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1980-03-29 第91回国会 参議院 予算委員会第一分科会 1号 公式Web版

  1. 昭和五十五年三月二十九日(土曜日)    午前十時開会     ――――――――――――― 昭和五十五年三月二十八日予算委員長において、 左のとおり本分科担当委員を指名した。                 井上 吉夫君                 北  修二君                 玉置 和郎君                 林  ゆう君                 桧垣徳太郎君                 八木 一郎君                 山本 富雄君                 大木 正吾君                 山崎  昇君                 馬場  富君                 秦   豊君     ―――――――――――――    分科担当委員の異動  三月二十九日     辞任         補欠選任      山崎  昇君     久保  亘君      久保  亘君     勝又 武一君      大木 正吾君     吉田 正雄君      馬場  富君     塩出 啓典君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     主 査         桧垣徳太郎君     副主査         山本 富雄君     分科担当委員                 北  修二君                 玉置 和郎君                 林  ゆう君                 大木 正吾君                 山崎  昇君                 吉田 正雄君                 塩出 啓典君                 馬場  富君    国務大臣        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       長田 裕二君    政府委員        人事院事務総局        管理局長     加藤 圭朗君        内閣総理大臣官        房会計課長兼内        閣参事官     京須  実君        内閣総理大臣官        房総務審議官   和田 善一君        皇室経済主管   中野  晟君        行政管理庁長官        官房審議官    中  庄二君        行政管理庁長官        官房会計課長   田代 文俊君        科学技術庁長官        官房長      下邨 昭三君        科学技術庁長官        官房会計課長   永井 和夫君        科学技術庁研究        調整局長     勝谷  保君        科学技術庁原子        力局長      石渡 鷹雄君        科学技術庁原子        力安全局長    牧村 信之君        沖繩開発庁総務        局長       美野輪俊三君        沖繩開発庁総務        局会計課長    宮島  茂君        法務大臣官房長  筧  榮一君        法務大臣官房会        計課長      石山  陽君        外務大臣官房会        計課長      松田 慶文君        大蔵省主計局次        長        禿河 徹映君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局総務局長   大西 勝也君        最高裁判所事務        総局経理局長   原田 直郎君    事務局側        事 務 総 長  植木 正張君    法制局側        法 制 局 長  杉山恵一郎君    衆議院事務局側        事 務 総 長  大久保 孟君    裁判官弾劾裁判所事務局側        事 務 局 長  西村 健一君    裁判官訴追委員会事務局側        事 務 局 長  青山  達君    国立国会図書館側        館     長  岸田  實君    説明員        警察庁刑事局保        安部公害課長   斉藤 明範君        警察庁警備局警        備課長      依田 智治君        資源エネルギー        庁公益事業部原        子力発電安全管        理課長      向 準一郎君    参考人       宇宙開発事業団       理事長       松浦 陽恵君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○主査及び副主査互選 ○参考人の出席要求に関する件 ○昭和五十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議  院送付) ○昭和五十五年度特別会計予算(内閣提出、衆議  院送付) ○昭和五十五年度政府関係機関予算(内閣提出、  衆議院送付)     ―――――――――――――    〔桧垣徳太郎君主査席に着く〕
  2. 桧垣徳太郎

    ○桧垣徳太郎君 ただいまから予算委員会第一分科会を開会いたします。  本院規則第七十五条により、年長のゆえをもちまして私が主査及び副主査の選任につきその議事を主宰いたします。  これより正副主査の選任を行います。  つきましては、選任の方法はいかがいたしましょうか。
  3. 山崎昇

    ○山崎昇君 主査及び副主査の選任は、投票の方法によることなく、主査に桧垣徳太郎君、副主査に山本富雄君を推薦することの動議を提出いたします。
  4. 桧垣徳太郎

    ○桧垣徳太郎君 ただいまの山崎君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 桧垣徳太郎

    ○桧垣徳太郎君 御異議ないと認めます。よって、主査に私、桧垣徳太郎が、副主査に山本富雄君がそれぞれ選任されました。     ―――――――――――――
  6. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) 一言ごあいさつを申し上げます。  ただいま皆様方の御推挽によりまして山本富雄先生が副主査に、私が主査に選任されました。皆様の御協力を得まして職責を全ういたしたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。     ―――――――――――――
  7. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) 審査に入るに先立ち、議事の進め方についてお諮りいたします。  本分科会は、昭和五十五年度一般会計予算、昭和五十五年度特別会計予算、昭和五十五年度政府関係機関予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府本府、行政管理庁、科学技術庁、沖繩開発庁、法務省及び外務省並びに他の分科会の所管外事項を審査することになっております。  なお、本分科会は、本日より四月二日まで審査を行い、二日午後の委員会において主査の報告を行うことになっております。  また、本二十九日は皇室費、国会及び科学技術庁、明後三十一日は外務省、四月一日は会計検査院、内閣、総理府本府、行政管理庁及び沖繩開発庁、二日は裁判所及び法務省という順序で審議を進めてまいりたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記をとめて。    〔速記中止〕
  9. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) 速記を起こして。
  10. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) それでは、昭和五十五年度総予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府本府、行政管理庁、科学技術庁、沖繩開発庁、法務省及び外務省所管を一括して議題といたします。
  11. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) この際、お諮りいたします。  本分科会の所管に関する予算の説明聴取はこれを省略して、それぞれの審査日の会議録に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
  13. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) それでは、これより皇室費及び国会所管に関する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。山崎昇君。
  14. 山崎昇

    ○山崎昇君 それでは、私から参議院に関します問題点について二、三質問をいたしたいと思います。  第一点は、最近の行政事務その他問題の処理に当たりましてコンピューターという問題が大変大きな問題になっておりますが、特に政府関係におきましては、すでに五十三年の四月から行政管理庁を中心にしまして共同利用という方法がとられておりまして、いろいろなデータのとり方にいたしましてもかなりスピードアップがされております。国会におきましても、この問題は図書館を中心にいたしましてかなり整備をされつつありますが、それでもなおかつ法令の検索システム等におきまして多少のおくれがあるのではないか、こう考えております。したがいまして、このコンピューター等の整備について、いまどういう状況にあるのか、あわせまして今後具体的にどういう方針で臨まれるのか、これは事務総長から答弁と、また、いま国会図書館が中心でやっておられるようでありますから、図書館長からあわせて御答弁をお願いしたい、こう思います。
  15. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) いま、事務局におきましては、コンピューター利用は、職員の給料計算について図書館のコンピューターを拝借して実施しておるというのが現状でございます。仰せのとおり、将来は、いろいろ参議院の運営に必要な諸項目についてコンピューターに必要な要素をインプットし、それがすぐ出てくるような体制をとっていくことが当然考えられる問題ではないかと思っております。ただ、その点はわれわれまだ非常な初歩でございまして、図書館が三、四年後にはある程度の整備をされるということも伺っておりますので、図書館側のそういうこともいろいろ御教示を願いましてわれわれの将来に備えるように勉強いたしたいと思っているところでございます。
  16. 岸田實

    ○国立国会図書館長(岸田實君) 私のところのコンピューターでは、現在は国会関係といたしましては国会の会議録の索引をコンピューターにインプットしております。ただし、これはインプットいたしましてそれから普通の書物の索引を編集いたしまして先生方にお配りしておるというところまでいっておるわけです。将来はこれをオンラインシステムにいたしまして、国会内のしかるべき個所に端末機を置いて、オンラインで検索できるようにするという方向で進んでおるわけでございます。そのほか、調査業務に関しまして、諸先生の調査依頼に迅速に応ずるためにいろいろのソフトウエアを開発してオンラインシステムにまで持っていきたいというふうに考えておりまして、幸いにして明年度の予算におきましてコンピューターの本体の容量アップ及び付属施設の増強等の予算を約一億円増額していただきましたので、これからそれらの問題につきまして鋭意研究努力をいたしまして、五十九年に私のところの別館ができますが、そのときにはその別館に相当のスペースをとりまして、国会情報センターと申しますか、そういうような一つのセンターをつくって、多角的に諸先生にコンピューター業務を通じまして奉仕を一層十分にするということにしたいと念願いたしておるわけでございます。現在の状況はそういうことでございます。
  17. 山崎昇

    ○山崎昇君 そこで、きょうは大蔵省も来ているようでありますが、これは来年度以降改めて事務折衝が行われることでしょうし、あらかじめ政治舞台で先走って物を言うのもいかがかという気もいたします。いたしますが、しかし、これだけ国会の機能が大きくなり、かつ常任委員会がふえたり特別委員会がふえたりするというと、議論もかなり横断的になってきます。そういう意味では、資料の収集なり過去の発言の整理なり、こういうものが大きい課題になってくると思われますので、大蔵省におきましても、財政の状況は私ども承知いたしますが、これら一連の整備についてはぜひ十分な話し合いに応じてもらって援護射撃をしてもらいたい、そういう気持ちを持っておりますので、一言その点について大蔵から見解を述べてほしいと思います。
  18. 禿河徹映

    ○政府委員(禿河徹映君) ただいま事務総長及び図書館長の方から御答弁がございましたとおり、国会並びに国会図書館におかれましてはいろいろコンピューター活用ということで研究とその充実を図っていかれるということを私どもも承っておりますので、国会並びに図書館の機能の十全な発揮という観点から私どもといたしましても十分今後御相談をさせていただきたい、かように考えております。
  19. 山崎昇

    ○山崎昇君 次に、事務総長にちょっと一言お聞きしておきたいのですが、去年の十一月二十八日の朝日新聞の報道によりますというと、「党派の次元を超えてその気になれば調査能力の充実だってできるはず」という、いわば精神力中心にといいますか、と受け取れるような発言がなされたという報道がありまして、一体これは参議院の機能強化とこの精神力の問題とどんな調和をするんだろうか、この真意は何なんだろうか、こういう疑問が持たれておりまして、私のところにも二、三連絡がございましたので、この機会にあなたが述べられた真意というものについてお聞きをしておきたい。
  20. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 実は、あの取材に記者が来られましたときに私に聞かれましたことは、調査室が十全の機能を発揮していないと聞くが、調査室の現状はどういうことであるか、そういうことでおいでになりました。私が申し上げましたのは、外部の方からごらんになってそういうふうにお受け取りになるかもしれませんが、調査室の機能というのは二つの要素がある。一つは、当該所属の委員会の委員及び参議院の議員全員に対しての調査依頼にこたえる機能、いま一つは、委員会が特定のテーマを持って委員会として調査を進められる場合にそれに協力する機能、その二つの機能がある。前者においては、不十分ながら調査室としてはその機能を果たしておりつつあるので、そういう面から言えば調査室の機能が全然動いていないということは言えないのじゃないか。後者の面から言えば、それは現在の委員会においてそういう特定のテーマを持っていろいろ調査をされるということが少ないけれども、仮にそういうことを各委員会一斉におやりになるようになれば、両方の面で調査室が十全の機能を発揮するには現在の人員とか能力から言えばそれは相当無理があるであろう。そういうような場合にはその拡充強化ということも十分に考えていかなければならぬと、私はこういう趣旨で申し上げたわけでございます。それが後半のところだけがちょっと違った角度から報道された、そういうふうに理解をいたしております。
  21. 山崎昇

    ○山崎昇君 やっぱりあなたが物を言えばそれ相応なる反響を呼ぶわけでありますから、したがって、そういう疑惑を与えるような言動というものについては慎重にしてもらいたい、このことだけ申し上げておきたいと思います。  ただ、私は何回かこういう分科会で申し上げておりますが、国会の職員というのは行政庁の職員と異なった性格がある。なぜかと言えば、まあ極端な表現を使うと、使用者が二百五十二名いるようなものだ。廊下で会って、これをちょっと調べてこいと言えば、それは係長に相談しまして判をもらいまして提出するなんていうわけにいかない。その場で判断をしなきゃいかぬ。あるいは、ちょっとおくれれば、何をしたんだということになってくる。そういう性格を持っているだけに私は国会の職員のあり方というのはきわめてむずかしい存在でもあるのじゃないのだろうかという気がしています。そういう意味で特別公務員制度になっているわけですが、いずれにいたしましても、そういう点等を判断しながら、やっぱり整備するものは先にきちんと整備をする、その上で職員にいろいろ要望するものはする、そういう形でありませんというと、何か精神作興運動みたいになりましてまずいので、その点は重ねて申し上げておきたい。  それから三番目にお聞きをしたいのは、五十五年度から六百三十四万円の予算を入れて日経ニーズへの加入が計上されているわけなんですが、これは具体的にどんな利用があるのか、御説明を願いたいと思います。
  22. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) これは一昨年以来調査室から強い要望が出ておった問題でございます。昨年予算要求をする際にも、私は担当の調査員に、非常に熱心にこの問題に取り組んでおる調査員が数名おります、直接その人たちにも会いまして、いろいろその利用の仕方、性能その他を確かめました。確かに、話を聞きますと、少なくとも現在調査員の手が足りないというような場合にこういうものを利用することが一つは非常に有効である。それからもう一つは、いろいろなデータその他いま調査員が時間をかけて調べるようなことが非常に迅速に出てくるというような問題がございます。したがいまして、金がかかる問題ではございますが何とか導入したいということで、来年度は大蔵省の方も御理解いただきましてこの大きな予算をつけてもらいましたわけでございますから、来年度から実施をするということでございます。  問題は、単なるデータをとるということだけでなくて、この機能は、こちらからそのデータにいろいろな計算方式を与えてその結果を得るとか、あるいは議員から特定の問題の調査があった場合に、その調査にしぼって何らかの方程式を立ててそれを打ち込むことによってその答えが出てくる非常に高度な性能を持っております。幸い、私どもには、その問題について経済企画庁に出向で行っておりました職員が二名おります。これが経済企画庁でこの機械の操作を相当修練してまいっております。それからその調査員で数名非常に熱心に勉強しておる者がおります。したがいまして、この人たちが今後ほかの調査員を十分に指導いたしましたならば相当有効にこれは活用されるのではないかというふうにいま思っております。
  23. 山崎昇

    ○山崎昇君 せっかく来年度から予算を計上してやるわけでありますから、運営等につきましてはそごのないようにひとつやってもらいたいということを申し上げておきます。  それから次に、これは国会職員全体でありますし、図書館も関連をしてきますが、私も図書小委員長を二年間やってみまして、また、国会に来まして十五年ずうっと各調査室を見ておるわけでありますが、政府側と比較することにも多少の問題点がないわけでもありませんけれども、余りにも国会におきます旅費といいますか庁費といいますか、こういうものがきわめて私は少ないのではないのだろうかという気がします。ただ、多いからいいという趣旨で申し上げるわけでありませんが、私の調査によれば、昭和五十四年度でありますけれども、議員の視察等に随行する場合は除きまして、一人当たりの旅費というのが年額二万八千円ぐらいしかない。また、図書にいたしましても、一つの調査室で五万程度ぐらいしかない。これではやっぱり議員の要請にこたえ得るということにならないのではないだろうか。ただ、机に向かっておって本だけ読んで何か資料だけつくっていればいいというものではないと私は思う。議員ももちろん走り回りまして調査をいたしますが、やはり国会も、あるいは国会におります職員も、できるだけ現実に行って調査をして、そして国会議員の要請にこたえ得るだけのふだん準備しておく必要もあるのではないか。そういう点を考えますと、きわめて私は少額に過ぎるきらいがあるのじゃないかという気がいたします。  それから先ほどもちょっと触れましたけれども、廊下で会っても、これをちょっと調べてこい、あるいはこれはどうだと言われたときに、その言われた職員がやっぱり応じなきゃいかぬ。そういうことから言えば、調査室の機能というのも、ふだんからやはりいろいろなデータなり本なり資料なりこういうものを整備しておいてその都度国会議員にこたえ得るような仕組みというものがやっぱりつくられていなきゃいかぬのじゃないか、こういう気がしています。そういう意味で、余りにも低過ぎる。低過ぎるというより、皆無に等しい状況ではないか。そういう意味で、総長、それから図書館長、あわせまして、五十五年度予算案はもうすぐ成立してしまうわけでありますが、これから来年度以降少なくともこれらの点について私は検討を、要するのじゃないかと思いまして、その点では大蔵の見解も聞いておきたい、こう思います。
  24. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 調査室の旅費につきましては、ただいま先生がおっしゃったような金額で確かに配分をいたしております。この旅費が相当不足して窮屈な状態にあるということは私どもも十分承知しておりまして、来年度予算についても若干の増額要求をいたしたのでございますが、諸般の事情からむしろ一〇%削減というような形で出ておるわけでございます。この不足分、あるいは今後の必要分につきましては、一般の事務職員の旅費の方から必要の都度回して所要の必要経費は賄わざるを得ないという厳しい状況にあります。旅費の増額につきましては、今後とも努力をしてふやすような方向で大蔵省にもお願いを申し上げたいというふうに考えております。
  25. 岸田實

    ○国立国会図書館長(岸田實君) 私のところの一般庁費の問題といたしましては、まず旅費は、調査立法考査局の職員の調査旅費、実地調査旅費が必要でございます。それから一般の図書部門におきましては、各種の図書館の組織あるいは図書館サービスについての援助をするために一部指導ないしは連絡をするための旅費が必要なんでございます。図書館業務というものは図書館の内部だけの仕事では足らないのでございまして、それをさらに一般の図書館に普及、周知徹底させなければならない責任があるわけでございますので、この旅費は非常に大事な図書館事業の経費だと考えておるわけでございます。  ことしは、御承知のような財政事情で、行政経費の節減合理化という大きな方針がございまして、それとの関係で削減を受けまをした。われわれといたしましては限られた予算で今年度は最善を尽くしてまいりたいと考えておりますが、将来におきましては、なお当館におきます旅費の必要性というものを財政当局にも十分に御説明いたしまして、これを増額し、業務を活発化さしていきたいと考えております。  また、そのほかに目録、書誌類の印刷費、印刷費も簡単に申しますと一般の庁費というふうにお考えになりますが、目録、書誌と申しますものは、当館に収集いたしました図書文献を周知徹底させ、またそれを利用する手がかりを与える大事なツールでございます。したがいまして、できる限り基本的なものはわが国のすべての図書館に対して提供するというのがいずれの国の中央図書館においても重大な責任とされておるわけでございまして、その意味で、この目録、書誌の印刷費というものもきわめて基本的な図書館事業の大切な経費に当たるわけでございますが、今日までのところ、来年度は若干増額していただきまして非常に私ども感謝いたしておりますが、なお十分ではないと考えております。  一例を申しますと、大学図書館の中にありましてもこれを提供するところと提供できないところが現在あるわけでございます。これはもう平等に、大小にかかわらず、またその伝統の長短にかかわらず提供すべきものであると私どもは考えております。そういう意味におきましても、今後さらに印刷費の増額ということにつきましても十分にわれわれとしては御理解を願って努力してまいりたいと、かように考えております。
  26. 禿河徹映

    ○政府委員(禿河徹映君) 国会並びに国会図書館の旅費あるいは庁費という点につきましては、私どもといたしましても、国会におきます調査機能の充実、こういう観点から十分お話を承りながら予算をつくっていく、こういう立場にあるわけでございますが、先ほど来お話がございましたように、現状では十分でないと、こういうお話を承っておりまして、私ども今後ともまたよく御協議をしながらその辺のところはやってまいりたいと思いますが、ただ、一つ御理解を願いたいと思いますのは、確かに国会は一般の行政部門とは異なる面があることは私どももよく承知はいたしておりますが、行政各部門におきまして行政経費の節減合理化というふうなことに鋭意実は取り組んでおるわけでございます。そういう観点もございまして、やはり国会等におかれましてもそういう事務的な経費につきまして御協力をお願いせざるを得ない面もございます。そういう点もあわせ考えまして、事務当局同士におきましてもそういう旅費、庁費等の問題につきまして今後とも十分協議を重ね、御納得がいただけるような方向に持ってまいりたいと、かように考えております。
  27. 山崎昇

    ○山崎昇君 財政当局としてはそういう言い方をすると思うのですね。私もまあ全部それを否定するわけじゃありません。ただ、それにしても余りにも貧弱だという印象だけは私はぬぐい去ることができない。特に事業官庁の場合は、工事雑費だとか多少の流用がききますから、やりようがあります。しかし、国会の場合は実際問題としてやりようがないんですね。そういう点を判断しますと、やはりきちんとつくるものはつくる、そして設定するものは設定する、そういう態度でなければまずいのじゃないのだろうか。この点は希望として申し上げておきたいと思うのです。  それから重ねてお聞きをしたいのですが、政府の定員削減の方針もございまして、恐らく参議院の事務職員等も第五次の定員削減になっていくのじゃないのだろうかという気がしておりますが、その現状と、それからどういう方針なのか、それをお聞きしたいということと、それから衆議院におきましては常任委員会が二つふえまして、特別委員会がまた一つふえる、参議院は直ちにではありませんが。それに伴いまして調査室もまたでき上がっていくであろう、こう判断いたしますというと、国会の機能が充実されればされるほど事務量と定員という関係がやはり見直されてこなければいかぬのではないのだろうか。ただいまいる人間だけでやりくりしてやっていくという限界にもう来ているのではないのだろうか、こう私ども判断いたします。したがって、定員の現状について、事務総長、それから図書館もそうでありますが、お聞きをしておきたい。  それからさらにつけ加えて質問したいのですが、国会図書館の機能というものが最近ますます国際性というものを帯びてきている。そういう観点から言うと、国内の問題だけを処理するということではだんだんいかなくなってきているのじゃないのだろうか。そういう意味では、やはり国際的な観点から図書館の運営というものも多少見ておかなければいけないのじゃないか。したがいまして、やるということになれば、当然、庁費でありますとか、あるいは国際的な会合に出る旅費でありますとか、あるいは専門家の養成でありますとか、あるいは通訳、翻訳、そういう方々ですね、専門的な分野の養成ということがきちんとされなければならぬのではないか。さらには、図書館から二人ぐらい何か外国に派遣をしているようでありますけれども、最近のように先進七ヵ国との首脳会議が相次いで行われるとか、こういう国際的な状況を考えるときに、私は、少なくとも先進七ヵ国、あるいは社会主義の国を代表するならソ連等にも、ふだんから図書館等から職員を派遣して、そこの図書館運営あるいは文化問題等々、絶えず研さんをしておく必要があるのじゃないのだろうか、そういう気もいたします。したがって、それらに対する考え方、また、私はこの間ちょっと恥ずかしいという気持ちを持ったのは、実は御案内のとおり三笠宮殿下に対してソ連から本の寄贈がございまして、この間その後で簡単なレセプションがありました。やった場所は何かといったら、図書館の館長室の前の廊下であります。廊下に机を出して、そして白い布をかけて、そこでパーティーだという。それは、スペースがないのかもしれぬし、図書館もそういうことをいままで考えていなかったのかもしらぬが、私は当時図書小委員長でありましたけれども、多少恥ずかしい思いをしました。  そういう意味で言うなら、これから分館計画等があるわけでありますから、来年すぐということは言いませんが、少なくとも国際性を強めていくというならば、そういうことについても相当配慮すべきではないのだろうか。そんな大きいものは要りませんが、多少やはり講堂めいたものだとか、場合によりましては、外国の方々が来たときに接待する、あるいは日本の実情を紹介する、あるいは図書館業務を紹介するスライドの上映程度ぐらいはできるようなものがあってしかるべきではないのだろうか。そうしませんと、国立国会図書館だなんといって名前だけはいいけれども、何のことはない、毎日持ってきます図書をあちこちの図書館に送っているだけにすぎない。あるいは国会議員から言われて資料を提供するだけにすぎない。これでは、とてもじゃありませんが図書館業務の中心だなんということに私はならぬのじゃないだろうか、そういう気がいたします。私も昨年はソ連の図書館を見てまいりました。あるいは北欧の図書館も多少見せてもらいました。そういう点からいくというと、日本におきます図書館業務そのものがかなりおくれているのではないのだろうか、こういう気もいたします。  したがいまして、これは図書館長だけでどうなるわけでもありませんが、事務総長も、これら一連の図書館の整備、あるいは参議院自体の、いま申し上げましたような国際性というのはますます強まってくるわけでありますから、それに対応する整備等々についてどういう見解をお持ちになるのか、あわせまして、財政の苦しいことはわかりますが、そういう認識をやはり大蔵省は持ってそして実務的に相談に乗る。われわれ政治家でありますから、政治的にまた皆さんにお話しすることもありますけれども、事前にはやはり事務的な話し合いというのを重要視しなきゃなりませんので、あわせてひとつ大蔵の見解を聞いておきたい、こう思います。
  28. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 私ども国会の立場といたしましては、政府の定員削減計画がそのままずばり適用になる問題ではないわけでございます。ただ、実際の扱いといたしましては、公務員全体の問題として国会職員側も定員削減計画には協力を申し上げると、そういう立場でございます。その協力も、具体的に申し上げますと、各省においては四・二%近い削減を第五次削減でおやりになるということでございますが、私どもこういう点で計算をいたします際に大蔵省とも協議いたしまして、たとえば調査員とか、あるいは速記職、議警職、あるいは法制局、委員部、議事部の要員と、こういうものを全部除外いたしまして、その残りについて削減のパーセンテージを出してみますと、実際の削減の率は一・七%、五年間二十三人という数字が出てまいりました。しかし、現実問題としてはむしろ人員の増加が欲しいような状態でございますので、この点は大蔵省の方にも御理解をいただきまして、本年度で申し上げますと、本来ならば四人削減しなければいけない、しかしその見合いの四人分は新規の増員をするということで実際の減はないというような方式でまいっております。そのような状態でございますから、さらに純増を何名か採るということは現実問題としてはなかなかむずかしい。一方、必要な人員を確保しなければならぬと、こういうむずかしい問題を抱えておるわけでございます。  その点につきましては、私ども、職員の質的転換ということをいま考えております。事務職員全体に占める女子職員の比率が事務局は非常に高うございます。したがいまして、過去二年間女子職員の採用を中止いたしまして、その分を男子職員の採用に向けるというような方法もやってまいっております。今後とも、質的な面、あるいは職場の合理的な適正人員配置、そういうことで必要な個所に必要な人員を差し向けるという方向で努力してまいりたいと思っております。  第二に、国際関係の問題でございますが、私どもいま一番困っておりますのは、最近の傾向といたしまして各国議会の議員との交流が非常に活発になってまいりました。こちらから外国に訪問する、あるいは向こうを本院に招待するというのが非常に活動になっております。その予算が非常に窮屈でございまして、昨年、一昨年と大蔵省に特段のお願いを申し上げまして、相当大幅な予算の増をいただいております。しかし、現状ではそれでも当該年度に希望する各国の議員団全部を受け入れるというような予算にはとてもなっておりません。毎年一ヵ国ないし二ヵ国は翌年に繰り延べるというような形でやっております。この点は、将来の問題として、できればこの予算というものは十分にめんどうを見てもらいたいということを考えております。
  29. 岸田實

    ○国立国会図書館長(岸田實君) 全般的な定数問題については、大体いま事務総長が御説明になりましたことと同様なことで、一応の減員数を挙げますが、同時に増員の必要があるということで、差し引きゼロという形で明年度予算も固まったわけでございます。  それで、私のところの図書館の定数の問題につきましては、現在八百四十七名ございますが、最近、情報化時代に入りまして、約二十年ぐらいの経過でございますけれども、図書館業務というものが国際的に見まして非常にさま変わりになっておるわけです。各国とも非常な飛躍的な増強をいたしております。アメリカの議会図書館は、これは別格でございますが、約五千人でございます。それからイギリスあたりでも二千名を超している、二千四、五百名だろうと私は思いますが、これは最近二十年間の増強でございます。私どものところは約二十年ぐらい前に八百四十名前後でありまして、それから五、六名ふえたというような形で来ておるわけでございます。いわば現状維持的にこの二十年を過ごしてきた。そのために、先進諸国に比べまして図書館業務というものが何というか進展が遅くなってきておる、非常におくれをとっておるという状況でございますので、わが国の財政事情等につきましても重々私ども承知をいたしておりますが、国際的に広く見た場合に、もう少しこれは定数の増もしていただかなければならないのではないか。私は二倍ぐらいの増員は最小限度必要ではないかというふうに考えておるわけでございますが、これは将来に対する私の希望的な意見でございまして、もとより一気にそういうものを実現するということのできないことは当然承知いたしております。  それから図書館業務の国際化、これはもう最近非常に急速に国際化の動きが活発化いたしておりまして、したがいまして、-内外各方面から当館に寄せられるニーズに応ずるためには、私どもも積極的な対応策を講じていかなければならないと思っております。図書館活動が国際的な広がりを持ってまいりますと、まず、一番端的に申しますと、ただいま事務総長が申しましたと同様で、外国の図書館、国際機関などとの間の人的交流が非常に盛んになります。きわめて頻繁に私のところにも外国の図書館関係の方がおいでになります。その場合、通訳の一つをとりましても、当館にはある程度語学の堪能な職員はおりますが、質及び量ともにまだ不十分でございまして、辛うじて応接に当たっておるという状況でございます。また、世界各国の情報、文献を収集いたしまして、これを国民の利用に供する私どもといたしましては、その整理やレファレンス業務を行うために、各種の言語の翻訳力と申しますか、ないしは読解力というものを充実させなければならぬわけでございます。アメリカのLCでは、五十ヵ国の外国語を自由に駆使するだけのスタッフを持っておると、私が一昨年参りましたときにそう豪語しておりました。非常にそれが自慢の種でございます。わが館におきましては、程度の低いものも入れまして十ヵ国語ぐらいをこなせるのではないかという水準でございまして、現在における国の中央図書館としてはこれは不十分でございます。できるだけ、今後、通訳それから翻訳要員ないしは語学力を備えた地域専門官、こういう者の養成をすることが緊急であるというふうに考えております。  それからその次には、国際図書館連盟あるいは国際ドキュメンテーション連盟等の図書館関係の国際会議がございます。そして、さらにそのほかに情報処理関係の技術レベルの会議が頻繁に行われておるのでございます。これらに対しまして外国に行くにも限度がございますから、私どものところでは現状ではごく一部の会議に出席をしておるというのが実情でございますが、これももう少し多く国際会議に参加できるように御理解を得て将来予算の増額をさしていただきたいと考えております。また、国際的な図書館事業につきましての分担について、当館にも相応の分担をしてほしいという要請がございます。これも予算の限度がございますので十分に応じかねております。これらの点も今後やはり速やかに解決いたしまして応分の負担をしなければ、好ましからざる批判を招くというおそれも私はあると思います。  そういう状況でございますので、今後、これらの点につきましては、財政当局に対しましても十分に実情の御理解を得て、漸次改善をしてまいりたいと念願しておる次第でございます。  それからさらに将来の問題といたしましては、ただいま先生からもお話がありましたけれども、主要国に職員を駐在させる、常駐させる駐在員制度というものも私はぜひとも実現さしていただきたいと考えております。これが実現いたしますと、外国の図書館及び各種の国際機関との連絡折衝も円滑にまいりますし、また、外国の図書館界の実情あるいは外国の出版事情等も的確に把握できまして、外国文献の収集にも非常に効果があると思います。当館の提供するサービスの飛躍的な充実のためにもこれは必要ではないかと考えております。  なお、先生のお話しになりました、私のところの廊下のようなところとお話しになりましたロビーでございますが、一応あそこは簡易なパーティーを開く場所として考えておるものでございますけれども、しかし、いずれにしても施設として十分でないということはよく承知いたしております。今度別館ができますので、その際には相当規模の講堂もつくっていただきたい、また、ただいま先生がおっしゃいましたような場合の処遇につきまして、現在よりも十分に手厚くもてなすことのできるような施設も別館ないしは本館につくりたいと、かように考えております。
  30. 禿河徹映

    ○政府委員(禿河徹映君) ただいま御指摘がございましたのは三点あるかと思いますが、第一の定員の問題でございますが、これにつきましては、現下の財政事情等に実はかんがみまして行政部門で厳しい定員管理を行っておるところでございます。そういう中におきまして、国会並びに図書館の方の定員の件につきましていろいろ御要望があることは私ども承っておりますけれども、率直に申しまして、これを大きく拡大していくということは困難であると実は言わざるを得ない、こういう状態でございます。ただ、その中におきましても、先ほど事務総長の方からもお話がございましたとおり、定員削減の場合のその削減率を実質的に緩和するような方途であるとか、あるいは図書館におきまして特別調査員の拡充を図っていくとか、そういう工夫をこらしながらいろいろ調査立法機能の面で支障がないように私どもとしてもできるだけ考えてまいってきておるつもりでございます。この辺は、率直に申しましてなかなか定員の問題はむずかしいということを申し上げざるを得ませんことをひとつ御了承願いたいと思います。  それから第二点の最近におきます国際化の進展ということに即応して所要の措置を財政当局としても十分考えろと、こういうお話でございますが、この点につきましては、国会並びに図書館の方でもいろいろ御努力をされておる点は私どもも承っております。これもなかなか飛躍的に拡充強化というわけにはまいらないかと思いますけれども、私ども、財政事情等も勘案しながら十分お話を承って、今後逐次その方向に行くように御協力できる点は御協力申し上げていきたいと、かように考えております。  それから第三の国立国会図書館の別館の問題でございますが、この建設につきましては、最近の財政事情のもとにおきまして極力官庁営繕等の新規のもとにつきましては抑制するという基本方針の中におきまして、図書館の現在のスペースあるいは今後の見通しとかいうものを踏まえまして、私ども、これの出発につきまして御相談の結果、その方向に向かって進んでいくというふうに踏み切っておるわけでございまして、そういう点で図書館の機能が今後十分発揮されるような方向で持ってまいりたいと考えております。ただ、まだ現段階におきましてはこれにつきましては基本構想を承った段階でございまして、具体的な構造とか設計等につきましてはこれから図書館の方の方々とも十分お考えを承りまして一緒に検討させていただきたい、かように考えております。
  31. 山崎昇

    ○山崎昇君 大変むずかしい時期ではありますが、十分ひとつ関係者で話をされまして強化してほしいと思います。私がいま申し上げておりますのは、これは敗戦後日本に対する一つの批判として外国のこういう言葉がありました。それは、「日本は軍事的に敗北したが、経済的には勝利した。だが、いま一番おくれているのは何かと言えば、それは文化的な面だ」と、こういう言葉がございまして、やはりいま日本で一番おくれておりますのは文化的な整備ではないだろうか。わけても、その中心の図書館業務というのが最近クローズアップされてはまいりましたが、たとえばあなたも御存じのとおり、地方へ参りますというと、人事異動で図書館長になんかなれば左遷だと、こうなる。こういう物の考え方自体も改めなきゃいけませんけれども、依然として文化的な面に携わる者については余り社会的に優遇といいますか、評価といいますか、そういうものがやっぱり一般的にないという状況を打破しなきゃいけないと思っています。そういう意味では、中央図書館としての国会図書館のあり方いかんがきわめて重大な影響を私は及ぼすと思うものですからいま申し上げているわけでありまして、どうぞその点は御理解を願っておきたいと思うのです。  もう時間がなくなってまいりましたから二、三かためてお伺いいたしますが、一つは事務総長に、事務局職員の採用でありますけれども、わけても上級職につきましては、これは五十三年度の試験案内を私は見ているわけでありますが、そこに「受験資格 五十四年三月大学卒業見込みの男子」と、こうある。五十五年度はどうされるのかわかりませんが、五十五年度以降の採用の計画について御説明願うと同時に、この男子に限るという過去の要項でありますが、これは一体どういう意味なのか。きのうも参議院では婦人問題の集中審議がありまして、男女平等ということが各政党から要望されておる。そのときに、おひざ元の参議院で女の方は余り採用しないんだなんということになると、私はこれは問題が生ずるのではないだろうかという気もいたしますが、その理由をお聞きしておきたいのが一点。  それから二点目は、在職中の職員が職種を変更したいという場合があると、その場合にどういう方法で変更させているのか、あるいは変更させていないのか、その点について第二としてお聞きをしておきたいと思うのです。  それから第三は週休二日制の問題でありますが、これはいま政府の方におきましてもなかなか大きい問題でありますだけにいろいろな議論のあることは私も承知しています。しかし、昨年の八月に人事院が勧告を出して、これは制度としてもやっぱりやらなければ、国みずからつくった人事院の勧告というものを政府みずから破るということになると、私はこれは大変なことになるのじゃないだろうかという気もいたしておりまして、参議院におきます週休二日制というものについてどういうふうにお考えになるのか、あるいはどういう実施の方法をお持ちなのか、お聞きをしておきたいと思います。  その際にあわせてお聞きをしたいのは、交代制勤務者の休暇という問題についてどういう配慮がなされておるのか。私が調べたところ、特に衛視の皆さんなんかは八部交代制とも聞いておりますが、ほとんど土曜日なんか休めない、まあ何回かあるのかもしれませんけれども。そういう意味では、職務との関係ではあるとは言いながらやはり一つの問題点ではないのだろうかと、こう思いますから、したがって交代制勤務の方々の休暇あるいは週休二日、そういう問題点についてどういうふうにお考えになっているのか、この機会でありますから聞いておきたい。  それからもう一点は、職員の健康管理についてお聞きをしておきたいと思うのです。最近、一般的に言いまして公務員の病気というのが大変多くなってきました。これは人事院の調査によりましても行政官庁では大変多くなっている。特に、若い層に多くなっていることと、神経系といいますか、内臓疾患の病気というのが大変多くなってきている、そういう傾向にあります。したがって、私は参議院の職員もその範疇から逃れられるものではないのじゃないかという気がいたしておりますが、一体国会職員の健康管理についてどういう方針をとられておるのか、また、現在どんな状況にあるのか、あるいは将来厚生予算あるいは元気回復に伴いますいろいろなやり方についてどんな方針をお持ちなのか、もう私の時間がなくなってまいりましたから、一括してお聞きして答弁を求めておきたいと思います。  なお、最終的には、大蔵当局から、こういう国会職員の特殊性あるいは置かれております現状等々を認識されて、先ほど来十分な話し合いをして充実に努めてまいりたいという趣旨の答弁はもらっておりますが、重ねて最後に大蔵の見解を聞いて、私の質問を終えておきたいと思います。
  32. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 第一に、大卒女子職員の採用の問題でございますが、本年四月採用の予定者も従来同様に男子に限るということで募集をいたしました。確かに、男女平等ということから申し上げれば、女子の大卒ということも当然考えねばならぬと思います。しかし、一方、大卒の職員は、主として調査員とかあるいは会議関係とかそういうところの必要人員として考えておるわけでございます。果たしてそういうところに女子の大卒職員がなじむかどうかという問題があるわけでございます。いま、実は、調査員として決算委員会と社会労働委員会に一名ずつ女子の調査員を配置してございます。そこらの実績も見ながら将来の女子大卒の採用ということは考えたい。この点は、確かに慎重な態度でおるということは申し上げられます。  それからいま一点は、試験をいたします。試験の成績によって採用するわけでございます。したがいまして、その試験の成績の場合に、たとえば私どもの養成所の試験なんかを見ますと、高卒の女子が非常に成績優秀で男子が余り採れないというような問題もございます。そんなような傾向が大卒採用試験で出てまいりますとわれわれとしては非常に困るということも実は危惧しておるわけでございます。その辺も考えつつ慎重に検討させていただきたいと思っております。  それから職種変更の問題でございますが、行(二)職の職員を何らかの仕事をかえることによって行(一)に転換する、ティピカルな例を申し上げますと用務員を保手に転用する、あるいは議警の職員を宿舎その他の警備の要員として転用する、その場合はまさしく職種の変更でございます。非常に数は少のうございますが、適材適所的でそういう方向も考えております。問題は、たとえば自動車の運転手でございます。これがいま四等級で先に上がれないような形になっております。こういう職員の処遇もあわせて考えれば、この運転手諸君を事務職の方に転用して将来三等級に登用していく道を開くということも今後考えなければならぬというふうに思っております。  それから週休二日制の問題でございますが、これは人事院の方式と全く同じ方式で過去二年間試行いたしたわけでございます。今後の方針といたしまして、やはり週休二日制の問題は一般職と全く同じ方式で同じ時期に実施をしたいと考えております。  御指摘の衛視でございますが、これはいわゆる八部制の交代制勤務でございますから、土曜日が必ず半ドンというわけにはまいりません。したがいまして、土曜日に当たりました者が週休二日に該当します場合には、その部の半分を午前中休ませる、その残りの半分については金曜日に半分休ませる、それから午後に該当する分は一個部全部を休ませるという形でいま実施しております。その不足分は日勤の衛視をもって充当するということで現在特段の支障なく実施ができておると考えております。ただ、土曜日がまるまる休めないという不満、これは確かにございますが、交代制勤務のたてまえ上これはやむを得ないことじゃないかと思っております。  それから健康管理の問題でございますが、昨年まで現職の職員の死亡ということが間々ございまして、この点をどういうふうにすべきかというようなことをいろいろ考えました。昨年の秋に実施いたしましたのは、従来春秋に健康診断をいたしておりますが、ただ単なる病気発見の健康診断でなくてもう少し積極的な方法はないかということで、体協の御協力も得まして健康度テストというのを実施いたしました。健康度テストと申し上げますのは、いろいろな運動をさせました後検査を行い、完全に健康な人、それからそうでない人というふうに分けて、そうでない人について十分アフターケアをする、こういうことでございます。これは私ども一般官庁の中では画期的な方式であるといささか自負しておるわけでございます。レクリエーション施設につきましては、テニスコートあるいは運動場等幾つか持っております。相当な利用度もあります。別館にも屋内体育室を持っております。また、運動会、ボウリング大会、あるいは球技大会というそういうものを比較的潤沢に実施しておると私ども考えておりますが、今後職員の意見も聞きまして、この辺も改善の余地があればどんどん改善してまいりたい、そう考えております。
  33. 禿河徹映

    ○政府委員(禿河徹映君) ただいまお話がございました問題等につきましては、私どもといたしましても十分実情をお伺いいたしまして、私どもといたしましても十分御相談の上適切に対処してまいりたいと、かように考えております。
  34. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) 以上をもって山崎昇君の質疑は終了いたしました。  次に、馬場富君の質疑を行います。馬場富君。
  35. 馬場富

    ○馬場富君 最初に、国会のあり方について二、三点質問いたします。  現在の憲法の一つは、体制から考えますと、やはり国会が国権の最高の機関であるということを示しておるわけでございますが、日本のいまの政治の実情を見ますとそういうわけではない。やはり戦前からのそのままの行政機構が上から下へと、そういうような体制が一つはそのまままだ残っておる。体制からいけば行政優先という面が多分に考えられるわけです。そういう点で、やはり国会が立法機関として国民の声を十分国政に反映するような機能を持たなければならぬ。そういう点で、やはり調査力とあわせてそのような予算も必要でございますけれども、こういう点が欧米先進国と対比してみまして非常に大きく劣っておるのでないかと、こういうことを基本的に一つは思うわけですが、この点について総長、図書館長、それから大蔵省の関係がいらっしゃいますので、おのおのの意見を承りたいと思います。
  36. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 参議院の運営に関して必要な経費というものにつきましては、私ども庶務小委員会の御意見もよく伺い、その結果に基づいて予算の要求を大蔵省にいたし、大蔵省の方からも格段の御理解をいただいておるというのが現状でございますが、個々の費目について見ますと、もっと増額をしたいという費目はいろいろございます。今後そういう点につきましては一層努力をいたしまして、大蔵省の御理解も十分得られるような方途をとりまして措置してまいりたいと考えております。
  37. 岸田實

    ○国立国会図書館長(岸田實君) 御趣旨におきましては、ただいま事務総長がお述べになりましたことと同様でございます。  私どもの立場から申しますと、先ほども山崎委員にお答えいたしましたが、図書館業務というものはここ二十年来非常に大きく変わっておるわけです、国際的に。それにおくれをとらないようにしていきますのには、よほど私のところを重視していただかなければならないということで先ほど申し上げた次第でございますが、財政当局は財政当局としてそれぞれのお立場がございましょうし、その間に十分に議論を尽くして漸次改善してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
  38. 禿河徹映

    ○政府委員(禿河徹映君) 国会の予算につきましては、私ども、立法府としての国会の十全な機能の発揮とその円滑な運営の確保を図る、こういう基本的な方針のもとにおきまして、毎年度の予算編成におきまして十分御意見を伺いながら調整をしてまいっておるところでございます。今後ともこういう方針のもとで遺憾のないように私どもとしてもできるだけ配慮してまいりたいと、かように考えております。
  39. 馬場富

    ○馬場富君 たとえば権限と予算は別かもしれませんけれども、立法機関としての機能を憲法が示すようにもっと示していなきゃいかぬ。現状をすぐ変えようというわけではありませんが、方向性を一つは持たなきゃいかぬという点で、大きい日本の政治の改革の中で国会のそういう点についての機能をもっともっと整備する必要があるのじゃないか。  それで、たとえばいま五十五年度の予算を見ましても、行政予算に対して国会予算というのは、それは全然違うといえば違いますけれども、ここらあたりに問題点があるのじゃないか。結局、〇・一六%しか国会予算は行政予算に対してないということですよ。これは憲法の示しておる精神から言ってこういうようなことはあり得ない。今後ここらあたりの問題について改革をしていかなきゃならぬということじゃないかと、ぼくはこう思うのですね。そういう点で、特に大蔵省の方につきましては、行革が行政面でいま非常に叫ばれておりますけれども、国会の調査力やそういう問題についてはこれ以上に充実しなきゃならぬと、ぼくはこういうような考え方を持っておる一人でございますが、そういう点で一つは予算的な問題について今後しぼるような考え方はないかどうか、それをしっかり聞いておきたいと思います。
  40. 禿河徹映

    ○政府委員(禿河徹映君) 国会の調査機能の拡充強化という必要性につきましては、私ども決してこれを否定いたしているわけではございませんし、従来からそういう方向で私どもなりに努力をしてきたつもりでございます。最近のいろいろ厳しい財政事情等々ございますが、それとの調整を図りながらそれの充実に私どもとしてもできるだけ配慮してまいりたいと、かように考えております。
  41. 馬場富

    ○馬場富君 特に立法機関の充実は、行えば予算が多くなってマイナスのように見えるわけでございますけれども、反対にそのために調査力が充実していけば大きい効果を上げるということができるわけです。そういう点で行政改革の大事なのはそこらあたりに一番ポイントがあるのじゃないか。立法と行政とのバランスをもう一遍再確認しなければいかぬ、私はこういうような考え方を持っております。たとえばアメリカの調査機能の強いことはよく御存じでしょうけれども、そういう点で予算的にはうんと日本よりかけておるし、人員的にも多いわけです。そのために、世界的な問題である、一つはウオーターゲート事件だとか、あるいはCIAの違法活動の調査だとか、ロッキードの裏づけだとか、あるいは金大中だとか、あらゆる国際的な問題を全部アメリカの方では議会の調査力がこれを指摘して大きくアメリカの政治にプラスしておる。こういう点からいって、ここらあたりの状況というのは日本は本当に弱い。弱いというか、本当にゼロに等しいというような状況じゃないか。こういう点で、ここらあたりの考え方をもう一遍お三方に聞きたいと思います。
  42. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 参議院の予算は年間二百億ちょっとでございます。その中身の八割は人件費でございます。一般官庁のようないわゆる事業費とかそういうものはございません。したがって、一見予算が非常に少ないという感じになるのじゃないかと思います。  ただ、私どもいま考えておりますことは、ただいま先生がおっしゃいましたように、調査に当たって現在の調査室の能力ではカバーできないというような重要な調査が必要な場合、一つの方法としては、何人かの学識経験者に委嘱して非常勤の職員として来ていただいて相当高額な非常勤手当を払うというようなことが考えられます。また、いま一つは、外部のシンクタンクに対してそういう問題の調査を委嘱するということがございます。現在聞いておりますところでは、そういう外部のシンクタンクに一件の調査を依頼いたしますと、費用が一千万ないし二千万かかるというようなことでございます。あるいは各委員会でそういう必要が出てまいりますと、そういう経費が最低一億、二億というものが必要になってくるということも将来考えられる問題でございます。そこらの問題も踏まえまして、今後予算の面で調査の問題をどう充実していくかということは考えなければならぬとわれわれも思っております。
  43. 岸田實

    ○国立国会図書館長(岸田實君) ただいまの御趣旨は、私のところでは調査立法考査局の陣容及び機能が非常に不十分ではないかという御指摘であろうかと存じます。私のところの調査立法考査局の職員数は現在百五十五名でございまして、そのうち直接調査に当たっておる者が九十数名でございます。これを調査担当の十三の室や課に配置いたしますと、一室課当たり六、七名ということになりまして、この一つの室ないし課が幾つかの行政省庁の所管事項に匹敵する広範な調査分野を担当するということになっておりまして、はなはだ困難を感じております。かつ、諸先生の調査依頼の件数の約四割以上は、外国の法令、制度ないしは政策、その国の実情や動向に関するものでございます。したがいまして、率直に申し上げまして、局を挙げての努力にもかかわらず、現在の陣容をもってしては迅速かつ濃密な諸先生に対する国会奉仕はなかなか十分に期することができないということを私も痛感いたしております。できるだけこの機構を充実いたしまして、もう少し国会奉仕の向上を図らなければならないということを考えております。
  44. 禿河徹映

    ○政府委員(禿河徹映君) 今後とも国会並びに図書館関係の方々と十分協議をいたしまして適切に対処してまいりたいと、かように考えております。
  45. 馬場富

    ○馬場富君 次に、いま図書館長の方からは具体的な問題が出ましたが、国会には、立法機関のスタッフとして、国会図書館にいま言われた調査及び立法考査局、それから委員会には調査室、衆参には法制局がございますけれども、あと、調査室の関係を総長から、法制局の関係を法制局長から、おのおの、現在、人の配置や予算はこれで十分か、こういう点についてお伺いしたいと思います。
  46. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 現在、常任委員会調査室は、調査室長以下総計百四名の体制でございます。それから特別委員会につきましては、ただいま航空機輸入の特別委員会とエネルギー対策の特別委員会にそれぞれ独立の調査室を持っております。これがそれぞれ八人と六人の調査室の体制でございます。  調査室の委員会に対応する調査の方法といたしましては、先ほども少し申し上げましたが、単に所属の委員会の委員に対する調査事務のみでなく、全議員の依頼による調査にこたえるというのが基本でございます。そういう意味から申し上げますと、現在の人員体制で果たして十全であるかと言えば、これは必ずしもそうは言えないと思います。  それからいま一つの問題は、特別委員会の調査は、特段の調査室を設置しない限り、関係の常任委員会調査室がこの調査を分担するということになっております。したがいまして、ある面ではその部分の負担が相当増加するということも考えられるわけでございます。いずれにしましても、そういうことを考えつつ将来の調査室の機能の拡充ということはやらなければならない問題でございます。  また、一方、参議院改革協議会におきましては、委員会の組織、運営の問題について協議がなされるということになっておりますので、私どもは、その協議会の結論をまって、それに即応する十全の体制はいかにあるべきかということも検討しなければならないというふうに考えております。  現状はそういうところでございます。
  47. 馬場富

    ○馬場富君 予算比からして人数ははじけぬと思いますけれども、アメリカと日本の予算比というのは三対一ぐらいなんですね。ところが、そういう委員会の調査室のスタッフの数というのは、アメリカはいまは千百八十四人という状況で、日本は十分の一ですね。ここらあたりも非常に不十分だ、こう思うわけですから、この点についての御考慮を願いたいと、こう思います。  それから法制局の方、ひとつお願いします。
  48. 杉山恵一郎

    ○法制局長(杉山恵一郎君) 議院の法制局と申しますのは、議員の先生方の法制に関する立案に資するために置かれておるわけでございますけれども、大変小さな組織でして、私どものところでは昭和三十八年以来局長以下七十三名という人員でやっております。事の性質上、立案事務と申しますのは人間が多ければうまくいくというわけじゃございませんので、われわれといたしましては少数精鋭ということで鋭意努力をいたして先生方の御需要に応ずるように精いっぱいがんばってきておるところなのでございますけれども、やはりそこには限度がございまして、だんだん不自由を感ずるような事態になってまいっております。  と申しますのは、議院の法制局と申しますのは、内閣の法制局と違いまして、原案の作成がその以前の調査から始まるということで、内閣法制局とは仕事の量といいますか質と申しますか、そういったものが大分違うということが一つございます。  それと、先生方が大変御勉強になりまして、だんだん仕事の量が多くなってまいっております。正式に国会に提出する法律案とか修正案とかいうものは内閣法制局なんかに比べますと大変少ないのでございますけれども、そのもとになるいろいろな調査研究というものであってしかも表に出ないものが大変多いということがございます。特に最近は先端的ないろいろな問題が新しく出てまいりまして、それに対応するいろいろな法律制度の立案とか、あるいは将来の日本の進路を決めるような大きな問題についてのいろいろな御依頼というふうなものがございまして、それに対する調査研究というものを相当やらないとなかなか先生の御需要に応じ切れないというふうな事態が生じてまいっております。  特に、法制局の職員と申しますのは、相当長い間の修練を積みませんと役に立たないというふうな事態がございますので、われわれといたしましては相当長い目で見た職員の養成計画というものを考えなければならないということで、将来の国会の活動、議員の先生方の御需要に応ずるためには早い時期からだんだんに職員をふやして養成をしていかなければならないのではないか。いま怠っておりますと、将来の国会の活動に支障を生ずることになりはしないかということで段々苦慮をいたしておりまして、毎年非常に少ない数ではございますけれども増員をお願いいたしておりますが、なかなかお認めをいただけないというふうなことで段々苦慮をいたしておるというふうな実情でございます。
  49. 馬場富

    ○馬場富君 それでは、次に図書館長の方にお尋ねいたしますが、このたび調査及び立法考査局の整備拡充三ヵ年計画を小委員会で策定されてこれが推進されておりますけれども、現状はどうでしょうか。
  50. 岸田實

    ○国立国会図書館長(岸田實君) ただいま御指摘のありましたものは、調査立法考査局の整備拡充三ヵ年計画というものでございまして、これは調査立法考査局の陣容を三年間に約二倍にふやす、そしてそれに応ずる機構の整備を行い、また資料の充実を図って、当館の調査機能を高め、国会奉仕の十全を期するということを目標にいたしまして、昭和五十二年度にこれを策定し、両院議院運営委員会に報告し、これを大蔵省に提出いたしまして御高配をお願いするということにしてまいったわけでございます。困難な財政事情のもと、いまだその実現を見ることができないで今日に至り、引き続いて御検討を願っているものでございます。  この計画を策定いたしましたのは、日ごろ私どもが、現在の調査立法考査局の陣容では非常に広範な内外のあらゆる問題に対する守備を行わなければならないということでなかなか完全な国会の奉仕ができないということを痛感いたしておりましたことと、それから先生の側から調査立法考査局の調査が十分でない、もう少し中身のあると申しますか質の高い調査を行うということにするにはどうしたらいいんだというある意味の御批判を受けまして、その結果、この拡充計画を策定しろというお話があったわけでございます。そういうことで、これは昭和五十二年に策定いたしたわけでございますが、諸先生御承知のような国家財政事情のもとでございますので、今日までその機を得ておりません。  なお、定数の増加については認められませんですが、この両三年、大蔵当局の御配慮によりまして非常勤の特別調査員というものを数名ずつ増員さしていただいておりまして、現在の定数ではカバーできないそれぞれの専門的な分野につきまして、部外の適格者に御依頼申し上げまして私どもの調査業務の御援助を願っておる、それでしのいでおるというのが現状でございます。
  51. 馬場富

    ○馬場富君 最後に、いまの運用の問題につきまして大蔵省の方に質問と要望をしておきますけれども、いま総長やら図書館長、法制局長からお答えがありましたが、調査機能を十分発揮していないというような状況にあるわけです。だから、いまのたとえば図書館あたりにいたしましても、そういう三ヵ年計画を出して百五十名の増員を計画しておるわけですけれども、その中で非常勤が二十六名の増員がやっとできたというような状況ですし、実際私は調査室等もずっと訪ねて見ましたが、現在エネルギーのような重要な部門のところにわずか調査員が一名、それから外交等のポストについても二名というような、日本の政治を左右するそのポイントのところにあるような調査室がそのような状況でございます。どうか、その点、よく御理解いただいて、これに対する考え方をしっかりしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  52. 禿河徹映

    ○政府委員(禿河徹映君) 国会並びに国立国会図書館におきます調査スタッフ等の現状につきましては、私どもかねがね伺ってもおりますし、また、この席でもただいまお伺いをいたしたところでございまして、私ども、決してこれに対しまして無理解とかいうつもりはございませんが、御承知のとおり、定員につきましては、行政部門でございますが、大変厳しい定員削減並びに増員の抑制ということを図っておる現状でございます。その中におきまして国会の方に対しましても御協力をお願いしておる、こういう事情にございます。  そういう状況のもとにおきまして、できるだけ国会のそういう調査並びに立法機能というものの整備拡充を図っていかなければいかぬ、こういう要請もあるわけでございまして、その間にどういうふうに調整をいたしていくのか、私ども財政当局といたしましても大変実は苦慮をいたしておるような状況でございます。先ほども申し上げましたとおり、その中におきましていろいろ工夫をこらしたりなんかしながら、実質的にそういう調査、立法機能が充足されるように努めてきたつもりでございますが、これからもなお関係の方々と十分協議を進めながらそういう方向に持ってまいりたい、かように考えております。
  53. 馬場富

    ○馬場富君 次に、内部的な問題についてお尋ねいたしますが、ことしが九十年ということで記念行事を迎えるわけですけれども、八十年のときにもパンフレットが出版されましたけれども、今回もやはり記念パンフレットというのが出されると、こういうことになると思いますけれども、このパンフレットについて、従来のような国会見学のパンフレットという建物だけを宣伝したようなものでなくて、もっと内容を充実して、国民と国政が密着できるような、そういう意味でも国政のPRがしっかりとできるような、そういう内容のものにすべきじゃないかということを思うわけですが、この点どうでしょうか。
  54. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 九十周年を記念して、「国会案内」をもう少しよくした記念パンフレットを出したいという計画は持っております。ただ、その内容につきましては、まだ具体的に――これは衆議院側とも関係があることでございまして、今後衆議院側と協議しなければなりません。  前の八十周年のときのを御参考に申し上げますと、特に内容を充実いたしまして、議会の歴史とか、わが国近世百年の歩みの略表とか、正副議長一覧表、歴代内閣一覧表というようなものを特につけ加えて、単なる参観案内より内容を充実したものをつくりました。今回も大体この線に沿ってつくるべく準備をいたしておりますが、先生の御意見もございましたので、その点も十分に考えさしていただいて実のあるものをつくりたいと思います。
  55. 馬場富

    ○馬場富君 時間がございませんので、後刻そちらに私の方としてこういうものがやっぱり必要だという案がございますのでお届けしますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、ことしは国際婦人年の中間年になりますけれども、昨日も本院の予算委員会において婦人問題を中心に取り上げられました。そういう点についてあわせて事務局に働く女子職員の処遇についてひとつお尋ねいたしますが、婦人職員が国政の調査活動に直接携わっているというそういう部署ですね。たとえば委員部だとかあるいは調査室等でほとんど補助的な業務についておるという点で、処遇が男性に比べて非常に分け隔てがある、こういうような状況がございます。現実問題として、女性の課長はいないというようなことやら、あるいは予算上の定数が二百数名の課長補佐の中で女性は数名しかいない、こういうことで非常に婦人職員の不満等があるという声も聞いておりますが、この点どうでしょうか。
  56. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 先ほども申し上げましたが、事務局におきましては、一般事務の職員の中で女子職員が占める割合というのは非常に高い率でございます。  また、女子職員の処遇の問題につきまして特異な傾向といたしましては、事務局の女子職員が非常に長期間勤務をするということでございます。二十五年の表彰を受け、三十五年の表彰を受ける、そういうふうに長期間勤務をする女子職員が多いということが特異な状況でございます。  そういう中にありまして、その処遇をいかに改善すべきかということでございます。一つは、給料表上の収入の問題がございます。この点につきましては、年功序列と言っては悪いのですが、そういう要素を処遇改善ということで主に考えまして、現在は女子職員で五等級係長あるいは四等級係長までいっているという状況でございます。したがいまして、年収等の面で見ますと、年収が三百万未満という女子職員が八十四人に対して、四百万から六百万近い女子職員が約百人もおるということでございます。したがいまして、そういう処遇の面から見れば、私は女子職員に対して必ずしも不利ではない状況にあるのではないかと考えております。  問題は、先生がおっしゃいました役職への登用とか職域拡大の問題でございます。確かに、現在の女子職員は、補助的業務についておる者が多うございます。それは、先ほども申し上げましたように、大卒の女子職員、そういう者を採用いたしておりませんので、勢い調査員とかそういうところには実際上仕事ができない、無理であるというようなことからそういう現象が起こっております。ただ、ここ二、三年、女子職員の待遇、役職への登用ということを考えまして、現在数名の女子職員を課長補佐に登用いたしまして、ある仕事の責任者とし、数人の男子の部下も使い、仕事をするということをやっております。今後は、そういう方法で女子職員で有能な人を課長補佐に登用し、将来は課長に登用するという道を開いていく必要があると思います。  ただ、これを実施いたします場合には、年功序列的な考え方では実施できません。したがいまして、女子職員の間で抜てきとかいうことを行わざるを得ぬ。この点は組合の婦人部等もやむを得ないという十分な理解がございますから、今後はそういう方途で有能な女子職員を途用していくということを考えたいと思っております。
  57. 馬場富

    ○馬場富君 最後に、時間がございませんので私の方から要望を申し上げておきます。  一つは、その女子職員の中で四等級どまりという点ですね。この点、三等級になぜ昇格できないかという点について今後御配慮いただきたいという点と、それから婦人問題につきましては、特殊な立場にある産前産後の休養の問題だとか育児時間の問題等についての考慮をお願いしたいという点。  それから速記職について、特に高位号級、上位職者の処遇改善問題ですね、これについてひとつ御配慮いただきたい。そういう上の立場になった人も希望を持ってやっていけるような体制を考えていただきたいという点。  それから議警職関係の方々の問題ですね。やはり全体にランクアップをするという、格差の問題ですね、その点をひとつよろしくお願いしたいと思います。  次は、技術職について、四等級の十八号以上の人たちの関係のこと。今後、やはりこの点についても、二十三名の方がそういう状況に現在あるわけですね、こういう点についての御配慮をお願いしたいと思います。  その点について一言御答弁いただきたいと思います。
  58. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 女子職員の三等級昇格の問題は、四等級補佐に登用していくことによって必然的に三等級への道が開けてくると、そういうふうにわれわれは考えております。  それから産休の問題等につきましては、私どもは人事院で決められた期間、方式をそのとおりに実施しておりますので、最近人事院におかれましても産前産後の休暇等の期間についていろいろ検討がなされておるようでございますが、この問題について結論が出ましたら、私どもも人事院の方式を採用して実施するというふうに考えております。  それから速記職の問題でございますが、速記職として行(一)二等級の特号に人がたまりつつあるという現象がございます。これはいろいろ沿革がございまして、速記の行(一)二等級というのは監督のまま二等級に行くということが、監督のうちのある数は課長待遇を受けるのだと、こういうような基本的な考え方がございまして二等級に行っておるわけでございます。ただ、速記職の給料表が金額的に高い給料表でございますから、そこから行(一)の二等級に移れば直ちに特号に行くという現象が起こるのは、これは一つの制度上の、給料表上のやむを得ない形ではないかと思っております。この符号をしからばどうやって解消するかという問題でございますが、現在の職階のたてまえから言えば一等級に昇格するより道はない。しかし、一等級というのは課長でも上位課長の職でございますから、その点から言えばそういう措置は現在困難であるというふうに考えております。  それから議警の問題でございますが、議警の役職の現状を申し上げますと、現在、衛視長が二十二、副長五十八、班長四十六、一般職六十八という、執行職としてはいささか頭でっかちな形でおるわけでございます。したがいまして、処遇改善でこの役職をふやしていくということは必ずしも適切な方法であるかどうか問題があるわけでございます。したがいまして、大蔵省でもいろいろ御理解をいただきまして、副長で一つ上の等級を暫定的に使えるというような方法をいろいろ考えて御協力を願って実施しておるところでございます。今後もそのような方法で給料表上の頭打ち的な人については次の高い給料に移れるような方途を逐次考えてまいりたいと思っております。  それから技術職でございますが、運転手で四等級に行けるということは、一般公務員の制度から見ればまことに画期的なことであると私ども考えております。したがいまして、現在はその四等級に順次上がれることを重点としてやっておる最中でございます。四等級から三等級と言いますと、これは課長補佐でも主要課長補佐のポストでございます。それをただ技術職ということですなわち自動車の運転をしたまま三等級ということは、これは制度的に見ても非常にむずかしい問題であると考えております。将来の問題といたしましては、事務職に転用して三等級への道を開くとか、そのような方向を考えていかざるを得ないと思っております。また、いずれ全体の給料表の問題が吟味をされる場合には、あるいは運転手の三等級ということもひとつ考える余地が将来出てまいるかもしれませんが、現状においてはそういう状態だと考えております。
  59. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) 以上をもって馬場富君の質疑は終了いたしました。  他に御発言もないようですから、皇室費及び国会所管に関する質疑はこれをもって終了したものと認めます。  それでは、午後一時から分科会を再開することとし、これにて休憩いたします。    午前十一時三十六分休憩      ―――――・―――――    午後一時開会
  60. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) ただいまから予算委員会第一分科会を再開いたします。  まず、分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、山崎昇君及び馬場富君が分科担当委員を辞任され、その補欠として久保亘君及び塩出啓典君が分科担当委員に選任されました。
  61. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) 昭和五十五年度総予算中、科学技術庁所管を議題といたします。
  62. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和五十五年度総予算中、科学技術庁所管の審査のため、本日の分科会に参考人として宇宙開発事業団理事長松浦陽恵君の出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  64. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。大木正吾君。    〔主査退席、副主査着席〕
  65. 大木正吾

    ○大木正吾君 これは再々衆参で話題になったことでしょうから、改めてということかもしれませんが、「あやめ二号」の事故につきまして、少し伺いたいんです。  まず最初に、事故の経過について、ごめんどうでしょうけれども、もう一遍繰り返して説明していただけませんか。
  66. 勝谷保

    ○政府委員(勝谷保君) お答えいたします。  「あやめ二号」は、二月の二十二日、金曜日の十七時三十五分に種子島の宇宙センターから打ち上げられ、トランスファー軌道まで順調に飛行を続けていたのでございますが、二月二十五日、月曜日の十三時四十六分、ドリフト軌道に投入するためにトランスファー軌道の最も遠い地点において衛星に組み込まれておりましたアポジモーターに点火をいたしましたところ、点火後約八秒後に衛星からの電波が途絶したわけでございます。宇宙開発事業団では直ちに衛星との通信を回復いたすためにコマンド送信等に努めたわけでございますが、復旧には至らないで現在に至っております。  昨年の二月に打ち上げました類似の「あやめ一号」と若干このたびは徴候が違いまして、今回はトランスファー軌道における衛星のスピン率等には特に異常が見られなかったわけでございまして、ロケットの打ち上げそのものはほぼ正確に行われたものと現時点では推定されております。今回のトラブルは衛星側に起きたのではないかということが一応推定されておりますが、今後、なお十分な調査研究が必要と考えられております。  このような事態にかんがみまして、宇宙開発委員会では、二月二十六日、火曜日に直ちに臨時の委員会を開催いたしまして今後の対応策について審議いたし、原因の究明及び対策に係る技術的事項を検討するために同委員会の第四部会に審議を付託しました。その後、この第四部会は三回にわたる原因の究明をいたしておりまして、過日、その中間的な報告を委員会にいたしてまいりましたと同時に、この衛星は相当部分アメリカサイドの企業との関係が深いわけでございますので、この部分からの特別の調査団を派遣するということを決定しているところでございます。今後、鋭意この原因究明に努めてまいりたいということでございます。  以上、今日までの経過を御説明いたしました。
  67. 大木正吾

    ○大木正吾君 一号のときと類似している事故なのか、それとも前回とは違うというふうにお考えですか。
  68. 勝谷保

    ○政府委員(勝谷保君) 現時点では、先ほど申しました第四部会で原因究明をいたしておりますので、最終的な結論ではございませんが、過日、第四部会からの中間的な報告が委員会にされましたところによりますと、ロケット関係の原因はない、一応ロケット関係の諸データは理論値のとおり正確に作動しておるという報告がなされておりますので、先回失敗いたしましたのはロケットと衛星の切り離しのときの失敗でございまして、その切り離しの以後も順調に作動しておりますので、先回の失敗原因は一応解明されたという中間的な報告を受けております。そしてこのたびは、先ほど申しました最も遠い地点におけるアポジモーター点火後に起きた人工衛星サイドの事故ではないかという一応の推定がされておりますが、その原因につきましては今後鋭意検討を進めることにいたしております。
  69. 大木正吾

    ○大木正吾君 私も専門家じゃありませんから、その辺のことについて、現実に見たわけじゃありませんし、前回はロケットと切り離しの関係というお答えですから、それを一応信用いたしますが、今回、第四部会ですか、つくられまして、そして御研究いただいておる中で、アポジモーターの事故ということにほぼ見通されておるようでございますけれども、これ自身が衛星の中の中枢部分でございますから、そうすると、アメリカでつくられた品物で、しかもこの種のものというのは今日世界的にも非常に極秘的な部分が多いと思うんですが、どうでしょう。アメリカに派遣された方々が、衛星の中枢部分についての、見識という言い方をしたらちょっと悪いのでございますけれども、本当にあの問題の把握ができるというように科学技術庁はお考えですか。
  70. 勝谷保

    ○政府委員(勝谷保君) 先生御指摘の点こそ、私どももいま第四部会で検討する際のきわめて重要な点だと認識いたしております。実はアポジモーターで、いま二つばかり理論値、従来考えている点と違うデータがわれわれの手元に入っておりますので、アポジモーターについてはもちろんのことでございますが、アポジモーター以外の人工衛星の点につきましても、全体的な問題をアメリカサイドでつかんでこようという意欲に燃えております。ただ、この意欲が、実際に先生御指摘のようにかなえられるかどうかという点に問題がございますので、こういう点の専門家が、科学技術庁の航空宇宙技術研究所にかねてから固体ロケットについての研究をいたしております専門家がおります。この専門家と宇宙開発事業団の衛星並びにロケットについての専門の理事さんがそれぞれ参るわけでございますが、その際のおおよそ百にわたる質問事項をいま用意しておりまして、第四部会で検討しております。この質問に対して、もしアメリカサイドが回答を拒否したときがまた一つの、拒否されたということ自体が一つの事実として残るわけでございます。ただ幸いなことに、アメリカサイドはわが方と協力してできるだけの原因究明に応じたいということを申しておりますので、私どもその調査に期待をいたしておるところでございます。
  71. 大木正吾

    ○大木正吾君 二回失敗しまして二百五十億前後の金が宇宙に飛んだという話もございまして、事故の個所についてはほぼこの辺だということについては間違いないでしょうけれども、アポジモーターの中枢部分とその周辺部分、相当これは国際的にも機密に属する部分だと思いますので、アメリカとの関係については相当に厳密な、行く方々の信用度なども含めて、あるいはまたこちらの事業団自身が、何だかんだ言っても、寄せ集めと言っては悪いのですけれども、わりあいに宇宙開発関係は日本はおくれていますから、そういう関係で、専門家の方がなかなか選べないという問題もあろうかとも思うのですけれども、長田長官はなりたてでもってお気の毒であったのですけれども、とにかく三回目の失敗をしたら宇宙開発に関する八〇年代の大変な大きな、知識集約型の産業の中枢でございますけれども、問題ですから、その辺は相当しっかりしたアメリカとのコンセンサスあるいは調査を――アメリカでも現にこの問題で失敗して落としているやつがずいぶんあるわけでしょう。ですから、向こうでも悩んでいるはずでございますから、その辺抜かりなくひとつやっていただきたいし、できたら私は、学者の方々やその筋の権威の方々結構ですけれども、長官みずから外務大臣等と一緒にお話をしていただくぐらいの立場をとらないと、どうも事故の本当の――日本の場合二回とも失敗していますから、三回目やったら大変な国民の信用落としますので、それが国民の大きな損失にもつながっていきますので、ぜひ学者の方々だけに任せないで、技術庁自身、責任ある方々に行ってもらいたい、こういうことを私は申し上げておきたいんです。  これに絡んで、長官がたまたまかつての逓信省関係の御出身でございますから、あえて関連して質問するわけなんでございますが、逓信委員会で議論しておりました実は通信衛星、放送衛星が、五十七、八年ごろにほぼ実験ということから実用衛星という立場でもって去年の臨時国会でたしか新しい機構をつくったわけです。そういう関係で通信と放送の実用衛星、構造は若干違うことはぼくらもわかるんですけれども、しかし、この失敗自身の、こういった通信放送衛星の実用化に向けての影響についてはどういうふうに御把握になっていますか。
  72. 勝谷保

    ○政府委員(勝谷保君) 技術的なところを、まず先に私からお答えさせていただきます。  いまの開発計画によりますと、通信衛星の二号のaにつきましては五十七年に打ち上げ予定でございます。それから通信衛星二号のb、これはペアになって上げるわけでございますが、その翌年の五十八年を予定しております。  それから放送衛星二号のaは同じ五十八年の末に打ち上げる予定でございます。それからその放送衛星のbは六十年ということでございますので、一応いまから二年ないし三年後ぐらいからは本格的な実用衛星が打ち上げられることになります。  実は、その前に気象衛星の二号が近く五十六年に打ち上げられますので、ただいま先生御指摘の二つの衛星は五十七年以降次々に打ち上げられるわけでございますので、これに向けての打ち上げる手段でございますロケット、それから実際に打ち上がります衛星につきましては、国民の期待、特にその実用という面で相当の期待がかかっておりますので、失敗は許せないわけでございます。そのために私どもとしては、いまのスケジュールでは、NIIロケットをまずそういう実用のものを積み込まないで試験衛星を積んだままで近く打ち上げて、三百五十キロという重いものでございますので、そういう重いものが打ち上げられるりっぱなロケットとして完成しているかどうか、まずロケットを確かめてみたいと思っております。この成功の上に立って先ほどの気象衛星の二号を打ち上げるということも考えております。  さらに、人工衛星等の中で最も問題なのは、先ほどのアポジモーターの点もございますが、実際のこの人工衛星の胴体とセンサーとの関係が十分積み込むに値する強度を持った鋼体のものができるかどうかという点は、このたびのECS「あやめ」の失敗を十分反省いたしまして、その反省の上にりっぱなものをつくっていくということを考えております。  なお、技術的にも十分提携先と検討を加えまして、国産化分野と提携先と十分踏んまえた上で完全なるものをつくりたいという意欲に燃えて計画を進めていきたいと思います。  技術的な点を先に申し上げました。
  73. 長田裕二

    ○国務大臣(長田裕二君) 昨年とことしと引き続き失敗いたしました実験用通信衛星は、一面、ロケットの開発という任務と、それから先生御承知のミリ波通信の実験という任務を帯びておりまして、ミリ波通信の実験のところまでいかずに二つとも失敗に終わったわけでございます。いま予定されております実用通信衛星あるいは実用放送衛星、実用放送衛星につきましては、その前の段階の実験用の放送衛星は現に飛んでいるわけでございますけれども、実用通信衛星につきましては、ミリ波の実験という問題がその前提になっているわけではございません。実用通信衛星の場合にはそれ以外の電波を使ってやるということでございまして、これはそれぞれのロケット及びその衛星自体につきまして、ただいま研究調整局長がお答えいたしましたような点への十分な配慮、特に今回の連続しての失敗の経験などを十分生かしまして万全を期する所存でございます。したがいまして、今回の実験用の通信衛星の失敗ということが、そのまま次の実用通信衛星への再検討といいますか、根本的な再検討ということに直接つながるものではないと存じます。  なお、今後十分留意いたしまして、先ほど御指摘の、三遍も失敗を重ねるようなことになってはこれは宇宙開発計画そのものの今後に非常に大きな影響を及ぼすという御指摘はまことにごもっともでございます。十分留意してやってまいりたいと存じております。
  74. 大木正吾

    ○大木正吾君 これは局長に伺いますけれども、第一回のときにはロケットということであり、第二回のときには衛星の内部のあれでアメリカの品物なんですが、ロケットを打ち上げるものは、実験用の衛星というものと、それと同時に、実用の通信衛星CS-2aとか、こういったものとロケット基地は同じ基地を使うんですか。
  75. 勝谷保

    ○政府委員(勝谷保君) 御存じと思いますが、先回の実験のために打ち上げました放送衛星、通信衛星は、いずれもロケット基地としては、当時あのような大きなものを打ち上げるロケットがございませんでしたのでアメリカで打ち上げまして、打ち上げた後の追跡、管制をわが方でいたしたわけでございます。そこで、先ほど、NIでこのたびはロケットは成功したと申しましたのは、これは百三十キログラム程度の衛星を打ち上げるロケットとしては六発目を打ち上げて成功させましたので、次は三百五十キロ、いよいよ先ほどの実用衛星を打ち上げるロケットをNIとして開発を進めておりまして、これのロケットの一発目を近く打ち上げまして、この路線上でちゃんと打ち上げられるという見通しは立っておりますが、実際にやってみて三百五十キロ打ち上げるロケットの開発を進めて、その結果を待ちましていよいよ国内の種子島の基地から打ち上げるということになろうかと思います。
  76. 大木正吾

    ○大木正吾君 これは先ほどの話ともちょっと関係いたしますので、ダブって申しわけありませんが、とにかくアメリカ自身がブラックボックスに入れているわけでございますから、そういう点ではなかなか中身を本当にしさいに検討することにむずかしさを感じるわけですけれども、日本の国産の技術の進歩といいましょうか、そういう意味合いでロケットの方についてはいまの御答弁でほぼ理解ができるんですけれども、アポジモーター、この関係についての国産化率五〇%余り、こういうふうに伺っておりますので、これについては、今度の事故の解明と同時に、わが国自身がこの種のものについて製作を、それはもちろん皆さんのところでやることなのか、あるいはメーカーとの協力なのか、あるいは通信研究所とか東大とか、いろいろありますが、そういった関係をもちまして国産で、アメリカのブラックボックスの中身を解明していってということよりも、むしろ日本自身がどんどんやっぱり国産化の度合いを高めていく、こういうことでないと――また日本の技術は皆さんの頭脳を集めていけば私は可能だと思うんです。ですから、そういう点で国産化技術といいましょうか、国産化のウエートがロケットは相当高まってきている。しかし、衛星の方はやっぱりまだまだ弱いわけですから、その辺についてどうでしょうか。今後の方向といたしまして、ロケットについては相当自信は持ててきているようでございますけれども、衛星についても持てる状態にいき得るかどうか、その辺についてお教えいただけませんか。
  77. 勝谷保

    ○政府委員(勝谷保君) いま数字を持ち合わせていなくて恐縮でございますが、たとえば実験用の衛星は非常に高い率で、七割とか八割という率で実は国産化したものを打ち上げてまいりました。  それから実用衛星、先ほど申し上げました気象衛星と通信衛星と放送衛星につきましても、一例を申し上げますと、通信衛星の一号は国産化率が二三%でございますが、このたびの二号につきましては六二%に引き上げる予定でございます。それから先ほどの気象衛星につきましては、一号機が一一%でございますのを三五%、それから放送衛星につきましては一五%のものを三一%というような形で引き上げてまいります。この三つの衛星は、特に一号と二号はほぼ同じものをつくることになっておりますのでこの程度の国産化率でございますが、三号からは抜本的な要請、内容の変化に対する要請がユーザーサイドからございまして、国産化率は大いに上がることが期待されております。  それから先ほど先生御指摘のアポジモーターの国内でつくったらどうかという御指摘ごもっともでございまして、私どもは六十年の前半を目標に、先ほど申しました科学技術庁の航空宇宙技術研究所にこの面のエキスパートがおりますので、この研究所と宇宙開発事業団とが一体となりまして、国内の固体メーカーが一社専門メーカーございますので、そのメーカーと一体となって進めておるところでございます。  なお、このための検討会には、東大はかねてから固体ロケットの開発を進めておりますので、東京大学の技術も逐次導入をさせてもらって意見交換しながら国内的に完成したものをつくりたい、六十年の前半には国産化が完全にできるようにいたしたいということがいまの念願でございます。
  78. 大木正吾

    ○大木正吾君 これから先が私、実は言いたいことなんでございますけれども、これは与野党を問わず非常に国家的な仕事ですから注目しているわけでございます。ここに新聞の切り抜きを持ってきました。これは自民党の中山先生ですね、中山先生は大学で宇宙学を専攻したものじゃないと思うんですけれども、非常にこれに私たちがやっぱり啓発されることがたくさん書いてございます。一千億円程度のお金が今年度あたりからは宇宙開発関係に投入される、きょうは事業団からもお見えいただいていますけれども、事業団の結局要員が八百数名おりまして、そして各省庁のいわば寄り合い世帯的な面があるとか、そういったことを生々しく指摘されておるわけですが、これは長田長官も言いにくいかもしれませんし事業団の方も答えにくいかもしれませんけれどもどうですか、実際問題としまして。  私も、実は逓信委員会におりましたときに、例の通信放送衛星に関する開発機構ができたときに余り賛成じゃなかったんです。もっと一元化してもらいたい、NASAみたいに。少し日本の場合には問題がある。技術もおくれているし、アメリカにおんぶしているという傾向もありますけれども、東大もやっているし、開発機構関係でもやっているし、あるいは事業団もやっているし、それをまとめる開発委員会自身がどの程度の権限を持っているかどうか、これもはっきりしておりませんので、まさしく失敗を繰り返しながらも、何かまとめた頭脳集団をつくり、同時にまとめた国家的な仕事にしていく、そういうようなやっぱり感触が薄いといいましょうか、官房長官おりませんですけれども、長田さんも逓信畑古いわけですから、そういうことを含めて、他の省庁に絡んでも結構ですから、もうちょっと総合的な力を発揮できる問題にしていかないと、せっかくのいわば日本の頭脳集団にいたしましても国民の貴重な税金を効率的になかなか使用できない、こういう問題点を残すと思うんですが、長官と事業団の方からの御返事をちょうだいしたいと思っています。
  79. 長田裕二

    ○国務大臣(長田裕二君) 先生御承知のように、宇宙開発につきましては、以前から宇宙開発委員会がこれを取りまとめて国全体としての計画を取り進め、東大と宇宙開発事業団はそれぞれその分野におきましての研究開発、東大の場合には科学目的ということもございまして利用などを進めてきたわけでございます。しかし、世間のうわさとしましては、ともすれば東大側と科学技術庁と申しますか、宇宙開発事業団と申しますか、完全な協調がとられていないというようなことなども私ども昔耳にしたことがございますが、最近、御承知かと存じますけれども、ロケットの開発などにつきましては、東大側と宇宙開発事業団とがそれぞれ十分打ち合わせの上分野を決めまして今後の開発にはおのおのの特徴を生かして終局的には一体になってやっていくというようなことに合意を見ておりますし、宇宙開発委員会が全体を取りまとめて計画を進めていくということ、単に普通の意味の取りまとめじゃなくて、真に一体になってそれぞれが研究目的あるいは開発という面を十分に取り進めるような体制も非常に整いつつある、御指摘のような点の解消に非常に向かいつつある、そのように思っておりますが、なお、詳細につきましては、担当局長あるいは理事長からお答えを申したいと存じます。
  80. 勝谷保

    ○政府委員(勝谷保君) 東京大学の宇宙研と宇宙開発事業団の一元化の問題につきましては、いま大臣御答弁のような方向で実は昨年の十二月に東大との間で話し合いがついております。  実はロケットにつきましては、いま東大が開発しておりますミューシリーズの最終を決定いたしまして、そのミューシリーズは3S改というものをもって終了する、それ以後はロケットの一切の開発は宇宙開発事業団でやるのだ、その際も東大の開発能力は引き続き宇宙開発事業団に十分反映されるようにいたしますということになっております。  それから人工衛星につきましては、実用の人工衛星は宇宙開発事業団が今後もずっと開発を進めるわけでございますが、宇宙科学につきましての衛星、これは東大が昔から大学の先生方と一緒に開発を進めておりますので、引き続き東大が進めるということになっております。  そして、往々にして、従来衛星の開発並びにロケットの開発で両者の意見調整が必ずしもスムーズに進まなかった点につきましては、検討の委員会を設けまして、このための会合を近く第一回を開くことにいたしております。そういうことで、東大との関係は、今後は人材の交流も含めてスムーズに進むのではないかと私どもは考えておるところでございます。  さらに、去年つくりました機構との関係につきましては、先生方に御審議いただきまして、あの機構は実際に利用する人たちが、衛星がちゃんと所定の軌道に乗って以降のことをつかさどるということでございまして、打ち上げ後ちゃんとした軌道に乗せるまでのこと、これはすべて打ち上げ、それから追跡、コントロールまでをすべて宇宙開発事業団で今後も進めることになっております。引き継いだ後、利用に入った段階からのコントロール並びに実際の利用を新機構でおやりになるということで分野調整ができております。  なお、新しい機構の理事長さんは御存じのとおり宇宙開発委員会の委員長代理をされた方でございますので、相互に十分な連絡をとりながら目下進めているところでございます。
  81. 松浦陽恵

    ○参考人(松浦陽恵君) 先生お尋ねの問題に対しまして述べさせていただきます前に、一言お断りを申し上げたいと思います。  このたびの実験用静止通信衛星「あやめ二号」の打ち上げに当たりまして、衛星側に事故が発生いたしまして、ミリ波実験の計画に大きな影響を与えましたことはまことに遺憾に存じておる次第でございます。この場を通じまして、関係各界を初めとする国民の皆様方に深くおわびを申し上げたいと存じます。  さて、お尋ねの件でございますが、東京大学と当事業団との関係は、先ほど大臣、局長のおっしゃいましたとおり、非常にスムーズにいままいっております。ちょっと余談になりますが、Nロケットの二段を国内開発いたしたわけでありますが、これの試験飛行のために試験用ロケットというのを数年前に打ち上げました。このときには、東京大学の従来からの経験が非常にわれわれに役立ったわけでございまして、東京大学の当時の御協力に日ごろから感謝いたしておる次第でございます。  また、新しくできました通信放送衛星機構、これとの関係も全く大臣、局長のおっしゃいましたとおりでございまして、私たちは新しいこの機構とよく連携をとりまして、通信放送の分野の宇宙開発に最大の努力をいたしてまいりたいと考えております。
  82. 大木正吾

    ○大木正吾君 理事長に伺いますけれども、事業団にいまこの種の技術者、エンジニアの方々は何人ぐらいおられますか。
  83. 松浦陽恵

    ○参考人(松浦陽恵君) 細かい数字は申し上げられませんで恐縮でございますが、大体五百名ということでございます。
  84. 大木正吾

    ○大木正吾君 身分は、結局、出向者であるか、あるいはおたくでもって直接大学出を採用された方、どういう分野になっていますか。
  85. 松浦陽恵

    ○参考人(松浦陽恵君) 事業団が発足いたしました当時、しばらくの間は非常に各省庁からの出向の方々、また、民間会社からの出向の方々というものが非常に大きなパーセンテージを占めておりました。最近は、続けまして毎年新しい学校の卒業者等も参っておりますし、また、各方面で経験を積みました方々の出向と申しますよりは、事業団本来の職員になってまいったという者がふえてまいりまして、発足の当初非常に悩みました、短期間の出向でせっかく技術を身につけてくださった方々がまた帰っていくというような悩みがあったわけでございますが、こういうものがだんだん解消されつつございます。
  86. 大木正吾

    ○大木正吾君 これは長官に伺いたいんですけれども、こういう仕事の始まりというのはどうしてもそういう傾向を持つんですけれども、企画庁なども、できた当初はやはり各省庁の方々が多かったんですが、大分最近は経済問題がやかましくなりましたから腰がすわってきたわけですね。やっぱりこの種のものを本当に一体的といいますか、一元化的にというからには、事業団を中心にして仕事をさせるならば、それらしき人材配置、そして、そこでもって研究し、同時に、やっぱり自分たちがやったことに対して誇りを持ち、価値観というものを持つというような状態にしてあげませんと、私はこの種のものはうまくいかない、こういう感じをどうしても在来のいろいろな例からして感ずるわけでございまして、東大の場合には東大として一つの、スケールが小さいといいますが、しかし技術面では相当先行的な面があるわけですから、そういう点等を含めまして、この事業団で働く特に技術面の方々が誇りというものを持ちながら仕事のできる体制ということを考えてあげませんと、理事長をこちらでもって責めても答えは出てこないだろうと思うんです。ですから、国民全体の気持ちからしましても、国会の中でも与野党、私は、中山先生が取り上げたことは与党も野党もない、この問題については。ロケットを打ち上げることについては、いずれも二、三年後に一〇〇%日本の技術をもってやってもらいたい。同時に、今度の失敗にかんがみまして、やっぱり衛星につきましても三百五十キロぐらいのものについて、何だかんだ言っても日本の七、八割までの国産というものを目指してやってもらいたい。技術者ですから、そう簡単に短時間には養成できない面もあるかもしれませんけれども、メーカーの方に行った方が待遇がいいから向こうに行こうかとか、それからここで私、きょうは分科会ですから非常に遠慮して物を言っているんですけれども、中山先生の言ったことはこういうことなんです。これもちょっとひどいんですけれども、言わせていただいていいですか。「業者への発注事業団」という言葉があるんですよ。中山先生はとにかく自民党の党知識集約振興議員連盟の会長ですから、こういう言葉が出ることは私自身もちょっと気持ちが痛むわけですけれども、そういう点等にかんがみまして、もう少し事業団に、要するに宇宙開発の技術面のエースが喜んで行ける体制というものをしいておかなければいけない、こういうふうに感じるのですが、どうでしょうか。
  87. 長田裕二

    ○国務大臣(長田裕二君) 御承知のように、宇宙開発につきましては、アメリカとソ連が軍事目的というものもございまして、非常に巨額の経費とそれから多くの人材を擁してやっているわけでございます。したがいまして、米ソと全く同じレベルに立つということは、私どもこの日本の国柄としまして非常に困難じゃないか。しかし、宇宙開発の恩恵と申しますか、これを社会生活に使っていくという面につきましては、軍事目的は別といたしまして、私どもの側にも相当熾烈な要望もございまして、これらをどう調整していくか。一番の先端は、御承知のようにインテルサットのあの成果というものを、私どもは地上施設とか、あるいはそれに加盟して利用の割り当て、割り前を受けるという形で利用しているわけでございますし、    〔副主査退席、主査着席〕 その次には、アメリカの衛星によってこちらの衛星、その衛星も向こうの技術を相当利用した衛星というものを打ち上げてもらってやっていく、それから今度は自分の衛星を自分の手によって打ち上げる、自主的にやっていく、いろいろな段階がございまして、私どもも宇宙開発委員会も、今後日本はどういう面の衛星というものを開発し、どうこれを利用していくかということをしっかり見定め、ただいま放送衛星とか、通信衛星とか、気象衛星とか、測地衛星、海洋観測とか、目的を定めてやっておりますけれども、そういう目的を定めてやっていく。それと自主技術で完全にやり得るという問題には若干のギャップがございまして、一刻も早くそのギャップを埋めて、自分たちの目的はできるだけ自分たちの手によって達成できるというふうにしたいと思っております。  そういう過程での重ねての失敗というものがこのごろ起こったわけでございまして、私は大きな意味で、宇宙開発委員長としてあるいは科学技術庁長官として非常に責任を感じておりますが、個々の研究者の個別的責任という問題につきましては、これは本当に重大な手落ちとかなんかの問題でございましたら別でございますが、なるべく研究意欲を喪失しないような、みんなが本当に真剣に力いっぱいやっていくというような、そういう構えというものは今後とも維持してまいりたいと思います。  御指摘の、米ソと比較すれば見劣りするのはやむを得ないと思いますけれども、日本は日本独自の目的をしっかり追求していってもらいたい。そして国民生活、社会生活に寄与していくのだ、そういう重大な任務を持っているのだというようなことにつきましての使命感やまたプライドも持ちながら全体の研究陣が努力していけるようにしてまいりたいと念願しているところでございまして、今後ともよろしく御鞭撻をお願い申し上げる次第でございます。
  88. 大木正吾

    ○大木正吾君 長田長官、ぼくの先輩だからおだてるわけじゃございませんけれども、あなたのポストのある間にぜひ一元化問題について、開発委員会の責任者でもございますから、さらにもっと言えば図表なりあるいは仕事の分野等について、この委員会、さらには逓信委員会等に対しましてそういった文書などをもいただきたいし、同時に、これも言い方が悪いんですが、この種の機材とかそういったものは、非常に精密度の高いものですからなかなか値段がつけにくいと思うんです。しかし、やっぱり一千億円程度の金がついているということは大変なことでございますから、家庭の主婦でも子供でも宇宙というものについて物すごい関心が高い世の中なんですから、ですから、そういったニーズというものも大いにお考えいただきまして、会計検査院が入りましても、この機械をメーカーに幾らでつくらしたと言うたときに、それに続いて会計検査院の方々が、そうか、これは五十億かと言ったときに、五十億ということについて、それがわかるかどうかということはわかりませんよね、絶対に。だから、そういったことなども含めて私たちが一元化、同時に、もっと優秀な人材の集まれる魅力を持った事業団にしてもらいたいし、同時に、国民に対する金でございますから、大事にやっぱり使うように、これは検査院の方に対しても私は言うべきことかもしれませんが、ぜひそういった点も考えてむだ遣いはやっぱりやめてもらいたいし、それから同時に、何だかんだ言っても、日本の頭脳というものがここに集まれるような形に、子供たち、家庭の主婦までが空を見て、日本人自身が出した人工衛星があそこでもって、おれたちの難視聴とかあるいは電話料金とか、いろんな面にたくさん出てくるわけですから、そういった問題について関心を持っている時代に入っているわけですから、自信を持たれると同時に、やっぱりそういった今後の一元化、効率化、そういったものに対する、私は長官なり理事長等の御努力を特にお願いいたしまして、質問だけじゃなく、ある意味では、これは与野党ともにもつとしっかりやってくれ、こういった気持ちを含めて意見を申し上げまして、終わらせていただきます。
  89. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) 以上をもって大木正吾君の質疑は終了いたしました。
  90. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、大木正吾君が分科担当委員を辞任され、その補欠として吉田正雄君が分科担当委員に選任されました。
  91. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) 次に、吉田正雄君の質疑を行います。吉田正雄君。
  92. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 私は、核燃料物質あるいは放射性廃棄物等の輸送時における輸送体制あるいは防災体制がどうなっておるのか、ほか幾つかの点についてお尋ねいたしたいと思います。  警察庁、それから自治省、あるいは消防庁等に対しましてもこの問題について若干お尋ねをいたしましたので、それらとの関連においてもお尋ねをいたしたいというふうに思っているわけです。  その関連をお聞きする前に、まず、具体的に輸送体制がどうなっておるのか、お聞かせ願いたいと思うんです。たとえて言うならば、東海の場合、核燃料がどういうふうにして搬入をされるのか、また使用済み核燃料がどういうふうにして、どこへどのような体制でまた送り返されていくのか、そういう輸送体制をまず最初にお聞かせ願いたいと思います。
  93. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) まず、新燃料について御説明申し上げます。  原子力発電等に使います新燃料の輸送につきましては、陸上輸送につきましては原子炉等規制法によりまして、また一部海上輸送が行われておりますが、海上輸送にございましては船舶安全法により、それぞれ厳重な安全規制が行われておるわけでございます。  陸上輸送の場合、科学技術庁におきましては、核燃料を輸送するもの、これは容器とその内容物でございますが、輸送物を輸送容器に収納し核燃料の加工工場から発電所等に送られるわけでございますが、その送ります際の輸送物を、科学技術庁が定められた安全基準に従いまして、その都度、基準に適合していることについて確認を行っております。  それから輸送方法につきましては、運輸省におきまして車両または船舶の積みつけ等につきましての所要の安全基準を定めておりまして、基準に適合していることを確認した上で輸送を行うというのが主務官庁の規制の方法でございます。  また同時に、陸上輸送の場合には、輸送中の安全を確保するために、その核燃料物質の輸送の日時、経路等につきまして、事前に積み込みます府県の公安委員会に、あるいは海上輸送になりますと海上保安庁に届け出をいたしまして、必要な指示を事業者が受けることになっておるわけでございます。この際、この輸送の、運輸省並びに科学技術庁が用いております技術的な安全基準につきましては、国際原子力機関の定めた放射性物質安全輸送規則に基づきまして安全委員会でいろいろその中身につきまして検討、原子力委員会でございますが、五十年一月に定めておりますものを放射線審議会の議を経て、これを法制化したものを用いておるわけでございます。  それから使用済み燃料の輸送につきましては、これは通常、ほとんどの原子力発電所は海に面したサイトを用いておりますので、陸上輸送は大体発電所内の構内の陸上輸送になりますが、その後、船に積み込みまして再処理施設等へ輸送するわけでございます。この輸送に当たりましての輸送物につきましての確認制度は、先ほど新燃料のときに申し上げましたと同様に、この輸送物はさらに厳重な安全対策が必要でございますが、厳しい安全基準によりまして、そのとおり積み込まれておるかということにつきましての確認を科学技術庁並びに運輸大臣が行っておるところでございます。  船の輸送の場合の船につきましても、核燃料物質、使用済み核燃料を送るに適した専用船を使って輸送しておるところでございます。船の場合には、その輸送につきましての輸送時の届け出等につきまして、公安委員会にかわる役所として海上保安庁が当たっておるところでございます。  現在までにそのようなことで各種新燃料あるいは使用済み燃料等の輸送が行われておるわけでございますが、いままでのところ、そういう輸送によりまして安全が確保され、事故等の例はほとんど出ていないところでございます。
  94. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 午前中お尋ねしたところでは-警察庁の方から出ておいでになりますか。  いまの説明の中にありますように、輸送の日時、経路等については各県の公安委員会に通知をするということなんですが、公安委員会としては、その通知を受けた段階で輸送経路に当たる管轄の警察署に対してそれを連絡するということが当然行われると思いますし、それから単に警察だけでなくて、各自治体に対しては警察から連絡をされるんですか、それとも事業者の方から連絡をされるんですか、科技庁の方から連絡をされるんですか。その辺の連絡はだれが責任を持ってどういう機関に対して行うのか、これをまず明らかにしてもらいたいと思います。
  95. 斉藤明範

    ○説明員(斉藤明範君) まず、運搬いたします場合には、出発地の公安委員会、これは事務的には警察が代決をやっておるわけでございます。専決でいただいておるわけでございますが、本部の窓口としては危険物担当課でございますけれども、ここに届けがあるわけでございます。そういたしますと、これは二週間前ということで総理府令で定めておるわけでございますが、そういたしますと、関連する通過県の公安委員会に対してこういう届け出が出た、ついては指示する場合に指示すべき事項はないかという意見を関係の公安委員会に聞くわけでございます。それと同時に、届け出を受けました県警におきましては、危険物担当課のほかに警備関係もありますので警備課、それから交通関係については交通、パトロールカーをつける場合もございますので外勤、こういった関係諸部門に、指示する際の指示事項等についていろいろ聞くわけでございます。集まったところでまとめまして、これも総理府令に指示事項が決まっておりますけれども、日時、経路、車両の速度、それから伴走車の配置、車列の編成、駐車場所、駐車時の措置、積みおろし、または一時保管の場所、見張り人、警察への連絡、こういったようなことにつきまして指示をすることができるようになっておるわけでございます。そういう事柄につきまして必要の都度指示をいたす。同時に、関係府県に連絡が行っておりますので、沿道の警察にも当然行くわけでございます。  そういうことで運搬をやっておるわけでございまして、必要によっては警察のパトロールカーをつける。それから車列の編成につきましても、おおむね指導基準といたしましては、総数の車両が大体八台前後。その八台の内訳は、実際に燃料を積んでおる車両は四台という程度でございますが、あとの四台については事業者が警備車両をつけるとか、無線車をつけるとか、場合によってはレッカー車をつけるとか、あるいはさらに何分先かを先導車が走るというようなかっこうで運搬をされておるわけでございます。運搬の内容物その他によりまして、警察が必要と認める場合には当方のパトロールカーを前後につけるというようなかっこうで運搬をいたしておるわけでございます。  そういうような運搬の手続と実態でございますが、地元市町村との関係におきましては、発電所のあるところ、それから燃料加工会社、こういったところがおおむね地元、それと県との間に覚書を結んでおりまして、搬出、搬入につきまして所要の、協定の中身に従って通知をいたす、こういうふうに聞いておるわけでございます。  しかしながら、通過する各市町村に全部知らせるということにつきましては、安全運搬という警察の運搬目的から照らし合わせて、警察でできる限りのことをやっておるという前提で対処いたしておるところでございます。  以上でございます。
  96. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 いま大体八台くらいで燃料車が四台だというふうな説明なんですが、これは科技庁の方では、この燃料車四台という中身はどういう中身ですか。
  97. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) 四台と申しますのは、その運びます燃料の数量によって変わってくるものと思いますけれども、ただいま標準的な輸送につきまして警察の方からお話があったと承知しております。
  98. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 標準的なと言っても、警察の方ではその細かい中身はわからぬわけです。だから、標準的というのはどういうことなんですか。これをもうちょっと詳しく言ってください。
  99. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) 新しい燃料を輸送いたしますときに、通常、容器一個に燃料が二本入っておりまして、トラックに大体容器を二つ積むというのが標準的でございます。したがいまして、四本で一台のトラックを使っているというのが通常、最近の実例でございます。そうしますと、四台ですと容器が八基、したがって燃料体は十六本運ばれるというようなことになろうかと思います。
  100. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 仮に交通事故が起きたという場合、この燃料体が飛び散るというふうな、そういう状況というのは想定されますか、されませんか。
  101. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) 燃料棒を定められた技術基準の容器の中に詰めまして輸送をしておるわけでございますので、この輸送容器自体国際的な基準に定められて、トラック輸送等で何らかの事故が起きて、相当のスピードでたとえば車両が衝突した、あるいは火災を受けたというときにも、その容器が健全性を保つということを確認した容器基準でもってつくられておるということ、それから先ほど警察の方からもお話がございましたように、先導車等、あるいは後ろにつく伴走車、あるいは場合によりましては警察の方でおつけいただいているパトカー、あるいは先行している無線車等、非常に厳重な安全輸送を心がけておりますので、事故を起こすということはまずあり得ないというふうに考えておるところでございます。
  102. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 そうすると、事故は起こり得ないという想定で輸送しているわけですか。それとも、こういう警察の先導車なり、いろんな配置、交通整理等も行っている、しかし最悪の場合事故があるいは起こるかもわからぬという想定はないんですか。
  103. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) 安全輸送を図るために、この容器あるいは積み込み自体を厳重に規定して行っておりますので、それだけでほとんど事故は起こり得ないと考えておりますが、さらに万全を期するために、警察の御指導等を受けて輸送する場合に伴走車等をつける、あるいは無線カーをつけるというふうな対処をしており、万全を期しておるということでございます。
  104. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 いや、そこまでの万全の体制というのはわかるんですけれども、私が一番心配いたしますのは、この容器というのは何でできておりますか。
  105. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) 新燃料の場合は鉄製の容器でございます。中に燃料が動かないように一部緩衝材として生糸を使っております。  それから使用済み燃料の場合はさらに厳重な遮蔽が必要でございますので、一部鉛筆の遮蔽体を補強しておるわけでございます。
  106. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 その鉄製の容器、鉄の融点というのは何度でしたか。
  107. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) 千六百から七百度ぐらいだと思います。
  108. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 ガソリン輸送車と衝突して、ガソリン輸送車が火を噴いた場合の温度には耐えられますか。
  109. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) 私、正確には知りませんが、いろいろな燃焼状態がありますが、この輸送容器等の想定をいたしましたときに、大体ガソリン等が燃えて、それがトラック等に影響を与える、容器等に与える温度として八百度ないし千度であるというふうに承っておるところでございます。
  110. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 警察にお聞きしますが、正確な時期は覚えていないんですけれども、かつてたしか姫路市だったと思うんですが、ガソリン輸送車が衝突して、そしてこれが燃えたといいますか、燃えたという表現はちょっと私は現象から見ると当たらないんですけれども、前後のトラックから自家用車があっという間にまず焼けちゃって、中におった人たちは真っ黒焦げになって死にましたし、乗用車なんというのはほとんど溶けちゃったわけです。巨大な火炎放射器のような状況になったという新聞報道がされて、これは事実写真から見てもそうなんです。ですから、七、八百度なんというなまやさしい状況じゃないわけですよ。恐らく私は、鉄もこれがまともにそういう状況になったならば溶けるのじゃないか。普通の家庭用の都市ガスでもあれは一体何度になりますか、高いところの温度は。それに対してガソリンが本当に猛烈に噴き出して燃えたという場合の温度というのは七、八百度なんということにはなりませんよね。そうじゃないですか。
  111. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) こういうガソリン等の燃えております最高温度は、先生御指摘のように相当高い温度もあろうかと思いますけれども、衝突等によりまして、容器がそのために受ける温度というのは、いろいろな実験によりまして、国外等で行われた実験等をもとにして、耐火につきましては、八百度で三十分加熱しても容器が健全であるという試験をされた設計を用いてやっておるわけでございます。したがいまして、確かにいろいろガソリンが燃えたときの最高温度というようなことと、実際にこういうものがそういう状態で受ける熱とは一律になるというふうには言えないのではないかと考えております。
  112. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 私も全部の道路を調べたわけでもないからわからないんですが、この燃料を輸送する道路の途中にトンネルというのはありますか。
  113. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) トンネル等ございます。
  114. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 トンネル事故の実情というのは、いままでも何回か起きて物すごい被害というのが出ているわけです。したがって、いまおっしゃったような七、八百度だとか大丈夫だなんという、そういう想定というのは、ああいうトンネル事故を考えた場合、いまのはきわめて楽観的で、これは当てはまらないというふうにお思いになりませんか。
  115. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) 先回の日本坂トンネルのデータ等、日本でも非常に大きな惨事があったわけでございまして、この点につきましては、従来の予想よりも耐火性を向上させる必要があるようなデータが一部出ておるやに聞いておりますが、そのために現在トンネル等を通過するような輸送に当たりましては、先導車が無線でトンネル内の状況をまず確認してから入っていくというふうな非常に注意深い輸送を心がけることによりまして、トンネルにおける火災などに遭遇しないような措置をいたしておるところでございます。
  116. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 そうすると、この燃料輸送車が通る場合には、トンネルの中の車両というものは全部一掃した後通すということですか、警察の方は。
  117. 斉藤明範

    ○説明員(斉藤明範君) とめるということはいたしません。通常でございます。  ただ、ちょっと補足いたしますと、あの日本坂トンネルの事故にかんがみまして、私の方も輸送の安全を期するためにいろいろ調査をし、指示もしておるわけでございますが、そのときに核燃料についての知識ある方から、どのぐらいの温度で融点がどのくらいかというようなことも実は調べたわけでございます。それによりますと、まず漆器の鉄そのものの融点は約千五百度前後、それからその中にジルカロイのチューブがあるわけですが、それが約千八百度、それから酸化ウランのペレットは二千八百度、プルトニウムのペレットは二千四百度というふうに大体聞いておるわけでございます。日本坂トンネルの発火点の温度が幾らであったかということは新聞その他でしか私も知  っておりませんけれども、たしか千数百度ぐらいというような報道があったやに記憶いたしておりますけれども、それからだんだん焼けて入り口に近くなればなるほど残骸は残っているわけでございます。そういう残骸の状態からしますと、この融点でもって大丈夫じゃないかと、私自身素人でございますけれども、判断いたしますが、その発火点についてはどうかということについては、ちょっと私その辺知識がございませんが、そういうこともございまして、いろいろ調査をし、それからトンネルは全部調査済みでございまして、おおむね一キロ以上のトンネルが一番長く運搬する島根原発までは九つあるわけでございます、千メートル以上が。それ以下は全部四ヵ所以下でございまして、その次、佐賀までが四ヵ所ですか、その下にきますと、大阪-茨城、東京-大阪、茨城-愛媛、こういったところは三ヵ所でございます。そういう調査をいたしまして、なおかつ交通サイドにおきましては、日本坂トンネルにかんがみていろいろ標識とか信号機とかというようなことを考えているようでございますけれども、そういう交通サイドの安全規制の点と、当方の安全運搬に対しましては、特にそういう超大トンネル、一キロ以上もあるようなトンネルを通過する場合にはとにかく除行すべし、あるいはその前後にいろいろ警備車なり、無線車なり、先導者を事業者がつけますので、そういったものを十分つける、なおかつ危ないという場合にはパトカーをつけることを配慮しなさい、こういったようなことでトンネル事故に対処いたしておるわけでございます。  なお、日本坂トンネルの際、それからその後起こりました大井松田のインターチェンジの付近で相当な火災事故がございましたけれども、その前後に核燃料運搬車が実は走っておったわけです。私の方はいつ、何時ごろ、どの辺を走っているということが全部わかっておりますので、日本坂トンネルにつきましては、大阪から茨城に運ぶ途中だったのです。途中インターチェンジをおろしまして、第一国道といいますか、別の国道を通って上げた。大井松田の場合も、手前で運搬車を迂回措置を講じさせたというようなことで、できるだけそういう事故に遭遇しないという安全運搬に努めておるところでございます。
  118. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 私がしつこくこれをお尋ねいたしますのも、実はアメリカにおいてもスリーマイルアイランドの原発の事故とあわせて核燃料あるいは使用済み燃料の輸送については、特にアメリカの場合には内陸輸送というのが相当あるものですから、そういうことで非常に神経も使っておるようです。日本の場合には原発が大体海岸地帯に設置されておりますから、使用済み燃料については大体構内からすぐ船ということで、こちらの方は核燃料に比してはそう心配がないのじゃないかという感じがするんですけれども、それにしても、私はやはりいつどこで事故が、人間の考えることなんですから、警備も万全だと思ったけれども思わぬ事態が出てこないとも限らない。というのは、この前もすぐそこの東京の高速道路で衝突をして運転者が死んで、死んだまま何キロかそのトラックが突っ走ったということがありますから、警備の側の予想外の状況、暴走車が来るというふうなことも想定できるわけです。そういうあらゆる場合に備えて私は申し上げているので、そのときにも、なおかっこの容器がそういう衝撃あるいは火災という温度、特に何台かの車があれすると、ガソリン車だけでなくて、そこに衝突した全部の車が炎上するということになりますと、とても千二百度や三百度という温度にはならぬということは、これははっきりしているわけですから、そういう予期せざる災害に遭ったときどういう防災対策がとられるかということを私は逆にこれからお聞きしたいと思うんです。  輸送体制はわかりました。そういう災害が起きたときに、まずここに警察の警備車、先導車というのがついていくということで午前中もちょっとお聞きしたんですが、このときにはこれは一つの原子力災害ということになってくるわけですから、核燃料が積んであるわけですから、そういうことではここの警備の体制としては、放射性物質に対する防護体制というのは、この場合にはどのようになっているんですか。
  119. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) 輸送中のそういう万一の事故に備えまして、先生御懸念の放射線に対する配慮につきましては、輸送者もしくは事業者にその対策をとるような、一定の対策をとった上でとり得るような輸送をすることに決められておりまして、もし交通事故等があり、仮に放射性物質が、新燃料等の中のものが飛散したような場合には臨時的に立ち入り制限区域を設けるというようなこと、あるいは除染をするというような体制を事業者がとるような体制を現在とっております。その際に、警察等の御協力を得て立ち入り制限等を実施していただくのはもちろんでございます。
  120. 斉藤明範

    ○説明員(斉藤明範君) 警察に届け出制度が法律改正されましたのは一昨年でございますが、その時点で運搬用のいわゆる防護資機材ということで、五十三年それから五十四年、今年度でございますが、二ヵ年計画ではございますけれども、一応六人分ですね、三人分、三人分、二ヵ年で六人分の、サーベーメーターは二個でございますけれども、あといわゆる防護服、防護マスク、ポケット線量計、その他、こういったものを六人分一応こういう事業所なり通過県には、これは補助金でございますけれども、容認されておるわけでございます。この運搬関係はそういうことで、法改正は五十三年でございますけれども、それ以前にも当然、燃料加工会社とか、そういう施設のあるところにつきましてもサーベーメーター、保護服等につきましては補助金で容認されておるところでございます。それは運搬関係でございまして、運搬だけでございます。  そのほか、いわゆるスリーマイル島みたいなような大規模災害につきましては、災害警備の観点からこれまた別途お願いしていくという考え方でおるわけでございます。  そのほか、警察ですべて持つということについても予算上の制約その他もあるかと思いますので、当方といたしまして指導しておりますことは、そういうことが予想されるときに、どういった専門家がどこにおられるかとか、そういう専門家のリストアップ、それからそういう防護資機材が県内のどこにどういうぐあいにあるのか、そういうものを一応把握させまして、いざというときには借り上げて使用できるというようなことについても指導しておるところでございまして、国は国として国費ないしは補助金で、あるいは県の必要性によっては県単で、あるいはそれで賄い切れない場合にはそういった借り上げ措置でというようなことで対処いたしておるところでございまして、パトカーが前後につく場合にはそういうものを全部一応装備をいたしているということでございます。
  121. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 本当に、いま言ったようにパトカーがこの輸送についていくという場合には、放射線防護の体制というのは全部とられておりますか。
  122. 斉藤明範

    ○説明員(斉藤明範君) そういうときにはそういうものを積んでいきなさいということは指示をしておりますけれども、それはそのとおり行われておると思います。
  123. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 私が聞いているところでは、どうもそこまでの体制はないように聞いているんです。これはちょっとチェックしてください。  ですから、私が心配するのは、事故が起きた段階で警察自体が、これは最悪の場合ですけれども、あってはならないんですけれども、しかし、どうなるかわかりませんから、事故が起きたときにその燃料棒が飛び散るというふうなことがある、それは溶融しなくても飛び散るということがあるわけですから、そういうものが一体どういう環境に影響を与えているかということが、事故が起きた段階でその現場でそのことがキャッチされなければ、どういう性格のどういう規模でどういう内容の事故だかということがわからなかったら大変だと思うんです。そういう点で私は、警察がせっかくついていくならばこれは放射線についてのある程度の知識というものも持っていなきゃならぬだろうし、そういうメーターも、あるいは線量計も、あるいは警官自身がそういうときに備えた防護服も持っていく必要があるだろう。指示をしておりますではこれは困るのであって、現実にそういうものを常にやっているのかどうかというのはぜひ確認をしてもらいたいと思いますし、それから、そうは言っても専門家ではないわけですから、そこで、いまの輸送のときには事業所なり通産なり科技庁からは専門家がどのような体制でこの輸送の中に参加しているのか、実情をちょっと聞かせてください。
  124. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) 先ほども御説明申し上げましたように、輸送の監督につきましては、積み込みます段階で輸送物の確認、これは科学技術庁がいたしますが、輸送方法以降につきましては運輸大臣の確認事項になっておるわけでございます。したがいまして、輸送中のそういう対策につきましては運輸省が責任を持って業者を指導する体制になっておるわけでございます。
  125. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 運輸省来ておりますか。――それじゃ、運輸省が来ておらないようですが、運輸省が責任を持ってやる。  そうすると、警察の方は運輸大臣の指揮命令下に入るわけですか、いま輸送の途中というのは全部運輸大臣の責任においてやるということですから。それはどうなんですか。
  126. 斉藤明範

    ○説明員(斉藤明範君) そういう指揮されるとかするとかという関係じゃございません。いまお話がありましたのは、容器についてのチェックは科学技術庁の総理府令で科学技術庁長官がおやりになり、その後、積載物とか積載方法とか、要するに、運搬基準については運輸省令があるので、これについて運輸大臣が確認をされる、その確認が終わった段階で警察の方に同じものが届け出がある、こういうことでございます。私の方は確認がなければ届け出があっても受理いたしかねるわけでございます。
  127. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 午前中の質疑の中で、運輸省おいでにならないので、おいでにならぬ方に向かって言うのも変だと思うんですが、これは警察庁の方も出席をされておりましたし、科技庁の皆さんも出席をされておったからわかると思うんですが、運輸省の場合には一々現場へ行って現物を確認をしないと、文書でもって確認をするという午前中答弁があったんですが、科技庁、運輸省は実際に現地まで出向いて運搬体制というものをかちっと確認していますか。
  128. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) 現在私の聞いております範囲では、使用済み燃料の際は現地で確認を行っておるということのようでございます。
  129. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 局長、あいまいな答弁じゃ困るじゃないですか。私は、いまどこの官庁がどうという、その責任がどうこう言っているのじゃなくて、実際にいろんなことが考えられますし、そういうことで、転ばぬ先のつえということで、私は防災体制というものはやっぱり完璧でなきゃいかぬという点で現状がどうなっているのかということもお聞きをし、もし不備な点があればさらにそれを強化していく必要があるだろうという観点で聞いているのでして、何か突つかれるのじゃないか、そこのところからベールかぶしてできるだけ隠していこうなんという、そういうあれじゃなくて、わからなきゃわからぬとおっしゃっていただければいいんです。  そこで、大体輸送の状況というのはほぼわかってきたと思うんですが、これは私がずっと前に質問したときにも、消防庁も警察庁も、放射線防護に対する体制というのは弱いということは認めておいでになったわけです。そして、新年度予算でできるだけそういう装備も整えていきたいということもあって、逐次整えられつつあるようですけれども、なお、私から見ますと、非常にこの体制というのは貧弱じゃないかという感じがするんです。よくいやみな言い方もするんですけれども、警棒だの盾をそろえるのも結構ですけれども、原子力施設に対する災害時の防災体制にもっと金と人員をつぎ込んだらどうかという感じがしてならないわけですから、これは特に逆に要望をしておきたいと思うんです。  そこで、私は科技庁にお尋ねしたいと思うんですが、スリーマイルアイランドの事故が起きたときに、私の方で防災計画とか緊急時対策というものを早急に樹立する必要があるだろうということで質問もし意見も述べておいたんですが、そのときの答弁では秋までにひとつつくりたいということだったんです。ところが、ことしに入ってもまだ緊急時対策、防災計画というものができ上がっていない。新聞報道はもっぱら東海地震のことだけで報道されておるし、報道はどうでもいいんですけれども、実際、政府として原子力施設の災害時の対策というものを一体本腰を入れて取り組んでいるのかどうなのか、非常に私は疑問に思わざるを得ないんです。  私は、長官に聞いていただきたいと思いますのは、皆さんはいままでは、いや原発は安全です、安全ですとおっしゃってきたんです。安全であってもらいたんですけれども、しかし、安全神話が崩れたというのが世界共通の認識です。  そこで、私は、やはり安全だと言ってきた手前、防災計画は立てられないではこれは困ると思うんです。国家公安委員長、自治大臣の見解によれば、やっぱり人間のつくったものだから事故は起きるのはあたりまえだ、こうおっしゃっているのでして、私はこの認識は正しいと思うんです。そういう中から本格的な防災体制をどうつくっていくかという努力も出てくると思うんです。  そこで、私は、科技庁の安全、安全というそんなことは国民だれも信用しておりませんから、そういうことで私は緊急にやはり防災計画というものをつくっていく必要がある。これだけ私の方で早くつくれ、つくれと言っているんですけれども、各市町村に対する指導というものも不十分だ。中央できちっとしたものができなければ、これは地方につくれと言ったって無理な話なんです。  そこで、現在どこまで緊急時における防災計画が進んでおるのか、いつを完成のめどにしておるのか、さらに市町村に対してはいつごろまでをめどに市町村の今度は体制というもの、計画というものをつくるように指導されるのか、まず日程的な点から明らかにしていただきたいと思うんです。
  130. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) 防災計画につきましては、県段階でわが国の原子力発電所が設置されているのは七県ございますが、それぞれ地域防災計画の中に原子力防災の計画をすでに持っておるところでございます。それから市町村段階におきましても、県の指導によりまして防災対策を実施することになるわけでございますが、原子力発電所の立地する市町村においては、原子力防災計画をそれぞれの地域防災計画の中にすでに持っておるところでございます。  先生のお話は、それをさらによくするということについての御指摘であろうかと考えておりますが、私ども安全委員会の事務局として、いま安全委員会におきまして防災の専門的事項について鋭意検討を進めておる段階でございます。当初、私どもできるだけ早くということを考え過ぎて、昨年の秋ごろまでに何とかまとめ上げたいと考えておったわけでございますけれども、非常に議論する分野が広いというようなことのためにおくれがちになりまして、いまの見通しではあと二月程度はどうしても審議に時間がかかることはやむを得ないかと思っております。この結論等をいただきまして、関係省庁並びに関係する県あるいは市町村の防災対策をより万全にしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  また、このような点の改善が行われるまでの措置ではございませんが、政府の暫定的な措置を昨年の七月に行いまして、それぞれ設置県、市町村の持っておる防災計画を支援する国の援助方策がとられたことは先生すでに御存じのことかと思っておりますが、たとえば、原子力安全委員会に助言組織をすでに設置して、いつでも事故が起きときに指示、指導助言を行えるような組織をつくったわけでございます。  それから国の、あるいは原研等の専門家を動員いたしまして、万一の事故があったときに現地に直ちに赴きまして必要な指導助言を行えるような体制をとること、あるいは現地のモニタリングを支援するというような機器の動員体制、組織の維持を行っておるところでございます。  そのほか、国の医療機関の派遣体制を定めまして、防災上のとるべき措置として防災会議で決定して、それぞれの関係省庁がいつでも対応できるような体制をとったところでございます。
  131. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 緊急時対策といいますか、単なる計画だけでなくて、予算上どこの部分にどういう予算が入っているのか、ちょっと聞かせていただきたいと思うんです。防災計画というのは予算書にずっと載っかっておりますけれども、いま私が申し上げているような観点での原子力災害に対する予算措置、これはどういうふうになっておりますか。
  132. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) 従来、本年度までは私どもの方での予算にいたしましてもきわめてわずかでございました。本年度にいたしますと二千二百万程度の防災関係の予算でございまして、来年度こういうことではということで大幅に増額いたしまして、たとえば緊急連絡網の整備、これは科学技術庁の所管いたしております開発段階の原子炉だけでございますが二千七百万、あるいはこれは発電所も含めまして緊急モニタリング体制の整備で六億二千万円、緊急医療体制の整備で九千七百万円、これは放医研でございますが、そのほか、県中央中核病院あるいは保健所等の所要の施設の整備で約二億、教育訓練体制の整備等の予算も入れまして十二億七千万円を来年度予算に計上しておるところでございます。そのほか、通産省におきまして約二億円、自治省におきまして二千七百万円を防災対策の充実のための経費として計上されておるところでございます。
  133. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 警察庁の方にお聞きしますけれども、原子力施設を持っておる各都道府県の、いま言ったような警察独自の防災対策としてのいろんな、特別車であるとか、あるいは防護服であるとか、サーベーメーターを初めとする観測機器、こういうふうなものは本年度、五十五年度予算ではどういうふうな要求になっておるのかということと、それからこの前から聞いているんですが、ちょっとどうも奥歯に物のはさまった言い方で正確な数字は発表されないんですが、この前から言っているように、私にすれば核防護に名をかりた、むしろ防災に力を入れるべきだと言うんだけれども、どうも反対運動取り締まりを目指すようなそういう警察のあり方じゃないかという気がしてならないんです。そこで、各施設に対して具体的に、外勤職員は去年百四十名、ことし五十五年度は二百名だとおっしゃっていますけれども、どこの県に何名ずつ配置されているのか、これをちょっと言ってみてください。
  134. 依田智治

    ○説明員(依田智治君) 昨年の五十四年度予算の場合には、外勤警察官は一応茨城、大阪、それに福井、これを重点に、まず、ここあたりはカテゴリー1ということで第一次的に百六十六名お願いしておりまして、これについての装備をことし五十五年度予算でお願いしておる。こういう状況でございまして、五十五年度ではさらに残りの東京を初めとする八県に外勤警察官、大体この地域に全体として四百名くらいの外勤警察官を配置したいと考えておるわけですが、その中で所要のおおむね半分くらいになるかと思いますが、核の地域重点に配置されていくのじゃないか。この装備関係につきましては、増員が認められた後に今度五十六年度の予算でお願いしていく、こういうことになると思います。  各個別の何人ずつどの施設にどうなるかというような問題につきましては、ひとつこれは部隊配置の具体的な問題になりますので差し控えさせていただきたい、こう思います。
  135. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 いまの最後の発言の中でちらっと出るんですけれども、私は、たとえば東海、大洗のどこの工場に何名配置して各県でどれだけですかといま聞いているわけです。東京以下八県で大体二百人、これはこの前警備局長も言っておりまして、それはわかっているんですが、そんなに秘密なんですか、これは。そうすると、この部隊というのは一体何を目的とした部隊です。これは防災体制中心じゃないですね。そういうことでしょう、いまの発言から言うと。
  136. 依田智治

    ○説明員(依田智治君) 現在、警察官全体二千七百五十名の増員をお願いしておりまして、その中で外勤警察官がことしの場合千数百名お願いすることになっております。原子力施設を管轄する地域にはおおむね四百くらいが配置される。これはまだ仮定の問題でして、これで決まりましたら今度は各県の条例で認めていただく、こういうような形になってきますので、具体的にはまだ確定しない、こういうことでございます。  それと核ジャック部隊とか防護部隊、部隊という形でございませんで、こういう地域はわりあい非常にへんぴなところにありまして、駐在さん等がほんの一人とか二人とかいうような地域でございますので、突発的に何があっても対応できないというようなことから、そうかといって、かためて現時点で核防護隊として何十名というのがあそこにおっても、ほとんど実際においてはそうやることがないというのが実態でございます。そういうことで、私どもとしては、通常はそういう過疎の地帯に対する外勤警察官活動として国民に対するサービス活動等をやっており、しかし、そういう地域が施設を管轄しているものですから、何かあったときは一次的にその警察官に対応してもらわなければならぬということから、仕事の合間を見ながら核の対策等の装備の使い方、それからみんな臨時に編成した部隊によってどういう対応をするのかというようなことについての訓練なんかもやりながら、通常は外勤をやりながら、いざという場合にはそういうことにも多角的に対応できるようにということで対処したいと考えているわけであります。
  137. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 そのいざという場合は何を想定されているんですか。具体的に、たとえば原子力発電所に、何か核燃料物質をジャックする、核ジャックするという、そういう何かが起こるというふうに想定されているんですか。いま、いざというときのあれに備えて訓練をと、こうおっしゃったんですが、そのいざというのは何を想定されているんですか。
  138. 依田智治

    ○説明員(依田智治君) いろいろなことが想定されて、国際的にも核防護といった場合にはいろいろなことが想定されているわけでございます。現時点で、日本のいまの治安情勢の中で果たしてどの程度のことが想定されるかというのはなかなかまだ結論出せれない問題だと思いますが、日本のいまの私どもの判断としては、いま直ちに、そういう専門の部隊がいて常時目を光らせていなければ対応できないほどのものは起こらないという感じはしておるわけであります。ただ、いろいろ過激派等も大分原子力施設の問題反対というようなことを唱えておりますし、全国各地にもそういう重要施設に対する爆弾とか、いろいろな時限式可燃物を仕掛けるというような問題等も起こっておるような現状でありますので、核の反対運動というのがいろいろ普及してくるというか、いろいろな場合にそういうことも考えなければいかぬというようなことで、現時点では、過激派等が国内の空港反対その他いろいろなことをやっているようなことは当然想定してそれに対応しておく必要あるのじゃないか、こういうように考えております。
  139. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 一つだけ聞きますが、課長、あなたは原子力施設のどこに、いま国際核防護という観点からどこにどういうものが保管されているということを御存じですか、あなたは具体的には。また仮に、どこの場所にあるとした場合に、簡単にそれが一体奪取できるというふうにあなたはお思いになりますか。
  140. 依田智治

    ○説明員(依田智治君) 私も、全国全部とはいきませんが、施設等は見せていただいて大体どういうところにどういうものが保管されている、現在の施設の防護状況はどうなっておるかというようなことは承知しておりますが、そういう目で見た場合でも、やはり、たとえば過激派等が襲撃した場合にこういう点は非常に危険であるというようなところもございますので、そういうようなところは十分対処していく必要があるなというようなことで考えて、そういうことを前提に物を申し上げているわけであります。
  141. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 原子力施設に、あなたが過激派というものをどういうふうに考えておいでになるか、さっき爆弾という話もありましたけれども、そういうもので、彼らのつくる爆弾でそういうものが本当に俗に言う核物質というものが奪取できるというふうにお思いになるということと、それによってその地域に非常に不安な状況をつくり出すということ、これは全然違うんですよ、また。それを区別されているのかどうなのか。私が知る範囲、この前科技庁にお尋ねしたときにも、そんなに核物質が簡単に奪取できるとは思わないという答弁で、これは私もそう思うんです。俗に言う一過激派があの程度の武装で押しかけたからといって、プルトニウムが奪取できますなんて、そんな状況にないということははっきりしていますし、またそんな装備ではとてもできるものじゃないんです。そのことと、それを理由にして、ちょっとできそうもないことを非常に不安感を地域住民にあおることによって俗に言う核防護という、皆さん部隊なんという言葉を使うと非常にいやがられますけれども、しかし、私からしたら、これは核防護に名をかりた部隊です。そして、本当の目的がどこにあるのかちっともはっきりしない。むしろ反対運動を抑え込むための私はこれは部隊じゃないか。これが本当のねらい、だろうという感じが  してならないわけなんです。そういう点で、さっきから一体何を目的とされているのか。私は、それよりも災害が起きたときの、まさに防災に警察も最大限力を入れるべきではないかということを言っているんです。そっちの方がより重要ですよね。そのことを私は繰り返し言っているんです。きょうの時間の制限の中ではまだ突っ込んだ話できませんから、いずれこの問題についてはまた皆さん方のお考えもお聞きしたいし、私の方からも質問をしたいというふうに思っておりますが、とにかく皆さんに要望したいのは、過剰警備にならないこと。この外勤部隊が、私が入手している情報だけでも、それが目的でなくて、反対運動をやる人間であるとか労働組合の幹部であるとか、そういう人たちの思想傾向であるとか交友関係であるとか、そういうものの調査に非常に力を入れているということも聞いているわけです。場合によっては電力会社と一緒になって、電力会社側も住民の賛成、反対、中立、そういう調査も行っている。まさにユンクの言う原子力国家、核警察国家化の危険性というのは、私はこのままいったら出てくるのじゃないかと思うんです。そんなことはないと思うんですが、その点はどうなんですか。
  142. 依田智治

    ○説明員(依田智治君) そういう心配は全くございません。いま核防護云々だけと、こういうお話ありましたが、この地域の外勤警察官として配置いたしますので、核防護のみならず、災害が発生した場合にはそれに対応してもらわなければいかぬというようなことから、当然そういう災害対策的な面、避難誘導、交通規制、情報の収集、伝達、こういった問題についても当然この地域の警察官については堪能になっていただかなければいかぬというようなことから、むしろこういう施設があり、過激派なんかの反対運動もあるのに駐在さん一人しかいないで非常に心細い、むしろもっとこの地域の警察官を強化していただいて、われわれが安心してひとつ生活できるようにしてくれという住民の声もあるわけでございまして、私どもは、むしろそういう地域において国民の皆さんが安心して生活できるようにというような観点から、むしろその地域の過疎的な地域に警察官を配置していくというような考えでございまして、決して核防護に名をかりて云々というようなことはないと、この席で断言させていただきたいと思います。
  143. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) ちょっと私からも補足して説明させていただきたいと思うのでございますが、この核物質防護というのは、特に日本の場合、核燃料をすべて海外に依存しておるわけでございます。この核物質防護というのは、すでに国際原子力機関、IAEAでこういう核防護に対します技術基準が定められておりまして、またロンドンガイドラインというものがございまして、核燃料を受け入れる国はそのガイドラインに沿って核物質の防護を国際的にやらなければいけないということで義務づけられておる問題でございまして、私ども、この核燃料物質を使用しておるところで、事業者はもとより厳重な核物質の防護体制をとることが国際約束上も義務づけられておるわけでございます。しかしながら……
  144. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 それはわかっている。簡単にしてください。そんなことを聞いているのじゃないんですよ。
  145. 牧村信之

    ○政府委員(牧村信之君) はい。  しかしながら、その事業者だけで万々一の集団による核物質の盗取あるいは破壊活動をなかなか防げるものではございませんので、国際的に規定されておるレベルを守る範囲ではどうしても警察の御支援を得なければならないということで、常々警察当局等ともお話しした上、また現地の施設等の実態に合わせてお願いしておるところでございますので、私どもも、ただいま警察の方が申しましたように過剰にやるということでは全くないわけでございますが、このレベルというものは、やはり国際的にも要請されたレベルを守っていかなければならないという制限があることを一言申し添えさせていただきます。
  146. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 いまの局長の答弁は、レベルであるとか、国際的な約束であるとか、そんなことはあなたから聞かなくてもわかっております。具体的に質問したときには具体的に答えないで、そういう抽象的なことばかり聞きもしないことを言っておる。そんなことを聞いているのじゃないんですよ、私が言っているのは。  私は、課長、あなたに要望しておきたいと思いますのは、この前の予算委員会でも、例の「自警」であるとか、茨城県警の例の「警泉」に掲載された筑波大副学長の福田さんの論文について私は問題点を指摘したでしょう。あの中身は、だれが見ても警察官の教養を高める内容ではないですよ。-時間があったらあの論文の一つ一つについて全部どう思うか、本当にそういう認識がいいのか悪いのか聞きたかったんです。これはやめましたけれども、特にあの最後の部分で、原発に反対するというのはこれまさに共産主義革命が真のねらいだなんという、とんでもないことが書いてあるわけでしょう。そして、家庭へ持って帰って家族の皆さんにも読ませてくださいと後のところにちゃんと書いてあるわけです。というのは、警察の機関誌にああいうものが載って、筑波大学の副学長という何か偉い学者だそうだということで、その人の論文の中にそういうことが書いてあって、何も知らない警官が読む、ああそうか、家族も読む、ああそうかということになってくるんです。教養を高める内容じゃないですよ、あの内容は。そういうものが堂々と警察の機関誌に載っかっていることにすでに問題があるわけなんです。そういう発想でもって取り締まるからとんでもない過剰警備というものが出てくるんです。一線の若い警官なんというのが原発反対運動を取り締まるときのあの状況なんて――今度、一緒に行ってみませんか。私は新潟ではいやというほど経験してきているんです。それはこの目で見てきている。塩飽保安部長が当時の新潟の県警本部長です、私はここではっきり言いますけれども。あのときの柏崎、特に巻における機動隊のあの態度なんというのは、あれは警察とは思えないですよ。むしろ、立場を変えて見たなら、あれこそ暴力集団じゃないかと言いたいくらいの暴力をふるったんですから、あれは。そういう過剰警備が行われることを私は非常に恐れるんです。これが国際的な核防護に名をかりてやられるんですから、これは大変だと言うんです。だから、あんな論文が堂々と警察の機関誌に載っかっていく。それも一つじゃない。各県の機関誌にどんどんこれからも載っかっていくのじゃないかと思うんです、少なくとも「自警」を含めてほかの県三県が載っけているわけですから。そういう点で過剰警備にならないように、この点については特に私は要望しておきたいと思うんですが、さっきそういうことのないようにやりますということですから、これ以上念は押しませんが、そういうことをお願いしておきます。  そこで、それに関連して通産にお聞きしますけれども、けさの新聞、私はこれを見てびっくり仰天したんですけれども、いま核防護ということでそういうところへ警察が物すごく力を入れている反面、しり抜けもいいところというのがけさの新聞報道でしょう。遠心分離機の重要な部品というものが日本のある会社からパキスタンへ輸出をされようとした。その事実は通産省の当局も認めているわけです。こういう重要なところがしり抜けになっておって、さっき局長が言う国際レベルの核防護体制だとか核防護措置なんというのは、何ですかこれは。一番肝心なところはしり抜けなんです。機密保護法しかりです。この間の自衛隊の問題だってそうでしょう。内部の人間が漏らしておいて、そしてそれを理由にして今度は機密保護法だということで国民をしばっていくという、本来取り締まるべき部分を取り締まらないで、そして国民の基本的な人権や権利、民主主義というものを抑圧する、圧殺するような悪法をそれを理由にしてつくっていくなんという最近の傾向というのは非常に私は恐ろしいし、また戦前、戦中のああいう方向に向かっていくんじゃないかと思っているんです。通産なんて何をやっているんですか。だから、この間の電気料金じゃないけれども、再び、KDDじゃないけれども、まさか通産官僚と電力資本が結びついておかしなことをやっているのじゃないでしょうねなんという疑問を持たれるんです。一体どういうことなんですか、あれは。まず、これを説明してください。
  147. 向準一郎

    ○説明員(向準一郎君) いま先生のお尋ねの新聞に載りました件につきましては、私は担当の課ではございませんで、いま資料を持ち合わせておりませんので、その件につきましては後日先生に御説明させていただきたいと思います。
  148. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 そのこと自体がおかしいのじゃないですか。いいですか。私は担当課でないから知らない。じゃ、皆さんの内部体制はどうなっているんです。核防護という、これだけ警察が目の色を変えて核防護だと言って各県にこうやって二百名も、ことしは四百人も配置しようという大変な警察が体制をとっているときに、もとの、根っこのところでどんどん抜けていくのじゃこれはしようがないじゃないですか。私のところは担当課でありませんから知りませんなんて、こんな無責任な話がありますか。だから、核防護に対する通産の体制はどうなっているのか聞かせてくださいと言うんです。
  149. 向準一郎

    ○説明員(向準一郎君) 原子力発電所に係りますそういうような核防護等につきましては、通産省におきまして検討しております。それで、やはり先ほどもお話がございましたように、核物質の盗取とか、あるいは原子力施設に対する妨害とかというようなものを防止する観点から、不法侵入の防止の措置ということでいろいろ技術基準等も決めておりますし、それをもう少し具体化するという作業も進めております。それで、具体的に発電所におきましてはパトロールをやるとか、あるいは侵入の警報装置をつけるとか、あるいは出入管理をするということで、こういうような核物質の防護等につきまして万全を期している次第でございます。
  150. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 科技庁に聞きますが、けさの新聞はごらんになっているでしょう。ごらんになっているはずですから、日本がまさに国際的な約束、義務からして、ああいうことがチェックできなかった体制自体が問題でしょう。したがって、科技庁としても、今日の科学技術のレベルからしてどの企業がどのような水準にあってどういう状況になっているかということは、これは通産も科技庁もつかんでおらなかったらまさに核防護になりませんよ。そういう実態というのは全部調査されておりますか。
  151. 石渡鷹雄

    ○政府委員(石渡鷹雄君) お答えいたします。  まず、けさの記事につきまして科学技術庁の立場を御説明申し上げさせていただきますが、原子力機材の輸出規制につきましては、ロンドンガイドラインが基本になっているわけでございますけれども、法的には貿管令等によりまして通産省がチェックするという体制になっている次第でございます。科学技術庁といたしましては、やはり平和利用を担保しつつ原子力利用を推進していくという立場から、原子力機材の輸出についても重大な関心を持つ立場にございまして、従来から関係機器の輸出につきましては必要に応じまして事務的に協議を受ける、通産省から協議を受けるというポジションにございます。  けさほどの記事の件につきましては、輸出申請がなされなかったというふうに聞いておりまして、協議を受けておりません。  それからけさほどの記事の対象になりました機器につきましては、やや一般的な機械と申しますか、汎用機械に近いものでございまして、たとえば紡績のスピンドルと申しますか、紡績関係の回転機にも使われるような機械ということでございまして、なかなか実情を把握しにくい種類の機器でございます。今後こういうこともございますので、さらに十分な注意を払ってまいりたい。その点、通産省とも十分な連絡をとってまいりたい、かように考えております。
  152. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 どういう機器を組み合わせたら濃縮が可能であるかという、まさに科学的、技術的な水準からしてここまでは該当できるのじゃないかとか、ここまでは安全だという、そういうものについての検討というのはいままで行われておらなかったんですか。どうなんですか。
  153. 石渡鷹雄

    ○政府委員(石渡鷹雄君) 遠心分離機には……
  154. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 限らず、濃縮についてですよ。
  155. 石渡鷹雄

    ○政府委員(石渡鷹雄君) 一番やはり高速回転という機器でございまして、大体どの程度のメーカーがこのレベルの機械をつくり得るかということについては一応把握しておったつもりでございますが、本件がそのどこのメーカーに相当するのかということについて事実関係がまだわかっておりませんので、現在通産省に問い合わせをしているところでございます。
  156. 吉田正雄

    ○吉田正雄君 私は今回の事件も非常にいい教訓になったと思うんです。だから、私は、ちょうどきょうは警察の方からも出てきておっていただいて非常によかったと思いますが、情報の機密もそうですけれども、本来守るべき機関や人が守らないでおいて、あるいはしり抜けになっておって、そしてそれを理由にして国民の基本的な権利というものを抑圧するような、あるいは制限立法をやっていくというふうな、こういう非常に危険な傾向というものが最近出ておると私は思うんです。そういうことで私は、とりわけこれからの八〇年代というのは、世界の軍事情勢や外交情勢からしても、非常にいま米ソの緊張関係の中で、大来外相の訪米をめぐっても日本の防衛努力が要請をされている。それからブレジンスキー特別補佐官については皆さんも御承知のとおりだと思うんですけれども、そうでなくても、アメリカ国防総省が日本のむしろ核武装を逆に推し進めるような傾向が最近出ているのじゃないかということまで言われてきておりまして、核不拡散どころか、むしろ日本の核武装を積極的に進めろなんという危険な状況も出かねない。私は国際情勢の進展によっては、有事立法が出てきたと同じように、必要以上に国際危機というのをあおる中で日本の核武装の私は危険性なしとしないと思うんです。そういうことで科学技術庁、この前も長官にも念を押しておったんですが、基本法の精神といい、あるいは核不拡散の条約を批准しているたてまえからも、そういう点から国際的な非難を受けないためにも、そういう肝心な国内体制をもうちょっときちっとしてくださいよ、反対運動ばっかり取り締まるところへ目を向けないで。私は、反対運動というのは日本の民主主義にとって必要だと思うんです。そうでなかったら独裁国家になります。そういう点で、ひとつ原子力行政のあり方はもうちょっと慎重にやっていただきたいと思いますし、反対は国賊だなんという、そんなこと自体がきわめて危険な私は思想だと思いますから、それは基本的に改めていただきたいということを最後にお願いして、私の質問を終わります。
  157. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) 以上をもって吉田正雄君の質疑は終了いたしました。  次に、塩出啓典君の質疑を行います。塩出啓典君。
  158. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 通産省にお尋ねします。  スリーマイル島で原子力発電所の事故がございましてちょうど一年を経過したわけでありますが、その間政府としても、原子力発電所の安全性の確保、事故をなくするためにいろいろな努力をされてきたと思うのでありますが、特に一年を振り返ってどういう前進があったのか、非常に大きな問題でございますけれども、御説明をいただきたいと思います。
  159. 向準一郎

    ○説明員(向準一郎君) いま、お話のございました原子力発電所の安全規制ということで、スリー  マイル島を反省して教訓としてどういうことになったのかということでございますが、通産省といたしまして、スリーマイルの事故というのが原子力発電所の運転管理の重要性というものを示唆しております。そういう意味で年度の途中でございましたが、原子力発電所への国の運転管理専門官の派遣ということをまず進めたわけでございます。そういうことで運転監視の抜本的な強化ということをやったわけでございますが、さらに来年度には各サイトごとに運転管理専門官を派遣するという制度として進めたいというふうに考えております。  それからもう一つは、原子力発電所の品質保証体制の強化の確立ということが原子力発電所の信頼性を向上するために必要でございまして、先生も御承知のとおり、大飯の発電所あるいは高浜の発電所等で品質保証の問題でトラブル等もございまして、通産省といたしまして原子力発電所機器の品質保証体制の確立ということでいろいろな指導もいたしましたが、ことしの一月でございますが、通産省の中に委員会をつくりまして、さらに抜本的な品質保証体制のあり方というものを検討している次第でございます。  それからさらに、これは来年度に関係するわけでございますが、安全解析のためのクロスチェックの強化ということで安全審査体制の強化充実ということも考えているわけでございます。  それからもう一つ、スリーマイルで運転員の資質向上ということが大事でございまして、われわれスリーマイルが起こりまして直ちに発電所の再点検ということをいたしたわけでございますが、その中の一つに運転員がどういうふうな教育訓練をなされて配置されているかという点検もいたしたわけでございます。そういうことで運転員の教育についての確認をいたしたわけですが、長期的にはやはり運転員の再教育、訓練強化の問題、運転員の長期養成計画ということが重要でございますので、それらにつきましてもさらに通産省として十分指導していくということでございますし、もう少し長期的には、運転員の資格、制度等も含めまして運転員の資質向上、そういう面でさらに検討していきたいというふうに考えております。
  160. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 スリーマイルの事故のときには、こういう事故は日本では起こらない、そのように非常に初歩的な運転ミスと申しますか、そういうことであったわけでありますが、しかし、実際にはその後、高浜、大飯でステンレスとほかの材質を間違えてみたり、そういうことがあったわけで、私はやはりそういうようなことのない体制をつくっていかないと国民の信頼は得られないのではないかと思うわけであります。そういう点で、先ほどいろいろありました問題については、さらに慎重に進めていただきたいことを要望しておきます。  それから稼働率の問題で、今回、電力料金の査定において各電力会社の申請は五四・四%であったのを料金の査定の段階で五五・八として申請より高くしたわけでありますが、こういう点はどうなんですか。電力料金を安くするために政治的に無理してやったことなのか、あるいは五五・八%ぐらいは大体健全な安全運転をやってできるという見通しであるのか、そのあたりの感触はどうでしょうか。
  161. 向準一郎

    ○説明員(向準一郎君) 原子力発電所の稼働率でございますが、五十三年度五六・六%でございました。それから五十四年度、見込みでございますが、五三%程度で推移するというふうにわれわれは考えておりますが、五十五年度、先生いまお話ございましたように、電気料金の申請のございました八社のうち、原子力を有しております六社の総合で五五・八%というふうにわれわれ考えたわけでございますが、これは原子力発電所のいままでの運転実績あるいは定期検査の実績を考慮した合理的な定期検査の実施、それから運転実績を考慮いたしまして法令で許される範囲で運転期間を延長する、定期検査の時期のシフトということになるわけでございますが、これを前提として考えたものでございまして、安全性の確保という観点からは問題ないものというふうに考えております。
  162. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 この間、私新聞記事で拝見したんですが、いわゆる定期検査ですね、電力会社の原子力発電所の定期検査がどうしてもいま三ヵ月、だから七五%以上にはならないわけで、この定期検査の期間を短くするように炉のスペースを大きくするとか、そういうようないろいろなこともやられてきておるわけですが、同時に、この定期検査のいわゆる通産省の検査を民間に委託して、そしてできるだけ定期検査の期間が短くなるように、そういう考えがあるということを新聞で拝見いたしまして、前々からそういう意見も業界からも出ておったと思うんですけれども、この点はどうなのか。どの程度進んでおるんですか。
  163. 向準一郎

    ○説明員(向準一郎君) 原子力発電所の稼働率の向上ということは、先生御承知のとおり、石油代替エネルギーの中核であります原子力発電所にとりましては重要なことでございまして、われわれもこれに積極的に取り組む必要があるというふうに考えております。  それで、原子力発電所、現在二十一基運転しておるわけでございますが、こういうものにつきまして毎年一回定期検査が義務づけられております。それで検査を受けます設備あるいは検査内容というのは決まっておるわけでございますが、これにつきまして、基数が将来的にも増加する、あるいはスリーマイル等を考慮いたしまして検査項目を強化する必要があるというふうなことに対処する必要があるわけでございまして、それで通産省といたしましては、三月一日からでございますが、原子力発電所の定期検査の一部、出力六十万キロワット未満のものでございますが、これを地方の通商産業局に権限委任をいたしまして、通産局で検査官による検査を行うというような体制をとっております。さらに長期的に考えますと基数がふえるということ、それからやはり電力会社の自主検査ということも定期検査期間中に大事な検査としてあるわけでございまして、こういうふうな電力会社の自主検査の強化という観点で第三者検査機関を活用されるということはわれわれ望ましいと考えておりますし、われわれもそういうような方向でそういうような機関ができるということはサポートしていきたいというふうに考えております。
  164. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 私も、通産省が直接やれば信頼が高くて、第三者機関の方が信頼が薄いという、そういうものでもない。いまは逆に国家公務員に対する不信感もあるような状況の中で、そういうこともあるいはいいかもしれないと思うんですが、ただ、やっぱり稼働率を上げるために安全審査というものがおろそかになるとか、いいかげんなものになるとか、そういうようなことではいけないと思いますし、そういう印象を国民に与えることはよくないと思うんです。そういう意味で、やはり稼働率を上げるという目前のことももちろん大事ですけれども、いま非常に世界的にも原子力発電の是非についていろいろ大きな論争のあるときに、やはり長い目から見ても、できるだけ慎重に、トラブルのない、事故のない運転をしていくことを優先すべきであって、そういう姿勢を貫いていくべきではないか、そのことを強く要望したいんですが、その点どうでしょうか。
  165. 向準一郎

    ○説明員(向準一郎君) 原子力発電を進める場合に、先生がおっしゃるとおり安全性の確保というのが大前提でございますし、やはり安全問題でいろいろ議論がありますが、原子力発電所が順調に動いておるということ、それを実績で示すことが一番大事であるわけでございます。そういう意味で、われわれ安全性確保には万全を期して進めてまいりたいというふうに考えております。
  166. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それから先般から参議院の科学技術委員会等でも、「原発ジプシー」という本等があって、いわゆる電力会社の従業員、さらには特に定期検査に動員される下請の人たちに対する被曝管理の問題、これが年々増加している、こういうことが指摘されておるわけであります。やはり低レベルの放射線を長期間に受けるということがどういう影響を及ぼすかということも非常に大事な問題じゃないかと思うんですけれども、そういう被曝管理というものが、いま特に新しい年度の予算でどういう点に力を入れようとしているのか。  それからこれは科学技術庁の方にお尋ねしたいわけですが、いわゆる低レベルの放射線の人間に及ぼす影響の調査、そういうものについて、長官の所信表明の中にもそういう言葉も入っておるわけでありますが、こういう問題についてはどういう研究をするのか。  あわせて科学技術庁にお尋ねしたいのは、ムラサキツユクサの問題を私はずっと前に取り上げたことがあるわけですが、京都大学の農学部の元助手であった市川先生がいろんなムラサキツユクサの突然変異の研究を発表しているわけで、それに対して科学技術庁としても同じような研究をして、その研究の状況はどうなのか、これをお尋ねしたいと思います。
  167. 石渡鷹雄

    ○政府委員(石渡鷹雄君) まず、低線量の人体に対する影響の研究について御報告申し上げますが、この研究につきましては、原子力安全委員会の環境放射能安全研究専門部会という専門部会におきまして年次計画を策定しておりまして、この計画に従いまして主として放射線医学総合研究所を中心にいたしまして国立試験研究機関等で総合的に進められているという体制にございます。  若干その内容を述べさせていただきますが、昭和五十五年度につきましては、放医研によりまして、低レベル放射線の人体に対する危険度の推定に関する特別研究という研究を計画しておりまして、晩発障害、すなわち大分時間がたってから出てまいります障害とか遺伝障害の評価に関する研究を推進するということにしております。予算といたしましては一億四千二百万円を予定しているわけでございます。それからプルトニウム等のこういう物質が将来扱われる場合に内部被曝の問題が非常に重要と考えまして、これらの内部被曝実験を行います実験棟の建設を進めることとしております。  その他の国立研究機関におきましては、低レベル放射線による哺乳動物系における突然変異の検出方法、あるいは高等植物におきまする突然変異の誘発に関する研究等を実施することとしておる次第でございます。  それから先生御指摘のムラサキツユクサについてでございますけれども、先生御承知のように、放射線によってムラサキツユクサの雄しべの毛の細胞の突然変異率が増加するという現象があるわけでございます。このテーマにつきましては、昭和四十九年以降、農林省の農業技術研究所におきまして研究が開始されまして、自然環境の突然変異に及ぼす影響等につきまして研究が進められているわけでございます。それから一方、これは外国の例になりますけれども、米国におきましては、窒素酸化物等のいわゆる大気汚染物質がやはり何らかの影響を与えるというような研究もなされております。これらの研究の成果を現在の時点で総合いたしますと、ムラサキツユクサの突然変異には、温度あるいは大気汚染物質なども大きな影響を与えておる。したがいまして、原子力発電所周辺の放射線量の影響とその他の要因によるものとの識別が非常に困難であるということでございました。したがって、ムラサキツユクサを現時点で放射線監視の指標として使うことは不適当ではないかというような判断になっていることは、よく承知している次第でございます。
  168. 向準一郎

    ○説明員(向準一郎君) 通産省といたしまして、作業員の被曝低減等の観点から、昭和五十年度からでございますが軽水炉の改良標準化ということを進めておりまして、これにつきましては一次改良標準化が済み、来年度二次の改良標準化の最終年度になるわけでございますが、予算といたしまして二億四千万というものをお願いしておりまして、この中に、先生がいまお話ございましたような作業員の被曝低減というような観点から、原子炉の格納容器を大きくしたり、機器の配置を考えましたり、あるいは点検しやすいようにというような観点からいろいろこの調査研究をやっておるわけでございます。  それから原子力発電所の従事者の数が基数とともにふえ、あるいは改良とか、あるいは修理等の特殊工事がございますので、それに伴いまして従事者の被曝の線量がふえてくるわけでございますが、これに対しましても、われわれとしましては、保修作業の自動化、遠隔化、それからモックアップで作業の訓練をいたしまして、それで実際作業をいたします時間を短くするとか、あるいは機材の合理的な配置とか、遮蔽の配置、設備とかいうようなことを十分対策をとらせまして、被曝低減ということにつながるわけでございますので、こういうことにつきましても電力会社を指導していきたいというふうに考えております。
  169. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それからアメリカでは、これは中国新聞で拝見したのですが、最近アメリカのコロンビア大学のカーミア・ボレク博士が低線量被曝も危険、一つの量を一回に被曝するよりも同じ量を何回にも分けて被曝する方がむしろがんの発生率が高いという、こういうような結果を発表しているのを拝見したわけですが、そういう研究はわが国の放医研等ではやっていないのか。こういう見解については、わが国の放医研としてはどういう見解を持っているのでしょうか。
  170. 石渡鷹雄

    ○政府委員(石渡鷹雄君) まず、同じような、カーミア・ボレク博士のやりました、繰り返して少量の低線量を被曝させるとどういう現象が出るのかという、特に人の細胞の放射線によるがんの発生、それを繰り返し被曝に関してどういう現象があるのかというテーマについては現在やっておりません。  去る三月二十六日に米国のがん協会のシンポジウムで発表されました論文の内容につきまして、放医研の専門家と申しますか、わが国の専門家の評価につきましては、まず、こういう特殊な現象で少なくともがんを発生させたという例はいままでほとんどないそうでございまして、そういう意味ではこの研究の成果は非常に高く評価されるべきであるとされております。この方法によりますと、放射線の影響を定量的に把握できるということから、今後の放射線影響の研究に大いに役立つものであるという評価がされております。  それから繰り返し被曝の方が一回で被曝した場合よりも影響が大きいという報告につきましては、もう少し実験例の数が出てこないとまだ評価できる段階にないというのが専門家の見解でございます。
  171. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それからただいまのムラサキツユクサにつきまして、これがいろいろほかの条件でも突然変異を起こすということは、これは私も理解しているわけですが、市川博士ですか、あの方が言っていたのは、やっぱり原子力発電所の川下とか、そういうところにムラサキツユクサの突然変異が非常に多い。ということは、原子力発電所から出る空気の中から微量の放射性物質沃度何とか、そういうものがいわゆる内部濃縮をされてなるんだという、そういうことで私もなるほど理屈に合うなと思っておったのですが、またムラサキツユクサの突然変異が起きたからそれが人体にどうかということは別問題としても、そのあたりの因果関係がどうなのかということに関心を持っておったのですけれども、その点はどうなんですか。やっぱり原子力発電所の川下方面においては、ムラサキツユクサの突然変異が多いとか、そういうような有意差はないのか。そのあたりの研究はやっていないのですか。
  172. 石渡鷹雄

    ○政府委員(石渡鷹雄君) その辺の研究につきまして、いわゆる統計的な処理に至るような量の研究はなされていないと承知しておりますが、現在、名古屋大学に委託という形でございますけれども、たとえば内部被曝、ムラサキツユクサに少し蓄積された微量の放射能がどんな影響が出てきているのかというようなことについて、引き続き研究を進めていただいている段階でございまして、まだその辺について明確な因果関係といったものが認められている段階ではないように思うわけでございますが、先生おっしゃることは感覚的には理解できるところでございますので、引き続きこういった研究を続けてまいりたい、かように考えているわけでございます。
  173. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 ぼくは別にムラサキツユクサの研究をやれと言ったわけではなくて、この前の質問でやっておると言うから、それなら結果を聞かせてもらいたいわけで、やるのであれば、やはり市川氏の論文に正面からいろいろいどめるような、そういう調査をやって、そういうところから一つの問題が前へ進むわけで、すれ違いになっては安全性についての論議は前へ行かないのじゃないかと思うんですけれども、その点、ひとつ今後の調査を要望しておきます。  それから、先般、私が参議院の予算委員会でも二、三質問した溶融塩炉の問題でございますが、これは先般、わが党の貝沼次郎衆議院議員が質問主意書を出し、また先般、衆議院の科学技術特別委員会において日本原子力研究所の古川和男氏等を参考人として呼んで、いろいろ溶融塩炉の問題について意見をお聞きしたわけでありますが、正直申しまして、私が貝沼君の質問主意書あるいは政府の答弁等を見まして、もうちょっとこれは力を入れてやるべきじゃないかなという、そういう感じが実はするわけなんです。それで、特に政府の答弁の中では、溶融塩炉が一気圧で運転される、それから炉の構造の強度上の制約が少ない、あるいはウラン、トリウム及びプルトニウムのいずれも燃料として使用可能だ、あるいは増殖炉としても使用できる、そういうふうな利点は一応認めておるわけですが、反応度制御技術等の問題がある、そういう被曝上の問題とか、そういうのがあって現段階では開発する積極的理由はない、こういう答弁なんですが、特に反応度制御技術というのは、私の理解では、むしろ軽水炉より非常にいいんじゃないか。これは液体の溶融塩がずっと循環をして、そして黒鉛の中を通ると連鎖反応が起こって温度が上がる。それで、この溶融塩自体の温度が余り上がり過ぎると核分裂がマイナスに働くわけですから、そういうところで、むしろ炉心溶融とか、そういう心配がない。軽水炉のような、そういう一次冷却水配管が破断をして炉が燃えるというような、そういうようなことがないわけで、そういう点から見れば、私は反応度制御技術はこの方が非常にいいんじゃないか、こういう感じなんですが、これはどういう意味なんですか。
  174. 石渡鷹雄

    ○政府委員(石渡鷹雄君) 理論的には、先生おっしゃるように非常に興味深いものでございますし、特に反応度制御技術につきましても、おっしゃるような利点というのは十分考えられるわけでございますが、全体のシステムとして見た場合に、言葉で申し上げれば、工学的見地からの検討が不足しているという言葉になるわけでございますけれども、結局、理論と実際にやってみた場合のいろいろな予期せざる困難に遭遇するというあたりについて、原子力工学者という名前で言わせていただければ、これは実際の開発を行った者が非常に慎重になっているという点が、一つの判断が非常にきつい、やや厳しい判断になっている原因かと思っているわけでございます。そういう観点からしまして、もう少し基礎研究が積み重ねられまして、技術的観点からの判断も相当いけるのじゃないかというふうにコンセンサスができ上がっていくというプロセスがもう少し必要なのではないかというふうに考えている次第でございます。
  175. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 衆議院の委員会で古川氏は、やはりもう、いまある程度検討するものはほとんど検討したし、確かに実際に炉をつくる段階だ、炉をつくるのに幾らかかるかと言ったら五百億かかるんだということを答弁したそうですけどね。  これはアメリカにおいては、オークリッジですか、あそこの研究所ですでに小型の溶融塩炉をつくって運転をした、その実績は非常によかった、このように私聞いているんです。そして、さらに百万キロワットの大型の溶融塩炉をつくるということで、これは貝沼さんの質問主意書にも書いているんですが、あれはアメリカの電力業界ですか、それとアメリカ政府と日本政府で一緒になってやろうじゃないか、こういう話があったように聞いておるんですけどね。それで、アメリカのオークリッジのいままでの試験炉、大きさは忘れましたけれども、実際に運転してきたその運転データというようなものを、わが国政府としては、たとえば現地へだれかを派遣して、調査をしてそういう資料があるのかどうか、それとアメリカからそういう話は過去にあったのかどうか、その点どうなんですか。
  176. 石渡鷹雄

    ○政府委員(石渡鷹雄君) 先生御指摘のように、オークリッジにおきまして七・四メガワットという規模でございますが、昭和四十年から四十四年、約五年間にわたって運転されたという実績がございます。昭和四十五年には、いまからちょうど十年前になりますが、百万キロワット級の実用炉の設計研究が行われた、こういうところまでは伝わっているわけでございますが、その後の動きはないと聞いております。  それからエバスコ社という米国の会社が中心となりましてこの百万キロの実用炉の開発計画を推進しようではないかということで米国政府にも働きかけている、またわが国の民間企業にも協力を呼びかけてきているということは承知いたしております。特に、たとえばオークリッジでの成績の一般的な情報は日本には入手されておりますが、さらに突っ込んだ調査を行ったかという点については、一部の民間企業がどの程度の情報を入手しているかによるかと存じますが、まだ私どもは特別の情報を入手しているという段階にはございません。やはりこの基礎研究を文部省等も来年度お取り上げになると伺っておりますが、科学技術庁といたしましても、そういうことも含め、また諸外国と申しましても現実に進めようとしているのはアメリカだけのようでございますが、そういう実情の把握には努めていかなければならないだろう、かように考えております。
  177. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 実は、やはり研究費というのは無限大にはないし、研究人員ももちろん制限があるわけで、そういう中でどの研究を選択していくかということは非常にぼくは大きな問題であって、その研究においてはいろんな要素がやっぱり働くと思うんです。たとえば、アメリカにおいてなぜ溶融塩炉が発達しなかったかということにつきましては、米国の公聴会等では、一つはこれは原子爆弾に使えないからだ。確かにこれは、軽水炉は再処理をやればプルトニウムができる、それができないわけですから、そういう点は日本には非常に平和的でいいわけなんですけれどもね。それともう一つは、材料というものを加工しなくていい、溶融塩でございますので。いまの軽水炉であれば、炉の型が違えば全部非常に精度の高い燃料の加工あるいは被覆管が必要である。しかし一方では、軽水炉のために設備投資をしたそういうメーカーあるいは材料加工工場の人にとっては、溶融塩炉がふえるということはやっぱり材料加工の利益がなくなってくる。そういう二点からアメリカでは溶融塩炉はやらないんだ、こういうことが言われているわけです。しかし、それは実はわれわれもそれ以上のことはよくわからないんですけれどもね。そういうように一つのどの研究をとるかということの場合には、その本当の研究の必要性ということよりもそれに付随したある企業の設備投資がむだになる、そういうようなことの方にやはり支配されるような場合もある、そういうことがあってはならないと思うんですけれども。  わが国の本年度の予算は、ほかの各省の予算が非常に厳しい査定の中でエネルギーの研究は特別会計等もあってかなりふえたわけですけれども、そういう中でどの研究に重点を置くか、そういう問題が非常に大事だと思うんですけれども、わが国の場合はそういうのはだれが決めるんですか。そういう決めるシステムはどうなっているんですか。
  178. 石渡鷹雄

    ○政府委員(石渡鷹雄君) 当然、そういう全体的な原子力の研究開発利用まで含めまして、計画的遂行という立場から原子力委員会が最終的に御判断になるというシステムになっているわけでございます。現実には、そういういろいろな計画等につきまして予算要求という形で、最終的には原子力委員会の方が査定をして予算要求案ができ上がる、その段階がチェックポイントと考えております。
  179. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 私は、この炉がトリウムを使える。ウランよりも地球物理的には三倍ぐらい埋蔵量の多いトリウムを使えるとか、あるいは常圧であるし、それからプルトニウムができる心配がないわけですから平和利用に限るわけですし、さらには運転しながら再処理ができる。そうなると再処理工場もこれは必要がない。しかも、非常に炉は簡単で、非常にシンプルな炉である。いろいろ合金の腐食の問題等も大体解決されたようですし、ただ、これは一次系に放射性物資が流れるわけですから、これは完全な遠隔操作にしてやっていかなきゃならない。そういうことが非常に簡単な機械だからできる。だから、いまの軽水炉の発電所みたいに危ないところへ五分間行ってすぐ帰ってこい、こういうこと自体が非常によくないわけで、完全に遠隔操作をしてやればよりいいのじゃないか。そういうことが果たしてできるかどうかということがわれわれよくわからないんですけどね。だから、もうちょっと、たとえばアメリカではすでに実績のデータがあるわけですから、科学技術庁としても、やっぱりこれは民間レベルでやるのに任せるというのではなしに、民間レベルではどうしてもいま言ったように材料加工屋さんにとっては余りもうけにならない、そういう要素も働きますし、そういう研究はやっぱり科学技術庁が本当に国民的な利益の上に立ってやるべきじゃないか。すぐ炉をつくれということは、そういう意見も言う人おるわけだけども、科学技術庁としてはそういうわけにいかぬでしょうから、アメリカの試験のデータもあるわけですし、まず、そういうところに調査に行くとか、やっぱり何人かのグループに専門に、本当に純粋に検討させてみる。そういう方向にぼくは前向きにやるべきじゃないか。悔いを後世に残してはいかぬ。よその国がやらなくても日本の国がやって、その技術がよければ外国へそれを教えてあげればいいわけですし、核兵器に転用される心配がない炉であればなおいいのじゃないか。そういう点は、もうちょっと前向きに、五十五年度予算かあるいはその次か、そういう検討をする決意があるかどうか、その点どうでしょうか。
  180. 石渡鷹雄

    ○政府委員(石渡鷹雄君) 先生の御要望あるいは御指摘よくわかるつもりでございます。それで、実は原子力平和利用研究委託費を使いまして昭和五十年度に委託研究、文献上の調査でございますが、これをやったわけでございまして、その時点でのこの報告は余り内容的にそう感心できるものではなかったわけであります。まず、調査自体もそう綿密なものでもなかったし、また、その評価が溶融塩炉に対して余りにも未開発な問題が多いといったような評価であったわけでございますけれども、さらに続けまして五十二、五十三年度、大体同じようなところをねらいまして調査研究をやってもらったわけでございますが、これもまた内容的になかなか判断をするに足る内容の調査報告ができ上がらなかったという経過があるわけでございます。いろいろ状況もその後変わってきているわけでもございますし、そういう基礎的な研究が、一方で大学を中心に進められるという状況でございますれば、そういうことも十分注目を払い、また科学技術庁といたしましても、それらを十分総合的に判断できるような勉強をするということについては、原子力の研究開発を総合的に推進する立場として当然の責務であると考えますので、御指摘の点を十分に踏まえまして考えさせていただきます。
  181. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 最後に、人形峠の濃縮パイロットプラントの現状を、簡単で結構です。それから次の原型プラント。それからさらに、その次のはどうなるか知りませんけれども、そういう計画はどうなっているのか。その原型プラントの誘致を非常に要望している地域もあるわけですが、「むつ」にしても再処理にしても余り招かれざるものが多いわけですが、そういう中に、ぜひ来てくれということがあるということは、非常に科学技術庁としてもうれしいことだし、人形峠においてやはり関係者の皆さんが非常に地域とうまく事故なくやってきたそういう実績の上にもあるのじゃないかと思うんですけれども、そういう点でこれからの原型プラント以後の見通し、またそういう誘致する条件というのはどういう条件が必要なのか。そういうのはどうなんでしょうか。
  182. 石渡鷹雄

    ○政府委員(石渡鷹雄君) まず、人形峠のパイロットプラントの現状について御説明申し上げますが、おかげさまで昨年九月に、遠心分離器全体で七千台の計画のうち、まず千台が稼働いたしました。現在残りの三千台の建設を急いでいるということでございます。本年の秋にはプラス三千台、合計四千台が運転に入り、五十六年、来年の秋ごろには全体七千台の全面運転に入るという計画になっているわけでございます。  これ全体がパイロットプラントでございまして、この成果を十分踏まえる必要がある。特に遠心分離器の性能の確認のために、次の遠心分離器の開発の技術的な資料とするためにこの七千台の運転実績を十分踏まえたいということが一つの大きな目的でございます。一方、その次の段階を考えまして、現在、原型プラントといたしましてその概念設計を五十五年度で行いたい、かように考えているわけでございます。  その二つの要素を主として加味いたしまして次の詳細設計という段階に入っていくというプロセスになるわけでございますが、詳細設計に入りますには、その前に、まず建設主体と申しますか、どういう形態でこの建設が行われるのか、それとともに立地の問題が検討の段階に入ってくる、こういう状況であろうかと思います。  その立地についてどういうことを考えるべきであるかということでございますが、まだそういう段階でございますので、原型プラントの立地につきましては白紙の状態ではございますけれども、きわめて一般論的には当然ある程度のまとまった土地、地面が必要である。それからやはり物の輸送、燃料を運び入れそして製品を運び出すということがございますので、そういった地理的な条件といったものも大きな要素になるかと思っております。  それから誘致。たとえば、うちの近くと申しますか、自分の地域に考えられないかというお話のあることも事実でございますが、お気持ちは大変ありがたく承っているわけでございますけれども、まだそういう段階に至っておりませんので、御希望を拝聴させていただくということにとどめている次第でございます。
  183. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 最後に、長官に。  今年度は非常に特別会計等、これはまだ通っておりませんけれども、通るとすればかなり研究費もふえてくるわけですし、またそれだけに使命も重たいわけで、研究予算はふえたけれども研究の成果は大したことない、そういうことになっては非常にいけないのじゃないかと思うんですが、科学技術庁長官として、新年度の予算の執行に当たって、そういう点を十分効果のある研究が行われるように、研究員の士気も鼓舞してやっていただきたい、その点の御決意を承っておきます。
  184. 長田裕二

    ○国務大臣(長田裕二君) ただいま塩出委員御指摘のように、科学技術庁関係あるいはエネルギー関係の五十五年度予算は、財政再建元年という厳しい年にしましては相当の金額が与えられるような内容に予算案の内容がなっているわけでございます。また同時に、エネルギー問題の解決というようなことは、いまや日本ばかりでなく世界全体の最大の問題になっておりますし、特に日本がエネルギーの石油依存率七五%という世界で最も高い状況にあるということを考えますと、私どもにとりましてまさに最大の焦眉の急である。それらとの関連におきまして、私どもが担当しております分野、いろいろな各種の石油代替エネルギーの開発、特に原子力の研究開発利用の分野によほど力を入れてまいらなければならないことは仰せのとおりでございます。そしてまた、その分野におきまして、高速増殖炉の開発あるいは核融合研究の推進、そういうような問題もいろいろな形でまさにこれから展開されようとしているわけでございますので、私どもは、一面ではこの経費の使用につきましていやしくも放漫にわたることのないように十分に戒めてまいりますと同時に、他方、その研究の推進ということにつきましては、職員、研究員の士気も大いに高め、われわれはいま一番大事な目的に向かって真剣に取り組んでいるのだ、そういう使命感の高揚とあわせまして、研究員の人たち、関係者の人たちが全力を発揮してその目的に邁進できるような体制をつくっていくこと、そのようなことが大変大切なことである、そのように考えているところでございます。  御鞭撻を感謝申し上げます。
  185. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) 以上をもって塩出啓典君の質疑は終了いたしました。  他に御発言もないようですので、科学技術庁所管に関する質疑は、これをもって終了したものと認めます。     ―――――――――――――
  186. 桧垣徳太郎

    ○主査(桧垣徳太郎君) この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、久保亘君が分科担当委員を辞任され、その補欠として勝又武一君が分科担当委員に選任されました。  次回は、明後三十一日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十九分散会      ―――――・―――――