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1979-02-13 第87回国会 参議院 農林水産委員会 2号 公式Web版

  1. 昭和五十四年二月十三日(火曜日)    午前十時三十五分開会     ―――――――――――――    委員の異動  十二月二十二日     辞任         補欠選任      大木 正吾君     坂倉 藤吾君      相沢 武彦君     矢追 秀彦君  十二月二十三日     辞任         補欠選任      坂倉 藤吾君     大木 正吾君      矢追 秀彦君     相沢 武彦君  十二月二十六日     辞任         補欠選任      村田 秀三君     川村 清一君      吉田 正雄君     栗原 俊夫君      大木 正吾君     坂倉 藤吾君  二月十三日     辞任         補欠選任      藤原 房雄君     柏原 ヤス君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長        久次米健太郎君     理 事                 青井 政美君                 大島 友治君                 山内 一郎君                 栗原 俊夫君                 相沢 武彦君     委 員                 岩上 二郎君                 片山 正英君                 北  修二君                 小林 国司君                 田原 武雄君                 初村滝一郎君                 降矢 敬雄君                 川村 清一君                 坂倉 藤吾君                 村沢  牧君                 原田  立君                 河田 賢治君                 下田 京子君                 三治 重信君    国務大臣        農林水産大臣   渡辺美智雄君    政府委員        農林水産政務次        官        宮田  輝君        農林水産大臣官        房長       松本 作衛君        農林水産大臣官        房総務審議官   松浦  昭君        農林水産大臣官        房技術審議官   松山 良三君        農林水産大臣官        房予算課長    田中 宏尚君        農林水産省経済        局長       今村 宣夫君        農林水産省構造        改善局長     大場 敏彦君        農林水産省農蚕        園芸局長     二瓶  博君        農林水産省畜産        局長       杉山 克己君        農林水産省食品        流通局長     犬伏 孝治君        農林水産技術会        議事務局長    堀川 春彦君        食糧庁長官    澤邊  守君        林野庁長官    藍原 義邦君        水産庁長官    森  整治君    事務局側        常任委員会専門        員        竹中  譲君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事の辞任及び補欠選任の件 ○農林水産政策に関する調査  (派遣委員の報告)  (農林水産省関係施策に関する件)  (農林水産省関係予算に関する件)     ―――――――――――――
  2. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十二月二十六日、村田秀三君及び吉田正雄君が委員を辞任され、その補欠として川村清一君及び栗原俊夫君が、また本日、藤原房雄君が委員を辞任され、その補欠として柏原ヤス君がそれぞれ選任されました。     ―――――――――――――
  3. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) 委員の異動に伴い、理事が二名欠員となっております。  つきましては、この際、理事の補欠選任を行います。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に栗原俊夫君及び相沢武彦君を指名いたします。
  5. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。  まず、先般当委員会が行いました農林水産業の実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。大島友治君。
  6. 大島友治

    大島友治君 過般行われました委員派遣の調査結果を御報告いたします。  本調査団は、久次米健太郎委員長を団長として、相沢武彦理事、降矢敬雄委員、栗原俊夫委員、喜屋武眞榮委員、そして私、大島友治の六名で編成され、一月二十二、二十三の両日にわたり静岡県下における農林水産業、特に施設園芸、特用作物の生産・加工、水田転作及び養鰻業の実情等について、現地調査を行いました。  まず、本調査団は、静岡県庁において、県当局から同県における農林水産業の概況について説明を聴取いたしました。中でも山本知事からは、わが国の農業が当面している諸問題について非常に示唆に富んだ御指摘がありました。  最初に、過剰傾向が深刻化している温州ミカン問題では、今年度全国的にミカン園の二割減反と自主的な摘果が行われましたが、静岡県におきましても二割の減反を実施する一方、晩柑類等への樹種への転換が図られております。このような情勢下での柑橘類の輸入拡大は、国内産への影響が大きく、県当局からも現時点以上の拡大策は見合わせてほしいという要望が強く、うんしゅうみかん園転換促進事業への国の助成措置の強化を図ってほしい旨の要請がありました。  また、静岡県における昭和五十三年度の水田利用再編対策への対応については、都市部の水田を中心にして、目標面積六千三百十ヘクタールを五・八%上回る実績を上げておりますが、特色がありますのは、転作とは別に、市街化区域内の水田を、老人向きのスポーツとして最近脚光を浴びているゲートボール場や児童公園等に積極的に活用していることであります。近年、都市域が急速に拡大する一方で、公共施設の整備がそれに間に合わないという現象が人口急増地域を中心にして顕著に見られるところであります。静岡県の例は、水田転作を公共的な福祉施設として有効に活用していこうというユニークな試みであります。しかし、問題となりますのは、現在の水田利用再編対策の実施に際し、これらの転用が同対策上の転作対象として考えられていないことであり、県当局からは、これらの水田面積を少なくとも再編対策による転作面積としてカウントしてほしいとの強い要請を受けました。また、米消費拡大策の一環として米飯給食について説明がありました。静岡県では、農村部を中心にして一部の学校で、愛情弁当という名称を用い、御飯のみの弁当を持参させ、学校では副食物だけを給食するという方法が採用されております。この方式は、米の消費拡大の面でも、給食を実施する児童生徒にとどまらず、家庭における米の消費拡大にも結びつくことや、弁当を通じて親子関係の緊密化が図られること等教育効果も大きく、また、父兄にも、子供の体調が御飯の食べる量によって容易に把握できることなどから、大変評判がよいようであります。しかし、文部省では、この方式を学校給食の本来のあり方としては認めておらず、試験的な試みとしているため補助制度が十分ではなく、その強化拡充について強い要請がありました。  次に、現地調査についてでありますが、本調査団は、まず、都市近郊農業の経営実態を見るため、静岡市街から南東約六キロメートルに位置する大谷野菜生産組合を訪れました。同組合は九戸の農家で構成され、四十六棟、六千六百平方メートル余りのガラス温室を所有し、年間キュウリ三作とその他の果菜類、アロエの契約栽培を行っております。この付近は、近年宅地化が急速に進み都市的様相を帯びた地域でありましたが、専業農家による意欲的な営農が行われているのを目の当たりにして、心強いものを感じた次第であります。  また、本調査団は、浜松市大久保町において、施設園芸団地を二カ所調査いたしましたが、これらはいずれも稲作転換事業によるものであります。  まず、大久保園芸は、昭和四十九年度稲作転換促進事業の認定を受け、七戸の農家で農事組合法人を設立し、ガラス温室十一棟、二千八百平方メートル余りを建設して施設野菜の栽培に取り組んでおります。ここでは、当初、果菜類の水耕栽培に着手いたしましたが、大面積施設栽培にふなれであったこと等のため、期待どおりの成果が得られませんでした。しかし、その後種々の曲折を経て、現在は、水耕ミツバの単作で年四回の収穫を行っておりますが、高水準の品質管理の結果、市場の評価も高く、京浜市場の二五%を占有するに至っており、経営も安定し、大きな成果をおさめておりました。  もう一つの九領園芸は、昭和四十六年度に約二十ヘクタールの水田を大規模圃場整備事業によって埋め立て、昭和五十年に八戸の農家で農事組合法人を設立して、ビニールハウス十六棟、二千八百平方メートル余りを建設し、セルリー等を栽培し、米作農家をはるかにしのぐりっぱな営農を行っておりました。  これらの稲転の成功例は、現在進められている水田利用再編対策にも生きた教材になるのではなかろうかと思われます。  また、同じ施設園芸でも、清水市の久能山ろくに立地する石垣イチゴ生産団地は、省エネルギー施設園芸とでも言うべき経営形態であります。この石垣イチゴ団地は、山の南側斜面を利用して石垣を設け、その上にビニールハウスをかぶせてイチゴの促成栽培を行うという形態の、全国でも珍しい栽培方法を採用しており、加温のために石油を一切使用しておりませんでした。さらに、当団地では、近隣に多くの観光地を控えているところから、観光イチゴ狩りを取り入れて、高価格販売を可能にするなど、意欲的な経営が試みられ、多大の成果を上げておりました。  次に、本調査団は、県の柑橘試験場において業務内容の説明を聴取した後、温州ミカンの在来樹種の高接ぎによる品種更新、外来種の晩柑類の適地試験、病害虫防除試験等が行われている圃場や施設を調査いたしました。当試験場では、消費者の嗜好の変化を先取りした新品種の育成や生産性の高い栽培技術の開発・普及など、困難な局面を迎えているミカン問題に対して熱心な取り組みがなされておりました。  次いで、わが国最大の茶生産県である静岡県の中でも有数の茶生産地の一つであります小笠郡菊川町を訪れ、菊川農協の緑茶再製工場を調査いたしました。  近年、わが国の茶の生産量は、稲作転換や新規植栽等により漸増傾向にあります。一方、消費量は、食生活の洋風化に伴うコーヒー紅茶の普及や不況の長期化によって、漸減傾向を顕著に示しております。したがって、今後もこのような需給の動向が継続すれば、茶も、すでに米や温州ミカンが陥っているような過剰生産を招きかねない状況にあります。かような情勢のもとで、菊川農協では、農家が生産した生葉を、ほぼ部落単位に設立された荒茶工場で荒茶に加工した後、これを緑茶再製工場で精茶に仕上げ、その約九割を直接農協から消費地の小売店に配送するという、生産・流通の一貫システムを早くから採用しております。このため加工・流通の諸経費は大幅に削減され、生葉生産農家の所得確保に大きく寄与しております。また、当農協では、高品質の確保と製茶コスト低減のため、昭和四十年度から第一次農業構造改善事業や、昭和四十五年度からの小笠農業経済圏事業による国庫補助によって、高能率の緑茶再製工場や大型冷蔵庫を設置するとともに、生産過剰基調のため今後一層激化すると予想される市場競争に対応すべく、深蒸し茶の開発や優良品種の導入を積極的に進めております。  このように、茶の過剰問題への対応は、各地で真剣な努力が重ねられているところでありますが、その基本的解決のためには、全国的視野のもとで効果的な政策を展開する必要があろうかと思われます。  次に、本調査団は、浜名湖地方における養鰻業の実態を調査いたしました。  現在、わが国の養鰻業は、種苗であるシラスウナギの漁獲が大幅に減少していること、養魚池の環境悪化等に伴う魚病の多発、用水の確保難、安価な台湾ウナギの急激な輸入量の増加等もろもろの問題を抱えており、生産量の頭打ち傾向が顕著にあらわれてきております。  このような状況下にあって、浜名湖地方の養鰻業も昭和四十四年から四十五年にかけて魚病が大発生し、一時は最盛期の二割程度に生産量が落ち込むという大きな打撃を受けました。  しかし、ハウス養鰻法の確立、普及等によって、最近の生産量は過去の実績の約七割程度まで回復しております。一方、露地養鰻は、魚病の高発生率や生産コストの割り高等のためほとんど行われなくなり、かつての代表的な大型の養鰻池は大部分が遊休池化し、その面積は四ないし五百ヘクタールにも上っております。この数字は、現在ハウスで行われている養鰻面積の約八割にも達し、これらの遊休池の利用については、立地条件からして埋め立てを行い、宅地等の都市的利用を図りたいという希望が地元から強く出されておりました。しかし、これらの遊休池のほとんどは市街化調整区域に指定されているため、都市的利用の道が閉ざされており、そのまま放置されているのが現状であります。このため管理は十分行き届かず、害虫の発生源になるなど、衛生的にもまた児童の転落事故発生が危ぶまれるなど社会的にも大きな問題となっており、地元関係者からは他目的転用ができるよう、市街化調整区域の線引き見直しを早急に検討してほしい旨の要請を受けました。  最後に、今回の調査に当たって非常な御配慮をいただきました静岡県当局を初め関係各位に対し心から感謝の意を表しまして、報告を終わります。
  7. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) 以上をもって派遣委員の報告は終了いたしました。  議事の都合により休憩いたします。    午前十時五十二分休憩      ――――◇―――――    午前十一時二分開会
  8. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  次に、昭和五十四年度農林水産省関係の施策及び予算に関する件を議題といたします。  まず、農林水産大臣の所信を聴取いたします。渡辺農林水産大臣
  9. 渡辺美智雄

    国務大臣渡辺美智雄君) 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。  わが国経済は、現在、安定的な成長へと移行しつつありますが、そのもとで、国民生活の質的な充実を図り、豊かな人間性をつくり上げていくことが強く要請されております。  申すまでもなく、農林水産業は、国民生活の安全保障にとって最も基礎的な食糧の安定供給という使命を担っており、また、自然の生態系の円滑な循環を通じて国土及び自然環境の保全という役割りをも果たすものであります。  このような役割りを持つ農林水産業の健全な発展を図り、民族の苗代である農村社会の安定をもたらすことが、今後の農林水産行政にとって基本的な課題となっております。  翻って、わが国農林水産業の現状を見ますと、まず、農業については、米、ミカンなどが過剰基調にある一方で、麦、大豆、飼料作物等の生産が十分でないという事態が見られ、また、農家の半数以上が第二種兼業農家であり、農業の担い手が老齢化するなど農業の体質が脆弱化する傾向が見られます。  次に、林業につきましても、近年、外材輸入の増大や木材需要が伸び悩みの傾向にあるなど国内林業を取り巻く諸条件は厳しいものがあります。  さらに、本格的な二百海里時代に入り、わが国水産業はますます困難な局面を迎えております。  このような情勢にかんがみ、農林漁業者が誇りと生きがいを持って農林水産業にいそしめるようその体質を強化し、国民に対し、食糧の安定した供給を確保することができるよう総合的な政策強力に展開することが緊要となっております。  このため、生産性の高い近代的な農家を中核的な担い手として、需給の動向に即し、地域の実態に応じて農業の再編成を図っていくとともに、多数の農林漁家が安定して農山漁村に定住できるよう、就業機会の創出、生活環境の整備、自然環境の保全など健全な農村社会育成を図ることとし、このような基本的考え方に立って、今後各般の施策を推進してまいる考えであります。  次に、昭和五十四年度の主要な農林水産施策について申し述べたいと思います。  第一に、需要の動向に適切に対応し、意欲的に農業に取り組む者を中核として、地域の実態に即した農業生産構造を確立するための施策を講じてまいりたいと考えております。  このため、増産の必要な作物について、従来の作物別生産対策を総合化し、市町村農業者の創意工夫のもとに農作業受委託の促進、共同利用機械施設の整備等の事業を一体的に推進するための地域農業生産総合振興事業を実施することとしております。  また、地域農業生産の再編の一環として、米の過剰に対処して水田利用再編対策を推進することとし、転作条件の整備を図る観点から排水対策の強化等土地基盤の整備、試験研究及び普及活動の推進等に努め、転作の一層の定着・推進を図ってまいる考えであります。  さらに、これら中核農家への農地利用の集積を図るため、農地賃貸借への踏み切りとなる流動化奨励金を交付するなど、従来施策がとられていなかった貸し手への助成措置を創設するとともに、新農業構造改善事業の本格的実施を行うこととしております。  さらに、過剰基調にある温州ミカンについては、消費の一層の拡大を図るとともに、他作物等への転換を促進することとしております。  他方、増産の必要な肉用牛については、生産適地において、一貫供給体制の確立を図る事業及び里山を開発して草地を造成する事業等その振興対策を拡充することとしております。  第二に、農山漁村を単なる生産の場としてではなく、活力に満ち豊かで住みよい地域社会とするため、農山漁村における定住条件の整備を促進してまいりたいと考えております。  このため、農山漁村における生産基盤と生活環境の総合的整備を行うほか、農村地域への工業導入等就業機会の創出を図ることとしております。  また、村ぐるみの連帯感の醸成を図り、地域コミュニティーの機能を強化するための集会施設の設置等を行う農林漁業村落緊急対策事業を新たに行うこととしております。この場合、事業を実施する市町村の自主性が強く生かされるように、国が定める事業種目のほかに特認事業を認めて、地域住民の事業参加の道を広げることを特に考慮いたしたいと考えております。  第三に、農産物の価格対策について申し上げます。  まず、米価につきましては、食糧管理制度の適正、円滑な運営を図ることを基本とし、米需給の現状その他の経済事情に十分配慮して、適切な価格決定を行ってまいる考えであります。  また、米以外の麦、畜産物、野菜果実等についてもそれぞれの価格安定制度の適正な運用に努め、需要の動向に即応して農業生産が進められるよう配慮してまいりたいと存じております。  第四に、流通加工近代化、わが国風土・資源に適合した食生活の普及と食糧消費の拡大を図ることであります。  生鮮食料品の流通の合理化を図るため、中央、地方を通ずる卸売市場の整備を行うほか、国産農水産物を原料とする食品加工部門への助成を新たに推進してまいることとしております。  また、食生活における米の見直しを基本として、学校給食用米穀の値引率の大幅引き上げによる米飯給食の計画的拡充を図るほか、牛乳、果汁等の消費拡大に努めることとしております。  なお、五十四年度以降おおむね五年間で過剰米の計画的処理を行うこととしております。  さらに、開発途上地域等への農林業開発協力の推進を図ってまいることとしております。  以上のほか、農林漁業金融公庫資金の融資内容の整備拡充を図るとともに、各種制度資金につき所要の融資枠を確保することとしております。  なお、農産物貿易につきましては、今後の枠組みの基本を決める東古小ラウンド貿易交渉もほぼ山場を越したものと考えられ、今後は基本的にこの枠組みのもとで対応することとなりますが、その運用に当たりましては、総合農政の推進と農家経済の安定に支障を及ぼさない範囲において国際協調を図るという姿勢で対処し、万一、不測の事態が発生した場合においては、直ちに必要な措置を講ずる方針であります。  次に、林業の振興について申し上げます。  森林林業につきましては、国内林業生産の振興と森林公益的機能の発揮とを調和させつつ、施策の強力な展開を図ることとしております。  まず、林道、造林及び治山事業の積極的推進を図ることとしております。特に、造林事業の一層の促進を図るため、市町村指導のもとに、植栽から保育に至るまでの一貫した造林活動を集団的に行う事業を創設することとしております。  次に、国内林業及び林産業の振興を図るため、国産材の生産と流通加工の促進に必要な資金を低利で融資する国産材産業に関する振興資金制度を創設するとともに、農林漁業金融公庫の造林資金及び林道資金の償還期限等の延長の特例措置を講ずることとしております。  なお、国有林野事業につきましては、引き続き、経営改善を計画的に推進することとしております。  次に、水産業の振興について申し上げます。  水産業の振興を図るためには、わが国周辺水域の開発と水産増養殖を一層推進する必要があります。  このため、魚礁の設置等沿岸漁場の整備開発を進めるとともに、栽培漁業の推進、サケ・マス資源の計画的増大等を図ることとしております。さらに、漁港施設の整備を図るとともに、新沿岸漁業構造改善事業を発足させるほか、技術改善、漁家生活の改善等を助長するための沿岸漁業改善資金制度を創設することとしております。  次に、遠洋海域における水産資源の開発と遠洋漁業の新たな展開を図るため、新資源、新漁場の開発を進めるとともに、漁業外交強力な展開、海外漁業協力等により、海外漁場の確保に努める考えであります。  五十四年度予算におきましては、これらの施策を推進するために必要な経費について、その重点的な確保に努めたところであります。  また、施策の展開に伴い必要となる法制の整備につきましても、法律案の作成を進めているところでありますので、本委員会においてよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。  最後に申し上げたいことは、農林水産業を取り巻く情勢はまことに厳しいものがありますが、わが国市場は、人口一億を超え、一人当たり国民所得は先進諸国と比べて遜色のない高い水準にある世界有数の市場でありますので、農林水産業や関連産業に携わる人々が政府の施策と相まって、それぞれその従事する分野において体質の強化と総合的な自給力の向上に努めれば、将来に十分夢と希望を持つことができると考えるのであります。  以上、所信の一端を申し述べた次第であります。  本委員会及び委員各位におかれましては、農林水産行政推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第であります。
  10. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) 次に、昭和五十四年度農林水産省関係予算について説明を聴取いたします。宮田農林水産政務次官
  11. 宮田輝

    政府委員(宮田輝君) 予算の御説明に入ります前に、一言ごあいさつを申し上げます。  農林水産政務次官に就任いたしました宮田輝でございます。御高承のように、難問の多い厳しい時局でございますが、精いっぱい努力したいと存じます。先生方の御指導、御鞭撻と御協力を心からお願い申し上げます。  簡単でございますが、ごあいさつとさしていただきます。まことにありがとうございました。  昭和五十四年度農林水産関係予算について、その概要を御説明申し上げます。  昭和五十四年度一般会計における農林水産関係予算の総額は、総理府など他省庁所管の関係予算を含めて三兆四千六百三十一億円で、対前年比一三・三%、四千六十四億円の増加となっております。  以下、予算の重点事項について御説明いたします。  第一に、地域農業生産体制の総合整備に関する予算について申し上げます。  米などの生産過剰と増産の必要な麦、大豆、飼料作物などの生産が十分でないという農業生産の現状に対処して需要の動向に適切に対応できる農業生産構造を確立するためには、意欲的に農業に取り組む者に農地利用の集積を図りつつ、これを中核として、地域の実態に即した農業生産の再編成を図ることが肝要であります。  このため、水田利用再編対策において転作の一層の定着、推進を図るため、奨励補助金等として二千二百八十一億円を計上したほか、地域の実態に即してその自主性を生かしつつ、麦、大豆、飼料作物などの生産拡大及び農地利用の集積を通ずる中核農家の生産シェアの拡大を計画的総合的に推進する地域農業生産総合振興事業を新たに実施することとし、これに必要な経費として五百億円を計上しております。  次に、農地の流動化を一層促進するため、貸し手農家の掘り起こし活動と農地賃貸借への踏み切りとなる流動化奨励金の交付等を内容とする農用地高度利用促進事業を地域農政特別対策事業の一環として新たに実施するほか、五十三年度に発足した新農業構造改善事業の本格的展開が図られるよう総額四百五十五億円を計上しております。  また、農業生産の振興は、需要の動向に応じて実施することが肝要であります。  このため、麦、大豆、飼料作物などの生産拡大の施策を初め、野菜果実畜産物等につきましては、各農産物ごとの需給事情、生産事情などに応じて、きめ細かな生産対策、価格対策等を講ずることとしております。  五十四年度予算に関しては、特に、温州ミカン及び肉用牛について御説明いたします。  まず、供給過剰の温州ミカンについて、学校給食における果汁利用を促進する事業を実施して消費拡大を図る一方、新たに、他作物への転換等を促進するうんしゅうみかん園転換促進事業を実施することとしております。  また、輸入の増加等により果実等の需給に不測の事態が生じた場合に、その影響を緩和するための事業を機動的に実施できるよう所要の基金造成を行うこととしております。  次に、肉用牛については、牛肉の安定供給が急務となっていることにかんがみ、集落周辺に未利用のまま残されている里山などを簡易な造成手法により開発して草地を造成する事業を新たに実施するほか、生産適地において素牛の生産から肥育、処理等に至る一貫供給体制の確立を図る事業及び肉用牛生産のコスト引き下げを図るため、トウモロコシなどのホールクロップサイレージの給与等による肥育技術の確立を図る事業等を新たに実施することとしております。  以上のほか、農業機械の効率利用及び機械導入の適正化を図るため、新たに、受委託のあっせん組織の運営、兼業農家等における遊休機械の登録と貸し付けなどを行う事業及び中古農業機械市場の形成を促進する事業を実施することとしております。  第三に、農業生産基盤の整備に関する予算について申し上げます。  需要の動向に即した農業生産の再編成とこれを通ずる食糧自給力の強化を図るとともに農業の健全な発展を図るためには、その基礎条件である農業生産基盤の計画的な整備を推進することが肝要であります。  このため、従来から、土地改良長期計画に基づき圃場整備農道灌漑排水、農用地開発などの事業を積極的に推進しているところでありますが、五十四年度は、排水対策を大幅に拡充強化することとし、排水条件の整備改良を緊急に実施する排水対策特別事業を新たに実施することとしております。  また、畑作の振興を強力に推進するため、畑地帯総合土地改良事業など畑作の振興に資するための各種事業を積極的に推進することとしております。  これらを含めた農業基盤整備費として、総額八千九百六十九億円を計上しております。  第四に、農山漁村の生産、生活環境整備等と農業者の福祉の向上に関する予算について申し上げます。  農山漁村は、単なる生産の場ではなく、農林漁業者の生きがいを感じるふるさととして、日本民族の苗代としての役割りを果たしていく必要があります。  このような観点から、農山漁村環境整備のための諸事業の拡充に加えて、村ぐるみの連帯感の醸成、地域住民の交流活動等を推進するための農林漁業村落振興緊急対策事業や、より安定した雇用機会の確保と生活環境整備等により地域住民の定着を図る農村地域定住促進対策事業を新たに実施することとしております。  また、山村の振興を図るため、従来の農林漁業の振興対策に加え、新たに第三期山村振興対策を発足させることとしております。  農業者の生活改善、健康の維持増進等についても施策を充実することとしております。  さらに、農業年金制度についても、加入期限を逸した後継者の加入救済措置を講ずるなど制度改正を行うこととし、四百二十八億円を計上しております。  第五に、国産農産物の需要拡大及び流通加工近代化等に関する予算について申し上げます。  総合的な食糧自給力の向上を図るためには、需要面においても、わが国の風土、資源に適合した食生活の普及と消費の拡大を図る必要があります。  このため、米について、学校給食用米穀の値引き率の大幅引き上げにより米飯学校給食の計画的拡充を進めるとともに、地域ぐるみで米の消費拡大を推進する事業を新たに実施するなど米の消費拡大を一層推進することとしております。  また、米、転作作物など国産農水産物加工需要の拡大を図るため、新たに、これら国産農水産物を原料とする新製品の製造設備等のリースによる導入につき助成する事業を実施することとしております。  次に、流通加工対策については、生鮮食料品の流通のかなめである卸売市場の計画的整備を引き続き進めることとしておりますが、その一環として、民営の地方卸売市場についても統合などにより地域流通の拠点となるモデル市場の整備に対しては新たに助成することとしております。  また、産地の流通加工施設の整備、卸小売業の近代化、新流通経路の育成等を推進することとしております。  第六に、農林漁業金融の拡充に関する予算について申し上げます。  まず、農林漁業金融公庫資金については、新規貸付計画額を七千百七十億円に拡大するとともに、融資内容の整備拡充を図ることとしております。  また、農業近代化資金、農業改良資金等についても充実を図ることとしております。  第七に、森林林業施策に関する予算について申し上げます。  森林林業施策については、林業をめぐる内外の諸情勢に対処して、国内林業生産の振興と森林公益的機能の発揮とを調和させつつ、その強力な展開を図ることとしております。  まず、林道、造林及び治山事業については、二千八百八十億円を計上し、積極的にその推進を図ることとしておりますが、特に造林事業については、一層の促進を図るため、市町村指導のもとに、植栽から保育に至るまでの一貫した造林活動を集団的に行う森林総合整備事業を創設することとしております。  次に、国内林業及び林産業の振興を図るため、国産材の生産及び流通加工の円滑化に必要な資金を低利で融資する国産材産業に関する振興資金制度を創設するとともに、農林漁業金融公庫の造林資金及び林道資金の償還期限等の延長の特例措置を講ずることとし、所要の法制化を図ることとしております。  また、木材の需給、価格動向に関する情報の迅速な収集、分析及び提供のための体制を整備することとしております。  林業構造改善対策事業については、二百二十五億円を計上し、事業の進捗を図るとともに、次期対策への円滑な移行を目的とした新林業構造改善促進対策実験事業等を新たに実施することとしております。  このほか、林業労働対策及び特用林産振興対策を拡充するとともに、特に最近におけるマツクイムシ被害の異常な増大に対処するため、マツクイムシの緊急かつ計画的な防除を実施することとし、森林害虫等防除対策として五十九億円を計上しております。  第八に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。  二百海里時代の到来に対処して水産物の安定的供給を確保し、わが国水産業の振興を図るため、水産施策の強力な展開を図ることとしております。  まず、わが国周辺水域の水産資源の開発と水産増養殖を一層推進することであります。  このため、魚礁の設置等沿岸漁場の整備開発を促進するとともに、裁培漁業を推進するための国県の諸施設の整備を図るほか、漁業者が種苗放流漁場管理等を一体的に行う事業を新たに実施することとしております。さらに、サケ・マス資源の計画的増大を図るため、サケ・マスふ化場など増殖施設の整備、未利用河川の開発等を推進することとしております。  次に、遠洋海域における水産資源の開発と遠洋漁業の新たな展開を図ることであります。このため、新資源・新漁場の開発調査を推進するとともに、漁業外交強力な展開、海外漁業協力等により海外漁場の確保に努めることとしております。  また、水産物の価格、流通、加工対策については、加工利用技術の開発、多獲性魚等の消費拡大等を行うこととしております。  さらに、沿岸漁業対策については、資源培養管理型漁業の推進、担い手の育成、生活環境の整備等を総合的に行う新沿岸漁業構造改善事業を発足させるほか、技術改善、漁家生活の改善等を助長するための沿岸漁業改善資金制度を創設することとし、同制度の法制化を図ることとしております。  また、漁港施設の整備を促進することとし、千六百三十億円を計上しております。  さらに、金融対策として、国際環境の変化等に対処して、漁業経営維持安定資金の貸付枠を大幅に拡大するとともに、水産加工業者に対し経営安定資金を融通することとしております。  このほか、漁場環境対策等についても拡充を図ることとしております。  以上のほか、農林水産業施策の推進のために重要な予算として、試験研究については、畑作物の試験研究の強化に重点を置いて七百三十八億円を計上するとともに、農林漁業の普及指導事業等について四百二十五億円を計上しております。  次に、昭和五十四年度の農林水産関係特別会計予算について御説明いたします。  まず、食糧管理特別会計については、先ほど申し上げましたように学校給食用米穀の値引き率の大幅引き上げなど米の消費拡大を一層積極的に推進することとしております。  また、新たに過剰米処分を計画的に行うこととし、五十四年度においては、六十万トンの処分を予定しております。  この処分に伴い生ずる損失については、七カ年度内において計画的に一般会計からの繰入金により補てんすることとし、五十四年度においては、百二十七億円を繰り入れることとしております。  食糧管理特別会計への一般会計からの繰入額は、調整勘定へ六千三百四十億円、国内米管理勘定へ三百三十四億円等を計上しております。  また、農業共済再保険などの各特別会計についてもそれぞれ所要の予算を計上しております。  国有林野事業特別会計については、国有林野事業の経営改善を計画的に推進することとし、事業運営の改善合理化などの自主的努力とあわせて、国有林野における造林、林道事業に要する経費について引き続き一般会計資金の繰り入れ及び財政投融資金の導入の拡大を図ることとしております。  最後に、昭和五十四年度の農林水産関係財政投融資計画については、農林漁業金融公庫が必要とするものなど総額七千五百十六億円の資金運用部資金等の借入計画を予定しております。  これをもちまして、昭和五十四年度農林水産関係予算の概要の御説明を終わります。
  12. 久次米健太郎

    ○委員長(久次米健太郎君) 本件に対する質疑は後日に譲ります。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十三分散会