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1979-12-01 第90回国会 参議院 本会議 4号 公式Web版

  1. 昭和五十四年十二月一日(土曜日)    午前十時二分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第四号   昭和五十四年十二月一日    午前十時開議  第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  議事日程のとおり      ―――――・―――――
  2. 安井謙

    ○議長(安井謙君) これより会議を開きます。  日程第第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)  昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。相沢武彦君。   〔相沢武彦君登壇、拍手〕
  3. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 私は、公明党を代表して、総理の所信表明演説に対する質問を行います。  さきの強引なまでの衆議院の解散から総選挙、さらには首班指名における一党分裂選挙から組閣と党役員人事に至るまでの政治空白は、憲政史上例を見ないほど長期にわたるものであり、国民の政治への信頼感をこれほどむなしくせしめた出来事はなかったのであります。一方の当事者としての大平総理の責任はまことに重大と言わざるを得ません。  総理は、今後のわが国の政治に対してどう取り組み、政治に対する失望の色を濃くした国民にどうこたえていこうとするのか、これがいまや重要な課題であります。  そのためには、まず何よりも大平総理が、この政治空白と、自民党の党内抗争がもたらした政権党としての責任放棄に対する深い深い反省がなければなりません。にもかかわらず、総理は、その所信表明において、おわびや遺憾という謝罪の言葉のみうつろに響かせたにすぎず、国民は、その空疎な作文に、総理の実行ある決意を何ら感じることができなかったのであります。  以下、私は総理の政治に取り組む基本姿勢についてただし、あわせて当面する内外の諸問題についてお尋ねいたします。  まず第一に、野党はもちろん、与党の一部や多くの国民の強い反対にもかかわらず強行した衆議院の解散と、それに続く長期の政治空白について、特にこの間は来年度予算編成の重要な時期にも当たり、そのほか東京ラウンドの協定や法案など重要な政策決定がおくれたりしたことなど、いま振り返って、これがわが国の政治、経済、外交に、さらに国民の政治意識に、どのような影響を与えたと認識しておられるのか、総理の現在の心境を伺いたい。  第二は、総選挙の大敗北から始まった自民党の醜悪な選挙責任論による党内抗争において、国民無視のまま派閥の領袖が意地と執念を燃やして粘りに粘り抜いたその姿は、もはや国民の目には権力に異常にしがみついているとしか映らなかったのであります。なぜあなたは政権延命に異常な執念を燃やしたのか、やむにやまれぬ事情でもあったのか、この際明らかにしていただきたいのであります。  第三に、党内において決着をつけるべき首班指名候補の選出を議場にまで持ち込んできたことは、議会政治への冒涜であり、運営の基本ルール無視、国民愚弄の暴挙であります。その間の密室的取引は断じて許されるべきことではありません。総理の責任を明確にしていただきたい。  第四に、政治や選挙に巨額の金が要るという自民党の感覚は、それがそのまま不正腐敗を生む土壌となっており、まことに遺憾なことだと思うのであります。私は、良識ある多くの国民の間に清新な新しい政治を待望する気風が次第に支持を広げつつあることを強く感じます。自民党の金権体質並びに派閥の解消は一刻の猶予も許されません。総理、政治資金の規制強化を含む政治浄化にどう取り組まれますか。  また、この際、巨額な密輸品による贈答や資産隠しが特に問題となっている国際電信電話会社、いわゆるKDD事件、創立以来推計三十億円にも上る不正旅費の捻出が糾弾された鉄建公団事件、あるいは大蔵省など省庁間における公費接待などについて、どのように解明し、綱紀の粛正と再発防止にどう取り組むのか、具体的な方針を求めたいのであります。  第五に、今回の組閣に当たり、大臣任命についても種々の疑惑が取りざたされましたが、さらにその後においても、各閣僚の中に、ロッキード裁判についての不謹慎発言を起こしたり、KDDへの二百万円に及ぶパーティー券の押しつけや、身内の選挙違反など、次々と不祥事や舌禍が相次ぎ、国民から厳しい批判を浴びております。これら各大臣の責任をここで明確にしていただくとともに、その任命権者である総理の責任を明らかにし、今後の政治運営にいかに臨まれるのか、その決意を伺いたいのであります。  次に、財政再建についてお尋ねいたします。  破綻に瀕しているわが国財政をいかに再建するかが今日の政府に課せられた最大の責務であることは、多くを論ずるまでもありません。  まず、初めに、政府の基本的姿勢について伺います。  政府の考えている財政再建の基本は、一般消費税導入画策に見られるように、一言で言えば、初めに増税ありきで、増税からすべてが開始されるといういわば財政エゴイズムが前面に押し出されています。総理は、所信表明において、増税については一言も触れていませんが、これはさきの総選挙で国民が一般消費税を明確に拒否したことを深刻に受けとめられてのことと私は確信するものであります。総理は、この国民の意思を体し、五十五年度はもちろん、将来ともに一般消費税導入を断念すべきであり、大衆増税中心の財政再建策を改めるべきであります。総理の見解をお伺いしたい。  なお、国会において一般消費税導入断念を決議する用意はあるのかどうか、あわせて明確に御答弁願いたい。  財政の長期計画策定について尋ねます。  財政再建策について、わが党は、政府の考えているような財政の帳じり合わせではなく、景気の着実な回復を図り、雇用の確保、福祉水準の向上を図りながら経済を安定成長軌道に乗せるべきであると考えています。そして、政策の優先順位を明確にし、計画的に赤字財政からの脱却を図るべきであります。  総理、あなたは第八十八国会で、衆議院本会議におけるわが党の竹入委員長の質問に対し、財政の長期計画策定を約束されたのでありますが、その作業は現在どこまで進捗しているのか伺いたい。  次に、財政再建にかかわる具体的問題について幾つか質問します。  その第一は、行政改革と補助金の整理です。  行政改革は財政再建のためにも避けて通れない大きな柱であります。本年七月に発表された行政管理庁長官の私的諮問機関である行政管理基本問題研究会が、政府・公共部門のあり方と国の行政改革への提案を示して、そのあるべき方向を明確に示しています。総理は、所信表明において行政改革の具体案は何ら明示していませんが、この研究会の改革案をどう受けとめ、実施していくのか伺います。  また、補助金の整理合理化はサマーレビューの一つの柱とされていましたが、一方で削減しても新規に設定されるものもあり、現実的には縮小していません。現在、各省それぞれにある同目的の補助金を整理統合するための総合メニュー化や、補助の目的が達成された時点で消滅するようにサンセット方式の導入など、本格的に取り組む必要があります。総理、実行をこの席で国民に約束できますか。また、具体的には五十五年度予算編成で行政改革と補助金整理についていかに取り組むのか、御所見を承りたい。  その第二は、わが国の財政悪化の一つの要因と言われる国鉄、健康保険、食管会計のいわゆる三K赤字についてであります。  これらはいずれも巨額の赤字を抱え、もはや抜本的な改革なくして赤字の解消はおぼつかなく、財政再建もあり得ません。総理の三K赤字解消についてその方針を明らかにしていただきたいのであります。  その第三は、税制問題についてであります。  低成長経済のもとで国民生活安定を目標にした税制を確立するには、既存の各種不公平税制を是正し、公正な税制の確立と、それらを執行面で保障する民主的な税務行政の実現が必要です。  そこで、総理は以前から財政再建は一般消費税導入あるいは中低所得者に対する増税をもくろんでいました。一般消費税の導入は、昭和五十五年導入を断念しましたが、国民の声を尊重して、昭和五十六年以降も断念することをはっきり明言すべきであります。  また、一般消費税を断念することは当然としても、中低所得者に対する増税の断念については、総理はいまだ明示していません。しかし、世界一の物価高と低い社会保障水準のもとで現在以上の税負担を強いることは、国民生活と経済を破壊するもので、断じて認められません。政府は所得税の負担増による弱い者いじめをやめるとここではっきり約束していただきたいのであります。  次に、財政再建に欠くことのできない不公平税制の是正についてであります。  法人税関係の租税特別措置の改廃、企業会計による各種引当金の縮小、そして、受取配当金の益金不算入や支払い配当軽課など企業優遇措置をやめて課税対象にすべきであります。そのほか、利子・配当所得の総合課税や高額所得に対する給与所得控除の頭打ちの復活など現行税制の公平化を徹底しなければなりません。総理の積極的な御答弁をいただきたいと思います。  次に、民主的な税務行政の確立についてであります。  公正な税制と徴税は一体のものでなければなりません。しかし、この十一月に国税庁が発表した五十三年度調査によっても明らかなごとく、大企業において百五十七億円という巨額な脱税が摘発されています。わが国の税務行政は、大企業に甘く、一方、弱い立場にある国民に対してはきわめて強権的な税務執行がなされています。大蔵大臣、これらの点について御所見を承りたい。  五十五年度予算は、超緊縮予算のため、福祉関係予算の大幅後退が検討されているようであります。すなわち、老人医療制度、児童手当制度の見直し、そして教科書無償配布の有料化などですが、これは国民生活を無視した政府の冷たい姿勢のあらわれと言わざるを得ません。文部省の教科書検定審議会も、大蔵省の考えを批判し、教科書無償制は必要であるという結論が先日出されたばかりであります。財政再建を理由に福祉、教育の後退は断じて許せないのであります。総理の所信を伺いたい。  財政再建問題の最後に、わが党は、国会内に財政再建特別委員会を設置し、与野党の合意を形成すべきであると総選挙でも主張してまいりましたが、この件につきましてもあわせて伺いたいのであります。  景気及び物価対策についてお尋ねします。  物価の安定は、景気の持続的回復を実現するためにも不可欠の条件であります。日銀の発表によれば、卸売物価はこの二月以来、年率二けた台の騰貴が続いており、当然消費者物価にも連動して、政府見通しの四・九%抑制も困難となってきました。特に、最近の石油製品の値上げは、明らかに先取り、便乗値上げの疑いが濃厚であります。中でも、灯油価格の異常な上昇は、福祉施設や生活保護世帯の家計をもろに圧迫するなど、その悪影響が懸念されています。  政府は、値上げ原油の全面的なコスト転嫁を容認しながら、一方、わが党が要求をしたコスト試算も公表せず、具体的な価格抑制対策は何一つ講じていないのであります。現状のままで推移するならば、著しい嫌気後退を招き、強力な総需要抑制策を余儀なくされることは必至であります。政府はこれまで景気、物価両にらみと称しておりましたが、インフレを抑制しつつ、いかに景気の維持をしていくのか、具体策を明示していただきたいのであります。  また、政府は、大波のごとく襲いくる現在の石油インフレ渦の中で、この二十七日、物価問題に関する関係閣僚会議で決まった総合対策新八項目を発表しましたが、この八項目で本当に物価安定ができるのかどうか、総理から確たる御答弁をいただきたいのであります。  次に、灯油価格の問題についてであります。  急騰する灯油価格は、福祉施設や生活保護世帯に異常な赤字を生じさせていますので、社会保障給付費の引き上げ措置を講ずるお考えはありませんか。  また、北海道を初め、特に積雪寒冷地については、灯油費用の増大にかんがみ、特別な税制上の控除措置を講ずべきと考えますが、大蔵大臣の御所見を求めます。  次に、公共料金についてであります。  年末から来年早々にかけて、郵便料金、国民年金、たばこ、NHK受信料、そして電気、ガス等、各種公共料金の値上げが伝えられております。しかも、さきに触れた三K赤字も、その再建には値上げ以外にないとする政府の方針もあるなど、国民生活はいまや物価上昇の直撃を受け、瀕死の状態であります。このような国民生活への影響を無視した政府の公共料金対策を改め、わが党がかねてより主張している応能負担と生活必需的サービス最低保障を加えた国民生活優先の福祉料金体系を導入すべきであると考えますが、総理の御所見を承りたいのであります。  次に、石油外交問題について伺います。  まず、イラン情勢並びに石油政策についてであります。  イランとアメリカをめぐる緊迫した情勢は、まことに憂慮すべきものがあります。こうした事態にあっては、何よりも政府の的確な情報収集と正確な分析、並びに適切な対応策が望まれます。日本の立場は、石油は欲しいが、一方、国際エネルギー機関IEA加盟国であり、かつ、友好国である米国との関係を考えると、わが国の立場はまことに微妙であります。むずかしさはありますが、政府のとる対米追随外交が今後わが国の経済に悪影響を及ぼさないよう、石油政策に遺憾なきを期すべきであります。石油買い付けと対米対策の基本的な姿勢について総理の御答弁を願いたい。  なお、この際、大平総理に猛反省を促しておきたいことがあります。それは、中東産油国が一般的にわが国に冷淡なのは、これまでの日本政府の対応の姿勢に起因すると言われています。今年八月下旬帰国した駐日アルジェリア大使は、「私は八年間日本に滞在したが、日本の外交の中で、とりわけ中東地域に対する政策をついにつかみ得なかった。欧米の中東への接近には、貿易、経済協力、外交、民族問題のすべてを相関関係の中に置いているが、日本を見る限り、そこがきわめてあいまいなので期待外れをした」と、このように率直な感想を述べております。このことは、資源、なかんずく石油をめぐる国際政治と経済情勢、それにわが国の経済協力が有効にかみ合っていないことを指摘しているものと思います。今日まで外務、大蔵大臣を歴任された大平さんにその責任の一端なしとは言えません。今後日本の資源外交をどのように展開するのか、また、中東外交の基本姿勢をどのように心得ておられるのか、篤とお聞かせ願いたいのであります。  また、一九七三年の石油危機の折は、みえも外聞もかなぐり捨てて資源外交に奔走しながら、危機を乗り切った途端に再び日本政府はのど元過ぎれば熱さ忘れるの場当たり主義外交へ逆行したと指摘されています。欧州各国がそれぞれ頻繁と中近東やメキシコ、中国へ足を運び、着々と手を打っているのに比べて、日本は余りにも悠長過ぎはしませんか。フランスのジスカールデスタン大統領に至っては、今年に入ってすでに七回も中東を訪問しております。今回の所信表明から伺うことはできませんでしたが、一昨日、わが党の竹入委員長が主張しましたように、資源外交への確固とした基本戦略を定めて、総理みずから速やかに中東産油国を歴訪すべきだと思いますが、その意思と訪問時期等を重ねてお伺いいたします。  衆議院選挙直後、急遽閣議決定されたイラン石油化学コンビナートの国家プロジェクト化の問題について伺います。  政府は、イラン石化事業を、イランの政情は安定しているとしまして、去る十月に、財政再建で台所は火の車であるにもかかわらず、二百億円を政府出資とする国家プロジェクト化を決めました。しかし、その後イランの政情不安等からこれの実施がおくれております。今後、イラン石油化学コンビナート建設について、政府としては継続していく方向と言われていますが、その推進と見通しをお聞かせ願いたいのであります。  次に、石油の節約について伺います。  混乱する自由世界経済の立て直しと、省資源、省エネルギーがテーマとなった東京サミットで決定した各国の石油五%節約について、わが国における実施状況はどうなっていますか、通産大臣に伺いたいのです。  また、今月十日に行われるIEAでは、米国は、罰則も伴う輸入量規制など、現在よりさらに厳しく節約を求めてくると伝えられておりますが、わが国がIEA理事会に臨む基本方針について、外務、通産両大臣に説明を求めます。  次に、長期エネルギー需給暫定見通しについて伺います。  通産大臣は、諾問機関である総合エネルギー調査会が八月末にまとめた長期エネルギー需給暫定見通しの中間報告で、石油にかわる原子力、石炭、液化天然ガス、太陽熱などの代替・新エネルギーについて、エネルギー供給全体に占める割合を、当初見通しの四三・九%を五〇%と引き上げて報告しております。しかしながら、原子力、石炭などの在来型代替エネルギーも、太陽熱といった新エネルギーの現状も、かなり厳しいと言わざるを得ません。一方、原子力発電には現在さまざまな問題をはらんでおります。また、基礎研究の域を出ていないと言わざるを得ない新エネルギーも、近い将来の見通しも立っていないのが偽らざる実情であります。総理は、こうした内容の盛られた長期エネルギー需要暫定見通しをどのように受けとめ、わが国の今後のエネルギー問題を考えているのか、伺いたいのであります。  年末を控え、中小零細企業の経営者は焦りと苦しみの色を濃くしています。最近の原油の大幅値上げや円安による原材料コストの上昇、また、親会社からの締めつけなどもあって、中小零細企業の経営はきわめて圧迫されています。  仕入れコストの上昇分を販売価格へ転嫁できない中小零細企業は、資金繰りに困り、倒産に追い込まれ、十月には千五百三十五件と、一年七カ月ぶりに千五百件の大台を超えました。これから年末にかけ資金需要が一層増大しますが、民間金融機関は選別融資の傾向が強まり、金融引き締めが始まっているだけに、中小企業金融公庫を初めとする政府系三金融機関の年末融資枠の拡大が関係者から強く望まれております。これに対する政府の対策について通産大臣の御答弁を求めたいのであります。  最後に、食糧、農業問題でお尋ねいたします。  総理、あなたの所信表明を聞いていて私は奇異に感じたのでありますが、なぜ今回、農業、食糧問題について全く触れなかったのですか。常日ごろ、食糧は石油と同じように重要だ、このように言っておりながら、今回その姿勢さえ示そうとされませんでした。これは日本農業がいま抱えている厳しい状況に目をそむけたものであり、農政軽視のあらわれではありませんか。農政に対する総理の基本的認識を問いたいのであります。  さて、世界の穀物市況を見ますと、新穀が出回る時期になったにもかかわらず高水準で推移しています。これは、インフレやドル不安、ソ連の不作による大量買い付け、さらに国際緊張も加わり、先高を予想して投機買いが活発になり、小麦では昨年同期に比べ一ブッシェル当たり一ドル以上も値上がりしています。今後ますます世界の穀物は高騰を続ける傾向は明らかです。この八月、食糧に関するある世論調査によりますと、食糧危機の時代が来ると答えた人が八割以上を占め、そのため約六割の人が農産物の自給率向上を求めています。  わが国の穀物自給率は、昭和三十五年の八三%から現在では四〇%を大きく割っています。このまま自給率の低下を放置していれば、いずれ取り返しのつかない重大事態を招くことは明らかであります。政府は昭和六十五年を目標に需要長期見通しを策定中ですが、この際、わが国の自給目標をできる限り早く明確にしていただきたいのであります。  また、農業基本法の改正についても現在検討中とのことでありますが、その方向及び改正スケジュールは一体どうなっているのでしょうか。  当面する農政の具体的問題として、米の新生産調整対策について尋ねます。  農林水産省が決めた五十五年度の米の減反目標二百四十五万トンへの強化、予約限度数量を本年度より四十五万トン減の七百八十五万トンとする方針が発表され、農業関係者に大きな波紋を呼んでおります。政府は昭和五十三年度から新生産調整の減反目標を発表しましたが、農業関係者の努力によりまして、五十三年度は一二%、本年度は二一%も政府目標を上回る減反が実施されました。それにもかかわらず米過剰から抜け出せない現状にあるのは、ひとえに政府の需給見通しの甘さにあります。その農政責任をどのように考えておられるのか。  また、計画当初の減反目標は三年間は動かさないとたびたび言明しておきながら、計画二年目にして大幅な目標変更をした責任を総理は一体どうされるのですか。政府は約束をほごにした、またも政府に裏切られたと怒る農家の皆さんに、ここではっきりとお答えをいただきたいのであります。  また、五十五年度の米需要見通しを千百十五万トンとしておりますが、この政府の見通しは甘くありませんか。  昭和五十六年度以降は減反しないでも済むのでしょうか。減反が大幅に際限なく続くのではないかとおびえる農家に明確な指針を与えていただきたいのであります。  また、昨日、減反の都道府県別配分が決定されましたが、配分率の高い地方の特に専業農家に与える影響は深刻なものがあります。米以外の農産物に対する価格、生産、流通、需要予測など総合的な施策を講じ、安心して他の農産物を生産できる条件づくりを積極的に推進することが急務ではありませんか。明確な将来の展望もなく、ただ農家にのみ過大な犠牲を強要する形での減反強化拡大は絶対に避けるべきだと思いますが、政府の御所見を伺いたいのであります。  以上、私は、緊急かつ重要な問題にしぼってお尋ねしましたが、総理の率直にして誠意ある御答弁を要望して、私の質問を終わります。(拍手)   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
  4. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) 相沢さんの御質問にお答えいたします。  第一の御質問は、過般の解散から今日に至るまでの政治的混迷、行政の停滞についてどうこれを受けとめ、これに対してどういう責任を感じておるかという御質問でございました。  私は、過般の解散は時期を間違ったものとは考えておりませんし、この解散に伴う選挙が秩序正しく行われまして、国民の厳粛な審判が下りました。これを厳粛に受けとめて、鋭意謙虚な態度で国政の運営に当たらなければならないものと考えております。この審判をどのように受けとめ、それに伴う政治責任をどのように処理するかということにつきまして、自由民主党内で論議が沸いたことは御案内のとおりであります。これは党内民主主義の立場からは御理解いただいて差し支えないことだと思うのでありまするけれども、問題は、この論議の収束が大変長引いたこと、そしてその結末を国会に持ち込まざるを得なかったことでございまして、その責任は、挙げて総裁である私の責任でございまして、私は深く反省をいたしまして、このようなことを繰り返さないように今後戒めていくつもりでございます。  私が政権の延命に狂奔したのではないかという御意見でございましたが、私は何も政権に恋々とするものではございません。総理・総裁という立場におきまして私の進退は大変国政に影響を与えるものでございますので、あくまで慎重でなければならぬと存じ、筋道の通った去就を行わなければならぬと考えたわけでございまして、その点につきましては御理解をいただきたいと思います。  党内で決着をつけるべき首班指名を国会に持ち込んだことについての政治責任についてお尋ねでございました。  本来、党内民主主義で片づけなければならぬ問題であることは御指摘のとおりでございまするけれども、問題は、特別国会が開かれまして議題がすでに上程されておるときでございますので、時間の制約がございまして、やむを得ずああいう異例の措置に出ざるを得なかったわけでございます。そのことにつきましては、私の責任であるということはたびたび申し上げておるとおりでございまして、今後こういうことを繰り返すことのないように十分戒めてかかるつもりでございます。  相沢さんは、さらに、政治資金の規制強化を含む政治浄化とどう取り組むかというお尋ねがございました。  政府といたしましては、そのために政治倫理の確立を図ることが必要であると考えまして、さきの再発防止協議会の御提言も十分尊重いたしまして、政治資金の明朗化を図る措置を初めといたしまして、企業の自主的監査機能の整備、行政の責任の明確化を図る措置、さらには制裁法規の整備強化を図る措置等につきましていま諸般の準備を進めております。成案を得次第、国会に御審議をいただくつもりでおります。  また、公正で金のかからない選挙制度のあり方につきましても、国会と緊密な連携のもとに検討を進めてまいりたいと考えております。  政治家の資産公開等につきましては、事の性質上、政府から提起すべきものではなくて、国会の審議検討にまちたいと考えております。  国際電信電話株式会社の事件につきましてのお尋ねでございました。  政府としては、このような事件が再発されることがないよう、鋭意この事件の真相の究明、解明に当たり、再発防止のための人事の刷新を初めといたします具体的な改善方途を検討いたしておるところでございます。さらに今後厳正な指導監督を強化してまいるつもりでございます。  鉄道建設公団問題も同様、まことに遺憾なことでございまして、今後公団等特殊法人に対する指導監督につきましても、この事態の究明を通じて得られましたデータを活用いたしまして指導監督に万全を期したいと考えております。各責任者につきましていろいろ厳正な処分をすることは当然でございますが、同時に、予算の計上、執行につきましても再点検を図ってまいる所存でございます。  各省庁の公費接待の廃止でございますとか、綱紀の粛正、再発についてどう取り組んでいくかということでございます。  官庁間の行き過ぎた接待につきましては、予算の厳正な執行に当たるべき公務員といたしましてまことに遺憾なことでございます。早速各省庁に対しましてその廃止を指示したところでございます。各省庁におきましても、十一月二十六日の綱紀粛正の申し合わせの中に、仰せの官庁間接待の廃止を取り決めておるところでございます。政府といたしましては、二度とこうした批判を受けることのないよう厳しく自戒してまいりたいと思います。  不祥事件、不謹慎発言などについて、任命権者である私の責任をただされたのでございます。  私といたしましては、各閣僚の人格と識見を信頼し評価いたしまして御入閣をいただいたわけでございます。各閣僚におかれては、政治倫理の要請を厳しく受けとめられて職責を十全に果たしていただけることと確信をいたしておりますが、何をおきましても任命権者である私自身が自粛自戒してまいることが第一であろうと思います。御指摘のとおりでございまして、内閣を率いて遺漏がないように十分周到に注意してまいるつもりでございます。  次には、財政再建策についてのお尋ねでございました。  現在の財政は大変異常な状態になっておりますことは相沢さんも御承知のとおりでございまして、財政の公債依存体質を改めまして、将来にわたって財政の対応力の回復を図ることが財政再建の緊急な課題であることは御案内のとおりと思います。このため、政府は、歳入、歳出両面を通じまして幅広い角度から再建の手だてを検討いたしております。  まず増税をというような考え方は毛頭持っていないのでございまして、五十五年度予算の編成に当たりましては、財政再建の具体的第一歩として、第一年度にふさわしい予算案を編成いたしたいといま全力を挙げておるところでございます。  今後の財政再建の具体的手段、五十五年度以降、五十六年度以降の財政再建の具体的手だてといたしましては、この財政再建の趣旨にかんがみまして、いろいろな手段をどのような方法でやってまいるか、幅広く検討をしなければならぬと考えております。  財政再建につきましての国会の決議についてのお尋ねがございましたけれども、国会の決議は国会の御判断にまつべきであると考えております。  それから財政長期計画策定作業の進捗状況はどうかというお尋ねでございました。  財政計画につきましては、財政制度審議会における論議等を踏まえまして現在政府部内で鋭意検討を行っておるところでございます。何分大変むずかしい仕事であり、かつ広範にわたる作業でございますので、いつまでに作業が終了してまいるか、現在の段階ではまだ確定的なことを申し上げる自信がございませんが、今後とも鋭意検討作業に精力的に取り組んで御期待にこたえなければならぬと考えております。  行政管理基本問題研究会の提案をどう受けとめるかということでございました。  この研究会の御提言の中心は、政府公共部門の担うべき役割り、すなわち行政の守備範囲について深く検討をされて、数多くの有益な示唆が盛られておると思っておりまして、学界等第一線の方々の御提案でもございまして、政府としては十分勉強さしていただき、尊重さしていただいて、生かすべきものは積極的に生かしてまいるように努めたいと考えております。  行政改革と補助金整理は財政再建の柱である、これについての基本的な考え方はどうかというお尋ねでございました。  これは、仰せのとおり、われわれといたしましても行政改革を現内閣の最重要な課題として受けとめて、強い決意で取り組んでおるところでございます。そのためには、先般策定いたしました定員削減計画を着実に実行いたしますとともに、特殊法人、省庁の付属機関及び地方支分部局について年内に整理計画を作成いたしまして、積極的にこれを進めてまいる方針でございます。  補助金につきましては、年内に整理合理化の計画を策定いたしますとともに、当面の五十五年度予算におきましても、従来にも増して積極的に廃止、減額等の整理合理化を図るべく目下鋭意検討をいたしておるところでございます。  三K赤字解消策についてその方針を示せということでございます。  国鉄関係で申しますと、国鉄は五十四年度末に累積赤字が六兆円を超えるという深刻な財政状況にあることは、相沢さんも御承知のとおりと思います。国鉄財政再建問題につきましては、五十二年十二月の閣議了解がございまして、五十四年度中に新しい再建案を確立することとされておりまして、サマーレビュー以来鋭意検討いたしておるところでございます。国鉄再建のためには国鉄自身の徹底した経営改善が必要でございまして、これが達成されないまま国の助成を漫然と続けても抜本的な問題解決にはならないと考えております。したがって、国鉄がいかなる合理化計画を講ずるかを見きわめながら、厳しい財政事情の中ではありまするけれども、国鉄の収支改善措置を助長するよう必要最小限度の助成は行っていかなければならないと考えております。  食管関係でございますが、先般の五十四年産米の価格決定に当たりましては、米の需給事情にかんがみまして、その水準を据え置くことにいたしました。また、食管運営に市場原理を導入するとの観点から、生産者への急激な影響の緩和にも配慮しながら、新たに品質による価格差を導入いたしたところでございます。  なお、米に係る財政措置につきましては、今後予算編成過程でサマーレビューの成果を生かしてその節減合理化を図る方向で最大限の努力を払っておるところでございます。  医療保険につきましては、今後の安定成長経済下における人口の急激な老齢化、医療の高度化の進展に対応いたしまして、給付、負担の両面にわたりまして制度の基本的改革を進めることといたしておりまして、まずその第一段階として、給付と負担の適正化、家計の高額な負担の軽減等を目的とする健保法の改正の早期実現を図ることとしてお願いをいたしておるところでございます。また、指導・監査の充実強化等により適正な医療費支出対策を推進することにより、国民医療の確保と保険財政の長期的な健全化を図りたいと考えております。  租税特別措置の改廃についてのお尋ねでございました。  租税特別措置につきましては、年々これを見直してきておりますけれども、ことしはさらに財政事情の厳しいこともございまして利子・配当の総合課税への移行の具体的措置を講ずるほか、企業関係の租税特別措置につきましては抜本的な見直しを行い、その整理合理化を進めておるところでございます。  相沢さんは、五十五年度予算編成における福祉・教育予算の後退を戒められておるわけでございます。  たびたびこの議場でも御説明申し上げておりまするように、わが国の社会保障は制度的にはいますでに国際的に遜色のない水準にまで達しておると思いまするけれども、今後の高齢化の進展に伴いまして、現行の水準を維持していくだけでもその費用負担は相当大幅な増大が予想されております。したがって、社会保障を今後推進していくに当たりましては、従来にも増して制度の合理化、給付と負担の公平化等を着実に図っていくことが必要であることはたびたび申し上げておるとおりでございまして、五十五年度の予算編成に当たりましても、そういう考え方に立ちまして、国民福祉に配慮しながら、制度、施策の適正化の検討をいま行っておるところでございます。  教育予算につきましても、財政再建の緊急な要請の中にありながらどのようにして確保してまいるか、いま鋭意検討を行っておるところでございまして、五十五年度の予算でごらんいただきたいと考えております。  財政再建特別委員会を国会に設置せよという御意見でございますが、これは国会の問題として各党間の御検討に期待したいと思います。  それから物価並びに景気の状況をどう判断し、これに対してどういう対策を持っておるか、いま示しておる対策で十分かというような御意見でございました。  去年の暮れ以来、内需を中心といたしまして経済の拡大は順調に進んでおるように私どもは認識いたしております。雇用も漸次改善の跡が見られるわけでございます。消費者物価もおかげさまでどこの国よりも安定した足取りを示しておりますることもありがたいことと思っておりまするが、問題は、卸売物価と国際収支に大きな狂いが外的要因等から出ておりまするわけでございます。これがどのように今後の消費者物価に影響をしてまいりますか、これに対してどのように備えてまいるかが当面の物価政策の核心であろうと考えておるわけでございまして、政府は先般八項目から成る物価対策を決めて実行に移しております。日銀当局も四月以降三度にわたりまして公定歩合の引き上げを行っておりますることも御案内のとおりでございまして、われわれは緊張した姿勢で事態に対応いたしますならば、第一次石油危機に見られたような状況を招来することなく物価の抑制に成功するのではないかと考えておりまするけれども、なお一層緊張した姿勢で物価政策には対応してまいるつもりでございます。  公共料金値上げの抑制について、公明党の御主張もあわせて御披露いただきながらの御質問でございました。  われわれといたしましては、公共料金を定めるに当たりまして、経営の徹底した合理化を図ることが基本でありますが、その負担につきましては受益者負担を原則とするという考え方にのっとって、最小限度にその値上げを抑えるようにやってまいったわけでございます。公明党の、受益者負担原則、所得応能負担原則、あるいは生活必需的サービスの最低保障の原則、この三つの原則を適宜あんばいして当たれという御意見は、一考に価する御提案と思いまするけれども、われわれといたしましては、これを支える財源その他いろいろ検討すべき問題がございまして、ただいまわれわれが堅持しておりまする方針を厳しく徹底して対応してまいることが現実的であると考えております。  それから中東産油国と米国との間に立って微妙な立場にあるわが国の石油買い付けのあり方についてのお尋ねでございました。  現下の流動的な国際石油情勢のもとで、わが国といたしましてはスポット原油の高値買いを自粛しながら、新たな安定的な供給ルートの確保に努めておるところでございます。  また、世界の石油需給の改善に資するためには先進消費国間の協調が不可欠でございますし、わが国としてもIEA等の場を通じての協力に積極的に参加してまいる方針で臨みたいと考えております。  その次は、中東外交についてのお尋ねでございました。  わが国が中東、中近東外交を進めるに当たりましては、石油安定供給の必要のみでなく、パレスチナ問題を含む中東和平問題の重要性を十分考慮する必要があると考えております。さらに、これら諸国の国づくりや人づくりのための経済技術協力を初めといたしまして、人的文化的交流等、広範な分野にわたりましてこれら諸国との友好協力関係を積極的に進めていく必要があると考えております。  また、わが国の立場及び世界におけるわが国の地位にかんがみまして、中東和平の実現に向けて応分の貢献をしなければならぬと考えております。特にパレスチナ問題につきましては、中東紛争の核心をなすものとしてきわめて重視いたしており、パレスチナ人の民族自決権を含む国連憲章に基づく正当な権利が承認、尊重されることが必要であると考えております。パレスチナ人の民族自決権につきましては、わが国は独立国家を樹立する権利も含まれておると解釈をいたしております。また、これまでもすでに機会あるごとに明らかにいたしてきたとおり、PLOをパレスチナ人を代表するものとして認識しておりますが、今後ともわが国としてはPLOと行っておる対話をさらに推進していく所存であります。  産油国、非産油国を問わず、中近東諸国と諸分野において緊密な関係にあるわが国といたしましては、今後ともこれら諸国との相互理解、友好協力関係の増進に努める考えでございまして、首相レベルの交流は仰せのようにきわめて大事だと考えております。このような観点から、できるだけ早い機会にこれらの諸国を私が訪問できる機会を持ちたいと念願をいたしておりますが、今後のスケジュールもございまして、まだ具体的にスケジュールを決めるまでには至っておりません。  エネルギーの需給暫定見通しについての中間報告をどのように受けとめておるかということでございます。  総合エネルギー調査会の長期エネルギー需給暫定見通しは、東京サミットの合意に基づく国際的責任を果たし、かつ中長期にわたるエネルギーの安定供給を確保するという観点から立案されたものと承知いたしております。  御指摘のとおり、この見通しに基づく目標を達成することが容易でないことは私もよく承知しておるつもりでありますが、今後ともわが国経済社会の発展を図ってまいりますためには、官民を挙げてその達成に最大限の努力を払わなければならないものと考えております。  政府としては、石炭、原子力等の石油代替エネルギーの開発、省エネルギーの促進、石油の安定供給確保に一層強力に取り組んでこの期待にこたえてまいりたいと考えております。  次に、農業、食糧問題についてのお尋ねでございました。  農村は、食糧の安定供給、地域社会の発展、国土の保全等重要な役割りを果たしておると承知いたしております。このような役割りにかんがみまして、農業の生産性と総合的な食糧の自給力の向上、活力のある農村の建設は、政治にとりまして核心的な重要な課題であると心得ております。  六十五年を目標といたしました長期需給見通しにおける食糧の自給目標をできるだけ早く明らかにせよという御質問でございました。  農業の将来展望を確立するため、現在農政の見直しを行っておりますけれども、その一環である農産物の長期需給見通しにつきましては、国土資源の有効利用と自給力の維持向上の観点に立ちまして、来年春を目途に検討を進めておるところでございます。  米の生産調整についてのお尋ねでございました。  せっかく政府も米の消費拡大に努めておるわけでございますが、なかなか思うに任せませんし、一方、米の生産力の向上が予期以上に出ておる関係もございまして、米の過剰の度合いはいよいよ強まっておることは、御案内のとおりでございます。したがって、こういう事態に直面いたしまして、生産者を初め関係の方々の特段の御理解を得て米の需給のバランスを早く回復しなければならぬと存じております。  こういう状況でございますので、転作目標を改定せざるを得なかった事情につきましては御理解と御協力を得たいと思います。  今後、農業の将来に明るい展望を切り開いていくためにも、需要に即した農業生産への転換は避けて通れない課題であると考えております。今後、関連施策につきましては一層の充実を図ってまいりたいと考えております。(拍手)   〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
  5. 竹下登

    ○国務大臣(竹下登君) 私に対する御質問は、税務行政の基本、灯油値上げ等に伴う社会保障給付費の引き上げ、この二つであると思います。  税務行政の基本につきましては、御案内のとおり、申告制度のもとで、すべての納税者が租税の意義を理解し、適正な申告と納税を行うことによりまして自主的に納税義務を履行する基盤を築き上げていくことにあると考えております。したがって、その基本的な考え方に立ちまして、高額、悪質な納税者に重点を置いて調査の徹底に努めていく。そして、大部分を占めます善良な納税者には、適正申告のための指導、相談、広報の拡充、これを基本として対応していくわけでございます。そして、さらに近づきやすい税務官庁になるための努力、このことが基本的な考え方であると考えております。  それから次の問題でございますが、そもそも社会保障関係の給付費というものは、そのときの経済の状態あるいは国民生活の動向等を勘案して、五十四年で例を申しますならば、生活保護費等八・三%、言ってみれば物価水準を上回る予算を現在執行いたしておるさなかでございますので、当面のところその中で対応できるものであろうというふうに考えております。  財政再建に関する補助金、租税特別措置につきましては、総理からお答えがありましたとおりでございます。  以上でお答えといたします。(拍手)   〔国務大臣佐々木義武君登壇、拍手〕
  6. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 私に対する御質問は四つございますが、簡単にお答えいたします。  イランの石油化学工業の問題でございますけれども、イラン側におきましては、バザルガン内閣が総辞職した後も、新内閣では本プロジェクトを推進するとの方針に変更がない旨の表明がございましたし、わが国政府も従来の方針を変更することは考えておりません。  今後のスケジュールでございますけれども、現在、日本、イラン双方の関係者の間で協議が進められておりまして、現在のところでは完成予定時期を変更する必要はないものと考えております。  二番目は、石油の五%節約の実施状況はどうかという問題でございますけれども、今年の上期に行いました主要企業などの調査の結果は、ほぼ八割程度が達成されてございます。なお、最近の実施状況等は調査の集計をただいましておるところでございます。  また、個別の対策といたしましては、たとえばガソリンスタンドの日曜、休日に休むという問題でございますが、これは九九%以上行われておりますし、ネオン等の点灯時間の短縮につきましても大体七五%の達成率を上げてございます。今後とも石油の節約対策に対しては一層周知徹底を図ってまいりたいと存じております。  三番目は、IEAの理事会に出席するそうだが、その基本的な態度、方針はどうかということでございますけれども、最近におきます流動的な国際石油情勢を背景に、来る十二月十日、IEAの閣僚理事会がパリで開催される予定になっております。閣僚理事会では、石油需要の抑制策、あるいは石油輸入の目標等、石油市場安定化のための方策が議題になるものと考えられております。わが国といたしましては、今後の石油の安定供給確保のためにも各国との協調が不可欠でございますので、そういう認識に立ちまして積極的に対処してまいりたいと考えてございます。  最後は、中小企業問題でございますけれども、いわゆる政府系の中小企業金融三機関は、今年度下期二兆五千八十五億円の貸出枠を用意してございます。これは前年同期に比較いたしまして三五%上回る大変な規模の上昇でございます。したがいまして、特に貸出枠の追加等を行わなくても年末資金需要には十分対応できるものと考えてございます。  なお、年末の金融繁忙期に当たりましては、中小企業への貸し出し等を円滑に行い得るよう関係機関に十分な指導をただいま行っておるところでございます。(拍手)   〔国務大臣大来佐武郎君登壇、拍手〕
  7. 大来佐武郎

    ○国務大臣(大来佐武郎君) 私に対する御質問は、IEA理事会に臨む基本方針を問うということでございましたが、ただいま通産大臣がお答えしましたのと同様でございます。(拍手)   〔国務大臣武藤嘉文君登壇、拍手〕
  8. 武藤嘉文

    ○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど総理からすでに農業問題についてはお答えがございましたが、その中でまだお答えのなかった分について私からお答えをさせていただきたいと思います。  まず、農業基本法の問題でございますけれども、先ほど相沢先生も御指摘のように、来年の春を目指して農政の一九八〇年代の見通しをつくろうということで、いま農政審議会にもいろいろお願いをいたしております。それを踏まえまして、需給の長期見通しを初め、いろいろ今後の一九八〇年代の農政をひとつ確立したい。その中で必要とあれば農業基本法の改正を考えなければなりませんが、いまのところは特にまだそのような作業はやっておりません。  次に、先ほどの五十五年度の大変御迷惑をおかけしておる問題でございますが、需給の見通しがまだ甘いのじゃないかという御指摘でございますけれども、確かにいま米の消費は減退を続けてまいりましたが、この間農林水産委員会においても御指摘をいただきまして、もっと政府が米の消費拡大に努力をすべきであるという御提言もちょうだいをいたしておりまして、それらの意見を率直に私ども受けとめまして、今後米の消費拡大により一層努力をしたい、そしてぜひこの需給見通しは達成をしたいと、こう考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。  五十六年度以降につきましては、これもいま申し上げましたように、米の消費拡大をしていけば結果的には転作目標面積は変える必要がないわけでございます。しかしながら、どう出てくるか将来の問題でございますし、そのときそのときのやはり需給の均衡ということを考えながら対処してまいりたいと思っております。  また、転作作物に対するいろいろの処置をやれということでございますが、これはもう農家の皆様方にこのようなことをお願いする以上は当然のことでございまして、いままでも排水対策等の土地基盤整備、あるいは価格、流通面においていろいろの施策をやってまいりましたが、より一層ひとつ強力にこの点については進めていきたい、こう考えておる次第でございます。  以上でございます。(拍手)
  9. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 答弁の補足があります。大平内閣総理大臣。   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
  10. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) 財政再建に関連いたしまして、一般消費税の導入問題低所得者に対する増税問題についてどう考えるかという御質問でございました。  この問題につきましては、五十五年度を再建の初年度とすることとして、いま鋭意予算案を策定中でございますが、一般消費税の導入、低所得者に対する増税というようなことは考えないで第一年度の予算案を策定すべく、鋭意努力をいたしておるところでございます。  五十六年度以降どうするかというお尋ねでございますが、これは先般の本会議でもお答え申し上げましたとおり、五十六年度の歳入、歳出全体を見てから判断すべきものと思うのでございまして、一つの税目についてどうこうと言うことはいささか軽率じゃないかと思いますが、この第一年度の財政再建への努力からお読み取りいただきますように、私どもといたしましては、こういった増税というようなことを極力避けながら財政再建の実を上げるべくベストを尽くしていきたいと考えております。問題は歳出でございまして、これにどのような自制が願えるかということが問題の基本でありはしないかと考えております。(拍手)     ―――――――――――――
  11. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 安武洋子君。   〔安武洋子君登壇、拍手〕
  12. 安武洋子

    ○安武洋子君 私は、日本共産党を代表して、総理並びに関係大臣に質問いたします。  最初に、総選挙結果に対する総理の認識と政治姿勢についてお伺いいたします。  総理は、所信表明で、国民の審判を謙虚に受けとめと述べられるとともに、国政の停滞をわびられました。   〔議長退席、副議長着席〕  しかし、いままでの論議を通じて明らかになったことは、掲げられた口先だけの綱紀粛正の陰に隠された一般消費税導入への強い意欲、そして公共料金引き上げの是認、さらには自衛隊の環太平洋合同演習への参加などの反国民的な姿勢であります。これは国民の審判に対する開き直りであり、同時に国民への新たな挑戦とも言うべきものであります。あなたは、自民党安定多数への国民の拒否回答は、こうした反国民的政策や反動姿勢への拒否回答だったとは受けとめられていないのでしょうか。総理の認識を伺います。  総理は、政治と行政の厳正と清潔さ、これが政治に対する国民の信頼の原点だと強調されました。しかし、第二次大平内閣ほどこの言葉が不似合いで、国民に空虚な響きを与えた内閣はなかったと思います。総理、あなたがさきの特別国会で再び総理の座につかれた背景に田中派の力があったことは周知の事実であり、大平内閣が角影内閣と呼ばれるゆえんであります。そして、そこには、総理の座を得るためには金権腐敗の罪に問われている刑事被告人の力をかりても恥じない総理の政治家としてのモラルの麻痺が象徴的にあらわれております。これでどうして清潔な態度が政治の基本などと言えるのでしょうか。  しかも、閣僚の顔ぶれを見れば、買収選挙で多数の逮捕者を出した人を国家公安委員長に、KDDに二百枚のパーティー券を売りつけた人を総務長官に、多額の納税申告漏れをしていた人を大蔵大臣の要職に、それぞれ据えているありさまです。さらに、法律の厳正な執行を監督し、検察を指揮すべき倉石法務大臣が、ロッキード事件の被告の青天白日すなわち無罪を公然と望むなど、およそ厳正とか清潔さとは無縁の内閣と言わなければなりません。総理、まず大平内閣こそ綱紀粛正、政治倫理確立の第一の対象とすべきではないでしょうか。  また、法務大臣として欠格者とも言うべき倉石法務大臣を罷免しないのは、総理御自身もロッキード事件の被告が青天白日の身になることを願っておられるからなのですか。総理の御所見を伺います。  次に、与党自民党を初め、少なくない政治家、高級官僚まで巻き込み、一大疑獄事件としての様相を見せ始めているKDDなど政府諸機関の底知れぬ不正腐敗問題についてただしたいと思います。  このKDD密輸、贈賄事件の背景に、歴代郵政大臣や一部逓信委員、また郵政官僚が関与していた疑惑が示すように、底知れぬ不正腐敗の最大の根源は、自民党の根深い金権腐敗体質と政財官界の癒着の構造です。急いでここにメスを入れ、腐敗を正し、その全容を公表して国会での究明に最大限の協力を約すべきです。総理の答弁を求めます。  国民生活の困難さをよそに、貴重な国民の血税をわが物顔に浪費し、公金を政官界工作に流用する特殊法人を舞台にした腐敗は、高級官僚への国民の逆奉仕という、自民党政治のもとでの逆転した構図をまざまざと浮かび上がらせるものです。国民が特に腹立たしく思っている特殊法人役員の法外な退職金問題は、その最たるものの一つです。一般職員の場合、最終月給掛ける勤続年数を基本にしているのに対し、天下り高級官僚が大半を占める役員は勤続の月数が基本であるという信じがたい優遇措置となっております。総理、あなたが冗費節約を言われるのなら、まず役員退職金規定の減額見直しに着手すべきではありませんか。  不正腐敗問題に関連して、政治家のモラルについて申し上げたいと思います。  政治、行政の腐敗を正し、政治への国民の信頼を高めることは、私たち政治家の果たすべき重大な責務です。この点で、KDD、鉄建公団などから政治献金、接待など、その他特別の便宜を受けた政治家は、進んで名のるべきではないでしょうか。あわせて総理の見解を求めます。  次に、寒さ厳しい冬を迎え、緊急対策が求められている石油問題についてお伺いいたします。  灯油など国民生活用石油は、わが党の国民生活防衛対策本部の全国調査でも、灯油一かん千百円を超えるものが実に七割以上も占め、全国的に異常な値上がり状態になっております。この主な原因の一つは、石油大企業による悪質な便乗値上げであり、許すことができません。さらに、石油備蓄、中でも灯油備蓄量が史上最高量に達しているにもかかわらず、消費者への抱き合わせ販売や新規客への供給制限が横行しているのは、石油大企業の価格つり上げを意図した売り惜しみによるものにほかなりません。それだけに、原油価格上昇分の末端価格への転嫁はやむを得ないとして、値上げを野放しにしてきた総理や通産大臣の責任は厳しく問われなければなりません。  総理、あなたは、老人ホームや保育所などで、高い灯油価格のため燃料費の予算が不足し、寒さにふるえているお年寄りや赤ちゃんたちがいることを御存じでしょうか。総理は、所信表明で、石油便乗値上げを厳しく監視し、生産、流通に十分な配慮を払うと、こう述べられました。この言葉にうそ偽りがないのなら、この場ではっきりと便乗値上げをやめさせる具体的な対策を示していただきたい。  また、石油二法を発動し、専任の価格調査官を配置して、便乗値上げの実態を徹底的に調査し、最低限、便乗値上げ分の値下げを指導すること、元売りの売り惜しみは絶対に許さないことを国民に向かって約束していただきたい。総理並びに通産大臣の答弁を求めます。  財政再建は緊急かつ重要な課題です。  政府・自民党は、国民世論の審判で来印度は困難になった一般消費税の導入にかえて、大衆増税、公共料金の一斉引き上げ、福祉、教育予算の切り詰めなど、いわば国民の審判への報復とも言うべきこういう予算を準備しようとしております。これらの措置が、年の瀬を前に苦しい毎日を送っている多くの失業者や母子家庭、低所得者などに格別に厳しい打撃となることは明らかです。財政再建に名をかりたこのような反国民的な施策は、国民の生活と経営を一層深刻にするばかりか、経済、財政のゆがみを新たに強めるものであり、断じて許せません。いま進めるべきは、一般消費税、大衆増税なしの国民生活防衛の立場に立った財政再建であり、この道こそさきの総選挙で示された民意に正面からこたえる道であります。来年度予算をその第一歩として位置づけ、国民犠牲の予算編成のあり方を直ちに改めるべきではありませんか。  また、一般消費税について、総理は、来年度導入を否定しつつも、五十六年度以降の導入についてはその可能性を示唆されております。さきの選挙での厳しい審判にこたえ、今後その新設、導入を中止すべきであります。そして、五十三年度の改正以来、課税最低限引き上げ見送りで実質増税となっている所得税について、国民への減税を図るよう求めるものであります。  公共料金の値上がりは、毎年消費者物価上昇のうちほぼ三割を占め、家計を大きく直撃するものとなっております。しかも、来年度は、国鉄、健康保険、消費者米麦価、郵便、たばこ、大学授業料などのほか、電力、ガス料金についても大幅な値上げが予定されております。公共料金の値上げは、低所得者に対してほど、高い負担割合を押しつけるものです。インフレの危機が経済全般に強まっている今日、物価抑制に回るべき政府が値上げの先頭に立つようなことは許されるものではありません。厳に中止を求めるものであります。  そして、軍事費や大企業のための公共投資など不要不急経費を見直し、官公庁の不正経理などに大胆にメスを入れるとともに、不公平税制の徹底是正を行い、国民生活防衛の立場に立った財政再建への道を進むべきであります。  以上の点について総理の所見を求めます。  次に、国民生活に関する幾つかの問題についてお伺いいたします。  まず農業の問題です。政府はこれまで米の生産調整目標を五十五年度までは変えない、こうたびたび約束してまいりました。ところが、政府は、きのう、来年度の減反目標を当初面積から三七%も上積みすることを全国的に通知しました。総理、これは明らかに約束違反ではありませんか。押しつけ転作の強化をやめ、競合農産物の輸入削減とともに転作作物の販路や価格の保障、また、土地条件の整備など転作条件を整えることこそ緊要ではありませんか。総理の答弁を求めます。  中小企業の倒産は、八月以降再び増勢傾向にあります。年末の金融逼迫期を迎えたいま、政府関係金融機関の融資枠拡大、貸付条件緩和、限度額引き上げ、金利引き下げなどの措置を早急に講ずべきであります。通産大臣の答弁を求めます。  総理、来年は「国連婦人の十年」の半ばに当たる年です。しかし、わが国の婦人が置かれている現状を見るとき、男女平等、婦人の社会的地位向上のためなすべき課題は山積しております。ところが、政府は、男女平等の名のもとに、残業規制、深夜労働禁止の撤廃、生理休暇の廃止など、労働基準法の女子保護規定への改悪さえたくらんでおります。私自身、婦人の一人として怒りを禁じることができません。婦人の地位向上と男女平等を進めるためには、何よりも真の男女平等法の制定や産前産後休暇の延長など母性保護の充実をこそ急ぐべきです。また、いわゆる妻の座を高めるため、遺産相続における配偶者の相続分をふやすよう、民法改正案を次期国会に提出すべきだと考えますが、いかがお答えでございましょうか。総理の答弁を求めます。  次に、教育についてお伺いいたします。  ことしの国際児童年を踏まえ、一九八〇年代こそは、子供たちを荒廃した教育環境や自殺、受験地獄などの悲劇から守り、子供たちにとって希望あふれる時代としなければなりません。そのために、行き届いた教育を保障する基本条件である四十人以下を目指す学級規模の縮小に来年度から踏み切ること、受験地獄の解決のため、高校教育を準義務教育として位置づけ、必要な高校新増設を早急に促進するための建設費の補助の引き上げ、また、公私の格差是正のため、私立高校授業料軽減への補助など国庫補助金の大幅増額などに思い切って取り組むべきではないでしょうか。総理並びに文部大臣の所見を伺います。  最後に、安保・防衛問題についてお伺いいたします。  今日、中東やアジア地域における米軍の展開に見られるように、核兵器を背景としたアメリカの軍事脅迫政策は新たな緊張激化の根源となっております。ところが、重大なことは、さきに発刊されたキッシンジャー回顧録により、アメリカの日本への核持ち込み、日本の核基地化、この実態が重ねて決定的になっていることです。すなわち、キッシンジャー前国務長官によれば、沖繩施政権返還交渉でアメリカの核兵器再持ち込みを保障する秘密合意がなされていたというのであります。この問題は、昨年、本院においてわが党の上田耕一郎議員が佐藤首相の密使の名前まで挙げて追及しました。ところが、キッシンジャー回顧録は、交渉当事者の言明として、上田議員の指摘を裏づけるとともに、当時の福田首相があり得ざることと否定されたことを完全に覆すものであります。佐藤内閣の官房副長官であった木村俊夫議員も、新聞紙上で、キッシンジャー証言を正鵠を射た内容と思うと、こう言っておられます。沖繩返還交渉の暗黒部分が明らかになったいま、その真相を全面的に国民に語るべきではありませんか。  アメリカなど五カ国による環太平洋合同演習への自衛隊参加について、昨日、総理は、わが党金子議員の質問に対し、単なる戦闘技術向上のためのものと、こう答えられました。この答弁は、問題の本質と重大性を国民から押し隠そうとするものであります。環太平洋合同演習は、昨年のリムパック78にも見られるとおり、戦時における共同作戦を想定したものであり、しかも、一層重大なことは、今度の五カ国合同演習が、緊迫したアジア情勢のもとで、アメリカ中心の集団的な軍事的示威行動、威嚇作戦として実施されようとしていることであります。政府は、合同演習への自衛隊参加を、防衛庁設置法にいう教育訓練の一環と主張していますが、こうした言い分が通用するならば、韓国やNATO諸国など、どの国との軍事提携も自衛隊の海外派兵も合理化され、憲法の平和条項はいよいよはご同然になるではありませんか。重ねて合同演習への自衛隊参加の取り消しを強く要求し、総理の答弁を求めます。  以上、総理並びに各大臣の誠意ある答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
  13. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) 安武さんの第一の御質問は、総選挙の結果をどのように受けとめて、どういう決意で政局運営に当たるかという御質問でございました。  総選挙に示された国民の判断は、綱紀粛正、政治倫理の確立を求めると同時に、自由民主党が謙虚に政治的立場を異にする方々とも話し合いを詰めて政局運営に当たるべしというものと承知いたしておりまして、この審判は私といたしましても厳しく受けとめてこれにこたえてまいりたいと考えております。  それから私の首班指名とその支持者との関係についてのお尋ねでございました。  私は国会において首班に指名されましたけれども、これを支持していただきました方々は、選ばれた国会議員としてその見識とその責任において支持を賜ったものと承知いたしております。  私の内閣の閣僚についての関連したお尋ねが二件ございました。  私は、各閣僚が、その立場において政治倫理の厳しさを踏まえた上で厳しくみずからを戒めながら職責を果たしていただけるものと確信をいたしております。  倉石法相の問題の発言につきましては、誤解を招くおそれがある発言は厳に戒めていただきたいということの注意をいたしておるところでございます。  それから国際電信電話にかかわる事件についての措置についてお尋ねがございました。  きわめて公共性の高い事業を営む会社であるKDDにおきまして、国民の疑惑を招くような事態を招来いたしましたことはまことに残念でございます。今後このような事態が再発しないよう、事態の究明を通じましてその解明を急ぎ、改善の方途を、人事の刷新その他いま鋭意検討いたしておるところでございます。さらに一層厳正な指導監督を通じて国民の納得のいくような措置を講じてまいるつもりでございます。  それから公団等特殊法人の役員の退職金についてのお尋ねでございました。  これは人事院による民間企業の実態調査に基づきまして昨年四月から二割の引き下げを行ったところでございますが、前回の調査後二年を経過いたしましたので、現在改めて人事院に調査を依頼しております。その結果を待って適正な措置を講じたいと考えております。  政治献金、接待など、そういう便宜を受けた政治家が進んで名のり出るように呼びかけてはどうかということの御質問でございました。  政治家として、政治献金はもとよりでございますが、儀礼的な接待、贈答でございましても十分戒めなければならないことで、各政治家としては十分御自覚されておるものと私は確信いたします。  それから灯油の異常な値上がりの状態にかんがみまして、末端価格への転嫁もやむなしという姿勢を改めなければならぬじゃないかという御指摘でございます。  私は、価格政策の基本は需給の基礎を確実にすること、すなわち必要な灯油を確保いたしまして市場を圧迫しないようにしなければならぬということが第一だと心得まして、灯油につきましては十分の在庫を用意いたしておるところでございます。  価格政策につきましては、市場原理を尊重いたしまして、これに便乗するというようなものにつきましては厳重にこれを監視してまいることで十分であると考えております。安武さんの言われる伝家の宝刀を抜くということは、事態が緊迫してまいりますと考えなければならぬかもしれませんけれども、いまの事態はそういうことをしなくても価格の異常な値上がりを抑制することはできると考えております。この議場でも申し上げましたとおり、原油の値上がりはここ一年間に八五%程度海外からの値上がりが見られておりまするけれども、灯油につきましては五一%程度に抑えられておりますことも指摘しておきたいと思います。  それから財政再建についてのお尋ねでございます。  財政再建は、かねがね申し上げておりまするように、いまのような過剰な公債依存体質を改めまして、八〇年代に向けて財政の対応力を回復しなければならぬという趣旨で、五十五年度を第一年度として再建に踏み出したいという念願で、いま五十五年度の予算の策定に当たっておるところでございます。これに当たりましては、御指摘のように、歳入、歳出両面にわたりましてあらゆる角度から再建の手だてを考えております。大衆増税というようなことによらないで問題の解決に当たるようにいま鋭意当たっておるところでございます。  福祉予算、教育予算等につきましては、たびたび申し上げておりまするように、こういう厳しい財政状況のもとにおきましてどのようにして福祉政策、教育政策を維持してまいるかというところに大変腐心をいたしておるところでございまして、五十五年度の予算案を通じてわれわれの回答をごらんいただきたいと思います。  それから一般消費税の問題でございますが、先ほど相沢先生にお答えいたしたところから御承知を願いたいと思います。  それから公共料金問題についてでございますが、これは政府は従来関係経営体の経営の合理化と受益者負担ということを柱といたしまして極力この抑制に努めてまいったわけでございます。その程度、その時期等につきましても細心の配慮をいたしてきたつもりでございますが、今後もこのような考え方に沿って厳しく対処してまいる方針でございます。  それから農業政策につきまして、転作目標の改定を戒められたわけでございます。  転作目標の改定は、著しい米需給の不均衡の解消を図るために緊急やむを得ない措置でございまして、関係者の御理解と御協力を願ってやまないところでございます。農家の方に安んじて転作に取り組んでいただけるよう、排水対策等土地基盤の整備、価格、流通対策等、転作条件の整備のため各般の施策をあわせて展開してまいるつもりでございます。  男女平等法の制定、労働基準法の女子保護規定のあり方等についての御質問がございました。  今後の働く婦人の労働法制の方向につきましては、昨年、労働基準法研究会から総合的な見地に立った報告が出されております。政府といたしましては、今後婦人労働の実態を十分見きわめながら、関係審議会の審議を踏まえて適切に対処してまいるつもりでございます。  遺産相続における配偶者の相続分をふやすための民法改正案を次の国会に出すべきであるという御主張でございます。  御質問の点に関する民法の改正につきましては、目下法制審議会におきまして審議中でございます。同審議会の答申が得られたときは、できるだけ速やかに国会に法案を提出いたします。  キッシンジャー回顧録に関連いたしまして、わが国に対する核兵器持ち込みの密約があったのではないかという御質問でございました。  政府が従来から繰り返して説明申し上げておりますとおり、本件につきましては密約のごときものは一切存在していないことを改めて申し上げておきます。共同声明第八項が、あくまでも核の持ち込みは安保条約上事前協議の対象となるということを確認しておるにすぎないことは、キッシンジャー自身が回顧録の中で認めておられるところでもあります。  さらに、日本政府として、核持ち込みにつき事前協議を受けた際には、いかなる場合であろうと常に拒否する考えであることにつきましては、繰り返し申し上げておるとおりでございます。  今回のリムパックへの海上自衛隊の参加についての御質問でございました。  これは、繰り返して恐縮でございますけれども、戦術技量の向上を目的とした訓練でございまして、憲法とか自衛隊法の精神にもとるものであるとは考えておりません。(拍手)   〔国務大臣佐々木義武君登壇、拍手〕
  14. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 私に対する御質問でございますけれども、石油の価格問題に関しましては、ただいま総理からも御答弁がありましたとおりでございまして、現在の状態ではまだ法律を発動する必要性があるというふうな事態に立ち至っているというふうには考えてございません。  二番目の、不当な便乗値上げや売り惜しみ等については、かかることのないよう今後とも元売、流通段階の価格動向の監視を引き続いて厳重に行っていきたいと思います。また、元売会社に対しては、石油供給計画に沿った生産、出荷の確保に努めることを指導してまいりたいと考えてございます。  次に、中小企業の年末金融の問題でございますけれども、これも先ほどお答えいたしましたが、いまの貸出枠は前年同期に比較いたしまして三五%を上回っておるような状況でございますので、特別に貸付枠の追加等は行わなくとも年末金融の資金の需要には十分こたえ得ると考えてございます。  また、貸付条件の御指摘もございましたが、従来より中小企業の経営環境を十分勘案して定めてございますので、年末に当たっても特に変更する必要はないと考えてございます。  なお、これも先ほど申しましたけれども、年末の金融繁忙期に当たりまして、中小企業への貸し出しが円滑に行われるよう関係機関を十分指導しているところでございます。(拍手)   〔国務大臣谷垣專一君登壇、拍手〕
  15. 谷垣專一

    ○国務大臣(谷垣專一君) 安武議員の御質問の第一は、現在四十五人の定数基準を四十人の学級編制に来年からやれるかどうかと、こういう御質問でございます。  五十五年度の予算編成の時期が近づいております。今後財政当局と十分協議をいたしたい、かように考えております。  それから高等学校就学の問題でございますが、この人口増加の状況にかんがみまして、五十一年度から御存じのとおり臨時特別措置をいたしまして、高校新増設に対しましてその整備計画に応じ所要の措置を講じてまいりました。  また、私立高校につきましては、教育条件の維持向上と修学上の経済的負担の軽減を図りますために都道府県が助成を行っております。この都道府県に対しまして、国といたしましても、私立学校振興助成法に基づきまして府県に対する補助の拡充を図ってきたところでございます。この努力を今後ともに続けてまいりたいと、かように考えております。(拍手)
  16. 秋山長造

    ○副議長(秋山長造君) これにて午後一時まで休憩いたします。    午前十一時四十九分休憩      ―――――・―――――    午後一時三分開議
  17. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  国務大臣の演説に対する質疑を続けます。向井長年君。   〔向井長年君登壇、拍手〕
  18. 向井長年

    ○向井長年君 私は、民社党を代表いたしまして、総理の所信表明演説に対しまして質問をいたします。  先日来、各党の代表質問の中におきましても、総理の姿勢に対して非常な厳しい批判がなされております。私もまず冒頭に大平総理の政治姿勢についてお伺いをいたします。  総選挙後一カ月以上も国会召集がおくれ、あまつさえ首班指名にたどりつくまでさらに八日間も国会を空転させたことなど、大平総理、あなたが率いる自民党が国会を私物化した行動と責任はまことに重大であります。しかも、十八日間の特別国会をこれも無為に空費した無責任ぶりは断じて許されるものではありません。大平総理この行為と責任を国民にどう弁明されるのか、いま一度お尋ねをいたします。  第一党たる自民党から首班指名候補者が二名名のり出るという前代未聞の醜態を演じ、不信と対立の中で衆参両院の三分の一以下の信任により就任された総理には、まことにお気の毒と言うほかはありません。いまや醜い争いの中で辛うじて粘り勝ちをした大平総理はすでに統率力を失っていると言っても過言ではありません。国民の政治に寄せる期待を踏みにじり、さらに政治不信を増大させたことについて、国民にどう答えるつもりか、総理、お伺いいたします。  過般行われた総選挙で、総理、あなたは自民党の安定多数を夢見、長期政権の足固めを図りつつ、航空機汚職については野党の攻勢に歯どめをかけ、あわせて財政再建のため一般消費税の導入を図り、一連の増税政策を断行しようと、自信たっぷりで野党の反対を押し切って解散を断行されたのであります。わが党は、八〇年代の日本の政治の動向を決するきわめて重大な国民の政治選択の場であると考え、この選挙を受けて立ったのであります。結果はどうでしょう。国民は、安定多数をねらった自民党単独政権を拒否したのみならず、過半数をも割らしめたのであります。そして、八〇年代の政治は、自民党一党支配ではなく、与野党伯仲による話し合いと合意の政治を国民は希求し選択したのであります。政府・自民党は、この結果に対して厳しく反省をしなければなりません。  この事実を出発点にして、八〇年代の政治と国会運営は新たな基本理念を確立すべきときであります。すなわち、行政優位、官僚主義型の政治を根本的に転換し、話し合いと合意中心の政治を一層進展させなければなりません。いまや政府・自民党だけでは山積する政治課題は何一つ解決できないことを明確に認識すべきであります。たとえば、予算修正が内閣の行政権の侵害であるがごとき官僚主義型の発想は抜本的に改めなければなりません。憲法八十三条に規定されているとおり、国会中心の政治と予算決定を常道化すべきであります。  このことは、野党の責任がますます重くなることでもあります。対決政治、革命政治を目指す野党があるとすれば、決して国民の信頼を得るものではありません。わが党は、今後も責任野党の立場を貫きつつ、一層自覚し、国民生活の安定と向上を図る見地から具体的政策を要求し、その実現に努力すると同時に、政府の施策といえども協力すべき問題は積極的に取り組むものであります。  総理は、今後の新しい国会運営並びに各党の建設的政策に対し、いかなる姿勢と方針で臨まれるのか、お伺いをいたします。  次に、総選挙で示された国民の政治に対する要望を踏まえ、当面する政治課題についてお伺いをいたします。  わが国の八〇年代を切り開く道は、次の五点を克服できるかどうかにかかっていると言っても間違いございません。  第一は、財政再建に取り組む政治姿勢を明確にさせるため、行政改革の断行と、地方分権による魅力ある社会づくりであります。  第二は、生きがいのある日本型福祉国家の創造であります。  第三は、物価安定、雇用確保、適正な成長の同時達成を図ることであります。  第四は、エネルギー資源の安定的な確保であります。  第五は、相互依存時代における日本の安全と平和を創造することであります。  なお、これら諸問題解決の大前提に、政治倫理の確立が特に必要であり、公務員の綱紀粛正が緊急不可欠の課題にされていることは、いまさら申し上げるまでもありません。  以上、私の提言に対して総理並びに関係大臣の所見をお伺いいたします。  各省庁、公団、公社、事業団にはびこるカラ出張、ヤミ給与、カラ超勤、宴会行政、過大交際費、果ては密輸と贈賄と、悪の限りはまさに言語道断であります。役人の綱紀素乱もここにきわまれりと言わなければなりません。  ロッキード、ダグラス、グラマン事件にまつわる航空機汚職といい、一部政治家と役人の汚職腐敗は、戦後三十年にわたる自民党一党支配の傷口から吹き出た政官癒着政治のうみであります。この汚いうみを根底から断ち切らなければ国民の政治への不信を取り戻すことは不可能であります。わが党は、すでに航空機特別委員会による疑惑の徹底的解明と行政監察の強化を図るオンブズマン制度の新設、ガラス張りの政治と行政を目指す情勢公開法の制定、会計検査院の強化を提案いたします。わが党のこれらの主張に対して総理の明快な答弁を求めます。  財政再建問題は、総選挙の結果、一般消費税等の増税に頼るべきではなく、行政、財政の改革の断行を国民は求めていることが明白になったのであります。いま民間企業はあらゆる合理化、人員削減、そして経費の節減を図り、家庭では子供の教育費、食費まで切り詰め、骨身を削る思いで生活防衛を図っているにもかかわらず、国民の税金で親方日の丸、役人天国で食いつぶすことは断じて許されるものではありません。  戦時中の臨戦体制で拡大し、さらに高度成長期にふくれ上がった行政機構をいま思い切って削減するために、わが党は総選挙中に行政改革に関する公開質問状を政府に出したのであります。にもかかわらず、その回答たるや、無責任きわまるものでありました。この際、改めて私は次の諸対策を断行するよう強く要求いたします。  第一は、全省庁及び全公団、全公社の不正経理の有無、さらにこれに対する決定的な究明と処分を行い、ことにKDDについては、政治家がまつわっている現状から、その調査結果の公表を行うべきであります。  第二は、鉄建公団、宅地開発公団を直ちに廃止し、現在百十一社存在する公社、公団、事業団を思い切って削減することであります。  第三は、地方分権を推進する観点から、国の地方出先機関の整理統合、または廃止して、その権限を地方自治体に委譲させることであります。  第四は、公務員の定員削減とその見直し、六十歳定年制を導入すること。  第五は、補助金制度の整理、最低一割以上の削減を実行することで、これによって大幅な財源を生み出すべきであります。  わが党は、そのためにも国会において行政改革特別委員会の設置を要求しているところであります。これらの諸点について、各省、官僚に任すだけではなく、総理の一大決断が必要と思うが、御所見をお伺いいたします。  次に、経済運営についてお伺いいたします。  第二次石油危機以後、わが国の経済運営はきわめて厳しい状況に直面いたしております。特に、物価の動向は国民がひとしく注目しているところであります。物価の安定、雇用の確保、適正な成長とバランスのとれた経済運営がいま最も望まれているところであります。財政再建も、この基本目標を達成する範囲内において総合的かつ計画的に取り組むべきであると思うが、総理、大蔵大臣の所信をお伺いいたします。  次に、エネルギー問題について、総理、通産大臣にお伺いいたします。  今後、エネルギー資源の確固たる確保がなければ、わが国の経済安定成長を維持し、国民生活の安定を図ることは不可能であります。エネルギー政策について政府の考えや見通しが非常に甘いのではないかと私は思います。石油OPECの一連の輸出政策と価格の値上げ、イラン政変後のわが国に対する需給等、今後の長期的見通しをどのように考えておられるのか、具体的にお聞きいたします。  アメリカとわが国は世界の二大石油消費国であり、日米の省石油の成否は石油価格の形成に決定的な影響を与えるものだけに、何としても成功させなければなりません。同時にまた、日米両国のスポット買いの姿勢も重大であります。いやしくも野放しの高値、買いあさりによる価格引き上げの原因等はつくるべきではありません。省石油とスポット買いの姿勢について、その決意と具体策をお伺いいたします。  なお、政府は、省エネルギーの現状に立ち、国民に節約を呼びかけることは当然だが、今後のエネルギー政策をどのように考えていくのか、長期、中期、短期の三段階に分けて具体的代替エネルギー等総合的に確立されるべきではないかと思うが、これもわかりやすく御説明をいただきたい。  政府は、将来の長期的政策も当面の政策も全く明確に打ち出さないまま、口を開けば、太陽熱、地熱等現在の研究課題が直ちにエネルギー実用化が可能なごとくに唱えているが、これははなはだしく国民に誤解を招いておるのであります。私の意見としては、短期的には、第一に石油の安定供給に重点を置き、経済外交を通じて万全の努力を払うべきだと思います。第二は、より安全性を確保しつつ、原子力開発の推進と並行し、LNG、石炭の見直しなどであると信じます。  総理、ウラン一グラムに対して石油は二トン、石炭は三トンの熱カロリーであることを総理は知っておりますか。ウラン一グラムに対して石油は二トン、石炭は三トンであります。こうなれば、原子力の効率がこれでおわかりだと思います。長期的には核融合開発、太陽熱も地熱も、あるいは液化ガス等も研究が大いに必要とは思いますけれども、政府は、さきには七カ年計画、六十年度には原子力二千八百万キロワット、LNG、これは石油に換算いたしますと四千万キロリッター、石炭九千五百万キロリッターとあるが、この計画どおりの開発は無理でしょう、いかがですか。今後これらをどのように推進するおつもりか、お尋ねをいたすのでございます。  以上の基本的戦略に立って現在のエネルギー行政、エネルギー資金対策等を抜本的に検討すべきだと思うが、このエネルギー全般について総理と通産大臣にお伺いいたします。  さて、私の質問を終わるに当たり、国民はいま政治に何を求めているか的確に把握すべきであります。  昨日、わが党の佐々木委員長の質問の中で、政策連合について総理の所信を求めたが、これに対して総理は……
  19. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 向井君、時間が超過しております。
  20. 向井長年

    ○向井長年君(続) 政策連合には前向きの答弁がなされたと思うが、この点について再度確認を求めます。  いよいよ予算編成に取りかかる時期でございますが、わが民社党の提案を取り入れるならば協力も惜しむものではありません。
  21. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 向井君、簡単に願います。時間が超過しております。
  22. 向井長年

    ○向井長年君(続) しかし、口先だけのごまかしであっては今後わが党は重大な決意をもって臨むことを付言いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
  23. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) 向井さんの第一の御質問は、特別国会の召集のおくれ、首班指名のおくれ等を招きました政治の混迷に対しての責任についてでございました。  これはたびたび本議場を通じまして釈明申し上げておりますように、この前の総選挙の結果を踏まえて、自由民主党としてこれをどう受けとめ、これに伴う総裁としての政治責任をどのように処理するかという問題につきまして論議が沸いたわけでございます。これは民主的な政党としてあり得ることであろうと思いますけれども、その収束がおくれて首班指名がおくれてまいりましたこと、そしてそのために行政の停滞を招きましたことは大変残念でございまして、総裁である私の責任であることは申すまでもございません。こういったことは繰り返してはならないことでございますので、今後十分戒めて責任にこたえたいと存じております。  総裁の統率力が失われておるではないかという御指摘でございます。  今日の内外の状況は大変厳しゅうございまして、これに対応いたしまして私は正直に自分の力量の十分でないことを自覚いたしております。それだけに、十分姿勢を戒め、志を新たにいたしまして重い政治責任にたえていこうといたしております。格段の御協力をお願い申し上げます。  総選挙にあらわれた国民の意思をどう受けとめておるかという御質問でございます。  私は、総選挙にあらわれました国民の意思は、政治の倫理、行政の綱紀が正しく生かされることを強く求めておるということと、政策の選択とその遂行を自由民主党一党だけにゆだねるのではなく、政治的立場を異にする方々とも自民党が謙虚な姿勢で話し合いを続けて、円滑な政局の運営、政策の推進を期待しておるものと受け取っておるわけでございまして、これを踏まえた上で今後の政局の運営、政策の推進に当たってまいるつもりでございます。  その次の御質問は、各省庁、公社、公団、事業団に見られました不正経理事件に対しまして、その究明と処置をどうするかという御質問でございました。  今回の一連の不祥事につきましては、関係省庁を挙げて事実の解明を急いでおります。不正な事実につきましては、監督者及び当事者に対しまして厳しくその責任を問い、厳正な処分を行う考えであります。今後とも、官公庁の綱紀の粛正につきましては、新内閣の最重要課題として厳しい姿勢でこれに取り組みまして、国民の信頼回復に努めてまいるつもりでございます。  次の御質問は、オンブズマン制度の新設、情報公開法の制定についてどう考えるかということでございます。  オンブズマン制度につきましては、諸外国でその導入が見られておるところもございますが、たとえばスウェーデンのように、議会に国政調査権が与えられていないため、これを補完する意味で導入された制度であるとも聞いております。わが国におきましては、すでに国会の国政調査権は厳として存在するわけでございますので、この上に新たな制度を設けることが適当かどうかという点につきましては、今後慎重に検討する必要があろうかと考えております。  情報公開法の制定につきましては、行政機関の保有する情報につきましては、現在すでに閲覧、公示等の制度がございます。また、各省庁におきましても、各種の白書の発行等によりまして随時行政の動向、施策の状況を公表いたしておるところでございます。情報公開法に関する問題は、一方におきまして行政の効率的な運営を確保することにおいて望ましいことではあろうかと思いますけれども、しかし、プライバシーの保護、あるいは企業秘密の保護等、それから公務員の機密保持の関係等も考えまして、広く全体的に検討すべき課題であろうと考えまして、まだ政府としては結論を得るに至っておりません。  会計検査院の機能の強化でございますが、これは十分今日までも政府は会計検査院がその機能を果たし得るように努めておりますけれども、今後も十分協力してまいるつもりでございます。  全省庁と全公団、事業団の不正経理の有無についての究明と処分でございますが、これは関係省庁挙げていま真相の解明を急いでおりまして、厳正な処分を行う考えでありますことは、いま申し上げたとおりでございます。  さらに、予算の不正使用の根絶を図るために予算の計上と執行について再点検を行っておりまして、今後予算の計上と執行は厳正を期する覚悟でございまするし、すでに十一月九日の閣議において全大臣に強く指示いたしたところでございます。  国際電気通信事業にまつわる疑惑の解明でございますが、仰せのとおりこの解明はいま急いでおりまするけれども、人事の刷新その他の方法によりまして監督責任をどのように果たしてまいるか、鋭意いま検討、処置中でございます。  公社、公団の廃止統合は、向井さんのおっしゃるような方向でいま鋭意予算の編成と並行いたしまして努力をいたしておるところでございます。  地方分権を推進するための地方の出先機関の整理統合、それから補助金の整理統合、これは御指摘のようなラインでいま行政管理庁を中心に、補助金の整理につきましては大蔵省を中心といたしまして、鋭意努力中でございまして、五十五年度の予算案で答えを見ていただきたいと考えております。  国会に行革特別委員会を設けてはどうかということでございますが、国会で各党の間で御審議を期待いたします。  それからわが国の経済の現状をどう考えておるか、経済の安定と雇用の確保、適正な成長は同時に達成を図らなければならぬでないかという御意見を含めての御質問でございました。  わが国経済は、たびたび申し上げますように、民需を中心といたしまして着実に拡大基調をとっておりまするし、雇用情勢もだんだん改善の方向に向かいつつあるように思うのでございまするけれども、卸売物価並びに国際収支は大幅な狂いが海外要因等から出ておりますることは御高承のとおりでございます。これが国内の物価あるいは国内経済の成長にどのように影響してまいりますか、それを最小限度に食いとめなければなりませんので、政府は、金融政策、物価政策、為替政策等を中心といたしまして慎重にいま対応いたしておるところでございます。  財政再建もまた、財政再建自体が目的でなくて、こういう変転する国際経済の状況に対応いたしますための対応力を取り戻しておかなければならぬという意味で取り上げておることもあわせて申し上げておきたいと思います。  エネルギー政策についてのお尋ねでございました。  経済の安定成長と国民生活の向上を図ってまいりますためには、エネルギー問題の解決は、仰せのようにわが国にとって最重要な課題の一つであると考えております。このため、今後とも石油代替エネルギーの開発、導入と石油依存度の低減を図ってまいることに努力を重ねたいと思います。同時に、石油の多角的な安定的な確保を保障していくべくあらゆる努力を重ねてまいるつもりでございます。省エネルギーの推進等は今後なお強化してまいらなければならぬと考えております。  エネルギー対策を推進していくためには、御指摘のように、当然のこととして必要な財源が必要でございますけれども、苦しい財政状況のもとにありまするけれども、これまた再優先の課題の一つとして政府部内においていま具体的な検討を進めておるところでございます。(拍手)   〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
  24. 竹下登

    ○国務大臣(竹下登君) 私に対する御質問の一つは、総理からもお答えがありましたが、五十四年度の補助金整理の問題であります。  五十四年度の補助金総額は十三兆円弱でありまして、これは総予算のまさに三三・四%でありますから三分の一であります。これをまた、社会保障、文教、公共事業、これで見ますと、これが七九・九%、それから法律に基づく補助という角度から見ますと八一・八%、地方公共団体へ行くものという角度から見ますと八一・三%、おおむね三つの角度から見ましたものがその八〇%に当たると、こういうことになるわけであります。  そこで、今日私どもが補助金に対応しておりますのは、サマーレビュー以来の作業の中でその答えを、削減、合理化の方向で五十五年度予算で答案として差し出すもの、それからいま一つは、奨励的な意味における政策補助を終期を設定して見直すもの、そしてまた、たとえて申しますならば社会保障の生活保護費というようなものは八割の補助でありますし、また文教予算の義務教育国庫負担、これは二分の一補助と、そういうようなものは一律削減にはまたなじまない性格のものではないかと思います。したがって、その角度とは別に、一律削減の方向になじむもの、それらをこれからある種のグルーピングをいたしまして真剣に検討してまいりたいということであります。  次に、経済政策の全般の運営につきましては、ただいま総理がかなり詳しくお述べになりましたとおりであります。(拍手)   〔国務大臣宇野宗佑君登壇、拍手〕
  25. 宇野宗佑

    ○国務大臣(宇野宗佑君) 行政改革に関しましては、いまも総理からお答えがございましたが、私は特に次の三点に関しましてお答えをいたしたいと思います。  昨日もお答え申し上げましたとおり、行革は、その断行はいまや国論であると私は存じております。なかんずく特殊法人に関しましては、やはり国民の厳しいまなざしが注がれておると存じております。いまも申されましたとおり、不正経理を初め綱紀紊乱に関しましては国民の怒りは頂点に達しておるとわれわれは受けとめております。そうした意味で、われわれといたしましては、特殊法人に関しかなり大幅な整理統合をいたしたいと、ただいま各省庁におきましても鋭意その作業を進めているところでございます。  出先機関も同様でございまして、特殊法人の整理統合と出先機関の整理統合はともに年内にその案を策定をいたしたいと存じております。そして、われわれといたしましては、三年ないし五年の計画を策定し、その第一ページが明年度の予算編成に際しましてあらわれている、そういう措置をすべく努力をいたしておるところでございます。  定員削減に関しましては、御承知のとおり、この十月に新定員削減計画が策定されております。明昭和五十五年度より五カ年にわたりまして三万七千名を削減するという方針でございます。これを明年から忠実に実行し、なおかつ新規増員は極力抑えます。そして公務員の総数の縮減を図る、こうした方針で臨んでいく所存でございます。(拍手)   〔国務大臣佐々木義武君登壇、拍手〕
  26. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 私に対する質問の第一は、石油の短期、長期の見通しいかんという問題でございますけれども、現在、御承知のように石油の世界の流通行程は大変変化しつつございます。そういう際でございますので、わが国としましてはスポット原油の高値買いは極力自粛いたしますけれども、同時に産油国との関係を強化いたしまして、メジャー並びにメジャーならざる新しい安定的な供給ルートの確保に努めつつございます。そういうことによりまして第三・四半期はおおむね七千万キロリットルぐらい買うことは可能だと思っております。ただし、今後長期にわたってどういう見通しかと申しますと、これは非常に流動的でございまして、現時点では大変見通しはむずかしいのでありますけれども、IEAの見通しによりますと、一九八〇年代の半ば以降は需給が非常に逼迫するのじゃなかろうかという見通しでございまして、恐らくこれは世界的な一つの定説になっているのじゃなかろうかと思っております。  それから二番目は、省石油とスポット買いの姿勢に関してはどういうふうになっておるのだというお話でございますけれども、省石油の問題に関しましては先ほど総理からもお話がございました。今後とも強化していかなければならぬことはもちろんでございまして、一つの例を挙げますと、エネルギーの使用の合理化に関する法律がただいま施行中でございますので、それの強力な実施を図るということ、あるいは冬季の石油の消費節約は大変重要な問題でございますのでその徹底を図りたいと思っております。  それからスポット取引問題に関しましては、従来から国際的な申し合わせがございますので、それを踏まえまして高値買いの自粛を各社に要請しているところでございます。実際のスポットの取引に当たりましては通産省と密接な連絡をとるよう指示をいたしまして、その指導の徹底を図っております。  それから長期、中期、短期のエネルギー政策を簡単に述べよというお話でございます。  簡略に申しますと、短期は、私は何と申しましてもいま御指摘がございましたように石油の安定供給、これが最大だと思います。あわせて、備蓄、あるいは省エネルギーもあわせました節約問題が中心かと思います。  中期計画といたしましては、これもお話しのとおりでございまして、何といっても本命は私は原子力発電だと思います。あわせて石炭、液化ガス等が三本柱でありまして、それに補完した意味で風力とか地熱、太陽熱等をあわせて研究開発すべきじゃなかろうか。長い将来の長期を考えますと、核融合とかあるいは水素エネルギーとか太陽光線とかいうものが一番本命でございまして、その時代になりますれば、日本は大変エネルギー資源に恵まれた国になり得るのじゃなかろうかというふうに考えまして、そういうごく長い将来と中期の対策というものをあわせてただいまから研究開発を強力に進めてまいりたいと思っております。(拍手)     ―――――――――――――
  27. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 森下昭司君。   〔森下昭司君登壇、拍手〕
  28. 森下昭司

    ○森下昭司君 私は、日本社会党を代表して、大平内閣総理大臣の所信表明演説に関連して、当面の課題について質問をいたすものであります。  総理は、行政の刷新に関して、「行政機構の在り方と機能を見直し、特殊法人、省庁の附属機関及び地方支分部局等について統廃合に関する計画を年内に作成し、計画的にその実現を図って」いくと述べられたのでありますが、   〔議長退席、副議長着席〕 むしろ認可法人並びに民法三十四条に基づく公益法人の抜本見直しと整理統合こそ特殊法人の統廃合とともに強力に行う必要があるのであります。国の認可法人は九十九団体、公益法人は四千四百八十六団体にも達しており、さらに地方公共団体が出資している地方公社は、法律で定められた道路公社などを除き、環境保全、中小企業振興、農業開発、林業など多種多様な目的を持ち、自治省の調査でも、昭和五十三年四月現在、全国で三千三百六十公社存在しているのであります。  特殊法人は、本来国が行う事業を代行させるために強制的に設立するものであり、認可法人は、国、直轄から外れた事業を行うもので、民間を中心に設立し主管大臣が認可するものであると説明されているのであります。しかし、たとえば薬事二法に基づいてつくられた認可法人副作用救済基金は、民間サイドと言いながら、役員五人、職員二十四人は全員天下りであり、同基金の本年度の予算の半分が政府の補助金で賄われているのであります。公益法人の一つである農水関係の社団法人配合飼料供給安定機構は、昭和五十年に設立され、役員三人と職員十二人の全員が農水省からの天下りなのであります。政府の補助金も年々多く、本年は九十億円にもなっているのであります。  行政管理庁は、監査の対象は特殊法人までとしておりますが、むしろ認可法人、公益法人こそ問題にすべきであります。総理は、決断をもって特殊法人のみならず認可法人、公益法人の整理統廃合を行い、また、認可法人、公益法人の設立の基準を明確にし、行政管理庁の審査対象とするための法改正など検討すべきだと思うのでありますが、その所信をお尋ねする次第であります。  また、特殊法人のうち、予算編成の際大蔵省と協議するのは五十一法人にとどまり、会計検査院の検査も十分でなく、不当な経理が行われる懸念もあり、この際特殊法人、認可法人等の会計などに関する法律を制定し、会計検査体制を抜本的に見直し、実際行われている業務が設立の目的からして妥当であるかどうかなどのチェックを行うべきであると考えるが、総理の所信をお尋ねする次第であります。  同時に、すでに決定されている地方事務官制度を廃止し、少なくとも国費職員の身分移管については直ちに実施し、行政の姿勢を正すべきであります。  さらに、地方公社についても同じ問題が指摘されているのでありまして、特異な事例からすれば、長崎県町村土地開発公社は、四十九年十月設立されたが、七十六名の役員を擁しながら職員は一名という極端なものがあるのであります。これら地方公社の数は、昭和四十八年十二月現在、二千六百九十であったものが、わずか五カ年閥で三千三百六十と一千余りの公社が増加し、五十三年四月現在、全国の公社役員は四万四千五百十八名、公社職員は地方公共団体職員の兼務者を除けば四万一千三百八十一名と役員数よりも少ないのであります。  地方公共団体の公社についても、地方公共団体において同種の業務を行っているような法人を複数設立するような場合であれば整理統合を行うよう指導すべきであり、適切な運営管理もあわせて指導すべきかと思うのでありますが、自治大臣の見解をお尋ねする次第であります。  第二は、政治資金規正問題についてであります。  現行法は、去る昭和五十一年に改正され、企業献金については一定の枠がはめられたのでありますが、個人の献金は百万円以下ならば寄付者の名前を明らかにしなくともよいことになっているのであります。五十三年度の政治資金収支報告書によれば、いまだ不透明部分が多く、国民から強い批判が出されているのでありますが、相も変わらず大企業の国民政治協会などへの寄付は後を絶たず、年間二千万円以上寄付した法人、団体は、何と百三の多きに達しているのであります。企業献金の規制強化を打ち出す必要があるが、どう思うのか。個人献金についても、政治団体を幾つかつくり、事実上多額の献金を受けている団体もあり、この制度を見直すべきであると思うが、どう思うのか。  五十一年、政治資金規正法改正の際、五年後に見直すことになっており、その機会に企業、個人献金について抜本的な改正を図る必要があると思うが、総理の率直な御答弁を承りたいのであります。  第三は、物価問題についてであります。  卸売物価の異常な上昇は消費者物価へじりじりと影響しつつあり、原油の値上がりとともに灯油、合成洗剤、運動ぐつ、トイレットペーパー、アルミ製品に至るまで、言い尽くせないほど多くの製品が次々と値上げされ、原油価格の高騰分が製品価格に転嫁されつつあるのであります。  本年に入って元売十三社が六回にわたって値上げを行ってきたのでありますが、過去四回の値上げは民族系各会社の値上げに外資系各社が協調したため、日石、エッソなどは大幅な利益を上げ、灯油価格の上昇はこれに起因しており、元売十三社の価格操作に問題があったと言われてきたのであります。一方、九月の値上げでは、サウジアラビアの石油依存度の低い民族系の値上げ幅が大きくなっているのでありますが、本日の第六回目の値上げは、全油種について一キロリットル当たり四千円から九千円というばらつきを示しているのであります。このままでは格差はますます広がるばかりであります。現在の元売十三社体制には基本的矛盾があり、原油の安定確保と供給のために、外資系を含め石油業界の再編成が必要ではないかと思うのでありますが、どうなのか。  また、伝えられるところによれば、すでに北海道電力が値上げ申請を出し、他の電力会社は来年四月一日から五〇%の値上げを実施すべく準備を急いでいると言われており、大手ガス三社もまた五〇%近い値上げを申請すると言われておる。これらの値上げについてどう対処なさるのか。  さらに、電気料金制度の中でシビルミニマムを採用し、一カ月の使用量百二十キロワット程度までは物価上昇率程度に抑え、逓増制を取り入れるべきではないかと思うが、通産大臣の所見をお尋ねする次第であります。  また、石油製品の値上げのみならず、電気、ガス料金の値上げ、卸売物価の上昇、円安など、インフレへの懸念があるが、経済企画庁長官は、本年度の物価上昇率四・九%を維持することができるのか、物価問題の対応策について所信をお尋ねする次第であります。  第四は、雇用問題についてであります。  昭和五十四年度上期の企業収益は、四期連続かつ歴史的最高の大幅増益で、下期を含め大半の企業が前年を上回る利益を予想しております。経営業績が上がったにもかかわらず、労働省・毎月勤労統計によりますと、常用労働者の数は昭和四十六年を頂点に減少の一途をたどり、臨時、日雇いなど常用でない部門も過去三カ年間に七%も減っているのであります。常用労働者は減っても生産量は五十一年以降ふえ続けている反面、常用労働者の一人当たり残業時間は、製造業で昭和五十三年が五十年より五割も増加し、残業によって生産が拡大されてきたのであります。しかも、四十歳以上の高齢者がふえており、雇用の伸びは五百人以上の事業所には見られず、二十九人以下の小企業で見られており、高齢化が顕著にあらわれているのであります。  政府は、五十五歳以上の労働者のための高年齢者雇用率六%以上の達成、中高年齢者の再就職促進など、高齢者社会のための政策をとってきたはずであります。しかし、経営者は低賃金を前提とした昇給管理方式を採用して中高年層の賃金コスト削減を図り、主として中高年齢者を企業の外に排出するのでありまして、明らかに国の中高年雇用確保政策とに隔たりができているのであります。このため、定年制延長、再雇用制、中高年齢者用の企業の新設など、総合的な見地に立って中高年齢者対策を考え、企業を指導すべきではないかと思うのでありますが、労働大臣の所見をお尋ねする次第であります。  さらに、こうした企業収益の伸びがあるときこそ労働時間の短縮と完全週休二日制の実現を図るべきであるが、重ねて労働大臣の所信をお尋ねする次第であります。  第五は、中小企業の振興についてであります。  中小企業政策の中で最もおくれているのが下請保護政策であります。自動車産業においては、円高輸出対策として二百円レート体制をつくるため、下請企業に対し加工賃の切り下げなど過酷とさえ思われる対策で今日の繁栄がもたらされているのであります。こうした下請に働く労働者の犠牲を見逃すわけにはまいりません。現在の下請代金支払遅延等防止法などがありますが、ざる法になっており、抜本的見直しが必要であります。下請単価など下請契約については親企業と下請組合との交渉によって決め、公正な第三者機関が下請の利益を擁護する制度を確立する、あるいは、下請代金のうち労賃部分は現金払いとし、違反した場合の罰則を強化するなどの内容を持つ下請関係適正化法を制定すべきことをわが党は強く主張しておりまするが、下請業者の保護のため今後どのように対応なさるのか、通産大臣の所見をお尋ねする次第であります。  中小企業分野法が制定されて以来二年を経過したが、政府の法律運用が不十分で大企業の進出がチェックされていないため所期の目的を達成していないので、分野調整権限を都道府県知事に委任することや、大企業がダミーを使っての進出が多発している事例に対して大企業の定義の見直しを行うなど法改正を行う考え方はないのか、重ねて通産大臣にお尋ねする次第であります。  第六は、イラン石油化学についてであります。  このプロジェクトは、七千三百億円の巨費を投じ、一大石油化学コンビナートをつくろうというのであったが、イラン政変による政情不安のため工事が中断され、しかも金利や原材料費の高騰のためさらに千八百億円の資金が必要となり、プロジェクトを推進した三井物産はナショナルプロジェクトとして政府の協力を求めていたのであります。政府は大平首相の決断でこのことを認めたのでありますが、この決定の前提になったのは、政府調査団とバザルガン前首相との話し合いでありますが、現在その際の約束が履行されるかどうかも危ぶまれているのであります。バザルガン政権の総辞職後の工事再開の見通し、及び今後追加資金投入の必要はないのか、工事完成の見込みはどうなのか。午前中の質問に対して、通産大臣は、工事完成の延期を考える必要はないと答えられたのでありますが、採算の見通しはまたどうなっているのか、通産大臣にお尋ねする次第であります。  また、三井物産の経営責任を追及せざるを得ません。当初、三井側は、企業利益の観点から、通産省や産業界の参加の申し出をすげなく断ったのであります。さらに、政府救済の無原則性についても問題が残されており、このような政府救済に基準があるのかどうか。なぜ安宅産業は救われず、三井グループ、三井物産は救われるのかといった素朴な疑問すら出ているのであります。企業の海外投資には、相手国の政変、戦争といった危険がつきまとうことは否定できません。だからといって、国家事業化をその救済手段に用いるのは今回限りにすべきだと存じます。政府は、三井グループを救うのではなく、イラン石油化学プロジェクトをてこに石油の安定供給確保を図ることが目的と主張されるでありましょうが、結果から見れば大資本擁護の姿勢と言わざるを得ないのであります。国家事業のあり方について、改めて新しい角度からの再検討が必要であると存じますが、特に大平総理の所信をお尋ねする次第であります。  最後に、一九八八年開催のオリンピックについてお尋ねをいたしたいのであります。  昭和五十二年八月に愛知県知事は、一九八八年開催のオリンピックは名古屋市を主開催地として招致したいとの提唱以来、名古屋市を中心とする東海三県の地域、中部圏の地域へと大きな広がりを見せ、地域関係の県民、市民の大きな関心事となっているのであります。  地元では、各級議会の招致の決議が行われ、県の世論調査でも六六%、市の調査では六五%の人々が開催に賛成しており、開催に向けて意欲的な取り組みを行っているのであります。また、十月二十三日から二十五日までIOC理事会が名古屋市で開催され、キラニン会長も深い理解を示し、つい二日前の十一月二十九日の全国市長会でも国際親善と世界平和への寄与、スポーツ振興と青少年の健全な育成のためわが国において再びオリンピック競技大会が開催されることを支持することが満場一致決議されており、全国的な広がりを示しつつあるのであります。  本年八月、大平総理は、愛知県知事、名古屋市長が陳情した際、財政再建との関係で検討したいと答えられたと聞き及んでいるのでありますが、国家的行事として政府の積極的な指導と援助がなければ成功することはできません。しかも、IOC総会では二年後の一九八一年に開催都市が決定されるのでありまして、ロンドン、ブリュッセル、サンパウロ、メルボルンが早々に名のり出ているのであります。この際、財政難もさることながら、高度の政治判断により、一九八八年オリンピック名古屋開催について政府の支持と協力を得たいと関係者は念じているのでありますが、大平総理の所信を伺い、私の質問を終わるものであります。(拍手)   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
  29. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) 森下さんの最初の御質問は、認可法人、公益法人についてでございました。  認可法人につきましては、特殊法人に比べまして業務のあり方や設立の方法に違いがあるとは申せ、みだりに設立が行われることがあってはなりませんし、また法律の目的に従って円滑かつ効率的な運営が図られるべきことは当然でございまして、今後とも予算の編成、関連法案の立案、各主務大臣による認可の過程を通じましてその必要性等に対し厳しく考えてまいるつもりでございます。  なお、公益法人につきましては、民法第三十四条に基づきまして主務官庁の認可を受けて設立するたてまえになっておる純粋の民間団体でございます。認可法人の場合と同様、国家行政組織を管理する立場にある行政管理庁の仕事とはなじまないものと考えておりますが、これは各主務官庁の厳正な許可に基づく監督を期待いたしたいと考えております。  特殊法人、認可法人は、その形態、事業等が多様で広範にわたっておりまして、森下さんはこれを一つの法律を立法いたしまして指導してまいる必要があるのではないかという意味の御質問でございましたが、これは申すまでもなく、それぞれの形態と定款等に応じまして適切に効率的な監督を行うことで必要で十分ではないかと考えております。ただ一つの法律によって規制するにはなじまない対象ではないかと考えております。なお、せっかくの御指摘でございますので、なお検討さしていただきたいと思います。  企業献金、個人献金の明朗化、規正についてのお尋ねでございました。  たびたび申し上げておりますように、企業も社会的存在である以上、その献金を禁止するというようなことは行き過ぎであろうと思いますけれども、漸次企業献金を個人献金に移行さしていくという努力は続けていかなければならぬと考え、自由民主党におきましてもそういう方向で措置いたしておるところでございます。  個人献金の明朗化につきましては御指摘のように問題がございまして、先般の再発防止協議会の御答申にもありまして、これをどのようにいたしますか、政府でいま検討いたしておりまして、成案を得次第、政治資金規正法改正の形で御審議をいただきたいものと考えております。  森下さんが御指摘のように、政治資金規正法が改正されまして、五年以内にこれを見直すことになっておりまして、それはそれとして、いままでのデータを基礎といたしまして見直すことをいたしておりまするけれども、いま政府が取りかかっておる問題は、航空機輸入汚職に関連いたしまして、この再発防止のため、特に再発防止協議会等の答申、建議を尊重してやる仕事でございますので、五年以内に見直すという作業としてやっておるわけではございませんで、二段構えで、政治資金規正法はそういう意味で見直すべきものと私は考えております。  それから三井のイランにおける石油化学プロジェクトでございますが、これはイラン政府から工事再開と早期完成を強く要請されたところでございました。また、その推進を図ることは、イラン経済の発展、日本とイランとの経済交流の促進、産油国であるイランとの友好関係の増進に寄与する意味におきまして、政府としても所要の支援を行うことが適当であると判断したためでございます。  それから最後に、名古屋市と愛知県が中心になりまして、昭和六十三年の第二十四回オリンピック大会名古屋誘致につきまして準備を進めておられることは、私もよく承知いたしております。オリンピック大会の開催は申すまでもなく国際的な大事業でもございますし、また大きな財源を必要とするものでございます。政府は、この問題については今後慎重に対処してまいらなければならぬと考えておりまするし、名古屋並びに愛知県等の御相談がございましたならば、適切なアドバイスを惜しまないつもりでおります。(拍手)   〔国務大臣後藤田正晴君登壇、拍手〕
  30. 後藤田正晴

    ○国務大臣(後藤田正晴君) 地方公社等の整理統廃合並びにその運営の適正化についての御質疑でございますが、この点につきましては、五十二年十二月の行政改革の閣議決定に基づきまして、自治省といたしましては地方公共団体を指導してこういったものの統廃合等についての推進を図ってきておるのでございますけれども、御質疑の中にございましたように、今日なお特別法に基づくものと地方自治法に基づくもの、あるいはまた商法、民法に基づいておるもの等合わせまして御指摘のようにいまなお三千三百六十団体が全地方団体を通じてあるわけでございます。  これらの五十二年通達に基づく処理の状況を点検いたしますと、私は必ずしも効果が十分上がっておるとは思っておりません。まだまだよほど努力をしていただかなければならぬと、かように思っておるのでございます。といいますのは、団体ごとで大分でこぼこがあるように思います。そういった結果、必ずしも十分でないのではないかと、かように思うのですが、したがいまして機能が重複をしておるものが見受けられます。また、町村等の団体について見ますというと、場合によりますと県単位に、あるいはまた広域的に統合ができるものがあるのではないかといったような感じも私は持つのでございます。もちろん中には用済みのものもあるかもしれません。  したがいまして、こういうものについては、今回こういった行政改革の機運の時期で、政府においても強力に実施しようという際でございますので、地方団体を十分指導いたしまして整理統廃合を進めてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。  なお、御指摘の中に、役員の数が職員数より多いではないかと、いかにも疑問に思うのは当然でございますが、これは実は県によりますと、たくさんの町村を全部合わせまして一つの団体をつくる、その際には、関係市町村長等が、もちろんこれは非常勤、無給でございますけれども、役員として名を連ねる、そういうようなことで、職員数の方が少ないということもあるのだという事情も御理解をしていただきたいと思いますが、御質疑の中に、長崎県の、七十数名役員がおって職員が一人だと、こういう御指摘がございました。職員一人の団体というのはいかがなものかと私自身も疑問に思いますけれども、実態をこれは調査をさしていただきたいと、かように思うわけでございます。  なお、業務の適正化につきましては、財政運営あるいは業務運営等について毎年自治省としては指導いたしておりますが、これらについても適正に運営がせられるように今後とも一層強力な指導をさせていただきたいと、かように考えておりまするので、これによって御理解を賜りたいと思います。(拍手)   〔国務大臣佐々木義武君登壇、拍手〕
  31. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 石油業界の再編成が必要じゃないかという御質問でございますが、御承知のように、現在一番必要な石油の安定供給というものを確保するためには、供給源の多様化とか、あるいは自主開発とか、あるいは石油の備蓄とか、あるいは重質油対策とか、いろいろな課題がございまして、わが国の石油企業がその課題を解決すべき大変な重荷をしょっているわけでございまして、したがって、これを解決するためには企業の基盤が強固で総合力を備えることが大変必要だと思います。そういう観点からいたしますと、石油企業が自主的に企業間の業務提携とか合併等を行いまして経営基盤の強化を図ることはもちろん大変望ましいことだと考えています。いわゆる民族系、外資系にまたがる提携、合併等につきましては、これはやはりケース・バイ・ケース、その利害得失を吟味いたしまして対応してまいりたいと考えております。  それから電気料金の値上げにどう対処するか、あるいは料金制度に関連して逓増制をどうするかという問題でございますけれども、電気料金の値上げ申請につきましては、慎重かつ厳正に対処してまいりたいと思っております。  それから後段の問題でございますけれども、これは、主として家庭需要を対象としておる電灯料金については、原価主義の枠組みの中ですでに逓増料金制を取り入れていることは森下先生も御承知のはずでございます。今後の料金改定におきましても、逓増の程度に関しましては、需要家間のバランスにも配慮しつつ、慎重に検討してまいりたいと考えております。  それから中小企業対策として下請対策を強化しろというお説でございます。  これはもちろん中小企業施策の中で下請対策が大変重要な問題であることはお説のとおりだと存じます。このため、通産省といたしましては、下請企業、特に小企業等に対する助成措置の充実と、下請代金支払遅延等防止法に基づく厳重な取り締まりに努めてきたところでございます。今後さらに下請代金検査官の増員等によりまして法の運用体制の強化を図りつつ、公正な下請取引の確保に万全を期したいと存じます。  なお、御指摘の労賃相当部分の現金払いにつきましては、すでに下請中小企業振興法に基づく振興基準が御承知のようにございまして、その中に規定してございまして、機会あるごとにその遵守の徹底を強力にただいま指導しておるところでございます。  中小企業分野法を見直せというお説でございます。  現行の分野調整法は、分野紛争を適切に処理すべく、過去の紛争事例とかあるいは他の中小企業関係法令を勘案して制定されたことは、御承知のとおりでございます。分野調整法の施行以来現在まで、自主的解決の努力によりまして分野紛争はおおむね処理されてきております。したがって、中小企業に著しい悪影響を及ぼすような大企業の進出事例は余り生じでおらぬと考えております。もとより、紛争の実態を見きわめつつ、法の実効性を常に確保していくことは大変重要なことだと存じます。こういう観点から、今後とも法の適正な運営に努めてまいりたいと存じます。  最後に、三井の石油化学プロジェクトの問題でございますけれども、先ほど総理大臣からお話のございました以外の点に関しまして私から若干触れてみたいと思います。  けさほども申しましたけれども、バザルガン内閣が総辞職いたしまして新内閣ができましたけれども、方針には変更はないということで、わが方にも変える意思はございません。  それから採算の問題でございますけれども、今後の製品市況等によりましてある程度の影響を受けることはあり得ましょうが、現時点での試算ではこれを確保することができるものと考えております。  なお、今後の追加資金の問題でございますけれども、現状をもってすればそういう事態は生じないものと考えてございます。(拍手)   〔国務大臣正示啓次郎君登壇、拍手〕
  32. 正示啓次郎

    ○国務大臣(正示啓次郎君) 森下議員にお答えいたします。  私に対する御質問は物価対策でございます。  御指摘のように、最近の物価動向を見ますと、卸売物価の方は、原油その他の海外産原材料の価格騰貴、円為替相場の下落等から、大幅な上昇を続けております。消費者物価は、これまでのところ安定的に推移してまいりましたが、いま申し上げたような卸売物価上昇の影響が漸次及びつつあり、今後の動向には十分警戒を要するものと考えております。  政府は、このような物価情勢に対処いたしまして、これまでも物価対策の推進に努めてまいりましたし、日本銀行も公定歩合を三度にわたり引き上げたことは御承知のとおりであります。  特に、政府としては、去る十一月二十七日に物価問題に関する関係閣僚の会議を開き、公共事業等の適正な執行その他の財政金融政策、生活関連物資等の調査、監視、石油製品等の便乗値上げの監視、生活必需物資の安定的供給と価格の安定、公共料金の厳正な取り扱い等、八項目から成る総合的な物価対策を定め、これを同日の閣議に報告いたしまして、全閣僚の御協力を得て実施中でございます。さらに、この基本的な方針に基づきまして、年末年始の生活必需物資その他重要物資につき、きめ細かな物価対策を定めまして、各省庁、公取委員会、日本銀行等、関係者挙げて年末年始の物価対策に取り組んでおるところでございます。  物価の安定は、国民生活の安定や経済の持続的成長にとって最も重要な基盤をなすものであることは申し上げるまでもございません。政府は、今後とも総合的、機動的な物価対策を積極的に推進していくことによって、五十四年度政府見通しの消費者物価対前年度上昇率、御指摘の四・九%程度をぜひとも達成いたすべく全力を挙げて努力しておることを御報告申し上げます。(拍手)   〔国務大臣藤波孝生君登壇、拍手〕
  33. 藤波孝生

    ○国務大臣(藤波孝生君) 御質問のありました中高年齢層に対する総合的な雇用対策の問題と、週休二日制、労働時間短縮の問題についてお答えをいたしたいと思います。  高齢化社会が急速に進展をいたします中で、中高年齢層の雇用の安定を図りますことは、森下議員御指摘のとおり、最も大きな課題でございます。その安定を図ってまいりますためには、定年の延長、定年後の再雇用、また勤務延長等による雇用延長、わけても定年の延長を実現をしていくことは最も大きな課題であると考えておるのでございます。  このために、政府は、さきに閣議決定をいたしました新経済社会七カ年計画及び第四次の雇用対策基本計画におきまして、昭和六十年度までに六十歳の定年が一般化するように努めることを目標として定めまして、その実現に向けて強力に行政指導を展開しているところでございます。同時に、当面の中高年齢者をめぐる厳しい雇用情勢に対処いたしますために、思い切った賃金助成を行う中高年齢者雇用開発給付金制度の活用、また高年齢者雇用率の達成指導等によりましてその雇用の促進に努めているところでございます。  労働時間の短縮、週休二日制の普及につきましても、閣議決定をいたしました新経済社会七カ年計画及び第四次の雇用対策基本計画におきまして、昭和六十年度までに欧米先進諸国並みに近づけることを目標としたところでございます。  労働時間の問題は、基本的には労使が自主的に努力して改善をしていくべきものでございますが、労働省といたしましても、この目標の実現に向かいまして行政指導を積極的に展開するなど労働時間対策の推進に努めているところでございまして、今後ともさらに一層の努力を続けてまいりたいと存じております。(拍手)
  34. 秋山長造

    ○副議長(秋山長造君) これにて質疑は終了いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午後二時二十四分散会      ―――――・―――――