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1979-12-14 第90回国会 参議院 決算委員会 閉2号 公式Web版

  1. 昭和五十四年十二月十四日(金曜日)    午前十時四十五分開会     ―――――――――――――    委員の異動  十二月十三日     辞任         補欠選任      佐藤 昭夫君     沓脱タケ子君      神谷信之助君     安武 洋子君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         志苫  裕君     理 事                 岩崎 純三君                 原 文兵衛君                 降矢 敬雄君                 穐山  篤君                 和泉 照雄君     委 員                 石本  茂君                 河本嘉久蔵君                 坂元 親男君                 永野 嚴雄君                 長谷川 信君                 隆矢 敬義君                 佐藤 三吾君                 丸谷 金保君                 田代富士男君                 沓脱タケ子君                 安武 洋子君                 三治 重信君    国務大臣        文 部 大 臣  谷垣 專一君        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       長田 裕二君    事務局側        常任委員会専門        員        道正  友君    説明員        科学技術庁原子        力局長      石渡 鷹雄君        大蔵省主計局主        計官       新藤 恒男君        文部大臣官房人        事課長      國松 治男君        文部大臣官房会        計課長      植木  浩君        文部省初等中等        教育局長     諸澤 正道君        文部省大学局長  佐野文一郎君        文部省社会教育        局長       望月哲太郎君        文部省管理局長  三角 哲生君        文化庁次長    別府  哲君        運輸省船舶局首        席船舶検査官   野口  節君        建設省住宅局住        宅建設課長    松谷蒼一郎君        会計検査院事務        総局第一局長   岩井  毅君        会計検査院事務        総局第二局長   藤井健太郎君        会計検査院事務        総局第四局長   岡峯佐一郎君    参考人        日本原子力船開        発事業団理事長  野村 一彦君        日本原子力船開        発事業団専務理        事        倉本 昌昭君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○昭和五十一年度一般会計歳入歳出決算、昭和五  十一年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十一年  度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十一  年度政府関係機関決算書(第八十四回国会内閣  提出)(継続案件) ○昭和五十一年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第八十四回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和五十一年度国有財産無償貸付状況総計算書  (第八十四回国会内閣提出)(継続案件)     ―――――――――――――
  2. 志苫裕

    ○委員長(志苫裕君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  暫時休憩いたします。    午前十時四十六分休憩      ―――――・―――――    午前十時五十五分開会
  3. 志苫裕

    ○委員長(志苫裕君) 委員会を再開いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨十三日、佐藤昭夫君及び神谷信之助君が委員を辞任され、その補欠として沓脱タケ子君及び安武洋子君が選任されました。     ―――――――――――――
  4. 志苫裕

    ○委員長(志苫裕君) 次に、昭和五十一年度決算外二件を議題といたします。  本日は、文部省、科学技術庁の決算について審査を行います。     ―――――――――――――
  5. 志苫裕

    ○委員長(志苫裕君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 志苫裕

    ○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  7. 志苫裕

    ○委員長(志苫裕君) それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 穐山篤

    ○穐山篤君 最初に、原子力船「むつ」の問題についてお尋ねをしますが、事業団の理事長にまずお伺いします。  御案内のとおり、「むつ」は去年の十月十六日に佐世保に回航を終わったわけですが、その後予定の作業がほとんど進んでいないという状況に受けとめるわけですが、現在「むつ」は佐世保港でどういう状態に置かれているのか、まず現状から御報告をいただきたいと思うんです。
  9. 野村一彦

    ○参考人(野村一彦君) お答えいたします。  「むつ」は昨年の十月に佐世保港におきまする遮蔽改修及び安全性総点検のため青森県の大湊港から回航いたしまして、現在佐世保重工の佐世保造船所の甲岸壁に係留されております。  回航後一年以上たつわけでございますが、現在私どもは工事の相手方であります佐世保重工その他と本工事についての折衝をして準備をしておりますが、「むつ」自体につきましては本年の七月に佐世保重工のドックに入れまして、そして船底の検査、外板の検査等いたしまして、それからまたカキがらとかさびとかそういうものを落として船底の塗装をいたして再び甲岸壁に帰ってきております。  本格的な修理であります遮蔽改修工事につきましては、去る十一月十五日の日に原子炉設置変更許可の申請が御許可になりましたので、これの改修のための工事の契約をいま鋭意相手方と進めておるところでございます。なお、船自体につきましては、「むつ」の乗組員が主体となりましてその保船、保持、警備等に努めておる状況でございます。
  10. 穐山篤

    ○穐山篤君 さて、そこで、当時も指摘をされたわけですが、本来、むつ市から佐世保港に回航する前にSSKと契約をして十分安定作業を行うべきだ。なぜSSKと十分な契約を行わないままに入港したかという非難が非常にあったわけですね。現在の理事長さんは昨年ですか新任をされたわけですが、言ってみれば原子力船「むつ」は契約なしに甲岸壁に係船をされているという状況にあると思うんです。これは平たい言葉で言えば、青森の人が佐世保に引っ越した、ところが大家と家賃なり権利金なりその他の契約をしないままにアパートに入っているという状況と同じですね、考えてみれば。なぜSSKとの間に係船について、あるいは警備の問題などについて正式に契約ができないのか、その点具体的にひとつ指摘をしてもらいたいと思います。
  11. 野村一彦

    ○参考人(野村一彦君) 先生御指摘のように、現在まで残念ながら契約は締結されておらないわけでございますが、ただ、その間の経緯の要点を申し上げますと、まず、修理を佐世保においてするという政府の方針が決定されましたので、私どもはそれを受けまして五十二年の十一月に、これは前任の方でありますが、当時の佐世保重工の社長といろいろ話をしまして、その社長は当時の運輸大臣に対して「むつ」の修理を引き受けますということを口頭でお約束になったわけでございます。そこで、佐世保重工との間にいろいろと折衝を重ねました結果、佐世保重工からも技術関係の職員が私どもに協力のために来団をされまして、遮蔽改修の基本設計の作業にもいろいろとこちらの技術者と一体となって協力をしてまいった事実があります。また、佐世保の現場におきましては、重工側もその組織の中に改修工事室というものを設置されまして所要の職員を配置をして、私どもも佐世保に事務所を設けまして、そこでいろいろと相互の間に岸壁の係留やら警備体制の問題について話を進めてきたわけでございます。  そういうことから私どもは、その間社長の交代がございましたが、実質的に佐世保重工と事業団との間においては佐世保造船所において修理をするという実質的な合意があるということで事務を進めてきたわけであります。また社長交代後も回航に先立って岸壁係留等の契約をすべくいろいろと鋭意折衝したことでございますけれども、残念ながら契約をするに至らない。一言で言いますと岸壁の使用料あるいは警備のためのいろんな設備の経費、そういうものについての双方の見積もりといいますか、こういうものにかなりの開きがあったこともありまして、現在も交渉は進めておりますけれども、残念ながら今日まで交渉がまとまらない、こういう状況でございます。
  12. 穐山篤

    ○穐山篤君 佐世保への回航については政府自身及び自治体との政治的なこともあって折衝があって回航したわけですが、さて具体的に「むつ」を係船をさして遮蔽工事をあるいは安全作業を行うというのは事業団の本来の任務なんですね。あなたは就任以来具体的にこのSSKとの契約のために何回向こう側の責任者と会ってどれだけの話を詰めたのか、まずその点をお伺いします。
  13. 野村一彦

    ○参考人(野村一彦君) 私並びに私のところの役員、職員等は技術的な準備の問題とともにこの問題に全力を挙げてまいったわけでございますが、私自身といたしましては、現在の佐世保重工の社長と約十回近く会いまして交渉を進めたわけでございます。それは係船料の問題、それから入渠の契約の問題、それからこれはまだその当時には具体的な段階になっておりませんでしたけれども、本格工事の問題等について折衝を進めました。  まあ、この問いろいろと向こうの基本的な考え方と私どもの考え方と違いが出てまいりまして、また折衝は非常に難航したわけでございますが、この間科学技術庁はもちろん監督官庁としていろいろと助言をしていただきましたし、それから現地の久保長崎県知事が両者の間に入られましていろいろと御仲介をいただいて、先般も十一月の中旬でございますか、いろいろお話をしていただいたわけでございます。また新大臣も直接社長に会っていろいろとお話をいただいたわけでございますが、私も当事者の責任者として、まあ十回前後会って話を進めたわけでございますけれども、残念ながら両方の意見が一致しないで現在に至っておる、こういう状況でございます。
  14. 穐山篤

    ○穐山篤君 そうしますと、契約がないままに係船をしているわけですから、仮にシージャックが起きるとかあるいは外部からの放火があったとか、不慮の災害が起きたとしましてもそれはSSKには一切責任はない話であって、挙げてそれらについては事業団が責任を負わなきゃならない、こういうことに理解をしますが、いかがですか。
  15. 野村一彦

    ○参考人(野村一彦君) 現在SSKと私どもとの間には、もう実質的に警備の問題につきましてもあるいは保船の問題につきましてもお話し合いをしておりまして、先ほど申し上げましたように、私どもの船員が停泊当直の態勢を強化して、いろいろ不時の災害とか外部からの不法な侵入とかその他についての警備、船の保全ということをやっておるわけでございますが、佐世保重工もこれに事実上協力いたしまして、そしてガードマンを実際上配置してもらっておるわけでございます。ただ、船の保全でございますから、船の管理と、もし船に危害が加えられるとか損害があるということであれば、これは船の管理者としての私どもが責任を負うべきことだと思います。もちろん外部からの何らかの原因で、人為的な原因によって船が破損をしたような場合には、理論的にはその加害者がはっきりしておればそういう場合には加害者に求償ができると思いますけれども、船の保全ということあるいは警備ということについての責任は私どもが船主として負うべきものだと考えております。
  16. 穐山篤

    ○穐山篤君 事実上は岸壁を使用してSSKの警備員がそれなりに配置をしている、それからその他の若干の設備の使用もある。しかし契約がしてないから金を払ってないんですね。ここが実は問題なんです。原子力船「むつ」の場合には最初からボタンのかけ違いがあったわけです。だからあと幾ら補修をしてみても最初からかけ違いがあったわけですから、最後までこの問題は残っているわけですね。SSKの方は現実に警備員も出したり設備も一部使用さしたりあるいは岸壁を使わしている。こうなりますと相手側の方が強いということは御存じでしょう。あなたの方が回航する前にSSKに出しました見積もり案とSSKの考えているものとの間にはかなりの開きがあったわけですね。しかし、この一年有余を経て客観的に見ますと、また政府なり事業団はこのSSKとの間にむだ金を払うのではないだろうか、常識以上の金を払って最終的に頭を下げるのではないかという国民の疑惑があるわけです。  仄聞するところによりますと、最初事業団が出しました契約金というのはSSKとの間にはまあ四分の一ないしは三分の一ぐらいの開きがあったわけです。どうも相手側の言いなりになるのではないかと私どもは疑念を持ちますし、また決算委員会の立場からいいますと、国民の血税が政府なり事業団の決断のなさのために金をたくさん取られるのではないか、法外な値段を言われるのではないかと考えるわけです。そういう心配が一切ないという自信はありますか。
  17. 野村一彦

    ○参考人(野村一彦君) SSKとの交渉の経過におきまして、お話のように、向こうの見積額と私どもの見積額との間にかなりの隔たりがありますし、それは現在の交渉の過程におきましてもかなりの隔たりがあるということはお説のとおりでございます。まあこの問題につきまして私どもは、貴重な予算を使用させていただいて修理をやるわけでございますので、極力経費の効率的な節減ということに努力をしているわけでございますが、一方、SSKといたしましては営利会社でございまして、いま現在造船不況――多少上向いているとはいえ造船不況の中で、主要な岸壁をかなり長期間にわたって占用使用に供するということから、その基本的な見積もりの考え方が私どもとかなり違うということでございます。したがいまして、その間の事情は、いろいろと私どももこちらの財政事情を説明して協力を求め、また先ほど申し上げましたように、久保知事が中に入っていただきましていろいろとお骨折りをいただいておるわけでございますけれども、まあ現在まだまとまっていない。私どもとしては、極力これを政府、事業団の立場から、何といいますか、妥当な線で決定をするように、さらにいま先方に強力に折衝をしていきたいということで考えておるわけでございます。
  18. 穐山篤

    ○穐山篤君 先ほど明らかにされましたように、第一次遮蔽工事については三菱、第二次遮蔽工事については石播と、こういうふうに決まり許可ももらった。私どもが聞いております、あるいは調べている範囲で言いますと、SSKはこの第一次遮蔽工事をするに当たってまた改めて要求を出す、何らかの要求が出てくるというふうに聞いているわけです。そういうことがあるかないかはこれから十分に調べなければなりませんが、一つ一つ問題を片づけようとする際に必ず厚い壁が出てきて値段がつり上がる、あるいは第一次遮蔽工事なり第二次遮蔽工事の仕事が遅くなる、こういうことが予想されるわけです。  これは非常に大切なことでありますので長官に伺いますが、少なくとも、いま科技庁としていろんな重要な仕事を持っております。しかし未解決の政治問題というのはこの原子力船「むつ」ですね。ある意味で言えば、大臣になったときに直ちに手をつけなければならないのは「むつ」問題ではないかと思うんです。ところが全然その交渉なり折衝なり契約というものが進んでいない。これは後ほど申し上げますが、その間におきます経費というのはかなり莫大なものを使っているわけです。いつまでにこのSSKとの契約を済ませるつもりなのか。あるいは客観的に見てこういうのは妥当な金額というのがあるわけですね、常識論というのは。仮に損害が生じた場合には、御案内のとおり協定で損害賠償いたしますと、こうなっているわけですから、その他の障害物はないはずなんです。  長官、これは非常に注目されている問題ですが、どんなふうに考えて、就任以来具体的にどういうふうに折衝を進めたりあるいは指導を行ってきたのか一非常に国民の側としては疑問でしようがないんです。その点まず明らかにしてもらいたい。
  19. 長田裕二

    ○国務大臣(長田裕二君) 日本の置かれております事情からしまして、原子力船の開発が非常に大事なことだというふうに思っているところでございますが、その原子力船「むつ」の開発が四十九年九月の放射線漏れ以来、御指摘のように、なかなか予定どおりに進捗してまいっておらないことも事実でございます。またそれに絡みまして係船契約等についての対価といいますか、そういう問題についても相当の食い違いもいままであったということもおっしゃるとおりだと存じます。  私どもこの問題は非常に重要な急ぐ問題だという観点から、実は私も着任しまして以来、長崎県知事あるいは事業団あるいは庁内でもいろいろと打ち合わせてまいり、佐世保重工の社長ともお会いもいたしましたし、その他手を尽くしましてこの係船契約、入渠契約を早く締結をいたしたいというふうに、もういまでも非常に私の――当面まあ予算その他いろいろなこともございますけれども、最も急ぐべきことの一つだというふうに銘記しておりますし、なお値段等につきましては久保知事等も中に入りましていろいろお話を進めていただいておりますが、まあ見方の相違といいますか、佐世保重工側におきましては、このごろタンカー等の修理というか改造といいますか、そういう仕事が非常にふえてきている、あのドックを使えば相当の収益が上がるはずだという、まあ事業を経営している者の立場からの見方も新しい情勢としていろいろ加わっているということなどもございまして、かなり距離がございますが、これらにつきましても、私どもも不当に、ただ言い値に何でも言うことを聞くという構えは毛頭とるつもりはございませんけれども、事業経営者の立場というものも若干は考慮しながら久保知事その他内部、関係当局とも打ち合わせまして、これから鋭意この問題を取り進めてまいりたい、そのように考えているところでございます。
  20. 穐山篤

    ○穐山篤君 第一次遮蔽工事をこれから始めるわけです。ところがまだ契約をしてないから工事は困りますというふうにSSKから言われる可能性があると思うのですが、その点はどういうふうに折衝されていますか。
  21. 野村一彦

    ○参考人(野村一彦君) 現在の段階で申し上げますと、先生の一次遮蔽、二次遮蔽というお言葉でございますが、私ども解釈といたしましては、従来SSKが船体の部分、これが二次遮蔽の担当になるわけですけれども、船体の部分を担当し、それから三菱重工及びその子会社であります三菱原子力工業が一次遮蔽を含むいわゆる原子炉の炉の部分の工事を担当するということでずっと折衝を進めてきたわけでございますが、今年の六月あるいは七月ごろでしたか、佐世保重工の方からその船体部分の工事をする主契約者となることを辞退したいということでございましたので、もともとこの船は、船体部分は石川島播磨でつくったものでございますので、石川島播磨と折衝しました結果、石川島播磨は一定の前提のもとに船体の部分をそれでは主契約者となってやりましょうと、そういうことでございます。したがいまして、現在私どもは石川島播磨及び三菱重工から第一次の見積書を出してもらって、いまその見積書をもとにして折衝をしております。  それで、もちろん現地の作業場として、下請けといいますか、石川島播磨に対する協力をSSKがやるということで、この三者の間と私どもとが基本的な合意をするということでいま準備を進め、両三菱及び石川島播磨から出された見積書について鋭意事務的技術的な詰めをしておるという段階でございますので、これはできるだけ早くSSKの問題も含めましてまとめたいということでやっておる次第でございます。
  22. 穐山篤

    ○穐山篤君 再三指摘をしますように、本当にボタンのかけ違いばっかりなんですね。  さて、少し前に進みますが、例の五者協定によりますと、修理期間というのが約三年というふうにお互いが了解をし合っているわけですね。この三年間の意味というのは、少なくともこの協定が結ばれた後、幾日でしたか、入港してから三年間で、すでに一年を経過をしているわけですから、事実上二年以内にこの改修工事というのを終了しなきゃならぬわけであります。これは事業団としては責任を持ってこの二年間に改修工事が可能だと、できるというふうにお考えですか、いかがですか。
  23. 石渡鷹雄

    ○説明員(石渡鷹雄君) お答え申し上げます。  現在の修理契約を伴います折衝状況は、ただいま理事長から御説明申し上げたとおりでございますが、現在両者から出ております見積もりから、その工事にどのくらい期間がかかるかということもあわせての計画でございますので、先生御指摘の長崎県を含みます五者協定の期限を踏まえまして、最大限の努力をもってこの期限内におさめるように契約をまとめていくようにということで事業団の検討を進めさしているところでございます。
  24. 穐山篤

    ○穐山篤君 さて、その次にお伺いしますのは、この五者協定の中で一番重要なのは協定の第一項、第二項なんですね。御案内のとおり、約三年で修理を完了するという目標で協定が結ばれたわけですが、佐世保に「むつ」が居座るわけにいきませんので新しい母港を探そうじゃないか、そのために努力しようじゃないかということが第一項目、それから第二項目は、努力の結果必ず次の新しい定係港に船を回航しましょう、こういう約束になっているわけです。この新定係港について、前の大臣もその前の熊谷長官も、いろんな構想といいますか、いろんなことを言ってきたわけです。新聞にもいろんなことが書かれています。質問すれば、多分努力していますということになるだろうと思いますが、これは大湊港でもそうでありましたが、新しく母港をつくるということになりますと莫大な経費と同時に長期の時間がかかるわけですね。ですから、二年後に修理が終わる直前になってどこどこにいたしますという仕組みには私はならないと思う。  それから、仮に修理が予定通り完成をしますと、今度は運輸省の承認を得て船としての機能が働くわけです。当然定期検査も必要になる。そうなりますと、母港といいますのは、少なくとも近くにドックがあるか、あるいはドックを控えた港でなければならないという構造的な制限が当然つくわけですね。あるいはまるっきりないというところも想定をしているんでしょうけれども。そういうことを考えてみますと、もうこの辺で新しい定係港はここにいたしたいと、こういうことが述べられなければならないと思うんです。新定係港を決める物差しといいますか基準というものはどんなふうにお考えですか。
  25. 石渡鷹雄

    ○説明員(石渡鷹雄君) お答え申し上げます。  新定係港についての事情につきましては、ただいま先生御指摘のとおりだと存じております。私どもは現在、原船事業団におきまして一応選定の方針というものを昨年八月に取りまとめまして、それを基礎にいたしまして全国的に机上調査を進めてまいったところでございます。いよいよ時間的にも切迫してきておりますので、これらのしぼられてまいりました候補地につきましてさらに検討を加えまして、早期に地元との折衝を開始すべく準備をしているというのが現状でございます。  なお、選定の方針といたしましては、やや細かくなりますが、当然一般的な地形がなるべく有利なところというのが第一でございますし、あと燃料交換あるいは廃棄物施設を最低置く必要がございますので、こういう施設の設置にもなるべく有利にできるようなところというようなことを考えて選定の基準にしている次第でございます。
  26. 穐山篤

    ○穐山篤君 さてそこで、前の長官の談話も記録として残っていますけれども、その新しい母港、新定係港にむつ市、大湊、ここが入るのではないかといううがった見方もありますし、あるいはもうここは最初から考えていないのだ、青森県との相談の結果撤去することになっているのだからここは母港にはしない、こういうこともニュアンスとして一面では出ています。  そこではっきりお伺いしますが、新しい母港には青森県のむつ市、大湊港は入れてないんですか、あるいはそれも含めて検討ということなんでしょうか、はっきりしてもらいたい。
  27. 石渡鷹雄

    ○説明員(石渡鷹雄君) お答え申し上げます。  大湊につきましてはいろいろいきさつがございまして、現在のポジションをまず御説明申し上げたいと思うわけでございます。  先生御案内のように、昭和四十九年十月十四日に締結されました四者協定によりまして定係港を撤去するということになっております。政府はこの四者協定の履行のためにまず修理港問題の解決に努力をしてまいり、佐世保港に「むつ」を回航したということでございます。このことによって四者協定の趣旨は守られたものと考えているというのが私どもの考え方でございまして、この考え方につきましては、昨年八月、元熊谷科学技術庁長官が青森県下を訪問いたしまして地元側の三者、すなわち青森県知事、むつ市長及び漁連の会長との会談においてこの考え方について御了承をいただいたという経過がございます。その際、四者協定の現定係港撤去問題については、「むつ」出港後の適当な時期に四者で検討するということで意見の一致を見ている次第でございます。この適当な時期という時期を待っておったわけでございますが、今日までまだこの検討がなされておりません。  したがいまして、私どもの現在の位置づけは、まずこの四者の会談を行いまして、すなわち地元の三者との十分な御相談の上で四者協定の現定係港撤去をいかに理解するかということを明瞭にするというのが第一の仕事でございまして、そういう段階にございます現時点におきましては、大湊港を新定係港の候補として考えるわけにはまいらないというのが現在の位置でございます。
  28. 穐山篤

    ○穐山篤君 いま言われておりますように、本来なら五十二年四月三十日までに撤去を完了していなきゃならない、ここも撤去が完了していないんですね。ボタンが二つ目、三つ目かけ違いが残ったままなんですよ。現にむつには事業所がありますし、設備、機械もありますし、若干の保安要員もいる。  なぜこういうふうに約束をしながら約束が守られないのか。撤去といいますのは、むつの市長や青森県の知事がやるわけじゃないんですね、撤去の作業というのは政府なり事業団の責任において、この協定に基づいて撤去作業をやるわけです。なぜできないんですか、なぜやろうとしないのか非常に疑問に思うわけです。何が障害ですか。
  29. 石渡鷹雄

    ○説明員(石渡鷹雄君) まず、原子力船そのものにつきましては、その実態はとにかくといたしまして、法律上母港というものが必要でございます。現在も大湊港が法律上の定係港になっているわけでございます。すなわち「むつ」に原子炉を積んでおる、これを冷態停止の状態に保つということと、それから法律上の母港であり、その機能は停止しているが法律上の母港がむつにあるということが一体になっているというのが原子炉規制法上の解釈となっているわけでございます。そういう意味で、法律上の問題といたしましてむつが母港という位置を保っているということでございます。
  30. 穐山篤

    ○穐山篤君 いや、私の言いますのは、なぜ撤去をしないのか、撤去できない具体的な理由は何かと聞いているんです。法律上あることは承知していますよ、しかしなぜあなた方は約束を守らないんですか。五十二年四月三十日までには撤去を完了します、そう約束をし県民もそれで納得をしたわけです。なぜ撤去しないんですか。考えようによれば、再び佐世保から死に体になっている「むつ」が大湊港を再び使用する、そういう考え方も腹の中にあるんじゃないですか、その点どうです。
  31. 石渡鷹雄

    ○説明員(石渡鷹雄君) ただいまの点につきましては、先ほど御説明に触れましたが、昨年八月の熊谷前長官と地元三者との会談の際に、四者協定の現定係港撤去問題については「むつ」出港後の適当な時期に四者で検討しようということで意見の一致を見ている次第でございまして、この適当な時期における四者での検討の結果を待つというのが私どもの立場でございます。
  32. 穐山篤

    ○穐山篤君 どうもやることなすこと十分納得できるものじゃないんですが、さてそこで事業団の理事長にお伺いをします。  理事長、かわられて一年たつわけですが、この原子力船「むつ」の問題につきまして会計検査院から重要な特記、特別なものが出ているのは御存じだと思うんです。「特に掲記を要すると認めた事項」ということで、プリントにしますと二枚いっぱいであります。これは一言で言えば、いままで大変なむだ遣いをしている、これから先も展望なしにむだ遣いが行われる可能性が強いと、こういうふうに指摘をしているわけですね。これは従来他に見ない検査院の報告内容なんです。この五十年の検査院の報告書をどういうふうに事業団の理事長としてはお考えですか。まず、その意識の点について、非常にまあわれわれとすれば問題にしなきゃならないと思うんです。その点お伺いします。
  33. 野村一彦

    ○参考人(野村一彦君) ただいま先生がおっしゃいました五十年の会計検査院の御指摘というのは、まさに私ども当事者といたしましては御指摘のとおりでございますので、この御指摘を十分心に銘じて、今後こういうことがないように予算の効率的な適正な使用ということに心がけまして今日まで至っているわけでございますが、事情は先ほど申し上げましたようなことで、はなはだ遺憾でございますが、今後さらに努力を続けたい。この五十年の御指摘についてはまさにその御指摘のとおり、その趣旨を十分体していかなければならないというふうに考えております。
  34. 穐山篤

    ○穐山篤君 長官、検査院の報告は具体的に一々金額も挙げて指摘をしているわけです、「このまま推移するとすれば、開発の成果が確認されないまま更に相当額の国庫負担を要することとなると認められる。」。本来ならば、まあ放射線漏れがなければ通常の予算で試験、実験船としての機能を果たしているんでしょう。放射線漏れがあったために特別な経費、出費というものを出しているわけです。これも率直に先ほどから議論しておりますように、見通しもまだ立ってないんですね。十分周りの環境が整備をされて、第一次、第二次遮蔽工事が間違いなく着手できるという見込みもないわけですよ。岸壁料なり警備保障なり設備施設でSSKとの話がつかなければこの工事再開についてはお断りしますと、こんなむちゃな話が出ないとも限らないんですね、相手側の状況から考えてみれば。全く見通しがないわけです。この原子力船「むつ」につきましては、ボタンのかけ違いがあると同時に、非常に科技庁自身としても甘えているんじゃないか。もらった予算は使ってしまえというふうな甘えの構造があるんじゃないかということをもう言わざるを得ないと思うんです。  そこで、今度は別の問題に移りますが、大湊港に母港として回航を決めたときに例の四者協定がこちらではありまして、まあ一つの例ですけれども、風評で魚の値段が低落をすれば買い支えをしましょうと、まあ非常に温情あふるる措置を協定をしたわけですね。これも同じように、今回長崎におきましても同様な協定が結ばれているわけです。  具体的に検査院の方にお伺いします。たしかこれは二十億ないし二十五億ですか、買い支えの金と環境整備ですか、整備の金と両方で二十五億ずつだと思うんですが、私の聞いている範囲におきますと青森では魚価の低落はなかったということなんですね。ですから買い支えの金は必要ないわけです。しかし協定は、御案内のとおり基金として差し上げますということになったわけです。国費がその地元に落ちたということになるわけですね。こういうものは買い支えをする――そこの地域の住民の生活上重要なことですから、魚価が低落をして漁民の生活に重要な影響があってはならないと思いますから買い支えは結構だと思う。しかし青森県ではそういう現実がなかったわけですね。それで金は基金に繰り込まれているわけです。そういう経緯を検査院も十分に検査をされたと思うんです。私の言っていることが正しかったかどうか。その金がどういうふうに使われたかどうか。  なおかつ、長崎にも同じ五者協定が結ばれているわけです。買い支えをするために必要な金を出すことは結構ですが、魚価の低落がなければその金は本来国庫に戻入をすべき金ではないかというふうに考えます。これはもうごく常識論です。やりっ放しということはあり得ないと思うんです。ですから青森県の実績を検査されてそれで新しく長崎県にそれをどういうふうに検査院としては反映をされたのか、あるいはそれを受けて政府なり事業団はその問題についてどういうふうに改善をしようと努力したのか、その点をお伺いします。
  35. 岡峯佐一郎

    ○説明員(岡峯佐一郎君) お答え申し上げます。  長崎の件でございますけれども、先生おっしゃったように魚価の安定の関係が二十億でございます。それから魚価安定基盤の整備の方、これは五十四年度に繰り越しをされておりまして実際に五十三年度中に支払われたのは二十億でございます。実は五十三年度につきましては、長崎県につきまして検査を実施いたしておりませんので魚価が下がったかどうかということについては把握をいたしておりませんが、現在までの水産庁からの報告によりますと、この特別基金を取り崩す、そういった事態はなかったという報告に接しております。したがいまして、逆に言えば魚価の低落はなかったというふうに判断いたしております。  それから、青森のケースを長崎の場合にどう反映していたかというような点でございますが、少なくとも長崎の場合につきましては、はっきりと要綱上、「佐世保港の使用が終了することにより風評による魚介類の価格が低落するおそれがなくなったと認定した場合において、基金に残額があるときは、その当該残額のうち国庫補助金に相当する額を返還する」と、こういうことが明記されているわけでございます。その点前回の青森の場合はそういう要綱がございませんでしたので、その辺の違いが出ているわけでございます。青森につきましては返還という事態につきましては予想いたしておりませんで、その後の漁業の振興に使うというふうにされておると理解いたしております。
  36. 穐山篤

    ○穐山篤君 この原子力船「むつ」が向こう二年間にそれぞれの遮蔽工事を完了したと仮定をしますよ。これは通常の商船とは違いますんで、この原子力船「むつ」の耐用年数というのをコマーシャルで考えることは無理だと思うんです。しかし、そうは言いましても現実に実験を海上で行っていないし係船期間の方が長いわけです。そうしますと、この原子力船「むつ」の船齢といいますか、機能というものも通常の考え方ではいかないというふうに私は考えるわけです。説明によりますと、通常耐用年数は十五年とか二十年とかということを聞いておるわけですが、これがまともな姿に返って運輸省の御承認を得て船としての機能を発揮いたしましても余命幾ばくもないと、こういうふうに計算上できるわけですね。その点運輸省の方のお考え方はいかがですか。
  37. 野口節

    ○説明員(野口節君) 御説明申し上げます。  船の耐用年数がどのくらいかという点につきましては二通りの考え方があると思いますが、一つはどのくらい使われるかということと、もう一つは物理的にどのくらいもつのかというこの二点だろうと思います。  どのくらい使われるのかという点につきましては、先ほど先生が御指摘のように、この原子力船「むつ」と同じ程度の大きさの船について見ますと、たとえば減価償却というような観点から見ますと大体耐用年数は十五年ぐらいというふうになってございますし、日本の船舶の船型別・船齢別統計から見ましても大体十五年未満のものが八五%ぐらい、それから二十年ぐらいになるものが七、八%さらに二十年を超すものがまた七、八%というようなことでございますので、経済的には普通の商船ですと大体十五年ぐらいから二十年ぐらいに使われるというふうに思われます。  ただ、物理的にどのくらいもつかという点につきますと、これは船主がどのくらい長く使おうとするか、長く使うためにどのように維持管理をするかということで非常に大きく変わると思いますが、現実に物理的にだけもたせようといたしますと、ただいま申し上げました十五年ないし二十年というような数字をはるかに超えてもたせることは可能でございます。ただ船主が非常によく維持管理しないとそういうふうにはまいりません。  で、「むつ」の現状はどうかということでございますが、先般佐世保重工のドックに入渠しました際に私どもの検査官が船底検査をいたしておりますが、この出張した検査官の報告によりますと、かなりカキ類はついておりましたけれども、もとのまあ鉄板と申しますか、船体そのものは非常に良好な状態で維持されておりましたということでございます。
  38. 穐山篤

    ○穐山篤君 話はわかりましたが、余命は余り長くない、一般論としてですね。ところがいろんな雑誌あるいは事業団の広報活動を見てみますと、原子力船というのはいまや花形であるというふうに書かれております。確かにアメリカなり西ドイツ、ソ連、こういうところが開発していることは事実ですが、現にやめたところもあるわけです。ただ、アメリカとかソ連という場合はほとんどコマーシャルの域を離れて軍事的にあるいは採算を無視してやっているわけですね。日本がそれほど急いで、研究開発することはいいと思いますけれども、基礎的な研究不十分のままに原子力船「むつ」をつくり、実験を始めて放射能漏れが起きたわけですね。そのことを考えてみますと、もっともっと基礎的な研究をやるべきだということをまず指摘をしたいと思うんです。  一つにはそういうことも手伝って、この前事業団法の改正が行われたわけですね。来年の十一月三十日まで事業団法は生き延びたと言っては語弊がありますが、延長されたわけです。あと一年間しかないわけですね。衆議院で五十二年十月二十八日、参議院では十一月二十一日に過半数で可決した法案なんですが、そのときのやりとりを見ますと、もっともっと基礎的な研究をやるべきだと。そこで裏側の声としては、事業団をやめて研究所の方に合併したらどうか、こういうお話がその背景にあったわけです。そこで国際的には特別なアメリカとかソビエトというふうに軍事的にあるいは採算を度外視をして原子力船を開発し就航しているわけですけれども、日本ではそういう状況にないわけです。  そうしますと、これからの問題として、原子炉と船というものは別々にして陸上で研究をする、あるいは船は船だけで海上で研究をする、こういうことが私どもとしては当然なことだと思うんです。もし二度と放射線漏れなりその他の事故がありますと、この問題につきましてはもはや世間の話から消えなければならない運命を持っているわけですよ。したがって、研究所にどう合併するかの話はともかくとしましても、これからの研究の姿勢といいますか、その点についてはどんなふうに考えていますか。
  39. 石渡鷹雄

    ○説明員(石渡鷹雄君) お答え申し上げます。  先生御指摘のように、ちょうど二年前になりますが、国会におきまして事業団法の延長をお願いした際に、その修正の趣旨説明あるいは国会におきまする御論議の中で、基礎研究を大いに重視すべきである、原子力船「むつ」の開発のみでなくて研究機能をあわせ持ったものに質として変わっていくべきであるという強い御指摘があったことは事実でございますし、また私どももその趣旨を体しまして来年の十一月以降の問題について考えさせていただきたいと思っているわけでございます。  その国会の御意思を具体化すべく現在原子力委員会におきまして専門部会を設けまして、専門家等から成る知恵を出し合ってこの御意見の具体化のための作業を進めておりまして、近くその結論に達するところでございますが、私どもはその結論の趣旨も踏まえまして来る国会に新たな法案の御審議をお願いしたいと考えておる次第でございます。
  40. 穐山篤

    ○穐山篤君 再三指摘をしますように、長官、ボタンのかけ違えが何回となく繰り返されておって、見通しもない状況にあるわけですね。これは非常にけしからぬ話だと思うんです。われわれ社会党としては原船そのものについて特別な意見を持っていますけれども、しかし国費がこれほど次から次へとむだ遣いをされているということにつきましてはもう絶対に許すわけにいかない。ですから、少なくともいままで結んだ協定を必ず守っていくということを強く申し上げておきたいと思うんです。  それと同時に、新定係港が決まらなければ修理が完了してもまた回航することは不可能ですね。そうなりますと、物理的には佐世保港にしばらくの間停泊をさしておかなきゃならぬ、行くところがないわけですからね。そうなりますとまた新たな要求、新たな経費がかかるということはもうはっきりしているわけです。その意味で、直ちに次の新定係港について明らかにすることはできないと思いますけれども、年が明けたぐらいのところに、科学技術庁としては原子力船「むつ」のすべてについてこういうふうな態度で対処をする、こういうことを述べられますようにきちっとしてもらいたいというふうに思います。  さて、時間が来ましたので、最後に国際科学技術博覧会のことについてお伺いをいたします。  これは去る十一月の二十七日に閣議で了解がされたというふうに聞いております。科学技術庁の本来の考え方から言えば、会場の面積にしましてもあるいは入場者の見通しにつきましても、相当縮小されたという意味では皆さん方不満が多いと思うんです。しかし、万国博覧会でも沖繩海洋博でもそうでありますが、当初計画いたしましたものよりも逐次拡大をしていくし、金は何倍もかかっているというのが実績ですね。それから、その後始末で、万国博覧会の方につきましては多少、まあ金があるものですから、いまも有効に使われているわけです。しかし沖繩の場合につきましては、その後国がどんどん金をつぎ込んでいる。地理的な条件もあるんでしょう。そのことを考えてみますと、この科学技術博覧会というのは、少なくとも開催を予定しております昭和六十年、八五年のときには、関連の経費を考えてみますと二兆円に及ぶんじゃないかという気がするわけです。いま御案内のとおり財政再建、むだ遣いを排しましょう、あるいは行政改革をやりましょう、さらには補助金を切る、こういうふうに、ざっくばらんに言えば国はあしたの朝飯を食う金に困っているわけですね。あるいは昼飯、晩飯の金に困っているわけです。そういう貧乏な国が新しいすばらしいステレオを何台か買おうという話がこの博覧会です。科学技術の振興という意味を私は大いに評価しておりますし、そのことも十分に理解はしますが、いま厳しい財政の状況の中でこれだけ巨大なプロジェクトを組むということは相当考えものじゃないか、基本的に科学技術を振興するということについては私は大いに賛成をしますが、時期が非常に悪い、私はこんなふうに考えます。閣議で決定をした政策の問題ですから、そう簡単に変更はできないというふうにお考えでしょうけれども、しかし国民の金をどういうふうに有効に使うかという意味では、私は科学技術庁の考え方を少し不審に思うわけです。これは考え方を特に聞かなきゃならぬということでありませんけれども、皆さん方はいま財政再建の問題をどういうふうに理解をして科学技術の振興との調和を図っていくか、この点が非常に欠けているのではないかと私は指摘をしたいと思うんです。  時間ありませんから、「むつ」の問題とこの博覧会の問題、結論だけで結構ですから長官から考え方をお伺いします。
  41. 長田裕二

    ○国務大臣(長田裕二君) 「むつ」の問題につきましては、私どもは、その事業団の当初の設立目的でございました開発の役割り、運転のところまでこれから今後さらに努力をいたしましてその目的を達成いたさなければならないと、そのように思っておりますし、また、おととしの法案御審議の際に御意見の出ました研究機能をあわせ持っていくということにつきましても、来年期限切れになります際の新しい法案提出の際にそのような御趣旨も織り込んでまいりたいと、そのように思っているところでございます。  ただいまの第二点の国際科学技術博覧会の点につきましては、確かにただいま財政再建のために非常に政府も力を入れ、私どももそういう趣旨は十分体していかなければならないと思っておりますが、実は科学技術の振興は、もうすでに御存じのように、私どもは日本のこれから生きていく唯一と言ってもいいのではないか、科学技術を大いに振興し、これと高度の産業というものを結びつけることによって日本が長く生きていく道をそこに求め、あるいはまた世界に貢献していく、そういうような意味合いで大変重要なことで、これもおろそかにできない点だと思うわけでございます。  また、沖繩博覧会についての御指摘がございました跡の問題等につきましても、一応予定しております場所は筑波研究学園都市でございまして、将来必ず筑波研究学園都市をあそこへつくってまいりますことにも貢献できるというようなことなどいろいろ考えまして、先ほども御指摘がございましたが、かなり厳しい財政状況というものもこの計画の中に十分反映させまして、しかし、その目的は何とか達成していこうと、そういうことで、去る十一月二十八日、パリの国際博覧会事務局に昭和六十年開催の申し込みをさせていただいた次第でございます。御指摘の点等につきましては、十分これからも私ども気をつけながらこの問題を進めてまいりたいと存じております。
  42. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 文部大臣にお伺いいたします。  先般の全国の町村長大会あるいは全国の知事会その他からすでに要望が出ていると思いますが、公立文教の小中学校危険校舎等改築に対しては、補助率のアップと同時に、特にことしは耐久度の点数の特例を継続してほしいという現状維持の要望が強く出ております。これは景気浮揚の関係だからことしあたりは見直すというふうなうわさが流れただけで全国の市町村に非常に大きな衝撃波となって、これは大変だということになっております。もうすでにそれぞれの地方自治体では明年度の準備についてほとんど完了しております。ですから、少なくとも明年度については文部大臣としてこの点十分ひとつがんばっていただきたい。御所見をお伺いいたします。
  43. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) お答えをいたします。  いま丸谷先生から御質問を受けましたように、来年の予算編成に入ろうとしておりますときに、各地の町村長の皆さんあるいは地方の方々から、いまの点につきましては非常に強い御要望を実はいただいております。もちろん文部省といたしましてもこの問題は重要に考えておるわけでございまして、せっかくここまで皆が期待をいたしておりますものを、点数を切り下げるというようなことにならないように努力をいたすつもりでおります。厳しい財政状況でございますので、ここからしばらくの間財政当局と篤とこれは協議をしていかなければならぬ問題でございますけれども、御指摘のような重要性は十分に感じて交渉いたしたい、こういうふうに考えております。
  44. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それと関連して、特に寒冷地における特例がございます。これについても同様、ひとつがんばっていただかなきゃならないと思いますので、これは帯広市の例ですが、その実情をちょっと御説明申し上げたいと思います。  御承知のように、特に中学校等は戦後の物のないときにばたばたと建てております。そのためにもうほとんどが非常に寒い教室という状態です。ただし、耐久度ということになりますと、地盤のいいところに建てれば、木造の場合五十年たってもなかなか点数が出てきません。そういう点では非常に苦労するところですが、今回そういう点で特に特例の制度を設けていただいたこの機会に、そういう寒いところを直さなきゃならぬということで、寒冷な帯広市は非常にがんばって計画を立て、一気にこの機会に寒い校舎を直そうと、こういうふうに心がけて準備しております。特にひどいのは、始業時の一時間半前にストーブに火入れをする、しかし、それでも朝の一、二時間の授業時には室内の温度が零下十八度なんというところがあるんです、早くからたいても。もちろん灯油なんかたけないんです。灯油なんかではなかなか暖まらないんで石炭ストーブです。こういう状態のところ等について特にその点お願いをいたしたいと思う次第です。
  45. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 先生御指摘のとおりに、そういう地帯には特別に五百点の差を従来からつけておったわけでございますが、御指摘のような例もお聞きをいたしておりますので、従前持っておりますこの特例的な問題は、先ほどの全体の点数の問題と同様にひとつ努力をして財政当局も納得させなきゃいかぬだろう、こういうふうに考えて交渉を進めたいと思っております。
  46. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 この場合、これは事務当局の方でお答えいただきたいと思いますが、人口がふえてくるために継ぎ足し継ぎ足しで途中から鉄筋にしたというふうなのがあんこのように入っている。こういうところは実はそこのところだけ点数は上がらない、しかし用地の関係その他で全面的に改築をしなければならないというふうな場合の取り扱い、寒冷地については十分配慮していただかなきゃならない事例がたくさんございますが、それらについてはすでにもう地元からの要望等で検討済みと思いますが、いかがでございましょうか。
  47. 三角哲生

    ○説明員(三角哲生君) 丸谷委員御承知のことと存じますが、現在の補助制度のやり方といたしましては、いわゆる危険建物と申しますか、改築基準に達しております現行では五千五百点以下の建物、これといわゆる健全建物と区別をいたしまして事柄を進めております関係上、その補助対象の面積をどこまでとるかということについては、一応これまでの決まりがございまして、私どもはその決まりの中で補助執行をしておるわけでございますが、個々の事例につきましてはいろいろな特殊事情もございましょうから、これは道を通じてなりいろいろと実態を聞きました上で、決まりの中でできるだけの配慮を加えてまいるというやり方をいたしておりまして、それがいわば限界ということになっておるわけでございます。
  48. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 その決まりなんですけれど、決まりと言っても、たとえば線を一本引くと、これは実際には線は幅がないですわね。しかし、必ず線を引けば幾らかの幅がある、鉛筆で一本線を引いたって。だから同じ決まりの中でも非常に微調整の部分でそういう寒冷地の地域の問題等について考えていただくということによって、ほんのちょっとのところでその決まりの運営の仕方が変わってくるわけです。特に帯広市の場合などはそういう点をこの機会に一気に何校もやってしまいたい、この機会を逃すと、現在ですと寒冷と特例等でもって六千点ということの決まりの中には入ってしまうということで非常にがんばっておりますので、そういう点十分ひとつ御配慮をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  49. 三角哲生

    ○説明員(三角哲生君) ただいま丸谷委員御指摘のような微調整といったような事柄でございますれば、私どもはこれまでも実施の上で極力そういった実態を十分に把握して進めてきたつもりでございますが、今後の問題としてさらになおやり方について改善をすべき余地があるとすれば、それはよく協議いたしまして検討させていただきたいと存じます。
  50. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それで、実はその中で一つ問題点は、陳情にも来ておりますけれど、全国の公立文教の決起大会などでもいつも問題になります補助基準単価でございます。これはどういうわけか同じような種類の建物にしても、建設省と文部省ではいつでも文部省の方が基準単価が低いんでないかというような体験を私ども持っております。そのために超過負担というのは特に文教関係に多うございます。これらの点は国の中で、たとえば歩掛かり表の同じ土地で同じセメントに対する単価とか砂利の単価とか、こういうものが変わるはずないと思うのですが、それが各省において変わるのは一体どういうわけなんでしょう。この点についてのひとつ……、日ごろからどうもおかしいんでないかと思っておるのですが。
  51. 三角哲生

    ○説明員(三角哲生君) 私どもの担当いたしております学校建築関係についてでございますが、本年度の予算単価は、物価上昇率を考慮いたしまして、小中学校の場合、鉄筋コンクリートづくり校舎について申しますと、前年度に比べまして四・四%増。で、一平方メートル当たり、これはまあ標準予算単価でございますが、十万四千百円を計上しておるわけでございます。で、いま申しました物価上昇率というものにつきましては、これはやり方でございますが、過去の建築資材の価格及び労務費の動向を基礎といたしておりまして、四・四%という積算にいたしましたのは、昭和五十三年の六月現在におきます対前年同月の状況との比を基準として行ったものでございます。  それで、いわゆる公共事業等のうちでいま申し上げましたような標準単価方式をとっている補助金の主なものといたしましては、私どもの公立文教施設整備費のほかに、公営住宅建設事業あるいは社会福祉施設整備事業等があるわけでございますが、五十四年度予算でのこれらの単価改定の措置につきましては、いずれもいわば各省統一査定といったような形で行われておりまして、五十三年六月における対前年同月比を基準として算定したという点では皆共通のいわば方法論の上にのっとってやっておるわけでございます。  それで、なおこれの標準単価でございまして、この補助事業の実際の実施に当たりましては、建築単価の実態が北海道とかあるいは東京とかそれぞれ地域ごとに異なっておりますので、私どもは補助に当たっての配分の単価、これは地域別に五段階を設けまして実施いたしまして、地域格差に対応した、できるだけ適正な単価となるように配慮いたしておりまして、ちなみに北海道の場合は一番上位のA段階ということで実施をいたしておるわけでございます。
  52. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それで補助単価とかそういう問題でなく、それぞれの地域によって格差のある実際の地域に合った補助金額をはじき出すときのランク、そういう中で、建設省おいでになっていると思うのですが、建設省と文部省と実際の事務レベルで歩掛かり表などというものは統一的なものを使用するというふうな話し合いになっていますか。
  53. 松谷蒼一郎

    ○説明員(松谷蒼一郎君) ただいまの御質問でございますが、公営住宅の建設につきましては、いわゆる標準単価方式というものをつくっておりまして、先ほどの文部省の御説明のように、各年度に建設大臣が標準工事費を定めまして、これが年度ごとに何%ぐらい物価上昇するかということによりまして国の補助金額を算定をしておるわけでございます。その補助金額に基づきまして各事業主体が工事費をおのおのの事業主体の事情に基づきまして算定をしております。  したがいまして、いまの御質問にあります歩掛かりというようなものは、建設省ではそういうものはつくっておりませんが、各事業主体の方でおのおのその地域の実情等に応じましてつくっております。したがいまして、建設省が文部省と歩掛かり表について相談をするというようなところまではしておりません。ただ、地域の実情はありますが、算定の根拠につきましてはできるだけ検討していこうということで、二年ほど前から各公営住宅の建設の事業者を集めましてそのための検討をしておるところでございます。
  54. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 たてまえは確かに事業主体がそれぞれの歩掛かりで基準単価に基づいてそれぞれの設計単価を出していくわけです。しかし、それはあくまでたてまえで、必ず行政指導の中でこういう歩掛かり表を使ったらいいと、絶対使えとは言っていませんよ、しかし、そういうものはおりてきています。私たちもそういうのに基づいて積算する。それらが横の連絡がどうもとれてないのでないか。だから、これは公営住宅に使う歩掛かり表だ、これは教員住宅に使う歩掛かり表だというものがぴたっと一つにならないのです、同じ建物が隣同士に建っても。こういう矛盾が現地にありますので、それは自分たちでやればいいということにはならないのですよ。補助の申請をし、会計検査がきた場合にどういう歩掛かり表を使ってやったかということになると、これは当然上からの行政指導で地方自治体はやるのです。特に寒冷地の場合、そういう点で非常に苦労するものですから、その点について再度文部、建設、横のそういう細かい事務的なベースでの打ち合わせについてのひとつ見解を聞かしていただきたいと思います。
  55. 松谷蒼一郎

    ○説明員(松谷蒼一郎君) 歩掛かり表の問題でございますが、実は御存じのように、建築の工事は土木工事等と違いまして、建物の構造方法、階数、その他によりまして大変差がございますので、土木工事は御指摘のように歩掛かり表等をつくりまして、それに基づいて発注をするというようなことをやっているやに聞いておりますが、建築の方はまだそこまでまいりませんで、公団住宅あるいは官庁営繕工事におきましてはそのための統一的な歩掛かりの表をつくりまして、それを基本としながら発注の際の参考にするというふうなことをやっているかに聞いております。公営住宅は先ほど申し上げましたように二年ほど前からそのための検討をしておるところでございます。
  56. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 まあこの点につきましては、それぞれ担当のところで一番末端で困らないように横の連絡を十分とっていただきたい。実際に同じものを同じ場所に二つ建てて教員住宅の場合と公営住宅の場合と違うんです。それは積算のあれが違うから今度は入札の予定価格まで違ってくる、こういう実態を私は経験してきているんで、その点をひとつ十分御注意いただきたい。なお、この問題につきましては大臣からもがんばっていただくという大変力強い御答弁がございましたので、次に進ましていただきたいと思います。  次に、大学演習林に関する問題でございます。これもまた北海道の問題でございますが、現実にあることなんで……。  東京大学の北海道演習林、富良野市にあります。ここの前の責任者であった高橋延清さん、これは大変がんばって全国にも誇るに足るようなりっぱな美林になっております。しかし、その陰には高橋理論を進めていく働く人たちの苦労がずいぶんあるんです、これは教員、職員あるいは現場の人たち。しかし、大変大学としては誇るに足る研究の成果が上がっているにもかかわらず、たとえばいまその演習林に所属する宿舎が十数棟あいているんですが、ここにあそこで働いている行政職(二)の職員が入居できない。現地ではこのことについては、どうも国家公務員法に縛られて入れるわけにいかないんだというふうな答弁でございます。しかし、こちらで調べてみますと、それらの行政財産については、いわゆる普通財産と違って、大蔵が管理しているのでなくて、文部省の考え方で特例を認めてくれというふうに大蔵大臣との協議を行えば入れないこともないんでないか、実態によってはそういう措置もとれるんで、通り一遍に、これは国公法の宿舎法に該当しないから入れないんだと言って――人が入らなきゃ悪くなってしまうんです。国の財産が減耗することをわざわざ見過ごす必要はないんじゃないかと思いますが、これらの実態について担当の方の方でひとつ御所見をいただきたいと思います、どのように認識しておるか。
  57. 植木浩

    ○説明員(植木浩君) ただいま先生からお話のございました東京大学の北海道におきます演習林でございますが、確かに宿舎につきましては若干の未貸与の戸数、あいておるところがあるわけでございます。大学の方が現実にこの貸与等については管理を行っておるわけでございますが、大学にいろいろ聞きましたところ、若干のあきはあるけれども、採用とか異動のために確保はしなければならないというような返事もございます。しかし、いま先生が御指摘になりましたように、一般的にはこういう宿舎は、やはり常勤の職員に対してまずこれを割り当てるということがたてまえでやってきておりますが、職務の性質上特に宿舎を貸与することが必要であるというような場合には、非常勤の職員についても一定の手続を踏んで貸与について検討するということは考えられるわけでございます。したがいまして、本件については、私どもとしては現在いま申し上げたように考えておる次第でございます。
  58. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 実はその非常勤の問題なんです。    〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕 特例によっても、そこを管理する非常勤職員であるとか、国家公務員の何と申しますか、マンションですね、そういうような場合だとか、あるいは国家公務員の一般職に準ずるような待遇を受けている者であれば入れるとかいうふうな政令がございます。それで、なぜ入れないんだと、問題はそこにあるんです。  実は同じような仕事をしている農林省所管林野庁の職員は、全部これは通年雇用になって、国家公務員に準ずるということで、その近所に落合とかいろいろございます、みんなそういうところにあいていれば入れる。なぜあくかということも、転勤その他でそういうところが埋まる配慮のためにあけておかなければならぬということはないんです。いま一般職の職員は、たとえばその場合、みんな富良野市の中に住宅を建ててしまっているんです、ほとんど動かない職員が多いですから。そうして車で十五分か二十分のところを通うんです。だからこれが埋まるということはあり得ないんです。黙っていると腐りますよ。若干じゃないんです、十数戸ですから。あの地域にしてみれば大変な数なんです、むだに寝ているのは。これがこれからあとすぐに埋まる可能性、人員が、一般職の職員の定数がふえるわけないんです。もうどんどん出て行って自分の家を建てているという状態で、そういう配慮をなぜしなければならぬのか。転勤があったりなんかして入れなければならないからという報告ですか。
  59. 植木浩

    ○説明員(植木浩君) それだけの理由ではないようでございますが、そういったこともあって従来若干のあきがあったと、このように報告を受けておるわけでございます。
  60. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それだけではないというのもわかりますけれども、一つにその理由があるということになれば、その理由は全くうそです。そんなことはありません。私たち現実にそのそばをしょっちゅう通ってわかっているんですが、あんな奥になると、金つけてやるからと言ってもなかなか住まないんです。ただ、そこで働いているいわゆる非常勤の職員、これらの人たちは、そこについているんです。演習林の成り立ち、これは明治時代にさかのぼるんですが、大火事があったときなんかでも、その地域の働いている人たちみんなで防いだというような記録もあります。その地場にいるという人たちはいわゆる非常勤の人たちが多いわけです。ですから、そういう人たちがそこから出てしまうと、やはり管理その他にも困るということがありながら、何らの配慮がなされないしゃくし定規に現在行われている。いまお答えになったようなことは理由にならないと思いますので、それらについては十分現地とも相談をしていただきたい。  それからもう一つ、こういうことの原因の一つになるのは雇用の問題であるわけです。いま申し上げましたように、同じような仕事をしている同じ地域で、一方は通年雇用の国家公務員に準ずるそういう形を受けているのです。しかし、ここで働いている人たちというのは頭打ち、行政職(二)の三等級、いわゆる十二万何がしというぐらいのところで頭打ちになっているんです。こういうことを、いろんなところで言えるんですが、さっきの建築なんかでも、どうしても基準のとり方が文教の方というのは少ないんです。低いんです。こういうところもやはり一つのあらわれだ。宿舎に入れないという理由の中には、    〔理事穐山篤君退席、委員長着席〕 そういう、ほかでは資格がとれるものが、たまたま学校関係に働いているからとれない、こういうことについての実態はどうお考えですか。
  61. 國松治男

    ○説明員(國松治男君) お答えをいたします。  いま演習林の非常勤職員のお話がございましたが、演習林には教官、それから事務官、そのほかにいまおっしゃいましたような形の非常勤職員が働いておるというふうに私ども承知をいたしております。  それで御案内のとおり、教官とか事務官は定員内職員でございまして、常勤の職員として働いておるわけでございますが、いままでからこの演習林におります非常勤につきましては、非常に形態も複雑で多岐にわたっておるとは言えますが、季節的に九カ月ぐらいで働いていらっしゃる方がかなりいらっしゃるというふうに聞いております。これは常勤職員とは別のいわば季節的臨時的に雇用される者は非常勤職員として扱うということになっておりまして、その制度の中で扱っております。ただ待遇につきましては、常勤職員に置きかえた場合の一日当たりの単価を逆算をいたしまして、それで一、二非常勤職員には適用してない手当等もございますけれども、基本的にはそういうふうなもので待遇を考えていくというふうに処置してきておるところでございます。  ただ、いま先生がおっしゃいました給与の格づけ等につきましては、非常勤の職員はいわば事務を補佐する、技術を補佐するという、いわば補助的な職員というふうなことから、係長等に適用されます六等級の号俸を使うというのは、いわばそういう職階制というふうな考え方を厳密に考えていきますとなかなかいかないというふうなことで、六等級の初号未満のところで給与を決めるというふうなことで今日まできておるわけでございます。ただ、五十三年であったかと思いますが、一部非常に、何といいますか、重労働といいますか、というふうなことをやっていらっしゃる方につきましては、これは協議によりまして、いまおっしゃいました行政職(二)の方の三の十を越えまして十三あたりまで格づけできる道も最近から開いてみておるわけでございます。いろいろまだまだ研究しなければならない問題もあろうかと思いますが、現在はそういうふうなシステムで取り組んでおるところでございます。
  62. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 お話はわかるんですけれど、たとえば九カ月という場合でも、林野の場合なら基幹作業職員という制度になって、あるいは扶養手当であるとか、いろいろなものも当たるようになっているわけなんです。同じようなことをやっていて、大学にたまたま働いていたからその制度に当たらないというのは大変不合理だと思いますし、それからお言葉を返すようですけれども、中には三月三十一日に切って四月一日にまた採用と、こういうような人もおるのを御存じですか。  それはどうなんですか、そういう人は。
  63. 國松治男

    ○説明員(國松治男君) いまの任期の問題でございますが、非常勤職員につきましては三十六年に閣議の線がございまして、年度を越えないところで任期を定めてやっていくというふうなことできております。したがいまして、原則的には先ほど申し上げましたように、非常勤職員というのは臨時的職務あるいは季節的職務に従事する者を充てるわけでございますので、そういう期間を考えまして年度を越えないということで三月の末で切るというふうなことでやっております。ただそういう場合も、三月末、三十一日で退職して一日で採用するというのではなくて、一日、二日切れた形でやっておるというふうに承知をいたしております。
  64. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 ですから、一日か二日しか切れないんですよ。これはもう明らかに通年雇用なんです。そうでしょう、実際は。したがいまして、そういう点もう少し現地の事情を大学当局あるいは文部省としても十分考えて、同じ国の仕事をやっていながら学校関係はやっぱりどうも安い。もう学校だとか教育を奉仕と言う時代じゃないんですから、実態に合うようなこれらのささやかな配慮を一つ一つやっていただきたい。さしあたって十三までいけるようなことも考慮しているということで、これはぜひ、だんだんと永年勤続で頭打ちの数もふえております。  これらについてはひとつ大臣にお願いしますが、こういう文教関係というのは他の同じようなのに比べて非常に低い面が多いんです。これらなんかでも明らかに非常に問題だし、本当に実情を調査して、気の毒だなという気がしました。それから地域の、たとえば林野庁に勤めておる人たちでも、おれたちの方はある程度こういうふうにいったけれども、せめてそこまで同じ働く仲間としていけるようにしてもらいたい、寒冷地手当の問題だとか扶養手当の問題等もそうなんですが、それらを含めていろいろこの種大学演習林、遠いところでなかなか見えないことですが、何というか、温かい配慮を大臣にお願いいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  65. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 委員から文部省にとりまして非常に温かい御質問をいただいたと私は承っておりました。他省との横並び、同じような仕事の内容であるのに横並びに不整合がある、この問願は末端へいきますとときどき私たちもそういうことを感じることがございます。果たしてそれがどういう理由できておるのか、篤とこれは調査をせなければならぬ点だと思います。  それから、先ほど住宅のお話がございましたが、私たち一般的に考えておれば、これは当然定員になっておる正式の職員の住宅がまず確保されなければなりませんし、それがまだ不足しておるというのが全体的な判断だと思います。ところが、いま御指摘になりましたのは演習林でございますので、恐らく僻遠の地、あるいは僻遠でないかもしれませんが、そういうところであろうと思います。で、ここの状況判断は私はその場に応じた判断が、先ほど会計課長からも申し述べましたような判断の範囲内で可能であればやっていくことができるのではないかと、こう思います。ただ、非常に具体的なお話でございますので、東京におりましてそういうこともあるだろうなという感じを、いま委員の御質問を聞きながら感じておりましたけれども、現地における状況によって判断をするべきものだと思います。  非常に激励の御質問をいただきましてありがとうございました。
  66. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 次に、これは大臣の大変喜ぶような質問を申し上げたいと思っておりますので、ちょっとこれをそちらへ。(丸谷金保君資料を手渡す)  学校給食にこういう方法をやればもっと米飯ができるじゃないかと、丸谷私案。これは昭和五十二年に当時の農林大臣の鈴木善幸さんに提議したときも、十分検討してみると、そのときの議事録を後ろにつけておきました。農林省の方には米の消費拡大ということで再三にわたって言っているんですが、考え方としては了解してくれますけれど、なかなか進まないというのは、やっぱり文部省の方が昔からパンを食えば頭がよくなるというふうなパン給食ということのシステムの中につかっておりますので、なかなか積極的にならないというところに原因があるやに聞いております。しかし、今回は文部大臣は積極的にこの問題を取り上げるということでございますから、私たちの地域の何といいますか、町村長の経験を踏まえた中で、こういうことをやれば町村もきっと乗ってくるよという案を再度ひとつここで御質問したいと思います。  称して学校給食用炊飯システムセンター方式というのです。これは少なくても十万食単位で四億あればできます。十万食単位で。現在の一気にどんどん四時間、四時間の稼働で十万食単位のものはその程度できます。五万食であれば二億五千万ぐらいでできるんです。これは記録にもありますけれど、農林省が補助金を出している食品流通システムセンター、そういうところで試算した計画なんです。これを米の中心の市町村に一部事務組合をつくらして経営主体にする。いまの学校給食の施設に米飯の施設をつけるということは不可能なところが多いんです。だから一週間のうち二日ぐらい弁当を持ってこいと、そういうことになりますと、アンケートをとると都会のお母さんたちは反対と、こうなるんです。文部省の方はPTA会反対だからなかなか一気に進められない、こういうことなんです。従来のパターンの中でやろうとするから反対になるんです。弁当持ってこなくてもいい、全部炊いたものを子供に食わせるぞとなったら、都会地におけるPTA会の反対の声もうんと違うと思います。それをぜひやっていただきたい。  そのことをここに詳しく書いてございますが、財源については補助率二分の一にして残りは起債、特にこの制度については非常にいま財源難の折りですが、幸い農林中央金庫には資金がだぶついているんです。米の問題ですから農協にも協力させれば農林中金あたりの財源を何らかの形で起債財源に振り向けることは私は可能だと思うんです、やろうと思えば。  それから、この償還については――自治省来ておりますね――この償還については基準財政需要額の中で見込むということにすればどうだできないかと、しかも食器から何から全部持って、そこでもって早くできた米は遠いところから配るということにすれば、相当広範囲の地域でもそういう集中的な米飯給食の体制はできないことないと思うんです。そして運営費については、現在も、たとえば給食については一週間二回というふうなことで給食費の助成というのは交付税の中にも入っております。これらを五日間なら五日間にするというふうなことで多少の賄いはつきますし、さらに、それらについては農林省、文部省ひとつ思い切って運営費に対する助成を考慮するということになれば、一部事務組合をつくって、特にまず米の生産地の市町村長――ぼくは何組か市町村長十人、十五人と陳情に来るグループに、あなたたちのところでできないかと、こういう方法で具体的におりてきたらそれはもうわれわれとしてはやらざるを得ないし、やる構えにしなければ生産農民からも突き上げられるだろう、ただどういう形で積極的に――丸谷先生何ぼあなた二年前から言っていてもおりてこないよと、こういうことなんです。実現可能な方向として一つの案を御提案いたしますので、ひとつ文部大臣のお考えをお伺いいたします。
  67. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) まだ余りこの勉強が足りておりませんので、先生の御提案のセンターシステム、センター方式なるものに対しまして十分なお答えができないのは大変残念に存じますが、文部省の方といたしましては、学校給食の問題を米が余っているからという見地で取り上げるわけにはまいりません。やはり教育的な効果、子供たちの体力づくりあるいは一つのしつけの問題ということでございますけれども、しかしやはり日本の国で生産されたものを食べていく食習慣というものは当然大切な子供のときにつけられるべきであるという見地から文部省としてはこの問題に取り組んでいくべきだと思います。  いま御指摘がございましたように、実はこうして一週間のうちに二度の米飯給食という計画を立てて進めておる現状でございますけれども、実は都会地におけるなかなか進捗率が進みませんのが非常に残念に思っておるわけで、これに対する対策を従来からも文部省はやっておったようでありますが、何かそういうところにいい考え方をやっていって進めていく必要があると思っております。  ただ、私もまだこれは研究をさしていただいておりませんのでお答えがしにくいんでありますが、従来こういうたとえば病院給食の問題とかいろんな問題、あるいは一般の給食の問題に少し携わっておりました者の立場から見ますと、一番難点は配達をいたします交通渋滞、この問題が都会地ではもう想像以上に大きい障害に実はなっております。どれだけの配達区域を持つか、その時間がどういう時間であってラッシュ時その他の問題等もいけるかというところがどうも、学校給食はまだ経験いたしておりませんが、ほかの問題ではそこがポイントのように私は以前から思っておりました。先生の非常に大きな、十万食単位と書いてございます問題について、都会地にこれをやります場合に篤とひとつ検討はさしていただきますが、直観的にそういうところに少し筋を入れた検討をしていく必要があると、こういうふうに実は思っております。これから篤とひとつ検討さしていただきたいと思います。
  68. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 大臣、これは輸送の問題とかいろいろうまくいかないんでないかということを考えれば幾らでもそれはそういう反論も出ます。ここではそれについて一々反論している時間もございませんが、さしあたって農村の米作地帯だったらできるんですよ。いまのようなことはないんです。  それから、給食の問題については、たとえば文部省は昔は漂白したパン粉を使えといって押しつけておりました。私は栄養的な観点からいうと漂白パンはだめだと言って最初から抵抗してそれを使わないでやったのです。色つき食品もだめだ、そういうものを使うべきでないと。そういう教育を文部省は、いま大臣の言われたように、必ずしも腹をいっぱいにすればいいということでないとすれば、子供の栄養を考えたら、そういう点ももっともっとやらなきゃならぬことがあったはずなんです。これも私たちはタール系の赤色何号というふうなものを使っている食品はだめですよという主張もしましたけれど、厚生省がいいと言っているからいい。その厚生省はアメリカがいいと言っているからいい。アメリカがだめだとなったのです。厚生省はあわ食ってだめだと言い出した。日本の食品業界はそれを直すようにしたのです。  そういうふうに私は子供の栄養だとかいろいろな立場も考えながら実際に体験してきた立場でこれはやれると思うんです、やる気になれば。そういうことを十分踏まえて真剣にひとつ検討していただきたい。早く検討していただかないと、大変いいという農林大臣がすぐやめてしまうんですよ。ですから、今度は新任早々のときにこのことについては言っておかなきゃならぬと。学校給食の問題についてはたくさん言いたいことがありますけれども、きょうはもう一件ありますので、その点についてはこれくらいにしておきます。いまの学校給食のあり方や姿勢についてわれわれはずいぶんいろんな点でだめじゃないかということを言ってきている経緯もございます。その点でひとつこれはまたとっくりと提言をしていきたい。  それから最後に、時間も少なくなりましたが、青少年オリンピックの記念センターですね、総合センター、このことについて、これはいま国の所管に移すということが何か決定をしたというふうなことです。実は私、大変これで心配するのは、国営移管がいいか、いまのままがいいかということの論議はさておくとしても、ただ一つ減らせばいい、そうしないと放送大学が日の目を見ないからというふうなことで、何の将来に対するビジョンや構想もなくて、ただ所管を移すというふうなことではいけないと思うんです。  私は子供たちを連れてあそこへ何度も泊まったことがあります。その限りで、パイプがさびたり水が出なかったり、いろいろもう本当にあの現在の建物はがたがたです。あのいい場所に、日本じゅうでの一番のいい教育の場としてもすばらしい場所です。あんなことしておくのはもったいない。だから今度は移すのなら移すで、こういうビジョンで青少年教育のために積極的にやるんだというふうなものが打ち出されないで、ただ一引く一はゼロだなんというような調子の算術計算だけでいま安易にこの問題が論議され、そして移行されようとしていることに対しては私はもう大変不満なんです。ばたばたとしないで、もっと論議をかけて、実際は天下りに対する批判もありますけれど、あそこの管理に行っている文部省の天下りの人というのは実に熱心です。あの中で本当によくやっていると思います。だから天下りの中にもいいのもいるなと、私はこう見てるんです。ですから、それらの人たちの考えていること、それからまた、あすこを取り巻くいろんな状況の中で、ひとつ国際的な交流の場としても誇るに足るような記念青少年総合センターにつくり上げる、そういうために国営にすることがいいんだとか現在のままがいいんだとかいうような論議を踏まえないで、簡単に国営にすることには私たちは賛成できないので、この点について文部大臣のひとつ所見を伺いたいと思います。いまは何にもないんですよ、そういうことが。
  69. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) この問題はすでにもう以前から議論がありまして、国会にも法案を提案してお願いをしておる、そういう経緯があるわけでございます。いま先生のおっしゃいました点は、私は非常にもっともだと実は拝聴いたしておったわけであります。  私がこの問題について考えておりますこと、これは恐らく文部省もそういうことでやっておることと思いますし、私と文部省が変わった意見を持っておるものだとは私は少しも考えておりませんが、やはり少し従来のいわばオリンピックの選手村のあの建物その他建築物をどう利用し管理運営するかというその問題よりも、青少年教育のいわば中心になるような一つの組織という意味で積極的な意味がなければいかぬという御指摘、私はそのとおりだと思うのであります。それを特殊法人がいいか国で持った方がいいかという議論になると思いますけれども、とにかくそういう研修にしても少し高度の研修もできる、それから全国の青少年のそういういろんな研修の各組織の中心になるような積極的な調査なり情報なり、そういうものもやるというような積極面をやっていく必要が私は将来これからはあると思っております。  その場合に、いまの段階でいろいろ判断をしたんだろうと私も思いますし、また私もそう思いますが、そういう機能またそういう働きを国の組織としてやっていく必要の方がより便利でないか、それの方がより有効でないか。従来の選手村の建物をどう利用するかという、どっちかというと管理に重点を置いたものをもう一歩進めていく必要がある、その進めていく必要のときに、確かにいま御指摘のように行政機構の改革等の問題が出たこともこれは事実でございますが、もちろんそれもにらみ合わしてのことになるとは思いますけれども、国の組織としていわば積極的な従来の要望もあったと思いますし、これからもなけりゃならぬと思いますが、青少年組織、研修組織等の中心としての機能を高めていく、そういうところに私はお願いをいたしておる趣旨がなければならない、こういうふうに感じておるわけでございます。
  70. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そこで大臣、たとえば昭和五十二年にこのセンターのあり方についてということで、ここの拡充推進青少年団体の委員会からも要望が出たりしてるんです、早くマスタープランつくってくれとか。しかし依然としてそれらのものは明確にできておりません。それから総理府の方でも青少年の教育と実践というふうなことでいろんな案が出ております、こういう文章は。しかし読んでみても、どれもそういう意味で壮大な青少年教育のあり方かくあるべしというふうな構想がないんですよ。こうなければならぬ、なければならぬと、要するに昔の修身の教科書のような。こうしなきゃならぬ、こうしなきゃならぬというだけで、こうするんだというのがまだ一つも出てないんです、あすこについて。これがなしに国にただ簡単に移したってぼくはどうもならぬでないかと思う。それから、いまの大臣の御説明を聞いておりますと、これはやっぱりあそこを管理するという――体育局がいまやっておりますけれども、まさに大臣の御答弁は社会教育としてどう扱うか、所管からして考えなきゃならないんですが、そこら辺、一体文部省ではどう考えているんですか。
  71. 望月哲太郎

    ○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。  一点、まずオリンピックセンター、現在は大臣も先ほどお答え申し上げましたように、オリンピックの選手村の建物を活用しながら今日まで運用してまいりました。御指摘のように、建物がずいぶん老朽化いたしました。またもともとがそういう施設でございますから、研修ということを前提に置いて整備されたものでもございませんので、施設としてのおのずからの限界がございます。  そこで、かねがね青少年団体等から、あれを一遍抜本的につくり直して青少年団体その他青少年教育関係者が活発に活用できるような、そしてまた単に建物の利用だけでなく、青少年教育のあり方を示唆するようないろんな具体的な活動ができるようなものにすべきであるという御意見が出されておりますし、それにはいろいろ御意見もありますけれども、国が直轄で責任持ってしっかりやれと、そういうふうな御意見もかなり強く出されておるわけでございます。  そこで、私どももこの問題が出てまいりましたのを契機に、文部省にオリンピック記念青少年総合センターの施設整備の基本計画をつくる調査会を設けまして、青少年団体あるいはスポーツの関係の方々、その他学識関係者の方々の御参加をいただいて、現在あそこを全く新しい構想で整備するための計画をいろいろ御審議をいただいておるところでございまして、私どももこの御意見をいただきました上は全力を挙げて新しい青少年教育のためのビジョンをそこから生み出すための施設として整備をいたしてまいりたいと、このように考えておる次第でございます。  なお、所管は先生御指摘のように、かつては体育局にございましたが、現在は政令を改正いたしまして社会教育局に移しまして、もちろん社会教育活動の中にはスポーツも含まれるわけでございますが、より広い立場からいろいろと今後の施設の運営のあり方について鋭意検討を進めさしていただいておるところでございます。
  72. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 時間でございますから、要望だけにとどめます。  大臣、こういうことですから、これから検討するのですよ。いつもそうなんです。検討し尽くして、こういうふうにやるべしだという結論が出て、それでそのためには国営だと、こういう理論でないのですよ。国営にしておいて検討しようと。逆なんです。私が指摘しているのはそのことなんです。よくひとつお考えいただいて、いまのまま、こんなさっとやったってだめですし、まして行政の簡素化だとか行政の整理だとかというものになじむものでないのです。いま答弁された方は局長さんですか、言われておりますように、もっと積極的にうんと大きくしていかなければならないので、行政整理の一環としてやるのでなくて、積極的な面でどうあるべきなのだと。行政整理の一環としてそんなことを取り上げるべきでないということを要望して、私の質問を終わります。
  73. 石本茂

    ○石本茂君 私は、幼児教育の実態についてまずお伺いしたいと思うのです。  最近、盛んに健全育成という問題が出たり、あるいはまた学校教育の中で徳育の問題が欠けているのじゃないかなどなど世間では言っておりますが、私は、人格育成の基盤はむしろ乳幼児期の養育環境にあるのではないかと考えておる者の一人でございます。文部省は四、五歳児の幼稚園入学希望者を全員入れるということで増強を図っていてくださることを大変喜んでいるところでございますが、現在公立、私立の幼稚園が一体全部で幾つ国内にございますのか。そうしてさらに例の年少児、満三歳児だと思うのですが、年少児を収容している施設は何カ所ございますのかをお伺いいたします。
  74. 諸澤正道

    ○説明員(諸澤正道君) 昭和五十四年度の五月現在でございますと、現在国公私立幼稚園の総数は一万四千六百二十二園ございまして、そのうち国立四十七園、公立五千九百五十一園、私立八千六百二十園、こういうふうになっております。  ところで、いま御指摘のように、三歳児の教育を行っている園数といいますと、これはまだ大変少のうございまして、全国で六千五百三十三園ということになっております。比率にしますと全幼稚園の四四・七%、こういう状況でございます。
  75. 石本茂

    ○石本茂君 そこで、年長児の問題だと思うのですが、数年前から幼稚園の義務教育化が叫ばれてきていると思うのですが、この義務教育化については当局はどういうふうなお気持ちを持っていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
  76. 諸澤正道

    ○説明員(諸澤正道君) 幼稚園の義務教育化ということの具体的中身は、幼稚園就園を希望する者を全員入れさせる一方、幼児教育の必要性から親の側にも就園を義務づける、こういうことだろうと思いますが、確かにそういう意見もございますけれども、わが国の現状から考えました場合に、現段階ではむしろ希望する者はとにかく全部入れさせよう、そういう施策をまず考えたのが、先ほど御指摘がありましたように、昭和四十六年から五十七年の当初までに四、五歳児の全員就園を図るに足る幼稚園を整備するということでございまして、現在私立の幼稚園はほぼ計画どおりいっておりますけれども、公立の幼稚園につきましてはまだ必ずしも整備が予定どおりいってないということからしまして、四歳児の就園率は当初の計画よりも若干下回っておる、こういう現状でございます。
  77. 石本茂

    ○石本茂君 私がなぜこういうことを言うかといいますと、特にいまお話がありましたように、やはり私立の幼稚園が公立よりも多いということ、そして入園料といいますか保育料といいますか、非常に高額になりつつありますというようなこと、そういうことを考えますと、年長児を抱えている親は、幼稚園にやらなければならないのだという、これはどう言いますか、子供のためもありますし世間体もあると思うのですが、そういう気持ちが非常に大きくなってきておりまして、保育所に預けている子供も年長になりますと幼稚園に入れたいというのが皆親の願いでございますので、経費の問題等々、それから教育の重要性ということを考えまして、できることなら義務教育化になった方がいいのじゃないかとひそかに願っている一人でございますので、このことを特に御検討願って、できるものなら一日も早くその方向に向いてもらいたいと思う一人でございます。  それから、なお、都市にもございますし地方にもございますが、これは公立私立を含めてなのか私立だけなのか、午前中は幼稚園の授業をいたしまして午後保育に切りかえている施設がだんだんふえているように思うのです。で、幼保一元化という声も大分前から出ておりまして、これは幼稚園と保育所との兼ね合いの問題もあるわけでございますが、こういうふうに午前中は幼稚園としての活動をし午後は保育所としての活動、もちろん無認可保育所でございますから国の補助金ももらっておりません。ですからこれは問題ではなく、文句を言う筋ではございませんが、そういうものが一体どれくらいありますのか、もし掌握していらっしゃいますならこの機会に教えていただきたいと思います。
  78. 諸澤正道

    ○説明員(諸澤正道君) おっしゃるような幼稚園なり保育所がどのくらいあるかというのは現在のところ調査がございませんので具体的にお示しできないわけでございますが、ただ、この問題は昭和四十六年の中教審答申でも、現在の幼稚園と保育所の実際の配置の状況からして、場合によっては一つの施設について幼稚園と保育所のいわゆる二枚看板でございますね、そういうことも考えられるという提案がございまして、そういうことを受け、現実の必要もあって、たとえば一つの敷地内に幼稚園と保育所と施設を区切りまして二つの認可を受けて、いまおっしゃるように午後は保育所として施設を運営するというようなところもございますし、中には幼稚園自身が一部の子供についていわば保育の延長という形で午後やっているところもあるというようなことで、これは実態に応じましていろいろ態様はあろうと思いますけれども、われわれとしましては、現在の幼稚園、保育所の施設の配置状況等からして必要があればそういうこともやはりやっていくことが現段階において妥当ではなかろうか、そういうふうに思っております。
  79. 石本茂

    ○石本茂君 そこで、いま申しておりますように、幼保一元化の問題とか、それから幼稚園の重要性、これは例の私立幼稚園につきましては就園奨励費の補助金が年々高まってきておりますので大変喜んでいるところでございますが、来年度あたり財政の緊縮化がございますのでこういうものがどこまで実現してまいりますのか私なりに憂慮しているところでございますが、大臣、いかがでございましょう、幼児教育の問題をめぐりまして、幼稚園の重要性はもう痛いほどわかっておるところでございますが、先ほど局長さんにも申しましたように、幼稚園と保育所の一元化問題、それから私立幼稚園の助成の問題などをめぐりまして、大臣、どういう御見解をお持ちなのか、ちょっとお聞きしておきたいと思います。
  80. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 私も保育所の方の問題にもかかずらわっておることも過去におきましてもありますし、幼稚園の問題も問題点があることも十分承知をいたしておるわけでございます。  幼保一元化の問題はなかなか結論の出しにくい問題が正直なところいまの段階であるように思っております。出しにくいと申しておりますことはいろんな理由もございますが、とにかくこれが管轄の役所が違っておる、そういう問題ではなくて、片一方はやっぱり教育の問題を言いますし、片一方の方は、何と申しますか母親の手がそこまで届かないという意味のその保育ということになりますので、預かる時間にしましても何にしても違ってくる、これはもう当然のことだと思うんですが、しかしまた国民の期待から申しますと、物によりますと保育所も幼稚園も同じような動きをしてくる部門が幼保の中にもあるし、また事実あるわけです。保育だからといって教育的な効果を全然なしにやれるかというと、保育所の中でも手があれば教育的なしつけの問題その他もやっていこうということもあるわけでございまして、なかなか問題が実は一刀両断にやるのにはむずかしい問題であるというふうに、私も両方関係しておりました上から考えておるわけであります。  いまそういう問題を含めまして厚生省や文部省関係のところでこの両方の運営、施設その他をどうするかという懇談会を設けまして、学識経験者の方々等にひとつ十分御検討願いたいということをやっておることは石本先生も御存じだと思います。こういうところでの議論その他もひとつ十分こなしていただきまして、そして国としてはどういうふうにやるかということを考えていく必要があるんだろうと思います。  いまは、文部省の方は幼稚園教育をやっていくんだということで、先ほど申されましたような四歳児、五歳児――三歳児のところまでは若干手が届きかねておりますが、四歳児、五歳児の十分受け入れができるようなことをやれという大きな方針を持っておるわけでございますし、いたしますが、さてその両方をどういう形でやるかということになりますと、正直なところ地方地方の実情に応じてそれぞれの分担で余り地域的に偏差がないようにやれというぐらいのところとか、必要があれば幼稚園の時間を過ぎた後のものはどうしても保育的な預かりをせにゃならぬというところがあるならば、二枚看板でもそういうことも場所としては認めざるを得ぬじゃないかというような、言ってみますと大きな問題に対して周辺をうろついておるというのが正直な現状でございます。これは、しかし何とかひとつ関係者の皆さんの英知も集めていただいて大きな方向を立てていかなきゃならぬと、こういうふうに考えておるのが率直な現状でございまして、大変不十分な御返事になったかと思いますが御了解を願いたい、かように考えるわけでございます。  それから、幼稚園の問題に対しましての財政的な補助その他の問題、これは御存じのとおりになかなか厳しい財政状況の中で、ここしばらくの間に決着をつけていかなきゃならぬと思っておりますが、努力をする決心でございます。
  81. 石本茂

    ○石本茂君 御意見、御見解、大変ありがとうございました。よくわかりました。  次に、幼稚園に入る前の三歳以前の幼児、そして乳児、この教育につきましても文部省はいろいろ御配慮をいただいております。これは社会教育の中の家庭教育ということで今日までいろいろと項目をだんだんと増設してきていただいておるわけですが、この幼乳期の相談事業、これが始まりましてもう六年、七年、八年ぐらいになりましょうか、この実態、それから家庭教育学級というものも始められておりますし、それから家庭教育総合セミナー、これは今年度初めてでございましたが、こういう三つのものの実態についてちょっと承りたいと思います。
  82. 望月哲太郎

    ○説明員(望月哲太郎君) 御説明申し上げます。  第一番目に先生お取り上げになりました家庭教育幼児期相談事業でございますが、御承知のように最近核家族化もいたしまして、育児の問題についても若いお母さん方がいろいろなところで以前よりも学習する必要がふえてまいったということも考えまして文部省としてはいろんな施策を講じたわけでございますけれども、この家庭教育相談事業は昭和四十七年度から経費の一部を補助して実施いたしておるものでございまして、都道府県が初めて子供を持った親に対しまして往復はがきでいろいろとやりとりをいたしまして、わからない点についてははがきでお返事をしたり、あるいははがきでいろいろ御照会をいただいてそれに御返事をする、あるいはこちらからも積極的に働きかけるというふうなことをいたしております。  それからもう一つは、専門家の方々に地域を巡回していただいていろいろと幼児の育て方について、これは単に保健衛生の面だけでなくて、心理学的な問題、あるいは教育的な問題その他を含めましていろいろと御相談に応ずる。  それからさらに、子供を持たれた方々はそうは言ってもなかなか家庭をあけにくい、それには家庭に直接そういういろんな情報をお届けすることが必要ではないかということで、それにテレビ放送による家庭教育に関する情報の提供というものを組み合わせまして、そのテレビ放送の内容は、先ほど申し上げましたはがき通信等によりますやりとりの中で頻度高く取り上げられた問題を、さらに専門家等に御指導いただいて内容を整理をいたしまして、そういう番組をつくりまして御相談に応じておる、こういう形でございまして、逐年皆様方の御理解と御協力をいただいて予算がふえてまいっておりますが、現在四十二の都道府県で実施をされているわけでございまして、私どもとしてはこの仕事が家庭教育あるいは幼児教育に非常に大きな効果を上げているというふうに考えておる次第でございます。  それから家庭教育学級につきましては、昭和五十三年度で一万八千学級が全国で開催されております。それで参加者は百三万人でございます。この家庭教育学級で取り上げておりますのは、先ほどのは初めて子供を持たれたお母さん方が対象になっておりますので、三歳児、二歳児、一歳児、これは都道府県によっていろいろ対象の置き方はございますが、家庭教育学級の方はややもう少し年齢が成長した段階まで入っておるわけでございますけれども、そういう子供たちを持たれている方々がいろいろと家庭教育に必要なことについて学習をしていただいておるわけでございます。  その中で文部省といたしましては五千六百学級、総体が一万八千学級でございますので、全体の約三〇%につきましては国庫補助を行っております。国庫補助を行うに際しましては、やはりただ集まるだけではなくて、しっかり学習計画を立てるように、あるいは乳幼児を持つお母様方、それから働いていらっしゃるお母さん方あるいは新興住宅地の住民等、参加者の層をできるだけ拡大するような内容のものにし、また、そういうふうな運営をするように、あるいはできるだけ多くの方々の専門家の御意見を伺いながらしっかりした学級運営をするようにというようなことについて御理解をいただきまして、できればその学級が他の学級の運営にもいい影響を及ぼすようにということを配慮しながら国庫補助を行っている次第でございます。  それから総合セミナーにつきましては、先生初め皆様方の大変な御協力によりまして五十四年度の予算に新規が認められたわけでございますが、現在四十二の、この中に指定都市を三含みますけれども、そこから補助の要請がございまして、補助をいたしまして現在実施をされておるどころでございますが、これにつきましてはまだ初めてのことでございますので、その結果等につきましては実施したところからデータをいただきまして今後検討をし、できるだけさらに内容がよくなるように五十五年度以降も関係者の方々と一緒に知恵を出してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  83. 石本茂

    ○石本茂君 いま局長のお話にありましたように、核家族化が進行して若い両親が子育ての問題で非常に悩んでいる、あるいはまた幼児の教育、児童の教育問題等につきましても非常に悩み多い現状でございますが、こういう家庭教育を社会教育の面で振興を図っていただくということは私は非常に重要な問題だと思うんです。特に乳児の相談事業でございますね。これは地方に参りますと大変高く評価されておりますし、それから地域のテレビが利用されてその問題に回答を与えている。これは幼稚園以上の大変な効果を上げている事業でございますので、このことも来年のことを憂慮するわけじゃございませんが、本当の一枝葉末節的なものだというような見方でなく、予算的にもそう大きなものでないと思うんですが、こういうものが縮められていくということになりますと、世の中で盛んに人格育成だとか健全育成だとかなんだかんだと言っておりますけれども、私はやっぱり家庭というもののかたまりをきちっとしていく、そして子供を育てる親の理念を育成していく、そういうふうなことを考えますと、これはどうしても今後に向かって大きく振興していっていただきたいということを願っておるわけでございますが、大臣いかがでございましょうか、こういう事業の振興につきまして今後の大臣の御見解をちょっと承りたいと思います。
  84. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) いま先生から御指摘がございましたように、私たちは大きないま社会の変化がございますが、その中における非常に顕著なこれは変化の対応策だと実は考えております。核家族化してしまって適切な助言のできる、いわば人生の経験のある高年齢者が一緒に住まなくなってきた、近所にもそういう方々が少なくなった、そういう人口移動、都市集中等々の状況の中に若い人たちがあるだけでございます。したがいまして、そういう社会の大きな変化に対処する対策としてこれはどうしてもやっていかなきゃならない重要なあれだと思います。まさにその点においての知識その他が不十分でございますために非常な不安が若い諸君の中にあることは事実でございます。そういう意味で、この問題に対してまだ不十分でございますけれども、今後の努力を続けていかなきゃならぬ分野であるというふうに考えておりますので、今後ともひとつ御指導を賜りながらやってまいりたいと思うわけであります。
  85. 石本茂

    ○石本茂君 大臣、御退席いただいてよいと思います。ありがとうございました。  次にお伺いしたいのは婦人の生涯教育の問題でございますが、もうすでに国立婦人教育会館が発足いたしまして大変な効果を上げておられるというふうに聞いておりますし、それから各地域の、都道府県、都市等に対します婦人会館の設置につきます補助につきましても御配慮をいただいておりますということ、これは大変私は結構なことだと思っております。  なお、ずっと前からしておられます婦人学級でございますが、この婦人学級の実態、それから婦人教育会館のつくりました大目的というのは地域の婦人の体制づくりをする指導者をここで育成したい、あるいは国際的な会議等も持ちたいということであったわけですが、非常に大きな効率を上げております婦人教育会館で指導者の育成というものがどの程度行われておりますのか、お伺いしたいと思います。
  86. 望月哲太郎

    ○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。  先生の御指摘のございましたように、直接指導者を養成するプログラムをもちまして利用した団体は、五十三年度で三百九十四団体、利用いたしました団体が全部で千五百七十六団体でございますので、約二五%が指導者養成ということを銘打ってのプログラムで利用された方でございます。  なお、そのプログラムに参加された方々の数を申し上げますと約二万八千名でございまして、利用者総数十万二千人の中の約二七%でございます。  なお、はっきりと直接指導者養成とは銘打っておりませんが、婦人団体や婦人グループ等が利用する一般の研修を目的とした事業の中にも指導者養成の内容が含まれている場合も当然あり得るわけでございますが、ちょっとそれは数字の上に出てまいりませんので、実態といたしましては先ほど申し上げた数字よりも指導者養成の数字というものは上がってくると思いますけれども、数字で出ているものは先ほど申し上げたような状況でございます。
  87. 石本茂

    ○石本茂君 この婦人教育会館につきましては、もう設備等が完了したのだろうと思うんでございますが、やはり人員につきましては国家公務員の定員法で問題もございますけれども、やはり十分な活動ができる人員はぜひ存置していただきたいということをこの機会に私お願いしておきたいと思います。  それから、さっきちょっとお問いかけしました婦人学級、これはまあたくさん学級数があると思いますが、この学級の中身につきましては地域の教育委員会が認めたものが行われているということでございましょうか。それともやはり補助を出しております関係上、国も多少そういうことについて意見などを述べられることになっているのでしょうか。
  88. 望月哲太郎

    ○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。  まず婦人学級の全国での数字を見てみますと、昭和五十三年度開設数約三万四千学級、参加者は百五十六万人でございます。その中で千七百学級、約五%に国庫補助を行っております。国庫補助を行います際には、先ほど家庭学級のときにも申し上げましたように、学習の課題を明確にして学習計画を立てること、あるいは若い婦人、働く婦人等が積極的に参加できるような配慮をすること、学級運営についてもいろんな方々の御意見を聞いてしっかりした運営ができるようにして他のモデルにもなるようにということをお願いをして補助をいたしておりますが、個々の学級の内容につきましてまで国がこういうものに何時間、こういうものに何時間というところまでの指示はいたしておりません。ただ二十人集まって二十時間以上年間開いてくださいという枠だけ申し上げております。  これはやはり先生も御承知のように、社会教育は学習者の自発的な学習意欲を大切にするということが基本でございますので、私どもといたしましては直接そういうところまで介入はいたしませんで、むしろ婦人学級に関するモデルの例を資料にして各方面にお配りするとか、婦人学級に関するいろんな事例を集めて関係者の方々の御参考に供するというような形でできるだけ婦人学級の内容が年々充実したものになるような配慮は十分さしていただいておるところでございます。
  89. 石本茂

    ○石本茂君 よくわかりました。といいますのは、たとえば厚生行政の中で健康づくりの問題を婦人会を対象にやったらどうかとか、それからまた労働省の、どう言いますか、中高年の就業につきましての問題等々をめぐりましてしばしば婦人の名前が出てくるものですから、私はせっかく行われております婦人学級があらゆるものを総括、総合したような教育、教室になれないものだろうかということを考えたわけでございます。  なお、伺いますと補助金を出しているのは約半分でございますが、将来に向かいまして、全部三万何千というものは枠に入り得ないと思いますけれども、徐々に企画がきちっとできる方向に向かって御指導いただきたいと思いますのでよろしくお願いしておきたいと思います。  次に、専門職能人の養成についてでごございますが、時間の関係もございますので、特に私は医療従事者の養成についてお伺いをしたいと思います。  近年、医学歯学の方の養成のための施設がどんどん一県一校というぐらいにまでふえてきまして、これは国民の健康の増進、保持という意味では大変結構なことだと喜んでおる者の一人でございますが、医療というこの社会は医師だけではできないわけでございます。診断、治療――小さな無床の診療所でございますなら、一人の医者がいて、そして家族が協力し合って仕事ができるかもわかりませんけれども、やはりそうじゃない有床以上の病院、療養所ということになりますととても医者だけでは仕事はできない。医師の行う診断、治療をめぐって、それを補佐し、あるいはまたベッド看護職のように入院患者の生活を支えるというような業種が全部一応チームになって働いていくわけでございます。現在医師の数ももちろんまだ十分ではございませんが、非常に足りないと言われております看護職、それから特にこのごろ老人医療保健問題が出てきまして、リハビリが方々でできてきました。そうしますと理学療法士、作業療法士がすごく足りない。この教育は厚生省も専修学校か各種学校か、とにかく養成所ということで育成をしておりますが、文部省はどういう方向をお持ちなのか、この機会にお聞きしておきたいと思います。
  90. 佐野文一郎

    ○説明員(佐野文一郎君) 御指摘のとおり、作業療法士あるいは理学療法士の養成についての大学、短期大学における養成の対応というのがおくれているということは私は率直に認めなければならないと思います。御案内のように、すでに金沢の医療技術短期大学に関係の学科を設けまして、さらに五十五年度におきましては弘前に関係の学科をぜひ設けたいということで現在鋭意折衝をいたしているところでございます。医療技術者の養成についてはもちろん専修学校、各種学校が大きな役割りを果たしますけれども、最近の社会的な要請からいたしましても、その養成の中核はやはり少なくとも短期大学において対応するということが望ましいと考えておりますので、弘前に引き続いてさらに他の医療技術短期大学におきましても関係の学科を逐次開設いたしていくことができますように関係の大学とも十分に協議をし、財政的には非常に困難な状況のもとにありますけれども努力をいたしてまいりたいと思います。
  91. 石本茂

    ○石本茂君 いま局長も申されましたように、医療短期大学を国立の場合どんどん設置していただいておりまして十四校開設の運びになってきております。これは本当によいことであり、将来に向かっても全学部、全学科の中にこの医療短期大学を設けてほしいという希望を私は持っておりますが、看護の場合ですと、他の部門はよくわかりませんが、短期大学がせっかく発足します、国立だけじゃなくて私立もかなり高等学校を卒業して看護婦になりたい人の将来を考えて、学校教育法第一条要綱に基づくセットされた、設備された教育体制を持ちたいというので短期大学が軒並みにふえていこうとしておりますが、肝心かなめの専科の教員でございますね、看護の専科教員が有資格者がおらぬわけでございます。ですから、せっかく設置に踏み切りましても専科教師を一体どうしてそろえていこうか、あっちこっち引っ張りだこになっているのが古い――まあ昔という言葉じゃございませんが、東大の保健学科の卒業生がごく一部と、それから高知女子大学の看護学部を出た人々がごく一部へそれからせっかく国立で一校千葉大学の中に看護学部を設置していただきましたが、これもやっとことし卒業したということでございまして、将来教員として活動できるのはいつなのかということを考えますと、何か本当にこういう教師の陣容で学校教育法一条の要綱を整えて日々に進展してまいります医療の中で、ついて行くためのどういうふうな一体教育をしたらよいのかということで、実際看護業界は戸惑っている現状でございます。こういう意味で私はたとえ将来に向かってもよい、千葉大学のような看護学部を文部省はどこかにさらに増設する意図を持っていらっしゃるのか、いや、もうあんなものは一校だけでよいというような御見解なのか、その辺を承りたいと思います。
  92. 佐野文一郎

    ○説明員(佐野文一郎君) 御指摘のように、医療技術短期大学、国立の付属の看護学校等を切りかえていきますに際しましても、まず問題になるのは当該短期大学における教員の確保がきわめて困難であるということが問題になるわけであります。御指摘のように、千葉大学に看護学部を設置し、さらに当該大学に看護の修士の課程を設置をするということも実施をいたしております。また私立大学におきましては聖路加大学におきましても聖路加の看護大学も五十五年には修士の課程を設置をするという計画をお持ちになっております。逐次いわゆる学部レベルの大学は現在六大学ございますけれども、これらがさらに充実をしていくということを期待をしているわけでございます。  私どもは国立の看護学部は千葉大学の看護学部をもって終わりである、これでもう十分であるとは考えておりません。しかし、当面具体的にどの大学に続いて看護学部を設けるということもなお具体の構想としては固まってはおりません。看護学部をつくるにいたしましても、当該看護学部における教官の確保の問題がございます。社会的な要請が非常に強いということは十分に承知をいたしておりますので、諸般の情勢を考えながら関係の大学とも十分に協議をしつつ対応してまいりたいと考えております。
  93. 石本茂

    ○石本茂君 看護学部の増設につきましてぜひ積極的な御配慮をお願いしておきたいと思います。  なお、いわゆる専修学校、これは学校教育法の中に入れてもらったわけでございますが、ここの教員も大変問題がございます。せいぜい半年か一年間ぐらいの講習を受けまして、そして資格ではございません、ただ教える力というものをつけているわけでございまして、それではとても高等学校教育を受けて非常に複雑で高度化してきた医療の中で看護の仕事をしていこうという人たちに教えるためには余りにも情けない状態でございまして、私こんなことはとっぴなことかわかりませんが、文部省で短期、まあ臨時でもよろしいですから看護教員の育成というようなものを御検討いただけないだろうかというこれは欲望でございますが持っておりますので、お忙しい業界の中でございますけれども、このままでは相ならぬのじゃないだろうか、ただ同じレベルの看護婦が半年か一年くらい講習を受けまして、そして私は教員でございますと一体言い切れるのか――言い切れないわけでございまして、もがいているのが現状でございますので、この教育者の育成につきましても将来に向かって御検討いただきたいことをこの機会にお願いをし、御見解を承りまして私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  94. 佐野文一郎

    ○説明員(佐野文一郎君) 御指摘の点につきまして私どももかねて問題意識を持っているところでございます。具体的にどのように取り進めるかという点についてはいろいろと困難な問題もございますし、基本的には先ほど来お答えを申し上げておりますように、大学あるいは医療技術短期大学における教育の内容を充実する、そしてそれを拡充することによって、よりすぐれた指導者としての資格を持った方々を送り出すということがあるわけでございますけれども、いま御指摘のような何らかの工夫をして、さらにいわゆる看護婦の資格を持った専任教員というものがより適切な形で準備されることができるような方法というものを検討さしていただきたいと存じます。
  95. 志苫裕

    ○委員長(志苫裕君) 午前の審査はこの程度とし、午後二時四十分まで休憩いたします。    午後一時四十分休憩      ―――――・―――――    午後二時四十四分開会
  96. 志苫裕

    ○委員長(志苫裕君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、昭和五十一年度決算外二件を議題とし、文部省、科学技術庁の決算について審査を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  97. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 まず、私は、財政難と文教予算ということについて文部大臣と財政当局に認識のほどをお伺いしますが、答弁は時間の制約がございますので簡潔にひとつお願いをいたしておきます。  今日、財政危機が叫ばれておりますが、そのために財政当局は歳出の見直しを迫られております。不要不急の経費を削減すべきことはもちろんでございます。しかし、歳出の見直しをする場合に、一番大事なことは、文教、福祉関係費というものは私は前進はあっても後退はあり得ないのではないか、このように思います。中でも教育は戦後日本の得興の原動力であったわけですし、また、今後の日本の繁栄のためにはいわば人的な先行投資として一層の充実が望まれるわけでございます。そういう意味からしても、財政危機を理由とした文教関係費の削減どころか現状維持すらも適当でないと思いますが、満を持して登場された期待をされております谷垣文部大臣の認識はいかがなものでありましょうか。また、大蔵財政当局の認識もこの際伺っておきたいと思います。
  98. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 御指摘いただきましたように、今日の教育の問題は、単に今日的な段階だけでなく、かなり長期の見通しをいたしました際に、わが国の発展を考えました場合に、きわめて大切な案件であると考えております。したがいまして、財政状況がきわめて厳しいことはよく承知をいたしておるわけでありますが、教育の問題につきまして、そのことのために教育の大きな筋道が損なわれないように努めていかなければならない、かように考えておる次第でございます。
  99. 新藤恒男

    ○説明員(新藤恒男君) 教育の重要性ということを私どもよく認識しているわけでございますけれども、さしあたり五十五年度予算の編成に現在取り組んでおりまして、財政の再建ということが私どもの立場から申しますと大変緊急の課題であるというふうに考えておりまして、ただ単に文教予算のみならず、すべての経費について見直しを行っていかなければならない、そういう姿勢で臨んでまいりませんと財政再建が図られないということでございますので、現在におきましても、すべての経費について見直しをするという観点からもこの文教予算についても取り組んで、そういう観点から見直しをしているという状況でございます。
  100. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 そこで、まず、当面の重要な問題として義務教育教科書無償制度についてお尋ねをいたします。  この制度は、わが公明党を初めとした運動によって、憲法第二十六条で規定されている義務教育は無償であるという一環として昭和三十七年に実現をされたものであります。本来、あらゆるものが無償であるべきはずで、財政的な面から授業料や教科書など狭い範囲に限られていることすら問題であるわけでございますが、ところが、このわずかな教科書無償すらも時として財政難を理由にやめようとする動きがあるのは問題でございます。財政当局は次年度の予算編成時期に入ると決まったように教科書無償の見直しを持ち出しておりますが、憲法で保障している義務教育無償のわずかなあかしとしてこれだけ国民の中に定着しているものを、たとえ財政難が理由であっても、持ち出すことは私は不謹慎きわまりないことだと、このように思います。また、最近、所得制限を導入する考えもあるかのような報道もなされておりますけれども、大部大臣はこのことについていかがお考えでしょうか。
  101. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 厳しい財政の状況のもとに財務当局がいろいろと苦労をしておられることはよく承知をいたしておるわけでございますが、御指摘のように、義務教育学校におきます教科書の問題につきましては、憲法二十六条の精神を考えてみましても、また、すでにこれが定着をいたしております現状等から考えてまいりましても、文部省といたしましては、今後とも継続したいと考えておるわけでありまして、予算の時期に入ってまいっておりますが、財政当局と十分にひとつ協議していきたい、かように考えておるわけでございます。
  102. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 いま文部大臣の方は財政当局と十分検討して前向きで存続をという御意向の答弁がありましたが、私もそのとおり努力をしていただきたい。財政難を口実にして、先ほど申し上げましたとおり、人的な先行投資と言われる日本の将来をあがなう、そういうような大事な教育の教育費というものを削減するということは、私は、まず政府が主張しておる綱紀の粛正、行政改革の断行をやった後――最近の行革の問題でも、特殊法人の場合、十三法人がそのうち六法人ぐらいに減っていくんじゃないかと言われるような腰砕けの状態がうかがわれる状態では、こういうことを先行して断固やって国民の期待にこたえるということが私は第一じゃないか、このように思うわけでございます。  最近、人事院勧告の削減もありましたけれども、内閣委員会でいろいろ問いただして、こういうような公務員の給与を削るということで幾ら財源が浮き出したんですかと聞いてみましたら、たった――たったと言いますと不適当かもしれませんが、十億円であると言う。そういうようなことではなくて、やはり綱紀を粛正して冗費を節約し、肉を削り骨を切るというあの所信表明にあったとおりの徹底した行政改革をやって、こういうような日本の将来の大事な教育費というものに手をつけるような愚かしさはやめていただきたい。このことを財政当局にも強く私は要請もしたいし、また決意も聞いておきたいと思いますが、文部大臣は先ほどの御決意をいかなることがあろうとも持続し断行するお考えがあるのか、再度お聞かせ願いたいと思います。
  103. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 御答弁申しましたとおりに、教育の重要性にかんがみまして十分に努力をして継続したいものと考えておるわけであります。
  104. 新藤恒男

    ○説明員(新藤恒男君) 御指摘のございましたように、行政改革の断行とか、あるいは綱紀の粛正ということに取り組まなければならないことは当然でございます。ただ、私の担当していますのは文部省でございますから、全体につきましての具体的な話ということは申し上げかねますけれども、そういうことももちろん取り組まなければいけないと思いますけれども、財政の再建という立場から申しまして、やはりすべての経費に見直しを加えなければならないという観点から、私どもといたしましては、教科書の問題につきましても見直しを図らざるを得ないというふうに考えております。
  105. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 財政当局はそういうような姿勢であっても、文部大臣の方は、先ほどの御決意のとおり、われわれもしっかり後押ししますから、負けないでひとつがんばっていただきたいと強く要請をしておきます。  次に、教職員定数の最低保障存続についてお尋ねをいたしますが、いわゆる義務教育標準法の附則第三項によって、ことし限りの公立義務教育諸学校教職員定数の最低保障の存続についてお聞きをいたします。  過疎県においては急激な児童生徒数の減少によって教職員の定数を減少しなければならないわけですが、急激に減少を行うと人事の円滑化、教職員の新規採用等に支障を来すことにもなりますので、この標準法を改正して最低保障を継続してほしいということであります。この法律の趣旨でうたわれている実態が残っている以上、当然に存続させるべきだと思いますが、現在、全国でその対象となっているのは鹿児島県と秋田県の二県だけになっており、両県の見込みによれば、二年間の延長が認められれば人員整理などという重大な事態を回避できるので、二年間の延長を要望しておりますが、文部省及び財政当局にこの二年間延長の要望を実現していただくことができるのかどうか確認をしておきたいと思いますので、お伺いをいたします。
  106. 諸澤正道

    ○説明員(諸澤正道君) 御指摘のように、昭和五十五年度の公立小中学校の教職定員定数について、鹿児島県と秋田県では標準法に定める定数、これが明年度の児童生徒の減によって大きく下回るという見込みでございます。それで、こういう場合には、過去ずっと続けてきたわけでございますが、こういう急速に減少せる県については、前年度の定数の九八・五%に相当する定数は、急激な児童生徒の減があっても、これを保障するというのがこの制度の趣旨でございます。それで昭和四十九年度から始まった定数整理の五カ年計画は五十三年度で一応終わったわけでございますが、御指摘のように明年度についても同じような事態が二県について見込まれるということでございますので、従来とってきました措置の実績というものを私どもは念頭に置きまして、明年度につきましても同じような方向でこれを考えたいということで、今後、十分財政当局と話し合いをしてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
  107. 新藤恒男

    ○説明員(新藤恒男君) いま文部省の方から御説明がございましたけれども、私どもとしましても、今後、文部省と相談しながら検討してまいりたいと思います。
  108. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 次は、地方の国立大学の充実拡充についてお尋ねをいたします。  本年六月の高等教育計画専門委員会の中間報告でも、確かに地域的に均衡のとれた高等教育の質、量の充実、特に地方における国立大学の計画的な整備がうたわれております。まさにそのとおりでありますが、具体的にどのように進めるのかということになれば、地元に根差した必要な整備充実を図ることだと、このように思います。  そこで伺いたいのは、国立鹿児島大学についての問題であります。私の手元にも種々の要望が寄せられておりますが、御承知のように鹿児島県は肉用牛、豚の飼育数が全国一という屈指の畜産県でありますから、獣医師の確保が急務であるわけでございますが、鹿児島大学には、現在、農学部に獣医学科があります。これでは総合的に獣医学を研究するには十分でないので、獣医学部を創設してほしいという声が強いわけでありますが、いかがでございましょうか。また、最近打ち出された文部省の方針では、地方の国立大学を総合化して社会科学系を拡充させるということでございますが、鹿児島大学についても法文学部を法学部と人文学に二分して充実を図るべきではないかと思いますが、いかがでしょう、文部省の御見解をお伺いいたします。
  109. 佐野文一郎

    ○説明員(佐野文一郎君) 初めの獣医学部の問題でございますが、御案内のように、獣医学教育につきましては、五十二年の三月に獣医師法の一部改正が行われまして、従来学部四年卒で獣医師の免許試験を受けることができましたものが、学部四年の上に修士二年を積んだ六年の修業年限をもって獣医師の国家試験の受験資格と定められたわけでございます。この際に、将来の課題といたしまして、現行の修業年限四年の学部につきまして、これを修業年限六年の学部とするということが指摘をされているわけでございます。  現在、国立大学には獣医学関係の学科が十ございますが、この十の学科、いずれも入学定員三十ないし四十の小規模の学科でございます。したがって、この修業年限六年の学部に整備をするということの課題にこたえますためには、これらの小規模の学科について、それを重点的に整備していかなければならないということがございます。鹿児島大学の獣医学科の問題につきましても、そうしたわが国の全体の獣医学教育のあり方をどのようにこれから整えていくかということの課題の一つとして、現在、関係の大学にも検討を求めておりますし、われわれも鋭意検討を進めているところでございます。そのような観点から、これからこの問題についても慎重に対応をいたしてまいりたいと考えているわけでございます。  それから法文学部の問題でございますが、御指摘のように、地方の国立大学の場合に、人文社会系の学部を整備し充実をするということで、それぞれの地域で非常な要請がございます。われわれもこれにこたえて逐次検討を進めてきているわけでございます。鹿児島大学の場合には、まだ具体的に法文学部の改組につきましては大学の方から構想が出てきておりません。大学の構想が固まってくるのに伴いまして、私どもも大学側と十分に協議をしながら検討をしてまいりたいと考えます。
  110. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 獣医学部の方は強い要請でございますので、前向きの姿勢でひとつ検討をしていただきたい。法文学部の分割の問題は、大学の方でまだ具体的な要望がないようなお話でございましたけれども、地元に帰りましてその推進方を強く要請をしておきますので、出た段階でひとつ前向きで検討していただきたい、このように要請を申し上げておきます。  さらに、細かい問題でございますけれども、講座について御要望申し上げておきます。  講座について申し上げますと、鹿児島には桜島という活火山がございまして、この火山活動、降灰の被害などの研究のためにも、理学部に火山学講座をぜひ増設してほしいという要望も強うございますし、水産県でもある鹿児島県としては、水産学部のより一層の充実を図るために、国際海洋政策学講座あるいは漁具学講座を増設する要望もあります。最近、ようやく若者のUターン現象も見られるようになりましたが、何よりも、若者を地元に定着させるためには、地元を魅力あるものにしなければならないと思います。そのためには地元国立大学の充実という、こういう声にこたえていかなければ地元に若者が定着するはずもありません。このように地元に密接な関係を持つ講座の増設について、文部省はどのようなお考えをお持ちでしょうか、お伺いをいたします。
  111. 佐野文一郎

    ○説明員(佐野文一郎君) 御指摘のように、地方の国立大学の整備というのは非常に大事な課題だと私どもは考えております。具体的には講座なりあるいは学科なり学部なりあるいは大学院の整備の課題として出てまいるわけでございます。  御指摘の鹿児島大学の講座でございますが、国際海洋政策学講座の新設につきましては、五十五年度の概算要求の上におきまして取り上げているわけでございますけれども、これを具体的にどのように処理をするかということにつきましては、これから財政当局と協議をしながら、わが国の国立学校全体の整備の中でこれをどのように取り扱うことができるかを検討させていただきたいと考えておるわけでございます。火山学の講座につきましては、大学の方にそうした御要望があることは承知をいたしております。これも今後の鹿児島大学の全体の整備充実との関係におきまして、大学の方でもいろいろとそのほかにも計画をお持ちでございますので、それらとの関係を十分に大学にも御判断をいただき、われわれも検討をして対応をしてまいりたいと考えます。
  112. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 次は、社会教育主事の問題についてお尋ねをいたします。  学校教育以外で青少年や成人を対象にして行われております社会教育活動の重要性は、今日年を追うごとに増していると思いますが、これに対して国の果たすべき役割りも大事であり、そのために社会教育法で地方公共団体に対する国の援助についても明文の規定があり、財政当局もできる限りの財政的援助をすべきだと思うわけでありますが、大蔵省にこの点について確認を求めておきたいと思いますが、いかがでございましょう。
  113. 新藤恒男

    ○説明員(新藤恒男君) 社会教育の重要性ということにつきまして私どもよく認識しているわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、五十五年度の予算というのは大変厳しい環境の中で編成せざるを得ないということで、限られた財源の中で効率的な使用を極力図っていくという立場で考えざるを得ない状況にございます。そういう立場で五十五年度予算の編成の問題でございますけれども、私どもとしては取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  114. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 そこで、社会教育におけるかなめとも言うべき社会教育主事の量的質的充実が求められるわけであります。そのために、文部省としては、四十九年度から五カ年計画で、社会教育を行う市町村に対して都道府県所属の社会教育主事を当該市町村に派遣する、いわゆる派遣社会教育主事を三千人にするという構想を実行に移してきたようでありますが、今日、どのぐらいまで人員的に拡充を見、また社会教育主事の給与費の補助単価はどの程度まで充実をしてきているのか、あるいは社会教育指導員について月額報酬は幾らぐらいになり、それは何年ごろからその額になったのか、お聞かせ願いたいと思います。
  115. 望月哲太郎

    ○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。  先生御指摘のように、市町村におきます、あるいは都道府県におきます社会教育振興のためには、かなめとなってその地域の社会教育の全体の計画を立て、また住民の学習意欲を啓発し、またそれを組織化するための社会教育主事という職員が非常に重要な役割りを果たしておるわけでございます。そこで、本来、社会教育主事というものは都道府県なり市町村がみずから設置すべきものでございますけれども、先生御指摘のように、昭和四十九年度から市町村の社会教育をより充実するために、社会教育主事未設置の市町村において社会教育主事が設置できることを容易にするために、また最近は社会教育に関する住民のいろいろな要望というものが多様化しておりますので、その多様化した住民の要望により広く応ずるような有能な社会教育主事を市町村に設置することができるようにということを念願に、国が二分の一の給与費を補助いたしまして、都道府県にそのような社会教育主事を設置してもらって、それを市町村に派遣をして今日までその制度を続けてまいっておるわけでございます。  ただ、先ほど先生御指摘のように、当初三千名の予定で発足をしたがどのようになっておるかということでございますが、五十三年度で派遣社会教育主事は千五十人でございます。そのほかに昭和五十年度からスポーツ担当の派遣社教主事の制度も発足させまして、それが六百人でございますので、現在、それを入れますと千六百五十人でございます。  そこで、それから先どうかということでございますが、実は昭和五十四年度の予算編成に当たりまして、財政当局の方から人件費補助ということはいろいろと検討を要する課題であるということもございましたので、私どもといたしましては、とりあえず昭和五十三年度千五十人の数を昭和五十四年度においても確保してまいるという方針で対応いたしまして、昭和五十三年度、五十四年度は引き続き千五十人でございまして、明年度におきましても人員については千五十人で要求をいたしておるところでございます。  なお、給与費につきましては、単価につきましては年々必要な改善を行ってきておるところでございます。  それから、いまひとつ社会教育指導員でございますが、これは国と都道府県と市町村が三分の一ずつ給与を負担しているような形になっておりまして、市町村に設置されます非常勤の職員でございますが、現在、単価は国が一万七千円補助しておりますので、その三倍、五万一千円が社会教育指導員の報酬の金額になっておるわけでございまして、それは五十年度からそうなっております。四十九年度四万二千円が昭和五十年度五万一千円になりまして、自今いまのところ五万一千円という線できておりまして、来年度の要求につきましても、現在三千名の社会教育指導員の人員を三千三百名にふやすということで要求をいたしておりまして、給与の単価につきましては、明年度の要求は、五十年度と同様、五万一千円をベースに積算をして要求をいたしておるところでございます。
  116. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 社会教育指導員の報酬月額が五十年度から今日まで五万一千円のままであるということは、いかに非常勤であるとはいいながら少しひど過ぎるのではないか。今後の充実を要望しておきますが、これに対するお考えをお聞かせ願いたいと思います。  また、市町村において社会教育の中心になっていただいている社会教育主事の重要性が年々増していると思いますが、かなりの市町村では人材不足あるいは財政力の貧困などによってその設置状況はきわめて悪く、町村段階ではいまだにその普及率は六〇%にすぎない状態でございまして、多様化し、かつ専門化する国民の学習要求に十分対応することは困難な状況にあります。したがって都道府県教育委員会における社会教育主事を市町村に派遣する場合に、その給与費の補助を今後も継続して行い、計画によりますと五カ年計画でございますけれども、三千名にいまだ達していない状態でございますので、今後も継続して行い、一層の充実を期待いたしたいと存じますが、文部省の御見解もお聞かせ願いたいと思います。  ちなみに私のところには一県からこれだけの要望が来ておるわけですよ。これは全国的に来ますと相当な数になるんじゃないかと思います。約百十五件の要望でございます。そういうことで計画からしますと、大体五カ年計画でございますからそういうことでございますけれども、今後も継続をしてくれという趣旨の陳情でございますけれども、先ほどもそういう意味のことでまた予算の要求をしておられるということを聞いておりますけれども、やはり計画を完結するためには、どうしても今後継続をしていただかなければならぬと思うんですが、その二点を踏まえて御答弁を願います。
  117. 望月哲太郎

    ○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。  社会教育指導員の給与の単価につきましては、先ほど申し上げましたように、明年度は人員の増の方に力を入れておりますが、今後の課題として十分諸般の社会情勢その他も見きわめながら適正な改正を加える必要がある場合には十分検討さしていただきたいと思います。  それから派遣社会教育主事の問題につきましては、私どもといたしましては、この制度が社会教育の振興に果たしております役割りというものはきわめて大きなものがございますし、社会教育行政基盤の整備というものが現在非常に重要な段階にさしかかっておりますので、私どもといたしましては、この制度はぜひ存続をさせてまいらなければならないと考えておる次第でございます。
  118. 田代富士男

    ○田代富士男君 関連。  文部省関係に質問をしたいと思いますが、時間が余りございません。そこでまとめて質問をいたしますから、そのつもりで御答弁をお願いしたいと思います。  まず最初に、大平総理大臣がさきの所信表明で、日本固有のよき伝統を生かしていきたい、また文化の時代は地方の時代である、そういうところからさらに多彩な地域社会の形成をしてまいりますと、このようなことが提唱されておりまして、具体的な施策の展開を図るという決意発表を所信表明でされておるわけでございますが、文部大臣といたしまして、文化行政の推進に当たりまして、これを受けていかなる決意でお臨みになるのか、まず最初にお願いをいたします。
  119. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 総理の所信表明の中にございましたように、ゆとりと活力に満ちた地方文化圏と申しますか、地方文化を築いていきたい、地方の社会を持ちたい、こういうのが大平総理のお話の中心点であったように思っております。したがいまして、文部省といたしましても、中央、地方の間におきまする文化的な格差の是正を図っていって、地方におきまする住民の諸君、国民の諸君の要望にこたえていかなければならないと考えております。  当然、地方には地方としての固有の誇るべき文化があるわけでありますが、同時に、中央との間の格差を解消していくために、まず、その設備環境をつくっていく必要がある、こういうふうに考えておるわけであります。博物館でありますとか、あるいは民族博物館でありますとか、あるいはその他音楽等の鑑賞のできまするような施設でありますとか等々の施設を従来もつくってまいりましたが、今後もまた、この方針を続けてまいっていきたい。地方の固有の文化とともに、中央、地方の格差を是正する方向をとってまいりたい、かように考えておるわけであります。
  120. 田代富士男

    ○田代富士男君 ただいま文部大臣から、今後の決意として、地方の住民の要望にこたえていかねばならない、それには地方にはそれぞれの固有の文化がある、その文化の中央との格差をなくすためには施設の環境を整備していかなくちゃならないと御答弁をいただいたわけでございます。  そういう立場から考えますれば、わが国の最もすぐれた伝統芸能の一つといたしまして重要無形文化財に指定されております人形浄瑠璃文楽は、もともと大阪を発祥の地といたしまして江戸期以降多くの人々にはぐくまれて発展を遂げてまいりました。今日まで脈々と伝えられてきた国民的な文化遺産でございます。これは御承知のとおりでございます。しかも、わが国各地に伝承されたさまざまな人形劇の中で最も洗練されているのはもとより、世界に数ある人形劇の中でも最高の舞台芸術といたしまして国の内外に高く評価されるに至っているのでございます。しかしながら、この文楽も歴史的芸術的な価値にもかかわらず、戦後の著しい社会的経済的変化や、また文化的関心の多様化などの影響を受けまして、在来の存立基盤が次第に弱まり、文楽の公演自体というものが民間の経営努力のみでは困難な事態を迎えるに至ったのでございます。これは御承知のとおりでございますが、このために昭和三十八年には文楽の保存振興を目的とする財団法人文楽協会が設立されまして、これに対し国、大阪府、大阪市、NHK放送文化基金などが援助措置を講ずることになりまして、その保存振興を図るべく努力をしてきているところでございます。  こうした保存振興策にもかかわらず、文楽の現状を見てみますと、それが御承知のとおりに太夫、三味線、人形による三位一体の舞台芸術であるとともに、一つの人形を三人遣いで演じる類例のない操法であるために多人数の技芸員を必要とすること、そのために勢い出演料その他の公演経費がかさむことになってまいります。その反面、鑑賞に大きな劇場が適さないという観客席数の制約があるのでございます。こういうところから、公演実施上、他の芸能と比べて不利な条件が著しく目立つようになってきたわけでございます。このため、ある程度の助成措置があるとはいいましても、民間経営に頼っていては技芸員の待遇も不安定であり、舞台活動や将来の見通しにも絶えず不安がつきまとっております。したがって後継者の確保、養成もままならない。そういうような状況から、文楽そのものの存続も楽観を許さないというおそればあります。こういうところから抜本的な保存振興策を至急に講ずることが強く求められている現状でございますが、ただいまの大臣の決意の内容とあわせまして、こういうところから大阪で現在進められております国立文楽劇場がございます、その構想の一環であると認識しておりますけれども、その進捗状況というものがいまひとつ芳しくない、このように思われております。  そういう立場から私は質問を申し上げたいと思いますが、まず第一点は、現在どこまで計画が進められているのか、また、今後、具体的にどのように実施されるのか。  第二点は、特に一部用地買収がおくれているというが、その解決の目途はどうであるのか。  第三点、また早く建設をしてほしいという地元大阪からの要望がありますが、来年度予算確保はできるのか、また完成はいつごろになるのか。  四番目には、大阪伝統の、ただいま申し上げました文楽も後継者が少なくなっていると心配されております。後継者がなくなればこのような伝統芸能も滅んでしまいます。しかし、大臣のただいまの決意もございましたから、こういうような育てていく後継者が少なくなっているという、こういう問題にどのように対処されていくのか、四点につきまして御答弁をお願いしたいと思います。
  121. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 文楽がわが国の持っております非常に貴重な文化遺産であるということに関西大阪を中心といたしまして文楽が皆から非常に愛されておるということをよく承知いたしておるところでございます。    〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕 御指摘の諸点はそれぞれの対策を講じておるわけでございまして、後継者の養成、これはことに重要であろうと思っておりますが、すでに一部それを進めておるわけでございます。  また、御指摘になりました国立の文楽劇場をつくれという構想につきましては、五十二年に、まず、その基本構想を立てますために準備調査会を設けてまいりましたわけでございます。その後の進捗状況あるいは養成いたしておりますいろんな計画の進捗状況等々は文化庁の方からお答えをさしていただきたいと存じます。
  122. 別府哲

    ○説明員(別府哲君) お答えを申し上げます。  ただいま大臣からお答え申し上げましたように、昭和五十二年に国立文楽劇場設立準備調査会を設けまして基本構想の作成に着手をしたわけでございます。次いで昭和五十三年には施設計画の計画立案をいたしまして、現在、昭和五十四年度におきましては、約五千万円の経費を計上いたしまして基本設計を実施いたしているところでございます。来年度以降、できるだけ早い時期に実施設計、さらに建設へと進みたいと考え努力をいたしているところでございます。  用地の問題につきましては、御承知の大阪市内の高津小学校移転跡地を予定いたしておりますけれども、その東北すみに民家がございますけれども、これを大阪市の方において買収し、いい形にしてその上に建物を建てたいという計画でございまして、現在、大阪市におきまして土地の所有者との間に買収の交渉が進められているという段階でございます。すでに土地の実測も終わりまして、本年度中には買収は完了する予定であるというふうに聞いております。    〔理事穐山篤君退席、委員長着席〕  それから最後の技芸員の養成でございますが、御指摘のとおり、大変重要な問題でございまして、太夫、三味線、人形のそれぞれの分野につきまして昭和四十七年から東京の国立劇場におきまして二年課程で養成を実施いたしております。現在まで十七名がこの養成課程を終わって第一線に立って活躍をしておるわけでございまして、なお現在三名が研修を行っているという段階でございますが、大阪におきます文楽劇場が完成いたしましたならば、これらの養成事業は大阪の文楽劇場を拠点として行うという予定になっております。
  123. 田代富士男

    ○田代富士男君 完成の時期だけお願いします。
  124. 別府哲

    ○説明員(別府哲君) 現在のところ、われわれの見積もりでは五十七年度未完成を目途に努力をいたしておるところでございます。
  125. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 では、続いて科学技術庁にお尋ねをいたします。  民間核燃料再処理会社の計画についてお尋ねをいたします。  核燃料の再処理を民間にまで広げるための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正がさきの通常国会で私どもの反対にもかかわらず成立をいたしました。それから半年たちましたが、そのとき私たちが提起した核燃料の再処理そのもの、さらに民間に開放される第二再処理工場の建設についての不安感は、最近における原子力施設の頻発する事故によってますます増大をしているとも言えます。  そこで、去る五十四年十二月五日の、これは鹿児島の地元紙でございますが、南日本新聞に、民間の核再処理会社が設立されることになり、十二月十三日――きのうでございます、十三日に発起人会、創立総会を来年二月ごろ開く予定との記事が出ておりますが、このことは科学技術庁は御存じなんでしょうか。
  126. 石渡鷹雄

    ○説明員(石渡鷹雄君) お答え申し上げます。  先生御指摘のように、昭和五十四年六月、二年以上の国会審議を経まして再処理事業の民営化のための原子炉等規制の改正が行われたわけでございます。去る七月、電気事業連合会に再処理会社準備委員会が発足いたしまして、再処理会社設立のための準備が行われてきたわけでございますが、御指摘のとおり、昨日、十二月十三日、発起人会が開催された次第でございます。この結果、東京電力等電力十社及び関連会社九十社によりまして民間再処理会社は明年三月一日に設立される運びとなっておるわけでございます。
  127. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 では、この新聞によりますと、再処理工場の建設候補地としては、鹿児島県の徳之島――奄美大島でございますが、また鹿児島県の甑島――鹿児島の西側にある島でございますが、この鹿児島県徳之島、甑島などの名前が挙がっておりますが、九州地区になる可能性が強いと、この新聞には載っております。電力業界はこのように見ているという記事でございますが、こうした事実が本当にあるのかどうかお伺いをいたします。
  128. 石渡鷹雄

    ○説明員(石渡鷹雄君) お答えいたします。  民間再処理工場の具体的な地点についてはいまだ白紙であるとわれわれ承知をいたしております。近く設立されます新会社によって立地の選定が行われていくというふうに理解をしている次第でございます。
  129. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 再度お尋ねをしますが、この新聞によりますと、県当局の談話としては、県としては核再処理工場を徳之島などにつくることは全く考えていないと言っていると書かれておりますが、これは私も承知しておる事実はそのとおりでございます。最近の県議会の質疑の中でも、知事はこのことを三段論法の中ではっきり断っておるわけでございますが、県の方針がこうであるのに、いかにも九州地区、特に鹿児島県の徳之島、甑島が候補地として可能性があるように電力業界筋が言っているとすると、これはきわめて私は重大であると思います。この辺の事情はどのように把握しておられるのですか。
  130. 石渡鷹雄

    ○説明員(石渡鷹雄君) 先ほども申し上げましたように、電力業界といたしましては、従来から電気事業連合会におきまして第二再処理に関しまする技術的な諸問題あるいは所要の資金、そして立地の問題等、民間で再処理事業を行うに当たりましてのいろいろな問題を検討してきておりますが、立地につきましては、既存の資料をもとに机上で検討しただけであるというふうに理解しております。  そして肝心な立地の問題につきましては、特に原子力発電所の立地の場合につきまして電力業界は十分な経験を持っているわけでございまして、その基本的な理念は、地元の御協力なしに再処理事業が進められると考えていないはずでございまして、この精神に基づきまして、立地の選定に当たりましては、地元の御意向が十分反映されるという大前提に立って選定作業が進められるものと理解しております。  また、政府といたしましても、全く同じ考えをとるところでございます。
  131. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 地元の理解が得られることを前提として進められるとあなたはおっしゃいますけれども、新聞等にこういうことが出るということ自体、これはもう重要な問題だと思うんですよ。  最近の県議会における知事の答弁は「うわさのたびに本県の離島の名前が出てくる。委託調査はしたらしいが、率直に言って全く迷惑千万な話だ。これまでも再三言ってきたように、本県内に立地を認める気は毛頭ないことを重ねて明確にしておきたい。打診があったらはねつける」こういうような強い意向なんですよ。それであるのに、こういうようなことが出るということは、これは重大な問題であると思いますが、そこらあたりは長官どうお考えですか。
  132. 長田裕二

    ○国務大臣(長田裕二君) 原子力関係の施設などの今後の展開につきましては、ただいま原子力局長が申し上げましたように、まず国民の深い御理解をいただく、そういうようなことを一つの出発点として今後の展開を図ってまいりたい、そのように考えているわけでございます。
  133. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 法改正があったとしても、いろいろ原発の工場等ではあらゆるところで相当に事故が起こっておるわけです。国民としては、この安全性については、もう幾多の重大な不安を持っておることも事実であります。そういうときに慎重の上にも慎重を重ねて建設の予定地を発表されなければならないのがこういうふうに安易に、電力業界の筋からというようなことで、特に鹿児島県に二カ所も指定をするようなことが載るということ自体、科学技術庁の指導性にも問題があるんじゃないか、こういうようなことが軽々に電力筋から漏れたから新聞に載るんでございますから、あなた方の方がそういうことをきちっと指導することが当然ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  134. 長田裕二

    ○国務大臣(長田裕二君) 会社ができるというようなことになりますと、それに絡んでいろいろな推測とかそういうことも多分に出てまいるのではないかと思いますし、そこらのことを会社として正式に進めていくにつきましてはまだ時日も相当先のことだと思いますし、また、地元の方々につきましても、ごく一般的な世間の評価とかというものよりも、もしそれに本当に会社なり何なりがその方向づけをしますならば理解を深める努力も恐らく当然あると思いますし、現在はまだいずれにしましてもそういうような段階よりもはるか手前の段階ではないか、推測でいろいろなお話がなされているのではないかと思っておるところでございます。
  135. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 思っておるところと、そういうことではなくて、いまもう発足したわけですから、やがてはつくるわけですから、そういうときに地元がそういうことに大反対のところの場所を建設用地として軽々に載せるようなそういう情報の流し方ということ自体が、電力業界のあり方ということ自体が問題ですから、そうういうことはあなたたちが指導すべきじゃないかということを言ったわけですよ。やがてはどこかにつくるわけでしょう。ところが、鹿児島県は全然それはつくらせない、ほかの県もそうかもしれません。そういうように非常に安全性が問題になっておるときに、なぜ軽々にそういうことを言うのかと、住民は大変な反応を示しております。そういうことをアドバイスし指導していくのが科学技術庁の任務の中じゃないんですか、守備範囲の中じゃないんですか。
  136. 長田裕二

    ○国務大臣(長田裕二君) 私どもは、今後の日本のエネルギー事情などを考えますと、原子力発電というものの持つ役割りというものは非常に大きいというふうに考えておりますが、同時にまた、だからといって安全性を無視してこれを進めなければとは毛頭考えておりません。安全性につきましての十分な配慮とそれについての国民の御理解、そういうようなものを前提にして、その上で原子力発電等についての施策を各方面と十分な連絡をとりながら進めてまいりたい、そのように考えているところでございまして、なお、いま御指摘の新聞あるいはそういう御意見というものが各方面にあるといたしますならば、今後そういう問題の具体化といいますか、どこにするかまだ決めておらない段階だと原子力局長が答弁したとおりだと思いますけれども、一方では原子力発電関係が本来そう安全なものではない、水力発電なんかと違う要素も持っているということは私どもも十分認識しておるところでございますが、それだけに二重、三重にその安全につきましての配慮を重ねまして、それをまた国民によく理解していただきまして、そうして事柄を取り進めてまいる、そのような方針でおりますので、ひとつ御了承をお願いしたいと存じます。
  137. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 方針はよくわかりますよ。しかし、こういう事実が出てきた以上、そういうような電力業界筋から出てきておるということは、余りにも安易なそういうような話の仕方というのは、今後、絶対注意すべきであるというような注意ぐらいはあなたの方でできないのですか。
  138. 石渡鷹雄

    ○説明員(石渡鷹雄君) このニュースソースがどういう性格のものであるか、私ども今後調べてみたいと思いますが、少なくとも安易にまた不用意にこういうような話が表に出るというようなことがあってはならないと思っております。やはり十分科学的な、また慎重な調査と、そして十分な地元に対するお話あるいは御了解といったことがあわせ並行的に進められて事柄が進められるべきであろうと考えますので、会社はまだできていないわけでございますが、その機会に私どもからも注意を喚起したいと存じます。
  139. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 鹿児島県にとっては早々とアドバルーンが上がって大打撃を与えて、これはもう壊滅したという認識を持っておるわけでございますので、一面から言うと、ありがたいわけでございますけれども、しかし、業界のやり方というのは余りにも安易過ぎるということは御注意をされた方が私は適当かと思います。  次は、昭和六十年に茨城県筑波研究学園都市で開催を予定している国際科学技術博覧会については、去る十一月二十七日の閣議において、その開催が了承されたとのことでございますが、まず、科学技術庁長官に、この博覧会開会の意義について簡潔に御説明を願います。
  140. 長田裕二

    ○国務大臣(長田裕二君) 私どもは、日本の今後にとりまして科学技術を大いに発展させ、それと結びついた高度の産業、これによって日本民族の将来の活路といいますか、生きる道というものが開けていく、そのように考えておりますわけですが、そういう観点からしまして昭和六十年に予定しております茨城県の筑波研究学園都市の近辺で予定しております国際科学技術博覧会は、二十一世紀を展望して豊かな人間生活を創造する科学技術に焦点を当てて開催しようと思っております。  その意義と申しますか、よくこれはもう御理解のところでございますけれども、とりたてて申しますと、国民、特に青少年に未来の科学技術を正しく理解してもらい、優秀な人材が科学技術の分野に参加をするような機運をつくる、これが第一の意義かと思います。  それから第二に、博覧会への出展を目標にいたしまして各企業とか政府関係機関が集中的に技術開発を進めるという結果、わが国の技術水準が画期的に引き上げられる一つの契機になるのではないか。  第三には、科学技術の情報交換を世界的レベルで行うことができまして、特に発展途上国の方々にこれらの国に適合した技術開発のあり方を示唆することができるのではないか。  それから第四には、これは二次的な効果でございますけれども、筑波研究学園都市、これがまだ十分に展開し切っておりませんけれども、この地域あるいはその付近に博覧会が催されることによりまして、この学園都市が十分に最初の期待どおりに発達をする、そして世界的な科学技術の中心地に、日本政府も考えておりましたように、国民の方々も期待してくださっておりましたような、そういう地域にすることができるという効果も期待できるのではないか、そのような意義を考えておるところでございます。
  141. 和泉照雄

    ○和泉照雄君 閣議了解は、財政的な面で大蔵省の強い要望もあって、規模の縮小、国の財政負担の軽減という条件がつけられたということでございます。科学技術庁としては、当初、会場建設費として千五十億円を想定していたようでございますが、二十七日の閣議了解で七百五十億円に減額をされたと聞いております。この種の事業は資金的に計画どおり進まないのが常識のようでございますが、しかも現在の経済情勢から見て、将来国の財政に余裕が生ずるようになるとも思えない現状から、これらの事業進行に不安が少なくないわけでございますが、この点について確固たる信念を持ってこの事業を長官は進めていこうとお考えだと思いますが、その辺の決意のほどを伺って、質問を終わりたいと思います。
  142. 長田裕二

    ○国務大臣(長田裕二君) 確かにお説のように、十一月二十八日パリの博覧会事務局に申し込まなければならない、そこでそれまでに閣議の了解を得なければということで取り進めたわけでございますが、御承知のように、財政当局は昭和五十五年度を財政再建元年にしようというような意気込みで財政問題、来年度予算問題に取り組んでおりましたので、特にその前の段階でこの計画を認めていくということにつきましては非常にちゅうちょし、あるいはある意味では警戒もしたと思うわけでございまして、そういうこともございまして、当初私どもが計画しておりましたよりも若干の縮小を余儀なくされたわけでございます。  しかしながら、今後、県その他各地方団体あるいは民間の各団体等々の御協力も御理解も得まして、仮に規模は若干縮小いたしましたとしましても、博覧会の意義を十分発揮できますように私どもも今後大いに研究努力を重ね、関係各方面の御協力とあわせまして趣旨が実現できますように、これからせいぜい努力をしてまいりたいと存じておりますので、よろしくお願いいたします。
  143. 安武洋子

    ○安武洋子君 私は、最初に、総会屋とか暴力団が大学とかそれから各省庁などに出入りをいたしまして不要な物品を不当に高い価格で押しつけている、こういう問題が大きく問題になっておりますけれども、国立神戸大学でも暴力団風の者が出入りをいたしまして、大学の研究教育に全く不必要な、こういう物品をきわめて高い価格で売りつけているということが私の調査で判明をいたしました。  私、神戸大学のずさんな物品購入につきまして調査をいたしましたけれども、これは五十一年度を見てみますと二千甘六十七万一千円、さらに五十二年度では九百二十一万五千円、合計三千八十八万六千円。この数字と申しますのは、日ごろ神戸大学に出入りいたしております納入業者以外の者で、明らかに押し売りと思われる業者とか個人への支払い額でございます。で、私の調査し得た限りでいま申し上げた数字でございますから、これ以上になる可能性もあると思いますが、この納入した業者とかあるいは個人、すなわち大学から支払った支払い先でございますが、これを五十一年度で見てみますと購入先というのは約二十の業者でございます。そしてこの二十の業者、個人は七十四回にわたって二千百六十七万一千円を受け取っているわけです。で、こういう業者、個人の所在地はどこかと見てみますと、これは神戸市のほか大阪、東京、中にははるか遠く北海道の小樽市とこういうものがございます。  で、一体、どういう物をどのくらいの価格で買わされているのかと、こう調べてみますと、三商商会というところから五十一年七月から十月までの間にくつふき用、こういうものに使うマット、これを五回にわたって十三枚も購入いたしております。価格は一枚七万円で買っております。普通にこれを買いますと七千円から八千円、高くても九千円までです。ですから十倍もの価格でこのマットを十三枚も購入していることになります。さらに幸真商会、ここからトイレ用の防臭剤を四百袋購入いたしております。これは市価では一袋百円から百二十円のものですが、五百円という値段で購入をいたしております。約五倍です。それから後藤商事から安全ロープ、これは黒と黄色の工事現場で使うものですけれども、十二ミリ掛ける二百メートル、これを五万円で買っております。市価は一万円から一万一千円です、ですから約五倍です。こういう高い価格で五十一年度で七十四回、合計は、先ほど申しましたように、二千百六十七万一千円が支払われているわけです。  そこで、この購入先となっている業者を調べてみましたが、この業者が正体不明です。これは商業登記もなされておりませんし、電話もございません。でマットを納入したとされております三商商会ですけれども、同名の商会というのはございます。しかし、これは不動産業を営んでいるところで神戸大学とは取引がない、こういうふうに申しております。それから同じマットを納入した本多シューズ、ここはミシン加工の業者で現在は所在不明でございます。このように全く実体のない業者が入っているわけです。  私は、会計検査院にお伺いいたしとうございますが、会計検査院は去る十一月の十九日、二十日に神戸大学に入られまして検定を行っておられると聞いております。で神戸大学における高価購入の実態をどのように把握なさっていらっしゃるのでしょうか、御報告いただきとうございます。
  144. 藤井健太郎

    ○説明員(藤井健太郎君) お答えいたします。  神戸大学におきますこれは検定じゃございませんで、一般の検査で行った結果を申し上げたいと思います。  本年の四月九日から十四日まで六名で検査を実施いたしました。で高価購入関係につきましては二名で検査を実施しております。その検査の結果を申し上げますと、高価購入の物品につきましては、私どもまことに恐縮なんですが、五十一年度はちょっと、何といいますか、人員その他の関係で調査いたしておりませんで、五十二年度、五十三年度を全面的に調査いたしております。  その結果でございますが、庁用の長マットほか四点で、購入価格は九百五十万円でございます。そのうち五十二年度分は八百二十万円でございます。市販価格は大学の調査によりましても合計で百六十万円程度でございますので、約六倍程度高価に購入しているという結果が出ております。  以上でございます。
  145. 安武洋子

    ○安武洋子君 五十三年は。
  146. 藤井健太郎

    ○説明員(藤井健太郎君) これは五十二年と五十三年合わせて申し上げたわけでございます。
  147. 安武洋子

    ○安武洋子君 いま不正経理の問題で、国民は税金がむだ遣いされているということで非常に批判をしているわけです。こういう批判が高まっている中で、最高学府である大学に暴力団などが出入りするのかと、これは国民は非常にびっくりすると思います。  それで会計検査院は、文部省関係の国立大学とか、あるいは高専とか、共同利用機関における高価購入について検査をなさったと聞いておるわけです。そこで高価購入の実態は全国的にどのようになっているのか、少し詳しくお伺いいたしとうございます。
  148. 藤井健太郎

    ○説明員(藤井健太郎君) 文部省関係につきましては、国立大学関係と、それから外局でございます文化庁関係と分けて御説明いたします。  本年実地検査いたしました大学は四十五、高等専門学校は十一、共同利用機関等につきましては四つにつきまして検査をいたしたわけでございます。このうち大学につきましては二十八、高専につきましては四、共同利用機関等につきましては二の、計三十四カ所で高価購入の事例が認められたわけでございます。購入の状況につきまして申し上げますと、マットなど十品目につきまして、総額一億一千三百十五万円でございます。これは市販価格に比べますと約八千百万円高価となっているものでございます。  次に、文化庁の各付属機関等におきます関係について申し上げます。会計実地検査を実施いたしましたものは文化庁の付属機関十カ所でございますが、このうち三カ所におきまして高価購入の事例が見受けられたわけでございます。購入状況につきましては、マットなど四品目で、総額三百八十二万余円でございます。これが市販価格に比べますと約三百万円高価になっていたものでございます。  以上でございます。
  149. 安武洋子

    ○安武洋子君 いまの数字をお伺いしてびっくりいたしました。私はまさにゆゆしい事態だと思います。大学の研究教育費が非常に少なくて先生方が御苦労なさっているのは、これは周知の事実です。こういう押し売りによって少なくない研究教育費が削られていることになります。  例を申し上げますと、神戸大学の工学部土木学科の予算と申しますのは二千万円です。六講座ございますから、一講座の年間予算というのはわずか三百万円です。ですから、学会出席のための出張旅費を工面するのにさえ御苦労なさっていらっしゃる、こういうのが実情でございます。こういう暴力団まがいの悪徳業者が大学に入り、こういうおどしに乗って大学予算をむざむざと使っていく、支出をするということは常識では考えられないようなことです。  こういう高価な購入について、文部省は通達は出してなさいます。それは承知しておりますけれども、一体、いままでこういうことが行われてきた責任をどのように感じていらっしゃるのか、あるいは今後こういうことをもう防止していく、断固としてこういうことをさせてはならないというふうなことで、今後の措置をどういうふうに考えていらっしゃるのか。私は、大臣に、責任を一体どうお考えか、それから今後の措置をどういうふうになさろうとなさるのかという二点をお伺いいたします。
  150. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 大変残念な遺憾なことでございまして、まず、このような状況が再び起きないように厳重に注意はいたしておりますが、さらに、この上とも注意をいたしていきたい、かように考えておる次第でございます。
  151. 安武洋子

    ○安武洋子君 私、いま二点お伺いいたしました。こういうことが行われてきた責任というのはどういうふうにお考えでしょう。なぜこういうふうになってきたのかというふうなことで、私はこういう事態に対して責任をお感じにならないといけないと思うのです。そして注意はしてきたけれども、今後も起こらないように注意をするというのは非常に具体性に欠けるわけです。これだけの問題が起こっているわけですからね。私はもう少し大臣に御答弁をいただきとうございます。
  152. 植木浩

    ○説明員(植木浩君) 担当いたしておる者といたしましてお答え申し上げたいと思います。  ただいま先生から御指摘のあった点については、ただいま大臣からお答え申し上げましたように、私ども大変遺憾に存じておるわけでございます。  いろいろと私どもとしても調べたわけでございますが、大学からの報告によりますと、非常に威圧的な言動で長時間居座ったりあるいは物品の購入を強く要求したり、さらに購入の約束を拒否するような場合には、何らかの報復に対するおそれもあるような心理的圧迫を加えるとか、いろいろ大学からの報告ではそういうような状況を承っております。もちろん、かと言って毅然たる態度をとれなかったという点についてはまことに遺憾に存ずるわけでございますが、私どもといたしましては、この点十分さらに指導を強化いたしまして、今後、このようなことがないようにいたしたいと思っております。  で具体的には、すでにいま先生も御指摘のように、通達を出したり、いろいろな会議で具体的な指導をいたしておりますが、たとえば従来こういう強要的な訪問販売の者が参るときに、単独でこちらが会いますと、どうしても向こうはプロでございますので負けてしまうというような点があったわけでございますが、今後は必ず複数の職員で対応するというような点も申し合わせをいたしております。それから、とかくこういうような購入の強要を拒否するということをし切れない場合があったわけでございますが、どうしても対応し切れない場合は、場合によっては警察へ連絡するというようなことも今後実行していこうという、かなり具体的なことを担当者同士申し合わせておりまして、こういうことによりまして、今後、こういうことが再発しないよう、ぜひともこれを適正な執行をしていきたい、かように考えております。
  153. 安武洋子

    ○安武洋子君 ぜひ、こういう不祥事を起こさないように、いまおっしゃったことを厳重に行われるようにしていただきたいと思います。  次に移らせていただきますけれども、兵庫県下の私立高校で常識では考えられないようなことが行われておりますので、私は私学経営者の姿勢についてただしていきたいと思っております。  兵庫県の神戸市にあります八代学院高校では、ことしの夏に、教師の方九名がPTA会長のたっての願いで夏季の補習講座を行っておられます。ところが、学校長の許可を得ずに施設を使用した、こういうことで補習を引き受けた教師全員が懲戒処分を受けていなさいます。教育の場でこんなことは私は許されないことだというふうに思いますけれども、一体、文部省はこの事実をどういうふうに把握なさっておられますでしょうか、御答弁願います。
  154. 三角哲生

    ○説明員(三角哲生君) ただいま安武委員御指摘の件に関しまして、とりあえず当該八代学院高等学校を所管する兵庫県当局に照会をしたわけでございますが、その結果として、ただいま承知しておりますところによりますと、本年の夏休みの直前に、最初は、PTAの役員から当該校長が補習授業を実施してもらいたいという要望を受けまして、校長といたしましては、その実現のために職員会議にこれを諮りましたところが、教員の方からこれに応じようという意見がございませんで、そのために補習授業は実施できないというふうに回答を行わざるを得なかったというような前提があるようでございます。  そこで、PTAの役員は、次に、教職員組合の委員長の方に同じような要請を行いましたところ、九人の教員がこの呼びかけに応じまして補習授業を行うということになりまして、三年生を対象として、八月の上旬に補習授業が行われたということでございますが、これについてあらかじめ校長に連絡をするというようなことをしなかったために、校長あるいは学校を管理しておる側が全く承知をしない間に、いわば教員が無断で実施したというような結果になったということのようでございます。そのために、学校側が、先ほど御指摘のように、九人の教員に対しまして四半日分の減給処分、聞くところによれば一人千五百円程度のようでございますが、こういった処分を行ったようでございます。教員組合側は、この減給処分を不当として、学院に対して団体交渉の申し入れを行いましたが、この団体交渉の進め方について学院側との合意ができませんで団体交渉が行われませんために、この十月八日に兵庫県の地労委に団体交渉促進のあっせんの依頼を行って現在に至っておるというふうな報告を受けておる次第でございます。  したがいまして、私どもといたしましては、地労委で調査が進められておるという状況にもございますので、このあっせんの結果として学院自身の立場で自主的に解決されることを期待しておるわけでございますが、学校の授業その他学校の教育活動の面で支障が起きることのないように、兵庫県当局において十分にその間の状況については掌握をしておいてもらいたいと思いますし、県からも、もし必要がある場合には、しかるべき指導をしてもらいたいというふうに思っております。また、県から御相談があれば、私ども、文部省レベルとしても必要に応じて助言をしてまいりたいというように考えておる次第でございます。
  155. 安武洋子

    ○安武洋子君 これは減給という処分内容がございますので、地労委への提訴という形がとられております。しかし、内容は、理事者と先生方の教育の姿勢に関する問題だと思うんです。熱心に教育を進めようとした人たちが教育現場で処分をされたということになるわけです。  ここにもたくさん父兄の方からの声も上がっておりますけれども、夏休み中にまで先生方が生徒のために補習をしてくださるとは本当にありがたいことだ、かえって称賛すべきことではないかと思われるのに処罰をされたと聞いてびっくりしたとか、あるいは最近では補習をするのはどこの学校でもあたりまえだと思っていたのになぜこんな大問題になるのかとか、まじめに勉強したい子供がいるのにそれをやってくだすった先生方がこういうふうな処分を受けるなんというのはおかしい、真の教育の精神があればこんな問題は起こっていなかったはずだというふうな声がどんどん上がっているわけなんです。  ここの教頭先生がおられますけれども、この教頭先生が夏季の補習の最中、八月の四日、ここに来られてこういう事実を確認されておられますけれども、PTA会長名のこの文書ですね、やめよと言ってはおられないわけです。それから交渉の席上で、事実未確認のまま一抹の不安はあったが、こういう処分を発令した、もし間違っていれば申し出があれば取り消すというふうな、実に先生にとっては処分なんというのは本当に大変なことなんです。こんな処分をこういう軽々しい形で発言をなさって処分をなさっていらっしゃるわけです。  そしてこの八代学院では、慣例といたしまして、教師が休暇前に提出する動静票というのに補習の予定を書けば、それが補習の届け出とみなされておって、きっちりとした届け出は行われていなかったし、また届け出の用紙すらない、こういう状況でございます。  それからPTAの会長が補習を申し込んだのは終業式から三日後というふうな事情があります。最初の校長先生の提案が入れられなかったというのは、いままでは生徒数がどんどん減ってしまう、だけれども、今度はPTAの会長が責任を持って最後まで生徒を集めるからと、こういう要請があったということなんです。私は、こんな状態の中で子供の補習をした、ただそれだけで先生方が処分をされる、勝手に校舎を使用したというふうなことでこんなことがあってよかろうはずはないと思うんです。そこで、私は、文部省にこういう事実をもう少しよく調査をなさって、こういう問題の解決の指導をしていただきたい、そのことを要請いたします。
  156. 三角哲生

    ○説明員(三角哲生君) 状況につきましては、なお私ども必要に応じて詳しく報告を求めたいというふうに考えます。  詳細な実情を必ずしもわかっておりませんので何でございますけれども、確かに補習授業を行う、そういう努力をするという事柄自体は学校教育機関として望ましい場合が多い事柄であろうというふうに思います。ただ、ただいまのこの件に関しまして申しますれば、一般的に申しました場合に、やはり学校の管理運営については校長が最終的な責任を負っておるわけでございますので、所属職員が、たとえ目的がどうでございましょうとも、学校施設を使って活動をいたします場合に、当然、校長に連絡し、その指示のもとに行うという一般的なルールがあるわけでございます。その間でどういうふうな行き違いがあったかというようなことは個々の具体の状況を把握しなければならないと存じますけれども、学校は特に教育機関でございますから、そういったルールにのっとってやっていただくということが基本にあるというふうにも思いますので、なお状況につきまして十分に把握をした上で、助言が必要であれば助言をいたしてまいりたいというふうに考える次第でございます。
  157. 安武洋子

    ○安武洋子君 私はルールは確かに必要だと思うんです。しかし、このルール違反というのは本当にわずかなことです、これは。いろいろ行き違いもありましたけれども、やむを得ない事情というのもあると思うんです。このことがこういう処分に該当するかどうかということで、私は教育現場で引き起こされていることだけに非常に重要視したい。  先ほども教育活動に支障があるようではいけないとおっしゃいましたが、まさに教育活動に支障のあるような事態でございます。ですから、こういうことがないように、いまも指導をするとおっしゃいましたので、こういうことも踏まえた上での指導をひとつお願いいたしとうございます。
  158. 三角哲生

    ○説明員(三角哲生君) やはり本件は私立学校において起こっておる事柄でございますので、直接の所轄は当該私立学校の所在いたします兵庫県の県の当局でございますが、それにいたしましても学校法人という設置者が独立の主体でございますので、まずは、いま御指摘になりました処分が果たして妥当であるかどうかというようなことも含めまして、当該学校法人が良識を持って自主的に一番いい方向を考えていくということが基本であると存じますが、それを踏まえた上で、必要な指導は、県あるいは場合によりましては私どもの方といたしましても、考えてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
  159. 安武洋子

    ○安武洋子君 それでは、第二次の高校生急増期を迎えるわけでございますけれども、私立高校の教育条件の整備向上につきまして、私お伺いしたいと思います。  私立高校への助成強化の問題でございますが、私が調べましたところ、全国的に公私の格差というのが大変大きゅうございます。たとえば全国の全日制でございますが、一クラス平均の生徒数というのが公立の場合は四十三・三人、私立の場合は四十七人、これは五十一年度です。それから本務教員一人当たりの生徒数というのが公立の場合は十八・二人ですが、私立の場合は二十三・九人です。それから本務職員一人当たりの生徒数ですが、六十四・一人に対して私立の方は八十五・七人。そして学費の平均年額といいますのは、これは公立の場合は三万八千四百円、それから私立の場合が二十一万九千六百三十円、これほどの格差が出ております。  兵庫県でも同じような状態です。特にひどいのは一クラス平均の生徒数ですけれども、私立高校の場合、平均は四十六・二人ですが、これは多いところでは五十八・三人というふうな数字も出ております。それから本務教員一人当たりの生徒数というのもひどいところでは三十九・五人とかというふうになっております。そして初年度の納入金といいますのは、これは公立高校に比べまして私立高校は六倍にもなっております。こういうふうに非常に格差が大きいわけです。  で、私は、私立高校の監督権が都道府県の知事にあるということは重々承知をいたしておりますけれども、国と都道府県と所管が違いましても、高等学校設置基準には公私の別はないはずでございます。生徒の定数とか教員数とか職員数とか施設設備など規定されておるわけですけれども、文部省として、こういう格差をどう考え、是正のためにどうしようとなさっていらっしゃるのか、そこのところをお伺いいたします。
  160. 三角哲生

    ○説明員(三角哲生君) 若干数字の面については私どもの手持ちのものと必ずしも一致はしておらないわけでございますが、御質問の御趣旨はわかるつもりでございます。そういう意味で格差があるということは事実でございます。  ただ、私どもとしては、私学振興助成法というものが制定されまして以来、各学校法人においても努力をしていただくと同時に、それぞれの地方公共団体及び国からも助成の充実に努めてまいっておりまして、そしていま御指摘のありましたような生徒一人当たりのいろいろな意味での指数のようなものでございますが、これも数年前に比べますと、若干ずつではございますけれども、充実の方途をたどってきておるというふうに理解をしておる次第でございます。
  161. 安武洋子

    ○安武洋子君 それでは伺いますけれども、入学金とか授業料とか学費に対する補助を国がしてほしいというのが父兄や先生からの非常な要望なんですが、父母負担を軽減してほしいという、八十四国会八百七十六万名の署名で私学助成に関する請願、これが全会派一致で採択されております。その中には学費に対する助成という項目も入っております。それから先日閉会になった九十国会でも同一内容の請願が採択をされております。  で私お聞きしたいんですけれども、特にその中に入っております「授業料等学費に対する直接的な助成を大幅に行うこと。」という、こういう請願の項目についてどう対処されたのか、どういう措置をとったのかということをお伺いいたします。
  162. 三角哲生

    ○説明員(三角哲生君) ただいま御指摘のような請願がございましたことは承知いたしております。で私立高校の授業料等の修学上の経済的負担の軽減の問題につきましては、これは議員立法で成立をいたしました私立学校振興助成法の目的にも掲げられていることでございまして、私どもとしては、この助成法の趣旨に沿いまして、都道府県が行います私立高等学校等経常費補助に対しまして助成をしようということで、国として年々当該補助金のいわゆる一般補助の部分についての大幅な充実を図ってきたわけでございますが、いま御指摘の授業料に対する直接補助の問題でございますが、従来から、政府といたしましては、この直接補助という問題は、いまの段階で直接にこれを課題とするということにはいたさないということで臨んできているわけでございます。まずは、やはり振興助成法の趣旨に基づきます経常費助成費の補助に重点を置くべきであると、この補助金自体まだ完全に成熟した段階にはいっていないと思っておる次第でございます。従来とも非常に大幅な充実をしてまいりましたけれども、まだこの補助金の増額に最重点を置いてきたということでございます。  授業料等の直接補助の問題は、育英奨学事業等との関連、その他非常に慎重に検討すべき事柄を多く含んでおりますので、私どもとしては、現段階では経常費助成の方に重点を置きたいと考えておるのでございます。ただ、経常費助成の補助にあわせまして、五十四年度におきまして私立高校の生徒に係る教育費負担の軽減のために、日本育英会の奨学事業につきまして、これを大幅に拡充を図ったということでございます。
  163. 安武洋子

    ○安武洋子君 それでは請願の趣旨に私はこたえていないと思うんです。  そこで伺いますけれども、五十四年度予算編成に当たりまして各県の授業料補助の増額の促進を図るため、文部省は、私立高等学校学費軽減措置に対する特別補助、こういうことで十五億円の概算要求をされたと思います。これは大蔵省の反対で実現には至らなかったようでございますけれども、父母や先生の要望にこたえるものであったと思うわけです。ところが、五十五年度には要求もなさっていらっしゃらない。なぜ五十五年度に要求をしなかったのか、その理由を私は言っていただきたいと思います。簡潔にお願いします。
  164. 三角哲生

    ○説明員(三角哲生君) 先ほども内容的には申し上げたことと重複いたすわけでございますが、五十四年度の状況はただいま安武委員御指摘のようなことでございます。要求はいたしましたが、実現についてはこれを見送ることにしたのでございます。これはやはり昨年も非常に財政的には窮屈な状況のもとにおいての予算編成であったわけでございますが、その中で経常費の一般補助に重点を置きまして、その大幅な拡充を図ることにいたしまして、ただいま御指摘の新規の要求については、これを見送ることにいたしました。  それからなお、そのかわりというわけではございませんが、先ほども申し上げましたように、育英会の奨学事業について私立高等学校に係る部分についても大幅な拡充を図るということにいたしたわけでございます。
  165. 安武洋子

    ○安武洋子君 それでは、昨年、なぜ初めて学費軽減に対する特別措置を要求されたんでしょうか。その趣旨は、一体、何なんですか、そのねらい。  私はもう時間がありませんので続けますけれども、後でこれもお答えいただきたいと思いますが、文部省のそういうふうな消極的な姿勢というのが都道府県の姿勢にも影響を与えていると思うんです。兵庫県が従来から実施しております授業料の補助額というのがこの六年間据え置かれたままなんです。国が経常費には補助するけれども授業料には補助をしないというふうになりますと、県が授業料補助に力が入らないというのは私は無理からぬことだというふうに思います。父母の負担が年々増大していることは、これは隠れもない事実です。兵庫県でも五十三年度から五十四年度までの一年間、これをとってみましただけでも初年度の納入金が平均して一万三千円以上もアップしているわけです。高校教育といいますのはいまや準義務化しているので、所得の高い家庭の子供が私立の学校に通っているとは限らない状況です。  愛知の私教連の調査を見てみますと、愛知県では、私立の高校に行っている家庭の年収を見てみますと、これは年平均で三百二十万円です。三百万円以下が四七・六%、そして二百万円以下が二〇・八%もあります。これを公立高校で見てみますと平均年収が三百四十八万円です。三百万円以下が三八・三%、二百万円以下が七%と、逆に私立高校の父母の平均年収の方が低いという実態が出ているわけです。  こういうふうな私立高校の置かれている現状を考慮して、学費に対する補助を行って少しでも父母の負担の軽減を図るべきではないか、それこそが公私における教育の機会均等を保障するものではないか、こういうふうに私は考えますが、いかがなんでしょうか、お答えいただきます。
  166. 三角哲生

    ○説明員(三角哲生君) 父母の経済的負担の軽減につきましては、先ほど来申し上げておりますように、これまでも私立高等学校等の経常費助成費補助を大幅に拡充するということによりまして、当該学校の教育条件の充実にあわせて経済的負担の軽減に資するようにという考えでこの努力を続けてきたわけでございます。  それから、先ほど御指摘の昨年度の学費軽減措置に対する特別補助の要求と申しますのは、これはそれぞれの私立学校の学校法人がやるところもあればやらないところもあるかと思いますが、学校自体として授業料減免の措置と申しますか、あるいはいわゆる特待生的な制度を設けました場合に、これを都道府県なりあるいは国なりがある程度手助けしよう、こういう趣旨で一応考えてみたものでございまして、これは、しかし、授業料に対する直接補助といったものとは考えを異にしているものでございます。
  167. 安武洋子

    ○安武洋子君 それでは請願の趣旨が生きないではありませんか。請願の趣旨にちっともこたえようとしていないことで、学費の軽減にはならないわけです。  さらに伺いますけれども、公私の格差というのは教育施設の面でも歴然としております。体育館とかプールとかグランドの数や面積、これを見てみましても、特別教室の数や施設で見てみても、格差が非常に大きいわけです。教育条件の向上、整備を図る上でも教育施設の整備に対する補助、助成を求める声が非常に大きいわけです。で格差是正のために教育施設についても補助制度をつくるべきだ、私はこういうふうに思いますけれども、こういう点はいかがお考えでしょうか、この御答弁を伺いまして、時間が参りましたので私の質問を終わります。
  168. 三角哲生

    ○説明員(三角哲生君) 本来、私立学校につきましては、施設費につきましては寄付行為によりまして学校法人自体が負担をするというのがたてまえでございます。経常費につきましては、先ほど来申し上げておりますように、直接の補助金というものを手当てをしておるわけでございますが、施設につきましては基本的に設置者負担ということになっておりますが、特別に必要がある場合に、たとえば私立高校につきましても急増の場合の施設整備あるいは幼稚園の振興七カ年計画に基づきます施設の補助、こういったものは例外的にやっておるものでございまして、一般的には、私どもは、日本私学振興財団を通じます長期低利の融資の措置を講ずることによって私立学校の施設整備の充実に対する援助を実施しておるわけでございます。  ただ、先ほど来申し上げておりますように、経常費の補助も充実することによりまして、施設面でも、たとえば生徒一人当たりの校舎面積につきましても年々私学の指数は上がってきております。そういうことで、今後とも、そういう意味で協力をしてまいりたいというふうに考えております。ただ、私立学校というのは必ずしも、平均でいま申し上げておりますが、施設だけが問題でございませんで、やはりそれぞれ建学の精神に基づいて自主的で独立した特色のあるいい教育を行っていくということがまた大切なことでございますので、そういう意味で内容それから施設両方大事でございますが、両々相まって充実してまいりますように、私ども国の立場でも努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  169. 志苫裕

    ○委員長(志苫裕君) 他に御発言がないようですから、文部省及び科学技術庁の決算については、この程度といたします。  次回の委員会は十二月二十日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十七分散会      ―――――・―――――