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1979-03-29 第87回国会 参議院 農林水産委員会 8号 公式Web版

  1. 昭和五十四年三月二十九日(木曜日)    午前十時五分開会     ―――――――――――――    委員の異動  三月二十三日     辞任         補欠選任      柳澤 錬造君     三治 重信君  三月二十九日     辞任         補欠選任      原田  立君     多田 省吾君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長        久次米健太郎君     理 事                 青井 政美君                 大島 友治君                 山内 一郎君                 栗原 俊夫君                 相沢 武彦君     委 員                 岩上 二郎君                 片山 正英君                 北  修二君                 小林 国司君                 野呂田芳成君                 初村滝一郎君                 降矢 敬雄君                 坂倉 藤吾君                 丸谷 金保君                 原田  立君                 藤原 房雄君                 河田 賢治君                 下田 京子君                 三治 重信君                 喜屋武眞榮君    国務大臣        農林水産大臣   渡辺美智雄君    政府委員        農林水産政務次        官        宮田  輝君        農林水産大臣官        房長       松本 作衛君        水産庁長官    森  整治君        水産庁次長    恩田 幸雄君    事務局側        常任委員会専門        員        竹中  譲君    説明員        文部省初等中等        教育審議官   宮野 禮一君        海上保安庁警備        救難部長     村田 光吉君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○沿岸漁業改善資金助成法案内閣提出、衆議院  送付)     ―――――――――――――
  2. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  沿岸漁業改善資金助成法案を議題といたします。  法案の趣旨説明は先般聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 いま議題になりました法案の審議を行うわけですが、時期が時期なものですから、その前に一つだけ大臣に質問を申し上げなきゃならぬのでお許しをいただきたいんですが、きのう、きょうにかけて畜産関係の審議会が開催をされて畜産物の価格、いわゆる肉――牛、豚、さらに本日乳価、これの諮問に対する方針並びに答申が出ようとしておるわけです。  そこで、今日までこの畜産の関係、特に生産者に渡る価格の問題について、幾つか同僚の委員からも論議を尽くしてきたところでありますが、どうも諮問の姿勢からいきますと、この場で論議をしてきたことが生かされていない、こういう感じを率直に言って申し上げなければならぬと思います。特に、麦価の据え置きから始まりまして、一貫して据え置き体制があるわけですが、とりわけ飼料のいわゆる原価基礎が下がってきたというような立場から、豚の場合四・一%いわゆる引き下げの案というものが提起をされている。今日までこの畜産の問題については、生産者がきわめて苦労を重ねてようやく日の目を見ようとしているときに、この諮問の姿勢というのはまことに私は残念でならぬわけでありますが、基本的にいわゆるどういうふうな考え方というものがなされておるのか。担当の局長その他おりませんから詳しい内容はともかくとして、今後のこの畜産に対する基本姿勢を、大臣から少し説明を伺っておきたい。
  4. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま食肉部会に諮問をいたしました豚肉、牛肉等の価格決定についての基本的な考え方はどうであるか、こういうような御質問でございます。  御承知のとおり、これらは畜安法に基づきまして一応の支持価格制度がとられておるわけでございます。豚肉につきましては、過去五年間にわたるところの市場価格、これをひとつ支持をしていこうということでございまして、過去五年間の平均価格に生産費の変化率を乗じ、また、それに需給調整係数を掛けて、それを技肉換算をしたもの、これに変動係数を掛けて上下に開きまして、上限、下限を決めておることは御承知のとおりでございます。したがって、これは一定の方式がそのようにでき上がっておるわけでございますから、その方式に従って支持価格の算定をするわけであります。  ところが、正直にそのとおりをやったところが、御承知のとおり豚は非常に生産性も高い。一方、えさがどんどん下がるという状態の中では、生産費の変化率に当然変化が出てくるわけであります。したがって、そいつが去年から比べて約四・一%開きが出るというような点で、そのとおり出したわけであります。牛肉についてもほぼ似たようなやり方をやるわけでございますが、これについては、前年の価格、つまり五十三年度決定価格よりもごく少し、一円未満の値下がりしかなっておらないものですから、これは一応金額も小さいのでそのまま据え置くという諮問をいたしましたし、豚につきましては、その幅が大きいために、四・一%結果的に下がった支持価格の数字を出したというというのが偽らざる実情でございます。  これは、その値段よりも大幅に下がった場合はそれぞれ事業団が買い上げる、あるいは大幅にこの上限価格を超えて暴騰した場合には事業団の在庫量を放出する、あるいは輸入の枠をふやして価格の安定を図る、こういうような制度でございまして、やはり長期的に、安定的に日本の豚なり牛なりが発展できるような仕組みになっておって、それを政府が間接的に支持していくと、こういうことになっておるわけですから、そのとおり実行しておるわけでございます。
  5. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 提起をされております議題と異なりますから、それ以上追及をしませんが、率直に申し上げて、いまこの食肉はまさに日本の主食の位置にのし上がっているわけですね。そういう立場からいきますと、いま大臣も触れられておりますように、安定的供給の立場、いわゆる需要と供給のバランス、こうしたものを見詰めながら将来の安定性に向かって、価格だけじゃなくて量も含めて、さらに生産体制、いわゆる国内自給率をどういうふうに安定をさせ、それを継続をしていくかという観点、こうしたものが総合的に組み立てられていかなければならぬと思います。したがって、農林水産省としてもその辺を重視をされて、ふだんから将来展望を含めた指導というものが、生産者にもわたって行われていかなければならぬと思うんです。  そこで、生産者の意欲というものをそぐような形のものというものは、事前に展望をしつつ、その調整を無理なく行っていくというところに力点が注がれていかなければならぬだろうと思うんです。そういう立場から、価格の占める比率というのは大変大きなウエートを占めますが、少なくとも今日の状況から見て、余りにも経済合理主義の追求のみで価格決定が行われているということについては、私は大いに問題ありというふうに指摘をせざるを得ないと思います。したがって、そういう観点から、今後この畜産政策、価格政策についてもっと具体的に掘り下げた討議と検討、それから価格の割り出し等についても、もう少しそういう状況を踏まえた一つの制度というものを組み立てられるように御検討いただいておきたい、こういうふうに思います。  そこで、本日の議題にかかわる方に進んでいきたいと思いますが、本年度の大臣の水産振興についての所信をお聞きをいたしましたが、この水産振興の中で、沿岸部分は大体七項目にわたって具体的対策を含めた一つの提起がございました。ところが、遠洋漁業に関しては、このことを重視をする姿勢はうかがえるわけですが、具体的には資源開発と漁場開発、それから漁業外交のいわゆる充実といいますか、この三つの骨組みになっておりまして、その骨組み自体は、昨年の中川大臣の所信と何ら変わるところがないわけであります。したがって、新しい検討をした結果の政策というものが全然所信の中に生かされてきてない。これは全体のバランスの関係で、あるけれども触れられなかったということなのでしょうと私は理解をするわけであります。  聞くところによりますと、どうも大臣の任務の三分の二は遠洋関係に注がれているというふうにも聞いておるわけですから、熱意のほどがわかっておりながら、なぜ所信の中にそれしか出なかったんだろうかということについてのきわめて私自身の不満があるわけでありますが、そこで、この際に、今日の漁業情勢における遠洋漁業に対します基本政策、これに対する所見をもう少し砕いて承れれば結構だと、こう思うんです。
  6. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 確かにこの沿岸漁業の問題については、いろいろな具体的な点を申し上げてあります。遠洋漁業は、御承知のとおり日本の国内で自由になるというものではないし、他国の二百海里内あるいは公海でやっておるわけであります。そこで一番問題なのは、それぞれの地域の二百海里水域内における日本の既存の漁業というものがどうしても制約を受けるという世界の大勢になっておるわけであって、何とかしてこれをいままでの漁業権といいますか、漁業の漁獲高といいますか、それを守っていかなきゃならぬ。このために私は、新しく今回漁業外交の展開ということを政府が一体になってやらなきゃならぬということを総理大臣にも進言をして、そうして施政方針の中にも入れてもらったわけでございます。漁業外交なんというのをもし総理の演説の中へ入れれば、それじゃ労働外交もあるのじゃないか、農業外交もあるのじゃないかというようなことで、外務省からいろいろクレームがあったらしい、これは裏の話だけれども。  しかしながら、これはもう全然別で、二百海里ということで世界じゅうがこれはもうやるという、急激なそういう状態になったのだから、農林水産省だけではなかなか手に負えない。したがって、政府が一丸となってこれらの外交の展開を図って、それで入漁料の問題にしてもむちゃくちゃ高いことは困るのだし、あるいはいろんな漁業協力といっても難題ばかり吹っかけられてもこれもできるものじゃない。したがって、そういうようなことを大いにやって、外国との交渉関係というものが案外に多いのです、この遠洋漁業においては。したがって、これは国内で魚礁をつくるとか、そういうふうなことだけじゃなくて、相手のある話でございますから、具体的にはそれぞれの国によってみんな違うのでなかなか書き切れない。しかし、そういう精神でひとつやっていこうではないか。  また、そのためには、水産業に特に関係の深い国には在外公館に水産の専門担当者、こういうような者も配置をするようにしよう。民官一体の大型の使節団や民間駐在員の諸外国への派遣、こういうものもどんどんこれからやっていこうではないか、あるいは発展途上国に対する専門家の派遣、それから機械とか機材類の供与、海外の漁業協力の推進、こういうようなことなど、抽象的ではございますが、それぞれの国によってやり方はみんな千差万別なごとく異なるというものですから、それぞれの国に相応したものをやってまいりたいと考えております。  御承知のとおり、入漁料の問題にいたしましても、南太平洋のように国によってむちゃくちゃに高いというようなところもあるし、行かなくたって金を取ってしまうのだと、精算払いもしてくれないというようなところなどもありますから、これについては、ことしは初めて九億円というような利子補給の予算も計上するなど、遠洋漁業についてはそれはかなり力を入れてやっておるということはお認めをいただきたいと存じます。
  7. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 力点を入れているということはわかるんですが、一つ一つそれが具体的に実効をあらわしてこないとぐあいが悪いわけでありまして、正直言って、いまのところ努力はしているけれども後追いの体制を指摘をせざるを得ないんですね。したがって、従来からの日本の遠洋の世界に占める位置づけから言っても、むしろ先手をとる、こういう立場をぜひひとつ打ち出してもらいたいというふうに思うんです。とりわけ二百海里時代の幕あけと同時に、特に遠洋についての漁業の体質変化、そういう形を余儀なくされてきておるわけですね。  従来の自由捕獲型漁業といいますか、どこへでも押しかけていって好きなだけ魚がとれてそして運び込むことができる、こういう形のものから、いわゆる資源管理型、しかも、その資源管理を、各国が自分たちの近辺については責任を持っていこう、しかも公海上の資源についてもこれは共有の財産という立場で、それのなくなることをどう防ぎながら未来に生かしていくのかという立場というものが考えられるように変化をしてきているわけであります。したがって、それに伴うような漁業体質というものを、あるいは漁業秩序というものを打ち出していかなきゃならぬ、こういうふうになるわけであります。いわば、遠洋については構造的変化の時代を迎えている、こういうふうに言わざるを得ないと思うんです。  そこで、長期的な展望をひとつ明らかにしながら、そうした構造変化を具体的に新しい秩序に向かって誘導していく、こういう任務というのが、私は水産行政の基本的な形の中に出てこなければならぬというふうに考えるわけであります。したがって、誘導していくということ、それからそのための諸準備をさせていくということ、いわゆる指導、並びにその指導に伴うところの幾つかの助成、こうしたことが具体的な施策となってあらわれてきて当然ではないんだろうかというふうに思いますし、そのことがきわめて重要ではないだろうかというふうに思いますので、これはまだ検討の段階を幾つか経なければならぬというふうに思いますが、それらの諸準備の状況あるいは物の考え方等について、大臣も一そうですが、これはむしろ長官に責任を持ってお答えをいただければというふうに思います。
  8. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 御指摘のように、とる漁業からむしろつくる、あるいは育てていくそういう漁業、まあ資源管理型の漁業という言葉をお使いになりましたが、そういう時代に来ておるということは御指摘のとおりでございます。そのため、栽培漁業なりの方面の施策につきましていろいろ力を入れておるわけでございますが、それから先、むしろ漁業制度上なり、あるいは漁業の管理の問題等につきましてのいろいろなことば考えておるのかという、恐らくそういう御質問であろうかというふうに思います。  これにつきましては、いろいろ私ども直に何か漁業法を真っ正面から改正していくとか、そういうこともあるいは将来必要なテーマであろうというふうな意識は持っておりますが、むしろ現在いろいろ地域の総合開発みたいなそういう調査事業を通じながら、いずれそういうものを事業に移していく、そういう過程で現実的に魚を育て管理していく、そういう型の漁業というものを実際につくり上げていくといいますか、いろいろやり方といたしましては、漁協なり町村が話し合ってルールをつくっていくということが必要だと思いますが、そういうことをわれわれ期待をしながら、いまそういう調査事業を進めつつあるわけでございます。  それから、遠洋漁業につきましても、確かに北洋の問題あるいはカツオ・マグロの問題、それぞれいろいろな問題を抱えておるわけでございまして、それぞれの漁業の特色に応じた今後のあり方なりというものも、それぞれの業種別にいろいろ検討はされておるわけでございますが、私どもも場合によりましては、できるだけ早い機会に漁業の全体の見直しといいますか、それは水産物の需給問題も含めまして、そういう見直しをする検討の場を設けて検討していきたいというふうにも考えておるわけであります。それよりも、まず水産庁の事務当局自身が、そういう一つの何か方向的なものでも頭に置いて運用いたしませんと――問題点は確かにたくさんございます。それを一つ一つ全部いまつつき出しましても、かえって混乱するだけでございます。むしろわれわれ自身の頭を整理するということを、いま部内では検討いたしておる最中でございます。いずれ、やはり先生御指摘のような問題を関係者と協議をする段階に、早く入りたいというふうに思っておるわけでございます。
  9. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 そこで、大臣、私はいま長官の答弁を聞いていましてやっぱり感ずるんですが、これは農林省から農林水産省に名称変更しましたね。それは、それだけ水産行政について責任とやはりそこに重点を置かなきゃならぬ、こういう立場が理解をされて、そして水産省として省を独自でつくれという声が強かったが、農林水産省に落ちついたわけですね。  そういう体制からながめたときに、そのときにも指摘をしましたが、先ほどの大臣のお話の中にもありましたように、たとえば影響ある各沿岸国の公館に配置をする、こういう状況等につられて、水産庁でその専門家が配置のできるような陣容というのが今日水産庁の機構の中で果たして組み行くのだろうか。私は組んでいかなければならぬ。その意欲というのは一体どこが阻害をしているのだろうか、こうなりますと、私は機構そのものも含めてこれはもう一遍根本的に見直していただく必要というものは大いに感ずるわけです。これはもう特に暴れん坊の大臣ですから、その辺は今日の日本の置かれた状況を含めまして、しゃにむにでも私は実現をしてもらいたいというふうに感ずるところです。ぜひこれはお願いをしておきたいと思います。  それで、きょうは具体的に私提起をしませんですけれども、これは二十日の日に衆議院で角屋先生が取り上げられてコスタリカの問題等提起をしておりますから、きょうは私具体的に提起をしませんが、少なくとも北方漁場におきますサケ・マスの問題だとか、あるいは南方海域における漁場に対するところのトラブルだとか幾つか問題が発生をしました。この前の例等から言えば、漁労に携わる者が根拠にしておりました情報がきわめて古いものが使われておって、そして情勢の変化に対応ができなかった、そこに問題が発生しておるという形になるわけです。そうなりますと、在外公館と外務省、水産庁、こうしたところが世界の動き等についてやはりなるべく早くつかんで、それを安全操業を確保するような立場で水産庁が責任を持っていく、こういう体制はきわめて重要であろうというふうに私は思うのですね。この辺の連携が残念ながらとられてなかったという例が、この間のコスタリカの問題であろうというふうに思うのです。  したがって、これはもう明らかに行政責任を問われて間違いないこういうケースになってくるわけですから、こういうケースの出ないように、ぜひともその辺を含めた充実策というものを真剣に対応していただきたいというふうに思いますし、発生した事故の後始末についても、これは政府で責任を持って対処いただきたいというふうに思います。とりわけケースをながめておきますと、言葉が不自由だということ、それから生活環境が違うということ、これはソビエトの場合でも同じでありますし、韓国の場合でも、北朝鮮の場合でも、中国の場合でもそういう言葉の不便さ、生活環境の相違、こうしたものがトラブルを拡大しておる場合があります。今回の場合でも、入漁料を支払ったというふうに考えておったら、これが贈賄罪で告発をされるというようなケースにまで発展をしているわけですから、そういう余分なトラブルを発生させないように、そういう対応も十分に踏まえていただくようにお願いをしたいと思いますが、その辺の見解を簡単に触れていただきたい。
  10. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま御指摘の事件につきましては全く私は御指摘のとおりで、情報の収集、伝達というところにおくれがあって、関係各業界の方々が適時適切な指導を行うことができなかったということは、まことに私は遺憾にたえないと、かように考えております。したがって、今後こういうようなことで迷惑をかけるようなことが絶対ないように、政府としても十分反省をし、よく連絡をとってやっていかなけりゃならぬと、かように考えております。したがって、今回の問題については、農林水産省といたしましては、農林水産省の範囲内でできるだけのことを誠意を持って対処してまいる考えでございます。
  11. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 そこで、一つの具体策という立場も踏まえて私は提起をしたいのです。前にも提起をいたしましたが、各国の経済水域等に入る場合の入漁料の支払い方式なんですね、おおむね事前支払いというのが前提になっておるようであります。ただ、各国それぞれ全部異なりますね。ただ、そこで形は異なるけれども、対応の仕方というものについてはこれはやはり一つ筋が通せるんじゃないだろうか。その辺で政府が介入をし、最低の安全を保障するという対策、こうしたものが立てられないかどうか。  そこで、これは業界の方からも、各国まちまち、しかも相当多額にわたる入漁料の支払いを通じて、これは政府が助成をしてもらいたい、あるいは政府が負担をしてもらいたい、こういう声は前々から上がっておるわけですが、そうした対策、基本的見解というのが一体今日段階どうなっているんだろうか。どうも一向に進んでないように思います。私は、最低条件といいますか、この入漁料に対する足切りがあっていいと思うんです。それ以上のものは足切りを政府が保障すると、それ以下のものは業者で負担してもらうというような形の組み合わせ等が考えられないだろうか。いわゆる足切りを保障するということは、先ほど言いましたように、そこに入っていってトラブルを発生をさせるということについての最低の防波堤になるんじゃないだろうかという感じがいたします。  それから、性格的に、たとえば最近の入漁料というのは、単なる入って漁をするからそれに見合うところの補償金という立場ではなくって、パプア・ニューギニア等に見られますのは、農畜産物との交換条件、いわゆる日本への輸入と引きかえにこれは一体どうなのかと、あるいはまたニュージーランドあたりでは、わが国へのイカの輸入との関係は一体どうなのだろうかとか、そういう相関連をして総合的に組み合わされて入漁料の感覚というものがやっぱり出てくるわけであります。ソ連にいたしましても、韓国あるいは北朝鮮、中国との関係等についても、そうした事情があるわけであります。あるいはまた、アメリカの年間約二十二億に上るいわゆる入漁料については、余りにも大きいんじゃないのかというような形の問題等の指摘もあります。そういう観点からいきまして、どうなんでしょうか、卒直に言って、それらをもう一度検討し直して、そうして新しいひとつ入漁料に対する支払い方式というようなものを明確にすることができないだろうかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  12. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 業界などでそういうような御要求のあることは、十分に承知をいたしております。いたしておりますが、本来この入漁料は、漁業者自身が操業の必要経費として支払うというのが私は原則だと思います。政府がいま御提案のように、軽微なものは業界がみんな払ってもいいけれども、あんまりうんと重いようなものは政府が見たらいいじゃないかと、わかりやすく言えばそういうような御意見ではないかと思います。ところが、まあそういう御意見が出るのも私はわからないことはないのです。国によって本当にむちゃくちゃなことを要求してくるのもありますし、売上高の一・二%とか〇・五七%とかというカナダのようなところもあるかと思えば、ニュージーランドのように三・二%とか、あるいはパプア・ニューギニアのように四・一%も出せなんて言ってくるところもあるわけですから。特に発展途上国とか、あるいは小さな比較的経済力の低い国などが大きく要求してきている。それに対して日本は経済大国のように思われておるかもしれませんので、入漁料が高かったら政府が見てやるよなんていうことを言っちゃったら、ますます吹っかけてこられるという危険性もこれはあるわけですよ。  したがって、われわれとしてはそんな不当な入漁料、ばかなことがあるかと、入りもしないうちからもう前金でそんなたくさんの金をよこせなんていうことは世界じゅう通用しないよとかいう交渉をどんどんやっているわけですから、したがって、そういう交渉をこれからやったり、それから現に交渉中のものもあります。そこで、最初から、ある程度は業者持ちだが、それ以上は国がみんな見るのだというようなことを言うと、ますます吹っかけられるということも外国じゃあるわけですよ。したがって、気分としてわかりますが、やはり原理、原則としては入漁料はそれは業界の負担と、しかし、べらぼうなものについては政府は当然交渉をしてそいつを安くさせる、世間並みのものにやらせるようなまずいろんな交渉をやると。  しかし、いつまでもまとまらぬというようなものについては、臨時の措置としてたとえば九億円の利子補給の金を出すとか、そういうことはやってはおるのです。やっておりますが、やっぱり原則は業界負担で、そんな高くては魚をとりに行けませんよと。だれかにとらせなくちゃ向こうも困るわけですから、実際は。まあ吹っかけてはみたものの自分じゃとらないのですから、そこらのところはお互いに合い縁奇縁で、大体接着点がおのずからできるところがあるわけですから、それを早く引き出すような方法が一番よいのではなかろうかと、かように考えております。
  13. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 これは、前中川大臣も同じ答弁ですね。そのことは方針が変わってないと、こういうことなんですがね、私は考え方の問題としまして、いま大臣が答弁されておるような考え方もあると思う。しかし、もともと自由経済の中における契約の自由の原則からいけば、たとえば入漁料の交渉が、本来行う漁業者自体がその国と自由に契約ができる、こういう立場が保障されればこれはまた別だと思いますね。しかし、そこに入る漁業者自体が交渉の権限は全くない。国と国との間で処理をしなければならぬ。  条件として、いま大臣が言われたように、国が保障するということなら多額のものを吹っかけられるという一つの問題もあるでしょう。しかし、それは国と国との間の中での選択で処理の済む問題であるであろう。言うならば、操業をする漁業者自体がこの条件を付すことのできない形になっておるところの入漁料だけに、それをどういうふうに政府がこの問題についての対処をしていくかというそこの考え方は、私はもう少し違った観点からも見直してみる必要があるんじゃないだろうか。いままでの考え方の踏襲の中で一歩も出ませんよという形では、ちょっといただけないように思うんですが、いかがですか。
  14. 森整治

    ○政府委員(森整治君) いま先生の御指摘になりました問題は、要するに国と国が結ぶのだから、それでいろいろ関係の業界に若干しわが寄るようなこともあるのではないかというそういう御趣旨の御質問であるとすれば、これにつきましてはよく業界と、実は交渉には業界も参加いたしております。そこで、かつてのパプア・ニューギニアが非常に高いわりにまとまったということについては、いろいろ私どもも業界に、一番最初の交渉だからということで、まあニュージーランドの交渉が難航しておりましたそういう背景もございます。それを除きましては、むしろ最近は御承知のように、非常に経営の不振の中でどうやって入漁料を払っていくかということもありますし、生産調整をやっているというような事情もあります。し、いろいろ業界とは連絡を密にして、長期的な入漁料交渉が決まっているわけではないので、暫定的な協定ということでございますから、その改定のたびによく相談をしてやっておるわけでございまして、その点は余り御心配といいますか、その点はわりに少ないと思うのでございますが、いずれにいたしましても、入漁料につきましてそれぞれの国がそれぞれの立場からの主張をしておる段階でございます、ただいま御指摘のように。  ですから、統一的に何か物を考えていくというわけにもなかなかまいらない。むしろやはりその現時点に置かれておるカツオならカツオの一本釣りの漁業の支払い得る限度というのは業界が一番よく知っておるわけで、そこの点を勘案しながら、われわれもその事情を相手方に説明をしながら、現段階で入漁料交渉を行っているということが現実の姿でございまして、いままででもわりにうまくいったと思われている国も、実際には魚群が形成されなかったりしまして、実はむしろ向こう側の方で、余り来ないものですから、とりに行かないものですからいろいろ心配をして交渉に来るというようなこともございます。ですから、それぞれの話し合いで、いまの段階は無理のない入漁料の交渉をしていくということが、一番現段階では適切なことになるのではないだろうかというふうに思っております。  それで、今後の問題につきましては、一通りいろいろな入漁交渉が一巡をしたあたりで、いま私どもが九億の助成をして、基金からいろいろ助成を考えておりますけれども、それも全体を含めましてどういう姿にしたらいいかということを、その段階でもう一回見直すということにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  15. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 次に移りますが、次に水産物の調整保管事業がございますね。これの現況、それからその事業の事業効果、こうしたものについて説明をいただけますか。
  16. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 調整保管事業はこの数年やっておるわけでございますが、順次その事業対象も拡大をしてまいっております。多獲性魚、ノリ、ワカメ、冷凍すり身、それに五十一年にカツオ・マグロを入れまして、五十二年に魚かすなり魚粉を追加するというようなことで、その拡大に努めてきておるわけでございます。五十四年度におきましては多獲性魚、ソリ、ワカメ、カツオ・マグロ、冷凍すり身、魚かす、魚粉ということで約二十億の予算を計上をいたしておるわけでございまして、その中身としましては、調整保管を行う団体に対します利子補給と、その調整保管の結果赤字を生じた場合にその赤字分に対して無利子の融資をする、その原資分を魚価安定基金を通じまして助成をするというたてまえで運用をいたしておるわけでございます。  そういうことで、今年度も相当資金の充実を図っておるわけでございますが、たとえて申しますと、カツオ・マグロにつきましても、去年はマグロが一応一万八千トン、カツオが一万トンということでございましたけれども、今回は計画でございますが、それぞれ二万五千トン、三万トンということで、対象の数量も拡大をして予算を考えておるということでございます。  そういうことでございまして、この事業というのは、結局国内で安いときにはある意味では買い支えをして、それで高いときに放出する、きわめて教科書的に言えば、そういうことになるわけでございますが、実際の運用といたしましては非常に構造的な問題が根っこにある場合に、単なる調整保管をもってしても効果が上がらないということは当然考えられることでございまして、逆に言いますと、むしろ買う方が安心して買いに出ないというような、運用の仕方によりましてはそういうことも起こり得るものというふうに思っております。しかし、基本的には、やはりこの制度自身そういう運用を行うということ、またその必要性というものはこれは変わることはないわけでございまして、全体の供給の体制あるいは需要の体制、簡単に言いますと余りとらないようにするのと消費を拡大するのと、それから輸出、総輸入、そういう問題を、全体を絡めた中での事業の運用ということが必要であろうというふうに認識はいたしております。
  17. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 前にこれも提起しましたが、たとえばカツオなど政府買い上げなんというのは、この事業の中に検討の余地はないんでしょうか。
  18. 森整治

    ○政府委員(森整治君) これは水産物の場合は、自由流通という自由な流通をたてまえにいたしておりますし、物が大体鮮度を重視するということ、そういうこともございます。それから、産地によっても非常に違ってくるという問題もございます。したがって、いろいろ規格化が困難だということも、そういう技術的な問題あるいは操業の問題にいたしましても、たとえて言えばカツオにいたしましても、例のまき網もあるし一本釣りもあるということもございますし、南方に行くのも近海のもあるというようなことで、いろいろ値段のとり方というのもむずかしいという技術的な問題もございまして、ただいまのところそういうことは非常にむずかしいのではないかというふうに思っております。
  19. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 魚価対策が中心になりますね。それで、調整保管事業とそれから魚価の安定事業資金の絡み合わせ、この辺で、もう少しやはり効果が何か出てこないんでしょうかね。率直に言って、一昨年の夏あたりからもうほとんど採算ベースに合わない魚価がずうっとこう続いちゃっている、御承知のとおりだと思うんですね。そうなりますと、何らか抜本的な形、過剰だからということだけでは私は済まされない一つの問題があると思うんですが、自粛生産調整等を行って、それぞれがやはり努力をしていることは御承知のとおりですが、その辺の効果ということになると、きわめてこれは鈍い反応した示してないということを率直に言わざるを得ないんですが、何かどこかでメスを入れるという工夫はできませんですか。   〔委員長退席、理事青井政美君着席〕
  20. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 確かに先生御指摘の問題、結果的には、調整保管の買いに出た価格というのが高過ぎてということに結果的にはなったわけですけれども、買い支えをしてともかく息が続かなくて価格をもう一回下げた、それでもうまくさばけなかったということでございまして、これは先ほど私、申し上げましたように、基本的にやはり円高ということでアメリカの輸出市場が伸びないというそういう問題と、今度アメリカの方が逆にまた豊漁であった、それから内需が伸びない、にもかかわらず生産の方はわりに豊漁であった。また、ことに近海がよくとれたという、そういうような需給全体の背景が、物の見方によりましては恐らく構造的な問題が出てきたというふうに考えていいのかもしれませんが、そういう事態が出た。そういう中での調整保管事業でございましたから、非常に効果が出てこなかったということで、そういうものを織り込んだ価格というものをどの辺に求めるか、これは非常に私はむずかしい問題ではないだろうか。  確かに、逆にもう生産費、生産費のとり方はむずかしいのですが、生産費か何かで需給いかんにかかわらずというようなことで価格を決めるならこれはまた別でございますけれども、ただそんなことをしても結局どうにもならない話でございまして、そこのところをどういうふうに運用していくかということになるわけでございますが、今回のように生産をとめてみたらということで、初めて生産調整に踏み切ってみたわけでございます。その効果が出ているのか出てないのかということにつきまして、これは非常にむずかしい、ただいまの時点におきましては、私自身も、価格の推移といたしましては確かに戻しつつあるわけでございまして、戻しつつあるというふうに数字的には見て差し支えないのではないかと思います。それが、今後その傾向がなお続くのか、一時的なものであるのか、ここは私ども断定はいたしません。  したがいまして、これ以上の何か対策が必要かどうかということについて、もちろん業界でも検討いたしております。私どももそういう検討の推移をながめながら、私どもも政府がそれに対して何か援助する、あるいは政府自身が関与していくということが必要であれば、もちろんそういう対策を講ずる段階に来ておるとは認識をいたしておるわけでございます。いましばらく模様を見たいというようなことでおります。そういうことでございまして、全体の調整保管、全体の需給対策、そういう問題につきまして、もう少し運用の結果を見てまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  ですから、もう一回、くどいようでございますが、調整保管事業そのものにつきましては、私どもその制度なりにつきましては、なお今後強化をしていくべきものであるというふうに考えておるわけでございます。
  21. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 それに関連をしつつ進めていくわけですが、水産物の輸入調整、これもきわめて魚価にはね返るわけですね。そこで、五十年、五十一年、五十二年と、こうながめていきますと、生鮮、冷凍物のカツオ・マグロ、カジキ類、これを数字でながめたときに、輸出、輸入の関係というのは、大変びっくりするような形に実は数字が置かれておるわけです。たとえば、五十年の場合には輸出が三万三千六百四十五トン、輸入が十一万六十五トン、こうなっていますね。さらに五十一年には輸出が七万三百四トン、これに対して輸入が十万七千八百十六トン、五十二年には輸出が七万二千百四十トンに対して輸入が十三万六千七百九十トン、こういう数字が出ているわけです。これと先ほどから論議をしておりますいわゆる調整と保管あるいは魚価安定事業、こうしたものの絡みからいきまして、この辺の調整、輸出入の調整というものは、これと組み合わさってどういうふうに考えておられるのかというところがちょっと疑問なんですが、いかがでしょう。
  22. 森整治

    ○政府委員(森整治君) カツオ・マグロの輸出入の問題でございますが、それぞれ先生御承知のように、市場なり用途が違っておるということがまずあるというふうに思います。輸出の問題につきましては、かん詰め用を中心にしての動きでございまして、ビンナガを初めとするそういうもの中心の冷凍品とかん詰め類というふうに理解をいたしておりますし、輸入の問題になりますと、韓国のマグロを中心とする生鮮用のそういう韓国、台湾、そういうところからのマグロの輸入の規制というか、輸入問題というものが中心の問題であるというふうに考えておるわけでございまして、それぞれの、要するにいま一本で数量がどのくらい出て、どのくらい入ってというわけにも必ずしもまいらないと思います。ただ、輸出については停滞ぎみでございまして、そっちの方は私どももむしろ需要開拓なり消費促進という意味から、昨年はFAOの援助だけでなしに、外務省に計上しております発展途上国に対します無償援助の対象物資に入れまして、十二億五千万円程度のカツオ・マグロのかん詰めを発展途上国に無償で提供するということも実際にやってきたわけでございます。  それから、輸入の問題につきましては、昨年非常に韓国のマグロの輸入問題がシリアスになってまいりまして、韓国に強く要請をいたしまして、五十三年の輸入はむしろ前年をさらに下回るという結果になって、九〇%程度に抑えたわけでございます。抑えるという言葉はいいのかどうか問題でございますが、調整を図ったということでございまして、いまのところ私どもは、その結果マグロの価格につきましては、キハダ類を除きましては一応満足する――満足し過ぎても問題なんでございますが、ということは、やっぱり消費者対策も考えなければいけませんし、そういうことで、一応漁業者としてそう不満のない価格水準に戻ってきているというふうに私どもは認識をいたしているわけでございます。したがいまして、何といいますか、硬直的に運用を考えるということでなしに、それぞれの輸出入の問題を、一応わが国の自由貿易の体制下において考えていくという一つの命題があるわけでございますから、その中でなるたけ需給の、なるたけと言うよりも、当然需給のバランスが合うように、また、価格も安定した価格水準が維持できるように、それぞれの手法を使いながら、いろんないま私が申し上げました手法を使いながら調整を図っていくように努めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
  23. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 特にこの輸入調整といいますか、そういう形のものについては現状カツオ・マグロ、特にカツオの場合等は、もう赤字覚悟で出漁しなければならぬというのが今日の実態ですね。先ほどの論議とも絡みますが、しばらく状況を待ってみなければと、こういうことなんですが、待っているゆとりがたとえば漁業者の方に今日あるのかどうかというと、私はあと半年果たしてもつんだろうか、そんな気が率直に言ってするわけです。いろんな対応で支えていかなければならぬわけですが、したがって、これは今日のそういう事態を踏まえてきわめて問題があるだろう。  そこで、この輸入のいわゆる品種の問題、それから時期と量、こうしたものが魚価との関係において、あるいは経営の維持という観点から見て、もう少しやはり突っ込んだ調整というものを具体的に実現できるようにしていっていただかないと、これはまるきりつぶれてしまうというふうなことに追い込んでしまうのじゃないだろうかというふうに思いますから、ぜひその辺はもう一度再検討をいただいておきたい、こういうふうに、これは問題の提起にとどめておきます。  それから次に、カツオ・マグロの消費拡大です。これは今日の日本の全土におけるいわゆるカツオ・マグロ――マグロは相当全体化をしていますが、特にカツオの消費ということになりますと、まだまだ地域的な偏り、これは技術上の問題その他いろいろあろうと思いますが、結局偏りを示していることはもう事実であります。そこで、サバ、イワシなどの大衆性魚の消費拡大の一つの対策としまして、効果がどういうふうに出るかはともかくとして、生協連を通じたパック入りの販売に一億円の補助が出ると、こういう話です。そうした試行というものは、たとえばカツオ等についてこれから講じられないのかどうなのか、その辺の検討は行われておるのだろうかどうか、その辺の考え方をひとつ明らかにしてください。
  24. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 御指摘の消費拡大、きわめて私どもも重要な問題だというふうに考えておりまして、ことに御指摘のように、カツオにつきましては地域差というものも無視できない。ともかく食べないといいますか、生鮮で食べない地域と、よく消費する地域というのが歴然としておるということも、よく念頭に置いてやらなければいけない問題だというふうに思っておるわけでございます。で、消費拡大のためにいろいろなマスメディアの手法を使ってやるということは当然でございますが、今回新たに考えております、産地で消費者の利用しやすい形態に冷凍処理いたしまして、これを小売店あるいはスーパー等で、あるいは適当なところで冷凍形態のままで販売をするという実験事業を仕組んでおりますが、この中には、多獲性魚とあわせまして、カツオ・マグロもその対象にするというふうに考えておるわけでございます。
  25. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 あと少し具体的な対策についてお聞きをしておきたいと思いますが、先ほども討論経過の中にありましたように、魚価が暴落をした等の状況の中で、いわゆる自主調整ということで、生産調整で休漁等を行いますね。昨年の場合、具体的にそれがあらわれました。今後もそのことが想定をされるわけですが、これは全体の状況を把握をするために水産庁も中に入って、業界との話の中でそういうふうにした方がよかろうという結論に基づいて行うと、こうなりますね。したがって、それは相談に乗ったから責任があるんじゃないかという立場じゃなくって、水産行政を行うという大局的な立場の中で、しかもこの経営維持ということを考えてみたときに、率直にこの自主調整をしておる側にとってみると、その間の次に備えたところの準備体制を維持をしていく立場からいきますと、雇用船員の、いわゆる散らしていかない対策というのが一番ポイントになってくるわけですね。したがって、その間の休業補償その他が、大変な大きなウエートを占めてくるということになるわけです、その他ももちろんあるんですが。  したがって、そういうような現実的な立場から見て、雇用船員の最低賃金の線を何とか裏打ちをしていくということを含めて、いわゆる維持経費について若干の助成策、これはとられるべきではないんだろうか。今日融資制度は行われておりますが、補助という立場にはならぬわけですね。借金は重なってくるけれども、これはやっぱりもらった金じゃありませんから返さなきゃならぬ、したがってかさんでくると、こういう悪循環になっていくわけですから、そういう立場から見て、もう少し明確な補助措置というものがとられてしかるべきではないだろうかというふうに考えますが、その辺のお考えはないんでしょうか。
  26. 森整治

    政府委員(森整治君) 生産調整につきましては、九月から三十日の各地全船回り持ちで休漁をするということで、二百十隻を対象に実施をし、それを私どもとしましては承認をするという形態でございましたけれども、確かにそういう指導をいたしたことも否めない事実でございます。しかし、この問題につきましては、先生御承知のように、低利融資を考えるということで近く償還期間につきましても考えたいと思っておりますが、そういうことを考えまして、一応先生御指摘の労務費等につきましての手当てはしたつもりでございます。  ただ、いま先生がおっしゃったのは、むしろ何か補償的な措置を講ずべきではないかという御質疑かと思いますけれども、これは一時的な休漁でありまして、私どもはその休漁に伴います価格効果というものも考えておるわけでございますが、たてまえといたしましては、数量を抑えて価格を持ち上げて全体として経営が回復していく、その回復していく中から償還していただくと、こういうことで、ただし金利は相当安いものにしていきたい、また場合によっては、期間といたしましてはそれはもう少し長い長期のものを考えても差し支えないというふうなたてまえで来ておるわけでございます。そこで、先ほどの価格の問題にまた戻ってしまいますが、一応これでうまくいくという想定のもとに、融資対策手当てをしたというふうに理解をしていただきたいと思います。  今後それがどういうふうになっていくかということにつきましては、あるいは先生の御心配されるような事態が出ないというふうには私申しませんけれども、もう少ししばらく模様を見て、むしろ問題が起きるとすれば、あるいは先生お考えかもしれませんけれども、何かもう少し構造的な対策の手を打っていくという方の際に、あわせて考えていくということにしたらどうであろうかというふうに思います。くどいようでございますが、直接的に補償するという考えはとっておらなかったし、いまとる必要もないというふうに思っております。
  27. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 ただ、今日まで長い間低迷しているわけですからね。先ほども言いましたように、出漁に当たって赤字を覚悟で出さなければならぬ、こういう状況ですから、たとえば私どもの地元の方の船員の待遇等を考えてみましても、実は出漁をしまして、従来ですと、たくさんとってきて漁価が一定のものがあってある程度もうかるということになれば、いわゆる基礎の船員の給与以外に手当がついて、それが大体常識になっておったわけですね。ここ最近は、もうほとんど乗り組んでいっても、基本給以外に余り当てにできないという現状になっているわけです。そういう状況の中で今回休漁と、こういう立場になりますから、船員の家庭生活というのは私は大変なものだと思うんですね。しかも、それらを船主がある程度補償していかないと、次にさあやろうというときに人が集まらないという立場になってくる。ここを何とか解明をしていかないことには、私は本当の対策になってこないというふうに思いますね。  したがって、これがごく短期の間に、この時期に調整さえすれば次に回復ができるんじゃないかというのじゃなくて、本来当てにしておったほかの手当がほとんど入らないような形になって、基本給でどうやらこうやら生活をしてきた船員、それが乗り組んでいってもそうなんですから、そういう状況の中で、さらにまた、もう全くの基本給だけで生活をしなきゃならぬということが強いられる、ここに大きな問題点がありますから、ぜひその辺ももう一度、現実的な姿を直視をしていただきながら、対応策というものはひとつ、もうこれ以上ないんだと言うのじゃなくて検討をいただいておきたいと、こういうふうに思います。  次に、これも業界から直接要望が出されておるというふうに思いますが、漁業再建整備特別措置法に伴うところの漁業経営維持安定資金ですね、これは負債その他いろいろなものが起こったときに、それを一時的に融資をしましてそして回復措置を講じよう、こういう趣旨合いのものですが、ほとんどこれはカツオ・マグロはもうすでにその資金の恩恵に浴しているという形になります。それから、これは償還期が出てまいっておりまして、私どもの方でも試算をしましたら、大体一年間の出漁に見合う燃料費に相当する分を償還をしていかなきゃならぬという時期にまで、今日段階来ておるわけであります。したがって、できればこの経営維持安定資金についてひとつ返還の延長といいますか据え置き措置、こうしたことをぜひ今日とってもらいたいという強いこれは要望が来ておりますんで、聞き入れていただきたいと思いますが、いかがなものでしょうか。
  28. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 御指摘の経営維持安定資金のうち、五十一年度に貸し付けたものが本年四月から償還期に入ってまいりますが、この問題につきましてはカツオ・マグロと、こう一括されておりますけれども、マグロについてはまあまあという感じがいたしますが、カツオの漁業につきましては、確かに先生御指摘のような、先ほどからいろいろるる御指摘ございますが、非常にむずかしい経営状況に入ってきておるということは、私ども認識をしておるわけでございます。  くどいようですけれども、価格が若干でも毎月平均が回復しつつあるわけでございまして、これではまだ足らないという声もよく聞いております。二百円という声を聞かなければという、そういうような生臭い話も出ておりますが、ともかくその辺の全体の経営の状況がどういうふうになっているか、いましばらくその状況を見きわめながらこの問題というのは、償還期限を延長するかどうかという判定をするかどうかということにつきましては、いましばらく検討さしていただきたいというふうに思うわけでございます。
  29. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 検討していただくということですから、いい方向だろうというふうに思いますが、これは大臣ひとついままでの論議をお聞きをいただいて、政治的にこれはもう検討というよりも、そういう措置をとるんだというひとつ御返事はいただけませんか。
  30. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、カツオ業界はおしなべて非常に苦しい状態にあるということも私はわかっております。したがいまして、生産調整等を行ってある程度よくなってきておるものもございますし、またそれでも全体的にどうしてもだめだというときには、そのときの方法を何か考えなければならぬということであって、目下のところは慎重に見守っておるという状態でございます。
  31. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 償還期がもう切迫していますから、早くひとつ結論を出してもらいたいと思います。  それから、これも強い期待を持ちながら要求をされていることですが、遠くに出かけていって漁をするということになりますから、しかもカツオの場合生きえが必要だということですね。いわゆるこの生きえの運搬、補給、それから現地に近いところに生きえの基地を何とか設定をするためのひとつ施策を講じてもらえないだろうか、こういう願望、これはもう御承知のとおりだろうと思うんですが、その辺は検討をされておるんでしょうか、どうでしょうか、余り返事を聞いたことがないものだから。
  32. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 生きえを現地で確保するという問題につきましては、確かに非常にカツオ釣り漁業のある意味では悲願の事業だというふうに思っております。いろいろミクロネシアのたとえばマーシャル地区で、相手国との合弁で生きえを確保するというような話が一部業界にもあるというふうに聞いておりますが、たとえて言えば、そういうような問題が業界の意見として本当にできるという見通しで御相談があるならば、私どもも何かそれについての、どういうふうな手当てをしてあげたら一番効果的に応援できるかということは当然考えてまいりたい。ただ、いろいろ技術的なりいろんな問題がまだあるのではないだろうかというふうに思っておるわけでございます。  それから、全般的に申しまして、当然生きえを近くでやる、直接徴用する、そういうための施設等につきましてはいろんな資金手当てがあるわけでございますが、そういう問題につきまして当然具体的な計画として上がってまいりますれば、万全の協力は惜しまないつもりでございます。
  33. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 いずれにしましても、遠洋の関係というのは大変な事情にあるわけですので、ぜひここでのやりとり等を生かしていただいて、十分に業界ともいい解決策をひとつ立ててもらいたいというふうに思います。  次に、法案の中身に入っていきたいというふうに思いますが、第一にお聞きをしたいことは、従来から漁業というふうに一般的にとらえますと、海面漁業、それから内水面漁業、この二つにおおむね大別をされておりますし、さらにまた、海面の漁業関係については、いま論議をしてまいりました遠洋、さらに沖合い、沿岸あるいは海面養殖、こういうふうに分類をされておるのが常態であります。内水面の場合は内水面漁業と養殖の大体二つの部分で統計をされている、これが通例でありますが、それに捕鯨が加わって全体の漁業構成を成している、こう見ているわけですね。  ところで、それぞれの部門というのが、日本の食生活その他からながめていって、どの部分がどうのこうのという取捨選択なんということには私はならぬ、どの部分も強化をしていかなきゃならぬ、こういう立場にあろうというふうに思いますが、   〔理事青井政美君退席、委員長着席〕 この法律案が沿岸漁業というふうに限定をし、中身はまた後で触れますが、この沿岸の法律で触れる部分からいきますと、内水面は内水面漁業、養殖を含めるし、それから海面漁業の立場からいけば、遠洋と沖合いを除く沿岸あるいは海面養殖が当然含まれてくる、こういう法案の中身になっているわけですが、とりわけ沿岸というふうに文字をつけた、そこにしぼったその考え方というのは一体どこにあるんだろうか、この辺を少し明らかにしてもらいたいというふうに思います。
  34. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 今回の沿岸漁業を中心の対策といたしまして取り上げたゆえんのものは、一つは、大部分の漁業の形態が沿岸漁業に属しておるということが一つ、それからまた、その中でも個人の形態がほとんどであるということが一つ、それから沿岸の就業者というのが全体の約八割近いというようなこと、そういうようなことから、業種としてはいろいろあるかもしれませんけれども、二百海里時代の見直しという意味での大半の形態なり事業者というものに着目をして、そういう人たちにきめ細かい資金手当てをしていってあげたいということが、今回の沿岸、海面養殖という考え方になっておるというふうに理解をいたしておるわけでございます。
  35. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 そうしますと、今日、私もここに数字を持っていますが、五十一年実績で年間三十日以上の漁業就労人員は大体四十七万人、これに対して沿岸が三十六万七千人、それから遠洋、沖合いが十万三千人、こういうことになって、沿岸が七八%、それから遠洋、沖合いが二二%という比率がある。それから生産量からいきますと、たとえば五十二年度では遠洋が二百六十四万二千トン、沖合いが四百八十七万三千トン、沿岸が三百十八万二千トンと、こういう状況になっていまして、遠洋が二五%、沖合いが四六%、それから沿岸が三〇%、したがってこの中身をながめてみたときに、沿岸漁業に従事をするのは七八%近くありながら、生産量からながめてみたときにはまだ三〇%だと。したがって、ここに沿岸漁業の充実、もう少し効率を高めていくゆとりがあるだろうし、それから同時に、沿岸漁業に働く人々の零細性、ここに問題があって、ここにメスを入れないと日本の漁業の健全な発展にならない、こういう立場が踏まえられてこの法律が出されたというふうに理解をして間違いがないのかどうか、もう一度。
  36. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も、質問されたらそういうふうにお答えをしようと思っておったところで、そのとおりであります。
  37. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 第二条に「沿岸漁業」の定義がなされておるわけですが、これは先ほど私少し質問で触れましたように、内水面の漁業、養殖、それから沿岸のいわゆる海面養殖、これはこの法律の適用範囲の中に含まれている、こういうふうに解釈をして間違いないわけですか。
  38. 森整治

    ○政府委員(森整治君) この法律で申します沿岸漁業の中には、一つは「小型の漁船を使用して、」また「使用しないで水産動植物の採捕の事業」を行うもの、それから定置の漁業、それから養殖業ということでございますから、当然内水面漁業は含まれるというふうに理解をいたしておるわけでございます。
  39. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 そこで、この第一条に「沿岸漁業従事者等」の「等」という文字が入っていますね。この「等」というのは、第三条の沿岸漁業従事者が「組織する団体」、これは切り離して条文では出ていますが、これは沿岸漁業従事者が組織する団体、それから政令で定められる一定規模以下の沿岸漁業、それを経営をしておるところの会社と、こういうふうにこの政令の見込み事項の中では後段の方は明確になっておるようですが、それ以外の適用というものはあるのかないのか、その辺はいかがでしょうか。  また、それから一定規模というのは、会社の場合、これは従業員数で一つの基準が出てくるのか、あるいは従業員数のみでなくて、それ以外に何かこの法適用の基準というものが設けられるのか、その辺はいかがですか。
  40. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 御質問の第一点の「沿岸漁業従事者等」の方でございますが、一つは、具体的に申しますと沿岸漁業を営む個人とその家族でございまして、沿岸漁業に従事する者あるいは雇われている者も入るという観念でございます。「組織する団体」というのは、協同組合なり、生産組合なり、いろいろ後で出てくるかもしれませんが、任意の団体あるいは何とか研究会あるいは研修会みたいな後継者等養成資金の対象となりますもの、そういうものは当然含まれてまいると思います。  それから、後段の問題で「その他政令で定める者」という中では、一定規模以下の会社ということでございまして、何といいますか、具体的な数はともかくといたしまして、従業員の数というのも一つの要素になると思います。いずれにいたしましても、主として沿岸漁業のこの法案の対象にしております階層というのは、零細多数のいわゆる何というのですか、生業的な経営者といいますか個人経営者、そういう者が中心になって考えておるわけでございますから、それと均衡を失しない程度のものを考えているというふうに御理解をいただきたいと思います。
  41. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 まあ零細な、ある程度幅を持って見ていこうと、こういう趣旨合いとして受けとめていいわけですね。  それから、その団体の場合、いま例に挙げられた一つの研究会あるいは研修会、こういうような名称が出ましたが、たとえば実際に漁業に従事をする者、これは大体通例として年間三十日以上と、こういうものがありますね。これはそれが生かされるだろうというふうに思いますが、この自主的サークル、それで一つの団体をつくる、こういう形というものは、当然これはそのグループを対象にしてこの資金運用というのは行えることになるんでしょうか。その辺を少し私は明らかにしておいてもらいたい、そう思うんです。
  42. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 研究グループみたいな任意団体をも考えているということでございまして、沿岸漁業の改善等のために実際に活動を行っておりまして、その資金を貸し付けまして活動の奨励を図ることが適当であるということであれば、その貸し付けの対象にしていいのではないだろうかというふうに考えております。ただ、具体的には、これはそれぞれの都道府県が貸付規程で一応の規定をしていくということで運用していくことでございますが、その点につきましても、私ども十分な指導はしてまいりたいというふうに思っております。
  43. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 無利子資金ですから、私は安易に使われては困るけれども、かといって、余りかたい縛りをされたんでは資金効果がなくなるだろう。そこの調知をどういうふうに求めるかで、これはそれぞれの県が具体的な条例なりつくって運用されていくということになるんでしょうが、その辺の指導をより少し、私のいま申し上げましたような趣旨が生かされるような立場というものが工夫をされていきませんと、やはりこの県条例その他であるいは規定化をされますと、どうしても字句で表現をしますから、その字句にこだわってぎごちないものになりがちですね。したがって、その弊を何とかひとつ除去していただきますように、これは要請を申し上げておきたいというふうに思います。  それから、沿岸漁業の従事者の立場で貸付申請をします。たとえば、法のたてまえからいきますと三つの種類がありますね。ざっくばらんに言って、生活改善資金と後継ぎの資金とそれから近代化をしていく資金と、こういう三種類があって、それぞれ限度額がこう決められることになる。そうしますと、一漁業者の立場でこの三つの分類を、たとえば三口同じ人間が活用できるのかどうなのか。これが一つ。  それからもう一つは、先ほど少し触れましたように、団体が一つの対象になってまいりますと、団体に対する限度額は当然団体を構成している人員その他から割り出しをしながら幅が広がるんだろうというふうに思います。そうなりますと、一漁業者のこの資金運用の権限と、それからその人間がさらに団体に入っておって団体で総括的に資金運用を図る形と、二重になる場合が想定をされるわけですが、その辺は枠をつけるのか、あるいはそういうところについては制限をしないで重複をしておってもそれは構わないということにするのか、その辺の運用はどういうふうにお考えなんでしょうか。
  44. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 前段の、経営、生活、後継者を重複してという御趣旨だと思いますが、それぞれの人によりまして違ってくるのではないかというふうに思いますが、たとえば後継者資金と生活改善資金とは相矛盾はしないわけでございまして、ただ、後継者であって経営資金を借りると、これは後継者資金として独立に何か部門を経営的に営む場合に借りられるというそういう規定がございますから、むしろ後継者資金で経営資金を借りるというのがたてまえではないかと思います。また、経営等改善の中で今度漁労の安全施設を借りられると、こういう問題がございますから、それは別に、その後継者が何かそういうことのための資金を借りるということは、これは排除されるべきものではないというふうに思います。ですから、それぞれの目的に従いまして必要とあらばということになるわけでございますけれども、資金の額その他によりましては、何といいますか、貸し付けの額が非常に多くなるということが具体的にあるかどうかちょっとわかりませんけれども、もしあるとすれば、その辺からはチェックされるというようなことはあるのではないだろうかというふうに思います。  それから、後段の問題につきましては、ある個人が集まって研究グループがあってという想定で、一人とその団体とのそれぞれいろいろ枠が目的によって大体決まっておるわけでございますから、その枠の限度というのはそれぞれの事業に応じまして一応考えられておるわけでございますから、まあダブってという――どういうことになるのか、具体的なケースの想定が私ちょっと頭に浮かばないのですが、いずれにしてもダブってというか、何かそれぞれの目的の枠があるのですから、それぞれの目的でどっちか一つに貸し付けが行われるのではないかというふうに思いますが、具体的なイメージが私自身も浮かばないものですから、ちょっとお答えになっているのかどうかわかりませんけれども。
  45. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 その辺が困るんですよね。たとえばこのうちの経営等改善資金の場合に、見込み事項からいきますと限度額四百万ですね。そうすると、団体を対象としまして貸し付ける場合は四百万じゃないでしょう、限度額は。上がるのじゃないんですか。どんな団体でも四百万が限度額で、個人も団体もそれは一口なんだから四百万円以上は考えませんよという立場だと、これは法案の趣旨から言って私はおかしいと思うんですよ。そうでしょう。そうしますと、団体構成の構成員の状況によっては一この限度額というのはこれに何にも示してないわけですね。幾らが頭打ちなのかということは、全然ありません。そうなりますと、私が考えられることは、たとえば三十人なら三十人の構成員がある団体ということになれば、経営等改善資金をその団体でやる場合の最高限度額というのは三十人掛ける四百万と、それが限度額になるんじゃないのか。  そうなった場合に、団体として借りる場合と、それ以前に個人としてたとえば団体に入っているが、その当時は団体としての必要はなかったけれども、個人としていわゆる経営改善資金が欲しいということで貸し付けを受けておった、それがたまたま団体の構成員の中に入っておって、今度は団体がまとめてやろうという話になった、その場合に重複をしますが、重複をするやつについて、あなたはもう借り入れ済みだからあなたの分はだめですよということで抑えるのか抑えないのか、そこの問題を明確にしてもらいたいと、こういうことなんです。
  46. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 具体的な御指摘がございましたけれども、まさに人数掛ける四百万ということになるわけでございます。そこで、いまのように個人が借りていてなお団体として新しい事業を起こすという場合にどうかということでございますが、同じ目的の資金が個人と団体に出て、その中の構成員が重複しておるということでございますから、資金をいろんな方に貸し付けていくという立場からすれば、両方をお貸しするということはどうもいささかどうであろうかという疑問が、私、いまとっさの御質問でございますので、とっさの判断といたしましてはそういうふうに思うわけでございます。同じ目的で同じ個人と団体が結果的には借りるということになりますから、むしろ個人の方をその際償還していただいて、全体としてまとめてもっと効率的にやるということであれば、そこで一回切っていただいて、全体としてもう一回借り直すか何か、そういう手続をとるようになるのではないだろうかというふうに思いますが、いまとっさの御質問でございますので、いま私の考えとしてはそういうふうにお答えをいたしたいと思います。
  47. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 とっさの質問と言われましたけれども、これは法案を提出しているわけですから、当然私はそういう事態というものは幾つか想定をされて、そしてこの案文というものは出てきているんだろう。そうでなければいかぬと思いますよ。したがって、その辺が固まってないとすれば、早く固めて、そして、いざ運用ということになったときに問題の起こらないように私はしたいと思います。そういう意味で私は少し細かく聞いているわけなんですよ、具体例に合わせましてね。  しかも、この後継者資金等の場合にしましても、これは大体後継者養成ということになりますと、私は個人よりもむしろある程度のグループを対象に重点的に考えざるを得ないだろうと思います。もちろん親が漁業をしておって、子がそれを見習いながら養成をされていくというケースもあるでしょう。しかし、最近の傾向は、漁業の近代化に向けてもう少し開放的で集団的でと、そういうことにならないと、大臣が所信で言っているような新しい漁村づくりなんというのは私はできっこないと思いますね。したがって、そういう意味から言えば、個人の問題とそういうグループあるいは団体、そうした仕組みとの関係については、資金運用の面で私はもっと掘り下げられて提起をされるべきじゃなかったんだろうかという気がいたします。これはもう現に提起をされているわけですし、私もこの法律案自体は趣旨としては賛成であります。したがって、その辺の仕組みが出てこないと、このいただいております限度額が果たして的確であるのかどうか、これでいいのかどうかという問題にまで発展をするわけでありますから、ぜひその辺は私は明らかにしてもらいたいというふうに思います。  それから、先ほど長官の答弁の中にありました、言うならば弁済能力によって評価をするがごときようなニュアンスですね、これは現にそういうふうにお考えなんでしょうか。個人が幾つかこう重複して資金を借りますと、返すときは大変なことになる。したがって、その人の弁済能力等をある程度勘案してたとえば限度は生活改善は八十万、後継者は三百二十万、こうなっているが、三百二十万を限度にしているわけだから、それを低める場合がありますよと、そういう調整を本人のいわゆる生活能力、弁済能力によって査定をしようとする考え方というのがこの中で生きてくるんだろうかどうだろうか。その辺が大変心配なんですが、いかがですか。
  48. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 前段の問題につきましては、実はくどいようでございますが、ある一つの事業を個人がやっておって、その後研究グループとしてまとまってやった方がいいというような場合には、前の資金の施設というのは新しい全体の団体としてやる施設に包含されていくのが常識でしょうから、前の施設は施設として一応切るか、あるいは切らなくてもそれば施設として生かされるから今度は必要ないという、ほかの人とまとめてやる方の金として考えていくということで、ダブるということはないのではないだろうかというふうに考えておるわけでございまして、いろいろその具体的なケースによって考え方というものが整理されてくるだろうという意味で申し上げた意味でございますので、大変私の言葉が足らないとすれば、おわびをいたします。  それから、後の問題につきましては、別に制限を設けておるからそれで貸し付けを切るとかいうようなことを言っておるのではなしに、これも具体的に経営等改善資金ということになりますと、相当施設なり何なりに金がかかってくることがあるわけでございます。その辺が非常にむしろ金がかかって、ある程度の新しい事業であるとか、そういうことのために無利子の融資制度ということを考えておるわけでございますから、余り危険な橋は渡らせたくないということも含めていろいろ考えがあるのではないだろうか。ですから、無条件に全部足して全部いいですよというわけにはいかない、そういう場合もあり得るでございましょうというふうに御理解をいただきたい。制限するつもりは毛頭ございません。
  49. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 次に、青少年ということなんですが、この青少年、余り私、これまた年齢で何歳から何歳までというような形で区切ることは私は好ましくないんですが、大体考えられる青少年の枠、その理解というのは一体どういうふうにお考えになっておりますか。
  50. 森整治

    ○政府委員(森整治君) どの程度の年齢というふうな御質問と理解をいたしますが、一応私どもの考えておりますのは、次代を担うと、こういう意味で一応義務教育修了、これは十五歳になるのですか、それからあと上の方でございますけれども、三十歳までの、三十歳台、三十九歳になるんですか、三十九歳まで、厳密に言いますと。  それから、従業者の年齢ということでございますが、従業者につきましては四十歳台、四十九歳までの従業者、被用者。
  51. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 被用者……。
  52. 森整治

    ○政府委員(森整治君) いろいろこれは考え方ということもありましょうけれども、やっぱりUターンだとかいろんなことも含めて、なるたけカバーをしていってあげた方がいいという意味で、そういう運用を考えておるわけでございます。
  53. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 三十歳と三十歳台というのは大分違いますね、十歳の開きがありますからね。大体四十歳ぐらいまでのところは青少年という形でこの法案の趣旨合いから言って生かされますよと、こういう理解でいいですね。  それから、被用者をこれは制限するんですか。私は、それはむしろそういう形の制限というのはよろしくないと思いますが、どうですかね。
  54. 森整治

    ○政府委員(森整治君) いま私が申しましたのは、後継者等養成資金の中に「後継者たる青少年又は漁業労働に従事する者が」というふうにございまして、その話で申し上げたわけでございます。それで、要するに実地研修に行く場合に、その研修に行く従事者というのはどのくらいの者を考えておるかというふうな意味でお答えをして、それから青少年というのは、いま私が申しましたのは、いま先生がおっしゃいましたようなそういう十五歳から三十九歳までの者が実地研修に行ける、そういうふうな適用を考えておるということでございます。
  55. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 私とあなたと基礎は一緒なんですよ、物の論議の。しかし、後継者の、私は青少年はまあいいとして、以外の後継者対象ですが、なぜ年齢制限をしなきゃならぬのでしょうか、そこのところがよくわからぬのです。私は、今日の社会情勢の中で、たとえば五十になったからもうあなたは後継ぎとしてはだめですよという話になるんだろうか、いまのこの漁村の生活態様その他からながめていきまして、私はそれは少しむちゃな論法だ。確かに、資金運用として、この若い人たちに重点を注ぐという姿勢については私は賛成です。しかし、少なくとも技術開発その他含めまして、漁業経営とそれから技術の習得をしながら新しいものに取り組んでいこうという熱意は私は年齢で制限をすべきものではなかろう、こういうふうに思いますが、その辺はどうですかね。
  56. 森整治

    ○政府委員(森整治君) いま私が申しましたのは、後継者資金でいろいろ現地研修みたいなものを受けるのに金をかなり使って行くと。大した金――大した金と言えばおかしいですけれども、そういう研修のために必要な資金ということでございまして、いま先生が御指摘になりますように、この資金全体としていまのそういうような人たちが活用するものとしては、経営等の改善資金で実際にいろんな事業的な施設的なそういう資金というのは出てまいるわけでございます。ですから、まあ五十歳といいますか、五十歳以上でございましてもそれは年齢的な制限がなしに経営等の改善資金では借りられると、実際に事業なり何なりというものは借りられる、そういうものというのは一応その年齢基準というのは問いませんけれども、後継者資金でそのためのいろいろ事業を恐らくやるために先進地を視察に行くということでございましょうから、しかるべき年齢層ということを考えていいのではないかという判断だと思います。
  57. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 少し私はこだわるんですがね。いま漁業の中核体というのは、これはいただいた資料の中にもありますように、だんだん若手が減ってきまして高齢化していることは事実ですね。そういう状況の中で実質的に力を持っているのは一体どこだろうか、そういう人たちの頭が切りかわっていかないと、私は後継者づくりなんというものはできっこないと思うんです、正直言って。したがって、そういう人たちも含めて頭の切りかえをしつつ重点をどこに置くかということになれば、私はやはりいま言いました、四十歳以下なら四十歳以下の層を重視をする、考え方としては私はそういうふうに枠を設けてほしくないと思うんです。ここで長官が年齢制限的な発言をされますと、それが一つの基準になりますから、私はそれはぜひ取り消してもらいたいと思うんです。
  58. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 後継者等資金というのは、先生御承知のように、農業、林業というような並べての制度として出ておるわけでございまして、ほかの育成資金に例がございますので、私どももそういうことにならったらどうかというふうにいままで考えておったわけでございます。  なお、年齢の問題について、特に何か規定をする必要があるのかどうか、さらに検討いたしまして先生の御趣意の趣旨も十分検討さしていただきたいと思います。
  59. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 そこで次に、限度額が適正であるかどうかという観点なんですが、実は評価の基準がよくわからぬわけであります。したがって、第四条に、経営等改善資金は四百万、生活改善資金は八十万、後継者等養成資金というのは三百二十万と、こうなっているんですが、この数字が八十万だとか三百二十万だとか、どこで――まあ言ってみると積算をしてこういう形になって、大体どういうようなものを想定をしているのか。この数字が出てきた基礎になった考え方というのがわかっておれば、ひとつ説明をいただきたいと思います。
  60. 森整治

    ○政府委員(森整治君) まず経営等改善資金でございますけれども、これは御承知のように、漁業なり養殖業で新しい技術を導入するという場合でございますが、その場合のたとえば省力化の自動操縦装置なり、そういうようなものをいろいろ考えながらその施設を対象とするということで施設的なものあるいは機具、機械類、そういうものを念頭に置きながら額を定めたということでございます。  それから、生活改善資金と後継者等養成資金につきましては、林業と農業に類似の制度がございます。この制度の実態を考慮して、限度額を決めたということでございます。  それからもう一つ、私どもこの額を決めるに当たっての参考の基準といたしましたのは、現在各県単で類似の事業が行われておりまして、これらの貸付限度額というものを大体見ながら、必要額を満たしているものというふうに判断をしたところでございます。
  61. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 どうも聞いておりまして、適当であるかどうかというのはよくわかりませんね。それで、ただ具体的に考えますと、たとえばこの生活改善資金、これはここに内容が例記してありますが、改良便槽の導入、それから炊事施設の改善、その他というのは何かと言えば、大体嫁さんを息子さんがもらったときに一部屋ぐらい改装をできるぐらいのものと、したがって、坪単価当たりからいって八十万あったらできるんじゃないかと、こういうような予想のようですが、実際には八十万で嫁さんの来手がありますか。嫁さんを入れるだけの部屋の改装ができますかね。  私は、そういう意味からいきますと、この額自体、当初出発はともかくとしまして、もう少し実態に即して改善充実をしていく必要があるだろう、こういうふうに率直に言って申し上げておきたいと思いますね。最近の大工さんの日当が幾らになったか御存じですか。一日日当いまは一万五千円、これは全国共通です。中には、組合に入ってないからおれは少し安くするというのもありますけれども、そういうような状況の中で、八十万で、一体一部屋改装といいましてもそう簡単にできるものじゃない。しかも、一部屋改装をやろうとすれば、当然ここに挙げられておりますような改良便槽の問題あるいは炊事施設、この炊事施設だけでも、セットを買ってきますと、最近それだけでも二十万、三十万しちゃうんです。だから、もう少しこれは現実的な姿で、私は数字をやっぱりはじき出しながらこの検討を加えていって改正をしていってもらいたい、こういうふうに思いますが、どうでしょうかね。
  62. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 御指摘のように、全部一部屋新しくつくるということもあるかもしれませんが、もう少し手軽なことを一応想定をしておるわけでございまして、たとえば窓を新しくつくるというようなことなり、ステンレスにするとか、いろいろなことを考えておるわけでございます。問題は、一応現在あります先行の制度との並びということが、どうしても制約要因にならざるを得なかったわけでございます。今後御指摘の問題は十分念頭に置きまして、毎年改善につきましては当然努力してまいるつもりでございます。
  63. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 次に、第六条の関係に入りますが、ここでは保証人の問題が出ているわけですね。この保証人は、たとえば人数が書いてありませんから、書いてないということは一名でいいんだろうというふうに思います。それはそれで少ない方がいいんですが、漁どころという話になりますと、保証人になってくれる人というのは大体近所の人と、こういうことになるわけでありまして、お互いに借り合いをするという話になってくるわけです。先に借りておった人が、おれは借りておるけれども保証しようかと、こういう話になって、相互保証の仕方というのが通例となるんじゃないかと思いますが、特段それはだめだというような規定はしないんでしょうね。
  64. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 保証人ということでございますから、一人一人によっていろいろ何といいますか、担保力が違うと言えば違うかもしれませんが、別に法律的に相互保証を排除するということは規定は置いておりません。ただ、ケース・バイ・ケースで、当然運用として何かそういうことでチェックをしていくということはいまのところ考えておりません。
  65. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 いない。
  66. 森整治

    ○政府委員(森整治君) はい。
  67. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 次に、資金運営の関係ですが、三つの趣旨合いがあって、それを組み合わせながら漁村全体の改善を図っていこうと、こういうことになるし、それから将来の展望を切り開いていこうということに有効に使われるということになるんですが、こうした形のものは従来の、たとえば沿岸漁場整備開発事業だとか、あるいはまた栽培漁業振興施設整備事業だとか、あるいは沿岸漁業構造改善事業、本年度から新沼構事業が始まるわけですからそうした関係、あるいはまた、漁業集落環境整備事業あるいは漁港整備事業、幾つかの関連をするものがあるんですが、こうしたかかわりの中で本法のいわゆる特認条項といいますか、特認運用といいますか、そうしたものは考えられるのかどうか、いかがなものですか。
  68. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 一応特認制度ということは、いま先生いろいろ挙げられましたが、何といいますか、例示的に、メニュー的にいろいろの事業を掲げられておる、そういう場合に特認事業として別に貸し付けなり補助金の担当者の承認があればよろしいというような、そういう制度になっていると思います。  今回御提案申し上げておりますものにつきましても、技術導入資金みたいなそういうもので沿岸漁業の漁家の経営改善を図っていくというような場合に、当然地域的にいろんな違いがあるし、また新しいその地域に向いた技術なりそういうものを導入していくということは当然考えられるわけでございますから、そういう場合に特認制度、これもいろいろ例示的に掲げていきたいと思いますが、そういう場合に、特認制度というのは当然私ども考えてしかるべきものであろうというふうに思っておるわけでございます。
  69. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 特認制度を考えていくということですから、それは大いに私も賛成をするわけですが、ただ大臣の所信表明にもありますように、農山漁村を活力に満ち、そして豊かで住みよい社会にしながら生活基盤と生活環境の総合的整備を行う、こうなっているわけでありまして、そういう村づくりをやっていこうといたしますと、たとえば漁業集落の場合に七割ないし八割まで漁家だと、いわゆる年間三十日以上漁業に従事をしながら生活をしていく家庭環境、あと二割五分なり三割なりが漁業とは直接関連のない生活状況にある。そこで村づくりを行うということになりますと、おおむね漁家中心になって村づくりというものは展開をされていくのは御承知のとおりです。その場合に、こういうふうに改善をしていこうではないかということが議題になって決まってまいったときに、個々の家庭がそれに合わせて協力体制をとらないとこれはいきません。  そこで、先ほどの漁業集落環境整備事業等が活用されていくことになりますが、同時に、資金運用の点からいけば、当然漁業で生活をしていないが漁村で生活をしておる、大部分が漁家だ、こういう事業の中で、そこで決められた自主的な改善計画に沿えるような漁業に従事をしない者の取り扱い、こうしたものは、地域指定等を行って、その地域における人は漁家と同じように、この資金運用が、一部についてではあるけれども、制約をしても結構ですが、ある程度それについていけるような資金運用というのが図られるというような道筋をあけていかないと、私は村の全体の改善にならないというふうに考えるんですが、その辺はどんなもんでしょうか。大変むずかしい課題だと思うんですがね。
  70. 森整治

    ○政府委員(森整治君) いま先生の御指摘は、この資金の制度でいまのような漁業者以外のものも巻き込んで対応していかないと、本当の生活の改善はできないのではないかということでございますが、この資金を直接そこまで活用することについては、ただいまのところ考えておりません。  ただ、先生のおっしゃった問題はそのとおりでございまして、やっぱり地域ぐるみにこの問題は取り上げていかなければいけないということにつきましては、私どももそれはそのとおりに考えておりまして、たとえて言えば、要するに別途やっております沿岸漁業構造改善事業でございますとか、それから今度の漁業村落振興緊急対策事業でございますとか、それから漁業集落の環境基盤の整備を漁港予算、漁港部関係でやっておりますが、こういうものも当然非漁家も含めてのものとして取り上げていかざるを得ないだろうし、またその方が効率的であるし、またそういうことは努めて当然対応してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
  71. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 ただ、その場合に問題になりますのは、この資金制度は大体個人が中心なんですね。個人あるいは漁家そのものが単位なんだ、末端の単位は。ところが、その他の制度というのは、これは集団が対象ですね。そこに資金運用の大変な私は違いがあると思います。そういう意味から、私は先ほど申し上げましたような趣旨を生かしていく一つの工夫というものが展開をされないと実質的にもたない。ここに一つの問題が、エアポケットがあるように思いますから、ぜひひとつその辺は工夫をしていただきまして、大臣の所信にあるわけですから、その趣旨が生かされるようにひとつお願いをしたいと思います。きょうはそれ以上突っ込みません。  次に、第十条の関係ですが、支払い猶予条件が述べられていますね。この支払い猶予条件の中で災害があるんですが、この災害には当然個人の火災あるいは盗難、あるいは養殖漁家の場合養殖しているものがいろいろ損壊を受ける、こうしたもの等が出てくるわけですが、そうしたものも当然この猶予条件の中に含まれて検討し、決定されるというふうに受けとめていいでしょうか。
  72. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 支払い猶予の条件でございますが、当然といいますか、火災それから盗難等が災害の中には含まれるというふうに私どもは解釈いたしております。
  73. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 次に、参考資料の制度の概念図がございますね。概念図でいきますと、かなめになってまいりますのが水産業改良普及員室、これは一つの仮定の名前でしょうが、実際には運営協議会が持たれるということになるんだろうと思いますが、この運営協議会はきわめて私は重要な課題であろうと思いますし、当然これはその地域のそれぞれの地域特性を大変強く持っているところだけに、その地域における借り受け側の意見というものを重視をされなきやならぬ、こういうふうに考えるんです。とりわけ最近の漁村の動き等をながめておりますと、漁協の婦人部、青年部は婦人部と比較をしますと運動として少し力が弱いようですけれども、いずれにしても青年部、婦人部、次代の漁業の後継を担当していく意欲を踏まえて、しかも漁業を取り巻くところの条件づくり等を含めまして、大変意欲的に運動が展開をされていることを見受けるんですが、そうした立場から私は、運営協議会の中に意見というものは大きく反映をされるという道筋を明確につける必要があると思うんですが、この運営協議会の構成等についてどういうふうにお考えなんだろうか。  しかも、この概念図からいきますと、県がこの資金の最終決定ということになりますから、各それぞれの単位漁協等の立場といいますか、単位村落の立場というものは一体運営協議会の場でどういうふうな取り扱いになるんでしょうか。三重県に全部それを代表して一カ所に集めて、そこの運営協議会が実権を握るという立場になるのか、あるいはある程度地方的に分割をしながら運営協議会の構成というのが組み立てられていくことになるんだろうか、その辺の構想は一体どういうふうになっているか、この概念図だけでは不明確なのでお聞きをしておきたいと思います。
  74. 森整治

    ○政府委員(森整治君) これは指導でいろいろ運営の適正を期していこうということで、適正なかっ公平な貸し付けが担保されるように、運営協議会というものを設置することを指導してまいりたいということでございます。そこで、地域の実情に応じまして都道府県でどういう判断をされるかは別でございますが、結局一つにするか、あるいはブロック的なものをつくられるか、それは都道府県の実情に応じた運営を私どもは期待をいたしたいというふうに思っておるわけでございます。  そこで、その構成について、前段の方の御質問でございましたが、構成につきましては、当然貸し付け担当の県職員あるいは水産の改良普及員あるいは貸し付けの事務を担当する信漁連とか、あるいは漁協の職員等も当然構成メンバーになるものというふうに思われます。都道府県の実情に応じて当然定められるわけでございますが、その場合に、いま御指摘のような漁協のあるいは青年部なり婦人部の代表を構成メンバーとするということも適当な場合もございましょうし、一番それがいいというところもあるでしょうし、そうでなくて漁協の職員がそれを代表するということもあり得ると思います。それは都道府県の実情に応じまして、一番運営が適正かつ公平に運営されるということをねらいとした制度でございますから、組織でございますから、それに向いた取り計らいをされることを私どもは都道府県に期待をいたしたいというふうに思っております。
  75. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 そうすると、各都道府県の運営上の細則、条例その他が決められてきたときに、いま長官が言われたような趣旨合いに抵触をし反するような形が出たとしますと、これはどうなりますかね、是正を求めることができるんでしょうか。これが一つです。  それから、県の自主性に伴って、たとえばブロックにそういう運営協議会を設置をすることもいいだろうし、県一本でもいいだろうし、その辺は各県に任せるというんですが、いま具体的に提起をされましたように、たとえば改良普及員、この改良普及員がじゃブロックにという話になってきたところに、私はたちどころに困ると思うんです。それはなぜかといいますと、たとえば私ども三重県の場合には、ブロックに分けますと、北西の沿岸部、中西沿岸部、南西の沿岸部、志摩それから紀州方面二つと、少なくとも六つぐらいのブロックに分けないと、地域特性を生かし巧妙な運営は私は不可能だと思う。ところが現に生活改良普及員、いわゆる漁家担当というものが一体どれだけ配置をされているのだろうか、こういうふうに見ますと、わが三重県では残念ながら二名しか配置をされていないわけです。そういう形になります。  これじゃ、私は、とてもじゃないけれども、よき相談相手になること自体もむずかしいし、資金のところにまで相談に乗っていくというような話になってこないだろうというふうに思います。したがって、長官の言われるような自主性を具体的に生かそうとすれば、それに相応する一つの体制というものを強力に推し進めていかれるそういう腹構えと同時に、実践行動に移ってもらわなきゃならぬですね。私は、これはちょっとそういう意味合いでは、長官がどうのこうのというわけじゃありませんが、政治的に解決をしなきゃならぬ部分があると思うんです。いま大臣がお見えならいいんですが、お見えではありませんから、政務次官、できればその辺の考え方と御努力、実態を踏まえました、いまの改良普及員なんていうのはそういうことになっていますし、自主性を生かそうとすれば、私は大変なこれからの課題が、現実に政治的に解決しなきゃならぬ課題が山積をすると思いますが、その辺の御決意なりをお聞きいたしたいと思います。
  76. 森整治

    政府委員(森整治君) 政務次官から御答弁いただく前に私の方から若干申し上げたいと思うのですが、私、ブロックでつくった方がいいというふうに必ずしも申し上げているわけではございません。それは先生も御了解いただけると思います。  それから、ブロックでつくる場合に、いまの定数からするといろいろ問題があるのではないかというふうな御指摘でございまして、今後の改善措置についてわれわれも努力いたしたいと思いますが、たとえて言えば、たとえば生活関係の改良普及員というのは、漁家担当のというふうな方は少のうございます。ですから、やはり県として漁業以外の農家の担当の改良普及員をそういう場合に活用する方針であるかどうかによりまして、また運営の仕方も違ってくるという場面も想定をされるわけでございまして、新しい事業としてこういう事業が出てまいったわけでございますから、その辺は普及員の県の使い方ということで、県がどういうふうな判断をされるかということになるのではないだろうか。  それから、一番最初に御指摘ございましたように、運営がどうということがもし出てきた場合ということもございましたけれども、この辺は、具体的に事態が想定されませんと、どこまで私どもが口を差しはさむべき問題かどうかということの軽重がちょっとつかめませんが、精神といたしましては、当然運営の基本的な方針にかかわる問題であれば、それは私どもとして当然指導をすることにつきましてやぶさかではございません。
  77. 宮田輝

    ○政府委員(宮田輝君) 貴重な御意見を傾聴させていただいているわけでございます。これからのことではございますけれども、とにかく、地域の実態を踏まえてこの運営協議会を設置していただくということが一番大事なことではないかと思います。定員の問題ということもございますので、それなりに努力はさしていただきたいと思います。
  78. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 御努力いただくわけですからさらに追い打ちをかける必要はないんですが、率直に言いまして、いま私手元に資料をいただきましたが、直接影響の多い生活改良普及職員の定員の推移等ながめておりますと、四十年代前半からながめてみましてほとんど変化がないんですね。活動を重視をしながら変化がないということと、全国的にながめまして専門技術員が五十三年度で二百五十人、それから漁家担当の改良普及員として百五十六人、こういう数字で、全国津々浦々の沿岸部を全部処理しようと思いましても、これはもう物理的に私は不可能であろうというふうに考えます。  したがって、特にこの資金運用に当たって、この生活改良普及員あるいは職員の方々の私は活動に待つところが非常に大きいと。そういう立場から見て、行政管理庁その他のいろんな見解もあるでしょうけれども、ぜひひとつ、これの充実強化を図っていただくように、さらに御努力をお願いをしなければならぬと思います。来年度の予算計上あたりでは、これが倍ぐらいにひとつふくれ上がることを期待をしておきたいというふうに思います。  それから、県の実情を聞きますと、先ほど長官が答弁をされましたように、助長法がこちらの方では成立をしておりませんから、言うならば農業改良普及員の一部を漁家担当という形で回しているにすぎません。そういう状況の中では、実際にこの法の趣旨というのは生かされてこないだろうというふうに思います。確かに基本になる法律がきわめて貧弱であるということから力が入らないということもありますが、むしろ政策的にその辺を強化をしようとするんなら、そうした補強策も含めて私は考えていくべきであろうというふうに思いますし、ぜひその努力をいただきたいと要望をいたしておきたいというふうに思います。  次に、法案と直接関係がありませんけれども、沿岸漁業の漁家経済の動向を見てまいりますと、私はこれは大変なことだろうというふうに思いますし、この資金運用に当たって十分に配慮されなければならぬというふうな立場で意見を申し上げておきたいんですが、五十一年度の漁家所得によりますところの漁業所得の割合を実はながめてみました。これは、すなわち漁業依存度ということになると思うんです。これを規模別にながめていきますと、沿岸漁業全体をとらえた場合には、依存度は五八・一、半分よりやや上ということになるわけですが、それを無動力船で比較をいたしますと一四・五、それから一トン未満の場合は四七・一、一トンから三トンまでのところで五四・九、三トンから五トンまでで七〇・五、五トンから十トンまでで七九・三というふうに、数字の変化がきわめて大きいわけですね。  さらにまた、この漁業収入に対します漁業支出の割合をながめてみますと、これは平均では四三・九になっておるわけですが、無動力船の場合には二七・四、一トン未満の場合には二八・九、一トンから三トンまでは三七・二、三トンから五トンまでは四七・三、五トンから十トンまでは六一・九という、こういう数字が示されています。  小型定置の場合は五四・七ですが、さきの漁業依存度も、小型定置は六七・五になっています。平均よりやや上回っている、こういう状況であります。  このことからいきますと、先ほども数字で挙げました沿岸漁業の漁業従事者に占める七八%の数字とかかわりまして、言うならば零細のところがきわめて今日段階は度合いとしてはいわゆる収支のバランスからいきますと効果的な漁業をやっておる、こういうことが言えると思います。規模が上がっていくに従って、漁業収入に対する漁業支出の割合が増加をしています。私は、これは一つの大事件ではないかというふうに思います。いっそやるんなら規模を大きくしていこう、これはもうみんなが考えることなんですね。ところが、規模を大きくしていこうということのわりあいに、規模を大きくするがゆえに、収入に対する支出がふえてくるということは一体どういうことなのだろうか。大きくなればそれだけ近代化をしやすい、こういう条件が満たされてくるはずなのに、いわゆる漁業支出の割合がふえてくる。こういう状況は、一体どこでどう解明し解消していくべきなのか、私は大変な問題点になるだろうというふうに思います。  したがって、ここにこれからのいわゆる漁業経営に対するところの私は一つのポイントというものがあるというふうに思うんです。したがって、そこをどういうふうに経営改善をしていったらいいんだろうか。これは養殖漁業についても同じようなことが言えるわけですから、その辺のところをひとつつかんでいただいて、もしいまおわかりなら若干の考え方等を御答弁をいただいておきたいんですが、この省力化を進めていく、あるいは零細漁家とのかかわりは一体どうなっていくんだろうかというようなことを、総括的にひとつお考えを示してもらいたいというふうに思います。
  79. 森整治

    ○政府委員(森整治君) ただいま先生の御指摘の問題につきましては、全般的に申しますと、五十二年の経営状況というのは一応順調な形になって推移をしてきておる。特に価格と生産と両面がよかったというせいがあったと思います。五十三年が引き続きそうであるかどうかということにつきましては、むしろわれわれは警戒的に考えておりますが、一応そういう数字的な背景を持っておると思います。  その中で、階層別にいま先生の御指摘があったわけでございますが、この場合、三トンから五トン、五トンから十トン。まあ三トンから五トンの層で、様相が一応変わっております。一トン未満、それから一トンから三トンの場合には、いま私ども手元にある数字では、どうも年間の出漁日数が非常に少ないということと、兼業の比率が高い。逆に言えば、専業の比率が低いという階層として見なければいけないという問題があるように思います。  ただ、三トンから五トン、五トンから十トンになるに従って支出が増大していくということは、一つは、何といいますか、船員を雇用した形も出てくるというふうに考えられるわけでございます。それから、あるいは漁業によりますが、わりにそう遠洋というほどではないのですけれども、沖合いに操業していくということで経費がかさむということも一応考えられるというふうに思いますが、いずれにいたしましても、今後支出面が非常にかさんでまいりまして何か過剰投資的な様相というのは漁業でも否めない、そういう傾向がないわけではないというふうに思いますので、そういうことのないような必要なものに新規投資をしていくということでひとつ指導は強化する、また、そのため、そういうことで経営の合理化を図っていくということを、十分われわれも指導の立場といたしまして考えていかなければならない問題であろうというふうに考えておるわけでございます。
  80. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 まあ農業で言う機械貧乏にならない一つの具体的指導というものを、方針というものをぜひひとつ確立をしながら、善導をしていってもらいたいというふうに思います。  次に、この法案の中にも出てまいります安全の関係なんですが、漁業就労中の安全の関係ですが、災害といいますか、漁船船員のいわゆる労働災害の形をながめていきますと、第一に多いのが漁労作業中の事故、それから第二が整備管理作業中の事故、それから第三が漁獲物の取扱作業中の事故、こうしたもので、しかも事故別にながめてみたときには、やはり第一が、はねられたり、はさまれたり、巻き込まれたり、それから労働省の調査でいけば、転倒事故というのが第一位に来ている。こういうふうにデータからいくと出てくるわけです。  そこで、特に最近のこの漁業に就労している構成からいきますと、年齢が高くなっていること、それから女子の海上作業というのが増加をしていること。こうした状況から見て、きわめて安全対策、それから安全のための技術導入、こうしたことが重要な形になってくるというふうに思います。そういう意味で、この資金が安全対策あるいは防災設備、こうしたものに活用されるということは大いに私は希望をつなげることなんですが、これはやはり私は、個別にその地域でこういう事故が多いからということだけじゃなくって、いま申し上げましたように、この種の事故は類似の事故がずっと件数がつながるわけですから、どういう状況のときにこういう事故が発生しやすいという、これは統計からも割り出すことができると思うんですね。  したがって、そこに防災計画というものが、あるいは防災指導というものが立てられていくというふうに思いますので、私は、これは水産庁の一つの責任として、その事故の対応、そうしてこういう場合にはこういう事故が起こりやすい、したがってこういうふうに防ぐべきだという全国的な一つの基準になる指導体制というものを確立をする必要があるんじゃないか。それと相まって、この資金運用というものが行われていくということにならないといかぬのじゃないかというふうに思いますので、そうした対応をぜひ要望したいんですが、よろしいですか。
  81. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) ただいま先生御指摘のいろいろな作業別の災害の件数の問題につきまして、それに対するわが方の対策でございます。労働災害の方針につきましては、当然なことながら、先生御存じのとおり運輸省、労働省が中心になってやっておるわけでございます。やはり漁業として一つの特殊な作業現場といいますか、そういうものがございます。そういうものにつきまして、両省といろいろ御相談しながら従来も安全指導を行ってきたわけでございますが、御指摘のように、それぞれの作業の段階でいろいろな問題もございますので、私どもさらにいろいろ精査いたしまして、必要な対策は立ててまいりたいというふうに考えております。
  82. 坂倉藤吾

    ○坂倉藤吾君 持ち時間がもうほとんどなくなってきましたから、あと四、五点あるんですが割愛をしまして、最後に、この遊漁との関係を若干触れておきたいと思うんですね。  これは私は、余り御答弁は今日段階では必要ないと思います。ただ、漁業を生活の糧として営まれている方々と、それから遊漁の方々との間のトラブルというのは、やっぱり現実問題として幾つか発生をする場合がございます。最近の傾向としては、遊漁の方々が漁業専門家よりも優秀な機器を、漁具を使いまして、しかも、たまに来るわけですからそれはおもしろいしというようなことで、何といいますか資源保護という観点が忘れられてやられる場合も往々にしてあるわけでございます。これはもう率直に申し上げておきたいと思います。したがって、そういう関係での漁業者と遊漁とのやはり調和というものは、権利の問題もございますし、私はそれを否定をすることはできないと思いますし、否定をしてはならぬと思いますが、そういう意味でこの調和策というものは十分にとっていかなきゃならぬだろう。そのことが日本全体の私はプラスになる、こういうふうに確信をするわけです。  したがって、遊漁の実態については、私は規制をするというんじゃなくて、今日段階としてはむしろどういう実態にあるかという調査を明確にしていただきながら、一つの調和策というものを探り出していく方途というものが出てこないといけないと思います。こういうふうに実は考えております。したがって、そういう意味で水産庁として私は実態調査、それからその上に立った対策の検討、こういうことを進められるようにぜひ要望をいたしておきたいと思います。これは先ほども言いましたように答弁は要りませんが、おわかりですわね。ぜひひとつ、そういう趣旨合いを生かしていただきたいというふうに思います。  それから、さらに沿岸漁業を重視をしていくという立場からいきますと、いままで問題になってまいりました赤潮の関係だとか水質汚濁ですね、言うなら海洋環境を保全をする、大切にする、維持をする、こうした観点というのはどうしても抜けられません。そういう意味で、これは前にも私は指摘をしたことがあるんですが、いま漁協の婦人部が各地で海を汚さないという一つの運動の観点からも、合成洗剤追放運動を取り上げてみえます。私は、単にこれは合成洗剤を云々という立場じゃなくて、大きな海を愛しようじゃないか、こういう観点の運動としてやはりそのことをとらえる必要があるだろうというふうに考えるわけですね。そういう意味で、私はぜひともそうした漁業関係の婦人部の方々の意見等も、これからの水産政策の中に大きく取り入れながら、全体で海を守りながら沿岸漁業というものがより発展をし、そういう形の中でこの資金の効果というものが十分に活用できるように、要望を申し上げておきたいというふうに思います。  もう時間が来ましたから、そういうことだけ申し上げて、御答弁いただかなくてもその趣旨には御賛同いただけるだろうというふうに思いまして、それだけ申し上げて終わりたいと思います。
  83. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時再開することとし、休憩いたします。    午後零時三十五分休憩      ―――――・―――――    午後二時五分開会
  84. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、沿岸漁業改善資金助成法案を議題とし質疑を続けます。  質疑のある方は順次御発言願います。
  85. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 では、沿岸漁業改善資金助成法の法律案につきまして、若干の質問をさしていただきます。  午前中も同僚委員からいろいろお話がございましたが、わが党といたしましても、このたびのこの法案につきましてはそれなりの評価をし、遅きに失したということでございますが、当然農業、林業合わせましてこういう制度は早くにできてなければならないという感じがいたします。その点では、中のことにつきましての二、三の問題はまたお尋ねするといたしまして、それなりに評価をいたしますが、現在の日本の漁業全体がどういうことになっておるのか、またその中で沿岸漁業がどういう状況かという、この沿岸漁業を取り巻く諸情勢についてまずお尋ねしたいと思うわけであります。  国際情勢が非常に厳しくなり、二百海里以後についてのこういう環境の中で沿岸漁業を振興しなきゃならぬという、こういう認識においては共通のものがあろうかと思います。その間のことについては大臣の所信表明にもいろいろ述べられておるわけでありますけれども、さて、いま日本の予算のあり方というのは前年対比で見てまいりますから、二百海里以後沿岸漁業というものの立ちおくれを改善しようといいましても、そう大幅なことができるわけでございませんで、他の予算項目からしますと、確かにそれなりの伸び率はあって、大臣が胸を張ってというところにいくかどうかわかりませんけれども、沿岸漁業の振興策というものについての政府の取り組む真剣な姿勢というものは、それなりに私どもも評価をいたすわけでありますが、やはりこういう問題か起きて初めて、もういままでもずいぶん当委員会におきましても論議されてきたことでありますが、これはそれなりにいろんな角度から検討し、そしてまた、長期計画のもとにこういう問題を進められなきゃならないだろうと思います。  大臣の所信の中にもございましたけれども、わが国周辺水域の水産資源の開発云々という言葉がございますけれども、最近管理型漁業というようなことも言われておりますが、やっぱり日本の、今日二百海里以後ある程度の制約の中で漁業の振興、漁業資源というものは一体どういう状況にあるのか、そこらあたりの研究とか、基礎的なデータといいますか、そういうものをもとにして大がかりなといいますか、今日までとってまいりました漁業に対する考え方とは変わった、もっと基本的な問題を重視しなけりゃならぬと私は思うんです。  こういうことで、沿岸漁業の振興策について、今日いろんな事業は起こされておるわけでありますけれども、総括的に今後を見定めて、いま申し上げたようなこと等勘案した上で政府のとっております施策、そしてまた今後に対する考え方、こういうことで、総括的な意味でひとつ沿岸漁業振興策という、漁業振興の中でも沿岸漁業に重点を置いた考え方で、最初に長官からひとつ承っておきたいと思いますが、いかがでしょう。
  86. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 御承知のように、二百海里時代に入りまして、ことに北洋関係で相当な漁獲割り当ての削減を食っておるわけでございます。約百万トン削減をされたということは御承知のとおりでございまして、そういう中で、曲がりなりにも全体の漁業生産量約一千万トンをずっと維持してまいりましたのは、沿岸あるいは沖合い漁業におきます多獲性魚が相当資源が回復してきているということでございます。特に、アジなりイカを除きまして、イワシ、サバが資源としては相当豊富になってきておるということでございますが、そういう中で、やはり沿岸の見直しということをさらに強化をしていかなければならないというわけでございます。  そういう意味で、二百海里時代の到来によりまして、いままで沿岸から沖合い、沖合いから遠洋へということでいろいろ進められてまいりました施策につきまして、ともかく遠洋は削減をなるたけ食いとめていく、それから遠洋なり沖合いの漁業をさらに拡充していく、また、とれております多獲性魚というものを、もっと有効にさらに利用をしていくということを中心に施策を強化してまいるわけでございますが、それにも増して、中でも特に沿岸の見直しということが重要になってきておるわけでございます。  先生御指摘のように、遅きに失したのではないかというふうな御指摘もございましたけれども、確かにそういう面は率直に認めざるを得ないと思いますが、ともかく遅くても早くやらなければいけないということで、もう少しさらにきめの細かい沿岸漁業の施策の展開ということで、今回の法案の提案をいたしたわけでございます。
  87. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 それはいま長官のおっしゃったのは法案にまつわるお話だろうと思いますが、それとともに、さっきちょっと申し上げましたが、いままで沿岸から沖合い、沖合いから遠洋というように、どちらかというと、大型船で世界じゅうの海で日本の漁船が魚をとりまくったと世界からは批判されるような状態が続いておったわけですけれども、今度はそういうこともできない制約された状態になるわけですが、そこで沿岸漁業の見直しということが言われるわけですけれども、見直すということになりますと、今日までのしてきたことに対しての反省と、さらに今後の展望といいますか、考え方というものは、ある程度今日までのことに対しての現状分析の上に立って、今後はどうあるべきかということの見直しがなされなければならないということだと思います。  どちらかというと、いままでは生産、漁獲高を上げるという、漁獲量をふやすということに重点の置かれた施策ということを私どもは感ずるわけですが、ここにこういう制約された、二百海里時代の制約された中での漁業のあり方ということになりますと、漁獲量というのは無限ということじゃなくて、やっぱり有限、そうすれば、当然そのことであれば、生産性を追求し生産高を上げるということだけでの漁業のあり方、今日までのそういう形ではなくして、やはり生物生態調査とか資源調査とか日本近海の海洋のあり方とか、そういう基礎的なものの上に立って、沿岸漁業の振興というのはその基礎的データの上に立ったもっと科学的調査の上に立脚したものでなければならぬ、こういうことでは、いままでの業者任せといいますか、会社任せのやり方ではなくして、国の施策というものは非常に重要になってくるんじゃないかと私は思うんですけれども、そういうことについてのお考えはどうでしょうか。
  88. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) 従来、日本の遠洋漁業が乱獲を各地でしているというふうな外国でのいろいろな御指摘も一部にはあるようでございますが、私どもといたしましては、やはりそれぞれの関係国と資源の状況を国際的な場でいろいろ議論しながら従来からとるように努力してまいったわけでございまして、特に遠洋において資源の状況を無視したというようなとり方を指導してまいったわけはもちろんございませんし、十分注意をしながら、従来から許可制度その他を運用いたしましてやってきたわけでございます。  それで、今回のこういう二百海里時代になりまして、やはりわが国の周辺水域におきます二百海里内の資源をいかに有効に使うかというのが、先生御指摘のとおり、今後の大問題でございます。私どもといたしましては、現在各資源の調査につきましては、各八海区にございます水産研究所にそれぞれ資源部を置いておりますのと同時に、遠洋水産研究所にも資源の状況を調査する部門を持っておりまして、それぞれの部門がそれぞれ手分けして、日本周辺あるいはさらに沖合いの公海についてのいろいろな資源の状況を調査し、かつそれに基づいていろいろ資源保存の措置に対して努力をしている現状でございまして、私どもとしても今後ともそういうような基礎的な研究を十分積み重ねながら、それを漁業にはね返らしていくということで、資源を有効に利用するという考え方で今後とも進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  89. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 農林水産省は、世界じゅうの海へ行ってどんどん魚をとってこいという指導はしたわけじゃないだろうと思いますが、いままでの日本の遠洋漁業を中心とする漁業のあり方というのはそういう形のものが強かったので、そういうことでは世界のひんしゅくを買った面も確かにあったわけですね。  そういうことの反省もあり、さらにまた、いま御答弁ありましたけれども、基礎的なデータをとるという、確かに今日までもそういうものについておろそかであったわけではないだろうと思いますが、これからはさらにそういう面の対策といいますか、基礎的な調査というものは非常に重要になってくるということで、沿岸漁業の振興策としていままでもやっておったという、ただいままでのものを踏襲するというのじゃなくて、波岸漁業を見直すというわけでありますから、いままでとは一段も二段も違った面で、そういう基礎的なことから諸施策を推進するということでなければならないだろうと私は思うんです。やっております、やってきましたということだけじゃなくて、沿岸漁業に対しての見直しとともに、こういう制度等をつくってそれで推進しようというわけでありますから、決意新たなものが私はあるのだろうと思うんですが、どうですか。
  90. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) 現在の二百海里時代を迎えまして、先ほど申し上げたように、従来からやっておりました資源の研究にさらに数量的な把握も踏まえまして、積極的に現在調査を開始しておりますし、さらに日本周辺の従来使われておらなかった未利用資源に対しましても、いろいろ開発の調査を現在実施している段階でございますし、さらに沿岸におきましても、それぞれ海洋の条件その他魚の特に沿岸でのいろいろな重要資源につきましても、新たなる心構えで現在調査を行っておる段階でございまして、先生御指摘のように、さらにこれを充実してまいりたいと考えておる次第でございます。
  91. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 過日、予算委員会の地方公聴会がございまして、そのときに仙台へ参りましたときに、青森の漁業組合の組合長さんがいろいろお話ししておりましたが、いまお話しございましたようなお話もございまして、青森のこの陸奥湾におけるホタテの斃死、これは岩手、それから去年は噴火湾とここ続いておるわけですけれども、それはいろんな原因があるのかもしれません。確かに密殖ということが大きい原因だということは言われておるんですが、やっぱりこの海流の基礎的な調査とかそういうものが非常に不足しているんじゃないか、こういうことで漁業組合は漁業組合としていろいろな考え方のもとにいまやっておるわけですけれども、長期的、短期的なことで海洋観測というものが日本の国は非常におくれていて、単に密殖だけの原因ではない、もっと総合的なものがあるんじゃないかと、そういうものに対しての今日までの政府の取り組みというのは非常に弱いんじゃないかという御意見がありました。  私どももそれはそれなりに今日までも感じておったんですけれども、定点観測とか移動観測とか潜水観測とかいろんなことがあって、どういう地点でどういうふうにするのかということになると、それは専門的な問題になろうかと思いますけれども、また今日までも全然してないのかというと、そういうことじゃ決してないだろうと思うんですが、せっかくホタテ養殖ということで新しい局面が開けて幾らもたたないうちにまたこういう問題が起きる。そして、その原因究明ということについても遅々として進まぬ。まあ密殖ということで、漁業者同士でどうするかということで話し合いが進められているということでありまして、こういうことについては県とか漁業組合とかそれぞれの立場ではいろんなことをやっているようですけれども、国としてももっと、先ほど申し上げましたように、日本列島周辺のいろんな基礎的な問題について、沿岸漁業を見直すと言うからには相当な決意のもとに、そしてまた、その予算づけのもとにこういう問題をしっかりやっていきませんと、いままでのただ踏襲ということで、沿岸漁業を見直すんだというこういう言葉だけあって実質が伴わないようなことではならないんじゃないかと私は思うんですね。  そういう点で、こういう海岸観測なんということについての問題についてはどういうふうになっているのか、そしてまた、ことしの予算なり今後のことについてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、その辺をちょっとお伺いします。
  92. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) 陸奥湾なり噴火湾でのホタテの大量発死につきまして、これはいろいろな原因が言われておるわけでございますが、やはり一番大きな原因というのは、直接的な原因から申し上げますと、直接的な原因としては、特に陸奥湾の場合には、五十年の下期に急激な高水温が陸奥湾内に流入した、これによって引き金が引かれたというふうに私どもは理解しておりますが、その前提には、特に四十七年ぐらいから陸奥湾におきまして急速に発達いたしました垂下式養殖がございまして、これらによっていわゆる俗に言う密殖でございますが、その一部の海域について海水の交流が不十分になったということが原因であろうというふうに考えております。  なお、陸奥湾につきましては、現在五基のブイロボットを設置いたしまして、ロボットについておりますセンサーから受信いたしましたデータを解析いたしまして、常時、水温その他の変化の状況を追求しているわけでございます。そのほか、日本周辺といたしましては、沖合いに約十七の定線を設けまして、それぞれ二カ月に一回海洋観測を行ってデータにしておるわけでございますし、さらに沿岸域では沿岸の定点調査ということで三十三線を設けまして、月一回いろいろな調査を実施しております。そのほか浅海につきましても、瀬戸内海とか内湾の地域につきましては定点調査をやっておるような状況でございまして、予算にいたしましても五十三年度では六千万円でございましたが、五十四年では七千四百五十万ということで、若干ではございますがふやしておる段階でございます。  なおこのほかに、いわゆる宇宙衛星を使いましたもっとマクロな範囲での海洋状況の解析ということも現在いろいろ検討をしておりまして、実用化に一歩ずつ近づきつつあるような段階でございまして、これらも将来の方向としては十分併用しながら持っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  93. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 私も、さっき申し上げたように、水産庁が何もしていないということを言っているのじゃないんですが、生産者であります漁業家にとりましては、こういう問題が起きますとやっぱりどうするかということで、直接的な立場にあるわけなんですから、いろいろ原因究明ということとともに、そのために対策をどうするかということで緊急を要するわけですが、それに対する対処、対応というのが非常に遅いということと、それから、こういうことはやっぱり国としても、全国のこういう状況ですから、なかなかむずかしいことは、またその年の予算とかいろんなことがあって制約はあるのは当然だと思いますけれども、やっぱり迅速な対処、対策というものに対してのことが必要だろうと思いますが、それはそれとしまして、私がいま冒頭に申し上げているのは、これはいままでの生産性向上といいますか、とる漁業一本で来たいままでの日本の漁業というものが、二百海里というこの制約の中で今後沿岸漁業に対して相当力を入れなければならない。  沿岸漁業といいましても、ホタテ一つとりましても二、三年たつうちにこういう問題が起きてくる、各地でそれぞれ増養殖または栽培にしましてもいろいろなことが起きておるわけでありますが、それだけに、基礎データの収集といいますか、基礎的なことについては、やっぱりこれは県とか漁業組合ということじゃなくて国のなすべきことだろうと思います。そういうことで、沿岸振興策を見直すと言うからには、こういう問題については相当国が今後力を入れてしっかり取り組んでもらいたいということを申し上げているわけで、ぜひ今後の予算の問題につきましても全国的なネットワークの中で、海流調査とか海洋調査とかいろんな問題について、これはただきょう私は海洋観測のことだけ申し上げたんですけれども、このことだけじゃないわけでして、そういう沿岸漁業を振興しようということのためには、なさねばならないことが今日までずっとおくれているいろいろな諸施策をこれを充実さしていくわけでありますから、思い切った施策がなければならぬ。  これは、ぜひひとつ政務次官も大臣いらっしゃったらお話ししていただいて、それでこの振興のために、ことしの予算の総枠では確かに漁業関係についての伸び率は大きかったかもしれませんが、大変な事態を迎えてこれから対処しようというわけでありますから、単なる前年対比の伸び率ということだけでははかり得ないもっともっと大事なことがたくさんあるわけであります。そういうことで冒頭に申し上げているわけなんで、ひとつ御検討いただきたいと思います。   〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕  さて、この法案そのものですけれども、今日まで農業の部門にわたりましてのこういう制度というのは二十三年前ですか、それから林業については三年前という、なぜ漁業が、こういう大事な制度をこんなにおくれて発足させなきゃならなかったのか。今日まで部内でもいろいろな検討がなされておったんだろうと思いますし、また、単に比較の上で云々するだけじゃ決してないんで、もともとこの沿岸漁業というのは零細であって、その人たちのために、その集落のために、その漁業者のために何かしなきゃならないということはいろんな論議をされてきたはずなんですけれどもね。しかるに、今日までも置き去りになって、二百海里ということになってあわてふためいてこういう制度をようやくつくらにゃならぬという機運が高まったというのか、その時を得たというのか、もっと早くにどうしてできなかったんですか。遅きに失したって長官もおっしゃっていましたけれども、ただ過去のことをいたずらに私云々するわけじゃないんですけれども、事ほどさように、農業とか林業と比較しまして、どうしてもやっぱり漁業に対する施策というのはおくれているということが目についてしようがないんですけれども、どうですか。
  94. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 農業なり林業なりにつきましては、それぞれ成立の経過がございますが、今回の御提案に至るに至ったのがともかく遅きに失したのではないかということにつきましては、そうかもしれませんが、逆に申しますと、今回の御提案申し上げました制度の中心の課題になっております経営等改善資金、新しい技術なり養殖なりそういう技術を導入していく、そういうことが一つの中心の課題として考えておるわけでございますが、そういう栽培漁業そのものの考え方なりが漁業の中へ定着を今後していくわけでございますけれども、先ほど先生御指摘がございましたけれども、いままでのとる漁業からつくる漁業といいますか、そういう方へのちょうど転回期にあるわけで、そういう考え方が漁民なり関係者の間に非常に重要性を持って登場してきている。その中で、背景といたしまして、今回私どもこの法案を御提案申し上げているわけであります。  そういう過程の中の一つの動きということで御理解をいただければ幸いではないかというふうに思うわけでございまして、沿岸漁業そのものにつきましては、いろいろ構造改善事業なり、漁港の整備なり、あるいは栽培漁業のセンターなり、あるいは沿岸漁場の整備開発事業なり、そういうようなことでいろいろ対応をしてきた。今後この制度をさらにつけ加えて、きめの細かい、新しい漁業のあり方を中心にさらに施策の推進を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  95. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 これはこういう系統資金だけではございませんで、いままでの農業基本法に対する沿岸漁業等振興法、この制定で見ましても、まあ大抵ずっと見ましておくれをとっている。おくれているというのは、それはやっぱり就業者の数とか、またその時代の対応として何が必要かという選択の問題とか、いろんなことがあるんだろうと思いますけれども、それはとにかく、この時点で法案が出されたわけですからそれはそれとして結構なことですが、内容等についてはこれからまた御質問いたしますけれども、農業、漁業、林業と、こういうように比較しまして、これは農林水産省でもいろいろ御検討なさっていると思いますけれども、農業、漁業、林業、それぞれにこれは一貫して物事ができているんじゃございませんで、系統資金や、また税法上の問題とかいろんなことを比べますと、漁業がどうしてもおくれているということを私はやはり指摘せざるを得ないんです。  これは単一な産業じゃございませんから、いろんな業種にわたっておりますから同一視、同じように考えてみようとしても見れない面も確かにあります。しかし、農業の場合は、非常にきめ細かに補助制度とかいろんな問題がなされている。漁業については、そういう点は非常におくれていると言わざるを得ない。税法上の問題、まあここで税法上のことで長々申し上げる気もないんですけれども、これはちょっと一覧表になって比較した表をつくったのがあるんですけれども、租税特別措置によります問題にしましても、農業と漁業と比べまして、非常に農業の方がきめ細かに税法上の施策がなされておる。地方税にしましても、やっぱり同じことが言えるんですね。  こういうことについては、農林水産省も十分これはいろんな比較なんかなさっているんだろうと思うんですけれども、これは税法上、それから制度金融――まあ制度金融にしましても、近代化資金はこれは農業も漁業もございますが、高生産性農業確立推進資金ですか、こういうようなものになりますと、やっぱり非常に農業の方についてはきめ細かにこの制度がなされておる。今度はようやく改良資金が出るようになったんですけれども、また産業といいますか、農業もいろんな形態がありますから、単純に比較してどっちがどうというそういうわけにはいかないことは私も十分わかるんですけれども、これを大ざっぱに見ましても、税制上、それから制度金融、こういうものを見ましても、また農林漁業金融公庫の制度にしましても、非常に農業については融資条件とかいろんな問題についてきめ細かに決められておる。  こういうことで、二百海里時代を迎えて漁業に対しての見直しということが言われているわけでありますけれども、農林水産省としましても、ぜひひとつ漁業振興のために、こういう問題についてはきょうは時間もありませんから一つ一つ申し上げることはいたしませんが、御検討いただいて、そして見直すというからには実の上がるような洗い直しと総点検と、そしてまた、漁業に対するもっと実効の上がる施策を強力に進めてもらいたい、こう思うんですが、どうでしょう。
  96. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 漁業と農業とを比べて、農業の方が政府のいろんな施策が行き届いているではないかと、こういうような御質問でございますが、あるいは見方によってはそういうことが言えるかと存じます。このような無利息資金制度も農業がいち早く先にスタートをいたしておりますし、その後で林業が来て、それから漁業が来たと、そういう一つの例をとってもあるいは言えるのかもしれませんが、まあいままでは水産業の方は比較的順調にいろんな点で世界の海から魚がとれるという状態にあった。ところが、最近に至って、御案内のとおりな状況でありますから、ここで何らかの施策というものを強力に推進していかなければ、日本の漁獲高というものはいままでの生産を維持することができないという状態になってきたわけであります。おくればせだと言われれば、そう言われても仕方のない面も私はあろうかと存じます。  まあ国会議員の数から言っても、農業協同組合長というのはたくさんいるけれども、漁業組合長というのはあんまりいませんからね。いることはおりますが、その数の方が圧倒的にそれは違うと。こういうようなことも、やっぱり何らかの陰に陽に見えないところで影響が私はなかったとは言えないのじゃないか。しかし、そのままではいけない。やはりわれわれは本当にここで新しい二百海里時代を迎えて大いにこれはてこ入れをして、漁業元年で――ことしは第二年目ですか、ぜひ出発しなきゃならぬと。したがって農林省も農林水産省、私は第二代農林水産大臣でございますから、二代目であるということで、水省産の看板を掲げたときからは意気込みも違うということで御理解をいただけたら幸いだと考えます。
  97. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 大臣のいらっしゃる前にも私申し上げたので、何も過去のことにこだわって云々するわけじゃないのですが、いま大臣のおっしゃるように、元年か二年か知りませんが、ひとつ見直して、今度二百海里以後、沿岸漁業を初めといたしまして漁業については見直すということで、それならそれなりの強い決意がなければならぬし、また実効の上がる施策をきめ細かにしなければいかぬということで申し上げておった。そこへ大臣が来たわけなんですけれども、大臣がそういう御決意であられる、しかも、ことしの予算は、確かにいままでから見ますとそれなりの伸び率を持っておるということですが、これに甘んずることなく、先ほどもちょっと二、三申し上げたんですけれども、基礎的な調査ということと、またすぐ漁業者の方々の生産に結びつくような形での施策、とにかく新しい時代を迎えてこれから進もうというわけでありますから、農林水産省、今度は水産省とついたわけでして、それなりのひとつ御努力をいただかなきゃならないということでお話を申し上げたんです。ぜひひとつ、これからもきめ細かに推進をしていただきたいと申し上げておきます。  で、今度この法律によりまして経営改善資金ですか、こういう資金がこの中に今度組み込まれることになったわけでありますけれども、最近の動きの中で私ども非常に心配をしておるわけですが、データを見ますと、沿岸漁業としましては、どちらかというと漁獲量が減少を続けておる中で、魚価高に支えられて今日まで来たと。ところが、最近はもう限度といいますか、そういうことで、これ以上魚価が上がるということはいろいろな問題を惹起することになる。そうしますと、いままでは魚の値段の上がるというこういう要因がありましたから、燃費が上がったり、漁網、漁具、こういうものの値上がりがあってもある程度の吸収はできたかもしれませんけれども、これはますます漁業者にとっても非常に厳しい環境に置かれるのではないか。こういうことで、体質的に今後はこの漁業者の経営改善ということについては、相当留意をしなければならない問題があるのじゃないかと私は思うんですが、どのように御認識していらっしゃいますか。
  98. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 確かに先生御指摘のように、五十二年の数字としては価格も順調だし、漁獲もある程度まで相当増大をしてきておりまして、全面的に漁業所得は順調に推移をしてきている。かつてない経営の内容になって、全般的な問題でございますが、そういうふうに見ておるわけでございますが、五十三年に入りましてからの動きというものにつきましては、まだデータの整理というのは年度間としてはできておりませんが、月別の推移等を見ましても、価格面では大幅な上昇をしていないし、またいろいろな問題、経費等の支出面にも警戒、また事実値上げの要素も出てきておるということでございまして、今後は非常に経営の合理化問題につきましては、真剣に取り組んでいかなければならないという事態に入ってきておることは間違いないというふうに思います。  したがいまして、今後の問題につきましては、生産の基盤の整備、たとえば沿整なり、あるいは構造改善事業なり、そういうもの、あるいは融資制度等、各種の制度あるいは融資を充実いたしまして、生産力を上げながら経営の合理化を図っていくということを考えていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。さらに一層の指導の強化を図ってまいる所存でございます。
  99. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 五十年なり五十一年なり、その時点、その一年だけの動きだといいんですが、おしなべてここ数年の動きというのは、先ほど申し上げたように、漁獲量というものは減少傾向にありながら魚価の値上がり、こういうことで推移しているということ。こういう傾向というのは非常に恐ろしいといいますか、それなりの対策を考えなきゃならぬというようなそういうことだろうと思うんですが、漁業経営について、漁網や漁具等のこういう資材が値上がりするということと、それから漁船で操業なさる方々については、やはり燃費の高騰というのが一番痛手になる。オイルショックのときにはどこの漁業者も大変悩み、そしてまた国に対しての要望というもので、燃費資金、燃費に対する資金を貸し出すというようなことのいろんな制度もとられたようであります。  それから、最近はノリ等においても、天日でというよりほとんど乾燥機を使うということで非常に油を使う。こういうものが非常に多く、これは農業についても漁業についても同じことだと思いますけれども、それだけに石油の値上がりというものがこういう一次産業の、しかも弱い構造のところにしわ寄せになる、影響というのは非常に大きいということですね。しかも四十八年、あのオイルショックの当時、燃費資金としていろいろ貸してもらったものが、いまだ十分に返済できてない方も多いという中での最近のこの石油価格の変動というようなことで、非常に漁業者にとりましては憂慮している面もあるんです。こういうことで、いま長官からもお話がありましたけれども、十分にそこのところはきめ細かに手当てをしてあげないと、零細な沿岸漁業の方々のことでもありますから、配慮をして、この経営改善資金というものが十分にその実効の上がるように施策を進めてもらいたいと、こう思うんですが、いかがですか。
  100. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) そのとおりでございます。
  101. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 次に、技術的な問題について、いろいろ開発推進ということが言われているわけでありますが、漁業者にとりましても、生産性を向上させるということのためには、こういう研究開発というのは非常に大事なことだろうと思います。そこで、この後継者のためにも後継者資金ということでいろいろ配慮しているわけでありますが、後継者等養成資金、沿岸漁業のことですからそんな大きな問題はないのかもしれませんが、最近は年齢別に見ますとどちらかというと老齢化しておるということで、老齢化している中でこういう技術的な開発とかこういうものを進めるということは、そういう人たちに適合したものということで相当むずかしい面もあろうかと思いますけれども、これは技術導入、そういうものの資金、こういうことについて、技術の開発とともにそれを導入するために今後はこういう制度が使われるわけです。  これは最近見ますと、無理した操業のために事故を起こすということがちょっとここのところ続いているようですけれども、こういう技術開発とともに、安全管理といいますか、こういう面のことについても十分に国としても考え方をしっかりしておりませんと、新しいものがどんどん入る、その反面では事故を起こす、無理な操業のためにまた事故が続く、こういうことではならぬのだと思います。私はそういう点で、この資金では技術導入資金ということで新しい技術のもとに生産性向上のためにということと、もう一つは安全施設ですね、こういうものの開発、こういうものもあわせてやっぱり実効の上がるような形にしていくということで、これはぜひひとつこの辺のことについても国としても真剣に取り組んでもらいたいと思いますが、いかがですか。
  102. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) 御指摘のとおり、漁業の災害というのはいろいろな個所で発生しております。私どもとしても今回の経営等改善資金の中に、先生御指摘のとおり漁労の安全の確保等のための施策導入ということで資金の内訳として挙げているわけでございます。これらによって、いろいろな事故の形態がございますが、それぞれの災害の態様に応じまして安全施設あるいは安全な装置、こういうものをこの資金をもって導入することを考えてまいりたいというふうに考えております。
  103. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 それから技術開発、それを今度導入するということになるわけですけれども、身近なもの、そしてまた、逐次いろんなことが開発されていくんだろうと思いますけれども、こういう技術開発によって省力化していくという、こういうことの必要性というのは当然のことだと思います。何せ最近、この沿岸漁業というのは家族労働的な、しかも年輩の方が非常に多いということで、十分にそういう機械になれさせるといいますか、そういうことで取り扱い等に配慮しなきゃならぬということと、それからこれは絶えず沿岸と沖合いとは競合するということで問題になるわけでありますが、漁獲を増大するということと、こういう省力化でどんどん技術が進むということと非常に相矛盾するといいますか、こういうことについては、その地域地域によっては考えなきゃならないことなんだろうと私思うんです。非常に好漁場であるということであればそれはそれなりのことはあるんですけれども、非常に生産性の低いところですと。そういうことについては、水産庁としてはどういうふうにお考えになっているんですか。
  104. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 今回、省力化のためのいろいろ新技術を取り入れるということにつきまして、基本的には、沖合い漁業等の中小漁船で、たとえばイカ釣りだとか、そういう問題につきましては相当な省力化が進んでおったことは事実でございます。むしろ沿岸漁業の三トン―五トン、五トン―十トンと、こういうクラスにおいて意外にそういう省力化の技術が入ってなかったということの反省の上に立って、こういうことをさらに促進をしてまいろうということでございますから、基本的にはまだおくれておる面をさらに伸ばしていくというふうにひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございまして、この技術が導入されることによりまして、漁獲の努力の拡大に必ずしもつながるといいますか、それは当然漁獲の省力化に役立つというふうには思いますが、拡大にすぐつながるというようなものでもないというふうに思っておるわけでございます。  ただ、御指摘のように、いろいろ農業と同じような問題といいますか、漁獲努力よりも非常に投資をふやすというそういう傾向というのはこれは全般的にあるわけで、むしろそちらの方は確かに何か考えながらやっていかなければいけない問題ではないだろうかというふうに思っております。
  105. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 いま長官のお話にもありましたように、おくれていたものを取り戻すというか、それはそれなりに私はわかるのですけれども、どうしても大型といいますか、高度なものに過剰投資といいますか、そんな傾向になるようなことになれば、その趣旨というものにそぐわないのじゃないかと、こう思うわけですけれども、そういう点で貸付条件の中にはいろいろなことがうたわれるのだろうと思いますけれども、結局いままでの沿岸漁業としましておくれている面についてそれを取り戻す、そしてまた整備をするといいますか、そういう趣旨のもとの条件という、ある程度力のある人にどうしても過剰投資のような感じになるという、こういうことではならぬだろうと私は思うんですけれども。  それと、こういう省力化とか機械化とか新しい技術、こういうものを取り入れるときにはどうしても改良普及員の問題が出てくるわけですけれども、現在漁業の、漁業といいましてもいろいろな漁種によりまして指導的な立場の人というのは非常にむずかしいだろうと思います。多種多様なものについて、どれでも指導できるなんていう軽わざみたいなことはなかなかでき得ないだろうと思います。それだけに、そういう専門的な方というのはきちっと確保しなければ指導というものが十分にでき得ない。こういうことで、こういう制度がせっかくできても、これをより有効ならしめるためには、改良普及員というものの重要性というものは、午前中もいろいろお話あったようでありますけれども、当然言われるだろうと思います。  また、研究所等における基礎的な研究、そういうものがこれからの漁業振興のためには不可決だろうと私は思うのです。現在改良普及員というのは、水産関係では全体的には非常に数が少ないというのが現場へ行っての声でありまして、これはもう簡単に養成できるものじゃない。多種多様なものに対しての指導ということになると、そう一朝一夕にだれでもなれるということじゃ決してないんだろうと思いますけれども、今後のこういう資金導入とともに、的確な指導体制ということの中で、改良普及員については水産庁ではどういうふうにお考えですか。
  106. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 水産の関係の改良普及事業というのは二十八年から予算措置で発足いたしまして、三十八年に御承知のように沿岸漁業等の振興法十一条でその根拠規定、すなわち普及員の設置と養成について国が助言、助成を行うという規定が設けられて現在に至っている。その中で、国の全般的な定員管理に対します方針のもとに、国の補助職員につきましても同様な削減措置が四回にわたってとられております。現在、専攻が五十三年で百四人、普及員が四百十二人という現状になって、毎年水産の改良普及員につきましては削減を食っておるというのは否めない事実でございます。その中で、やはり栽培漁業なりいろいろ今後資源を管理しながら、つくる漁業というものを進めていくという必要性が出てきておるわけでございますから、そういうものにつきましては、技術指導等につきまして改良普及制度というものがより一層の重要性を増してきているというふうに思うわけでございます。  今後この制度ができますと、逆にこの普及のための一つの有力な手段ができたわけで、今度はその指導体制の方につきまして、限られた定員ではございますが、これを有効に活用していくことにつきましては、当然その体制を整備しながらこの普及制度を伸ばしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  107. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 大臣、いま長官から、まあ奥ゆかしい御答弁があったんだけれども、これから大事になる改良普及員が年々減って、これもまた減らなきゃならないという、専門技術員を入れても五百人ちょっとですね。二十万の沿岸漁業者と、こう言われて、非常に零細な方々ですから、先ほど来お話ししているように、新しい技術とか、おくれているものをこれは取り戻すとか、いろんなことできめ細かにやらなきゃならぬわけですが、国の施策と言えばそれまでのことですが、非常におくれをとっておる沿岸漁業を、何とか見直して振興していこうというこういう大事なときです。それだけに、この指導体制というものはしっかりやらなきゃいかんし、せっかくこういう制度をつくってもそれが生きないことになるのではないか。こういうことで、ここは大臣に、本当にしっかりまたこういう問題については御検討いただかなきゃならぬ。一方では、こういう沿岸漁業の振興と言いながら、そういう指導体制がだんだん手薄になるということでは、きめ細かな漁業振興策が講じられないというのは当然のことじゃないでしょうか。  しかも、水産関係のこの改良普及事業の職員に対する補助とか・それから待遇とかというのは、農業に比べてちょっと差があり過ぎるんですよね。ここらあたりのことは大臣もよく御存じのことなんだろうと思うんですけれども、待遇についても、それから職員の設置費の国庫補助率も、農業は三分の二で水産、林業は二分の一ということで、そうでなくても地方自治体は非常に財政的に大変なところに、農漁村を抱えている市町村というのはさらにこの自主財源といいますか、財政的には逼迫しておる。こういうところに非常に超過負担を強いるような形で、現在まで行われておるんです。沿岸漁業の振興というにしきの御旗はそれなりに評価しますが、実際こういうこの指導体制とか、そこできめ細かに指導する改良普及員の待遇、その人たちに対する国の施策、こういうものを見ますと、非常にこういう制度こそおくれをとっていると言わなきゃならぬ。こういうことで、ぜひひとつこの実態をきちっと把握していただいて、やっぱりこれから沿岸漁業が大事になるんだと、国がもっと力を入れるんだというなら、それなりの総合的な対策を確立していくべきだと私は思いますが、どうですか。
  108. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) そのとおりであります。ただ、普及員のようなものは、定数さえふやしたらすぐに人が集まるというものではないわけでございまして、それぞれの研究機関なりあるいは大学なり、そういうところで勉強をしてもらわなきゃならぬ。定数をふやせば、単に単純な労務者とは違いますから、そのまま役立つという筋合いのものではございません。したがって、そういうような教育機関とか研究機関、そういうものを充実しながら、あわせて徐々にその内容の強化を図ってまいりたいと考えております。
  109. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 人数をふやせと私言うのじゃないんですよ。年々減っているんだから、これはふえる要素はないんですよ。そういう中で、二十万のこの沿岸漁業者を今度この資金の導入によって新しい技術を入れたり、またいろんなことで指導していくというわけですから、二十万に対して五百人ちょっとですよ。そういうことですから、少なくとも現状維持ぐらいはひとつしっかりがんばってもらわなきゃいかぬし、それからまた、実態をよくひとつ検討していただいて、そうしてそういう体制をしっかりひとつつくっていただく。  それから、どっちかというと、漁村を抱えた地方自治体というのは、そう大きな財政力の豊かなところじゃ決してないわけなんで、それだけに、超過負担とか、そういうことで、漁業サイドからこれから環境整備とかなんかいろんなことをやるということになりますが、しかし、それもまるまる国が出すというんじゃない。市の、県の、地方自治体の負担もあるわけで、こういうことについても、これは国も財政的にも大変なことはよくわかりますけれども、漁業を抱えている地方自治体というのは、非常にほかの自治体と違って財政的にも大変だということの上に立って、こういう点についても御検討いただきたいと、こういうことなんです。どうですか。
  110. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 十分検討します。
  111. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 それはそうですよ、十分検討しなきゃならぬことばっかりですから。  それから、改良普及事業の総費用に占める人件費というのはこれは九割以上ということで、もう新しい事業というのはほとんどできないようなこういうことになっておりまして、これはもういままで惰性と言うと悪いんですが、今日までの形態でずっと来ているわけです。だから、冒頭に申し上げたように、沿岸漁業振興のためにいろんなものを見直さなきゃならぬ、総点検しなきゃならぬと私は申し上げたんですが、その一つの例としてこれを申し上げているわけです。  いままでこうだったからこれからもそうだということじゃなくて、沿岸漁業に対する見直しというからには、こういう改良普及事業そのものについても、事業費の九割方が人件費で消えてしまってその事業というものはほとんどできないという、それも運営費その他でようやくしたというようなことでは、せっかく見直してこれから沿岸漁業に大いに力を入れますと、こう言ってみても実が上がらないんじゃないかということで、きょうにあしたにということじゃ決してないんですけれども、沿岸漁業振興ということのためには、こういう問題もしっかりひとつ見ていただいて改善をしてもらわなきゃいかぬ、こういうふうに私は申し上げるんですが、どうですか。――どうですかと言っても、おたくはそうする以外にないに決まっているんだけれど。
  112. 森整治

    ○政府委員(森整治君) まあ、確かに御指摘のような実情であることは否定いたしません。御指摘の御趣旨も、ともかく御激励を賜っているというふうに思っておりまして、大変申しわけございませんけれども、今後の制度の運営上も、また普及制度の確立のためにも、御指摘の点は十分念頭に置いて努力してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
  113. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 長い間やってきたことを改善するということですから、一朝一夕にはできないかもしれませんけれども、いま御答弁のようにしっかりひとつ取り組んでいただきたい。  それから、今度は生活改善資金も出されることになるわけで、この生活改善のためには生活改善普及員というのがおるわけですけれども、これは漁業サイドでのこの法的根拠に基づいてということではないわけですね。実際なさっていらっしゃることはいらっしゃるんですけれども、生活普及という、まあ今度は農業並みにこの改善の資金が出ることになって、漁村の生活環境整備ということとともに、そういう漁家の生活の改善ということのために手を伸ばそうということですから、それはそれなりの私ども評価をしますが、これは非常に家族労働的なそういう条件のところが多いわけで、それなりに生活改良普及員というのはきめ細かに指導しなきゃならぬということですね。  ところが、実態は人数も少ないということもありますし、それからこれらの方々の一人の担当するのが相当な数になるでしょう。そういうことで、こういう制度ができても、なかなかきめ細かに手が届くというのはいまの体制ではむずかしいというふうに私どもは見るわけですが、そしていままではいろんな相談にあずかってもこういう制度がなかったためにできなかったということを、今度はできるようになるのですけれども、何せ漁業者の生活の状態というのは非常におくれておるということで、この生活改善普及員の体制につきましても、これはぜひ現状を改善してもらわなきゃいかぬと、こう思うのですがどうですか。
  114. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 御指摘のように、漁家の生活改善のための普及員、これは普及部の方で一括して指導してお願いしているわけでございますが、漁家を専門的に担当する普及員の数が百五十六人ということでございまして、この定員につきましては削減はしないで経過してきておりますけれども、なお今後こういう新しい制度ができて漁村の漁家の指導に当たっていくと、生活改善の指導に当たっていくということになりますと、さらに組織的にどういうふうに整備をしていきますか、よく普及部とも連携をとりまして支障のないように、またさらにそれが強化されるように努力してまいりたいというふうに思います。
  115. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 国会でいろんな論議をするのはやさしいのですけれども、実態は非常にここで云々している以上に貧弱というか、体制が整っていないというこういうことですから、ぜひこの制度ができると同時に、実態を把握なさってひとつ改善方を進めてもらいたいと思うのです。  今度のこの資金では後継者等養成資金、後継者養成のためにもこの資金もまた出されることになっておるのですが、最近の後継者、若い人たちが漁業に携わる、Uターンとかいろいろなことが言われているのですけれども、実際ここ二、三年若年者の漁業に携わる人がふえておるのかどうか、その辺の実態はどうですか。
  116. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 若い人の漁業に従事する数というのは微減をたどっておるというふうに見ておりますが、いま詳しい数字を調べておりますから、ちょっとしばらくお待ちいただきたいというふうに思います。  高校の卒業生が水産関係で五千八百四十人でございます。そのうち、水産に就業するのは八百六十人ということでございます。それから中学の方は千三百五十四人ということで、全体の中で一・七%ということに相なっておるわけでございまして、パーセンテージとして余り変わってないという面はありますが、実数、絶対数としては減少をしておるということでございます。
  117. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 これは農業でも漁業でもそうですが、日本の伝統的な一次産業としてずっと長い歴史をたどっておるわけですけれども、それを見ますと、やはり集落の中心になる故老といいますか、指導的な立場の方がいらっしゃって、その人たちの意見というのは非常に貴重な意見であり、過去の長い経験に培われたもので、農作業ですと、ことしはどういう気候であるかというふうなこと等についても、科学的な分析はそれはそれなりとして、長い経験をお持ちの方々の発言というのはそれなりの重みがあるということはよく言われているわけですが、漁業についても一たび沖合い、海へ出ますと船に命を預けるということになるわけですから、漁協の船を出すべきかどうかということや漁獲のあり方とか、そういういろんな諸条件については、やはりその集落にそういう経験の豊富な指導的な立場の方がいらっしゃる。それは何も漁業だけじゃなくて、定住圏なんという言葉も最近言われておりますけれども、集落全体のまとめという上からも、そういう指導者というのは非常に重要である。こういうことが言えると思うのですが、それが後継者の方々がなかなか根づかない。これが何年かしますと、それがいままでの伝統的なものが壊れてしまうということで、非常にこれは憂慮すべきことだろうと思います。  これは農業は農業、林業は林業でいろんな立場の方々がいろんなことを提案なさっているのですけれども、漁業についてもそれなりの漁業についての勉強なさった方が、そしてまた、そういう専門的な方がやはり学問を修め、そして身につけた方がその部落に定住して、そして指導的な立場に立つ、そういう人づくりといいますか、そういうことが非常に大事なことだろうと思います。漁業よりは農業の方がいろんな面では条件もよろしいでしょう。そういう点では農業者大学校とかいろんなことで、農業部門については後継者の育成のために、また新しい技術なり新しい農業のあり方ということで模索をしていろんな施策が進められておるわけです。  漁業というやつは、これは夏だけ仕事をするとか春だけというわけにもいきませんで、年間を通じて仕事に携わるということで、なかなか講習とか、それからまた、ある期間を通じて何かを習得させるということについては非常にむずかしい条件はあると思うのですが、生活改善とか、これは午前中もいろいろ質疑ありましたけれども、後継者養成資金というのは単に八十万ですか、こういうお金でどうするということだけではなくて、今日も全然してないとは私言いませんけれども、やはりこの人づくりということのために集落なり地域なりの人を育てていくということのために、もっと思い切ったことをいたしませんと、これは漁業の集落というものは崩壊してしまうのじゃないか。  人数の多い少ないということも大事ですけれども、やっぱりその中核となる方のために、漁業を愛し、そして漁業のためにというこういう人たちのために、もっと思い切った、農業でやられているこれと同じ形はできないかもしれませんけれども、ぜひこれは考えていただきたい。そのために学校でも選抜制度とかいろんなことで、文部省とのタイアップでいろんなことをなされているようでありますけれども、漁業につきましても、やっぱり現在の学校制度の利用ということもあるでしょうし、また研究機関とのタイアップということもあるでしょうし、いろんな今日の体制の中ではなし得られることがあるんじゃないかと思うんですが、そういうことについていままで部内でもいろんな検討がなされて、お考えもあろうかと思いますが、お考えがあればそれのお考えと、それから今後そういうことをさらに強力に進めてもらいたいと思いますが、どうですか。
  118. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 御指摘の問題は非常にきわめて重要な問題でございまして、たしか五十二年から後継者の育成対策事業を、これも遅まきでございますが始めております。それから、今回の措置もその支えの一つかと思いますが、基本的にはどの業種でもそうだと思いますけれども、やはり漁業それ自身が魅力のある漁業ということをつくり上げていくということが非常に重要な問題ではないだろうかというふうに思うわけでございまして、そういう意味では、水産庁で各課でいろいろ計上しております予算というのは、大体みんなそういうたぐいのものでございますから、基本的な漁業の推進策とあわせて後継者対策の具体的な対策というものも今後両方の面から、いま先生の御指摘の問題に取り組んでまいりたいというふうに思うわけでございます。
  119. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 五十二年から対策事業を進めているというんですけれども、その中身はどういうことですか。
  120. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 改良普及地域ごとに、後継者のグループのリーダーによります青年協議会を組織しましていろいろ普及員が指導に当たるとか、あるいはそのグループ活動の方法につきましての指導を図るとか、あるいは交流の学習事業を行うというようなことでございます。
  121. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 そういういろんな多角的な施策が積み重なって実効あるものになっていくんだろうと思いますけれども、これは教育とは違いますから、何も海外へ行けということを言っているのじゃないのですが、教育者の方々が今度は海外に何百人だかいらっしゃるとか、大胆なことを今度はやるようですね。漁業につきましてもやっぱり魅力あるその仕事、漁業そのもの、これももちろん大事でありますし、それはしっかり構造的に改革しなければならないことは、改善しなければならないことは当然だと思いますけれども、それは若い人たちにそれなりの夢を抱かせる、そしてまた見聞を広める、たとえいまどういう現状にあろうとも、必ずわれわれの努力によって改善できるんだ、改革できるんだ、こういう夢を抱かせることも大事なことだと思います。  また、国にはそれぞれの研究機関等もあるわけですから、そういうものに対してももっと積極的な参加をしていくようなこと等も、これもやっぱり全部お金のかかることなんですけれども、それ相応の予算措置を講じて、やっぱり魅力ある漁業にすることが大事ですけれども、あしたあさって決してできることじゃございませんで、長年月かかるんだし、とにかく先ほどお話しのようなきめ細かなことも積み重ねていくとともに、もう少しまた大胆なことも必要ではないか。大体、大学で勉強なさったり高等学校で勉強なさった方々は、水産を専攻なさってもみんなホワイトカラーというか、そういう方に行っちまう。本当に実際に学んだことを現場で生かす、生きているということのためには、それは農業の場合にも各地でいろんなことを検討されているようですけれども、やっぱりどうしても自分は漁業に携わっていこうという人のために学校の門戸を開放するとか、私どもがここで云々していることとは違って、やっぱり青年には青年の夢があって、それなりの意識を持っておるそういう方々もたくさんいらっしゃるわけなんで、そういう青年たちの夢をはぐくむそういうきめ細かなもう少し施策をぜひやっていただきたい。今度のこの後継者養成資金というお金のことだけじゃなくて、もっともっとひとつきめ細かにということを申し上げておきたいと思うんです。  それから、この問題についてはあれでありますが、一点だけこの法案についてお尋ねしておきたいと思いますが、保証人がこの資金を借りるときには要るわけですね。どうしても限られた集落の中で保証人ということになると、これはいつもこういう資金を借りるときには問題になるんですが、農業にしても林業にしてもそうですけれども、この保証人に対してはどういう条件といいますか、農林水産省としてはこの法律を施行するに当たっての保証人等に対しての考え方はどうですか。
  122. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 物的担保を取らないで、人的保証でいくということにしておるわけでございます。この場合に、保証人につきまして別段特にどうということを限定されているわけではございませんけれども、たとえて言えば、生計を一つにする親族だけが保証人になるというようなことは、必ずしも望ましくはないのではないだろうかというふうに考えているわけでございますが、いずれにいたしましても、貸付金の種類なり額なり償還の期間に応じまして、適切な保証人という者が立てられればいいわけでございますから、その点はそういう精神で都道府県を指導してまいるということにいたしたいと思っております。
  123. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 これは農業資金、系統資金にしましても、いつもこういう保証人ということで、結局零細といいますか、条件の悪い人というか、やっぱりこれをやろうと思いながら、ある程度のものがないということのために融資の対象から外されたり、現場にいきますといろんなことが出るわけですが、私、いま長官のお話しのように、ここらあたりの保証人の問題というのは、現場にいきますと非常に重要なことになりますので、現実問題としてひとつよく御検討いただきたいと思うんです。  それから、公明党も、栽培漁業についての要綱を発表いたしておりますが、今後の栽培漁業の重要性というのは私どもは非常に――現在まだ研究段階ということで、これからいろんなことを考えていかなければならないということの立場で発表いたしているわけですが、栽培漁業なんかについては、試験段階であるということで資金を借りていろいろなことをします。ところが、それが成功すればいいんですけれども、実績の浅い者でありますとどうしても失敗が伴う場合がある、こういうことでせっかく資金を借りてやっても、それが成功しないということのために返済できない、こういうときにはやっぱり弾力的に物を考えていただかなければならぬ。  それから、今度のこの資金によってある程度のことはさしていただくとしまして、それを基礎にして今度は系統資金である程度仕事を進めていきたいというときには、スムーズに次に制度にこれは移れるように、そういう連係プレーというものも十分に考えてあげなければ、国の施策というのは一つ事業とか何か出ますとそれでぽっくりで、次のものに継ぐというのはなかなかむずかしくなる。総合的な、総体的な見地に立ってということでないことがしばしば現場にいくとあるわけなんですが、そういう点にも十分ひとつ配慮して進めていただかにゃならぬ、こう思うんですけれども、どうですか。
  124. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 御指摘のように、新しい技術を導入していく、それを無利子でやっていく、それがいろいろ事業化していく場合に、近代化資金なり、あるいは公庫資金なり、そういうもので本格的な事業に移行する場合にはそういう対策を同時にあわせ考えておるわけでございますが、いま御指摘のような問題につきましては、十分そういう円滑な措置ができますように、よく配慮してまいりたいというふうに思っておるわけであります。
  125. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 時間も来ましたのであれですが、大臣、最後に、この制度のことやいろいろなことについていろいろ御提言しなきゃならぬ。法案このものについては、私どもはこれはそれなりの評価をしておりますが、沿岸漁業を取り巻く問題として冒頭に申し上げていろいろお話ししているんですけれども、今日のこの漁業の中で魚離れというやつですね、こういうことを私も非常に憂慮しておるんですが、最近の統計なんか見ますと、動物性たん白質の摂取量というのは日本も大体欧米並みになりつつある、そういう中で、魚による動物性たん白質の摂取量というのはだんだん比率は落ちておるということがデータの上に出ているわけですけれども、これはやっぱり肉類とかいろんな畜産関係のものがふえておるということでしょう。ですから、このままいきますと、魚離れというのはますます激しくなるのじゃないかと私は思うんです。  こういうことで、やっぱり日本の長い歴史の中で日本人は魚から動物性たん白質を取るという、こういう習慣でずっと長い間来ているわけですが、これは米の消費と一体不可分という、こういうことだろうと私は思うんですけれども、学校給食の中でいままでパン食、洋食にならされておったということ等の影響も確かにあるのかもしれない。こういうことで、学校給食の米飯給食ということとあわせて、やはり小さいときから魚を食べるということに対しての意識的な施策というものが必要ではないか、こういうことも最近いろいろ叫ばれておるんですけれども、ぜひこれは考えていただきませんと、限られた日本のこの中で畜産物による摂取量というものがどんどん増大していく、それはそれなりの意義があるのかもしれませんが、決して魚をないがしろにしてはならぬだろうと思います。両方相まっていかにゃ相ならぬ。こういうことで、漁業の振興策ということと最近の傾向としての魚離れ、そういうものに対しての米飯給食とともに魚を食べることの拡大策、こういうものをあわせて政府としてもやっぱり取り組んでもらいたい、また、こういう声が非常に大きいわけですけれども、具体的にこういうものについても施策を進めていくべきだ、こう思うんですが、いかがですか。
  126. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 食い物の話というのは、なかなか政府がこう強制するわけにはいかないものでありまして、国民の嗜好というものをよく考えてやらなければならぬ。御承知のとおり、石油ショックで魚が非常に暴騰したために、魚離れという現象が一時ございました。最近はまたもとに戻ってまいりました。やはり消費者が食いごろであるということが私は一番大事なことじゃないか、余り高くともだめだし、したがって、消費者が食べごろで消費者の好きなものを供給をするということが、私は魚離れをさせないのに一番いいことだ、かように思います。また、米飯給食と魚というものは比較的なじみやすいということでございますから、米飯給食を通しまして、これらのものが普及できるように努力をしてまいりたいと考えております。
  127. 下田京子

    ○下田京子君 沿岸漁業の改善資金助成法というものが提案されているわけですけれども、関係者の皆さん方は、本当にこの法案の運用がどうなるかという心配と、あわせて実効あるものをということで大変期待の声も大きくなっております。  ところで、私、他の委員からもいろいろお話がありましたけれども、この法案の絡みで実際に経営改善資金なり、あるいは生活改善資金なり後継者等の養成資金なりを借りるこの手続の際に、水産改良普及員の果たす役割りが大変大きくなってきている、こういうことでいろいろ問題になって、大臣の方でもそれらに対応できるような形で考えていきたい、検討する、こういうふうに言われております。しかし、私はお話では検討するとか対応するというふうに言っておられるんですが、現況どういうふうに踏まえられているのか、その辺からまず私も大臣に考えていただきたいと思うわけなんです。  水産業の改良普及員職員の推移ですけれども、これは定員法が施行された四十四年から見ますと、どんどん減ってきた。そして、五十三年では、現在専門技術員も含めまして五百十三人になっている。  さて、五十四年度十月から実施ということになるんですけれども、大臣検討するということなんですが、実際的に予算の中身を見ますと、水産業振興費の中で水産業専門技術員は百三、そして改良普及事業運営費補助金というかっこうでいわゆる水産業改良普及員の職員四百九、こういうふうな数になっております。これは、専門技術員の方では確かにふえておりますが、改良普及員の方ではその分大変減っている。相対的にどうかと言えば、五十三年度が五百十三にもかかわらず、いま予算審議中の五十四年度の予算のその裏づけによる人数は五百十二人、たった一人と言えばそれまでなんですけれども、この法律を提案してそして実際に実務的に意見を添えて提出するというときに、この数字が示しますように、減っているわけなんですね。この御認識をまず頭にひとつ置いてほしいんです。  それからもう一点なんですが、この法案の提出が農業等に比べたらずいぶん遅いんじゃないかという御指摘が他の委員からもありました。大臣は、漁業全般がいままでよかったからこういった手当てをせずに済んできたんではないかという側面もある、こういうお話がありました。ところで、沿岸漁業並びにいまこの法律で出してきている、特に漁村の環境整備といったものについてはどうだったんだろうか、この点で私は考えていただきたいんですね。  そこで、その農業改良普及員の数等も比較しますと、農業の方が一万百二十九人おるわけです。水産関係の改良普及員は農業に比べて大体五%、こういう実情であります。しかし、漁家、漁村を含む自治体は一千を超えると言われております。ですから、全国三千二百を超える自治体の中で三分の一が漁家、漁村を抱えた自治体、こういうことが言えると思うんです。それらを頭に置いて、大臣、さらに全体のその普及員の数の問題で、四十七都道府県の中で、沿岸県でないところは別としましても、沿岸県であっても、なおかつ漁場がわずかであっても残っている大阪と東京はどういうことになるでしょう。これらの二大都府ですね、普及員がゼロなんです。これは全くもう放棄してしまったというふうに言われては残念なことなんで、これらに対してどういうふうに具体的に対応していただけるのか。
  128. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 予算を出しながら普及員の方は減っているのじゃないか、予算の方ではこの資金を使って、もっと普及活動を、改善とかいろんなことをやろうとしているのに逆じゃないかというような御趣旨ですね、簡単に言えば。まあ全体的に定員削減なんかの問題もあって減ったということもありましょうが、しかし、一つは農村関係も同じで、普及員の守備範囲というものが大変広くなりまして、前は自転車でみんな歩いておったのですが、いまは普及所にも自動車を配置をしたりして、また集団指導というようなことも行うようになったりして、それだけの普及員でいままで以上の、いままでの仕事は十分できる、こういうようなことから、普及員の近代化をしたという点もこれもあるのです、実際は。  それじゃ、十分かと言えば、どこまでが十分かはなかなかこれは実際むずかしいところなのです。でありますが、あんまり役人の数をふやすということも、世間ではそうどんどんふやせとは余り言わないのが一般でございます。しかし、数ある普及員でむだのないように有効に働いていただかなきゃならぬ、こう考えております。  普及員も、農村と比べますと、普及員一人当たりの戸数というのは平均して農業の場合がざっと五百戸です。四百九十四戸。漁業の方は、経営体にすると四百五十五。ですから、戸数と経営体ということになると、農家の方が普及員一人当たり見る戸数は少ないということになるかもしれません。しかし、漁業の方は、中には大型のものもありますから、したがって従業員一人当たりで計算すると、農業は普及員一人について就業者数が七百三十九、それから漁業の方は八百十五と、こういうようなことになっておるわけです。農家の就労人口からすれば少し農村より落ちるのじゃないかと言われれば、まあそうですねと言うほかないわけです。漁業の場合も、主として普及員のやる仕事というのは生活改善の問題とか、あるいは栽培漁業、放流とか、そういうようなことで、なかなか遠洋漁業まで一緒に普及員が乗っかっていくなんということは実際問題としてはできるものじゃない。ですから、どうしても周りでやる仕事に私は普及員の仕事が多いだろうと思います。  それからもう一つは、私がいままで漁業はかなりうまくいっておったと、だから力の入れ方が足りなかったという印象の発言をしたかもしれませんが、私の真意というのは、実際問題として、魚が比較的自由に手に入りやすかったということのために、幾らか力の入れ方が足りないと言われれば、足りないこともあったかもしれませんねと率直に認めているわけです、それは。しかし、こういうような二百海里時代にもなって、特に管理漁業ということが言われるようになった折、特に沿岸の整備というようなことも必要なので、普及員の仕事の分野というものもふえてきております。それにはまた、いろいろな普及員の数ばっかりでなくて質もよくしたり、それから資金も与えたりというようなことをやって、それから人と物と、それから自然条件というものが一緒になって、漁業の振興が図れるようにしたいということを考えておるわけでございます。
  129. 下田京子

    ○下田京子君 まあ大臣、詳しく数も挙げて御答弁いただきました。ただ、私、残念なんですけれども、いま大臣が御答弁くださったその数字、実態と全く違うんで、以下事例を具体的にお話しして、御認識を新たにしていただきたい。  私は、青森から宮城、岩手、福島など、東北の中でも特に水産県と言われる沿岸漁業、そういったところの皆さん直接、改良普及員の方々、あるいは水産試験場の係長さんだとかいろんな方がおられますけれども、お伺いをしたわけです。青森県の場合なんですけれども、県では十六名おります。そして、四カ所に分かれています。その中で鰺ヶ沢地方水産業改良普及所というところに三人配置されている。その三人でもって七町村を管轄しています。半農半漁も含めた漁家は、全体で四千世帯になります。  ここで、この普及所の皆さん方、普及員がどんな仕事をしているかというと、いま最大の任務としては、サケのふ化あるいは放流事業、こういうことが大変活発になってきてやられております。そして、実際にいろんな仕事の状況を聞きましたら、南の奥入瀬川でその卵やなんか輸送中に事故があったというと飛んでいく。あるいは岩木川というところがあるんです。そこにふ化場があるんですが、ふ化施設の中にどろが入ってしまったというとまた飛んでいく。そういうかっこうで、また、さらに北の方に小泊村という村があります。ここはヤリイカの産卵保護施設があるんですけれども、そういう造成施設があって指導もしているわけです。南に北に飛ぶわけですね。  これが冬になると、さっき確かに自転車からバイクになって車もらったと、このことでは助かっているというお話でした。しかし、冬、豪雪で、あそこは地吹雪といって雪が上から降るんでなくて、下から舞い上がるというような大変なところなんですが、強風地帯、二人で一緒に行動しなかったらどうにもならない、こういうことを訴えておりました。それで、ただし私たちはやる気は十分あるんだと、そして今度のような改善資金等が出されてきたということについて期待もかけている、しかし、実態としていまのような状況では、個々の漁家まで足を運んで経営問題まで耳を傾けてという形にいくだろうかと不安を訴えていました。デスクワークに追われるような形になったらば、これは改良普及員としての実際の仕事とは逆になってしまうという不安も訴えていたわけです。  こういうふうな実態でありまして、日本海側だけがそうかというと、実は太平洋岸の方でも、若干県によって違いますけれども、同じような種類の訴えが出されています。それで、私はこういう実態なんだということを御認識いただいて、総合的な改善というもので、以下、物、資金とおっしゃられましたけれども、その物について一つはお願いしたいわけです。  第一が機動力の車の話なんですけれども、更新時期、実際ですと耐用年数を六年ぐらいに見ているそうなんですが、六年もたないとおっしゃっていました。潮風に吹かれますから、もう四年ぐらいたったらばお手上げと。これについて国が対応してくれてないから、県がいろいろと単独事業でもっていま見てくれておるそうですけれども、できたらこういったことを国で見てくださったらなと、こんな話がありました。こういうことも含めまして、やっぱり体制の洗い直し、そういう方向で検討を具体的にいただけないか。
  130. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 青森県の例を引かれまして、いま配置の問置につきまして問題の御指摘が一つございました。これにつきましては、県内いろいろ事情があろうかというふうに思います。私、ここでよけいな推測をすることは差し控えたいと思いますけれども、御指摘のような問題がそのとおりであるとすれば、確かに改善を要することがあるのではないかというふうには思いますが、県の考え方なり何なりをつぶさに調べました上でいろいろ指導をしてまいりたいというふうに思います。  そこで、いま御提案のございました巡回の指導施設――車の問題でございます。潮風でいろいろ耐用年数が違うのだというお話でございます。その面につきましては、若干従来も運用面で配慮はしておるようでございますが、一応、たとえば耐用年数はたてまえ上は六年ということでやっておるようでございます。この点につきましてはさらによく調査の上、問題であるということであればさらに改善をしてまいりたいというふうに考えます。
  131. 下田京子

    ○下田京子君 長官の答弁を聞いていますと、何かよその所管の長官が話されているみたいな感じを受けます。そのようでありますとか、事情をただいまから調査しましてだとか、私は問題だと思います。その問題点は指摘しておきます。具体的に耐用年数というのは皆さんの方で決められているんです。実態がそれにそぐわないから改善してくれと言うんですから、言葉じりをつかまえてではないんですけれども、よく検討した御答弁をお願いしたいと思います。  以下、やはり同じようなことで聞きますが、これは岩手県から出たんですけれども、冬季間の防寒具、こういったものは国が見てないというんですね。県単事業で特別支給していると、防寒具。いま共通したものですけれども、県名を挙げながら言っています。  それから、安全性のことについても出ました。どういう点かというと、特に岩手の場合には沿岸漁業も養殖漁業も大変盛んです。潜水機会が多いんですね。潜水するときには二名というふうなことになっているんだけれども、なかなかそれが保障できないときもあるんで、総体的な人数の不足ということにもなるから、これはたとえば関係する漁協だとか、あるいは県の職員だとかいろいろ対応もあると思うんですけれども、そういったことについてもつぶさに調査をして答えていただきたい。  さらに三つ目になりますけれども、研修の問題です。お聞きしましたら、二年前まではブロックごとに国が責任を持って水産庁の指導のもとにやられていた。いま現在はどうかというと、農林水産省が集めるのは年一回、あとは県でどうぞ御自由にというかっこうになっている。それについて、これも共通して出されたんですけれども、やはり国の方で具体的に指導していただいて、ブロックの研修か数多く――数多くといったってそれも限度があるでしょうから、数回持っていただくと大変役に立つと。それはお互いにそれぞれの他の県との違いといいますか、いい点を学ぶ機会がふえると、こういうお話をしておりました。  以上、三つの点についての調査と研究改善を要望するわけですが、いかがでしょうか。
  132. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) それぞれの各県のいろいろ細かい問題でございますが、確かに防寒具につきましては、現在の国の予算の計算の中では入っておりませんものですから、すなわち国の補助は指導施設を対象にしておりまして、個々の職員の防寒具等につきましては現在予算の対象になっておりませんので、その点また今後研究さしていただきたいと思います。  なお、その次に潜水の問題でございますが、これにつきましては、確かに御指摘のように、いろいろ潜水というものは危険を伴うものでございます。で、確かに人数が多ければ先生御指摘のような面もございますが、現在の人員でさらに進めていくためには、やはりその危険をなくすためにも潜水技術の指導ということをもう少し、指導と申しますか実技の研修でございますね、こういうものをさらに積極的にやろうと思っておりますので、これにつきましてはなるたけ早い機会に改善して、そういうことができるようにいたしたいと考えております。  なお、研修の問題でございますが、これはいま現在やっておりますのは新任のときの研修と、それからさっき御指摘のありましたブロック会議にかわりまして担当者会議ということでいろいろな意見の交換をやっておりますが、さらにその上に個々の具体的な事実につきまして、いろいろ大学とか試験場で特別に研修をやる特別研修、このようなものを現在実施している状況でございます。なお、ブロックの研修につきましては、確かに他県との交流その他でいろいろプラスの面もございますが、従来のブロック会議につきまして普及員の一部にはいろいろ御批判もございまして、私どもの方としてこれを担当者の会議に変えるというふうなことを五十二年からとらしていただいている状況でございます。なお、今後さらに検討をさしていただきたいと思います。
  133. 下田京子

    ○下田京子君 大臣、いまの長官それから次長も含めて、みんな検討、検討なんですよね。それで、検討は私たちも勧迎しますけれども、実態はこれから調査という部分もそれは確かにあると思いますよ。しかし、状況でもうすでにわかっている部分もあると思うんですね。だから、その検討が具体的に実のあるような方向でやっていただけるように、最後に大臣に御答弁いただきたいんですが、その御答弁いただく前に再度状況を言いますと、農業改良普及員と水産改良普及員がどこが違うかという点で具体的な事例を出します。  農業の場合でしたら農家の人と会うのに、やあと言って畑に行ったりたんぼに行ったりして会えると言うんです。水産関係の場合には、そうはいかないと言うんです。これは福島の場合ですけれども、実際に話そうと思ったら、あるいは一緒に指導しようと思ったら、これは実態やっているんだけれどもと言われましたが、朝の二時、三時船を出すときに一緒に自分も行って、一日仕事もやってきたりすると言うんです。それで、夜遅くということにもまたならないと言うんですね。帰ってくると、あしたの仕込みや何かはお母ちゃんに頼んで、御主人はもう一杯やったら寝るというのが大体多いと言うんです。そうなると、一杯やっちゃってから今度行ってもなかなか話にならないんです。そういう環境自身がもう違うということなんですね。そういうこととあわせて、漁業の場合には数も少ないから全般的な知識も身につけていなければならない、こういうふうに言っていました。それから宮城県の方の場合には養殖の専門的な技術を本当に漁家の方々から迫られている、こう言っていました。さらに最近ですが、岩手で聞いたんですけれども、婦人の方も七トン未満の船でしたらば操業に出るそうです。そういう点での指導もかかってきているそうです。  それで、いま潜水二名というのが原則なんだけれども、技術の方でカバーしたいということだそうですが、というと、これは幾ら技術でカバーしても、労働上の問題として大変危険を伴うと思います。そういうことで、やはり基本には潜水とか何かになりましたら、同じ潜水技術を持っている人が二名いなきゃならないかは別としても、やはり一人でというかっこうではない、そういう形でのものが必要ではないか。特にいま魚の生態系だとか、あるいは種苗の生産あるいは放流技術、資源の状態の評価だとか、もうすべて大変状況がどうなのかということで未解決の部分も多いわけです、事その法律の絡みでの沿岸にかかわる場合には。そういうところを押さえて、ひとつ実効あるいわゆる検討の中身を大臣に一つずつ改善していただければという決意を聞かせていただきたいんです。
  134. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) それはもちろんここで検討すると言うことは、実効あるように検討をするわけであります。普及員の仕事をどこまでやらせるかといっても、これもなかなかむずかしい話でありまして、それは確かにいま言ったように、農業なら畑に行ってやあって言えばわかるし、畑も作物がどんなふうな状況かもよくわかる。魚をとる場合は、そうかといって船に一人ずつ普及員をつけるといったって、これもとても言うべくして現実にはできるものじゃない。また、農業でも同じように、いまは非常に専業化をしておりますから、普及員が自分が教わりにいくような場合の方がむしろ多い場合だってあるのですよ。それが普及員といっても専門専門でなければ、そんな畜産のこともわかる、稲作のことやハウスのこともわかる、皆わかる普及員なんというのは、それは言うべくしていないです。  したがって、それぞれ専門技術員というものを置いて比較的専門化をしてあると、そのかわり集団でまとまって指導をするとか何かそういうことをやっていただいておって、あとは基礎的なことを初心者の方に教えるとかいうようなことを主たる任務にするほかないのじゃないか。あらゆることに精通した普及員ということは、言うべくしてこれはできない。国会議員に、法律に賛成したのだから全部わかっているかという話と同じだと私は実際思うのですね、正直なところ言って。  でありますから、それぞれの決められた定数の中でそれぞれの地区に配置されておるわけですから、どういうような指導体制をとって、何をどの程度どういうように教えたらいいかということにはおのずから傾斜をつけまして、有効な普及員の利用法といいますか、そういうことも考えていったらいいし、それから水産試験場等の技術というものも、新技術ができたならばそれを末端の漁家に教えるというような役目も私は普及員としては重要な仕事だろう。それから、現場でいろいろな問題点を見つけてそれを試験場につなぐと、そしてさらに一層突っ込んだ研究をしてもらうというようなことも、私は普及員の仕事だろうと思います。概してやはり内地では養殖とか裁培漁業とか、こういうようなものに普及員を使うということはきわめて効率的な使い方ではないのかと、こう思っておるわけであります。  したがって、普及員の利用の仕方というものについては、数をどんどんふやすということは私がここで約束したってできることではありませんので、いまの普及員の中で一番皆さんから喜ばれる価値のある普及員の活動方法については、専門的にこれこそ専門家にひとつ詰めてもらいたいと。あなたの御意見も大変参考になりますので、そういうことを非常に勉強さしてもらって、今後の行政の重要な指標にしてまいりたいと考えております。
  135. 下田京子

    ○下田京子君 大変前向きな御決意を聞かせていただきました。ただ、私は重ねて言いますが、いま申し上げたのは大変特殊な例を言ったんではなくて、大臣は極端なことが大変お好きなようだけれども、そういうことを言ったんじゃありませんから、念のために。  それで二番目に、漁村の環境整備の問題で、具体的には生活改善資金との絡みにもなるだろうし、あるいは生活改善のための施策をどうするかということについてになるかと思うんです。提案理由の説明の中で大臣も「漁村の生活環境は、都市等に比べて著しく立ちおくれている状況にある」というふうな指摘をしているわけなんです。これもやっぱり実際にお聞きしましたら大変でありまして、たとえば水洗トイレなんか持っているところはほとんどといっていいほどないと、大型遠洋の場合を除きますと。それから船にはお金をかけるけれども、そういう中で、炊事場であるとか、下排水であるだとか、食べ物だとかも含めて実際に手が回らないというのが実態だと、こう訴えておりました。そういう中で、この生活環境の整備を進めていくに当たりどうしたらいいんだろうかということで、私もいろいろとお聞きしたりしましたら、予算との絡みで見ていきますと、漁業集落環境整備事業というのがありますね。それから、漁業村落振興緊急整備事業というのもありますね。さらには、新沿岸漁業構造改善事業というのが今度発足されますね。そして、今回の沿岸の改善資金というかっこうになるわけです。  その中の生活改善資金いろいろあるわけなんです。こういうふうにたくさんある事業あるいは制度、これを総合的にやる、そういうことが必要ではないだろうか。これは一般的にお尋ねしないんで、具体的に、たとえば農村の場合でしたらば、国土庁が中心になって一定の総合的な計画がまず出されますね。それに乗っかっていろんな事業の中から選んでいくと、こういうやり方がとられていると思うんです。私は漁村にあっても、総合的な対策検討委員会とでもいいますか、そういうものが必要だろう。同時に、それを受けた水産庁の中のセクションといいますか、そういうものも必要だろう、こう思うわけです。漁村の環境整備を、一つのモデル事業もこう据えながらやっていくということが必要なんではないだろうかと、こう思うわけなんですが、大臣いかがでしょうか。
  136. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) 先生御指摘のように、沿岸の漁村の多くは非常にへんぴなところにあるのが多うございまして、さらに家並みその他も非常に狭隘な地域に固まっているというような状況で、確かに生活環境というものがおくれているわけでございます。私どもとしてはこれも手おくれといいますか、非常におくれての発足ではございますが、五十三年度から先生御指摘のように、漁港の整備に絡めまして背後の漁業集落の環境整備、具体的に申し上げますと水産用の飲雑用水施設とか、用地の整備、こういうものについて整備する事業を発足させて、さらに五十四年度から発足いたします新沿構でいろいろな漁村のセンターだとか、廃棄物の処理施設等の整備を実施するようにいたしております。さらに、これは若干沿構とは別な地域で実施することになっておりますが、地域住民の交流促進と環境整備を総合的に行う漁業村落振興緊急対策事業を実施することにいたしております。今回、現在お願いしておりますもので個々の生活改善をやるということにいたしております。  これらの事業をいかに総合的にやるかということにつきましては、やはりできるだけこれを総合的にやることが望ましいわけでございまして、私ども内部でいろいろな連絡協議会を持ちましてこれらの総合的な運用を図るようにいたしておるわけでございますが、ただ、やはりたとえば漁港の整備と、それから漁村センターなり廃棄処理施設を扱います新沿構等の事業の対象になる年度が違うとか、そういう面もございまして、若干のちぐはぐができるのをいかに調整するかということで、現在それぞれの担当官で打ち合わせを行っておりまして、なるたけそういうものを有機的に結びつける方向で考えてまいりたいと思っております。   〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕
  137. 下田京子

    ○下田京子君 時間がありませんから、繰り返しでなくて、やれるかどうかだけひとつお願いしたいと思います。  大臣、いまお話のように、発足の年次が違ったりなんかでそれぞれのところで検討しているということですが、方向としては何か連絡協議会みたいなものをつくりたいということですね。その際、これは現地で皆さん言われているんですけれども、漁村といっても漁家ばっかりあるんじゃなくって、農村もあるし、商店もあるし、労働者もいるし、そういう中で漁家が散在されている。それから、そこには漁業に関係する流通加工関係の方だとかいろんな方がいるわけですね。そういうそれぞれのセクションから主だった人が入りまして――私は簡単でいいんですよ。国土庁かやっているようなかっこうで、漁村なら漁村の環境整備の方向という一つの総合的な計画みたいなものを、ひとつお立てになる必要があるのじゃないだろうかということなんです、たとえば。  そして、そういう中でやりませんと、さっき話になりました、あるいは改善資金の中で出てきますし尿処理の問題であるとか、あるいは排水施設の問題であるとかやりましても、水洗トイレをつくったといっても、一戸の漁家が改善資金でもってそれをやっても、その地域全体の問題が絡んでくると思うんです。そういう関連がありますんで、形は別としまして、それぞれの部門の方が入った総合的なそういう方向での検討というものがいま必要になってきているんじゃないだろうか。ひとつ検討してください。大臣に御答弁願います。
  138. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 親切に答弁させようと思って……。
  139. 下田京子

    ○下田京子君 いや、親切でなくて、大臣にひとつ答えていただきたい、大臣に。一言でよろしいですよ。
  140. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) ことしから発足する沿岸漁業構造改善事業におきましては、ただいまのようなことを趣旨といたしまして協議会をつくって、その部落の話ですからね、集団の漁家だけじゃないのですから、みんないろいろ学校の先生もいるしするから、そういう人の意見も十分聞くようにいたします。
  141. 下田京子

    ○下田京子君 その際に、私大きな役割りを果たす任務を持っておられる方として、生活改善普及員の仕事を重視してほしいと思うわけなんです。  時間もありませんからもう詳しく述べませんけれども、この生活改善普及員の方も全国でもって百五十六人だということで大変苦労をされております。で、生活改善普及員の場合にどのような仕事をやられているのか私も聞きましたところが、いろいろやられているようですね。普及職員を設置することはもちろんですが、それから普及事業の運営もありますし、漁村の生活改善推進の予算もある、あるいは運営費はいろいろあるんですけれども、そういった生活改善普及活動体制の予算全体を見てみますと、五十三年度が四十八億九千六百万だと思うんです、いただいている資料だと。ところが、五十四年度の場合には四十九億二千六百万。で、これはわずかふえているんですけれども、中身を見ますと、やはりもっと充実させていく必要があるのじゃないかというふうに思うわけなんです。  特に人数の問題でいきますと、農林水産省の農蚕園芸局で出されております農業普及事業の年次報告書なんですけれども、その中で実際にこうした生活改良普及員がどういう範囲を受け持ってどんな仕事をしているかというのが出ております。その報告によりますと、一人の方が担当する戸数というのは一千三百から一千五百が限度じゃないかと、こう報告では言っているんです。ところが、実際にはそれをはるかに超えて担当していると、こういうことが言われております。で、広いところを受け持つから、さっき話がありましたように、いろいろと濃密指導をやっているんだとか、グループ指導をやっているんだとかいうお話でございましたけれども、要は私は、こうした直接漁家の生活改善資金等を運用していくということになれば、これは資金面の運用なりそれから環境全体の整備と双方相まってこの生活改善普及員の皆さん方の活動というもの、そこに光を当てていくことが必要ではないだろうか、このことを言いたいわけなんですが。
  142. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 私もそう思っております。一人で何千人なんというのはなかなか見れませんし、やはり個々の問題で、金の借り方とかいろんなことの注文と、細かいようなことを全部見ようというと、なかなかできないだろう。したがって、こういう場合は、やっぱり農協に婦人部があるように、漁協にも婦人部とか指導員とかいうのがおるはずでございますから、そういうような助手、補助的な方々とよく連携をとって、できるだけ組合員の要望にこたえるようにやっていくしかないのじゃないかと、こう考えております。
  143. 下田京子

    ○下田京子君 特に補助的というだけじゃなくて、私は、重要な部門があるんだよということでまた再度言いたいわけですけれども、それはいろいろ後継者問題等も含めましてお聞きしましたところが、生活改善ということがいま非常に重要である。それで、朝早くやっぱり漁に出ていくでしょう。だから、その間にだんなさんのお弁当もつくってやらなきゃならない、そしてまた子供たちもめんどうを見なきゃならない、帰ってきたらあしたの準備もやるということで、非常に婦人は困難であります。それから、おばあちゃんなんかがおれば、うちを預けて自分も漁に出るという実態でありますね。この後継者問題の中でも、お嫁さんの来手がないなんということになってなかなか深刻なわけですね。そういう点で、共同のふろだとか共同の炊事場なんかを漁協の中に設置できるようなことが確立されたら大変助かると、こんな話も出ております。ですから、補助的というんじゃなくて、それぞれ漁家を歩いたりいろいろと環境を見ておりますから、そういったいままでの研究といいますか、調査といいますか、いろんな苦労を吸い上げていって、さらに生かしていただきたいということを要望しておきたいと思います。  次に移りますが、やはり同じ後継者問題なんですけれども、特に漁家の後継者の中で一番早道は、何といっても水産高校に学ぶ子供たちではないかと思うんです、一つはですね。その水産高校に学ぶ生徒のいわゆる漁業に関する知識、教育、これに非常に問題があるんです。どういう問題があるかといいますと、これは昨年十二月十八日ですね、毎日新聞なんかでも出ておるんですが、「時代遅れ教科書水産高「二百カイリ」記述ゼロ」なんていうことで、八戸高校の問題が具体的に出されております。  私は、高等学校の先生方からも聞きましたけれども、実際に問題になっている教科書をいただきまして見てみました。どんな点で問題かといいますと、一つの問題点は、大きく言いましてこの「水産一般」という教科書と、それから「漁業」という教科書、まあそのほかありますけれども、特にこの二つ。この中で、漁業をめぐる情勢が正しく述べられてない。特にどういう点かといいますと、いわゆる五十一年の四月にアメリカが一九七六年漁業保存管理法というものを成立されて、翌三月一日から二百海里漁業水域を設定してきたわけですね。それに基づいてメキシコ、カナダ、EC、北欧諸国、そしてソ連も含めまして、連鎖的に二百海里の水域設定ということになったわけです。こういう記述がない。さらには、日本でもすでに領海法、さらには二百海里の漁業水域設定のための漁業水域に関する暫定措置法等が五十二年五月二日に成立しているわけです。その記述が全く述べられてないんです。  で、どういうふうに教科書に書いてあるかといいますと、これは「漁業」の教科書なんですが、遠洋漁業に関するところ、これをちょっと読ませていただきますと「遠洋漁業はわが国漁業の原動力ともいうべきもので、北洋のサケ・マス・カニ、底引きなどの北洋母船漁業をはじめとし、遠洋カツオ・マグロ漁業、以西底引網漁業、アフリカや南米海域を漁場とする南方トロール漁業、その他」云々、こう書いてあるわけです。そして最後に「わが国の漁獲生産量の伸びは、この遠洋漁業によるところが大きいので、今後ますますその発展が期待されているものである。」と、遠洋漁業についてこういう記述をされている。これはいつの資料で書かれているかというと、四十五年のときの資料です。教科書は五十三年出版なんです。で、四十八年に一度あって、五十三年に改正されて出ているんですが、全然改正じゃなくて、同じものがまた出てきているというふうな問題もあるんですけれども。  さらに、「水産一般」の方を見ますと、どういうことを書いてあるかというと、やはり「遠洋漁業」のところなんですけれども、「わが国が加盟している関係漁業協定には次のようなものがある。」というふうなことで、北西太平洋の公海における漁業に関する日本国とソビエト社会主義共和国連邦との間の条約、こういうものやら、日本国とアメリカ合衆国政府との間の漁業に関する協定、こういうのが入ってきている。それで、いま実際はどうなっているかといえば、これは私が申すまでもなくわかり切ったことなんですけれども、日ソ漁業の問題については、従来は確かにここにあるように、日ソの漁業条約だとか、あるいは日ソカニ協定だとか、それから日ソのツブ協定なんかがあったわけですけれども、いまはこういう形ではないわけですね。それが昔のまま述べられている。これは大変やっぱり問題であると思うんです。もちろん先生方は、このままうのみにしてこれをそっくり教えているんではなくて、いろいろと資料集めに苦労をしている、それで努力されているわけなんです。  私は、大臣にまず言いたいことは、教育にいろいろ問題が、具体的な形での不当と言われるような介入ということになれば問題ですが、後継者の問題とも兼ね合わせて、この水産関係、漁業に関する正しい知識、それから正しい資料、そういうものを水産高校のみならず、後継者対策の一環として、具体的にそれらが対応できるように資料等流していただくということが必要ではないかと思うんですが、大臣、どうですか。
  144. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) これはもう本当にいままでの中で一番いい話を聞かしてもらって、私も大変勉強になりました。確かに、非常に最近目まぐるしく、この二百海里時代を迎えて、もう世界各国で二百海里を引いているところと引かないところといろいろあるし、タイミングのずれ、タイムラグもあるし、それで外務省と連絡が悪くてコスタリカでつかまっちゃったり、それは申しわけないことをしているわけですよ。ですから、専門家すら混乱しているというようないま時代なのです。そういうふうなことですから、末端ではなおさらそういう情報が入りにくいということは、全く私はそのとおりだと思います。しかし、教科書が間違って、五年も十年も間違ったことを教えたのじゃこれは困るわけですから、大学の先生もみんな間違っていちゃ困る。したがって、できるだけわが省といたしましても、たとえば経済教育参考資料というようなことで日本経済教育センターから「二百海里時代を迎えたわが国の漁業」というパンフレットを出して、十万部ぐらい配ったりいろんなことをやっておるのですが、高等学校なんかに配ったのです。  しかし、いろんな新しい白書その他のことについても、特に教育機関は宣伝力が大きいですから、報道機関あるいは教育機関等には、できるだけこれから変わったことがあったりなんかしたら、やっぱり毎年の白書はもちろんのこと、特に大きな違いが出たようなときには、文部省あるいはそういうふうな報道関係はもちろんですが、そういうふうな学校等にも、水産高等学校、水産試験所、こういうようなところには配るようにしたいと思っております。それは、勉強する先生は、新聞読んだりなんかで、ここは間違ったなと、訂正しておこうということはあるけれども、ろくに新聞も読まぬ先生も中にはあるかもしらぬから、そういうのはこれはもうわからない、その本のとおり教えちゃうと。生徒は被害者になるということがあっては困るから、それは極力そういうことのないように、農林水産省としても大変いいお話なので、今後そういうふうな大きな変化やなんかあったときには、極力早く正確に情報を伝えるようにいたさせます。
  145. 下田京子

    ○下田京子君 農林水産省としても、具体的な資料、データ等は所管である文部省初め現場の先生方にも配りたいと。ただ大臣のいまの話の中で、新聞も読まないでいる先生ということは恐らくいないと思います。こういうことで専門的にやられている職業学校の先生ですから。  で、具体的に、文部省来ておると思うんで、いまのようなお話です。これは資料が送られればいいという問題ではありませんので、早急に、一つは、事実と違う記述、それから古い資料、そういったものを書きかえて現場に配付されるように手を打っていただきたいと思います。
  146. 宮野禮一

    ○説明員(宮野禮一君) ただいま水産高校の教科書について御心配をいただいて申しわけございません。  私どもとしましても、できるだけ、教科書についても従来の記述のままでなく、新たな事態に対応するように改めたいということと、従来から水産庁の御協力等を得まして、いろいろ学校、水産高校そのものにも新しい資料を配付しておりますが、そういう新しい資料の提供、あるいはそういう新しい資料を使った学校教育の指導についての留意等について、学校現場を指導してまいりたいと思います。
  147. 下田京子

    ○下田京子君 確認ですが、これは早急に、いつまでという時期もいろいろあるでしょうけれども、早急に書きかえて子供たちに届けられるようにしていただけるかどうか。
  148. 宮野禮一

    ○説明員(宮野禮一君) できるだけ早い時期にそうしたいと思っております。
  149. 下田京子

    ○下田京子君 次に、時間になってきたので、まとめてお聞きしたいんですけれども、法律直接ではありませんが、予算の中で冷凍水産物流通実験事業ということで、一億五千八百七十六万円ですか、ついて、予算計上されておるようですけれども、特に私、宮城県の塩竈の皆さん方から具体的に訴えられてまいりました。どういう点かというと、この実験事業は大衆魚、それからカツオ・マグロの流通促進だということで、主に漁協等が中心になって消費地と結んでやるということなそうですけれども、このことについて中小零細の流通業者も取り扱わせていただけるように拡充してもらいたい、今後になると思うんですけれども。  さらには、冷凍だけでなくて、サバ、イワシなんかについてもこれは鮮魚のまま流通をやると。それから塩竈だけじゃなくて、これは御存じかと思いますけれども、六大都市水産物卸組合連合会の鮮魚部会、ここがいまの事業に対して、こういう事業は、産直促進は市場無視だと、カツオ・マグロパックに大変反発しているというお話も出ております。それからさらに、農林水産省の所管である社団法人食品流通システム協会というところで、多獲性魚の新流通問題を取り上げられております。わが党におきましても、これは「日本経済への提言」ということで、具体的に多獲性大衆魚の流通業者に対しては経費倒れにならないように国が出荷、取り扱いに特別の奨励金を出して流通を促進して、それで消費者に届くように、台所に届くようにという提言もしております。  これらは、いろいろあると思うんですけれども、精神的に見れば皆同じように、いまたくさんとれる大衆魚、それを消費者の台所に運んでいく上で流通経費等何とか軽減できる措置をしようということで、実験事業としてとられたのだと思うんで、この実験事業も五十四年度やってみてからということになるでしょうけれども、今後いま各方面から出されたようなことも踏まえまして、ぜひ拡充強化という方向で御検討いただきたい、これが一つ。  それから、一緒になって大変申しわけないんですが、もう一つは北海道の噴火湾の問題なんですが、ホタテの斃死、これはもうここ三年来言われておりますが、私は斃死の原因等々についていま述べる気、あるいはお聞きする気はありません。問題は、噴火湾の東口にある北海道一と言われる室蘭の工業地帯からの工場排水、これが原因ではないかと言われて、赤潮が大変頻発しているんですね。私はいまお願いしたいことは、赤潮対策ですか調査、そういったものが必要だと皆さんこう言われているんです。そして、総合的な調査も考えてもらいたい。漁場破壊の実態調査、あるいは漁場の生態系の状態、あるいは養殖を今後どういうかっこうで総合的にやれるだろうかという問題も必要だろう、そういった点での総合的な対応を願いたい。  以上、まとめてしまいましたが、二つこれを検討いただけるかどうか、お願いしたいと思います。
  150. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 第一の冷凍魚について私がお答えして、噴火湾の問題につきましては次長からお答えいたします。  冷凍魚の問題で主体の問題でございますが、実験事業として生産者団体を考えております。水産加工団体を排除するものではございません。実験事業だから、とりあえず生産者団体を考えたということでございます。  それから、鮮魚にしてということでございますが、むしろ鮮度保持が非常にむずかしい商品でございますから、いろいろ冷凍にして産地でパックして、ともかく消費者につなげられないかということでやってみておる、実験したいということでございます。  それから、六大都市等いろいろお話がございましたことは私どもも承知いたしておりますが、趣旨はそういうことではないということで、私どもは一応納得はしていただいたというふうに理解をしております。  それから、システム協会につきまして、多獲性魚の問題につきましていろいろ御検討いただいたことにつきましては、むしろわれわれも参画をいたしておりまして、検討の経過につきましては十分承知しておるつもりでございます。
  151. 恩田幸雄

    政府委員(恩田幸雄君) 噴火湾につきまして、私どもも小規模な赤潮が発生した例は何回か聞いておりますが、漁業被害を伴うような大きな赤潮にはなっていないというふうに理解いたしております。ただ、それ以外のいろいろな問題もございます。私どもといたしましては、まず噴火湾の漁場の環境条件がどうなっているかということを把握するために、五十四年度からヘドロの堆積状況あるいは分布状況、こういうものについて調査を実施するとともに、底質、水質あるいは各種の生物の実態、こういうことについて解明するようにいたしておりますし、さらに小規模ながら赤潮も発生しておりますし、さらに一部の妙なプランクトンもございますので、これらにつきましては、赤潮の情報交換とか赤潮予察事業等によって助成をいたしまして、調査をしたいと考えております。  さらに、北海道庁ではホタテの大量斃死等に対応するために、地元でいろいろ噴火湾のホタテ育成対策議会等をつくっておりますので、これらにつきましては私どもの研究所あるいは大学、あるいは道の水試等の協力を惜しみなくやって、噴火湾内におけるホタテ養殖の大体どのぐらいまで養殖できるかというような調査も行いたいというふうに考えておりますし、さらに道庁自体が、ホタテの養殖に関します総合対策指針も現在作成中であるということも聞いておりまして、全般的な調査を行って噴火湾の状況を十分調査いたしたいと考えております。
  152. 三治重信

    ○三治重信君 沿岸漁業改善資金助成法については、これは非常に簡単ですから、いままで同僚委員の御質問で、この法案そのものについてはもういろいろ質疑は行われておりますので、この関連から、ことにいわゆる漁業経営者といいますか、漁家に対する一種の生活資金のような構想がありますので、そういう漁村のいろいろ振興にも関連した問題として取り上げてみたいと思うんです。  いわゆる水産業の振興というと田舎の部面、都会からわりあいに離れたところの漁港、漁村というものがとかく考えられやすいんですが、最近はいわゆる三大都市圏または地方の中枢都市でも、いわゆるサラリーマンまたは中小業者の生活水準の非常な向上とともに、海へのレクリエーション、あるいはいろいろの休養のためにそういう施設を要求している部面が非常に多いと思います、ここ一、二年でもいわゆる請願の中に釣り人課を農林水産省につくってくれ、こういうふうな請願も多数出ているのでありまして、こういうことを考えると、農林水産省沿岸漁業の振興そのものではないんですけれども、いろいろ国民が釣りをやったり、または海岸で水泳をやったり、またいろいろ海をながめて保養する、こういうのが漁村で、または漁村の近くでいろいろそういうものを計画して、漁村の漁業の収入の減を補っていく対策をいろいろとっておる。資料を見ても、漁業の収穫高はだんだん減って、魚の値段が高くなって初めて生活の資を得ている、こういうことであります。  したがって、そういう都会の人のレクリエーション、または健全な生活の資となる対象として、そういうことを農林水産省はどういうふうに考えておられるか、ひとつ一般的な問題として取り組み方を御質問したいと思います。
  153. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 先生御指摘のように、海というのは非常に国民全般の財産と考えるべきものでございまして、御指摘のように、最近非常に遊漁人口いわゆる遊漁という言葉を使っておりますが、遊漁人口が非常に増大して、勘定によりましては千五百万人とも言われております。そういう中で、漁業と遊漁との間のいろいろな問題が逆に生じておるし、また、それとの密接な関連づけをしながら漁家の一つの収入源、所得源としても考えていかなければならないという面も出てきておることは事実でございます。  概して申しまして、非常にプラスの面とマイナスの面、これは物事からいいましてやむを得ない面かもしれませんが、ともかく両方を抱えまして、これらをどういうふうに持ってまいるかということは、ますますその重要性が高まってきているというふうに認識をしておるわけでございます。
  154. 三治重信

    ○三治重信君 そこで、具体的に大都会の近くなんかに漁業協同組合や漁村なんかでこういう釣り人の誘致や、それから釣り人漁船の拡充というんですか、そういうものの要請というものは農林水産省に相当来ているんじゃないですか、余りないですか、
  155. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 私どものところには、むしろやっぱり釣り、遊漁という立場から水産庁がもっと積極的に取り組んでほしいという観点の要請が非常に強く来ておるという現状でございます。
  156. 三治重信

    ○三治重信君 だから、それに対して余り取り組んでおられないのじゃないかと思うんですけれども、これは漁村ですか、漁家、沿岸の方々が将来所得を得る、または漁家の収入、第二次所得なりをやるのに、計画よろしきを得れば――非常に客がたくさん来て、しかもその一つに、いまおっしゃったように、いわゆる漁村なり田舎の風俗習慣を乱すとかいろんなものがあるわけだから、それが計画的にそういう行政当局や何かが、漁村と体系的にその準備をしてやらなければいかぬと、こういうことだろうと思うんですが、そういうものについて、この沿岸漁業改善資金というのはこれは無利子なやつだから非常に使いにくい、それでは使えぬようになっているのですけれども、そういうものに対する融資や新しくそういう事業の展開をやるのに農林漁業関係の融資は使えるのですか、使えないのですか。
  157. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 御指摘のように、遊漁の人口が増大をして、それに対していろいろな要請があって、むしろ遊漁問題を専門的に取り組む釣り人課を設置せよとか、そういう具体的な話にまでいろいろ御要請が来ておることは事実でございます。  いま当面、御質問のそういう釣りの人をいろいろ乗せる、そういうものについてそれについての必要な資金をこの資金の貸し付けの対象にできるかどうかということでございますが、この法案におきましては、沿岸漁業の経営の健全な発展を図るということを目的としておるということでございまして、釣り舟等で漁民がいろいろ乗せてサービスをしていわゆる遊漁としてかせぐということは、一般的にむしろ副業的なものというふうに考えざるを得ないのではないかというふうに思いまして、そのこと自身を目的とする場合には、本資金の貸し付けの対象にはなじまないというふうに考えておるわけでございます。しかし、そういうことをやるかもしれないけれども、技術の導入資金とかいろいろ制約がございます、漁船漁業でございましても。そういう制約の要件を満たすということであればまたそういう要件を満たすケースというのは、普通の釣りであればわりに少ないのじゃないかというふうに思うのですが、しかし要件を満たすというようなことであれば、当然貸し付けが行われるということになるわけでございますので、具体的な個別のケースとして判断して、貸し付けし得るかどうかということは決定をいたしたいというふうに考えております。  もう一回申しますと、一般的にはなじまないのじゃないだろうかということでございます。
  158. 三治重信

    ○三治重信君 ひとつ、これには無利子なやつですから、対象にされなくてもいいと思うんですけれども、いわゆる漁家に対する融資のやっとして利子がつくやつでも、農林水産省の関係で今回そういう副業的な部面も海の事業として少し拡張することを考えていったらどうかと、こういうふうに思うわけです。  そしてもう一つは、そういう安全な釣り場といいますか、それからそういう釣り舟なんかのたまり場というものを計画的につくる。また、そういうものに対して、漁港やそれから漁業組合なんかに対する援助体制というようなものは現在どうなっているのですか、全然考えていないのですか。
  159. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 遊漁につきましての対策でございますが、やっぱり漁業との調整という観点から、本来の漁業との間の秩序ある管理体制をとっていく、こういう観点と、それから漁業者の所得を向上していく、同時に健全な遊漁の振興を図るという両方をにらんだ対策といたしまして、遊漁対策振興事業というのを水産庁としても取り上げておるわけでございます。これは遊漁場を整備するといいますか、海洋の魚礁ですとか、そういう釣り場の安全施設ですとか、海洋の釣り堀ですとか、取りつけ道路とかそんなようなものだとか、あるいはまあ関連施設――遊漁船を出す関連の桟橋でございますとか、それから管理施設として場合によりましては駐車場等もあわせて整備をするということによりまして、遊漁は遊漁としての一つの管理の場所をつくりまして、そこで釣りを楽しんでもらうということによりまして既存の漁場との競合調整問題も避け、かつそこでいろいろ漁村に副収入を落としていってもらうというようなことを考えた助成措置もあわせてやっておるわけでございまして、計画的な整備をそういう希望のところから実施をしておるということでございます。
  160. 三治重信

    ○三治重信君 ぜひ、私たちこれから所得の増加とともに海での健全な遊び場をつくり、またその健全なそういうレクリエーションの関係として沿岸漁業と関連して、専業と並んで副業なり総合的に沿岸漁業の振興と関連して、そういう漁業者がそれに対して興味を持つ体制でやった方が漁村の生活向上に役立つんじゃないか。  こういうふうに思いますとともに、これが一歩間違うといわゆる都会人の漁村荒らしというかっこうになってかえってまずいことになる。こういうふうなことで、農林水産省も今後、こういう魚をとって魚だけから所得を上げるということでなくして、都会に住む人たちとの直接サービス関係として魚をとることが所得になる。ちょうど都会からすぐ近くに最近ブドウ狩りとか、ミカン狩りとか、いろいろそういう秋の収穫に対して都会の人の遊び場とともに、園芸家の所得の向上の一挙両得に役立てている仕事が非常に行われているわけです。漁村や海岸の方にもぜひそれを系統的に広めて、これは何というんですか、果樹組合や農協なんかでそういうことを積極的に都会の近郊ではやっているわけなんですから、漁業関係の方も都会の近くにおいて、そういうものを系統的に一つの副産業としてやる体制を、農林水産省としても漁業を少し幅広くとっていく体制をとってもらいたいと思います。  それから、もう一つは、私は愛知県で三河湾なんだけれども、三河湾の状況をずっと見ていると、一時はあそこでカニやシャコが全然とれなくなった。しかしながら、水質汚濁防止法やいろいろの農業の捨てるビニールの廃棄物なんかが大分少なくなると、途端に近年カニやシャコが非常にとれるようになってきている。こういうちょっとしたことで非常に沿岸漁業のいわゆる魚が豊富になっているわけなんですが、こういうふうな海のそういう浅瀬、海の底を定期的に漁場確保のために洗って、そしてカニやこういう浅海の海底で育つ魚の自然増殖化の環境を整備するというようなことは積極的にやってもらいたいと思うんですけれども、そういう問題についてひとつ。これがまた、零細漁家の所得増に非常に役立つんじゃないかと思うわけなんです。そういう点について、実態をどういうふうに農林水産省は把握されているか。
  161. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 具体的なことは事務当局から答弁さしていただきますが、やはり何といったって、水が汚くなっては魚が住まない。そこで農薬の規制の問題とか、いま言ったような廃棄物の処理の問題とか全部これは関係のあることであります。したがって、農林水産省だけでなくて、環境庁、通産省その他のところにも呼びかけて、極力川や海をきれいにするということをまずみんなでやっていかなければならぬ。その次は、すでに汚された沿岸海域、内水面におけるところの廃棄物、こういうものの除去回収、こういうことが必要でございますから、ことしから実験的にこれらについて実験事業としてこの漁場の環境改善の事業をやろうと。通称クリーンアップなんて言っておりますが、そういうことをやろうという事業を新しく新設をしたわけでございます。
  162. 三治重信

    ○三治重信君 今年から新しくやるというふうに言われているわけですが、沿岸漁業の中でことに近海の場合に、漁場といいますか、海の水とともに海底の整備をやるということが非常に必要だと思うんです。  それから、農林水産省の方では海のレクリエーションについて、先ほどは釣りのことをやったのですが、さらにあと海水浴場とか、それからいろいろの海のレクリエーション活動、船遊びやボート、そういうような夏の海や、最近海上スキーなんというのもできているんですが、こういうものは漁場とまた非常に衝突したり、またそういうことによる副収入も得られるわけなんですが、こういう部面も、これは細かくは質問要旨は出してないんですけれども、そういう釣ったりなんかして魚をとるやっとともに、海岸そのものを利用する都会人のそういうレクリエーションをやる施設として、これは農林水産省の所管でないかもしれないですが、そういう部面のは関係各省とも連絡して、海に対する、いわゆるたくさんの人がレクリエーションができる、海岸の砂浜を美しく維持するためには相当砂を入れてみたり、新しく海水浴場をつくるぐらいの積極的姿勢がないといかぬですが、こういう海岸並びに海洋の総合的なレクリエーションの場所を設定したり、それを積極的に開発する、こういうようなことについては農林水産省はどういうふうにお考えになっておりますか。
  163. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 海浜を高度に利用していくということにつきましての御質疑でございますが、たとえて申しますと、その一例として海水浴場ということもございましょうが、海岸そのものの管理ということにつきましては、市町村なり海岸の管理者が清掃をしていくということが一応のたてまえになっておるわけでございます。  しかし、われわれといたしましても、やっぱり漁場という観点からそういう汚染を防止するための、いろいろ先ほど大臣が申されました事業も一つでございますが、やってまいっておるわけでございますが、別の観点から、と申しますのは、そういう海浜を利用する、あるいはキャンプ場あるいは海水浴場、それをどうすると、こういうこととは別に、やはり今度の新しい新構造改善事業の中の漁村の緊急整備事業の一環といたしまして、いろいろUターンの問題もございますし、あるいは中高年齢層の漁業者の就労の場を拡大するとか、あるいは漁民の副収入を確保する、そういう観点をも含めまして、海浜の高度利用施設整備事業というのを特に設けております。  個所数は少のうございますけれども、いま先生御指摘のような海水浴場を管理するそのための施設ですとか、あるいは廃棄物を処理するための施設等の整備も行い得るというようなことで、御指摘のようなことをも漁民の所得なりそういう面から接近をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  164. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 私、質問に移ります前に、次のことをはっきりさしておきたいと思います。  まず、この法案は一日も早く成立さしてほしいと、こういう要望が沖繩現地関係者から電報が、陳情が私のところにたくさん参っております。そうして、私もまたそう思っております。  そこで、次にお尋ねしたい点が十二、三点ありますので、時間がそうありませんので、大変失礼ですが、もう単刀直入に疑問点や不明の点をただしたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  まず第一点、大臣に、大前提になりますが、二百海里時代を迎えてわが国漁業のあり方あるいは今後の対応策をどのようになされるか。根底から見直さなければいけないということもよく言われておるのでありますが、その観点からこの問いをいたした次第であります。よろしくお願いいします。
  165. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 漁業は、わが国のたん白の半分をとっておるわけですから非常に重要な産業でございます。しかし、本格的な二百海里実施を踏まえまして、なかなか制約も多く出てきておるわけです。したがって、私といたしましては、まず沿岸、沖合い漁業について見直して、これを非常にきめ細かな行政施策によってこの地域で魚の資源の確保を図っていきたい。それから、新漁場とか、あるいは新資源の確保に努めていく。また、漁業外交を展開をして、そうして遠洋漁業等の実績の確保に努めてまいりたいと考えております。
  166. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 次に、沿岸漁業の現状と今後の対策はどのように考えておられるか。
  167. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 沿岸漁業全体の漁業生産一千万トンということでございますが、沿岸漁業は五十二年では約三百万トンということで、毎年増加の傾向にあるわけでございます。で、大体総生産量の約四分の一を占めておるということで、生産の金額といたしましては、中高級魚が生産の中心になっているために、金額としては全体の漁獲高の総金額の約四割ということに相なっておるわけでございます。で、沿岸漁業、これを担当しております沿岸漁業の経営の体数は約二十万経営体でございまして、全漁業経営体数の約九五%と大半を占めているのが現状でございます。  二百海里の時代に入りまして、従前よりも増しまして沿岸漁業の振興を図るということが重要な課題になっておるわけでございますので、たとえて申しますと魚礁を設置するなど、あるいは増養殖場をつくるというようなことで沿岸漁場の整備開発を進めていく一方、栽培漁業を振興していく、それから、あるいは漁港を整備していく、あるいはいろいろ出ておりますように、新沿岸漁業構造改善事業を来年度から発足をさせる、あるいは農林漁業金融公庫の資金なり漁業の近代化資金なり、あるいは今回御提案申し上げております沿岸漁業の改善資金制度を創設をいたしまして、今後大いに沿岸漁業の振興を図ってまいりたいというふうに考えておるわけであります。
  168. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 いまおっしゃる漁港の整備充実ということは非常に大事なことだと思いますが、その予算の裏づけはどうなっているか、そしてその強化を予定されておる漁港はどういうところですか。
  169. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 漁港整備計画は六カ年計画で、第六次漁港整備計画といたしまして五十二年から六カ年計画でやっておるわけでございまして、ただいま来年度で前期を終了するということに相なっておるわけでございます。その全体の進捗率から申しますと一応四〇%ということで、計画の達成は一応可能であろうというふうに考えておりますし、来年度も一対前年一二四%ということで、農林水産省全体の公共事業でも一特に漁港整備につきましては重点を置いて見ていただいておるということでございます。  中身といたしましては、主な、要するに大規模な整備を行う修築事業、改修事業、局部改良事業ということが行われておるわけでございますが、数といたしましては改修事業が多うございますけれども、金の額といたしますとやはり修築事業といいますか、そういうものが中心になっております。あと漁港の種類によりまして、先生御承知のように、一種、二種、三種、特定三種、第四種というようなことがいろいろ指定されておるということでございまして、沖繩につきまして特に申し上げますと、指定漁港数が六十七港ということで、修築事業は糸満等九港、改修事業は約十九港、局部改良が五十二年、五十三年度で二十五港ということに相なっておるわけでございます。五十三年度の補正後の事業費といたしましては五十九億円ということで、来年度さらにこれを上回る額を計上して、漁港の整備に当たってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  170. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 関連して沖繩につきましては次にお尋ねしようと思っておりましたが、あらましおっしゃいましたので、特に沖繩の場合、漁港の整備充実が大変おくれておることは御承知のとおりでありますので、いまおっしゃったことでは満足できませんので、ぜひひとつ、もっと予算をふやして特に力を入れていただきたいことを要望しておきます。  次に、沿岸漁業の振興の前提には海の環境保全、海洋の環境保全対策が最も重要だということは申し上げるまでもありませんが、日本の近海の現状は一体どうなっておりますか。  それと、それに関連して、特に沖繩県における油濁問題の状況の実情と、それに対する対策、これをお尋ねしたいと思います。
  171. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) 日本近海におきますいろいろな水質汚濁等によります漁業に与える影響につきましては、海面につきまして五十一年度が二百四件ほど出ております。さらに内訳別に申し上げますと、赤潮二十七件、油濁百十一件、その他六十六件というような状況でございます。  なお、沖繩につきましては特に油濁の問題が問題でございまして、これは南方水域からタンカーで運んでまいります際に、運んでくる船が油をおろしまして帰るような際に、南シナ海で投棄するバラスト水、あるいはタンクの清浄水、スラッジ、こういうものが黒潮に乗って北上する間に凝固して沖繩沿岸に漂着するものと考えられますが、そういう廃油ボールによります被害が沖繩県において多発しているわけでございます。これによりまして、テングサとかモズク、ウニ等の海草類、あるいはエビ刺し網、定置等を中心に漁具の汚染が生じております。  それで、それにつきましては、私どもとしては関係のタンカーその他に対しまして運輸省とも相談の上、いろいろとそういう不法な行為がないようにいろいろ注意をしておりますが、さらに救済につきましては油濁基金を中心といたしまして、五十三年度で申し上げますと約二十三件になるのではないかと思いますが、四千五百万ほどの救済金を支出している状況でございます。
  172. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 特に私それを重ねてお聞きしますのは、沖繩近海、これは日本全体もそうでありますが、汚染とこの沿岸漁業とは非常に重大な因果関係があるわけでありますので、特に沖繩の場合、汚濁する要因が非常に多うございます。それだけに、次に私がお尋ねすることと関連があるわけですが、沖繩県は養殖漁業として非常に適地であるということはよく言われておるんですが、養殖漁業としてどのようなものが適当と思われるか、このことをひとつお尋ねしたいと思います。
  173. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) 沖繩はいわゆる亜熱帯水域に属します関係から、周年水温が比較的高いということが一つの大きな利点でございますが、一方その反面には、台風の影響を受けやすいということでマイナスの面もないわけではございませんが、やはりそういう利点を生かしまして今後養殖業をさらに振興さしていく必要があるだろうと思っております。  その中で、やはり将来伸長が期待できるものといたしましては、クルマエビ、ウナギ、それからミナミクロダイ、モズク等、こういうものについて今後伸長が図られるのではなかろうかというふうに考えております。
  174. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 いま挙げられたものはそのとおりだと思いますが、テラピアとかハマチはいかがですか。
  175. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) ハマチにつきましては自然の分布が大体奄美大島まででございまして、これにつきまして沖繩で飼った例は海洋博のときにございますが、この際に一種の風土病とでも申すような病気が発生しておりまして、これについては、必ずしも適地であるかどうかについては、さらに検討を要するものと私どもは考えております。
  176. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 いまおっしゃった一種の風土病ということでございますが、確かに私それも取り上げたいと思っておりましたが、なぜハマチを持ち出したかといいますと、海洋博のときにいわゆる海洋牧場をつくりました、六カ月間でしたが。その間に非常に成績が上がりました。ところが、残念なことにえたいの知れない病気、その病気が魚に付着しまして何万尾という魚がみんなふいになって焼却した、非常に惜しかったわけでありますが、そういうことから、養殖漁業の推進に当たっては特に注意しなければいけないことば、魚の伝染病が非常に広がりやすい、また起こりやすいと、こう言われておりますね。その魚病対策、これが非常に重要になってくると思うんですが、それに対するひとつ御見解を承りたいと思います。
  177. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) 水産業におきます養殖の生産の増大に伴いまして、いま御指摘のように、魚病によります被害が最近増大しているわけでございます。私どもとしては、今後さらに養殖業を推進していくためには、魚病対策が絶対必要だということを考えておりまして、すでにいま御指摘のございましたハマチにつきましては、特にその中でも密殖あるいはえさの過当な投餌ということが原因にもなっておりますので、そういう面からハマチの養殖についての指針を作成しますと同時に、いろいろな魚に対する病気の診断指針と申しまして、これはある程度症状とかいろいろな原因その他も書いてございますが、いろいろ写真も入れましたようなものもつくるし、さらに病気を防ぐための防疫指針等もつくって現在各都道府県等に、ほか関係者にもいろいろ配付したりしておる段階でございますが、さらに魚病技術者というものが現在非常に少ない段階でございますのでこれを育成したいと考えておりますし、さらに最近いろいろ薬づけの問題も出ておりますので、水産用医薬品の適正な使用についても必要な通達を出しますと同時に、都道府県を通じまして養殖関係の漁業者の方々に積極的に指導をいたしている段階でございます。  さらに、五十四年度予算では、新たに各県に魚病の指導総合センターの設置等も一部の県につきまして予算をお願いしている次第でございまして、さらに総合的に魚病の対策を進めるために魚病対策総合検討会を設置いたしまして、いま申し上げましたようないろいろな問題について具体的な検討を行っておる段階でございます。
  178. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 さっきおっしゃった種類の中で、一つ漏れておられるんじゃないですか。最近特に有望だといって大きく取り上げられておりますが、宮古島でのクロダイ、クロダイの養殖ですね、これが非常に……
  179. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) 先ほどミナミクロダイと申し上げて、入れております。
  180. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 この魚病対策につきましては、いま技術者の養成とか薬品のお話がございましたが、考えてみますと畜産関係では獣医というのがおられるわけですが、これまでは、従来はいざ知らず、これから特に海を中心とする漁業対策というものが非常に重視されなければいけない。それだけに、畜産に獣医が必要であるならば、魚には魚医と言うかどうか知れませんが、その魚のお医者さんの養成、こういうことは考えられませんか、どうですか。
  181. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) これは非常に重要な話でございまして、特にいままでは太平洋でとってくればいいということだったけれども、今度は沿海で密殖すると。一カ所に集めて養殖したりなんかしますから、どうしても病気が起きやすい。こういうようなこともあって、伝染病の問題は、これからの私は沿岸漁業の大問題になりかねないと思っております。したがいまして、これらに対する研究はもちろん水産庁ではやっておるわけでございますが、やはりえさをくれるにしても、今度は人に害があっても困るわけですから、やはり抗生物質のえさをくれたり、いろんなこともいまの状態で野放しというわけにはなかなかいかなくなってくるだろうと思う。  そこで、魚医がいいのか魚医者がいいのか、何がいいのかそれはわかりませんが、いずれにしても現在の獣医では、実際問題としてそれは鯨のお産だってわからぬというわけですからね、これは。まして、一般のことまではなかなかわからないというのが実情だと私は思います。したがって、水産大学などで、むしろ獣医の資格はないが魚のことについての病気や何かの研究をしている人も多い。そこで、これを組織立って何かの形で、そういうような職能というか、そういうような資格というか、そういうようなものを学問的に体系的にひとつつくり上げていく必要があるのじゃないかということで、すでに水産庁内におきましても看板を上げて検討を始めておるところでございます。
  182. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 ぜひこれはひとつ精力的に取っ組んでいただきたいことを要望いたします。  次に、農業改良資金の技術導入資金には地域の特性に応じて貸し出す特別認可ですね、特認資金の制度がありますが、今回の場合にはそれも考えられておりますかどうか、伺いたい。
  183. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 経営等改善資金の項目がございまして、生産技術の改善なり新たな技術導入を行うということで、そういう制度がこの資金の中にあるわけでございますが、この資金の中にはやっぱり地域の特性に応じて貸し付ける必要があるということで、いろいろ列挙はいたすものの、このほかにも特別に特認の技術改善にかかる資金という場合には、特別の認定をして貸し付けを行うということを考えたいというふうに思っておるわけでございます。
  184. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 次に飛びますが、今回の制度には後継者養成資金が設けられておる。この後継者として重要な、この表を見ましても非常に老齢化しておることは、これは漁業だけでもないと思いますけれども、特に非常な老齢化はこれは問題だと思います。それの裏をなす後継者の水産高校、水産大学の卒業生の就職状況またその就職の促進、これに対するひとつ御見解を賜りたい。
  185. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 水産高校の卒業生で漁業及び水産養殖業に就業しているのは二〇%の八百六十人、水産大学、学部のある大学等の卒業生で漁業及び水産養殖業に就職しているのは一七%、百九十六人ということの、文部省の調査ではそういう数字に相なっておるわけでございます。  そこで、後継者の確保のためには、こういう人たちを基本的に漁業に就業させるには、やはり漁業に魅力がある、そういう漁業にする必要があるということで、漁村を住みよい生活の場にすることも必要でありましょうし、漁業が魅力のあるものとすることも必要だということで、漁業の振興対策なり漁村の生活環境施設の整備ということに鋭意努力をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございますが、いずれにいたしましても、一部の道県で実施しております漁業労働対策推進協議会あるいは漁業労働力の確保指導事業というようなものを通じまして直接的には就業者を確保してまいる、そういうことも今後指導してまいりたいというふうに考えております。
  186. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 単刀直入にお聞きしたつもりですけれど、時間が刻々迫ってまいりましたので、一、二、一括してお尋ねしたいと思いますので、関係者ひとつよろしくお願いいたします。  まず、二百海里実施後の外国漁船の取り締まり状況とその対策はどのようになっておるのか、これは水産庁になりますかね。  次にまた、特に沖繩近海における領海侵犯の取り締まり状況はどうなっておるか、これが第一点。  次に、この表を見ますと、融資枠が二十五億計上されておりますが、これで十分なのか、不足した場合にどう処置されるのであるか、これが第一点。  次に、担保と保証人はどうなるか、第二点。  それから、借入手続はどうなるのか。この表を見ますと、借り受け者と貸付者、それからその貸付者は都道府県特別会計となって示されておりますが、いわゆる借り受け者が官庁から直接手続をして借りるのであるか、その点ですね。  以上、一応お尋ねいたします。
  187. 村田光吉

    ○説明員(村田光吉君) 二百海里施行後の外国漁船の取り締まり状況について御説明いたします。  わが国の漁業水域等における外国漁船の監視、取り締まりにつきましては、外国漁船の操業実態等を勘案しながら巡視船艇、航空機を重点的に配備いたしまして取り締まりを実施しております。特に、ソ連漁船が多数操業する北海道の南岸から三陸、磐城、銚子沖に至る海域には、航空機による哨戒にあわせまして巡視船を常駐させまして、積極的に立入検査を実施して協定及び法令の励行に当たるとともに、違反を発見した場合にはこれを検挙するということにいたしております。また、対馬の周辺海域における韓国漁船及び沖繩周辺海域における台湾漁船の不法操業に対しましても、常時そのような虞犯海域に巡視船艇を配備いたしまして侵犯操業の防止に努めるとともに、悪質な侵犯漁船に対してはこれを検挙するということにいたしております。  このようにいたしまして、外国漁船に対する取り締まりの状況でございますけれども、海洋二法を施行しまして以来現在まで、ソ連漁船につきましては、七百十七隻に立入検査をし、三十四隻を検挙、担保金二千三百万円を徴収し、韓国漁船につきましては、二十一隻を検挙したほか、百九十六隻につきまして誓約書を徴取後退去させております。また、台湾漁船につきましては、七隻を検挙し、四十九隻を誓約書徴取後退去させております。  なお、このうち沖繩の周辺の領海にかかわるものにつきましては、台湾漁船四隻の検挙及び三十八隻の誓約書徴取後退去、並びに、これは尖閣諸島でございましたが、韓国漁船の二隻を検挙いたしております。  以上のような状況でございます。
  188. 森整治

    ○政府委員(森整治君) まず、最初二十五億が不足しないかということでございますが、林業資金の初年度の資金計上を見ながら一応の二十五億という決定をいたしたわけでございますが、もし不足をするような場合には、当然来年度以降資金需要を見ながらその拡充強化に努めていくという方針でございます。  それから、担保の問題でございますが、物的担保はとらないで保証人で担保をしていくという考え方でございます。  それから、借り入れの手続でございますが、決定は県が行いますけれども、その貸し付けの業務につきましては漁信連等を代行して行わせるつもりでございます。したがいまして、具体的な窓口につきましては、漁協がその窓口になるということで借り入れの手続なり貸し付けの手続を行いたいというふうに考えておるわけでございます。
  189. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 よくわかりました。特に海上警備の保安庁、水産庁関係もと思いますが、ぜひひとつ漁業者に不安のないように、そして不利益にならないように万全の策を講じてもらうように、重ねて御苦労ですが御要望申し上げておきます。このように現地の機関紙の方も韓国船や台湾船の領海侵犯、それに対する皆さんの御苦労がよく報ぜられておるわけですが、ぜひひとつわが国の権威におきましても、また漁業者のさっき申し上げた不安、不利益を守ると、こういう立場からも、ひとつがんばっていただきたいと要望いたします。  最後に一言、大臣にいろいろ率直にお尋ねいたしましたが、わが国漁業水域の取り締まりを十分に行うとともに、資源の維持培養に最大の努力をしてもらうと同時に、施策の充実、これを図っていく必要が私は今後ますます重要になってくると、こう考えておる次第でありますが、大臣のそれに対する御見解を承りまして、終わります。
  190. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) 御意のとおりでございますから、そのように努力をいたします。
  191. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  192. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述へ願います。別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  沿岸漁業改善資金助成法案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  193. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、青井君から発言を求められておりますので、これを許します。青井君。
  194. 青井政美

    ○青井政美君 私は、ただいま可決されました沿岸漁業改善資金助成法案に対し、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     沿岸漁業改善資金助成法案に対する附帯決議(案)   わが国の漁業は、二百海里時代の急速な到来により、遠洋漁業等において、深刻な事態に直面しているため、沿岸漁業の振興が緊急を要する政策課題となつている。   よつて、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期し、もつて、沿岸漁業の振興に資すべきである。  一、沿岸漁業の実態に即応して、本資金の貸付枠の拡大を図るとともに、貸付範囲の拡大等制度内容の充実に努めること。  二、本制度の運用に当たつては、沿岸漁業の地域特性及び都道府県の自主性についても配慮しつつ、関係団体との連けいを緊密にし、青年、婦人等利用者の意向をも運営協議会等において十分尊重することによつて、適正な貸付けが行われるよう努めること。  三、本制度は、水産業改良普及事業及び生活改善普及事業との一体的運用により、その実効が期待されるものであることにかんがみ、普及員の定員の確保、処遇の改善、資質の向上等水産業における普及事業体制の整備を図ること。  四、沿岸漁業経営の安定のため、新技術及び安全施設の開発・普及を一層促進すること。  五、漁村における青年グループの自主的な調査研究や技術開発の活発化、婦人グループによる生活改善活動の進展に対処して、その活動を積極的に助長するとともに、本制度に当たつて、その成果を生かすよう措置すること。  六、後継者資金の貸付けに当たつては、経営、技術等の指導をあわせ行うとともに、後継者の確保と資質の向上のため、水産教育学卒者の活用、研修の充実等の対策を促進すること。  七、漁村の生活環境の立遅れに対処するため、漁業集落環境整備事業、漁村緊急整備事業の拡充、強化を図るとともに、漁業生産力の増大に資するため、漁場環境の保全対策、沿岸漁場整備開発事業、栽培漁業振興対策、沿岸漁業構造改善事業等の諸施策について充実に努めること。  八、漁業調整、資源保護の観点から、遊漁の実態について調査を進め、その対策を確立すること。  右決議する。 以上でございます。  委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  195. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) ただいま青井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  196. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) 全会一致と認めます。よって、青井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺農林水産大臣。
  197. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいる所存でございます。
  198. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  199. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十九分散会     ―――――・―――――