、それから請負など社員外の従事者が一万四百九十六人いらっしゃるわけなんですが、この時点でいわゆる請負などの社員外従事者の中で外人従事者がどのぐらいいらっしゃるかという点。
  117. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 改修、改良工事等に従事しておりますので、第一号機につきましては第五回の定期検査で百十八名、第七回の定期検査では九十名、それからいまの二号機におきましては第二回定期検査で六十六名となっております。
  118. 下田京子

    ○下田京子君 そうしますと、現在ではいまの数字を足した総数ということで理解してよろしいでしょうか。
  119. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 総数ということでなしに、その検査が済めばそれで転換するんだと思いますけれども、いま政府委員が参りましたので、政府委員から説明させます。
  120. 児玉勝臣

    ○政府委員(児玉勝臣君) 福島第一原子力発電所におきます外人労働者の実態でございますが、昭和四十六年に福島第一原子力発電所第一号機が運転開始して以降、同発電所の定期点検期間中に行われました補修、改造工事等の工事に従事した外国人は、第一号機におきまして第五回定期検査におきまして百十八名。それから第七回定期点検、これは五十四年十二月から実施中でございますが、それについては九十名でございます。それから、第二号機につきましては、第二回定期点検、これは五十一年十二月から五十二年四月の間でございますが、六十六名従事しております。
  121. 下田京子

    ○下田京子君 私、質問しましたのは、五十三年時点で何人いらっしゃるかということを聞いたわけなんですが、いま過去の四十六年から、第一原発の一号機の建設当時からの状況を御説明いただいたわけなんですが、いま質問にのみ悪いですがお答えいただきたいと思いますんで、よろしくお願いします。  で、五十四年の十二月時点では、それではいまの状況はどうなっておりますでしょうか。つまり、社員従事者の総数と、それから正社員とそれから下請と分けましてそれぞれどんなになっているか、数字のみで結構でございます。
  122. 児玉勝臣

    ○政府委員(児玉勝臣君) 第七回定期検査におきます点検におきましては、外国から来られた方が九十名ということでございます。  それから、この定期点検に正社員とそれから請負の人たちがどれくらい従事しておるかということについては、ちょっといま手元に数字がございませんので、後で御連絡したいと思います。
  123. 下田京子

    ○下田京子君 手元に数字ないけれども、把握はしていらっしゃるということだと思うんで、後ほどよろしくお願いしたいと思います。  それから、労働省にお尋ねしたいわけなんですが、昨年十二月でもって福島労働基準監督局が監督指導を実施された場合の数字、おつかみだと思うんで、御報告いただきたいと思います。
  124. 原敏治

    ○説明員(原敏治君) 四十六件監督をいたしております。
  125. 下田京子

    ○下田京子君 私の聞き方がまずかったと思うんですが、昨年十二月時点で監督した時点での労働者の実数と、それからその雇用関係がどうかどいうことをお聞かせください。
  126. 林部弘

    ○説明員(林部弘君) 先生お尋ねの件は、昨年の十二月に福島労働基準局の監督署が指導した際の数字をお聞きなわけでございますね。
  127. 下田京子

    ○下田京子君 そうです。
  128. 林部弘

    ○説明員(林部弘君) たしか先生の方から資料の御要求がございましてお渡ししておると思いますが、その時点では、事業者の数が元請、下請合わせまして百四十六社、労働者数が、これは請負関係ということでございますが、二千五百八十一、こういう数字の資料が先生のところにお届けしてございます。
  129. 下田京子

    ○下田京子君 それで、ちょっとお尋ねしたいのは、これはエネルギー庁で出されております「実用発電用原子炉施設における放射性廃棄物管理の状況及び従事者の被曝状況について」という資料の中に、五十三年時点での社員従事者、それから請負と社員外の従事者、総数と出ておるんですね。それと、いま労働省からお聞きになった数字との差があるわけなんですが、これはどういう意味を持つんでしょうか。
  130. 林部弘

    ○説明員(林部弘君) 冒頭に先生がおっしゃいました五十三年度の各発電所の被曝実績からの数字が、たしか社員が八百十七と、社員外が一万四百九十六というふうに先ほど先生言っておられましたが、それは発電所の方で、通年で、従事者ということで積み上げた数字でございまして、私が申しました数字は、昨年の十二月に監督を行った時点での数字でございますので、そういう意味では、先ほど申し上げましたのは、十二月に監督をたしか三日間ぐらいやっていると思いますが、その時点での調査だと思います。したがいまして、調査時点が違いますと、これは集計の仕方も違いますので、つまり、個別の監督の数字を申し上げました。
  131. 下田京子

    ○下田京子君 私は、実際にそこで働いている労働者が、昨年十二月なら十二月時点でどのぐらいおったのかなと、それからその人たちの雇用条件、雇用形態、どうなっているんだろうかな、こういうことを知りたかったわけなんです。まあ、いまそのことで議論するつもりはありませんけれども、いろいろ調査の仕方や何か違うと思うんですが、私、感じますのには、労働者であって労働者でないような身分、つまり、二カ月未満のそういう臨時雇用の人も含めて、通産・エネ庁の資料には出てきているんではないかと、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
  132. 児玉勝臣

    ○政府委員(児玉勝臣君) 通産省でつくりましたこの被曝状況についての定期的な報告でございますが、これは一ページにもございますように、これは原子炉等規制法に基づきましての報告ということでございます。これは社員、それから下請等すべてを入れまして、その管理区域に入って、そして被曝した人たちの累積ということで報告をつくっておりますので、先生のおっしゃるとおり、すべてを含んでおるということでの御理解をいただければいいんじゃないかと思います。
  133. 下田京子

    ○下田京子君 わかりました。この問題は後でまたちょっとお尋ねしますので、置きます。  それから、次にお尋ねしたいんですけれども、東京電力の福島原発ですね、これは四十六年の第一号機の運転開始時から現在までどのくらいの事故が起きていますでしょうか。件数のみで結構です。電気事業法に基づいての事故、故障報告、件数で結構です。
  134. 児玉勝臣

    ○政府委員(児玉勝臣君) 福島第一原子力発電所におきまして、昭和四十六年第一号機が運転開始して以降、電気事業法及び原子炉等規制法に基づきまして、昭和五十四年末までに四十二件の事故報告を受けております。
  135. 下田京子

    ○下田京子君 その中で、特に一号機の場合には何件ぐらいありますでしょうか。これ一番古いものですので、念のためにお聞かせください。
  136. 児玉勝臣

    ○政府委員(児玉勝臣君) ちょっと一号機におきます数字、いま手元にございません。いますぐに計算しまして、また御報告いたします。四十五年以降十九件でございます。
  137. 下田京子

    ○下田京子君 四十二件のうち、いま言うように一号機が非常に多いと。これは一号機の場合には、軽水炉の関係で、いろいろまた問題の多い点でもあるんですけれども、私はここで確認したいことがあるんです。先ほどのエネルギー庁の資料によりましても、五十三年――四十五年からずっとありますけれども、五十三年の場合に、「実用発電用原子炉施設における被曝実績」というのがございます。これを見ましたら、特に東京電力の福島第一原子力発電所の場合には、お一人平均の被曝線量が七百十ミリレムということで、全国の中で一番多いのですね。これはやっぱり事故との関係が相関をしてあるんだなというふうに私、思いましたのですけれども、この認識は間違いございませんね。
  138. 児玉勝臣

    ○政府委員(児玉勝臣君) 先生おっしゃいますように、福島第一につきましては、年度を追うごとに被曝線量が多くなっております。これは事故との相関ではございませんで、定期点検時に改修工事を実は実施しておるわけでございまして、これは配管の応力腐蝕割れというのがございますが、そういう事故が実はアメリカで起きまして、それでその予防的処置といたしまして、日本にございますステンレス配管の、そういうような事故が起こらないように配管の取りかえという工事をやっておるわけでございます。  それから原子炉の給水の入り口にございます給水スパージャーというのがございますけれども、それの取りかえ工事というのも実施しております。したがいまして、非常に放射線の高いところでの作業が最近続いておりますので、そういうことで多いわけでございますけれども、いずれその工事が終わりますと、そういう放射線下の工事も被曝も少なくなる、こう考えております。
  139. 下田京子

    ○下田京子君 直接、事故だけではないということでもって、いま二つ、言ってみれば御指摘になりましたね、給水スパージャーの問題やら何やら出ましたけれども、実際には定検との関係も含めて、それだけ被曝線量が全国の中でも多いということは事実であると思うのです。そういう中で、非常に最近マスコミが福島原発の問題を報道されております。御承知だと思うのですけれども、「危機にある下請労働者」、こういうのもございますし、あるいは「放射能蒸気が全身に」、こういうのもございます。あるいは「下請け労働者は語る」ということでもって、この中には、「すぐに振り切れる線量計」あるいは「労災隠しに事故内密処理」、「「原発病だ」と言い残す死者」だとか、大変どきっとするような事実が次々と新聞で報道されております。以下申し上げますと、たくさんあるわけなんですけれども、こういうマスコミの報道を見まして私も非常に驚きました。そうして実際に、この労働者の皆さん方にもお会いしました。特に福島の場合には、第二原発の建設取り消しのための訴訟がいま行われております。その訴訟の弁護団の団長であります大学一さんという弁護士さんにもお会いしたり、あるいは地元の科学者会議の方々にもお会いしました。さっきも申しましたように、直接労働者やあるいは遺族の方にも会いました。なかなか口が固いと言われていたその方々から、次々と報告を受けまして私非常に実はいまショックなんであります。大臣、ちょっといまこの資料をお見せしたいんですけれども、この方は五十三年の五月三十一日に死亡されたAさんという方です。名前は伏せてくれ、それからどこに働いていたかという会社名は言わないでくれと、これが遺族の方々の私に対するお願いなので、大臣これ見ればお名前わかりますが、名前は見なかったことにして、ちょっと目を通してほしいんです。(資料を示す)大臣にいまごらんいただいておりますけれども、その方はいまもうすでに五十六歳十一カ月で生涯を閉じております。ただ、その方が大臣ごらんのように毎日の被曝線量であるとかあるいはお給料票であるとかをずっと張りつけられておりました。その方は入社したのが四十七年の六月一日なんです。退職されたのが五十一年の二月二十五日、勤めた期間は三年と九カ月ですね。そのときの基本給が六万三千円です。退職金は、会社都合ということなんですけれども、十一万三千百円です、こらんのとおり。そういうことで一たんおやめになりました方が、今度は嘱託ということでもって五十一年六月二十五日から五十二年の八月十二日まで勤めております。五十二年の八月十二日時点でやめられたんですが、それは、なぜ仕事をやめたかといいますと、この方は実は血尿が出まして膀胱がんという診断をその日にすぐ医者から申し渡されました。死亡したときには骨髄がんという診断書でありました。この方がまだお元気だったときに、たまたま地元の科学者会議の方々がお会いしてお話聞いているんです。ちょっと長いんですけれども、事情がよくわかりますので、お読みしたいと思います。  お仕事ですけれども、四十七年から原発B区域の清掃業務に従事。原発にはA、B、Cの区域があり、B、Cが放射能管理区域となっている。清掃業務では一、二、三号機いずれも炉内に入り、炉心いわゆるトーラス内にも入った。作業はタンク清掃、フィルターの交換清掃、ピット清掃、黒いどろどろしたかたまりなんかを除去する。放射性の廃棄物、汚染した作業衣や清掃に用いたウエス、中で使用したものの包装や修理に用いた部品を鉄のドラムかんに――ステンレスではないとわざわざ断っていますが、コンクリート容器を入れて、その中に廃棄物を入れ、ふたをしてバンドを締めて貯蔵庫の持っていく。炉内に入るときには特別の服を着るそうです。木綿の上下つながった服、フードつきを着用、マスクをしてフィルムバッジをして。タービン室、コンデンサーなどのところが多かった。さらに上から水をかぶるようなときもあるので、そのときにはPVC製のコートを着る。手はゴム手袋の上に軍手をして、そして服との間にテープを張ってすき間をなくしておく。入るとすぐアラームメーターが鳴り、一日に三十ミリが限度とされているけれども、メーターが鳴るとすぐ出なければならないけれども、五分や十分では仕事にならぬということでもって仕事を続けることがある。普通の場合には十ミリから五ミリレムのことが多かったけれども、ときにはアラームメーターが鳴ったからといってもすぐ出られないこともあり、四十、五十を浴びたこともある。こういう作業を五十二年の七月までやった。八月にぐあいが悪くなって、会社指定のある病院で健康診断を受けて、線量記録も渡された。線量記録の中に、普通の日は百七十から百八十ミリレムぐらいであるけれども――これは外部被曝です。作業内容によっては、ときには三百から四百ミリレムぐらいもあることがある。四百五十になると限度ということでストップされる。これは後で遺族の方がそういうお話を奥様にお話ししていたということでした。  それからいろいろあるんですけれども、この方は、私がこういう体になったことに放射能の影響があったかどうかはわからない、放射能を浴びるとどうなるかということがわからないことが一番困る。被曝手帳は見たことがない。被曝手帳というのは線量の記録手帳だと思います。会社で保管しているでしょう。もちろん見せろと言えば見せなければならないはずです。体を悪くして休んだときの補償は失業保険でこれは給料の六割出る。また障害者になれば障害年金があるはず。歩行困難ということになればかなり出るだろう。労災の方はなかなかむずかしい。けがをしても会社では内々に処理してしまうことが多い。何しろ労災になると会社の責任になって大変ですから、いま思えば、作業は余りがまんしないで何かあったらすぐ医者に診てもらうというふうにしておいた方がよかった、何しろ体の方が大事ですから。  それからまた内部被曝もはかったことがある。入って二年ぐらいのときである。東電の施設ではかった。フィルター清掃の後で五千八百ミリレムあったと思う。普通の人は三千五百から三千八百ぐらいだから、かなりあったわけだ。内部被曝はすぐ減る人となかなか減らない人がいるんですね、どうしてでしょうか。  こんなことを生前話されたんですね。とにかく遺族の方々は、本人がお亡くなりになる直前に会社に迷惑がかかるようなことをするなと言って亡くなったというのです。そんなことを見ると、何となく本人が自分の体が原発で働いていたことと関係があるんではないかというふうに感じていたんではなかろうか、あるいはそんなことも含めて自分の体を心配してそういうきめ細かなものをきちんと保管していたんではなかろうかと、こうも言っているのです。  ただ、いずれにしましても、いま時点では内部被曝、外部被曝も含めて、そういったことについて父親が亡くなったという点で、必ずしも原発との関係が定かでないために、何とも申しようがない、やがてそういうことが歴史的に判明した時点では何らかの手段をとりたい、こういうふうなお話をしておりました。ちなみに、御親戚の方々の中で父親が七十五歳まで長生きされたし、母親は九十三歳まで生きたんだと。だから、これははっきりされていないけれども、原発で働かなかったらなという気持ちもあるんだと、こんなお話も聞いたわけです。私は、事実がどうこうということではなくて、こういうことについて大臣がどんなお気持ちなのかという点でひとつ感想をお聞かせいただきたいと思います。
  140. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 私は三十数年原子力問題に携わっておりますけれども、その種の問題は幾つかございます。ただ、問題のポイントは、医師が、発がん症状を呈するのに対して放射線とどういうふうな相当因果関係があるのか、その立証が決め手でありまして、いまのお話では別に医院の方でそういう認定を下した、相当因果関係ありと認定を下したわけでもないようでございますので、また放射線の量、浴びる量に関しましても、これはもう国際的に基準がございまして、その許容量の範囲であれば問題はないことになっておりますので、いまのお話ですと瞬間的な被曝量でございまして、蓄積した量の話ではないのでございますから、私からは何とも判断できないのですけれども、担当局長が知っておれば……。
  141. 下田京子

    ○下田京子君 結構です。その方はおやめになるまでの集積量はわからないのですけれども、記録によりますと十一レムほどになっております。そのことで議論するつもりはありませんが、先ほど申しました地元の科学者会議の方々が調査しました二十九人の方々、これは細かく報告しようと思ったんですが時間がなくなってきましたので申し上げませんが、ちょっと言っておきますと、二十九人調査した中で、お亡くなりになっている方がAさんも含めて、すでに二十九人のうち五人。それから、体が悪いと訴えている人が十一人。健康に異常がないと言っている人が十三人であります。体の異常を訴えている十一人の中には、腰痛、二、三回紫斑点が出た、あるいは膀胱炎、坐骨神経あるいは足首、ひざに異常がある、肝臓が悪い、ぶらぶら病、熱射病、酸欠による脳障害、環境障害、肝臓炎、胆嚢炎、じん肺、腰痛あるいは白血球が少ない、こういうのがいろいろと理由になってそれぞれお一人ごとに出されております。こういうふうな状況の中で、実は幾うかこれはぜひ改善していただかなければならないなということがございますんで、以下四点ほどにわたってお聞きしたいんですが、本当に時間がないんで明快にお答えいただきたいんです。  一つは、電離放射線障害防止規則の中に、「(被ばく線量の測定)」と称して第二十条の中に、フィルムバッジやポケット線量計などをつけて入らなければならないと、こう書いてあると思うんです。それなどの中に、現地の人に聞きますと、アラームメーターをつけてお入りになっていますね。このアラームメーターという役割りはどういう意味を持つんでしょうか。
  142. 児玉勝臣

    ○政府委員(児玉勝臣君) ふだん、いま先生おっしゃいましたように、フイルムバッジ、それからポケット線量計というのを利用しておりますけれども、また相当程度の被曝が予想される場合には、これは補修とか改造工事の場合に多いわけでございますけれども、そういう場合にはアラームメーターというのを着用して入っておるわけでございます。これは当初、計画的にこの作業について一人当たりの線量はどれくらいの範囲内というふうに決めて作業いたしますんで、当初その値に設定をいたしまして入りますと、その線量に達するとブザーが鳴るということになっております。普通、計画線量の約二割引きぐらいのところに設定をいたしまして、ブザーが鳴って出てくるまでの間の線量を加算したとしてもその計画線量の範囲内にいるようにするというふうに考えてやっております。
  143. 下田京子

    ○下田京子君 フィルムバッジ、ポケット線量計とアラームメーターのそれぞれの役割りが違う。アラームメーターの場合には、その日の作業体系というか、一定の役割りを持っている。そうしますと、これはアラームメーターが鳴っても仕事を続けている。さっきの事例でわかりましたね。二十九人の方々から個々に――これは集まっていただいて聞いたんじゃなくて、三年間かかって個々にずっと面接して聞き取りしたんですが、かなり、このアラームメーターが鳴っても、とにかくもう納期なんだから、一定の作業だからって、こういうかっこうでおやりになる方がずいぶん多いと言うんですね。こういう点での、事実の有無も含めて御調査いただき、あるいはそうした点があったらば、ぜひ保安の規則等にも沿って改善をいただきたい、こう思うわけなんですが、その点を大臣に御答弁いただきたいと思います。
  144. 児玉勝臣

    ○政府委員(児玉勝臣君) 大臣から答弁される前にちょっと申し上げておきたいと思いますが、ただいま申し上げましたように、アラームメーターが鳴ります場合には、計画線量よりも一割なり二割低いところで設定してやっております。それは作業の方法、それから作業の場所に至るまでの距離とか時間とかということがございますので、そういうことでアラームメーターの設定というのを考えてやっておるわけでございまして、鳴ったのですぐに飛び出してこないと危ないということじゃございませんで、鳴ったところでその段取りがすぐに終わればそれで結構ですが、やはりちょうどネジの締めつけの最中に鳴るという場合には、その締めつけを終わるまで鳴らしたまま作業を続けて出てくるという場合があろうかと思います。しかしながら、アラームが鳴ったら出てくるということが、これが原則になっておりますので、そういう点については、最近われわれが調べたところでは、完全に実行されておる、またこういうアラームメーターをつけるような場合には作業時間監視員と放射線管理員が立ち会うというふうなことが多いわけでございますので、そういう人たちがちゃんとその実行を監視するということでやっておるわけでございます。
  145. 下田京子

    ○下田京子君 最近はないよという、監視も十分だよということなんですが、個々の聞き取りであるわけですから、その有無も含めて調査という点でも十分気をつけていただきたい、こう再度要望しておきます。  それから、科学技術庁の方、お見えでしょうか。――放射線の管理手帳の扱いのことなんですけれども、これはもう時間もないんで一言聞きたいんですが、皆さんに聞きますと、さっきのお話でもわかるように、自分で持ってないと言うんですね。おやめになるときもいただかないと言うんですよね。これはいろいろあると思うんですけれども、やはり会社が管理する一定のシステムもありましょうけれども、本人に知らせていく、あるいはあっちこっち回るというときにはあった方が便利だと思うんで、ぜひ改善をという御要望なので、ひとつよろしくお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  146. 辻榮一

    ○説明員(辻榮一君) 御指摘のように、放射線管理手帳は、これを本人に所持させるということが原則でございます。御指摘のように、間々本人が所持してなくて、会社で持っているというケースなども過去にあったかに聞いておりますけれども、これにつきましては、原子力事業所を通じまして、必ず本人に所持させるよう指導しているところでございます。
  147. 下田京子

    ○下田京子君 最後に一つ、さっき外人のお話とそれから下請のお話を聞きましたけれども、外人が炉心で日本人の皆さん方が言っているような防護服、作業衣をつけてないで働いているということで、これはやっぱり日本人と同じような扱いをすべきでないかという御意見もありました。  それから、労働条件の問題なんですが、ずうっと聞き取りしましたが、国民健康保険に入っている方がかなり多いんですね。ぜひこれは健康保険に条件がある人はやっぱり入れるべきだ。つまり二カ月未満の方は臨時雇用ということになりますけれども、それ以上の年数を継続的にお勤めならば、雇用形態等いろいろございましょうけれども、地元の方が多いだけに、やっぱりこれは切りかえていくべきじゃないか、こう思うわけなんです。この点の改善をひとつ御答弁いただきたい。  それから、約束の時間が来ちゃったので、別件と一緒に主査、もう一点お願いしたいと思うんで、これはいまの原発問題とは全く関係ないわけなんですけれども、去る三月十四日、京都の商工会議所でもって京都の西陣織物業者との懇談の席上で、通産の事務次官矢野さんが大変ゆゆしき発言をされた。これは聞きますと、織物業者が二年ぐらい生産をストップすればいい、そうすると蚕糸農家は立ち行かなくなるだろう、もし本気になるなら休業補償を検討してもいいよと、こういうお話をされたと言うんですね。事の事実は、もうそうだと、事実だと思うんですけれども、これは大変な問題であって、第一にこれは繭糸価格安定法の一部改正という法律については議員立法で出されたものですから、国会、いわゆる立法府に対して全く、政府が大変こういう関与した言い方をするというのは問題である。それから、第一次産業の一分野であります養蚕農家の壊滅を促すような発言につながるわけで、これまた大変なことになると思うんです。それからまた、三つ目には、同時に言ってみれば、製糸業あるいは絹織物業者等に対しても大きな打撃を与えることになると思うんです。席上で話し合った西陣織の方々にだって二年間ストップしなさい、その間休業補償全部やりますよなんて、とてもじゃないですけれども、いまの状況の中でやりもできないような問題を言うということは大変ゆゆしい、許せない、こういう気持ちなんです。放置することは私は問題だと思うんで、どういう措置を考えられているのかという、この原発行政と二つあわせまして、これは大臣から御答弁いただきたいと思います。
  148. 児玉勝臣

    ○政府委員(児玉勝臣君) 最初先生からお話がございました、外人が原子力発電所の放射線の職場でもって働いているけれども、そのときに着用すべき物を着用しないで働いているというようなお言葉がございましたけれども、当方といたしましては、外人であろうと外人でなかろうと、放射線に係る規制というのは、すべてそこに立ち入る場合には同じ規制をしております。したがいまして、よもやそういうことは私はないというふうに考えております。
  149. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 通産事務次官の絹織物業に対する発言の、いまお話がございました。私も、次官が出張しておりましたので、帰ってまいりましたから、真相をただしました。次官の申しますのには、お話しのように、製糸の生糸の一元輸入制度というのは、これは大変複雑で困難な問題だということを強調して、絹織物業はこれは非常に苦境に立っておりますけれども、大いにがんばってもらいたいという発言をしたそうで、むしろ激励したわけでございますが、したがいまして、養蚕農家を軽視するような考えはもちろん毛頭なかった様子でございます。その真意が必ずしも正確に伝わらないで各方面に大変御迷惑をかけましたということを深く反省しております。私からも十分本人には注意をしておきました。  衆議院の商工委員会等でも大変問題になり、衆議院の議運――議院運営委員会の理事会等でも問題になりましたので、私が出向きまして自今十分注意をするので、恐らく真意は違うだろう、新聞の報道とは違うだろうから本人に確かめた上でということで、よく実情をお話しし、おわびも申し上げまして、今後の慎重な行動を約して帰ってまいりました。  通産省は、従来から繭糸と絹業の共存共栄を図るのはこれはもう当然のことでございまして、その考え方には従来から現在に至るまで変わってございませんし、将来もまた変わることないと存じます。私自体は秋田県出身で、農業議員の尤たるものでございますので、私自体毛頭そういう考えはございませんし、通産省一般ありようもございませんので、その点は篤と本人には慎重な態度を要望して注意をいたしましたので、お話し申し上げまして御了承いただきたいと存じます。
  150. 下田京子

    ○下田京子君 まだ答弁漏れが一つあるんです。健康保険のやつの答弁――いやいや関係のあれでよろしいですよ。
  151. 児玉勝臣

    ○政府委員(児玉勝臣君) 健康保険の問題につきましては関係省によく伝えまして、先生の御意向を伝えたいと思います。
  152. 栗原俊夫

    ○主査(栗原俊夫君) 下田君の質疑は終了いたしました。  次に藤井恒男君。
  153. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 きょうはきわめて時間が短うございますので、アクリル紡績糸の問題にしぼって、少し細かくなりますけれども、通産省のお考えを承っておきたいと思うんです。  現在、日米間に貿易摩擦ということがしきりに報ぜられておるわけでして、その最たるものとして自動車の問題が出ております。ほとんどマスコミも日米経済摩擦と言えば自動車ということに判で押したようなことになっておるんですが、実はこれ以上に大きな日米経済摩擦を誘発しかねない問題があります。  それは、米国の国際貿易委員会、俗にITCというわけですが、ここがMFAの対象として現に数量規制が行われておるにもかかわらず、わが国から米国に向けてのアクリル紡績糸についてダンピングの提訴についてクロの最終判定を下したということです。これは非常に重要な問題でありまして、事がアクリル紡績糸ということでございますから一般の国民にはなかなかわかりにくいことでございますけれども、日米の経済問題、これからの各種の通商面にきわめて重大な影響を及ぼしかねないというふうに考えますので、まずその辺の経緯を御説明いただきたいと思います。
  154. 児玉清隆

    ○政府委員(児玉清隆君) いま先生御指摘のアクリル紡績糸のダンピング問題でございますが、アクリル紡績糸につきましては一九七八年の十一月の二十二日に米国紡糸協会――AYSAと言っておりますが、これがわが国の紡績糸輸出がダンピングであるということを財務省に提訴をいたしました。七九年の一月四日に財務省の調査開始の告示がございまして、そして同年七月十三日に財務省の公正価格以下の販売という仮決定、関税評価の差しとめという措置がなされております。それから一九七九年の十月二十五日でございますが、財務省の公正価格以下の販売ありという、先ほどは仮決定でございましたが、最終決定がなされております。それで同年の十二月二十一日に、いまお話がございましたITCの公聴会を一九八〇年の一月二十二日に行う旨の告示がなされております。一月二十二日にITCの公聴会が現実に開催されたわけでございます。そして三月六日ITCの表決が行われまして、五対ゼロでクロの判定がなされたわけでございます。
  155. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 概要の御説明があったわけでございますが、元来日米間の多国間繊維協定、MFAが結ばれる。しかもこのアクリル紡績糸について、このMFAの対象品目にするという問題が一九七八年に提起された折、米側は米国業界のダンピング提訴をちらつかせて、そしていわばアクリル紡績糸についての規制品目への取り入れを強要してきた経緯があるわけなんです。だからこれは通常のようにMFAの対象品目にすんなりおさまったということじゃなく、むしろアメリカが業界筋のダンピングがあるぞと、しかるがゆえにこの品目に入れなければだめなんだと、まあ言ってみれば強要ですね。これに基づいてMFAが結ばれておる。そしてこの数量規制が行われておる。しかも昨年度はわが国からアメリカへのアクリル糸の輸出はゼロである。しかもこの間提訴された対象年次と見られる時点においても、たとえば一九七八年、いま局長おっしゃった問題が提起され締結した折は、このMFAに基づく数量規制枠の六三・一%しか輸出していない。要するに大きな未達ですね。数量枠未達の状況にある。だから、数量が筒いっぱいあればあるいは価格の面でダンピングということも言い得えましょうけど、数量それ自体が一九七八年においても六三・一%、七九年はまさに〇・七%という輸出しかしていないという状況の中で、事実上実質的な被害認定についても議論をしないままにダンピングがクロということは、いかにもこれ解せないわけなんです。その辺長い経緯の中から生まれたことなんだから、通産省としては何らかのアクションを起こしたはずなんだけれども、この辺の指摘をしておるのかどうか、そしてそれに対してアメリカ側はどのように対応してきておるのか、この辺をつまびらかにしておいてもらいたいと思います。
  156. 児玉清隆

    ○政府委員(児玉清隆君) 先生御指摘のように、昭和五十三年、一九七八年の一月から日米合意に基づきますところの輸出数量規制を日米間で行っているわけでございまして、アクリル紡績糸も当然その対象になっておるわけでございまして、一昨年末一九七八年の十一月二十二日に、先ほど御報告いたしましたようなアメリカの紡糸協会からダンピング提訴がなされましてから、日本政府といたしましては数次にわたりまして、米側に対しまして次のような申し入れをしてきたわけでございます。  まず第一点でございますが、数量規制を行っているため少なくとも輸入数量面で被害はないはずである、というのが第一でございます。第二点といたしまして、ダンピング防止税が課せられるということになりますれば、アクリル紡績糸の数量規制は無意味なものになるではないかと。それから、第三点といたしまして、繊維貿易全般についての日米の関係に多大の悪影響を及ぼすという、以上のことを先方に厳重に申し入れをしておるわけでございます。で、こういった当方からの数次にわたります申し入れにもかかわりませず、今般ITCにおきまして被害ありという最終認定が行われましたことはきわめて遺憾でございまして、その旨すでに外交ルートを通じまして米側に申し入れをしておるところでございます。  なお、明日及び明後日でございますが、四月一日及び二日にホノルルにおきまして日米繊維協議が行われることになっております。その場におきましてもアクリル紡績糸の昭和五十五年枠について話し合いが持たれる予定でございますけれども、これにつきましても政府といたしましては、ダンピング防止税が課せられることとなった以上、御指摘のとおり数量規制は無意味であるということを理由といたしまして数量規制の撤廃を米側に要求すると、このような腹づもりでおります。
  157. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 このMFAの規定によれば、MFAの規定によって、要するに貿易問題において問題が派生した場合には、MFAの規定によってMFAに提訴する、MFAの中において問題解決を図るということになっておるわけなんです。で、これはダンピングだから業界から提訴があれば両立てでやるんだというのも、それはその一つのアメリカ国内における法律のたてまえかもわからないけれども、しかし事は二国間の繊維協定というものが結ばれており、その中に明確にこの種事案が起きたときには当事者間で話し合うことになっておるにもかかわらず、しかもいま局長のお話では二、三回メモランダムを起こしておるということなんだけれども、これを無視して一方的にダンピング提訴を受けて、しかも事実被害認定も行わずに五人の委員がそろってクロの判定を下す、これは公告されれば一カ月たてば自動的に発動するということになるわけなんだけれども、その辺についてはどうお考えですか、MFAというもの、いまのお話じゃハワイで四月一日から延長交渉があると、したがって、アクリルについては数量規制はやらぬということだが、いまゼロなんだからね、輸出はゼロなんだから。だからこれまでの問題としてもあるいは十一品目の枠からアクリルを除くにしても、他の品目についてそれじゃ今後数量規制をやってもその数量規制がどのように保持されるのか、このダンピングのクロを容認するということは、数量規制それ自体が何の意味もなさない形骸化されたものと言っても私は差し支えないと思う。しかもアメリカの新通商法に基づくダンピングのクロ判定は、これが初回であって、このことが同じようなケースで全部決められ、わが国がそれはやむを得ぬことだ、アメリカの国内問題だというなら、これは繊維に限らず他の雑品雑貨、その他あらゆる品目、アメリカと取引できないですよ。せんだって私福井に行くと、あそこはめがね業界がある、鯖江のめがねはおよそ三七、八%アメリカに輸出しておるのだけれども、いつこんなことをやられるかわからぬような状況では何もできぬと、アメリカと商売できぬじゃないかということで、ひとりこれアクリル紡績の問題ではない。しかもアメリカの新通商法に基づく初のケースである。でなおこのことがきちっとMFA、しかもそれアメリカの要請に基づいて行われておるにもかかわらず、しかもその輸出品目がおよそ半分にも満ちていないという状況の中で被害認定もせずにすぱっと決まってしまうということなら、何でも抜き打ちでやれば一発でひっかかってくる。このことを私は非常に危惧するわけなんです。だからそういった面からも、どう考えておられるかお聞きしておきたいと思います。その辺のところも指摘したのかどうかですね。
  158. 児玉清隆

    ○政府委員(児玉清隆君) いま御質問の点につきまして三点お答え申し上げますが、まず第一に、先ほど来お話申し上げましたように、MFAというものがありながらいかにもこのダンピングが独立した形で議論され、判定されたということはきわめて遺憾なことでございまして、その間の一応の説明というものは現在のところまだ十分なされておりません。したがいまして、私どもは認定書の、いわゆる理由書というものを現在手に入れまして分析中でございますが、それを詳細に分析をいたしまして、先方の言い分が果たして新しいダンピング提訴、要式、方法論として妥当であるかどうかという点についていかなる反論をするべきかという点を早急に詰めてまいりたいと、このように考えております。  それから第二の波及の点でございますが、これにつきましては、まあ繊維以外のものにつきましてはこれは全般の問題でございますけれども、少なくとも数量規制が行われております繊維のほかのものにつきまして、やっぱり日米繊維協定に基づいて数量取引が行われているものについては、私どもはこういった動きが波及するということは重大なことであろうというふうに考えておりますが、幸いにしまして、現段階におきましてはほかの繊維取り決めに基づきます数量規制が行われているものにつきまして、ダンピング提訴の動きは現在のところないと承知をいたしております。しかしながら、今後わかりませんので、今後はかかる動きがほかに波及することのないように十分注視してまいりたいと、このように考えております。  なお、第三の点といたしまして、直接の当事者でございます業界でございますが、これも現在理由書について鋭意分析を行いまして、いかなる対応措置をとるべきかということについての腹固めというものをこれからやっていくわけでありますが、これも決まりまして政府との打ち合わせの上、政府業界一体となりまして正すべきところは正し、申し入れるべきところは申し入れるということで現実的にかつ強力に対処してまいりたい、このように考えております。
  159. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 大臣、これはよく考えていただきたいと思うのだけれども、一九七〇年、七一年ころ例の日米繊維交渉というのがあったわけです。田中角榮さんが通産大臣をしておられて、私は参議院の本会議で田中通産大臣に全野党を代表して問責決議をしたわけです。結局、ちまたに言われるように、あの屈辱的な日米繊維交渉、この折も日本からの輸出量はアメリカの総需要に対して三%ですよ。三%しかないのです。にもかかわらず、輸入規制をやろうとした。このことは佐藤元総理がアメリカに行かれて、沖繩と取引したとかいろいろ騒がれたことだけれども、問題は、アメリカの場合常に大統領選挙の前後、必ずこの種の全くロジックに合わない問題が出てくる。日米繊維交渉もそうです。そして、その大統領選挙のときに政治的に問題がごちゃごちゃにして解決されて、それがその後の日米間の通商面できわめて悪い状況をつくり出しておるのです。私は、いろんなこともあろうが、もう少し腰を据えてやってもらわぬと困ると思う。  今度もこれそうですよ。児玉局長あるいは官房長だって答弁なさったら、あるいは別な部屋に行けば、もうかんかんになって腹を立てておることだと思います、アメリカに対して。しかし、国内でかんかんになって腹を立てておったってどうしようもないので、これを容認すれば――全く何の根拠もない、無根拠ですからね。だから、私の想像するところでは、これはまさに大統領選挙だと思う。アクリル繊維五社のうち四社が生産をやめたというだけのことでしょう。日本の国内で物をつくるのをやめると言えば、これ大変な問題になるけれども、アメリカの場合には自分の採算ベースに合わなかったら生産カットしたらいいのですよ、そこにおる人はレイオフすればいいのだから。労働協約で決まっておって、労働争議の対象にも何にもならない。だから、自分の単なるコマーシャルベースで売れ行きが――少しセーターの売れ行きが落ちたと、そうすれば過去に振り返って、何とか少しマージンを上げようとすればダンピング提訴すればいいのだと。自分がセーターブームに乗って、玉不足でどんどん日本、イタリアからさあ入れてくれ、入れてくれと。そして、その波が少しおさまってきたら、日本も輸出してない、いま輸出もゼロだと。この提訴の期間中だって、いまさっき申したように、約束した数量の半分しか入れてないのですよ。それなのに翻って提訴をして、それをクロにして、何とか取るものは取れという形に出てくるのだから、これはもう理屈じゃない。被害の実情があれば、これは日本としてもえりを正してやらなければいけないけれども、被害が現にない。しかも、先ほど来局長も肯定されるように、約束事のルールも無視して一方的にこの種の行為を行うということは、これは私はもう政治的なもの以外に何もないと思う。その面を強く指摘しなければいけないことが一つ。   それからいま一つ、たまたま私、三月二十七日に外務委員会で大来外務大臣にこの問題を指摘して、あなたは政治家じゃない立場で大臣になられたのだけれども、実はこういう問題があるのだと。経済に玄人の大臣だし、どう思うかということを問うてみたら、大臣はこう言うのですよ。  今度アメリカに外務大臣が行かれたわけなんです。そのときに、アスキュー通商代表、それからホーマッツ次席――しばしば通商関係で大使として来られる方ですが、この方と会談の際に、新通商法の適用に当たっては十分慎重にお願いしたいということを申し入れたと。先方からも日本側に問題がある場合には至急連絡してほしい、自分たちもその運営については十分気をつけていきたいと思っているという答えがあったということを報告しています。しかし、これは実行されていませんね。  それから繊維の問題、これは外務大臣が言っておられるわけだけれども、十年前、つまりこれは日米繊維交渉のことです。その折にアメリカの議会から証言に呼ばれた、大来さんは。当時、証言に呼ばれてアメリカの議会で証言した。これはべらぼうなアメリカの要求なんですからね。そのときに痛感したことだけれども、アメリカには日本で言うような産業構造政策がない。要するに通産省的な産業構造政策がないと、こういうわけだ。だから、結局市場に全部をゆだねておる。アメリカの場合には市場にゆだねておる。だから、産業がいろんな好況、不況の波をくぐって移動する。そのときに、業界関係者から底に落ちたときに苦情が政治筋に上がってくれば、政府からは、産業構造政策が伝統的にないわけだから、すぐそれを通商問題に持ち上げてくる。すべて通商問題に持ち上げてくるんだと。これがアメリカの現在の構造だと、そのことを痛感しております、こういうことなんですよ。だから、日本の産業構造政策というものを持っておる状況の中で彼らを見るということ自体に無理がある。こういうことを大来さんは言っておられるのですね。  少なくとも通産省はこんなことはもうとうの昔知っておらなければいけない。しかも、言葉は悪いかわからぬけれども、前科があるわけだ、日米繊維交渉という。そのときに痛い目に遭って、あれだけ――繊維産業だけじゃないですよ、日本のあらゆる産業からでたらめなことだといって指摘された経緯がある。それを思うなら、今度クロの判定が出るまで私も日時的にずっとアクションを起こした状況も調べてみたんだけれども、これは単なる抗議であって、これでは私はだめだと思うんですな。もうちょっといま言ったようなところを指摘して、何かもっと強い政策をとらなければやられっ放しだ、全部。今後これが、一波が万波を呼んでどんどんやられたらどうするんだということになる。この辺はアクリル紡績糸の問題、それも小さくはないけれども、私は日米間の問題としてこれからこのことが一つの火種になって、そうして経済摩擦を誘発するおそれが十分にあると思うから、通産省がもっと外務省とも、あるいは全部の関係を洗って本気で取り組んでもらいたい、こう思うわけだけれども、どんなものですか。
  160. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) おっしゃるような意味で大変注意を要する問題だと思いますので、関係各省とも相談いたしまして善処してまいりたいと思います。
  161. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 私はもう少し――大臣も余り御承知じゃないようだから、原子力ばかりやっていたらだめですよ、これ一生懸命やらなければ。  局長でも官房長でもどちらでもいいわけだけれども、これからとる方法ですね、先ほどはもう少し向こうの資料を調べてということだけれども、日本で言う官報にこれが公示されれば、判定不服の場合には三十日以内に米国の関税裁判所へ提訴しなきゃいかぬ。提訴しなかったらこれはもう判定どおり決定になるわけですからね。そういう方法が一つある。  それから、ガットのダンピング防止措置に関する委員会というのがあるわけなんだから、そこに持ち出して、国際的にこいつをたたき上げていくという方法だってあると思うんです。これはイタリアだって同じような立場に立っておるんだし、その辺のアクションを起こすのかどうか。  実は、日米繊維交渉のときもアメリカ側は理屈がなくて、ただ労働組合が騒ぐ、あるいは南部の黒人が騒いで社会問題になるぞと、あるいは業界がうるさいからほうっておったら全部ボイコット運動が起きるぞというようなことが主たる理由であったわけだから、私はこの問題、政府ができないなら労働組合代表を連れてアメリカに抗議に行かそうと思う。ゼンセン同盟もそれやるというのですよ。だから、問題はもっとホットにして、騒がぬとだめなら騒いだらいい。その辺も含めて、どういうふうに考えておるのか。業界だけに調査を委託して、そして業界が弁護士を雇って資料を取り寄せて、そのデータをながめて判定するというようなことでは私は間尺に合わないと思いますよ。どうですか。
  162. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) いまお話にございましたアクリル紡績糸の問題につきましては、生活産業局長からもお答え申し上げましたように、三国間のMFAの繊維協定がありますところでダンピング提訴という形で決定がなされましたことにつきましては、私ども非常に遺憾なことであると思います。そもそもMFA協定の相矛盾するようなことでございますので、これは大変遺憾であると思っております。  ただ、ダンピング問題に関しまして、アメリカの新通商法、実は従来ある意味ではもっとひどい規定でありましたものを、これで一応国際的な基準に法の体系といたしましてはそろえたわけでございまして、その意味では、法体系としては国際的に容認される形になったということは言えるかと思いますが、問題はやはりその運用方法でございます。あるいはその法の解釈問題ということでも若干問題があるようでございまして、その辺につきましては今回の案件はまことに遺憾であると思っております。われわれといたしましては、そもそも、こういうことでございますので、MFAの協定の運用ぶり、あるいはダンピング提訴に対するアメリカ政府の対処ぶりというふうなものにつきましてさらに精査する必要もございますし、二国間でさらに詰める必要もございますし、場合によりましては、いま先生からお話ございましたようなガットの場を通じまして、基本的な問題の詰めをやる必要があろうかというふうに思っております。
  163. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 これは先ほど大臣お答えなかったわけだけども、局長でも官房長でも――官房長は前に局長やっておられたわけだから繊維のことは詳しいと思うんだけれども、いま言う、たとえば大来外務大臣がおっしゃるような、産業構造政策がないという状況の中で、この種の単なる通商面に限った、たとえばMFAはまさにそうだと思う。この種のことが今後続けられていくわけですね。ハワイで四月一日から、あしたからですか、交渉をやるけれど、アクリルは外そうということだけども、他の品目は全部そのまま続いていくわけでしょう。この種のことが実効性があるのかどうか。わが方に、まあ向こうが言うからのむと、のむことにおいてメリットがあると言えばそれまでだけども、そういった点が本当に、この種の問題が起きるという背景の中でMFAというものが果たして妥当なのかどうか。これは私的なお考えでもいいけれども、一遍聞かしてもらいたいと思う。どんなものですか。
  164. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) ダンピング問題一般について申しますと、アメリカの新通商法ができまして以来、実は従来のダンピング提訴に比べますと数は減ってきておることは事実でございます。  御参考のために申し上げますと、新通商法ができましてから問題になりましたものが、アクリル紡績糸を入れまして五件でございまして、最終決定、クロになりましたのがアクリル紡績糸一件という、大変、ある意味では最もおかしいものが決定されたという形であるかもしれません。ほかにシロになりましたものもあるわけでございまして、一般的に言いますと、必ずしも新通商法が施行後ダンピング提訴なり何なりが非常に従来よりも乱脈に行われているということは言えないかと思いますが、本件に関します限りは非常に私ども腑に落ちない面があるというわけでございます。  先ほどお話ございました産業構造政策のあるなしという点につきましては、確かにアメリカの場合非常に状態が違いまして、仰せのような事態で、日本の場合と非常に観念的に違う面もございますので、日本の考え方を強制するわけにもいかぬわけでございますが、それぞれやはり国内事情を十分に突き合わせて、余りこういう事態が起こらないようにいたしたいと思うわけでございます。  MFA協定の有効性いかんということにつきましては、これは生活産業局長の方でも御判断になることかと思いますが、それ自体多国間の繊維協定でございまして、現在では一応の機能を果たしているのではなかろうかというふうに思っております。ただ、アクリル紡績糸の今回のような事態が起こりますと、非常にその点アメリカとの関係におきましては疑問が出てくることは事実であろうかと思います。
  165. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 それじゃ児玉さん、先ほどちょっとお触れになった四月一日からのハワイでの交渉ですね。アクリルについては当然こういった矛盾したことが行われるので、これを外すというお考えのようだけど、全体的ないま申し上げた点に立って、MFAそれ自体を考え直してみる、要するに、この際は白紙にするというような強い措置をお持ちであるかどうか。一部そういうようなことが業界紙などにも報ぜられておる向きもあるわけなんで、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。  それから、藤原さん、先ほどちょっと間違って、新しく転出されている役職名間違っておりまして失礼いたしました。訂正さしてもらいます。
  166. 児玉清隆

    ○政府委員(児玉清隆君) 先生の問題提起になりますMFAの見直しの問題でございますが、私どもはこのように考えておるわけでございます。  MFAと申しますのは、基本的には、輸出国と輸入国の利害を調整しつつ世界貿易の安定的な発展を図るということが眼目でございまして、そういった機能を果たすための協定である、このように考えております。このため、もしMFAがなければやはり各国は現在よりも一層保護主義的な方向に走るんではないか、またその可能性があるというふうに考えております。  先生御存じのように、来年末まで現行の協定は有効でございまして、昭和五十六年の十二月末に期限が切れるわけでございますが、それまでの間に、政府としても最終的な立場をその時期までに決めるということで、現段階におきましてはまだ最終的な立場を決めておらないわけでございます。  わが国の立場はどうかということを振り返ってみますと、輸出国、輸入国双方の立場を持っておるということで、非常に特殊な立場でございます。したがいまして、こういった日本の特殊な立場というものもやはり慎重にかつ深く考えて判断をすべきものではなかろうか。最終的には私どもの繊維の輸出入というものが最大限国の利益として実現されるように努力するということが眼目であることは申し上げるまでもないわけでございます。現在、MFAに基づきますところの日本の繊維取り決めは、こういった安定的な対米輸出の維持というものにはやはり役立つものであると、一般論として申し上げますとそういうふうに依然として考えております。  いま御指摘のアクリルの具体的ケース、しかもそれがアンチダンピングという点におきますところの問題処理の仕方、たとえば一九七九年の米通商協定法の運用の問題、これとの関連におきまして問題があることはもちろん先ほど申し上げたとおりでございますけれども、このもの本体でありますMFA自身について考えますと、やはり今日のような点で、輸出輸入、日本は両方の立場を持っているという非常に微妙な立場からしますと、この本体についてはやはり当初意図されましたような意義、これを十分期待すべきではなかろうかというふうに考えております。もちろん、来年末までに正式の政府の意思決定をいたすまでの間には、もう少しその周辺、関連事象との関連、あるいはその後の米側の態度等々も、もちろん考慮要因として十分判断の際にこれを具体的ケースそのものに即して考えていくべきだと思いますけれども、現段階におきましては、MFAというものは、やはり保護主義を防止しながら輸出入、両国の円滑な発展、推進を図っていくというところを重視しておるわけでございまして、いますぐ、これに対して、この問題が起きたからということで態度を急変するということはございませんで、むしろアクリルの措置はそれなりにその問題としてわれわれとして対処してまいりたいというふうに考えております。したがいまして、MFAについてアクリルのダンピングケースは、これはMFA自身の本来持つ意味を無意味にするものであるということで、これを援用しながら正常なアンチダンピング法の運用を求めていくというふうに考えておるわけでございます。
  167. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 時間が参りましたから最後にお願いをしておきたいんだけれども、これは両局長もお認めになっておることですから両局長を責めるという意味じゃ決してございませんので、明らかに、今度のダンピングの措置はまことにロジックの合わないことでして、これは撤廃を求めて、いろいろな提訴の仕方もあるわけですから、十分な措置をとっていただきたい。  それからMFA自体については、いま児玉さんおっしゃったように、わが国が立場を変えて言えば、開発途上国との間に同種の問題なきにしもあらず、しかし、一面、また未達どうこうということよりも、内需に対して二十数%ほどの輸入があってもわが国はMFAの発動をしない国です。これをしてくれと業界が叫んでもやらない。これは、アメリカは内需の数%でもMFAをつくる。わが国は二十数%でも何もしない。そしてMFAを強いられる側とは、いま局長がおっしゃったような立場で、これを締結する。そうして、締結しておりながら、いま言ったようなダンピングをこうむる。これは、わが国の業界筋から見れば、まことに不可解なことになるわけですね。だから、やっぱり、このMFAというものをもう少し掘り下げて、日本とアメリカの関係ももちろんですが、日本と香港の関係もありましょうし、あるいは中国との関係、韓国との関係、台湾との関係、いろんな問題があるわけですから、その辺のところも全部一遍眺めて、検討していただきたい。幸い、八一年末が更新期間ですから、日にちも十分あるわけなんで、その辺、十分御配慮いただきたいということをお願いして終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。
  168. 栗原俊夫

    ○主査(栗原俊夫君) 以上をもちまして、通商産業省所管に対する質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十四分散会      ―――――・―――――