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1980-03-27 第91回国会 参議院 文教委員会 5号 公式Web版

  1. 昭和五十五年三月二十七日(木曜日)    午後一時八分開会     ―――――――――――――    委員の異動  三月二十五日     辞任         補欠選任      柏原 ヤス君     鈴木 一弘君  三月二十六日     辞任         補欠選任      山本 富雄君     塩見 俊二君      林  寛子君     土屋 義彦君      宮之原貞光君     安永 英雄君  三月二十七日     辞任         補欠選任      土屋 義彦君     金井 元彦君      鈴木 一弘君     柏原 ヤス君      田渕 哲也君     柳澤 錬造君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         大島 友治君     理 事                 高橋 誉冨君                 前田 勲男君                 勝又 武一君                 小巻 敏雄君     委 員                 金井 元彦君                 山東 昭子君                 内藤誉三郎君                 藤井 丙午君                 望月 邦夫君                 吉田  実君                 松前 達郎君                 柏原 ヤス君                 白木義一郎君                 柳澤 錬造君                 有田 一寿君    国務大臣        文 部 大 臣  谷垣 專一君    政府委員        文部大臣官房長  宮地 貫一君        文部大臣官房会        計課長      植木  浩君        文部省大学局長  佐野文一郎君        文部省学術国際        局長       篠澤 公平君    事務局側        常任委員会専門        員        瀧  嘉衛君    説明員        科学技術庁計画        局科学調査官   石井 敏弘君        科学技術庁研究        調整局宇宙企画        課長       佐々木壽康君        工業技術院総括        研究開発官    高田 利男君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○国立学校設置法の一部を改正する等の法律案  (内閣提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 大島友治

    ○委員長(大島友治君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、田渕哲也君及び土屋義彦君が委員を辞任され、その補欠として柳澤錬造君及び金井元彦君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 大島友治

    ○委員長(大島友治君) 国立学校設置法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は前回聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 勝又武一

    ○勝又武一君 大臣にお伺いをいたしますが、昨日の午後からけさにかけまして、甲子園御苦労さまでございました。大臣が率直に開会式あるいは始球式等をおやりになりました御感想について、まず承りたいと思います。
  5. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 大変どうもお忙しい時期に国会をしばらくあれさしていただきまして、甲子園に迎えましての選抜高校野球の開会式に列席をしてまいりました。  非常にたくさんの方々がお集まりをしておられまして、参加いたします者もまことに元気いっぱいでプレーを開始しております。高校生の野球がここまで大きくなり、またそのことが国民全体の体育、スポーツの進展にきわめて大きな役割りを果たしておることを痛感して帰ってまいりました。  大変無理を申しまして、恐縮に存じております。
  6. 勝又武一

    ○勝又武一君 私は非常にいいことだと思っていますので、そういう趣旨でお聞きをいたしました。  昨年の夏の甲子園の大会でありましたが、主催新聞社から優勝したチームに劣らない高い評価を受けたチームがございました。延長十五回、一回戦で敗れましたけれども、このチームがそういう高い評価を受けた理由が二つございまして、一つは、県立高校ですが、学区内の中学校出身者だけのチームでありました。これが一つです。つまりいまの高校野球、甲子園へ出るチーム等は、多くのところから幅広いスカウトまがいの、選手集めまがいのことをやっているのに比べて、そこのところは全くその学区内の中学校出身者だけ。  もう一つは、そのチームは文武両道、スポーツと、勉学と野球を両立さしたという点が高く評価をされました。そのチームは、県内の準々決勝、準決勝、決勝というときにも、一日試合の日にも四時間程度の勉強をしている。甲子園に臨んだときにも合宿所に参考書を持ち、勉強を欠かさなかった。決勝戦当日も四時間ぐらい勉強して臨んだという、これは県内の優勝戦ですが、甲子園にいた間もずうっとそのことが高く評価をされた高等学校でありました。こういう高等学校について大臣はどんな御感想をお持ちになりますか。
  7. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 昨年の甲子園の試合におきまして富士高校が、非常にいま申されましたようなことで、感激をもって周辺の諸君から評価をされておったという事実をよく私は承知いたしております。  きょうも参りまして、いろいろ関係者の諸君からのお話を聞きまして、いままで無名の高校が今度初めて出てきておるというような事情がどういうことにあるかというようなことも聞いてみますというと、やはりそれを指導されておる先生方と部員の諸君とのまとまりと申しますか、一つの気持ちの通じ合ったそのものが非常に力強い発展をいたしまして、そして選抜野球に出場するまでに成長しておるというようなことが言われておることを、私も実際にきょう行って聞いてまいったわけでございます。単にスポーツとしての心身の鍛練にとどまらないと思います。  きょうも私は選手の諸君に申し上げたのでありますが、非常に大きな責任感を皆自覚をしておりますけれども、その責任感に、重圧に押しひしがれることなく、それを克服してやってまいらなければなりません選手の諸君の訓練というものは、これは全く単にスポーツ、身体の問題だけではなく、強い精神的な鍛練を要求されておるものと私は考えております。当然そういう問題は、私は学業の問題にもそれだけの力強いものを持って対処することができるものであると、こういうふうに考えておるわけでございまして、私は高校野球が教育の場としても非常に大きな面を持っていま進められておることを高く評価すべきである、こういうふうに考えております。
  8. 勝又武一

    ○勝又武一君 いま私は一つの高校の例を申し上げましたが、多くの高校の中にそういう高校があると思いますが、実は国立大学の附属高校の中に、このように、たとえば野球と勉学を両立するとか、スポーツと勉学を両立しているような附属高等学校が、国立大学の附属高校の中にどのくらいあるでしょうか。
  9. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 国立大学の附属高校は、もちろん中等教育を担当する学校として生徒の教育に当たるということはもとよりでありますが、学部における教育指導の実験的、実証的な研究に協力をする、あるいは教育実習生を受け入れるというような特別な任務を持っているものでございます。そういった任務を持っている高校として、それぞれの高校がみずからのあり方をその目的に適合したものとすべく努力をしていると考えておりますが、いま先生がおっしゃるような形での文武両道という形で甲子園に出場するというような形の実績を上げているものがあるということは、私はまだ承知をいたしておりません。
  10. 勝又武一

    ○勝又武一君 大臣、ここに四月四日の週刊朝日があるのですが、その中に国・公立校ほか大学合格者高校別一覧という速報がございまして、これ見ますと、東大合格者高校別ランキングを見ましても、国立大附属高校というのは、言われているところの一流大学への合格率というのがきわめて高い高等学校ですね。つまり学力の高いレベルにあるのが多い、こう思いますけれども、一体この国立附属高校を設置をした理由、あるいは教育目標、こういうものは一体何なんでしょうか。
  11. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) ただいまも申し上げましたように、通常の高等学校としての任務のほかに、学部の教育研究に協力をするという任務と、もう一つ、教育実習生を受け入れて教育実習を行っていく機関としての任務、それを持って設置をされているものでございます。
  12. 勝又武一

    ○勝又武一君 いま局長のおっしゃった趣旨からいきますと、私はもっと国立大学の附属高校というのは、いろいろの個性的な学校があっていいだろうし、それから、ただ一期校中の一流大学と言われているところだけへいく、そういうことだけが何か目的のような高等学校にならない方が、いま局長のおっしゃっている趣旨に沿うんじゃないか、そう思いますが、たとえばこの附属高校への入学状況なり、この辺は一体いまどんなになっているのでしょうか。
  13. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 一般的に申しまして、幼稚園から中学校までの附属校についても、一時は先生御指摘のようないわゆるエリート校化の危険というものが強く指摘をされたところでございます。中学校までのところは、これまで鋭意その選抜方法の改善に努力をいたしまして、すべての学校が抽せん制を取り入れるというような形で、本来の附属学校の設置の趣旨に沿った入学者選抜を行う努力がなされ、これは顕著な改善が認められると思います。  ただ、高等学校の場合には、もちろん特に進学を意識した準備教育を行うことを方針としているわけではございませんけれども、応募者の競争倍率が全般に高くて、いわゆる学力の高い生徒が集中をする結果になっているということは従来からあるわけでございます。この点についても関係の大学の間において、改善の努力はされておりまして、今年度で見ますと、従来一校であった抽せん制を導入している高校に加えて、新しく二つの高等学校が抽せん制を導入をする、あるいは県立高校と統一試験を行うというような方法をとるものが、東京所在の四校が試験日を統一をし、大阪の一校が府下の私立学校の試験日と統一をする、そのような努力も行われているわけでございます。この点は関係の大学でつくっております日本教育大学協会においても、問題を十分に意識をして高校の入学者選抜方法の改善についての努力を行っているところでございます、まだまだ十分でない点があることは、私どもも率直に認めなければなりませんけれども、現在は大学の側、附属高校の側においても、積極的に問題を意識して、何とか附属学校設置の本来の目的に沿った選抜が行われるような改善の工夫をしようとしているところでございますので、そうした方向での努力がさらに進められますように、私どもも指導を重ねてまいりたいと思っております。
  14. 勝又武一

    ○勝又武一君 何というんでしょうか、入学してくる子供たちの親の所得階層といいましょうか、年間収入といいましょうか、そんなのはどの程度ぐらいの所得階層の方々が多いんですか。
  15. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘の点についての調査をしたものはございません。
  16. 勝又武一

    ○勝又武一君 大臣にお伺いしますが、私は一つの例として野球のことを申し上げ、甲子園のことを申し上げましたが、そういう意味だけではなくて、やはり文部省のねらっている教育という本質ですね、それからもう一つはやはり高等学校の格差をなくしていくというこの二つの観点から言って、私はやっぱりいま局長のおっしゃったような現実が、国立大の附属高校にあると思います。そういう意味で、局長もいまいろいろ改善方についてございましたが、ひとつ大臣としましてもこれらの点についての御見解といいましょうか、その辺を少しお聞かせください。
  17. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) いま局長の方からお答えをいたしましたのと重複をする点が多かろうと思いますが、附属高校、あるいはまた附属の小・中学の問題につきましては、やはり二つの目的があるだろうと私は考えております。通常の教育を当然やるわけでありますが、同時に教育関係の、こういう国立大学の附属でございますので、そこらの国立大学におりまする教育を専門としてやっていこうとするそういう諸君の、一つの実験の場と言うと表現が少し厳しゅうございますが、実際の教授、教育に充てる一つのそういう場所という意味もあるわけでございます。この二つの設置目標があると思っておるわけでございますが、しかし、実際の姿が、先ほど勝又先生から御指摘もありましたように、非常に成績のいい諸君が、子供たちが集まる傾向になっておる。果たしてそれが附属学校としての目的と背馳するものがあるのではないだろうかと、こういう点だろうと思います。この点につきましては、すでに教育関係の大学の諸君自体もそういう問題についてのいろいろな議論を重ねておりまして、先ほどは局長は高校のことに対して特に申しておったようでありますが、小・中学の分野におきましては、いわゆる入試の制度におきまする抽せん制、あるいは推薦方式をかなり取り入れておる段階へ入ってきておると思います。高校の場合は、先ほど申しましたようなことでございまして、少し小・中学よりもその数が少ないように思いますけれども、漸次そういう空気が出てまいって、附属学校における入試の方法、あるいはもっと本質的な問題についての具体的な検討がなされてき始めておるということは、これはいい方向であるというふうに私は考えております。
  18. 勝又武一

    ○勝又武一君 時間もありませんので限定しますけれども、小・中学校も抽せん制等を加えて非常に改善されているんだというお話ですが、なかなか現実はやっぱりそうでない向きも多々あると思いますね。たとえば小学校は推薦制が相当進んでいますけれども、じゃ中学の場合に完全な推薦制になっているかといいますと、なかなかそうでない。そしてそれがさらに高等学校へいくと一層助長される。ですから私はやっぱりやや極言ですが、学歴優先、学閥主義を助長することを、むしろやはり国立大学の附属の小・中学校がやっているというそういう一面も生まれてきつつある。そういう点から言いますと、やはり先ほどから繰り返されておりますように、この教育実習なり、教育の実験校というような意味合いからいけばいくほど、いろいろの層の皆さん、それぞれスポーツに秀でたり、あるいは勉学をしたり、そういう意味で各種各様のそれぞれの能力に応じた皆さんがいらっしゃる方がより好ましい、そういうようにも事実思いますので、特にこの抽せん制の完全な実施なり、特に中学校における場合の改善ですね、この辺について一層進めでいくべきだと思いますが、この辺はいかがですか。
  19. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 抽せん制につきましては御案内のように、四十三年当時は幼稚園で採用しているものが七四・四%、小学校が五三・五%、中学校が一八・七%というような状況でございました。それについて鋭意指導を行い、また附属学校側も努力をいたしました結果、五十四年度で申しますと、幼稚園は一〇〇%、小学校も一〇〇%、中学校は倍率のきわめて少ない一校、山口大学の附属の光中学校を除きまして、全部が抽せん制を採用するというところまできているわけでございます。
  20. 勝又武一

    ○勝又武一君 それでは地方の大学の充実の問題について二、三お伺いをしたいと思います。  大平総理も地方の時代ということを強調されておりますし、文部大臣の所信表明にも地方大学の充実について述べられております。私も去る十八日の当文教委員会でこのことについても意見を述べました。東大及び旧帝大系の大学と、いわゆる地方大学との間にある歴然たる格差、具体的に言いますと、研究体制なり、あるいは研究費の格差等についてどのように思われていらっしゃるでしょうか。
  21. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 大学間の格差というのをどのようにとらえるかというのは非常にむずかしい問題でございます。御指摘のように東京大学等のいわゆる旧帝大と言われている大学と、新制大学との場合に、大学の規模なり、あるいは予算総額等において、相違があることは事実でございます。これはやはりそれぞれの大学が創設をされてから今日に至るまでの経緯の差があり、その間におけるそれぞれの大学における整備の状況に差があったこと、相違があったことに伴う結果でございます。実際に大学に対して、たとえば研究費を配分をする場合の教官当たりの積算校費の積算等につきましては、これは大学によって差をつけるということではなくて、もちろん博士課程を持っているか、修士課程を持っているか、学科目制であるかということに伴う単価の上での差はございますけれども、その基準に従って一律に行われているわけでございます。もちろんすべての大学が同じようなもので整えられなければならないということではむしろなくて、それぞれの大学が特色を持って発展をするように、大学の努力を助けていくというのがわれわれの仕事でございますけれども、そういう方向でいわゆる地方における大学の質量の充実ということについては、今後とも私どもは力を入れていくつもりでおるわけでございます。
  22. 勝又武一

    ○勝又武一君 これは去る一月の十六、十七、十八日と、当文教委員会で静岡、愛知両県の調査に参りました。そのときに静岡大学にもお寄りをいたしました。大学側から各種の要望もありました。特にこのときにもありましたが、教育学部の大学院設置につきまして調査費がつけられているわけでありまして、静岡大学教育学部の関係者一同からも感謝のお言葉もそのときにございました。この設置ですね、これは次の年度ぐらいになるというように大体考えておいてよろしいんでしょうか。  それからもう一つは、このときに教育学部から教育実習に関しての具体的な取り組みや、実践データ等がずいぶん事細かく報告をされました。この教育実習を重視すべきだという論議は、当文教委員会でも常々重ねられておりますから、私がいまさら繰り返す必要はないと思うのでありますが、予算を見ますと、まだまだこの点に関しては不十分だと思うわけです。そこで、こういう教育実習にかかわる予算を一層増額する、こういう点について今後御検討されるお考えがございますか。この二つ。
  23. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 静岡大学教育学部の大学院の設置につきましては、御指摘のように、五十四年度に大学院改革調査経費を配分をいたして御検討をいただいているところでございます、静岡大学の教育学部がきわめて積極的にこのことに取り組んでおられることは十分に承知をいたしております。調査経費の配分をするということ自体が、この大学における大学院の設置構想についての学内の検討がかなり進んでいるということを、わが方が考えて対応しているということを示しているわけでございますが、今後大学における検討の進捗状況、あるいは教官組織の充実の状況等を見ながら、明年度以降の対応を考えてまいりたいと思っているわけでございます。  教育実習に関する経費につきましては、もちろん教育実習で学生を派遣する場合の受け入れ校に対するいわば手当についての増額もかねて考えておりますし、また大学において教育実習の事前事後に、学生に対する指導を十分にするために、現場の経験を有する先生方を非常勤講師でお願いをして指導をしていただくというようなことも進めているところでございます。そういった方向での努力をさらに続けたいと思います。
  24. 勝又武一

    ○勝又武一君 一月の二十九日に文部大臣の諮問機関であります学術審議会、これが建議をなされております。その中で、「石油に代わる新エネルギーの開発に大学などの研究者は早急に総力をあげて取り組む必要がある」。そして、「「我が国としては一刻の猶予もなく、多様なエネルギー源開発の研究を格段に推進しなければならない」と強い調子で述べている。」こういう新聞報道がございます。文部省の代替エネルギー研究体制はおくれていたんじゃないかというようにも思いますが、この点の反省はいかがでしょうか。
  25. 篠澤公平

    ○政府委員(篠澤公平君) ただいま御指摘のありましたように、一月二十九日の学術審議会総会で、大学等におけるエネルギー研究の推進方策について建議をごちょうだいいたしました。ただいまの御指摘の、従前そういう面の研究がおくれていたのではないかという御指摘でございますけれども、予算等でもお願いをしているところでございますが、重要なプロジェクト研究につきましては、重要基礎研究の推進費ということで、従来ロケットあるいは地震、火山の噴火予知、その他につきまして、柱として整理してございまして、エネルギー研究につきましては率直に申し上げまして、重要基礎研究の柱として五十五年度の予算でお願いをしているところでございます。そういう意味では初めてそういう形で予算を整理してまとめたと、それから積極的に推進していきたいということでございます。
  26. 勝又武一

    ○勝又武一君 五十五年度予算ではどの程度努力をされ、取り組まれたんですか。
  27. 篠澤公平

    ○政府委員(篠澤公平君) エネルギー対策関連経費といたしまして、国立大学等から出てまいりましたいろいろな要望と申しますか、予算に対する要求事項を整理してとりまとめましたほか、科学研究費補助金の中に、エネルギーの特別研究費という柱を立てました。そういう意味では一般会計と特別会計と両方に分かれるわけでございますが、一般会計におきましては、五十四年度と比較いたしますと、五十四年度は科学研究費補助金の中にそういう柱を立てておりませんので、これはゼロとみなしておるわけでございますが、エネルギー研究、特別研究のために科学研究費補助金十四億を加えますと、
  28. 勝又武一

    ○勝又武一君 結論だけ簡単にしてください。
  29. 篠澤公平

    ○政府委員(篠澤公平君) はい。一般会計では、したがいまして、その他の国際協力事業もありますので、五十四年度が一億七百万でございます。五十五年度は十五億四千四百万でございます。十四億三千七百万の増でございます。それから、特別会計におきましては百十三億五十四年度では関連経費を計上いたしておりましたが、五十五年度は百十八億円。したがいまして、五億一千九百万円の増額ということでございます。
  30. 勝又武一

    ○勝又武一君 通産省と科学技術庁の方いらっしゃいますか。  この建議につきまして、それぞれ御見解を承りたいのです。
  31. 高田利男

    ○説明員(高田利男君) お答え申し上げます。  通産省におきましては、昭和四十九年から新エネルギーの技術開発をサンシャイン計画ということで進めております。このサンシャイン計画では、太陽エネルギーの技術開発、あるいは地熱エネルギーの技術開発等を行っているわけでございますが、非常に多岐の分野にわたるわけでございます。かつ基礎的な研究から応用研究等非常に幅広い研究を行うわけでございます。特に基礎的な研究開発の一部につきましては。
  32. 勝又武一

    ○勝又武一君 済みません。この建議についての見解をお聞かせください。簡単にしてください。
  33. 高田利男

    ○説明員(高田利男君) はい。大学にもいろいろ御協力をお願いしておりまして、今後もプラント開発等行うわけでございますが、産、官、学協力いたしまして進めてまいりたいということで、今後も大学の協力をいろいろお願いしたいというふうに考えております。
  34. 石井敏弘

    ○説明員(石井敏弘君) お答えいたします。  科学技術庁といたしましては、科学技術庁自身は特に大学における研究は除かれておりますが、科学技術庁が処務をいたしております科学技術会議という場がございまして、大学の研究のみならず各省庁の研究開発、とりわけ代替エネルギー開発につきましていろいろ審議を進めてきておりまして、政府全体のエネルギー研究開発の推進の重要性から、五十三年の七月に科学技術会議の答申をいただきまして、そして同年の八月に内閣総理大臣がエネルギー研究開発基本計画というものを定めておりまして、この中では、現在各省庁が行っておりますエネルギー研究開発、あるいはそれらの調整を通じまして、大学の話もこの中で位置づけておりまして、今後ともこの研究開発基本計画の線にのっとって、大学はもちろん、政府各省とも統一性のとれた計画のもとに、代替エネルギー研究開発を促進していくべきであるというふうに考えておる次第でございます。
  35. 勝又武一

    ○勝又武一君 文部大臣と科学技術庁に伺いたいんですが、例の「あやめ2号」の失敗ですね、宇宙開発事業団の打ち上げられた実験用静止通信衛星「あやめ2号」、これは昨年に続いて二度失敗しておるのです。お金も二百五十億ですか、二百五十億の国費の損失であった。私は、この責任というのは相当厳しく問われないといけないんじゃないか、そういうように思いますが、わが国のこういう宇宙開発の進め方について何か基本的な欠陥があるんじゃないか、そう思いますが、文部大臣と科学技術庁の御見解をお聞きしたい。
  36. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 科学技術の関係、また文部省の関係いろいろあれがあると思いますが、宇宙開発全体の問題に対しまして、どういうふうにやるかということにつきましては問題がかなり大きゅうございますので、いまここで余り言及をするほどの私は知識を持っておりません。ただ、世上よく言われておりますように、科学技術庁の方での「あやめ2号」その他の研究、あるいは実施の体制と、それから東大を中心といたしましてのロケットの開発等の問題とが二つ両立をしておることに対しての批判を私どもよく耳にするわけでございます。この点につきましては、両方の取り組みの姿勢が本来違っておる点でございまして、この東大を中心といたしました問題は、日本の独自の研究を少しずつ積み重ねてまいっておるわけでございますが、現在宇宙開発の技術におきまして、一生懸命日本独自の技術をそういう形で積み重ねてまいっておりますけれども、アメリカその他の国が到達しておるその段階にまだ達していないのが現実でございます。しかし、宇宙開発に伴いますいろんな成果は早く手に入れなければならないという要請が片一方にございまして、したがいまして、一つ一つの自分だけの力の開発だけには待てないということで、実用的なものをとにかくやっていこうじゃないかという形のものが技術庁の方でいろいろ御心配になっておる開発形態になってきておる、こういうふうに聞いております。この両者がしかし全然別個であってはいけないんでありまして、両方のそれぞれの蓄積をしたり、あるいは開発したりしました技術は、お互いに統一がとれて、両方がそれぞれ情報を持たなきゃなりません、そのためには、科学技術庁の方でやっていただいております両方を統一いたしました委員会等がその調整をいたしておる、こういうことでございまして、非常に巨大な部門でございますために、そういう二つのやり方がいま併立しておる、こういうことでございます。
  37. 佐々木壽康

    ○説明員(佐々木壽康君) お答え申し上げます。  御批判の主たる点は、私どもの理解しておりますことといたしましては、どちらかといいますと米国の技術に過度に依存し過ぎておるのではないか、こういう米国の技術に依存し過ぎた体制が一つのこういう今回のような問題を引き起こしたのではないかという問題と、もう一点は、そういうことから脱却するために、自主技術を大いに今後開発していくべきではないかというようなことではないかと思われます。  実は、この宇宙開発につきましては、広範な分野にわたります非常に最先端の技術を必要としているわけでございまして、大規模な施設、設備、こういうものを必要といたします。これには莫大な開発投資と、それから長年にわたる技術の蓄積が必要なわけでございますが、不幸にいたしましてわが国は、この点ではまだ蓄積が非常に少ないわけでございます。こういうようなことで、わが国といたしましては本格的に宇宙開発を開始して日が浅いということで、どうしても現在の段階では開発技術を、外国の技術を主として習得するという段階に残念ながらございます。  それから、現在のわが国の経済的な規模等もございまして、この膨大な宇宙開発をすべて自主技術で賄うということはかえって非効率であるというようなことがございまして、米国の技術にかなり依存しているという現状でございます。しかしながら、いつまでもこの技術水準が低いままに外国の技術に依存していていいという話ではございません。それで、宇宙開発委員会が定めております「宇宙開発政策大綱」というのがございますが、これでは、わが国の宇宙開発活動に必要なすべてのものを国産化する必要はないけれども、少なくとも宇宙開発活動システムの主要な部分につきましては、これは主要なシステムを、特に設計技術、それから製作技術といったようなものでございますが、こういうものはみずからの手でこれを措置できるというようにすべきであるということで、今後ともこの宇宙開発委員会の基本的な政策に沿ってその努力を傾けてまいりたいというふうに考えております。特に外国の技術につきましても、単に米国の技術のみに目を向けるということではなくて、今後は必要ないろんな技術につきまして、広く、たとえばヨーロッパ諸国の技術等につきましても、優秀なものがあればこれを取り入れて、大いに日本の宇宙開発を自主技術を進めながら、かつ、高度な宇宙開発利用を進めるという観点から、外国の技術も導入しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
  38. 勝又武一

    ○勝又武一君 質問のところにだけお答えいただきたいと思うんですけどもね。  私が次に申し上げたいのは、いま科学技術庁も言っていましたけども、むしろ、やはりそういう基礎的な研究体制の欠如じゃないかということなんです。やっぱり米国に依存するということもあるでしょうけども、技術的にはそうだし、そういう基本というものを忘れて、何か大向こうばっかり一発ねらう、そういう考えがこういうような重要な問題にもある。しかも二百五十億の国費を使うという問題ですから、私は大変な問題だというふうに指摘をしたわけです。きょうは甲子園が始まったから野球の話ばっかりするわけじゃありませんけども、基本を忘れて一発逆転ホーマーをねらってもそう打てるものじゃないわけです。私自身が長い間高校からずっと野球やっていまして、高等学校でも野球の監督をやったりしていまして、子供たちにも教えてきたのもそうなんですがね。やっぱり基本ということを忘れちゃいけないわけです。きょうは、ぼくよりもはるかに野球の専門家もこの中にいらっしゃるわけですから、この程度にしますけれども、そういう基本を忘れる、基礎的な研究をないがしろにしておいて、何か大向こうばっかりねらったってうまくいくわけない。そういう意味で、特に宇宙開発という問題についても、事業団だけでやっている、あるいは東京大学の宇宙研究所ですか、こっちもやっている。両方の共同研究ということを、むしろ基礎的な研究ということを含めて、余りあせらないで、大向こうをうならせるなんということは少し忘れて、やっぱり一体的になって、東大も、宇宙開発事業団ですか、そういう何か縄張りなんかも離れて、やっぱり国家の基本的な仕事として、一体的になってやっていく、そういうことがやはり国民の厳しい批判にこたえる道じゃないか、そういう観点でお聞きをしているわけですから、その点についてひとつ大臣の御見解を承りたい。
  39. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 私もまだ十分なる専門的な観点、知識がないものですから、お答えが不十分である点はお許しを願いたいと思いますが、ただ、文部大臣として考えております点は、その二つのものが両立している形においての考えておりますことは、東京大学の宇宙航空研究所でやっております技術は、まあ言ってみると、日本の知識がそれぞれ研究してやってきておるものを、小さいながらもやっておるという形で進めておるわけでございます。ただ、先ほどお話がありましたように、宇宙開発の技術は非常に広範でございます。また、ある面では非常にすぐに実用的なものを要求されるものがあるわけでございます。その点では確かに日本のいままでの蓄積の技術は遠く及ばない点が多くあるわけでございます。したがって、そちらの実用的な面から考えてみると、外国のそこまで到達した技術あるいは知識を、もうすぐにそれだけ借りてきてやったらいいじゃないかということにこれはなりがちでございますし、また、ある部分におきましては、そのことが早い知識の集積になるわけであろうと思います。ところが、そういう状況でいきました場合に、果たして一番肝心な技術の面まで教えてくれるかどうかというような問題は、いわゆるブラックボックスというような形で、アメリカはアメリカとしての技術の本当のところはなかなか教えないままに、いまのような開発の実施をしておる、こういう状況になるわけであります。それじゃ、そのブラックボックスなり何なりの関連いたしますようなそういう知識、技能をすぐに日本に教えてくれろと言っても、向こうはそれを非常に大切な技術としてなかなか言ってまいりません。そこに到達していくわが国としての知識の集積をどうするか、これは私はやはり大きく分けて二つあると思います。いまの宇宙開発事業団のやっておりますような、いわば外国からの知識、ノーハウをできるだけ集めていくというやり方と、教えてくれないことに対して、微力ではあるけれども日本の技術を積み重ね積み重ねやっていくという、そういう二つの接近の方法があるだろうと私は考えます。これは、両方の技術があるところでお互いに情報を通じてやっていかなきゃならぬということは当然でございまして、そのために科学技術庁の方にそういう意味の委員会をつくっていただいて、両方の意識の統一をしておると、こういうことでございます。これをもし、東大のやっておりますものも、あるいは科学技術庁の方の宇宙開発事業団でやっておりますものも一緒になってやっていこうということになった方がいいかどうか、その判定であろうと思います。これはいろいろ議論があると思います。この巨大な実用化の方に、もしいろんな頭脳集団がそちらへ入ってしまいますと、技術を一日も早く実際の効果をあらわせるための焦りというと語弊がございますが、そちらの方への動員が非常に強い力になってやってまいりますと、そう言っても、数の少ない頭脳集団の全部の力がそっちへ行ってしまう。そういうおそれがなきにしもあらずだろうと思います。一つ一つの基礎的な自分たちの力の限度をフルいっぱいに積み重ねていくという努力が、これは基礎的な努力であればあるほど、ないがしろにされる危険があるのではないかと思います。これは、宇宙開発に対しまする日本の技術の集積がもっと広がっていけば、そういうようなことを言わなくても一つのものにまとまっていいと思いますけれども、いまの段階では、やはりこの二つ分かれていく、そして両方の知識を今日ありますような委員会の組織で情報をお互いに交換し合うということは、いまの段階ではこれは認めていかざるを得ないのじゃないか、こういうふうに私は思っております。私もまだなかなかそういう専門の技術もわかりませんので、これからいろいろと勉強さしていただきたいと思いますが、そういう関係にいたしております一種の行政に携わっておる者としては、そういう割り切り方をしてこの二つの仕組みでいっておることについてそれぞれが努力していく。両方わかっているところ、そしてお互いにわかり合っていないところは情報の交換をしていくようなシステムを当分続けていく以外にないんじゃないか、こういうふうに考えておるところでございます。
  40. 勝又武一

    ○勝又武一君 私の質問の趣旨が十分理解していただけなかったと思うんですが、私の言いたかった意味は、基礎的な研究体制を整備充実することが非常に重要じゃないか、そういうことを指摘したかったわけです。一体的という意味は、そういう基礎的な研究体制の充実ということを、もっとたとえばあやめ二号の方にも適用させるべきじゃないか、そういう意味で一体的な研究体制をつくったらどうだという意味で申し上げたわけですので、そのようにひとつお受け取りをいただきたいと思います。  そこで、時間がなくなりましたので、研究費の具体的な問題について二、三伺いたいと思います。  いま申し上げましたように、基礎的な研究体制の充実ということを考えれば考えるほど、いわゆる大学におきます研究費の確保充実、この辺について特に国立大学の実態について、あるいは特に地方大学の研究費の充実について伺いたいわけですが、たとえば、本年度の予算の資料を見ましても、教官当たりの積算校費、こういう問題がございますね。この中で、どうして、いわゆる講座制と学科目別制ですか、この単価の差が余りにもあり過ぎますね、講座制の場合の七百三十一万九千円、学科目制の場合の百八十九万八千円ですか、これは一例ですが。こういう講座制と学科目制の単価の格差、あるいは大学院の整備されていない地方大学といわゆる国立大学との格差、この辺については一体どういうようになっているんでしょうか。
  41. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、教官当たり積算校費の単価は、いわゆる講座制の場合、修士講座制の場合、学科目制の場合によって単価にかなりの聞きがございます。さらにその中が実験、非実験で分かれているわけでございます。これは、やはり研究にどれだけの経費がかかるかということを前提にしての区分であり、さらに博士講座制あるいは修士講座制の場合に、それぞれ博士課程、修士課程の研究科を持っての研究を進めていかなければならないというその研究の負荷に対する対応という意味でこのような措置になっているわけでございます。当たり校費についての改善を考えていく場合には、全体としてのもちろん増加を図っていかなければなりませんけれども、その間においても、年によりましてそれぞれウエートをどのようなところへ置くかというような点の工夫もしながら、進めてきているということを御理解いただきたいと思います。
  42. 勝又武一

    ○勝又武一君 東大なり旧帝大系のところと、いわゆる戦後の大学に昇格した地方大学、その辺との格差の是正、地方大学を充実するという意味合いから言って、その辺について、今後の検討の余地はおありなんでしょうか、どうなんでしょうか。
  43. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) これまでもお答えをしておりますように、新制大学の場合でありましても、学部が充実をしているものについては、大学の準備が十分に整っている限り、修士講座にしていく、いわゆる修士の課程を置いていくという方向については、私どもはそれを一貫した方針といたしております。ただ、博士課程を設置をするということについては、現在の大学院の社会的に機能している状況、あるいは大学院を終えた者の需給の状況、そういった点からして、その設置については十分な慎重な配慮が必要であるというのが、これまた大学院問題懇談会等における御指摘でもございますので、そのことを踏まえて、かつ、わが国全体の教育研究水準の向上というような見地からの配慮を加えながら、博士課程についてはしばらく慎重な対応を続けたいと思っているわけでございます。
  44. 勝又武一

    ○勝又武一君 この科学研究費補助金というのがございますね、三百二十五億ですか、これで、地方大学での研究に対するものは、このうちどの程度ぐらいのパーセントになっていますか。
  45. 篠澤公平

    ○政府委員(篠澤公平君) 五十四年度の科研費について申し上げます。  研究課題の採択率で申し上げますならば、国立大学は課題の採択率は三三%でございますが、先ほどの旧七帝大とその他の大学という区分をいたしますならば、旧七帝大は三九・七%、その他の旧七帝大を除きます国立大学は二七・七%でございます。
  46. 勝又武一

    ○勝又武一君 それから、何というんでしょうか、会社からの受託研究費、あるいは諸官庁のプロジェクト研究費、こんな点もその対象大学というものを、大ざっぱで結構なんですけれども、いまの特に旧帝大系と地方大学との関係、何かその辺が、地方大学というのはどの程度になっておるのか、おわかりになるようなデータございますか。
  47. 篠澤公平

    ○政府委員(篠澤公平君) 現在手元にございませんので、後ほど調べまして御報告をさしていただきたいと思います。
  48. 勝又武一

    ○勝又武一君 時間が大変きょうはありませんので、重点的にだけ申し上げますが、後で調査をお教えいただきたいと思うんですが、私のところでちょっと見ましても、大分受託大学というのが片寄っているのじゃないか。大臣、ここなんですね。そういう点についても、いわゆる地方大学に対する格差が生まれてきている。ですから、配分のない大学の研究者等は満足な十分な研究も行えない、あるいは自然科学でいう創造的な実験研究というものでも十分な成果を上げられない。そういう意味で、やはり先ほど言いました科学研究費の補助金の配分なり、あるいはそういう研究費の充実につきまして、地方大学をさらにウエートをかけていくといいますか、地方大学がよりアクチブに研究やれるような体制づくりについて、どんな反省をお持ちですか。
  49. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 私たちは、地方大学の充実を頭に置いてやっていかなきゃならぬと思っておりますことは、逆に申しますと、地方大学の充実度がまだ未完成のところが多いということから、特にそちらの方に力を入れようとして申し上げておるところでございますが、ただ、従来あります大学と新しい大学との一つの評価の問題の大きい点は、やはりそこにおける学問の集積と申しますか、これは人間の問題、施設の問題等がございますが、ことに知識集団であるそこの先生方、その研究者の集積の度合いというものが、やはりこれはある程度差があらざるを得ない。そのほかの問題点については、これは地方大学の充実ということを、むしろ重点をそちらに置いてしかるべきだと思うんですけれども、現実にいままでの集積の度合い、経緯というものがあることは、これはある程度認めざるを得ないと思うんであります。いまの研究費等の配分につきましても、決して地方大学の方をおろそかに考えるというような、そういう意図は毛頭ございません。できるだけ新しい、新進の研究の方々を中に取り入れて、そして研究費等の配分を考えていかなきゃならぬということは十分考えておるわけでございますので、いろいろとこう見ますと、何と申しますか配分に旧帝大あるいはまた古くからある大学の方に配分が多いように思われるのかもしれませんが、それはその集積の度合い、研究の度合いというものもございますので、そこらのところも考えながら、地方の大学というものはむしろこれから育てていかなきゃならぬということを考えてやっていきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
  50. 勝又武一

    ○勝又武一君 冒頭申し上げましたように、地方の時代あるいは地方の大学の育成を図る、こういう趣旨からいきましても、私はやはり地方の大学というのは、今後できる限り各県一つぐらいは相当大規模な総合大学を目指すべきだ、そして各県各県の総合大学である国立の地方大学が、それぞれ個性豊かな、きわめて個性的な、研究体制でもアクチブな大学にしていくべきだ、そういうように思いますので、大臣のおっしゃった意味のうちで、格差がない、そういうことは考えていないという点がありますけれども、具体的なデータを見ますと、やっぱり何というんでしょうか、相当な格差がある、偏在をしている、偏重をしているという点を指摘せざるを得ませんので、この点はぜひ今後検討していただきたいと思います。  それからもう一つ、特に時間もありませんので、これも答弁は結構ですが、公共大学、それから私立大学、この辺の基礎的な研究体制の振興という点についても、まだまだ国立旧帝大系に比べれば劣っているわけですから、こういう点についても十分なひとつ御検討をいただきたいと思います。  そこで、この問題の最後に伺いたいのは、免疫学の世界的な権威であります石坂京大教授ですか、この方が何か京大をおやめになって、併任のジョーンズ・ホプキンス大学に帰られちゃった、こういう問題もいまあるわけですけれど、やっぱりそういう日本の優秀な頭脳的な最高クラスの方々というのが、もっと日本で残って研究できる、これはあの例のノーベル賞の方の問題なんかも当然だと思いますけれどね、そういう点について文部省としての御反省はいかがですか。
  51. 篠澤公平

    ○政府委員(篠澤公平君) 正確なことは存じませんが、石坂教授がアメリカに再び帰られるという報告は受けております。京都大学の医学部におきましての決定でございますが、京都大学に、石坂先生のためにと申し上げてもよろしいかと思いますが、研究施設を数年前に設置をいたしました。先生おいでになりましたわけですが、やはりその施設が必ずしも十分でなかったという印象を受けております、先生の御希望との関連では十分でなかったということで、やや失望されたというのが真相かというふうに実は感じておるわけでございます。
  52. 勝又武一

    ○勝又武一君 大臣ね、そういう世界的な権威の方が失望しないような日本の体制に今後大臣としてもぜひ御努力いただきたい。  時間がありませんが、最後に養護教諭の問題について一つだけお伺いいたしますが、この養護教諭の全校配置ということが当然の目標でありますので、今回の養成所設置法の廃止に当たりまして、養護教諭の四年制課程の充実と、今後のやはり完全全校配置、この点についての御努力の御見解といいましょうか、お考え、この辺についてひとつお伺いをして私の質問を終わりたいと思います。
  53. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 養護教諭の需給の点から見ますと、量的には十分に対応できるだけの数を現在養成の機関は持っているわけでございます。大体毎年五千人程度の新規免許状の取得者が確保できる数字にはなっておりますが、ただその内容が、御指摘のように短大卒の方々で免許状を取られる方が非常に多くて、四年制の課程を修了する方の数が少ないという状況があります。したがって、養護教諭養成の問題というのは、むしろ量的な問題よりも質的な充実にありますし、そういう意味では養護教諭養成課程というものをさらに充実をしていくということが課題になるわけでございます。九つの養成所すべて養成課程に転換をいたしましたけれども、その後さらに五十四年度には新たに北海道教育大学に養護教諭養成課程もつくっていくところでございますし、あるいは新潟大学に養護教諭一級免許状を取得させるための特別別科も設置をするというようなことが五十五年度で行われるわけでございます。そういう意味で、四年制課程の充実については今後とも検討をし、各大学の状況も勘案をしながら対応してまいりたいと思います。  養護教諭の今後の配置の問題につきましては、今回の定数の改善計画の中でも考慮をされていると承知はいたしておりますけれども、現在の七十数%の配置の状況というものを、御指摘のように全校必置の形まで直ちに改善をするというわけにはなかなかまいらない点があろうと思いますけれども、努力をいたしてまいりたいと考えます。
  54. 勝又武一

    ○勝又武一君 大臣、最後の全校必置の御努力についてだけ一言大臣から。
  55. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 養護教諭の配置を万全なものにするということにつきましては、今後とも努力をしたいと考えております。
  56. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 大臣にお伺いをするわけです。  地方大学を充実させるという課題は、歴代の大臣で否定された方はおられないわけです。しかし、このためには一つは総合化を目指して新たに学部を設置していく等の方が重要である、その点で私どももこの国立学校設置法については、まあいろいろ意見もありますが、賛成をしていくつもりでいるわけなんです。ただ、既成大学について教育研究の条件を充実していく、このこととあわせて行わないならば、本当のすぐれた日本全体の教育水準の向上というのは果たすことができない。ずばり言いまして、この予算の中で教官当たりの積算校費、学生当たりの積算校費を見ますと、一面では新たに学部が開設される等の前進がありますけれども、この予算の積み方では、教育研究条件は前に比べて低下し、後退していくという、そういう心配な予算になっていると私は思うんです。この教官当たりの積算校費は一律二%アップでしょう。学生当たりの校費は三%アップですね。いまの消費者物価と比べてみたって、政府の言い分でも六・四%にとどめるべく努力をしておるという状況であります。こういう状況の中で、物価をはるかに下回る伸び率で毎年毎年やってきたんですね。ここのところをやらなければ、私は格差というのは増大するばかりだと思うんです。それは条件の悪い学校に最も過酷に働くのがこの予算のダウンだと、これは当然のことなわけでありますが、その点、局長の方からひとつお答えいただきたいんですがね。戦後の時期で校費が、一般の恒常的な研究費が物価指数よりも上回ったときというのは何遍ぐらいあるのか、私は思い出すことができないんですよ。と同時に、戦前の教育水準、研究費の水準と今日のものとを比べてみてどっちが高いのかということですね。その点端的にお答えいただきたいと思うんです。
  57. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 私もいま手元に数字がございませんので、消費者物価の伸びを上回って、教官当たりの積算校費等についての手当てがされた事例が何年にあったかということをにわかにお答えができません。確かにここ数年、当たり校費の伸び率というのは一〇%を下回っておりますから、先生の御指摘の点は十分に私もわかるわけでございます。戦前の教官の研究費の水準というものと現在のものとを比較をするというのは、これはなかなか端的にはできないことであって、現在の科学研究費のような制度の存在であるとか、あるいは教官当たりの積算校費以外の特定研究経費等の手当てであるとか、あるいは補完的な光熱水料等の手当てであるとか、全体を総合して見なければそれは一律にはどちらがと言うことは困難ではないかと思います。
  58. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 四、五年前でしたか、白書を出されたものの中に、戦前の研究費の水準と、今日の水準を比較したものがあったんですけれども、超えていなかったですね。それ以後上がったという話は聞きませんから、ぼくは局長にして戦後物価指数を上回ったとき何年と思い出すことができないと言われるんですから、よく調べて一遍ぐらいあったってだめなんですわ。ここのところをやらなければ私は大変なことになると思うんです。特に前の狂乱物価の際には、いろんな大学でさまざまな破壊的現象が起こったことを生々しく思い出すわけであります。たとえばある大学では飼料が購入できないために飼育動物が死滅をするというようなことが起こって、何年かの蓄積がその時点で大きく破壊されたというようなことも聞きましたし、ヨーロッパ、アメリカから購入する雑誌をカットしたなんというところもあったですね。それから、学生実験をやめさせると、金のかかりそうな実験をやめさせるというところまで出てきたわけであります。私は、そもそもこれが毎年何%アップというような姿で気楽に、何が起こるかに責任を持たない姿で予算が積まれておるところに、こういう問題があると思うんです。前質問者も科研費に対しては一定の伸び率がとられ、希望もつないでおるけれども、どうも恒常的な研究費に対してはふやさない方針を持っているんじゃないかと思うくらい厳しいわけであります。この点この積算の基礎というものが明らかにされる必要があると思うわけです。校費というのは一体何であり、その中からどういうものに使われるんですか、簡単にこれも局長から言ってもらいましょうか。
  59. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、現在は教官当たりの研究費というような形で予算を計上しているわけではなくて、教官当たりの積算校費、あるいは学生当たりの積算校費というような形で計上をしているわけでございます。したがって、その教官当たり積算校費というのは、教官のところへ直接直ちに教官の研究費として配分されるという性質のものではなくて、その大学における教官の研究というものを維持し、遂行していくために必要なさまざまな共通的な経費についても充当される性質のものでございます。どのような形で教官にどの程度の配分をし、大学が共通的な経費としてどのように支弁をしていくかということは、これはそれぞれの大学でお考えをいただくことでございます。
  60. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 実験の器具、図書費、教材、教具というような、教育研究に必要なものはこの中から賄っていく。ほかにも大きなものとして、光熱水費というような問題があります。さらに研究を遂行していくためにどうしてもいなければならぬ人件費があるわけですね。こういったものですね、これをつかみでやっておりますから、早速にもガス代、電気代が上げられたら、これはもうたちまち、これに見合っておりませんから、研究条件というのはえらいこと低下するわけである。こういうものが翌年になって前年のを是正されるかというと、恐らくこのままでいって、来年も二%アップというようなことをやっていれば、どんどんとダウンしていくわけです。一方で科研費の方はかなりふやしますから、一般研究費に対して科研費というのは四〇%ぐらいのシェアになっていますね。戦後いわば一〇〇対〇から一〇〇対四〇まで成長したんです。だからこれがやってくる大学はわりあい潤っておるように見えますけれども、こない大学、小さい大学というのにはたとえば光熱費でもまた矛盾がくるわけですね。この科研費の方の補助金には光熱水費等を含んでいないでしょう。だからこれを引き受けたところでは持ち出しになっていくんじゃないですか、どうですか。
  61. 篠澤公平

    ○政府委員(篠澤公平君) お答えいたします。  御指摘のとおり科研費の内容は消耗品費、備品費あるいは旅費、謝金等でございまして、光熱水費は含んでおりません。
  62. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 そういうぐあいになっておりますから、この基礎的な教官当たり、学生当たりの研究費がいままでの年々のダウンを回復するような意識された予算の増額措置がとられなければ、これはじり貧状態になっていく。五年前よりはいまは悪い、五年後はさらに悪い、こういう状況になると、一方で地方大学の拡充といいましても、条件の悪いところが全くまともにこのあおりを食らってくるわけであります。どうも見ておりますと、文部省には他省庁の圧迫もあるのかもしれませんが、恒常的な研究費はふやさない方針を持っておるように見えるんですね。置いておけばインフレで自然に衰弱するわけです。これをふやす段になるとすべての大学に一律にふやしていかなければならぬ。ところが目的別に科研費の方であれば、文部省でも直接把握できると、こういうような状況の中で、どうも最も基礎的なところに対して十分な措置が行われないばかりでなく、非常に冷淡だと、これは海外の状況等も時間ありませんから比較することができないんですが、大体ヨーロッパの半分ぐらいだというような状況にいろんな資料の伝えるところではなっておると思いますね。アメリカが比較的この基礎研究に金を投じない性格を持っておるんですね。日本とヨーロッパの真ん中ぐらいです、アメリカは、ヨーロッパは大体日本の倍ぐらいつけているというのが今日の状態だと思います。大学の学部というのは学のうんのうをきわめるところであって、職業人の養成所ではないわけです。ここのところを今日の段階でもっと大切にしてもらいたい。そのことが地方大学を拡充するそのポイントになると思います。今後これの積算の項目と基礎を明らかにして、予算を行う際に、たとえば光熱水費系のもの、人件費系のもの、これに対する物価指数その他も見ながら、予算を要求するというような方向にやっぱり整備をされる考えはないかどうか、お聞きになって大臣どうでしょうか。
  63. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 私も残念ながらいま御指摘になりましたような点の見合わせは、実にやる暇なしに今度の五十五年度の予算になったわけであります。しかし、いま御指摘になっておりますところは予算要求をいたします実は基礎的な問題点の御指摘になるわけでございまして、非常に重要な点であろうと思います。昔といまとの比較におきましては、先ほど政府委員の方からお話しいたしましたように、いろいろな条件が違っておりますから、これはむずかしい問題があろうかと思います。しかし経常費的な研究費の積算、それを余りやらないで、目的別と申しますか、科研費の方のみに力が入っておるかどうかというところは問題であろうと思います。これはほかの部門のいろいろな予算を要求いたしますときもいつも問題になる同じような性格がございまして、予算要求をいたしまする基礎的な問題点であることは御指摘のようによくわかりました。当然考えていかなければならない問題点であろうと考えております。
  64. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 まあそれらの点も着目しながら今後変える、考えるというような見解を表明されたところでございますから、期待をして見守りたいと思うわけであります。  特に、一つこの中で定員外職員問題というのは独立して考えるべきじゃないかという要素があると思うんです。やっぱり人がなければ回らないわけですし、これは非常勤の職員として抱えられている大学には、全国で八千三百十四名の定員外職員があります。事務の補助であったり、あるいは技術の補助職員であったり、技能職員であったり、さまざまな姿でありますが、これが研究費の中で賄われているわけですね。今日のような状況ではもう非常に大きな圧力を受けて、待遇、労働条件の改善どころか、合理化の中で非常に厳しい状態に置かれております。大学でそれぞれ事情は違うような要素はあるんですね。しかしある実験のためにはどうしてもなくちゃならぬ人が、非常勤の名のもとに二十数年働いておるというような例だって私は知っておるわけですね、大阪大学の中なんかにもあります。こういうような人たちが失われていくときには、やっぱり現地においては非常に問題も起こるんです。この点についてひとつ全体的な調査をされ、一つの態度を表明される必要があるんじゃなかろうかと思いますが、局長どうですか。
  65. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 非常勤職員の問題については、かねて御指摘をいただいておりますし、その都度同じような御返事を申し上げているわけでございますが、大学としては逐年非常勤職員のむしろ数を減らしてくる努力をしております。もともと非常勤職員というのは、そのときそのときの仕事の状況に応じて、まさに季節的に、あるいは臨時的に必要なものの場合に、それがいるということ自体が悪いわけではないと私は思います。しかし問題は、それが恒常的に常勤的な非常勤職員として存在をしているというところにあるわけでございます。したがって、一つには非常勤職員の置き方というものについてもっと大学が慎重にお考えをいただかなければならないということと、それから必要な定員措置というものを、大学としても 走れ走れとしても努力をして確保をする、そして適格な方々については非常勤職員の中から常勤の職員へ採用をするという方向も考えていくというようなことで対応していく以外に、本件については抜本的な対応策というのはなかなか見出しがたい。毎回同じような御返事を申し上げるわけでございますけれども、少なくともそういう方向で私どもは努力をしておりますし、大学もまた努力をしているわけでございます。
  66. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 この点については、せっかく文部省が姿勢を堅持しておられるあの総定員法から大学を外すというような問題を本当に貫くような状況になる中では、もっとよい解決方法も出てくるんじゃなかろうかと思うんですが、その点についての前進が阻まれているところに第一問題があるだろうと思いますし、常勤的非常勤というものが多数存在しているという事実は、これがなければ大学が回らないという場面がたくさんあるということは、局長も御承知のとおりであります。この点につきましては、定員全体の中における大学の位置づけというのをひとつよく御検討をいただきたいと思うんです。  続いて、これは非常にいわばもう少しシンプルな問題なんですが、教育大学の大学入学試験において、色覚異常者の入学試験に非常に過酷な条件を在来盛ておったものを、私昨年予算委員会でいろいろ御質問もしたんですが、その後今年の募集要項を見ますと、東京学芸大学初めずっと緩和され、改善をされておって、うれしく思っておるわけです。しかし、まだ中には二、三非常に従来どおりのシビアな態度を持っておる大学も見受けるわけですが、この点については局長御存じでしょうか。
  67. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 先生から予算委員会でも御指摘を受けましたし、入試の説明会等で色弱者の大学入学について科学的な検証に基づいて慎重に判定を行って、可能な限り受け入れるようにという指導を各大学に対して行っているわけでございます。御指摘のように、私ども承知している限りでも、群馬大学、千葉大学、東京学芸大学等においては、多少ではございますけれども、五十四年度よりも五十五年度において、より前進をした点があろうと受けとめております。学科のあり方によって、なかなかむずかしいところでございますけれども、一律に門を閉ざすということではなくて、もっと綿密な対応をするような方向で指導してまいりたいと思います。
  68. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 よろしく御指導をお願いしたいと思うんです。  時間が参っておりますので、実はきょうはひとつ大学授業料の値上げの問題をお尋ねをする予定をしておったわけです。実際今日見ますと、私立大学におきましても、国・公・立大学におきましても、次第に父母の家庭生活の経済的に恵まれておる者と恵まれていない者との間での格差が、大学進学に直結する姿が出てきていますね。ほとんどの統計数字では、十年前のものと今日のものでは、財産程度を上位から五段階ぐらいに分けたものを見ますと、一番低位の段階の者の占めるシェアは、国・公立でもどんどん下がっておるわけです。こういう状況については、ひとつ御研究いただいて、やはり授業料のアップ、あるいはその他の施策の中で、能力があり、そして学問を望む者が進学しやすい状況、少なくとも改悪されるようなことがないように、ひとつ十分に御研究いただきたいと御要望申し上げておきまして、きょうは質問終わります。
  69. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 国立学校特別会計予算についてお尋ねいたします。  予算書を見ますと、国立学校特別会計の中の一般会計よりの受け入れ、これが五十五年度の金額九千五百八十七億となっております。そして昨年の額に比べて、その伸び率が三・五%というふうになっております。せんだっての委員会でも、文部省予算の一般会計が五・七%だと、これは国の一般会計予算の伸び率一〇・三%に対して半分ではないかと、教育に対する姿勢がもっと強気で行っていただきたいというふうに申し上げたんですが、その文部省予算一般会計の中から、国立学校特別会計の方に受け入れている額の伸び率がまた三・五%、一〇・五%に対して文部省一般会計予算がその半分だと。その文部省予算のまた半分。こうした伸び率の程度の増加額、これを見ましたときに、国立学校に対する予算の取り方、人件費とか電気代、諸物価が上がっている中で、やっぱり実質的な教育費の低下がここにはっきりと出ているんじゃないかと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
  70. 植木浩

    ○政府委員(植木浩君) ただいま先生から御指摘ございましたように、昭和五十五年度におきます文部省関係の一般会計から国立学校特別会計への繰入額の金額は、先生おっしゃいましたように九千五百八十七億円、三・五%でございます。国立学校特別会計の歳入につきましては、一般会計からの繰入額というものがございますが、そのほかにたとえば国立学校の附属病院の収入など、いわゆる自己収入等がございます。したがいまして、これら自己収入等の増減が年々あるわけで、それによって変動するものでございますが、たとえば昭和五十五年度につきましては、附属病院の収入などがかなり伸びるという見積もりをいたしておりまして、そういうことも絡みまして、総体的に一般会計からの繰入額の増加が三・五%になったというものでございます。    〔委員長退席、理事高橋誉冨君着席〕
  71. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 いまのお考えですと自己収入、言いかえれば国立学校のかせぎ、学校にかせがして、そしてそこから収入を得て、この表ですと約一四%を見込んでいるわけです。こういうことを理由にして、一般会計より繰り入れている三・五%がいかにもいいと言わんばかりのそういうお考え、私はやはり基本的には一般会計からの金額をもっと確保して、この金額をもっと努力して取って、そして国立学校の特別会計というものをもっと十分にしていくべきだと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
  72. 植木浩

    ○政府委員(植木浩君) 先生おっしゃいますように、国立学校特別会計の充実については今後とも私どもとしてさらに努力をしなければいけないと思っております。ただ、国立学校特別会計全体の五十五年度の伸びを見ますと、前年度五十四年度に対して六・〇%という数字になっておりまして、たとえば文部省の一般会計予算の来年度の伸び五・七%を若干上回っておるという点で、及ばずながら私どもとしてもいろいろ努力はいたしておるところでございます。
  73. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 いつも文部省のお答えの仕方は言いわけ的で、もうちょっと、教育を国の基本として考えるというふうに文部大臣のごあいさつにも冒頭にあるんですから、やはりそれらしい強気の姿勢でやっていきたい、ぜひその点をひとつお願いしたいと思います。  次に、費用別の内訳を見ますと、施設整備費だけが五十四年度の予算よりもずっと減っていますね。これはどういう理由からでしょうか。
  74. 植木浩

    ○政府委員(植木浩君) 五十五年度の国立学校施設整備費につきましては、五十四年度に比べまして七十六億円ほど減っておるわけでございます。しかし、これはいままでに設置してまいりました病院施設がございますが、この病院施設の整備状況で、来年度たとえば六十五億減るとか、あるいは大学の移転統合用地の取得などを年々行っておるわけでございますが、これが来年相当落ち込むとか、そういうような理由が重なりまして減になっておるわけでございまして、必要な整備費等については所要の経費を計上いたしておるつもりでございます。
  75. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 必要なものは計上しているというお話ですけれども、そこで国立学校の施設の現況についてお聞きしたいんですが、学校施設全体の木造建築、それと鉄筋とか、鉄骨、こうした方の建築の割合はどのようになっておりますでしょうか。
  76. 植木浩

    ○政府委員(植木浩君) 恐らく先生の御質問の御趣旨は、木造の建物がかなり多いのではないかというような御趣旨かと思います。  国立学校の建物につきまして木造の比率を申し上げますと、五十三年五月一日現在では全体の保有面積の七%ございましたが、五十四年五月一日現在におきましてはこれは六%ということで、これまで年々比率が低くなってきたという点で、これも及ばずながらという言葉を使わしていただきますが、私どもとしてはできる限りの努力をいたしてまいっておる次第でございます。
  77. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 年々改造されているようで、大いにがんばっていただきたいんですが、もう少し細かくお聞きをいたします。  学習環境の上から考えても、校舎だけじゃなくて福利厚生施設、特に寄宿舎の整備が非常に大事だと思うのです。そこで調べてみますと、福利厚生施設の二九%、寄宿舎の二三%、それぞれまだ木造なんですね。学校施設の全体の木造の比率をいまお聞きいたしましたが、それと比べますと非常にこうした福利厚生施設、寄宿舎、こういうところは比率が上回っている。これらもできるだけ早く鉄筋、あるいは鉄骨に建てかえるべきじゃないだろうか。特に寄宿舎の場合などは何とかしていかなきゃならない。それについて今後の整備計画というものができているんでしょうか。
  78. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 学生寄宿舎の問題でございますが、五十年の十月の時点で、いわゆる老朽寮が百八寮ございます。これについて逐次改築等を進めておりまして、四十四寮についてこれまで措置を終わっております。さらに五十五年度におきましても十寮程度について改築をする予定でおります。大学側の対応を見ながら、できるだけ早く老朽寮を一掃するように努力をいたしてまいります。
  79. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 これは五十三年度の調査を見たんですけれども、学校施設全体の木造建築物が約百五万平方メートルある。その中で、建ててから五十年以上たっている建物、それが二九%ある。広さにすると三十万平方メートルもあるというわけなんですね。また三十年以上というのが五八%、ずいぶん古い建物がいまだにある。六十二万平方メートルもあるというんで、私も驚いたんです。また、木造建築物百五万平方メートルのうちで、危険だと言われているものが四六%ある。特に福利厚生施設のうちの六七%がこの危険建物なんです。寄宿舎も七七%がこうした危険建物になっている。  先ほど局長さんがおいおい建てているというお話ですけれども、私、この間、小平に住んでおりますものですからずっと歩いて行ったんです。そしたら、まるで、まあ飯場と言おうか、こんな建物がよくあるな、人も住まないでこんなのを置いてあるのも気持ち悪いなと思ってそこをずうっと通って行ったんです。それで門の方を見たら、それが小金井にある学芸大学の小平寮なんですね。まさかこんなところに人は住んでいないだろうと思って見ましたら、何かカーテンみたいなのがかかっているし、洗たく物らしいのが窓のところから見えるわけですね。その寄宿舎も古ぼけてみすぼらしくて、まるでお化け屋敷みたいで、回りは荒れ果てて。そういうのがあって、私も、こういうところに教員になるような学生が住んでいて、果たして自分が選ばれた学生として今後日本の教育の使命感が浮かんでくるだろうかどうか。酔っぱらって、でれっとなって、転がり込んで寝そべるような部屋ならいいとしても、こんな寄宿舎でりっぱな学生が、本当に誇りある勉強をしていけるかなあと思って、本当に嘆かわしく思ったり、驚いたりしたわけなんです。私も寄宿舎生活をいたしましたけれども、相変わらずなんだなと思って、驚いてそこを通り過ぎたんですがね。いまさらながら、こういうふうに調査表を見て、なるほどと思いました。イギリスのケンブリッジ大学あたりの寄宿舎を見せてもらいましたけれども、本当に古くても、質素でも、そこに何となく魂が輝いている。こういうところで青年が暮らせば、やはりそこにそれだけの自覚と誇りを持つだろう、勉強しなければいられないような環境、本当に静かに物を考えられるような、そうした環境がつくられているわけですね。それから比べて、日本が本当に教育を重視しているかのように思われているけれども、そうじゃないなということを強く感じました。ほかの建物は、銀行にしても、その他すばらしい建物がどんどん建っている中で、こうしたものがまだ依然として全国にあるんだと、相当あるわけですね。特に、大臣にこういう点がんばっていただきたいということをお願いをし、期待するわけなんです。こういうことについて、計画どおりやればいいなんということじゃなくて、計画が早まるような、そうした取り組みをぜひお願いしたいと思うんです。
  80. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 柏原先生にえらいところを見つけられましたが、御指摘を受けましたこの小平寮は、実は問題になっておるところでございまして、名前は若竹寮と言うんですが、余り若くない状況になっておるわけであります。これは前から問題になっておりますので、この問題に関しましては、いま御審議を願っております五十五年度の予算で建て直しのあれに着手をする予定の中に入っております。ほかのところも確かにずいぶん問題のある木造建物として残っているのがありますので、先ほど局長からも御答弁いたしましたように努力をさしていただきたい、かように考えております。
  81. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) ちょっと補足をいたしますけれども、大臣いまおっしゃった趣旨は、若竹寮と小平寮と合わせて鉄筋五階建ての新寮に改築をいたします。
  82. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 次に、来月から開校する兵庫教育大学の受験の結果、これをお尋ねしたいと思います。応募状況、受験者数並びに合格者の状況を御説明をいただきたいと思います。
  83. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 出願者の総数は、募集人員百五十名でございますが、これに対して、女子四十二人を含む五百二十三人でございます。三年以上の教職の経験者が四百六十三人、うち現職の教員が四百六十人でございました。出願者のうちで実際受験をいたしましたのは四百九十六人、このうち三年以上の教職経験者が四百四十四人、うち現職教員が四百四十一人でございました。女子十五人を含む百五十人が合格をいたしております。このうち三年以上の教職経験者が百三十四人、全員現職教員でございます。
  84. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 受験に際して教育委員会の同意書が添付されるということになって、これに対して、一部には受験拒否の運動もあったようでございます。これに関連して、この委員会においても、現職教員の出願に際しては、公正な運用を図るという附帯決議も行っております。こうした点を考えまして、今回の募集の方法に手落ちはなかったのか、万全だと、こう考えていらっしゃるのかどうか、お聞かせいただきます。
  85. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 同意書の問題につきましては、募集要項に大学は明記をいたしまして、その旨関係方面に周知徹底を図ったわけでございます。結果としては、受験した者のうち、所属長の同意書の添付のなかった者が八人ございました。試験の結果、合格者の中には同意書の添付のない者はなかった結果になっております。もちろん、最初の試験でございますから、大学の周知の仕方について、より完全を期すべき点があるのではないかということは、大学自身も反省をいたしておりますけれども、私どもは、初年度の対応としては、大学はできる限りの努力をしていると見ております。
  86. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 出願者のなかった県が山形、三重、大分とお聞きしておりますが、これは研修代替教員の定数の確保がだめだったのか、    〔理事高橋誉冨君退席、委員長着席〕 あるいは周知徹底等の点で問題があったのか、そんなことを想像するわけでございますが、どうなんでしょうか。
  87. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように出願者が全くなかった県が三県あったわけでございます。これらの三県でなぜ出願がなかったかということについては、事情は必ずしも明らかではございませんが、それは私どもは、別に各県におけるいわゆる定数措置等がとれないというような理由によるものではないともちろん思っております。  先ほど申し上げましたように、今回の場合には、募集要項が大学から発表されたのが七月十日でございますし、ちょうど夏休みの時期にかかっているというようなこともありまして、その周知について、若干行き届かないところがあったのかもしれないとは思っておりますけれども、特段にこの三県について問題があった結果、出願者がなかったということではなかろうと思っております。
  88. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 兵庫県からは二十九人の合格者を出したということですが、またその反面、無合格県、こういうのも十県あると聞いております。兵庫県のように二十九人も入ると、一人も入らないと、非常に格差が大きいと思います。こうした点についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。この大学が現職の教員の再教育を目的にしている、また研究の充実を主眼としているという、こうした点を考えると、無合格者の県があるということ、地域格差というのは好ましくないと、こういうふうに思いますが、これに対して文部省としてはどんなお考えを持って見ていらっしゃるか。
  89. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、兵庫県からは八十五人が応募をして、二十九人が合格をするという状況でございます。合格者の全くない県が十三県ございます。もちろん姿としては全国各県から御希望があれば、この大学を受験していただいて、全国各県にそれぞれ合格される方がいるというのが望ましい姿であろうとは思いますけれども、しかし、これは大学であって、大学の大学院の入学試験でございますから、したがって、大学の試験の結果によって、合格者が残念ながらない県が出るというのは私はいたし方のない姿であろうと思います。議論としては、むしろ各県にいわば数を割り当てて、それでやったらどうかというような議論が全くないわけではなかろうと思いますけれども、そのことは私はかえって大学の大学としての性格をゆがめる結果になりかねないと思います。おいおい期間を重ねていけば、おのずから私は全国的な分布というものはあるべきところに落ちついていくと見ておりますし、また、大学である以上は、繰り返しになりますけれども、大学が公正な入学者選抜に従って、しかるべき者を入学させていくという現在の方針を貫いていかれるのがよろしかろうと思っているわけでございます。
  90. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 改正案で北海道大学に医療技術短期大学部が併設され、看護婦の養成及び資格の向上を目指すことになっておりますが、昨年も同じく山口大学にも併設されました。このように年々医学の進歩と、医療技術の高度化、専門化、これに即応した看護婦の養成が求められているわけで、大変私は結構なことだと思っております。ところが、現在の看護婦の養成は大学、短大、高校または各種学校、養成所、こうしたところで養成された看護婦、非常に複雑な養成コースとなってしまったわけですが、これに対して見直すとか、再編成をする必要があるか、この点どうお考えになっていらっしゃいますか。
  91. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 確かに、現在看護婦の養成機関のあり方というのはかなり多様でございます。その多様な養成の状況の中から、看護婦の養成についてはより高度のレベルで、短期大学、場合によっては四年制の大学における養成のあり方が望ましい方向であって、その方向での努力をすべきであるという御指摘がこれまでもたびたびあったわけでございます。文部省としては、現在の養成のあり方を再編成をするということは、これは言うべくしてきわめて困難なことであり、わが方が対応するのは、いま先生御指摘になりましたように、医療技術短期大学というものを、逐次大学と協議をしながら設置をしていく、それによって看護婦の養成のあり方、あるいは指導者の養成のあり方というものを整えて、より高度のものにしていく。さらに千葉大学に看護学部をつくっておりますけれども、そうした学部レベルでの看護婦の養成というよりも、むしろ看護婦の指導者の養成というべきでございましょうけれども、そういった点についてもさらに配意をしていく。そうした全体としての看護婦の養成のレベルのアップというものを、文部省が短期大学、あるいは四年制大学、場合によっては修士課程の大学院というものを通じて実現をしていくということで対応をする、そういう方針のもとにこれまで十四の医療技術短期大学を設置をするというような施策も進めてきたわけでございます。
  92. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 養護教諭の問題についてお尋ねいたします。  今回の改正によって、弘前大学と岡山大学の両養成所が廃止され、ここで九つあった国立養護教諭養成所が廃止されたわけで、四年制の養護教諭養成課程になったわけですが、先に卒業している三年制の養成所出身の養護教諭と、四年制の大学出身の養護教諭との間に、差別といったようなものが出てくるおそれはないかと、こう思いますが、その点いかがでしょうか。
  93. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) もちろん、現実の姿としては、四年制大学を卒業した者と、従来の養成所を卒業した者との間では、修業年限等の差もございますし、相違はあるわけでございます。先ほどもお答えをしましたように、免許状をとるものの中で圧倒的に多いのは、短期大学を卒業した人たちでございます。それらの間における処遇の差というものは、それは、私は、そういう養成のあり方に応じたものとしてあるということは、それは認めなければならないと思います。したがって、これからは先ほど申しましたように、養護教諭の養成に当たっての質的なレベルの向上というものに私どもは力を入れて、対応していかなければならないし、また、一たん世の中に出た方々が、再び今度は四年制の大学でさらに勉強をされたいというときに、編入学の措置等が十分できるような配慮というものを講じていかなければならない、そのように考えております。
  94. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 次に、今回の改正案によって、新潟大学、金沢大学、岡山大学がそれぞれ法文学部が改組され、文学部、法学部、経済学部等の学部が新設されるわけですが、それに伴って、それぞれの学部に対応した事務組織、これを置くべきであると思いますが、実情はどういうふうにお考えなんでしょうか。
  95. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 大学のいわゆる事務局、特に学部における事務部のあり方というものを、どのように整えていくかということは、きわめて困難な定数事情のもとにおいて、大学の教育研究に支障のないように事務のあり方を整備をしていかなければならないという状況にございますから、かねて私どももそのことについては苦心をしているわけでございます。新しく学部を改組して、従来の学部を順次独立をさせるというような場合には、これまで、一つの事務部で対応するということで措置をしてまいりました。今回の法文学部の改組に当たりましても、事務部については一つの事務部で対応する、もちろん学部の教育研究に支障が出ないように、その事務部のあり方については必要な事務長補佐を設置をするというような対応はいたしますけれども、そういう方向で事務の合理化、あるいは効率化というものを図ってまいりたいと考えているわけでございます。
  96. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 基本的には学部ごとに事務部がなければならないと思います。新設の学部ができても事務部は合同でやるとか、そうしますと、いままでの既設の学部の場合には単独で事務部がある、非常に不合理、こういう点は今後全体的な見直し、合理化、こうしたものをやるべきだと思いますが、そういうことはお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
  97. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 先ほど申し上げましたように、大学における事務組織のあり方そのものについて、大学の教育研究組織のあり方との関連は十分考えながら、効率的な組織編成について全体として工夫をすべき点があるわけでございます。これまでも医学部の事務部と付属病院の事務部を一体化するような工夫もしてまいっておるわけでございます。もちろんこうした分離、改組の際の事務部の一体的な処理ということにつきましても、そういった線上で考えていることでございますが、これらが今後十分機能していくかどうか、学部の方の教育研究の要請に対して、一体化された事務部というものが十分に対応できるかどうか、その辺のところはこれからの実施の経緯を見ながら、補正すべきところは補正をしていかなければならないと思っておりますけれども、先ほど来申し上げておりますような事務の一元化による合理化、効率化というものの趣旨というものは、これは新しく分離、改組をする場合だけではなくて、大学の事務局全体の問題として考えていかなければならないことではございます。ただ、現在私どもが既設の事務部についてもそれをさらに統合をするというような案を具体的に持っているわけではございませんが、問題意識としては大学の事務局のあり方全体について常に検討を加えていかなければならない課題であるとは思っているわけでございます。
  98. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 ありがとうございました。
  99. 有田一寿

    ○有田一寿君 私は今度の七月の参議院の改選に立候補いたさないことにしてありますので、あるいはきょうともう一回ぐらいあるかないか、最後の質問になると思います。  時間が短時間ですから、大学の問題だけについてお聞きするわけですが、振り返ってみますと、私はこの六年間、経済界出身でありましたけれども、この文教委員会以外の常任委員会に所属したことはありません。党は幾つか変わりましたが、これは皆さまの御協力によってここに席をずっと置かしていただいたわけでございまして、その経験から振り返ってみますと、最初におだてたような言い方で恐縮ですけれども、文部省――次官以下各局長、私も多少ほかの省の幹部の方をわりによく知っておりますけれども、まさるとも劣らない、特に人柄、責任感、それから勉強においては、私は文部省としては大変りっぱだというふうに率直な感想を持っていることだけは最初に申し上げさしていただきます。  できればきょうも各委員ごとの討論というものがあり得るものならば、そういうことで進めたいような内容でございますけれども、そういうシステムになっておりませんで、全部執行部、行政府である文部省に尋ねる形でしか質疑ができない、まことに残念ですけれども、そういうことでありますので、他の委員の方々が発言したことと多少違う、あるいはねらいは同じかもわかりませんが、角度は違った角度から質問さしていただくことになると思うんです。  まず最初に、大学の格差ということが先ほどから論議されております。私は地方大学を充実するその他、これはもう当然のこととして結構でありますけれども、大学の格差というものは、高等学校もそうですが、なくならないと思うんですね。それは先ほど文部大臣がおっしゃいましたように、それぞれ古い大学にはそれなりの知識の集積、伝統等があるということを申されましたが、それもそうであります。そのほかに卒業生がおります。もちろん在校生もあります。そして大学格差をなくす方がいいのかどうかということもありまして、私は自由競争社会という、この民主主義社会というのは、個人も競争原理のもとに生きているわけですが、これは大学といえども当然そういうものの方が競争原理が働いてそれぞれ進歩発展する。ただ、余りに過度になった場合にいけないので、そこにいろんな施策が講じられるということであろうと思うので、そこのところがはっきりとしたやはり教育行政を扱われる場合、考えをお持ちいただいておいた方がいいと思います。  一昨年でしたか、ここでその問題を私質問したことがあるんですけれども、大学の格差を本当になくすのなら方法はございます。一つは大学区をつくればいいんですね、いわゆる学区制を設ける。それから抽せん制にするということにすれば、これはもう完全な平等になると思います。しかし、学区制がとれない。これはなかなかむずかしい問題だと思いますし、それから抽せん制にすれば、果報は寝て待てというような気風が青年の間に行き渡るということもありましょう。それもできない。そうすれば入学試験をやさしくする、やさしくすれば偶然が働く。むずかしくすればいいと申しますが、むずかしくすればまた偶然が働く。そうすると、入学試験は偶然が働かないことが基本でなきゃならないと思うから、要は格差というものはそう口で言うほど簡単になくならないと思うんです。第一、春になると決まったように週刊誌、新聞等が本年度の東大合格者百人に聞きましたとか、あるいはテレビでもあなたは塾に通いましたか、通いませんかとか、いかにも浪人して塾にでも通えば東大に入れる、あるいは旧制帝大に入れるんだというようなことであります。これは商業主義ですから、特に週刊誌等は売れればいいわけですから、無責任にやる。しかしここに国民の気持ちの一端があらわれているような気がするんですが、どうでしょうか。東大が本当になくなった方がいい、旧制大学もなくなった方がいいのなら、第一、マスコミがあそこまで東大だ、国大だと言って持ち上げたりする必要はないと思うんですよ。さいの河原のようなもので、ここでいつも格差是正、あるいは旧制帝大と変わらないように他の地域大学をやれというようなことを言いますけれども、必ずしもそうなっていない。今後もなることはないであろう、またならなくてもいいであろう。ただ、そのときどうすればいいんでしょうか。そのまま放置していていいと思いませんが、その場合多少のいろんな面の弊害が出るとは思いますが、それについてはどういうふうに、特に国立大学について御指導なさったらいいとお考えでしょうか、お聞きしたい。
  100. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 格差是正ということの持つ意味がきわめてむずかしいということは、先ほどお答えをしたところでございます。私どもが一番警戒をしなければならない点が二つあると思います。一つは格差是正というような名をもって、いわばとうとうとして平準化が求められるということであります。高等教育が普及をし、いわゆる大衆化と言われるような状況になってまいりますと、勢い世の中の求めるところがむしろ平準化の方向に動くということは、日本だけではなくて、欧米諸国にも共通したきわめて警戒すべき事象であるとして、識者の指摘されているところであります。そういったことではなくて、やはり各大学のピークを立てながら、しかも全体としてレベルのアップを図っていくという努力を、どこまで限られた予算、人員の中で確保をしていくことができるのか、そういう配慮のもとで地方の大学の充実ということに留意をしていかなければならないという点が一つあると思います。  それからもう一つは、やはりほうっておけばそれぞれの大学は、言葉は多少語弊がありますけれども、東大的な総合大学の方向を指向しがちでございます。しかし、その方向はわが国の高等教育の全体を考えていく場合に、決して望ましい方向では私はないと思います。やはりそれぞれの大学が、もちろん学部が一つ、二つというような状況というのは、地域の要請を考え、それぞれの地域における学問研究の要請を考えて、整備をしていかなければなりませんけれども、すべての大学を同じような形で、同じような学部構成を持った大学として整備をしていかなければならないということは、決して高等教育の整備の場合の向かうべき課題になってはならないことだと思います。それぞれの大学で十分にお考えをいただき、私どもも考えて、それぞれの大学がやはり特色を持った発展をすることができるような方向というものを求めていただく、それを国としてもできるだけ応援をしていく、そういう方向をとりながら、わが国の全体の高等教育のあり方というものを整えていく。そういう方向を常に指向していかなければならないと考えながら、大学の格差の問題には対応しているつもりでございます。
  101. 有田一寿

    ○有田一寿君 東大ほか、いわゆるうらやまれておるような大学の責任はそれだけ私は大きいと思います。したがって、昭和四十四年でしたか、大学紛争が起こりまして、それ以後二、三年の間に、東大を初め、京都大学等からも四十に余る大学改革案が提案され、私ども承知してますが、わりに実施に移されてないと思います。まあそれはお聞きしますけれども。それは、教授会の権限が強いということであろうと思うんですが、私は、東大ほかキャンパスの中が、一つの教育の理想的な姿がここに顕現されていくということであれば、大学格差云々はこれほどみなから批判的な目をもって見られることはないのではないか。そうでないがゆえに批判が強いんだと。単なる点取り虫だ、人格的な面において欠陥ありと、青白き秀才ではないかと、入って五月ごろは自殺するのもおる、そういうのが社会に出て何の役に立つというような批判が必ず出てまいりますね。だから、これは大学の中、これは教授以下、私はきっちりした教育をなさる必要があると思うんですが、これはいつか本会議のときも私は聞いたことがありますけれども、たとえば、大学の精神病棟、あるいはその後文学部の火災事件等ありましたね。そのときに、それぞれ教授は処罰された、文学部長だとか、事務長とかは処罰されたけれども、はっきり言えばこの十一、二年の間、大学紛争が始まって以来、学生で処罰された者はいまだかつて一人もいないということは、これはどうにもおかしい。これは学則がないのか、処罰規則がないのか。それとも、それはあるけれども、適用すればまた紛争が起こりそうだから中腰になっておるのか。それともそういう処罰すべきネタは全然ないということなのか。そこら辺も理解に苦しむところでありまして、要するに甘やかしているというようなことであろうと思うんです。これはそういうことで、処罰云々は本筋の議論しているわけではありませんけれども、ただ、目につくのがそういうところがつくと。したがって、局長から教えていただきたいのは、単位の互換性だとか、第三者機関によって教授も五年なら五年、十年なら十年ごとに一遍審査してみるんだとか、講座制の縦割りをもっと緩めるんだとか、いろいろ出ました。どういう面が改革されたでしょうか。それからまた、今後どういう面は改革されることが望ましいとお考えでしょうか。それをお答えいただきたい。
  102. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、大学紛争の当時、各大学は自律的にしろ、あるいは他律的にしろ、多くの改革案の検討をし、それが公にされたわけであります。文部省としては、それぞれの大学が自主的な改革を推進しやすくするように、四十五年以降逐年にわたって、いわゆる大学制度の弾力化を行って、カリキュラムの組み方なり、あるいはいま御指摘の単位互換なり、そうした方向での大学の自主的な努力ができるだけ促進されるような措置をまず制度的な枠組みについて講じてまいったわけであります。  これまでに実現をされているさまざまの改革の試みというのは、それは大学院のレベルにおいて、いわゆる新しく行われた制度の弾力化というものを活用して、独立研究科、あるいは独立専攻と言われるような、従来になかった学際的な学問分野に挑戦をする研究科、専攻が幾つも設けられるようになっておりますし、そういうことを通じて従来の学部、学科間のいわゆる壁というものを乗り越える共同研究というような機運は出てまいっておりますし、それに並行をして、従来の狭い講座制をより弾力的に大講座制に組みかえて、その中における研究をより活発に進めようというような試みも起こっているわけであります。  そのほか単位の互換についても、大学として制度的な取り組みは多くの大学で行われております。もちろん、実際問題として単位の互換が進行している状況というのはまだ決して十分ではありません。国外あるいは国内を通じてかなりの進展は見ておりますけれども、完全に幾つかの大学が対等の関係で単位の互換の関係を結ぶ、そういうところまではなかなかいかない。どうしてもそれぞれの大学の特色というものが十分に発揮されない限り、単位の互換というのは一方通行のような形になりがちでございます。そうした状況がまだかなり見受けられるわけでございます。しかし、こうした方向というのは、私はかなり事柄としては動いてきていると思うわけであります。これから大学が取り組んでいかなければならないことというのは、そうした教育研究の組織をどのように整えるかということももちろんありますけれども、それ以上に、やはりいま指摘をされている教官の人事の閉鎖性の問題であるとか、あるいは非常に大衆化した状況のもとにおける学生の教育について、もっと大学が積極的に取り組んでいく。研究も大事ですけれども、より教育というものについて大学の教官が意識を持って対応をしていくというような、そういう方向というものがじみちな改革の努力として進められていってほしいと考えているわけでございます。
  103. 有田一寿

    ○有田一寿君 教育のことは一日にしてならずと思っておりますから、そう焦る気持ちもありませんし、またそれぞれいろんな方々の意見があることですから、文部省に対してそれ以上詰めることはいたしませんが、ただ先ほど小巻委員からもちょっと出ておりましたが、大学は学のうんのうをきわめるところだ、学部は。そういうふうにお考えですか。
  104. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 学校教育法の大学の目的に規定があることは十分に承知をしておりますけれども、やはり大衆化した現在の高等教育のもとにおいては、大学というものは私は三つの機能を持つと思います。  一つは、学問研究の水準を維持をし、その学問研究の後継者を着成をしていくという仕事であり、もう一つは、すぐれた、高度の専門的な職業人を養成をして世に送り出していくという仕事であり、それからもう一つは、いわばわが国の文化というものを広く後代に伝えていく。教養、文化というものの伝達というものが大学の機能として行われていく、その三つの機能を、ある場合には大学が分担をし、あるいは一つの大学がそれらの機能をあわせ持って進んでいくべきものであり、そういうものとして大学の特色のある発展というものを推進をしていかなきゃならぬ、そのように思っております。
  105. 有田一寿

    ○有田一寿君 それで結構であります。大学の機能は三ついつも言われておりますし、教育、研究、社会還元と、この三つを目指すと。ただ、私はいまの大学は全部専門学校で、いまの大学院がいわゆる大学だということでいいんじゃないかということもかつて申し上げたことがあります。戦前の学生の数が、数年前の統計ですが、七万人、いまの大学の先生の数が七万人ということですから、量的拡大が図られれば質的に低下を来すということは争えない事実だと思うので、私はいまの大学は大衆化された大学は、決して学のうんのうをきわめるものではない、文言にどう書いてあるかは別として、現実的対応としては必ずしもそうではないと思うんです。  何が言いたいのかと申しますと、英才教育のことなんですよ。英才教育とか、エリート教育とか言うと、もうこれは袋だたきになります。またなってきました。先ほどから宇宙開発の話も出ておりますけれども、社会にはいろいろあるわけですね。ですから遅進児だとか、身体障害児だとか、そういう人たちに対して養護学校を義務化したり、あるいは小人数にして教職員を充てたりして、手厚い手だてを講ぜなければならないということは、これはもう当然で、現にいまやられておるわけです。しかし一方、能力のある生徒、学生を足踏みさせないように、能力は十分伸ばしてやる。そして他日国際的に見ても、日本の科学者も非常に進んでいる。何もこれは軍事だけじゃない、平和産業の面でも進んでいるというふうに尊敬されるようなやっぱり科学者もどんどん生まれてこなきゃならないと思うので、足踏みさせないということは、私は常に考えておかなければいけないのじゃないだろうか。そうしないと無責任になる。いまは影響なくたって、二十年三十年たったときに、これ効果が出てきますから。たとえば身体障害者をある企業に雇う、雇わなきゃいかぬ、義務づける、それはそれも大いにいいことですが、その企業を経営していく者、これを強者だとすれば、身体障害者は弱者だとすれば、その弱者を引っ張り上げる強者というものを育てずして、みんな弱い者ばっかりが満ちあふれたとき、これを平均化した、民主化したという言葉で呼ぶとすれば、全く甘えた社会だと私は思うわけです。だから、それは教育の中でやっぱり両面常に考えていかなきゃならぬ。それはできていないように思うんですが、いかがでしょうか。大臣にひとつお答えいただきましょう。
  106. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) これは私はできていないと言うことも間違っているんじゃないかと実は思っております。確かにあらゆる人たちから教育の機会を奪わないようにして、教育の開かれた機会というものを与えていくという考え方は、私は非常に正しいと思います。その中からそれが質的に低くなるのか、あるいは高くなるのかという問題はございましょうけれども、多く広げられた広い教育の機会というものの中から、私は能力のある方々が出てまいると思います。問題は、その能力のすぐれた、何がすぐれたかというところが一つ問題になると思いますけれども、そこに一つの大きな問題があると思いますが、そういう方々にどういう環境、あるいはチャンスを与え得るかという問題が、いま先生の御指摘になっている問題の重点であるように思うんですけれども、すぐれた能力を発揮するのには二つあると思います。一つはいま言った教育の機会均等、あるいは資産がなければ入れないというようなそういうものでない、非常に広げられた教育の機会が与えられるということ、これがやっぱり一番大きな私はあれだと思うんです。そのあとはどれだけ能力のすぐれた者がやっていくか、これは逆に能力が先天的に劣っておるような方々に対しても、いわゆる落ちこぼれをしないような形だとか、あるいは努力の足りない諸君には落ちこぼれのないような努力をすると同時に、またもっと能力のある諸君がそういう教育を受けられるというような必要は私は十分考えられることだと思います。ただ、それが一体重点的にやるのかどうかという問題、あるいはそのことが本当に政策としてやり得るのかどうか。小学校の六年コースを五年なり、四年なりにして上へ上げると、中学校のコースをもっと短くしてそして上へ上げるというようなことが戦前も行われたようでありますが、果たしてそれがいま言ったような教育の目的を達するようなことになったのかどうかという手段、方法が非常にこの問題はむずかしいと私は思います。たとえば大学院の制度にいたしましても、いまオーバードクターという問題が言われておりますが、果たして大学院制度というものが本当に当初のような目的のとおり動いておるのかどうかということも一つ問題があると思います。大学院制度をもっとよくしていこうという努力そのものも、私はすぐれた能力のある諸君がもっと伸びていくことであろうとも思いますし、いろんな方法があるだろうと思います。そこらは私はいまの教育の体系の中でも全然できていないのではない。十分にとは言えぬまでも、そういうチャンスが与えられるようになっておるように思うんであります。科研費が非常に増大されるということも、きょうは大分議論がありましたが、科研費が増大されて、そして重点的にそういう研究のところへ持っていかれるということ自体だって、その部面におけるすぐれた方々の私は非常な大きな支えになっておると思いますし、いろんな問題が必ずしも何もチャンスが与えられていないのではない、こういうふうに実は思っております。私がこんなことを申し上げますのは、要するに英才教育というものが、英才とは何であるのかという基本的な教育の課題がはっきりしないということであります。私自身にはっきりわからぬということであります。そういうことでありますし、いろいろ私も素人でございますが、大臣になりましてから方々の方々の御意見を聞きましても、皆それぞれの思いでやっておられる。余りいろんなこの概念なり、手段なりがはっきりしないような問題がある。ただ問題の意識としてはそれを持っておられるということのように私は思いますし、またそれだけむずかしい問題であろうと私自身は考えております。したがって、これはいつも問題意識を持っていなきゃならぬなという感じで、この問題を考えておるところでございまして、どうも大変未熟ですが、そのぐらいの考え方しか申し上げかねる段階でございます。
  107. 有田一寿

    ○有田一寿君 日本人はIQとってみても大変優秀ですし、世界の各民族、国民に比べても、決して劣っていない。むしろある意味ではすぐれていると思いますし、それからまた教育熱心というものも長い間の伝統で、これも他国にひけはとらない。だから、ほっておいても、それはいろいろ経済界で間違い起こそうと、教育界がいろいろ間違いを起こそうと、文部省が間違いを多少起こそうと、政界が余り模範にならないようなことをしようと、やはり進むものは進んでいくんですよね。現に進んできたし、今後も進んでいくと思うんです。ぼくは日本人はそれだけの知恵もありますし、こなすだけの能力もある。もっと言えばほとんど遺伝で決まると、教育の効果は二割か三割しかないとさえ言われて、これは教育者をばかにした話ですけれども、現実はそういうことも言われておりますから、私は余りそれは文部大臣のおっしゃるように英才教育と言う必要はないと、これはもう同感でございます。それで私もいいと、頭の中にそれだけを置いて、すぐれた者も足踏みをさせないということを考えておけば、まあそれはそれでもいいと思います。だからこれ以上申しません。  もう一つだけあれしますが、アメリカのNASAで宇宙開発をやったときも、あれだけ多くの官、学、産の共同動作があったわけです。日本は長い間こうやって縦割り社会的な風土でございますから、なかなか縦の共同ができにくいんですけれども、これからはもったいないと思うんですね。大学にも付置研究所があり、それから経済界には経済界で必死になってやっている、大企業は特に研究所を持っている、学者は学者でまたやっている。だから、変な意味の産学共同は、これはもう当然排除すべきでありましょうけれども、もう一歩、二歩やはり産学共同と申しますか、そういうのがテーマで進んでいけばなおいいのじゃないかなという感じがします。ほっておっても、これも先ほどの文部大臣のお話の延長ですけれども、これもほっとったって必要に迫られてある程度は解決されていきますよ。現にいまでもいっている。ただ、そこにもう一歩いろいろな意味で意識的に手を加えることでなお進む面があるのじゃないか。そうしないとお金がそれぞれ独立して使われることももったいないなというような気がいたします。これは局長どうでしょうか。
  108. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のとおり、一時非常に妙な意味での産学共同に対するアレルギーのようなものがございましたけれども、それは私はかなりなくなってきていると思います。それは率直に言ってそう思います。  研究面もそうでございますけれども、学生の教育の面でも、たとえば新しくできた技術科学大学では、企業と協力をして、学生の企業における長期間の実習教育と申しますか、いわゆる校外教育の実習をするというような形での連携も始められているわけでございます。事柄がかなりむずかしい問題でございますし、大学の自主的な姿勢というものが確保され、しかも企業から入ってくる基金についての適正な経理というようなものがもちろん行われなければなりませんが、そうした大学の体制をきちっと整えるということの上に立って、現在の大学側の対応をより進めるような問題提起は私たちもしていかなければならぬと思っております。
  109. 有田一寿

    ○有田一寿君 この産学共同といった場合に、なかなか抵抗がありました。現在でも多少はあると思いますが、だから、産業界から金が出るときに、それをプールして、個々のテーマに対して直接やらない、教室に対して直接拠出をしないというようなことがこれは励行されなければならないんじゃないかというふうにも思いますし、西ドイツ等でも、鉄鋼会社のティッセン等は、大学側に対してもいろいろ出すものを出して研究開発に当たらしている。表向き聞けばないと言います。ないんですよ、私も行ってみたけれども。しかし、実際は必死になってやっぱり研究開発に取り組んでいる。だから日本の方も、国立大学に命令する必要はないけれども、やっぱり何となくそれも先ほどのを頭に置いておれば、逐次そういう気風もできてくるのではなかろうか。また、産業界の方もすぐ効果を得ようとするはやり気味のところもありますし、しかしそれはまたエゴですから、それを抑えながら行くというようなことも、要はそういう共同ということに対してわが国は余りなれていないと思うので、時間をかけながら少しずつやっぱりならしていく必要があるのではないかというふうに思うんです。  それから技術科学大学ですけれども、長岡と豊橋にできました。三年になりますか。その後の経過を見て第三番目以下は考えようということでありましたが、その経過は、評価はいかがなものでしょう。教えていただきたい。  それともう一つは、その大学に対して三分の一ですか、職業高校を出た者を六十人ぐらい受け入れると、言いかえれば職業高校卒業者の入学について選択科目をふやして、そこに天井に穴をあけるというメリットも強調されたわけですが、その成果はいかがでしょうか。
  110. 佐野文一郎

    ○政府委員(佐野文一郎君) 技術科学大学は、長岡のものも、豊橋のものも、私は全体として見れば大学が創設のときに期待された以上に、むしろ機能をしている、両大学に関すればそのように考えておりますし、両大学に対する関係方面の期待も非常に大きいと思います。問題は、これが高等専門学校教育にどのような影響を及ぼすかという点が一つあります。と申しますのは、従来高専から大学へ進もうとした者の数が、大体卒業生のまず八%から九%くらいのものでございます。両技術科学大学が創設をされて、三年次編入定員が両方で五百名近くできた。それから、従来どおりそれぞれの大学の工学部が編入の態勢をとっておりますから、すでに大学へ進学をする高専卒業者の数というのは約一割に近くなっているわけであります。そういう状況のもとで技術科学大学をもう一つつくれるかどうかということについては、現在そのことを含めて高等専門学校のこれからの整備振興の方向、あるいは高専と技術科学大学とのかかわり合い等について、大学設置審議会の高専分科会で御検討を実は昨年以来賜っているところであります。もう少しその状況を見て対応を考えていくべき事柄ではなかろうかと思っております。  それから、高等学校段階――三年次から入ってくる高専卒業者のところは大変に私はうまくいっていると思いますが、率直に言って一年生のところはかなり問題があります。高等学校、工業高校の卒業生を推薦入学で受けれているわけでありますが、まあ両技術科学大学で必ずしも同じというわけではありませんけれども、どうしても工業高校から推薦入学で入ってくる者の質に、大学に入ってから問題がなしとしないようであります。このことは両大学も非常に問題として意識をしまして、工業高校側との話し合いを重ねておりますし、ことしは若干の改善と申しますか、実際に受け入れた生徒の資質の面での向上が見られるというような前進もありますけれども、やはりどうも一年のところの受け入れの実質について問題がある。そこのところは両大学とも問題として意識をしているというのが率直な状況ではなかろうかと思います。
  111. 有田一寿

    ○有田一寿君 さらにいまの問題は、一たん発足したものでありますから、十分な慎重な対応をお願いして、私の質問を終わります。
  112. 大島友治

    ○委員長(大島友治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  113. 大島友治

    ○委員長(大島友治君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  国立学校設置法の一部を改正する等の法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  114. 大島友治

    ○委員長(大島友治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 大島友治

    ○委員長(大島友治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十分散会